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2021/03/25 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 文教科学委員会 第6号 令和3年3月25日
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2021/03/25 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 文教科学委員会 第6号 令和3年3月25日

#1
令和三年三月二十五日(木曜日)
   午後一時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     本田 顕子君     今井絵理子君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     水落 敏栄君
     世耕 弘成君     自見はなこ君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     自見はなこ君     羽生田 俊君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         太田 房江君
    理 事
                赤池 誠章君
                上野 通子君
                吉川ゆうみ君
                斎藤 嘉隆君
    委 員
                有村 治子君
                石井 浩郎君
                自見はなこ君
                高階恵美子君
                羽生田 俊君
                水落 敏栄君
                石川 大我君
                横沢 高徳君
                蓮   舫君
               佐々木さやか君
                安江 伸夫君
                梅村みずほ君
                松沢 成文君
                伊藤 孝恵君
                吉良よし子君
                舩後 靖彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   参考人
       千葉県南房総市
       教育委員会教育
       長
       教育再生実行会
       議有識者     三幣 貞夫君
       名古屋市教育委
       員会教育次長   藤井 昌也君
       名古屋大学名誉
       教授
       愛知工業大学教
       授        中嶋 哲彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数
 の標準に関する法律の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(太田房江君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、本田顕子さん及び世耕弘成さんが委員を辞任され、その補欠として水落敏栄さん及び自見はなこさんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(太田房江君) 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見をお伺いいたします。
 御出席いただいております参考人は、千葉県南房総市教育委員会教育長・教育再生実行会議有識者三幣貞夫さん、名古屋市教育委員会教育次長藤井昌也さん及び名古屋大学名誉教授・愛知工業大学教授中嶋哲彦さんでございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶をさせていただきます。
 本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、三幣参考人、藤井参考人、中嶋参考人の順にお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただきまして、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず三幣参考人からお願いいたします。三幣参考人。

#4
○参考人(三幣貞夫君) 御紹介いただきました千葉県南房総市の教育長の三幣貞夫でございます。
 私ども南房総市は、千葉県の最南端に位置しております。平成十八年三月に七町村が合併して、ちょうど十五年になります。千葉県五十四市町村中、市民の平均所得は五十四位であります。所得は低いわけですけど、暮らしやすさはトップクラスだと、こういうような自負を持っております。財政的にも厳しいところがあるわけですけど、最南端は最先端という強い思いを持っていろんな教育施策に取り組んでおります。
 その一つが、情報の一元化、対応の一貫化ということで、保育所、幼稚園、小中学校、あるいは要対協、全て教育委員会の所管にしております。これが、ゼロ歳から十五歳までの一貫保育、教育ということで、八年目になっております。
 また、子供たちの教育環境を整えるということで、学校再編を進めております。十八年度、小学校が十六校、中学校は七校ありましたが、現在は小学校が六校、中学校が五校ということになっております。現在、中学校を更に一校再編するということで会議を進めております。
 ただ、私ども、これだけやっておりましてもどうしても越えられない壁が、一学級の子供たち、生徒の数ですね、四十人という壁が、これはどうしても私どもでは対応できないということで、資料の方を用意しましたが、今回、学級編制の標準を引き下げるということが国会で議論され、法制化されようとしている、大変喜んでおります。喜んでおる一人だと思っております。
 そこに書いてありますように、ちょうど一年前、休校中だったわけですけど、休校中にまず感じたのは、マスクがないということですね。アルコール類が手に入らない。そして、休校明けが視野に入ってきたときに更にそれが切迫してきたものになってきている。学校を始めたときに子供たちにマスクがないんではないか、マスクが入らない我が国に対する不安ですね、自分の住んでいる国がマスクも手に入らないのかというような不安がありました。
 いざ休校が明けまして学校が始まりまして、教員の皆さんには、子供たちの表情をよく見ること、声を掛けることということをお願いしました。度々学校、教室を回ってきましたけど、だんだん不安になってきたわけですね。これはこのままでは、子供たちの表情を見なさい、あるいは声を掛けなさいということを言っていますけど、これではとても無理なクラスがある、やはり三十人を超えるクラスはこれほど人数が多いんだということはそのとき痛切に感じた次第です。
 また、当時、職員には、子供たちを帰した後、校舎内の消毒、これも毎日お願いしました。その中で、また次の日、子供たちの状況を見る、こういうことの繰り返しだったわけで、非常にこのときほど教室の狭さ、あるいは子供たちの多さを感じたことはありませんでした。
 当時、教師の役割というのは、カウンセラーの仕事がプラスされて、なおかつスクールソーシャルワーカーの役割がプラスされる、こういうことも感じました。休校明けに虐待の通告が非常に多くなりました。やっぱりこれは家庭の状況とか子供たちの状況を反映していると思ったわけですけど、これも一義的にはやはり教職員の目と手に懸かってくる、そういうような状況でありました。
 やはりコロナが改めて見直すきっかけになったわけですけど、やっぱり一学級の子供たちの数を少なくすることは喫緊の課題である、そんな思いを持ちました。
 資料の二枚目を御覧いただきたいと思います。これは、私どもの方の建築士の方が図面化したものです。一番左が三十六名のクラスです。次、真ん中が三十名です。一番右が二十五名になります。御覧いただくとこれでお分かりいただけるかと思いますが、やはり三十六、あるいは三十、二十五になったときに、もう感覚的に教室の広さが違ってくるということですね。
 私どもは、八掛ける八で六十四平米の教室を用意しています。これでも若干少なくて、一番新しい教室は十掛ける八で非常に大きな教室を使っておりますけど、この教室になりますと、コロナのときにも非常に効果的に教室が使えた状況になっておりまして、今回は一学級の子供たちの数を減らすということですけど、教室の広さも併せて考えていく必要があるのかな、そんな思いを持っております。
 三枚目を御覧いただきたいと思います。学級の少人数化に向かって皆さん方に御議論いただいているわけですけど、三十五人学級ということになってきております。これ自体は大変有り難いことでありまして、是非実現していただきたいと思っておりますが、私の思いとすると、三十五人ではなくて是非三十人未満を実現していただければと思います。私の思いとすると、今回の改正はあくまでも通過点であって、これでゴールではないというような、願いに近いものを持っております。是非、今回法案として成立させていただいて、その後は、更に三十人未満を是非皆さん方のお力で実現していただければと思っております。
 そこの学級の機能というのは、認知能力ですね、数値化できる、点数化できる学力だけではなくて、非認知能力を育てていかなくてはいけないのも学級の大きな役割になっております。非認知能力を育てていくためには、やはりどれだけ一人一人の表情を見て、一人一人と言葉を交わすか、これが大前提になってくると思いますので、三十五人ではなくて、その後を私ども願っているということを是非お気持ちの中に留めていただければ大変有り難いと思っております。
 四枚目になります。現在、通常学級の三十五人学級が話題になっておりますけど、私どもとすると、この後、特別支援学級、現在八名ですけど、これも非常に多い状況です。これについても、皆さん方、是非御検討いただければと思います。
 インクルーシブ教育で、非常に通常の学級に、あるいは通常の学校に来る子供たち多くなってきていまして、特別支援学級に籍を置く子供が増えておりますので、かつては八人ということはあり得なかったんですけど、私どもの市でも八人ぎりぎりというような学校が出てきておりますので、是非これもお考えいただければと思います。
 あわせて、その下ですが、現在幼稚園の定数は三十五人ですけど、私どもの市の方は市独自の運用で三十人以下にしておりますけど、あとは支援員の配置等でカバーしておりますけど、是非これもお考えいただければと思っております。
 五枚目になります。これは、構成員、組織員の力を最大限発揮できる規模はということで資料を用意しました。
 プロ野球とか甲子園の野球大会、いろんなものが全て二十人以下になっております。プロのリーダーで、プロに近いような選手でも二十人以下であるという、そういう中で、小中学校だけなぜ一人の教員で三十五人なのかなという、そういう素朴な思いであります。
 下の方に書いてありますけど、国の審議会も原則として二十名以内として、これを上回る必要があっても三十人を超えないこととするというものがあります。これは、三十人以上については、協議、議論ではなく、伝達が趣旨になってしまう、そういうようなものではないかということを勝手に考えておりますけど、私どもの教育界に課せられる課題の一つが一斉伝達型授業からの転換ということですけど、今回の三十五人を実現していただいた後、是非三十人未満を更に目指していただいて、今申し上げましたようなことが可能になるような状況をつくっていただければと思います。
 以上です。ありがとうございます。

#5
○委員長(太田房江君) ありがとうございました。
 次に、藤井参考人からお願いいたします。藤井参考人。

#6
○参考人(藤井昌也君) 名古屋市教育委員会教育次長の藤井昌也と申します。
 私からは、名古屋市の教育施策及び学校現場から見る少人数学級という観点で意見等をさせていただきます。資料を用意しておりますが、このA4の横の資料を追っていっていただければ私がしゃべっていることでのストーリーになっていきますので、よろしくお願いします。
 では、早速本題に入ります。
 本市としては、引き続き、国の動向を注視するとともに、必要な人員や教室数等について調べてまいります。これは、本市の九月定例会で少人数学級の拡大について教育長が議場で述べた答弁でございます。名古屋市だけでなく、どの自治体においても国の方針が早く決まるといいなと思っていたものの、国段階で確定していない時点ではこれが精いっぱいの答弁だったと思っています。
 名古屋市会はその約十日後に、全国統一的な制度として少人数学級を推進するよう強く要望するという意見書を全会一致で採択をしました。その約三か月後、小学校、令和七年度までに全学年三十五人学級にという長年の念願がかなう朗報が飛び込んでまいりました。
 名古屋の学校現場からもいろいろ歓迎する声、期待する声等が上がっています。
 小学校の校長です。課題があり学校で大人が手を差し伸べる必要がある子供も多くいる中、悩みのある子のサインを見逃すリスクも減らせる。学習効率が上がることはもとより、子供一人一人を温かく見守ることができ、楽しい学校づくりにつながる。
 中学校の校長です。中学校では、三十五人学級になると、本務教員の数が増え、子供たちと関わる時間が増える。空間的なゆとりが心理的なゆとりにつながる。ICTを活用した授業や個別最適化された学びも進めやすい。様々な利点があると思う。期待をしたいといったような声が上がっています。
 実は、名古屋では、平成二十九年度、より効果的な少人数学級の在り方についての研究を行ってまいりました。結果を述べますと、生活面では、三十人規模学級の児童の方が学級に居心地の良さや落ち着きを感じやすい傾向がうかがわれた。学習面では、学級の人数と学力との関係には明確な相関は見られなかった。三十人規模学級から四十人規模学級に急激に変化した小学校三年生においては、私語が多く落ち着かない状況も見られたということでした。
 研究の概要と具体的な調査方法などについては、今度は、縦の資料がありますので、またこれを御覧いただければと思っております。
 さて、名古屋市の現状を申し上げますと、現時点で小学校一、二年生は三十人学級を実施しています。中学校では一年生において三十五人学級を実施しております。今回、名古屋市としては、既に小一、小二で国の上限を下回る学級定員で行っていることがあり、三年生からの学級定員四十人との差を少しでも少なくするため、令和三年度は一年前倒しで三年生において三十五人学級を実施することとしました。国の実施年より一年ずつ早めて進めていく考えです。
 市町村の実情は、学級が増えることで、必要な教員数の増加だけでなく、様々必要な施設設備、備品の購入などの影響があります。それがまずやらなくてはいけない当面の課題です。
 細かな話にはなりますが、どんな対応が必要であるのか、四点のカテゴリーに分けて話をします。
 まず一つ目は、教員増とそれに伴う対応です。
 今回、名古屋は先行して行うに当たって、六十七学級がプラスとなる試算をしています。既に採用は終わってしまっているので、増えた学級を担任する教員は常勤講師となります。国からの加配を目いっぱい使うのではなく、市独自で約五十人を負担をします。市単費で人件費約四億一千万円費やします。
 これだけではありません。教員の指導用タブレット、校務用のパソコン、旅費の配当も追加となります。また、学級が増えることで、学級数に応じて配分している学校予算、それから本市では三年生の外国語活動に年三十時間の外国語活動アシスタントを市独自で配置しておりますのでその増学級分、それから学校薬剤師の学級割分の追加と、いろいろ必要となってきます。
 二つ目として、次に教室不足への対応です。
 令和三年度分は何とか余裕教室や特別教室を転用し今年度予算で対応、既に改修も終了しています。問題は来年度分です。来年四月から供用開始となるように、令和三年度の予算で対応が必要です。現時点の試算では、仮設校舎三十教室分を約一億二千万円の予算を確保しております。
 三つ目として、管理費面、学級増への対応です。
 大変細かいことになりますが、学級が増えると、先生のための机や椅子に加え、教卓子、授業で使う大型提示装置に子供たちのタブレットの保管庫、無線LANの工事、給食用の食缶や配膳台、子供が着る白衣に至るまで新しく必要となってきます。
 そして最後に、管理費面、教員増への対応として、新規採用者のための健康診断の費用や職員室内の机、椅子、ロッカーに加え、指導者用教科書など、今申し上げたものを全部合わせると、名古屋では総額六億一千万円ほどの新たな予算が必要となります。これは市町村での負担となるわけです。これだけの諸費用が掛かるということを是非御認識いただき、国からの予算措置の検討も是非していただければと強く要望したいと思います。
 最後に、名古屋市が抱える問題や行っている教育施策から、二つの視点で少人数学級の必要性及び要望をさせていただきます。
 一つ目は、本市教育振興基本計画に画一的な一斉授業からの転換を進める授業改善を掲げて、全ての児童生徒に対し、一人一人の進度や能力、関心に応じた個別最適化された学びを提供するための授業改善を推進しております。
 子供たち自身で問いを持ち、主体的に探求をし、ICT機器も活用しながら、また学年を超えた異学年の子供との交流もしながら、お互いに対話や教え合い、議論をしながら、多様な考え方に触れ、批判的な思考力やコミュニケーション能力なども身に付ける、そんな取組を市全体を挙げて進めているところです。
 大きな事業としてナゴヤ・スクール・イノベーション事業を立ち上げ、小学校でのモデル実践校を指定し、プロジェクト型学習を進めるために、個別化、協同化による学びを進めています。また、選抜された教員による海外研修、市内全教員対象希望者制の学習会も実施をしています。
 それらに加え、今年度からは、マッチングプロジェクトと名付け、幼稚園、小学校、中学校、高等学校において、本年度の予算は一プロジェクト二千万円、来年度は四千万円を配当し、学校の困り事を解決をする、教職員のもやもやを少しでも解消し楽にする、学校外の力、民間企業や研究機関、大学などのノウハウ、プログラム、スキルなどを借りることで名古屋市の目指す個別最適化された学びの先進事例に取り組み、二年後の事業終了後にはそのノウハウや取組方法などを名古屋プランとしてまとめ、市内全校園への還元を図っていきたいと考えているところです。
 小学校でのモデル実践校の校長はこう話しています。子供主体のプロジェクト学習において、子供一人一人の自己選択や自己決定を大切にした授業を行おうとすると、個々の多様な学びをサポートするのに四十人ではとても手が回りません。個別最適化された授業改善を進めるには、学級規模の縮小は不可欠と感じています。
 さきに中教審がまとめた「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して」にも、個別最適の学び、協働的な学びが大きな柱として掲げられ、二〇二〇年代を通じて実現すべき姿として挙げられています。学校現場で本当にそれを実現させるためにも、少人数学級を何人規模が理想的なのかも十分に議論をしていただいて、それから、前倒しも含め、より迅速、早急に行っていただけたらと思っております。
 二つ目は、河村市長名で出されているナゴヤ子ども応援大綱に書かれている、子供を一人も死なせないという視点から話をします。
 報道で御存じのこととは思いますが、先頃、女子中学生が自ら尊い命を絶つという事案が発生しました。本市は、専門性を備えた職員のチーム、子ども応援委員会を十一の拠点中学校に配置し、他の中学校には一校に常勤のスクールカウンセラーを配置をしております。また、ハイパーQUといった標準化された心理テストを小学四年生から中学校三年生まで全員年二回実施をし、心の状態や学級集団における居心地や学習意欲などを調べ、一人一人のケアに当たっております。加えて、年三回以上、専門家監修のパンフレットで、自殺予防教育として児童生徒に、困難やストレスへの対処法やつらいときや苦しいときには助けを求めてもよいということを学ぶ教育を実施をしているところです。しかしながら、悲しくて残念な事案はなくなっていないのが現状です。
 私が教育委員会に九年間在籍して強く心に感じていることは、常日頃、常日頃の声掛けなどの取組がとても重要だということです。さきに紹介した本市の研究でも、生活面で人数が少ない方が学級に居心地の良さや落ち着きを感じやすい傾向がありました。学級の人数が少なくなれば、より細やかに、そして丁寧に子供に接することができる時間や心のゆとりも生まれてくると思います。常日頃の取組を現実的に可能にするためにも、常態化した環境整備が必要です。その一つが少人数学級の実現であると強く感じています。
 最後にですが、先日の教育新聞で、衆議院文教科学委員会で三十五人学級の効果検証の議論が行われたと読みました。効果を判断するものとして、数値的なエビデンスの考え方が声高に叫ばれています。数値でのエビデンスは何とか目に見える形で少しでも知ろうとか分析しようとする努力であり、必要ないとは申しませんが、それのみを追求して、それのみで判断してしまうことは非常に危険であると感じています。大臣もおっしゃってみえたように、テストの点数を上げるだけではない、様々な観点から総合的に分析をして判断をしていくべきと思います。
 私たち教育関係者は、人の心を育み、目には見えないところでの成長に携わっています。全ての子供たちの幸せを追い求めるため、一人一人の子供を決して誰も取り残さない、その子なりの、その子に合った充実した学校生活をプロデュースするという考えの下、少人数学級の推進を再度強くお願いをして、私の意見陳述とします。

