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2021/03/25 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 農林水産委員会 第5号 令和3年3月25日
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2021/03/25 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 農林水産委員会 第5号 令和3年3月25日

#1
令和三年三月二十五日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     舞立 昇治君     山本 順三君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     岩本 剛人君     宮崎 雅夫君
     山本 順三君     舞立 昇治君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     森 ゆうこ君     打越さく良君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         上月 良祐君
    理 事
                堂故  茂君
                藤木 眞也君
                山田 修路君
                田名部匡代君
                紙  智子君
    委 員
                高橋 克法君
                野村 哲郎君
                林  芳正君
                舞立 昇治君
                宮崎 雅夫君
                山田 俊男君
                石垣のりこ君
                打越さく良君
                郡司  彰君
                河野 義博君
                熊野 正士君
                高橋 光男君
                石井 苗子君
                舟山 康江君
                須藤 元気君
   国務大臣
       農林水産大臣   野上浩太郎君
   副大臣
       農林水産副大臣  宮内 秀樹君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       熊野 正士君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        笹口 裕二君
   政府参考人
       総務省大臣官房
       審議官      川窪 俊広君
       林野庁長官    本郷 浩二君
       国土交通省不動
       産・建設経済局
       次長       吉田  誠君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ─────────────

#2
○委員長(上月良祐君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、岩本剛人さんが委員を辞任され、その補欠として宮崎雅夫さんが選任されました。
 また、本日、森ゆうこさんが委員を辞任され、その補欠として打越さく良さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(上月良祐君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省大臣官房審議官川窪俊広さん外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(上月良祐君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(上月良祐君) 森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○宮崎雅夫君 自由民主党の宮崎雅夫でございます。本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 新型コロナにつきましては、二十一日に一都三県で緊急事態宣言が解除をされまして、また、医療従事者の皆さん方へのワクチン接種も今行われているところでございます。ただ、まだまだやはり感染防止に努めていかないといけないという状況でございます。新型コロナウイルスによりまして、林業、木材産業の分野におきましても需要や流通への影響が生じたわけでございます。
 昨年の補正予算で、農林水産物の販売促進として公共施設等への木造化、木質化のプロモーションの支援でございますとか、在庫が著しく増加をしております原木について一時保管に要する費用などの支援、こういったものが行われたわけでございます。
 私もこの農林水産委員会で取り上げさせていただきましたけれども、生産を伴わない森林整備への支援も行われまして、これは第三次補正予算にも含まれておりますけれども、影響の緩和に向けまして各種対策が行われたわけでございます。
 林業関係の皆さん方から私もお話をお伺いをいたしましたけれども、これまでの対策は非常に有り難かったというお話、多く聞かせていただきました。材価も回復傾向にあって、大分戻ってきたというお話でございますとか、昨年初めには中国向けの輸出が大分停滞をしたけれども、これについても上向きになってきたというような前向きのお話を聞いております。
 新型コロナについては、これまでの対策の状況を踏まえながら、森林・林業分野においても引き続き必要な対策をしっかり行っていく必要があるというふうに思います。
 そこで、現時点で、森林・林業分野の新型コロナウイルスの影響について現状をどのように見ておられるのか、また今後の対策につきまして見解をお伺いしたいと思います。

#7
○政府参考人(本郷浩二君) お答えをいたします。
 昨年以来の新型コロナウイルスの感染症の拡大により、一時的に中国への原木輸出が停止したほか、経済全体が停滞し木材需要が減少したことにより、一部の製材、合板工場等での減産や原木の入荷制限、これに伴う原木の港や山土場での滞留、あるいは価格の低下等の影響が生じました。
 こうした状況を受け、先生から今御紹介いただきましたように、令和二年度第一次補正予算においては、林業者の資金繰り、輸出向け原木の保管、大径原木の加工施設の整備、公共施設等での木材利用への支援を措置しました。令和二年度第二次補正予算においては、農林漁業の経営継続への支援に加え、原木保管事業の対象拡大や原木生産を伴わない間伐などの森林整備への支援を措置しました。令和二年度第三次補正予算においては、森林整備、非住宅建築物や外構での木材利用等への支援を措置しました。
 また、これらの予算措置と並行して、地域の木材の需給や支援措置に関する情報を共有し、冷静な取引を促すため、川上から川下まで幅広い関係者による連絡協議会を開催させていただきましたし、国有林野事業においては、契約済みの立木販売の搬出期間の延長などの供給調整を実施してきたところでございます。
 これらの取組もありまして、今御紹介ありましたように、七月以降、木材価格は上昇傾向に転じておりますし、中国への輸出も正常化してきております。九月以降は製材工場等の原木入荷量も回復しつつありますが、経済全体の停滞により木材需要の見通しは依然不透明でございます。引き続き需要動向を注視しているところでございます。
 また、現在は、北米における住宅需要の高まりや世界的な海上コンテナの不足、海上運賃の上昇などにより、外国製品の価格上昇と輸入減少が生じております。代替需要により全国的に国産材への引き合いが強くなっているところでございまして、こうした国産材の供給拡大のチャンスを踏まえつつ、国産材の更なる需要拡大と安定供給体制の構築に向けて引き続き全力で取り組んでまいります。

#8
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。
 今長官からもお話がございましたけれども、これからいろんな状況はあるかと思いますけれども、まさしく国産材の拡大という意味では、是非ピンチをチャンスに変えていただくように、しっかりと状況を把握していただいて、必要なそういったことも含めて対策を打っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、森林経営管理制度についてお伺いをしたいというふうに思います。
 一昨年の四月から森林経営管理法が施行されまして、この制度がスタートしたわけでございます。また、一昨年の九月から森林環境譲与税、これ市町村、都道府県への譲与も始まりまして、本年度からその譲与額も前倒しでアップしたと、増加したということになるわけでございます。森林経営管理制度については、この森林・林業政策の大きな柱と言える重要なものだというふうに認識をしております。この政策を現場においていかにこれ実施をしていくかというのが非常に大切なことだというふうに思います。
 制度の活用については、森林所有者の意向調査から始まりまして、その後の手続も全国で今やっておられると、既に始まっているというふうに承知をしております。ただ、災害のときにも私も申し上げたんですけれども、なかなか今市町村の職員の方が非常に限られておるということもあって、それと同じように、この制度をそれぞれの地域でしっかり動かしていくというには市町村のこれ体制整備ということが非常に重要なことだというふうに考えております。
 そこで、森林経営管理制度のこれまでの取組状況、そして市町村の体制整備も含めて、制度の実施上の課題に対してどのように取り組んでいくのか、お伺いをしたいと思います。

#9
○政府参考人(本郷浩二君) 森林経営管理制度についてのお尋ねでございます。
 令和元年度からスタートしたわけでございますけれども、その取組状況として、私有林人工林のある市町村の約七割が意向調査やその準備に取り組み、意向調査については約十五万ヘクタールで実施されたところでございます。さらに、昨年十月時点では約六十市町村において市町村が経営管理権を取得しておりまして、そういう事例が出てきておりまして、例えば秩父や静岡県の富士などで林業経営者への再委託ですとか、あるいは石川県の志賀町などでは森林環境譲与税も活用して公的に間伐を実施する取組も始まっておりまして、順次取組が進んでいると認識しているところでございます。
 一方、先生御指摘いただきました、森林経営管理制度を一層進めていくには市町村の体制整備、充実が課題となっており、農林水産省では、これまで市町村が林業技術者を地域林政アドバイザーとして雇用する取組を支援しているところでございます。また、市町村説明会への職員の派遣、先進事例の収集そして共有、現地検討会での技術支援、そういうものに林野庁として取り組んでいるところでございます。
 都道府県との連携も図りつつ、地域の実情も踏まえながら、市町村の実施体制の整備についてしっかりと支援してまいりたいと考えております。

#10
○宮崎雅夫君 是非、市町村の体制整備、それから、これからも実施をしていく上でいろんな課題が出てくると思いますけれども、大切な制度でございますので、うまく現場で回っていくように支援をお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、間伐特措法の関係についてお伺いをしたいというふうに思います。
 間伐特措法については、京都議定書の森林吸収目標を達成をするために平成二十年に制定をされたわけでございます。我が国では、パリ協定に基づいて、二〇三〇年度に二〇一三年度比二六%の温室効果ガス削減目標を定めておりまして、そのうち二%を森林吸収源対策によって確保するということとしておるわけでございます。さらに、二〇五〇年のカーボンニュートラルを菅総理が昨年宣言をされて、それに向けて、各分野でその実現に向けて対応を今後進めていく中で、温室効果ガスの更なる削減と同時に、森林吸収量を更に増加をさせていくということも期待をされておるわけでございます。
 その期待に応えていくには、先ほどお伺いをいたしました森林経営管理制度、そして森林環境譲与税、これも活用をしながら、持続的な森林経営を行っていくことがこれ必要でございます。そのためにも、森林整備をしっかり行っていくということは大変重要なことであるというふうに考えます。
 そこで、二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けた森林分野の貢献と間伐特措法改正の意義について、野上大臣にお伺いをしたいと思います。

#11
○国務大臣(野上浩太郎君) 我が国の森林につきましては、人工林を中心に二酸化炭素吸収源として貢献してきているところでありますが、人工林は、高齢化に伴いまして単位面積当たりの吸収量が減少することから、近年、森林吸収量は減少傾向で推移をしているところであります。
 このような中で、地球温暖化防止に最大限貢献していくためには、必要な間伐の着実な実施に加えまして、切って使って植えるといった適切な循環利用によりまして、成長が旺盛な若い木を増やして森林のこの吸収量の向上を図るとともに、炭素が貯蔵されておりますので、また、省エネ資材でもあるこの木材を多段階で繰り返し使用して、最終的にエネルギーとして使用するといった取組を推進することにより、炭素の長期大量貯蔵ですとか、あるいは二酸化炭素の排出削減を進めることが重要だと考えております。
 本法案は、この森林吸収量の向上を図るために間伐や再造林等の森林整備を推進するものとして、パリ協定下における二〇三〇年度の我が国の森林吸収量目標の達成に向けまして、間伐等を促進するための現行の支援措置を二〇三〇年度まで延長するとともに、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けまして、成長に優れた特定苗木を積極的に用いた再造林を計画的かつ効率的に推進するための措置を新たに追加をするというものでございます。

#12
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。
 是非、森林への期待というのもあると思いますし、大臣のリーダーシップで、みどりの食料システム戦略、これ、中間取りまとめ、五月に策定ということでもございますし、今、森林・林業基本計画もこれ議論がされているわけでございますので、しっかりと取組をお願いをしたいというふうに思います。
 続きまして、この間伐特措法ももう十年ということになるわけでございますけれども、私も、林業が非常に盛んな奈良の吉野でですね、首長さんから、間伐特措法、これに基づく美しい森林づくりの基盤整備交付金、これの活用によって、吉野の林業、非常に欠かすことができないというようなことを伺っております。ほかの地域でも、それぞれの実情に応じてきめ細かな整備を実施する上では、非常に重要なツールともなっておるわけでございます。
 これまでの間伐特措法による成果について、お伺いをしたいと思います。

#13
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 現行の間伐等特措法は、一定以上の森林面積を有する市町村の約九割で本法に基づく特定間伐等促進計画が策定され、計画的な間伐等が実施されるとともに、本法に基づく間伐等の実施に対する支援措置によって、間伐については、平成三十年度に市町村に対する交付金により五千ヘクタール程度が実施されたほか、地方債の起債特例により四万ヘクタール程度の実施に寄与したものと見込んでおり、合わせて間伐面積の全体の約一割を占めるなど、京都議定書第二約束期間における森林吸収源対策の推進に貢献してきたと考えております。
 また、平成二十五年の本法の改正の際には、特定母樹の増殖に対する支援措置を講じており、これまでの取組により、令和元年度現在、北海道、九州を中心とする二十五道府県において採取源の整備が行われ、二百八十八万本の苗木が生産、出荷されるようになったほか、特定母樹の増殖等の仕組みの創設を契機として苗木生産に企業等が新たに参入する動きが生まれたことなど、我が国の林業種苗の生産体制の強化に寄与してきたと考えております。

#14
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。
 いろんな成果がもう既に出ているわけでございますけれども、御答弁でもありましたけれども、地方債の関係では、今回の改正でも十年間延長ということになっているわけですけれども、まだまだ活用が平成三十年度では十七ぐらいということでございます。コロナ禍で非常に地方財政も厳しいという状況でもありますので、これから森林整備を更に進めていくには、この地方債の活用というのも一つの手でもあると思いますので、しっかりと改めて周知の方もお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、戦後、非常に大きな努力によって人工林が造られたわけですけれども、それが今間伐というそういう時期、利用期を迎えているわけでございます。国産材の供給は、今、主伐材を中心に着実に増加しているわけですけれども、その後のこれ再造林がやはり行われなければ、先ほど申し上げましたけれども、持続的な森林資源の管理につながらないということでございます。地球温暖化の防止の観点ということでも課題になるわけですけれども、今回の改正案では、新たに再造林を促進する措置、これを創設しようということでございますので、非常に歓迎すべきことじゃないかというふうに思っております。
 この改正案が成立をすれば、都道府県知事が定める区域で特定苗木によって再造林を積極的に推進をしていくということでございますけれども、これまで、先ほどの答弁でもございましたけれども、エリートツリーの苗木、これも生産も本格化していってこれに対応していくということでございますけれども、やはり、今後エリートツリーの苗木の安定供給ということが非常に重要になってくるというふうに思います。
 それから、苗木の生産地と使うところ、再造林が場所が違うということになってまいりますと、その地域間のギャップということであったり、低コスト化ということも当然これから必要になってくるというふうに思います。エリートツリーの低コスト化、低コストでの安定供給に向けまして、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをしたいと思います。

#15
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 我が国の人工林の高齢級化が進む中、将来の森林吸収量の確保を図るために、成長に優れた特定苗木による再造林を計画的、効率的に進めていく必要があると考えております。
 本法案による特定植栽促進地域の指定等の措置と併せ、特定苗木の低コストかつ安定的な生産、供給を進めることが重要と考えております。
 特定苗木につきましては、令和元年度現在、北海道と九州を中心に二百八十八万本が生産されておりますけれども、今後の特定植栽の着実な推進のためには全国的に特定苗木の生産を拡大していくことが重要でございまして、また、需給の安定化を図っていく必要がございます。
 農林水産省としては、種穂、種や穂ですけれども、の生産に必要な採種園、採穂園の整備に対する支援、新たな苗木生産事業者の確保に向けた技術研修に対する支援、造林コストの低減に資するコンテナ苗の生産技術の標準化や生産に必要な機械、施設の整備に対する支援、苗木の需要者や生産者に対する生産、需要に関する情報提供等を推進しているところでございます。
 これらの取組により、特定苗木の低コストかつ安定的な生産、供給を図ってまいりたいと考えているところでございます。

