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2021/03/12 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 文部科学委員会 第4号 令和3年3月12日
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2021/03/12 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 文部科学委員会 第4号 令和3年3月12日

#1
令和三年三月十二日(金曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 左藤  章君
   理事 青山 周平君 理事 池田 佳隆君
   理事 小渕 優子君 理事 神山 佐市君
   理事 原田 憲治君 理事 菊田真紀子君
   理事 牧  義夫君 理事 浮島 智子君
      安藤  裕君    石川 昭政君
      上杉謙太郎君    尾身 朝子君
      大串 正樹君    櫻田 義孝君
      繁本  護君    柴山 昌彦君
      谷川 弥一君    中村 裕之君
      根本 幸典君    馳   浩君
      福井  照君    船田  元君
      古田 圭一君    三谷 英弘君
      村井 英樹君   山本ともひろ君
      吉良 州司君    下条 みつ君
      寺田  学君    中川 正春君
      谷田川 元君    山内 康一君
      吉川  元君    笠  浩史君
      古屋 範子君    鰐淵 洋子君
      畑野 君枝君    藤田 文武君
    …………………………………
   文部科学大臣       萩生田光一君
   文部科学大臣政務官    鰐淵 洋子君
   文部科学大臣政務官
   兼内閣府大臣政務官    三谷 英弘君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   青木 孝徳君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長)   山崎 雅男君
   政府参考人
   (文部科学省総合教育政策局長)          義本 博司君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          瀧本  寛君
   文部科学委員会専門員   但野  智君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)
     ――――◇―――――

#2
○左藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として財務省主計局次長青木孝徳君、文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長山崎雅男君、総合教育政策局長義本博司君及び初等中等教育局長瀧本寛君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○左藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。馳浩君。

#5
○馳委員 おはようございます。自由民主党の馳浩です。
 大臣、答弁がないときはいつでもお手洗いに行ってよろしいですから、気にしないでください。
 では、最初の質問をいたします。
 義務標準法が成立をしたのは昭和三十三年です。当時の立法趣旨と、一学級の定数は何人だったか、それ以前は何人だったか。これは、学級編制と教職員定数の標準を定めたという立法趣旨からしてどうだったかという質問をいたします。

#6
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 義務標準法の立法趣旨ですが、この法律は、公立の義務教育諸学校の学級規模と教職員の配置の適正化を図り、義務教育水準の維持向上に資することを目的として制定されたものでございます。
 当時の学級編制については、この標準法制定以前は、学校教育法施行規則により、五十人以下を標準とするとされていましたが、現実には五十人を超える学級が当時かなり存在していたということを踏まえまして、この義務標準法においては、五十人を原則とするとされたところでございます。
 また、教職員の確保と適正配置を支えるための教職員の給与費の一部を負担する義務教育費国庫負担制度については、一旦戦後に廃止をされましたが、その後の教育地方間格差の拡大を受けまして、二十八年に再び設けられ、現在に至るまで我が国の義務教育の根幹を担っているものでございます。
 以上です。

#7
○馳委員 そこで、公立義務教育諸学校以外の国立、私立の学校の学級編制と教職員定数の標準はどうなっているのでしょうか。昭和三十三年当時と現状、令和三年ですが、この比較についても教えてください。

#8
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 国立と私立の義務教育諸学校についての御質問です。
 これらの学級編制については、昭和三十三年当時におきましては、学校教育法の施行規則において、一学級五十人以下を標準としており、現在では、小学校設置基準及び中学校設置基準におきまして、一学級四十人以下を標準としているところでございます。
 また、教職員定数につきましては、小学校の教諭等の数は一学級当たり一人以上、中学校においては一学級当たり教諭二人を置くこととしていたところ、現在では、先ほど申し上げた小学校の設置基準及び中学校設置基準において、小学校、中学校共に一学級当たり一人以上とされているところでございます。
 その上で、現状でございますけれども、国立の小中学校については各国立大学法人の教育研究方針に沿って、私立の小中学校についてはそれぞれの学校法人の教育方針に沿って運営が行われているものと承知をしております。
 以上です。

#9
○馳委員 今回、公立小学校については、二年生から五年間かけて三十五人に引き下げることになります。昭和三十三年の立法時から今回の引下げまで、一学級の定数は何年ごとに引き下げられてきたのか、七次にわたる計画の概要をお答えください。

#10
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 学級編制の標準については、昭和三十三年の義務標準法の制定を踏まえまして、昭和三十四年度に始まりました第一次の教職員定数改善計画により五十人学級を実現し、以降、昭和三十九年にスタートをした第二次改善計画で四十五人学級、少し空きますが、昭和五十五年の第五次改善計画で四十人学級に引き下げることにより、教育条件の改善を図ってまいりました。この度の法改正により、小学校における三十五人学級を実現していただきますと、四十一年ぶりということになります。
 また、これまでの改善計画の概要の中に関連しては、第三次の計画、これは昭和四十四年にスタートしたものでございますが、また、昭和四十九年にスタートした第四次の改善計画では、いわゆる複式学級の学級編制の標準の引下げなどを行っているところでございます。
 加えまして、平成五年スタートの第六次改善計画及び平成十三年スタートの第七次改善計画におきましては、チームティーチングや少人数指導を実施するための、いわゆる加配定数を改善することにより、きめ細かな指導が可能となるよう措置を講じてきているところでございます。
 以上です。

#11
○馳委員 これまでの定数引下げの歴史を振り返り、少人数学級を実現してきた背景に、それぞれどのような立法事実があったのでしょうか。教育効果を高めるための数値評価の尺度はあったのでしょうか。いわゆるエビデンスはあったのかという趣旨で質問をいたします。

#12
○瀧本政府参考人 お答えを申し上げます。
 今回を除きますと、これまで二度にわたり学級編制の標準を一律に引き下げましたが、その教育効果については、その時々の様々な研究や調査を参考にしていたものと承知をしております。
 具体的には、昭和三十三年の義務標準法の改正により、翌三十四年度から原則五十人以下の学級が計画的に進められ、いわゆるすし詰め学級が解消されていったわけでございますけれども、これを基盤として、教育効果のより一層の向上を目指し、昭和三十八年に学級編制の標準を五十人から四十五人に引き下げたわけでございます。
 この際には、当時の研究の中で、当時の学力調査の結果として、まだ五十人とか五十人を超えるような学級はあったわけですけれども、都市部ではそれを下回る四十五人から四十六人前後の学級において、また農村部では四十人前後の学級の学力調査の平均点が最も高いというデータがございましたり、あるいは、適切な指導が可能な学級規模について、これは教員に対する調査でございますけれども、教員の調査の結果としては、やはり三十人から四十人が適切などの調査結果をエビデンスの一つとしていたものと承知をしております。
 さらに、児童生徒一人一人の能力と適性に応じた教育の実現を目指し、今から約四十年前の昭和五十五年に当時の四十五人学級を四十人に改善をした、引き下げた当時におきましては、大学等におきます研究事例として、少人数学級の方が、児童生徒の授業への集中力あるいは学習成果が高いこと、学級の連帯感が強いこと、当然ではございますが、きめ細かな指導が可能となるなどの、こうした結果をエビデンスの一つとしていたものと承知をしているところでございます。
 以上です。

#13
○馳委員 私の質問の趣旨は、数値評価の尺度はあったのかと聞いているのであって、あえて言えば学力調査の結果が数値の尺度かなと思いますが、教師のアンケートでは、適切な指導にふさわしいという表現で、余りにも、財政当局とやり取りをするにしては曖昧な、根拠の弱い研究調査の結果ではないかと思いますが、その点は、どうでしょう、当時、財政審などから指摘はなかったのか、もし御存じなら、瀧本局長、お答えください。

#14
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 当時の財政審の指摘については、大変恐縮ですが、手元に資料を持っておりませんので、申し訳ございません。
 先ほど、幾つかのデータ、大学の研究等々御紹介申し上げましたが、当初の頃でいいますと、昭和三十二年、まだ当時は五十人以下が標準としていて、実際には、例えばその年ですと約三六%の学校が五十人を上回る状況にございましたが、三十二年の国立教育研究所、今の国立教育政策研究所の前身でございますが、ここでは、まだ五十人以上の学級がたくさんある時代ですけれども、例えば、平均的な知能の生徒に平均的な教師の負担において平均的な成績を上げるには、一学級の生徒数は四十四人程度が適当である、もちろんこれ以下が望ましいというような研究のデータなどもございました。
 このほか、幾つかといいましょうか、幾つもの研究の成果もございまして、これらを根拠として累次の改善が、これまでの関係者の努力によってなされてきたものと理解をしております。

