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2021/03/12 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 本会議 第12号 令和3年3月12日
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2021/03/12 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 本会議 第12号 令和3年3月12日

#1
令和三年三月十二日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第六号
  令和三年三月十二日
    午後一時開議
 第一 過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法案(総務委員長提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法案(総務委員長提出)
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議

#2
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――

#3
○議長(大島理森君) 日程第一は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 日程第一 過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法案(総務委員長提出)

#5
○議長(大島理森君) 日程第一、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。総務委員長石田祝稔君。
    ―――――――――――――
 過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔石田祝稔君登壇〕

#6
○石田祝稔君 ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、本案の提案の趣旨につきまして御説明申し上げます。
 過疎対策につきましては、昭和四十五年以来、四次にわたる過疎対策法がそれぞれ超党派の議員立法として制定されてきたところでありますが、現行の過疎地域自立促進特別措置法は、この三月末日をもって失効しようとしております。
 このため、新たな過疎対策の在り方について、各党間で協議が進められた結果、過疎地域に対して、必要な特別措置を講じることにより、過疎地域の持続的発展を支援するため、本案を提出した次第であります。
 次に、本案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、前文を設け、過疎地域における持続可能な地域社会の形成の実現など、過疎地域の目指すべき姿を明らかにしております。
 第二に、過疎地域の要件について、人口要件に係る基準年の見直しを行った上で、人口要件と財政力要件に該当する市町村の区域を過疎地域としております。
 また、令和二年及び令和七年の国勢調査の結果に応じ、過疎地域を追加することとしております。
 第三に、平成の合併による合併市町村に係る一部過疎の要件を設けることとしております。
 第四に、引き続き、国庫補助負担率のかさ上げ、過疎対策事業債の発行等の特別措置を講じるほか、配慮措置を充実することとしております。
 第五に、この法律は、令和三年四月一日から施行し、令和十三年三月三十一日限りでその効力を失うこととしております。
 また、現行法に基づく過疎地域のうち、本法では対象とならない市町村の区域に対する経過措置について、従前よりも期間を延長するとともに、措置の内容を拡充することとしております。
 以上が、本案の提案の趣旨及び内容であります。
 本案は、去る九日、総務委員会におきまして、内閣の意見を聴取した後、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決したものであります。
 なお、委員会におきまして、過疎地域の持続的発展の支援に関する件について決議が行われたことを申し添えます。
 何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――

#7
○議長(大島理森君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#8
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の趣旨説明

#9
○議長(大島理森君) この際、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につき、趣旨の説明を求めます。外務大臣茂木敏充君。
    〔国務大臣茂木敏充君登壇〕

#10
○国務大臣(茂木敏充君) ただいま議題となりました日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府は、我が国に合衆国軍隊を維持することに伴う一定の経費の日本側による負担を図ることにより、駐留軍等労働者の安定的な雇用を維持し、合衆国軍隊の効果的な活動を確保するため、米国政府との間で在日米軍駐留経費負担に係る交渉を行いました。その結果、令和三年二月二十四日、東京において、私と駐日米国臨時代理大使との間で、この議定書に署名を行いました。
 この議定書は、現行の在日米軍駐留経費負担に係る特別協定の有効期限を一年間延長することを規定しております。現行の特別協定の有効期間が本年三月三十一日までとなっておりますので、この議定書は、本年度中に発効させる必要があります。
 この議定書の締結に基づく現行の特別協定の延長は、日米安全保障条約の目的達成のため我が国に駐留する合衆国軍隊の効果的な活動を確保するためのものであり、ひいては日米関係全般並びに我が国を含むインド太平洋地域の平和及び安定に重要な意義を有するものであると考えます。
 以上が、この議定書の締結について承認を求めるの件の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の趣旨説明に対する質疑