#7
○委員長(太田房江君) ありがとうございました。
 次に、中嶋参考人からお願いいたします。中嶋参考人。

#8
○参考人(中嶋哲彦君) 中嶋哲彦と申します。よろしくお願いします。
 今日は、発言の機会を与えてくださいましてありがとうございます。
 資料として、A3の紙とそれからパンフレットを用意しました。パンフレットの方を詳しく申し上げていく時間はありませんので、A4の紙に従いながら、沿ってお話をさせていただきたいと思います。
 冒頭、私のちょっとした経歴とか専門を書きましたけれども、上の三行はどうでもよくて、次のところです。二〇〇〇年の十月から八年間、犬山市の教育委員を務めていました。
 犬山市の教育委員会は、当時、少人数学級を独自プランで実施しておりまして、予算を独自に、市独自で予算を組んで実施を始めたものです。これは、何というか、なかなか国の改善が進まない中で市町村教委として取組ができるということで、それならばということで市長とお話をして、何億円かのお金を付けていただいて実施することができました。ただ、そのときの私たちの考えは、永遠にこれを続けようとは思っていませんでした。犬山市の取組を先例としながら、そこでの成果を受けて国が国の教員配置基準を改善してくれること、それを求めるということを当時からもはっきりと文科省にもお伝えしていました。そういうことをしたということが一つです。
 それから、二〇一八年から三年間、去年の三月までですが、名古屋大学の附属の校長も務めておりました。ちょうど最後はコロナにぶつかって大変だったんですけれども、その経験もありまして、要するに、地方教育行政の経験と、それから学校経営の経験ということをいろいろ踏まえて今日は発言をしたいと、一々これはこうですという言い方はしませんけれども、踏まえて発言したいと思っています。
 去年の七月に、このパンフレットに関わるんですけれども、是非少人数学級を実現してほしいということで、当初、チェンジオルグを使って署名活動を七月に始めました。十二人の教育研究者と一緒に、この一番最後に出てきますけれども、始めました。始めてみると、いや、自分たちはネット署名は不得意だけれども、紙を用意してくれれば幾らでも集めますという市民がいっぱい現れてきたんですね。じゃ、用紙を用意するから、どうぞダウンロードして作ってください、集まったら私の研究室宛てに送ってくれということで始めたところ、とんでもないことになりまして、最終的には二十五万筆が、どんどんどんどん自分の身長より高くなっていくんですね。中には、小さな封筒に一枚だけ入っている署名もありました。でも、お手紙が書いてあって、自分はたくさんの人から署名を集めることはできないけれども、これは私の本当の気持ちだから何とか生かしてほしいというふうなことですね。
 だから、何か大きな組織が動いたというよりは、本当に一人一人が動いてくださって署名を集めて、それが二十五万も集まったと。しかも三か月間です。しかもコロナ禍ですよね、人が集まれない状況です。結局チェンジオルグは二万五千しか集められなかったんですが、ほとんどのことは勝手連的に、勝手に集めてくださったのがそんなに集まったということはとっても重要なことで、どれほど多くの人たちが望んでいるかということを表していると思っています。
 それから、論文二つ書きましたので、これ実は今日用意できれば持ってきたかったんですけれども、まだ、多分今日辺り出ると思います。御参考にしていただければと思います。
 一の真ん中のところに、四十年ぶりの改善ですね、これについては大変私は評価しています。ただし、不十分だと思っています。
 最初に、この括弧一のところに書いてあるのはこの署名の趣旨ですね、こういう署名の趣旨を行いましたということを書きました。やはりコロナの下で、このままではいけないということを書いたものです。ただ、それが多くの人たちの共感を生んだんだろうなと思います。
 それから、二ページの方を見てください。政府やそれから地方自治体の関係者の方々も大変御尽力をなさってくださったというふうに思っています。大変深く感謝しています。
 しかし、やはり不十分だったというふうに思います。文科省もかつては、それから今回も三十人以下の学級を目指すというふうに動いていらっしゃったと思うんです。それに期待していました。ただ、残念ながら三十五人にとどまった。しかも中学校だけであった。
 それから、先ほども御発言がありましたけれども、特別支援学校とか養護学級については何ら手が着いていない。これもやはり何とかしてほしいなという、これは私たちの希望として持っています。
 それから、高等学校も全然手が着いていません。高等学校いいかというと、そんなことはありません。上の学年になれば人数が多くなっていいんだというようなことをおっしゃる方もいます。大学は百人以上で授業やっているじゃないかというふうにおっしゃいます。でも、それは違います。それは全然違います。大学は、授業の内容や、それから目的に応じてクラスサイズが違います。それから、一斉授業の講義は大きい人数ですることもありますけれども、ゼミはそんな四十人どころじゃありません。十数人です。大学院になれば数人です。個別の対応もいっぱいやっています。
 その意味では、学問的な学習が深まれば深まるほど人数は小さくなっていかざるを得ないんです。だから、高等学校は今まででいいということにはなりません。だから、そこもやはりお考えいただかなくちゃいけないことだったと思います。その意味では、とても良かったことだけれども、やはり不十分だった。
 それから、加配定数を今回基礎定数に振り替えるということも予算案の方では出ているということを見ておりまして、これではやっぱり学校を支える教職員の数が、やっぱりボリュームが増えないんですね。
 だから、クラスのサイズは小さくなるかもしれないけれども、学校を支える先生たちの数は変わらないんです、変わらないか減るぐらいなんです。これじゃ困るんですよ。校長をやった経験からすると、とてもできないです、やっぱり。学級担任がいて、それにプラスアルファいるだけじゃ学校は動かないんです。いざとなって、例えば生徒が、いじめがあったとか、それから家庭で何かあったといったら、それはもう教員飛んでいきます。夜中でも動いています。そのときのサポートする人たちっていなくなっちゃうんです。だから、ぎりぎりでは学校って動かないということですね。そこは是非お考えいただく必要があるんじゃないかなと思っています。
 では、なぜ少人数学級が必要なのかということを、二番のところです。
 よくいろいろ議論あるのは、学力を向上させるためという議論があるんですけれども、私は、それだけで議論するのは適切ではないと思っています。要するに、クラスサイズというのはどういう教育目的でどのような教育方法で行うかということを考えるべきなんですね。だから、じゃ、学力を向上させるためなんだというんだったら、それで、それでいいならそのようなやり方はあるはずです。
 だけど、私たちの日本の学校というのはそういうものなんでしょうかということなんです。それだけを目指していいのかと。それは、ここに書いたんですが、豊かな学び、それから豊かな学校生活、これを目指すと。下の方に、括弧三のところにありますが、子供のウエルビーイングと言いましたが、子供が、子供って、高校生に子供と言っちゃ悪いかもしれませんが、子供や若者が日々の生活を楽しめる、自分はこの社会から大事にされている、それから、自分もほかの子供たち、ほかの仲間のために何かできる、それが実感できる、例えば勉強を教えてあげることができるとか何か協力することができると、そういうことが人間を育てているんだと思います。だから、そういう人間を育てる場所としてのクラスサイズはどういうふうにあるべきかと考えるべきなんです。
 ところが、この間の政策評価は学力の向上だけで考えているんです。そんな簡単なことじゃないです。そんなことのために学校は、教師たちは活動しているわけじゃないんですね。子供がやっぱり幸せだと思わなければ、将来、しっかり働いて税金払ってこの国を支えようという人にはなれないです。自分がどれだけ我々のこの今の社会から大事にされたかということを実感できるということが大事だと思います。
 私、フィンランドも何回か行っていて、高校生とも話をしますが、彼らはそういうふうに言います。将来高い税金払うんでしょうけどどうと聞くと、僕たちは大事にされてきました、だからこの後の人たちにもそれをすることが大事なんだというふうに口そろえて言います。そういうことをやっぱり大事にして考えると、やはり学級サイズとか子供に対するお金の使い方というのはそれなりの考え方があるんじゃないのかなというふうに思います。
 私、犬山で教育委員をしているときに、犬山では、今、ちょっと戻っちゃうんですが、二枚目の真ん中よりちょっと下のところにクラスメートと学び合い、育て合いと書きましたが、クラスメートに教えてあげられる子供を育てましょうということを言いました。だけど、現場からはこういう声も上がってきました。クラスメートに教えてと言える子供をつくりたいんだと、それが本当の協働の社会でしょうと。だから、教えてくださいとか、自分のために何かしてくれという声が上げられる人をつくるんだと。
 そのためにはクラス経営ですね、クラスを運営していくということがとっても大事で、そのためには教員の一人当たりのクラスサイズというのはそれなりにやっぱり小さくあるべきです。グループをつくるから大きいサイズでいいということになりません。例えば、クラスを六つの班に分けるとしたら、一人一人を見ながら、かつグループも見ていないといけないんです。その意味では、やっぱり教員の仕事考えると三十人以下じゃないととてもできないことだなと思います。
 もう時間が来てしまいました。三ページのところを御覧ください。課題と書きました。
 私は、先生方に、是非この際、私まだ不十分なところがあると思っていますので、この委員会では附帯決議を是非お願いしたいと思っています。それ下に、一番最後に付けました。加配定数を引き続き確保すること。それから、いわゆる定員崩しをしないように設置者に、任命権者に求めてほしいということ。それから、可及的速やかに、ここには特別支援学校とか高校のこと書きませんでしたけれども、これはこの法案がこれだったものですから限定してやっちゃったんですけれども、ほかのところにも及ばす、及ぶように文科省において検討を進めてほしいということを国会の意思として示していただくことで、文科省さんが動きやすいようにしていただきたいと思っています。
 以上です。

