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2021/03/16 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 財政金融委員会 第3号 令和3年3月16日
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2021/03/16 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 財政金融委員会 第3号 令和3年3月16日

#1
令和三年三月十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 信秋君
    理 事
                西田 昌司君
                藤末 健三君
                宮島 喜文君
                牧山ひろえ君
                秋野 公造君
    委 員
                櫻井  充君
                末松 信介君
                中西 健治君
                中西 祐介君
                宮沢 洋一君
                元榮太一郎君
                勝部 賢志君
                古賀 之士君
                水岡 俊一君
                横山 信一君
                音喜多 駿君
                上田 清司君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                浜田  聡君
                渡辺 喜美君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   赤澤 亮正君
       財務副大臣    中西 健治君
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        和田 義明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        前山 秀夫君
   政府参考人
       金融庁総合政策
       局総括審議官   白川 俊介君
       金融庁監督局長  栗田 照久君
       財務省大臣官房
       総括審議官    新川 浩嗣君
       財務省主計局次
       長        宇波 弘貴君
       財務省主計局次
       長        青木 孝徳君
       国税庁次長    鑓水  洋君
       文部科学省大臣
       官房審議官    蝦名 喜之君
       文部科学省大臣
       官房審議官    川中 文治君
       文部科学省大臣
       官房審議官    塩崎 正晴君
       厚生労働省大臣
       官房危機管理・
       医務技術総括審
       議官       佐原 康之君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    宮崎 敦文君
       農林水産省農村
       振興局整備部長  安部 伸治君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (財政政策等の基本施策及び金融行政に関する
 件)
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○財政運営に必要な財源の確保を図るための公債
 の発行の特例に関する法律の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(佐藤信秋君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総合政策局総括審議官白川俊介君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(佐藤信秋君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#6
○委員長(佐藤信秋君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策及び金融行政に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#7
○宮島喜文君 おはようございます。
 では、質問に入らさせていただきます。
 みずほ銀行のシステム障害、これについて最初にお伺いしたいと思います。
 去る二月の二十八日、三月三日、七日、十二日、システム障害を繰り返して起こしたということでございます。このみずほ銀行でございますが、聞いたところによりますと、過去二回ほどこのような大きなシステム障害を起こしているといいます。今回、このように連続して、しかも次から次へとということなんですが、これに対して金融庁としてどのように受け止め対応していくのかということについて大臣にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

#8
○国務大臣(麻生太郎君) これは御存じのように、極めて短期間って、二週間で四回ですから、これだけ頻度が多い、しかも内容が全部異なっております。一つのシステムがいかれたんじゃなくて、いろいろ、で、四つ。
 そういったようなのは、ちょっとこれは今までに余り例がありませんので、これは、簡単に言えば、ATMに入れたカードが返ってこない、パクられて返ってこないって話ですから。返ってこなけりゃそのままで確実に保管してくれていますよという保証がない。もしかしたら、自分が席を外して出たら出てきて、誰か別のやつがそれ持っていっちゃうかもしれないとなったら、そのATMの前から動けなくなるという、具体的なことを言えばそういうことを申し上げているんですが。
 極めてこういったのは信頼とか信用とかいうものに関わりますし、利用者にとって甚だ不安を抱くことになりますので、これは金融庁としては、迅速かつ丁寧な対応というものを行われるようにこれは徹底した原因究明をしてもらわにゃいかぬということで、再発防止策が図られることは重要であると考えておりますので、集中的にフォローアップしてやってくださいということで報告徴求命令も既に発出をいたしております。
 また、他の金融機関に対しましても、今回の障害というものを踏まえて、システム変更などを今回行っておるんですけど、その際に事前の確認とか、いろんなものが重なって起きておりますので、パンクしたというような話ですけど、そういうのを余裕を持ってやらにゃいかぬというところなんだと思いますけど、いずれにいたしましても、顧客に対する影響を最小限にとどめるための計画を改めて準備するとか、そういったような当たり前の話を、きちんとしたシステムリスクの管理態勢というものをきちんとやるということを我々としては引き続き徹底して整備をするように促してまいりたいと考えております。

#9
○宮島喜文君 ありがとうございました。監督官庁としてしっかりやっていただきたいと思います。
 では、続きまして、世界経済についてお伺いしたいと思います。
 昨年三月でございますが、WHOがこの新型コロナウイルス感染症、パンデミック宣言を発出してもう一年になるわけでございます。国内もそうでございますが、海外においてもまだこの収束するというところまでの兆しというのがあるかどうかと、これは非常にまだ見えていないのではないかと私は思うわけでございます。
 一方、ワクチンの接種ですね、それこそ期待が高まっているわけでございますが、変異株というものも出てまいりましたり、今後まだまだこの感染症との闘いというのは長く続くというふうに考えております。
 このような中、政府は、国民の命と生活を守るためにという、暮らしを守るためにということで経済対策をきちんと打って大規模な財政出動をしているわけでございますが、我が国の経済というものを考えますと、回復するにはこの世界経済の方も持ち直してくることが不可欠だろうと思うわけでございます。
 そういう中、この世界経済の現状について広い見識をお持ちの麻生大臣にこの認識をちょっとお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

#10
○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃるように、このコロナの感染状況は、日本では非常事態とか緊急事態というものが二十一日までとかいろいろ言われておりますけれども、いわゆる主要国の感染状況というのを見ますと、いわゆる人口比で見ないと、国によって人口が違いますので、十万人当たりで日本は約七人、アメリカが百六十人、イギリスが百八十人、フランスが同じく百七、八十人だと思いますけれども、そういった形で先進国の中では桁が二つぐらい違っているというぐらいなものなんだと思って、二十倍ぐらい違うと思いますけれども、死者数、済みません、今のは亡くなった方の話です、総数の話ですけれども。死亡者という意味で十万人当たりで七人。アメリカが百六十人、イギリスが百八十人ということだと思いますが。フランスも同じく百三十人ぐらいか、イタリアはもっと多かったか、百八十人とか、物すごい多い、イタリアも百七十人ぐらいやられると思いますけれども、そういった状況で、このコロナの方は一応落ち着いてきつつあるのが日本だと思いますけど、なかなか他の、例えばG7の国々なんか見るとさような数字にはなっていないというのが現実だと思っておりますが。
 いずれにしても、そういう中にあっても、二〇二〇年十―十二の実質成長率を見ますと、実質GDP成長率で見ても、アメリカの場合四・一%までぽんと回復してきておりますし、中国でも、まあちょっとこの国の数字は余り当てにならぬところありますからなかなか一概にはこれはうのみにできぬところありますけれども、六・五%というので、一応その数字をそのまま見れば景気は回復してきているということになるんだとは思いますけれども。
 いずれにしても、このコロナの感染拡大というものがこういった世界経済を下振れさせるリスクというのはまだ当然残っておりますので、そういったものを見ながら、ちょっと海外動向をよく見ないと何とも今申し上げられないところではありますけれども、少なくとも十―十二というのを見る限りにおいては確実に回復しておりますが、日本の場合は、この一―三月は多分、この一―三月はコロナの非常事態が出ておりますから、一―三月は下がってくると思います。また四―六で上がってくるという数字になるのかなという感じはいたしますけれども。
 いずれにしても、このコロナのリスクはいろいろな要素が含んでいるという点を考えた上での対応をしていかないかぬところだと思っております。

#11
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 確かに、短期的な見方は、当然、前が落ち込んでいれば後は上がるとか、こういうことは見えるんですが、長い意味でどのようになっていくかということがきちんとやはり捉えることができるとやはりいいんではないかと私は思っておりまして、ちょっとお聞きしたところでございます。
 では、この新型コロナ、国内の状況を考えてみたいと思うんですが、この地域経済に与える影響でございますが、これは、感染拡大というか、これが始まる前から地方においては人口減少とか経済の規模が縮小するなど、これは問題となっていたわけでございますね。こういう中で、更に人の行き来ができなくなるような状態が起きたということで、やはり観光業又は交通業、地域を本当に支える産業になるわけですが、こういうものが非常に大きな打撃を受けているわけでございます。それは、これ、ただこれ、全国的に見て全部そうだということも言えるんですが、やっぱりちょっと見ると違いもあるというふうに私は思うわけでございます。
 そんなことで、地域や業種によっても違うというのを考えますと、それぞれの地域においてどのような業種がどのような影響を受けて、どのような政策の対応が求められているかをやはり迅速に、また、きめ細かくこういうふうに把握、分析するということが極めて重要だろうなと考えるわけでございます。
 今回、私、新型コロナ、これが始まった頃は財務省の方で政務官としてお世話になっていたわけでございますが、経済対策とか補正予算の、関わらせていただきましたけれども、その中で、財務省においてはいつも定期的に全国財務局長会議を開催して、地域の実態、この情報を本省に集めて政策立案に生かしていたというふうに承知しているところでございます。
 この新型コロナ、地域経済に与える影響でございますが、現状はどのように考えられておるのか、これについて副大臣にお伺いしたいと思います。

#12
○副大臣(中西健治君) 宮島先生おっしゃられるとおり、日本経済全体としては、新型コロナの影響によって依然として厳しい状況にあります。大臣の答弁からも一―三月期厳しいだろうと、こういうお話もありましたけれども、ひところよりは持ち直しの状況も見られております。ただ、やはり地域や業種によってはばらつきもあって、弱さが見られるというところじゃないかと思います。
 こうした中、宮島先生がおっしゃられたとおり、財務省では全国財務局長会議、一月に実施いたしまして、各地の状況について報告を受けました。それで見てみますと、やはり緊急事態宣言が発令された地域でやはり弱さが見られる、それから観光業に大きく依存している地域で弱さが見られるということであります。実際に報告書を見てみても、個人消費が弱いのがまさに緊急事態宣言が再発令された地域でして、関東、東海、近畿、九州、福岡で下方修正と、下押しの圧力が掛かっておりますし、あと、観光について言えば、北海道と沖縄で下押し、下方修正ということになっております。
 こうしたばらつきなどにも注視しながら経済財政運営に万全を期していきたいと思います。

#13
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 地方の違いが明らかになったわけでございますが、やはり私、これコロナが来る前からもそういうところはあったような気がするんですが、これ非常に大きな影響が出ているところもあると思いますので、これからも注視しなきゃいけないと思います。
 では、地方財政にちょっと視点を当てて考えてみたいと思いますが、今回のこの新型コロナ感染症の影響ということで地方税の収入も大幅な減少ということ、見込まれるわけでございまして、例年にもなく厳しい状況だと思うわけでございます。こう言いましても、地方自治体はそれぞれ住民に直結するサービスというものをやっておりますから、これはきちんとやっていかなきゃいけないということで、こういう状況にあるわけでございます。地方交付税の総額、近年の最高額である平成二十年と同じ、同水準の十七・四兆円が確保されているということは、これ非常に高い評価をしたいとは思います。
 しかしながら、まだまだ感染拡大というもの、これがどのような形になるかという不安があるわけでございまして、それまで、今までもそれぞれ地方自治体は感染症対策に飲食店や事業者等の支援に多額の資金を支出しているわけでございます。さらに、これからを考えますと、新しい生活様式というものに対応しながら地域経済をどのように回していくかということが課題となっているわけでございますから、やはり国はこういう状況をきちんと踏まえて更に支援していくことが私は重要だと思っております。
 政府は、今まででも地方交付税、これに加えて三度補正予算を編成して、地方創生臨時交付金、これも増額していただいたりして、自治体への支援は努めてきたとは思います。
 今後、この支援でございますが、地方自治体への支援、どのように考えているかということについて財務省の見解をお伺いしたいと思います。

#14
○副大臣(中西健治君) 令和三年度の地方財政対策、これは、宮島先生、地方の税収が減るというふうにおっしゃられましたけど、国の税収も苦しいということが見込まれておりますので、国と地方の間での折衝というのは大変厳しいものもございましたけれども、結果として、一般財源総額について前年度と実質的に同水準が確保できたというところであります。これはもう双方が納得するという水準だったというふうに思います。
 また、今おっしゃられましたけれども、昨年来三回にわたって補正予算を組みまして、そして地方創生臨時交付金合わせて四・五兆円計上しております。一次補正一兆円、二次補正二兆円、合わせて三兆円については交付済みですけれども、三次補正の一・五兆円についてはこれから交付されるということになりますので、自由度の高い使い勝手のいいものですから、有効に御活躍いただくこと、今後のいろんな対策を打つに当たって有効に活用していただくことを期待しているところでございます。

#15
○宮島喜文君 ありがとうございました。地方創生臨時交付金ですね、これ、地方自治体、非常に有り難いということを言っておりますので、やはりこの辺はいつも念頭に置いて進めていただきたいというふうに思うわけでございます。
 では、続きまして、コロナの影響により、先ほど申しましたように、地域の経済というのは厳しい状況にあるということでございますが、この地域の経済を担う人材をどうするかと、こういう問題も一つあると思います。特に、中堅企業や中小企業というのは地方に多いわけでございますが、様々な経営課題を抱える中で、この今のコロナの真っ最中でございますし、この後のポストコロナの時代を、これを見据えた事業展開を図っていかなきゃいけないという、それぞれ変革に取り組んでいただいているところ、企業もあるわけでございます。
 政府としても様々な施策は講じて支援しているとは思いますけれども、地域のこの企業の中で経営課題が解決するとか、またこの変革というか改革を実行するという、こういう優れた経営人材というものを確保すると、これも大変なことなわけでございます。これを進めていくために、地域金融機関がこの取引先の企業を一緒になって支えていくんだと、支援していくんだということ、これは非常に大きな意義があるわけでございます。
 そう考えますと、コロナ禍の中で、この都市部から地方へという動き、又は大企業から地域の中小企業へという、こういう人の流れも生み出されるということになると、地域の企業の人材確保も進んでいくだろうというふうに思うわけでございます。
 金融庁として、こういう地域金融機関を通じた人材をこういうふうにマッチングするということがここで重要になってくるわけでございますが、これをどのように推進していこうとしているかということについてお聞きしたいと思います。

#16
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、地域経済が厳しい状況にある中、地域経済を担う地域の中堅・中小企業にとりましては、その経営課題を解決し、変革を実行できる経営人材が求められているというふうに認識しております。
 このような経営人材の確保に当たりましては、地域企業の経営課題を的確に把握して、これに基づき人材ニーズを調査分析の上マッチングをするということが必要になってまいります。したがいまして、この担い手といたしましては、各地域企業の実情に精通しております地域金融機関が果たす役割が非常に大きいということでございます。
 このため、金融庁といたしましては、二〇一八年三月の監督指針の改正によりまして、金融機関における人材紹介業務の取扱いを明確化しまして、顧客企業の人材ニーズに応えるための環境整備を進めてまいりました。さらに、現在、地域経済活性化支援機構で管理をいたします大企業の人材リストを活用いたしまして、地域金融機関等によるマッチングを推進するとともに、人材リストを活用して経営人材を確保した地域企業に対して一定額を補助するということなどの取組を関係省庁とも連携して進めております。
 これらを通じまして、地域企業への人の流れをつくり出して、地域企業の経営、人材確保を支援してまいりたいというふうに考えております。

#17
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 地方は、私の田舎なんかでも本当若い方がだんだん減ってきてしまって、地元の役場には募集しても人が来ない、こういうような状態も進んできているような状況でございますから、やはり何らかの形で一歩でも進められるように、地方再生ができるように取組をいただきたいと思うわけでございまして、質問させていただきました。
 では、新型コロナにより生活が困窮されている方々の支援策についてお伺いしたいと思います。
 政府は、累次、今までの補正予算、それとかコロナの予備費を使いまして、雇用と暮らしを守る取組を行ってきたわけでございます。先ほどもお話がございました、先日成立しました第三次補正予算、これにおいても、医療体制は当然、ワクチンもございましたが、確保のこともありましたが、いわゆる雇用調整助成金や緊急小口資金などの生活を守る支援をしっかりつくってきたというふうに私は思うところでございます。
 その上でございますが、三月の五日ですか、先日、菅総理から、女性の非正規の方々など就業に困難を抱えている方々、望まない孤独や孤立で不安を抱えている方々など、より深刻な影響を受けている方々に向けて緊急の支援策をまとめるとの発言があったように聞いております。こういう経済の影響を受ける、受けやすい、こういう方々に目を向けるということは非常に大変重要なことだと私は思うわけでございます。
 政府が、これまでにこの生活に困窮された方々の支援として、特に今年に入ってでございますが、年始以降どのような対応をしてきたかということ、またさらに、この年度末に向けてどのような対策を検討していこうかということ、これについて大臣にちょっとお伺いしたいと思いますが。

#18
○国務大臣(麻生太郎君) 今御質問がありましたように、生活に困窮されておられる方々というのに対して、いわゆる効果的に支援が図られる、いわゆる雇用とかいわゆる収入とか、住居、住まい、そういったものの確保という様々な問題にこれまで対策をしてきたんだと思いますけれども、具体的には、よく言われるのは雇用調整助成金だと思いますが、緊急事態宣言というもの、地域対象の飲食店に対する、これ今までよく一店六万円とかいう話がよく出ていますけれども、これはお店一つなら結構です、お店を十店舗持っている、二十店舗持っているという方々に対しましては、それでも六万円というのではなくて、いろいろな形での助成金を最大十分の十まで引き上げるとか、小口の資金につきましては、例の特例貸付けのあの限度額を最大限百四十万円から二百万円までに上げるとか、住居を確保するための給付金等々については、支給はもう既に一旦終わっちゃっているというようなところに対して再度の支給というのを可能にして、更に三か月分家賃を支援するなどの施策を講じることといたしております。
 今もさらに御質問がありましたように、本日、非正規雇用労働者に対する緊急支援策というのを今朝閣議で決定したところですけれども、緊急小口資金の新規貸付け、再貸付けというものを今三月末ということにしておりましたけれども、四月以降もこれを継続すると。申請期限は六月までということにさせていただくとか、低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金、これ片親に限らずという意味です、というのを支給とか、求職者支援制度等の職業訓練の抜本的拡充、これ職業訓練を受けるに当たって会社休んだら有休になるとかならないとかいろいろあるんですけれども、そういったものの基本的な拡充、また、NPOを通じて孤独とか孤立しているとか自殺対策とか、いろいろこういうNPOあるんですけれども、そういったものに対しても支援というような措置を行うことといたしております。
 こうした施策、いろいろありますけど、それぞれの状況に応じた施策を今後も十分に図ってまいりたいと考えておるところです。

#19
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 閣議で決定されたというお話でございましたが、やはり長くこういうふうにコロナのこの状況が続いてくると、なかなか、その状況が変化してくる、また次の状況が変化してくるということがございますので、やっぱりきめ細やかな対策も必要でございますし、またその時期というか、変化に対応した形も必要となろうかと思いますので、また今後とも支援を強化していただけたらというふうに思うところでございます。ありがとうございました。
 では、ちょっとこちらの方はコロナとは直接は関係ございませんが、一、二、気が付いたところを質問させていただきます。
 税関の話でございます。税関の人員や装備の充実についてお伺いしたいと思います。
 税関ですね、これ、全国に九千人ほどを超える職員が日々仕事をされているわけでございます。近年、入国者が多くなる、また輸入の申告件数が増加ということで、税関業務は非常に増加して、一途をたどってきていたわけでございますが、まあコロナのこの状況によりまして一旦入国者は今減少しておりますけれども、ただ、航空貨物の方は輸入件数はどんどん増加しておりますし、二十四時間発着するという航空貨物便の通関も迅速に円滑に進めるためにやっぱり人員も必要だろうというわけでございます。
 私も財務政務官の在任中に各地の税関を訪問させていただきまして、いろいろお話も聞きました。職員の皆様は、前回も私言ったかと思うんですが、非常に士気が高くて心強く感じたわけでございますが、同時に、大変な職場であるなということと、もう一つは、人員不足にも非常に困っているという問題意識もお聞きしたわけでございます。
 特に、私伺ったところで、函館でしたかね、あそこのときには海に出ていく監視船も見させていただいたりしたんですが、海上での密輸入というものを当然監視し又は取り締まること、これは日本は、我が国は四方を海に囲まれていますから非常にそういうことが重要なわけでございます。
 こういう中で、この迅速な取締りをするにはやっぱり装備も近代的にしなきゃいかぬだろうという話もございました。また、そういうところに勤務する職員も勤務が楽になるようなこういう環境をつくる、これも必要だろうということでございましたが、こういう中でこの税関の人員や装備に関して更なる充実をしなきゃいかぬと思いますが、これについてどのように取り組んでいくのか、お聞きしたいと思います。

#20
○副大臣(中西健治君) 宮島委員は函館とそして神戸の税関視察されたというふうに伺っております。そこで御覧いただいたことがあるだろうというふうに思いますけれども、航空貨物の数の増え方ってすさまじいですね。この数年間、毎年二〇%ずつぐらい航空貨物増えてきていたんですが、昨年は何と五六%対前年増えました。まあ巣ごもり需要というようなこともあったんだろうというふうに思いますけれども、これだけ航空貨物が増えているということ、そして不正薬物の押収量も五年連続で一トンを超えてくるということなので、やはり税関の役割というのは更に高まっているということなんじゃないかと思います。
 その中で、迅速な通関とそして厳格な水際の取締り、これを両立させるということのために、まず人員の方は七年連続で三桁の純増となります。令和三年度も百五十人要求させていただいているということでございます。そして、機器の方ですが、宮島委員が特に問題意識を持っていらっしゃる機器の方ですけれども、最新の監視カメラやレーダー等を導入した監視艇の更新、監視艇は全部で二十九艇ありますけれども、監視艇の更新、それから、エックス線の検査装置、不正薬物・爆発物探知装置、AIを活用したエックス線検査画像審査機能等を追加整備するということとしております。
 今後とも、業務運営の一層の効率化を図りつつ、必要な税関の体制整備に最大限努めていきたいと思っております。

