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2021/03/11 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 予算委員会 第9号 令和3年3月11日
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2021/03/11 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 予算委員会 第9号 令和3年3月11日

#1
令和三年三月十一日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十日
    辞任         補欠選任   
     若松 謙維君     下野 六太君
 三月十一日
    辞任         補欠選任   
     石井 苗子君     片山 大介君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 順三君
    理 事
                青木 一彦君
                滝波 宏文君
                馬場 成志君
                藤川 政人君
                白  眞勲君
                森 ゆうこ君
                石川 博崇君
                浅田  均君
                山添  拓君
    委 員
                青山 繁晴君
                磯崎 仁彦君
                上野 通子君
                片山さつき君
                北村 経夫君
                佐藤 正久君
                進藤金日子君
                高階恵美子君
                高野光二郎君
                藤木 眞也君
                古川 俊治君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                宮島 喜文君
                宮本 周司君
                山田 修路君
                山田  宏君
                石川 大我君
                打越さく良君
                熊谷 裕人君
                小西 洋之君
                田島麻衣子君
                福島みずほ君
                宮沢 由佳君
                河野 義博君
                塩田 博昭君
                下野 六太君
                杉  久武君
                片山 大介君
                柴田  巧君
                礒崎 哲史君
                浜口  誠君
                矢田わか子君
                岩渕  友君
                大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     武田 良太君
       法務大臣     上川 陽子君
       文部科学大臣
       国務大臣     萩生田光一君
       厚生労働大臣
       国務大臣     田村 憲久君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  梶山 弘志君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 加藤 勝信君
       国務大臣
       (復興大臣)   平沢 勝栄君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災、
       海洋政策))   小此木八郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、規
       制改革))    河野 太郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    西村 康稔君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(マイナ
       ンバー制度))  平井 卓也君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    丸川 珠代君
   副大臣
       外務副大臣    宇都 隆史君
       財務副大臣    中西 健治君
       国土交通副大臣  岩井 茂樹君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局民事局長   門田 友昌君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤井 亮二君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       藤井 敏彦君
       内閣官房内閣審
       議官       時澤  忠君
       内閣官房領土・
       主権対策企画調
       整室土地調査検
       討室長      中尾  睦君
       内閣府大臣官房
       審議官      伊藤  信君
       内閣府地方創生
       推進室次長    長谷川周夫君
       内閣府政策統括
       官        青柳 一郎君
       復興庁統括官   角野 然生君
       総務省大臣官房
       長        原  邦彰君
       総務省国際戦略
       局長       巻口 英司君
       法務省大臣官房
       政策立案総括審
       議官       竹内  努君
       外務省大臣官房
       審議官      赤堀  毅君
       外務省大臣官房
       審議官      岡田 恵子君
       外務省大臣官房
       参事官      安東 義雄君
       文部科学省高等
       教育局長     伯井 美徳君
       文部科学省研究
       開発局長     生川 浩史君
       厚生労働省大臣
       官房高齢・障害
       者雇用開発審議
       官        達谷窟庸野君
       厚生労働省医政
       局長       迫井 正深君
       厚生労働省健康
       局長       正林 督章君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  鎌田 光明君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  坂口  卓君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    渡辺由美子君
       厚生労働省人材
       開発統括官    小林 洋司君
       経済産業省大臣
       官房福島復興推
       進グループ長   須藤  治君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        井上 智夫君
   参考人
       内閣官房内閣審
       議官       奈良 俊哉君
       総務審議官    吉田 眞人君
       総務省大臣官房
       付        谷脇 康彦君
       総務省大臣官房
       付        秋本 芳徳君
       総務省大臣官房
       付        湯本 博信君
       東京電力ホール
       ディングス株式
       会社代表執行役
       社長       小早川智明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○令和三年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○令和三年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○令和三年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(山本順三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 議事に先立ちまして、一言申し上げます。
 数多くのかけがえのない命が失われ、かつてない被害をもたらした東日本大震災の発災から本日で十年を迎えます。
 ここに、改めて、犠牲になられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。
 どうぞ御起立をお願いいたします。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕

#3
○委員長(山本順三君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ─────────────

#4
○委員長(山本順三君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 令和三年度総予算三案審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官奈良俊哉君、総務審議官吉田眞人君、総務省大臣官房付谷脇康彦君、総務省大臣官房付秋本芳徳君、総務省大臣官房付湯本博信君及び東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長小早川智明君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#6
○委員長(山本順三君) 令和三年度一般会計予算、令和三年度特別会計予算、令和三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。
 田島麻衣子さんの関連質疑者白眞勲君の残余の質疑を行います。白眞勲君。

#7
○白眞勲君 新谷副大臣の公設秘書が接待を受けていたという週刊文春の記事がありますけれども、こういう方が検証委員会のトップで真相究明ができるわけないんではないかなというふうに思うんですけれども、交代させるべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#8
○国務大臣(武田良太君) 現在省内で行っている倫理法違反の疑いのある事案の調査について、検事経験のある弁護士の方にも参加いただき、常に第三者のチェックをいただきながら、正確かつ徹底的に真相究明を進めてまいりたいと考えております。
 今後は、こうした疑念を招くことが二度と起こらないよう、私自ら先頭に立ち、総務省一丸となってコンプライアンスを徹底的に確保し、国民の信頼回復に努めてまいる所存でございます。

#9
○白眞勲君 NTTと会食したかどうかも答えられない大臣の下で調査がきちんとできるわけないんではないかな。
 大臣、やっぱりお辞めになった方が真相究明になるんではないかということを最後に申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#10
○委員長(山本順三君) 以上で田島麻衣子さん及び白眞勲君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#11
○委員長(山本順三君) 次に、塩田博昭君の質疑を行います。塩田博昭君。

#12
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
 今日、東日本大震災から十年を迎えました。犠牲になられた方々とその御遺族に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。公明党はこれからも被災者の皆様にしっかり寄り添って、復興にしっかり取り組んでまいります。
 それでは、質問に入らさせていただきます。
 首都圏における緊急事態宣言が延長をされまして、この二週間がやはり勝負の二週間であるということで、コロナウイルスをどれだけ抑え込むことができるのかが問われております。一都三県の新規感染者数は減少傾向にあるものの、病床使用率が高い地域がまだありますので、医療の逼迫は随所に見られております。一都三県、そして、変異株の問題、イギリス型、南アフリカ型などの変異したウイルスの拡大リスクが高まる中で、クラスターの発生抑止やリバウンドをさせないためにはやはり国民の協力が必要であると、こう思います。
 そこで、国民に更に努力をしていただく以上、緊急事態宣言の今、今日一日どうだったのかについて、西村大臣、コロナウイルスの担当大臣としまして、毎日の会見を死守していただいた上で国民の疑問により具体的に答え、情報提供していただきたいのであります。緊急事態宣言の延長を打ち出せば国民が勝手に努力をしてくれるわけではございませんので、政府が丁寧に国民に寄り添った情報を提供してこそ国民が頑張りがいがあるのではないか、このように考えますが、いかがでしょうか。

#13
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 まさに、この新型コロナウイルス感染症の対策、対応に当たっては、国民の皆様お一人お一人の御協力が不可欠であります。ピークからここまで八割方陽性者の数が減少したのも国民の皆様の御協力のおかげだというふうに思っております。改めて感謝申し上げたいと思います。
 そうした皆様に共感を持っていただけるような情報発信することが何より大事だというふうに強く認識をしているところであります。これまでもできる限り分かりやすくということで、パネルやモニターを用いてデータなども示しながら、できるだけ丁寧に説明しようということを心掛けて対応してきたところであります。
 御指摘のように、昨年八月上旬ぐらいまで、いろんなことが分からなかったことも多かったものですから、毎日、休日も含めて記者会見を行って丁寧に説明をしてきていたわけでありますけれども、その後、様々ないろんな知見も分かってきたということもあって、土日、休日はですね、必要があるときのみ行うこととしております。閣議後の会見あるいは分科会の後、あるいは、その他経済関係の会議、経済指標の発表などのときも、併せてコロナの状況も含めてその都度説明をしてきているところでありますけれども、連日、これ休日も含めて記者会見開くということはこれ職員の負担にもつながるということで、この辺り、記者会とも相談しながら、適時適切なタイミングで正確な情報を、そしてデータをしっかりお示しして迅速に伝えていければと考えております。会見をしない日も、様々なデータについては毎日公表をし、また、必要なことを貼り出しをしたり、あるいはSNSなどでも発信をしてきているところであります。
 そして、私だけでなく、より正確な情報をお伝えするという観点から、例えば、専門家である、医師である忽那先生に発信をしていただいたり、尾身先生に発信していただいたり、今、忽那先生は、新宿のあのビジョンとか渋谷の街頭のビジョン、ここでも若者に対しても呼びかけを継続して行ってきております。
 そうしたことも含めて、私自身も国民の皆様に共感を持っていただけるよう、できるだけ丁寧に、そして正確な情報をお伝えし、共感を持って協力していただけるように、これからも心掛けて対応していきたいというふうに考えております。

#14
○塩田博昭君 今、西村大臣からもお話がありましたが、大臣もほぼ毎日のように記者会見もされておりまして、ただ、それが、しっかりマスコミにも取り上げていただけるような重要なやっぱり情報提供ということが国民の安心にもつながるというふうに思っていますので、是非その点お願いをしたいと思います。
 そして、海外に住む在外邦人のワクチン接種に対する支援について伺います。
 在外邦人は約百四十一万人に上るとのことでございますが、居住地が先進国なのか途上国なのかによっても状況は当然異なると思います。外務省は、海外に住む日本人のワクチン接種を支援するために、各国の接種状況や医療体制の調査をもう既にし始めていると伺っております。特に途上国では、自国民に対してもワクチン接種のめどが立っていない国も多いため、日本政府からの支援を期待する声が高まっています。ワクチンを手配するといっても、輸送網の整備されていない国へどう届けるのか、誰が接種するのかなどの課題があります。
 どう支援するのか、今後の方針が決まった国から順次外務省のホームページに掲載するとかの国別の大綱を、対策をですね、掲載をしていただけないか、宇都外務副大臣、いかがでしょうか。

#15
○副大臣(宇都隆史君) 二点についてお答えいたします。
 まず、世界各国、地域において新型コロナウイルスが拡大する中、在外の邦人の安全確保は外務省の最も重要な責務の一つであると強く認識をしております。
 その上で、まず、邦人へのコロナウイルスワクチンの接種につきましては、一時帰国を含む帰国時に接種を受けられる体制を構築すべく、現在、厚生労働省において具体的な手続、スケジュールの検討を行っていただいているところでございます。具体的な対応は固まり次第お知らせできるかと存じます。
 また、海外における先ほどの情報に関してですが、各国における接種の状況、体制、医療事情、また補償の制度や、承認済みあるいは承認プロセスが進んでいるワクチンの種類別につきまして鋭意情報収集を行っている状況でございまして、その情報は領事メールを通じまして各邦人関係者に随時提供している状況にございます。
 引き続き、個別状況をきめ細かく踏まえながら必要な対応を取ってまいります。

#16
○塩田博昭君 しっかり海外の状況についてもお知らせをいただきたいと、このように思いますので、よろしくお願いします。
 そして、ファイザーのワクチンに次いで、今、イギリスのアストラゼネカ社のワクチンが二月五日から承認申請をされております。日本に一億二千万回分を供給することで合意をしており、このうち九千万回分は国内で製造することになっております。大半を国内で生産することから、安定供給が見込めるため、いつ承認されるのか、この期待が高まっております。
 国内生産体制の整備費には、第二次補正予算に盛り込まれておりますけれども、一つは、承認時期はいつ頃なんでしょうか。アストラゼネカ製は今後の承認をにらんで国内で原液生産を進めているとの話もございますけれども、既にどれぐらいの量がプールできているのでございましょうか。また、承認後の一日の生産量はどれぐらいになるのでしょうか。
 この三点とともに、このワクチンなら通常の冷蔵庫で長期保管できるため、接種機会が大きく広がると思うんですね。田村厚労大臣、可能な範囲でお答えいただきたいと思います。

#17
○国務大臣(田村憲久君) アストラゼネカ社のワクチンですけれども、委員おっしゃられましたとおり、二月の五日に特例承認の申請が出てまいりました。今、PMDAで順次これ最優先で有効性、安全性確認しておりまして、今月中に国内の治験データを提出をいただける予定であるということはお聞きをいたしております。早急にしっかりと審査をしてまいるということであります。
 一方で、これ、一月の二十七日でありましたけれども、国内で九千万回分を生産をする、そういう準備に入るということで御報告をいただいております。残念ながら、企業のこれ情報でございますので、どれぐらい一日当たり生産能力があるのかでありますとか、また、どういうような原液等々の準備しているのかということに関しましては、これはちょっと我々も十分に把握するということもなかなかできないわけでありますし、それ把握できたとしても、情報としてお流しするわけにはいかないものでありますので、その点は御了承いただきたいというふうに思いますが、いずれにいたしましても、国内でワクチンを生産をいただけるということは非常に安定供給というものに資するというふうに思っておりますので、我々としても期待をいたしております。
 しっかりと審査をした上で承認が得られれば、そのような形で準備に入ってまいりたいというふうに考えております。

