くにさくロゴ
2021/03/12 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 予算委員会 第10号 令和3年3月12日
姉妹サイト
 
2021/03/12 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 予算委員会 第10号 令和3年3月12日

#1
令和三年三月十二日(金曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十一日
    辞任         補欠選任   
     下野 六太君     若松 謙維君
     大門実紀史君     武田 良介君
 三月十二日
    辞任         補欠選任   
     進藤金日子君     宮崎 雅夫君
     宮本 周司君     清水 真人君
     杉  久武君     高橋 光男君
     片山 大介君     石井 苗子君
     柴田  巧君     清水 貴之君
     岩渕  友君     倉林 明子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 順三君
    理 事
                青木 一彦君
                滝波 宏文君
                馬場 成志君
                藤川 政人君
                白  眞勲君
                森 ゆうこ君
                石川 博崇君
                浅田  均君
                山添  拓君
    委 員
                青山 繁晴君
                磯崎 仁彦君
                上野 通子君
                片山さつき君
                北村 経夫君
                佐藤 正久君
                清水 真人君
                進藤金日子君
                高階恵美子君
                高野光二郎君
                藤木 眞也君
                古川 俊治君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                宮崎 雅夫君
                宮島 喜文君
                宮本 周司君
                山田 修路君
                山田  宏君
                石川 大我君
                打越さく良君
                熊谷 裕人君
                小西 洋之君
                田島麻衣子君
                福島みずほ君
                宮沢 由佳君
                河野 義博君
                塩田 博昭君
                杉  久武君
                高橋 光男君
                若松 謙維君
                石井 苗子君
                清水 貴之君
                礒崎 哲史君
                浜口  誠君
                矢田わか子君
                倉林 明子君
                武田 良介君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     武田 良太君
       文部科学大臣
       国務大臣     萩生田光一君
       厚生労働大臣
       国務大臣     田村 憲久君
       農林水産大臣   野上浩太郎君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  梶山 弘志君
       国土交通大臣
       国務大臣     赤羽 一嘉君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 加藤 勝信君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、地方創生
       ))       坂本 哲志君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    西村 康稔君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(マイナ
       ンバー制度))  平井 卓也君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       クールジャパン
       戦略、知的財産
       戦略、科学技術
       政策、宇宙政策
       ))       井上 信治君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    丸川 珠代君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  坂井  学君
   副大臣
       総務副大臣    新谷 正義君
       法務副大臣    田所 嘉徳君
       外務副大臣    宇都 隆史君
       財務副大臣    中西 健治君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        吉川  赳君
       総務大臣政務官  古川  康君
       厚生労働大臣政
       務官       こやり隆史君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     更田 豊志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤井 亮二君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       松田 浩樹君
       内閣官房内閣人
       事局人事政策統
       括官       堀江 宏之君
       内閣法制局第一
       部長       木村 陽一君
       国家公務員倫理
       審査会事務局長  荒井 仁志君
       内閣府大臣官房
       政府広報室長   田中愛智朗君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        佐藤 朋哉君
       内閣府知的財産
       戦略推進事務局
       長        田中 茂明君
       警察庁刑事局長  藤本 隆史君
       警察庁交通局長  高木 勇人君
       総務省大臣官房
       長        原  邦彰君
       総務省大臣官房
       総括審議官    前田 一浩君
       総務省自治行政
       局長       高原  剛君
       総務省国際戦略
       局長       巻口 英司君
       総務省情報流通
       行政局長     吉田 博史君
       総務省統計局長  佐伯 修司君
       法務省民事局長  小出 邦夫君
       法務省刑事局長  川原 隆司君
       出入国在留管理
       庁長官      佐々木聖子君
       外務省大臣官房
       儀典長      海部  篤君
       外務省大臣官房
       審議官      高杉 優弘君
       文部科学省高等
       教育局長     伯井 美徳君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       板倉 康洋君
       厚生労働省大臣
       官房生活衛生・
       食品安全審議官  浅沼 一成君
       厚生労働省大臣
       官房高齢・障害
       者雇用開発審議
       官        達谷窟庸野君
       厚生労働省医政
       局長       迫井 正深君
       厚生労働省健康
       局長       正林 督章君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  鎌田 光明君
       厚生労働省労働
       基準局長     吉永 和生君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    橋本 泰宏君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    赤澤 公省君
       厚生労働省老健
       局長       土生 栄二君
       厚生労働省政策
       統括官      伊原 和人君
       農林水産省大臣
       官房政策立案総
       括審議官     村井 正親君
       農林水産省食料
       産業局長     太田 豊彦君
       経済産業省大臣
       官房サイバーセ
       キュリティ・情
       報化審議官    江口 純一君
       経済産業省大臣
       官房審議官    萩原 崇弘君
       中小企業庁次長  奈須野 太君
       国土交通省総合
       政策局長     石田  優君
       国土交通省国土
       政策局長     中原  淳君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        井上 智夫君
   参考人
       内閣官房内閣審
       議官       奈良 俊哉君
       総務審議官    吉田 眞人君
       総務省大臣官房
       付        谷脇 康彦君
       総務省大臣官房
       付        秋本 芳徳君
       総務省大臣官房
       付        湯本 博信君
       東京電力ホール
       ディングス株式
       会社代表執行役
       副社長      文挾 誠一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○令和三年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○令和三年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○令和三年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(山本順三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 令和三年度総予算三案審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官奈良俊哉君、総務審議官吉田眞人君、総務省大臣官房付谷脇康彦君、総務省大臣官房付秋本芳徳君、総務省大臣官房付湯本博信君、東京電力ホールディングス株式会社代表執行役副社長文挾誠一君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(山本順三君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(山本順三君) 令和三年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、一般質疑を百七分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党・国民の声二十分、立憲民主・社民三十六分、公明党十五分、日本維新の会十二分、国民民主党・新緑風会十二分、日本共産党十二分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────

#5
○委員長(山本順三君) 令和三年度一般会計予算、令和三年度特別会計予算、令和三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 これより質疑を行います。三宅伸吾君。

#6
○三宅伸吾君 自由民主党の三宅伸吾です。
 本日は、発言の機会をいただきまして、山本順三委員長、そして理事の皆様、そして委員各位に心より御礼を申し上げたいと思います。
 昨年秋の参議院外交防衛委員会におきまして、白眞勲議員が外交ナンバー車について質疑をされました。私、とても興味深く質疑を聞かせていただきました。来週は、日米の2プラス2という大きな外交、安全保障の国際会議があります。それに比べれば外交ナンバーなんて小さいという話に聞こえるかもしれませんけれども、針の穴から世界が見えるという言葉もございます。そういう意味で私は白議員の質問にとても関心を持ったわけでございます。毅然とした、毅然とした日本が大事でございます。そういった観点から、白先生の質疑に少しでも上乗せができるように頑張ってまいりたいと思います。
 さて、車には、皆さん持っていらっしゃると思いますけれども、ナンバープレートというのが付いております。普通の車は陸運局から割り当てられるわけでございまして、これはつまり国土交通省の所管ということであります。その一方で、大使館、領事館の職員らの車には、外務省が発行する外交ナンバー、通称青ナンバーが付いております。ウィーン条約とか外務省設置法に基づき、外務省が発行しているナンバーでございます。一昨日、二〇二一年三月十日現在で我が国には外交ナンバーが千九百七十八台ございます。
 そこで、警察庁にお聞きします。
 昨年十二月末現在で、大使館、領事館の外交団車両による車両放置の違反件数はどのようになっておりますか。

#7
○政府参考人(高木勇人君) お答え申し上げます。
 いわゆる外交団車両に対する放置車両確認標章取付け件数について、令和二年中につきましては千百三十七件、千百三十七件となってございます。

#8
○三宅伸吾君 ありがとうございます。
 いわゆるその駐車違反の切符を切られると、後日、多くの方が違反金をお支払いするわけでございますけれども、これ支払期日から五年で時効になるというふうに聞いております。放置違反金が回収不能となったいわゆる未払件数とその概算の総額を、警察庁、教えてください。

#9
○政府参考人(高木勇人君) 外交団車両の放置違反金について、消滅時効等によりまして不納欠損となった件数につきましては、平成三十年度中三千百十八件、令和元年度中二千七百三十六件でございます。
 放置違反金の金額は、車両の種類や違反行為の種別により異なりますが、普通自動車の駐車違反、失礼しました、普通自動車の駐車禁止場所における放置駐車違反の場合、放置違反金は一万五千円となります。そのため、今申し上げました不納欠損に係る違反が普通自動車の駐車禁止場所における放置駐車違反であったとして計算をいたしますと、平成三十年度中四千六百七十七万円、令和元年度中四千百四万円となります。

#10
○三宅伸吾君 四千万円以上ということが、四千万円以上が連続で取りっぱぐれているということでございます。
 私、地元香川県でございます。通称うどん県と呼んでおりますけれども、店によっては百円でおうどん食べられます。一日三回食べると三百円でございまして、三百六十五日三食ともうどんを食べるとすると年間約十万一千円、失礼、十一万円ほどになります。そうしますと、先ほどの四千万強はですね、四十年近く毎日うどんを食べられる金額に相当するわけでございます。
 警察庁に改めてお聞きいたします。
 これ、違反金ですね、未払になった場合、普通の一般の方が駐車違反の違反金を払わない場合にどのような制裁というか措置がとられて、それと比較すると、外交ナンバーの場合は何か、特権か何かあるんでしょうか。

#11
○政府参考人(高木勇人君) 一般に、放置違反金が納付されない場合には督促状により督促いたしますが、期限までに納付なければ財産の差押え等の滞納処分を行っております。
 これに対しまして、外交官については、放置違反金が納付されない場合、一般の車両の場合と同様に督促を行うこととしておりますが、外交官の特権免除を踏まえまして、相手方の同意がなければ財産の差押え等の滞納処分を行うことができないものと承知しておりまして、引き続き外務省と連携して適切に対応してまいります。

#12
○三宅伸吾君 民間の方が違反金払わないと督促状に加えて差押えが来るけれども、外交ナンバーの場合は督促状は来るけれども差し押さえられることはないということでございまして、違反金を支払わなくても余り大きな不都合は生じないというのが外交ナンバーだと思います。様々な理由がございますので、それ、制度自体が私はおかしいとは申し上げるつもりではございません。
 それでは、外務省にお聞きしますけれども、違反金未払のこの現状について、外務省はどのような対応を最近取られましたか。

#13
○政府参考人(海部篤君) お答え申し上げます。
 外務省の対応といたしましては、三つに大きく分けて御説明させていただきたいと思います。
 まず一つは、例えば、昨年の十二月でございますが、全ての外交団に対しまして、放置違反金支払を含め、我が国の交通ルールに関する国内法令を尊重すべきであるということを改めて文書で申入れをいたしました。その際に、違反件数が多く状況に改善が見られない場合には、改めてしかるべき措置をとり得るということも明記させていただいております。
 それから、二つ目といたしまして、警察庁のデータを基に、違反件数や未払件数の多い外交団の大使など幹部職員に直接申し入れて、個別に同じ趣旨を伝えております。
 さらに、三つ目でございますが、未払の放置違反金を過去に遡って支払うための手続というものを御案内し、支払を督促しているという対応を取っております。

#14
○三宅伸吾君 先日、ヨーロッパのある国の駐日大使からとても丁寧なお手紙を頂戴いたしました。日本の外務省より車両放置について未払の違反金を払ってほしいとの連絡があったので、すぐにお支払いしたという手紙をいただきました。外務省の動きを受けて、白眞勲議員の質問を受けまして、真っ当な国はやっぱり払ってきてくれる、くれているということでございます。
 それはそれはすばらしいんですけれども、未払金の過去三年分のデータを見ると、大体ワースト一位とワースト二位が一緒でございます。ワースト一位はロシア、二番目が中国、不動のワースト一位と二位でございます。そして、両国とも三位以下を大きく引き離しております。
 外務省にお聞きをいたします。ロシアや中国にもきちんと支払を促していますか。

#15
○政府参考人(海部篤君) お答え申し上げます。
 きっちりと支払の督促を申し入れております。

#16
○三宅伸吾君 にもかかわらず、なかなか支払が進んでいないような気がいたしておりますけれども、在日外国公館の車両はガソリン税の免税措置があるそうでございます、租税特別措置法によりまして。
 続けて外務省にお聞きいたしますけれども、具体的にどのような国にガソリン免税の措置を実施しているのか、そしてまた、ロシアや中国は免税措置の対象となっているんでしょうか。

#17
○政府参考人(海部篤君) お答えいたします。
 外交官、領事官などが享有する特権免除の一つとして、相互主義の考え方に基づきまして、委員御指摘のとおり、国内法令に従ってガソリンの免税措置というものを実施しております。これは相互主義に基づいて実施されるものでございまして、我が国に大使館や領事館を置いている現在百五十六か国のうち、約十か国を除く大半の国の外交団の車両が免税の対象となっております。
 御指摘のあったロシア、中国の外交団車両につきましても、相互主義に基づきまして対象となっているということでございます。

#18
○三宅伸吾君 外務副大臣、宇都外務副大臣にお聞きをいたします。
 このように、未払件数が目に余る国や車両に対しては、やっぱり毅然とした日本国として何らかの厳しい対応を私は取るべきではないかと考えます。
 例えばですけれども、今話題にいたしました、少なくとも即刻ガソリン税の免税措置という優遇措置を停止すべきではないかと考えますが、副大臣、いかがでしょうか。

#19
○副大臣(宇都隆史君) 委員のお話のとおり、外交団におけるこの駐車違反であったり放置駐車未払事例、誠に遺憾であると思っておりますが、先ほど儀典長からもお話あったとおり、再三にわたって外務省の方からも努力をしているところでございます。
 実際、状況に関して、格段にこの数年良くはなってきておりまして、件数はまだ多いんですけど、平成三十年は三千九百四十八、トータルですね、あったのが、令和元年には二千六百十五、そして昨年は千百三十七ということで非常に今小さくはなってきている。
 ただ、委員からの御指摘にもあったように、非常に悪い国というのはもう固定化しているという現状もございます。これ、白先生からの別の委員会での御指摘もあったことも踏まえながら、現在どういうことができるのかということで他省庁とも連携してその検討を進めているところであります。
 その検討の中に、御指摘のあったこのガソリン免税に関する措置、これは一応所管は財務省になるわけですけれども、実際一台一台宛てに外務省の方からクーポンを発券しているんですが、これ、実際止める云々ということになった場合についても、ちょっと国内の関連法規のいろんな規定、これに関して様々などういう処置がとれるのかというのを精密にちょっと調べなきゃいけないものですから、それも踏まえた上で、適切に対応するべく誠意努力をしてまいりたいと思っております。

#20
○三宅伸吾君 財務省の所管ということではありますけれども、外務省がはいと言わないと多分この免税措置の停止にはならないような気がいたしておりますので、是非、外務省の方から毅然とした日本外交をまずこの足下から始めるという趣旨で十分な対応をお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、今我が国の大きな政策であるデジタル化戦略についてお聞きいたします。
 私が今日テーマにするのは司法分野でございます。
 二〇一七年十月に内閣府に裁判手続等のIT化検討会が設置されて以降、司法の場においてもIT化が進められております。裁判手続のIT化として、①書面や証拠を電子情報でオンライン提出することや、口頭弁論などの期日に出頭せずウエブ会議などを活用すること、そしてまた、裁判所の管理する事件記録等についても電子情報にオンラインでアクセスできるようにすること等の計画が進められております。
 今の私の話は民事訴訟の分野でございます。刑事訴訟の分野のIT化については、少しは民事よりは、まあ少しというか大分遅れておりまして、近くやっと検討会が立ち上がるという状況にございます。民事訴訟で記録のオンラインアクセスに向けて議論が進められておりますので、刑事訴訟でもいずれこうしたことが可能になり、令状等がオンラインで申請するようになるんだろうと思います。
 ただ、既に紙というか非デジタルの膨大な記録、証拠がございますので、これをすぐデジタル化して様々なそのデジタル利用にするというのはなかなかすぐにはできないことでございますので、今日話題にしますのは、足下の紙の媒体のデジタル化について法務省にお聞きしたいと思います。
 刑事訴訟法というのがございまして、それによりますと、検察官は、取調べ請求する予定の証拠書類とか証拠物について、あらかじめ弁護人に閲覧させたり、場合によっては謄写ですね、コピーの機会を与えることなどが規定をされております。
 謄写、つまりコピーについては、弁護人等が検察庁へ行って自らコピー機でコピーする場合と、国から許可を受けた業者を使ってコピーをしてもらう代行サービスというのがございます。値段は地域によって違うんでございますけれども、コピー代行について、例えば東京などではカラーコピーが一枚八十円、白黒コピーが一枚四十円というところもあるそうでございます。大型の経済事件になりますとコピー代だけで数百万に上ると悲鳴を上げている弁護士の方もいらっしゃいます。
 法務省にお聞きしたいと思いますけれども、今、謄写方法としてどのような類型のものがあるか、教えてください。

#21
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 検察官請求証拠のうち、いわゆる書証につきましては、多くの証拠が先生御指摘のように紙媒体で作成されており、一部、取調べの録音・録画記録媒体のように電磁的記録媒体で作成されているものも存在いたします。
 検察当局におきましては、弁護人に対し、これらの証拠の開示を行うに当たっては、紙媒体の証拠につきましては、弁護人が謄写を行う業者等に依頼して証拠書類を謄写させるなど紙媒体に謄写させる方法で行い、取調べの録音・録画記録媒体等の電磁的記録媒体の証拠につきましては、情報セキュリティー対策としてインターネット等により外部に接続したパソコンを用いて閲覧をしないなどの条件を付すなどした上で、他の電磁的記録媒体にコピーしてこれを弁護人に交付するなど、電磁的記録媒体を、電磁的記録をコピーさせる方法で開示している例がございます。
 さらに、紙媒体の証拠につきましても、情報セキュリティー対策として同様の条件を付した上でデジタルカメラで撮影させるなど電磁的記録化する方法で開示をしている例もあるなど、様々な方法による証拠開示を行っているものと承知しております。

#22
○三宅伸吾君 紙の証拠物についてデジタルカメラを用いてデジタル証拠化するという謄写を既に許容しているということですので、複合機のスキャン機能を介してUSBなどの媒体への複写をすることも刑事訴訟法は排除していないという理解でよろしいですか。

#23
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 先ほど先生御指摘になりましたように、刑事訴訟法では、証拠の開示につきまして謄写というものを規定してございます。このように、閲覧に加えて謄写が認められております趣旨は、証拠の内容を知るだけではなく、それをいつでも確認できることとして、被告人側が防御の準備を十分に行うことができるようにすることにあると考えられます。
 したがいまして、今御指摘の方法によることが紙媒体での謄写と同様に今申し上げた趣旨を全うするものであれば、そのような方法によってコピーを取る機会を与えることは謄写の機会を与えたものと言えると考えております。

#24
○三宅伸吾君 それでは、法務副大臣にお聞きしますけれども、謄写室に既に設置されている複合機に弁護人等がUSBを差し込んでそれに謄写したいというニーズも現にございます。
 ニーズがあり、法制度上、技術的にも可能であるのであるから、紙からデジタル複製も認めるべきだと考えますが、御見解はいかがですか。

#25
○副大臣(田所嘉徳君) 検察官請求証拠の謄写方法については、検察当局において個別の事案ごとに適切に判断すべきものとなっております。
 その上で申し上げれば、刑事手続のIT化についての検討は喫緊の課題であるので、スピード感を持って推進していかなければならないというふうに思っております。
 刑事手続のIT化を積極的に進めていくという視点に立って、現行法の運用に際しても、委員御指摘の点を含めて、法務省としてどのような取組ができるか、どのような利便性向上策が図れるか、検討してまいりたいと思います。

#26
○三宅伸吾君 田村大臣、ちょっと順番を変更して先にお聞きしてもよろしいですか。
 感染予防のために人との距離は当然取るべきでございます。ただ、つながりはやっぱり密がいいなと私は思っております。そういう意味で、ソーシャルディスタンスを取りましょうという言葉は、少し使うのを私は官民とも慎んだ方がいいんじゃないかと最近思っております。
 そしてまた、様々な自粛で、老人の方を中心に、フレイルというか、虚弱体質になったり、また妊産婦の方を中心にうつになっている方が増えていると聞いております。
 このソーシャルディスタンスという言葉と、それから自粛下における健康二次被害についてどのような対策を取られているのか、丁寧な御答弁をお願い申し上げます。

#27
○国務大臣(田村憲久君) まあソーシャルディスタンスというと、何か社会的な距離みたいな感じで何か社会的孤立のようなイメージを持たれるわけでありまして、WHOも、もう既に去年の三月から、フィジカルディスタンス、身体的距離という言葉を使っております。この方がより分かりやすいというふうに思いますので、決して誤解のないように我々もこれ周知をこれからもしてまいりたいというふうに思っております。
 結局、コロナでみんな生活変容、行動変容が起こって、高齢者は家から出ないでありますとか、人と楽しく接する機会がないでありますとか、いろんなことが起こっておりまして、これは精神的にもいろんな影響出ておりますし、もちろん肉体的にも影響が出るということで、アンケート調査をやったんですけれども、これネットを通じて一万人強の方にやりましたが、やはり半分ぐらいの方々が不安を感じるというような、そういう答えが返ってきています。
 もちろん家族がコロナ感染する不安もあるんですけれども、それだけじゃなくて、自分の生活が一変してしまった中においていろんな不安を抱えられておられる。そういうところが、例えば、まあ弱いというわけじゃありませんが、精神的にふだんでも不安定になる方々、例えば妊産婦、出産後、こういう方々はそういう中でいろんな悩みを抱えられるわけでありますので、これは妊産婦のサポート事業でありますとか産後ケア事業、こういうものでいろんな相談等々、それからコロナにおいてもいろんな対応をさせていただいておるということでありますが、一方で、やっぱり一般の方々も例えば悩んで自らの命を絶たれようという方々も出てきますから、そういう方々のために、この相談センター、これ、自治体やっているものもあればNPOがやっているものもあります。場合によっては、時差を利用して二十四時間対応されているような、そういうNPOもあれば、何かあったらすぐ駆け付けて、本当に危ない場合は駆け付けて何とかその方の命を助けようという、そういう民間の取組もあるわけでありまして、ネットワークがあるんですね。そういうものもしっかりと支援しながら、そういう相談、自殺に対するいろんな相談、これも強化をさせていただいておるわけであります。
 それから、高齢者なんですけれども、やっぱりフレイル、これもありますし、認知症、人と会わないとこれが進むということもあります。そういう意味では、やはりしっかりとコロナの予防をしながら介護予防、これをやりつつ、また見守り等々をしっかりやってもらう、そういう体制を再度で自治体にお願いをさせていただいたりでありますとか、高齢者自身が自ら健康を維持するためのいろんな情報を、ウエブ使ったりでありますとか、新聞やホームページ、こういうものを使って発信させていただいたり、また、認知症カフェをオンラインでやって、何とかいろんな認知症を抱えられておられる方々に対してのフォローをしていく、こういうことも進めておりまして、まだいろんなお知恵があると思います。また、委員からもいろんなお知恵があれば、いただければ有り難いと思いますけれども。
 とにかく、徹底して、このコロナ禍で生活が変わってしまうというものに対していろんな不安を抱えている国民の皆様方に何とか寄り添えるような政策が進めていければというふうに考えております。

#28
○三宅伸吾君 田村大臣、御丁寧な、そして分かりやすい御説明ありがとうございました。
 田村大臣にはもう質問ございませんので、退席いただいて。

#29
○委員長(山本順三君) 田村大臣におかれては、退室されて結構でございます。

#30
○三宅伸吾君 ありがとうございます。
 次に、家族と世帯、戸籍、そして氏の在り方について取り上げたいと思います。
 平安の時代から鎌倉時代を生きた北条政子、夫は源頼朝でございます。氏は異なりますけれども、あの二人が夫婦であることは歴史の事実です。
 婚姻は両性の合意のみに基づいて成立し、婚姻や家族に関する事項に関しては、法律は個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない、こう日本国憲法二十四条はうたっております。夫婦となる際に夫又は妻いずれかの氏を選び称すると、このように昭和二十二年の民法改正により規定され、戦後直後におきまして、夫婦の姓に関する両性の平等は具体化を見事にいたしました。
 氏は、名前と同じく、個人の尊厳の重要な要素です。それにもかかわらず、夫婦のいずれか一方に氏の変更を強制する現行制度は、個人の尊厳という憲法理念を十分に満たしているとはなかなか言い難いと私は考えます。
 選択的夫婦別氏制度とは、婚姻に際し夫婦で氏を統一するのか別々のままでいくのかを個人の意思で選べるようにするという制度です。これこそが憲法に言う個人の尊厳を具体化した制度だと私は確信をいたしております。
 旧姓を通称として使用できる範囲を拡大する、こういう、この方法では私は解決できないと思います。なぜならば、尊厳の問題だからです。だからこそ、国連の女性差別撤廃委員会により、二〇一六年三月、我が国が夫婦別氏を認めないことが女性の権利を制限している旨の勧告がなされたのだと思っております。勧告に法的拘束力はないようでございますけれども、女性差別撤廃条約議定書七条四には、勧告に対し十分な考慮を払い、実際にとった措置を回答することなどが定められております。つまり、締約国には勧告をきっちりフォローすることが求められております。
 家族という言葉がございますけれども、実は民法には家族の定義がございません。そこで、世帯と戸籍についてお伺いをいたします。
 総務省にお聞きします。
 住民票に世帯主と異なる氏の者が記載されるケースはどのような場合ですか。

#31
○政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。
 住民基本台帳制度上、世帯とは、居住と生計を共にする社会生活上の単位であり、世帯を構成する者のうちで、その世帯を主宰する者が世帯主とされております。
 この世帯を構成する者については、世帯主と同一戸籍に属することや親族関係があることなどは要件となっていないため、世帯主と異なる氏が住民票に記載される場合があり得ます。例えば、結婚により氏が変わった者で元の家族も一緒に生活している場合、パートナーとして一緒に生活している場合、上京した親戚の大学生と一緒に生活している場合などがあろうかと存じます。
 以上でございます。

#32
○三宅伸吾君 法務省にお聞きします。
 戸籍について、異なる氏の者が同一の戸籍に記されるケースはありますか。

#33
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 戸籍は一の夫婦及びこれと氏を同じくする未婚の子ごとに編製するとされておりまして、御質問が異なる氏の者が同一の戸籍に記載されることはあるかということでございますれば、そういうことはないということになっております。

#34
○三宅伸吾君 氏が異なる者がまさに親密な家族として生活している場合には、戸籍上どうなりますか。

#35
○政府参考人(小出邦夫君) 氏を異にする者が親密に生活しているというような御質問でございました。
 例えば、夫の氏を称することとして婚姻した夫婦が、離婚して、妻が子の親権者と定められましたが、子は前の夫を筆頭者とする戸籍に在籍したままであった場合において、例えば妻が後の夫の氏を称することとして再婚したような場合、この場合、子の氏につきましては母親の前の夫の氏のまま、また、戸籍についても母親の前の夫の戸籍に入るということに、にとどまるということになります。
 もっとも、子の氏を母の氏に変更する家庭裁判所の許可を得て戸籍法に定める入籍届をすれば、子の氏は母の氏に変更され、母の後の夫の戸籍に入籍することになりますが、この手続、子が十五歳以上の場合は自らできるわけですけれども、そういうことを、そういう手続を望まなければ、子供は依然として母の前の夫の氏を称して、戸籍もそこにとどまるということになります。

#36
○三宅伸吾君 法務省にちょっと、質問通告しておりませんけれども、まず、一つの戸籍には一つの氏だということでございますけれども、いろんな、国際結婚とか様々な場合にはどのような扱いになりますでしょうか。

#37
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 国際結婚の場合は日本人でない者でございますので、婚姻の相手方が、その場合、戸籍に入っている者の氏ということであれば日本人の氏のみでございまして、結婚した外国人の方は日本人の戸籍の記載の中の身分事項欄に書かれるということでございますので、同一の氏の者が同一の戸籍に記載されるという例外になるものではございません。