#15
○馳委員 次の質問をします。
 義務標準法には、基礎定数と加配定数という定義がございます。それぞれ何がどう違うのか、お答えください。

#16
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 基礎定数とは、児童生徒数や学級数等に基づいて、いわば機械的に算定をされて各学校に配置されるべき教職員定数でございますが、加配定数の方は、この基礎定数とは別に、例えば、指導方法の工夫改善であったり、いじめや不登校対応などの政策目的に応じまして、学校が個々に抱える課題解決のために、毎年度の予算の範囲内で基礎定数に加算して措置をしている教職員定数ということでございます。

#17
○馳委員 そこで、加配定数が国家予算として決まった後、学校現場にどのようなシステムで教師が配置されるのでしょうか。
 国と都道府県の教育委員会、都道府県の教育委員会と傘下の市町村教育委員会、市町村教育委員会と現場の学校と、これは四つの段階があるんですね。私も毎年、加配の定数何人ということで、数字は分かるんですが、じゃ、学校の現場に、加配の、どの理由の先生が、なぜこの学校に配置されるのかというふうなシステムはいまだによく分からないんですよ。石川県にたくさん配置してほしいなと思っても、そんなことは当然通用するはずもありませんよね。
 これはどういうシステムになっているのか、教えてください。

#18
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 加配定数につきましては、都道府県それから指定都市教育委員会において、域内の学校の事情を考慮し、必要数を国へ申請をするということとしております。
 したがいまして、便宜的に県の教育委員会とまとめて言わせていただくとすると、まず、県教委から出てきた申請を踏まえて、国は予算の範囲内で措置をしているわけですが、その後、県教育委員会においては、域内の市町村教育委員会の御要望あるいは意見、実情等も踏まえながら、県に配当された加配定数を含めて、個々の学校への教職員の配置が行われるものと承知しております。
 これは、経過を少し飛ばしてしまいましたが、多くの県では、県教育委員会の組織の一部として、いわゆる出先ですが、教育事務所というのがあります。教育事務所が、その管内の市町村と日頃から様々な、地域の教育事情とか、特定の学校で生徒指導上かなり困難な問題が起きていることとかを把握をしておりますので、県教委に示された加配定数を県教委で教育事務所ごとに振り分けた上で、その域内の市町村教育委員会から元々希望が上がっている数と調整をしながら、相談をしながら決めていくということになります。
 最終的にどこの学校でというのは、県の方としての意向もありますけれども、当然ながら小中学校の設置者である市町村教育委員会の御意向もございますので、そういう意味では、国から県教委、実質的には県の教育事務所、市町村教委、学校と、五段階といいましょうか、丁寧に、地域の状況を把握している場において、申請が上がってきた先とよくよく相談をしながら、当然ながら学校は、市町村の教育委員会に対して、うちにはやはりどうしても不登校指導対応の、地域の状況からして非常に多いから、加配定数が欲しいという希望を上げたりしますけれども、そういったものも勘案しながら、市町村教育委員会は市町村教育委員会で域内のいろんな学校の状況を見極めながら希望申請を上げ、協議をしながら定まっていくというのが現実の調整過程だろうと思っております。
 以上です。

#19
○馳委員 今の瀧本さんの答弁では、国から四十七都道府県に何人、これは不登校、これは外国人児童生徒支援、これは特別学級とかという、そこの説明が抜け落ちているんですね。
 文部科学省のどの局、どの課が都道府県にこの加配の定数の割り振りを決めるのか。まさか瀧本局長が鉛筆なめて、牧さんのことを念頭に置いて、愛知県にはちょっと多めにつけようかなとかとすることはないと思いますけれども、文科省で予算を決めた後、都道府県にどう割り振られているのかという答弁がちょっと抜け落ちていましたので、これはどうなっているんでしょうか。

#20
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 文科省は、各都道府県教育委員会、それから、正しく言えば指定都市の教育委員会からまずどういう申請が上がってくるかということは根拠の一つになります。
 当然ながら、その域内に学校数や児童生徒数がどれだけいるかということは、我々基礎データとして取っておりますので、そうしたものを勘案しつつ、その具体の申請、申請をしてくる側は、現在の義務教育費の国庫負担金制度は三分の一の負担でございますので、当然ながら、その裏の三分の二の人件費を用意することになります。地方財政措置がされているとはいえ、これは各都道府県においては財政部局と教育委員会部局のせめぎ合いになりますので、そこで、県下の教育の今の状況を踏まえてこれだけ欲しいといっても、財政との折衝の結果、十分な申請ができないというところもございます。
 私どもとしては、それぞれの都道府県や指定都市教育委員会の児童生徒数や学級数などを重要な参考資料としつつ、その申請も踏まえて配分をさせていただいている。基本的には、初等中等教育局の担当課である財務課において原案を作成し、決裁を上げていくという手続で、適正にやらせていただいているところでございます。

#21
○馳委員 千葉県の教育長も務められた瀧本さんならではの非常に分かりやすい説明でありました。
 私は、加配教員を守るという立場で、今そういう趣旨で質問させていただいておりますが、文科省と各都道府県、そして都道府県教委と各教育事務所を通じた市町村の現場、そして学校現場、この辺のコミュニケーションができるだけよく分かるようにやはり説明していただきたい、こういうふうに思っています。
 次に、今回の法改正では、五年間かけて公立小学校の一学級を全て三十五人学級にすることが大きな目標ですが、加配定数を活用して基礎定数に振り替えるのではないかとの疑念があります。これは本当ですか。

#22
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 一部は本当でございますが、今ちょっとお答えをさせていただきます。
 安全、安心な教育環境とICT等の活用による新たな学びを実現するため、今般、義務教育法の改正をお願いをし、小学校について、学級編制の標準を五年かけて三十五人に引き下げ、必要となる教職員定数の計画的な改善を図ることとしているわけでございます。
 これに応じて、現在、自治体独自の少人数学級、これは、国は四十人学級ですが、ある県では、例えば小学校の三年生、四年生も三十五人以下にするとか、あるいは、ある県では原則三十人まで目指してやっている。
 そのときに、国の加配教員と、それから当該都道府県等の自治体の負担によりまして増やした先生と併せてその独自の少人数学級が実現されているわけですが、そうした自治体独自の少人数学級を実施するために措置されている国の加配定数については、その三十五人のところまでの分については、今回、法律改正を通していただければ、五年計画で基礎定数に、加配定数が基礎定数に振り替わっていくわけですので、こういった、加配定数の一部を含む合理化減を活用していくということは、現場の混乱、負担が生じないように使わせていただく部分というのは当然あるという意味で、一部は本当であると申し上げたわけです。
 一方で、加配定数の代表といいましょうか、様々な指導方法の工夫改善であったり、いじめや不登校などの対応であったり、あるいは、現時点では過渡期ですが、通級など特別支援のための加配であったり、そういう個々の教育課題に応じた加配定数を含めて、必要な教職員定数については引き続き確保してまいりたいと考えております。

#23
○馳委員 次の質問をしますが、これまで都道府県独自で少人数学級に取り組んでいた都道府県の財源の負担を今回で置き換えるという意味での振替というなら分かりますので。
 ただ、本当に懸念しているのは、本当に今、頑張って確保してきた加配定数が、財政上の当局の指示で基礎定数に振り替えられることのないように、ここはやはりチェックした方がいいと思います。
 そこで、知事会などの地方自治体や総務省を巻き込んで、文科省として主体的に加配定数を守り、個別最適な学びと協働的な学びを実現するべきではないでしょうか。できれば、地方自治体と総務省と文科省で関係者の協議会をつくり、加配定数の意義を再確認し、よりきめ細やかな少人数教育を実現すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#24
○萩生田国務大臣 今回の小学校における学級編制の標準の引下げを計画的に進めるに当たっては、附則第三条の検討規定も踏まえ、地方自治体と連携した協議の場を設置し、定期的に検証を行うこととしております。
 今先生、加配、今までの経緯を含めて御心配いただいて、大臣経験もありますから、これはもしかしたら加配を深掘りされて、三十五人はかち取ったけれども、どんどんどんどん現場が苦しくなるんじゃないかということを心配していただいているんだと思います。
 これは、全く心配ないですと私も胸を張れる状況じゃなくて、ここは一回、その三十五人を義務標準法できちんと決める、すなわち正規の人数を担保する代わりに、加配の在り方については、正しく使われている自治体が圧倒的なんですけれども、必ずしもそうじゃない実態も財務省からは指摘を受けました。ならば、そこは、必要な加配教員は当然確保していくことが前提でありますけれども、一回、三十五人という新しいルールになる以上は、一度線を引いて、お互いに襟を正していこうじゃないかということを約束をさせていただきました。
 それは、財務省と文科省がやることではなくて、やはり現場を抱えている地方自治体の皆さんとしっかりテーブルを囲んで、お互いにきちんとした共有の意思確認をしていくことが必要でありますので、御指摘の協議の場というものは設置をさせていただきたいと思っています。
 協議の場には、地方団体に参画をいただいて、計画的な定数改善を進める上で課題となる教職員定数の適正な管理や、質の高い教員を確保するための取組のほか、外部人材の活用の効果や少人数学級の効果検証などについて確認を行い、必要に応じて改善策を検討することとしております。
 協議の場の構成員や具体的な検討内容等については現在調整しているところですが、御指摘をしっかり踏まえて検討してまいりたいと思います。

