くにさくロゴ
2021/03/24 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 経済産業委員会 第3号 令和3年3月24日
姉妹サイト
 
2021/03/24 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 経済産業委員会 第3号 令和3年3月24日

#1
令和三年三月二十四日(水曜日)
    午前九時六分開議
 出席委員
   委員長 富田 茂之君
   理事 鬼木  誠君 理事 佐藤ゆかり君
   理事 関  芳弘君 理事 山際大志郎君
   理事 斉木 武志君 理事 山岡 達丸君
   理事 中野 洋昌君
      畦元 将吾君    穴見 陽一君
      石川 昭政君    上野 宏史君
      神田  裕君    工藤 彰三君
      小林 鷹之君    佐々木 紀君
      鈴木 淳司君    武部  新君
      辻  清人君    冨樫 博之君
      西村 明宏君    福田 達夫君
      福山  守君    穂坂  泰君
      星野 剛士君    三原 朝彦君
      宗清 皇一君    八木 哲也君
      逢坂 誠二君    落合 貴之君
      菅  直人君    松平 浩一君
      宮川  伸君    山崎  誠君
      高木美智代君    笠井  亮君
      美延 映夫君    浅野  哲君
      石崎  徹君
    …………………………………
   経済産業大臣       梶山 弘志君
   経済産業副大臣      江島  潔君
   経済産業大臣政務官    宗清 皇一君
   政府特別補佐人
   (公正取引委員会委員長) 古谷 一之君
   政府特別補佐人
   (原子力規制委員会委員長)            更田 豊志君
   政府参考人
   (内閣官房成長戦略会議事務局次長)        松浦 克巳君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  山内 智生君
   政府参考人
   (個人情報保護委員会事務局次長)         三原 祥二君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局電波部長)         鈴木 信也君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮崎 敦文君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房長) 多田 明弘君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官)    太田 雄彦君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房商務・サービス審議官)    畠山陽二郎君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           河西 康之君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           中原 裕彦君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           三浦 章豪君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           小笠原陽一君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房福島復興推進グループ長)   須藤  治君
   政府参考人
   (経済産業省経済産業政策局地域経済産業グループ長)            濱野 幸一君
   政府参考人
   (経済産業省産業技術環境局長)          山下 隆一君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         小野 洋太君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        南   亮君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      松山 泰浩君
   政府参考人
   (中小企業庁事業環境部長)            飯田 健太君
   政府参考人
   (中小企業庁経営支援部長)            村上 敬亮君
   政府参考人
   (環境省大臣官房審議官) 白石 隆夫君
   政府参考人
   (環境省大臣官房審議官) 大森 恵子君
   政府参考人
   (原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官) 山田 知穂君
   政府参考人
   (原子力規制庁長官官房審議官)          金子 修一君
   参考人
   (東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長)            小早川智明君
   経済産業委員会専門員   宮岡 宏信君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十四日
 辞任         補欠選任
  神山 佐市君     福山  守君
同日
 辞任         補欠選任
  福山  守君     神山 佐市君
    ―――――――――――――
三月二十四日
 脱原発を実現し、自然エネルギー中心の社会を求めることに関する請願(山崎誠君紹介)(第三六九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 経済産業の基本施策に関する件
 私的独占の禁止及び公正取引に関する件
     ――――◇―――――

#2
○富田委員長 これより会議を開きます。
 経済産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。
 この際、梶山経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。梶山経済産業大臣。

#3
○梶山国務大臣 おはようございます。
 冒頭、質疑に先立って、経済産業省提出法案の再点検の結果を御報告させていただきます。
 先日、所信の中で、産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案につきまして、条文案に三か所の誤りがあり、その他についても精査中である旨、御報告させていただきましたが、その中で、同じ法案の条文案において新たに一か所の誤りが判明をいたしました。また、条文案以外の参考資料につきましても、要綱、新旧対照条文及び参照条文に二十か所の誤りが判明しました。
 今回、同一の法案においてこれだけの誤りが二回にわたって判明したことは、国会に法案を提出し御審議を仰ぐ立場の政府として誠に遺憾であり、改めて深くおわびを申し上げる次第であります。
 今後このようなことがないように、しっかりと対応してまいります。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
    ―――――――――――――

#4
○富田委員長 この際、お諮りいたします。
 両件調査のため、本日、参考人として東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長小早川智明君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房成長戦略会議事務局次長松浦克巳君、内閣官房内閣審議官山内智生君、個人情報保護委員会事務局次長三原祥二君、総務省総合通信基盤局電波部長鈴木信也君、厚生労働省大臣官房審議官宮崎敦文君、経済産業省大臣官房長多田明弘君、経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官太田雄彦君、経済産業省大臣官房商務・サービス審議官畠山陽二郎君、経済産業省大臣官房審議官河西康之君、経済産業省大臣官房審議官中原裕彦君、経済産業省大臣官房審議官三浦章豪君、経済産業省大臣官房審議官小笠原陽一君、経済産業省大臣官房福島復興推進グループ長須藤治君、経済産業省経済産業政策局地域経済産業グループ長濱野幸一君、経済産業省産業技術環境局長山下隆一君、資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官小野洋太君、資源エネルギー庁資源・燃料部長南亮君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長松山泰浩君、中小企業庁事業環境部長飯田健太君、中小企業庁経営支援部長村上敬亮君、環境省大臣官房審議官白石隆夫君、環境省大臣官房審議官大森恵子君、原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官山田知穂君及び原子力規制庁長官官房審議官金子修一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#6
○富田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。畦元将吾君。

#7
○畦元委員 自由民主党・無所属の会、畦元将吾です。
 先ほど大臣から発言がありました。産業競争力強化法など一部改正法において、先般判明したものに加え、新たな誤りがあったことは非常に重い話です。与党自民党としても、本件は問題であり、また非常に残念に思っております。なぜこのようなことになったのか真摯に反省し、今後、二度とこのようなことがないよう業務を改善すべきことを強く求めます。よろしくお願いいたします。
 本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。時間も限られていますので、早速始めさせていただきます。
 梶山大臣の所信表明の中で、ウィズコロナ、ポストコロナの時代に向け、グリーン社会の実現、デジタル改革、中小企業の再構築など、強力に推進してまいりますとありました。心強い表明、ありがとうございます。
 最初に、グリーン社会の実現について質問いたします。
 来月から、気候サミットやG7、COP26などの国際会議が予定されている中で、国際動向も注視しながら、グリーン社会実現に向け、大胆な投資による革新的なイノベーションの創出、エネルギー産業構造の転換に向けた取組を大幅に加速していく必要があると表明されておりましたが、具体的な取組を教えていただけますでしょうか。梶山大臣、お願いいたします。

#8
○梶山国務大臣 二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現は、並大抵の努力では実現はできないと思っております。エネルギー産業部門の構造転換、大胆な投資によるイノベーションの創出といった取組を大幅に加速することが必要であります。
 温暖化への対応は、国際的にも、もはや経済の制約ではなく成長の機会と捉える時代に突入していることから、カーボンニュートラルへの挑戦の道のりは我が国の成長戦略そのものであると捉えているところであります。
 昨年末にまとめましたグリーン成長戦略では、産業政策、エネルギー政策の両面から成長が期待される分野、産業を見出しました。具体的には、十四の重要分野ごとに実行計画を策定し、国として高い目標を掲げ、可能な限り具体的な見通しを示したところであります。
 例えば、洋上風力につきましては、二〇四〇年までに三千から四千五百万キロワットという導入目標を掲げております。これを実現するべく、サプライチェーンの構築に対する支援や、系統や港湾といったインフラ整備などの取組を盛り込んでいるところであります。
 また、この洋上風力に際しましては官民協議会というものをつくりまして、それぞれ官民の役割分担をしていこうということで、しっかりと、目標に向かって官民力を合わせて進んでいくという体制ができ上がってきたところであります。
 また、水素につきましては、二〇五〇年の導入量は二千万トン程度を目指しております。このため、安価な水素供給に必要な商用規模の水素の海上輸送技術、需要拡大に必要な大型の水素発電や水素還元製鉄の技術などの確立に向けて研究開発や実証を後押しするとともに、液化水素を運搬船から受入れ基地に移す関連機器の国際標準化といった取組を盛り込んでいるところであります。
 政府として、予算、税、規制改革、標準化、国際連携など、あらゆる政策を総動員して成長戦略を実行し、企業の前向きな挑戦を全力で後押ししてまいりたいと考えております。

#9
○畦元委員 梶山大臣、ありがとうございました。大臣の説明をお聞きして、ジャパンドリームというか、日本経済の回復への期待が大きく持てました。ありがとうございます。
 次の質問に移ります。
 グリーンイノベーション基金について質問いたします。
 二兆円のグリーンイノベーション基金を造成し、鍵となる革新的な技術の研究開発、実証から社会実装まで継続して支援しますとありました。
 私は以前、大学と産学連携で、今までにない新たな医療用三次元画像を共同開発いたしました。学生とともに研究開発からスタートをして製品化し、世界トップレベルのマーケットシェアにした経験がございます。当時、非常に苦労したのは、ITの環境整備、インフラ、人材、資金でした。
 所信表明でお伺いしたグリーンイノベーション基金に関して、基金の対象など具体的な内容について教えていただけますでしょうか。経済産業省にお願いいたします。

#10
○山下政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のグリーンイノベーション基金は、昨年作成いたしましたグリーン成長戦略の実行計画を踏まえまして、カーボンニュートラル実現の鍵となる革新的技術について具体的な目標へのコミットメントを示す企業などに対しまして、十年間、その研究開発、実証から社会実装までを継続して支援するものでございます。
 鍵となる革新的技術の例といたしましては、電化社会に必要な次世代の蓄電池技術、あるいは、熱や電力分野などを脱炭素化するための水素の大量供給、利用技術、CO2を素材の原料や燃料などとして生かすカーボンリサイクル技術などが挙げられるところでございます。
 基金が対象といたします技術開発テーマは革新的なものであり、社会実装まで見据えると、長期にわたる粘り強い取組が不可欠でございます。このため、支援に当たりましては、企業の経営者に経営課題として取り組むことへのコミットメントを求めることといたしているところでございます。
 また、カーボンニュートラルに関わる国内外の技術や企業をめぐる動きは激しいものがございます。これらの動向をじっくり分析した上で、開発や実証の進捗状況に応じて機動的に資金配分を行うなど、基金事業の柔軟性を生かして、研究開発成果を着実に社会実装につなげてまいりたいと思ってございます。
 この基金を効果的に活用いたしまして、日本の将来を支える産業の創出、そして所得、雇用の創出につなげてまいりたいと思ってございます。

#11
○畦元委員 ありがとうございました。是非、生きた基金になるようによろしくお願いいたします。
 次の質問に移らせていただきます。
 次に、デジタルトランスフォーメーションについて質問いたします。
 グリーン成長を支えるのはデジタル技術を効果的に活用する社会であり、新型コロナウイルスへの対応という意味でも、デジタルトランスフォーメーションの必要性はかつてないほどに高まっていますと、大臣の表明でお伺いいたしました。
 デジタルトランスフォーメーション、DXにおいて、デジタルトランスフォーメーションレポートにて、ITシステム二〇二五年の崖の克服が重要なポイントであり、克服できなければ、二〇二五年以降、最大年間十二兆円もの経済損失が生ずる可能性があると経産省の方から報告がありました。
 昨年末にデジタルトランスフォーメーションレポート2が提示されていますが、確認の意味で、現時点の具体的な状況と今後の対策を教えていただけますでしょうか。経産省、よろしくお願いいたします。

#12
○三浦政府参考人 お答え申し上げます。
 我が国企業の生産性を向上させ競争力を強化するという観点から、企業のデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXを進めることは重要な政策課題と認識しており、経済産業省としては、御指摘の二〇二五年の崖の克服に向けて企業の取組を後押ししてきております。
 具体的には、一昨年改正された情報処理促進法に基づき、企業がDXを進めるために実践すべき事柄を取りまとめたデジタルガバナンスコードの策定や、そうした取組を行う企業を認定するDX認定制度の整備を行ってきたところでございます。
 一方、足下におけるDXの取組状況を分析したところ、多くの企業が未着手又は一部部門での実施にとどまっており、全社的な取組が推進できている企業は五%程度にすぎないという現状が明らかになりました。
 こうした状況を踏まえ、昨年、DXの加速に向けた研究会を開催し、議論の中間取りまとめとして、年末にDXレポート2を公表したところでございます。本レポートは、ITシステムのみならず、企業文化を変革することがDXの本質であるというメッセージを発出するとともに、DXに取り組む企業が活用できるツールを整備することなどの重要性を指摘する内容となっております。
 こうした指摘を踏まえ、各社がDXを推進するための方法論、留意点を取りまとめたポイント集を取りまとめるなど、取組を進めてきているところです。こうした取組を通じて、日本企業のDXをしっかりと後押ししてまいりたいと考えております。

#13
○畦元委員 心強い御回答、ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 次の質問に移ります。
 今の質問とちょっと関係するんですけれども、異なる分野のシステムやデータをつなぐための技術標準の策定と所信表明の中にもありました。私も大変に必要だと認識しております。しかし、簡単なことではないとも認識しております。技術の標準化を策定するだけでなく、社会実装に向けた取組をお願いしたいと思っております。
 現在の経済産業省の具体的な取組について教えていただけますでしょうか。お尋ねします。

#14
○三浦政府参考人 お答え申し上げます。
 ソサエティー五・〇を実現するためには、異なる分野のシステムやデータをつなぐための技術標準であるデジタルアーキテクチャーを整備することが重要となります。
 こうした問題意識から、おととし改正された情報処理促進法に基づき、昨年五月、独立行政法人情報処理推進機構、IPAに関連する英知を集める場として、デジタルアーキテクチャ・デザインセンターを立ち上げたところでございます。
 同センターでは、各省庁や産業界の課題を踏まえ、民間企業の参加も得ながら、例えばスマートシティーや先進的なモビリティーサービスの実現のために必要となる様々なデータをつなぐための技術標準を整備するというようなプロジェクトなどを進めております。
 引き続き、デジタルアーキテクチャ・デザインセンターを中心に、本分野における取組を強力に進めてまいりたいと考えている次第でございます。

#15
○畦元委員 ありがとうございました。
 特に標準化に関しては、お願いだけではなかなか進まないことも予測されます。標準化の実現のために、全体としての環境づくりも是非ともよろしくお願いいたします。
 次の質問に移ります。ちょっと順番を変えまして、先に福島の復興の関連の質問をさせてください。
 先日、環境委員会での質疑でも述べさせていただいたのですが、いまだに続く風評被害縮小に向け、福島県民のみならず、全国民に正しい放射線の知識を知っていただくことが重要であると考えております。
 全国に三万人以上の会員を有する日本診療放射線技師会も協力をしたいとの申出もあり、国民にとっても身近で、放射線の専門家でもある診療放射線技師と経済産業省が幅広く連携並びに協力し、正しい放射線の知識を伝えるための教育などについて取り組むべきと思っております。
 チェルノブイル原発事故後に、ハンガリーでは、小学生、高校生に対して放射線の授業や放射能測定の実習をしており、周りの国、地域では不安が先行しまして多くの妊婦が子供を堕胎したのに比べて、ハンガリーでは子供をむやみに堕胎しなくなったという報告もございます。
 経済産業省の所見はいかがでしょうか。江島副大臣にお伺いいたします。

#16
○江島副大臣 原子力災害に起因する農林水産物等に対する風評被害、これが、今、原子力災害で残された本当に最大の課題の一つでございます。
 これを払拭するというためには、国民の放射線に関する正しい理解を深める、これに尽きるというふうに考えております。したがいまして、この風評の払拭それからリスクコミュニケーションにしっかりと取り組んでいくということが経産省としても最も大切と思っています。
 今、畦元委員さんから御提案いただきました、まさしく放射線の専門家でいらっしゃる日本診療放射線技師会の先生方としっかりと協力させていただきながら取り組んでいくというのは、本当にすばらしい御提案ではないかというふうに思います。
 この技師会の先生方との連携協力に関しましては、まず、福島県の被災した地域において住民の放射線不安の相談に応じている放射線相談員という方がいらっしゃるんですが、こういう方々に対する研修へのまた協力等も、その可能性についてお願いを申し上げたいというふうに思っています。
 今日この質問を畦元委員さんからいただくに当たりまして、私、山口県の放射線技師会の会長の三輪会長さんともちょっと意見交換させていただきましたら、三輪会長も、発災後の、一か月後だから二〇一一年の四月十一日に現地入りをされまして、これは全国組織として、先生方が皆、班を組んで現地入りをされたということでありますけれども、福島県での放射線に関するいろいろな調査をされたとのことでございます。今でも大変に福島県のことは気にかけていらっしゃるということでございました。
 また、風評被害に関しましても大変心配していらっしゃいますので、是非、福島県民のみならず、国民全体の放射線に関する正しい理解が深められるようまた先生方にお取組をいただければ、例えば、レントゲンを撮りに行ったときに、技師の先生方から、風評被害というのはこんなもので、こうなんですよというようなことを併せて御説明をいただけるというようなことが全国で広がれば、これは本当に正しい知識というものが非常に速やかにいくのではないかと思います。是非、積極的な御会との取組を通じまして、この風評被害の払拭に取り組んでまいりたいと思います。

#17
○畦元委員 江島副大臣、ありがとうございました。
 日本は、戦争による被爆国でもあり、放射線の事故も経験した国でありますから、極力全国民に正しい放射線の知識を知ってもらえると、国にとって有益になると思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、次の質問に行きます。次の質問は、中小企業の足腰の強化ということで質問いたします。
 中小企業促進法や第三者承継支援総合パッケージに基づく支援を継続される上で、生産性革命推進事業により、中小企業のデジタル化、技術開発、海外を含む販売拡大を支援します。中小企業の経営基盤を強化し、中堅企業への成長を後押ししますと所信表明でありました。
 具体的にどのような支援策を講じられているのか、教えていただけますでしょうか。経済産業省にお伺いいたします。