#38
○三宅伸吾君 これも質問通告しておりませんけれども、明治三十一年民法、どのような家族に関する定め方だったでしょうか。今分かる範囲で結構でございます。

#39
○政府参考人(小出邦夫君) 申し訳ございません。ちょっと通告いただいていませんでしたので、またお調べして、後でまた御回答できればと思います。

#40
○三宅伸吾君 いろいろ今お話を伺いましたけれども、世帯等の実態を見ますと、氏が異なってもやっぱり同一世帯として、失礼、氏が異なっても、世帯としてはやっぱり一般的には家族という認識の方も多いかと思います。
 制度的にもそういうケースが客観的に存在します。私は、氏が同一であることと家族の一体感、心のつながりとは別次元の、失礼、氏が同一であることと家族の一体感、心のつながりとは別次元の話であるように私は思っております。
 私には子供が三人おりますけれども、高校生と大学生、今後彼らが、そして彼女が結婚して、もし三宅と異なる氏となっても私の家族であり、彼らの、彼女らの孫も私の家族と私は思うと思います。
 国民の代表である国会議員が選択的夫婦別氏についてどのような考え方をしているかは有権者の知りたいところだと思われます。だからこそ、多くのメディアが、選挙が近づくと候補者に対してアンケート調査を実施するんだと思います。
 現閣僚のほぼ全ての方の新聞社などへの回答状況を調べてみました。選択的な夫婦別氏制度について明確に賛成と言っている方もおられますし、何人かは明確に反対でした。そして、多くの方はどちらとも言えないという回答でした。河野大臣、小泉大臣は、予算委員会で賛成との立場を明らかにされました。
 質問通告しておりませんので答えられませんでも結構でございますけれども、加藤官房長官はどのようなお考えでしょうか。

#41
○国務大臣(加藤勝信君) まさに政府としてこれ、これまでも答弁させていただいていますように、この、政府、別氏制度については様々な御議論があって、先般の男女共同参画計画において更に議論を深めるということでございますので、そういった形でしっかり議論を深めていくことが大事だというふうに考えております。

#42
○三宅伸吾君 財務大臣も質問通告していないのでお聞きしづらいんですけど、御無理がなければ、一言、申し訳ございません。

#43
○国務大臣(麻生太郎君) 質問通告がないので答える義務は全くないんだと思っていますし、ここは個人で立っている場ではありませんので、財務大臣として答弁をさせていただいているということなので、個人の考え方を申し上げるということはいたさない。

#44
○三宅伸吾君 田所法務副大臣はいかがでございましょう。

#45
○副大臣(田所嘉徳君) 広範多岐にわたるその意見というものを十分お聞きしながら、そういう中でしっかりと取り組んでいきたいというところでございます。

#46
○三宅伸吾君 宇都副大臣はいかがでございましょう。

#47
○副大臣(宇都隆史君) 様々な御意見がいずれの党にもあると思いますので、しっかりと議論をしていくことが重要かと思います。

#48
○三宅伸吾君 御答弁いただきました政府参考人の皆さん、どんなお考えですか。

#49
○政府参考人(海部篤君) 御質問をいただいたわけでございますけれども、私のような身分の者でここで個人の見解を明らかにすることは控えたいと思いますが、三宅委員がおっしゃった家族を大事にするという気持ちは私個人としてしっかり持ち続けてまいりたいと、このように考えております。

#50
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 済みません、私、法務省刑事局長として刑事局所管事務の御説明に参っているということでございますので、お尋ねは刑事局所管事務の外にございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。

#51
○三宅伸吾君 この問題につきましては賛否両論ございます。自民党内にも賛否両論ございます。私は、国会議員の考えも大事ですけれども、一番大事なのは、国民が令和三年においてどのような意識を持っているかということではないかと思います。それを把握しないで議論していては、国民のための政治とは言えないと思います。
 家制度を通じ夫婦同氏を法制化したのは明治三十一年の民法でございます。百二十一年前のことです。今は令和三年。令和とは、人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つとの意味が込められているそうです。家族のきずな、これで一番大事なのは心のつながりだと思います。明治、大正、昭和、平成、そして令和へと時代が流れるにつれ、社会は大きく変化いたしております。家族の在り方についても、明治時代とは異なり、各人の選択肢を最大限尊重する、保障することが幸福追求権の確保につながる、そういうものと思われます。
 一切の例外を許すことなく、日本人同士のカップルの全てが……

#52
○委員長(山本順三君) 三宅君、時間が来ていますので、おまとめください。

#53
○三宅伸吾君 氏を統一しなければ結婚できないという状況は早急に改善すべきだと申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#54
○委員長(山本順三君) 以上で三宅伸吾君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#55
○委員長(山本順三君) 次に、打越さく良さんの質疑を行います。打越さく良さん。

#56
○打越さく良君 立憲民主・社民の打越さく良です。
 新谷副大臣、一月六日のNTTとの接待をキャンセルしたとのことですが、その理由は何ですか。

#57
○副大臣(新谷正義君) お答え申し上げます。
 お誘いがあったところは事実でございますけれども、その場でお断りをした次第でございます。

#58
○打越さく良君 理由は何ですか。

#59
○副大臣(新谷正義君) 国民の皆様から疑念を抱くような会食等は控えておりますし、また、今回、適切ではないと思いまして、お断りをした次第でございます。

#60
○打越さく良君 ほかにNTTからの、あるいは利害関係者からの接待はありましたか。

#61
○副大臣(新谷正義君) お答えを申し上げます。
 国民の皆様から疑念を抱かれるような会食や接待は、これは受けたことはございません。

#62
○打越さく良君 十一月二十日には副大臣の秘書がクラブノックス麻布で接待を受けたとされていますが、これは事実ですか。

#63
○副大臣(新谷正義君) お答えいたします。
 これ、秘書に確認をしたところ、これはおおむね事実であったと、そのように報告を受けているところでございます。

#64
○打越さく良君 どちらの誘いでしたか。

#65
○副大臣(新谷正義君) お答え申し上げます。
 詳細に関しては存じ上げていないところではございますけれども、報告を受けているところでは、これは何か働きかけがあるようなものであったとは、そのようなことはなかったと、そのように聞いております。

#66
○打越さく良君 どちらから誘ったかを聞いています。

#67
○副大臣(新谷正義君) 詳細に関しては存じておりませんけれども、いずれにしろ、これははっきりと秘書からは、何かの働きかけがあるようなものではなかったと、そのように報告を受けております。

#68
○打越さく良君 その費用はNTTが支払ったんですか。

#69
○副大臣(新谷正義君) これ、費用に関してもちょっと、詳細は私自身ではないのでちょっとよく分からないところはあるんですけれども、ただ、いずれにしろ、これはそのような何か働きかけがあるようなものではなかったと、そのように報告を受けております。

#70
○打越さく良君 ほかに誰がいたか聞いていますか。

#71
○副大臣(新谷正義君) 私自身のことではございませんので、そこも余り、誰がいたかというのは存じ上げておりませんけれども、いずれにしろ、これは何か働きかけがあるようなものではなかったと、そのように報告を受けております。

#72
○打越さく良君 どんな話をしたか聞いていますか。

#73
○副大臣(新谷正義君) 内容に関しては、私はその場におりませんでしたので、どのような話かというのは詳細には存じ上げておりませんけれども、いずれにしろ、これは何かの働きかけがあるようなものではなかったと、そのように報告を受けております。

#74
○打越さく良君 では、どんな話を聞いたんですか、秘書の方から。

#75
○副大臣(新谷正義君) 私、その場におりませんでしたので、具体的な話はちょっと分からないんですけれども、いずれにしろ、何か働きかけのあるような、そういったお話はなかったと、そのように報告を受けております。

#76
○打越さく良君 どんな話をしたかも聞いていないんですか、秘書から。

#77
○副大臣(新谷正義君) これは、その場にいたわけではございませんので、まあ報告を受けた限りでは、その何か働きかけがあるとか、そういったお話はなかったと、そのように報告を受けております。

#78
○打越さく良君 武田大臣、この事実を把握したのはいつですか。

#79
○国務大臣(武田良太君) 私が把握したのは三月十日水曜日となっています。

#80
○打越さく良君 本日、武田大臣は、副大臣を検証委のトップでなくしたということを発表されましたよね。検証委のトップを新谷副大臣ではない違う方をするということですね。

#81
○国務大臣(武田良太君) 調査委員会を立ち上げるに当たって、その実務担当を副大臣にしていただいていたわけですけども、国会からの御指摘も再三受けて、その調査委員会の中に総務省の職員が入るというのはいかがなものかと、客観性というものが担保できないと、透明性というのが担保できないんじゃないかということを踏まえて、第三者による組織による委員会にすることに決めたわけであります。

#82
○打越さく良君 副大臣の秘書がNTTから接待を受けたということが関係したんじゃないですか。

#83
○国務大臣(武田良太君) それは関係しておりません。

#84
○打越さく良君 大臣は、NTTとの会食、会合はあったんですか。

#85
○国務大臣(武田良太君) 再三申し上げているように、一つ一つの事案についてお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにせよ、国民から疑念を抱くような、国民が疑念を抱くような、そうした会合、そして会食に応じることはございません。

#86
○打越さく良君 国民に疑念を抱かれるような会食ではない会食ならば、NTTと行ったことはあるんですか。

#87
○国務大臣(武田良太君) 国民に疑念を抱かれるような会食に応じることはないということです。

#88
○打越さく良君 高市元大臣や野田元大臣は会食を行ったということを認めていらっしゃるようですけれども、武田大臣は会食を行っていないんでしょうか。

#89
○国務大臣(武田良太君) 高市大臣の問題は高市大臣の問題で、私に言われてもそれは分からないんですけれども、私は、国民に疑念を抱かれるような会食、会合に応じることはないと、このように申し上げている次第であります。

#90
○打越さく良君 NTTとNTTデータは、特別調査委員会を設置して事実関係の解明を目指すとしています。この調査結果にも武田大臣は記載されないと断言できますか。

#91
○国務大臣(武田良太君) それはNTTの委員会がお決めになることで、私が決めることじゃないと思いますよ。

#92
○打越さく良君 検証委員会の今後の調査対象にどのような方が含まれていますか。大臣も含まれますか。

#93
○国務大臣(武田良太君) 再三申し上げているように、我々がその委員会に対して何せいこうせいと言う立場にないんですね。どういったことを調べるのか、どういった対象まで広げるのかも含めてその委員会がお決めになること、それの指導を仰ぎながら我々は実務を担当することもあろうかと、このように考えています。

#94
○打越さく良君 過去の政務三役、そして今の政務三役含めてほしいというような要望はしないんですか。

#95
○国務大臣(武田良太君) 毎回答弁させていただいておりますけれども、国会からどういう御指摘があったということについては的確に御報告を申し上げたいと、このように考えています、調査会に対して。

#96
○打越さく良君 要望するということでよろしいでしょうか。

#97
○国務大臣(武田良太君) 事実関係、こうした要求、要望が国会でなされたという事実関係を我々は報告をすることになっております。

#98
○打越さく良君 真相究明を徹底するという姿勢を示すことが総務行政に対する信頼を回復することにつながると思いますので、過去の政務三役、現在の政務三役、全て含める、それを強く要望するとおっしゃった方がよろしいんじゃないでしょうか。

#99
○国務大臣(武田良太君) よろしい、よろしくないの問題でなくて、事実関係を的確に我々は調査会の方に報告する、それが重要だと思っています。(発言する者あり)

#100
○委員長(山本順三君) 御静粛に願います。

#101
○打越さく良君 総務省違法接待疑惑に関する週刊誌報道に関連して、坂井学官房副長官にも伺います。
 NTTなど利害関係者との会食の事実はありますか。

#102
○内閣官房副長官(坂井学君) 週刊誌報道ということでございますのでNTTの会食の件だと思われますが、御指摘の会食に関しましては、NTTの篠原会長から私の学校の先輩を御紹介いただけるということでお誘いがあり、会食をさせていただいております。

#103
○打越さく良君 職務権限に関わる話題はありましたか。

#104
○内閣官房副長官(坂井学君) なかったと記憶しております。

#105
○打越さく良君 職務権限に関わる要請を受けましたか。

#106
○内閣官房副長官(坂井学君) 要請は受けておりません。

#107
○打越さく良君 どちらのお誘いで会食に至りましたか。

#108
○内閣官房副長官(坂井学君) 先ほども申し上げましたが、篠原会長から御招待いただきました。

#109
○打越さく良君 費用はどちらがお支払いになりましたか。

#110
○内閣官房副長官(坂井学君) 当日でございますが、当日は、会食の費用につきまして、先方からの御招待ということもあり、支払はしておりませんで、先方持ちということでお願いをいたしました。

#111
○打越さく良君 先方から、お土産など贈答品はありましたか。

#112
○内閣官房副長官(坂井学君) お土産がございました。

#113
○打越さく良君 どんなお土産でしたか。

#114
○内閣官房副長官(坂井学君) 残念ながら、全く覚えておりません。

#115
○打越さく良君 会食にはほかに誰が出席していましたか。

#116
○内閣官房副長官(坂井学君) 先ほど申し上げた私の学校の先輩と篠原会長と、もう一人NTTの方がおられました。なので、私入れて四人でございます。

#117
○打越さく良君 もう一人のNTTの方というのはどなたですか。

#118
○内閣官房副長官(坂井学君) 秘書室長ということでございました。

#119
○打越さく良君 法的あるいは倫理的に問題があったとはお考えでないですか。

#120
○内閣官房副長官(坂井学君) 先ほど申し上げましたように、私の学校の先輩を御紹介をするということで御招待をいただいたものでございますし、また、この私の学校の先輩は通信業界等で働いている方でもありません。この会食は、そういった意味では極めて私的な懇談の場として出席をさせていただいたものであり、また、先ほど申し上げましたように、当時の職務に関連をして何かお願いをされるというようなお話もなかったものでございます。
 この大臣等規範というものがございますが、こういったものは総合的に勘案をし判断をするということでございますが、これらを勘案をして、私は規範に抵触するものではないと考えております。

#121
○打越さく良君 御自分の判断を伺っているんじゃないんですけどね。
 もう、このようになかなか、政治家として真相解明や再発防止ということに率先していただきたいところですが、なかなかこのようなことでは全く後ろ向きだということが分かりました。
 続いて、谷脇氏ら十一人が減給処分を受けたこの根拠規定を教えてください。

#122
○政府参考人(原邦彰君) 事実関係でございますので、私の方から御報告申し上げます。
 今般の倫理法違反事案について、二月二十四日付けで、国家公務員倫理審査会の承認を得て違反者に対する処分を行いました。
 この処分は、国家公務員法に基づき人事院規則に定められた基準に従って行ったものでございます。

#123
○打越さく良君 具体的な根拠規定を伺っています。

#124
○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
 法律的には、国家公務員法八十二条、懲戒に関する規定がございます。それから、懲戒の基準につきましては、人事院規則の、平成十二年人事院規則二二―一の第三条ということでございます。

#125
○打越さく良君 国家公務員倫理規程第三条一号、六号にも相当しますね。

#126
○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
 該当いたします。

#127
○打越さく良君 谷脇氏が定年退職した場合の退職手当額を教えてください。定年延長で自己都合で退職した場合の特例加算を含む額を教えてください。

#128
○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
 谷脇官房付については、退職時には国家公務員法退職手当法の規定にのっとり退職手当を支給することになりますが、従来から、プライバシーに関することであり、また谷脇氏については現時点ではまだ在職中でございますので、退職を仮定した場合の詳細についてはお答えは控えたいと存じます。

#129
○打越さく良君 山田前内閣広報官が昨年七月、総務審議官を退任した際の退職金の金額はお幾らでしたか。

#130
○政府参考人(原邦彰君) お答え申し上げます。
 山田前総務審議官は、令和二年七月二十日付けで総務省を退官いたしました。その際、国家公務員退職手当法の規定にのっとり退職手当を支給してございますが、これもプライバシーに関することということで、詳細についてはお答えは差し控えたいと存じます。

#131
○打越さく良君 責任問題に関わりますので、純然たるプライバシーではないと考えられます。
 武田総務大臣、谷脇氏と山田氏、検証委員会で調査を行う意向を今日表明されていますけれども、その検証委員会の名称、設置時期、構成、調査結果の発表時期を教えてください。

#132
○国務大臣(武田良太君) 委員、再三私の方は答弁させていただいておりますけれども、そうしたものを私が決める立場にないんです。客観性を持つべきだという国会の指摘を受けて、会の組織の在り方、そしてどういう調査をするか、範囲をどこまで拡大していくかも含めてそうした委員会に委ねて客観性を担保としてもらうということでありますので、御理解ください。

#133
○打越さく良君 これ、いつまでかぐらいは答えられないんですかね。

#134
○国務大臣(武田良太君) できるだけ早急に対応できるようにお願いしているところであります。

#135
○打越さく良君 武田大臣、谷脇さんたちの更なる処分についても検討するということになりますよね。

#136
○国務大臣(武田良太君) 人事に関わることなので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。

#137
○打越さく良君 余りにも納得できないですね。
 検討の対象に、国家公務員倫理規程第七条における職員の職務に関する倫理の保持を阻害する行為等の禁止も含まれるということにしていただけませんかね。

#138
○国務大臣(武田良太君) 決められた法令に基づいて、ルールにのっとって対処されるものと考えております。

#139
○打越さく良君 国家公務員倫理規程第七条第三項における懲戒処分は、人事院規則二十二条の一、別表二十三号の関係、どういうふうになっているか、教えてください。

#140
○政府参考人(荒井仁志君) お答えいたします。
 倫理規程七条三項に違反して自ら管理又は監督する職員が違反行為を行った疑いがあると思料するに足りる事実を黙認した場合につきましては、人事院規則二二―一において、その懲戒処分の基準を停職又は減給としておるところでございます。

#141
○打越さく良君 人事院規則二十二条の一は国家公務員倫理法に違反した場合の懲戒処分の基準を定めているわけですけれども、その規則における処分のうちに最も重いものは何ですか。

#142
○政府参考人(荒井仁志君) お答えいたします。
 人事院規則二二―一、四条におきましては、職員が倫理法令の違反行為を二つ以上行ったときは、懲戒処分の基準の最も重い懲戒処分よりも重い懲戒処分を行うことができるとされておるところでございます。

#143
○打越さく良君 懲戒免職に相当する行為を在職中にしていたことが退職後に判明した場合、退職手当の返納を命ずる処分ができるんじゃないですか。

#144
○政府参考人(堀江宏之君) お答えいたします。
 国家公務員退職手当法第十五条第一項第三号は、既に退職した職員が在職中に懲戒免職処分を受けるべき行為をしたと認められた場合には、退職手当の返納を命ずる処分を行うことができるとしているところでございます。

#145
○打越さく良君 山田真貴子前内閣広報官は、総務省時代の接待問題に関し、内閣広報官の月給の十分の六に相当する七十万五千円を自主返納したとされています。
 これは、人事院規則二二―一第三条の別表十号による処分がなされた谷脇氏らと同等と考えられますが、いかがでしょうか。(発言する者あり)

#146
○委員長(山本順三君) 打越さく良さん。

#147
○打越さく良君 人事院にお願いします。

#148
○政府参考人(荒井仁志君) ちょっと聞き取りが難しかったものですから、再度お願いいたします。

#149
○委員長(山本順三君) それでは、もう一度、打越さく良さん、質問していただけますか。

#150
○打越さく良君 人事院に伺います。
 山田前内閣広報官は、総務省時代の接待問題に関し、内閣広報官の月給の十分の六に相当する七十万五千円を自主返納したということです。
 これは、人事院規則二二―一第三条の別表十号による処分がなされた谷脇さんらの処分と同等と考えられますが、いかがでしょうか。

#151
○政府参考人(荒井仁志君) お答えいたします。
 御質問につきましては、少し、いわゆるその退職金の返納の話と、あとその供応接待、先ほどの別表の十の供応接待における減給又は戒告の部分につきましては、これ基本的に別の枠組みになっておりますので、単純に比較することは難しいものと思っております。

#152
○打越さく良君 総務省、お分かりになりませんか。

#153
○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
 法的には人事院の方でございますので私承知しておりませんが、内閣官房の方で内閣広報官のときに、総務省の時代の事案で給与を六割ですね、返納、自主返納ということでありますので、そのときの御答弁ですと、たしか総務省の方の処分、これを勘案してほぼ同等のというような御答弁があったやに聞いております。

#154
○打越さく良君 つまり、山田前広報官の総務省時代の行為は減給処分相当であったと考えられます。
 今後、更に検証委員会で、山田前広報官が自らが管理又は監督をする職員が違反行為を、疑いがあると思料するに足りる事実を黙認することを行っていたことが確認された場合、その違反行為に対応する懲戒の種類を人事院、教えてください。

#155
○政府参考人(荒井仁志君) お答えいたします。
 ちょっと今の、特別職の方が退職された後の処分につきましては当方では所管をしておらないところでございますので、御理解いただきたいと思います。

#156
○打越さく良君 いや、総務省時代の行為のことです。特別職のときじゃなくて、総務省時代の行為のことで御質問しています。

#157
○政府参考人(荒井仁志君) お答えいたします。
 既に退職してしまわれた方の総務省時代の処分ということになりますと、もう既に退職されている話になりますので、ちょっとお答えすることは難しいかと思っております。

#158
○打越さく良君 総務省時代の行為のことでお知らせしているんですけれども。(発言する者あり)

#159
○委員長(山本順三君) 打越さく良さん。

#160
○打越さく良君 総務省時代の行為が今判明したということで、その場合にどうなるかを伺っております。

#161
○政府参考人(荒井仁志君) お答えいたします。
 既に退職してしまった方への処分につきましては、これは行うことができないものというふうに考えています。

#162
○打越さく良君 退職金の返納のお話を伺っています。

#163
○政府参考人(堀江宏之君) お答えいたします。
 先ほど答弁ありましたとおり、退職後には懲戒処分を行えないわけでございますが、退職手当法の問題として御説明いたしますと、退職手当法第十五条第一項第三号は、既に退職した職員が在職中に懲戒免職処分を受けるべき行為をしたと認められたときは退職手当の返納を命ずる処分を行うことができると定めているところでございます。

#164
○打越さく良君 ですから、退職後のこととして、倫理法に基づく調査を行わないという言い逃れはできないというふうに考えられます。
 では、柏崎刈羽原発における中央制御室への不正入室問題について、東京電力にお話、見解を伺います。

#165
○参考人(文挾誠一君) それでは、お答え申し上げます。
 当社は、福島第一原子力発電所事故の当事者といたしまして、ただいま原子力発電所の一層の安全対策向上に取り組んでいるところでございます。このような中で、他人のIDカードを使用しまして不正に中央制御所に不正入域をしたという事実が発生してございます。このことは、安全に対する姿勢とか、あるいは地域の皆様との信頼に対しまして言い訳できない重大な事案として大変重く受け止めているところでございます。改めて深くおわびを申し上げたいというふうに思います。
 今回の取りまとめました、この不正事案に対しまして改善計画を取りまとめてございます。これにつきましては、先般、三月十日でございますけれども、原子力規制委員会に報告をさせていただきました。今後御審議をしていただくということになります。改善計画の中では、根本原因の究明に徹底的に取り組みまして、その上で、改善に必要な対策というものを、個人や組織レベルに加えまして最新技術の活用など重層的に検討して、できることから直ちに今着手をしているところでございます。今後は規制庁に追加の検査を実施していただくことになりますが、新たに御指摘をいただいた場合には、それにつきましてもしっかりと対応してまいりたいというふうに思います。
 いずれにいたしましても、対策につきましては、期限を区切るということではなくて、一つ一つ着実に取組を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。

#166
○打越さく良君 ただいま期限を区切るということではないということでしたけれども、やはりある程度の期間をおっしゃっていただきたいと思うんですが。

#167
○参考人(文挾誠一君) お答え申し上げます。
 期限を切ることなくというのは、しっかりと対策を進めるということで、ここまでにこれをやりなさい、あれをやりなさいと言いますと、またいろんなそごが生じるということになりますので、これはしっかりとその対策を講じていくという意味でございます。
 ただ、委員おっしゃいますとおり、いつまでもだらだらやるということではなくて、できるだけ早急に対策を講じてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

#168
○打越さく良君 原子力規制委員会はどのように受け止めていらっしゃいますか。

#169
○政府特別補佐人(更田豊志君) まず、今回の東京電力によるID不正利用についてですが、このID不正利用については三月十日に報告書を受領し、委員会並びに担当部署で共有をしたところであります。しかしながら、今の時点ではまだ委員会としてのこの報告書に対する議論を行ったわけではありません。まだまだ入口の状態であって、今、あの報告書自体にも、私たちこれから追加の検査にも入りますが、指摘を加えなければならないであろうと思われるところが幾つもあるのが実際のところだというのが私の今の受け止めです。今後、検査も重ねますし、彼らの改善活動が十分なものであるかどうかという点についてもしっかりと監視をしていく必要があるだろうと思っております。
 更に申し上げますと、東京電力の核物質防護に関してはこのID不正利用の以降にも事案が続いておりますので、そういった意味で、期限、期間を、今、文挾副社長にお尋ねのあった期限をというのはなかなかお答えするのは難しいですけれども、全体像に対してしっかりとした監視を続けてまいりたいというふうに考えております。

#170
○打越さく良君 安全対策工事の未完了ということも判明しましたけれども、それについては、東京電力、見解を教えてください。

#171
○参考人(文挾誠一君) それでは、お答えを申し上げたいと思います。
 当社といたしましては、節目節目で地元の皆様に安全対策工事の進捗をお伝えするという姿勢でございます。
 七号機の安全対策工事につきましても、一月十二日に完了しまして、十三日にその旨をプレスしたところでございます。ただ、しかしながら、その後、現時点までに四件の工事の未完了事案を確認してございます。これにつきましては、多岐にわたる工事の中で、設計側と工事側の連携がうまく取れていなかったということが根本にはあります。そういうことで、一部未完了となってございますが、現在、ほかにも同様のやはり事案がないかどうかということは今検査を、総点検を掛けております。その状況は、取りまとめ次第、これも公表させていただきたいというふうに思います。
 IDの不正使用で徹底的に今検討した内容を踏まえまして、今後、工事未完了の事案につきましても、根本的な原因究明をまず行いまして、再発防止策を策定してまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

#172
○打越さく良君 原子力規制委員会はどうでしょうか。

#173
○政府特別補佐人(更田豊志君) 工事の進捗とその公表につきましては、これは規制の対象ではありませんので、東電が一旦完了しましたと言ったものが未完了であったということについて、原子力規制委員会が何らかの対応を取るということはありません。
 一方、完了をしたら、工事が完了したら、東京電力が、これから規制委員会に向かって工事が完了して自分たちの検査も終わったので確認してくださいというふうに伝えてくるし、この伝えてきた時点でなお工事が未完了であれば、これはやり直しを命ずるということになりますけれども、東京電力の公表、プレスリリース等々に対して私たちが規制上の対処を取るということはありません。

#174
○打越さく良君 セキュリティーにも保安管理にも本当に課題を抱えているということが分かりました。こうした柏崎刈羽原発の再稼働をめぐっては本当に地元は大変困惑していますので、これはもうできないものというふうに政策は進んでいくべきだというふうに考えます。
 それでは、第五次男女共同参画基本計画第九分野において、世帯単位から個人単位になるよう見直しの検討を進めるという点ですが、これは昨年の特別定額給付金の反省を踏まえたものでしょうか。

#175
○国務大臣(丸川珠代君) 委員御指摘の点につきましては、第五次男女共同基本計画策定の過程で個人単位での給付を求める声が寄せられたことなどが念頭に置かれております。

