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2021/03/22 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第3号 令和3年3月22日
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2021/03/22 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第3号 令和3年3月22日

#1
令和三年三月二十二日(月曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十九日
    辞任         補欠選任
     中曽根弘文君     宮崎 雅夫君
     中西  哲君     高橋 克法君
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     高橋 克法君     中西  哲君
     宮崎 雅夫君     中曽根弘文君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         長峯  誠君
    理 事
                佐藤 正久君
                三宅 伸吾君
                小西 洋之君
                三浦 信祐君
                井上 哲士君
    委 員
                宇都 隆史君
                北村 経夫君
                高橋 克法君
                武見 敬三君
                中西  哲君
                松川 るい君
                山田  宏君
                白  眞勲君
                福山 哲郎君
                山口那津男君
                浅田  均君
                鈴木 宗男君
                大塚 耕平君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     茂木 敏充君
       防衛大臣     岸  信夫君
   副大臣
       厚生労働副大臣  山本 博司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        神田  茂君
   政府参考人
       外務省大臣官房
       審議官      田島 浩志君
       外務省大臣官房
       参事官      遠藤 和也君
       外務省大臣官房
       参事官      有馬  裕君
       外務省大臣官房
       参事官      徳田 修一君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    岩井 勝弘君
       海上保安庁警備
       救難部長     瀬口 良夫君
       防衛省大臣官房
       長        芹澤  清君
       防衛省大臣官房
       政策立案総括審
       議官       川嶋 貴樹君
       防衛省大臣官房
       審議官      村岡  猛君
       防衛省防衛政策
       局長       岡  真臣君
       防衛省整備計画
       局長       土本 英樹君
       防衛省人事教育
       局長       川崎 方啓君
       防衛省地方協力
       局長       鈴木 敦夫君
       防衛省統合幕僚
       監部総括官    加野 幸司君
       防衛装備庁長官  武田 博史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○令和三年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、令和三年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、令和三年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (外務省所管、防衛省所管及び独立行政法人国
 際協力機構有償資金協力部門)
    ─────────────

#2
○委員長(長峯誠君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、中西哲君が委員を辞任され、その補欠として高橋克法君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(長峯誠君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務省大臣官房審議官田島浩志君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(長峯誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(長峯誠君) 去る十八日、予算委員会から、三月二十二日の一日間、令和三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管、防衛省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 審査を委嘱されました予算について、順次政府から説明を聴取します。茂木外務大臣。

#6
○国務大臣(茂木敏充君) おはようございます。
 令和三年度外務省所管予算案について、その概要を説明いたします。
 令和三年度一般会計予算案において、外務省予算は約七千九十七億円を計上しておりますが、そのうちデジタル関係予算の百三十八億一千百七十二万二千円は内閣官房予算として計上されることから、国会に提出する予算総額としては六千九百五十八億七千二百八十八万九千円となります。
 また、外務省所管のODA予算は、四千四百九十七億九千七百九十五万六千円となっています。
 予算案作成に当たっては、三本の柱を掲げ、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組を進めつつ、包容力と力強さを兼ね備えた外交を展開すべく、めり張りを付けた上で必要な予算を計上しました。また、新型コロナの感染拡大防止のための途上国支援や外交・領事業務のデジタル化推進などの喫緊の課題には、令和二年度第三次補正予算も活用し、早急に対処していく考えです。
 第一の柱は、人間の安全保障の危機である新型コロナウイルス感染症を克服するとともに、ポストコロナを見据えた取組を進めるです。在留邦人の保護、帰国支援に万全を期し、途上国での感染拡大防止、影響緩和などにもしっかり取り組みます。また、ポストコロナを見据え、途上国の保健システム強化、新型コロナ対応の教訓を踏まえた国際的なルール作りなどを進めます。
 第二の柱は、我が国と我が国国民の安全を守るべく、力強さのある外交を推進するです。国際秩序強化のため、自由で開かれたインド太平洋の実現など、同盟国、同志国との協力強化、宇宙、サイバー等の新分野への取組、経済安全保障を含む経済外交の推進などに取り組んでいきます。また、危機に直面しても十分機能する外交・領事実施体制を構築するため、領事業務のデジタル化、在外公館の機能の強化などを進めていきます。さらに、在外公館等の新設及び外務省定員の七十二名純増に必要な経費を計上しています。
 第三の柱は、国際社会との連携協力を一層進め、包容力のある外交を推進するです。国境を越える課題への対応やグローバルガバナンスを強化すべく、SDGsの推進や国際機関における邦人職員増加に取り組みます。また、我が国の政策、取組、立場の発信、我が国の魅力発信、親日派、知日派育成などを進めていきます。
 以上が、令和三年度外務省所管予算案の概要です。
 長峯委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
 なお、時間の関係もございますので、委員長におかれましては、お手元に配付してあります印刷物を会議録に掲載されますようお願い申し上げます。

#7
○委員長(長峯誠君) 岸防衛大臣。

#8
○国務大臣(岸信夫君) 令和三年度の防衛省関係予算について、その概要を御説明申し上げます。
 令和三年度予算においては、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさと不確実性を増す中、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、防衛力整備を着実に実施することとしております。
 具体的には、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域における能力を獲得、強化するほか、各種事態に効果的に対処するため、従来の領域における能力を強化するとともに、後方分野も含めた防衛力の持続性、強靱性の強化に必要な事業を計上しております。
 また、人的基盤の強化や、軍事技術の進展を踏まえた技術基盤の強化、日米同盟の強化、諸外国との安全保障協力の強化にも配慮したものとなっております。
 防衛省所管の一般会計歳出予算額は五兆三千二百三十五億四千六百万円となり、前年度の当初予算額に比べ百二億百万円の増となっております。
 継続費の総額は、護衛艦建造費で九百四十七億六百万円、潜水艦建造費で六百八十四億九千六百万円となっております。また、国庫債務負担行為の限度額は、装備品等の購入、武器車両等整備、提供施設移設整備等で二兆五千百二十億五千七百万円となっております。
 次に、特に重点を置いた施策について御説明申し上げます。
 第一に、領域横断作戦に必要な能力の強化です。
 優先的な資源配分や我が国の優れた科学技術の活用により、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域における能力を獲得、強化します。
 また、従来の領域における能力を強化します。
 具体的には、航空機、艦艇、ミサイル等による攻撃に効果的に対処するために、海空領域における能力、スタンドオフ防衛能力、総合ミサイル防空能力、機動展開能力を強化します。
 さらに、防衛力の持続性、強靱性を強化します。
 特に、継続的な部隊運用に必要な各種弾薬を取得するとともに、装備品の維持整備に係る取組を推進します。
 第二に、防衛力の中心的な構成要素の強化です。
 人的基盤を強化するため、より幅広い層から多様かつ優秀な人材の確保を図るとともに、全ての自衛隊員が高い士気を維持し、自らの能力を十分に発揮できる環境の整備に向けた取組を推進します。
 また、技術基盤を強化するため、重要技術に対して重点的な投資を行うとともに、産業基盤を強靱化するため、サプライチェーンの強化や、防衛装備移転三原則の下での装備品の適切な海外移転の取組を推進します。
 さらに、政策判断や部隊運用に資する情報支援を適切に実施するため、情報の収集、分析の各段階における情報機能を強化します。
 第三に、大規模災害への対応です。
 各種の災害に際して、十分な規模の部隊を迅速に展開して初動対応に万全を期すとともに、対処能力を強化します。
 第四に、安全保障協力の強化です。
 失礼しました、対処態勢を強化します。
 第四に、安全保障協力の強化です。
 自由で開かれたインド太平洋というビジョンの下、安全保障協力を戦略的に推進するため、共同訓練、防衛装備・技術協力、能力構築支援、軍種間交流といった取組を推進します。
 第五に、地元の基地負担軽減への取組です。
 基地周辺地域との調和に係る各種施策にしっかりと取り組むとともに、沖縄県を始めとする地元の負担軽減を図るための在日米軍の兵力態勢見直し等についての具体的措置等を着実に実施します。
 以上の防衛省所管予算のほかに、内閣官房及びデジタル庁所管予算百八十七億二百万円が防衛省関係の一般会計歳出予算額として計上されております。
 これをもちまして、令和三年度の防衛省関係予算の概要の説明を終わります。
 長峯委員長始め、理事、各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。
 なお、時間の関係もございますので、委員長におかれましては、お手元に配付してあります資料を会議録に掲載されますようお願い申し上げます。

#9
○委員長(長峯誠君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 この際、お諮りいたします。
 外務省及び防衛省関係予算の大要説明につきましては、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#10
○委員長(長峯誠君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#11
○北村経夫君 おはようございます。自由民主党の北村経夫でございます。
 予算委員会に続きまして、茂木外務大臣、岸防衛大臣に伺います。
 米韓の2プラス2が日米に続きまして行われました。それぞれ共同文書が発表されましたが、この二つの文書を比較いたしますと、日米は名指しで中国を批判し、韓国の文書には中国という二文字は入っていなかったわけであります。中国への対応に違いが浮き彫りになったということが言えようかと思います。
 一方、アラスカでは、今後の世界情勢を占う上で大変重要な米中の外交トップ同士の会談が行われました。まあ異例の批判合戦になりましたけれども、こうした一連の会議を茂木外務大臣はどのように評価し、見ておられるか、お伺いいたします。

#12
○国務大臣(茂木敏充君) まず、先週の火曜日に行われました日米2プラス2でありますが、バイデン政権が発足して二か月たっていないという極めて早いタイミングで、ブリンケン国務長官、そしてオースティン国防長官そろって最初の海外訪問先として日本を訪れて行われるということになりました。
 私と岸大臣で出席をさせていただいたわけでありますが、この日米2プラス2では、一層厳しさを増しております安全保障環境を踏まえ、中国情勢や北朝鮮情勢を始め、率直な意見交換を行ったところであります。このタイミングで日米2プラス2を開催して、戦略環境であったりとか日米同盟の抑止力、対処力の強化に向けた方針についてじっくり議論できたことは極めて有意義でありまして、日米同盟の強固さ、力強く発信するものとなったと思っております。
 それに先立ちまして、先々週の金曜日も、日米豪印四か国のQUADといいます首脳会談、これは初めてです、外相会談三回やっておりますけど、ここでも、日米豪印で地域情勢、自由で開かれたインド太平洋等々についてしっかりすり合わせを行い、私も同席しておりましたが、方向性、意見の一致を見ることができたのではないかなと思っております。
 御指摘の米韓の2プラス2でありますが、残念ながら私は同席はいたしておりません。第三国の協議でありまして、コメントすることは差し控えたいと思いますが、日米2プラス2でも確認したとおり、日米韓の三か国協力はインド太平洋地域の安全、平和及び繁栄にとって不可欠であり、北朝鮮への対応を始め地域の安定のために、引き続き日米韓で連携していきたいと考えております。
 そして、その後にアンカレジで行われました米中の外交当局間のやり取りということになるわけでありますけれど、その前に、日米の間では、中国の問題について、政策、考え方、対応のすり合わせを行いまして、綿密に連携していくことで一致をしておりました。
 ブリンケン長官にどんな会談になりそうかと、こういう話を聞きましたら、アラスカでは言うべきことは中国側に率直に伝えるという話でありまして、実際にそういった形で、二日間にわたった米中の会談におきましては、米国側から、新疆ウイグル自治区、香港、台湾、米国へのサイバー攻撃、同盟国への経済的強制など、中国の行動に対する懸念を伝達したと承知をいたしております。その際、日米、そして基本的価値を共有する同志国の考えや懸念についても中国側に明確に伝わったと考えております。
 我が国としては、引き続き、同盟国たる米国との強固な信頼関係の下、様々な協力を進めつつ、一方で、中国に対しても大国としての責任を果たすように働きかけていきたいと思っております。

#13
○北村経夫君 ありがとうございました。日米の連携が緊密に行われているということがよく分からせていただきました。
 私は、バイデン政権は、コロナ対策が最優先課題であり、外交についてはコロナ鎮静後というふうに考えておりましたけれども、予想に反して、政権発足二か月という早い段階で対中政策のスタンスを明確にしたというふうに受け止めております。
 バイデン大統領は、年齢からいっても二期目はないのではないかという見方もあります。もしそうであれば、勝負は中間選挙までなんだろうというふうに思います。ということは、あと一年半以内に結果を出していかなければならないと、それはバイデン政権、そういうふうに考えているかもしれないというふうに私は思っております。そうした背景もあって、今回のようなあの日米協議が行われた展開があったのかなというふうに受け止めているわけであります。
 もう一つ申し上げたいことは、今回の米中会談で、ブリンケン国務長官は、我々同盟国に対しましてぶれない姿勢を示したと言えると思います。人権問題そして経済問題を含めた中国の脅威に対して対峙していくんだという明確な姿勢をこの日米協議で示しました。同盟国として日本はこれにいかに応えていくのか、覚悟が問われることになるんだろうというふうに私は思っております。
 そこで質問いたしますけれども、年内に再度2プラス2が行われるということになっております。次回までに具体的にどのような政策を進展させていこうと考えておられるのか、岸防衛大臣に伺います。

#14
○国務大臣(岸信夫君) 今回の日米の2プラス2におきましては、厳しい安全保障環境の下で、私からは、我が国の領土、領海、領空をあらゆる手段で守る決意を申し上げるとともに、日米同盟の役割、任務、能力に関する協議を通じて、日米同盟の抑止力、対処力の強化に向けた連携をより一層深めていくということで一致をいたしたところです。
 具体的には、現在、米国で各種の政策レビューが行われていることを踏まえまして、日米の同盟、日米の戦略、政策を緊密にすり合わせていくこと、宇宙、サイバーを含む領域横断的な協力を深化させること、拡大抑止を強化するための連携を強化すること、運用の即応性及び抑止態勢の維持の観点から、実践的な演習及び訓練を行う必要性等を確認をいたしました。
 今後、かかる分野を含む連携や能力の向上を通じて日米同盟の抑止力、対処力の強化に努め、年内の2プラス2において成果を確認してまいりたいと考えております。

#15
○北村経夫君 次に、防衛費の在り方について伺います。
 2プラス2後の共同記者会見で、茂木大臣は、インド太平洋の戦略環境は以前とは全く異なる環境であるというふうに述べておられます。繰り返しになりますけれども、このことを裏返せば、従来とは次元の違う同盟国としての応分の負担を日本は求められるという捉え方もできるわけであります。
 中国が過去最大規模の国防費になる中、日本は、ただいまも説明ありましたように、令和三年度予算における防衛関係費として五兆三千二百三十五億円を計上しております。これはGDP比〇・九ちょっとというパーセントになりますけれども、御存じのとおり、我が国の防衛予算というのは、従来、GNP、昔は国民総生産で表しておりましたけれども、GNP比一%枠というのを設定をしておりました。それが昭和六十二年度に撤廃されたわけであります。これは中曽根内閣のときであります。あのとき私は新聞記者として取材をしておりました。防衛庁長官は栗原さんでございましたけれども。
 当時は、今にも戦争が、一%突破についてですね、突破したら今にも戦争が起きるような、そのような報道、あるいは国会も騒然としておりましたけれども。そのときに、今も覚えておりますけれども、ニュースステーション、今の報道ステーションの前身でありますけれども、某キャスターが、平和国家のとりでである一%枠を突破した中曽根総理の名前は我々は記憶の底にとどめておくべきだというふうにコメントしたわけですね。今それを誰が覚えているかということであります。それで、一%突破しても、何が変わったか、何も変わっていないということであります。
 防衛費、この撤廃された昭和六十年以降もGDP比、今はGDPでやっておりますけれども、一%程度で推移しているわけであります。しかし、我が国は今まさに中国の脅威に直面している。そして、日本はアメリカの対中包囲網の基軸として役割を期待されているわけであります。何よりも日本は世界の経済大国、三位の経済大国であるわけであります。そうすると、今後、日本が一%の負担で済まされるのかということであろうと思います。NATOを見ると、昨年フランスはGDP二%以上というふうになる見通しになっております。これで、フランスを入れますと、NATOは十か国が二%を超えているわけでございます。
 そこで、日本の防衛費の在り方について岸防衛大臣にお伺いいたします。