#18
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の事業につきましては、令和元年度補正で三年分を見込んで三千六百億、令和二年度一次補正から三次補正までで四千億を予算を手当てさせていただいて、設備投資等のものづくり補助、IT化支援のIT導入補助金、小規模事業者向け販路開拓等の持続化補助、これまで合計で実績ベースで十二万社、約二千億円分の支援を実施してきてございます。
 いろいろございますが、成功している事例という中で申し上げれば、例えば、このコロナ禍で、手で触らずにギョーザを作れるというギョーザ自動製造機の会社は、付加価値額が一・四倍に、経常利益は六倍。それから、IT導入補助で勤怠管理システムを入れた結果、タイムカードだとか給与計算の時間が八割減りましたといった事例。それから、これは酒蔵さんでございますけれども、いよいよ海外展開をやってみようということでの出展やウェブサイト、パンフレット等、これも、対前年比一年間で、取引金額で一五%増、外国人向け客の売上高に関して言えば五〇%伸びたといったような事例もございます。
 また、最近、EBPMということで、事業化報告書をいただきまして分析をしてございますが、五年前、相当もう事業化は終了したと思いますが、もの補助の場合でいきますと、補正予算額千四百億、これは補助率が二分の一でございますから三千億くらいの設備投資だと思いますが、自己申告ベースで付加価値額が一・五兆円、こういったような報告もございます。
 引き続き、こうした分析もしっかりしながら、よりよい、成果の高い、密度の高い事業になるようにしっかり支援をしてまいりたい、このように考えてございます。

#19
○畦元委員 ありがとうございます。
 最後の質問になりますが、経済と安全保障を一体として捉えた政策を進める中、人工呼吸器、検査機器、バイオ医薬品などの国内での開発体制及び製造基盤の確立にも取り組みますとあります。
 具体的な対策を簡単にお教えいただけますでしょうか。経済産業省にお尋ねいたします。

#20
○畠山政府参考人 お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の広がりによりまして、マスク等の医療物資、それから御指摘の医療機器の需要が世界的に高まったこと、そして、そういう中で諸外国が自国優先対応を取ったこと、こうしたことによりまして、マスク等で輸出規制が取られたということのみならず、人工呼吸器などについても、部材を含めて海外からの供給が途絶するリスクが顕在化したところでございます。
 こうした状況を受けまして、経済産業省といたしましては、人工呼吸器や検査機器等について、供給途絶リスクを解消するため、補助金によりまして国内生産体制の構築を支援してまいりました。
 今後につきましても、人工呼吸器などの医療機器について、国内において製造を可能とするための研究開発支援ですとか、また、バイオ医薬品につきましても、開発体制あるいは国内における製造基盤の確保に向けて、関係省庁、業界団体と精力的に議論を重ねているところでございます。
 引き続き、必要となる医療物資の供給が滞ることのないよう、厚生労働省とも連携しながら対応するとともに、国際競争力のある産業の育成を支援してまいりたい、このように考えております。

#21
○畦元委員 ありがとうございました。
 最後に、経済産業省の皆様におかれましては、国民のために昼夜激務に追われていらっしゃることと存じます。経済産業省の御支援がなければ経済改革は見込めないと思っております。微力ながら、私自身、安心、安全に国民が暮らせるよう努力していく所存でございます。よろしくお願いいたします。
 本日はありがとうございました。これで質疑を終わります。

#22
○富田委員長 次に、穂坂泰君。

#23
○穂坂委員 自由民主党衆議院議員の穂坂泰です。
 本日は、このような場をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。
 そして、経済産業省の皆様におかれましては、このコロナ禍において、企業支援に迅速に対応していただきましたこと、心から感謝を申し上げます。医療従事者の皆様も本当に大変だったかというふうに思いますが、やはり、省庁の役人の皆様も非常に大きな努力があったかというふうに思います。国民の皆様の声、なかなか入ってこないかというふうに思いますが、私のところには、本当に感謝しているという声もたくさん入っております。
 でも、これでもゴールではないというふうに思います。この傷ついた中小企業を始め、企業の皆様方を更に元気にして、ますます活動できるようにしていくのが私たちのゴールだというふうに思っておりますので、引き続きよろしくお願いを申し上げます。
 その上で質問をさせていただきますが、まずは企業を再びしっかりと活動できるようにしていくこと、そしてまた、コロナで見えた社会の脆弱性、こういったものも押さえていかなければいけないというふうに思います。
 まず、今回、コロナにおいて傷ついた中小企業をまた元気にさせようということで、事業再構築補助金を出していただいたかというふうに思います。一兆一千四百八十五億円、このような大きな予算で、そしてまた、企業の新たなチャレンジを応援しようということで、パンフレット等、前評判、非常に分かりやすい資料でありましたし、中小企業の皆様方も希望を持って見ていたものなんですけれども、先日出てきた手引を見ると、非常に、ちょっと複雑だなというのを感じさせていただきました。
 もっともっとハードルを低くしていただきたいというのがこの質問の趣旨なんですけれども、例えば、事業再構築の定義が、新分野、事業転換、業種転換、こういったものもいろいろあったり、また製品と市場の新規性、こういったものも非常に複雑だな、これをしっかり作ろうとなると、素人ではできなくて、プロの人が作らなければなかなか難しいのかなというのも感じさせていただきました。
 そして、見ていて思ったのが、駄目だというのが何か非常に多いなと思いました。例えば、同じ製造ラインを使っては駄目だよとか、ほかの企業がもう既にやっているのは駄目だ、パウンドケーキのオーブンでプリンを作っちゃ駄目だとか、あと、アイスクリームを提供していたところは、かき氷を販売するとアイスクリームの売上高が減少すると考えられて、市場の新規性はないとか、アイスクリームは、バニラに特化しても、アイスだから、市場の一部だから駄目だとか、ちょっと、この駄目だというのがすごく多くて、衣料品販売店を経営する企業が既にネットをやっていて拡大、既にネットをやっているから駄目だとあるんですけれども、例えばネットのやり方もいっぱいあると思うんですよね。いろいろな、ECサイトを変えていったりとか、非常に大きなチャレンジも、その中でもあるのかなというふうに思います。
 今回、企業の再チャレンジを応援するということで、やはりもっと自由度があってほしいなと思う中で、いま一度、この補助金の目的、再確認の意味で、教えていただければと思います。

#24
○梶山国務大臣 事業再構築補助金、これは、アフターコロナ、ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために、中小企業等の思い切った事業再構築に対して支援を行うことで、日本経済の構造転換を促すことを目的としております。
 いろいろな事例を挙げてくれという声も多いんですね。ただの説明文だけではなくて、いろいろな例示をしてくれという声もあった中で、こういった説明書、手引と指針というものを作らせていただきました。
 この目的を達成する観点から、どのような事業再構築であれば補助対象になるかというものをお示ししたものでありまして、申請に当たり、本指針に沿った計画を策定いただきたいと考えております。
 国費を投入し、しかも既存のものづくり補助金よりも手厚い支援を行う以上、目的に沿った一定の要件を満たしていただく必要はありますが、指針の手引においては、あくまでも例示をしているにすぎない記載もあります。事業者の皆様が御理解の上で申請していただけるよう、中小企業庁から認定支援機関等に対して、しっかりサポートいただきたい旨、協力要請を行っているところであります。
 なお、単に同一製品の生産プロセスの効率化や販売拡大を行うのみでは本指針に示した事業再構築には該当しませんが、こうした場合についても、従来からのものでありますけれども、ものづくり補助金や持続化補助金などにより事業者の取組を支援してまいりたいと思っております。
 様々な政策の品ぞろえがあるわけでありまして、その目的に合った、規模に合った補助金の政策をお選びいただきたいと思いますし、そういった中で認定支援機関の支援ということも書いてありますので、しっかりとこちらも取り組んでまいりたいと思っております。

#25
○穂坂委員 ありがとうございます。非常によく分かりましたし、また、事例を挙げるということも大事なことだというふうにも本当に理解しているところであります。
 また、ものづくり補助金とかとも一線を画さなければいけないということも、何となくこれを見ていて理解はしていたんですけれども、今回のこの事業再構築補助金というのは、まさに経営に対する支援だなというふうに私は思っているんです。中小企業の経営を考えたときには、何が何でも生き残れ、どんなやり方でもいいから利益を出して生き残ってくれというのが私は経営に対する支援だというふうに思っておりまして、やはりものづくり補助金とは一線を画すものなのかな、そういった意味では違うのかなというふうに思っております。
 そういった経営の支援ということで考えれば、こちらは金融機関から融資を受けるときに非常に近い申請になるのかなと思っています。その場合に考えたら、金融機関からお金を借りるとするならば、例えば過去三年間分の決算書であったり、今までの顧客はどんな層だったのかとか、その会社の歴史とか、グループ企業、資本関係、こういったところも全て見ながら、そしてまた金融機関ともいろいろやり取りしながら、初めて、経営に対する支援としての融資が受けられる、このようなことになってくるんだろうなというふうに思っておりまして。
 こういったやり取りの中には、手法ではなくて、手法は、イノベーションがあったり、経営者の考え方があったり、いろいろなリソースがあって、経営の手法は何でもいいけれども、最終的には事業計画がしっかりしているのかどうかというものがやはり私は一番大事なのかなというふうに思っております。
 今回、一〇%の要件が入っておりますけれども、ここを達成するためにはどんなやり方でもいいんじゃないかというふうに思っておりまして、今回いろいろな事例を挙げていただきました、そこを、駄目だではなくて、これは加点ポイントとか、受けるためのポイントだよという、こうした方がいいんじゃないかというところで私は是非やっていただきたいな、それがまず一点の要望。
 あと、こういった経営に対する支援ですから、是非とも地域のメインバンクとか、金融機関とか、そういったところとも一緒に、経済産業省の皆さんが一緒に審査をしながら、やり取りしながら、中小企業の支援をしていった方がいいのかなというふうに思います。
 これは、一番私たちのところに来るのは、補助金を申請して、なぜ駄目だったのかということをすごく聞かれるんですよね。でも、金融機関と一緒に融資をやると、その途中のやり取りというのは結構やりますので、やはりそういった納得性を持たせるためにも、そういった地域金融機関、メインバンクと一緒になってやるのがいいのかなというふうに思いますが、この点について御質問をさせていただきます。

#26
○村上政府参考人 お答えを申し上げます。
 最初の点の方も含めて大臣の方からも申し上げましたけれども、手引であり事例であるということですが、正直申し上げますと、苦渋の側面がございまして、是非先生方にも御理解をいただければと思うわけでありますけれども、対前年同月比、十一月で見ますと、二三%も伸びている企業もいらっしゃる一方で、二割以上減っていらっしゃる方が半分以上。せっかくこれだけ、補助という形で財政支援をしますので、できるだけ、これをきっかけに将来を見通せるような業態への方向転換を一挙にやってほしいという部分と、厳しくし過ぎて拾えない企業を出してはいけないという部分の相反する要素をいかにバランスするかというところで。
 済みません、ちょっと、手引とはいえ、筆が走り過ぎている部分はあるかもしれませんが、これは累次、約五回くらい公募を繰り返してまいるつもりでございますので、この中でも最適な表現を探して、模索しながら、できるだけ変えてもらいつつ、広く支援させていただくというところのぎりぎりを探ってまいりたいと考えてございます。
 金融機関についてのお尋ねでございますけれども、大変我々重視をしてございまして、金融庁さんともいろいろお話をさせていただいてございます。
 ルールの問題といたしましても、多分、三千万以上の補助金額の案件になれば、いずれにせよ金融措置が必要で、ここはもう大丈夫だろうということで、実は、事業計画を作る時点でもう、金融機関と相談をした上で事業計画を作るようにということは、申請に当たってこれは義務づけさせていただいてございます。
 また、実際の審査、協力に当たっても、銀行の融資審査はどちらかといえば借入金の返済可能性等などの財務、我々の方はどちらかといえば再構築の中身ということになろうかとは思いますが、両面共に重要な要素でございますので、三千万以下の案件も含めて、できるだけ金融機関の方とは連携していただけるようにということで、金融庁さんの方からも、いろいろこの補助金の執行に当たって協力をいただけるような御配慮をいただいているところでございます。
 是非御指摘のようなところも踏まえた運用ができるように、累次の公募にわたって改善に努めてまいりたい、このように考えてございます。

#27
○穂坂委員 ありがとうございます。
 今回、予算が本当に一兆円を超える大きな予算でありますので、その額から見ても、政府の思いというものは私はすごくあるなというふうに思っております。是非、そういったものがしっかりと企業に伝わるような制度設計、よろしくお願いを申し上げます。
 そして、もう一つ、これに絡んでなんですけれども、申請代行の課題があるのかなというふうに私は思っております。
 最近、ネットで事業再構築と引くと、広告で、申請代行やりますというのがずらっと出てくるような状況になってしまいました。報酬が一〇%ならまだしも、二〇パー、三〇パーまで取るような話も聞いているところでございます。
 こういったところにも是非ガイドライン等を入れるべきではないのか、そんなふうに思っておりまして、一つの事例といたしまして、過去なんですが、東京都で協力金というものがありました。感染防止協力金というものがあって、専門家、税理士さんを始め会計士さん、こういったところに依頼をすれば、一件八千円でやってくださいという東京都のガイドラインが一回出ました。
 持続化給付金が国の方から出たときに、これが二百万円でありましたが、五十万円で八千円だったから、二百万円だったら三万二千円でやろうという専門家、結構いらっしゃったんです、税理士さんがいらっしゃって、私は聞いたんです。ほかのところは一〇パー、二〇パー取るけれども、何で取らないんですかという話をしたら、やはり企業は苦しいんだと。苦しいからお金をもらっていて、その困っているところからそんなに取れないと言うんですね、専門家の皆様はやはり財務状況をよく分かっていますから。やはりこれが、私は本来の手数料だというふうに思っているんです。
 こういったことを考えていくと、今回、六千万円とか、上限一億円という形もありますけれども、ここに一〇パー、二〇パー入ってくれば物すごい金額になってくるというふうに思うんです。是非ともここに、そういった制限というか、ガイドラインを入れるというか、こういったことができないか、御質問をさせていただきます。

#28
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
 若干、本事業に対するコンサルテーションの安売りが始まっているんじゃないかというようなうわさも聞こえてございまして、一般論として申し上げれば、誠にけしからぬというふうに思っているところでございますけれども。
 この事業再構築補助金は、中小企業が将来につながるような事業資産をいかに積んでもらうきっかけをつくるかということでは、思いは一緒なんですけれども、なかなか一律にガイドラインを作るのが難しい面があろうかなと。例えば、将来にわたって、この企業、この技術のこの使い方という乾坤一擲を見つけるに当たって、すごく立派な専門家の方にお願いをして探していただくといったようなケースもあれば、逆に、通常のデーリーな財務分析等をやっていただくというようなケースもあれば、正直言って、その企業の将来の事業資産価値を見つけるに当たっての専門家の対応も様々であって。
 あと、もう一つ、数字の目安を言ってしまうと、いいも悪いも、そこに金額が張りつくんじゃないかということも片方で心配がございまして、一般論としての気持ちは全く同じなんでございますが、ちょっとそういった線引きを引くことは現時点ではちゅうちょしているというのが正直な現状でございます。
 これも、累次、様子を見ながら、もし必要があればとか、極端な事例が横行するようであれば、審査の時点だけでなく、そういったようなQアンドAであるとか、場合によっては手引の改定も考えたいというふうに思ってございます。
 片方でもう一つ、認定支援機関で、どなたが支援したかというのは今回実は申請書に書いていただくことにしてございます。事業化報告も出しますので、できれば、どういった方がどういったその後をたどった事業を支援しているのか、今後、詳細は検討いたしますけれども、できるだけ見える化をしたいという意味では、どのような出自の方でも、優れた成績を残す相談員さんとそうでない方が結果的に市場から見えるような仕組みというのがこれを機会につくれないかということも、やり方は、詳細、検討が必要かと思っていますが、考えてございます。
 そういったような自浄作用も含めて、この問題は時間をかけてよくしていきたい、このように考えてございます。

#29
○穂坂委員 ありがとうございます。是非進めていただければと思います。
 これは企業のモラルにもなってくるんですけれども、もらえるから手数料を払ってもいいやというのが私は実際はあるんだというふうに思います。例えば、九千万円の借入金を起こして、じゃ、手数料一〇%だとしたら、九千万円の借入れで六百万円手数料を払うかというと、絶対払わないと思うんですよね。今回は、補助金で、国からお金をもらえるから、どうせもらえるんだったらその分は払ってもいいやみたいな、私はこういった感覚もちょっと違うんだろうなというふうに思っておりますので、是非とも発信をしっかりやっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きましての質問に入らせていただきます。GIGAスクール構想を中心としたデジタル環境の整備について、御質問をさせていただきます。
 子供たちの学習環境の方も、このコロナで出た脆弱性の一つだというふうに思っております。そこに対応して、GIGAスクールということで、子供たち一人に一台のパソコン体制、もういち早く、ほぼ達成をしたというふうになっておりまして、ここに関しては非常に感謝を申し上げさせていただきます。
 このデジタル化の本質というものは、本当に困った人、本当に弱い立場の方々、こういった方々をピンポイントに見つけ出して、ピンポイントにその人に合った支援をしていく、これが私はデジタル化の本質だというふうに思っております。
 低所得者の方であったり、ADL、病気の方、そしてまた家族の状況、こういったものを個別に把握をしながら適切なサービスをしていく、これがデジタル化の本質であるというふうに思っておりまして、このGIGAスクールの中でもそういったことを発揮していかなければいけないというふうに思っています。
 特に、教育の分野でいえば、特にインプット、引き算が分からないのに割り算をやらされて、そのままずっと引き算が分からないで行くともう地獄のような学習環境になってくる、こういった苦痛の声も聞いております。
 経済産業省の取組を見ていますと、一人の子供に合った教育をするために様々な取組をされているかというふうに思います。私は是非この取組を広めていきたいなというふうに思っておりますので、今どういった取組をやっているのか、また、これを広めるときに、今どんな協力が、我々も含めて、必要なのか、お答えをいただければと思います。