#176
○打越さく良君 昨年の特別定額給付金の受給権者はどうなりましたか。総務省、お願いします。

#177
○政府参考人(前田一浩君) お答え申し上げます。
 昨年度の特別定額給付金におきましては、世帯を対象といたしまして、世帯主を受給権者としておりました。

#178
○打越さく良君 総務省に伺いますが、夫婦のみの世帯、夫婦と子供の世帯の世帯主の性別割合を教えてください。(資料提示)

#179
○政府参考人(佐伯修司君) お答えいたします。
 総務省が五年ごとに実施している国勢調査の結果から世帯主が男性である世帯の割合の推移を見ると、一九八五年は夫婦のみの世帯で九九・三%、夫婦と子供から成る世帯で九九・八%となっています。その後、いずれも九九%台、九八%台で推移し、二〇一五年は夫婦のみの世帯で九八・六%、夫婦と子供から成る世帯で九八・九%となっています。

#180
○打越さく良君 つまり、これらの世帯の世帯主は圧倒的に男性だと、もうほぼほぼ一〇〇%男性だということが分かるわけです。だから、世帯主を受給権者にしたということは男性を受給権者にしたと同じということで、これは予想できたことだと思うんですね。受給権者を世帯主にするということは様々な災害弔慰金や支援金でも批判されてきましたが、これ生かされていないということがあります。
 それで、特別定額給付金の受給が世帯主を受給権者にしたということで、果たして一人一人に支給されたと、実際に手に入れたのか、そういうことは実態調査をすべきではないかということが様々に表明されていますけれども、そうした予定は、総務省、ないでしょうか。

#181
○政府参考人(前田一浩君) お答え申し上げます。
 今回の特別給付金につきましては、迅速かつ的確に家計への支援を行うという趣旨を踏まえまして、住民基本台帳上の世帯を単位とし、その使途に特段の制約を設けることなく、世帯主に対して給付を行ったものでございます。
 このように、特別定額給付金の受給権者は世帯主でありまして、世帯員の数により給付額が算定されるものの、給付金の具体的な使途についての制約はなく、各世帯において判断されるものであることを踏まえれば、世帯の中における給付金の具体的な使途について調査することは制度の趣旨からもなじまず、よって調査の実施は考えておりません。

#182
○打越さく良君 その結果、もう本当に、世帯主だけが使ってしまったという例は本当に周囲でも聞きますし、様々なアンケートでもそういう声が上がっております。
 それで、今回マイナンバーを利用して世帯主義というものが見直されるかどうかということで、デジタル改革関連法案を私、見てみたんですけれども、それで見直されることになるかよく分からないんですね。結局、受給権者と、今後、受給権者が世帯主ということになってしまうと問題の解決にならないんではないかと思うんですが、その辺り、デジタル担当大臣としていかがでしょうか。

#183
○国務大臣(平井卓也君) 公金受取口座登録法案、議員御指摘の法案ですが、国民の皆様に任意で公金受取のための口座をマイナンバーとともに登録していただき、その口座情報を各種公的給付の支給等にできるようにするというものです。これにより、各種給付等の申請においては、口座情報の記載とか通帳の写しの添付とか、行政機関における口座情報の確認作業等を不要にすることができます。
 よって、各種給付等の事務手続において迅速に個人の口座情報を授受することは可能となるが、それぞれの給付等を世帯単位とするか個人単位とするかは給付等を所管する各府省の各制度の趣旨や制度設計によるものであり、一概には申し上げられない、つまり政策判断だと思います。
 ただし、各種給付等を受けるための口座情報が幅広く登録されれば、これらの給付等を個人単位で迅速に支給するための環境整備にはなると考えております。

#184
○打越さく良君 やっぱり、同居したままのDV被害者、あるいは家に帰れない若い女性たちが特別定額給付金を受け取れないということで悲鳴が上がっておりましたので、それがこの法案が出ても解決にならないということであれば何のためのデジタル化かというふうに思いますので、検討をお願いしたいというふうに思います。
 それで、続いての質問ですが、選択的夫婦別姓・全国陳情アクション公開質問状について、丸川大臣のところにも届いたかと思うんですが、それについてどのように対応なさったか教えてください。

#185
○国務大臣(丸川珠代君) 三月八日、電話にて対応をさせていただきました。

#186
○打越さく良君 その公開質問状を御覧になったのかと、それからどのようにその電話で対応なさったのか教えてください。

#187
○国務大臣(丸川珠代君) 質問項目について確認をさせていただきました。また、電話では、私は現在、大臣の立場にございますので、広くいろいろな意見を聞いて議論を後押しする立場にございますので、今この時点でお答えするのは適切ではないと考えているということを申し上げました。

#188
○打越さく良君 その内容は御覧になったんですよね。公開質問状の内容です。

#189
○国務大臣(丸川珠代君) 質問項目について確認しました。

#190
○打越さく良君 どんな質問項目がありましたか。

#191
○国務大臣(丸川珠代君) 様々な質問があったと思いますけれども、自身の意見を述べよといったような内容であったかと記憶をしております。

#192
○打越さく良君 選択的夫婦別姓を求める意見書を地方議会が採択しないようにというような意見書について、なぜ名前を連ねたのかと、そういった質問項目ありませんでしたか。

#193
○国務大臣(丸川珠代君) あったと思います。

#194
○打越さく良君 それに賛成しているということですね。
 じゃ、もう一度。選択的夫婦別姓の実現を求める意見書に採択しないということについて賛成ということですね。

#195
○国務大臣(丸川珠代君) 夫婦の氏をめぐる制度については様々な議論がございますので、私はこの大臣の立場に就くに当たって、予断を持ってこの議論に臨みたくない、また、私の考えで議論が左右されるようなことはあってはならないと思いましたので、私の意見は職員の皆様にも世間に対しても、この立場では表明をしないということを決めております。

#196
○打越さく良君 丸川大臣は、大臣にお就きになる前は個人的な見解を表明されていましたか。

#197
○国務大臣(丸川珠代君) 私は私の考えがあるのは確かでございますけれども、記憶の限りにおいて、それを演説会等でしゃべったことはないのではないかと思います。

#198
○打越さく良君 二〇一九年の参議院選挙、丸川大臣も私も臨んだわけですけれども、夫婦別姓を法律で求めることについて賛成か反対かということを質問、アンケートされたと思うんですが、それに私は賛成と答えて、丸川大臣はどういうふうに回答されたか、御記憶にありませんか。

#199
○国務大臣(丸川珠代君) この資料で出されている社のものでしたら回答しております。

#200
○委員長(山本順三君) 時間来ておりますので、おまとめください。

#201
○打越さく良君 それは空欄であったということで、そうした個人的見解を表明されないまま地方議会に圧力と思われるようなことをされたのは大変遺憾です。
 終わります。

#202
○委員長(山本順三君) 以上で打越さく良さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#203
○委員長(山本順三君) 次に、石川大我君の質疑を行います。石川大我君。

#204
○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我でございます。今日は質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 武田総務大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 先ほど我が会派の打越さく良議員からるるいろいろと質問させていただいたわけですけれども、全く疑惑が晴れていない、そのように思います。
 大臣、来週の今頃、この状況どうなっているというふうに思われでしょうか。

#205
○国務大臣(武田良太君) いや、来週どころか、あしたのこともちょっと私言えない。御理解いただきたいと思います。

#206
○石川大我君 そうしましたら、来週の今頃、大臣の席には座っていらっしゃるというふうに思われますか。

#207
○国務大臣(武田良太君) 極めて難しい質問ですね。そうした先のことというのは、今断定的に申し上げるということはできないと思いますよ、どなたも。

#208
○石川大我君 来週の今頃、慎重に注視をしていきたいと思います。
 この問題、私の秘書が非常にたくさん調べて、この問題、あったわけですけれども、たくさん質問したいんですが、これから先の問題、このNTTの問題、総務省の問題に関しては同僚の小西議員に譲りたいと思います。
 私からは、入管行政についてお伺いをいたしたいと思います。
 政府は、入管法の改正案を国会へと提出をいたしました。この入管政策の転換、これから日本にとって本当に重大な意味を、日本の在り方、日本がこれからどういう国であろうとするのか、そういった意味で非常に重大な問題だというふうに思っております。
 一九三二年に初来日をしたチャップリンの言葉です。監獄を見ればその国の文化水準が分かると、こういうふうに述べて、各国の刑務所を訪れていたそうです。日本でも訪れたそうです。もちろん入管の施設は刑務所と違いますけれども、個人の自由、身柄を拘束して収容するという意味においては同じだと思います。今チャップリンが生きていたら、今、日本の入管行政どう見ていたのか、そんなことも思いをはせながら質問したいというふうに思います。
 今日は、出入国在留庁の佐々木聖子長官にいらしていただいております。ありがとうございます。
 初代長官に就任をした二〇一九年四月、毎日新聞のインタビューで、入局を選んだ理由、難民に関する本を読み、元々アジアに関心があったと述べられています。外国人支援施策を担うことについては、入管で支援をやりたいと考えていた、非常に大きな使命だと述べられています。
 長官の入管行政に懸ける思い、難民行政に懸ける思いをまずは教えてください。

#209
○政府参考人(佐々木聖子君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。
 思えば、もう三十有余年、入管行政に携わっているわけでございますけれども、この間、日本の出入国在留管理行政、あるいは外国人関係行政におきましては、非常に大きな、いろいろな大きな変化が起こってまいりました。それは、入管行政の変化ということではなくて、日本社会そのものの変化の一端だったということが申し上げられると思います。それに当たりまして、適切な外国人の受入れを行う、そしてそれにつながる適切な在留管理、そして退去強制までも含めての出口管理というものを適切に行うという使命につきましては一貫したものでございます。
 ここに参りまして、この入管の新しい使命として、外国人の在留支援、そして受入れ環境の整備についての総合調整役を行うという新しい使命を出入国在留管理行政が担うことになったわけでございます。
 いずれにしましても、社会の動きに合った出入国管理行政をつくっていく、そして、いろいろな方面のいろんな方のお声に耳を傾けながらより良い入管行政をつくっていきたいと思ってございます。

#210
○石川大我君 長官の思いとは裏腹に、現在の日本、難民認定率の低さ、これ異常だと思います。僅か〇・四%。
 難民条約に加入して今年で四十年がたつわけですけれども、入管庁は国際基準にのっとった難民認定制度を行っている、守っているというふうに言えますでしょうか。

#211
○政府参考人(佐々木聖子君) 若干、入管、難民の認定手続にも触れまして御説明させていただきたいと思います。
 難民の認定、これは申請者ごとにその申請内容を審査した上で個別に判断をいたします。そして、もしも難民とは認定されなかった場合であっても、その判断に不服申立てを行うということができます。そして、不服申立ての手続におきましては、外部の有識者から成る難民審査参与員の皆様、例えば元裁判官、元外交官、大学教授などのこの分野についての様々な知見をお持ちの方々ですが、この方々が三人一組で審理を行い、意見を提出することとされておりまして、法務大臣は、その意見を必ず聞いた上で、その意見を尊重しつつ裁決を行うという仕組みになってございます。さらに、難民には当たらないとの判断になお不服がおありになれば、裁判所に訴えを提起し、これによって司法判断を受けることも可能な仕組みになっています。
 ですので、これらの重層的な行政手続、そして訴訟手続を経た結果として難民と判断されなかったという方につきましては、日本国として難民であるとは認め難いというのが仕組みから申し上げました実情でございます。
 今お問いの難民の認定率ということでございますけれども、あくまでこのようにして個別に判断をされた結果の積み重ねであるわけでございまして、大量の難民、避難民を生じさせる国との地理的要件など、各国それぞれに状況が異なっていますので、難民認定率のみを単純に比較することは相当ではないというのが私どもの見解でございます。
 いずれにいたしましても、難民認定手続、適正に進めてまいります。

#212
○石川大我君 長官は難民に対する思いがひとしおだというようなお話を聞いておりますので、あの答弁、本当に心の底から読んでいらっしゃるのかなというのはちょっと疑問だというふうに思いますけれども、カナダでは五五%、イギリスでは四六%、アメリカでは二九%という認定率、今重層的な行政手続があるというふうにおっしゃいましたけれども、結果的に〇・四%になっているということだと思います。
 日本の入管行政、国連人権理事会から怒られているという状況、御存じでしょうか。国連人権理事会の恣意的拘禁に関する作業部会が、昨年八月、東日本入国管理センターに収容されていた二名の長期収容者、四年、五年という方ですけれども、この方たちに対して、国際法違反の恣意的拘禁に該当するという意見を採択しました。この国連の見解についてどのような改善策を取られているんでしょうか。

#213
○政府参考人(佐々木聖子君) 今御指摘の昨年九月に出されました恣意的拘禁作業部会の意見書でございますけれども、現在、出入国在留管理庁におきましてその内容の精査、検討を行っているところでございます。
 その精査の上で、関係省庁と連携しながら適切に対応していきたいと思ってございまして、その際に私どもの見解をお示しすることになると思います。

#214
○石川大我君 今、精査、検討というお話がありました。これ、昨年も出ているんですよね。昨年出ているもの、これ、今法案を提出しております入管法の改正にこれは生かされているんでしょうか。

#215
○政府参考人(佐々木聖子君) まさに精査、検討を行ってございまして、その内容の中には、私どもとしまして必ずしも御指摘のとおりだということにはならない部分も含め、中にも含まれていると思っています。
 法改正につきましては、もとよりこれまでの入管が抱える、特にその退去強制手続部分に関する諸問題を踏まえた上で有識者の皆様のお声もいただきながら検討を重ねてきたものでございまして、これにつきましては今後御説明を尽くしていきたいと思っています。

#216
○石川大我君 今、これ法案がもう提出をされています。
 この収容・送還に関する専門部会というところのこの意見をこの改正には生かされているんだと思いますけれども、これが出たのが六月、昨年の六月です。国連から指摘を受けたのが八月。こちらは反映できるにもかかわらず、国連の方は、まあ二か月遅いですけれども、二か月遅れだからこれ精査中、そういうことなんでしょうか。

#217
○政府参考人(佐々木聖子君) 必ずしもそういうことではございませんで、内容につきまして精査の上、どのような見解の申し上げ方をするかということにつきまして関係省庁とお話をしているところでございます。
 ですので、先ほども申しましたように、必ずしもこの御指摘を私どもとして分かった、是とするというものでもないということから、法改正につきましては、元々入管が抱えていた問題の解消、改善、解決ということで検討を進めてきたものでございます。

#218
○石川大我君 これ、精査、精査、精査とずうっと言ってこの法律ができてしまう、これはおかしいと思うんですね。
 確かに、先ほど、今おっしゃいました、これ、是とするところだけではないと。それだったら、きちんと早く、この法案を提出する前にそれを出して、ここは受け入れる、ここは受け入れない、そういうふうにすればいいんじゃないですか。

#219
○政府参考人(佐々木聖子君) その見解の表明の仕方等につきましても関係省庁と協議しているところでございます。

#220
○石川大我君 結局、国連の言うことは聞かないと、もうそういうことなんじゃないでしょうか。
 これ、法律が改正されても、国際法違反と指摘されたまま改正をする、そういうことですか。

#221
○政府参考人(佐々木聖子君) そのようなことにはならないと考えています。

#222
○石川大我君 この法律を改正する大きな理由は何でしょうか。

#223
○政府参考人(佐々木聖子君) 近年の出入国管理行政の運用の中で大きな問題が二つ浮上してきておりました。一つは、退去強制が国の決定として決まったにもかかわらず、その送還を忌避して出国をしないという方が増えてきたということ、そしてもう一つは、そのことにも起因をいたしまして、先ほど来お話のあります収容が長期化してきたということが実情としてございます。
 ある意味、入管法は戦後間もなくできた法律でございまして、この退去強制手続部分につきましては、その後ほとんど大きな改正ということをしてきておりません。その意味、ある意味、今の入管法、出入国在留管理法が実態にそぐわなくなってきたという面も認められましたので、そこを今の時代に合うものに直したいと思ったものでございます。

#224
○石川大我君 今の時代に合わせるということなんですけれども、この収容の長期化、問題があると、それを解消したいんだということですけれども、今回の入管法の改正で、送還を拒否する人を強制的に送還をするということができるようになりました。これ、送還忌避罪というのをつくって犯罪としてしまおうと、送還拒否するんだったら犯罪者にして出しちゃおうという、そういう乱暴なことだというふうに思います。
 こういう方たち何人ぐらいいるんでしょうか。データありますでしょうか。

#225
○政府参考人(佐々木聖子君) 私どもといたしまして、送還忌避をされている方ということを定義を付けまして、統計を精査をしてございます。
 一昨年、令和元年の十二月末現在で、退去強制手続の発付を受け収容中の外国人九百四十二人、仮放免の方二千二百十七人でございました。被収容者のうち送還を忌避する人が六百四十九人、そして、仮放免の方のうち、本来であれば退去強制手続が決定をしましたら速やかに出国をしていただくというわけですが、いろいろな事由、理由がありましてまだ退去されていない、収容をしていたけれどもそこから仮放免になっているという方の数を合わせて送還忌避者ということで、およそその時点で三千人という数でございます。

#226
○石川大我君 この送還忌避の方、どんな方たちがいらっしゃるというふうにお考えですか。

#227
○政府参考人(佐々木聖子君) 主に難民認定手続がまだ進行している方、それから訴訟、入管関係の訴訟を遂行中の方などが数としては上位にあります。

#228
○石川大我君 本国の迫害から逃れてきて、帰ったら命の危険がある、そういった方ですとか、この日本に長く生活をしていて、お子さんが生まれるとか、そういった事情で本国に帰れない、そういった方たちがたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか。

#229
○政府参考人(佐々木聖子君) 今御指摘の本国で迫害のおそれがあって日本に来られてという方は、恐らく御指摘のように難民認定申請をされている方だと思います。
 その難民認定申請を、冒頭御紹介をしましたように、重層的な手続で、日本政府としては法務大臣がまず判断をし、それから二回目の不服申立て審査のときには有識者の方々の御意見もいただき、またさらに、その中の一部の方は訴訟にも提起をして司法判断を仰ぐということで、その方が難民認定、あるいは難民条約上の難民に当てはまらなくても、日本として庇護するべき方については在留を許可していますので、そういうものに当たるかどうかということで、ある意味判断が一回なされます。
 その上で、それに当てはまらないので退去をしてくださいということで、今申し上げましたような退去強制の決定はなされているけれども帰れない、そういう方がいらっしゃいます。
 ですので、その意味では、その方が難民かどうかという判断はなされていて、その難民であるということには当てはまらなかった方々について退去強制を行う、まあステータスといいますか、位置付けになっているということでございます。
 それから、もう一つ委員のおっしゃいました日本に家族がいらっしゃられて帰れないのではないかという方、帰りたくないという忌避の理由の中でそうしたことをおっしゃる方はもちろんいらっしゃいます。それにつきましても、まず退去を、退去強制を決定するかどうかというプロセスの中で、その方を、本当は不法滞在者だけれども法務大臣が特別に在留を許可することができるというのが今の現行の入管法の中にもありますので、その特別に在留を許可をするのに当てはまる方かどうかという判断がなされるわけです。
 それも経た上で、あるいはそれを経てまた不服のある方については訴訟に訴えるということもなされた上で、やはり日本国としてはその方の在留を認められないという方について退去をいただこうというものでございます。

#230
○石川大我君 そういった制度が全く機能していないということを私たちは指摘をしたいと思います。
 私たちが提出をしました難民等保護法案、こちらでは、第三者委員会をつくって、しっかりと第三者の委員会の下でこれを判断しようというふうに思っておりますけど、なぜこう身内で判断をするんでしょうか。そこはブラックボックスになっていませんか。

#231
○政府参考人(佐々木聖子君) 身内で判断すると言いましたのは、先ほど申しましたように、この難民認定の手続の中には、有識者の皆様、特に入管法の中でこの難民の関係についてとてもお詳しくて人格高尚であるという方を法務大臣が任命するのだということが規定されているわけでございますけれども、この有識者の皆様が一件一件、しかも三人が一組になっていただいて、一件一件の申請についてその難民条約に当てはまるのかという判断をしていただいています。
 その意味では、今もしかしたら委員がおっしゃられました内々ということではない制度に元々なっているわけでございますし、私ども、いろいろな情報を、例えばUNHCR、国連難民高等弁務官事務所などの御協力も得て、各国情勢など収集をして、それを判断に生かしているところでございまして、その意味では、決してブラックボックス的に法務省が決定しているというものにはなっていません。
 ただ、そうしたお声もいただきまして、今、難民条約のこの解釈といいますか、この難民条約をどのように読むのかということにつきまして、その透明化を図るための作業をしているところでございます。準備が整いましたら、この判断の指針的になるようなものを公表したいと思っています。

#232
○石川大我君 先ほどの送還忌避者のデータですけれども、これ一年分しか取っていないということですけれども、それでよろしいでしょうか。

#233
○政府参考人(佐々木聖子君) 令和元年十二月末の様々なデータをまとめましたものを昨年の三月に公表しています。その半年前のものにつきまして、この有識者会議での御議論に資するべく取りまとめましたものがあります。今、また、六月後の最新版について今まとめている作業をしているところでございます。

#234
○石川大我君 これ、まともなデータが一年しかない。つまり、これは立法事実として不適格なのではないでしょうか。

#235
○政府参考人(佐々木聖子君) 先ほど申しましたように、この送還忌避の状況につきましては、収容が長引いているということ、それから仮放免になった方が仮放免になってすぐ出国されてないなどを指標として考えているところでございます。
 送還の長期化ということにつきましては、六月以上収容され、あっ、ごめんなさい、収容の長期化ということにつきましては、六月以上の収容者数というものをずっと取っておりまして、これ、平成二十六年以降ずっと右肩上がりになっています。これはまさに送還忌避の状況に連動して収容が長期化しているものでございますので、一つの大きな私どもが今回の制度改正をするに当たりましての数的な根拠になっているものです。
 元々、この送還忌避の問題といいますのは、ここ十年来、私どもとしては問題意識を持っているものでございまして、その証拠にといいますか、二〇一〇年の出入国管理基本計画、これは出入国管理行政の指針を五年ごとにまとめているものでございますけれども、既に二〇一〇年の四次計画におきまして、この退去強制令書が発付されたにもかかわらず、自ら旅券を申請しないなどして送還をする外国人についての問題、あるいは二〇一五年の五次の計画、二〇一九年の四月に公表された計画におきましても、累次この問題について課題であるということを記載しています。
 ですので、ここ十年来の問題を、是非今回の制度改正で解消、改善したいと思っているところでございます。

#236
○石川大我君 この送還忌避の内容を見ますと、六〇%が難民申請をされていたりとか、中を見ますと、家族と同居をされていて、家族が日本人ですとか、子が日本人、そういった方がたくさんいらっしゃいます。必要なのは長期収容による人権侵害をなくす法改正でありまして、これ、送還忌避をされている方を犯罪者にして、そして追い返してしまえばいいと、そういうことではないということを指摘したいと思います。
 入管法五十三条の三、ノン・ルフールマン原則について教えてください。

#237
○政府参考人(佐々木聖子君) その国に送還をしたときに迫害を受けるような国には送還をしないという規定でございます。

#238
○石川大我君 これ、自由権規約、そして拷問禁止条約に違反する送還も駄目だという解釈でよろしいですね。

#239
○政府参考人(佐々木聖子君) そのとおりです。

#240
○石川大我君 問題は、これ、日本がこのノン・ルフールマン原則、これを守っているかですけれども、これを守っているというふうに思われておりますでしょうか。

#241
○政府参考人(佐々木聖子君) 守って運用していると考えています。

#242
○石川大我君 政府としては守っているんだというお話ですけれども、これに関して調査はありますでしょうか。

#243
○政府参考人(佐々木聖子君) その方々の送還後、帰国後の状況については把握をしてございませんけれども、あくまでも国内でその方がその国に帰った場合に迫害されるかどうかについて判断をした上での送還をしています。

#244
○石川大我君 安全だと判断しても、本国に帰った後に本当に安全かというのは分かりません。
 つまり、入管が難民でない、迫害の危険はないと、そういうことで強制送還をされた方が、帰国されて殺されたり迫害を受けた例、これ逆に、殺されずに暮らしている、迫害を受けずに暮らしている、そういう調査、そういうことはされていないんでしょうか。

#245
○政府参考人(佐々木聖子君) それはしていません。

#246
○石川大我君 そうしますと、強制送還された後、その方がどうなったか分からないと、そういうことですね。

#247
○政府参考人(佐々木聖子君) そのような把握はしていません。

#248
○石川大我君 いや、これは余りにひどいんじゃないでしょうか。これまさに、ノン・ルフールマン原則、これに反するんじゃないかというふうにも思います。
 私たちが把握をしているところによりますと、支援弁護士さんで、クルド人の方でトルコに帰った後迫害を受けて死亡した例、そういうのもあるようですけれども、こういったところは把握されていないんですか、本当に。

#249
○政府参考人(佐々木聖子君) 具体的な例は把握していません。

#250
○石川大我君 まさに、そういった把握をしていない中で、今回の法改正の中では難民申請三回以上で送還可能とする、これは本当に危険だというふうに思います。
 私たちでは、私たち野党では、内閣提出の法案より先に提出をしました難民等保護法案、入管法の改正案、これ、佐々木長官、読んでいただけましたでしょうか。

#251
○政府参考人(佐々木聖子君) 概略、拝見しました。

#252
○石川大我君 どのように思われましたか。出来はどうでしょうか。

#253
○政府参考人(佐々木聖子君) 内閣提出法案と考え方、見解が違うところがありますと認識しましたので、私ども閣法につきまして今後御説明を尽くしてまいりたいと思います。

#254
○石川大我君 これ、私たちの法案、参考にしていただくと、そういうことはないんでしょうか。

#255
○政府参考人(佐々木聖子君) これから議論をさせていただくことになると思います。

#256
○石川大我君 ごめんなさい、何を。ちょっと聞き取れませんで、済みません。

#257
○政府参考人(佐々木聖子君) 国会の場でも御議論があることになると思います。

#258
○石川大我君 私たちもしっかりとこの難民保護、難民等保護法案、そして入管法の改正案、私たちの案ですね、しっかりと賛同者を得るように努力をしていきたいと思いますが。
 名古屋入管での死亡事案についてお伺いをいたします。
 三月六日、先週ですけれども、名古屋入管で三十代のスリランカ人女性の被収容者が残念なことに死亡する事案が発生しました。概要を教えてください。

#259
○政府参考人(佐々木聖子君) まず、亡くなられた方には心からお悔やみを申し上げます。
 亡くなられた方は、令和二年八月二十日から名古屋出入国在留管理局の収容施設において収容されていた三十歳代のスリランカ人女性です。三月六日の午後、入国警備官の呼びかけに対して反応がなく脈拍が確認できなかったことから救急搬送されましたが、搬送先の病院で死亡が確認されたとの報告を受けています。
 亡くなられた方ですが、以前から体調不良を訴え、今年の一月末頃以降、庁内の診療室や外部の病院をいずれも複数回にわたり受診していたとのことでございますけれども、死因は現時点では判明に至っていないとのことでございます。

#260
○石川大我君 支援団体や報道各社によりますと、この女性、スリランカで大学を卒業された後、英語が堪能ということで、日本の子供たちに英語を教えたいという夢を抱えて二〇一七年に来日をしたそうです。将来、日本とスリランカの橋渡しをしてくれる、そんな方になったんじゃないかなというふうに思います。
 こういう方が来ていただけるのは本当にいいことだと思いますが、その点、長官どうでしょうか。

#261
○政府参考人(佐々木聖子君) この方の詳細につきましては申し上げませんが、一般論として、それはいいことだと思います。

#262
○石川大我君 来日されてお勉強された後、この方、御両親からの仕送りがなくなり、専門学校の学費が払えず留学生のビザが失効してしまう、そして昨年の八月から収容が始まるということなんですけれども、必要なのは、これ身柄を拘束して刑務所のような施設に入れることではなくて、適切な支援とかサポート、そういったことなんじゃないでしょうか。