#11
○議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。篠原豪君。
    〔篠原豪君登壇〕

#12
○篠原豪君 立憲民主党の篠原豪です。
 会派を代表し、在日米軍駐留経費負担に係る特別協定についてお伺いいたします。(拍手)
 昨日、東日本大震災、原発事故から十年の節目を迎えました。
 改めて、犠牲となられた方々に心より哀悼の意を表するとともに、被災された全ての皆様にお見舞いを申し上げます。
 今日から、復興の新たなる十年が始まります。我々は、被災者の皆様、被災地の皆様に寄り添い、風化させることなく、真の復興、被災地の復旧へ向け、全力を挙げてまいります。
 冒頭、武田総務大臣にお伺いいたします。
 ただいま菅政権の信頼を著しく失墜させているのが、総務省違法接待問題です。この問題について真摯に向き合う武田大臣の姿勢こそ、あらゆる政府の提出法案及び条約を審議する上で不可欠と考えています。
 そこで、一点確認いたします。
 武田大臣は、NTTから接待を受けたこと、ないしはNTT関係者との会食をしたことはございますか。
 NTTは、純粋な民間企業ではなく、政府出資の特殊会社という公的な組織であり、現在総務省が疑念を持たれている渦中の企業です。接待、会食の存否について、所管大臣として明らかにすることは当然の責務であり、国民が疑念を抱くような会食、会合に応じたことはございませんなどと、聞いたことに全く答えない、訳の分からぬ答弁ではなく、端的にイエスかノーかでお答えください。
 それでは、本題に入らせていただきます。
 さて、在日米軍駐留経費負担、ホスト・ネーション・サポートは、我が党が外交・安全保障政策の基軸と考える日米同盟の最重要と言える論点です。私は、この代表質問の機会を通じて、我が党の外交・安全保障政策が、いかに平和主義を原則とする憲法に適合的でありながら、同時に現実的なものであるかを示していきたいと思います。
 初めに、米軍駐留経費の負担の正当性についてです。
 我々は、専守防衛と同時に、日米同盟を我が国の外交・安全保障政策の基本と考えています。特に、近年、日本周辺の安全保障環境が厳しさを増していることを考慮すれば、我が国の防衛にとって、日本における米軍のプレゼンスを確保することの重要性に疑いの余地はありません。
 戦後、我が国の防衛予算が対GDP比でおおむね一%を下回る水準で維持できたのも、米軍の存在が大きな力になったものと考えています。さらには、我が国の自衛隊と米軍が盾と矛の関係、つまり、憲法との関係で、たとえ自衛のために必須な行動であっても、自衛隊が他国領域内で武力行使を目的とした軍事作戦を展開することを回避することが従来の政府方針であることを想起すれば、米軍の駐留経費をある程度負担することに憲法的な正当性があるものと考えます。
 したがって、在日米軍駐留経費の負担に関して最も大切なことは、米軍の抑止力、特に、矛としての信頼性を確かなものとすることであり、それによって日米同盟が最大の効果を発揮できるようにすることです。
 最近問題となっている敵基地攻撃能力の問題も、ミサイル攻撃に対する米軍の抑止力としての信頼性が確かなものであれば、起こりようがありません。また、尖閣諸島をめぐる問題も、米軍が同盟の役割を果たす姿勢を明確にすれば、事態が大きく改善されるのではないかと考えています。
 こういった観点から、政府は米国とこれまで在日米軍駐留経費の日本側負担に関する協議を重ねてきたわけですが、支払うことを当然としないで、日本防衛に果たす米側の役割をどのように確認してきたかについてお伺いします。
 また、単に抽象的に確認したというのではなく、その信頼性を確保する具体的取決めについて、例えば、特定の事態について大統領が条約上の義務を果たす意思を明確に示すとか、あるいは、在日米軍が尖閣諸島での有事を想定した対応を取るといった約束を取り付ける努力がなされてきたかについてもお答えください。
 先日、安保委員会で、私が、敵基地攻撃能力を保有するには、米国の信頼性に疑問があって、頼りにできないことが憲法上の要件であると考えますと述べた際、岸防衛大臣からは、いかなる場合に他に手段がないと認められるかを含めて、我が国としていかなる状況において講ずるいかなる措置が自衛の範囲に含まれるかということについては、実際に発生した武力攻撃の規模や態様に即して個別的、具体的に判断されるべきものであって、例えば、米軍等の他国の支援の有無といった限られた与件のみをもって判断できるものではないと述べられました。
 これは、自衛隊と米軍との役割分担を従来の盾と矛の関係として説明してきた政府見解を根本的に否定する、新答弁だと考えます。改めて、答弁の意図をしっかりお答えください。
 次に、負担割合の問題についてお伺いいたします。
 二〇二一年度以降の在日米軍駐留経費の日本側負担を決めるための日米協議が、去年の十一月にトランプ政権との間で本格的に開始されました。ボルトン元大統領補佐官は、その著書の中で、在任中の二〇一九年に現行水準の四倍に当たる八十億ドルの負担を日本側に打診したと明らかにしています。実際の協議では、こうした数字を米側が持ち出すことはなかったとされているようですが、それでも二倍は超えていたようで、これまで積み上げてきた交渉の論理が全く通じなかったのではないかと思います。
 したがって、今回、米側の政権交代を機に、三月末で期限切れとなる現行協定を一年延長することに合意し、二〇二二年度以降の四年分の負担額については、腰を据えて今年改めて交渉し、年内の合意を目指すことは、妥当な判断だと考えています。
 そこで、改めて我が国の負担額についてお伺いいたします。
 防衛省の試算では、二〇一五年度の日本側の負担割合は八割を超え、韓国やドイツなど他の同盟国に比べて突出して高いと言われております。そのため、我が国は、日米地位協定で米国が負担することになっている在日米軍の駐留経費を、日本が肩代わりする形で労務費や光水熱費を負担してきたわけですが、この方式では、費目をこれ以上増やす余地はないと考えます。この点につきまして、政府の見解をお聞かせください。
 さらに、米政府の一八会計年度に示された在日米軍の米側経費は約五十三億ドル、約五千五百六十五億円で、その一番の人件費が約二十九億ドル、約三千四十五億円と大半を占めており、以下、作戦維持費、基地建設費、米軍家族の経費となっていることを考えると、それを日本側が負担することは正当性に乏しいのではないでしょうか。この点について、政府も同様な見解であるのか、あるいは、違う意見を持っているなら、それを説明していただければと思います。