#30
○畠山政府参考人 お答え申し上げます。
 経済産業省では、学校におけるデジタル環境の整備、まさに御指摘のデジタル環境の整備、これは、一人一台の端末と、それからそこに載せる学習用ソフトウェア、これはエドテックと呼んでおりますけれども、こうしたものの活用などを通じまして、子供の学習環境の抜本的な改善を進める未来の教室という実証事業を行ってございます。二〇一八年から、全国の小中高等学校の現場で、これまでに百件以上進めてきたところでございます。
 具体的には、一人一人の学習記録、学習ログを基に、理解度、進捗度に応じました学習機会を提供する学びの個別最適化、これはまさに御指摘の点ですけれども、それから、社会課題をテーマとして文理融合の探求学習機会を提供する学びのSTEAM化、この二つをコンセプトに実証事業を進めてまいりました。
 その実証成果を文部科学省にも共有いたしまして、全ての小中高等学校における一人一台端末環境を目指すGIGAスクール構想の企画実現に向けて、省庁横断で協力をして進めてきたところでございます。
 この四月からは、全国の小中学校で一人一台端末を用いた学習がいよいよ始まります。このため、未来の教室実証事業の成果を教育現場に届けるべく、文部科学省、それから教育委員会と連携して、一層注力してまいりたい、このように考えております。
 例えばということでございますけれども、学校あるいはフリースクールがエドテックを試験導入することに対するエドテック導入補助金による御支援、これは学校側の負担なしで進めております。それから、大学や企業と共同開発した探求学習コンテンツを集めたSTEAMライブラリーの無償公開、それから、未来教室実証事業の成果をまとめたニュースレターの教育委員会や学校向けの配信、それから、先生が学校の壁を超えて情報共有を行うオンラインコミュニティーの形成、こうしたことを進めてまいりたいと考えております。
 一方で、GIGAスクール構想で配備された一人一台端末につきまして、学校現場におけるセキュリティー意識から過度な使用制限をかけてしまう事例も多数あるとの情報、報告を受けております。この状態を解消すべく、先日、文部科学省から教育委員会宛てに通知文を発出いただいたところでございます。
 今後も、地方議会での議論が活発化すること、それから、まさに国会議員の先生方も含めて、地元の学校での課題を我々にお寄せいただくということが今後の政策立案に大変有益と考えておりますので、是非ともよろしくお願いできればと思います。
 以上でございます。

#31
○穂坂委員 ありがとうございます。
 是非、子供たちの学習のつまずきがなくて、目をきらきら輝かせるような学校生活がつくれるための未来の教室を目指していっていただければと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

#32
○富田委員長 次に、中野洋昌君。

#33
○中野委員 公明党の中野洋昌でございます。
 早速、通告に従いまして質問をさせていただきます。
 まず冒頭、産業競争力強化法の条文の誤りについては、大臣からも発言がございました。私、公明党としても、これはやはり大変ゆゆしき事態であるというふうに思っております。本当にしっかりしていただきたいという思いでありますし、また、どういう形で業務をされているのか、働く体制というか業務の体制というか、こういうものもやはり心配になってきてしまうわけであります。やはり原因の究明と再発の防止のための対策というのを是非しっかり取っていただきたいというふうに、改めて大臣にはお願いをしたいというふうに思います。まず冒頭、指摘をさせていただいて、質問に入らせていただきます。
 緊急事態宣言、解除になっておりますけれども、何といってもまだまだ経済への影響が大変大きいというのがこのコロナでありまして、この対策というものについて今日は絞って質問をさせていただきたいと思います。
 一月に緊急事態宣言が発出されたわけでありますけれども、非常に経済に大きな影響が出るということで、この前後で、党としても、しっかり企業支援、事業支援というものを強化していくべきということで、何度も提言もさせていただいたところであります。
 そういう中で、いよいよ今始まっておりますのが一時支援金であります。三月八日から受付開始となったということであります。
 まず冒頭、コロナに対して影響を受けた、これは、例えば飲食店に仕入れをしているような、そういう取引をしているような方であるとか、また外出自粛の影響を受けた方に支援金を支払う、こういうものでありますけれども、まず、現在までの申請と給付の状況、今どうなっているのか、この状況についてお伺いをしたいと思います。

#34
○飯田政府参考人 一時支援金についてでございます。
 委員御指摘のとおり、三月八日の月曜日から申請の受付を開始して、昨日二十三日火曜日の時点で二万一千五百八十六件の申請をいただいております。
 それから、給付の件数でございますけれども、審査が完了したものから順次行っておりますが、既に、昨日二十三日火曜日の時点で五千五百二十九件について給付したところでございます。

#35
○中野委員 前回、昨年は持続化給付金というものをやったわけであります。今回、一時支援金ということであります。手続的なところで大きな違いは、今回、登録確認機関に事前確認をしていただくということでありまして、前回、持続化給付金でも不正受給というのも問題になりました。
 しっかり事業の確認をしていただくというこの手続を一つかませるというのは、そうした意味でも私は非常に意味のあることであるというふうに思っておりますけれども、受付が開始となって、まずこの事前確認の手続のところでいろいろ指摘を伺いました。
 私、事前に、予算委員会の方でも大臣の方に、しっかりこの冒頭の手続で目詰まりはしないようにということでお願いはしておったんですけれども、実際スタートしてみると、なかなか、もちろん場所によるんですけれども、例えば、商工会や商工会議所のようなところで、会員でないところだとどうしてもやってくれないようなケースがあったりですとか、そして、確認をお願いするところがなくて、いろいろな士業の方のところに行くとこれは有料であるというふうな御指摘があったりですとか、なかなか、どこでまず確認を受けるのかというようなところで指摘を、私も相談を受けました。
 やはりもっと幅広く、できれば、国の方からも手続でやった方にもお金も出すわけでありますので、これは是非無料でやっていただきたい、こういう方にもっと幅広く呼びかける、あるいは、今、事務局の方でも、こういうものを状況に応じて事務局の方でも確認をすることも検討するというようなことも発表もされておりますけれども、これを是非早期に実現をしていただきたい、こういうことを是非お願いをしたいと思っております。
 この事前確認の手続、これを更に工夫を進めていく、ここについてどう取り組まれるのかを答弁いただきたいと思います。

#36
○飯田政府参考人 今委員の方から御説明いただきました。改めての御説明をさせていただきます。
 一時支援金の申請に当たりまして、御指摘のとおり、登録確認機関による事前確認作業に対しましては、国の方から事務手数料として一件当たり千円の手数料を支払うということにしております。したがいまして、申請者から追加で手数料をいただくようなことはございませんで、無料でできるということになってございます。
 現在、事務局には一万九千を超える登録確認機関が登録をされておりますが、このうち約六割に当たる商工会、商工会連合会、それから商工会議所、金融機関については、基本的に無料で対応しているというふうに承知をしております。
 実際に、経産省や事務局のホームページで、こうした多くの機関で無料で事前確認を受け付けていることを御案内しております。
 また、今委員の方から御指摘ありましたけれども、登録確認機関を見つけることが困難な方を対象といたしまして、本日二十四日より事務局において登録確認機関を設置することといたしております。こうした点も含めてしっかりと周知をしてまいりたいと考えております。

#37
○中野委員 いよいよ今日からスタートさせるということで、先ほどお話も伺いました。
 これは、最初の手続のところで、ここが進まないと何も進まないということでありますので、これは是非、無料で幅広く、そして迅速にできるようにということで、ちょっと改めて周知徹底をお願いしたいと思います。
 その上で、私、先ほども申請の件数の方もお伺いをしましたけれども、持続化給付金のときと比べても、大分、最初のペースとしてはそこまで多くないという印象を受けております。
 他方で、一時支援金も、資料を見ますと、どうしても仕方ない部分もあるんですけれども、自分が本当にこの申請ができるのか、売上げが五〇%減るというのは非常に分かりやすい要件ではあるんですけれども、外出自粛の影響を受けた方のケースはこういうケースです、あるいは、飲食店等と取引のあるようなケースはこういうケースですということで、かなり詳細に書いていただいてはいるんですけれども、いかんせん、本当に自分が外出自粛の影響を受けたということを説明できるのかなということがやはり分かりにくい、あるいは、自分が申請をできるということを、緊急事態宣言の出ていない地域の方などですと、余り、正直、申請できること自体も御存じない方が私は多いんじゃないかなと思います。
 例えば、政府の方では、外出自粛の影響を受けた目安はでは何かということで、観光客の五割以上が緊急事態宣言地域から来ているということがデータで分かるような地域というのは、例えばそういう影響を受けたというふうなことが言えるんじゃないか、こういうことを書いてはいるんですけれども、実際、RESASなどの統計でやってみますと、結構多くの自治体が、全域この地域に当たるような自治体も結構あります。
 そうすると、やはり自治体から、我々の地域でこういう事業者の方は典型的にこの支援は受けられるんですよというふうな話ですとか、あるいは、いろいろな業界の方にも協力をしていただいて、我々の業界でこういうケースであればこの支援金は活用できるケースというのがありますよというのを、これは是非周知をしていただかないと、せっかくつくった制度であっても、なかなか、本来支援を受けられる方が受けられないということがあるのではないかというふうに思います。
 こうした周知徹底、あるいは広報、こういうものについても是非力を入れていただきたいと思いますけれども、これについても答弁をお願いいたします。

#38
○飯田政府参考人 お答えいたします。
 今委員御指摘ありましたように、要件に該当する限り、全国、全業種がその対象になり得るわけでございますけれども、宣言地域以外でも要件になるということを認識しておられない方が数多くいらっしゃるというような御指摘はいただいております。
 今お話ありましたように、経産省のホームページの方でも、宣言地域以外でも、特に外出自粛の影響を受けている方が申請するに当たって必要となる例としてV―RESASなどもお示ししたところでございますけれども、個別にはコールセンターでのお問合せもいただいております。
 そのほか、広報という意味では、宣言対象地域以外の方も対象になることを分かりやすく示したチラシを作成して、商工会ですとか地元の銀行だとか、そういった目につくところに置いていただくとともに、今後、新聞広告などのマスメディアを活用して周知をすることも検討するといったような形で、広報を更に強化してまいりたいというふうに思います。

#39
○中野委員 よろしくお願いいたします。
 一時支援金については、ちょっと、現状、このくらいにしたいと思いますけれども、実際に制度がしっかりと執行できるようにということで、また改めていろいろな状況も伺いながら、様々改善も求めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、資金繰り対策についても質問をいたします。
 昨日、資金繰り対策についても発表されましたけれども、特に今大変に、緊急事態宣言が明けても、飲食店については時短要請というのが引き続きかかっているわけであります。特に、地元でもお伺いをしますのが、協力金である程度カバーできているような、ある程度零細なところはございますけれども、やはり規模が大きくなってくるとどうしても協力金だけでも経営の維持というのが難しいというふうな御要望もいただき、規模に応じた支援というのも是非お願いをしたいというふうな、そういう要請もいただいて、地方創生臨時交付金などでも柔軟な運用ということで、様々工夫はしておるんですけれども、やはり更なる支援が必要かなというふうに強く感じております。
 今回、資金繰り対策、商工中金や政投銀など、あるいは資本性のローンのようなところもしっかり活用していくということで、こうしたある程度の規模のところでもしっかり対応できていけるんじゃないかなというふうにも感じておりますし、そういう資本性のローンのような支援も従前からずっとやっておったんですけれども、なかなか活用されて、現実的には余り使われていないのかなというふうな印象もありまして、そういう意味では、しっかりこういうところに力を入れていくというのは非常に私は大事であるというふうに思います。
 今回の対策の概要、あるいは今回の対策によってどのようなところにどういう支援を届けていくということを狙っていくのか、こういう狙いについて、是非大臣に御答弁いただきたいと思います。

#40
○梶山国務大臣 新型コロナ感染症が長期化する中で、コロナ禍により深刻な影響を受けている飲食、宿泊業者等を中心に、中堅、大企業に対する一層の資金繰り支援を行う必要性が生じております。特に、短期的な資金繰り需要に応えるだけではなくて、財務基盤強化のための支援を行う必要性が高まっているものと認識をしております。
 まず、金融支援につきましては、商工中金において、単独で積極支援を行うことを可能とするために、コロナ感染症の影響が続く間、民間と協調して融資を行うという原則を一時停止すること、資本性劣後ローンの金利水準を当初三年間一%程度に引き下げることにより資本性資金の利便性を向上させること、金融機関側が審査に要する期間を原則一か月程度へ短縮すること、この三点について取り組むこととしておりまして、これらについて、私から商工中金に対して直接指示をすることとしております。
 さらに、事業再構築補助金では、業態転換等に伴う撤退関連費経費として、建物の撤去費に加えて賃貸物件の原状回復費も支援対象とすることにより、新しい分野への事業展開等を行いやすい環境を整えてまいりたいと考えております。
 関係省庁とも連携しつつ、新型コロナ感染症の長期化により大きな影響を受けている事業者の支援に万全を期してまいりたいと考えております。

#41
○中野委員 ありがとうございます。大臣の狙いはよく分かりました。
 実際、資金繰りが始まる中で、しっかりこの融資ができていくようにということで、大臣からも御指示をそれぞれ商工中金などに対してするということでお話がございました。しっかり積極的な対応を是非取っていただくように、ちょっと改めてお願いをしたいというふうに思います。
 あわせて、先ほど、事業再構築補助の活用ということで、撤去費用なども含めて対応するということを言っていただき、これは非常に大事なことだというふうに思います。
 やはり、緊急事態宣言解除の後もコロナの影響というのは続いていくわけでありまして、一旦人々の行動が変容した後で、もちろん、戻るものもありますし、あるいは、一回変わった行動というのはなかなか戻らないものもあるということでもあるというふうに思います。やはり、前向きな投資、あるいは前向きにこの事業を対応させるように変えていくということも含めて、こういう取組をしっかり後押しをしていかないとなかなか根本的な対策にはなっていかないのかなというふうにも感じております。いよいよ事業再構築補助金の導入も、公募もスタートということでありますので、こうした補助金、あるいは持続化補助金などもありますけれども、これをしっかり活用していただくというのが非常に重要なのではないかなというふうに思います。
 こうした事業再構築補助金については、以前から、事前着手をしっかり認めるようにしてほしい、あるいは、概算払いをしっかりできるようにしてほしい、あるいは、コロナの優先枠のようなものでしっかり対応してほしい、いろいろな要望もさせて、また対応もしていただいておるというふうに承知をしております。是非、使い勝手のよい補助金にしていただきたい。
 また、この補助の裏では、自己資金というよりは、やはり金融機関からの融資というのも当然必要になってくるというふうに思います。こうした前向きな資金繰り対策、先ほどおっしゃっていただいたことも含めて、やはり併せてやっていく。そして、いよいよ、この補助金などをしっかりと活用していただけるかどうかというのが一つの大きな今回の対策の柱なんだろうというふうに思います。
 こうした前向きな投資をいかに促していくか、こういう対策を経産省としてどう進めていくか、これについても是非大臣に御答弁をいただきたいと思います。

#42
○梶山国務大臣 委員御指摘のとおり、中小企業がコロナ禍から立ち直り、再び業績を回復できるよう、ポストコロナに向けた事業転換など前向きな投資の支援をすることは大変重要であると考えております。
 このため、経済産業省では、第三次補正予算において、総額一・一兆円の事業再構築補助金を創設しました。本補助金では、ウィズコロナ時代を見据えた思い切った新分野展開や業態転換に取り組む中小企業に対して最大一億円の支援を行います。
 制度の検討に当たりましては、二月一日に御党より、コロナ禍における中小企業支援に関する御提言をいただいたことも踏まえて、事前着手申請を提出し、承認された事業者が採択された場合には、交付決定の前であっても、補助金の制度概要を公表した二月十五日以降の設備の購入契約等を補助の対象とする措置や、緊急事態宣言再発令の影響を受けて、一定の要件を満たした事業者に対して、事業規模に応じて補助上限を段階的に設定し、補助率を引き上げ、優先採択する特別枠の創設により支援を行うこととしております。
 持続化補助金につきましても、緊急事態宣言再発令の影響を受けて、一定の要件を満たした小規模事業者を対象に優先採択を行います。また、感染防止対策費に対する補助を最大二十五万円から五十万円に引き上げることで、感染防止対策への支援を強化することとしております。
 事業再構築補助金は三月二十六日から申請が始まります。持続化補助金は三月三十一日からということで、共に今月中の公募開始に向けて最終的な準備を進めているところであります。これらの支援策を通じて、引き続き厳しい経営環境にある中小企業、小規模事業者の皆様の新事業展開や事業転換を全力で取り組んでまいりたいと思っております。

#43
○中野委員 いよいよ公募が始まるということであります。これを是非多く活用していただけるように、またお願いをしたいというふうに思います。
 時間も迫ってまいりましたので、最後に、フリーランスへの支援ということについても一点御質問をさせていただきます。
 今回、コロナ禍で、特に業態として大変に大きな影響を受けたんだというふうに思います。また他方で、なかなか支援が及びにくい持続化給付金等についても、対応を何とかしていくということでやってまいりましたけれども、特に現場では、こんなに取引の流れとして不安定だとは思わなかったですとか、あるいは、そもそも自分は社員だと思っていて、フリーランスだというのが全く知らなかったですとか、いろいろな御意見をいただきまして、本来は労働者としてしっかり守られなければいけない場合もあるんだろうと思いますし、また、下請法のような、こういうものもしっかりと対応していかないといけない場面も、取引の適正化というのもしっかりやっていかないといけないんだろうというふうに強く感じたところであります。
 政府でこうしたガイドライン等も作っていくということで聞いておりますけれども、これは早急に是非策定をしていただいて、これがしっかり今後守られていくように政府としてもしっかり監視をしていかないといけない、こういうふうに思いますけれども、これについて答弁を求めたいというふうに思います。