#16
○宮崎雅夫君 しっかり取り組んでいただければと思います。
 終わります。ありがとうございました。

#17
○郡司彰君 立憲民主党の郡司でございます。
 今日は間伐特措法について質問をさせていただきたいと思いますが、その前に一言だけ申し上げさせていただきます。
 今日は三月の二十五日でございまして、ちょうど一か月前の二月の二十五日、夕刻でありましたけれども、農水省が公務員の関係で処分を公表したというような日でございました。締切りの関係から紙面には翌日の二月二十六日に出たわけでございまして、まさに一九三六年の二・二六事件ということと関連をさせてお話をさせていただきますと、あの事件、最近になっていろんな資料が明らかになって、海軍は二・二六の一週間前には誰がどういうことをするかというのをつかんでいたけれども、組織を維持する、温存をするために誰にも伝えなかった。そして、当の陸軍は、起こってから四日間、上層部が大変右往左往をして、結果としては鎮圧に至りましたけれども、その後は、軍事裁判、一切の発言も資料も明らかにされないままに首謀した十一名と民間人二人が処刑をされました。あろうことか、そのことを、抑圧する口実とは言いませんけれども、実質的には政治を動かす力にも使って、行き着いたところが一九四五年の八月十五日だったのだろうというふうに思っています。
 つまり、教訓は、組織の維持ということを図るために事実を明らかにしなければ歴史が断罪をするということだろうというふうに思いますので、大変だとは思いますけれども、今回のこと、しっかりと事実が明らかになるようにお願いをしたいと思います。
 それでは質問に入らせていただきますが、京都議定書第一約束期、そして第二次約束期が過ぎてきておりますけれども、第一次のときは、面積でいうと五十五万ヘクタール、ならしてみると五十五万ヘクタールが間伐をされた。国家の目標が六%で、そのうち三・八%が森林あるいは管理の関係でございますから、これも達成をできた。第二期になると五十二万ヘクタールで、実質の平均が四十四万ヘクタール、目標も三・八と、森林の関係は二・七というふうに変わってはきておりましたけれども、若干その辺で時代とともに変わってきているところがあったのではないかなというふうに思っております。
 これらの経過に対しまして、評価、そして課題等がありましたらば、大臣からお聞かせいただきたいと思います。

#18
○国務大臣(野上浩太郎君) 今先生から御指摘いただきましたとおり、我が国は、京都議定書の森林吸収量目標の達成に向けまして、本法によりまして支援措置等を実施をして、間伐を始めとする森林整備の実施を推進をしてきたところでございます。
 間伐につきましては、第一約束期間で、今お話ございましたとおり、年平均約五十五万ヘクタール、第二約束期間では、二〇一八年までの間に年平均四十四万ヘクタール実施されるなど、本法制定前のこれ年平均は三十四万ヘクタールでございましたので、これは大きく上回っている状況でございます。
 これらの結果、第一約束期間においては、国全体の削減目標六%のうち、森林吸収量の目標であります三・八%分を確保すると。それとともに、第二約束期間におきましては、我が国の人工林の高齢級化に伴いまして森林吸収量が減少傾向で推移をしてきておりましたが、その中で、最新の二〇一八年度の実績は四千七百二万二酸化炭素トンということで、二〇二〇年の目標を上回っている状況にあるということでございます。
 このようなことを踏まえまして、我が国全体の地球温暖化防止対策にこの森林吸収源対策は貢献してきているものと認識をいたしております。

#19
○郡司彰君 大臣の方からこれまでのことについてのお話がございました。
 私は、これから課題ごとに長官等にお尋ねをしたいというふうに思いますけれども、その前に、ざっと、私たちの国の中における山林というものがどういうものであったかを確認をしておく必要もあるんだろうというふうに思っています。
 今日、今、田名部理事の方で計らっていただきましたので、ちょっとこれ見づらいかもしれませんが、有名な富嶽三十六景の丸子宿というところの版画でございます。これ何が有名かというと、この辺に映っております裏山、里山には木が一本も生えておりません。つまり、江戸時代は、当たり前ですけれども、エネルギー源のほとんどは森林、要するに木材でございました。しかし、それとは別に、藩有の山などについては大変立派な、先ほどありました吉野杉でありますとか、いろんなものもあったことも事実でございます。
 戦後、要するに戦争でいろいろなところで被害を受けて木材の需要が大幅に伸びた。そして、外貨がありませんから、木材を輸入するなんてことはあり得ませんでしたから、大変に山も一定の活況をにぎわしたというふうに思っておりますし、そのことだけではなくて、やはりこのように荒れていた山を戦後何とかしていこう。今は世界で七十何%、世界で一番、二番というような森林率というふうに当たり前に言っておりますけれども、その当時は五〇%を切るような森林率だったのがここまでになったというのは大変な努力だろうというふうに思っております。
 ところが、そのうちに落ち着いてくると外材が安く入ってくるようになって、林業をやっていこうという人、営んでいこうという人が徐々に減ってまいりました。「ポツンと一軒家」で三、四週に一回ぐらいは、どうしてここに一軒だけあるんですかといったら、みんな昔はここで林業をやっている人が結構いたんだけど、今はうちしか残っていないんだというようなことがよく出てまいります。
 昔は、山というのは木材と人材を供給するというふうに山の人たちは誇りを持って言っていたと思うんですね。ところが、今それがなくなってしまった。そういう中で、先ほど言った間伐だけではなくて、この特措法ができたことによって、私は物すごく山はよかったと思っているんですよ。予算が付いて人が付いて、荒れ放題にされようとしていた山に再びやっぱり日が照るようになった、人が入るようになった。結果として、山の水源涵養力など本来の力が戻ったと思っているんです。
 私、国会議員になって最初の頃、もう二十何年か前ですけれども、栃木県の方で大変な雨が降りました。そのときに、栃木県であれだけの雨が降ると、私どもの県庁所在地の水戸に来るのには十四、五時間掛かって水かさが増えてくるというのが当たり前に言われてきたんです。
 ところが、先ほど言った間伐等が行われていない時代でありましたから、あっという間に水が来て大災害になったというようなことがございました。そういう意味で、この特措法によって、いずれにせよ山の力が戻る、山がダムとして機能をするようなことが当たり前になってきたということはよかったことだろうと思っています。
 しかし、先ほどのような経過の中で、五十五万に対して五十五万のときはいいですけれども、第二期になると五十二万に対して四十四万、これから四十五万ずつやっていこうということにもしなるにしても、なぜ作業が滞ってくるようになるかというと、それほど難しくないんですよ、単純なんですよ。やりやすいところから間伐を始めて、十年もたったらば奥に奥にと間伐の場所が移っていくということが大きな原因だろうというふうに私は思っています。
 だとすると、そのために幾つかのことをやらなければいけない。まず第一は、路網の整備、林道、作業道、これをしっかりやらなければ山の再生はないんだというのが政権を取らせていただく前の民主党のプランの最大のところでございました。
 この路網の整備、計画にも盛られておりますけれども、今現在の進捗状況、どのような形になっているか、問題は何が残っているのか、教えていただきたいと思います。

#20
○政府参考人(本郷浩二君) お答えいたします。
 現行の森林・林業基本計画における平成二十八年度から令和元年度までの年間の路網開設量は一・五万キロメートルでございまして、実際の開設量もおおむね計画どおりとなっております。内訳を見ると、相対的にコストの低い森林作業道の整備が先行している一方で、路網の骨格となる林道の整備が遅れている状況にあると認識しております。
 また、近年、森林資源の充実に伴いまして木材が大径化し、木材を効率的に輸送するというニーズ、頻発する集中豪雨等に対応した林道の整備ということも課題になってきているところでございます。
 このため、令和三年度予算において森林整備事業を拡充し、災害に強く木材の効率的な輸送等を可能とする幹線林道の開設、改良を重点的に進めたいと考えておりまして、山村強靱化林道整備事業を創設したところでございます。
 今後とも、これらの予算を最大限活用して、路網整備の推進に取り組んでまいりたいと考えております。

#21
○郡司彰君 長官の方から説明をいただきました。
 路網、一般的に言う形ではなくて、林道の方、しかも幹線の林道を造っていこうというようなことでございまして、改めて私の方から繰り返して言うことではないのかもしれませんが、昔はスーパーが付く林道がございました。これはメートル当たりで高いところは一千万を超えるような予算といいますか実績があったところで、そういう形の林道を造るよりも、まず作業道でもいいから、きちんとそちらの方を造るべきだということを大分当時も論争をさせていただきました。一定程度、計画どおりとは行かないけれども、進捗している。
 しかし、私は、まだまだ一平方キロメートル当たりの林道、一平方キロぐらいの林道でいうと、当時のドイツはもう既に六十メートル以上ぐらいあったんですね。日本はもうその十分の一、今ようやく二十メートルぐらいのところまで来ていて、いろんなことがあろうと思いますが、私は二つほど問題が、この間よかったような形ができてきている。
 一つは、国有林、民有林、それから民有林の中の不在村の地主の方々のところが全国で今どのぐらいあるんでしょうか、約四百万ヘクタールぐらいだったというふうに思いますけれども、そこが邪魔をして造りたい場所に林道が造れない、作業道が造れないというのを、法律を変えることによって了解の得る形で林道が通れるようになった。これはよかったことだろうと思いますので、この辺の成果がどのぐらい上がっているのかも、もし分かればですけれども。
 それからもう一つは、民国共同事業、要するに民有林と国有林の共同で林道を造っていこうということがこの頃は行われているというふうにも聞いております。これは私が聞いているところの話なのか全国的にそうなのかもよく分かりませんけれども、国は予算を持ってやっているというような話でもございましたので、その辺のところがこれからまた良い方向に伸びていけばなというふうにも思っておりますけれども、長官の方で何かございましたら教えてください。

#22
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 国有林と民有林を連携して森林施業を行っていくということで、国有林野事業を一般会計化をしつつ、民有林等の林業を補完し支援していくというような役割を持つことにしたところでございます。
 先ほど委員の方からお話ございました林道の開設単価につきましては、一千万というお話もございましたけど、現在造っておるものは十万円から二十万円が基本になるというふうな単価のものを造っておりまして、そういうものを、今まで国有林は国有林、民有林は民有林というような付け方を実はしてきてこんなふうになっていたものを、民有林も国有林も通すような形で一体的な林道を付けるというような形で進められるように都道府県あるいは市町村とよくお話合いをさせていただき、やっているところでございます。
 また、今お話ございました所有者不明の森林の問題につきましては、所有者不明の割合も三割近くなっているという状況の中で、しっかり森林整備ができますように、林道の整備も含めて対応できるようにしてまいりたいというふうに考えております。

#23
○郡司彰君 次に、労働力をどう確保していくかということでお尋ねをしたいと思いますが、林野庁の方でいろいろ調べていただいた数字でございますけれども、林野庁そのものの職員の数は、これは京都議定書発効時が八千百六十四人、今現在が四千八百五十人ぐらいということでございますから、これはまあ歴史の中でいうと順調にずっと減ってきているなと。最大のときは大体七万五千人ぐらいいたわけでございますので、言い方は大変失礼しましたけれども、この間の流れからいうと、この間の流れとしての減り方になってきちゃっていると。
 それから、山林労働者ですけれども、発効時が大体五万二千、そして今現在が四万五千という数字になってきております。この人数が多いのか少ないかというと、私は必ずしも多いというふうに評価するわけではありません。
 では、どういうふうにこの人たちを確保していくということができるんだろうかというと、これ大変な問題がこの後幾つか重なるような形でも出てきますけれども、まず、賃金の関係は、月給制が大体二五%、山林労働者。それから、日給制が六九%という数字を林野庁の方でいただきましたけれども、まあ約七割は日給制だと。
 いろんなやり取りをさせていただく中で、必ずしも日給から月給に移りたい人だけじゃないんだという話も聞かされました。しかし、私は、そういう人が幾分かいるにしても、もしそのような形が大勢だとすると大変危ないだろうと思っています。それは、リスキーな職場だからこそ、一定の期間だけ働いてお金をためてほかに行こうというような生活、生涯の考え方に基づくんではないかというふうに思っています。やはり、そこに定住をして、家族を持ったりしながら生活をしていくためには月給制というものも必要だろうと思います。ただし、今の日本の現状では、そもそも絶対数が足りませんから、雪が降っている間はそこに作業がないから違うところに行って作業をしたりというような形態も、もしかするとあるのやもしれませんけれども。
 また、制度としても、若い人たちの就労の制度もつくっていただきました。しかし、いずれにしても、なかなか思うように任せないということの中で、今現在どのような取組をされているのか、成果としてはどのようなものがあるのか、お知らせいただきたいなと思いますが。

#24
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 平成十五年度からでございますけれども、新規就業希望者の現場での実務研修を一定期間行うことを支援する緑の雇用事業を継続的に行ってきておりまして、新規就業者数は事業開始前の年間約二千人から同事業開始後は年間三千人に増えておりまして、現在もその水準で推移しているところでございます。
 ただ、林業従事者数全体としては、今委員おっしゃられましたように長期的に減少しておりまして、平成二十七年には四・五万人というところでございます。
 こうした中、その就業条件については、給与についてはお話ございました日給制が多いということでございますし、年間平均給与も、全産業の平均より、三百四十三万円ということで、ここ数年の間に四十万ぐらいは増えましたけど、まだまだ低い状況にございます。また、死亡災害の件数も全産業と比較して十倍程度発生しているというようなことが課題だというふうに思っております。
 このため、農林水産省としては、こういう従事者の方を雇用する、林業事業体の収益力を向上するような取組を行ってまいりたいというふうに思っております。
 また、緑の雇用の事業の実施に当たっては、通年雇用化や月給制の導入の促進に向けて取り組むということで、そういう事業体を育ててまいりたいというふうに考えておりますとともに、林業従事者が有する技能、これを適切に評価する技能検定制度に林業を追加すべく、現在、業界団体と仕組みの早期創設に向けた取組への支援を行っているところでございます。
 また、労働災害に向けては様々の取組を行っておりますけれども、本年二月に、事業者等の方々に日々留意し実行していただく事項を整理した農林水産業・食品産業の作業安全のためについての規範を策定し、現場への普及を図るなど、対策を強化しているところでございます。
 農林省としては、これまでの取組を通じて、林業従事者の確保や雇用改善が図られるように取り組んでまいります。