#18
○塩田博昭君 もちろん、企業がやっていることですので、言えないことも当然あるかと思います。ただ、可能な限り国民に情報を提供することがやはり国民の安心につながって、国民も努力していこうということにつながると、このように思いますので、是非その点よろしくお願いをしたいと思います。
 そして次に、ワクチン接種が各地で本格化したときに、高齢者や移動が困難な人への移動支援について伺いたいと思います。
 移動手段への支援については、バスは補助対象のようでありますけれども、不便な地域ではタクシーを利用せざるを得ないこともあると思います。本人が勝手に例えばタクシーに乗って接種会場に行った場合は支援は難しいと思いますけれども、例えば市町村と事前の取決めがあった場合の利用の仕方とか、そのほか、どのような移動支援が可能なのか、また介助者への支援についてもお答えいただきたいと思います。
 河野大臣、いかがでしょうか。

#19
○国務大臣(河野太郎君) そうした高齢の方の移動手段の確保は非常に大事なことだと思っております。自治体で様々御検討をいただいておりまして、乗り合いの送迎バス、あるいは地域によってはバスを使って巡回接種をする、そのような計画をされているところもあるようでございます。
 自治体の創意工夫に応じて、我々は全額しっかりと財政的な補助はいたしてまいる所存でございます。

#20
○塩田博昭君 ありがとうございます。
 なるべくいろんな交通支援についてもお願いを、移動支援についてお願いしたいと、このように考えております。
 そして次に、コロナ禍の下で多くの人がやはり正確な情報を求めておられます。しかし、コロナのような人類を脅かすような感染症が起きたときに、国民が安心して情報を得られる場がなかなかないんですね。もちろん、厚生労働省はホームページを使って、かなり内容も刷新していただいて、情報提供、またQアンドAなど、情報発信に頑張っていただいております。ただ、より分かりやすい情報提供に更に努めていただきたいと、このように思うんですね。
 コロナなど感染症においては、検診と受診、二つ目に研究と開発、そして三つ目に情報発信と、この三本柱、私はやはり重要だと、このように思います。ただ、検診と受診体制の構築、そして研究開発に一生懸命になり過ぎて国民への情報提供が不十分ではやはり国民が置き去りにされてしまうと。もっと国民に寄り添った情報提供への工夫をお願いをしたいと思います。
 改めて、田村大臣の決意を伺います。

#21
○国務大臣(田村憲久君) 昨年からホームページでいろんな情報を流させていただいておるんですが、なかなか分かりづらいでありますとか、どこにあるか分からないというようないろんな御意見いただきました。
 十一月、昨年十月ですか、十の知識というものを、これ分かりやすい、そういうような形でお示しをすると同時に、今までのホームページで出していたものも特設ページを作りまして、例えば感染者数や、また重症者数、死亡者数、こういうものをグラフ、絵といいますか、ビジュアルで見て分かるような、そういう分かりやすいものをリニューアルしまして開示をさせていただいております。
 いずれにいたしましても、ツイッターでありますとかSNSを通じてより国民の皆様方に分かっていただけるような情報発信していかなきゃなりませんし、そこにその情報があるということがまず分かっていただかないとアクセスしていただけないので、そういう部分での広報も含めてしっかりと国民の皆様方に情報をお伝えしたいと思います。
 特に変異株、これ、大変国民の皆様方、心配いただいておりますので、十の知識に新たに一つ加えて十一の知識という形で変異株に当たってのいろんな情報も提供させていただき、随時、新しい情報が入ってまいりましたら、またそれをリニューアルをしてまいりたいというふうに考えております。

#22
○塩田博昭君 では、ちょっと時間がございませんので一問飛ばして、コロナによるがん患者への影響についてお伺いをしたいと思います。
 今、がん検診受診率の低下、また医療機関への受診控えなどがこのコロナの影響で起こっておりまして、正しい情報発信の重要性が高まっていると、このように思います。
 国立がん研究センターは、がん研究とともに、国民向けのがん情報提供分野を担っておられます。国民が一体どこでがん情報を得ているのかという調査について、昨年十一月十九日の厚生労働委員会で田村大臣にもお聞きいたしました。国立がん研究センターのがん情報サービスが情報を得る手段の四番目であったということに、田村大臣は、少なくても三位、二位に上がるように支援していきたいと、このように御答弁いただきました。
 あれから四か月がたちますけれども、田村大臣、何か御支援を御検討いただいたでしょうか。

#23
○国務大臣(田村憲久君) 正しいがん情報をお伝えすること大変重要でありまして、これ、第三次がん対策推進基本計画でもその旨示されているわけであります。委員からもいろんな御意見を賜っております。やはり、科学的根拠に基づく情報を迅速に提供するための体制整備、これ重要でありまして、これに対する研究、これを今現在行っておりまして、あわせて、がんとの共生のあり方に関する検討会、ここで、やはり情報サービス提供の在り方、こういうことを議論をいただいております。
 いずれにいたしましても、この国立がんセンター、これを通じて、がん研究センターを通じて、がん情報サービスについてはこれしっかりと予算をまず確保すること、そして、委員いつもおっしゃられておられますこの運営費交付金、予算を確保しても本来のこの情報発信に使われなければいけないということでございますので、運営費交付金というような、その色合いといいますか、そういうような、何といいますかね、お金が入ったものに対しての使い方というのはあるわけでありますが、自由度はありますけれども、そこにおいてしっかりと情報発信にも必要なものをお使いをいただけるように我々の方からもしっかりとお伝えをさせていただきながら、よりアクセスをしやすい、情報に、そういうような環境を整えてまいるように努力してまいりたいというふうに思います。

#24
○塩田博昭君 私は、やはりなかなか支援が進んでいるとは思えないんですね。
 田村大臣は、国立がんセンターのこの情報提供のウエブサイトって、これ御覧になったことはございますでしょうか。大臣も見ておられるということですので、内容についてはかなり、私が、私の目で見てもかなり情報が古いというようなことがあります。
 そういう中で、例えば、更新頻度が遅いために、急性骨髄性白血病のところを見ますと、六年前に更新されて以来、更新が今ないんですね。この部署を担っている人は決して頑張っていないというわけではないと思うんですね。頑張っていただいています。だけれども、やはり情報が古いというのは、結局、予算が足らなかったり、人的支援の不足が原因なんだと思うんですね。
 国立がん研究センターという研究機関の位置付けからして、やっぱりなかなか、運営費交付金の一部の限られた中でやろうとすると、どうしても限界があると。そういうことを考えると、特にがんというのは国民の二人に一人が罹患するという大変国民病になっている病気ですから、ここについてはせめて別建てで予算を付けるぐらいのやはり検討をお願いしたいと、このように思います。
 改めて大臣にお伺いいたします。

#25
○国務大臣(田村憲久君) 委員の問題意識あられること、私も事務方から聞きまして拝見をさせていただきましたけど、言われるとおり、情報が遅いといいますか、やはり新しい情報にどうやってアクセスしていくか。
 やっぱり一番国民の皆様方にとってはがん研のいろんな情報発信というものはアクセスしやすい部分になってきますので、そこでアクセスして、十分に今自分自身が置かれた立場で必要な情報というものが入らないとやはり不安になってしまう。それによって誤った情報にアクセスして、また治療法が、ちゃんとした治療ができなければ悪化をさせてしまうわけであります。
 そういう意味では、運営費交付金というようなものの中での情報発信の費用というもの、それの使い方等々も含めて我々いろいろとがん研の方にはいろんなアドバイスしていきたいと思いますが、それ以外に何らかの方法はないかというお話でございますので、しっかりと委員の御意見も踏まえながら検討させてまいりたい、いただきたいというふうに考えております。

#26
○塩田博昭君 是非、今大臣が大変前向きな御答弁いただきましたので、是非よろしくお願いをしたいと思います。
 次に、東京オリンピック・パラリンピック大会に向けたスマートフォン用のアプリについて関係大臣にお伺いしたいと思います。
 まず、先月、二月三日に初版が公表されました東京オリンピック・パラリンピック大会のプレーブックによりますと、入国する選手や関係者に対して、接触確認アプリCOCOAをまずダウンロード、そしてインストール、登録すると、このようになっております。
 今後方針が変わらないとすれば、私も実は、昨年九月末から四か月以上機能しなかったアンドロイドの携帯電話を私も持っている一人でございますので、機能していなかったのかと愕然としたことがございましたが、COCOAは本当に大丈夫なのかとやっぱり心配になる部分もあります。
 厚生労働省内に調査チームを設けて、外部のIT専門家などを招いて検証作業を進めていると認識をしております。今後、日本に入国する世界中の人々がCOCOAを利用するわけですから、もうトラブルは許されないわけですね。内閣官房のIT総合戦略室とも連携をして、システムを抜本的に見直すことも視野に入れた改修、アップデートを強く望みたいと、このように思います。例えば、陽性者が登録をしなければその後連動しない今のシステムでよいのか、このこともちょっと気になります。
 検証作業の進捗状況とCOCOAの信頼回復に向けた抜本的な見直しの可能性など、田村厚労大臣、決意と所見をお伺いしたいと思います。

#27
○国務大臣(田村憲久君) 度重なる不具合で大変国民の皆様方に御迷惑をお掛けをいたしたわけでありまして、心からおわび申し上げます。
 性質上、そのオープンソースから開発をしておるということで、ある意味APIも変わるでありましょうし、OSも変わる、もちろん端末も新しいものがどんどん入っていくという中で、どんどんどんどん新しくリニューアルしていかなきゃならないという、そういう意味では、みんなでつくっていただくような、そういうアプリであるというふうに認識いたしておりますが。言われるとおり、COCOA不具合調査・再発防止検討チーム、これ、昨年九月二十八日のバージョンアップ後のその経過についてしっかりと今調査をいただいております。
 その上で、まあ正直言って、非常に厚生労働省だけでこれをいろんな形で修正していくというのは難しいものでありますから、今言われたとおり、IT戦略室、総合戦略室においてしっかりと対応いただくといいますか、お助けをいただきながら、これに対して、これからの部分に関してもいろんな不具合出てくると思います。
 やっぱりこの民間の技術者の方々、いろんなボランタリティーの中で意見交換されております。GitHubというような、そういうサイトがあるわけでありまして、そういうところの御意見もしっかりと聞いていかないと、これ、どうしてもいろんな不具合を早い段階で察知できないということもございますので、そういう意味では、この内閣官房の情報通信技術総合戦略室、IT総合戦略室でありますけれども、ここの皆様方のお力をお貸しをいただきながら、平井大臣からもいろいろと御指導をいただいて、このアプリというものがより国民の皆様方に信頼がいただけるようなものに、これからも不断の努力を進めてまいりたいというふうに考えております。

#28
○塩田博昭君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
 そして次に、もう一つのアプリでございますが、仮称、オリンピック・パラリンピック観客等向けアプリについて官房長官にお伺いをしたいと思います。
 三月三日の五者会議では、政府が海外からの観客受入れを見送る方向で調整に入った、このような報道も今もう既にあります。
 ただ、万一そうなれば、この観客等向けアプリについて、アプリユーザーの規模感や開発の要件、また予算などを見直す必要はあるのでしょうか。もしその場合に、海外の観客が難しくなった場合、ほかに活用するということも御検討されているのかどうか、併せてお伺いいたします。

#29
○国務大臣(加藤勝信君) まず、東京オリンピック・パラリンピック大会の海外からの観客の扱いについては、先週の水曜日に開催された五者協議において、国内外における感染状況や防疫措置、専門家による科学的知見等を勘案して三月中に判断するということで合意されたところでございます。
 御質問のありましたシステムについては、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に開発を進めており、我が国を訪れる選手、スタッフ、大会関係者にも活用いただくことをまず想定はしております。
 他方、必ずしもオリパラ向けに用途を限定しているわけではなく、日本に入国される方向けに、入国前の査証申請、入国時の審査や検疫、税関での手続、滞在中の健康管理など、様々な手続を一つのシステムで一体的に管理をすることとしております。
 現在、このシステムには関係省庁多数またがることから、木原補佐官を中心に一体となって検討を進めさせていただいておりますが、そうした検討において、仮にいろいろ状況が転じていけば、その状況も踏まえながら必要に応じた見直しを行っていきたいと考えております。

#30
○塩田博昭君 ちょっと時間ございませんので、更にちょっと一問飛ばさせていただいて。
 このアプリの開発目的は、来日する選手や関係者向けの健康管理アプリであり、コロナ感染者の早期発見のためであると思います。
 そこで、COCOA等の併用するかどうかというようなこともあると思いますけれども、今からちょっとお聞きしたいのは、昨年十二月二日に発表された東京オリンピック・パラリンピック競技大会における新型コロナウイルス感染症対策調整会議、いわゆる調整会議でありますけれども、その中間整理を読むと、アプリという言葉が何か所も出てまいります。
 例えば引用しますと、アプリによる健康状態の報告、陽性判明時に陽性登録を行うため、接触確認アプリを利用、陽性者が判明した場合、地図アプリで位置情報を保存、アスリート等は接触状況の把握、健康観察、位置情報の保存、検査情報等を効果的に把握する各種アプリを常時所有の携帯電話に導入すると。いろんな引用がございまして、平井大臣、オリンピックでこうしたアプリを活用する以上、国家の威信を懸けて開発と万全のテストを実施した上でのリリースを強く求めたいと思います。
 平井大臣の決意を伺います。