 次に、日本側負担の交渉原則について伺います。
 以上のことから、地位協定を根拠とする我が国の負担は限界に達していると考えられます。他方で、米国側が負担増を求める流れは変わらず、バイデン政権も日本側に増額を求めていると言われております。
 そこで、改めて思いやり予算の歴史をひもとくと、在日米軍の駐留経費について日本が自発的に経費負担の増額に踏み切る理由を、当時の金丸防衛庁長官は、カウンターパートのブラウン国防長官に対し、米国がアジアへのコミットメント継続を約束する見返りであると説明していることに驚かされます。
 つまり、日米地位協定で日本側が本来負担をする額を超えて、米国が負担することになっている在日米軍の駐留経費までも日本が肩代わりする本来の意図は、今日流に言えば、インド太平洋地域の平和と安定にコミットしている米第七艦隊を含む在日米軍の役割を評価し、それに応分の負担をすることにあったと考えます。
 事実、特別協定に基づく思いやり予算も、イラン・イラク戦争でペルシャ湾の安全航行が問題となり、米側が日本に応分の負担を要請したことが起源となりました。政府は、その要請に応えるため、一九八八年の通常国会において、日本人従業員の退職手当など八手当を全額負担することにしたわけです。
 同じ事情は一九九〇年の湾岸危機でも再現され、日本政府は、国際協調行動への協力とは別枠として、日本人従業員の本給や光熱費を日本側が新たに負担する一九九一年の特別協定を締結しました。
 注目すべきは、一九九七年に新ガイドラインが締結され、以後、周辺事態法などが整備されたことをきっかけとして、二〇〇一年を起点とする第四次特別協定以降、一転して思いやり予算額が減額に転じたことです。そして、この減額、減少傾向は、第七次協定が終了する二〇一五年の三月まで持続しました。
 私は、この思いやり予算の額が減少に転じた理由は、日本が財政的な支援だけでなく、自衛隊による人的な貢献にも踏み込んだことが一因だと考えています。
 したがって、二〇二二年度以降の四年分の負担額を交渉するに際しては、人的な貢献についても評価に含めることを交渉原則として財政的負担額を算定すべきだと考えますが、政府の御見解をお聞かせください。
 二〇一六年四月からの五年間の支援額を決める第八次協定でも、人的貢献が考慮されたと考えます。しかし、これまでの減少傾向から、再び財政負担が増加に転じています。これにはどのような理由があったのでしょうか。人的貢献にも言及しながら、理由を明らかにしてください。
 最後に、米軍駐留に伴う国民負担を軽減する必要性についてお伺いいたします。
 在日米軍を支援する関連経費には、地位協定第二十四条第二項に基づいて支払われる義務的な経費及び思いやり予算とは別に、SACO関係経費や、沖縄の米海兵隊グアム移転費を含む米軍再編関連経費があります。その米軍再編関連経費の額は、二〇二一年度には二千四十四億円にも膨れ上がり、思いやり予算とほぼ同額となっています。
 実は、SACO関係経費と米軍再編関連経費は、米軍の日本駐留がもたらす負の側面、とりわけ米軍基地が集中する沖縄への対応が極めて大きな問題になっていることを物語っています。
 そこで、過重な米軍基地負担に苦しむ沖縄県は、在日米軍に様々な特権を認める地位協定の改定を長年にわたって求めてきました。また、基地問題は一都道府県の問題ではないという沖縄の切実な訴えを受け、全国知事会は、日米両政府に地位協定の抜本的な見直しを提言しています。
 まず、再三の抗議にもかかわらず、日本各地で繰り返されている米軍機の低空飛行訓練について、最近も東京でも低空でのヘリ事件が大問題となっていますが、この提言は、時期やルートを事前に情報提供するよう求めるとともに、航空法や環境法令などの国内法を米軍にも原則適用することや、事件、事故発生時の自治体職員の立入りなどを地位協定に明記するよう要請しています。また、飛行場周辺における航空機騒音規制措置についても改善を求めています。
 実際、ドイツ、イタリアでは、米軍機の事故を機に、協定の改定や新協定の締結を実現し、自国の法律を米軍にも適用しました。また、騒音軽減委員会や地域委員会といった、地元自治体の意見を米軍に伝える仕組みも整備されているということです。
 原則として国内法が適用されず、地域住民の声も届かない日本とは大違いですので、せめてこの問題をドイツ、イタリア並みにすることは喫緊の課題だと考えます。
 在日米軍駐留経費の負担の目的が日米同盟の強化にあるならば、国民の支持を確かなものにすることも最重要事項であり、その意味で、日米地位協定の見直しを在日米軍駐留経費負担に関する日米協議の俎上に上げるべきだと考えますが、政府の見解をお聞かせください。
 さらに、現下、最大の問題は、民意を無視して強行する辺野古の新基地計画です。
 いつ完成するか、本当に完成するのかすら分からず、莫大な国費を投入し工事をし続けることは、当面の大きな課題となっている中国に対する安保政策として好ましいとはとても言えません。バイデン政権の下、インド太平洋軍が新たな対中戦略を提起している今こそ、両政府が沖縄県を交えて打開策の検討に乗り出すチャンスだと考えています。
 沖縄の負担軽減が日米同盟の強化に不可欠なことは、日米の共通認識と考えます。政府におかれては、純粋に戦略的な観点から辺野古の新基地計画の再検証を行うことを日米協議の場で提起するよう、誠心誠意要望いたします。こうした要望を受け入れる用意があるか、政府の見解をお示しください。
 以上、在日米軍駐留経費負担をめぐる基本的な問題についての考え方を述べさせていただきました。
 日米同盟を外交・安全保障政策の基軸とみなす立憲民主党が、平和主義を基本原則とする日本国憲法を具現する歴史的な政府見解を紛れもなく正統に引き継ぐ政党であるということをお示しさせていただきます。
 そして、国民の皆様におかれましては、我が党が、平和主義を堅持しつつ、すぐにも政権を担うに足る現実的な安全保障政策を持つ政党であることを御理解いただくとともに、我が党の外交・安全保障政策に国民各層の幅広い御支持をいただき、まさに現実の政策となるよう政権交代に向け努力することをお約束し、私の質問とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣茂木敏充君登壇〕