#9
○委員長(太田房江君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#10
○赤池誠章君 自由民主党の赤池誠章でございます。自民党を代表いたしまして、参考人の皆様方に質問をさせていただきたいと存じます。
 まず、三幣参考人に質問をさせていただきます。
 三幣参考人の方からは、昨年のコロナ禍における学校再開ということで、一斉休校から再開ということで、その辺の不安、そして現場での御苦労を聞かせていただきました。改めて、大変なときに現場を預かる教育長としての御労苦に対しまして、敬意を表したいというふうに思います。
 そのような中で、それもあり、またそれ以前からもこの少人数学級の重要性ということで我々自民党にも来ていただいて直接お話を聞かせていただき、また官邸での教育再生実行会議でも御意見を開陳していただいているということを聞いているところであります。
 そのような中で、今、南房総市の現状の中で、小学校でいえば五分の一が、まだまだ大きいということですね。小中それぞれ五年間を掛けて三十五人学級をしていくとなると、具体的にどういう課題が、南房総市の場合、五年間計画的に、教員の増、様々なことが考えられると思うんですが、その辺、五年間、この本法律を通して五年間で三十五人学級、その辺で具体的にどういうところをこれから取り組まなければいけない課題として認識なさっているかをまずお聞かせ願いたいと存じます。

#11
○参考人(三幣貞夫君) 私ども、有り難いことに、当面は三十五人学級への対応というのは喫緊のものではないということで、といいますのは、千葉県独自で小学校二年生、小学校三年生、中学校一年生が三十五人学級ですので、したがいまして、私ども、対応についてはもう少し時間があるということで、この点については有り難く思っていますけど、一日も早くというのが正直なところであります。お答えになったかどうか分かりませんけど、そういう状況であります。

#12
○赤池誠章君 既に千葉県の取組の中で実質なっているということで認識をさせていただきましたが、そのような中で、教育効果の話でございます。
 引き続き三幣参考人にお聞かせ願いたいんですが、認知能力、それから非認知能力、そして人と人を感化する教育という御指摘をいただいたんですが、今回、我々も、少人数学級実現するに当たって、文部科学省はもちろんなんですが、財務当局と相当やり取りをさせていただく中で、やはり財政状況の中でどのような国民の皆様方からいただいた税金を配分をしていくかと、そういう議論をする中で、教育効果の話というのが結構議論になりました。
 具体的に、認知能力のみならず非認知能力、この辺が重要性だと思うんですが、南房総市の場合、その辺の教育効果、取り組まれてみた少人数学級への教育効果を改めて教えていただきたいと思います。

#13
○参考人(三幣貞夫君) 私どもは、少人数とは限らなく、市独自のテストを小学校二年生から中学校三年生までやっております。どの学年がどんなふうに推移していくかということを把握しておりますけど、極めて難しいのは条件がいろいろあるということですね。
 一つは、子供たちのその集団の状況がどうかということです。これは学力の、狭い意味での数値化できる学力の面もあります。数値化できないような子供たちの状況もクラスごとにあります。もう一点、なかなかデータ化できない理由のもう一つが、教師の指導力がやはり違うということですね。
 ですから、一概に、人数が三十人だったらこういう効果が出るとか、四十人だったらこういうマイナス面が出てくるとか、そういうようなデータはなかなか得にくいというのが私どもの教育の実態だと思っております。

#14
○赤池誠章君 今回の少人数学級、義務標準法の法律の中に、先ほどお話ししたように、文部科学省のみならず財務当局との議論の中で調査研究をしっかりやっていくと、こういう項目もございます。
 そういう面では三幣参考人の御指摘はそのとおりでありますので、とはいえ、また他の参考人にも是非聞きたいところであるんですが、これ、なかなかこの数値化できないという、これはもうよく分かる反面、議論をする中でここをもっと明らかに何とかできないのかという、こういう思いもございます。
 そういう面では、先ほど御指摘いただいた先生方の指導力、これ、やっぱり経験や、様々な先生方も多様な存在だということと、それから、南房総市、私も行かせていただいておりますが、地域の教育力、それから、コロナ禍でも御指摘いただいたそれぞれの持っている家庭の力というのも、これ全て多様な状況ではないかなというふうに思っております。
 ここを総合的に考えて、どうこの少人数学級と結び付けて調査研究をやっていったらいいか、現場を預かる教育長、三幣参考人としての御意見がありましたら是非お伺いをさせていただきたいと思います。

#15
○参考人(三幣貞夫君) 私、実は小学校、中学校、高校の校長を経験しております。幼稚園長もやっております。
 したがいまして、授業の中身でいいますと、高校が一番授業しやすいのかなという、自分が直接やったわけではないですけど、見ていてそう思います。といいますのは、生徒の状況がかなり均質化されているわけですね。入学者選抜がありますので、そのクラスを構成する生徒の学力の状況は大体同じレベルだという、そういうのがありますので、小中学校でもそういうような状況をつくればいろいろ比較はできると思いますけど、現在、私どもの公立学校ではこれは無理な話なので、そういうデータを集めるというのはこれは不可能だと思っております。
 ただ、小中高校に通じて言えるのは、先ほど私が冒頭で申し上げましたように、どれだけ生徒、子供たちと教師が関われるかというのは、もうこれは人数が少ない方が多く取れますので、これはもうデータ取るとかそういう問題以前だと思っております。
 以上です。

#16
○赤池誠章君 三幣参考人、ありがとうございます。
 大変貴重な御意見として、高校は確かにそのとおりだなと。やっぱり義務教育、ましてやまた幼児教育となると、なかなかこの辺は簡単ではないという、そのとおりだなというふうに思っております。
 その中で、文部科学省、それぞれ義務教育の中でも、習熟度別の様々な取組、工夫というのも取り組んで各教育委員会に促していると思うんですが、義務教育段階における習熟度別のクラス編制始め、また、クラス編制でなくても授業の中での取組というのは南房総市の場合はいかがでしょうか。

#17
○参考人(三幣貞夫君) かつては習熟度をかなり多く取り入れた時期もありますけど、やはり全て一つのクラスを習熟度に分けてやっていくということは、人間形成あるいは人間関係をつくっていく面で果たしてどうなのかというような疑問もありまして、今はそれほど多くなってきておりません。いろんな、学力の高い子、中くらいの子を含めて少人数、小さく更に分けてやっていくような指導が私どもの市とすれば多くなってきております。
 いずれにしましても、点数だけ取れればいいのではなくて、点数も含めて総合的に人間形成していくのが私どもの仕事だと思っておりますので、そのような取組をしております。

#18
○赤池誠章君 三幣参考人に最後にもう一つ、一問聞かせていただきたいのは、今回、コロナ禍ということもあり、我々、四千六百億円以上の国費を投入して、一人一台情報端末、また学校内外、家庭も含めて情報環境、ネットワーク整備ということで国費を付けさせていただき、また、それぞれ地域でも精力的なお取組の中でなされていると思うんですが、先ほどの地域、家庭の教育力と先生方の指導力の違いの中で、今回、GIGAスクール構想が少人数学級と相まってどのような効果を現場に与えるか、この一点、最後にお聞かせ願いたいと思います。

#19
○参考人(三幣貞夫君) 今月末に、今の状況ですと、全ての学校にタブレット、小学校一年生から中学生まで配りました。使えるような状況に今なっております。ただ、今、基本的な構えをつくっておるところですけど、基本的には、小学校一年生から三年生までは自宅に持って帰らせない、小学校一年生から三年生まではデジタルではなくてアナログの体験をさせようというものを基本にしております。
 基本的にはツールの一つだということで、四年生、五年生、六年生であっても、全てタブレット等を通して学ばなくてはいけないということではなくて、その子の学び方に合わせて活用できるような方法を考えていきたいと思っております。
 以上です。

#20
○赤池誠章君 ありがとうございました。
 続きまして、藤井参考人にお聞かせ願いたいと思います。
 資料の方でも御説明いただきました、平成二十九年度の義務教育段階各学年における効果的な少人数学級の在り方研究ということの貴重なお取組を御紹介をいただきました。生活面でのいわゆる非認知能力と言っていいんでしょうか、効果がうかがわれた反面、学習面では相関関係という形が御紹介いただきました。
 我々も文部科学省に聞くと、全国学力状況調査の中では、学力の低い子供たちには少人数学級の効果が見られるのではないか、ただ、学力がある程度付いた子供たちにはさほどの相関関係がという、こういう話も聞いているわけでありますが、名古屋市さんの場合はその辺は改めていかがだったでしょうか。

#21
○参考人(藤井昌也君) 別とじのA4縦の資料をちょっと開けていただいて、七ページのところの下の四角の方でございます。
 先ほど、学力に明確な相関関係が見られなかったのでああいう言い方をしてはおりますが、下がったところもあれば、それから上がったところもあるといったようなところで、少人数学級、少人数であるがためにという、それだけの要素ではないのではないかと私は思っています。もちろんそれも大きな要素にはなりますし、それから教員の指導法、それからどうやって学びに向かわせる、その姿勢や力をやっぱり付けさせるのかといったようなところが大きな課題ではないかと思っています。
 私ども、教育振興基本計画で、学力を測るその指標は決して全国学力の国語とか算数の正答率ではなく、それぞれの子供の方が答える意識調査の中の、それぞれの教科が好きだとか、それからこういうふうな勉強がしたいとかといった、その部分を集計をしてまとめているところで、そちらの方に重点を置いているという部分もあります。

#22
○赤池誠章君 中嶋参考人にお聞かせさせていただきたいと存じます。
 中嶋参考人は、経歴御紹介いただいて、まさに教育学の専門家として長年お務め、また現場も体験なさっているということなんですが、今回、先ほど御紹介しましたとおり、調査研究という、これを一つの法律の項目に入れて五年間掛けてしっかりやれと言ってくれと。これの中で、その調査研究の結果が、こう言うと財務当局がずるいところなんですが、しっかりとしたことが出てこないと、次に、今日の御指摘いただいた通過点にならないと。
 こういうときに、まず、昨今は行動心理学とか教育経済学とか、様々な若手研究者も出てくる中で、この数値化できないところを何とか数値化できるような、先生方の知見を生かせるような取組というのはなされないものなのでしょうかという質問でございます。

#23
○参考人(中嶋哲彦君) それは難しいことだと思っています。
 というのは、数値化できないことに意義があるというふうに、そこのところ、教育学者の中の多くはそういう議論しているんですね。ですから、数値化できるところだけで物事を考えているところに間違いがあるというところです。
 それから、今の数値化の議論の中では、今の御発言の中にもありましたけれども、少人数になったということだけでは、それだけでは学力の向上効果というのはそんなにあるわけじゃないと思います。問題は、その少人数にしたことを生かしてどのような学習活動をするか、どのような指導方法を改善していくか、その取組こそ大事なんです。
 犬山でも当初はやっぱり一斉授業していたんです、先生方、当初は。だから変わらないんです。だから、そこでどういう活動をするかというところに、先生たちにゆとりを与えてあげる、研究的な実践が行えるような促進をする。これ三ページの一項目め、課題の一に書きましたので御覧ください。そういうことも現場での課題として残るし、それから、教育行政の課題としてそういった教員たちの自発的な研究活動を促進すると、そういうことを積み重ねていただくと対抗できるんじゃないかと、財務にというふうに思っています。
 以上です。

#24
○赤池誠章君 ありがとうございます。

#25
○斎藤嘉隆君 立憲民主・社民の斎藤嘉隆です。
 お三方の参考人の皆様、今日は本当にお忙しい中お運びをいただきまして、貴重な意見を頂戴をしました。心から感謝を申し上げたいというふうに思います。
 それぞれに様々、いろいろ聞きたいことがあるので、順次お聞きをさせていただきたいと思います。
 三幣先生にお伺いをしたいと思います。
 教育再生実行会議のメンバーでもいらっしゃって、いろいろ議事録なんかも拝見をさせていただきました。先ほども意見の中で言われました、三十五人ではなくてやっぱり三十人などを目指して、今回はあくまで通過点であると、そういうようなお話もあって、全く共感をするところであります。この後の国会の審議の中でもそれを生かしてまいりたいというふうに思っております。
 若干視点変わるんですけど、学級編制基準の見直しはちょっとおいておいて、ちょっと先走りますが、小学校では今後、教科担任制等の導入が計画をされております。担任外定数というか、こういったものの拡充も私は今の学校現場は極めて重要ではないかと思いますが、この点に関しての御見解をお聞かせをいただきたいと思います。