#16
○国務大臣(岸信夫君) 今委員も御指摘のように、我が国を取り巻く安全保障環境、非常に急速に厳しさを増している中でございます。我が国として、自らを守る体制を主体的、自主的な努力によって抜本的に強化をしていく、そして、自ら果たし得る役割の拡大を図っていくということがまさに必要な状況であります。同時に、これこそが、日米同盟の下で我が国の役割を十分に果たし、その抑止力と対処力を一層強化していく道であると、このように考えております。
 これらも踏まえまして、着実に防衛力を強化すべく、令和三年度の予算案においては、過去最大となる五兆一千二百三十五億円を計上したところでございます。
 防衛関係費については、GDP一%内に抑えるというような考え方を持っているわけではございません。
 今後とも、厳しさを増す安全保障環境に対応するために、自衛隊の活動や防衛力の強化に必要な予算を着実に確保してまいりたいと考えております。

#17
○北村経夫君 時間もなくなりましたので、一つ飛ばしまして、次に、航空自衛隊による爆弾の実弾射撃についてお伺いいたします。
 航空自衛隊による爆弾の実弾ですね、その射撃訓練場は、あっ、訓練はどういうふうになっているか、説明してください。

#18
○政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。
 航空自衛隊によります射爆撃訓練ということであろうかと思いますが、F2の部隊が平素から訓練の一環として、三沢対地射爆撃場のようなところでありますとか、あるいは洋上の射爆撃訓練区域などを設定をして、射爆撃の訓練を実施しているところでございます。
 実弾の訓練ということで御質問でございましたけれども、射爆撃訓練のうち実弾を用いたものに申し上げますと、例えば最近の例で申し上げますと、昨年の十月から十一月にかけてキーンソードと呼ばれる日米共同統合訓練が行われておりますけれども、これに際して、F2戦闘機が沖大東島射爆撃場におきまして実弾の射爆撃訓練を実施したところでございます。
 また、国外におきましても様々な共同訓練等を行う際にF2部隊が実弾の射爆撃訓練を実施しているところでございまして、我が国国内にも自衛隊が実弾の射爆撃訓練を実施している射爆撃場、先ほど申し上げましたようにございますけれども、航空自衛隊におきましては、必要に応じて国外での訓練機会を活用したり在日米軍と共同使用している射爆撃場を使用したりすることによって必要な練度の維持を努めているところでございます。

#19
○北村経夫君 ただいま答弁のありましたように、沖大東島で訓練をしている。この沖大東島というのは那覇市の南東四百キロという、そういう位置にあるわけであります。
 私は予算委員会でも提案いたしましたけれども、尖閣の久場島、大正島で日米共同訓練をしたらどうかと、日米合同委員会でそれを提案したらどうかというふうに申しました。岸大臣から前向きな答弁いただいたわけでありますけれども、この空自の爆弾の実弾射撃、これは大事であります。これを是非、この久場島、大正島で日米共同訓練としてやっていただきたい、そのことを申し上げて、私の質問といたします。
 ありがとうございました。
    ─────────────

#20
○委員長(長峯誠君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、高橋克法君が委員を辞任され、その補欠として中西哲君が選任されました。
    ─────────────

#21
○白眞勲君 おはようございます。立憲・社民の白眞勲でございます。
 まず、アゼルバイジャンとアルメニアの間の紛争について外務省にお聞きいたしますけれども、現在の状況について御説明願いたいというふうに思います。

#22
○政府参考人(徳田修一君) アゼルバイジャンとアルメニアの間のいわゆるナゴルノ・カラバフ紛争でございますけれども、昨年の九月、紛争が発生いたしましたけれども、一月になりましてロシアを交えた形で停戦が発効したところでございます。

#23
○白眞勲君 報道によりますと、アルメニアも大分混乱しているようですし、ナゴルノ・カラバフ地域も不安定な状況とも聞いているんですけれども、現在の状況はいかがでございますか。

#24
○政府参考人(徳田修一君) 現在のところ大規模な紛争が起こっているという状況にはございませんけれども、外務省といたしまして、引き続き高い、高度の渡航情報を出しているという状況でございます、今、ナゴルノ・カラバフにつきましてはということであります。(発言する者あり)

#25
○委員長(長峯誠君) 申し上げます。
 はっきりと大きな声で答弁をお願いいたします。

#26
○白眞勲君 もう一度ちょっと御答弁願えますか、非常に重要なポイントなので、今の件につきまして。

#27
○政府参考人(徳田修一君) 繰り返し申し上げます。
 ナゴルノ・カラバフ情勢につきましては、昨年の九月、アゼルバイジャンとアルメニアの間で紛争が、軍事衝突が発生いたしました。その後、十一月九日でございますけれども、ロシアを交えてアゼルバイジャン、アルメニアの三か国の首脳によりまして、完全な停戦、敵対行為の停止に関する声明が署名されました。
 それ以降、小規模な散発的な紛争、発生してございますけれども、全体として大きな軍事衝突起こっておらず、それが現在に至るまで続いていると、こういう状況でございます。

#28
○白眞勲君 まだ大規模なそういう戦闘行為というのはないにせよ、非常に不安定な、小規模な散発的な衝突なども起きていると、今そういうふうにもお答えいただいたような状況です。
 配付資料、皆さんに御覧いただいていると思うんですけど、これはアゼルバイジャン国防省の今年一月十四日のホームページから取ったものなんですが、要するに、アゼルバイジャンにいる日本の和田大使がその一月十四日にアゼルバイジャンのザキル・ハサノフ国防大臣に会ったという記述です。
 これ読みますと、タイトルがアゼルバイジャンと日本が軍事分野での協力の発展をテーマに協議を行ったという記述なんですけど、これどういう意味なんですか。外務省、お答えください。

#29
○政府参考人(徳田修一君) 御質問のございました和田アゼルバイジャン大使とハサノフ国防大臣、事実関係を申し上げますと、一月十四日、御質問のありました会談ございました。
 この表敬の際、アゼルバイジャン側から、日本との防衛交流を期待していると、そういう発言はございましたけれども、日本とアゼルバイジャンとの間の軍事協力についてのやり取りはございませんし、まして、ましてや和田大使の側から軍事分野の協力を進めたいという発言を行った事実もございません。
 そのような報告を現地から受けている、これが事実関係でございます。

#30
○白眞勲君 日本国大使館のホームページには、当日、和田日本大使はザキル・ハサノフ国防大臣を表敬しました、会談では、ハサノフ大臣からナゴルノ・カラバフ紛争に関する説明がなされたほか、今後の二国間関係の展望に関して意見交換がなされましたと。これは日本大使館のホームページに書かれているわけでして、今お答えいただいたような内容のことが書かれていますが、今御覧いただくように、ホームページチェックすると、先ほどもう申し上げましたとおりですけど、軍事分野での協力の発展をテーマにと書かれているんですね、明確にね。これ、どういうことだということを御説明願いたいんですけど。

#31
○政府参考人(徳田修一君) アゼルバイジャン側の国防省の発表におきまして軍事分野の協力についての記載がなされているというのは御質問のとおりかと存じます。
 他方で、現地の大使館、確認いたしましたところ、この会談そのものにおきましては、先ほど申し上げたとおり、軍事分野の協力、軍事協力についてのやり取りはございませんでしたし、和田大使の方からそのような提案をしたという事実もないと、このような報告を受けております。

#32
○白眞勲君 そうすると、このアゼルバイジャン国防省のホームページの記述というのは誤りであると。でも、ここにこう書いてある。大使は、これはホームページの方ですね、私の英語力の問題もあるんですけど、大使は、アゼルバイジャンと日本の関係の発展、特に軍事分野での協力にあらゆる努力を払うことを強調したとされているわけですね。つまり大使側、つまり日本側が強調している、日本側から申し入れたように読めるんですよ、これ。
 これ、このようなこと、和田アゼルバイジャン大使により国防大臣には申入れなんかしていないわけですよね。であるなら、これ間違いなんじゃないですか。どうなんですか、この辺は。

#33
○政府参考人(徳田修一君) 御指摘のとおり、会談の実際の内容と発表された事実、必ずしも一致してございませんので、この御指摘のございましたアゼルバイジャン国防省の発表を受けまして、現地の日本大使館からアゼルバイジャンの国防省に対し発表が事実と異なるということについて申入れを行ったと、このような報告を受けているところでございます。

#34
○白眞勲君 いや、事実と違うという申入れをしたって、いまだに掲載されていますよ。昨日の夜まで、私、質問通告もしていますけれども、金曜日に、昨日の夜見たって出ていました、これ。全然これ解消するつもりないんじゃないかなと思うんですね。これ見た私の友人から聞いた話ですけれど、ロシアの友人から、日本はいつからアゼルバイジャンの肩を持つようになったんだという抗議が来たので、で、私がホームページチェックしたらこの内容なんですよ。
 外務大臣にお聞きします。これ、おかしくないですか。

#35
○国務大臣(茂木敏充君) まず、今、先ほど来参考人の方からお話をさせていただいておりますけれど、これ、ロシアの仲介努力も確かにありました。この点、私、ラブロフ大臣との電話会談で、そのことについては評価をする、アゼルバイジャン、アルメニアの停戦が成立をした、ただ、なかなかそこから進まないと。こういう中で、日本として、また任地にいる大使として、どちらかの側に軍事協力をするなんというのはあり得ません、常識で考えても。向こうの一方的な事実誤認についてはきちんと間違っていると、こういう説明もさせていただいております。
 このアゼルバイジャンのハサノフ国防大臣、ちょうど一月、和田大使と会ったとき、日本以外にも英国、ロシア、トルコ、パキスタン、イランの大使と面会を行っておりまして、大使が任国の閣僚と良好な関係等を構築することは重要な仕事であると考えておりまして、和田大使も精力的に政府関係者との意見交換を行っておりまして、そういった報道について問題があると私は全く考えておりません。
 日本政府として、例えば両国のいい関係をつくっていくと、特に軍事分野ということを日本として発表したらそれは問題です、事実と違いますから。向こうが間違った発表をしたことについては、訂正を申し入れるということです。

#36
○白眞勲君 訂正を申し入れても直されないんですね。だから私は問題にしているし、今の政府関係者の面談をしていることについても、大使が精力的に動いてくれることはかえってこれはいいことだと思います。しかしながら、今回は停戦から二か月もたっていない、この微妙な時期に、国防大臣、もう写真を見てくださいよ、これ。勲章を付けた軍服ですよ。こういう方とこういう写真、ツーショットで収められて、なおかつこういうことが書かれていることに私は問題があるんじゃないかなということはあります。
 外務省にお聞きします。面談記録は取っていますね。

#37
○国務大臣(茂木敏充君) 白委員、ちょっと私の説明も、先ほどしたんですが、聞いていただきたいと思うんですが、このハサノフ国防大臣、同じ一月に、日本だけじゃないんです、英国、ロシア、トルコ、パキスタン、イランの大使とも面会しております。ほかの時期にもまたほかの国の大使とも面談していると思います。
 日本だけがこの大臣と、国防大臣と面会したと、こういうことではございません。

#38
○委員長(長峯誠君) 記録について。徳田参事官。

#39
○政府参考人(徳田修一君) 会談記録につきましては、外務本省の方に報告に来ております。

#40
○白眞勲君 今、外務大臣から、各国の大使ともこの方は、国防大臣、お会いになっていると言いましたけど、実は、私も日本・アゼルバイジャン議員連盟の事務局長をやっておりまして、自民党の甘利先生が会長なんですね。
 アゼルバイジャン側からは、精力的に、今回のこの紛争に関して日本がアゼルバイジャンに対して支持を表明してくれということを何度も大使からも申入れがありましたし、それから、あちらの議員からも手紙が何度も来ました。そのたびに私は甘利会長と相談の上、慎重の上に慎重に対処しています。そうじゃないですか、大臣。
 ですから、そういったことを含めて、私は、この時期に大使がお会いになったのはちょっと、それでこういう間違ったことを書かれているわけですよ。だから私は問題だということを御認識いただきたいというふうに思います。
 これ、大使と誰が同席されたのか、お答えいただきたいと思います。通訳はもちろんでしょうけど、ほかに政務担当の公使とか、お会いになったんですか。

#41
○政府参考人(徳田修一君) 大使館の書記官も同席していたという、大使館の書記官が同席していたと報告を受けております。

#42
○白眞勲君 普通、政務担当の公使とか何かありませんか。そういうのは出てこないんですか、こういうときに。

#43
○政府参考人(徳田修一君) アゼルバイジャン大使館はさほど規模の大きい大使館ではございませんので、大使の下には次席、その下に政務担当の書記官がいるという、このような大使館の構成になっております。

#44
○白眞勲君 つまり、次席がいて、政務担当の書記官しかいないんですか、アゼルバイジャンには、大使館には。そんなことはないと思いますよ。

#45
○政府参考人(徳田修一君) もちろん、大使、次席、書記官以外も大使館のスタッフございますけれども、それぞれの大使の面談が行われるに際して、それぞれの館員の役割、所掌に応じて必要な同行、同席が行われているということでございます。

#46
○白眞勲君 ナンバーツーの公使、あるいは政務担当のそういう方が、書記官しかいなかったということでよろしいですか。ほかにはいないんです、政務担当は。
 政務担当はほかにいるかどうか、それをちょっと教えてください。

#47
○政府参考人(徳田修一君) 次席公使の下で政務担当をしているのは書記官でございます。

#48
○白眞勲君 じゃ、何で次席公使出てこなかったんですか、こういうときに。
 こういうときは普通は大体大使がいて、普通は次席とかそういう公使が、大体これ、大使が大臣と会うんですよ。こういったときにというのは私はちょっとあり得ないと思うんですけれども、茂木大臣、何か手を挙げているので、じゃ、どうぞ。

#49
○国務大臣(茂木敏充君) 大使等が海外におきまして任国の様々な閣僚と会うとき、もう恐らく、誰が同行するかと、これは案件の重要性であったり、様々な問題で決まっていくと思っております。
 まず、基本的な考え方申し上げますけれど、このナゴルノ・カラバフの問題については、当事者間の対話によって問題が解決されるべきだと、そういった対話を日本としては後押しをしていくと、これが基本的な方針でありまして、それは大使館の方にも明確に伝わっております。
 ですから、国防大臣と会うにしても、日本が軍事的にどうすると、こういうことを大使が私の基本的な方針を全く無視してやるということは考えられませんから、そういうことはやっていないということであります。
 その上で、複雑な案件でない場合はそれぞれに、大使館の人数も限られているわけでありますから、同行者というのは決めていくということになるんだと思っておりまして、私は、参事官が同行したということは全くよくあり得ること、自然なことだと思っております。

