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2021/03/25 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 内閣委員会 第7号 令和3年3月25日
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2021/03/25 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 内閣委員会 第7号 令和3年3月25日

#1
令和三年三月二十五日(木曜日)
   午後一時三十二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     山田 太郎君     滝波 宏文君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     大家 敏志君     山田 太郎君
     岡田 直樹君     宮本 周司君
     市田 忠義君     岩渕  友君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         森屋  宏君
    理 事
                酒井 庸行君
                徳茂 雅之君
                木戸口英司君
                平木 大作君
                矢田わか子君
    委 員
                古賀友一郎君
                高野光二郎君
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                山田 太郎君
                山谷えり子君
                和田 政宗君
                小沼  巧君
                塩村あやか君
                杉尾 秀哉君
                石川 博崇君
                柴田  巧君
                高木かおり君
                岩渕  友君
                田村 智子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策))    井上 信治君
   副大臣
       経済産業副大臣  江島  潔君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       宗清 皇一君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     更田 豊志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      千原 由幸君
       内閣府大臣官房
       審議官      佐藤  暁君
       内閣府政策統括
       官        柳   孝君
       内閣府政策統括
       官        荒木 真一君
       文部科学省大臣
       官房審議官    堀内 義規君
       経済産業省大臣
       官房首席エネル
       ギー・地域政策
       統括調整官    小澤 典明君
       資源エネルギー
       庁長官      保坂  伸君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      松山 泰浩君
       国土交通省道路
       局次長      宇野 善昌君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房核物質
       ・放射線総括審
       議官       山田 知穂君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  金子 修一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別
 措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(森屋宏君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、市田忠義君、大家敏志君及び岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として滝波宏文君、岩渕友さん及び宮本周司君が選任をされました。
    ─────────────

#3
○委員長(森屋宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官千原由幸君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────

#5
○委員長(森屋宏君) 原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○木戸口英司君 立憲民主・社民の木戸口英司です。どうぞよろしくお願いをいたします。
 質問の、申し訳ありませんが、順番を変えさせていただいて、柏崎刈羽原発の問題について、三番目に通告しておりましたが、今日は江島経産副大臣にも来ていただいておりますので、昨日大きなニュースがあったということで、この問題を先に取り上げさせていただきたいと思います。
 三月以降、テロ対策が十分機能していなかった問題、柏崎刈羽原発、これ予算委員会でも大きく取り上げられたところでございます。原子力規制委員会は、長期間、不正な侵入を許す状態になっていたとして、核物質防護などに関わる四段階評価の中で最も深刻なレベル、赤に当たるとの評価を東京電力に示しています。
 そして、昨日、原子力規制委員会は東京電力に対し是正措置命令を出す方針を決めたということであります。更田委員長も、規制委の発足以来最も大きな判断だと、こう言われております。この方針について、あと今後の対応について御説明をいただきます。

#7
○政府参考人(山田知穂君) 昨日、三月二十四日に開催されました原子力規制委員会において、東京電力に対して原子炉等規制法に基づき是正措置命令を発出する方針について了承がされました。今後、是正措置命令とそれに対する弁明の機会を付与する旨の通知文案を作成をいたしまして、改めて原子力規制委員会で審議が行われる予定でございます。
 東京電力に対しましては、六か月以内に根本原因分析の結果の評価及び安全文化、核セキュリティー文化要素の劣化兆候の特定について報告書の提出を求めております。それを踏まえまして、原子力規制検査で東京電力の対応について確認をしていくこととしてございます。

#8
○木戸口英司君 報道によりますと、この是正措置命令、これを出すに当たって、原発設置許可の取消しあるいは運転停止命令も同時に検討されてこの措置命令を出すことになったということでありますが、この検討された結果、是正措置命令になったというところ、その辺りもう少し御説明をいただけますか。

#9
○政府参考人(山田知穂君) 今回議論されました中では、原子炉等規制法に基づく措置といたしまして、設置許可の取消しですとか運転停止ですとか、それから保安規定、核物質防護規定の変更命令その他、法律上規定されているものについての議論が行われておりまして、今回この措置命令について選択をされましたのは、現時点で核物質防護に関する脆弱性について懸念があるということで、懸念が否定できないということで、核物質防護のために、核燃料に対する防護をしっかりやるということで移動を制限をするということが一番適切であろうという議論になったということでございます。

#10
○木戸口英司君 この措置命令、そして、これから東電のこの対応をいろいろ見るということでありますけれども、報道によると一年以上は掛かるんではないかということが言われておりますが、見通しとしてはそういうことでよろしいですか。

#11
○政府参考人(山田知穂君) 区分四になりますと、目安として二千時間の追加検査を行うということになります。
 この追加検査期間を実施をしていくということになりますと、一年程度時間が掛かるのではないかということでございます。

#12
○木戸口英司君 これは抜き打ち検査が行われてこの問題が発覚したということであります。
 去年四月からこの新検査制度ができて、フリーアクセスという形で発電所にいわゆる抜き打ち検査ができるようになった。まあ抜き打ちですから余り大っぴらに、こうやっている、これからこうやるということは言えないんだと思うんですが、やはり、これを行わざるを得なかったということはやっぱり特別なことであったんではないかと思いますけれども、この柏崎刈羽原発に抜き打ち検査を行うに至った経緯、あるいは他の施設においてももうこういうことは普通に行われていることなのか、答えられる範囲で結構ですので、答えていただけますでしょうか。

#13
○政府参考人(山田知穂君) 二月十五日に東京電力から、複数の核物質防護設備の機能が一部喪失し、代替の防護措置を講じているとの報告がございました。原子力規制庁では、これらの代替措置の有効性を確認するために、二月二十一日に抜き打ち検査を実施したところでございます。
 この検査につきましては、先ほど先生から御指摘のありましたとおり、昨年四月からの新しい検査制度によって導入をされたものでございまして、今の制度でできることになったものということで実施をしたものでございます。
 今回の事案を踏まえて、他の事業者に対しても同様の事案がないかしっかり確認するよう指示しているところでございますけれども、あわせて、原子力規制庁としても、抜き打ち検査等も含めてしっかりと他の事業者の活動を監視していきたいと思ってございます。

#14
○木戸口英司君 この抜き打ち検査ということが必要だということになった、それが今、原子力発電、その事業に対して、規制庁としての信頼といいますか、こうせざるを得なくなったという事態、そのことも一つ問題ではないかと、そのように捉えてこの問題を質問をさせていただきました。
 それで、資料三を御覧いただきたいと思います。
 朝日新聞の記事でありますけれども、こういった東電の元社員の告発ということで、これまで余りこういうのは出てきていなかったんじゃないかと思います。非常に深刻な告白が出てきております。
 今思えば、あの事故は起こるべくして起きたと、全て過去につながっていて、東電はそこに向けてずっと進んできたんですと。非常に、幹部候補で、この原発事故の関係、後始末など、いろいろ調査もしていた方だということであります。
 大きな視点で安全を考える余裕がなくなった、津波という最も肝腎なリスクに向き合えなかった、安全神話、安全重視の文化が本当に東電に浸透したのだろうか、事故を教訓にして本当に変わったと言えるのかという、現在についても非常に疑問を投げかけております。
 さて、そこで、原発運営の主体として東京電力の適格性、これ、総理も予算委員会の中で、大変遺憾であり、極めて深刻に受け止めているということと、東京電力が原発を扱う資格にまで疑念を持たれてもやむを得ないと述べています。また、小早川社長は、この問題に対して、現場である発電所が核セキュリティーに対する意識や組織文化を自ら変えていかなければならないと考えていると。
 もう十年原発事故からたって、今こういう発言が出ていること自体に非常に驚愕するというか、もう非常に驚くばかりなんですけれども、この原発運営の主体として東京電力の適格性について規制庁としてどのように今考えているのか、発言をお願いいたします。

#15
○政府参考人(山田知穂君) 今回の事案を踏まえまして、東京電力には、どこに問題があったのか深く自ら検証し、改善策を見出すことが必要だと考えてございます。
 原子力規制庁としては、今後実施する追加の原子力規制検査により、今回の事案の直接的な原因のみならず、その背景にある核セキュリティー文化や、さらには安全文化に関わるようなことも含めて確認していくこととしてございます。
 その上で、具体的な要改善事項が確認された場合には、原子力規制委員会に御報告をして、東京電力に対する規制庁の対応が審議されるものと考えてございます。
 以上です。

#16
○木戸口英司君 福島の事故、十年たつわけでありますけれども、その事故自体に対して、その資格、運営主体としての資格が信頼性という点からももう既に失われているのではないかと。そこから、今、規制庁も入って柏崎刈羽の再稼働ということに向けて検討がされてきたわけでありますけれども、非常に厳しい結果になっていること、これ重く受け止めなければいけないと思います。
 そこで、経産省副大臣にお伺いいたしますけれども、この東電の再建計画、そしてこれは福島原発事故処理への影響そのものであります。賠償や廃炉、除染等福島事故処理の費用は計二十一兆五千億円と見積もられています。このうち十六兆円は東電が負担すると。そして、東電は、一七年に策定した再建計画で、毎年の費用として五千億円規模を確保して、国が肩代わりした賠償や廃炉費を数十年掛かりで分割返済していくとしています。
 この費用の元が、柏崎刈羽原発の再稼働というところに大きな期待がされていたと、東電内部ではですね、そして、その見込みが今回の問題で立たなくなった。一年たって再稼働できるかどうかもこれ分からないわけですから、計画は実際破綻したんではないかと、除染に係る費用四兆円の工面にも影響が出てくると。国が持つ東電株の売却益で賄う計画ですけれども、株価が現在の四倍前後の千五百円程度になることが前提で、これは現実味も失っているという状況であります。
 これ、福島の事故処理は絶対的にこれはやっていかなければいけないことでありますけれども、もちろんそれは国民の理解を得て、どのような費用でどのぐらいの予算を掛けてやるかということ、しっかりと透明性を持ってやらなければいけない。
 そこで、政府は、福島事故を起こした東電を破綻させず、収益力を回復させて公的資金を回収する枠組みを作ったわけですけれども、当問題で計画が行き詰まった今、政府としてどのように福島原発事故処理の問題に向き合っていくのか、所見をお伺いいたします。

#17
○副大臣(江島潔君) 委員おっしゃったように、東京電力はこれまで特別事業計画というスキームに基づきまして根本的な経営改革をしていこうと、そして、そのことによって賠償や廃炉資金を確保しながら企業価値の向上を目指そうという、そういう企業としての方向性を持っておりました。
 実際に東京電力は根本的な生産性改革も行ってきているんですけれども、それに加えまして、今度、例えば火力発電事業を、JERAという中部電力と一緒になった会社ですけれども、統合等に取り組みまして、柏崎刈羽原発の再稼働、まだ実現していないんですけれども、そのいない中にあっても、賠償、廃炉のために年平均で大体五千億円程度の資金を捻出してきております。ですから、今のところまだ原発は稼働していないんですけれども、これだけが今そういうスキームで動いておりますので、直ちに、再稼働が今少し見通しが遠くなったということによって必要な資金が不足するといった状況にはないであろうと考えています。
 また、東京電力としては、今年度、この資金の確保に加えまして、先ほど委員が御指摘いただきましたように、除染費用の確保のために更なる企業価値の今度向上が必要でありますので、再稼働のいかんにかかわらず、あらゆる分野において様々な取組を積み上げていって、福島の責任をしっかりと果たしてもらわなければいけません。
 これからも、再稼働の問題は別にしても、コストの合理化や収益拡大というものを実現を通じてしっかりとこの福島事故に対する責任を果たしてもらいたいと考えています。

#18
○木戸口英司君 この議論はもっと深めていかなければいけませんけれども、やはり、これから福島の原発事故処理がどのように進むかということは、全国民の関心事でもありますし、もちろん県民の皆さんにとっても大きな問題であります。やはり透明性を高めて、しっかりと現実的に、どのようにタイムスケジュールを持ちながら進めていくのかということ、予算はどうあるべきかということ、この点、やはり十年たって、もう一度検証しながら、今の事態の中でですね、しっかりと検証しながらオープンにしていくこと、そして国民的議論をしていくことが重要だと思います。その問題を今突き付けられているんだと思いますので、経産省の方でもしっかりと取り組んでいただくようにお願いをしたいと思います。
 それでは、副大臣、ここまでですので、御退室いただいて結構です。

#19
○委員長(森屋宏君) それでは、江島経済副大臣、御退席いただいて結構です。

#20
○木戸口英司君 それでは、この特措法について質問させていただきます。
 今申し上げましたとおり、東日本大震災から十年が経過いたしました。二〇一一年三月十一日、原発事故を受けて、政府は原子力災害対策特別措置法に基づく原子力緊急事態宣言を発し、この宣言は今なお続いております。福島県では依然として帰還困難区域を抱えるなど、原発事故の影響は計り知れないものがあります。
 原発の安全神話が崩壊した現在において、実効性ある避難計画策定から原子力防災インフラ整備を進めることは、原発の是非とは関わりなく重要課題となっており、党派を超えて取り組んでいく必要があります。
 原子力防災の推進に関しては、政府としても地域の支援を進めており、令和三年度内閣府予算案には新規事業として緊急時避難円滑化事業が盛り込まれています。局部的な避難経路の改修や誘導標識の設置などに交付金を充てるということでありますけれども、この新規事業の内容についての御説明と、原発立地地域特措法に基づく支援との関係について答弁をお願いいたします。

#21
○政府参考人(佐藤暁君) お答えいたします。
 まず最初に、委員御指摘の緊急時避難円滑化事業でございますけれども、こちらは原子力災害時の避難をより円滑に実施するために、平成三十年から実施している原子力災害時避難円滑化モデル実証事業の成果を踏まえ、避難経路の隘路対策等を行えるよう、令和三年度政府予算案において計上されているところでございます。
 この緊急時避難円滑化事業は、委員今御指摘ありましたように、三年度から始めるという事業でございますので、交付要綱制定などの具体的な制度設計を行っているところではございますけれども、その前身となるこのモデル実証事業では、まず、電気事業者が設置した原子力発電施設の周囲おおむね三十キロ圏内を対象に、地域防災計画に位置付けられた避難経路上の改善に係る事業、これは例えば狭い道路で擦れ違い待機所の設置などの局部的な改修というものがございます。あるいは、円滑な避難などを確保するための交通誘導対策の強化、これは例えば信号機の遠隔制御などによる流入の調整というものがございますけれども、こうした事業を行っているところでございます。
 それで、他方で、原子力立地地域特措法でございますけれども、こちらは、原子力発電施設に加えて、燃料加工施設、中間貯蔵施設、廃棄物処理施設などの周辺地域について、地域の防災に配慮しつつ地域の振興を図ることを目的とした法律でございまして、避難道路、避難所などの防災インフラ、こちらの整備などを進めているものと承知しております。
 以上のように、両者は、対象となる事業が異なる上、この支援方法についても、緊急時避難円滑化事業の方は立地道府県などに対して定額を交付するということでございますけれども、他方で、原子力立地地域特措法による支援は国の補助率のかさ上げや地方債への交付税措置を行うなど、異なっているわけでございます。
 いずれにせよ、目的に合わせて立地道府県などが効果的に各々の事業を活用できるように、私ども原子力防災担当としても適切に対応してまいりたいと考えております。

#22
○木戸口英司君 この特措法ですけれども、平成十二年、制定当時ですね、参議院経済・産業委員会で、当時、自由党の提案で、原子力による発電の推進等に資するためとの文言が削られて、地域の防災に配慮しつつとの文言を加える修正が行われております。今答弁でもあったとおり、防災インフラ整備ということが重要な課題、これは、やはり原発の事故があって安全神話が崩壊したと、そのことでなおさら今重要になってきていると。
 しかし、原発立地地域特措法では、この原発事故前に制定された法律で、第一条の目的規定、「原子力による発電が我が国の電気の安定供給に欠くことのできないものであることにかんがみ、」との文言からも、そのままにされている、現状認識としては、私たちは大きな問題があると考えております。
 この法案を延長すると安易に結論付けるのではなくて、今年、エネルギー基本計画が見直されると、こういう機会に、これまでの原子力防災の在り方を検証した上で、必要な防災インフラ整備の一層の推進に資するような十分な議論がもっと必要だったんではないかと考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#23
○国務大臣(井上信治君) この法律は、立地地域の防災に配慮しつつ地域振興を図ることを目的とした法律であり、自治体による避難道路などの整備や企業誘致に対する地方税の減税について国の支援措置を講じるものです。
 東京電力福島第一原子力発電所の事故も踏まえて、各地域の原子力防災体制の充実強化にしっかりと取り組む必要がある中で、引き続き防災インフラの整備を後押しするため、この法律を延長するための法案を提出させていただいたところです。
 現在の目的規定には、防災への配慮も明記されております。これは、原発事故の前であっても後であっても当然我々努めていかなければいけないところでありますので、適切と考えております。