#44
○松浦政府参考人 お答えいたします。
 昨年七月に閣議決定されました成長戦略実行計画を踏まえまして、先生御指摘のように、フリーランスとして安心して働ける環境を整備するため、政府として一体的に実効性のあるガイドラインの策定を進めているところでございます。
 ガイドラインにつきましては、いわゆるパブリックコメントを実施したところでございます。内容といたしましては、発注事業者とフリーランスの取引について、独占禁止法や下請法の適用に関する考え方を整理するとともに、実質的に発注事業者の指揮命令を受けて仕事に従事していると判断される場合など、現行法上雇用に該当する場合には労働関係法令が適用されることを明らかにすること等を内容としております。
 ガイドラインにつきましては、パブリックコメントでの意見を踏まえまして今年度内に策定する予定としておりまして、ガイドラインが策定された際には、内閣官房においてガイドラインの内容を分かりやすく紹介したパンフレットを作成し、発注業者のみならず、フリーランスの方にしっかり届くよう、関係省庁とも連携してその内容を周知徹底していきたいと考えております。

#45
○中野委員 質問できなかったところもありましたが、また次回に回させていただきます。
 以上で終わります。ありがとうございました。

#46
○富田委員長 次に、山岡達丸君。

#47
○山岡委員 立憲民主党の山岡達丸と申します。
 本日は、大臣所信に対する質疑、そして、公正取引委員会の委員長にもお越しいただきまして質疑をさせていただきたいと思っております。
 新型コロナウイルスの感染拡大によって本当に多くの事業者の皆様が厳しい思いをされているということで、そうしたことを中心にした質疑の中身を私も用意させていただいていたんですが、冒頭、どうしても触れなければならないということの中で、大臣に幾つかお伺いをさせていただきたいと思います。
 先日、菅総理肝煎りとされるデジタル庁法案に四十五か所の間違いがあった。そして、僅か二週間のうちに、今度は経済産業省が提出してきた産業競争力強化法案でも二十四か所の間違いがあることが分かった。そして、ほかの法案にも今間違いがあるのではないかということになっているということであります。一体、政府はどうしてしまったのかということを強く感じるわけでありますが、大臣、この件に改めて答弁願います。

#48
○梶山国務大臣 所信の中で、産業競争力強化法等の一部を改正する法律案について、条文案に三か所の誤りがあり、その他についても精査中である旨御報告をさせていただきました。その中で、同じ法案の条文案において、新たに一か所誤りが判明いたしました。さらにまた、要綱、新旧対照条文及び参照条文に、二十か所の誤りが判明をいたしました。
 今回、同一の法案においてこれだけの誤りが二回にわたって判明したこと、国会に法案を提出し、御審議を仰ぐ立場の政府として、誠に遺憾であり、深くおわびを申し上げる次第であります。今後このようなことがないように、しっかりと対応をしてまいりたいと思っております。

#49
○山岡委員 まさに、この委員会の議論でも、コロナの中で中小事業者の皆様が大変厳しいという思いをされている中で、この法案も、言うなれば、コロナ後の社会を見据えた様々な事業環境のありようを経産省としても規定していくという、極めて重要な今回の目玉法案であったと思うんです。
 こうしたことがありますと、経済政策そのものの信用にも関わるということを私は感じるわけでありますが、これは、大臣、原因はどういうところにあられると大臣はお考えですか。

#50
○梶山国務大臣 今回の誤りにつきましては、法律案の作成プロセスにおいて、最終的な条文案の確認が不十分であったことが原因であったと思っております。私が思うに、やはり重層的なチェックができていなかった、第三者のチェック体制、第三者というか、法案を作った人以外、外の目の、外部の、その人たち以外の人たちの目のチェックが十分でなかったということだと思っております。
 こういったことは言い訳にはなりませんので、しっかりと、今後二度と繰り返さないように指導してまいりたいと思いますし、体制もしっかりと整えてまいりたいと思っております。

#51
○山岡委員 過去にはこうしたことは起こってこなかったという中で、今回第三者のチェックが足りなかったということであれば、その原因の、また改善に向けても、私たちもまたいろいろ考えていかなければならないと思うんですが、しかしながら、やはり、国会に提出される法案ということについて、極めて慎重な検討の中で提出をしていただきたいということを強く、この私の立場からも申し上げさせていただきます。
 あわせて、経済産業省が所管する事業、昨年、本当に多くの事業者の方が、この事業があって何とか息をつないだと言われている持続化給付金について、これはあろうことか自民党の熊田総務副大臣の事務所のスタッフが、自民党議員の秘書ということで学生らを集め、セミナーを開催して、これは、私ども自民党としては、このグレーゾーンのところをグレーゾーンとしない方法があるんだという趣旨のことを、基本的に経済産業省のホームページには書いていないものについて、そこは、私は自民党という立場を使って抜け道を知っているのでというような発言もあり、架空の売上げを計上するような、そうしたことが今報道等でもされているところであります。
 これは中小企業庁に伺いますけれども、この抜け道なるものを自民党に、例えば部会等で伝えていたんですか。

#52
○飯田政府参考人 お答えいたします。
 報道については承知しておりまして、事実であるとすれば大変に遺憾だというふうに思っております。
 持続化給付金というのは、あくまでも、新型コロナウイルス感染症の拡大によって大きな影響を受けている事業者に対して事業の継続を支えるということを目的として実施をしているところでございます。こういった制度を悪用した不正受給が多数生じているところでございますので、警察とも連携しながら厳正に対処してまいりたいと思います。
 私どもとしては、国会議員の先生方やあるいはその秘書の方々から問合せを受けることはございます。それに対して、制度に即しての説明を行う場合はございますけれども、中小企業庁からは、給付規程に定める給付要件や審査基準に基づく説明や確認を行うだけでございまして、抜け道を指南するようなことはございません。

#53
○山岡委員 今、与党サイドの席から、自民党の関係者じゃないというような話もありましたが、報道等によれば、この方は、自民党の党員募集等にも関わっておられる、実際事務所にも出入りされていたという方なんです。
 これは、組織が大きければいろいろな人がいるのは事実なんですよ。しかし、その中で、そういう人が見つかったときに、同じ組織の中に出たのであれば、やはりこの問題は真摯に受け止めるべきだと思うんです。何より、新型コロナウイルスの感染拡大の中で苦しむ事業者を政治の手で救おうという中で行われている事業であります。それが、まさかその政治の関係者の中で、かたって、そしてこうした詐欺の行為を働く、これは言語道断であるということを強く感じるわけであります。
 大臣、この一連の経過、どのように考えますか。お答えください。

#54
○梶山国務大臣 私は、できるだけ早く多くの方にこの資金を届けたいという思いで、全省一丸となってこの制度を執行してきたつもりでおります。
 先ほど飯田部長からお話がありましたけれども、特定の方にこういうことがあるというようなことは絶対言っているはずもありませんし、個別のお問合せに関しては制度に沿った上での説明をしているということでありまして、そういった中で、数多くの不正が生じてきているということを大変遺憾に存じております。
 徹底的な捜査と、そして、摘発するものはしっかりと摘発していく、こういった姿勢で関係当局との連携を深めてまいりたいと思っております。

#55
○山岡委員 この方は、自民党を通じて国に六十万円返すとか、メリットは我々自民党とおつき合いできる、ふだん出てこない情報が流れてくるんだとか。勝手に秘書を名のったと言いますけれども、無関係な人ではないということは重ねてお伝えをさせていただきます。
 こんなことは言いたくありませんが、大臣の御所属も自民党であられるわけであります。これは、同じ党の所属の大臣として、こうした詐欺事案が発生しているというのは、これは全体として深く反省すべきことだと思いますが、大臣、そうお考えになりませんか。

#56
○梶山国務大臣 熊田議員は、捜査には全面的に協力する旨のコメントを出しております。ですから、こういったことにはしっかりと政治家自身も、もし疑いをかけられるのであれば協力をしていくということになると思いますし、そういった、これからの人の採用ということが、一般論として、しっかりと確認をしていくということが必要であると思っております。

#57
○山岡委員 我々、本当に事業者の皆様を何とか救いたいという思いで、与党も野党もなく、いろいろなコロナの施策を打っている。こうした中で、この政治の中の関係者からこういう人が出てくるということは、我々、本当にこの委員全員も、厳にまたこのことを深く受け止めて、そして、今後、必要とされている方への支援というのをしっかりと進めていかなきゃならないということを改めてこの場でお伝えをさせていただきたいと思います。
 今、全国の緊急事態宣言が解除されたということでありますが、しかし、感染状況は依然として警戒せねばならない状況となっております。昨日の新規感染者は千四百七十人だということが伝えられました。死者は三十三人だということでございます。感染防止とか生活者支援ということの議論も今国会で極めて大きなテーマでありますが、経済産業委員会でありますので、特に経済対策のことの観点で質疑をさせていただきます。
 お配りさせていただいている資料がございますが、この一枚目は、いわゆる制度融資、コロナの様々な苦難に遭われている中小事業者の皆様に対して実質無利子で融資する、そういう制度に対してのいわゆる申込件数の推移でございます。
 このグラフを見れば分かるとおりでありますが、昨年の四月、五月、ここが大きな山となっています。政策金融公庫だけで二万件を超えるときもあり、また民間と合わせて三万件を超えるときもある。これは経済産業省に作っていただいた資料なので、せっかくなのでここでお配りさせていただきましたが、こういう状況から、今、今年の三月に入ってきて、この民間のいわゆる金融機関の制度融資が三月いっぱいだということで、若干、民間は少し融資の申込みが伸びているけれども、政策金融公庫、政府系はほぼほぼ下に張りついた申請件数であるということであります。
 この表の見方として、現にもう資金需要がなくなっているんだという考え方もありますが、しかし、私たちが地域の中で歩かせていただいて、あるいは事務所に寄せられる声として、やはり今なお、このタイミングになって、資金繰りが大変厳しい、そういう御相談をいただくわけであります。
 そして、トータルの統計ではありませんが、少なくとも私の事務所の元に、政策金融公庫に申込みを持っていったけれども、事前の相談の段階で、これは申込みできませんねということを、まあ、一方的にといいますか、説明を受け、そして申請、申込みする方は、情報に格差がありますから、ああそうなのか、申請できないのかということで、そこで諦めてしまうというようなケースも複数聞こえてくるという状況であります。これは昨年の三月、四月等もないわけではなかったんですが、しかし、今、肌感覚としては、こういう話がやはり少し増えているんじゃないかということを感じるわけであります。
 そのことを踏まえたときに、この融資申込みの件数が今極めて、このピーク時に比べて少なくなっているというこの現場で、借りたいと、本当に必要としている、コロナの中で厳しい影響を受けたという人が借りられなくなってしまっているんじゃないかということを強く懸念するわけであります。
 大臣、これは制度融資ですから、省を挙げて今、中小企業、零細企業も含めてコロナで倒産するということをもうできる限り防いでいくという中でこの制度が走っている中で、よもや現場で、そういう相談の段階で融資を断るとか、あるいはさせないように誘導するというような行為は行われていないと思っておりますが、大臣から、そういうことがあってはならないということを改めて伺いますが、いかがでしょうか。

#58
○梶山国務大臣 委員おっしゃるように、あってはならないことであると思っておりますし、金融機関、政府系の金融機関には折に触れて私と金融担当大臣名で文書を発出して、条件変更等の申込み等もしっかりと相談に乗るようにということも指導しているところであります。
 昨年の四月から六月にかけてピークになっておりますけれども、四月に大変多かったんですね。そして、五月から、政府系金融機関の窓口だけでは足りないということで、異例のことではありますけれども、民間に窓口を広げて制度融資をさせていただいた。そして、昨年の年末から今年の年度末にかけては、今度は条件変更について様々なものの相談が来ているということも承っております。
 また、資金需要につきましても、短期の資金需要というよりも、今度は資本を強化するためにどうしたらいいのかということで、資本性の劣後ローンということで新たな役割というものをまた政府系金融機関に担ってもらうことにしたところでもあります。

#59
○山岡委員 大臣から、あってはならないという御発言をいただきました。
 この政府系金融機関の制度融資は、今、六月までということになっております。この一、二、三月、また、緊急事態宣言が長引いたということもありますが、感染拡大の状況を鑑みれば、これから、これまでは何とか耐えてきたけれども、いま一度借りるということを考えたいという方もいれば、一回借りたけれども予測していたよりもずっと長く厳しい状況が続いているという方もいらっしゃろうと思います。こういうことに関しても、例えば多額の債務を持っているとかいうような、通常であればなかなか金融機関に御相談に行けない方もいる中で、政府系金融機関という役割を果たしていくために柔軟に対応していくということを、ちょっとこの場で、また大臣、発言いただけますか。

#60
○梶山国務大臣 個別いろいろな状況があると思いますけれども、できる限り柔軟に対応してもらう。例えば借換えの相談も含めてそういう形にしていただく。さらにまた、据置期間、皆さんできるだけ早く返したいということで、長い据置期間があるんですけれども、短期の据置期間を選択している人が数多くいらっしゃる。そして今、条件変更したいという方がおいでになりますので、そういった件につきましては、柔軟に丁寧に対応するようにということで、文書を発出しているところであります。

#61
○山岡委員 大臣から御発言いただきましたので、我々も、地域を歩かせていただく中で、しっかり、そういった金融機関、特に政府系金融機関のおかしな事案がないように、これは目を光らせていきたいと思いますので、是非その際にはまた御指導賜りたいと思っております。
 あわせて、今回経産省が提示されております支援策の一つ、緊急事態宣言に伴う一時支援金についてまた質疑をさせていただきたいと思います。
 これは、お配りさせていただいた資料にもありますが、これは経済産業省の資料でありますが、今年一月から三月において、昨年又は二年前と比べて売上げが単月五〇%減になっているというところで、そして、緊急事態宣言エリア内はもちろんですが、特に影響を受けたエリアを中心に、法人最大六十万、個人事業主で三十万というのが給付されるということで、一見すると昨年行われた持続化給付金に近いイメージを持つわけでありますが、この緊急事態宣言に伴うというところの手続が、結論から言えば大変分かりにくいという状況になっています。持続化給付金は、今思えば、ずっとシンプルな申請であったというところでありました。
 申請件数について経産省に昨日確認しましたが、持続化給付金は二週間で九十六万件あった、一時支援金は二週間で二万件であると。もちろん、経済情勢も昨年と違いますし、単純に比べるものではないのは分かっていますけれども、しかし、私たちの肌感覚として、今年の一月から三月、あるいはその前、前後もそうですが、本当に厳しいという方の声というのは、昨年の四月、五月に負けず劣らず、本当に多かったということを感じる中で、九十六万件と、影響を受けた人が二週間で二万件しか申請できていないというこの現状は、まさに、これは申請をちゅうちょされている方が多くいらっしゃる、あるいは申請できないものと認識されてしまっている方が、本当は当たるのにもかかわらず、そういう支援が当たらないものだと感じている方がいらっしゃるんじゃないかという数字を端的に表しているんだということを強く感じるわけであります。
 経済産業省の中小企業庁に伺いますが、例えば、私の今活動しているエリアは北海道なんです。北海道は緊急事態宣言が出された地域ではありませんでした。しかし、本当に人の移動がなくなって、多大な影響が出ている地域でもあり、緊急事態宣言の影響を受けているんだけれども、この一時支援金は自分とは無関係なんじゃないかということも感じている方がいらっしゃるわけであります。
 これは改めて確認しますけれども、北海道は、緊急事態宣言エリアでなくても、飲食事業者などのいわゆる関係事業者ですね、この一時支援金が申請ができるんですか。お答えください。

#62
○飯田政府参考人 お答えいたします。
 一時支援金の申請につきましては、影響を受けた地域というか、どういった方々が申請できるかということについての保存書類についての考え方がございます。この保存書類をどうすればいいか分からないといった事由によって申請するか迷うケースがあるということもお伺いしております。
 先週十八日に経産省のホームページを更新いたしまして、宣言地域以外で特に外出自粛の影響を受けている旅行関連事業者が申請するに当たって必要となる保存書類の例として、宣言地域外で特に外出自粛の影響を受けている地域であることを示す統計データ、V―RESASの分析結果を公表させていただきました。
 この結果によりますと、北海道につきましては、ただいま御指摘ありました胆振、日高地域を含む道内全域が、旅行客の五割以上が宣言地域から来訪している週が存在する地域に該当しております。したがいまして、北海道に所在する旅行関連事業者につきましては、この分析結果を保存書類としていただくということが可能となっております。

#63
○山岡委員 今の答弁を整理しますと、北海道全域は、旅行関連事業者として認定される事業者については、その統計データを持っていれば申請が可能だということですね。端的にもう一回お答えください。

#64
○飯田政府参考人 売上高五〇%減などの要件が別にございますけれども、そういった要件を満たせば申請可能でございます。

#65
○山岡委員 今明確に御答弁いただきましたので、私の地域でも、多くの事業者に中小企業庁も改めてこういうことを伝えているということを伝えたいと思いますが、北海道以外のエリアも、恐らく、当たるのにもかかわらず当たらないものだと勘違いされている方が多くいらっしゃる。そして、その方たちも間違いなくこの緊急事態宣言の影響を受けているという実態がありますので、本来必要とされる方に届かないということであれば制度として大変な問題でありますので、これは中小企業庁としても対応を是非考えていただきたいと思います。
 あわせて、今、旅行関係事業者という表現を使いましたが、これは、旅行という表現が入っておりますけれども、経済産業省の資料によれば、飲食事業者というのが基本的には該当するんだということが書かれています。そしてまた、宿泊業はもちろん、旅行、運送とか、そうした関係者に、事業者そのものももちろんですが、そこに、いわゆる売買をしている、物、サービスを売買しているようなところも全て当たるんだということを考えれば、かなり広い方が本来取れるはずだということの中で、申請件数が、持続化給付金九十六万件に対して二万件、この二週間でというのは、やはりその周知が十分じゃないということを感じるわけであります。
 もう一点、このことについて非常に私が問題だと感じる点を伺いたいと思いますが、この旅行関連事業者、そして、そこに物、サービスを入れている事業者以外の方でも、この一月に人の移動がかなり減ったことによって影響を受けている事業者の方というのはいらっしゃいます。
 具体的な事例を言えば、この時期は、例えば成人式がございました。成人式があれば、帰省する若者たちがたくさんいて、当然、美容、理容、需要が高まりますし、あるいは、はかまとか振り袖とかレンタル、そうした呉服の小売等も含めて、そうした需要というのは例年見込まれる。こうした方々が、今回、この経済産業省の資料によれば、旅行関連事業者じゃないんだ、その他の事業者に入るんだと。その他の事業者に入りますと、過去の取引履歴の中で、緊急事態宣言エリアから来たということが複数回あることを証明しなければならない、本人たちが。
 しかし、ごくシンプルに想像力を働かせていただければ、成人式のときに、皆若者が来て、いろいろそういう、それに向けた理容、美容、アパレル等を含めた呉服、服飾等を含めて、そうした方々が、昨年、おととし、この人は東京から来ていました、この人は大阪から来ていましたというのをつぶさに記録をして残しているという実態は、そうした方が多くないというのは、私たち誰もが想像できることであります。
 しかし、この制度では、四角四面にその他の事業者としてしまっている関係で、そうした方々が、この緊急事態宣言エリア外である場合は、まさに影響を受けているのにもかかわらず受けられないということになるんじゃないかということを、制度上、これははっきりしてしまうわけであります。これは大きな問題だと思います。
 これは中小企業庁にも伺いたいんですが、大臣がいらっしゃるので大臣にお伺いしますが、本来、この一時支援金、緊急事態宣言に伴う一時支援金というのは、まさに、エリア内外を問わず、影響を受けて五〇%減になった方、事業者、全ての地域、全ての方が対象になって取れるというはずの中で、そこから、そうした事情によって申請ができないような方がいらっしゃるというのは、これは制度として見直すべきじゃないですか。いかがでしょうか。