#25
○馳委員 経過措置規定、附則第二条第一項関係について質問します。
 毎年度、政令で定める学年は四十人とするとのことですが、その政令の内容、詳細について教えてください。

#26
○瀧本政府参考人 お答えを申し上げます。
 小学校の学級編制の標準を三十五人に引き下げるに当たりまして、仮に小学校の第二学年から第六学年まで学級編制の標準の引下げを全国的に一挙に行おうとすると、急激な学級数の増加に伴います教室や教職員の確保が令和三年度当初には間に合わない地方公共団体が相当数存在することが想定されます。
 過去の教職員の定数改善計画でも同様でございましたけれども、地方公共団体が見通しを持って少人数学級の整備に取り組むことができますよう、児童の数の推移等を考慮しまして、今回は、小学校の第二学年から段階的に学級編制の標準を三十五人に引き下げることとし、経過措置として四十人とする学年を毎年度、政令で定めることとしています。
 具体的には、この法律を通していただいた後の作業ということにはなりますけれども、内部で準備をしているものを御紹介させていただくとすると、令和三年度にあっては、小学校第一学年と二学年の学級編制の標準を三十五人といたしたいと考えておりますので、経過措置として四十人に据え置くこととする政令で定める学年は第三学年から第六学年ということになり、これを翌年以降、毎年度その学年を一学年ずつ引き上げていく形で、学年進行の三十五人学級化を進めさせていただきたいと考えているところでございます。

#27
○馳委員 文部科学大臣が定める特別の事情がある小学校にあっては四十人とするとありますが、どんな事情が想定されていますか。また、この特別な事情を解消するための方策、つまり予算措置や人事、このことについて質問します。
 恐らく教室不足対策や教師の人数確保について対応する必要があると思いますが、文科省は、地方自治体に対して施設整備費や人件費の手当てをするつもりはあるのでしょうか。

#28
○瀧本政府参考人 お答えを申し上げます。
 経過措置規定のうちの特別な事情でございますけれども、特別な事情としては、過去に学級編制の標準を計画的に引き下げた際の経過措置も踏まえつつ、学級編制の標準の引下げを適用した場合の学級数が当該学校の保有する普通教室の教室数を超え、その超える分を補うための適切な施設の確保が困難である場合、要は、施設の確保が対応できない、困難である場合を想定をしております。
 これは、あくまでやむを得ない場合の措置としてこのような規定を置いているものでございますが、原則としては三十五人学級を実施できるよう、余裕教室の活用や施設の整備、こうしたことを通じても必要な教室数を確保すべきと考えておりまして、文部科学省としても、地方公共団体の取組を、施設面の支援も含めて対応してまいりたいと考えております。
 なお、この特別の事情については、あくまで経過措置として、やむを得ない場合に例外的に認めるというものでございますので、所要の施設整備を計画的に進めるなどして、最終年、五年目の令和七年度の当初の段階では、全国全学年の公立小学校で三十五人学級を実現をしていただきたいと思っておりますし、その経過において必要な人件費については国庫負担の対象となりますし、必要な学級数の増加に伴います施設の増についても施設費整備の負担金等で対応させていただくことになります。
 以上です。

#29
○馳委員 附則第三条関係の、その他検討規定について質問します。
 この法律の施行後速やかに、学級編制の標準の引下げが教育活動に与える影響について実証的な研究を行うとのことですが、その具体的な項目内容やタイムスケジュールについて教えてください。とりわけ、教育水準の維持向上に必要な指標の定め方がポイントではないかと思いますが、教えてください。

#30
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 少人数学級は、特定の教科等の授業といった学習集団のみならず、生活集団も少人数化するものでございます。また、地方公共団体や有識者の方々のお声を伺う中で、学習面のみならず、生徒指導や保護者対応等においてもきめ細かな対応がしやすくなり、学校教育活動の充実につながるものと考えております。
 このため、今回の学級編制の標準の引下げが教育活動に与える影響については、その効果を、生徒指導や保護者対応等の面を含め、多面的に検証することができるよう、地方公共団体と連携し、実証研究を進めますとともに、国と地方が連携した協議の場等を通じた検討を進めてまいりたいと思います。
 具体的な研究内容あるいはスケジュール等についても速やかに検討してまいりたいと考えております。
 以上です。

#31
○馳委員 私、ここでどうしても一点申し上げておきたいことがあってこの質問をしたんですが、じゃ、これまで十三年間かけてやってきた全国学力テスト、学習状況調査、悉皆調査は何のためにやってきたのかということだと思います。
 あのデータを活用すれば、経年の、そして一人一人の小学校六年生と中学校三年生のときの、そして地域ごとの、また、どのクラスを誰が教えていたかまで含めれば、膨大なデータを分析すれば、今、瀧本局長がおっしゃったような、教育効果がどの程度上がったのか、上がっていないのか、どのように指導方法を工夫した方がいいのか、こういったデータが出てくるはずなんですが、今まで、そういう全国学力テスト、学習状況評価のデータを活用していないんじゃないかとついうがった見方をしてしまうんですが。
 そのことも含めて、今後の、三十五人学級になってからの評価も必要だと思いますが、併せてすべき、そして教育内容の充実に活用していくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#32
○瀧本政府参考人 お答えを申し上げます。
 委員御指摘の全国学力・学習状況調査のデータにつきましては、広くデータを公開し、様々な研究者に活用していただいております。
 今回の標準の引下げの議論の中におきましても、これまでの学力・学習状況調査の結果として、例えば、学力面ではというところでいいますと、比較的、社会的経済的背景の厳しいような地域の学校などにおいては学力面でも向上、小さい規模の学級の方が成績がよいと学力面での効果についても確認がされておりますし、また、そればかりでなく、やはり大学級よりは小規模の方が、子供たちが授業の中で発言をしたり、先生の指名を受けたりとか活躍する場面が増えてまいりますので、子供たちの学習意欲であったり、学習に対する態度であったり、様々な非認知的な面での成果であったりというところがデータ的にもプラスになっているということも確認をされておりまして、今回、引下げをさせていただく中の議論においては、私どもとしても、そうしたデータも活用させていただいたわけでございます。
 今後も、この学力・学習状況調査のデータについては、引き続き分析をして、更なる今後に向けた取組に生かしていけたらと思っておりますが、こうした定量的なデータに加えまして、やはり定性的なものも含めて、幅広く調査分析を行う必要もあると思っているところでございます。
 いずれにしても、今回、制度改正を認めていただいた後の検証については多面的な検証を進めさせていただきたいと思っておりまして、専門家の御知見、あるいは、特に地方自治体の御意見も十分伺いながら、新たな指標の開発も含めまして、具体の設計を進めさせていただきたいと考えております。

#33
○馳委員 誰が教えたクラスの点数がどうだったかということは、データから読み取れるのではないかと思うんですね。萩生田先生が教えたクラス、馳先生が教えたクラス、菊田先生が教えたクラス、同じ教科書で同じように教えていても違うんですよ。あるいは、今年馳先生が教えたけれども、人事異動でほかの学校に行って、じゃ、同じような、小学校六年生の算数を教えたとしても、これもやはり微妙な結果が出てくるはずなんですよ。
 私は、学力テスト、学習状況評価、これを悉皆でやることの意味はそこだと思って賛成してきたんですが、今の瀧本局長の答弁では、ちょっとそこが、データの活用度合いが甘いなと。
 私は、駄目教師を排除しようとは全く思っていません、私も駄目教師でしたから。そうじゃなくて、あなたの授業を受けた生徒の結果はこういう状況になっていますよ、教え方をもうちょっと分かりやすいふうにした方がいいんじゃないんですかとか、そこまでできるようにすべきなのが本来の学力テスト、悉皆調査の意味だと私は思ってずっと賛成してきたんですが、傾向と対策のような今の局長の御答弁では、毎年五十億円もかけてやっている意味があるのか、こういうふうに言わざるを得なくなるんですね。
 したがって、今後、このデータ活用をしてやっていくと、これは附則で書いた、わざわざ。書いた以上は、そのことがやはり明らかにされていないといけませんし、その情報がやはり、教師本人にも伝わり、また教育委員会のよりよい研修にも使われていく。そのことが恐らく、GIGAスクール時代の教員の実力アップにつなげていく文科省としての方策ではないかなと私は思うんですよ。
 ということで、ここは、さっき瀧本局長の答弁を聞きましたから、大臣に。私はそう思うんですけれども、どうでしょうかと聞きます。