#263
○政府参考人(佐々木聖子君) この方の事案につきましては、先ほど申しましたように、医療的対応を行っていた状況において死亡に至ったこと、それから、死因が明らか、今の時点では死因が明らかでないことなどから、法務大臣の指示を得て、出入国在留管理庁におきまして経緯それから事実の詳細などについて調査を行っているところでございます。
 ですので、ちょっと個人のことにつきましては、今の段階では申し上げられません。

#264
○石川大我君 ここからは、支援者の方の聞き取りの、詳細な面接の、お亡くなりになられる前の面会の記録がありまして、支援者の方の許可を得て、プライバシーを守りながらお話をしたいと思いますが、この方、昨年、ですからコロナ禍ということで帰るに帰れない、だったと思います。名古屋の収容施設で体を壊してしまいます。一月には体重が十二キロ減、これ三十代の女性の方ですからね、十二キロ減るというのはかなりしんどいと思います。喉に違和感があり御飯が食べられない、施設の看護師に相談をすると、適度な運動や胃のマッサージをするようにと言われた。
 十二キロ減って、適度な運動や胃のマッサージをしろ、これ適切ですか。

#265
○政府参考人(佐々木聖子君) 今お尋ねの点を含めまして、亡くなられた方の診療経過あるいは健康状態の推移につきまして現在調査中でございます。

#266
○石川大我君 佐々木長官は、二〇一九年の日本外国特派員協会で記者会見をされていまして、入管収容の医療について現在の体制が十分ではないことを認め、更なる充実を図らなければならないと、医療体制の拡充などに努力したいなど、難民や日本に滞在する外国人に寄り添うメッセージを発していただいたと思うんですが、この状況を見てどうお考えですか。

#267
○政府参考人(佐々木聖子君) 法務省令におきまして、入管の収容施設におきましては、被収容者が罹病し、又は負傷をしたときは医師の診療を受けさせ、病状により適当な措置を講じなければならず、各収容施設においてこのような現行法令の規定に従った診療を実施する体制を整えることとなっています。
 他方で、今委員御指摘の点とも関係をしますけれども、常勤医師が配置できておりますのは長崎の大村入国管理センターのみでありまして、私ども、引き続き常勤医師の確保などによる医療体制の充実に努めてまいります。
 まさに今回の改正法におきましても、例えば常勤医師の確保に資するための兼業に関する国家公務員法等の特例規定などを含んでございまして、この医療体制の充実、優先的な課題として取り組んでいきたいと考えています。

#268
○石川大我君 この方、一月下旬になると足の痛み、胃の痛み、舌がしびれるなど訴え、とうとう血を吐いてしまう、死にそうというふうに面会される支援者の方に訴える、この後も嘔吐、吐血。そのときに入管職員何と言ったか、迷惑だからといって単独房に移されたと、そういうふうに証言しています。
 目まい、胸の動悸、手足のしびれ、施設内の診療所で処方されたのはビタミン剤とロキソニンですよ。ビタミン剤と痛み止め、これだけで本当に充実していると言えるんでしょうか。まともな体制でしょうか、これが。

#269
○政府参考人(佐々木聖子君) その経緯につきましても調査中でございます。
 先ほど申しましたように、不断にこの医療体制については充実させていきたいと考えています。

#270
○石川大我君 この方、二月、先月ですけれども、二月になると彼女は車椅子でとうとう面会に現れるようになるということです。食べられない、薬を飲んでも戻す、歩けないという状態、ここでやっと外部の病院での内視鏡検査。その後、点滴を打たせてほしいと言ったにもかかわらず、長い時間が掛かるという理由で入管職員が認めずに、一緒に帰ってしまった。
 このこと、ありますでしょうか。

#271
○政府参考人(佐々木聖子君) その経緯につきましても、正確に把握するべく調査中です。

#272
○石川大我君 これ、私たちで調べますと、外部の病院に行っても、入管の職員がもういいからと連れ帰すと、そういう事実もあるようですけれども、この点把握されていますか。

#273
○政府参考人(佐々木聖子君) 正確に調査をいたします。

#274
○石川大我君 この調査、調査と言っておりますけれども、いつまでに出すんでしょうか。

#275
○政府参考人(佐々木聖子君) 法務大臣からできるだけ早急にという指示を受けておりますので、もちろん正確性を期すということが第一ではございますが、それを期した上で、できるだけ早くに調査を遂げたいと思っています。

#276
○石川大我君 これ、大村で死亡事案が、餓死ですけれども、これ出たときには、六月に亡くなって、入管庁からの死亡、死因の発表、報告、十月だったんですね。
 これ、まさか法案の審査の後にこの報告が上がる、そんなことはないですね。

#277
○政府参考人(佐々木聖子君) 正確性を期した上で、できるだけ早く調査を遂げます。

#278
○石川大我君 これ、まだまだ事案があるんです。時間がありませんけれども、読んでいて本当につらくなるんです。
 とうとう面会には車椅子で出てくる、そして、バケツを抱えてくるという状態、歩けない状態で、職員はコロナを理由に介助しない、胃がねじれるように痛い、歩けないのに歩けと言われる、お弁当は冷たくて油物が多くて食べられないけど食べろと言われる、トイレに行こうとして倒れても助けてくれない、担当職員、コロナだから入院できない、病気じゃない、仮病だと言う。そして、二月下旬、とうとう二十キロ痩せてしまう、おなかが痛い、口から血が出て倒れても助けてもらえないので床に転んだまま寝た、こんなこともあったというふうに述べております。三月、今月です。頭がしびれる、手足がちゃんと動かないなど危険な状態になる、熱はずっと三十七度から三十八度です。支援者は、このままでは死んでしまう、すぐに入院させるべきだと申し入れますが、職員は拒否、予定は決まっていると答えるのみ。
 これ、本当にひどくないですか。調査中調査中と言いますが、私たちはここまで分かっているんです。なぜ調査しないんですか。

#279
○政府参考人(佐々木聖子君) 私ども、本庁から名古屋出入国在留管理局に職員を派遣して聞き取り等々を行っています。その際、もちろん、残っている書類等について収集の上、精査、分析をするという作業を行っています。もとより、できるだけ早く調査を遂げます。

#280
○石川大我君 これ、第三者による調査委員会つくる必要があると思いますが、つくっていただけますね。

#281
○政府参考人(佐々木聖子君) まず私どもで調査を尽くした上で、もちろん、これは以前の案件もそうですけれども、医師等専門家の方々にその所見を伺うという作業はすることになります。

#282
○石川大我君 いや、外部の調査が必要なんじゃないですか。

#283
○政府参考人(佐々木聖子君) 今私どもでできる調査を行い、それに対して外部の方の御意見をいただくということはやっていく予定でございます。

#284
○石川大我君 法務副大臣、どうでしょうか。

#285
○副大臣(田所嘉徳君) 今申し上げましたように、十分の公平性、客観性を確保するような調査が必要でございます。もちろんプライバシーの配慮も必要でありまして、いろいろな公表されない事情等につきましても、十分その関係した記録等を精査して調査を進めてまいりたいというふうに思っております。そして、この調査したチームとともに、先ほど長官もお答えいたしましたけれども、外部の医師等専門家、そういった方々の意見も踏まえて、しっかりとした調査にしたいというふうに思っております。

#286
○石川大我君 名古屋では昨年十月にも別の死亡事案が起こっています。これ、立て続けに起こっているんですね。これ、のんびりしたことを言ってられないと思います。第三者による調査委員会をつくる、すぐつくる。内部の調査と言いますけれども、大村では、六月に亡くなって調査結果出たの十月ですよ。四か月掛かっているんです。内部の調査ではもう駄目だというふうに思います。
 そして、支援者にこれはお話を聞く、そういった予定はありますか。

#287
○政府参考人(佐々木聖子君) 正確な情報を得るのに何が必要かということを検討の上、今御指摘の点も含めまして適切に対応してまいります。

#288
○石川大我君 私、支援者の方と昨日お話をしましたけれども、会う用意があると、入管の方、そして副大臣にも大臣にも会う用意があると言っております。
 副大臣、会っていただけませんか。

#289
○副大臣(田所嘉徳君) 適正な調査をすることが今後のそういったことの問題が起きないようにするために大変重要だというその委員の意見もよく分かっておりますので、そういう中で、よく事情の分かる関係者の意向等も聞き取りをして、今回の調査の中で更に正確な充実したものにしたいということをここで申し述べたいと思います。

#290
○石川大我君 副大臣、明確に行きますと言っていただけませんか。

#291
○副大臣(田所嘉徳君) 今申し上げたとおりでありますが、調査結果を受けて、必要とあればしっかりと私自身もそれに立ち会って進めていきたいというふうに思っております。

#292
○石川大我君 調査結果が出てからでは遅いんですよ。調査をするために行く、そこを分かっていただけませんか。

#293
○副大臣(田所嘉徳君) それでは、正確に申し上げたいと思いますが、調査結果を受けてではなくてですね、調査を受けながら、必要があればしっかりと現地を見て、完全なものにするようにしたいというふうに思っております。

#294
○石川大我君 少し前進したのかなと思います。速やかに行っていただきたいと思います。
 終わります。

#295
○委員長(山本順三君) 関連質疑を許します。小西洋之君。

#296
○小西洋之君 立憲民主党・社民の小西でございます。
 官房長官に伺います。菅総理は総理就任後、NTT幹部と会食をしていますでしょうか。

#297
○国務大臣(加藤勝信君) 総理も政治活動として様々な方々とお会いして意見交換していると承知をしておりますが、その一つ一つについてお答えすべきものではないと思います。
 その上で、通告もございましたので総理に確認したところ、国民の皆さんから疑念を招くような会食や会合などに応じたことはないとのことでありました。

#298
○小西洋之君 総理就任後に会食をされたかどうかを聞いております、NTT幹部の皆さんと総理が。

#299
○国務大臣(加藤勝信君) 私自身も政治家として様々な方、業界の方、意見交換をしております。政治活動、日程あるいは具体的な中身についてはお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、私においても、国民の皆さんから疑念を招くような会合、会食は応じたことはございません。

#300
○小西洋之君 総理が、これ国民の皆さん注目していますから、総理が総理就任後にNTT幹部と会食をした事実があるのか。その事実、ある、ないだけを答えてください。坂井官房副長官は答弁しております。もし総理が会食の有無を答えないんだったら、閣内不一致です。

#301
○国務大臣(加藤勝信君) 総理については、先ほど申し上げましたように、政治活動として様々な方々とお会いして意見交換をしていると承知をしておりまして、その一つ一つにお答えすべきものではないと思います。

#302
○小西洋之君 坂井副長官が総務省の政務であったときにNTT幹部と会食したことは、先ほど答弁されました。なぜ菅総理は答弁拒否をするんでしょうか。答弁拒否ができる理由を答えてください。

#303
○国務大臣(加藤勝信君) いやいや、副長官は副長官として御自身の判断でお話をされたということでありますが、一般論と申し上げて、政治活動というのはまさに様々な方とお会いして意見交換をするということですから、その一つ一つ、いつ誰とどこで会ったか、それをつまびらかにすべきものではないということであります。

#304
○小西洋之君 じゃ、菅総理はNTT幹部との関係において大臣規範に違反したことはないということでよろしいでしょうか。違反の有無を答えてください。

#305
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど答弁させていただきましたけれども、国民の皆さんから疑念を招くような会食、会合などに応じたことはないということで、これは総理と確認した上であります。

#306
○小西洋之君 大臣規範への抵触、違反の有無を聞いております。

#307
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘は、私どもに通告の中では会食云々というお話でございました。大臣規範、幅広いことがございますので、それ一つ一つについては確認しておりませんが、会食について大臣規範に反するかという御質問でございましたから、それに対して総理に確認したところ、疑念を招くような会食や会合に応じたことはない、こういうことでございます。

#308
○小西洋之君 今の答弁は、大臣規範への抵触、違反の有無については答えてないと思うんです。
 重ねて聞きますが、菅総理はNTT幹部との関係で、NTTとの関係で大臣規範に抵触、違反するようなことはこれまでしたことがあるのかないのか、その有無を答えてください。

#309
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、御指摘、確認せよという御内容は会食ということでございましたので、それを中心に総理に確認したところ、国民の皆さんから疑念を招く会食や会合に応じたことはない、こういうことを確認したということでございます。

#310
○小西洋之君 今の答弁は大臣規範への抵触、違反の有無について答えたのかどうかについて答えてください。

#311
○国務大臣(加藤勝信君) 大臣規範においては、関係業者の接触と当たっては、供応接待を受けること、職務に関して贈物や便宜供与を受けること等であって国民の疑惑を招くような行為をしてはならないということでございます。
 その際、今御指摘は会食ということでありましたので、その範囲の中において国民の疑惑を招くような行為をしてはならないということに反することはないということを申し上げたところでございます。

#312
○小西洋之君 答弁のたびに国民の疑惑は、疑念は深まるばかりだと思うんですが。
 通告していますが、菅総理は、昨年の十一月、また十二月に首相官邸あるいは衆議院の第二議員会館でNTTの澤田社長と会ったことがありますでしょうか。ある場合は、その会談の目的、内容、特にNTTドコモの完全子会社化あるいは携帯電話の料金の値下げについての会話があったでしょうか。

#313
○国務大臣(加藤勝信君) 総理、先ほどから申し上げていますが、政治活動の中で様々な方とお会いして意見交換を行っておりまして、その一つ一つについてお答えすべきものではないと思いますが、御指摘の十一月二十七日については、いわゆる新聞報道等で首相動静というのがございます。それで確認したところ、NTTの澤田社長、NTTドコモの井伊次期所長、ごめんなさい、次期社長、当時、と官邸でお会いしているということでございます。
 個々の内容について答えるべきではないと思いますが、総理に確認したところ、短時間の御挨拶だったということであります。

#314
○小西洋之君 十二月の件が答弁漏れでございます。

#315
○国務大臣(加藤勝信君) 今の件は報道等で確認ができたことでございますが、それ以外については一つ一つお答えすべきものではないと思います。

#316
○小西洋之君 官房長官は、NTTがどういう会社か、特別な会社なんですが、どういう会社か御存じですか。

#317
○国務大臣(加藤勝信君) 特別と言っている意味にはいろいろな意味があるんだろうと思いますので具体的にと思いますが、おっしゃっている趣旨は、NTTの株の一定株を国が持っているということを指しておられるんではないかと思います。

#318
○小西洋之君 そういう国が責任を持つ会社のトップと総理が会ったか、会わないか、言えないことは、国民、国会への説明責任の放棄ではないですか。

#319
○国務大臣(加藤勝信君) 別にそういう会社であろうとどういう会社であろうと、個々について一つ一つお答えすべきものではないというふうに考えております。

#320
○小西洋之君 お答えすべきものではないと考える理由を教えていただけますか。

#321
○国務大臣(加藤勝信君) まさに政治活動においては、委員もそうだと思いますが、様々な方とお会いして意見交換をしているわけでありまして、それについて、まさに政治活動一つ一つをお答えするというのはすべきものではない、こういう意味でございます。

#322
○小西洋之君 官房長官、昨年の十一月に総理がこの我が参議院の予算委員会のメンバーに対して、NTTはこの後値下げをするぞと、携帯料金という意味ですけれども、これはちょうどそのドコモの完全子会社化のTOBが成立する直前とされておりますけれども、総理が、NTTはこの後値下げをするぞと発言したという報道があるんですけれども、この事実関係について答弁してください。

#323
○国務大臣(加藤勝信君) これまで常に、報道の一つ一つについてお答えすべきものではないということは申し上げておりますが、御指摘もございましたので総理に確認をいたしましたところ、御指摘の報道、その報道というか記事ですね、具体的に何を指しているのかというのは定かではないということでありました。電話料金、携帯電話料金に関する数多くの報道がなされている中、携帯電話料金の一般的な動向について発言をすることはあったと思うとのことでありました。

#324
○小西洋之君 これは文芸春秋の記事なんですけれども、失礼しました、週刊文春の記事なんですけれども、参議院の予算委のメンバーに対して、NTTはこの後値下げをすると、携帯電話料金ですね、そういう発言をしたというふうに報道があるんですが、それは事実ですか。

#325
○国務大臣(加藤勝信君) その今御指摘のように、どなたにいつどこで等々ございませんし、まさに定かではないということを申し上げたところであります。
 ただ、携帯電話料金に関していろんな報道、議論もあります。そういった中で、誰ということではなくて、当時、総理として携帯電話料金の一般的な動向について発言することはあったと思うということでありました。

#326
○小西洋之君 官房長官、NTTの幹部と総務省職員が会食をして、国家公務員法に違反してしまう会食をしてしまって、これから調査、処分がなされるわけですけれども、菅総理がNTTの幹部と会食したのかどうか、また、それ、いずれにしても大臣規範に違反するような行為をNTTとの関係でやったことがあるのかどうか、それすら答えない内閣総理大臣、政府が、総務省の皆さんを処分する資格、そして国民に対して行政を営む資格があると考えますか。

#327
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、先ほど申し上げた大臣規程に規定されておりますように、国民の疑惑を招くような行為をしてはならないと、こういうふうに大臣規範に書いておりますから、それに対して、国民の疑惑を招くような行為、特に会合、会食のお話ございましたから、会食には応じていないということは申し上げたところであります。

#328
○小西洋之君 官房長官、記者会見でおっしゃっていますけど、大臣規範の趣旨は、自ら大臣規範に違反していないかをきちんと説明するというふうにされております。
 総理が大臣規範にNTTとの関係で違反したことがないのかどうか、また、総理就任後、会食したことがあるのかないのかどうか、それを答えないということは閣議決定の大臣規範の趣旨に反するんじゃないですか。

#329
○国務大臣(加藤勝信君) 大臣規範のどこをお読みになっているかあれなんですが、前文には、政治家であって国務大臣等の公職にある者として清廉さを保持し、政治と行政への国民の信頼を確保するとともに、国家公務員の政治的中立性を確保し、これは当時副大臣等が決められたことも含めてですが、その役割分担を明確化するということでこの規範が決められたということであります。
 そして、基本的にどういった基準が該当するかについては、これまで質問主意書等でも申し上げさせていただいておりますけれども、大臣規範にあります、供応接待を受けること、職務に関連して贈物や便宜供与を受けること等であって国民の疑惑を招くような行為とは何かということについては、個々の行為が国民の疑惑を招くような行為に当たるかについては、各国務大臣等が具体の事案に即し、趣旨を踏まえ適切に判断すべきものというふうに記載してあると、という見解をこれまでも述べさせていただいているところでございます。

#330
○小西洋之君 委員長、官房長官全く答弁していませんので、菅総理が総理就任後にNTT幹部との会食の有無、またNTTとの、大臣規範の抵触の有無、そして十一月、十二月にNTT社長と面談したその内容について、また、坂井副長官が会食等を認めているのに、なぜ総理、官房長官は答弁しないことが許されるのかについて、委員会への説明を求めます。

#331
○委員長(山本順三君) 後刻理事会で協議をいたします。

#332
○小西洋之君 武田総務大臣に伺います。
 さんざん答弁拒否されていますが、NTTの幹部とのその会食の有無について、答弁しない理由は何ですか。

#333
○国務大臣(武田良太君) 答弁ちゃんとしていますよ。国民に疑念を招くような会食、会合を、これに応じたことはないという明確な答弁をずっとしています。御理解ください。

#334
○小西洋之君 NTTの幹部と会食したことあるのかどうかという科学的事実を聞いているだけなので、それを答えてください。

#335
○国務大臣(武田良太君) 毎回私は答弁させていただいたんですけど、個別の一つ一つの事案についてコメントは差し控えさせていただきたいと、その上で、国民に疑念を招くような会合や会食に応じることはないと何度も答弁をさせていただいております。

#336
○小西洋之君 今おっしゃったその個別の事案ですね、個別の会食の事案の有無については答弁は控えるというのは、もう、国会に対する大臣の説明責任の果たし方としての答弁ということでよろしいですか。

#337
○国務大臣(武田良太君) 今、これは国会の委員会で答弁しているわけですから。

#338
○小西洋之君 個別の事案に答えないという答弁は国会への、また国民への説明責任の果たし方として非常に重い政治責任を負うということでよろしいですね。

#339
○国務大臣(武田良太君) 私は、何度も答弁をさせていただいております。
 個別の事案一つ一つについては答弁を差し控えさせていただきたい。その上で、国民に疑念を招くような会食、会合については応じることはないと、こういうことであります。

#340
○小西洋之君 大臣は、二月十六日の衆議院の総務委員会で岡島一正、立憲民主党の岡島一正議員の質問に対して、東北新社との会食の有無について答弁されていませんか。(発言する者あり)

#341
○委員長(山本順三君) 静粛にお願いいたします。お静かにお願いいたします。

#342
○国務大臣(武田良太君) 個別の事案に一つ一つ答弁はいたしません。

#343
○小西洋之君 では、東北新社の会食の有無で答弁していたら、大臣辞職することでよろしいですか。

#344
○国務大臣(武田良太君) 仮定の話に明確な答弁はこれは無理だと思いますよ。

#345
○小西洋之君 仮定では、仮定ではなくて、我が国会会議録上の事実に基づいて質問しております。
 もし東北新社と、関係者と会食していれば、大臣を辞職することでよろしいですか。

#346
○国務大臣(武田良太君) 何度も答弁しています。もしの話に答弁はできません。(発言する者あり)

#347
○委員長(山本順三君) 武田総務大臣。(発言する者あり)

#348
○国務大臣(武田良太君) これ、今指名されたから。
 委員ね、これ、正確さ極めるために通告してくださいよ。委員、委員、小西委員、通告ちゃんとしてください。(発言する者あり)じゃ、ちょっと見せて、通告書見せて。(発言する者あり)

#349
○委員長(山本順三君) 武田総務大臣。

#350
○国務大臣(武田良太君) 当時、その法人とかじゃない、菅正剛個人の問題、氏、個人の問題をぶつけられたんでしょう。そうでしょう。(発言する者あり)

#351
○委員長(山本順三君) 武田総務大臣。

#352
○国務大臣(武田良太君) 個人を特定されたわけでしょう、岡島委員は、個人を。

#353
○小西洋之君 武田総務大臣、武田総務大臣は、二月十六日の立憲民主党岡島一正議員の質問に、東北新社の、これ関係者と会食したことがありますかという問いに対して、ございませんと、個別の会食の有無を答弁しています。にもかかわらず、なぜ、私の質問はNTT幹部というふうに質問通告で日本語で書いてあります、NTT幹部と会食をしたことがあるかの質問には、なぜ答弁拒否をするんでしょうか。なぜそれが許されるんでしょうか。答えてください。

#354
○国務大臣(武田良太君) 当時、具体的な個人名称を挙げられたんですよ、個人の。どこの会社、どこの団体というので、個人の、具体的な個人の名称を挙げられたんですよ。

#355
○小西洋之君 では、武田総務大臣は、大臣就任後にNTTの澤田課長と会食したことがありますか。

#356
○国務大臣(武田良太君) 個別の事案についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

#357
○小西洋之君 東北新社の菅正剛氏との会食に答えて、NTTの澤田社長との会食の有無について答えられない理由を答弁してください。

#358
○国務大臣(武田良太君) 個別の事案については、一つ一つお答えは差し控えさせていただきたいと思います。

#359
○小西洋之君 委員長、武田大臣の答弁は、国権の最高機関である国会に対するこれ審議妨害であり、答弁拒否であり、国民を愚弄する行為です。委員長から厳しく、答弁するように指導をお願いいたします。(発言する者あり)

#360
○委員長(山本順三君) 武田総務大臣。

#361
○国務大臣(武田良太君) 基本、先ほど副長官も答弁したように、基本的にはそうした個別の案件については控えるわけでありますけれども、菅正剛さんという、総理の御子息でもありますし、具体的な個人名称を挙げられたので答えたと私は考えております。

#362
○小西洋之君 武田総務大臣は、大臣就任後、澤田社長を含むNTT幹部と会食をしたことがありますか。

#363
○国務大臣(武田良太君) 個別の事案についてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。(発言する者あり)

#364
○委員長(山本順三君) 武田総務大臣。

#365
○国務大臣(武田良太君) 個別の事案については、原則、まあこれ控えさせていただくところでありますけれども、それぞれの政治家の判断と責任において、自ら適切に対応すべきものと考えております。

#366
○小西洋之君 では、大臣、東北新社の関係者との会食の有無については答弁をして、澤田社長を含むNTT幹部との会食の有無については答弁しないということについての大臣の政治家としての考え方、今おっしゃった、それを答えてください。具体的に、なぜですか。

#367
○国務大臣(武田良太君) それぞれ個別の判断でございます。

#368
○小西洋之君 その個別な判断の中身を答弁してください。

#369
○国務大臣(武田良太君) 政治家としての個別の判断であります。

#370
○小西洋之君 NTT幹部との会食の有無について答弁しないというのは、それは大臣のその政治判断というのは、意図的、便宜的な、許されない違法な判断ではないですか。

#371
○国務大臣(武田良太君) 違法かどうかというのはこっち置いておいて、政治家としての判断です。

#372
○小西洋之君 その場しのぎの、ずるい、国民から見て、非常にふんまんやる方ない思いで国民の皆さんこれ御覧になっていると思いますけれども、許されない答弁拒否ではないですか。

#373
○国務大臣(武田良太君) 答弁拒否ではありません。その場、そのときの判断によって、私は明確に答弁をさせていただいております。

#374
○小西洋之君 委員長、委員長にお願いなんですけど、NTT幹部との会食の有無について答えないことについて政治家固有の判断があると言っていますから、で、私はそれを三回聞いても答えませんので、委員長、答えさせていただけますか。これ、国権の最高機関、国会への冒涜ですよ。これ、国民に対する冒涜ですよ。

#375
○委員長(山本順三君) それぞれの立場立場での質疑と答弁ですから。したがって、今は答弁しているのだから、質疑を続けてください。質疑を続けてください。(発言する者あり)
 武田総務大臣。

#376
○国務大臣(武田良太君) 答えていないということに関してですけど、私は、政治家として全ての会合、会食、これに疑念を抱かれるようなものには応じたことはないと、これ、明確にこれは答弁をさせていただいているわけですから、御理解ください。(発言する者あり)

#377
○委員長(山本順三君) 答弁されていますよ。答弁されていますよ。(発言する者あり)質疑を続けてください。

#378
○小西洋之君 委員長の質疑をせよとの指示に従って私は何度も質問をし、そのたびに武田大臣は答弁拒否をしております。
 私は、委員長に二度にわたって、議事整理権、武田大臣に答弁拒否を許さず、国権の最高機関の名に懸けて答弁をさせるように指導をお願いしております。委員長の指導をお願いいたします。

#379
○委員長(山本順三君) 答弁されています。質疑を続けてください。

#380
○小西洋之君 委員長は、武田大臣の答弁が国会と国民に対する責任を果たす答弁だとお考えなんですか。

#381
○委員長(山本順三君) 私はそれにはコメントをいたしません。
 質疑を続けてください。

#382
○小西洋之君 じゃ、武田大臣に伺います。
 東北新社の関係者と会食をしています、会食をしていますね。その会食した政治的な判断、会食した理由は何ですか、これは答えてください。

#383
○国務大臣(武田良太君) 委員、よく冷静に議事録見ていただきたいと思うんですけど、私、菅正剛氏のことを問われたんだと思いまして、東北新社のことを問われたという記憶にはないんですけれども、そこのところをはっきりさせていただいた方がいいんじゃないかと思いますよ。

#384
○小西洋之君 いや、私、手元に会議録がある、ありますけど、当然、東北新社の違法接待の問題で聞かれて、流れで聞かれて、菅総理の長男菅正剛さんと会食したことはありますかというふうに質問されています。それに対して大臣は、ないというふうに答えていますが、このときは答弁したその政治的な判断の理由を答えてください。

