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2021/04/22 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 憲法審査会 第2号 令和3年4月22日
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2021/04/22 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 憲法審査会 第2号 令和3年4月22日

#1
令和三年四月二十二日(木曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   会長 細田 博之君
   幹事 岩屋  毅君 幹事 江渡 聡徳君
   幹事 小林 鷹之君 幹事 齋藤  健君
   幹事 新藤 義孝君 幹事 中谷  元君
   幹事 奥野総一郎君 幹事 山花 郁夫君
   幹事 北側 一雄君
      秋葉 賢也君    井野 俊郎君
      石破  茂君    稲田 朋美君
      大串 正樹君    大塚  拓君
      鬼木  誠君    門山 宏哲君
      城内  実君    黄川田仁志君
      後藤田正純君    佐々木 紀君
      佐藤ゆかり君    斎藤 洋明君
      柴山 昌彦君    鈴木 淳司君
      関  芳弘君    長島 昭久君
      福井  照君    船田  元君
      盛山 正仁君    森  英介君
      簗  和生君    山下 貴司君
      山田 賢司君    今井 雅人君
      大串 博志君    近藤 昭一君
      武内 則男君    中川 正春君
      長妻  昭君    広田  一君
      本多 平直君    道下 大樹君
      谷田川 元君    大口 善徳君
      國重  徹君    赤嶺 政賢君
      本村 伸子君    足立 康史君
      馬場 伸幸君    山尾志桜里君
    …………………………………
   議員           逢沢 一郎君
   議員           中谷  元君
   議員           船田  元君
   議員           北側 一雄君
   議員           馬場 伸幸君
   議員           井上 一徳君
   衆議院憲法審査会事務局長 神崎 一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十二日
 辞任         補欠選任
  城内  実君     簗  和生君
  野田  毅君     井野 俊郎君
  務台 俊介君     斎藤 洋明君
  照屋 寛徳君     武内 則男君
同日
 辞任         補欠選任
  井野 俊郎君     佐々木 紀君
  斎藤 洋明君     務台 俊介君
  簗  和生君     城内  実君
  武内 則男君     照屋 寛徳君
同日
 辞任         補欠選任
  佐々木 紀君     野田  毅君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案(逢沢一郎君外五名提出、第百九十六回国会衆法第四二号)
 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(日本国憲法及び憲法改正国民投票法を巡る諸問題)
     ――――◇―――――

#2
○細田会長 これより会議を開きます。
 第百九十六回国会、逢沢一郎君外五名提出、日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。新藤義孝君。

#3
○新藤委員 自民党の新藤でございます。
 先週の質疑におきまして、国民投票における期日前投票所についてはコアタイム通しで開けていくべき、繰延べ投票の期日の告示期限の短縮は投票環境の後退ではないか、こういう質問が一部野党からございました。提出者からきちんと整理された答弁をいただいていると私は認識しておりますけれども、改めてこの確認をさせていただきたいと思います。
 そもそも、期日前投票時間の弾力化や繰延べ投票期日の告示期限見直しは、第一に、設定された投票時間や投票期日を基本としている中で、その地域固有の事情や、天災その他避けることのできない事故が発生した場合など、万が一の場合に備えた柔軟性ある対応を可能にするというものでございまして、公選法はそのような発想で措置されているわけであります。
 立民の質問にある、一般選挙で対応できるものを国民投票では措置しなくてもよいのではないかという考え方には、合理性がないと私は考えます。また、その判断は、地域の実情を最もよく把握している自治体に裁量を与えた方が投票機会の拡大につながるわけで、国が法律で一律に縛るべきではないと思います。
 この点について、改めて提出者からお答えをお願いしたいと思います。

#4
○逢沢議員 新藤先生御指摘のとおりであると、提出者として、改めて申し上げたいと思います。
 度々の繰り返しになるわけでありますけれども、例えば、期日前投票時間の弾力化につきましては、平成二十七年に、総務省の研究会におきまして、実に精緻な、また詳細に及ぶ議論が行われました。
 その研究会からの中間報告にこのような表現がございます。夜間の利用が少ない市役所等の本庁等にある期日前投票所の投票時間は午前八時三十分から午後六時まで、夜間の利用がより多く見込める商業施設等にある期日前投票所の投票時間は午前十時から午後九時までというような形で、まさに、地域の実情に即してめり張りのある効果的な時間設定を行うことについて、実に深い、真摯な議論がなされております。
 決して、投票時間を短くすることに意義を見出そうとしたり、目的としたりしようとするものではない、意図しているわけではないということを、改めて明確に申し上げておきたいと思います。

#5
○新藤委員 ありがとうございます。
 もう一つ、先週の自由討議では、主権の発露である憲法改正国民投票と通常の参政権である一般選挙とでは、その基本的性格が異なり、根本論から議論するべきではないか、こういう指摘もございました。
 そのような問題意識を持っていたのであれば、七項目案が法案として提出される三年前に、なぜそのような議論が出なかったのか。そして、この三年間、幾らでも問題提起ができる機会があったわけでございますが、まあ、それはさておいて、国民投票法の制定時、平成十九年の会議録を確認してみますと、そこでは、主権の発露である国民投票法においては、公選法の選挙運動規制とは異なり、できる限り自由にという基本理念を掲げるとともに、その他の実務的な投開票に関しては、公選法並びにという制度設計の思想があったことが分かります。この考え方は、当時の民主党の枝野議員らが主張し、自民党や公明党も共有して、円満に制度構築がなされたわけであります。
 今回の七項目案は、まさにこの公選法並びに当てはまり、国民投票法に反映されるべきものと思いますが、取りまとめに当たられた船田提出者より、当時の状況の御説明をお願いしたいと思います。

#6
○船田議員 ありがとうございます。
 今、新藤議員おっしゃるように、私は、平成十九年制定当時の法案提案者等の一人としまして、国民投票法制定、その後の改正にも一貫して関わってまいりました。
 その立場から申し上げますと、今御指摘いただきましたように、投票運動については、国民投票は国民主権の直接の発露であるから、できる限り自由にということを基本理念として掲げました。こうした観点から、国民投票運動に関しては、様々な選挙運動規制が設けられている公選法とは異なり、ゼロベースで規制の在り方を議論し、必要最小限の規制に限るということで盛り込んだ次第であります。
 一方の投開票の手続といった実務的な外形的部分については、国民投票でも一般の選挙でも同じでありまして、その利便性の向上の観点から不断の見直しがなされるということを想定しまして、公選法並びということにいたしました。
 このような現行法の構造は、御指摘のように、当時の民主党、とりわけ枝野議員の主張そのものでありまして、与党においても、これに理解を示して取り入れたものであります。
 以上であります。

#7
○新藤委員 ありがとうございました。
 私も、本日で四回目の国民投票法改正案に関する質疑を行っておりますけれども、法案に関する質疑には適切な答弁をいただいておりまして、議論は既に尽きている、採決の機はもう熟しているということは、更に明白になっているわけであります。
 与党に加えて、野党四会派のうちの半数が賛同する中で、立憲民主党と共産党のみが、合理的理由なく、議会のルールである採決という手続をかたくなに拒否することは、誠に遺憾だと私は考えております。CM規制やインターネットに関する問題など、国民投票に関する次の議論を行うことは、再三にわたりお約束をしております。一刻も早い本法案の採決を強く求めまして、私の質問といたします。
 ありがとうございました。

#8
○細田会長 次に、今井雅人君。

#9
○今井委員 立憲民主党の今井雅人でございます。よろしくお願いします。
 いろいろとお伺いしたいことがたくさんあるんですけれども、五分しかありませんので、一問ないし二問お伺いしたいと思うんです。
 まず、期日前投票時間の弾力化ということで、今まさに自治体の自主性というお話があったと思うんですけれども、最近私のところで起きたことを御紹介して、最近ちょっと私は問題意識を持っていることがあるので、お話ししたいと思うんです。
 私の選挙区のある町で町長選がありました。この町は、市町村合併でA地区とB地区がくっついているんですけれども、元々、そもそも郡も違うところで、文化も違うところで、しかも、山で遮られているので距離的にも遠い、離れているんですね。町役場はAの地区にありまして、現職がAの地区にいるんです。今回、B地区からも候補者が出まして、まさに地区同士の戦いになりました。なかなか、いろいろな問題があってうまくいっていないところなので、まさに真っ二つになったんです。
 そこで、この期日前投票のことが問題になりまして、期日前投票は、実は、役場のところで、水曜日から土曜日まで四日間、毎日開いていて、朝の八時半から夜の八時まで開いているんですね。ところが、B地区の方は、開いている時間が二日間、しかも、それは六時までで閉めるというふうになっているんです。では、期日前投票はAの方に行けばいいじゃんということなんですが、実は、町中に出るのに、A地区はこっちの道から行きますし、B地区はこっちの道から行くので、仕事が終わってから期日前投票にB地区の人が行こうと思うと、物すごい遠回りになるんです。
 これで、投票の自由が不公平じゃないかということで大問題になりまして、これは選挙管理委員会が意図的にやったとは私は思っていないんですけれども、ただ、結果としては、A地区の方がやはり期日前投票でより機会が与えられ、B地区の方はその機会がどうしても少なかったという事実だけは残ってしまったというふうに感じたんですね。
 ちょうどそのことを感じているときに、憲法審査会でのこの議論があったので、今日質問させていただいているんですけれども、必ずしも、自治体に任せたからといって、事情によって、投票の公平性が担保されるとは限らないんだなということを私は実感したんです。
 ですから、今回、公選法で並びのところをそのまま国民投票法に持っていきます、そういう整理だと思うんですけれども、果たして、公選法の中でのこういう公平性の問題があるときに、そのまま国民投票法の方にするっと横滑りさせて問題がないんだろうかという問題意識を私は持っておりますので、その点について提出者に御答弁をいただきたいと思います。