#34
○萩生田国務大臣 瀧本局長は、国としてそのデータを直ちに使っているかと言われれば、先ほどの答弁になると思うんですけれども、これは当然、地方教育委員会に戻すわけですね。そうすると、今先生が例示されたように、例えば一学年に三クラスあって、一組と二組が理解している同じテストが三組だけができていないといえば、これは指導に何か問題があるんじゃないかという資料として、教育現場では既に活用はしています。これは、各教育委員会が有効に、あるいは学校現場で使っているので、私は悉皆で行っているテストの意義というのは大いにあると思うんです。
 是非、逆にお願いしたいのは、今回、四十人から三十五人に下げるときに、一部、エビデンスを声高に主張される方がいました。私、小学校の教育現場でのエビデンスって、今申し上げたような、平均点が上がることがエビデンスなのか、その一点、みんなが理解度や習熟度が上がることがエビデンスなのか、それだけではないんじゃないかということを一生懸命申し上げてきたんです。
 といいますのは、例えばこのことによって、今度GIGAも始まりますから、学校のフェーズというのは物すごく変わってくると思うんですけれども、例えば、不登校が減っていくということがあればこれも大きなエビデンスだと思いますし、今、何らかの事情で教育現場を休んでいる教員の皆さんが小中学校だけでも五千人を超えているわけです。こういう先生方が、三十五人学級になったことで改めて自信を取り戻して現場に帰ってくるということがあれば、これも大きなエビデンスだと思います。
 もっと言えば、今まで遠足に行くのに一つのバスで行けなかったクラスが、バス一台でみんなで同じ場所に移動できることになって、そしてクラスの仲が非常にいい関係になってきた、これも私は小学校におけるエビデンスだと思いますし、給食を配るのだって、四十人に配るのと三十五人に配るのでは、おのずと短縮できるわけですから、温かいものを温かくいただきますができるだけだって、私は小学校にとっては大きなエビデンスだと思いますので、多角的にと申し上げたのはそのことであります。
 もちろん、全国一斉学力テストを含めた学習状況についてもしっかりウォッチしていきたいと思いますけれども、通信簿というのは見開きで、左と右があって、左側は確かに教科の評価ですけれども、右側は様々な学校での活動についての評価もあるわけですから、トータルで、この三十五人学級、少人数学級の効果というものを皆さんがしっかり見守っていただくことが必要なんじゃないか、これがまた次に続くんじゃないかと思っていますので、その点は、点数、言うならばテストの結果だけに注目をするということのないようにお願いしたいなというふうに思っております。

#35
○馳委員 よく分かりました。
 次の質問をします。
 同様に、教員免許制度などの在り方について検討を行い、それらの結果に基づいて必要な法制上の措置等を講ずるとありますが、その具体的な項目内容やタイムスケジュールについて教えてください。とりわけ、外部人材の活用についてお願いしたいと思います。

#36
○義本政府参考人 お答えいたします。
 学校の教育水準の維持向上のために、学級規模の適正化に加えまして、多様で質の高い教師の確保が重要であることを踏まえまして、先生御指摘の附則第三条におきまして、教員免許制度等の在り方の検討を行い、その結果に応じて必要な法制上の措置等を講ずるというふうな規定を置いているところでございます。
 文科省におきましては、文科大臣の下に、令和の日本型教育を担う教師の人材確保・質向上に関する検討本部を設置いたしまして、三十五人学級を担う教師の確保ですとか、社会人等の多様な人材の活用等を検討しておるところでございます。
 このうち、運用改善等すぐにできることにつきましては、二月にプランを発表いたしまして、小学校の免許状を取りやすい、制度上の省令等の改正、あるいは、社会人等の多様な人材を確保するための、例えばオンラインで認定試験を受けられるですとか、特別免許状についての基準の見直し等については順次進めていきたいと思います。
 一方、この問題については、根本的に、教員の採用、研修あるいは養成について基本的な議論が必要だというふうなことについての認識をしておりまして、中長期的に実効のあるような政策を考えていかないといけませんし、この点につきましては、中教審でしっかり御議論いただいて、結論を出していきたいと思っているところでございます。
 中教審におきましても、令和の日本型学校教育を担う新たな教師像と教師に求められる資質、能力は何なのかというふうな根本的な議論、さらには、多様な専門性を有する質の高い教師集団を構成するための具体的な方策、この中には外部人材を積極的に活用するということもあろうかと思います、これらの検討を踏まえた上での教員の養成の教職課程、免許制度の在り方について議論していきたいと思います。
 免許制度の問題につきましては、更新制の見直しの問題もございます。この点については中教審で今議論しておりまして、検証結果を踏まえまして、ここについては先行的に議論をまとめていただいて、順次スピード感を持って議論していきたいと思っているところでございます。
 いずれにしましても、中教審での御議論を踏まえまして、附則の三項の趣旨に基づきまして、教師の魅力を向上させ、質の高い、教員を目指す方を増やしていくようなことにつながるような教師の養成、採用、免許等の在り方につきまして、既存の在り方にとらわれることなく、基本的な御議論を中教審に行っていただきまして、それも踏まえて取組をしていきたいと存じます。

#37
○馳委員 瀧本局長が答えるかと思ったら、何で義本局長が答えるのかと思って、質問を、通告した三十一番と三十二番にちょっと飛びます。
 学校現場では、わいせつ教員の問題が現在クローズアップされております。児童生徒に対してわいせつ行為を行い懲戒免職となった教師には、二度と教壇に立ってほしくはありません。
 教員免許授与権者に対して、わいせつ教師には免許を再交付しないという裁量権が必要だと思いますが、いかがですか。また、児童生徒に対してわいせつ行為をして懲戒免職となった者がたとえ教員免許を再交付されていたとしても、採用しないという裁量権が採用権者には必要だと思いますが、いかがですか。

#38
○義本政府参考人 お答えいたします。
 馳委員の方からは、免許の授与についての裁量権と、それから採用についての裁量権をいただきましたので、それぞれ分けて答弁させていただきたいと存じます。
 まず、免許でございますけれども、児童生徒等に対しわいせつ行為を行い懲戒免職となった教員が二度と教壇に立てないようにするために、法改正につきまして文部科学省としまして真摯に検討しまして、政府部内でも相談して、重ねてまいりましたけれども、御案内のように、無期限に免許状を授与しないことにつきましては、現行法制上、刑の執行後十年で刑が消滅するということとの均衡上の課題がございまして、今通常国会の法案の提出については、引き続きの検討でございますけれども、至らなかったところでございます。
 一方、一定の場合に免許状を再交付しない、失効した者に再交付するかどうかについての裁量権を付与するということについては、法制上の一般論としては排除されるものではないというふうに理解しておりますけれども、その場合、立法も含めまして、具体的な制度設計に当たりましては、授与権者による裁量権の濫用に当たらないか、さらには他の制度との均衡の合理性、さらにはこれを運用する場合の実効性の確保などを総合的に勘案して、一般論でございますが、判断する必要があるんじゃないかと認識しております。
 それから、採用につきましてでございますが、教員採用につきましては、一般に、教育委員会等の各採用権者の権限と責任の下で各採用権者に裁量が認められているものでございまして、有効な免許状を授与されていることを前提に、適切に実施されているというように理解しております。
 その上で、教員採用に当たりましては、文部科学省が各採用権者に提供しております官報情報検索ツールから得られた懲戒免職処分歴等を含みます過去の免許状の失効情報等も踏まえつつ、採用権者として適切に判断いただくようにお願いしているところでございますし、そういう取組を自治体の方で考えていただいていると思います。
 なお、今般、本ツールの検索可能期間を直近の四十年間に大幅にしたところでございますし、さらには、新たな省令改正を行いまして、懲戒免職の事由、すなわち、児童生徒に対するわいせつ行為かどうかということについて判別できるような形の省令改正を予定しておりまして、適切に採用権者に判断いただくように文科省としても支援しておりますし、その旨の取組をしていただけるものと期待しております。