#24
○木戸口英司君 今回、閣法として提出をされております。これまでは議員立法ということでありました。
 この点、ちょっと時間もなくなってまいりましたので指摘とさせていただきますけれども、どうもこの、これも報道によると、この閣法で提出されるようになったということも、与党の中でいろんな検討があって、あるいはちょっと行ったり来たりしながら、時間も迫られてきたということでこのような提出の方法になったということで、その上で、今私が指摘したとおり、平成十二年にできた法律がそのまま内容として提出されてきたということ、そういった事態については強く、今のやっぱり時勢に、今の時代に合うような法案として、あるべき姿として提出するべきであったということを強く指摘をしたいと思います。
 その上で、大規模災害が全国で続発する中で、避難計画が実効性あるものとなるような必要な事業、これ集中的に進めること、私はこれは必要だと思います。今回、この約六十件、この事業の中でですね、十年後まで事業継続が見込まれるということもあるようでありますが、やはり必要な事業は私はしっかりと早期に進めていくべきだと考えますけれども、この点、大臣の所見をお伺いいたします。
 また、特措法を延長するのであれば、この法律の今後の運用に当たっても、原子力委員会と原子力委員会を所管する井上大臣が防災インフラの整備に向けても更に積極的に関与していく必要があると考えますけれども、現状と今後の課題についてお伺いをいたします。

#25
○国務大臣(井上信治君) 委員おっしゃるとおり、原子力災害への備えに終わりや完璧はないので、常に改善を続けていくことが非常に重要と考えています。道路整備などハード対策も含めて、原子力防災対策の充実、継続的な改善は住民の方々の安全、安心を高めるためにも重要であり、関係府省がその枠を超えて密接に連携協力して取り組むことが不可欠です。
 特措法を所管する立場として、関係府省との連携協力の上、防災インフラの整備にしっかり取り組んでまいります。

#26
○木戸口英司君 原子力行政は多岐にわたっているところでありますけれども、やはりそれを総括的に取り扱って情報共有しながら政策を進めていくと。その意味で、原子力委員会、大きな使命があると思います。その上で、やはり防災の効果を高めていくことということ、非常に今求められていることでありますので、ここは大臣のリーダーシップをお願いをしたいと思います。
 その上で、今、避難計画の問題ということでありますけれども、東海第二原発に対する運転差止めを命ずる判決について、資料一の上の方にその判決の骨子を書いておりますけれども、避難計画、できているところ、できていない市もあったわけでありまして、このことも非常に問題であります。人口密集地帯の避難が容易でないことが今回指摘をされ、明らかになったわけでありますし、避難計画ができたところに対しても実効性が不十分だという指摘は非常に重いものがあると思います。避難計画策定が困難を極めていることも問題ですけれども、策定済みの計画についても災害発生の中で実効性が問われたことは、避難計画にお墨付きが与えられ再稼働の許可を受けた他の原発においても避難計画の実効性が課題となると考えますけれども、所見をお伺いいたします。

#27
○政府参考人(佐藤暁君) お答えいたします。
 委員御指摘の、まず避難計画の実効性などのお尋ねでございますけれども、まず何よりも、原子力防災体制の充実強化というものが、原子力発電所が再稼働するか否かにかかわらず、原子力発電所が存在し、そこに核燃料がある限り、地域住民の安全、安心にとって重要であるというふうにまず認識しております。
 その上で、これまで総理大臣を議長として全閣僚を構成員とする原子力防災会議に報告し、了承を得た地域、これまで八つの地域でですね、では全ての関係自治体において地域防災計画、避難計画を策定済みでございます。そしてまた、地域原子力防災協議会という枠組みの下、関係自治体などと一体となってそれらの計画などを地域横断的にまとめた緊急時対応、これを地域ごとに作成しているところでございます。
 この緊急時対応は、例えば、複数の避難経路や避難先を確保した上での住民避難の対応、あるいは屋内退避が困難となった場合の対応、さらには緊急時モニタリング体制の強化など、複合災害も想定して策定しており、この地域原子力防災協議会において、その内容が原子力災害対策指針などに照らし具体的かつ合理的であることを確認し、また、総理大臣を議長として全閣僚を構成員とする原子力防災会議で了承されているところでございます。
 一方、原子力災害への備えに終わりや完璧はないということで、常に改善を続けることが重要でございます。引き続き関係自治体と緊密に連携し、訓練などを通じて原子力防災体制の更なる実効性の向上に取り組んでまいりたいと思っております。

#28
○木戸口英司君 時間になりましたので、終わります。

#29
○小沼巧君 立憲民主・社民の小沼巧でございます。
 昭和三十二年、我が国初の原子力の火がともりました茨城県、そして本法案に基づく振興計画の対象地域となっておる鉾田市から本日はやってまいりました。
 地域振興、防災強化、こういったことの理念は私も大いに賛同するところであります。また、地元としても、この法律に基づくいわゆるかさ上げ措置等々、少しでもお金が入った方がよいという声が満ちているということも重々承知でございます。
 ところが、その法律の基づく支援の程度及び制度、そして何より根本たる本気度につきまして、私、本件、いささか疑義を有しているのであります。本日は、その点について疑義を払拭なさるような、そのような御答弁期待したいと思いますので、井上大臣始め政府のほか皆様、よろしくお願いいたします。
 早速でございますが、この法律案、原子力立地地域の振興ということの一つのパーツであろうかと思っております。しかしながら、これを見ても、原子力立地地域の振興をどう図っていくのか、この全体像が正直よく分からない。その全体像は一体何であり、そしてその全体を総括する責任の職名というのは一体誰なのか、そしてゴールといったものはどこにあるのか、この点について御説明をお願いいたします。

#30
○国務大臣(井上信治君) 我が国の電力供給を支えてきた原子力立地地域においては、地域経済の持続的な発展につながる地域振興策や、長期停止、廃炉等による地域経済への影響の緩和、防災体制の充実など、様々な課題を抱えているものと承知しています。こうした課題に真摯に向き合い、解決を図ることが政府の方針です。
 原子力立地地域の非常に多岐にわたる課題に対しては、一元的に責任を持つ大臣を設置するのではなく、関係省庁が連携協力しながら、それぞれの所掌に応じて適切な取組を行うことにより、政府全体としてその課題解決を図ることが重要であると考えています。

#31
○小沼巧君 ありがとうございます。
 原子力関係について一元的に関与する大臣を設置しないということでありました。この点について問題点があると思いますので議論してまいりたいと思いますが、早速、この条文に入る前に、なぜに井上大臣が本件の担当であるのかということをお伺いしたいと思うのであります。
 この法律、地域を指定して計画を作ってというものに対して支援策を様々講じるというものであります。しかし、それの会、その議論をするのは原子力立地会議、法十二条ですね、でございますが、内閣府の特命担当大臣はこの会議の構成員から除外されております。かつては、商工委員会、経済・産業委員会ということでなってまいりました。ほかの横並びで見ますと、例えば経済財政諮問会議、これはちゃんと大臣が法定されているのであります。
 そういう意味で、なぜに原子力立地会議の構成員から除外されておる特命担当大臣がこの法案を担当されているのか、あるいはさせられているのか、ここが分からない。御解説をお願いします。

#32
○国務大臣(井上信治君) 原子力立地地域の構成員につきましては、特措法の目的及び制度内容に照らしつつ、関係各省の所掌事務の関連性を踏まえて定められているものと承知しております。
 私は、原子力立地会議に総理から特措法の事務を担当するよう指示された大臣として出席をし、必要な発言をすることができるものであり、原子力立地会議の構成員に関する規定を改正すべき特段の必要性はないと考えています。

#33
○小沼巧君 それはおかしいと思います、閣法であるのであれば。
 本来であれば、会議の構成員というのは、この法律及びほかの法律に並べても、構成員というのは法定されているのであります。それが、総理大臣から言われたというのは、法令に基づかず、時の政権の、あるいは権力者の意向によって何とでもなってしまうという意味で、若干法治主義とは懸け離れた答弁に、答弁及び構成になっていってしまうと思います。
 そういう意味で、立地地域の振興も含めた大臣を設置していないということにもしつながっておるのであれば、それはそれで、そもそもこの法律の立て付け自体で本当によいのかということについては大いに疑問が残ると思っております。
 そういうことでお伺いします。
 今回の法改正の内容は基本的に期限の延長ということであります。今申し上げたような話、結局のところ、関係省庁が一元的に連携してということであります。連携したとしても、先ほどあったような避難計画の問題は、結局のところ、とりわけ、東海第二原発を始めとしたところで、オーソライズはされてはおりません。バックエンドの問題、廃炉をどうするのか、そこに起こっている雇用の問題をどうやっていくのか、そして、その様々な問題について解決もなかなかできていないということが連携してやっていることの今の現実ではないかと私は強く思います。
 その意味で、今回、閣法としてせっかくやるのでありますから、この際、原子力立地会議のメンバーに内閣府特命担当大臣を構成員として追加する、そのようなことを入れることによって本気で地域振興策を考えていく、このような法改正にしたらいかがと御提案申し上げますが、御見解をお願いします。

#34
○国務大臣(井上信治君) これ、先ほども申し上げたとおり、私は総理の命を受けて、この原子力立地地域特措法、これを担当するということでやっておりますので、そういう意味では何ら問題はないというふうに思っております。
 今回の法改正におきましては、これ、いろいろ、立地地域の首長さんたちを始めとして、いろんな方から御意見もいただきました。この法律、非常に有用であるので是非延長してくれといった強い要望をいただいたので、それも踏まえて我々の方でしっかり延長すると、こういう改正内容にさせてもらったということです。

#35
○小沼巧君 かみ合っていません。私の質問は、ほかの会議等々の横並びにおいて、構成員は大臣として法定されている、けれども、時の総理大臣が何かやってくれと言うだけでは、それはほかの法律の横並び等も含めて、これだけ違和感が残る、つまり、法律全体の平仄が整わないことになってしまうのではないかということが指摘なのであります。その点についての御解説を求めておるということであります。
 関連して申し上げれば、この原子力立地会議、前回の延長が決定されてからこの十年間一度も開かれていないということは事実かと思います。つまり、会議体はあっても形骸化しておる。担当してくれということを言われたとしても、どうやら、恐らく、メンバーでないから、その形骸化している状況を追認している状況になっているのではないかと思います。
 まさに、原発の再稼働云々かんぬんの話もありますが、その立場はさておき、再稼働すべきはこの原子力立地会議だと思います。いかがでしょうか。

#36
○国務大臣(井上信治君) 法律のことに関しては、この原子力立地地域特措法に関する事務に関しては、これ、内閣府の設置法の中にきっちり法律として規定をしておりまして、そういった法律に基づいて私も総理から命を受けているということで、ほかの会議との規定の仕方、もしかしたらそれは違いがあるのかもしれませんけれども、今のこの我々の特措法の規定ぶりで何ら問題はないというふうに考えています。

#37
○小沼巧君 なるほどと。そういうことですか。確かに事務を担当していらっしゃるというのはそのとおりですね、現行の内閣府設置法において。
 じゃ、原子力立地会議が実質上十年以上形骸化している現状をどうするのか。原子力立地会議というものは、この法律に基づく指定と計画の決定及び原子力立地地域の振興に関する重要事項を調査審議することが所掌事務であります。これが果たされていないということの意味で、会議自体を活性化させる、今あるんだけれどもやっていないんですから。そういう意味では、ここに担当大臣として追加するということによって、実際に形骸化している状況を改善することが必要でないかと私は考えます。
 その上で、振興計画のフォローとか、そういったことについてでございます。
 内閣府におきましては、まさにこの振興計画の話に基づいて、様々な市町村、様々な県からの意見を踏まえて調整を行っている、そして支援策を行っているということでございますが、そこについて一つお伺いします。
 振興計画、これは都道府県なんかが作るものですけれども、国は、これのフォローアップであるとかあるいは評価であるとか、これを発議することはできない、現行法令上、法第四条の規定に基づいて、と理解しておりますが、この点正しいかどうか、解釈をお伺いします。

#38
○国務大臣(井上信治君) まず前者の件ですけれども、これ、御承知のように、法律の規定でも、都道府県知事の申入れとかあるいは提出があって、そしてそれを受けてこの立地会議を開くといったようなことになっておりますので、そういう意味では、知事からそうした申出等々がないということで、今、二十年近くですか、の間開催をしていないという状況になっております。
 我々、国としてということでありますけれども、やはりこれ、立地地域の振興のための法律でありますから、この立地地域の方々の意向を最大限尊重するというのが私は必要だと思っておりまして、ですから、その都道府県知事の皆さん方の様々な要望とかを最大限取り入れようと。そういう中で、特に申出もないのに国の方からむしろ逆に知事に対して働きかけるような、そういうやり方をするというのは余り適切ではないのかなというふうに思っています。

#39
○小沼巧君 なるほど。
 確認ですが、そういう知事に対して何かしらアクションを取ったり指導なり助言なりすることはできないという法令になっているという理解でいいですか。

#40
○国務大臣(井上信治君) もちろん、法律に基づかない形で、これは国と自治体がいろんな意味で協力はしていかなければいけないと思いますから、そういう意味では、事実上のそういったコミュニケーションといいますか、そういったことは可能だとは思っています。

#41
○小沼巧君 つまりは、今の話を解釈すると、法令上はこれできない法律になっているということであります。それで本当にいいのかということでございますが、そもそも何かしら都道府県なり地域が計画を作って国が支援をするということに関しては、閣法におきましては様々な法律があるわけであります。
 例えば、私も、経産省時代に培っていた中活法、中心市街地の活性化に関する法律であります。これ、都道府県知事なり国なりは指導、助言ということもできますし、国から都道府県知事とか市町村だけじゃない、それぞれから実際に事業計画なんかを担う民間企業に対しても必要な情報提供とか、そういったこともできるような規定になっております。
 十年延長したけれども結局まだ終わっていないということなのであれば、確かにその理念は分かる、だけれども、実際に早く整備とかをしなければいけないということは、この法案を提出している以上、認識なさっているんだと思います。それがうまくいっていない、進んでいない。ネグっているとは申し上げませんが、結局のところうまくいっていない。
 だとすれば、今回の法改正、まさに閣法でありますから、それに合わせて、国が責任を持って、積極的に例えば助言、例えば指導、そういったことをできるような法改正にすることがこの法律に魂を入れることであると考えますが、御見解を伺います。

#42
○国務大臣(井上信治君) この法律に基づいた様々な施策がうまくいっていないというふうには認識をしておりません。確かに、会議自体が二十年近くにわたって開催をされていないというのは事実ですけれども、そのことによって何か施策全体がうまくいっていないということにはつながらないというふうに思っています。
 そういう意味では、この法律に基づいた事業とかあるいは税制の、不均一課税の特例でありますとか、そういったことについては、毎年多くの事例もありますし、自治体の皆さんもこれを非常に評価をしていただいているというふうに認識をしておりますから、しっかり今の法律に基づいて施策を進めていくというのが我々の務めだと思っています。

#43
○小沼巧君 今大臣から、うまくいっていないとは認識していないというような御答弁があります。それは正しいと思います。なぜか。国が評価する仕組みがないからであります。できないからであります。都道府県が申出をしなければ国はこれは関与することができないというような残念な法律になっているのが現行法であると私は理解します。ここの欠陥を正すということ、それこそが、本気で、避難計画しかり、バックエンドしかり、そういった地域振興しかりということを考えていく、それがまさに政府としての務めではないかと思うところであります。
 そのような意味で、じゃ、例えばこういう話にしてみましょうか。仕組みにはできないと。現行法上では、地域の振興計画ですね、これ、他法令との調和が取れたものでなければならないとなっております。その後、いろんなところでいろんな地域振興の計画が行われているところであります。
 例えば福井県、「もんじゅ」、これはもう廃炉ということになっておりましたけれど、なっておりますけど、これ稼働が前提の状況で計画作られているんじゃないだろうか。敦賀市、立地地域に入っておりますけれども、敦賀市においては中心市街地活性化の計画を作っている。これとの調和が本当に取れたものになっているのか。
 例えば、私の出身地である茨城県水戸市、これも同じように中心市街地の活性化を進めているところであります。街なか居住とかコンパクトだなということになるということの一方で、道路建設もろもろというのは、モータリゼーションだったり郊外化だったりということで、考え方がてんでばらばらになっているような状況なのではないか。
 そういうような疑義が生じたときに、国は現行法令上、残念ながら、調和を取ることができているのかどうなのか、それをチェックすることも発議することもできないという状況になっているのであります。それでは、本当に、この地域の町づくりだったり雇用だったりということを考えられる、そのような法律になっておるのかというと、極めて疑義があります。
 この点についての問題点があると思いますし、それを改正する、改善する仕組みを今回の法改正によって入れるべきだと御提案申し上げますが、御見解をお伺いします。

#44
○国務大臣(井上信治君) この点は、先ほど申し上げましたけれども、少し見解の相違なのかと思っています。
 やはり立地地域を我々政府もしっかり支援をしていくというための法律ですから、立地地域の意向を最大限尊重するというスキームになっておりまして、政府の方がその尊重をしないで指示をするとか、そういったことはなじまないのではないかなというふうに考えています。

#45
○小沼巧君 尊重することは大前提です。その認識は合っています。私が申し上げておるのは、いろんな計画が大量にごまんと出ている、その中で本当に調和が取れたものになっているのかということは、しっかりと国の中の様々な知見を踏まえてフィードバックしてやること、それがまさに地域にとっても良い刺激になるのではないかと思うのであります。
 政令要件で様々な支援措置なんかもとられておりますけれども、そのまんまの状況を維持していることで本当にいいんだろうか。立地地域の話ということで、例えば要望書などなどが御念頭にあられるのかもしれませんけれども、そこの中で、例えば、最近で、はやりで言うとデジタルみたいな話といったことは残念ながら今回の中には、今回の政令要件、法令要件の中には含まれていない。そういったことを新しい飯の種としてつくっていくということも、政府から、様々な状況、海外も含めて、アドバイスをするということは地域の意向を尊重していることになると思いますし、その地域の意向を阻害している、何か物申すということとは違うと思います。
 その意味で、今回の、今の、大臣との御見解の相違があるかもしれないということでおっしゃっておりますが、そのような話があったとしてもなお引き続き見解の相違があるとお考えなのか、このままでいいのか、私はそうじゃないということを申し上げておるのでありますが、それでもなお、いま一度御答弁を伺います。