#13
○国務大臣(茂木敏充君) 篠原議員から、まず、今般の交渉の中で日米防衛に果たす米側の役割をどのように確認してきたか、お尋ねがありました。
 インド太平洋地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米同盟及び在日米軍は、我が国の防衛のみならず、インド太平洋地域の平和と安定のためにはなくてはならない存在です。その中で、在日米軍駐留経費は、在日米軍の円滑かつ効果的な活動や米軍の地域への前方展開を確保する上で重要な役割を果たしてきています。
 その上で、米国とは、累次の機会に、日米安全保障条約の下での米国の条約上の義務へのコミットメントを確認してきています。先般行われた菅総理とバイデン大統領との電話会談においても、日米安全保障条約第五条の尖閣諸島への適用を含む日本の防衛に対する揺るぎないコミットメント、及び米国の日本に対する拡大抑止の提供に対する決意も再確認をされています。
 政府としては、我が国の厳しい財政状況も十分に配慮しながら、国民の理解が得られる内容とするとの観点から、主張すべきは主張し、協議を行った結果、バイデン政権発足後のこの早いタイミングで合意に至ることができたと考えております。
 次に、今後の交渉の方針における費目の問題、自衛隊の人的貢献及び辺野古新基地計画の再検証についてでありますが、今般、日米両政府は、二〇二二年四月一日以降の新たな複数年度の特別協定の合意に向けて、交渉を継続していくことを確認いたしましたが、現時点で次の特別協定の交渉の内容やその進め方を予断することは差し控えたいと思います。
 いずれにせよ、交渉に当たっては、一層厳しさを増す地域の安全保障環境や我が国の厳しい財政状況等を踏まえて、HNSが適切な内容、水準のものとなるよう対応していく考えであります。
 次に、在日米軍駐留経費を日本側が負担する理由についてでありますが、我が国は、昭和五十三年度以降、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を確保するため、日米地位協定の範囲内で労務費の一部及び提供施設整備費を負担しています。
 さらに、昭和六十二年度以降、我が国は、日米地位協定により米側に負担義務がある経費の一部、具体的には、駐留軍等労働者の基本給与等の労務費、光熱水料等及び訓練移転費を、日米両国を取り巻く諸情勢に鑑み、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を確保するため、同協定の特則である特別協定を締結して負担しています。
 インド太平洋地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米同盟及び在日米軍は、我が国の防衛のみならず、インド太平洋地域の平和と安定のためにはなくてはならない存在であります。その中で、在日米軍駐留経費は、在日米軍の円滑かつ効果的な活動、米軍の地域への前方展開を確保する上で重要な役割を果たしてきていると考えております。
 現行特別協定の下で我が国の財政負担が増加した理由についてでありますが、平成二十七年十二月に妥結した現行の特別協定については、我が国の厳しい財政状況や我が国を取り巻く安全保障環境等を総合的に勘案し、我が国として、主張すべきは主張し、米側と協議した結果、日米で意見の一致を見たものであります。
 その上で、現行の特別協定の下での我が国の負担額については増加してきましたが、これは、各年度における実際の予算額が、時々の経済情勢を踏まえた人事院勧告や退職手当などの見込額の変動等により増減することによるものであります。
 我が国は、新ガイドラインや平和安全法制の下で、人的貢献を含め、日米同盟の抑止力の一層の強化に貢献をしてきています。
 いずれにせよ、現時点で次の特別協定の交渉について予断することは差し控えますが、一層の厳しさを増す地域の安全保障環境や我が国の厳しい財政状況等を踏まえ、HNSが適切な内容、水準のものとなるよう対応していく考えであります。
 最後に、日米地位協定の見直しについてお尋ねがありました。
 日米地位協定は、同協定の合意議事録等を含んだ大きな法的な枠組みであり、政府としては、事案に応じて、効果的にかつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じ、一つ一つ具体的な問題に対応してきています。
 このような取組を積み上げることや日米の様々なやり取りを通じ、日米地位協定のあるべき姿を不断に追求してまいります。(拍手)
    〔国務大臣岸信夫君登壇〕