#21
○宮島喜文君 ありがとうございました。私も羽田空港も税関の方も見させていただきまして、おっしゃるとおり、よく調べていただきまして、どこ行ったか。
 やはり、私、一番感じたことは、装備品も、やはりある意味で特殊なものが多いから簡単に変えるわけにもいかないと思うんですね。やっぱり計画的なとか、今の時代に合ったものにしていくということがもっと必要だろうなと。ハイテクになっているということですね。ですから、そういうものの取り入れ方も考えるということが必要だろうなというふうに感じたものですから、お話しさせていただきました。
 では、今、もう一つ、この麻薬等不正薬物の押収とか現状について、先ほどちょっとお話がございましたけれども、税関では、麻薬や覚醒剤の不正薬物を始め、社会の悪物品というんですか、こういうものに対しての取締りをやっていただいて、ここが一番日本に対して、我が国に対する大きなポイントなわけでございます。この不正薬物の国内の押収量、全押収量の八割が税関で押さえたということでございまして、余りこれは知られていないという、国民は余り知られていないかもしれませんけど、これは非常に重要なことなわけでございます。
 とはいえども、先ほどお話がございましたように、不正薬物がどんどん入ってきてしまっているこの傾向、これが続いている中で、やはりこれを今後、これはなぜこんな状況になっているのかということ、そして、この税関での取締りというところの課題、当然、ここを抜けていくのもない、あるかないかということはよく分かりませんけれども、このような課題というのをどういうふうにいつも捉えているかということについて、まあ対策でございますが、お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

#22
○副大臣(中西健治君) おっしゃられるとおり、近年において税関による不正薬物の押収量というのが、先ほど申し上げましたけれども、五年連続で一トンを超えております。
 その中身を見てみますと、航空機の旅客や航空貨物による密輸事案などが増加しているということと、あと、海ですけれども、海上貨物で入ってくるのが大口化して、そして、そうした案件の数も増えているということであります。大口化というのは五十キロ超のものが増えてきているということであります。
 私も、昨年の十二月に横浜の税関へ行きましたけれども、昨年、横浜税関では、エクアドルからバナナが入ってくる、そのコンテナの中に、バナナがいっぱいある貨物の中におかしなものが入っているということで、それをスキャンしてみてコンテナの中を見てみて、結局、コカイン七百二十二キロと、これまでで最高の押収、最高の量の押収ということを、没収ということをしました。
 こうした具合で税関の努力はしていますけれども、末端価格が余り下がっていないということも聞きますので、やはりまだ何かあるんだろうということなんじゃないかと思います。
 ですので、こうした状況に対応するためには情報や機器の活用、関係機関との連携がやはり重要なんだろうというふうに思います。具体的には、国内外の関係機関との情報交換ですとか、乗客の予約記録などの情報の活用、エックス線検査装置、不正薬物・爆発物探知装置などの取締り検査機器の活用、あとは、やはり何といっても、警察や海上保安庁などの関係機関との合同取締りなどの対策を講じているところでございます。
 今後とも、不正薬物の密輸防止のため、水際対策に万全を期してまいりたいと思います。

#23
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 では、最後に大臣に一言お言葉を頂戴したいと思うんですが、新型コロナの対応でございますが、巨額な財政出動を行っているということで、大変財政状況厳しいわけでございます。
 この新興感染症とか自然災害といった予期せぬリスクに備えるため、どのような財政運営が求められるというふうにお考えか、一言でよろしいですので、お伺いしたいと思います。

#24
○国務大臣(麻生太郎君) 平成以降で見ましても、思わぬ災害というか、いろんな危機というのはあったんですけど、それは、バブルの崩壊というのが始まったのがあれは一九八九、九〇年ですかね、九〇年、その後、アジアの通貨危機がありましたのは九七、八年でありましたし、リーマン・ショックが二〇〇八年でしたか。そして、新型コロナが二〇一九年と。あらかじめ予測はできなかったような事態というのが何度も発生をしておりますのがこの十年少々の、二十年近くの間に起きている話だと思いますが。
 先生御指摘のとおり、感染症とか自然災害の発生する頻度とか不確実性というのは高まっているんだとは思いますけれども、いざというときのリスクに備えて政府が対応余力を残しておくというのはこれはもう間違いなく大切なところでありまして、経済再生とこれ財政健全化というのはきちんとやっておかないと、将来、いざというとき金を借りるといっても、今のように超低金利で金が借りることは可能かといえば、それは日本の財政健全化というものは確実というような信頼がなくなっていればそういうわけにはいきませんので、そういった意味では、やっぱりきちんとして、そこらのところの対応するという努力は日々やっておかないとどうにもならぬということなんだと思っております。

#25
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 時間が来ましたので、これで終わります。

#26
○牧山ひろえ君 おはようございます。立憲民主・社民の牧山ひろえです。
 大臣所信について御質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 現在、違法接待が複数の省庁と案件に広がりを見せ、国家公務員倫理規程が形骸化しているのではないかなと思いますが、先日の本会議での私の質問提起を受けて、菅総理は、改めて全閣僚に対し、各省庁において倫理法などのルールの厳守を徹底するよう指示をされたと答弁されました。
 また、同じ本会議で私は、総務省、農林水産省のみならず全省庁を対象とし、外部有識者から成る独立性の高い第三者調査組織による調査を提案しましたが、これを踏まえた上で、財務省と金融庁について省庁内を調査するおつもりはございますでしょうか。ないのでしたら、倫理ルール徹底という総理の指示についてどのように対応されるおつもりでしょうか。

#27
○国務大臣(麻生太郎君) これは、財務省並びに金融庁におきましては、これまでも、国家公務員倫理法とか国家公務員倫理規程の周知徹底というのはこれまでも図ってきておるんですけれども、個別の事案についてはこれはもう職員各自が適切に対応しているのだと、私どもはそう承知をいたしております。
 今、一斉調査が必要というのは考えてはおりませんし、また、今般の他府省の職員によります倫理規程違反事案を受けて、先日、全職員に対して事務次官及び金融庁長官からのメッセージを発出をさせていただいておりますし、倫理教本の配付を行うなど、改めて注意喚起を行ったところでありますけれども、引き続き、この使命感とか倫理感とかというものを持って職務に取り組んでほしいということだと思っております。

#28
○牧山ひろえ君 是非倫理法などのルールの厳守を徹底していただきたいなと思います。
 財務省は、森友学園問題で自殺された近畿財務局の赤木俊夫さんが公文書の書換えを命じられた経緯をつづったいわゆる赤木ファイルについて、存否さえ明かそうとしていません。ないならないと言えばいいことなので、あるんだと思います。御遺族が録音した赤木さんの元上司の音声ファイルの内容もそれをしっかりと裏付けています。本会議の質問でも、菅総理は、まるで他人事のように、訴訟に関わる事柄であるため財務省が回答を差し控えていると答弁しました。
 森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書の提出に当たり、麻生大臣は、今回の事態を真摯に反省し、二度とこうしたことが起こらないようにすると誓われております。でありながら、真相の解明を妨害されるのはどういうことなんでしょうか。通告はしておりませんが、本会議で質問したことの関連ですので、大臣に是非御答弁願いたいと思います。
 財務大臣は、財務省の職員の言わば親だと思うんですね、皆さんの、まあ親というか親分というか、親だと思うんです。今回の件では、職員の方のかけがえのない命が犠牲になっています。この当事者の方を御自分の御家族だと思って、真摯に心を込めて御答弁いただきたいと思います。

#29
○国務大臣(麻生太郎君) これは、これまでも、先生から御質問があったかどうかは記憶しませんけど、ほかの方々からもいろいろ御質問を、衆議院でも参議院でもこの財金でいただいておりますので、同じ質問でありますから同じお答えしかできませんよ。その上で、お断りしておきますが、目下、これは係属中の国家賠償請求訴訟においてこの話がずっと行われておりますので、これは存否を含めまして求釈明事項の対象となっておりますので、これは、文書提出命令の申立てがなされる、いろいろなこともありますので、訴訟外、これは訴訟外ですから、訴訟外の言動によって訴訟に対する司法審査に影響を及ぼすべきではないと、そのように考えておりますので、先ほど申し上げましたように、今までと同じコメントということになろうかと存じます。

#30
○牧山ひろえ君 財務省は、言わば仲間の御遺族の願いを踏みにじり、真相を隠し続けています。大臣のお言葉とは異なり、何一つ反省していないとしか言いようがないと思います。
 さて、感染抑制と景気回復に話題を移したいと思います。
 日本では、新型コロナウイルス感染症が顕在化する前に、消費税率の一〇%への引上げを行った二〇一九年十月から十二月期にかけての四半期の実質GDP成長率はマイナスが続いていました。その回復軌道に乗る前に新型コロナウイルス感染症の直撃を受け、極めて厳しい状況に置かれているのが日本経済の現状であると考えます。
 緊急事態宣言が解除されても、直ちに景気回復に向けて走り出すことも難しいのではないかなと思います。最初の緊急事態宣言が解除された後も感染拡大の動きは第二波、第三波と繰り返しており、その都度、経済活動を抑制せざるを得ない状況が繰り返されています。大和総研の試算では、今回の緊急事態宣言の解除直後に人出が直ちに急増すると感染が再拡大し、三回目の緊急事態宣言が必要になるのではないかという見通しもされております。
 麻生大臣は、去年の十一月十九日の本委員会における私の質疑に対して、社会活動と拡大防止という活動を両立させないといけないというふうに答弁されています。しかし、年末から年始の感染拡大状況を見ますと、両立は必ずしも容易ではないと言えるのではないかなと思います。
 そのような視点から、私たち立憲民主党は、ゼロコロナ、ゼロコロナ戦略というものを打ち出しました。これは、感染防止対策等を集中的に展開することによって感染拡大の波を十分に収束させて、その状態を継続させることで感染を封じ込め、通常に近い生活、経済活動を取り戻すことを狙いとしているものでございます。
 ある程度の感染抑制が図られなければ景気回復を着実なものとするものも難しいと考えますが、この辺について麻生大臣の御認識を伺いたいと思います。

#31
○国務大臣(麻生太郎君) この一年間になりますけれども、感染拡大の防止といわゆる経済活動、社会経済活動の両立というのを実現していくために、いろいろ経済対策とか補正予算をやらせていただいておりますけれども、結果として、感染拡大というものを防止、雇用が維持、事業は継続、生活の下支え等々というものに私どもとしては万全を期してきたつもりであります。
 感染、まず状況につきましては、先ほど宮島先生の御質問にもお答えしましたけれども、諸外国と異なりましてロックダウンというようなことはいたしておりませんから、日本の場合は。しかし、私どもとしては、十万人当たりの死亡者のあれを見ますと、少なくとも、アメリカの百六十人とかイギリスの百八十人とか、フランスの百三十八、イタリアの百六十九、ドイツの八十八に比べて日本は七人ということは、これは諸外国に比べていわゆる死者数というものはかなり低く抑え込まれているという実績は上がっているんじゃないでしょうか。
 その上で、我々は、経済対策につきましても、業種によってばらつきがありますけれども、景気全体の持ち直し基調は続いてきていると思っております。ちなみに、昨年の四―六を見ますと、GDPの成長率はマイナスで二九・四、四―六ですよ、四―六。その後の七―九でプラスの二二・八、そして十―十二で、昨年、プラスの一一・七となっております。ちなみに、この一―三月は多分、非常事態宣言が出ておりますこの一―三月はまた下がると思いますけれども、四月以降にはまた回復していくと思っておりますので。
 感染拡大防止と社会経済活動のバランス等々を考えましても、これは地域ごとにある程度感染状況が違ったり、また、医療の提供体制というものにつきましても状況が違っておりますので、これはいろいろ判断をせにゃいかぬところだとは思っておりますけれども、少なくとも、私ども、引き続き、新型コロナの状況、感染拡大の状況とか、また経済の情勢等々を踏まえつつ、両方きちんと対応して両立をさせていくように、きちんとした政策運営に最善を尽くしてまいりたいと考えております。

#32
○牧山ひろえ君 ゼロコロナを採用している台湾等は経済的にも小さなダメージで済んでおりますし、経済を優先したブラジルですとかインド等は感染が拡大しているという傾向がございます。
 感染拡大を防ぐとともに、打撃を受けた経済を支えるために積極的な財政出動ということ自体は必要なことだと思います。ただ、感染拡大を防ぐための医療体制の整備や、やむを得ず休業等を強いられる事業者や労働者への補償や給付などがまずは優先されるものであっていいのではないでしょうか。もちろん、特別定額給付金や持続化給付金、家賃支援給付金など様々な支援策は講じられましたが、十分なものであったかどうかというのは言い難いのではないかと考えます。
 その一方で、GoToトラベル事業に代表されるような冷え込んだ需要を喚起する施策も多く盛り込まれました。そうした施策を否定しているわけではないんですけれども、ただ、今回の感染拡大に至る経路を考えますと、まずは感染拡大を徹底的に抑え込む、そのことが優先されるべきだったと思います。
 また、二度目の緊急事態宣言が必要となってしまった事実を踏まえ、これまでの経済対策や補正予算の効果をどのように評価し、そして今後の施策に生かしていくのでしょうか。効果検証の方針や予定も含めて、麻生大臣の認識を伺いたいと思います。

#33
○国務大臣(麻生太郎君) 今いろいろ御質問があったんですけど、まず、日本経済はこれ依然として厳しい状況にありますけれども、補正予算の効果とかそのほか経済対策の効果などあって、一部弱さはありますけれども、持ち直しの動きが出ているということは数字の上からでもはっきりしているんだと思っております。
 また、新型コロナの影響というのが思いのほか長引いているというのがありますけれども、今日の閣議でも、女性の非正規の方々などの就業等々困難を抱えている方々とか、また孤独とか孤立とかいろいろ不安というものを抱えている方々に緊急支援策というのを取りまとめられておりますので、これを閣議で、閣僚会議、済みません、閣議じゃない、閣僚会議です、失礼しました。緊急支援策を取りまとめたところでありますので、これを迅速かつ着実に実行すると、実施していくということが今後重要だと考えておりますので、これまでも、コロナが更にどうなっていくか等々、状況をよく踏まえつつ、これは経済情勢を注視し、バランスを取りながらやっぱり政策運営に最善を尽くしてまいりたいという具合に考えております。
 また、各施策の効果については、これは施策を実行されておられる各省庁でこれをきちんと検証、評価は行われるべきものなのであって、私ども大蔵省がやる、財務省がやるという仕事よりは、そこらのところは各府省庁はまずきちんとした評価をしていただかないかぬところだと思っております。
 その上で、経済対策の効果とか検証の予定、方針については、これは内閣府に、全体としてやられるのはこれは内閣府ということになりますので、内閣府にお尋ねいただきたいと思いますが、少なくとも失業率を見てみました場合には三%前後でほぼ定着をいたしておりますので、リーマン・ショックのときとは全然違っている、はっきりしていると思っております。
 また、倒産件数なども、少なくとも足下では緩やかに減少してきておりますと思っておりますので、雇用の維持と事業の継続、この重点に置いた対応政策、政策対応と、効果は少なからずも出ているのではないかと思っております。

#34
○牧山ひろえ君 もちろん、麻生大臣がおっしゃるように、各省庁が検証するというのは当然のことなんですけれども、財務省として、これまでの政府のコロナ対策の効果検証は是非科学的に行っていただきたい、それを呼びかけていただきたいと思います。かつ、私たちの提案を取り入れていた場合と比較してどうだったのかということも大事だと思うんですね。もしかしたら、いろんな科学的な根拠に基づいていろんな気付いていない部分が出てくるかもしれませんので、是非迅速にそのような視点で実施していただきたいと思います。
 私たちは、ゼロコロナの考えに基づき、最新の情勢も反映した本予算組替え動議を衆議院において共同提案をしました。ですが、私たちの組替え動議に対し、与党は一顧だにせず否決をしています。このようなかたくなな対応ですと、昨年と同様、本予算の成立後すぐに補正予算の編成に掛からなければならないことになるのではないかなと思います。
 本会議で質問したんですけれども、はっきりした御答弁いただけなかったので、改めてこれお伺いしたいと思います。令和三年度補正予算の編成の判断について、財務大臣はどのように考えておられますか、見解を伺いたいと思います。

#35
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じかと思いますけど、今は令和三年度の本予算を審議しておりますので、まだ本予算が上がるか上がらぬか分からぬ前に補正予算の審議とか検討しているというようなことを考えておられるんだったら、それは私どもとしては考えておりません。

#36
○牧山ひろえ君 令和三年度予算は、今般の緊急事態宣言の発出前に編成されており、時宜に適した内容を十分反映していない予算であることは明らかだと思います。菅総理も、本会議での私の質疑に対して、野党の御意見を含め様々な意見を伺って難題を解決していくとの姿勢が重要というふうにおっしゃられていました。
 しかし、政府・与党の予算案は一ミリも動かさず、原案どおり成立を強行しながら、その直後に改めて補正予算ということになると、その分、対策のタイミングを逸することになります。改めて、真摯に野党の意見に向き合っていただくことを希望したいと思います。
 コロナ禍の企業支援策として、中小企業向けの無利子無担保融資などが打ち出されています。日本政策金融公庫と民間金融機関の融資が四十兆円に上り、その半分超の融資の据置期間が一年以内となっています。これらは今春にかけて返済が本格化するわけです。ですが、コロナ禍は長期化しています。
 据置期間の終了によりこれらの中小企業が更なる苦境に陥り、融資の多くが不良債権化するのではないか、そのような懸念に対する大臣の御認識と対応策について御説明いただければと思います。

#37
○国務大臣(麻生太郎君) これは、牧山先生御指摘のとおり、この金融機関って官民両方ありますけれども、実質無利子無担保融資の据置期間について、これは一年以内のものが多いというのは、民間金融機関で約六割、政府金融機関で約七割が一年以内ということになっておるのが実態であります。
 その上で、新型コロナ感染症の影響の長期化によって事業者の資金繰りは厳しいという状況にあるということを踏まえまして、先日、八日でしたか、私の方から官民の金融関係団体代表等に対して、実質無利子無担保融資の据置期間並びに返済期間について、これは事業者というか借りている人たちのニーズを十分に踏まえて長期の延長等を積極的に提案する、金融機関の方からですよ、提案するというなど、親切かつ丁寧な対応を行うことなどをお願いをさせていただいたところです。
 また、事業者が債務の将来的な返済に支障を来さないよう、すなわち、事業者に向けて融資したものが不良債権化するということです、そういったことのないように、同日、金融関係団体に対して、事業者の状況に応じて地域の金融機関、関係機関と積極的に連携をして、経営改善とか事業再生とか事業の転換支援など、事業者支援を力強く進めることなどを要請をさせていただいたところです。
 いずれにしても、事業者の資金繰りの支援ということに関しましては、これは経営改善支援が積極的になされるようにならないと、借りたままで今のままの状態だったら変わらないというのは、いずれそれは破綻することになりますので、そういうことのないように、金融機関としてもしっかりそういったところに、経営、企業側の立場にも立って、経営機関の取組というものをしっかりフォローしてまいりたいと思っております。

#38
○牧山ひろえ君 日本政策金融公庫総合研究所が一月二十五日に公表しました全国中小企業動向調査結果によりますと、従業員二十人未満の小企業では、資金繰りDIが昨年十月から十二月期の実績でマイナス二四・八、今年一月から三月期の見通しではマイナス四六・一とマイナス幅が拡大しており、資金繰りが悪化する企業が増える傾向にあります。
 また、東京商工リサーチが一月十三日に公表した二〇二〇年の企業倒産状況を見ますと、負債総額一千万円未満の倒産件数は前年と比べますと二三%増の六百三十件となっており、二〇〇〇年以降で年間最多となった二〇一〇年の五百三十七件を上回る結果となりました。倒産には至らなくても、休廃業や解散した企業も増加しております。火は足下まで来ておりますので、早い段階で万全の対策を取る必要があると思います。
 さて、昨年四月三十日に成立しました新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律により、納税の猶予を無担保かつ延滞税なしで認める特例が設けられました。この納税の猶予の特例については、令和三年一月二十九日までに適用された件数が約三十万件、税額では約一兆三千八百六十三億円となりました。資料を御覧ください。
 ただ、この利用状況は、財務省の想定の一割強にとどまっていることも指摘されています。財務省は、納税の猶予の特例についての利用実績が伸びなかった要因をどのように考えているのでしょうか。必要が薄かったのではなくて、私たちが主張していたように、コロナ禍による影響が大きい事業者には減免なども考慮すべきだったんではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

#39
○国務大臣(麻生太郎君) これは御存じのように、売上げの減少等々によって要件を満たすとか満たさないという企業は実際に納税猶予を申告するかしないかという話が一番肝腎なところなんですけれども、これは自分の会社の話なので、自己資金の状況とかいろいろ状況がありますので、他の資金繰りとか支援策などを踏まえた上で個々の事業が判断するので、借金しても資金を返すか、それとも繰り延べるか、それは、今、無利子ということになりますと、それは延滞金利まで発生しませんから、そういった意味では企業が自己判断するということになるというものだというのは御存じだと思いますので。
 その上で、個々の企業の判断によるものなんですが、今回、いろいろな形で調べてみた範囲では、いわゆる国税等々の収支の決定額が約六十八兆四千億なんですけれども、その中で、繰延べというのを、特例の猶予を利用された方は一兆四千億しかありません。全体でいきますと、約二%ということになります。多いようですけど、二%しかおられませんから。
 そういった意味では、一・四兆円となっている事実につきましては、これは国税の減免につきましては、これは多くの納税者の皆様はこういった状況の中でも納税をしていただいているのは九八%という実態がありますので、そういった意味では、公平感の観点も踏まえれば、これは慎重に検討する必要があると思っております。