#385
○国務大臣(武田良太君) まさに政治的判断であり、東北新社という法人の名前は出てきておりません。そこのところは、委員、はっきりさせましょう。

#386
○小西洋之君 では、武田大臣は、通信関係の仕事をされている澤田氏という方と大臣就任後に会食されたことがありますか。

#387
○国務大臣(武田良太君) ですから、個別の、一つ一つの事案について差し控えさせていただきたいと。私は答えないなんて言ってないじゃないですか。
 全ての会合において、国民から疑念を持たれる、そうしたものについては答えることはしないということを私は答弁しておるわけであります。

#388
○小西洋之君 澤田氏を含め、NTT幹部との会食の有無について答えない理由を答えてください。

#389
○国務大臣(武田良太君) まさに私の政治的判断であります。

#390
○小西洋之君 谷脇参考人、電気通信行政で多くの業績を残されて、世界にも誇るような官僚の方だったんですが、今回残念なことがありましたけれども、NTTという会社がNTT法の下でどういう位置付け、そして、それに対して総務大臣がどういう権限を持っているか、簡潔に答弁いただけますか。

#391
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 参考人としてお答えするのが妥当かどうかという御判断はあろうかと思いますけれども、NTTはNTT法及び電気通信事業法の規律の下に存在している会社でございます。NTTにつきましては、NTT東西があまねく電話サービスを提供するとともに、基礎的な研究開発についてその成果の普及を図る、これが目的でございまして、この目的を果たすために事業計画の認可、役員等の認可等の規律が課されていると承知しております。

#392
○小西洋之君 武田大臣、今答弁のとおり、法的には、そのNTTの澤田社長は東北新社の菅正剛氏よりも、法的にはですね、国民においてより重要な地位にあるということは間違いないと思います。
 なぜ菅正剛氏の会食を答えて、澤田社長の会食の有無は答えないんですか。

#393
○国務大臣(武田良太君) 私は、その政治判断によって答えたというふうにさっき言いましたけれども、全ての会合において、全ての会食において、国民から、に疑念を招くような、そうしたものに応じることはないということであります。

#394
○小西洋之君 武田大臣、東北新社への対応について、今朝の、答弁してください、説明してください。(発言する者あり)

#395
○政府参考人(吉田博史君) お答えいたします。
 先日の参議院予算委員会で、株式会社東北新社が放送法に規定する外資規制に反していたのではないかとの指摘を受け、先週、大臣から事実関係についてしっかり調査するよう指示をいただいたところでございます。
 その中で、株式会社東北新社からは、二〇一六年十月に申請をし、二〇一七年一月にザ・シネマ4Kの業務に係る認定を受けた際の同社の正しい外資比率は二〇・七五%であったと。したがって、当時の外資比率を二〇%未満として申請したことはミスであったとの報告が今週に入ってございました。
 これを受け、総務省においても提出された関係資料に基づき外資比率を確認いたしました。その結果、放送法では外資比率を二〇%未満とする規定があるところ、申請当時、同社の外資比率はこの要件を満たしていなかったことが明らかとなりました。
 このため、総務省としては、株式会社東北新社が二〇一七年一月に受けていたザ・シネマ4Kに係る認定において重大な瑕疵があったものと判断し、当該認定を取消しに、当該認定の取消しに向けて必要な手続を進めていくものとしたものでございます。

#396
○小西洋之君 総務大臣、本件に対する総務省の責任と、そして視聴者の保護について答弁してください。(発言する者あり)

#397
○委員長(山本順三君) お静かに願います。

#398
○政府参考人(吉田博史君) お答えいたします。
 認定当時のプロセスにおいて、総務省側のチェックが十分でなかったと考えており、この点についても別途必要な対応が検討する必要があると考えております。
 また、現在取消しの手続を進め始めました東北新社メディアサービスの認定は、ザ・シネマ4Kというチャンネルに係るものでございまして、当該チャンネルでは現在六百五十の、約六百五十の衛星放送契約があると聞いております。
 この手続が進みまして取消しを行うことになった場合におきましては、これらの受信者への周知等必要な措置をとるよう、東北新社メディアサービスに要請していきたいと思っております。

#399
○国務大臣(武田良太君) 今、手続進めている株式会社東北新社メディアサービスの認定は、ザ・シネマ4Kチャンネルに関するものであり、当該チャンネルでは約六百五十の衛星放送契約があると聞いております。
 この処分に当たっては、これらの受信者への周知等必要な措置をとるよう、株式会社東北新社メディアサービスに要請をしてまいりたいと考えております。
 また、認定当時のプロセスにおいては、総務省側の審査も十分でなかったと考えており、こうした事態が生じたことを重く受け止めております。こうした事態を二度と起こさないよう、総務省における審査体制の強化についても検討してまいりたいと考えています。

#400
○小西洋之君 総務省、二〇一七年の夏前から十月、あの子会社をつくる過程において、総務省に東北新社からどのような相談がありましたか。

#401
○政府参考人(吉田博史君) まず、二〇一七年の東北新社が行った子会社への承継については、同社によりますと、同年の八月以降に総務省に伝えたということでございました。

#402
○小西洋之君 外資規制違反に関する相談はありませんでしたか。

#403
○政府参考人(吉田博史君) 済みません。当時の担当者に、私どもの担当者に確認したところ、外資、外資規制に違反しているという認識はなかったということでございます。

#404
○小西洋之君 じゃ、東北新社は総務省をだましたということですか。

#405
○政府参考人(吉田博史君) 当時の総務省の担当者に確認したところ、承継の申請前のタイミングで相談があり、経営合理化や効率化ということであったので、淡々と手続をしたとのことであると記憶しているとのことでございました。

#406
○小西洋之君 東北新社が総務省をだましたかどうかについて、東北新社に確認をしていますか。

#407
○政府参考人(吉田博史君) 東北新社側に確認いたしましたところ、二〇一七年八月に外資規制に抵触する可能性があることを認識したとのことでございます。その後、総務省の担当者にその旨を口頭で伝えたと記憶しているとのことであります。
 一方、当時の総務省の担当者に確認したところ、そのような報告を受けた覚えはない、あるいはその、そういう重大な話なら覚えているはずであり、逆に口頭で済むような話ではないという認識であるとのことでございました。

#408
○小西洋之君 その、今、東北新社が八月に伝えた外資規制超えていることですね、当時の総務省の幹部、山田局長以下、それは知っていましたか。

#409
○政府参考人(吉田博史君) 当時の担当に確認しましたところ、そのような報告を受けた覚えはないということでございました。

#410
○小西洋之君 大臣、総務省が外資規制違反を八月に知っていたにもかかわらず、それは今、真相が明らかになっていません。
 今回の処分はトカゲの尻尾切りではないですか。

#411
○政府参考人(吉田博史君) 東北新社側はその後、総務省の担当者に口頭で伝えたと言っていますが、総務省の担当者に、一方で、総務省の担当者に確認したところ、そういうことを伝えられた覚えはないということでございます。

#412
○国務大臣(武田良太君) 今ちょっとそごというか、言った言わないの話になっている部分があるので。(発言する者あり)いやいや、これ事実、事実が。先方は言った、きたし、総務省の方は聞いていないという、これ事実ですから。私がそう言えと言っているわけじゃないですから。
 そういったときには、やっぱりこれ、第三者機関である調査委員会の方にしっかりと調査してもらう必要が私はあると思います。その上で事実を追求していきたいと、このように考えています。

#413
○小西洋之君 武田大臣の下では調査できないと思います。
 大臣、辞職を求めますが、見解をお願いいたします。

#414
○国務大臣(武田良太君) いや、求められても、職責というのが私は全うせにゃいかぬ立場にありますので。
 この再発防止、そして国民の信頼を取り戻すために全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えています。

#415
○小西洋之君 私も総務省のOBとして残念なんですが。
 委員長、大変な疑惑が生じました。山田真貴子氏と、健康を留意しながらですね、東北新社関係者のこの委員会への招致を求めます。

#416
○委員長(山本順三君) 現在、理事会で協議をしております。
 以上で石川大我君及び小西洋之君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#417
○委員長(山本順三君) 次に、高橋光男君の質疑を行います。高橋光男君。

#418
○高橋光男君 公明党の高橋光男です。本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 昨日、東日本大震災から十年を迎えました。改めて、お亡くなりになられた全ての方々の、衷心より哀悼の意を表しますとともに、御遺族の皆様、今なお大変苦しい思いをされている被災者の皆様に心からお見舞い申し上げます。
 公明党は、この十年、被災者に徹して寄り添い、創造的復興のため尽力してきました。六日には、東北三県を結び、福島県で復興創生大会を開催しました。私も出席させていただきました。大会では、人間の復興こそ真の復興、そして、心の復興に終わりはない、ゆえに、公明党は誰一人置き去りにすることなく、人間の復興、心の復興を成し遂げるまで闘い続けると宣言しました。本日はその出発の日でもあります。
 そこで、赤羽大臣にお伺いします。
 これまで、福島イノベーション・コースト構想を始め、復興のために尽力してこられました。改めて、これからの人間の復興に向けて政府が果たす役割について、公明党を代表する閣僚としての御認識及び決意を伺います。

#419
○国務大臣(赤羽一嘉君) あの東日本大震災のときは私は実は落選をしておりまして議席がなかったんですが、この未曽有の大被害、何とか現場に入ってできることはないかということで、たしか二週間後ぐらいに羽田から三沢に飛んで、そして知人から車を借りて、日帰りできるところということで、ぎりぎり宮古まで行きました。
   〔委員長退席、理事馬場成志君着席〕
 宮古の田老町とか大変な状況の中で、宮古市長さんとお会いをすることができて、その時点で質問されたことに大変ショックを受けまして、これだけの瓦れきの処理を、一体、費用負担は国がしてくれるんですかということを言われ、私は、そのときに、この問題というのは実は阪神・淡路大震災で決着をされておりまして、そんなことも政府からは連絡がないんですかと、いや、この間、全てテレビの官房長官のあれで知るだけですというふうに言われたことが大変このままではまずいというふうに思い、東京に戻ってから公明党の党本部、幹部にですね、担当を一人ずつ付けて、被災地ととにかく、寄り添うというのは言葉では簡単だけれども実際に行動しなければいけないということで、公明党の現職の議員がそれぞれの被災地の担当制を始めたと。私はそういうところから人間の復興というのは始まるのではないかと。
 人間の復興というのは、私、阪神・淡路大震災からずうっと一貫して様々な災害現場に行き、復興復旧に携わる中で、ややもすると災害に遭ったからしようがないじゃないかと、しかし、多くの被災者は真面目に仕事をし、真面目に税金を納め、家族を養い、仕事、本当に立派な国民が阪神・淡路大震災ではたった二十二秒で家族を失ったり職場を失ったり自宅を失うと、それを仕方がないということで済ませることができるのかどうかと。
 私も家を失った一人でしたが、国から何もそうした支援金というのは当時はなかった。十三年間掛かって被災者生活再建支援法というのが今の形ででき上がって、まあたかだか百万円とか三百万ですが、それは国が国民に対するせめてもの気持ちという思いで作らさせていただいたということでございます。
 何か、災害があると体育館で、避難所に泊まって雑魚寝をするのが当たり前というのは、私、やっぱり余りにも、人としてのやっぱり尊厳というのは被災者になっても守られるべきだということで、この東日本大震災の復興のシンボルとしては人間の復興ということを言うべきだというのは党内で提案したことがございます。
 そうした意味で、十年たつ中で、余りに大変な災害でありましたから、福島は、これから避難指示解除ができて、帰還困難区域もこれから第一歩だということでありますし、宮城県も岩手県も高台移転のところは大変空き地が多いと、まあ報道はそう気楽に書きますけど、そこの首長の皆さんの御苦労ですとか被災者の皆さんの思いとか、十年間で様々な状況が変わっている中で私はやむを得ない結果だったのではないかと思いますし、そうしたことをどれだけフォローをして、きめ細かいフォローをしながら、やっぱり震災以前の当たり前の生活をどう取り戻せるかということに心を政治が砕けるかどうかに懸かっていると、それは人間の復興ということの全てではないかと思います。

#420
○高橋光男君 ありがとうございます。
 大臣と同じく、私も阪神・淡路大震災を経験しました。そして、公明党の国会議員は全員が東日本大震災の復興担当です。私もその一人として全力を尽くしてまいる決意です。
 続いて、野上農水大臣にお伺いします。いまだ続く福島県産品の輸入規制に関してです。
 当初、規制を設けた五十四か国・地域のうち、十五の国・地域が継続をしています。十一月の農水委員会でも私質疑をさせていただき、以来、新たに三か国で解除されました。一方、我が国から、輸出額が大きく、輸入停止を続けている国・地域があります。米国、香港、中国、台湾、韓国、マカオなどです。これらの国・地域による一日も早い規制撤廃に向けた一層の働きかけが必要です。
 そこで、近く行われる日米ハイレベルの会談のみならず、野上大臣自身のリーダーシップで残りの十五か国、さらには規制解除国を巻き込んで福島の食の安全をアピールし、規制緩和につながるような会議を開催していただけないでしょうか。

#421
○国務大臣(野上浩太郎君) 今お話しになられました輸入規制の撤廃でありますが、これまで最重要課題の一つとして政府一体となって取り組んでまいりまして、五十四の国・地域で規制があったわけでありますが、今、三十残り九が規制を撤廃をしたということであります。しかし、残りまだ十五の国・地域で規制は残っているということでありますので、これをしっかりと規制を解除していかなければならないと思います。
 昨日で震災後十年がたったわけであります。輸入規制が一日も早く撤廃されるように、今、このコロナ禍の状況ではありますが、例えば在外公館を通じ、またテレビや電話等も利用しながら働きかけを行っているところであります。私自身も、在京大使館を通じて働きかけ、あるいはテレビ会議を通じて働きかけも行ってまいりましたが、今お話のあったマルチの会議の働きかけとしましては、昨年十月のテレビ会議形式で開催されましたASEAN十か国及び日中韓によるASEANプラス3農林水産大臣会合におきまして、規制を維持しております中国、韓国、インドネシア、シンガポールに対して早期の規制撤廃を求めました。
 今後も、今、農林水産物輸出本部がありますので、この下で、二国間での働きかけの強化に加えまして、マルチの場の活用なども含めて、新たな取組の可能性を追求しながら戦略的に働きかけを行ってまいりたいと考えております。

#422
○高橋光男君 ありがとうございます。
 私は、前職の外交官時代、通訳として、ブラジルの大統領に対し科学的根拠のない規制は直ちに廃止すべきだと訴え、その後、関係者の御尽力もあり、撤廃されました。震災から十年の今こそ政府の本気度が問われていると私は思います。よろしくお願いします。
 続いて、この冬の雪害及び先月の福島県沖震災を受けた支援についてお伺いします。
 農水省は、公明党の提言を踏まえ、支援パッケージを発表しました。私も、小此木防災大臣や野上大臣への申入れに同席させていただきました。一方で、北海道では、記録的な大雪のため、今もなおビニールハウスの損壊などが続いています。東北地方では、東日本大震災、東日本台風、コロナ禍、福島県沖地震等によって四重の困難に直面しています。そのような中、基幹産業の農業、特に被災農家に寄り添った支援が重要です。
 政府には、是非、相次ぐ被害を十分に踏まえた支援策を手厚く行っていただきたい、申請期間も可能な限り延長し、迅速に審査、支援決定をするなど、格段の御配慮をもって御対応いただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。

#423
○国務大臣(野上浩太郎君) 今お話のありました令和二年から三年の大雪でありますが、私も新潟県の方に参りまして現場の皆様のお声を聞かせていただきましたが、やはり現場では非常に大きな被害が発生をしておりました。農業ハウスの倒壊ですとか破損等々いろんな被害が発生をしていたわけでありますので、農林水産省としては、なるべく早くという思いで、二月二日にこの支援対策を決定をしました。農業ハウスの復旧支援につきましては、強い農業・担い手づくり総合支援交付金の優先採択ですとか、あるいは持続的生産強化対策事業等で支援をしております。
 なお、二月二日以降にも発生をした北海道を始めとする大雪でありますが、この大雪等に対する被害についてもこの支援対策の対象となるということであります。
 また、二月十三日には福島県沖を震源とする地震が発災をしてしまったわけでありますが、政府としては、二月二十六日にこの支援対策を取りまとめたわけであります。この中で、農林水産関係の被害につきましては大雪被害と同様の支援策を講ずることといたしました。また、今般の地震によりましては農林水産関係では漁港施設を中心に被害が発生をしたわけでありますので、災害復旧事業などによりこれも復旧を図ってまいりたいと考えております。
 今後の営農あるいは事業の再開、継続に向けまして迅速かつきめ細やかに支援してまいるのは当然でございますし、今のお話にありました事業の申請期間についても、被災された農林関係の皆様が支援から漏れることがないように、これ十分に確保してまいりたいと考えております。

#424
○高橋光男君 ありがとうございます。
 私の地元兵庫でも、十二月の大雪によって、日本三大ネギの一つ、岩津ねぎの生産者が被害を受けました。政府がスピード感を持って支援していただくことが営農を断念させないために重要だと思いますので、よろしくお願いします。
 続いて、雪処理の担い手確保のための支援について、赤羽大臣にお伺いします。
 国は、道路除雪費の補助を今年度追加配分するなどして、約百十六億円の予算で行っています。
 一方、担い手確保のための支援、これについては、平成二十五年からの支援体制調査に基づき、ボランティアセンターの設立、運営、除雪ボランティアの組織づくり、そしてコーディネーター育成など、ハード、ソフト両面において共助による除雪体制の整備等を支援しています。一方、そのための予算、年間二千五百万円です。しかも、来年度は二千万円、減額計上されています。
 私も地元兵庫北部の現場で雪かきのお手伝いをして、非常に重労働だと実感しました。高齢化も進んでいます。国はこの冬の雪害現場の調査を行い、その結果を踏まえた共助の取組に対する必要な予算を確保していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

#425
○国務大臣(赤羽一嘉君) 私も、十二月と一月と、新潟をそれぞれ訪問しました。特に一月は日本海側に幅広く大変な大雪が短時間に降ったということで、被害が大変厳しかったと。帰ってきてすぐ、前日に現地に行かれた小此木防災担当大臣と武田総務大臣と話し合いまして、これは政府として除雪だけではなくて大雪対策全部やらなければいけないと、農水大臣にお願いしようということを確認したところでございます。
 除雪費用につきましては、これも何回かここでも御答弁していますが、三段階に分けておりまして、先ほどの百十六億円というのは第二段階、当初予算でそれぞれ割り当てて、途中で大雪だと第二段階で発動して、そして、実は、年度末にこれでは足りないということであるならば臨時的な、臨時特例の措置としてですね、予備費ですとか様々な残った予算をかき集めてやると。これは恐らく過去最高のものを近々発動するという状況でございます。
 担い手、確かに高齢化が進んで雪下ろしができないと。そうしたことについては、ちょっと多分レクをした人が悪かったんじゃないかと思うんですが、国交省の中ではなくて総務省の特別交付税ですとか過疎対策事業債等々でカバーしておりまして、お話があった二千万とか二千五百万の予算については、これはあくまでもそうしたうまくいった優良事例の横展開のソフトに限ったものでございまして、その担い手不足等々については多分総務省のところで見ていく、だから政府一体として、政府全体としてしっかりと対応していかなければいけないと、そのように進めていきたいと思っております。

#426
○高橋光男君 ありがとうございます。
 今おっしゃったように、国交省のみならず総務省との連携、また農水省との連携、しっかりと関係省庁で取り組んでいただきたいと思います。
 続いて、高齢者施設の水害対策について、厚労省、そして国交省にお伺いします。
 近年相次ぐ風水災害への対策も待ったなしです。私自身、一昨年、参議院で最初に国会の場で取り上げたのは、東日本台風被災者への支援でした。その前後で福島の郡山や本宮市にも足を運ばせていただきました。
 昨年も、九州豪雨の真っただ中、七月九日の内閣委員会で、対象施設の避難計画の総点検、そして垂直避難のための施設整備への支援を求めました。その後、資料一を御覧いただければと思いますが、新たな補助事業を創設していただきまして、そして国はこれまでに五十五の事業を決定しています。この点、一月には我が党山口代表が代表質問において総理に対し質問を行いましたところ、菅総理より、高齢者に配慮したきめ細かい災害対応に万全を期す旨答弁いただきました。
 今年の出水期に整備が間に合うように、できる限り必要な支援を行き届けることが重要です。そして、こうしたハード面の整備に加えて、避難確保計画に関する緊急点検と、それに基づく各種のソフト面での対策もしっかり行っていただきたいと思いますが、それぞれ御答弁をお願いします。

#427
○大臣政務官(こやり隆史君) 高橋委員には、昨年七月、参議院内閣委員会におきまして、高齢者施設の水害対策の強化について様々な御提案をいただきました。
 それを踏まえて、先ほど御指摘もいただきましたけれども、介護施設における水害対策の支援メニューを新たに創設をいたしまして、垂直避難用エレベーター、スロープ、避難スペースの確保等の改修工事に対して補助を行うこととさせていただきました。
 また、御指摘の出水期を前にした避難確保計画の緊急点検につきましては、本年二月に地方自治体に対しまして介護施設等への点検実施依頼及び助言等をお願いしたところでございまして、引き続き国交省と連携をしながら取り組んでまいりたいというふうに思います。
 加えまして、来年度、令和三年度の介護報酬改定におきまして、介護施設の避難等の訓練時における地域住民との連携の努力義務化、あるいは都道府県における防災リーダー養成、相談窓口の設置を支援する事業の創設等を行ったところでございます。
 こうした取組に加えまして、国土交通省と共同設置している検討会におきまして、これは三月十八日に取りまとめを予定をしているところでございます。避難の実効性確保のための方策を踏まえた上で、今年の出水期までに、国土交通省と連携し、速やかな対策の実施に努めてまいりたいというふうに考えております。

#428
○国務大臣(赤羽一嘉君) 近年の水害で高齢者施設が大変な被害を受けているというのは大変痛ましいことなので、回避しなければいけないと。根本的には、昨年の通常国会で法改正をしまして、いわゆる浸水想定区域におけるこうした高齢者施設の開発自体を制限を掛けると。これはもう根本的なことだと思っております。
 他方で、もう存在をしているところがございますので、これについては、今厚労省からの御答弁もあったように、様々な検討会の中で、垂直避難設備がないとか、また訓練をされていないとか、ソフト、ハード両面について指摘がされております。昨年十月からも、検討会で鋭意この避難の実効性を確保する方策について取りまとめをいただいておりまして、今月中にその報告が出る予定でございますので、今年の出水期には少しでも改善が進むようにしっかりと対応していきたいと思っております。
 また、この通常国会で提出をしております流域治水の関連法案で、高齢者施設の施設管理者が防災の専門的知識を有する市町村の方から助言、勧告を受けて避難計画や訓練の改善ができるようにするということも入っておりますので、これを実効たらしめるように、しっかりと高齢者の皆さんの命を守るということを最優先に取り組んでいきたいと思っております。

#429
○高橋光男君 ありがとうございます。
 現場、自治体への周知徹底、そして、できる限り多くの支援、この事業を行っていただけますようによろしくお願いします。
 続きまして、高齢者施設のコロナ対応の集中的検査についてお伺いしてまいりたいと思います。
 今月末をめどに、十都府県の施設従事者等への検査が実施されています。ここで使われる検査方法、PCR検査、抗原定量検査、抗原定性検査があり、各自治体で異なります。
 先月の議院運営委員会で私はこの検査について質疑をしましたところ、西村大臣から、無症状者へのスクリーニング、つまり捕捉するために国が抗原定性検査キットを配布することはしない旨答弁しました。これは、国を含む様々な関連機関が作った検査指針というのがあるんですけれども、そこに記されていますように、無症状者への抗原定性検査は適さないためです。実際、この検査で陰性と判断された後にPCR検査で陽性者が発覚した、いわゆる見逃しの事例も既にございます。
 そこで、お伺いします。今回の集中検査で抗原定性検査のみを行う自治体が私の地元兵庫にもございます。無症状者にも活用する意向であれば、それは国の周知が不足しているのではないでしょうか。改めて、無症状者も含む高齢者施設での集中的検査に抗原定性検査を使うことは問題ないのかについてお伺いします。また、仮に使用する場合でも発熱患者用にのみ充てるべきと考えますが、いかがでしょうか。

#430
○大臣政務官(こやり隆史君) 委員も御理解いただいているとおり、検査方法には様々な長所あるいは短所がございます。御指摘の高齢者施設の無症状者に対する抗原定性検査を実施する場合でございますけれども、病原体検査の指針におきまして、検体中のウイルスが少ない場合には、感染していても結果が陰性となる場合があり、陰性であったとしても引き続き感染予防策を講じないといけないということとなっております。
 こうした留意点につきまして、自治体、医療関係者に幅広く周知をしているところでございますけれども、引き続きしっかりと周知を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

#431
○高橋光男君 ありがとうございます。しっかりお願いします。
 一方で、この政府の基本的対処方針には、厚労省はPCR検査及び抗原検査の役割分担について検討、評価を行うとございます。
 国が薬事承認した抗原定性検査キット、これ七つございますが、メーカーごとに性能は異なります。当然、陽性一致率が低い検査キットを使えば見逃しのリスクが高まります。こうしたリスクも現場に十分注意喚起していただくとともに、薬事承認済みの抗原検査キットであっても、その性能を絶えず比較検証、評価を行い、周知すべきではないでしょうか。そして、質の低い検査方法については、あくまでやむを得ない場合にとどめるべきであって、利用が助長されないようにしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

#432
○大臣政務官(こやり隆史君) お答えいたします。
   〔理事馬場成志君退席、委員長着席〕
 まず、委員御指摘の抗原定性検査キットでございますけれども、それぞれ性能が違うということでございますけれども、薬事承認に当たりましては、個々の製品ごとに一定のウイルス量を有する患者に対する性能、これをしっかりと確認した上で承認を行っているところでございます。
 そして、厚労省で公表しております病原体検査の指針の中で、PCR検査、抗原定量検査、抗原定性検査のそれぞれについて、使用が可能な対象者あるいは検体採取方法などの特徴や留意点を整理しているところでございまして、しっかりとこうした点を、留意事項を幅広くしっかりと周知をしてまいりたいというふうに考えております。

#433
○高橋光男君 ありがとうございます。
 私の地元で、まさにその中で比較的性能が低いというか、陽性一致率が低いと言われているキットが、それだけを使うというところもございますので、一方で、そういった自治体も、四月以降継続して定期検査を行いたいという意向も示されているところです。
 したがいまして、国として改めて精度の高い検査を推奨していただきたいと思います。そして、そのための支援、継続していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

#434
○大臣政務官(こやり隆史君) 委員御指摘のとおり、高齢者施設の従事者等の検査の集中的実施計画の策定及び三月中をめどにした実施を要請するとともに、加えまして、それ以降も地域の感染状況に応じて引き続き定期的な検査を実施することを要請しているところでございます。
 この要請の中で、高齢者施設の無症状者に対して検査を実施する場合には、PCRあるいは抗原定量検査による実施が困難な場合に抗原定性検査を実施するということ、あるいは、その場合に、抗原定性検査を行った場合、陰性であったとしても引き続き感染予防策を講じる必要があるということをしっかりと周知を徹底しながら必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えております。

#435
○高橋光男君 是非、必要な情報の周知徹底、そして支援継続をよろしくお願いします。
 続きまして、コロナワクチンの供給に向けた我が国の支援についてお伺いしてまいりたいと思います。
 昨年九月、公明党の後押しにより、我が国は途上国向けのコロナワクチン供給の共同購入枠組みであるCOVAXファシリティーへの参加を決定しました。これについて、資料二を御覧いただければと思います。
 日本の途上国向けワクチン調達に向けた拠出、これは二億ドルで、今第六位になっています。米国の二十五億ドルの十分の一以下です。また、タイム誌の発表のように、その下にあるこの表でございますが、各国の責任度、すなわち国民一万人当たりの拠出額では何と十九位です。このままでは日本のプレゼンスの低下は必至かと思います。
 三月四日の予算委員会で、我が党、西田議員の求めに対し茂木大臣は、資金的約束の増額についてできる限りの貢献をしたいと答弁されました。我が国として、ワクチンのみならず治療薬、検査キットも含めた継続的支援が必要です。
 この枠組みの資金需要は現在七十億ドルとされていますが、最近は、変異株への対応、また途上国への更なる需要から、今後更に資金ギャップが生じるおそれがあると言われています。ついては、我が国としてふさわしい貢献をするための財源を確保していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