#31
○国務大臣(平井卓也君) 先生のおっしゃるとおり、確かにそのアプリは非常に便利なものですから、あらゆる政策で検討されて進んでいるということだと思います。
 COCOAについては、先ほど厚労大臣からお話がありましたとおり、我々のIT総合戦略室と厚生労働省の連携チームが発足して、現時点では順調に動いているということでございます。
 また、オリンピック・パラリンピックの観客向けのシステムに関しても、内閣官房IT総合戦略室においてその開発等の進捗管理をしっかりとやって、関係省庁の検討を踏まえたいろいろな結果を開発の中にしっかりと進めてまいりたいというふうに思っています。
 ただ、今後、九月にデジタル庁が発足したら、さらにこのプロジェクトの組成、予算要求段階から、システム開発の必要性や内容を精査した上で統括管理をすることができるようになりますので、もっと分かりやすいシステムの構築ができると考えております。
 いずれにせよ、もう全力を尽くしてやりたいと、そのように思います。

#32
○塩田博昭君 では次に、防災・減災の観点から、一級河川多摩川の治水対策について国土交通副大臣に質問をしたいと思います。
 二〇一九年十月の台風十九号では、私の地元の世田谷とかまた大田で、四十戸以上の浸水、堤防のない地域での溢水、多摩川に注ぐ支流、下水道での逆流現象、内水被害が起きまして、約一万七千人が避難するという甚大な被害が起こりました。
 そこで、公明党は、流域自治体の議員をメンバーにして多摩川流域治水対策プロジェクトチームというのを立ち上げまして、現場の視察、調査、要望活動を展開をしております。昨年二月二十七日には、多摩川氾濫の被害を受けた川崎市と世田谷区、大田区のそれぞれの市長さん、区長さんにもおいでいただいて、赤羽国交大臣に多摩川の治水対策を早期実施するように要請もさせていただきました。そして、国を始め関係機関が連携をして、多摩川緊急治水対策プロジェクトが取りまとめられましたけれども、国交副大臣、この緊急治水対策プロジェクトについて、無堤防地域の堤防工事の取組を含めて、全体の進捗状況を教えてください。

#33
○副大臣(岩井茂樹君) お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、令和元年の東日本台風において多摩川も大変甚大な被害を受けました。
 国土交通省では、これを受けまして、多摩川流域において、令和元年東日本台風と同規模の洪水でも再度災害を防ぐことを目標にいたしまして、まずは堤防の整備、河道掘削や堰の改築、それなどをやるための費用約百九十一億円の治水事業を五年間で集中的に実施をいたします多摩川緊急治水対策プロジェクトを昨年一月に策定をさせていただいて、現在、対策に着手をさせていただいているところでございます。
 その中身としては、まず、令和元年東日本台風において被災した護岸については今月中に復旧を完了させます。次に、水位低下のための河道掘削については、五年間で二十五メートルプール約三千三百杯分、体積でいうと全体で約二百万立米を計画をしておりまして、今月までに河口部を中心に約十万立米を掘削をし、さらにその後、中流部においては強力にその方向性で推進をしていきたいと考えております。
 また、二子玉川地区については、無堤防というお話もございましたが、今年の出水期までには、令和元年東日本台風と同規模の洪水で、それが起こったとしてもあふれないような高さまで、これ暫定的ではございますが、堤防を整備を進めさせていただくとともに、最終的には、令和六年度までには更に高さを上げさせていただきまして、幅を広げた形で堤防を完成させていただきたいと考えております。
 地域の皆様が本当に日々暮らすために、安心、安全、これはまさに政治がやらなければいけないことだと思っております。引き続き、本プロジェクトを着実に、早急に進めていきたいと思っております。
 以上です。

#34
○塩田博昭君 人の政策、人の命を守る政策をしっかり進めていただくよう強く求めまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#35
○委員長(山本順三君) 以上で塩田博昭君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#36
○委員長(山本順三君) 次に、柴田巧君の質疑を行います。柴田巧君。

#37
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
 東日本大震災から十年目ということで、私の方からも改めてお亡くなりになった方の御冥福をお祈り申し上げ、被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。
 我々日本維新の会は、これまでもこの震災復興に取り組んでまいりましたが、引き続き、生活の復興、また震災対策に一生懸命取り組んでいくことを申し上げ、質問に入らせていただきたいと思います。
 文科大臣、次の御予定があるということなので、質問の順序を入れ替えまして、技術流出の防止策からお聞きをしたいと思います。
 御案内のように、このいわゆる米中の覇権競争の影響を受けて、ハイテク分野などで米中のデカップリングが進行しています。これはますます顕著なものになってくると予想されますが、日本はこれまでどちらかというと、技術を守る、そういう視点や対応が非常に一貫して欠けていたと言わざるを得ないと思っております。安全保障上、機微な技術の管理で大きく出遅れているということになるわけで、しっかりとこれは整えていかなければなりません。
 そこで、まずお聞きをしたいのですが、武器や大量破壊兵器などにつながる技術を海外に流出させることはいわゆる外為法などで規制をされております。そして、留学生らにメールや電話、会議などで伝えることも規制対象となっているわけで、政府においては、そういう大量破壊兵器等開発等が疑われる外国の企業や研究機関をリスト化をして、留学生もリストにある機関などの出身者ではないか、大学側に確認を求めているところです。
 ところが、先般、報道にもありましたが、経産省、文科省の調査によれば、この原子力やバイオなど軍事転用可能な技術を防ぐため、政府は留学生や外国の研究者を受け入れる大学にこの出身の確認をするよう求めていますが、多くの大学で身元調査を実施していなかったというのが明らかになり、特に私立が多いわけですが、また、過去の研究内容、帰国後の就職予定先等を、受け入れるときの確認の手続を定めているものも私立は六割が定めていないというふうな状況で、大変ゆゆしきことだと思っております。
 こういう状況を、事態をどのように文科省としては受け止めているのか、また、この大学研究者の機微技術を海外に流出させないための防止策を強化すべきだと思いますが、併せて文科大臣にお聞きをしたいと思います。

#38
○国務大臣(萩生田光一君) お答えします。
 御指摘の調査は、外為法を踏まえた輸出管理に関して、大学の体制整備等の状況を把握し、徹底を促すため、文部科学省と経産省で共同で実施をしているものです。
 この昨年度の調査においては、外国人留学生、研究者等を受け入れる際に出身組織を確認している大学は国公立大学で九〇%、私立大学で約六三%であり、過去の研究内容及び帰国後の就職予定先等の確認手続を定めているものは国公立大学で八〇%、私立大学では約四二%でした。
 大学には安全保障の観点から外為法に基づく機微技術の流出防止等の取組が求められておりますが、文部科学省としては、機微技術が適切に取り扱われるよう、経済産業省等と連携し、大学等における体制整備を進めてきたところです。
 さらに、統合イノベーション戦略二〇二〇では、流出を防止すべき技術を守るための具体的な取組として、外国からの研究資金の受入れの在り方や大学等における内部管理体制の強化といった内容が含まれており、関係府省とも具体策を検討を進めています。文科省としても、本年四月からは担当参事官を設置をし、体制を強化することを予定をしております。
 決して留学生や研究者を色眼鏡であらかじめ見ることを目的にしておりませんけれど、先進国ではこういったことはスタンダードになっております。日本だけが穴が空いて、日本から万が一国際的な価値を共にする友好国に御迷惑を掛けるようなことがあってはならないと思っておりますので、大事なことは、現場の研究者が萎縮することがないようにしっかり留意をしつつ、関係府省と検討を進め、科学技術イノベーションの発展と技術流出防止の両立を図ってまいりたいと思います。

#39
○柴田巧君 ありがとうございました。
 おっしゃるとおりで、他国では徹底的なバックグラウンドの調査をしたりをいたします。これからの研究費の、海外からの研究費の開示もやっていかなきゃならぬということになりますので、文科省の役割大変大きくなると思いますが、しっかり対応していただきたいと思います。
 文科大臣におかれては、もうこれで結構でございます。御退室いただいて結構と、委員長、よろしくお願いします。

#40
○委員長(山本順三君) 萩生田文科大臣におかれましては、御退席されて結構でございます。

#41
○柴田巧君 続いて、いわゆる非公開特許についてお尋ねをしたいと思います。
 この技術流出は、他国の軍事転用の、他国における軍事転用のリスクを伴うほか、我が国の企業の産業競争力、国際競争力を落としていくということにもなるわけで、よって、研究開発成果の公開の在り方についてはこの機微技術管理の観点から検討していく必要があると思っています。いわゆる非公開特許のそういう意味では早期導入を検討すべきだと思っていますが、これについてようやく日本でも検討されるようになったと。G20では日本ともう一つのメキシコぐらいしかもうないということでありますが、この検討状況はどうなっているのか、また今後の法改正等に向けた取組について、これは内閣官房にお尋ねをしたいと思います。

#42
○政府参考人(藤井敏彦君) お答え申し上げます。
 政府といたしましては、我が国の技術的優越性の確保、維持、研究開発成果の軍事転用の防止といった観点から、技術流出対策の取組を進めること、これは非常に重要なことであると認識をいたしております。
 昨年七月に閣議決定をされました統合イノベーション戦略二〇二〇、ここにおきまして、特許出願の公開制度については、イノベーションの促進と技術流出防止の観点との両立、これが図られるように制度面も含めた検討を行うことといたしております。
 現在、関係省庁とどういう形の制度があるのか、あり得るのかということを精力的に検討を進めております。先生の御指摘も踏まえまして、引き続き関係府省において必要な措置の検討を進めてまいりたいと、かように考えております。

#43
○柴田巧君 確かに非公開特許を導入すると出願者は不利益を被るということなどもあって難しい問題は横たわっていると思いますが、安保の観点から、この特許情報をコントロールする制度が全く存在しないというのは大変ゆゆしき事態だと思っていますので、しっかり進めていただきたいと思います。
 次に、同じく日本にはまだ存在しない、ようやく検討を始めたセキュリティークリアランスについてお尋ねをしたいと思いますが、これから米中デカップリングがどんどん進んでいって、いわゆるアメリカと同盟関係を持つ国々をつないだサプライチェーンがこれ形成されていくということになると思いますが、なってきていますが、やはり日本に、先端技術などの機密情報を共有できる研究者らを保障するこのセキュリティークリアランス、この仕組みがなければ安心して日本の企業にあるいは技術者に参加してもらうというのは難しいということになりかねないわけであります。
 これもようやく検討が始まっているというふうに承知はしていますが、どのような制度設計が行われる見通しか、また導入に向けてどのようなスケジュールを考えているのか、併せて内閣官房にお聞きをしたいと思います。

#44
○政府参考人(藤井敏彦君) お答え申し上げます。
 人工知能、量子といった革新的技術が登場しております。それに伴いまして安全保障の裾野が経済、技術の分野に急速に拡大をいたしております。安全保障と経済を横断する領域で国家間の競争が激化をしていると、かように認識をいたしております。
 昨年七月の統合イノベーション戦略二〇二〇におきましても、科学技術、産業技術力を最先端レベルで維持する、このためにも国際共同研究を円滑に推進し、我が国の技術的優位性を確保、維持する観点が重要とされております。
 どのような情報保全の在り方が適切か、様々な観点から現在関係省庁集まりまして検討を進めているところでございます。論点として決して簡単ではございませんが、引き続き全力を挙げて関係省庁において必要な措置の検討を進めてまいりたいと、かように考えております。

#45
○柴田巧君 なかなか難しい問題ばっかりで、また全体像、スケジュール感見えてきませんが、せっかく国家安全保障局に経済班もつくって着手をし出したわけで、またいろんな機会を捉えて検討状況などを確認をしてまいりたいと思います。
 次に、土地取引の規制についてお尋ねをしますが、いわゆる経済安保の言わば第一弾として位置付けられているのが外資などによる土地規制でございます。
 私ども日本維新の会はこれまで五度にわたって、今国会にも提出をしておりますが、外資などによる土地規制の法案を、水資源の保全する法案、これ森林法の改正案ではありますが、五度出してまいりました。ようやく政府案ができつつあるというふうに聞いているわけでありますが、ここにちょっともたもた感があるので心配をしておりますが、我々の案と比較をして、また正式には出ていないので精査をこれからしなきゃなりませんが、比較をするとこれで大丈夫かなというのが幾つかありますので、現時点での考え方を大臣にお聞きをしたいと思います。
 一つは、森林や農地、まあ水源地も含めて、これらが明記されていないというのはいかがなものかなと思っていまして、改めて言うまでもありませんが、安全保障は軍事、防衛だけではなくて食料や水も含まれるわけでありますから、やはりこれも本来きちっと明記をしておくのが望ましいのではないかと思っていますが、この点、大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。