#40
○牧山ひろえ君 一年間の猶予後には翌年分の二重払いになることも制度の利用に二の足を踏ませる要因になったように感じます。
 また、この特例は今年二月一日を申請期限としており、現在は終了しています。今後も引き続き納税が困難な場合にどのような措置を活用して対応していくのかという私の質問に対し、財務省や国税庁は、既存の猶予制度の柔軟な運用をもって対応するので問題ないというふうに言われたんですが、具体的には、特例の適用を受けていた納税者については、業績が回復した場合を除き、一〇〇%既存の猶予制度の適用を受けられるとの説明が部会であったんですが、この内容に間違いはございませんでしょうか。確認させていただきたいと思います。
 そしてもう一つ、また、業績が回復した場合とは具体的にどのような状況を示すんでしょうか。

#41
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 国税庁といたしましては、新型コロナの影響を受けている事業者に対して既存の猶予制度を適用するに当たりまして、納税者個々の実情に十分に配意した柔軟な対応に努めているところでございます。業績が回復して納付することが困難でなくなったような場合などを別といたしまして、特例猶予の要件を満たすような方々には基本的には既存の猶予制度を御利用いただくことができると考えてございます。
 それから、業績が回復した場合とは具体的にはどのような状況を指すのかということでございますが、今申し上げましたとおり、新型コロナの影響を受けている事業者に対しまして既存の猶予制度を適用するに当たりましては、納税者個々の実情を十分に伺いながら事業継続に必要な運転資金の確保に配意するなどの取組を行っているところです。他方で、業績が回復するなどして、保有する現金、預貯金等の当座預金が当面必要な運転資金を上回るなど、国税の納付が困難と認められない場合には既存の猶予制度を適用できない場合もございます。
 引き続き、納税者の置かれました状況等に十分配意しつつ、迅速かつ柔軟な対応に努めてまいりたいと思います。

#42
○牧山ひろえ君 では、最後、端的にお答えいただきたいんですが、では、特例の適用を受けていた方と、二月一日の期限に間に合わず新規に猶予の申請を出した人で、適用の基準が異なるケースが生じる可能性はありませんでしょうか。

#43
○政府参考人(鑓水洋君) お答え申し上げます。
 ただいまお答え申し上げたとおりでございますが、特例猶予の申請期限後に既存の猶予制度を適用するに当たりましては、納税者個々の実情に十分配意した柔軟な対応に努めているところでございます。新規に納税猶予の申請を出した方につきましても、特例猶予の要件を満たすような場合には基本的には既存の猶予制度を御利用いただくことができると考えております。

#44
○牧山ひろえ君 時間となりましたので、終わります。

#45
○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志です。
 引き続き、質疑をさせていただきます。
 新型コロナウイルス感染症が全世界で猛威を振るい、一年が経過しました。世界の累計感染者数は一億二千万人に上り、累計死亡者も約二百六十万人となっています。ワクチンの接種は、我が国でも医療従事者などからようやく接種が始まりましたが、一般接種に向けてはまだまだ課題山積の状況にあり、世界的にも途上国の接種などは今後の大きな課題となっています。この間も議論がありましたが、景気や経済、一人一人の暮らしにも大変大きな影響を与えており、引き続き対策が必要だと考えます。
 また、平時には解決自体を先送りしてきたような問題が、大災害などのときには問題を更に拡大して出現すると言われていますが、まさにこのコロナは経済社会のグローバル化、規制緩和あるいは雇用の流動化などの影響で広がり始めていた格差が更に拡大し、社会自体が機能不全に陥っているという実態を明らかにさせたのではないでしょうか。
 このような問題意識から、今後何度かの質問の機会があろうと思いますけれども、税、財務分野における内外の現状と今後の課題についてお伺いをしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、それに先立って、昨年十一月に質問をさせていただいた少人数学級の推進について、まずはお伺いをしたいと思います。
 今日は、財務省の所管ですが、文科省の方にもお越しをいただいております。ありがとうございます。
 それでは、早速、三十五人学級の推進についてお伺いをいたします。
 この間、教育関係者のみならず、保護者や子供たち、そして各自治体からも待ち望む声が大きかった少人数学級について、ようやくその根拠法となるいわゆる標準法が何と四十年ぶりに改正されることとなりました。来年度から五年間掛けて小学校二年生から順次三十五人学級が進められていくこととなったわけであります。
 私もこの財政金融委員会で議論をさせていただきましたが、財務省の反応は決して芳しいものではありませんでした。財政審の答申などでは、学級規模の縮小の効果はないか小さい、あるいは教員の質の確保が問題だと、そのようにされてきたわけであります。
 しかし、そういう状況をはねのけてこの度実施に踏み切られましたが、これは麻生大臣の御英断だと私は評価をするものであります。少人数化に向けては小さな一歩かもしれませんが、教職員の多忙化解消あるいは働き方の改革と連動させて教育改革の確かな一歩にしていかなければならないと、そう考えています。
 そこでまず、大臣にお伺いをいたしますけれども、三十五人学級化の御判断に至った大臣の御所見と、それから、これから五年掛けて取り組んでいくということでありますが、その取組に向けた決意をお伺いをしたいと思います。

#46
○国務大臣(麻生太郎君) 大英断というお話ですけど、僕は賛成したわけじゃないんだ。これ基本的には反対したの、私はね、はっきり言っておきますけど。財務省としても、これはとてもじゃありませんということ。
 私はもう、どれぐらいの世代か知らない、私はすし詰め学級ちょいぐらい、前後ですからね、六十人学級ぐらいですよ。その世代だろう。だから、分かるんですけど、その頃の人たちと今の四十人学級になった人たちはそんな知能水準が上がったのかと言われると、みんななかなかそうは言われませんから。私の子供やら何やらいますので、そういったのを見ていると、なかなかそんな簡単に賛成したはずではないので、だから四十年も掛かったということだと思っているんですけれども。いずれにいたしましても、現行の三十五に引き下げることとさせていただきました。
 検討の過程では、これはもういわゆる効果の話がやたらよく、きちんと検証すべきではないかという話もいっぱい出ましたし、また、加配職員というのは、御存じのように加配職員というのがおりますので、そういったのを含めまして外部人材をもっと活用すべきじゃないのかという話とか、また、今教員の採用倍率というのはどんどんどんどん下がっておりましょう。そういった意味では、教員の質の確保というものもきっちりしていただかないけませんよということを申し上げたり、いろいろ指摘を行ったところですが。
 いずれにいたしましても、少人数学校というものの効果というものを検証、効果というものをやっていかにゃいかぬだろうと思っておりますけれども、いずれにしても、教員免許制度等の在り方についても検討を行っていくものと承知をしておりますので、教育の質を高めるというのは最も大事なところでもありますので、そういった意味では、丁寧に検証等を進めていくことが重要であろうと考えておりますので、子供の教育というのは極めて大事なところだと思っておりますので、私どもとしては真剣にこれ、あれをきちんと詰めていきたいと思っております。

#47
○勝部賢志君 本当に大変厳しい状況の中で、しかし、子供の教育が極めて重要だと最後におっしゃったお言葉、私も印象に残りましたが、そういう思いで判断をされたということだというふうに思います。是非、今後も引き続き今おっしゃった思いで取り組んでいただきたいというふうに思いますが、今の大臣の答弁の中にもありましたが、教員の確保に関わってお伺いをしたいと思います。
 五年間で必要な教員の数は約一万四千人ということで、そのうちの来年度の小学校二年生については既に国の加配で実施されているので、それを定数に置き換えるという対応をするということ。で、再来年度以降は指導方法工夫改善加配約三千人を使ってそれを振り替えて行っていくということでありますが、その話は後で聞きたいと思うんですけれども、それ以外の人員確保についてはどのようにお考えなのか、これは文科省にお伺いをしたいと思います。

#48
○政府参考人(蝦名喜之君) お答えを申し上げます。
 近年、公立の小学校の教員採用選考試験の採用倍率の低下傾向が続いてございます。特に一部の教育委員会で採用倍率が著しく低くなっていることにつきましては、危機感を持って受け止めているところです。
 文科省といたしましては、採用倍率の低下傾向は主として採用者数の増加によるものであると分析しておりまして、従前から各教育委員会に対しまして、中長期的な視野に立って計画的な教員採用を行うように促してきたところでございます。各教育委員会におきましては、受験年齢制限の緩和ですとか、教職経験者に対する特別選考などの工夫が行われているというふうに承知してございます。
 今後、小学校の採用者数につきましては、今回、定数改善成るということとなりまするとどんなことになるかということにつきまして、今年の二月時点で、可能な範囲で各教育委員会の採用者数の見通しを調査をさせていただきました。そうしましたところ、令和四年度頃まで現在と同程度の水準で推移をし、その後、採用者数としては減少していくという見込みでございました。
 この見込みは、各教育委員会におきまして、定数改善の見通しに加えまして、それぞれの県における退職者数がどうなるかとか、あるいは児童生徒数全体がどうなっていくかという見通しなどを総合的に勘案して採用者数の推計を行っているというものでございます。
 文科省といたしましては、今回の定数改善計画によりまして、教師の安定的、計画的な採用が行いやすくなるということも踏まえまして、それぞれの教育委員会に対しまして、中長期的な視野に立って計画的な採用を行うよう一層の取組を促してまいりますとともに、教師の人材確保や質向上に向けまして、本年一月に文部科学大臣の下に設置をいたしました検討本部におきまして、当面の対応としてプランを二月に取りまとめを行ったところでございます。
 その中では、小学校の免許状が取得しやすい制度改正でありますとか、学校における働き方改革や教職の魅力向上に向けた広報の充実、また、社会人などの多様な人材の活用等を進めていきたいというふうに考えているところでございます。また、去る三月十二日には、中央教育審議会に対しまして、今後の教師の養成、採用、研修等の在り方について諮問を行ったところでございます。
 こうした中央教育審議会の議論も踏まえながら、教職の魅力を向上させ、質の高い教師をしっかりと確保できるように、既存の在り方にとらわれることなく検討を行ってまいりたいと考えてございます。

#49
○勝部賢志君 少人数学級化以前からやっぱり教員の志望者というのは減ってきているという状況にあります。そして、現場では、今三月ですから、四月になると新しい年度を迎えますけれども、新学期を迎えても必要な教員がその学校にそろわないというような実態も実はあります。ですから、少人数化、三十五人学級化を進めていく上で必要な教職員をしっかり確保していかないと、今以上に学校現場で教員が足りないというような事態が起こりかねないというふうに思いますので、まずはその点についてはしっかりと計画的に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 そして、加えて、先ほどその志望者数が少ないという原因についても触れられておりましたけれども、やはり学校現場が多忙で本来やりたいその教員としての仕事がもう十分にし切れないというような思いから、やはり学校現場に対する魅力が失われつつあるというのが現状なんだと思うんですね。それを、先ほど私も申し上げましたが、この三十五人学級の導入と併せて働き方改革を進めていくことによって、教員になりたいという学生をやっぱり一人でも多く増やしていくということも一方で大事なことだというふうに思いますので、そのことを指摘をさせていただきます。
 それで、加配の扱いについてなんですが、指導方法改善加配というのは少人数学級の実施のためにももちろん活用されているんですけれども、複数指導、いわゆるTTとか、あるいは専科指導、あるいは少人数指導、これは学級ではなくて少人数のグループで指導をするような、そういういろいろ指導の工夫に活用されています。
 ですから、この三千人の加配の中から三十五人学級化に向けてそれを充てていくといったときに、今のような加配が剥がれてしまうと学校では困ってしまうという声が出ていますし、また一般の加配というものもあって、今言った少人数学級あるいは少人数指導の加配だけではなくて、例えばいじめとか不登校、特別支援、そういった加配も実際にはあるわけで、その人員確保のために単年度ごと財政当局との折衝で決まるということになると、三十五人学級の実施に伴ってこれらの加配もなくなってしまうのではないかという心配の声も現場から上がっています。
 小学校六年生までの財源として学校現場の取組に支障や混乱を来すような加配定数からの置き換えはするべきではないと考えますが、文科省の見解を伺います。

#50
○政府参考人(蝦名喜之君) お答えを申し上げます。
 安全、安心な教育環境とそれからICT等の活用による新たな学びを実現するために、今回、義務標準法を改正をし、小学校につきましては、学級編制の標準を五年間で三十五人に引き下げる、そのために必要となる教職員定数の計画的な改善を図るということとしたいと考えてございます。
 これに応じまして、現在、自治体独自の少人数学級を実施をするために措置をしているものなど、加配定数の一部を含む合理化減などを活用することとしてございますけれども、個々の教育課題に応じた加配定数を含めまして、必要な教職員定数は引き続き確保をしてまいります。

#51
○勝部賢志君 次に、中学校への拡大について伺いたいと思いますが、来年度から小学校始まるということなので、中学校の話は早いのではないかというふうに言う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は、むしろ同時に、あるいは高校まで拡大をする、さらに三十五人を三十人ぐらいまでやるというのが私は必要だと思うんですね。そういう考え方に立っておりますので、当面は小学校六年生までということですが、今回の法改正の趣旨を踏まえれば、当然中学校でも実施すべきだと考えています。
 そこでお伺いいたしますけれども、現在、自治体で独自に中学校の三十五人学級を実施している自治体はどの程度あるのか、お答えいただきたいと思います。

#52
○政府参考人(蝦名喜之君) お答えを申し上げます。
 公立中学校における地方独自の少人数学級につきましては、令和二年度現在、四十七の都道府県及び政令指定都市は二十ございますけれども、これら合計六十七自治体のうち、研究指定校など域内の一部の学校で取り組んでいるものを含めまして五十八の地方公共団体で三十五人以下学級が実施をされているところでございます。中でも、今ほど域内の一部の学校も含めてと申し上げましたが、全ての学年で一律に取り組んでいるという自治体は九つございます。また、これを含まず、特定の学年で一律に取り組んでいるもの、一年生だけとかいう形で取り組んでいるものにつきましては十四の自治体がございます。

#53
○勝部賢志君 ほとんどの自治体で独自に取り組んでいるということですし、現場からあるいは親御さんからは、いじめや不登校への対応やきめ細やかな生徒指導を行うためにも是非中学校でも実施してほしいという声が上がっています。
 中学校への導入の必要性について文科省としてはどのようにお考えか、お伺いいたします。

#54
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。
 一人一人の、応じたきめ細かな指導というのは、小学校のみならず、これまだ財務省とも調整しなければなりませんが、中学校においてもその必要性に変わりないと私は認識いたしております。
 今回の小学校の学級編制の標準の引下げを計画的に実施する中で、学力の育成その他の教育活動に与える影響や外部人材の活用の効果について実証的な研究を行うとともに、質の高い教師を確保するため、教員免許制度等の在り方について検討を行っていくことといたしております。これらの検証を行った上で、その結果を踏まえ、学校の望ましい指導体制の在り方についても、特に中学校におきましても検討を進めていきたいと考えております。

#55
○勝部賢志君 衆議院の予算委員会で委員からの質問、我が党ではありませんでしたけれども、質問で、中学校でも三十五人学級に進むべきではないですかという問いに、総理は、引き続き検討していきたいと、それは中学校を念頭に今申し上げましたという答弁がございました。
 総理もそういう方向性について言及されました。是非財務省も前向きに検討すべきだと考えますけれども、財務省の見解をお伺いいたします。

#56
○政府参考人(青木孝徳君) 今般の三十五人、小学校の三十五人学級につきましては、きめ細かに児童を見ることができるという利点が、より低年齢であり、担任の役割が大きい小学校において、より大きいというふうに考えられることと、それから、三十五人学級の導入に伴い自治体独自の少人数学級を実施するために措置しているものなど、加配定数の一部を含む合理化減などを活用することとしたことなどを含めまして、総合的に判断をしたものでございます。
 今後の対応につきましては、三十五人学級を実施する中で、少人数学級の教育に与える影響、外部人材の活用の効果などについてしっかり検証を行った上で、その結果を踏まえて丁寧に検討していく必要があるというふうに考えております。

#57
○勝部賢志君 実施に向けてという言葉はありませんでしたが、しかし、小学校を実施する上での効果を見極めて検討していくということであります。
 そうなってきますと、その検証というのが極めて重要だと私は思うんですが、その検証についてちょっとお伺いをしたいと思うんですけれども、問題なのは、気を付けなければならないのは、単に点数が何点上がったとか、点数、学力のみに着目すると、この少人数学級を進めていく狙いに対する正確な評価はできないのではないかというふうに思っています。ですから、学級規模を少人数化することによって学習意欲が高まった、あるいは生徒指導や保護者との対応が充実されたとか、子供の活動の場が広がったとか、あるいはいじめ、不登校、今様々な悩みを抱えている子供たちたくさんおりますので、そういった子供たちにしっかり対応できるなど、そういう教育活動を総合的に検証する必要があると考えます。
 内容やスケジュールなど、私は直ちに取り組むべきだと思いますけれども、進め方についてのお考えをお伺いしたいと思います。

#58
○政府参考人(蝦名喜之君) お答え申し上げます。
 学校の教育水準の維持向上のためには、学級規模の適正化に加えまして、多様で質の高い教師の確保や外部人材の活用が重要であるということから、この義務標準法の改正をお認めいただけますれば、その施行後速やかに、学級規模の縮小が学力を含め教育活動に与える影響でありますとか、外部人材の活用の効果に関する実証研究、また教員免許制度その他の教員の資質の維持向上に関する制度の在り方の検討を行い、それらの結果に基づいて必要な法制上の措置などを講ずることとしてございます。
 この実証研究につきましては、今後五年間を掛けて小学校三十五人学級の計画的な整備を進める中で、児童の学習面のみならず、お話しの生徒指導や保護者対応などの面を含めました学級規模縮小の効果を多面的に検証を行いますとともに、スクールサポートスタッフやスクールカウンセラーなど、現在も学校現場には外部の人材が導入されてございますが、こうした外部人材の活用が教師の業務負担軽減や児童生徒への指導の充実に与える効果などについて検証することができるよう、特に地方公共団体と連携をして進めることとしたいと考えてございます。
 また、教員免許制度等教員の質の在り方に関しましては、三月十二日に中央教育審議会に対しまして、新たな教師像と教師に求められる資質能力でありますとか、多様な専門性を有する質の高い教職員集団を構成するための具体的な方策、また、これらの検討を踏まえた教職課程や教員免許の在り方などについての諮問を行ったところでございます。
 こうした中央教育審議会での議論も踏まえまして、文部科学大臣の下に設置をいたしました検討本部において検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。こうした研究の結果や議論の状況を踏まえまして、学校の望ましい指導運営体制の在り方や教師の養成、採用、免許等の在り方について検討をしっかりと行ってまいりたいと考えてございます。

#59
○勝部賢志君 直ちにそういう検討を開始をすると。
 それで、先ほど財務省に中学校に向けても検討すべきだという話をさせていただきましたが、やはり実施主体である文科省がまずは積極的にこの検証を行って、その上で、やはり中学校でも必要だという方針を早めに固めていただくということが大事だと思いますし、引き続き、そうなれば、この財政金融委員会でも取り上げさせていただきたいというふうに思いますので。
 今日は丹羽副大臣始め文科省の方々にお越しをいただきました。大変お忙しい中、ありがとうございました。お忙しいでしょうから、退席をいただいて結構だと思います。

#60
○委員長(佐藤信秋君) 丹羽副大臣と蝦名審議官、退席して結構です。

#61
○勝部賢志君 ちょっと時間が押してきておりますけれども、続いて、官僚の接待問題についてお伺いをしたいと思います。
 先ほど牧山委員からも質疑をさせていただきましたけれども、この国家公務員倫理法というのが今取り沙汰されておりますが、これは、この法律の制定の発端となったのは、御存じのとおり、大蔵省を舞台とする金融機関からの過剰接待事件が明るみに出てのことであります。これはあのバブルがはじけようとしている一九九八年の話でございます。東京地検特捜部に大蔵省の現職の官僚らを含めて六名が逮捕され、自殺者も三人出しました。三塚当時の大蔵大臣、松下日銀総裁も引責辞任と、まあ大変大きなスキャンダルとなったわけですけれども、同時に、奈良時代、大宝律令のときから千三百年続いた大蔵省という誇り高き歴史的名称もこの時期になくなったわけであります。
 このような経過を踏まえると、麻生大臣の下で、よもや揺るぎないとは思いますけれども、財務省、金融庁の職員の倫理が徹底されるべきだというふうに思っています。先ほどその指摘も牧山委員からありましたので、私からは、実際にこの倫理規程に従っていくと、例えば一万円以上の会食、接待というようなものについては報告をする義務があるというふうにされていますし、それ以外の例えば一万円以下のものなどについての実態など、財務省、金融庁の中では把握をされておられるのかどうか、そのことをちょっと事務方にお伺いをしたいと思います。

#62
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に財務省、金融庁におきまして、これまでも国家公務員倫理法とか国家公務員倫理規程の周知徹底というのを図らせていただいているんだと思っていますんで、個別事案につきましてあるのかないのかと、ちょっとそこまでおまえ全部掌握しているかという御質問のようですけれども、私どもは、個別事案につきましては、これは職員各自が適切に対応してもらっているものだと思っております。

#63
○勝部賢志君 総理からも倫理をしっかり守るようにというお達しもあったということでありますし、やはりその部署部署のリーダーはそこの職員がどのような対応を今しているのかということにやはり極めて注意深く対応すべきだと思います。
 よもや来週の文春砲で財務省もかというようなことが報じられることがないというふうに信じておりますが、そういう意味で、是非、麻生大臣にはリーダーとしてしっかりと職員の倫理について確立していただきたいというふうに思いますが、そのことについて見解ありますでしょうか。

#64
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど申し上げましたように、個別のことになりますんで、私どもとしては、今申し上げたように、今、個別事案につきまして、これは職員各自が適切にきちんと対応しているものだと承知をいたしております。