#436
○副大臣(宇都隆史君) お答えします。
 御党の後押しもあり、今政府としても、途上国のワクチン支援、全力で頑張っているところでございます。
 新型コロナ感染症の収束のためには、国内のみならず世界全体でワクチン、治療、診断の公平なアクセスの確保、普及を加速していくこと、これが極めて重要だと考えておりまして、特にこのACTアクセラレーターの枠組みを重視しております。
 委員御紹介のように、現在、その資金需要の見積りは約米ドルで七十億と言われておるんですが、実際にプレッジされている額はまだ五十七・六億程度と、約そこに十二億程度のギャップが存在するわけです。
 日本としては、二月九日にこの途上国向けの枠組み拠出を増額をいたしまして、約二億ドルを拠出することを表明したところです。
 しかしながら、現在この本予算審議をしているわけですけれども、この二億ドルの中身は令和二年度の第一次補正で〇・六億、第三次で一・四億ということで、引き続きこの枠組みに支援をしていくためにはそれなりの財源をきちんと確保するということが重要で、引き続き政府内で検討してまいりたいと思います。

#437
○高橋光男君 是非しっかり外務省として、財務省、本日、麻生大臣も御同席いただいていますが、連携をして、日本として恥ずかしくない貢献、よろしくお願いいたします。
 他方で、資金的貢献のみが全てではないと私は考えます。他の国際機関経由の協力やJICAの技術協力、これについては、私、地元兵庫ではT―ICUという医療ベンチャーが参画した遠隔で治療する能力を強化するための支援などもございまして、我が国らしい二国間、多国間での支援をパッケージ化し、五月のグローバルヘルスサミットや六月のG7サミット等で示すべきと考えます。
 また、近く開催の日米外相会談におきましても、途上国へのワクチンの公平なアクセス確保やCOVAXに入っていないロシアへの働きかけ強化を、向けた両国の連携を確認し、国際社会に示していくべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

#438
○副大臣(宇都隆史君) 委員が資料二でもお示しのように、やはりどれぐらい拠出をしているかというこの見える化をすることで国の貢献度合いというのがやはり明らかになるものであろうと思っております。
 新型コロナ感染症により、特にこの医療保健体制が脆弱な途上国において人間の安全保障が脅かされている中で、我が国は、国際機関に対する資金拠出や二国間の無償資金協力による医療機器の提供のほか、JICAによる技術協力と、かつてないスピードで実施してきました。つまり、お金以外の部分ということでもですね。
 こうした支援について、全体のパッケージ、委員のおっしゃるような、それも考慮したような額を踏まえて、これまでも国連総会の機会を捉えて対外発信をしてきたわけですけれども、今後ともそういうのをしっかりと生かしながら、我が国の高い技術力、知見を生かした二国間支援、引き続き展開してまいりたいと思っております。

#439
○高橋光男君 いずれにしましても、我が国の保健分野における貢献というのは、全体のODAに占める割合というのは非常に限られているところでございまして、このテーマにつきましては、引き続きこの国会の場で私も求めてまいりたいと思います。
 続いて、赤羽大臣にGoToトラベルについてお伺いします。
 緊急事態宣言に先立つ昨年末からの停止以降、再開の見通しが立っていません。地元の観光地から、苦しまれている方のお声、また、再開に向けた御要望、たくさんいただいています。
 そして、再開に当たって、私は三点、大臣の御認識をお伺いしたい。
 再開に当たっては、県民による県内観光といったマイクロツーリズムから再開をしていく、そうした方針。またさらには、国民の不安を払拭していくためには、やはり人流の促進によって感染が拡大するのではないかという懸念があります。したがいまして、その懸念を払拭するためにも、GoToの利用者への検査、つまりPCR検査等を行うことを要件にすることについてどのようにお考えでしょうか。また最後に、被災地枠の扱いについてでございます。遅くとも本事業の再開時にはこの方向性なりとも明らかにすることで被災地に希望をお届けすべきではないかというふうに私は思いますけれども、御見解をお伺いします。

#440
○国務大臣(赤羽一嘉君) 再開については種々検討しておりますが、どこまで行っても感染拡大を早期に収束させると、これが最優先でございます。
 ただ、他方、私もこれまで四十二か所の観光地の皆さんと意見交換しておりますが、やはり年明けから、先行きが本当に見えなくなったと、資金繰りが大変だという声が聞いておりますし、実は全国の知事会でも、有志という形ですが、三十五の知事から、近々、この観光事業、GoToトラベルを、安全な比較的感染状況が落ち着いている地域から、県内、それからブロックから始めてくれという御要望も出る、まさに今出ようとしているというふうに承知をしております。
 ですから、いずれにしましても、今言われたとおりですが、まだ確定的なことは申し上げられませんが、どうしても県内のマイクロツーリズム優先するし、やはり国民の皆様が安心して観光を楽しめるような環境づくりという意味では、感染防止策をまあ要件にするのか求めるのかというのはあるんですけど、そうしたことも必要だと思います。
 あと、加えて、被災地枠は、これはもう、私、熊本県とか大分県には直接申し上げておりますが、具体的なことはありませんが、その枠はちゃんと取っていますからと。で、現実には、天ケ瀬温泉にしても人吉温泉にしても、まだ災害、被災から立ち直っていなくて、本格的には御商売再開されていませんので、それは少しずらしてでもその枠はちゃんと取っていくと。これはお約束をしているところでございます。

#441
○高橋光男君 ありがとうございます。
 是非、引き続き、現場の方々のお声に寄り添って、御検討、再開に向けての御検討を進めていただければというふうに思います。
 最後にGoToイートについてお伺いしたいと思いますが、私自身、来週また野上大臣にお伺いする機会もございますので、今日は一点だけお伺いしたいのが、やはりこの緊急事態解除都道府県、今既に十都府県のうち一都三県のみが宣言が続いているわけでございますけれども、再開の時期はいつなのかについて野上大臣に明確に御答弁いただければというふうに思います。

#442
○国務大臣(野上浩太郎君) これまでもGoToイート事業につきましては、コロナ分科会の提言の考え方に沿って、各都道府県、地域の感染状況を踏まえて、飲食店の営業時間の短縮等と併せて食事券の販売一時停止を判断してきておりまして、再開及びその後の追加分の実施につきましても、都道府県が感染状況を見極めつつ対応を進められるように、引き続き緊密に対応してまいりたいと思います。
 GoToイート事業の食事券の利用期限につきましては、昨年の十二月に都道府県及び事業者に対しまして最長六月末とすることをお知らせしております。この六月末との利用期限につきましては、この時点で感染状況等々まだ不確定な要素が多いものですから、まだ延長するしないの方向を今予断する状況にはないところでありますが、その時点において必要な対応を行ってまいりたいと考えております。

#443
○高橋光男君 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。

#444
○委員長(山本順三君) 以上で高橋光男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#445
○委員長(山本順三君) 次に、清水貴之君の質疑を行います。清水貴之君。

#446
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。よろしくお願いをいたします。
 まずは、持続化給付金の不正受給問題についてお伺いをいたします。
 不正受給問題、最近ではJRAの騎手や調教師など百六十人以上で発覚をしまして、大きな問題となりました。それ以外にもこれまでに多くの逮捕者も出ていまして、警察庁が認識しているこれ詐欺の件数、先月末ですが、五百件を超えています。逮捕者も三百八十七人、立件総額は五億円超え。で、自主的な返還もこれかなりの件数がありまして、もう一万件を超えている、百十一億円ぐらいの自主返還があるというふうに認識をしています。
 それだけ制度が悪用されるということは、制度そのもの若しくは審査に問題があったということでもないかと思うんですが、これ当然、原資は税金ですから、こういった不正には厳しく対処していっていただきたいというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#447
○国務大臣(梶山弘志君) 持続化給付金についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症の拡大により大きな影響を受けている事業者に対して事業の継続を支えることを目的としておりまして、必要な方に迅速に給付をするべく、申請手続は簡素なものとして、審査も適切かつ柔軟に行ってまいりました。また、国会の審議の中で、与党からも野党からも性善説をという前提でやってくれというお話もありましたし、そういう前提で迅速なまずその給付というものを心掛けてやってきたところであります。
 他方で、こうした制度を悪用した不正受給が多数生じていることも非常に遺憾に存じます。不正受給の中には、裏に指南役がいるなど組織立ったものも見られます。関係機関とも緊密に連携しながら、厳正に対処をしてまいります。さらに、逃げ得は許さないという考え方の下に事務局や法律事務所による調査も進めており、持続化給付金の不正受給が疑われる案件への調査を一層強化をしてまいります。

#448
○清水貴之君 その調査なんですけれども、これ事業主体は中小企業庁です。警察の捜査も大事ですし、自主返納というのも進む、これ大変、どんどんやるべきことかと思うんですが、やはりその事業主体である中小企業庁、経産省、しっかりと対応していただきたいという思いで、昨年十一月の内閣委員会で指摘をさせていただきました。
 資料を今日配らせていただいているんですが、これ持続化給付金の給付規程というのがありまして、十二条まであるんですが、不正受給等への対応は十条ですのでこの十条だけを抜粋して今日は配らせていただいていますが、十条の一には、申請が給付要件を満たさないこと又は不給付要件に該当することが疑われる場合は長官は調査を開始するというふうになっています。
 今までどれぐらいの数の調査が行われているのでしょうか。

#449
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 給付金規程第十条第一項第一号に基づく不正受給の調査というものは既に多数実施しております。具体的には、書類の偽造であるとか、あるいは成り済ましによる申請、それから二重の申請、こういったものについてそういう疑義があるということについては、まずは給付を行う前に、給付決定を行う前に調査をしておりまして、その件数はこれまでに約七万件について調査を行っております。
 こうした調査を行った案件につきましては、必要に応じまして追加的な資料の提出を求めてしっかり調査して、中には疑義が解消されて給付されるものもございます。あるいは、自ら申請を取り下げる方、それから不給付決定に至る方、いろいろございますけれども、いずれにせよ、個別の事案に応じて対応をしております。
 それから、給付後につきましても当然調査を行っておりまして、いろんな情報を使って疑わしいということが判明した案件については、ちょっと具体的な件数については今申し上げることはできないんですけれども、相当な数につきまして、私ども、それから法律事務所も活用しつつ調査を進めております。今後、こういった調査がしっかり進んで不正が確定したものについては、順次公表していきたいというふうに考えております。

#450
○清水貴之君 七万件調査しているということは、ただ一方で、これ十の一の二にありますように、要件を満たさないことが判明した場合には贈与契約を解除する、長官が。事務局は原則として申請者の法人名等を公表するということです。
 給付金の返還請求も行うとこれまで中小企業庁の方からも答弁もありますけれども、この解除の件数、公表の件数、返還請求を行った件数というのはどうなっていますか。

#451
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 給付後の調査につきまして、調査を行った結果、疑義があって不正であるということで、贈与契約を解除するとか、あるいは加算金を請求するとか、そういった最終段階に至った案件というのは現時点ではまだございません。
 これ、氏名の公表であるとか、あるいは加算金の請求というのは、当事者について重大な権利の問題でございますので、事実関係に間違いがないよう慎重に進めているということでございますけれども、いずれにせよ、不正が確定して決まったというものについては適切に贈与契約の解除あるいは公表等について行っていきたいと考えております。

#452
○清水貴之君 ということは、現時点ではゼロ、でも、これからは数としては出てくる可能性が大きいというふうに見ていますか。いかがですか。

#453
○政府参考人(奈須野太君) 御指摘のとおりでございます。

#454
○清水貴之君 初めにも言いましたとおり、やはりこれ事業主体、大臣、中小企業庁ですので、ここ、改めてしっかりとこういったやっぱり不正というのに対しては厳しく対応していただきたいと思います。改めて、もう一言いただけましたら。

#455
○国務大臣(梶山弘志君) 委員おっしゃるとおりで、しっかりと厳正に対処をしてまいりたいと考えております。

#456
○清水貴之君 梶山大臣への質問、ここのパートだけですよね、と思いますので、御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。

#457
○委員長(山本順三君) 経産大臣は退席されて結構でございます。

#458
○清水貴之君 続いて、時短協力金について、西村大臣、よろしくお願いいたします。
 これまでにも多々この委員会でも質問が出ている部分ではありますが、やはり一日六万円の支援金、一律普及にやはり不満の声が高まっている、不公平感が出ているんじゃないかという声を、これも私も地元でも本当によく聞いてきまして、これ幾つか論点があると思うんですが、その中で今日お聞きしたいのが、額が不十分、足りないんじゃないかということではなくて、逆に、なかなかこれ言いにくいですけど、やっぱりもらい過ぎてしまっているという、もうこれ飲食店の方が自分でおっしゃられることももちろんありますので、もううちにとってはこれもう十分過ぎるよということを言われることもありますので、もらい過ぎているところもあれば足りないところもあると。昼だけの営業ですとか飲食以外の業種、コロナの影響を受けているけど全くもらえないというようなところからやっぱり不公平感が生じている、分断が生じているという点をお聞きしたいなと思っています。
 大臣の御地元の明石の魚の棚商店街でこれは聞いたお話なんですけれども、やはり商店街がもう一体となってコロナに向かっていかなければいけないんだけれども、こちらは十分支援があって隣の店はないとか、九時まで営業しているところが一時間時短で八時まで営業できるのに六万円ももらっていいなみたいな話とかあって、何かこうやっぱり一体感が生まれてこないというような声をこれ聞いてきたんですよね。
 ですから、こういった過不足があるという、足りないという点に対しては様々、雇用調整助成金とかいろいろ使って対応していますという御答弁今までされていますけれども、そうではなくて、この分断が生じていること、不公平感が生まれていることに対する対応、見解など、お聞かせいただけますか。

#459
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 まさに私の地元の商店街の皆さんからも、今、清水委員言われたような御指摘、多数聞いております。お昼だけやっているお店、影響受けたところは六十万円、三十万円の一時支援金の対象となると。他方、小さなお店でも夜やっていたお店は一日六万円で、最大でいえば百八十万円になるということで、この差が非常にあるという不公平感、伺っているところであります。
 実は、この一日六万円については、各都道府県の判断で、これまでは上げることはできないんですが下げることはできるようにしていまして、小さいお店は例えば二万円とか三万円とか、大きなお店は六万円ということで対応する、していただくということで、都道府県にはそういう趣旨でお伝えをしてあったんですけれども、都道府県側としては、やはり事務手続の簡素化、迅速な支援という観点から一律の支給となっているところであります。
 このことについては、確かに小規模店舗がもらい過ぎているという声、この不公平感もよく聞いておるんですけれども、八時までの時短を徹底することでここまで下げてこれたということもこれも事実でありますし、御協力いただいた結果だと思いますので、そういう意味で、より小さな規模のお店により手厚い支援になるというのはしばしばある話ではありますので、今後改善をしていこうということで、時短を解除した大阪や愛知県などでは今後六万円を更に上にも上げることができるし下にもできるということで、かなり柔軟性を増してきたところでありますし、今、緊急事態宣言の下で東京の関係を、首都圏で何か変更するというのはこれ混乱を招きますので、引き続きより柔軟な仕組みとなるよう検討を重ねていきたいというふうに考えております。

#460
○清水貴之君 本当に数多くの飲食店がある中で、商店がある中で百点のこれもう対応なんてないとは思うので、スピード感も重要ですので分からない話ではないんですけれども、ただ、これ、去年の、さっき質問した持続化給付金のときも同じようなことが言われていまして、やっぱりもらい過ぎているところとそうじゃないとかですね。あの頃は、三宮、神戸の三宮なんかはもう飲食店バブルだと。もう飲食店にはいっぱいもらっている人もいて、バブルが、お客さんいっぱい来てバブルならいいんですけれども、そうじゃないと、持続化給付金バブルだなんて話もあったんですね。ですから、一年前にも同じ話があって、またここでもというのが、何かやはりうまく制度設計をできないものかなというふうな思いを持っています、次に備えて。
 で、幾つかの、まあいろんなやり方があると思うんですけれども、可能性としてどうお考えか、できないかということでちょっとお話しさせていただけたらと思うんですが、まずは、やはり売上高に応じた支給、これが一番分かりやすい。どれぐらい減ったかというのをしっかりと把握をして、それに合わせて支給をすると。商店主さんと話をすると、毎年税務申告をしているんだからそこからデータで分かるだろうと、何でできないんだみたいなことを言われるわけですね。
 実際、持続化給付金でも確定申告の書類とか売上台帳で経営状況は確認しています。家賃支援給付金の際にも売上げに関する書類、これ提出必須だったわけですね。こういったものをうまく使えないものでしょうか。いかがでしょう。

#461
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 売上高で見ながら考えていくというのは一つの手法だと思っております。
 ただ、これまでの持続化給付金とか家賃支援給付金ですね、これらについては事業者ごとに対応していますので、店舗ごとに、多店舗持っている方に売上げを店舗ごとにどう出してもらうのかというようなところも含めて私ども様々検討を重ねているところですけれども、御指摘のように売上げというのは一つの指標としてはあり得るものかなというふうに考えております。

#462
○清水貴之君 検討課題ではあるというところですね。
 あと、ほかの可能性として、店舗面積とか家賃とか従業員数とか、こういう外形的な要素ですね。これ、海外は結構こういった方式、イギリスなんかも店舗の課税評価額に応じて支払っていますので。しかも、昨年のこれも家賃支援給付金のときは売上げに関する書類とともに賃貸契約書の書類も必要でした。ですから、こういったものに合わせて、で、今大阪で割増ししている部分というのは店舗の家賃に対して一万円、二万円、三万円というプラスの給付をしています。
 こういったところも一つ考えられる要素ではないかと思うんですけど、いかがですか。

#463
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、店舗面積、あるいは家賃、それから従業員の数ですかね、こういったところも外形の指標として考えられるわけですけれども、店舗面積によって、今固定資産税の評価額とかということもおっしゃいましたけれども、地域によってこれかなり、面積が同じでも金額は変わってくるというのがあります。
 それから、家賃も、自分の店舗でやっているお店もありますので、大阪はそういった店も含めて一定の基準でやられているようでありますけれども、それから、従業員については、これ別途、雇用調整助成金で、休業させた場合にその分の三十三万円までは支援がありますので、それぞれに一長一短があるんだと思います。
 いずれにしても、様々なこうした指標も見ながら、どういう形の支援があり得るのか、引き続き検討を進めていきたいというふうに考えております。

#464
○清水貴之君 そのほかに、飲食事業者が税務署に毎月提出している給与所得の源泉所得税納付書、これ従業員の給与が分かるので、そこから原価が大体分かるので、そこから支給したらどうだろう、こういう意見もあるんですね。
 ですから、もういろんな要素を是非、この不公平感というのが今もう本当にいろんなところから聞こえてくる声ですので、まだ次に向けて早め早めの手を打っていただきたいと思うのと、これもやはり不正受給への対処というのも考えていかなければいけないかと、これも聞こえてきます。実際は営業していない店を開いているように装うとか、工事中の店を営業しているようにするとか、営業時間を偽るとか、この近所の方やっぱり分かっているんですね、あの店はなあみたいな話を。
 これ、実際は都道府県が対応する話なのかもしれませんが、やっぱり国の事業としてこれやっているところもありますので、こういったところも不公平感を生む元凶になりますので是非対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#465
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のような声も私も聞いております。
 この点も各都道府県と我々連携をしておりまして、それぞれの解除された県も含めて、あるいは今現在首都圏も含めてそれぞれ工夫をしているようでありまして、例えば、チラシなど店舗ごとにその営業時間がしっかり確認できる資料、書類の提出を義務付けていたり、あるいは店舗への時短要請の実際の協力状況の調査、これもしっかりやっているようなところもありますし、それぞれ工夫しながら、不正受給がないようにということで対応しているものと承知しています。
 いずれにしましても、先ほどの持続化給付金の話もありましたように、この場合はそれぞれの都道府県と連携をして、そうしたことがないように取り組んでいきたいというふうに考えております。

#466
○清水貴之君 大臣、余談なんですが、昨日電話で内閣府の方と対応させていただきまして、すごい、もうばたばたした感じが何か伝わってきたんですよね。僕もっといろいろ説明しようと思ったんですけど、あっ、分かりました分かりましたという感じでですね。まあ、その方が勘が良かったのかもしれませんけれども、多分すごいお忙しい、まあ残業時間の話もありまして、多分大変お忙しいんだと思います。質問しておいて僕がこんなことを言うのもなんなんですけれども、その辺りのケアも是非よろしくお願いをいたします。
 続いて、変異ウイルスへの対応、田村大臣、よろしくお願いをいたします。
 神戸市でこれ、かなりの割合で変異ウイルスが見付かりました。新規感染者の、これ一月二十九から二月十八の数字ですけれども、新規感染者の一五%。直近のデータでは、二月二十六から三月四日では検査したうちのおよそ四割が英国型の変異株ということになっております。神戸は非常に検査数を今増やしていますので、それだけ出るのかなというふうにも感じるんですけど、これが全国でやっぱり出てきていますので、神戸だけの特徴ではないと思うんですけど、今、現状をどう大臣、捉えていらっしゃいますでしょうか。

#467
○国務大臣(田村憲久君) これ、PCR検査でプライマー使ってスクリーニング的に検査をやっていただいております。それで、捕まえたやつはこれはゲノム解析という形で基本的には感染研の方でやっておるわけでありますけど、今委員言われたとおり、神戸市、昨日、三月十一日でありますけれども、確認状況について発表されたということで、直近二月二十六日から三月四日まで、陽性者九十七人のうち、これスクリーニング検査六十七件やっておられるということで、六九・一%やっていただいておると。この中で変異株の確認数二十六件ということでありますから、パーセンテージ高く見えます。ただ、一生懸命、変異株の方を一生懸命調べていただいて引っ張っていただくので、これがそのまま市中での感染率かどうかというのは、ちょっとこれは分からないということであります。
 国の方、全国でありますけれども、二月二十二日から二十八日まで七千八十名、これ新型コロナウイルス感染者数、これ調べたのに対して、速報値で一千二百三十四件の変異株PCR検査をやっておるということでありますから、これだけ見ると、国の方も、国というか全体でも結構やっているように見えるんですが、実はこの千二百三十四と七千八十というのは、二月二十二日から二十八日までと言っているんですが、ちょっと変異株の方の検査をやっているのは時期がずれています。この時点で分かったという話でありますので、全く同じものがリアルタイムで検査に回っているかどうかは分からないということでありますが、大体今、五%から一〇%、これは必ずお願いいたしたいということを各都道府県にお願いいたしておりますが、変異ウイルスが出た地域には更に多くの検査、PCR検査で変異株の検査をやってくださいというようなお願いをさせていただいております。

#468
○清水貴之君 そうなると、じゃ、今後どう対応していくかですよね。変異株がやっぱりある程度の数で広がっていると思うのが順当ではないかと思います。変異株がそれだけやっぱり、感染のスピードがもし一・五倍ぐらいあるんでしたら、一・五倍の対応、見越した対応をしていかなきゃいけないというふうに思うんですよね。
 水際対策、これも大臣でよろしいですかね、二点お聞きしたいんですが、一緒にお答えいただいてあれなんですが、入国後の監視体制の徹底と検査の強化、これも必要だというふうに思います。アプリを導入したり、いろいろ考えられているそうなんですが、やっぱりなかなか、入ってきた方がどこで何しているって、やっぱりなかなかつかみにくいとも思うんですね。この辺りどうしていくのか。
 そして、三日後のPCR検査、これ今は変異株発生している対象国に限って、三日間滞在してもらってもう一回PCR受けてもらうということをやっているそうですが、この国をもっと広げる可能性があるんじゃないかと。これについては、大臣、いかがでしょうか。

#469
○国務大臣(田村憲久君) まず、日本国に入って、日本国といいますか日本全体の話でいきますと、今、五%から一〇%の全体の中でのスクリーニング検査をお願いいたしておりますが、これ更に広げられないかということを検討いたしております。今は地方衛生研究所が中心でやっている、これが大体五%から一〇%ぐらい拾っていただいているんですが、民間の検査会社にも何とかこういうものをお願いできないかということを今検討させていただいております。
 それから、水際の話なんですが、これ二つに分かれていまして、一つは、先ほど言われたとおり、言うなれば変異株の対象国、四か国から十七か国にこれ広げてきたんですけれども、これに対しては、三日間まずホテル等々で滞在いただいて、三日後に検査をもう一回やって、そこでその後、入国から十四日間フォローアップということで、これはフォローアップセンターというのをつくって、アプリを入れていただいて対応をいただいております。
 これもGPSのアプリを今これ入れていこうということで、すると、本人が要するにテレビ通信で今ここにいますといってボタンを押していただくと居場所が確認できるということで、しっかり確認していこうということを考えておりますが、本当言うと、三日間の滞在をほかの国にも広げたいんですが、これホテルのキャパがございまして、今、一生懸命ホテル借り上げております。
 ただ、当然、変異株の話がありますので、地域の住民の方々の御理解をいただかなきゃいけないということで丁寧な対応をさせていただいておりますが、これも順次増やしていって、さらに、このホテル三日間というのは四泊五日ぐらいになっちゃうんですが、事実上は、対応できるような形で頑張ってまいりたいというふうに思っております。
 同時に、このアプリの方も、このGPS、これも将来的には更に国を広げていって対応させていただいて、もし三日間ぐらい連絡が取れなければ、これ民間の警備会社なんかと契約して、すぐそこに行っていただいて対応いただくみたいなことまで含めて今検討中でございますので、しっかり水際対策の方も更に強化を進めてまいりたいというふうに考えております。

#470
○清水貴之君 あと、ワクチンですよね、変異株に対する。
 これ、やっぱり今、日本で国内でワクチン接種が始まったところだけど、今度は変異株が広がってきて、効く効かないというのもなかなか分からない中でどう対応していくか。そして、国産ワクチンの開発もなかなかこれもまだ進んでいない中で、ワクチンはどう対応していきますか。

#471
○国務大臣(田村憲久君) ワクチンに関しましては、ファイザーのワクチンが一定程度その変異株に関しても効果があるのではないかということで、期待がこれされております。
 これは、PMDAのこの承認申請のときにも、審査の中で、一応このモデルウイルスを用いた非臨床試験を通じて、これ一定程度効くんではないかと、期待ができると、そういう研究結果が出ている部分もありますが、一方で、ブラジル変異株に関してはちょっと効きが弱いんではないかというような研究もあるようでございますが、これは注視をしながらいろんな情報を集めてまいりたいと思います。
 それから、国内のワクチンに関しましても、今四社がそれぞれ研究しておりまして、そのうちもう二社は治験に入っております。やがて残りの二社も今年度中にはと、もうすぐでありますけれども、治験に入るということでございますので、これに関しましても補正予算を使ってしっかりと支援をさせていただきながら、開発等々を援助、助けてまいりたいというふうに考えております。

#472
○清水貴之君 改めて、西村大臣、最近の感染者数なんですが、やはりちょっとここに来て下げ止まっている感があるんじゃないかというふうに思います。この一週間、東京とか千葉、大体一〇〇%をちょっと超えてきている、前週比で超えてきているということですが、大体横ばいぐらいになってきているわけですよね。
 この数字を、じゃ、どう見ていくかと。下げ止まった要因どう見て、これからどう対応していくかというのが、あと十日ぐらいで次の期限が来るわけですから、考えていかなきゃいけない要素だと思うんですが、いかがでしょうか。