#26
○参考人(三幣貞夫君) 表題には専科教員の配置による教員定数の改善ということをうたってありましたけど、説明はいたしませんでした。
 いろんな場面で私が申し上げているのは、一人の教員の持つ持ちこま数ですね、持ち時間数を改善していただきたいということで、私の経験でいいますと、小中学校全てを合わせて、一週間六こまの五日間で三十こまあります。高校は平均大体十五か十六ですね。中学校になりますと二十前後、二十をちょっと超えるぐらい。小学校ですと二十六ぐらい。三十こまのうち二十六こまということは、一週間のうち空き時間が四こましかないという、これを改善しない限りは、今、斎藤先生がおっしゃったようなことは改善できないというのが私の従来からのお願いというか考え方であります。
 是非、教員の持ちこま数、持ち時間数に目を当てて議論いただければ大変有り難いと思っております。

#27
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 やっぱり教科担任が進んでも教員が増えなければ物理的に持ちこま数は減らないわけですので、その点しっかり受け止めさせていただいて、審議に向かいたいというふうに思います。
 藤井教育次長にもお伺いをします。
 これ、今回の三十五人学級は、実は概算要求の段階では事項要求で、正式に合意されたのは十二月の十七日だったかなと思うんですね。そこから準備をされて、先ほどの御報告だと、国に先んじて名古屋市の場合は小学校三年生を先行して少人数にするという話で、八十名の教員が必要で、五十名は独自でやると、こういう話でした。
 よく教員の確保ができたなと、それだけ大規模な都市でですね。ただでさえ今、例えば育休補充教員が穴が空いたり、もう配置をされないような状況があちらこちらであって、その中で八十名もの、まあ常勤講師が五十名という話でしたか、八十名もの教員を確保する、そんなことが可能だったんですか。どのような御苦労をされたのか。あるいは、来年度以降、また小四、小五と延ばしていくというお話もありましたけれども、先の見通し等はどのようにお持ちなんでしょうか。

#28
○参考人(藤井昌也君) 今、斎藤議員さんがおっしゃっていただいた人の確保という部分は、とても大きな課題に気付いて、私どもも認識をしています。
 名古屋市の場合では、教育サポートセンターといういわゆる人材バンクみたいなところをつくってありまして、そこに様々教員免許を持った方が登録をする中で、そちらから派遣をするというようなことをやっています。
 それから、これは手弁当というかあれなんですけど、事務局の教員出身の者や、それからそれぞれの学校の校長先生方にもいろいろ声を掛けさせていただきながら、そういう候補の方がいないかといったようなところでも人を探して広げているというのが実際です。
 来年度、また同じぐらいの人数が必要となってくるというのは極めて心配、懸念をしているところで、学校現場、先ほど多くの校長の声を紹介をしましたが、心配する声としては、教員のやっぱり質というものが低下していくんじゃないかという声は上がっています。それに伴って、やっぱり研修、それから一人一人の今みえる学校の先生方の意識等も変えていく、それが私どもでいうとスクール・イノベーションといった事業でやっているところですので、そういったものと有機的に結び付けながら、教員の質を確保しながら、それから、人を集めるのは大変本当に苦労して、先行きなかなか見えないところですけれども、頑張ってちょっと広げていきたいと思っております。

#29
○斎藤嘉隆君 是非頑張ってください。かなり大変だとは思いますし、ただ、もう一個心配しているのは、先ほどちょっと申し上げたけれども、現場に穴が空いてしまう、必要な定数を満たすことができずにですね。このような状況があちらこちらで散見されるようになると、やっぱり教育現場が一番苦労することになりますので、そこも踏まえた上で是非お力を発揮をしていただきたいというふうに思います。
 藤井参考人と中嶋参考人に同じ質問をさせていただきたいと思います。
 私は、これ、先ほど三幣先生もおっしゃいましたが、中学校の指導の困難性というのが非常に増しているのではないかなというふうに思うんです。今回、小学校で三十五人学級が実現をしていく、私は、その後、早期にやっぱり中学校へも少人数学級を拡充していくべきだと、このように思っています。
 先ほどのウエルビーイングの話もございました。コロナの中で子供たちが非常にメンタル面で大変苦慮をするような状況が生まれてしまっていて、私、それが本当に中高生も含めて自死をする本当に悲しい事件が多く起こっている、こういったことにもつながっているような気がするんですね。
 そんな意味合いから、中学校での少人数学級の必要性とか中学校での指導の困難さとか、この辺りについてお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。

#30
○参考人(藤井昌也君) 今おっしゃっていただいたこと、まるっきり同感です。中学校へ広げていくということが次の段階、又は、先ほど私、いみじくも抽象的に物を言っていましたけれども、早く前倒しとか、それから人数の適切なとかと言っていましたけど、実は中学校も早くやってほしい、しかも三十人でやってほしいという気持ちは、現場の先生方からの声を聞くと本当にあります。
 先ほど、最後のところで私、子供を一人も死なせないといった観点で少し話をさせていただきました。三月九日にちょっと不幸な事案があった後、名古屋市内の、名古屋市立の小学校、中学校、特別支援学校、高等学校の校長先生方を全部実は集めまして、それから教育長、それから私、それから学校教育の関係の指導部長、その三人の者が思いを語ったりとか、それから学校に取り組まなきゃいけない課題等を強くお願いをしました。それで、何人も学校の校長先生から私のところにもメールが来て、本当に心響いたよとか、これ帰ったら熱く語るぜとかと言ってくれました。その中の一人の中学校の校長からのメールで、すごくはっとしたんですね。
 彼は私の同級生ですけれども、やっぱりこれはやらなあかん、それから気持ち伝えなあかんと言って、私どもが話したような内容を次の日の朝の打合せでやっぱり熱く語ったそうです。その後なんです。一人の教員が校長先生のところに来て、もう顔面蒼白。何かというと、コロナの関係での、先ほど三幣先生もおっしゃっていますけど、消毒とか、それから今でさえリスクをしょった子供がいて、これ以上ほかの子たちも含めて何ができるんですか、どこに時間があるんですかということをある女性の教員が言いに来たそうです。
 私、その校長に話ししたのは、まず、そんなことが言えるその職場、学校経営が上手にできているよねという話をしながらも、その言葉はまさしく悲痛な各学校の先生方の声だと思っているので、先ほども申しましたが、中学校で学級定員を少なくするということで、より多くの子たちに手を丁寧に掛けられるといったところでやっていくべき、これも早急に検討をしていくべきではないかというふうに思っております。

#31
○参考人(中嶋哲彦君) これ文科省の調査なんですけれども、不登校の児童生徒数は、千人当たりで見ると、小学校が七・〇人、中学校は三十六・五人、五倍ですね。それから、暴力行為の発生件数も、小学校は千人当たり六・八件、中学校は九・一件、一・五倍です。いじめの発生、認知件数については小学校の方が多いんです。小学校は四十八万件、中学校は十万件です。ただ、重大事態に深刻化したものについては、小学校が二百五十九件であるのに対して中学校は三百三十四件です。中学生の方は倍いるわけですよね、人数としては。だけど、やはり中学校の方が深刻な問題が起きています。つまり、中学校の方が小学校より難しい問題を抱えているということです。
 このことはやっぱり見落としちゃいけないところで、それはやっぱり中学生というのは、公立の場合、小中というふうにまとまった集団で来るわけですけれども、中学校のその三年間のところで別々の進路に分かれていくわけですよね。必ずしも本人の意思どおりにはなかなか進学できていかないという中で、いろんな葛藤にぶつからざるを得ない状況にある、そういう若者たちです。だからいろんなことが起きてくるわけですよね。だから教師たちは大変です。
 私が校長していた学校も、やっぱり中学校すごく大変でした。なので、やはり一人の教師が四十人の生徒を抱えていると、実は一つのクラスで二件、三件起きてくるんです。そういう中で、とてもじゃない、やっていけないと、本当に大変な状況になったことがありました。なので、やはり小学校でとどまるのではなくて、中学校こそ手を着けていくべきところではないかなというふうに思っています。
 以上です。

#32
○斎藤嘉隆君 もうあと一分しかないんです。済みません。
 三幣教育長と藤井教育次長にお伺いします。
 御市では、この給特法の、給特法じゃない、法の改正を受けて、働き方改革は進んでいますか。教員のいわゆる労働時間というのは減少傾向にあると言えますでしょうか。

#33
○参考人(三幣貞夫君) 一年前から特に力を入れまして、強制的に帰すようにしております。あとは、私どもの方から学校に行く仕事を極力減らすようにしております。何というんですか、警備保障のセットする時間と解除する時間がありますので、まずあれをチェックしまして、極端に早い、遅い学校には直接話をするとか、あるいは県教委から来たものを私どもで止めるとか、そういうような形で仕事を減らす努力をして、学校にいる時間は減ってきていると思います。

#34
○参考人(藤井昌也君) 名古屋では、元気な学校づくりプロジェクトというので、教員の勤務の関係をする、部活とか、もちろん教職員課もですけれども、そういったようなところの課が一緒になっていろいろな対策を考えております。実際、今年度はコロナがあり、しかも六月から学校が再開し、消毒作業等様々ある中で、例年の形との、例年との比較という部分では一概には言えませんが、でも勤務時間は確実に減っております。
 それから、各学校が本当に職員とそれから管理職がよく話し合って、いろんな取組を工夫してやっています。タイムテーブルを作ったりとかということもいろいろやっている、そんなような取組を実はうちが、教育委員会が吸い上げて、事例集にして、もう一遍学校に戻して、学校で話し合ってもらって、いろんなこと、やれることをやろうというような、そんなようなちょっと仕掛けもしているところでございます。

#35
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。終わります。

#36
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかと申します。
 本日は、参考人の先生方、大変貴重な御意見をありがとうございました。いずれの話も大変納得しながらといいますか、まさにそのとおりだなと思いながら拝聴させていただきました。誠にありがとうございます。
 私の方からまず三人の参考人の先生方に同じ質問をしたいんですけれども、先ほどから議論になっておりますこの少人数教育の学習に対する効果というところで、なかなかその数値化するということは難しい、私はそれはそうだろうなと思います。
 私自身は、学習効果があるということも非常に重要だと思いますし、しかしながら、やはりそこだけではなくて、子供たちが幸せに学校生活を送って、学校で学ぶことは教科のことだけではありませんので、いろいろな体験をして人格を形成をしていくと。そこがまさに学習のその前提となる、基盤となるところですから、そこに良い効果があるのであれば当然やるべきだし、それによって、例えばテストの結果に短期的にすぐには表れないとしても、その子の一生を見る中で必ず学習にも良い効果が出るはずではないかと。そこをどう証明していくかが難しいということでありますけれども、そういうふうに思いながら聞いておりました。
 質問したいのは、その学習の効果というのが、恐らくペーパーテストで点数というところで、今はそういったところで測るしかなかなか方法がないのかなと思うんですけれども、実際、名古屋市教育委員会でのこの研究報告で、九ページのところに、保護者の方のアンケートでしょうか、数字が載っております。保護者の皆さんは、少人数学級の方が学力また規範意識が育つと考えていることが分かったと。
 これというのは、保護者の皆さんが子供たちを見て、ああ、自分の子供は勉強ができるようになったかなと、こういう言わば主観的なことですから、なかなかこれを根拠にというのは難しいかなとも思いながらも、でも、学力というのはペーパーのテストの点数だけなのかなと。例えば自分で積極的に手を挙げて質問することができたとか、あとは人に説明をすることができたとか、自分で分からないところを調べることができたとか、そういうのもきっとその学力の一つであって、ただ、それはちょっとテストの点数にはすぐには表れないかもしれないし、何というか、測りかねるけれども、でも、そういうこの広い意味での学力というところを見ると、やっぱりこういう保護者の皆さんの、ふだん子供たちと接している周りの大人が感じる学力の伸び方というのも私は本当はもっと積極的に根拠とすべきじゃないかなと、そんなことを思いながら聞いていたんですけれども。
 ちょっと私の考えはそのようなことですが、このことについて、この広い意味での学力が育っているんじゃないだろうかという私の考えについてどのように思われるか、コメントいただければと思います。

#37
○参考人(三幣貞夫君) 学校の弱いところであると思っています。といいますのは、点数に表れない力がどうなっていくかということですけど、それが将来、高校、大学、社会人になったときにその子がどういう生き方をしているかということは私ども全く分からないわけですね。もっと言えば、中学校卒業した子供が高校どこに行ってその後どうなった、中退したとか卒業してどうなったとか、そういうものについては、追跡して調査しているというものは全くないわけですね。
 ですから、小中学校のときにこういう教育してこんな子供が育つはずだ、で、社会へ出てどうなったということを全く把握していないのが残念ながら私どもの教育界の現状なので、そういう現状で、今、少人数になったら子供たちの学力がどうなるかというようなことをデータ求められても極めて難しいのかなというのが、大変申し訳ないけど、私どもの現状であると思っております。お答えにならなかったかも分かりませんけど。

#38
○参考人(藤井昌也君) 目に見える数値で示されるものだけが学力じゃないという御発言は、私もそのとおりだと思っています。
 そういった部分からすると、学ぶということがどういうことなのか、本を読んだりとか調べたりとか、それからそれについて語るとか、そういったようなところを、ちょっと指標という形で作るのがどうかというのはありますけれども、意識面のところや、それから態度面のところや、それから、先ほども保護者のこれ期待度も出ていると思いますけれども、その保護者が見た子供の生き生き度といったようなものなんかも、保護者それから本人も、意識調査になりますが、取りながら、それも僕は学力として位置付けていくということは必要ではないかなと思っています。
 そういうような指標の中で、やはり少人数学級とどこまでダイレクトに結び付けれるかは難しいですけれども、確実に、少なくなればやれる機会、先生と話す機会が増えたとかというものも含めて何らかの、多方面から、いろんな視点からのデータは取っていくことは必要ではないかと思っています。