#65
○勝部賢志君 くどいようですけど、ちなみに麻生大臣は、何というんでしょうか、疑惑を持たれるような会食とか接待をお受けになったという事実はおありですか。

#66
○国務大臣(麻生太郎君) こっちは余り、ごちそうする方が多いものですから、ごちそうされることは余りないですな。

#67
○勝部賢志君 先ほど申し上げた趣旨で、是非身を律して、我々もそうでありますが、こういう問題が起きているときこそしっかりしなければいけないと思います。
 そして、一方で、数回の接待を受けて積み上げてきたキャリアを棒にする人がいる一方で、より重罪と思われる国会での虚偽答弁や究極的な重罪と言える公文書の改ざんに手を染めた上、逆に出世をするという人もいるという、非常に強い不条理を私は感じています。
 文書の改ざんを指示されて自ら命を絶たれた赤木さんが残した赤木ファイルの存否すら明らかにされない森友問題は、相変わらずそんたくが幅を利かせてか、依然全容解明が図られません。こういった問題、闇に葬ってはいけないと思います。
 麻生大臣には、綱紀粛正あるいは部署内の様々な問題についてしっかり対処するという御決意をお持ちいただきたいと思いますし、赤木ファイルの開示を含めて歴史的な責任をしっかり果たしていただきたいということを申し上げて、時間が参りましたので、用意をした質問、次の機会にさせていただきたいと思いますので、これで質問を終わります。

#68
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てるように質疑をしたいと思います。
 まず、景気動向についてちょっと確認をさせていただきたいと思います。
 内閣府が三月八日に発表しました一月の景気動向指数速報値、これ一致指数が前月比三・五ポイントのプラスということで、三か月ぶりの上昇。また、三月八日に同じく内閣府が公表した二月の景気ウオッチャー調査、景気の現状判断は、DIは前月比一〇・一ポイントのプラスということで、これも四か月ぶりの上昇ということで、政府の対応の効果が上がってきている証左だと受け止めております。
 また、東京株式市場で日経平均株価は三万円の大台を回復と、三十年ぶりの高値ということでありますし、国内企業の業績の回復が進んでいるという見方もあろうかと思いますし、一方で、実体経済と乖離したバブル状態だといったようなことを言う方もいらっしゃって、非常に油断できない状況ではあろうかと思っております。
 今後、仮にですけれども、緊急事態宣言の動向でありますとか、あるいはワクチンの接種が拡大をするとか、こういったことでマインドがいい方向に変化したならば、景気も景況感も更に上向くのではないかと期待をしておりますけれども、政府として景気動向をどのように見通しているかということ、そして、あわせて、第三次補正と併せて本予算、執行していく上で、このスピードが非常に重要だろうと思っております。
 迅速果断な予算執行への決意を大臣に併せてお伺いをしたいと思います。

#69
○国務大臣(麻生太郎君) 今後の景気動向というところですけど、依然厳しい状況の中にあるんだとは思いますけれども、外出自粛等々の影響で飲食業を始め等々消費は弱含んではいるとは思いますけれども、輸出は確実に増加してきておりますし、設備投資も増えてきておりますので、生産は持ち直しているというのは、数字の上ではそういうことになっておりますので、今後、感染拡大というのは、この二十一日に非常事態宣言等々が解除されるというような社会状況等々、いろんなものの変化が起きていくんだとは思いますけれども、そういったような、仮に持ち直ったとしても、今度、もう一つ、この海外というのが私らにはよく分かりませんので、収まっているところもあれば、ヨーロッパ等々、そうですね、ドイツでも二桁ですから、そういった意味ではその他の国含めて海外状況もある程度変わっていくんだとは思いますけれども、引き続き、この新型コロナの感染状況等々をよく見極めにゃいかぬところだとは思っております。
 また、予算の話ですけど、感染拡大の防止にこれ万全を期した上で、ポストコロナというのを考えて、経済構造の変換とか、防災とか減災とか国土強靱化とかいろいろやらせていただいておりますけれども、安心とか安全とかいうものは、これは感染症対策に限らず、こういったようなものの確保というのはきちんとしておかねばなりませんし、中長期的に見ますと、地震とか台風とか、我々そういったものと長く付き合ってきているんですけれども、そういったようなものが起きる可能性の極めて高い先進国の一つでありますから、そういった意味では、いろんな意味で、きちんとしたインフラ等々を見直しておかぬといかぬというようなことを含めますと、予算に盛り込んでおりますものいろいろありますけれども、早期に、そういう官需だけではなくて、民需主導で経済成長というものに戻していかないかぬということをやらねばならぬと思っておりますので、この三年度の予算につきましても、そういったものを支援するような施策をいろいろ織り込んでいると私どもは思っておりますので、着実な執行というのを努めていかないかぬというところだと思っております。

#70
○秋野公造君 大臣、ありがとうございます。
 コロナにより格差が拡大しているのではないかといったようなことを多くの方が懸念しているわけでありますけれども、例えば、独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表しました「新型コロナウイルス感染症のひとり親家庭への影響に関する緊急調査」、年末に向けての暮らし向きが苦しいと回答した人が六〇・八%ということで、そうでない方と比べて高かったということ、一人親家庭の三五・六%が直近一か月内で必要な食料を買うことができなかったと、こういった回答は極めてショッキングなものでありまして、非正規雇用者の方の数も労働力調査でも非常に減ってきているというようなことも考えますと、弱い立場といいましょうか、支援すべき方ほどコロナの影響を受けているということが言えるようにも見られます。
 経済格差といっても定義があるわけでもありませんので、そうはいっても、政府として、コロナの影響による格差の拡大についてどのような見解をお持ちか、お伺いをしたいと思います。

#71
○副大臣(中西健治君) 委員おっしゃられるとおり、経済格差というものについて決まり切った定義があるということではないというふうに思いますけれども、ただ、一般的に見て許容し得ないだろうというような格差が生まれたり、若しくはその格差が固定したりということがあってはならないということなんだろうというふうに思います。
 我が国の経済格差について言えば、政権交代前は長期的に相対的貧困率が上昇するというような傾向にありましたけれども、この何年か改善傾向にありました。そこで、コロナが直撃しているということであります。
 このコロナの影響というものは本当にばらつきが多く見られるということでありますので、申し上げたように、格差の固定化にならないように、そして許容されないような、一般的に許容されないような格差が生じないように引き続き注視していかなきゃいけないと考えております。

#72
○秋野公造君 今、副大臣、ばらつきとおっしゃいましたけれども、そのばらつきの現状について御見解あればお伺いしたいと思います。

#73
○副大臣(中西健治君) まず、この新型コロナ感染症の感染拡大防止のために緊急事態宣言を発出したり外出自粛などをお願いしていますので、幅広く日本経済全体に、社会経済活動全体に影響が及んでいるだろうということであります。
 その上で、まず企業活動などを見てみますと、宿泊ですとか飲食ですとか運輸業ですとか、こうしたところにはもう企業業績の下押し圧力が大きく掛かっている一方、自動車などが典型ですけれども、海外の、世界経済の持ち直し、輸出の増加、こうしたことを受けて業績が急回復している。また、小売などでも、巣ごもり消費の拡大を受けて、やはり業績が非常にいいというようなところもございますので、業種、企業間で大きくばらついているということなんじゃないかと思います。
 また、雇用や生活への影響ということを取ってみても、やはりこうした企業業績などを受けてということになりますけれども、宿泊や飲食サービス業の非正規雇用の方などは厳しい雇用情勢にあります。
 また、雇用調整助成金等の各種の政策対応の効果もあって、失業率は三%前後のところで落ち着いていると、こういうような経済データもあるということで、失業率の急上昇は食い止められているのではないかということであります。
 こうした大きなばらつきというのが見られているということではないかと思います。

#74
○秋野公造君 全体としては本当に持ちこたえているということなんだろうと思いますけれども、昨年、我が党の山口代表が当時の安倍総理に直談判をしまして実現をいたしました十万円の特別定額給付金、こういったものは、社会の分断をつくらない方向に導いたといったような評価もいただいているところでありますけれども、格差、これ部分部分で発生をしている、これを食い止めなくては社会の分断といったものがまた起こってしまうのではないかという問題意識を持っております。
 このコロナによる格差の拡大を食い止める方策について検討すべきかと思いますけれども、これ大臣に御答弁お願いしたいと思います。

#75
○国務大臣(麻生太郎君) このコロナでいわゆる生活に困窮されている方々につきましては、これはより効果的な支援が図られるように、よく言われる雇用とか収入とか住まいとか、そういったものの確保など、様々な課題に対応してきたんだと思っております。
 具体的には、これまでも、いわゆるよく言われます雇用調整助成金等々、緊急事態の事業対象の飲食店に関わりますいわゆる零細ではなくて中小、中企業、大企業等々の助成率というものを十分の十に引き上げさせていただくとか、また、緊急小口の資金、例の百四十万の話ですけれども、これにつきましても特例貸付けの限度額を最大百四十万から二百万にまで拡大するとか、それからまた、住居確保給付金、これにつきましても、支給を一旦終了された方々の再度の支給を可能にして、さらに三か月の家賃を補填するなどの施策を講ずることといたしております。
 また、先ほど、非正規雇用労働者等に対する緊急支援策というのを閣議決定されておりますけれども、緊急小口資金の、あっ、関係閣僚会議、失礼しました、関係閣僚会議で決定をさせていただいておりますけれども、緊急小口資金等の新規貸付けとか再貸付けを六月末まで、四月以降も継続してやらせていただくとか、低所得者の子育て世帯等々、子育て世帯生活支援特別給付金の支給というのをやらせていただくとか、求職者支援制度の職業訓練の抜本的拡充、これよく言われます、受けると給料がもらえないとかいろいろあるんですけれども、有休がなくなっちゃうとかそういった話をこれ抜本的に拡充させていただくとか、NPOを通じましていわゆる自殺とか孤独とかそういったものの対策をやっていただいている方々に対していろいろ支援するとか、こういった施策によりまして、それぞれの状況に応じて効果的な支援というものをやっていくということで、これは経済格差というのを固定させないようにして、いわゆるよく言われる許容し得ないような格差というものを生じさせないようにしていくということが今後このポストコロナにおいて大切になってくるのではないかと、我々はそう思っております。

#76
○秋野公造君 ありがとうございます。
 何といっても、やっぱり感染を抑制していくということが景気にも大きな影響も与えるかと思います。
 その意味で、予算編成後に法改正が行われました場合どうするかという問題意識で、二月に感染症法の改正が行われましたので、その対応につきましてちょっとお伺いをしていきたいと思いますが、今日、資料配付をさせていただきました。資料一の表裏に、感染症法の改正の骨子について厚生労働省が作成した資料を提出させていただいておりますが、二ページ目の4の(1)、ここは、「調査・研究の推進」とさせていただいたところは公明党が大変こだわったところでありまして、国が調査研究を行い、AMEDが臨床研究を行うといったような根拠のないデマケに縛られまして、特に、目の前の既存薬の転用といったような課題については大きな遅れが生じてしまったと思っております。よって、一番最後のページにも付けておりますけれども、厚生労働科学研究を機動的に駆使をして、そして臨床研究もしっかり行う改正かといったようなことは二月二日の本会議においても田村大臣に確認をして、そのとおりであるといったような御答弁もいただいているところであります。
 繰り返しになりますが、新たな感染症が発生した場合、この調査と臨床研究は、AMEDが行っているような公募の研究ではなく、厚生労働省が主体となって厚生労働科学研究補助金を活用して行政の必要性から政策研究を行うということが非常に大事であり、こういった柔軟な運用は進めていくべきと考えておりますが、これ、財務省の見解お伺いしておきたいと思います。

#77
○政府参考人(宇波弘貴君) お答え申し上げます。
 厚生労働科学研究とそれからAMED研究の役割分担でございますけれども、厚生労働科学研究につきましては、厚生労働行政施策の企画立案や基準策定等のための基礎資料や科学的根拠を得るための調査研究を実施する、AMED研究につきましては、疾病の診断、治療、予防のための医薬品、医療機器等の技術開発に関する研究を実施する、このように位置付けられてきたものと承知をしております。
 このような位置付けも踏まえつつ、委員御指摘の今般の新型コロナウイルス感染症への対応など急を要する対応に当たっては、AMEDの研究に加えて厚生労働科学研究を活用するなど、柔軟な対応を行ってきたものと承知しております。
 予算執行は一義的には執行官庁の責任の下で行われるものでございますけれども、財政当局といたしましても、予算の執行状況も踏まえつつ、関係省庁と連携し、今後とも政策効果が高まるように取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

#78
○秋野公造君 宇波次長、大変大事な指摘をしてくださいまして、しっかり厚労研究でも対応したということであります。
 感染症法の改正で国が臨床研究もしっかり行うということが決まったわけでありますから、それは積算の中には入っていないと思われますので、当初の。そういった意味では、AMED研究費から流用をして実施するといったようなことも必要ではないかと考えますが、財務省の見解お伺いしたいと思います。

#79
○政府参考人(宇波弘貴君) 新型コロナウイルス感染症に係る研究につきましては、AMEDの研究費及び厚生労働科学研究費において必要な予算を計上しているところでございます。
 せんだっての御審議のときにも御指摘のありましたネルフィナビルを始めとした研究については、緊急性あるいはそれぞれの研究の位置付けを踏まえて、これらの予算を活用して厚生労働省においてしっかり推進していくということをしてきたところでございます。
 御指摘の流用につきましては、まずは令和二年度の補正予算及び令和三年度当初予算において計上されたそれぞれの予算に基づき必要な研究を推進していくべきものと考えております。

#80
○秋野公造君 そういうことですね。
 一応、一ページ目の2のところ、先ほどの4の(1)のところを改めて見ていただきますと、国立感染症研究所と国立国際医療センターを軸として、感染研に病原体の情報を集約する、そして国立国際医療センターに臨床情報を集約をする、その他連携をするということになりましたけれども、この感染研における具体的な体制の強化の内容について、これは財務省にお伺いしたいと思います。

#81
○政府参考人(宇波弘貴君) 答弁申し上げます。
 令和三年度の当初予算でございますが、新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえまして、厚生労働省の要求に対しまして、まず、国立感染症研究所につきましては令和三年度に定員の大幅な増加を図ってございます。三百六十一名の増員を図り、疫学情報等の収集や、検査、疫学調査等の迅速かつ確実に実施できる体制を構築することとしております。
 二番目に、国立国際医療研究センターにつきましては、国立感染症研究所と互いに連携、補完しつつ、治療薬やワクチンの開発等に迅速に取り組むための体制整備の予算を計上してございます。
 三つ目、国立医薬品食品衛生研究所につきましては、PCR検査等の信頼性確保に係る研究業務の強化等を図るための増員というものを行ってございます。
 こうした予算を活用いたしまして、感染症法の改正も踏まえて、感染症における平時それから緊急時の危機管理体制を強化するということとしております。

#82
○秋野公造君 ありがとうございます。
 しかしながら、二月二日の本会議におきましては、感染症法に位置付けられた感染症や食品衛生法に位置付けられた感染症であれば感染研が対応することができるということでありますけれども、二十一世紀に入ってから二十の新興感染症が発生をしていて、我が国で蔓延したのが新型コロナと新型インフルエンザであったと。たまたまそういうことでありましたので感染研でも対応することができたわけでありますけれども、例えば熱帯由来の熱帯感染症のものが入ってきたときに、これは感染症研究所で対応できるかというと、必ずしも知見が十分ではなくて、例えば熱帯医学研究所でやっていただいた方がいい場合もあるということで連携を確認をさせていただいたわけでありまして、田村大臣からも当然連携をしていくということになるわけでありますけれども、非常に取扱いの難しい病原体が入ってくる可能性もあります。それを、そのときに対応できる施設というのはもう極めて我が国の中で限られておりまして、それが、感染研にありますバイオセーフティーレベル4、BSL4施設と長崎大学に現在建造中のBSL4の二つということであります。
 少し古くなっておりますけれども、BSL4を持つ感染研を東の拠点とするならば、この新しいBSL4が、もう間もなく完成をする長崎大学のBSL4施設に期待する役割、これは所管しております文部科学省にお伺いしたいと思います。

#83
○政府参考人(塩崎正晴君) お答えいたします。
 今先生からお話のありましたBSL4施設でございますけれども、これはエボラウイルスなどの病原性の高い病原体を安全に取り扱うための設備を備えている施設のことを指すものでございまして、現在、我が国では唯一、国立感染症研究所村山庁舎に設置されているものでございます。
 新型コロナウイルス感染症を含みます各種感染症に関しまして、国内の大学等の研究機関におけます基礎研究能力の向上ですとか危険性の高い病原体等の取扱いに精通した人材の育成確保のため、BSL4施設を中核としました研究拠点の形成を通じまして我が国における感染症研究機能を一層強化することが必要でございます。
 平成二十八年に、国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議におきまして、長崎大学の高度安全実験施設、これもBSL4施設でございますけれども、の整備に係る国の関与につきまして、BSL4施設を中核とした感染症研究拠点の形成について国策として進めるということが決定されているところでございます。
 現在、長崎大学におきまして、本年七月の完成に向けてBSL4施設の建設を進めていると承知しておりますけれども、文部科学省といたしましては、先ほど申し上げました関係閣僚会議決定を踏まえ、関係府省と連携し、引き続き長崎大学に対し必要な支援を行ってまいります。

#84
○秋野公造君 ありがとうございます。
 今御答弁いただいた、資料二の方にも添付をさせていただいておりますけれども、極めて取扱いが困難な病原体が入ってきたときでも対応することができる施設、それがBSL4施設でありまして、間もなく最新のものが七月に長崎大学に完成するということでありますけれども、病原体を取り扱う場所としては整うわけでありますけれども、これ、患者さんが発生したときにどのようにその現場で受け入れるかということは大変重要な観点であります。
 特に、熱帯由来の病原体が我が国に侵入してきた場合、例えば長崎大学には先ほど申し上げた熱帯医学研究所もあり、BSL4施設もあり、そして長きにわたり、「風に立つライオン」という映画でも紹介をされましたけれども、ケニアとも長きにわたり拠点を設置していわゆる学術的にも連携をしてきた背景もありますので、病原体だけを扱うのではなく、患者さんが発生した場合には患者さんを受け入れることができる体制の整備が必要でありまして、長崎大学がこの特定感染症指定医療機関として指定を受けるための病床整備なども財政支援を含めてこれやっていくべきだと思いますけど、これ文科省にお伺いしたいと思います。

#85
○政府参考人(川中文治君) お答えいたします。
 先生お話ありましたように、長崎大学の熱帯医学研究所におきましては、熱帯医学、国際保健学分野における研究、教育、国際協力の各領域での事業を積極的に推進しているところでございます。
 また、現在、長崎大学病院は、感染症法に基づきまして長崎県より第一種感染症指定医療機関に指定されておりますが、病原性の高い熱帯感染症の患者が発生した場合を想定し、BSL4施設と特定感染症指定医療機関のような高度な施設が併設されれば、我が国で初の取組となる点で大きな意義があると考えてございます。
 他方、特定感染症指定医療機関の指定につきましては、病院の開設者の同意を得まして、当該病院の所在地を管轄する都道府県知事と協議した上で厚生労働大臣が行うものとされており、その設置及び運営に要する費用につきましても厚生労働省において補助されると承知しているところでございます。
 このため、文部科学省といたしましては、国立感染症研究所と長崎大学熱帯医学研究所との連携推進の中で、長崎大学の特定感染症指定医療機関の指定に向けた検討がなされる場合には、熱帯医学研究所を始めとする長崎大学の知見が広く社会に生かされるよう、厚生労働省とも連携して必要な対応を行ってまいります。

#86
○秋野公造君 ありがとうございます。
 そうなりますと、先ほど宇波次長から御答弁いただきました、例えば感染研に三百六十一名増員をしていただいているわけでありますけれども、スペースがどうかという問題もありますし、熱帯医学研究所が行っているような感染症の知見というのはほぼない状態でありますので、例えばですけれども、感染研だけに配置をするのではなくて、熱帯医学研究所や長崎大学において研究や臨床に従事させるなどして、東西の感染症拠点である国立感染症研究所と長崎大学及び熱帯医学研究所との有機的な連携の強化が我が国の感染症対策を強固なものにすると考えますけど、これ、文部科学省と厚生労働省にそれぞれお伺いをしたいと思います。

#87
○政府参考人(塩崎正晴君) お答えいたします。
 国立感染症研究所と長崎大学との連携についての御提案、どうもありがとうございます。御指摘の点につきましては、文部科学省としても大変重要であると考えているところでございます。
 新型コロナウイルス感染症を含みます各種感染症の研究につきましては、現在、国立感染症研究所や長崎大学を始めとする多くの大学が取り組んでいるところでございます。感染症研究につきましては、基礎から臨床までの各段階における研究や他分野研究、融合研究が必要であることから研究機関同士の連携が重要でございまして、これまでも国立感染症研究所と大学等の間で多くの共同研究が実施されているところでございます。
 特に長崎大学におきましては、現在、今後の我が国における感染症研究の中核拠点となりますBSL4施設が建設中であること、また、熱帯地域における感染症につきましては、同大学の熱帯医学研究所がこれまでの研究等による知見を有していることから、同大学と国立感染症研究所との人的交流なども含めまして有機的な連携が強化されることにより、我が国における感染症研究と対策強化の加速につながることを期待しているところでございます。
 文部科学省といたしましては、関係府省とも連携し、国立感染症研究所と大学等の連携強化も含めまして、引き続き各種感染症に関する研究開発をしっかりと支援してまいりたいと考えてございます。

#88
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 国立感染症研究所につきましては、令和二年八月二十八日に決定されました、これは新型コロナウイルス感染症対策本部で決定されました新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組におきまして、感染症の疫学情報、ウイルス情報、臨床情報等の国立感染症研究所への集約を図ること、また、実地疫学専門家の育成、登録を行い、感染症危機管理時には国の要請で迅速に派遣できる仕組みを検討するとともに、そのために必要な国立感染症研究所の組織体制の増強についても検討するとされております。
 これらの方針に基づきまして、令和三年度の組織・定員要求では、国立感染症研究所の定員につきまして三百六十一名の増員要求を行っているところでありまして、定員は七百十六名となる予定でございます。
 新型コロナウイルス感染症につきましては、臨床情報や検体等を迅速に収集し、一元的に情報を管理する基盤整備を行うなど、国として感染症に関する研究を行うこととしております。
 御指摘の長崎大学熱帯医学研究所やあるいは長崎大学と連携することは、既に厚生労働大臣が答弁されておりますとおり重要なことと考えておりまして、感染研の体制整備の状況を見ながら、拡充した定員を幅広く配置する検討を行いたいと考えております。

#89
○秋野公造君 大変いい効果が現れると思いますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 その意味では、我が国の感染症対策を推進するためには、国立国際医療センターや感染研などにおける体制の強化に呼応する形で、厚労省そして財務省、一生懸命やってくださいましたので、長崎大学始め大学における人員、施設整備を含む体制の整備の強化を行うべきではないでしょうか。文科省の見解、お伺いしたいと思います。

#90
○政府参考人(塩崎正晴君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の流行を受けまして、文部科学省におきましては、関係府省と連携の下、科学研究費助成事業や日本医療研究開発機構等を通じた支援によりまして、感染症分野における研究開発の一層の加速充実に向けた取組を進めてきておりまして、こうした研究の中から、例えば、長崎大学において開発されました迅速診断法、蛍光LAMP法と言われておりますけれども、が実用化に至るなどの成果が生まれているところでございます。
 引き続き、新型コロナウイルス感染症を含む各種感染症に関する研究開発を進めていくとともに、将来発生し得る感染症の制御と共生についても視野に入れながら、中長期的な視点で今後の感染症対策に貢献し得る基礎研究及びそれらを支える研究基盤の充実を図ることが重要であると考えているところでございます。
 このような認識の下、これまで長崎大学を含む各大学等が必要とする感染症研究施設設備の整備や人員配置等に対して支援を行ってきたところでございまして、特に、長崎大学のBSL4施設につきましては、十二人の人員配置支援などを行っているところでございます。
 文部科学省といたしましては、国立国際医療研究センターや国立感染症研究所とともに、感染症研究の中核を担う大学等における研究基盤の充実等に積極的に取り組み、新型コロナウイルス感染症を始めとしまして、将来の未知なる感染症への対応も含め、我が国の科学技術力を最大限結集いたしまして、研究と対策強化の一層の進展が図れるよう、引き続き、全力で支援してまいりたいと考えてございます。
 また、今回の新型コロナウイルス感染症の流行のような緊急時に大学としてしっかりとした対応ができますように、人員を含めた体制の整備等につきまして、長崎大学など、各大学等の要望も聞きながら検討してまいりたいと考えているところでございます。

#91
○秋野公造君 よろしくお願いします。
 これで感染症法に基づく病原体、そして食品衛生法に位置付けられた病原体、そして未知の病原体が侵入してきた場合に、たった二つしかない我が国のBSL4施設を国策として有効に使う根拠につながっていくかと思いますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、既存薬の転用についてお伺いをしたいと思います。
 先ほど申し上げたとおり、既存薬の転用、なかなかうまく進まなかったところでありまして、SARSのときに効果があったとされておりますネルフィナビル、この新型コロナ、SARS2とも言われているぐらいでありますので、当然ネルフィナビルについても検討すべきであるべきでありましたのが、AMEDにおいてなかなか対応がなされませんでしたので、厚生労働科学研究において行っていただいたところであります。
 しかしながら、財源に限りがありまして、たった一年の研究ということで、たった一年で既存薬の転用をやるというのはこれは無理がありますので、引き続きのお願いをしているところでありますが、その進捗状況につきましてお伺いしたいと思います。

#92
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 ネルフィナビルにつきましては、御党からも御提言をいただいているところでございますが、新型コロナウイルス感染症に対する同薬剤の有効性及び安全性については、今年度は厚生労働科学研究として実施しているところでございます。
 その上で、また今年度の国立研究開発法人日本医療研究開発機構、AMEDの事業の五次公募におきまして、三月九日、支援を実施することが決まったと承知しておりまして、今後も継続的に支援をしてまいりたいと思っているところでございます。

#93
○秋野公造君 ありがとうございます。
 最後に、死因究明につきましても研究お願いをしているところでありますが、これにつきましても、進捗、お伺いをしたいと思います。

#94
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の拡大下における死因究明結果を公衆衛生の向上に適切に活用する仕組みの構築を目的とした研究を現在厚生労働科学研究費により実施をしているところでございます。
 本研究の状況も踏まえつつ、この新型コロナウイルス感染症に関する死因の究明や病態の解明を更に進めるために、学会等幅広い機関の連携で解剖による知見を蓄積できる具体的な研究の方法について検討してまいりたいと考えているところでございます。

#95
○秋野公造君 時間が参りました。終わります。
 ありがとうございました。

#96
○委員長(佐藤信秋君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#97
○委員長(佐藤信秋君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策及び金融行政に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#98
○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。
 初めに、先日十年を迎えた東日本大震災の復興について、復興増税に関連する視点、観点から質問をさせていただきます。
 改めて、さきの震災で犠牲になられた全ての方に哀悼の意を表しますとともに、復興に向けて全力で邁進していくことをお誓い申し上げます。
 さて、復興増税とは、御承知のとおり、平成二十五年から令和十九年までの超長期間、通常の所得税額に二・一%を掛けた金額を増税するというものです。この復興増税法案に前後して国会議員の歳費削減も決定され、平成二十四年五月から一二・八八%、同年十二月からは二〇%国会議員の歳費が削減されておりました。しかしながら、復興増税は令和十九年まで継続される一方で、国会議員の歳費削減は僅か二年で終了してしまうというていたらくでありました。
 我々日本維新の会はその後も自主的に二割の歳費カットを継続しましたが、国民に負担を強いているにもかかわらず、約束をほごにし、自らの歳費を削減しない他の国会議員の方々に対しては、震災から十年の節目を迎えて更にじくじたる思いが増すばかりであります。
 現在はコロナ禍で、今たまたま二割カット復活しているものの、麻生大臣始め閣僚の方は閣僚給与のカットを震災以後ずっと継続して行っていると承知をしており、この点、国会議員に対して大臣も思うところがあるのではないかと考えますが、財政を預かる立場として、まずその御所見を麻生大臣にお伺いいたします。

#99
○国務大臣(麻生太郎君) これ、音喜多先生、これは議員歳費の話ですから、これは、我々政府がどうのこうのという話じゃありませんで、俺はこれ、議員で来ているんじゃない、国会、国務大臣で呼ばれていると思いますので、議員歳費の話は、これは国会で議論をいただくということになるんだと思いますが。

#100
○音喜多駿君 そのような御答弁が返ってくると思っていたんですが、東日本大震災の際の、じゃ、この歳費削減法案見てみますと、第一条ではその歳費削減の目的について、我が国の厳しい財政状況及び東日本大震災に対する必要性に鑑み、一層の歳出の削減が不可欠であることと、こういう条文が書いてあるんです。なので、財政を預かる大臣に所見をお伺いしたわけでありますけれども。
 この点、財政に余力があるかどうか、本当にこの財政状況に鑑みたら歳出を削減する必要があったのかどうかというのは、これが議論があるところなんですが、少なくとも国民にだけ増税をお願いしているという状況は、私は明らかにおかしいのではないかと思っています。今般、コロナの影響で歳費の二割削減、これは復活しておりますが、歳費カットは長期の増税を国民に強いた際の約束事でもございます。歳費カットを同じだけ続けるのか、あるいは増税をやめるのか、筋を通すならばその二つに一つだと私は考えます。
 話を復興増税の方に戻します。
 災害からの復興に際して、まさにその復興財源をどこから捻出するのかということについては、私が国会議員となる前からこの永田町でも議論があったことと承知をしています。結果として、国債を一旦発行するものの、その償還のための復興増税、これが選択をされました。
 しかし、同時並行的に異次元の金融緩和など超低金利政策が採用されたこともあり、その手段が正しかったのかどうかは疑問が残るところであり、一般的にも復興など災害対策には増税ではなくて国債で財源確保をするべきとも言われています。結果として、復興増税をしても財政健全化が達成できたわけでもなく、また、国債金利の上昇なども起きなかったわけであり、財政出動の効果を最大限生かすためには、長期国債で賄えば増税は不要ではなかったのかとも思えます。
 そこで、この東日本大震災の復興増税は選択肢としてベターだったと言えるのかどうか、この時点までの総括を伺います。また、コロナからの経済復興においては増税のメッセージは震災以上に共感を得られない可能性が高く、増税はせず、長期国債発行と行財政改革、そして経済成長の実現により財源確保をしていくべきと考えますが、麻生大臣の見解をお伺いいたします。

#101
○国務大臣(麻生太郎君) この東日本大震災からのいわゆる復旧復興のためのいわゆる財源確保として実施したこの復興増税につきましては、これは基本的に、次の世代に負担を先送りすることなく、今を生きる世代全体で連帯して負担を分かち合うものとの考え方で実施されたというように記憶しています、あなたが当選される前かどうか知らぬけど。
 現在も今負担をお願いをしている中ではありますけれども、復興増税による財源も含めました復興財源フレームの策定のとおり、地方公共団体が安心して復興事業に取り組むことを可能にしたということは事実だと思いますね。したがいまして、復興の加速化に貢献したということも事実だと思って認識をしております。

#102
○音喜多駿君 後者の、今後この、じゃ、今の同じようなロジックで、コロナ禍が終わった後も、じゃ、その経済再興あるいはこの社会の立て直しに対して増税という選択肢を同様に検討されるのかどうか、その点についてはいかがでしょうか。

#103
○国務大臣(麻生太郎君) 今はまず取り急ぎこの問題に集中しておりますので、先、増税をするとかしないとかいうことを考えている段階では全くありません。

#104
○音喜多駿君 ありがとうございます。
 私も増税には慎重であるべきだという立場であるんですけれども、今のこの復興増税をそのような総括をして、増税したことによって地方が安心して再建できたんだというこの御認識では、やはり同様に増税した方がいいんだというふうに思考回路が行きかねないんじゃないかなということを危惧しております。
 なので、やっぱりこの十年間振り返ってみて、果たしてその復興増税したことで、今大臣がおっしゃったように地方が安心できたのか、それは増税という担保があったからなのかどうかというのは私は極めて疑わしいと思いますので、その点のしっかりとした振り返りをいま一度していただいて、今この財政出動ができる余力がしっかりあるんだという、現状では積極財政転じるだけの余力があるはずでございますので、その点をしっかりお考えいただきたいということを申し述べたいと思います。
 さて、次の話題といたしまして、本委員会では、所信表明において大臣は企業のコーポレートガバナンス改革に触れられ、その中で大臣は、企業の更なる成長のため、中略します、女性、外国人、中途採用者の登用を通じた企業の中核人材の多様性の確保などを促すことを表明されました。いわゆる多様性、ダイバーシティーを推進すること、これは時代の趨勢であると同時に、経営力の向上、ひいては社会全体の経済成長にも資するものであり、金融庁に是非推進していただきたい政策の一つです。
 一方で、金融庁がこうした企業のダイバーシティー推進を後押しする、言い方を変えれば指導するという立場になるのであれば、まずは金融庁自身が先進的に取り組んで範を示す必要があると考えます。
 金融庁は、コーポレートガバナンス改革において、女性や中途採用者の登用を通じた中核人材多様性確保を企業に要求するということでありますけれども、金融庁の人材の多様性の現状はどうなっているでしょうか。具体的には、金融庁の女性管理職の割合及び中途採用者の割合、これをまず金融庁の事務方に伺います。

#105
○政府参考人(白川俊介君) お答え申し上げます。
 金融庁における女性登用の現状につきましては、令和二年七月一日の時点で、課室長について八・九%、これは第四次男女共同参画基本計画における令和二年度末の政府目標であります七%を上回っております。次に、指定職については五・九%となっております。こちらも政府目標である五%を上回っております。また、女性職員の採用にも積極的に取り組んでおりまして、新規採用者に占める女性の割合は、令和二年度で四七・五%と、約半数を占めております。
 また、中途採用者につきましては、令和二年四月一日時点で全職員の二四・五%であり、課室長級以上の幹部職員については一二・八%となっております。

#106
○音喜多駿君 丁寧な御答弁いただいたんですけれども、残念ながら女性管理職の割合は、八・九%、五%、こうした数字が並んでいるわけであります。目標は達成しているということであるんですけれども、政府の目標が七%という時点で、これはもう非常に低い目標で、ジェンダーギャップ指数が低迷する我が国を象徴しているように思います。
 昨今は企業の方が女性の管理職三〇%という高い目標を立てておりまして、三〇%クラブと、そういう連携も生まれて、どんどんその企業は業績を伸ばしております。さきも、我々日本維新の会は、ダイバーシティ推進局という組織を党内立ち上げまして、ジャーナリストの治部れんげさんを招いて勉強会やったんですが、日本もそれなりに、政府も目標を追いかけて、それは達成していると。でも、余りにそれが世界と比べて遅過ぎるから、結局相対的に置いていかれているんだということをおっしゃっていて、私、そのとおりだなというふうに感じたところであります。
 ですから、これは、やっぱり女性管理職が、令和七年、目標一〇%ということでは、これはやっぱり非常に世界と比べても情けない状態に置かれているわけでありますので、金融庁は、企業の方にコーポレートガバナンス改革、多様性という観点から求めるのであれば、自主的により高い目標を立てていただくということを強く要望したいと思います。
 中途採用者については二割以上いらっしゃるということでありますので、それに、人材交流というのは、金融庁という、そういう業務の性質もあるんだと思いますが、一定程度以上は進んでいるように思われます。
 一方で、国家公務員制度改革基本法は、幹部について、公募で一定の確保をするように条文の中で求めています。国家公務員制度改革基本法で数について目標を定めるとされている、この公募に付する幹部職員等の職、この現状と目標数について金融庁の見解をお伺いいたします。

#107
○政府参考人(白川俊介君) お答え申し上げます。
 金融庁におきまして、公募により選任いたしました幹部職員等の職の現状の数は四ポストとなっております。
 国家公務員制度改革基本法に基づき政府全体の目標が定められていると承知しておりますが、金融庁におきましても、積極的に幹部職員の公募に取り組んでまいりたいと思います。

#108
○音喜多駿君 幹部職百ポスト近くある中で四ポストでは公募で採用しているということで、これ、他の省庁に比べては積極的に採用しているんじゃないかなというふうに感じますので、その点は評価いたします。
 先ほど申し上げたように、国家公務員改革基本法ではこの数値目標を定めよというふうにあるにもかかわらず、ほとんどの省庁ではそれが守られていないという現状については極めて遺憾だと思っておりますので、ちょっと財務省の状況は分かりませんけれども、その点はしっかりとしていただきたいということも申し述べたいと思いますし、金融庁は、今後、フィンテックの推進、国際金融センター構想など、最先端の施策打ち出していくわけでありますから、民間で活躍したトップランナーの人材を確保していくべきであって、幹部人材の公募については引き続き目標をしっかり立てて積極的に行っていただきたいというふうに思います。
 ここまで多様性のお話をしてきまして、多様性というと、今国会では選択的夫婦別姓という議論が非常に盛り上がっているわけであります。ここで麻生大臣に是非お考えをと聞きたかったところではあるんですけれども、さきの衆議院の予算委員会でも同じことを自民党の議員が聞かれていまして、麻生大臣は立場を明らかにしていただけなかったというふうに承知をしております。麻生大臣が自分の立場をお明かしにならないということは、恐らく反対なんじゃないかなと皆さん思っていると思うんですよね。ただ、ここで麻生大臣が踏み込んだ発言をしていただければ、この多様性という議論にも非常に推進力になると思いますし、逆に、やっぱりそれには慎重な立場と、もっと議論が必要なんじゃないかということであっても、それは私は議論のスタートとして健全なことだと思うんですよね。
 ですので、大臣という立場であっても、小泉大臣、河野大臣は賛成という立場を披瀝しておりますから、よろしければ、是非、麻生大臣も、選択的夫婦別姓について多様性の観点からどう思うか、一言御見解いただければと思うんですが、いかがでしょうか。

#109
○国務大臣(麻生太郎君) 予算もあと一週間、二週間というような段階になって衆議院と参議院と違う答えを求められるというのは、別の問題点を提起することになりかねませんから、衆議院と同じお答えでとどめさせていただきます。

#110
○音喜多駿君 賢明な御判断だと思うんですけれども、でも、この辺はやっぱり多様性という観点から避けて通れない議論でございますので、じゃ、予算が通った後は是非答えていただけるということでよろしいですかね。駄目ですか。はい。
 じゃ、話を戻しまして、こういった多様性という議論、女性の管理職確保など、金融庁内部での多様性推進にはまだまだ課題があると思います。引き続き積極的に行っていただきたいという中で、企業に多様性を求める金融庁として、庁内においては企業に求める以上の多様性確保施策を実施し、範を示すべきと考えますが、この点、麻生大臣の御見解をお伺いいたします。

#111
○国務大臣(麻生太郎君) これは、金融庁をめぐる環境というのも、これ随分変化してきておりましてね、いろんな意味で金融が変わってきておりますので、そういうことに、形にならざるを得ないんですが、国民のニーズも当然多様化するということになりますので、我々としてはその期待に応えていくということになるんだと思いますが、女性、また民間出身者、いろいろバックグラウンドを持つ職員による多様な発想とか、行政運営に生かしていく必要があるんだと思いますけれども、今御理解をいただいている、一応数字の上じゃ分かったようなことを言っておられましたけれども、昔は五〇%超えていたんですよ、知ってます、金融庁って。女性職員の採用比率五〇%超えていたんですよ。だけど、みんなが、採れ、採れというから、みんなに採られ始めたら金融庁に来なくなった。分かりますでしょう、需要と供給ですから。そういう形になっているというのが事実です。だから、後退したじゃないかというのは、それは他省庁が採るようになったからで、減ったということになったというのは事実ですよ。それが一点。
 もう一点は、他省庁からより民間からの登用もかなり多いというのは、法案ごとに採用するから、途中採用で、やっておりますから、そういうことになっています。
 ただ、問題は、これは給料が意外と安いんですよ。有能な人が自分の給料が三分の一に下がった、四分の一に下がって、お国のために来るって、そんな意識の高いというような教育が日本でなされているのかとか、いろんな表現をされる方がいっぱいいらっしゃいますけれども、残念ながら、給与が三分の一、四分の一に下がっても国家公務員になりたいという方は極めてまれ。したがって、引き抜きというのは、若い人の間はできますけれども、だんだんだんだん給料が高くなればなるほど途中採用は難しい。事実です。

#112
○音喜多駿君 まさに今、麻生大臣がおっしゃっていただいたように、やはりこの給与の問題、待遇面というのが非常にこの公務員制度改革の壁になっていると我々も感じております。これはIT人材もそうなんですが、金融人材も非常に民間では高い給料をもらっていると。ところが、永田町に来ると、やっぱりこの年次であるとか序列であるとか、そういった中でやっぱりそういう給料をぼんと払うことは許されないということが非常に課題なのだということは、我々も全くそのとおりだと思っております。
 日本維新の会はそうした点について、公務員制度改革、この給与面についてもこれまでの慣習、年功序列にとらわれない人材、人事評価というものを導入するということも提案しておりますので、是非そうしたことも含めて御検討いただいて、金融庁内のダイバーシティー、まあ他の省庁と取り合いということもあると思うんですけれども、推し進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、残された時間で、ちょっと先日の補正予算で積み残しをいたしました改善点ということで、水田の緑地化、汎用化、大区画化等による高収益化の推進事業について、ちょっと農水省来ていただいていますので、質問させていただきます。
 この本事業は、六年連続で補正で全額措置されているということが分かりました。この理由を農水省に伺います。また、この事業について、当初予算で計上できない理由についてもお伺いをいたします。

#113
○政府参考人(安部伸治君) お答え申し上げます。
 御指摘の水田の畑地化、汎用化、大区画化等による高収益化の推進に係る補正予算につきましては、総合的なTPP等関連政策大綱に基づき、米の生産コストの削減や高収益作物の生産額の増加等、我が国農業の体質強化を図るために計上しているものです。TPP協定の大筋合意を受けて平成二十七年十一月にこの政策大綱が決定され、平成二十七年度に一回目の補正予算を措置したところですが、日EU・EPA、日米貿易協定、RCEP等、その後の国際環境等の変化に応じてその都度補正予算を措置する必要があったことから、結果として今回で六回目の補正予算の計上となったものです。
 なお、水田の畑地化、汎用化、大区画化等を含む農業農村整備事業については、毎年度当初予算を確保して事業を推進しているところであり、各年度の当初予算編成後に生じた状況の変化に対応するため、補正予算を追加して措置することで我が国農業の体質強化の加速化等を図っているところです。

#114
○音喜多駿君 これ、農水省御自身で提出されている行政事業レビューシートで見ますと、今御答弁あったように、平成二十七年度から開始をして、終了予定なしというふうに明記されています。これ農水省御自身がです。まあそれ、いろんな状況変わると言いつつも、継続性を予定している事業については、これは緊要性を要件とする補正予算に組み込むのは、これは筋が悪いんじゃないかと私は思います。
 それで、どうしてこうしているのかというのは、やはりこれ誤解を恐れずに申し上げれば、こうしたいわゆる臨時予算付ける理由というのがあって、それは関係者へのやっぱり政治的アピールというのがどうしてもあるんじゃないかなというふうに感じます。本事業についても、TPP対策、こういうのをしっかり行っているということを反対してきた方々とかそういう対象となる関係者向けに特別感をアピールするためじゃないかというふうに推察をしています。
 こうした政治的メッセージのために毎年補正予算を積むことは言わばしがらみというものでありますので、財政法の理念、毀損するものでありますから、これ財務省としてちゃんとこれは本予算に積めとやっぱり指示をすべきだと思いますけれども、最後、麻生大臣に見解をお伺いいたしまして、質問を終わります。