#473
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、専門家の皆さんも、この首都圏の感染の状況、新規陽性者の数が下げ止まってきた、減少傾向、そのスピードが鈍化をし、下げ止まってきている傾向であると。前週に比べて横ばいから若干微増も見られるわけであります。何としてもここで感染を抑えて、そして病床をしっかり確保しなきゃいけない、そういう状況であるというふうに認識しております。
 その要因をいろいろ私ども分析しているんですが、朝の人出、これは通勤の人出も今首都圏で三六%減ぐらいで、昨年春は七割減だったんですね。一時期、この一月、二月で四割減を超える部分もあったんですけど、またここでちょっと増えてきているということ、改めて出勤者七割減を目指して、テレワークも含めてそれぞれの企業にお願いを、経済界にお願いをしたところであります。
 また、昼の人出も増えていまして、例えば新宿の午後三時の人出も昨年十二月上旬の水準を上回ってきています。気候がいいというのもあると思いますけれども、これまでオンラインでいろいろやっていた会議なども、場合によってはもう感染者も減っているから対面でという動きが出てきているのかもしれません。この辺りも含めて、不要不急の外出自粛、引き続き、緊急事態宣言ですので、そのことを改めてお願いをしているところであります。
 それから、夜の人出も若干増えているところもあって、八時までの時短、多くの企業の、飲食店の皆さんに御協力をいただいているわけでありますけれども、改めて一都三県から応じていただいていない店への文書での要請、理解を求めている、こういったことも進めておりまして、何としてもこれまでの対策を徹底をして、感染を抑えていかなきゃいけない状況になるというふうに考えております。

#474
○清水貴之君 解除に向けて、じゃ、どうするかですね、あと十日。
 一月には、目安が東京で一日に五百人を下回ることが重要だとおっしゃっていて、まあそれは今下回っているわけですね。ステージも4から3に、病床数もまだ高いですけど、とはいえ五割切ってきているところがあって、言われた数字、クリアしているんだけど、やっぱりなかなか解除もならないというか、皆さん、どうしたらこれいいんだと、どうやったら解除につながっていくんだと。やっぱりその中で、もうやっぱりなかなか我慢も、もうここまで来ているから、こう言いたくもなりますしね、気候がいいと、おっしゃったとおりですし、これからまた更に人が動く時期ですし、非常に判断が難しいところだと思うんですが、この辺りどう考えていかれるんですか。

#475
○国務大臣(西村康稔君) これまでも御説明申し上げてきているんですけれども、それぞれの指標、一都三県の指標を見ますと、分科会、専門家の皆さんからお示しをいただいているステージ3の指標にはなってきてはいるんですね。ところが、解除するかどうかの前回判断したときには、幾つかの指標がこのステージ3ぎりぎりの状況であった。特に千葉県の病床であるとか、埼玉県の病床も四〇%半ばでありましたので、そういったことから、またこれがステージ4になってしまうんじゃないかという懸念もあったものですから、ステージ3を確実なものとするために延長させていただいて、対策を徹底をし、病床も増やすことでこれを確実なものにしていきたいと考えているところです。
 病床の確保は、厚労大臣、それぞれの都県と連携して対応していただいていますし、あわせて、感染が増えると遅れてまた病床使用率が上がっていきますので、感染を徹底して抑えなきゃいけないということでありますので、先ほど申し上げたような八時の時短、不要不急の外出自粛、そしてテレワーク、こういったことの徹底をお願いをしているところであります。
 これでステージ3が確実なものとなるように、引き続き徹底をしていきたいというふうに考えております。

#476
○清水貴之君 ちょっと時間もあれですので、坂本大臣、お待たせいたしまして、養父市の、兵庫県の農業特区についてお伺いします。
 去年の十月に視察をいただいたということで、その感想をお聞かせいただけますでしょうか。

#477
○国務大臣(坂本哲志君) 昨年十月に養父市の方を訪問いたしました。広瀬市長、その他の方々からいろいろお話をお伺いをいたしました。
 市長のリーダーシップの下、特例措置、国家戦略特区を活用して中山間地の耕作放棄地の農地を再生するというような取組をやっていらっしゃいました。非常にいろいろなユニークな事業も展開されておりまして、私は着実に成果を上げておられるというふうに思いました。
 地方創生担当大臣としては、国家戦略特区制度を活用した規制改革に着実に取り組むことを通じまして、養父市を始めとする地域の発展に向けた改革の努力を引き続き積極的に支援してまいりたいというふうに思っております。

#478
○清水貴之君 今その言っていただいた成果なんですが、これ資料を配らせていただきましたが、二月の日本農業新聞には、その成果が誤解を招く表現になっているんじゃないかと、内閣府のその表現がですね、というふうな記事も出ているんですが、この辺り、内閣府としてはどう判断をするんでしょうか。

#479
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答えを申し上げます。
 御指摘の記事で紹介されております資料でございますが、これは国家戦略特区の制度の仕組み、あるいは具体的な活用事例、成果などを広く一般に分かりやすく紹介するために私どもで作成、公表している広報用資料でございます。
 本資料では、養父市で活用されております企業による農地取得の特例を含めまして、国家戦略特区で実現された四つの農業関係の規制改革事項の成果、これをまとめて御紹介させていただいておりまして、その内容についてはこれまでの実績を踏まえた適切なものであるというふうに考えております。
 内閣府としては、引き続き、国家戦略特区の仕組みや成果について、正確で分かりやすい広報に努めてまいりたいというふうに考えております。

#480
○清水貴之君 一月のこの予算委員会で我々の柳ヶ瀬委員からも質問させていただきまして、やはり特区で成果が出たらこれは全国展開していくのがやっぱりその特区の元々の目的ではないかという話です。ただ、今回は期限を延長して調査に入るというふうに聞いております。
 これ、なかなかやっぱり農地を全国にいきなりというのは難しいと大臣これまで答弁ですが、じゃ、地域限定とか、全国一気じゃなくて部分的に広げていく、こういった可能性というのはいかがでしょう。

#481
○国務大臣(坂本哲志君) 委員おっしゃるとおりでございまして、本来ならばこの国家戦略特区、三か所か四か所ぐらいで特区の実用事例をしていただきまして、それで支障がなかったら全国展開するということでありますけれども、今回は十あります国家戦略特区の中で養父市だけでありまして、その中で農地の売買が行われているのが一・六ヘクタールでございます。全国の農地、この前は四百四十万ヘクタールと申しましたけれども、四百三十万から四百四十万ヘクタールある中で一・六ヘクタールというものですから、これから全国でいろんな調査をして、そしていろんな調整をしていきたいと思います。
 その過程において、今委員が言われましたそれぞれの、それ以外の、一気に全国展開ではなくて、それ以外の方法があるのかどうか、これは農林水産省の方とも継続的に論議をしながら進めてまいりたいというふうに思っております。

#482
○清水貴之君 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。

#483
○委員長(山本順三君) 以上で清水貴之君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#484
○委員長(山本順三君) 次に、礒崎哲史君の質疑を行います。礒崎哲史君。

#485
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。よろしくお願いいたします。
 昨日で東日本大震災から十年を迎えました。お亡くなりになられた皆様に衷心より哀悼の誠をささげます。
 数字の上では一つの節目ということになろうかと思いますが、この節目あるいは復興に対する受け止めですとか考え方というのは、やっぱり地域、人、それぞれなんだというふうに思います。昨日はいろいろなメディアでこの十年を迎えていろいろな報道が流れておりましたけれども、その中で、道路ができ、建物が建ち、インフラが整っても復興が感じられないと、そういう方々がまだ多くいるというアンケートの結果を報道されているメディアもございました。
 つくづく、この被災地に寄り添うという、寄り添うって一体どういうふうにして何をすればいいんだろうなというのを、一人の政治家として昨日はまた考えた、考えさせられた、そんな一日でもありました。一人でも多くの方が前を向いて変わったなと思っていただけるような環境に向けて、私も今後もしっかりと取り組んでまいりたいと、そのように思っております。
 それでは、早速質問の方に入ってまいりたいと思いますが、先週の三月四日のこの予算委員会の中で、全閣僚の皆さんがそろった中で、国際標準化戦略というものを取り上げました。これまで国会ではなかなか取り上げられてこなかったテーマかと思います。
 菅総理からは、技術力が高いんだけれども、こうした標準の戦略的、国際的な活用は他国よりも苦手な分野なんだろうと、こういうお話もありましたし、梶山経済産業大臣からも、技術で勝って事業で負けるという、こういう事態を引き起こしているとの指摘があると認識をされているということもお答えをいただきました。
 また、加えて、この分野が商品、工業製品だけではなくて、それ以外の様々なものに関しても影響しているものだというお話をいただきました。冷蔵庫の性能評価で、開け閉めすると日本製品の性能の良さが浮き彫りになるんだと、これ、私の近くの人に聞いたら、家電で言ってもらえると分かりやすいよねという、こんなお話もいただきましたし、また、野上農水大臣からは、鮮魚を保つために、血抜きですよね、漁師の皆さんの昔からのこの知恵と工夫が世界的に見ると単なるきずものになっちゃうという、こういうこともお話をいただきまして、やはり我々の生活に密着させて、やはりこういうものをしっかりとルール化していくということが必要なんだろうというふうに私も改めて感じた次第でございます。
 また、こうした広い分野を対象にするからこそ、今回、政府の中でタスクフォースを設けたというお話を担当の井上大臣からもいただきまして、その中では、人材不足のお話、その育成の必要性についても触れていただきましたし、民間コンサルタントの活用も考えているというお話もいただいた次第でございます。
 最後に、そうした活動をしていく上での予算のお話も伺いました。菅総理からは、国際的に活躍できる人材、これは未来への投資だと、そういうお話もいただきましたし、同時に、役所のその縦割りの中でばらついているところもあるんだとすれば、それは集約していくべきだというお話をいただきまして、そして最後に、麻生財務大臣からになりますけれども、言葉を覚えるだけじゃ駄目だと、現場で一緒に仕事をして、しかも若いうちから人材育成していくことが大事だと、こんなお話をいただきました。私も思っていた問題点をずばり指摘をしていただいて、大変心強い思いをいたした次第でございます。
 前回のその質疑の中で、実は人材育成の部分でかなり積み残したものがございましたので、今日はその点を中心に、もう少しだけこの点、質疑をさせていただければと思うんですけれども、ちょっとまず全体論としてお伺いしたいことが井上大臣の方にございます。
 これまで、この標準化の取組というのは知的財産という分野の中で位置付けられて取り組んで、政府の中では取り組んでこられたんですが、この標準化は技術に限らず様々な分野にまたがるものであって、今後は、知財ではなくて、その上の方の概念に実はあって、その一つに知財戦略が深く関わっているという、こういう認識を持って進めていくことが私は重要だと思っておりますけれども、井上担当大臣のお考え、伺いたいと思います。

#486
○国務大臣(井上信治君) 御指摘のとおり、標準の対象は、物や製品などの技術的な基準や規格に限らず、例えば物事の進め方や管理方法、社会の仕組みやルール作りなど、非常に幅広く多岐にわたります。また、諸外国においても、イノベーションの成果をより早く社会に導入し、国際競争力をより高めるための手段として、官民が連携して標準の活用に取り組んでおります。我が国企業が優位な立場で国際市場を獲得していくための手段として、知財戦略に占める重要性はますます高まっております。
 このため、諸外国の標準活用に後れを取らぬよう、我が国産業の国際競争力強化の観点から、幅広い分野で標準が戦略的、国際的に活用されるよう、政府全体として取組を強力に進めてまいります。

#487
○礒崎哲史君 私は、このタスクフォースの活動、非常に肝だと思っておりますので、大臣には是非お力を発揮していただきたいと思うんですが、前回のこの委員会で、その標準化を推進するに当たって、人材の量的な不足への対応ということで確認をしたんですが、量だけではなくて、やはり質の部分も大変重要だと思っています。
 今、スマートシティーですとかモビリティー・アズ・ア・サービス、MaaSという言い方をします、またさらには、今、政府では行政のデジタル化も進めておられますが、じゃ、こういうものって一体どういうふうにしていけばいいのという像を描く人、つまり社会システムをデザインできるような人材、最近の言葉で言うとアーキテクチャーを描けるようなという言い方をしますが、こうした質の高いスキルを持った人材の不足も、これも言われているところであります。
 こうしたスキルを持った人材の不足に対する対応策についてお伺いしたいと思います。経産大臣と井上大臣にお願いいたします。

#488
○国務大臣(梶山弘志君) ソサエティー五・〇を実現するためには、データのつながり方など、デジタル社会の見取図でありますデジタルアーキテクチャーを整備し、新しい社会システムをデザインすることが重要であります。
 こうした社会システムのデザインを行っていくために、一昨年の臨時国会で法改正し、関連の英知を集める場として、昨年五月に独立行政法人情報処理推進機構、IPAにデジタルアーキテクチャ・デザインセンターを立ち上げたところであります。まだ緒に就いたところではあります、ばかりではありますけれども、各省庁や産業界の持つ課題を踏まえ、具体的なプロジェクトを進めているところであります。
 先ほど委員から御指摘のありましたスマートシティーやMaaSを実現するためには、交通や運送及びそれに伴う決済など異なるサービス同士が連携をしなければならないわけであります。そのために、様々なサービスに共通する取引や決済に関する標準化等の基盤づくりに向けて、各界の有識者の方々に参加いただいて全体の見取図を描いているところであります。こうしたプロジェクトの実践や有識者を講師とするセミナーの開催を通じて、社会システムのデザインを行う人材も育成をしてまいりたいと考えております。
 引き続き、デジタルアーキテクチャ・デザインセンターを中心に取組を進めてまいりたいと考えております。

#489
○国務大臣(井上信治君) 社会課題の解決に向けた標準の活用に当たっては、まず、社会に提供する価値やサービスを見据えて、複合的な社会システムに関わる俯瞰的な視点から全体的な方策となるアーキテクチャーを設計することが必要です。
 民間企業における標準活動に対しては、政府系の研究開発機関や標準関係機関が連携して支援を行う体制を整えており、アーキテクチャーの設計に関する専門的な機能を持つ独立行政法人情報処理推進機構による支援が可能となっております。この支援体制によって、民間の標準活動を具体的なプロジェクトを通じて支援する際、OJTも活用して、アーキテクチャーの設計ができる人材を含め、標準に関する実践的な人材の育成を図ってまいります。

#490
○礒崎哲史君 今、両大臣から御説明いただきました。
 システムとしてこういう体制でということはあるんですが、やはりそこの、人をどうやって育てていくかというのがやはり次の一番の大きな課題になると思うんですが、この標準化を始めとした、こういう戦略的かつ広範囲にこうした活用していくためにも、社会システムデザインなどの専門分野を持つ人材の育成がまず重要であって、高等教育の段階からアプローチをしていくということが欠かせないと考えているんですけれども、文科大臣のお考えを伺いたいと思います。

#491
○国務大臣(萩生田光一君) 高度な専門知識を持ちつつ、複雑な社会システム全体を俯瞰的に捉え、社会課題への解決策を提案できる人材を育成するためには、大学などの高等教育において分野を超えた専門知を柔軟に組み合わせていく教育を工夫していくことが重要だと思っています。
 幅広い分野から成る文理横断的な教育として、例えば東京大学では、工学分野において、自然科学から社会科学まで包含したカリキュラム設計により、システムとしての大局的な解決策を求め、イノベーションに挑戦する人材を育成する取組ですとか、あるいは岐阜大学では、経営分野において、町づくりや観光デザインの観点から学び、地域社会に貢献できる人材を育成する取組などが進められております。
 文科省としては、分野横断的な教育課程の編成を可能とする制度改正などを進めてきたところでありまして、今後とも、社会を改善していく資質を有する人材の育成に取り組んでまいりたいと思います。

#492
○礒崎哲史君 今、実際に、東京大学ですとか、あと岐阜大学のそういう分野も御紹介いただきましたけれども、まだまだ多分講座そのものも少ないと思います。ですから、なかなか選択肢も学ぶ方からすればないんだと思うんですが。
 今、社会的にというお話、大臣の言葉の中にもあったんですが、やはり大学の研究といいますと研究を深掘りする方向というのがイメージとして強いんですけれども、こうした人材を育んでいく上で、現在の基礎的な研究に加えて、いわゆる社会実装、どうやってそれを社会の中で生かしていくかという観点、こうした社会実装の観点も大学の一つのミッションにしっかりと加えていくということが重要ではないかなと思うんですが、こういう研究段階から広く社会貢献を意識することが、まあよく言う死の谷ですとか魔の川って、最近そういうのも言葉として使うようなんですけれども、そうした死の谷を克服する人材の育成に私は結び付いていくと思うんですけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。

#493
○国務大臣(萩生田光一君) 先生の問題意識、そのとおりだと思います。
 大学は、教育と研究を行うとともに、その成果を広く社会に提供することにより社会の発展に寄与することを目的としています。各大学においては、こうした大学の目的の達成に向け、特許出願やアウトリーチ活動など、研究成果の社会実装につながる活動を教員の業績評価の対象とするなど、基礎研究のみならず、社会実装につながる教員の業績も評価する取組が最近では非常に多くなってまいりました。
 文科省においても、こうした大学の目的を踏まえ、産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラムを実施をし、本格的な産学連携に博士課程の学生を参画させる仕組みを導入するなど、社会実装の観点も含めた人材育成に資する取組などを促しているところです。
 文科省では、各大学がその教育研究の成果を広く社会に提供し、社会の発展に寄与するための取組を支援することを通じ、引き続き社会実装の観点も含めた人材育成の推進に努めてまいりたいと思います。

#494
○礒崎哲史君 実際に大学で大学の教授の方とも何回かお話をする機会がありまして、その方から聞いたところでいくと、やはり社会実装といっても研究者として余り評価されないと言うんですよね。評価の対象に余りなっていないと、分野として。ですから、余りやはりそこに対して研究する人、積極的に研究する人も出てこないですし、とすると、そこに集まる学生もいないということですから、まだまだ、大臣のお話の中では最近増えてきたというお話ありましたけど、まだまだそういう評価は低いという現実、これを何とか改善するように、改善できるように大臣には御尽力をいただければと、こういうふうに思います。
 今の大学の教育ということでお話をさせていただきましたが、この社会システムをデザインするような分野、こうしたアプローチを描いていけるような人材育成というのは、今、一つ大学ということでお話をしましたが、これはやはり高等教育でしっかりやるべきか、それとも企業を含めた社会として育てていくべきかという観点でいくと、文科大臣、どのようにお考えでしょうか。

#495
○国務大臣(萩生田光一君) 結論から言うと、両方大事だと思うんですね。大学等の高等教育機関と企業や研究機関はそれぞれの教育機能の強みや特色を生かして人材育成に取り組んでいると承知していますが、先生御指摘のような人材育成を進めるためには、それぞれの取組だけでなく、産学が連携して取り組むことが重要だというふうに考えております。大学における社会課題の解決策を提案できる人材育成の取組においては、例えば、産業界とも連携し、実際の企業の中での課題分析に基づいてビジネスデザイン提案を行うフィールドワークなどの取組が進められております。
 先ほど、なかなかそういう実装実験が学内や社会で評価されにくいというお話あったんですけれど、まさしく地域地域で、産学官連携で大学の研究室を拠点にしてこういった具体的な社会実装をやっているケースは数多くなってまいりまして、すなわち、何のための研究かといったら、出口まで、アウトプットまで分かっていてそれを待っている地元企業がいるということがすごく分かりやすいんだと思うんです。すなわち、漠然とした研究じゃなくて、何のための研究なのか、どこに役に立つのかということを明確にすることによって、この分野というのはより、何といいますか、際立ってくるんだと思いますので、こういったことをしっかり進めていきたいなと思っています。
 同じ高等教育機関でも、高等専門学校、よく高専と言われますけれども、ここなどは地域ごとに地元の中小企業と連携をして学習しています。すなわち、もう物づくりの段階から、ある意味地元の地場産業を支えるための人材育成などをしておりますので、こういったことも今まで経験があるわけですから、これをワンランク上に上げていくということがすごく大事だと思っていまして、そんな取組を深めていきたいと思います。
 大学における産学官の共同研究開発においても、大学や企業などが一体となって社会実装に取り組んでおり、その活動を通じて社会実装を志向する人材も育成されてきているところです。今後とも、大学と産業界が連携して、社会を改善していく資質を有する人材の育成に取り組んでまいりたいと思います。

#496
○礒崎哲史君 今、萩生田大臣といろいろやり取りをさせていただきましたが、それだけ人材育成重要だということなんですが、実はこのタスクフォース、お手元の資料を見ていただくと分かるんですが、タスクフォースの中に文部科学省入っていないんですね。入れるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#497
○大臣政務官(吉川赳君) お尋ねいただいた件に関してでございますが、標準活用推進タスクフォースは現状必要と考えられる関係省庁の連携体制を整えたものでございますが、先生御指摘のとおりでございまして、標準活用を支える人材育成や研究開発は今後重要な課題と認識しております。つきましては、文部科学省の参画についても、今後、標準活用に向けた取組の進展状況などを踏まえた上で検討をしてまいりたいと思います。

#498
○礒崎哲史君 検討ということでしたけれども、人材なくして多分これ進めることできないので、私はマストだと思いますので、早急に加えていただきたいなというふうに思っています。
 それで、その人材育成の観点で一つちょっと提案なんですが、標準化の国際会議ですね、この国際会議を日本に誘致をするということを積極的に行ってはどうかというふうに思っています。
 日本がそういう場を提供することで、各国の標準化に携わっているメンバーがやはり日本に対してイメージが良くなっていくことであったり、日本の存在感を高めるということにもつながると思います。また、日本で開催することで、ふだん国際会議に参加できない学生だとか若手の人材をお手伝いさせるとかという意味でも参加が促せるということで人材教育にもつながると思うんですけれども、この点についていかがでしょうか。

#499
○政府参考人(萩原崇弘君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、国際会議の誘致や開催は、国際標準化における日本のプレゼンスの向上など様々な意義があるというふうに考えてございます。
 具体的に申し上げますと、IECという標準化団体がございまして、電気や電子技術の関係する国際標準化機関ですけれども、こちらは、二〇一四年の十一月にIECの最高機関である総会を東京に誘致し、開催することに成功いたしました。この際の日本のIECの総会は、十五年ぶりで四回目になります。
 この際には、七十を超える国々から二千六百名の関係者の方が集まっていただきまして、ホスト国として国際会議の運営に貢献するとともに、それによって日本のプレゼンスを各国にアピールいたしまして、加えまして、当時関心の高かったスマートシティー、それからイノベーションに関してのシンポジウムを開催したり、日本が標準化を主導しておりましたICカードの実証実験を行ったり、それから、国内外の、あっ、国内の工場や研究所にこの関係者の方々を視察にお連れして、日本の技術の高さでありますとか、日本が主導した国際規格がいかにいろんなことを考えてつくられているかとか、物づくりの現場の国際標準の状況などをお示しをして、各国の理解を深めることができたというふうに考えております。
 加えまして、先生御指摘のとおり、ホスト国として開催をいたしますと、若手の人材の貴重な経験になり得るというふうに考えてございます。
 IECの総会の前には数多くの専門委員会が開催されます。通常、こうした会議には各国から登録された専門家しか参加が許されないわけですけれども、ホスト国であれば事務局の担当者として参加が許される可能性がございます。委員御指摘の、先ほど申し上げました二〇一四年のIECの総会でもこうした機会が数多く生まれまして、三月四日の予算委員会でも取り上げていただいたように、ヤンプロの修了生が専門委員会などの場に参加することができたということでございます。
 この参加した方々からは、本物の会議に、国際会議に参加することで、講座を通じた習得した知識が実際にどのように役に立つのかを体感できたという趣旨のコメントを頂戴しておりまして、本物の国際会議での経験が座学だけでは得られない生きた教科書となったのではないかというふうに考えております。

#500
○国務大臣(井上信治君) 今、経産省の方からは具体的な例について答弁がありましたけれども、標準化戦略を取りまとめる立場としてお答えいたします。
 国際標準化活動を実施できる人材を育成、確保するためには、国際標準がまさに形成される現場である国際会議により多くの若手人材が参加し、その実体験などを通じて実践的な能力を高め、諸外国の標準関係者と人間関係を深めていくことが非常に重要です。
 国際標準化に関係する国際会議を日本へ積極的に誘致することは、こうした人材育成の観点から重要であるとともに、国際標準化に向けた日本の積極的な姿勢を国際的にアピールする観点からも有益と考えています。
 これまでもこうした国際会議が国内で開催された事例はありますが、今後とも様々な分野における国際標準化活動が日本国内で実施されるよう取り組んでまいります。

#501
○礒崎哲史君 是非よろしくお願いをいたします。
 今、井上大臣から人間関係を深めることの重要性触れていただいたんですけれども、国内だけではなくて、海外の活動においてやはりこれを日常的にやるということが大変重要だと思っています。内外の標準化の団体にしっかり顔を出して関係者と人間関係つくっておくこと、やはり政府としては、そういう活動、コミュニティーへの参加を積極的に後押しをする、あるいは海外の現地において大使館などを通じたフォロー体制、強化をいただきたいと思いますが、この点についていかがでしょうか。

#502
○国務大臣(井上信治君) 近年、国際標準は、ISOなどの国際標準化機関から3GPPなどの民間のフォーラムまで様々な場で議論が進められており、その数も多くあります。国際標準化を国際競争上優位な内容で進めていくためには、国際標準の形成に主導的な立場で携わることができる人材を育成、確保し、こうした場で日頃から御活動いただくことが非常に重要であると認識しています。政府としても、こうした人材育成につながるように標準活動を積極的に支援してまいりたいと思います。
 また、国際標準の形成を主導するためには、外国の標準化団体、有力外国企業、外国政府等との仲間づくりが重要であると認識しています。政府の標準活用推進タスクフォースには関係省庁とともに外務省も参加しております。関係省庁で外国関係者への働きかけの方針を共有しながら、関係省庁が有する外国の標準化団体等の関係者への連絡ルートや外国関係者への民間を通じたつながり、現地の日本国大使館を通じた働きかけ等を総動員して国際的な仲間づくりに向けた活動を行っているところであり、更に強化してまいります。

#503
○礒崎哲史君 この点についても是非よろしくお願いをいたします。
 それと、予算について改めてちょっと確認したいことがありまして、前回、総額で百二十億円という説明ございました。調査費の割合が多くなっているんじゃないかなというふうに私推察をしているんですけれども、やはり肝は人材育成だと思いますので、この人材育成の予算の増額、やはり割合を増やしていくということが必要だと考えているんですが、この点について伺いたいと思います。

#504
○政府参考人(田中茂明君) 国際標準に関わる人材の育成につきましては、人材育成を主たる目的とした事業に加えまして、標準化を伴う研究開発プロジェクトや標準化関連の国際会議への官民の人材の参画を通じて実践的に人材育成を図ることも重要と考えてございます。
 人材育成を目的とした具体的な取組内容を幾つか申し上げますと、経済産業省では、国際標準化交渉をリードできる人材を育成する講座を無料で実施し、国際標準化の第一線で活躍する講師による講義や模擬国際交渉を通じたスキルの習得を支援しております。先ほどのヤンプロでございます。
 農林水産省の方でも、JASなどの国際標準化を推進する事業の中で、国際交渉に精通した専門人材を民間企業等で育成する研修を支援してございます。
 その他の関係省庁による国際標準化の推進事業につきましては、例えば総務省や経済産業省では、ITUやISO、IECでの国際標準化を推進する事業の中で、それらの委員会などに幹事、議長、又はそれらの候補者のみならず若手人材を派遣することを支援し、民間の国際標準化活動を後押ししてございます。こうした事業によって標準化人材が育成されることを期待しております。
 関係省庁の標準化関連事業の人材育成への影響はそれぞれ濃淡ございますが、それへの事業の参画を通じて国際標準に関わる人材の量的、質的向上が期待できるものと考えてございます。
 令和二年度補正予算と令和三年度予算案で関係省庁合わせて総額約百二十億円の標準活用に係る予算が計上されてございますけれども、そのうち国際標準化機関等への分担金、拠出金、これはさすがに人材育成には、我が国の人材育成にはちょっと直接資さないものとして、これを除きますと約八十一億円が標準化関連の事業費というふうになると認識してございまして、何らかの形で我が国の標準戦略人材の育成に寄与するものと考えてございます。
 今後、これらの事業を効果的に活用して、我が国の標準戦略に係る人材の量と質の向上につなげてまいりたいと思ってございます。