#14
○国務大臣(岸信夫君) 篠原議員にお答えをいたします。
 いわゆる敵基地攻撃についての日米の役割分担についてお尋ねがありました。
 御指摘の私の答弁については、政府は、従来から、昭和三十一年の統一見解を踏まえ、誘導弾等による攻撃が行われた場合、そのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限の措置を取ること、例えば、誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能であると解してきており、この統一見解は、現在でも維持をしております。
 その上で、この統一見解の下、いかなる場合に他に手段がないと認められるかを含め、我が国としていかなる状況において講ずるいかなる措置が自衛の範囲に含まれるかについては、実際に発生した武力攻撃の規模、態様等に即して個別具体的に判断されるべきものであって、例えば、米軍等の他国の支援の有無といった限られた与件のみをもって判断できるものではないとの考え方を申し上げたものであります。これは、従来の政府見解を変更するものではありません。
 また、政府としては、これまで、いわゆる敵基地攻撃について、日米の役割分担の中で米国の打撃力に依存しており、今後とも、こうした日米間の基本的な役割分担を変更することは考えておりません。(拍手)
    〔国務大臣武田良太君登壇〕

#15
○国務大臣(武田良太君) 篠原議員からの御質問にお答えをいたします。
 個別の事案一つ一つにお答えするのは控えさせていただきますが、私は、国民の皆さんから疑念を招くような会食や会合などに応じることはございません。
 引き続き、国民の皆様からの疑念を招くことのないよう、自らを律し、職務に励んでまいります。(拍手)
    ―――――――――――――

#16
○議長(大島理森君) 畑野君枝君。
    〔畑野君枝君登壇〕

#17
○畑野君枝君 私は、日本共産党を代表し、在日米軍駐留経費負担特別協定について質問します。(拍手)
 本協定は、現行協定の有効期間を一年延長するものです。さらに、二〇二二年度以降の負担について今年改めて交渉すると報じられていますが、政府は一体いつまで米軍駐留経費の肩代わりを続けるのですか。
 政府は、一九七八年、アメリカの要求に応え、思いやりと称して基地従業員の福利費などの負担に踏み切り、隊舎や家族住宅などの施設整備に広げ、さらに、一九八七年に特別協定を締結して以降は、給与本体、光熱水料、訓練移転にまで拡大してきました。来年度は二千億円を上回り、負担開始以来の総額は八兆円近くに上ります。
 政府は、特別協定締結当時、アメリカの財政赤字を最大の理由とし、暫定的、限定的、特例的な措置だと説明しました。我が国自身が巨額の財政赤字を抱え、しかも、コロナ禍で多くの国民が生活に困窮しているときに、どうしてこのような負担を続けるのですか。
 そもそも、日米地位協定二十四条は、米軍の維持経費は「日本国に負担をかけないで合衆国が負担する」と明記しています。特別協定は廃止し、地位協定の規定どおりに米側に負担を求めるのが当然ではありませんか。
 今求められていることは、安倍政権の下で進められてきた憲法違反の安保法制、F35戦闘機やイージスなど米国製兵器の爆買い、地元自治体、住民の意思を無視した米軍基地建設など、余りにも異常な対米従属外交からの転換です。
 沖縄県民は、度重なる選挙や県民投票で、辺野古新基地建設に反対の意思を示してきました。県民の苦難の歴史に向き合い、新基地建設の断念と普天間基地の閉鎖、撤去に正面から取り組むべきではありませんか。
 地位協定の改正も急務です。
 在日米軍関係者は、地位協定の特権により、コロナの下でも自由な出入国を保障され、基地経由の入国は検疫も米軍任せになっています。当初はPCR検査も行われていませんでした。政府は、基地従業員や周辺住民が抱える不安をどう認識しているのですか。
 沖縄に加え、神奈川県の横須賀基地でも、昨年七月からの累計で六百三十人以上の感染が確認され、多くはこの数か月間に集中しています。昨年十一月、米原子力空母ロナルド・レーガンが定期整備のために入港し、米本土などから数百人の整備要員が来日したことが一因に挙げられています。
 日米地位協定を改正し、米軍に国内法を適用して、日本政府の権限の下で出入国管理と検疫が行われる仕組みに改めるべきではありませんか。
 米軍機による低空飛行訓練も重大です。
 沖縄県では、昨年末以降、かつてなかったような超低空での飛行訓練が県内各地で目撃されています。中四国、九州地方でも急増し、愛媛県や鹿児島県では、今年度の目撃件数が過去最多となっています。首都東京の中心部でも、米軍ヘリが周辺のビルよりも低い高度で飛行を繰り返していることが報じられました。危険な低空飛行訓練は直ちに中止させるべきではありませんか。
 横田基地には、米空軍オスプレイ十機の配備が進められています。木更津駐屯地では、米海兵隊に加え、米海軍オスプレイの定期整備が計画され、さらに、暫定の名の下に、陸上自衛隊オスプレイ十七機も配備されようとしています。欠陥機オスプレイが沖縄と首都圏を拠点に全国の空を飛び回るなど、断じて容認できません。計画の撤回を強く求めます。
 全国知事会は、昨年十一月の提言で、日米地位協定を抜本的に見直し、日本の航空法令や環境法令を米軍に適用することなどを求めています。来週開かれる2プラス2で、このことを米側に提起すべきではありませんか。
 以上求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣茂木敏充君登壇〕