#46
○国務大臣(小此木八郎君) 農地や森林についてでありますけれども、農地や森林については、現行の農地法や森林法において取得の際の許可や届出といった措置が講じられているものとまず承知をしております。このため、有識者会議の提言ですが、これらの土地を対象とすることについては慎重に検討すべきと、いくべきなどとされたところでありまして、こうした提言も踏まえ、新法においていわゆる重要施設等には農地や森林は含めない方向で検討を進めております。
 政府としては、本法案を速やかに国会に提出して御審議いただけるように努めてまいりたいと存じます。

#47
○柴田巧君 今答弁ありましたが、この森林法なども改正した後もどんどん実際は買収されているのが現実で、法改正が効果を持っていないというか、抑止力になっていないところがありますので、我々としたらそれを明記すべきじゃないかという考え方を持っているということ、これはまた正式に出てきたときに議論もさせていただきたいと思います。
 それから、私どもは、維新の案では、この届出に係る土地等の事前審査が必要というふうに考えております。
 今、提出予定法案では、事後に瑕疵が判明すれば是正措置がとられるということですが、これでは取引成立から問題判明までの空白の時間にこの我が国の重要な施設周辺の土地をめぐって悪意の土地取得者や、及びその背後にいる国家やテロ組織等に何か仕掛けられたら本当に防げるのかという懸念があると思うんですね。
 そこで、この届出に係る土地等が安全保障の観点から支障を来すおそれがある取引に該当するか否かの、やっぱりこの事前審査制が必要なんではないかと思いますが、大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。

#48
○国務大臣(小此木八郎君) 土地等の取引を事前に審査することにつきましても、これ、有識者会議の提言では、あらかじめ取得制限や基準や要件を定めることが困難であるということが考えられることから、取得に関する規制については慎重に検討を行っていくべきとされたところでありまして、こうした提言も踏まえ、新法は、取引の事前審査も含め、土地等の取引自体について規制は行わない方向で検討を進めております。
 他方、安全保障の観点から支障を来すおそれのある土地等の利用の中止の勧告、命令を行うことや、国による土地の買入れの申出等を行う等の措置を盛り込み、全体として制度の実効性を担保する方向で検討を進めておるところであります。

#49
○柴田巧君 先ほど申し上げたように、空白の時間が生じることが懸念をされます。これについても改めて議論を、提出されればですね、していきたいと思います。
 それから、この土地等の売買など権利の移転につき、事前届出制を導入し、最新の情報を常時把握できる仕組みを構築していくことは非常に重要なことでありますが、この事前届出制を十分に機能させるには罰金により実効性を担保することが求められると思います。
 我が党案では、届出をしない又は虚偽の届出をした場合に三年以下の懲役又は三百万以下の罰金に処する、また法人については一億円以下の罰金刑としていますが、漏れ聞くところによると、提出予定法案では六か月以下の懲役又は百万円以下の罰金と。ちょっとというか余りにも軽いんではないか、これでは事前届出制を十分に担保できないんじゃないかと心配しておりますが、この点いかがでしょうか。

#50
○国務大臣(小此木八郎君) 新法の罰則規定についてですが、他法令の類似例も参考にしつつ検討を進めているところでありまして、法案の速やかな国会提出に向けて現在詰めの調整を行っております。
 引き続き、我が国の安全保障の確保と国民に対する私権制限とのバランスの取れた制度となるように検討してまいりたいと存じます。

#51
○柴田巧君 まだ正式に提出されていないので、現時点で考えられる問題点を指摘をしました。また改めてしっかりと精査をし、議論をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 ちょっと時間が迫ってまいりましたが、ワクチン接種についてお聞きをします。
 最大の関心事はこのワクチン接種でありまして、スムーズな供給ができるかどうか、これが最大の関心事だと思っております。
 そんな中で、先般、EUが初めて輸出を、ワクチン輸出の差止めを行いましたが、本当にこういうことがあると我が国にスムーズに円滑に供給されるのか心配になるわけですけれども、このことは我が国の安定的な供給に支障を来さないのか、また、このワクチン供給の今後の見通しはどうなのか、最新の情報もあれば併せておっしゃっていただければ幸いです。

#52
○国務大臣(河野太郎君) 現時点でファイザー社のワクチンは全てEUから輸入しておりますので、このEUの透明化メカニズムで輸出承認が得られなければワクチンの供給が止まるということでございます。
 今、EUに対しては、このファイザー社製のワクチンをもう一括で承認を、日本向けは承認するように交渉しているところでございますが、現時点では飛行機一便ごとの承認ということになっている状況に変わりはございません。

#53
○柴田巧君 まあ相手があり、なかなか難しい問題だと思いますが、しっかり供給の見通しが立つように引き続き努力をお願いをしたいと思います。
 今もありましたように、今、飛行機一便ごとの承認になっています。これが非常に不安定感を覚えるわけですが、この措置はいつまで続くのか。また、やはり我が国のワクチンの供給をスムーズにさせるためには、この一便ごとの承認の見直しをやっぱりEUに強く変更を求めるべきではないかと思いますが、外務副大臣来ていらっしゃると思います、よろしくお願いします。

#54
○副大臣(宇都隆史君) お答えいたします。
 先ほど河野大臣が御答弁なされたように、日本側としては一括の承認の求めをしているということですが、現在、EUにおきましては、包括的な量の輸出承認は規制を迂回するものであって認めないという方針を明確にしている、そういう状況でございます。
 外務省としては、このEUが決めた定めの中で引き続き日本に対するワクチン供給が円滑に行われる、このことを重視しておりますので、茂木大臣を通じてドムブロウスキス委員に対して直接求めているほか、在外公館からも恒常的にスムーズに円滑に譲渡されるように働きかけている、そういう現状でございます。

#55
○柴田巧君 済みません。いつまで続くのかというのもお聞きしました。お願いします。

#56
○副大臣(宇都隆史君) いつまで続くのかということに関しては、現在のところ明確になっておりません。

#57
○柴田巧君 ありがとうございました。
 次に、接種記録をリアルタイムで把握するナショナルデータベースについてお聞きをしますが、これは稼働を目指して作業進んでいると承知をしていますが、今までも国がつくるシステムは不備が多くて使い勝手が悪いというのが間々ありました。
 これは、今回の場合、非常に失敗が許されないということになりますので、万全を期すために、システムの本格的な稼働を前に地方自治体などと協力をして入念な運用試行をすべきではないかと考えますが、河野大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。

#58
○国務大臣(河野太郎君) そのとおりにやってまいりたいと思います。
 なるべく早い段階で自治体に見ていただけるように、またテストしていただけるようなことができるような開発スケジュールを考えているところでございます。

#59
○柴田巧君 是非入念な運用試行ができるようにしっかりとやっていただきたいと思います。
 次に、ワクチンパスポートについて、時間がなくなってきたのでちょっと早口で申し上げますが、これが今世界中で広まりつつあります。全ての人が打つわけではないのでいろんな差別がされるんではないかという懸念もありますが、ニーズが高まってくるのではないかと思いますし、そういう欲する人にはやはり何らかの答えをして、出していかなきゃいけないと思います。
 したがって、今から発行についての論点整理やこのスキームというものを検討しておく必要性があるのではないかと思いますが、河野大臣、いかがでしょうか。

#60
○国務大臣(河野太郎君) 国内向けの接種証明を出すということは考えておりません。接種終わりましたら接種済証というのが渡されますが、そこまででございます。国際的に今おっしゃるようにニーズが高まってくるということには、接種記録システムを使って対応することを考えているところでございます。
 今後とも、しっかり国際的な情勢を見ながら対応を検討してまいりたいと思います。

#61
○柴田巧君 是非、国際的に広まってきています、またニーズも高まると、国民の、思っていますので、そこら辺をしっかりにらんでやっていただきたいと思います。
 済みません、ほかにも質問用意しておりましたが、時間が来ましたのでこれで終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

#62
○委員長(山本順三君) 以上で柴田巧君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#63
○委員長(山本順三君) 次に、矢田わか子さんの質疑を行います。矢田わか子さん。

#64
○矢田わか子君 国民民主党、矢田わか子です。
 本日、東日本大震災から十年目を迎えます。被災されました皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 生活再建、産業の振興、避難者の支援あるいは被災者や遺族のケアなど、依然として多くの課題が残されています。
 大災害の際にいつも課題視している問題について、今日は一つお伺いをしたいと思います。避難所における女性や障害者への配慮の問題であります。小此木大臣、いかがお考えでしょうか。

#65
○国務大臣(小此木八郎君) 避難所における女性や障害者への配慮は重要でありまして、内閣府が策定している自治体向けのガイドライン等において、避難所の責任者や避難所による自主的な運営組織、女性の参画を促すとともに、避難所について、女性の視点に立って必要かつ十分な備蓄を行うこと、男女別の更衣室や洗濯干し場の設置等の生活環境の改善対策を講じること、障害者が生活できる体制を備えた福祉避難所の確保等について各自治体に周知しているところではありますけれども。
 数年前にいろんな避難所に参りまして、訪れたあるところで、そこの視察を終えて次の場所に移ろうとした、バスに乗る直前に男性職員から、自治体の、声を掛けられまして、大臣、お願いですと、下着がないんですと、こういうことを言われまして、これ男性職員なんですけど、その男性職員がそれ何言っているか分からなかったんですけれども、大声出して私に声を掛けたということは、ふだんないことだなと。それぐらい、実は逆に考えると、冷静になって考えますと女性に対する視線が欠けていたのかなと、それまでいろんなに。これ仕方がないことでもあり、必要なことでもあるというふうに感じました。すぐそれは手配いたしましたが。
 そういう中でも、最近、去年の十二月なんですが、防災部局に防災女子の会というのを立ち上げまして、月に一度は集まるようにしています。女性ばかりの職員であります。男女局の助けも借りていますが、そこでは、例えばこの前、福島沖の地震なんかも十一時過ぎに、夜の十一時過ぎにありましたけれども、一時過ぎにはもうヘリコプターで福島に向かったうちの一人が女性であったり、あるいはいろんな防災スペシャリスト、これ自治体も含めてですが、そういった中に女性の視点からやはりその考えをきちっと述べてもらうような機会をつくるということも踏まえて、これを形にしていきたい。
 防災女子の会と先ほど言いましたけれども、いろんな提言を踏まえて、引き続き女性やあるいは障害者ニーズを把握しながら、今年の五月頃までにある提言をまとめさせていただきたいと、こういうふうに思っています。

#66
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 資料一を御覧ください。東京都新宿区における避難所の運営に関する課題の指摘を掲載したものであります。
 大臣おっしゃっているとおり、やはりこの十年間、体育館に雑魚寝をして、本当に女性でいうと着替えるスペースもなくて、あと授乳するようなところもなく、子供が泣いて皆さんから非難されて、子供を一時集めておくような場所もない、生理用品もないというふうな声がたくさんやっぱり上がったと思いますので、この十年間やはりいろいろ蓄積されたことを、そして当事者の人たちの意見を聞いて改善していくことが私は大変大事だというふうに思っています。
 そのような中でも、残念なことですが、避難所における性暴力あったと、増加したというか、そこではどうしてもそういう事件が起こったというようなこともあります。これについていかがお考えですか。

#67
○国務大臣(小此木八郎君) これについてもまだまだ足りてはいないのかもしれませんけれども、例えば、警察官でも、避難所の中にですね、女性の警察官ですとか保健師の皆さんですとかが女性の話を聞きに回っている姿を見かけます。こういったところから、先ほど女性がスペシャリストとして参画することも含めまして、しっかりと一歩ずつ進めるように、またそういう機会を増やすように努めてまいりたいと思います。

#68
○矢田わか子君 丸川大臣、いかがでしょうか。

#69
○国務大臣(丸川珠代君) 東日本大震災発災から十年に当たって、いま一度、私たちも地域地域での防災の隅々まで女性の視点を取り入れていただく努力をお願いをしているところです。
 既に御承知かと思いますが、昨年十二月の第五次男女共同参画基本計画の中に女性の視点からの防災・復興ガイドラインというのを設けております。この中には避難所のチェックシートというのがありまして、まさに委員御指摘のような性暴力の被害等を防ぐために、男女のトイレを離しておくこと、また巡回警備を行うこと等についてのチェックをしていただけるようなチェックシートを設けておりまして、自治体の皆様にこれを今浸透をお願いしているところでございます。
 是非とも、これからも避難所運営に当たられる方、私どももつぶさに女性委員の割合を高めていただくようにお願いをしているところでございまして、引き続き取組を頑張ってまいりたいと思います。

#70
○矢田わか子君 大臣、これに対して予算付けていらっしゃいますが、幾ら付けていらっしゃるか御存じですか。

#71
○国務大臣(丸川珠代君) 男女局としてということでしたが、今ちょっと確認をさせていただきます。

#72
○矢田わか子君 済みません、通告していません。四百万なんですね、四百万。これ印刷費なのかなと思うんです。とてもいいもの作られているだけに、単に印刷して終わりではなくて、きちっと隅々までやはり配布をしていただきたい、徹底をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#73
○国務大臣(丸川珠代君) いかにも少ないと思いますので、しっかり取り組みたいと思います。御指摘ありがとうございます。

#74
○矢田わか子君 小此木大臣からもいろいろお聞かせいただき、大変重要な方針を作っていただいていると思います。でも、作っただけでは浸透しませんので、是非、震災は本当にいつ起こるか分かりません。起こったときに慌てて用意することはできないわけですので、是非もう一度、今ちょうど地震防災対策特措法の五年延長というふうな審議も入っておりますが、これ、まあどちらかというとハード面中心なんですね。ソフト面を含めてやっぱり使えるように御指示いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
   〔委員長退席、理事滝波宏文君着席〕

#75
○国務大臣(小此木八郎君) やっぱり女性や障害者についてはまだまだ欠けているところがたくさんあると思いますので、そういう認識も含めて進めさせていただきたいと思います。

#76
○矢田わか子君 では、大臣、御退室いただいて結構です。

#77
○理事(滝波宏文君) じゃ、小此木大臣は御退席いただいて結構です。

#78
○矢田わか子君 続いて、今週は女性の国際デーということがありましたので、女性差別撤廃条約についてお伺いをしていきたいと思います。
 まず、外務省、一九八五年に締結しましたこの条約、中身を教えてください。

#79
○政府参考人(赤堀毅君) 条約についてお答えいたします。
 女子差別撤廃条約は、男女の完全な平等の達成に貢献することを目的として、女性に対するあらゆる差別を撤廃することを基本理念とし、具体的には、女子に対する差別を定義し、締約国に対し、政治的及び公的活動並びに経済的及び社会活動における差別の撤廃のために適当な措置をとることを求めております。

#80
○矢田わか子君 選択議定書、これについても中身を教えてください。

#81
○政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。
 女子差別撤廃条約選択議定書は、個人通報制度、すなわち、女子差別撤廃条約上の権利等を侵害されたと主張する個人等が女子差別撤廃委員会に権利侵害等を通報し、委員会は、これを検討の上、見解を各締約国及び通報者に通知する制度について主に規定しております。

#82
○矢田わか子君 資料二を御覧ください。今説明ありましたとおり、一九八五年にこの差別撤廃条約は批准をしていますが、この選択議定書、未批准のままとなっています。
 この条約締結国について、選択議定書の条約締結国は何か国でしょうか。

#83
○政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。
 百十四か国でございます。

#84
○矢田わか子君 おっしゃるとおり、百八十九か国中百十四か国が既に批准をしています。
 私の課題意識は、条約を批准しながらも、三十年前のことなんですね、ところが、この、まあ自転車でいうと両輪、前輪、後輪と言われる選択議定書が未批准のまま放置をされているという状況が続いています。この二つがあってこそ一つ前に進めることができるというふうに指摘をされているわけですが、なぜこの批准が進まないのか、これについて、外務省、いかがでしょうか。

#85
○副大臣(宇都隆史君) なぜこの締約、選択議定書の締約について進まないのかという問題点についての御質問でございますが、以前に茂木大臣の方が国会でも答弁しておりますけれども、個人からの通報を受けて委員会の方から国内の確定判決と異なる内容の見解が出された場合にはどうするのか、それから通報者に対する損害賠償であったりとか補償の要請が来た場合にそれを誰が賄うのか、あるいは法改正を求めるような見解が出た場合にこれが我が国の司法制度であったりとか立法制度の関係でどう対応するのか、このように論点が明らかになっていて、その解決に時間が掛かっているということでございます。

#86
○矢田わか子君 そういう回答を毎回いただいているんですが、法務大臣はいかがお考えでしょうか。

#87
○国務大臣(上川陽子君) 女子差別撤廃条約の選択議定書に係る個人通報制度につきましては、条約の実施の効果的な担保を図るとの趣旨から注目すべき制度と認識をしております。
 個人通報制度の受入れ自体は、我が国の司法制度と必ずしも相入れないものではないと考えております。他方、個人通報制度の受入れにつきましては、ただいま外務省、副大臣からの説明もございましたが、国内の確定判決とは異なる内容の見解が出されるなどした場合に我が国の司法制度との関係でどのように対応するのかといった問題を検討する必要があると考えております。
 いずれにいたしましても、法務省といたしましては、引き続き、関係省庁の一つとして外務省の検討に必要な協力を行ってまいりたいというふうに考えております。

#88
○矢田わか子君 例えば日本では、法律婚における夫婦同姓制度の合憲判決、あるいは出生届に嫡出子か非嫡出子か記載するように義務付けた戸籍法の合憲判決などについて、最高裁の判決をもって最終的な国としての意思が決定付けられているわけですけれども、議定書では、これらの司法の判断、最終的な救済されない差別のケースを国連自らが調査、審査、勧告をしようというものであって、決して、女性差別について、日本の最高裁の上に来る第四の裁判所の機能を持つというものではないわけです。一旦国際的な視点にもさらしませんか、見ていただきませんかというものなわけです。
 今回、森会長のあの発言があって、日本は一体何をしているのかというやはり国際的な批判が集まりました。もう一度、私たちのこの国が持つ法整備がこれで十分なのかということも含めて検証するためには、やはり議定書締結していくべきだと思いますが、この観点から、丸川大臣はいかがお考えですか。

#89
○国務大臣(丸川珠代君) ありがとうございます。
 このお尋ねの選択議定書については、私どもが昨年十二月に閣議決定をしていただいた第五次男女共同参画基本計画においては、今外務副大臣や法務大臣から御指摘のあった諸課題の整理を含めて、早期締結について真剣に検討を進めるということを決めさせていただいております。
 ましてや、年明けから様々な諸外国からの視点というものもございますので、是非とも私どもとしては、女子差別の、女性差別の撤廃に向けた取組を更に進めていく上でも、所管する外務省で行っている関係省庁の研究会等においても内閣府としてしっかり連携をしながら前に進めていくよう努力をしてまいりたいと思います。ありがとうございます。

#90
○矢田わか子君 話題となっている選択的夫婦別氏問題についても、実は何度も国連から勧告を受けています。日本はやっぱり法整備遅れているんじゃないですかという勧告なんですね。そこにやっぱり私は真摯に向き合うべきだというふうに思います。
 茂木大臣が去年三月の外交防衛委員会で、批准について、論点は明らかになっていると、関係省庁との間でずるずる引っ張ることなく、どこかで結論を出さなきゃいけない問題だと思いますというふうにもおっしゃっています。
 それからまた一年が経過しています。宇都副大臣、進めていただけませんか。

#91
○副大臣(宇都隆史君) 先ほどの茂木大臣の答弁の頭にあるのが先ほどの私が説明しました論点明らかになっている部分だと思いますので、引き続き、その論点に対して関係省庁と連携しながら真剣に検討してまいりたいと思います。

#92
○矢田わか子君 もう是非決断をして進めるべきです。国際的な視点から見てもおかしいと思われていることについて、日本はやっぱり真摯に受け止めをし、やっぱり日本としてのスタンスを明らかにしていかなければ笑われると思います。三月、報告の期限が迫っております。是非御対応をお願い申し上げたいと思います。
 続いて、感染症に関わるシステムの問題についてお聞きをしていきたいと思います。
 昨年から、感染症対策でITの活用が我が国は大きく遅れているということが明らかになりました。政府はその後、IT活用を一気に加速しています。
 まず、HER―SYSについて、是非、計上された予算、現状と課題を、厚労省、お聞かせください。

#93
○国務大臣(田村憲久君) HER―SYS開発、保守、運用等々で、この十二月までですけれども、COCOAを抜いた部分で約十二億円、契約金額十二億円となっております。
 それから、現状といいますか問題点といいますか、当初、なかなかこれ打ち込み等々オペレーションが難しいというようなお話があって、項目が多いなんという話がございました。それから、それぞれの各自治体で個人情報条例があって使えないのではないかということで、そこの理解がなかなか得られなかったということがございました。それが今は各自治体が届け出されておられる感染者、一月の感染者、これほぼ一〇〇%カバーしているぐらいになっておりますので、大体これ運用上使っていただけるような状況になってきております。
 なお、医療機関がこれを打ち込むのがなかなか進まないという話がありまして、結局、医療機関からファクスが来て保健所で打ち込んでいるという話がございましたが、今半数は医療機関で打ち込んでいただけるようになってまいりましたので、これ更に順次進めてまいりたいと思っております。
 これができましたことで、例えば対象者の方々が場所を転居した場合、保健所から保健所に今までファクスや又はメールなんかで伝えておったのがHER―SYS等々では保健所間がいろんな連絡調整ができるようになりましたので、こういう意味では利便性上がってきております。
 なお一層利用しやすいように、我々も不断の努力をしてまいりたいというふうに思っております。

#94
○矢田わか子君 HER―SYSは開発失敗したんじゃないかと当初言われておりました。やっぱり、保健所の機能について負担軽減が図れたのかということが当初の目的だったと思うんですね。それについてはどのように分析されていますか。

#95
○国務大臣(田村憲久君) 今申し上げたとおり、いろんな部分で保健所の負担、機能というものは軽減されつつあります。ただ、まだ各自治体の報告数、これが全てHER―SYSで把握できているわけではないんですけれども、今七県まで来ました。順次これが四十七県に向かうように我々も努力してまいりたいというふうに思っております。
 もう一言だけ申し上げれば、このHER―SYS使っていろんな専門家の方々、これ厚生労働省にもアドバイザリーボードがありますが、そういう方々が感染の状況なんかも分析をしていただけるようになりつつありますので、いろんな意味で利便性を上げながら、保健所、国民の皆様がHER―SYSというものをより理解いただけるように努力してまいりたいというふうに考えております。

#96
○矢田わか子君 当初の問題解決しながら、是非、本来の目的であった保健所機能の負担軽減等にも取組を強化していただきたいと思います。
 続いて、G―MISについてもお聞かせいただけますか。

#97
○国務大臣(田村憲久君) G―MISでありますが、これ今、委託金額が合計約これも十二億円となっております。
 どういうものかもよく分かっていただいていると思いますが、医療情報を支援するシステムでありまして、物自体は、例えば今病床の状況がどうかでありますとか、人工呼吸器をどう使っておりますですとか、そういうようなことが分かることによって、患者の調整ですね、こういうものに役立つということで利用いただいております。
 あわせて、PPEが足らない場合、これ御連絡いただけるようになっておりまして、無償配布なんかにも役立っているということで、今大体登録が八千三百病院、これ、もうほぼ病院の一〇〇%近い病院が登録いただいておりますし、診療所も二万六千がこれに登録をいただいておるということで、それぞれ利用一日当たりは、病院が六千、その中で、診療所が一万二千、利用いただいておるということでございます。
 これに関しても、いろんな形で利便性を上げながら、より利用しやすいような形で我々更に努力を努めてまいりたいというふうに思っております。

#98
○矢田わか子君 このG―MISの方は、必要なやはり医療資源の最適化を図るということだというふうに目的、理解しております。
 今、現状として、東京都で例えば宿泊療養者なり自宅療養している方はどれぐらいいらっしゃるんでしょうか。

#99
○国務大臣(田村憲久君) ちょっと通告がうまく通っていなかったものですから、後ほど、じゃ、御答弁させていただきます。

#100
○矢田わか子君 ざくっとでもよかったんですが、いまだにやはり宿泊療養が三百六十人強、自宅が五百二十人、調整中が四百二十。要するに、入りたいけど入れていませんという人が千三百人以上、東京都だけでもいます。
 したがって、このG―MISもやはり目的に合った運用がきちっとなされていくのかということを私は懸念しているわけでありますが、この辺りについて何か。

#101
○国務大臣(田村憲久君) 問題点分かっておりまして、登録をいただくタイムラグが若干あります。結果的に、今使っておられるのが東京都など、もう保健所が、保健所というか調整する方が、そこにこれだけ病床が空いているかも分からないなということで連絡を入れられるらしいんです。実際空いていない場合もありますので、そういう場合は他のところにまた連絡取らなきゃいけないというような手間がありますので、なるべくこれがタイムラグがないように登録いただけるように努力をしてまいりたいというふうに思います。

#102
○矢田わか子君 続いて、COCOAであります。
 トラブル続きのCOCOAと言われておりますが、これについても今現状と課題、お聞かせいただけますか。

#103
○国務大臣(田村憲久君) COCOAですけれども、ここまでのCOCOAに係る経費、約三億九千万円ということで、三月十日十七時現在で二万六千万件、一万一千三百名の方、陽性登録でございます。あっ、二千六百万件、ごめんなさい、これが登録いただいていて、一万一千三百名の方が陽性登録等いただいているということであります。
 問題点といたしますと、これ本当に申し訳ないんですけれども、オープン系のこれアプリでございまして、要するにいろんな方々に問題点を修正をいただきながらということでございますので、いきなり完全に完成していないという部分、御迷惑をお掛けしている点、今回もIT戦略室としっかりと連携しながらよりいいものに改良していきたいというふうに思っております。
 利点としては、もう御承知のとおり、接触しているという通知が来れば、これ優先的に検査していただいて見付けていくということなんですが、なかなかそれがどれぐらい役立ったかというのは、匿名性のアプリでございます、なかなか人権に配慮して誰が誰というのは分からないようになっておりますので、これによってどれぐらいの方々が二次的に、登録までは分かるんですが、二次的にというのが分からないのと、まず登録していただかないと次の方に、接触した方に行きませんので、登録のお願いというところがなかなか進んでおりませんでしたので、更に通知をさせていただいて、これ積極的にいろいろと疫学調査するときにも登録をお願いしていただくように保健所等々にもお願いをさせていただいております。

#104
○矢田わか子君 あえて言えば、COCOAの目的は国民の感染に対する安心感だというふうに私は定義をしています。まあ自分も入れてみましたけれども、なかなか一旦不信になったものを払拭するのは難しいと思いますが、お金も予算も掛けているわけなので、もう一度、これから第四波に備えても再度信頼性を高めて普及させていく努力を厚労省としてもしていただきたい。
 例えば、予防接種始まりますので、その会場で予防接種のシステムを入れるのと同時にCOCOAも推奨するとかということ、どうでしょうか。

#105
○国務大臣(田村憲久君) どういう形があるのか、まあ登録自体は御自身にやっていただく話になりますので、ストアから入れていただくような話になりますから、そういう意味からすると掲示をさせていただくなりということはできるんだと思います。
 いずれにいたしましても、実際問題、接種いただくのは自治体、市町村になりますので、市町村に、ずっともうどういうような形でCOCOAを更に広げていけるか相談をさせていただきたいというふうに考えています。

#106
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 今申し上げてきたのは、全てにおいて、資料三にトータルのイメージを書いておりますが、全て目的があって、これ当然のことながら手段としていろんなシステムを入れているわけですので、手段が先行することなく、目的に合致しているのか都度都度やはり検証しながら、ベンダーとも評価をしながら改善を進めてほしい。特に仕様についての改善です。使い勝手の悪いものだとか意味のないものがありませんかということの視点で今日は質疑をさせていただいておりますので、是非よろしくお願いをいたします。
 厚労大臣、何か最後あればお願いします。

#107
○国務大臣(田村憲久君) やはり、我々厚生労働省ということで実務はいろいろ分かっているんですが、こういうアプリでありますとかITという形になるとなかなか専門的知識を持っているわけではないということで、これはやっぱりIT戦略本部等々ともいろいろ相談させていただきながら進めていかなきゃ、平井大臣ともいろいろと密に連絡を取りながら進めてまいりたいというふうに思っております。

#108
○矢田わか子君 続いて、ワクチンの接種システムについてお伺いをしていきたいと思います。
 新たに構築されるシステム、大変期待も高まっていますが、河野大臣、このシステムの目的と現状と課題、教えてください。

#109
○国務大臣(河野太郎君) この接種記録システムは、それぞれの自治体で、どなたがいつどのワクチンを打ったかということを記録してもらうことでございます。
 高齢者の接種が始まるまでにシステムがしっかり動くように、そういうスケジュール感で今開発をしているところでございます。

#110
○矢田わか子君 新たに全国ということで横断するシステムになるわけですけれども、一つ声があるのは、やっぱり入力作業が重複するのではないか、自治体の負担が大きくなるのではないかという声がありますが、これは大丈夫なんでしょうか。

#111
○国務大臣(河野太郎君) システムで記録しませんと予診票で管理をしなきゃいけない、引っ越した方がいらっしゃると引っ越し先の自治体からの問合せに予診票を何万枚もめくって調べなきゃいかぬということで、トータルで自治体の負担はかなり減るんではないか、問合せに効率的にお答えができるようになるんではないかと思います。
 それから、先ほども御質問が前の委員からございましたけれども、その国際的なワクチンの接種証明をもし出さなきゃいけないというようなことになったときに、このシステムがなければ対応ができなくなるのではないかと思っております。そこについてはもう少し国際的な状況を見ながら検討していきたいというふうに思っております。

#112
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 メリットもあるということですが、もう一つ、全国カバーするシステムなのであれば、やはり単身赴任者、それから親元を離れている学生等、どこでも接種ができるシステムとなるのかどうかが気になるところですが、いかがでしょうか。

#113
○国務大臣(河野太郎君) 全国カバーいたしますので、単身赴任されて自分の居住地から離れたところで打っていただく、あるいは万が一、職域での接種などをやるようになりますと、こうした全国をカバーするシステムがないと、なかなかどなたがどこで打ったか自治体が把握をするのに非常に時間が掛かり、またそれを紙ベースでやらなければならなくなりますので、そういうときには役に立つというふうに考えております。

#114
○矢田わか子君 副作用というか、副反応の情報が一元管理できるシステムとなるのでしょうか。

#115
○国務大臣(田村憲久君) なかなか副反応、その後の話になってきますので、もちろんその接種会場でアナフィラキシーのように急に体調が悪くなられてという場合もありますが、副反応全体はその後の予後、予後といいますか、接種後というような話にもなってまいりますので、なかなかそれ全てをシステムの中で管理するというのは難しい。これ、医療機関から副反応報告という形で最終的にはPMDAに上がってくるということに、形になってまいりますので、その点はちょっとシステムの中で管理するということにはなかなかならないというふうに考えております。

#116
○矢田わか子君 やっぱり、性別や年代とか既往歴等も含めてどういう方に副反応が出たのか、今大分報道もされておりますし、皆さん心配ですので、そういう分析も是非進めていただきたいと思います。
 あと、接種後にまた感染するような事例、これもデータベース化されていくんでしょうか。

#117
○国務大臣(田村憲久君) ちょっとそこまで、多分、河野大臣の言われているシステムが予想しているという話じゃないですが、何らかの形で突き合わせればそれが分からないことはないのではないのかなと思いますが、いずれにしましても、ちょっとそこまでまだ検討の範囲には多分入っていないというふうに思っております。

#118
○政府参考人(正林督章君) お答えします。
 HER―SYSで最近、予防接種の接種記録を付けるようにしましたので、それで、もし新たに感染してその方が届け出られたときに予防接種打っていたかどうかというのを分かるようにしております。

#119
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 これも資料四にお示しをしておりますが、多くのこのシステム、やっぱり連携をしていくことが大事だというふうに思っています。特に今後、今お聞きしたように利便性の確保だとか安全性の検証が機能するシステムでなければ、せっかく全国トータルでやる意味がないと思いますので、是非お考えいただきたいと思います。
 河野大臣、ありがとうございます。もう一点だけ。このシステム開発、IT会社ミラボと契約ということですが、体制や計画書、もう出されましたでしょうか。

#120
○国務大臣(河野太郎君) まだだと思います。

#121
○矢田わか子君 是非、随時契約、二月十七日にされて、もう一か月になりますので、それはやっぱり確認していただきたいというふうに思います。
 それと、やはり何か起こったときに、小さな会社で実績あることも分かっているんですけれども、何かバグが起こったときにリスク管理としてはどのようにお考えでしょうか。

#122
○国務大臣(河野太郎君) 別に大きな会社だからいいということではないというふうに思っております。今回は、例えば動作の確認ですとか、脆弱性の第三者検証というものを再委託して他社にやっていただくということになっておりますので、そこでしっかり検証が行われるものだと思います。

#123
○矢田わか子君 万一のトラブルに対する危機管理もお願いをしておきたいというふうに思っております。
 じゃ、最後、平井大臣、お待たせして済みません。政府のコロナ関連システムに関する信憑性についてお伺いをします。
 今説明いただいたように、ITの活用を一気に進めたということもあって、必ずしも全てうまくいっているというものばかりではないというふうに思います。この様子を国民が見ています。これからデジタル社会を理想とする社会を築いていくためには、やはり課題意識、しっかり共有しておきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#124
○国務大臣(平井卓也君) 今の委員の御質問のやり取り聞いておりまして、随分理解されていることがよく分かりました。
 システム化というのは、やっぱり目的ではなくて手段なんですね。それで、その上で、今回委員がお作りになったこのチャートを見ても分かるように、ステークホルダーが非常に多い。そして、厚生労働省の場合は医療のまさに現場が長年培ったノウハウの中で動いているわけです。本来、システムをつくるときにはその仕事のやり方を見直さないとなかなかシステムの効果というのは出ない中で、どちらのシステムに関して言っても、データのフォーマットを統一させて今後の連携をしていくというところが一番重要なところになっています。
 ですから、今までばらばらだったデータをちゃんとつなげられるようにしていくという意味で、我々、最大限、個人情報、プライバシーに配慮をしつつ、なおかつ、その一元管理というものに対する懸念もできるだけないようにして開発するといういろんな制約の中では日々いろいろ迷いながらシステムをつくっているところですが、さらに、デジタル庁が発足しましたら、その辺りの進捗管理等々を強力に進められる体制を整えていこうと思っておりますので、今後とも御指導いただきますようお願いします。

#125
○矢田わか子君 今年、まさにデジタル庁ができて、やはりデジタルガバメントを進めていく上ではパッケージとして全てトータルを管理していくことが私は必要だというふうに思っています。やはり、システムの設計及び運用、発注の在り方、自治体との連携を含めて更に強化していただきたい。特に、ITベンダーとかサプライヤー的なことをしているシステム会社との連携は当然必要なものです。かつ、その現場のニーズをきちっと把握し、ボトムアップをしたような設計というか、をしていかなければ結局活用できないようなものになってしまうので、その辺りも含めて大臣にしっかりと管理をしていただきたいなと思います。
   〔理事滝波宏文君退席、委員長着席〕
 最後に、ちょっと一問を残しましたが、コロナ禍における女性への対策強化についてお伺いをしたいと思います。
 女性の雇用、生活への影響が深刻化しています。厚労省としての課題意識をお聞かせください。

#126
○国務大臣(田村憲久君) 女性の雇用も様々なんですが、その中でやっぱり今一番大変御苦労いただいておられるのは、やはり飲食店又は観光業等々ですね、比較的今厳しい状況の下で働かれておられた女性の方々、それこそ雇調金でありますとか休業支援金等々の対応もそうなんですが、そもそも、もう解雇をされるなり、会社がなくなるなりという形の中で失業されている方々はどうするか。
 これに関しては、働きながらやはりいろんな職業訓練を受けていただかなきゃならないということで、求職者訓練制度も要件を緩和をするでありますとか、そもそも付けていただいた能力に応じてどういうふうな職に就いていただくか。これ、伴走型、個別型で対応するようなそういう窓口をつくったりでありますとか、きめの細かな対応をさせていただきながら、しっかりと就労につながるように努力をする、そういう制度を今しっかりと整備をしておりますので、我々としても問題意識持ちながらしっかり対応してまいりたいというふうに考えております。

#127
○矢田わか子君 女性の実質的な失業者は、野村総研によると百三万人超えています。是非、そういう方々が働きたいと思うときにしっかり訓練受けて、働くことをやっぱり軸とする安心した社会がつくれるように再構築をお願いしたいと思います。
 質問終わります。ありがとうございました。

#128
○委員長(山本順三君) 以上で矢田わか子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#129
○委員長(山本順三君) 次に、岩渕友さんの質疑を行います。岩渕友さん。

#130
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 まず、武田総務大臣にお聞きします。
 先ほど白議員の質問もありましたけれども、なぜ大臣はNTTとの会食があったかどうかの事実だけでも明言できないのでしょうか。この間、倫理規程に反する接待はなかったという官僚の答弁が虚偽であることが判明し、大臣も厳しく批判をしてきました。御自分のことを明言するのは当然ではないでしょうか。

#131
○国務大臣(武田良太君) 個別の事案一つ一つにお答えするのは控えさせていただきたいと思います。
 しかし、私は、国民の皆さんから疑念を招くような会食や会合に応じたことはございません。(発言する者あり)

#132
○委員長(山本順三君) 武田総務大臣。

#133
○国務大臣(武田良太君) 個別の事案一つ一つにお答えするのは控えさせていただきますけれども、私は、国民の皆さんから疑念を招くような会食や会合などに応じたことはございません。
 引き続き、国民の皆様からの疑念を招くことのないよう、自らを律し、職務に精励してまいりたいと考えております。(発言する者あり)

#134
○委員長(山本順三君) 武田総務大臣。

#135
○国務大臣(武田良太君) 私は、委員、明確に答えているんです。国民の皆さんから疑念を招くような会食や会合は応じておりません。

#136
○岩渕友君 私は、会食があったかなかったかということを聞いているんですよ。答えてくださいよ。

#137
○国務大臣(武田良太君) 個別の事案一つ一つにお答えするのは控えさせていただきますが、私は、国民の皆さんから疑念を招くような会食や会合に応じたことはありません。

#138
○岩渕友君 個別の事案なんて聞いていないんですよ。
 大臣、総務省の政務三役について、NTTとの会食の有無、会った場所、その日時、相手、費用負担など、当委員会に報告してください。

#139
○国務大臣(武田良太君) 現在省内で行っている倫理法違反の疑いのある事案の調査について、検事経験のある弁護士の方にも参加をいただき、常に第三者のチェックをいただきながら、正確に、かつ徹底的に真相究明を進めてまいりたいと思います。
 今後は、こうした疑念を招くこと、二度と起こらないよう、自ら先頭に立ち、一丸となってコンプライアンスを徹底的に確保し、国民の信頼回復に努めてまいる所存であります。(発言する者あり)

#140
○委員長(山本順三君) 武田総務大臣。

#141
○国務大臣(武田良太君) 特別職は一般職と違って倫理法の適用というわけにはいかぬものですから、行政がゆがめられたかどうかというものを検証するチームにおいてしっかりと調査をしていきたいと、このように考えております。(発言する者あり)

#142
○委員長(山本順三君) 武田総務大臣。

#143
○国務大臣(武田良太君) 第三者のチェック機関である調査委員会において、この国会での御指摘をしっかりとお伝えし、その調査の範囲に含めても御指導をいただきながら進めていきたいと、このように考えています。(発言する者あり)

#144
○委員長(山本順三君) 御静粛に願います。
 武田総務大臣。

#145
○国務大臣(武田良太君) 先ほどから言うように、第三者のチェック機関が立ち上がりますので、そちらの方に、今委員から御指摘があったように、政務三役も含めてしっかりと調査をするように、旨報告をして御指導を仰いでまいりたいと、このように考えています。(発言する者あり)

#146
○委員長(山本順三君) 質問を続けてください。
 岩渕友さん。

#147
○岩渕友君 今の答弁では納得ができません。
 総務省の政務三役とNTTとの会食の有無、日時、場所、相手、費用負担などについて、予算委員会として報告を求めるようお願いいたします。

#148
○委員長(山本順三君) 後日、後刻理事会で協議をいたします。

#149
○岩渕友君 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から今日で十年です。改めて、犠牲になられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
 昨日、党として提言を発表し、平沢復興大臣への申入れを行いました。
 宮城県民医連による災害公営住宅での調査では、三割が健康状態が悪化、六割が抑うつ傾向など、被災者の健康状態、在宅被災者の実態、住まいの再建や災害公営住宅の家賃問題、なりわいの再建、心のケアやコミュニティーづくりなど、いまだ多くの課題が残され、時間の経過とともに問題が多様化をしています。しかし、実態が十分につかまれていません。
 政府として、一人一人の実態に応じた支援、対策を行うためにも、被災者と被災地の実態調査、把握するべきではないでしょうか。

#150
○国務大臣(平沢勝栄君) 昨日、委員も御同席の下、志位委員長から御提言をいただきました。
 発災から十年が経過しまして、復興は着実に進展しているわけですけれども、その一方で地域によって状況は様々に異なるということで承知しておりまして、今後も引き続き現場主義を徹底し、被災地に寄り添いながら復興に全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。

#151
○岩渕友君 被災者と被災地は、その後の相次ぐ災害や基幹産業である漁業の不振、そしてコロナと、もう何重にも苦しんでいます。
 期限を区切るのではなくて、支援や対策の強化拡充を求めます。いかがでしょうか。

#152
○国務大臣(平沢勝栄君) 御意見も踏まえて、しっかり検討してまいりたいと思います。

#153
○岩渕友君 支援、対策の強化拡充、強く求めたいと思います。
 では、大臣は式典の関係がありますので御退席いただいて結構です。

#154
○委員長(山本順三君) それでは、平沢復興大臣におかれましては退席いただいて結構でございます。

#155
○岩渕友君 資料一を御覧ください。
 原発事故による避難者は、福島県の発表で三万六千人、八万人以上に上ると言う方もいらっしゃいます。避難指示区域の居住率は約三割、十年たってもふるさとに戻ることができていません。なぜ十年たってもふるさとに戻ることができないのでしょうか。

#156
○国務大臣(梶山弘志君) これまで避難指示区域における除染やインフラ整備を着実に進めてきた結果、二〇二〇年三月までに帰還困難区域を除く全ての区域で避難指示の解除を実現をしてきたところであります。また、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てについて避難指示を解除する決意は揺るぎのないものであります。
 このため、まずは特定復興再生拠点区域について、二〇二二年及び二〇二三年の避難指示解除に向けて、関係省庁と連携しながら除染やインフラ、生活環境の整備を着実に進めてまいりたいと考えております。
 さらに、特定復興再生拠点区域外につきましても、それぞれの自治体によって事情が違いますので、各自治体の個別の課題や要望を丁寧に伺って、避難指示解除に向けた方針をしっかりと検討してまいりたいと考えております。

#157
○岩渕友君 事故が起きたのは、原発事故が起きたからにほかならないんですよ、戻ることができないのはね。
 帰還困難区域の面積を教えてください。

#158
○政府参考人(須藤治君) お答えをいたします。
 帰還困難区域は七市町村において設定をされておりまして、その合計面積はおよそ三百三十七平方キロメートルでございます。

#159
○岩渕友君 これ、福島県土の約二・四%を占めているんです。東京二十三区の半分以上にもなるんですよね。
 実は、平沢大臣も会見で、誰が考えてもおかしいというふうに言っているんですけれども、誰が考えてもおかしいんですよ。
 そして、帰還困難区域の住民登録数、これは二万人を超えています。これ、事故が起きたのは一体誰の責任でしょうか。

#160
○国務大臣(梶山弘志君) 福島第一原発の事故に係る事故処理や賠償の対応につきましては、事故の当事者である東電が最後まで責任を持って行うことが大原則であります。国も、原子力災害からの復興に、前面に立ってその役割を果たしていくとの立場で対応をしているところであります。
 経済産業省としましては、引き続き、被害者の方々に寄り添った公平かつ適切な賠償を行うよう東京電力をしっかりと指導していくとともに、福島の復興、そして福島第一原発の廃炉にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

#161
○岩渕友君 事故が起きたのは国と東京電力の責任なんですよ。
 先日、帰還困難区域である浪江町津島というところのKさんという方から話を伺いました。
 資料二を御覧ください。
 Kさんは、三百年も続く家の十八代目です。帰還困難区域になってからは帰宅にも許可が必要になり、家も庭も動物に荒らされ、朽ちてしまった。我が家はこの地区にしかない三匹獅子舞という郷土芸能を継承する庭元という役割を先祖から受け継いできたが、継承する人もいなくなってしまった。津島の美しい山や川、田園風景、地域のコミュニティーが破壊され、ふるさとに帰ることすらままならず、このままでは津島が消えてしまう、こういうふうに訴えられました。
 どうしてこんなことになってしまったのかと、私たちが悪いことをしたのか、ふるさとに帰れるようにしてほしいと願うことは許されないのか、どうしても納得がいかない、こういうKさんの訴えをどう受け止めるでしょうか、東京電力。

#162
○参考人(小早川智明君) 東京電力ホールディングス社長の小早川でございます。
 当社は、福島第一原子力発電所の事故からちょうど十年が経過いたします、今なお福島の地元の皆様、社会の皆様に多大なる御負担、御心配をお掛けしておりますことを深くおわびを申し上げます。
 当社事故により多くの方々が避難を余儀なくされ、事故から十年経過してもなおお戻りできない方が多くいることや、避難指示等が解除されても御帰還が進んでいないことも承知しております。
 当社の最大の使命は福島の責任を全うすることでございます。当社といたしましては、廃炉を安全に実施し、地域の皆様に寄り添いながら、全力で復興に向けて取り組むとともに、一人でも多くの方にお戻りになられるよう最大限努力してまいりたいと思います。

#163
○岩渕友君 同じ質問を経産大臣にもします。

#164
○国務大臣(梶山弘志君) 私も、発災直後に地域に、浪江に入ったこともございます。そして、先般もまた、帰還困難区域外のところも入らせていただきました。
 委員から御紹介いただいたその住民の方の思いというのは大変重く受け止めさせていただきたいと思います。いまだに多くの方が避難生活を余儀なくされているということ、多くの方がいつかは自分の家に戻りたいとずっとやっぱり考えておられること、そういったものを痛感をしております。
 たとえ長い年月を要するにしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示を解除する決意は揺るぎないというものでありますので、しっかりとそういった作業が進むように指導してまいりたいと思いますし、監督もしてまいりたいと考えております。

#165
○岩渕友君 昨年の三月十二日に、東京電力福島第一原発事故避難者訴訟の仙台高裁判決で、賠償基準である中間指針にないふるさと喪失、変容に対する慰謝料が認められています。
 判決では、ふるさとについてどのように述べているでしょうか。

#166
○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) 仙台高裁の令和二年三月十二日判決の判決書の四十七ページの下から四行目から四十八ページの上から七行目までを読み上げます。
 当該地域の住民が、山林で自生するきのこ、たけのこ、山菜などを採取し、川や海で魚を獲り、田畑や家庭菜園で米や野菜などを収穫して消費していたことや、住民相互間でこれらの収穫物を「お裾分け」し合ったり、農作業、冠婚葬祭、子育て、介護などについて自発的に協力し合ったりするという協働又は共助の関係が根付いていたなどの事情を主張する。
 これらの自然環境的な条件と社会環境的条件は、住民が、そのような諸条件下になければ通常は無償で取得することができない財物や役務を、無償で取得することを可能にしていた(経済的側面)ということができる。また、同時に、自然環境との関わりや住民相互の緊密な人間関係を通じ、住民は、地域に対する強い帰属意識を有し、当該地域に居住することによる安心感を得ていた(精神的側面)ということもできる。
 以上でございます。

#167
○岩渕友君 今紹介していただいた部分は、先ほどお話をしたKさんの訴えそのものですよね。
 東京電力は、この高裁判決を受けて、ふるさと喪失、変容について上告理由で何と述べているでしょうか。

#168
○参考人(小早川智明君) 御質問にお答えいたします。
 判決内容の一部につきまして当社の考えと異なることがあることなどから上告を提起させていただくことにいたしましたが、訴訟に関わる内容につきましては、この場での回答は差し控えさせていただきます。上告審の場において丁寧に対応してまいります。(発言する者あり)

#169
○委員長(山本順三君) 小早川智明参考人。

#170
○参考人(小早川智明君) 訴訟に関する内容につきましては、この場での回答は差し控えさせていただきますが、上告審の場において丁寧に対応してまいります。

#171
○岩渕友君 自分たちが述べていることなんですよね。何でそれが言えないんでしょうか。もう一度お願いします。

#172
○参考人(小早川智明君) 繰り返しになりますが、訴訟が進行中でありますので、訴訟に関する内容につきましては、この場での回答は差し控えさせていただきます。(発言する者あり)

#173
○委員長(山本順三君) 小早川智明参考人。

#174
○参考人(小早川智明君) 改めてお答えいたします。
 判決内容の一部について当社と異なる点などがあることなどから、総合的に判断し、上告を提起することといたしました。
 訴訟に関わる内容につきましては、先ほどの御回答のとおりでございます。

#175
○岩渕友君 結局答えないんですよね。
 ふるさとなどという法益は存在しない、つまり、ふるさとは守るに値しないものだと、こういうふうに言っているんですよ。そして、ほかにも、賠償は十分行っていると、提訴している人は僅かしかいないと、こういうふうに言っているんですよ。
 それでいいですよね。

#176
○参考人(小早川智明君) まず、いまだに多くの方々がお戻りできないことにつきましては、大変申し訳なく思っております。
 当社といたしましては、当社事故による損害がある限り賠償をするという考え方に一切変わりはございません。当社といたしましては、三つの誓いに掲げる最後のお一人まで賠償を貫徹するという考え方の下、中間指針にはない損害の請求をいただいた場合には、個別の御事情を丁寧にお伺いし、きめ細かく適切に対応してまいっております。

#177
○岩渕友君 実態は今の答弁のようにはなってないんですよ。
 東電に聞きますけれども、ふるさとを奪ったという認識はないんですか。

#178
○参考人(小早川智明君) 繰り返しになりますが、いまだ多くの方々がお戻りできないことにつきまして、大変申し訳なく思っております。
 当社といたしましては、地域の皆様に寄り添いながら、全力で復興に向けて取り組むとともに、一人でも多くの方がお戻りできるよう最大限努力してまいる所存でございます。

#179
○岩渕友君 ふるさとを奪ったという認識はないんですかというふうに聞いているんですよ。
 もう一度お願いします。

#180
○参考人(小早川智明君) いまだ多くの方々がお戻りできないことにつきましては、大変申し訳なく思っております。

#181
○岩渕友君 結局、こんな大事なことも答えないんですよね。これ、とんでもないことだと言わなくてはならないです。正面から認めるべきです。
 じゃ、国も、ふるさとが奪われたということを認めないのでしょうか。

