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2021/03/23 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 財政金融委員会 第5号 令和3年3月23日
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2021/03/23 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 財政金融委員会 第5号 令和3年3月23日

#1
令和三年三月二十三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     末松 信介君     高野光二郎君
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     高野光二郎君     高橋はるみ君
     藤川 政人君     豊田 俊郎君
     三浦  靖君     加田 裕之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 信秋君
    理 事
                西田 昌司君
                藤末 健三君
                宮島 喜文君
                牧山ひろえ君
                秋野 公造君
    委 員
                加田 裕之君
                櫻井  充君
                高野光二郎君
                高橋はるみ君
                豊田 俊郎君
                中西 健治君
                中西 祐介君
                藤川 政人君
                三浦  靖君
                元榮太一郎君
                勝部 賢志君
                古賀 之士君
                水岡 俊一君
                横山 信一君
                音喜多 駿君
                上田 清司君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                浜田  聡君
                渡辺 喜美君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   赤澤 亮正君
       財務副大臣    中西 健治君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        和田 義明君
       厚生労働大臣政
       務官       こやり隆史君
       環境大臣政務官  宮崎  勝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        前山 秀夫君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       梶尾 雅宏君
       内閣府大臣官房
       審議官      難波 健太君
       内閣府規制改革
       推進室次長    黒田 岳士君
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        小林  渉君
       金融庁総合政策
       局長       中島 淳一君
       金融庁監督局長  栗田 照久君
       消費者庁審議官  坂田  進君
       消費者庁審議官  片岡  進君
       総務省大臣官房
       審議官      米澤 俊介君
       消防庁審議官   五味 裕一君
       法務省大臣官房
       審議官      堂薗幹一郎君
       財務省大臣官房
       長        茶谷 栄治君
       財務省主計局次
       長        角田  隆君
       財務省主計局次
       長        宇波 弘貴君
       財務省主税局長  住澤  整君
       財務省理財局長  大鹿 行宏君
       国税庁次長    鑓水  洋君
       文部科学省大臣
       官房審議官    塩見みづ枝君
       文部科学省総合
       教育政策局社会
       教育振興総括官  寺門 成真君
       文化庁審議官   榎本  剛君
       厚生労働省大臣
       官房総括審議官  山田 雅彦君
       厚生労働省大臣
       官房総括審議官  井内 雅明君
       厚生労働省大臣
       官房危機管理・
       医務技術総括審
       議官       佐原 康之君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    間 隆一郎君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    宮崎 敦文君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    堀内  斉君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    横幕 章人君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    赤澤 公省君
       中小企業庁次長  奈須野 太君
       国土交通省大臣
       官房審議官    黒田 昌義君
       国土交通省大臣
       官房技術審議官  東川 直正君
       国土交通省道路
       局次長      宇野 善昌君
       観光庁観光地域
       振興部長     村田 茂樹君
       環境省大臣官房
       審議官      白石 隆夫君
       環境省大臣官房
       審議官      大森 恵子君
       環境省大臣官房
       審議官      土居健太郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○財政運営に必要な財源の確保を図るための公債
 の発行の特例に関する法律の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(佐藤信秋君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、末松信介君が委員を辞任され、その補欠として高野光二郎君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(佐藤信秋君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得税法等の一部を改正する法律案及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省主税局長住澤整君外三十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(佐藤信秋君) 所得税法等の一部を改正する法律案及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○櫻井充君 おはようございます。櫻井充です。
 今日は、最初にコロナウイルス対策について質問させていただきたいと、そう思います。
 お手元に資料を二枚お配りさせていただきました。一枚はダイヤモンド・プリンセス号に関する資料です。ダイヤモンド・プリンセス号で七百人ぐらいのコロナの感染者が出ましたが、その際にいろんな場所を調べてみると、こういう場所からコロナウイルスが検出されてきています。
 まず、一番検出されているのが実はトイレの床でして、三九%です。それから、枕から検出されていますが、私も感染者の一人として、せきをしたりとかしていますから、寝ているときに、枕から検出されるのはこれは当然のことだと思います。それから電話機ですね、電話機も話をしますから、そこに唾が飛んでいくので、これから検出されるのは当然のことかと思います。それから、机とかリモコンですが、これは結局はそういう感染した人が触っているからここから検出されているんだろうと思いますけれど、一番検出されているのが実はトイレなわけです。
 なぜトイレから検出されているのかというと、コロナウイルスは上気道から、要するにせきやたんから出るだけではなくて、下部の消化管から、便から排出されるということが分かってきています。
 イタリアでは、おととしの十二月の下水道水からもう既にコロナウイルスが検出されてきているだけではなく、最近の中国の研究ですと、コロナ病床でいろいろ調べてみると、例えばドアノブとかからコロナウイルスが検出されているんですが、ふん便由来だと、そういう結論になってきていて、トイレの衛生環境を良くしていかない限りはコロナウイルスを撲滅することはできないだろうと、この論文は結論付けています。
 それから、日本は中国政府に対して人権問題だと言って指摘していることは、空港でPCR検査を行う際にズボンを脱げと、パンツも脱げと、で、お尻からPCR検査を行ってきていて、これに対して人権問題だと言っていますが、私はそれはそのとおりだと思いますけど、一方で申し上げておきたいことは何かというと、下部の消化管からコロナウイルスが要するに排出されるということです。それに対して政府は十分な対応を取ってきていないので、私はコロナウイルスの感染を抑制することができないんじゃないかと思っているんですよ。
 もう一枚の資料を見ていただきたいんですが、これはインフルエンザの患者数です。三シーズンについてのまとめをしています。昨年は特別でして、九月ぐらいから患者数が多かったので、その前の年の方から過去の三シーズンについての平均値を取ってきています。三十六週というのが九月の一週目からでして、ここから統計を取り始めています。
 一番右側が過去三シーズンの平均でして、四百九十九人となっていて、今シーズンは僅か三人です。今年のインフルエンザの患者数ずうっと見ていっていただきたいんですが、下から五番目ぐらいになるんでしょうか、第五週とありますが、二月の一日から七日ぐらい、ここは大体、例年インフルエンザのピークでして、過去の平均を見ていただければ、その前の週が二十四万五千人、その次の週が二十二万四千人ということで、二十万人台を記録するというのが例年当たり前になっている中で百人にもインフルエンザの患者さんが満たないと。インフルエンザは生体外では生存できませんので、基本的に言うと。人の体の中でしか生存できなくて、しかもなおかつ増殖できないと。
 これだけインフルエンザの患者さんを抑えているということは、上気道の感染を抑えているというもう証左でしかないんだろうと、そう思います。つまり、政府の方針で、三密を避ける、それから上気道の感染を抑えるために様々なことを言ってきているので、国民の皆さんがきちんと守っている結果、こうやってインフルエンザの患者さんは減っているんだと、そう思います。
 一方で、真ん中のところにコロナの感染者数を書かせていただいていますが、ピークで四万人を超えるぐらいの感染者が出てきていると。ですから、この二枚の資料から、過去のことから全部踏まえてくると、要するに、上気道の感染は抑えているけれど、ほかのところの感染についてきちんとやっていないから、だから感染者を抑えることができないんじゃないかと、そう思っているんです。
 昨日、緊急事態宣言が解除されました。このままのことでやり続けていくと、恐らく五月ぐらいにはまた緊急事態宣言を出さなきゃいけなくなるだろうと、そう思っていて、政府の対策上、是非お願いは、こういうそのトイレの環境などについて、もうちょっときちんと国民の皆さんにこういう場所から感染するんだということを説明すべきだと思いますが、その点についていかがでしょうか。

#7
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 新型コロナウイルスの主な感染経路は飛沫、それから接触感染でありまして、委員御指摘のとおり、接触感染対策についても重要な課題と考えております。
 また、今御指摘ありましたとおり、下水道からウイルス断片が検出されているというようなこともあります。消化管からウイルスが排せつされていることは推定されるわけでございまして、こういったルートでの感染の可能性も否定できないところでありますので、今後知見を収集して、しっかり検討してまいりたいというふうに考えております。

#8
○櫻井充君 ありがとうございます。
 いろいろ今まで申し上げてきましたが、なかなか厚生省が動いてくださらないので、結果的にはこういう委員会の場で質問することになりました。
 私も感染した一人として経験から申し上げると、私は飛沫感染で感染したとは思っておりません。というのは、五人の仲間で飲食に行きまして、感染したのは二人でした。要するに、残り三人は感染しておりませんで、結果的に、僕ら、私ともう一人感染した人間といろいろ話をしてみると、トイレに行った後に水でしか手洗いせずに、お絞りで手を拭いた後に二人とも手づかみでおつまみを食べていたと。多分、手にウイルスが付いたままその手でおつまみを食べてしまったので、経口から入っていったんじゃないだろうかと想像してきています。
 若しくは、若しくはお酒を伴う席だったので、お酒をみんなでつぎ合っていたときに酒瓶を触ってしまって、そこからうつっているのかもしれませんが、飛沫感染でないだろうと、私はそう思っています。ですから、こういうことが起こり得るんだということをちゃんと国民の皆さんに知ってもらうべきです。
 その意味で、もう一つトイレのことについて注意を申し上げておきたいのは、便座の蓋を閉めないでトイレの水を流してしまうと拡散してしまって、結果的にトイレの床だけではなくてトイレのドアノブとか内鍵に付いてしまうということです。会館のトイレに行っても便座の蓋が閉まっていないことはよくあることでして、こういうことを一つ一つ注意していかないといけないと思っていて、今度は議運の場の方でもトイレの使い方とかきちんとやっていかなきゃいけないと思いますし。
 昨日は、院内の食堂に行きましたが、スパゲッティ食べたときに、粉チーズをお願いしますと言ったら、隣の席から消毒もせずに持ってきました。ここは、ちゃんとアクリル板を立てていて、座席も一人一人にしていて、政府から言われている感染対策はきちんとやっているんですよ。ですが、今みたいな感じで、もし前に使っていた人たちが感染していたとすると、その粉チーズのボトルによって感染するということはよくあることです。
 私が見ていた範囲では、テーブルは拭けと言われているのでテーブルは拭いていますけれど、共用しているメニューとか、それからしょうゆポットみたいなところとか、そういうものが拭かれている形跡はありません。
 チェーン店の例えばうどん屋さんに行くと、セルフサービスになってきています。セルフサービスでテーブル席に着きますが、そのテーブル席が拭かれた形跡はありません。朝一回拭いているんだと思いますけど、お客さんが交代交代で行ったときにそこが拭かれているわけでもなく、しょうゆとかソースが置いてありますけれど、こういったものも拭かれている形跡がないと。
 ですから、こういう場所から感染する可能性があるんですけど、そういうことがきちんと、何というか、周知徹底されていないわけです。
 もう一度、トイレのところにもう一つ戻ると、JRの新幹線の駅のトイレに行っていただくと分かりますけど、便座のカバーがありません。便座の蓋がないんです。便座の蓋がないまま流してきているので、もしそこにコロナの患者さんが使用したとすると、部屋中に拡散している可能性があります。
 そうすると、もう一つ佐原さんにお願いしておきたいのは、今は熱のある人、それから風邪様の症状のある人だけいろんな施設に入れないことになっていますが、それに、私もコロナに感染した際に下痢をしました。それは、人の体というのは自分の体にとって不利益なものを体の外に流そうとするから当然下痢をするわけであって、下痢症状のある人たちも入室の制限をするようなそういう措置も必要なんだと、そう思います。
 今いろいろなことについて申し上げましたが、こういうことをもう少し事細かにガイドラインを作って周知徹底すべきです。特に、僕はJRにきちんとお願いすべきじゃないかなと。JRだけではありません、いろんなところにです。コンビニでもトイレに入ったときに見ていると便座の蓋が開いたままというのはよくあることでして、こういうこと一つ一つを徹底することが大事だと思いますが、改めてこの点についても周知徹底お願いできるでしょうか。

#9
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 現在でも、例えば蓋を閉めてから流してくださいということにつきましてはQアンドA等でお示しをしているところでありますけれども、御指摘も踏まえまして、こういった手洗いあるいは消毒も含めた基本的な感染予防対策の重要性について、改めて国民の皆様への周知徹底をしっかり図っていきたいと考えております。

#10
○櫻井充君 それと、もう一つお願いがあります。
 それは何かというと、中国は物すごくきちんと検査をするんです。去年の夏に北京の食品市場でクラスターが起こったときには、全てのものからPCR検査を行ってウイルスが検出されるかどうかという調査を行った。その結果、まないたから検出され、そして、そのまないたで調理したサーモンから検出された結果、そのサーモンを食べた人が感染したのであろうと、そういうことを結論付けました。
 今、クラスターが起こったお店に対して、すぐに消毒をしてしまって、検査をしている形跡がありません。ですから、飲食店が危ない、飲食店が危ないとただ漠然と言われていますが、飲食店の方々が困っているのは、飲食店の、あとこれだけ、どれを何をどういうふうに努力をしたらいいのかということが全く分からないということです。
 例えば、トイレの中にもアルコールを置くべきなんですよ。それから、各々のテーブルのところにもちゃんとアルコールを置いて、特に手で食べるようなもの、ハンバーガーとかサンドイッチとかフライドポテトとか、こういうものを食べるときには必ずちゃんとトイレに行った後には手をアルコールで消毒してから食べてくださいとか、そういうこともやらなきゃいけないと。
 そうすると、そのためには根拠が必要なので、クラスターが起こったところに対して、ただ消毒するのではなくて、どこの場面が原因でクラスターが起こったのかについてきちんと調査していただきたいと思いますが、その点についていかがでしょう。

#11
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 委員御指摘の飲食店における環境調査につきましてはクラスター班として派遣した専門家において実施しておりまして、その際には、御指摘のとおり、手がよく触れるトイレのドアノブ、リモコン、あるいはトイレの床等からウイルスが検出されております。
 そうした事実も踏まえながら、飲食店での接触感染を予防するために、手がよく触れるところ、例えばトイレのドアノブ、スイッチ、手すり、エレベーターのボタンのほか、例えばトングやメニュー、共用で使うものなどについて消毒用アルコールや界面活性剤を含む住宅用洗剤で定期的な清掃、清拭をすることが有効であることを厚生労働省ホームページの事業者向けのQアンドAに掲載する等、事業者向けの周知啓発を行っているところでありまして、引き続き、新型コロナウイルス感染拡大に関する知見を収集し、必要な情報の周知徹底に努めてまいりたいと考えております。

#12
○櫻井充君 ありがとうございます。
 そこまで調査されているということを正直申し上げて知りませんでした。例えば、先ほど申し上げましたうどん屋さんなんかは、揚げ物を取るトングはなくなりましたが、一方で、最後にショウガとかネギとか天かすみたいなものを取るような小さいトングがあるんですけど、このトングは共用のままです。
 ですから、ある程度のところについてはやっているのかもしれませんし、今、ホームページに載っていると言っていますが、私は周知徹底されているとはとても思えないので、こういうことについてきちんとやっていただいて、昨日から緊急事態宣言解除されましたが、再度緊急事態宣言を宣言しなくてもいいような、そういう対策をきちんとつくってやっていただきたいと、そう思います。
 お忙しいと思いますので、コロナの担当者の方については退室いただいて結構です。

#13
○委員長(佐藤信秋君) 佐原審議官、どうぞ御退席ください。

#14
○櫻井充君 今度は、コロナの環境下で格差が拡大してきていると、そう言われてきています。確かに、ジニ係数とかそれから貧困率とか、先進国の中では日本は決していい方の国ではありません。その中で、格差拡大の中で、社会保障の関連の方は三〇%と聞いていると言われていますが、税の方は五%ぐらいだったかな、かなり小さい数字です。
 そういう意味合いでは、格差拡大に対して、税のところについて改めてもう少し強化して格差を是正していくような方向性が必要かと思いますが、いかがでしょうか。

#15
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のこの所得再分配機能は、税制の持つ非常に重要な機能の一つであると考えております。
 これまでも負担能力に応じた税の在り方として、再分配機能の回復などの観点から、所得税の最高税率の引上げや金融所得課税の税率の引上げなど、累次の改正を行ってきたところでございます。その上で、この経済の格差については、それが固定化されず、さらに、人々の許容範囲を超えたものでないということが重要であると考えております。
 こうした観点から、格差の状況について注視しながら、税制の在り方についても引き続き検討していく必要があると考えております。

#16
○櫻井充君 ありがとうございます。
 大臣、そこでちょっとお願いがあるんです。提案したいことがあるんですけれど、ある程度のその中期目標みたいなものを立てたらいかがなのかと。例えば、ジニ係数はジニ係数で何年後にどのぐらいまで改善していくんだと。例えば、先進国の中で今、日本は格差の拡大している国だというふうに言われていますが、例えばそういう世界から見たときに真ん中ぐらいのところまで行くでもいいし、それから、数字上どのぐらいのところを目標にきちんとこれから対策を取っていくとか、そういう戦略的な目標がないので、何となく漠然とただやり続けてきている。
 それから、本来であれば、税と社会保障でどういうふうにしてやっていくべきなのかと。これ税と社会保障の一体改革をやろうと、あの三党合意って僕はすごく良かったと思うんですけれど、それが十分に機能しているとは思えません。
 そういう意味では、大きく言うと、財務省と厚生労働省である程度の目標値を定めて、税でやっていくのか、社会保障で格差を是正していくのか、そういうことについての対策、方向性、それから、繰り返しになりますが、ある種の目標値を定めてそれに向けて努力をしていくということをやってくる必要性があると思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

#17
○国務大臣(麻生太郎君) これは今おっしゃった話ですけれども、基本的にはジニ係数とかいろいろな指標があるんですけど、その中で極端に悪いとか極端にいいというわけでもないんですけれども。
 今言われた点は非常に大事なところだと、私もそう思いますが、今ちょっと厚生省と財務省、両方とも目下のこれに、コロナに追われていますので、ちょっとそこにまで、今中長期的なところの話をする段階にはまだないんだと思っていますけれども。
 いずれにしても、今の話は、極めて長期的にきちんとした目標等々、こういったような形をという話、ちょっと両省で詰めないと、負担率の話とか、いわゆる税の負担率とか、いわゆる、何ですか、社会保障関係の、厚生労働関係の負担と比率をどうする等々いろんなところをちょっと両省で詰めにゃいかぬところだと思いますんで、長期的な話、中期的な話としてきちんと一回話をさせていただかねばいかぬと思っております。

#18
○櫻井充君 前向きな御答弁いただきまして、ありがとうございます。
 日本はジニ係数若干改善している点も見受けられるんですが、それは何かというと、高額所得者の人たち、上級、上流階級と言ったらいいのかどうか分かりませんが、その層が減ってきていて、結果的に賃金全体が下がってきて圧縮されているからジニ係数が改善されている傾向があります。
 ここしばらく名目賃金は下がり続けてきていて、一方で物価が下落してきているので、実質賃金はほぼ横ばいか若干増えているのかもしれませんけれど、このまま賃金水準だけでいってくると日本は先進国ではなくなるような、そういう危険性をはらんできています。
 そういう意味合いでいうと、じゃ、企業にお金がないのかというと、決してお金がないわけではありません。ですから、麻生大臣自ら内部留保を吐き出せとさんざん政府を挙げて言っていただいていますけれど、このコロナの環境下においても実は内部留保は増え続けている。それで、企業のマインドとしてどうかというと、設備投資を行うよりも内部留保に力を入れているような企業もあるという状況です。
 内部留保というのは、こういう危機的状況のときに使うべきために企業として蓄えているものであって、この段階でも内部留保をため続けていくのであれば、むしろ政府として内部留保に税を掛けて、それを税としてお支払いいただいた上で、今コロナ対策費としてお金本当に必要ですから、これを今度は政府としてコロナ対策費として一般の方々に、苦しんでいる中小・中堅企業などに分配するようなことを考えていったらいかがかと思っていますけれど、この点についていかがでしょうか。

#19
○国務大臣(麻生太郎君) 安倍内閣になって、企業等々、皆、GDPも大きく増えたりなんかした、経済も回復した、景気も良くなった等々のこともあって企業の収益が増えてきたことは間違いないんですが、企業が収益を得るとその得た部分がどこに配分されるかというと、賃金か設備投資か配当かということになって、残りが内部留保なんですけど、ここがやたら増えていて、賃金は、いろいろ言わせていただきましたけれども、約二%弱ぐらいのところで、少なくともベアなんという言葉が何十年ぶりで回復しましたから、その意味じゃ非常に意義はあったとは思いますけれども。
 少なくとも、賃金に行く労働分配率の比率がそんな高く上がらない割には、設備投資も賃金よりは額としては大きな額になっていますけれども、やっぱり内部留保がほとんど、ほとんどとは言いませんが、半分ぐらい持っていっているというので、ここのところという話、この六、七年間、何回もいろんな会合で申し上げてきているんですけれども、仮にも一回税金を払った後の金の話ですから、それにもう一回税金掛けるということをやるとこれは明らかに二重課税になりますので、そういう指摘があることは間違いないんですけれども。
 間違いなく、設備投資をするために、また将来いろんなものに備えるために内部留保があるというのは、まあ再投資へ充てるというので資金に必要だったり、よく分かりますけれども、これはちょっと、何というかな、比率の話、配分の話、常識の話、いろんな表現があるんですけれども、そういった中で、ため込むだけじゃなくて、ため込んでも今金利は付きませんしね、全く。そういった意味では、銀行に預けても余り金利は付かないから内部留保でためておくだけという話になるんでしょうけれども。
 非常にこういったようなものの金、ものというか金が配当に回ればまだいいんでしょうけれども、賃金に回らない、いわゆる、そういったところに行かないと景気が良くならない、更に購買力が上がるということになりませんので、ため込むだけじゃなくて、そういった賃金引上げ等々に使えるというのはこれは極めて大事なところだと思っておりますので。
 経営者の意識も、今年の初めぐらいですかね、一月ぐらいから少し、経団連の方々の言われるせりふも少し変わってきたかなという感じはしますので、何となくちょっと待てという話になってきて、他国と比べてこの十年間の賃金上昇率がほとんど、日本、イタリアが一番伸びていないので、一番伸びているアメリカに比べて差が、非常に大きな差ができてきているというのは事実でありますから、そういった意味で、私どもとしては、引き続き内部留保の比率をもう少し考えてもらいたいという話をし続けないかぬと思っております。

#20
○櫻井充君 ありがとうございます。
 二重課税という話が出てくるんですが、例えば、大臣、ポイント制度と同じようにして、ポイントカードって集めておいても一年間とか二年間使わないと失効してしまうんですよ。それと同じように、内部留保を、例えば何年間についてはあとは課税しないとしているけれど、それを使わないのであれば失効するような仕組み、失効するというのは要するにそれに課税しますよという仕組みなどをつくっていくと、結果的にはため込んだ金はどこかで使わざるを得なくなってくると。五年ぐらいは設備投資などそういうものについて認めるとか、それから、建物などは三十年ぐらいで償却していくので、そういう建物のためですという理由があるのであればそれは内部留保を認めるというのは、例えば介護施設などはそうやって内部留保があったのに、財務省は冷たくそれに課税しようとしたわけですよ。
 ですから、そういうことではなくて、ある程度の目的意識があるものについては認めて、それ以外のものについては課税しますよと、そのぐらいのことを言っていって、僕は、給料に回すだけではなくて、中小企業の利益率も上げてもらいたいんですよ。
 結果的には大企業が、まあこう言うと怒られるかもしれないけど、中小企業を踏み台にして利益を出して内部留保をしているんだと。そうであれば、今苦しんでいる中小企業に対して、政府がそこから課税して、これを今の中小・中堅企業に、税金で救済していくと。エンジンは政府になって金を回していくような仕組みを考えてもいいんじゃないかなと、そう思います。
 もうちょっと議論をしたいんですが、時間がないので、もう一つ、今のコロナの環境で、大臣がよく劣後ローンを使うべきだというお話をされています。
 これは、本当に今回の劣後ローンは、東日本大震災のときから比べてはるかに使い勝手が良くなっています。二十年物ができ上がっただけではなくて、金利も、東日本大震災のときから比べると、五%程度だったものが三%ぐらいになって、低くなりました。
 それから、もう一点いいのは、これ皆さん知らないんですけど、五年後から、もし二十年物で借りたとして、例えば十年後に返しましたと。今までであると、十年間分の違約金という、本当は違約金なんですが、手数料として金利が取られていたんですけど、今回は良くつくってくれていて、この手数料も全くないんですよ。
 そうすると、長期的に借りた方がいいのに、現場の政策金融公庫の人たちは、余り借金長いことしない方がいいですよと言って十年ぐらいしか貸してくれないとか、これ現実なんですね。ですから、そのために、資金繰りで本当に安心してやっていきたいのに、十年後にどうなるかなんて、二十年後にはこれ考えることになるけど、十年後に考えるなんということはありません。
 一方で、それから、上限が七億二千万になっていて、今温泉の方々やそれから仙台市内でチェーン店経営している方々から劣後ローンの話の相談、僕、随分受けているんですけど、その中で出てきているのは、例えば具体的に申し上げれば、温泉宿だと、私の知り合いのところは月に五千万ぐらいの固定費が掛かってくると。もう既に六億劣後ローン借りてきていて、手元には数億、二、三億ぐらいしか残っていなくて、これから先のことを考えてくると、とてもじゃないけど資金繰りで非常に不安だと。
 ですから、この七億二千万をもう少し、撤廃とまでは申し上げません、だけど、あと、多分、集団免疫ができるまでに二、三年掛かる可能性があります。それは何かというと、予防接種を、ワクチンを打ったとしても、この抗体が一生続くものなのか、それともインフルエンザのように一年ごとに打たなきゃいけないものなのかということが全然分かっていません。
 そういうことから考えると、三年分ぐらいの資金繰り、心配しなくていいよぐらいのところまで本来であれば劣後ローンで融資していただければ有り難いと思っていて、この上限を、撤廃とは申し上げません、もう少し、十五億とか二十億ぐらいまで引き上げていただきたいんですけど、この点についていかがでしょう。

#21
○国務大臣(麻生太郎君) 今のお話で、最初の劣後ローンの話をされていましたけど、櫻井先生ぐらい理解している経営者がいれば楽なんですけどね。そこまで分かっている人はほとんどいませんで、国会の中ほとんどいない。劣後ローンって何ですかと聞く国会議員の方が圧倒的に多いですから。単語の意味が分からない人に一々説明するほど財務大臣って暇じゃありませんので、ちょっと、もうちょっと誰かに聞いてよと言っていつも振り返すんですけど。
 今のお話は、これは間違いなく、この資本性劣後ローンというのは、今、目先の資金繰りの話ばっかりでずっとここまで来たんですけれども、資金繰りもずっと、フローの話ですから、ところが、フローもたまっていくと、これはいきなり、簡単に言えば、何というのかな、債務超過ということになりますので、新しく金が借りられなくなるということになる。そこで登場するのが劣後ローンという話なんですけれども。
 この劣後ローンをやられたらどうですかという話で財務省といろいろ検討させていただいて、いわゆる官民の金融機関にこの話をというので、金融庁等々中心になっていろいろやらせていただいて、三月の八日にも私の方から直接、金融庁に上がった、金融機関に劣後ローンについてのあれをさせていただいたところなんですが。
 今、日本政策金融公庫と、中小企業と、両方でやらせていただいております、商工中金と。これ併用が可能ですから、まずは。そういった意味では、融資限度額についても別枠となるという点も、ちょっとこれもこの間誰だかに説明したところだったんですけれども。そういった点もありますし、決定金額は七億円以下にとどまっているというのも事実ですけど、おおむね事業者のニーズで、今全体七億円を超えるというような話は全利用者のうちの二・一%ぐらいの比率になっていますが、今言われたのは、多分櫻井先生のところだと秋保温泉というでかい温泉がありますから、あそこのところはこういったところの対象になるということですよね。なかなか温泉旅館も大小がいろいろありますので、あそこだとそういったことになるだろうなと意味が分かりますので。
 今、いろいろなニーズに応えていかないかぬとは思っておりますけれども、資本性劣後ローンの活用というのは、資金繰りに支障が生ずるということが一番問題なので、そういったことないようにちょっと全力で取り組んでいきますけど、今のどの程度やるかという話は、上限額の話とかいろいろお話があっておりましたけれども、ちょっと検討させていただきます。

#22
○櫻井充君 済みません、ありがとうございました。
 時間が来たのでこれで終わりたいと思いますけれど、こういう制度について実は商工会議所の会頭も十分に知っていないと、地域回ったときに。それから、業界団体ごとに回ってみると、本当によく分かっていないと。例えば、タクシーとかトラックとかバスとかは国交省なので、結果的には国交省から言っていただかなきゃいけないんですけど、経産省の補助金について知らないと。もっと言うと、銀行が知らな過ぎです。ですから、銀行に対して是非指導を入れていただきたいんですけど、国の補助金など、今回の事業転換補助金とかそういうもので新しい事業をやるチャンスですよとか、そういうことをちゃんと周知徹底していただきたいと。税理士の先生方も知らない方もいらっしゃるので、これは財務省の僕は責任じゃないかと思いますけれど、そういうこともきちんとやっていただいた上で、経済活性化のために努めていただきたいと、そう思います。
 どうもありがとうございました。

#23
○藤末健三君 おはようございます。自民党・国民の声の藤末健三でございます。
 私は全国比例の参議院議員でございまして、笑顔あふれる社会をつくるということを目標に、私のモットーは現場を知り政策をつくるということで、現場を回らさせていただいております。私、コロナの前になりますけれど、全国の酒屋さん回らさせていただき、声をいただきました。今日は税の議論でございますので、この酒税に関する酒屋さんの話をさせていただきたいと思います。
 平成二十六年の第百八十六回の国会で、財政金融委員会におきまして、健全な飲酒環境の整備に関する請願が全会一致で採択されています。この請願におきましては、酒類の行き過ぎた価格競争の取締り、そして公益的法人である小売酒販組合への組合加入、そして三番目に酒類小売業免許の付与要件の強化という三項目を挙げております。
 このような三項目の請願を受けまして、財務省、国税庁はどのような取組を行っているかということを今日確認させていただきたいと思います。
 まず、一つ目にございます酒類の行き過ぎた価格競争の取締りという点でございますけれど、これは皆様御存じのように、清涼飲料水よりも安い酒類、完全にこれ私は市場価格としておかしいと思っています。このようなこともあり、未成年の飲酒、そしてアルコール依存症などのアルコール健康障害につながりかねないような不当廉売が行われており、まさしくこれは消費者にとっての利益に反するのではないかと考えております。
 特に、一般の酒屋さんで売られている価格よりも安い価格で、酒屋さんの仕入れ値よりも安い価格で売っているような量販店なども見受けられまして、この販売リベートを販売価格に転嫁することを抑えるべきではないかと思います。リベートを使って価格を安くし、そして一般的な酒屋さんよりも安く売っているところがあるという状況です。
 是非このようなものを取締りを強化すべきだと思いますが、その点について財務省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 また、この四月から消費税を含む総額表示となりますけれど、ある大きな衣料販売店などが値札の価格を、値札を変えない。どういうことかというと、消費税を引上げの分を引き上げないというようなことを宣言している店もあるわけでございますけれど、酒類においてはこのようなことが起きないように是非指導していただきたい、配慮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。国税庁と公取の御意見をお聞かせください。

#24
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 国税庁では、平成二十八年六月に公布されました酒税法等の一部改正法の規定に基づき、酒類の公正な取引に関する基準、これを定めてございます。ここでは、酒類を正当な理由なく継続して総販売原価、すなわち総コストを下回る価格で販売し、かつ、自己又は他の酒類業者の酒類事業に相当程度の影響を及ぼすおそれがある取引を行ってはならないとしてございます。
 今申し上げました総販売原価とは、仕入価格と販売管理費の合計をいいますが、仮に消費税相当分の値引きによって酒類の販売価格が総販売原価を下回る場合は、この要件に抵触するということになります。国税庁では、基準等の遵守状況を確認するため、取引状況等実態調査を実施し、基準等に則していない取引を行っている者に対して改善指導等を行っているところでございます。
 酒類の公正な取引環境の整備を確保するため、引き続き、ただいま申し上げました調査をしっかり実施し、必要な指導等を行っていくこと、それからまた、酒類の公正な取引に関する基準、これは、おおむね五年ごとに再検討を加え、必要があると認められるときは改正することとされておりますので、こうしたことに適切に対処していきたいと考えております。

#25
○政府参考人(小林渉君) お答えいたします。
 商品の安売りでございますけれども、事業者の効率性によって達成した低価格で商品を提供するのではなく、採算を度外視した低価格によって顧客を獲得することは、正常な競争手段とは言えず、これにより他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある不当廉売につきましては、独占禁止法において不公正な取引方法の一つとして禁止されております。
 公正取引委員会は、酒類小売業における不当廉売事案につきまして、違反があるのではないかとして公正取引委員会に寄せられた申告、この申告があった事案に対しては可能な限り迅速に処理するとともに、大規模な事業者による不当廉売事案、又は繰り返し行われているものにつきましては、周辺の販売事業者の事業活動への影響等について個別に調査を行い、問題の見られる事案については厳正に対処することとしておりまして、引き続き適切に対処してまいります。
 また、公正取引委員会は、平成二十九年六月に施行された改正酒類組合業法の財務大臣と公正取引委員会との間の相互報告制度の運用等を通じて国税庁と密接に連携してきておりまして、引き続き、国税庁との協力を深め、酒類の不当廉売に迅速かつ的確に対処していく所存でございます。