#10
○中谷(元)議員 この問題は、やはり地方の実情に精通している市町村の選管、これの判断だと思います。
 例えば、通勤通学に合わせるとか、ショッピングセンターの閉店時間に合わせるとか、やはり投票人の生活環境やニーズに応じて投票時間を弾力的に設定することを可能とするということで、目的は投票の利便性の向上に資するということで、御紹介をいただいた事例につきましては詳細を承るものではありませんけれども、基本的には、先ほど申し上げたとおり、選管において、十分にニーズを把握しながら、どこに有利、不利といった状況が生じないように適切に期日前投票所を設置するということが期待をされておりますので、問題の選管も、片方の陣営に与する形で投票所を設定したということではないと思っております。
 また、御指摘のような問題が仮にあったとしても、それは、今般の改正が倣ったというところの平成二十八年の改正の公選法によって生じた問題ではなくて、それ以前からも生じ得た問題であるとも言えますし、また、そもそも、そのような不公平な状態をつくり出すことを公選法は予定していないということでございまして、いずれにしましても、やはり投票の利便性の向上に資するものであるという点につきましては御理解いただきたいと思います。

#11
○今井委員 済みません、時間が参りましたので、ちょっと残余の質問は断念いたしますが、今御紹介させていただいたとおり、そのまま国民投票法にこれを横滑りさせたときに、果たして地区によって投票の公平性が保たれるんだろうかという問題点、そこは私はやはり疑念が残りますので、この点に関してはやはり公平性が保たれるんだという議論をしっかりした上で採決をする必要があるんじゃないかなということを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#12
○細田会長 次に、國重徹君。

#13
○國重委員 おはようございます。公明党の國重徹です。
 与えられた質疑時間、五分ということですので、簡潔に述べさせていただきたいと思います。
 まず、七項目案につきましては、一日も早い採決を求めたいと思います。
 次に、七項目案を採決した後の憲法審査会の議論の在り方、これにつきましては、CM規制を始めとする国民投票の議論とともに、憲法本体の議論も同時並行で行っていくべきであると考えます。
 このうち、CM規制に関する今後の国民投票法の議論の在り方につきましては、先週、新藤筆頭幹事から、特に幹事会メンバーを中心に、論点整理をして、一つの方向性に向かって議論を収れんさせていきたい旨の御提案がございました。私も、以前、CM規制などの国民投票法の議論の在り方として、論点整理や共通認識の確立が不可欠であるということを訴え、まずは幹事会で論点を洗い出すことを提案させていただいておりまして、新藤筆頭幹事とまさに同じ考えであります。
 我々は、国民の代表としてこの憲法審査会に臨ませていただいております。その大切な審査会における議論が課題解決に向けたかみ合ったものとなるよう、議論が無用に拡散をして放談会のようなものにならないよう、議論の進め方を真摯に検討していくことは極めて重要であると考えております。
 このような議論の進め方について、提出者である北側議員のお考えをお伺いしたいと思います。

#14
○北側議員 大変大事な御指摘をいただいたと思います。
 CM規制の問題は、国民投票運動の自由、表現の自由と、国民投票の公平さ、公正さとのバランスをどう取るかという非常に重要な問題でございます。これには様々な論点がございます。また、憲法改正国民投票という国の最高法規に関わるものでありますから、できるだけ各政党間の幅広い合意を形成する必要があるというふうに思います。今後、是非とも当憲法審査会で丁寧な議論を行っていく必要があるというふうに思っております。
 それから、今や、CMというのは、テレビ、ラジオ広告よりもネット広告が凌駕する、そういう時代になっています。その傾向というのはこれからますます大きくなっていくだろうというふうに認識をしております。
 したがって、現在の国民投票法に規定されているテレビ、ラジオ広告の規制というだけではなくて、インターネット広告等に関する議論も進めていく必要が当然あるわけでございまして、特に、現在はデジタル技術が急速に進展をしております。メディアそのものも多様化、複雑化していることを踏まえまして、しっかり議論を推し進めていく必要があると思います。
 私も、この審査会で同じような趣旨の発言をさせていただきました。このCM規制の問題は非常に重要な問題でございますので、論点を整理していくためにも、幹事会の下に特別の検討委員会を設けて論点整理をしていく、そういうことが重要であるというふうに申し上げましたが、新藤筆頭幹事の御提案というのは全く私と同じ考えでございまして、論点整理を行って、そして与野党が一つの方向性に向かって合意形成をしていくということは大変重要であるというふうに思っております。是非、幹事会等において、今後しっかりとこのCM規制の問題について協議をさせていただきたいというふうに思っております。
 ちなみに、CM規制も大変重要でございますが、当然のことながら、憲法本体の議論が重要でございます。そのためには、このCM規制の議論、さらには憲法本体の議論を進めていくためには、まず、この七項目案については早急な成立を是非させていただいて、その上で、憲法本体の議論、CM規制の議論を同時並行で是非行わせていただきたいというふうに考えております。
 以上です。

#15
○細田会長 それでは、本村伸子君。

#16
○本村委員 日本共産党の本村伸子です。
 まず、前提の話なんですけれども、前回、赤嶺政賢議員が、総務省の違法接待問題、吉川元農水大臣の収賄事件、河井克行前法務大臣、案里前参議院議員の選挙買収事件など、安倍、菅政権の下で、疑惑と腐敗は数え切れず、国民の政治に対する不信感が増していることを指摘し、そもそも、改憲や改憲につながる整備の議論をする大前提を欠いているということをただしたのに対して、法案提出者の逢沢一郎議員は、「憲法審査会における議論そのものが国民の政治に対する信頼につながる、」と答弁をいたしました。
 疑惑と腐敗を脇に置いて憲法審査会だけは議論するというのでは、ますます政治不信は拡大するばかりだと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。

#17
○逢沢議員 本村先生にお答えを申し上げます。
 国民の皆様の政治への信頼がいかに大切であるか、政治の正当性の、それはもう原点でございます。それは当然のことであります。私たちは、そのことを常に念頭に置いて、真摯な姿勢で政治活動を日々行っていかなくてはならない、それは国民の代表たる我々国会議員の責務であろうかというふうに思います。
 その上で、委員御指摘のような問題につきましては、例えば予算委員会など、それを議論する場は国会にございますし、場合によりましては通常委員会等々がそういった場になる、そのように私としては理解をいたしております。
 また、法案提出者として、当憲法審査会にはいわゆる政局を持ち込まないという原則について、全会派の皆様、先生方において共有をしていただいている、そのように承っております。
 今般、私どもは、国民投票における投票環境の向上を図るための七項目の改正案を提出いたしました。憲法審査会においてその審議をお願いしているところでありますが、投票をしやすくする、一人でも多くの有権者の方に投票していただく、高い投票率を誰もが期待をいたしているわけでありますけれども、是非そのことについて早期に結論をお出しいただきますように、改めてお願いを申し上げたいと思います。
 まさに、この憲法審査会、この場で真摯な議論がなされている、そのことが国民の政治への信頼、それにもつながるということを改めて申し上げたいと思います。

#18
○本村委員 疑惑と腐敗で失った国民の皆様の信頼は、疑惑の真相究明と、ただしていくということでしか取り戻せないということを強調させていただきたいと思います。
 総務省の違法接待疑惑では、放送法の外資規制違反が問題になりました。放送法の外資規制は、日本における放送の自由と健全な民主主義の発展にとってゆるがせにできない問題です。
 外資規制については、政治資金規正法にも規定がございます。元々、政治資金規正法は、株式の五〇%以上を外資が保有している法人からの政治献金を受け取ることを禁止しておりました。これは、我が国の政治あるいは選挙から外国の影響を排除する原則とされてきました。
 ところが、二〇〇六年の法改定では、五〇%以上の外資が入っている企業であっても、日本法人で、五年以上継続して上場している会社であれば、献金を受け取ってもよいとされております。そのように改定をされてしまいました。背景には、当時の日本経団連の御手洗会長のキヤノンが外資五〇%前後で推移していたからだというふうに言われております。
 そこで、二点伺いますけれども、株式の五〇%以上を外資が保有している企業からの政治献金は、国民の皆様の政治参加の権利を侵害し、国家主権を揺るがすものではありませんか。また、外資から献金を受け取った政党が憲法改定の国民投票運動をやるということについてどう考えるのか、見解を伺いたいと思います。