#18
○国務大臣(茂木敏充君) 畑野議員から、特別協定に基づき在日米軍駐留経費を日本が負担する理由、そしてその資金拠出の是非についてお尋ねがありました。
 インド太平洋地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米同盟及び在日米軍は、我が国の防衛のみならず、インド太平洋地域の平和と安定のためにはなくてはならない存在です。
 その中で、在日米軍駐留経費は、在日米軍の円滑かつ効果的な活動、米軍の地域への前方展開を確保する上で重要な役割を果たしてきています。
 現行の特別協定及びその有効期限を一年延長する本議定書は、このような状況及び日米両国を取り巻く諸情勢を総合的に勘案し、日米地位協定第二十四条に定める経費負担の原則は原則として維持しつつ、あくまでも暫定的、限定的、特例的な措置として締結するものであります。
 政府としては、我が国の厳しい財政状況にも十分配慮しながら、国民の理解を得られる内容にするとの観点から、主張すべきは主張しつつ、米側と真剣に協議を重ねた結果、今般の合意に至ったものであり、この合意に基づく我が国の負担は適切だと考えております。
 次に、政府の対米姿勢についてでありますが、現下の厳しい安全保障環境の下では、我が国としては、日米安保体制を引き続き堅持し、その抑止力の下で我が国の安全を確保する必要があります。
 こうした中、平和安全法制は、国民の命と暮らしを守り抜くために、あらゆる事態に切れ目ない対応を可能とするため、我が国として主体的に取り組んだものであります。
 また、現下の厳しい安全保障環境に鑑みれば、必要な装備品の調達を含め、我が国の防衛力整備や在日米軍再編を適切に行っていく必要があります。
 これらはいずれも、米国と協議しつつ、我が国として主体的に判断しているものでありまして、対米従属といった御指摘は全く当たりません。
 在日米軍の新型コロナ対策についてお尋ねがありました。
 新型コロナの拡大防止についても、日米両政府で緊密に連携し、取り組んできております。
 在日米軍からは、米軍関係者による我が国への入国については、水際対策を含む日本政府の方針に整合的な措置を取る旨説明を受けています。
 引き続き、地元の方々の不安が解消されるよう、適切に対応し、日本国内における新型コロナの感染拡大の防止に取り組んでいきます。
 最後に、在日米軍の出入国管理や検疫、並びに航空法や環境法令の米軍への適用等の日米地位協定の見直しについてお尋ねがありました。
 日米合同委員会合意に基づき、米軍関係者が米軍施設・区域において日本に入国する場合を除き、日本の当局が検疫を実施することになっていることから、日本の民間空港から入国する場合は、米軍関係者に対しても日本政府による検疫が行われています。
 一方、米軍関係者が米軍の施設・区域において日本に入国する場合は、米側の検疫手続によることとなっており、在日米軍からは、水際対策を含む日本政府の方針に整合的な措置を取る旨説明を受けています。
 また、日米地位協定は、同協定の合意議事録等を含んだ大きな法的な枠組みでありまして、政府としては、航空分野、環境分野を含め、事案に応じて、効果的にかつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じ、一つ一つ具体的な問題に対応してきています。
 このような取組を積み上げることにより、日米協定のあるべき姿を不断に追求していきます。
 なお、日米2プラス2の議論の内容については、現時点で予断することは差し控えますが、日米同盟の抑止力、対処力の強化に向けた今後の協力等について幅広く議論をする予定であります。(拍手)
    〔国務大臣岸信夫君登壇〕

#19
○国務大臣(岸信夫君) 畑野議員にお答えいたします。
 まず、普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。
 沖縄は、戦後七十五年以上たった今もなお、大きな基地負担を負っており、この現状は到底是認できるものではありません。
 その中でも、普天間飛行場をめぐる問題の原点は、市街地に位置し、住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間の危険性を、一日も早く除去することです。普天間の固定化は絶対に避けなければならない、これは政府と地元の皆様との共通認識であると思います。
 その上で、日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせたとき、辺野古移設が唯一の解決策であり、この方針に基づいて着実に工事を進めていくことこそが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながります。
 今後とも、地元の皆様の御理解を得る努力を続けながら、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現するため、辺野古移設に向けた工事を着実に進め、基地負担の軽減に全力で取り組んでまいります。
 次に、米軍機の飛行訓練についてお尋ねがありました。
 米軍機の飛行訓練に対しては、地元の皆様から不安の声が上がっていることは承知をいたしております。
 米軍機の飛行訓練は、パイロットの技能の維持向上のため必要不可欠な要素であり、在日米軍が日米安保条約上の義務である我が国の防衛を全うする観点から重要なものですが、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動することは当然の前提であります。
 防衛省としては、今後とも、米側と連携を図りながら、安全面に最大限の配慮を求め、地元の皆様に与える影響が最小限にとどまるよう、適切に対応してまいります。
 最後に、米軍及び陸上自衛隊のオスプレイ配備等についてお尋ねがありました。
 政府としては、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、米軍及び陸上自衛隊のオスプレイの配備は、日米同盟の抑止力、対処力の強化、島嶼防衛及び災害救援等の観点から重要であると考えており、また、日米オスプレイの共通整備基盤を確立することも必要と考えております。
 その上で、オスプレイについては、米軍、陸上自衛隊のいずれについても、安全性、信頼性を十分に確認しており、オスプレイの安全性に問題はないと考えております。
 そのため、米軍オスプレイの配備撤回を求めたり、陸上自衛隊オスプレイの配備計画を撤回すること等は考えていませんが、オスプレイの日本国内における飛行運用に際しては、地元の皆様に十分配慮し、最大限の安全対策を取るよう、万全を期してまいります。(拍手)
    ―――――――――――――

#20
○議長(大島理森君) 山尾志桜里君。
    〔山尾志桜里君登壇〕

#21
○山尾志桜里君 国民民主党の山尾志桜里です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました在日米軍駐留経費負担に係る特別協定について質問します。(拍手)
 今回、事実上一年間、バイデン新政権と向き合いつつ、国内でもこのホスト・ネーション・サポート、HNSを国民的議論に付す時間ができました。これを契機に、情報公開を進め、金銭の負担から責任の分担へと、日米同盟の深化に向けたアプローチの手法を多角化すべきです。
 そこで、まず、情報公開について伺います。
 今回の令和三年度の米軍駐留経費の日本側負担は二千十七億です。米国側の負担金額は幾らでしょうか。そして、日本側の負担割合は何%でしょうか。万が一明らかにできない場合は、理由を説明してください。
 そもそも、地位協定上は日本に義務のない負担を引き受けるのに、その負担割合を政府に問い合わせても、出てくるのが二〇〇四年公表の米国政府資料というのは、余りに無責任です。しかも、それによると、ドイツで三二%、韓国で四〇%、日本は七四%と突出しています。
 もとより、二十年前の米国発表の資料ではなく、私たちは、日本政府が算出、公表した最新のデータにより日本の国益に基づいた議論をすべきなのです。情報公開を強く求めます。
 あわせて、書簡方式を見直して、国会による民主的統制を実質化していただきたいと思います。国会承認の対象である議定書には協定の一年延長しか記載されておらず、日本の負担金額や内訳は、外務大臣と米国大使の書簡でなされています。現時点での審議の核心は、延長の是非よりもその内容です。負担金額や内訳を含めて議定書に記載し、国会審議にかけるべきではないでしょうか。見解を伺います。
 HNSの交渉は、ここからが正念場です。一五年度の負担割合でいうと八六・四という試算もある中、これ以上捻出できる予算があるなら、むしろ、主体的、自律的な防衛予算に充てるべきです。そこで、今後交渉の中心に据えるべきは、安全保障上そして外交上、いかに国益にかなう相応の役割を日本が引き受けるのかという具体策です。
 バイデン大統領は、中国を、開かれた世界システムに挑戦する能力を秘めた唯一の競争相手と呼び、対中戦略の策定、遂行に当たっては、同盟国との連携が不可欠という考えを示しています。前政権による過度の要求を抑制し、同盟国とのとげを取り除き、共通の脅威に焦点を当てようとする姿勢がうかがえます。
 そこで、安全保障分野において、宇宙やサイバーといった新分野を含めた抑止力強化に向けて実務的な協力を提起すべきだと考えますが、いかなる具体策を持っているのか、見解を伺います。
 また、今年二月一日から、中国が海警法を施行しました。この海警法は国際法違反である上、施行後、武器を搭載した海警局の船舶が尖閣沖領海に侵入した事案も発生しています。国家の総力を挙げて、自らの領土、領海は、まず自らが守り抜くという意思と能力を示すことが求められています。
 まず第一義的に対処すべき海上保安庁の強化が必須だと思いますが、この点の政府の方針と具体策をお聞かせください。あわせて、海上保安庁で対応できない場合には、切れ目なく、警察活動の一環として自衛隊が対応することを可能にする、いわゆる領域警備法を作ることも必要と考えますが、政府の見解を伺います。
 あわせて、日本が今果たすべき役割は、人権外交における連携強化です。昨日閉幕した中国全人代では、香港民主派の立候補を事実上排除する選挙制度の改革の方針が決定されました。ウイグルにおける苛烈な人権弾圧は、米国政府からジェノサイドと認定され、各国の制裁対象となっています。ミャンマーでは、クーデターによる政権奪取と国軍による実弾発砲が人々を殺傷しています。対話と協力の人権外交から、対話と協力と行動の人権外交へと進展させるべきです。
 人権侵害制裁法を日本も整備するべきではありませんか。昨年末にEUがこの制裁法の導入を決め、G7加盟国中、日本だけが未整備となった今、政府の見解を求めます。
 このように日米同盟を深化していくことと並行して、日米地位協定改定に向けた動きがあってしかるべきです。集団的自衛権の一部容認を含め、安全保障関連法を通じて自衛隊の任務や役割は広がっているのに、どうして日米地位協定自体の交渉は一歩も前に進まないのか。国内に米軍基地を持つ他国との比較においても、極めて不自然、不健全です。真摯な説明と協定改定に向けた今後の考え方を伺います。
 以上、台頭する権威主義を軌道修正できるかどうかの正念場の今、今後の交渉は、価値を同じくする日米が東アジアの平和と安定にかなう道筋を可視化するために極めて重要です。
 私たち国民民主党も、今後の審議を通じ、時代に即した現実的で主体的な外交・安全保障政策を提起して、国益に貢献することをお約束し、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣岸信夫君登壇〕