#66
○梶山国務大臣 まず、特定の地域の時間短縮、そして外出、移動の自粛という中で今回の緊急事態宣言が行われているわけでありますが、そこと取引しているところには、しっかり、要件を満たせばこの一時金をお支払いしましょう、さらにまた、移動の自粛、外出の自粛ということで、そういった影響を受けているところにもお支払いしましょうということなんですけれども、旅行は一まとめで、その移動ということも含めて、それに関連業種ということでさせていただきましたけれども、ほかはどうしてもやはり証憑が必要になるということなんですね。
 ですから、昨年でなくても一昨年でもということで、数値の資料であれば数値の比較ということで、一昨年であれば五〇%減ということも分かりやすいということもあるでしょう。そこまではさせていただいたわけでありますけれども、緊急事態宣言地域から来ているかどうか。例えばほかの地域からの帰省ということもあるかと思いますけれども、そういったことも含めて、ある程度の証憑がないとこういったものはお支払いはなかなか難しいなというのが、私、今思っているところであります。無制限ということじゃないんですね。
 そして、今回は、持続化給付金とは違って、起因するものがあってお支払いをするということですから、そういったことも御理解をいただきたいと思いますし、ただ、証憑があれば必ずこれはお支払いをさせていただきます。

#67
○山岡委員 大臣、私が申し上げたいのは、経済産業省は、飲食業を含め旅行関連事業者とされる、経産省が区分した業種に関しては、そのエリアがまさに五〇%、県外、道外から来る人たちの五〇%以上が緊急事態宣言エリアであれば、その資料だけをもって申請ができるとしているんですよ。
 この月というのは、おおむね一月の比較が多いんです。一月を比べると、大体どこの地域も五〇%以上が緊急事態宣言のエリアのところから旅行者という形で来ている方が多い。これはなぜかといえば、帰省の方が多いからですよ。この参照にしている統計データそのものが、一月を参照にすることで多くの地域が該当するという現実があるんです。その一月というのが、まさに成人式とか、そういう若者が来て、理容、美容、あるいは、はかまとか振り袖とかそういうレンタルとか含めて、人が直接来ることによって成り立っている事業者の皆様がその影響を大きく受けているんです。まさに緊急事態宣言の影響なんですよ。
 ところが、飲食業の皆様は旅行関連事業者のカテゴリーだからその資料だけでいいのにもかかわらず、同じく影響を受けているそういう方々は、過去の、いわゆる来ている人が分からないという段階で申請できないんじゃないか、そういう強い問題が出てくるわけですよ。
 ですから、見直すべきだ、あるいは措置を追加するべきだと思います。いかがですか。

#68
○梶山国務大臣 課題として受け止めておきます。

#69
○山岡委員 私は、こうした真に影響を受けた人というのは、この一時支援金の趣旨、目的からいえば、やはり誰もが混乱することなく迷うことなく取れる、それが今の制度のあるべき姿だと思いますので、このことは強く改めて申し上げさせていただきたいと思いますが、あわせて、このような複雑な制度になるぐらいであれば、私は、持続化給付金、これを再びやるべきだと思います。再支給する、これが一番シンプルな、多くの方が売上げのみに着目して、この長期化するコロナの中で厳しい思いをしている人たちが、この申請を改めてして、そしてまた一息つくという中で、一番いいやり方だと思っております。
 大臣、この持続化給付金、もう一度やるというお考えはありませんか。

#70
○梶山国務大臣 これは政府全体で議論をした結果でありまして、今回の緊急事態宣言は、これまでの経験に基づいて、飲食につながる人の流れを制限する対策等に重点があるわけであります。支援策についても、昨年との違いを、持続化給付金との違いを踏まえる必要があると思っております。
 こうした観点から、コロナ本部の取りまとめを踏まえて、新型コロナウイルス感染症の影響により売上げが減少した全国、全業種の幅広い事業者を対象とする持続化給付金ではなくて、緊急事態宣言地域における飲食店の時短営業や、外出、移動の自粛の影響を受ける事業者を念頭に、一時支援金を給付するという対応を取ったわけであります。できるだけ多くの方を対象としたいという思いは同じであります。そういった中で、できる限りの手は尽くしているつもりであります。
 ただ、委員から御提案もありましたので、しっかりと、一つの提案として受け止めさせていただきます。

#71
○山岡委員 私たちは、議員立法を、この持続化給付金再支給法案というのを既に提出をさせていただいております。与党の中にも、この持続化給付金再支給というのに賛同される方も多くいらっしゃると聞いております。政府がそのような姿勢であるのであれば、私は、議会として、この経済産業委員会の意思として、与野党を超えて、この再支給を、法案を可決して決めるべきだと思います。是非、与党の皆様にもその御協力をお願いさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。

#72
○富田委員長 次に、山崎誠君。

#73
○山崎委員 立憲民主党・無所属の山崎誠です。どうぞよろしくお願いします。
 貴重な質問の機会ですので、早速質問に入りたいと思います。
 今日は、東京電力から小早川社長にもお越しいただきました。緊急事態でございますので、是非お許しをいただきまして、御答弁いただければと思いますので、よろしくお願いします。
 月曜日、二十二日に、私、東京電力福島第一原発事故の現場にまた行ってまいりました。定期的に通わせていただいております。率直な感想、まだまだ厳しい廃炉作業、先がなかなか見えない状況というのがやはり続いていると思います。
 デブリの取り出し、このお話もいろいろお聞きをしましたけれども、まだまだ、本当の本体のところをどういうふうに取り出すのかというのは、めどが立っていないのではないかなという印象を受けました。
 それから、余震、今続いて起こっている、その影響も出ている。報道によれば、冷却水を増さなきゃいけないんじゃないかというような話も出てきている。
 汚染水の問題もあります。廃炉作業が進めば進むほど放射性廃棄物が増えていく。これをどういうふうに保管をし、そして最終処分に持っていくのか。大変な課題がまだまだ山積です。
 それから、私も立ちましたが、百マイクロシーベルトを超えるような空間線量。我々が通ったところですらそうです。作業員の皆さんのところは更にその何倍もの空間線量。そういうところで被曝労働を強いられているという実態があるというふうに思います。一日三千五百人の方々が大体、それを超えるような方々がお仕事をしている。これが、皆さんの計画では四十年、五十年。これはそれで終わらないかもしれない。場合によってはもう百年と。もう我々の誰も生きていないところまで、この廃炉作業というのは続く。こういう現実であります。
 それから、まだ三万五千人も超える避難者の皆さんもいらっしゃる。福島県では、ふるさとの喪失、それから分断、そういったものが深刻化していると思います。まだまだ深い。
 こういう事態を、我々は、十年を機ということで、それだけではありません。日々日々、これを本当に考えていかなければいけない。二度と、使い古された言葉かもしれませんけれども、二度とこうした事故を起こしてはいけない。これが最大の教訓なはずであります。
 絶対安全がない以上、この原発依存というものに関しては、私は、早く脱していく、その道を探るべきだというふうには思いますが、今日は東京電力の皆さん来られているので、原発をどういうふうにこれから、皆さんは動かしたいと思っているのかもしれませんが、どう管理をしていくのかという視点で御質問をさせていただこうと思います。
 私の大前提は、やはり、この原発事故の教訓というものを片時も忘れてはいけないということだと思います。
 それで、昨日の小早川社長の報道陣の取材に対するお答えが出ておりまして、ちょっと前後関係がよく分かりませんが、安全に対して、様々な問題が起きていることに対して答えられました。一言で言えば安全に対するおごりや過信があったんだと思うとおっしゃっています。
 この安全に対するおごりや過信というのは何ですか。私はこの言葉の意味が分からないんです。ちょっと御説明いただけますか。

#74
○小早川参考人 東京電力ホールディングスの小早川でございます。
 まず冒頭でございますが、震災、福島原子力発電所の事故から十年を経過し、今なお福島の皆様、広く社会の皆様に多大なる御負担と御心配をおかけしておりますことを、まず心からおわびを申し上げたいと思います。
 私は、緊急事態宣言が明けましたので、昨日、福島第一原子力発電所の方に出向き、先般二月十三日の福島県沖地震、また先日土曜日の宮城県沖であった地震なども含めて、しっかりと現地を見た上で、改めて社員に訓示をし、また報道陣の対応をさせていただきました。
 その上で、私は非常に、今回、一連の柏崎刈羽で起こっている事案も含めて、また、福島第一で、二月十三日の日に起こった地震の際に地震計が故障したままになっていたりとか、タンクのずれなども含めて、地域の皆様の方に公表が遅れたことなどについても大変重く受け止めております。私が社員に対して申し上げたことは、福島が原点である、私どもの反省と教訓にしっかりと立ち返って、安全に対して真摯にこれまでも取り組んできたことについて、もう一回見直す必要があるということを社員に訴えました。
 その上で、福島第一の事故の反省と教訓の本質は何かというふうに記者の方に問われましたので、最大の要因は、これで安全は十分確立したというふうに当時考えていた、そこの背景にはやはり安全に対するおごりや過信があったのではないかと。
 これを重要な我々の福島の反省と教訓に対する原点と捉えて、これまで取り組んできました。ただ、先ほどから申し上げておりますとおり、様々な事案が起こっていることに関して、もう一回この原点に立ち返って、しっかりと原因究明をして、抜本的な対策を打つことが必要だというふうに考えている趣旨で申し上げたところでございます。しっかりと進めてまいりたいというふうに考えております。

#75
○山崎委員 おごりと過信があったと。今、じゃ、このおごりと過信はどこに行ったのか。今あるのかないのかがやはり問われていると私は思うんですよ。今回のこのセキュリティーに関する不正事案を見る限り、まさに安全に対する油断というか意識の欠如、これは甚だしいと思います。
 資料をつけましたが、まず社員によるID不正使用というのがありました。これはすごく詳細、いろいろ書いてあるんですね。
 これは、何度も質問にも取り上げられて、ほかの委員会でも取り上げられていますので、中身は省略しますが、社員Aさんは、自分のIDカードがなかった。隣のロッカーに入っているBさんのIDを持って、そしてそれを使って中に入っていく。結局、中央制御室まで人のIDカードで入ってしまったという、簡単に言えばそうですよね。その過程では様々なチェックがあるにもかかわらず、中まで入れているということです。
 このAさんなんですけれども、どう考えても、まず一つは、自分のIDで、なくなってしまったら、自分のIDがないということをちゃんと宣言をして、その日は作業ができないのか、適切な手続をするというのが筋ですよね。普通に、常識に考えてそうだと思うんですよ。それがまず一点。何でその常識がこのAさんは欠如していたんですか。
 それから、第二点。私はこっちの方がもっと重大だと思うんですけれども、Aさんは毎日入っているわけだから、最終、何らかの、例えば生体認証か何か分かりませんけれども、Bさんのカードでは入り切れない部分があるというのは分かっていたと思うんですよ。Bさんのカードでは入れない。写真のチェックは通れるかもしれないけれども、最終、生体認証か何か分かりませんが、チェックがあるから入れないと思ったはずなんですよ。でも、そのカードを持って入って。入れると認識をしたから入ったんじゃないですか。だから、最後のチェックは、何とかやれば、あの操作をやれば中に入れるということは分かっていたわけです。あの人に言えばそれをやってくれると分かっていたんじゃないですか。その意識というのは、おごりとか過信とか、そう言っている問題じゃないですよ。
 どう思いますか、この二点。何でAさんは無理してそこまで入らなきゃいけないのか、入ったのか。それから、Aさんは、中まで入れる、そういう認識を持って、Bさんのカードを使って入ったというこの事実、どうですか。

#76
○小早川参考人 御質問にお答えいたします。
 三月十日に本ID不正問題の原因について原子力規制委員会に改善計画を報告させていただいておりますが、まず、関係職員へのヒアリングや、発電所長による社員との対話などを通じて、根本原因の究明を行ってまいりました。
 それらを踏まえ、三点、重要な原因があると考えております。
 一点目が、厳格な核物質防護のための手段の不足でございます。これは、例えば認証情報の再登録のプロセスなどが不十分であったということでございます。
 二点目が、先生からの御質問にもありました、核物質防護の重要性に対する理解不足があったというふうに考えております。核物質防護のルールの遵守より、カードの紛失を隠すこと、遅刻しないことを優先してしまったというふうに、行為者のヒアリングがなされております。
 また、三点目は、厳格な警備業務を行い難い組織文化、風土があったのではないかということでございます。これは、施錠の不徹底であるとか、また、警備側から見た東電社員への遠慮、警備員への過去の様々なクレームなどがあった、こういったものだというふうに分析しております。

#77
○山崎委員 今御説明あったのは、三月十日に提出された報告書の中身だというふうには理解していますが、これは文面で書くのは簡単ですよ。文章にするんだったら、私でも書けるかもしれない。だけれども、組織としてこれを徹底させることが、これからどのぐらい皆さんにできるのか、私は大変疑問です。
 その先にありますよね。深層にある組織面の要因ということで、管理者の現場実態把握力の弱さだとか内部脅威に対する意識不足だとか、もう組織からそうなって、問題があるということを自ら認めていらっしゃるわけですね。
 これは、時間があれば更田委員長にも見解をお聞きしたいんですが、こういう整理で、今お話ししたようなIDの不正の経緯というのは私は説明し切れないんじゃないか、そのように思っています。対策がこれで本当に打てるのか、大きな疑問があるということを指摘しておきます。
 そして、この核物質防護というブラックボックスを何とかしなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。
 更田委員長が三月十一日の職員への訓示の中で述べられている、情報の扱いが厳しく制限される核セキュリティー事案については、多くの目による監視が不可能であるからこそ、委員会の関与を強めておくべきでしたというお話をされています。
 例えば、今の事例を見ますと、資料一はIDの不正使用の事案です。次のページは、核物質防護設備の機能の一部喪失事案ということで、赤が、レッドカードが出た事案ですよね。
 これを読み比べて、私は非常に違和感を覚えるんですよ。
 資料の一の記述は、私、かなり詳細だと思うんですよ。Aさんが出てきて、Bさんが出てきて、Cさんが出てきて、どういうことが行われてというのが詳細に書かれている。だけれども、この資料二の方の、より重大な案件については、これしか書かれていないんですよ。何も分からないんです。
 私は、テロ対策というものが必要だというのは分かります。もちろん、出せない情報もたくさんあるのも分かります。でも、じゃ、ブラックボックスにしていいのか、ブラックボックスのままで国民の信頼を得られるのかどうか。これだけ問題事例が起こっていて、この核物質防護という言葉を隠れみのにして、いろいろな問題が隠れているんじゃないかと、私はそれがすごく心配です。
 それで、私は更田さんにお聞きをしたいんですが、お言葉の中で、今お話しになったように、このブラックボックスの問題については触れられている、関与を強くすべきだったとおっしゃっています。片や、規制のとりこのところの話では、突き放す姿勢と言っているんですよ。
 これは私は矛盾するんじゃないかと思うんですよ。関与を強める、突き放す、どっちなんですか。私は、今のこの東京電力の体制では、突き放して、お任せして、改善ができるとは思えないんですよ。いかがですか。

#78
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。
 余り長く解説はいたしませんけれども、突き放す姿勢というのは、何かが起きたときに規制にも足らざるところがあったのではないか、こういう、考えることは必要ですけれども、全ての不始末やトラブルに、規制が事業者の責任を分担してしまうかのような姿勢、規制と事業者の一体化というのはまさに規制のとりこだと思っています。
 ですから、その責任に関しては、今まさに私たちは東京電力の責任を追及しなきゃならない立場ですから、そういった意味では突き放す姿勢が必要だと思っています。
 一方で、核物質防護事案に対して規制委員会が関与を深めておくべきであったというのは、規制庁の現場は核物質防護事案の詳細情報に触れて、そしてその評価を進めている段階で、その結果を規制委員会は受け取るという形にしていましたけれども、初期段階から規制委員会は規制庁の活動に深く関与しておくべきであったという意味で申し上げたものでございます。