#19
○中谷(元)議員 御指摘の政治資金規正法の改正につきましては、もちろん、我が国の政治や選挙が外国の勢力によって影響を受けることがないように配慮をしておりますが、証券市場のグローバル化、この進展した社会の情勢の変化を踏まえまして、日本法人である上場会社からの政治活動に関する寄附に限ってその制限を緩和することを内容としたものであります。
 この日本法人である上場会社につきましては、まず、所有と経営が完全に分離をしておる、それから、少数特定者持ち株数、また株主数に関しまして厳しい審査基準があります。また、有価証券報告書の提出義務が課せられて、株主の状況等について市場による監視が徹底しております。このような理由によりまして、そこから寄附を受けたとしても、我が国の政治や選挙が外国の勢力からの影響でゆがめられるようなことはないと承知しております。
 同様に、御指摘のような企業から寄附を受け取った政党が中心になり国民投票運動を行うことにつきましても、国民主権、国家主権を揺るがすような問題が生じるとは考えておりません。
 なお、旧国民民主党から提出されております国民投票法の改正案につきましても、このような問題提起がされていることは承知しておりまして、今後、様々な検討点を踏まえた上で、他の国民投票法に関する諸論点とともに、憲法審査会の場で議論していきたいと考えております。

#20
○本村委員 元々、企業献金というのは、企業の利益を実現するための賄賂性を持っております。ましてや、外資がお金の力で日本の政治に影響を行使することなど、あってはならないと思います。
 こうした点も含めて、今後、この今の制度でいいのかということを根本から議論するべきだということを申し述べ、質問とさせていただきます。

#21
○細田会長 次に、足立康史君。

#22
○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 私たち日本維新の会は、国民投票法改正案については既に審議が尽くされたとの立場であります。そして、直ちに採決をし、可決、成立を図るべきであると考えております。そうした観点から、国民投票法改正案についての個別の論点について質問することはもうございませんが、大所高所から、馬場伸幸提出者に三点御質問したいと思います。
 まず一点目は、馬場伸幸提出者は、中山太郎憲法調査会長のお弟子さんであると承知をしています。中山会長の憲法改正に向けたお考えやエピソードを御紹介いただきたいと思います。
 二点目は、先週も申し上げましたが、野党筆頭が会長代行を兼ねているのは、まさに政局を持ち込まないという憲法審査会の伝統を反映したものであると考えておりますが、馬場伸幸提出者の見解を伺います。
 最後に、憲法審査会に政局を持ち込まないという大原則を遵守しない立憲民主党もさることながら、憲法審査会の開催自体を否定する共産党の姿勢はいかがなものかと考えます。馬場伸幸提出者の御意見を伺います。

#23
○馬場議員 足立康史議員の質問にお答えいたします。
 私は、御指摘のように、憲法審査会の会長を務めてこられました中山太郎先生のまな弟子でございます。自分でまな弟子と言うのもおかしいですけれども。その私が、憲法改正に向けた中山先生のお考えとして理解しているところは、次の二点であります。
 まず第一点、憲法は国民のものであることを口癖のように言っておられました。すなわち、憲法改正は、国会での幅広い合意に加え、国民の理解があって初めて実現するものであり、そのためにこそ、意見の相違を乗り越えて、憲法審査会において毎週真摯な議論を繰り広げることが大事だということであります。
 二点目に、海外調査を踏まえて、憲法改正は偉大なる妥協であることも常に口にしておられました。全ての国民生活の基礎であり、政治運営の基礎になる憲法だからこそ、自らの意見にこだわらずに、大胆に妥協して、中庸を目指すべきだということであろうかと思います。
 このような考えの下、中山先生が編み出された憲法論議の手法が、現在、中山ルールと呼ばれています。その真髄は、憲法論議は、政局から離れて、冷静に、かつ少数意見を尊重して議論するということであろうかと思います。
 野党の皆さんはすぐ中山ルール、中山ルールと言いますが、中山先生の政局から離れては、与党のみならず、野党にも向けられた言葉であることを肝に銘じていただきたいと思います。これを憲法論議をしない口実として使わないでいただきたいということを申し上げておきます。
 中山先生とともに創設期の憲法調査会をつくり上げてきた民主党の中野寛成会長代理は、憲法論議に当たっては、与党は度量、野党は良識をと唱えておられました。与党、特に新藤筆頭は、この間、粘り強く真摯に協議を呼びかけ、譲るべきは譲るなど、最大限の度量を示してこられました。にもかかわらず、一部野党は、良識をかなぐり捨て、意図的に政局を絡ませてきました。このような姿勢は、中山ルールに全く反するものと言わざるを得ません。
 二つ目の、この憲法審査会が、他の委員会にはない、野党筆頭が会長代理を兼ねているその意味合いについての御質問でございます。
 足立委員御指摘のとおり、憲法審査会では、申合せにより、憲法調査会以来の先例を踏まえ、会長代理を野党第一党の幹事の中から選定することとされています。これは、憲法審査会の運営の責任の一端を野党第一党も担うことであり、中山ルールの真髄である憲法論議に政局を持ち込まないという大原則が反映されたものであります。
 中山太郎先生は平成二十三年十一月十七日の憲法審査会で、憲法調査会時代の憲法論議について報告を聴取した際、歴代の会長代理であった鹿野道彦、中野寛成、仙谷由人、枝野幸男の四先生には本当に助けていただいたとの謝意を述べています。
 繰り返しになりますが、会長代理の役割と心がけに関して中野寛成議員は、憲法論議に当たっては、与党は度量、野党は良識を持つことが大事と述べておられます。歴代会長代理は、まさしく良識を堅持していたのだと思われます。
 三番目の御質問ですが、憲法審査会に対する共産党の姿勢についてお答えいたします。
 足立委員御指摘のとおり、共産党の委員は憲法審査会の開催に否定的な態度を取っておられます。その理由として、国民の中から改憲せよとの声が起こっていないことと、憲法審査会は改憲を発議する機関であることを挙げておられると承知いたしております。
 しかし、我々日本維新の会を支援してくれている国民からは、憲法改正を望む大きな声が届いています。我々と共産党とは国民世論に対する評価が異なっているように思われます。最新の産経新聞の世論調査でも、憲法改正に賛成するとの回答は五二・六%であり、反対するの三四・九%を上回っています。
 また、本審査会は、国会法において、憲法改正原案や国民投票法などの審査だけではなく、日本国憲法等について広範かつ総合的に調査を行うことがはっきりと定められています。したがって、定例日はきちんと毎回開催し、議論を尽くしていくのが当然の責務であります。
 もっとも共産党は、審査会が決まれば出席して意見を述べるとの姿勢を堅持してこられました。本日も、このように御出席いただき議論に参加してくださっていることについては、敬意を表したいと思います。来週以降も、本日と同様に誠実に御対応いただくようお願いいたします。
 以上でございます。

#24
○細田会長 それでは、次に、山尾志桜里君。

#25
○山尾委員 おはようございます。国民民主党の山尾志桜里です。
 私からは二点質問したいと思います。
 まず、一点目ですけれども、先国会から本多委員から提起されている本多論点といいますか、今日は今井さんも加わって疑問を呈されましたけれども、論点として提示されている以上は、きちっと議論をして整理をする必要があると思いますので、このことについて馬場委員に質問をいたします。
 国民投票については、公選法並びの手続保障ではよくないんじゃないか、国民投票については、自治体に任せるよりも、一定程度国がルールを一律決めた方がいいんじゃないかというような問題提起と受け止めていますけれども、私は手続保障も二つに分けて考えた方がいいと思うんですね。
 やはり、投票の質の向上については、これは、どのように国民に情報を届けるかとか、あるいは、それに対する多様な意見の場をどういうふうに確保するかということで違いが出てきてもおかしくないと思うんですけれども、一方、投票機会の充実については、基本的にはこれは、人を選ぶ一票も憲法改正の是非について意見する一票も同じく重要で、この重要な一票をできるだけ行使しやすくするにはどういう方法がよいかという話なので、基本的にやはり違いはないんだろうというふうに思います。
 そのことについてみんなで考えた結果、投票機会の充実については、自治体の規模とか住民の生活スタイルとかいろいろあるので、期日前投票の時間や場所の運用は自治体にある程度任せた方がいいよねという政策判断があって公選法の改正がなされたわけなので、これをよしとするのであれば、やはり国民投票でもよしとするのがどう考えても帰結だと思うんです。
 そこで、改めて伺います。
 選挙、人を選ぶ選挙と、憲法改正の国民投票、テーマを投票するもの、これに関して、投票に関する手続を異にすべきか否か、投票機会の向上と投票の質の向上との場面に分けて御見解を伺います。

#26
○馬場議員 山尾志桜里議員の御質問にお答えいたします。
 まず、投票機会の拡大といった外形的事項については、一般の選挙と国民投票とで、山尾議員御指摘のとおり、基本的な相違はないものと理解をしております。
 他方、現行の国民投票法は、主権者である国民の政治的意思の表明そのものである国民投票運動に関わる事項、すなわち、投票の質の向上といった事項については、なるべく自由にという基本理念の下に制度設計されており、一般の選挙と国民投票とで異なる制度を採用していると理解をいたしております。
 すなわち、投票機会の拡大の場面では、公選法並びの措置を導入することが当然に予定されているのに対して、国民投票運動等の投票の質の向上の場面では、表現の自由の保障と国民投票の公平公正とのバランスを確保する観点から、慎重に議論を行う必要があるものと考えております。

#27
○山尾委員 私も、整理としては同じ整理だというふうに思います。
 そう考えていくと、この論点、提起をしていただいたんですけれども、今の整理にのっとって、私は、やはりこのタイミングで議論を終結して、採決をした上で、今お話にあったこの大事な質の向上のところに議論を進めていくべきだというふうに思うんですね。
 そこで、井上委員にお伺いをいたします。
 今後、憲法改正の国民投票でどうすれば投票の質の向上が図れるのかということで、CM規制やネット規制などが議論になっていくわけですけれども、その人がやはりその人の政治的意見をその人らしく反映することができる一票を投じるために、提供される事実にはフェイクがない方が望ましい、でも、事実に基づく判断に当たってはいろいろな人の多様な判断に触れられる機会がたくさんあってほしいという難しいバランスだと思うんですけれども、現行制度上、国民投票において提供される事実のいわばファクトチェックは、どの段階で、誰がすることになっているんでしょうか。そして、その制度設計にはどんな課題があり得るんでしょうか。

#28
○井上(一)議員 山尾委員にお答えしたいと思います。
 現行国民投票法は、投票運動はなるべく自由にという基本理念の下、投票の公正さを確保するために必要最小限の規制のみが定められているものと承知をしております。
 このため、国民投票運動において、真偽に疑義のある情報が流されるような事態にあっても、基本的には、言論に対しては言論で対処するという言論の自由市場が機能することを前提に、国民が冷静に判断できるような環境整備を考えていくことが重要と考えています。
 必ずしもファクトチェックという趣旨ではありませんが、現行法上の制度としては、憲法改正が発議された際に、国会に設けられている国民投票広報協議会が客観的、中立的な広報を行うこととされております。例えば、この公的な広報協議会の活動を大幅に充実強化することによって、国民に賛否の多様な情報を届けることができるものではないかというふうに考えております。
 以上です。

#29
○山尾委員 ありがとうございました。
 国民投票広報協議会の充実については、在り方についても、私は極めて重要な議論にこれからなっていくと思いますので、しっかり議論していきたいと思います。
 ありがとうございました。
     ――――◇―――――

#30
○細田会長 次に、日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件について調査を進めます。
 本日は、日本国憲法及び憲法改正国民投票法を巡る諸問題について自由討議を行います。
 この際、委員各位に申し上げます。
 発言を希望される委員は、お手元にあるネームプレートをお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言ください。発言が終わりましたら、ネームプレートは戻していただくようにお願いいたします。
 発言は自席から着席のままで結構でございます。また、発言の際には、所属会派及び氏名をお述べいただくようお願いいたします。
 なお、幹事会の協議により、一回当たりの発言時間はおおむね五分といたします。委員各位の御協力をお願いいたします。
 発言時間の経過につきましては、おおむね五分経過時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。
 それでは、発言を希望される委員は、ネームプレートをお立てください。

#31
○新藤委員 自民党の新藤でございます。
 ただいま法案質疑を拝聴いたしましても、皆さん共通の理解を得られるのではないかと思います。この採決につきましては、やはり筆頭間でしっかりと協議をしながら、そして政党間の協議も今熱心に進められておりますので、そうした中で、やはり私たちは、民主主義の手続、ルールをしっかりと果たしてまいりたいと思いますので、是非、委員各位の御理解をいただきたいと思います。
 その上で、私は、この国民投票法の改正案の採決の後に、この審査会はどういう方向で進んでいくべきなのか、このこともやはり皆さんと一緒に共有したいと思っております。
 まず、もとより、この憲法審査会は、日本国憲法とその改正手続である国民投票に係る議論を行う、この二つの目的の機関です。ですから、自由討議といっても、その討議の内容は、憲法の改正及び国民投票に係る問題、そこにテーマが設定されているわけであります。ですから、憲法のいわゆる本体と言われる論議と、そしてその手続に関する論議を並行させていく。国民から憲法論議を深めてほしいという期待が大いに高まっていることは、皆様からも御披瀝いただいておりますけれども、私は、憲法審査会の活性化に向けて、是非皆さんで更に努力をしていきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 その上で、手続法であります国民投票法につきましては、これは、社会環境や投票を取り巻く情勢の変化に応じて、随時その制度をアップデートしていかなくてはならないわけです。したがって、投票環境向上という面におきましては、今回の七項目では、終わりはございません。更に公選法では二項目が措置されておりますし、今後、また別の課題も出てくると思います。そういったものを引き続き検討していかなければいけないということです。
 あわせて、投票の質の向上という観点からでは、放送に係るCM規制、そしてインターネットの普及に伴うネット広告への対処など、新しい議論が必要なものが出てきております。自由な国民投票運動といった基本理念と投票の公平公正、このバランスをどう取るかということを留意しながら、具体的な議論を更に進めなければいけない、こういう状態でございます。
 ですから、まず、こうした議論を行っていきましょうと何度も申し上げておりますし、自由討議においては、他党の委員からも私にも御質問をいただきました。それは、これからそうした国民投票法に係る議論を進めていきますということは明確にお約束をしておりまして、これは我々が提案している七項目採決の担保になっているではないかということ、これを訴えたいと思います。
 そして、七項目の採決が終わった後には、例えば、こうした分野における専門家の方にお話を聞く機会ですとか、そういったものも設けていいのではないかなと思いますし、ここは是非、筆頭間協議で御相談をさせていただきたい、このように思っているところでございます。
 また、続きまして、憲法改正の本体論議でございますが、これは皆さんは全員共有できると思います。実は、議論はそれなりに進んでいるということが言えると思うんです。
 国民投票法の法案審査は、趣旨説明をしてから二年半できませんでした。昨年の十一月でようやくできたわけです。でも、二年前の憲法審の海外調査によって、その報告を求めている自由討議から始まって、既に本日で九回目なんです。そして、その中で憲法に関するいろいろな御意見が各党から出されております。
 私は、まず憲法論議の一丁目一番地として、国家の基本である国民の生命財産を守る、この観点を憲法にどう規定するかということから、自衛隊の存在を憲法に明記する意義というものを訴えてまいりました。
 また、我が国憲法に規定のない緊急事態条項につきましては、国民の安全、安心を守る措置の重要性として、加えて、現下の新型コロナ禍におけるこうした議論の必要性は共通の認識になっているのではないかと思います。
 国会議員の任期延長。これは、こうした厳しい状態においても衆参両院議員から成る国権の最高機関を機能させるためのものでありまして、その議論の延長には、国会の定足数をどう捉えるか、出席の問題です。オンライン会議の問題など、こういったものも議論しなければならないわけです。この提案は既に自由討議で行いましたが、残念ながら、立憲民主党からは不要ではないが不急だと言われて、こういったものもなかなか議論できないというのは誠にじくじたる思いがあるわけであります。
 それから、三つ目の地方自治と合区の問題。これは何が問題かといえば、人口減少と大都市への一極集中が行われている現在、選挙制度の理念である民意の集約と民意の反映、この要請がバランスを取れるのかということでございます。
 一票の格差の問題。これは、単に人口比だけでそれにこだわれば、過疎地域の都道府県では一人も参議院議員が出せなくなり、そして、その住民の声は国政に届きにくくなる。また、衆議院の小選挙区におきましても、大都市では、国勢調査のたびに市区町村を分断するような小さな選挙区がどんどんできていて、そして、地方では、その分、小選挙区が拡大されて議員が少なくなる。こういう民意の反映とそれから一票の平等性、これをどうバランスさせるかという問題、これは喫緊の課題だと思っております。ですから、その意味でも、憲法における地方自治、地方とはどういうものなのかという規定をきちんと整理しなければならないということなのであります。
 そして、子供たちの教育に関する問題も、これは、まず、教育の理念が憲法上きちんとできているのかから始まって、ましてや生涯教育の理念、さらには、新型コロナ禍において、いみじくも、リモート教育、教育のデジタル化、こうしたものをどう取り入れていくかということも大きな問題です。
 我々が参りましたドイツでは、憲法改正六十三回目のときには、教育のデジタル化がドイツの憲法改正になっているんです。ですから、こういった問題についてしっかりと議論しなければならない。既に、具体的な提言をさせていただいております。
 また、我々は、自民党は、この四つのテーマを議論のたたき台としてお出ししておりますけれども、それ以外にもいろいろな御要請があって、また御提案があるんだと思いますから、そのためにも憲法審査会をきちんと開いていこうと。
 とにかく、一月から国会が開会されて、四月の十五日になるまで憲法審査会は開催できませんでした。毎回、憲法審査会を開会させるまでの本当に大変な苦労というのは、今皆さんから御意見いただいている憲法審査を熱心にやろうじゃないかということと真逆の状態が起きるわけでございまして、是非、議論を恐れずに、しっかりと国民のための憲法を深めていく、こういったことを我々は国会の責務としてやっていかなければいけないと思いますし、その上において、更にこの憲法審査会を活性化できるように、私も、微力でございますけれども努力していきたいと思いますので、皆さんと一緒に頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

#32
○山花委員 立憲民主党の山花郁夫でございます。
 今日は、公選法の七項目についての質疑がございました。これは、私も筆頭幹事といたしまして、法案について全く問題なしとはしないので、質疑時間を取っていただきたいということで申し上げてまいりましたけれども、今日も質疑が行われたことには感謝を申し上げたいと思います。
 その上でですけれども、先ほども御議論ございました国民投票と選挙の投票に関してです。
 選挙の場合、これは、広く国民一般とは区別された有権者団として行動するケースであるのに対して、憲法改正の国民投票については、主権者である国民が憲法制定権力の発動として合法的に行うというものですので、原理的にはかなり大きな違いがあるんだと思います。
 先ほど、新藤委員と船田委員との間で、この法制定時の御議論がございました。投開票という実務的なものについては基本的には選挙に倣うということで、私自身も当時、立案には関わっておりましたので、そういう認識でありましたけれども、今回、質疑などを通じまして、ちょっと修正が必要かなという気がしています。というのは、原理的な違いということから導かれるものではなくて、選挙と国民投票とで、場合によっては異なった視点が必要なのではないかということです。
 選挙の投票の場合には、例えば、首長選挙で、法定得票率に満たず再選挙になるケースもあります。議員に関して言うと、例えば、任期満了ぎりぎりのところでやってということで、議員がいないということがあってはいけないということで、早期確定の要請というのは間違いなく選挙法の場合にはあるんですけれども、国民投票の場合には、多少ずれたからといって、これで大きな支障が生じるということは余り想定できませんので、やはり、これから、公選法から持ってくるに際しても、そこについて本当に大丈夫なのか、あるいは、今日も疑義が出ていましたけれども、運用などを見て、本当にそのまま置き換えて大丈夫なのかということは、しっかりと検証する必要があるのではないかということを、ちょっと自分自身の反省も含めて感じたところです。
 また、先ほど、我が党のスタンスということで、採決に応じないのは不合理ではないかというような趣旨の御発言がありましたけれども、今回、コマーシャル等について我々が求めているのは、今の国民投票の同じ法律に関する問題です。
 ほかの委員会で、何か余り関係のなさそうな法案について、まとめて質疑して採決せよというような御提案をいただくことはありますが、同じ法律について、まずこれを採決して、その次にこっちをやりましょうなんという話は聞いたことがありません。同じ法律ですから、国会のルールとして言えば、やはり同時に決着をするというのが本来だと思っておりますので、必ずしも不合理な主張をしているというよりも、むしろ合理的な主張をしているつもりだということは申し上げておきたいと思います。
 その上でですけれども、今日、後ほど、できたら、船田委員、御発言いただければという思いがあるんですが、元々この問題について、何でこじれたかという発端は、法制定時に、元々コマーシャルについては全面規制というアイデアも当時ありました。あったんだけれども、やはり表現の自由とかの問題があるので、自主規制の方でどうかという議論があった上で、当時は特別委員会でしたか、民放連の方が来られて、自主規制はやるんですという発言があったことを受けて、交渉当事者の、船田先生も一翼を担われていたと承知していますが、それを受けて、ああ、やるんだなという認識で、自主規制、今の形になったのではないかと思いますけれども、この審査会で、二年前でしたか、民放連の方々が来られて、最初からそんなこと言っていませんよみたいな発言をされました。
 それは、少なくとも、民放連側の認識も大事かもしれませんけれども、当時法律を作った方々が、あのときどういう認識だったのか、そして、今言われていることについてそごがあると感じているかどうかということは極めて大事なことではないかと思いますので、この点について、可能であれば御発言いただければと思います。
 以上です。

#33
○北側委員 公明党の北側一雄です。
 今後、当憲法審査会で議論すべきテーマとして、簡単に二点、申し上げたいと思います。
 一つは、先ほど新藤筆頭理事からもお話がありましたが、緊急事態における国会の機能の維持です。
 新型コロナウイルス感染症が日本と世界各国で猛威を振るっております。国民の命と暮らしをどう守るのか、社会経済活動をどう持続していくのかが問われているわけでございます。また、我が国においては、東日本大震災や阪神・淡路大震災のような大災害も、いつ襲うかもしれません。国難とも言える危機時において、国会は、国権の最高機関、唯一の立法機関として、極めて重要な役割と責任を担っていかねばなりません。
 しかし、こうした国家の危機時に多くの国会議員が国会に参集することが困難になる場合を想定しておかなくてよいのでしょうか。感染症が全国で爆発的に蔓延し、極めて深刻な状況となった場合や、また、巨大地震の発生で甚大な被害が生じているときに、国会は、速やかに必要な法律と予算を成立させ、また、政府に対して迅速、適切な対策を求めていかねばなりません。
 憲法五十六条一項には、両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することはできないとあり、五十七条一項では、両議院の議事は、公開とするとございます。議会制民主主義の基礎となる憲法条項であります。だからこそ、国会議員の国会への参集が事実上著しく困難な状況と認められる場合には、この五十六条一項、五十七条一項をどう解釈するのか、そこで言う出席とは何か、議事の公開とは何か、国会として自律的に決めていかねばなりません。重要な憲法条項の解釈に関わることですから、当然のことながら、憲法審査会で主導的に議論をすべきではないでしょうか。
 さらに、例えば衆議院議員の任期満了直前、私たち今の衆議院議員は二〇二一年十月二十一日が任期満了でございますが、こうした任期満了直前に感染症の著しい蔓延や巨大地震が発生した場合などには、国政選挙そのものの実施が相当期間困難となることも想定されます。公職選挙法五十七条の繰延べ投票で選挙の期日を変更することはできますが、任期満了で衆議院議員は全員その地位を失います。憲法四十五条で衆議院議員の任期は四年と明記をしているからでございます。
 国家の危機時に衆議院が全く機能しなくてよいのでしょうか。仮に、緊急事態において国会議員の任期の延長を可能とするには、法律の改正ではできません。憲法の改正が必要となってまいります。その是非について、この憲法審査会での議論が必要であります。
 もう一つ、憲法審査会で論議すべきテーマとして、急速にデジタル技術が進展する中で、民主主義や人権という憲法価値をどう保障していくかという課題でございます。
 デジタルトランスフォーメーションの著しい進展とGAFAに代表されるプラットフォーム事業者の存在は、私たちの日常生活や経済活動、さらには個々人の内心の意思形成や決定過程にも大きな影響を与えています。我が国の社会経済の発展に向けて、デジタル化への環境整備は促進されなければなりませんし、避けて通ることができない課題です。
 一方で、その負の側面にも着目しなければなりません。特に、ネット社会における関心経済、アテンションエコノミーとも言われる特性によって、関心のある情報、それは往々にして偏った刺激的な情報の場合があると思われますが、それだけが広く情報拡散し、その結果、社会の分断を招くのではないかと危惧されています。まさしく国民投票法でのCM規制の在り方とも深く関連することでございますが、国民の知る権利を実質的に保障していくためには、多様な情報が国民に届くようにしなければなりません。
 フェイクニュース、偽情報、根拠なき誹謗中傷をどう排除し、抑制していくのか、また、大量の個人情報をどう保護していくのかなど、プラットフォーム事業者の責務は大きいと言わざるを得ません。
 もちろん、国家が直ちに規制することには慎重でなければなりませんが、適切なルールを定めていくことは必要と思われます。EUが昨年の十二月にデジタルサービス法案を発表いたしましたが、憲法審査会でも今後の議論の大いなる参考とすべきと考えます。
 七項目の国民投票法改正法案は、国民の投票の利便性を確保する、向上させる公職選挙法並びの改正で、審議も十二分に尽くされており、速やかに採決すべきです。
 そして、今申し上げましたような今日的な憲法に関するテーマについて憲法論議を積み重ねるのが私たち憲法審査会の責務であると申し上げまして、私の意見表明といたします。
 以上です。

#34
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 前回の審査会で、野田委員から、日本は四月二十八日に主権を回復したとの御発言がありました。安倍政権は、二〇一三年四月二十八日に、我が国の完全な主権回復を記念するとして、主権回復を記念する式典を開催しました。
 しかし、沖縄にとって、この日は、サンフランシスコ講和条約によって本土から切り離され、米軍の施政下に置き去りにされた屈辱の日であります。その後、米軍による銃剣とブルドーザーで住民は土地を強奪され、基地は拡張されました。この屈辱の日を主権回復の日として祝うなど、今でも怒りを感じるものであります。
 野田委員は、自主憲法の制定とも言われました。凄惨な地上戦を経験し、米軍統治の下で苦しみを背負わされ、沖縄県民が願ったのは、平和憲法の下での復帰でありました。主権回復を強調し、改憲のてこにすることは絶対に許されないと、まず強調しておきたいと思います。
 次に、審査会の進め方についてです。
 前回、新藤委員は、憲法審査会というのは、日本国憲法と日本国憲法の改正手続に関する国民投票法、この二つを議論するのが役割だとか、発議権のない調査会と違い、もっと大きな責任を持って審査会というものを運営するようになった、議論を尽くした上できちんと手続を進めていくことも国民に対する責任だと発言をされました。
 そもそも、この憲法審査会は、第一次安倍政権の二〇〇七年に、安倍首相が自分の内閣で改憲を目指すとする下でつくられたものであります。政局から離れてと言いますが、まさに政局を持ち込んだのは安倍首相と自民党であります。
 安倍首相は、二〇一二年に政権に復帰すると、改憲議論を進めようと国会をあおってきました。二〇一七年五月三日の憲法記念日に、憲法に自衛隊を明記する九条改憲を提起し、二〇二〇年を憲法改正の年にしたいと、期限を区切って進めようとしたのです。
 私たちは、憲法尊重擁護義務を負う政府の長が国会の権限に介入したもので、三権分立に反すると安倍改憲に反対してきました。それに対して自民党からは職場放棄だなどの発言もあり、大問題となりました。
 安倍首相のかけ声の下、自民党も改憲世論を高めようと躍起になってきました。しかし、世論は、改憲が政治の優先課題だとしてはいません。安倍首相自身が、退任を表明した会見で、国民的な世論が十分に盛り上がらなかったと述べています。これが国民の答えではありませんか。にもかかわらず、改憲議論をするのが国会議員の責任だとか、定例日を増やして議論をなどというのは、全く、これまでの経過を踏まえたものであります。
 大体、二〇一五年六月四日、憲法審査会に参考人として出席された三人の憲法学者が安保法制は憲法違反だと述べたことをきっかけに、憲法を壊すなという国民の声が沸き上がる下で、一年半もの間、審査会を動かせなかったのは自民党ではありませんか。余りにも御都合主義であります。
 さらに、安倍首相は、九条に自衛隊を明記する考えを示したと述べました。ところが、九条改憲に反対の世論が変わらないと見るや、次は、コロナを理由に緊急事態条項だと言い始めております。そもそも、安倍首相は当初、九十六条改憲を主張し、自民党も声高に叫んでいました。結局、改憲できれば何でもいいということではありませんか。余りにも憲法を軽んじるもので、憲法を議論する姿勢を欠いていると思います。
 今必要なのは、目の前にあるコロナ感染を抑え込み、国民の命と暮らしを守るための議論であり、改憲議論など国民は求めておりません。
 さらに、つけ加えるならば、憲法審査会は改憲草案作りの場であり、国民が改憲を望んでいない以上、このような審査会は開くべきではないというのが私たち日本共産党の見解であることを述べておきたいと思います。
 最後に、国民投票法についてです。
 新藤議員は、改憲議論を進めるために早く採決をと述べられていますが、国民投票法はそんなに軽いものなのでしょうか。この間の議論で、本当に公選法並びでいいのかという疑問が起きています。また、CM規制の問題や最低投票率の問題など、国民投票法が抱える基本的な欠陥を解決していません。国民の民意を酌み尽くすための在り方を根本から議論すべきです。それを放置したまま採決などということは認められないということを改めて申し上げておきます。
 以上です。

#35
○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 日本維新の会は、今、新型コロナウイルス感染症の蔓延という脅威に対応する中で、緊急事態条項に係る議論を今こそ深める必要があると考えています。そうした観点から、そのためにも国民投票法改正案の速やかな可決、成立を図り、憲法改正原案に関する実質的な審査に入るべきであると訴えておきます。
 その上で、山花会長代理と赤嶺委員に質問します。私の持ち時間を使って質問させていただきます。
 まず、山花会長代行に質問ですが、共産党の赤嶺委員が再三、安倍、菅政権においては憲法を議論する前提を欠いていると度々おっしゃっています。この共産党の意見について、山花会長代理の意見を伺います。

#36
○細田会長 まず、全党が十分に御意見を述べる、六会派、それを先にして、関連するいろいろな発言を認めていきたいと思います。そうしないと、時間が押して、十分に六会派が発言できないという場合が生じますので、まず、いろいろおっしゃっていただきたいと思います。

#37
○足立委員 私の五分の持ち時間での質疑を望んでおりましたが、会長の議事運営でございますので、異論はありますが、従いたいと思います。
 今日の時間内で、是非、山花代理に伺いたいのは、共産党のそうした非常識な意見に関する立場を教えてください。
 それから、赤嶺委員に対しては、度々、国民が改憲を求めていないとおっしゃっています。先ほど馬場提出者の方からは、国民が憲法改正を求めているその根拠をお示ししました。是非、赤嶺委員の方からは、国民が改憲を求めていないとされている根拠をお示しください。
 それから、山花会長代理にもう一問。先週、奥野委員が、何らかの結論という与野党合意について、事実上、現在の七項目の案については廃案になることも容認するような解釈を述べられました。少なくとも、七項目についてそのまま採決するということではなくて、ほかの論点も盛り込んでいくことも何らかの結論の一つではないかとおっしゃいました。これはまさに廃案を意味するものと私は解釈せざるを得ませんが、山花会長代理の御意見を伺いたいと思います。
 今、私からこういう意見を申し上げたのは、与党それから国民民主党とは速やかな採決について意見を同じくしていますので、いろいろ議論をまだされている立憲民主党の筆頭である山花会長代理と、それから、この憲法審査会の開催自体に異を唱えていらっしゃる赤嶺委員に対して御質問申し上げましたので、是非お願いしたいと思います。
 特に、山花会長代理は、今日、馬場提出者からも申し上げたように、会長代理ですから。今申し上げた私の質問について、しっかりと熟考して、熟考した上で、必ず今日のうちに御回答をお願いします。
 以上です。

#38
○山尾委員 国民民主党の山尾志桜里です。
 コロナ禍と憲法の論点を深めたいのですが、その前に、先ほど北側委員から、今後進めるべきテーマについて、緊急事態における国会機能の維持、そして、デジタルルールについて議論すべきだというお話がありまして、私も全く同感です。
 その上で、コロナにおける国会の出席の問題については、先回、國重委員からも、いわゆる物理的な出席を意味するという立場に立つ長谷部恭男先生の見解、そして、機能こそが大事なのだという立場に立つ宍戸常寿先生の見解の御紹介もありましたので、やはり、こういった違う意見に立つ有識者の考えを早めに聞くということが大切かなというふうに思っております。
 その上で、コロナ禍と憲法なんですけれども、あわせて、やはり、緊急事態には人権侵害が起きやすい、人権保障が危うくなるという前提に立ち、実際に今も、法の根拠があやふやな人権制約がなし崩し的に広がり、チェックせずに放置されている面もあると思うんですね。
 だからこそ、今日の提案は三つで、一つは、やはり、今、進行中に、このコロナと憲法の問題をしっかり洗い出しておく。そして、国際社会がどう対応しているかも、事務局にお願いをして調査を開始することだと思います。
 第二に、その調査に基づいて、平時と言える程度に落ち着いたら、コロナの特措法改正、そして憲法での緊急事態条項の在り方、この具体的な検討を進めることだと思います。
 第三に、あわせて、やはり、緊急事態における人権救済の是正措置として、裁判所が機能不十分だと思いますので、この問題を解決するのに有効と考えられるいわゆる憲法裁判所の議論を進めるべきではないかと思っております。
 皆さんのお手元に、今コロナ禍で何が起きているかという参考資料として、神奈川新聞四月八日付の記事をお配りしました。慶応大大学院の横大道聡教授の記事で、蔓延防止措置は違憲の疑いが強いと評価をしています。
 幾つか黄色い線をつけましたけれども、第一に、感染拡大防止という目的は合憲でも、やはり、一律午後八時までというような時短営業措置や、一律同じ協力金というような制約軽減策は、手段として合理性を欠くのではないか、もし欠くのであれば、それは憲法二十二条一項の営業の自由を侵害する憲法違反の疑いがあるのではないかという提起です。
 もう一つ、第二に、蔓延防止措置の具体的な発動要件が政令に丸投げされているのは、国民の権利を制限するのは法律であるという憲法四十一条にもたがえる可能性があるのではないかという論点です。
 一番上にコメントで、線を引きましたけれども、危機に対応した法整備をパッケージで議論しておく時間的余裕は幾らでもあったのに、それにもかかわらず、その場しのぎの対応でやり過ごしてきた、サボってきたと言ってもいい。これは、立法府である私たちに投げかけられた言葉と受け止めるべきだというふうに思います。
 私たち国民民主党は、この特措法、反対しました。やはり、国民からなりわいを奪うような強い制約をかけるのに、余りにも民主的な統制に欠けて、補償も不十分だというふうに考えたからです。
 改めて、この特措法とその運用に憲法違反の疑いがないかチェックをして、今後の法整備に向けて今土台を整えていくというのが、この審査会に課せられた大きな仕事だというふうに思います。
 そして、もう一点ですけれども、裁判で救済をするというルートが日本ではすごく少ないです。
 フランスの行政裁判所、コンセイユ・デタでは、二〇二〇年、コロナ関連で八百四十件の判決が出ていて、これは前年比の六倍という報告もあります。デモの人数制限とか、無断で体温を測るとか、こういう措置が違憲とか違法とかいう判断がなされて、速やかに司法判断に沿って政令が改正されたりという動的な動きがあります。
 緊急事態に百点満点の人権保障は難しいので、必要なのは、きちっと緊急事態に事前の枠づけをし、そして、人権侵害の疑いがあったら司法がチェックをし、そして、おかしいということになったら政府や国会はそれを是正する、こういう動的なやはり設計をする必要があるというふうに思います。
 日本は、コロナ禍で、報道ベースですけれども、起こされた違憲訴訟は一件だけ。なぜこれだけ少ないのかというと、やはり憲法裁判のハードルが物すごく高いということなので、その要件を少し柔軟にするような、幅広にするような議論をするべきだと思います。
 やはり、司法審査があり得るというのは、行政に緊張感を生んで、人権保障に資するというふうに思います。
 実際、内閣官房からは、東京都などに対してペーパーが出ました。要するに、命令を出すときには、きちっと合理的な説明ができるか、公正と言えるか、ちゃんとチェックしてくださいねという駄目押しのペーパーです。
 やり過ぎたら裁判で説明が求められるという制度設計を、きちっとこの緊急事態において、起きている現象を基に私たちはやっていくべきだというふうに思います。
 最後になんですけれども、前回、投票の手続の議論と、こうした今起きていることについての本体の議論を並行的に進める必要があると考えるか、必要ならどんなやり方があり得るかということについて、新藤委員からはお答えをいただきましたが、山花委員と北側委員からはちょっと機会がありませんでした。是非このことについて御意見を承りたいですし、やはり公開の場でこれはいただきたいというふうに思います。