#39
○馳委員 私は、今、採用しないという裁量権についてあるかどうかという質問をしたのであって、今の局長の答弁は、お願いベースなんですね。私の質問とは微妙にずれているんですよ。
 そこで、お聞きしますが、弁護士や医師などで、違法行為をして免許を取り上げられた者が、刑の執行終了後に再度免許、資格を取得しようとしても免許授与権者から再交付しないという裁量権を行使される職種というのはありますか。

#40
○義本政府参考人 お答えいたします。
 先ほどの答弁で国の関係について申し上げましたけれども、免許授与につきましては、実施事務としまして、免許管理者、すなわち各都道府県の教育委員会に権限がありますので、その内容についてお話しさせていただきまして、国としては、その裁量権が適切に行使いただけるような形でのツール等についての支援策について御紹介したところでございます。
 それから、ほかの職種等についてあるかどうかについてのお尋ねでございますけれども、他の職種全てについて詳細に把握しているものではございませんけれども、例えば、医師の場合は、医師法の第七条の第二項によりまして、免許の取消処分を受けた者であっても、その者が取消しの理由となった事項に該当しなくなったときその他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至ったときは、再免許を与えることができるというふうな規定の例は承知しております。

#41
○馳委員 だから、医師法では、与えることができるなんでしょう。ということは、与えないこともできると読めると解釈していいですね。

#42
○義本政府参考人 これもあくまで一般論でございますけれども、裁量権をどういうふうな形で立法するかについては、それぞれの立法技術あるいは立法権者の考え方だと思いますけれども、いずれにしましても、裁量の場合につきましては、それが適切に行使されるようないろんな考慮ということについては必要だと認識しております。

#43
○馳委員 私が質問したのは、医師法においては再発行をできるというふうな表現をされましたから、できない裁量権もあるんですよねと、こういう質問をしたんですよ。そこがちょっと、今、答弁、よく分からなかったですよね。三谷さん、分かった、あなた。あなた、弁護士でしょう。
 私にも分かるように答弁してください。

#44
○義本政府参考人 説明が十分でなくて大変失礼いたしました。
 医師法については、先生御指摘のとおり、再免許を与えることができるというふうな規定がありますけれども、今先生お尋ねのように、再交付をしないというふうなことについて立法できるかどうかについては、これは、立法の可能性としては排除されるものではないと思います。
 ただし、先ほど申し上げましたように、その制度設計に当たりましては、その権限についての、裁量権の濫用にならないかとか、あるいはその運用の実効性をどう確保するかについての総合的な御議論が必要だと思っております。
 ただし、あるかどうかについての話とすれば、与えないというふうなことについて一定の条件の下に考えるというふうなことは排除されるものではないと理解しております。

#45
○馳委員 何か私を混乱させようとする答弁をしているんじゃないんですか。
 だから、医師法については、与えないという裁量権もあるということでいいんじゃないんですか。私は別に新たな立法の話をしているんじゃなくて、医師法ではどうですかと聞いているんだから。
 もう一回、義本さん、お願いします。

#46
○義本政府参考人 失礼いたしました。
 医師法は所管しておりませんので有権解釈がありませんけれども、一般論として申し上げれば、その効果としまして、今申し上げました事情に至った場合については再免許を与えることができるとしておりますので、その条件を満たすことがない場合については再免許をしないということもできるというふうに理解しております。

#47
○馳委員 最初からそれを言えばいいのに。
 大臣、質問の十五に戻ります、済みません。
 義務教育は、小学校六年間、中学校三年間が対象です。
 検討規定を今回あえて設定したということは、中学校における三十五人学級を令和八年度から実現するという決意の表れであると受け止めてよろしいですか。

#48
○萩生田国務大臣 一人一人に応じたきめ細かな指導は、小学校のみならず、中学校においてもその必要性に変わりはないと認識しております。
 今回の学級編制の標準の引下げを計画的に実施する中で、学力の育成その他教育活動に与える影響や外部人材の活用の効果について実証的な研究を行うとともに、質の高い教師を確保するために教員免許制度等の在り方について検討を行っていくこととしており、これらの検討等を行った上で、その結果を踏まえ、中学校も含め学校の望ましい指導体制の在り方について検討を進めてまいりますが、ここに決意が込められているのかと言われると、今からそういう決意を外へ出していくことが本当にいいかどうかというのは、これはもう先生たちとよく考えていきたいと思います。
 今回、皆さんからねぎらいの言葉をいただくんですけれども、これはもう本当に長い間、教育を大事に思っていただいている与野党の先生方が、やはり少人数大事だよねということで、この中にも、中川先生、また馳先生もそうですし、柴山先生も大臣を経験されました。皆さんが隣の岩盤を少しずつ少しずつ削っていただいて、最後、いよいよ私が、これだったら穴が空けられると思って、どおんと行ったわけですよ。
 本当は、三十、三十と、二つ穴を空けようと思ったんですけれども、三十五の小さな穴が一個しか空かなかったというのが今回の結末なので、これで闘いは終わりじゃないと思っています。
 したがって、当然、令和八年度以降のことについて、しっかり検証をしながら、思いというものはしっかり皆さんと一緒に共有をしていきたいと思いますし、ありがたいことに、先日予算委員会で、菅総理も中学校における少人数の必要性についてははっきり明言をされましたので、その方向をしっかり大事に担保しながら前に進んでいきたい、こう思っております。

#49
○馳委員 もう最後の質問にします。
 本当は次に、今回の法改正に満足しているかと聞こうと思ったんですが、満足していないという答弁だったと私は受け止めました。
 そこで、今後なんですよ。私は今回の、大臣折衝の判断ですから、政策的には不満ですが、政治的にはやむを得ないと思っています。ただ、この課題を、今るる説明してきた検討、ここの検討を踏まえて、五年後に向けた戦略を私たちはしっかりと詰めていく必要があると思っているんですね。
 萩生田大臣として、この五年後に向けての課題、これをどういうふうに認識をして、どういうふうに取り組んでいくのか。このことは、恐らく省内の検討チームの皆さんにとってもやはり大きな柱になるものと思われますので、そのことをお聞きをして、私の質問を終わります。

#50
○萩生田国務大臣 一人一人に応じたきめ細かな指導は、小学校のみならず、中学校においてもその必要性に変わりはないと認識をしております。
 今後五年をかけて小学校三十五人学級の計画的な整備を進める中で、学校の様子というのも今年四月から大きく変わります。一人一台端末が配備をされます。今回、その三十五人学級の議論の中で、コロナ禍にあってソーシャルディスタンスを学校で確保するようにという通達を出しましたけれども、六十四平米の部屋で四十人が、どう離したって一メーター以上離れないわけですよ。したがって、クラスを分けなきゃならないという事態になりました。
 今後もこういった感染症がいつ来るか分からないということを考えると、そういった面からもこの際見直しの時期に来ているのではないかなということをきっかけにさせていただいたわけです。
 四十人が三十五に変わりますと、小学校で言えば、分かりやすく言えば一列なくなりますので、一人一人の机と机の間は大きく変わります。そして、GIGAスクールによって、先生方は今まで黒板の前で授業を行ってきましたけれども、これからは、教室内を動き回りながら、児童のパソコンやタブレットをのぞき込んで声をかけながら行うような、いわゆるティーチングからコーチングと言われておりますけれども、新しい授業形態がどんどん出てくると思います。そういったことをどんどんしっかり検証させていただいて、やはり少人数は子供たちにとっていいよねということを社会全体で評価していただくことが大事だと思っております。
 今まで、数年にわたって少人数学級、少人数指導を行ってきて、こんなの要らないからやめると言った自治体や学校は一つもないわけですよ。すなわち、少人数の方がいいということは、もう現場の皆さんは分かっていますから、そのことを是非霞が関の皆さんにも分かっていただけるように、しっかり、一つ一つ検証を積み上げて、皆さんから御理解いただける方向性を目指して、先生方と一緒に頑張ってまいりたい、こう思っております。

#51
○馳委員 萩生田大臣の熱い決意を私ども国会の立場からも応援をしていく、このことをお誓い申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#52
○左藤委員長 次に、浮島智子君。

#53
○浮島委員 おはようございます。公明党の浮島智子です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 昨日で、東日本大震災発生から十年がたちました。犠牲になられた方々と御家族の皆様に心から哀悼の意を表させていただきますとともに、被災された方々には心からお見舞いを申し上げさせていただきたいと思います。
 本日は、内閣提出の公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案について、質問をさせていただきたいと思います。
 どうか、我が国の子供たち、大切な子供たちの未来、積極的な、意欲的な答弁をお願いしたいと、初めにお願いをさせていただきたいと思います。
 公明党は、立党以来、何よりも子供の幸福を最優先する社会、チャイルドファーストの考えに立ち、教育条件の整備に全力でこれまでも取り組んでまいりました。古くは教科書の無償化から始まり、最近では、二〇一七年の、十六年ぶりの計画的な教職員定数の改善が盛り込まれた義務標準法改正や、今年度からの私立高校の実質無償化など、あくまでも子供たちの目線に立って政策をリードしてまいりました。
 この一年を振り返りますと、これまで当たり前のように機能していた学校が突然休校になる中で、いかに学校が、子供たちや保護者はもちろんのこと、社会全体にとって大きな役割を果たしているのかということを多くの国民が実感をしたところでございます。また、学校が、子供たちにとって学びの場である以上に、人と安心、安全につながることができる居場所であるということも改めて実感がされたところでございます。
 このような状況の中で、子供たちのために大変御尽力をいただいている学校の先生方に、二つの観点からしっかりとお支えしなければならないと私は思っております。
 まず第一は、学校の学級編制の基準、すなわちクラスサイズの見直しでございます。多様な子供たち一人一人、誰一人を取り残すことなく、誰一人置き去りにすることもなく、可能性を最大限に引き出すためには、現在の四十人学級というのは大き過ぎると言わざるを得ません。また、今回の新型コロナウイルスの感染症対策、また、災害時、緊急時において国内外の全ての子供たちの学びを保障することができる環境の整備、これを早急に行うことが必要であります。
 このため、義務教育段階において学級編制の標準を引き下げて教職員定数の計画的な改善を図り、新しい時代にふさわしい少人数の学級を実現すべきと考え、これまで公明党としても全力で取り組んでまいったところでございます。
 また、第二には、GIGAスクール構想など学校のICT化、この確実な推進が必要です。一人一台端末の効果的な活用とともに、学習履歴といったデータの分析、個別最適な学習計画の作成等によりまして、子供たち一人一人に応じたきめの細かい教育、これを推進することが今求められています。
 中でも、このクラスサイズにつきましては、現場や地域、保護者のお声を一つ一つ丁寧にお伺いをして、令和三年度の予算編成において、学校の指導体制をしっかりと確立するために、公明党として、政府に対して、学校の新しい生活様式を踏まえつつ、感染症や、災害時、緊急時においても全ての子供たちの学びを保障できる環境の整備を早急に行うこと、そのため三十人以下の少人数編制を可能とするなど、感染症対策、ICT活用を含むきめ細やかな指導や心のケアを行うため、国庫負担率の引上げなど、教職員、外部人材等の指導体制の整備を図ることということを強く申入れをさせていただいてきたところでございます。
 その結果、昨年の七月十七日閣議決定されました骨太方針二〇二〇において、安全、安心な教育環境を確保しつつ、全ての子供たちの学びを保障するため、少人数指導によるきめ細やかな指導体制の計画的な整備というのが明記されたところでございます。
 この骨太二〇二〇を踏まえて、私は、昨年の七月二十二日、本委員会において質問をさせていただきました。このクラスの引下げについてです。
 その際、その質問をする十日前の七月十二日の朝日新聞に掲載された二つの教室の写真を御紹介いたしました。一枚は、平塚市立勝原小学校四年二組の六月十七日の分散登校の様子でございました。十七人が市松模様の配置で座って、教室には風が通っていました。もう一枚は、通常登校になった七月二日の様子。これは三十七人が教室にぎっしりで、机と机の間隔は四十二センチしかありませんでした。文科省の衛生管理マニュアルに従って一メートル離すと、机が教室からはみ出してしまうということが報じられておりました。先生方も、人数が少なかったときにはもっと目が届きやすかったのですがというコメントもされて、実感したということでございました。これがウィズコロナの状況における四十人学級の実態だと私は思います。
 しかし、クラスサイズの見直しは、令和三年の予算編成で最後まで決着がつかず、昨年の十二月十七日、財務大臣そして文科大臣との大臣折衝、その前日までぎりぎりの議論が続いてきました。その結果、霞が関のかいわいでは、正直言って、多くの方々が、これは今回無理だろうというふうに声が上がってきたところも事実でございました。
 しかし、この学級編制基準の引下げが、実に四十年ぶりに実現しました。これは、萩生田大臣の国務大臣としての強い意思と粘り強い働きかけがあったからだと私は思っております。
 そこで、まず大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
 今回、公明党との連携の中で、大臣の力強いリーダーシップの下、この小学校の学級編制基準が実に四十年ぶりに三十五人へと引き下げられました。大臣の御尽力に心から敬意を表させていただきたいと思います。また、本改正案において、大臣の強い思い、そして、今回とても無理と言われていたこの学級編制基準の引下げが実現した背景、そして、中学校のクラスサイズや小学校の高学年の教科担任制などの今後の課題について、大臣の率直なお考えをお聞かせください。

#54
○萩生田国務大臣 ありがとうございます。
 ソサエティー五・〇時代の到来や、子供たちの多様化の一層の進展、今般の新型コロナウイルス感染症の発生なども踏まえ、ICT等を活用した個別最適な学びと協働的な学びを実現するとともに、今後どのような状況においても子供たちの学びを保障することが不可欠であり、まさに委員と同じ思いで、これまで全力で取り組んでまいりました。
 そうした中で、公明党の皆さんからいただいた少人数学級に関する力強い決議や、地方六団体を始めとする学校現場における少人数学級の効果や必要性の声は、今回の少人数学級の実現に当たり、大きな後押しになりました。
 また、少人数学級については、小学校のみならず、中学校においてもその必要性に変わりはないと認識しております。
 引き続き、小学校における学級編制の標準の引下げを計画的に実施する中で、三十五人学級の効果等を検証し、その結果も踏まえ、学校の望ましい指導体制の在り方について検討を進めてまいりたいと思います。
 さらに、小学校高学年における教科担任制についても、専門的、技術的な検討を進めているところですが、例えば東京などは小学校五年生以上は理科は専科というのは当たり前でありますから、私はもっと全国的に広がっているのかと思いましたら、そうでもないんですよね、四割程度なんです。こういう中で科学的な知見を持った子供たちを育てろといっても、理科の実験ができない担任の先生から教わる理科で科学者はなかなか出てこないと思います。
 同じように、せっかく今年、オリンピック、パラリンピックが開催されるのに、運動神経の悪い定年間近の先生に教わる体育でスポーツの楽しさはなかなか分かってもらえないと思うんです。やはりこれは専科の先生たちにやっていただく必要があって、私、アスリートのセカンドキャリアで是非教育現場に来てほしいということを今呼びかけをしていまして、この免許の在り方についても省内で検討させていただいております。
 是非、小学校においての高学年における教科担任制、これにつきましてもしっかり検討を進めてまいりたいと思います。
 こうした今後の課題も見据えつつ、文科省としては、GIGAスクール構想による学校によるICTの活用と、その効果を最大化する少人数学級を車の両輪として、誰一人取り残すことなく全ての子供たちの可能性を引き出す令和の日本型学校教育の構築に取り組んでまいりたいと思います。
 最後に、先生が、今後の課題はというふうにおっしゃいました。
 まさに十二月末までずれ込んで、最後、こういう決着を見ることができました。
 私は、大臣二年目になりますし、先生と一緒に政務官も経験させていただいて、文科省の職員はすごく優秀で、また、ある意味、ほかの省庁と比べると穏やかな人が多くて、言い換えれば、争いを望まないといいますか、全員が生徒会長みたいな、もうこの辺でみんなやめようよみたいな感じがあるんですけれども、子供たちにとって必要なことは一歩も引いちゃいけない、これが私は大事な気持ちだと思いますので、職員の皆さんの体質改善も含めて、しっかり闘う文部科学省というのをつくっていく必要があるのではないかと思っています。

#55
○浮島委員 ありがとうございます。
 本当に、穏やかはいいことですけれども、穏やかだけではできないこともたくさんありますので、しっかりと闘う文科省として、大切なのは、財務省としっかりと連携を取って話し合っていくことも重要でございますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
 今回の改正法案には、私ども公明党からお願いをして、附則第三条という規定が置かれました。この附則には、これからは、多様な知識や経験を持った質の高い教員が教育を行うことが重要である、今大臣の方からもありましたけれども、教員免許制度の在り方について検討を行うとともに、多様な知識、経験を持った人、ここが必要である、また、クラスサイズの引下げが教育活動に与える影響に関する実証的な検証をしっかりと行い、その結果に基づいて法制上の措置その他の必要な措置を講じることを立法府として政府に求めるものでございます。この附則は大変重要だと私は考えております。
 全国の小学校には二十二万六千クラスありますけれども、三十六人以上の児童が在籍しているクラスは八%に該当する一万八千クラス。これらの学級がそれぞれ二クラスになると思いますけれども、今後の児童数の急激な減少などもありますので、必要な教職員の改善数は、文科省の試算によれば一万三千五百七十四人となります。
 この三十六人以上の児童が在籍している一万八千クラスは、二千六百六十八クラスを擁する東京都を始め、埼玉、愛知、神奈川、大阪、その半分以上を占めますけれども、これらのクラスサイズの引下げで新たに教師の確保が必要となる首都圏、大都市圏では、小学校採用試験の倍率が低下をして、その確保に苦労しています。
 したがって、まず教員の確保に当たりましては、多様な知識や経験を持った教育界以外の人材まで土俵を広げて人材を求めなければなりません。
 でも、それだけではなくて、百五十年前の最先端だった紙の教科書、教材、黒板と白墨、ノートと鉛筆を最大限に生かした質の高い一斉授業を担ってきたのは、師範学校や地元の国立大学教育学部出身の均質な教師、そして、新卒一括採用、終身雇用、年功序列といった同一性の高い教員集団とそれを支えるシステムでございました。我が国の教育は、この同一性の高いシステムによって、みんなと同じことができる能力の育成に当たって、世界で最もまれな成功を遂げてきたと思います。
 しかし、今、この社会的構造変化の中で、未来社会は、他者と異なることへの意味、そして価値がある時代へと大きく動いていると思います。また、意見の異なる他者と対話をしたり協働したりすることの意味を実感することが学校教育の重要な役割となっておりまして、ICTなど新しいメディアを活用して、学校が責任を果たすためには、義務標準法改正案の附則が規定するように、多様な知識又は経験を有する質の高い教員が教育を行うということが不可欠であります。
 現在の教育免許法は、教科及び教職に関する科目というのを、小中高校の免許を取得するに当たって五十九単位取得をすることを求めています。この教員養成課程によれば一定の意味はあると思います。けれども、多様な知識又は経験を有する質の高い教員が教育を行うということに当たっては、このコースだけでは私は不十分と思っております。
 従来の地元国立大学の教育学部出身者だけではなくて、理数分野の博士号保有者、また、海外で通商業務従事者、スポーツ指導、先ほど大臣も言われておりましたけれども、スポーツができる、スポーツ指導を修めたアスリートなど、あとは、発達障害に関する専門家、ケースワーカー、AIやプログラミング、この専門家など、様々な経験や学びを重ねた人材、この方々が教壇に立つことが必要となっていると私は思います。
 教師の働き方も、回転ドア方式で、一定期間に教師をしたり、兼職、兼業や、クロスアポイントメントを生かしつつ教壇に立ったりすることも考えられると思います。
 そこで、大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、今回の改正法案の附則第三条の規定を踏まえまして、払底する小学校教員の確保とともに、様々な経験や学びを重ねた人材、この方々が教壇に立つようにできるようにするためには、教員免許法の抜本的な見直し、そして、教員の兼職、兼業、クロスアポイントメントなどの勤務の在り方の改善を一体的に行う必要があると思います。
 先日、中央教育審議会の第十一期の委員が任命されたと伺っており、本日にも第十一期の初回となる総会が開催されると伺っているところでございますけれども、当座の人材の確保だけではなくて、社会構造的な変化に対応するために、教員免許法の抜本改革について、どのような内容をいかなる段取り、手順で行っていこうとされているのか、考えや決意をお聞かせいただきたいと思います。

#56
○萩生田国務大臣 ソサエティー五・〇時代等の到来により社会の在り方が劇的に変化する中で、個別最適な学びや協働的な学びの実現により、全ての子供たちの可能性を引き出す令和の日本型学校教育を実現していかなければなりません。
 こうした教育が実現できるかどうかは教師の資質、能力に懸かっていることから、先生御指摘のとおり、教師の養成、採用、免許制度も含めた方策を通じて、多様な人材の教育界内外からの確保や、教師の資質、能力の向上により質の高い教職員集団を実現する必要があると考えております。
 今後、中央教育審議会において、令和の日本型学校教育を担う新たな教師像と教師に求められる資質、能力、多様な専門性を有する質の高い教職員集団を構成するための具体的な方策、これらの検討を踏まえた教職課程、教員免許の在り方等について順次議論していただく必要があると考えております。
 一律でなくてもいいのではないかという先生の御指摘、私もごもっともでありまして、例えばなんですけれども、来年度、将来中学校等々で英語の教員を目指す学生さんに、外務省と連携して、日本語パートナーズという制度があるんですけれども、英語圏の学校に行っていただいて、是非、日本語を現地の子供たちに教えていただく、そういう体験学習をしていただく予定です。同時に、英語圏ですから、ネイティブな英語を自分自身も生活の中で身につけて帰ってきてもらって、そして将来、教員として教壇に立っていただく。
 そうしますと、学校にもよるんですけれども、四年じゃなくて、一年留年といいますか、そういうことになる可能性もあるんですけれども、慌てて学校を卒業して直ちに教壇に立つよりも、こういう経験を踏んだ上で学校に入っていただいた方が子供たちのためにもなると思うので、このモデルケースをしっかり検証しながら、そういった一つ一つの教科にどういう先生がいたらいいかということも、この際、しっかり見極めていきたいと思っています。
 中教審での議論も踏まえ、教師が再び子供たちの憧れの職業となるように、教師の養成、採用、免許等の在り方についても、既存の在り方にとらわれることなく、基本的なところまで遡って検討を行ってまいりたいと思います。

#57
○浮島委員 是非とも、モデルケースを検証して進めていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、本改正法案の附則の第三条には、クラスの引下げが教育活動に与える影響に関する実証的な検証が規定されておりまして、これも本当に大事な規定であると思います。
 これまで財務省主計局は、最近の新しいデータを使った研究ほど、学級規模の縮小の効果はないか、あっても小さいことを示している研究が多い、他方、社会経済的背景が低い学校の生徒には有意な学級規模効果が確認されたとする研究結果も存在ということを説明をされてきたところでございます。
 でも、問題はとても複雑だと私は思います。
 まず、教育の成果には、客観テストで測ることができる、先ほどもおっしゃっていた学力テスト、これだけではなくて、レポートやプレゼンなどに対するパフォーマンス評価で測ることができる能力や、自制心、やり抜く力、自己効力感といった非認知能力、これもあると思います。
 また、これらの教育成果に影響を及ぼす要因も、学習者の要因、家庭要因、学校要因、教師の要因、指導方法の要因、これらが複雑に私はかみ合っていると思います。クラスサイズは学校要因の一つですから、クラスサイズだけが教育成果に大きな効果を及ぼすということはないということも、そのとおりかもしれません。しかし、どう考えても、四十人というクラスは私は大きいと思います。
 これを引き続き下げるというのは、我々立法府の意思で、また、今回の小学校については、この改正法案と令和三年度予算案が成立すれば三十五人学級が実現しますけれども、公明党といたしましては、これで終わりではなくて、中学校を含めた更なるクラスサイズの引下げが必要だと考えております。
 そして、このクラスサイズの引下げ全てが子供の学びと生活にプラスの効果を及ぼすようにするために、教員免許法の抜本改正による多様な知識や経験を持った多様な人材の登用、GIGAスクール構想による教育のICT化をどう組み合わせるのかということが最も効果的なことだと思います。その実証研究の活用をしっかりと考えるべきだと思っております。
 具体的には、多様で質の高い教員の集団と学校のICT化によりまして、福祉部局や放課後デイサービスなどと連携をしっかりと深めて、貧困や孤立などの問題を乗り越えて、誰一人取り残さない、誰一人置き去りにしないということを実現すること、これが極めて重要だと思っております。
 そこで、改正法案附則第三条に定めます実証的な検証は、様々な要因が複雑に関わり合っているこの教育において、クラスサイズだけでは教育成果に大きな結果を及ぼしていないという当たり前の結論を出し、今後のクラスサイズの引下げの妨げになるようなものであってはならないと私は思っております。
 埼玉県の学力の調査のように、子供たちの学力や非認知能力がいかに変化したかを把握した上で、クラスサイズの引下げなどをどのように、教員の集団や、多様化、学校のICT化などと組み合わせていくか、教育の成果が最大化されるのかを実証的に把握するものでなくてはならないと思っております。
 エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング、これは大事ですけれども、我々立法府がエビデンスという数字に振り回されるのではなくて、これは、立法府が意思を持って実現しようとする政策が最も効果的に実現するようにエビデンスを使うことにほかならないと思っておりますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

#58
○萩生田国務大臣 少人数学級の教育効果については様々な研究事例がありますが、学習意欲、態度や、社会的経済的背景の厳しい子供が多い学校における学力面に一定の効果があるとの研究成果もあると承知しています。
 また、少人数学級は、特定の教科等の授業といった学習集団のみならず、生活集団も少人数化するものであり、学習面のみならず、生徒指導や保護者対応等においてもきめ細かな対応がしやすくなり、学校教育活動の充実につながるものと考えております。
 先生、今いろんな例示を示していただいて、私は全くそのとおりだと思います。例えば、授業時間内に、質問の回数は、当然、児童が減ればチャンスは増えるわけですから、今まで一回も当てられることがなかった子供が一度手を挙げることができたり、二度指名をされることができたりして、そういう意味では教育の中身が変わっていくと思うんですね。
 したがって、私も心配していますのは、成績だけで外形的な評価をして、効果があったじゃないか、なかったじゃないかと議論にくみされるのは極めて学校現場を知らない人たちの意見だと私は思っていますので、さっき、すごく細かいことも申し上げましたけれども、トータルで子供たちのためになっているかどうか、子供たちが笑顔が増えているかどうか、こういうことも含めて大きな視点から評価をしていただくことが大事だと思います。
 この結果を踏まえ、今後の学校の望ましい指導体制の在り方をしっかり検討してまいりたいと思います。

#59
○浮島委員 是非、今大臣おっしゃった、トータルでというところでよろしくお願い申し上げます。
 そこで、財務省にも今日お越しいただいているので、財務省にもお伺いしたいと思います。
 本改正案に定める小学校の三十五人学級の実現のために新たに必要となる教職員定数は一万三千五百七十四人、それで、財政均衡に責任を負う財務省の主計局としては、その財源は加配定数の振替で措置をして、結果的に教職員定数を増やさないようにしたいと思っているのかもしれません。しかし、そんな数字のつけ替えで、我々大人は子供たちの学びや生活に責任を果たしているとは言えません。
 ここ数年、小中学校の数は減少期に入ります。十年後には、単純に計算すれば五万人以上の教職員定数減との試算もあります。逆に言えば、今は、クラスサイズの引下げ、子供たちの教育条件を我々立法府の意思で改善する最大のチャンスだと私は思っております。
 財務省には、文科省には、教育の質を改善するための戦略があるのか、ただ単に、ひたすら教職員定数を改善してくれとしか言わないのではないかという思いや不満があるのかもしれません。しかし、大臣も御答弁いろいろありましたけれども、文科省も、教員免許制度の抜本改革や学校のICT化など、教育の質の向上をさせるための施策を積極的に進め、クラスサイズの引下げを生き金にしようとしています。私どもも、このことはしっかりと支えていきたいと思っております。
 また、大蔵省と文部省の関係をひもときますと、七十七年前、現在の日本学生支援機構の前身の大日本育英会を創設したのは、当時の大蔵省主計局の文科省の担当主査であった大平正芳さんでございます。五十七年前、国立大学を支えるための国立学校特別会計を生み出したのは文部省担当主計官だった相沢英之さんであるなど、節目節目で大蔵省と文部省が協働して、子供たちのため、若者のため、未来のための投資を行ってきました。
 そこで、財務省主計局の青木次長にお伺いしたいと思いますけれども、予算編成過程におけるこの三十五人学級の実現については、青木次長を始め財務省の皆さんには本当に大変御苦労をおかけしたと思っております。この投資が本当に生き金になるのかどうか、文科省に対する思いや不満もあるかもしれませんけれども、文科省は本気です。
 なので、この新しい、新たに必要となる一万三千五百七十四人の加配定数を振替で措置するなどと言わずに、クラスの引下げに伴う定数増という新たな投資が確実に教育の質の向上につながるよう、文科省と一緒に知恵を出して、子供たちを育み、未来社会を創造する学校教育の実現に向けて、是非、協働、共に働いていっていただきたいと思いますけれども、財務省の思いをお伺いさせてください。

#60
○青木政府参考人 お答えします。
 温かいお言葉をいただきまして、本当に恐縮しております。
 子供たちのために学校教育をよりよくしていくということについては、我々財務省も全く同じ思いでございます。同時に、やはり、子供たちが将来巨額の財政負担を負うことのないように、限られた財源を効果的、効率的に活用していくという視点も、我々財政当局でございますので、大変重要な視点だというふうに考えております。
 今回の三十五人学級の検討過程におきましては、こうした二つの観点から、先ほど委員も御指摘をされておりました、教員の質の確保の重要性でございますとか、また、効果検証とエビデンスに基づく政策立案の必要性、さらには、外部人材の活用、教職員の適正な配置を図っていく等々につきまして指摘をさせていただいて、しっかり、最後の最後まで、ぎりぎりまで御議論をさせていただいたところでございます。
 先ほど申し上げたとおり、子供たちのためにという思いは財務省も文科省も変わるところはないというふうに考えておりまして、引き続き、しっかり文科省と丁寧に議論を進めてまいりたいというふうに考えております。

#61
○浮島委員 なかなかパンチの利く答弁は聞けませんでしたけれども、是非、今次長おっしゃった、子供たちのために、そこが重要だと思いますので、しっかりと子供たちのためによろしくお願いいたします。
 もう時間も少なくなってしまったので、最後に一問、先ほど馳委員からもありました、わいせつ教員について質問させていただきたいと思います。
 学校というのは子供たちが安全、安心に学べる場であるべきというか、なくてはなりません。子供たちは教師を信頼しています。その教師から本当にわいせつな行為を受けた子供というのは、一生ダメージを受けてしまいます。私のところにもたくさん、いろんな現場の声をいただいておりますけれども、私はこんな教員は断じて許すことができません。
 子供たちを守るのは私たちの責務です。しかし、昨年の十二月二十五日、今国会への免許法改正の提出は断念されました。改めて、本当に遺憾で、ざんきに堪えないというのが率直の気持ちでございます。
 そんな中、自民党と公明党で、与党政策責任者会議の決定を経まして、わいせつ教員根絶立法検討ワーキングチームというのを立ち上げました。自民党からは馳座長、公明党から私が座長として、共同の座長で立ち上げさせていただき、三月一日から議論を始めまして、様々な方から現場の声もいただいているところでもございます。
 しかし、今回、十二月二十五日、今国会への免許法の提出を断念すると言った大臣も、教員免許法改正の提案を断念する表明で、諦めたわけではないということをおっしゃっております。
 しかし、この取組は続けるといっても、この問題はまさに喫緊の課題で、すぐにやらなければなりません。先ほどの議論を聞いていてもそうですけれども、医師法の話もございました。ただ、授与権者、これが判断するということは私は極めて重要であるとともに、様々なものを調べても、教員免許だけなんですね、再交付が何もなく三年たってもらえるという。しっかりとやはり授与権者が判断するということも重要であります。
 そして、大臣にお伺いさせていただきたいのは、大臣としての与党ワーキングチームに対する期待と、子供たちを守る、その大臣の強い決意、これを伺わせてください。

#62
○萩生田国務大臣 子供を守り育てる立場にある教師が子供にわいせつな行為を行うことは断じてあってはならないことであり、このような行為から子供を守るために必要な対策に不断に取り組んでいく必要があると考えております。
 既に文科省としては、官報の情報検索ツールを過去四十年に遡って検索できる仕組みですとか、また、懲戒免職事由にわいせつ行為をしっかり明記をするなどの工夫をさせていただいておりますが、今先生から御指摘がありましたように、そもそも免許の再交付をしないという法律を提出したかったんですが、様々な壁にぶつかりまして、今通常国会には提出ができないという事態になりました。
 しかしながら、これをもって終わりというわけにはいかない、こういう思いで省内でも引き続き議論や検討をしていますが、この度、自民、公明両党において、与党わいせつ教員根絶立法検討ワーキングチームが設置され、この問題に関する真摯な議論が行われていることについては私も承知しており、大変意義深いことだと思っております。
 文科省としても、わいせつな行為を行った教員は二度と教壇に立たせないとの思いを与党ワーキングチームの先生方ともしっかりと共有し、チームにおける御議論も踏まえた上で、今後とも、この問題に対する実効的な方策を検討、実行してまいりたいと考えております。

#63
○浮島委員 ありがとうございます。
 職業選択の自由云々ありますけれども、職業選択の自由と子供の身体、生命、権利を守る、どっちが大切かといったら、言わずもがなでございます。しっかりと子供たちの身体、生命、そして権利を守るために、我々もしっかりとやっていきたい、進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日はありがとうございました。

#64
○左藤委員長 次回は、来る十六日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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