#39
○参考人(中嶋哲彦君) 多人数になると、学習集団が多人数になると、教師の指導は管理的になります。画一的な学習になってしまいます。それは学力の向上にはつながりません。学力が向上するというのは、その人その人が自分の持っている文脈でもってその学習事項を受け止めながら、それを自分なりに解釈していくことなんですね。それによって問いを立てる、自分なりの問いが生まれてくる。それによって疑問が生まれ、それに問い続けていくということ、それによって学力が向上するんだと思います。
 これは実はユネスコが、一九八五年だったと思いますけれども、学習権宣言というのを出しているんです。その中で、一説に、疑問を持ち問い続けること、これが学習することなんだということを言っています。疑問を持ち問い続ける。多人数になると、疑問を持って生徒が問い続けることを保障すること、教師できなくなっちゃいます。
 一人一人の疑問にきちっと答えていくためには、クラスサイズ小さくする、それでもって一人一人のことがよく見えるということですね。よくクラスサイズ小さくすると教師が生徒に介入し過ぎて駄目だという人がいますけど、これは違うんです。一人一人の状況を捉えながら一人一人に応じたやり方で対応するのが少人数授業、クラスサイズが小さくなって初めてできることです。大きくなれば画一的になります。学力は向上しません、それでは。
 ということも考えるべきで、学力の評価をするときには、どういう取組をしたのかとか、学力というのはどういうものとして捉えるかというところをきちっと議論しなきゃいけない。点数だけで見ちゃ駄目だと思います。ということです。

#40
○佐々木さやか君 ありがとうございます。
 私自身、この学習というものをどう捉えて、どういうふうに測っていくのが本当のこの真の姿を捉えることができて、またそれが今後の中学校、また中学校含めた三十五人、小学校、中学校三十人、また高校、特別支援ということも今日は御提議いただきましたけれども、そういったところに向けて闘っていくために研究していけたらなと、このように思います。大変にありがとうございました。
 ちょっと話題が変わりますけれども、少人数教育ということで、先生方の数が増えて子供たちにより関わっていただくのが大変望ましいかと思います。その中で、本当にこの教員の先生方、大変重要な職業ですけれども、様々な事情から手を挙げていただく方が残念ながら少ないという状況があります。そういった中で、この教員の先生方、質の高い教員の先生方をより多く確保をしていくのはどうしたらいいかというのが大変な課題ですけれども、この点についてどのようにお考えになるか。これも、恐れ入りますが、三人の参考人の先生方にそれぞれ教えていただければと思います。

#41
○参考人(三幣貞夫君) 二つ考えられると思っております。
 一つは、先ほど斎藤委員の方からお話があった学校の教員の数を増やすということですね。専科教員と限らなくてもいいですから、とにかく学級担任プラスの教員を増やしていただいて、ブラックというような言い方されるようなものを改善するのが一つ。
 それとあとは、私が教師になったときに、もうかなり前ですけど、人材確保法案というのがありまして、私の同級生は非常に民間に流れたわけですけど、毎年、田中角栄内閣だったと思いますけど、年間三〇%ぐらいずつ給料が上がったということで、民間に行かないで教育学部を卒業して教員になるのが非常に多くなってきたということがありますので、今申し上げた二つのことを是非やっていただけたら変わってくるのではないかなということを期待しております。

#42
○参考人(藤井昌也君) この前のもう一年前の十二月に、私、ある大学に呼ばれて、高校生たちを集めて教員の魅力を語ってくれというのがありました。私も教員出身なものですから、自分のやってきたことを話をしたんですけれども、世間、ちまたで流れている、又は報道されている、それから問題として取り上げて話題提供されているその教員のやっぱり働き方というか、それがブラックというふうに流れているんですけれども、高校生の子たちに私はこう言いました、自分が教員を三十年近くやってきてブラックなんて感じたことは一度もないと。ただ、今でいえば時間数はたくさんやっていたと思うので、その感覚がどうかという部分はあるかもしれませんが、それを実は高校生の子たちは聞きたかったみたいです。それで、教員養成大学の方へ受けていこうとかなんとかというふうにもなっていましたけれども、どっちかというと、今採用試験を受けて入ってくる先生方もすごい手探りの状態というのもあります。
 私は、これは教育委員会の私、立場ですけれども、教育委員会と、それから大学等での養成といったようなところは、もっと十分に連携をするなり意見を出す、議論をしてやっていかなければいけないことじゃないかと思っています。これは自分にも振り返って自問自答している課題の一つでございますが、学校現場、それから行政、それから大学といったところがきちっとタッグを組みながら、将来先生になっていくような、そんな若者たちにどんな話をするのか、どんな力を付けるのか、それからどんな授業をやるのか、そんなようなところをやはり変えていくことも含めて充実をしていくことが必要ではないかと思っています。

#43
○参考人(中嶋哲彦君) 私は、やっぱり教師、短期的なところじゃなくちょっと長期的に言えば、やはり教員の、教職の魅力をどう高めるかというところだと思うんですね。それは、今お二方からも出たように、やっぱり教員の働き方というのか、勤務ですね、これを改善することはやっぱり必要だと思います。
 文科省の調査だと、減っているとはいうものの、実は研修時間が余り確保できていないんですね。教員は研修時間確保するって、教員は研修が仕事です。だから、研修をきちんと勤務の中に組み込んで保障しなければいい授業はできないんです。だから、それもきちんとよく含めた上で勤務時間を考えるという。だから、空き時間が必要だとさっきおっしゃったのは、まさにそのとおりだと思います。
 それからもう一つは、やはり教員は今がんじがらめになっているなという気がします。がんじがらめというのは、授業が、面白い授業を自分でするためにはどんな工夫ができるだろうかということをもっと創意工夫を持って学ぶことが、学ぶというのは、研究することが保障されていないといけないと思います。
 でも、今、教育関係の雑誌って売れなくなっています。昔は売れたようです。だけど、売れていないんです。教育関係の書物で売れるというと、何かコーチングのような本が売れているんだそうです。だから、やっぱり何を、教育とは何かということを問う教師、あるいは自分が担当している教科についてより深く学ぼうという教師、これ減っているんです。
 だから、教員の質を上げようといって幾ら大学の単位を増やしても駄目なんです。そうではなくて、自分が教えること、子供に向かい合うことを楽しいと感じられる教師なんですよ。そのための教育って私たちしようとは思っていますけれども、やはりそれが現場で現実に自分の学んだことが生かせるような専門職としてしっかりと保障してあげるということは大事だと思いますよ。
 是非そういう改善をしていけば、教員になりたい人は増えるはずです。

#44
○佐々木さやか君 ありがとうございました。終わります。

#45
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文と申します。
 今日は、三人の参考人の皆様、お忙しい中ありがとうございます。
 今、同僚委員の方から様々な観点から質問があったんで、ちょっと私は観点を変えて、少人数学級とはダイレクトには関係しませんけど、今後大きく影響してくるという面で、ちょっとデジタル教材について三人の、それぞれ教鞭も執られた経験もある先生方ですから、ちょっと感想というか考え方聞きたいんですね。
 少人数学級というのは、個別最適化の、それぞれの生徒の習熟度とか個性に合った教育ができるような体制をつくるには、たくさんいるよりも、やっぱり少人数で目の届く、対話のできる体制があった方がいいということですよね。それと同時に、今、デジタル化の社会の大変革で、もう政府もデジタル担当大臣までつくって、社会挙げてやっていこうと。コロナ禍が来て、デジタルに遅れていた日本の社会が暴露されて、これじゃいけないということでやっていたわけです。
 ただ、教育においては、GIGAスクール構想でとにかく生徒たちに一人一台の端末を持ってもらって、それでICTを利用した教育で教育の質を上げていこうという改革が進んでいるわけですよね。
 その中で、今大きな議論になっているのは、デジタル教材というよりもデジタル教科書をどう使っていくかということですよね。デジタル担当大臣なんかは、デジタルデジタルと言わなきゃいけないんで、もうできるだけデジタル教科書を使ってやっていこうと。ところが、やっぱり長年教育やっていた人なんかは、いやいや、やっぱり紙の教科書と。そして、写したり字を書いたりする基本をしっかりやった上でやらないと、こんなデジタルデジタルって飛び付いたって逆におかしなことが起きるよという反対意見もある。
 今、文科省も議論始めていて、デジタル教科書主でいくのか、それともやっぱり紙の教科書主でいくのか、あるいは両方をハイブリッドで掛け合わせて使えばいいじゃないかとか、いろんなの出ています。あるいは、教科によって、この教科はデジタル教科書使った方がいろんなことができるんで教科別にやっていこうとか、こういういろんな考えがあります。
 それと同時に、今度、デジタル教科書にしていくと、やっぱり格差が広がるんじゃないかという。これは家庭環境にもよります。例えば、そういうICTの環境をしっかり家庭に持っているのかとか、ルーターまで付けなきゃ駄目じゃないかとか、そういうところまでありますし、あるいは、やっぱりデジタルに強いのは裕福な家庭の子供が多くて、なかなか経済的に厳しい家庭のお子さんはデジタルに対応できない、ますます格差が広がっちゃうんじゃないかとかいうのがあります。
 それから、自治体の財政力にもよるんですよね。やっぱりデジタル教科書、じゃ、これ完全に全部無料でできるのか。本体は無料にしても、その関連の教材なんか民間企業はみんな売り込みます。そういうのも、裕福な自治体は買えるけれども、財政力がない自治体は買えないわけですね。だから、自治体の財政力や首長や教育長の政策によってもデジタル教科書の使い方が違って、それが格差になってしまうんじゃないかと、こういう心配もあるわけですよね。
 さあ、直接は関係しませんけど、現場で教鞭も執られて、教育委員会あるいは学界の方でも見識を持たれているお三人の先生方に、デジタル教科書の導入、こうあるべきだというところがあったら、ちょっとそれぞれお聞かせいただきたいなと思うんです。

#46
○参考人(三幣貞夫君) デジタル化というのはGIGAスクールで進めております。今お話があった家庭のルーターですね、モバイルルーター、それも四%の家庭には貸し出すという方向で整備しております。
 ですけど、一昨年、私ども、三回にわたって二週間ほどの停電を経験しました。ああいうものがいかに役に立たないかという、いかに頼りにならないかというものは痛切に感じております。ですから、ハイブリッドで、デジタルとアナログと両方で生きていけるような人間にしなくちゃいけないというようなことは強く感じております。
 もう一点、これ出していいかどうか分からないんですけど、スティーブ・ジョブズさんですか、自分の子供にはタブレット類は一切持たせなかったという。よくほかの経営者もあるわけですね、開発者は。ということは、脳に与える影響が大きい。私もそれは心配しております。
 ですから、今考えておりますのは、先ほど申し上げましたように、三年生まではそういうものは極力抑えたような教育をしていった方がいいんではないかと、あるいはそれを導入しても、学年、あるいは松沢先生がおっしゃった教科、学習内容によってあくまでもツールとして取り入れた方が効果があるものは取り入れていくという、そういう使い方が当面の対応としてはいいのではないか、こんなふうに考えております。

#47
○参考人(藤井昌也君) 確実に便利にはなります。
 私、教員のときにインターネット、コンピューター室にコンピューターが入って、子供たちに調べ学習もさせていましたけど、これはいろんなことを調べていろんなことをノートや紙に貼って発表とかってやっていましたけど、実はみんなコピペなんですね。きちっと読む力、それから情報をきちっと選択する力、そういったようなものがそのとき余り育っていなかったようなことをとても感じます。
 デジタル教科書はいろんなことができます。自分で学習をいろいろ、いろんなことをやりたいとかって広げていく子たちにとってはとてもプラスにもなっていきます。しかしながら、やはりそれを使いこなす大本の基礎的な学習能力というか、読み書きも含めたところでの、そういったところもきちっと押さえながら、やっぱり紙の部分とは、エネルギーもよく言いますけど、僕はベストミックスなんじゃないかなという、教科のやっぱり内容も含めてやっていくことが必要ですし、それからもう一個心配されるのは、先ほど三幣先生も脳に与える影響とおっしゃってみえましたが、目もやっぱりあるので、そういったところもきちんと、子供たち楽しければどんどん使うだろうし、そういった健康面のところも十分に押さえながら使っていく、デジタル教科書も含めてやることも必要ではないかと思っています。

#48
○参考人(中嶋哲彦君) 私、つい先月ぐらいまで二歳児と一緒に生活していたんですが、二歳児がユーチューブ使っちゃうんですよね。なので、使えるんです。使えと言えば二歳児でも使っちゃうということだと思うんですね。自分の見たい番組探しちゃうんです、文字は入れられませんけどね。
 なので、使いやすいツールだとは思います。それを授業とか教育の場面でどう使うかというときには、それが持っている限界であるとか利便性であるとか、きちんと区別しなきゃいけないんだろうと思うんですね。
 例えば、検索すると、ここに書いてあることを検索するんだとやれば、そういう仕事であればデジタルは便利です。だから、私たちそれ多用します。先生方の国会での発言なんかは全部見て、どの発言というのを色分けして、この形、これ紙です、紙ベースにして紙で調べます、分析するときは。なぜか。これの方が簡単にランダムにアクセスできるからです。ページをぱっと変えられるんです。だから、自分の頭の中で考えながら、資料を見ながら考えていくというときは紙の方が便利なんです。だから、検索ができるということと、紙ベースで頭に付いてくるというのがデジタルじゃ難しいです。
 おっしゃるように、やっぱり何かデジタルで見てくるというと、本当に集めてきて貼り付けていくということですね。だから、そういうやり方で学習している気になってしまう学生、子供たちではいけないし、学生たちもやっぱりそうなっちゃっていますよ、実際。なので、レポート書くところから教えます。どうやったらレポートがしっかり書けるかということを今教えているんですよね。
 それから、おっしゃったように、社会的格差ははっきりあります。コロナ禍でオンラインで授業したんですけれども、学生の中には、顔出しせずに自分は聞いているだけにしてほしいと言うんです。聞いてみると、通信料が上がるんだと、自分も顔を出すと、だから、なるべく抑えるためには聞くだけにしてほしいと。でも、それじゃなかなか伝わらないですよね。でも、やっぱりそこには経済的な事情がはっきりあるなと思います。スマートフォンで授業に参加し、スマートフォンでこちらのレジュメ見ている学生がいるんですよ。A4をこんなので見ているんですよ。それしかできないからです。だから、そういうやっぱりはっきりとした格差があるということは、やっぱりこのことを考えるときは自覚しておくべきだと思います。
 以上です。

#49
○松沢成文君 それでは、教育委員会の現場にいらっしゃる三幣さんと藤井先生にちょっとお聞きしたいんですけれども、今回の少人数学級化によって先生も増やしてきちっと体制つくろうということは分かるんですが、私、メディア情報ぐらいでしか知らないんですけど、現場見ていないんで教えていただきたいんですが、今の先生の中で正規の先生と非正規の先生の格差が余りにもあり過ぎて、非正規の先生が正規の先生になりたくても、自治体のお給与なんかもありますから、財政の事情でなかなかなれない、不満もたまっている、でも同じように教育の負担を担わなきゃいけないと。
 私は、この少人数学級で先生を増やしていく中で、この非正規の先生をまず正規に上げてあげて、やっぱりやる気を持ってもらう、続けてもらう。そこを同時にやっていかないと、学校の現場がなかなか不平等、不公正な部分も残っていて、満足度、先生方の満足度がしっかり取れないんじゃないかと思うんですが、その辺りの改革も一緒にやっていくというプランはあるんですか。

#50
○参考人(三幣貞夫君) お答えするのは大変残念ですけど、私ども千葉県では、市町村教育委員会には教員の採用の権限ございませんので、実態としては県の教育委員会がやります。配当されて、配置されてくる教員で対応していくわけですけど、確かに先生おっしゃるように、非正規、会計年度職員の教員がいるのは事実です。ただ、これは、一度に定員を満たしてしまうと、その年度の採用の教員が非常に多くなって、後々その年齢のバランスが悪くなるということで、十年間ぐらい見通して採用しているという状況が分かりますので、これは仕方がないことだと思っています。
 ただ、御心配いただいたような非正規職員と正規の教員の力の違いとか、そういうものはないと思いますし、若年者の方は一定程度そういうもの、採用試験にチャレンジしていきますと採用ということになってきているのが現状だというふうに思っております。

#51
○参考人(藤井昌也君) 報道でもこれも御存じだと思いますが、名古屋の非正規の非常勤講師の時間数が、実はたくさん働いていて、労働基準監督署の方からよう賃金を払えといったようなことがニュースにも出ましたけれども、まずは採用の部分で、これ非正規の人とは限りませんけれども、できるだけうちの教職員課は闘っています。闘っていますというのは、推計とか、それから来年度の人数等を大体出しますけれども、それに近い形の採用をしていくように勝負を懸けてといってやっているのがまず確かなところでございます。
 非正規の方が決してその指導力が低いわけではないと思っています。ただ、初めてやられる方でというので、研修を非正規の方でも私どもでは持っていることもあるんですけれども、是非、私どもはその採用のところでも多様な働き方ができるようにということで、余り言っちゃっていかぬのかもしれませんが、実は来年度、お一人、教務主任になられる方が、男性の方ですけど、一年やって次育休を取るという、もうそういう予定になっていることもやったりとか、できるだけ、男性、女性に限らず、例えば子育てでなかなか時間が取れないというところは通勤距離、通勤時間も考えてということもやっているので、非正規の方、非正規だからやるという方もおみえですけれども、是非、これで教員がたくさん必要になってきたときに、皆さん正規、それから常勤といって、こういうような形で働いていただくように、私どもも魅力も伝えていきたいし、それから働きやすいような条件整備も詰めていきたいと思っております。

#52
○委員長(太田房江君) 中嶋参考人。

#53
○参考人(中嶋哲彦君) いや、ちょっと、何でしたっけ、ごめんなさい。(発言する者あり)ああ、ごめんなさい、そうですね。
 いや、是非それは必要なことでして、非正規ではやっぱり不安定なんですよ。だから、来年どうなるか分からない中で働いているわけですよね。だから、教員というのは、やっぱりこの今いる子供たちと将来どうやって付き合っていくかという見通しを持ちながら生きているわけで、それが自分が来年どうなるか分からないという中ではやっぱり不安です。
 それから、自分が採用試験受からなきゃいけないということで、採用試験の勉強していると、子供のための授業準備できないです。だから、早くやっぱり安定して働けるようにしてあげることが必要だと思います。
 失礼しました。

#54
○松沢成文君 どうもありがとうございました。
    ─────────────

#55
○委員長(太田房江君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、自見はなこさんが委員を辞任され、その補欠として羽生田俊さんが選任されました。
    ─────────────

#56
○伊藤孝恵君 国民民主党の伊藤孝恵と申します。
 参考人のお三方、心より御礼を申し上げます。
 私、実は犬山北小学校を卒業いたしました。犬北っ子なので、中嶋参考人に最初に質問せずにはいられません。よろしくお願いします。
 〇四年度から全小中学校の学級人数を三十人程度、三十二人まで、これを一七年度まで犬山市続けました。不登校が大幅に減ったり、教員の授業研究も活発になった一方で、教員の育成、例えば指導に多くの時間や手間が掛かったりですとか、ベテラン教員の定年も相まってというところで非常に確保に腐心されたというふうに聞いております。これ、なので、予算の話というよりは、永年でやるつもりはなかったと最初からおっしゃっていましたけれども、これ育成の課題というのが最後大きな宿題として残されたのかなというふうに認識をしております。
 私もその子供たちのレジリエンス、折れない心とか、私分からないから教えてというふうに言える力ですとか、私は愛されて育ったから、だから私も愛するし助けるし、これ当たり前だと言えるような大人たちになってほしいというふうに考えたときに、その育む教員、犬山のその教員の育成というので特に気を付けた点、特徴等ありましたら教えてください。

#57
○参考人(中嶋哲彦君) 教員の育成はもう当初から課題でした。というのは、私たち犬山市で考えていたのは、やっぱり先生方が決して自由な教育実践とか自由な研究活動できていないなということを感じたからです。やはりもっと自由なディスカッションができる時間を確保してあげる必要があると。忙し過ぎては自分たちの教育実践を振り返ることができないんですね。
 なので、私、こういう言葉を使いました、研究的な教育実践。だから、教育実践をただ単に行うんじゃなくて、自分がやっていることを常に振り返りながら研究的にやっていきましょう。だから、お互いの授業も相互に公開し合ったりとか、意見をどしどし言えるようにしよう。これ、先生方の中にこんなことがあることが気付きました。ほかの先生を批判しちゃいけないと思っている人が多かったです。批判するとその人を否定していることだと思っちゃっている先生が多いということに驚きました。
 私と教育長はしょっちゅうけんかしていたんですが、その姿を見ては、初めはみんな青くなっていたんですね。青ざめていました。だけれども、それはでも実は仲がいいんです、教育長とは。だから、激論し合う関係こそ重要なんだということを教育長も私も教師たちの前ではっきり見せて、いつもがんがんやっているけれどもいつも仲よくしているという、それでこそ発展するんだという姿を見せました。
 だから、やっぱりこれ教員文化をどう変えるかということですね。そういう中で、遠慮なくお互いをどんどんどんどん、何といいますかね、刺激し合う関係性を教師の中につくっていくこと、それが新しい少人数になったときにどういう授業をつくっていくかということについても議論ができるわけですね。そのことを、犬山では時間を保証しました。例えば教材作りをするというときには、独自の教材を作ったんですが、その独自教材を作ることを通じて先生方が、何というんですかね、教科内容について議論する。実はその中には保護者も加えました。保護者にも教材案を示して、それに対して意見を言ってもらって、保護者の意見にまた教師が応えていくというかなり丁寧なことをやったんですね。そういうことを通じて教師たちは育っていくと思います。だから、教師を育てるためのいろんな、何というんですかね、仕掛けをする、そのことが大事かなと。それはあくまで研究的なものでなくてはいけないと思っています。
 ちょっと長くなりましたが、以上です。

#58
○伊藤孝恵君 研究をする時間ができるのであれば、それをもっと昇華させる仕掛けというの、これは宿題だと思いますし、非常に参考になるお話、ありがとうございました。
 次は、藤井参考人にお伺いしたいというふうに思います。
 先ほど人材バンクを活用したというふうにおっしゃっていたので、外部人材が学校の中に入ってくるということに対しての抵抗だったり、それから、そのぐらい活用しなきゃ確保できないんだということだと思うんですけれども、このいわゆる転職教員、社会人、別の仕事をしていて転職をして教員になったという方は五%だというようなデータもあります。なので、何というか、根付く難しさというのが果たしてあるのか。私も実は教員免許持っておりまして、二十五年間違う仕事をしておりますけれども、子供大好きです、伝えたいこともいっぱいあります、物すごくおせっかいだし、そういうような人材が例えば学校の中にこれから働く場所を得て、そして子供たちと触れ合っていく、これ何かすごくいいことなんじゃないかなというふうに思っています。
 一人の子供に対してたくさんの大人との関わりを持たせて、いろいろな、例えば死にたいと思ったときとか、例えば自分の中に興味の芽が芽生えていてもこれをどうやって育てていいか分からないときとか、いろいろなスペックやいろいろな経験を持った人たちが自分の周りにいる、その投げられた糸、投げられているロープというのを伝って違う視点を得ていく、必要だと思うんですが、この転職教員について、何か続けていく難しさとかあるんでしょうか。

#59
○参考人(藤井昌也君) 今おっしゃられるように、転職して教員に、思いはあってもなかなか踏み出してなれない方はやっぱりたくさんおみえです。今の時代、やっぱり多様性がとても大事で、その多様性イコールそれから人を認めていくというような考え方にもつながるといった中では、いろんな経験をした方に学校の中に入ってきていただくということはとても大切なことだと思っています。
 先ほどちょっと紹介をさせていただいたスクール・イノベーションというもの自体、そのマッチングプロジェクトというもの自体が、初め、やっぱり企業とかほかの方々が入ってくるということについて学校は、学校文化ではなかなかちょっと難しいところがあったんですけれども、やっぱりそこは粘り強く、熱く、やっぱりどういうプラスになる、子供たちにもプラスになるし先生たちにもプラスになるんですね。そういったようなところをやっぱり説くことが大切かなと思って進めています。
 そうですね、ちょっと名古屋のPRになってしまいますけれども、私どもの教育委員会と、それからもう一個、子ども青少年局という、子供たちから、それからいろんな、保育園とかそっちの方の関係もあるんですけど、そこの局と協力をしながら、まあこれは市長の肝煎りもあるんですけれども、キャリアアドバイザーという方を学校に置いて、それこそ将来何になりたいとか、それからどんな仕事があるのかとか、そんなような多様な知識とか、それから経験をさせるような取組も少しずつ今始めているところですので、今の転職という形での経験を持った先生になっていただくということも必要ですし、子供たちにはそういうキャリアの部分での幅を広げることもやっていく。とにかく子供たちに選択できるような場面をつくっていくことが必要ではないかと思っています。

#60
○伊藤孝恵君 今ので、それこそ名古屋市でやっている取組で何かもしほかにあれば教えていただきたいんですけど、やっぱり教師は、教師になったらずっと教師というのもすばらしいし、すてきだけれども、物づくり愛知ですから、いろいろな場所に、ほかで働いてみる、一定期間働いてみるとか、月、金は別の仕事をしていますけど火、水、木は教科担任として学校の場で働く、ダブルワークというような働き方ももしかしたらあるのかもしれないというふうに思うんですが、そういった件についてはどうですか。

#61
○参考人(藤井昌也君) 現実的には今まではなかなかないですけれども、非常勤で時間数が決まっている方が兼業しながらやってみえる方はおみえですけれども、今、伊藤先生言われたように、そういう方も入ってきて、学校は社会の縮図みたいな形でのやり方も今後は一つの学校の在り方なのかなというふうには感じます。