#46
○国務大臣(井上信治君) まず、その個別の計画については、知事の方から変更の申出などがあれば、それに基づいて、他の計画との整合性とかあるいは防災への配慮とか、こういったところもちゃんと配慮しなければいけないという規定になっておりますから、それに基づいて立地会議の中で判断をしていくということになるんだと思います。
 今のその法律の制度そのものについて変更する必要がないかという御趣旨であるとすれば、それについては、やはり今までも、原子力委員会であったり、あるいはそれぞれ立地自治体の様々な会議であったり、そういったところからいろんな申出をいただいております。例えば、事業対象を拡充すべきとかあるいは補助率を更に上げるべきだとか、そういったようないろんな御要望があります。
 そうした中で、今回の法改正に関しては、やはり何といってもまずはこの時限措置である期限を延長することが最優先であると、これを是非お願いをしたいといったような御意見もあったということで、そのとおりに今回改正案を提出しています。

#47
○小沼巧君 申出があればということで、極めて全てが受動的、消極的になっているということを問題意識としております。
 国策民営で原子力立地というのを進めてきたのでありますから、結局のところ、消極的、受動的ということではなく、国がまさに責任を持って、その地域の町づくりを始めとしてどう振興していくのかということを、ネタ、アイデア含めて提供しながら一緒に知恵を出して考えていくということがあるべき姿ではないかと思います。その点については恐らく御異論ないと思いますが、少なくとも、今回出されている法改正の中ではそれができない規定になっている。これが問題であるし、その点をこの際変えてはどうかということを申し上げたいのであります。
 一つ、それに関連して、条文について若干テクニカルな議論をさせていただきたいと思います。これで本当に合っているのか、ミスじゃないのかということを疑義として思っているわけでありますので、お聞きいただければと思います。
 白表紙の二ページ目、改め文のところの第二項でございます。原子力云々かんぬんの計画の作成に関することというような単語が使われております。作成でいいんでしょうか。疑義がある。なぜかといえば、現行法の四条に基づくと、国の責務、内閣府の業務というのは決定であります。作成するのは都道府県であります。なぜに、そのような意味で、作成に関することというのは、法律の定義、言葉の使い方として誤っているのではないかと考えますが、解釈をお伺いします。

#48
○政府参考人(柳孝君) お答え申し上げます。
 原子力立地地域特措法では、都道府県知事による振興計画の案の作成から内閣総理大臣への提出、原子力立地会議の審議を経た決定に至る一連のプロセスが定められているところでございます。
 これに関連する事務を総称するものとして、振興計画の作成に関わることと規定したものであり、規定ぶりに何ら問題はないものと考えております。

#49
○小沼巧君 それ、疑いがあります。
 その際に、例えば、衆議院の議員立法でしたね、そのときはね。そのときに何の用例、参考にしましたか。四法令ぐらいあったと思います。その中で、例えば山村振興法、これも用例として参考になさっていたと思っています。が、参考、その計画策定なんかについて、その作成という単語を使われておるんですけれども、平成二十七年の改正時に、助言とか指導とかその他必要な援助ができるということを書かれて、追加されたんですね、平成二十七年に。ということを考えると、立法制定当時のこの作成という単語は、あくまで都道府県の作成というものは限られるのであって、総称してやるということの解釈というものは参照条文の定義の仕方として誤っているのではないか、このような疑義を思うのであります。
 そういったことがありますが、その点について御説明をいただけますと幸いです。

#50
○政府参考人(柳孝君) お答え申し上げます。
 先ほど御答弁申し上げたように、我々、立法時の経緯を踏まえまして、これら一連のプロセス全体を総称するものとして、振興計画の作成に関わることと規定されているものと理解しております。

#51
○小沼巧君 いやいや、それは、それは誤っていると思います。
 総称に関するものとしてだとすれば、例えば水源地域対策特措法ってありましたね。あれで同じように、これは国土庁の所管でしたけれども、各種法令に基づく事務として、確かに所管の各設置法でやっているわけですよ。ただ、それの引用の仕方は、法律第何条に基づくことであって、作成とか決定という述語は書いていない。そういう意味だとすると、その解釈自体が誤っていたのではないだろうか。今回の閣法にするのであれば、その誤り自体を正すということが本来の法改正の目的であろうかと思います。
 その点について御説明をお願いしたいと思いますし、もし万が一疑義が残るということを今、良識の府たる委員各位が考えるのであれば、その点、理事会に協議していただいた上で、その上で、本当に採決の前に、この単語でいいのだろうか、それをよくよく突き詰めた上で賛否を決めるということを委員各位に是非ともお願いしたいということを申し上げて、回答を受け取って質問を終わりたいと思います。

#52
○政府参考人(柳孝君) お答え申し上げます。
 先ほど答弁したとおり、この法律制定当時からこの規定に基づきまして、我々一連の事務を行わせていただいております。
 今回の改正法案を提出に当たりまして内閣法制局の審査を受ける中でも、我々、こういった事務をこのように表現していることについて御了解いただいているところでございます。法制的な解釈として、我々何ら問題ないと思っております。

#53
○小沼巧君 終わります。ありがとうございました。
 あっ、済みません、その件につきましてまだ疑義がございますので、理事会にてお取り計らいをお願いしたいと思います。委員長、お取り計らい願います。

#54
○委員長(森屋宏君) 後刻理事会において協議いたします。

#55
○小沼巧君 終わります。ありがとうございました。

#56
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 本日の議題であります原発立地地域特措法、これ二十年前に、当時の連立与党でありました自民党、公明党、保守党、この三党の共同提出をして作った、議員立法で作った法律であります。中身は同じなわけですけれども、改めて、今日審議に際して、やはりこの二十年の歩みというものをきちっと踏まえた議論をしなければいけないんだろうというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事酒井庸行君着席〕
 当時、我が党内でも大分いろいろな意見があったというふうにお伺いしていますし、その当時、党内の取りまとめをした先輩がもう引退されていたりしてなかなか当時の状況を詳しく聞くことはできないんですが、我が党内でいきますと、斉藤鉄夫衆議院議員・党副代表が党内最後、意見の取りまとめも含めて大分御尽力をされたというふうにお伺いしました。
 もうこれ改めて、今日審議に当たりまして三つの視点が大事だと思っています。一つは、この法案ができたやはりそもそものきっかけが茨城県東海村で起きた臨界事故であったということでありますから、この法律が原発立地地域の安心、安全にちゃんと資するものでこの二十年間あったのかどうか、この視点は欠かすことができないんだろうと思いますし、二点目に、これ国会の当時の議論をやっぱり振り返っても、本当にこの法律が地域の振興につながるのかという点、やはりこれもしっかり二十年の歩みを見ていかなければいけない。
 三点目ですが、当時、実は公明党内においては、この法律を最後共同提出する前に、ほかの法案とセットで審議したらどうかという提案をさせていただいていました。当時は時期尚早ということで結局これ至らなかったようでありますが、当時、党として出そうとしていたのは、新エネルギーの開発促進をめぐる法案と併せて議論すべきじゃないかということを提案させていただいていました。
 当時は時期尚早だったのかもしれませんが、改めて二十年たって、今、再生可能エネルギーの主力電源化ということが世界的な潮流になってきている、今実現していないものも含めていろいろなものの可能性が出てきている中で、きちっと多様化されたエネルギー源の中に原子力というものを位置付けて、一つ一つメリット、デメリットを検証しながらやはり考えなければいけない。特に、今年の夏は新たなエネルギー基本計画の策定ということもありますから、そういった議論にやっぱり資する観点で今日も議論していかなきゃいけないかなというふうに思っております。
 そこで、まず井上大臣にお伺いしたいんですが、この法律がこれまで原子力発電施設立地地域の防災対応力の向上ですとかあるいは地域経済の振興の面で果たしてきた役割、この点について総括を是非いただけたらと思っております。

#57
○国務大臣(井上信治君) 原子力立地地域特措法に基づく防災、安全のためのインフラ整備支援を目的とした補助率のかさ上げによる地方公共団体への支援、具体的な数字を少し申し上げますが、令和元年度は約百三十件、約十四億三千万円、令和元年度までの直近五年間の年平均は年間十一億円といった実績があります。また、個別具体的な成果として、委員言及のあった例えば茨城県では、避難所にも活用される市内七小学校の統合時の新校舎を建設するなど、立地地域各地で防災、安全のためのインフラ整備に大きく貢献してきております。
 また、地方公共団体が不均一課税を行った場合の減収補填額につきましては、令和元年度は約八億四千万円、令和元年度までの直近五年間の平均では年間約七億六千万円となっています。また、支援措置対象件数については、令和元年度が三百九十件、直近五年間の平均では約四百件の支援を行っており、立地地域における製造業などの産業基盤の充実に貢献してきています。
 このように特措法は、原子力発電施設立地地域において、防災インフラ整備による防災対応力向上や企業誘致などを通じた地域経済振興に大きく貢献してきたものと認識しています。

#58
○平木大作君 こういった防災力の向上あるいは地域経済の振興、立地地域が、地元の自治体がやはり評価しているからこそ今回も延長という形での申入れが集まってきているんだろうというふうに思っています。
 その点は評価しておりますが、ただ、今回、延長に際して原子力委員会はどういうふうに言っているかというと、百三十件の防災インフラが整備中であり、防災インフラの更なる整備は引き続き大きな課題となっている、だから継続が必要なんだというふうになっていまして、これ、これまでは、二十年間は議員立法としてやってきたんで、ある意味ちょっと仕方がないところがやっぱりあるんだろうとは思うんですが、一方で、今回は政府として法案を提出している、かつ、これ恒久法としてやるんだったらまた別の議論があるかと思うんですが、十年間という時限立法の形で出してきているという、この二点ってやはり意味があるなというふうに思っていまして、政府として手厚くされる以上、また十年後にやはり引き続き大きな課題が残っているので延長しますというのは基本的に通らないんだろうというふうにも思っております。
 改めて、今回この政府として提出されるに当たって、防災インフラの整備しっかりやっていただきたいと思いますが、その点についてお伺いしたいと思います。

#59
○国務大臣(井上信治君) 委員御指摘のとおり、原子力委員会においても、二〇二一年三月末に期限の切れる原子力立地地域特措法を延長し、立地地域における防災インフラ整備に対する支援措置を継続することが必要であるといったような見解をいただいております。
 また、その他、立地地域のそれぞれ様々な会議の皆さんからいろんな御要望をいただいておりまして、そういう中で、例えば対象事業の拡充でありますとかあるいは補助率の更なるかさ上げとか、そういった御要望もいただいております。
 今回については、とにかくこの期限の延長が最優先だということでこういった内容で提出をさせていただきましたけれども、引き続き立地地域あるいは様々な関係者の御要望、御意見なども賜りながら、今後についてはしっかりいろんなことを検討してまいりたいと思っています。

#60
○平木大作君 その上で、法案の具体的な内容に入る前に、少しちょっと参考というか、関連でお伺いをしておきたいと思っています。
 これ、今これまでの御実績も含めて大臣からも御紹介いただきましたが、二〇一〇年度以降の実績というのはある程度事業別に出ているんですけれども、この中で、結局、道路ですとか港湾、漁港、消防施設、義務教育施設等々、いろんな類型があるんですけれども、件数ベースで見れば七割以上が道路の整備ということであります。
 改めて、私、この道路の整備って本当に計画的にしっかり先を見据えてやっていただく必要があるかと思っておりまして、その上で、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化計画と、あっ、加速化対策というものがこれから走り出します。割と多くの方の受け止めとしては、これ、今年度で終わる三か年緊急対策が五年に延びた、予算がちょっと増えたみたいな位置付けで思っている方が多いようなんですけれども、そうではない。
 ある意味今回この五か年対策が決まったことで全国の知事会ですとか様々な関係各所から高く評価されている一つの理由が、この五か年加速化対策の中に新たに明記をされました例えば高速道路の四車線化ですとかダブルネットワーク化ですとか、そういった道路ネットワークのこの機能の強化というものが、これ、防災力の向上のみならず、新たな産業の集積の基盤になっていくんだという、そういうある意味地方創生に資するものであるというところを高く評価していただいているんだろうというふうに思っております。
 その上で、先日、私も予算委員会で取り上げさせていただきましたけれども、この本年完成予定の三陸沿岸道で、既にもうこれ、まだ完成し切っていないんですけれども、一部効果が様々なところで今実証されておりますが、この強靱な道路ネットワークの機能ということについて国土交通省にお伺いしたいと思います。

#61
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
 道路ネットワークにつきましては、物流効率化や観光交流促進など様々なストック効果を発揮するほか、災害時の代替ルート確保や緊急物資の輸送等において大きな力を発揮いたします。
 例えば東日本大震災におきましては、発災直後に住民が盛土斜面に駆け上がり三陸道に避難したこと、くしの歯作戦と呼ばれる道路啓開を実施することで救命救急活動や応援部隊の派遣に貢献したこと、仙台東部道路の盛土が内陸市街地への瓦れきの流入を抑制し防潮堤としての機能を発揮したことなど、災害時における道路ネットワークが果たす多面的な機能が再認識されたところでございます。
 国土交通省としては、このような災害時における道路ネットワークの多面的な機能にも留意しつつ、道路ネットワークの整備を推進してまいりたいと考えております。

#62
○平木大作君 改めて、今、三陸道の話も具体的に引いていただいて御答弁いただきましたが、発災当時も、これ命の道路ということで、多くの方が津波から逃げるために使うことができたという道路でありました。この三陸沿岸道が完成することで仙台から八戸まで結ぶ東北縦貫道の代替路線ができる、東北地方では初めてということでありまして、このことの意義ってやっぱり非常に大きいんだろうというように思っております。
 国土学総合研究所の大石所長による試算がありまして、東京から青森まで高規格道路だけを通って何通りのルートで行くことができるのかという試算がありまして、二〇一七年の段階でこれ計算すると五十二通りなんだそうです。ところが、これが三陸沿岸道が完成すると五十二通りだったものが一万四千二百四十通りになるということで、やはりなかなか、道路が一本代替で通ったのかなぐらいにしか思えないんですけれども、改めて様々な避難のルートがつくることができる。冗長性とかですね、言葉にしてしまうとすごく分かりづらいところがあるんですけれども、やはりこれ本当に防災機能の上で大きな機能があるんだぞということを改めて認識をさせていただきました。
 その上で、またちょっと本論に戻っていきたいんですが、まさに避難の在り方というところについて、先日、日本原電東海第二原発に対して水戸地裁が運転の差止めを命じたわけであります。これ、一つは避難計画の不備を理由として原発の運転を禁止をする、差止めをする初めての判断であったということ、加えて、これ原子炉自体は、サイトの中自体は、要するに原子力規制委員会の安全審査も合格をし、二十年の運転延長も認められた、その後でのこれ運転の差止めである、この二点は非常に重いんだろうというふうに思っております。
 何というんでしょうか、避難道路というハードの整備というのを一生懸命この法律で二十年間やってきているわけですけれども、そこ、ハードを一生懸命やっている一方で、この実効性のある避難計画というソフト面で明らかに欠落があるという指摘だったわけでありまして、この点について今資源エネルギー庁としてどう受け止めていらっしゃるのか。また、今後、これ、政府としては今再稼働というところに向けて様々取組進められているんだと思うんですけれども、再稼働をにらむ上でも、少なくとも避難計画の策定はやっぱり自治体任せにはしてはいけないんだろうというふうに思っております。この点についての御見解をお伺いします。

#63
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 今御質問頂戴しました判決でございますが、本件は民事訴訟でございまして、国が訴訟の当事者でないためちょっとコメントは控えさせていただきたいと思いますが、再稼働に関して申し上げますと、原子力規制委員会によって世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認められた原子力発電所のみ地元の理解を得ながら再稼働を進めるという政府の方針でございます。
 地元理解というものは、まずは事業者自らがしっかりと地域と向き合っていただき信頼を築くことが必要でございますが、政府としても、エネルギー政策における原子力の意義を含めて、丁寧な説明を尽くしていきたいと考えております。
   〔理事酒井庸行君退席、委員長着席〕
 その中で、避難計画というのは重要な要素だと考えます。東海第二地域の避難計画につきましては、茨城県や関係省庁が参加する地域原子力防災協議会の枠組みの下で現在検討が進められているというところでございますけれども、例えば、避難先施設の確保でございますとか、避難車両、避難ルートの確保など、複合災害ということも念頭に置きながら検討していかなきゃいけないという課題に直面しているということはよく認識しているところでございます。
 避難計画というものは、再稼働するしないにかかわらず、地域住民の皆様方の安全、安心にとって重要なものでございます。引き続き、関係自治体と緊密に連携し、政府としても前面に立ちながら、避難計画の具体化、充実化に向けてしっかり取り組んでいきたいと、こう考えてございます。

