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2021/04/06 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 経済産業委員会 第2号 令和3年4月6日
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2021/04/06 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 経済産業委員会 第2号 令和3年4月6日

#1
令和三年四月六日(火曜日)
   午前十時開会
     ─────────────
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     加田 裕之君     宮沢 洋一君
     高橋はるみ君     末松 信介君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     宮沢 洋一君     松川 るい君
     里見 隆治君     西田 実仁君
     岩渕  友君     市田 忠義君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     末松 信介君     高橋はるみ君
     松川 るい君     野上浩太郎君
     西田 実仁君     里見 隆治君
     市田 忠義君     岩渕  友君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君     石井 正弘君
     高橋はるみ君     末松 信介君
     野上浩太郎君     羽生田 俊君
     新妻 秀規君     西田 実仁君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     石井 正弘君     青山 繁晴君
     末松 信介君     高橋はるみ君
     羽生田 俊君     加田 裕之君
     西田 実仁君     新妻 秀規君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     阿達 雅志君     滝波 宏文君
     森本 真治君     小沢 雅仁君
 四月六日
    辞任         補欠選任
     滝波 宏文君     阿達 雅志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         有田 芳生君
    理 事
                青山 繁晴君
                加田 裕之君
                宮本 周司君
                礒崎 哲史君
                岩渕  友君
    委 員
                阿達 雅志君
                青木 一彦君
                江島  潔君
                佐藤  啓君
                高橋はるみ君
                滝波 宏文君
                松村 祥史君
                小沢 雅仁君
                宮沢 由佳君
                里見 隆治君
                高瀬 弘美君
                新妻 秀規君
                石井  章君
                浜野 喜史君
                ながえ孝子君
                安達  澄君
   国務大臣
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  梶山 弘志君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       佐藤  啓君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      古谷 一之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 秀樹君
   政府参考人
       内閣法制局総務
       主幹       嶋  一哉君
       内閣府男女共同
       参画局長     林  伴子君
       警察庁長官官房
       審議官      新田 慎二君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       田中佐智子君
       経済産業省大臣
       官房長      多田 明弘君
       経済産業省大臣
       官房技術総括・
       保安審議官    太田 雄彦君
       経済産業省大臣
       官房商務・サー
       ビス審議官    畠山陽二郎君
       経済産業省大臣
       官房審議官    中原 裕彦君
       経済産業省大臣
       官房審議官    萩原 崇弘君
       経済産業省大臣
       官房審議官    矢作 友良君
       経済産業省大臣
       官房審議官    福永 哲郎君
       経済産業省大臣
       官房審議官    安居  徹君
       経済産業省大臣
       官房審議官    三浦 章豪君
       経済産業省製造
       産業局長     藤木 俊光君
       経済産業省商務
       情報政策局商務
       ・サービス政策
       統括調整官    山本 和徳君
       経済産業省電力
       ・ガス取引監視
       等委員会事務局
       長        佐藤 悦緒君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    小野 洋太君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       茂木  正君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        南   亮君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      松山 泰浩君
       中小企業庁事業
       環境部長     飯田 健太君
       中小企業庁経営
       支援部長     村上 敬亮君
       国土交通省自動
       車局次長     江坂 行弘君
       環境省大臣官房
       審議官      白石 隆夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (経済産業行政等の基本施策に関する件)
 (公正取引委員会の業務に関する件)
    ─────────────

#2
○委員長(有田芳生君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、阿達雅志さん及び森本真治さんが委員を辞任され、その補欠として滝波宏文さん及び小沢雅仁さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(有田芳生君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(有田芳生君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に青山繁晴さん、加田裕之さん及び岩渕友さんを指名いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(有田芳生君) この際、梶山経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。梶山経済産業大臣。

#6
○国務大臣(梶山弘志君) おはようございます。
 冒頭、質疑に先立って、経済産業省提出法案の再点検の結果を御報告させていただきます。
 先日、所信の中で、産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案につきまして、条文案に三か所誤りがあり、その他についても精査中である旨御報告させていただきましたが、その中で、同じ法案の条文案において新たに一か所の誤りが判明をいたしました。また、条文案以外の参考資料につきましても、要綱、新旧対照条文及び参照条文に二十か所の誤りが判明しました。
 今回、同一の法案においてこれだけの誤りが判明したことは、国会に法案を提出し、御審議を仰ぐ立場の政府として誠に遺憾であり、改めて深くおわびを申し上げます。
 今後このようなことがないよう、しっかりと対応をしてまいります。
    ─────────────

#7
○委員長(有田芳生君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣法制局総務主幹嶋一哉さん外二十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#8
○委員長(有田芳生君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#9
○委員長(有田芳生君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のうち、経済産業行政等の基本施策に関する件及び公正取引委員会の業務に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#10
○青山繁晴君 皆様、おはようございます。自由民主党の青山繁晴です。一党派のためでなく、日本の尊厳と国益のためにこそ謹んで質問いたします。
 今日は、ちょっとだけ専門的分野に踏み込んで質問しようと思っておりまして、なるべく主権者の皆様にお分かりいただくのが本旨でありますから、かみ砕いて、専門用語を使わずに、なるべく使わずに質問いたしますので、答弁される方々におかれましても、恐縮でございますが、ちょっと工夫をいただければと思います。
 冒頭、少し時間いただいて、今言いましたとおり、主権者の方々に理解していただくためにかみ砕いてお話しいたしたいと思います。
 日本は長い間、資源のない国だとされてきました。ここにいる誰もが、恐縮ながら梶山弘志大臣におかれても、あるいは不肖私もそう教わってきたと思います。しかし、実はそれは陸上で取れる資源のことです。人類は陸上産出の資源を取り尽くす時代を迎えつつあり、そのために、今や水という壁を乗り越えて海の中の資源に新しく挑戦しつつあります。
 日本は海の国です。例えば、レアアース一つ取ってみても、中国の陸で取れるレアアースよりも、日本の海の中のレアアースは実に二十倍の濃度があります。日本の海は、レアアースのほか、コバルトリッチクラスト、マンガン団塊、それから金、銀、銅、亜鉛、鉛を取り出せる熱水鉱床、さらにメタンハイドレートといった新資源を豊かに包容しています。
 かつては水圧という強烈な壁に阻まれてきましたが、これからは、例えばROV、遠隔操作型の無人潜水機ですね、あるいはAUV、自律型の無人潜水機、こういった海中ロボットによりまして開発可能となりました。
 不肖私は、国会に出る前、民間の専門家の端くれとしまして、なけなしの私費も投じ、とりわけメタンハイドレートの研究開発のために研究調査船をチャーターしまして、実際に海に出て調査をしてきました。AGU、アメリカ地球物理学連合という世界最高権威の国際学会でも、何度も口頭発表を重ねてきました。それは、私の利益を求める要素はかけらもなく、資源のない国と思い込まされてきた日本国民が自前の資源を持つことが目的です。日本が資源のない国から自前資源を持つ国になれば、どれほど発言力も増すでしょうか。それは、例えば拉致被害者の救出にも良い影響を及ぼすと信じております、あるいは考えております。
 しかし、日本政府は長い間、特に日本海側にあるメタンハイドレートについて、はっきり申せば無視してきました。それは、資源というものは海外から買えばよいという思い込みでもあり、また、それが遺憾ながら既得権益になっていたとも私は考えております。
 メタンハイドレートは、もう随分知られるようになりましたけれども、簡単に言えば天然ガスが海底で高い水圧と低い温度で凍っているものです。実物を手にしますと、コンビニで売っている白いシャーベットそっくりです。その白いシャーベットに普通の、つまり超高温でない普通の火を近づけただけで、ぼっと激しく燃えます。だから、科学の世界でも燃える氷と、氷が燃えると普通に言っているわけです。
 このメタンハイドレートは二種類あります。太平洋側に多い砂層型、すなわち海底の更に下の地層で砂と混じり合って存在しているタイプ。そして、日本海側に多い表層型。すなわち海底の、ちょっと手見ていただくと、当然ですけど、海底があって巨大な水があって海面があるわけですけど、この海底の上に表層型は露出していたりします。あるいは、この地層の中にあってもごく浅いものです。それを表層型と表していまして、これは砂と混じったりしていない、純度が非常に高いものです。
 この表層型メタンハイドレートが実用化されれば、過疎に悩む日本海側の人々が、資源産業という日本にできないはずの新産業によって立ち上がることができます。もしも資源量が仮にやや少なくても、まだそれは分かりませんけれども、この日本海側の自給自足を行うだけでも十分に実は意味があります。
 私が民間時代に、日本海側の府県の知事さんに訴えかけまして、日本海連合というメタンハイドレート開発を政府に促す組織を創設していただきました。そこから実は政府の姿勢が目に見えて変わり始めました。今そこに南さんという資源エネルギー庁の資源・燃料部長がいらっしゃいますが、南さんが課長の時代にこの日本海連合の二回目の会合に来てくださって、新潟で開きました。そして、現職の経産省の課長が、この日本海側のメタンハイドレート、表層型メタンハイドレートを実用化しようかという動きが政府に出ただけで、ロシアのプーチン大統領が天然ガスの価格を下げてきましたという非常にインパクトのある発言をされたんですが、日本の報道機関は、ほぼ全社いたんですけど、私の古巣の共同通信もいましたが、全部無視しました。
 それが日本だったわけですけれども、随分前進をしてきましたし、さらに、現在で大きな変化が起きているのは、西暦二〇五〇年に脱炭素という新たな目標が加わって、実はこのメタンハイドレートから水素やアンモニアという環境を守る新資源をつくることができます。そこに着目して、経産省の内部のメタンハイドレート担当部局からは、実は商業化、実用化を前倒ししようという話も出ています。この商業化、実用化の目標というのが、今からたった六年後の二〇二七年にやりましょうということを今政府は掲げているわけです。それだけでも随分な変化ですけれども、更に前倒しをしようという話が内部から出てきまして、非常に私は頼もしく思ったわけであります。
 ところが、同じ経産省の中でも、水素、アンモニアの直接の担当部局と議論をしていると、またオーストラリアなどから輸入するという話ばっかりなんですね。
 ここで、梶山大臣にお尋ねしたいと思います。これはどのように考えればよろしいのでしょうか。

#11
○国務大臣(梶山弘志君) まず冒頭、青山議員のこれまでのメタンハイドレートに対する取組に対しまして、改めて敬意を表する次第であります。
 今お話ありましたけれども、二〇五〇年にカーボンニュートラルを目指すということを宣言をいたしました。エネルギーの転換ということでもあります。そうした中で、いかに自前のエネルギーを増やせるかということに今腐心をしているということでありまして、少しでも多く自前のエネルギー、他国から運ばなくても供給できるエネルギーを開発していこうというのが私どもの考え方であります。
 水素は、発電、産業、運輸など、幅広い分野の脱炭素を可能とするカーボンニュートラル実現に向けた鍵であると考えております。また、水素は、褐炭や天然ガス等の化石燃料からの製造や再生可能エネルギーを活用した水の電気分解など、複数の製造手段が存在をしているところであります。
 議員御指摘のメタンハイドレートは、日本周辺海域に豊富に存在することが期待をされており、国際情勢に左右されない安定した国産エネルギー源として、エネルギー安定供給の観点から極めて重要であると考えております。
 現在、二〇二七年度までに民間企業が主導する商業化に向けたプロジェクトが開始されることを目指して技術開発を推進をしているところであります。先ほど委員がおっしゃった経産省内部の話は、その意気込みの表れであると思っております。将来、メタンハイドレートの生産コストが十分に低減し商業化されれば、自国で調達できる水素の製造源の一つの選択肢となり得ると認識をしております。
 こうした点も踏まえて、可能な限り早期に成果が得られるように、メタンハイドレート技術開発に取り組んでまいりたいと考えております。

#12
○青山繁晴君 今大臣がおっしゃった答弁は、社交辞令でなくて、与党だからじゃなくて、非常に共感するものを感じます。
 その上で、ここから政府参考人の答弁をいただきたいんですけれども、具体的に踏み込んでお問いかけしたいと思います。
 国には、今三つ、大きなもので三つ、公式な計画があるわけです。これはその水素を中心にした戦略の話です。
 一つはまさしく水素基本戦略、それからもう一つが水素・燃料電池戦略ロードマップ、さらに三つ目が水素・燃料電池技術開発戦略、これ三つあるんですけれども、どれを見ても、隅々まで読み込んでも、従来型の天然ガスを利用して水素を取り出すという話になっているわけです。従来型の天然ガスから水素は確かに取り出せますけれども、必ず二酸化炭素、CO2が出てしまいます。
 したがって、その二酸化炭素をどうするかという話になって、CCS、もう十分知っている人も多いでしょうけれども、済みません、一瞬だけ英語で原語を言いますと、カーボン・キャプチャー・アンド・ストレージ、すなわち二酸化炭素を地下に閉じ込めてためておくという技術です、CCS。これを併用するから大丈夫なんだという計画になっているわけです。
 ところが、今大臣からも積極的な答弁いただいたんですけれども、この重要な戦略のどこを見ても、純国産のエネルギー資源として有望なメタンハイドレートから水素を製造するという視点が全くないんですね。
 これは、例えば、たった六年後にいよいよメタンハイドレートの商業化が始まる、あるいは始めようという国の基本方針と実はここでも矛盾しているんですよね。大臣は先ほど意気込みの表れとおっしゃってくださって、もちろん理解しますけれども、こういう基本的な文書に欠けているというのはやっぱり大きな、重い問題であると思います。
 純国産エネルギー資源、中でも表層型メタンハイドレートからCO2を出さずに水素を取り出すこと、実現可能であると考えていらっしゃるのかどうか、実はこういう戦略読むと分からなくなってしまうので、お尋ねしたいと思います。
 具体的に、かみ砕いてお尋ねします。
 まず、さっき言いましたCCSです。これを国内でやろうとしたら、まずコストが掛かります。それから、疑うわけでなくても安全性の問題がやっぱりあります。そして、例えば地域住民の方から、二酸化炭素がどんどん自分の地域に漏れてしまうんじゃないかという御懸念、不安もあり得ますから、どれを考えても、国内で実現できるかどうか、まあ専門家の端くれとして見ればちょっと疑わしい面は否定できません。
 政府の方針では、恐らくそれが理由で、このCCSをオーストラリアの炭鉱など海外にお願いすることになっているわけですよね。しかし、これは結局海外頼み、変わりません、それですと。
 それから、資源を日本国の国家安全保障の一環として捉えているかどうかという基本理念も正直疑わしいところがあります。さらに、自国でできないことを他国民にお願いする、言い方きつくなりますけど、押し付けるようなことは、日本として国家の理念と反すると思います。
 政府参考人でお願いしたいんですが、いかがお考えでしょうか。

#13
○政府参考人(矢作友良君) お答えいたします。
 CCSにつきましては、先生御指摘のとおり、コストあるいはその貯留適地などの課題が存在するわけでございます。こうした課題に対しまして、まずその適地につきましては、国内でも一定のポテンシャルが見込まれる中でございますけれども、貯留適地調査を進めていくとともに、CO2分離回収技術、あるいはその安全性評価技術等々の研究開発を通じまして、更なるそのコストの低減、あるいは安全性の確保というのを進めてまいります。
 また、海外につきましては、御指摘のとおり、長期的にCCSの操業が担保されるためには、相手国とのウイン・ウインな関係を構築することが重要でございます。このため、例えば、アジア等その大規模なCO2の貯留ポテンシャルがある地域につきましては、CCS活用に向けました環境整備、あるいはその知見の共有を行う等、国際的なCCS促進に向けた取組を進めてまいりたいと考えてございます。

#14
○青山繁晴君 これまでの私の質問の中で、その表層型メタンハイドレートのことを言っているわけですけれども、それをもう少し突っ込んで申しますと、実はさっき言いましたとおり、手で表現しましたとおり、この表層にまさしく出てしまったりしますから、で、天然ガスが凍っているものですから、要は比重が軽いので浮かんでくるわけですね。浮かんでくるのは実は資源そのもので、メタンハイドレートの粒々が、この魚群探知機、計量魚群探知機で見ると、コンピューターの画面ではこう柱になって立ち上がって見えるわけですよね。
 その柱というものが、これはほかの資源にない特徴なんですけれども、柱というものが平均でいうとスカイツリーぐらいあるわけです。六百五十メートルぐらいあって、だから、その柱そのものが非常に巨大な資源ということが言えますが、それを、こう立ち上がっているんですから、海中に膜なりなんなり置くと、当然そこで捕まえられるわけです。
 そういうことを中心に考えるのがまさしく自前で資源を賄うということだと思うんですけれども、しかし、政府は今のところ水素について、国際水素サプライチェーンが構築されると。まあ言葉はきれいだけど、要はまた海外頼みという姿勢なんですね。それは一体なぜかなと思うんです。
 さっき、大臣から過分な評価をいただいて、ちょっと逆に言いにくくなったんですけれども、ただ、実際にやってきたことをありのままに申せば、日本国中でやってきましたけど、一番深くやっているのが、新潟県の佐渡島の北じゃなくて南なんですよね。大臣から御覧になったらこうですか、佐渡があって、新潟があって、この南ですから、だから、新潟市やあるいは上越地方と佐渡島の間ですから、幾ら何でも中国も韓国も、はっきり言うと及ばないところです。そこに今言いました巨大な柱がたくさん立っていることを確認して、実際調査船で出ていきますと、振り返ると新潟の街の明かりが見えたりするんですよね。もう、すぐ目の前です。
 したがって、そのメタンプルームを活用、すなわち途中で捕まえてやれば、国際情勢に左右されずに国内で自給できること、あるいは、海外から輸入すると当然多額のコストが掛かります。それは今までの日本のエネルギーの在り方でした。あるいはEPRといいまして、これ御存じの方多いと思いますが、エネルギー収支比率、つまり、エネルギーを取り出すときのコストよりも使うときのコストの方が上回って、いやいや、少なくて済むと、要するに取り出す費用よりも使う度合いの方が大きくなるとEPRは大きくなって、これは非常に実用的だということになるわけですけど、それも有利な状況です。さらに、CO2の排出がありません。環境にも良いと。
 これだけ大きなメリットがそろっている中で、なぜ国際水素サプライチェーンの構築と。つまり、日本から出していくという発想じゃなくて、実は、また例によって海外から買うという発想になっているのは、一体どういうわけなんでしょうか。政府参考人の御答弁をお願いします。

#15
○政府参考人(小野洋太君) お答え申し上げます。
 今委員から、メタンプルームによる水素製造は国内で自給自足できる、国際情勢に左右されないという観点で地政学的な優位性がある、そして輸入に係る費用が掛からない、輸送コストということが大きな問題になりますけれども、そういう点でも有利ではないかとの御指摘がありました。
 メタンハイドレートは国内資源でありまして、地政学的な観点から有利であると、これはもう御指摘のとおりでございます。
 次に、コストにつきまして、これ、カーボンニュートラルを目指すためには水素の安定的かつ安価な供給が重要でございます。このコストにつきましては、例えば御指摘もありました海外からの褐炭水素、これ海外の褐炭から水素を製造してこれを日本に運搬するということでございますけれども、御指摘のとおり水素の輸送費用が掛かる、これが大きな課題でございます。他方で、海外の未利用の安価な資源、褐炭が活用できるという面で、コスト面でのメリットがあるのではないかと考えているところでございます。
 これに対しまして、メタンハイドレートからの水素は、メタンを回収、製造し、それを国内で水素にすることから、輸送の面ではメタンを近海から運ぶだけで済むということで、メリットはございます。他方で、メタンの生産、これはまだまだコストの問題を抱えているというふうに認識しておりまして、したがいまして、国内のメタンハイドレートの由来の水素は海外由来の褐炭水素に比べて、輸送費自体は安くなる可能性がありますけれども、生産コスト面ではまだ課題が大きいというふうに認識しているところでございます。
 したがいまして、まず何よりも、メタンハイドレートを安定的かつ安価に生産するための生産技術の確立、これに取り組んでいく必要があると考えております。そうすることによりまして、今大臣からも答弁ありましたとおり、メタンハイドレートの生産コストが十分に低減し、商業化されれば、自国で調達できる水素の製造源の一つの選択肢になり得ると、こういうふうに認識しているところでございます。

#16
○青山繁晴君 今、丁寧に答弁いただきまして、その中で褐炭という言葉が出てくるんですけど、これは石炭の中でも安いやつです、質が悪いやつ。世界で使わない潮流になっているから、これが水素を取り出すときに使えるんだったら、もう安くても買ってくれればうれしいということになっているから、今答弁の中で、そっちの方がコスト安いんじゃないかということを、軟らかくだけれども、まあそうおっしゃったわけです。
 しかしですね、これはまあ意見として聞いていただきたいんですが、三十秒ぐらいで言いますから。自前資源というのは、要は国家の安全保障なんです。安全保障がコストなくできるわけがないんです。したがって、褐炭というもう使えなくなったものを、使えなくなりつつあるものを、安いから利用して水素を買ってくるという発想は、できれば卒業すべきだと僕は考えております。
 さらに、具体的にお聞きします。
 今その水素を製造する方法として、工業的に言えば、一番普及しているのが水蒸気改質法というやつなんですが、改質というのは、要するに質を改めると書くんですけれども、要は、今言いました石炭などから水蒸気を使って水素を作る方法です。今話に出たとおり、とても安いんですけど、CO2も同時に作ってしまう。
 しかし、これじゃなくて、メタンを直接熱分解すると、水素の固体のカーボン、固体のCが出てくるわけで、これをやったら完全にCO2フリーの水素を作れると。というのはどうしてかというと、同じカーボンでも固体になっていますから、これ、地中にうずめて廃棄したり、あるいは環境を駄目にするというものじゃなくて、つまり悪役じゃなくて、これは当然、いや突然、有価物といいまして、役に立つものになって、ここから材料開発に利用できるということがあるわけです。
 この、今工業的にやっているやり方じゃなくて、メタンを直接熱分解するという方法についてはメタンハイドレートの活用の一つの大きな選択肢だと思いますが、政府参考人、いかがでしょうか。

#17
○政府参考人(矢作友良君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、メタンを熱分解しまして固体の炭素と水素を取り出す技術につきましては、二酸化炭素を排出しないことに加えまして、固体の炭素についても有価物になり得ると、そうした水素製造方法として注目されているというふうに承知してございます。
 こうした水素の製造方法につきましては、反応を促進するための触媒開発、あるいはそのプロセス全体でのコストダウン、こうしたことが課題となってございます。
 このため、経済産業省としては、新たな触媒開発といった技術的な課題の解決に向けまして研究開発を支援しているところでございます。具体的に言いますと、これまで二年間やってまいりました実現可能性に関する調査研究の結果を踏まえまして、今年度から、早期の実用化に向けた触媒の耐久性向上、こういった点の研究開発を支援していきたいというふうに考えてございます。

#18
○青山繁晴君 ある程度積極的な答弁をいただいたと思います。
 今まで、冒頭申しましたとおり、やや専門的なところに踏み込んで質疑をいたしたんですけれども、これらを総合して、梶山大臣に改めてお尋ねしたいと思います。
 特に、メタンプルーム由来の純国産の水素をCO2に悩まされずに製造する、そのための技術的課題を、今日の僕の質問でも幾つか出ているんですけど、それを改めて整理して、急いで整理して、具体的に取り組むべき時期に来ているんではないかと思うんですが、大臣、いかがでございましょうか。

#19
○国務大臣(梶山弘志君) メタンプルームに関しては、その回収方法、そしてそれを天然ガスにする方法、さらにまた水素にする方法、コストも含めて、コストはまた青山委員いろいろお考えがあるでしょうけれども、それらも含めて対応していかなくちゃならないと思っております。
 水素の量に関してなんですけれども、二〇五〇年に二千万トンを、導入を目標にしております。そういった中で、海外からの水素も買ってくる、これはグリーン水素、ブルー水素、いろいろあろうかと思います。そしてあわせて、国内での自国生産の水素ということも必要になってくると思っております。
 と申しますのは、FCVに使うほかに、また製鉄業でのカーボン還元、失礼、水素還元等にも使う、熱利用も使うということで、更なる用途を拡大をした上でそのカーボンニュートラルに向けての対応をしていきたいということで、カーボンニュートラルに向けて、このメタンハイドレートのプルームの、メタンプルームの対応というものもしっかりと取り組んでいかなければならないと思っておりますけれども、まだその回収方法がしっかりと、できるかどうかということも含めて、まずはしっかりと対応してまいりたいと思っております。