#79
○山崎委員 更田委員長の思いは私は一定理解をしますが、規制庁の皆さんとの議論をしていると、幾つか疑問が湧いてくるんですよ。
 私は、規制のとりこと言っているその中身が、原子力発電所を動かさなければならない、例えば政府がそういう方針を掲げている、それに対する忖度で動いているんじゃないかなと。何とか動かせるように、動かす方向も考えながら、何とか規制との整合性を取りたいんじゃないかな、そういうふうに考えているのではないかと。これは否定されても構いません。
 例えば、資料三を見ていただくと、これはIDカードの不正使用の事案の委員長に上がったタイミングが遅過ぎるという話です。去年の九月に不正が報告があったにもかかわらず、委員長に上がったのが一月。
 その下に、原子力発電所の設置、運転する適格性の審査が実は十月に行われていて、その審査の過程にはこのID不正の話は入っていない。事後的には問題ないよとお話がありますが、こういうことを見ると、これは新潟の地元の皆さんが抱いている疑惑です。検査やっているから、適格性を今検査しているから、だから、それにマイナスになる情報は抑えておこう、そういうふうに取られているんですよ。
 これをどうお考えですか。私は、規制のとりこ、原発を動かさなきゃいけない、その忖度のとりこになっているんじゃないかと思うんですよ。

#80
○更田政府特別補佐人 規制のとりこについては国会事故調でも厳しい反省点として挙げられたわけですけれども、規制のとりこになっていくメカニズムというのは複数あると思っています。
 必ずしも事業者に寄り添ってしまうことだけが規制のとりこだけではなくて、先生御指摘のように、政府内にある原子力を推進する部局との間の関係だって、そちらに忖度が働けばそれも規制のとりこでしょうし、もっと私が強い懸念を持っているのは、これは規制に限らないですけれども、何かトラブルが起きたときには、そのトラブルを小さく見たいという気持ちが働く。現に、こうやって、東京電力の不始末があったら規制委員会も規制庁も大騒ぎになっているわけで、当然のことながら、自分が知ってしまった物事を小さく捉えたいという意識が働いてしまう、これもある種の規制のとりこのメカニズムだと思っています。
 したがいまして、私たちは確かに独立した規制機関としての立場は得ましたけれども、規制のとりこのメカニズムは幾つもあって、独立したからといって規制のとりこのおそれはなくなったとは考えておりません。そういった細かい要因について常に自省すること、それから御批判なり御意見にお応えすることが、規制のとりこを防ぐ唯一の手段だというふうに思っています。

#81
○山崎委員 更田委員長にあえてここは確認をしたいんですけれども、今のお話で、安全が確保できていなければ、たとえ、例えば電力が逼迫する、厳しい、そういう声が上がる、あるいは電力会社から経営が厳しいんです、動かさせてくださいというような声が上がっても、そんな声には忖度をしない、安全は守る、そういうお考えでよろしいですね。

#82
○更田政府特別補佐人 今先生がおっしゃった姿勢が、まさに国会での立法を通じて、私たちの設置法を通じて、私たちに与えられた責務だというふうに認識をしております。

#83
○山崎委員 私は、残念ながら、規制庁の皆さんとお話をしているとそういう疑念を持つんですよ。
 例えば、これからちょっとお話をしますね。新しい原子力の規制検査というお話が出てきました。この中で、更田さんがおっしゃっている、これは三月十一日の訓示の中にございました。検査がマニュアルどおりに進められたら、検査はどんどんチェックリスト方式に戻っていってしまいます、新検査制度のポイントは、あらかじめ決められたものにとらわれることなく、検査官それぞれが自らの知識、経験、理解に従って枠にはまらない検査を行うことですというお話をされました。
 私は、ID不正の話を聞いたときに、白のカテゴリーになって区分二だ、軽微な劣化というカテゴリー、これはおかしいんじゃないかと。先ほど言ったような、大変いろいろなエラーが、不正が重なっている事案で、何でこんな評価なんだというお話をしました。
 そうしたら何と答えたかというと、検査ガイドの四十四番、このガイドに従って検査をしました、リストがあってチェックをしました、そうしたらこの点数になったんです、この制度は、全体、アメリカの制度を倣ってやっているので正しいんですと言うんですよ。
 これは更田さんが言っていることと全然違うことを現場はやっていますよ。

#84
○更田政府特別補佐人 お答えをいたします。
 まず、規制庁の現場は、最初に下した評価というのは白ではなくて緑だったんです。緑事案だと考えたので、すぐには委員会に報告する必要がないだろうという判断をしてしまいました。その事案の報告を受けて、委員会が共にその評価に加わって、白という評価を下したのは規制庁ではなくて、規制委員会として白という評価を下しています。
 これは、元々入域資格を持っている人間が入ったということで、事案が与えた危険度を鑑みたときに、ルールに照らして白という判断をしたものであります。

#85
○山崎委員 だから、そのルールに従ってというのは、チェックリストにあって、だから、更田さんが言っているチェックリストなんですよ。私はそう聞きましたよ。ガイド四十四にはチェックリストになっているわけでしょう。いいです。次、行きます。
 例えば、フリーアクセスという話があります。フリーアクセス、日常的な検査を行っていますという話がありました。じゃ、例えばこの保安のセキュリティーのチェックも毎日行われているんですねと確認しました。どうですか、行われていませんよ。毎日行われているのは安全の面で、セキュリティーのチェック、保安に関する検査は行われていないんですよ。フリーアクセスといったって行われていないんです。年一回か二回計画された保安の検査チームが行く検査が保安セキュリティー上のチェックなんですって。それで本当に今回のような事案を見つけることができるんですか。
 私は、フリーアクセス、抜き打ちで検査ができる、緊張感が漂って、いい体制になったのかなと誤解していましたけれども、保安検査はそういう状況だということ、保安上のセキュリティーに関するチェックはそういうことだと。
 それから、事例でいくと、例えばID不正の問題、ID不正の問題が発覚をして、検査チームが行きました、ID不正の問題について検査をして、その後、セキュリティーのチェックをやったと聞きました。そのときに、何で、この設備の不備の、よりレッドカードが出た事案について、見つけられなかったんですか。検査チームは、何で、こんな重大な設備の不備を、検査に行って見つけられなかったんですか。
 もっと言います。時間がないので、もっと言いますよ。結局、事業者任せなんですよ、皆さんの検査は。事業者が上げてこなかったら、チェックできないんですよ。そうじゃありませんか。法律にもそう書いてありますよ、事業者が一義的に責任を持つと。

#86
○更田政府特別補佐人 まさに先生がおっしゃるように、事業者が一義的な責任を負っています。
 その上で、検査で全ての機器について、個別に、個々に確認をするということは不可能ですし、そうあるべきだとも考えていません。私たちは、彼らが彼らの責任を果たす仕組みをしっかり見張ろうとしています。
 ID不正利用で検査に行ったときに、その他の事案について見つけられなかった。全ての機器を、周りに数百ある、数千あるか、僕は数を申し上げられませんけれども、全ての機器をその検査のときに見に行くわけではありません。
 繰り返しますけれども、あくまで一義的責任は事業者にあって、個々の機器一つ一つについて、私たちが確認をする義務を負っているとは考えておりません。

#87
○山崎委員 ということは、東京電力に今回の場合では全責任があるということですね。
 では、この核物質防護規定違反、遵守義務違反なんですかね、これはどういう処置を取られるんですか。法律上取れる処置、時間がないので、私が調べてお聞きをした内容で、まず、防護規定の変更命令、核物質防護の是正措置等の命令、核物質の防護の管理者の解任、それから、原子力発電所の設置許可の取消し又は一年以内の期間を定めた運転停止、私の理解ではこの四点の処置が法律上取れるはずですが、このうちのどれを、この後、千時間チェックしてやるというんでしょうけれども、このどれをどういうふうに対応として取っていくのか、お聞かせください。

#88
○更田政府特別補佐人 お答えします。
 今の時点で、どの措置も、その可能性は排除するものではありません。そして、まず、今の段階でどういった措置を取るのかというのは、今この時間に開催をしております原子力規制委員会で、私、これ、戻りましたら参加いたしますけれども、その委員会で、公開の席で議論をした上で決定をしたいというふうに考えております。

#89
○山崎委員 私は確認をしたいんです。
 設置許可の取消しまで含まれた範囲で今回の事案は見ていただきたい。この事案は、単に設備の話だけではなくて、IDの話もありますよ、それから、その後の工事の関係の未完了の話もありますよ、福島の第一の原発の地震計の問題もあります、こうしたことをやはり総合判断しなきゃいけない。
 最後に、梶山大臣。
 こういう状況の中で、原発、どういうふうにエネルギー基本計画の中に書き込んでいくのか。現在のこの調査も進まない中で、ほかの会社にもいろいろ調査をかけていらっしゃるというお話は聞きました、本当はお聞きしたかったんだけれども。そういう状況の中で、エネルギー基本計画にどういうふうに原発を書こうと思っていますか。もう間もなく決めなきゃいけない。

#90
○梶山国務大臣 エネルギー基本計画につきましては、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会において、今議論をされているところであります。今回の事案につきましても、紹介をした上で議論をしていただくつもりでおります。
 そういった中で、原子力の役割、またエネルギーの比率というものが決まってくるものだと思っております。

#91
○山崎委員 最後にしますが、更田さんは、安全でなければ許可しないと言っている。その安全が確保できるか分からないんです、今。少なくとも柏崎刈羽は分からないんですよ。そういう中でエネルギー基本計画を作るときには、原発はそういう扱いをしていただかなければいけないと思いますよ。
 終わります。

#92
○富田委員長 次に、宮川伸君。

#93
○宮川委員 立憲民主党の宮川伸でございます。
 今日は、新型コロナウイルス感染症対策について議論ができればと思っております。
 長引くコロナウイルスの影響で、本当に多くの事業者の皆様方が厳しい状況にあるということです。そういったことも含めて、一月に起こった第三波のようなものがもう本当に二度と起こらないように、皆で知恵を出して、対策を取っていく必要があるというふうに考えております。
 そういった中で、我が党は、ゼロコロナ政策というのを提案しております。中途半端なウィズコロナ政策で感染がまた起こってしまうような状況にならないように、まずはしっかり命を守る、しっかり感染を抑えて、その間は補償もしっかりするということを提案させていただいておりますけれども。
 二十二日から緊急事態宣言が解除をされたということであります。今、感染の状況が微増の状況で、特に変異株が確実に増えているという状況の中での緊急事態宣言解除ということで、私は大変懸念を持っているところでございますけれども、やはり、事業者を守っていくという上で、この緊急事態宣言は非常に重要なポイントだと思いますが、大臣は、この緊急事態宣言解除についてどのような見解をお持ちでしょうか。

#94
○梶山国務大臣 まず、緊急事態措置を実施すべきか否かというのは、基本的対処方針に示されているとおり、特に、新規感染の状況、医療提供体制の整備の状況、感染拡大傾向を早期に発見し対応できる監視体制の整備の状況の三点を踏まえて総合的に判断されるものであります。
 その上で、今回の緊急事態宣言の解除につきましては、西村担当大臣からも説明があったとおり、病床の使用率が安定的に下がってきており、ステージ3相当ということが確実になっていることに加えて、PCR検査の能力が大幅に拡充される、病床の確保も進んでいるなど、感染を抑制できる力が向上しているためであると承知をしております。
 こうしたことについて、専門家で構成される基本的対処方針等の諮問委員会で了承され、その後、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部で決定をされて、解除は妥当であったと考えておりますが、やはり経済の状況というものもよく考えていかなければならないと思いますが、緊急事態宣言、何度かやっていくうちに、やはりそれぞれの個人もしっかりと感染防止対策というものも身につけていかなければならないと思いますし、あわせて、政府としては、先ほど申しましたように、病床の体制、医療の体制、そしてワクチン、そしてPCRの検査というものをしっかりとやっていくということだと思っております。

#95
○宮川委員 病床ですけれども、私は、また第三波に似たようなものが来てしまったとすれば、もう幾ら病床を増やしていっても意味がない、限界があると。今の状況で、病床の逼迫率が下がっているからいいんだというのは、私は余り大きな理由ではないと思います。
 そういう意味では、PCR検査をしっかりやっていくということですけれども、一月の第三波でしっかりPCR検査が私はできていたとは思えない状況なわけですが、いずれにしましても、もう一つ、次にもう一度緊急事態宣言を出さないで済むようにするために、事業者をしっかり守っていくために、経済産業省としては、この緊急事態宣言の解除に伴って、どこに力を入れてやっていこうと考えていらっしゃるんでしょうか。

#96
○梶山国務大臣 西村担当大臣から指摘のあったとおり、今回は警戒感を持っての解除ということでありまして、これを念頭に置いて、感染をしっかりと制御して、大きな流行にしないということが重要であると考えております。
 このため、解除後の政府全体の対応として、飲食の感染対策やモニタリング検査など、感染拡大防止策の強化、ワクチン接種の着実な推進といった取組を実施していくことがコロナ対策本部で決定をされているところであります。
 経済産業省としても、所管の産業界に対し、業種別のガイドラインの遵守や必要に応じた見直しを働きかけること、三密の回避等に向けて、事業者が店舗等に換気設備やアクリル板の設置等を行う場合に補助金を用いて支援をすること、さらに、事業者に対してテレワークの実施を促しつつ、それに必要なIT機器の導入を支援すること、さらにまた、時差通勤であるとかそういったものも含めて事業者に働きかけていくということをしてまいりたいと思っております。

#97
○宮川委員 先ほど申したように、一月の第三波のときにうまくできなかったわけです。あれだけのことが起こってしまった。今大臣がおっしゃっていたのは、去年からやっていることだと思うんですね。この緊急事態宣言が解除されて、今おっしゃっていることを更に経済産業省として事業者に対してしっかりとアナウンスをしていくということをおっしゃっているんでしょうか。もう一度、お願いします。

#98
○梶山国務大臣 実際に防護策ができていない事業者もいるわけでありますから、そういったところに対しまして、その制度を通じて実施をしていくということ、さらにまた、事業者等が連携を取りながら、各団体を通じて、今の状況、共通の認識を持つことと、そういう働きかけをしていくということであります。

#99
○宮川委員 私は、再度緊急事態宣言を出さないようにしていくために、これも言われていることですけれども、まずエピセンターをしっかり抑えていくということ、そして、高齢者施設、ここの部分のPCR検査を徹底的にしていくこと。ワクチンに関してもそうですが、安全性の情報をしっかり出していくことを前提に、ワクチンを迅速に接種できるようにしていくこと。こういったことを本当に力をこの後入れていかなければ、次の、この新しい株の、変異株の広がりを抑えていけないんじゃないかと、本当に危機感を持って、今日、質疑に立たせていただいております。
 そういった中で、PCR検査に関して少し議論したいんですが、我が党は、去年の三月から、PCR検査の強化法を議員立法で出していて、本当にこのPCR検査をしっかりやらなければということを主張し続けているんですが、先ほど申したように、一月の第三波のときにも十分な検査が私はできていなかったというふうに考えています。
 特に、感染者ができるだけ増えないようにしなきゃいけない。エピセンターを抑えていくことで感染者を増やさないようにしていくということだと思いますが、だけれども、重篤者を、あるいはお亡くなりになる方を出さないように努力をしていけば、私は、経済を回していける可能性があるというふうに思っています。
 ですから、やはり重篤者をいかに出さないか、そこに重点的に力を入れていかなければいけないわけですが、この間、経緯を見ても、ほとんど、重篤になっているのは高齢者、お亡くなりになっているのは九五%以上が高齢者、そして、この一月もそうでしたが、高齢者施設でのクラスター感染が本当に大きな引き金になっているということが分かっているわけです。
 こういったことは、もう既に昨年の春、四月、五月の段階で、海外の事例を見てもこれは分かっていて、予測できていたわけです。ですので、この高齢者施設、病院はかなりPCR検査できるようになりましたが、ここのPCR検査の拡充をしっかりやるようにということをずっと話をしてきたわけです。
 それで、世田谷区の例ですけれども、社会的な検査を行っております。児玉龍彦先生がおっしゃっていたことなんですけれども、高齢者関係の施設で、百十四施設で定期検査を行ったところでは、陽性発生があったのが十一施設で、クラスター感染が二施設だったと。これが、検査をしていないところでは、百十一施設だったそうですが、陽性発生が二十一施設、クラスター感染が六施設だったそうです。ですから、定期検査を高齢者施設でやっていたところの方が、母数がまだ少ないかもしれませんが、三分の一ぐらいだったわけです。
 ですから、例えばこれをきちっと一月の段階、十二月の段階にやっていれば、もしクラスター感染が三分の一ぐらいであれば、病床の逼迫度合いだって大きく違っていたというふうに思います。これも、世田谷区を始めとして、保坂区長始め、もう七月、八月の段階から、こういうのをやるべきだということをずっと言っていたわけでありますが。
 もう一度、重篤者が出なければ、抑えられれば、病床が逼迫しなければ、ある程度経済は回していける可能性があるわけです。だから非常に経済産業の分野にも重要なわけですが、大臣は、何でこの高齢者施設を守り切れなかったか、PCR検査がしっかりできなかったというふうにお考えになられているでしょうか。

#100
○梶山国務大臣 私どもは、高齢者施設における検査の進捗については詳細を存じ上げておりません。これは、厚生労働省において、地域の感染状況に応じて、それこそ自治体、先ほど世田谷区の例が出ましたけれども、都道府県であるとか自治体と連携をして奨励をしているということを聞いております。
 私どもは、そういったキット、検査の用具が足りなくならないように、こういったものの研究開発また実証を今行っているところであります。

#101
○宮川委員 ここのPCR検査をしっかり増やすために、PCR検査のそういう装置をたくさん入れなきゃいけない、準備しなきゃいけない、こういったことをずっと私も発言をしていて。冬にインフルエンザとコロナウイルスが一緒に来るんじゃないかと、これはインフルエンザが実際は非常に少なかったのでよかったわけですけれども、これもずっと予想されてきていたわけです。
 実際に、私は、保健所のPCR検査の状況がどうなのかというのも私の選挙区内等を見ていますけれども、そんなに増えていないんですね。じゃ、どうなっているのかということですけれども、PCR検査装置に対する支援策で、何台実際に購入がされて、予算執行額は幾らで、一日の検査数はこの間、政府が働きかけてどれだけ増えているんでしょうか。お答えください。