#182
○国務大臣(梶山弘志君) 御指摘のふるさと喪失につきましては、係争中の訴訟における争点となっていることから、コメントすることは差し控えたいと思っております。
 ただ、いまだふるさとに帰還できず、大変な御苦労をされている方が大勢いらっしゃることは承知をしておりますし、先ほど委員の御紹介にもありました方々も含めて、切実な思いも、私も多くの意見を聞かせていただいているところであります。
 経済産業省としては、こうした方々の早期帰還を実現するために、福島の復興、なりわい再建、さらには復興の前提となる福島第一原発の安全かつ着実な廃炉にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

#183
○岩渕友君 帰還困難区域だけではないんですよね。避難指示が解除をされても、ふるさとに戻るということそのものは簡単ではないんですよね。
 住民意向調査で、帰還についてまだ判断が付かない、戻らないという、こういうふうに回答している方々の理由を紹介してください。

#184
○政府参考人(角野然生君) お答えいたします。
 今年度、双葉町、富岡町、浪江町、大熊町、川俣町の五町において、原子力災害で被災した住民の方々の帰還意向に関する調査を実施したところでございます。
 この調査結果によると、帰還意向について、まだ判断が付かないと回答した方の帰還を判断するために必要な条件としては、医療・介護施設の再開、充実や商業施設の再開との回答が多く挙げられております。
 また、戻らないと回答した方について、戻らないと決めている理由としては、避難先で既に生活基盤ができているからや医療環境に不安があるからとの回答が多く挙げられているところでございます。

#185
○岩渕友君 今答弁にもあったように、避難指示が解除をされても、例えば医療であるとか商業施設の再開であるとか、インフラそのものが十分に整っていないという現実があるわけですよね。
 更に言うと、家族や、そして友達も一緒に戻らないとか、もう見る景色も前と全然変わってしまっているとか、ふるさとは事故前と大きく変わってしまっているということなんですよ。こうした被害の実態に即して、避難生活の継続や避難を余儀なくされた慰謝料とは別に認められたのがふるさと喪失・変容慰謝料だということなんですよ。
 資料の三を御覧ください。これ、昨年九月三十日のなりわい訴訟仙台高裁判決では、ふるさと喪失による賠償が認められて、区域外避難者の精神的損害賠償の対象範囲が広がって、上乗せも認められています。
 資料の四も御覧ください。判決が積み上がる中で、中間指針の見直しを求める声が被災者や自治体から上がっています。
 昨年九月、原子力損害賠償紛争審査会の現地視察の際に、双葉町と大熊町から中間指針の見直しについて要請を受けていると思います。どのような要請を受けたでしょうか。

#186
○政府参考人(生川浩史君) 御指摘の双葉町、それから大熊町からいただいた要望書の前文の中で、中間指針の見直しに関係する箇所でございますけれども、まず、双葉町については、このように多くの町民が避難生活の更なる長期化を強いられる中で精神的、経済的に被っている苦痛は計り知れず、極めて深刻であり、中間指針で示されている範疇を大きく超えているものと認識しております、審査会におかれましては、指針が町民の被害実態に即した内容となるよう指針の見直しに真摯に努めていただきたいというふうに記載されております。
 次に、大熊町についてでございますけれども、審査会におかれては、復興の状況だけでなく、目を背けたくなるような当町の現状を十分に御理解いただき、国策として推進してきた原子力発電所の事故により苦痛を強いられている町民及び事業者の被害実態に即した内容となるよう指針の見直しに真摯に努めていただきたいというふうに記載されております。

#187
○岩渕友君 両町が何でこうした要請を行ったかというと、両町ともさらに、審査会が被害者の声に真摯に耳を傾けて審査、検証が行われてきたものとは考えにくいと、こういう厳しい指摘までしているんですね。
 萩生田大臣は、福島民報社のインタビューの中で、中間指針の見直しについて、関連する訴訟の動向などを注視しながら迅速、公平、適切な賠償が実施されるよう取り組むと、こういうふうに述べているんです。
 これ、判決が積み重なってきているわけですけれども、この積み重なる判決についてどのように分析をしているのでしょうか。

#188
○国務大臣(萩生田光一君) 東電福島原発事故に係る裁判の動向については、中間指針の見直し要否の検討に資する観点から、国家賠償の集団訴訟の判決内容については随時、原子力損害賠償紛争審査会に報告を行ってきております。
 具体的には、それぞれの判決について、その損害項目や対象、賠償額などの報告を行い、各裁判所においてそれぞれの考え方で異なる判決が言い渡されていること、現時点でいずれの判決も確定しておらず、引き続き状況を注視する必要があることなどが同審査会において確認されているところです。
 今後も関連する訴訟の状況等について適切にフォローアップをしてまいりたいと思います。

#189
○岩渕友君 判決が確定するまでということになると、更に長い時間を要するということになるわけなんですよね。これ、被害者はいつまで苦しめばいいのかということになるんですよ。
 これ、中間指針、直ちに見直すべきです。どうでしょうか。

#190
○国務大臣(萩生田光一君) 中間指針は、東電福島原発事故が規模、範囲において未曽有のものであり、特に、事故当初、生活状況が切迫する多くの被害者の方々を迅速に救済する観点から、類型化可能なものについて一定の目安を示したものです。このため、個別事情について争いがある場合はADRセンターや裁判所で対応していただくことを基本的な考え方としていますが、現在は事故から十年が経過し、賠償が進んでいる中で、原子力損害賠償紛争審査会でも指摘があるように、多くの方々に迅速に賠償するというよりは、むしろ個別事情に応じた賠償が求められている段階と承知をしております。先月開催された紛争審査会においても、直近の賠償に関する動向等を踏まえ、現時点で直ちに中間指針等の見直しを検討する状況にはないことが確認されております。
 引き続き、関連動向や被災地の実態などを踏まえつつ、紛争審査会で御審議、御判断されることではありますが、必要と認められる場合には適時適切に中間指針の見直しについて検討されるものと考えております。
 いずれにしましても、文科省としては、被害者の方々の御事情を踏まえつつ、公平かつ適正な賠償が行われるよう着実に取り組んでまいりたいと思います。

#191
○岩渕友君 個別の事情ということでしたけれども、その個別の事情が東京電力によって応じられないという事例もあるわけですよね。ADRセンターの和解案の拒否があるだとか、そういった実態があるんですよ。
 損害賠償が非常に不十分になっているということが被害者の皆さんの生活を困窮させているんですね。それを更に深刻にしています。浪江町では、二〇一五年に二世帯だった生活保護世帯は、二〇二〇年には八十二世帯になっているんです。五年間で四十一倍にも急増しているんですね。こういったことを考えても、中間指針の見直し必要です。これを直ちに行うということを強く求めます。
 次に、福島第一原発で発生した汚染水の海洋放出は重大な問題です。
 昨年六月、全漁連は、海洋放出に断固反対する特別決議を全会一致で採択し、十月十五日に大臣への要請を行っています。どのような内容だったでしょうか。

#192
○国務大臣(梶山弘志君) 今委員御指摘のように、十月に全漁連の岸会長や福島県漁連の野崎会長らが来訪されました。その際には、ALPS処理水の取扱いが我が国にとっての重要課題であることは認識をしているが、風評影響は極めて甚大なものになることが憂慮されるなどの観点から、ALPS処理水の海洋放出には絶対反対であり、政府には、漁業者の意見を十分に踏まえ、慎重な判断を求めるという御要望をいただいたところであります。
 私からは、いただいた御要望はしっかりと受け止めた上で政府内での検討を深めること、特に、御懸念の風評影響については、政府方針決定前後を問わず、徹底的な対応を取ることなどを申し上げたところであります。

#193
○岩渕友君 今紹介ありませんでしたけれども、漁業者の努力が水泡に帰すと、で、漁業者を失望させる、漁業の将来に壊滅的な影響を与えかねないと、こういうことまで言っているんですよね。
 福島県内では、七割を超える市町村議会が海洋放出に反対若しくは慎重な対応を求める意見書を可決して、東北市議会議長会も、関係者のこれまでの努力を裏切るものだというふうに厳しく指摘をしています。
 国と東京電力は、二〇一五年に福島県漁連と、関係者の理解なしにはいかなる処分も行わず、タンクに貯留するという約束をしています。この約束に変わりはありませんね。まず東京電力から。

#194
○参考人(小早川智明君) 御質問にお答えいたします。
 処理水の扱いにつきましては、今後、国としての結論が示されるものと認識しておりますが、地元を始め関係者の皆様の御理解が得られるよう努力し続けることが大切という考え方は一貫して変わりはございません。

#195
○岩渕友君 経産大臣もお願いします。

#196
○国務大臣(梶山弘志君) 地元を始め関係者の御理解を得られるよう努力し続けることが大切だということは一貫して変わりません。
 御意見を伺う場での御発言や先ほど御紹介した要請書の内容を踏まえれば、漁業関係の皆様は、廃炉を進めるためにはALPS処理水の処分が我が国として喫緊の重要課題であることは理解を示しつつも、とりわけ風評影響について強い懸念を持たれているものと承知をしているところであります。
 このため、何らかの形でALPS処理水を処分する場合には、風評被害を受け得る方々の御意見に耳を傾け、国が前面に立って風評払拭に取り組む必要があると考えております。その過程で、様々な御懸念に対応し、関係者の御理解を深めていくことが責任ある政府の対応であると考えております。

#197
○岩渕友君 海洋放出を決定するということは、漁業者との約束をほごにすることだし、新たな被害を被害者に負わせることになるという認識はあるでしょうか。

#198
○参考人(小早川智明君) 当社といたしましては、福島県漁連様とのお約束をほごにすることは考えておりません。
 今後、政府によるいかなる決定がなされようとも、関係者の皆様に御理解いただけるよう努力し続けてまいります。

#199
○岩渕友君 大臣もお願いします。

#200
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど申しましたとおりでありますけれども、ぎりぎりまでしっかりと協議、また説明をしていくということであります。

#201
○岩渕友君 大臣にお聞きしますけれども、おととい閣議決定された復興の基本方針では、関係者の理解を得る努力をするというふうには書かれていないんですよ。先送りできないから適切なタイミングで結論出していくというふうにあるんですけれども、これ、結論ありきということになっちゃうんじゃないんですか。

#202
○国務大臣(梶山弘志君) 昨年の二月に小委員会の報告がありました。その後、結論ありきではなくて、多くの方の御意見を伺うということで、数多くの方々、また団体の意見も伺ってまいりました。そして、現在も様々な団体との説明、また意見を伺うことを継続をしているところであります。最大限努力をしてまいりたいと思っております。

#203
○岩渕友君 先ほどもあったように、そもそもは理解が得られなければ海洋放出決定しないし、タンクの貯留継続すると言っているわけですよね。説明するということ、すればいいということではないんだということなんですよ。
 県民の世論調査では海洋放出に五三%が反対をしていて、漁業者も県民も理解なんかしていません。結論ありき、海洋放出ありきではなく、タンクの保管継続のために英知を結集するべきだということを強く言っておきたいと思います。
 先日の福島県沖地震で、第一原発三号機に設置をされていた地震計の故障を放置していたことが判明するなど、東京電力の隠蔽体質と危機管理のなさに怒りの声が上がっています。こんなことが十年続いているんですよ。だからふるさとに戻れないんですよ。
 被害者の生活となりわいの再建妨げているのが東京電力だということを認識しているでしょうか。

#204
○参考人(小早川智明君) これまで十年間、廃炉作業につきましては、地域の復興や被災された方々の御帰還に水を差さないよう、細心の注意を払いながら努めてまいりました。
 そのような中で、今般の地震に伴う対外公表、また地震計の故障が放置されたことなど、地元の皆様に御不安を与えるような事案が発生したことは大変重く受け止めており、しっかり改善してまいりたいと思います。

#205
○岩渕友君 もうこんなこと十年も続いているんですよね。家に帰ることを決めたばかりなのに、原発がまた爆発するかと思うと帰る選択にならないと、こういう声も寄せられています。
 大臣、こんなこと十年も続いていると。今東電の答弁もありましたけど、どんなふうに認識していますか。

#206
○国務大臣(梶山弘志君) 先般の地震のときのその地震計の話も含めて強く東電に抗議をし、そして今後の改善というものを指示をしたところであります。一つ一つしっかりと改善をさせていくこと、そして廃炉、そして福島の復興というものを一歩ずつ進めていくことが重要なことであると思っております。
 地域の自治体におかれましては、この汚染水、また処理水がたくさんタンクにあること自体がこの地域の風評にもつながるものでもあるという御意見もいただいているところでありまして、そういった意見も含めていろいろ参考にしながら判断をしていくということになろうかと思います。

#207
○岩渕友君 そんな問題引き起こすのが原発事故で、国と東電の責任なんですよ。
 原子力緊急事態宣言は今も解除されていません。事故原因も究明されず、検証が必要です。原発ゼロは事故の最大の教訓であり、被害者の願いです。
 野党が共同で提出している原発ゼロ基本法案の成立を求めるとともに、再生可能エネルギーを主力とするエネルギー政策への転換を求めて、質問を終わります。

#208
○委員長(山本順三君) 以上で岩渕友さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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