#25
○郡司彰君 就労の制度は私どものときにつくらせていただいて、それがよく機能しているという話も聞いておりますから、また充実も図っていただければなというふうに思っております。
 それから、ごくごく普通に考えてみますと、この農林水産省の関係の中で、農業分野については、たくさんの外国の方が実習生あるいはその前の研修生というようなこともございました。水産業についても、もうインドネシアの方を除いて日本の水産業成り立つのかというぐらいの感じさえしてきております。しかし、林業については、外国人の実習生、研修生は、私は余り聞いたことがありません。
 これは誤解がないように言っておきますと、労働力とその実習生、研修生、まるっきり別でございますし、農水省だけの問題ではなくて、法務省その他のいろいろな関係がありますから一概には言えませんけれども、なぜこの林業の関係については外国の方がいないのか。これ現場に行って聞くと、それは無理やと。この後細かくお話をしますけれども、大変に、安全の問題からいって、ほかの業種から比べたらかなりの高い比率で労働災害が発生をします。そういうところからすると、初めから民間で実習生という形で入れて使うわけにはいかないんだと。それは一定程度、熟練まではいかないけれども、訓練を施した上でないとそういうことには無理なんじゃないかという話があります。私もそうだと思います。
 だとすると、これから日本はこの日本の培ってきた技術を、地球温暖化は日本だけで目標を達成すればいいわけじゃないわけでありますから、世界にどんどん打っていく国家戦略必要だろうと思っています。そのためには、それぞれのその国の若い人たちを、林業の技術を身に付けてもらう。しかし、先ほど言ったように、民間は無理なんですよ。その場所に就けるまでに訓練をするような期間はとても面倒見てあげることはできない。国がそれをきちんとやるような制度を考えてやってはいかがかと思いますけれども、どうでありましょうか。

#26
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 国内の林業従事者数が減少傾向で推移している中、外国人材の受入れも課題の一つであると考えております。
 林業における外国人技能実習制度の活用については、在留期間が一年の技能実習一号による受入れのみとなっている現状でございます。業界団体としては、在留期間が通算三年となる技能実習二号の職種の指定の追加を目指すということを考えているところでございまして、日本人、外国人を問わず、伐木における技能向上を通じた、今先生がおっしゃられました労働安全の確保につながり、外国人技能実習二号の評価試験としても活用可能な、先ほど申し上げました技能検定制度に林業を追加すべく、本年三月から試行試験を開始したところでございます。さらに、令和三年度は試行試験の規模を拡大し、早期に技能検定への移行を目指すこととしておりまして、農林水産省としても、令和三年度予算において業界団体の取組を、支援を計上しております。
 また、緑の雇用も、当初は、事業の最初は一年間だけの研修をしておりましたけど、それを現在三年に延ばすような取組をしておりまして、やはり三年というような熟練を必要だというふうに考えておりまして、そのような考え方で進めてまいりたいというふうに思っております。

#27
○郡司彰君 先ほど言いましたように、この問題は、法務省の管轄の問題やら、いろいろあります。一概に、その労働力、実習生、どう区別をするんだということも含めてありますけれども、私は、ほかの国の、例えば、例えがいいかどうか分かりませんが、韓国と比較をすると、いろいろなそのような外国人の方々の受入れについては韓国の方がちょっとうまくやっているような感じがする。それは、国が前面に立った形でもってやっているところが多いのですよ。
 ですから、先ほどのその訓練の期間も、一年間のうちで訓練で半年以上使ってなんということになったら、これはもう研修、実習ということにならないことになるわけでありますから、そこのところを、これは長官にお願いをするというよりも、本当は大臣、そして国全体の問題なんでありますけれども、そういう仕組みをつくってあげるということが、私はいろんな意味で、途上国に対する、あるいは東南アジアに対する日本の役割ではないかという思いがありますので、大臣、急に恐縮でございますけれども、もし何か一言いただけたらよろしくお願いいたします。

#28
○国務大臣(野上浩太郎君) 先生御指摘のとおり、一年間でやはり技能を習熟していくということはなかなか難しいという状況だと思いますので、今長官からも申し上げましたが、本年三月から試行試験を開始したところでありますが、通算三年となる技能実習二号の職種指定の追加を業界団体も目指す考えでありますし、それをまた後押しをしてまいりたいと思っております。

#29
○郡司彰君 次に、これはみんな路網の整備も労働力も全部関連をしていることをお分かりだろうというふうに思いますので、いろいろ重なりながらの質問になりますけれども、次に、林業の機械化というようなことも叫ばれて久しいわけであります。ちょっと前までは北欧の方のものを輸入をしたり、アタッチメントだけでも結構な値段をするものですから、なかなか進まないなというような思いがありましたけれども、国内でもいろんなものが生産されるようにもなりました。
 そしてまた、やはり時代といいますか、けがをさせない、若い人たちのそういうような意欲を持たせるようなことも含めて、台数についてもかなり右肩上がりで、一万台を超えるような台数になってきたというふうにも聞いております。
 でも、これも先ほどの間伐の場所と同じように、路網や何かがしっかりしていないと入っていけない、うまく使えない、効力が発揮できない、そういうこともあるわけでありまして、そして、私の県には幾つかあるんですが、例えば日立建機さんも大型のものは造っています。どうだいと言ったらば、ううん、思ったように売れないんでどうしようかな、簡単に言うとこんなもんですよ。それから、諸岡さんというところがあって、これはかなり軽量化されたような形で、東南アジア等に行ったときに湿地帯とか悪路等にも使えるようなキャタピラ方式ですよね。これは、それで、何というんでしょう、戦略的にこの場所なら売れるという形でかなり努力をしている。しかし、これも余り日本国内というよりも、ほかの国で使うような形が今のところは多いのかもしれません。
 この機械化の現状と、先ほど言いましたように、幾つもの問題が解決しないと進まないということは重々承知の上で、課題について教えてください。

#30
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 素材生産における生産性や労働安全性の向上のために、これまで高性能の林業機械の導入を推進してきたところでございます。
 直近の十年間の保有台数を見ると、四千九百九十四台から一万二百十八台と二・四倍、六千台以上の台数が増加しているという状況でございますし、また、素材生産の約八割はこの高性能林業機械を用いた作業というところになるまで普及してきたところでございます。
 今後においても、生産性、労働安全性の更なる向上が図られるよう高性能林業機械の普及に努めてまいる所存でございますけれども、委員がおっしゃられましたように、私どもとしては、これまで路網につきましては林業機械が働けるように、先ほど申し上げた森林作業道をしっかり付けていくというようなことで取り組んできたところでございます。
 そういうことも先行的に行い、機械化を進めてまいりたいというふうに思っておりますし、これからは、更に安全性あるいは労働従事者の方が減っていくということを踏まえて、機械の自動化ですとかリモコンで操作できる、そういう機械を開発して、安全に、そして明るく楽しく仕事ができるような機械化を進めていきたいというふうに思っております。

#31
○郡司彰君 明るく楽しくなればいいなと私も思っております。
 機械化の後に、森林総合監理士、私たちは細かい区別をしないでフォレスターなどという言い方をしていたときがあったんでありますけれども、そういう方の育成についても、それなりになっているけれども、実態はどこの人が多いんだというと、県の行政の方々がやっぱり人数的には資格ですから持っている方は多い。しかし、森林はほかと違って、これはもう長官の方が私なんかより何層倍もよく御存じの、施業という言葉を使いますよね。これは、森林作業じゃなくて施業というのはどういうことかというと、山の状態や安全等を全部確認をしながら作業を進めるために、そういう管理監督をするような人たちがいなければできないんだ、だから、作業ではなくて施業という言い方をわざわざするわけでありますけれども、このときに、何というんでしょう、ワイヤ張ったり、いろんなことがあります。結果としては、しかしまだまだ労災が多いんですよ。
 今年の各業種ごとの一番新しい労災の千人当たりの数、打ち出していただきましたが、圧倒的に多いですね。千人のうち三十人を超えるような年がずらっと並んでいる。これ、ほかの業種じゃありませんよ。昔は労災の掛金も含めて、炭鉱の労働者、それと林業労働者、これは別格で高かったんです。しかし、機械化があって、先ほどのような路網も整備をされて、フォレスターの方々も増えてはきているけれども、結果としては、やはり労働災害が圧倒的に多い。
 このことについて何をすればいいんだというと、今言ってきたようなことを全部網羅してやらなければいけないことは分かり切っているんです。しかし、このままだとなかなか新しい人たちが、先ほど言ったリスキーな業種として、金にはなるけど長くやるもんじゃないかもしれない、そういうような職業にさせないために何とか頑張っていただきたいなと。
 時間の関係で、次のところに、済みません、移らさせていただきます。
 どうしましょう、苗木の方に行きたいというふうに思いますが、先ほどコンテナ苗ということも出てまいりました。特定母樹というのも出てまいりました。
 私は、自分で考えるときに、自分の茨城県でしか物事を考えられない、インターナショナルな部分はまるっきりない人間なものですから、杉の苗だったら三年間、四十五センチという基準で出すものだとばっかり思っていた。ところが、宮崎県だと一年で五十センチとか六十センチになるとか、えっ、そういうところもあるんだというふうなことでございますけれども、二、三十年前は幾らだったというと、三年掛けて一本大体九十円。今が大体百円から百円ちょっと。
 それで、この後どうするんですか。令和十年には特定母樹を一千六百万本栽培するようにしているんですよ。ああ、そうですか、すばらしいですね。ところで、行っている事業所の数はどうですかというと、平成の初めの頃は四千六百四十二、今現在は八百十一。この漸減しているようなところが、令和十年には今より減らないできちんと作るというような目標になっている。すばらしい目標だと思います。
 しかし、この値段で、代替わりをするときに、俺もこの仕事を続けていこうということになるようだとはとても思えないんです。なぜこういう計画が成り立つようなことになるのか、その秘密を教えていただければと思います。

#32
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 苗木につきまして、今委員お話しになりましたように、昔は、三年掛けて百円ぐらいの苗木を、これは畑で、農作物と同じような畑で育てておりました。何回も掘って、また植え直してみたいなことを繰り返すことによって育てていたわけでございますけれども、今、宮崎で、お話しになったような一年でというような話は、コンテナ苗と言われている、農業でいうとプラグ苗といいますけど、それのちょっと大きい、コンテナの中に培地を詰めてそこで育てると一年で出荷できるようなものも作れると。その値段は百五十円から二百円になってしまうわけですけれども、短期間でできるという、そういうものを施設で整備する、ハウスの中でとかですね、そうすると通年で出せるとか、そういうことで、そういう苗木業者さんになっていただきたいということで今取り組んでいるところでございます。

#33
○郡司彰君 一本二百円ぐらいということになると、採算が合うのかどうかよく分かりませんけれども、正直言ってそんなに、大丈夫だろうというようなことではないだろうというふうに思っております。
 時間がないので、大臣の方に最後に別な質問をさせていただいて、この後の具体的なものについてはちょっと割愛をさせていただきたいと思います。
 大臣、先ほどちょっとありましたけれども、JCM―REDDプラス、この関係、国際協力を行っているということで、カンボジアとラオス、ラオスは令和になってからですね。
 カンボジアなんかを見て分かるように、木材というのは軍資金ですよ、単純に言えば。ポル・ポト派の戦争をするための資金が、カンボジアの森を全部なくならせています。昔、シベリア出兵、日本行きました。何しに行ったのですかって誰も知らないという年代になってきましたけど、あれもシベリアの木材を確保しに日本が乗り込んでいったわけですよ。
 そういうことから、ただ単に国際協力できるというふうには思いません。なぜかというと、今も認証されていない不法伐採の木材は、ほとんどがテロ組織の資金源になっている可能性もあると言われています。ですから、どこにでもとはなりませんけれども、私はそれでも、日本のこの培ってきた森林を守り育てている技術、山のあるいは土地の力を十分に発揮できるような造林の技術というものを世界にもっと広げるべきだろうというふうに思っています。
 農業のかんがい用水も、今までいっぱい言ってきましたけれども、やっぱり農水省の人、いいね、それはいいね、でも私は行かないと、まあ大体こんな感じですよ。ですから、林業の関係も、ああ、それはいいね、世界貢献だねと言いながら、なかなか私が行くということにはならない。国を挙げて本気で温暖化のために日本が頑張るとすればこの道は大きいと思いますので、大臣の決意と思いをお聞かせください。

#34
○国務大臣(野上浩太郎君) 世界の森林は、途上国を中心にしまして今減少しています。劣化も続いていると思います。
 その中で、政府としては、これまで培ってきました森林管理に関する知見ですとか技術を活用して、二国間協力や多国間協力等を通じた途上国への支援を積極的に行っているところでありまして、特に衛星画像分析ですとか、あるいは航測、空からの測量ですね、こういうものなどの技術を有する民間企業との連携を図って、途上国のニーズに応じた森林管理技術の高度化を図っているところであります。また、民間企業におきましても、近年、SDGsですとか気候変動対策に貢献する活動としまして、途上国での森林保全活動の実施を積極的に模索する動きが見られているところでございます。
 こうした中で、昨年十二月に決定いたしましたインフラシステム海外展開戦略二〇二五におきまして、政府としましては、民間事業者が行う森林分野の温室効果ガスの排出削減・吸収への取組、いわゆる先生からお話ありましたREDDプラスの活動を促すためのその環境整備を今進めているところでございます。このような取組を推進するために、農林水産省では、このREDDプラスの活動の成果をクレジット化するためのルール整備などを積極的に取り組んでおります。また、民間企業による途上国での森林保全活動も支援をしてまいりたいと考えております。
 こうした取組は、我が国の民間企業が有します森林管理技術の海外展開にもこれは貢献していくものだと考えております。

#35
○郡司彰君 終わります。

#36
○高橋光男君 公明党の高橋光男です。本日もよろしくお願いします。
 早速質問に入らせていただきたいと思いますが、この度の質問に際して、私はこれまで地元兵庫の様々な現場を回らさせていただきました。森林組合、木材市場、製材会社、木質バイオマス発電所、原木シイタケ生産者など、御対応いただいた皆様に感謝を申し上げるとともに、日々の御尽力に敬意を申し上げたいと思います。林野庁がふだん目の行き届かない、こうした現場のお声をなるべくお伝えしたいと思いますので、政府には前向きかつ簡潔明瞭な御答弁よろしくお願いします。
 まず、二〇三〇年に向けた目標に関して野上大臣にお伺いします。
 御承知のとおり、二〇三〇年までのパリ協定に従い、我が国は、温室効果ガス削減に関し、二〇一三年度比二六%削減を掲げ、このうち二%を森林吸収量で確保することを目標にしています。一方、森林吸収量は樹木の高齢級化のため年々減少しています。中長期的に着実な森林整備対策なくして目標達成はおぼつきません。この度の法改正を通じた間伐や再造林、こうしたものの促進はその意味においてとても重要な取組であります。
 今年の秋には地球温暖化対策計画が見直されると承知します。つきましては、政府として、改めてこの目標の実現可能性を精査するとともに、具体的な対策と支援策を明らかにすべきと考えますが、いかがでしょうか。

#37
○国務大臣(野上浩太郎君) 今御指摘のありました地球温暖化対策計画の見直しにつきましては、今現在、政府全体として検討が進められているところでございます。
 我が国の森林は、人工林を中心に二酸化炭素吸収源として貢献してきているところでありますが、人工林、高齢級化をしておりますので、それに伴って、近年、その森林吸収量は減少傾向で推移をしているところであります。
 このような中で、その森林吸収量の確保を図るために必要な間伐を着実に実施することに加えて、利用期を迎えた人工林につきまして、やはり適切な循環利用によって成長が旺盛な若い木を増やして森林吸収量の向上を図ることが重要でありますし、また、炭素が貯蔵されており、また省エネ資材でもある木材をいろんな段階で繰り返し使用して、最終的にエネルギーとして活用するといった取組を推進することによって、炭素の長期大量貯蔵ですとか、あるいは二酸化炭素の排出削減を進めることが重要だと考えております。このため、農林水産省としましては、今回の改正法案によりまして、森林の吸収量確保に向けた間伐ですとか成長の優れた苗木による再造林等の森林整備の推進などを着実に図ってまいりたいと思います。
 パリ協定下における二〇三〇年度の我が国の森林吸収源目標の達成を図るとともに、二〇五〇年カーボンニュートラルの貢献にこのような取組を通じて貢献をしていく考えでございます。

#38
○高橋光男君 ありがとうございます。
 パリ協定もさることながら、この度のこの森林吸収源による温室ガスの削減、この目標というのはSDGsの観点、陸の豊かさを守ろうと、目標十五というものもございます。こうした観点からも非常に重要と考えますので、御対応のほどよろしくお願いします。
 続きまして、地籍調査の必要性とその調査の推進のための支援について、林野庁と国交省にお伺いしたいと思います。
 地元の木材市場から、山村部では土地所有者の高齢化が進み、土地の境界が分からなくなってきていると伺いました。この点、お配りした資料一を御覧いただければと思います。この林地、すなわち山村部の地籍調査の進捗状況ですが、令和元年度末時点で四五%にとどまります。そして、その右の帯グラフ見ていただければと思いますが、近畿圏では進捗率が極めて低いです。
 地籍調査は市町村が実施主体です。だからといって、市町村任せにしてはならないと思います。なぜなら、間伐や植栽などの森林整備を行うためには、森林の境界が明確化され、森林所有者が明らかになっていることが大前提だからです。とりわけ、今後、間伐や成長に優れた特定苗木、いわゆるエリートツリー、この植栽を行うに当たっても、地籍調査を通じて境界を明確化することが不可欠ではないでしょうか。
 ついては、林野庁として、同調査を主管する国交省とも連携し、新たな技術を活用するなどして、特に進捗が遅れている地域で重点的に地籍調査を行うための強力な支援などが必要と考えますが、いかがでしょうか。

#39
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 林業の成長産業化と森林資源の適切な管理を図るためには、境界の明確化を進め、施業の集約化を推進していくことが重要と考えております。
 農林水産省としては、従来から、地籍調査が完了していない森林などにおいて、森林整備地域活動支援対策交付金により、森林組合等が行う森林所有者の所在確認や境界の明確化への支援を行ってきたところでございます。令和二年度からは、この交付金において、レーザー計測データ等のICT技術を活用した森林境界の測量の支援メニューを追加したところでございます。
 また、国交省様とも連携していくことが重要と考えておりまして、地方自治体の林務担当部局と地籍担当部局の間でリモートセンシングデータの保有状況等についての情報共有を進めるなど、関係機関と連携した対策を進めているところでございます。
 なお、近畿地方では、特に地籍調査が他の地方と比べ大変遅れているということでございます。この地域活動支援対策交付金の活動を活用いただき、森林境界の明確化を進めているところでございます。
 今後とも、地域の要望を踏まえ、必要な支援を続けてまいりたいと考えております。

#40
○政府参考人(吉田誠君) お答え申し上げます。
 林地における地籍調査の進捗率につきまして、昨年閣議決定されました十箇年計画では、令和元年度末の四五%から、令和十一年度には五二%とするということを目標としております。また、昨年には、国土調査法等の改正によりまして、所有者の所在が不明な場合でも調査を進めるための手続でありますとか、あるいは航空写真などを活用した効率的な調査手法の導入など措置されましたところ、これらも適切に活用しながら調査の円滑化、迅速化に努めてまいります。
 それから、林野行政との連携、重要でございます。従来から、都道府県、また市町村に対しまして、調査担当部局と林務担当部局の間で実施箇所の事前調整でありますとか成果物の共有といった連携を図るよう、林野庁と共同で周知しているところでございます。
 国土交通省といたしまして、今後とも林野庁としっかり連携しながら、十箇年計画の目標を達成できるよう取り組んでまいります。

#41
○高橋光男君 ありがとうございます。是非、よく連携してお願いします。
 続いて、山奥などにおける間伐などの促進についてお伺いしたいと思います。
 この点、地元の製材会社からこのようなお声をいただきました。本来、やるべき山の上の方の間伐が進んでいないと。先ほど宮崎先生も言及されたように、そうした中で、その市町村が主体的に取り組めるように森林経営管理制度や森林環境譲与税等によってそうした整備が取り組めるようになってきたというところでございますけれども、実際のところ、その奥地での間伐というのは、やはりコストが増大して大変な状況でございます。
 したがいまして、市町村任せでは、結局手の着けやすい箇所の間伐等が優先されるのではないでしょうか。そうした箇所も含めた間伐、そうした箇所というのはこの手の着けにくいところですね、こうしたところの間伐を推進するに当たっては、市町村が委託する民間事業者にとって、山奥、山の上付近の伐採がしやすくなるような仕組みが必要というふうに考えますが、いかがでしょうか。

#42
○大臣政務官(熊野正士君) お答え申し上げます。
 森林所有者による手入れが行われていない森林への対応として、平成三十年に森林経営管理法を制定し、市町村が所有者から経営管理の委託を受け、条件不利地等の森林につきましては、市町村が森林環境譲与税も活用しながら公的に間伐を行う制度も始まったところでございます。
 この制度の初年度である令和元年度の取組状況としては、私有林人工林のある市町村の約七割が森林所有者への意向調査やその準備、さらには市町村による間伐等に取り組むなど、順次取組が進みつつあるものと承知をしております。
 また、森林所有者や民間事業者による取組の推進に向けては、間伐等特措法に基づく国から市町村への交付金等の支援を継続するとともに、施業の集約化、路網整備の加速化、高性能林業機械の導入等の間伐コストの低減を通じまして、間伐等に必要な森林整備を進めてまいります。

#43
○高橋光男君 ありがとうございます。
 続いて、今言及されたコストの問題につきまして、是非、海外の先行的な取組に学んだ流通の効率化等について、続いて政務官にお伺いしてまいりたいと思います。
 資料の二を御覧ください。
 これは地元の森林の大学校の校長からいただいた情報に基づくものでございますが、日本は海外よりも丸太価格のうち伐木コストが、伐出ですね、流通コストが高いと、この二つが高いと。諸条件が類似するオーストリアと比較して、丸太価格のうち流通コストが六・七倍、伐出コストというものが一・六倍以上掛かっているというふうに伺いました。
 この表のとおりでございまして、その分、当然ながらでございますけれども、立木価格というものが下がります。そしてその分、山元に入るお金も少なくなります。
 もちろん、オーストリアは、路網密度が我が国よりも高いために、大型の林業機械、これ導入しやすいといったような多少の違いはありますけれども、それにしても、なぜここまで差があるのでしょうか。政府の認識をお伺いしたいと思います。
 そして、オーストリアにおけるような先進的な取組に学び、生かしていく努力がもっと必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#44
○大臣政務官(熊野正士君) お答え申し上げます。
 議員御指摘のとおり、オーストリアの林業は、我が国において施業の集約化、販売の共同化、国産材の流通の効率化を図る上で参考にすべきものであると考えております。
 このため、農林水産省といたしましては、施業の集約化に向けて施業プランナーの人材育成等を進めてきたところであり、令和元年度時点で、私有人工林のうち約四割について経営管理が集積、集約されたところです。
 また、令和二年度から森林組合や素材生産業者など複数の事業体間の連携を図りながら販売の共同化を推進する森林経営プランナーの人材育成を開始するとともに、森林組合が販売事業の拡大等による経営基盤の強化を図ることができるよう、令和二年五月に森林組合法を改正し、組合間の多様な連携手法の導入や、事業執行体制の強化を措置したところであります。
 引き続き、これらの取組を進め、施業の集約化、丸太販売の共同化、国産材の流通の効率化を推進してまいります。

#45
○高橋光男君 ありがとうございました。
 私、そのとき言われて大変衝撃的だったのは、林業で成功していない先進国は日本ぐらいだというふうに言われました。
 まさに、今おっしゃられた施業の集約化であったり丸太販売の共同化、そしてさらには、国産材の流通効率化というのはもう既にオーストリアでは四十年も前から始めてきた取組であるわけでございまして、今まさに日本がやろうとしていることはこのオーストリアがやっていることを倣ってというか、そうした取組が多いわけでございます。
 重要なことは、おっしゃられたような施業プランナー、そしてまた経営プランナー、こうした人材をしっかりと育成していく、それが本当に現場でそういった方が活躍していただける環境を本当に整えていくことが大事ですし、また、この森林組合法の改正によってその連携が取りやすい環境も今つくられつつあるわけでございますので、しっかりと政府として取り組んでいただくようにお願いいたします。
 続きまして、補助金の安定的確保及び交付時期の適正化について野上大臣にお伺いしたいと思います。
 昨今の異常気象による豪雨等によって土砂災害等が急増しています。だからこそ、国土保全上も森林整備等に係る予算を安定的に確保することが重要であることは言うまでもございません。しかしながら、単に予算を確保するだけにとどまらない課題があることをお示しするために、資料三を御覧いただければと思います。
 これは、地元の木材市場の森林環境保全整備事業による入荷量のグラフでございます。少し古いものでございますが、平成二十五年、また二十九年の一年間を通しての扱っている量を示したものでございまして、このようなお声をいただきました。補助金が十二月に締め切られ、四月から六月、翌年に手当てされるために、本来秋から冬にかけて伐採すべきなのに春から夏に行っているということです。
 よく伺ってみると、変動が特に激しかった下にある平成二十九年につきましては、この年にTPP補助金が導入されたそうです。このとき国からは積極的にそのTPP補助金を使うように言われたと。これは、事後申請の直接支援事業とは異なり事前申請だったので、結局使えず入荷量が減ってしまったというふうなお声でした。これでは予算の確保の見通しが立たないために、複数年の補助金を求める声も大きいです。そして、この二つの枠組みというものは今現在も続いているというふうに承知します。
 つきましては、国として、手続上、制度上の改善を行うとともに、現場に補助金が適正な時期に交付されるよう管理徹底をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

#46
○国務大臣(野上浩太郎君) やはり森林の持つ多面的な機能を十分に発揮させるためには、間伐ですとか主伐後の再造林、路網整備といった森林整備を促進することが極めて重要であると考えております。
 このため、当初予算のみならず、緊急に対応が必要な国土強靱化やTPP等の補正予算、また非公共事業予算等も活用しながら、地域からの要望に応えて計画的かつ適切な森林整備の推進を図っているところであり、今後とも必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えておりますが、これら森林整備に関する事業はやはり現場で円滑に実施されることが重要であるというふうに思いますので、採択要件の事業内容が分かりやすい資料を作成をして、都道府県等を通じて、森林組合や事業体や森林所有者等に適時適切に情報提供等に取り組んでまいりたいと考えております。

#47
○高橋光男君 ありがとうございます。是非現場の実情を踏まえて御対応よろしくお願いいたします。
 続いて、地産地消型の木質バイオマス発電の普及促進について熊野政務官にお伺いしたいと思います。
 国産材の安定供給の下での地域循環型のバイオマス発電所の普及促進、私、これはすごい重要な課題だというふうに思っています。我が兵庫県でも、県産の木材だけを利用し、そして県内企業産のボイラーを使って、そしてさらには、発電、蒸気両用の発電所ございます。赤穂市というところに新たにできました。それが、私、こうした発電所というのは、従来のいわゆるカスケード利用、すなわち無駄なく有効利用する、こうしたカスケード利用の推進に加えて、こうした地産地消の取組というものを後押しすることこそが国産材の利用促進の上でも非常に重要であって、ほかの地域でも推進していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
 そしてまた、一方、こうした取組を推進していく上でインセンティブが必ずしも十分ではございません。新規建設に当たっても、またFIT、固定価格買取り制度終了後も持続可能な形で回すためにも、地方自治体の補助だけでは心もとないのが実情です。
 つきましては、地産木材利用や地産ボイラーの導入促進、また高額とされる移動式チッパー等の機械につき新規購入のみならず更新時の補助導入、またさらには、発電所と所在する自治体間での災害協定の締結に伴う例えば補助の上乗せなど、国として地産地消型の発電所をもっと後押しする仕組みを構築すべきと考えますが、いかがでしょうか。

#48
○大臣政務官(熊野正士君) お答えいたします。
 国産材を活用したエネルギー利用につきましては、固定買取り価格制度、FITの終了後も持続可能な取組となるよう推進していくことが重要です。
 このため、移動式チッパーなど、林地残材等の収集、運搬の効率化に資する機材の整備を支援するとともに、FITによる支援との重複を避けつつ、木質資源利用ボイラー等の整備や木質バイオマスを、地域の合意の下、熱利用や熱電併給を行うことにより、地域内で持続的に活用する取組の推進等を支援しているところでございます。
 今後とも、地産地消による木質バイオマスのエネルギー利用の推進に取り組んでまいります。

#49
○高橋光男君 ありがとうございました。
 最後に、もう時間なくなりましたので御要望にとどめますが、林業人材育成のための林業大学校の支援につきましては、お配りした資料四にございますように、この度、森林環境譲与税によって手当てされるというふうになっていますけれども、こちらの資料の下の予算配分額にございますように、近年急増しています。そうした中で、しっかりとこの緑の青年就業準備給付金、こうしたものを手当てしていただくとともに、この林業の現場を担う人材育成に国として全力で取り組んでいただくことをお願い申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#50
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 本日は、森林の間伐の実施の促進に関する特措法の改正についての議論でございますけれども、先ほど郡司先生からの御講義をいただきまして、私自身いかに森林の歴史を、日本の歴史を知らないかということを改めて感じた次第でございますが、若い世代に対しましては、今世界の森林と自分あるいは人類とのつながりがどうなっているのかということを、これから先の歴史を未来に向けてつくっていく必要があるのではないかと感じておりまして、私の質問に入らせていただきますが。
 少しマニアックなんですが、私、爬虫類議連というのに入っておりまして、他人と思えないんですね、爬虫類がね。両生類の八〇%が森林で暮らしております。哺乳類は六八%です、先生。鳥類七五%が森林で生息しておりますよ。ところが、その森林が毎年アイスランドと同じ広さの一千万ヘクタール失われております。ちょっとぴんときませんが、日本の国土の四分の一です、毎年。四年連続日本に来たらどうなるかということですね。
 こういった関係で、森林の消失、これは農地への伐採だったり火事だったり、いろいろ人工的なものの影響が強いと聞いておりますが、この森林の流失が原因で、また先ほどの話に戻ってしまいますが、両生類の四一%、哺乳類の二五%、鳥類の一四%がもう絶滅いたします。こういうグローバル、地球に住んでいるということについて、森林が失われるということはとても関係があるんですが、とにかく都会に住んでいる人間は特に余りぴんとこないといいますか、身近な問題に感じられないというジレンマがあると感じておりますが、大臣、お忙しそうでございますが、三月二十一日に五十回目を迎えました、何があったかと、国際森林デーというのがございました。このような機会に、大臣、何かやられました、植林したとかですね。
 まず、御存じだったかということと、国際森林デーの説明はいいです、何かおやりになりましたでしょうか。イベントや啓蒙活動などされたかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。

#51
○国務大臣(野上浩太郎君) 国際森林デーでありますが、これ、平成二十四年の十二月に開催されました国連総会におきまして、三月二十一日をこの国際森林デーに指定すると、そういう決議が行われたところでありますが。
 農林水産省としても、この国際森林デーの趣旨を踏まえまして、関係団体と連携をして、平成二十六年から毎年三月に、東京都内における大使館ですとか留学生、あるいは一般公募の方々が参加する植樹や交流会のイベント等を実施をしてきたところであります。
 ただ、昨年と本年につきましては、新型コロナの影響があったものですからこのイベントは中止をされたところでありますが、来年度以降もまた状況を見ながら、森林デーの活用もしながら、やはり森林や緑に対する国民の理解の醸成、特に若い方々をというお話もありましたが、そういうことも念頭に置きながら理解の醸成を図ってまいりたいと考えております。

#52
○石井苗子君 ありがとうございます。
 コロナですけれども、もう十年もやっているんです。
 先ほどおっしゃられたように、海外では、私も行ってみますと、森や林で働きたい方がすごく多いんですよ、若い人。行くと、楽しく明るくやっていらっしゃいます。いろんなアイデア出してやっているんですけれども。
 私もそうなんですが、どうして森林についてこんなに関心を持たなかった、やっぱり農水、農水と、真ん中の林はどこへ行っちゃったんだろうかというぐらい。農水、農水といいますけど、林、森林です。どうしてかなと思ったんですけど、木を食べないからかなとか思ったんですが。いや、もう本当に、二〇五〇年のカーボンニュートラルということを考えると、山で働きたいという人をつくっていくにはどうしたらいいんだろうかということも考えながらやっていかなければならないと思っております。
 そういった意味で、国連の総会で二〇一二年に創立された国際森林デーということも、アピールをもう少し日本でもやっていっていただきたいということで、間伐の質問に入ります。
 間違っていなければいいと思うんですが、私勉強して、間伐というのは残った木の成長を促すために大切な施業だということですが、平成三十年の間伐実績というのは三十七万ヘクタールで止まっています。地球温暖化対策計画ですと、平均、年の平均ですが、五十二万ヘクタールの目標というふうに立てて、十五万ヘクタール、相当な広さ足りないんですが、間伐は伐採した木を売却して利益を上げるものだと思っておりますが、正しいでしょうか。間伐材を建設材料などに幅広く利用することによって間伐は森林経営にとって有益なことになっていくというように考えているんですね。そうでないと間伐の意味がないのではないかと私は思うんですけれども。
 間伐されたその間伐材というんでしょうか、どんなものに使われているのかという利用状況、そして、利用の促進に何かお考えがあるんだったらお答えいただきたいと思います。

#53
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 平成三十年度に全国の森林から搬出され利用された間伐材は七百四十六万立方メートルとなっております。林業・木材産業の成長産業化の実現には、間伐材を含めた国産材の安定供給体制の構築とともに、都市部などにおける民間の非住宅、中高層建築物や建築物以外の多様な用途における木材利用の促進を通じて国産材の需要を拡大することが重要と考えております。
 このため、引き続き公共建築物の木造化、木質化を推進するとともに、民間企業のネットワークによる木材利用を促進してまいりたいと思っておりますし、また、低層非住宅の分野における国産材利用にも努めてまいりたいというふうに考えております。
 また、木質バイオマスを地域内で持続的に活用する地域内エコシステムを構築する、あるいは付加価値の高い木材製品の輸出を促進するということを、間伐材を含めた国産材全体として取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。

#54
○石井苗子君 いろんなアイデアがあるようですけれども、いま一つ浸透していないと思うんですけれども。
 私、病院で働いておりまして、心療内科というところにいたんですが、非常にあの木の香りと、木を置いておくと治療に役立つんですよ。コンクリートで、だんだんひび割れてくるコンクリートの中の診療室というのはいかに病気を悪化するものかというのをよく知っておりまして、そういう意味においても、国産材の利用というのは長年減少してきた傾向がありました。おけとかお風呂とかなくなってきたわけなんですけれども、それでもここがしばらく持ち直していると聞いております。
 国産材の利用を推進しているということなんですね、今のお話だと。建築物の木材の利用率といいますか、それと中央省庁の国産材の利用率、この辺の割合をどのくらいか教えていただけますか。

#55
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 平成二十二年に公共建築物等木材利用促進法が制定されまして、施行されました。この施行以降、公共建築物の床面積ベースの木造率は、平成二十二年度の八・三%から平成三十年度の一三・一%に、三階以下の低層の公共建築物の木造率は一七・九%から二六・五%へ上昇しています。また、国の省庁が整備した公共建築物における国産材の利用割合は、平成三十年度は七三・八%となっているところでございます。

#56
○石井苗子君 そうです、利用率上がってきているんですよ。
 ここでもそうなんですけれども、ありとあらゆるところに、これから増やしていく国産の材、国産材を増やしていきたいと思うんですけれども、先ほど、最初から言っていますように、国民の皆様が、森林管理がいかに毎日の生活の中で密着しているかということを、SDGsという言葉を独り歩きさせないためにも、ここを徹底して日本の若者にも伝えていく必要があるんです。だけど、現在、その利用期を迎えた森林が増加しているんですね。伐採した後、再び苗木を植えて、再造林と言うらしいんですが、再造林することで森林資源を適切に循環利用していくということが必要だと思います。
 森林整備のその循環、サイクルの中で、再造林というのが、再造林という言葉も定着していきたいんですけど、再造林というのがSDGsに貢献しているのだということを分かりやすく説明するにはどうしようかと思っていますので、大臣、ちょっと分かりやすく言っていただけますでしょうか。

#57
○国務大臣(野上浩太郎君) 今先生から御指摘のありましたSDGsでありますが、このSDGsにおきましては、森林に関する目標としては、例えば目標十五というものがありまして、陸の豊かさを守ろうというところに持続的な森林経営が掲げられているほか、実は森林、非常に多面的な機能がありますので、このほかにも様々な目標に森林に関する項目が見られます。例えば、水を育むことは、目標六に安全な水という項目があります。また、炭素を貯蔵することには、目標十三の気候変動対策という項目があります。また、木質バイオマスとして利用するということは、目標七にクリーンエネルギーに関する項目があります。こういう意味で、森林とSDGs、非常に密接に関連をしているところであります。
 このSDGsの目標の達成に向けて、この森林の持つ多面的な機能、これを持続的に発展をさせていくことが重要でありまして、農林水産省としては、改正法によりまして支援措置も活用しつつ、引き続き、適切な間伐や主伐後の再造林の森林整備を推進してまいりたいと考えております。

#58
○石井苗子君 もうね、中学生なんかにそういう話をすると、すごく目きらきらさせて聞いているんですよ。だから、もうこれから先、自分が生きていることと世界の森林と、私なんか小さいとき、日本の国土の五分の四は森だと聞いて育ったんですが、今どうなっているのか、五分の三になっているのか、そこのところ勉強していませんけれども、そこで、もうちょっと詳しい話を聞かせてください。
 京都議定書で必要とされる造林面積というのが出ていたんですけど、年間七万ヘクタール、今後の目標になると書かれてありました。平成三十年度を見ますと、三万ヘクタールなんですね。全く足りていないと言わざるを得ないんですが、日本の二酸化炭素の森林吸収量というのは長期的な減少傾向にあります。これは木の古さなんかが関係しているんだと思うんですが、造林の実施というのは強力に進めていった方がいいと私は思うんですが、年間七万ヘクタールに向けて、今、三万ヘクタール、四万ヘクタール足りないんですが、どのような方策を取っているか、具体的なことがあったら教えてください。

#59
○国務大臣(野上浩太郎君) やはり、森林の持っている多面的な機能をこれ持続的に発揮をさせていくためには、主伐後の再造林を適切に実施する必要があると考えております。
 年間の再造林面積、今先生からお話あったとおり、最近は約三万ヘクタール程度でありますが、これを七万ヘクタールに拡大していく必要があるわけですが、このため、農林水産省としましては、まず、森林所有者等に対して再造林に対する補助を行ってきております。また、近年取組を始めました伐採から造林の一貫作業の導入といいまして、伐採に使用している機械を造林の作業で一体的に使用できるといったような、そういう造林コストの低減等々、あるいは成長の早い苗木を使うことによるコストの削減、あるいは採算性の向上に向けました、今御議論のありました木材需要の拡大ですとか安定供給の整備などにも力を入れて取り組んでまいりたいというふうに思いますし、森林管理経営制度の下で、市町村を介して、意欲を持てずにいる所有者から意欲と能力のある者へ伐採及びその後の造林の経営委託を進める取組なども加速をしていく考えであります。
 これら総合的に施策を通じて、再造林を進めてまいりたいと考えております。

#60
○石井苗子君 大体、計画としてはよく分かったんですけどね。
 早く育つエリートツリー、苗木、何か私、苗子と書くんですけれども、苗木、早く育つ苗木ですね、その苗木生産事業者が高齢化になっておりまして、減少が進行しているわけなんです。
 ちょっと調べました。かつては、苗木製造事業者、四万事業者以上いらっしゃいました。その生産事業者が、私が調べた人は、平成三十年度に八百です、八百まで減っているんです、四万から。これ、苗をしょって山を登っていくという仕事をされる方がいらしたんですが、高齢化、そして後継者がいないという、こういう農林にとって大きな問題となっているんですが、この苗木の生産事業者を確保する方策、これとても大事だと思うんですが、どうしていきましょうか。

#61
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 人工林の多くが本格的な利用期を迎えておりまして、主伐後の再造林を確実に実施していかなければならないと考えておりますし、そのためには優良な苗木を低コストで安定的に供給する必要がございます。
 戦後、一番たくさん植えられたときには、たしか、記憶定かではありませんけど、四百万ヘクタール、あっ、違う、四十万ヘクタールから六十万ヘクタール、申し訳ありません、一桁間違っていました、四十万ヘクタールから六十万ヘクタールぐらい年間植えられていた、それが三万ヘクタールというのが今の現状でございます。そういうことで、これまで苗木の生産事業者は長期にわたり減って、減少傾向で推移してきているところでございます。
 このため、苗木生産に当たって、先ほど申し上げました苗畑、畑でございますけれども、そういう広い土地を必要とせず、労働負荷の軽減にもつながるコンテナ苗を普及してきているところでございまして、近年、苗木生産に新たに参入する事業者も増えつつある状況にございます。
 農林水産省としては、苗木生産への新規参入及び生産規模の拡大を図るため、新たな苗木生産事業者の確保に向けた技術研修に対する支援、コンテナ苗生産に必要な機械や施設の整備に対する支援、コンテナ苗の生産技術の標準化に向けた手引の作成、需要者や生産者に対する生産需要に関する情報提供などを推進しているところであり、再造林に必要となる苗木の安定的な供給体制を図ってまいりたいというふうに考えております。(発言する者あり)

#62
○委員長(上月良祐君) 続けてどうぞ。

#63
○政府参考人(本郷浩二君) 生産者の新規参入、生産規模の拡大をして、生産者の確保を図ってまいりたいというふうに思っております。

#64
○石井苗子君 そうですね、なかなかこれ、苗木生産事業者を確保する方策ということにピンポイントで何かないかなと思って、私もちょっとまだ、御専門の方がそうお考えなのだと私の知恵などはまだ及ばないんでございますが、少し世界の方に目を向けさせていただきたいと思います。
 法律案では、特定間伐等、特定母樹の増殖というのがありまして、令和十二年度までに行われると、令和十二年度ですね。この時期までにしている理由は何なんだろうかと思いまして、ちょっといろいろ調べると、京都議定書とかパリ協定に合わせて令和十二年度って何か年度合わせみたいに合わせているような気がするんですが、それ以外の理由というのはあるんでしょうか。令和十二年度までに行われるものという。

#65
○政府参考人(本郷浩二君) この間伐等特措法に基づく支援措置の期間は、これまで我が国の吸収量に関する温室効果ガス削減の約束期間に準じて定めております。法制定時は第一約束期間、二〇〇八年度から二〇一二年度の五年間、前回改正時は京都議定書第二約束期間ということで、二〇一三年度から二〇二〇年度の八年間とされてきたことから、現在我が国が批准するパリ協定に基づき、目標年、温室効果ガスの削減目標の目標年である二〇三〇年度までの十年間、今回の改正法案により延長することにしております。

#66
○石井苗子君 分かりました。そのパリ協定に合わせているということで十二年度ということになっているということですね。是非、増殖頑張っていただきたいんですね。
 時間がないので提案だけにしますが、農林水産省の方にお聞きしたら、全国でどの地域がどのくらい二酸化炭素を吸収しているかという地図はないということなんですね。森林がどのように地球温暖化防止に役立っているかということを明らかにするような地図を作れば、地球温暖化の中で森林の役割が子供にも大人にも分かりやすいという、このような地図を作るということは考えられませんかと言ったら、国が二酸化炭素の策定を、国全体でやっているので地図はないということなので、是非、二酸化炭素の吸収の地図というのを、これから未来に向けて、子供に向けて作っていただきたいということを提案して、終わります。

#67
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。
 ちょっと質問の順番を変えまして、まず森林環境譲与税の算定基準の見直しについてからお聞きいたします。
 元々、森林環境税及び森林環境譲与税の目的は、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保するということでありました。木材の利用もさることながら、やっぱり元々は森林整備なんですね。
 そういう中におきまして、森林環境譲与税の配分をめぐっては、いろんな議論がありました。私も予算委員会とか農林水産委員会とかいろんなところで取り上げさせていただきましたけれども、人口割りの比率が高過ぎる余りに本当に森林整備に必要なところに回らずに、人口の多いところの方に多く配分されているという問題があるということを何度か指摘をさせていただきました中で、昨年十二月の本委員会におきましては、譲与基準の見直しにつきましては、各自治体の取組状況を確認作業中でございます、そういったことを踏まえて検討してまいりますというお答えがありましたけれども、その後の検討状況をお聞かせください。

#68
○政府参考人(川窪俊広君) お答え申し上げます。
 森林環境譲与税の譲与基準につきましては、森林整備を進めるためには、木材の需要の増加が重要であることですとか国民全体の森林環境税への理解も必要であることなどを総合的に勘案いたしまして、人口を三割と設定をしているものでございます。
 この譲与基準の見直しにつきまして、これまでの衆参両院の総務委員会の附帯決議におきましては、各地方団体の森林整備の取組や施策の効果を検証しつつ、必要がある場合には所要の見直しを検討するとされているところでございます。
 今般、譲与初年度、令和元年度の活用実績につきまして総務省と林野庁におきまして実績の分析を行いましたところ、間伐等の森林整備につきましては、森林所有者への意向調査など準備段階にある団体も含めますと半数以上の市町村において取り組まれておりますし、また七割程度の政令市や特別区におきまして木材利用や普及啓発に関する事業に取り組んでいるといった状況でございまして、それぞれの地域の実情に応じた様々な事業への活用が一定程度進んでいると評価しているところでございます。
 この森林環境税による効果の検証ということもございますので、令和二年度以降につきましても、事業の実施状況を確認し、見極めていく必要があると考えているところでございますけれども、これらを踏まえまして、森林環境税の譲与基準の見直しにつきまして附帯決議を踏まえて引き続き検討してまいりたいと考えております。

#69
○舟山康江君 もうずうっと検討している、検討しているばっかりで、いや、もちろん私も利用促進に使うことを否定しているわけじゃないんです。ただ、一義的な目的は森林整備なんですよ。森林整備が進んでちゃんと木が切り出されなければ、それこそ環境に対する貢献もできないし、木材の利用にもつながらないわけですね。そういう中で、配分が高過ぎるんじゃないんですかという議論がたくさんあるんですよ。
 それを、何かいつも、検討してまいります、検討してまいりますと、じゃ、いつ結果が出るんですかということを前々から聞いているんですけれども、どうなっているんですか、これ。

#70
○政府参考人(川窪俊広君) 検討をしておりますという話につきましての時期についてでございますけれども、国会における総務大臣からの答弁におきましても、令和元年度に譲与が始まったところであるということを踏まえまして、引き続き実施状況を見極めつつ、検討をしっかり進めてまいりたいというふうに申し上げているところでございます。

#71
○舟山康江君 これにつきましては、やっぱり農林水産省からも、しっかりと今の森林整備の現状とか課題とか、そこも含めて、この配分について意見をきちっと出していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 総務省の方、お帰りいただいて結構です。

#72
○委員長(上月良祐君) 総務省川窪審議官は退席いただいて結構です。

#73
○舟山康江君 それでは、本法律案についての質問に移りたいと思います。ある意味密接に関係はしているんですけれども、森林整備の目的についてお聞きしたいと思います。
 この法案では、どうも森林吸収源対策の重要性、森林吸収量を増やすために間伐とか種苗確保、再造林の実施というふうに読めるんですけれども、本来の目的というのは、私、先ほど来議論がありますけれども、CO2の吸収だけではなくて、例えば生物多様性の確保とか国土保全、土砂災害の防止とかいろいろある中で、どうもこの法律の目的がCO2吸収に偏り過ぎているんではないかと。それを実現するために、何か全体的な、持続可能な森林とか森の保全というところが何かちょっと薄いんじゃないかという懸念があるんですけれども、改めて今回の法律の目的と全体の森林整備の目的についての整合性についてお聞きしたいと思います。

#74
○国務大臣(野上浩太郎君) 森林整備といいますのは、先生今お話ありましたとおり、国土の保全、それから水源の涵養ですとか地球環境の保全、また公衆の保健ですとか地球温暖化の防止、林産物の供給等々、非常に多面的にわたる機能を有していると考えております。
 間伐や主伐後の再造林、また路網整備等の森林整備は、これらの森林の有する多面的機能も十分に発揮をさせるために行うものであるというふうに考えておりまして、農水省としては引き続き適切な森林整備の推進に取り組んでまいりたいと考えております。

#75
○舟山康江君 今私からも申し上げましたけれども、CO2の吸収量、森林吸収源の確保というのももちろんですけれども、もっと幅広くやはり森林の役割を踏まえた法律のこの目的達成に向けて、しっかり機能するようにしていただきたいということを改めてお願いしたいと思います。
 そういう中で、まず、間伐についてお聞きしたいと思います。
 間伐面積は毎年公表されておりまして、残念ながら、実績は目標より下回っているというのが残念ながら現実であります。間伐をしっかり行うことと同時に、その出された材をしっかり利用するということもこれ重要だと考えますけれども、間伐材のうち、切捨て間伐と搬出間伐それぞれの割合、そして、搬出された間伐材のうち、しっかり利用されたものとそうでないものの割合について、それぞれお聞きしたいと思います。

#76
○政府参考人(本郷浩二君) 申し訳ありません。
 まず、間伐材の利用でございます。
 平成三十年度、民有林からの搬出され利用された間伐材は四百九十四万立方メートルで、建築材、こん包材の製材が二百三十七万立方メートル、合板、集成材、木材チップ等の原材料が二百三十二万立方メートル、足場丸太、支柱の丸太が二十五万立方メートルとなっております。今後とも、これらの間伐材の利用を推進してまいりたいと考えております。
 また、切捨て間伐でございますけれども、申し訳ありません、今手元に数字はございません。今持ち合わせておりませんので、大変恐縮ですけれども、後ほど御説明を申し上げたいというふうに思います。

#77
○舟山康江君 これ、かなり明確に通告しているんですけど、何でないんですか。

#78
○委員長(上月良祐君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#79
○委員長(上月良祐君) 速記を起こしてください。

#80
○政府参考人(本郷浩二君) 切捨て間伐の実績については、民有林の部分の実績については把握をしておりますけれども、国有林の部分の実績を毎年きちっと把握をできておりませんので、この場で合計の量を御説明することができないことを申し訳なく思います。

#81
○舟山康江君 いや、これ、すごく大事なことだと思うんですよ。間伐は大事だけれども、そのまま投げ捨てておけば何の意味もないわけですよね。利用して初めて意味を成すわけであって、そこが、今これから政策的に何をしなければいけないのかという課題解決するためにも、この現状把握は必要だというふうに思います。
 ですから、是非、民有林、国有林、今の間伐の状況、できるだけ切捨て間伐はなくしていこうという目的を立てているはずですから、今の現状がどうであって、じゃ、何を解決すればいいのか、ここを検討するためにもしっかりと現状把握をしていただきたいと思いますので、委員会の方にちょっとデータをしっかり出して、共有したいと思いますのでデータを出してください。

#82
○委員長(上月良祐君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。

#83
○舟山康江君 ちょっと関連して質問なんですけれども、これ、切捨て間伐もいわゆる森林吸収量のカウントには入るんですか。

#84
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 京都議定書で言う森林吸収量の算入対象となるのは、一九九〇年以降に間伐等の森林整備等を行った森林経営に該当する森林となっております。森林経営に当たる間伐は、切捨て、搬出にかかわらず対象となることから、切捨て間伐が実施された森林も森林経営に該当し、森林吸収量の算入対象になります。

#85
○舟山康江君 ですから、やっぱりいわゆる森林吸収量の確保ももちろん大事ですけれども、やっぱり持続可能性を考えたときに、いかに利用していくかということも併せて大事だと思いますので、やっぱりここは是非大臣御指示いただいて、しっかり把握するようにお願いしたいと思います。
 もう一つ、やっぱり持続可能な森林ということを考えると、間伐もそうですし、今回主伐というのも規定して、要は再造林を規定しているということですけれども、主伐後の再造林、きちっと主伐して再造林している割合というのがどのぐらいあるんでしょうか。

#86
○政府参考人(本郷浩二君) 近年の主伐実績は、推計年間七万ヘクタールから八万ヘクタールで推移しております。
 一方、人工造林の実績は年三万ヘクタール程度となっており、これらに基づくと、主伐後に植林が実施された割合は三割から四割の水準にあるという実態にございます。

#87
○舟山康江君 やはり、間伐も大事なんですけれども、しっかりと再造林することがある意味それ以上に大事だというふうに思います。
 そういう中で、まず、この法律の基本指針には間伐の目標面積は書かれているんですけれども、再造林の目標面積が書かれておりません。これもしっかり定めるべきではないでしょうか。

#88
○国務大臣(野上浩太郎君) 今御指摘のとおり、間伐等特措法に基づいて国が定める基本指針におきまして現在間伐の目標面積は定めているところでありますが、再造林や下刈りといった間伐以外の施業の面積は定めていないところであります。
 間伐につきましては、人工林の齢級構成に応じて必要な面積を把握をできますので、国が基本指針に目標値を定めて、それに即して都道府県また市町村と必要な間伐目標をそれぞれ定めていくということによって計画的かつ適切な間伐を進めることといたしております。
 一方、再造林は主伐後に行われるものでありますので、主伐が個々の森林所有者ですとか事業体の経営判断により行われまして、再造林の面積もこれに左右されることから、指針におきましては再造林の目標数値を定めることはなかなか難しいんですが、今回、新たに、長期的な森林吸収量の確保の観点から、主伐後の確実な再造林を実施する旨を記述することによりまして、適切な再造林を進めていきたいと考えております。

#89
○舟山康江君 もうある意味、やっぱり伐採もそうですけれども、再造林、物すごく大事だと思うんですよね。ですから、目標値とあとはやっぱり一定のルールを明確に作るべきではないかと思います。切ったら植えるとかですね。場合によっては、場所によってはちょっと厳しいところもあるかもしれませんけれども、やっぱり一定のルールを決めるべきだと思いますが、そこはいかがでしょうか。

#90
○国務大臣(野上浩太郎君) やはり森林の持っている公益機能、これ持続的に発揮するためには、立地に応じた適切な伐採そして造林がされることが重要と考えておりますし、これに関する基本的なルールにつきましては、現在森林法に基づきまして運用されているところでございます。
 具体的には、保安林については、都道府県が伐採の許可や人工林を基本として伐採後の植栽の義務付けを行っております。また、保安林を含む森林全体については、市町村が市町村森林整備計画におきまして森林が求められる機能に応じたゾーニングですとか伐採や造林の方法などの規定を定めるとともに、伐採・造林届出制度によりまして、森林の所有者等から届出を求め、市町村森林整備計画に従った伐採や造林が行われた場合には指導等を行うことが可能となっております。
 農林水産省としても、これらのルールにのっとりまして適切な伐採や造林が行われることが必要であると考えておりまして、ルールに沿った作業に対する補助事業等の支援措置も組み合わせながら、伐採・造林届出制度等の適切な運用に取り組んでまいりたいと考えております。

#91
○舟山康江君 大臣、今お答えいただいたように、保安林に関しては一定のルールがあるわけですけれども、民有林に関しては保安林はたった三割にしかすぎないんですね。ですから、七割は保安林以外ということでなかなかそのルールが適用されていないと思います。
 ただ、やっぱり、そこの保安林以外の森林に関しても、きちっと伐採した後に植林するような何かルールを定めるとか、それは国の大きな方針の下に県、市町村でしっかり指導できる体制をつくっていくとか、きめ細かい対応が必要だと思いますけれども、そういったところをやっていただく用意があるでしょうか。

#92
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 具体的には、森林法に基づき、市町村森林整備計画で造林方法の規範を定め、森林所有者等に伐採届出や造林後の報告を義務付けるほか、森林整備事業による造林実施への補助を行うこと、森林経営管理法に基づき再造林を適切に行う意欲と能力のある林業経営者への集積、集約化を進めることとしておりますけれども、一定のルールにつきましてこの森林法の運用改善を図ることを現在考えておりまして、森林・林業基本計画の改定と併せて検討してまいりたいというふうに考えております。

#93
○舟山康江君 是非お願いします。
 なかなかやっぱり保安林等である程度網が掛かっているところについてはできているとしても、ただ、そこもなかなかできない、いろんな事情でできないこともありますけれども、やっぱりそこを是非見直していただきたいと思います。
 実際、今問題が起きているのは皆伐ですね。皆伐というのもあちこちで見られる中で、これが大雨のときに土砂災害につながるとか、いろんな問題を引き起こしていると思います。
 皆伐についてちょっと一つ。CO2の吸収という面ではどのようなカウントになるのか、そこはゼロになるのか、あとは皆伐を防ぐための具体的な措置は何か講じているのか、その二点をお願いいたします。

#94
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 皆伐を行った場合は、その森林における森林の吸収量は低下いたします。そのため、皆伐時に生産される木材を建築物等として利用していくことにより木材製品による炭素貯蔵量が確保され、これを森林吸収に計上できる仕組みとなっているところでございます。京都議定書第二約束期間からは、その量を合わせて算定しているところでございます。
 また、皆伐につきまして、適切な伐採方法を取ることが大変重要だというふうに考えております。そのため、先ほど申し上げました市町村森林整備計画における規範、ルールとして、その地域における適切な伐採方法、そういうものを記載していただくことをお願いをしているところでございまして、事業者におかれましては、その市町村森林整備計画の規範にのっとって、遵守して伐採に臨んでいただきたいというふうに考えております。

#95
○舟山康江君 皆伐がいろんな問題を引き起こしていると先ほど指摘をさせていただきましたが、本来、森林が水源涵養とか災害防止、土砂流出防止と言われている中で、逆にこういった手入れの行き届いていない森林が災害の激甚化を招いたりとか、土砂災害を発生させたりとか、こういった事例も多発していると思います。
 そういう中で、やはりこの災害で失われた森林、その土砂災害の跡地をどのように再生していくのかということも、繰り返さないために非常に重要だと思っています。この森林の再生方法については何か指導等されているんでしょうか。

#96
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 地球温暖化等による大雨などにより森林被害が激甚化、頻発化する中で、森林の公益的機能を発生させるためには、被災森林の早期再生を図ることが重要と考えております。
 このため、被災した森林においては、森林整備事業により被害木の伐出、搬出及びその後の植栽等を実施するとともに、林地崩壊等が生じている場合には治山事業により土止め工の設置等を行い、土砂移動を安定させ、緑化を図る等の対策を講じて森林を再生しているところでございます。
 また、災害に強い森づくりを進めるために重要なことは間伐を推進することでございまして、個々の樹木の成長だけではなくて、根の発達を促すことにより災害に強い森づくりにしていきたいということと、林内に適度な光が入ることによって下草等の植生の発生を図るなど、健全な森の育成が図られるというふうに考えております。

#97
○舟山康江君 おおむね同意するんですけど、やっぱり今の長官の御答弁の中でも、間伐は出てくるんですけど、再造林という言葉がちょっと足りないのかなって気がします。やっぱり間伐、そして伐採と同時に造林ということももう少し力を入れていただきたいと思います。
 最後に、大臣にお聞きしたいんですけれども、今いろいろと課題を申し上げましたけれども、今回の法律案が以上に述べたような課題にやはりどのように貢献できるのか、最後に大臣から御答弁お願いします。

#98
○委員長(上月良祐君) 答弁は簡潔にお願いいたします。

#99
○国務大臣(野上浩太郎君) はい。
 やはり主伐後の再造林の実施割合が三、四割程度にとどまっていると。この要因としては、林業採算性の長期低迷ですとか、あるいは所有者の経営意欲が持てずにいるということもあると、こういうふうに考えております。
 森林所有者に対してどのようにして経営意欲を持ってもらうか。再造林に対する補助ですとか、あるいはコストの低下、木材の供給体制の整備、さらには森林管理法の活用等々を図って伐採後の再造林、これを広く進めていきたいと考えております。

#100
○委員長(上月良祐君) おまとめください。

#101
○舟山康江君 はい。
 ありがとうございました。終わります。

#102
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 森林吸収量についてまずお聞きします。
 京都議定書の第一約束期間の森林吸収量の目標を達成するために間伐を集中的に実施することが効果的であるとして、二〇〇六年当時の年間間伐面積三十五万ヘクタールに対して二十万ヘクタールを追加することで年間五十五万ヘクタール、二〇〇八年から二〇一二年の六年間で合計して三百三十万ヘクタールの間伐を実施する必要があるとされてきました。
 この第一約束期間の森林吸収量の目標三・八%というのは達成されたんでしょうか。

#103
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 我が国は、二〇〇八年から二〇一二年の京都議定書第一約束期間において、森林吸収源対策により、五か年間の平均で一九九〇年度の温室効果ガスの国全体量の排出量比三・八%に相当する四千七百六十七万二酸化炭素トンを確保することとしておりました。
 この目標に向け、平成二十年に成立した森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法に基づく措置も活用して間伐等の森林整備を着実に実施した結果、期間平均で四千八百二十一万二酸化炭素トンを確保し、目標を達成することができました。

#104
○紙智子君 次に、第二約束の期間ですけど、森林吸収目標ですね、吸収量目標は達成できるんでしょうか。
 第二約束期間の間伐面積の年平均目標というのは達成されていません。なぜ当初の計画どおりに間伐が進んでいないんでしょうか。

#105
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 京都議定書第二約束期間の間伐目標面積である年平均五十二万ヘクタールに対して、二〇一三年度から二〇一八年度までの間伐実績の平均は約四十四万ヘクタールにとどまっているところでございます。
 この原因としては、議論もございましたけれども、間伐対象地の奥地化等に伴う間伐コストの増大や間伐の収益性の低下から、森林所有者が経営意欲を持てないことなどが挙げられると考えております。
 このため、本法に基づく間伐等に対する支援を引き続き継続するとともに、施業の集約化、路網の整備の加速化、列状間伐の実施による間伐コストの低減や、奥地等の条件不利地については、森林環境譲与税も活用し、市町村による公的な間伐を実施することができるようにしてまいりたいというふうに考えております。
 なお、吸収量につきましては、我が国の人工林の高齢級化に伴い近年減少傾向で推移しておりますけれども、先ほどもお話を申し上げました伐採木材製品の算入というようなことも合わせて、最新の二〇一八年度の実績は四千七百二万二酸化炭素トンと、二〇二〇年の目標を上回っている状況にございます。

#106
○紙智子君 目標どおりに間伐を進めることが必要だというふうに思うんですけれども、ところが、改正案は、間伐への支援が不十分なのに、特定母樹の苗木の植栽を促進するというふうに言っているわけです。
 植栽するために主伐を進めることになるということになると、この元々の間伐特措法の理念が変わるんじゃないのかなと思うんですけど、いかがでしょう。

#107
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 本法案は、我が国森林による二酸化炭素の吸収作用の保全及び強化を図るため、間伐等の推進に加え、主伐された林地においては成長に優れた苗木を用いた再造林を促進しようとするものでございまして、主伐を促進しようとするものではございません。
 また、平成二十年の法制定時から間伐又は造林の実施を促進することを目的としているところでございまして、今回新たに導入する特定植栽に関する措置は、この造林の実施を成長に優れた特定苗木により促進するものでございまして、本法の理念が変わるということではございません。

#108
○紙智子君 変わらないと言うんですけれども、ちょっと名前と違ったふうになるんじゃないかなという危惧があります。
 特定母樹の苗木の植栽を推進することで、森林のCO2吸収源対策にはどれだけ効果を見込んでいるんでしょうか。

#109
○政府参考人(本郷浩二君) 特定の苗木は、在来系統の品種と比較して一・五倍以上の成長を示すものは指定されている特定母樹から育成された苗木でございまして、成長量が一・五倍という場合には吸収量に対しても一・五倍と考えられます。
 特定苗木による再造林を進めていくことにより、在来品種に比べて森林吸収量の増大が図られるものと考えております。

#110
○紙智子君 何かね、これがすごくよく分からないんですよね、本当に。どのぐらい吸収するのかというのがよく分からないままで来ているんですけど。
 これまで、苗木の新芽を例えば鹿に食べられる、それで木が育たない、だから造林が進まないという問題もありました。北海道もエゾシカがすごく増えているというのもあって、芽も食べるし皮も食べちゃうんですけど、林野庁からはエリートツリーは成長が早いために鹿の食害を減らす効果が見込めるというふうに聞いたんですね。
 エリートツリーは通常の苗木よりも一・五倍以上成長が早いといっても、鹿は芽を食べるのをやめるわけじゃないわけですよね、生きていくために必死ですから。今、鹿が増えて問題になっているんだけれども、なぜこれ食害が軽減されると言えるんでしょうか。

#111
○政府参考人(本郷浩二君) 植栽した苗木が鹿に食害されるというようなことで、樹木が育たない、あるいは生育が阻害されるということが起こっておりますので、森林整備事業において防護柵、あるいは防護のためのチューブ、そういうものの設置を支援しているところでございます。
 鹿は、北海道はやや大きいわけでございますけれども、鹿の口が届く高さというのがございまして、これ、北海道では約二メートルぐらいというふうに、ここ、こうでございます。通常二メートルに樹高が到達するまでには、通常の品種であれば五年以上を有するところでございますけれども、エリートツリーは三年で到達するということでございまして、その間、防護柵、そういうもので守ることによって、早く育ってその後はそういう防護柵の措置が必要でなくなるという、そういう効果があろうというふうに思っております。

#112
○紙智子君 それがよく分からないんですよね。鹿の首の高さが、だから、届くか届かないかという話。それぐらい早く、スピード速く成長するということだと思うんだけど、何かトトロの世界を思い出してしまって、もう一夜にしてわあっと、こう木が伸びてくる印象なんですけれども。それで、鹿が一匹だったらあれだけれども、たくさんいるわけですよ、もう群れを成していますからね。だから、やっぱりそれなりに、いろんな鹿がいますからね、食べていくわけですよ。本当よく分からないなと思うんです。
 私は、昨年、委員会の質疑で造林未済地が増えていることを指摘をしました。林野庁に聞きますと、これ三年置きの調査なので、改善されたかどうかというのを把握できていないというふうに言いました。これでは、把握できていないということですから、特定植栽促進区域が造林未済地になるんじゃないのかなというふうに心配するわけですけれども、いかがですか。

#113
○政府参考人(本郷浩二君) 造林未済地の調査につきましては、大変、都道府県の方にお願いを申し上げまして、その負担もあることも含めて、三年に一回の調査を行っているところでございます。
 この造林未済地、平成二十六年度の八千九百十六ヘクタールから平成二十九年度の一万一千四百四十四ヘクタールということで増加をしているところではございますけれども、この特定植栽区域における伐採の跡を、事業計画をきちっと事業者に立てて特定苗木の植栽計画を出してもらって、そこに支援をしていくというスキームでございまして、造林未済地になるというようなことはないものと考えております。

#114
○紙智子君 まあ、未済地になることはないというんですけれども、やっぱり特定植栽促進区域が造林未済地になったならば、これは森林吸収源対策に反することになると思うんですね。
 林業者の方は、山づくりの観点から、エリートツリー一辺倒になるのは困るというふうにも言っているんです。何というの、山のつくり方というのは一律じゃないですよね。和歌山のある森林のところでいうと、物すごく年輪の密集した木を作っているんですよ。本当に目が細かい、質のいいものを作るということで、そういうふうな山づくりというか、木を作っているところもある。だから、一部で取り入れられるならいいけど、これがあちこちで一律どこでもとなると困るよなって話をされてもいるんですけれども。
 特定の植栽促進区域の造林というのは、これ、エリートツリーに限定されることになるんでしょうか。

#115
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 特定植栽促進地域は、エリートツリー等の特定苗木の植栽に適した地域をあらかじめ指定し、特定苗木の植栽を促進するものでございますけれども、区域内の植栽が特定苗木に限定されるものではございません。今委員おっしゃられましたように、経営者の意思決定ということになろうかと思っております。
 また、特定苗木につきましては、成長が早いということでございまして、密度を減らして植栽するようなこともできますけれども、早く育つことによってコストの低減効果もあろうというふうに考えております。
 また、今、年輪の話がございましたけれども、早く育つことにより、長く時間が掛かる、年輪が密なものを育てるに当たっても、とても長く掛かるものを短縮することもできるというふうに考えております。

#116
○紙智子君 やっぱり山づくりというのは林業者によって様々だと思うんですね、考え方も違うし。エリートツリーの植栽のこの推進で、多様な林業がそれでもって縛られることがないようにしていただきたいと思います。
 それから、この後はちょっとまた話が変わるんですけれども、自伐型の林業についてお聞きしたいと思います。
 自伐型の林業は、長伐期多間伐施業で、持続可能な環境保全型の林業を実践しています。昨年、北海道の自伐型の林業推進協議会の皆さんが管理をしている札幌市にある手稲山を見に行ってきたんですね。そこはミズナラとかイタヤカエデとか非常にたくさんの樹種から成る広葉樹林なんですけれども、自伐型の林業の方は、皆伐など過度な伐採はせずに、必要最小限の間伐で良い木を残すということで山全体の価値を上げているんです。
 それで、この自伐型林業への支援策で、森林・山村多面的機能発揮対策交付金というのがあるんですけれども、この交付金は間伐とかつる切り、それから雑木木の刈り払いとか、作業路の敷設などに活用されています。
 それで、間伐材は、炭焼きなどにも利用したり、それから枝葉については、へえと思ったんですけど、枝葉については、札幌市の円山動物園があるんですけど、そこの象などの餌として供給するなど、森林資源として有効に活用されているんです。無駄なく使っていこうという考え方に立っているんですけど。
 それで、ちょっと資料をお配りしたんですけれども、それを見てほしいんですけれども、現在、北海道では七十九団体、全国では千百七十六もの団体がこれを活用しているわけですけれども、予算額が平成二十五年の三十億円から半減しているんですよね。それで、なぜここまで減額されているんでしょうか。

#117
○政府参考人(本郷浩二君) 森林・山村多面的機能発揮対策交付金につきましては、今委員おっしゃられたような様々な山村地域のコミュニティーの維持、活性化をさせるために、地域住民や森林所有者等により構成される活動組織が実施する森林の保全管理等の地域活動に対して一定の費用を支援するものでございます。
 予算のより効果的、効率的な執行の観点から支援メニューの整理を行っていることに加え、平成二十八年度行政事業レビュー公開プロセスでは、整備の優先順位が決まっていない、事業効果が不明であるなどの理由から事業全体の抜本的な改善又は廃止との評価結果であり、この結果を踏まえ、平成二十九年度は抜本的な見直しを行いました。
 活動効果を受益する地方公共団体が一定の金額を負担すべきと考えられることから、地方公共団体の支援を促し、このような支援を行われる活動について優先採択をすることとしており、このことにより国からの支援の減額を補い、活動に必要な金額を確保することにつなげているということでございます。

#118
○紙智子君 やっぱり足りないという話が出ておりまして、やっぱり森林が保つ地球環境保全機能などの多面的機能を発揮させるためには、地域の森林を適正に維持管理する方々への支援を充実させる必要があるんじゃないかと思うんですね。交付金はその大きな役割を果たす重要な支援策だと。もうちょっと丁寧に拾っていただきたいんですね。よく見てほしいと思うんですよ。
 それで、協議会の方は、林業従事者を始めいろんな方たちで構成されているんですけど、飲食店を経営されていた方とか会社経営だった方とか地方議員の人とか地域おこし協力隊の方とか、とにかく多様な職種の方がこの山づくりに参画しているんですね。地域の森林を守るために大事な活動をしています。一定数の会員が存在する組織では、現状の、一つのこの組織に対する交付金の上限額でいうと五百万円なんですけれども、五百万円では少な過ぎるということで要望が出されているんです。
 この交付金の予算の拡充について検討すべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#119
○国務大臣(野上浩太郎君) 御指摘の交付金につきましては、これは地域住民による森林の保全活動、管理活動を始めとした幅広い取組を支援するものでありまして、活動の実態を踏まえてできる限り多くの活動組織を支援するために、一定の上限額、今五百万という話ございましたが、これを設定をしているところであります。
 また、支援に当たっては、地方公共団体による支援を促しており、国からの支援と併せて活動に必要な金額を確保することとしているところでありますが、農林水産省としては、引き続き、活動の実態や活動組織の要望等現場のニーズを踏まえまして、活動組織が実施する森林の保全管理等の地域活動の支援に取り組んでまいりたいと考えております。

#120
○紙智子君 この自伐型林業の取組を通じて、これまで五千人以上の方が研修を受けて、地域おこし協力隊の方が地域に定住をして林業従事者として独立するなどの新しい林業の担い手が生まれています。自伐型林業を支援する地方自治体も五十三自治体に広がっているんですよね。森林所有者と地域に密着した自伐型林業者をマッチングする事業を始め、支援策も予算化されています。
 私は、昨年、北海道の北竜町というところで、林業をやりたいということで移住してきた若い夫婦に会ったんですけれども、この夫婦は自伐型林業の研修を二年間受けていて、挑戦してやっていきたいんだというふうに言っていました。町で長年林業に携わってきた長老の方が、若い後継者がこうやって町に、若い人がいないところに来て定着してくれたら本当に有り難いし、応援していきたいというふうに言っていました。
 是非、国として自伐型林業を山村振興や森づくりの担い手としてきちんと政策に位置付けて支援をすべきではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#121
○国務大臣(野上浩太郎君) 自伐型林業につきましては、今先生からお話あったとおり、きめ細かな路面整備ですとか丁寧な間伐などにより、木材やチップ原料ですとか、あるいはバイオマス原料の搬出、販売に取り組んだり、あるいは林業とアウトドアのガイドをやって複合的な経営をしながら地域に密着をするというような事例も出てくるなど、地域林業の活性化ですとか、あるいは山村振興を担う重要な主体の一つであると考えております。
 このため、農林水産省としては、例えば、この自伐型林業を行う者を含む地域住民、あるいは森林所有者による里山林等の保全利用のための共同活動ですとか、あるいは、実施に必要なチェーンソー等の資機材の購入等の取組に対して支援を行うとともに、この自伐林家ですとか、あるいはこの林業を行う者に対する整備に対しては美しい森づくり基盤整備交付金等で支援をしているところでありますが、今後ともこうした施策によりまして自伐型林業への支援を行ってまいりたいと考えております。

#122
○委員長(上月良祐君) おまとめください。

#123
○紙智子君 はい。
 終わりになりますけれども、やっぱりカーボンニュートラルを実現するということでいえば、森林が有する地球環境保全機能を発揮させることが重要だし、長期を見据えた持続的な山づくりが必要だと思うので、皆伐促進の林業の成長産業化ではなくて、環境保全型の林業への転換を求めて、質問を終わります。

#124
○須藤元気君 こんにちは。
 本日は、林業に関連した法案質疑ですが、林野庁は、国産材の利用を国民に幅広く訴えるため、木づかい運動の取組を平成十七年より続けております。実は私、平成二十年にこの木づかい運動のイメージキャラクターをしておりました。私自身もすっかり忘れていまして、先ほど気になってちょっとトイレに行ったついでにウィキペディアを見たら、まだイメージキャラクターとして名前が載っておりました。そんな木づかい運動のイメージキャラクターである須藤元気、本日質疑をさせていただきます。格闘家崩れの私をキャスティングする林野庁のセンスの良さをひしひしと感じております。
 さて、質問に入らせていただきますが、近年、気候変動の影響もあり、毎年のように大規模な自然災害が全国的に多発するようになっております。昨年は、熊本県を中心に豪雨災害が発生しました。また、一昨年は、九月の台風十五号により千葉県を中心に風による被害が発生し、翌十月の台風十九号では新幹線の車両が水没する、タワーマンションが浸水するなど、東日本を中心に大きな被害をもたらしたことも記憶に新しいところです。私も、台風十九号のとき、千曲川の決壊した堤防を視察してきましたが、国土強靱化を本当に進めていかないと日本はやばいなと強く思いました。主権国家の財政を家計に見立てた緊縮財政論ではなく、最新の貨幣論に基づいた積極財政でインフラ整備を大胆に推し進めるべきだと思います。
 さて、このような河川の氾濫や浸水被害を軽減していくためには、その上流域の森林の保水能力を高め、また山崩れを防止する機能を向上させていくことが重要です。間伐等特措法に基づく間伐等の取組は、森林吸収量の確保のみならず、このような森林の防災機能の向上に大きな役割を果たしていると考えます。
 しかし、森林の防災機能の向上を考えると、災害に強い森づくりのみならず、山腹の崩壊を防ぎ、土石流や流木被害を軽減する治山対策も同時に進めていくことも重要ではないかと思いますが、農林水産省のこれまでの取組と今後の方針を伺います。

#125
○国務大臣(野上浩太郎君) 御指摘のとおり、近年、集中豪雨ですとか大規模な台風等々、災害も激甚化をしてきておりまして、そういう中で、山腹崩壊、あるいは土石流、さらには流木災害等の山地災害が全国で発災をしております。
 こうした状況を踏まえまして、国土強靱化緊急三か年対策としまして、平成三十年度から今年度までに、重要インフラを保全する治山ダムの設置ですとか、あるいは崩壊地の復旧、流木対策等を進めてきたところであります。加えまして、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策におきまして、この治山対策を位置付けました。令和二年度第三次補正予算から、さらに、土石流の発生する危険性が高い地域ですとか、あるいは国交省による流域治水の取組と連携をして、河川上流等における治山対策を推進をしているところであります。
 さらに、これらの対策、効果的に進めるために、昨年九月に学識経験者から成る検討会を設置しておりまして、技術的な検討も今進めているところであります。
 こうした検討も踏まえながら、治山対策をしっかりと進めてまいりたいと考えております。

#126
○須藤元気君 ありがとうございます。
 今回の間伐等特措法では、特に成長の優れた苗木を用いた再造林を促進するとしております。一方、日本の人工林は約一千万ヘクタールもありますので、特定植栽を含む主伐後の再造林は相当大きな事業量になっていくのではないでしょうか。
 少子高齢化が進む我が国においては、将来の労働力の確保が大きな課題となります。私の勝手なイメージですけれども、林業と聞くと、何かチェーンソーを持ったブルース・ウィリスのようなマッチョな男たちがやる仕事のイメージがありますが、しかし、ICTなど先端技術を活用して現場作業の生産性を高めることができればそうある必要はありません。そして、日本の森林を守る、やりがいのある仕事だということをもう少しプロモーションしていけば、魅力的な産業になるのではないでしょうか。
 最近、農業が若者たちに人気が出てきていると言われていますが、それは農業に対するやはりイメージが変わってきているからだと思います。一番分かりやすい例が、農作業におけるファッションの変化です。古くから作業着として着られているもんぺをかわいくアレンジしたり、あとはスタイリッシュなつなぎができるなど、昔ながらの農業のイメージを払拭しています。
 話ちょっとそれるんですけれども、作業着のワークマンというブランドを御存じですか。あのユニクロを抜き去り、二〇二〇年五月末で八百六十九店舗まで拡大しました。なぜこんなに快進撃を続けているかといいますと、このダサいと思われていた作業着を機能性とファッション性を兼ね備えた格好いい作業着にイメージ転換したんです。
 機能性とファッション性を兼ね備えたブランドというのは、何かパタゴニアとかノース・フェイスとかありますけれども、この高機能で低価格の市場が空いていたんです。まさしくブルーオーシャン戦略ですね。
 話は戻りますが、この世界はやはりイメージででき上がっています。林業もイメージを変えて、若者や女性たちにとっても魅力的な産業になれば山村振興になるとも考えております。
 そのために、林業イノベーションによる生産性向上等も重要だと認識していますが、今回の間伐等特措法の改正によって林業活性化はどの程度進んでいくのか、教えてください。

#127
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 今回の改正法案では、間伐等の実施や特定母樹の増殖に対する支援を引き続き措置するとともに、特定苗木による再造林を促進する措置を新たに講じるということでございますので、まさに林業を活性化させようと、こういう趣旨でございます。
 先生おっしゃるように、また間伐や再造林の推進に当たっては、生産性の向上につながる林業のイノベーションが重要であるというふうに考えております。
 間伐につきましては、引き続き高性能の林業機械の導入を進めるとともに、離れた位置からラジコン操作で伐倒したり搬出作業を行う作業車などの開発も行っておるところでございます。また、再造林につきましては、木を取り除いたりとか下刈りなどの複数の作業ができる造林用機械の開発や改良、また植栽、下刈りの自動化に向けた苗木の植栽位置の決定や誘導を行うソフトの開発、こんなことも行っているところでございます。
 改正法によりまして、間伐や特定苗木による再造林を進めていくためには、これらの先端技術の現場の実装をしっかり加速していくことが重要だというふうに考えておりまして、本法案によりまして、林業の生産性や採算性の向上を図りまして、まさに若い人とか女性も、女性にとっても魅力ある成長産業として林業に入っていただく、そういう活性化する姿を描いてしっかりと対応していきたいというふうに考えております。

#128
○須藤元気君 ありがとうございます。
 是非その辺をしっかりと、肝になると思うので取り組んでいただければと思います。
 人工林を伐採するとたくさんの木材が生産されることになります。私の出身地である東京江東区は木場、新木場を擁し、古くから木材と縁が深い場所です。私も子供の頃から木材の匂いを嗅いで育ち、実家の居酒屋も材木屋のおやじたちが常連客でいました。それもあってか、子供の頃から木の家に住みたいという思いがありまして、七、八年前まで北海道にログハウスを建てて住んでいた時期があります。
 石井議員も先ほど言いましたけれども、やはり木の家って本当に癒やし効果があるというか、やはり自然との何かつながりというのを感じておりました。残念ながら売却をしてしまったんですけれども、また家を建てるのであれば木造建築がいいなと思っております。
 ちなみに、林野庁の宿舎が私の地元江東区東陽町にあるということで、お話によると、ちょっと木造建築ではないということなので、これを機に建て替えをしてみたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。

#129
○政府参考人(本郷浩二君) お答えをいたします。
 林野庁の宿舎ございまして、鉄筋コンクリートのアパートになっているところでございます。現在建て替える予定はございませんけれども、そのような機会がありましたら、是非建て替え、木造のビルとして建てられるように努力してまいりたいと思っております。
 それで、議員お話ございましたけれども、先ほどもお話ありましたが、戦後間もなく切られて、そして植えたわけですけれども、この間、木が大きくなるまで育てる時代だったわけでございます。その間なかなか、木を切って使う、国産材を使うということがなかなかできなかったということで、木造の建築の中で木が使われなくなってきてしまっているという状況が今生まれており、これまであったわけでございまして、今後は、その建築物、その中で今の私どもの宿舎も木材が使えなくて鉄筋コンクリートで建てることになってしまっている、したわけですけれども、今後は、都市の建築、そういうものを併せて、木造化を推進してまいりたいというふうに考えております。

#130
○須藤元気君 済みません、ちょっと質問通告をしないで乗りで質問をしてしまったんですが。
 この都市における木材利用の拡大、全国初の耐火木構造による校舎が江東区有明に建てられました。こういう、都市において木材を活用していくことは、木材の販売による収益の還元を通じ、都市の上流域に位置する森林の整備に大いに貢献すると考えます。
 都市における木材利用の拡大に向けた取組とともに、大規模な木造建築物の建設に必要となる技術開発の取組も推進していくべきと考えますが、農水省の方針を伺います。

#131
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 今も申し上げたように、木を使えなかった時代を長く過ごしてきてしまったところで、その木材の利用の技術革新も実は遅れているところが現実でございます。
 このため、農林水産省においては、大規模木造建築物などにも活用可能なCLT、直交集成板等の木質建築部材に係る技術の開発やCLTを用いた先駆的な建築物の建築等の実証への支援とともに、構造計算に必要な強度性能が明示されたJAS構造材の需要拡大を通じた非住宅分野の木造建築物の促進や、高い耐火性能が求められる都市部の建築物や大規模な建築物に使われる木質耐火部材の開発や利用促進等への支援などに取り組むこととしているところでございます。
 なお、民間事業者において、都市部における高層の建築物を木造化する構想がどんどん発表されておりまして、その実現に向けて取り組まれているところだと考えておりまして、こういう民間企業との取組とも連携しながら、建築物の木造化に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

#132
○須藤元気君 ありがとうございます。是非、何かハイブリッドな法隆寺みたいな建物みたいので、是非しっかりとやっていただきたいと思います。
 一方、木材の利用は建築物に限られるものではありません。燃料として燃やすという利用も、化石燃料の代替という点で大いに意義があるのではないでしょうか。付加価値の向上という点ではより高度な形での木材利用を模索していく必要があると考えますが、このような観点から、木質系の新素材の開発の状況、今後の活用の可能性について教えてください。

#133
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 木質バイオマスを先進的な技術により新素材として有効利用することは、石油由来のプラスチックの代替や、このことを通じて温室効果ガスの排出抑制ともなるとともに、新たな需要の創出や未利用木材の高付加価値化につながり、地域における新たな産業や雇用の創出が期待できると考えております。農林水産省では、これまで補助事業等により新素材の技術開発、実証を進めてきたところでございます。
 また、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて令和二年十二月に策定された二〇五〇年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略において、改質リグニン、セルロースナノファイバーなどの木質バイオマス由来の新素材開発を推進することとしており、令和三年度予算においても、木質バイオマス由来の新素材の開発、実証への支援を計上しておるところでございます。また、現在、改質リグニンの実証プラントの整備を茨城県内で実施中でございます。
 木質系新素材は、高強度、軽量というような特性を生かして、自動車部材を始めとする付加価値の高い用途への活用が有望と考えておりまして、木質系新素材による新たな価値の創造と林業の成長産業化を進めてまいりたいと考えております。

#134
○須藤元気君 都市部で生まれ育っても、木材に触れるだけでなく、森や自然とのつながりを持つことは重要ではないでしょうか。
 昨年来の新型コロナウイルス禍において、都会の密を避けるレジャーとして、キャンプの人気が高まっております。私は、昨年、千葉県と山梨県にキャンプへ行きましたが、やはり予約をするときに少し苦労しました。先日、そしてキャンプ用品店に行ったんですが、スタッフの方に聞くと、かなり売上げを伸ばしているとのことです。
 あと、最近、グランピングというものがはやっています。これは、グラマラスとキャンピングを組み合わせた言葉で、魅力的なキャンプといった感じでしょうか。あの星のやで有名な星野リゾートさんも、グランピングをコンセプトにした宿をつくったりしています。
 グランピング施設では、キャンプ用品や食材、食事などがあらかじめ用意されているため、気軽に豪華なキャンプを楽しむことができます。正直言いまして、私のキャンプスタイルはキャンプというよりちょっとサバイバルに近いので、このグランピングに多少ちょっと違和感がありますが、それはさておき、このような形で森林に足を運ぶ機会が増えていき、そしてもっとキャンプ需要が増えるようになれば、都市部の住民に森林の良さを伝えるとともに、山村の活性化にもつなげることができると考えます。
 このように、森林という場所を使って森林への理解を深め、また山村への収益を上げていくことも重要と考えますが、農林水産省の取組状況と今後の方針を伺います。

#135
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 日本の森林地域の中には、伐採をできないというような地域ですとか木材の利用の難しい地域もございます。そういうところでは、木材を売り物にするのではなくて、まさに森林空間を売り物にするということで、健康、観光、教育など多様な分野で活用して、山村地域に新たな雇用と収入機会を生み出す森林サービス産業の創出推進に林野庁として取り組んでいるところでございます。特に、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、キャンプ場など三密でない森林空間や山村地域でのワーケーションに注目が集まっているところでございます。
 森林サービス産業の先進的な地域では、現在、企業との協定締結により、森林セラピーを組み込んだ健康経営としての社員研修プログラム等の提供を進めるとともに、森林内で樹上での冒険を楽しむフォレストアドベンチャーの導入等による集客力の向上などに取り組んでいるところでございます。また、本地域では、体験プログラムを案内するガイドの所得確保やサービス利用者の滞在に伴う宿泊、飲食業界等への経済波及など、山村振興への効果も期待されております。
 林野庁としても、今後とも、森林サービス産業の創出推進に向けて、関係する民間企業、団体への情報提供にも取り組んでいくなど、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えております。

#136
○須藤元気君 ありがとうございます。
 木づかい運動のイメージキャラクターとして、有意義な質問ができました。これからも国産材の利用をどんどん広めていけるように頑張っていきたいと思います。
 ありがとうございました。

#137
○委員長(上月良祐君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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