#26
○藤末健三君 国税庁と公正取引委員会のこの前向きな回答、本当に有り難いと思います。しかしながら、平成二十六年からその基準を作っていただき、その当該基準により酒類市場の過当競争は収束しているとは言い難い状況でございます。実際に、実態調査を実施していただいていますけれど、その調査の件数自体は令和一年度で百四十二件となっています。
 先ほどお話がありました、平成二十九年に全会一致でこの酒税法、酒類業組合法を改正させていただいています。それは何かと申しますと、やはり町、地域を支える酒屋さん、そしてアルコール依存症の問題などに対応する酒屋さん、そして飲酒運転などの問題に対応する酒屋さんをいかに守っていくか、頑張っていただくかということでございますので、その点につきましては、是非ともこの議員立法の趣旨を勘案していただき、基準等の強化、そして見直しを進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#27
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 取引状況等実態調査は、チラシ、広告などの情報から、基準等に則していない取引の可能性があると考えられる酒類業者の中から、市場に大きな影響を与えている取引を行っていると認められる酒類業者を選定することで、調査が効果的なものになるよう努めているところでございます。この基準につきましては、平成二十九年六月に施行し、現在四年目の運用を行っているところでございます。
 現在実施してございます取引状況等実態調査の結果なども踏まえ、見直すべき課題を抽出し、酒類の取引状況の実態に即した検討を進めてまいりたいと考えております。

#28
○藤末健三君 是非現場の声を聞いていただきたいと思います。私自身、やはりいろんな地方を回って酒屋さんを訪れ、そこでお声を聞いていると、やはり、自分たちはずっと長い間酒屋をやっていたけれど、近所のディスカウントショップが本当に不当なというか、もう自分たちの仕入れ値より安い値段で売っているとか、そういう声を聞いております。
 ですから、やはりアルコールの問題を管理するためにも、きちんとした資格を持った方々が安心してこの事業をできるような環境を整えていただきたいと思いますので、是非現場の声を聞いた検討をお願いしたいと思います。
 続きまして、請願の二つ目の項目であります、公益的法人であります小売酒販組合への、この組合への加入の問題について話をさせていただきたいと思います。
 この小売酒販組合は、二十歳未満の飲酒の防止、あと飲酒運転禁止の、撲滅全国統一キャンペーンなどを毎年開催していただくなど、地域社会を支える公益的な活動を行っていただいております。また、実際に酒屋さんが町内会をまとめたりしていただいているという状況です。
 しかしながら、現在、この酒類の販売店は全国に十七万店舗ほどございます。しかしながら、組合の加盟数は四万店を下るという状況にありまして、この組合の取組として、酒類小売業免許を付与する際の研修を実施するなど、国税庁との取組を連携してやっていただいているわけでございますけれど、是非とも、例えば税務署内においてそのような酒類小売業免許の研修などを実施するなど、行政と一体となった取組を行っていることが余り周知されていないと。このような周知をきちんとやっていただければ加入率が向上するんではないかと考えますけど、取組、いかがでしょうか。
 これ何かというと、組合に入っていないで、ある意味フリーライド的なことがあって、入らない方が得じゃないかみたいなことになっているわけですね。是非とも国として、この組合の活動が公益的なものとして活動していますので、いろいろな取組を促進する、この加入を促進するようなことを考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お願いします。

#29
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 国税庁といたしましてはこれまで、小売酒販組合が実施する二十歳未満飲酒防止・飲酒運転撲滅全国統一キャンペーン、これを後援いたしまして、できるだけ多くの事業者の協力、支援が得られるよう、小売酒販組合の活動を支援してきたところでございます。
 小売酒販組合への加入や活動への参加について、全ての酒類小売業者に参加を強制すべきものではございませんけれども、国税庁といたしましても、より多くの酒類小売業者が参加することが望ましいと考えてございます。
 なお、税務署で実施する説明会と併せて、税務署内で酒類販売管理研修を実施するなどの取組を行っておりまして、引き続き小売酒販組合と連携しながら適切に対応してまいりたいと思います。

#30
○藤末健三君 是非、小売酒販組合、そしてあとやっぱり現場の方々の声を政府の皆さんも聞いていただき、対応を検討していただきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
 そして、三つ目のこの請願の項目でございますが、酒類小売販売業の免許の付与の要件がありますけれど、この強化についてちょっと話をさせていただきたいと思います。
 日本は、国際的に見ましても酒類小売販売に関する免許の付与要件が低いという状況です。簡単に言うと、取得しやすいような状況になっております。これは平成七年の閣議決定によるものと承知しておりますけれど、過度な規制緩和は質の劣化を招くことは周知のことであると思います。私が実際に海外に行ったときも感じますのは、やはりこの酒類の販売の管理は、ヨーロッパは当然非常に厳しいですし、私の感覚的には、アメリカは州でやっていますけれど、アメリカよりも日本の方が緩くなっているんではないかと、緩和されているんではないかという感じはします。
 厚生労働省が委託調査したアルコール白書によりますと、我が国のアルコール関連の問題の社会的費用は、一九八七年、まあ二十年以上前のデータでございますが、一九八七年において六兆六千三百七十四億円にもなっていると、アルコールの社会的なマイナスが。これは、酒税の収入の約二兆円の三倍もの社会コストが掛かっているという試算もございます。
 ほかの高利益商品を販売するために、いわゆるおとり商品、広告などにお酒が安いですよといって店に来てもらうような、おとり商品としてそこの酒類が不当に安い価格で販売されることは国家財政の面から見ても適切ではないと考えますけれど、価格に併せて、酒類小売販売免許の在り方についてどう考えているか、国税庁、教えていただきたいと思います。

#31
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたが、酒類の公正な取引に関する基準におきましては、酒類の総販売原価の計算に当たり、取引ごとに総販売原価の額を算定することとし、これを下回る価格での販売等については禁止しているところでございます。
 酒類は、国の財政上重要な物品であること、また致酔性、習慣性を有する社会的配慮を要する財であること、そういった特殊性に鑑みれば、顧客誘引のためのおとり商品として使用されることは不適正な取引慣行であり、改善していくべきものであると考えておりまして、酒類に関する公正な取引のための指針についてはその旨も定めているところでございます。
 また、酒類小売業免許に係る規制の緩和により、様々な事業者の方々が酒類小売業に新たに参入している状況も踏まえ、平成二十八年六月に公布された酒税法等の一部改正法においては、酒類販売管理研修の定期講習、これ三年ごとでございますが、これの義務付け、義務化も盛り込まれたところでございます。
 国税庁といたしましては、公正な取引に関する基準の運用、それから義務化された酒類販売管理研修の受講勧奨などについて引き続き適切に取り組んでまいりたいと考えております。

#32
○藤末健三君 是非、国税庁におかれましては、地元のその組合や実際の酒屋の方々の声を聞いていただき、対応していただければと思います。
 やはり、冒頭でも申し上げましたけれど、酒屋さんが仕入れている価格よりも安い価格で量販店とかでお酒が売られている状況は私はやっぱり異常だと思います、実際にそれが行われていることが。それをきちんと、やはり国税庁であり公正取引委員会がきちんと監視しているんだということがやはり酒屋さんの皆様の安心につながると思いますので、是非、より強力な体制をつくっていただきたいと思います。
 また、質問させていただきませんけれど、お酒の自動販売機、これもやはりある程度野放しになっているところがあると思います。年齢を確認せずに自動販売機でお酒が買えるような状況もありますので、それもまた同時に議論をしていただきたいとお願いさせていただきます。
 続きまして、オンラインの酒類業組合の会合の促進もちょっとお話しさせていただきたいと思っていまして、私は実はコロナの前にいろいろ地方の酒屋さん回らせていただいたんですが、そのときに組合なんかに寄りますと、やっぱりみんなでもう集まるのが大変だということをされていました。コロナの前です、これは。今、コロナになりまして、対応としまして、いろいろ国税庁の方でも緩和というか、いろいろ動きが、していただいていることは存じ上げておりますけれど、是非とも、平時においても、コロナが終わった後でもオンライン会議などで組合の会議がやれるように配慮をいただきたいと思うんですが、その点お答えいただきたいと思います。

#33
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 令和三年度税制改正の大綱におきまして、酒類業組合等における理事会について、書面又は電磁的方法により議決権を行使すること及び理事全員の同意等を要件として理事の提案を可決する旨の決議があったものとみなすことを可能とする、これが盛り込まれているところでございます。これを受けまして、国税庁では、法令解釈通達を改正して対応するよう検討を進めているところでございます。
 引き続き、小売酒販組合などの酒類業組合も含めまして、酒類業界の税制に関する改正要望につきましては、必要性などを訴えるなど、適切に対応してまいりたいと考えます。

#34
○藤末健三君 是非とも、コロナの後においても、この理事会が書面又は電磁的方法で開催できますよというふうにしていただいているわけですけれど、是非オンラインでできますよということを明確に示していただくことをここでお願いさせていただきたいと思います。
 やはり、電磁的って何ぞやという話をやっぱりおっしゃる方がおられますので、明確にやはりオンラインでもできますということを明示していただければと思います。株主総会もオンラインでできるようになっていますので、既に、是非お願いしたいと思います。
 続きまして、アルコール依存症対策基本計画に関してお話をさせていただきたいと思います。
 これ厚生労働省にお聞きしたいんですけれど、アルコール依存症の対策を鋭意行っていただいているわけでございますが、最近はやっていますアルコールの含有量が多いストロング系の酒類への対応をどう考えているか、教えていただきたいと思います。
 一九八七年のデータがございますけれども、二十年以上前のデータでございまして、そのときで社会的なマイナスコストは幾らかということで、六兆円を超えているというデータを出していただいたわけでございますけれど、是非ともこのアルコール関連の問題の社会的費用の調査を行っていただきたいと思います。新しいデータが欲しい。
 それによりまして、やはりアルコールの、酒類の例えばその販売の管理がどうあるべきか、社会的コストはどうあるかということをやはり国民の皆様と一緒に共有し、議論を深めることが必要だと考えますが、厚生労働省のお考えをお聞かせください。

#35
○政府参考人(堀内斉君) お答えいたします。
 アルコール健康障害対策推進基本計画につきましては、現在、関係省庁と連携し、来年度からの第二期基本計画の策定を進めているところでございます。その中で、いわゆるストロング系アルコール飲料の普及など近年の酒類の消費動向などを踏まえまして、アルコール健康障害の発生予防の観点から、適切な飲酒量の判断に資するように、年齢、性別、体質等に応じた飲酒リスクに関するガイドラインの作成、普及といった取組、また、酒類の容器にアルコール量を表示することについて検討を行うこと、こうした取組を盛り込んでいるところでございます。
 また、計画案では、アルコール健康障害は本人の健康のみならず、飲酒運転、暴力、虐待、自殺等の問題と密接に関連するとの認識に基づきまして、地域の関係機関の連携により、アルコール健康障害の早期発見、治療、回復支援を進め、こうしたアルコール関連問題の発生防止を図ることとしております。
 御指摘いただきましたアルコール関連問題の社会的費用の調査は、アルコール健康障害対策を推進していく上でも重要と考えておりますので、今後実施を検討してまいりたいと考えております。

#36
○藤末健三君 是非、厚生労働省におかれましては、このアルコールの健康障害の問題、非常に大きな問題だと思います。御存じのとおり、このコロナの中において、家でお酒を飲まれる飲酒率が非常に増えているという状況もありますので、是非調査を前向きに進めていただきたいと思います。
 次にございますのは、私自身、酒屋さんと言いますけど、酒屋さんがやはり地域に大きく貢献をしているということを現場で見てまいりました。当然、その町内会の会長さんとかなされたりはあるわけですけれど、町の、地域の活動に参加していただくこともありますが、それと同時に、例えば冒頭で申し上げましたように、二十歳未満の飲酒防止を進めたり、また飲酒運転撲滅のその全国統一キャンペーンをなされたりという形で、地域社会の公益的な活動を支える重要な存在であると私は認識しております。
 このような地域の酒屋さんの位置付けについて麻生財務大臣はどのようにお考えか、教えていただきたいと思います。お願いいたします。

#37
○国務大臣(麻生太郎君) 都会はよく知りませんけど、まあ私が住んでいる人口十万とかそういったところ以下等々の小さな市、町において、米屋とか酒屋というのは大体昔からおられる方が多くて、そういった方々が町内会とか自治会とかそういったものの主役をしておられるように見受けますね。
 それから、親の代からそういった職業を営んでいる方も多い。結果として信頼が厚い。加えて、やっておられること、もう今、藤末先生言われたようなことをきちんと対応しておられる方も多いと思いますので、何でしょうね、地域社会というものを支える意味では重要な役割を担っておられるんだと思いますので、今言われた十八歳未満の話にしても、日本の場合はかなりきちんとそういったようなことが行われて、やっぱりなかなか昔みたいに子供が酒屋に親の酒買いに行くなんてことはできなくなりましたしね、そういった意味では随分と変わってきているんだと思いますし、平成二十八年でしたかね、法律ができたのは、あれ。
 引き続き、そういったようなことに関しましても、調査ですかね、そういったものをやっていくというのはこれ極めて大事なことだと思っておりますので、私どもとしてはこれを応援していくという立場にあると考えております。

#38
○藤末健三君 是非、麻生大臣、お願いします。
 国税庁、そして厚生労働省、そしてまた公正取引委員会と、幾つかの省庁、力を合わせていただいてこの酒屋さんの問題、対応いただくことになりますので、本当に政治の場から本当に麻生大臣のように力をお持ちの方がまとめていただけることをお願いしたいと思います。
 是非、皆様本当にこの国会で議論した内容を必ず実行していただくことをお願いしまして、私の質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。

#39
○牧山ひろえ君 立憲民主・社民の牧山ひろえです。
 本日の議題であります所得税法等の改正に関連し、税制に関する政策課題を幅広く取り上げさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 さて、税は国民の負担をお願いするものですから、正確にかつ公平に徴収させていただく必要が当然ながらございます。その観点からの質問なんですが、法人実調率、すなわち法人数に対する税務調査件数の割合のことですが、近時の動向をお示しいただきたいと思います。

#40
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 委員御指摘の法人実調率でございますが、この数年三%台前半で推移してきてございましたけれども、直近の令和元年事務年度、すなわち令和元年七月から令和二年六月まででございますけれども、これの実地調査割合につきましては、コロナ感染症の影響もございまして、二・四%となってございます。

#41
○牧山ひろえ君 かなり低い印象ですけれども、そういう水準となっている原因を教えていただければと思います。

#42
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 三十年ほど前、これ、平成元年には実調率八・五%でございましたけれども、その後、税務行政を取り巻く環境を見ますと、経済活動の国際化、ICT化等に伴う調査事務の複雑化や、平成二十五年一月の改正国税通則法施行に伴う税務調査手続の法定化などによりまして、実地調査一件当たりの日数が増加しているといった事情がございます。それからまた、法人数は年々増加傾向にございまして、法人に対する実地調査の割合を押し下げる一因となっているというふうに考えております。
 特に令和元事務年度におきましては、先ほど申し上げたとおりでございますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う職員の出勤抑制により調査事務量が減少したこと、それから、実地調査を行う際には新型コロナウイルス感染症の影響等を踏まえて納税者等の状況に即した対応を行ってきたことなどによりまして、調査件数が更に減少したものと考えてございます。

#43
○牧山ひろえ君 実調率がそういうレベルですと、単純計算ですと、四十年に一度しか調査が入らないということを意味するんですね。所得税の実調率となると一%程度にすぎないとお伺いしています。納税は誰にとっても負担でありますし、それを納得に導くのは適正、公平な課税と徴収であることが必要条件になると思います。加えまして、税のコンプライアンス確保のためにも適切な調査が必要だと思います。ある程度の実調率を維持できるだけのやはりヒューマンリソースの確保も含めて取組を要望したいと思います。
 税の徴収実務に関して申し上げますと、適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度の導入についても消費税に関連する徴税事務の増加が見込まれます。このインボイス導入に伴い、税務当局としてどのような業務が新たに見込まれる予定でございますか。

#44
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 インボイス制度は令和五年十月より導入され、令和三年十月には適格請求書発行事業者の登録申請の受付が開始されます。これに伴いまして、例えば多くの事業者の方々からの登録申請書の提出や相談等が想定され、これらに対応するための事務の増加が見込まれます。
 このため、各国税局にセンターを設置して登録申請を集中的に処理するとともに、インボイス制度に関する一般的な問合せに対応するための専用窓口として電話相談センターを設ける、また、個別相談に対応するため、各税務署に改正消費税相談コーナーを設ける、こうしたことで効果的に丁寧な対応を行うことができるよう体制を構築しているところでございます。
 いずれにいたしましても、滞りなく、かつ丁寧な対応を行うよう、しっかりと取り組んでまいります。

#45
○牧山ひろえ君 そのような新しい業務や先ほどの実調率の向上に対応するための人員体制についての現状はどのようになっていますでしょうか。

#46
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 先ほど申しました実調率の低下も示していますように、経済活動の国際化、ICT化に伴う調査、徴収事務の複雑化などにより、税務行政を取り巻く環境は厳しさを増してございます。また、インボイス制度の円滑な導入に向けて、制度の周知、広報、相談、指導など、事業者の方の実情に応じたきめ細かい対応を行っていく必要もございます。
 こうした中で、国税庁の定員でございますが、平成二十四年度から二十八年度にかけて五百九十七名減少いたしましたが、二十九年度以降は増加に転じているところでございまして、令和三年度予算案におきましては四十四名の純増を計上しているところでございます。
 今後とも、適正、公平な課税徴収を実現すべく、必要な機構、定員を確保し、税務執行体制の強化を図ってまいりたいと思います。

#47
○牧山ひろえ君 公務に関しては、その重要性や状況に応じて必要な人員数を機動的に配置すること、これが重要だと考えております。
 このインボイス制度につきましては、過重な事務負担を事業者に強いることになるばかりか、免税事業者が取引過程から排除されるリスクがあることから、現行方式の当面維持も含めて、制度の見直し、そして柔軟運用を図るべきだと先般の本会議で菅総理に私は訴えました。それに対する総理の答弁は、軽減税率の実施から十年間の十分な経過措置を設けたといった内容でした。経過期間の設定には激変緩和の効果はあっても、この二点の懸念の本質的な解決にはなっていないと思うんですね。
 そもそも当局は、インボイス導入による事業者の事務負担の増大の程度はどの程度あり、そして免税事業者の取引排除はどの程度生じると想定されているのでしょうか。

#48
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 インボイス制度につきましては、事務負担の問題と免税事業者の取引排除の点について御指摘をいただきました。
 まず事務負担の点について、インボイスを発行する事業者の側について申しますと、既存のこの請求書ですとか領収書のフォーマットに一定の記載事項を追加するということでございますので、会計ソフトの面での対応でありますとか、あるいは市販の請求書の様式の対応でありますとか、こういったものが進みつつあるものというふうに聞いております。
 一方で、インボイスを受領して仕入れ税額控除を行う事業者の側の対応でございますが、そもそも簡易課税制度というものがございまして、売上げが五千万円以下の小規模な事業者の方ですと、インボイスがなくても仕入れ税額控除をしていただくことが可能でございますから、この面での影響は簡易課税制度を適用されている方についてはないということでございます。
 また、課税事業者の場合であっても、制度の導入に当たりまして、税額計算の方式として、この消費税額を積み上げてインボイスから計算するという方式だけでなくて、従来どおり帳簿に基づいて税込み価格を税率で割り戻して計算するという現行の方式も選択可能とするなど、現行制度との接続に配慮した一定程度の配慮が行われているところでございます。
 加えまして、このインボイスが導入されますと請求書の上に税率と税額が明記されることになりますので、これまで今の請求書等保存方式の下では必要であった課税の仕入れと不課税とか非課税の仕入れを一々判別するという面での事務負担、これはなくなるということになります。
 こういった様々な要素もございますので、事業者の事務負担の増加について定量的な見積りということは行っておりませんが、引き続き周知に努めていきたいということでございます。
 また、免税事業者への影響につきましては、取引からの排除の懸念ということで御指摘をいただきましたが、顧客がその消費者であるようなBツーCの取引を行われる事業者さんにとってはこの面での影響はございません。また、BツーBであっても、取引先が先ほど申し上げたような小規模な事業者さんで簡易課税制度の適用を受けている場合にはインボイスは関係がないということになります。
 また、個々の事業者がどういった取引先を選ぶかということは、そのインボイスの交付を受けられるかどうかということだけではなくて、価格でありますとか取引内容などの様々な条件に左右されるということと、先ほどおっしゃられた十年間にわたる長い経過措置を設けることによって激変緩和を講じているということでございますので、今後とも、この制度の円滑な導入に向けて、周知広報を始めとして必要な取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

#49
○牧山ひろえ君 事務負担に関しましては、インボイスの導入によって徴税側の負担が増大することは先ほどの国税庁の答弁のとおりです。納税側についても、簡易課税の適用が全面的に行われるわけではないので、業務の複雑化に伴って事業量が増加することは避けられないことは間違いないと思うんですね。免税業者の取引排除が、程度の差はあれ、中小零細企業の経営にダメージを与えることは明確だと思うんです。
 この二つのマイナスにつき、財務大臣はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。これだけ反対の声が多い中でのインボイスの導入を強行されるのは、これらの問題をやむを得ないものと割り切るしかないと思っていらっしゃるんじゃないかなと推測するんですが、いかがでしょうか。
 通告しておりませんが、関連ですので、御答弁をお願いしたいと思います。

#50
○国務大臣(麻生太郎君) これは、インボイス導入という話ですけれども、これはインボイスを発行する業者につきましては、これは既に、販売とか使用されている請求書とか領収書というものに対して一定の記載事項を追加するだけの対応で済みます納税者とか、また、何でしょうね、事務負担等々についていろいろ言われますけれども、インボイスを受領する事業者につきましては、これは制度利用の影響がないような簡易納税制度ですかね、そういったものを適用しているものも数多く存在するのは事実です。
 しかし、さらに、例えば、制度導入に当たって、この税額の計算とか、これは諸外国で全て、まあヨーロッパですけれども、一般的な消費税額を積み上げて計算する方式だけではなくて、税込み価格を税率で割り戻して計算する現行方式も選択することが可能になっていたりしますので、現行制度との接続というものにつきましては一定程度の配慮が行われているんだと思っております。
 加えて、この制度導入によって、税率と税額がいわゆる請求書等に明記されることによって、これまで買手が行っていた課税仕入れに該当するかどうかを判定する事務についてはこれは軽減されるということになれるといったことも考えられると思っておりますので、したがって、様々な要素がありますので、事業者の事務負担の増加について何らか定量的な見積りをお示しするということはこれは困難だと思っておりますが。
 インボイス制度を導入すれば免税事業者が取引から外される、排除されるのではないかという話をよくされることも伺っていますけれども、その点については、これは顧客が消費者でありますいわゆる小売やサービス業の、いわゆる何ですかね、よく言うBツーCですかね、そういったものの事業者とか得意先の事業者が簡易納税制度の適用を受けている事業者というものになりますが、インボイスは交付を求められることがなく、いわゆる取引排除が生じるということはちょっとこれは考えづらいんだと思っております。
 また、個々の事業者がどの取引先と取引を行うかの判断につきましては、これはインボイスの交付を受けられるかのみならず、売手となる事業者がどのような状況で幾らでどういったものをサービスするかというようなもの、様々な条件に左右されるものと考えますので、それだけで決まるわけではないと。既に、制度の円滑な導入を図る観点から、導入まで四年間ですかね、準備期間を設けるということにいたしておりますし、それから、更に六年間は免税事業者からの仕入れについては一定のいわゆる仕入れ税額控除を認めるといったことなど事業者の準備のために六年、足して十年になりますから、これかなり十分な準備期間を設けているところでもあります。
 いろいろこういったことを考えますと、インボイス制度によってどの程度免税事業者の取引排除といったことが起こるかということをお示しすることはちょっと困難なんですが、いずれにしましても、こういったような計算が煩雑と、これもうこういう制度、仕入れというのを軽減税率等々入れている国でこれやっていないところはありませんから、世界中でこれを行っておりますので、事業者に与える影響等々はある程度あるんだとは思いますけれども、この制度の円滑な導入に向けて、更に広報とか更に周知させるとかいろんなことを、必要な取組は進めてまいろうとは思っておりますけれども、こういったようなことによって免税業者が排除されるというようなことはなかなか考えにくいのではないかと思っております。

#51
○牧山ひろえ君 制度的にやっぱり排除される企業は物すごく多いと思いますよ。小さい企業、たくさんありますからね。例えば、取引排除を免れようとすれば、課税業者に転換するほか私は理論的にはないと思います。ですが、それではせっかくの小規模事業者への事務負担軽減を目的とした免税点制度のメリットはなくなってしまうことになると思うんです。
 インボイス制度については、ここで一旦立ち止まり、やはり再考すべきだと思います。
 さて、租税特別措置とは、租税法学上、専ら産業経済政策的観点から、税の負担公平原則を犠牲にして、特定の納税者の税負担を傾斜的に軽減する措置をいうとされています。別の言い方をしますと、租税特別措置は、経済政策、社会政策、そのほかの政策的理由に基づき、税負担の公平という税制の基本的理念の例外措置として設けられているものだと思うんです。
 したがいまして、租税特別措置は、担税力のある者から徴収すべき租税を徴収しないというもので、隠れた補助金あるいは隠れた歳出の性格を持つものであると言われてきました。この租税特別措置が公平、中立、簡素という税の三原則の例外である以上、本来であればその創設は抑制的であるべきだと思います。
 しかし、第二次安倍政権発足以降、租税特別措置の数は増えております。平成二十四年度改正後の租税特別措置法の規定による特例の項目数は三百十一項目でしたが、令和二年度改正後は何と三百六十四項目に増えているんですね。そのうち法人税関係のものは八十四件から九十七件に増加しています。
 当面はコロナ禍による経済の長期低迷を防ぐために企業の投資促進等が重要であることは、それは理解しているんですが、基本的なスタンスとして、公平、中立、簡素な税制を実現するため、租税特別措置法については、常にその政策効果を検証して、特定の産業や特定の企業を優遇していないかなどの観点から廃止を含めた検討を行う必要があると考えますが、麻生財務大臣の所見をお願いしたいと思います。

#52
○国務大臣(麻生太郎君) 租税特別措置につきましては、これは特定の産業や特定の企業というものに対していわゆる優遇しているかという点、これは重要な観点の一つです。これは当然だと思いますが、一方で、この特定産業の適用が多い租特というものは、そもそも特定の産業というものを想定して講じられている措置であるということはまず最初に申し上げておかにゃならぬところだと思いますが。
 特定の企業の適用が多いということは、いわゆるその企業、特定の企業の関連支出とか、また法人税額が多額であるということ、そういう事情があるといったことを含めまして、適用実態調査報告書というのがあるんですが、これに示されている数字だけではなくて、元々この制度の趣旨は何だったのかという点、その背景にあります経済とか社会とか地域とか、そういった現状とか今後の見通し等々、様々な要素というものを総合的に勘案しながら対策、対応をしていかなきゃならぬところで、適宜見直すという、そういうのは大変肝腎なところだと、私どももそう思います。

#53
○牧山ひろえ君 平成二十八年度税制改正大綱では、租税特別措置法について次のように述べていました。
 租税特別措置につきましては、特定の政策項目を実現するために有効な政策手法となり得る一方で、税負担のゆがみを生じさせる面があることから、真に必要なものに限定していくことが重要である。このため、毎年度、期限が到来するものを中心に、各措置の利用状況等を踏まえつつ、必要性や政策効果をよく見極めた上で、廃止を含めてゼロベースで見直しを行う。
 この方針が実効性ある形で遂行されているか、それが問題だと思うんです。
 平成二十二年三月に成立しました租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律、いわゆる租特透明化法は、租税特別措置について、その適用状況を透明化するとともに、適切な見直しを推進し、国民が納得できる公平で透明な税制の確立に寄与する、このことを目的に作られた法律であり、民主党政権時代の大きな成果であると考えています。
 この租特透明化法に基づき、租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書、これが平成二十五年以降、毎年国会に提出されています。参議院財務金融委員会では、毎年の税制改正法案の附帯決議において、税制の公平性等を確保するため、租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書を踏まえ、適用実績の把握と効果の検証を十分に行うとともに、効果が不明確なもの等は縮減・廃止するなど、租税特別措置の徹底した見直しを推進すること、こういったことを求めてきたわけです。この適用実態調査報告書が単に個別措置の適用件数などの数字を報告するだけのものにとどまっているのではないかなと思う。
 今年度の改正に向けた議論におきまして、適用実態の調査結果がどのように活用されてきたのか、御説明願いたいと思います。

#54
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 御指摘の租特透明化法に基づく適用実態調査は、平成二十三年度から調査を実施しており、その結果を取りまとめた報告書を毎年度国会に提出いたしております。
 この適用実態調査によりまして、これまでは関係省庁において業界にヒアリングする、あるいはアンケート調査をする等によって把握していたような実態が、この調査によって統一的、悉皆的に調査できるようになり、各制度の適用件数、適用金額、適用状況の偏りといった実態がより高い精度で把握できるようになったものと考えております。
 各省庁においても、この租特の創設や延長、拡充を要望する際には、しっかりとその効果等について説明責任を果たしていただく必要があると考えており、この適用実態調査も含めまして、また各府省が行うこの政策効果についての政策評価、総務省の点検、こういったものも活用して税制改正作業を行っているところでございます。
 今回の令和三年度改正におきましては、この適用実態調査の結果も含めまして、制度趣旨、その背景にある経済社会、地域等の状況や今後の見通しなど、様々な要素を総合的に勘案して議論が行われた結果、今回見直しの対象となりました三十六措置のうち、四項目が廃止、二十八項目については縮減を伴うような見直しということで改正を行わせていただいたところでございます。
 今後とも、各措置の必要性や政策効果をよく見極めながら、この適用実態調査も活用して不断の見直しを行ってまいりたいというふうに考えております。

#55
○牧山ひろえ君 とはいっても、現状では適用件数、適用額が僅少であるにもかかわらず廃止や見直しが行われない措置や、創設から数十年が経過しているにもかかわらず特別措置として残置されているものが少なからずあり、適用実態調査報告書が効果の検証等に適切に活用されているのかどうか疑問を覚えます。この報告書には、適用実態を正確に把握する上で不十分な点もあると考えています。
 例えば、各措置について、上位十法人の適用額が法人名ではなく、法人コードによって掲載されています。この法人コードは報告書ごとに変わるため、例えばある措置について適用額が第一位となっている法人が前年の報告書において第一位となっている企業と同一であるのか、そうではないのかが確認できないようになっているんですね。これでは、ある措置が複数年にわたって特定の企業に恩恵を与えている実態があったとしても、それを確認することができないというシステムになっているわけです。やはり、傾向と特徴を分析できるよう工夫すべきではないかなと思います。
 適用実態調査報告書の開示内容につきましては、このほかにも予算案における減収見込額と実績を一覧で比較できないことや、項目数について時系列で比較可能なデータが公表されていないことなどの課題も指摘されています。
 租特透明化法の成立から十年以上が経過しました。各措置の適用実態をより正確に把握し、そして分析し、適切な見直しにつなげていくために、報告書における開示内容を見直すべきではないかと思いますが、財務省の見解を伺いたいと思います。

#56
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 一部の有識者の方の論文といいますか、新聞に載りました論文におきましてそういった御指摘がなされているということもお伺いいたしております。
 その中で、法人コードを継続して時系列で付番して把握できるようにすべきというところでございますが、こういった法人コードは、ある法人が同じ年において複数の租特の適用を受けている場合にそれが分かるようにということで、現在の適用実態調査においては個別企業名に代えましてこのコード番号を無作為に付番をしているというものでございまして、上位十社のリストにおいて掲載をしているものでございます。
 これを、同じ企業に毎年同じ番号を付番して開示をするということになりますと、そういった企業の行動でありますとか、そのときの業況等をトレースしていくことで個別企業名が類推することが可能になるということで、取引先等との関係で経営環境に影響を及ぼすおそれがあるといったようなことから、この租特に関する統計的な情報を得るためのこの制度の目的からすると、やや行き過ぎている面があるのではないかということで、今のような扱いをしているわけでございます。
 また、租特の項目数について時系列で比較するようにできるようにすべきということでございますが、これにつきましては、適用実態調査報告書の一ページ目に全体の項目数を毎年掲載してございますので、これを見ることによって知ることが可能なようになってございます。
 それから、減収を、当初この制度改正をした時点で見込んだものと、結果の減収額の比較が可能になるようにということでございますが、法人税関係の租特については、この適用実態調査の結果に基づいて各租特の減収額の試算を例年二月に国会に提出させていただいておりますが、これと各省庁が要望時点で提出した要望書における減収額でありますとか、改正が行われた、あるいはその措置が創設されたときの税制改正の要綱における減収額を比較することによって、御指摘のような比較が可能になっているものでございます。

#57
○牧山ひろえ君 透明性の高い税制の確立に寄与することを目的として定めていますので、この法律をもっと活用すべきだと思います。
 終わります。

#58
○古賀之士君 古賀之士でございます。
 昨日に引き続きまして、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、五年ごとに延長されている特例公債法についてお尋ねをいたします。
 資料の一、御覧ください。これは、平成二十八年三月三十一日、財政金融委員会の議事録でございます。
 この審議の中において、四角で囲んである部分ですが、プライマリーバランス目標実現に向けて万全を尽くすため、財政健全化の道筋を付けて、法制化を含め検討することという附帯決議が付されております。これに対して、麻生財務大臣も、これに関して、ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえ配慮してまいりますと答弁されています。
 麻生大臣に伺います。この附帯決議が、これまでどのような検討を行ってこられたのでしょうか。

#59
○国務大臣(麻生太郎君) この財政健全化に対しますいわゆる工程というか道筋につきましては、これは、例えば法制化とか、選択肢の一つとなるとは思いますが、歳出歳入両面において具体的な方策を盛り込んだいわゆる計画というものを策定して、政府として責任を持ってその計画を実行していくということが、これは最も肝腎なところなんだと思っております。私どもは、そうした考え方の下で、いわゆる骨太方針等々におきましても、政府における検討の結果を取りまとめて、財政健全化目標とか、実現方策等々をこれまでも明らかにして取り組んできております。
 具体的には、五年前の特例公債法の成立以降も、骨太方針二〇一八におきまして新経済・財政再生計画を策定して、中長期の財政健全化への道筋として二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化といった当面の具体的な目標を定めた上で、その目標と毎年度の予算編成を結び付けるべく、いわゆる歳出の目安というのを設けさせていただいて、財政規律に配慮した財政運営を行ってきていると思っております。
 いずれにしても、財政の持続可能性の確保というのは極めてこれ重要な課題でありまして、二〇二五年度のプライマリーバランスの目標達成というものに向けて、我々としてはまずはここが第一歩で、財政収支も何も、プライマリーバランスがバランスしていない限りはその次の話ですから、その手前の段階で、私どもとしてはこの黒字化目標の達成に向けて歳入歳出両面の改革を引き続ききちんと続けてまいらねばならぬところだと思っております。

#60
○古賀之士君 お尋ねしたいのは、骨太の方針はもちろん含まれるとは思いますけれども、この附帯決議に付されているこの法制化を含め検討することということで、具体的に、立法府の要請を受けて、この十年近くたっているこの時間の中で具体的に何かその法制化に向けて検討されたことがあれば是非教えていただきたいんですが、その辺につきましては、麻生大臣、いかがでしょうか。

#61
○国務大臣(麻生太郎君) これ、特例公債において、平成二十三年、いや、二十四年か、二十四年において、予算の成立後もその裏付けとなる特例公債法というのは成立をしなかったということで、たしかあれ十一月まで成立しなかったんだと記憶しますけれども、予算がですよ、予算が成立しなかった、裏付けがないものですから。地方行政を含めて国民生活にえらい影響が及ぼしかねぬと、地方税はえらいことになりますので、そういったようなことが起きましたので、当時の民主党、自民党、公明党、三党合意で確認書を作らせていただいて、議員修正によりまして複数年度にわたる特例公債の発行根拠を設けられたんですが、その期限が切れて、済みません、今法制化を否定するというような話になっているという話ですか、ごめんなさい、ちょっともう一回言ってくれる。

#62
○古賀之士君 更問いという形になるんですが、いわゆるこの附帯決議が立法府としての要請を受けた形で出されて、そしてなおかつ、議事録にも大臣の御答弁で配慮するという答弁がございます。それからもう十年近くたっておりますが、骨太の方針のお話等もありましたけれども、この法制化に向けてそれを加えて検討していくということも附帯決議の中に盛り込んでありますので、それに向けて何か具体的にこれまで検討されたこと、あるいは法制化に向けての具体的な内容、公表できる範囲を是非お願いいたします。

#63
○国務大臣(麻生太郎君) ごめんなさい。ちょっと質問、最初聞き違えまして、済みません。
 いわゆる私の答弁含めまして、当時自民党は昔、野党のときだったので予算編成が、まあ編成を行うことはできなかったので、法案という形で自民党として財政健全化に関する考え方を示した、これは最初の話だと思うんですが。政権交代以降、経済・財政再生計画とか新経済・財政再生計画等々策定させていただいて、予算編成を通じて財政規律に配慮した財政運営を行っておりまして、そういった意味では、法制化という手段というものを取ってはおりませんということは確かであります。
 いずれにしても、歳出歳入におけます具体的な方策というものを取り込んだいわゆる計画を策定して、着実に財政健全化に取り組むということが重要だと考えております。

#64
○古賀之士君 今、二十八年の資料一のその議事録で、委員長も御党から出ています。そして、もう当時の政権は既に交代をした後でございますので、引き続き、この立法府の要請、これをもちろん委員会で必要があれば公表する、あるいは、十年近くこの中での経緯を是非公表していただいて、それをまた、法制化を含め検討していく必要があるのかないのか、こういったものも立法府の要請に応えていただきますよう、お願いをいたします。
 以上でこの点に関しての質問を終わらせていただいて、次に移らせていただきます。
 その特例公債法の五年延長につきましてですが、なかなか良い答えといいますか、何で五年なのかなというのが、言ってみれば恒例化しております。いっそのこと、この、よく話題になります、昨日も、財政法の第四条、この財政法の第四条そのものを改正していくという思い切った方法もあるのではないかと。そうすれば、逆に、様々な政治の道具として使われることもありませんし、また、公債法の特例のこの審議の時間を、例えば、より現実感のある問題や優先すべき課題をこの財政金融委員会でも審議できると思いますが、麻生財務大臣の御所見を伺います。

#65
○国務大臣(麻生太郎君) これは、古賀先生御指摘のように、財政法の第四条におきましては、国の歳出は租税等をもって賄うという原則を述べた上で、このただし書におきまして、公共事業費等の財源に限って公債、いわゆる建設公債ですけれども、の発行を認めるということにしておるんですが、これはもう御存じのように、公共事業については、その支出されたことによって道路とか建物とかダムとかいろんな形でのいわゆる資産というもの、固定資産とか資産が残されますんで、その資産からの受益をするのは何もその世代だけではなくて、後の世代にも及ぶことを踏まえて、将来世代にも負担を求めることが許容される、認められるんだというような趣旨でこれは理解されているんですが、一方、そうした資産性がないとか、それが認められないとかいう支出の財源につきましては、これは公債を発行する場合には、財政法第四条の特例として別途の立法措置を行っている、もうこれは御存じのとおりです。
 こうした基本的な考え方というのは、財政運営の健全性というものを確保する上で意味があるものであって、今のところ、財政法第四条を改正させればというのは、それは別に、するということを考えてはおりません。

#66
○古賀之士君 いわゆる建設国債が誕生したそのときの経緯を踏まえれば、それの特例という形で生まれたこの第四条ですので、その趣旨をしっかりと踏まえた国債の発行の仕方であれば問題はないと思うんですが、最近、その辺の趣旨を理解されることなく、あるいはもう当たり前、常態化した形でやっていくというんであれば、この財政法の第四条も、改正する必要はないにしろ、やはりもう一度見直していく、しっかりとその特例公債法の意味、意義というものをしっかりとこの財政金融委員会でも審議していく必要があるのではないかと思いますし、またその点についても御提案を今後させていただくということで御理解ください。
 それでは、続きましては短期国債のことについて参ります。
 資料の二、カレンダーベース市中発行額の推移です。こちらを資料として出させていただいております。
 この中の何を注目していただきたいかというと、一番下の段にある年度の部分で、令和元と書いてある部分のすぐ上の数字です。これが短期国債なんですが、このときの、令和元という、右下のところにあります二十一・六兆円、この二十一・六兆円だったのが、三次補正後、一気に八十二・五兆円、そして、当初、三と書いてある部分ですが、そこが八十三・二兆円と、言ってみれば一気に大幅に増えていると。これはリーマン・ショックや東日本大震災への対応でも見られないほどの大きな変化なんですが、なぜこれほど巨額になったのでしょうか、財務省の参考人にお尋ねいたします。

#67
○政府参考人(大鹿行宏君) お答えいたします。
 令和二年度につきましては、御案内のとおり、三回の補正予算が編成されまして、その大半を国債発行で賄いましたために、国債発行総額は当初予算に比べて百九・六兆円の増加ということになりまして、過去に類を見ない増発の規模となったわけでございます。
 このため、年度途中で国債発行計画の大幅な見直しをすることになりましたが、その際、確実かつ安定的な発行、消化を行うために、市場参加者と丁寧な対話を行って、市場のニーズ、あるいは消化余力といったものを踏まえて、先ほど委員おっしゃられました、この定期的な入札による発行額、カレンダーベース市中発行額ですが、この増発分のうち約七割に当たる部分を短期国債、一年以下の短期国債での増発というふうにしたところです。
 また、令和三年度につきましては、この令和二年度における補正予算で大幅に増発した短期国債、これが一年以下のものですので、これが償還を迎えるために、借換債の所要額が大きく増加することから、国債発行総額は令和二年度の補正後の規模と比べて、ほぼそれに匹敵するような規模となっております。
 こうした中で、令和二年度と同様の観点から検討を行いましたけれども、一年以下の短期国債の発行予定額は引き続き高水準となっておりますが、その中でも市場からのニーズが強い四十年債を増発したり、それから六か月物の短期国債の減額といったものは、小幅ではありますけれども図っているところでございます。
 一般論でございますけれども、国債は満期が長いほど消化余力が小さくなる傾向がありますが、短期国債につきましては、現状、この銀行等の金融機関による担保ニーズが底堅いというふうに見込まれていることや、また、ドル資金を保有する海外投資家にとっては投資妙味があるということから、現状ではこの短期国債について消化余力が相対的に大きいということが考えられると存じております。

#68
○古賀之士君 言ってみれば、入札する際に非常にこの短期債へのリクエスト、要望が大きいということだと思いますが。
 質問の、じゃ、イを大体含んだ形のお答えだったので、イとウを合わせ技でお尋ねしますけれども、国債投資家懇談会、昨年の十一月二十六日の議事の要旨ですが、ここにはちょっと意見が結構異なる部分もあって、短期債を中心に増額したことで、コストの平均値は思ったほど増えていない一方、借換えに伴う今後の金利変動リスクの方は大きく増えていると、これ財務省の理財局は述べております。これは具体的にどういう意味なのか、もう少し詳しく説明していただければ有り難いです。
 また、質問のイともかぶりますけれども、こういった巨額の短期国債をどのようにこれ減少していくのか、こういう道筋についてもお答えいただけないでしょうか。

#69
○政府参考人(大鹿行宏君) お答えいたします。
 私ども国債発行当局である理財局におきましては、国債発行計画の策定に当たりましては、一定の前提を置いてではありますけれども、将来十年間にわたる利払い費、コストである利払い費と、それからリスクであるこの借換え等に伴う今後の金利変動リスク、これの年平均値の定量的な分析、コスト・アット・リスク分析と言っておりますが、この結果を参考としてお示ししております。
 今委員がおっしゃられた昨年十一月二十六日に開催した国際投資家懇談会では、この分析の結果といたしまして、令和二年度の二次補正予算を踏まえた国債発行計画におきましては、長期国債より調達コストが低い一方で、翌年度に償還を迎える短期国債を中心に、先ほど申しましたとおり、増発した結果、新型コロナ発生前の発行計画と比べまして年平均の利払い費、コストはそれほど上昇しなかった。一方で、借換え等に伴う今後の金利変動リスク、これ、平均値からの乖離の幅ということで表しておりますけれども、これは大きく増加したということを御説明したところであります。
 それで、今後どうするかということでございますけれども、先ほど来御答弁しているとおり、一般に短期国債というのは、市場の消化余力は大きく、また長期国債より調達コストが低いというメリットがある一方で、翌年度の借換債の増加要因になりますし、借換え時の金利上昇リスクを抱えるというデメリットもございます。今般、新型コロナ対応等のために短期国債を大幅に増額したわけでありますが、このことを踏まえまして、私どもとしては、今後、短期国債の減額を通じて翌年度の借換債の発行を抑制していくということが重要であると考えております。
 令和三年度におきましてもそうした観点から一定の取組を行ったわけでありますけれども、また、今後の短期国債の発行額については、この国債発行総額の規模にもよりますので確たる見通しは申し上げられませんが、今後とも、この令和三年度発行計画において行った取組を念頭に置いて、市場ニーズを踏まえた安定的な国債発行に努めてまいりたいというふうに考えているところであります。

#70
○古賀之士君 それでは、お答えをいただいたので、次は資料の三を御覧ください。
 国債等の保有者別の内訳です。真ん中の円グラフ、御注目をください。その円グラフの黒くなっているところの左に矢印のような線が入っておりますが、ここに海外とあって、そのシェアが四六・一%とあります。つまり、短期債の保有者は、海外が既に半数近く、四六・一%を占めているという現状があります。
 海外勢の引受け動向によって金利が左右しかねないと思われますが、財務省、どのようにお考えでしょうか。

#71
○政府参考人(大鹿行宏君) 御指摘のとおり、年度内に償還する政府短期証券を含みます短期債で見ますと、直近の数字ですと、令和二年十二月末時点がございますが、海外の保有者の割合は四九・六%ということで約半数を占めているところであります。
 国債金利の動向についてコメントすることは市場に無用の混乱を生じさせかねないことから、お答えは差し控えたいと思いますけれども、一般論としては、投資家の動向というのは国債金利に影響を与え得る要因の一つであると考えておりますが、国債の金利は時々の経済、財政の状況、あるいは海外市場の動向、さらには金融政策のスタンス等、様々な要因を背景に市場において決まるものでありますことから、一概にこの見通しを述べるということは困難であるということを御理解いただきたいと思います。

#72
○古賀之士君 いろいろなその動向次第によってはリスクもまた増大をしていくということです。
 資料の四、こちらを御覧ください。今後のその動向についてお尋ねをいたします。
 これを見ますと、令和三年度と令和六年度とを比べますと、⑫基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスですが、これマイナスの二十・四兆円からマイナスの十一・三兆円まで大幅に改善をしております、この資料では。
 しかし、これにはからくりがありまして、⑦の基礎的財政収支対象経費が二・九兆円減っているからなんです。ところが、①の国債費、四・三兆円も増えております。つまり、国債費は基礎的財政収支、プライマリーバランスの計算に入らないんです。だから、プライマリーバランスの改善は残念ながら財政の改善には結び付かない、つまり、そういうふうには、とても財政は改善しているとは言えないというのが実は現実なんです。
 特に、利払い費、短期国債の場合もよく問題になりますが、社会保障関係費なんかの伸びと比べますと、はるかに上回るペースで増えております。
 さらに、資料五を御覧いただきたいんですが、公債法の期限が来る二〇二六年度では十二兆円を超えまして、十年後の二〇三〇年度では十五兆円を上回ります。
 さらに、資料の六を御覧いただきますと、たとえ名目経済成長率が二%を達成したとしても、こうやって税収が増えても、先ほど参考人からも答弁ありましたように、金利が一%上がればこれ帳消しになってしまうという計算になるわけですね。こうした国債費、特に利払い費の急増というのは財政支出の硬直化を招くという考えがございます。
 それと、麻生大臣にお話を伺いたいんですが、このプライマリーバランスというのは確かに重要なんですけれども、先ほど申し上げた計算式によれば、利払い費を含む国債費を織り込まないという点においては、私はこれ重大な欠陥があるのではないかと思っております。
 したがって、借金でもうとにかく首が回らなくなるという問題も個人や企業でもございますけれども、このプライマリーバランスでも債務残高GDP比率でも、借金の返済具合が分かりません。例えば歳出に占める国債費の割合など、財政の硬直化を回避するための新たな指標が少なくとも必要ではないかと考えるわけなんですが。
 これ、一番、財務大臣にお尋ねをします。そういったそのプライマリーバランスの計算方法とは違う新たな指標、国債費、利払い費を含む国債費を含めた計算式というのは、何か、私としての提案なんですが、必要を感じてはいただけないでしょうか。また、御検討いただけないでしょうか。

#73
○国務大臣(麻生太郎君) 歳出に占めます利払い費の割合が増えていけば、これは、政策的経費は抑えられる、圧迫されるということになりますんで、財政が硬直化するということはもう流れとしてはそういうあれになりますんで、今後は、いわゆる歳出歳入両面からの改革の取組を続けて財政健全化を進めていくという、これは当然重要なことなんですが。
 今言われましたように、債務残高増加に伴って利払い費が増大して政策の自由度が低下していくということだと理解しているんですが、この懸念をしておられる点を踏まえて、仕様として利払い費を含めたいわゆる財政収支というのがあります。今御指摘のとおりです。
 既に、いわゆる膨大な債務残高を抱えております日本にとりましては、これはまずは、まずはですよ、まずはプライマリーバランスを黒字化して、同時に債務残高対GDP比というものを安定的に引き下げるということを目指すというのは、これは極めて重要なことだと思いますが、その上で、財政収支というものを確実に改善することによって財政の持続可能性が確保されるということにならなければならないというこの認識は、古賀先生と私、もうこれは全く一致しておるんですが。
 したがって、まずはこの二〇二五年度のプライマリーバランスの黒字化というのを目指して歳入歳出の改革に取り組んでいきたいんですが、過去、安倍内閣のときに、新規国債の借入れがトータルで八年間前後で約十三兆減ったのかな、減って、間違いなくその二千二十何年というのはあとちょっとというところまで来ていたんですが、今回のこのコロナのおかげで一挙に、先ほど言われましたように、ウン十兆って話になりましたものですから、突如としてその状況は極めて厳しいことになっておるのは事実でありますから。
 そういった意味で、こういった災害とかいうものは、今度はコロナだったけど、その前は地震で、その前は台風で、まあいろんなことがありますので、リーマン含めていろんなことがこの十年間の間で起きておりますので、予想外の事故とか、感染症はちょっと過去に例が七十年間一回もなかった話が起きておりますので、ちょっと今回のあれは特別なあれにしても、地震とかそういったようなものは常に我々、有史何千年これと付き合ってきておりますので、そういったものに対する備えというものを常に持っておかないかぬ。
 そのためには、財政というものはある程度余裕をということを考えてはおりますけれども、なかなか縮小してきたところを、もうちょっとのところでぼおんとまた支出を大幅に増やさざるを得なく、結果として財政が悪化したというのは事実ですから、そういったものを踏まえてまたこれきちんとやっていかないかぬとは思いますけれども、今言われた、それを特別なもので何かやろうということを今考えているわけではございません。

#74
○古賀之士君 まとめさせていただきます。
 恐らく先人の皆さんたちは、ここまで国債が増大をし、大きく膨らんでくるというのは予想が付かなかったので、あえてプライマリーバランスという指標を作ったんだと思います。ただ、もうこういう状況になりますし、また、それに対しても硬直はしないんだという御意見があることも存じ上げております。
 ですけど、こういう時代だからこそ新しい指標を作っていく、それはお名前がもう麻生指標でもいいと思うんですよ、いや本当に。そして、あっ、健全化していくための新しい指標をこうやって作り上げてきたんだと、それぐらい新しい、今、国債がどんどんどんどん増発されて、今、国の財政こんなふうになっているんだというのを、名を取っていただいて実は国民が取っていくという考え方も私は大いに検討していただきたいと思っております。
 質問を終わります。

#75
○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志でございます。昨日に引き続きまして質問をさせていただきます。
 麻生大臣は、先日の衆議院の財務金融委員会で日本の格差の現状認識についてお答えになりましたが、拡大はしているけれどもアメリカほど問題のある状況ではない、また、この間も所得税、相続税等々の引上げ策を講じてきた旨の御見解を示されました。しかし、アメリカよりましで済まされる問題ではないと思います。
 かつて、我が国は相続税の負担が非常に重く、富裕資産に対しては厳しく、公平かつ公正な税制度だと言われた時代もありました。所得格差も広がっていますが、それ以上に資産格差が広がっているというのが現状であり、実際には全相続の四%程度しか相続税が適用されていないということが問題視されています。麻生大臣も言及されているとおり、平成二十六年の年度改正で税率や基礎控除を引き上げ、七%程度まで適用されるようになってきたという経過があります。
 そこで、伺いますけれども、相続税の適用率は現状どのようになっているのか、財務省にお伺いいたします。

#76
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 相続税につきましては、平成二十五年度税制改正におきまして、資産の再分配機能を回復する観点から、基礎控除の引下げによる課税ベースの拡大、それと最高税率の引上げ等の見直しが行われたところでございまして、これが平成二十七年以降の相続について適用をされております。
 この結果、御指摘の相続税の課税件数割合でございますけれども、この二十五年度改正が施行される前の平成二十六年時点におきましてはお亡くなりになった方全体の四・四%でございましたが、これが直近の平成三十年の相続におきましては八・五%ということで、二倍弱のところまで拡大をいたしております。

#77
○勝部賢志君 当委員会では、いつも私も勉強させていただいている大門委員が、今日いらっしゃらないようでありますけど、先日の予算委員会で大企業に有利な租税特別措置について鋭くその問題点を指摘をされました。
 そもそも自助でも何とかなる大企業、まあ巨大企業と言ってもいいのかもしれませんが、そういった企業に対して有利な控除となっており、なかなか自助がかなわない中小企業こそ公助で助けるべきではないかと思います。
 そこで、租税特別措置について伺いたいと思いますが、先ほど牧山委員からも全体の件数、何というんですかね、特別措置の数というんでしょうか、全体で三百六十項目にも上ると、法人税関係でも八十を超えるというお話がありました。そして、その政策効果により減免された税の額というのは総額でどの程度になるのか、財務省にその数と総額について改めてお答えをいただきたいと思います。

#78
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 租税特別措置の法人税関係の項目数でございますが、九十七項目となってございます。
 これによります法人税の減収額でございますが、一定の仮定を置いて試算いたしますと、令和元年度で約一・八兆円というふうになっております。

#79
○勝部賢志君 九十七の項目、これもまた増えている状況ですし、また一・八兆円というのは相当な額だなと。
 ただ、私は問題視するのは、特に税額控除を受けている企業の中でも、試験研究費の総額に係る税額控除の中に非常に一つの企業で高額の税額控除を受けているのがあると。研究、試験研究を行うこと自体を悪いと言っているわけではありません。これはむしろ、コロナのことなどもあれば、企業によってはそういう研究が日常から必要だというふうに思うんですけれども、ただ、税額控除を受けた額が最高額だった企業は何と百六億円なんですね。
 税額控除の具体的内容をお伺いしたいのと、企業名が非公表となっているのはどのような理由なのか、先ほど少し議論がありましたが、改めてまたお伺いしたいと思います。

#80
○政府参考人(住澤整君) お答えいたします。
 まず、百六億円のこの税額控除の具体的な内容を示せということでございますが、これにつきましては、租特透明化法におきましても、適用の内容まで申告するような枠組みにはなってございませんので、税額控除の具体的な内容については把握しておらず、お答えすることはできないということを御理解いただきたいと思います。
 また、個別企業のこの租特の適用状況を含む納税情報につきましては、その企業におきまして価格交渉への影響など競争上の不利益が生じるおそれがあるなど経営環境への影響が懸念されるということから、公表することはしないということにさせていただいております。
 公表するかどうかということの御議論につきましては、そうしたデメリットを十分に上回る公益上の必要性があるかどうか慎重に検討すべきものと考えております。

#81
○勝部賢志君 百六億円の税額控除を受けるということは、控除額が百六億円ですので、その研究に使ったお金は幾らなのかと考えると相当な額で、こういう研究費を出せる企業というのは本当に巨大企業と言えるんだと思うんですけれども、先ほど言った透明化法でも内容までは分からない、示せない。それから、企業の価格交渉の影響があるので企業名も出せないということになっているわけで、そういう意味では、その実態を明らかにすることができない状況の中でこの税額控除が行われているということです。
 加えて、その租特には、交際費損金算入制度あるいは移転価格税制、あるいは昨日もちょっと議論しましたタックスヘイブン対策税制、過少資本税制など国際的租税回避防止税制規定なども措置されています。
 そういう意味でいうと、租税特別措置法と本則規定とがいかなる区分で区分けされているのか非常に分かりづらい状況にあるなというふうに私は思うんですが、財務省からの説明を求めたいと思います。

#82
○政府参考人(住澤整君) お答えを申し上げます。
 御指摘のその租税法本則、本法におけるその規定につきましては、これはその税本来の考え方に基づく課税標準等の原則的な取扱いを規定したものでございまして、これに対して租税特別措置法において規定しておりますのは、担税力やその他の点で同様な状況にあるようなケースにおきましても、何らかの政策目的を実現するために特定の要件に該当する場合に税負担を軽減したりあるいは加重したりする特例を規定するという性格のものでございます。
 今御指摘のありました例えば国際課税関係の特例につきましては、国外への所得移転等に対処するという観点から、特定の国外関連取引等のみを対象として所得計算の特例を定めるという性格上、租税特別措置法に規定しておりまして、また、グローバルな企業行動の変化や国際課税ルールをめぐる国際的な議論の動向等を踏まえて、必要に応じ見直しをしていくべきものであるという性格もあることから、租税特別措置法に規定しているものでございます。

#83
○勝部賢志君 民主党政権時代に、二〇一〇年になりますが、私の先輩で前任者でもあります峰崎直樹当時の財務副大臣のリーダーシップによって、アメリカの租税歳出予算に倣った、先ほどから指摘のある、租税特別措置透明化法というのが作られました。この法律によって適用状況を記載をした報告書を国会に提出することが義務付けられているわけですけれども、しかし、今議論をしたように、非常に、必要な措置ももちろんあるんですけれども、現状、特定の企業が、とりわけ巨大な企業が優遇されていくような税制も中に含まれているのではないかと。そういったことを点検あるいは検証しようしても、なかなかその全体像を把握することができないというのがこの問題点でありまして、更なる透明化、適正化に努めていかなければいけないということを改めて指摘をさせていただきます。
 次に、今般の改正案で、一部変更の上、二年間の期限延長が提案されている、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置と、そして結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置、これらの制度について伺いたいと思います。
 まず、財務省にお伺いをいたしますけれども、この制度の政策的な目的は何でしょうか、政策目的は何でしょうか。

#84
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置につきましては、祖父母ですとか両親の資産を早期に移転させることにより、若年世代の教育や結婚生活等に係る負担軽減を図りつつ、経済活性化に資するということを目的として導入されたものでございます。
 これらの制度につきましては、孫などが受贈者である場合に、贈与者の死亡時の残高に対して相続税額の二割加算、通常の相続税であれば適用されているものでございますが、これが適用されていないことなどが節税的な利用につながっているという指摘があったことなども踏まえまして、今回、格差の固定化の防止等の観点から、所要の見直しを行った上で適用期限を二年延長することとしているところでございます。

#85
○勝部賢志君 イギリスには、全ての者が銀のスプーンをくわえて生まれてくるわけではないということわざがあります、皆さんも御承知だと思いますけれども。銀が貴重な頃の話で、銀食器は伝統的に家宝のように扱われていたため、銀のスプーンを口にくわえて生まれてきたというと裕福な家柄に生まれたという意味になり、木のスプーンを口にくわえて生まれてきたというと逆に貧しい家の生まれだという意味になりますが、この制度はどちらかというと銀のスプーン優遇制度なのではないかと、こう言わざるを得ないというふうに私は実は思っています。
 つまり、子や孫に資産を残すことができるのはそもそも裕福な家庭なわけで、その裕福な家庭の贈与税を引き下げて恩恵を受けるのはやはり裕福な家庭なのではないかと。経済にも資するというお話がありましたけれども、しかし、やはり裕福でない家庭に生まれた子供たちもしっかりと恩恵を受けれるようなことにつながっていかなければ、本来の意味は失われていくのではないかなというふうに思います。
 財務省の資料によれば、令和二年三月時点で同制度に信託利用しているのは、平成二十五年からの教育資金の契約件数が二十三万十一件となっていて、信託財産額の総額が約一兆六千七百二億円になっています。何のためにこれを出したかというと、単純にこれを割ると、一件当たり七百三十万円弱の資産を信託したということなんですね。それから一方、結婚・子育て資金の方は、契約件数が六万九百五十九件で、信託財産設定額が約二百三億円、一件当たり三百四十万円というふうに、これは計算上でありますけれど、なりますと。
 一昨年、ちょうど私が参議院選挙を戦っている、告示の直前ぐらいですか、高齢者夫婦が安心して一生を過ごすには最低二千万円が必要だという内容の報告書が出され、ついぞ麻生大臣はお受け取りにならなかったということを私はニュースで見ておりましたんですが、その内容についての良しあしや、その報告はどうなったのかなという疑問は残るものの、いずれにしても、その二千万円がなければ生活ができないという、その二千万円にきゅうきゅうとする祖父母にとって、七百万円とか三百四十万円の信託ができるのだろうか。言うまでもなく、そんなお金はないと、余裕がないということなんですね。
 そして、生活保護世帯は激増していますし、就職氷河期を経て、高齢者と無職の子のいわゆる八〇五〇問題なども深刻している現状であります。ですから、そんな中でこの信託を組める人は、冒頭申し上げたように、やはり裕福な家庭なのではないかと。だから、そういったところの相続税あるいは贈与税対策というのが必要なのかというのが私の問題意識であります。
 ここでもまた、自助で十分な人々の更なる面倒を公助が見ているのではないかということで、格差の問題で最も問われるのは、格差が世代間で拡大していかないようにすることであり、これでは逆に、公助がその格差を拡大再生産していることにつながるのではないかと。公助が考えるべきは、全ての子供が生まれた時点で、スプーンの違いにかかわらず、共通のスタートラインに立つことができる、その保障をすることではないかと考えます。
 このような格差是正をするための議論を、コロナ禍だから先延ばしするのではなく、むしろコロナ禍だからこそ本格的な議論、これを政府、与野党共に始めるべきではないかと考えますが、麻生大臣の見解をお伺いをいたします。

#86
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘をいただいている格差の拡大しているという御指摘なんですけれども、これは平成二十四年の政権交代以降、これは経済が確実に好循環が進んだということで、これ、恩恵はこれは国民に広く及んでいたと思っておりますので、その中で、格差の是正に関する措置もその中で講じさせていただきました。
 これまでも何回か御説明させていただきましたけれども、御指摘の所得税については、最高税率の引上げを四〇から四五に上げ、それから、金融分離課税というふうによく言われます、この所得分離の話のあれにつきましても、一〇%から二〇%に引上げをさせていただいたほか、子育て世帯に対しましても、これまで、一人親家庭への支援など子供の貧困対策、また、先生のあれでいえば高等教育への無償化等々、いろいろ取り組まさせていただいてきておると思いますので、いずれにしても、今後の税制の在り方というものは、これは経済社会情勢の変化等々いろいろ踏まえながら、よく言われる再分配機能というものをどの程度発揮させるべきかという観点を、これは常に考えておかないかぬ、検討せないかぬということが必要があると、私どももそう思っております。

#87
○勝部賢志君 次に、やはり税について考えると、国民の意識を高めること、あるいは国民の理解を深めることが非常に大事だというふうに思っています。
 実際の租税負担は、先進各国と比べて日本の国は割と低い方だというふうに思うんですね。しかしながら、租税忌避感、税に対する何か痛税感というんですかね、そういうものが他の国に比べて強いのも日本の国だとも言われています。
 先ほど触れましたが、増税は、先ほどといいますか昨日の議論でもありましたが、増税はどんな国でも政治的なハードルが高いわけですが、特に我が国では、オイルショック後の税収減から審議中の特例公債法の制定も余儀なくされ、財源確保を試みた日本では、特に大平政権時代に一般消費税導入をめぐる混乱があり、総選挙で敗北をするというようなことがあって、政府・自民党は、低成長化、高齢化時代突入後も、増税なき財政再建、あるいは税収中立、所得減税のための消費増税、そういう路線をひたすら堅持してきたと承知をしています。その結果として、赤字国債の貯蔵と社会保障料への負担増が、結果的に、税制の逆進性とともに社会保障の逆進性も相まって格差を拡大させてきました。
 実際に租税負担は先進各国と比べて低いわけですが、先ほど申し上げたように、租税に対する忌避感が他の国と比べて強いと言われる理由について、この間本当に、昨日も申し上げましたが、我が国で長きにわたって財務大臣をお務めでおられる麻生大臣のこの租税忌避感というものについてどのようにお受け止めになっておられますか。見解をお伺いいたします。