#20
○青山繁晴君 皆さんお気付きだと思うんですけど、今、梶山大臣は全然紙を御覧にならずに答弁されました。まあ正直、大したものだと思います。与党ですから、余り褒めると我田引水になりますけれど。しかし、非常に僕はうれしく今拝聴いたしました。
 その中で、大臣のお人柄で非常に和らげておっしゃっていますけど、そこは実は同じで、要は一つに頼っちゃ駄目なんですよね。今日、メタンプルーム推進の話を国家安全保障の一環として僕は申し上げていますけど、じゃ、メタンプルームだけでいいのかというのは、もちろん違うわけです。
 それから、さっき、褐炭をどうするのかという問題も、実は世界的課題でもありますから、当然、水素にしろ、水素から、水素の後にアンモニア作る場合もたくさんの選択肢が必要だということは私も理解しております。ただ、柱として自前資源を置くと、日本国民や国の在り方が変わって、もう一度言いますが、拉致被害者の救出のような、できないと思っていたことにもつながるんではないかということを今申し上げているわけです。
 今、大臣の答弁の中で、もう一つ非常に重要なポイントがありました。まず、そのメタンプルームをどうやって回収するのかということから解決したいと。回収、つまり、海の中取り出すことですね。その御指摘はそのとおりなんです。その上で、案外これ国民に知られていないというか、メディアが報じてくれないんですけれども、今、経産省は、まさしく梶山大臣の指導力の下で、去年度から、昨年度から、西暦二〇二〇年度から三か年計画で、表層型メタンハイドレートの回収技術の開発のプロジェクトを実はやっているわけですよね。その中に、産総研、産業技術総合研究所の主導するメタンプルーム調査があるわけです。
 そこの調査について、改めて幾つか確認、お聞きしたいと思います。
 まず第一に、これは大臣はあえて前向きにおっしゃって、回収技術とおっしゃったんですが、そのとおりなんですが、回収の前には、じゃ、どれぐらいのメタンプルームが湧き出しているのか、湧出量といいますけど、これを確かめないといけないです、国の予算を使う以上は。
 私たちが民間で細々と研究した範囲では、スカイツリーのような柱が林立している姿がコンピューターに映るわけですけど、でも、映画の世界じゃないんで、じゃ、実際の量は、資源として使える量はどれぐらいかということを科学的に最終確認しないと回収に入れない。それは恐らく共通している考え方だと思うんですよね。
 それで、今のこのプロジェクトは、そのまさしく一番根っこになる湧出量を、湧き出る量ですね、言葉は難しいですけど、湧き出る量を確認するための調査だと理解しているんですが、ところが、その予算の一部を使って、湧出量を把握するということはどれぐらいメタンハイドレートの粒々が出ているかって把握する技術が必要ですが、その技術開発もこれからこの予算でやるんだということが混同して経産省の内部からは聞こえると考えざるを得ません。
 そのときに、例えばJAMSTEC、海洋研究開発機構も使って開発すると。別に省をまたぐのは、これは文科省ですけど、僕は全く賛成ですけど、ただ、この予算はあくまで湧出量の把握に専念しないとどっち付かずになってしまうということを今の段階で非常に懸念します。政府参考人、いかがでしょうか。

#21
○政府参考人(南亮君) お答え申し上げます。
 今年度からメタンプルームの湧出量を調査する際に、どの技術を使って、またどういった船を使ってするかということはまだ決定しておりませんで、JAMSTECを使うということもまだ決まっておりません。
 まさに今年度、具体的などのような調査をしていくのかというのは、現在行っておりますアドバイザリーボードでの有識者の意見を踏まえながら、しっかりした形で検討を進めていきたいと思っております。

#22
○青山繁晴君 先ほど思わず名前を出しました南課長が今は南部長になって、やっぱり公平な答弁いただいているとは思うんですね。でも、その上で、なるべく早めに私としては懸念を表明して、道が混乱しないようにしていただきたいと願います。
 今皆さんにお話ししましたこのプロジェクトは、お気付きの方多いと思いますが、もう来年度で終わるわけですよね。ということは、二〇二二年で終わって、そこから五年を経て二〇二七年度から商業化をするという話になっているわけです。ということは、どなたがお考えになっても時間がないですよね。
 したがって、二〇二二年度、つまり来年度でこの湧出量、湧き出ている量が本当にちゃんとありますということがもし確認できたら、少なくともその翌年度の西暦二〇二三年度からは、大臣がおっしゃった回収技術の具体的開発に乗り出すべきです。
 実は、政府は既に、これも知られていないんですけれども、西暦二〇一六年度から四年間のプロジェクトで、これは民間の知恵を活用なさって回収技術の基礎的研究はもう進めてきました。今からもう二年前ですけど、最終年度の二〇一九年度には外部有識者によってその評価が実施されて、さっき僕が手で示しました、この海底と海面の間の海中に人工膜、例えば東京ドームも人工膜ですけど、ああいうものを応用して海中に人工膜を置いて、潮流とかと闘わなきゃいけませんけれど、人工膜を置いて、メタンプルームが海面に出る前に捕まえるということが実は既に共通基盤技術となっているわけです。
 ここで主権者の方によく考えていただきたいんですが、メタンハイドレート、メタンプルーム、いずれにしても、メタンガスそのものは地球温暖化効果が実に二酸化炭素のおよそ二十五倍です。氷河期がこれで終わったという話もあるわけです。したがって、お考えいただくと、今、日本海でこのメタンプルームの柱が毎日毎日立ち上がって、そして海面に近づくと消えます。当然ですよね、水圧が減って、そして温度が高くなりますから。海中の中にこのメタンハイドレートが溶け込んでいる、凍っている天然ガスが溶け込んだ。溶け込んだやつがどうなるか。通常ですと、全部とは限りませんが、大気中に出ていきます。したがって、こうやって私たちが議論している間も日本海では地球温暖化効果のあるメタンガスが大量に出ているんではないかということがあり得るわけです。
 もう一度申しますが、これを途中で捕まえて資源にしたら自然状態よりも環境にとって良いと。天然ガスそのものはあくまで化石燃料ですから、化石燃料の中にそのままにしておくより使った方が環境を改善するものがあるというのは、実はもう随分前ですけど、私たちも驚いたわけです。
 これを、先ほど言いました、一応話は全部つながっているんですけれども、AGU、アメリカ地球物理学連合、これは世界最高権威の学会ですが、ここで発表し始めたときに、世界から集まられた学者がおおっと、これは日本語ですけど、原文は外国語でええっというような、そんな化石燃料があるのかという声が上がったわけです。そこにさらに新たに、実はメタンハイドレート、メタンプルームから水素、あるいは水素を経てアンモニアが取り出せることが分かってきて、この審議に合わせて、実は直近五年間のメタンプルームに限った世界の論文数、それも査読通った立派な論文の数を調べましたら、中国がもう目を見張るぐらいの恐ろしい伸びとなっているわけです。
 したがって、実は日本が今先駆的に取り組んでいますが、もう世界の競争の中に入っていると言わざるを得なくて、したがって、このメタンハイドレートに関しては最後の質問としてお聞きしたいんですけれども、大臣にお聞きしたいんですが、西暦二〇二七年度にメタンハイドレートを商業化するプロジェクトを始めようというのは、これは過去から考えたらすごく立派な目標が立ちました。ただし、じゃ、二〇二七年度から民間会社がこのメタンハイドレートをちゃんと商業化できるかというと、恐らくそうじゃないんです。アメリカのシェールガス、シェールオイルのときの苦労を考えても、そこからまた新たに民間の採算ベースに乗せる努力が始まりますから、恐らく、今のままでいくと、早くても二〇三〇年度を過ぎていってようやく一部商業化になるのかなと思うわけです。
 ところが、なぜこの話をするかといいますと、論文数というのは、学者の世界だけじゃなくて、このエネルギーの世界では実用化に直結していますから、恐ろしい勢いで中国を始め世界がメタンプルームの実用化に進んでいく中で、現在の計画のままではやっぱり世界に取り残されかねないと考えますので、大臣、克服すべきことが多いのはおっしゃるとおりですけれども、目標自体もできれば見直していただいて、さっきちらっと言いました経産省内に前倒ししようかという機運出ているのは、僕はすごく評価します。本来の通産省の精神ですよね、先駆けて進んでいく。それを是非発揮して、この本格的な、特に回収技術の実用開発の目標を早めていただけないでしょうか。大臣にお尋ねします。

#23
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど青山委員からお話ありましたように、二〇二二年に海洋調査が終了いたします。そこで、どのくらいの量があるのか、またその持続性があるのかということも確認した上で回収技術の検討に入るわけであります。これ、今日私もいろいろレクを受けたわけですけど、そういった中で、プルームが出ている箇所って千七百四十二か所あるそうであります。そういったものが持続的に出ているのか、そしてどう回収していくかということも含めて考えなければならないと思いますけれども、我が国の独自の資源であるということも考えまして、しっかりと検討してまいりたいと思っております。

#24
○青山繁晴君 また言いますが、与党ですから言いにくいんですけど、今の答弁に僕は非常に勇気付けられました。どうぞよろしくお願いします。
 メタンプルームなどに対する質問はここで終えまして、あと数分、一点違うことをお聞きしたいんですけど、今日、大臣が冒頭、この法改正において誤りがたくさん出たということについてお話をされました。それで、これは当然、大臣もおっしゃったように、反省すべきは反省しなきゃいけませんが、私は信念を持って官僚、役人と呼ばずに行政官と呼んでいますが、行政官の労働実態、それから国民にとっての分かりやすさを何よりも考えると、実は改革できることがあるんじゃないでしょうか。
 現状は、法律と政令以外、すなわち府省令、規則、訓令、告示の改正については、実は選択方式になっているんですよね。これ知られていないですけど、改め文というものがあって、改め文というのは、この法律の何々条のこの部分を削除する、あるいは付け加える、別の言い方にするというふうに書き下ろしで書くわけです。これ、読んでもさっぱり分からないです。僕は政治記者の時代に何度もチャレンジして、結局分からぬということになって、だから分かるように新旧対照表が付いているわけですよね。だから、古い法律でこうなっているそこ、ここの部分を新しく変えるというのは、受験勉強みたいなチャート、対照表になっているわけですから、これ一発で分かるわけです。
 したがって、この際、改め文を全廃して新旧対照表だけにすべきじゃないかと思うんですが、経産省では、省令改正の際に、この改め文方式だけじゃなく新旧対照表に限る方式をどの程度取り入れられているか、まずそれからお聞きします。

#25
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 私ども、平成二十九年四月から、経済産業省の所管する省令の改正に当たりましては、今委員御指摘のように、国民への分かりやすさ、あるいは改正作業の効率化の観点から、原則として全てを新旧対照表方式により改正を行っております。
 原則としてと申し上げましたのは、例えば平成という年号を令和に改正するといったように、一括して同一の改正を行うといったような場合には改め文方式を採用させていただいていると、このようなことでございます。

#26
○青山繁晴君 じゃ、最後に内閣法制局にお尋ねしたいんですが、今の御答弁に出てきましたよね、国民に分かりやすいようにと、そのとおりで、もう一回言いますが、改め文をさあっと読んで、ああ、どこが変わったんだって分かる人はその道のプロの中でも特定の人だと思うんですよね。これは議員各位は皆御存じのとおりです。したがって、この際、経産省だけじゃなくて政府全体として、極めて分かりにくい改め文を廃止すべきじゃないでしょうか。最後に内閣法制局にお聞きします。

#27
○政府参考人(嶋一哉君) お答えいたします。
 まず、閣議に付される法律案等を審査する立場にある内閣法制局といたしまして、今国会の内閣提出法律案等に複数の条文の誤りがあったことにつきまして、大変申し訳ございませんでした。
 いわゆる改め文と言われる逐語的改正方式は、その形式を定めた法令はございませんが、論理的順序に従って必要な改正処理を順次行っていくものでございまして、改正に係る立法者の意思を明確に表現することができることなどから、従来より我が国における法改正の方法として用いられているものでございます。
 新旧対照表は主として改正内容の理解を助けるための参考資料として作成されているものでありますところ、改め文方式をやめて新旧対照表を改正法案の本体とすることにつきましては、平成十五年に政府部内で内閣法制局も参画する形で検討を行い、その結果を踏まえ、新旧対照表を用いる新たな改正方式について国会で検討いただいた結果、取りやめとなった経緯があると承知しております。
 そういった経緯もございますことから、国会で合意いただくことが大前提であるというようなことだと考えております。
 以上でございます。

#28
○青山繁晴君 おっしゃるとおり、私たちの努力は必要だと考えます。
 終わります。ありがとうございます。
    ─────────────

#29
○委員長(有田芳生君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、滝波宏文さんが委員を辞任され、その補欠として阿達雅志さんが選任されました。
    ─────────────

#30
○委員長(有田芳生君) 質疑を続けます。

#31
○宮沢由佳君 立憲民主・社民の宮沢由佳です。質問の機会をありがとうございます。
 質問に入る前に、大臣に伺います。
 冒頭、大臣からの御発言もございましたが、なぜこんなに条文の誤りや参考資料の誤りが多いのでしょうか。一度誤りが見付かっても、また同じ法案関連で誤りが見付かる。これでは、いまだ誤りがあるのではないか、審議に入っても大丈夫なのか、心配になります。いかがでしょうか、お答えください。

#32
○国務大臣(梶山弘志君) 今回の誤りは、国会に法案を提出し御審議を仰ぐ立場の政府として誠に遺憾であり、改めて深くおわびを申し上げます。
 今回の誤りにつきましては、法律案の作成プロセスにおいて最終的な条文案の確認が不十分であったことが原因となったものと考えております。
 例えば、条文案については、経済産業省の法案作成担当部局、大臣官房総務課、内閣法制局で重層的なチェックを実施していたものの、同一の職員が条文案の作成とチェックに携わっており、条文案の策定に関与していない職員など第三者のチェックが十分でなかったこと、政府の法令審査支援システムによっても誤りが検出し切れないものがあったこと、スケジュールに追われた面があったことなどが要因になったと考えております。
 再発防止につきましては、そもそも国会に提出する資料には誤りが許されないとの大前提を強く再認識させるとともに、法律案の作成に携わっていない第三者がチェックをするなど重層的な、かつ実効的なチェック体制の構築、読み合わせの徹底、スケジュール管理の徹底、法律案の作成プロセスに携わる人員の増強など、十分な確認ができる体制の整備を検討してまいりたいと思っております。
 先般私が報告したものは第一報ということで、精査中であるということも付け加えさせていただきました。その精査の上で条文で一か所が見付かったということでありまして、それらも含めてしっかりと対応してまいりたい、参考資料も含めてしっかりと対応してまいりたいと考えております。

#33
○宮沢由佳君 再発防止にはしっかりとした原因究明が必要ですが、その原因究明についても今御答弁がありましたようにしっかりとやられているということで、是非、二度と同じ過ちのないように努力をしていただければと思います。ありがとうございます。
 それでは、質問に入ります。エネルギー政策について伺います。
 私たち立憲民主党は、綱領において、地域ごとの特性を生かした再生可能エネルギーを基本とする分散型エネルギー社会を構築するとしています。地熱や風力、太陽光、急流など、地域の特性を生かした再生可能エネルギーによって、その地域の電力需要を可能な限り地域で供給する分散型エネルギー社会を目指しています。
 そこで、大臣に伺います。
 我が国のエネルギー政策の中の再生可能エネルギーの位置付けについてお答えください。

#34
○国務大臣(梶山弘志君) 再生可能エネルギーは、エネルギー安全保障にも寄与できる重要な脱炭素の国産エネルギー源であります。二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けた鍵でもあります。国民負担を抑制しつつ最大限の導入を進め、主力電源化していくことが政府の基本方針、できる限り導入をしていくということであります。
 二〇一二年にFIT制度を導入し、この結果、一〇%であった再エネ比率は一八%に拡大をしました。導入量は再エネ全体で世界第六位、太陽光発電は世界第三位となり、発電電力量の伸びは二〇一二年以降約三倍に増加というペースで、欧州や世界平均を大きく上回る等、再エネの導入は着実に進展をしております。
 更なる導入拡大に向けて、国民負担の増大、系統制約、再生可能エネルギー事業に対する地域の懸念といった種々の課題がありますが、コスト低減の取組強化や調整力の確保、中長期的な系統整備、地域と共生可能な適地の確保など、関係省庁と連携し、あらゆる政策を総動員して再エネ最大限導入を進めてまいりたいと思っております。
 ただ、先ほどの青山議員とのやり取りもお聞きだったと思いますけれども、日本はこれまでは資源の少ない国、少資源国ということでありました。そして、新たな国産エネルギーというのを探していくのもこの二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けた取組であると思っております。そういった中で、今あるものをどうミックスさせていくか、リバランスで考えていくかということも含めて、二〇五〇年に向けての取組をしてまいりたいと考えております。

#35
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 今、二〇五〇年の鍵とおっしゃいました。菅総理は、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわちカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すとしています。政府は、国内の石炭火力発電所、計画中のものを含めて、今後どのように対応しますか。

#36
○国務大臣(梶山弘志君) 資源が乏しく周囲を海で囲まれた我が国において、3EプラスSを満たす単一の完璧なエネルギー源がない現状では、多様なエネルギー源をバランスよく活用することが重要であります。
 石炭火力は安定供給性や経済性に優れていますけれども、CO2排出量が多いという環境面での課題があるのは事実であります。このため、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて、国内石炭火力につきましては、足下では二〇三〇年に向けて、建設中の石炭火力を含め高効率化、次世代化を推進しつつ、非効率石炭火力のフェードアウトに取り組んでまいります。具体的には、省エネ法上の石炭火力の発電効率目標として、最新鋭のUSC、超超臨界の水準に設定する規制的措置等を検討しており、こうした措置を講じることで、非効率石炭火力の稼働抑制や高効率化の取組を着実に促進をしてまいります。
 さらに、今後、二〇五〇年時点で石炭火力が稼働する場合についても、CO2の分離回収技術の後付けも含めてCCUS技術を実装させるなど、カーボンニュートラルを実現する方策について検討を深めていくということであります。
 資源のない国でありますから、あるものは利用していく。そして、カーボンニュートラルというのは大気中にCO2、温暖化ガスを排出しないということでありますから、CO2を分離回収して貯留をしたり、また再利用ということで、カーボンリサイクルというような技術も含めて今技術開発をしているところであります。

#37
○宮沢由佳君 石炭火力発電の輸出支援、新規案件に関して政府金融機関による低利融資をやめるとの報道がありました。この御説明をお願いできますか。

#38
○国務大臣(梶山弘志君) 昨年十二月に経協インフラ戦略会議で決定されましたインフラシステム海外展開戦略二〇二五において、世界の実効的な脱炭素化に責任を持って取り組む観点から、今後新たに計画される石炭火力輸出支援の厳格化を行いました。海外で新設される石炭火力発電所に対する政府支援につきましてはこの戦略で定められた方針に従って対応するというのが政府の方針であり、新規案件を全面停止する検討に入ったという事実はございません。
 同時に、相手国のエネルギー政策や気候変動政策に関与を深めることで脱炭素化を促すという基本方針を踏まえて取組を進めて、脱炭素社会の実現をリードをしてまいりたいと思っております。
 例えば、石炭が豊富にある国があります。そして、そこが途上国、新興国であった場合には、これから発展をしていく、更に電力需要が高まる場合には高効率の石炭という手段も選択肢の一つに入ると思っております。
 日本が放棄してもほかの国が応援する場合もあるということの中で、一歩でも前進するような形でやっていく。そして、二〇五〇年にはカーボンニュートラルという同じゴールがあるということであります。

#39
○宮沢由佳君 それでは、日本は、高効率とはいえ二酸化炭素排出量の多い石炭火力発電所の輸出を支援続けるということになりますね。世界の流れに逆行するということが言えるのではないでしょうか。

#40
○国務大臣(梶山弘志君) 高効率のものを使っていくということで、あとはCO2の分離回収設備なども付けていく、いずれ付けていくということになると思いますけれども、先ほど申しましたように、その地域によって一歩前進する、二歩前進するためには何がいいのかということ。新興国や途上国を巻き込まずして二〇五〇年のカーボンニュートラルというのはできません。
 一国だけではできないということと、世界全体でどういう取組をしていくかということで今議論されているのは、例えばアジアとかアフリカとか、新興国、途上国側の支援をどうしていくかということでありまして、最初から高額の原料が必要となるものを使えということは、なかなかやっぱりその国には強制をできない。であれば、再生可能エネルギーの使用も含めてどういう協力をしていくかという、先方の国の将来構想も含めて我々は支援をしていくということであります。

#41
○宮沢由佳君 化石燃料発電をどうするのか、再生可能エネルギーの割合を増やすのかなど、国がエネルギー政策を変更するのであれば、現在関連産業で働く方々の雇用を国が守ること、事業主の事業移行を円滑に行えるようにすることは当然だと思います。
 政府はこれらに関して今後何をするのか、説明いただけますでしょうか。

#42
○国務大臣(梶山弘志君) エネルギーが転換をされるということは雇用も移動する可能性があるということであります。まずは事業者単位でそういう雇用について考えていく、そして大きな空白ができるような場合には国がしっかりと対応していく、他産業で逆に需要が増える部分もあります。そういったことも含めて、労働移動が可能なようにしていくということも含めて私どもは対応してまいりたいと考えています。

#43
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 では、教えてください。今後のエネルギー政策に関して、人材確保と育成をどのように進めますか、教えてください。

#44
○国務大臣(梶山弘志君) 今後、再生可能エネルギーや水素といった新しいエネルギーの産業へ移行していく中、こうした産業の人材確保や育成は重要な取組と認識をしております。例えば、洋上風力発電については、昨年十二月に官民協議会が策定した洋上風力産業ビジョンにおいて、政府として二〇四〇年に、認定ベースではありますけれども、三千万から四千五百万キロワットという高い導入目標を掲げております。そして、その部品点数は三万点にも及ぶとされるなど、裾野の広い産業、雇用への経済効果が期待をされております。
 これを国内に還元すべく、重要なスキルの棚卸し等、そのスキル取得のための方策を具体化した洋上風力人材育成プログラムを策定することとし、産業界とともに議論を進めているところであります。
 また、水素に関しても、新たなエネルギーとしてはまだ普及の途上ではある中、次世代を担う人材の育成に向けて教育や広報を行い、水素エネルギーに対する理解を促進していくことは重要であると考えております。このため、中高生を対象として水素に関する講義や実験、施設見学などへの協力に取り組んでいるところであります。
 水素に関しましても、製造そして流通、物流ですね、物流、さらに需要ということで、これは発電であるとか車への利用であるとか、あとは製鉄業への応用であるとか、様々な分野で、また様々な段階での人材が必要になってまいりますので、そういった形で人材の教育、活用というものもしていかなければなりませんし、新しいエネルギー産業を支えるための対応をしてまいりたいと思っております。

#45
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 もう一つお聞きしたいのが、国のエネルギー政策変更により影響を受ける地域についてどのように手当てを行うでしょうか、教えてください。

#46
○国務大臣(梶山弘志君) 非効率石炭火発のフェードアウトに向けた対応としては、省エネ法上、規制強化により非効率石炭火力の原則休廃止を求めていく一方で、柔軟な措置として非効率石炭火力にアンモニア混焼等を導入することで発電効率を最新鋭のUSCの水準にする取組も認めることとしております。例えば石炭だけではなくてアンモニアを入れる、あと木質のバイオマスを混焼する、そういうことによってCO2の排出量を少なくさせるという手だてであります。
 石炭火力は地元雇用や地域経済を支えている役割もあるため、その休廃止による影響を懸念する声があることも承知をしており、引き続き、関係者、産業界等の意見を聞きながら取り組んでまいりたいと思っております。あと、御地元の声も聞いてまいりたいと思っております。

#47
○宮沢由佳君 地元の声も聞いていくということで、是非よろしくお願いいたします。
 では、再生可能エネルギーに話を戻しますが、地域の特性を生かす再生可能エネルギーの活用についてどう思われるでしょうか。

#48
○国務大臣(梶山弘志君) 地域に存在する再生可能エネルギーの地産地消、レジリエンス向上や環境負荷の低減、地域活性化の観点から重要であります。これまでも千葉県の睦沢、そしてあと福島県の土湯、これ睦沢は天然ガスでありますし、土湯は地熱発電、バイナリーの発電ということで、地域のエネルギーの利用ということをしっかりと進めている地域も数多くあるわけであります。
 このため、経済産業省では、既存の系統線を活用して先進的な地域マイクログリッドの構築を支援し、地域の再エネ等の地産地消を促進をしているところであります。さらに、地域産業やレジリエンス向上への貢献などを通じて地域と共生している優良な事例について、全国への普及を促すために、地域と共生する再エネ事業を検証する事業を今年度より開始をする予定であります。
 こうした取組を通じて、今後も地域の特性を生かした再生可能エネルギーの地産地消の取組を積極的に推進をするということと、いざ災害があったときにその地域が電気が通じているということも含めて、そのマイクログリッドの長所というものもしっかりと皆さんに周知をしてまいりたいと思っております。

#49
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 エネルギーの地産地消という御発言がございましたけれども、地域で必要な電力は可能な限り地域で供給することに対するお考えを確認いたします。お願いいたします。

#50
○国務大臣(梶山弘志君) まずは地域でそういうエネルギーの開発をしなければならないということでありまして、そういった、それを取りまとめる組織というものも必要になろうかと思います。
 このため、経済産業省では、地域内の再生可能エネルギーなどから大規模停電時に自立的に電力供給する地域マイクログリッドの構築に向けた計画作成や設備の導入を支援をしているところであります。
 また、地域の再生可能エネルギー資源の活用を促進する観点から、FIT制度においても、地方自治体が事業に参画をし、地域と一体的に実施するなどの地域活用要件を満たす事業に重点化して導入拡大を図ってまいりたいと考えております。
 こうした取組を通じて、地域における再生可能エネルギーを活用した電力供給を促進をしてまいりたいと考えております。

#51
○宮沢由佳君 よろしくお願いいたします。
 関連して、ソーラーパネルと風力発電所に関して伺います。
 ソーラーパネル設置に関して環境アセスを行うことになりましたが、概要を教えてください。

#52
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。
 近年、大規模な太陽光発電事業の増加に伴いまして、土砂流出、濁水の発生、あるいは環境への影響など、環境保全上の懸念が生じているということがございます。
 このため、太陽光発電事業につきまして適切な環境配慮が確保されますよう、昨年、二〇二〇年の四月から、大規模な事業につきまして環境影響評価法の対象事業に追加をしたというところでございます。

#53
○宮沢由佳君 そこで、質問です。
 なぜ、一種四万キロワット、二種三万キロワットとしたのでしょうか、教えてください。

#54
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。
 まず、前提として、ちょっと詳しくなりますが、環境影響評価法につきまして、なぜ発電事業は面積要件ではなくキロワット要件を定めているのかということについてでございます。
 これ三点ございまして、一点目、発電所の許認可等を行う電気事業法におきまして対象施設の届出の要否を総出力で区分しているということとの均衡を図る必要があるということ。それから二点目ですが、発電所におきますその面積というものの概念が統一的な考え方がございませんので、事業者が行う施行区域の面積の判断に疑義が生じかねないということでございます。三点目、総出力という簡易な指標を用いることが事業者及び行政当局が規模要件に合致するかの判断をする上で簡便だというこの三点から、発電事業につきましては、出力要件を法アセスの対象事業とするかどうかを要件にしてございます。
 太陽光発電についての要件の定め方でございますが、こちらにつきましては、そうはいいましても、面積の、土地の面的な改変に依拠するところは非常に大きいというところがございますので、他の事業との公平性の観点を踏まえまして、環境影響評価法におきます例えばほかの事業ですね、土地区画整理事業などの面整備事業の規模要件の考え方を敷衍いたしまして、面積百ヘクタール以上を第一種事業、七十五ヘクタール以上を第二種事業とするという考え方の下に、この考え方を敷衍しまして、百ヘクタール及び七十五ヘクタール相当の事業におけます平均的な交流出力を踏まえまして、四万キロワット以上を第一種事業、三万キロワット以上四万キロワット未満を第二種事業というふうにしたものでございます。

#55
○宮沢由佳君 なぜそのキロワットになったのかというところが伺いたかったんですが、もう一度お願いできますか。

#56
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。
 再度になりますが、三点ございまして、一つは、電気事業法におきましては手続の届出の要否、これを総出力、キロワットで区分している、こういったこととの整合性を図りたいということでございます。二点目でございますが、発電所におきまして面積に係る統一的な考え方がない。例えば、アセス法におきましては、一般的にその施行区域の面積というものをメルクマールにするわけですが、残置森林を含む、事業を実施するために必要な開発区域全体を含むものなんですけれども、単にその土地造成の面積だけではなくて事業全体を行う土地だということなんですが、じゃ、実際、発電所事業におきまして面積に関して統一的な考え方がどうもないんじゃないかということもありまして、紛れとか疑義が生じる可能性があるんじゃないかというのが二点目でございます。三点目、事業者、行政当局がやはりその判断をする上で総出力という簡易な指標を用いるということが簡便性の観点からも利点があるのではないかと。
 この三点から、発電所事業につきましては、太陽光発電のみならず、水力、火力、地熱、原子力、あっ、原子力は全てですが、風力、こういったものは全て出力要件で判断をしているということでございます。

#57
○宮沢由佳君 大臣、ハコネサンショウウオって聞いたことがありますでしょうか。あっ、あるということで。

#58
○国務大臣(梶山弘志君) 聞いたことがございます。

#59
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 一部の県では絶滅危惧Ⅰ種、多数の都府県ではⅡ種又は準絶滅危惧に指定されている生き物でございます。
 どんな生き物かと申しますと、オオサンショウウオというのは皆さんよく御存じかもしれないんですけど、ハコネサンショウウオ、割と小型なものなんですが、ヤモリとかイモリとかいうものをイメージしていただくかといいと思うんですが、両生類で、大人になっても皮膚呼吸のみで生活するとても珍しい生き物でありまして、幼生のときには数年間きれいな沢で生息して、成体になったら森の中で生息する本当にユニークな生き物でございます。きれいな沢と豊かな森が必要ということで、環境変化にとても弱く、森林伐採などで全国で急激に今数を減らしているものです。大臣が御存じということで、とても感激いたしました。
 例えば、そういった希少生物の生息地を埋め立ててソーラーパネルを設置するという計画があった場合についてお聞きします。四万キロワット未満若しくは三万キロワット未満の発電所建設予定地で貴重な生物が見付かった場合の対処について、御説明お願いします。

#60
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。
 環境省や都道府県におきましては、絶滅危惧種のうち、個体数の減少要因等に照らして効果的な場合には、保護区の設定あるいは捕獲防止等の規制措置を種の保存法、それから条例等により課して保護を図っているところでございます。
 加えて、社会への警鐘といたしまして、広く情報提供し、事業者の自主的取組を促すことを目的に、レッドリスト等として絶滅危惧種をそれぞれ公表しているところでございます。
 御指摘のハコネサンショウウオにつきましては、レッドリストにつきましては環境省のレッドリストでは公表されて、あっ、ランク外になってございまして、神奈川県におきまして準絶滅危惧種となっているというところでございます。また、法令に基づく希少種等には指定がされておらず、条例も神奈川県ではないというふうに承知してございます。
 それから、太陽光発電の設置につきましては、環境影響評価法の対象とならない事業につきましても、適切な環境配慮が確保されますよう、多くの自治体が環境影響評価条例を制定しているというところでございますし、法や条例の対象とならない事業につきましても、環境省、太陽光発電の環境配慮ガイドラインなどを策定いたしまして、事業者団体等に周知をして、環境配慮がなされるよう求めているというところでございます。

#61
○宮沢由佳君 このハコネサンショウウオ、レッドリストには入っていないんですね。ただ、調べていくとどんどん減っている、つまり、もうレッドリストにもう少しで載るんじゃないかというような状況の中で、保護をされている方々が、えらもないこの特殊なハコネサンショウウオの生態について、子供たちに是非触れて、そして興味を持ってもらいたいという願いがあるんですけれども、こういったやっぱりきれいな沢とそして豊かな森林がないと育たない、こういったものをレッドリストに載ってから保護するのではなくて、やっぱりそういうところにも着目して、もちろんハコネサンショウウオに限らずたくさんな希少生物、また植物がありますけれども、そういったものにはしっかりと心配りをしながら進めていく必要があるのではないかと、こういう活動している方々から学びました。
 次の質問です。風力発電所の環境アセスに関しても、義務付けする出力を一万キロワット以上から五万キロワット以上に引き上げるようですけれども、なぜでしょうか。

#62
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。
 環境省は経済産業省とともに再生可能エネルギーの適切な導入に向けた環境影響評価のあり方に関する検討会というものを立ち上げまして、有識者に加えまして、発電事業者、自然保護団体、地方自治体などに参加いただきまして、風力発電に係る環境影響評価の適切な在り方につきまして様々な側面から幅広い御議論をいただきまして、去る三月三十一日に報告書を公表いたしました。
 その報告書におきましては、法の対象であります規模が大きく著しい環境影響のおそれがある事業といたしまして捉えるべき風力発電の適切な規模要件につきまして、最新の知見に基づき、他の事業との公平性の観点も踏まえ検討すべきというふうにされてございます。
 具体的には、他の法対象事業の面的事業の百ヘクタールをメルクマールとしつつ、風車の高さ方向の空間利用による環境負荷の影響に鑑みまして、より厳しい五十ヘクタール相当の出力規模とすることとし、第一種事業は五万キロワット以上、第二種事業は三・七五万キロワット以上五万キロワット未満とすることが適切というふうにされてございます。
 今回の取りまとめの結果を受けまして、環境省としての対応につきまして経済産業省と連携をいたしまして早急に整理を行い、二〇五〇年までにカーボンニュートラルを実現するという目標の達成に向けまして、環境保全に最大、適正に配慮いたしまして、地域の理解の下で風力発電の最大限の導入を促進できるよう必要な措置を講じてまいる所存でございます。

#63
○宮沢由佳君 この件で、立憲民主党は三月二十五日、長坂副大臣に緊急申入れを行いました。大臣も内容を御承知だと思います。
 そこで、立憲民主党の提言について梶山大臣に確認させてください。
 一つ目、再生可能エネルギーの導入拡大に際しては、地域の生態系、生物多様性を劣化、損失を生じさせること、地域の文化資産や景観を破壊すること、そして、自治体への負担を著しく増加させることがないよう、拙速な規模要件の緩和を進めないこと。いかがでしょうか。

#64
○国務大臣(梶山弘志君) 二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けて再生可能エネルギーの最大限の導入を進めていくためには、環境配慮や地域の理解を得て事業を進めることが大変重要であると考えております。
 こうした観点から、経済産業省としては、環境省とともに再生可能エネルギーの適正な導入に向けた環境影響評価のあり方に関する検討会を立ち上げ、先ほどもお話ありましたけれども、学識経験者に加えて、風力発電業界、自然保護団体、地方自治体にも御参画をいただき、再エネの導入拡大と環境配慮、地域の理解促進の両立について御議論をいただいたところであります。
 その中で、風力発電事業で環境影響評価を必須とする規模要件については、その他の分野の多くで面積が百ヘクタール以上となる開発が対象となっていることや、数十メートルの高さで風車が回転するという風力発電設備の特性を踏まえて、より厳しい五十ヘクタールの面積に相当する五万キロワットとするとの取りまとめが行われました。その上で、今後、関係者への十分な周知や所要の条例等の改正などのため、必要な期間を確保することが必要とされたところであります。
 こうした討論会における検討、失礼、検討会における議論の結果を踏まえて対応してまいりたいと思っておりますし、これだから画一的にもう全てやるということではなくて、地域の事情というものを聞いていかなければならない、また、合意形成というものが非常に大切だと考えております。

#65
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 では、申入れの二つ目、再生可能エネルギーの導入拡大と環境の両立を確実に実現できるよう、風力発電の環境アセスメントについては、規模要件だけでなく、地域の合意形成、今大臣おっしゃいましたけれども、合意形成に影響が大きいと指摘されている立地条件などの要件を設定できるよう検討すること。いかがでしょうか。

#66
○国務大臣(梶山弘志君) 再生可能エネルギーを最大限導入をしていくということ、そして二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けて再生可能エネルギーの比率を増やしていくということ、さらにまた、その再生可能エネルギーの設置場所の問題ということで、大変難しい課題であると思いますけれども、それぞれの地域で自治体が再生可能エネルギー導入を手を挙げて率先をしていくという動きもありますけれども、一方で、環境破壊であるとか近隣の住民への影響であるとか、そういったことも問題になっているのは事実であります。そういったことも含めて、しっかりとした合意形成が必要であると考えております。

#67
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 では、三つ目でございます。地域を主体とし、自然保護を重視したエリア等を設定するゾーニング制度の導入や、自治体の負担を削減するため、国と自治体の役割分担を見直す観点から欧州におけるセントラル方式の導入の検討など、早急に検討すること。いかがでしょうか。

#68
○国務大臣(梶山弘志君) 二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けて、再エネの最大限導入を進めていくためには、地域や自然環境との共生を図りながら再エネ事業を進めていくことが重要であります。
 そのため、経済産業省としては、FIT制度において発電事業者が地域住民と適切なコミュニケーションを図ることを努力義務としております。怠っている場合には、FIT法に基づく指導等を行っております。また、関係省庁で連携して、環境アセスメントデータベースによる情報提供や地方公共団体によるゾーニング支援等により、事業者が環境の保全の観点からより良い事業計画を作り上げることを支援をしております。
 また、洋上風力については、再エネ海域利用法において、関係都道府県知事や関係漁業者の組織する団体等、地域利害関係者を構成する協議会を組織して、協議会での議論を経て促進区域を指定をすることとしております。
 御指摘のセントラル方式については、関係者の適切な役割分担を整理することで、より迅速な、そして効率的な案件開発を目指すものであり、現在、実証事業等を通じてその具体化を進めているところであり、その中で自治体とのより良い連携の在り方を進めて様々な選択肢を検討してまいりたいと思っております。
 特に、洋上風力についてこのセントラル方式を入れるかどうかということでありますけれども、今まで洋上風力というのはなかなか権利関係が錯綜しているということでその認定までに時間が掛かったということでありまして、一つのテーブルでしっかりと役割分担考えていきましょうよということも含めて、こういうセントラル方式がいいのではないかという実証実験、実証をしているところであります。

#69
○宮沢由佳君 ありがとうございます。しっかりとやっていただきたいと思います。
 大臣の子供時代は御地元の茨城の海や野山で遊ばれた経験がきっとおありかと思いますが、事業者にとっても地域で暮らす人にとっても納得のいくような方法で再生可能エネルギーを増やしていく、例えば、ソーラーパネル敷地内に一部を自然のまま残す、ビオトープを造るなど、考えてみてはいかがでしょうか。
 子供たちが自然の中で学び、遊べる環境を維持しながらカーボンニュートラルを達成すべきと考えますけれども、大臣の御所見をお願いいたします。

#70
○国務大臣(梶山弘志君) 自然環境や地域との共生を図りながら再生可能エネルギー事業を進めていくことは大変重要であると思っております。
 自然環境との共生という観点では、こうした観点もよく踏まえつつ、環境省等とも再生可能エネルギーに係る環境影響評価の今後の在り方について検討を進めているところであります。引き続き、環境省と連携して環境アセスメント制度を適切に運用してまいりたいと思っております。
 また、地域との共生という観点では、FIT制度において責任ある再生可能エネルギー事業がなされるように、条例を含む関係法令の遵守を認定基準として定め、違反した場合には、必要に応じて認定の取消しを実施をしております。発電事業者の地域住民と適切なコミュニケーションを努力義務としており、怠っている場合には指導を行うといった取組を進めているところであります。
 引き続き、地域の自然環境と調和の取れた再生可能エネルギー事業の導入や再生可能エネルギーに関する理解の増進に努めてまいりたいと思っておりますけれども、事業者の方々との連携というのも当然必要になるということでありまして、そういった面も含めて考えてまいりたいと思っております。

#71
○宮沢由佳君 ありがとうございます。是非、その地域の子供たちがどう育っていくのか、その子供たちに何を伝えていくのかという視点も持っていただきたいと思います。
 次は、女性活躍支援について伺いたいと思います。
 前回も男女の賃金格差や女性の管理職登用について質問させていただきましたが、世界経済フォーラムが三月三十一日、ジェンダーギャップ指数二〇二一を発表しました。政治分野での順位が、前回は百十五位、今回が百十七位、特に、前回質問させていただいた管理職に関して、前回百三十一位から百三十九位、賃金も六十七位から八十三位、前回も相当悪い数値でしたが、今回はそれを更に下回る大変な状況です。
 順位を見ると、政府のこれまでの支援策は世界各国の施策と比較して、全く功を奏していないか相当遅れていると考えます。この点、真摯に反省すべきと思いますが、大臣の御所見をお願いします。

#72
○国務大臣(梶山弘志君) 女性の活躍推進というのは、促進、推進というのは、企業の成長のみならず、ひいては日本経済の成長につながるものであると考えております。このため、我が国のジェンダーギャップを解消していくことは重要な課題であると認識をしております。
 ただ、以前の採用というのはやはり女性の方の総合職等に対しては少なかったと思います。ですから、そういった中で今どんどんどんどん増やしてきている企業もある、かなりの数で、五割を超える形で増やしてきている民間企業もあるわけでありますが、そういった中で、一朝一夕にはなかなか進みませんけれども、そういった雰囲気の醸成、また将来の展望も含めてそういった対応ができてきているところだと思いますので、しっかり後押しをしてまいりたいと思いますし、経済産業省においても女性の採用等をかなり増やしているつもりでありますので、そういったことも含めてしっかりと順位に反映できるような体制づくりというものを日々取り組んでまいりたいと思っております。

#73
○宮沢由佳君 経済産業省のこれまでの支援策について検証させていただきたいと思います。
 女性リーダーの育成について、女性管理職、役員の比率を高めるため、二〇一五年からウイメンズ・イニシアティブ・フォー・リーダーシップ、通称WILを実施していますが、その概要について御説明ください。また、掛かった経費、参加人数、感想等についても教えてください。

#74
○政府参考人(中原裕彦君) グローバル化の進展や市場ニーズの多様化など、経営環境の急速な変化に対応する上で、企業の皆様にとられては女性を始めとする多様な人材が経営層に登用されるということは極めて重要であるというふうに認識をさせていただいてございます。
 このため、経済産業省では、企業横断的な勉強会としまして、御指摘をいただきましたウーマンズ・イニシアチブ・フォー・リーダーシップ、略称WILを開催させていただきまして、将来のリーダー候補の女性向けに経営に必要な知見の習得あるいは人的ネットワークの構築の機会を提供させていただいております。
 活動の内容としましては、経営層に求められる知見を深め、視座を高めるということを目標、目的に、政府関係者あるいは企業の経営者、有識者等をお招きして、講師としてお招きして勉強会を開催するとか、あるいは持続可能な経済社会を実現するために我が国が直面する課題を取り上げまして、解決に向けたその具体策を検討するグループ別の政策研究という二部構成でやりまして、実施しまして、約一年間にわたって開催をしております。
 なお、そのWILの参加費というのは無料でございまして、昨年実施したWILにおいては二十九名が参加を頂戴したところでございます。
 過去に実施したWILに御参加いただいた方々のアンケート結果におきましては、例えば、ジャンルの違う各界のトップリーダーからの貴重な講演が視野を広げる良い経験となった、グループ別政策研究は取材や議論を通じて視野を拡大できた、研修内容だけでなくネットワーキングを含め非常に価値ある体験だったといったような感想を頂戴しているところでございます。

#75
○宮沢由佳君 この結果がジェンダーギャップ指数に反映されていない、改善されていない、効果が現れていない。一年間の事業ということですけれども、これ鳴り物入りで経済産業省が女性の活躍支援をしているというので載っていたので聞いてみましたけれども、もう一つ、女性起業家等支援ネットワーク構築事業というのもやられております。これ、ちょっと時間がなくなってきましたので細かい質問はしませんけれども、本当は五年間でやる予定だったのを三年間で打切りになった、そして最後は補助金も半分にして自走できるようにしなさいなんていうことがあったみたいですけれども、これは経済産業省は継続したかったのでしょうか。打切りについてはどこが、どこからの決定だったのか、そこの点、教えていただけますでしょうか。

#76
○政府参考人(中原裕彦君) 平成二十八年度の本事業の、御指摘をいただきました事業の開始に際しましては、女性の皆様の社会参画の選択肢の一つであるいわゆる起業を支援する体制の構築を通しまして、女性の皆様がその能力を最大限発揮できる環境整備を迅速かつ着実に実現するという観点から、令和二年度までの五年間の成果目標値というのを設定をいたしました。
 他方、実際にその事業を進めていく中で、ネットワークを構成する支援機関数という主要なアウトプット指標というのを前倒してそれが達成されたこと、それから、平成三十年度までの三年間で、ネットワークのセミナー等参加者のうち起業相談を行った女性の割合という主要なアウトカム指標、こういったものも達成をしたということを踏まえまして、検討を行いました。
 その結果、将来的に民間企業等の自立化した取組を促していく観点から、四年目に当たります令和元年度は、国が前面に出て行う委託事業ではなく、より民間企業等の皆様の側面支援的な性質の補助事業とすることとしたものでございます。
 その上で、五年目となる令和二年度からは、予算措置には頼らない形で、それまでに構築した各地の女性起業家等支援ネットワークを全国大にまとめたわたしの起業応援団というものを立ち上げてございます。
 御指摘の女性起業家等支援ネットワーク構築事業は三年で異なる形に移行したところではありますけれども、経済産業省としては、不断の検証を行いながら女性の活躍促進に向けて必要となる役割を果たして続けているものと認識しておりますし、今後ともそうした気持ちを持って強力に推進してまいりたいというふうに、かように考えてございます。

#77
○宮沢由佳君 予算措置には頼らないと、とても耳当たりは良く聞こえますけれども、実際に女性起業家がもう爆発的に増えていて、もう地域でどこに行っても女性がもう本当に管理職にも登用されて、経済的にもしっかりと男性と遜色なく給料を得ているという状況が来たのであれば、予算に頼らないということは当たるかもしれませんけれども、もう下がっている、順位も下がっている、管理職の登用も進んでいない、女性起業家は多少は増えていますけれども、しっかりと経済を動かすほどには至っていない中で、私は、この事業を継続していく、又は別の事業でしっかりとこの女性の起業家また社会参画を増やしていく必要があると思うんですけれども、今後、女性起業家支援に関して新しい事業を考えているか、また女性管理職を増やす政策があるかについて、予算措置のあるものをお答えいただけますか。

#78
○政府参考人(中原裕彦君) 女性の皆様の社会参画拡大のために起業を支援することは非常に重要なことだと存じます。
 経済産業省におきましては、これまでにも女性の起業家支援コンテストの開催とか今御指摘のありました事業等々を実施をしてきたところでございます。
 令和二年度からは、新たな取組として、これらの女性の起業支援機関の全国大のネットワークであるわたしの起業応援団というのを経済産業省が事務局となって立ち上げまして、支援ノウハウとか優良事例の共有を行い、より効果的な支援を提供する体制を整えてございます。
 このわたしの起業応援団というところでは、今後、女性起業家が他の地域に事業を拡張する場合にサポートできる全国各地の支援機関の連携を強化いたしますとともに、ロールモデルとなる女性起業家によるウェビナー開催などのコンテンツを充実させるということを検討をしてございます。
 こうした取組を通じまして、女性起業家の実情に応じて必要な支援を行うことができますよう、私どもとしましても全力で取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

#79
○宮沢由佳君 とてもそれが経済を動かす、また女性のジェンダーギャップ指数を押し上げていけるようなふうには聞き取れませんでした。そして、しっかりと予算を付けた大きな事業として動いているような感じがしません。
 そこで、この参加、先ほど言った支援ネットワークの事業に参加した女性のリーダーからの意見をここでちょっと紹介したいんですけれども、この女性は起業支援や再就職支援をしている方なんですが、女性の起業支援、再就職支援を行っている機関は多数ありますが、その窓口の多くが男性で、女性が子育てや介護などワーク・ライフ・バランスで悩んでいる状況を理解しておらず、いきなり高いハードルにチャレンジさせようとする傾向がある、結婚や育児、介護等で一旦離職すると、一歩ずつ丁寧に社会復帰していきたい人が多い中、いきなり輝く女性とか輝けと言われたら尻込みしてしまう、一歩先、半歩先を歩む先輩女性との出会いがとても重要である、男女共同参画センターなどと連携をして伴走型支援に力を入れてほしいという声でした。
 この女性リーダーの意見を大臣はどう思われるでしょうか。

#80
○国務大臣(梶山弘志君) 女性に限らず男性も含めて、起業家というのは大変少なくなってきております。そういった方を起業精神を持って起こしていただくような下地づくりというのは経済産業省の役割だと思っております。
 そういった中で、特に女性ならではの視点で企業を起こす方たちもたくさんおいでになります。企業内、企業の中で提案をして、それが分社化して企業になっていくという例を、私も知り合いで何人か女性の方でおいでになりますけれども、保育であるとか家事であるとか、そういったところを逆に企業化していくというような取組もしている方がおいでになります。それらも含めて、まず起業に必要な知識というものをリカレント教育、様々な形で講座は幾つかつくっておりますし、ただ、女性だけに限るというものではありませんけれども、男性の方と一緒にやっていただくような部分もあると思います。
 あとは、女性の方に特化したソーシャルビジネスみたいな形でやっている方、何人も存じ上げておりますけれども、まず最初は大変だったという言葉も聞くわけでありまして、そういった面での相談窓口、女性の方が窓口にいればいいということでありますが、ある程度経験がないと起業に関してはお話ができないということもありますので、そういったことも含めて相談に乗れるような窓口づくりというものは心掛けてまいりたいと思っております。

#81
○宮沢由佳君 そこで、提案なんです。輝く女性という表現はやめませんか。梶山大臣は、例えば輝く男性を目指して仕事をしていらっしゃるでしょうか。輝く男性とはどういう方のことを言うんでしょうか。なぜ女性だけ輝けとおっしゃるんでしょうか。この輝く女性、とても違和感があります。輝く男性を自負されるんだったらいいかもしれません。大臣、いかがでしょうか。

#82
○国務大臣(梶山弘志君) ワーディング、言葉遣いにはいろんな感性がそれぞれ出てくるとは思いますけれども、どちらかというと役所の感性というのは余り良くないという今までも批判を受けてきたところでありますけれども、是非いろんな方から御意見を伺いながら、刺さるような言葉というものを探してまいりたいと思います。

#83
○宮沢由佳君 いや、刺さる必要はないと思うんですね。先ほど言ったように、窓口でいきなり高い、起業するんだったらこのぐらいの規模じゃないと、このぐらい収入が得ないというような金融機関の指導も、女性たちにとっては非常にハードルが上がってしまうということですから、やっぱり半歩でも一歩でも、かかとをちょっと上げるような女性の社会参画、そういった感覚を持っていただきたいなというふうに思います。
 時間が来ましたので、持続的な経済成長の実現のための最重要課題である潜在成長率を引き上げるためにも、女性が活躍するために積極的に予算も付けて提供していただきたいと思います。よく女性の活躍というと、それは男女雇用均等の、男女共同参画の担当大臣の話じゃないかと言われますけれども、女性と男性の賃金格差、それから管理職登用、これしっかりと経済産業省がやっていただきたいと思うんですね。
 大臣の所見を伺って、終わりたいと思います。

#84
○委員長(有田芳生君) 時間ですので、簡潔におまとめください。

#85
○国務大臣(梶山弘志君) それぞれの企業で取り組んでもらえるように、また経済産業省と産業界との、経済界との話合いもしておりますし、ただ、一足飛びにはいかないと、一朝一夕にはいかないということでありますから、そういったことを常に心掛けながら実現できるようにしてまいりたいと思いますし、先ほど言いましたように、これは言葉じゃないというんであれば、やっぱりしっかりと受け取ることのできる相談窓口というものも考えてまいりたいと思っております。

#86
○宮沢由佳君 ありがとうございました。

#87
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 私から、まず大臣に、法案等の誤りの検証と再発防止についてお伺いをせざるを得ません。
 先ほど大臣からも、産業競争力強化法の改正、またその関係資料、参考資料につきまして、再点検の結果概要、御報告をいただいたところでございます。
 政府が国会に法案を提出するというその重大性からして、今回の誤りは大変重く受け止めなければならない。このことは、私、与党としても強く申し上げておきたいと思います。検証の上に、その反省に立って再発防止を徹底していただかなければなりません。
 先ほど来るる大臣から既に御発言をいただいておりますので、私からは、特に御発言いただきたいのは、この今回の法案のミスについては、誤りについては複数省庁で同様の事案が発生しているということ、これを踏まえますと、政府全体としてお取組をいただくべき事案である。特に、これは公務員の働き方の問題、またデジタル技術などをどう活用していくのかということも含めて、業務の効率化、また組織のマネジメントといった観点から、こうしたチャンスと捉え、こうした機会をチャンスと捉えて行政組織自体を変革していくという観点で取り組んでいただく必要があると考えております。また、政府全体の検討にも経産省として積極的に貢献をいただきたいと考えております。
 大臣の御所見を伺います。

#88
○国務大臣(梶山弘志君) 今回の誤りは、国会に法案を提出して御審議を仰ぐ立場の政府として誠に遺憾であり、改めて深くおわびを申し上げます。
 今委員からお話のありましたように、経産省として、条文のチェック、複数の目を使って、また、その条文の作成に関わっていない立場の人間の目を使って確認をしていくことを丁寧にしてまいりたいと思っておりますけれども、政府全体としても、省庁横断の法案誤り等再発防止プロジェクトチームにおいて実効性のある再発防止策を政府一丸となって検討していくこととしており、そういった中に、働き方の問題であるとか、また点検の問題であるとかということも含まれていくことと思いますけれども、経済産業省としても積極的にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

#89
○里見隆治君 よろしくお願いします。
 では、中堅・中小企業の支援についてお伺いをしてまいります。
 新型コロナウイルス感染症への対応ということで、昨日、四月五日、大阪、兵庫、宮城の三県でまん延防止等重点措置が適用されております。その適用地域において、地方自治体による時短要請等に応じた飲食店に対する協力金、これは、これまでの定額方式、様々な意見がございました。私ども公明党からも、これを売上げ等に応じた支給額にすべきということを申し上げてまいりましたが、今回、そうしたことに一歩近づいているということについては大変評価をしております。今後、その他の給付についても同様の計算方式が取れないか、そのようなことも御検討いただきたいと思っております。
 その上で、まん延防止等重点措置地域において、協力金の対象外の中堅・中小企業について支援を行っていただいております。緊急事態宣言の際の一時支援金のように、その支援対象については、飲食店の時短営業の影響の有無だけではなく様々な観点を考慮するべきだというふうに考えております。
 例えば、夜間の営業はしていない昼間の営業、喫茶店などその代表例だと思いますけれども、他の飲食と同様に影響を受けておりますし、また、飲食店と軒を並べて商売をしている事業者の皆さんも大きな影響を受けております。広く、そもそもの重点措置の影響を受けるこれらを支援するという観点から、より柔軟に対象を御検討いただきたいと考えておりますけれども、いかがでしょうか。

#90
○政府参考人(飯田健太君) お答えいたします。
 四月の一日木曜日、このコロナ本部の取りまとめを踏まえまして、政府といたしまして、まん延防止等重点措置の影響により売上げが半減した中堅・中小企業者に対して、一月当たり法人二十万円、個人事業者十万円を上限に売上げ減少相当額を給付することといたしたところでございます。一時支援金につきましては、委員御指摘のとおり、緊急事態宣言に伴う外出自粛要請の影響を受けた事業者ということで支援対象としてきたところでございます。
 今般のまん延防止等重点措置における外出自粛要請につきましては、特措法上、自治体独自の判断で行われる協力要請という位置付けであると承知をしておりますけれども、こうした点も含めまして、まん延防止等重点措置の内容も踏まえて今後新たな支援策の詳細な制度設計をしてまいりたいというふうに考えてございます。

#91
○里見隆治君 是非、実態に即して必要な方に必要な支援が行くようにという観点からの運用をお願いしたいと思います。
 また、引き続き、中小企業支援についてお伺いしたいと思います。
 一月からの緊急事態宣言の影響で売上げが半減した中堅・中小企業の一時支援金については、昨年の持続化給付金での不正事案などを踏まえて、その反省を踏まえて、登録確認機関によって事業の実在を確認して支給手続に入るということとされています。当初は、どこの登録確認機関も受け付けてくれないだとか、他のサービスを含めて多額の手数料の請求を受けそうになったといった相談を伺っておりましたが、私ども党の経産部会等でもその辺様々状況をお伝えし、幅広くこうした登録確認機関へのアクセスを確保できるように要望してまいりました。
 身近なところにお願いできる機関がない場合には、事務局で用意した登録確認機関で対応してもらえるようになり、この改善点については有り難く感じております。ただ、登録確認機関がすぐ見付からないといったお声については、もう既に生じていないのか、先日も問合せをしたけれども、大分そこにたどり着くまでに時間が掛かったというようなお声も聞いております。こうした手続面にも御配慮いただきたいと思います。
 また、支給手続が原則オンラインということですので、オンラインになかなかアクセスできない中小企業の皆さんにはサポート会場を御用意いただいておりますけれども、こうしたサポート会場でも人手を掛けて丁寧に迅速に手続を進めていただきたいと考えておりますけれども、いかがでしょうか。

#92
○政府参考人(飯田健太君) お答えいたします。
 一時支援金の方の登録確認機関でございますけれども、現在、金融機関、税理士等の士業、商工会、商工会議所、漁協、農協などに御登録いただいておりまして、四月二日時点では約二万六千ということでございます。
 それから、加えて、登録確認機関を見付けることが困難な方々を対象に、三月の二十四日より事務局自身において登録確認機関を設置して対応するといったことも行っております。
 それから、その次に、申請のサポートについて、人手を使ってということでございます、電子申請に不慣れな事業者の方々もいらっしゃるということで。まず、申請手続を対面でサポートする申請サポート会場、これ全国四十七会場、各都道府県庁所在地でありますけれども一会場設置をしてございます。必要に応じまして順次増設していくことも検討しております。
 それから、その次に、制度開始に当たりまして、税理士などの士業の団体、あるいは全国の商工会、商工会議所のほか業界団体などにも要請文書を発出しまして事業者のサポートをお願いしているところでございます。
 事業者の皆様がスムーズに御申請いただけるように、引き続きいろいろ考えて取り組んでまいりたいというふうに思っております。

#93
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 中小企業、中堅企業の皆さん、今回のコロナ禍での影響だけではなくて、この四月、年度替わりで、例えば労働関係、働き方改革の様々な制度の施行といったことでの、ある一面では負担とも取れる様々な制度改正もございまして、大変御苦労いただいていると思います。そうした意味で、是非必要な方には必要なサポートをという、そうした姿勢で臨んでいただきたいと思います。
 若干、その関係で、当初通告をしておりました順番と順番を変えますけれども、労働安全また労働分野での産業安全ということでの観点から、金属アーク溶接の作業における健康障害防止措置の義務化、これも本年四月一日からの義務化でございまして、そのことについても現場の皆さんからお声をいただいているので、こちらで是非、経産省のスタンス、あっ、済みません、失礼しました、厚生労働省のお考え、対応策についてお伺いしたいと思います。
 この今申し上げました金属アーク溶接作業については、溶接ヒュームに含まれる化学物質について今年度から健康障害防止措置が義務付けられております。溶接の現場でこうした規制強化が行われたということでございます。
 まず、その趣旨、目的についてお伺いしたいと思います。その上で、後ほど、それに対する助成についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

#94
○政府参考人(田中佐智子君) お答えいたします。
 溶接ヒュームにつきましては、議員御指摘のとおり、労働者に健康障害を及ぼすおそれがあることが明らかになったことから、特定化学物質として、溶接ヒュームの濃度測定や有効な呼吸用保護具の使用など、健康障害防止に必要な措置を特定化学物質障害予防規則に規定をいたしまして、令和三年四月から施行をすることとしたところでございます。

#95
○里見隆治君 今の義務化によって事業主は新たな設備投資等を行う必要が出てまいりまして、これ相当な負担であるというふうに伺っております。もうこれ既に決まったことであり、また施行されるということでありますので、これをどういうふうに支援をしながら実効あらしめていくかという観点で臨んでいかなければなりません。
 この溶接ヒューム濃度の測定費用、またマスクの購入費用などに対する助成が不可欠と考えておりますけれども、その対応策についてお伺いいたします。

#96
○政府参考人(田中佐智子君) お答えいたします。
 溶接ヒュームのその関係でございますが、御指摘のありました溶接ヒュームの濃度測定ですが、今年度を経過措置期間というふうにしてございます。その期間中の濃度測定に要する費用の二分の一、単価二万円を上限とする補助事業を予定をしているところでございます。
 それにいたしましても、周知も重要でございます。引き続き、改正内容、それから溶接ヒュームの濃度測定に必要なその経費の補助の制度につきまして、事業者に周知を図ってまいりたいと存じております。

#97
○里見隆治君 経過措置も設けながら、また周知も進めていただきながらということですので、よく現場の事業者の皆さんがどのような御意見をお持ちか、御要望をお持ちかということを踏まえての御対応をお願いしたいと思います。
 それでは、続きまして、この産業分野において、日本社会が高齢化が進んでいく中で、どのような生活様式、また産業の在り方を追求していくべきかと、そうした観点から何点かお伺いしていきたいと思います。
 まず、高齢化の対応として、これからますます高齢者が増えていく、そうした中で介護需要が増えていく、その介護現場をどのように、これは厚生労働省だけではなくて、政府全体としてどのようなサポート体制をつくっていくのかという観点で、経産省の分野から何ができるのかという観点で幾つか御質問をしたいと思います。
 介護現場では介護需要が増え続けている一方で、なかなか介護人材が確保できないという、これはもう長年の課題でございます。もちろん、人材確保には、対する手は打っていく必要があるものの、それだけでは追い付きません。介護現場の生産性向上のためのIT機器、ロボットの導入など、厚労省だけでなく、政府を挙げてこうした開発にも積極的に関わっていただく必要があると考えております。
 今年度から介護報酬でも、見守り機器を導入した介護事業者にはこれを介護報酬上評価をする改定が行われておりまして、その推進が期待されているところであります。同時に、介護機器を開発を所管する経産省においては、介護現場のニーズに応じた優れた介護機器の開発について、厚労省ともよく連携をして推進すべきだと考えます。経産大臣の御所見についてお伺いいたします。

#98
○国務大臣(梶山弘志君) 高齢化の進展による介護需要の増加により、介護現場では人材の不足が深刻になりつつあります。こうした状況を踏まえて、経済産業省では、介護現場の生産性向上を図るためにロボット技術を活用した介護機器の開発を支援をしてきたところであります。
 委員御指摘のとおり、介護機器の開発に当たっては、介護現場のニーズを十分踏まえることが重要であります。そこで、厚生労働省と連携しながら、利用者への意見聴取や検討会の開催を行い、排せつ、入浴、見守りなど、現場のニーズを踏まえた重点分野を定めて機器開発の支援を行っているところであります。また、来年度から、機器開発に際しては、非接触に資する機器開発など、コロナウイルス感染症への対応を考慮した開発を支援するほか、厚生労働省が提供する介護機器の実証フィールドであるリビングラボ事業とも連携しながら開発の支援を進めることとしております。
 今後とも、引き続き厚生労働省と連携しながら、介護現場のニーズを踏まえた機器の開発を支援をしてまいりたいと考えております。

#99
○里見隆治君 そうした基本的な姿勢の上で、私が現場からお伺いをしてきた課題について確認をしておきたいと思います。
 先般も介護現場にお伺いしたところ、最近、IT化、ロボット化ということで、様々な介護機器の導入が進んでいると。それ自体、一つ一つはいいんだけれども、その分、機器が増え、またその操作端末がその機器ごとに準備されると、大変混乱をしているということでございました。メーカーが異なっていても一つの端末で複数の機器を管理できるようにするといった工夫が大事だと、そのようなコメント、要望をいただいております。
 その意味では、そうした観点、現場での使いやすさという意味での機器の開発、またメーカーを超えての標準化ということも重要だと思います。これを、単に民間の範囲の話だというふうに整理するのではなくて、メーカー任せにするのではなくて、所管省庁として経産省もリードしてこうした機器の開発、標準化という点について推進をいただく必要があると考えておりますけれども、経産省の対応方針についてお伺いいたします。

#100
○政府参考人(畠山陽二郎君) ロボット技術を活用いたしました介護機器の開発に当たりましては、現場を所管する厚生労働省とも連携いたしまして、現場のニーズを踏まえた重点分野を定めて支援を行ってきているところでございます。この重点分野、直近の改訂におきましては、御指摘いただいた問題意識に沿っているんですが、介護業務支援という分野を新たに設けまして、開発の支援を進めております。
 この介護業務支援とは、複数の機器が導入された状況を想定して設けた分野でありまして、具体的には、見守り機器や排せつ支援の機器など、個別の機器ごとの情報を収集、蓄積するための開発ですとか、あるいはその複数の機器の端末を一つに集約する開発を支援してきているところでございます。
 御指摘のとおり、一つの端末で機器を管理できる簡便さが重要だと思っておりまして、これまでの支援先にはスマートフォンで複数の機器の管理ができる開発案件も含まれております。
 今後とも、こうした機器開発の支援を進めるとともに、関連企業の開発の状況を把握しながら、こうした取組の標準化の在り方についても検討を進めてまいりたいと、このように考えております。
 以上でございます。

#101
○里見隆治君 よろしくお願いします。
 こうした介護機器に加えまして、もう一つ、御高齢の方が単なる要介護者としてその施設あるいは御自宅で介護を受けるということだけでなくて、より社会的な活動、この行動範囲を広げていただくという意味では、車椅子などの移動補助のための支援というものも必要ではないかと考えております。御高齢の方が車椅子を使ってその行動範囲が広がれば、それだけ御本人の認知症の進み具合が減るだとか、社会的なコミュニケーションも増えていくという、そうした効果もあると思います。
 さらに、車椅子に乗れるということだけではなくて、この車椅子が、例えば車により乗りやすくする、車椅子に乗ったままタクシーに乗れる、あるいは福祉施設に通う際のバスに乗りやすくするといったことでも更に行動範囲を広げることができる、そうした発想で、単なる要介護者として押しとどめるのではなくて、社会にいかに開放していくかと、そういうことも考える必要があると思います。
 身近な例で、例えば福祉施設の送迎、私も自分の家に両親がおりますので、妻の両親がおりますので送迎をしますけれども、結構、車椅子で乗り降り、時間も掛かりますし、これが集合で五人、六人で行くと、もう待たせてしまって悪いなと、何かお年寄りだと人を待たせることが非常に申し訳ないというような思いで、そうすると、ちゅうちょして、そうしたバスや車にも乗らなくなる、そうしたことでは逆効果であります。
 最近では、例えばユニバーサルタクシーなども走っていて、そのまま車椅子で乗れるというような体制もつくられつつありますので、そういう意味では、車椅子ごと自動車に乗れる、そうした支援というものが私は大変重要だと考えております。
 今日は、お手元に配付資料で、この車椅子をどうやって自動車に固定するかということについて様々な工夫をしている好事例がありましたので、共有をさせていただきたいと思います。
 まず一枚目の固定方式が、これは従来型の固定方式でありまして、いわゆる四点方式というものであります。ベルトで車椅子の前後を固定する方式になります。この方式は、どうしても車椅子を固定する一連の作業に時間が掛かってしまいます。例えば、先ほど福祉施設に行くときのバスの乗り降りに時間が掛かると申し上げましたけれども、例えばこれ、通常の定期バスなんかでも、運転手さんが、ワンマンバスですと降りて、スロープを出して、車椅子を乗っけて、ベルトを掛けて、それだけで数分掛けて、なかなかそれに耐えられないというお年寄りの方もいらっしゃいます。これをいかに安全にかつ短時間で行うことができるか、そのための工夫を、様々知恵を現場で出していただいております。
 大事なのはしっかり固定すること、しかしながら時間を掛けずにこの固定を行うこと、これを両立する方法として私がお伺いしてまいりましたのが、二枚目にございますワンタッチ式固定というものでございます。ちょっとこれ図が、済みません、見にくいんですけれども、実はこの車椅子の下にバー、横の棒が用意されていまして、自動車の側に、床の側にバーをロックする機械を設けていまして、このアンカーバーというバーがロックされることで固定をするというものでございます。安全性の確保というものは更に追求をする必要がありますけれども、これがワンタッチで固定されますので時間が短縮されるわけであります。先ほど申し上げた介護施設の職員の負担軽減、あるいはバスの乗り降りが大変短時間になるといった可能性を秘めたものだと考えております。
 私、一昨年、三年前ですか、東京ビッグサイトで開催されて、毎年開催されておりますアジア最大級の福祉機器の見本市を視察した際に拝見してまいりました。このワンタッチ方式については、政府としても普及のための後押しを是非お願いしたいと思います。
 昨年、国土交通委員会の方でありましたけれども、この国際標準化についても御質問をいたしました。標準化をすることで、日本のみならずこれは国際的にも広げていただきたいと、そんな思いでありますけれども、現在、その進捗状況、また今後の取組についてお伺いしたいと思います。

#102
○政府参考人(畠山陽二郎君) お答えいたします。
 高齢化の進展に伴いまして、高齢者の方々が社会参加を続けるために、車椅子の利用その他移動手段を確保すること、そしてその利便性を向上させることは大変重要な課題だと考えております。車椅子のまま車両に乗車して移動する機会も増加していると承知しておりまして、自動車への固定方法に関しまして、利便性向上や普及の観点からワンタッチ方式の標準化に向けた活動は重要であると、このように認識しております。
 このため、経済産業省では、昨年度から福祉用具の業界団体、それから自動車の業界団体に参画していただきながら標準化に向けた検討を進めているところでございます。令和四年度までにISO、国際標準化機構に提案を行うことを目指しており、今年度は原案作成ですとかロビーイング活動を行おうとしているところでございます。
 経済産業省といたしましては、自動車業界側と車椅子業界側の双方の意見を伺いながら、介助をする方の利便性、高齢者や障害者の方々の安全性を考慮し、国際標準化に向けた取組を着実に進めてまいりたいと考えております。

#103
○里見隆治君 ISOに向けて歩みを進めていただいているということでございます。期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、車椅子のお話をしましたが、車本体についてもお伺いしたいと思います。
 車椅子ではなくて、御自身で車の運転ができればそれは言うことがないわけであります。私も愛知県出身でございますけれども、愛知県に国立長寿医療研究センターというセンターがございまして、御高齢の皆さんの運転寿命の長寿化と、運転をより安全に長くしていただこうというプロジェクトがありまして、私もその一員として様々研究調査に関わらせていただいております。
 まず、経産省にお伺いしたいのは、御高齢の運転者の交通事故防止、ここ数年来、様々な対策を講じていただいておりますけれども、その代表例でもあります安全運転サポート車、いわゆるサポカーの普及についてまずお伺いしたいと思います。
 令和元年度補正予算でサポカー補助金一千百二十七億円を計上し、六十五歳以上の高齢運転者に対してこれまで九十万台以上のサポカー購入を支援いただいております。一方、六十五歳以上の高齢運転者、その母数となる規模でありますが、全国に一千九百万人ということでありまして、まだまだサポカーに買い換えずに乗り続けている方が大変多くいらっしゃいます。
 こうした中で、経産省としては、今後、サポカーの一層の普及にどのように取り組んでいかれるか、お伺いいたします。

#104
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、高齢者による交通事故の防止、高齢者の安全運転を支える対策ということは大変重要な課題でございます。このため、経済産業省では、サポカーの普及啓発に向けまして、試乗会の実施あるいは紹介ポスターの作成等、関係省庁とも連携しながら、また官民一体となって取り組んできたところでございます。
 今御指摘ございました令和元年度補正予算でございますが、これで高齢運転者のサポカー購入を支援するサポカー補助金というのを措置したわけでございますが、コロナの影響で自動車販売が減少したこともありまして当初の補助金を使っていないという状況もございましたので、これを今年度にも繰り越しまして、更に期間を延長して補助金の申請を受け付けるということを行っているところでございます。この補助金、まずはこの補助金の着実な執行を通じまして、サポカーの普及拡大を後押ししていきたいと思っております。
 それから、このサポカーにつきましては、日本の提案によりまして国際基準が策定されておりまして、本年十一月からはこの国際基準が段階的に義務化されると、こういう状況にございます。こうした動向も踏まえながら、関係省庁と連携して更なる普及、これに取り組んでまいりたいというふうに考えております。

#105
○里見隆治君 今御答弁いただいたとおり、まずは、このサポカー補助金、繰り越していただきましたので、これを活用しながらその普及に努めていくと。また、これから、十一月から更に標準化が進んでいくということでありますので、その中で我々も次なる支援策、どうこれを進めていくか、一緒に考えていきたいと思います。
 このサポカーについては、サポカーそのものもいいわけですけれども、機能としましては、ブレーキとアクセルの踏み間違いを防止していくということが観点であろうかと思います。先ほど申し上げました長寿医療研究センターで様々な先生方のお話を伺いますと、実は御高齢の皆さんの事故の類型をいろいろと調査しますと、必ずしもブレーキ、アクセルだけではなくて、例えばハンドルの操作ミスなどもあると聞いております。そうすると、なかなかこれ、サポカーが普及したからといって、そうした事故まで全てを拾えるものではないということであります。
 もちろん、今、自動運転の技術が大変なスピードで進めていただいておりますけれども、まだこれもすぐにあした、あさって実現するものではないということからしますと、このサポカーの機能をより拡充して自動運転が本当に確実により広がる形で実用化されるその日まで、様々な知恵を、まだまだこの数年、我々知恵を出していかないといけないんじゃないかと思います。
 四月五日にレベル3の自動運転車の発売ということでありますので、私も期待はしているところでありますが、そのつなぎ方ですね、自動運転までのつなぎ方について、これ例えばいろいろな方にお伺いしてみますと、ADASというんでしょうか、先進運転支援システム、そういった開発の普及ということも研究をされているようでございますが、その取組について経産省からお伺いしたいと思います。

#106
○政府参考人(藤木俊光君) ただいま委員御指摘のとおり、先進運転支援システム、ADAS、これの更なる開発普及ということによってより安全な運転を支援していくと、こういった考え方は重要であるというふうに考えております。
 ADAS技術と言われる中には、例えば追従走行機能でありますとか、あるいは車線を維持するのを支援する機能と、こういったようなものが含まれているわけでありますが、こういう技術を組み合わせていくと自動走行に至るということでございますので、自動運転技術を磨いていくということによって、その途上でADAS技術の開発につながっていくというふうに考えておりまして、私どもとしても、例えば多様な走行環境における安全性評価手法の検討、あるいは高精度三次元地図などの基盤的な技術の構築ということに取り組んでいるところでございます。
 また、先進安全技術の実用化に向けて、国土交通省さんの方で技術要件の検討等進められているわけでありますが、その中で、私ども経済産業省もこういった検討に参画して、例えば制限速度を超えないような車速を制御するシステムといったようなものの検討を進めているところでございます。
 引き続き、高齢者の事故防止、これに向けまして、関係省庁、自動車業界と連携しながらADASの開発、実用化ということにもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。

#107
○里見隆治君 そうですね、今つなぎというふうに申し上げましたけれども、そうした技術開発、また実用化が、その延長線上に自動運転があるということであります。是非こうした分野でも日本のこの物づくりの知恵を結集して進めていただければと思います。
 今御説明、御答弁いただいたような自動運転に向けての様々なシステムの開発ということも大事でありますが、そもそも、例えば御高齢の方という観点でいえば、そんなに最新鋭の自動運転でなくても、ちょっと中山間地で御高齢の皆さんが自転車代わりにちょっとちょい乗りという感覚で、原付ほど小さくはなくても、ちょっと、軽自動車というほど大きくはなくても、ちょっと気軽に乗れるような乗り物、こうしたものが普及できるといいんではないかと、そんなようなことも考えております。
 ヨーロッパではクワドリシクルという軽量の四輪車を含む型式指定が設けられていて、パリの町中でも小型モビリティーが活用されているということであります。
 日本でも昨年、一般道の走行が可能となるような車両安全性の検討を踏まえて超小型モビリティーの保安基準改正が実施されて、型式指定車の超小型モビリティーが登場したというふうに伺っております。これを端緒として、今後、低速の小型モビリティーの普及、これについて是非お取組を進めていただきたいと思っております。
 今日は国交省からも参考人来ていただいておりますけれども、国交省としてのお取組についてお伺いしたいと思います。

#108
○政府参考人(江坂行弘君) お答えいたします。
 議員御指摘の低速で小型のモビリティーにつきましては、乗員や道路ユーザーの安全確保が前提となりますが、小回りが利き、環境性能に優れ、そして地域の手軽な移動手段として我が国におきましても活用が期待できるものと考えております。
 国土交通省では、このようなモビリティーに対するニーズに対応するため、地元の地方自治体の了解の下で走行区域を限定して公道走行を可能とする超小型モビリティー認定制度を創設し、運用してまいりましたが、昨年九月、走行区域を限定しない形で一般道の走行が可能となるよう、型式指定に係ります安全基準の整備を実施いたしました。加えて、このようなモビリティーの大宗は電気自動車であり、グリーン化にも資することから、経済産業省を始めとした関係省庁と連携いたしまして、車両購入等に対する補助や税制優遇を行うなど、電動小型モビリティーの普及促進にも取り組んでおります。
 国土交通省といたしましては、引き続き、道路交通の安全、安心の確保を前提といたしまして、低速で小型のモビリティーに対する社会的ニーズを踏まえながら、超小型モビリティー認定制度を始めとする諸制度を適切に運用し、このような新たなモビリティーの普及促進を図ってまいります。

#109
○里見隆治君 ありがとうございます。
 この後、今日、警察庁にもお越しいただいていますので警察庁にもお伺いしますけれども、車社会の発展というのはメーカー、またそのマーケットを見ていただいている経産省、またこうした保安基準等、安全性という観点から国土交通省、またこれは免許という資格についてという観点から警察庁にも大変重要な関わりをいただいております。
 そうした意味で、免許という点で今申し上げたような方向性での質問をさせていただきたいんですが、昨年七月に閣議決定をされました規制改革実施計画の中で、自動車運転技術の進展に対応した新たな運転免許の検討について、引き続き検討を進め、結論を得次第速やかに措置というふうに閣議決定されています。これは今、ずっと申し上げてまいりました高齢者の運転という観点でも大変期待できる分野でございます。
 私が先ほど来申し上げている低速モビリティーを活用できるとの観点でも、原付免許の対象に低速モビリティーを加えるだとか、自動運転技術の進展に対応した免許の在り方について検討いただけるのではないかというふうに期待しておりますけれども、現在の検討状況についてお伺いいたします。

#110
○政府参考人(新田慎二君) お答えいたします。
 高齢者の安全運転と移動を伴う日常生活を支えるための施策を充実させることは重要な課題であると認識しております。
 警察におきましては、令和二年の道路交通法改正におきまして、申請により運転することができる自動車を安全運転サポート車に限定するなどの限定条件付免許制度を導入することといたしました。この限定条件付免許制度は、運転に不安を覚える高齢運転者などに対し、自主返納だけでなく、より安全な自動車に限って運転を継続するという中間的な選択肢を設けるものでありまして、高齢者の安全運転やモビリティーの確保につながるものと考えております。
 お尋ねの低速モビリティーにつきましては、現行の道路交通法上、普通自動車免許等で運転可能でございまして、特別な運転免許を取得していただく必要はないと考えておりますが、今後の実用化の動向や普及状況などを踏まえつつ、道路交通の安全と円滑の確保の観点と高齢者のモビリティーの確保の観点から、限定条件付免許制度導入後にその対象に加えるかどうかなど、免許の在り方につきましても必要な検討を行ってまいりたいと考えております。

#111
○里見隆治君 ありがとうございます。
 先日も、この今回の質問に当たって警察庁の皆さんから様々伺いましたけれども、なかなか免許だけが先行するわけにはいきませんという御説明で、それはそのとおりだなと思いました。
 ただ、これは、免許と、そして車体と、またマーケットと、それぞれが待ちの状態であればこれは動いていかないという話でありますので、是非、国交省、そして警察庁と経産省が連携をして、この分野で更に快適なモビリティーの実現という方向に向かって進めていただくことを望みたいと思います。
 ちょっと時間が参りましたので、最後、コメントだけして終わりたいと思います。
 今日は、水素社会の実現ということで、資源エネルギー庁にも答弁御用意いただいておったんですけれども、これはまた別な機会ありましたらと思いますが、実は昨日、私ども公明党の山口代表、それから石井幹事長、そして参議院の谷合幹事長、若松参議院議員、福島の浪江町にございます福島水素エネルギー研究フィールドを視察をさせていただいて、新エネルギー・産業技術総合開発機構の石塚理事長から様々御意見を伺ってきたということで、ちょっと今日朝、勉強会をやってまいりました。
 ですので、今日また整理をし直して改めてと思いますが、今日話題になりましたのは、これはその水素をどうやって作っていくかということも大事だけれども、その供給コストの低減ということも今日るるお話がありましたが、大事ですが、その理事長いわく、この需要拡大、活用面をどうやって広げていくかということも相まってこの全体が進んでいくんだと、例えば、燃料電池による発電だけではなくて、燃料電池車とか運輸、工場などの産業用途にも利活用できるということでありまして、その活用の仕方、これをもっともっと考えるべきだというような視点での御意見を伺ったと聞いております。
 ちょっと今日用意しておりました質問はまたの機会とさせていただきたいと思いますけれども、昨日視察でお伺いした点も含めまして、今後この点についても、私ども公明党、この水素社会の実現という点については大変こだわりを持っておりますので、また改めての質問とさせていただきます。
 本日は以上といたします。ありがとうございました。

#112
○委員長(有田芳生君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#113
○委員長(有田芳生君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のうち、経済産業行政等の基本施策に関する件及び公正取引委員会の業務に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#114
○石井章君 日本維新の会、石井章でございます。
 通告に従いまして、カーボンニュートラルの議論についてまず質問したいと思います。
 カーボンニュートラルに関しましては、世界各国がガソリン車、ディーゼル車の新車販売を二〇三〇年から二〇四〇年にかけましてこれ禁止をするという政策を打ち出しております。我が国でも、経産省は、昨年十二月に二〇五〇年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を発表いたしました。その中では、遅くとも二〇三〇年代半ばまでに乗用車新車販売で電動車を一〇〇%実現するとしております。商用車に関しましては二〇二一年夏までに検討を進めるとしております。海外では、イギリスの二〇三〇年やカナダのケベック州の二〇三五年など、明確な時期を示しておりますが、日本は遅くとも二〇三〇年代半ばまでということなので、幅を残しております。これについてはいろいろと批判もあるようでありますけれども、私は、政府が様々な観点からの慎重な判断によるものと評価をしております。
 そもそもカーボンニュートラルは、カーボンオフセットの取組を更に進化させ、事業者等の事業活動などから排出される温室ガス排出総量の全てを他の場所で排出削減、吸収量でオフセット、いわゆる埋め合わせができるという取組でありまして、製造工程での利用電力をCO2由来から転換するなどの大規模なインフラの整備なども必要であり、そもそも自動車排気ガスだけでの問題ではないと思っております。
 そのような中で、社会インフラや文化などの違いを考慮せずに、やみくもに他国の目標に追随することは避けなければならないと思います。特に世界の中で生き残りを懸けて戦っております日本が誇る自動車、二輪メーカーにとっては、その存亡にもつながる大きな危機となっております。
 そこで、質問に入りたいと思います。二輪車についてでありますけれども、今後の議論によるということになっております。まだガソリン車の方針は示されておりませんが、その方針決定の時期については商用車と同じく二〇二一年夏頃と考えているのか、お伺いします。

#115
○政府参考人(福永哲郎君) お答えいたします。
 我が国の運輸部門におけるCO2排出量は二〇一八年度で約二億二百万トン、このうち四輪の乗用車が約半分で、商用車が四割、御指摘の二輪車は〇・四%になっております。このため、政府としては、まずは四輪の乗用車について電動車一〇〇%を実現するという目標を掲げさせていただきまして、商用車についても乗用車に準じて先ほど御指摘いただいたように検討を進めるということといたしました。
 一方で、二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するためにはあらゆる分野でのCO2削減に取り組む必要があることから、二輪車においても電動化を進めることが重要だとは思っております。その方策については、今後、二輪車の関係業界からも、先生の関心の点も含めまして、課題などを丁寧にお伺いしながらしっかりと検討してまいりたいと思っているところでございます。

#116
○石井章君 ありがとうございます。
 二輪車の国内での年間販売台数は三十六万台にまで減ってしまいました。これは、全てを電動化したとしてもカーボンニュートラルへの効果はもう本当に限定的だと考えますが、政府はその効果について具体的にどのようにお考えになっているか、お伺いします。

#117
○政府参考人(福永哲郎君) お答えいたします。
 二輪車の我が国におけるCO2排出量は年間約八十万トンではあるものの、やはり、先ほどお答えしましたとおり、二輪車においても電動化を進め、CO2排出量を削減することが重要だと考えております。
 また、先生御承知のとおり、我が国の二輪産業は世界をリードする存在でございます。海外市場が大半でございますし、国内生産の七割を輸出しているということでございます。カーボンニュートラルはグローバルな課題でございまして、世界最大市場のインドを始め各国で電動化政策が進んでおりますので、そういうのに対応する必要があります。そう考えますと、日本においても電動化を進めることが国際的な競争力を維持強化していくためにも重要だという側面もあると考えております。
 一方、もちろん足下の電動二輪車は、価格が高く、航続距離が短いなど多くの課題が存在するとも認識しておりまして、経済産業省としては、まさにこの点、今後、関係業界の皆様の御意見を丁寧にお伺いしながら、二輪車の電動化を進めるための支援策などをしっかり検討してまいりたいと思っております。

#118
○石井章君 二〇三五年までに二輪の電動化は技術的には可能だとも言われておりますが、ただ、大型バイクなどは現在の価格から恐らく百万円以上アップするだろうと。これはもう経産省の方でも計算済みだと思うんですけれども。搭載可能なバッテリーの容量では充電を頻繁にしなければならないと、商品としてはなかなか成立しないと言われております。自工会の豊田会長も表明されておりますけれども、カーボンニュートラルの実現には政府の援助が当然ながら不可欠でありまして、特に不況が続く二輪車産業のともしびを消さぬように経産省には努力をお願いしたいと。
 これに関しては、前の担当だった審議官の方も一生懸命やってくださっておりますけれども、どのようにお考えか、お答えいただきたいと思います。

#119
○政府参考人(福永哲郎君) 二輪業界が、先ほど申し上げましたが、世界に冠たる産業であり、特に新興国を始めとして世界のモビリティーとして貢献しているという認識を強く持っております。そうした世界をリードする日本の自動車産業がカーボンニュートラルというグローバルな課題に対応するために政府としてどういう支援ができるのか、関係業界の方々の意見も聞きながらしっかり方策を考えてまいりたいと思っております。

#120
○石井章君 前の担当というのは今の前田さんのことなんですけれども、一生懸命やってくださったというのは業界団体からよく聞いています。
 そこで、大臣にお伺いしますけれども、東京都のゼロエミッション東京戦略、このガソリン車の新車販売ゼロの目標など、各都道府県、地域がばらばらに規制を掛けることとなると産業界全体が多大な影響が生じると。政府主導によって統一化が、そういう対策が必要であると私は考えますが、大臣、どうでしょうか。

#121
○国務大臣(梶山弘志君) 電動車に関しましては、二〇三五年までに乗用車の新車販売で電動車一〇〇%を実現するというのが政府の目標であります。
 経済産業省としては、本年三月にカーボンニュートラルに向けた自動車政策検討会を立ち上げ、これを実現するための施策の深掘りについて検討をしているところであります。また、この検討会では、関係する産業界のみならず、自治体の御意見もお伺いしているところでありますが、先月八日に開催した検討会では、長野県や横浜市からそれぞれの地域における電動車導入の取組や課題についての御意見をいただいたところであります。例えば、インフラを充実させる、そしてまたその購入支援であるとか、そして規格を統一していかないとなかなかやっぱりバッテリー、充電との関係というのは難しいんじゃないかとか、そういった御意見をいただいているところでありまして、委員御指摘のとおり、東京都は二〇三〇年までに都内の乗用車の新車販売を一〇〇%非ガソリン化するなどの目標を公表しておりますが、これを実現するための具体的な施策等については今後東京都において詳細の検討が行われるものと承知をしております。
 経済産業省としては、東京都など地方自治体の動向や御意見もしっかりと把握しつつ、事業者にとって過度な負担とならないように、電動化に向けた課題やニーズを関係業界の皆さんから丁寧にお伺いしながら、日本全国で電動車へのシフトを円滑に進めるための施策について検討を深めてまいりたいと思っております。
 二〇五〇年のカーボンニュートラルに際しましては、各産業界、各業界との対話というものをしっかりとやっていかなければならないと思っておりますし、その過程で起こるまた雇用の問題であるとか技術上の問題、資金面の問題、そういったものにしっかりと政府が支援をしていくということが大切であると考えております。

#122
○石井章君 ありがとうございます。
 実は、この質問は前経産大臣の、今は参議院の幹事長であります世耕大臣のときにも私しつこく二輪のことは質問したんですが、最終的には、電動化に向けた取組は経産省を挙げてチームをつくってしっかり対応するというような答弁もいただいております。その梶山大臣ですから、それよりももっと深掘りした御答弁ありがとうございます。
 そこで、軽量で燃費に優れた二輪車は、元来、環境負荷の少ない車両でありまして、ハイブリッド自動車よりも燃費が非常に良いと。その社会資源に等しい二輪車については、あるいは、この二輪車だけでなくて農家の耕運機もそうです、こういったものについては販売禁止のガソリン車両の対象外にすべきと私は考えておりますが、農家の多い梶山大臣のお地元でありますけれども、御答弁お願いします。

#123
○国務大臣(梶山弘志君) どの分野にもカーボンニュートラルの意識が高まっていく、深まっていくと思っております。
 そういった中で、それぞれの分野での使用している機器類についてカーボンニュートラルへの取組が入っていくと思うんですけれども、このカーボンニュートラルの宣言というのは、一方で産業政策でもあるんですね。そして、例えばライフサイクル、その製造過程も含めて、また運輸も含めて、物流も含めて、どれだけカーボンが排出をされているかという見方もされます。
 日本の産業が、逆に日本市場であれば大丈夫でしょうけれども、海外の市場で競争が成り立たないというような状況が起こらないようにしっかりと対応をしていかなければならないと思いますし、そうしたことが国の役割であると思いますので、しっかり産業界と対話を重ねた上で、これらの対応にも考えてまいりたいと思っております。

#124
○石井章君 ありがとうございます。
 続きまして、原動機付自転車、いわゆる五十㏄の走行規制について御質問いたします。
 電動キックボードなど新たな移動手段として、ヘルメットの不要、あるいは自転車専用通路帯の走行など、その規制の在り方については実証実験が今行われているところであります。
 他方、原付、いわゆる昭和二十年代に定められた速度規制が三十キロ、ややもすると自転車よりも遅い速度の規制が掛かっております。それから、信号では二段階式の右折など、規制については恐らく二輪の業界団体から見直しの声が出ているとは思います。
 そのような中で様々な問題点が浮き彫りとなっております。例えば、現在流行しておりますロードバイクの制限速度は、驚くことに自動車と同じ道路交通法二十二条なのであります。それに対して原付は、御存じのとおり、全く三十キロであります。免許を持たず、ヘルメット装着義務もなく、最大で三人まで乗車できる自転車よりも原付の方が低速で速度規制となっているわけであります。しかも、排ガス規制等では、ほとんど原付は五十㏄、五十キロ以上の性能を有する車両としての規制の対象ともなっております。
 そこで、近年様々なモビリティーが登場する中、交通安全の向上のためにも、原付が、いわゆる五十㏄の三十キロ規制速度を引き上げまして、他の車両との速度差を解消すべきではないかと思っております。
 また同様に、速度差の解消によっては二段階右折も撤廃すべきと考えておりますが、警察庁の、今日は政府参考人の方の御答弁願いたいと思います。

#125
○政府参考人(新田慎二君) お答えいたします。
 原動機付自転車は、簡便に運転できるなど国民の生活に身近な乗り物でございまして、法令上最高速度が時速三十キロメートルと自動車と比べて低く定められているほか、運転免許の取得に当たっては技能試験も必要とされていないところでございます。
 また、交通ルールにつきましても、委員御指摘のように、自動車と比べて最高速度が低いことなどを前提としたものとされておりまして、道路交通法第三十四条第五項に規定されたいわゆる二段階右折につきましては、原動機付自転車が自動車と同様に、右折のため道路の中央に寄り、かつ交差点の中心の直近の内側を徐行する方法による右折、すなわち、いわゆる小回り右折をしようとすれば、他の交通と交錯するおそれがあることなどを踏まえまして定められているところでございます。
 委員御指摘のとおり、混合交通の中の多種類の車両の速度をそろえることは交通流の整序化につながる面もあるものの、速度の引上げは衝突時の衝撃を増加させるなど、危険性を高めることに留意すべきと考えております。例えば令和二年中の交通事故の発生状況を見ますと、原動機付自転車の危険認知速度、この危険認知速度と申しますのは交通事故の運転者が相手方車両、人などを認めて危険を認知した時点の速度でございますけれども、この危険認知速度が時速三十キロメートルから時速四十キロメートルの交通事故の死亡事故率は約一・一%と、危険認知速度が時速三十キロメートル以下の場合の死亡事故率である約〇・五%の約二・二倍となっているところでございます。
 警察庁といたしましては、原動機付自転車の最高速度や交通ルールにつきましては、原動機付自転車が国民の生活に身近な乗り物となっている実態や安全性に係るデータを十分に踏まえた上で慎重に検討されるべきものであると考えております。

#126
○石井章君 しっかり、なかなか免許に関しては、トラックの中型免許も私も関わって直した本人でありますけれども、あるいは運輸助成振興交付金などもやりましたけれども、そういったことも含めて、今日は梶山大臣含め政府参考人の方の答弁が私の質問に対してしっかり答弁していただきましたので、質問をこれで終わります。
 ありがとうございました。

#127
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。経済産業委員会、ちょっと振り返ってみたら四年ぶりの質疑ということでございましたので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 今日は何点かちょっと柱をつくって御質問をしてまいりたいと思うんですが、午前中の質疑で青山委員の方から、資源に関わる安全保障の観点で大変重要な御質問がされておりました。私も、経済安全保障の観点で、資源というよりも一つの分野として、ここ特に最近注目がかなり高くなってきた分野ということで、半導体について一点御質問をさせていただきたいと思います。
 大臣の所信の表明演説の中で、半導体やレアアースなど機微技術や重要物資に係るサプライチェーンの強靱化を図るため、関係各省とも連携し、国内外の重要技術の動向調査、技術開発や統合的な流出防止策を進めますと、こういうことがございましたので、この分野に関して非常に注視をしているということはここから確認が取れるわけでありますけれども、同時に、今回のこの現状のコロナ禍の中で、この半導体については非常に取り合いが起きているということも、これも世界中で半導体不足が発生しているということも、これも昨今のニュースの中で皆さん御案内のとおりかというふうに思います。
 またさらには、国内に目を転じてみましても、半導体の生産工場の火災がありまして、特に自動車産業の生産には今大きな影響が生じています。今朝の報道、ニュースにおいても各工場の生産工場が止まっていると、こういうことも報道されておりまして、生産含めて今大きな影響が出ているということであります。
 なかなか、世の中この半導体といってもぴんとこない方が多いのかもしれませんが、私たちの身近にある、それこそ家庭用品、洗濯機から冷蔵庫から電子レンジからエアコンから、ありとあらゆるものに今この半導体が使われていて、この半導体がないと私生活が成り立たないぐらいの状況になってきて、さらには、ビッグデータを処理していくというような観点から、この半導体については今後爆発的に需要が、供給ではなくて需要が拡大していくという中で供給が追い付かないということですので、いかにこの半導体をきちんと確保していくかということが大変重要だというふうに認識をしております。
 今後のこの社会活動、経済活動においてデジタル化、進展化していく中でこの半導体、欠かせない部品であります。確実な供給体制の構築が不可欠と考えておりますが、現状の経産省における課題認識と今後の具体的な取組について伺いたいと思います。

#128
○国務大臣(梶山弘志君) 今委員がおっしゃるように、デジタル化やグリーン化が進む中で、コンピューターから家電、自動車などあらゆる機器に使用される半導体は、経済社会を支える極めて重要な基盤部品であると考えております。さらに、経済安全保障や産業全体のサプライチェーンの強靱化の観点から、その重要性は増しております。米国や欧州など各国において、半導体などの研究開発、基盤整備にかつてない規模の強力な政策支援が実施をされているのが現状であります。
 このような中、日本の半導体産業の足下の状況は、デジタルカメラに使用されるセンサーや家電などに使用されるパワー半導体などの分野では、世界市場で戦える企業が国内に残っております。また、半導体製造装置や素材産業は、国際的に見て日本企業が高いシェアを誇る日本の強みでもあります。
 一方で、日本にはスマートフォンなどに使用される高い計算能力を持つ先端のロジック半導体の製造拠点が存在しないという状況であります。また、直近では、世界的な半導体需要が急増する中、最先端の半導体だけでなく、一世代、二世代前のミドルエンド半導体の供給能力の強化が必要であると考えております。
 このような状況を踏まえて、経済産業省としても、先端半導体の製造技術開発の支援、半導体製造工場も含め生産拠点を多元化するためのサプライチェーン強靱化に向けた支援を実施をしているところであります。
 また、半導体に関する新たな産業政策を検討するために、三月二十四日に、半導体・デジタル産業戦略検討会議を開催をいたしました。会議では、有識者から、日本の半導体産業の厳しい状況を踏まえて、日本の強みである素材や製造装置の更なる競争力強化や半導体の国内製造基盤確保の重要性など様々な御意見があったと聞いております。こうした国際情勢や様々な御意見を踏まえて、今後の方向性について、五月の取りまとめに向けて検討を進めてまいりたいと思っております。
 なお、現在、その半導体の研究開発であるとか、また製造基盤、製造工場を造るということも含めて、令和元年度の補正予算で、それと合わせて、令和二年度補正予算によりNEDOに二千億円の基金を設置をし、先端半導体の製造技術開発を支援をしていると。
 あわせて、令和二年度の一次補正予備費及び三次補正予算において、サプライチェーン強靱化のための予算を措置をいたしました。具体的には、半導体、車載用電池など、生産拠点の集中度が高く、サプライチェーンの途絶によるリスクが大きい重要な製品、部素材について、五千億円を超える規模の予算を確保し、設備投資の支援を実施をしておりまして、具体的な案件が二十件以上こういったもので出ているというのが現状であります。

#129
○礒崎哲史君 今大臣の御説明の中にも、三月の末、二十四日に行われました半導体・デジタル産業戦略検討会議ということの御報告もございました。
 私も、その検討会議の資料をちょっと焼いて、中身については拝見をさせていただいておりますが、具体的な議事録はまだ取りまとめ中ということですので、大体多分一か月ぐらい掛かるんだと思いますので、議事録出てきたところでまた中身については拝見をさせていただこうと思っているんですが。
 今の大臣の御説明の中で、五月末で取りまとめというお話があったかというふうに思うんですけれども、これ、取りまとめをしていくその取りまとめのところで一体何がまとまるのかなというのがちょっと気になっています。
 というのは、既にヨーロッパが二〇三〇年までに半導体生産の世界シェアを少なくとも二〇%まで引き上げると、具体的な数値目標、期日まで設けていたり、あるいはアメリカに関しても、今後四兆円の半導体に対しての支援を行っていくということや、あるいは大統領の方から百日以内にちゃんとレポートを上げなさいとか、各省庁に対しては一年以内にレポートを作って大統領に提出するようにと、こういうことで、日程を具体的に区切って、この半導体について、今後国としてあるいは地域としてどうやっていくか、守るか、安全保障をどうやって確立させていくかということが具体的な議論になっているものですから、その中で、日本は期日としていつまでにどういうことをまとめていくかというのがちょっと気になっています。
 その意味で、ちょっと通告はしていないんですが、今、御発言の中で五月取りまとめというものがありましたので、五月の取りまとめの段階でどこまでをまとめるおつもりなのか、もし、答えられる範囲でお答えいただければと思いますが、いかがでしょうか。

#130
○政府参考人(三浦章豪君) お答え申し上げます。
 まさに、先ほどお話のありました検討会につきましては、現在議論をキックオフしてスタートをしたところでございますので、ちょっとその取りまとめの内容については現段階で具体的にお話しできる状況にはないんですけれども、今の委員の御指摘も踏まえ、諸外国の状況も見つつしっかりと御議論いただいて取りまとめていきたいと、かように考えている次第でございます。

#131
○礒崎哲史君 恐らくさきの検討会議の中で専門家の方から御議論は出ているんだと思いますけれども、既に高付加価値のハイエンドの半導体を設計する能力が日本にはもうなくなっているという実態があったり、あるいは生産する能力も非常に、昔ながらのローエンドのものしか生産できない状況になっていたり、生産面それから開発面、両面において今世界から遅れているという状況だというふうに思います。
 ちょっと一個、これももしお答えいただければなんですけれども、こうした高付加価値の半導体、いわゆるハイエンドのロジック半導体と呼ばれるものですけれども、こうした非常に付加価値の高い半導体の開発がここまで立ち遅れてしまった、もうこれ九〇年代に実は遅れてしまっているんですが、遅れてしまった原因というものを、もし先日の検討会議の中でも御議論されているようであれば教えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#132
○政府参考人(三浦章豪君) ここまで開発ないし生産能力、遅れてしまった原因ということでございますけれども、こちらについては多様な要因あるかと思います。
 例えば、従前、九〇年代若しくは二〇〇〇年代ですね、日本の半導体、基本的に社内で使う半導体向けに各社がそれぞればらばらに生産を行って、開発、生産を行っていて、なかなか大規模化していく投資競争、これに付いていくのが難しくなった等々、様々言われていることはあると思います。
 そういった過去の経験、これも踏まえながら議論を進め、最終的には取りまとめというのをお願いしていきたいと、かように考えている次第でございます。

#133
○礒崎哲史君 是非、こうした振り返りも含めて、なぜ日本が失敗してしまったのかという原因を究明しないまま新しいことをやっても同じ轍を踏む可能性がありますので、是非、こうした振り返りも含めて、次の戦い、新しい技術に変わっていくわけですから、逆に言えばチャンスなんですよ。みんなが一斉にスタートするということでもあり得ますので、強みをしっかりと生かして、もう一度この半導体の分野でしっかりと日本がイニシアチブ取れるように、国内の競争力向上に向けて取り組んでいただければと思いますので、是非よろしくお願いしたいというふうに思います。
 半導体については以上とさせていただきまして、次の質問に移ってまいりたいと思います。
 次のテーマなんですが、国際標準化戦略ということで、これ予算委員会でちょっと時間をかなり使って議論をさせていただきまして、梶山大臣にも予算委員会の中でもいろいろと御答弁をいただきまして、ありがとうございました。あそこでもかなりいろんな質問させていただいたんですが、まだやりたいこと残っていまして、この経済産業委員会でも何点か質問をまたさせていただければというふうに思います。
 お手元には一枚資料をお配りをさせていただきました。細かいことはもう申し上げませんけれども、様々な国際規格というものがあって、実は私たちの身近なところにも、例えばSuicaに搭載されている無線通信の技術であったり、あるいはブルートゥースというものであったり、あるいはデファクト標準ということで、これはある意味、実質的な占有ということになりますが、ウィンドウズという、こういったもの。
 私たちの生活に身近なものが実は標準化のものになっているということですので、これをいかにして自分たちの味方にしていくかと、相手の土俵ではなくて自分たちでしっかりと土俵をつくるところから取り組んでいくかが大変重要だと、こんな観点で予算委員会の中では議論させていただきました。
 その中で、併せて私も申し上げて、総理も含めてやり取りさせていただいたのは、やはり交渉する人は、交渉するのは最終的には人になりますので、技術で優れているだけでは世界標準は取れなくて、実際にその技術をどうやって土俵づくりの中に生かしていくかという、人と人との交渉が実は大変重要だということで、人づくりが実は肝なんですよと、この鍵を握っているんですよと、こういう質疑をさせていただいたところでございます。
 そこで、その観点でよりちょっと具体的な、提案含めて議論をさせていただきたいんですけれども、今実際に日本の国内においては、こうした標準化人材を育てるという名目で、いろいろな実は講義、講座が企画されています。日本規格協会、JSAさんの方でいろんな講座を持っているんですけれども。
 その中で、経産省さんの方からもプッシュしていただいて、より実践的な講座ということで、国際標準化人材育成講座と、通称ヤンプロというふうに呼んでいるんですけれども、このヤンプロのような標準化支援の講義というのは、私は大変重要だというふうに思っています。加えて、実際にこの講義を受けた方にもお話をお伺いしましたら、やはりこれが物すごくその後の交渉の現場で生きているんですと、まさにあの講義でやったときのあの感覚を持ってその交渉の現場に行くということがすごく大切だったと、ああ、あのとき習ったことだというのが思い起こされると、こんなお話も伺わさせてもらいました。
 そこで、ひとつ問題提起と提案なんですけれども、今これ用意されている講座というのは初級、どちらかというと初級レベルになっていきます。これから初めて取りかかる、あるいは経験の浅い方ということになるんですが、ある程度経験を積んだ中堅クラスの人材育成の更なるステップアップ支援する、ですから、ミドルプロフェッショナルのようなこうした講座というものを設けることも必要なのではないかというふうに思いますので、これが一点。
 それから、その講座の今度は中身を更に充実させていくという意味で、外国人の方、実際に交渉の現場で海外の方で活躍されている人材なんかを講師として招くというのも一つの手法ではないかなというふうに思うんですけれども、こうした点について経産省さんのお考えをお伺いしたいと思います。

#134
○政府参考人(萩原崇弘君) お答え申し上げます。
 従来から実施してございます御指摘のヤンプロでございますけれども、国際標準化人材育成講座でございますが、二〇一二年度から九年間で三百七十七名が修了をいただいてございます。御指摘のとおり、ヤンプロは国際標準化活動をこれから始める方々を対象とした必要最小限のスキル取得を目的としてまいりました。そのため、次のステップとして、国際標準を議論する会議の議長でありますとか主査といった役職を担うためのスキルを学ぶ講座を設けてほしいというニーズが生じてきたことは承知してございます。
 そこで、現職の議長や主査の方々に聞き取りを実施しましたところ、役職に必要なスキルの多くは現場でしか学べないことが多いため、実際の国際会議でのOJTを受ける機会を設けることがスキルの習得に効果的であるという声を多くいただいてございます。そこで、私どもといたしましては、人材育成に協力いただける議長や主査などの役職者を募ってございまして、役職に必要なスキルを学びたいと考える中堅人材とのマッチングを行いまして、実際に国際会議に役職者の先輩の方々と一緒に参加をする機会をつくるという仕組みを検討させていただいてございます。今年度から、できれば実験的に支援を開始することを目指してございます。
 そのほか、御提案のございました外国人講師の活用なども含めまして、人材育成制度の改善については必要な取組を精査をいたしまして、支援の内容の充実化を図っていきたいというふうに考えてございます。

#135
○礒崎哲史君 是非積極的に進めていただきたいというふうに思うんですけれども。
 それと、あと人材育成の観点でもう一つ。これ、まずは業界であったり企業としてこの土俵づくりというのは積極的に取り組んで私はいただきたいというふうに思っていますので、この人材育成も企業がある程度進めていくということは必要だというふうに思うんですけれども、ただ、これ、まだ人員規模が少ないとか企業規模がやっぱり小さいところ、ベンチャー、アイデアはあるんだけど、それを具現化していくためにはなかなかハードルの高い、こうしたベンチャー企業、中小企業に対しては、逆に、これは誰かが積極的にこの標準化に対しての支援をやはりしていかなければいけないというふうに思うんですけれども、やはりこういった点に関しては、現時点でいけば、やはり私は、政府の方で完全に一〇〇%サポートなのか、どこまでかというのはあるかもしれませんけれども、こうした全面的な支援というものが必要ではないかというふうに思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。

#136
○国務大臣(梶山弘志君) 委員御指摘のとおり、企業体力の小さいベンチャー等の中小企業が自らの取組で標準化に対応できる人材を育てることは大変難しいことだと思っております。また、そもそも少ない人員の中で標準化を専門とする人材を社内に抱えること自体が困難であるとも考えており、中堅・大企業向けの支援とは異なる方法で支援を行う必要があると考えております。
 具体的には、経済産業省から標準化の専門性を持った人材を直接中小企業へ派遣し、個別のケースに応じたサポートを行うことで中小企業に標準化活動を実施いただく方法が最適であると考えております。
 このため、一般財団法人日本規格協会を通じて、中小企業からの要望に応じて標準化アドバイザーを派遣する取組を実施をしているところであります。実際に、これまで標準化活動の経験がなかった中小企業が製品の性能評価方法に関するJISを開発し、自社の優れた技術の性能を客観的に評価する方法を標準化することで、新市場の開拓や取引先を含むサプライチェーン全体の信頼性向上などに成功した事例が幾つも生まれているところであります。
 今後とも、中小企業やベンチャー企業に対して、その属性に応じてきめ細やかなサポートを実施してまいりたいと考えております。

#137
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
 JSAさんの様々なメニューの中でコンサルティングなんかのメニューもありますので、恐らく同じになろうかというふうに思います。それ以外にも、標準化人材の登録センターというものも設けられていて、データベース化されたりというのもありますので、是非こういうのも稼働率を上げられるように積極的にアピールもしていただきたいと思いますし、関係企業にもいろいろと経産省の方から情報発信をしていただきたいなと、そんなふうに思います。
 今、人材育成についてのお話をさせていただきましたが、こういうことをするにしても何にしても、予算がないとやはりこれ活動できませんので、予算についてお伺いしたいと思います。
 令和三年度のこの標準化という分野に関する経産省の予算額についてお伺いしたいと思うんですけれども、調査費用と事業費に分けるとそれぞれ予算額というのがどれぐらいになるのか、特に、先ほど来申し上げていますとおり、人材育成というものが欠かせないと思っていますが、事業費のうち特に人材育成に関係する予算として具体的に幾らが準備されているのか、その点について教えていただきたいと思います。

#138
○政府参考人(萩原崇弘君) お答え申し上げます。
 令和三年度予算におきましては、戦略的な国際標準化の推進のため、前年度比一・四億円増となる五十・九億円を計上しております。この予算の内訳を申し上げますと、調査費が二・九億円、規格開発などの事業費が四十二・九億円、そのほか、国際機関、ISOやIECなどへの分担金が五・二億円となっています。
 戦略的な国際標準化のためには、日本から提案する国際規格を国際会議で合意していくために議論を、国際交渉を行うという人材の確保、育成が重要でございまして、こうした観点から、事業費におきましては、四十二・九億円のうち、国際会議に参加するための予算として十三・八億円、先ほどのヤンプロなどの予算として〇・九億円を計上してございます。
 経済産業省といたしましては、これらの施策を継続的に実施いたしまして、国際会議で活躍できる標準化人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

#139
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
 今、全体額としては五十・九億円というお話がございました。実は、四年前にここで質疑に立ったときに質問したというのが実はこの質問をしていまして、標準化の予算幾らですかという質問を実はしていまして、そのときはまだ四十億行っていなかったんですけれども、その後、経産省さんの中でいろいろ多分頑張っていただいたんだと思います。五十億円まで予算としては増額をされているということで、その増額された状態がキープされているんだというふうに思います。
 予算が厳しい中で確保されているなというふうには思っておりますけれども、ただ、現場の声を聞いてみますと、やっぱりある程度人員を相当絞った上で海外出張等をせざるを得ない状況が続いているということも現場の声としてありました。
 先ほど、OJTの重要性なんかもヒアリングした結果として出てきたということでもありました。是非、人材育成の観点で、引き続き、今回の予算額更に増額になるように、やはり現場で、実際に交渉現場でやってみないとこれ人材育ちませんので、この点の予算確保、更なる増額をお願いしたいというふうに思います。よろしくお願いをいたします。
 それでは、標準化については以上とさせていただきまして、最後のテーマでございますけれども、今の標準化とも若干絡むんですけれども、先ほど、石井委員の方から二輪車についてのお話がございました。電動化というお話がありましたので、この点について私からも質問をさせていただきたいと思うんですけれども。
 三月の末になりますが、国内のオートバイメーカー四社で、ある発表がされております。交換バッテリーのコンソーシアムというものがつくられてきて、その議論がまとまったということ、これの対外的な発表でありました。
 私、これ大変重要だというふうに思っておりまして、この三月末の発表では、国内メーカー四社でまずは統一見解がまとまったので、今後これを欧州のメーカーに対しても働きかけを行っていくという内容で、本年の五月には欧州でもこのコンソーシアムが設立されるというような、こういうお話、記者発表でありました。是非、日本メーカー主導でこの電動化のオートバイのこうしたコンソーシアム、国際ルールの確立を私は目指していただきたいというふうに思っています。
 先ほどもちょっと触れましたが、このバッテリーに限らず、やはり技術革新が起きるときというのは新しくいろんなことを決めていくことになりますので、そこまで遅れていたもの、一気に挽回することできますから、様々な観点において日本の規格、それから欧州、グローバル規格を合わせていくということが、グローバルに戦っている企業、産業競争力の向上に私はつながっていくというふうに思いますし、プラス、市場もしっかりとグローバルで拡大していくチャンスだというふうにも思っていますので、その二つの意味で大変重要だと思っています。
 その上で、経産省における交換バッテリーコンソーシアムのこの国際ルール化に向けた支援の取組と、このバッテリーだけではなくてそのほかにもいろいろ二輪車の規格というのはございますので、こうした規格のグローバル化、ここに対する重要性に対する認識について伺いたいと思います。

#140
○国務大臣(梶山弘志君) 日系メーカーの世界における二輪車販売は年間約二千七百万台でありまして、世界シェアは五割を超えております。世界的な電動化の潮流が二輪車にも及ぶ中、引き続き日系メーカーの国際的な競争力を維持強化するためには、我が国が主導して、バッテリーを含めた電動化に伴う国際ルールを確立していくことが重要であると考えております。
 こうした中、委員御指摘のとおり、本年三月には国内主要二輪メーカー四社が、電動二輪車の交換式バッテリーを相互利用するために、バッテリーの大きさ、容量、出力等の仕様を標準化することに加えて、交換式バッテリーの欧州域内及び国際的な標準を獲得することを目指して欧州の主要二輪メーカーとコンソーシアムを創設することに合意したものと承知をしております。
 日系メーカー主導による交換式バッテリーの国際標準化は、我が国の二輪車産業の国際競争力を維持強化する観点からも大変重要であります。このため、経済産業省としては、こうしたことがいち早く実現できるように、二輪メーカーと緊密に連携をしてまいります。
 さらに、交換式バッテリーにかかわらず、二輪車の電動化に向けた課題やニーズを関係業界から丁寧にお伺いし、国際標準化の議論をリードできる人材の育成など、しっかりと支援策を検討してまいりたいと考えております。

#141
○礒崎哲史君 先ほどの石井委員との議論の中でも五十㏄の原付のことを取り上げられておられましたけれども、この五十㏄というのは本当、日本特有なんですね。グローバルでいくと、大体百㏄より上、大体百㏄ぐらいが一番小さい排気量サイズなんです。ですから、五十㏄のこの規格そのものが日本独特であり、結果として、手軽で安くて乗りやすいから日本国内では市場が広がったというプラスの面があったんですが、今、現時点で今後更なる技術革新を進めていこうとすると、実はこの五十㏄、性能面とかコスト面とか、あとは日本独自ということで、その後の販売拡大を見込むのが難しいという状況の中から、メーカーにとっては開発の負担などがかなり大きなものになってきていますので、できれば今回の技術が大きく変わるタイミングでガラパゴス化しないように、しっかりとグローバルを見た上で様々な規格、御検討をいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 その意味でいきますと、実は私、中国の動きが今非常に気になっています。今回は日本がまず主導してヨーロッパと連携していきますけれども、中国は入っていないんですね。ところが、この電動バイクに関しては、小型の電動バイクに関しては、中国は今相当力を入れて進めてきているという状況もありますので、是非、今後このコンソーシアム進めていく上では、経産省さんの方でも中国の動き注視をしていただきたい、これお願いでございますので、よろしくお願いをいたします。
 それと、あともう一点だけ。今の交換バッテリーの件ですけれども、じゃ、実際これが規格が決まった、車両も考えがまとまってきた、じゃ、いざ普及させていこうという段階においては、やっぱりユーザーにとって使いやすい環境を整えることが大変重要になってきますので、その意味では、交換バッテリーをどこで交換できるんですか、こういうインフラ整備が大変重要になってくるというふうに思います。
 このインフラ整備に対します経産省さんの考え、お伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

#142
○国務大臣(梶山弘志君) 委員御指摘のとおり、電動二輪車はガソリン二輪車と比べて航続距離が短いことから、電動二輪車を普及するためには、空のバッテリーを充電したバッテリーと速やかに交換することができるバッテリーステーションの整備が重要であると考えております。
 こうした中、現在、日本自動車工業会、大阪府、大阪大学は、小型の電動二輪車二十台を用いて、こうしたバッテリー交換による電動二輪車の活用可能性を確認する実証実験を行っているものと承知をしております。
 経済産業省としては、こうした産業界等のお取組やバッテリー技術が動向を把握した上で関係業界とも連携しながら、バッテリーステーションを始めとする二輪車の特性を踏まえたインフラを整備するための支援策についてしっかりと検討してまいりたいと思います。
 委員おっしゃるように、やっぱり技術の変わり目というのが今まで取れなかった規格を取るチャンスであり、また、標準を取るチャンスであると思っております。
 その一方で、余りにも気が付き過ぎると今度はガラパゴス化するということも含めて、過去の反省、教訓というものを生かしながら対応してまいりたいと思っております。

#143
○礒崎哲史君 大臣、是非よろしくお願いしたいと思うんですけれども。
 この小型、今そのバッテリーコンソーシアムで進めている小型の分野というのは、世界で大体年間五千万から六千万、まあ六千万弱の、六千万台弱のオートバイが売れているんですけれども、大体そのうちの七割ぐらいが百二十五㏄以下のちっちゃいクラスというふうに言われています。
 大体売れている市場というのは東南アジア、アジアが多いというような結果出ています。その意味でいきますと、まさに今回のバッテリーコンソーシアムで取り組んできている、進めている分野というのがここに当たるんですよね。一番大きいマスがある市場がそこにちょうど当たるということですので、ここでしっかり進められるかどうかというのは、国際の市場で一番大きいパイを日本が今後も取れていくのかいけないのか、そことも私は直結してくるというふうに考えておりますので、是非この点しっかりと取組進めていただければというふうに思います。
 石井先生とは同じ議連にも所属しておりまして、恐らく今後はオートバイの質問の量が倍になるというふうに思いますので、是非大臣には二輪車についてもしっかりと研究いただけることをお願い申し上げまして、質疑を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#144
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 昨年十二月中旬から一月下旬にかけて起きた電力市場価格高騰問題について質問します。
 この問題は、電力システム改革の今後の方向性、再生可能エネルギーの主力電源化、エネルギー政策全体に関わるものです。
 卸電力を取引する市場であるJEPX市場で、通常は一日平均キロワットアワー当たり十円未満の価格が、一月十三日の平均価格が百五十四・六円パー・キロワット・アワー、一月十五日には最高値の二百五十一円パー・キロワット・アワーを記録して、価格高騰が一か月にわたって続きました。
 こうした事態は世界的に見てもなかったのではないでしょうか。そして、これは市場として正常とは言えないのではないでしょうか。

#145
○政府参考人(佐藤悦緒君) 御答弁申し上げます。
 委員御指摘のとおり、今冬のスポット市場における価格高騰は約三週間にわたり継続しておりまして、期間の長さで見れば海外の前例はないものと承知しております。
 この期間におきましては、送配電事業者において需給逼迫に対応するため、緊急的に自家発に稼働を要請するなど、様々な通常ではない対応を講じざるを得ない状況となっておりまして、そうしたコストを考慮しますと、スポット価格が上昇したこと自体は合理的なものであったと考えております。しかしながら、一部においてはスポット価格はスパイラル的に上昇し、調整力のコストや需給逼迫状況といった、需給逼迫等を反映しない実態と異なる動きをしていた面もあったと考えています。
 当然のことでありますが、価格が実態に合わせて動く仕組みとしていくことは極めて重要であります。
 二二年度から導入予定の新バランス、新インバランス料金制度は、その時間帯で稼働した調整力の単価や需給逼迫度合いを基に決定される仕組みとなっておりまして、まさしく価格が実態に合わせて動く制度を考えております。このように、より望ましい仕組みへの改善はこれまで詳細な検討が進められているところでございます。
 なお、二二年度から導入予定の新バランス料金の下では、今冬のような売り切れ状態が継続した場合においても需給の状況等を離れた価格高騰は発生しないと考えております。
 諸外国の例を見ましても、自由化による新規参入を進めながら段階的により適切な市場の形成に向け不断の見直しを行っていくことが一般的であります。今冬の教訓も踏まえ、包括的に課題の検証を行い、あるべき市場の整備に向け引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

#146
○岩渕友君 三週間にわたってということで、期間の長さでいえば世界的にもないだろうという御答弁でした。
 そういう意味では非常に異常な事態だったということになるわけですよね。これによって、市場連動型の料金プランを契約していた消費者が、通常月一万六千円程度の電気料金が一月は八万円に跳ね上がったとか、一月の電気料金が前年同月比で四倍の五万円を超えた、激変緩和のための特別措置で半額程度というが、それでも高いと、こういう高額な請求を受けるということになりました。
 また、小売事業者、特に再生可能エネルギーの電気を供給している小売事業者が甚大な被害を受けるということにもなりました。こうした事態が起きるということは、規制がうまくいっていないということを示しているというふうに思うんですね。
 今回の事態は市場の信頼にも関わる重大な問題で、このままだったら同じようなことがいつ起こってもおかしくないということです。どこに問題があったのか、それを明らかにして対策を取らなくてはなりません。
 市場の価格が高騰した直接の原因は、旧一般電気事業者、いわゆる旧一電から卸電力市場への売り入札量が減らされて市場の電気が足りなくなったことで、市場から電気を調達していた小売電気事業者が電気を奪い合って価格がつり上がったというふうにされています。
 電力を市場調達をする小売事業者は、電力の需要と供給に差が生じた場合に、先ほどちょっとありましたけれども、電力会社がその穴埋めを行う代わりに、電力価格より高い価格で精算払いを行うインバランス料金を支払わなければなりません。これ、電気が買えない場合もインバランスになるんですね。
 経済産業省は、一月十七日、このインバランス料金の上限をキロワットアワー当たり二百円とする措置を適用をしました。この措置を発表しただけで、価格が下がって市場が落ち着いたわけですよね。この措置を今後もこのまま継続するべきではないでしょうか。そしてあわせて、適正な上限価格の検討も必要ではないでしょうか。

#147
○国務大臣(梶山弘志君) この冬の電力市場価格の高騰を受けて、本年一月に、供給力不足を生じた際に小売電気事業者が送配電事業者に支払う精算金について、来年四月に導入を予定していました需給逼迫時の上限価格の設定を前倒しして導入したところであります。
 委員御指摘のとおり、市場におけるセーフティーネットを導入することは市場参加者の予見性を確保する観点から大変重要であると考えております。このため、現在、今般の事象の検証と並行して、市場におけるセーフティーネットの仕組みとして精算金の上限価格の検討を進めており、一月十七日に前倒しして導入した需給逼迫時の上限価格を継続することや、需給が逼迫していない場合における精算金の上限価格の在り方について、審議会において有識者の意見も踏まえながら議論を進めているところであります。その他、今回の高騰の原因についてもいろんな角度から今議論をしているところでもあります。

#148
○岩渕友君 前倒しで導入をしたということですけれども、今、六月三十日までというふうになっているわけですよね。でも、もうそれずっと前倒しでこのまま進めていくことが必要だということだと思います。電取も、上限設定が必要だという問題意識を持っていたからこそ、これ準備をずっと進めてきているわけですよね。
 一月のインバランス料金については、これまで公表されてきた速報値が平均五十九・二円パー・キロワット・アワーだったのに対して、確報値が七十七・六五円パー・キロワット・アワーと、速報値と大きく乖離した状況になっているということも明らかになりました。
 これ、ある電力、市民電力の方からは、二月時点の予測で二千三百万円の損害が出るんだというふうに算定をして、増資を行って二千百万円集まったので何とかしのげるというふうに思ったんだけれども、これでは更に経営的に打撃になると、結局はユーザーや出資者の負担になっているじゃないかと、こういう話も聞いているんですね。対応が必要だったと、こういうふうに認識をしながらやってこなかった。その間に起こった事態が今回の事態だということです。
 インバランス料金が高騰したことによって一般送配電事業者に集まったお金は、損害を受けた小売事業者に当然還元する、されるべきだというふうに思いますけど、いかがでしょうか。

#149
○国務大臣(梶山弘志君) 小売電気事業者が十分な供給力を確保できなかった場合、安定供給を確保するために、一般送配電事業者が不足分の供給を行うこととしております。
 この際、小売電気事業者から一般送配電事業者に対して精算金を支払うことになりますが、この精算金は市場価格に連動して決定されることから、この冬の市場価格高騰を受けて高額な精算金が発生をしているところであります。
 仮に市場価格高騰に伴い一般送配電事業者が要した費用を上回る収益を上げるとすれば、広く需要家に還元していくことが適当であると考えております。既に審議会においてもそのような方向性で議論を進めているところでありまして、引き続き検討を深めてまいりたいと思っております。
 そして、新電力に対しましては、分割の支払ということで、まずは五回ということでしたけれども、さらにまた、全新電力に対して聞き取り調査をしたところでありますけれども、九回まで延ばしているところでもあります。

#150
○岩渕友君 小売事業者、大きな損害を受けているわけですね。当然還元をされるべきだし、この間のやり取り聞いていると、新電力でもリスクヘッジしている事業者もいるじゃないかというようなこともおっしゃられているんですけれども、リスクヘッジと言うけれども、自己責任だと言うんだったらば、それだけの制度設計が行われていなければならないということですよね。
 FIT、特定卸供給によって、再生可能エネルギーによって発電をされた電気は、FIT価格で送配電事業者が買い取って、その電気を送配電事業者が市場価格で引き渡すということになっています。再エネを自社で発電している事業者も、再エネ事業者と契約している事業者も、この仕組みを使わなくちゃならないと。なので、市場を使っていなくても、FIT電気を使っている小売事業者は市場価格の変動の影響を受けているわけなんですよね。
 消費者や新電力などの小売事業者が損害を受ける一方で、電力市場全体では一か月で一兆五千億円を超える資金移動が起こっているというふうに言われています。通常の五倍とか六倍とも言える取引額が送配電事業者に流れたということになります。公正な競争もできずに、多様なプレーヤーが事業を継続できない状況では、市場の発展や成長はないということですよね。
 資料の一を御覧いただきたいんですけれども、これ、十二月中旬以降、旧一電、あとJERAの売り入札量が減少した要因の一つに、関西電力そして中国電力が一定期間グロスビディングを取りやめていたということもあります。
 グロスビディングは旧一電の自主的な取組で、グループ内取引している電力の一定量を市場に放出する仕組みです。これまでも、現状のグロスビディングは透明性が確保されていないと、こういうふうに指摘をされていました。自主的な取組に任されたままでは、また同じことが起きかねないと、起こりかねないということになります。
 資料の二も御覧いただきたいんですけれども、これ、法的分離以降の電気事業者の会社分割状況なんですね。そもそも、巨大な電力会社と新電力では、持っている情報や電源の保有や競争力といった点で、全ての点において圧倒的な力の差があります。市場の透明化がやっぱり必要なんですね。
 電力市場における電力会社と新電力の格差、圧倒的な非対称性を解消して適正な環境を整えるためには、大手電力の発電部門と小売部門の分離、発販分離が必要ではないでしょうか。電取に。

#151
○政府参考人(佐藤悦緒君) まず、この冬の価格高騰について見解を述べさせていただきます。
 この冬の価格高騰における旧一電のスポット市場における入札行動につきましては、当委員会でも徹底的に調査分析を行い、公正取引委員会もオブザーバーとして参加する審議会で有識者に御議論いただいておりますが、相場を変動させることを目的とした売惜しみ等の問題となる行為は現時点では確認されておりません。
 その上で、御指摘いただきましたが、電源の大半を有する旧一般電気事業者の卸取引について、今後更に透明性を高めることは極めて重要だと考えております。今委員からは旧一電の発販分離を進めるべきとの御指摘をいただきましたが、重要なことは、組織の形ではなく契約の中身であり、旧一般電気事業者の発電部門が自社グループ内の小売とグループ外の新電力とを取引条件において差別しないことを確保して、その透明性を高めることが最も重要と考えております。
 このため、監視等委員会では、昨年七月に、旧一般電気事業者に対しまして、社内外の取引条件を合理的に判断し内外無差別に卸売を行うことのコミットメントを強く要請いたしまして、各社からこのコミットメントを実施するとの回答を得ております。
 今後、旧一般電気事業者各社の内外無差別な卸売に関する実施状況を確認、また公表することによりまして、こうした取組の実効性を確保していきたいというふうに考えております。

#152
○岩渕友君 今いろいろ答弁いただきましたけど、大手電力と新電力では圧倒的な差があると。やっぱり発販分離、必要だと思うんですけど、大臣はいかがでしょうか。

#153
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど電取から話がありましたように、公正取引委員会もオブザーバーとして参加する審議会で有識者に御議論をいただいて、今回の事象の分析等を行ったということであります。
 その上で、この冬の価格高騰において旧一般電気事業者が相場を変動させることを目的とした売惜しみ等の問題となる行為を実施したことは確認されていないと承知しておりますけれども、やはり情報の透明化というものは必要だと思っております。そして、予見可能性というものも必要だと思っております。
 一方で、あとは、こういう事態に陥ったときに慣性力をどう保つか、調整力をどう保つかということで、この市場と併せて容量市場等の必要性というものも改めて感じたところでありますし、二〇一六年から自由化始まりましたけれども、市場もまだ未成熟の市場であると思っておりますので、しっかりと今回の教訓を生かしながら、市場をできるだけ早く改善をしていくということが我々の仕事であると思っております。

#154
○岩渕友君 そこで、ちょっと公正取引委員会にお聞きするんですが、昨年十月、公取と経産省が出した適正電力取引についての指針で挙げられている公正かつ有効な競争の観点から問題となる行為について簡潔に説明をいただきたいというのと、続けて、公取が今回の高騰問題をどういうふうに見ているのか、また、その旧一電などが市場に電力の売惜しみをするなどして小売事業者が電力を調達できないようなことがあった場合はどのように対応するのか、教えてください。

#155
○政府特別補佐人(古谷一之君) 電力市場の自由化に伴います競争上の問題等に関しましては、今御指摘がございましたように、公正取引委員会におきましては経済産業省と共同しまして適正な電力取引についての指針を策定しております。
 その中で、卸電力市場の電力投入の制限に関しまして、旧一般電気事業者が不当に電力投入を制限することなどにより、他の小売電気事業者が卸電力取引所において電力を調達することができず、その事業活動を困難にさせるおそれがあるなどの場合には独占禁止法に違反するおそれがあるという考え方を示しております。
 今、不当にと申し上げました。競争者を市場から排除する目的などがあって、その手段として電力投入量を制限するといったような場合が典型的に不当な場合に当たろうかと思います。
 先ほど経産省の方から答弁がありましたように、公正取引委員会としましても、電力・ガス取引監視等委員会が主催をしております検証の場にオブザーバーとして出席しておりまして、その検討状況については承知をしておりますが、やはりこの卸電力市場が新電力にとっても公正な競争が行われる場として整備が図られていくということが非常に重要だと公取としても考えております。
 監視等委員会と連携をして取り組んでいきたいと思いますし、個別の事案についてお答えすることは控えさせていただきますが、今申し上げました適正取引についての指針における考え方を踏まえまして、仮に独占禁止法に違反するような事実が認められる場合には厳正に対処をさせていただきたいと考えております。

#156
○岩渕友君 いろんな懸念をなくすためにも、徹底した情報公開が必要です。今回のことを受けていろんな情報公開されるということにもなったんですけど、問題起きて公表できるんだったらもっと早く公開できたということだと思うんですね。
 スポット市場の公開など、早くから行うべきだったんじゃないでしょうか。

#157
○政府参考人(佐藤悦緒君) お答え申し上げます。
 市場参加者の予見可能性を高める観点から、入札並びに発電関連の情報公開は極めて重要でありますが、どこまで公開するかについては、それらが事業者の経営情報に当たり得ることや、また相場操縦行為を誘発しないかといった点とのバランスを考慮して決めてきたところでございます。
 これにつきましては、今冬のスポット市場が高騰した局面においては、多くの市場参加者の方から今何が起きているかをより正確に把握したいとの声が相当数聞かれたところでございます。こうしたことを踏まえまして、当委員会としましてより情報公開を充実する方向で見直すことが必要と考え、まずもって日本卸電力取引所による需給曲線の常時公開を実施することにいたしました。
 現在、発電所の稼働見通しといった発電情報の公開の在り方についても審議会で検討を進めておりまして、市場参加者の予見性の向上に向けて、引き続き情報公開の拡充に向けた検討を速やかに実施してまいりたいと考えております。

#158
○委員長(有田芳生君) 岩渕さん、時間ですのでおまとめください。

#159
○岩渕友君 はい。
 情報公開、非常に重要だと思うし、大臣がおっしゃるように、透明性高めなくちゃならないということだと思うんですね。こうした状況を放置しておけば、電力システム改革といいながら結局は大手電力が独占するような状況で、再生可能エネルギーを選びたくても選べない状況、あの原発事故前に戻るということになっちゃうんだと思うんですね。
 だから、いろんなプレーヤーが活躍できる市場、多様な電源を選択できるようにするために、やっぱり市場の寡占状態から公正な競争環境を整えることが必要だということを述べて、質問を終わります。

#160
○ながえ孝子君 碧水会のながえ孝子です。
 世界各国の男女格差を測るジェンダーギャップ指数二〇二一、日本は残念ながら百五十六か国中百二十位。非常に世界から遅れているという話は午前中も出ました。午前中も出たので余りくどくは申しませんけれども、四分野の中で特にやっぱり政治と経済の分野が遅れています。四分野とも実は去年より順位落としているというのが非常に残念なんですけど、特に、政治分野は百四十七位、そして経済分野百十七位と後れを取っています。
 政治と経済と両分野にまたがる、関わる経済産業大臣に感想を伺いたかったんですが、それは午前中お聞きいたしましたので、改善に向けての御決意を改めてお聞きできますか。

#161
○国務大臣(梶山弘志君) このジェンダーギャップ指数というのは、やっぱり国の評価というものにもつながりますし、これからその国が、この日本の国が投資していい国かどうかということにもつながると思っております。
 そういった面も含めて、しっかりと改善を図るための対策というもの、まずは隗より始めよということで、経済産業省、また経済関係、私の担当のところからしっかりと行ってまいりたいと考えております。

#162
○ながえ孝子君 企業に女性活躍に向けた行動計画の策定を義務付けた女性活躍推進法は十年の時限立法で、ちょうど今年折り返し点に当たりますよね。あと五年ということなんですが、先日、日本経済新聞が行いました社長百人アンケートでは、女性管理職比率について五年後の見通しを尋ねています。五年後どのぐらいパーセンテージ出せるかということを尋ねると、その答えの平均値は一四・四%でした。これ、政府目標は二〇二〇年代早期に三〇%ということですから、目標の半分に届かないという見通しになっているんですね。これをいかに押し上げていくかということで、経済産業省のリードが期待されます。
 今大臣からも隗より始めよという言葉がございましたが、隗より始めよで、経済産業省についてお伺いをしたいと思います。
 経済産業省の課長級以上の職員の中で、女性の占める割合は何%でしょうか。

#163
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 政府といたしましては、国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針、こちらに基づきまして、毎年度各府省等の女性職員の採用、登用状況に関する調査を行っておりまして、その結果を公表しているところでございます。その中で、私ども経済産業省における本省課室長の相当職の女性割合でございますが、昨年七月一日時点で一〇・一%となっております。

#164
○ながえ孝子君 それでは、経済産業省の達成目標は何年までに何%でしょう。

#165
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 経済産業省といたしましては、目標を立てているところでございますけれども、令和七年度末に向けまして、これを一三%とする目標を立てているところでございます。

#166
○ながえ孝子君 達成するためにどんな方策を打ちますか。

#167
○国務大臣(梶山弘志君) 多様化する国民のニーズを把握し、的確に政策対応を行うには、公務を担う職場においても多様性を高めていくことが非常に重要であります。そのためにも、経済産業省において女性職員の登用を積極的に進めたいと考えております。
 まず、その最新の採用の数字なんですけれども、平成二十四年には二五・八%が女性の比率でしたけれども、令和二年度には四二・四%まで採用をしてきているということであります。やはり分母が多くないとやっぱりその比率というものも上がっていかないと思っておりますし、そういった中でしっかりと対応してまいりたいと思っているところでありますけれども、組織の意思決定に関わる女性の管理職の比率を高めていくこと、こういった取組からも重要であると思っております。
 この実現のためには、女性職員をしっかりと今言ったような採用をしていくこと、着実に育成を進めることで管理職比率を高めていくことが重要であると考えております。
 具体的には、男女問わず、育児、介護などの制約を抱える職員が増える中で、研修や部下からの評価を含む管理職のマネジメントの向上、テレワークの実施、環境の整備、業務の効率化など、働き方改革、働き方をどうしていくか、やはり男性の目からも手伝えるところはしっかりと手伝っていくのは当たり前のことでありますし、女性の視点というものも男性の働き方というものに生かしていかなければならないと思っております。
 また、育児中の職員に対するライフステージに応じた必要な支援を実施するために、平成二十九年度から人事担当部局に両立支援班というものを設けました。育児中職員等を対象とした両立支援、キャリア形成に関する研修の実施や、育休中職員に対して省内の政策情報等の発信を行うメールマガジンの配信、さらには育児中及び育児予定の職員同士のネットワークの構築支援など、様々な取組を進めているところであります。
 今後とも、職員の声に耳を傾けながら不断に検討を進め、女性職員の管理職比率の目標達成に向けて努力をしてまいりたいと考えております。

#168
○ながえ孝子君 目標として一旦定めたら、それを達成するように是非工夫を重ねていただきたいと思います。そして、やっぱりまずは経産省が戦略的に女性を育てていただきたいなと思っております。民間企業のお手本になるようなリードをお願いしたいと思います。
 それでは、事業再構築補助金についてお尋ねをいたします。
 いよいよ十五日から募集が始まります。先日、この詳細も公表されて、各機関への問合せも増えてきていると伺っています。
 前回の委員会で、事業再構築に取り組む企業と一緒にこの事業計画を作る認定経営革新等支援機関の重要性について質問をさせていただきました。中小企業にとって、やっぱり業態を変更するとか新しい事業へ展開を図るというのはとてもハードルが高いチャレンジです。まず、成功するような計画を作るということ、プラス、それを着実に実行するという二つをクリアしなければなりません。ですから、それをしっかりとフォローをする伴走型の支援がやっぱり重要ですよね。
 かつて、東日本の震災の後、被災地で起業、創業です、創業支援事業というのが数多く取り組まれました。補助金が出るというので、多くのサポート機関が被災地に入りまして、被災地、地元の起業しようという人と一緒に計画を作って取り組んだんですけれども、多くの機関がやっぱり被災地の外から入ってきた組織だったので、現地に事務所は開いておりました、でも、計画を作って補助金が下りて、事業を進めて、条件にある期限を過ぎてしまうと退却してしまうところが多かったんですね。ですので、結局創業者が置き去りになったケースが多くて、被災地に根付いた事業が少なかったという反省があります。
 この反省を踏まえて、経済産業省でも今回、この補助制度の説明の中に、事業計画を一緒に立てる認定経営革新等支援機関にも事業実施の段階でのアドバイスやフォローアップも期待されていますとちゃんと書いておられます。でも、これ一番重要なところだと思っています。ですから、地域に成果が残るようにいかに伴走型の支援を促していくか、保障していくか、前回の質問へのお答えではしっかりお願いするということでありまして、そこはしっかりお願いをしたいと思うんですけど、加えて今日は一つ提案があります。
 私は、支援機関の実績を公開してはどうかなと思っているんです。この再構築補助制度のホームページの支援機関の紹介のところにそれぞれの支援機関のこれまでの支援実績数というのは出ているんですね。なんですけど、もう一歩踏み込んで、どのぐらいの期間にわたってどんな支援を実施してこんな成果が出たよという支援内容の情報がオープンになっていれば、支援機関の責任感が高まります、公開されますから。で、支援を求める人は、やっぱり丁寧にしっかりやってくれるところに頼みたいから、その情報をじっくり見ると思うんですね。で、それを基に支援機関を選定するでしょうから、支援機関の営業にもつながってまいります。しっかりサポートするインセンティブが働くわけですよね。なので、伴走型にするための支援実績の見える化、検討いただけないでしょうか。

#169
○大臣政務官(佐藤啓君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の、まさに事業再構築補助金をこれから使っていく事業者の方々にとって、やはりこの認定支援機関の支援、一緒にこの事業再構築の計画を作っていくわけですから、非常に役割としては重要ということであります。また、活用される事業者の皆様にとっては、やはり、どの支援機関にお願いをするのか、そこがやはり、いいところにお願いしたいという、そういったところのやはり見える化というもの、これは非常に重要であるというふうに考えているところでございます。
 既にホームページなど見ていただいているんだと思うんですけれども、例えば、ものづくり補助金などはこの支援実績をホームページ上で既に見える化をしているということであります。各支援機関のこの活動実態をもちろん把握して、また比較できるようにしてあるという状況でありますけれども、事業再構築補助金も、これはこれから執行がされていくわけですけれども、ここに関わった認定支援機関に対してもしっかりフォローアップ調査をして、またその結果を見える化していく、そういったこともしていくこととしているところでございます。
 こういった、やはりどの情報をどの程度出せるかということに関してはもちろん検討が必要だと思いますけれども、こういった認定支援機関の活動の見える化を通じて中小事業者がより質の高い支援を受けられる体制をつくるということは非常に大事だと思っておりますので、しっかりと取り組んでまいります。

#170
○ながえ孝子君 是非よろしくお願いいたします。
 前回、既に実施した事業についても補助対象に加えていただけないかと要望を申し上げました。先日、私、地元で話を聞いておりましたら、ある企業さんは、新たな事業展開に一億円の投資をすると、それでこの再構築補助金の申請もするんだというケースを伺ったんですね。
 採択されれば三分の二の補助ですから六千万円の補助を受けることができるんですが、採択されなければこれは借金のままになります。だけれども、これは採択されなくてもいいんだ、覚悟してやるんだと、非常に前向きな取組をおっしゃっていたんですけれども、この企業の場合は、新たな取組をしようというタイミングにこの補助制度が間に合ったといいましょうか、タイミングが合ったんですよね。ですから、補助を受けられるチャンスを得ることができたんですが、もう少し早くに進めていてやってしまっていたら、受けることができなかったということです。前回、実施済みはやっぱり対象にならないというお答えだったんですけれども、是非やる気のある経営者を支えていただきたいんですね。
 今日は私からもう一つ提案がありまして、これ、既に実施済みのところを後追いで支援できるような、そういう仕組みをつくっていただけないかなと思っていまして、先ほど話をいたしました認定経営革新等支援機関から推薦を受けたら、推薦枠みたいな感じで、推薦を受けたら実施できるようにしていただけないかなと思っています。
 多くの新たな取組をしている事業者というのは、融資を受けて取組をしています。その融資を受ける先、金融機関が支援機関になっている例も多いんですよね。ですから、実態よく分かっておりまして、推薦の仕組みがあるのであれば、支援機関である金融機関は、その実情を踏まえてしっかり支援に値する事業、あるいは共に地域を支えるために頑張っていきたい、育てていきたい企業を責任を持って推薦してくれると思うんです。こんな仕組みはいかがでしょうか。

#171
○大臣政務官(佐藤啓君) 既に前回御質問いただいたときの繰り返しになる部分もございますけれども、やはり事業再構築補助金、そもそも補助金は、それによって事業の取組を後押しするということが目的でありますので、交付決定を受けた後に事業に着手可能となると。なので、交付決定前の支出については補助対象外となるというのが原則でございます。
 他方、できる限り早く事業再構築に取り組みたいといった、そういった事業者の皆様のニーズもあるものですから、事業再構築補助金については事前着手という制度を設けております。具体的には、事前着手申請というものを出していただきまして、承認された場合には、交付決定前であっても、補助金の制度概要を公表しました今年の二月十五日以降の設備の購入契約等を補助の対象とするということとしております。
 しかしながら、この事前着手制度の枠組みを超えて更に遡るというのは、これは補助金の後押しで事業再構築に向けた思い切った投資が行われたという、そういった関係が認められないということで、補助金の目的から逸脱した支援になってしまうということで、このため、二月十五日より前に遡って事前着手を認めることは難しいというふうに考えております。
 今御提案があったような仕組みが一つ考えられるのかもしれませんけど、そういったことがあっても、やはり後追いでの補助を認めるということは現在考えていないというところでございます。

#172
○ながえ孝子君 この事業再構築補助金というのは、コロナ支援の第三弾の位置付けだとお聞きしております。第一弾が持続化給付金で、これは大変好評でございました。まあいろんな問題ありましたけれども。
 で、第二弾が家賃補助ですよね。でも、ずっと私委員会でお話ししていますように、地方はローン組んで土地も建物も買って、その気合でやっている方も多いので、受け取っていない方多いんですね。それで、コロナから一年ということで、もう本当に息切れ寸前なんですね。そういったところが頑張って投資をしてやっているのであれば、それを是非すくい取っていただきたいと。
 補助金の目的には合わないかもしれないんですけど、今回のこの目的というのは、やる気のある経営者をすくい取るというところだったり、あるいは経済を押し上げていくための一歩を踏み出してもらうということですから、それを前面に出して、何かこの着手、先に着手できるというのは、あれは画期的なことだなというお声もありまして、そういった意味ではもう一歩踏み込んで支援をお願いできないかと思っています。
 話を聞いておりますと、地元では巣ごもり需要で売上げを伸ばしていたところも、実は去年の暮れぐらいから売上げが鈍ってきたそうです。なので、これから先、見通しが立たない、収束の見通しも立たない中で、本当にこれからが本番だというふうに経営者の皆さんは思っています。ですから、そういった皆さんの後押しを、この後追い支援でなくてもいいんですね、私は新たな持続化給付金というのを申し上げているんですけれども、あらゆる知恵を絞って、本当に共に頑張ろうという気持ちを政府の方から出していただきたいなと重ねてお願いを申し上げます。
 もう一つ、この週末、地元の中小企業・小規模事業者のサポートに当たっているよろず支援拠点で話を聞いたんですが、やっぱり相談件数増えておりまして、相談事業者数は平常時に比べて一七〇%、増えていますね、新規の方は二〇〇%だそうです。相談件数は増えているんだけれども、人員は増えていないんだそうです。だから、とても大変だという声がありました。だから、丁寧な相談とかサポートするには余りに時間がないですよね、数字の上から考えても。是非、国にはこのサポート体制充実の支援を求めたいというお声を聞いてまいりました。
 去年の予算では、このよろず支援拠点の拡充についての予算措置がされていましたけれども、今年はちょっと私、見付けることができなかったんですが、この相談体制拡充のための措置はどうなっておりますか。

#173
○大臣政務官(佐藤啓君) 今お尋ねがありましたこのよろず支援拠点に対する体制の整備ということでありますけれども、新型コロナウイルス感染症の影響で、よろず支援拠点にも給付金とか補助金とか様々な資金繰り支援であったり相談が多く寄せられておりまして、相談対応件数、これは日本全体でありますけれども、令和二年度は前年度と比較して約三割増えているということであります。
 こういった状況に対応するために、令和二年度の第一次、第二次の補正予算を活用して、よろず支援拠点の相談員を全国で約二百人増員するといったことをさせていただいております。支援体制を強化しているという状況です。また、今年度ということでありますけれども、よろず支援拠点の体制整備を中心とした中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業というものがございます。これが令和二年度第三次補正予算の九・八億円と、そして令和三年度の当予算で計上された四十・九億円を確保しているところであります。
 昨年の春のピーク時よりは相談件数は落ち着いてきている状況ではありますけれども、引き続き相談件数は高い水準にありますので、これらの予算をしっかり活用して、中小企業の皆様からの、支援体制を、支援をしっかりしていきたいというふうに思っているところであります。
 先ほど御指摘あった事業再構築補助金を活用して思い切った事業再構築をする、こういったところにもやはりよろず支援拠点の相談を受けるということもありますので、そういったことも含めて、しっかりとポストコロナ、ウイズコロナ時代の経済社会の変化への対応をしっかりと後押ししてまいります。

#174
○ながえ孝子君 先ほども申し上げましたように、ここからが本番だと各経営者の皆さんはお話しになっています。それぐらいやっぱり出口が見えないんですよね。
 三年先にはこれ、ちょっと、あっ、時間が来ましたね、お話ししたい件があったんですけど、もう一つ最後に、これ、補助金、手挙げにくいのは、事業終了後三年ないし五年で付加価値額又は従業員一人当たりの付加価値額の年率五%以上増加を達成することという条件があるんですね。この見通しが付かないんです。三年先からは融資の返済も始まりますし、いろんなこと考えたら、ちょっと踏み出す勇気が持てないという声も聞いておりますので、是非なるべくハードルを下げてということをお願いをしたいと思っております。
 今日いろいろ提案も申し上げたんですけれども、今回間に合わなくても、是非次の支援策とか考えるときにお酌み取りいただければうれしいです。
 どうもありがとうございました。終わります。

#175
○安達澄君 無所属の安達澄です。どうぞよろしくお願いいたします。いつも質問の時間をありがとうございます。
 前回からの続きで、経済産業省が所管をしますクールジャパン機構について質問をさせていただきます。特に、支援の金額が百億円を超す二大プロジェクトのうちの一つ、吉本興業とNTTとの協業の株式会社ラフ・アンド・ピース・マザーについてお聞きいたします。
 前回もお伝えしたとおり、このプロジェクトを本当に国や経済産業省がやるべきなのか、やらなきゃいけないのか、その観点から質問をさせていただきます。
 まず、前回、政府参考人の畠山さんから、このラフ・アンド・ピース・マザーの事業について、経済産業省の支援基準として二つ、まず一つが日本のコンテンツを発信することで次世代にわたる日本ファンを獲得すると、そして二つ目が海外需要の開拓を目指すというふうに御説明がありました。
 その一方で、私が指摘をさせていただいたのが、まずその一番目の日本のコンテンツですけれども、出てくるコンテンツが人気キャラクターのピングーですね、スイス生まれのペンギンが動画コンテンツで出てきたりとか、オンライン社会科見学と、中の行き先がタイであったり台湾であったりとか、そういうことで、言っていることとやっていることが随分違うなと、ちぐはぐだなという指摘をさせていただきました。
 ただ、これはあくまでも私の主観ということになりますので、そこで客観的に判断するためにも、畠山さんが前回おっしゃっていた、その次世代にわたる日本ファンを獲得する、日本発、発というのは出発の発ですね、のコンテンツ、そして海外需要の開拓を目指すコンテンツ、つまり経済産業省の支援基準に合致しているものですけど、それを幾つか具体的に挙げてもらえますか。

#176
○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。
 この事業は、特にアジアで拡大しております教育分野の需要を獲得するため、日本のオンラインプラットフォームを国内事業者が海外に展開していく、そういうことを目的としたものでございます。
 このプラットフォームの具体的な内容でございますけれども、子供たち自身が好きなことを見付けて自律的に学び考える中で、主体的な、主体性やあるいは想像力が育まれるという、そういう新たな体験を日本から発信するということを目指しております。このプラットフォームを通じて配信する教育コンテンツは、個別のアニメキャラクターなどの発信そのものを目的とするというよりは、むしろその内容を通じて子供たちが関心を持ち主体的な学びにつなげること、そういうことを目的としているものでございます。
 したがって、一部海外原作のキャラクターが含まれているのも御指摘のとおり事実でございますけれども、このプラットフォーム及び教育コンテンツの海外展開そのものが日本のファンを増やし、海外需要開拓につながるというこの支援基準に合致したものだというふうに考えておりまして、そうした政策的意義があるからこそ支援対象としているということでございます。
 加えまして、海外原作のキャラクターがあることは一部にはあるんですけれども、本事業で日本のアニメキャラクターなどが配信されているということによる波及効果もあるというふうに思っております。
 プラットフォームの内容としては、動画で教育コンテンツを提供したり、あるいは御指摘のオンライン教室、これ社会科見学も含めてですけれども、オンライン教室というものがあるんですけれども、ムービーは、実は今、現状では六十四タイトルあるんですけれども、海外のアニメキャラクターを使ったのは二タイトルになっていまして、それからオンライン教室は五十六件ありますけれども、社会科見学として海外を紹介するもの、これ三件ありますが、これも実は日本人がそこに赴いて紹介するということで、子供の好奇心を引き出して主体的な学びにつなげるということを目的としているものでございます。
 経済産業省といたしましては、新たな学びの体験を提供するという日本のプラットフォーム及び教育コンテンツが海外に普及し、これらに対する現地における評価の向上とともに、本事業の中でその海外に配信される日本のアニメキャラクターなどが更に人気を博するという、そういう波及効果の両者が相まって、日本ファンの獲得、それからその海外需要の獲得ということにつながるものだというふうに期待して支援をしているものでございます。
 以上でございます。

#177
○安達澄君 今、畠山さんの説明で、一部にはそういう海外のキャラクターもあるとおっしゃっていましたけど、例えば、経済産業省がいろいろ補助金を出したりするときには目的外使用は禁止というかなり厳しいいろんな基準もあると思うんですけど、一方で、今回このラフ・アンド・ピース・マザーについては、一部そうやって海外のがあっても問題ないですよというふうに聞こえるんですけれども、それはこう、ダブルスタンダードじゃないかなというふうに思ってしまうんですね。
 今、畠山さんが現地での評価を上げていくんだというふうにおっしゃいましたけれども、その現地での評価というか、海外需要の開拓を目指す、アジアを中心に海外展開をするというふうにおっしゃっていますけど、これまたちょっとコンテンツをじっくり見ると、そのコンテンツの中には、四字熟語バトル、ことわざ合体とか、県庁所在地を記憶せよとか、じゃんけんに勝つ方法とか、そういうコンテンツが出てくるんですけど、アジアの子供たちに大分県の県庁所在地は大分市だとかですね、若しくはじゃんけんに強くなってもらって日本に来てもらおうとか、どうも何かその、やっぱり言っていること、やっていることがちぐはぐだなというふうに思います。
 その支援基準では、経済産業大臣が必要な助言や援助を行うように努め、そして相互に連携を図らなくてはならないというふうになっています。なので、ちゃんと連携を図っているという前提でお聞きしますけど、では今、じゃ、このラフ・アンド・ピース・マザーの事業ですけど、海外で今何か国で翻訳されて展開していますか。

#178
○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。
 この事業は、海外向けサービスと国内向けサービスの両者について準備を進めております。本年三月に、まずは準備が整った国内向けのサービスが開始されたところでございます。海外向けサービスはまだ今は開始されておりませんで、今は準備中でございます。国内向けコンテンツの一部を英訳して無料配信を開始しておりまして、そのような取組も含めて今後の展開に向けて海外向けサービスの準備が進められているところと、このように承知しております。

#179
○安達澄君 この事業にというか、クールジャパン機構の事業については毎年度事業評価をするようになっていまして、それに対して大臣の意見が述べられています。直近でいうとまだ令和元年度しかないようですけれども、その中で梶山大臣の意見として、大臣の意見として、アジアを中心に海外展開することで、日本の魅力を高めるように、適切に事業に取り組まれたいというコメントがありますけれども、この事業がスタートしてそろそろ二年もたとうかなと、二年近くにもなろうかなと思います。
 たっぷりと時間を掛けて満を持してスタート、はずですけれども、この大臣の御意見にもある、アジアを中心に海外展開するということが最も大事だと思うんですけど、それをいきなりのっけから外していては駄目じゃないかなというふうに思います。大臣がその要望されているにもかかわらず、適切に事業に取り組んでいないんではないかというふうに判断せざるを得ないと思います。
 繰り返しになりますけれども、支援基準では、経済産業大臣は必要な助言や援助を行うように努め、そして相互に連携を図らなくてはならないというふうになっています。なので、もっとちゃんとクールジャパン機構を通じてラフ・アンド・ピース・マザーに言うべきじゃないですか。何も言っていないということは認めているということと同じだというふうに思います。
 今はコンテンツの内容について、中身についてちょっと話をしましたけど、少し数字についても確認をさせていただきます。
 クールジャパン機構のホームページには、投資実行後に案件ごとに適切な進捗管理指標、KPIですね、これを設定して運用していくというふうにあります。
 このラフ・アンド・ピース・マザーの適切な進捗管理指標、KPIを教えていただけますか。

#180
○政府参考人(畠山陽二郎君) お答えいたします。
 クールジャパン機構においては、御指摘のように支援基準を踏まえましてKPIを設定しているところでございます。
 本事業につきましては、日本のプラットフォームを海外に展開し、日本のファンの獲得につなげるという事業の政策的意義を踏まえまして、海外会員数ですとかあるいは海外への配信コンテンツ数をKPIとして設定してございます。また、クールジャパン機構の投資案件全体として五年から七年の投資期間でおおむね一・五倍の投資倍率とするというKPIも設定しているところでございます。
 こうしたKPIの進捗を管理することによりまして、海外の子供たちに日本の魅力を発信し、次世代にわたる日本のファンの獲得を通じた海外需要の開拓につながるよう取り組んでいくと、こういう事業としております。

#181
○安達澄君 今おっしゃったその会員数とかコンテンツ数という具体的な数は公表されているんですか。

#182
○政府参考人(畠山陽二郎君) 本事業のKPIの具体的な目標値につきましては、これは公表を前提として関係企業で合意されたものではないため、公表いたしておりません。
 なお、KPIの具体的な目標値を公表するか否かについては、一般的にクールジャパン機構から関係企業に対して任意の公表の可否を確認いたしまして、同意が得られたものは公表するということにいたしております。この事業については同意が得られていないということなので公表していないと、こういうことになっております。

#183
○安達澄君 自民党さんの行政改革推進本部、これ二〇二〇年七月、官民ファンド見直しチームでの提言ですけど、やはりそれぞれの投資案件のKPIをちゃんと設定して、その進捗状況を定期的に開示すべきであるという御提言もされています。ちゃんとそういった開示、オープンにできるように努力すべきだというふうに思います。
 もう一つ、数字、これはちょっと金額になりますけれども、出資金額ですね。支援基準では、民間事業者等から出資金の資金供給をできるだけ多く確保することというふうにあります。クールジャパン機構は、このラフ・アンド・ピース・マザーに対して百億円の出資を予定し、今既に三十一億円実行済みかと思いますけれども、吉本興業、そしてNTT、それぞれの出資金額を教えていただけますか。

#184
○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。
 本事業における民間株主の出資金額につきましては、公表しないということを前提で関係企業で出資が合意されたものと承知しております。このため、クールジャパン機構から関係企業に対し任意の公表の可否を確認し、先ほどと同じような答えになりますけど、同意が得られたものは公表するということにいたしております。
 こうしている背景は、これは個別の、それぞれのプロジェクトでございますので、関係する参加者あるいは関係者のその戦略あるいは企業秘密に関わる部分もあろうかと思います。したがって、そういう意味では、その公表することに限界があるという、そういう側面があります。
 一方で、その官民ファンドということで、公的資金を投入しているということで、その事業の成否について極力評価できるようにしておくということも大事でございまして、その観点からは公表した方がいいと、こういうことになりまして、この両者、相反するこの両者をそのバランスをどう取るかという問題だとは思っておりまして、今このクールジャパン機構では、そういう意味では、その政策目的あるいは収益性についてクールジャパン機構全体としてのそのKPIの数値は公表することにしているんですけれども、個々の事業については、ここでお答えしたとおり、そのKPIを設定している項目は申し上げておりますけれども、その数値、具体的な数値はその事業者の合意が得られていないものについては公表しない、あるいは投資金額についても合意が得られていないものについては公表しないと、こういう扱いとしているところでございます。

#185
○安達澄君 民間企業であればやっぱり株主に対する説明責任があるわけであって、今回も、やはり国がそうやって百億円を支援しようというんであるならば、やはり国民に対する説明というのは必要だと思いますし、支援基準の中にも運用の透明性を確保することというふうにありますので、経済産業省自らが作っている支援基準ですから、やはりそれに合致するような運用を目指していただきたいというふうに思います。
 もう一つ、先ほど、オンライン講座、オンライン教室のお話がありましたけれども、支援基準の中には、当然のことながら、収益性の確保が求められています。三月下旬からスタートしていまして、私もこれオンライン教室の申込み状況を確認してみました。三月、四月のオンライン講座は全部で、先ほどおっしゃったように、五十幾つ、約五十講座ぐらいありまして、さっき言ったタイとかへのオンライン社会見学もここに含まれますけれども、受講生の募集枠ですね、これ有料ですけど、ざっくりですけど、トータルで約千四百人ぐらいの募集枠があります。実際見てみると、それに対して購入している、応募している人は約百人ぐらい、僅か七%だと思います。数字は非常に正直だと思います。数字はごまかすことができません。これが今、国民というか、消費者の皆さんが評価しているコンテンツということになるかと思います。
 昨年十一月二十日に行われた財政制度等審議会財政投融資分科会の中で、やはり委員からの意見もありましたけれども、一人の委員は、収益性をクリアできない場合は影響が大きくなる前に撤退も検討。もう一人の委員は、相当投資計画をもう一遍見直して、しっかりとビジネスモデルを検討する必要が出てきているというふうにおっしゃっていました。本当にこのままずるずると続けることが正しいのか、大丈夫なのかなというふうに思います。
 前回指摘しました中国寧波市の百貨店もそうです。日本ブランドを前面に出すといいながら日本のブランドは約二割です。一体このクールジャパン機構、そしてこのラフ・アンド・ピース・マザーも、どこに向かおうとしているのかが非常に分かりにくいなというふうに思っています。吉本興業やNTT、民間が独自に進めるんであれば全く問題ありませんし、むしろこういう内容であればそうすべきだというふうに思います。
 私が聞きたいのは、なぜ国や経済産業省が関わらなきゃいけないかということであります。ましてや、その二〇五〇年に向けてグリーン、デジタル、今日も、先ほど、エネルギーとか電力とか半導体とかいろんな課題が話として出ている中で、そして職員も毎年毎年減っています。三百時間以上残業する職員もいたり、そして、この間出た数字ですけど、二月には過労死レベルの八十時間を超える職員の方も二百人いたというふうに出ていました。そういう中で、経済産業省が本当にこのクールジャパンをこれずっとやっていかなきゃいけないのか、そういう余裕があるのかということであります。
 職員の皆さんがもう本当にやりがいを持って、使命感に燃えてこの国のためにとやっているのかどうか、その本音を聞きたいんですね、本音を。ただ、まあそれはやめておきます。なぜなら、やはり職員の皆さんがもうこの事業から撤退なんということは絶対に言えないと思います。それは、やはり前任者を否定することにもなるし、そもそもこの制度とか法律を作った人を否定することになるから、皆さんはそういう責任を取ることはできないと思います。で、ここで出番は、やはり政治だと思うんですね。大臣であったり、副大臣や政務官、政務三役と言われる方々の政治の出番だと思います。
 梶山大臣にお聞きしますけれども、その百時間、二百時間、三百時間、そういう残業を減らす、これはもう当たり前のこととして、もっとその本質的に選択と集中を進めて、やはり経済産業省が何をすべきかというのをリーダーとして考えるべきではないでしょうか。その一環として、このクールジャパン機構の在り方を見直してはいかがですか。

#186
○国務大臣(梶山弘志君) 大前提として、行政の多くの業務は法令で決まっているとともに、公平性などの観点から幅広い分野にまたがっておりまして、民間企業ほど柔軟に業務の方針を見直すことは大変困難であるということは御理解をいただきたいと思います。
 その上で、今のクールジャパンの話がありましたけれども、投資案件によってはやっぱり長期間で成果が出るものもあります、短期間で成果が出るものもあります。それは、それぞれのKPIの設定もまたあるでしょう。そういったものをしっかりと見直して、案件見直すべきところは見直していかなければならないと思っております。そういったことも含めて、様々な法令で決まっている仕事に関しましては、今民間からの当然依頼もありますし、そういったことについて対応してまいりたいと思いますけれども、所期の目的を達成できないものに関しては、委員がおっしゃるように、途中での見直しというもの、当然必要だとは思っております。

#187
○委員長(有田芳生君) 安達さん、時間が来ましたのでおまとめください。

#188
○安達澄君 今の大臣の言葉に期待して、もうとにかくどんどんオンするばかりですから、もっと大事なテーマはあると思います。そこを真剣に考えていただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。

#189
○委員長(有田芳生君) 両件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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