#505
○礒崎哲史君 今、事業費が約三分の二ですかね、占めるというお話でした。本当は具体的に人材育成の予算ということで試算をしていただきたかったんですが、ちょっとなかなか切り分けるのが難しいということで、明確にこれであればというので出てきた数字が実は九千万円というお話がありました。一%に満たない数字ということで、九千万円で海外出張何回できるのかなと考えたら、かなり少ない額だと私思います。是非、この点については、本当に人材育成を目指すということであれば、この金額、もう倍増、桁違いに増やしていただくということが必要だと思いますので、この点については改めて訴えさせていただきたいと思います。
 それでは、最後、コロナに関係した問題、質問幾つかしていきたいと思うんですが、都道府県に対しましてコロナの病床確保計画の見直しを求める方針という報道がございました。具体的にどのような体制目指すのか、御説明いただきたいと思います。

#506
○国務大臣(田村憲久君) これ、年末年始、大変急激な感染者の伸びということで、非常に医療提供体制逼迫したわけであります。そういう意味では、あのような急激な伸びに対しても一定程度堪えられるような、そういう対応をしていかなければならないということで、これ尾身先生もやはり同じように、病床、病床ですね、それからもう一つは公衆衛生上の体制、こういうものをしっかり整備すべきであると。
 基本的にまず病床は必要であります。それから、病床のみならず、療養施設等々、こういうものも必要であり、さらには在宅の場合も考えられますから、この在宅時でのいろんな対応、つまり、保健所は健康観察と言われていますけれども、それだけではなくて、医師会等々に委託をする等々、専門的な方々に対応いただく、こういうことも考えていかなきゃなりません。
 あわせて、それぞれの、病院に行くのか療養施設に行くのかのその調整、これ保健所がやっておりましたけれども、ここも大変逼迫しましたので、これをどういう体制でやっていくのか、こういうことも考えなきゃならない。
 病床自体も、重症者、中等症者、そしてもう既にコロナ治った方が次どこに行くかという転院支援、こういうところまで含めて体制を整えていかなきゃならぬということでございまして、総合的に、私、例示として、前回の倍ぐらい感染者が、新規の感染者が増えたとしても対応できるような体制をつくっていかなきゃならぬということを申し上げております。
 早急にそういう体制を都道府県とともに整備をしてまいりたいというふうに思っておりますが、まずは今は緊急事態宣言の最中でございますので、何としてもこれが解除できるような環境をつくってまいること、これが大変重要だというふうに考えております。

#507
○礒崎哲史君 前回の委員会で同じ会派の足立委員から指摘がありましたコロナの専用病床の在院日数を短くするという考え方、こうした検討を行っていくお考えありますか。

#508
○国務大臣(田村憲久君) まさに先ほど申し上げました、コロナはもう既に完治しているんですけれども体が虚弱でそこから出れないという方々が重症化病床におられますと、そこが空きません。ですから、そういう方々をどう退院支援して、つまり転院をさせるかということと、もう一つは、転院、つまり治った、その診断基準でありまして、本来、十日間たって、症状がなくなってから七十二時間、発症から十日間、症状がなくなってから七十二時間たてば、人工呼吸器使っていなければ、これは本来はもううつす能力がないということなんですが、これがなかなか十分に御理解いただいておりませんので、こういうことを周知徹底をさせていただく中において、しっかりと転院等々していただいて、退院基準といいますか退院の期間を、ごめんなさい、入院の期間を短くしていくこと、これ大変重要だというふうに考えております。

#509
○委員長(山本順三君) 時間が来ております。

#510
○礒崎哲史君 はい。
 緊急事態宣言が解除できなかった最大の理由は病床の逼迫ということですので、引き続きこの点しっかりと進めていただきたいと思います。
 終わります。

#511
○委員長(山本順三君) 以上で礒崎哲史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#512
○委員長(山本順三君) 次に、倉林明子さんの質疑を行います。倉林明子さん。

#513
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
 二〇〇〇年四月にスタートした介護保険、これ全国どこでも誰でも一割負担で必要なサービスが受けられると。家族介護から社会的介護へ、このスローガンには本当に多くの介護家族が希望を寄せたというスタートでもありました。
 あれから間もなく二十一年でございます。果たしてこの希望に応えられる制度となっているのかどうか、率直に厚労大臣の認識と評価を伺いたい。

#514
○国務大臣(田村憲久君) 二〇〇〇年にスタートしてもう二十年たってきたわけでありますけれども、高齢者が三千六百万人、当時の一・六倍ぐらいになりました。それから、利用者が五百万人今利用していますから、当時から比べると五倍ぐらいですかね、利用されているという、ごめんなさい、三倍ぐらいですか、利用されているということで、そういう意味では、当時言われたのが保険あってサービスなしになるのではないかと、こういうことが危惧されておりました。そういう意味では、サービスは一定程度確保できているかなというふうに思います。
 原則一割負担、もちろんちょっと二割負担、三割負担という方々がその負担能力に応じておられますけれども、基本的には九割以上が一割負担だというふうに思っておりますが、そういうような形で、しっかりと家族の方々が今まで担ってきたものを介護保険というものが一定程度その負担を緩和しながら介護というものを担っていただいておるということでありますから、評価をいただいておるというふうに認識いたしております。

#515
○倉林明子君 現実、リアルに確認していきたいなというふうに思います。
 介護疲れ、看病疲れ、これによる殺人事件が起こっております。同様の理由で自殺というのも統計上把握するようになってまいりました。これ過去三年、それぞれ数字で御紹介いただきたい。

#516
○政府参考人(藤本隆史君) お答えいたします。
 警察庁の犯罪統計によりますと、動機、原因が介護、看護疲れである殺人の直近の三年間の検挙件数でございますが、未遂も含め、平成三十年が三十一件、令和元年が二十九件、また令和二年が四十三件となってございます。

#517
○政府参考人(橋本泰宏君) 自殺者の数でございますけれども、自殺統計を基に厚労省が集計したところでは、自殺の原因、動機別のうち介護、看病疲れの過去三年の自殺者数は、平成三十年が二百三十人、男性が百三十人、女性が百人、令和元年は二百四十三人、男性で百四十七人、女性で九十六人、令和二年は百六十九人、男性で九十八人、女性で七十一人、こうなってございます。

#518
○倉林明子君 やっぱりこういう数としても上がってきていると。介護家族がここまで追い詰められることになっていると。なぜなのかと。それは、確かにサービス量増えました、しかし、こういう追い詰められて殺人だ、自殺だっていうところになっている家族あるんですね。改めて介護保険制度の検証と総括が私必要だというふうに思っております。
 介護サービスは、要支援、介護認定を受けて初めて受給権が認められる。認定を受けたにもかかわらずサービスを利用していない未利用者数、そして率、この推移はどうなっているでしょうか。

#519
○政府参考人(土生栄二君) 先生御指摘のサービス未利用者数でございますけれども、現在では総合事業ということでございまして、全体の正確な把握はしていないところでございますけれども、実態統計の中から、要介護、要支援認定者数から介護保険給付の受給者数を単純に引いて算出いたしますと、平成十五年度は約八十万人、割合でいいますと二〇・三%、平成三十年度は百七十三万人、二五・四%ということでございますが、制度が変わっているということは御留意いただければと存じます。

#520
○倉林明子君 御留意をした上でも、認定を受けて受給権があるのに四人に一人が未利用者という実態を見るべきだと思うんです。保険料を支払っているんですよ、こういう人たちは。で、未利用者の割合というのは増え続けております。何でこんなに利用されないのかということです。
 介護保険料についてまず確認します。六十五歳以上の一号被保険者の月額平均保険料、これ創設時からどう変化したのか。そして、この間、払えない人に対する滞納処分というペナルティー措置が導入されました。その内容、そして及び対象人数はどうなっていますか。

#521
○政府参考人(土生栄二君) まず、先生お尋ねのうち滞納処分等の現況でございますけれども、第一号被保険者約三千五百万人のうち滞納処分を受けた方が一万九千二百二十一人、これは平成三十一年四月一日時点の数字でございます。平均保険料額はちょっと手元にございませんが、五千数百円だったというふうに承知をしております。

#522
○倉林明子君 保険料は発足時から約二倍、さらに今年は改定を控えていますので、二倍超えになることは明らかではないかと思います。
 月額一・五万円の年金があれば、これ強制的に天引きされるのが介護保険料であります。そして、滞納処分、ペナルティーの対象というのは、それ以下の無年金や極めて低所得と、こういう方々が対象になるわけですね。これ、サービス利用が必要になったと、こういう方々が、それでも三割負担とか、償還払いなので一旦十割、ペナルティーの中身です、これ支払うということになるわけで、これ支払えるわけがないと私は思うわけです。結果、サービスが必要になっても使えないことになると思うんですよ。
 大臣、認識はいかがですか。

#523
○国務大臣(田村憲久君) 保険料滞納続きますと、言われるとおり、償還払いでありますとか一時差止めでありますとか給付の減額みたいなことがあるわけでありますが、ただ、これも理由、例えば災害だとか、さらには生計者が亡くなられた場合などはこういうものに対して考慮をするということです。それから、それからですね、それぞれいろいろと御事情をお聞きしながら、どういうふうにこれを支払っていくか、計画を立ててというようなこともきめ細かく対応することもございます。
 言われるとおり、どうしてもその保険料が高いということがございましたので、これもう委員も御承知だと思いますが、消費税上がったときに、このときにこの低所得者の方々に対して保険料を下げようということで、例えば住民税非課税、世帯住民税非課税で八十万円以下の世帯ですと、それまでは基準額に〇・五掛けた保険料だったものを〇・三に下げたりでありますとか、八十を超えて百二十万の方々、ここに関しては〇・七五、基準額に〇・七五掛けていたのを基準額に〇・五を掛けるだとかということで、大幅に保険料を下げたということでございますので、そういうことも消費税を使いながら対応させていただいておるということであります。

#524
○倉林明子君 利用者負担は、じゃ、どう推移したのかということも確認したい。
 これ、所得にかかわらず一割負担でスタートいたしました。現状の負担割合はどうなっているか。二割、そして三割負担の要件、そして認定者数、これどうなっておるでしょうか。

#525
○政府参考人(土生栄二君) お答えいたします。
 介護保険制度におきましては、原則的な利用者負担割合は一割ということでございますけれども、お尋ねの二割負担、三割負担の要件でございます。例えば、年金収入のみの単身世帯の方で申し上げますと、公的年金控除後の合計所得金額が百六十万円以上の場合は二割負担、同じく二百二十万円以上の場合は三割負担ということになってございます。
 人数でございますけれども、令和二年十二月末現在の六十五歳以上の要介護認定者、要支援認定者含めまして六百六十七万人でございますけれども、そのうち二割負担の方が三十四万人、三割負担の方が二十六万人という状況でございます。

#526
○倉林明子君 これ、二割、三割になっている人というのは決して高額所得者とは言えない年金の収入に対するものであります。余りにもここ重い負担になっているという指摘をしたい。
 さらに、自立という名の下に、二〇一五年に要支援が給付の、介護給付の対象外ということになりました。要支援一、二の総合事業の利用者数というのはどれだけになっていますか。

#527
○政府参考人(土生栄二君) 先ほど申し上げましたとおり、総合事業全体の数は必ずしも把握してございませんが、従前の予防給付に相当するサービスなど指定によるサービスを利用しておられる要支援者の方は、実態統計によりますと、直近の令和二年十一月審査分で、訪問型サービスが三十七万九千人、通所型サービスが五十四万四千人という状況でございます。

#528
○倉林明子君 制度開始時から、先ほどあったように、保険あって介護なしとならないかという指摘ありました。実際には、二十年たって、高過ぎる保険料、払いたくても払えない、払ってもいざというときに使えるサービスがないと、こういう事態も拡大していますね。私、やっぱり国家的な詐欺だという声が上がる、保険料を免除してほしいと、こういう声が上がると、当然じゃないかと思います。
 それなのに、今期、更なる負担増ということを考えておられています。今年八月から高額介護サービス費及び補足給付の見直しが予定されておりますが、その内容、そして対象人数、影響額、お答えください。

#529
○政府参考人(土生栄二君) お尋ねの保険給付、補足給付等の見直しでございますけれども、令和元年十二月末の介護保険部会の意見書に基づきまして、所得段階別の負担額の差をなだらかにする等の観点から行うものでございます。
 具体的な見直しの内容でございますけれども、まず補足給付につきましては、施設入所者につきまして、現行の補足給付対象者で最も所得が高い段階のうち本人の年金収入等が百二十万円を超える方につきまして食費負担の引上げをお願いするものでございます。また、高額サービス費につきましては、医療保険の高額療養費制度を踏まえまして、年収七百七十万円以上の方の負担限度額を引き上げる予定としております。
 これらの影響につきましては、令和三年度予算案におきましては、補足給付の見直しで影響者数は約二十七万人、影響額は国費ベースで約百億円程度の減、高額介護サービス費につきましては対象者数約三万人、影響額約十億円程度と見込んでいるところでございます。

#530
○倉林明子君 結局、その影響額というのは利用者の負担増に直結するものですよ。
 元々高額介護サービス費の制度というのは、過剰な負担の歯止めだったはずです。三倍の負担ということも起こり得ります。過剰な負担になるというのは明らかだと思います。
 そこで確認したい。今、影響額、人数示されましたけれども、これ介護保険給付部会に示されたんでしょうか。

#531
○政府参考人(土生栄二君) 本件の見直しにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、令和元年十二月末に取りまとめられました介護保険部会の意見書で、おおむね意見の一致を見たということで御審議を賜ったところでございます。その部会につきましては、影響を受ける方々の年金収入等の水準の見直し、自己負担額の変化等、段階別の受給者数や本人支出額等の具体例をお示しして御議論いただいたものでございます。
 先ほど申し上げました具体的な対象者数、影響額につきましては、来年度予算案の編成過程におきまして推計したものでございまして、部会における議論の対象にはなっていないということでございます。

#532
○倉林明子君 全体に与える影響ということをきちんと示した議論のやり直しということが必要だと私は言いたい。
 補足給付の見直しによって負担倍増というケースあるわけです。補足給付の件数、額、制度発足時、そして今直近でどれだけになっていますか。
   〔委員長退席、理事滝波宏文君着席〕

#533
○政府参考人(土生栄二君) お答えいたします。
 補足給付の創設後、年度を通して支給された初年度は平成十八年度ということでございます。十八年度、一月の支給を一件とカウントしたものでございますけれども、約九百三十八万件、給付額は約二千百三十二億円でございます。直近の平成三十年度で申し上げますと、支給件数は約一千六百六十一万件、給付額は約三千百九十億円となっております。

#534
○倉林明子君 これ、給付が増えれば保険料が上がると、給付を抑制するために利用料が増え続けると。もはや保険制度として本当に機能不全と言ってもいいんじゃないかと思う。
 補足給付は低所得者の負担軽減対策で、本来福祉施策として行うものだと思うんですね。介護保険料に跳ね返るような介護保険財源で賄うべきものではないと。福祉として、一般財源、これ充てるべき性格だと思いますが、いかがですか。

#535
○国務大臣(田村憲久君) 介護保険制度の中の話でございますので、そういう意味では介護保険でやるのがこれは当然でありまして、その福祉となると、全く、それを切り出して、何か介護施設だけは昔の措置制度に、特に特養なんかは措置制度に戻すみたいな話になってしまいますので、介護保険でやっている限りは、たとえ補足給付であったとしましてもそれは介護保険の中で対応するというのが我々としては必要であろうというふうに考えております。

#536
○倉林明子君 ここまで膨らんでいるんですよね。重い介護保険加入者全体に負担になるんです。やっぱり検討必要だと。コロナで、支える家族が経済的にも傷んでいるという今現状ですよね。そういうときにこんな負担増を強行するというのは論外だと思う。撤回を強く求めたい。

#537
○国務大臣(田村憲久君) これ、介護保険とですね、保険料と同じところの区分で一段階つくって、負担能力があられるところに対して、まあこれ本来、補足給付ですから本来の給付ではなくて介護保険の中で福祉的な側面からやってきたわけでありますけれども、負担能力がある方に関してはそこをお願いをいたしたいということでございますので御理解をいただければ有り難いというふうに思います。

#538
○倉林明子君 いや、御理解はできない。
 次に、介護現場の人手不足、採用困難、これ制度発足以来、年々悪化の一途をたどっております。とりわけ深刻な登録型ヘルパーについて今日は聞きたい。
 給与、労働実態をどう把握していますか。

#539
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 公益財団法人介護労働安定センターにおきまして、毎年、介護保険サービス事業を実施する事業者を対象とした介護労働実態調査を実施しているところでございます。直近の調査でございます令和元年度の介護労働実態調査におきましては、登録型訪問ヘルパーの実態について調査項目となってございませんが、非正規雇用の訪問介護員の状況につきましては結果が示されているところでございます。
 具体的には、非正規雇用の訪問介護員の所定内給与の平均額は、月給の方につきましては十八万四千八百二十七円、日給の方につきましては一万一千十六円、時給の方につきましては千二百九十円となっているところでございます。
 また、労働時間数の方を見ますと、非正規雇用の訪問介護員の一週間の平均労働時間数は、十時間以上二十時間未満が三〇・七%と最も多く、次いで二十時間以上三十時間未満が二三・九%となってございまして、一週間の平均労働時間数は二十二時間となっているところでございます。

#540
○倉林明子君 登録型ヘルパーはつかめていないんです、切り出してはね。なので、ここが本当に一番大変になっているんです。
   〔理事滝波宏文君退席、委員長着席〕
 介護保険制度導入前から三十年のヘルパー歴を持つ、こういう方の場合どう変化しているか。当時、地方公務員で採用されたということで、年収四百五十万円程度、月収でならせば三十七万円、こういう方です。介護保険導入によって公務員ヘルパーは解体されました。民間事業者で働くことになりまして、収入は減り続け、現在どうなっているか。月収五万五千百円のときがある、あるいは十二万五千円と。こういうぶれもあるし、低収入です。これ全労連が実態調査をやっていまして、平均月収で六・五万円にすぎないと、こういう結果も出ております。
 何でこんなに給与が下がるんでしょうか。

#541
○国務大臣(田村憲久君) それ、何で下がるのかという話が、なかなか私も、下がっているのか元から低いのかという問題はあるんだと思うんですけれども。
 元々、元々ですね、介護事業者というのは十人以下の事業所というのが半分近くあるわけでございまして、そういう意味では労働基準法にのっとったいろんな法令等々をしっかり御理解いただいていないところもあるんだというふうに思います。特に訪問系のサービスの場合、その手待ち時間でありますとか移動時間、こういうものもやっぱり労働時間に入れていただかなければならないわけでございまして、そういうところの御理解が十分に進んでいないという部分もあるんだというふうに思います。
 いずれにいたしましても、必要なものは必要なものとしてやはり賃金にカウントしていただかなきゃならぬということでございますので、そういうことを更に我々周知徹底して、当然のごとく、処遇改善加算やいろんな形でそういう方々の処遇が改善するような国としては対応をさせていただいておりますので、そういうものを御利用いただきながら処遇改善をしていただかないと、なかなかヘルパーの方々集まっていただかない、ということは介護事業が成り立たないということでございますので、更なる周知徹底を進めてまいりたいというふうに考えております。

#542
○倉林明子君 平成十六年八月、訪問看護労働者の法定労働条件の確保についてと、通達を出されております。訪問介護職員は労基法上の労働者に当たる、それから移動時間、待機時間、休業手当についてどう指導しているのか、確認をしてください。

#543
○政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。
 労働基準法上の労働者に該当するかにつきましては、呼称のいかんにかかわらず、使用者の指揮監督の有無など実態に応じて総合的に判断してございますけれども、介護保険法に基づきます訪問介護の業務に従事する訪問介護員につきましては、一般的には使用者の指揮監督の下にあると考えられますので、労働基準法上、第九条の労働者に該当するものと考えてございます。
 また、通知の中で、移動時間につきましては、これは事業場、集合場所、利用者宅の間を相互に移動するものでございますけれども、業務に従事するために必要な移動を使用者が命じ、労働者の自由が保障されていないと認められる場合につきましては労働時間に該当するということをお示ししてございます。
 また、待機時間につきましては、使用者が急な需要等に対応するため事業場等におきまして待機を命じ、労働者の自由が保障されていないと認められる場合につきましては労働時間に該当するものとお示ししているところでございます。
 また、休業手当につきましては、利用者からの利用申込みの撤回等を理由として労働者を休業させる場合につきましては、他の利用者宅での勤務の可能性等も検討したか否かも含めまして、使用者として行うべき最善の努力を尽くしたと認められない場合につきましては、使用者の責めに帰すべき事由があるものとして休業手当の支払が必要になるものということをお示ししているところでございます。

#544
○倉林明子君 それ平成十六年に出した通達なんですけれども、二〇一九年、これ登録型ホームヘルパーの一日の勤務状況です。これ、移動時間、移動時間、待機時間、当日キャンセルと入れましたけれども、これ基本は労働時間に入れて評価されるべきものですけれども、現状でもここは賃金発生しておりません。そういう働き方はいまだ続いております。
 平成二十一年度、二度目の通達も出しました。あれから十二年、通達に基づく監督指導の直近の結果、つかんでいるところで。

#545
○政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。
 介護労働者を使用する事業場に対して労働基準監督署が監督指導を行ってございますけれども、統計上、社会福祉施設という形でまとめて報告しておりますので、全国的に介護施設に関するものとして取りまとめたものはございませんけれども、例えば、北海道労働局や山形労働局におきましては、管内の介護事業者に対します監督指導結果を取りまとめて公表しているところでございます。それによりますと、労働基準関係法令が認められ、是正勧告を行ったものにつきましては、北海道労働局におきまして六八%、山形労働局におきましては八五・四%となっているところでございます。

#546
○倉林明子君 この通達出した当初も七割程度だったんですよ、法令違反が。そういう実態は余り変わっていないと。先ほど紹介した事例もそうだけれども、何ぼ通達出したってやね、これ全然改善してへんというのが現状だということを私は言いたいわけです。
 そもそも人件費が賄える介護報酬になっていないと、ここが最大の問題。事業所が悪いのかといえば果たして、まあもちろん悪いところがないとは言い切れませんけれども、賄えないという報酬になっているということが問題なんです。
 相次ぐ引下げが行われてきた介護報酬、これが賃上げができないという状況に、事業者に法令違反せざるを得ないというところに追い込んできたと。私はこの責任の方が重大だと思うんですけれども、いかがですか。

#547
○国務大臣(田村憲久君) 介護報酬、ここ数回は上げさせていただいておりますし、今回も上げさせていただくということでございますので、それプラス、先ほど申し上げましたけれども、処遇改善加算等々、いろんな処遇改善、今までも、これは麻生総理のときからでありますけれども、民主党政権も含めて続けてきておりますので、決して何か引き下げてどんどん賃金が下がるような、そういうような報酬改定を続けてきたわけではないわけであります。
 ただ、まだ他の産業と比べて十二分ではないというところがあるのは我々もそれは認識いたしておりますので、なお一層、介護従事者の方々の処遇改善ができるように努めてまいりたいというふうに考えております。

#548
○倉林明子君 そもそも、介護報酬には人件費積算という考え方ありません。介護報酬で現金給付、その中から払うということになっております。
 ヘルパーの働き方というのは、この間、大きく変化させられてまいりました。
 二〇一二年、介護報酬改定で、それまでは一こま一時間あったんですよ、それが、訪問時間数は六十分、四十五分、三十分、二十分と細切れになりました。滞在時間三十分の場合、どうなるか。排せつ支援はおむつ交換だけです。尿意とか便意がある人でさえ、おむつの中にしてもらうしかないというわけです。排せつの自立への援助、これ物すごい自立に向けた大事な援助ですけれども、それが不可能になったというんですよ。食事介助でも、三十分だったら、一緒に買物行って物選んだりとか調理をしたりと、こういう支援できません。コンビニ弁当買って終わりということになっているんです。時間の制約から忙しくヘルパー動き回ると、そうすると、認知症の人は物すごく不安になるんです。
 これ、利用者の尊厳を侵害するということだけじゃなくて、自立を阻害していると。こういう実態広がっているという認識ありますか。

#549
○国務大臣(田村憲久君) 三十年度の介護報酬改定で、自立生活支援のための見守り的援助ということで、身体介護にそういうものを位置付けたと。生活介護と身体介護ありますけど、身体介護に位置付けました。そういう意味では、自立支援をしっかりと支援していく、そういうような役割を担っていただいておると。
 で、アセスメント等々、それからもう一つはマネジメント、これに基づいてしっかりとこれ見直したわけでありまして、確かに時間は短くなっているんですが、時間当たりの、分当たりの単価は逆に上がっているということでございますので、必要なもの、必要なサービスを必要な状況の下で提供をさせていただいておると。
 ちなみに、介護報酬、今回の介護報酬でも見直しにおいて単価が上がっておるということでございますので、そういう意味では、我々も、できる範囲でありますけれども、しっかりと報酬等々の改善、こういうことも進めさせていただいておるわけでありまして、また、実態調査、経営の実態調査を、拝見をまた次の時点でさせていただきながら、次の報酬改定に向かっていろんな検討は進めさせていただきたいというふうに考えております。

#550
○倉林明子君 あのね、今紹介した中身なんですよ。ヘルパーだって専門家として誇り持ってやってきたんですよ。その誇りさえも傷つけるというような実態をしっかり正面から私は厚労大臣として見てほしいと、現場へ行けと言いたい。
 そこで、持続可能な制度を掛け声にして、給付は削減だと、負担は増加だと、これ求めてきたのが私は政府だと、財務省だと。登録ヘルパーも含めた全ての介護労働者に労働関係法令が遵守できるように環境を整える、政治の責任、政府の責任だと。
 人件費相当分を公費で介護保険に入れる、この判断を求めたい。麻生大臣、いかがでしょうか。

#551
○国務大臣(麻生太郎君) 財務省ですけれども、はい、あなたに罵られておられます財務省で、最後の最後に答弁が来ましたので驚きましたよ。
 介護報酬というのは、もう今、田村さんが言ったように、これは保険ですから。基本的には保険、純然たる保険ですから。したがいまして、これは平均的な費用の額というものを勘案して設定するわけでしょう、今までも。保険というものはみんなそういうことになっておりますから。だから、物価、賃金動向とかみんなやって、介護報酬というのはそうやって設定しているんですけれども。
 実際問題として、改定率を、前回の改定率が〇・五だったかな、それが〇・七に上がっているでしょう。いかにも下がっているかのような話をされますから。上がっていますからね、現実問題としてはね。そこのところだけ無視したような言い方をされると、それはちょっと違いますよ、〇・七になっていますから。そういった意味では、処遇改善についてはこれは累次改善を行ってきたのであって、少なくとも平成二十一年以降、二十一年以後、七回で月額七万五千円の賃金改善につながった、これは事実ですね。
 だから、したがって、そういった意味では少なくとも上げてきている、努力をさせていただいておるという事実だけは御認識いただければと存じます。

#552
○委員長(山本順三君) 時間が来ております。

#553
○倉林明子君 加算加算でやってきたことは知っております。しかし、現場の賃金上昇にはつながっておりません。人手不足、深刻です。やっぱり介護崩壊になるんじゃないかと、この危機感をしっかり受け止めていただきたい。抜本的な制度の見直しが必要だと。
 終わります。

#554
○委員長(山本順三君) 以上で倉林明子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト