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2021/03/17 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 法務委員会 第4号 令和3年3月17日
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2021/03/17 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 法務委員会 第4号 令和3年3月17日

#1
令和三年三月十七日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 義家 弘介君
   理事 伊藤 忠彦君 理事 稲田 朋美君
   理事 奥野 信亮君 理事 宮崎 政久君
   理事 山田 賢司君 理事 稲富 修二君
   理事 階   猛君 理事 大口 善徳君
      井出 庸生君    井野 俊郎君
      大塚  拓君    神田  裕君
      黄川田仁志君    国光あやの君
      小寺 裕雄君    小林 鷹之君
      武井 俊輔君    出畑  実君
      中曽根康隆君    野中  厚君
      深澤 陽一君    藤原  崇君
      宮澤 博行君    盛山 正仁君
      山下 貴司君    吉野 正芳君
      池田 真紀君    高木錬太郎君
      寺田  学君    中谷 一馬君
      松田  功君    松平 浩一君
      屋良 朝博君    山花 郁夫君
      吉田 宣弘君    藤野 保史君
      串田 誠一君    高井 崇志君
    …………………………………
   法務大臣         上川 陽子君
   法務副大臣        田所 嘉徳君
   法務大臣政務官      小野田紀美君
   厚生労働大臣政務官    こやり隆史君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    近藤 正春君
   最高裁判所事務総局刑事局長            吉崎 佳弥君
   最高裁判所事務総局家庭局長            手嶋あさみ君
   政府参考人
   (内閣法制局第一部長)  木村 陽一君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 難波 健太君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 堀  誠司君
   政府参考人
   (総務省自治行政局選挙部長)           森  源二君
   政府参考人
   (法務省大臣官房政策立案総括審議官)       竹内  努君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 山内 由光君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    小出 邦夫君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    川原 隆司君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  菊池  浩君
   政府参考人
   (法務省訟務局長)    武笠 圭志君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁次長) 松本  裕君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 田島 浩志君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           蝦名 喜之君
   政府参考人
   (厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長)           岸本 武史君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    赤澤 公省君
   法務委員会専門員     藤井 宏治君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十七日
 辞任         補欠選任
  小林 鷹之君     宮澤 博行君
  中曽根康隆君     小寺 裕雄君
  中谷 一馬君     高木錬太郎君
  屋良 朝博君     松田  功君
同日
 辞任         補欠選任
  小寺 裕雄君     中曽根康隆君
  宮澤 博行君     小林 鷹之君
  高木錬太郎君     中谷 一馬君
  松田  功君     屋良 朝博君
    ―――――――――――――
三月十六日
 民法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)
 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案(内閣提出第五六号)
同月十五日
 共謀罪(テロ等準備罪)を即時廃止することに関する請願(志位和夫君紹介)(第三〇二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 民法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)
 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案(内閣提出第五六号)
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
     ――――◇―――――

#2
○義家委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣法制局第一部長木村陽一君、内閣府大臣官房審議官難波健太君、警察庁長官官房審議官堀誠司君、総務省自治行政局選挙部長森源二君、法務省大臣官房政策立案総括審議官竹内努君、法務省大臣官房審議官山内由光君、法務省民事局長小出邦夫君、法務省刑事局長川原隆司君、法務省人権擁護局長菊池浩君、法務省訟務局長武笠圭志君、出入国在留管理庁次長松本裕君、外務省大臣官房審議官田島浩志君、文部科学省大臣官房審議官蝦名喜之君、厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長岸本武史君及び厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長赤澤公省君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○義家委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○義家委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局刑事局長吉崎佳弥君及び家庭局長手嶋あさみ君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○義家委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#6
○義家委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。階猛君。

#7
○階委員 おはようございます。立憲民主党の階猛です。
 本日は、法務・検察行政に関し、昨年来様々な問題が起きた異常事態を受けて、通常より長い時間をかけて集中的一般質疑を行うことになりました。
 私からは、公選法違反事件で起訴猶予となった菅原一秀元経産大臣と、河井元法務大臣夫妻から買収資金を受け取ったにもかかわらず処分未了となっている地方議員らへの検察の対応について、伺っていきたいと思います。
 通告の順に沿って伺っていきたいと思いますが、一つ目の質問は、先ほど確認したところ、最高裁でまだ調査中ということでしたので、時間の関係で今日は割愛します。
 そこで、菅原氏の件なんですが、菅原元経産大臣が選挙区内の有権者に香典や生花を贈った公選法違反事件に関する検察の起訴猶予の不起訴処分について、国民からくじ引で選ばれたメンバーから成る検察審査会が三月十二日に起訴相当の議決を行いました。これにより、検察は再捜査の義務を負い、仮にまた起訴しなければ、検察審査会が強制起訴ということもあり得るわけです。
 昨年の暮れには、黒川元東京高検検事長の賭けマージャン事件に関する検察の起訴猶予処分についても、起訴相当の議決が検察審査会によって行われました。検察の権力者や身内に対する事件処理が、一般国民から信頼されていないことが浮き彫りになっていると思います。
 加えて、菅原氏の件では、起訴相当の議決と同時に申立て却下の議決も行っております。ちょっと複雑なので説明しますけれども、資料の一ページ目を御覧になってください。検察審査会法の条文を挙げております。この二条二項で、告発をした者の申立てがあるときは、検察審査会が、検察の起訴猶予も含めた不起訴処分を審査しなくてはならないというふうに書かれております。
 ところで、本件の申立人は告発はしたのですが、検察が告発状を受理しなかったので、この「告発をした者」という文言に当たらないということから、先ほど言った申立て却下の議決も同時に行っているわけです。
 ただ、これだと門前払いになってしまうということで、検察審査会の方では、二条の三項という条文に基づいて、職権で議決を行って、こちらの方で起訴相当という議決をしたわけです。
 ところで、検察が告発状を受理しなかった場合には「告発をした者」に当たらないという解釈は、この条文の文言、「告発をした者」というふうに書かれておりまして、受理するかどうかは特にこだわりがないわけです。また、検察審査会の審査対象を今のような解釈では狭めることになってしまいます。国民による検察権力の監視という検察審査会の制度趣旨にもそぐわないと思います。
 法務大臣に伺います。検察審査会法、この二条二項の「告発をした者」の解釈として、これまでの解釈、これでいいのかということについて見解を求めます。

#8
○上川国務大臣 お尋ねの件でございますが、個別事件における検察審査会の議決、また捜査機関の活動内容に関わる事柄でございまして、法務大臣としてお答えすることにつきましては差し控えさせていただきたいと存じます。

#9
○階委員 個別事件じゃなくて、法解釈、文言の解釈を聞いているんですね。二条二項に言う「告発をした者」、これは「告発をした者」と単に書かれているだけですが、運用上、告発が受理されなければこの告発した者に当たらないというような解釈がされているわけです。
 これは、先ほど言ったとおり、検察審査会の制度趣旨にも反するし、この文言にも必ずしもそぐわないのではないかと思っております。検察審査会法を所管する大臣として、有権解釈を示してくださいということを言っているわけです。「告発をした者」というのは、その中には告発を受理されなかった者も含まれるか含まれないか、この点について明確にお答えください。

#10
○上川国務大臣 ただいま委員からのお尋ねでございますが、結局のところ、個別事件における検察審査会の議決、また、御指摘の検察審査会法の二条二項に関する捜査機関の活動内容を前提としておりますので、一般論として前置きをしたとしても、法務省におきまして当該事件における検察審査会の議決を評価したとの誤解を招き、独立して職権を行う検察審査会の判断に影響を及ぼそうとしているのではないかなどといった疑念を生じさせることともなりかねないということでございまして、お尋ねに関しましてはお答えを差し控えざるを得ないということについて理解をいただきたいと思います。(階委員「委員長、止めてください。ちょっと今のは違います。止めてください」と呼ぶ)

#11
○義家委員長 速記を止めてください。
    〔速記中止〕

#12
○義家委員長 速記を起こしてください。
 それでは、まずは川原刑事局長、お願いいたします。

#13
○川原政府参考人 お答えを申し上げます。
 検察審査会法二条二項は、検察審査会は、告発をした者の申立てがあるときは、前項第一号の審査を行わなければならないと規定しているところでございます。それ以上のことに関しましては、今ほど大臣からも御答弁申し上げているところでございますが、階委員のお尋ねは、誠に申し訳ございませんが、まさに個別事件におけるこの条項をめぐる検察審査会の議決の内容や捜査機関の活動内容に関する事柄でございますので、法務省としてお答えできるのは今お答え申し上げた限度であることを御理解いただきたいと思います。(階委員「違うよ、全然違う。一般論ですよ、文言の解釈を聞いているんだから。ちょっと止めてくださいよ、おかしいですよ。止めてください」と呼ぶ)

#14
○義家委員長 速記を止めてください。
    〔速記中止〕

#15
○義家委員長 速記を起こしてください。
 法務省、個別の事案と切り離して、この法律の解釈について一般論としての答弁をお願いいたします。川原刑事局長。

#16
○川原政府参考人 お答えを申し上げます。
 繰り返しでございますが、この検察審査会法二条二項に「告発をした者」と書いてございます。これにつきましては、私どもが承知しているところ、裁判所による判断を示されたところではございませんので、一方、これは、階委員が御指摘のような、検察審査会では、具体的事件について今回議決があるようなところでございますので、法務省として、最高裁の判例その他があるのでしたら、こういった解釈……

#17
○義家委員長 今回のものと全く切り離して、法律の一般論としての解釈について答弁ください。

#18
○川原政府参考人 一般論としてでございます。
 これは、最終的には、検察審査会というのは、先ほどから階委員御指摘のように公訴を提起する権限を持っておりますので、検察審査会の手続というのは、後々それによって公訴が提起されました場合には、公訴提起の適法性に関わるもので、最終的に裁判所による判断を仰がなければいけないものでございます。
 そういったことを前提としまして、現在私どもが申し上げますのは、ここについて裁判所による確たる解釈がないところでございますので、私どもとしては、条文にこう書いてございますということを申し上げざるを得ないところでございます。(階委員「おかしいよ、これ。駄目、駄目」と呼ぶ)

#19
○義家委員長 それでは、階猛君、改めて御質問をお願いいたします。

#20
○階委員 いや、だから、これは三ページを見てくださいよ、三ページの真ん中あたりに下線を引いていますけれども、「検察審査会が、検察審査会法二条二項の「告発をした者」の法律解釈につき判断する権限までは有しないと解される。」と。検察審査会も困っているんですよ。だから、法律を所管する皆さんのところで有権解釈を示してくださいと言っているわけですよ。当たり前じゃないですか。何、こんなことで時間を取っているんですか。お答えください。
 止めてください。止めてください。

#21
○義家委員長 速記を止めてください。
    〔速記中止〕

#22
○義家委員長 速記を起こしてください。
 川原刑事局長。

#23
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 検察審査会法は、確かに、法務省、特に刑事局で所管している法律でございます。ただ、私どもとして、刑事手続に係る法律でございまして、最終的には刑事手続の中で裁判所が判断を示すことを予定されているものにつきまして、裁判所がこのように判例を出しているとか、そういったことはお答えいたしますが、そういったものにないものについて、法務当局としてこうであるという形の解釈を示すことは適当でないと考えております。(発言する者あり)

#24
○義家委員長 速記を止めてください。
    〔速記中止〕

#25
○義家委員長 速記を起こしてください。
 川原刑事局長。

#26
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 再三のお尋ねでございますので、先ほど来申し上げていますように、最高裁判所、その他の裁判所による判断が示されていないことを前提に私どもとしてあえて申し上げますと、要件を満たしている告発には受理義務があると解されていることからすれば、告発が受理されなかった場合には、告発状などと題する書面を提出していたとしても、それだけでは適法な告発があったとは認められない以上、検察審査会の申立て権者である告発した者には、そういった受理されていない場合には含まれないものと考えます。

#27
○階委員 それを最初から言えばいいじゃないですか。何、時間を取っているんですか。国会の審議を妨害しないでくださいよ。
 いいですか。ようやく明らかになりましたけれども、「告発をした者」については、受理されていない人は含まれないということなんですね。これの解釈でいいのかどうかということについて議論をしていきたいと思います。
 もう一つ確認しておきたいことがあるんですが、二ページ目、三ページ目に議決の要旨をつけておりますけれども、その二ページ目の議決の理由の冒頭のところで、検察審査会の要請にもかかわらず、検察が当該事件の不起訴記録の提出を拒んだということが記載されています。
 これも一般論としてお尋ねしますけれども、検察審査会から資料要求がなされて、それを拒否することは、検察審査会法三十五条、これは一ページ目の条文、書いておりますけれども、「検察官は、検察審査会の要求があるときは、審査に必要な資料を提出し、又は会議に出席して意見を述べなければならない。」という条文があります。検察審査会の資料要求の拒否は、この条文に照らして問題なのではないかと思っておりますけれども、法務大臣、いかがでしょうか。

#28
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 まず最初に、大変申し訳ありませんが、本件の事案を前提としたお尋ねについてはお答えを差し控えざるを得ないところがございます。
 その上で、あくまでも一般論であるということでお答えを申し上げますと、階委員御指摘のように、検察審査会法は、検察官は審査に必要な資料を提出しなければならないとなっておりますので、審査に必要な資料の提出を義務づけられておりますことから、審査に必要な資料の提出を拒むことはできないだろうと一般論としては解釈されているところでございます。

#29
○階委員 いや、だから、検察審査会は、審査に必要だから資料の提出を要求しているわけですよ。皆さんが、必要かどうかを判断する立場じゃないんじゃないですか。その点、どうですか。

#30
○川原政府参考人 今、階議員、やはり今回の議決を前提にしてお尋ねになっておりまして、今回の検察審査会のやり取りの中で何が必要かどうかということについての意見の相違ということになりますると、これは、具体的な審査手続あるいは議決を前提として、また捜査機関の活動内容に関わることですので、そこはお答えを差し控えたいと存じます。

#31
○階委員 これも単純な法解釈の話ですよ。
 検察審査会の要求があるときは審査に必要な資料を提出しなくてはいけないという三十五条の条文に照らして、検察審査会の要求があったにもかかわらず、不起訴処分記録を提出しなかったと先ほどの議決の要旨には書かれています。こういう提出を拒むということが三十五条に照らしてどうなのか、これは一般論としてですよ、聞いておりますので、お答えください。

#32
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 検察審査会法三十五条では、繰り返しでございますが、審査に必要な資料ということでございますので、あとは、その具体的な審査手続の中で何が必要かということについて検察審査会が判断をされ、これも一般論でございますが、検察官としては、それに対して意見を述べることは当然許されることだと思います。

#33
○階委員 意見を述べているだけじゃなくて拒んでいるじゃないですか。拒むことができるとはどこにも書いていないでしょう。なぜ拒むことができるんですか、この三十五条に照らして。
 それから、必要性の判断は検察審査会がするというふうにおっしゃいましたよね。検察審査会は必要だから提出を求めているんですよ。そうしたら、三十五条で提出しなくちゃいけないじゃないですか。そうじゃないんですか。一般論としてお尋ねします。

#34
○川原政府参考人 繰り返しでございますが、何が必要かということは、結局は、具体的な事件を前提にして検察審査会が判断する部分と、それから、検察官として、検察官の判断によって意見を述べる部分があるので、それについて、さらに検察審査会としてどういった対応を取られて、また、さらに検察官はどういった対応を取るかということに関しては、これ以上の具体的な審査手続の中におけるやり取りになりますので、お答えは差し控えたいと思います。(階委員「答えていない。拒めるかどうかということを聞いているのに、答えていない」と呼ぶ)

#35
○義家委員長 階委員におかれても、個別の事件の資料を提示しながら質問して、その後、一般論というふうに分けているので、一般論であれば一般論として、個別の資料ではなくて質問をお願いいたします。

#36
○階委員 三十五条の解釈を一般論としてお尋ねしますけれども、検察審査会が必要があると考えて資料提出を求めたのに対して、検察は資料提出を拒むということが可能なのかどうか、お答えください。

#37
○川原政府参考人 お答えを申し上げます。
 今の御質問の点でございますが、これも裁判所による解釈が示されたことなどがございませんので、私ども、法を所管していると申し上げましても、申し上げることに限界がございますが、この三十五条は「審査に必要な資料を提出し、」でございますので、その必要なとの、結局、判断、何が必要かという具体的事件を前提にした判断のところでございまして、この条文から導かれるのは、必要な資料の提出を拒むことはできないというところでございまして、必要な部分はどこまでかというのも具体的事案において判断されるべきことになると思います。

#38
○階委員 なぜこんなところで時間を取られなくちゃいけないんですか。おかしいでしょう。
 審査に必要かどうか検察審査会が判断すると、さっきおっしゃったじゃないですか。その上で提出を求めているわけだから、三十五条からすると拒めないと私は考えるんですけれども、拒めるんでしょうか。一般論としてお答えください。

#39
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、私は先ほど、検察審査会が必要かどうか判断してというのは、求める検察審査会として一次的にこの資料は必要であると判断して、検察官に求めるものでございます。その上で、検察官においては、当該事件を前提にして、検察審査会がお求めがあった資料が、その必要な資料、この条文に該当するかどうかを判断して、該当すると判断した場合には、それを拒むことができませんが……(階委員「必要性の判断権があるということね」と呼ぶ)それは……(階委員「さっきと答弁が違っているよ、食い違っているよ」と呼ぶ)いやいや、私……

#40
○義家委員長 続けてください。

#41
○川原政府参考人 先ほど申し上げましたが、一次的、まず検察審査会が必要と考えて求め、検察官はその必要性について判断して検察審査会に意見を申し上げるということで、最終的に必要な部分については出さなければいけないということになりますが、何が必要かというのは、あとは具体的事件の中で決まっていくものでございまして、繰り返しますが、階委員は、今回の検察審査会の手続で必要なものを出さなかったんじゃないかというようにおっしゃっているように聞こえますが、繰り返し私どもでお答えできますのが、必要な資料は出さなけりゃならない、ただ、その必要性は具体的事件の中で決まっていくものであるということでございます。

#42
○階委員 刑事局長、さっきと答弁が食い違っていますよ。さっき、必要性の判断は検察審査会がすると明確におっしゃったじゃないですか。今の話だと、検察が必要性の判断に介入できるようなことですよ。全然違いますよ。
 これはちょっと、今の答弁は問題だと思いますよ。さっきの、虚偽答弁じゃないですか。(発言する者あり)誤認か。まあ、ちょっとこれは問題です。
 これは後で取扱いを、委員長、理事会で協議させてください。

#43
○義家委員長 後刻、理事会で協議いたします。

#44
○階委員 こういうやり取りで時間をどんどん浪費されるので、私たちも国会としての行政監視機能が果たせないわけですよ。この問題に限ったことじゃないんですけれどもね。
 それで、法務大臣に伺いたいと思います。
 この議決の要旨、通し番号でいうと三ページ目ですけれども、結局、不受理になった理由は形式的なものだというのは、四ページ目にその通知がつけられておりますので、後で御覧になってください。
 そういった今までのようなことを考慮して、この三ページ目の上から三行目のところで、検察審査会は何と言っているか。「返戻理由が形式的であるにもかかわらず、審査申立人が告発状を提出してから、東京地方検察庁が告発状を返戻するまで相当期間経過していること、告発状の返戻から約二週間後には、東京地方検察庁検察官が不起訴処分としたこと、不起訴処分記録が提出されていないことなど、一連の東京地方検察庁の対応には、疑問を抱かざるを得ない。」ということです。
 先ほど三十五条の議論をしましたけれども、現に検察審査会は、提出されなかったのは疑問だというふうに言っているわけですよ。告発状の不受理も、形式的なのに、半年以上かかって返事が返っているということですよ。しかも、この不受理の通知から二週間後には検察が不起訴処分にしていますが、不起訴処分にしたことによって、普通であれば告発人は審査会に申立てができるんだけれども、さっき言ったように不受理になっているので、申立てもできないということなんですね。
 というようなことで、結局、皆さんの扱いというのは、検察審査会を骨抜きにしようとしているとしか思えないんですよ。こんなことが一般的に行われるとすれば、民主的に検察を監視するという検察審査会の機能が果たされなくなってしまうんですね。この点について、大臣、正していただけませんか。よろしくお願いします。

#45
○上川国務大臣 検察審査会の役割につきまして、今委員からのお尋ねでございますが、検察審査会法、この条文にのっとりまして適正に運用していくということは大事であるというふうに考えております。

#46
○階委員 具体的にどうやっていくかということが大臣から示されないので、私から二つ提言します。
 まず第一に、検察当局に対しては、告発の受理を不当に拒んだり、あるいは受理を引き延ばしたりしないよう指示していただきたい。
 それから、今日は配付しておりませんけれども、同時になされた職権に基づく方の議決、これは起訴相当となっていますけれども、この起訴相当の議決の最後のところに、被疑事実の中には既に時効が完成したものもあり、順次公訴時効期間が満了するため、速やかに公訴提起すべきであるというふうに書かれています。このことを検察に徹底してほしい。
 以上二点について、具体策を提言しました。大臣、いかがでしょうか。

#47
○上川国務大臣 法律は運用が極めて大事であるというふうに思っております。検察審査会法、しっかりとこの条文にのっとって対応していくという、適正な対応ということが必要であろうかというふうに思っております。
 委員から今二つの御提言がございましたけれども、あくまで、適正な運用というところについては、検察の方がしっかりと判断すべきことというふうに考えます。

#48
○階委員 大臣、検察庁法で、大臣には一般的指揮権がありますよ。検察審査会法を所管しているのも法務省です。検察審査会法を所管している立場として、その趣旨を没却しかねないような今のやり方についてはきちんと正していく、それが法務大臣の責任ですよ。今言った二つのことを徹底してください、お願いします。

#49
○上川国務大臣 この検察審査会法そのものの適正な運用については、これは絶えず適正な運用になるように図っていかなければいけないことだというふうに思います。
 ただいま委員から二つの御提案がございました。その意見につきましては、参考にさせていただきたいと存じます。

#50
○階委員 それでは、もう一つの河井事件の方、時間が大分押してきましたので、急ぎたいと思います。
 まず、刑事局長に事実関係を確認しますけれども、河井案里氏が有罪判決、確定していますけれども、買収資金を受け取った被買収者については、まだ処分が未了になっていると思います。この被買収者についても、ある人から告発状が提出されて受理されたということを告発された人が公表していますけれども、これは真実かどうかお答えください。

#51
○川原政府参考人 お答えを申し上げます。
 お尋ねは、具体的事件につきまして捜査機関である検察官が告発状を受理したか否かということでございますので、捜査機関の活動内容に関する事柄であり、大変申し訳ございませんが、お答えは差し控えたいと存じます。

#52
○階委員 そういうときに個別事件という言葉は使うものなんですよ。
 それと、もう一つ。告発状は、これも昨年八月に提出されたものです。告発人が再三にわたり受理を要請したにもかかわらず、回答がなかったそうなんです。ただ、案里氏の有罪判決と克行氏の公判、まだ続いていますけれども、証人尋問が終了したということで、最近になって、実は昨年中に受理し、今捜査中ですという回答があったそうです。
 受理した旨を最近まで告発人に伝えなかった理由は何かということをお尋ねしようと思ったんですが、どうせ答えは見えていますので、しません。皆さんのやり口はもう全部分かっています。
 そこで、選挙買収事件で、買収者側だけを起訴し、被買収者側の刑事処分を行わなかった事例についてお聞きします。過去にそのような事例はあるんでしょうか。

#53
○川原政府参考人 お答えを申し上げます。
 御指摘のような観点から網羅的、統計的に事案を把握しておりませんので、お答えすることは難しいということを御理解賜りたいと存じます。

#54
○階委員 以前に別なところで聞いたところ、国会議員が買収罪で起訴された事例において被買収者がどのように処分されたかということについて、被買収者について、懲役一年六月、五年間執行猶予、追徴金二百万円の判決が五人についてなされた例であるとか、あるいは、被買収者七名について、懲役一年、五年間執行猶予、あるいは懲役一年六月、五年間執行猶予の判決があった事例はあるそうなんです。この人たちとの平等性を図る意味でも、いつまでも処分保留というわけにはいかないと思うんですね。
 更に言うと、一般論として、買収者側の有罪判決が確定して、被買収の事実が告発され、検察が受理しているにもかかわらず、被買収者側の刑事処分が未了という事態が起きているということは、極めて問題だと思っています。
 五ページ目、御覧になってください。これは、公職選挙法の条文を掲げさせております。
 まず右からいきますけれども、二百二十一条で、被買収者には、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金。加えて、二百五十二条、こういう場合は公民権停止となりまして、原則五年間、選挙権と被選挙権を失います。その場合、百三十七条の三で選挙運動も禁止されます。そして、これに違反すると、二百三十九条により、一年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金です。また、被買収者が現職の地方議員の場合は、別途、地方自治法百二十七条により失職します。
 このような厳しい処分、制裁を行うことで、民主主義の根幹である選挙が公明正大に行われるようにしているわけです。にもかかわらず、選挙買収で今後公民権停止となる可能性がある人物の刑事処分を先送りにすることで、その人物が、従前の議員等の地位を保持したまま、やり直し選挙を含めて、選挙運動に関わることを容認することになります。選挙犯罪人の公民権を停止し、選挙運動も禁止するという、先ほど言った公職選挙法の趣旨との関係で非常に問題だと思いますが、最後に、大臣、この点について見解をお尋ねします。

#55
○上川国務大臣 お尋ねの公民権停止や公職選挙法の趣旨に関わることの御質問でございますが、法務省の所管ではございませんのでお答えしかねるところでございますが、あえて一般論として申し上げるところでございますけれども、公職選挙法の百三十七条の三は、選挙権及び被選挙権を有しない者は、選挙運動をすることができないと規定をしているところでございます。
 御指摘で念頭に置かれている案件の処理についてお尋ねということでございまして、捜査機関の活動内容に関わる事柄であるため、お答えすることにつきましては差し控えさせていただきたいというふうに存じます。

#56
○階委員 これは、単に法律の運用というだけじゃなくて、法の下の平等とか公明正大な選挙の確保という憲法上の問題でもあるんですよ。
 法務大臣として速やかに刑事処分を行うように検察当局を指揮すべきだと、それぐらい重要な案件だと思いますよ。そういう問題意識はあるんでしょうか。この点だけお尋ねします。

#57
○義家委員長 申合せの時間が既に来ておりますので、大臣、簡潔に一言お願いいたします。

#58
○上川国務大臣 ただいま委員の方から、個別案件ということで、指揮権に関わるお言葉がございました。
 それ自体が検察の活動に重大な影響を与えかねないものであるということで、お答えにつきましては差し控えさせていただきたいと存じます。

#59
○階委員 質問時間が来ましたので終わりますが、ちょっと今のやり取り、非常に私にとっては遺憾なものでございました。
 刑事局長、個別事件ということで一般論を聞いているのにごまかさないでください、時間の無駄ですということを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#60
○義家委員長 次に、中谷一馬君。

#61
○中谷(一)委員 立憲民主党の中谷一馬でございます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。
 私からは、犯罪加害者家族、特に子供についてということを伺ってまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
 私は、一隅を照らすという言葉を好んで使います。皆が気づいていないけれども本当は直視をしなければならない事象に光を当てて、改善に向けてできる限りの努力をすることは、私たち政治家や行政に関わる者には特に求められている事象じゃないかなと思っています。
 そうした中で、本日は、日本の中で置き去りとなってしまっている犯罪加害者家族、特に子供たちに関して、政府の皆様と様々な視点から問題点を共有したいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 まず、そもそも論として、凶悪な犯罪による被害はいつ誰の身に及ぶか誰にも分かりません。犯罪被害に遭うことは大変つらく悲しいことでありますので、犯罪被害者がいつでもどこでも支援が受けられる体制を構築することが必要不可欠です。
 我が国においては、二〇〇五年に犯罪被害者等基本法が施行されて以降、犯罪被害者及び犯罪被害者家族への権利利益を保護するための支援施策が全国的に進んでいます。
 また、加害者についても、明治時代からあった監獄法が二〇〇六年に刑事被収容者処遇法に変わり、罰として刑に服す場所だった収容施設に再教育としての場が役割として課せられました。
 その一方で、残念ながら、犯罪加害者家族に関しては、包括するような法律はいまだにありません。政府と議論を行う際にも、法律がないため、コミュニケーションの中で犯罪加害者家族という主語すら成り立たず、政府においては残念ながら存在しない出来事であるかのように扱われているように感じます。
 なぜそう感じているのかといいますと、私が昨年の令和二年六月十二日に犯罪加害者家族(特に子どもたち)に関する質問主意書というものを提出をさせていただいております。
 その中で、政府は、犯罪加害者家族が置かれている現状をどのように捉え、どのような研究、検討、議論を行っているんですかとか、犯罪加害者家族への支援と再犯防止の関連性についての見解はどうですか、諸外国の犯罪加害者家族、特に子供たちに対する支援に関する政府の見解を教えてくださいなど、合計五問、伺いました。
 五問伺ったところ、全ての答弁に対して、趣旨が明らかではないため、若しくは意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるという答弁をいただきました。私は正直、これを見たときに唖然としました。要するに、国語としての意味が通じていないのか、それとも、そもそも法律がないから、そんなものは想定していないから分かりませんとおっしゃっているのか、私にはどういう意図でこの答弁をいただいたのかよく分からなかったので、本日は、関係すると想定をされる省庁の政府参考人の皆様方にもお越しをいただき、様々な観点からお話をさせていただきたいと思います。
 諸外国の法体系を見ると、犯罪加害者家族に関する取扱いは、本来的には、犯罪被害者等基本法のように、省庁横断的に、国、地方公共団体が講ずべき基本施策が求められる事案が散見されます。
 こうした状況であるにもかかわらず、この問題はうちの所管ではないので知りませんと、その回答を回避をしても、この問題が解決をするわけではありませんし、むしろ、日本の犯罪加害者家族の問題は、世界中で、今日この場にいる方が、まさに皆様方が一緒に動かなければ、根本的な問題解決はなされないと考えています。
 その中で、私は、犯罪加害者家族、これを支えることは、再犯防止にも寄与をし、被害を受ける方を減らすことにもつながり、結果として社会秩序を好循環させると考えますので、本日はこの法務委員会において、これらの前提を踏まえながら、るる質問をさせていただきたいと思います。
 まず冒頭、本日御出席をいただいている大臣、副大臣、政務官、三役の皆様方にそれぞれ伺わせていただきたいと思いますが、犯罪加害者家族については、日本においても社会問題として取り上げられている作品が多く散見されており、例えばNHKのクローズアップ現代「犯罪“加害者”家族たちの告白」、鈴木伸元氏著作「加害者家族」、阿部恭子氏著作「加害者家族の子どもたちの現状と支援」、モントリオール世界映画祭最優秀脚本賞受賞映画「誰も守ってくれない」、東野圭吾氏著作「手紙」など、ノンフィクション、フィクションを問わずに、犯罪加害者家族が取り上げられた、社会問題を提起するような作品が散見をされますが、皆様方はこうした犯罪加害者に係る作品を見たり書籍を読まれたことはありますか。見たことがもしあれば、何の作品を見てどのような感想を持っているのか、エピソードを伺いたいのと、また、見たこと、読んだことがなければ、今までなぜその分野に興味、関心を持たなかったと自己分析をされているのか、政務官から順に、副大臣、大臣と、それぞれの所感を伺いたく存じます。

#62
○小野田大臣政務官 お答えいたします。
 犯罪加害者家族を題材とした作品をこれまで読んだり見たりしたことはありません。
 ただ、犯罪の被害に遭われた方の家族だけではなくて、犯罪加害者の家族、特に子供が困難な状況に置かれているということは承知しておりまして、以前から、重い課題であるという問題意識を持って取り組んでいたところです。

#63
○田所副大臣 お答えします。
 近年、犯罪加害者家族についての様々な書籍、例示もされましたが、そういう動きがあることは存じております。そういう中で、「犯罪“加害者”家族たちの告白」というテレビがありまして、それは流しで見たのでありますが、その内容を文字起こししたものも読みまして、理解を深めたところであります。
 そういう中にあって、犯罪の被害に遭われた方の家族というのは大変注目されておりましたが、それだけでなくて、犯罪加害者の家族の中にも非常に困難な状況に置かれている人が大変多いということを強く感じた次第でございます。

#64
○上川国務大臣 私は、犯罪被害者の方々の声、それまでまさに全く社会の中で存在すら、声すら上げられなかった方々がいらっしゃいまして、そしてその声を法律にするという、二〇〇五年の犯罪被害者等基本法の策定に関わらせていただきました。
 日本の中ではそうした方々すら光が当たっていなかったということについては、驚きながらも、これに対して対応していく必要があるというふうに強く感じて動いてきた者の一人でございます。
 そうした被害者の方々あるいは御遺族の方々の様々な権利や利益をどのように守っていくのか、いろいろな対応がありますが、そういったものを考えるに当たりまして、例えば一つ、二次被害という形で、遺族の方々も、ちいちゃなお子ちゃんを亡くされて、病院から、本当に、遺骨を抱えて、正面玄関からも入れない、そして裏口から入る、マスコミがスクラムを組んで動いてきたということで、そうした場面がございまして、二次被害、三次被害の大きさというものを強く感じたところであります。それも基本法の中に入れさせていただきました。
 その際、加害者の御家族、特に小さなお子さんに対して、プライバシーの問題も含めて、さらされる危険性が非常に高くなるということがございまして、同じような問題も抱えているということに絶えず胸を痛めてきた者の一人でございます。
 それこそ、少年院とかに伺いましても、加害者の再犯を防止するために、特に小さなお子さんの場合には、家族との再統合という問題がございます。再統合のときには、社会に出たらすぐに統合できるわけではなく、刑を受けている間あるいは少年院にいる間に、いろいろな形で教育的な部分あるいは家族の再統合に関わるアクションをしていかなければいけないということでありまして、そういう中で、親御さんと子供さんの関係という形の中で、再犯防止にはそうした声も非常に大きな力があるものでありますので、当然のことでありますが家族ですので、そこに再犯防止の大きな鍵があるということについては強く認識しているものでございます。

#65
○中谷(一)委員 三役の皆様方、誠実に御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 こうした、やはり犯罪加害者家族に関する問題というのは、世の中的に非常に大きな問題を抱えているんですが、なかなかクローズアップをされていない現状があります。
 なので、今日は、実は政府参考人の皆様方にもお越しをいただいていて、それぞれ関係をするであろうと思う皆様にお越しをいただいているんですが、先ほどと同じ質問をさせていただきます。
 難波審議官、堀審議官、竹内審議官、川原局長、蝦名審議官、赤澤部長にそれぞれ伺いますが、皆様方は、犯罪加害者家族が描かれている作品を見たり書籍を読まれたことはありますか。見たことがもしあれば、何の本を見て、どのような感想をお持ちなのか、また、もし見たことがなければ、なぜその分野に今まで興味、関心を持たなかったと自己分析をされているのかを教えてください。

#66
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 委員、先ほど同じ質問を政務三役にされまして、政務三役それぞれお答えになりましたが、私は政府参考人として、私の立場で所掌している事務の説明に参っているものでございまして、それの範囲内ではお答えを申し上げたいと存じますが、そういう意味で、私として、職務上必要な知識は一般的に得るように努めているところでございます。
 ただ、それ以上、本を読んだか、映画を見たか、あるいはそれについてどうだということになりますと、もうその範囲を超えて個人的な事柄になると思いますので、政府参考人としての立場上、これ以上のお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。

#67
○中谷(一)委員 今の発言、ちょっと私は看過できないんですけれども。
 少年院法にも更生保護法にも、様々な法律に対して、刑事局長が持たれている所管のものに関しては、法務委員会の少なくとも所管のものに関しては、この犯罪加害者家族の支援というものは、私は大きく関わってくると思うんですけれども、そういう認識ではありませんか。

#68
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 犯罪被害者家族の支援が法務省刑事局の所掌に関わるところがないのかという御質問でございましたら、関わる部分はございますし、局長として、先ほど御答弁申し上げましたように、職務に関わる知識は日常的、一般的に得るように努めているところでございますということは申し上げました。
 ただ、それ以上に、本を、あるいは映画をということで、個人としての感想はいかがかとか自己分析はどうだということになりますと、そこまでのお答えは差し控えさせていただきたいと存じますという趣旨でございます。

#69
○中谷(一)委員 その意識だから、多分変わらないんだと思うんですね。
 要するに、刑事訴訟法にも更生保護法にも少年鑑別所法にも少年院法にも、あらゆるものに対して、この加害者家族って関わるんですね。しかも、多分、局長が意識を持っていただかなかったら、この問題って絶対動かないと思っているんです。要するに、世界中で変えられるのは皆さんだけだと言っても過言ではないような状態でございます。
 ちなみに、参考までに、堀審議官にも私は同じ質問をさせていただきたいんですけれども、堀審議官は作品を読まれたこととかありますか。

#70
○堀政府参考人 お答えいたします。
 特段、読んだりしたことはございません。

#71
○中谷(一)委員 ありがとうございます。
 ちなみに、他の審議官、部長の皆さんにも同じ質問をさせていただいてもいいですか。

#72
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 本来であれば、お答えを差し控えるべきところかもしれませんが、あえてのお尋ねでございますので。
 私は、先ほど委員御言及になりました「加害者家族」という新書版の書籍を読んだことがございます。この書籍は、幾つかの事件について、加害者の御家族が置かれた状況を述べられたものというふうに読みましたが、感想といたしましては、犯罪の被害に遭われた方の御家族だけではなくて、犯罪加害者の御家族にも様々な困難を抱えていらっしゃる方がいるという感想を持ったところでございます。

#73
○難波政府参考人 お答えします。
 先ほど委員が列挙された作品を見たり読んだりした経験まではございませんけれども、以前、テレビのニュース番組の特集コーナーであったかと思いますけれども、犯罪加害者の家族の問題について取り上げたものを見た記憶はございます。
 その際、犯罪加害者家族を支援するということについては、人権保護あるいは再犯防止の観点からも重要な取組であるというふうに当時認識した記憶がございます。

#74
○川原政府参考人 済みません、私、ちょっと、先ほど委員に御答弁する中で、犯罪加害者と申し上げるところを被害者と申し上げたところがあったようでございますが、全て加害者というふうに訂正させていただきます。(発言する者あり)

#75
○義家委員長 御静粛にお願いします。

#76
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 犯罪加害者を題材にした作品につきましては、お示しをいただいたもののうち、東野圭吾氏の「手紙」の映画を鑑賞したことがございます。この作品におきましては、殺人犯の弟というレッテルによって様々な偏見や理不尽な対応を受ける主人公の境遇が描かれております。
 犯罪者のみならず、何の落ち度もない加害者家族が社会的に追い詰められていくようなことに対しまして、どのような対応や支援が適切なのかなど、重い課題を突きつけられる作品だったと記憶してございます。

#77
○赤澤政府参考人 お答え申し上げます。
 犯罪加害者家族の支援団体に関するネット記事は読んだことがございます。
 それから、昨日、議員から御質問の御通告をいただきましたので、鈴木伸元氏著作の「加害者家族」を読ませていただきました。犯罪加害者の家族であるということから、社会からの誹謗中傷や差別を受けられているケースがあるという、そして苦しんでいらっしゃるケースがあるということが、そういう実態があると認識しております。

#78
○中谷(一)委員 ありがとうございます。
 多くの政府参考人の皆様が作品を御覧になっていただいたことがあるということでございますので、一部の方を除いては、基本的な素地がお互いある状況での議論ができるんじゃないかなということを思っているんですけれども。
 犯罪被害者に対する支援を行うというのは、もちろん一丁目一番地で非常に大事なことであり、だからこそ法体系に定められている現状があります。その一方で、そこをやはり優先することによって、現在、犯罪加害者家族を支援しないことの理由として使われるようなときがたまにありまして、これは、でも、何の合理性もないと思っているんですね。
 やはり、犯罪被害者、被害者家族、加害者、加害者家族、それぞれをしっかりと包括的に支援をすることによって犯罪というものをどうなくしていくか、被害者というものをどう減らしていくかということに対して考えていくということが非常に重要だと思いますし、私が本日、この犯罪加害者家族という、そのカテゴリーの中ですっぽりと抜けてしまっているところに対して一隅を照らしたいというのがまさに質問の趣旨でございます。
 私がこの問題に対して取り組もうと思ったきっかけは、二〇一三年、私、神奈川の県議会議員だったんですけれども、その頃に、ワールドオープンハートという、犯罪加害者家族を支援されている阿部恭子さんという方がいらっしゃいまして、その方に様々な現状を教えていただいたのがきっかけでした。
 その頃、実は議会でも取り上げさせていただいたんですけれども、やはり国が変わらなければこの問題は変わらないなということを痛切に突きつけられまして、その中で、僕も、この質問を初めて地方議会でしてからもう十年近くの月日がたっているんですけれども、政治的には何も進展させられていなかったなという自分自身の反省も踏まえて、本日は皆様とディスカッションをしていきたいなということを思っているんです。
 英語で、加害者家族は、ヒドゥンビクティム、フォーガットンビクティムと表現をされることがあります。日本語に訳しますと、隠された被害者、忘れられた被害者という意味になりますが、欧米では、自らが罪を犯したわけではないのにもかかわらず批判や差別にさらされる犯罪加害者家族に対して、被害者という視点を持っていることから、こうした表現がされています。
 特に、親が犯罪を犯した子供たちは、事件に全く関与をしていないにもかかわらず、家族の犯罪加害により偏見や差別を受けた子供は、自らに犯罪者の子供というレッテルを貼ることにより、立ち直りが阻害をされている現状がありますので、本来的には適切なケアが必要です。
 そして、このような自ら選択できない属性によって差別、排除にさらされる加害者家族の子供たちを適切に保護することができなければ、子供たちは健全に成長することができず、世代間連鎖のような負のスパイラルを結果として社会に生み出すことになると思いますので、これらの課題感を基に更に議論を行っていきたいと思います。
 三役の皆さんの中で、上川法務大臣と田所副大臣が一応書籍を御覧になっていただいたことがあるということ、若しくは作品を見たことがある、課題感を持っているという答弁をいただきました。その中で、今まで、政治家として、若しくは法務省の重役としてでも結構です、犯罪加害者家族に対する議論や研究を行われたことがありますか。もしエピソードなどがあれば教えてください。

#79
○上川国務大臣 今、犯罪を減少させるためにということで、再犯防止の取組を行っております。
 これまで、再犯防止の取組の中で非常に強く打ち出していることは、立ち直り、また社会の中で出たときに立ち直るということについて、社会との統合というんですか、インクルージョンということについて強く打ち出させていただきまして、そして、社会の中でも孤立させないような形で見守っていく、そしてサポートをしていく、こういう流れについて、つまり、刑を受刑しているときのみならず、出てからも引き続き、切れ目のない状況で、再犯にならないようにしていく、こういう考え方が非常に強く打ち出されております。
 そのところでの役割として、御家族の役割というのは非常に大きいものでありますし、また、誰一人取り残さないというこうした大きな流れの中で、いろいろな方々が誹謗中傷の中でさらされているということについては、これは、特に、加害者家族の皆さん、特に子供たちということについては、先のことを考えますと、非常に重要であるというふうに考えております。
 少なくとも、誰一人取り残さないという中にあって、先ほど先生がおっしゃったように、光を照らしていくということについては極めて重要であるというふうに考えます。

#80
○田所副大臣 委員より、犯罪加害者の家族は同時に被害者ではないかというような意向も聞いて、よく感じるところではございます。
 そういう中にあって、これからその犯罪加害者の家族をどう支援していくのかというようなことについては、何らか漠然と考えることはございますが、特段にそれを取り上げて議論をしたということはありません。そういうことでございます。

#81
○中谷(一)委員 田所副大臣、御自身のスローガンの中で、確かな実現力ということを掲げられていらっしゃるかと思うんですが、是非その実現力を法務省の場で発揮をしていただけたら非常にうれしいなと思いました。
 その中でなんですけれども、ワールドオープンハートさんがワークショップを行っているんです。そのワークショップの問いを皆様に投げかけさせていただきますので、内容を聞いていただいて、それぞれの御感想を、政務官、副大臣にまず伺いたいと思いますので、お述べをいただければと思うんです。
 太郎さんには専業主婦の妻と三歳になる息子がいます。しかしながら、太郎さんは花子さんという女性と不倫をしています。あるとき、妻と別れようとしない太郎さんに腹を立てた花子さんが、妻と離婚をしなければ二人の関係を家庭や職場にばらすぞと迫り立てました。そして口論の末に太郎さんが花子さんを殺害するに至ったという事例があったときに、この事件において太郎さんの妻と息子が加害者であるか、被害者であるか、お二方はどのように考えられますか。

#82
○田所副大臣 そのお尋ねに言います加害者、被害者という概念でありますけれども、これにつきましては、様々なケースの中で生まれることでありまして、さらに、その文言を考えるに非常に多義的でございますので、私がここで法務副大臣としてそれについて明確なことをお答えすることはできないということでございます。

#83
○中谷(一)委員 それは、このケースは妻と子供が加害者である可能性を否定できないということですか。

#84
○田所副大臣 それにつきましても、非常に多義的に、またケースも詳細にわたるだろうと思いますから、この文理といいますか、言葉だけをもって、私でここで判断できるというものではないというふうに思います。

#85
○中谷(一)委員 まさにこれが弊害の問題なんですね。要するに、犯罪加害者家族の法律的な定義がないことでディスカッションすらできないんですよ、皆さんと。
 でも、しゃくし定規に答えていただいても、要するに、この問題は絶対解決しないんですね。なので、やはり、包括する所管がないからこそ、一番関係性のある私たちが、本来はこのディスカッション、僕はしていかなきゃいけないということを思っているんです。
 その中で、僕、小野田政務官のホームページを見て、見て見ぬふりのあしき習慣やごまかしに真っ正面から立ち向かう、正義の味方になってこの世の理不尽をなくしたい、僕、めっちゃ共感するんですね。なので、是非、小野田政務官にも見解を伺いたいんですが、この方々、子供と妻は、僕は少なくとも加害者ではないと思うんですけれども、被害者じゃないかなと思うんですけれども、どうですかね。

#86
○小野田大臣政務官 済みません。ここに法務省の政務官として立っておりますので、やはり副大臣と同様の答弁になってしまうんですけれども、ただ、私個人としては、先ほども問題に取り組んできたと申し上げましたとおり、先生と課題の認識は共有していると思いますし、また、差別や偏見とかだけではなくて、犯罪加害者家族だということを人に知られていない、でも、子供の心の中には、自分は犯罪者の子供であるんだという傷、そういった様々な問題があるというのを十分承知しておりますので、今後いろいろ勉強させていただきたいと思っております。

#87
○中谷(一)委員 是非取り組んでください。
 犯罪が起こると、なぜ犯罪を起こす要因をつくったのかと、加害者家族を非難する論調が巻き起こることがあるんですけれども、犯罪加害者家族って、いつ誰がなるか分からないんですね。例えば、家族が車で交通事故を起こして、悪意のない犯罪加害者になることって誰にでもあると思うんです。
 ワールドオープンハートが取り上げていた事例でも、父親が交通事故で死亡事故を起こした際に、父親が刑務所に入ったんですけれども、残された女子中学生の子供が学校で人殺しの子供といじめられ、リストカット、自殺未遂を繰り返したんですね。しかしながら、僕は、この子には何の罪も責任もないと思いますし、むしろ、家族が起こした犯罪に巻き込まれた、判断能力も持っていない子供は、むしろ被害者じゃないかなと思っています。
 そこで大臣にも同様の問いを伺いますが、こうした事例における犯罪加害者家族の子供は加害者であると考えていますか、被害者であると考えていますか、御所見を伺います。

#88
○上川国務大臣 今委員が様々な視点で御指摘がなされたこと、そのことについて二つの枠組みで分類をするというようなところでの、定義に関わることでありますので、軽々にそのことについて申し上げることができないところであります。そこは御理解をいただきたいと思います。
 私が触れさせていただきました御家族の方々、加害者の御家族の方々とか、あるいはお子さんの置かれている状況、こうしたことを見ますと、加害者が被害者であったり、被害者が加害者であったりというケースは実はございます。小さなときに様々な暴力を受けて、そして御自分もというケースもありまして、そういったところをよくほぐしながら対応していくということが極めて大事だなというふうに思っております。
 大事なことは、その方が、様々な傷を負いながら、それをしょって健やかな成長をしていただくということが可能かどうかということについて、問題を意識し、そして対応していかなければいけないというふうに思いますので、いろいろなケースがあろうかと思います、私の知り得る限りの話は限られているということでありますので、幅広く、先生のような問題意識で様々なお声をお出しいただくということは極めて大事だというふうに思っております。
 本当に、再犯防止ということは社会全体として関わらなければいけないことであるということでありますので、加害者だからということではない、この再統合ということについては力を入れてきた分野でもございますし、また、そういう中で、家族の方々についても、加害者であっても被害者であっても対応していくという姿勢、これは非常に重要であるというふうに認識しておりますので、今後とも、そうした問題意識をしっかりと持っていきたいと思います。

#89
○中谷(一)委員 おっしゃっていただいたとおり、再犯の防止は社会全体の利益になると思います。なので、よく問題をほぐしていただいて、この問題を解決できるのは、まさにここにいる方々しかいらっしゃいませんから、お力添えをいただきたいと思います。
 その中で、今日は、熊本大学法学部の岡田行雄教授や山形県弁護士会の遠藤凉一弁護士などの資料を配付をさせていただいております。
 この中の調査では、相談者の九割の方が自殺を考えたことがあると回答をしておりまして、様々な、厳しい生活のケースに追い込まれています。皆さんはこの実態を把握をされていらっしゃいますでしょうか。

#90
○上川国務大臣 法務省として実態調査をしたという事実はございませんでした。

#91
○中谷(一)委員 時間が来たので終了いたしますが、積み残しもたくさんありますので、またこの課題を法務委員会で取り上げたいと思います。
 実態調査であったり、包括的な制度支援が私は必要だと思っておりますので、引き続き皆さんと議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

#92
○義家委員長 次に、稲富修二君。

#93
○稲富委員 立憲民主党の稲富でございます。今日はよろしくお願いいたします。
 ちょっと、通告はしていなかったんですけれども、冒頭、京都コングレスについて、三月七日から十二日に開催をされ、大臣も相当の、誘致から始まって、思い入れのある国際会議、日本にとっても非常に大事な会議であったと思いますので、簡単にで結構ですが、成果について是非御開陳いただければと思います。

#94
○上川国務大臣 第十四回国連犯罪防止刑事司法会議、いわゆる京都コングレスでございますが、三月七日から十二日までの六日間におきまして、国立京都国際会館において開催をされました。国連の発表でございますが、過去最多、百五十二か国の加盟国が、オンライン参加も含めまして五千六百人、参加登録をされて、極めて活発に議論が展開されたと思います。
 五十年余ぶりの日本での第二回目の開催ということもございまして、大変、各国からも、またUNODC、国連の主催者でありますが、ホスト国である日本に対しまして、この六年間にわたりまして期待を大きく寄せていただきまして、そういうやり取りの中で、また加盟国とのやり取りの中で、様々な成果文書をこの六日間の中で集約をする形でまとめ上げることができました。
 その一つとしてでございますが、京都宣言の採択でございます。これは成果文書でございまして、まさに、法の支配が、持続可能な開発、また誰一人取り残さない社会の実現の礎となるということが明確に確認をされたところでございます。そして、SDGsにつきましては、二〇三〇年が到達目標の一つのメルクマールということでありますので、それに向かいまして、国連と加盟国、あるいはマルチステークホルダーという形で市民社会や国際機関、いろいろな方々が、犯罪防止のためにしっかりと取り組んでいくということについて明確なメッセージを共有することができたところでございます。
 これから、この宣言に基づきまして実際に運用するということでございますので、まさにそのプロセスの中のスタートを切ったというふうに認識をしているところでございます。
 日本としては、司法外交の展開をするということで、このための準備を六年にわたりまして進めてきたところでございますので、外務省とよく連携をしながらリーダーシップをしっかりと発揮してまいりたいというふうに思います。
 加えて、今回、コロナ禍におきまして一年延期の上での開催ということになりました。これは、開催できるかどうか非常に厳しい時期もございましたけれども、少なくとも、オンラインとそしてリアルで、ハイブリッド型で進めていこう、そして、絶えずコロナの感染状況も見定めながら、その枠組みにつきましてもぎりぎりと調整を最後の最後まで、また、当日も、期間中も、その後も含めてやってきたところでございます。
 そして今回、国連にとっても国際会議としては初めて、そして、日本としてもこうした大規模な国際会議はコロナ禍におきましては初めてということでありますので、モデルのプログラムとして、その意味でも高い評価をいただくことができました。しっかりとその教訓、レッスンをドキュメントに落とし込んで、そしてそれをこれからの時代の、ポストコロナの時代、あるいはウィズコロナの時代の中での参考モデルとしていただくことができるように、最大限この情報の共有を図ってまいりたいというふうに考えております。

#95
○稲富委員 ありがとうございます。
 コロナ対策に相当腐心をされながらの御開催ということで、本当に事務方の皆様の御労苦に感謝申し上げます。本当に成果も出てよかったと思います。ありがとうございます。
 本日は、私は検察官の勤務延長について伺いたいと思います。
 昨年来、この問題、ずっとこう、何といいますか、大きな課題を抱えながら今日に至っておると私は認識しています。
 まず、そこで、最初に黒川氏の略式起訴について伺います。
 黒川元東京高検検事長について、新聞記者らと賭けマージャンをした問題で、二〇二〇年七月に起訴猶予となっておりましたが、東京地検が賭博罪で略式起訴する方針を固めたと報道されております。資料1です。
 二〇二〇年七月の起訴猶予処分に対して、東京第六検察審査会が昨年十二月八日に起訴相当と議決し、地検が再捜査をしていたということでございますが、この再捜査の結果、どのような新たな事実なり判断が生じて略式起訴することになったのか、また、そのことに対する大臣の所感をお伺いします。

#96
○上川国務大臣 委員ただいま御指摘に関する報道については承知をしているところでございます。
 御指摘の事件につきましては、検察審査会の議決を受けまして、検察当局におきまして捜査中であるというふうに承知をしております。
 お尋ねにつきましては、個別事件に関する捜査の具体的内容に関わる事柄であるということでございまして、お答えにつきましては差し控えさせていただきたいと存じます。

#97
○稲富委員 この起訴あるいは不起訴に関して、我が会派でも何度もこう、河井問題もそうですけれども、実は議論をさせていただきましたが、個別案件については答えられないということでいつも当局から御説明をいただいております。
 その中で、これは当局からいただいた、役所からいただいた資料ですけれども、平成二十二年の質問主意書に対する答弁ということで、検察当局における公表の判断についてというものがございまして、ちょっと要約すれば、検察当局においては、刑事訴訟法第四十七条の趣旨を踏まえて、公表するか否か、公表するとしてもどの程度の情報を公表するかを判断しているということが書いてあるわけです。
 それで、大臣、大臣の御著書も拝見しまして、やはり、法務省という役所が、内と外、そこの垣根を払っていかなきゃいけない、国民の生活とともにあるということが必要であるということで、かなり広報にも力を入れているということを書かれております。私もそれはもう全く同意するものでありまして、1を見ていただくと、これ、要するに署名記事なんですよね。だって、これ、誰かに言っていないとこんな記事にならないわけです。しかもこれは、この新聞だけじゃないんですよ、全紙、これは書いてある。だけれども、国会でこれを私が質問すると、個別事案だから答えられないという答えになってくるわけです。
 これ、情報開示の在り方が一体どうなっているのかということをやはり思わざるを得ないんですよね。常識的に考えて、国会で私が答弁を求めたら答えられない、しかし、各紙全部に載っている、署名記事まであるというこの情報開示の在り方については、これはちょっと大臣、見直さなきゃいけないんじゃないかと思いますが、見解を伺います。

#98
○上川国務大臣 もとより検察の活動については、国民の皆さんに正しく理解していただくことは重要であるというふうに認識をしております。
 一般論としてということでございますが、仮に捜査機関の活動内容等を公表した場合につきましては、他人の名誉、プライバシーの保護の観点から問題があるのみならず、罪証隠滅活動を招いたり、裁判所に予断を与えたり、また、関係者の協力を得ることが困難になるなど、今後の捜査、公判に重大な支障が生じるおそれもあるというのも事実であるというふうに認識しております。
 今御指摘の、対外的な事件広報の在り方に係る御質問だと思いますが、検察当局におきまして、個別の事案ごとに、刑事訴訟法の四十七条の趣旨というのも踏まえまして、先ほど申し上げました関係者の名誉、プライバシーへの影響、将来のものも含めた捜査、公判への影響の有無、程度等、それと公益上の必要性、こういったことを総合的に考慮しながら、公表するか否か、また、その内容、程度、そしてその方法、これにつきましては慎重に判断をしながら適切に対処しているものというふうに承知をしております。

#99
○稲富委員 最後、一言申し上げます。
 要するに、それだったらそれで、統一してやるのならまだしも理屈が合うんですよ。ただ、これは、先ほど申し上げましたように、新聞によっては署名記事まで出ている、各紙全部出している、でも国会では答えられないというのが、それがおかしいんじゃないかという趣旨なんですよね。なので、ここはちょっと、どういうふうに、四十七条に則してというのであれば全部則してやっていただきたいし、そうじゃない、分けているところが、なぜ国会には説明できないのかということが問題意識です。
 ちょっと、もう次に移ります。
 次は解釈変更について伺います。
 検察官には勤務延長は適用しないとの解釈、昭和五十六年の政府答弁がございました。しかし、昨年、解釈変更をして黒川氏を勤務延長させました。この件については、累次にわたって、その手続に問題があるのではないか、あるいは黒川氏を勤務延長させるために解釈変更を無理やりしたのではないか、あるいはそもそも検察官の勤務延長を内閣が決定することは検察の独立を脅かす間違った判断ではないか、本当に国民の信頼を取り戻すのであれば勤務延長を決めた閣議決定を撤回すべきじゃないか、そういった趣旨の、我々、御質問あるいは意見を申し述べてまいりました。
 そこで伺います。
 この解釈変更は今も維持をしていて、将来も適用することがあり得るということなのか、お伺いをいたします。

#100
○上川国務大臣 私は当時その任におりませんでしたので、聞いている範囲ということでお答えをさせていただきたいというふうに存じますが、勤務延長の解釈変更につきましては、国家公務員一般の定年の引上げに関する検討の一環として検察官についても検討を進める過程で、検察庁法を所管する法務省において必要な検討を行った上で、関係省庁からも異論はないとの回答を得て解釈を改めたものというふうに聞いております。
 このように、一連の適正なプロセスを経たものでございまして、勤務延長の解釈変更については適法、有効というふうに考えているものでございます。

#101
○稲富委員 つまり、解釈変更は維持をし、もちろん、将来、その変更にのっとって適用し得るということかと思います。
 次に、その勤務延長の必要が生じた理由についても御答弁が当時ございました。
 勤務延長の理由については、こう政府は答弁されております。東京高検、検察庁管内において遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査、公判に対応するために、豊富な知識経験に基づく管内部下職員に対する指揮監督が必要不可欠である、黒川氏でなければ対応できない事件であるということを再三再四おっしゃっておりました。
 具体的に、では何ですか、どういう事案があるんですかということに対しては、個別の内容に言及することは捜査に影響を与えるという理由でお答えをされなかったということでございました。
 一年たって、伺います。
 複雑困難事件に対応するために当時の黒川氏が必要であった、だから勤務延長した。じゃ、この複雑困難事件は一年たって解決をされたのか、どうなっているのか、お答えをお願いいたします。

#102
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねは捜査、公判の進捗状況等についてのものでございまして、それについてお答えいたしますと、個別事件との結びつきを述べることになり、その結果、捜査機関の活動内容やその体制に関わる事柄を明らかにすることになりますので、お答えすることは困難であることを御理解賜りたいと存じます。

#103
○稲富委員 個別事件だから答えられないということにいつもなってしまうんですね。
 それで次に、じゃ、なぜ、どういう要件で勤務延長するのかということをちょっと伺います。
 検察官の勤務延長について国家公務員法が適用され得るということを先ほど確認しました、今後ですね。では、今後、どのような場合に勤務延長するのかということです。その当てはめの要件を是非示していただきたいんですね。
 と申しますのは、検察官の勤務延長はこれまで一度だけ、黒川氏のみです。そのときの理由が、先ほど申し上げた、複雑困難事件の捜査という理由です。ということで、次、もしその当てはめが、同じ理由で、複雑困難事件の捜査であれば勤務延長ができるということ、また同じになるのか。それとも、まさか同じ要件で同じように勤務延長できるというのは、これはおかしいわけで、勤務延長した黒川氏がまさに賭けマージャンをして辞める、要するに、資質に欠けていたということで辞めたということでありますから、次、勤務延長する方については、複雑困難事件の捜査のみならず、その他の要件が加わって当然だと思うんですよね。
 何らかの基準があって初めて勤務延長が認められると思うんですが、その要件、当てはめの基準についてお伺いをしたいと思います。

#104
○川原政府参考人 お答えを申し上げます。
 勤務延長につきましては、委員御指摘のとおり、検察官につきまして国家公務員法の規定を適用したものでございます。国家公務員法第八十一の三に、勤務延長に関しまして、「その退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、」と規定をされておりまして、黒川元検事長の勤務延長の関係の際には、この国家公務員法の条文を前提として、例えば、検察官が退職により交代することで、捜査、公判において重大な障害を生ずる場合などがこの勤務延長の要件に当てはまる場合であるというふうに考えたものでございます。

#105
○稲富委員 そうすると、黒川氏がその要件に該当して、辞めたわけですよね。そうしたら、それを反省して、あるいはそれを糧にして、次はどういう要件なんですかというのが私の質問です。

#106
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 委員のお尋ねは勤務延長の要件ということでございますので、これは、繰り返しになって恐縮でございますが、国家公務員法に定められております、「その退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるとき」、これがその基準になるところでございます。

#107
○稲富委員 大臣、これは勤務延長の、細かい話はもういいんですけれども、やはり大きな、今年、あるいは去年一年間、物すごくこの法務委員会でも時間をかけて、あるいは予算委員会まで相当な時間をかけてこれをやってきて、やはり次に向けて、本当に勤務延長するという政府解釈に立っているわけだから、勤務延長を次するときはどういう要件が必要かというのは、我々としては当然必要なことだと思うんですよね。過去の同じような基準でまた選ぶということであれば、この一年間何をしてきたのかということにもなると思うんです。
 これはもう要望しますけれども、やはりその基準、勤務延長を次に、そのときどうするのかということは是非ちょっと考えていただきたいというふうに思うわけですが、細かいことは結構です、大臣、ちょっとその点いかがでしょうか。

#108
○上川国務大臣 国民の皆さんから信頼をされ、そして法務省としてしっかりと対応していくということについては、絶えず検証しながら取り組む姿勢を持って進んでいくべきというふうに常々私自身も考えております。
 今御指摘の勤務延長の問題につきまして、前回の場合には個別のケースということでございましたので、その限りの中でのお話ということでございますが、人事とか、あるいは組織全体の運営にに係る、ガバナンスの問題も絡めて、また、そういう意味でのコンプライアンスに係るという、いろいろな面から考えていくべき事柄というふうに思っております。

#109
○稲富委員 それでは次に、検察庁法改正案について伺います。
 検察庁法改正案を含む国家公務員法の改正案が、昨年六月十七日、政府提出法案が廃案になりました。これについて、検討状況、提出する予定があるのか、伺います。

#110
○上川国務大臣 さきの国会におきましては、国家公務員法等の一部を改正する法律案を提出したところでございますが、検察庁法の改正部分につきましては様々な御意見がございました。そして、同法律案につきましては廃案になったというふうなものと承知をしております。
 政府として、そうしたことも踏まえながら、法案の提出につきましては改めて検討をしている状況でございます。現時点におきましては提出時期につきまして決まっておりませんので、以上でございます。

#111
○稲富委員 ありがとうございます。
 次に、解釈変更についての文書決裁の在り方について伺います。
 法務・検察行政刷新会議が精力的に開催をされて、提言があって、そして、法務省としても様々な取組も始まっていると伺っております。その二つ目の論点であります、法務行政の透明化についてでございます。
 この資料の二枚目でございますが、私の二枚目でございますが、今後の具体的な取組方針ということで、一月二十六日、刷新会議を受けてこういう取組をするということでございます。
 法務省における行政文書、その中の二番目ですね、法務行政の透明化関係の大きな丸一つ目の、重要な解釈変更を行う場合についてのところなんですけれども、ルールの見直しを速やかに行うということが書いてあります。法案の立案過程であっても、従前の法解釈を変更する場合にはそれ自体について正式な決裁を要することとし、また、行政文書には作成日時を、作成した課室等の名称を記載をすることとされていると理解しています。
 昨年、国会に提出され、廃案となった国公法の改正案をめぐっては、検察庁法の解釈変更について、決裁の在り方が大きく問題になりました。今回のルール改正によってそのような問題は解消されるという理解でいいのか、お伺いいたします。

#112
○上川国務大臣 今回、法務・検察行政刷新会議の報告書で、委員の方々から大変様々な御意見を頂戴をいたしまして、最終的に、その提案というか、御意見がまとめられたところでございます。
 それを踏まえまして、私ども、ガバナンスPTということで立ち上げさせていただいて、この様々な問題につきましても絶えずいろいろな角度から検討し、そして実践していく、こういう趣旨で、今回、二月に、法務省の関係規定の改正をしたところでございます。
 法案の立案過程であっても、従前の法解釈を変更するという場合におきましては、それ自体につきまして正式な決裁を要することとしたところでございます。
 今後は、したがいまして、たとえ法案の検討過程であったとしても、従前の法解釈を変更する場合には、今回の法務省行政文書取扱規則の改正によりまして、解釈変更それ自体について決裁を要することになります。

#113
○稲富委員 今、御説明で、要するに、もし、これからは、去年のようなことがあれば、必ず決裁がされる、要するに、口頭ではなく、文書として決裁がされ得る、そして日付もそこに載るということを確認したものと思います。
 次に、作成、保存についてです。
 この同じくお配りした2の二の次の丸のところで、作成、保存についても幹部を含めた職員の理解を深めるための措置を検討するとされておりますが、検討状況について、あるいはどのような措置を取るのか、お伺いをいたします。

#114
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 法務・検察行政刷新会議の報告書におきましては、今後の法務行政における文書管理、決裁の在り方等につきまして様々な御意見をいただいたところでございます。
 適正かつ確実な公文書管理を実践するためには、ルールを定めるだけではなくて、そのルールに従った運用が適切になされることが肝要であると考えておりまして、そこで、法務省におきましては、委員御指摘のとおり、刷新会議の報告書を受けまして、行政文書の作成、保存等について公文書管理法の趣旨を踏まえた適切な判断がなされるようにするため、幹部を含めた職員の理解を深めるための措置を検討することとしておるところでございます。
 具体的な措置につきましては、現在、本年一月に設置されました法務省ガバナンスPTにおきまして検討を進めているところではありますが、幹部職員を含め、法務省職員が適正かつ確実な公文書管理を実践できるよう、研修の充実等を図っていくことを考えております。

#115
○稲富委員 研修、まあ考えているということで、具体的にはまだちょっと余り明確じゃないなと思いましたので、具体的に是非進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、一筆書きキャラバンについて伺います。
 去年の十一月十三日の委員会質疑において、大臣が、法務・検察には国民の信頼が欠かせない、失墜した信頼を回復するため取り組んでいく、そういった趣旨の決意をおっしゃいました。その中で、現場の声を聞くということで、一筆書きキャラバン、政務の方も一緒になって現場の声を聞くという活動をされていると伺いました。
 伺いたいのは、どういった声があったのか、そして、そういった声を集約をしているのか、また、いろいろな、法務・検察、自分のある意味所属する会社に対して批判の声もあろうかとは思いますが、大臣、どういった声があったのか、是非御紹介をしていただければと思います。

#116
○上川国務大臣 委員御指摘いただきましたとおり、政務三役、大臣、副大臣、政務官三役が全国各地の法務省の官署施設を回りまして、また一部につきましてはウェブ会議で、海外で勤務しております法務省の職員も含めまして、国内外の職員との間で意見交換をする、こうした取組が一筆書きキャラバンということであります。
 十一都道府県、訪問させていただきました。そして、一部ウェブ会議ということでございますが、絶えずそうした意見を率直にいただくということの風土そして意識を、そういう意味で、御自分の現場の中の、思っていらっしゃることを率直に表に出すことができる、そうした風土をつくっていくということも併せて推進したい、こういう思いで今活動しているところであります。
 私は、当初、私が現場に行きますとなかなか言いたいことも言えないのではないかということを少し危惧していたところでありますが、本当に、率直に、様々な、御自分のこと、また家族のこと、子供との関係、あるいはワーク・ライフ・バランス、こういったことも含めまして、率直な意見も言っていただきましたし、また、業務遂行上、こういうところはほかの省と違うんじゃないか、こういうような指摘もございまして、おおむね想像していた以上にいい御意見をいただいております。
 具体的には、手続のオンライン化、テレワークの実施などを含めたコロナ禍におきましての業務遂行、そうしたことの実情や問題点、また、改善策として、こうした方がいいよというような御意見もございましたし、国民の皆さんと直接接触する現場のお立場の中で、今までは、姿勢としては自制していたんだけれども、支援という気持ちをもっと持たなければいけないというような御意見もあったりして、率直な御意見をいただいてきたところであります。
 全て、その御意見につきましては改善策につなげていきたいというふうに思っておりまして、どういうことが大事かということについては、ガバナンスPTのチームを編成しておりまして、中堅の職員でワーキンググループを立ち上げておりますので、その意見は集約をし、そして、一つずつのことについて対応策をそれぞれ検討していただく。そして、自分の問題として、組織を挙げて、これを浸透していくための努力をしていく。こういうことを一連の流れの中で取り組んでおりますので、大切にこれをしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

#117
○稲富委員 もうちょっと声がいただけるのかなと思いました。
 要するに、これは法務・検察に対する去年の大きな批判の中で、法務行政刷新会議があって、検察の倫理が問われる場面になっていて、ある意味、本当に現場の活動している検察官の正義感やあるいは倫理に対する国民からの批判があったわけで、そういうことに対する、今、去年の法務行政に対する強い憤りの声とか、何やってんの幹部はという、そういうような声がなかったのかと私は伺いたかったんですけれども、そういうものはなかったんですか。

#118
○義家委員長 申合せの時間が来ておりますので、簡潔にお答えください。

#119
○上川国務大臣 今のような趣旨につきましては、広く皆さんにお伝えをしております。そういう中にありまして、法務省として、国民の皆さんの信頼を高めるために、自分としては現場で何をするかという前向きな、非常に決意みたいなものはしっかりといただくことができました。
 そうした対話をしていくということで風土を変えていくということが極めて重要だなというふうに思っておりますので、コロナ禍が終わりましたら、引き続き、一筆書きキャラバン、推進してまいりたいというふうに思っております。

#120
○稲富委員 終わります。ありがとうございました。
    〔委員長退席、伊藤(忠)委員長代理着席〕

#121
○伊藤(忠)委員長代理 次に、松田功君。

#122
○松田委員 立憲民主党の松田功でございます。
 今日は、仲間の議員の御協力をいただきまして、質問の機会をいただきましたこと、ありがとうございます。
 それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。大臣、久しぶりでございます。よろしくお願いします。
 この度の河井夫妻被告に行われる選挙違反事件について御質問をさせていただきたいと思います。
 元法相である夫とともに、国会議員夫婦が逮捕されるという、この度の前代未聞な事件がありました。過去に例がないほど大がかりな金まみれの選挙が行われていたということに非常に驚きは隠せません。また、法務大臣の経験者の起訴、また、現職国会議員夫婦がそろっての起訴ということも聞いたことはございません。
 そういった状況の中で、実は、残念なことに、私の地元の方でも過去に大量買収事件がございました。当時、現職県議を始め小牧市議、また西春日井郡内の町議長など、地方自治体議員の十一人が逮捕されるという事態となる事件がございました。過去にもこのような大量買収事件があったにもかかわらず、また起こしてしまう。
 是非、大臣、社会を明るくする運動、今七十回を迎えようとしている。そこで、広報のパンフレットに、更生ペンギンのホゴちゃんの更生までの道のりというようなチラシも作ったりして、法務省として、犯罪をなくし、また更生を進めていくということをやっている状況の中で、元法務大臣がそのような犯罪を犯してしまうということは、政治への信頼を深く傷つけた意味では、この夫婦の罪は重いのではないかというふうに思っております。
 その中で、私の地元の方、また議員の方から、過去に地元で起きた大量買収事件で地方議員の方が逮捕されているのにもかかわらず、なぜ今回逮捕、起訴されないのか、証言が取れているのにおかしいのではないかという声が寄せられております。
 そういった意味におきまして、今、このような状況で、今また捜査中だとかいろいろな御意見はありますが、そういった地域、地元の方からも、そういった不思議な状況があるということを含めて、お答えをいただきたいと思います。

#123
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 委員がお尋ねになった点は、捜査機関の活動内容に関わる事柄でございますので、申し訳ございませんが、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。

#124
○松田委員 そうやってお答えになるということも考えられるのではないかというふうには思ってここへ立っておりますが。
 公選法違反の罪で起訴された今回のこの公判で、現金授受をめぐる重要な証言が次々と明らかになって、そのほとんどが買収の趣旨を裏づける内容を、数々の証言の中で、地裁は、受領側の証言を重視して、買収目的だったと判断を示しております。
 では、過去に買収事件で逮捕、起訴になった自治体議員と、今回の現金を受け取った自治体議員の違いを教えてください。

#125
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 ある事件とある事件の差ということでございまして、その一方の事件は現在、先ほど来からお尋ねがあった事件でございまして、結局のところ、お尋ねは捜査機関の活動内容に関わる事柄となりますので、お答えを差し控えさせたいと存じます。

#126
○松田委員 局長、これ、多分ずっとその問答が繰り返されるような気がしちゃうんですよね。これは同じことを多分答えられちゃうんですよ。
 しようがないな、じゃ、聞き方をちょっと……(発言する者あり)いや、しようがなくないですね、失礼しました、取り消します。しようがなくありません。
 そういった答えを繰り返すことがもう、要は、地元に帰って、過去のそういうこともあった、今回は違う、ちゃんと証言もしているし、そうだと言っているのにもかかわらず何もないというのはこれは全くおかしいという、その普通の感覚をここで述べさせていただいている。それに答えられないということは、不信感が募ります。そのことだけは重々理解をしていただきたいですし、そういうふうに市民とか国民の方が見られていることは、どのように、局長、お考えになられますでしょうか。

#127
○川原政府参考人 お答えを申し上げます。
 委員の今の御指摘は御指摘として受け止めたいと思いますが、ただ、私どもの方でなぜ捜査機関の活動内容についてお答えを差し控えざるを得ないかということでございますが、一般論として申し上げれば、個別の案件に関する捜査機関の活動内容について公にした場合には、個人の名誉やプライバシーの保護の観点から問題があるのみならず、罪証隠滅活動を招いたり、関係者の協力を得ることが困難になるなど、今後の捜査、公判に支障が生ずるおそれがあることなどからお答えを差し控えているものでございまして、この点については是非とも御理解を賜りたいと存じます。

#128
○松田委員 要は、自治体議員が受け取ったことの罪はもう立証を逆にできてしまうのに、まだ捜査がというのは、これはどういったことか教えてください。

#129
○川原政府参考人 再三のお答えになって大変恐縮でございますが、そのお尋ねも、捜査機関の活動内容に関わる事柄でございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。

#130
○松田委員 では、いずれ捜査が進んだら、その自治体議員の方も罪になるというふうな御理解でよろしいでしょうか。
    〔伊藤(忠)委員長代理退席、委員長着席〕

#131
○川原政府参考人 お答えを申し上げます。
 これも再三で恐縮でございますが、まず、お尋ねは、前提として捜査機関の活動内容に関わる事柄でございますのと、犯罪の成否につきましては、捜査機関が収集した証拠に従って判断すべき事柄でございますので、私の立場としてお答えを申し上げることは差し控えたいと存じます。

#132
○松田委員 済みません、一般論としてお答えください。

#133
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、先ほど来御指摘の事件についての一般論というのは、これは具体的な事案を前提としているので、そこは一般論というのはお答えができないことを御理解いただいた上で、検察当局におきましては、一般論として申し上げれば、法と証拠に基づいて適切に処理するものと承知しております。

#134
○松田委員 では、時間もたっていってしまいますので。
 大臣、今回、広島の豊島議員が、元法務大臣の河井克行容疑者ににらまれても嫌だなという気持ちがあったと釈明をされております。
 法務大臣をされていた方がにらみを利かせて選挙違反をさせているということはいかがかと思います。その辺について大臣の御見解を是非いただきたいと思います。

#135
○上川国務大臣 今委員御質問は、まさに個別事件に関わる点でございまして、法務大臣として所感を述べることにつきましては差し控えさせていただきます。

#136
○松田委員 そうでございますか。
 いや、まだ、実は大臣、先ほどもちょっと言いましたが、社会を明るくする運動、これがありますよね。毎年、中学生、小学生や、お子さんたちに、作文や、いろいろ、犯罪に対すること、そしてそれを更生する思いや、そういったことの作品を書いていただいたりすることを法務省としてしておるところです。というか、ずっと続けていただいております。これは非常にすばらしいことですね。
 その意味において、例えば、今公判中だからということにしても、大臣が河井大臣だったときに、そのことも、子供たちも含め、社会には、きちっと、そういう明るい運動を法務省として続けてきているわけです。そういった意味においた中でのこの事件ということは、子供たちに向けて本当に、今公判中だからとかということではなくて、示しが僕はつかないと思うんですよ、いろいろな意味で、法務省として。
 その辺についての御見解を聞いたらまた同じ回答を言われるかと思うんですが、それを言っていったら本当に信頼がなくなっちゃうような僕は気がしているので、是非大臣に、子供たちに向けて、この犯罪、選挙違反というものがこう行われていて、大量にお金を配っている事件は過去にもあることは今言いましたので、そのことについて、子供たちに向けて、お言葉を是非いただきたいと思います。

#137
○上川国務大臣 一連の流れの中で、今、委員、別の問題を含めながら御質問をいただいたところでございますが、突き詰めていくと、個別事件に関わる検察当局の事件処理、また検察審査会判断、様々な要素がございますが、法務大臣としてそういったことに対して、たとえ子供といえども、申し上げるということについては差し控えざるを得ないので、そのことを御理解いただきたいと思います。

#138
○松田委員 何か寂しいですね、本当に。
 そういうふうでしか答えていただけないということからすると、法務省内の、今そうやって捜査中だ捜査中だということで、捜査中であっても、子供たちは今作品を書いたりとかするわけなんですよ。だから、僕は、是非大臣に、その部分を含めて心あるお言葉を是非いただきたいというふうに思った次第であります。
 そのことがきちっと、ずっとそういった、この大量買収事件を含めた中で起きてきた状況を踏まえるならば、選挙は民主主義の根幹でもあり、また公平さが保たれて初めて成り立っていく、そういった意味も含めれば、それを害する行為をすることは厳しく罪に罰していかなければいけないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#139
○上川国務大臣 今委員から、社会を明るくする運動のことについて、また、特に子供たちが作文等を通して率直な意見をストレートに書いていただいているということについて、ちょっとはっとするような御指摘もあって、大変うれしくいつも拝見させていただいているところでございます。
 法治社会でございます。法を遵守して、そして公正な選挙をするということについては、今委員おっしゃったとおりでありますので、大変、民主主義国家としての根幹を成すものというふうに考えております。公正性を担保しながら一人一人がしっかりとその意識を持って関わっていくということが何よりも大事であるというふうなことにつきましては、これは声を大にしても申し上げたいというふうに思っております。

#140
○松田委員 よろしくお願いします。
 ちょっと時間がないので、次に行きます。
 名古屋入管におけるスリランカの女性の死亡事故が今回起きました。今回の死亡事故の前に、昨年の十月に、名古屋入管で収容中のインドネシア人の男性が死亡しております。つまり、半年もたたず、また死亡者が出てしまいました。
 法務省、入管庁としても、全国の入管で死亡事故があることに、調査し問題を改善してまいりますと述べることが続いているように思われます。参議院の委員会においてでも、我が党の石川大我議員からもこの事案について質問しておりますが、当局は調査中という言葉が続いている状況であります。
 この名古屋入管のことにおいて、昨年の十月から三月まで、何を調査し、また、どこを改善していたのか、その辺についてお答えをいただきたいと思います。

#141
○松本政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、昨年十月及び本年三月、名古屋出入国在留管理局におきまして被収容者が死亡する事案があったことは重く受け止めております。
 昨年十月の事案は、収容開始から五日後に男性の被収容者一名が亡くなられたものでございますが、体調の急変をうかがわせる既往症や体調不良の訴え等はなく、事実確認等を行った結果、心臓性突発死の可能性が高いとのことであったと承知しております。
 もっとも、この昨年十月の事案の発生後、各入管の収容施設に対しまして、本庁から、この名古屋の事案の内容を知らせるとともに、改めて被収容者の健康管理について徹底するとともに、引き続き被収容者の人権に配慮した適正な処遇を実施するよう指示していたところでございます。
 そのような中、さらに、本年三月六日の事案が発生いたしました。その事案につきましては、これも御指摘のとおり、詳細な事実関係は現在調査中でありますが、亡くなられた方は、以前から体調不良を訴えており、本年一月末頃以降、複数回にわたり、庁内診療室における嘱託医師による診察及び外部の病院における診療が実施されていたものと承知しております。
 このように、医療的対応を行っていた状況において死亡に至ったことや、現時点において死因が明らかでないことなどから、本年三月九日、法務大臣から、死亡に至る経緯や対応状況などについて正確な事実関係を速やかに調査するよう指示を受け、現在、本庁で調査チームを立ち上げ、調査を行っているところでございます。
 以上でございます。

#142
○松田委員 しっかり調査をしていただく状況ではありますが、半年間に二人、半年たっていないんですよね。その辺のことについて、少し現場としての、何が本当にいけなかったのかというのがなかなか伺えない、それが率直な意見であります。
 過去、いろいろな入管の収容施設の中で死亡事件が発生する状況の中、日弁連の方からも、その問題点について、死亡事故について、通院、入院等の必要がある者については仮放免を行うことを徹底することや、死亡事故の発生原因の徹底的な調査や及び公表、具体的な再発防止法の策定、適切な医療体制の構築などを繰り返し求めてきたところであるが、収容をめぐる状況はむしろ悪化をしている、死亡事件について、入国者収容所等視察委員会など第三者機関による徹底的かつ迅速な調査を実施し、その調査結果を公表した上で、具体的かつ実効的な再発防止の措置を速やかに講じることを再度強く求めるということで、会長の方からも声明をたくさん出されていただいております。しかし、そういった状況の中で、半年以内で二人もという状況でありますから、医療の問題も含め、しっかりやっているようには思えない状況が出てしまっております。
 この状況を考えると、明らかに問題点が見えているにもかかわらず改善しにくいのは、根本的に構造的な問題があるのかもしれないと言わざるを得ないというふうに思っております。
 また、入管の現場においても、職員の方が次々に離職して、人手不足があるのではないかとも伺います。職員の方も、死亡する現状が必ずしもいいと思う方はいないと思います。であるならば、職員のメンタル面も心配しなければなりません。
 私は、かねてから、入管の職員の増員を言ってまいりました。人材を増やして、行き届いた形の入管でなければ、人権の面からも、職員の働く現場も改善することは難しいと思っております。だからこそ、第三者による調査も行い、外部の意見を有効的に取り入れて、外国人の人権や入管の現場、窓口行政や、収容施設の在り方などの日本のこの入国管理全体の大改革を進めるべきだと思いますが、大臣の御見解をいただきたいと思います。

#143
○上川国務大臣 今般、昨年の十月及び今年の三月に名古屋出入国在留管理局におきまして被収容者が死亡する事案があったことについては、大変重く受け止めております。
 この間、様々な御指摘をいただいてまいりました。そして、それに対しては、私も所信で申し上げたとおり、PDCAをしっかり回して、そして絶えず不断の改善をしていくべきであるというふうに思っておりまして、今回の事案につきましても、直ちに調査をして、そして対応するようにということで、今、そして第三者の目もしっかり入れるようにということで、指示をしている状況でございます。
 こうした事案が起こらないためにも、そうしたことにつきまして徹底した調査をするということをベースに、さらに、それをどのように改善をするのかということの一連のプロセスにつきましては、しっかりと責任を持って対応してまいりたいというふうに考えております。

#144
○松田委員 大臣、もう大改革をしていただきたいという意味でおりますので、しっかり調査して、要は、もう半年間に二人亡くなっているということは、これは本当に重く、是非受け止めていただきたい。その前にも亡くなっている方がいて、また調査して改善しますという言葉をいただいているわけだから、そこはもう根本的な部分をしっかり直していただきたいというふうに思っておりますので、是非、また、いろいろな意味で御協力もさせていただきたいと思いますが、そのことをしっかり大臣の方から皆さんにお伝えいただいて、増強も含めた中で進めていただきたいと思います。
 それでは、ちょっと時間も参りましたので、次の質問に移らせていただきまして、済みません、三番を飛ばして四番の質問に行きたいと思います。
 成年後見人についてなんですが、この制度について、成年後見人制度の利用促進計画が、令和三年までの五年間の中で促進をしていくということをやっているところでございます。そんな中で、二〇一九年においては前年のマイナス一・六ということで、申立て件数が減っている状況もあるので、申立て件数を増やしていくことが重要かというふうに思います。
 その意味において、現場での話も含めてでありますが、親族候補者が少ないということも含めて問題があるのではないかということで、家庭裁判所が候補者を選任しなかったケースにおいて、選任しなかった理由を申立人に伝えてはいないということであります。このことは、国民主権国家である日本の司法の態度としてふさわしくないように思います。
 今後、家庭裁判所は、申立人に、候補者を選任しなかった理由や選任基準を公表する方向性であった方がいいと思いますが、その方向性はありますでしょうか。また、その方向性がないなら、その理由も教えていただけるとありがたいです。お願いします。

#145
○手嶋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 委員お尋ねの候補者を選任しなかった理由というところでございますが、後見人等の選任の審判につきましては、法律の規定上、理由の記載を求められていないところでございまして、一般的に、個別の事案において、当該候補者を選任しなかった理由というのをお伝えすることは行っていないというふうに承知しているところでございます。
 ただ、後見人等の選任につきましては、事案に応じた適切な後見人等の選任という観点から、裁判官が個々の事案における諸事情を総合的に考慮して、当該事案に最も適した後見人を裁量によって判断するものでありまして、何らかの一律の基準があるわけではないというところでございますが、後見人等の候補者になることを検討しておられる方々にとっては、裁判所がどのような事案でどのような後見人を選任するかというのは重大な関心事項であるというふうに考えられますし、成年後見制度利用促進基本計画が目指す、利用者がメリットを実感できる制度、運用を実現するためには、後見人を選任する際に重視される事情ということについて、制度利用者や後見人候補者のマッチングを担う中間機関との間で認識共有を図ることは重要であるというふうに認識しているところでございます。
 委員の問題意識を踏まえまして、各家裁と関係機関等との間で後見人などの選任における一般的な考慮事情についての共通認識が進むように、必要な後押しをしてまいりたいと考えております。

#146
○松田委員 引き続きまして、誰が後見人などに選任されるかは、後見人の制度の根本であります。選任に関する明確な基準が本来示されれば、後見人制度に対する信頼が深まり、申立て件数の増加に直結すると思います。
 そこで、選任基準として、民法第八百四十七条、後見人の欠格事由に該当しない人や、本人の選任に反対しない人、推定相続人が選任に反対しない人、この三条件あたりをクリアした候補者は選任されるというような基準作りも、法務省としてお考えはあるのかどうか、お聞かせください。

#147
○小出政府参考人 お答えいたします。
 成年後見人の選任につきましては、民法八百四十三条第四項において、その際に考慮すべき事情が定められているものの、基本的には、家庭裁判所の裁量に委ねられております。
 これは、成年後見人等の選任につきましては、家庭裁判所が後見的な見地から様々な事情を考慮して判断することが相当と考えられたためでございまして、委員御指摘のような、法律で画一的な基準を設けることについては慎重な検討が必要であると考えられるところでございます。
 もっとも、先ほど最高裁判所からも御説明ございましたけれども、現在、成年後見制度利用促進計画を踏まえた運用の改善が進められているところ、適切な成年後見人等の選任がなされるよう、家庭裁判所と中核機関等の関係機関との間で、成年後見人等の選任に関する情報や認識の共有に向けた取組が進められているものと承知しております。
 法務省といたしましては、こういった運用面における改善の状況も注視しつつ、成年後見人等の選任の在り方につきまして必要な検討を進めてまいりたいと考えております。

#148
○松田委員 続きまして、基本計画を踏まえた専門職の選任と後見事務の在り方についてというこの文書が出された中で、後見人には、本人の状況に応じて、途中飛ばしますが、本人の意思や状況を継続的に把握し、必要な対応を行うということが期待をされております。
 現在、後見人などが家庭裁判所に提出する事務報告書には、本人と後見人などが面会をしたことを記載する項目がありません。本人と直接会い、本人の意思や状況を確認することは、後見人などの基本的な仕事と思います。
 今後、事務報告書には、面接報告の欄を設け、毎年数回の面会を後見人などに義務づけるなど、面会日時とその内容の記載は、身上監護について報告を充実させる意味で重要ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#149
○義家委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。

#150
○手嶋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 御本人との面会の頻度を含めまして、後見人等が必要な後見事務をどのように行うかというのは、現行法上、後見人等の裁量に委ねられているところと承知しております。したがいまして、裁判所の運用として、毎年数回の面会を後見人等に義務づけるということは困難であると考えております。
 もっとも、制度の利用者から、後見人等と本人が余り面会せず、適切に後見事務が行われていない事案があるという御指摘があることは承知しておりまして、基本計画は、利用者がメリットを実感できるような制度、運用の改善を求めておりますところ、後見人等が本人との面会を通じて、委員御指摘のとおり、適切に本人の心身の状況を把握し、身上保護や意思決定支援について、より一層配慮した後見事務が行われるということが重要であると考えているところでございます。
 最高裁としましても、基本計画の趣旨を踏まえまして、本人との面会を含め、身上保護や意思決定支援の側面をも重視した後見事務が実践されるよう、後見人等の家庭裁判所に対する報告の在り方も含めまして、専門職団体等との間で継続的に意見交換を行い、検討を行っているところでありまして、引き続き運用改善に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。

#151
○松田委員 是非、利用促進になる最終年度になっていきますので、よろしくお願いします。
 大臣、それでは、いい、明るい国になるように、子供たちのためにも、しっかり取り組んでいただけますよう、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。

#152
○義家委員長 次に、宮崎政久君。

#153
○宮崎委員 自由民主党の宮崎政久です。
 今日は、お時間をいただきまして、ありがとうございます。
 早速始めさせていただきます。まず冒頭、京都コングレスについてお尋ねをいたします。
 京都コングレス、第十四回の国連犯罪防止刑事司法会議が終了いたしました。上川大臣のリーダーシップに敬意を表し、また、法務省、外務省を始めといたしまして、日本政府の関係者の皆様の御尽力に心から感謝を申し上げるものでございます。
 コロナの影響がある中で、一人の感染者を出すこともなく、またオンラインも含めて過去最多の百五十二の国、地域の皆様の参加を得て、しっかり国際会議を成功させることができたということは、国連を始めとする国際機関はもちろんでありますけれども、当然、我が国にとっても大きな成果であるというふうに考えております。
 京都宣言に見られる対外的な成果につきましては、先ほど稲富委員から御質問がありまして、大臣もお答えになっておられましたので、私は、今日は、法務省を始めとする組織の内部的なレガシーについてお聞きをしたいというふうに思います。
 上川大臣は、最初に法務大臣をお務めになられた二〇一五年、平成二十七年、前回のドーハのコングレスで、コングレス招致というものをかち取ってこられました。その後、法務大臣を退任されまして、自由民主党の司法制度調査会長に御就任になり、平成二十九年の六月に、「司法外交の新基軸 五つの方針と八つの戦略」を提言としてまとめられました。
 このとき、京都コングレスを開催する二〇二〇年を、実際は二〇二一になったわけでありますけれども、二〇二〇年を司法外交元年と位置づけて、国際司法人材の育成、司令塔機能を持つ組織の新設などを明確な方針として打ち出されておられます。本年、司法外交の最大の舞台となる京都コングレスを成功させることはもちろんのこと、ここに至るまでの過程を通じて、国際司法人材を育成する仕組みをつくるということも、このときから同時に求められておられたと考えています。
 私は、小さな島国である日本という私たちの国が、リーガルマインドを持って、法の支配を実践することが可能な国際司法人材というものを積極的に育成をして、司法外交を通じて国際社会に貢献をして、そして国益の増進を図る、こういったことが大切だと思っておりますし、その素地づくりというものを考えながら、京都コングレスという大舞台に臨んでいったのではないかと考えております。
 そこで、この内部的なレガシーが達成できているのか、上川大臣の御認識をお伺いしたいと思います。

#154
○上川国務大臣 今般の京都コングレスの開催に当たりましては、様々な方々から限りない御支援をいただき、また御助言をいただき、そして成功することができましたこと、改めて感謝を申し上げたいと思います。
 先ほど委員からお触れいただきました、私が初めての大臣のときにカタール招致を実現いたしました後、二十九年の六月でありましたでしょうか、自由民主党の司法制度調査会長を務めておりました折に、まさにその提案書をまとめたときの事務局長を宮崎委員が、先生がお務めいただいたということで、まさに二〇二〇年を司法外交の元年とするというこの思いは、この準備のための期間におきまして人材の幅広い活躍をいかに進めていくかという戦略的な取組が必要なんだ、こういう思いで、国際課の組織をつくったり、そして人材の養成に当たってきたところでございます。
 司法外交の担い手は、まさに国際情勢、こうしたことを踏まえたバランス感覚が何よりも大事でありますし、また、法的思考、こうしたものを、能力を併せ持つ裾野の広い人材の育成ということでございまして、そうした思いで、国際課を中心とした日々の業務を通じまして、多くの法務省職員の皆さんに幅広く国際関係業務に携わっていただく、まさにオン・ザ・ジョブで関わっていただくということを実践してまいりました。また、職員の中から国際機関への積極的な派遣、また研修の実施等によりまして、人材育成につきましてもしてきたところでございます。
 今回の京都コングレスの開催に当たりましては、法務本省のみならず全国の地方官署からも応援職員を集めさせていただきまして、合計三百六十名の方々が関与を直接したところでございます。準備に携わりました法務省職員につきましては、国連加盟国及び在京大使館との折衝、関係省庁との調整等に従事する中で、国際法務分野に対する関心を高め、知見を集積することができたものというふうに考えております。
 本番におりましても、国際的な議論に直接触れるということでございまして、国際法務分野におきましての意識、そして知見を向上させる絶好の機会になったと考えております。
 司法外交は京都コングレスで終わりではございません。これを新たな出発点と捉え、そして司法外交を次のステージに進めるべく、人材育成、まさにその点が非常に重要であると認識しておりまして、これまで以上に政府全体としての取組として邁進してまいりたいというふうに考えております。

#155
○宮崎委員 ありがとうございます。
 私も京都に伺って、案内とかいろいろされている職員さんに声をかけると、どこから来たのと聞くと、地方の刑務所に勤務をされている人が、今日は応援で来ていますというふうな方もおられて、様々な経験を積まれたと思っております。
 また、四年前、平成二十九年、上川司法制度調査会長と一緒に、私は事務局長をさせていただきましたので、当時の岸田外務大臣の元に、外務省に伺ったときに、このときに司法外交という言葉を初めて大きく打ち出したと思うんですが、外交という言葉を使うということについて岸田外務大臣と様々意見交換をする必要があったということからすると、この司法外交の進展という意味では非常に大きな成果が出ているのではないかなと思っています。
 これから、政府を挙げて、また我々立法機関でもしっかりとこれは推進していかないといけないと思っております。私も一生懸命頑張るということをお誓いして、大臣に感謝の言葉を申し上げたいと思います。
 大臣、予算委員会があると思いますので、どうぞ。
 ここからは、差別や偏見は駄目だ、許さない、こういうテーマで質問をさせていただきたいと思います。
 まず、ハンセン病問題に関する差別、偏見について、これは今もなお終わっていない問題であるということを国民の皆様に広く知っていただきたいと考えております。
 どういうことか。
 まず、お亡くなりになった方のお骨が里帰りすらできないという問題があります。
 全国に十四の療養施設があります。設立の当初から令和二年十月までの間で施設の中でお亡くなりになった方は、合計で二万七千二百九十九名に上られます。そのうち園内の納骨堂に埋葬されている方の合計は一万六千八百八柱、実に六一・五%になるわけです。療養施設で亡くなられた方のお骨の六割以上がふるさとに里帰りすらできない。
 私の地元沖縄でも、沖縄愛楽園、宮古南静園という二つの療養所があるんですけれども、この二つの施設で合計で四百五十五名の方のお骨が園で眠られているという状況です。
 退所された方への差別、偏見というのもあるんです。
 平成八年にらい予防法が廃止されて、特に国家賠償訴訟の判決が出て以降、全国の療養所から多くの方が退所をされました。しかし、残念ながら、退所された方の多くは、まだ差別、偏見が残っているということで、ふるさとに帰ることができず、都会の雑踏みたいな中で身を隠して暮らさざるを得なかったということがあります。
 実は、この生きている都会でも、ハンセン病による後遺症、病歴を明かすことができないがゆえに、医療機関にも行けない、老人ホームなどの施設にも入れないということで、結果、年老いた方が元の療養所に再入所をしているという現実があります。平成二十一年から令和元年までの十一年間で、実に百五十一人の方が再入所をせざるを得なかったということです。
 この元患者の御家族の方についても同様なんです。令和元年に判決が出ました家族訴訟、これは、御家族の皆さん、原告番号で法廷に立つ、お名前ではなくて。つい立ての向こうで語らざるを得なかった、こういうことでありました。
 私も、法務大臣政務官を務めていた際に、御家族の皆様との話合いの機会を持たせていただきましたが、実は、その際も原告番号で呼称されておられるという状況です。その話合いの席で私がお聞きした、お父さんが元患者の方で入所をされているという御家族の方からお聞きした言葉が耳を離れないんですね。
 その方はこういうことを言っていたんです。私はお父さんと一緒にいられる時間がなかった、だから、お父さんが亡くなって、自分が死んだら、お骨を焼いて、それを一つのつぼに入れてもらって、そこで一緒に暮らす時間をつくりたいと。
 そういう思いを家族の人が持っている、それは現に今も続いていることであります。こういう気持ちを持つ人が一人でもいちゃいけないなと私は思っております。
 そういう中で、ハンセン病元患者の家族訴訟の後、補償金に関する法律が、家族補償法ができました。
 しかしながら、この補償法が成立して一年四か月たちますけれども、これは事前に厚労省さんに教えてもらいましたが、三月十二日現在で、実は認定者数は六千六百十六件だということであります。厚労省が想定をしていたのは約二万四千件。ですから、実は三割にも満たないということなんです。お支払いさせていただきたいと思っているけれども、御申請、認定が三割にも満たないという状況なんです。
 でも、この理由、弁護団の方、いろいろな人に聞くと、やはり名のり出て差別をされることへの不安を抱く御家族の方も多くて申請が進まないとか、手続をしてみても、同居をしていても元患者の方が住民票に記載されていないとか、実の親子なのに戸籍上は他人になっているとか、こういった理由から、続き柄の証明が、御家族である続き柄の証明が難しいというケースが多くて、新しい法律を作った後でも、やはり差別、偏見が残っているという事実がここに表れていると思います。
 差別や偏見というのは、法律ができたって、判決が出たって、一朝一夕になくなるものじゃない、人の心に深く刻まれているものであります。こういう差別、偏見をなくすためには、やはり国民一人一人が自らのこととして取り組んだり、教育や普及啓発などを地道に、継続的に行うことが必要だと思います。
 今日、厚労省から、こやり政務官にわざわざお越しをいただいております。ありがとうございます。地道に、継続的に、根気強く行う取組、政府としてどうやって取り組むのか、その決意とお考え、御説明いただきたいと思っています。

#156
○こやり大臣政務官 宮崎委員にお答えいたします。
 委員御指摘のとおり、偏見、差別、この解消のためには地道な努力が必要でございます。
 厚労省といたしましては、この普及啓発のために、これまで、若者向けのパンフレットの配布でありますとかシンポジウムの開催、あるいは資料館における展示、語り部活動など、様々な普及活動を行ってまいりました。
 加えまして、令和元年六月のハンセン病家族訴訟熊本地裁判決を踏まえまして、ハンセン病に対する偏見、差別の解消に向けて、新たに、ハンセン病に係る偏見差別の解消に向けた協議の場を設置させていただきまして、法務省あるいは文科省、当事者の皆様とともに、人権啓発、人権教育などの普及啓発活動の強化等を図ってまいるための協議を行ってまいりました。委員にも、法務大臣政務官としてこの協議の場で積極的に関与していただいたこと、本当に感謝を申し上げたいというふうに思います。
 これまで三回協議を行ってまいりましたけれども、この協議において、今後、更に具体的な施策について検討を行うための新たな検討会を立ち上げるということにいたしたところでございます。
 今後とも、この協議の場あるいは検討会の場も活用しながら、法務省、文科省と連携の上、ハンセン病元患者様やその御家族の皆様、また、関係者の皆様の御意見を伺いながら、委員御指摘のとおり、地道に、継続的に、根気強く、ハンセン病に対する偏見、差別の解消に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

#157
○宮崎委員 こやり政務官、ありがとうございます。
 今の決意の下に、しっかりと、私も一国民としてここに関わらぬといかぬと思っております。
 先ほどお骨の話をしてくれた方とまた、実は別の機会でちょっとお会いをさせていただきました。そのとき、実はこんな話もあったんですね。家族の皆さんが、例えば、地元で、飲食店などでちょっと打合せしたいと思って、集まりたいと思っても集まれない、地元で地域の人から、あれなんかは、あのらいのあれだからとかというふうなことを言われたことがある、だから園でしか集まれないんだなんということを聞きました。
 みんなで取り組まないといけないと思っておりますので、是非、政府を挙げて、ここはしっかりリーダーシップを取っていただきたいと思っています。
 政務官、今日はありがとうございました。
 次、もう一つ、部落差別の問題について質問いたします。こちらも根の深い問題だと思っています。
 平成二十八年に部落差別解消推進法が成立をいたしました。私も法案提出者の一人として、多くの先生方と一緒に答弁に立たせていただきました。そのときも今も、当事者や関係者の方から実情を伺う機会をしばしばいただくようにしています。
 この令和の時代になっても結婚や交際をめぐって差別的な取扱いを受けたということや、親戚に反対されたとか、特定地域が同和地域であることを示すいわゆる識別情報というのがインターネット上に掲示されていて、就職などに不利益な扱いを受けないか心配だという声を現に聞いています。
 そこで、お尋ねします。
 政府は、部落差別の実態についてどう認識しているのか。六条調査といって、推進法の六条に基づく調査を行ったわけでありますので、この調査結果も含めて、政府の認識を改めて伺いたいと思います。

#158
○小野田大臣政務官 まずもって、部落差別解消推進法の成立に当たっての宮崎委員の御尽力に敬意を表したいと思います。
 法務省としましては、同和地区の出身であることを理由に結婚を妨げられたり、差別的な発言、落書きをされたりするなどの事案が存在しており、依然として部落差別はあるものというふうに認識をしております。
 法務省人権擁護局は、令和二年六月、御指摘の実態調査の結果を取りまとめたところでございますけれども、この調査においても、国民の間に部落差別に関する正しい理解が進む一方で、特に交際、結婚に関しては、心理面における偏見、差別意識が依然として残っていることが明らかになっております。
 法務省の人権擁護機関においては、この実態調査の結果も踏まえて、部落差別の解消に向けて、引き続き、国民の理解と共感を得られるような人権啓発活動や相談者に寄り添った人権相談の実施等にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

#159
○宮崎委員 ありがとうございます。
 小野田政務官から、実態について、現にこういう差別が存在するということを改めて確認した上で、今後の取組について触れていただいたことの意義は大きいと私は思っております。共に取り組んでまいりたいと思っていますので。ありがとうございます。
 識別情報ですけれども、特定地域が旧同和地区であるということを示す情報がインターネットの中で氾濫しておりまして、誰でも部落差別に関する情報を簡単に検索できて、リストすら入手することができてしまうわけであります。今までは例えば興信所みたいなのに聞くみたいな時代だったと思いますけれども、そんなことも要らなくなっちゃっている。
 それゆえ、推進法の第一条の目的にも、情報化の進展に伴って部落差別に関する状況の変化が生じていることを踏まえてという記載をしているところであります。
 法務省においても、平成三十年、依命通知を出して、インターネット上の同和地区に関する情報についての対応を強化していただいているところでございます。
 そこで、現状、同和問題に関する書き込みの削除がどの程度行われているのか、また運用変更の前後で変化があるのか、この点についての御説明をいただきたいと思います。

#160
○菊池政府参考人 お答えいたします。
 ただいま政務官が答弁されたとおり、部落差別は依然として存在しております。そして、交際や結婚差別などの部落差別を可能にしているのが特定の地域を同和地区であると指摘する情報であり、委員御指摘の、識別情報の摘示と呼ばれるものであります。
 法務省の人権擁護機関におきましては、従前から、インターネット上の人権侵害情報に関しまして、プロバイダー等に対して削除要請を行うなどしているところでございますけれども、特に識別情報の摘示の事案については、委員御指摘の平成三十年十二月二十七日付の依命通知によりまして、その目的のいかんを問わず、それ自体が人権侵害のおそれが高い、すなわち違法性のあるものであり、原則として削除要請等の措置の対象とすべきものであるとの考えの下に対応しているところでございます。
 具体的に、この依命通知の前後の状況について申し上げますと、識別情報の摘示の事案に関する人権侵犯事件の開始件数は、平成三十年が約四十件であったところ、令和元年は約二百件に増加しております。また、識別情報について削除要請を行った件数も、平成三十年が五件であったところ、令和元年は二十件と増加し、令和二年についても増加傾向にございます。
 一方、削除要請後に削除が確認された割合を見ますと、残念ながら、顕著な変化は認められないところでございます。この点につきましては、識別情報の摘示が部落差別に直結する情報であって、速やかに削除されるべきものであるという認識を事業者との間で共有できるように、協議、意見交換を続けてまいりたいと思います。
 いずれにいたしましても、識別情報の摘示の事案に対して適切に対処してまいりたいと考えております。

#161
○宮崎委員 こやり政務官、関係の質問は終わりましたので、もしよろしければ御退席いただいて結構でございます。ありがとうございます。
 今ありましたとおり、やはりまだまだ成果を上げなければいけない部分があるかと思います。インターネット上の識別情報がもたらしている、何というんですか、心理に与える負の効果というのは大きいと思っておりますので、これはしっかりと取り組んでいかないといけない、大きな課題だと思っておりますので、人権局の方で是非よろしく御指導のほどお願いいたします。
 この部落差別の問題というのは、実は、多くの皆様も御承知かもしれませんが、地方によって異なっておりまして、その濃淡というか、ある、ないも含めて。そうなりますと、そのことは、各地の地方法務局に対する相談件数が多かったり少なかったりするというところから物語っているものであります。
 そのため、部落差別解消推進法の第四条では、部落差別に関する相談体制の充実について、第一義的には国の責務とし、地方公共団体に対して、国と役割分担をして、地域の実情に応じた相談体制の充実を図るという努力義務を課しているところです。調査結果を見ますと、相談窓口が設置されている都道府県は全体の半数以下であるというのが実際の実情であります。
 そこで、法務省に二点伺いたいと思います。
 まず、相談体制の充実にどうやって取り組んでいくつもりなのかということと、あともう一つ、相談体制充実という施策を講ずるに当たっては、この法の三条にあるように、国と地方公共団体との連携が大切だと私は思います。その際、法務省の出先機関である各地の地方法務局と自治体が連携するのが一番大切であって、協議の場を設置するという工夫や、もっと進んで、例えば政府でモデル地区を指定して、より一層充実した相談窓口を設置するための施策を探る、こういった工夫も必要だと考えています。法務省の見解をお答えいただきたいと思います。

#162
○菊池政府参考人 お答えいたします。
 法務省の人権擁護機関におきましては、全国の法務局、地方法務局におきまして部落差別の問題を含む人権相談に応じておりますけれども、それぞれの支局においても人権相談に応じており、その数は合計すると三百十一か所となります。
 こうして各地で行われている人権相談におきまして的確に対応するためには、まずは、相談に応じる法務局の職員等が部落差別の問題を正しく認識していることが肝腎であります。すなわち、部落差別がどういう問題であって、識別情報の摘示がなぜ許されないのかということを正しく理解していなければならず、法務省の人権擁護機関のこれまでの取組についても承知している必要があります。したがいまして、法務局、地方法務局において、人権相談に対応する職員等に対する研修をしっかりと行ってまいりたいと思います。
 また、地方公共団体との連携でございますけれども、法務局、地方法務局と地方公共団体等が意見交換や情報共有を行う場として、人権啓発活動ネットワーク協議会というものをつくっております。現在、都道府県レベルで五十、市町村レベルで百九十三のネットワークがございまして、このネットワークを通じて、地方公共団体との連携協力を図っているところでございます。
 このネットワークは、主として、人権啓発活動に関するものではございますけれども、委員の御指摘をも踏まえ、部落差別の解消に向けて、このような既存の窓口やネットワーク等を更に活用し、人権相談に関しましても、地方公共団体との緊密な情報交換等を行いながら、より一層の相談体制の充実に努めてまいりたいと考えております。

#163
○宮崎委員 ありがとうございます。
 今日は、ハンセン病の問題と部落差別の問題、二つだけをトピックにして、差別や偏見を許さないということで質問させていただきました。(発言する者あり)
 今、コロナという声がありましたけれども、新型コロナウイルスの感染に関連する問題が今、世の中に大きくあり、また、新型インフル特措法の改正の中では一定の法制上の措置も一部したというところももちろんあるわけであります。また、それ以外にも、例えば、どこの出身であるとか生まれであるとか、私は、言ってみれば、その人の努力によってはいかんともし難いことによってその人に差別や偏見が起こるようなことは、これはあってはならないというふうに思っております。
 そのことを、やはり、この衆議院の法律をつかさどる法務委員会で、ここを通じて皆さんと一緒に、また認識を一つに共有ができればありがたいなと思って、質疑に上げさせていただきましたので、是非、また、皆様にも、多く国民の皆様にも御理解いただきたいと思っておるところでございます。
 そして、最後に一問だけ、違う話題について触れさせていただいて、質疑を終わりたいと思っております。最後の質疑で、一問だけ、選択的夫婦別氏制度の導入についての質問をさせていただきます。
 現在の、夫婦が同一の氏を称するという制度は、明治三十一年の民法改正で導入をされたものであります。その当時、家制度の確立など様々な社会的な背景から民法が改正されたものでありまして、社会の必要に応じて法律を変えるといったことが行われたわけであります。
 では、現代ではどうなのか。
 もちろん、結婚をして夫婦が同じ氏であるということを望む方もおられる、たくさんおられると思いますので、私はそのことを否定するつもりは全くございません。ただ、他方で、少子化が進んで一人っ子が増えた結果、一人っ子同士の結婚する場面で、家名継承や氏の継承のために、夫も妻も、いずれも氏の変更を望まないという場合もありますし、結婚後も仕事を続ける、多くの場合、日本の場合は、女性が氏を変更する場合が多いものですから、女性がそういう、社会的に活躍をしていただくことによって、仕事や生活への支障をなくすために、通称ではなくて、婚姻前の氏を引き続き使用したいと願う方もおられ、また、それが自分らしい生き方だと考えている人もいるわけです。
 私は、これから結婚していく若い世代の人たちのために、現に困っている人がいる以上は、婚姻の際に夫婦が別氏となることが選択できる法制度を導入して、法をもって助けてあげるべきだと私は思います。
 法や制度は手段であって、それ自体が目的ではありません。今の制度も、先ほど言ったとおり、明治三十一年の民法改正で導入されたものでありますし、現在の社会を見渡して、また、これからの日本のためによりよい法制度にするという改正があっていいと思います。
 氏に関して民法改正をしたことはまだほかにもあります。昭和五十一年の民法改正で導入されたのが離婚の際の婚氏続称制度であります。婚姻によって氏を改めた夫又は妻が離婚によって当然に婚姻前の氏に戻るのが原則でしたけれども、届出をすることによって、婚姻の際に氏を改めた夫又は妻が、離婚したときに称していた氏を称することができるようになったというものであります。離婚で当然に復氏となると、復氏する者にとって婚姻期間中に形成された社会生活との関係から不利益があるということを考慮して、昭和五十一年の改正で変更されたものであります。
 実は、ちょっとこれを質問しようと思ったんですけれども、時間がなくなっちゃったので、私が言いますけれども、今、直近三年間で、離婚の我が国の件数は約二十一万件、そして婚氏続称の申出は約九万件あるということであります。つまり、離婚の際に、四割以上の方が、それぞれの御事情、仕事のこと、子供のこと、自らの生き方やお考えなどから婚氏続称という自らの氏を選択しているわけであります。
 私は、婚姻の際も同様に、それぞれの御事情、仕事のこと、子供のこと、自らの生き方、お考えなどから氏を選択することが可能になる法制度を認めていいんじゃないかと思います。現に困っている人が出ないような法整備をするべきだと思っているんです。
 法は手段であって、それ自体、目的じゃない。自分らしく生きることも大切、社会の必要に応じて法を変えることも当然であって、現に困っている人がいるのであれば、法をもって助けてあげることが立法機関の務めじゃないかと私は思っております。
 その導入が早く行われるように、私自身もその努力をすることをここでお誓いを申し上げまして、本日の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#164
○義家委員長 次に、井出庸生君。

#165
○井出委員 信州長野の井出庸生です。
 国民の法曹離れが深刻という話題が先日ありましたが、長く法務委員会にとどまっている一人でございます。よろしくお願いします。
 今日は、一問と言わず、三十分間、選択的夫婦別氏の問題を取り上げてまいりたいと思います。
 最初に、私の立場、考えというものを申し上げておきますと、私は、夫婦同氏というものは大変すばらしい結構なものだと。それから、旧姓使用の拡大というものも、多くの方が使っていて、大変すばらしいものだと思っております。
 その上で、夫婦同氏、それから、旧姓使用ではなかなかいかんともし難い、それは、自分の氏を個人として大切にしたいという思いもありますし、また、先ほど宮崎先生からもお話ありましたが、御実家の氏、御両親の思いとか、そうした氏の継承という観点からも、なかなか夫婦同氏の制度、それから旧姓使用だけではいかんともし難い、そういう声が出てきていることに対して、私自身も、別氏を選択することができる、選択肢を増やしていく、そのことが必要だと思っております。
 あわせて、戸籍については、家族の考え方がいろいろある中で、この選択的夫婦別氏の問題とも、戸籍の問題は議論になってまいりましたが、私は今の戸籍というものは、多くの方に支持されている非常に重要なものであると思っております。
 そこで、まず、民事局長に、平成八年の法制審の答申、法案要綱、それから、平成二十二年、民主党政権のときに法務省が提出しようとしていた法案について、この法案はいずれも、戸籍を一つにし、夫婦の氏の選択を可能にする、それから、子供の氏についてはあらかじめ決めておく、そういう内容だったと思いますが、この過去に作られた法案の内容というものは、現代においても十分通用する、現代においてもその内容は世に送り出しても大丈夫だ、そういう内容になっているかどうか、民事局長の話を伺いたいと思います。

#166
○小出政府参考人 お答えいたします。
 法制審議会は、平成八年の二月に、選択的夫婦別氏制度を導入することなどを内容とする民法の一部を改正する法律案要綱を答申いたしました。
 その内容ですが、御案内のとおり、夫婦の氏について、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫若しくは妻の氏を称し、又は各自の婚姻前の氏を称する」、子の氏について、「夫婦が各自の婚姻前の氏を称する旨の定めをするときは、夫婦は、婚姻の際に、夫又は妻の氏を子が称する氏として定めなければならない」というものでございます。
 その後、法務省は、平成八年及び平成二十二年に、法案の提出に向けて、この法制審議会の答申を踏まえた改正法案を準備したところでございます。
 しかしながら、この問題につきましては、国民の間に様々な意見があったほか、当時の政権内においても様々な意見があり、改正法案の提出にまでは至らず、そのまま現在に至っているものと認識しております。
 夫婦の氏に関する法制度につきましては、この法制審議会の答申のほかにも、国会等で様々な提案がされているものと承知しております。
 法務省といたしましては、男女共同参画基本計画に基づきまして、この法制審議会の答申のものも含めまして、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関し、国民各層の意見、国会における議論の動向、司法の判断を注視しながら検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

#167
○井出委員 いろいろな案が出てきているというのはおっしゃるとおりだと思いますし、その中で、法務省がかつて用意した法案の内容というものは、それらのものと比して、きちっと議論に堪え得る、そして世に送り出せる、それだけの中身であるかというところを、もう少し自信を持って答弁をしていただきたいなと思いますが、伺いたいと思います。
 この平成八年の段階でも、国民各層の様々な議論があって、それを踏まえて作られた法案ではないかと思いますが、その内容、いかがでしょうか。

#168
○小出政府参考人 平成八年当時、法制審議会の答申に基づいて立案された内容でございます。
 先ほど申し上げましたとおり、様々な事情によって法案提出には至っておりませんが、現在、様々な提案が国会等で出されておりますので、この法制審議会の案に基づく我々の作成したものも含めまして、しっかり様々な御意見を伺いながら検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

#169
○井出委員 例えば、稲田さんが法務委員会で案を示されましたと。稲田さんの案とどちらが優れているかなんてことは聞くつもりはありません。
 平成八年にまとめられたその法案というものの中身が現代にも通用するかどうかということでございます。そのかつて法務省で作ったものの矜持を私は伺っておきたいと思います。

#170
○小出政府参考人 お答えいたします。
 様々な議論がされる中において、平成八年当時の法制審の答申に基づくこの案は、選択肢として十分成り立ち得るものではないか、御検討いただけるものではないかというふうに考えているところでございます。(発言する者あり)

#171
○義家委員長 小出局長、もう一度同じ答弁、マイクに近づけてお願いします。

#172
○小出政府参考人 様々な提案がございます。様々な御意見、御議論がある中で、平成八年の法制審の答申された要綱に基づくこの提案についても、選択肢の一つとして御検討いただけるものというふうに考えております。

#173
○井出委員 選択肢の一つとして検討いただけるものだと。聞こえなかった答弁のときは、選択肢の一つとして十分検討いただけると言ったのではないかと思いますが、そのことはきちっと議事録に残しておいていただきたいと思います。
 それで、法制審が法案にすべしということをまとめて、法案化がなされなかったというものは、民事の分野においては、これと、もう一つあると聞いているんですけれども、極めてまれなケースであると。
 大体、民事系の法制審にかかるものというのは、百点満点の法案というものは、特に民事の分野は、いろいろな人の、いろいろな立場の、いろいろな思いがあるので、大体、法制審でみんなが合意するところでまとめてくるので、大体それが法案化される、国会でも賛成多数になることも多いんですけれども、それが、法制審でまとまったものが法案化に至らない。
 そのことについて、これは、久武綾子さんという方が、「夫婦別姓 その歴史と背景」という本の中で、これは平成十五年に書かれているんですけれども、この夫婦別氏について、巷間、あたかも、もう既に別姓が実現可能とか、実施されているかのように仄聞されますが、民法七百五十条はいまだ改正されていない、平成十四年時点。しかし、そう思っている人があるのはなぜかというと、法制審議会が選択的夫婦別氏制度などを含む民法改正要綱案を決めたのが平成八年一月十六日で、各紙が、翌日の十七日、夫婦別姓を導入との見出しをつけて報道したことに原因の一つがありそうだと。導入かではなく導入となっていたので、一般の人々は朝刊の見出しを見て導入されると思うのが自然でしょうと述べています。
 同じこの本の中で久武さんはいろいろな世論調査を分析されていて、少しだけ紹介しますと、例えば、平成八年以前にNHKが放送世論調査所の世論調査で、名字のつけ方について結婚後の姓をどのように考えているかという調査を、昭和四十八年、五十三年、五十八年、六十三年とやっていて、このときは、当然夫の氏だというのが四六パー、四四パー、四七パー、四二パーで、別姓可とする意見は三%とか五%、どちらが改姓しても可というのが大体二〇から二四%と。
 現在とは大分違うんですけれども、平成八年の法制審の提起が一つ、それから、平成十四年には野田聖子先生や野中広務先生が裁判所に届け出る形の法案を整えたこともございましたし、平成二十二年の民主党政権の取組もあり、それからまた、最高裁、平成二十七年には多くの国民の知られるところになるような、合憲判決ではありましたが話題となるような議論もあって、世論調査で賛成が増えてきているというのは、先日、他の委員の方も紹介してくださったとおりだと思います。
 そこで、昨年の末に男女共同参画の第五次計画をめぐって、自民党の中で、賛否、大変闊達な議論がありました。結果として、多くは申し上げないんですが、第五次共同参画基本計画の一番最後の部分は、更なる検討を進めるということになり、それが四次はどうだったか、検討を進める。三次はどうだったか、引き続き検討を進める。二次はどうだったか、議論が深まるよう引き続き努める。そして第一次は、引き続き検討を進めると。この二十年間、五次の二十年間を見てもこの問題は進んできていないんですが、更なる検討を進めるという文言になりました。
 これから五年間あって、これまでの歴史的経過を見ても、法務大臣を五年連続でやったという方はいらっしゃらないと思います。最近だと谷垣元法務大臣が二年近く連続してやられたことがありました。上川大臣の三度にわたる在任期間の合計はかなりの在任期間になっておりますが、五年あれば法務大臣は何人か替わられるだろうと。そのときに、法務省の行政府としてこれまで一貫して取り組んできたもの、選択的夫婦別姓の検討というものを更に進めるということに対して、法務省に、いつも、五次計画に基づいて検討を進めます、検討を進めますというような答弁が出ているんですが、これまでの二十年間とは少し異なる決意を見せていただいた方がいいのかなと。
 余り細かいことを聞くつもりはありません。細かいことを言われても私も理解できませんので、もうシンプルに、その決意だけ聞いておきたいと思います。

#174
○小出政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、男女共同参画計画において、更なる検討を進めるということにされております。
 この問題につきましては、国民的な議論を踏まえて意見の集約が図られるということが望ましいと考えておりまして、具体的な議論をどのように進めていくかというようなことにつきましても、しっかり議論していただいて、議論が是非集約するように試みていきたいというふうに考えております。
 我々といたしましても、これまで、ホームページに選択的夫婦別氏制度という項目を設けまして、制度の概要あるいは氏に関する歴史的な経緯、あるいは法制審議会の答申の内容、また、内閣府が五年に一度実施している家族の法制に関する世論調査の結果などについて、国民的な議論に資するよう、また議論が集約されるように、そういった方向に資するように周知を行ってきたものでございまして、引き続き、このような周知、広報を継続して、環境整備にしっかり努めてまいりたいというふうに考えております。

#175
○井出委員 十分な選択肢を持っていながら環境整備というのはちょっと弱気だなと思いますが、十分な選択肢を持っているというところに自信を持っていただきたいと思います。
 時間がなくなってまいりましたので、少し飛ばしながら進めていきたいんですが、養育費の不払いの問題から、少し家族ということについて考えてみたいと思います。
 養育費が七割、八割取れていないということはもう皆さん御存じのとおりです。そのことについて、独立行政法人労働政策研究・研修機構、たしかJILPTというところですね、そこの二〇一三年八月二日に掲載されているコラムを見ました。
 そこで言われていることが、少し早口で読みますが、年収の高い父親ほど養育費を払っている割合は確かに高い。しかし、年収五百万以上の離別父親ですら、その七四・一%は養育費を支払っていないというショッキングな事実がある。経済力は十分であるにもかかわらず、なぜこれほど多くの父親が養育費を踏み倒すに至ったのか。十分な経済力を持つ離別父親の大半は、その後再婚し、新しい家族の養育責任を優先して、離婚した元妻と子供の生活を置き去りにすることが大きな要因だと考えられる。実際、国民生活基礎調査二〇〇七、社会保障実態調査二〇〇七の統合データを求めて、離別有子男性の現在の婚姻状況を調べると、離別父親の再婚率は五九・一%。貧困層の父親は支払い能力の欠如、非貧困層の父親は新しい家族の生活優先が理由となって、どの所得層の父親においても、養育費を支払わないという状況が生み出されているという記載がございます。
 幾つか聞きますが、新しい家族を大切にすることは非常に重要だと思いますが、そのことが元の家族の子供に養育費を払わない理由になりますでしょうか。

#176
○小出政府参考人 夫婦の間に生まれた子に対する扶養義務でございますけれども、離婚後に片方の親が再婚した、また新たな家庭を形成したということで、また新たな子供も生まれ、また新たな扶養義務を負担するに至ったというような事例におきましても、従前の子に対する扶養義務の程度については変わらないというふうに認識しております。

#177
○井出委員 もう一つ聞きますが、離婚して養育費を払わないとなると、なかなか家族の一体感というものは、そこにはなかなか厳しい状況なのかなと思いますし、離婚されて、当然、氏が変わる、その父親と子供の氏が変わるということもございますが、そういうことが養育費を支払わないでいい理由にはなるのか、ならないのか。

#178
○小出政府参考人 親の子に対する扶養義務、これは他の親族間における扶養義務よりも程度の重い扶養義務でございますが、この義務は、委員御指摘のとおり、子供と氏を同じくしているか、あるいは異にするかによって異なるものではないと考えております。

#179
○井出委員 家族の在り方ですとか家族の一体感というものはいろいろな議論があろうかと思いますが、家族とか家族の一体感というものと別に、より根源的にもっと大事なものがあって、その一つは養育費ではないか、それを、残念ながら、今の日本社会では、男性が踏み倒している状況にあるということだろうと思います。
 昨年の自民党の部会の中で少し議論がありました。養育費の問題に大変熱心に取り組まれている女性の議員の方の御発言だったんですが、この方は、私のお話しした限りは、選択的夫婦別姓には慎重な方で、どちらかといえば、まず夫婦同氏の中で男性が氏を変えるべきではないか、男性も当事者だろうというようなことを私、伺ったことがあったんですが、ただ、その方の当時の御発言を聞いていても、やはり、夫婦別姓の激論の中で、その先生からすると、随分と男性の先生方が、許容できない、すさまじいことを堂々とおっしゃると。私は、あのとき、大変その先生が怒っていた表情は忘れることはありませんし、旧姓を捨てた喪失感は本当につらい、是非議論をするべきだというようなことをおっしゃっていたのが頭にあって、今、少し養育費のことと絡めてこの問題を取り上げました。
 次に、親子の氏について、少し里親制度というものから考えてみたいと思います。
 里親制度が、近年、政府が推進をしている、僅かずつであるが進んできているのは多くの方が御存じだと思います。
 里親家庭の里親とお子さんの氏がどのようになっているのか。これは、里親制度を近年政府が進めている中でも、特に進めている大分県の担当者に私、伺ったんですが、どうなっていますかと。そうしたら、一般的には、子供は元々の氏を名のることが多いですと。これは、子供のアイデンティティーを尊重するとか、里親が自分の苗字、氏を子供に押しつけるべきではないという考えであると。一方で、お子さんの希望、気持ちであったり、将来の養子縁組などが視野に入っている場合は里親の氏を名のることもあって、最終的にはケース・バイ・ケースだというようなお話だったと思うんですが、これは政府としてもその見解に変わりがあるのかないのか、伺います。

#180
○岸本政府参考人 お答えいたします。
 里親家庭で暮らします子供の氏につきましては、里親養育指針におきまして、子供の氏、名前は、その子供固有のものであり、かけがえのないものであることを示すとともに、里親の氏を通称として使用することもございますが、その場合は、委託に至った子供の背景、委託期間の見通しとともに、子供の利益、子供自身の意思、実親の意向の尊重といった観点から個別に慎重に検討することについてお示しをしているところでございます。
 また、里親の姓を通称として使うか否かについては、里親のお考えもございますが、里親だけで決められるものではなく、子供の状況に応じ、児童相談所などの関係機関と相談して決めていただく必要があるというふうに考えているところでございます。

#181
○井出委員 もう少し端的に答えていただきたいんですが、子供の旧来の氏を大切にする、ただ、里親の氏を名のることもある、本人の希望とか。子供の元々の名前を尊重しつつ、それを変えること、例外は認めているということですよね。

#182
○岸本政府参考人 お答えいたします。
 先ほどちょっと長く申してしまいましたが、子供の利益、子供自身の意思などを尊重しながら、里親の場合でも、将来的に養子縁組を考えていらっしゃる場合もございますし、またそれを子供が望んでいらっしゃる場合もありますので、そういったケース・バイ・ケースで通称についてどうするかを決めていただくというのが考え方でございます。

#183
○井出委員 元々の子供の氏を大切にする。分かりやすく言えば、ちょっと例外的というか、少ないけれども、里親と同じ氏を名のることもあるだろう。だから、基本的には親子の氏が異なっていて、場合によっては一緒にすることもあると。
 里親制度の一番の目的というものは、お子さんが、特定の大人の方がいらっしゃって、家庭のような、家族のような、そういう雰囲気の中で育てていくこと。これは私、同居するとか、同じ空間、同じ時間にいるとか、それは家族の一体感の一つの重要な要素を里親制度というものは目的として求めているんだと思いますが、そのことと、里親と子供の氏が違っていること、場合によっては一緒にすることもある、そのことは両立できるということですよね。

#184
○岸本政府参考人 お答えいたします。
 里親制度、特に養育里親の場合が念頭に置かれていると存じますが、虐待などの事情によって親元で暮らすことができないお子さんに温かい家庭的な養育環境を提供するということが重要であることから、平成二十八年の児童福祉法改正でも家庭養育優先原則が法律で規定をされた、こういう流れである制度でございます。
 先ほど申し上げました、里親のその親子の氏でございますが、これについては、子供の氏、名前はその子供固有のかけがえのないものであるということと、一方で、その子供の背景、委託期間の見通し、子供の利益などを考慮して個別に慎重に判断するというふうな考え方でございます。

#185
○井出委員 家庭的な温かな雰囲気と、里親、里子の氏の違い、一緒のときもある、それは両立するということですよね。端的に。

#186
○岸本政府参考人 お答えいたします。
 養育里親さんにおかれて、子供と氏を異ならせている場合も当然多うございますが、そういった温かい家庭環境の下で里子さんを育てていただいているというふうに思っております。

#187
○井出委員 しつこくて恐縮ですが、両立するということですよね。

#188
○岸本政府参考人 先ほど申し上げたとおりでございますが、両立するものとして育てていただいているというふうに思っております。

#189
○井出委員 私、冒頭に申し上げたんですが、同氏も大変すばらしいと思っていますし、旧姓使用も大変結構なことだと、いろいろな人たちの取組があってここまでやってきたことだと思います。
 ただ、その二つではなかなか難しい、いかんともし難いという状況があって、そのことに対してやはりより広い制度対応は先ほど宮崎先生がおっしゃったとおりなんですが、そのことを考えていくということはやはり必要ではないか。このことは里親の話を少し聞いていたときに、大分の方に話を伺って今日議論させていただきまして、やはりそのことが必要ではないかなというふうに思いました。
 お子さんの氏の問題は選択的夫婦別姓の議論において非常に重要なテーマなんですが、ちょっと通告していないのでざっくりで結構なんですが、平成八年の法制審の答申で、お子さんの氏をあらかじめ一つにするということになったのはなぜか。簡単で結構ですので、答弁できればお願いします。

#190
○小出政府参考人 お答えいたします。
 夫婦が別氏を取った場合に、その生まれてくる子供の氏がばらばらになる、あるいは統一するか、そんな考え方があるのではないかという議論をされましたけれども、当時、きょうだい間の氏を統一することが望ましいというふうに考えられたものだと思います。
 子供の氏が異なるということで子供の心理等によからぬ影響を及ぼすのではないかということが考えられたところでございまして、それはその後の内閣府が実施した世論調査でも、子の氏が統一されないことによる不利益、子供に対する不利益ということを回答した方の数が多かったというふうに認識しております。

#191
○井出委員 今おっしゃった、きょうだいの氏が異なるとか、そういうことに対する懸念というのは、今も、その当時もあったと思いますし、それは私も理解をできます。
 実際、そのときの法制審で、法務省の参事官をしていた方も、いろいろな議論があったんだけれども、夫婦の氏も選択制になる、子の氏も変わる、法律改正をするときに、大きな変化というものをどこまで求められるのか、そんな議論もあったと聞いておりますが、この問題は、氏、家名、特にお子さんの問題は、養子縁組をすると、実家に養子縁組をして親ときょうだいになる関係になるのが今の状況でございまして、そのことに対しても、自民党の部会で、それを何とかしてあげてほしいと、氏継承議連の会長さんからそういう御意見があって、そのことも少しこれから議論していきたいと思います。
 時間になりましたので終わりますが、今日やったみたいに、少し議論を深めて、何とか多くの人が一致できる、そういう議論をこれからもしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 今日はどうもありがとうございました。

#192
○義家委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時十九分開議

#193
○義家委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。山花郁夫君。

#194
○山花委員 立憲民主党の山花郁夫でございます。よろしくお願いいたします。
 大臣、通告をしていないんですけれども、今日の午前中、札幌地裁で、同性のカップルが婚姻届を受理されなかったことに関して国賠訴訟を提起したということについて判決がございました。賠償自体は、というか請求自体は棄却されたようですけれども、同性の婚姻の自由などに関して、法の下の平等に反するということで違憲であるという趣旨の判決が出たということでございます。ちょっと所感を伺いたいと思うんです。
 この点について、一九八九年にデンマークで登録パートナーシップ制度が採用されました。その頃は、変わった制度だなということだったのかもしれませんけれども、二〇〇〇年代に入ってから、すごい勢いで世界各国で認められています。
 二〇〇〇年に、オランダで同性間の婚姻を容認。二〇〇三年、ベルギー。スペインが二〇〇五年。カナダも二〇〇五年。南アフリカが二〇〇六年。二〇〇八年になりますとノルウェー。二〇〇九年にスウェーデン。二〇一〇年、ポルトガル、アイスランド、アルゼンチン。二〇一二年、デンマーク。二〇一三年、ウルグアイ、ニュージーランド、フランス、ブラジル、英国もそうです。ルクセンブルクが二〇一五年。アイルランド、二〇一五年。フィンランド、二〇一七年。マルタ、ドイツも二〇一七年。オーストラリアも二〇一七年。
 もう各国、こういう潮流なのかなという気がいたします。G7の国で、パートナー制度も含めて、こうした制度がないのは日本だけということはよく言われますけれども、それだけではなくて、今御紹介したような国々が採用いたしております。
 私ども、衆議院の方に、婚姻平等法と言っていますが、法案も提出をいたしております。是非御議論をと思いますけれども、済みません、通告していないのでございますけれども、何か今回の判決について所感があれば、教えていただきたいと思います。

#195
○上川国務大臣 ただいま委員から、御質問の件ということでございますが、現時点で、今おっしゃった内容につきましてつぶさに承知をしている状況ではございませんけれども、お尋ねの判決におきましては、原告らの国に対する請求は棄却されたものということでございまして、その理由の中におきまして、同性愛の方に対しまして、婚姻によって生じる法的効果の一部ですらも享受する手段を提供していないということにつきましては、その限度で憲法十四条第一項に違反するとの判示、判断が示されたものと承知をしているということでございます。
 今回、詳細をしっかりと把握させていただいた上で、また改めてそれにつきましてコメントをさせていただくこともあろうかと思いますけれども、今のところにおきましては、判示の内容ということの、御指摘に対しての今のような回答ということでとどめさせていただきたいというふうに思います。

#196
○山花委員 政府においては是非法制審などで検討していただきたいなという希望だけ今日は述べさせていただくのと、議員立法で提出しておりますので、是非委員会でも御議論いただきたいということを冒頭述べさせていただきたいと思います。
 さて、今日は、集中的な一般質疑ということでございます。一つ、午前中も若干議論がございました河井前議員の案件に関してでございます。
 総務省、お越しいただいておりますけれども、まず一つは、河井克行氏が代表を務める自由民主党の広島県第三選挙区支部の政治資金収支報告書について、これは使途が不明とされて提出をされているんですけれども、このようなケースというのはほかにあるんでしょうか。

#197
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 過去にも、領収書等や会計帳簿などが火災などにより滅失した場合や捜査機関に押収されている場合など、政治団体側で収支報告書を正確に記載することが不可能な場合に、記載できない項目については不明と記載をし、確認できた範囲内で収支報告書を記載して提出された事例があるというふうに承知しております。

#198
○山花委員 火災の場合は、これは物理的に毀損してしまっていて不可抗力ということなのかもしれません。今、捜査関係で押収されていてというケースがあるというようなお話でした。
 今回のこの収支報告書なんですけれども、これはここに存在しております委員の皆さんなら事務所を通じて出されていると思いますけれども、必ず宣誓書というものを添付いたします。その宣誓書に、今回のケースについては、手書きで、取締り当局に関係書類を押収されているため、収支報告の記載に一部不明で報告いたします、その後、取締り当局により関係書類が返還されたときには、収支報告書を訂正いたしますということが記載をされております。
 これは法務省に伺いたいんですけれども、捜査関係書類というのは、今、押収された状態にあるんでしょうかということです。

#199
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねは個別事件における捜査の具体的内容に関わる事柄でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

#200
○山花委員 これは、少なくとも河井案里さんの案件に関しては終わっているのではないかと思いますが。
 まず、これはもう一回、総務省に伺います。
 今度は、河井案里氏が代表を務める自由民主党広島県参議院選挙区第七支部についても、関係書類が押収されているため、収支の状況が記載できない旨、報告があったとされておりますけれども、済みません、私、手元にこの写しを入手できておりませんで、この同様の記載があるということで、そういう認識でよろしいでしょうか。

#201
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 河井案里氏が代表の自由民主党広島県参議院選挙区第七支部の令和元年分の収支報告書につきまして、お尋ねがございましたので、広島県選挙管理委員会に確認をしたところ、宣誓書において御指摘のような記載がなされているとのことでございました。

#202
○山花委員 ということは、返ってくればそれは訂正しますよという意思の表示だと思いますけれども、少なくとも河井案里さんの案件に関しては、既に事件は終わっているのではないかと思いますけれども、ということを言うとまたいろいろ言われると思うので、ちょっと切り離します。
 一般論として申し上げます。一般論として、刑事訴訟上、押収されたということは、別に、所有権が被疑者、被告人から検察官に移ったわけではありませんから、当然、終わったら当事者に返却されるという認識でよろしいですね。

#203
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 捜査機関が押収した証拠物につきまして、留置、すなわち捜査機関の手元にとどめておく必要がなくなれば、相手方に返すべきものは返す、還付という手続を取ることになります。

#204
○山花委員 その上で、ちょっともう一度伺いますけれども、河井案里さんの関係は、これは事件は終わったと私は認識をしているんですけれども、そうであるとすると、返却されたという認識でよろしいでしょうか。これは法務省に伺います。

#205
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねは個別事件における捜査の具体的内容に関わる事柄でございますので、お答えは差し控えたいと存じます。

#206
○山花委員 個別事件についてと言うんですけれども、その根拠とされているのは刑事訴訟法の四十七条じゃないかと思いますが、午前中も質疑がありました。
 四十七条は、「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。」、「公判の開廷前」と書いてあります、「但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。」と書いてあるんですけれども、「公判の開廷前」と書いてあるんですけれども、この根拠からすると、当たらないんじゃないでしょうか。

#207
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 委員のお尋ねは、個別事件において、証拠物を押収しているのか、あるいは、押収しているとすれば、いまだ捜査機関の手元にとどまっているのかということでございます。
 この点についてお答えを差し控えさせていただいた理由について申し上げますと、一般論として申し上げれば、個別事件における証拠品に関する処分について公にした場合には、それによって、いかなる者からいかなる証拠品を押収していたのかが明らかとなり、ひいては、個別事件における捜査及び証拠の具体的内容を推知させることになり得るところでございます。
 そのため、当該事件の関係者の名誉やプライバシーの保護の観点から問題があるのみならず、具体的な捜査の手法が明らかになり、今後の同種事件における罪証隠滅活動を招くおそれがあるほか、今後の捜査、公判における関係者の協力を得ることが困難になるなどの重大な支障が生じることがあり得ることから、申し訳ございませんが、お答えを差し控えさせていただいたものでございます。

#208
○山花委員 いささか拡大解釈が過ぎるのではなかろうかと思いますけれども。
 ちょっと幾つか聞きたいことがありますので、今日のところはここまでにしたいと思います。
 総務省に伺います。
 仮に返却されたとすれば、これは訂正されるという認識でよろしいのでしょうかということが一つ。まとめて聞きます。
 これは広島県の選管に提出するものですけれども、政党として使途報告というのが総務省の方に出されるものだと思いますけれども、先ほど、代表者が広島の選管に対して、分からないのがあるのでということで現在報告できません、分かったら訂正しますよということで宣誓書があってというお話でしたけれども、使途報告、これは政党、ちょっと恐縮ですが、自由民主党さんから出ているものですよね。それについても同様の記載があったということなのかとか、あと、後の手続についても、同じように、押収されたものが返ってきたら訂正されるんだろうなということで認識していてよろしいでしょうか。

#209
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 収支報告書のことでございますけれども、宣誓書におきまして、取締り当局により関係書類が返還されたときには収支報告書を訂正するとの記載がございますので、これを踏まえまして、政治団体において適切に対応いただけるものと認識をしております。
 また、使途報告書につきましてもお尋ねございましたけれども、こちらにつきましても、宣誓書におきまして、関係書類が押収されているため、使途等の内訳が不明であり、記載できず、当該不明部分については明らかになった時点で訂正するとの記載がございますので、これを踏まえまして、収支報告書と同様に、政党支部において適切に対応されるものと認識をしております。

#210
○山花委員 総務省は以上で退席をされて結構ですので、委員長、御指示いただければと思います。

#211
○義家委員長 では、総務省、退室して結構でございます。

#212
○山花委員 改めましてですけれども、ただ、そういうことなんですけれども、結局、いつ返ってくるのかは我々は分からないということでございまして、総務省も、これは形式的な審査権しかないので、つまり職権調査するわけにいかないのでということでございました。
 何かこう、捜査に関わるのでということで出されないと、こういったところでも支障が生じるということについては指摘をしておきたいと思います。
 さて、もう一つの問題に移りたいと思います。行政刷新会議の報告書についてです。
 これについては、いろいろな案件があって、こうした報告書が出てきたわけでありますけれども、これは、検察官の倫理が一つ目、二つ目として、未来志向での法務行政の透明化、三つ目として、我が国の刑事手続について国際的な理解が得られるものにするための方策という三つの検討の柱から成っているとされておりますが、ちょっと解せないのが、一つ目が検察官の倫理ということになっていますが、これ、きっかけとなったのは倫理の問題なんでしょうか。
 今、総務省などで、国家公務員の会食を中心としてということが問題になっています。届出がなかった等々については、これは倫理の問題なんでしょう、何か職務権限があって収賄とかそういうことにならない限りは。
 しかし、今回の検察の問題は、黒川氏の賭けマージャンをきっかけとしていたのではないかと思いますが、これは、倫理というよりも、法に反する問題がきっかけになっていたのではないかと思います。それを倫理問題と言うのは、いささか違和感があるんですけれども。
 経緯について、どういうことなのか、認識を伺いたいと思います。

#213
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 法務・検察行政刷新会議でございますが、緊急事態宣言下に元東京高等検察庁検事長が金銭を賭けてマージャンを行ったこと等について、国民の皆様から法務・検察に対して様々な御指摘、御批判をいただいたことから、森前大臣が、法務・検察への信頼回復のための取組として昨年七月に設置したものと理解をしております。

#214
○山花委員 実は、余りちょっと黒川さんの件は、私、気持ちのいいものじゃないんですよね。実は、私が副大臣を務めていたときの官房長が、黒川官房長当時でございましたので、余り固有名詞を挙げてやるのは、ちょっと気持ちがいいものではございませんけれども。
 ちょっと違う視点でお話をしたいと思うんですが、今日、午前中の質疑で、稲富議員の方から、ちょっと人が使った資料を手にやるのもどうかと思いますが、稲富議員からは、例えば、先ほど、個別の問題なので答えられないということを、国会では答えられないのに記事に出ているではないかというような指摘がございました。それはそのとおりだと思うし、ただ、違う観点でいうと、仮に百歩譲って国会で答えることには支障があるのだといたしましょう。ただ、それにしてはということでございます。マージャンもそうだけれども、これは、私、前から気になっているんですけれども、検察は日常的に違法行為をやっていると私は思っているんです。
 というのも、いいですか、今日配られた稲富議員の記事も、「東京地検特捜部は、来週にも賭博罪で略式起訴する方針を固めた。関係者への取材で判明した。」。何でこんなことが漏れているんですか、外に。「関係者によると、特捜部は再捜査で黒川氏から改めて事情聴取。「記者からみて黒川氏は取材対象者で、賭けマージャンを中止できる立場にあった」とする審査会の指摘を重くみて、方針を固めた模様だ。黒川氏も略式起訴の方針に同意しているという。」。
 これ、例えば、国会で今どうなっていますかと聞いたら、いや、捜査に支障があるから答えられませんと言うんじゃないですか。何でこんなことが外に漏れているんでしょうか。国家公務員法違反なんじゃないですか、守秘義務違反、国家公務員法百条。
 つまり、これ多分、いや、私、資料提示していないけれども、皆さん日常的にそれを感じられていないですか。この件だけじゃないですよ。私は、これ、問題だと思うのは、マスコミもたたかないんですよ、困るから。自分たちだって書けないから。
 これは、検察だけじゃなくて、今日本の司法で、特に今冤罪が何か問題になっているということではないかもしれないけれども、前々から問題意識があるのは、こういったリークをすることによって何となくそういう雰囲気をつくっていって、全てが有罪がこれで出ているなんて言うつもりはないですよ。ないけれども、松本サリン事件とか、過去に失敗した例、あるじゃないですか。何か、あたかももうこれが犯人だみたいなことで。政治家の案件だってそうですよ。何かすごく悪いうわさをどんどん流していって、踏み込んだら何も出なかったみたいなことがあったじゃないですか。
 つまり、国家公務員法に関して言うと、これ、違反しているとしか思えないようなことが日常茶飯事なんですよ、検察関係というのは。これ、今回の問題で、ちょっとこれでひっかけてやっているわけじゃないんだけれども、午前中の質疑を聞いていて思ったことなんです。
 つまり、今回、この法務・検察行政刷新会議、この報告書で、結局、きっかけは、私の認識とは若干違うかもしれませんけれども、不祥事があってということでいうと、丸めて言うとそういうことなんでしょう。不祥事があってこういうものを出されたんだけれども、結局、何か倫理の、検察の綱紀のより一層の保持につながる適切な取組をすることということで終わられちゃっているんだけれども、これ、綱紀の一層の保持につながる適切な取組というのは、一体何を想定しているんでしょうか。
 今回、この委員室、理事の方でも弁護士の資格を持っておられる先生はいらっしゃいますけれども、弁護士の方に聞くと、やはり何かあると、ちゃんと弁護士もハンドブックみたいなものを持っていて、ちゃんとそういうのを参照しながら行う、仕事するということでありましたけれども、今回、この議論の中で、倫理規範だとか職務基本規程なんかが必要なんじゃないか、こんな意見が出ていたけれども、結局、必要ないんじゃないかという意見もあって、そういうことには至りませんでしたが、こうしたことも踏まえて、やはり私は、検察の皆さんにも、倫理規範とか職務基本規程みたいなものが必要なのではないかと思いますけれども、この点、いかがでしょうか。

#215
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 検察官の倫理規範が必要ではないかというお尋ねでございます。
 委員御指摘のとおり、法務・検察行政刷新会議におきましては、検察官の倫理に関し、検察官の綱紀のより一層の保持につながる適切な取組をすることとされたところでございますが、この会議で示された様々な意見につきましては、それを実施に移すかどうかを含めて法務・検察において適切に判断されるべき事柄であるとされているところでございます。
 これを受けて、法務・検察におきましては、研修等を検討、実施することとしているところでございます。
 また、倫理規範の関係でございますが、この会議におきましては、検察官について、弁護士同様の規範等が必要との御意見があった一方で、既に検察官が服務規律に服していることなどを理由に、新たな規範等を設ける必要はない旨の御意見もあったところと承知しております。
 御指摘のような規範等を設けるべきかにつきましては、検察においては、既に検察の理念というものがございまして、これに基づく職務遂行が検察官に期待されていることに加え、国家公務員法等による服務規律に服していることなどを踏まえて、その必要があるとは考えていないものと承知しております。

#216
○山花委員 結局、刑事局とかに任せておくとこういうことになっちゃうんで、それは是非政治家として、大臣、リーダーシップを発揮していただきたいと思います。
 先ほど、公務員法違反じゃないかという指摘をしましたし、場内からも賛同のうなずきもあったと思いますが、例えば、こうしたことがあったときに、すぐ出てこないけれども、刑事訴訟法上だと告発義務があるんじゃないですか、公務員の皆さんには、そういう犯罪があると思料するときには。ごめんなさい、ちょっと今出てこないけれども。
 なので、これもちょっと、恐縮ですが大臣、簡単にちょっと思いだけ。これ、このままで本当にいいんですか、任せちゃっていて。やはり政治の側で少し監督なりリーダーシップを発揮する必要があるのではないかと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。

#217
○上川国務大臣 ただいま刑事局長の方から、この法務・検察刷新会議におきましての議論を踏まえた上で、私どもの中でガバナンスPTという形で組織をつくりまして、そして、幅広い声をいただきながら対応していこうと。しかも、特に若い世代の皆さんが組織の中でしっかりと仕事をしていただくためには、風通しよく、また、いろいろなことが表に出るようにということで、そんな思いも込めて、組織全体の風通しのよさ、そして風土の確立ということを実践するということも併せて立ち上げて、今取り組んでいる状況でございます。
 政治の立場でどのようにリーダーシップを発揮するかということについては、上からその指示をするということについては、よりしっかりと対応していかなければいけないというふうに思っておりますが、この一つの報告書の中に、組織の中でしっかり対応してほしいということについては明確に御指示をいただきました。外から言われて直すというようなことではなく、中から自発的に動いていくということが必要ではないか、これはガバナンスの非常に基本であるというふうに思っておりまして、そこのところをしっかりと組織的にも位置づけながら進めてまいりたいと思います。
 かつて様々な、法務省に係るいろいろな形で問題がありまして、検察の理念という、そのことにつきましては、非常に大事な大きな基本的な考え方という形で、その下で今も絶えず検証しながら進めてきているところでございます。
 新たな、これにプラスするものがあるかどうかも含めまして、絶えず不断の検証をしていくというこの姿勢につきましては、私自身、旗を振ってまいりたいというふうに思っております。

#218
○山花委員 しっかりやっていただきたいと思いますし、先ほど申し上げましたけれども、今まで私は、例えば検察の方が情報をリークしてこれが国家公務員法違反じゃないかといって告発されたなんて話、聞いたことないですよ。だから、やはり任せちゃ駄目だということは申し上げておきたいと思います。
 話、変わります。
 刑事訴訟法上、身体拘束を受けていない任意の取調べ中の被疑者は、いつでも取調べを拒否してその場を退室することができるという理解でよろしいでしょうか。

#219
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 刑事訴訟法第百九十八条第一項ただし書に定められているとおり、逮捕、勾留されていない被疑者は、出頭を拒み、また出頭後、いつでも退去することができることとされているところでございます。

#220
○山花委員 済みません、次のことに行きます。
 要するに、任意であれば、もう疲れたので帰りますと言って退室しても構わない、法律的には、そういうことだと理解いたしました。
 その上で、退室した後、じゃ、弁護士でも頼もうかなということもできるはずなんですが、他方、任意であれ協力をしているという状態の下で、取調べへの弁護人の立会いは禁止されていないという理解でよろしいでしょうか。

#221
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 刑事訴訟法上、被疑者の取調べへの弁護人の立会いを禁止する規定はございません。
 その上で、検察官による被疑者の取調べに弁護人の立会いを認めるかどうかは、取調べを行う検察官において、取調べの機能を損なうおそれ、関係者の名誉及びプライバシーや捜査の秘密が害されるおそれ等を考慮し、事案に応じて適切に判断すべきものと承知しております。

#222
○山花委員 事案に応じ適切に判断ということでございますけれども、じゃ、立ち会わせたケースというのは果たして存在するのでしょうか。私が聞いた限り、弁護士さんでそんな話は聞いたことがないということでございましたけれども、その点について実際把握しておられますでしょうか。

#223
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 委員お尋ねの点でございますが、法務当局として、御指摘のような事例という観点から網羅的に把握しておりませんで、お答えすることは困難でございます。

#224
○山花委員 網羅的に把握する必要はあると考えませんでしょうか。

#225
○川原政府参考人 繰り返しでございます。
 法務当局としては、御指摘のような事例という観点から網羅的には把握していなかったところでございます。

#226
○山花委員 網羅的に把握していない、つまり、実際どういうケースがあったのかはよく承知していないにもかかわらず、どうして、支障が生じるのではないかとか、何かこんなことが起こるのではないかということが判断できるんでしょうか。
 つまり、刑事訴訟法については三年後の見直しということが附則でうたわれていると思いますが、それが二〇二二年の六月に参ります。あと一年二か月程度ということです。
 この取調べに対して弁護人を立ち会わせるかどうかということは、これは従前から議論があるところですが、大体、検察の方々の主張というか、今おっしゃったような話であるとか、何かこう個人的に人間関係をつくってみたいなことを言われるんですけれども、実際の弊害というのが、つまり立法事実が分からないんですよ。だって、具体的に、立ち会わせたことがあるけれども、そんなときにこんなことがありましたとか、実際にこんな弊害がありました、だからちょっと駄目なんですという話ならともかく、一方的にこうじゃないかと言われているだけじゃないですか。エビデンスがないんですよ。
 だから、今いきなり立ち会わせろとかなんとか、そういうことを法制化しろということを言うつもりはありませんが、少なくとも、立ち会わせたケースがあるのかないのか、立ち会わせたケースで問題がなかったのか、あるいは具体的に何かあったのかということについては、それは把握する必要があるんじゃないでしょうか、いかがでしょうか。

#227
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員御質問の中で、二十八年改正刑訴法の附則ということにも触れられましたので、それとの関連も含めて御答弁申し上げますが、平成二十八年の刑事訴訟法等一部改正法の附則におきまして、政府は、改正法の施行後三年を経過した場合において、取調べの録音、録画制度の在り方のほか、改正法の施行状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされているところでございます。
 この附則によりまして、取調べの録音、録画制度の在り方の検討が求められることになるため、そのために必要となる取調べの録音、録画制度の実施状況を調査しているところでございますが、委員御指摘の被疑者の取調べへの弁護人の立会いの制度につきましては、この附則によりまして直接的に検討が求められているわけでございませんで、いわゆる三年の検討の場でこれを取り上げるかや、どのような方向で検討するかなどは現時点で何ら決まっていないところでございます。
 したがいまして、現時点で御指摘のような事例の調査を行うことについては、慎重に検討してまいりたいと考えております。

#228
○山花委員 時間が来ました。終わります。

#229
○義家委員長 次に、藤野保史君。

#230
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。
 昨年の検察庁法改正問題を契機に、法務省は法務・検察刷新会議を立ち上げ、昨年十二月、報告書が出されました。
 そもそもの始まりは、黒川弘務元東京高検検事長の勤務延長を行うという閣議決定が行われた。それに伴って、戦後一貫していた従来の検察庁法の法解釈を百八十度変える解釈変更が行われた。さらに、昨年の通常国会に検察庁法改正案が提出され、内閣の定める事由があると認めるときは特定の検察官の勤務延長を認めるという規定、これがその法案にはあったわけであります。
 しかし、結局、黒川氏は賭けマージャンで辞任し、一旦不起訴になりましたけれども、検察審査会の起訴相当、この議決を受けて、近々略式起訴されると先ほどもありました。そして、法案は一旦廃案になっております。
 大臣にお聞きしますが、一連のこの動きがなぜ起きたのか、それが法務省に対する信頼を失墜させた、そういう認識の下に、やはりプロセスをしっかり検証することが必要だ、その検証のためにこの会議が設置をされ、その結果、報告書が出された、こういう認識でよろしいでしょうか。

#231
○上川国務大臣 委員御指摘の法務・検察行政刷新会議でございますが、緊急事態宣言下におきまして、元東京高等検察庁検事長が金銭を賭けてマージャンを行ったこと等に関しまして、国民の皆様から、法務・検察に対しまして様々な御指摘、御批判をいただきました。前森大臣が、法務・検察への信頼回復のために取り組まなければいけないということで、昨年の七月に設置をされたものでございます。
 前大臣がお示しされた三つの検討の柱に沿って、この間、議論をされ、そして報告書がまとめられたと承知をしております。

#232
○藤野委員 今申し上げたように、黒川氏は辞任、検察を辞められて、法案も廃案になっているわけですが、変更された検察庁法の解釈というのは撤回されていないわけです。先ほど稲富委員からも指摘がありました。
 しかし、この解釈をそのままにすることはできないというふうに思うんです。というのも、戦前、司法の独立が不十分だった、その下で多くの人権侵害が生まれた、その反省から、戦後の日本国憲法では三権分立の原則が確立されて、検察官についても準司法官として高い独立性が与えられました。検察庁法という法律は、この独立性を担保するために、キャリアの出口で年齢のみを考慮して、内閣が、内閣の定める場合とかそういう関与ができないように独立性を担保していたわけです。それをそのとおり、ずっと、戦後何回も国会で議論されて、そういう解釈ですというふうに解釈も確定していたわけですが、ところが、昨年、解釈変更が行われて、これをもう百八十度変えるわけですね。刷新会議でも、この解釈変更は極めて特異な、変わった解釈変更だと指摘をされております。
 もし現時点で、大臣、法務省がこの百八十度変えた法解釈を維持するというのであれば、もちろん我々は反対ですけれども、もし法務省がそうおっしゃるのであれば、それ相応の極めて高い説明責任が今の法務省に生じるというふうに思います。ところが、昨年の刷新会議の議論を通じて法務省がこの説明責任を果たしたのか。これは果たしているとは到底言えないと思うんです、私は全部読ませてもらいましたけれども。
 法務省に、事務方にお聞きしますが、第五回の二〇二〇年十月一日の会議で、法務省の刑事局総務課長は文書の記載についてどのように述べていますでしょうか。

#233
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 法務・検察刷新会議の第五回の会議におきまして、会議の委員の方から、検察官に国家公務員法の勤務延長の規定が適用されるとする解釈変更を行うことを関係省庁に協議した文書を作成するに当たり、法務省内部において議論をした経緯を文書に残すべきであったのではないかとの指摘があったのに対して、刑事局の総務課長から、事実関係の説明として、ちょっと長くなりますが、全部読んだ方がよろしゅうございますか。
 今回の配付資料の中にあるいわゆる協議文書、これはある意味結論が記載された文書であります。当然、その過程において事務的にいろいろな検討をしているわけですが、それは結果として今回はこの文書にはそこまでは記載がないというのは、実際、事実でございます。いろいろな内部での意見、外部からの意見はその後の話ですので、それは国会審議等で明らかになっているというところですが、内部でどういう意見があったかということは、結果的には文書としておりませんという発言をしたところでございます。

#234
○藤野委員 要するに、文書の中に残っていない、過程が、プロセスが。だから検証できないという話なんです。
 配付資料の二を見ていただきますと、これは、篠塚元の東京弁護士会の会長がこの刷新会議の委員をされておりまして、その会議の終盤、十二月に報告書が出るんですが、十月の一日、同じ十月に出された資料の中にこういう指摘があります。黄色いところですが、「同文書には、作成日付及び作成者の記載がない。いつ誰が作成したかは文書からは読み取れないし、法務省における特定の検察幹部の勤務延長制度へ道を開く経緯も含めた意思決定に至る過程を合理的に跡付け、又は検証することができない。」、こういう指摘であります。
 そして、報告書にも、この認識というか、反映していると思うんです。
 配付資料の三を御覧いただきたいと思うんですが、左側は、当初の報告書案、案の段階のものです。ここでは、今の勤務延長の経緯に、プロセスに関する法務省の説明について、余り納得できるものではなくという、余りという言葉がついていたんですね。ところが、右の方の正式な報告書になりますと、この余りが削除されておりまして、納得できるものではなくと。つまり、刷新会議として法務省の説明は納得できるものではないということをわざわざ明確にしたということであります。
 大臣にお聞きしますが、法務省の説明は納得できない、この刷新会議の指摘をどう受け止めますか。

#235
○上川国務大臣 ただいま委員から御紹介をいただきました報告書の御指摘の部分ということでございますが、これは、検察官に国家公務員法の勤務延長の規定が適用されるとするさきの解釈変更、また、黒川元検事長の勤務延長の経緯に関する当局からの説明に対しまして、先ほど御紹介いただいた委員から、私としては余り納得できませんでしたとの発言がなされたことを踏まえて記載されたものと承知をしております。
 今回、検察官の国家公務員法の勤務延長の規定が適用されるとするさきの解釈変更につきましては、検察官を取り巻く情勢が大きく変化したことを踏まえ、検察官につきましても、定年後も引き続きその職務を担当させることが公務遂行上必要な場合があると考えられるために行われたと聞いております。
 私自身、当時、法務大臣の職にございませんで、この意思決定の過程に関わっておりませんでしたので、当時の説明が納得できるものか否かについてお答えはなかなか難しいということでございますが、まさに御指摘の解釈変更に関しましては、様々な御意見、御批判がなされていたものと承知をしております。

#236
○藤野委員 いや、様々な御意見じゃなくて、法務大臣が、前大臣ですけれども、やってくれと、三つの課題をやってくれと言ってお願いをして、そして議論をした結果、納得できるものじゃないと言っているわけですよ、この法解釈のプロセス、説明が。だから、いろいろな意見じゃなくて、御自身がというか、自分の省庁がわざわざお願いした、その結果についてどう受け止めるかということなんですね。
 私、率直に言いまして、政府が設けた刷新会議からこういう意見をいただいたわけです。大臣、要するに、刷新会議から納得できないと言われるような解釈変更は、撤回すべきじゃないですか。

#237
○上川国務大臣 その報告書の中の、先ほどの文章でありますが、その他項目になりまして、こういう意見もあったという、そのところの紹介ということでありまして、委員会全体として集約した御意見という形でのことではなかったのではないかというふうに思っております。
 御指摘の解釈変更ということでございますが、関係省庁とも協議をするなどして適正なプロセスを経て行われたものと聞いております。他方で、御指摘の解釈変更を前提として、さきの国会に、国家公務員法等の一部を改正する法律案、提出いたしましたけれども、このことにつきましては、特に検察庁法の改正部分につきまして様々な御意見がございました。そして、結果的に法律案は廃案になったものというふうに承知をしております。
 政府としては、そうしたことも踏まえながら、法案の提出について改めて検討してまいりたいと思っております。

#238
○藤野委員 もしこの解釈変更を撤回せずそのまま維持するとなれば、国民の信頼失墜を招いた前の法務省と同じ立場に今の法務省も立っているということになってしまうわけですね。ですから、刷新会議がこういう指摘をしているわけですから、そういう解釈を維持すべきではない。法治国家というのであれば、検証もできないような法解釈を維持することは許されないということを強く指摘したいと思います。
 次に、その報告書で三つ目の課題として刷新会議が検討した結果で、「証拠開示制度の在り方について」というのがあると思います。
 法務省にお聞きしますが、どういう指摘がされていますでしょうか。

#239
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 法務・検察行政刷新会議の報告書には、「証拠開示制度の在り方について」という項目が設けられておりまして、その中で、この会議の委員の御意見として、「現在の証拠開示制度は、公判前整理手続に付された事件に限って適用されるが、これを一般的な制度に広げ、また、再審請求審にも証拠開示制度を設けるべきではないか。」「原則として検察官手持ち証拠の全てが開示されるべきであり、再審請求審段階における証拠開示のルールも定められるべきである。」といった御意見が記載されております。
 一方で、証拠開示の問題については、これまで、刑事裁判実務を通じて長い議論を経た上で、まず、裁判員制度導入に際し、公判前・期日間整理手続が法定された上、平成二十八年の刑事訴訟法改正で、リスト開示の導入や類型証拠の範囲の拡大等のほか、義務的対象事件以外についても整理手続の請求権を被告人側に認めるなどの強化が図られてきたところであり、運用面でも、検察側の積極的な任意開示を含め、適正に十分な開示が行われているといった御意見が記載されているものと承知しております。

#240
○藤野委員 私も、当委員会で、冤罪を二度と起こしてはならないという立場で、再審段階、通常審ではなくて再審段階における証拠開示、これは不十分なんですね、率直に言って。だから、これをルール化して、実際行うべきだと繰り返し質問してきました。今も、大崎事件の原口アヤ子さんなど、多くの冤罪被害者が大変な御苦労をされているんですね。
 ですから、今回、この報告書でこの問題が指摘をされたというのは、私、大変大事なことだなと思っております。つまり、再審段階で証拠開示のルールを作る、この方向で検討を具体化すべきだというふうに思っております。
 大事なことは、この刷新会議が大臣のイニシアチブを求めているということであります。
 配付資料の四を見ていただきたいんですが、これは左側が当初の報告書案なんですけれども、この案の段階では、法務当局においてこういう制度の在り方について適切な検討がなされることという言い方だったんです。それが、正式な報告書では、法務大臣において適切に対応するということが求められております。つまり、刷新会議は、わざわざ大臣に、検討じゃなくて対応を求めております。
 大臣、これに応えるべきじゃないでしょうか。再審のルール化、やるべきじゃないでしょうか。

#241
○上川国務大臣 法務・検察行政刷新会議におきまして、再審請求審におきましての証拠開示制度の導入を求める御意見があったことにつきましては、先ほど委員から御紹介をいただいたとおりでございます。
 再審請求審におきましての証拠開示制度につきましては、平成二十八年に成立いたしました刑事訴訟法等の一部を改正する法律附則の九条三項において、検討することが求められております。そこで、平成二十九年の三月から、最高裁判所、法務省、日本弁護士連合会、また警察庁の担当者で構成いたします、今……(藤野委員「この会議の指摘にどう応えられるか」と呼ぶ)それで、そういう動きもありまして、刑事手続に関する協議会を設けて協議、意見交換を行っている状況でございます。
 この再審請求審における証拠開示制度を設けることにつきましては、法制審議会の新時代の刑事司法制度特別部会において議論がなされたところでございまして、様々御意見の中に、例えば、再審請求審における証拠開示について一般的なルールを設けること自体が困難である、あるいは、手続構造の異なる再審請求審につきまして、通常審の証拠開示制度を転用することは整合しないといった問題点が指摘されているところでございまして、これらを踏まえて慎重に検討する必要があると考えております。
 法務・検察行政刷新会議におきましての御提案の重みは大変重いものというふうに思っておりまして、ガバナンスPTをしっかりと設けて受皿をしながら、こうした様々な課題につきましても検討を深めてまいりたいというふうに思っております。

#242
○藤野委員 この間、最高裁に五つの再審事件が同時に係属するという戦後初の事態が起きているんですね。これは逆に言えば、それだけ冤罪が大変深刻、最高裁まで争わないと冤罪を晴らせない、そういう事態が今日本で起きているわけですね。その中には、その冤罪を晴らすのに逆行するような動きもあったりして、それが裁判官の恣意に委ねられているわけです、今ルールがないから、法律がないから。そうではなくて、裁判のしっかりとルールを作って、再審でもちゃんと争えるようにしていく。通常審ではできるわけですから、それを再審でもきちんとやるということが、本当に冤罪被害者を救っていく上で求められております。これは本当に強く、これも求めたいと思います。
 その上で、今日は名古屋入管の問題、先日十二日も質問させていただきましたけれども、引き続きこの問題をお聞きしたいと思うんです。三月六日に三十代のスリランカ女性の被収容者が死亡した事案であります。
 今日お聞きしたいのは、そもそもこの女性は入管に収容される必要があったのかということなんです。
 この女性、スリランカで大学を卒業されて、得意の英語を生かして日本の子供たちに英語を教えたい、そのためにはやはり日本語を勉強しなきゃいけないということで、日本語の学習のために二〇一七年に来日をされました。そのままずっと活躍されれば、多文化共生社会、日本社会の多様化に大きな役割を果たしてくれる可能性があった方だと思うんです。
 ところが、やはり、両親からの仕送りがなくなるなど経済的理由から専門学校を退学することになって、それで在留資格を失ってしまったわけです。その後、同居していた男性からDV被害。暴力を受けて警察に相談したことで在留資格がないことが発覚して、昨年八月から収容されていた。
 大臣、お聞きするんですが、DV被害を受けて、助けてほしいと警察に相談したら、在留資格がないという一点だけで入管に収容されて、死に至ってしまったんですよ。こんなことがあっていいと思われますか。

#243
○松本政府参考人 お答えいたします。
 個別の事案についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、退去強制手続は適正に行っているものと認識しております。

#244
○藤野委員 大臣、大臣はどう思われますか。
 大臣は、所信の中で、多文化共生社会の実現を掲げられました。大変重要だと思います。
 この女性は、何か不法行為をしたとか、反社会的行為をしたとか、そういうわけじゃないんですよね。むしろ、自分の得意な英語を生かして日本社会に貢献したい、日本の子供たちに語学を教えたいということで日本に来ていただいた。そして、DVの被害を受けて、被害者なわけですよ、むしろ、犯罪被害者なわけです。在留資格を失ったのも、単に経済的に困ってしまったからなわけです。
 そうであれば、例えば、その経済的困難をなくす方法で何らかの知恵を出して、そして再び在留資格を得られるように支援をする、そして、得意の語学力を生かせるような形で、つまり共生できるように支援することこそ、法務省がやるべき対応だったんじゃなかったですか。大臣、どう思われますか。

#245
○上川国務大臣 今、亡くなられた方に対しましては心からお悔やみを申し上げたいというふうに思います。
 収容施設におきましては、命を預かるということがございまして、今委員からは、様々な、その方に係るいろいろな情報について……(藤野委員「入った後じゃないんです、入れるべきじゃなかったんじゃないかという話です」と呼ぶ)そういうお話もありましたけれども、今、とにかく、調査チームをすぐに派遣して、そしていろいろな状況について把握するようにということで指示をしたところでございます。
 なるべく早いタイミングで調査結果がまとめられるようにということで特段の指示をしておりますので、その結果につきまして、まとめた上で、これから先のことについてしっかりと検討してまいりたいと思っております。

#246
○藤野委員 配付資料の五を見ていただければと思うんですが、これは、名古屋で入管の支援に取り組んでいらっしゃるSTARTという団体が三月十一日に出した申入れ書であります。
 この女性は、収容時と比べて体重はもう二十キロも減って衰弱していた。今年一月下旬頃から体調不良を訴え、点滴をしてほしいということを当局に求めていたというふうにお聞きをしております。支援団体も、入院させて点滴を打つべきだ、そうでないなら仮放免することということを機会あるごとに申し入れていたというんですね。
 この申入れ書のところで、黄色く塗っていますけれども、左側の方ですが、とりわけ、今年二月五日、外部病院で内視鏡検査を受けた結果、胃の状態については重篤な状態ではないとの医師の判断を受け、以後、貴局は、問題ないとの態度を取り続けた。この後が問題なんですね。しかし、その検査のときに、担当した医師から、点滴を打つ話があったにもかかわらず、医師から時間がかかると言われ、入院と同じような状態になるとの理由で、女性に点滴を打つことなく貴局収容場に連れ帰ってしまったと。
 入管庁、お聞きしますが、これは事実ですか。

#247
○松本政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘の点も含めて、現在調査中でございます。

#248
○藤野委員 医師から点滴を打つという話があったのに入管が断ったということが仮に事実だとすれば、これはもう大問題になると思います。
 その後も、この申入れ書にありますが、体温が三十七・五度を超えても、コロナの検査などの対応をしなかったと。処方した薬というのはビタミン剤と痛み止め、ロキソニンのみとか。
 この申入れ書によりますと、この医師に行って以降、女性本人からも、今まで以上に明確に、点滴をやってほしい、病院に行きたいと何度も要望が出されたというんですね。
 入管庁は、全て調査中で、答えないわけであります。私は、しかし、その調査の在り方そのものが問題だというふうに思っております。
 大臣、お聞きしたいんですが、大臣、三月九日の記者会見でこうおっしゃっております。調査の方法や体制をどのようなものにするかということについても、併せてしっかりと検討した上で、事実関係を十分に解明してまいりたい、こういうことなんですね。
 調査の方法や体制、これは今何かチームを送っていらっしゃるということなんですが、しかし、やはりこれは法務、入管庁内部のチームなわけですね。名古屋入管というところは、この半年で二人、この女性だけじゃないんですね、もう一人亡くなられていて、二名の命が失われている。この重大性に鑑みれば、大臣、日弁連などが繰り返し求めている第三者による調査、これが必要じゃないかと思うんですね。
 この申入れ書にもありますけれども、「貴局は、」、法務省はということなんですけれども、左側の下の方ですが、「貴局は、女性が、わずかでも壁を伝って移動すれば「歩いた」と言い、少しでも物を食べ、液体を飲めば「食べた」と言っていた。」と。我々が使う歩いたとか食べたという言葉の意味さえ違ってくるわけですよ。
 大臣、これ以上命が失われる事態を防ぐためにも、第三者による調査、これは必要じゃないでしょうか。

#249
○上川国務大臣 入管収容施設におきましてのこうした死亡事案につきまして、しっかりと調査をしていくということは大事なことであるという認識の下で、今、体制を整え、また、調査の実態を把握すべく、実施しているところでございます。
 委員御指摘をいただいたように、外部の専門家の方々から、その知見に基づきます御意見、御指導をいただくことは極めて重要であるというふうに認識をしております。
 今回の調査に関しましてのことにつきましても、外部の医師等から御意見をいただくことを検討しておりまして、また、外部の医師、専門家等によって構成されている入国者収容所等視察委員会に対しましてこの調査状況をしっかりと報告をいたします。そして、委員の方々から御意見を頂戴するということも今検討しておりまして、こうした形で、第三者の関与をしっかりといただきながら調査を進めてまいりたいというふうに考えております。

#250
○藤野委員 今大臣がおっしゃった第三者というものの関与、これは今までもずっとやられてきているんです。二〇〇七年以降、十七名の方が入管施設でお亡くなりになっているんですが、そのたびに、例えば外部のお医者さんにも聞きましたよとか、あるいは入国者収容視察委員会、今おっしゃられた委員会、これが関与してきているんです。しかし、今回もまたこういう事件が起きてしまった。だから、日弁連はずっと、日弁連というか、ほかの各地の弁護士会も、そういうちょっとつまみ食い的に第三者の意見を聞くのではなくて、第三者が全体として調査をする、これが必要だということを繰り返し繰り返し提言しているんですね。
 ですから、今まで繰り返されてきた、これは二度と繰り返さないという立場に立つのであれば、まさに第三者による、法務省が調査したことをちょっと補強するような形で第三者の意見を聞くのではなくて、まさに第三者による調査が必要だというふうに思います。この点については引き続き求めていきたいというふうに思います。
 そして、この点で私が強く感じているのは、冒頭申し上げた、この女性はそもそも収容される必要があったのかということなんですね。
 私、この委員会で、日本の法務省、入管庁が取っている全件収容主義という問題、在留資格がなくなったら取りあえず全部、全件収容するというこの問題を繰り返し質問してきましたけれども、今回亡くなった女性は、まさに全件収容主義の犠牲者じゃないかと私は思うんです。全く収容の必要がない、そういう人まで強制的に収容した。そして、結果として最悪の事態を招いてしまったわけです。
 このSTARTの申入れの左側を見ていただきますと、「今回の女性の死に至る経緯を見るならば、法務省入管庁における収容―送還方針がその根底的要因としてあると考えざるを得ない。救済するのではなく、退去強制令を受けた者を厄介者扱いし、追い返す対象としか考えない、貴局の送還方針とその下での対応が死に至らしめたと言わざるを得ない。」、こういう指摘なんです。
 大臣、今回の亡くなった女性というのは全件収容主義の犠牲者だ、こういう認識をお持ちですか。

#251
○松本政府参考人 お答えいたします。
 現行法によりましては、収容令書によります収容は、退去強制手続において、退去強制事由に該当すると思料される外国人の出頭を確保して容疑事実の有無についての審査を円滑に行い、最終的に退去強制の処分が確定したときにその者の送還を確実に実施するため、身柄の確保をすることを目的とするものです。
 さらに、退去強制令書による収容は、退去強制者の送還を確実に実施するためのものでございます。(藤野委員「委員長、やめさせてください」と呼ぶ)

#252
○義家委員長 簡潔にお願いします。

#253
○松本政府参考人 ただ、今、国会に提出しております改正法におきましては……(藤野委員「ただじゃないですよ、もういいです」と呼ぶ)

#254
○義家委員長 簡潔にお願いします。

#255
○松本政府参考人 全件収容を改める形の内容を盛り込んでいるところでございます。

#256
○藤野委員 今、今国会に出している入管法改正案のことを述べられましたけれども、私、この今回の事件が起きた原因、これをどう考えているのか問われると思うんですね。まさにこの女性が全件収容主義の犠牲者となってしまったこの事件の原因究明と真相究明なくして、法案の審査なんてあり得ないと思いますよ、私は。このことを強く言っておきたいと思います。
 最後に、東京入管のクラスターの問題をお聞きします。
 入管庁にお聞きしますが、五十八名、職員を合わせると六十四名というこの一大クラスターの発生の原因は明らかになったんでしょうか。

#257
○松本政府参考人 お答えいたします。
 感染経路、感染源等、まだ確定に至っておりません。

#258
○藤野委員 要するに、原因が分からないんです。そうであれば、更に感染が広がる可能性があるということです。
 二月二十六日に、三つの団体、全国難民弁護団連絡会議と、入管問題調査会と、全件収容主義と闘う弁護士の会、ハマースミスの誓いという、この三団体連名で緊急要請が政府に提出されております。
 その第一に掲げているのは、新型コロナの陰性が確認された場合は全て解放してくださいということがあるんですね、入管施設から。
 特に、半数近い人が感染した東京入管で、原因不明のまま、何で拡大したか分からないまま、つまり、有効な対策が打たれる保証がない状態で収容が続けられているわけです。今も収容されている方々は高い感染リスクにさらされ続けているわけですね。この状態を維持する方が私は非人道的だと思います。
 大臣、お聞きしますが、これらの団体が提案しているように、せめて、陰性が確認されたらそういう危険な施設からは解放する、このことを検討すべきじゃないでしょうか。

#259
○松本政府参考人 お答えいたします。
 現在、東京出入国在留管理局におきましては、感染の発生を受けまして、それぞれの収容区域ごとにゾーニングを実施しております。その上で、保健所の御指導も受けながら、陰性の者については適切な対応を取っているところでございます。

#260
○藤野委員 拡大した原因が分からないわけですよ。なのに、対策を取っていますと言われても、何の説得力もない。
 最後に大臣にお聞きしますが、そうやって、今、そういう危険なところに閉じ込められて大変不安なわけですね。そして、外部と、特に家族と、状況を伝えたい、こういうお話を伺っております。この団体も、外部交通権を保障すべきだと言っているんですね。
 今は確かに有料の電話は使えたりしますし、一定のことはできるんですが、例えば、外から、家族から電話をするとか、あるいはインターネットを使っての通信というのは、これはできないんですね、この時代に。ですから、やはりそういう危険なところに収容するのであれば、私は出すべきだと思いますが、するのであれば、せめてそうした外部との交通、これを今よりも改善すべきじゃないでしょうか。これをお願いしたいんです。

#261
○上川国務大臣 今回のこうした感染状況の拡大の中におきまして、クラスターが発生したということについては、極めて重く受け止めております。こうしたことにならないために、昨年の四月から、法務省におきましては特別の本部をつくりまして、私が就任した九月からは、さらに、感染についての防護につきましてはレベルを上げて対応するようにということで、全庁挙げてそれに取り組んできたところでございましたので、私も、その意味では、深刻に受け止めているところであります。
 今、自粛云々の中でなかなか面会がかなわないということについては、これは非常に不安が高いということもありますので、今の時代のこうしたシステムを駆使して、きちっと面会ができるような、そうした対応をしてまいりたいというふうに思います。

#262
○藤野委員 是非その具体化を求めて、質問を終わります。

#263
○義家委員長 次に、串田誠一君。

#264
○串田委員 日本維新の会の串田誠一です。
 まず最初に、これは質問ではないんですけれども、前回、動物は物ではないという法改正をお願いをしたいという話をいたしまして、三月十日に、そのとき、上川法務大臣は、我が国の民法上では動物は物に含まれる、外国において物ではないという規定があることは承知しているが、民法上、規定を改めると、その他の関係法令においてどのように扱うかは全般的な検討が必要になるため影響が大きいということでございました。
 ただ、そのときに、ドイツはどうなっているのかという話がありまして、ドイツは、動物は物ではない、別段の定めがない限り物に関する規定を流用するという回答でございました。
 そうしますと、日本でも、全般的に民法にこれを書き記す必要はないわけで、他の法令でそれを調整しながら、民法では物ではないんだけれども、他の法令に反しない限りは本法を準用するとかというふうにすれば、全般的な検討が必要になるというわけではないんではないかというふうに思うんですね。
 特に、日本の場合には、世界動物保護協会が、WAPというんですけれども、動物の、畜産に関して最下位の、畜産動物福祉の評価は最下位なんですね、A、B、C、D、E、F、Gで。二〇一四年のときの審査だとDだったんですね。だから、三段階下がってしまって最下位に落ち込んでしまいました。動物福祉に関しては、そういう意味で、日本というのは非常に遅れている。
 アニマルウェルフェアとよく言われていると思うんですけれども、今週、環境委員会でも、私、ちょっと質問させていただいて、保護をするときの、この前もちょっとお話をさせていただきましたが、最近でも、駐車場の車の中に犬が二頭、何日間も放置されているというようなことで、助けられなかった、最終的には助けられたんですけれども、かなり大きな騒ぎになったというのもありまして、やはり動物を物のままにしておくということは、学校の教育でも、子供にとっても、やはり動物は物なんだと。法学部の授業だとブツとかと言いますよね、者と区別するために。
 やはり動物は物ではないんだ、生きているものなんだということを民法に規定した上で、他の法令に反しない限りは本法を準用するとするならば、全般的な検討は必要ないのではないかと思うんですよ。もしそれで全般的な検討が必要であるんだったら、次回必ず質問させていただきますので、どこが検討が必要なのか、回答をいただきたい。これは質問通告でございますので、よろしくお願いをいたします。
 もしそうでなかったら、是非、動物は物ではないんだということを宣言していただいた上で、準用という形でやっていただければ他の法律の改正が非常にしやすくなっていくんだと思うんですね。やはり他の法令で改正しようとしても、民法が動物を物として扱ってしまって、七百九条などでも、全般的に所有者の権利がもう万能の権利のように書かれてしまっているものですから、他の省庁がおじけづいちゃっているところがあると私は思うんですよ。
 民法所管の動物の一番の原点となっているところを、是非、物ではないんだという宣言をしていただいた上で、ちょっと尊重していただきたいということをお願いをしておきたいと思います。次回質問をさせていただきますので、前向きな回答をお願いをしたいと思います。
 ところで、ちょっと順番を変えますが、先ほどもちょっと出ましたけれども、同性婚の違憲判決というのが、違憲判決というか、棄却なので違憲という、勝訴というわけではないんでしょうけれども、これは、国賠の、賠償を認めるということは退いたけれども、同性婚を認めないことに関しては違憲だということをはっきりと明示した非常に画期的な判決ではないかな、そういう意味では、この日本の裁判史上においても大変記念すべき日なのではないかなというふうに思っております。
 詳細はまだ皆さんもないかとは思うんですけれども、このような判決を受けて、先ほど大臣の御意見をお聞きしましたので、田所副大臣と小野田政務官に、それぞれこの判決に関しての感想を率直に述べていただければと思います。

#265
○小野田大臣政務官 先ほど上川大臣からもお話ありましたけれども、現時点で全てを承知しているわけではございませんが、その理由の中において、同性愛者に対して、婚姻によって生じる法的効果の一部ですらも享受する手段を提供していないことはその限度で憲法第十四条に違反するという判断ということなので、違憲と言われたわけではちょっとないのかなというふうに思っていますが、またこれから判決も全て読ませていただいて、これから勉強させていただきたいと思います。

#266
○田所副大臣 基本的に大臣と同じ意見でございます。
 国が勝訴したために控訴することができませんが、現段階では確定前の判決であり、また、他の裁判所に同様の訴訟が係属しているということもありますので、その判断も注視してまいりたいというふうに思います。

#267
○串田委員 ところで、個別案件は回答できないというのは私もそれで結構だと思うんですけれども、こういう訴訟で国側がどういう主張をしているのかというのは、大臣としては承知していらっしゃるんでしょうか。

#268
○上川国務大臣 つぶさにその主張を論理立てて、そして流れとしてこうだということについて一字一句把握しているわけではございませんけれども、基本的な考え方につきましては説明を受けております。
 また、それぞれ訴訟も今同時に行われているということでもございますので、そうした一連の流れの中でどう考えるのか。今回、一回目と、初めてということでありますので、大変注目をされてきた判決だと思います。しっかりと把握してまいりたいと思っております。

#269
○串田委員 これは非常に画期的な判決なので、いろいろな各社が、メディアが取り上げておりますが、一つのかなり大手のメディアによりますと、国側が同性婚を認められない点として簡潔に整理している内容としては、婚姻制度は子供を産み育てながら共同生活を送る関係に法的保護を与えるものと指摘し、その後が、これはちょっとどうかなと思うんですが、同性愛者でも異性との婚姻は可能で、同性婚を認めないのは性的指向に基づく差別ではないと主張した、こういうふうに国が言っているんですね。同性愛者でも異性との婚姻は可能だと。だから、同性愛者は異性と結婚することができるんだから禁止したっていいじゃないか、こういう国側の主張のようで、これは本当かなと思って、今、ちょっと訴訟関係者に確認したら、国がこれをちゃんとこういうふうに言っていると確認しました。
 もしこれが本当だとしたら、上川大臣もこのような考え方なんですか。

#270
○上川国務大臣 今御指摘いただいたような内容につきましては、そこまでの記述があったことについてはちょっと私、そこまでは把握しておりませんので、お答えについては差し控えさせていただきたいと思います。
 今御指摘で、マスコミのこの情報の中での御質問ということでありますが、評価につきましては差し控えさせていただきたいと思います。

#271
○串田委員 それでは、次回、これは判決文と主張もあるので、質問通告しておきますから、これが国側の主張であるとしたら、大臣としてはこれを了解してこのような主張をしているのか、御回答いただきたいというふうに思います。
 ここの中で、憲法第十三条の問題があって、これは、個々人が幸福を追求する権利は公共の福祉に反しない限りは認められるとなっているんですけれども、同性婚を認めないというのは幸福を追求する権利を私は制限していると思うんですが、これを制限しなければならないような社会的な公共の福祉、何が害されるんですか。

#272
○小出政府参考人 お答えいたします。
 憲法二十四条一項は、婚姻は両性の合意のみに基づいて成立すると規定しておりまして、当事者双方の性別が同一である婚姻の成立を認めることは憲法上想定されていないわけでございます。
 その上で、政府といたしましては、現時点において、同性婚の導入を検討していないため、具体的な制度導入を前提として、それが憲法二十四条一項に適合するか否かの検討もしていないところでございます。
 したがいまして、委員御指摘の、憲法の規定が同性婚を否定する理由となるのか否かなどについてお答えするのは困難でございます。

#273
○串田委員 憲法は、検討していないときは認めなきゃいけないんですよ。十三条はそういうふうに書いてあるでしょう。だって、公共の福祉に反しない限りは認めると書いてあるんだから、公共の福祉に反することについての立証責任は制限する側にあるわけですよ。それはちょっと、憲法の考え方を私は間違っているなと思います。
 これも、次回、まとめて質問をしたいとは思うんですけれども、一つね、前、次の質疑者の高井議員が判検交流の話をしましたが、今、小出民事局長が答えてくださいました。小出民事局長は、その前は東京高裁の判事だったと思うんですけれども、その前の小野瀬民事局長は、お辞めになられた後、宇都宮地裁の所長になって、今は東京高裁の高裁部総括判事になられているんですね、どんどん出世されていく。
 こういうふうに、政府側の答弁をした人がまた裁判所に戻って高裁でその判断をするということになったとき、札幌地裁で違憲だという判断をしたその判断を今回国賠で棄却したから、控訴するのは訴えた側だと思うんですけれども、高裁で判断されるときに、このように政府の側で答えをしている人たちが高裁の判事になって答えていくということに関して、国民としては、これは平等とはとても思えないような気がするんですけれども、小出民事局長は、自分が今度、将来、この事件を担当したときは、政府側の判断ではなくて、公平に判断できる、そういう自信はおありなんですか。

#274
○小出政府参考人 仮定の話にお答えするのはどうかと思いますし、自分が今後どういう事件を担当させていただくかということにも関わりますので、そういったことについてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

#275
○串田委員 その答えでまあ仕方ないにしても、構造上、こういうふうに、一生懸命、みんな、法務委員会で質疑をして、これは問題じゃないかと言っているときに、政府側の立場で答えている人が今度は裁判所に戻ってそして高裁の判事として判断をするということに対して、客観的公平性として、国民はどう思うのかということはやはり考えていかなきゃいけないんじゃないかなというふうなことを私は指摘しておきたいと思います。
 次に、児相の一時保護の問題について触れたいと思います。
 先ほど加害者家族の質問がございました。加害者家族の問題がありましたけれども、要するに、どういうことがそういう問題になるかというと、加害者側であるということだけでもって、もう何か人権とかというものが非常に考慮されていないことになってしまうんじゃないかという傾向がちょっとあるんじゃないかなと。
 これは私、メディアもそういうふうに感じるんですけれども、現場だったら分かるんですが、加害者が逮捕されているのにそこの家を撮影して放送すると、カーテンが閉まって戸締まりがされて、玄関のところに子供用の自転車があったりすると本当に胸が痛むんですね。ここの子供はあした学校へ行けないだろうなと思うんですよね。その家の自宅までテレビで映す必要があるんだろうかということを時々思うんですけれども。
 そういう意味で、何か加害者になっちゃうともうどうでもよいような風潮というのは、これはやはり変えていかなきゃいけないんじゃないかと思うんですが、その一つとして、一時保護も、虐待の保護というのはすごく大事なんだと思うんですが、その後が非常にずさんになってしまう傾向があるんだろうなと思うんです。
 これは二つの点であるんですけれども、まず、虐待の通報によって保護されたときに、本当に虐待であるかどうかという審査が行われていないというのは再三申し上げております。これは子どもの権利条約にも書かれ、そして国連の勧告にもなされています。
 そして、大臣は国連の勧告に関してはおっしゃられるんだけれども、その国連の勧告の中で、家族から分離される児童が多数に上るとの報告がなされていること、また、児童が裁判所の命令なくして家族から分離される場合があり、かつ最長で二か月間児童相談所に措置され得ることを委員会は深刻に懸念すると書いてあるんですよね。
 だから、いつも、毎度毎度質問するんですけれども、二か月後には裁判所の審査があるからと言っているんだけれども、子どもの権利条約はそうなっていないですよね。その分離されるときに司法審査をしなさいと書いてあるんですよ。国連もそういうふうに勧告しているんですよ。そして、はっきりと、最長二か月措置され得ると書いてある。そういう勧告がありながら、二か月後にはちゃんと司法審査していると言ったら、これは全然合わないと思うんですよね。
 そういう意味で、まず一つは、司法審査をちゃんと、間違って虐待保護されるということは非常に多いんですよ、アメリカの事例もそうですけれども。そこら辺は諸外国の事例をちょっと見ていただいて、間違いがないわけないんだから、相当数含まれているということ、それを司法審査がちゃんと判断しないということ自体がこのように指摘されているということですよね。もうそろそろ、ちゃんと、先ほど京都コングレスの司法外交というのがありましたけれども、司法外交というぐらいだったら、批准した条約ぐらいは守りましょうよ。これがまず一点ですね。
 それともう一つは、児童相談所に保護された児童が、やはりこれも、義務教育も受けられないというような状況になっていると私は思うんですが、親との面会ができるかできないかということで、この前、宇都宮地裁で判決があったんですけれども、児童相談所の一時保護で保護されたときに、親と面会をすることができるのが原則なのか、それとも、できないけれども例外的に面会を許されるのか、どっちなんですか。

#276
○岸本政府参考人 お答えいたします。
 一時保護中の親との面談をどう考えるかにつきましては、親との面談が児童の最善の利益に合致するかどうかを個別の事案ごとに判断する必要がございまして、一概にお答えすることは難しゅうございますが、厚生労働省が定めております一時保護ガイドラインにおきましては、面会等に関する制限は、子供の安全の確保が図られ、かつ一時保護の目的が達成できる範囲で必要最小限とすること、制限を行う場合には、子供の安全確保のため必要である旨を子供や保護者に説明するとともに、記録にとどめることとしておりまして、こうした方針に沿って、子供の最善の利益を守るため、児童相談所において面会の可否が適切に判断されるよう取り組んでまいりたいと考えております。

#277
○串田委員 端的に言えば、面会をさせることが原則という理解でよろしいですよね。子供の最善の利益を害する場合には制限をするけれども、原則は面会をするということでよろしいですか。
 というのは、児童福祉法は、子どもの権利条約にのっとって行うというのは第一条に書かれていますよね。子どもの権利条約の第一条には、親との面会、接触というのはできる限り行うことが子どもの権利条約になっていて、国連の勧告にもその点は指摘されていますよね。
 だから、ここは原則、例外を明確におっしゃっていただきたいんです。

#278
○岸本政府参考人 お答えいたします。
 原則か例外かにつきましては、一時保護におきまして重要であるのは、子供の安全確保と権利制限について、子供の利益に配慮してバランスを保ちつつ判断をすることであると考えておりまして、なかなか一概に原則、例外という関係で申し上げるのは難しいと考えております。

#279
○串田委員 厚労委員会でもう一度、田村大臣にお聞きしますが、田村大臣は原則だと言ってくださいましたよ、面会は。聞いていらっしゃいませんでしたか、あのとき。どうですか、聞いていらっしゃいました、僕が質問したのは。

#280
○岸本政府参考人 答弁は承知しております。

#281
○串田委員 大臣が言ったことを別の言い方しちゃうとおかしくないですか。
 大臣自身が面会は原則的に認めると言っているのに、何でそうやってはっきり言えないんですか。そのはっきり言えなかった理由を教えてください。

#282
○岸本政府参考人 お答えいたします。
 原則と例外という言い方と私どもが一時保護ガイドラインで示している考え方が、具体的にそれほど乖離しているかどうかということはあると思うんですけれども、本日のお答えとしましては、一時保護ガイドラインという、自治体、児童相談所がこれに基づいて一時保護業務を運営してくださっているガイドラインの表現を用いまして、一時保護の目的が達成できる範囲内で必要最小限とするという考えを示しているガイドラインの箇所を御答弁申し上げたものでございます。

#283
○串田委員 今お答えをいただいているように、田村大臣はちゃんと子どもの権利条約を理解されているんですけれども、省庁の職員が子どもの権利条約を理解していないからそういう答え方をされるわけでしょう。
 子どもの権利条約は、原則は子供は会えることになっているわけでしょう。それで、国連の勧告では、二十八の(c)で、施設に措置された児童が、生物学的親との接触を維持する権利を剥奪されていることということで勧告されているわけでしょう。
 私が言いたいのは、このような子どもの権利条約を守っていないと国連から勧告をされていることは真摯に受け止めて、改善すべきところは改善した方がいいんじゃないんですかと指摘しているので、厚労委員会で田村大臣は、原則だからこれは徹底させるというふうに言ってくださっているのに、何でここで出てこられている方は違う答え方をするのかが不思議なんですけれども。
 もう一度ちょっと答えていただけないですか。子どもの権利条約を理解されていますよね。読んだことはありますか。

#284
○岸本政府参考人 お答えいたします。
 子どもの権利条約は拝読しております、当然ですが。
 それから、原則か例外かにつきましては、大変繰り返しで恐縮でございますが、私ども、自治体に対してこれを踏まえていただくようお願いしている一時保護ガイドラインにおきまして、面会に関する制限につきまして、子供の安全が確保され、かつ一時保護の目的が達成できる範囲で必要最小限とするというふうに言っておりますので、必要最小限とするということですから、それはその必要最小限である安全確保の理由が説明できるかどうか、そうでなければそれは面会を認めるということである、そういうことをガイドラインではあれしているということでございます。

#285
○串田委員 ちょっと田村大臣と違いますから、このガイドラインを書き換えていただかなければいけないことをまた厚労委員会で指摘していきたいと思います。
 子どもの権利条約の書きっぷりを見ていただければ、原則、例外というのははっきり分かるじゃないですか。そういう考え方だから、国連からこんなに再三再四、子供の権利を守っていないと勧告されているわけでしょう。
 では、申し上げますと、この国連の勧告に対してはどういう理解なんですか。おかしい勧告だという理解なんですか。

#286
○岸本政府参考人 お答えいたします。
 我が国の児童福祉法に基づく様々な行政等について重要な御指摘をいただいたものであり、その勧告の趣旨をどう生かしていくか受け止めるべきものだと捉えております。

#287
○串田委員 だから、その重要な指摘というのはどういうことですか。どういうことを指摘されたと思っているんですか、重要な指摘というのは。私が質問しているのと全く同じことを国連の勧告が言っているから、代弁しているだけなんですよ。
 原則が守られていないでしょうと言っているんですよ。だから、例外はあるのは分かりますよ、それは。面会をさせることが原則だけれども、それが子供の最善の利益にならない場合には制限することがあるというのは分かりますよ。それを原則、例外と言うんですよ。それが理解できていないから、今のような、こういう国連から勧告を受けているんじゃないですか。

#288
○岸本政府参考人 お答えいたします。
 今御指摘いただいている点に関しましては、国連からの指摘としては、施設に措置された児童が、生物学的親との接触を維持する権利を剥奪されているというふうに捉えられ、指摘をいただいているというふうに受け止めておりまして、これは、先ほどから申し上げている一時保護の、私どもの今の行政運営の考え方からすると、必要最小限でなければならないというふうにしている面会交流の制限が、そのとおりになっているかどうかということについて御指摘をいただいたものというふうに考えております。

#289
○串田委員 ですから、国内での考え方と、子どもの権利条約を批准した各国、締結国ですけれども、国連の子どもの権利委員会から勧告を受けているその解釈が、やはりちょっと違うんじゃないかというのは真摯に受け止めて。こんな勧告を受けているというのは恥ずかしいことだからさ、ちゃんと、勧告を受けた以上は、解釈自体が正しいんだろうかということをやはり真摯に受け止めて、検討し直すということをしていただきたいんですよ。そんな何か、自分たちは正しいということをずっと言い続けないで。
 だって、国連で勧告されているんですよ、こんなような、剥奪されているとまで。そして、現実に、子供の面会を認めていないじゃないですか。その前提に、その前に、やはり司法審査というのを用意してくださいと国連が言っていて、子どもの権利条約に書いてあるんだから。
 これは一九九四年に批准している条約ですので、もう二十六年も七年もたったまま、子供の権利を守られないままいるということ自体を、やはりちょっとこう、この政権がというわけじゃないんですよ。一九九四年というのは、ずっと前の細川政権のときに批准した条約なものですからね。
 国内法整備が十分できているかどうかというのを私も大変疑問を持っているところですので、この政権がどうということではないんですけれども、もう二十七年も各国から、日本は子どもの権利条約を守っていないという指摘をされ続けている国であるということは、やはりこれは司法外交の上でも、私は大変なマイナス点だろうなと。強く出ていかなきゃいけないときもあるだろうと思うんですが、その日本が子供の権利を守っていないというふうに世界中から思われているというのは大変残念だなというふうに私は思うんです。
 最後に、今、法制審議会でこの家族法の諮問をされている中で検討していただいている二十四か国調査というのがありますが、大臣、お読みになっていただいた上で、どのような感想をお持ちでしょうか。

#290
○上川国務大臣 今回、法務省が外務省に依頼をして、そして二十四か国を対象にいたしまして海外の法制調査をしたところでございまして、私も、この第一次資料につきましては大変貴重なものとして受け止めております。
 ただ、制度というのは、その国の中で様々な議論を経た上でつくられたものでございまして、ちょっと、表現ぶりのところにもう少し掘り下げて、背景にあるものというものをしっかりと把握したいなということが随所にございました。
 その意味では、日本も同じだと思うんですけれども、日本の制度というものがどういうふうな基盤によって立ってつくられて、運用されているのかということについて、表面的に見た場合にはただ比較になってしまうので、そこのところをもう一段、二段、掘り下げる必要があるなというふうに思っております。
 また、様々な国際的な場で、いろいろな国々から、それぞれの国の実情につきましても説明をするということ、これは日本も同じでありますが、そういうことに際して、そうした情報が、そうしたプレゼンテーションに対して読み込むときの材料としても極めて重要な要素を持っているなというふうに思っております。更に掘り下げてまいりたいと思っております。

#291
○串田委員 細かいことはまた後で聞くといたしまして、私の感想としては、やはり家族法に関して、国がかなり積極的に関与しているというのを感じるんですね。日本はその点、離婚にしましても、離婚の届けを出すだけで済んでしまう。養育費や面会のことも取り決めることが義務づけられていないとか、そんなような部分で司法が関与しているというのが大変少ないという状況を、私はやはりここの部分はいろいろな部分で参考にしながら、いいとこ取りを取って改正していただきたいということをお願いいたしまして、終わりにします。
 ありがとうございました。

#292
○義家委員長 次に、高井崇志君。

#293
○高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。
 今日は、先ほどから質疑に出ておりますけれども、検察官の定年延長、勤務延長の問題について、私も取り上げたいと思います。
 これはもう一年以上前の話で、私も一年ぶりに質疑なんですけれども、やはりこれは、黒川検事長が辞められて、何となくうやむやになりかけていますけれども、やはりうやむやにしちゃいけない重要な問題をたくさん含んでいますので、是非、これをまず取り上げたいと思います。
 ちょっとおさらいで、去年どういうことがあったかということを、もう皆さんも忘れかけていると思うんですけれども、去年の一月三十一日に黒川東京高検検事長が、勤務延長が閣議決定された、それでかなり大騒ぎになるわけです。その後、予算委員会で各種質問が出て、二月十二日に山尾委員が当時の森法務大臣に対して、昭和五十六年の国家公務員法改正のときに、検察官は定年延長からは外れていますよという明確な答弁がありますよと。これに対して問うたら、森大臣は恐らく知らなかったとしか思えないような答弁をするわけですね。かつ、その前に、これは後藤委員だったと思うんですけれども、別の日だったかと思うんですけれども、人事院の松尾給与局長に、人事院としての解釈は変更はあるんですかと聞いたら、変更はありませんと。解釈は五十六年のときから今も変わりませんという答弁があったということだったんですが、この山尾委員の、出てきた文書で、過去の答弁で、それはおかしいということになって、翌日、私が衆議院の本会議で、これは地方税法の代表質問だったんですけれども、そのときに、安倍総理に聞いたら、安倍総理が、いや、解釈を変更したと。
 当時、さらっと言われたので、私も何かふっと聞いてしまったんですけれども、後、よくよく考えれば、解釈変更なのか、これは大変だということになって、また、今度、二月十九日に山尾委員が森大臣に対してかなり厳しい、それから、今日来ていただいていますけれども、法制局長官にも来ていただいて、結局、解釈変更しましたということになったわけですが、じゃ、いつ解釈変更したんですかと聞くと、一月の十七日から二十一日にかけて、今日配ればよかったんですけれども、応接録という、よく法制局と法務省がやり取りするペーパー、二枚物と言っていましたけれども、これは、二枚といっても、一・二枚というか、二枚目は四分の一ぐらいで、かつ、注しか書いていません、二枚目は。だから、もう一枚ですよ、実質。一枚物のこの紙で解釈を変更したんだと、当時、法制局長官や法務大臣も答弁しておりますが、これをよく見ると、解釈変更なんということは何も書いていないんですね。昭和五十六年の国公法の改正のときから勤務延長については国公法の規定が適用されると解するのが自然であると、五十六年当時から検察官も国家公務員と同じ規定が適用されるのが自然ですよと書いているペーパーなんですよ。ということは、これは解釈変更じゃないと思うんですが、ちょっと、その点はこれから後で質問するとして。
 このことについて、私は、二月の二十五日に予算委員会の分科会で、近藤長官と三十分、ずっとそのやり取りばかりしたわけですけれども、結局、今日はそのときの質疑を基に、ちょっともう一回聞きたいと思うんです。
 もし、これは、百歩譲ってというか、近藤長官がおっしゃるように、あるいは法務省が言うように、この一月十七から二十一日にかけて、法務省と法制局がやり取りしたこのペーパー、この一枚物で解釈変更だとすれば、国会で昭和五十六年当時に答弁をして法律の解釈というのが決まっているのに、内部の法制局と法務省だけで協議をして、解釈の変更を決めたと。そのことが誰にも伝わっていないわけですね。国会ですらそのことが答弁をされなかった、山尾委員が追及したら、ようやくそういう答弁があった。これは、追及していなかったら、結局、法務省と法制局だけが知っていて、国民は全く知らない、国民は五十六年のまさに答弁が解釈だと思っていますから。
 こういうことが許されるんでしょうか。つまり、国会で答弁が、政府の中の協議だけで変わってしまって、それを何も国民に周知すらしないというようなことがあっていいんでしょうか。法制局長官にお聞きします。

#294
○近藤政府特別補佐人 お答えいたします。
 最初に、法令の解釈の変更というのは、そもそも、そうみだりに行われるものではありませんし、非常に、解釈上どうしてもそうしたことをしないと社会情勢の変化の中で適切な法執行ができないというときに、慎重な検討の上で行われるということで、そういう意味では、何かルールが決まっているとかいうことではございませんので、これまでも別に、手続ですとか、あるいは、それを変更したときに、後、何か周知が要るのか要らないのかとか、そういう議論については、基本的には個々、個別にそういう判断をされる担当省庁の方で御判断をされる。もちろん、その内容はいろいろな場合がございますので、国民の権利義務に絡む場合もありますし、そうでない場合もありますし、そういうのは一つ一つ適切に各省庁で判断されるべきものだと思っております。

#295
○高井委員 いや、法制局は本当にそれでいいのかと思いますけれどもね。法令解釈しても、別に周知も要らないんだと。国会答弁を政府だけで解釈変更して、解釈変更は私はあっていいと思いますよ、でも、解釈変更するなら、きちんとその理由を明らかにして、やはり国民の皆さんに伝えないと。本当は国会なんかでちゃんと議論も必要だと思いますが。
 それでは、各省が判断すると法制局はおっしゃいました。では、法務省は、これ、いいんですか。法務省と内閣法制局だけで協議して、国会の答弁の解釈変更を国民の皆さんに周知しないというのが法務省の方針でしょうか。

#296
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねは、解釈変更はあり得るとした上で、その解釈変更の周知ということですので、その点についてお答え申し上げます。
 法令の解釈あるいはその変更につきまして、いかなる場合に周知が行われるかは、国民生活等への直接の影響の有無やその程度などを総合して判断されるべきものと承知をしております。
 その上で、どのような場合に周知が必要になるのかについて一概にお答えすることは困難と考えているところでございますが、今御指摘のような解釈変更、すなわち、人事制度に関わる事柄については、今申し上げたような観点から、必ずしも周知する必要はないと当時判断したものでございます。

#297
○高井委員 本当にそれでいいんですか。国会で答弁されたことが、政府の中だけで協議をして、しかも、国民にも全く知らせる必要もないと。それだったら、国会の議論、意味がありますかね。国会で議論して、いろいろな解釈を固めているのに、後から政府がこっそり内密に協議をして、どんどん解釈を変えていく。これはかなり重大な答弁だと思いますけれどもね。
 それで、去年の二月のやり取りでも法制局長官は、解釈を変更する場合は様々な情勢の変化等があるんだと。その情勢の変化というのは、我々はちょっと納得できないけれども、何か、東京高検で非常に事件が複雑化して云々という答弁をずっと繰り返していますが、ところが、この一枚物、一月十七日の法制局と法務省のやり取りにはそういうのは全く書いていないんですね。情勢の変化は書いていなくて、さっきも言ったように、実は昭和五十六年当時から今の解釈だったんだと、つまり、検察官の勤務延長も国家公務員法が適用されると解するのが自然であるという、ちょっとびっくりするような整理になっているんです。
 だから、私はこれは解釈変更じゃないと思っているんですけれども、でも、解釈変更だと言い張るから、解釈変更なのであれば、どういう事情で解釈変更したかというのをこの紙に書いていなきゃいけないし、あと、当時、法制局長官、近藤さんは、その事情も聞いていない、つぶさに聞いていない、それは各省庁の判断なんだとおっしゃったんですけれども、それでいいんですか。

#298
○近藤政府特別補佐人 お答えします。
 先ほど申しましたとおり、解釈変更というのは基本的には各省庁で責任を持って行われるということで、基本的に法制局には通常は相談は参りません。
 今回、たまたま法案の審査をしておりまして、その法案の審査の前提としての解釈が変わると条文が変わってきますので、それで、審査部の方に法務省の方から、改正対象である法律についての現状解釈を変えて、変えた上での改正にしたいという説明として、あの説明が来たわけでございます。
 したがって、元々、解釈変更であるかということは、当然そういうことを前提に法案審査を秋からしておりましたから、私どももそういう前提でやっておりまして、その上であの紙が来たものですから、それは当然、解釈変更をするということは、その前の全体がありますので、元々どうこうということではなくて、元々適用がないことを前提に審査していたのを適用があることを前提に審査してくださいということでしたから、それはもう解釈変更の御説明であるということは明らかであったと思います。
 それで、その内容ですけれども、もちろん解釈変更するということは非常に大事、大きいことでございますから、担当省庁で本当に慎重の上でも慎重に考えられ、その上で、法改正をすべきなのか、解釈変更でできるのかということを検討されておりまして、その具体的な事情の変更というのは、個々の行政対象におけるいろいろな状況の変化でございますから、それは基本的には一番お詳しい関係省庁が御判断されるというのが正しいやり方だと思いまして、私ども、十分、検察、今回の場合ですと検察の人事行政であったり、検察が抱えているいろいろな犯罪の状況とか、つぶさに存じ上げるわけでございませんので、まさしくそういうところについては法務省の方でしっかり御検討される。その上で、それが明らかにおかしいということでなければ、私どもはそれを信頼して、その慎重な判断を前提に、あと、解釈変更が可能なものかどうかというところを御相談に応じたということでございます。

#299
○高井委員 これもちょっと驚く答弁なんですけれども。ということは、各省庁が解釈は勝手にやっていいという答弁ですよね、今。相談に来たら受け付けますけれども、基本的には各省庁が、国会で答弁したことでも、国会にも諮らず、どんどんどんどん勝手に解釈を変えていくと。
 私も公務員出身なんですけれども、私の理解は、何か法令解釈するときは、やはり法制局に伺いを立てなきゃいけないな、それでも駄目と言われたら法律を変えるしかないなみたいに考えていましたけれども、今の長官の答弁だと、各省庁はそんなことを考えなくていいじゃないですか。勝手に自分たちで解釈をやって、誰が、じゃ、これはもし違法なというか、そういう解釈じゃできないこととかを、事後的にしか、それはチェックできないということになりますからね。それはちょっと、やはり今後の法制的な、官僚の皆さんのモラルにとっても、今の答弁はいかがかと思います。
 本当にたくさん聞きたいことはあるんですけれども、それで、ただ、そうはいっても、情勢の変化について、やはり、ある場合にはそれが認められるという、法解釈を変更してもいいということ、しかし、さっき言ったようにこのペーパーには全く書いていないわけです。
 それは何で書いていないかというと、やはりこれは、このペーパーは、これは本当に解釈の変更なんですか。これはどこをどう読んでも、解釈を変更する理由とか解釈を変更しますということは書いていなくて、昭和五十六年当時から、勤務延長制度については、検察官にも国公法、国家公務員法の規定が適用されると解すのが自然であるということを、昔からそうでしたよということを書いているんですよ。これは解釈変更じゃないんじゃないですか。

#300
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のペーパーは、私ども法務省刑事局で作ったペーパーでございますので、まず私からお答え申し上げたいと思います。
 先ほど長官も答弁されたところでございますが、これは、検察庁法の改正という法案を作成する過程におきまして作成した文書でございまして、それまでの審査の過程の中で、御指摘のように、国家公務員法の勤務延長制度は、当初、検察官には適用はないんだという当時の解釈を前提にずっと来ている中、このときに至りまして、こういった理由で私どもは適用があるという解釈を取り、それを前提に改正法案を作成するのだということで、法制局のいわば法案審査の過程の中で作られたものでございますので、その一連の過程におきまして、当然、私どもと法制局の間には、これは従前の解釈を変えるものであるという認識は、当然のことながら共有されていたものでございます。

#301
○高井委員 今、こうこうこういう理由で解釈を変更するという事情の変化が生じたんだとおっしゃいましたけれども、そのこうこうこういう理由というのを全く書いていないんですね。
 去年の二月二十五日の予算委員会でも、法制局長官は、その理由については聞いていませんと。つぶさに聞いていないみたいな言い方だったと思いますけれども、詳しくは聞いていませんということなんですが、それがなくてなぜ解釈の変更ができるのか。法務省はそれを説明したんですか、法制局に。

#302
○近藤政府特別補佐人 たしか令和二年の二月二十五日に先生から御質問をいただいたときにお答えをいたしましたけれども、もちろん、担当の参事官の方で、社会情勢の多様化、複雑化に伴って犯罪の性質も複雑困難化しているということから、やはり検察官についても勤務延長を認めるという形で、検察行政を万全としたものとしてやっていかなきゃいけないという背景事情については説明を受けていて、それは口頭で聞いておりましたけれども、具体的に、どの事件がどうでこうだとか、あるいはどなたがどうでこうだというのは、かなり人事の話ですし、細かい話ですので、そこは基本的にはそういうことで、先ほど申し上げたように、法務省の御判断というのを私どもとしては当然信頼をするということだと思います。
 法律の解釈は全て法制局がチェックしているということではなくて、基本的には内閣が法の解釈を、結局、各省大臣においてしっかり解釈をしていくということであり、それのサポートというんでしょうか、支援をするのが法制局の役割でございますので、そういう意味では、各省庁がまさしく責任を持ってしっかり法の解釈、それはいいかげんな解釈をしているわけではございませんので、しっかり各省が解釈をしていく、これが今の建前であると私どもも思っておりまして、私どもの役割も、そのときにいろいろな疑念が生じたり更なる意見が要るときに私どもに御相談が来るということで、日々、法律の解釈はきちっと各省庁でやられているということだと私どもは理解しております。

#303
○高井委員 いや、それは、法令の解釈をそれぞれの省庁がやるのはいいですよ。ただ、今回のケースは、国会で答弁をした、国会で答弁するということは、結構疑義があって、国民の皆さんが関心もあって、で、その答弁したことが正しいとみんな思っているわけですよ。それを変えるというときに各省の判断でやっていいと。
 百歩譲って各省の判断でやってよくても、各省は、じゃ、それをちゃんと伝えないといけないんじゃないですか。これはさっき法制局長官から局長も、もう自分たちだけでやればいいんだ、周知も要らないと言っていましたけれども、法務大臣も同じ考えですか。いいんですか。周知もせず、法務省の中だけで、国会で答弁した解釈を勝手に変えてもいいということですか。

#304
○上川国務大臣 今、この件についてやり取りがございまして、当時のことにつきまして私も注視してきたところではございますけれども、当時、私自身が法務大臣の職にございませんで、具体的な状況等をつぶさに知り得るところの立場ではなかったということでございますので、詳細にお答えすることについてなかなか難しいということについては御理解いただきたいというふうに思っております。
 私の聞いた限りの話ではございますが、今回の解釈変更のような人事制度に関わる事柄などにつきましては、国民生活等への直接の影響の有無、またその程度などを総合的に勘案した結果、当時は必ずしも周知の必要はないというふうに判断したものというふうに聞いているところでございます。一般論としてということでございますけれども、国民生活等への直接の影響の有無、その程度などを総合的に勘案して判断をしてきたというふうに聞いているところでございます。

#305
○高井委員 いや、これは、じゃ、あれだけ問題になった、検事総長経験者までもがこれはおかしいと言って申入れ書まで持ってきた、それは結果的にそうなったとおっしゃるかもしれないけれども、やはりそれは、今まで検察官というのは特別な法律で身分保障もあって、だからこそ定年延長も適用されないんだというふうに国会で答弁をしてきて、皆さんそう思ってきたことを、国民生活に影響がないから言わなくてもいいと思っていたというのは、ちょっと私は本当に驚くべき答弁だと思います。
 結果としていろいろ国会で追及をされて明らかになっていくわけですけれども、私の推理というか考えは、多分このペーパーは解釈変更じゃなかったと思うんですよ。これはどう見ても解釈変更と読めないんですよね。昔から、昭和五十六年からそういう解釈をしていました、そういう解釈であるのが自然ですと書いているので、だからあえて周知も要らなかったし、そのまま、ひょっとしたら気づいている人はいたのかもしれないけれども、しらっと、誰も気づかないだろうということで押し切ろうとしたけれども、ばれてしまったから仕方なく後づけでそういうことになっていますけれども。
 だけれども、今みたいに後づけでも認めてしまうと、こんな大きなことが解釈変更でできてしまうんだということになると、国会の審議はもう本当に意味がなくなりますよね、解釈を確定させるという。これは本当にそれで、法制局長官、局長、どっちがいいかな、ちょっと本当にそれでいいんですか。もう一度、改めてお答えください。じゃ、それぞれお答えください。

#306
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 申し訳ございません、先ほどの答弁の繰り返しになって恐縮でございます。解釈変更はあり得るとした上で、その周知ということでございます。
 先ほども御答弁申し上げましたように、いかなる場合に周知が行われるかというのは国民生活等への直接の影響の有無やその程度などを総合的に勘案して判断されるものと承知しておりまして、当時はそれが人事制度に関わる事柄であったことから、このようなものについては必ずしも周知の必要はないと判断したものでございます。

#307
○高井委員 法制局長官も同じ答弁だと思うので。しかし、これは私は非常に問題だと思いますので、再度、もう一度また取り上げたいと思います。
 ちょっと、残り時間であともう一問、どうしてもやりたかったものですから。
 私、さっき、串田委員から判検人事交流の話がありまして、もう今はいらっしゃらないか、小出民事局長さんが高裁の判事だったというのを初めて知って、本当に驚いたんですけれども、なるほど、そういう実態があるのかと。
 そうすると、私が憲法五十三条訴訟というのを今原告でやっていますけれども、岡山地裁の裁判官がひょっとしたら法務省の訟務局で働いていたかもしれないし、あるいはその逆で、国の代理人としている法務省の方が来ていますけれども、判事だったかもしれないということになると、やはり、どう見ても、僕、裁判に立っていて、お互いが何かつながっていたのかとか、今はつながっていなくても過去に同じ職場で隣に席を並べて働いていたのかと思うと、やはりこれは、原告の立場になってみると、どう考えてもおかしいと思うんですね。これは本当に是非見直しをしていただきたいと思います。
 最後に一問聞きたいのは、私が憲法五十三条訴訟というのをやっておりますけれども、今まさに法務省の訟務局が主張しているのは、四分の一の国会議員の召集で解散しなければならないとはっきり書いているわけですけれども、これは法的な義務ではなくて政治的な責任なんだというふうな主張をしているんですね。しかし、かつて、横畠法制局長官、その前の歴代の法制局長官も、臨時国会の召集は義務なんだというふうに法制局長官が答弁されていますが、これは矛盾していると思いますけれども、事前に法務省と内閣法制局で相談はあるのか、それから、矛盾していませんかという問い、お答えください、法制局長官。

#308
○近藤政府特別補佐人 お答えいたします。
 今御指摘ございましたけれども、令和元年の五月の二十九日の衆議院の内閣委員会において、横畠前長官が、憲法五十三条後段の規定は憲法に規定されている義務であるという旨お答えしております。
 他方、それについて、その後、同じところで横畠前長官は、憲法に規定されている義務ということから、どのような義務内容であるかとか、あるいはどのような場合にその義務に違反したことになるのであるかとか、さらに、その義務に違反した場合の法的効果がありますとかその責任がどのようなものであるかということは別の事柄でございますと述べるとともに、それに違反した場合の何か法的責任が生ずると誤解されるおそれがある法的義務という言葉はあえて用いなかったということでございますというふうに述べておりまして、法的義務という問題と法的責任というのはイコールではないというのは横畠長官の答弁でもございまして、義務は義務ですけれども、憲法上の、その結果どういう責任が問われるかというのはそれぞれの規定によって違ってくるという答弁は当時もされておりまして、私どもはそういう考えで従来から答弁をしております。

#309
○高井委員 絵に描いた餅という言葉がありましたけれども、本当にそのとおりだと思います。引き続きこの問題も取り上げたいと思います。
 ありがとうございました。
     ――――◇―――――

#310
○義家委員長 次に、内閣提出、民法等の一部を改正する法律案及び相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案の両案を議題といたします。
 順次趣旨の説明を聴取いたします。上川法務大臣。
    ―――――――――――――
 民法等の一部を改正する法律案
 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

#311
○上川国務大臣 民法等の一部を改正する法律案、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案、民法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、所有者不明土地の増加等の社会経済情勢の変化に鑑み、所有者不明土地の発生を防止するとともに、土地の適正な利用及び相続による権利の承継の一層の円滑化を図るため、民法等の一部を改正しようとするものであります。
 その要点は、次のとおりであります。
 第一に、この法律案は、民法の一部を改正して、境界標の調査のための隣地使用権及び電気等の継続的給付を受けるための設備設置等の相隣関係に関する規定の整備や、所在等が不明な共有者がいる場合における共有物の利用及び管理等の共有に関する規定の整備を行うとともに、所有者の所在等を知ることができない土地若しくは建物又はその共有持分及び所有者による管理が不適当である土地又は建物について裁判所が管理人による管理を命ずること等を内容とする所有者不明土地管理命令等の制度を創設するほか、具体的相続分による遺産分割を求めることができる期間の制限等を内容とする相続に関する規定の整備を行うこととしております。
 第二に、この法律案は、非訟事件手続法及び家事事件手続法の一部を改正して、民法の一部改正により創設される制度の裁判手続を創設する等の規定の整備を行うこととしております。
 第三に、この法律案は、不動産登記法の一部を改正して、相続等による所有権の移転の登記等の申請を相続人に義務づける規定を創設するとともに、不動産登記に係る手続における申請人の負担の軽減を図るため、簡易な相続人申告登記制度を創設するとともに、特定の者が所有権の登記名義人となっている不動産を一覧的に確認することができる所有不動産記録証明制度を創設する等の規定の整備を行うこととしております。
 続いて、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、社会経済情勢の変化に伴い所有者不明土地が増加していることに鑑み、相続等による所有者不明土地の発生の抑制を図るため、相続等により土地の所有権を取得した者が、法務大臣の承認を受けてその土地の所有権を国庫に帰属させることができる制度を創設しようとするものであります。
 その要点は、次のとおりであります。
 第一に、相続等により土地の所有権又は共有持分を取得した者等は、法務大臣に対し、その土地の所有権を国庫に帰属させることについての承認を申請することができることとしております。
 第二に、法務大臣は、承認申請に係る土地が、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地に該当しないと認めるときは、その土地の所有権の国庫への帰属についての承認をしなければならないこととしております。
 第三に、法務大臣は、承認に係る審査をするために必要があると認めるときは、その職員に事実の調査をさせることができるものとするとともに、調査権限に関する規定を設けることとしております。
 以上が、これら法律案の趣旨でございます。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

#312
○義家委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――

#313
○義家委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 両案審査のため、来る十九日金曜日午前九時三十分、参考人として早稲田大学大学院法務研究科教授山野目章夫君、日本司法書士会連合会会長今川嘉典君、公益財団法人東京財団政策研究所研究員・政策オフィサー吉原祥子君及び司法書士総合研究所主任研究員・司法書士石田光曠君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#314
○義家委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る十九日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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