#50
○白眞勲君 そもそも、センス私ないと思います、正直申し上げて。アゼルバイジャン日本大使がこの時期にのこのこ出て、向こうの防衛大臣とツーショットすること自体に私はセンスがないと思いますよ。と同時に、今、何か普通の、普通の何かやり取りというので、こんな微妙な時期にやるのであるならば、もし行くとしても、相当きちっと大使館として固めた形で人選をしていく。普通の大臣と、こんにちは、初めまして、よろしくお願いします程度のそういう挨拶言葉じゃ終わらない内容じゃないですか。世界中が注目しているこの紛争についての認識というのが、私はこの大使の方、ちょっと甘いんじゃないかなというふうに思います。
 外務省本省だって、今外務大臣もおっしゃったように、非常に慎重に慎重を重ねてこの件は対処しているはずですよ。それは大使も知っているはずだというふうにおっしゃいました。であるならばこそ、より慎重に現場ではやっていかなきゃいけないんじゃないかなと思います。是非それをお願いをしたいというふうに思いますが。
 次に、防衛調達について防衛大臣にお聞きいたします。
 さきの予算委員会で私が質問した三菱電機が二十二円で調査研究を落札した件について詳しくお聞きしたいと思いますが、その折に、予算委員会でも聞いているんですが、理事会協議事項になっていますよね。この二十二円の内訳をお知らせください。

#51
○国務大臣(岸信夫君) 一般に、個別の契約による契約金額の内訳等に関する情報について、これが公になることによって、相手の、契約相手の企業が有する能力や資産等が推察され、企業の権利、競争上の地位その他の正当な利害を、利益を害するおそれがあることから、回答は差し控えることといたしております。
 行政機関の保有する情報の公開に関する法律において、法人等に関する情報や個人が営む事業に関する情報のうち、公にすることによって法人等又は個人の利益、競争上の地位その他の正当な利害を、利益を害するおそれがあるものは不開示事由に該当することとされております。そのことによって、契約金額の多寡にかかわらず、このことは適用されるというふうに考えておるところでございます。

#52
○白眞勲君 今、内訳は言えないとおっしゃったんですけど、二十二円のうちの二円が消費税ですというのは大臣自らがお話しされているんですよ。内訳しゃべっているのは大臣の方なんですよ。それと同時に、能力や相手の資産状況が分かるというんですけど、二十二円払ったら、じゃ、私が二十二円払ったら、私の給料幾らか分かりますか。やっぱりおかしいんですよ、どう考えたって。
 で、これ納期が今年度末ということですが、確実に納められるということでよろしゅうございますか。

#53
○国務大臣(岸信夫君) 今の消費税の部分については、この部分だけはいずれにいたしましても公表しているところでございます。ですから、公表している部分としては二十円の本体プラス二円の消費税というところだけ公表しているところでございます。
 今、執行についてということでございますが、そうしたことについても確実に実行されるということを確認の上で契約を進めているところでございます。

#54
○白眞勲君 やっぱりどう考えたってこの二十二円、消費税二円ですから二十円、やっぱりこれ不自然だなと思うんですね。
 ただ、三菱電機は、例えば、以前からこの研究テーマである極超音速滑空兵器の探知や追尾の実現可能性について、自分たちで自ら調査研究をしていましたと、だから既に資料がありますよというのならば、ただ同然で今回御提供しましょうというのは私はあり得ると思います。しかし、それにしたって二十二円は安い。二十二円だと、コンビニの白黒コピー二枚分になるんですよ。表紙と目次だけで終わっちゃうじゃないですか。あるいは、表紙と二枚目に実現可能性はゼロですという答えが一枚あったということなんでしょうか。やっぱり常識的に考えて物理的に出せません。どんなに逆立ちしたって赤字です。
 防衛省、これでいいんですか。

#55
○国務大臣(岸信夫君) 今回の契約において、契約相手方の企業が本契約の履行に必要な経費を主体的に算出した上で応札をし、その結果として契約の締結に至ったものでございます。本契約が相手先企業に不利益をもたらすものではないというふうに考えておるところでございます。
 この金額については、法令に沿ったやり方で入札が行われていることでございますので、引き続き、防衛省として、会計法令にのっとって適切な契約事務の実施に努めてまいりたいと考えております。

#56
○白眞勲君 今大臣ちょっとびっくりするようなことを言っちゃったんですけど、経費を換算してやっているというんですけど、だから、申し上げたように経費二十円なんですよ。二十円の換算でどうやってこれ報告書まとめられるんですか。どう考えたって赤字になるんじゃないんですかということを私は申し上げているんですが、もう一度御答弁を願います。もしあれでしたら、どうぞ参考人でも結構です。

#57
○政府参考人(川嶋貴樹君) 今大臣から申し上げましたのは、要は、この企業が、別に防衛省から強制されたわけではなくて、自発的、自主的に二十円の金額で応札をしたということでありますので、本件契約が契約相手方の企業、三菱電機でございますけれども、不利益をもたらすものではないということを大臣の方から申し上げさせていただいたということでございます。
 また、会計法令によりますと、契約金額が一千万円を超える契約につきまして、低額の入札があった場合には、国の制度といたしまして、それぞれの役所におきまして履行可能性、契約の履行可能性につきまして調査をするということが義務付けられてございます。私ども、調査をいたしまして、その結果、この契約は一月十四日に結ばれまして、三月の終わり、三月三十一日が納期でございますけれども、その契約をこの三菱電機はなすことができるというふうに判断をいたしましたものですから入札どおり落札を許したと、こういうことでございます。契約の相手方としたということでございます。

#58
○白眞勲君 今政府参考人から御説明あったこと、もう全く分かりません。だって、経費を勘案した上でといったって、経費が疑義ないって答えになっていないじゃありませんか。どう考えたって二十円じゃ経費生みっこないじゃないですか。だから、それをどういうふうにしているんですかということについて、防衛省としてどういうお考えでやっていらっしゃるんですかということを聞いています。
 もう一度お答えいただきたい。この経費についてです。経費が二十円で済みっこないでしょうということを僕は言っているわけです、何度も。ですから、それに対してのお答えをお願いします。

#59
○政府参考人(川嶋貴樹君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、低額入札があった場合にはそれぞれの役所において調査をすることになっております。その調査というのは、この当該企業が納期の間にきちんと納品することができるかどうかという観点から調査をすることになってございます。
 もうちょっと具体的に申し上げますと、調査におきましては、積算価格、すなわち同社が既に保有している技術検討資産を最大限活用することにより入札価格が抑えられていること、あるいは、同社が防衛省との間で締結した過去の契約の履行状況、過去五年間の契約につきまして、これまで三菱電機は問題なく仕事をしてきている、問題なく義務を履行してきているということ、それから、同社の財務状況、過去三か年の財務状況につきまして、収益性あるいは効率性、安全性、すなわち未収金の回収能力だとか短期的な支払能力、こういったものに問題がないことを確認いたしましたものですから、入札どおり落札を許したということでございます。

#60
○白眞勲君 今るる御説明いただきましたけど、問題大ありじゃないですか、今の話聞けば。
 三菱電機は上場企業です。当然、株主に対する説明責任が生じる。どう株主にこれ説明すると思いますか。私がもしこちら、三菱電機の立場だったら、いやいや、これ落札すれば後でがっぽりもうかるようになりますから、そういうふうに言わざるを得ないんじゃないんでしょうか。どう思われますか、防衛大臣。

#61
○国務大臣(岸信夫君) 三菱電機が株主に対してどのような説明責任を果たしていくかというのは、これはまさに企業の問題ですので、私どもがお答えをする立場ではないと思います。
 契約、入札について、その契約金額の点については今参考人からも話がございました。契約を履行できるかどうか、しっかり履行する、契約どおりに履行するかどうかということを確認した上で、この契約が正当かどうかということは、会計法に基づいて適切に行われた入札においてむしろ契約をしないわけにはいかないわけですね。ですから、法令にのっとって入札、そして契約が行われたと、このように解しております。

#62
○白眞勲君 全然納得いかないんですけど。
 ところで、防衛省の指名競争入札において過去十年に千円以下で落札した事案が何件あって、直近は幾らで落札していたのかを、その詳細をお話しください。

#63
○国務大臣(岸信夫君) 防衛施設庁が実施をいたします中央調達における過去十年間の千円以下の入札、落札案件は一件となっております。
 この一件は、昨年十二月、作戦レベルの研究機能に関する調査研究の調達に係る一般競争入札を行った結果でございまして、これを三菱電機が七十円、税込みで七十七円ですけれども、これで落札をしたというものでございます。

#64
○白眞勲君 また三菱電機は、七十七円で今度は落札したことが明らかになった。もう驚きですよ、これ。
 これどう思われますか、防衛大臣。二回続けて、二十二円と七十七円、合計して九十九円で二件も取っちゃっているということですよね。これ、防衛大臣、どうですか、やっぱりこれ変じゃないですか。

#65
○政府参考人(川嶋貴樹君) 国の契約の方式についてでございますけれども、国の求める一定の品質、仕様等が満たされている場合には、国の契約制度といたしましては、価格のみにより競争することが原則とされてございます。
 これは、価格競争の下におきまして、低価格で優れた条件を提示する企業等を契約相手方としないことによって国に経済的な不利益をもたらすことのないようにしているものと承知してございます。

#66
○白眞勲君 全然納得いかないんですね。
 片や、新聞記事によりますと、辺野古の埋立工事はどんどん額が膨れ上がって、こっちは入札しないんです。入札しないで契約変更を繰り返して、今、工費は二百五十九億円から一・六倍の四百十六億円に、これ新聞記事だと膨れているということなんですね。報道によると、その理由は計画調整としか書かれていない。
 御存じのように、辺野古の軟弱地盤の関係でともかく費用がどんどん上がって、総工費は当初の三千五百億から九千三百億円にまでというふうにも言われている。これだって、完成二〇三〇年代ですから、これで済むという保証だって私はないような気がするんですね。このままだと早晩、一兆円超えるんではないかという心配です。もう青天井なんですね。
 一兆円、片や二十二円と七十七円、これバランス的にも極めて悪い。きちっと私は、この防衛調達の在り方というのは抜本的に、大臣、見直すべきだと思いますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

#67
○国務大臣(岸信夫君) 今、この三菱電機の件と辺野古のお話をされましたけれども、ちょっとその既にある契約の状況の変化による契約条件の変更の部分と、それからこの一般の入札はちょっと一緒に考えるわけにはなかなかいかないというふうに思います。
 いずれにいたしましても、その調達においては、この会計法にものっとりまして、諸法令にのっとって適切に推進をしているところでございます。

#68
○白眞勲君 いや、もちろん単純には比較できないと思いますよ。しかし、それにしたって金額が余りにもどんどん膨れ上がっているということに対しての問題意識というのは、これは我々委員も含めて共有していかなきゃいけないというふうに思っています。防衛予算どんどん膨らんでいるんですね。先ほども、過去最大のといってGDPとの関係も北村先生からお話がありました。そういう中でいかに装備品の調達をしていくかというのは大きな課題だと思います。
 今日のこの防衛大臣の話の中にも、第一に領域横断作戦に必要な能力の強化といって宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域における能力を獲得、強化しますというふうに言っておる。片や、従来の領域における能力も強化しますと、同じところに同じように書いてあるわけですね。つまり、今までみたいに既存の兵器類や人件費も膨らむ一方だと。
 これ、大臣の認識、こういうふうに書いてある以上、どういうふうにやっていくか。どういうふうに思われます、これ。すごく頭の痛い僕は問題だと思いますよ。

#69
○国務大臣(岸信夫君) 様々な防衛省の関係の事業を進めるに当たって、引き続き、各年度の予算要求の段階において所要額を精査をし、またその後、現状の、現場の状況に応じた効率的な施行等を追求するなどして適切な予算執行に努めてまいるということでございます。財政状況厳しい中ですから、当然ながらそういうコスト意識をしっかり持った上で調達を進めていかなければいけないということについては、もちろんそのとおりでございます。

#70
○白眞勲君 おっしゃるとおりなんですね。
 ちょっと細かく聞きたいと思いますが、人材についてお聞きいたします。例えば隊員の離職率、隊員の離職率ですね、非常に高いですね。この辺り、どうなっています。

#71
○政府参考人(川崎方啓君) お答えをいたします。
 令和元年度における自衛官の中途退職者数は約四千七百人でありまして、現員、総数に対するこの中途退職者数の比率、つまり離職率は約二・〇%でございます。
 この離職率につきましては、平成二十二年度は約一・四%でありましたが、過去十年間はおおむね上昇傾向にあってこの二%に達したものと承知をしております。

#72
○白眞勲君 人材はどんどん雇わなきゃいけないというか、採用しなくちゃいけない、しかし、離職率もどんどん高くなっているという中で、新しくサイバー関係やミサイルでは、逆に今度、屈強な隊員というのは今度は必要なくなるわけですよね。私のような運動神経が駄目で、口数ばっかり多い隊員も、まあ口数多いのも良くないのかな、隊員も雇わなきゃいけないのかなと思うんですけれども、隊員の質も変えていかなきゃならないことは確かです。この辺りが防衛省内でどの程度議論されているのかというのがポイントなんですけど、この辺りについてはどうでしょうか。

#73
○政府参考人(川崎方啓君) 自衛官の人材確保をめぐる環境、大変厳しくなってきている中で、今委員御指摘のとおり、サイバーなど新しい領域の人材確保を何とかして実現していかなければならないという課題に直面しております。
 こういった問題につきましては、例えばサイバーにつきましては、我々専門部局の方でいろいろな教育体系の見直しなどをやりまして、あるいは部外から人材を登用する可能性なども考慮いたしまして、今いろいろと人材確保に努めるということで検討しているところでございます。

#74
○白眞勲君 今日は海上保安庁の方もいらっしゃっています。質問しませんから大丈夫です、ただ聞いていていただければ大丈夫ですけど。
 この場合に、その若年層の中途退職率をいかに抑制するかという課題についても、海上保安庁、一生懸命頑張っていらっしゃると私は聞いているんですけど、成果も徐々に現れて、直近では中途退職率一%程度に抑制されていると聞いています。
 片や、今、自衛隊の自己都合による自衛官の中途退職者は年々増加傾向にあって、二%になっちゃったと。年間四千七百人。新規採用者の三分の一は中途退職という、これ極めて深刻な状況なんですね。何とかしてとか今おっしゃっていました、教育局長、教育体系も見直しだ。
 これ、まず、防衛大臣、やっぱり他省庁と、海上保安庁も頑張っている、警察庁ももしかしたら頑張っていると思いますよ、そういったところとよく、それこそ人事交流しながら連絡取り合うことも必要なんじゃないかな。同じ悩みを打ち明け合う必要性は、飲み会をしないで、割り勘で打合せやることは必要なんじゃないですか。防衛大臣。

#75
○国務大臣(岸信夫君) 今おっしゃられた警察官や海上保安官と自衛官との比較ですね、こういったものは随時行っております。
 離職率の問題については、高くなりつつあるということについては、やはり自衛官という仕事がいかに魅力的なものかどうかということに懸かっているんではないかなというふうに思います、処遇面において。給与のレベルといったこともありますし、職場環境も含めてです。そういったことも一つ一つ検討しながら、改善をしていかなければいけないところはやっていかなければいけないと、こういうふうに思っています。

#76
○白眞勲君 そのとおりだと思うんですね、私、大臣ね。
 実はこれは、他国の軍隊でも私は同じ悩み抱えているんじゃないかと思うんですよ。韓国軍なんかは徴兵制の関係で離職率というのは余り話題にはならないんですけれど、それでも隊員の士気は著しく下がって、日本でもニュースになったりするんですけど、先月、北朝鮮からの脱北者を監視カメラが三時間で八回も捉えられていたにもかかわらず見落としていたという事実が韓国内で衝撃を持って受け取られているわけなんですね。
 恐らくほかの軍隊でも多かれ少なかれ同じ悩みを抱えているわけで、であるならば、やっぱりその辺り、同盟国の軍隊と意見交換をするべきではないかと思いますけれども、大臣、その辺りはどうでしょうか。

#77
○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 ちょっと私、一例としまして、委員の方から御指摘ありましたサイバーの関係でちょっと例、例示を紹介させていただきます。
 各国の防衛当局とサイバー協議などの機会を利用し、まさに委員御指摘の人材確保、育成に関連する取組については聴取しているところでございます。
 例えばアメリカについて申し上げれば、米国と行っております日米サイバー防衛政策ワーキンググループというものにおきましては、サイバーのまさに専門家の育成、確保のための協力についても議論しており、その中で必要な情報交換を行っております。
 また、陸上自衛隊からは米陸軍のサイバー教育機関に連絡官、リエゾンを派遣しておりまして、自衛隊のサイバー要員育成に資するために米軍の各種取組について情報収集を行っているところでございまして、委員の御指摘の問題意識に沿ったような形で我々も取り組まさせていただいているところでございます。

#78
○白眞勲君 防衛大臣、サイバーについて私の方からもその後触れようかなと思ったんで、先回りしてお答えいただいちゃったんですけど。
 このアメリカ軍では、サイバー・ダイレクト・コミッショニング・プログラムというものがあって、高度に専門化されたサイバーキャリア分野での長年の経験を持つ民間のサイバー人材を直接に士官に採用するなど、いろいろ工夫しているとも私聞いております。
 あるいは、国防総省や陸軍でも新たな採用活動の取組を積極的に研究しているということも聞いているということなんですが、と同時に、やっぱり同盟国ともっと連絡を取り合うことということに対して防衛大臣としてはどういう考え方を持っていらっしゃいますか。

#79
○国務大臣(岸信夫君) 特に、同盟関係であります米軍とは日々様々な分野で情報交換等を行っているところでございます。
 この人事等の問題については、各国で制度も異なっておりまして難しい問題ではございます。まずは機会に応じて調べてみたいと、こういうふうに考えております。

#80
○白眞勲君 やっぱりこのサイバー、特にサイバーというのは、なかなか、人材が流動性非常に高いというふうにも、これも世界的にも言われています。もちろん、日本とかアメリカとか、様々な国によって大分雰囲気は違うとは思いますが、是非この関係についてもより研究していかないといけないんじゃないかなというふうに思いますし。
 また、私は議論したいのが、先ほどのような場当たり的なこの調達の在り方なんですね。これ調達制度のみならず、人員の配置や権限の存在、インセンティブ構造を含めた防衛省全体としての組織改革が私はそろそろ必要なんじゃないかなと思います。
 例えば、一つのプロジェクトがあったとしてもその担当者は短期で異動してしまう。さらには、防衛省内の部局で情報が共有されていないので企業との交渉も横断的にできない。企業はもうずっとその担当ですから、そうするとどうしても相手の言われたとおりになってしまう。コスト、部品単位のデータベース化も未完成とも指摘がある。相手企業の言い値になってしまうんじゃないですか。などなど、改革する点、多方に私は及ぶと思います。
 もちろん防衛省も改革を黙って見ているというわけにいきませんし、例えば装備庁ですね、ライフサイクルコストを一貫して管理するというようなこともやられていると。防衛装備庁の長官も今日来ていらっしゃいますけれども、こういった件について、より、やっぱり何かな、より弾力性を持ってもっと頑張っていただきたいなというふうに思うんですが、その辺について装備庁長官からちょっとお話聞きたいと思います。

#81
○政府参考人(武田博史君) お答えいたします。
 委員からも御指摘ありましたけれども、私ども、一定以上の整備規模を有する装備品等については、コスト、スケジュール等を管理するいわゆるプロジェクト管理というやり方を採用いたしております。すなわち、構想段階、装備品の構想段階から研究開発段階、量産配備段階、運用維持段階、そして廃棄に至るまでの各ライフサイクルを通じて一貫して管理していこうというものでございます。このため、私どもとしてはそれぞれにつきまして取得戦略計画というものを策定しており、専従のプロジェクトマネジャー、統合プロジェクトチームを設置いたしまして管理をしておるというところでございます。
 装備庁設置から五年がたちました。こうしたプロジェクト管理を今懸命に行っておるところでございまして、引き続きコスト抑制も含めた努力をやってまいりたいと、このように考えております。

#82
○白眞勲君 是非これを体系的に僕はやってもらいたいと思うんですね。人材育成、そういう人材の採用、そして調達の在り方、もうどんどんどんどん防衛省の持っている、やっていかなきゃいけない範囲がどんどん広がっているという中でですね。
 これ、防衛大臣、是非僕はこれをお願いしたいんですけど、是非若い職員をアメリカに派遣して、徹底的に例えば防衛調達の在り方、入札の在り方、サイバー人材の育成の仕方などなど、今、そういう機会を通じてということではなくて、もう入って実際に隣で仕事をさせてもらう、そういうことによって調達の仕方とか何かとか、そういうものをやはり、何というんでしょうかね、交流する、もうこのような交流を私はしていくべきだと思います。ですから、せっかく、2プラス2もやったり、いろいろ防衛、向こうの国防、何というの、国防大臣と交流するところもあるので、うちの若いのをちょっと面倒見てくれぬかということを防衛大臣から言って、若い職員どんどん派遣して一年ぐらいそこでしっかりと勉強させる、研修させる、それを持って帰らせる、そういったことが必要だと思いますが、防衛大臣、いかがでしょうか。

#83
○国務大臣(岸信夫君) 委員、ありがとうございます。
 日米間では様々な人事交流も、若い人材も交流をしてきているところではございます。組織である以上、人事異動というものは避けられないものであります。一方で、何か専門的な仕事をやる場合に、ずっと長くやることでのエキスパティーズを伸ばしていくとか、そういうメリットもあるわけですけれども、まあそればかりでもいけないわけですから、交流も様々な人事異動も行わなければ組織として成長できません。そういうことも含めて、組織改革も常に行っていかなければいけないことだとは認識をしておるところでございます。
 そういう意味で、なかなかそのサイバーの分野というのは、特に言いますと、これもなかなか今までの枠で捉えていると難しいところもあると思います。そうした専門性を持った職員の確保、また人事というものは適切な調達の上でもこれ大変重要だというふうに思います。引き続き不断に検討してまいりたいと、こういうふうに考えております。

#84
○白眞勲君 何かよく言っていることが分からないんですけど、ともかく不断に検討していただいて、それで、アメリカとか何かとよくここら辺の悩みを共有化しているはずなんですよ。いろいろな若い子たちの今の考え方、昔と違ってもうスマホ持っていないと嫌だという人たちをどういうふうに対応していくかとか、いろいろなやっぱり話が出てくると思いますので、防衛調達の在り方も含めて是非研究していただきたいと思います。
 厚労副大臣、来ていただいて大変恐縮でございます。
 まず、遺骨のDNA鑑定、新たな組織、遺骨鑑定センターの今後の発展状況についてお聞きしたいと思います。

#85
○副大臣(山本博司君) さきの、今委員から御指摘ございました、約二百四十万人の方々が海外で亡くなられておりまして、そのうち我が国への帰還を果たした戦没者の御遺骨、約百二十万柱となっておりますけれども、相手国の事情等により収集が難しい場合を除きまして、約五十九万柱の御遺骨が帰還を果たしていない現状ございます。
 今年度の遺骨収集事業につきましては、海外ではキリバス共和国タラワ環礁におきまして収容されました米国DPAA管理下の御遺骨で、身元が判明した二柱の御遺骨を受領し、御遺族に返還したところでございます。それ以外の地域では、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によりまして遺骨収集が実施できない状況もございます。国内におきましては、硫黄島及び沖縄において遺骨収集を行った次第でございます。
 海外の遺骨収集につきましては、関係国に対しまして収集事業の再開に向けまして働きかけを継続して実施しておりまして、状況が改善した後には速やかに再開できるようにしっかり取り組んでまいりたいと思います。

#86
○白眞勲君 この前の、先日の予算委員会で、総理の御答弁でも、この点全力を尽くしますと言っていただいているので、是非、副大臣としましても頑張っていただきたいというふうに、あっ、どうぞ。

#87
○副大臣(山本博司君) 先日、委員からも御質問をいただきました。総理から更なる対象地域の拡大について検討を進めているという答弁がございましたけれども、検討いたしまして、その結果、地域を限定せずに実施することといたしまして、鑑定体制の拡充等を進めた上で、令和三年十月を目途に受付を開始することを本年二月に公表したところでございます。今後、広く御遺族に周知して、できる限り多くの御遺骨を御遺族の元にお返しできるように努めてまいりたいと思います。

#88
○白眞勲君 いや、地域を限定しないでというふうにまた言っていただいたことを感謝申し上げます。是非頑張っていただきたいというふうに思います。
 済みません、ちょっと海上保安庁さん、時間がないので、今日は申し訳ございません。
 ちょっと、辺野古の新基地建設事業に関わる土砂の採取先として沖縄本島南部地区を入れたことについてお聞きしたいと思いますが、沖縄戦一番の激戦地ですが、まだまだ多くの遺骨が眠っておられます。この南部地区の土砂の採取について、現状をお知らせください。

#89
○国務大臣(岸信夫君) まだ、土砂の調達先ということについて言いますと、これは実施段階で決まるものでありますから、現時点で確定したものはございません。その上で、この遺骨収集、遺骨については、厚労省と沖縄県で役割を分担して遺骨の収集が進められているところと、こういうことでございます。
 この御遺骨の問題というのは大変重要な問題であります。特に沖縄は、さきの大戦において凄惨な地上戦を経験し、多くの命が失われました。我々としては、沖縄の人々の筆舌に尽くし難いような困難と癒えることのない深い悲しみ、これらを胸に刻みながら、戦争の惨禍を二度と繰り返してならない、こういう思いを持っておるわけでございますが、その上で、御遺骨の問題、この重要性をしっかり考えて、こういうことも踏まえて、土砂の調達については今後しっかり検討してまいりたいと思います。

#90
○白眞勲君 もうやるべきではないということを最後に申し上げて、この南部地区の土砂の採掘についてはやるべきでないということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#91
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 先般、大臣から、米国国防省、DODが企業に適用しているサイバーセキュリティー基準と同程度となるような新情報セキュリティー基準を検討している旨、御答弁がありました。米国のサイバーセキュリティー基準、NISTのSP800―171が現在あります。DOD直下の防衛契約監査機関、DCAAが監査を行って、セキュリティーに関する契約については間接コストを認めております。
 米国に合わせた場合のセキュリティーコストの考え方はどのようになるのでしょうか。現状、我が国では間接コストについて直接判定する体制はなく、原価計算上で認められる方式とはなっておりません。日本も体制を整えて米国と同様の考え方を導入してセキュリティーコストの間接コストを計上すべきだと考えますけれども、武田長官、いかがでしょうか。

#92
○政府参考人(武田博史君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の米国における米国国防契約監査局、DCAAと申しますが、この組織においては、多数の公認会計士、これ約千名とも言われております、こうした多数の公認会計士を含む約四千人が所属をして、米国防省の監督の下で契約の監査を行っている組織であり、調達価格についてのきめ細かい監査を行っている組織と承知をいたしております。
 米国と我が国の調達制度や組織は同様ではありません。私ども防衛装備庁は約千八百名でございまして、この米国国防契約監査局の四千名に比べれば少ない人数でございます。こうした防衛装備庁が中心に行っている原価計算方式におきましては、会社側で装備品の製造等を行うに当たり発生した経費、これには情報セキュリティーに関する対策に要する経費も含まれておりますが、こうした会社側の経費を提出していただきまして、防衛省側において個々に審査し合理的な範囲で適正に積み上げをしておるところでございます。
 私ども、現在、米国防省が企業に対して適用しているサイバーセキュリティーの基準、今委員御指摘のNIST・SP800―171と同程度となるよう、新たな情報セキュリティー基準に基づく対策について検討を行っております。この新たな情報セキュリティー基準に基づく対策を防衛産業各社が講ずるために必要となる経費、これは高くなることが見込まれます。したがいまして、私どもとしては、委員も御指摘のように、こうした経費を原価計算方式において考慮するよう考えてまいりたいと思っております。
 いずれにいたしましても、新たな対策の具体的な在り方などについては、引き続き、防衛産業との間で丁寧な意見交換やヒアリングを行いながら検討を深めてまいりたいと考えております。

#93
○三浦信祐君 御明言いただいて、ありがとうございます。セキュリティーコストを削減するとセキュリティーの質が下がるということに直結してはならないという問題意識ですので、是非御検討いただきたいと思います。
 防衛装備品の製造、作成にはサプライチェーン上のセキュリティー構築が不可欠であります。その際の指導、教育は全てプライムメーカーが負うことになっております。いわゆる下請メーカーについては防衛省と直接契約がないために、セキュリティー構築に関する、費やすコスト分というのは算定をされないというのが現状です。中小・小規模事業者では当然セキュリティー構築は困難を極め、かつコスト負担が生じるゆえに防衛産業はもういいやといって退場してしまうリスクもあります。加えて、大手企業でもコストマネジメントが困難となって、ひいては撤退するのも当然想定をされます。
 セキュリティーコストはサプライヤー分も踏まえて計上すべきだと思いますけれども、御対応いただけませんでしょうか。

#94
○政府参考人(武田博史君) お答えいたします。
 防衛省との間で装備品の製造請負等の契約を行う相手方となるいわゆるプライムメーカーは、製造等を行うに当たり下請メーカーを持つことが一般的でございます。防衛省とプライムメーカーとの契約価格においては、原価計算方式の下で、下請メーカーが作業を行うために必要な様々な経費も考慮できる、そうした制度にはなっております。したがいまして、下請メーカーが情報セキュリティーを確保するために必要な経費についても、防衛省とプライムメーカーとの契約価格において考慮できる制度となっておるわけですけれども、その個別具体的な内容は、一義的にはプライムメーカーと下請メーカーとの間で決められるものでございます。委員御指摘のとおり、サプライチェーンにおける情報セキュリティーの確保については、防衛省としても極めて重要な課題であると認識をしております。
 いずれにしましても、装備品等の調達価格につきましては、防衛省として、原価計算方式の下で、下請メーカーにおける情報セキュリティーの確保のための対策に必要な経費も含めて、より適正なものとなるよう引き続き努めてまいりたいと、このように考えております。

#95
○三浦信祐君 サプライヤー分もアドバイスを是非していただいて、ここはちゃんと整理するんだというその相談機能というのもきちっと確保していただきたいと思います。
 次に、保護情報の定義、解除申請における判断基準を防衛省は明確にしていただきたいと思います。
 現状は、一旦全て保護対象として、そこから一つ一つ解除しているという極めて非効率な状況であります。効率化を図らなければ民間企業も官側もタスクのみが増えていきます。個別の判断は企業へ一部でも譲渡をすることで効率化が図られると思います。経験あるメーカーほどそれができると思います。ルールを定めて、資格をつくって、教育体制を整えた上で取り組んでいただきたいと考えております。
 その上で、加えて、防衛装備品を製作する企業に対して、防衛省受注分とそれ以外の共存可能な保護情報の定義をつくっていただきたいと思います。
 広く一般で使われている物品、また部品、情報は当初段階から保護情報として指定しないように、そもそもガイドライン化がされていない状況を改善した上で整備をする必要が私はあると考えております。これらを整えていなかった場合には、官側が一方的に企業のノウハウ等も指定してしまう、また、汎用技術を対象としてしまう可能性、今後、より注目されておりますエマージング技術の範疇となった場合の整理が不明瞭となってまいります。是非、改善をしていただきたいと思います。
 いずれにしましても、メーカー等からよくヒアリングを行って、どうだったかということを再び質問させていただきたいと思いますけれども、是非御報告をしていただきたいと、対応いただきたいと思います。

#96
○政府参考人(武田博史君) 防衛省といたしましては、契約を締結した企業に対しまして、契約の履行上取り扱う情報の中に保護すべき情報が含まれている場合には特約を結びまして、契約の履行の一環として収集、整理、作成した一切の情報について、防衛省が保護すべき情報には当たらないと確認するまでは保護すべき情報として取り扱わなければならないという義務付けをいたしております。委員御指摘のとおりでございます。
 これは情報セキュリティーをより確実にするための対策でございまして、御理解をいただきたいと考えてはおりますが、他方におきまして、防衛省や企業において的確かつ効率的な業務を行っていくための検討を不断に行っていくことは極めて重要でございます。委員御指摘の点も含めまして、企業の業務の実態をヒアリング等により把握しながら、その改善策について検討をしてまいりたいと考えております。

#97
○三浦信祐君 ありがとうございます。是非、御検討を進めていただきたいと思います。
 次に、経済安全保障について伺います。
 茂木大臣は、経済安全保障の確保にも積極的に取り組むと所信でお述べいただきました。私は、現在、公明党の科学技術協力と経済安全保障検討プロジェクトチームの事務局長を務めさせていただいておりまして、今回の御発言は極めて歓迎すべきことでありますし、私たちも全力で取り組んでいきたいと考えております。
 外務省としての具体的な問題意識と今後取り組む内容、そしてその具現化をするための考え方、体制について、茂木大臣にお伺いします。

#98
○国務大臣(茂木敏充君) デジタル化の進展、ここ数年といいますか、十年タームで見ても目覚ましいものがありまして、それに伴ってサイバーセキュリティー、この重要性というのはますます高まっていると思います。
 今、テレビで「24」というドラマをやっているんですね。元々これはアメリカが原作の、十七年ぐらい前に出てきたジャック・バウアーの役を獅堂現馬といって唐沢寿明さんがやって、仲間由紀恵さんが日本最初の女性総理になるかどうかということなんですけど、十七年前のオリジナルと比べてみると、これはテロ対策ユニット、政府の方の、また犯人の側でも圧倒的にやっぱりデジタル技術を使っているんです、様々な形で情報収集等。これは、ドラマは架空ですけど実際に世の中で起こっていることだと、こんなふうにも考えているところであります。
 また、今コロナ禍にあるということでありまして、衣料品であったりとか様々なものでサプライチェーン、脆弱性というのも浮き彫りになっていることで、これをいかに強化していくか、重要な課題であると考えております。
 つまり、これまでの、従来の安全保障と経済を横断する領域で国家間の競争、これも激化をすると。近年、安全保障の裾野というものが経済、そして重要・新興技術、こういったものに拡大をしているんだと思います。
 そういった中で、こういった重要技術が流出をする、またデータが流出をする、さらにはサプライチェーンの強靱化、こういったものを進める、データ流出を防止しながらサプライチェーンについても強靱化を進めると、こういった安全保障上の課題に対応するために、先週の2プラス2でもこれは議論になった点でありますけれど、外務省としても米国を始め諸外国との連携を強化していく必要があると、そのように考えております。
 外務省では、一昨年の十月に新安全保障課題政策室を設置しまして、これを昨年八月には経済安全保障政策室に改組をしました。もちろん、名前を変えたからそれで済むというわけではありませんで、実態をこれから伴わせていかなければいけないと思っておりまして、外務省としても、また政府一丸となって、経済安全保障に係る取組、更に強化をしていきたいと思っております。

#99
○三浦信祐君 世界はエコノミック・ステートクラフト、ES、すなわち、軍事的な安全保障と経済的な政策の一体化をもって外交を展開し、国益の戦略的目的達成を図っているというのが現状であります。特に、米国も中国も、整理をすればESを互いに仕掛け合っている状況です。その中で、我が国は経済的視点を、特に技術掌握についての視点と体制が決定的に欠けております。
 外務省として、世界の趨勢についてどのような認識をお持ちになっておられるのでしょうか。また、外交上、経済安全保障に基づくルール形成が必要な中、我が国の現状について、茂木大臣、外交当局としてどのような見解をお持ちでしょうか。

#100
○国務大臣(茂木敏充君) 三浦委員と同じような認識を持っているところでありまして、IoT、5G、さらにはAI、量子技術、こういった技術がますます安全保障に直結するようになってきている、こうした状況を踏まえて、諸外国においても、これはアメリカにおいても中国においても他国においてもそうでありますが、重要技術の研究開発の促進であったりとか、適切な輸出管理、投資審査政策の実施、経済安全保障の取組を強化する動き、これが強まっているということであります。
 また、こういったこれから重要性を増していきますデジタルの分野、まだしっかりした国際間のルールというのが確立をされておりません。日本は二〇一九年、大阪サミットのG20の議長国でありまして、この大阪サミットの際、大阪トラック、これを立ち上げて、デジタル分野での共通ルール作り、これも主導してきたところでありまして、経済安全保障についてはルールが未整備な分野が多い分、また、ある意味そこでリーダーシップを発揮していくと、こういう余地も大きいんではないかなと思っております。
 もちろん、その全てのことが一か国でできるわけではありませんから、米国であったりとか豪州、こういった国々も巻き込みながら、こういった分野でのリーダーシップの確立であったりとか、日本が劣後しないと、こういう形をしっかりとつくっていきたいと思います。

#101
○三浦信祐君 茂木大臣、今重要なことをおっしゃっていただいたと思います。
 実は、日本が唯一きちっと米国と中国を、間に挟まって整理をするポジションにいると思います。例えばワクチンについても、これ外交の上でESを仕掛けられてしまったら、世界の国民に対する、全世界における安全保障のリスクになると思います。日本がこれまで培ってきた平和国家としての礎と、そして広い視野においての俯瞰的外交をやってきたその知見をいよいよ発揮していただかなければならないときだと思います。是非、積極的にオンラインも活用していただいて、そしてリアルのことも充実をさせていただいて、茂木大臣、是非政府の先頭に立って、エコノミック・ステートクラフトで多くの国民が、市民が犠牲にならないような社会をつくる、世界をつくるということに是非御尽力をいただきたいと思います。
 防衛大臣には、本当はお聞きしたかったんですけれども、次回に譲らせていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

#102
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。
 既に2プラス2をめぐっての議論は今までなされておりますけれども、私は別の観点から2プラス2、あるいはもっと広い意味での日本の安全保障ということに関して議論していきたいと思っております。
 日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2の共同発表を読みますと、個別には、中国の国際秩序と合致しない行動とか北朝鮮の軍備の問題、あるいは日米同盟の役割、米軍再編等が議論されておりますが、一番重要なところは、日米は自由で開かれたインド太平洋とルールに基づく国際秩序を推進していくことへのコミットメントを新たにしたという部分だと思います。
 それから、共同発表の中に、年内に改めて開催するということを記載されているということも非常に重要なことであるというふうに認識しております。これから何か大きな動きがあるだろうというふうにアメリカは察知しているということと推察いたします。
 そこで、個別のことはまた今後お尋ねしていくことにしまして、大きなところから確認していきたいという思いから質問をさせていただきます。
 まず、自衛隊の任務について伺います。
 自衛隊法には、自衛隊の任務として、「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。」、三条、とあります。我が国の平和と独立を守ると明確に書かれてあります。
 他方、憲法を見ますと、憲法には国の独立という表現がありません。主権という表現は、これ前文の中に二回出てまいります。それから、自由という表現も第十九条以下多数出てまいりますけれども、これらは全て個人の自由に関するものであるというふうに理解します。すなわち、国家の独立、主権、自由が憲法には書かれておりません。
 この点に関して両大臣はどのような御認識をお持ちでしょうか。お伺いしたいと思います。

#103
○国務大臣(岸信夫君) ただいま委員から、憲法に国家の独立、主権、自由を守るといった表現が置かれていないということでございますが、このことを含めて、憲法の規定の在り方については、国会で憲法審査会において議論を重ねて国民の皆様の理解を深めていくべきものであると、このように考えております。
 その上で、我が国の平和と独立を守るということは、これは政府の最も重要な責務であります。こうした考え方は、国家安全保障戦略や防衛大綱にも明確に示してあります。ですからこそ、この責務を果たすため、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、我が国を防衛することを自衛隊の主たる任務とされておるわけでございます。昼夜を問わず、任務を遂行しています。
 私としても、我が国の平和と独立を守るという責務を果たすために、引き続き我が国の防衛に全力を尽くしてまいりたいと、このように考えております。

#104
○国務大臣(茂木敏充君) 今、岸大臣の方から憲法と自衛隊法等との関係についても答弁があったところでありますが、その上で申し上げますと、我が国として最も重要なことは、これは、我が国の主権、独立を維持して、領域を保全し、我が国国民の生命、身体、財産の安全を確保することであると考えております。
 また、自由と民主主義を基調とする我が国の平和と安全を維持し、その存立を全うすることも極めて重要であると考えております。

#105
○浅田均君 防衛大臣の答弁より外務大臣の答弁の方が若干ちょっと前へ進んでいるような気がいたしました。
 今、国の独立、主権、それから自由に関する見解を伺いました。防衛大臣の方からは、御所管上、防衛に関してという観点からの意見陳述であったと思います。
 それでは、今申し上げております国の独立、主権、自由をどう守っていくのか、防衛するのかを議論したいと思いますけれども、国会においてどのようにその主張が積み重ねられてきて意見が形成されてきたかを振り返ることは決して無意味なことではないと思います。
 遡って、ちょっと古くなるんですが、百三十一年前です。一八九〇年十二月六日、第一回帝国議会で、山県有朋首相は、括弧ですね、国家独立自衛の道に二途あり、第一に主権線を守護すること、第二は利益線を保護することである、その主権線とは国の境域、境界内の土地という意味です、をいい、利益線とはその主権線の安危に、密着の関係ある区域を申したのである、およそ国として主権線及び利益線を保たぬ国はござりませぬ、方今列国の間に介立して一国の独立を維持するには、ただ主権線を守御するのみにては、決して十分とは申されませぬ、必ずや利益線を保護いたさなくてはならぬことと存じます。
 これ、第一回帝国議会で山県首相が述べた演説の一部です。御存じの方もおられると思いますけれども、この山県有朋首相は、当時、ロシアが不凍港を求めて南進してくると、シベリア鉄道を建設し始めた頃で、日本としてどうすればいいかということをウィーン大学のシュタイン教授に尋ねたわけですね。シュタイン教授は、主権の及ぶ国土の範囲が主権線で、国土の存亡に関わる国防の範囲を利益線というと。日本は、当時の話ですが、朝鮮が利益線だから朝鮮を中立にしておくことでバッファーをつくるのが得策であるというふうなアドバイスをしたと歴史の本には書かれてあります。
 この主権線、利益線という考え方は、今なお防衛の基本として皆さん念頭にあるお話だと思うんです。私は、この現代の利益線というのは、各国共通の国際公共財、グローバルコモンズ、例えば、外務省のホームページなんかですと、宇宙、サイバー、海洋とかいうのが出てくるんですけれども、国際海峡、シーレーン、南極大陸等々考えておりますが、両大臣は、国際公共財、グローバルコモンズということに関してどのような見解をお持ちでしょうか、お尋ねいたします。

#106
○国務大臣(岸信夫君) グローバルコモンズについてのお尋ねでございますが、近年、海洋、今例を挙げられました海洋、宇宙空間、またサイバーといった国際公共財、いわゆるグローバルコモンズに対する自由なアクセス及びその活用を妨げるリスクが拡散をし、深刻化しているところだと考えています。
 特に、インド太平洋地域における海上貿易等を通じて経済発展を遂げた我が国にとって、開かれた、そして安定した海洋を維持していくこと、インド太平洋地域の平和と安定を確保していくこと、これが大変重要であります。
 防衛省としては、シーレーンにおける航行の自由の確保という大きな要素の一つとします自由で開かれたインド太平洋というビジョンの下で、日米が基軸となって、豪州、インド、ASEAN諸国のパートナー国との間で共同訓練・演習や能力構築支援、防衛装備・技術協力等の幅広い防衛協力・交流を実施しているところであって、こうしたこと、取組を引き続き進めてまいりたいと考えております。

#107
○国務大臣(茂木敏充君) 山県有朋首相当時の主権線、そして利益線という考え方、恐らくかなり、当時はそうでありますけど、地理的概念、これが中心のものだったと思っております。
 それに対してなかなか現代の利益線をどう定義するかということで、浅田委員、各国共通の国際公共財、グローバルコモンズという言葉をお使いになったと思いますけれど、これ、何というか、領域というよりも、例えば海洋であっても航行の自由であったりとか法の支配であったりとか、ある意味価値観であったりとか共通のルール、こういったものに関わってくるんではないかなと、そんなふうに考えておりまして、我が国としては自由で開かれたインド太平洋と、これを今まさに推進しているところでありまして、委員御指摘の国際海峡であったりとかシーレーンにおける航行の自由の確保と、これもこの一環の中で重要だと考えております。
 そして、これが国際社会共通の価値観となっていくと。これは、二〇一六年にTICADⅥで日本が提唱した考え方でありますけれど、今やこれが米国、豪州、インドと、さらにはASEANもAOIPとアウトルックを出しております。
 さらには、欧州諸国からも考え方を共有する、様々な国に広がっていると。こういった中で、これを国際公共財といいますか、そういったルールにしていく、また価値観にしていく、こういった取組が極めて重要だと思っておりまして、日本もそういった取組しっかりとこれからも主導していきたいと思っております。

#108
○浅田均君 私が考えておる以上のことを御答弁いただきまして、大変評価させていただきたいと思います。
 それから、後ほどまたQUADということについても質問に取り上げたいと思いますけれども、インド太平洋、自由で開かれたインド太平洋の一番最初の枠組みとしてQUADというのを多分考えておられるだろうと思うんですけれども、非常に、今まで日米同盟しかなかったわけですから、こういう多国間で価値観を共有する国々がそういう枠組みをつくっていくことは非常に重要なことであって、そこで日本が率先して取り組んでいるということを私は高く評価したいと思います。
 それで、今、両大臣からインド太平洋という言葉が出てまいりましたので、これ通告はしておりませんので、もしお答えいただけなければ結構なんですけれども、次の三点ですね、もし可能ならばお答えいただきたいと思いますし、駄目ならばまた次回通告した上で御答弁求めたいと思います。
 まず一点目は、インド太平洋というからにはそのど真ん中にマラッカ海峡があるわけで、マラッカ海峡は国際公共財と捉えておられますか。二点目は、台湾海峡は国際公共財ですか。三番目、自由で開かれたインド太平洋、両大臣言及されましたけれども、私はこれはグローバルコモンズ、国際公共財と考えるのがいいと思うんですけれども、これ、防衛大臣というよりは外務大臣に御答弁を願わくば願います。

#109
○国務大臣(茂木敏充君) まず、自由で開かれたインド太平洋でありますが、ここにおきましては、民主主義であったり航行の自由であったり、さらには法の支配、基本的な人権の尊重、こういった価値観が多くの国で共有されていくということが重要だと思っておりまして、我々はこれは国際公共財になり得ると、またしなければならない。そして多くの国々が、先ほど申し上げたように、日米豪印、そしてASEAN、さらには欧州諸国、ドイツ、フランス、オランダ、そして私もアフリカを回ってきましたが、アフリカの中でも自由で開かれたインド太平洋と、元々ケニアでのTICADで提唱した考え方でありまして、広まりつつあると。国際公共財にする必要があるというか、そういう重要性を持っていると考えております。
 また、マラッカ海峡におきましては、ここにおける航行の自由というのが保障されることは、例えば我が国としても、エネルギーの大半、これがマラッカ海峡を通って入ってくるということを考えても、これは日本だけではありませんが、様々な国において航行の自由というのが保障されることが重要だと思っております。
 また、台湾海峡におきましては、この地域が安定をして、またこの問題が平和的に対話を通じて様々なやり取りが行われていくということが極めて重要だと思っております。

#110
○浅田均君 ありがとうございます。
 台湾海峡に関して言及を引き出そうと思ったんですけど、うまいこと逃げはったなというふうに。いや、もう台湾海峡ですよ、これから。台湾、中国は明らかに尖閣に来ていますけれども、彼らにとって台湾は内政上の問題であって、尖閣も台湾に属するものですから、尖閣に来ているというよりは、広い意味で台湾を取りに来ているというふうに捉えるのが自然だと思います。
 今グローバルコモンズというもの、国際公共財にまで高めていきたいと、そういう関係諸国が、同じような価値観を持つ国々が国際公共財としてインド太平洋を捉えるように持っていきたいというお話がありましたけれども、国際公共財とは、まだ私が思っているだけで皆さん方に共通の認識がないということでありますけれども、それに対する脅威はその関わっている国の共同防衛によって守られるべきものであると私は考えておりますけれども、両大臣はどういうふうにお考えでしょうか。

#111
○国務大臣(岸信夫君) 国際公共財を守るための対応ということのお尋ねでございます。
 一般論として申し上げますと、特定の事態について自衛隊がどのような対処、措置をとるかということについては、個別具体的な状況に即して判断するものということでございます。一概にお答えすることは困難かなと、こういうふうに考えますが、その上で、我が国にとって開かれ、安定した海洋を維持し、インド太平洋地域の平和と安定を確保していくということはまさに重要なことであります。
 防衛省としては、日米が基軸として、豪州、インド、ASEAN諸国等のパートナー国との間で、引き続き共同訓練や演習、幅広い防衛協力を進めてまいりたいと考えます。

#112
○国務大臣(茂木敏充君) 共同防衛というと、一見やはり軍事的側面が多いように聞こえる部分もあるかもしれませんが、共通の価値観を守っていくということであれば私はそうだと考えておりまして、同盟国や同志国などが連携して、法の支配を含む共通の価値、原則に基づく自由で開かれた国際秩序を守っていくことが重要であると考えております。
 仮に、ある国が力によって一方的な現状変更を試みるというときに、一国だけではなくて、こういった価値観を共有する国々がワンボイスでそういったことに対して是正を働きかけていく、この力は極めて大きいんではないかなと、そのように考えておりまして、最近起こっております一連の外交上のやり取りでもそういったことがまさに今進められていると、このように考えております。
 ちなみに、先週の2プラス2、共同発表におきまして、十年ぶりに台湾という言葉を盛り込ませていただきました。

#113
○浅田均君 その点は高く評価したいと思います。
 やっぱり外務大臣、あれですね、さすがにうまいことこっちの魂胆を察知して、違う方向に何か持っていこう持っていこうと。
 確かに、この軍事的側面あるけれども、共通の価値観を持つ国々でそれを守っていくと。もちろんそのとおりなんですよね。逆に言うと、共通の価値観を持つ国々で軍事的側面も含めて防衛していくという考え方が私は非常に重要であると思いますので。なぜこういうことを申し上げるかといいますと、これまでもPKO、PKFに関しまして、自衛隊の海外派遣といいますと、集団的自衛権の行使というのが必ず問題にされております。私は、この集団的自衛権行使の問題点ではなくて、これ、すべからく集団安全保障の問題であるというふうに考えております。
 この国においては、集団的自衛権と武力行使の話ばかりで集団安全保障への日本の義務の話がほとんどされておりません。これを、政府はあえて集団安全保障という話を、何というか、無視するというか、集団的自衛権の話に何か持ち込んでいるような、意図的に持ち込んでいるような気がするんですけれども、この集団安全保障、国連を中心とする集団安全保障措置への日本の義務に関して、そろそろ台湾のことを考えると話し始めるべき時期ではないんかなと思うんですけれども、外務大臣の御見解はいかがでしょうか。

#114
○国務大臣(茂木敏充君) まず、やっぱり世界というか時代は大きく変わってきているのは間違いないんだと思うんですね。
 PKOのお話、委員の方からありましたが、二十一年前、日本がPKOを海外に出すというときは物すごい国会でした。徹夜国会が続くという状態の中で、本当にこれで日本が戦争する国になっちゃうんじゃないかと、こういう議論もあったところでありますけれど、今間違いなく、世界からも、また日本の国民からも、日本のPKO活動については高い評価というのが行われていると思っております。
 そして、先ほど申し上げたインド太平洋における共通の価値観、これも五年前に提唱した概念でありますが、ここまで急速に広がってきているという中で、また、経済と安全保障の垣根というのが非常に低くなる中で一体どこまでのことができるのかと、また、すべきなのかということは、今後しっかり関係国とも連携をしながら進めていきたいと思っておりますが。
 その上で、委員御指摘の集団安全保障、これが仮に国連憲章上の集団安全保障の措置と、こういうのを意味するのでありますと、それは、侵略行為等が行われた場合に、国際の平和及び安全を維持し、また回復するための国連安保理が取ることができる一連の行為と、これを指すことになるとは考えております。

#115
○浅田均君 今、茂木大臣の御答弁のとおりなんですけれども、事実上国連軍というのはまだ形成されておらずに、今までアメリカを中心にした多国籍軍がそれに代わる行為をしても国連は一切おとがめなしだったので、それをもって集団安全保障の代替措置と国連はみなしているんだろうと私は思っているんですけれども、外務大臣の御見解はいかがですか。

#116
○国務大臣(茂木敏充君) 実際に国連軍といいますか、それが世界の平和全体に責任が持てる状態ということでないのは誰の目にも明らかなところであります。じゃ、そういった世界の秩序、これ、安全保障面まで含めた場合にどうするかということというのはなかなかいろんな意味で議論が分かれることではないかなと思っております。
 その上で、日本の貢献についてでありますが、よく日本として負担、バードンと、それよりもやはり日本としてどんな役割を担っていくのか、そういったロール、役割というのをやっぱり考えていくことがこれから重要に私はなってくるんではないかなと、そんなふうに思っておりまして、余り日本がやらされるとかいうことよりも、日本として、例えばもちろん我が国の安全確保のために、さらには日米同盟というのは今二国間だけではなくて地域の、そして世界の平和、安全、そして繁栄の礎、コーナーストーンにもなるものでありますから、そこの中で日本がどういう役割を果たしていくかということだと思っております。
 率直に私が感じているのは、もう例えばアメリカからブーツ・オン・ザ・グラウンドとかショー・ザ・フラッグと言われるような日本ではなくなってきている、このことについては誇りを持ちたいと思っております。

#117
○浅田均君 今日、両大臣、非常に誠実に前向きに突っ込んで御答弁いただきましたので、私としては非常にいい議論ができたなと思っております。
 この続きは次回やらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

#118
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚でございます。
 両大臣、日米2プラス2はお疲れさまでございました。
 今日は、防衛省、防衛大臣を中心にお伺いさせていただきます。外務省はあしたODA特委がありますので、そこでお伺いをさせていただきたいと思います。
 本当に大きく環境は変わってきておりますので、政治家も相当しっかり情報を収集した上で、余り従来の固定観念にとらわれない議論をしていかないといけないなと思っています。
 今日、両大臣から予算についての概要説明、初めて聞かせていただきましたので、防衛大臣の方ですが、ちょっと御説明いただいたこの説明書の中の御発言でちょっと一、二確認させていただきたいんですが、三ページのところで、今後の予算について、さらに防衛力の持続性、強靱性を強化しますと、一番最後のところですね、特に継続的な部隊運用に必要な各種弾薬を取得するとともに云々とありますけれども、何か継続的な部隊運用に今支障が来しているということでしょうか。ちょっと初めて伺った内容なので、その趣旨を聞かせていただきたいんですが。
   〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕

#119
○国務大臣(岸信夫君) 必ずしも支障があったとかそういうことではございませんが、弾薬等々、継続的に戦闘を行える体制をしっかり築いていく、こういうことが必要であるということ、趣旨で入れてあります。

#120
○大塚耕平君 ただ、恐らく事務方の皆さんがこの説明書お書きになるんですけれども、やっぱり我々はこういうものをベースに議論していきますので、その特に継続的な部隊運用に必要な各種弾薬を取得するとわざわざこの冒頭の説明に明記したその趣旨は、大臣はここはどういうふうに事務方から聞いておられますでしょうか。

#121
○国務大臣(岸信夫君) 過去の国会においても、かねてから必要な弾薬をしっかり確保するようにというような議論があったと、こういうふうに承知をしております。そういった御意見を、国会での御意見を受けた上でこの特にというような書き方をしておりますが、弾薬の、そういう消耗品の確保、しっかりやる、やってまいるということでございます。

#122
○大塚耕平君 初めてお伺いしたので、急に聞きましたので、また改めて私の方でも事務方の方に確認させていただきますが、事務方の皆さんも相当注意深くこういうものについては作成をしていただくことをお願いをしておきたいと思います。
 そのページの冒頭に、特にこの度の予算で重点を置いた政策の第一として、領域横断作戦と、で、宇宙、サイバー、電磁波と、こういうことをお書きになっていますので、今日通告させていただいた質問はまさしくそれに該当する部分なんですが、サイバー関連予算として三百十億円を計上しておられますけれども、これで十分と言えるかどうか、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。

#123
○国務大臣(岸信夫君) 防衛省としては、防衛計画の大綱、中期防を踏まえて、サイバーの防衛能力の抜本的な強化を図るために、毎年度必要な経費を確保してきているところでございます。
 令和三年度の予算案においては、サイバー防衛隊等の体制強化、サイバー人材の確保、育成、サイバーに関する最新技術の活用、実戦的な訓練環境の整備、防衛省・自衛隊のシステムネットワークの安全性の強化等の必要な経費として、前年度予算比では約四十五億円増となります三百一億円、これ契約ベースですけれども、を計上しております。
 現行の大綱、中期防の下で、サイバー関係経費は毎年度着実に増加をしてきているところでございます。防衛省として、引き続き、サイバー防衛能力の抜本的な強化のために必要な予算を確保してまいります。
   〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕

#124
○大塚耕平君 全体的な財政制約のある中でここだけたくさんというのもなかなか簡単なことではないですが、率直に言って、諸外国の状況とか産業技術の変化からすると、かなり規模としては少ないなと。先ほど、外務大臣も、経済と安全保障がようやく我が国でも連動して考えられるようになってきたという御趣旨の発言がありましたが、予算の規模としては少ないと思います。
 その上で、サイバー関連予算の中で、民間の高度サイバー人材をサイバーセキュリティ統括アドバイザーとして採用するというふうになっておられますけど、この人材は何をされる方なんでしょうか。

#125
○国務大臣(岸信夫君) 防衛省・自衛隊としては、日々高度化また複雑化しておりますこのサイバー領域における脅威に対応していく必要があります。部内の教育や国内外の留学等によって人材の育成にも努めているところでございますが、一方で、高度なサイバー人材を短期的に養成することは難しい問題も含まれております。
 そういうことから、部外人材の能力を活用するということでこの予算に計上しているわけですけれども、サイバー領域における最新技術やサイバー攻撃の最新動向等に関する高度な知識、スキル、豊富な経験、実績を持つ人材を、このサイバーセキュリティ統括アドバイザー、まだ仮称でありますが、こういうこととして採用し、防衛省・自衛隊の全体のサイバー防衛能力の強化のための研究、助言といったものを行うということにしております。

#126
○大塚耕平君 今御説明のあったような役割を担うんでしょうけれども、予算を見たらこれ〇・二億円と付いているんですよ。まあ二千万円ですよね。
 私、やはり政府の説明姿勢、是正すべき点があると思うんですけれども、正直に話せばいいことを意外に正直に話さなかったり、正直というか、対外的に言うべきでないところも何か妙に数字を明らかにしてみたりですね。
 つまり、このサイバーセキュリティ統括アドバイザーを予算で二千万円というのはわざわざ言う必要もないし、この二千万円という規模は、ここ数年間私も中国のことはずっとフォローアップしていますけれども、一番最初に、中国、相当日本の国内でもいろんな活動をしているということに、より一段と危機感を持ったのが、二〇一四年にファーウェイが日本の国内で大学院生博士課程の新卒を二千万円で採用しているという情報を聞いたのがきっかけです。それが今からもう七年前ですから、この二千万円というのはそういう数字なんですよ。
 だから、こういうのは、さっき一問目でお伺いした三百十億円の中に紛れ込ませて、別にわざわざここ〇・二億円と明記する必要もないし、もう少し弾力的にやっていただいていいし、官邸機密費もそういうことのためにお使いいただいてもいいし、やはり環境が変わってきているということは、やはり国会に対する説明も、いや、本当に様々な分野で、正直に言えばいいことを随分紛糾するような秘匿をしてみたり、あるいは今のこの取り上げている問題なんかはよりナーバスに数字を扱っていただきたいなというふうに思うということを申し上げておきます。
 同様に、人的補強予算の一環として、防衛政策局調査課に経済安全保障情報企画官を新設するとなっておりますが、これは何をされる方なんでしょうか。

#127
○国務大臣(岸信夫君) 近年、国際社会におきましては、主要国間の経済分野の競争が安全保障環境にも大きな影響を与えております。一方で、一部の国家が投資や学術研究、サイバー空間や工作員等を利用して他国からの先進技術を獲得を試みているなどとされています。このような中で、防衛省として、主要国の先進技術を含む経済安全保障全般に関する最新動向を継続的に情報収集する必要がございます。また、我が国が保有する先進技術などに関する情報が他国の手に不当に渡ることがないように、防衛省・自衛隊の情報保全を一層強化することが重要であります。
 このために、令和三年度の予算において、先進技術を含む経済安全保障全般に関する各種情報の収集、分析、保全の双方を所掌する職として、防衛政策局の調査課に経済安全保障情報企画官を新設することといたしました。その上で、具体的な補職については、その職務内容を踏まえて、本人の経験、能力、適性、人事管理上の必要性などを総合的に勘案して、適材適所の人事配置を行ってまいりたいと考えています。

#128
○大塚耕平君 去年、コロナで大分世の中騒然としてきた頃に、ちょうどこの委嘱審査のときでしたかね、当時財政金融委員会にいまして、最後の財政金融委員会の締めの質疑のときですが、総理が御出席になるものですから、総理にコロナ対策で国家安全保障局の経済班は今どういう対策をしておられますかとお伺いしましたら、総理がそこで言いにくそうに経済班はまだつくっておりませんとおっしゃって、四月から経済班できたんですね。
 まさしく、繰り返し申し上げますが、もう経済と安全保障は一緒だし、日本では安全保障というとつい軍事的な話にこれまでずっと集中してきましたけれども、もう安全保障はずっと突き詰めていくと最後は経済的利害関係ですから、経済的安全保障が最も核心的対立部分だというふうに思います。
 そう思うと、最近、さっき外務省は経済安全保障対策室に名前を変えたというふうに外務大臣から御説明がありましたけれども、やっぱり、どこの役所もそういう方向に目が向き始めているのはいいんですけれども、是非大臣には、このサイバーセキュリティ統括アドバイザーをつくるという、これは一体何をするんだと、そして経済安全保障情報企画官は何をする担当官でどういう専門性とネットワークを持った人間なんだとか、是非、事務方の皆さんは詰めるべきところは詰めていただきたいなということを、これは要望をしておきます。
 国家安全保障局というとアメリカのNSAと同じ名前にしていますけれども、あちらは情報機関です。今官邸にある国家安全保障局は、まだ各役所から情報を集めてホチキス留めている、そういう段階だと思いますので、相当ここは強化をしていかないとまずいと私も思っていますので、是非詰めるべき点は詰めていただきたいなと思います。
 最後に、もう一問お伺いします。
 この冒頭の御説明いただいた御発言の中で、やっぱり五ページに、自由で開かれたインド太平洋というビジョンの下でというくだりに共同訓練という御発言があったんですが、大臣は金曜日に御出演になられた民放の番組の中で、米中会談の問題から派生して、近日中に尖閣諸島をめぐって日米で共同訓練を行うというような御発言をされました。
 いつ頃、どの海域でということは、現時点で何か御発言できることはありますでしょうか。

#129
○国務大臣(岸信夫君) これは、先日の2プラス2、また防衛相会談においても、この共同訓練の重要性はお互いに一致をしておりますし、それをしっかり実践的なものをやっていこうじゃないかということについて意見を一致したところでございます。
 先日のテレビでの発言ということでございますが、まず、近日中にとか、そういう期間的なものを決めた、発言したつもりは特にございません。これまでも日米間で様々な形で共同訓練を行ってきているのも事実でございますし、そうした延長の中でより高度に、より実践的な訓練を積み重ねることによって、日米間の、特に自衛隊、我々にとっては自衛隊のということですけど、この技量の向上、それから、きちんとこの日米同盟が機能をしているという姿をしっかり示していくことが必要だろう、そういう意味でこの日米の共同訓練というものが大変重要である、こういうことを述べたつもりでございます。

#130
○大塚耕平君 ありがとうございます。
 各議員それから役所の皆さん、それぞれに中国の国家としての体質というのは感じているものがあると思うんですが、私は、この局面は、せっかく御発言になったんだから、しっかり尖閣諸島に近い海域、海警船が出没しているような海域できちっとやらないといけない局面だと思っていますので、あのタイミングで、先週の金曜日というタイミングでああいう御発言をされたのはそれなりの戦略があってのことというふうに解釈を勝手にさせていただいておりますので、この後的確な対応をされることを期待をして、質問を終わらせていただきます。
 以上です。

#131
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 辺野古新基地建設の埋立土砂の問題についてお聞きいたします。
 政府は、当初、辺野古の埋立てに使う土砂は沖縄県外を中心に調達する計画でしたが、昨年四月の設計変更の際にこれを変更しました。お手元の資料のように、調達候補地として沖縄県内を大幅に増やして、そのうち七割が沖縄戦の激戦地である沖縄南部地域となっております。戦没者の骨が混じり、血や肉が染み込んだ土地を米軍基地建設の埋立てに使うなど、遺族の心情を踏みにじって、そして戦没者を冒涜するものだと、こういう憤りの声が上がっております。先日は、四十年近くボランティアとして遺骨収集に関わってこられたガマフヤーの具志堅隆松さんが抗議のハンストも行われております。
 まず、厚労省にお聞きしますけれども、国は一九五二年より戦没者の遺骨収集を行ってきましたが、国に収集を義務付ける法的根拠はありませんでした。中心を担ったのは旧軍人軍属の方々、そして御遺族やボランティアの方々の熱心な活動でありました。二〇一六年に戦没者の遺骨収集の推進に関する法律が作られて、遺骨収集は国の責務となったわけでありますけれども、なぜこの法律が作られたのか、また、この同法に基づく集中実施期間における地域ごとの取組の方針の冒頭にはどうそのことが明記されているか、まずお答えいただきたいと思います。

#132
○政府参考人(岩井勝弘君) お答え申し上げます。
 戦没者の遺骨収集の推進に関する法律は、さきの大戦から長期間が経過し、戦没者の御遺族を始め、さきの大戦を経験した国民の高齢化が進展している中、いまだ多くの御遺骨の収集が行われていない現状に鑑み、戦没者の遺骨収集の推進に関する施策を総合的かつ確実に講じることを目的として、議員立法により成立したものでございます。
 この法律に基づき、政府においては戦没者の遺骨収集の推進に関する基本的な計画を策定しております。その計画の一部である御指摘の集中実施期間における地域ごとの取組方針の冒頭においては、一柱でも多くの遺骨を早期に収容又は本邦に送還し、遺族に引き渡すことが国の重要な責務であるとの認識の下、遺族の心情に鑑み、遺骨の尊厳を損なうことのないよう、丁重な配慮をしつつ、この取組方針に基づく戦没者の遺骨収集を推進するものとすると記されております。

#133
○井上哲士君 戦後長期間たって国は幕引きを図った。そういう下で、議員立法によって、全会一致でこの法律は作られました。遺族会の皆さんの思いも込められております。つまり、たがをはめたわけですよ、議員立法で、国に。
 この法律の第三条の国の責務では、「厚生労働大臣は、戦没者の遺骨収集の推進に関する施策を実施するに当たっては、その円滑かつ確実な実施を図るため、外務大臣、防衛大臣その他の関係行政機関の長との連携協力を図るものとする。」と明記をされております。
 戦没者の遺骨を収集し御遺族に引き渡すということは、この国の一員として防衛省も当然責務を負っていると、こういう認識でよろしいでしょうか。

#134
○国務大臣(岸信夫君) 遺骨収集推進法におきましては、国は、戦没者の遺骨収集の推進に関する施策を総合的に策定し、かつ確実に実施する責務を有するとされております。その上で、関係機関の長と、厚労大臣は防衛大臣を含みます関係機関の長と連携協力をするという旨が規定があります。
 この総合的な政策体系として、同法に基づく基本計画が閣議決定されておりまして、防衛省としては、厚労省に対して、硫黄島における遺骨収集に係る輸送その他の必要な支援、自衛艦等の運航に関して戦没者の遺骨の送還、防衛研究所の有する情報及び知見の提供、こういった連携協力を行うこととされており、これまでも厚労省からの依頼に基づいて必要な協力を行ってきているところです。
 その上で、沖縄における遺骨収集については、厚労省と沖縄県が役割を分担して遺骨収集を進めており、開発業者及び採石業者が作業中に御遺骨を発見した場合、市町村、警察へ通報し、沖縄県が設置した戦没者遺骨収集情報センターが御遺骨を収容する仕組みが構築されていると、このように承知をしております。
 こうした関係機関の連携によって、遺骨収集推進法の趣旨、目的に即して戦没者の遺骨収集が進められております。

#135
○井上哲士君 国の一員として当然防衛省も法律に、この計画に明記をされている、重要な責務を負っているということを自覚をしていただきたいと思うんですね。
 この基本計画に基づいて、沖縄ではどのように遺骨収集が取り組まれてきたんでしょうか、厚労省。

#136
○政府参考人(岩井勝弘君) さきの大戦におきまして、凄惨な地上戦を経験し、多くの尊い命が失われた沖縄においては、戦後間もなくより沖縄の人々の手により戦没者の遺骨収集が行われてまいりました。今日においては、厚生労働省と沖縄県が役割を分担して遺骨収集を実施しております。
 具体的には、厚生労働省は、法に基づく基本計画に即して、大規模な地下ごう等、重機による掘削が必要な大規模な遺骨収集を実施し、沖縄県は、県民等からの情報により、地表付近で発見された御遺骨について遺骨収集のボランティアと連携して遺骨収集を実施しております。地上戦を経験した沖縄においては、遺骨収集のボランティアや開発業者等が御遺骨を発見した場合、市町村等へ通報し、沖縄県の戦没者遺骨収集情報センターが御遺骨を収容する仕組みが構築されております。
 こうした関係機関の連携により、遺骨収集推進法の趣旨、目的に即して戦没者の遺骨収集を進めているところでございます。

#137
○井上哲士君 沖縄は国内唯一の地上戦の場所になりました。本土決戦を遅らせる目的の捨て石作戦で住民を巻き込んだ悲惨な地上戦となって、日米二十万人以上が犠牲になりました。一般住民は九万四千人が犠牲となって、その半数以上がこの南部で亡くなっております。
 軍人軍属の死亡者のうち、沖縄県出身者は二万八千二百二十八人で、他の都府県出身者は六万五千九百八人なんです。これ、全国の問題でもあるんですね。沖縄県はまだ二千七百九十人分の遺骨が残っているとしております。その多くがこの最激戦地となった南部地域です。
 私、ボランティアの具志堅さんからお話を聞く機会もありました。当初、ガマに入ると下半身しかない遺骨があったというんですね。何でか分からぬかったと。よく見ると、天井に金歯があったと。つまり、手りゅう弾で自決をして、上半身がぶっ飛んでいるんですよ。そんな遺骨すらあったというお話も私は聞きました。
 お手元の資料の二枚目は、最近ガマから発見されたものであります。これは埋葬されたもののようで全身の遺骨が残されておりますが、こうしたものだけではなくて、砕けて土砂に混じっている遺骨もあります。そういう遺骨も含めて収集して御遺族に返還をする対象であると、こういうことで、厚労省、いいでしょうか。

#138
○政府参考人(岩井勝弘君) 先ほども申し上げましたように、沖縄県におきましては、厚生労働省と沖縄県が役割を分担して遺骨収集を進めております。遺骨収集のボランティア、開発業者等が御遺骨を発見した場合は市町村等へ通報し、沖縄県が設置した戦没者遺骨収集情報センターが御遺骨を収容する仕組みが構築されております。
 遺骨収集におきましては、発見された御遺骨について、大腿骨そのもののような大きなものから砕けたものまで、戦没者の御遺骨と判断されたものについては収集しております。

#139
○井上哲士君 近年、DNA鑑定がやっと導入されて、より身元の特定が可能になりました。先ほどの白議員の答弁に、地域を限定しないということもありました。沖縄でも鑑定する遺骨の対象が広がって、より御遺族に返還をする可能性、その努力が重ねられているんですよ。
 私は、この地域からの土砂採取は、こうした関係者の営々とした遺骨収集、遺族への返還の取組に大きな混乱をもたらし、国の責務にも反するものだと思います。ましてや、米軍基地の埋立てに使うというのは、戦没者を冒涜するものと言わなければなりません。
 この問題について、五日、沖縄防衛局の局長は、遺骨が混入した土砂を資材として使用することはあってはならないという発言をされておりますけれども、これは防衛省全体の考えだということで、防衛大臣、よろしいでしょうか。

#140
○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の沖縄防衛局長の発言につきましては、一般論として、土砂を利用する工事においては、普天間飛行場代替施設建設事業とそれ以外の工事とを問わず、御遺骨のことを十分に考えて土砂の調達と利用が行われるべきという趣旨を申し上げたものとの報告を受けているところでございます。
 その上で、変更承認後の埋立てに使用する土砂の調達先につきましては工事の実施段階で決まるものでございまして、県内、県外のどちらから調達するかも含めまして現時点で確定しておりませんが、御遺骨の問題は大変重要であると考えていることから、こうしたことも踏まえまして、土砂の調達につきましては今後しっかり検討してまいりたいと考えているところでございます。

#141
○井上哲士君 辺野古の埋立てに問わず、遺骨が混入した土砂を資材として使用することがあってはならないと、そういう立場に立つならば、南部地域の土砂を辺野古の埋立てに使用することなどできないはずだと思うんですね。
 この間、目視の事前調査、遺骨に配慮した事業という答弁が言われてきましたけど、これ極めて困難なんです。具志堅さんは、昨年九月から、糸満市の米須でいまだ手付かずのガマが見付かる、そして通う中で地中から砲弾の破片や遺骨を発見したと言われております。もし業者が気付かずに採掘すれば御遺骨はもう粉々になると、こういうことを語っておられます。別のボランティアの話では、山野での御遺骨の発見や収集は困難を極めると。ふと思い立って足下のくぼみを熊手でひっかくと、そこから小石とほとんど見分けの付かないような骨片が出てきたのである、まるで大地から湧き出すように御遺骨が現れると言われております。これが実態なんですね。
 大臣、最近、何度も目視で確認すると言われていますけれども、本当にできるのかと。配付した資料の三枚目を見ていただきますと、手の上に乗った御遺骨の写真がありますよ。これ、上二つは遺骨で、下は石灰岩のかけらなんですね。これ見て、目視で確認できると、大臣、思われますか。

#142
○国務大臣(岸信夫君) 御遺骨については、なかなか、今この写真を見ているわけですけれども、非常に見分けが付きにくいような状況というのは前回の議論の中でもあったかなというふうに思います。その上で、変更承認後の土砂の調達先についてはまだ決まっているものではございません。
 こうした問題も含め、踏まえて、土砂の調達先については今後しっかり議論を、検討してまいりたいと考えております。

#143
○井上哲士君 極めて困難なんです。見たら分かると思うんですね。
 この沖縄戦から七十六年たっていますから、遺骨は土や落ち葉に埋もれていると具志堅さん言われています。一・五メートル四方の場所で、表土を二十センチほど除いた後に棒やブラシで骨を探すだけで一日掛かりだと言われているんですね。大量に土砂を業者が調達するときに、そんなことできるはずがないんですよ。
 そして、盛んにまだ決まっていないと言われるんですけど、沖縄本島からの土砂の七割を採取する候補地がこの南部地域になっているわけですね。それを皆さんが示しただけで、それを当て込んだ動きがもう始まっているんです。
 糸満市の米須で新たに開発届を出している予定業者は、実績を残せば可能性が出てくると、こういうふうに述べて、埋立事業への参入を視野に入れているということを地元紙に語っているんですね。この業者は、この表土の剥離に重機を使用した際に遺骨が損傷する可能性について聞かれて、多少あると思うが表土を搬出するわけではないとも述べているんですね、地元紙で。
 これね、多少でもあってはならないんですよ。国が南部地域を調達候補にしていることが、こういうことの引き金になっているんです。ですから、本当にこの遺族の心情に鑑み、遺骨の尊厳を損なうことのないよう丁寧な配慮をしつつ取り組むという国の方針に基づくならば、もう南部地域は対象から外しますと、そのことを今明確にしなければ私は取り返しの付かないことになると思いますが、大臣、お考えはどうでしょう。

#144
○国務大臣(岸信夫君) 繰り返しでございますけれども、この変更承認後の埋立てに使用します土砂の調達先については、工事の実施段階で決まるものであります。県内、県外どちらからの調達にするかも含めまして、現時点では確定をしておりません。
 また、さきの大戦において凄惨な地上戦を経験した沖縄では、今もなおこの遺骨の収集が、戦没者の遺骨の収集が進められておるところでございますが、変更承認後の土砂の調達先、これはまだ決まっておりませんが、御遺骨の問題としては大変重要な問題ではございます。
 そういうふうに考えておりますことから、こうしたことをしっかり踏まえて、土砂の調達についてこれから、今後しっかり検討してまいりたいと考えます。

#145
○井上哲士君 今申し上げましたように、候補地として示しただけでこういう動きがもう出ているんです。まだ決まっていないじゃなくて、今ここを外すということを明確にいただきたいし、私は、幾重にも県民の声を踏みにじるような辺野古建設のそのものの断念も求めまして、質問を終わります。

#146
○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
 本日は、次年度予算に関連して、我が国を取り巻く安全保障環境について質問します。
 先日実現した日米2プラス2協議後の高揚感からか、防衛大臣が尖閣諸島海域での日米共同訓練の実施の検討を表明し、尖閣問題で危害射撃が可能であるという法解釈変更などとも相まって、中国を強く刺激するような言動が繰り返されています。
 しかし、米国は、実際には、西太平洋地域における中国人民解放軍のA2AD能力の向上、特にミサイルの長射程化、高性能化を直視し、軍事戦略、作戦構想を大幅に見直しています。日本でも、こうした中国のミサイルなど戦力を正確に直視した上で戦争を回避し、東アジアに平和と安定をもたらすために、従来の対米追従ではない我が国にとって最もましな新たな外交防衛政策を打ち出していくべきです。
 二月四日に、米国防省のオースティン長官は、米軍の配備、資源、戦略、任務に関する世界的な戦力態勢の見直し、グローバル・フォース・ポスチャー・レビューを実施すると発表しました。この声明には、同盟国に相談しながら見直し作業をすると書かれています。
 この戦力見直しについてどのように理解していますか。同盟国である日本政府にはどのような相談がありましたか。

#147
○政府参考人(岡真臣君) 委員から御指摘のございましたとおり、アメリカ時間の二月四日でございますけれども、オースティン米国防長官はバイデン大統領の指示に基づいて今後世界的な戦力態勢の見直し、いわゆるグローバル・ポスチャー・レビューを行っていく旨、発表されたものと承知をしております。
 アメリカは、同見直しにつきまして、同盟国やパートナーとも協議する旨表明をしておりまして、十六日に実施されました日米の2プラス2、あるいは同日ございました日米の防衛相会談におきましても今後緊密に調整していくことを確認しているところでございます。
 今後、米国政府において更なる検討が行われていくものと認識をしておりまして、防衛省といたしましても引き続き日米で緊密に連携をしていく考えでございます。

#148
○伊波洋一君 米国連邦議会が定めた二〇二一会計年度国防権限法では、米軍再編に向けた太平洋抑止イニシアチブという基金を設けると規定しています。これは、太平洋で中国を抑止するための国防省のマスタープランだと言われています。
 太平洋抑止イニシアチブとはどのようなものでしょうか。また、日本への影響について政府はどのように考えていますか。

#149
○政府参考人(岡真臣君) 本年一月に成立いたしました米国の二〇二一年度国防授権法におきまして、太平洋抑止イニシアチブと名付けられた事業の創設について規定しているものと承知をしております。
 この太平洋抑止イニシアチブにつきましては、インド太平洋地域におきます米国の抑止力と防衛体制の強化、同盟国とパートナーへの安心の提供、この地域における能力と即応性の強化を目的としたものと承知をいたしております。
 より具体的な事業内容といたしまして、この地域におきます米軍の戦力設計や体制を改善するため、米軍のプレゼンスの近代化や強化、各種物資の事前配置の改善、関連インフラの整備などの重点事項に取り組むものであると承知をいたしております。
 米国政府の事業の一々についての評価は差し控えますが、いずれにいたしましても、政府といたしましては、日米の戦略、政策を緊密にすり合わせていくことにより、日米同盟の抑止力、対処力の強化に向けた協力を進めてまいります。

#150
○伊波洋一君 報道によれば、今後六年間で二百七十億ドル、およそ二兆九千億円以上費やす計画です。
 具体的には、残存性の高い五百キロメートル以上の長射程精密攻撃兵器の配備に三十三億ドル、グアムへのイージス・アショア整備に十六億ドル、レーダー衛星、コンステレーション配備に二十三億ドル、パラオへの戦術多用途OTHレーダーの配備に一億九千七百万ドル、情報収集用有人航空機に二億六千六百万ドル、国内やミクロネシア、パラオ、マーシャル諸島に戦力投射分散演習施設の建設に四十六億七千万ドルなどがリストアップされています。
 太平洋抑止イニシアチブでは、日本、南西諸島を含む第一列島線における残存性、サバイバビリティーの向上と、グアムやパラオなど第二列島線の拠点整備が目指されています。
 第一列島線に所在する日本について残存性の向上が求められるのは、中国の攻撃にさらされ、それに耐えることが求められているからです。日本が攻撃にさらされることを前提にしている米軍戦略と、日本国民の生命、財産を守るという日本の安全保障政策との距離はますます広がっていると言わざるを得ません。
 三月二日付けのアメリカ海軍協会、USネーバル・インスティチュートのニュースでは、米国インド太平洋軍司令部が議会に提出した文書には、このイニシアチブは日本政府によって部分的に資金提供されていますと書かれているということです。
 防衛大臣、日本政府からこのイニシアチブに資金を提供するのですか。

#151
○国務大臣(岸信夫君) 御指摘の太平洋抑止イニシアチブにつきましては、細部についてまだ不明な点があるものの、米海兵隊の沖縄からグアムへの移転を含む米軍再編事業にも言及がなされているものと、こういうふうに承知をしております。
 御指摘の日本政府による部分的な資金提供については、従来から日本政府が資金提供を行っていますこの在沖米海兵隊のグアム移転事業を指している可能性もあるものと考えています。
 太平洋抑止イニシアチブについては、政府から資金提供している既存の案件との関係が明らかでないことから御質問にお答えすることは困難でございますが、今後、内容把握に努めてまいりたいと考えます。

#152
○伊波洋一君 防衛大臣、今おっしゃっている、グアム移転がまさにそれにもう当たるんだというお話ですが、そのとおりだと思いますね。
 米軍は、中国の戦力、特にミサイル能力の向上を非常に深刻に捉えています。三月九日に、米上院軍事委員会でデービッドソン・インド太平洋軍司令官は、グアムは現在、高高度ミサイルシステム、THAADで守られているが、中国のミサイルの脅威に対処するために三百六十度の防御網を築けていないとし、米領グアムは今や標的になっている、防衛の必要があると証言しました。米軍は、中国から見て日本列島よりはるかに遠方にあるグアムでさえTHAADとイージス艦では守り切れないため、イージス・アショア等々が必要だと言っているのです。
 一方で、菅政権は、昨年十二月十八日に閣議決定、新たなミサイル防衛システムの整備等及びスタンド・オフ防衛能力の強化についてで「脅威圏の外からの対処を行うためのスタンド・オフ防衛能力の強化」を打ち出し、宮古島や石垣島の陸自に配備すると報道されています。
 資料を提出していますけれども、配付資料の六ページには、戦略国際問題研究所、CSISのミサイル防衛プロジェクトの図ですが、南西諸島を含む日本列島は中国のミサイルの脅威圏にすっぽり入っています。閣議決定の「脅威圏の外」という言葉は何を意味していますか。

#153
○政府参考人(岡真臣君) ただいま御質問の関係で、まずスタンドオフミサイルという考え方でございますけれども、これは現行の中期防衛力整備計画にも記載をされているところでございますが、我が国への侵攻を試みる艦艇や上陸部隊等に対して、自衛隊員の安全を確保しつつ侵攻を効果的に阻止するため、相手方の脅威圏の外から対処可能なミサイルということを指しております。
 我が国防衛に当たりましては、敵の探知範囲、射程といった脅威圏の外から、すなわち敵に近づくことなく敵の水上部隊や上陸部隊に対処する能力を持つことが不可欠であると考えております。
 この点、技術的進展等によりまして、各国の早期警戒管制能力や各種ミサイルの性能が著しく向上し、敵の脅威圏が拡大していることを踏まえれば、現在自衛隊が保有する地対艦ミサイルの射程では、これを運用する自衛隊の部隊は敵水上部隊やこれを支援する敵航空機部隊等の脅威圏内において対処に当たらざるを得ません。
 このような認識の下、隊員の安全を確保しつつ我が国を防衛するため、昨年十二月の閣議決定において、スタンドオフミサイルとして一二式地対艦誘導弾能力向上型の開発を行うこととしたものであります。

#154
○伊波洋一君 防衛省は、要するに尖閣を想定しながら、その近くの島々を想定して相手の艦船からというふうに議論しておりますが、今アメリカが言っているのは、中国国内からの要するに射程千、二千あるいは三千という、そういうミサイルあるいは弾道ミサイル群を言っているわけですね。こういう意味ではかなりずれているんですね。
 そういう意味で、日本政府も、この中国のミサイルの脅威、つまり現実に米側が戦略を今変更しようとしている中国本土からのミサイル、あるいは潜水艦かもしれませんけれども、そういうミサイルの脅威も直視すべきではないのでしょうか、お答えください。

#155
○政府参考人(岡真臣君) 委員の御質問、先ほどのスタンドオフミサイルの関係ともう一つ別の問題として、ミサイルの脅威ということは恐らくあるんだろうと思います。
 スタンドオフミサイルについては、まさに敵が侵攻してくる水上部隊等あるいは航空機部隊等の彼らが持っているセンサーも含めて、その脅威圏外から対処をできるようにするという観点で申し上げたものでございます。
 一方で、そのミサイルの、この地域におきまして様々なミサイルが存在しているということを踏まえて、我が国の領土、領海、領空、これをしっかり守り抜くということは非常に重要な課題であるというふうに考えております。

#156
○伊波洋一君 2プラス2協議の中で議論されているのは、多分尖閣における話だけでもないし、日本の離島防衛のための話でもないでしょう。つまり、全体としてのアメリカの戦略の見直しというものの中でやっぱり議論がされなきゃいけないでしょうし、そういうときに、大臣、是非考えてほしいんですけれども、全体として日本列島も含めてすっぽり脅威圏の中に入っているのが現状です。資料にあります。そのことを議論しないで、個別の島の話ばかりで議論していくというのはやっぱり筋が違うと思うんですね。
 防衛省として、このアメリカが今想定している要するに脅威圏の状況、そのことにおける我が国の安全保障が確立されなきゃいけないわけですから、そこについてやはり直視すべきではないんでしょうか。ただいまの事務方の話はそうじゃありませんので、お答えください。

#157
○国務大臣(岸信夫君) 2プラス2あるいは防衛大臣会合、こういった会議の中で様々なやり取りがございましたが、相手もあります、議論の一つ一つについて明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、我が国として、我が国の領土、領海、領空をしっかり守っていくということが我々の責務でございます。
 そうした中で、完全、完璧な防衛体制をこれから構築をしていく、その中で日米の同盟をいかに機能させていくか、こういうことを考えていかなければいけないんだと、こういうふうに思います。

#158
○伊波洋一君 配付資料にあります、戦略構想の系譜という資料置いていますけれども、二〇一〇年に発表された米シンクタンク、戦略予算評価センター、CSBAのエアシーバトル構想に対し、二〇一二年に米国防大学のハメスがオフショアコントロール戦略を提起し、両者で論争が繰り広げられました。その後、二〇一九年にCSBAから海洋圧力戦略、海洋プレッシャー戦略が提起され、現在の米国インド太平洋軍の戦略、おおむねこの海洋圧力戦略に基づいています。
 これらの戦略では、中国の台湾侵攻の第一段階では、米軍は日本、南西諸島、台湾、フィリピンなどの第一列島線から、小笠原、グアム、サイパン、パプアニューギニアなどの第二列島線などに撤退し、中国のミサイルの射程圏内にある自衛隊など第一列島線の同盟国部隊は中国からのミサイル攻撃にひたすら耐えることが求められています。戦闘の第二段階で、徐々に米軍は第二列島線から反撃していくというシナリオは、全てに共通したものになっています。
 二〇一二年、当時の米海軍大学のトシ・ヨシハラは、これらの戦略を解説するものとして「アメリカ流非対称戦争」を公表しました。ヨシハラは、中国海軍は、台湾の脆弱な東海岸に脅威を与え、かつ戦域に集中するという米軍に対処するためには、琉球諸島間の狭隘な海域を通り抜けざるを得ない、琉球諸島海域を適切にカバーするよう誘導弾部隊を配備することにより、東シナ海の多くの部分を中国水上艦艇にとって行動不能海域にすることができるとし、発射し回避する、機動可能な発射装置は分散配備と夜間移動あるいは隠蔽により敵の攻撃を回避できると。トンネル、強化掩体ごう、偽装弾薬集積所、おとりの配置等により、誘導弾部隊を識別、目標指示、破壊しようとする人民解放軍の能力を減殺することが可能であると書いています。
 また、前トランプ政権のピーター・ナバロは、二〇一五年に著書「米中もし戦わば」で、日本列島全体に軍事標的を多数配置し、琉球諸島の南西諸島にまで軍を分散して配置することができれば、中国にとってターゲットを絞り込むことが非常に困難になると指摘しています。
 米軍戦略は、台湾を武力で奪取する中国の意図をくじくために、自衛隊が南西諸島にミサイル部隊を配備し、南西諸島を戦場にして自衛隊が中国のミサイル攻撃を引き受けることを求めているのです。
 引き続き、次の委員会でも話しますけれども、私たちが今尖閣の議論をしているときに、米国はもっと幅広い意味で日本列島を含めたその戦略を議論しているということを是非考えていただくようお願いして、今日の質疑を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#159
○委員長(長峯誠君) 以上をもちまして、令和三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管、防衛省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#160
○委員長(長峯誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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