#102
○宮崎政府参考人 お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の検査体制の充実につきましては、地方衛生研究所等へのPCR検査装置の設備整備に対しまして、新型コロナ緊急包括支援交付金にて全額国費による支援等を行っているところでございます。
 この交付金、この名称からも、緊急で包括支援という名称からもお分かりいただきますように、緊急に整備するということで、医療機関における感染防止、検査体制、あるいは病床の確保等々、様々なメニューを組み込みまして、包括的に支援をする形になっております。
 こうした仕組みに加えまして、申請者である都道府県の負担軽減ですとか、交付金の早期執行のために、個々の機器、装置の台数、あるいは整備先、これは都道府県が整備する場合もございますし、都道府県から市町村を通じて整備する場合もございます、こうした整備先一か所一か所の詳細な事業内容の記載等は申請に当たって求めていないということがございます。また、交付金の各事業メニューをまとめて交付決定をしているというところがございます。
 こうしたことがございまして、お尋ねの検査装置の台数、予算執行額について、現時点で厚生労働省では把握をしていないところでございます。
 ただ、こうした取組の効果もございまして、一日当たりのPCR検査の能力につきましては、昨年四月上旬で約一万件でありましたものが、直近では約十七万件程度、能力として現在有するに至っているということでございます。
 この検査体制の充実、重要な課題でございますので、引き続き、この交付金なども活用いたしまして、検査体制の充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。

#103
○宮川委員 状況は把握できていないと。検査数は増えたと言いますが、じゃ、それをどれだけピンポイントにうまく装置を配置していったのかということがよく分からない、データがないということなわけですが、高齢者施設で発熱者が出たらもう即全員PCR、あるいは、発熱者がなくても、例えば家族で風邪の症状があるとか、何か不安に思っている人が出ればすぐPCR検査が受けられるようにということをずっと言っていて、実は厚生労働省は、そういったものを全部行政検査でいいですよというのを昨年の八月の時点で既に言っているわけです。
 だけれども、一月のこの第三波の中で、それが全く、全くとは言いませんが、多くの高齢者施設でできていなくて、PCR検査がなかなか受けられないという状況がたくさん出たわけです。しかも、もう保健所がパンクしてしまったから、仕方なく自費で民間のところでPCR検査を受けるような高齢者施設も、私の選挙区でも幾つもあったわけであります。ですから、何万件できたというふうに今お答えをしているけれども、実際上は、間に合わなかった、機能していなかったということでありますけれども。
 全自動のPCR検査装置があって、大臣、この資料の一というのがありますけれども、実は、私は昨年、もう一年くらい前に、同じものをお見せしているんですね。最初の表題のところですが、「新型コロナ 世界のPCR検査は日本の技術が支えているのに日本では活躍できない」、これは日本の千葉県の会社ですが、全自動のPCR検査を作っているんですけれども、これはフランスで大活躍をして、フランスの大使館から感謝状を贈られた。
 これは、一年前に大臣に私は御紹介をして、こういう優れた日本の企業があるわけだから、全自動の装置をたくさん入れてどんどんPCR検査をやるようにすべきだということを御提案させていただいたんです。
 では、何でこの冬にちゃんとできなかったのか。経済産業省としては、こういったベンチャー、こういった企業の支援を、どういうことをやられてきたんでしょうか。

#104
○畠山政府参考人 お答え申し上げます。
 令和二年、昨年ですけれども、八月の政府の新型コロナウイルス感染症対策本部決定では、「PCR検査や抗原定量検査の機器の整備を促進し、必要な検査体制を確保する。」とされたところでございます。これを踏まえまして、経済産業省では、全自動PCR検査装置も含めて、PCR検査試薬や抗原検査キットなど、国民が健康な生活を営む上で重要な物資の供給能力の向上に向けた設備投資を支援してきたところでございます。
 希望する自治体での導入支援等を行っている厚生労働省とも連携しまして、引き続き、経済産業省としては、供給能力の強化などの形で貢献してまいりたい、このように考えております。

#105
○宮川委員 今、ちょっと、やってきたというような答弁でございます。定量的にどのぐらいやってきたのか、よく分からなかったんですが、一月の段階で、先ほど申したように高齢者施設でしっかりPCR検査ができていない。私は千葉県ですけれども、十一月の段階で、ちゃんと高齢者施設も、これからインフルも来るんだから、全部PCR検査できますねと問い合わせたら、できないという回答があったわけですけれども、どのぐらい定量的に、今やっているとおっしゃいましたけれども、やられたんですか。

#106
○畠山政府参考人 お答え申し上げます。
 私どもで、経済産業省として支援をしてまいりましたのは、まさに検査機器それから試薬の製造の補助、支援でございまして、その補助金の金額でいいますと、数十億円の投資のサポートをしてきたというのが実績でございます。これが、実際、現場で何件に至っているのかというところは、私ども経済産業省として把握しているところではございません。

#107
○宮川委員 大臣、是非、経済産業省としてもっと力を入れて、日本の技術があるわけですから、お願いしたい。またちょっと後でお伺いします。
 もう一つ、変異株の問題も是非お話をしたいと思います。
 この変異株、私は本当に気にしていて、科学をベースにしたしっかりしたコロナウイルス対策を取らなきゃいけないということを昨年から申し上げてきたわけですけれども、十二月の終わりにこの変異株が入ってきました。これは、入ってくること自体が、前回もヨーロッパ型のウイルスが水際対策で防げなかったわけで、また二度目だから、これは防げないのはおかしいだろうということを、十二月の終わりに、国会は閉まっていましたが、かなり私も主張させていただいたところですけれども、結局、この変異株が拡大してしまったわけですね。
 これは、例えばニュージーランドの例もよく私はお話ししているんですけれども、しっかりゲノムシークエンス解析をして、どういうふうに、どこから感染をしてきたのか、ゲノムの変異を見れば分かるから、それで伝っていって、それで全部抑えるということをやっているわけです。
 変異株が入ってきたときに何でこれがしっかりできなかったのか。私もかなりこれは主張していましたが、やるようにということを主張している人たちがいるのになぜできなかったのかということでありますが、この変異株の検査に関して、こういった検査の設備だとか検査方法だとか、こういったものに関して厚生労働省はどのように貢献してきたんでしょうか。

#108
○宮崎政府参考人 お答え申し上げます。
 変異株への対応でございますけれども、委員御指摘のように、今現在のコロナ対応における大きな柱だと考えております。先般、緊急事態宣言解除後の対応をまとめた中でも、五本柱の中で、変異株への対応、それと、先ほど御議論ございました高齢者施設等への検査も含めまして、五本柱として打ち立てまして、引き続きの重点的な対応を取り組んでいるところでございます。
 変異株につきましては、この報告があったときから、専門家の御意見も伺いながら、体制の強化を図ってきております。検疫における陽性例についてゲノム解析を行うなど、体制を強化してきているところでございますけれども、足下の全国的な対応といたしましては、今月から全ての都道府県でこの変異株についてのスクリーニング検査を実施いたしておりまして、変異株が疑われる事例では、確定検査としてゲノム解析を行うなどの監視体制を強化しております。
 このPCRスクリーニング検査につきましては、管内の全陽性者数の五から一〇%を対象に実施をお願いをするということで進めていますが、これは国立感染症研究所の専門家の御意見も伺った上で、地域の感染状況を把握するために必要な割合としてお示ししたものでございます。変異株の発生が確認されれば、更にスクリーニングを行う割合を引き上げていただくということでお願いをして、今まで取組を行ってきているということでございます。
 その上で、今般の基本的対処方針の改定におきましては、このPCRスクリーニング検査を行う割合を早期に四〇%程度まで引き上げるということにしております。これにつきましては、民間検査機関あるいは医療機関などにも協力を依頼した上で、PCR検査を、従来のものとスクリーニング、合計二回行うということになるということがございましたり、検体の量の制約もある中で、できる限りの目標として、こうした目標を立てて取り組んでいこうということでございます。
 委員御指摘のように、引き続き、この変異株へのサーベイランス体制は重要でございますので、全国的な監視体制の強化に努めてまいりたいと考えております。

#109
○宮川委員 大臣、今度は二枚目の私の資料を御覧いただきたいんですが、実は、この二枚目の資料も、一年前に経済産業委員会で私、大臣に申した話なんです。
 これはマスクマップです。日本がなかなかマスクがなくなってしまったときに韓国や台湾がどうしていたかということですが、ITを駆使してしっかりマスクマップというのを作って、どこのお店にマスクがあるかということが分かるようにしたわけです。
 これはどうやってしたかというと、中小ベンチャー企業部の長官が、ベンチャーを集めて、ベンチャーにこういうものを作ってくれと言って、そういった技術のある新しいベンチャーを使って、こういうものをさっと作ったわけですよ。だから、こういうことを経済産業省もやって、イノベーションをどんどんつくっていかなきゃいけませんよ、こういうことをやりましょうよということを、一年前に私は大臣にお願いをしたわけです。
 例えば、この変異株のPCRに関してですけれども、これは、実は全然イノベーションじゃないんです。ベンチャーさんに大臣が声をかけて、この変異株を絶対に止めなければこれから経済はおかしくなってしまうから、変異株が拡散ができるのをしっかり止められるように、ベンチャーでこういう測定方法をすぐ作ってくれと言ってこれをやれば、もっと早くできていて、もっと広く、この一〇%なんて何で一〇%なのか、これは全自動のPCR検査装置で全部やっちゃえばいいわけですよ、その数千の千も今ないわけですから。
 なぜこういうことが、ベンチャーを集めてリーダーシップを取ってやれないのか、大臣、ちょっと御答弁いただけないでしょうか。

#110
○畠山政府参考人 お答え申し上げます。
 この変異株の検査については、その検査手法などもなかなか確立しない中で、経済産業省といたしまして、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、AMEDを通じまして実施している研究開発等の中で、変異株の検査拡充に貢献するテーマも採択をしているところでございます。
 具体的には、変異ウイルスの迅速な検査方法の開発、それから、コロナウイルスの全ゲノムの自動検出技術の開発等を支援してきているところでございまして、今後とも研究開発への支援等を通じて経済産業省としての役割を果たしていきたい、このように考えております。

#111
○宮川委員 大臣、AMEDを使ってこういう研究をするというのは、それはそれで一つの方法だと思いますが、これは普通のときにやるやり方なんです。こういう緊急事態でやるときに、AMEDでグラントを募集してアカデミア中心にやるというやり方では間に合わないんですね。
 ですから、大臣がリーダーを取って、韓国がやったように、ベンチャー企業に、国の危機なんだから是非皆さんの技術をかしてくれと言って、もっと違う、スピーディーな、もっとそういうベンチャーのイノベーティブな仕事をしている人たちを集めてやらなきゃいけないということを、改めて今回お願いをしたいというふうに思います。
 ちょっと時間の都合上で、次はワクチンの話をしたいと思うんですが。
 ワクチンの接種も、やはりこれからの感染の上で非常に重要だと思いますが、もちろん、これは安全性の情報をしっかり出していくということが前提であります。
 それで、一つ。高齢者施設での職員の接種の順番が遅いということで、我が党はもっとそれを前倒して高齢者施設の職員もやるべきだということを申し入れさせていただいておりますが、私の選挙区で印西市という市があるんです。ここで六十五歳以上の高齢者に対して一斉のPCR検査を行いました。これは半分ぐらいの方が受けたんですが、一万数千人の高齢者の方がPCR検査をみんな受けたんです。この中で陽性者は何人だったと思いますか。たったの一人だったんです。ですから、陽性率が〇・〇一%以下。
 だから、多くの高齢者の方々はやはり非常に注意して行動されているから感染していないというのが、これは一つの大きな、私のその印西市というのも東京都に通っている範囲内のところなので若い人は東京に行っているわけですが、そういう結果が出ている中で、やはり高齢者施設でのクラスター感染を抑えていく上では、その職員の方々が家族あるいはどこからかうつってきたものを抑えていくというのも非常に重要だということで、改めて高齢者施設の職員のワクチン接種というのは私は重要だというふうに思っています。
 そういった中で、経済産業委員会なので、なぜ日本がワクチン開発がなかなか独自にできないのかということを、少し大臣からもコメントをいただきたいと思うんですが、資料の三というのをちょっと見ていただけますでしょうか。
 今回、ビオンテックとモデルナ社が、開発、大きく持ち上がりました。ドイツやアメリカのベンチャーということでありますが、資料三というのは、このモデルナ社の今開発をしている開発品なんですね。上の方にあるのはワクチンの開発。
 だから、今回のコロナウイルスのワクチンを一個だけぴょっと出したわけではなくて、これだけのパイプラインを走らせていて、全部で十三個ぐらい臨床試験に入れているベンチャーなわけです。これは二〇一〇年にスタートをしまして、約十年間で二千五百億円近いお金を集めています。これは株の発行だとか、あるいは、メルクとかアストラゼネカとか、そういうところからの投資も含めてなんですけれども。
 こういったベンチャーをしっかり日本でもつくっていかなきゃいけないと私は思っています。産業競争力強化法、不備があったということになっていますが、こういったことも一環になっているわけですけれども、こういったベンチャーをしっかり育てていく、何で日本で育たないのか、そのことに関してちょっとコメントをいただければと思います。

#112
○梶山国務大臣 これからのイノベーションも含めて、スタートアップというものをしっかりと支援をしていかなければならないと思っております。
 これは資金面の支援もそうですけれども、大手とのマッチング、又はその企業の目指すべき方向性の企業とのマッチング、そういったものがなかなかできていないということと、やはりそこに資金が流入しないような形になっていたということも含めてだと思っております。
 リーマン直後の研究開発であるとかスタートアップに対する投資というのは、日本は縮こまってしまって、なかなかできていなかった。
 そのことを教訓として、しっかりとした資金、またテーマというものを決められるような仕組み、また企業間の連携、マッチングというものもできるような形にしてまいりたいと思っております。

#113
○宮川委員 コロナウイルスの高齢者施設の対策等は厚生労働省の管轄のように思えますけれども、だけれども、そうではなくて、経済産業省が是非、技術で、ベンチャーの力を総動員して、命と、そして事業者が守れるようにしていただきたいということをお願いをしまして、私からの質問といたします。
 どうもありがとうございました。

#114
○富田委員長 次に、松平浩一君。

#115
○松平委員 どうもこんにちは。立憲民主党、松平浩一です。どうぞよろしくお願いします。
 先日、政府、日本が、二〇五〇年までにカーボンニュートラルを目指すというふうに言明されました。脱炭素というところにようやくかじを切っていただいたんですけれども、この菅政権のグリーン成長戦略、こちら、可能な限り原発への依存度を下げると記載があって、原子力と火力、合わせて、二〇五〇年には電源比で三から四割にするというふうに書かれています。
 去年十月に資源エネルギー庁から出された資料を今配付させていただいているんですけれども、資料一です。
 電源構成比が書いてあるんですが、二〇一八年の数字で、原子力と火力、これは合わせて八三%ある。それで、二〇三〇年には、これは、合わせると七六から七八%と、余り変わらないわけです。それを三、四割にするということで、この十二年間でほとんど変わらなかったものを、次の二十年間で大分変える計画にしているわけです。
 これはどういう根拠でこういう目標にしているのかなというふうにも思えるんですけれども、今日は私、ちょっと違う話をしたいので、この点はちょっとおいておきまして。
 では、原子力と火力を三から四割にするということにした場合、残りの電源をどうするのか。これは、大臣も所信で、再生可能エネルギーの最大限の導入ということをおっしゃっておられました。だから、普通に考えると、再エネの割合をこれから大きくしていくのかなと思います。
 ただ、やはり、再エネは再エネでも、例えば太陽光は、結構、環境の悪化ですとか、土砂災害の原因になるですとか、いろいろな反対運動も最近激しくなってきていると聞きますし、風力もトラブルが多い、バードストライクなどがあったり、環境トラブルが多いと聞きます。
 そもそも、太陽光も風力も、風任せ、天候任せということで非常に不安定なので、安定電源としては心もとない。
 ということで、私としては、地熱発電、これを日本の柱としてはどうかと提言させていただきたいと思います。
 そこで、今日は地熱発電についてお聞きします。
 真山仁さんの「マグマ」という小説がありまして、それを読むと、地熱発電について、ある登場人物、主要な登場人物なんですけれども、こう言っています。すごいでしょう、まさに夢の発電、資源のない日本のために神様が与えてくれた発電だと思いませんか、こういうふうに言っているんです。
 日本地熱協会、そのメリットをこう説明しています。火山国日本の足下にあり、世界最高水準の発電技術を有する純粋国産エネルギー電源、それから、昼夜・季節変動しない安定電源である、それから、長寿命で高い利用率、経済的な再生可能エネルギー電源である、それから、山間地を有する地方自治体に貢献して、災害リスクもちっちゃい、また、大気汚染成分をほとんど出さず、温室効果ガス排出量の少ないクリーンエネルギーだというふうに言っています。これ、本当にそうなんです。
 純国産で、二十四時間稼働し、ほぼ日本では無尽蔵、クリーンで、安定していて、天候にも左右されない、地方にも貢献する、一度設備投資したら、その後のコストは余りかからないという、とんでもなくすばらしいメリットのある電源だと私は思います。
 さらに、これは発電以外にも二次利用ができたりします。この二次利用も、例えばなんですけれども、熱を利用した野菜栽培、北海道森町では、熱水の一部が冬場のトマトやキュウリなど夏野菜の栽培に利用されている、岩手の八幡平では、地熱の蒸気で布地を染め上げる地熱染めというものが人気になっていたりします。
 私の地元、雲仙の小浜温泉でも、地熱開発に伴って、百五メートルの日本一長い足湯というのが造られたり、温泉で卵とかサツマイモとか海鮮、海の幸、これを蒸して食べるという蒸し釜というものがあったりして、非常においしいです。
 こういった非常に大きなメリットがある地熱を我が国はどの程度資源として有しているのか、そして、どの程度利用しているのか、まずここをお聞きしたいと思います。

#116
○南政府参考人 お答え申し上げます。
 産業技術総合研究所が二〇〇八年に実施した試算によれば、日本には、約二千三百四十万キロワットの地熱資源が存在しております。これは、アメリカの三千万キロワット、インドネシアの二千七百八十万キロワットに次いで、世界第三位の地熱資源量であります。
 また、二〇二〇年三月時点の我が国における地熱発電の導入量は、六十万キロワットとなっております。なお、米国は三百四十五万キロワット、インドネシアでは百三十四万キロワットが導入されていると承知しております。