#62
○伊藤孝恵君 では、三幣参考人にお伺いします。
 教育再生実行会議の議事録を拝見いたしました。三十人以上の学級にいますと、これはとても無理だなということを強く感じましたというふうにおっしゃっていて、今日も例えば甲子園とかサッカーとかバレーのベンチ入りの人数を挙げていらっしゃって、みんな二十人以下だということを挙げていらっしゃって、いや、なるほどなと、本当そうだなというふうに思いました。
 今、このテーブルを囲んでいるの二十三人です。このぐらいのもの、これ政治家あるあるだと思うんですけど、私たちも集会とかやるときに、あっ、今日は何か話せたな、今日はちゃんと口だけでなく伝えられたなというのって本当に二十五人ぐらいが限界だというふうに私常々感じます。
 二十人とか二十五人が限界だなというふうに感じる中で、今回、コロナ禍で学習の遅れというのを指摘された子供たちが、通常だと貧困家庭ですとか一人親なんですという方が、それでそこをどうしていきましょうという話題になるんですが、今回、エッセンシャルワーカーを両親に持つ子供たちの学習の遅れというのが特徴として指摘をされています。
 コロナ禍で、学童は開いていました。ちなみに国会も開いていました。うちの小学二年生は、算数の筆算の繰り上がりと繰り下がりができないといって泣かれたときに、確かに私、何もフォローしていなかったなと、夫も一生懸命働いていたなと思ったときに、この学童での時間というのの大切さだったり、なくてはならない場所ですから、そこのゼロ歳から十五歳まで一貫教育というのをされているという話を先ほど聞きましたが、この学童ですね、参酌基準によって、二〇一九年、例えば一教室に職員二人以上とか、うち一人は保育士や社会福祉士という児福法で決まっていたものが事実上撤廃されてしまっています。
 ただ、その放課後児童クラブに通う小学生というのは、二〇一九年時点で全国で百三十万人、百三十万人の子供たちがいます。そして、この二十年間で三・六倍になっています。女性も働く中で、この学童という場所の大切さも上がっている。そんな中でのこれからの学童での在り方というのをどういうふうに考えていらっしゃるか、御所見をお伺いします。

#63
○参考人(三幣貞夫君) お叱りを受けるかも分かりませんけど、私どもの市は、学童は一年生から四年生までです。五年生、六年生は学童保育は展開しておりません。その代わりに、月曜日から金曜日まで、保護者、地区の方と学校が話し合いまして、学校の中で塾とか習い事を展開しております。五年生、六年生は、希望するものがあれば、スポーツ関係のものもありますし、算数もありますし、そうやって希望するものを週五回なら五回受けられるということになっております。五時ちょっと過ぎまでの間は、地区のボランティアの方が子供たちの面倒を見てつないでいるという。そして、そこの塾でも習い事でも使えるわけですけど、五年生、六年生に関しては、一か月、家庭の経済状況に応じて一家庭千円から七千円までのクーポンを発行しています。
 ですから、私ども、御存じないかも分かりませんけど、送り迎えができない家庭は塾に行けない、習い事できないというような状況があります。したがって、学校の中で展開すればどの子もそれを受けるチャンスが出てくるということで、あとは経済的になかなか行けないという子供がいるのを想定しまして今申し上げたようなクーポンをということで、こういう形で学童プラス放課後の習い事講座ですか、そういったものを展開しています。
 これについての需要が学童も非常に多くなってきておりまして、ある学校については、あっ、もう一つ、学童保育はほかと違いまして、私ども、学童保育の室長は校長が兼務しております。全て学校の中の建物、教室を使ってやっております。
 ですから、野放しというのもちょっと子供たちに悪いんですけど、学童で暴れても先生方が注意できないという状況じゃなくて、これはもう校長は自分の指導の一環でそこへ話ができるというような状況をつくっております。その中で非常に手狭になってきたものは校舎の敷地内に別棟を建てるということで今準備を進めている状況であります。この傾向は更に進んでいくものというふうには考えております。
 以上です。

#64
○伊藤孝恵君 物すごく参考になりました。学校は学校のために使うのみならず、地域の方に開放して、例えばそこが高齢者にとっての居場所であったり生きがいになったりするかもしれない、サッカーを教える人もいれば俳句を教える人もいる、そういうところで大人との接点を子供たちがたくさん持っていく、地域との接点をいっぱい持っていく、そういう場所に教育委員会と校長がオーケーすればできるというふうに聞いています。そういう場所をたくさんつくっていくことが必要だなというふうに今強く感じました。
 ありがとうございました。

#65
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 三人の参考人の皆様、今日は本当にありがとうございます。
 さて、早速ですが、この少人数学級に関わる議論というのはこの間、長年されてきているわけで、その中で文科省は、長年、少人数学級だけではなくチームティーチング、習熟度別指導など、少人数指導も含め地方自治体が選択的に行うことが効果的と答えてきたという経緯があって、そこで、先ほども三幣参考人もおっしゃっていましたけど、地方自治体によっては少人数学級ではなくて少人数指導で対応してきたところもあると聞いているわけですけれども、今回、少人数指導ではなく少人数学級を進めることになるわけで、その意義について、是非三人の参考人それぞれの御意見伺いたいと思います。

#66
○参考人(三幣貞夫君) 冒頭申し上げたことに尽きると思います。一人一人の子供たちの表情を見て、一人一人の子供たちの声を聞き、声を掛けられる状況に近づいていくということになると思います。

#67
○参考人(藤井昌也君) 少人数指導という話と学級という話があるんですが、私は、少人数学級が基盤にあって、その上に乗っていくものが少人数指導ではないかと思っています。少人数指導が基盤にあって学級はできないものですから、やっぱり少人数学級というところをまず踏み出していただいて動き出したということはとてもうれしいことで、決して通過点にならず、本当にどんどんやっていってほしいと思っています。
 以上です。

#68
○参考人(中嶋哲彦君) 文科省が少人数指導という言葉を使い始めたのは、少人数学級が実現し難い、しにくい、難しいという中で少人数指導を選択したというふうに思います。その際の問題は、少人数指導が学習集団と生活集団を分断したということなんです。つまり、学級サイズはそのままで、場合によってはクラスを二つに分けて少人数指導をするということですね。これは学習の集団と生活集団が分かれちゃっているんです。
 でも、生活と学習分けてよかったのかという問題です。同級生の中には小学校時代、僕は余り勉強できない子だったんですが、すごく勉強できるけれども掃除全然しないやつがいるんです。だから、生活と学習というのがどうつながっているか。中には逆がいます。勉強できないけどクラスのために一生懸命やっている子がいる、僕だったんですが、いるんです。そういう子もいるんです。だから、それでもって人間を全体として捉えることができるという、だからお互いを評価し合えるということですね。勉強できなくてもあいつはいいやつだ、信頼できるという、それが人間を育てていると思います。
 その意味では、少人数指導、とりわけ習熟度別に分けるなんていうのは犬山市は完全に反対しましたけれども、そのやり方ではやっぱり駄目だったと思います。ですから、今回、少人数学級で、まだ不十分でありますけれども、小さなクラスサイズでもって生活と学習を共にする集団をつくっていくという方向を追求していってほしいというふうに思います。

#69
○吉良よし子君 生活と学習を共にする集団をつくるという意味での少人数学級、すごくよく意義が分かったかと思います。
 あわせて、先ほど来、効果検証ということも言われております。今回の法案にはその検討事項として少人数学級の効果検証と、条文には学力の育成という観点も例示されているわけですけど、改めてその学力といったときに、先ほど来あるとおり、数値とか学力テスト、ペーパーテスト、もう点数ではないところにその効果が見られるのではないかというのがこの今の委員会での議論、ずっと出てきていると思うんですけれども、中嶋先生の資料でも学力フェティシズムの行き詰まりがあると。やはり全体を捉える視点に立って学校教育を評価することが大事と書かれているわけですけど、やはりこの少人数学級の効果って考えたときには、そうしたいわゆる学力ではない評価というのが大事だと思いますが、その点について中嶋参考人、お願いします。

#70
○参考人(中嶋哲彦君) 学力フェティシズムと書きましたけれども、日本はやっぱり学力一辺倒になってしまっている、政策決定の際にそこだけ見てしまっていると。でも、これ国際的に見ると、日本は学力高いことになっていますよね、PISA調査などを見ると。その意味では学力高いんです。だけど、じゃ、問題ないかというと、問題がいっぱいあると。そのいっぱいある問題、それは、ここに書いているような問題いっぱいある、それを見落とす原因になっちゃっているんです、学力フェティシズムは。つまり、どんなに子供たちがしんどい思いをしていても、学力しか見てないので、本当に対応すべき問題に対応できていないんです。
 海外の若者たちがやっぱり生き生きしているのは、自分が生活しているところとやっぱり向き合っているからなんですよ。自分が学んだことをどうやって生かして自分が生きていくか、自分がどう貢献できるかという、それを考えるチャンスを持っているからなんですよね。だから、決して学力が高くなくたって自信を持っています。でも、日本の子供たちって、学力が高くない子供は自信持てないんですよ。
 なので、学力だけ見ててちゃ駄目だというのはそういう意味です。そこも評価をするべきだということです。

#71
○吉良よし子君 やはり学力、いわゆる学力じゃないところをきちんと評価してこそ教育全体の効果というものが実感できるんだという大事なお話だったと思いますし、やはり学力ということの見直しが今求められているなということを強く実感した次第です。
 さて、この間、先ほど来、やはり今回の法案は通過点であると。やはり三十人も求められるし、中学、高校、特別支援学校もというお話が先ほど来あるんですけど、法案、今回の法案そのものを見ても、小学校の中でもその恩恵を受けられない子たちがいる問題もあると思うんです。段階的実施ということになっているので、来年度の新二年生より下の子は少人数できるんですけど、新三年生以上は卒業まで四十人学級のままと。地域によって先行するところもあって、要するに自治体によって差が出てしまうということも問題だと思うわけで、やはりこの国の段階的実施という線引きによって少人数学級の恩恵を受けられない子供が出てきてしまう。この問題について、三人の参考人の皆様、それぞれ御意見伺わせていただきたいと思います。

#72
○参考人(三幣貞夫君) まず、私自身の反省もありますけど、意識を変えることが必要かなと思っております、今回のことではですね。
 といいますのは、私は団塊の世代ですので、小中学校一クラス五十人で育ちました。高校は何と五十五人でした。教員になったときが四十五人でした。四十人に変わったとき、少なくなったなと思いましたよ。そういう自分の経験からいいますと、三十人前後の子供を担当している教員を見て、何だ、これだけの数の子供を掌握し切れないのかなという見方が心の中のどこかにあるわけですね、自分の経験からいって。それは非常にまずいことだなということを反省したのが今回のいろんな話の元になっております。
 ですから、是非、何というんですかね、エビデンス云々じゃなくて子供の数、担当する子供の数が少なくなっていくことはいいことだという前提に立っていただきたいことと、もう一つ私どもがちょっと心配しているのは、一学級の子供の数が少なくなれば自動的に学力が高まるかということではないということですね。二十人になっても十五人になっても、教師あるいは教育委員会の不断の努力がないとやっぱり学力あるいは人間形成というのは保障できないという、そういう思いは私ども持っていなくちゃいけないと思います。
 あと、段階的ということですけど、過去の変化も段階的ですので、これはいろんなことを考えればやむを得ない措置だと、そんなふうに思っております。かえって一挙に全学年変わることの私どもの方の負担の大きさの方は、ちょっと正直申し上げてきついのかなというふうに思います。
 以上です。

#73
○参考人(藤井昌也君) おっしゃられるように、恩恵を受けない子供もいるというのは見方によっては確かだと思いますが、やはり制度なので、どこかでのスタートをしないとやっぱり動いていかないのかなと。
 この少人数学級というのは、私は、該当する、例えば来年度でいえば小学校三年生が少人数学級になったからそれでいいわけではなくて、学校全体がそれを起爆剤として変わっていかなきゃいけないと思っているんです。それは、やっぱり学校の関係者もだし教育委員会の関係者もですし、これはあくまで三年生の三十五人ですけど、それをやることによってやっぱり教育をどうやって変えるのか。そのためには、先生方の、また私たちも価値観というものをもうやっぱり見直すというのか、そこをやっぱりいろいろ話し合って、いろんなことに触れ合うことが幅が広くなっていくんじゃないかなというふうに感じています。

#74
○参考人(中嶋哲彦君) 先ほど二十五万人の署名と言いましたけれども、あの中の多くの方々は恩恵を受けない子供たちの親だと思います。一生懸命努力したけれども、その人たちの子供さんには及ばなかったということですね。本当にそれは、何か私、署名集めた者ではあるけれども、何か裏切ったような気持ちになっています。何とかならないものだろうかというふうにあれこれ考えています。
 それは、一つは、ここ数年間を見てみると、平均すると一年間に二千学級ずつぐらい小学校って減っているんですね。だから、二千学級減るということは、二千プラス係数がありますから、もうちょっと多くの人数の教員の数は減っていくわけですよね。クラスは少なくなるんです。今回の措置でもって学級数は増えていきますけれども、とんとん、教員全体の数からいえばとんとんかあるいは減るかもしれないという状況です。
 増やそうという努力をやっぱりここですべきだったんだと思うんです。それをなかなかしっかりした議論ができないのは、きちっとした数字を私たちは持っていないからです。文科省は持っていると思うんですが、私は持っていません。なので、議論が展開しにくいんですけれども、それはもっと精査して、頑張りようがあったんじゃないか。
 これは文科省に、応援すると言いながらあれですけど、応援はしたいんですけれども、そこをもうちょっとやってほしい、粘り強くやってほしいと思います。情報を公開しながら、私たちにも検討させてほしいと思います。

#75
○吉良よし子君 二千学級も減ってきていた、それも問題だと思いますし、やはりこういうときだからこそ、学級数を増やしてでも少人数学級を早く多くの子供たちに経験していただきたいと私も思う次第です。
 そのためにも、やっぱり大事なのが教員不足の解消だと思うわけです。先ほど来お話があって、教員不足、穴空き問題、臨時的任用の講師も確保できないという話を聞いているわけですけれども、まず三幣、藤井参考人には、それぞれ現場でその教員確保で苦労されている実情などを是非お示しいただきたいのと、あわせて、中嶋参考人からは、その教員不足の背景に何があるのかと。とりわけ私なんかは非正規教員が増加してしまったことが原因ではないかと考えるのですが、その点について御意見をいただければと思います。お願いします。

#76
○参考人(三幣貞夫君) 非正規教員が特に多くなったという実感はありません。ただ、非正規教員を毎年雇用しているわけですけど、変わってきたなというのは、年齢的に非常に高くなってきています。六十歳を過ぎて、やる気のある人で、非正規で講師として働く人たちが増えてきておりますので、私とすればこれは悪いことではないという、決して教員試験に挑戦しようとしていてうまくいかなかった人たちが講師に来るというだけではなくて、いろんなことを経験して、教員免許状を持っていて、六十前後になって講師をやる、そういう人たちが学校に入るということは悪いことではない、そんなふうに捉えています。

#77
○参考人(藤井昌也君) 先ほどもどういう、いろんな働き方ができるような形での採用をといったような話もしたと思いますけれども、名古屋では、確かに途中、常勤の講師がやっぱり少なくなって、非常勤で働いている方に声を掛けて常勤でやっていただくという形を取っています。
 非正規を正規にするというような道筋は、先ほどの働き方で応募してもらうということと、それから、レビューを付けてのやっぱり試験というものがあるものですから、その試験をきちっとクリアするための方策は、私ども教育委員会とか、それから学校現場の校長先生方もいろいろ頭を使いながら、先生方には実際にアドバイスというのか、いろんな指南はできるんではないかなとはちょっと個人的には思っています。

#78
○参考人(中嶋哲彦君) 私、今の大学には、ちょうどこのぐらいの時期になるといろんな高等学校から、高校ですけど、高等学校から講師を紹介してほしいという電話が掛かってきます。来年の四月からもう穴が空いているんです。だから、それを埋めるために何とかしてと。だから、おたくの卒業生で、あるいは今度卒業する人でいらっしゃいませんかという電話がいっぱい掛かってきています。やっぱりこんなに足らないんだなということを認識します。
 じゃ、学生はどうかというと、就職は不安なんですよ。非常勤講師であるとか常勤講師といっても来年どうなるか分からないという中で、そちらを待っているわけにいかないんですよね、この時期まで。ですから、どこかの民間企業を探してもう決めている人が多いです。それをやめて不安定なところに行くという若者は、よほどのことじゃないと、よほど家族の了解が得られないと、そんなのとてもじゃないけどできません。
 だから、やっぱりこれは教育委員会さんもきっと採用がいろんな不安があってできないと思うんですが、最初から数が割れているような配置しかできない多分基準で動いてしまっている。だから、その基準を変えてあげないと教育委員会は採用できないんですよね。だから、教育委員会が安心して採用できるような基準をこれは国会として作ってください。そうすれば、不安を抱く若者は減ると思います。で、教職志望者は増えるはずです。増えてこないと、やっぱり質は上がってこないです。教員の質を上げたいんだったら、安定化するということはやっぱり必要だと思っています。

#79
○吉良よし子君 教員定数増やさなきゃと思いました。
 ありがとうございます。

#80
○舩後靖彦君 れいわ新選組の舩後靖彦でございます。
 参考人の皆様におかれましては、貴重な御意見を誠にありがとうございます。心から感謝申し上げます。
 それでは、早速質問いたします。
 代読いたします。
 今回の法案によって小学校での段階的な三十五人学級が進められることになりますが、更なる少人数化が必要ではないかという点について質問いたします。
 長年現場からも求められていた少人数学級に道筋ができたことについては、歓迎したいと考えます。一方、三十五人という規模や小学校に限定していることを踏まえると、まだまだ道半ばと考えます。私どもとしましては、少なくともOECD平均並みの二十五人以下が必要なのではないかと考えております。
 そこで、参考人の先生方にお伺いします。
 これからの日本の教育を考える上で、小学校、中学校において何人規模のクラスが望ましいと考えますでしょうか。また、その規模を実現するため、国に対してどのような対応を求められますでしょうか。三人の参考人の皆様、お一方ずつお答えいただければ幸いです。

#81
○参考人(三幣貞夫君) 学級の規模ですが、私は、三十人未満ということで二十九人ということで、三十人になったら十五、十五に分けられるということで、今、舩後先生からお話があった二十五ですと、二十六になって十三、十三になるということで、私どもの経験とかそういったものからいうと、十三人のクラスは、これは少し学級の規模としては少ないのではないかなというように考えております。
 したがいまして、大変申し訳ないんですけど、舩後先生は舩後先生のお考えで受け止めさせていただきますけど、私とすると二十九人、三十人未満学級がいいのではないかと、こういう考えを持っています。
 以上です。

#82
○参考人(藤井昌也君) 私は、まずは三十人以下と思っています。
 ただ、先ほどから言っている個別最適な学びを進めるためには、人数は少ない方がいいです。そうすると、例えば三学級で三十人ずつとしても、学年付きの先生も増やして、学年で例えば五人で個別最適な学びを支えるというようなこともやっていただけます。つまり、学級定員としてはまずは三十人だと思っておりますが、やっぱり教職員の定数なり加配なりを増やしていただいて、多くの先生の下で、それから目で子供たちを育む、サポートできるようにしてもらえたらと思っております。

#83
○参考人(中嶋哲彦君) 私は、二十人程度と考えています。
 ただ、これ考えるときに重要なことは二つありまして、一つは、今御質問があったのは適正規模がどのぐらいかという質問だったと思うんです。適正な規模としては二十人ぐらいがいいんじゃないかというふうに思うんですね。
 法案で挙がっているのは学級編制標準なんです。ですから、学級編制標準と適正規模を分けて考えなくちゃいけないですね。それを、二十を仮に標準だということになると十人のクラスになると。それは少な過ぎるだろうという議論になるわけで、ですから、仕組みとしてどういう仕組みをつくるかということと、実際にどういう、どのぐらいのクラスの規模がいいかということ、これ分けながら融合させる議論が必要で、まだそこは知恵がないところだと思うんですね。今、知恵がないというのは、法律の中に知恵がないと思います。それは議論が今後必要だろうと思います。
 さらに、もう一つだけ言わせてください。それは、学級というのはそれぞれですけれども、学習活動によっては二つ三つ合わせればいいんです。必ずしも一学級で一つの授業をするということではなくて、活動の内容によっては複数の学級が集まって学習集団をつくりながらやればいいんです。そうなってくると、教室の在り方も今の在り方とは多分違ってきます。
 ここで示しちゃいますけど、これ二つクラスがあるとしますね。こう並んでいるほかにもう一つ別の空間をつくれば共同の空間ができますし、これをぶち抜けるようにすれば大きな空間ができます。そうすると、いろんな学習活動ができるようになるんです。なので、学習のクラスサイズと教室の在り方、それからそれをどう組み合わせるか、これは今よりももっと創造的に考えていただく必要があるということです。
 以上です。

#84
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 次に、インクルーシブ教育と少人数学級の関係性についてお尋ねいたします。
 私は、障害のある子もない子も共に学び育つことが重要だと考え、インクルーシブ教育の実現を訴えています。また、障害だけでなく、外国籍の子供や様々な文化、社会的背景を持った多様な子供たちが同じ教室の中で学ぶ、誰も排除しないインクルーシブ教育を進める上で少人数学級は重要だと考えております。
 国立特別支援教育総合研究所の大内進上席総括研究員はイタリアの事例を挙げ、元々小学校の学級定員は二十五名と少ないのですが、障害のある子供が在籍する場合は二十人となっていました、さらに低学年では二学級に一名の教員が増員されていました、障害のある子供には支援教師が配置されていますので、インクルーシブ教育による担任への負担が偏ることもありませんと述べ、少人数学級におけるインクルーシブ教育の実践を紹介されています。少し別の観点では、普通学級で少人数学級化が進まないことがインクルーシブ教育を阻害しているのではないかという問題提起もあります。
 東京学芸大学の高橋智氏は、障害や特別ニーズを有する子供の学習を保障する通常学級の条件整備、これは、クラスサイズの縮小や教師の加配、少人数教育、個に応じたカリキュラム等が十分に進展しないため、むしろ通常学級から障害や特別ニーズを有する子供が排除され、少子化にもかかわらず特別支援学校や特別支援学級に在籍する児童生徒が激増する事態が起こっていると指摘しています。
 こうした意見を踏まえると、インクルーシブ教育を進める上でも少人数学級が必要だと感じております。
 この点について、参考人の皆様、お一人ずつから御意見をお聞かせいただけますでしょうか。

#85
○参考人(三幣貞夫君) インクルーシブ教育と少人数学級の直接の関係は、ちょっとお答えするものがないんですけど、ただ、インクルーシブ教育の展開ということで、私ども非常に、支援学級あるいはそういった該当する子供たちが多くなってきております。支援員を非常に多く配置しております。交付税措置されますのが、私どもですと三千万ほどです。これとは別に、市独自の予算で六千万を超えるお金を支出しておりまして、交付税措置だけで展開している市の三倍の支援員を保育所、幼稚園、学童保育、小中学校に配置しております。したがいまして、隣の市から特別支援学級に入るよう指導のあった子たちが転校してくるというような状況になってきておりまして、これは財政的にちょっと考えなくてはいけないなという問題も起きているような状況で、私も支援を必要とする子供たちに対応しております。
 お答えから少しずれたかも分かりませんけど、私どもの現状とするとそういう現状になっております。

#86
○参考人(藤井昌也君) 少人数学級とインクルーシブ教育の関わりというところ、私、済みません、そこまでの意識がなかったので、舩後先生の話を聞いて、ああ、なるほどなというふうに思ったのが確か、素直な思いです。
 名古屋におきましては、高等特別支援学校を今つくろうとしています。それが今、名古屋市立の商業高校と同じ敷地内につくり、授業なんかも一緒にやったりとか、いろいろ部活なんかも交流したりということをちょっと考えているところではございます。
 小中学校の方では、もちろん交流学級、学習とかいろいろなことは進めているんですが、少人数学級だからという部分からすれば、やはり目が行き届くということや小回りが利きやすくなるということでお互いの関わりがきちっと持てるのかなというふうに思っていますし、結局は、社会に出てとか、それから、いろんな世界では様々な方がおみえだということならば、学校は全てそんなふうに障害があるなしで分けるんではなくて、一緒に生活をする、学習をするということは望ましいことではないかというふうに考えております。

#87
○参考人(中嶋哲彦君) 私、子供が小学生のときに学校で障害者を理解する教育というのがあって親子参加でしたんですけれども、そのときに全盲の方を招いて生徒と触れ合うようなことがあったんですけど、感想を見てみると、障害がある人はかわいそうだ、不自由だ、そういう感想ばっかりなんですよ。おかしいだろうということで結構学校に抗議したんですけれども、それって、やっぱり障害者を理解する教育になっていないんですよね。
 その背景には何があるかというと、やっぱり障害者のことを本当に肌身で理解できていないんだろうと思います。私の子供たち、幸いなことに全盲の子供さんと小さい頃一緒に遊んでいたんですよ。ジャングルジムで遊ぶんです。全盲の子がジャングルジムで遊んでいるので、うちの長男なんかはあの子は本当は見えるんだろうと言っていたんです。だけど、できるんですよ。そのことが分かっているから、全盲だということでかわいそうだなんという話にはならないです。
 その意味では、インクルーシブ教育って本当に必要なことだ、どういう社会をつくるかというので本当に必要なことです。その際に、クラスサイズが小さくなるというのは、やっぱり子供同士の接点を増やしていったりとか、それから先生の目が行き届くようにするという意味でとっても大事なことです。
 でも同時に、やはり先ほどの御発言にもあったように、障害のある人が入ってくることを排除しようとする人もいます。校長時代に障害のある生徒を一人入学させたんですけれども、大学本部から叱られました。何で入学させるんだ、こんなこと言うとあれですけど、そういうふうなことがありました。いや、何を考えているんだということで総長に抗議したことがありますけれども、そういうやっぱり視点もあるんですよね。
 その意味では、障害のある人が障害のない人と一緒に、あるいは障害がない人が障害がある人と一緒に生活するためにやっぱり支援が必要です。支援をしっかり付けることで一緒にやっていける。だから、少人数学級だけでそれが実現するわけではなくて、少人数学級プラス必要な支援、これは必要だと思います。障害の方だけじゃなくて、外国語が必要な人にもそれは必要なわけで、それぞれのニーズに応じた応答性を示すということ、これがリスポンシビリティーですよね。責任があるというのはレスポンスすることですから、そういう学校になってほしいなと思います。そういう仕組みにしたいと思います。
 以上です。

#88
○舩後靖彦君 代読いたします。
 本日は、貴重な御意見を本当にありがとうございました。
 これで質問を終わります。

#89
○委員長(太田房江君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
 参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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