#64
○平木大作君 是非これ、先ほども御指摘ありましたけれども、三十キロ圏内の十四市町村のうち九自治体がそもそも計画が作れていない。加えて、策定済みの五つの自治体と茨城県の避難計画、ここについても、例えば道路が寸断された場合の代替避難路等について検討が不十分という指摘でありまして、これやっぱり自治体単独で当然やろうと思ってもできないから今までできていないということだと思っております。
 これ、東日本大震災のときも、結局いろいろな避難、皆さん各自で避難されたわけですけど、地震で、複合災害ということが今ありましたけど、地震で橋が落ちちゃったから、そもそも通ろうとしていたところを通れなかったとか、道路に穴が空いていて何百メートル進むのに何時間掛かったみたいな話があって、まさにそういうときに役に立つ実効性のある避難計画なんだろうというふうに思っています。是非ともこれ連携を深めて、しっかりとしたものをつくれるように御努力いただきたいと思います。
 その中で、もう一方、今まさに答弁の中でも、この世界最高水準の安全ということを日本の今規制基準というのはうたっているわけでありますが、そこでちょっと一つ議論しておきたいのが、原子力の議論するとき必ず出てくる、深層防護という考え方があるかと思います。
 要するに、幾層にも分けて防護策を講じることでその全体としての信頼性を向上させるという考え方かと思うんですが、例えばこれ、国際原子力機関、IAEAの場合ですと、五つの層ですね、段階に分けてそれぞれ対策を講じるように求めているわけでありますが、その五つ目、一番最後の層って何かというと、放射性物質が外部環境に放出されてしまった際の対策ということであります。
 とても大事な視点だと思うんですけれども、実は、まさに先ほどの世界最高水準の安全ということを追求している日本なんですけれども、今、今々の時点でこの五層目というのは、原子力規制委員会、そもそも審査の対象となっておりません。
 これ、実効性のある避難計画を作成する、そういったものをきちっと担保していく上でも、原子力規制委員会ですとか外部機関による審査ですとか検証の導入というのは検討すべきじゃないかと思うんですが、この点いかがでしょうか。

#65
○政府参考人(佐藤暁君) お答えいたします。
 まず、避難計画というものは、これは地域の実情を熟知している自治体と専門的な知見を持つ国、これが連携して一体となって策定することがまず適当ではないかというふうに考えております。それで、そのため、原子力規制委員会においては、原子力災害対策の円滑な実施を確保するための技術的、専門的な事項を規定した原子力災害対策指針というものを定めております。それで、地域防災計画、避難計画というのはこの原子力災害対策指針などに基づいて作成されております。
 それで、さらにその上で、避難計画を含む緊急時対応というものがございますけれども、こちらは、原子力災害対策などに照らして具体的かつ合理的であることを、原子力規制庁を含む関係省庁や関係自治体、これらが参加する地域原子力防災協議会において確認をして、確認するとともにですね、さらに、総理を議長とし、原子力規制委員長も副議長となり、全閣僚を構成員とする原子力防災会議で了承することとしております。
 以上のように、全ての関係者がコミットしたプロセスを経て、この避難計画、緊急時対応はでき上がっているというものでございます。
 原子力防災に終わりや完璧はございません。今後も原子力防災体制の充実強化に努めてまいりたいと思っております。

#66
○平木大作君 関係者がコミットしてしっかり取り組むということでありましたので、是非万全の対策をよろしくお願いしたいと思います。
 ちょっと本論に戻りまして、対象地域の指定についても確認をさせていただきたいと思います。
 基本的にこれ、指定地域というのは、今、七十六の市町村ということが従来からありまして、変わっていないわけでありますが、これ、新たに対象地域の指定拡大ということを求める声があります。
 これ、どうしてなのかなというのを見てみますと、地域によってこれまでいわゆる指定の申請の仕方が変わっていたと、違っていたということが一番の原因のようでありまして、例えば青森県ですとか福島県の場合は、原発から三十キロ圏内のということはもとより、立地自治体と隣接しない自治体も含めて、割と広域にこれまで指定申請をしてきた。ある意味広域で一体的に地域振興も含めて取り組んでいるからということのようでありますけれども、こういう立て付けでこれまで申請してきた。一方で、宮城県の場合ですと、基本的には立地地域あるいは隣接自治体に絞った、そういうこともあって、三十キロ圏内でも対象外になっている自治体もあったりするということで、割とその県、都道府県のある意味スタンス、当初のスタンスによって指定地域が大分濃淡があるんじゃないかという御指摘があるわけであります。
 こういった地域ごとの考え方、当初の考え方が違ったということに加えて、二十年たってきたということもあるんですけれども、時間がたって、いわゆる後々、国の原子炉設置許可が出てきた地域、例えば青森の大間とかがそうなわけでありますけれども、そういう地域も対象にならないのか、こんな声も聞かれてくるわけであります。
 こういう地域の指定の考え方について改めてちょっと是非御確認いただきたいのと、これ別に拡大だけではないと思っています。今、今々の時点でいきますと、原子炉運転していないところですとか、もう廃炉が決まっているところもあるわけで、こういった地域を引き続き指定し続けることについては当然国民の皆様の御理解が必要になるわけでありますので、このある意味拡大、あるいは、もしかしたら場合によっては縮小ということもあるのかもしれませんが、地域指定の在り方について政府の御見解をお伺いしたいと思います。

#67
○国務大臣(井上信治君) 特措法におきまして、立地地域の拡大含めて、地域の指定又は変更に当たっては、都道府県知事からの申出を受けた上で、自然的経済的社会的条件から見て一体として振興することが必要等の要件への該当について、原子力立地会議の審議を経て内閣総理大臣が指定することになっています。このため、都道府県知事より立地地域の拡大の申出があれば、このような手続に基づいて必要な対応を行うことになります。
 ですから、我々、政省令やあるいはその通知の中でこの地域指定の考え方、一定の考え方示しております。それに基づいて、都道府県知事、最も地域の実情を把握している都道府県知事が判断をされて、そして申出をするということになりますので、今後も、もしその変更の申出などがあれば、そこはしっかり対応していきたいと思っています。
 また、原子力発電所が停止中や廃炉中であっても、原子力発電所が存在し、そこに核燃料があるので、原子力防災のための対応は不変であることから、周辺地域の安全確保のため、原子力立地地域特措法の支援対象にもなるということで、こういったことも踏まえながら、この地域指定、申出に基づいて行っていくということになります。

#68
○平木大作君 もう一問、基本的な論点でありますが、改めて確認をしておきたいと思います。
 不均一課税に対する特例措置ですね、これ対象業種が限定されていまして、製造業、道路貨物運送業、倉庫業、こん包業、卸業と、こういう限定になっております。法成立時と産業構造等も含めていろいろ変わっている、地域振興という意味ではもっとほかの業種にという声もあるわけでありまして、この点、政府の御見解をお願いしたいと思います。

#69
○政府参考人(柳孝君) お答え申し上げます。
 地方税の不均一課税に伴う減収補填措置につきましては、平成十年に閣議決定された地方分権推進計画におきまして、従来から行われてきたものは適用期限が到来した際にその必要性、対象要件等を見直すとともに、新たな措置については必要最小限のものとするとされてございます。
 原子力立地地域特措法におきましても、不均一課税に伴う特例措置の対象の拡大につきましては、この閣議決定の趣旨を踏まえ検討していく必要があると考えております。

#70
○平木大作君 よろしくお願いいたします。
 時間の関係もありますが、東京電力柏崎刈羽のセキュリティー対策不備ということについても少しお伺いしておきたいと思います。
 やはりこれ、地元の自治体からは、大変ショックを受けて、今不満の声が上がっているわけでありますが、改めて、地元自治体のまさに御理解があって成り立つ話なんだろうというふうに思うわけです。
 こういう中で、まず確認しておきたいのは、平時ですとかあるいはインシデント発生時、そもそも電力事業者と地元の自治体、連携体制ってどうなっているのかということをちょっと改めて確認をさせていただきたいと思いますし、同時に、これ当然地元自治体とのあるべき連携の姿って恐らくあるんだろうと思っています。特に、何かあったときに、後々で、何か月前にこういうことがありましたみたいなことを報道で知ることほどショックなことはないわけでありまして、昨年から、そういう意味でいくと、柏崎刈羽、他人のIDカードを使って中央制御室に侵入していたとか、いろいろあったわけでありますけれども、この一連の失態において、連携の在り方、今どう評価されているのか、お伺いしたいと思います。

#71
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 まず、核物質防護の確保というのは原子力事業者の基本でございまして、今回の東京電力柏崎刈羽原子力発電所における立て続けの不正事案、失態といいますか、事案が発生しましたことは私ども大変遺憾でございまして、原子力規制委員会の監視の下で徹底した原因究明と再発防止、これをしっかりやっていただきたいと、これに対する我々も指導していきたいと考えてございます。
 その上で、その原子力を含むエネルギー政策を進めていくに当たりましては、地元の方々の信頼が不可欠でございます。その中で、情報提供というのは本当に基本の重要な要素だと考えてございます。
 そのために、平時という意味で申し上げますと、発電所のトラブル情報等の通報、連絡につきましては、各電力事業者と立地自治体の間で事前に定めを設けてございます。これに基づきまして必要な情報共有を行っているものと承知しているところでございますし、これについて私ども指導してまいりたいと思っております。
 一方で、今回のセキュリティー事案について、東京電力から立地自治体への説明が遅いと指摘があったことにつきましては、地元の方々の御理解を得るという意味でいうと、大変重く、真摯に受け止めるべきであるというふうに考えておるところでございます。
 一方で、この核物質の防護というセキュリティーの事案に関しましては、やはりセキュリティーの事案が発生することを防止しなければいけないと。そういう観点から、原子炉等規制法に基づく秘密保持義務というものがある制約の中で、どのような形で地元の皆様方に情報提供できるか、若しくはどこまですべきなのかということにつきましては、規制委員会の監視の下で適切に議論、検討し、対応していっていただきたいというふうに考えておるところでございます。

#72
○平木大作君 セキュリティーの事案ですと、当然その中身どこまで出すのか、いつ報告するのかということは議論として当然あるんだというふうには思っておりますが、やはり何かあったときに、結局、地元の自治体から不満の声が上がるというのは、多分連携が良くないからなんだろうというふうに思っております。
 ちょっと正確なところ分かりませんが、報道ですと、今日ですかね、東電の小早川社長、新潟県花角知事とも面会予定というふうに聞いておりますが、そういったところ含めて、本当にこのタイミングなのかみたいなことも含めて、やっぱりきちっと連携を促していただきたいと思います。
 最後になりますが、この柏崎刈羽の事案を受けて、先日、梶山経済産業大臣も、次期エネルギー基本計画での将来的な原子力の位置付けについて、今回の事案も含めて検討する必要があるという発言をされております。この夏のこの次期エネルギー基本計画、本当に大事なタイミングだなというふうに思っております。なかなかこの事案そのものを基本計画に反映ってことではないんだとは思っていますが、一方で、きちっと原子力のメリットやデメリット、リスクみたいなものも含めて開示をしながら、ある意味政府としてのスタンスをしっかりと打ち出していかない限り、やはり信頼を勝ち得るのは難しいんだろうと思っております。
 その意味で、これ当然与党としてもしっかり関与していきたいというふうには思っていますが、この点について、最後、資源エネルギー庁、お伺いして終わりたいと思います。

#73
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘ございましたように、現在、エネルギー基本計画の見直しの議論を今進めているところでございます。その際の考え方といたしましては、エネルギーというものが国民生活、経済活動、こういったものを支える基盤であるものですから、資源の乏しい我が国におきましては、それぞれのエネルギー源の強み、弱みというものを十分に考慮し、様々なエネルギー源をバランスよく活用していくという、従来でいいますと3EプラスSということを申し上げておりましたけれども、この考え方を改めて議論、検討していくことが必要かなというふうに考えているわけでございます。
 その中で、原子力に関して申し上げますと、安定的である、かつ安価であるといった電力供給の特性ですとか、気候変動問題の対応などを考えてまいりますと、その活用ということは必要な要素であるというふうに考えているところではございます。
 その際、今回発生しましたような事案を含め、安全、セキュリティー、これについてはしっかり確保していくことがその大前提であるということを今回改めて認識したところでございまして、先日、梶山大臣が答弁申し上げましたけれども、国会の中で御答弁申し上げましたけれども、こういうところも含めて、エネルギー基本計画の中で、政府が今後取り組んでいくべき措置、方向性ということについて、これも含めてしっかりと検討していきたいと、こういう形で考えてございます。

#74
○平木大作君 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。

#75
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。よろしくお願いをいたします。
 私どもは、この法案、原発立地地域の振興、そして防災対策の充実という観点から、十年延長必要であろうという立場でありますが、その上で、確認の意味も含めて、また疑問に若干思うところもありますので、お聞きを幾つかしたいと思います。
 この特措法の第七条には、振興計画に基づく事業のうち、立地地域の住民生活の安全の確保に資することから緊急に整備をすることが必要なものとして政令で定めるものが補助率かさ上げ等の支援対象となるということが規定をされているわけであります。
 この法律の制定から御案内のとおり二十年たとうとしているわけですが、二〇一九年度末で約百三十件の防災インフラ整備がまだ整備中ということであります。したがって、引き続きその支援が必要であるとしてこの法案が提出をされているわけですが、どのような計画の下で事業が進められているのか確認しようにも、この振興計画が基本的には公表されていないということで、詳しい情報がないということになるわけです。
 この点については衆議院でも議論があって、内閣府から、立地自治体の了解が得られれば振興計画を公表していく考えがようやく示されたところであります。一歩前進ということかなと思っていますが、そこで、できるだけ早く示せるようにしていくべきではないかと思っていますが、ややもすると、ちょっとこれブラックボックス化しているところが見受けられるんではないか。
 どれだけの効果があったのか、そういったことを検証するためにも、そういったものはできるだけ公表すべきだと思いますが、どのように具体的に取り組まれるか、これは大臣にお尋ねをしたいと思います。

#76
○国務大臣(井上信治君) 振興計画につきまして、これ、衆議院の審議の中でも申し上げたとおり、できる限り速やかに公表していきたいというふうに考えています。

#77
○柴田巧君 それは分かっている上で、どういうふうに具体的に取り組まれるかということをお聞きしたかったわけです。

#78
○国務大臣(井上信治君) そうですね、そういう意味では、やはり関係自治体に対して照会もした上で、そのお返事も待って、例えば内閣府のホームページに掲載をしたりとか、そういった方法を考えております。

#79
○柴田巧君 ありがとうございます。
 できるだけ早くに、またよりオープンにしていただければいいんではないかと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 次に、今も触れましたが、今整備中が百三十件ほどあると。そのうち約六十件が十年後まで事業継続の見込みであると。これも衆議院での答弁がございました。
 二十年前にこの法律を制定する際に、当時は御案内のとおり議員立法だったわけですが、細田博之先生が答弁の中でこういうふうに答えていらっしゃるんですね。人里離れたところで一キロとか二キロの道路を整備する、道路を何十キロも造るようなことは考えていないというイメージを語っていらっしゃるわけで、緊急に整備をすることが必要なものという法律の規定から見ても、十年以上掛かるというのは、掛けるというのは非常に長い印象を持つんですが、実際どのような規模のものが整備をされているのか、全体をお話しされるのはちょっと時間的にも無理だと思いますが、概要だけでも分かるところでもあれば教えていただければと思います。

#80
○政府参考人(柳孝君) お答え申し上げます。
 令和元年度において、原子力立地地域特措法の支援を受けて整備中の防災インフラは約百三十件ございます。このうち、委員御指摘のように約六十件が十年後までの事業継続予定となっているところ、この六十件の事業は全て避難道路又は緊急輸送道路の整備であり、総事業費の平均は約二十八億円となっている状況でございます。
 道路整備につきましては、整備区間の長さや整備する場所の環境にもよりますが、一般論として申し上げれば、事前の地質調査、測量、設計に一、二年程度、用地の交渉、買収に二、三年程度以上、実際の整備に数年を要することも多いと認識しており、先ほど申し上げた六十件の道路事業のように、整備期間が十年以上となる場合も多いと立地地域の方からは聞いている状況でございます。
 具体的な例を挙げますと、例えば、これは何県だっけな、松江市の道路で城山北公園線、これにつきましては約十五年程度掛かってございます。総事業費としては約百三十億円というようなものもございます。非常に大きな整備をする場合に長期間にわたると。
 このように避難道路等の整備につきましては一般に長期間を要するものがあるところ、原子力立地地域特措法におきましては、立地地域において緊急に整備に取り組む必要のある優先度の高い防災インフラ、これを対象として御支援させていただきたいと考えております。

#81
○柴田巧君 今延長して、また更に十年後延長ということも十分あり得るということのようでありますが、これはまた別の機会に議論をさせていただくとして。
 次に、この福島第一原発の事故では、原発から四十キロ以上離れた地域まで計画避難区域の範囲が広がりました。この本法の支援対象とする地域は事故が起こった際に影響を受ける地域を全てカバーしているというふうに理解していいのか、考えているのか、また、本法がこの防災インフラの整備を行うものであることに鑑みれば、支援対象とする地方自治体の範囲を見直す必要はないか、先ほどもちょっと質問が、のところと重なる部分あるかもしれませんが、併せて大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。

#82
○国務大臣(井上信治君) まず、現在の立地地域については、各道府県における個別需要や必要性に応じた申出に基づき指定されると。道府県によっては、原子力発電施設から三十キロ、四十キロを超える地域も立地地域に現在既に含まれております。法律において、立地地域の指定又は変更について都道府県知事が必要と判断すれば、その申出により原子力立地会議において審議し、内閣総理大臣が行うというふうになっておりますから、これは知事の方から申出があれば適切に対応してまいります。

#83
○柴田巧君 分かりました。ありがとうございます。
 この法案についての最後の質問とさせていただきますが、この新型コロナ感染拡大を受け、避難所におけるソーシャルディスタンスの確保の必要性が高くなってきております。このことは原子力委員会の定例会議においてもこれは指摘をされていまして、例えば、昨年十二月二十二日の会議でも、原子力発電関係道府県議会協議会の会長であるとか、あるいは全国原子力発電所所在地市町村議会議長会か、協議会長などからそのような要望が出されているところでもあります。
 これを受けて、本法において避難所の整備の在り方を見直すという考えはないか、内閣府にこれはお尋ねをしたいと思います。

#84
○政府参考人(柳孝君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、昨年十二月二十二日の原子力委員会におきましては、渕上会長や桜井会長から新型コロナを踏まえた避難所の拡充の必要性についてお話ございました。これを受けまして、同月二十八日の原子力委員会におきまして、上坂原子力委員長からは、新型コロナ対応の観点も、特措法の延長が、観点からも特措法の延長が必要との趣旨の御発言があり、原子力委員会として特措法の延長が必要であるとの見解が取りまとめられたと承知しております。
 これを踏まえまして政府として今回法案を提出させていただいたものであり、特措法の活用により地方の実質的な負担が一三・五%となるなど手厚い御支援をさせていただいていることから、立地地域において、新型コロナ対応の観点も踏まえ、避難所として活用される小中学校等の整備、改修など、特措法による支援を御活用いただくことが有効と考えております。

#85
○柴田巧君 もっと取り入れていただくようなところが出てくればいいなと思っていますが、まあ今の答弁、了としたいと思います。
 以上で法案についての質問は終わらせていただいて、次に移りたいと思いますが、原発事故からの避難についてでございます。
 先般、共同通信が原子力災害対策重点区域などの百六十の自治体に聞いたアンケート結果が報道でもありましたけれども、これは、全国十九原発の三十キロ圏内で、この原子力災害時に自力避難が難しい高齢者や障害者などのいわゆる避難行動要支援者がまず二十四万数千人ぐらいいるということがこれによって一つ明らかになりました。
 その中で、支援する側の体制整備は約六割が不十分だと回答していまして、人手不足であったり移動手段の確保が難しいということを理由に挙げているわけですが、いわゆる災害弱者の、人の命をどう守るかというのは非常に重要なことでありますが、このアンケート結果、当局も分かっておられると思いますが、これをどのように受け止めているのか、また、今後どのような支援がこの結果を受けて必要だというふうに認識をされているのか、お尋ねをしたいと思います。

#86
○政府参考人(佐藤暁君) お答えいたします。
 避難の実施に時間が掛かり特別の移動手段や避難先が必要となる配慮者の安全な避難の確保は、国としても重要な課題の一つと認識しております。また、多くの自治体で課題とされていることもまた承知しているところでございます。
 そこで、このような課題への取組としては、要支援者の避難行動などをサポートする支援者、これと要支援者のマッチング、さらには容体に応じた福祉車両などの移動手段の確保などを図っていくことが重要だと思っております。従来より、これらの点について各地域原子力防災協議会の枠組みの下で関係自治体と連携して調整し、各地域の緊急時対応の取りまとめを進めてきたところでございます。
 なお、避難することで健康へのリスクが高まる方につきましては、無理に避難するのではなく、近傍の放射線防護対策が施された施設などにおいて安全に避難する体制が整うまで屋内退避を行っていただくことにしており、内閣府としては、屋内退避できる放射線防護対策施設の整備なども進めているところです。
 今後も引き続き関係自治体などと一体となり、これらの取組を更に一層進めてまいりたいと考えております。

#87
○柴田巧君 今も答弁ございましたように、関係自治体ともよく連携をして、力を合わせて、この災害弱者の方々の命が、尊い命がなくならない、なくなるということがないようにしっかりと努めていただきたいと思います。
 次に、新型コロナの感染拡大を踏まえて、この避難の在り方については内閣府からまず昨年の六月に基本的な考え方が示されました。十一月にはガイドラインが作成をされたんですが、大変ちょっと分厚いものになっていろんなことが盛り込まれているわけですけれども、目を通すと、あるいはこれを踏まえてこの避難訓練などをやられた方々のことが新聞にも出ておりましたが、非常に実効性にというか、ちょっと首をかしげるような部分も結構あって、例えば、避難をしようとして気がせっているときに避難前の検温を実施をしたらどうかとか、あるいは保健所にいざとなったら連絡するようにという、大体そういう災害時に、大体通信がこう途絶えがちなところですよね、そういうことが書いてあったり、バスで避難をする、あるいは屋内退避所で定期的に換気をしなさいということなども書いてあるわけですね。放射性物質が飛んでいるかもしれないのに窓を開けなきゃいけないという、まあこれ、そこが複合災害の難しいところといえば難しいところですが。
 いろんなガイドラインを作られるのはいいことだと思いますけれども、いざというときに本当に避難者が迷わないというか、あるいは実効性のある、また分かりやすい、そういったものを示すべきではないかと思いますが、その辺どう考えていらっしゃるのか、お聞きをしたいと思います。

#88
○政府参考人(佐藤暁君) お答えいたします。
 まず何よりも、感染流行下での原子力災害における防護措置につきましては、住民の被曝によるリスク、これとウイルスの感染拡大によるリスクの双方から国民の生命、健康を守ることを最優先とすることが求められております。
 今委員御指摘の、まず、昨年六月に私ども内閣府において、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた感染症流行下での原子力災害時における防護措置の基本的考え方、こちらをまず関係自治体などに提示しました。
 それで、さらに、御指摘のガイドライン、こちらについては、この考え方に沿って、感染症の専門家の御助言などを踏まえて、防護措置における留意点を具体的に記載したものでございます。その中に今委員御指摘のいろいろな措置が入っていたところでございます。
 こうした万が一の原子力災害時は、住民の生命、身体の安全を確保すること、これが最も重要であるということでございます。御指摘のその検温、そうしたものなどについては、現場の状況によって、差し迫ったリスクが何であるかと、そういったことで、現場の状況によって場合によっては簡略化するなど柔軟に対応するということについてガイドラインにも示しております。そういったガイドラインを示したところでございます。
 今後とも引き続き、関係自治体となり、そうした柔軟な対応も、そういった対応も含めて、訓練などを通じて感染症流行下でも適切に防護措置を実施できるよう、実効性の向上に努めてまいりたいと思っております。

#89
○柴田巧君 今もありましたように、まだまだ不明確なところというか、よく分からないところなどもありますし、訓練などを通じてしっかり現場の声も拾っていただいて、修正あるいは表現を変えたりするところなどなどあれば、必要が出てくれば見直しもしていただきたいと思います。
 次に、いろんな複合災害というのは考えられるわけで、特に今年は日本海側、大変な大雪に見舞われました。原発、現在ある原発の、九つでしたかね、日本海側に立地をしているわけでありますが、大雪になると、今年なんかはもう典型的にそうでした、人がもういざとなったら動けないということがあるわけですね。
 新潟でも一月の末に、積雪時に原発事故が起こったという想定で訓練もされていましたが、やはり高齢化が進む地域の避難の方法や交通手段の確保などが課題として指摘をされたところでもあります。この新潟県の場合もそうですが、広域避難計画の中には大雪などの複合災害に関する規定というのは特に、特段ないわけですね。
 いろんな訓練内容を見直したり積み重ねていくというのは大事でありますけれども、地域防災計画、避難計画にこの原子力災害に関する積雪時の対応もやっぱりきちっと明記をする、避難所の対応方針を明確にするということも必要なんではないかと思いますが、地域の実情などにも応じて、今申し上げたように、地域計画にこの積雪時の避難対応が適切に規定されるように国としても取組を支援をする必要があると思いますが、どう考えていらっしゃるか、お聞きをしたいと思います。

#90
○政府参考人(佐藤暁君) お答えいたします。
 ただいま豪雪時の対応についての御質問かと思います。
 まず、そういった地域防災計画、あるいはそれを踏まえた緊急時対応というものがございますけれども、私ども、そういった取組の支援、計画作成の支援ということで、内閣府では、各地域にある、これも何度も申し上げていますけれども、地域原子力防災協議会というものございます、この枠組みの下で、地域防災計画あるいは避難計画の具体化、さらには充実化を進め、関係自治体と一体となって避難計画を含むその地域の緊急時対応の取りまとめを行っているところです。
 それで、御指摘の豪雪時の対応ということでございますけれども、関係自治体や、あるいは、それのみならず主要道路を管轄する関係省庁などにおいて、原子力災害に限らず、豪雪に備えるため除雪計画を定めているほか、自然災害などにより避難道路が通れない場合に備え、代替の避難経路を設定するとともに、道路の復旧作業を実施することとしておりまして、こうした内容もこの緊急時対応というものの中に取りまとめているところでございます。
 またさらに、財政支援ということで、私ども、避難をより円滑に実施するための原子力災害時避難円滑化モデル実証事業というものを実施しておりまして、これ、例えば、福井県であれば昨年度に避難経路に融雪対策を実施する、あるいは新潟県であれば今年度から豪雪地帯における避難円滑化対策を実施しているところでございます。
 いずれにせよ、引き続き豪雪時の対応を含めた原子力防災体制の更なる充実に取り組んでまいりたいと思っています。

#91
○柴田巧君 これ、なかなか雪国に住んでいる者じゃないと分からないところあると思うんですが、今回、今年みたいな大雪になると、もうとにかく、先ほど申し上げたように、人が動けないんですよね。例えば、除雪しようにも、除雪車まで、除雪の場所までも行けないと。代替云々ということおっしゃいましたが、全部雪で動けなくて、代替も何もないんですね、ヘリはもちろん飛ばないし。融雪っておっしゃいましたが、その融雪も、解ける以上に降ってくるわけですから、これもなかなか難しいところがあって、この豪雪時の原発事故への対応、もっと実効性のあるように、なかなか難しいところあると思いますが、関係自治体などともいろいろとまた、どうしたらいいか、どういうふうに明記をしていくか、対応するか、またしっかりやっていただきたいと思います。
 次に、原発テロ対策について質問を移りたいと思いますが。
 災害対策基本法において、地方公共団体は地域防災計画を作成することとされておりますが、原子力災害については、原子力災害対策指針に基づいて、原子力災害対策重点区域に指定された都道府県及び市町村において、この原子力施設を中心とした広域避難計画の作成や防災資材の整備を行うということになっております。
 国は、この地域防災計画、原子力災害対策編ということになりますが、このひな形として原子力災害対策マニュアルを各地方団体に提供しており、また内閣府は、原子力、原発が立地する十三の地域に国や地方公共団体などを構成員とする地域原子力防災協議会を設置するなど一定の関与を行っているとは承知をしておりますが、いわゆる特重施設の設置や最新のIT技術をもっても、原発に対するテロ対策をそういうふうに強化をしても、なお最悪の事態に備えておくということが必要であります。そういったことはないことが一番いいわけですが、そういうこともいろいろあり得ると、最悪の事態もあり得るという想定の下にいろんなことを、対策を練らねばなりません。例えば、地震や津波等の災害の最中にその混乱に乗じてテロが発生する可能性もあるかもしれませんね。こういったことも考慮しなければなりません。
 そこで、国による防災基本計画、原子力災害対策指針のほか、地方自治体における地域防災計画は今申し上げたような複合的な状況にも対応し得るものに現段階でなっているのかどうか、この点、規制庁、その後、内閣府なんでしょうかね、お聞きをしたいと思います。

#92
○政府参考人(山田知穂君) 私の方からは原子力災害対策指針についてお答えをさせていただきます。
 原子力災害対策指針は、原子力緊急事態における防護措置を確実なものにするため、住民の放射線防護に係る専門的、技術的事項について定めてございます。このため、テロによって原子力災害が発生した場合においても、その状況においては活用できるものとなっていると考えてございます。

#93
○政府参考人(佐藤暁君) 私の方から、地域防災計画、避難計画の観点でお答えさせていただきたいと思います。
 先ほど来申し上げている各地域における地域原子力防災協議会、この枠組みの中では、こういった避難計画あるいは地域防災計画については、自然災害とか、そういった複合的な状況も想定した形で、地域防災計画、避難計画の具体化、充実化を取り組んでいるものであります。
 例えばということで申し上げるならば、一部の経路について安全性が確保できない場合というのも想定して避難経路を複数設定しているわけでございますし、被災した道路などの復旧や代替経路などの対策を用意しているところでございますし、また、不測の事態が生じた場合には、国や関係自治体からの要請を踏まえて、実動組織ですね、自衛隊、警察などですけれども、こういった実動組織が住民避難の支援を実施することとしておるところでございます。
 このような複合的な状況にも住民の避難などの防護措置が適切に実施できるよう、国としてもしっかり関与して、関係自治体とともに原子力防災体制の充実強化に努めてまいりたいと思っております。

#94
○柴田巧君 じゃ、続けてお聞きをしますが、現状では、地域の避難計画を含む緊急時対応、これは地方公共団体が作成することとされておりまして、内閣府の原子力防災会議はその緊急時対応がいわゆる災害対策指針等に照らして具体的かつ合理的となっていることを了承しているにすぎないというふうに理解をしております。
 しかし、原発施設においてテロが発生した場合、地方公共団体だけで対処することは現実には非常に限界があるんではないかと思いますが、この連続的なテロの発生や災害とテロの複合的な状況の発生に備えるためには、この緊急時対応の策定への国の関与を強化をするなど、国としての責任ある対応となるよう制度をやっぱり見直していくという必要があるんではないかと思いますが、これはいかがでしょうか。

#95
○政府参考人(佐藤暁君) お答えいたします。
 ただいま国の責任ある対応についてのお尋ねでございました。
 先ほど来申し上げておりますとおり、私ども、地域横断的な避難計画などを含むその緊急時対応でございますが、こちらに対して国としてしっかり関わっているところでございます。
 具体的に申し上げますと、まずは原子力規制委員会が策定している原子力災害対策指針、これに照らして具体的かつ合理的であることについて、原子力規制委員会を含む関係省庁が参加する地域原子力防災協議会においてまず確認することとしております。その上で、総理大臣を議長とし、原子力規制委員会を副議長とし、さらに全閣僚を構成員とする原子力防災会議で了承することとしておりまして、ある意味全ての関係者がコミットするプロセスということでございます。
 いずれにせよ、万が一の原子力災害が発生した場合には、人命を最優先に、関係自治体を最大限支援するとともに、国として責任を持って全力で対処してまいりたいと思っております。

#96
○柴田巧君 しっかり国の責任でこのテロ対策をより充実したものにしていただきたいと思います。
 次に、昨日発表された規制委員会のこの東電柏崎刈羽原発の件、先ほど木戸口先生から御質問がありましたのと同趣旨ですので、これは割愛をさせていただきますが、いずれにしても、この東電の、何といいますか、企業風土というか文化というか、なかなか直らないところだなと思っているわけですが、しっかりこの件については対応をお願いをしておきたいと思います。
 この柏崎刈羽原発については、御存じのとおり、このIDカードの問題でもいろいろと問題が明らかになりました。こういうのを見ると、この原発対策の、テロ対策のいろんなハード面等々を充実をさせていったとしても、やはり人的、ソフト面での核セキュリティー対策、テロ対策の脆弱性があるというか、これが問われているというふうに思っております。
 今回のこのIDの不正使用などを見ていると、外から第三者がテロでやってくるというよりも、悪意を持った人間が仮に存在したとして、まあ内部に、その中から容易にテロ行為を実行できるということがあり得るということをやっぱり如実に示した例だと思っていますが、これを受けて東電は、ID不正使用の事案を受けて、人的な要因で簡単に侵入が可能となってしまうような脆弱なシステムに依存していたこと、そして警備業務を軽視する風土の是正等の対策を講じるということを発表したわけですけれども、こうした状況は他の事業者にもあり得ることではないか。いわゆる上下関係ではありませんが、やはり、警備をする人とそれを頼んでいる人の間でやっぱり上下関係があって、そんたくがあって、今般のように、IDカードを不正に使用した人はもちろん悪いんだけれども、その三人の警備員がいて、結局は見逃したというか、そのうち一人はカードの認証情報も書き換えたということでなるわけですが、こういったことが他の発電所あるいは電力会社の原発でもあり得るのではないかと思いますけれども、こういったことを、全ての原発関連施設に東電が示した対策を導入することも検討すべきではないかと思いますが、お尋ねをしたいと思います。

#97
○政府参考人(山田知穂君) 東京電力で発生しました複数の事案につきましては、これは大変重大な案件だと思っておりまして、その原因や背景をしっかり把握して明らかにすることが重要であるというふうに考えております。
 これらの事案が東京電力固有のものなのか、それとも潜在的な背景なども含めると他の事業者にも共通するものなのか、まずはしっかりと原子力規制検査を通じて確認、評価をし、その結果を踏まえ、必要な規制上の対応を取っていきたいというふうに考えております。
 今後の追加検査の結果も踏まえながら、他の事業者への情報共有や指導を行ってまいりたいと考えてございます。

#98
○柴田巧君 是非しっかりと対応していただきたいと思います。
 済みません、原子力人材、教育等をお聞きをしたかったんですが、時間が来ましたので次回にやらせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

#99
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 冒頭、規制委員長にお聞きをいたします。
 東京電力柏崎刈羽原発で、核物質防護設備の一部喪失が少なくても一か月以上にわたって継続をしていたという、あってはならない大問題が起きました。原子力規制委員会は、昨日、是正措置命令を出すということを決定しています。昨日の決定について簡単に御説明をいただきたいということと、加えて、更田委員長が、原子力規制委員会発足後最も重大な判断だと、東電の姿勢が問われていると、このように指摘をしていますけれども、今回の問題の認識について伺います。

#100
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 昨日の委員会におきまして、核物質防護に関して柏崎刈羽発電所で重大な問題があったことを受けまして、行政処分として何か命令のようなものをということで議論をいたしました。その際、設置許可の取消し、一年以内の運転停止命令、それから核物質防護に係る是正措置、保安規定の取消し、核物質防護規定の取消し、こういった選択肢を挙げて議論を行いました。その議論の結果、是正措置として、柏崎刈羽に、検査区分が一という言い方ですけど、通常の状態に戻ったと確認されるまでの間、核燃料の移動を禁じるという命令を出すという方針を了承いたしました。今後、手続を経て正式に命令を出すことになります。
 今回の事案についての認識ですが、重大な事案であって、かつ深刻であると考えています。具体的に起きたこともそうですけれども、その起きたことに至るまでの管理の体制であるとか原子力事業を運用する組織としての姿勢そのものが問われる事案であると考えていて、そういった意味で重大であると考えていますし、今回方針を決定した命令にしても、こういった具体的に核燃料の移動を禁ずるというような命令を出さざるを得ないような重大な事案だというのが原子力規制委員会の認識でございます。

#101
○岩渕友君 重大、深刻ということですけれども、全くそのとおりだというふうに思います。福島第一原発事故を起こして、事故の反省がみじんも感じられないほど、この十年間トラブルを繰り返してきたのが東京電力です。
 更に委員長にお聞きするんですが、三月十八日の衆議院原子力問題調査特別委員会の連合審査会の中で、我が党の藤野保史議員が設置許可の取消しについて質問をした際に、更田委員長は、そういった議論が出てくるということは否定をしないというふうに答弁をしています。この立場に変わりはないということでよろしいですね。

#102
○政府特別補佐人(更田豊志君) 設置許可の取消しに関しても、現時点でそれを、将来設置許可の取消しを行うという可能性を否定するものではありません。これは今後の検査の結果次第でありますし、また東京電力の分析並びにその是正計画、その実行によるものだというふうに考えております。

#103
○岩渕友君 否定するものではないという御答弁でした。
 東京電力にはもう原発を運転する資格がないということは明らかです。設置許可の取消しをするべきだということを強く申し上げておきます。
 この問題は、本法案の審議にも関わる問題です。原子力発電施設等立地地域振興特別措置法は、一九九九年のジェー・シー・オーで発生した臨界事故を受けて、全国の原発立地地域が原発の新増設に慎重になっていたこと、立地自治体から電源立地地域対策交付金等のほかにも地域振興策を望む声が上がっていたことを背景に、二〇〇〇年の十一月に議員立法で成立をし、二〇一〇年に延長もされています。今回の改正というのは、二〇一一年の三月十一日に発生をした東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後初めてとなります。
 私は福島県の出身なんです。福島県は、原発事故によって最大十六万人を超える方々が避難をして、五万人を超える方が自主的に避難をしたというふうに言われています。県の発表でも、今も約三万六千人の方々が避難生活を強いられていて、少なくても、避難されている方、八万人超えていると言う方もいらっしゃるんですね。
 今も続いているこの原発事故の被害について、大臣、どのように認識をされているでしょうか。

#104
○国務大臣(井上信治君) 委員も福島御出身ということで、ふるさとに対する大変強い思いがあることと思います。私も、この原発事故の対応の環境副大臣というのを三年やっておりまして、それ以来、もう福島には数百回と通ってまいりました。昨年も、昨年末に双葉町の帰還困難区域ちょっと見てまいりました。
 そういう意味では、十年たって着実に一歩ずつ前に進んでいる部分もあれば、しかし他方で、委員がおっしゃるように、まだ三万六千人の方が避難生活を余儀なくされているということで、そういう意味では、これは原発の廃炉も含めて考えると、まだまだどうしても時間が掛かってしまうということで、ここはもう政府が一丸となってしっかり取り組んで、そして一日も早い福島の復興、また原発事故の克服、これに実現するように取り組まなければいけないと思っています。

#105
○岩渕友君 まだまだ時間が掛かるというお話でしたけれども、被害もまだまだ続いているということなんですね。被害者の生活となりわいの再建はこれからです。
 福島第一原発では、このほかにも汚染水の問題やデブリ取り出しの見通しが立たなくて廃炉も見通せないという状況でもあります。原発事故後、原発の再稼働に反対する世論と運動が大きく広がって、どの世論調査を見ても、再稼働反対だという声が賛成を上回る状況になっています。原発事故後、十八基の原発の廃炉が決定をして、二〇一九年度時点の日本の発電量に占める原発の割合は僅か六%にしかすぎないという、こういう状況なんですね。ところが、本特措法案は、法律の期限を十年延長するということ以外に見直しを行っている部分がないんですよね。
 原発をめぐる情勢が前回の延長時とはもう根本から変わっているという、こういう認識は、大臣、おありでしょうか。

#106
○国務大臣(井上信治君) 原発のエネルギー政策そのものについては、私も所管外ではありますけれども、やはりその上で申し上げれば、福島の原発事故という本当に深刻な事故を経験していろんなことが変わってきたというふうには認識をしております。いわゆる安全神話といったことが覆されて、そしてこのままではいけないということで、原子力発電についても、とにかく安全最優先ということで、原子力規制委員会、委員長つくって、そしてその安全性を最優先にという中で原子力政策を進めているというふうに思っております。
 ただ、他方で、この立地特措法に関しましては、これは原発政策そのものとは別に、いずれにせよ、今の状況の中でやはり立地地域に対する支援は必要だと、そして防災インフラの整備あるいは地域の振興は必要だということでこの法律ができておりますから、そのことについては御理解いただきたいと思います。

#107
○岩渕友君 今、安全神話に陥っていたという話ありましたけれども、もしそういうふうに思うのであれば、これ、するべき規制を行っていなかったと、その責任を認めるべきだということだと思うんですね。責任を認めて、今全国で起きている原発訴訟をめぐる裁判いろいろありますけれども、控訴や上告なんて国はやめるべきだということなんですよ。
 安全神話に陥っていたと言いながら、特措法第一条の目的は、この法律は、原子力による発電が我が国の電気の安定供給に欠くことができないものであることに鑑みというふうになっているんですね。
 目的が何も変わっていないことが安全神話そのものだと思うんです。これ、当然目的を変えるべきではありませんか。

#108
○国務大臣(井上信治君) そういう意味では、この特措法の目的規定にはやはり防災へ配慮ということがしっかりと書かれておりまして、この防災への配慮ということに関しては、これは原発事故の前と後でも変わるものがないというふうに思っています。
 ちなみに申し上げれば、原発関係の法律たくさんありますけれども、この福島事故の経験を踏まえた上で目的規定を変えてその趣旨を入れているということは、法律はないというふうに承知しています。

#109
○岩渕友君 あれだけの事故があったわけですよね。あんな事故は起きないという、そういう前提でいるということが新たな安全神話だというふうに思うんですよ。
 これ、防災インフラの整備の後押しのために支援措置の継続が必要だというんですけれども、この防災インフラの整備が事故前と同じでいいのかということ問われると思うんです。
 原発事故を受けて避難計画の範囲はどのように変化をしたでしょうか。

#110
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会は、平成二十四年十月に策定した原子力災害対策指針におきまして、予防的防護措置を準備する区域、PAZですが、おおむね半径五キロ以内、緊急防護措置を準備する区域、UPZですが、これをおおむね三十キロメートルと定めております。
 このPAZが三キロから五キロ、UPZが五キロから三十キロというのはIAEA等が示している値を参考にしておりまして、また、福島第一原子力発電所事故が発生したときの際の被害の状況等も考慮に入れて策定をしたものであります。

#111
○岩渕友君 原子力災害重点区域については半径三十キロの範囲にということになっていて、避難計画はこの重点区域を基に作られています。
 資料を御覧ください。
 避難計画に関わって、三月十八日、日本原子力発電の東海第二原発の運転差止めを命じる判決が水戸地裁で出されています。東海第二原発は福島原発事故で被災した原発の一つであると同時に、運転開始から四十年以上が経過をしている老朽原発です。
 判決は、原発の安全性について判断する枠組みについて、深層防護の第一から第五までのレベルのいずれかが欠落し、不十分なことが具体的危険であるとし、第一から第四までのレベルについては看過し難い過誤、欠落があるとは認められないというふうにしたものの、避難計画などの第五の防護レベルについては、原子力災害重点区域であるPAZ、UPZ内の住民が九十四万人にも及ぶにもかかわらず、実現可能な避難計画、これを実行し得る体制が整えられているには程遠い状態であって、この区域内に居住する原告には人格権侵害の具体的な危険があると、こういうふうに判断をしています。
 東海第二原発が立地をする東海村の元村長である村上さんは判決を受けて、事故は起きるという前提で考えるべきで、三十キロ圏内の九十四万人が安全に避難できる計画作りなど不可能だと思ってきた、司法も同じ判断をしたということだろうと、こういうふうに述べています。
 そもそも、これだけの人口密集地に原発を立地していることが問題ですよね。そして、村上さんがおっしゃるとおり、安全に避難できる計画作りなど不可能だと。仮に避難できたとしても、その避難先というのは住んでいたところとは全く違うんですよね。ふるさとをもう剥奪するのが原発事故なんですよ。それを示したのが福島の事故です。まさに事故は起きるという前提で考えるべきだということです。福島原発事故を見れば、放射線は同心円状に広がるわけではないし、三十キロ以上は広がらない、こんなことはないわけなんですよね。
 原発事故後、規制委員会は、原発の安全対策で国際基準となっているIAEAの五層の深層防護に基づいて新規制基準を作っています。IAEAの五層の深層防護について、簡潔に説明してください。

#112
○政府特別補佐人(更田豊志君) 深層防護は一般的な概念ですので必ずしも五層の概念だけではないんですけれども、IAEAが示している五層の深層防護というのは、一つの脅威に対して多重の対策を設けていく、それぞれをレベルに分けています。深層防護の考え方は、一つのレベルを考えるときにその前のものは突破されると考えて対策を考える。これは準備段階の考え方ではありますけれども、例えば故障は起きるものとして次の対策は考える。それから、ミスは、人のミスというのは起きるものなどとして次の対策を考える。防災計画について言えば、委員がおっしゃっているように、事故は起きるものとして考えるというのが第五層に対する深層防護です。
 ちなみに、IAEA、一の、最初のレベルは異常の発生防止、二番目は異常が発生したときの事故への拡大防止、三層目は、これは一定の範囲内の事故ですけど、事故の回避とその収束、第四層が新規制基準の一番新たに加えたところで、炉心が溶けてしまうような事故の回避と起きてしまった場合の緩和について定めたのが四層目、そして御指摘の判決等でおっしゃっている第五層の深層防護と言われているのが防災計画に相当いたします。

#113
○岩渕友君 第四層が破られて原発から大量に放射性物質が漏れた場合には、第五層の防災計画、避難計画が発動されるということです。
 この避難計画の妥当性については、どこが判断をするのでしょうか。

#114
○政府特別補佐人(更田豊志君) まず、防災計画の策定は、地方自治体が防災計画の策定を行うことになっています。この防災計画策定に当たっては、内閣府の原子力防災等が協力をして計画を策定して、ことになり、その実効性については地域協議会というところで確認をしているというふうに理解をしています。

#115
○岩渕友君 自治体に任されていて、国はきちんとは責任持っていないということなんですよ。
 原発事故を受けて、本特措法による振興計画や事業はどう変わってきたのかということを見ていきたいんですけど、二〇一九年度末でどのぐらいの防災インフラ事業が整備中でしょうか。このうち、避難道路に関わる事業はどのぐらいあるでしょうか。

#116
○政府参考人(柳孝君) お答え申し上げます。
 原子力立地地域特措法はこれまで多くの立地地域で活用されており、現在も、令和元年度時点で避難道路を始めとする百二十六件の防災インフラ整備への支援に重要な役割を果たしております。そのうち、避難道路を整備する事業は百七件でございます。

#117
○岩渕友君 今、避難道路百七件というふうにありました。事前に配られた表にもそうあったんですけど、これ、道路の全てが避難道路だったかというと、これ結果としてそうなったということだと思うんですよ。
 衆議院で、振興計画出してほしいということを我が党求めてきているんですね。ようやく昨晩、私の部屋にも届いたんですよ。それを見ると、避難道路というふうには道路のところを見てもなっていないわけなんですよね。特措法の立地地域の中には、半径三十キロ圏内が入っていないところもあります。
 大臣は、防災インフラ整備の支援だということを繰り返しおっしゃっているわけですけど、避難計画は半径三十キロ圏内となっているのに、このこととリンクしていなくていいのでしょうか。

#118
○国務大臣(井上信治君) 三十キロ圏内についても、確かに全て入っているわけではありませんけれども、入っている地域もかなりあって、そのことによって適切な支援が行われているというふうに理解をしております。
 立地地域の指定に関しては、これは法に基づいて地域の道府県知事が申出をして、そしてそれを総理大臣が指定していくといったような手続になっておりますので、そこは知事の方が適切に判断をした上で申出をしていただくということだと思います。

#119
○岩渕友君 防災インフラ整備だというわけですよ。そのための法改正だというんだけれども、実際には原発事故後の新しい事態に対応していないという実態あるということなんですね。
 三月十四日付けの河北新報は一面で立地特措法について報道しています。特措法の恩恵を受ける自治体の範囲は道府県で差があって、東北で対象地域を持つ青森、宮城、福島では追加の地域指定に関心が高まっているというふうに書かれています。
 青森、宮城、福島の特措法の対象地域数についてそれぞれ答えてください。

#120
○政府参考人(柳孝君) お答え申し上げます。
 特措法に基づき指定されている立地地域につきましては、青森県は十二市町村、宮城県は二市町、福島県は十四市町村でございます。

#121
○岩渕友君 このうち青森と福島は、原発三十キロ圏内はもとより、原子力施設の立地自治体と隣接しない自治体まで広範囲に指定をされているわけなんですね。でも、一方、宮城県は今でいう女川町と石巻市だけになっているんです。UPZ内でも対象外の自治体があるんですよね。
 女川原発二号機の再稼働をめぐっては、多くの県民が反対をしているにもかかわらず、知事、立地自治体である石巻市長と女川町長の同意をもって地元同意だというふうにされてしまっているんです。
 これ、防災インフラの整備ということから考えれば、宮城県も対象地域が広がるということになるんでしょうか。

#122
○国務大臣(井上信治君) 立地地域の指定については、先ほど申し上げたように、道府県知事が申出をしまして、そしてその立地会議での審議を経て総理が指定をしていくといったような手続になっております。その際、国の方も政省令やあるいは通知ということで一定の言わば基準を設けておりまして、それを参照にして知事の判断で申出をしていただくということになって、その結果、今の三県の状況になっているんだと思っています。
 もしこれを変更すべきだといったような道府県知事の申出があれば、それは当然適切に対応するということになります。

#123
○岩渕友君 やっぱり新たな事態に対応はしていないということなんですよ。
 女川原発から三十キロ圏に掛かっている美里町の相沢町長は、事故が起きても広域避難が安全にできるとは言えないと反対意見を述べています。この声に応える状況になっていないということなんですね。防災インフラ整備と言いながら、結局、立地地域も変わらないままずっと来ているんですよ。立地会議そのものがもう十年以上開催されていないわけなんですね。
 本特措法による財政支援を受ける事業は、都道府県知事が計画案を作って、内閣総理大臣が原子力立地会議の審議を経て振興計画決定するということになっています。変更する場合にも同様の手続が必要です。
 本特措法に基づいて指定された立地道府県で振興計画が決定されたのはいつか、また見直しがいつ行われたか、お答えください。

#124
○政府参考人(柳孝君) お答え申し上げます。
 各道府県の振興計画の策定状況については、福井県、島根県につきましては平成十四年三月十二日、愛媛県につきましては平成十四年十月十八日、青森県、宮城県、茨城県、新潟県、鹿児島県、石川県、静岡県、大阪府、佐賀県につきましては平成十五年四月一日、北海道、福島県につきましては平成十六年三月二十二日に決定されている状況でございます。
 なお、振興計画の見直しにつきましては、これまで行われてございません。

#125
○岩渕友君 今答弁いただいたとおりなんですよ。直近で振興計画が決定をされたのは平成十六年だと、つまり二〇〇四年だということなんですね。見直しも、先ほど確認をしたように、行われてきていないと。だから、防災のためだと言いながら、結局これだけ長い間、そして原発事故も経ているのに何にも変わっていないということなんですよね。
 しかも、先ほども言いましたけれども、衆議院でこの振興計画、提出してほしいというふうに求めていたわけですよ。それが提出をされずに、ようやく昨晩、私のところに届くわけですよね。でも、求めていた衆議院の審議はもう終わっちゃっているわけなんですよ。さらに、特措法七条、八条、十条による財政支援について、特措法施行後の年度別、自治体別の額も、これ、衆議院でもう五か月近く前からずっと求めてきているんですけど、提出されていないんですね。
 これ、法改正だと言うんですけど、これらが示されなかったら、事業や財政支援どうだったのかということを検証できないんじゃないでしょうか。