#22
○国務大臣(岸信夫君) 山尾志桜里議員にお答えをいたします。
 まず、令和三年度における在日米軍駐留経費の米側負担額及び日本側の負担割合についてお尋ねがありました。
 在日米軍駐留経費、いわゆるHNSの米側負担額及び日米の負担割合については、米軍の駐留に伴い必要となる経費の範囲の捉え方が日米間で異なること等から、一概に算定し得るものではありません。
 その上、HNSの適切な負担規模については、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支えるHNSは引き続き重要である点を踏まえた上で、我が国の厳しい財政状況や我が国を取り巻く安全保障環境等の各種の要素を考慮する必要があると考えています。
 次に、安全保障分野における日米協力についてお尋ねがありました。
 日米同盟は我が国の安全保障の基軸であり、我が国としては、日米防衛協力のための指針や防衛大綱を踏まえ、バイデン政権との間で日米の防衛協力を更に深め、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していく考えです。
 具体的には、今後、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域における協力や、自由で開かれたインド太平洋の維持強化といった様々な取組を日米間で進めていくことが必要と考えております。
 来週、十六日には、東京において、日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2を開催いたします。このような機会を捉え、一層厳しさを増す地域の安全保障環境や今後の日米協力について議論を行い、日米同盟の抑止力、対処力を着実に強化してまいります。
 次に、海上保安庁で対応できない場合に切れ目なく自衛隊が対応する、いわゆる領域警備法の必要性についてお尋ねがありました。
 武力攻撃に至らない侵害への対処について、領土、領海の治安の維持は、警察機関が第一義的な対応の責任を有しており、警察機関では対処できない場合には、自衛隊は、海上警備行動や治安出動の発令を受け、警察機関と連携しつつ対処をすることとなります。
 このような対処に際しては、警察機関と自衛隊との連携が極めて重要であるとの認識の下、平成二十七年、海上警備行動や治安出動等の発令手続の迅速化のための閣議決定を行いました。
 御指摘の、海上保安庁で対応できない場合に自衛隊が切れ目なく対応するということは、現行の法制度でも可能であり、政府全体として、平素より、武力攻撃に至らない侵害を含む様々な事態を想定し、各種の訓練を行うとともに、情報共有や関係機関の連携についても不断に強化をしてまいります。
 いずれにしても、防衛省・自衛隊として、あらゆる事態に適切に対応し、国民の生命財産及び領土、領海、領空を断固として守り抜くため、関係省庁と連携の上、引き続き万全を期してまいります。
 最後に、日米地位協定の改正についてお尋ねがありました。
 日米地位協定について様々な御意見があることは承知をしておりますが、日米地位協定は、同協定の合意議事録等を含んだ大きな法的枠組みであり、政府としては、事案に応じて、効果的かつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じ、一つ一つの具体的な問題に対応していきます。
 今後とも、目に見える取組を積み上げることにより、日米地位協定のあるべき姿を不断に追求していく考えであります。(拍手)
    〔国務大臣茂木敏充君登壇〕

#23
○国務大臣(茂木敏充君) 山尾議員から、在日米軍駐留経費負担に係る特別協定改正議定書への負担金額や内訳の記載についてお尋ねがありました。
 本議定書によって改正される特別協定第五条に規定されているとおり、各会計年度における我が国の具体的負担額については、我が方が総合的に判断して自主的に決定することとなっています。
 その上で、本議定書の対象である令和三年度に我が国が負担する経費の具体的な金額については、令和三年度予算案に計上の上、国会で御審議いただき、その議決を経ることとなっております。
 また、我が国が負担する経費の具体的な金額の算定に当たっての方針等を表明する書簡は、本議定書の審議に当たっての参考として国会に提出させていただいております。
 したがって、改正議定書の対象となる令和三年度の負担額等については、適切に国会にお諮りしているものであります。
 次に、人権侵害制裁法についてお尋ねがありました。
 日本は、人権は普遍的な価値と考えており、人権擁護は全ての国の基本的な責務であります。
 そのような考え方から、日本は、これまで、人権侵害に対してはしっかりと声を上げる一方、対話と協力を基本とし、民主化、人権擁護に向けた努力を行っている国との間では、二国間対話や協力を積み重ねて、自主的な取組を促してきました。
 御指摘の、対話と協力に加えての行動、具体的には、一方的に人権侵害を認定して制裁を科すような制度を日本も導入すべきかどうかということになると思いますが、この点については、これまでの日本の人権外交の進め方との関係、国際社会の動向など、様々な観点から不断の分析、検討が必要と考えております。
 最後に、日米地位協定の改正についてお尋ねがありました。
 日米地位協定については、防衛大臣からも答弁ありましたが、同協定の合意議事録等を含んだ大きな法的な枠組みであり、政府としては、事案に応じて、効果的にかつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じて、一つ一つ具体的な問題に対応してきています。
 例えば、二〇一五年には環境補足協定、一七年には軍属補足協定の策定が実現いたしました。
 また、日本側に第一次裁判権がある犯罪の被疑者たる米軍人軍属の拘禁についても、日米合意に基づき、実際に、起訴前に日本側への移転が行われてきています。
 このような取組を積み上げることにより、日米地位協定のあるべき姿を不断に追求してまいります。(拍手)
    〔国務大臣赤羽一嘉君登壇〕

#24
○国務大臣(赤羽一嘉君) 山尾議員より、海上保安庁の強化についてお尋ねがございました。
 我が国周辺海域の厳しい状況を踏まえ、政府として、平成二十八年十二月に関係閣僚会議において決定した海上保安体制強化に関する方針に基づき、体制の強化を進めております。
 海上保安庁では、同方針に基づき、平成二十八年度と令和三年度を比較し、当初予算では一千八百七十七億円から二千二百二十六億円に、定員は一万三千五百二十二名から一万四千四百二十七名に増加し、大型巡視船十三隻の増強整備への着手も含め、尖閣領海警備体制の強化を計画的に進めており、こうした勢力で常に相手隻数より多い巡視船を配備するなど、領海警備に万全を期しております。
 さらに、様々な事象が発生した場合に備え、防衛大臣からも御答弁ありましたが、日頃より、自衛隊や警察機関との情報共有、連携の強化、各種訓練の充実など、必要な取組を推進しているところでございます。
 海上保安庁といたしましては、引き続き、我が国の領土、領海を断固として守り抜くという方針の下、関係省庁と緊密に連携し、事態をエスカレートさせないよう、冷静に、かつ毅然として対応を続けてまいります。
 以上です。(拍手)

#25
○議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――

#26
○議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時五分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       総務大臣   武田 良太君
       外務大臣   茂木 敏充君
       国土交通大臣 赤羽 一嘉君
       防衛大臣   岸  信夫君
 出席副大臣
       外務副大臣  鷲尾英一郎君
ソース: 国立国会図書館
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