#115
○国務大臣(麻生太郎君) これは先般成立したこれ三次補正で、昨年の十二月に決定した経済対策に盛り込んだ緊要性の高い政策課題に対するために編成をしたものだと理解をしております。
 今農水省からも説明がありましたけれども、この三次補正における御指摘の事業というのは、これはTPP11の、あの昨年の秋でしたか、これに署名されたものであったり、また、日英EPAとか地域的な包括経済連携、RCEPといいましたかね、協定などによりまして国際貿易環境の変化に対応するものだと理解をしております。また、ポストコロナに向けた経済構造の転換とか、好循環の実現に向けて地域というものを支える農林水産業の成長産業として育成していくとか、輸出力強化を加速させるためのものと、そのために迅速に対応する必要があり、緊要性はこれは十分にあったと考えております。
 いずれにせよ、水田を畑地化するとか汎用化するとか大区画化、いろいろ収益を上げていくという推進につきましては、これは今後とも農林水産省の意見等々、要求を踏まえまして、私どもとしても育成のために対応していきたいと考えております。

#116
○音喜多駿君 終わります。ありがとうございました。

#117
○上田清司君 国民民主・新緑風会の上田清司でございます。
 麻生大臣、先日の本会議で私は、三十年前と比較してということで、例えば競争力が、国際競争力が一九八九年から四年間は四年連続一位、それが一昨年は三十四位、昨年は三十七位になっていることとか、あるいは、企業の時価総額のベストフィフティー、五十番のうちに三十二入っていたこと、そして、今日ではトヨタが二十六位で一個しかないと、あるいはまた、実質賃金、名目賃金共に一九九五年がピークで、二十五年来それを超えたことがないなど申し上げました。その感想を聞いたところ、総理は、GDPや株価は大幅に上昇、国民の稼ぎに当たる総所得は増加するなど大きな成果を出していると。
 GDPは、御案内のとおり、ドルベースではほとんど上がっておりません。世界と比較しても、その資料にありますように、例えば二〇一九年と八九年で比較して、日本は一・六倍、アメリカは三・八一倍、ドイツは二・七倍、フランスは二・六四倍、あのイタリアと言っては失礼ですが、あのイタリアすらも二・一五倍。二〇一九年と九五年との比較においても、日本が圧倒的にこのGDPも世界主要国の中で最低だと。
 それをわざわざ、大幅に上昇していると、株価が上昇していると。GDPはほとんど上昇していないと、こういう判断をすべきでありますし、あるいはまた、企業収益、雇用、所得の改善を背景に、財務大臣は、経済の好循環は着実に進んでいる。着実に良くはなっているけど、良くなる方の水準が低過ぎるということを私は申し上げているところでございますが、少なくとも総理の、総所得は増えていると、雇用人口が増えているわけです。ダブルインカムにしないと食えないから、多くの方々が仕事をしているんです。雇用人口が増えて総所得が増えなかったら、これはおしまいです。当たり前じゃないですか。
 IMFの会議で、日本のGDPは弱いですねと、そういったときに、麻生財務大臣は、いや、日本の総所得は増えているぞとおっしゃることができますか。この点についてを伺いたいと思います。

#118
○国務大臣(麻生太郎君) これは基本的にはドルベース、円ベースという点が非常に大きいんだと思っております。
 ドルで見たら確かにそうなっておるんですが、これは一九八五年、あのときは二百四十円、一挙に百二十円、一年でですよ。それで、日本は円高不況とか訳の分からぬ言葉が出て、いろいろ来た。これは八九年から書いてありますけれども、その後どんどんどんどん円は高くなって、民主党の頃は八十円ぐらいまで行ったかな、あれ。それぐらいまで円高ドル安になったんだと思いますが、あれは間違いなく、そういった意味では、九〇年に入って、一挙に株価の最高値を付けた、十二月の二十九日か、三万八千九百十何円付けましたけれども、あれ以後、やっぱり世界が大きく変わって、米ソ冷戦が終結したこともこれあり、アメリカの対日政策、対外政策、貿易政策が一挙に変わっていった等々もこれありで、円が高くなって輸出が極めて厳しくなったことによる不況もあるんだと思いますが、日本政府としての不況対応がインフレ対策みたいな不況対策、日銀も同じですけれども、金融を絞ったという結果として我々は対応を間違えたんだと、そう思っております。
 したがいまして、安倍内閣が二回目のスタートをさせていただいたときには、日銀と話をさせていただいて、日銀の金融政策、我々の財政政策、いずれも再検討の余地ありというので両方でお話をさせていただいて、共同声明を出させていただいて、あれ以後、円を、少なくとも、日銀の政策も我々の財政政策もいろいろやらせていただいた結果、少なくともデフレではないという状況になった。やっぱりデフレ不況にインフレ不況対策みたいなことをした結果が不況を長引かせたという反省があってしかるべきだと、そう思って、財務大臣に就任したときも財務省と、また日本銀行ともそういう話をさせていただいた記憶がありますけれども。
 今言われましたように、あの不況の、約二十数年に及ぶあの不況、デフレ不況というものから今日やっとデフレではないという状況をつくり出してこれかれ来ているんだと思いますけれども、いずれにしても、この種の不況対策をやるに当たっていろいろな対応をやっていかにゃならない。
 引き続き、デフレというのは何せ、少なくとも過去七十年間で世界の先進国でデフレによる不況をやった経験があるのは日本だけですから、対応を間違えたことは間違いないと思いますけれども、その上に立って今いろんな対応をさせていただいている最中に、どうにか、少なくとも、そうですね、財政赤字等々の新規国債の発行を十三兆円も減らすところまで七、八年掛けてやらせていただきましたけれども、一挙にそれがまた元に戻るようなことになるコロナという思いもしないものが舞い込んでおりますけれども、いずれにしても、そういったものを考えてみますと、またきちんとやり直していかにゃならぬとは思いますけれども、世界中同時に同じ状況になってきておりますので、そういった意味では、十分に日本はやれる、そう思って頑張らないかぬところだと思っています。

#119
○上田清司君 本会議の答弁でそれを言っていただきたかったんですが。
 いかにもうまくいっているというような話ですが、麻生大臣、これ、まさに、最近株価が上昇して、その上昇に合わせて企業収益がすごく上がって、同じぐらい内部留保も上がっているんです。ところが、賃金はずうっと同じなんです、この十年も。アベノミクスの八年でまさに企業の収益が上がったんです、株価に連動するような形で。しかし、全部内部留保。全く率が同じですよ。データはそちらにお渡ししております。ところが、御案内のように、平均従業員の給与は全く同じだと。こういう状況なわけですから、皆さんが貧乏になっていると。企業の、特に大企業、十億円以上のところはこういう成果を得ていると。
 そこで、一番問題なのは、その従業員も、もう一つのデータで見ていけば、まさに、この青が正規の雇用者、黄色が非正規の雇用者です。何と、三十年前、平成元年には非正規雇用者は二〇%だったんです。八割が正規雇用者だったんです。ところが、雇用者が増える部分はほとんど非正規雇用者ばっかりが増えていって、まさに正規雇用者が減って、今や三八・三%非正規雇用者になっているんです。もちろん、あえて非正規を選んでいる人もいます。高齢者で、引退の後に、週二日でいいんだと、週三日でいいんだという方もおられますし、子育て中だからある程度働くことに限界があるから隙間隙間で働いているとか、そういう方々もおられることも事実ですが、しかし、まさにアベノミクスの八年間でこうした数字が出てきておりますし、文字どおり日本経済はリーマン・ショック以後〇・七%しか伸びていない。アベノミクスにしても〇・九%です。あの悪夢だと言った民主党政権の方がまだ上だったんです、GDPの伸び率だけで言えば。まあ、そんなことはどうでもいいんです。
 問題は、この解決をどのような形でしていくかというときに、同じような話をして、まさに大本営発表みたいに結構いいですよというような調子のことをずっと言っているわけです。大臣も、高水準の企業収益、雇用、所得の改善を背景と。どこが雇用の改善になっているのか、所得の改善になっているのか。なっているわけないじゃないですか、所得は。
 そして、雇用の改善にはなっていないんです。むしろ貧乏な方が増えているんです。二百万円以下の所得の方が三二・一%いるんですよ。三分の一は二百万円以下なんですよ。生活ができるわけないじゃないですか、こういう方々が。したがって、ダブルインカムになっていきますし、あるいは結婚できないとかという、こういう状況になっているわけですから、何かしっかりとした政策を打ち込まなくちゃいけないときに、どうも同じような話を毎回毎回なさっておられると。このことについて私はすごい危機感を持っているところです。
 経産大臣は比較的言われました、真面目に。我が国の経済が再び力強く成長できるように全力を尽くしますと。要は、大したことありませんということをはっきり言われたわけです。ところが、総理も財務大臣もそこそこやっていますよというようなお話ですから、これはまさに霞が関の優秀な官僚の皆さんたちに伝わりますよ、そこそこやっているねって。
 全然やっていませんよということを言っていただきたいんです。いかがでしょうか。

#120
○国務大臣(麻生太郎君) 見解の相違というより比較対照の話なんだと思っておりますけれども。
 まず、企業収益の話ですけど、これはもうこの四、五年ずっと財務大臣として言い続けている話ですから、公式文書にも残っておりますし、いろんな形で申し上げてきているんだと思っておりますんですが、労働分配率という言葉が、まあ組合用語かもしれませんけれども、労働分配率という点から見ると間違いなく、私は経営者している、七十数%、今六〇%中頃じゃない、おたくらの方が詳しいんだと思うけれども。私はそんなに、労働分配率は経営者の言葉じゃありません。むしろ組合用語として引っかかったんです、私が会社やっている頃は。今はそういうんじゃなくて、普通に使っても理解していただけるような言葉になったと思いますけど、これが下がってきているというのが一番の問題なんだと俺は思いますけどね、僕は。
 しかし、これは経営者の中で、これは組合ですから、話合いでこういう形になっておるわけであって、少なくとも私らのときにベースアップなんという言葉は絶えて久しく聞かれない言葉でしたよ。私は、餓鬼のときはベアと言ったらベースアップのことですけれども、今はもうベアが出てきたとかいうのは、六年ぐらい前に出てきた言葉ですけれども、全く反応がありませんでしたから。びっくりしました、あのときは。うわ、ベアまで来たのかと思ったんですけれども。
 そういった意味で、少なくともこの企業でいきますと、今言われましたように、企業の利潤を考えますと、二〇一二年から一九年、約この七、八年の話ですけれども、これ経常利益が二十三兆円ぐらい増えているんですけれども、労働分配でいえば、いわゆる賃金とか給与とかいうのに回ったのはそのうちの四兆五千億ですから、二十三兆収益上がって。それが事実。設備投資にも九兆円ぐらい回っております。残りは全部内部留保になる。配当にも回りましたよ、もちろん。そういったことになっていますから、これは間違いなく労働分配率というか、労働に対する、賃金に対する企業の支払が企業収益に比べて低かった、低く抑えた。組合もそれで納得してストライキ一つ起きていませんから。事実じゃないですか、これ。我々がその話をして神津さんが黙っているのはおかしいじゃないですか、神津さん何でしゃべらないんですか、ここでって言って、たしかあれは発言は取消しになったと思いますけれども、そういうことまで申し上げるほど、元労働組合と団体交渉やった経験者からいうと、そういうことになるわけですけれども。
 私どもも、そういったことを見ますと、これは明らかに抑えられてきて、みんなで企業を回復させるために頑張った結果なんだと思いますので、これから先どうされるか、これは経営者も考えていただかなきゃいかぬ一番肝腎なところなんですけれども、やっぱり全体として給与がこれだけ上がらないままずっと抑えられたら、一つは、デフレも助かったんだとは思いますけれども、インフレだったら今年もこんな具合にいかなかったんだと思いますが、デフレだったからそこそこ収まったという面もあるとは思いますけれども、別の面が出てきますので、デフレの場合は。
 その意味では、上田先生、やっぱりこれは賃金というのはしかるべきもので上げていくということを考えないと、なかなか、インフレ率の二%はもちろんのこと、いろんなものが全部波及効果が出てきますけど、企業の収益が回復したんだから、その分だけもう少し労働組合や賃金ベースなり設備投資なりというものに回す比率がもっと上がってしかるべきだと私どもはそう思いますけど、なかなかこれから先が怖い、自由主義経済やっていますので、なかなか強制的にというわけにはいきませんけれども、流れとしてはそういう流れになってきているかなと。
 経団連の会長の話も、昨年末ぐらいから、今年初めぐらいからか少し変わってきたかなとは思いますけれども、少しずつ意識も、あっち側の意識も変わってきておられるかなとは思いますけれども、今のところの正直なおまえ感想言えといえば、そうだと思っております。

#121
○上田清司君 賃金は労使間の交渉の中で決まっていく部分があって、ある意味では政府はそんなに介入できるわけはないというのが総括的なお話ではないかと受け止めました。
 私が申し上げているのは、それはもう自明の理であります。そうではなくて、なぜ競争力ランキングだとか世界の時価総額の中で日本の地位がこれだけ落ち込んできているのかとか、こういうことをわざわざ申し上げているのは、まさにこの日本の今政策当局の落ち込みが、あるいはこの高度成長期、あえて、私も幼年期は三井三池の大牟田市で過ごしました。何か分からなかったんですが、たいまつがぐるぐる回っていました。まさに、あえて石炭産業を捨てて石油産業に切り替えた、そういう切替えができない日本の弱さというんでしょうか。デジタルならデジタルに一気に変える。どれもこれもみんな救おうとする。
 したがって、前からある課も残っている、新しい産業の芽が出そうなところに新しい課ができる、課の数は山ほど増える。事務次官の数も三人も四人もいる、指定職は大体三分の一ぐらい増えちゃったと。本当、そうですよ、橋本行革から。でたらめですよ。普通は、もう駄目なところは減らして、少し残して吸収していくとか、そんなことやらなくちゃいけないんですが、そういうことができなくなっていると。非常に硬直化しているんですよ。
 私は、麻生財務大臣はスーパー大臣だと思っています。いや、本当に、今の日本の閣僚の中でこれだけ経験豊富で立派な方はおられないと本当にそう思っているんですから、もっと切り込んだらどうなんですかと、そういう評論家みたいなことを言わないでしっかりやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#122
○国務大臣(麻生太郎君) 産業構造を変換しなきゃいかぬというところに来ているという意識は、これ、僕はコロナのおかげで一挙に増えたかなと思って、これ災い転じて福とせにゃいかぬところかなと正直思ってはおります。
 一番問題は、僕は働き方だと思っていた。これだけは日本人直らないんじゃないかなと思っていたんですけれども、最近見ていますと随分変わってきておられるんで、私どもの役所で見ていましても、ここが一番変わらないかと思ったら、意外と半舷上陸みたいな、半舷上陸って労働組合の言葉ですけど、半舷上陸が別にされるようになりましたし、いろんな形で随分変わってきつつありますので、ほかの産業界においても同じようなことが言えるんだとは思うんですけれども、やっぱり新しい方向というのがきちんと出てくるというところまで、まだまだそこまで気持ちが行っていないのかなと思いますけれども、行っている会社も実はいっぱいありまして、そういったところは結構伸びていますし、いろんな会社で新しいものが出てきていますし、事実、上場している会社の数も、八九年のあのバブルのときより今の上場企業の方が数は増えていますから、そういった意味では、株価の絶対量というより、株の数が増えていますんで、いわゆる株式の上場、総額で見ますと八九年のベストにほぼ匹敵する、いや、もうそれ以上になっているような感じがするほど新しい企業が増えてきているのも事実でもありますんで、これをもうちょっとうまく育っていく、優秀な人たちが余っているところからこっちへ移ってくる、そういったようなことを促進させるということをどうやってやるか、今いろいろやらせていただいてはおりますけれども。
 地方に出ていかれる人の数も、少なくとも一極集中から随分地方に出ていかれる比率は増えましたし、いろんな形で変わりつつあるのかなと思っておりますけれども、いま一つそういった気持ちにみんながなっていただくということがすごく大切なんで、今少しずつでありますけれども、新しい企業に限らず、多くの企業が中を分けていろいろされていったり、いろいろ、集中化されたり分業化されたり、いろいろ努力はされているなというのがこの一年間ぐらいの実感なんですけれども。
 さらに、上田先生言われる、もっと蹴たくってでも、もっと後ろから蹴飛ばしてでもやれということだと思いますけれども、大いにこれは、産業構造変換というのはこの国の将来にとって極めて大きな要素だと思っておりますんで、努力いたしたいと思います。

#123
○上田清司君 ありがとうございます。
 時間が参りました。一つだけ。
 国交委員会にしばらくおりました、国土交通委員会の方に。例えば、日本中のバス路線が毎年毎年減っていっています。五年に一回計画を立てているんです。しかし、五年置きに六千キロ減るんです、バス路線の数、路線の距離がですね。まさに、四国を除いて日本一周の海岸線ができる距離です。これ、五年置きにです。五年置きに計画を立てているんです。でも、どの路線がどういう理由でどれだけ補填すれば生き残り、補填しなくても生き残らないとか、そういうトレースをしているかというと、していないんです。そういうことをしないんです、今の霞が関は。だから良くならないんです。
 是非、一つ一つの事象について定点観測的な、分野ごとにしっかり、どういう状態になっているかということを作業をさせることを指示していただきたいということを特にお願いして、もう終わりにいたします。
 ありがとうございました。

#124
○大門実紀史君 大門です。
 一月の当委員会、また先日の本会議で取り上げました中小企業の過剰債務問題について、コロナ禍で積み上がった中小企業の過剰債務問題について具体的に今日は質問していきたいと思います。
 最初に、麻生大臣に伺います。
 三月八日に金融庁は、全銀協の会長などの出席された中小企業の金融円滑化に関する意見交換会を開催されたというふうに報道されております。非公開ということでございますが、お話しいただける範囲で結構ですので、どういう議論がされたか、ちょっと教えてください。

#125
○国務大臣(麻生太郎君) 三月八日でしたか、梶山経済産業大臣と一緒にほかの当局者と官民の金融関係の方々出席していただいて、中小企業等の、年度末控えていますので、金融の円滑化に関する意見交換会を催させていただきました。
 私の方からは、金融関係の代表の方々に対して、とにかく貸し渋りとか貸し剥がし、最近余り聞かれなくなりましたけれども、こういった、行わないことは当然のことですけど、そういった誤解を招くようなことがないように、引き続き事業者の立場に立って最大限柔軟に対応してもらいたいということ。それから、実質無利子無担保融資というものの据置期間とか返済期間とかいうものにつきましては、これは、要請してくれる企業経営者側の方のニーズを十分に踏まえて長期の延長等々を積極的にこれ提案する、金融側がですよ、金融側が提案する等々、親身な対応、丁寧な対応をやってもらいたいということ。
 それから、例のここに書いてありますこれ劣後ローンの話で、これは金をどんどんどんどん、今、中小企業のおじさん聞いても、時々、あんた、それ返済せにゃいかぬとばいと言っていろいろ話をするんですけれども、金借りられているうちは大丈夫と言うから、そのうち、おまえ債務超過になったら金借りられなくなるんだぜという話をしなきゃ分からぬ人もおられますから、経営者の中には。そういったことを考えて、劣後ローン等々について、これ事業者側に対して丁寧に説明してやれと。金借りていられたらいいというもんじゃないぞと。政府が無利子だからどんどんどんどん借りていったら、間違いなくここに書いてありますように、負債が立ってきますと、これあれに立ちますので。
 そういった意味では、申請をサポートするためにはどうしなきゃいかぬかというので、劣後ローンの話とか、官民で一緒に提携して政府金融機関の方と民間の金融機関と組んで、一緒になって資金繰りの支援とかいうのをやった上に、要請文の書き方も余り正確じゃない方もおられますので、そういった方々に丁寧に要請文というのを出させていただくというようなこともやっていってもらったらどうですかといった形で、金融庁としても他の省庁と、他の省庁とは通産省の中小企業のあれがありますし、そういったものも含めまして、関係省庁と連絡をして引き続き金融機関の取組というものをしっかり推していきますんで、お力添え、御協力をお願いします。
 まあアバウトはそんなところです。

#126
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 本会議のときもちょっと数字申し上げましたけど、民間金融機関のコロナ特別融資の残高が一月末で十七・五兆、公庫のコロナ特別融資残高は十二兆、合わせて約三十兆円でございます。この三十兆円のコロナ債務が、まあ当面返済の据置きができるわけですけど、後々足かせになっていく、あるいはもうなっていると。つまり、新たな借入金が必要なのにできなくなりつつあるということですね。
 ただ、この三十兆円全てが焦げ付く、返済不能になるというわけではないと思います。リーマン・ショックのとき調べましたら、保証協会の代位弁済率というのは大体二割から三割でございました、製造業中心でしたけれども。今回は、製造業よりも小売サービス関係の中小企業が厳しいと。まあそれでもリーマンのときに二、三割が代位弁済でしたので、三割強が仮にほっておくと代位弁済になるとすると、約十兆円の債務がかなり中小企業は返済が苦しくなるんではないかというふうに、大体それぐらいのオーダーで見られると思います。
 で、どうするかということで、まあ父ちゃん母ちゃんでやっておられる家族経営の個人事業者は、やはり返済猶予などの政策的措置が継続が必要だと思います。中堅企業は既に様々な事業再生の仕組みが用意されておりまして、問題は、従業員三、四人から十人ぐらいの小規模企業、小法人ですね。小さいといっても、地域の経済の雇用を、雇用も含めて支えているのは大体この規模の小規模企業が多いわけでございます。
 東京商工リサーチによりますと、二月の倒産がコロナ関連が百十四件で、前年二月からの、昨年二月からの累計で一千件超えたそうですけど、資本金一千万未満が全体の、倒産全体の六五・六%を占めて、従業員十人未満の企業が倒産全体の八八%となっております。廃業もこの層が多いわけですね。したがって、当面の課題としても、この小規模企業の倒産をどう防ぐかということと、今後のコロナ後の地域経済を考えても、イメージとしては従業員十人未満の小規模企業を潰さないということが大変重要になってくるというふうに地域経済の再建からも思います。
 しかし、この小規模企業になりますと、返済猶予の延長だけではなかなか救済できないわけでありまして、一定の規模、雇用を守るために、新展開もありますから、仕入れ、運転資金などの一定の新たな資金が常に必要になってくるということになります。
 今日はそういう小規模企業への支援ということに絞って質問したいと思うんですけれども、その手段として劣後ローン、麻生大臣に紹介してもらいました劣後ローンが使えないかということをちょっと考えてみたいというふうに思いますけれども。
 劣後ローンについては、この間、長引くコロナ禍の下で事業者の間でも関心が大変高まっております。資料をお配りいたしましたけど、まず、そもそも劣後ローンとはどういう仕組み、何なのかということを簡潔に御説明をお願いできますか。

#127
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 御指摘の劣後ローンと申しますものは、金融機関が債務者の財務状況を評価する際に、十分な資本的な性格が認められるといたしまして、法的には債務でありますけれども、資本とみなしてこれを取り扱うというタイプのものでございます。
 この劣後ローンの資本性の有無につきましては、一般に償還条件、金利設定、劣後性といった観点から判断をいたします。具体的には、償還条件につきましては、契約時における償還期間が五年を超え、かつ期限一括償還又は同等に評価できる長期の据置期間が設定されていると、金利設定につきましては、資本に準じて配当可能な利益に応じた金利設定であること、すなわち、債務者が厳しい状況にある期間は金利負担が抑えられるような仕組みになっていること、劣後性につきましては、万が一法的破綻に至ったような場合におきましては他の債権に対して劣後するといった条件を確保しているローンということでございます。

#128
○大門実紀史君 資料を用意いたしましたけれども、もう少し分かりやすく言いますと、通常の金融機関の融資というのは、バランスシートでいうと負債に計上されますから、借入金が増えてきますと、財務状況は悪化したとみなされて新たな借入金が難しくなってまいります。劣後ローンというのは、バランスシート上は資本に計上されますので、見かけの上では資本が増強されたと、財務が改善されたというふうに見かけ上はなります。したがって、新たな借入れもしやすくなるということと、通常の融資というのは返済計画を立ててそれに沿って借入れを返済してしていくわけですけれども、この劣後ローンというのは返済のタイミングを金融機関と相談して決められる、五年後とか十年後とかですね、それまでは利息だけ払って元本返済を先に延ばすことができます。その間に経営の再建ということができるわけですね。
 ただ、金融機関にとっていえば、元金返済は先延ばしになりますし、また、劣後という意味はもう御存じのとおりですね。いざ倒産したときに返済が、その際に返ってこない、順番が、返済順位が劣ると、下がるということでありますので、倒産したときに返ってこないリスクがあると。したがって、リスクが高いので貸付利率も高くなるということがございます。
 この劣後ローンは、東日本大震災のときも震災復興支援として打ち出されました。どういう制度だったかということと、そのときの実績を簡潔に説明をお願いします。

#129
○政府参考人(新川浩嗣君) お答え申し上げます。
 震災復興支援資本性ローンでございますが、東日本大震災で直接、間接被害を受けた事業者、それから風評被害等による一時的な業況悪化によって資金繰りに支障を来している事業者等を対象としたものでございまして、日本政策金融公庫及び商工組合中央金庫等において措置したものでございます。
 具体的には、東日本大震災復興特別貸付けとは別枠で最大七・二億円まで融資ができることとされておりまして、貸付期間は十年、期限一括償還でございます。金利につきましては、貸付け後一年ごとに、直近決算の成功度合いに応じまして〇・四%、それから三・六%の二区分の利率が適用されてございます。
 それから、実績でございますが、この日本公庫による資本性ローンでございますが、これまでの貸付実績は二百五十五件、約二百二十三億円という貸付実績でございます。

#130
○大門実紀史君 この二枚目の資料の概要で、一番頭に書いてございますけれども、東日本大震災復興特別貸付けの利用対象に当てはまる中小企業者と書いてございます。この中小企業者というのは何か範囲とか定義があるんでしょうか。

#131
○政府参考人(新川浩嗣君) これは中小企業基本法等に定められる中小企業者ということでございます。

#132
○大門実紀史君 したがって、先ほど申し上げました従業員十人以下のような小規模企業も対象に、使えると、使えるはずだということですね。

#133
○政府参考人(新川浩嗣君) この復興支援のこの劣後ローンでございますが、日本公庫の分類で申し上げますと旧中小公庫分ということになりますので、いわゆる零細企業を扱っております旧国民公庫とは別のものでございますので、いわゆる零細企業というのは対象になってございません。

#134
○大門実紀史君 私、零細とは言っていませんが、じゃ、従業員十人以下のような小規模企業、まあ零細と考えて、対象になっていないということですか。はい、分かりました。
 その実績は、もう一枚、三枚目の資料に書かれてございます。公庫の方を見ますと、今おっしゃっていただいたように、二百五十五件、二百二十三億円ですね。東日本大震災のときは二重ローン問題、過剰債務が今と同じように大問題になりまして、債権買取機構とか私的整理ガイドラインとか様々な対策が打ち出されました。
 そのことから考えると、仮に零細企業は、まあ零細という企業は言い方はちょっとあれなんですが、小規模企業は除外したとしても件数が少な過ぎるんではないかと、金額もですね、思います。
 また、平均すると、一件当たりの金額は八千万円、八千七百万ぐらいですかね。この資本の勘定に入れるローンを、劣後ローンを八千万繰り入れるということは、当然その企業は資本金は八千万以上、一億以上はあるんではないかと想定されるわけでありまして、したがって、中小企業者といっても、実態は、何といいますか、まあ製造業の中小企業定義というのは資本金三億円以下、従業員が三百人以下とかありますから、要するに、これは中堅企業の利用がほとんどだったのではないかというふうに思われますが、いかがですか。

#135
○政府参考人(新川浩嗣君) 詳しい実績はちょっと手元にございませんが、恐らくそうした実態にあるというふうに考えております。

#136
○大門実紀史君 私は、もちろん中堅企業も、被災地回りましたけど、雇用者たくさん抱えておられるんで、支援することは大変重要だと思っております。
 ただ、大きなところしか利用できないものなのかと、今後のことを考えるとそういう仕組みのままでいいのかということはやはり今考えなければいけないんではと思うんですけれども。
 今回、コロナ対応で打ち出した劣後ローン、資料四枚目に用意しましたが、これについて概要を説明してください。

#137
○政府参考人(新川浩嗣君) 日本政策金融公庫等の新型コロナ対策資本性劣後ローンでございますが、こちらの対象は、小規模事業者も含めた中小企業等というのが対象になってございます。それで、新型コロナウイルス感染症の影響によりキャッシュフローが不足するスタートアップ企業、あるいは一時的に財務状況が悪化したものの持続可能な中小企業・小規模事業者を対象としてございます。
 商品性でございますが、具体的には償還期限は三つに分かれておりまして、五年一か月、十年又は二十年の期限一括償還、それから、いろいろ御利用いただいております実質無利子無担保融資とは別枠で最大七・二億円まで、もうこちらは中堅企業が対象になりますが、融資できることとなってございます。
 金利につきましてでございますが、日本公庫の中小企業事業あるいは商工中金の場合でございますが、当初三年間は〇・五%、それから国民事業のときは一・〇五%、それから十年、五年一か月と十年の金利でございますが、中小事業二・六%、国民事業では三・四%、二十年の場合は二・九五%、国民の場合は四・八%と、このようになってございます。

#138
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 この今回のコロナ対応の実績ですけれど、五枚目の資料に決定件数、金額がありますが、これは、この数字で動いていないということで、確認ですが、よろしいですか。

#139
○政府参考人(新川浩嗣君) このお配りいただいた資料のとおりでございます。

#140
○大門実紀史君 決定件数が二千百六十九件で金額が約四千億円ということで、先ほど申し上げましたとおり、中小企業の間で劣後ローン、大変関心が高まっている中で、数としては使われ始めているなというふうに思います。
 ただ、先ほど小零細にもという言い方をされましたけれども、一件当たりで割り出しますと一億八千四百万のローンになっております。したがって、これは東日本大震災のとき以上の金額よりも大きい金額になっておりますので、平均するとですね。したがって、先ほどの話ですけれども、小規模事業者は対象になっているといいながら、やはり一億、平均で一億八千万の劣後ローンを受けるということは、資本に該当するものを受けるということは、少なくともそれ以上の資本金のところではないかと。
 つまり、やはり今も、小規模事業者にも使えますということは始まったんだけれども、やはり東日本大震災と同じ、ときと同じように、使えるとはいっても、事実上、資本金が二億、三億以上の比較的大きい中堅企業だけが今のところ使っているということがこの数字から読み取れるんじゃないかと思いますが、その辺はいかがですか。

#141
○政府参考人(新川浩嗣君) これも、具体的な数字、今、申し訳ございません、手元にございませんけれども、一件当たりの融資件数、融資実績から判断いたしますと、それなりの規模の企業ということではあろうかと思います。
 したがいまして、恐らく今の現状でいきますと、小規模事業者の皆様方、多くの方々はその無利子無担保の融資の方を資金繰りとしてお使いになっておられるということもございますが、劣後ローンというものに関して必ずしもなじみが日常的にはない事業者の方が多いと思われますので、制度の周知を図りまして、親切に窓口で対応いたしまして、御利用をいただける場合には積極的に御利用いただくような、そうした対応を促してまいりたいと思います。

#142
○大門実紀史君 もちろん周知図ってもらって、使えるところには使っていただきたいと。
 ただ、なぜかこの劣後ローンというのは、十人とか十五人ぐらいの社長さんともお話をしましたけど、制度は知っているけれども、なかなか使いづらい、なじみにくいという話が出たりしております。
 民間ベースでいきますと、信用金庫レベルでもこの劣後ローンを始めたところが生まれております、東京のある信金ですけれども。全国の信金、また地銀が、その地域の一番数の多い、一番頑張ってくれている従業員十人以下、十人前後クラスの小規模企業にも使いやすい劣後ローン、これを始めてくれれば、コロナ後の地域経済再生に大きな力になってくるんではないかと、この公庫の制度だけではなくてですね。その点では、第一に、金融機関が劣後ローンのリスクに対してどう対応するかが問われているんではないかと思うわけです。
 この点について言いますと、「金融財政事情」の一月二十五日に、栗田局長が劣後ローンのことを問われて、これは小規模という意味ではないんですけれど、劣後ローン一般ではありますけれど、金融機関の劣後ローンにどう対応していくかというその姿勢について大変いいことをおっしゃっておりますので、ちょっとこの意味を、栗田さん、説明してくれますかね。

#143
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 金融機関の経営におきましては、このリスクを取って金融仲介機能を発揮していくということと、そのリスクを適切に管理して金融機関自身の健全性を維持すると、このバランスを取ることが重要だと考えております。特に、資本性の劣後ローンに関しましては、長期の償還期間ですとか法的破綻時の劣後性といった特性があることから、通常の融資とは異なるリスクが金融機関に生じるということが考えられます。
 このため、金融機関におきましては、まず顧客企業の経営実態を深く理解し、事業性を適切に評価することが重要になってくるというふうに考えております。これによりまして、経営改善に対する助言ですとか本業支援を行うことが可能になってくると。そうすれば、リスク管理もやりやすくなるというふうに考えている次第でございます。

#144
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 金融庁として、この、もう信用金庫もこういう小規模企業向けの劣後ローンを始めてくれておりますけれど、小規模、余り小さい話じゃないんですよ、一定の雇用を担ってもらっている、地域ではたくさんおられるような、小の方の、小規模の方の企業なんですが、こういう方々に劣後ローンの仕組みを、やり方はいろいろあると思うんですけど、信金がいろんな形をつくると思うんですけど、地銀もですね、いずれにせよ、この仕組みをきちっと使ってもらうことは今後重要だと思うんですけれど、小規模企業にとって。金融庁としてどう捉えておられますか。栗田さん、ちょっと。

#145
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 まさに委員御指摘のとおり、これは各企業の状況がまちまちでございますので、その企業の実情に即して金融支援を行う必要があると。その中の一つのツールとしてこの資本性劣後ローンがあって、それが有効に活用できるような企業に対しては是非民間金融機関も積極的に活用いただきたいというふうに考えている次第でございます。

#146
○大門実紀史君 地域のそういう小規模の企業にとって使いやすい劣後ローンとは何だろうということを話を聞いたりして考えるわけですけれども、一番は、先ほど申し上げました金融機関、リスクを取るということがありますので、貸出利率が高くなるということですね。ところが、今回のコロナ対応のやつは、政府が利子の補填をしますので、貸付金利が低く抑えているということがあります。したがって、周知徹底されれば、使いやすく、使いやすいなと今までよりは思う方がいらっしゃると思いますし、これを説明すると、今までよりも貸付利率が低いんですねということはよく、いいですねという声は上がっております。
 民間の場合、先ほど信金とか地銀がこれを始めてくれる場合、やはりリスクを考えると高めの利率を設定する可能性があります。金融機関にとってはリスク取るわけですから、ある面無理もないわけですね。
 そうすると、民間金融機関が、公庫も政府が利子の補給をやっていると、支援しているということならば、民間金融機関がこういう小規模事業者に、企業に対する支援を劣後ローンで行った場合も、やはり政府が利子を応援するということがあってもいいんではないかと思いますが、これはちょっと政治判断ありますので今すぐやってくれというんじゃなくて、そういう方向検討すべきではないかと思うんですね。
 政府対応、コロナ対応で公庫はやっているということであれば民間も検討すべきではないかと思うんですが、これは、麻生大臣、方向性としてどうでしょう。

#147
○国務大臣(麻生太郎君) これは、先ほど申し上げましたとおり、八日の日に私の方から官民の金融団体の代表者等々に対して、借りている側の企業経営者の方の立場に立って最大限柔軟な対応をというお願いをさせていただいたところなんですが。
 加えて、政府として、今、コロナのおかげで予定外に金を借りたことで債務が急激に増えて将来的な事業経営に破綻を来す、これで言えば、この場合には普通の融資ですとこれ負債になりますので、そういったものは、いわゆる劣後ローン等々組めば負債ではなくて資本に計上されるわけですから、ここのところが分かっておられぬ方いっぱいいらっしゃいますので、そういった意味では、いわゆる、例えば政策金融公庫とかそういったところが劣後ローンというのはこんなものだよという話を説明をしたりすることが必要なんだと思いますけれども、これ意外と民間の金融機関もこの劣後ローンの話余りお詳しくありませんものね、正直なところ。
 そういった意味では、公的機関、政策金融公庫なんかで一緒になってこれやるというようなことに関しては、リスクは起きますので、そのリスクをある程度折半するとか共有するとかいろんな形で、民間の金融機関も、おっしゃるように、資本性劣後ローン等々余り詳しくなかったところもちょっと勉強してもらわないかぬところなんだとは思いますけれども。
 そういった意味で、中小企業、零細事業者の支援に関して積極的に取り組む、そのためにはこういうやり方があるんですよというような話をさせていただく等々、ちょっと資本性劣後ローンというものを少々勉強してもらいながら、引き続き、この厳しい状況というのを抜け出す、そういった支援が徹底されるように我々としても支援をしていきたいと思っております。

#148
○大門実紀史君 恐らく今年の秋以降、いろんな、私が言っているのではなくて、いろんな専門家の方がおっしゃっていますが、秋以降、やっぱり小規模企業を中心とした倒産が増える可能性があると。頑張るところをやっぱり救わないと地域経済が駄目になりますので、その手段として劣後ローンをできるだけ使いやすく使ってもらうと。
 そのためには、どう政府が支援するかと。公庫だけではなくて、その民間金融機関がリスクを取って、東京のある信金は、わざわざリスクを取ってやろうとしてくれているわけですね。そういうことに対してやっぱり政府の支援というのはしていくべきではないかと。是非、検討をお願いしたいというふうに思います。
 もう一つは、このリスクというのは、利息を高くするのは、これ、栗田局長が言われた金融機関の取引先に対する事業評価とか、ふだんどれだけきちっと寄り添ってやっているかとか、そういうことによってまた評価が変わってきて、評価が変わりますと金利が下がる可能性もあるわけですね、民間同士の話で考えても。そういうことが一番大事でございますし、一方、この小規模企業の社長さんたちの話を聞きますと、なかなか、仕組みはもう分かっていると、だけど劣後ローンは使いたくないんだという抵抗感の一つとして、これを使いますと、金融機関が出資者になりますから、事業計画の提出を今まで以上に求めたりウオッチングしなければなりませんから、うるさいと、金融機関が口を出し過ぎる、うるさくなると、嫌だというような、小規模のところはいいも悪いもワンマン社長さんがいて、俺のやり方でやるんだというような方々は抵抗感があるというようなことを具体的にお聞きしました。
 で、逆に言うと、今地域の中小企業が倒産する理由で一番多いのは、実は資金繰りの行き詰まりなんですね。赤字が原因じゃないんですよね。赤字ではなかなか倒産しないんですけど、資金繰りの行き詰まりで倒産するわけですね。これはやっぱり、いいも悪いもワンマン社長が経営のこと自分で決めて、そういうふうに突っ走るところで起きることが多いと。これは、倒産は経営者任せにするから起きるんだということをおっしゃる方も、中小企業をふだん支援している方からも声が出るということがあります。
 私は、この劣後ローン通じて、いい意味で小規模企業の経営者と金融機関の更に深い連帯感が生まれて、日常的に意識改革とか経営改善とか、金融機関は決して敵じゃなくて一緒のパートナーとして考えていくというふうなことでこの劣後ローンが打ち出されていけば、そういう小規模企業側からの抵抗感も少なくなっていくんではないかというふうに思ったりいたします。
 いずれにせよ、この劣後ローンの仕組み、これが普及していけば倒産も防げるし、何といいますか、焦げ付き、保証協会の焦げ付き、代位弁済、こういうものも少なくなるという点では積極的な施策として、政府がどうせお金出すならこういうところに支援していくということも含めて考えていっていただきたいというふうに思います。
 先ほどお答えいただきましたけど、劣後ローンそのものを含めて、この過剰債務問題、引き続き金融庁としてきちっと取り組んでいただきたいと思いますが、もう一度、麻生大臣のお話を聞いて終わりたいと思います。よろしくお願いします。

#149
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど申し上げましたように、この劣後ローンを組むことによって、そうですね、経営やったこともないような金貸しが来てうるせえというのは、よくおっさん言いますよ。私らもそういった話はよく聞かされましたんで、そういった気持ちは分からぬわけではありませんけれども。
 これ、二代目の方になるとそこが少し違ったりなんかして、二代目と話をしてよくいろいろ取りまとめたりなんかしたことも、昔、そういったものに資本参加したためにえらい目に遭ったこともありますけれども、よく話し合わないと、やっぱり五十年、六十年ずっとやってきた社長にしてみりゃ、とてもじゃないけどそんなというような、ホワイトカラー要らねえよなんてよく言われたもんでしたけれども、そういうようなことも二代目になると意外と話ができたりして、よくよく、時間掛かりますけど、話をしてやっていく。そういった手間も、ちょっと公的金融機関の方も、今まではそんなこと余りそこまで丁寧にやることはありませんでしたけれども、民間金融と組んで一緒にやるというようなことで、その種の話は民間金融の人の方が話がうまいと思いますんで、そういったものを組んで一緒にやっていくというようなことをやって、少なくともこれが、少なくとも融資を借り続けていくと最後は債務超過になって金は借りられなくなるんですよという現実をよく頭に入れてもらうためには劣後ローンというのは一つのいい方法なんだと、私はそう思っております。

#150
○大門実紀史君 ありがとうございました。終わります。

#151
○渡辺喜美君 みんなの党、渡辺喜美でございます。
 黒田総裁には大変お忙しいところお越しをいただきまして、誠にありがとうございます。
 FOMCが今日からでしょうか、また今週後半には日銀の点検会合というんでしょうか、まあ指さし点検するのか何を点検するのか分かりませんけれども、どうせ点検されるんでしたら先ほど上田委員が言っておられたこの三十年間まとめて点検していただくと大変有り難いですね。
 お手元の資料の一番後ろ、四枚目を御覧いただきますと、これは日銀がよく使う潜在成長率のグラフであります。何で潜在成長率がこんなに下がってしまったのかと。私に言わせれば、最大の失敗の理由はやっぱり金融政策だったんですね。
 八九年、平成元年の四月に、御案内のように消費税が創設をされました。その翌月ですよ、五月からとんとことんとこ、公定歩合と当時言いましたけれども、上がっていって、その年の十二月に三重野総裁が就任をされて、何と二・五%であった公定歩合が六%になったんですよ。三・五%も、一年、たった一年ですよ、の間に上昇した。当時、三重野総裁は平成の鬼平と言われて、一般物価ではなくて資産価格に着目をして、バブル潰しを公然とおやりになった。その結果がこれですよ。要は、潜在成長率の中で当時大宗を占めていた資本投入、これが急激になくなっていくわけであります。正直、その影響が今日なお続いていると言わざるを得ないと私は考えるのであります。
 この日本経済凋落の原因となった一般物価ではなく資産価格を指標とした金融政策について、総裁、どう点検なさいますか。

#152
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行が一九八九年の五月以降、金融引締め政策に転じたことがその後のバブル崩壊の遠因になったという指摘があることはよく承知しております。
 他方で、バブル発生の原因を考えますと、金融機関の積極的な融資姿勢や人々の成長期待の過度な強気化など様々な要因が複雑に絡み合っていたとは思いますが、日本銀行による金融緩和も一つの要因であったように思われます。
 金融政策の目的はあくまでも物価安定の目標を実現することにあるわけですけれども、こうしたバブルの経験が、その金融面の不均衡のリスクなども含めて、経済、物価、金融が抱える潜在的なリスクに十分な注意を払いながら金融政策を運営していくことが重要であるということを示しているように思います。
 こうした点も踏まえまして、現在、日本銀行では、様々なリスクを点検しながら二%の物価安定の目標の実現を目指して金融政策を行っておりまして、資産価格を何か金融政策の目標とかメルクマールにすることはしておりません。ただ、先ほど申し上げたように、金融が行き過ぎたり過度にその仲介機能を果たさなくなったりというようなことがないように、そういった金融システムの面にも十分目配りをしながら物価安定目標の達成に向けて努力しているということでございます。

#153
○渡辺喜美君 十年前の三月十二日だったですかね、私、当時、みんなの党の代表をやっておりまして、官邸に呼ばれたんですね、たしか土曜日だったと思います。与野党党首会談というのでいろいろ申し上げた、米軍の支援を受けたらどうかとか、これはメルトダウンが起こっているんじゃないかとかいろいろ申し上げた中で、来週、つまり翌週の月曜日から日本の円はとんとことんとこ上がっちゃいますよと。私がイメージしたのは、いわゆるマンデル・フレミング理論なんですね。あれだけの大震災ですから、当然国債発行が増える、そうすると金利が上がる、その連想で円が高くなると。こういうことで、案の定、私の言ったとおりに上がってしまったんですね。たしか、いつ頃だったか忘れましたけれども、額は少ないけれども一応協調介入みたいなことをやって、その場は乗り切った。ところが、やっぱり日本はFRBや何かと比べてマネーの量が圧倒的に少なかった。それで再び七十円台に突っ込んでしまったのが翌年だったでしょうかね、当年だったですかね。
 そういう金融政策が非常に不適切だったと思いますけれども、いかがでしょうか。

#154
○参考人(黒田東彦君) 私、当時、アジア開発銀行の方にいましたけれども、この東日本大震災という大変な震災が起こったということで、一週間後ぐらいに東京に参りまして、財務大臣ともお会いしたんですけれども、当時の日本銀行が金融市場の安定確保のために連日大量の資金供給を実施したり、あるいは資産買入れ拡大、被災地金融支援オペ、その他様々な金融緩和措置を一段と強化していたこと自体は適切だったと思います。
 ただ、その上で、為替相場は、御承知のとおり、各国の金融スタンスの影響も相当受けますけれども、それだけでなくて、世界経済とかあるいは国際金融資本市場における様々な動きの中で形成されるということが大きいと思いますので、この二〇一一年から一二年にかけての円高の背景としては、これもまたマニラの方から見ていた状況ですけれども、やはり世界経済の減速の懸念の中で、欧州債務危機がギリシャから始まって南の欧州の方にかなり広がっていったということで、全体としてこのリスク回避姿勢が強まったと。そうなると、御案内のとおり、スイス・フランと円は、何かリスク回避姿勢が強まるとそちらに資金がシフトしてきて、円高、スイス・フラン高になるという傾向が非常に強かったわけですね。そういうこともあってこうなったということが大きいのではないかと思います。
 マネタリーベースがその様々な影響を与えるということは事実ですけれども、この委員御指摘の極端な円高をマネタリーベースの差だけで説明するというのは非常に難しいと思います。
 他方で、御案内のとおり、今や米国、欧州、日本等、主要国の中央銀行は全て二%の物価安定目標を目指して金融政策を運営しているという中で、この数年は基本的にかなり円、ドル、ユーロの間の為替関係は安定しているということは言えると思います。そういう意味では、金融政策が為替に影響ないということはないんですけれども、このときの御指摘の極端な円高の理由をマネタリーベースの差だけで説明するというのは非常に難しいのではないかというふうに思っております。

#155
○渡辺喜美君 昨日付けの「現代ビジネス」というコラムの中で、高橋洋一氏、元大蔵官僚ですね、五十五年入省、現嘉悦大学教授が指摘をしていることでありますが、この三十年間、日本の名目GDPの伸び率、これ、調べが付く百四十何か国中びりだそうです。同じく、名目GDPがびりで、その日本のマネーの伸び率は、調査可能な百四十八か国中、これまた最下位であるというわけですね。名目GDPがびりということは、当然名目賃金もびりということですよ。これが失われた二十年、失われた三十年の本質なんですね。
 ですから、私が言いたいのは、国家経営の一つである金融政策、この運営に失敗をし、まあ消費税創設でやめときゃよかったんですよ、あの八九年にね。だから、いつも申し上げるように、消費税という非常に安定した税収を稼ぐことのできる税制に呪いが掛けられてしまったというわけなんですね。
 今週後半の点検会合では、世間の注目はETFがどうなるのか、REITがどうなるのかというような話でありますけれども、世界的に長期金利が上がっちゃったんですね。アメリカではイエレン財務長官が、ゴー・ツーじゃなくてゴー・ビッグですか、アクト・ビッグと言って二百兆円からの追加経済対策を打ち出し、それが可決された。GDPギャップの三倍に当たるそうですからね、インフレ懸念というのが出てきてもむべなるかなですよ。
 日経の滝田洋一さんが、日経ヴェリタスという日曜日の新聞の中で惑星直列という言葉使っていましたね。なかなか面白いですね。当然、直列の中には黒田総裁も入ってくるんですけれどもね。ECBがドラギさんからラガルド女史に代わり、FRBはパウエル議長、ドラギさんはイタリアの総理になってEUから金引っ張ってくる任務を帯びている、イエレンさんは財務長官で財政政策を担っている。こういう人たちが黒田総裁も含めて惑星直列で、債券市場、いっときはどきっとしましたけれども、ちょっと高値安定、あれ金利がですね、になってくると再び株価は上昇してくると。そうすると、先ほど総裁いみじくもおっしゃったように、これもリスクの一つじゃないかと。昔、日銀の人が好んで使ったのが山高ければ谷深しなんという言葉でね、そういった日銀パラダイムからいうと、こういう非常に高い水準にある株価、これ問題だ、世界的にそんなことを言う人もいる。
 そういう中で、変異種のウイルスがどこまで拡大するのか、はたまた地政学リスク、台湾海峡だ、尖閣諸島だ、そういう問題が突如起こったりするかもしれない。
 そういった長期金利が世界的に上昇して、総裁のリスクに対する御所見をちょっとお伺いしたいと思います。

#156
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のように、このところ、若干、米国の長期金利の上昇を背景に、欧州とかあるいは途上国などの長期金利も少し上がっているわけですけれども、長期金利が世界的に上がった背景自体は、いろんな要因で長期金利は変動いたしますけれども、やはり市場では、世界的なこのワクチン接種の広がり、それから御指摘の米国で成立した総額一・九兆ドルの大規模な追加経済対策といったものを受けて、世界経済の持ち直しへの期待が高まっているということを指摘するような声が多いようです。
 他方で、御指摘のその世界経済のいろんなリスクという面では、昨年来続いているこのやはりコロナ感染症、これの帰趨がどうなるかということが今や一番大きな問題とされていると思います。
 昨年は、英国のEU離脱の問題とかその他、あるいは米中貿易摩擦の深刻化とか、そういったものが非常に言われていたわけですけれども、英国のEU離脱はそのまま成立して、その後も英国のEUに対する輸出が減ったということは言われていますけれども、大きな問題も起こっていないと、それから、米中の貿易摩擦の方も、バイデン政権になって以来これまでのところ、昨年二月に発効した経済・貿易協定の第一段階の合意の枠組みが維持されているということでありますので、特に今深刻な状況になるとか、なりつつあるという感じはしないんですが、このコロナ感染症の方、この帰趨というのはなかなかよく分からないと、御指摘のような、その変異株が各地で発生して、それが非常に感染力の強いものがあったり、それから最近開発されているワクチンが効かないんじゃないかというような懸念もあったんですが、WHO等が言っているところでは、ワクチンが効かなくなるということではないようですけれども、感染力が非常に強いものが出てきているということも事実でありまして、この感染症の帰趨とその影響というものがやはり今や世界経済をめぐる最大の不確実性、これは非常に大きいというふうに思っております。
 国際会議は、この一年間、物理的に全くないんですけれども、その代わりにビデオコンファレンス形式でしばしばやっておりまして、正確には数えたことはないんですけれども、この一年間で六十回ぐらい、このビデオコンファレンスで国際的な会議をやっておりました。G7とかG20は麻生副総理と一緒に参加していますけれども、そういう中でも、もう圧倒的なその議論の中心はこのコロナ感染症、これがどういうふうに収束していくか、決定打はワクチンが普及して集団免疫ができれば、少なくとも従来のようなことは収束されるだろうとは言っているんですけれども、まだ、なかなかその帰趨についてこの議論がいろいろ分かれていまして、正直このコロナの感染症の不確実性というのがもう少し明確になって、特にワクチンの接種が進んで集団免疫が成立するということが出てくれば、ある程度はっきりしてくるのではないかというふうに期待をしております。

#157
○渡辺喜美君 今日から二日間のFOMCでどういう議論がなされるのか、かまびすしく言われるように、テーパリングの出口の話が出るのか。
 残念ながら、日本はインフレ懸念とは程遠い状況ですよ。これも非常に残念なんですけれども、黒田総裁が就任して、この縦長の日米の実質金利のグラフが、日本の実質金利、赤い線の方ですね、赤い線の方、これが相当低下してきました。いよいよ二〇一三年には、この日本の実質金利がマイナスのところに突入をして、しばらくマイナス圏でずっと来ていたわけですよね。ところが、気が付いてみたら、アメリカの実質金利の方が日本の実質金利よりももっとマイナス、深掘りになっていたというわけであります。
 これは、総裁はそうではないとおっしゃるかもしれませんけれども、この実質金利とお金の量というのは私は表裏一体のものだと思っていますので、当然、結果としてドル・円にも影響が出てくると。今、御案内のように、アメリカの長期金利がちょこっともう跳ね上がっていますので、この日米の実質金利差というのがちょっと縮まってきているわけですね。それによって、辛うじて日本は若干円安傾向になっていると私は理解しております。
 こうしたグラフを見て、どのような御所見をお持ちになるでしょうか。

#158
○参考人(黒田東彦君) これは委員もよく御承知と思いますけれども、この実質金利という場合に、一つは、どの年限の名目金利からどのような予想物価上昇率を差し引くかということでいろいろな値が得られるわけですけれども、そういう意味では幅を持って見る必要があると思いますが、特にこの予想物価上昇率というものがなかなか分かりにくいと、日本の場合は、BEIで米国と同じように計算しても、御承知のように、物価変動国債の発行量は極めて小さく、しかもマーケットも小さくて、余りその市場関係者の予想物価上昇率をよく反映しているとも余り思えないと。
 他方で、そうすると、アンケート調査になりますよね、アンケート調査になると、ある程度幅はありますけれども、いろいろあるんですけれども、予想物価上昇率一%程度、あるいは最近は若干それを下回っているかもしれませんけれども、そのぐらいはあると思うんですけれども、BEIで見ると、こういうふうに日本の実質金利が米国の実質金利を非常に大きく上回っているように見えますけれども、これは先ほど申し上げたように、いろんな幅を持って見ていかなくちゃいけないということが一つと、もう一つは、いずれにせよ、やや長い目で見ますと、我が国の予想物価上昇率はおおむね横ばいですので、そうした下で、イールドカーブコントロールで名目長期金利もゼロ%程度ということで安定していますので、実質金利は低位で安定的に推移しているというふうに見ております。
 他方で、御指摘のその米国の場合は、二〇一九年以降、名目金利が非常に低下したことを背景に実質金利が低下したんですけれども、さらに、この予想物価上昇率が米国の場合はかなり持ち直していまして、これも、我が国の予想物価上昇率というのは非常に粘着的でなかなか上がっていかないんですけれども、米国の場合は、よく言われるように、二%でアンカーされている部分が強いために、予想物価上昇率がすぐ上がってきて二%前後になるということもありますので、それを差し引くとこういうふうになるんですけれども、必ずしもこの日米の実質金利がこれほど極端に逆転してこういうような格差が出ているということではないと思いますけれども、ただ、確かにひところに比べると、日米の実質金利が接近しているということは事実でありまして、一方で、日本も米国もかなりこの思い切った金融緩和を続けているということの背景と、それから、さっき申し上げたように、予想物価上昇率が米国の場合は非常にこのマーケットの状況に応じて迅速に上昇するというところによるのではないかと思います。
 ただ、いずれにせよ、この辺りは十分注視していく必要があると思います。
 ただ、先ほど来申し上げていますように、為替レートがその時々の実質金利格差あるいは名目金利格差で大きく説明できるということでもないと、特に、円の場合は、かつては安全通貨ということで国際金融市場ががたがたしますと必ず円が高くなるというようなことがあったんですが、今はそういうことがなくなっているということだけは好ましいわけですけれども、いずれにせよ、為替相場の動きというのは物価とか経済にいろんな影響を与えますので、為替政策自体は財務省の所管ですので私どもが何かどうこうするということはないんですけれども、為替の動きというものは確かに物価その他に影響しますので、十分注視していきたいというふうに思っております。

#159
○渡辺喜美君 とにかく、この三十年間の日本人のデフレマインドですね、非常に粘着的なという表現お使いになられましたけれども、このデフレマインドにどうやってインフレ期待を吹き込んでいくかという手法が問われるんだと私は理解しております。
 いつも使うグラフで恐縮でございますが、このおむすび山、保有長期国債のグラフですね。いっときはこのおむすびのてっぺん、八十兆円だったわけであります。今、ちょこっと、ちょこっと上がって、それでも二十五兆円レベルですよ。残存期間、長期国債というのは日銀の定義では一年を超える国債で、残存期間がどれくらいかというと、二一年二月末、先月末で六・八六年ぐらいで、ちょっと低下傾向なんですね。
 国債の発行は、麻生大臣のこの前の答弁だと、いろんな年限のものが多種多様あって、どの年限のものも史上最多の発行になっておるというわけでありますが、とりわけ短期国債の発行が非常に多いんですね。これは、御案内のように、全部マイナス金利ですから、発行するたびに政府がもうかっちゃうと、こういう話ですよ。誰がそんなもの買うんですかと聞いたら、いや、メガバンクが担保に必要だから買うんだとか外人さんが買ってくれるんだとか、そういう話でありますけれども、この平均残存期間、日銀の、これが低下ぎみだというのは、ちょっと私としては、いや、もうちょっと長期国債たくさん買って残存期間もうちょっと高くした方がインフレ期待に働きかけるという意味ではいいんじゃないかと私は思うんですが、いかがでしょう。

#160
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行は、例のイールドカーブコントロールの下で十年物国債の金利をゼロ%程度にするという操作目標を実現するために、短期、長期、超長期と全ての年限にわたって必要な国債の買入れを行っております。
 その結果として、御指摘のとおり、最近では相対的に残存期間の短い国債の保有が増加しておりまして、平均残存期間が幾分短期化しているわけですけれども、御案内のとおり、量的・質的金融緩和を始めた頃は日銀保有の国債の平均残存期間は四年弱だったわけですが、それがだんだん長いものになって七年台でずっと来ていたんですが、ここのところ、御指摘のように、平均残存期間六・八六年、ちょっと短くなっているということは事実であります。
 ただ、何か意図的に短い国債を買おうとかそういうことをしているわけでなくて、あくまでも、マイナス〇・一%の政策金利と十年物国債のゼロ%程度というのを結んで、適切なイールドカーブになるように短期、中期、長期、超長期とバランスよく買っている、結果としてこうなっているというふうに御理解いただきたいと思います。

#161
○渡辺喜美君 黒田総裁が、先週だったでしょうか、衆議院の財金でもって、長期金利の拡大幅を考えているわけではないという火消し発言をされたのは非常に良かったと思いますね。
 一方、雨宮副総裁は、三月八日だったでしょうか、長短金利引下げは金融仲介機能に及ぼし得る影響に配慮しつつ実施できるようにしたいと、こういうことをおっしゃったんですかね。長短金利引下げは、まあ追加緩和の手段のことだと思いますけれども、重要な選択肢の一つであると、こういうことをおっしゃったようで、マイナス金利深掘りを選択肢とする意思を表明したと。やるかやらないかは別としてですね、そういう手段、方法もあるんだよと。
 これは、総裁も全く同じと考えてよろしいですか。

#162
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、このイールドカーブコントロールを入れて以来現在まで適切に機能しておりますので、この枠組みを変更する必要はないと考えておりますが、その下での具体的な運営については、より効果的で持続的な金融緩和を実現する観点から、現在点検の対象としているわけであります。
 イールドカーブコントロールについてはこれまで二つのことを申し上げてまいりまして、まず、ゼロ%程度を操作目標としている長期金利につきまして上下におおむね〇・一%の倍程度変動することを想定していると、それから、超長期金利については、総括的検証において超長期金利の過度な低下は保険や年金など運用利回りの低下などの影響を及ぼす可能性があるということを指摘したわけであります。
 他方で、現在は、感染症の拡大が経済に打撃を与える中で、債券市場の安定を維持してイールドカーブ全体を低位で安定させるということが大事な状況であるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、今週の金融政策決定会合でこうした点について議論する予定でありまして、現段階で点検結果を先取りするようなことは差し控えたいと思いますけれども、従来から申し上げているそのイールドカーブコントロールの枠組みを変える必要はないということははっきり申し上げられると思います。

#163
○渡辺喜美君 世間の関心はETFとかREITなんでしょうけれども、私は、再三申し上げるように国債、やっぱりこれが王道だと思いますよ。
 せっかく財政金融一体政策でいいコンビネーションが始まったんですけど、この前も御指摘申し上げたように、政府預金がやたら増えているんですね。七十七兆円ですよ、直近の政府預金がね。これ、金融政策上何か効用があるんですか。

#164
○参考人(黒田東彦君) もちろん日銀は国庫として国の資金を政府預金として預かっておりまして、この政府預金は、一方で国による税金とか社会保険料の受入れ、他方で公共事業費とか年金の支払、それからまた、国債の発行の代わり金の受入れとか逆に償還といった要因で上下に変動するわけであります。
 こうした政府預金の動きは日本銀行の金融政策運営においては言わば外生的な要因でありまして、政府預金の変動が日銀当座預金との間の資金の受け払いを通じて日銀当座預金の残高に影響を与え得るわけですけれども、日本銀行は必要があればそうした影響を日々のオペで相殺すると、調整するということができますので、政府預金の動きが金融政策の効果に直接的な影響を及ぼすということはないというふうに言えます。

#165
○渡辺喜美君 まあ要するに、麻生大臣が隣にいて非常に言いにくいと思いますけれども、まあただの水膨れということですよね。
 では、麻生大臣、これ、年度末までに使い切ること可能なんですか。

#166
○国務大臣(麻生太郎君) 最後の質問ですけれども、確かに令和三年の三月十日の政府預金が七十七兆二千億と、これはもう例年より非常に大きな額になっておりますけれども、これはもう新型コロナへの対応として一般会計の歳出が七十九兆四千億ということになった、巨額な補正の追加を計上しておりますし、これらの執行に備えましてあらかじめ資金というのを調達したことなどによってこれは巨大なというか大きな額になっておりますので、年度途中でこういった時点で生じるものだと考えております。
 具体的には、補正予算のうちに資金繰りの支援というものについて、新型コロナの影響が不透明な中で、年度末、もうすぐに控えておりますので、十分な資金を確保していること、そして新型コロナの予備費につきましても一定の残額が生じていることなどによるものだと思っております。
 他方で、家計とか企業につきましての給付金につきましては、これ執行率ほぼ八割行っておりますので、おおむね着実に執行がなされているところだと思っておりまして、財政出動が円滑に行われていないというような御指摘もありますけど、そんなことはないと、私どもはそう思っております。
 いずれにいたしましても、今後とも予算を着実に実行というか施行をしていくということで、新型コロナへの対応等々、きちんと対応をして万全を期したいというように考えております。

#167
○渡辺喜美君 三月十日現在で七十七兆円ですからね。三週間でどうやって使うんだろうと余計な心配をしております。
 この続きは来週やらせていただきます。
 ありがとうございました。

#168
○委員長(佐藤信秋君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────

#169
○委員長(佐藤信秋君) 所得税法等の一部を改正する法律案及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。麻生財務大臣。

#170
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、所得税法等の一部を改正する法律案につきまして御説明を申し上げます。
 政府は、ポストコロナに向けた経済構造の転換及び好循環の実現、家計の暮らしと民需の下支え等の観点から、国税に関し、所要の改正を一体として行うため、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明を申し上げます。
 第一に、ポストコロナに向けた経済構造の転換及び好循環の実現を図るため、デジタルトランスフォーメーション及びカーボンニュートラルに向けた投資を促進する措置を創設するとともに、認定事業適応法人の欠損金の損金算入の特例を設けることといたしております。また、中小企業の経営資源の集約化による事業再構築等を促すための準備金制度の創設等を行うこととしております。
 第二に、家計の暮らしと民需を下支えするため、住宅ローン控除制度の特例の延長等を行うこととしております。
 このほか、土地の売買等に係る登録免許税の特例等について、その適用期限の延長や整理合理化等を行うこととしております。
 次に、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 日本経済につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあります。政府として、令和三年度予算等により、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている国民の命と生活を守るため、感染拡大防止に万全を期すとともに、将来を切り開くため、中長期的な課題を見据えて着実に対応を進めてまいります。少子高齢化に伴う構造的な課題に直面している日本の財政は、新型コロナウイルス感染症に対応する中で、より厳しい状況にあります。引き続き、二〇二五年度のプライマリーバランスの黒字化等の達成に向けて、これまでの歳出改革の取組を継続し、経済再生と財政健全化の両立を図ってまいります。
 こうした中、最近における国の財政収支が著しく不均衡な状況にあることに鑑み、令和三年度から令和七年度までの間の財政運営に必要な財源の確保を図るため、これらの年度における公債発行の特例措置を定めることとし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明を申し上げます。
 令和三年度から令和七年度までの間の各年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書の規定による公債のほか、当該各年度の予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができることとする等の規定を整備することといたしております。
 以上が、所得税法等の一部を改正する法律案及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。

#171
○委員長(佐藤信秋君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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