#126
○国務大臣(井上信治君) 実績の件につきましては、令和元年度までの十年分については、道路、義務教育施設等の事業別かつ十四の立地地域の道府県別の表の形でホームページに公表を行っています。
 他方、法施行以来の詳細な実績については、立地自治体における確認に時間を要することから公表に至っておりませんけれども、今後作業を進めて、可能なものから順次公開していきたいと考えています。

#127
○岩渕友君 今後と言うんですけれども、法案審議のやっぱり大前提なわけですよね。だから、普通だったら、法案審議する前に出してもらって、それを見ながら議論するというのがこれ当然のことだと思うんですよ。
 さらに、企業誘致だというふうに言うわけですけれども、どんな企業がどこに進出をしていて、どんな効果があったのか、これも是非とも示してほしいんですよ。いかがでしょうか。

#128
○国務大臣(井上信治君) 企業誘致に関して、不均一課税、この制度について、実績については、令和元年度は八億四千万円、それまで直近五年間の平均で七億六千万円と。また、支援対象件数については、令和元年が三百九十件、それまで五年間の平均で約四百件の支援を行っております。
 企業に関しては、いろいろ個人情報等々もありますので、そういったことをしっかり確認した上で、問題がなければ公表するということになります。

#129
○岩渕友君 問題がなければ公表をするということなんですけど、これやっぱり国が関わっているわけですよね。だから、やっぱり国民の皆さんにも明らかにしなくちゃいけないと思うんですよ。
 今、金額についても件数についてもまとめて答弁されたわけなんですけれども、やっぱりそれ、中身が詳細に分からなかったら、さっきと同じことで、これ、法案の審議の大前提の問題になるわけですよね。出てこなければ十分な審議できないということだと思うし、この実績と効果が分からなかったら検証できないということだと思うんです。
 委員長にお諮りしますけれども、本特措法が施行されて以降の特措法第七条、八条、十条による財政支援について、年度別、市町村別の具体的な実績を本委員会に提出するよう求めます。

#130
○委員長(森屋宏君) 後刻理事会において協議いたします。

#131
○岩渕友君 いわゆる電源三法に基づく交付金や補助金が原発や核燃料サイクル施設が立地する自治体に限定されているのに対して、本特措法は、範囲を立地自治体に加え、周辺自治体にまで広げています。立地自治体のみならず、周辺自治体が原発依存から抜け出す妨げとなって、財政的に自治体の原発依存体質を温存させるということになります。
 関西電力の原発が立地をしている福井県の高浜町、おおい町、美浜町の二〇二一年度当初予算案、これ出されていましたけれども、これはいずれも原発関連の国の交付金などが一般会計歳入見込みの五〇%前後を占めるということが分かったんですね。
 原発関連の歳入には、発電所の固定資産税、原発立地地域対策交付金、核燃料税交付税、寄附金などいろいろなものがあるわけですけれども、高浜町は約六十四億円で、全体に占める割合は五二・九%にもなると。おおい町が最も多くて、約六十五億円で五五・六%。そして、美浜町が約四十二億円で四八・六%というふうになっているんですね。
 高浜町の野瀬町長がこんなふうに言っています。公共施設の統合などを進めないといずれ破綻すると、今のうちに中長期的な課題を考える必要があると、こういうふうに言っているんですね。美浜町の戸嶋町長も、原発以外の企業誘致や農業の人材育成などで町づくりを進めたいと、こういうふうに述べているんですね。だから、町長さんたちももういろいろ悩んで考えているということなんですよね。
 原発立地市町村の普通建設事業の割合というのはすごく大きくて、結局、土木に偏る産業構造がずうっと続いているということになっているわけですね。財政的に原発依存をせざるを得ない状態から抜け出すためにも、これ原発ゼロを是非とも決断するべきだし、市民や地域が主体となった再生可能エネルギーへの転換こそ必要です。
 そのことを強く求めて、質問を終わります。

#132
○矢田わか子君 国民民主党の矢田わか子です。
 まず、この法律の審議に入る前に、この法律自体が原子力発電所が立地する地域への支援を規定している法律でありまして、今後十年間ということを提案していくわけですので、各発電所が発電事業を継続していることが前提となるわけであります。
 政府、二〇三〇年度の電源構成について、原子力の発電は二〇から二二%というふうにされていますけれども、今後十年を見据えて、この原子力発電の位置付けと稼働、増設、リプレースの方針を述べていただけますか。

#133
○大臣政務官(宗清皇一君) お答えをさせていただきます。
 二〇五〇年カーボンニュートラルという新たな目標を踏まえまして、再エネはもちろんでございますが、安全性が確認された原子力を含め、使えるものは最大限活用し、水素やアンモニアなど新たな選択肢も追求するという考え方の下で、現在、エネルギー基本計画の見直しについて議論を進めているところでございます。
 その上で、御指摘の今後の十年間のエネルギーの政策についてですけれども、一つ目にエネルギーの自給力の向上と、二つ目、電力のコストの抑制、三つ目に温室効果ガスの排出量の削減というこの三つの目標を同時に達成するように検討した結果として得られました原子力比率二〇%から二二%を含む二〇三〇年のエネルギーミックスの実現に向けて全力を挙げて取り組むことが政府の方針でございます。
 こうした中にありまして、原子力比率二〇から二二%の実現に向けて、もちろん安全性が、これ安全最優先で再稼働を進めていくわけでございますけれども、そのためには、地元の御理解に向けまして、事業者自らがしっかりと地域に向き合っていただいて信頼を築くことが必要であるというふうに考えております。
 国も前面に立ちまして、エネルギー政策における原子力の意義を含めて、丁寧な説明を尽くしてまいります。避難計画につきましても、政府を挙げて策定を支援いたしまして、具体化そして充実化に取り組むと、こうしたことでエネルギーミックスの実現を目指していきます。
 原発の新増設等についてですけれども、まずは国民の皆様方の信頼回復に努めながら既存の原発の再稼働を進めることが重要でございまして、現時点におきまして、新設、リプレースは想定はしておりません。
 以上でございます。

#134
○矢田わか子君 資料四に少し今の運転状況をまとめているものをお配りしていますけれども、新設やリプレースはしないという前提の下で、今とにかく稼働しているものは四基ということなんですね。調整運転中のものを入れても六基しかありません。その中でこの法律どうしていくのかということをまずは本当は考えていかなくちゃいけない。
 かつ、皆さんもおっしゃっているとおり、これは九九年の東海村のジェー・シー・オーの臨界事故を基にできた法律を基にしております。それから二十年たっているわけです。この二十年間の変化というのももちろん見ていかなくちゃいけない。一つの大きな変化は、当然福島の原発事故であります。かつ、この原子力がエネルギー中心だった時代からそうではなくなりつつあるということも踏まえた本当は変更が必要なんだと思います。
 その上で、今日、白表紙の、配られたこの冊子のことでちょっと苦情を申し上げたいんですけど、この冊子には法律の法文が入っておりません。全部省略なんですよ。何が入っているかという、十年だけ延長しますだけ書かれているんですね。でも、本当に二十年前に作った法律が、政令がこのままでいいのかということこそ私は論議しなければならないと思っています。
 皆さん、ですから、本当にこの法律、二十年前のものをしっかり読んでいただいてきましたでしょうか。そして、そのときの政令です。やっぱり形骸化しているものもありますし、一言で言って古くさいなと思うものもたくさんあるわけです。それを今回なぜこの時点でもう一度見直しをしなかったのかということについても少し疑義を感じております。
 ちょっと戻りまして、細かい点で少し確認していきたいんですけれども、いずれにしても、当然、少しでも動かしていく以上、防災についてきちっとそのインフラ整備していくということは大変重要なことであります。
 その上で、資料一を御覧ください。
 これがいわゆるジェー・シー・オーの臨界事故のときの資料でございますが、この事故では、事故現場から半径三百五十メートル以内の住民、約四十万世帯への避難要請が出ました。五百メートル以内の住民への避難勧告も出ました。十キロ以内の住民、十万世帯への屋内退避、そして換気装置停止の呼びかけも行われております。また、現場周辺の県道、国道、自動車道の閉鎖等も行われました。
 こうしたことを考えると、当然何かあったときに住民の安全確保、避難対策の充実が求められて、併せてその地域をどのように再興していくのかを考えられてこの法律が作られているわけであります。
 政府の説明としては、継続している事業が残っているのは、延長したいとの説明がこの各県からも来ているからだというふうにおっしゃっていますけれども、いや、元々を考えれば時限立法でできた議員立法でありまして、それが一回延長されて二〇二〇年までこれ来て、もう一回やるのかということなんですね。
 申し訳ないですが、その立地県についても、当てにしていると言ったら失礼ですけど、いつまでも続くという前提で事業計画が作られているんじゃないかというふうにも思いますし、かつ、これ何を、じゃ使っているのというと、ほとんどが、先ほどあるとおり、資料二等にも配っていますけれども、この道路の整備と小中学校の校舎整備がほとんどなわけであります。
 いわゆる産業振興は年平均八億程度にとどまっているということもありまして、このような事業がやっぱり続けていくべきなのかどうか、少し見解をお願いしたいと思います。

#135
○国務大臣(井上信治君) 原子力立地地域特措法は、これまで多くの立地地域で活用されており、現在も、令和元年度時点で避難道路を始めとする約百三十件の防災インフラ整備への支援に重要な役割を果たしております。また、エネルギー基本計画においては、立地地域における避難道路等の充実について特措法の活用を図っていくとの政府の方針が示されました。加えて、昨年十二月二十八日には、原子力委員会において、原子力立地地域特措法を延長することが必要との見解が出されております。
 この延長法案はこれらを踏まえたものであり、特措法を延長し、防災インフラ整備に対する支援措置等を継続していくことが不可欠だと考えております。
 また、特措法においては、支援対象の防災インフラ事業については、関係自治体が整備すべきと判断したインフラについて、法令に基づき、防災、安全のためのインフラかどうかについて政府が確認の上、支援が行われることとなっています。道路整備や校舎整備への支援が多いことに関しては、これら防災インフラは特措法の支援対象のインフラの中でも関係自治体における必要性が高いことによるものと考えています。

#136
○矢田わか子君 資料二は茨城県の例で見ていただいているわけですけれども、大臣おっしゃるとおり、それ必要だったら道路整備もやったらいいと思います。けれども、切りないと言ったら失礼ですけど、どこまでやるのということ、優先順位付けてやらないといけないというふうに思うんです。
 例えば、資料三を御覧いただきますと、大洗研究所前の国道五十一号線、茨城県の方がいるのに私が言うのも、大阪の人間が言うのもなんですけれども、これを、この国道五十一号線は、北の水戸方面は四車線がこの整備を確保されているんですが、南の鹿嶋方面に行く道は二車線のままなんです。ところが、大洗町の防災計画では、やっぱり南に逃げた方がいいということで、南の千葉の方への避難が求められているというか、書かれているわけです、やりましょうということで。なのに、この上に行く方ばかりが整備されているという、こんな矛盾も実は出てきております。
 やっぱり道路の整備というのは、農道とか私道とか含めてやれば本当に切りがないものでして、当然、戦略的な避難道の整備というのを国としてもいろいろと補助する以上は見ていかなくちゃいけないんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#137
○国務大臣(井上信治君) 避難道路などの整備の支援に際しては、各自治体がそれぞれの事情に応じて緊急に整備が必要なものを精査の上、政府の確認を経て支援を行うこととしており、自治体の要望を踏まえて支援を行うスキームとなっております。国としても、政省令であるとかあるいは通知の中でそういった基準、考え方を示しております。その中で、やはり地域の実情に一番精通した自治体の方で判断をしていただくということだと思います。

#138
○矢田わか子君 おっしゃるとおり、自治体を信じて、自治体が出してくるものについてお出しするというのは基本だというふうには思いますけれども、本当に目的に合致した、避難をする際にきちっと整備された道路が要るからこそ、やっていくために、私、優遇策を出しているわけなので、目的に合致しているかどうかはやはり見ていく、検証していく政府としての責任は私はあるのではないかと思っております。
 それと、十年前の避難の経験が生かされているかということについてお聞きしていきたいんですけれども、やはりあの福島の事故の際、住民避難の経験を基に、事故発生時の緊急避難の課題からその後の十年にわたる避難生活者の問題に至るまで、様々な角度から避難の在り方についても検討されてきているところだと思います。
 したがって、一言で言うと、ハード面だけの整備ではなくて、避難者の方のソフト面での対策も私はやっぱり一緒にやっていくべきではないかと思っています。いろいろ、要支援者の方々をどのようにスムースに移動させるのかということや、今であれば当然、コロナですから、感染拡大しないように避難所の中でも、一度国民民主党でも予算委員会等で提案している、ゲル状のテントみたいなものをぱっと広げて、ちょっと少し隔離するスペースを設けたりとか、女性の方々に、授乳する方とか着替える方々のスペースを設けたり、キッズスペース設けたりというふうな、様々なそういうソフト面での細かい、きめ細やかな対策についても投資できるようにしていった方がいいのではないかなと。
 特に、原子力の事故の場合は長期戦ですので、長期の間そこにやはり滞在していくというふうなことが想定できますので、そんなことに対してはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

#139
○国務大臣(井上信治君) 委員おっしゃるように、福島事故の経験などを踏まえて、例えば避難所におけるソフト対策、これも重要なことだと思っております。そういった避難に対する支援などについては、この特措法以外にも様々なスキームがあって、そしてそれぞれに支援をしているということだと理解をしています。
 この特措法に関して申し上げると、特措法における防災インフラに関する国の負担割合のかさ上げ等の支援の対象は、住民の安全の確保に資する道路、港湾、漁港、消防用施設、義務教育施設の防災インフラに限定されています。これら防災インフラ整備の支援については、国の負担率が他の法律で五〇%と規定されている道路などのインフラについて五五%にかさ上げなどの支援を行うものであり、他の法律で国の負担率が定められていないソフト事業などへの支援ができるスキームとなっていないということですから、それはそれぞれの役割分担だというふうに思っておりまして、この特措法においてはハード面の支援をやっていくというふうに整理しております。

#140
○矢田わか子君 おっしゃるとおり、特措法の位置付けはそうなんだということなんですが、やはり次なる十年を見据えたときの検討の中の要素として、ほかの法体系でカバーしているようなものもあると思いますけれども、私は、やっぱりこの原子力政策そのものを中心に置いて、一旦やはり、どこが管轄するのか、この法律の位置付けがどういう位置付けを占めるのか含めて、私は見直すべきではないかというふうに思っています。
 というのは、原子力政策を所管する、主管となるところが今ないわけで、各省庁に横断的にまたがっているわけですよね。したがって、エネルギー大転換をしようとしている今年、やはり、この法案を本当は審議する際にそういうことも含めてやっておくべきだったのではないかなというふうに思っております。
 二つ目、大きなポイントとなる産業振興策なんですが、これまた先ほども申し上げたとおり、この法律の大きな目的のもう一つの目的がその地域における産業の振興だったはずなんです。特に製造業なんかは雇用の吸収率も高いということで、地域への貢献度高いというふうに思いますけれども、現在の具体的な制度としては地方税の不均一課税に伴う特例措置しかありません。
 一体どれぐらいの、じゃ、製造業がこの二十年間にそこの地域において産業振興策として恩恵を受けたのか、若しくは新しい製造業が起こったのかということをちょっと事務方の方にお聞きをしましたけれども、ほとんど検証する材料がないんですね。全体の件数と予算執行額だけということで、全く分析ができないような状況になっています。ただ、本当にそれでいいのかなと。
 新規の誘致はどれぐらいだったのかとかいうことも含めて、本当は各、十四府県今対象ですから、そこを別に分析しておく必要があるのではないかなというふうに思っていますが、いかがでしょうか。

#141
○国務大臣(井上信治君) 不均一課税に伴う特例措置に係る支援対象の実績につきまして、過去五年間の支援額や支援件数を公表しているところであります。これ、先ほども申し上げましたけれども、個人情報でありますとか、あるいは、もう二十年近く前ということになりますと、そもそも記録が残っていないとか、いろんな点があることだと思っております。
 今後、関係自治体にも確認しながら、より詳細な支援実績の公表を検討してまいりたいと思っています。

#142
○矢田わか子君 とはいえ、やはりかさ上げして、増額分だけでも、これ、法の第七条、第八条に書いてある分ですけれども、十四億、毎年、十数億が使われていっているということは事実ですので、やはりきちっと検証しなければ次なる十年に向けての手が打てないのではないかなと思いますので、是非そこはお願いをしておきたいと思います。
 実際に事業所を誘致するときには自治体にとって大きなエネルギーを必要とするわけですので、様々な直接的な支援がないとなかなか来てはもらえないんじゃないかというふうに思います。やはり、例えば、新設企業に対して設備投資、直接的な支援だとか周辺の産業インフラの整備、特に電源立地三法関係の交付金などとのやっぱり整理、この交付金、長く続けてきているものですので、その整理を含めて直接的なやっぱり支援策と組合せをした方が呼び込みやすいと思いますが、この辺りはいかがでしょうか。

#143
○大臣政務官(宗清皇一君) お答えをさせていただきます。
 我が国の電力供給を支えてきていただいております原子力立地地域におきまして、地域経済の持続的な発展につながる地域振興策などの課題を抱えていると承知をしております。政府といたしましては、エネルギー基本計画にありますとおり、立地地域のこうした課題に真摯に向き合って、その課題を解決を図ることとしております。
 具体的には、この法律による産業振興策だけではなくて、電源立地交付金などによって自治体によるインフラの整備、それに設備投資や企業誘致などの産業振興策を支援をしております。専門家などを派遣をいたしまして、地域産品の開発や販売、販路開拓ですね、観光の誘致の取組、こういった支援もしておりますし、再生可能エネルギーを活用した地域の活性化、こういった取組についても支援をさせていただいているところでございます。
 引き続き、こういう支援策を併せまして、立地地域のお声を丁寧にお伺いをしながら、様々な支援策を組み合わせて地域の振興にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

#144
○矢田わか子君 多分、次の質問まで答えてしまいはったと思うんですけれども、私は、やっぱりこの地域というのは、やっぱりエネルギーを供給するということを主の目的として今までいろんな優遇策受けてきた府県だというふうに考えています。したがって、今稼働が止まっているということ含めて考えれば、電源の立地地域について、そこの強みを生かして次なる産業振興をしていかなくちゃいけない。
 じゃ、何が強みなのかというと、原子力発電所があった時代のやっぱり太い送電網というんですか、があったり、高品質な送電網が整備されているとかいうことですので、やはりエネルギー事業を、新しいエネルギー転換をしてやっていけるような整備をしていく方がいいと思うんです。
 ところが、この法律はすごく限定的な特定事業しか対象とならなかったり、対象業種が絞られていたりということで、製造業、道路貨物運送業、倉庫業、こん包業しか書かれていないんですよ、二十年前のものですから。ですから、やっぱりここのところをもう少し政省令含めて変更していくべきだというふうに思っています。
 しっかりここの地域が次なる、じゃ、原子力発電が止まっても、何でもって優位性を持って新しい産業としてその地域を活性化していけるのかということをしっかりと見据えた施策、重要になってくると思いますが、最後に大臣、一言いただければ。

#145
○国務大臣(井上信治君) 対象地域、対象事業の拡大などにつきましては、立地地域でありますとか、あるいはこの国会の審議、また衆議院の附帯決議などでも意見をいただいております。
 まずは、今継続中の事業もたくさんありますので、期限を延長するこの法案を成立させていただきたいとは思いますけれども、やはり将来的に様々な御意見を踏まえて前向きに検討していきたいとは思います。

#146
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 例えば福井県の敦賀市では、福井出身の先生もいらっしゃるのに恐縮ですけれども、東芝と組んで水素マルチステーションの運用を始めているんですね。いわゆる自然エネルギーですよね。風力発電、太陽電池の発電なんかは、当然蓄電技術がどれだけ発達しても消耗していきますので、水素に変えて蓄電をして、水素を基軸にこの自然エネルギーをマネジメントしていくというか、そういうことをやっぱり取り組んでいらっしゃるわけですよ。こういう大転換をしているような市に対してやっぱりこの法律がきちっと生かせるようにしなければいけないというふうに思いますので、その辺り含めて是非前向きに御対応をお願いして、質問にします。
 ありがとうございました。
   〔委員長退席、理事酒井庸行君着席〕

#147
○滝波宏文君 自民党、福井県選出の滝波宏文です。
 本日は、私の地元福井県を始めとする立地にとって根幹的に重要な原子力立地特措法につき質問の機会をいただき、委員長、理事、委員の先生方に感謝申し上げます。
 原子力立地自治体地域は、これまでリスクを負いながら原子力と共存し、安定、安価で大規模な電力を供給することで我が国の経済発展、国民の社会生活を長きにわたり支えてきています。この厳然たる事実を全国、そして特に大消費地の皆様に改めて認識いただきたいと思います。
 実は私が聞くに、福井県を始め立地の住民の皆さんは、三・一一東日本大震災以降、中央のエネルギー議論の中で放り出されているという感覚を抱いており、棄民、捨てられた民という表現さえ聞こえてくるような悲しい状況になっております。すなわち、中央の議論は原子力推進と脱原発の一直線上のみで議論がされており、あの人は推進派だ、ああ、この人は脱原発だというレッテル貼りをして単純な議論を繰り広げているだけのように見えるのです。
 ここで、配付の資料一を御覧ください。
 原子力を論じる際、立地から見て本来あるべきは、議論の横軸に原子力の推進、脱原発を置くなら、縦軸に更に重要な問題として、立地に寄り添う、立地地域にケアしないを据え、一次元ではなく二次元で原子力問題を考えることであります。
 原子力のリスクは、一義的に足下の立地自治体地域にこそ掛かっています。この発電所足下の住民の皆さんの安全こそ何より確保すべきことではないでしょうか。それは、脱原発あるいは原子力推進との立場に関わらないはずであります。例えば、立地地域に寄り添うべき課題の中で政府での議論、そして実施が十分に進んでいないものとして、災害に備えた原子力避難道の整備があります。本法案はまさにその原子力避難道の整備を促進する特別措置法です。
 まず、その道路について本法に基づく支援の対象になるかの判断はどのように行われているのか、伺います。

#148
○国務大臣(井上信治君) まず、委員おっしゃるように、この立地地域に対しましては、様々な負担を受けながら、国民への電力の安定供給などに大変御協力をいただいているということで、この立地地域に対して支援をしていくというのは非常に重要なことだと思っておりまして、それがまさにこの法律の目的であるというふうに考えております。
   〔理事酒井庸行君退席、委員長着席〕
 とりわけ、避難道の整備への支援につきましては、先日、十六日の日にも、全国原子力発電所所在市町村協議会会長の渕上敦賀市長と意見交換した際にも、この特措法の延長について強い要請をいただきました。
 特措法においては、支援対象の道路は、法第七条に基づいて、住民生活の安全の確保に資することから緊急に整備することが必要なものであって、同法施行令第七条に基づき、原子力災害が発生した場合において円滑な避難又は緊急輸送を確保するために必要な道路とされております。
 個別の判断に当たっては、国土交通大臣が定める基準に基づいて、原子力発電施設等と防災上重要な施設を相互に連絡する基幹的な道路又はこれらの施設と高速自動車国道又は一般国道を相互に連結する基幹的な道路に該当するかどうかにより行われております。
 政府としては、立地地域が必要としており、基準に合致する避難道路などの防災インフラに対しては本特措法を用いてしっかりと支援を行ってまいりたいと思っています。

#149
○滝波宏文君 今の答弁により、特措法の支援対象が法令上、住民の防災、安全に限られていることが確認できました。
 ここで更に伺いたいのですが、原子力発電所が再稼働した場合、支援内容が手厚くなるのでしょうか。また、停止中や廃炉が決定した発電所の立地は特措法の支援対象となるのか、伺います。

#150
○国務大臣(井上信治君) 特措法におきましては、再稼働した場合でも同法に基づく支援が手厚くなるわけではありません。また、発電所が停止中や廃炉中であっても、原子力発電所が存在して、そこに核燃料があるので、原子力防災のための対応は必要であることから、周辺地域の安全確保のため、特措法の支援対象になります。

#151
○滝波宏文君 今の説明を聞いて、本特措法は、原子力発電を推進する趣旨ではなく、一義的に防災、安全のための法律であることが分かりました。
 本委員の理事、委員の先生方に、この二次元で考える図の中で、立地に寄り添う思いがおありであれば、立地住民の安全に配慮いただけるのであれば、原子力の推進、反対の立場にかかわらず本法案に御賛同を、後ほど指摘するように、完璧とは言いませんが、なくすわけにはいかないこの本法案にひとしく御賛成いただけますよう、立地選出議員の一人としてお願い申し上げる次第でございます。
 同様に、原子力推進、反対にかかわらず、立地地域に寄り添うものとして、放射性廃棄物の最終処分場の確保があります。どんな事業でもそうですが、事業継続時の価値と清算時の価値は全く違います。使用済燃料の多くは、現時点で原子力発電所に置かれています。立地自治体の立場で見たら、突然原子力事業を即時やめて清算するというのであれば、ごみとなった使用済燃料は消費量に応じてそれぞれの消費都道府県に返しますという議論が当然起きるでしょう。
 実際、三・一一直後に民主党政権が脱原発を打ち出そうとしたとき、青森県がサイクル目的で来ている使用済燃料がごみになるなら全部返すぞと反対し、脱原発政策が実現できなかったと言われております。実は、これはサイクルに関わる話ではなくて、軽水炉発電で使用済燃料がある福井県等でも、事業を止めるならごみを返すぞということに当然なるわけです。この点、消費地も国もよく理解をせねばなりません。
 この立地の観点から見ると、脱原発は、もう既に使用済燃料がある以上、最終処分場がなければ原子力事業、清算などできないことが分かるはずです。トイレ、最終処分場がないから、マンション、原子力発電所は建てられないという、いわゆるトイレなきマンション論も、立地から見ればそもそも議論の立て付けがおかしい。なぜなら、我が国は、今、白紙から原子力を始めるかどうかという段階ではなく、既にさきの大阪万博の頃から、原子力の安定、安価な電力を活用し、経済成長を遂げてきた。その結果生じたごみ、使用済燃料も紛れもなく現存している以上、最終処分地の問題は避けて通れません。
 昨年には、北海道の寿都町と神恵内村において文献調査が開始されたところです。調査の実施を決断いただいた両町長に深甚なる敬意を表しますが、地域では不安の声や風評被害を懸念する声もあるかと思います。
 こうした様々な声を踏まえつつも、やはり原子力推進か脱原発かの立場にかかわらず取り組まねばならない、使用済燃料を含む放射性廃棄物の最終処分に向けた政府の決意を問いたいと思いますし、あわせて、寿都町、神恵内村において今後どのように調査を進めていくのか、そして、北海道以外の地域での文献調査の実施に関する方針についても伺います。

#152
○政府参考人(保坂伸君) お答え申し上げます。
 半世紀以上にわたりまして原子力発電を利用し、使用済燃料が既に存在している以上、最終処分は、原子力発電の賛否にかかわらず、日本の社会全体で必ず解決しなければならない重要な課題だと考えております。
 最初の調査でございます文献調査とは、処分事業に関心を示していただいた市町村に地質データなどを調査分析して情報提供することを通じまして、市町村で議論を深めていただくための言わば対話活動の一環でございます。
 それぞれの地域におきましてこの事業について様々な御意見があることは十分に承知しております。国としては、北海道の二町村におきまして今後設置されることとなる対話の場を始めとしたあらゆる機会を通じまして住民の方々に様々な情報提供を実施していくとともに、住民の方々の御意見も直接お伺いしながら、地域の中でこの事業についての検討を深めていただけるよう積極的に取り組んでいく考えでございます。
 国といたしましては、北海道以外の地域も含め、引き続き前面に立って対話活動等を行いまして、全国でできるだけ多くの地域で文献調査を実施していただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。

#153
○滝波宏文君 北海道以外も、できるだけ多くの地域での文献調査を進めていく、こうした動きは処分地選定に向かう上で重要ですし、立地自治体にとっても心強いものだと思いますので、是非結果を出していただきたいと思います。
 そして、先ほど申し上げたような観点から、このような最終処分地確保に向けた動きを中央を始め他の地域から行って潰すようなことは、これは原子力推進だろうが脱原発だろうが全く建設的でないことを強調したいと思います。我が国はどうしたって最終処分場を造らねばならないし、地元のことは地元の人が決めることです。
 その上で、改めて強く申し上げたいと思いますが、この使用済燃料を始めとする放射性廃棄物は、原子力のない沖縄を除けば、大消費地である都会を始め全国民の問題であります。大都会も中央もしっかりとこの最終処分場の問題を決して人ごとにせず自分事として、自分たちが出したごみであるということを肝に銘じて対応していただきたい、立地の立場からどうかよろしくお願い申し上げます。
 さて、原子力避難道に戻ります。
 三・一一時の福島第一発電所において停止中の炉でも事故が起きたように、稼働していない立地であってもそこにリスクはあります。よって、再稼働の有無にかかわらず早急な避難道整備が必要なのに、あれから十年が経過しても遅々として整備は十分に進んでいないのが現実です。
 例えば、私の地元福井県では、特に立地地域である嶺南地域において、東西に抜ける、青葉トンネルの改修を含む国道二十七号線の整備、そして舞鶴若狭自動車道の四車線化が不可欠です。また加えて、半島があります。縦に、南北に、山や海を越えて避難する各種道路、橋の整備も進めねばなりません。東西南北の道路を格子状に整備しておかなければ、危機時には避難の方向と逆方向に車両が進む災害制圧、この動きにも大きな支障が出てまいります。
 三・一一というあれだけのことが起こったわけですから、原子力避難道の整備がもっと進んでいなければならないのですが、それを阻んでいる幾つかの点が挙げられます。
 まずは、本法案がたどった運命に象徴的に現れていますが、先ほど話した原子力の二次元の議論、この必要性が十分に理解されていないことです。本法案は、原子力の推進、脱原発の軸に関わりなく、立地に寄り添うためのものなのに、その点が理解されず、原子力との名称が付いているだけで、脱原発のお立場から、衆議院での採決でも示されてしまったように、立民、共産両党が反対されております。
 先ほど立民の木戸口理事の方から、防災インフラ整備に、原発の是非にかかわらず進めねばならないといった御発言もありまして、あれっと思ったわけでございますが、いずれにせよ、本来この原子力立地特措法は、立地に寄り添う意識をお持ちの議員が超党派で作った議員立法であり、あれだけのことがあったことを踏まえ、三・一一後の初の今回の更新に当たって、より一層拡充があってもしかるべきでした。しかしながら、先ほど申し上げたような衆院での反応も分かるように、全党一致を基本とする議員立法では本法案の拡充どころか更新すら危ぶまれ、やむなく内閣が提案する内閣法として出さざるを得ませんでした。内閣法では、慣習上、拡充できず単純延長となってしまいました。実は、これが原子力避難道整備上、誠に情けなく悲しい状況を生んでおります。
 すなわち、資料二にありますように、現在、一般の道路整備における国の補助は道路財政特別法で五五%にかさ上げされており、本原子力立地特措法のかさ上げ率と一緒になってしまっています。あれだけのことがあったのに、原子力避難道整備は一般の道路整備への支援と同じ補助率なのです。議員立法で拡充したかったのですが、先ほど申したような経緯の中でそれに至らなかったのは先ほど述べたとおりでありますし、この擦れ違いは誠に残念であります。
 このほかにも、原子力避難道整備が進まない理由には役所の縦割り問題もあります。すなわち、井上大臣が所管されている内閣府科学技術部局の中の原子力担当、そして、同じ内閣府ですが、小泉大臣担当の原子力防災部局、そして国交省の道路局、経産省の資源エネルギー庁など、関係省庁が多岐にわたっています。
 また、電促税、電源開発促進税の収入減などの財政制約ももちろんあります。
 さらには、ほとんどの原子力発電所が人口の少ないところに立地しており、費用対効果と称されるBバイC基準が障壁となっているのも現実であります。
 三・一一から十年の今こそ、このようなハードルを乗り越え、原子力避難道の整備を進めるべく、別枠で財源を設け、短期間で集中的に、BバイCは特例的に外して早急に整備せねばならないと強く思いますが、政府の御所見と原子力避難道整備に向けた決意を、原子力防災とそれから道路局、それぞれにお伺いします。

#154
○政府参考人(荒木真一君) 御指摘の原子力避難道の整備でございます。原子力災害時における避難の円滑化は、地域の住民の皆様の安心、安全の観点から重要でございます。
 内閣府の原子力防災担当としましては、原子力災害時の避難をより円滑に実施するための原子力災害時避難円滑化モデル事業を実施しており、本事業の成果を踏まえ、効果が見られるものにつきましては他地域でも広く活用できるよう、令和三年度政府予算案において緊急時避難円滑化事業を盛り込んでいるところでございます。
 今後とも、関係自治体や関係省庁が参加する地域原子力防災協議会の枠組みなどを活用し、地域の声をしっかりお聞きするなど、住民の皆様の安心、安全を第一として避難道路の整備が促進されるよう、国土交通省などの関係府省庁とも共通認識の下、連携して継続的に取り組んでまいります。

#155
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
 道路整備については、現状を踏まえ、交通の円滑化や交通安全の確保、防災の観点等、多様な観点からその必要性について総合的に検討した上で事業を実施しているところです。
 避難道路の整備につきましても、東日本大震災から得られた教訓を踏まえ、津波や重大な原発事故等の災害が発生した際に住民生活の安全確保や広域的な緊急活動の経路となることから、国土強靱化の観点から防災上重要な視点の一つであると認識しております。
 委員御指摘の舞鶴若狭自動車道については、高速道路会社において舞鶴東インターから小浜西インターの一部区間の四車線化を実施しており、国道二十七号青葉改良については、令和三年度の新規事業化に向けた手続を実施しているところでございます。
 国土交通省として、避難道路について、内閣府等の関係省庁と連携しつつ、地域の声に丁寧に耳を傾け、住民の皆様の安全、安心を第一に必要な整備について取り組んでまいりたいと考えております。

#156
○滝波宏文君 時間も大分近くなってきたので、締めに入りたいと思います。
 今月十六日の参議院予算委員会において公述人の除本教授と議論する機会がありました。除本先生とは、横軸では私と立場が違うと思いますが、この原子力問題を二次元で考えるべきこと、そして縦軸において立地に寄り添うべきこと、これは意見の一致を見たのかなと思ってございます。
 どうか、より多くの方がこの原子力問題を二次元で考えるべきだということに御理解いただき、とりわけ、この立地の視点を踏まえて立地に寄り添う立地派になっていただけることを祈念申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#157
○委員長(森屋宏君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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