#39
○細田会長 ありがとうございました。
 今までの御発言に関連して、名前等が出された方がおられますので、順次お願いします。
 まず、山花議員の発言に関連して、船田元君。

#40
○船田委員 先ほど山花会長代理から御質問のありました、憲法改正に関するテレビCMの規制の問題であります。
 これにつきましては、私どもの平成十九年に国民投票法案を取りまとめるその過程の中で、確かに、テレビCMは刺激的なことが多いだろうから、これは全面的に規制をすべきだという意見と、いや、そうではなくて、やはり国民投票運動が自由に行われることが大事である、テレビにおいても同様であるので、そこはある程度自由でいいんじゃないか、様々な御意見があったかと記憶をしております。
 しかし、そういう中で、テレビCMで、圧倒的に賛成ないし反対の意見が、CMが大量に流されるということがあると、やはり国民の健全な憲法改正に関する意見というのがゆがめられるおそれがあるということで、特にフランスでの例を取りながら、投票前二週間はテレビCM禁止ということで一定の歯止めをかけるということで合意をしたはずでございました。
 また、そのときに、民放連の代表の方をお呼びして、民放連においてこのテレビCMの量的な規制について一定のルールを考えたいということで答弁があったことも事実でございます。我々は、それを確かに一つの条件、条件といいますか、一つの考え方として、当然これはあり得るということで、それを期待してこの法案を作らせていただいたということは事実であります。
 しかし、二年前に、民放連の新たな代表の方が来られまして御意見を聴取したときには、量的なルールにつきましては現在の時点で考えていない、そういう答弁をいただき、我々はちょっと驚いた次第でございますが、このことによって、国民投票法そのものが欠陥であるとか、あるいは前提が崩れたということとは私は考えておりません。これは多くの皆さんも賛同いただけるものと思っております。
 それで、今後、やはりテレビCM規制につきましては、これは公党間でしっかりと議論をして結論を得る必要があるというふうに思っております。また、ここについては、テレビだけではなくて、先ほど来出ておりますように、ネットの広告、こういった問題が新たに発生をしておりますので、こういったことも含めて、CMの規制の在り方については、この後、是非、真剣に公党間で議論をして成案を得ていただきたい、このように思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 以上です。

#41
○細田会長 それでは、次に、足立君と山尾君の発言に関連して、山花郁夫君。

#42
○山花委員 立憲民主党の山花郁夫でございます。
 先ほど足立委員から、赤嶺政賢委員の発言に対してということでございました。安倍、菅政権による政治の腐敗の下で、憲法を議論する前提を欠いているということについて、どう考えるかという御指摘だったと思います。
 これは、今の、そして前の政権の下で、私自身も、法の支配という観点からすると非常に問題がある政権であるとは思っております。ただ、この審査会に関しましては、先ほど馬場委員からも、かつての歴史についても御紹介がございました、私も調査会時代から在籍しておりますが、当時の日本共産党、そして社会民主党も、そもそも設置に反対であるというような御意見もある中で、そういう意見も尊重しながら運営をしてきたということでありますので、この前提を欠いているのだということの、そういった主張も主張として拝聴しながら、円満な形での運営というのを目指しているところでございます。
 二つ目として、奥野委員の御発言についての御指摘がありました。
 何らかの結論についてということで、今、議事録をいただきましたが、七項目についてそのまま採決するということじゃなくて、例えば、いろいろな、既に国会に出されております国民民主の案なども盛り込んで議決をするというのも一つの結論ではないかという趣旨の発言でありまして、これは今から、交渉事でありますので、もちろん、今の七項目について、修正もなく附帯決議もなくそのままでというお話と、できるだけこちらの主張も盛り込んでねという、このいわばマックスのところの例を出されたということにすぎないと思います。別に廃案をこれで意味しているとは、私は認識はいたしておりません。
 三つ目です。山尾委員から運営についてのお話がございました。
 問題意識については理解するところがございますが、是非これも、今後ちょっと御相談だと思いますけれども、そうした運営の在り方について、まさに運営のことですから、こういう場というよりも、例えば幹事懇談会などで少し長めに時間を取って、そうしたお話なども議題として、どういう扱いにするかということについて協議をするというのが一つのアイデアではないかと思います。
 以上です。

#43
○細田会長 それでは、足立君の発言に関連して、赤嶺君。

#44
○赤嶺委員 先ほど、国民の多数は改憲を望んでいないということについて根拠を挙げろというお話がありましたが、さっき根拠を挙げて申し上げたつもりなんですが。
 結局この間の、二〇〇七年に、安倍政権ができて、そして安倍政権によって持ち込まれた改憲議論であるわけですよ。だから、審査会では、行政府の長が国会のルールを無視して改憲を押しつけるようなやり方は三権分立に反するということで、我々は安倍改憲には反対だということを強く述べてまいりました。
 その安倍さんがですよ、首相に就任以来、自分の内閣のときに絶対に改憲をするんだと言ってきたじゃないですか。これは皆さんもよく覚えていらっしゃると思います。二〇一七年の五月三日の憲法記念日に、憲法に自衛隊を明記する九条改憲を提起し、二〇二〇年を憲法改正の年にしたい、これも安倍さんは発言しております。
 ところが、退任のときに何と言ったか。先ほど紹介しましたが、国民的な世論が十分に盛り上がらなかった、このように安倍さんはおっしゃっているわけですよ。これが国民の答えではないかということを私は思っております。
 以上です。

#45
○細田会長 それでは、山尾君の発言に関連して、北側一雄君。

#46
○北側委員 山尾議員にお答えをいたします。
 新藤筆頭の方から何度も申し上げていますとおり、この七項目について速やかに成立をさせていただければ、当然のことながら、非常に大きな課題であるCM規制の問題、そして憲法本体の議論の問題、これはしっかりと並行して議論をさせていただきたいと思います。
 先ほど山花さんの方から附帯決議というお話があったんですが、附帯決議というのは、政府から出ている閣法に対して我々議会側が注文をつける、これが附帯決議なんですね。今議論しているのは、まさしく国民投票法の改正案というのは議法でして、そういう意味では、ちょっと附帯決議にはふさわしくない、似つかわない。
 では、どうするんだ、どう担保していくかという話だと思うんですけれども、これは、新藤筆頭も私も今日発言させていただいていますし、議事録にきちんと残りますし、更に必要であるというならば、幹事会で何らかの文書で合意をするということもあってもいいのかなということで、いずれにしましても、この七項目について早く成立させていただいて、CM規制の問題、憲法本体の議論、しっかりとやらせていただきたいと思います。

#47
○齋藤(健)委員 待ちに待った発言の機会をありがとうございます。自由民主党の齋藤健です。
 今までの御意見の中にも多々ありましたが、我々の任期は、十月二十一日で参ります。そして、そのときに、変異株のことを考えますと、全国津々浦々で選挙をやれるような状況になっていないという可能性は誰も否定できないと思うんですね。
 その場合、衆議院の任期は憲法では四年。以上、終わりというふうにしかなっていないわけですね。そして、今そこを補強するために、公職選挙法では、いろいろ細かいことはあるんですけれども、最長、任期が切れて一か月は延ばせるということになっているんですけれども、この話も、そもそも憲法で四年としか書いてないものを法律で延ばせるかどうかという憲法上の大議論も惹起しかねないんですけれども、今そうなっているということですね。それで、もっと言えば、一か月延ばしたところでも、なおできないという可能性は誰も否定できないと思うんですね。
 そういう状態を、国民の命が懸かっているような事態において、そういうときは恐らく急いで法律を作って延ばすんでしょうけれども、しかし、国民の命が関わるような状況において、憲法上の疑義のある状況でいろいろな意思決定をしていくというのは本当にいいのだろうか、そこはやはり整理が必要なんじゃないか。
 それから、もう一つの問題点は、じゃ、分かった、それを満たしたところで、法改正して少し延ばせる、憲法上四年と書いてあるのに、延ばしたとしても、衆議院議員がいないわけですね、その選挙の間は。いないというときは、任期満了の場合は、参議院の緊急集会の規定はないんですね。参議院の緊急集会の規定というのは、解散時においてと書いてあるんですけれども、任期満了においては書いてないから、準用するということしかないわけですね、そういう事態は。
 そのときに、準用するのはいいんですけれども、我々、この緊急集会の規定は、皆さん御案内だと思いますけれども、新しく衆議員が選出された後、その緊急集会で決まったことを衆議院が否決すれば無効になると書いてあるんですね。
 今、我々は、衆参ねじれというものを現実に経験をしてきました。そういう状況の下で、国民の命が関わっているような決断を非常に不安定な状態に置く、一時的とはいえ。本当にそれがいいのだろうか。これも憲法上の疑義が当然生じるわけでありますので、私は、立憲主義を標榜する政党こそ、この問題をきちんと整理をしていかなくてはいけないんじゃないかと。
 これはもう半年後に起こり得る事態の話ですので、とにかく国民投票法の改正案を一刻も早く通して、あるいは同時並行でもいいですから、この問題をこの審査会で本当にどう判断するのかということをしっかりと議論するのが我々の責務だと思います。
 繰り返しますが、私は幹事なので、穏やかに言いますけれども、立憲主義を標榜する政党こそ、この問題をはっきりさせるべきだと思います。
 以上です。

#48
○奥野(総)委員 発言の機会をありがとうございます。
 先ほど船田委員の方から、CM規制の立法時の話がございました。その中で、スポットCMについて、民放連の方でガイドラインを作るということが、条件という言葉を使っておられましたけれども、それで今の制度ができている、こういうふうに理解をいたしました。
 民放連はこの場でも説明されましたけれども、なかなかガイドラインを作って規制するというのは難しいんだ、こういう話をされたと思うんですよ。ということは、この制度の在り方、前提の一つが揺らいでいる、崩れている、崩れているとはおっしゃいませんでしたけれども、条件が変わってきているということだと思うんですね。
 ですから、船田委員自身もおっしゃいましたが、CMについてはきちんと成果を得てほしい、こうおっしゃっておられます。これはやはり急いでやるべきだと思うんですね。
 再三申し上げていますけれども、皆さんは本体の議論が重要だというふうにおっしゃいますけれども、本体でいい案ができたとしても、民意を公正に反映させるための国民投票法の制度ができていなければ、私は憲法改正には行き着かないと思うんですよ。ですから、国民投票法の抜本改正こそ憲法改正議論の私は前提だというふうに思います。
 そこで、新藤委員にもう一度確認ですけれども、本日も再三にわたって約束しているというふうにおっしゃっていますが、CM規制等について議論の場をつくる、こうおっしゃっていますが、この議論の内容について、これはCM規制だけなのか、我々がいろいろ提案しています外国政府の関与等をストップするような寄附規制、こういった様々な論点もその議論の中に含まれるのか。あるいは、投票の機会の拡大について、維新さんの方が、国民投票法の立法時の考え方として、公選法並びだ、こうおっしゃっていましたけれども、であれば、今積み残しになっている二項目についても急いでやらなきゃいけないんですけれども、この点についてもそうした議論の中に入っていくのかということを伺いたいと思います。
 そして、これは大事なことなんですが、その議論の場というのは、幹事懇もあるでしょうし、当然、平場で最後は議論していかなきゃいけないんですが、いつまでにというのは大事だと思います。先ほど申し上げましたけれども、今の制度で公正な民意が反映される投票結果になるとは思えませんので、議論の前提、中身の前提として、やはり抜本改正をきちんとやっていくということが大事ですので、いつまでにというのをちょっと伺いたいと思います。
 この二年間、我々は、原口さんが筆頭提出者であります法案の並行審議を求めてきましたけれども、なかなか、新藤筆頭を始め与党の皆さんは、先に七項目の採決だということで、並行審議には応じていただけませんでした。これは先週も申し上げましたけれども、並行審議に応じていただければ、とっくに結論が出て、いいものができていたんじゃないかと思います。非常に残念ですね。
 今回もまた採決を急がれておりますけれども、急ぐということは、今お願いしているCM規制や外国人寄附の問題について結論を得るつもりがないのではないか、結論を得るつもりが本当にあるのかというふうに疑念を持ってしまいます。しっかりとした担保が必要だと思いますので、しっかりとした担保を求めます。
 それからもう一つ、先ほど新藤筆頭幹事の方からも、改憲四項目等についても主張してきたんだという御議論がございましたが、安倍前首相が自民党の憲法改正推進本部の最高顧問に就任されるという報道もあるんですが、それは他党のことだから、それ自体はとやかく言うつもりはありませんが、四項目について、またCM規制等そっちのけで四項目の議論に走るんじゃないか、こういう懸念もあるわけであります。そこを指摘しておきたいと思います。
 中山太郎先生の話が今日出ました。かつて、中山太郎先生は、この憲法審査会をつくる際の議運の議論で、先ほど馬場さんもおっしゃいましたけれども、憲法議論は、自己の理想の憲法像の主張にとどまるのではなくて、最終的に三分の二以上の多数派形成に向けた超党派的議論、いわば偉大なる妥協を目指した議論であるべきということでございます、こうおっしゃっています。全くそのとおりだと思うんですよ。
 だからこそ、早急に四項目、いわゆる安倍改憲四項目について議論を急ぐんじゃなくて、これをやると私は国民の分断を招いてしまうと思います。ですから、ここはじっくり腰を据えて、国民投票法の抜本改正をやっていこうじゃありませんか。
 CM規制や外国人寄附規制など、国民投票法の抜本改正のしっかりとした担保がない以上、四項目強行の懸念がある以上、採決の機は熟していないというふうに申し上げて、終わりたいと思います。

#49
○柴山委員 発言の機会をありがとうございます。
 先ほど来、国民投票法の改正につきましては複数のフェーズがあるという、これまでの経緯を紹介していただきました。
 国民投票運動は、主権の発動の観点からなるべく自由にこれを認めること、そして、投票機会の確保については、これは実務的な投開票の利便性の観点から公選法並びで規制をしていくこと、こういったこれまでの経緯について御紹介をいただき、まさしく今回の公選法の改正についてはこの後者の部分で、速やかに採決をするべき部分であるというように考えております。
 先ほど山花会長代行から、同じ法律の改正であるならば複数の論点をまとめて採決することも検討をというようなお話がありましたけれども、申し上げるまでもなく、異なるカテゴリーに属するものであれば、同一の法律についての改正案を複数の採決で処理をしていく、特に迅速性が求められるものについてはそのような対応をするということは至極当然のことでありまして、こういう観点からも、この七項目については改正をしていく。
 それから、本多委員から指摘されたような個別の運用の不都合については、それは例えば下位規範で定めるとか、あるいは運用についてしっかりとしたガイドラインを設けるとか、そのような工夫で対応するべきであるというように考えております。
 それから、先ほど来、北側幹事あるいは齋藤幹事から、今このコロナ禍にあって、憲法本体について本当に真剣に緊急性を持って議論しなければいけない諸論点について御議論をいただき、今、新型コロナが変異株で強毒性を増し、そしてこの国会においてもいつ何どき誰が感染するか分からないというようなときに、こうした課題について議論をするということは極めて重要であるというように考えております。
 特に、英国などではもう当たり前のようにオンラインで審議、投票しているのにもかかわらず、我が日本ではいまだに、先ほどお話があった憲法五十六条の下、班分けをして実際に議論をし、そして採決のときには全員で採決。この憲法審査会においても、極めて密な状態で皆さんが集っている。こういうような状況であるということを国際的に我々は誇っていいのでしょうか。こういうことについても是非考えていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、この憲法、七十四年前に制定をされてから一言一句変わっていない中において、大規模感染症、また大災害、あるいはデジタルトランスフォーメーションといった時代の大きな流れを経ているにもかかわらず、全く議論が進捗していないということは極めてゆゆしき状況でありますし、何と申しましても、国民主権といいながら国民投票法を一回も経ていない、これは極めて異例のことであるというように考えております。
 一刻も早く国民投票あるいは憲法本体の議論をダブルトラックで進行していただくことを強く求めて、私からの意見とさせていただきます。
 以上です。

#50
○細田会長 この自由討議については、ちょうど一時間を超えたわけでございます。
 この自由討議の取扱いについては、ただいま与野党間の筆頭間で協議しておりますので、今後については、これを踏まえ、幹事会等において協議をいたしたいと存じます。
 これにて本日の自由討議は終了いたしました。
 次回は、来る五月六日木曜日午前九時五十分幹事会、午前十時審査会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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