#88
○国務大臣(麻生太郎君) まあ税金払いたいって人はそんなに世の中多くないのは世界ほぼ同じだと思っているんですが。
 日本の税負担の対GDP比というので見ますと、日本が一九・二に対して、イギリス二六、ドイツは二三、フランス二九ということになっておりますので、低いのはアメリカ、一八ぐらいです。
 したがいまして、こういった数字から見ますと、おっしゃるように租税のいわゆる負担というものは、いわゆる税負担というのは、数字の上からはなかなか先進国の中でそんなに高いということではない、むしろ低い方ぐらいになるんですが、忌避感と言われるのは、これはもう勝部先生、かかって主観的な話ですから、一概にこう比較して言えるというのはなかなか言えないんだと思いますけれども。
 税というのは、これ、国家の中の一員として社会というものを支える公共サービスというものの費用をみんなで分かち合うという、いわゆる、何というのかな、納得感みたいなものを持っていただかないと、これは道路から国防から港から教育から皆、そういったようなことは皆公共サービスの中に入ってくるわけで、税制自体の公平性を高めていくという意味においては、これは受益と負担というものの関係について理解をしておいていただくということは、これはもう間違いなく重要なことだと思っておりますので。
 こういったようなものはよく、昨日でしたか、御質問があっておりましたけれども、いわゆる子供のときから教育の中にちゃんと税の話をしろという話は本当、日本はまだ余り聞いたことはないんですが、最近は、ちょっとこの間お話ししましたけれども、例えばキッザニアなんという子供に仕事の経験させる、そういったテーマパークみたいなのが東京、大阪、今度は福岡にもできますね、そういったようなところができると。そこで消防士とか警察官とか、いろいろな公共サービスをやっている人いるんですけどね、国家公務員の仕事ってないんですよ、そこには。何回もやってくれぬかねといって頼んだことがあるんですけれども、なかなか実際問題として、御自分で子供に教育されるのに、主計局ってどんなことをしているのと言われて、それ現実子供にやらせてみろと言って、まずこれを優しく面白く子供に興味を持たせるというのはほぼ無理、やっていること、もうほとんど分かりませんから。
 だから、いろいろ頼んで、やっと国税というのが今度キッザニアで取り上げてもらうことになりましたので、ちょっと現場を見に行ったり、私ども国税庁の人やら何やら分かりやすく説明するというのをやらせたり、いろいろ、子供のところからというのをちょっといろいろ応援をさせていただこうと思って、実際やっているんですけれども。
 ここらのところは納得感というのがなかなか難しいところだと思いますので、私どもとしては、どの所得層においてもそれぞれみんな、忌避感と言われましたけど、そういった、何となく払いたくないねというのは、どの国へ行っても、税金が高いと、これはもう低いと言った人は僕は知りませんので、そういった意味では、どの国へ行っても、日本より低いんじゃねえのかとか言っても、みんな絶対そうは言いませんから、やっぱりある程度共通している意識だとは思いますが。
 日本でこれをどうやっていくかと言われたら、広報とかいろいろやっていかないかぬとは思いますけれども、いずれにしても、そういったものは公平とか簡素とか中立とかいろんな要素を含めまして、こういったものは今後とも、もうほぼ永続的にやっていかないかぬ大事なところだと思っております。

#89
○勝部賢志君 用意した質問まだまだあったんですけど、大分時間がもう経過してきて、お昼も迎えていますので、今大臣がお話になられた負担と受益というところが、私はその兼ね合いというのが非常に大事だというふうに思います。つまり、その負担はしているんですけど、受益というか、そのサービスを受けている実感が持てない、あるいは一部の人しか受けていないんじゃないかなというような、そういう感覚を持っている人がやっぱり多いのではないかなというふうに思います。
 それから、一方で、税金を納めることは必要なんだけれども、それが公平に納めているのか。どちらかというと、税金を、何というんでしょうか、召し上げられるような感覚を持っている国民ってまだ多いと思います。これは、私はやはり子供のうちからしっかりとそういうことに対する考え方を身に付けさせていくって大事なことだと思うんですね。それは、ある意味、逆に、公平な税を徴収されていないとしたときに、やはり自らをしっかり守るというか、それを指摘できるという力も当然必要になってくると思いますので、まあそんな観点で、やはり税に対する国民的な理解を深めていくための教育ということの必要性も感じておりますので、そのことにも付言をいただきましたので、引き続きまた議論をさせていただきたいと思います。
 終わります。

#90
○委員長(佐藤信秋君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会

#91
○委員長(佐藤信秋君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、高野光二郎君及び三浦靖君が委員を辞任され、その補欠として高橋はるみ君及び加田裕之君が選任されました。
    ─────────────

#92
○委員長(佐藤信秋君) 休憩前に続き、所得税法等の一部を改正する法律案及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#93
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てるように質疑をしたいと思います。
 まず、大臣に、雇用促進税制についてちょっとお伺いをしたいと思います。
 本法案におきましては、雇用の維持確保を図るために、大企業向けに賃上げ及び投資の促進に係る税制、中小企業向けには所得拡大促進税制、こういった要件を見直しまして雇用の増加を後押しをするということでありますけれども、これが本当にどの程度雇用を増やす事業者のインセンティブにつながっているのかと。第二の就職氷河期を生み出さないということは大変重要でありますので、まず、これ十分な措置になっているのかということにつきまして大臣にお伺いしたいと思います。

#94
○国務大臣(麻生太郎君) これは、秋野先生御存じのように、今からポストコロナに合わせて経済構造とかそういったものを転換していわゆる経済の好循環というものを実現するというためには、今雇われている企業への雇用の維持とか生活等の支えというのをしながら成長分野へと円滑な労働移動というか、働いている人が移っていくということに必要な、これは当然のことながら人材投資が必要なので、例えば、そうですね、政府として銀行から他の企業へとか地方へとか行ってもいいという意思を持っている人を応募し、商社からも応募して、今もう何千人かになっていると思いますが、そういった名簿を作ったりいたしておりますけれども、こうした観点から、これは総じて、そういった優秀な人材というのは、五十幾つとちょっとで出世が止まったとかなんとか、止まったとか、もう田舎に帰りたいとかいろんな人がいるんですけれども、そういった絶対量が多いのは大法人ですので。
 私どもとしては、賃上げという例の御質問よく出る労働分配率の話ですけど、こっちの話で上げるという手もある。同時に、賃上げ同時に投資という、いわゆる社内留保じゃなくて投資にその金が向かうという促進税制というもので、中でも新規雇用というのを増やしてもらうというのはこれすごく大事なところなので、そういった企業に対象とさせていただいておるのが一つ。
 それから、中小企業向けの所得拡大の促進税制については、これ、新規雇用とか離職とかいうものの両方、新規これだけいて離職していっては意味がありませんので、ここのところのバランスを含めて、雇用者全体の給与などの支給額、全体の、それを増加するというのを要件とするように見直しているということであります。
 これによって、極めて厳しい雇用情勢の中にありましても、事業変革によって積極的に新しい新規の人材等々を獲得していただける企業というものを重点的に支援するということを申し上げておりますので、いわゆる今就職氷河期という言葉がありましたけれども、第二の就職氷河期にならないように、そういう取組をさせていただいているというので、雇用の維持拡大をより一層強力に促していくというものの一助になればというのを考えておるところであります。

#95
○秋野公造君 ありがとうございました。若い方も含めまして新規人材ということだろうと思いますので、これ、よろしくお願いしたいと思います。
 それと関連をして、働く世代の健康ということでちょっとお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、私、この財金で初めて質疑をさせていただいたときには、重症化予防の推進に力を入れるべきであるということを申し上げました。
 具体的には、透析の患者に係る医療費が今一兆六千億ぐらい掛かっていると、こういったことばかり一時期は注目をされまして、今はそういうことを言っている人はおりませんけれども、ただし、ここを本当に減らそうと思うのであれば、腎移植をきっちりと推進をして、もしも腎移植、これは本人の望むことも重要でありますけれども、三十万人を超える透析患者の方に腎移植がかなったならば一兆二千億の医療費の削減も可能ではないかと、こういった議論もさせていただいたところであります。ちょっとこの議論、後にしますけれども。
 同様の観点から、私、平成二十三年の一月、胃がんの原因はピロリ菌ではないかということで、政府にそれを認めていただいたことで、胃がん予防のためのピロリ菌除菌の保険適用、平成二十五年の二月二十一日に実現をしたところでありますけれども、それまで四十年間、我が国はどんなに頑張っても胃がんで亡くなる方を五万人から減らすことができなかった。検査を推進して六割も早期で見付けて、それでも五万人から減らすことができなかったわけでありますけれども、その後の胃がんの死亡者の登録数についてお伺いしたいと思います。

#96
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 胃がんの粗死亡者数でございますけれども、先ほど委員御指摘のように、昭和四十三年以降、この粗死亡者数につきましては年間五万人前後で推移をしておりましたが、平成二十五年においても約四・九万人でございましたけれども、その後は減少に転じまして、最新の令和元年の粗死亡者数については約四・三万人となっているところでございます。
 また、高齢化の影響を取り除いた年齢調整死亡率につきましては減少傾向更に見られておりまして、平成二十五年には人口十万人当たり十六・三人だったところ、最新の令和元年には十二・二人まで減少しているという状況でございます。

#97
○秋野公造君 ということは、ピロリの除菌の保険適用がなされてから一五%胃がんで亡くなる方が減ったということでありまして、国立がんセンターが高齢化を背景に胃がんで亡くなる方はまだまだ増えるといったような予想を大きく覆す形で保険適用は大きな成果を上げたということだろうと思いますけれども、ここについても、胃がんに係る医療費は年間約三千億円と言われておりますので、単純な計算はできませんけれども、三千億円のうち一五%胃がんで亡くなる方が減ったということでありますれば、相当の医療費の削減にも大きな効果を及ぼしているものではないかと思っております。
 もう一つ、今日ちょっとお手元に、遠隔医療との両立につきまして、重症化を予防する仕組みについてちょっと議論をしたいと思うんですけれども。
 一ページ目を開けていただきますと、これ福岡県に本社を持ちます芙蓉開発が開発をしました安診ネットoneというソフトでありますけれども、これは、よくこれまで医療できちっと行われてきた熱型表、私が医師になった頃というのは熱型板といって、一か月間の熱の推移でありますとかそういったものがきちっと一目で見れるようなものもあったわけでありますけれども、だんだんだんだん医療の中での役割分担が進んでまいりますとそういったものもだんだんなくなってきて、次の病院に次の病院に次の病院にとこう移っていく中で、こういうこともだんだんとかつてほど顧みられなくなってきている状態でありますけれども。
 これは、このソフトを使いますと、例えば三行目に体温、脈拍と書いてありますとおり、体温の推移、それから脈拍の推移、呼吸数などを含めた様々な推移をきちっと見れるようになっておりまして、それが統計のいわゆる自分の平均値をきちっと定めて、そこが標準偏差から外れるような発熱だったり、あるいは脈拍の増加だったり低下だったり、そういったものを検知して、例えば心不全が起きたり、あるいは肺炎が起きたり、個人個人の平熱というのは異なりますので、三十七度で一律に切るということではなく、あくまで個人の、それぞれ個人の平均値と標準偏差をきちっと見ながら異常を検知する。こういった仕組みを用いますと心不全などの早期発見につながって、結局、高齢者の場合、自ら症状を訴えることができなかったり、特に認知症などを患っていたりするとそれを伝えることさえできないような状況に陥りますので、自分から福祉施設やあるいは医療機関の従事者に対して物を言うことができないといったような背景も手伝いまして、結果として、肺炎や心不全など重症化をさせることで命に至る、あるいは医療費も大きく掛かる。
 こういったことを解決しようといったことも、平成二十九年の厚生労働科学研究でも有効性が非常に見られたことから、厚生労働科学研究で有効性が確認されたことから、特に医療の手が入っていない、少ない介護施設における活用が重要ではないかということを申し上げ、平成三十年度改定以降、こういったことを介護報酬改定の中に取り入れていくべきであるということを申し上げたわけでありますが、その後の検討についてどう反映したのか、御答弁をお願いしたいと思います。

#98
○政府参考人(堀内斉君) お答え申し上げます。
 介護サービスの質を向上するため、介護施設の職員の方々がケアに専念できる環境を整備することは重要であり、業務の無理、無駄を減らし、ケアに注力できるよう、ICT等のテクノロジーの活用を推進してきているところでございます。
 今議員御指摘のとおり、介護施設の中には、ICTを活用し、例えば利用者のバイタルを常時把握し、得られたバイタルデータを介護記録に自動で記録させることで介護職員の介護記録の業務の省力化を図るとともに、医療関係職種とも連携しまして、利用者の適切なアセスメントや入居者の身体の状況等の評価を行い、サービスの質の向上に取り組んでおられる事業所があることを承知しております。
 こうした中で、今般の令和三年度の介護報酬改定におきましては、議員の御提案やテクノロジー活用による効果実証の結果を踏まえまして、テクノロジーを活用してサービスの質の向上に取り組む事業所を評価する見直しを行うことといたしました。具体的には、見守り機器、インカム、介護記録ソフト等の複数のテクノロジーを導入し、バイタル情報等を把握して利用者に対するケアのアセスメント評価、人員体制の見直しをPDCAサイクルによって継続して行う、こうしたことを条件にいたしまして、特別養護老人ホーム等の加算における介護福祉士の配置要件の緩和を行うこととしております。
 今後も、引き続きテクノロジーを活用した実証を重ねて、サービスの質の向上に向けた方策の検討を行ってまいりたいと思っております。

#99
○秋野公造君 反映をしていただきまして、本当に御礼を申し上げたいと思います。
 日本遠隔医療介護協会の前田俊輔理事長がこの安診ネットoneの開発者でありますけれども、重症化予防の一つのツールとして遠隔診療の提案がありますので、引き続きお願いをしたいと思うわけであります。
 今、厚労省の方から介護施設、福祉施設等における活用についてお伺いをしたわけでありますけれども、実際、在宅で暮らしている、すなわち住まい、家で暮らしているような方々に対して、あるいは住宅、こういったところで暮らす方に対してこういった仕組みを身近にしていくということは非常に重要と考えておりまして、そもそも、私が今日提出をさせていただいております一ページ目の資料は、これ実は国交省が既に提案をしてくださっているものでありまして、これ、米国連邦政府都市住宅省との高齢者居住に関する共同研究会などでもこういった資料を用いて議論をしていただいた、国交省の方から御紹介をくださいましたことに感謝を申し上げたいと思いますけれども、国交省におけるこの重症化予防と遠隔医療の両立、住まいにおける重症化予防と遠隔医療の両立を踏まえた成果と今後の取組についてお伺いをしたいと思います。

#100
○政府参考人(黒田昌義君) お答えいたします。
 委員におかれましては、これまでに住宅政策と健康管理との関係につきまして様々な御提案を頂戴いたしました。また、最近も日米の高齢者居住に関する共同研究に御関心を持っていただきまして、この場を借りまして感謝を申し上げます。
 御質問いただきました、国土交通省におきましては、平成二十八年三月に閣議決定を行われました前回の住生活基本計画、ここにおきまして、遠隔健康管理やIoT住宅等の住生活関連の新たなビジネス市場の創出、拡大の促進を盛り込んだところでございます。同年十二月から翌年三月にかけまして、IoT技術等を活用した次世代住宅懇談会を開催をいたしました。
 同懇談会では、IoT技術等を活用した高齢者、障害者等の自立支援、健康管理の支援等に積極的に取り組むべきとの方向が示され、国土交通省におきまして、平成二十九年度より、こうした取組に関する実用化の検証を行う支援制度を立ち上げたところでございます。
 同制度におきまして、これまでに、センサーを活用して居住者のバイタルデータを取得し、異常があった場合に離れて住む家族に通知するシステム、居住者のエネルギーの使用状況を分析し、生活上の異常をマンション管理人等に通知するシステムなどの検証を行う事業者を支援しておりまして、居住者における健康管理への意識の高まりなど、一定の成果が得られたというふうに考えているところでございます。
 また、入居者の心身の状況確認などを登録要件とするサービス付き高齢者向け住宅におきまして、当該サービスのリモート化の促進の観点から、令和三年度から、既設のサービス付き高齢者向け住宅にIoT技術の活用により非接触で安否確認を行うための改修への補助を行うというふうにするとともに、登録要件の見直しの検討を行っているところでございます。
 さらに、先週でございますが、十九日に閣議決定を行いました新たな住生活基本計画におきまして、高齢者の健康管理や遠隔地からの見守り等のためのIoT技術の新技術開発の促進、これらの技術を活用したサービスの普及を盛り込んでいるところでございます。
 今後も、厚生労働省と連携をしながら、IoT技術を活用した高齢者の健康管理や遠隔地からの見守りにつきましてしっかりと取り組んでまいります。
 以上でございます。

#101
○秋野公造君 ありがとうございます。
 こうやって介護施設と、それから住まいが連携した形で高齢者の見守りを行っていただくということは、重症化予防、ひいては命を守ることにつながり、そして、それは医療費の削減にも大きく貢献するものだと思いますので、引き続き、連携をして取組をお願いをしたいと思います。
 資料をもう一枚出させていただきました。薬剤情報と特定健診情報等の閲覧の仕組みということでありまして、三月からオンライン資格確認システムが開始をされるということでありますが、このシステムの今後のビジョンについてお伺いをしたいと思います。まずそれをお伺いしましょうか。

#102
○政府参考人(横幕章人君) 委員今御紹介いただきました医療保険の被保険者資格情報、これを医療機関、薬局の窓口で直ちに確認できるようにする、オンライン資格確認システムと申しておりますけれども、この三月からプレ運用を開始しておりまして、順次開始する予定でおります。
 このオンライン資格確認システムの基盤を利用いたしまして、これも先ほど御紹介いただきましたが、まずは特定健診等の情報、今年十月からは薬剤情報、それぞれマイナポータルを通じて本人に提供されるという予定でございます。

#103
○秋野公造君 ありがとうございます。
 例えばなんですけれども、こういった薬剤情報とかあるいはデータなどがスポットとして得られるということだけでも大きな成果が上がろうかと思いますので、私、大変期待をしているところでありますけれども、例えば、先ほど御紹介をさせていただきました安診ネットのバイタルみたいなこと、これも、例えば、ちょっと情報量が増えてしまうのかもしれませんけれども、面的にデータをきちっと捉えることができたならば、医療機関に移ったときとか、あるいは外来で受診をしたときとか、そういったときなんかにも応用性があるのではないかと思われますが、そことの接続についてもう一言御答弁をお願いできたらと思います。

#104
○政府参考人(横幕章人君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたとおり、オンライン資格確認システムを基盤といたしまして、特定健診の結果でありますとか、あるいは他の医療機関での医薬品の処方状況、こういったものにつきまして、患者の同意を得た上で医療機関や薬局において閲覧可能と、こういう仕組みを予定しております。例えば、かかりつけ医にかかった際にこういった情報を医療機関側で共有することができるようになると、これが患者の重症化予防、健康づくり、こういったことにつながるものというふうに考えております。

#105
○秋野公造君 どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 今議論させていただきましたが、こういった認知症の患者さん、例えばでありますけれども、自ら症状を訴えることができない、そういった方々に対する見守り、診断が遅れて重症化して命が本当に失われるようなことがあってはならないと思いますし、何より、こういった仕組みで早く治療を行うことで入院期間の短縮に至り、かつ医療費の削減にもつなげる仕組みであります。
 こういったAIといいましょうか遠隔医療の取組は、介護施設から在宅の方まで、介護予防にも重症化予防にも生活習慣病の予防にも、いろんなことに資すると思って、積極的に推進すべきと思われますが、財務省の見解、お伺いしたいと思います。

#106
○政府参考人(宇波弘貴君) お答え申し上げます。
 先ほど厚生労働省から答弁申し上げましたように、令和三年度の介護報酬改定におきましては、特別養護老人ホーム等においてテクノロジーを活用することによって、今御指摘のありました、認知症の方を含めた入所者のバイタル情報の記録や見守りなどについて、業務時間の効率化を図るとともに質の向上を図れるということが実証結果で確認されたことから、先ほど御答弁申し上げたような加算の要件緩和というのを行ったところでございます。
 これを典型例といたしまして、介護サービスにおけるAI等の活用につきましては、限られた保険財源の中で業務量、コストを効率化しながら、他方でADLの向上ですとか御指摘の医療・介護連携といったものを含めたサービスの質を向上させるという観点から、しっかりしたエビデンスに基づき推進していくことが重要ではないかというふうに考えております。

#107
○秋野公造君 ありがとうございます。どうぞ後押しをお願いをしたいと思います。
 では、改めて、献腎移植の推進につきまして質問をしたいと思います。
 さきの国会で、心停止後、脳死ではなくて、腎移植は心停止後で行うことができますから、心停止後の献腎移植についても強力に進めるべきであると。一番多かった時期と比べますと、現在三分の一まで心停止下における腎移植は減少してしまっておりますので、厚労省としてこの献腎移植を更に推進するための令和三年度予算案における対応についてお伺いしたいと思います。

#108
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 議員から御指摘のございました心停止後の献腎移植を推進するということは大変重要な課題だと認識しておりまして、まず、心停止後の臓器提供を行うことができる医療機関を増やすことが必要だと考えております。
 このため、令和三年度予算案におきましては、公益社団法人日本臓器移植ネットワークが実施する臓器提供施設の体制整備事業の中で、新たに心停止後の臓器提供に関する取組を行うための必要な経費を増額して計上したところでございます。これによりまして、当該事業を活用し、心停止後の臓器提供について、院内体制整備支援事業により、選択肢提示の実施や院内マニュアルの作成支援、臓器提供時の各種検査及び摘出手術のシミュレーション等の実施、臓器提供施設連携体制構築事業において臓器提供事例への対応が多い医療機関から医師等が応援に駆け付けるなどの連携体制の構築を行うことができるようになるとしたところでございます。
 また、心停止後の臓器提供には手術室のほかに特別な施設要件がないことを医療機関に十分周知するために、心停止後の臓器提供に関するQアンドAを本年三月に厚労省のホームページに掲載し、周知をしているところでございます。
 こうした取組を通じまして、臓器提供を希望する方の尊い意思を尊重できる体制を整備をし、献腎移植を推進するということが大事だと考えておりまして、ひいては透析患者の生活の質の向上に通じるということで、確実に取組を進めてまいりたいと考えております。

#109
○秋野公造君 今、宮崎審議官から、日本臓器移植ネットワークという御答弁もありましたけれども、かつて、心停止後の臓器提供を増やすために臓器提供施設に対する支援を充実させることが重要であるということで、そういった、先生方もかつて厚生労働省、当時の大口厚労副大臣の下に御案内をさせていただいたところでありますが、そのためには、この日本臓器移植ネットワークの体制強化が必要であるといったようなことも申し上げたところであります。
 その後、この日本臓器移植ネットワークの体制強化、図られてきておりますでしょうか。御答弁をお願いしたいと思います。

#110
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 公益社団法人日本臓器移植ネットワークは、臓器の移植に関する法律に規定する臓器のあっせん業を行うこと、公平かつ適切な移植対象者、レシピエントの検索システムを構築すること、レシピエント登録及びドナー情報を一元化すること、関係者の協力体制を整備することなど、設立以降、こういう内容に沿いまして、必要な体制の整備に努めているところでございます。
 特に、適正かつ円滑な臓器提供の実施が移植医療の推進には重要でありますので、令和元年度からこの臓器移植ネットワークにおきまして、臓器提供施設に対してマニュアルの整備やシミュレーションの実施等の院内体制整備への支援の在り方等について審議する外部有識者委員会の設置、実際に臓器提供施設においてドナー家族や医療機関等との調整を行うコーディネーターのコーディネーション技術の向上を目的としたコーディネーションテクニカルオフィスの設置などの対応を行っているところでございまして、委員御指摘のこの臓器提供施設への支援を充実させるための体制強化を図っているところでございます。
 この点、令和三年度予算案において計上しております体制整備事業についても、今申し上げましたような委員会等において透明性が確保された十分な審議を経て適切に事業の公募等が行われるという形で貢献いただくものと考えているところでございます。

#111
○秋野公造君 臓器提供施設、現場にいる先生方の方が知見が積み重なっているところもありますので、今回の体制強化にて支援が確実なものになるようにお願いをしたいと思います。
 改めて、今、腎移植を待機している方はもう一万人を大きく超える状況でありまして、待機年数も十年以上ということで、それもどんどん延びてきている状態であります。そうなりますと、やっぱり更なる取組というのは必要でありまして、やっぱり在宅とか福祉施設にいらっしゃる方が臓器提供の意思を示しても、これがかなえられていないといったことは一つの克服すべき課題かと思っておりますけれども、こういった臓器提供の意思をできるだけ尊重するという観点からも、先ほど申し上げた在宅や福祉施設で終末期を迎えるような、こういった方々に対しても取組を行うべきではないかということを改めて申し上げたいと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。

#112
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、臓器提供を希望される方の尊い意思を尊重することは大変重要でございますので、その尊い意思を尊重するよう十分な件数の献腎移植が現時点実施されていないという状況については更なる取組が必要であろうというふうに考えております。
 一方で、心停止後あるいは脳死下のいずれの臓器提供につきましても、摘出された腎臓が移植後に十分機能するようにドナーの適応基準というものが定められておりまして、ドナーについては七十歳以下が望ましいことですとか、血液生化学、尿所見等による器質的な腎疾患が存在する場合は慎重に適応を決定することなどとされておりまして、この点、在宅や福祉施設で終末期を迎える方については、約九割を占める方が七十五歳以上であるということですとか、全ての終末期を迎える方に血液生化学、尿所見等を逐次評価していないことなどから、移植後の臓器の機能を保つには現場では大きな困難を伴うものとも考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、心停止後の献腎移植を強力に進めていくために、先ほどと少し繰り返しになりますけれども、まずは心停止後の臓器提供が可能な施設を増やすことで、臓器提供の意思をお示しされた方が搬送先の医療機関等において確実に臓器提供できるように取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

#113
○秋野公造君 そうはいっても、七十歳以下が望ましいということは、それはそのとおりなんですが、例えば特養の入所者では、六十九歳以下の方は千四百人、実際に七十歳未満でお亡くなりになっている方は二十万六千人ということでありますので、やっぱりどこかでお亡くなりになった方からしか献腎移植は行われないわけでありますから、取組をすべきだと思います。重ねて御答弁を求めたいと思います。

#114
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 御指摘の特養入所者を例に取りますと、一般的に、終末期かどうかにかかわらず、医療機関での加療が必要であれば、入院し、適切に治療が行われるということになります。その過程において、残念ながら治療が奏功しない場合で臓器提供を希望する意思を表示されている場合には、臓器提供に向けた対応が行われるものと承知をしております。
 また、七十歳未満で亡くなられる方、二十一万人いるという御指摘もございました。これらのケース、いずれにつきましても、基本的な考え方として、臓器提供の意思を、尊い意思をどのような形で尊重できるかということが大事だと思いますので、その中で何ができるかということは検討してまいりたいと思っております。

#115
○秋野公造君 スペインなど臓器移植が非常に多い国では、この脳死下の臓器提供はやっぱり頭打ちになってきていまして、海外においてもやっぱり心停止後の臓器提供を増やす取組が進められております。そういった意味では、海外の事例といったものも参考にすべきであると思いまして、その取組を求めたいと思いますが、御見解お伺いしたいと思います。

#116
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 御紹介いただきましたスペインなどにおきましては、心停止後の臓器提供を増やす取組といたしまして、終末期の患者様に対して補助循環を活用した臓器保護の手法を導入することなどによりまして、心停止後の臓器提供をより良い状態で行えるよう必要な体制が整備されているというふうに承知をしております。
 臓器提供につきましては、先ほど来申し上げておりますように、臓器提供を希望する方の尊い意思を尊重できる形をつくっていくことが大事でございますので、厚生労働省といたしましては、こうした海外の取組等も参考といたしまして、献腎移植を増やす取組について引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。

#117
○秋野公造君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、ちょっと観光対策、ポストコロナということで少し議論をしたいと思いますけれども、やっぱりいつか、いつか来てくださる訪日外国人旅行者の方々に対する満足度を向上させるための取組として、やっぱり多言語解説整備事業というのは非常に重要だと思います。
 まず、文化庁の文化財多言語化整備事業の平成三十年から令和二年までの採択箇所、それから解説言語数による事業箇所について、現状をお伺いしたいと思います。

#118
○政府参考人(榎本剛君) お答えします。
 文化庁では、インバウンド対策の強化を目的として、文化財多言語解説整備事業を平成三十年度より実施しています。平成三十年度から令和二年度までの採択箇所数は合計百二十四か所であり、これを言語数別に見ますと、日本語を除く二か国語が三十六か所、三か国語が三十七か所、四か国語が六か所、五か国から八か国語が五か所、九か国語以上が五か所となっております。
 文化庁としては、インバウンド対策の強化を引き続き重視し、令和三年度予算案にも国際観光旅客税を財源とする事業として必要な経費を計上し、文化財の多言語化を支援してまいります。

#119
○秋野公造君 今御答弁をいただいたとおりなんですけれども、世界の母語というんですか、母語人口の十位まで、一位から十位までの言語としてどのようなものがあるのか、ちょっとこれ御答弁をお願いしたいと思います。

#120
○政府参考人(榎本剛君) お答え申し上げます。
 二〇〇五年時点での民間機関の調査によりますと、母語人口で見て最も人数の多い言語が中国語で約八億九千万人、二位が英語で約四億人となっております。
 以下、三位から十位までの言語は、順に申し上げますと、スペイン語、ヒンディー語、アラビア語、ポルトガル語、ロシア語、ベンガル語、日本語、ドイツ語であると承知しております。

#121
○秋野公造君 今、榎本審議官から九か国語以上が五か所ということで、なかなか非常に少ないわけでありまして、レクチャーでお伺いしたところ、国立公園について九か国語以上準備しているところは一か所ということでありました。
 ポストコロナとしてしっかり備えておくということが重要な観点から、今御答弁いただきました例えば上位十言語ぐらいについては各地域で必須にするぐらいの勢いで準備をしてもらうということが長期的な観点から必要じゃないかと思いますが、御答弁をお願いしたいと思います。

#122
○副大臣(中西健治君) 秋野委員おっしゃられるとおり、我が国の文化財や自然資源について価値や魅力が伝わるように質の高い多言語解説を整備することは、訪日滞在の満足度を向上させる観点から重要な取組であると考えております。その際、解説自体の質を上げつつ、様々な言語圏からの観光客に対応していくことは大変重要であり、令和三年度予算におきましても、国際観光旅客税を財源として観光庁、文化庁、そして環境省が様々な事業をするという予定であるということを承知しております。
 今後も費用対効果等を踏まえまして、各省庁において多くの言語への対応を効率的、効果的に促すなど、適切に対応していくことが必要であると考えております。

#123
○秋野公造君 ありがとうございます。
 ちょっと私、長崎の市長さんたちにお伺いをしましたところ、対馬市、島原市、佐世保市、大村市の取組としては九か国対応で、先ほど中に入っていなかったアラビア語とかスペイン語とか、こういったものも対応が可能ということになっております。
 やっぱり、改めて訪日外国人の需要をしっかりと増やしていく観点から、五か国以上とか十か国以上とか、こういった形で対応していくことは重要かと思いますけど、これ、文化庁の御答弁も求めておきたいと思います。

#124
○政府参考人(榎本剛君) お答え申し上げます。
 体験滞在の満足度を向上させ、訪日外国人旅行者の需要を増加させるためには、先ほどありましたアラビア語やスペイン語といった複数の地域で公用語に使用されている言語を含めて文化財の多言語化を推進する必要があると考えております。
 文化庁では、文化財多言語解説整備事業により多言語解説環境の整備を支援しているところ、更なる多言語化を促すために、令和三年度以降は整備する言語数に応じて補助率のかさ上げを行う予定です。具体的には、日本語、英語及び中国語を含めて五か国語以上を用いる場合は五%の、また、十か国語以上を用いる場合は一〇%の補助率の加算を可能とする予定です。
 こうした支援を通じまして、より一層の多言語化を奨励し、様々な言語の話者の旅行者の満足度を高め、文化財の魅力発信に努めてまいります。

#125
○秋野公造君 文化庁の御答弁でありますが、環境省はいかがでしょうか。御答弁お願いしたいと思います。

#126
○政府参考人(大森恵子君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、国立公園等におけるインバウンド促進に向けて多言語対応が重要であると認識しておりまして、環境省では二〇一九年より、観光庁と連携しつつ、国立公園の案内板等について、外国の方の目線に立った分かりやすい多言語解説を整備する事業を実施しております。
 本事業の事業採択に係る審査におきましては、英語以外の言語の整備が含まれていること、ICT等の先端技術を利用していることなどを加点要素として、そうした事業を優先的に採択してきております。加えまして、令和三年度予算案では国定公園も対象として追加し、計上しております。
 インバウンド対策の強化によって、自然豊かな我が国の国立公園や国定公園の魅力を世界に発信できるよう、観光庁と連携しつつ、より多くの言語における解説整備に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

#127
○秋野公造君 ありがとうございます。
 それでは、観光庁はいかがでしょうか。重ねて御答弁お願いします。

#128
○政府参考人(村田茂樹君) お答え申し上げます。
 二〇一九年に我が国を訪れました外国人旅行者数は三千百八十八万人を数え、国内に約四・八兆円の消費額をもたらしましたが、このようにインバウンドは我が国の経済、地方創生にとって重要な役割を果たしております。また、異なる国や地域の人々の交流や各地の様々な文化、自然等の体験を通じて、国を越えた相互理解の促進にも寄与してきたところでございます。
 委員御指摘のように、昨年来の新型コロナウイルスの影響によりましてインバウンドは一時的に止まっておりますけれども、我が国は全国各地に内外の観光客を魅了するすばらしい自然、食、歴史、文化芸術がそろっておりまして、観光立国を目指す政策の推進には、再びインバウンドを成長軌道に乗せることが不可欠でございます。そのためには、インバウンド需要の回復に向けて反転攻勢のための基盤を整備することが重要であり、多言語対応を含め、外国人旅行者が安心して快適に旅行できる環境を整備していく必要があると考えております。
 観光庁といたしましては、委員御指摘のように、多様な国の外国人旅行者の方々が安心して快適に旅行できるよう、技術開発の動向にも注意しつつ、各施設や地域においては、それぞれの特性も踏まえて、より多くの言語について多言語対応がなされるように、関係省庁とも連携しながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

#129
○秋野公造君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 コロナ禍の対策として、自転車を活用した取組といったのは海外でも相当促進をされておりまして、イギリスも巨額の予算を準備して自転車の活用を推進する仕組みであります。
 通勤あるいは観光という観点からも、この自転車道の整備をしっかり行っておきませんと、非常に危険な、危険と隣り合わせの状況でもあります。観光資源にもなり得るサイクリングロードの整備促進に対する国交省の取組についてお伺いをしたいと思います。

#130
○政府参考人(宇野善昌君) お答えいたします。
 全国には観光資源となり得るサイクリングロードが多数あることから、地域の創生を図るため、国としても全国のサイクリング環境の整備に取り組むことが重要であると考えております。
 自転車活用推進計画にもその旨が位置付けられておりますが、国としては、サイクリング環境の整備のため、防災・安全交付金等により自転車通行空間の整備を支援するほか、国際観光旅客税を活用した先進的なサイクリング環境整備事業等により、シャワーやラックの整備、サイクルトレイン、サイクルバスの普及、サイクリングに関する情報発信の強化等を支援しているところでございます。
 国としては、今後も自転車を活用した地域の創生が図られるよう、地方公共団体等と連携してサイクリングロードの整備を促進してまいりたいと考えております。

#131
○秋野公造君 この自転車道を整備するに当たってやっぱり鉄道の廃線跡地を活用していただくということは非常に重要であります。鉄道の跡地というのは傾斜も少なくて、そして、鉄道というのは本来つながってこそ鉄道なんですけど、残念ながら廃線になったところで、その機能が、公共としての機能が失われているようなところに自転車でつなぐといったようなことは、活用する方が中学生や高校生といった方々が多いということを考えますと、廃線跡地の自転車道としての整備というのは是非進めていただきたいところであります。
 これまで南島原市の自転車道の整備促進についてお願いをしてまいりましたけれども、今後の見通しについて御答弁お願いしたいと思います。

#132
○政府参考人(宇野善昌君) 市道南島原自転車道は、平成二十年三月に廃線した島原鉄道南線の跡地を利用した約三十二キロメートルの自転車歩行専用道路であり、南島原市長からの整備要望時には何度も秋野議員が御同席されていたと承知をしております。
 南島原市は世界文化遺産と世界ジオパークの双方が存在する日本で唯一の自治体であり、かつ、それらの施設がこの自転車道沿いに点在するなど観光資源が豊富なことから、自転車を活用した周遊観光による地域活性化が期待され、良い構想だと認識しております。国土交通省道路局職員も現地に赴き、事業予定箇所を確認しているところでございます。
 当該自転車道は、令和元年十一月に南島原市が策定した南島原市自転車活用推進計画において令和五年度までに整備する方針とされており、今年度から防災・安全交付金を活用し、約三十二キロメートルのうち加津佐から原城までの十一キロメートル区間の測量、設計を実施中と承知しております。
 国土交通省としては、南島原市からの要望を踏まえ、引き続き、防災・安全交付金等で自転車道の整備を支援してまいりたいと考えております。

#133
○秋野公造君 ありがとうございます。
 観光にも役に立ち、そして中学生や高校生の通学路の安全を図る意味でも期待をされておりますので、どうぞお願いをしたいと思います。
 次に、高速道路の遮音壁についてちょっとお伺いをしたいと思うんですけれども、白濁などが起こって景色が見えないといったような状況になりますと、非常に圧迫感、高速道路を利用する方々に圧迫感がありまして、この景観という観点、地域住民においては景観という観点やあるいは防災という観点から見通しや眺望を確保してほしいといったような御要望もいただいたことから、平成二十三年には私、質問主意書も提出をさせていただきまして、白濁しないような、そういう透光板を用いた遮音壁を造るべきだといったようなお願いをしたところであります。
 国交省の方で検討を重ねていただきまして、令和三年の三月十二日に道路に設置する透光性遮音板の技術の技術比較表が公表をされましたけれども、これができましたので、耐用年数二十年経過した時点においても景色がよく見えることを前提として透光性遮音板設置すべきと考えますが、御答弁をお願いしたいと思います。

#134
○政府参考人(宇野善昌君) 透光性遮音板は、騒音対策として設置される遮音壁の一部に、遮音壁による日照阻害の緩和、眺望の確保、利用者が感じる圧迫感の軽減などを図る目的で設置しているところでございます。
 道路管理者が透光性遮音板を設置する場合、現場条件に応じて求められる性能を満たす製品を適切に選定する必要がございます。一方、透光性遮音板には様々な製品があり、製品により素材も異なります。
 このため、基本的な音響性能のほか、安全性能、耐久性能、視認性能について同一条件下で比較できるように、統一的な性能評価項目として八項目を設定し、統一的な試験方法を用いて評価を行いました。先ほど議員からお話がありましたように、その結果を技術比較表として取りまとめ、今般公表したところでございます。
 委員御指摘の長期的な眺望の確保に関する評価については、評価項目の一つとして、耐用年数を二十年と想定した上で、透光性遮音板の黄ばみや曇り等について各製品の試験結果を比較しております。
 国土交通省としては、各道路管理者において、透光性遮音板を選定する際、眺望の確保の観点も含め、耐用年数が経過した時点においても一定の性能を満たす製品が採用されるよう、この技術比較表を高速道路会社等にも周知してまいりたいと考えております。

#135
○秋野公造君 これから設置されるものはそういうことになるんだと思いますけど、現状でこの透光性遮音板の白濁している面積とか比率とかいったものをお調べになっていたら、御答弁お願いしたいと思います。

#136
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
 国土交通省及び高速道路会社が管理する道路に設置された透光性遮音板について、平成二十八年度末時点の白濁状況を調査した結果によりますと、十年以上経過したものは約百八十四万平米、うち白濁しているものが約三十七万平米であり、これは十年以上経過したもののうちの二〇%に相当いたします。このうち二十年以上経過したものは約六十三万平米、うち白濁しているものが約二十三万平米であり、これは二十年以上経過したものの約三七%に該当いたします。

#137
○秋野公造君 結構多いんだと思います。これ、今後、新しいものも含めて点検、診断を行っていただくということは非常に重要だと思いますので、設置当初より求められている性能が満たされていない場合というものは透光性遮音板を交換する方針で対応していただきたいと思いますけれども、御答弁お願いをしたいと思います。

#138
○政府参考人(宇野善昌君) お答えいたします。
 透光性遮音板が白濁することにより、その耐燃焼性能、耐衝撃性能などの性能がどのくらい低下するかについては、白濁との因果関係も含め、明確な知見がないところでございます。
 国土交通省としましては、まずは白濁が透光性遮音板の構造安全性に及ぼす影響について確認する必要があると考えております。その影響の有無について高速道路会社において検討を進めているところであり、国土交通省としましても、協力してこの検討を進めてまいります。
 仮に、委員御指摘のように、白濁化することにより道路利用者への安全性の低下が生じることが明らかになれば、その結果を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。

#139
○秋野公造君 ありがとうございます。
 昨年十一月十七日の大臣所信質疑の際に、のり面工事、これはほぼ全ての工種がいまだに市場単価になっておりますことから、職員の方のワーク・ライフ・バランスの改善のためにも、休日を増やすためにも、週休二日の補正の対象にするようにお願いをさせていただきました。検討に着手という御答弁でありましたけれども、その後の対応についてお伺いしたいと思います。

#140
○政府参考人(東川直正君) お答え申し上げます。
 建設業の担い手を確保する観点から、週休二日の確保などの働き方改革は喫緊の課題でございまして、そのために積算をきっちりと行うという必要がございます。
 国土交通省では、直轄土木工事の積算におきまして週休二日工事の補正措置を行ってまいりましたけれども、そのうちの市場単価を用いる方式、これ、のり面工事等でございましたけれども、これは労務費や機械経費などが明らかでないために週休二日の補正措置を導入できておりませんでした。このため、市場単価を用いる方式におきましても週休二日補正を導入するよう業界団体などから要望をいただいていたほか、昨年十一月には国会で委員からも御質問いただいたところと承知しております。
 これにつきましては、今般、市場単価を用いる方式におきましても、週休二日の取得に要する費用計上のための補正係数、これを定めまして、今年の二月に地方整備局等へ通知を発出し、今年の三月一日以降に入札を行う工事から適用開始させていただいたところでございます。
 今後とも、国土交通省といたしましては、建設現場の働き方改革に資する取組を推進してまいります。

#141
○秋野公造君 全ての質問をすることができなくて、できなかった省庁の皆さん、申し訳ありませんでした。
 これで終わらせていただきます。

#142
○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。
 今日午前中は別の委員会に出ておりましたので、少し午前の質問ともし重複することがあれば御容赦いただきたいと思います。
 初めに、先日、札幌地裁で判決があった同性婚規定の立法不作為を理由とする損害賠償事件の違憲判決に関連して、同性婚や同性パートナーシップ制度について質問をさせていただきます。このテーマは後ほど麻生大臣にも配偶者控除などに関連して税制について質問したいとも思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 都議の時代より、同性婚、同性パートナーシップ制度の導入を提言してきた私にとって、本判決は前向きに進む材料となる画期的なものであったと認識をしております。当事者の方々が喜んでいる姿に私も感動をいたしました。
 まず、大前提として、私個人としては、いわゆるフルスペックの同性婚、これが実現されることが望ましいと考えておりますが、ただ、そこに至るまでには幾つかの考え方や方法論があると思っております。
 まず、本判決で違憲とされた理由が憲法第十四条であったことに鑑みれば、同性パートナーと婚姻している者との間にある合理的でない区別、すなわち差別を立法府、行政府で早急に解決していく必要があると考えられます。
 一方で、本判決では憲法第二十四条を理由とした違憲判決とはならず、憲法二十四条は、婚姻の成立要件に両性、いわゆる男女ですね、両性の合意を要求し、これを異性婚について定めたものと解釈をしたので、法律でこれと異なる要件を定めたとしても、憲法が定めるところの婚姻には該当しないと、こういう整理が考えられます。
 この議論は、同性婚というこの言葉の定義にもよりますが、同性カップルを法律上、現状の婚姻と全く同一のものと認めるには憲法二十四条が一つのハードルになるのではないかと、こういった意見は根強く残っております。
 こうした背景、経緯を踏まえれば、判決、学説等々も踏まえれば、この今回の判決や学説が、憲法が同性婚を禁止していると、そういうところまでは断じないものの、立法府にいる者として私がこの判決等々を受けての現時点の意見としては、まず短期的には、パートナーシップ法、いわゆる日本版PACS、フランス等々で導入されているPACSなどの新たな立法措置により同性婚を望む人たちの実質的な不利益をなくしていくと。そして同時に、憲法改正の議論を進めて、いずれは戸籍まで含めたフルスペックの同性婚を認めるようにすると。こうしたステップを踏んだ進め方が望ましいし、現実的に実現可能性が高いのではないかと考えています。
 いずれにしても、地裁の判決とはいえ、憲法十四条という憲法の中でも特に重要な権利侵害を指摘された点は重く受け止める必要が行政府にも存在します。
 法を運用、執行している立場であり、法律起案権もある行政府の立場として本判決をどのように受け止めているのか伺います。また、本判決の解釈として、本判決の違憲状態を解消するためには、同性婚規定、これが求められていると考えられるのかどうか、法務省の見解をお伺いいたします。

#143
○政府参考人(堂薗幹一郎君) お答えいたします。
 御指摘の判決におきましては、原告らの国に対する請求は棄却されたところでございますが、その理由中において、御指摘ありますように、同性愛者に対しては婚姻によって生じる法的効果の一部ですらも享受する法的手段を提供しないとしていることは、その限度で憲法十四条一項に違反するという判断がされたものと承知しております。
 政府としては、婚姻に関する民法の規定が憲法に反するものではないと主張してきたものでございますが、その主張が受け入れられなかったというふうに承知しております。
 もっとも、現段階では確定前の判決であり、また、他の裁判所に同種訴訟が係属していることから、まずはその判断等を注視してまいりたいと考えているところでございます。
 なお、この判決がどこまでの立法措置を要求しているのかという点につきましては、先ほど申し上げましたように、婚姻によって生じる法的効果の一部ですらも享受する法的手段を提供しないことがと言っておりますので、その点の解釈に委ねられるところになるかと思いますが、その点はやはり考え方が分かれ得るのではないかというふうに考えているところでございます。

#144
○音喜多駿君 今答弁ありましたように、違憲判決は一部ですらも認められていないということですから、全く同等の同性婚が必要なのかどうかと、そうしたところにはいろいろな考え方もありますし、確定前ですから他の裁判の判決も含めて注視すると、そういったことだと思います。
 ただ、今現時点でもこの差別的な取扱いをされてきた、されている、そう感じる同性パートナーの方々、もう一刻も早くそれを解消してほしいと願っているわけでありますので、その点やっぱりまず重く受け止めなければいけないと思います。
 近年、同性パートナーシップ制度、これを条例化する地方自治体が増えてきており、こうした動きは同性パートナーの方や性的少数者の方々への差別解消につながっております。この国バージョンの法律がまず求められているのではないでしょうか。
 先般の衆議院の議論でも、法務大臣が繰り返し同性婚は想定外であると、まだ検討にも入っていないと、そういった旨を答弁されています。であれば、まず、是非、もちろん同性婚の議論も是非していただきたいんですが、まずは地方自治体で既に実績があるこのパートナーシップ制度から、地裁の判決ではありますけれども憲法十四条違反とされたことに鑑みて、婚姻によって生じる法的効果を享受する利益と同様のものを同性パートナーにも認めるような、あるいはこれ同性間だけでなく私は異性間にも認めていいと思いますけれども、このパートナーシップ制度、この創設、法制化を早急に検討すべきと考えますが、政府の見解をお伺いいたします。

#145
○政府参考人(堂薗幹一郎君) お答えいたします。
 諸外国におきましては、法制度として同性婚の登録制のパートナーシップ制度を導入している国があることは承知しております。また、我が国でも、御指摘のとおり、地方自治体における行政上の取組として約七十の自治体で同性間のパートナーシップ証明制度が導入されているものと認識しているところでございます。
 御指摘のパートナーシップ制度につきまして、どのような法的効果を有するものを想定するかというところから問題になり得るというふうに考えておりますが、御指摘のように、婚姻に類するものを想定するということになりますと、この点につきましても、家族の在り方の根幹に関わる重要な問題であって、国民の意識などを踏まえた幅広い観点から極めて慎重な検討が必要になるものと考えているところでございます。

#146
○音喜多駿君 残念ながら、極めて慎重な検討という、これ同性婚と変わらないレベルの状況で、このパートナーシップすら足踏みしてしまうというのは私はちょっとどうかなというふうに思います。
 二〇二一年三月現在で既にこのパートナーシップ制度を導入している自治体というのはもう全部で七十八自治体あり、福岡や札幌市を始めとした人口百万人を超える市区町村や、そして大阪府、茨城県など、なぜか東京都はまだ導入していただけないんですけれども、都道府県単位で導入しているところもあります。日本の人口の多くをカバーしてきているということに鑑みれば、こうした自治体の条例を参考に、早急に国バージョンのパートナーシップ制度は創設されるべきだというふうに考えています。政府が動かないのであれば我々は議員立法ということも視野に入れていかなければいけないと思いますので、これ是非他の党派の方々にも御検討いただきたいなというふうに思っています。
 この場で是非最後に麻生大臣にもお伺いしたいんですけれども、今回の判決では婚姻によって生じる法的利益、これが同性パートナーにも享受されるようにと、ここは明確に求められていると思います。この婚姻によって生じる法的利益として、財務省の所管の税制関係では、相続税法における配偶者に対する相続税額の軽減、贈与税の配偶者控除があるほか、今日の議題にもあります所得税法関係で配偶者控除、配偶者特別控除などがあります。この配偶者控除、配偶者特別控除は生計に関わるものですから、特にこれ差別解消を急ぐ必要があると考えます。
 この配偶者控除等の税制において婚姻によって生じる利益を同性パートナーにも付与する、そういった考えはないかどうか、麻生大臣、見解伺います。また、麻生大臣の同性婚に関する見解、あるいは本判決に係る所見、こちらもあれば是非併せてお伺いしたいと思います。

#147
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のあった判決というのは、これは今法務省の答弁にもあっていましたけれども、これは確定前の判決で、他の裁判所で同じようないわゆる訴訟が係属中なんだと承知をしております。
 その上で、所得税法の話をされましたけど、配偶者控除は民法上の婚姻関係というのを、これを基礎としているのは御存じのとおりです。
 これは、御存じのように、これ所得税というのは大量かつ迅速に処分というか対応をしなきゃならぬ、処理を求められる制度で、これを規定するということになりますと、これは他の法律上、いろいろな概念というのをそのまま借用するということじゃないと合理的なことにならぬと思っております。
 したがって、配偶者控除をいわゆる同性パートナーの方にも適用すべきかというお話なんだと思いますけど、これは民法における同性パートナーの位置付けなどに関する議論というのを、これをよく踏まえた上で検討していくべきだということになるんじゃないですかね。今のお話で、前に百何件とかなんとかいろいろ言っておられましたけれども、今、日本、地方公共団体一千何百あるんですかね。だから、そういった意味では、今言うような話が世論になっているかねというようなことも考えないかぬところだと思いますが。同性婚に対する個人的な見解というのは、私の立場で、これは財務大臣で呼ばれておりますので、個人的に呼ばれているわけではございませんので。

#148
○音喜多駿君 個人的な意見は述べないと言いながら、千七百ある自治体で幾つなんだというところから、麻生大臣は慎重なお考えなのかなというふうに思います。
 これは、極めて本当に家族の在り方、伝統、歴史観、いろいろなものに関わる極めて難しい論点だと思いますので、それは非常に複雑なことを私も理解しています。今般も、この判決を受けて、憲法改正をしないと同性婚できないと、そういう考え方を持つ人は差別だというような論調もあって、同性間を望む人同士でもかなり大きく見解が分かれると。
 ただ、これ、考え方が違うからそれは差別的だとか、そういうことではなくて、しっかり当事者の方々の利益のために、そして社会の変化に合わせて制度や憲法をアップデートしていく、そのために、無用な対立は起こさずに一つずつ論点をクリアして少しでも前に進めていく、これが立法府にいる我々の役割だと思いますので、是非この点は引き続き、我々もいろんな提案をしていきますし、政府・与党とも議論させていただきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 では次に、本国会で話題となっておりますプラスチックごみの問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず前提として、昨年から行われていたこのレジ袋の有料化、こちらについては私は非常に効果が疑わしい。疑わしいことに加えて、市場や自由競争、こうしたものに大きな影響を与えて、さらに消費者にも負担が、事業者にも負担が増えているわけですからマイナスの方が大きい、早急に見直した方がいいんじゃないかというふうに考えておりますけれども、まず環境省が行ってきたこれまでの施策や事業についてはこうした政策評価をしっかりと行ってきたか、確認したいと思います。
 例えば、環境省は、クールチョイス推進キャンペーンの中で、君野イマ、君野ミライという、いわゆるこれ、もえキャラですね、もえキャラクターを展開してPRを行っていました。こうしたキャラクターなどにどんな効果があったんでしょうか。このクールチョイスのPR費用を伺うとともに、そのPRについて費用対効果の観点から政策評価が行われていたかどうか、その点をお伺いいたします。

#149
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。
 環境省におきまして展開してございますクールチョイス、こちら脱炭素社会づくりに貢献する製品への買換え、それからサービスの利用、ライフスタイルの選択など、あらゆる賢い選択を促す取組として平成二十七年度から推進してございます。
 その推進事業のその令和元年度の予算額は十億円でございまして、その中で、例えば二一〇〇年の未来の天気予報という動画を例えば制作いたしまして、気候変動がもたらす危機的な状況を身近な天気予報という形で分かりやすく示すなどいたしまして、公開から一年半で三十九万回視聴されるとか、数多くの方の行動変容を促す一定の効果があるというふうに考えてございます。
 このクールチョイスの事業でございますけれども、脱炭素社会の構築に向けて個人の行動変容を促すということを目的とした施策でございますので、PR費用がどの部分に該当するかという点は非常に難しい、まあ定義上は明らかでないところはございますけれども、現状におきましては、各省庁統一の行政事業レビュー、あるいは政策評価における政策区分に応じて効果検証や評価を実施しているというところでございます。
 また、事業実施に当たりましては、PDCAサイクルを用いることによりまして効果的な事業展開に努めているというところでございます。

#150
○音喜多駿君 今、御答弁に十億円という金額をお示しいただきました。つまり、あくまでこれ総額ということですよね。総額ですから、やっぱりこのPR費用にちゃんと幾ら掛かって、そしてそれはどういう効果があったのか。確かにそれは効果測定は難しいということは理解しますけれども、そしてキャラクターだけ取り上げて、申し訳ない、そのキャラクターが悪いとか、作成者の方にそういうことを言いたいわけではなくて、これはやっぱり税金を使った事業ですから、しっかりこの費用対効果をもう少し踏み込んで一つ一つ細かく精査していく。特に、この環境というテーマについては、まあ反発とかいろんな議論もあるところですから、そこはしっかりやっていただかないと国民の納得が得られないというふうに思うんですね。他の省庁の施策と比べて、政策評価、環境省の政策評価が、これ私は事前評価も事後評価も甘いんじゃないかというふうに考えています。
 そこで、本題のこのプラスチックごみ問題なんですけれども、政策評価の観点から総務省にまずお尋ねしますが、レジ袋有料化や閣議決定された資源循環促進法によるカトラリー、いわゆるプラスチックスプーンとかですね、このカトラリー等の有料化施策は、これ環境省だけじゃなくて、経産省等も巻き込むもので、政府が定義する複数の府省にまたがる政策で総合的に推進するために評価する必要があるもの、この定義にはまりますので、総務省の政策評価のこれ対象となると考えますけれども、見解をお伺いいたします。

#151
○政府参考人(米澤俊介君) お答えを申し上げます。
 総務省が行います政策の評価は、行政機関が行う政策の評価に関する法律、いわゆる政策評価法という法律の第十二条に基づき行うものでございます。この規定によりますと、二以上の行政機関の所掌に関係する政策であってその総合的な推進を図る見地から評価する必要があると認めるものにつきまして行うということにされてございます。
 委員御指摘の施策につきましては、複数の府省にまたがる、そういう意味におきまして、この対象となり得ると考えてございます。ただ、現時点におきましては、所管府省による施策への取組状況など、こういったことに鑑みますと、総合的な推進を図る見地からの評価が必要となる状況には至っていないものと考えているところでございます。

#152
○音喜多駿君 対象になり得るけれども、現時点では決まっていないということなんですけれども、でも、これ、ちゃんと対象にして政策評価やっていただきたいんです。
 先ほど例に挙げましたように、やっぱり環境省さん自ら行う事業の政策評価については私は非常に甘いと感じていますし、そういった国民からの指摘も多く寄せられております。また、後ほどこれ見ますように、特にレジ袋の有料化は、これ事業者にレジ袋の無償配布を禁じると、かなり強い規制を行ったにもかかわらず、省令でそれを行ったために、ガイドラインで定められていた規制の事前評価、これを逃れていたという事実もあります。この点は、私は厳しく指摘をさせていただきたいと思います。
 そこで、このレジ袋有料化等プラスチックごみ問題施策における政策評価は、その施策の目的と効果について、環境及び経済の両面に与える影響を重視して厳しく、総務省、政策評価するべきと考えますけれども、改めて総務省の見解をお伺いいたします。

#153
○政府参考人(米澤俊介君) お答えを申し上げます。
 一般論で申し上げますと、政策評価につきましては、委員御指摘の点も含めまして、政策評価法に定めるとおり、政策効果を把握し、必要性、効率性、また有効性の観点その他当該政策の特性に応じて必要な観点から評価する必要がございます。
 なお、政策評価の実施に当たって、政策をどのような単位で評価するか、こういったことにつきましては各行政機関が適切に判断するものと考えております。

#154
○音喜多駿君 官僚の方の立場ではそこまでしかおっしゃれないと思うんですけど、このプラスチック有料化については、何せ国民の負担が増えた、そして増えるかもしれないわけですから、これは国民的議論が巻き起こっていることですから、総務省もしっかりこれは政策評価行っていただいて、是正すべき点があればしっかりと指摘をしていただきたいと思います。
 次に、環境省さん、また戻るんですけど、昨年から始まったレジ袋の有料化について、それが決まったいきさつについて再度確認させていただきます。
 初めに、レジ袋有料化、これは特定事業者に対して、レジ袋は無償配布してはいけない、こういう理解でよいかどうか、環境省に確認します。

#155
○政府参考人(土居健太郎君) レジ袋有料化につきましては、消費者のライフスタイル変革を促すべく、あらゆるプラスチック製の買物袋につきまして有料化することによりまして過剰な使用を抑制するということを基本としまして、また、あらゆる業種におきまして、プラスチック製の買物袋、これを有料化するという削減努力がなされることが必要だと考えております。
 このため、既存の制度の枠組みを最大限活用する観点から、容器包装の使用の合理化に取り組むことを求めます容器包装リサイクル法に基づく判断基準省令、これを令和元年十二月に改正いたしまして、プラスチック製の買物袋を有償で提供することというふうにしたところでございます。

#156
○音喜多駿君 丁寧な答弁ですけど、つまりは禁止したという、そういう規制が行われたと理解しました。
 先ほど政策評価のところで言い忘れましたけれども、環境省さん、このレジ袋の有料化というのをここまでどう政策評価したんですかと事前に尋ねたら、三月に、前回、有料前にアンケートを行って、そして、有料化された後、十一月にまた消費者アンケートを行って、二千件ぐらいサンプル集めて、レジ袋もらう割合が七割から三割に減ったと、このアンケートだけ行ったことをもって効果があったというふうに私に説明したんですけれども、ちょっとこれはアンケートだけでそれは評価するというのは極めてずさんであるということは、ちょっとここでまた指摘をさせていただきたいと思います。
 話戻りまして、こうしたレジ袋は無償配布してはならないと、こういう厳しい規制が行われた政策については、令和元年に、当時の原田環境大臣が、これは法令を新たに作らなければならないというふうに発言しています。この大臣の発言というのは現在も維持されているのかどうか、その点伺います。

#157
○政府参考人(土居健太郎君) 当時から、環境省といたしまして、原田元大臣を筆頭に、レジ袋有料化を法令、すなわち法律、政令、省令の制度に基づきまして実施するということが必要であるという考えを持っておりまして、現在もそれには変わりございません。そして、その方針に基づきまして、容器包装法の判断基準省令を改正いたしまして有料化を実施しているというところでございます。

#158
○音喜多駿君 まあ法令には省令も含まれるので、そのとおりやったというのはそれはまあ確かにそうなんですけれども、ただ、この大臣の質疑のときの文脈とか見れば、そして国会の発言だったことを考えれば、これは、法令を新たに作らなきゃいけないというのは法律案を出して国会審議に諮るということだろうと、そういうことで多くの方は受け止めているということもまた事実だと思います。
 こうした当時の原田大臣の考えに反してというか、私は反した部分あると思いますけれども、省令で、この法律には諮らず省令で、特定事業者に対してレジ袋の無償配布を禁じ、そしてそれがもう消費者の負担増に直接つながった、こういうのを省令でやってしまうことは、私はかなり国会軽視をした考え方ではないかと思いますけれども、その点の見解を伺います。

#159
○大臣政務官(宮崎勝君) お答えいたします。
 平成十八年に国会で御審議をいただきました、そして成立をいたしました包装容器リサイクル法の一部改正では、容器包装を利用する事業者が、容器包装の使用の合理化により、容器包装廃棄物の排出の抑制、すなわちリデュースを促進するために取り組むべき措置に関する判断の基準を主務大臣が省令で定めることを求めているところでございます。
 昨年のレジ袋有料化は、リデュースを促進するための措置として、この省令を改めてプラスチック製の買物袋を有償で提供することを判断の基準に盛り込んだものでございますので、まさに国会で御審議をいただいた同法の要請にのっとったものというふうに考えているところでございます。

#160
○音喜多駿君 政務官、答弁ありがとうございます。
 ただ、やっぱりそれは、まあそういう理解も、そういう整理もできると思いますけれども、繰り返しになりますけれども、これは国民の負担を増やすものでありますから、事前に法があったといっても、そのときに必ずしも明示されていなかったものを国会通さないで通すというやり方は、それはやっぱりある意味だまし討ちと申しますか、私はちょっと民主主義を軽視した、根幹に関わる問題じゃないかなというふうに非常に感じております。これは、一度省令というのは取り下げて、これは国民負担を増やすという議論が行われているわけですから、再度堂々と法案として提出いただいて、議論をもう一回させていただきたい、そこを要望いたします。
 これらの議論を前提として、日本の海洋廃棄物に占めるレジ袋やカトラリー、スプーン、プラスチックのスプーンとかの割合は、現状のプラスチックごみのリサイクル状況あるいは経済的インパクトに照らし合わせれば非常に小さいもので、だからこそ、こういうものを有料化するという施策には私は極めて慎重です。さらに、国会と政策評価制度逃れのために省令でこの全て改正してしまう、この現在のやり方についても私は断固反対します。
 ただ、これは、じゃ、仮に有料化する場合でも、目的税として組み込んで、きちんと国会議論を丁寧に踏まえれば、これはまあ国民の理解はもしかしたらより得られたのかもしれないというふうにも思います。このレジ袋有料化導入の際、税として組み込むということは検討されなかったのか。また、税として組み込まなかった理由をお伺いいたします。

#161
○政府参考人(土居健太郎君) プラスチック資源循環戦略の策定の時点におきまして、プラスチックの消費やワンウエープラスチック製品、容器包装に対して課税すべきだというパブリックコメントの御意見はございました。その後、この戦略におきまして議論がございまして、レジ袋の有料化義務化を始め、消費者のライフスタイルの変革を促すことという取りまとめになってございます。
 これも踏まえまして、中央環境審議会、産業構造審議会の合同会議におきましてレジ袋有料化の制度の詳細について御議論いただいた結果、プラスチック製買物袋の価格設定につきましては、各事業者が消費者のライフスタイル変革を促すという本制度の趣旨、目的を踏まえつつ自ら設定するものという提言がなされております。
 これらを実現すべく、容器包装リサイクル法に基づきます判断基準省令を改正いたしまして、プラスチック製買物袋につきましては有償で提供するということを盛り込んだものでございます。

#162
○音喜多駿君 前提、私は増税には反対の立場ですけれども、海外事例いろいろ調べましたところ、アイルランドでは、レジ袋有料化はレジ袋税と、これで達成されており、導入の際、極めて慎重に議論が積み重ねられ、その結果を受けて現在の形が定着したということでありました。税で組み込めば反発はもちろん起きますけど、その分議論は深まります。環境に対する国民的な理解も深まった可能性があったんじゃないかなというふうに思います。
 本件、最後に、麻生大臣、昨日、この財政委員会の審議でマスキー法の歴史について言及されておりました。欧米が決めたルールに追随するだけではすぐはしごを外されてしまうと、そういったすごい含蓄のあるお話だなと私本当思ったんですけれども、今のこの環境についても、やはりかなり欧州を中心にそういった流れが来ていると。
 それは大事なことではあるんですけれども、そこに安易に追随していって、このプラスチックごみの問題のように、やっている感は出るけど効果は薄いみたいな、でも国民負担は増えるみたいな政策を一生懸命やった結果、あれ、欧米が、欧州とかはもう抜けていっちゃったみたいな、日本だけ残されたみたいなことになる可能性も私は十分あると思うんですよね。こういうことはやっぱり慎重にやっていかなきゃいけないということを、昨日大臣の話を聞いていて私はますます強くしたところであるんですが。
 最後の質問として、前提として、私は、消費者負担増やすと、増税にも強く反対ではありますけれども、このプラスチックごみ問題における各種のプラスチック、これどうしても有料化をして国民負担強いるということであれば、これはきちんと目的税として議論して課税をするやり方の方が筋が通るのではないかと考えます。
 この点、現在の環境省のやり方についての所見と税への組み込みの可能性について、財務大臣の見解をお伺いいたします。

#163
○国務大臣(麻生太郎君) 今、環境省でしたかね、今答弁やっていましたけれども、このレジ袋の有料化とか義務化とかという話ですけれども、これは環境省と経産省の合同審議会の提言というのを受けて、これは省令を改正してプラスチック製買物袋は有償で提供するということになったと、今そういう説明だったと思っていますし、私もそう承知しているんですが。
 この有料化義務化に関して、これは経産省、環境省等々においてその手法を含めた検討がなされたんだろうと思っておりまして、今要約した説明があっていました。いろいろ検討がなされたんだと思っておりまして、その内容について、もうちょっとやれとかなんとかというのを財務省から言うような話ではないと、そう思っております。

#164
○音喜多駿君 財務省から言えという話じゃないというのはそうなんですが、とにかくこの件、いろいろ今回議論させていただきましたように、国民の負担が増えると、だから課税しろと言っているわけじゃないんです。だから、財務省から課税しろと言われても、それはそれで困るんですけれども。
 ただ、やっぱり国民がなかなか関知しないところで議論が完結をして、そして事業者、そして消費者に負担が転嫁されていく。その結果、効果が疑わしい施策が行われているということはこれ重大に捉まえて、今新しい法案出てきますけれども、これについても私は極めて慎重に議論をしていきたいということを申し上げたいと思います。
 あと一分あるかな。まだお時間あるようでしたら、最後一問、もう少し、麻生大臣、交際費課税についてちょっとお伺いしたいんですけれども。
 今、この交際費というのが課税されるわけですが、新型コロナウイルスで飲食店業界というのは非常に強いダメージを受けている。こうした中で、GoToキャンペーンなどに比べれば微々たるインパクトかもしれませんが、交際費というこの課税を見直すことで、飲食店などに会合でお金を落とすインセンティブにして活性化していくという点が考えられるんじゃないかなと私は思っています。
 麻生大臣、かつて自ら旗を振って交際費の非課税枠を広げる政策を進めていらっしゃったと記憶をしております。今般のコロナ禍踏まえて、この交際費の課税については思い切った廃止も含めて大幅に見直していくということ、これを財務大臣主導で是非行っていただきたいと考えますが、大臣の見解、最後にお伺いいたします。

#165
○国務大臣(麻生太郎君) 交際費につきましては、これはいわゆる冗費の抑制というのが目的で、原則として課税を行うということにしております一方、今言われたように、特例として飲食費の五〇%までの損金算入を認める等々、一定の損金算入を認める累次の税制改正というのをこれまで行ってきているというのは御存じのとおりなんですが。
 今後の在り方の話でしょうけれども、飲食によります新型コロナへの感染の影響とか、この制度によっての企業の交際費支出の判断に及ぼす影響、また財政的な影響等いろいろあるんだと思いますけれども、私どもとしては、これは財源の確保を含めて検討していく必要があるんだと思いますので、この話は、景気の気の部分を良くするという意味においては、交際費撤廃しろという御意見もあります、これはいろいろな御意見がありますので、いろいろまだ検討するという段階にあるんだと思っております。

#166
○音喜多駿君 是非前向きに検討していただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。

#167
○上田清司君 国民民主党・新緑風会の上田清司です。
 今日は、コロナ関連の予算についてお伺いしたいと思います。
 令和三年度予算は、第三次補正と合わせ、感染拡大防止に万全を期し、中長期的な課題に取り組む予算としていると。まさにコロナ対策がメーンで、予備費も五兆円積んでおられますし、予算の内容も、感染危機管理体制、保健所体制の整備、感染症対策のための診療報酬の臨時措置、医療機器の国内生産能力の増強などが位置付けられておられます。
 感染防止体制について幾つか確認をさせてください。
 非常事態宣言が、一都三県が延長されましたが、三月二十一日に解除されました。感染防止の主たるターゲットはクラスターというふうに位置付けてよろしいんでしょうか。

#168
○大臣政務官(こやり隆史君) 委員御指摘のとおり、感染状況の実態を把握する上で、また集団感染の原因ともなり得るクラスターの状況把握、これは大変重要であるというふうに考えているところでございます。

#169
○上田清司君 クラスターのそもそもの定義はどのようになっていますか。

#170
○大臣政務官(こやり隆史君) 国において特段の定義を設けているところではございません。いわゆる感染者間の関連が認められた集団を指すものとして我々政府として使用しているところでございます。
 厚労省では、自治体のプレスリリース等を基に、同一の場で二名以上の感染者が出たと報道等で示されている事案を集計しているところでございます。

#171
○上田清司君 そこもやっぱり問題じゃないかなというふうに私は思います。
 クラスターの定義が曖昧のまま進んでおります。厚労省では二人以上というような形の中で、私、提出させていただきました資料の一番最後のページが、厚労省から最近いただいた一枚紙のペーパーです。同一の場で二人以上が感染したと報道された事案の件数ということで、五千四百九十一件と。また後ほどこれ取り上げさせていただきます。
 一方、コロナ感染症対策分科会の押谷構成員が資料を分科会に提出されたときのやつが一枚目の紙でございますが、この押谷教授は東北大学の医学部の教授でありますけれども、五人以上の感染者が発生したクラスターの内訳ということで、同じく報道情報に基づいてデータベース化されております。これも分科会に提出された資料ですけれども。
 このように、専門家の一人は五人以上をデータベースにすると、厚労省は二人以上だと、ここからして何かいかがかなというふうに思いますが、それはちょっと棚の上に置いた上で、改めて確認をさせていただきたいところですけれども、飲食店をクラスターの主たるものにしているこの根拠というのは一体どこにあるのでしょうか。

#172
○大臣政務官(和田義明君) お答え申し上げます。
 これまで専門家から示された感染状況の分析から、飲食を介しての感染が家族内感染や院内感染に伝播していったことが推定されております。実際に、医療・福祉施設を除くクラスターのうち約三分の一を飲食関連が占めておりまして、飲食がきっかけで地域で感染が拡大したというふうに分析をされております。そして、昨年の夏の感染拡大の際には、大阪、名古屋で二十時までの営業時間短縮要請を行い、一か月で新規陽性者数を半減させることができました。
 今回の緊急事態宣言では、専門家から飲食の場が感染の起点となっていると指摘されていることも踏まえ、また、昨年の夏の経験も生かして、協力金等により飲食店をしっかりと支援しつつ、飲食店の二十時までの営業時間短縮等の対策を講じました。飲食店を始めとする事業者の方々、そして国民の皆様の御協力もあり、新規陽性者数は一月の中旬以降減少が続いておりまして、現在、ピーク時と比べて約八割の減少効果が見られております。
 その上で、感染の再拡大が懸念されるとの指摘もございますから、政府といたしましては、宣言の解除に際して、感染の再拡大を阻止するための総合的な対策を決定いたしまして、飲食店に対してガイドラインの見直し徹底による飲食店等における感染防止策の推進、それからAIシミュレーションや新技術の導入による新たな感染防止策の促進、さらにはクラスター対策の強化、改正特措法の活用などによる早期対応などの対策を講じていくことにしております。

#173
○上田清司君 あくまで推定だというふうにお話しでございます。
 本日の委員会の最初に、医師でもあります櫻井議員の方からも御指摘もございました。感染経路についても唾を中心に考えておられますが、それ以外にも多くのものがある可能性が高いことも御指摘されたところでもございます。
 まず、押谷先生の、資料一枚目でございますが、これ見て分かりますように、医療・福祉施設関係でクラスターの割合が四四・七%で、感染者数は六一・八%なんですね。飲食店は、クラスターの割合が一九・三、感染者数が一二・五と、実は少ないじゃないですかと。
 これ、最後のページの、厚労省の二人以上の云々というやつの資料も見てください。これも接待を伴う飲食店も含めてのやつでありますが、医療機関と福祉施設合わせると二千四百六十四件で四四・八%、先ほどの五人以上の、押谷先生のは四四・七%ですから、見事に符合しております、データ的にはですね、五人であろうと二人以上であろうと。飲食店が百二件で、これが一八%でありまして、押谷先生のやつのクラスターの割合の一九・三%に近似しています。似ています。
 カラオケ、接待も含むということですが、押谷先生のデータの中で、飲食店関係でも細かく分析されております。接待を伴う飲食店、いわゆるナイトクラブであるとかバーだとか、そういったものだというふうに理解していいのかなというふうに私は思っておりますが、ここが一番多いわけでありまして、要するに、比較的近場でお話をしたりする、そういう関係のところだということで一番多いと、単なる飲食店は実は極めて少ないというふうに考えても構わないのかというふうに思っております。クラスターの割合、感染者の割合、そして、カラオケなどはクラスターは少ないんですが意外に感染者の数が多いということも、この押谷教授の分析では分かっております。そういうことを考えれば、同じ飲食店でも、主犯は接待を伴うところではないかと。
 極端なことを言えば、同じ飲食店でも、駅の立ち食いそばだとか、駅中、駅前の、五分、十分マスクは外すかもしれないけれども隣と話すこともない、もう時間制限なんか要らないかもしれない、二十四時間オーケーかもしれないです。仮に麻生大臣がバーで一人で飲んだとしても絶対感染するわけはないと、政治的にはいろいろあるかもしれませんけれども。
 おのずから、どこをターゲットにすべきかということを考えなくちゃいけないのに、単に推定されることで飲食店だけが何となく主犯扱いにされているというのはいかがなものかというふうに私は思っています。
 もちろん、確率論ですので、こうして、例えば、確率的には医療機関、福祉施設が圧倒的に多い、しかし、これは一定程度の場所、空間が決まっていますので、そこをしっかり抑えれば数は多くても何とかなるねという世界であることも間違いないんです。それは理解します。
 しかし、飲食店であれば、どこで誰が入っているかよく分からないと、一々住所を記名させて食事をさせるというわけにはなかなかいきませんから、会員制か何かならともかく。そういう意味で、掌握しにくいから掌握しにくいところだけを抑えている、主犯扱いにするというのは私はいかがなものかというふうに思います。掌握できるところは別格、掌握できないところは主犯扱いと。何のためにこのPCR検査というのはなされているのか、ここで改めて確認させてください。
 通告にはございませんでしたので、しかし、改めて聞いても問題ないと思います。事務方で結構です。

#174
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 専門家の議論におきましても、こうした感染源をいろいろ議論しながら、特に重点的に、重点化をしながら対象を見ていくということは非常に重要でございますし、その面で、検査につきましては、できるだけ必要度の高いところにきちんと検査を、網の目を掛けていくということでこれまで取り組んできているところでございます。
 この新型コロナウイルス感染が疑われる方など検査が必要と判断される方をより迅速、スムーズに検査を受けられるようにするということで、PCR検査につきましては、昨年以来、その体制の強化を図ってきているところでございます。
 最近では、全体として一日当たり十七万件程度の検査能力まで高めているところでございますけれども、この検査能力を高めつつ、早期発見のための手段としてPCR検査を活用していくということでございます。

#175
○上田清司君 ばくっとして分からなかったですね。
 何のためにということであれば、感染拡大を防ぐという、このことに尽きるというふうに思いますが、感染拡大を防ぐためにPCR検査を行うと。昨年の四月に、安倍前総理は、一日に二十万件にしたいと。もうあれから約一年ですが、最高十七万という話ですね。
 実は、このPCR検査、一都三県のデータをホームページで追っかけながらやってきまして、簡易にしました資料を整理させていただいております。四ページ目でしょうか、一都三県のPCR検査数等と書いております。
 まず、この議論をする前に、東京都、埼玉県は検査件数、神奈川県と千葉県は検査人数という形でしかホームページで発表されていません。そもそも、検査件数は検査件数ですね。人数は人数です。ダブルもあるかもしれませんから、そういうことで人数でしているのかもしれませんが、どうしてこのように一都三県だけでも二種類の統計の仕方をそのまま厚労省としては見過ごしているんですか。普通は、統計というのは一緒にしないと統計にならないでしょう。微妙な差が出てくるでしょう。まず、これだけ確認します。

#176
○政府参考人(宮崎敦文君) PCRの検査数につきましては、同じ人についても二回やるケースなどがあるものですから、基本的に我々お願いしているのは件数ということでお願いをしております。
 その上で、都道府県によって人数という形で出している場合もございまして、その結果として、この集計に当たりましてはそれぞれの都道府県の判断で人数を出しているケースもございます。
 繰り返しになりますけど、我々としては、件数という形でのお願いはしているところでございます。

#177
○上田清司君 一方で、東京都などは、はしたを消して丸めた数字を出したりもしたりしているんですね。はしたの数をもう切り捨ててですね。そういうことを厚労省は統計をするときにそのまま許しているというのが問題なんですね。定義付けもろくろくしないで、こうして検査数と検査件数もいいかげんにしたまま、あなたたちは検査数という言い方をされると。微妙に違ってきますよ。そういうのは正式に統計と言われなくなります。特に、数が多くなればなるほどその誤差は小さくなりますが、数が小さい市町村なんかはそういう誤差がたくさん出ます。それはちょっとさておきます。
 是非こういう統計は整理してください、クラスターの定義にしても。そうしないと、みんなが迷惑します。何のことかよう分からぬという話になります。
 ここで申し上げたいのは、十二月、一月まで順調に検査数を増やしてきました。昨年の四月頃なんか千二百件とか、全国で、もう極端に少ない状態でした。検査数増やせば、当然、感染者の数も増えますし、そうしたデータがより明るくなってまいります。
 ところが、二月になると、東京も神奈川も埼玉も千葉も極端に減ってきました。ざくっと言えば、三分の二ぐらいになっています。これが三月の十五日ぐらいまで続きます。三月の三週目に入って増えてきました。一体これはどういうことかなというふうにして、私はちょっとうがった見方したぐらいですよ。解除するために検査減らしたんじゃねえかとか、オリンピック開催を目指して、検査の数減らせば感染者の数が減るから。
 だって、毎日のテレビのニュース、東京都が中心になって出てきますけれども、母数が出ないじゃないですか。決まって日曜日と月曜日に減るんですよ、土曜と日曜日は保健所が休みだから。こんなことを平気で許しているんですよ。母数を出さないで、インチキじゃないですか、ある意味じゃ、ああいう発表の仕方は。誰が見たってインチキですよ。誰も知らないから、おっ、減ったななんて。じゃ、母数を出したら、率は同じだったりするかもしれないんですよ。
 そういうことをやっているんですけれども、なぜ二月に入った途端三分の二になったんですか。私が聞くところでは、病床が逼迫してきたので、保健所で病床の整理をするためにPCR検査しなくてもいいよというような中身の話を厚労省がお伝えをしたというようなことを聞いておりますが、この事実関係はどうでしょうか。

#178
○大臣政務官(こやり隆史君) お答えいたします。
 委員、まず前提として、検査能力自体は一貫して増大をさせてまいりました。これを前提といたしまして、一都三県での二月の検査数、御指摘のとおり、一月中旬のピーク時に比べて減少しております。その要因でございますけれども、一つは新規感染者数自体が減少していること。で、御指摘のように、母数で調整をすればその数が変わるんじゃないかという御指摘をいただいておりますけれども、併せて陽性率についてもチェックをしております。この陽性率についても、一貫して一月のピーク以降減少してきているということでございます。
 これらを踏まえますと、緊急事態宣言下でめり張りのある対策を行った結果、感染そのものが抑えられたことにより検査数自体も減少したものというふうに考えております。

#179
○上田清司君 陽性率との関係を聞いたわけではありません。なぜ減らしたかという話なんです。この減らしたことに関しての中身は一体何だったんですか。一貫して増やしてきたんですよ。十一月よりも十二月、十二月よりも一月、その前の十月よりも十一月、ずうっと一貫して増やしてきたんですよ、どんどんどんどん体制が整うから。いかんせん前総理は二十万件って言ったんだから、まだそこまで行っていないんだから、うそになっちゃいますよ。

#180
○大臣政務官(こやり隆史君) ちょっと分けて考えないといけないと思います。
 検査能力自体は一貫して増やしてまいりました。そして、先ほど十七万件と言ったのはPCRの検査でございまして、これに加えて抗原検査等、様々な検査手法を合わせて検査能力を拡大をしてきております。
 結果的に検査数が減ったというのは、先ほど御答弁申し上げたとおり、感染状況が抑えられてきた、これが一番の要因であるというふうに考えております。

#181
○上田清司君 感染者数が減れば、検査は減らしていいんですか。検査を減らせば感染者も減りますよ。

#182
○大臣政務官(こやり隆史君) 少し繰り返しになるかもしれませんけれども、検査能力を拡大しつつ、検査をする対象につきましては、一つは疑いのある方の検査、そして濃厚接触者の検査、そして幅広く感染防止のための検査、幾つか種類がございます。
 そうしたことも踏まえながら、能力は拡大しつつも、感染者の感染の状況は減ってきたということで対象となる母数も減ってきたので、結果として検査数が減少したというふうに考えております。

#183
○上田清司君 違いますよ。検査能力を増やすのは結構なことです、いざというときに広げられるので。でも、いいですか、非常事態宣言が出ている最中ですよ、二月は。そして、なぜこの非常事態宣言が出ている二月に減らすんですか、検査数を。良くなった。良くなったという判断をしたのは三月の二十一日のちょっと手前じゃないですか。二月に良くなったという判断ができていたんですか。だったら、延長なんかしなくてもよかったじゃないですか。今の答弁は完全に間違っていますよ。

#184
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 検査数に関してと感染者数に関しての御指摘ございました。
 御説明申し上げておりますのは、緊急事態宣言下で様々な対策が取られることで、感染のリスクが抑えられて感染者数全体が低くなるということで、その対象となる、陽性疑いの方に対して検査を行うわけでございますので、その対象となる集団が縮小することで検査数そのものも結果として下がったということを私ども考えております。
 仮に、そこがもし、いや、検査が絞られたんじゃないかということであれば、例えば一つの指標としては陽性率、この陽性率が徐々に上がってきて、検査に対しての陽性率がむしろ上がってくるようなことがあれば、実は何かの目詰まりがあるんじゃないかとか、検査数がかなり必要な方に行き渡っていないんじゃないかという懸念があるわけですけれども、この間、陽性率を見ますと、むしろ一貫して減ってきているということもございます。
 また、検査が仮に絞られているということであれば、結果的に、事後的に表れる例えば入院患者の数ですとか、そういうところでむしろ逼迫が、より逼迫してくるということが考えられますけれども、緊急事態宣言の解除に当たりまして、先週、状況を御説明申し上げましたように、医療提供体制の逼迫度というものはむしろ改善されてきたということがございますので、これらを総合的に考えますと、先生御指摘のような、何かその検査を絞ったから感染者数が少なくなっているということではなくて、いろいろな対策を講じて感染者数が減ったことで検査数も結果として落ちてきているというふうに考えているということでございます。

#185
○上田清司君 二枚舌を使わないでください。
 いいですか。陽性者数が、陽性率が下がってくれば検査数を減らしているんだと言ったけれども、私があちこちの部会で検査数がなぜ減ったんだということをやかましく言っているうちに、いつの間にか、いいですか、三月の第三週から四週、ちゃんと増えてきていますよ。当たり前に戻ってきつつありますよ。一時期一日七千ぐらいまで落ちていたのが一万件に戻りましたよ。三月の二週、九千になりました。三週、一万一千件ぐらいになってきましたよ。陽性率は同じ、少ないですよ。
 今の論理でいったら、しなくていいことになるじゃないですか。言っていることが違うじゃないですか、やっていることと言っていることが。完全に二枚舌じゃないですか。普通はしなくちゃいけないんだよ。止めてくださいよ、本当。駄目ですよ、こんなこと言っちゃ。数字見てください、第三週。二週まではそういう傾向でしたよ。でも、もう二週だって九千になっているんですよ、一日平均。(発言する者あり)

#186
○委員長(佐藤信秋君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#187
○委員長(佐藤信秋君) それでは、速記を起こしてください。

#188
○政府参考人(宮崎敦文君) 失礼しました。
 お答え申し上げます。
 行政検査につきましては、感染者、陽性者が見付かったときに、その周囲の方を含めて検査をしていくという形になります。例えば千人の陽性者の方がいらっしゃれば、その周囲の方に、必要な方に検査をしていくということになります。例えば五倍とか十倍必要だということであれば、五千人あるいは一万人という形になります。その母集団の陽性者の方が例えば千人が五百人になれば、その周囲への検査件数というのは対象としては減っていくという形になります。
 我々厚生労働省におきましては、この検査、必要な方に対する検査というのは一貫してきちんとやってくれということをお願いをしてまいりまして、この間も、緊急事態宣言下におきましても必要な方への検査というものは、検査体制の強化と併せ、必要な方に検査が行くようにお願いをしているところでございます。
 結果として、検査数につきましての推移ございました。また、直近、足下、三月の時点についての御指摘がございました。少し下げ止まっているところ、感染者数下げ止まって、上がっているところがございますが、それは先ほど少し御答弁が不十分でございました。一月、二月について、感染者数が減っている局面では減ってきている、足下では少しそこが下げ止まっているところが感染者数ありますので、むしろリバウンドしているという地域もございますので、そこの部分で増えている部分ございます。
 いずれにせよ、そこは感染者数と連動して検査数というものが表れているというふうに考えているところでございまして、行政検査につきましては、いずれにせよ、必要な方に検査が行き渡るように、今後とも都道府県に対して必要な方への検査をお願いをしていくという立場で動いているところでございます。

#189
○上田清司君 ありがとうございます。
 厚労省が定義付けている濃厚接触者の概念もちょっと狭過ぎるかなという感じしますね。マスクを着けないで十五分以上話した人を濃厚接触者だと。でも、保育所の保育士さんが仮に一日に何回かマスクを外して同僚と話します。仮にAという人が感染したとします。この保育所の保育士さんは当然隔離されます。で、確認します、マスクを外して十五分以上話した人いますか、保育所内でと。いや、二、三回ぐらいマスク外して話はしたけど全部一分以内だなと。そうすると、誰も検査しなくて済んじゃうわけですよ。実はそうなっているんですよ。周りの人みんな調べていますなんて言っているけれども、現実にはそうなっているんですよ、定義が。保健所にそう言ったら、ああそうですかということで終わりなんですよ、保健所の聞き取りでは。
 だけど、どう考えても不思議だなと思いますよ。念のためにみんな調べてもらえぬかなというのが普通でしょう。そんなに保育所の空間広くないですよ。幼稚園だってそうですよ。小中学校と違って基準が狭いですよ。校庭だって小さいですよ。幼児は余りかからないから、それは可能性薄いかもしれませんけど、だけど同僚がかかったら、今度はお父さん、お母さんたちが困っちゃうじゃないですか、閉鎖されたりすると。急に預かってくれなんて言われたって困っちゃうんですね。
 そういう意味では、そういうこの十五分の定義というのも、マスクを外したまま十五分間話したのは濃厚接触者だと。でも、客観情勢をやっぱり見て、もう少しこう、何というのかな、あの四日間の話と同じですよ。四日間三十七度以上なければ検査もしないというのと同じですよ。ひいひい言っている人がいても、二日目だから関係ないよという話と同じですよ。
 少しそのしゃくし定規的な考え方を改めないと本当に国民を救えないと思います。これは財政上の課題で、特にコロナ対策が予算の冒頭の文句の中に出てきているぐらいです。財務大臣、是非しっかりと見守っていただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。

#190
○大門実紀史君 大門でございます。お疲れさまでございます。
 今日は五十六分いただきましたので、答弁は簡潔じゃなくて、じっくり答弁してもらって結構でございます。
 この間、金融課税の問題を取り上げてきましたけれども、所得再分配という観点から金融所得税については繰り返し取り上げてきましたが、今回も見送られたということであります。
 金融税制そのものの議論は次回ちょっとまたやりたいんですけれど、その背景にあります投資の促進とか投資優先とか、まあ貯蓄から投資へというのもありましたが、こういう考え方があって金融の税制というのがあると思うんで、その投資促進とか最優先、こういう、まあ最優先といいますかね、投資優先、こういう考え方についてちょっと絞って聞いていきたいと思います。
 特にこの間、金融・証券業界、あるいは金融庁も含めて、若者に対して投資を勧めるということが、そういう姿勢が目立っております。NISAの議論のときも、金融庁は、若者の利用、投資促進、奨励されてまいりました。私、消費者問題もずっと取り組んできておりまして、特に若者の、いろんな被害があるんですけれど、スマホを通じて、ネットを通じてとあるんですが、もちろん詐欺的なものとかいっぱいあるんですけど、中にはやっぱり投資に引き込まれて、借金を抱えて多重債務問題ということで消費者問題といいますか、そういう相談も受けたりしてまいりましたので、この若者に安易に投資を勧めるというのは、大変実体験として、実感として気になるわけであります。
 大事なことは、この若者の問題というのは、何か投資で経済を良くするとか経済論とか、あるいは財政金融委員会の委員だから金融のことを考えるということをちょっと離れて、やっぱり自分の子供、自分の孫がそういう目に遭ったらというふうな、そういうことを念頭に置いて考えないと何か擦れ違いの議論になりがちなので、是非皆さんのお孫さんや息子さん思い浮かべてこの議論を聞いていただきたいなと思うわけであります。
 資料にも用意いたしましたけれど、今とにかく、まあその前にちょっと、今の話で少し最初に麻生金融担当大臣にお聞きしたいんですけれども、なぜ若者に金融庁が投資を勧めるのかと。
 貯蓄から投資へというのがあります。これは政府の大方針ですけれども、私たちは必ずしもいいとは思っておりませんが、貯蓄から投資という場合だと、貯蓄を持っているのはやっぱり高齢者が多いわけですよね。貯蓄から投資へということとは別なんですよね、若者は貯蓄少ないですから。そうすると、なぜ若者に勧めるのかと、金融庁がですね。この点、まず基本的にいかがでしょうか、大臣。

#191
○国務大臣(麻生太郎君) これは先生、本当に長い話で、背景が随分長い長い話になりますけれども、一つは、昨今人生百年と言われるので、昔は八十歳ぐらいまで貯金しておけばよかったんですけど、あと二十年分貯金しておかぬと生きていけぬというような話になってくると、ちょっと高齢者も消費に回そうと思った金を二十年分ためておかないかぬと、多分心理的にはそうなっておられると思いますね、まあ私もそうなっておられる高齢者の一人なんですけれども、八十歳以上という前提でしゃべっていますけれども。
 そういった意味で、多様化していますので、私どもとしては人生の中で様々なステージでこれ考えておかないかぬということははっきりしている。加えて、貯金しても今ほとんど金利、御存じのように、一万円金利所得を得ようと思ったら、分離課税二〇%考えますと、十二億円貯金がないと普通預金では一万円稼げない、今はそうなっておるわけです、とてもじゃないけど考えられませんから。
 そういったことになっておりますので、高齢者によって高い資産を中心とし、高い資産というのは配当を含めて、そういったものを中心とした資産構成をする一方、若年層の方はやっぱり投資とかなんとか普通ほとんど考えない。私も若いとき考えたことないですし、貯金というのはまあいいところだと思っておりますけれども。
 そういった意味では、リスクをある程度負うということも含めまして、金融商品を、貯金プラス金融商品というのになっておるんですけれども、日本は、御存じのように、個人金融資産一千九百何十兆のうち一千三十兆ぐらいだと思いますが、これ全部現預金という実態ですから、ちょっとこれ極端に現預金に偏っている、これだけ金利も付かないのにということになっておりますので、やっぱりある程度ライフプランというのを考えて資産形成というのに取り組んでおくというのを若いときからやっておかないといかぬのじゃないかというのが一つです。
 おっしゃるように、この一千何十兆のうちの六十歳以上の方々が持っておられるの半分以上ですから、そういったのを考えますと、今おっしゃるとおりなんですけれども、私どもとしては、今申し上げたような観点から、若いうちからというのでNISAというのをやらせていただいたりしているんですけど、おかげさまでNISAの利用は結構伸びたりしておりますが。顧客本位の業務の運営というものをやってもらわぬと。
 ちょっと先生と世代が違いますけど、私らの世代で学生出て株屋になるといったら大体余り勉強できたやつはいませんな、悪いけど。不動産屋といったら、まず大体地面師とか言われて、田舎じゃ、もうほとんど詐欺師か地面師かという感じだったでしょう。我々そういう世代ですもの。私ら学校で一番できねえやつは銀行に行ったりなんかしてですよ、今一番、銀行に行ったやつが一番ひどい目に遭ったという話になっていますけれども。
 そういう時代ですから、やっぱり何となく、何もしないで金を動かすだけでもうけるというのは何か怪しげなやつというイメージですよ、我々。やっぱり手に汗して働くやつがまともで、何となく顎で、電話だけで商売しているというのは大体怪しげなやつで、眉に唾付けて見ないかぬというのは言われましたから、私らの世代は。
 そういった意味では、金融に対するリテラシーとか今風の言葉で言うんでしょうけど、判断力、そういったようなものの向上というのは今のうちからやっておく必要があると思いますし、国際金融の世界で日本の地位がこれだけ上がってきて、すごい勢いで現預金含めまして金融資産というのなんかは猛烈に大きくなってきておりますので。今、貿易立国なんて、まだ経済分かっていない経済部の方がよくそう書いておられますけど、今は貿易立国じゃありませんから、日本の場合は。明らかに金融立国になっておるというような状態ではありますので、私どもとしては、そういった状況を考えてこれからの話を考えるに、若いうちからやっておいてもらわぬとどうにもならぬなというのが一番大きな背景だと思っております。

#192
○大門実紀史君 まあ若いうちはやるべきじゃないとかそういうことを申し上げているわけじゃなくて、今、本屋さんの、書店の投資本コーナーとか行きますと、すさまじい、何というんですかね、副業で、若い人働いていても副業でもうかりますよとか、お笑い芸人の方が一億円稼いだとか、何かそういうあおるような本が並んでいて、株式投資でワーキングプアから脱却しようみたいなね。つまり、所得の低い、ちょっと将来展望が見えないそういう人たちに、少額からもやれますよということで何かあおっていくような、そういう本が氾濫しているんですよね。
 そういう点で、さっき申し上げたように、具体的な相談が幾つかあった中では、少額から始めるんだけど、結局借金をしてまでやるようになって多重債務に陥る若者が増えているという現実があるわけでございます。
 大事なのは、これは政府も進めておられますけれども、金融リテラシー教育ですよね。ここでちょっと確認なんですけど、局長で結構なんですが、そもそも金融庁の言う金融リテラシーというのは、リテラシーって判断能力ということですよね、何が金融リテラシー教育のリテラシーなのか、金融庁はどう捉えておられますか。

#193
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 金融リテラシーとはお金に関する知識や判断力のことであり、特に金融庁では、国民一人一人が経済的に自立し、より良い暮らしを送っていくために重要なリテラシーというふうに考えております。近年では、長寿化が進むと同時に個々人の生き方も多様化しております。こうした中、各個人が若いうちから金融リテラシーを高め、それぞれのニーズに見合う金融サービスを適切に選択し、安定的な資産形成を行っていくことが重要と考えております。
 また、来年四月より成年年齢が引き下げられることから、成人後すぐに金融トラブルに巻き込まれることを防ぐためにも、金融リテラシーを若年層、早めに身に付けることが望ましいと考えております。

#194
○大門実紀史君 リテラシー、金融においてリテラシーというのは判断能力ですね。何を判断するかなんですけど、株の取引は、あるいは投資信託もそうなんですけれども、まずは、元本割れする、元本割ることありますよということですよね。で、生活資金は充てない方がいいと、余裕資金でやるべきだと、これ原則ですよね、普通は。そのことをきちっと教えるということですね。ましてや借金してやるのは駄目ですよと、これが基本的に若者たちに教えるべきリテラシー。
 元本割れのことと、生活資金を充てない、借金はしないと、これが、今現実的な、一番若者たちに教えるべきリテラシーじゃないかと思いますが、いかがですか。

#195
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 金融庁における例えば出張授業ということで、高校で授業を行う際には、まず適切な収支管理を習慣化するといった家計管理に関すること、さらにライフプランを踏まえた資金の確保の必要性の理解といった生活設計に関すること、まさに今議員が御指摘になったとおり、詐欺的な被害に遭わないようにということ、あるいは多重債務に陥らないということ、そういったことも含めて講義を行っているところであります。

#196
○大門実紀史君 金融庁の具体的にやっていらっしゃる出張教育については後で取り上げますけれど、まず、資料配りましたので、今どうなっているかなんですけど、日経ヴェリタスの資料ですけど、二月七日号に、これは投資家へのアンケートという形で調査が出ております。直近一年以内に投資を始めた人の割合なんですが、アメリカと日本が同じ傾向なんですけれど、二十代、三十代が圧倒的に多かったということでございます。
 もう一つの資料は、次の資料、スマホ証券、スマホでやれる株取引とか証券ですね。この口座開設数ですけれども、もう一気に増えております。二十代、三十代の割合がもう半分以上ということでございます。コロナ禍の下で、自宅にいたり家にいてということもあるかと思いますが、急速に若い人たちがスマホを通じて株の取引、証券取引に今参加者が急増しているということであります。
 アメリカは少し先行してこういう状況が進んで、若者たちがスマホを通じて株取引、証券取引に入るという事態が先にちょっと進んでまいりまして、大変な問題が、新聞報道でもされておりますが、起きました。
 アメリカのスマホ証券ロビンフッドの問題ですね。新聞読まれた方で御存じの方もいらっしゃると思いますけれど、これは日本でも起こり得る問題と、近い将来起こる、今年に起こるかも分からないというふうなことで大変関心を持ったわけですけれども、これは当然金融庁も見ておられるし、関心を持っておられると思いますけれども、何が起こったのか、ちょっと簡潔に、分かる範囲で結構です、説明をしてください。

#197
○政府参考人(中島淳一君) ただいま議員御指摘のとおり、ロビンフッドと申しますのは米国のスマホ証券でありまして、売買手数料無料で若年層の支持を集め、ユーザー数は一千三百人を超えるとも言われております。
 このロビンフッド事件の概要でございますけれども、株式やオプション取引のない個人投資家が売買を盛んに行うことによりまして、株式市場において、例えばゲームストップというような特定の銘柄の株価について乱高下が起きているという現象でございます。

#198
○大門実紀史君 そうですね。
 要するに、手数料ゼロで一ドルから始められるということで、お金の持っていない若い人たちも、しかもアプリがゲームのようなアプリで、株取引をやっているのかゲームをやっているのかというような、非常に若い人たちを誘い込むようなアプリになっております。それで、大量に、ワンクリックトレーディングということで、大量に若者たちが参加しまして、何というか、収入が、所得がなくても学生さんでもできるということで、今おっしゃったように、一千三百万人、一気に増えるというようなことがありました。平均年齢が三十一歳ということらしいですね。
 ところが、これはそういう人たちがヘッジファンドの餌食にされるということがあって、若者たちが逆にヘッジファンドを相手に逆襲をするというようなことがあって、アメリカの下院でも公聴会開かれたり、証券取引委員会でも問題に、大問題になっているというようなことでございます。
 それが資料三の朝日新聞の「反ウォール街 若者の乱」ということでございまして、先ほど申し上げたように、ロビンフッドをやっている若者たちを中心に、集団で株価を操作するということで空売りを仕掛けた、このヘッジファンドに今まで自分たちは損させられましたので、逆襲するというような、ちょっとかつてないような事件が起きたということであります。
 何に若者たちが腹を立てたのかといいますと、先ほど言いましたとおり、若者たちはアプリを通じて取りあえず稼いだとか損したとかいう世界、もちろんこれ自殺者も出ておりますから、何百万円、日本でいえば何百万の借金をして、あっ、何千万でしたかね、自殺する。あるいは、知識がないですから、損したと思い込んで自殺すると、こういう社会問題にもなっておりますが、その若者たちが要するに大量に市場に参加したわけですね、このアプリを通じて。その若者たちのお金を利用してヘッジファンドが株価を上げていくと、上げると、そして必ずどこかで売り抜けるわけですね。そのときにヘッジファンドはもうけたけれども、若者たちは大損するというようなことがあって、今申し上げたようなヘッジファンドを相手に逆襲ということがあったということでございます。
 この「反ウォール街 若者の乱」の右下に、先ほど麻生大臣からありましたけど、この方はちゃんとした方ですが、相場師研究家という、鍋島さんという方の面白い話が載っておりまして、「実は「ちょうちん買い」?」という記事で、字が細かいのでちょっと読みにくいと思いますが、説明しますと、要するに、株式市場では大口の買いに釣られて小口の投資家がそれを見て買いに走る、大口投資家が動くとそれに釣られて買いに走ると。これをちょうちん買いというらしいですね。プロの投資家の方は常にちょうちんがともった時点で売り抜けると、その小口の、くっついてきた小口投資家を、何といいますか、振るい落とすということをやるわけですね。まさに、アメリカでロビンフッドの、若者たちを相手にヘッジファンドがやったことですね。
 今の株式市場はこの鍋島さんがおっしゃるようなこういう仕組みになっているわけでありますので、何といいますか、本当によく分かって自分でも資産を持っている若者もいますから、よく知識もある、そういう方々じゃなくて、もうこのロビンフッドみたいな、日本でも大学生が、よく分かんないで、もうかるよと言われて簡単に入り込むと。この世界はこういう餌食にされると、簡単に言うとですね、日本でも、アメリカでもですね。このことをやっぱりきちっと私たちは教える必要があるんではないかというふうに思うわけです。
 次の資料の四枚目もこのロビンフッドの関係でありますけど、アメリカでの下院の状況とかが書かれた記事でございます。このロビンフッドとか今の鍋島さんの、要するに市場ではちょうちん買いが起きているんだと、だからこういう若者たちが何も知らないで入ると要するに株を上げることに使われて結局振り落とされるということをおっしゃっていますし、アメリカでは現実に起こったわけであります。
 これは、今後日本で若者たちに投資のことを教えるにしろ、勧めるにしろ、非常に大事なことがアメリカで起きたと思いますけど、このロビンフッド事件、日本が教訓とすべきことはあるんではないかと思いますが、金融庁はいかが捉えておられますか。

#199
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 投資家保護の観点から申し上げれば、株式といった金融商品への投資には損失リスクがあり、個々の金融商品の販売に当たっては、顧客の知識、経験や財産の状況にふさわしい商品の提供や適切な情報提供が重要であると考えております。また、利用者側においても、各金融商品のメリット及びリスクを理解した上で、それぞれのニーズにふさわしい取引を行うことが重要ではないかと考えております。

#200
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 もう一つ、具体的に日本の証券会社が今何をやろうとしているかというのが資料の五枚目でございまして、これはNHKの「クローズアップ現代」でございます。それのこまを撮ったものでございますけど、一月二十六日のNHKの「クローズアップ現代」で今申し上げたような若者のスマホ金融ですね、スマホ投資、スマホ金融が取り上げられまして、今申し述べたロビンフッドのこともこの番組で取り上げられました。
 番組の中で、みずほ証券の担当者とソフトバンクの担当者が今後の戦略について話し合う場面が映し出されております。みずほ証券の担当者、ソフトバンクの担当者なんですが、みずほ証券とソフトバンクは去年の六月にスマホ金融で包括的な戦略協定を結んでおります。両社が共同出資する例のペイペイ証券ですね、これはそこでスマホ投資を勧める証券会社も設立されているわけです。
 この番組で、非常にリアルな取材だと思いましたけど、どんなやり方が取り沙汰されたかといいますと、ここではIT企業担当者になっていますが、これはソフトバンクのことでございまして、みずほさんとか金融のプロからしたら常識であるグローバル分散と長期みたいなそういうキーワード、どこまで刺さるのかなと。つまり、若者たちに分散投資とか長期とか、そういうことは突き刺さらないと。スリータップで、三回タップすれば株が買える仕組みとか、あるいは千円単位で買い付けができる、そういうことが若者に受けるんだと、若者はそういうところに引き込まれるんだということで。で、みずほ側は、直感的で、これは多分ロビンフッドのアプリを想定、想像したんだと思いますが、直感的でシンプルなアプリを目指すことにしましたというふうにこの「クローズアップ現代」、非常にリアルな、若者をターゲットとした、しかも大手のみずほ証券と大のソフトバンクが若者をターゲットにしたロビンフッドのようなもので売り込んでいくということをテレビの前で、「クローズアップ現代」の取材でしゃべっているということでございます。この番組ですね、もう、ちょっとぞっとするものを感じるわけであります。
 改めて確認しますけど、金融庁の若者に対する投資を勧めると、若いからやってもらうべきだというお話がありましたが、それでも、若者に関していえば、長期、分散、積立てということを今まで金融庁はおっしゃってきたんではないかと思いますが、ちょっと改めて、それ確認でお願いいたします。

#201
○政府参考人(中島淳一君) 金融庁では、長期、積立て、分散投資というものを強く勧めております。
 この理由といたしましては、まず、長期保有については、金融市場は短期的に大きく変動することはあるが、保有期間が長くなるほどリターンが安定する。また、長期の複利効果を得ながら資産形成を行うことができる。また、積立てについては、お金を一度に投資するのではなく、何度かに分け、投資時期を分散させることにより、投資するタイミングによる高値づかみ等のリスクを軽減する効果や、まとまった資金がなくても少額から始められると。あるいは、分散投資については、一つの資産、例えば株式一銘柄だけに投資するよりも、投資信託等を通じて値動きの異なる複数の株式や債券に分散投資を行うことで価格の変動が小さくなり、リスクを軽減することが期待できる。あるいは、投資先の地域を国際的に分散することにより、より安定的な世界経済の成長の果実を得ることができると。こうした考え方に基づき、安定的な資産形成を行うのに適した手法ではないかと考えております。

#202
○大門実紀史君 このみずほ証券とソフトバンクが戦略として考えたのは、ちょっとそれとは懸け離れた、当面、もうそういうこと関係なく、どう若者を巻き込むかということであります。
 これは決してみずほ証券とソフトバンクだけの問題ではありませんので、とにかく大手が若者をターゲットにこういうことをやり始めているということでありますから、余計、先ほどの若者へのリスクの教育といいますかリテラシー教育が重要になるわけですけれども。
 資料の六に日経新聞の記事を用意いたしましたが、高校の家庭科で投資信託を授業という資料でございます。
 二〇二二年度から始まる高校の新学習指導要領は、今までは家計管理という観点で家庭科の中で資産形成の話も入っていたんですけど、今度は家庭科の授業で資産形成に触れなさいと、積極的に触れなさいというような規定になってきておりまして、で、この新聞記事が言っていることは、要するに、家庭科の先生が裁縫とか料理の実習に加えて株式、債券、投資信託など教えなきゃいけないと。これはもう現場ではそんなの教えられないということになって戸惑いが広がっているので、金融庁が、先ほどもありましたが、出張授業、あるいは教材を作ると。先生を対象にした投資イベントなどをやっていくというようなことも書かれております。
 何といいますか、金融サービスを利用する側の投資家目線といいますか、先ほど申し上げましたような、基本的な、若者たちにまず身に付けてもらいたい、元本割れしますよということと、生活資金は入れちゃいけませんよ、借金してやっちゃいけませんよというようなことよりも、どの金融商品を選ぶのかとか、何で資産形成をするのかというふうな流れになっていて、それはもう到底今の学校の現場の先生では対応できない。だから、金融庁にそういう教育現場のサポートをお願いするというふうなことが記事になっておりますが、ちょっとあらぬ方向に今進み始め、進んできているんじゃないかと思います。
 もう一つ資料は、金融庁の取組という資料でございまして、ここに先ほどお話があった出張授業と、金融庁としては出張授業、教育庁、教育委員会への訪問、先生方へのサポート、教員向け研修をやるというようなことが書かれております。
 この出張授業ですけれども、一体何を教えに行かれるんでしょうか。

#203
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 金融庁といたしましては、先ほど申し上げたとおり、国民一人一人が経済的に自立し、より良い暮らしを行っていくためには金融リテラシーの向上が不可欠と考えており、より具体的には、家計管理をしっかり行い、金融商品の内容を理解した上で商品を選択することが結果として金融トラブルを未然に防ぐとともに、安定的な資産形成につながるというふうに考えております。
 こうしたことから、高校生向けの授業においては、例えば、適切な収支管理の習慣化といった家計管理に関すること、ライフプランを踏まえた資金の確保の必要性の理解といった生活設計に関すること、預貯金、株式や債券、保険、ローンなどの主な金融商品の特徴、金融トラブル事例とその対応法などについて講義を行っているところであります。

#204
○大門実紀史君 今おっしゃったことならばそうなのかなと、こう思いがち、思ってしまうんですけど。
 具体的に、次の資料に、基礎から学べる金融ガイド、金融庁のパンプレットの抜粋でございますけれど、これを開きますと、開いてというか、株式、債券、投資信託というページがあるんですけど、一番に来るのは、まず殖やす、投資をすると。殖やす、投資をするから始まるんですね。要するに、投資の奨励といいますか、投資をしましょうから始まるわけでありまして、頭に書いているとおり、株式、債券、投資信託、名前は聞いたことあるけれど、難しそうに思っていませんか、しっかりとした知識を身に付ければ難しいものではありません、理解を深めながら自分に合った金融商品を選んでいきましょう、これから始まるんですね。まるで証券会社のパンフレットと同じですよ。
 こういうものを使って、もし、まあ学校の生徒向けにはやらないと思うんですけど、先生向けの研修とかやると、先生も勘違いしちゃう。先生、余り金融のこと詳しくない先生たくさんいらっしゃいますので、もうそんな安全な世界なのかと勘違いされる方もいるかも分からないので気を付けなきゃと思います。
 これ、あれですかね、生徒向けには使わないけど、先生向けの研修とかにこの金融ガイドというのをお使いになりますか。

#205
○政府参考人(中島淳一君) この金融ガイドにつきましては、一般向けに幅広く使っておるところでございまして、教員向けに使っていることもあるかと思います。
 今先生御指摘のページ、そのとおりでありますが、一方で、このガイドにおきましても、先ほど申し上げた、まずは家計管理、生活設計、そういったことの必要性から説明もいたしているところであります。

#206
○大門実紀史君 これもう詳しくやる時間ないんですけど、これ、ずっと読むだけでも、どうも順番が違うなというふうに思うんですよね。先ほど申し上げたように、株も投資信託も一番最初に言わなきゃいけないのは元本割れのリスクでありますけれども、これが明確に出てこないんですよね。八の二、十二ページの辺りに若干の記述があるんですけれども、利益が得られることもあれば損失が出ることもあると。これは単なる損失の話で、元本割れとは意味が違うんですよね。生活資金をつぎ込まないということについても、これも後ろの方に少し出てくるだけなんですね。
 やっぱり、こういうものを先にといいますかね、私なんかは一番先に書くべきだと思いますけれど、先に投資ありきで、今のことはもうずっと後の方を読まないと出てこないというのは、ちょっとこの金融ガイドそのものが中島局長おっしゃることとちょっと、ちょっと違うんじゃないかというふうに思いますので、改善を試みられたらどうかというふうに思います。
 もう一つは、だんだん学校教育に近づいてくるんですけれども、資料の九番目には、最低限身に付けるべき金融リテラシーというのがございます。これは金融経済教育研究会、これは文科省も参加されているんですね、のパンフレットで、最低限身に付けるべき金融リテラシー、知識、判断力というのがございます。
 ここには元本割れのリスクとか生活資金を区別するという記述も見当たりません。リスクとリターンという曖昧な記述だけなんですけども、これはこれで十分だということなんでしょうか。

#207
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 最低限身に付けるべき金融リテラシーというパンフレットにおきましては、まさに先生が今おっしゃいましたとおりの記述がなされているということでございます。
 これで十分かどうかについては、ただいまの御指摘も踏まえて検討してまいりたいというふうに考えます。

#208
○大門実紀史君 中島さん言われるのは、あれですか、この適切な収支管理とか生活。では、元本割れというのは例えばどこで読み取るんですか。

#209
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 このリテラシーというパンフレットの中で元本割れという言葉はございません。
 一方で、人によってリスク許容度は異なり、仮により高いリスクを得ようとする場合には高いリスクを伴うことの理解ということが記載をされております。

#210
○大門実紀史君 とにかく、普通の金融商品、証券会社が投資信託等を説明するときは必ず元本割れの話を説明に入っていますよね。そういう点では、もっと明確にきちっと入れるべきだと。これが学校教育につながっていくわけですので、取り上げたわけでございます。
 もう一つは、文科省、先ほどありました指導要領でございますが、これは文科省にも確認しておきたいんですけども、二〇一八年に新しい学習指導要領が告示されて、高校家庭科の授業で資産形成の視点が盛り込まれることになって、来年ですかね、二〇二二年度の授業から、この新しい資産形成の視点を盛り込むという指導要領で教科書が作られていくと。二〇二二年度からの授業でそういう授業が始まるという理解でよろしいですか。文科省、いかがですか。

#211
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。
 新しい学習指導要領、令和四年度の高等学校入学生から適用ということになっておりまして、御指摘いただきました点に関しましては、高等学校の家庭科につきまして、生徒が生活を主体的に営むために必要な基礎的理解と技能を身に付け、生涯を見通して課題を解決する力を養うことができるよう、新しい学習指導要領におきまして、家計の構造や生活における経済と社会の関わり、家計管理について理解するといった内容が盛り込まれたところでございまして、先ほど御指摘いただきましたように、令和四年度の入学生からこの新しい学習指導要領に基づく学習を行うということになります。

#212
○大門実紀史君 お配りした資料の十枚目、資料が多くて申し訳ないんですが、十枚目のところにあるのがその指導要領の解説、家庭編でございます。赤線引かせてもらいましたけれど、預貯金、民間保険、株式、債券、投資信託の基本的な金融商品の特徴、メリット、デメリット、資産形成の視点にも触れるようにすると。今までも金融商品の特徴は家庭科の中にあったわけですけども、加えて資産形成の視点にも触れるようにするということになったわけであります。具体的にどういうふうに資産形成の視点に触れるかは、今お話あったような方向でということですね、だというふうに思います。
 経過をたどりますと、たどりますとというか、文科省はどう捉えておられるのかでありますけれど、この文言が入った経過ですね、文科省としてはどこからどういうふうに伝わってこの指導要領に入れようとしたのかと、その文科省にとっての経過というのを教えてください。

#213
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。
 平成三十年三月に告示しました高等学校の学習指導要領家庭科の改訂におきましては、平成二十八年十二月の中央教育審議会の答申におきまして、高等学校家庭科の教育内容につきましては、少子高齢化等の社会の変化や持続可能な社会の構築等に対応し、生涯の生活を設計するための意思決定等に関する学習を充実するということが提言されております。このことを踏まえまして、家計管理について理解することといった教育内容の充実を図ったところでございます。
 また、これを踏まえまして、平成三十年七月に文部科学省におきまして作成しました学習指導要領の解説の家庭編におきましては、自立した生活を営むために必要な生活における経済の計画や消費生活等に関する理解を深めるため、預貯金、民間保険、株式、債券、投資信託等の基本的な金融商品の特徴、メリット、デメリット、資産形成の視点にも触れるようにするという記載が行われているところでございます。

#214
○大門実紀史君 高校生に教えるのはいかがなものかというところは、その資産形成に資するということを強調して、高校生、まあ大学生とか社会人なら別にいろいろあると思うんですけど、高校生に資産形成、資産形成ということを言う必要があるのかということで、実はこれはいろいろそういう指摘がずっとあったところなんですけど。
 まず、次の資料十一にありますが、なぜこういうものが指導要領にまで入ってきたかということなんですけど、二〇一三年四月に金融経済教育研究会が報告書を発表して、先ほど取り上げました最低限身に付けるべき金融リテラシーが整理されて、それを受けて二〇一三年六月に金融経済教育推進会議が設置をされると。ここには、有識者の方と金融業界、金融庁、消費者庁、文科省が参加するということになって、二〇一四年六月に金融リテラシーマップが公表されるということになりました。
 その金融リテラシーマップが、ちょっと細かい字で申し訳ありませんが、資料十二に付けてありますが、高校生のところなんですね。高校生のところ、これは要するに何かというと、リテラシーマップというのは年齢ごとに、年齢ごとに身に付けるべき金融リテラシーということで、小学生、中学生、高校生、大学生、若年社会人とかはあるわけですが、その中の高校生のところに、預金、株式、債券、保険等入っているんですが、ここには投資信託は入ってこないんですよね。大学生のところになって初めて入ってくるわけであります。
 この投資信託というのは、例えば全銀協がどう言っているかということなんですけれど、全銀協は、二〇一八年の三月に全銀協の考え方を示しております。これは資料十三にございますけれども、要するに、全銀協としては、これは全銀協が金融リテラシー教育について提言したものでございます、二〇一八年三月にですね。この中で、高校生に要するに投資信託の話は時期尚早だと、この投資信託を勧めたい側の全銀協がわざわざ指摘をしております。それは、高校生以下においては、長期、分散、積立投資のメリット等の大体そういう理解が容易ではないし、早過ぎるということで、何といいますかね、そういう資産形成、資産形成というのを高校生から言うのも早過ぎると、いろんな教育の全体から考えてもというようなことを、全銀協がわざわざ高校生から投資信託教える必要はないということを言っているにもかかわらず、先ほどの文科省の学習指導要領には投資信託がわざわざ入ったわけですね。これはなぜでしょうか。

#215
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。
 学習指導要領の解説でございますけれども、これは学習指導要領の記述の意味や解釈の詳細につきまして教育委員会や教員等に対して説明するために文部科学省において作成している著作物でございます。
 この学習指導要領の解説につきましては、先ほど来申し上げておりますように、中央教育審議会の答申におきまして、生涯の生活を設計するための意思決定等に関する学習内容を充実すべきというふうなことが指摘されたことを踏まえまして、基本的な金融商品の一例といたしまして、投資信託も含めまして、文部科学省の責任と判断におきまして記述をさせていただいたところでございます。

#216
○大門実紀史君 まあ文科省ですから、余り金融のこと御存じないのかも分かりませんが。
 投資信託という形が、なかなか株を、株取引やりましょうというのは抵抗があって、あれですか、事実同じ、元本割れをするリスクもありますし、少額からも投資できるというのは今ありますから、同じことなんですけど、投資信託というのは勧めやすいというのはありまして、売りやすいというのもあるわけで、若者たちを投資信託へという流れが、実は、全銀協はこうやって紳士的なこと言っていますけれど、投資信託協会というのがございまして、そこは既に二〇一七年度の事業計画で、投資信託を若い世代を中心とした資産形成を考える人たちに普及するということを、投資信託協会はもう方針を掲げて、ちょうど成人年齢が十八歳に引き下げられることも視野に入れて戦略を立てるということでやってきているわけですね。というような、この投資信託ということをやっぱりもうちょっと気を付けて、あれこれの一つじゃなくて、その業界との、若者たちをターゲットにしている人たちとの関係で注意深く見ておく必要が文科省もあったんではないかというふうに申し上げておきたいと思いますけど。
 先ほど金融庁に聞きましたけど、文科省として、具体的に教育現場でこの金融リテラシーについて触れていくということですから、文科省として、この金融リテラシー、若者たちに、高校生に教えるとしたら何が一番大事とお考えでしょうか。

#217
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。
 先ほど来御説明申し上げておりますように、高等学校の学習指導要領、家庭科の解説におきましては、投資の奨励といった観点ではなくて、生涯を見通した家計管理の計画を立てられるようにするという観点から、生涯を見通した家計管理の計画を立てられるようにするという観点から、投資信託等の基本的な金融商品のメリットとそれからデメリットも併せて触れるということによりまして、リスク管理も踏まえた家計管理の基本について理解できるように指導するということを示しているところでございまして、引き続き、こうした趣旨の徹底等を通じて、各学校において適切な指導が行われるように努めてまいりたいと考えております。

#218
○大門実紀史君 いや、だからね、先ほどからずっと言っているじゃないですか。若者たち、特に高校生なんかもそうですけど、何が大事かというと、そのリスク一般とかいう言い方もずっと金融庁もされてきたんだけど、もっとリアルに、ちゃんと、元本割れをするということと、生活費をつぎ込んじゃいけないということと、多重債務に陥る人たちもいるよということをきちっと教育現場で、これが資産形成のメニューですよと教えるときはそういうことをきちっと、一般的な管理とかじゃなくて、そういうことが必要じゃないですかということを申し上げているんですけど、いかがですか。

#219
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。
 学習指導要領を踏まえまして教科書等の記載が行われていくことになってまいりますが、新しい学習指導要領を踏まえた教科書はこれからということになりますが、現行の教科書におきましても投資信託について触れている教科書もございまして、その中では、先ほど来申し上げておりますような、メリットの一方でデメリットがある、損失が出ることもあるというふうなことも記載されているところでございます。
 引き続き、我々としましても、この金融商品に関する教育、家庭科の中で、生涯を見通した家計管理の中で適切な教育が行われますように、様々な支援も含めまして取り組んでまいりたいと考えております。

#220
○大門実紀史君 最後の資料ですけど、これが今現在の教科書のサンプルでございます。新家庭基礎ですね、パートナーシップでつくる未来といって、実教出版の今現在使われている家庭科の教科書でございまして、非常に私はきちっと書かれているなと思っております。
 金融商品のところで、「運用がうまくいけば大きな利益がもたらされるが、」、まあ余りないんですけれども、「失敗すれば家計は大きなリスクを負う」と。「金融機関の情報を収集し、金融商品を理解したうえで計画的で効率的な資産運用が必要となる。」と。左側に投資信託の解説もありますけど、「運用がうまくいけば、預貯金以上の収益を得ることができるが、運用がうまくいかなければ元本割れすることもある。」ということを、今現在こういうふうに書かれているんですね。
 ここはもうおおむね適切な表現だと思うんですが、これに新しい新指導要領で、資産形成を前面にと、金融庁のガイドのように、まず投資ですと、まず殖やしましょうまで言うかどうか分かりませんが、先に投資ありきになりますと、この表現が、これに加えてならまだ、まだしもですが、これが、この表現が変わるような、今の記述、これメリット、デメリット、ちゃんと書いていますよね、これが変わることはあってはならないと思いますが、いかがでしょうか。

#221
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。
 学習指導要領それから解説におきまして行われている記載につきましては先ほど来申し上げているとおりでございます。投資信託等の基本的な金融商品のメリット、デメリットも併せて触れることでリスク管理も踏まえた家計管理の基本について理解できるようにさせようということが趣旨でございますので、各教科書の発行者におきましても、その趣旨を踏まえた記載がしっかりとなされた教科書が今後発行されるということを我々としては望んでいるところでございます。

#222
○大門実紀史君 じゃ、新しい教科書が出てきたらまた文科省とも議論をしたいというふうに思います。今日指摘させてもらったことはやっぱり気を付けていただきたいなと思っております。
 最後に、麻生金融担当大臣に改めてお聞きしますけど、今日ずっと申し上げているのは、本当に今、非正規雇用が増えて、所得が少なくて将来展望が描けないという人、若者たち増えているんですね。そういう人たちに、甘い誘いで、少額から始められます、スマホでやれます、ワンクリックでもできますというような世界がずうっと押し寄せてきている中で、若い頃からいろいろ勉強してもらって、投資という道もあると、投資も一つの選択肢だと。これを教えちゃいけないとか、言うべきじゃないと、そういうことを申し上げているんじゃないんですね。
 今こういうふうになって、アメリカでもロビンフッド事件が起きて、こういうときだからこそ、やっぱり若者に対する、先ほどちょうちん買いに巻き込まれるというのもありました、そういう現実もありますので、若者に対する投資については非常に慎重に金融庁としても対応していっていただきたいと思いますが、改めていかがでしょうか。

#223
○国務大臣(麻生太郎君) これは、大門先生御指摘になったとおりに、まあ大体うまい話は裏があるって当たり前の話なんですけれども、こういった当たり前のことが何となくみんな言わなくなりましたね。世の中、何か、いい人で性格も良くて何とかで全部いいなんという人はいませんから、そういうのは。余り人が、いい人でやれる職業には余りおらぬと思って、僕はいつも経営者の人には、いい人は経営者に向いていませんよと言うけど、よく向こうも、政治家も同じですと言われて、まあごもっともと思って反論はしないことにしているんですけれども。
 株式投資とか投資信託、いろいろありますけど、金融商品というものの投資にはある程度リスクが付きまとっているという、これはもう当たり前の話を当たり前として思っておかないと、何となくうまい話ばっかりというので、さっき言ったように、いろんな株屋とかいろいろ言いましたけれども、そういったもので引っかかってくるというのは、これは私らの世代の人たちはずっと教えられ、嫌でも教えられ聞かされてきた話ですので、別に学校で習わなくてもそれぐらいのこと知っているよというのが普通だったと思いますけど、今なかなかそういう時代じゃなくなってきていますので、やっぱり勉強という、塾というところに行くことになってくると、視野狭窄症とは言いませんけど、何だか世間が狭くなってきているので、こういったようなことはある程度きちんとしたことを学習してもらう、うん、まあそういうことですかな、そういうことをやってもらわないと、何となくいい話ばっかりじゃありませんよという簡単なことをきちんと間違えないようにさせるというのをある程度金融庁も考えておいた上で行動してもらわないかぬよというお話だと思いますので、そのとおりだと思っております。

#224
○大門実紀史君 ありがとうございました。終わります。
    ─────────────

#225
○委員長(佐藤信秋君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤川政人君が委員を辞任され、その補欠として豊田俊郎君が選任されました。
    ─────────────

#226
○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHK党、参議院の所属会派はみんなの党です。最後の質問、よろしくお願いいたします。
 今回、公債特例法の改正案、審議対象となっており、まず、これについてお話ししたいと思います。といいましても、この法案そのものというよりは、平成二十四年にこの法律によって起こった問題を教訓として、今後の方向性の話としたいと思います。更に踏み込んで申し上げますと、憲法と絡めて話してみてもいいのではないかと思います。
 まず、先に私の考えを申し上げますと、政局などによって国家予算の執行ができなくなるような事態を防ぐ規定を憲法に盛り込んでもいいのではないかと、憲法改正時にはそのような点も改正点の一つとして検討してもいいのではないかということです。
 昨日の委員会から何度も話題に出ていて恐縮ですが、この公債特例法が政局で問題になった平成二十四年を少し振り返ってみたいと思います。
 この年は、国会で行われていったことを考えると、いろいろな意味で悪夢の年だったと思います。八か月も国会が開いていたにもかかわらず、通常国会で決まったのが増税だけ。当時ねじれ国会であったこともあり、この年の公債特例法案、成立せずに流れてしまいました。国家予算は半分が公債で賄われており、国家が借金をする際には法律を通す必要があり、その法律がこの公債特例法です。会計年度が始まる四月から予算は消化されるんですが、この年の通常国会はこの法案を通さずに閉幕してしまいました。十月近くになってもこの法案が通らないために、全国各地で予算の使用を控えることになります。
 今回、当時の記事を配付資料として用意させていただきました。これほどの規模で予算の執行がままならないというのは前代未聞の状況であり、日本が崩壊しかかっていたと言っても過言ではありません。十一月に臨時国会が開かれて、与野党駆け引きの結果、衆議院の解散を条件にこの公債特例法が単年でなく三年間有効な形で成立したと承知しております。三年間の間、公債特例法案を政争の具にしないという意味だったと思います。
 さて、ここで、予算が成立しないときの規定として憲法六十条というのがあります。詳細はここでは省きますが、衆議院の優越によって最終的に衆議院の議決が国会の議決となるものです。ただし、この条文では、公債特例法が政争の具になることを想定されておりません。予算のことしか書かれていないこの憲法六十条では公債特例法が成立しない事態に対応できず、前述のような予算が執行できなくなる問題が発生したと言えます。
 あくまで私見ではあるんですけど、政局によって予算の執行ができずに、国が崩壊に近づくようなことを防ぐような規定を憲法に盛り込むべきではないかと考えております。
 具体的にどうだと言われるとなかなか難しいんですけれど、一例として、帝国憲法、この七十一条を挙げてみたいと思います。条文を読み上げます。帝国議会において予算を議定せず又は予算成立に至らざるときは政府は前年度の予算を執行すべきという条文です。条文には前年度の予算の執行とありますので、それが執行される際には自動的に予算関連法案も付随して延長されることになります。公債特例法のような政局での争いで予算執行ができなくなるという最悪の事態は防ぐことができると思います。帝国憲法については様々な御意見があろうかと思いますが、この七十一条については先人の知恵のようなものを感じるところでありまして、憲法改正時には参考にしてもいいのではないかと考える次第であります。
 少し前置きが長くなったんですが、かつて御自身が総理だったときにねじれ国会に苦労した麻生大臣に質問させていただきます。
 国家予算の執行ができなくなるような事態を防ぐような規定を憲法に盛り込んでもいいのではないかと考えるんですが、そのような改正点について、麻生大臣の見解をお聞きしたいと思います。

#227
○国務大臣(麻生太郎君) 憲法改正がここで出てくるというのはなかなか面白いなと思って拝聴していたんですけれども、憲法改正というと九条ばっかりの話しか出てきませんから、最近国会では。ほかにいろいろあるんだと思いますけれども。
 いずれにしても、この場でちょっと財務大臣としてこの憲法改正についてお答えするのはちょっと難しいんですけれども、今言われたように、特例公債法の出てきた話というのは、今配られたこの資料にも書いてありましたけれども、あの年はたしか十月まで予算が通らないで、地方交付税二兆円だか二兆二、三千億あったと思いますけど、それが払えないということになって、分割払、考えられませんけど、とにかく分割払ということで話ができて、七千億最初だったか九千億だったか最初に払って、あとは分割で払うんだという話を、そうですね、七千億ぐらいですから三、七、二兆、そんなもんだと思いますが、七千億分割払ということでやってごたごたして、結果的に十一月にあれは通ったんだと思いますけど。地方はそれ払えなかった、小さな市町村が一千何百ありますので。そういった中で払えないところは全額自分で払ったりいろいろ騒ぎになったのは、もうちょっと正直、今考えてみりゃ、ようあんな騒ぎになったなと思うほどすごいことになりました、正直なこと申し上げると。
 したがいまして、特例公債法というのは成立しないとえらいことになるんだということで、当時の民主党、自民党、それから公明党ですか、三党で合意をさせていただいて、複数年度にわたって特例公債ができるという、発行可能という仕組みができたということがあのときの背景で、ちょっと正直今じゃ考えられませんけれども、そういうことが起きました。
 現実問題としてほかの国がどうだねと言われると、アメリカなんかでこういうようなことが起きたのは、上院が否決へ回ってこんなことになったのが何回かありまして、アメリカのワシントンに行ったら、スミソニアン博物館閉鎖、国立公園全て閉鎖なんというんで、次いでお巡りさん、消防士の給料も払えないという一歩手前のところまで行きましたから。ほかの国でも、その後いろいろ法律を改正しておられますけれども。
 今回の法案で、私どもはそういったあれを、特例公債を発行せざるを得ないという状況がしばらく今の状況では続くという前提で、私どもとしては安定的な財政運営というのを確保すると、これが第一です。何といったって財政が安定しないと迷惑を受けるのは国民ということになりますので、政争なんかでこういったことをやるのはいかがなものかということで、前回三党でお決めいただきましたあの法案というか現行法というか、そういったものと同様に今後五年間の特例公債発行する根拠とさせていただいたんですけれども。
 いずれにいたしましても、今こういったものを憲法にするべきかどうか、いろいろ御議論が出てくるところだとは思いますけれども、極めて重要な法案であることは確かでありまして、自由党と民主党と合併したあの年は予算が提出できなくて、自由党と民主党の合併する直前の話ですけど、面倒くさいから二つ法案を合わせて半分に二等分する、むちゃくちゃな予算編成をしたのが昭和二十二年かだと思いますけど、そんな時代もありましたので。
 いろいろ過去紆余曲折あって予算というのができ上がってきておりますけれども、今回もコロナのおかげで少なくとも国債を大幅に増発せざるを得ないという状況に至っておりますので、そういったことを考えて何が起きるかということを考えますと、きちんとした対策を練っておく必要があろう、私どもはそう思っております。

#228
○浜田聡君 ありがとうございます。
 現在は憲法審査会が積極的に開かれているとは言い難い状況なんですけど、日本の将来考えた上では、改憲賛成派の方も反対派の方もとにかく議論ができる場を設けていただくことを切に願うとともに、憲法審査会開かれた際には、改憲ポイントの一つとして、アイデアとして御参考にいただければと思います。
 さて、引き続き、昨日できなかった質問について、消費者庁の方にお聞きします。NHK訪問員、集金人についての話でございます。
 何度も繰り返しとなり恐縮でございますが、我々NHK党は、NHK委託業者による訪問員、集金人による悪質な行為を問題視しております。NHK委託業者の訪問員が各家庭を訪問して、時には強引な方法で受信契約や受信料を迫る手法を問題としております。そういった訪問員は、当然ながら、弁護士資格がないにもかかわらず法律行為を行っているという点から、弁護士法七十二条に抵触する可能性について国会で度々指摘させていただいております。
 我々NHK党は、委託業者の訪問員とは度々衝突しておりまして、我々は彼らを敵としてみなしてきた経緯がありまして、現実そうなんですけれど、ただ一方で、最近、そういった委託業者の集金人の方々に対して我々の味方にならないかという呼びかけも行っておりまして、最近少しずつ味方になってくださる方が増えています。委託業者がその従業員である集金人に対して、弁護士法七十二条に抵触する、つまり違法行為を促しているということを我々がインターネット上で発信していて、そのことで不安になった集金人の方が我々の主張に耳を傾けていただいて、正しさを認めてくださって、我々に協力してくださります。
 ここで、個別の企業名出して恐縮なんですけど、NHK委託業者の中で最大規模で、大きな問題を引き起こしている企業を紹介します。それはエヌリンクスという会社でございます。これは東証二部上場企業で、ゲーム業界など幅広い業務を行っているわけなんですけど、NHKからの委託を受けて契約や集金業務も行っている会社になります。
 我々に御協力いただいている元NHK集金人の一人に、元エヌリンクスの社員の方がいます。この彼によりますと、エヌリンクスにおいていろいろと内部の事情をお話ししてくれるんですけど、どうやらセクハラやパワハラなどがまかり通って放置されていたり、また弁護士法七十二条に抵触するような違法行為を社員にするように指導しているとのことでした。つまり、エヌリンクス内部には放置することが望ましくない様々な問題があると推察されます。この元エヌリンクスの彼自身も、最近ユーチューブやSNSなどでそういった情報発信を積極的にしていまして、こういった彼の行為は内部告発、言い換えれば公益通報であると考えます。
 ここで、その公益通報というある意味正義の行為について、その行為を保護する法律として、公益通報者保護法を取り上げたいと思います。
 この法律は、過去何度か改正しておりまして、昨年も改正しております。昨年の改正では、通報者の保護を手厚くしたと承知しております。
 ここで消費者庁の方にお聞きします。昨年の改正について、通報者の保護の観点での改正内容など、改めて確認させていただきたく、その概要を教えてもらえますでしょうか。

#229
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 昨年の通常国会で成立し、昨年六月十二日に公布された公益通報者保護法の一部を改正する法律においては、公益通報者がより保護されやすくする観点から、退職後一年以内の退職者及び役員を保護の対象者として追加すること、行政罰の対象となる法令違反行為の通報を保護される通報として追加すること、通報に伴う損害賠償責任の免除を保護の内容として追加することといった改正項目が含まれております。
 また、行政機関等への通報を行いやすくする観点から、権限を有する行政機関等に対する通報及び報道機関等に対する通報の保護要件を追加することとされております。
 このほか、内部通報に関する改正事項として、事業者に対して内部通報を適切に対応するために必要な体制の整備を義務付けるほか、担当者に対する刑事罰付きの守秘義務を設けることとされたところでございます。
 以上でございます。

#230
○浜田聡君 御説明ありがとうございました。
 さらに、この公益通報者保護法改正について消費者庁の方にお聞きしたいと思います。
 この公益通報者保護法の改正、昨年成立したわけですが、施行についてはいつからになりますでしょうか。また、前述のエヌリンクス、元エヌリンクスの社員の方が保護対象になるのかどうか。ここは法廷ではありませんので、可能な範囲でお答えいただければと思います。

#231
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 公益通報者保護法の一部を改正する法律の施行日については、公布の日から起算して二年を超えない範囲内とされております。現時点においては令和四年頃の施行を予定しておりますが、事業者における相応の準備期間を確保する必要があることから、事業者における準備状況等を踏まえながら判断してまいりたいと考えております。
 御指摘の社員だった方が公益通報者保護の対象になり得るかという点につきましては、改正法の施行後にされる公益通報については、退職後一年以内の退職者も保護の対象となり得ます。
 御指摘の事案が公益通報者保護法による保護対象になり得るかという点に関しましては、御指摘の行為が公益通報としての保護要件を満たすか否かによりますが、第一に、通報者が法第二条第二項の公益通報者に該当するか、第二に、通報先が法第三条第三号のその者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者に該当するか、第三に、通報内容が法第二条第三項の通報対象事実に該当するかなどによるものと考えます。

#232
○浜田聡君 ありがとうございます。
 元エヌリンクス社員の方が適用できるかどうか、我々の方で検討していきたいと思います。
 NHK委託業者の集金の問題に取り組む我がNHK党にとっては、消費者庁の全国消費生活センターのしておられる業務というのが非常に重要になります。ここで、消費生活センターに寄せられた相談内容を集めておくデータベースについてお聞きしたいと思います。
 全国の消費生活センターをオンラインネットワークで結んだ情報ネットワーク、PIO―NETというシステムがあると承知しておりまして、昨日の委員会の消費者庁の答弁でも度々この言葉が出てきました。このシステムについて概要を教えてもらえますでしょうか。

#233
○政府参考人(片岡進君) お答え申し上げます。
 PIO―NETにつきましては、今先生から御説明ありましたとおり、国民生活センターと全国各地域の消費生活センターとをオンラインネットワークで結んだシステムでございまして、消費者からの消費生活相談に関する内容や消費生活センターにおける対応などの情報を集約、共有しているものでございます。
 また、PIO―NETに集約をされました情報につきましては、現場の消費生活相談員が相談業務を行う際に活用されるほか、国の行政機関や地方公共団体において、政策の企画立案、住民への注意喚起などの消費者被害の防止に資するように利用されているものでございます。

#234
○浜田聡君 ありがとうございます。
 国民生活において困った人の声を集める、整理するといった、こういったシステム、非常に重要で、もっと多くの人に周知すべきと考えて、今回確認させていただきました。
 引き続き、PIO―NETについてお聞きしたいと思います。
 ここに蓄積されている相談内容などのデータなんですけど、これを閲覧できるのはどなたになるでしょうか。

#235
○政府参考人(片岡進君) お答え申し上げます。
 PIO―NET情報の利用につきましては、法令の執行又は消費者政策の企画立案、実施のために、あらかじめ登録された消費者庁を始めとする国の行政機関の職員、地方公共団体の職員及び消費生活相談員などが閲覧することができることになってございます。

#236
○浜田聡君 ありがとうございます。
 このPIO―NETに寄せられる相談内容なんですけれど、ある意味世相を反映したものだと思うんですね。そういった声というのは国会議員が閲覧できるようにというのが非常に重要ではないかなと思ったんですけれど、国会議員というのは、この相談内容のデータというのは閲覧することができるんでしょうか。

#237
○政府参考人(片岡進君) お答えいたします。
 PIO―NETに登録されました相談情報につきましては、国会、それから各省庁、関係団体などからの提供依頼があれば国民生活センターから情報提供をさせていただいているところでございます。
 なお、PIO―NETに登録されました相談情報については、地方公共団体の職員が精査、決裁をした上で登録されているものでございますので、一定の信頼性を有するというふうには考えておりますが、相談者からの申出情報を基に作成されているものでございますので、個人の特定につながらないか、あるいは誤解を招くことがないかなど、一度情報を確認をした上で提供させていただいているものでございます。

#238
○浜田聡君 分かりました。いろんな事情があっての現状の制度だと思いますので、今後もし検討いただければと思います。
 最後に、PIO―NET、もう一つ御提案させていただきたいんですけど、PIO―NET、長い歴史を持っていると承知しております。運用の中で少しずつ改善を繰り返しておりまして、改善を続けていることから、データシステムとして高く評価していいのではないかと思います。
 一方で、新たに運用したデータシステムというのはどうしてもその立ち上げ時につまずくことが多いと思います。例に挙げてちょっと恐縮なんですけれど、新型コロナウイルス感染症でのHER―SYSなどのデータシステムだと、多くの問題が発生しているという報道があります。
 そこで、質問というか提案なのですが、PIO―NET運用者がHER―SYS担当者に何か助言をするとすれば何があるでしょうか。

#239
○政府参考人(片岡進君) お答え申し上げます。
 PIO―NETにつきまして、先生から高く評価をいただきまして、ありがとうございます。
 御指摘のHER―SYSのシステムにつきましては、詳細を承知しているわけではございませんので一概に比較してお答えするのは大変難しいところではございますけれども、先ほど先生からお話ありましたように、一九八四年に運用を開始して、これまで長期にわたって入力マニュアルの作成や入力する現場の相談員の方々への研修、そしてシステムの改修を重ねて現在に至っているということでございます。

#240
○浜田聡君 ありがとうございます。
 長年のノウハウが蓄積されたそういった優れたシステムというのは国民全員の財産と言っていいと思います。そういったシステムのノウハウを様々な分野に広げていってほしいと思って今回取り上げさせていただきました。今後、省庁間でうまく連携を取っていただいて、より良いシステム構築につながることを願うとともに、私も応援させていただきます。
 この後しばらく、新型コロナウイルス感染症について厚生労働省の方を中心にいろいろとお聞きしたいと思います。
 まず、このウイルス感染症に関する病名やウイルス名といった名前に関して問題提起をさせていただきます。
 このウイルス感染症は、二〇一九年から中国湖北省武漢で流行し、その後、全世界に広がりパンデミックとなりました。現在大きな問題を引き起こしているわけであります。武漢市の流行に注目して、その名前を武漢肺炎であったりチャイナ・ウイルスなどといった呼び名もあったと思います。ただしかし、そういった声に対してWHOが、特定の地域を名前に付けるのはよくないなどという理由で、正式名称がCOVID―19となりました。
 ただ、その後、問題だと思うんですけれど、その後出現して現在問題となっている変異株については、イギリス型とか南アフリカ型などと平気で付けられております。これは先日のWHOの指摘に対して矛盾しているのではないかと感じるところなんですけど、この命名について厚生労働省の見解を教えてほしいと思います。

#241
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、この新型コロナウイルスに関連いたしまして、特定の地名を名称とすることで当該地域の差別や偏見につながりかねないという御指摘、WHO等も指摘しているということを承知しております。
 変異株に関しまして、厚生労働省としては、分かりやすさなどの観点から、英国において報告された変異株といった表現を用いているところでございます。また、基本的対処方針の中では、テクニカルな用語と併記する形で、英国で確認された変異株(VOC202012/01)というような併記、あるいは南アフリカで確認された変異株(501Y.V2)というような記載をしているところでございます。
 今後、委員の御指摘も踏まえまして、適切な呼称、どういう形がいいのかについては引き続き検討してまいりたいと考えております。

#242
○浜田聡君 ありがとうございます。
 中国は、現在問題となっている感染症の起源の可能性が指摘されながらも、それをうまく回避して、今やマスクやワクチンを世界に送る救世主として振る舞っているわけなんですね。今回指摘した命名に関する問題一つ取っても、中国による外交の巧みさというか、うまさのようなものを感じます。
 仮に同じ状況が日本で起こった場合を想定してみます。もちろん、仮の話なので、可能性も低いと思いますし、ないとは思いますが、仮に日本発の世界規模の伝染病が発生したらどうなるのか。恐らく世界中から袋だたきにされるのではないか、あるいは多額の賠償金を払えと言われる可能性はあると思います。そういったときに、中国のように突っぱねることができるのでしょうかということについては甚だ疑問です。今すぐどうこうという問題ではないですけど、このコロナ禍を契機に、国際社会を賢く生き抜いていくことについて改めて意識したいと思います。
 続きまして、このコロナウイルス感染症が発生したと推測される中国ですが、中国の人々の食習慣と感染症について確認させていただきたいと思います。
 中国においては、人々が多くの種類の野生動物を食べる習慣があります。他の国では食べないような食べ物を、動物を食べていたり、また、その管理状況も十分ではないと指摘されております。今回のコロナウイルス感染症は、一説によると、コウモリを食べた武漢市民が発症のきっかけになったという説があります。また、以前流行したSARSに目を向けますと、こちらはハクビシンから広がったという説があります。
 中国の食習慣などの習慣がすぐに変わることは予想しにくいと考えますと、今後も中国発祥の動物由来の感染症、発生する可能性があると思うんですが、これについて厚生労働省の見解を教えてください。

#243
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 今のこの新型コロナウイルスの起源について、WHOの調査団の報告自体まだ出ておりませんので確たるところを申し上げることできませんけれども、委員御紹介いただきましたように、これまでにもSARSですとか鳥インフルエンザですとか動物を起源とすると考えられる感染症、世界中で起きております。こうした感染症に対しましては、厚生労働省からもWHOに職員を派遣するなど、各国際機関あるいは各国政府と連携した形で情報収集に努めまして、必要な対応を行ってきたところでございます。
 今後も、御質問ございました中国に限らず、世界中で野生動物等を介して動物に由来する新興感染症が新たな脅威として発生する可能性は十分に考えられると思っておりますので、今回の経験も踏まえまして、今後とも、各国政府あるいはWHOとよく連携をして情報収集に努め、必要に応じて専門家の意見も聞きながら適切に対応していくことが必要だと考えているところでございます。

#244
○浜田聡君 ありがとうございます。
 世界各国でそれぞれの食文化があって、それに対してどうこう言うべきではないのかもしれませんが、ただ、今回の感染症の問題というのは、一国のみならず世界が関わる問題でございます。感染症がその発祥国で蔓延することについては、少し酷な言い方かもしれませんが、自業自得と言えます。ただ、それが世界に感染拡大するのはその国だけの問題にとどまりません。
 先ほど申し上げたSARSのときを振り返りますと、中国は野生動物の食肉に関して見直しと禁止を世界に約束したのに、結果的に何も禁止ができておらず、現在に至るのではないかと思います。今後も、中国内の動物由来の感染症の発症が続くことに関して警戒を訴えていきたいと思います。
 さて、国際社会で日本の地位向上を考えていく上で、国際機関に目を向けたいと思います。
 感染症が問題となっている現状においては、やはりWHOが大変重要です。WHOに対しては様々な関わり方があって、現在厚生労働省においても御尽力いただいていると思います。その中で、特に目に見えやすいものとして事務局長の選挙があると思い、昨年この委員会で取り上げさせていただきました。
 今回改めて取り上げさせていただきます。再度お聞きするのも恐縮なのですが、二点ほど確認させていただきたいと思います。
 政府としてはこの事務局長の選挙重要視しているとのことで、今後もその方針は続くものと思います。私もその方針に賛成です。
 そこで、少し蒸し返すようになるようで恐縮なんですけれど、前回の選挙、日本の挑戦は残念ながら敗れてしまいました。このときの反省点などありましたら教えていただきたく思います。

#245
○政府参考人(井内雅明君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、二〇〇六年に行われたWHO事務局長選挙において、我が国からの候補である尾身茂氏は当選しませんでした。二〇〇六年のWHO事務局長選挙は第六代事務局長が急逝された中で急遽行われた選挙ではありましたが、我が国からの候補が当選しなかった要因について一概に申し上げることは困難でございます。
 なお、WHOについては、二〇一八年に、我が国から推薦した葛西健氏が、選挙の結果、WHO西太平洋地域事務局長に選出されております。
 厚生労働省としましては、国際保健分野において主導的な役割を果たせる人材の育成に努めておりまして、今後とも事務局長候補となり得るような日本人幹部職員の増加に努めてまいりたいと考えております。

#246
○浜田聡君 ありがとうございます。
 現在、新型コロナウイルスで政府で中心となっておられる尾身先生が前回の候補者であったということで、もしそのときに尾身先生が事務局長になられたとしたら現在の世界の状況は全く違ったものになっているのではないかと想像されるわけですけど、仮の話をしても意味がありません。尾身先生には、現状大変お忙しいとは思いますが、前回の選挙時の経験を是非とも次回挑戦の際に伝えていってほしいと願います。
 さて次に、外国人入国者に関する新型コロナウイルス感染症の問題について一つ確認させていただきたいと思います。
 国外から入国される外国人による感染の問題は様々な問題があると思うんですけど、ここでは外国人患者さんに係る医療費について取り上げたいと思います。
 この医療費を確認したときに、多額の公費が使われたことに問題があると考えます。ダイヤモンド・プリンセス号で外国人患者さん三百四十二名の保険診療対象費用に二億七千八百万円ほど掛かったと聞いておりますが、そのほとんどが公費で使われたと聞いております。
 以前の予算委員会で、外国人入国者に民間医療保険の加入を義務化してはどうかという提言があったのですが、この提言、現状どうなっているのか、厚生労働省に確認させていただきたいと思います。

#247
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 現在の感染症法上の入院医療費についてはいわゆる公的医療保険と公費負担によって賄われておりますけれども、訪日外国人、公的医療保険の対象じゃない方が来られた場合には、この負担、公的医療保険部分がございませんので公費負担によって対応しているという形になります。
 本人の加入する民間保険からの支払とすることなどによりまして本人に負担を求める対応が考えられないかという論点につきましては、これまで御議論ございまして、昨年十二月の感染症部会におきまして、この問題提起いたしまして、議論を開始したところでございます。

#248
○浜田聡君 ありがとうございます。
 非常に重要なことだと思いますので、今回改めて進捗状況を確認させていただきました。引き続き、しっかりとした制度になるよう見守っていきたいと思います。
 さて、ようやく国内でもコロナワクチンの接種が始まりました。この後、ワクチンについて幾つか聞いてみたいと思います。
 ワクチンについては、私、医師の立場としてその効果は認めるところであり、一刻も早く多くの人々が接種進むことを望んでおります。
 ただ、医療においては常に注意を払うべきこととして有害事象というものがあり、現在、接種が進んでいるワクチンには副反応の問題がどうしても出てくることになります。これは、多くの人々の接種が進む上で避けることができません。本当に残念なことなんですが、重篤な副反応に苦しむ人が出てくることはある程度仕方ないと思います。ただ、重篤な副反応に苦しむ方々に対しては、もちろん十分な被害者救済策はあるべきと考えます。
 厚生労働省にお聞きしたいんですが、現状そういった救済策、国内で整備されていると私もちろん承知しておりますが、改めて確認したいと思いますので、教えていただきたく思います。

#249
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 法に基づく予防接種、これ社会防衛上行われる重要な予防措置でございますけれども、やはり、極めてまれではございますけれども、健康被害が起こり得るということで、法律に基づいて、この健康被害を受けた方に対する特別な配慮を用意させてございます。新型コロナワクチンの接種による健康被害が生じた場合に関しましても、他の予防接種と同様に、予防接種法に基づく健康被害救済制度の対象となることになっております。
 具体的には、健康被害が生じた住民の方からの申請を受けまして、専門家により構成される疾病・障害認定審査会において審査が行われまして、審査を踏まえて厚生労働大臣が認定したときに市町村より給付を行うこととなります。
 給付水準につきましては、風疹等のA類疾病の定期接種と同様の高い水準とするとともに、給付について特例的に国が全額負担という形を制度として用意しているということでございます。

#250
○浜田聡君 ありがとうございます。
 ワクチンについては、各種の報告見ておりますと、良好な結果を期待していいのではないかと思います。明らかなメリットがある一方で、数多くの接種によって副反応というデメリットがあるのも必然であり、ゼロリスクというのはありません。あり得ないながらも、やはり重篤な副反応に苦しまれる方々に対してはしっかり救済していただきたいと思います。私の方からもよろしくお願いしたいと思います。
 次に、メディアの報道と、それに対する中央省庁の対応についてお聞きしたいと思います。
 特に、ワクチン接種が始まっている現状ではこのワクチンに関する報道しばらく続くと思いますので、ここで厚生労働省にお聞きしたいと思います。お聞きしたい内容は記事解説というものになります。
 中央省庁では、所管事項がニュースになると問合せが多数殺到することもあって、それに備えるため、真偽を解説する記事解説を作成することがあると承知しております。例えば、実はこの記事内容は誤り、実際はどうだとか、おおむね正しいが一部は誤りなどという解説などです。
 厚生労働省ではこのような記事解説作成しているのかどうか、教えてもらえればと思います。

#251
○政府参考人(山田雅彦君) お答えします。
 厚生労働省では、新聞等の報道のうち重要と考えられるものについて、事実関係を整理するとともに、対外的な説明に備える観点から、省内での情報共有を図るために記事解説を作成しております。

#252
○浜田聡君 ありがとうございます。
 私がいただいた情報によりますと、この記事解説は、残念ながら、各報道記事が正しいとするものよりも、記事の誤りを指摘するものが多いと聞いております。私自身も特に医療記事については首をかしげるものが多くて、その状況については納得するところであります。そういった状況から、厚生労働省もメディアの誤報には苦労しているのではないかと推察します。今後、メディアによるコロナワクチンに対するネガティブキャンペーンなど行われる可能性があることも予想されます。
 そこで、提案なんですけど、この記事解説というものを作成しているのであれば、国民の正確な情報入手とメディアの誤報抑制のため、公表してみてはいかがでしょうか。

#253
○政府参考人(山田雅彦君) お答えします。
 記事解説は、記事の真偽にかかわらず、重要と考えられる報道について対外的な説明に備える観点から、あくまでも省内での情報共有を目的として作成しているものであるので、これを公表することは考えておりません。
 なお、厚生労働省では、報道の内容に明らかな事実誤認があった場合等については、報道したメディアに対する訂正記事の依頼、あるいはホームページやツイッター等のSNSなどを通じた関連する正確な情報の発信などの対応を行っております。
 今後とも、引き続き国民及びメディアへの正確な情報発信には努めてまいりたいと思っております。

#254
○浜田聡君 ありがとうございます。
 残念ながら、国内メディア、例えば新聞など、良い記事を載せれば売上げが上がるという当たり前と思われる原理が働きにくいんだと思うんですね。どちらかというと人々をあおるような記事がお金になるところに問題があると思います。様々な背景からそういった現状があって、また表現の自由も尊重しなければいけないことで、中央省庁が報道に対して苦労する現状については今すぐの解消は難しいと思います。
 ただ一方で、先ほど記事解説は公表しないということだったんですけれど、中央省庁の方からも積極的に発信することで、SNSなどでその拡散を応援する人の力を頼りにしてもいいのではないかと思います。そういった力をうまく利用することを当然想定されているとは思いますが、私の方からも応援させていただきたいと思い、今回提言させていただきました。
 さて、コロナワクチンの接種が開始されました。このコロナワクチンの接種が開始された頃、私、その接種している場面についてある点を注目しておりました。それは、ワクチンの注射の針の入っていく角度です。角度が垂直に近い角度で針が入っていきまして、肩に注射されているのを見たことがあるかと思います。筋肉注射が行われていることを確認しました。
 予防接種の注射方法について簡単に紹介させていただきますと、筋肉注射と皮下注射に大きく分かれます。皮膚の下には皮下組織があって、その更に奥に筋肉があるわけです。筋肉の層に薬剤を注入するのが筋肉注射、今回の新型コロナウイルスで行われているものになります。垂直に刺すので針を奥まで届けさせることができます。一方、皮下注射というのは、皮下組織に注入する、筋肉までは行かない、浅いところに注入するので角度を付けて注入することになります。
 このように二種類あるんですけど、免疫の付き方や腫れ方などの反応が違って一長一短あると思いますが、ワクチンごとに接種対象者などに応じて使い分けていくことが求められます。ただ、多くの場合、その効果とか免疫の付き方、接種後の腫れや痛みなどの関係で、どちらかというと筋肉注射の方が望ましいとされております。
 日本国内で行われているコロナ以外のワクチンにおいては、世界各国で筋肉注射が主流となっているにもかかわらず、国内では依然として皮下注射で行われているものが多く、是正していくべきと考えます。このコロナワクチン接種が筋肉注射で行われている今がチャンスだと思いますが、この件について厚生労働省の見解を教えていただきたく思います。

#255
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、ワクチンの接種方法につきましては、これは臨床試験等を通じましてどのように接種するかが検討されまして、薬事承認の際にそれぞれのワクチンごとに定められることになっております。
 海外で筋肉内注射で接種されているワクチンであって我が国では皮下注射で接種することとされているワクチン、こうした中でございます。例えばインフルエンザワクチン、四種混合ワクチン等が該当するものでございます。
 仮に、これらのワクチンについて筋肉内注射に変更するという場合には、医薬品医療機器等法に基づいて、メーカーの側から薬事承認事項の一部変更承認申請を行っていただいた上で、その一部変更承認を前提として関係省令等の改正を行うというような形が必要となってまいります。
 御紹介いただきましたように、このワクチン接種に関しまして、例えば二〇一九年七月に日本小児科学会がまとめた文言の中で見ますと、日本のワクチン接種については原則皮下接種であるということについて、一九七〇年代に解熱薬や抗菌薬の筋肉内注射によって筋拘縮症の報告があったということが背景となりまして、筋肉内注射による医薬品投与を避けられる傾向にあって、それが影響しているというような指摘もございます。一方で、先ほど委員御紹介がございましたように、海外においては原則筋肉内接種で行われておりまして、その理由としては、筋肉内接種が皮下接種に比べて局所の反応が少なくて、また免疫原性は同等かそれ以上であることが知られているからという御指摘もございます。
 こうしたことを踏まえまして、委員の御指摘も踏まえて、必要に応じて製造販売業者あるいは関係学会等、関係者の方々とともにこの問題は検討していく必要があるというふうに考えているところでございます。

#256
○浜田聡君 各種学会においては予防接種の方法はもう筋肉注射を推奨しておりまして、それ常識となっております。これについてなかなか改善が進まないことに関して批判的な意見を持っている医者が多いと思います。ちょっと厳しい言い方になると思うんですが、これ厚生労働省の不作為の罪とする声もありまして、是非とも改善に向けて積極的な議論が進むことを期待しております。
 さきの質問でも取り上げましたが、今後も新型感染症が、新興感染症が発生して国内で問題になるということはあると思います。現状、政府としてはコロナ対応に注力すべきと考えますが、長期的な視点での対策も立てていくべきと考えます。
 その一つとして、昨年も委員会で提案させていただきましたが、日本版CDCの設立を提案させていただきます。世界各国においてその国の感染症対応の中心となる機関になります。
 このコロナ禍において日本版CDCの設立への提言についての見解又は設立の動きなどありましたら、厚生労働省にお聞きしたいと思います。

#257
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、この感染症への対応は、安全保障上の脅威としても、平時よりその感染症に対する危機管理体制を構築していくことは大変重要であると考えているところでございます。
 この新型コロナウイルス感染症の対応も含めまして、感染症危機管理体制の強化を図るために、現在、国立感染症研究所と国立国際医療研究センターの連携を更に深めていくとともに、同研究所の体制強化を図る必要があるということで今動いているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、この両機関が有するそれぞれの専門性を踏まえて、患者の臨床情報や検体等を国立感染症研究所と国立国際医療研究センター等にて収集、解析をし、その検体やデータを治療法やワクチン等を開発する研究機関に提供する体制を整えるための事業を進めているところでございます。
 また、体制という面でいいますと、危機管理体制の更なる強化ということで、国立感染症研究所の体制につきましては、定員を、令和三年度において三百六十一名の増員要求を行っております。倍にするということでございまして、定員は七百十六名となる予定でございます。
 こうした思い切った措置も含めまして体制の強化に取り組んでいるところでございまして、こうしたことを通じまして、感染症危機管理体制の強化、努めてまいりたいと考えているところでございます。

#258
○浜田聡君 ありがとうございます。多くの国民が期待していると思いますので、頑張ってほしいと思います。
 次に、ナースプラクティショナー制度について提案をさせていただきます。
 国内の医療については、このコロナだけでなく多くの問題があることは皆さん御承知のとおりです。少子高齢化や医師の偏在、あるいは医師の過度な負担や医療崩壊のリスクへの懸念など、様々あります。多くの国民が安心して医療を受けられるような社会を維持していくために、法令とか制度を時代に合わせて適時適切に見直していく必要があると考えます。
 今回提案させていただくナースプラクティショナーというのは、医師の指示を受けずに一定レベルの診断や治療などを行うことができる看護の資格のことで、アメリカ等の諸外国で制度として導入されております。
 このコロナ禍を契機にナースプラクティショナー制度の推進を考えてもいいのではないかと思うんですけれども、厚生労働省においてナースプラクティショナー制度に関して現状を教えてほしいと思います。

#259
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。
 ナースプラクティショナーにつきましては、厚生労働省で開催し、昨年議論を取りまとめられました医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会におきまして、一方で、そのナースプラクティショナーのような新たな職種の創設を長期的に検討してほしいという御意見がありました。また一方で、まずは特定行為研修制度を推進し、問題点を洗い出してから議論すべきだという御意見もございました。
 厚生労働省といたしましては、先ほど申し上げました特定行為研修制度、これは医師の判断を待たずに手順書により一定の診療の補助を行う看護師を養成するものでございますが、この特定行為研修制度を推進することといたしております。その上で、更なるタスクシフト・シェアについては、御指摘のような御意見があることも承知しており、今後の医師の働き方改革の進捗状況を踏まえ、全ての医療専門職種それぞれが自らの能力を生かし、より能動的に対応できるような観点から、引き続き検討を進めていきたいと、このように考えてございます。

#260
○浜田聡君 ありがとうございます。
 このナースプラクティショナー制度は看護師業界からの導入が望まれておりまして、医師からすると、どちらかというと反発のようなものがあると思います。ただ、私がここで申し上げたいのは、医師にとってもメリットがあるということです。私自身、この提言をいただいたのは開業医の先生からなんですね。
 ここでいろいろとそのメリットを申し上げても仕方ないので、ポイント絞って、二つ提示させていただきます。一つは、地方で医師不足に苦しんでいるところでニーズがあるのではないかということです。もう一つは、医療費の削減につながる可能性についてでございます。
 諸外国においては、ナースプラクティショナーの裁量が更に拡大されるなど、看護師が自身の判断と責任で医療を提供する仕組みを導入、発展させている状況にあります。
 国内での政党に目を向けますと、旧みんなの党のアジェンダに、このナースプラクティショナー制度の導入、既に言及されております。導入するとなると様々な反発があってまだまだ障壁は大きいと思いますが、少しずつ周知を図っていくことで可能性は見えてくるとも思います。
 さて、新型コロナウイルス感染症について、一日でも早く収束することは全国民の切実な願いなのではないかと思います。ここでは、いつ頃収束するのかについてお聞きしたいと思います。
 御存じのとおり、ワクチン接種が開始となりまして、少しずつ国内での接種者増えております。ワクチン接種率が世界一のイスラエルにおいて感染者数が順調に減っている状況などを見ますと、日本でもワクチン接種者が増えてくることで収束が見えてくるのではないかと思います。
 アメリカに目を向けますと、七月四日、独立記念日までに収束宣言の目標を出しました。アメリカといいますと、一日当たりの新規感染者数が数万人というレベルで、日本の約千人と比べて段違いのレベルになります。このように、アメリカは、日本よりはるかに感染者数、死者数が多くても、収束宣言の目標設定をしたわけです。となると、日本はアメリカの目標とする七月四日より前に収束宣言の目標を設定することは不可能ではないのではと思うわけです。
 先日、オリンピックの際に海外からの観客を受け入れない方針を確認しました。これは、そうしてでも日本でオリンピックをやるんだという強い決意の表れではないかと思います。そうであれば、なおさらアメリカの目標より早い日時で収束宣言出すような目標設定をしてみてはいかがでしょうか。内閣官房にお聞きします。

#261
○政府参考人(梶尾雅宏君) お答え申し上げます。
 アメリカのバイデン大統領は、三月十一日に国民向け演説を行われました。その中で、国民が全員で取り組めば、七月四日の独立記念日には、少人数ではあるけれども、家族、友人が集い、祝うことができるであろうといった趣旨の発言を行って、七月四日に言及しつつ、感染対策への協力を呼びかけたというふうに承知しております。
 これのことを今収束宣言と表現されたと思っておりますけれども、収束の定義というのは、国内外における感染状況ですとか、病原体の性質、社会情勢等の具体的な状況に即して判断されるものと考えられ、一概に定義することは難しいと思っておりますけれども、その上で、新型コロナというのはゼロにすることは困難な感染症でございまして、今後も流行の波というのは確実に発生すると考えられますけれども、大事なことは、それを大きな流行にしないということで、医療や保健所に支障を来さないように、ステージ3のこのレベル以下でしっかりと抑えていくということだと思っております。
 三月二十一日をもちまして緊急事態措置を終了いたしましたけれども、引き続き警戒感を持っての解除ということを念頭に、先週十八日に五本柱、五つの総合対策を取りまとめましたけれども、飲食店の対策、モニタリングやサーベイランス、またワクチンの接種、医療提供体制の整備など、こういった対策をしっかりと講じていきたいというふうに考えております。

#262
○浜田聡君 ありがとうございます。
 このコロナに限らない話なんですけど、政府がリーダーシップを取っていく際に重要な要素として、具体的な数値目標あるいは日程目標を出していくことが挙げられると思います。全くないわけではないとは思うんですけれど、これまでの政府の取組を見てみますと、もう少しこの点重視してもいいのではないかと思って提言をさせていただきました。
 あと二つほど質問を残していたわけなんですけれど、ちょっとじっくり扱いたい内容にもなりますので、次回に回させていただきたいと思います。
 これで、私の質問を終わります。ありがとうございました。

#263
○委員長(佐藤信秋君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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