#117
○松平委員 ありがとうございます。
 今、数字を言っていただいたんですけれども、なかなかイメージが湧かないと思ったので、済みません、エネルギー白書の資料です、資料二として配付させていただきました。
 今おっしゃっていただいたように、日本は三位ということなんですが、この資源量、余り差がないわけです、一位、二位、三位と。四位のケニアとは、三倍以上の開きがあると。あれだけ広大な土地を持つ米国と遜色ないわけです。本当に、まさに火山国の地熱王国と言っていいと思います、日本は。
 それで、こちらの資料から、今お答えいただいたのは、ちょっとアップデートしていただいて、六十万キロワット、今使っているということなんですけれども、これは計算すると、二・五%なんです。二・五%しか利用していないんです。本当に少ないなと思います。
 私、去年、ケニアに行ってまいりまして、オルカリア地熱発電所というところを視察してまいりました。
 このオルカリア地熱発電所は、首都ナイロビから百キロ程度離れたところにあるところなんですけれども、ケニアは、総発電量のうち、何と九二%、これを再生可能電源で占めているんです。九二%が再生可能エネルギーという、まさに再生可能エネルギー大国なんです。そのほとんどを地熱と水力で賄っている。地熱が一番大きい割合だということです。
 それで、私、実際行って、見てやはり驚いたのが、日本の技術が大変多く使われているという点です。私、お見せいただいたタービン、TOSHIBAというふうにローマ字で書かれていました。隣の施設は富士電機製だよというふうにおっしゃっていました。三菱製もあるということでした。所長は、日本の技術なしにはこれは成り立たないんだというふうにもおっしゃられていました。
 私が調べたら、この地熱発電用のタービン、三菱パワーと東芝と富士電機の国内三社で世界の七割を占めるということなんです。我が国は、そこまで地熱に関する技術があり、そして世界に誇る地熱資源量、この豊富さがあり、なぜ二・五%の利用率しかないのか。どういうふうに分析していらっしゃるか、お聞きしていいでしょうか。

#118
○南政府参考人 お答え申し上げます。
 先生今御指摘の数字、そのとおりでございますが、この理由としましては、まず、そもそも地熱発電が目に見えない地下資源を利用したものでありまして開発リスクが高いこと、加えて、全般的に開発コストが高いということがございます。
 これに加えまして、我が国の場合ですと、この地熱資源が火山地帯に偏在しておりまして、実際にその周りでは、平たんな土地など、適地がかなり限定的であるという実態がございます。
 また、我が国の場合、地熱資源開発地点の近傍でやはり温泉事業者が温泉を営んでいることが多くございまして、こういった温泉事業への影響の懸念から、地元の理解促進がなかなか難しいという実態もまたございます。
 さらに、地熱資源開発ですね。国立・国定公園内における開発につきましては、関係法令の規制により許認可が必要な地点がかなり多いということなど、そういったことが理由だというふうに考えております。

#119
○松平委員 ありがとうございます。
 今理由を挙げていただきました。今言っていただいた最後の部分、国立・国定公園内のところ、私もまず着目させていただきたいんですが、これはどういうことか、私も調べたんですが、この国立・国定公園内に非常に資源量が多いというふうに、私もちょっと調べて分かりました。
 これは具体的に、この埋蔵量のうち、どの程度が国立・国定公園内にあると推定されますでしょうか。

#120
○大森政府参考人 お答えいたします。
 平成二十二年の環境省調査による推計及び平成二十三年の産業技術総合研究所調査による推計のいずれにおいても、全国の地熱ポテンシャル量のうち約八割が国立・国定公園内にあるとされていると承知しております。
 ただし、産業技術総合研究所の推計におきましても、全国の地熱ポテンシャル量のうち約三割は特別保護地区であり、火山の中心に近い地域であるため、噴火の可能性や熱水の酸性化、熱水系の発達という観点から、開発の対象として適しているか、検討の余地があるとされているということも認識しております。
 以上でございます。

#121
○松平委員 今、約八割、埋蔵量のうち約八割が国立・国定内にあるということでした。非常に多くの埋蔵量がある。八割ですから、ほとんどが国立・国定公園内にあるということですが、もちろん、今おっしゃったように、果たして地熱発電に適しているかというところもあると思います。
 ただ、やはりそこにそれだけの量があるのにこれを使わなきゃもったいないということで、では、何でそこの開発が進んでいないのかなというふうに調べたところ、済みません、ちょっと時間の関係で一問飛ばさせていただくんですが。
 昔は、国立公園の規制というのが相当厳しかったということなんです。ただ、二〇一二年以降規制が緩和されて、今は、自然環境の保全と地熱発電開発の調和が十分に図られるなど、真に優良事例にふさわしいものと判断された場合に開発が許可されるようになっているということのようなんです。つまり、二〇一二年から緩和された、規制緩和されたと。
 では、もっと開発が進むのかなというふうに思ったのですが、それでは、この二〇一二年の規制緩和以降、今まで、地域に電力供給される、できるぐらいの中規模、大規模な地熱発電所は何件運転開始されたのでしょうか。

#122
○大森政府参考人 お答えいたします。
 想定出力三千キロワット以上の大規模な地熱開発案件につきましては、二〇一二年の規制緩和以降で、令和二年七月末時点で、国立公園において九件、国定公園において八件が現在、地表調査や掘削調査等の許可を受けて、事業化に向けて進行しているという状況でございます。このうち一件は環境アセスメントの手続まで進んでおりますが、まだ運転開始に至った案件はございません。
 なお、三千キロワット未満の小規模な地熱発電所を含めますと、規制緩和以降で、国立・国定公園内で六十二件の案件が進行中で、そのうち六件については運転開始されております。

#123
○松平委員 小規模な話は私の今回の趣旨からは外れるので、ちょっとそこはおいておいて、九件がまだ初期段階の、これは聞くと、許可ですよ。それで、運転開始はゼロ件です。やはり、規制緩和されたにかかわらず、非常に優良なポテンシャル地域で運転開始件数がゼロですし、許可件数もまだ初期にしか進んでいなく、しかも数が少ないということなので、これはどうなのかなと私は思いまして、ここの点、この現状についてどう考えているか、またその理由、お聞かせいただきたいと思います。

#124
○南政府参考人 お答え申し上げます。
 規制緩和以降もなかなか国立公園内で地熱開発が進まない理由ということでございますが、一つに、やはり、引き続き国立公園内では、一般の地域以上に地元の理解を得ることが必要になっているという実態がございます。
 それから、加えまして、国立公園内では、その他の地域に比べましても様々な対応が必要になっておりまして、開発のコストが実際問題として高くなっているということがあるというふうに考えております。

#125
○松平委員 どうもありがとうございます。
 地元の理解が非常に大切、それから開発コストの話がありました。
 ちょっと、一つ一つお聞きしたいんですが、まず最初の部分、地元の理解というところ、私も本当に非常に大事だと思っています。
 先ほど例に出した私の地元の小浜温泉の地熱開発、こちらについても、今、シン・エナジーという会社が事業化して運営しているんですけれども、やはり紆余曲折ありました。当初、雲仙温泉を守る会ですとか小浜温泉を守る会というものが結成されて、その強い反対を受けて、掘削不許可の決定が下されて、事業が一旦中止になったということもありました。
 もちろん、地元の感情、反対というもの、私も理解できます。ただ、そこでやはり、それでもなおかつ地元の理解を得る努力が必要だと思います。そういう意味でいうと、地元の理解を得るために、発電事業者独自の取組だけではもう限界があると思うんです。行政が主体となって、地元の理解を得る後押し、これを強く進めるべきだと思うんですけれども、この点でどのような支援をしているのか、お聞かせいただいてもいいでしょうか。

#126
○南政府参考人 お答え申し上げます。
 地熱開発に当たりましては、御指摘のとおり、近傍の温泉資源等への影響を懸念する声が多いということから、地元の温泉事業者の方々を始めとする地域の皆様の御理解が必要不可欠であると考えております。
 このため、経済産業省では、地熱発電の理解を深めるため、例えば、地質やリスクコミュニケーションの専門家などの地熱開発に係る有識者を自治体に派遣しまして地域住民向けの勉強会を開催、また、地熱発電の概要や地域の地熱発電所の情報などをまとめたパンフレット作成やその地域住民に向けた配布、更には、地域住民や温泉事業者を対象として国内の地熱発電所の見学ツアーの企画や実施、また、地熱発電所立地自治体や地熱開発事業者等を招いたシンポジウムの開催、地熱開発に係る取組の全国への発信、こうしたことを行っているところでございます。

#127
○松平委員 冒頭述べましたように、私、この地熱発電は日本の本当に基幹エネルギーにしなきゃいけない、するべきだと思っています。そこで、地熱発電を進めるに当たっての鍵、これは、国民そして地域住民の理解です。
 今いろいろお話しいただいた支援なんですけれども、やはりまだ足りないんじゃないか、限られた自治体でしかなされていないという印象があります。もっともっとどんどん使ってもらって、地域住民の理解を深めていくという努力が必要なのではないかと思います。
 この点、大臣、何かお考えがあればお聞かせください。

#128
○梶山国務大臣 二〇一一年の東日本大震災、そして福島の原発以降、超党派で地熱議連というのができました。そして、いろいろな議論をしていく中で、多分、規制緩和につながってきていると思います。
 そういった中で、地熱は非常に重要だと私自身も思っております。ただ、ハードルが高いということで、今度、カーボンニュートラルを宣言して、この地熱も活用していく、ひとつしっかりとしたものをつくろうじゃないかということで、今、他省庁と連携をしながらお話をしているところでもあります。
 ただ、やはり環境アセスの問題。あと、地域の住民の理解。そこが観光地、また温泉地であれば、お湯がかれる心配であるとか、そういったものにしっかりと応えていかなくちゃならない。また、工法の制限、ボーリングなんかも制限があります。そういったことに関する、今度はコストのリスクということも含めて、何とかしていかなくちゃということで、一つ一つそういう障害を除去していかなければならないと思っております。

#129
○松平委員 今大臣から、他省庁とも話をしているということもおっしゃられて、非常に私もうれしく思うんですが、本当に一つ一つ問題にも対処しなければいけないと同時に、そういう意味でいうと、今、地元の理解についてのお話、お聞きしたんですが、もう一つは地熱開発リスク、そちらについてのお話もお聞きしたいと思います。この地熱開発リスクについて、何か国として今支援していることはあるんでしょうか。

#130
○南政府参考人 お答え申し上げます。
 地熱発電の導入に当たりましては、地下の地熱資源の分布を把握することがなかなか難しいということで、掘削の成功率が低いということがございます。さらに、地熱発電に用いる井戸の掘削に一本約数億円、大規模なところですと十本前後の井戸が必要になる、そのようなこともございますし、また、発電所の資源量を調査してから運転開始に至るまでの期間が十年ほどかかるなど、非常に開発期間が長いという状況もございます。
 こうしたことを踏まえまして、経済産業省としましては、JOGMECを通じまして、地表調査や掘削調査に係る助成金の交付、あとは、出資や債務保証といったリスクマネーの供給、また、JOGMEC自らも掘削コストを低減するための技術開発、こういったことを実施しているところでございます。
 さらに、本年度からは、JOGMEC自身が地熱開発に必要な蒸気、熱、地質構造の調査を開始しまして、二年間かけてこれらの調査を行うということをしまして、その結果を事業者に提供し、地熱開発の促進を図りたい、このように思っております。

#131
○松平委員 技術開発に関して、私は今後地熱をより推進したらいいんじゃないかと思うのは、EGS技術というものがあることを聞いたからです。これを簡単に言うと、人工的に貯水層を造る技術ということで、これが確立されれば、何と現在の地熱発電の七十倍の発電が可能という、非常に夢のある技術なんです。大変に有用な技術だと思うんですが、これについての検討状況、何かあれば教えてください。

#132
○南政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員御指摘の地熱増産システム、いわゆるEGS技術ですが、これは、地熱貯留層のない地域等においても地熱ポテンシャルを最大限活用するための革新的な技術でございます。
 EGSには、人工涵養、高温岩体、超臨界地熱発電など複数の手法がございますが、この中でも、人工涵養技術につきましては、現在、福島県の柳津西山地熱発電所において実証試験を実施しているところでございます。
 また、来年度の予算案には、深部の高温岩体を活用するEGSに関連した新規予算を計上しておりまして、この技術について具体的な調査を進めてまいりたいと思っております。

#133
○松平委員 是非そのまましっかりと進めていっていただきたいと思います。
 資源エネルギー庁が設置している地熱発電の推進に関する研究会という報告書、こちらを私、読ませていただきました。それによると、地熱資源の開発に関して、関連する法律や規制が多岐にわたって、また個々の規制が複雑であることが課題であると、その課題が書かれていました。具体的には、運搬や作業に係る道路交通法や保安林内での作業に係る規制、それ以外にも、自然公園法、環境影響評価法、国有林野法、森林法、農地法、河川法、砂防法等において、必要な許認可を全て取得するには大変な労力と時間がかかるというふうに指摘されていました。
 本当に、読むと、これは大変なんだろうなというふうに思うんですが、この課題について、今、国会でちょうど、これからですか、審議される地球温暖化対策推進法というものがあって、この改正によって今の課題というものが解決されることになるんでしょうか。

#134
○白石政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいまの委員御指摘の地球温暖化対策推進法の改正案ですが、ただいま国会に提出いたしまして審議をお願いしているところでございます。
 その主たる目的、多義的でございまして、確かに御指摘のとおり、手続面でのワンストップ化、簡素化、こういったものもございます。主たる目的、もう一つございまして、先ほどから御議論ございます、地域における合意形成を、県それから市町村、こういった、多層の関与の下に円滑化をする、そういうことによりまして地域に貢献する再エネの導入を促進するということでございます。
 御指摘の改正案におきまして、地域に貢献する再エネ事業として市町村から認定を受けた事業を対象にいたしまして、例えば地熱発電事業につきましては、自然公園法それから温泉法などの関係する法律の許認可手続を簡素化する特例も設けてございます。また、環境影響評価法でございますが、事業計画の立案段階における配慮書の手続、これも認定事業に関しては省略ができるということで、一定の手続の簡素化というものも図れるのではないかというふうに考えてございます。
 いずれにいたしましても、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けて、地熱も含めて再エネの利用促進に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

#135
○松平委員 今おっしゃっていただきました。とはいえ、実は私、このような手続的なものだけでは十分でないのではないかというふうにも思います。
 なぜかというと、そもそも、地熱発電、法律的な不備があるからなんです。
 例えば、石油や石炭、レアメタル、そういった地下資源には鉱業法というものがあって、採掘した人に権利が保障されるんです。しかし、地熱資源には適用されない。鉱業権という権利が設定されないことになります。だから、苦労して地熱の貯留層を掘り当てても、権利を確保できない現状にあるんです。
 今、地熱開発に適用されているのは温泉法なんです。この温泉法、小規模な温泉の適正利用のための法律です。これを何とか、無理やり地熱に利用しているという状況です。本来の温泉法の対象は温泉である、だから、地熱の発電利用を目的とした法律じゃないということで、では、ほかにあるのかといったら、地熱発電、地熱資源を対象にした法律はないということなんです。
 それで、それだけじゃなくて、この地熱に関する法律、非常に莫大なものがあります。
 資料三を見ていただきたいんですけれども、地熱事業をやろうとしたら、こんなにも、資料三に掲げてあるような、こんなにも多くの法律が関わってきて、いろいろな省庁にまたがってくる、二十個以上ですかね、法律が関わってくるということです。だから、ここを整理して横串で対応して、先ほどちょっと申しましたように、きちんと権利が確保できるようにする。そもそも、地熱資源の確保ができるような、地熱資源の確保を目的としたような法律を作るべきなんじゃないかなと思います。
 この点、一度、一九七〇年代の話なんですが、地熱資源開発促進法案という法律が、法制局まで通って、自民党の総務会まで上がった、しかし、国会上程まで行かなかったといった経緯があったということも聞きました。今後、地熱を日本の柱としていくためには、この点の法律的な整備というものも必要だと思います。大臣、今の点も含めて、最後、ちょっと後ほどお聞きしたいと思います。
 一くくりにしてお聞きしたいと思うんですけれども、一つ言わせていただくと、二〇一八年七月に閣議決定された第五次エネルギー基本計画、これで、二〇三〇年に地熱発電として最大で約百五十五万キロワットの導入目標というものが掲げられています。今、六十万キロワットなので、三倍弱ですかね、に増やすという話なんです。ただ、それでも、それだけの目標を仮に達成できたとしても、計算すると六%の活用量にしかすぎないんですね。やはり私としては、これは目標としても低いんじゃないかと思います。
 先ほど述べた地熱開発の法律の整備というものも必要だと思いますし、目標に対するところももっと高く掲げたらいいんじゃないかなと思いますし、その辺りのところを含めて、地熱の開発の今後について、大臣の所見、抱負といいますか、そういったものを最後にお聞きできればと思います。

#136
○梶山国務大臣 地熱発電は、天候に左右されないという点、また、安定的に発電可能なベースロード電源として大変重要であると思っております。ただ、これを実現するには様々なハードルがあるというのは今日の議論のとおりであります。
 そういった中で、地熱も活用していくという前提の中で、各省庁と今連携を図っているところであります。法律一本まとめればできるというものでもないような気がいたします。地域の皆様の理解を取るというのは、どの設備を造るにも同じでありますけれども、特にここは、温泉地であるとか観光地であるとかそういったことも含めて、景観また騒音も含めて、工事車両も含めてどうしていくかという課題があろうかと思いますので、そういった中で集中をしてやっていくということと、さらにまた、小規模は余り関係ないというお話がありましたけれども、小規模でも、例えば沸点の低い液体を使った形での地域の分散型発電に利用されているところもあるということで、そういったことも含めて、地熱全般に関して少し研究を重ねてまいりたいと思っております。

#137
○松平委員 時間が参りましたので、これで終わります。どうもありがとうございました。

#138
○富田委員長 次回は、来る三十一日水曜日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト