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2021/03/22 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 法務委員会 第3号 令和3年3月22日
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2021/03/22 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 法務委員会 第3号 令和3年3月22日

#1
令和三年三月二十二日(月曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 香苗君
    理 事
                磯崎 仁彦君
                豊田 俊郎君
                真山 勇一君
                伊藤 孝江君
                清水 貴之君
    委 員
                小野田紀美君
                中川 雅治君
                福岡 資麿君
                森 まさこ君
                山崎 正昭君
                山下 雄平君
                渡辺 猛之君
                難波 奨二君
                谷合 正明君
                川合 孝典君
                山添  拓君
                高良 鉄美君
                嘉田由紀子君
   国務大臣
       法務大臣     上川 陽子君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  小野田紀美君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局民事局長   門田 友昌君
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   吉崎 佳弥君
       最高裁判所事務
       総局家庭局長   手嶋あさみ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   政府参考人
       内閣府男女共同
       参画局長     林  伴子君
       警察庁長官官房
       審議官      堀  誠司君
       法務省大臣官房
       政策立案総括審
       議官       竹内  努君
       法務省大臣官房
       審議官      山内 由光君
       法務省民事局長  小出 邦夫君
       法務省刑事局長  川原 隆司君
       法務省矯正局長  大橋  哲君
       法務省保護局長  今福 章二君
       法務省人権擁護
       局長       菊池  浩君
       出入国在留管理
       庁次長      松本  裕君
       外務省大臣官房
       審議官      田島 浩志君
       外務省大臣官房
       審議官      高杉 優弘君
       文部科学省大臣
       官房審議官    高口  努君
       文部科学省大臣
       官房審議官    塩見みづ枝君
       厚生労働省子ど
       も家庭局児童虐
       待防止等総合対
       策室長      岸本 武史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○令和三年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、令和三年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、令和三年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (裁判所所管及び法務省所管)
    ─────────────

#2
○委員長(山本香苗君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府男女共同参画局長林伴子さん外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(山本香苗君) 去る十八日、予算委員会から、三月二十二日の一日間、令和三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#5
○渡辺猛之君 おはようございます。自由民主党の渡辺猛之でございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 まずは、先日、三月七日から十二日まで開催をされました京都コングレスについてお伺いをいたします。
 コロナ禍で初の大規模国際会議ということで、法務省を始め関係者の皆様方におかれましては、感染防止対策に細心の注意を払っていただいたものと思います。おかげで一人の感染者も出さず、無事終了されましたことに、まずは感謝と敬意を申し上げたいと思います。
 さて、今回はオンラインも積極的に活用され、過去最多の各国政府代表者が参加し、京都宣言が採択され、大変大きな成果を生み出されました。大きな成果があってよかった、大成功でよかったで終わるのではなく、今回の成果を今後どのように展開をしていくのかが重要と考えます。
 そこで、上川大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

#6
○国務大臣(上川陽子君) 京都コングレスにつきましては、六年ぶりの開催ということでございまして、コロナ禍におきまして、大変、国際的にもまた国内的にも大きな課題を乗り越えながら、成功に導くために最善の努力をしてきたところでございます。
 三月七日から十二日までの六日間、国立京都国際会館におきまして開催されたところでございますが、国連の発表によりますと、過去最多となる百五十二の加盟国から、オンライン参加も含めまして約五千六百人が参加登録し、成果文書として京都宣言が採択されたところでございます。
 この京都宣言におきましては、法の支配が持続可能な開発や誰一人取り残さない社会の実現のための礎になるということが確認をされました。そして、今後、国連及び加盟国がSDGs達成に向けて国際協力の一層の推進等に取り組むことなどの指針が示されたところでございます。
 我が国は、まさにホスト国としてこの京都宣言の採択に向けまして努力をしてきたところであります。今後もこのリーダーシップをしっかり発揮していくべく、この京都宣言の実施という分野に、段階にしっかりとかじを切って、これに向けて最善の努力をしてまいりたいと思います。
 具体的に申し上げますと、一つは、我が国の保護司制度等の官民連携、これによりましての再犯防止、この知見を生かした再犯防止、更生保護に関する国連スタンダードづくり、また、司法分野におきましてグローバル人材の育成に向けたユースフォーラム、この開催、さらに、国際協力を一層推進するため、アジア太平洋地域における刑事実務家による情報共有プラットフォームづくり、こうしたことに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 京都コングレスはまさに出発点と位置付けておりまして、国際機関や各国との連携を更に強化しつつ、国際社会においての法の支配の確立を目指す司法外交を次のステージに向けて進めてまいりたいと思っております。

#7
○渡辺猛之君 ありがとうございました。
 ただいまの大臣の御答弁の中でも触れていただきましたけれども、私、今回の京都コングレスの開催に併せて、特筆すべきと考えるのは、今御指摘のありました、サイドイベントとして開催された世界保護司会議だと思っております。
 私も地元で保護司の皆様の活動を見聞きさせていただくことありますけれども、本当に保護司の皆様方の御活動には頭の下がる思いで、感謝の気持ちでいっぱいです。満期釈放者等の出所後の受刑者が社会で立ち直るためには、地域での継続的な見守り、また息の長い支援が必要だと考えます。
 私の地元、岐阜県は土岐市というところで、土岐更生保護サポートセンターというところがございますが、ここでは地域と保護司の皆さん方が積極的連携に取り組むモデルケースということで精力的に活動を展開されておられます。上川大臣にも御視察をいただいたと伺っているところでございます。
 そこで、改めて大臣の御所見をお伺いしたいと思いますが、満期釈放者等に対する地域での継続的な見守りについて、日本が世界に誇る保護司の皆様、この保護司の皆様が果たしていただいている役割について大臣のお考え、そしてまた現状と今後の発展のために取るべき方策についてどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。

#8
○国務大臣(上川陽子君) 京都コングレスのサイドイベントとして、国際的なこの保護司の大会を開催することができました。この会議にも多数の保護司の方々が御参加をくださいまして、SDGsの中は十七のゴールありますが、まさにゴールの十七、十七のゴールのうちのゴール十七がマルチステークホルダーパートナーシップということで、これによっての社会的な問題解決ということがうたわれているところでございます。まさにそのマルチステークホルダーパートナーシップを体現する我が国のこの保護司制度につきまして、大きな発信ができたものと思っております。
 委員も、この保護司の存在に対して、日頃からの取組に大きな感謝と、また応援をしていただいていますことに大変感謝申し上げるところでございますが、この保護司の存在というものを世界的に発信していくということは、日本のこれまでの長い間培われてきた官民連携の実践例として大きな意味があるというふうに強く感じたところでございます。
 満期釈放者への対策を含めまして、再犯防止推進計画加速化プランに基づきまして、政府一体となって、こうした満期釈放後の皆様に対しての重点的課題につきましても重点的、多角的に取り組んでいるところでございます。保護観察期間の終了後におきましても、対象者の方々の求めに応じまして生活相談をきめ細かく行うなど、継続的な見守りにも保護司の方々がしっかりと対応していただいているということでございます。
 委員がお触れいただきましたけれども、私も昨年、一筆書きキャラバンの一環といたしまして、この岐阜県の土岐保護司会を始めとして、保護司会や更生保護法人が地域の拠点となって、また、地方自治体と、地方公共団体等と連携しながら満期釈放者等に対する相談、また支援にきめ細かく取り組んでいらっしゃる例ということで拝見をさせていただきまして、大変胸が熱くなる思いをいたしたところでございます。
 保護司会等の民間団体が地域の拠点となって息の長い支援を実践されているという取組でございますが、満期釈放者等の立ち直りにも非常に重要であるというふうに考えておりまして、法務省といたしましても、再犯防止対策全体の中でその在り方につきましてもしっかりと検討を深めてまいりたいというふうに考えております。

#9
○渡辺猛之君 昨今の災害、また今回のコロナ禍でも寄り添った支援というワードが使われますけれども、まさに保護司の皆様方の活動を拝見をさせていただきますと、寄り添った支援という言葉が本当にふさわしいなと、改めて敬意を表するところであります。これからもしっかりと応援をしていっていただければとお願いをさせていただきたいと思います。
 続きまして、先般の大臣所信において、上川大臣、誰一人取り残さない社会の実現を目指すと力強く示されました。我が国においては、恐らく今後も増加が見込まれる在留外国人の問題、この問題を横に置いて真の共生社会の実現というのは達成できないのではないかと考えます。
 今回の新型コロナウイルス感染症の影響で困っておられる日本人の方が多くいらっしゃるのと同様に、在留外国人の中にもコロナで困っている人は相当数いらっしゃるのではないかと思います。
 在留外国人との共生社会の実現には、地方公共団体との連携、これが不可欠なのではないかと考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、お考えをお聞かせください。

#10
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 在留外国人に着目しました共生社会の実現のためには、委員御指摘のように、地方公共団体との連携が重要であると認識しております。また、コロナ禍におきまして、生活に窮する外国人等からの相談対応等の支援を適切に行い、外国人が安心して暮らせる地域をつくることが重要であると認識しております。
 その上で、出入国在留管理庁では、地方公共団体が運営いたします一元的相談窓口の立ち上げ、あるいは組織運営に関する予算的な措置を講じておりまして、交付金という形で予算的措置を講じております。
 そして、その地方公共団体が運営する一元的相談窓口の対応力を向上するために、出入国在留管理庁といたしまして、外国人在留支援の拠点として、FRESC、外国人在留支援センターを開所し、相談対応などで得た有益な情報を地方公共団体に提供しております。さらに、一元的相談窓口で対応した生活相談や新型コロナウイルス感染症に関して保健所などの関係機関と協力しました事例等をFRESCが収集しまして、地方公共団体に情報提供しているところでございます。
 さらに、当庁が主催し、地域単位で一元的相談窓口職員同士による事例研究や意見交換を行う機会を設け、相談対応の方法等について共有しているところでございます。
 今後、これらの取組を更に一層充実させてまいりたいと思っているところでございます。

#11
○渡辺猛之君 引き続き、この在留外国人の皆様方にも寄り添った支援をしっかりサポートしていただければということを思います。
 続きまして、今回の新型コロナウイルス感染症、これでは、我が国においても、例えばワクチン開発あるいは治験承認のスピードなど、感染症対策そのものの課題が浮き彫りになりました。と同時に、ほかの分野の課題も浮き彫りになっているところであります。例えば、給付金等の配付に時間を要したデジタル化の遅れというのもその一つだと思います。
 また、これは我が国に限ったことではないんですが、新型コロナウイルスはそれぞれの国が奥底に抱えている深刻な問題を表面化させています。それは差別の問題です。誰もが気を付けていてもかかる可能性がある新型コロナウイルス感染症。感染した人への差別や偏見は、本人や家族を傷つけるだけでなく、検査の受け控えなど、感染症対策にも悪影響を与えるものと考えられます。
 そこで、あってはならない新型コロナウイルス感染症の差別や偏見の解消について、法務省はどのように取り組まれているのでしょうか。

#12
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症に関連した偏見や差別は、重大な人権侵害につながるだけでなく、検査の受け控えなど、感染拡大防止策にも支障を生じさせるものであり、決してあってはならないものであります。
 今国会で改正された新型インフルエンザ等対策特別措置法では、患者等の人権が尊重され、何人も差別的取扱い等を受けることのないようにするため啓発活動を行うものとされており、政府の基本的対処方針においても、改正法の規定等を踏まえて、偏見、差別等の防止等に向けた啓発を強化することなどが盛り込まれております。
 そこで、法務省では、従前からの啓発活動等に加え、去る三月九日から、厚生労働省や企業や団体と連携して、感染症を正しく理解し、偏見や差別をなくすことを訴える人権啓発キャンペーンを行うなどしているところであります。
 引き続き、改正法等を踏まえ、啓発活動を推進するとともに、人権相談や人権侵犯事件の調査、救済にも適切に対応し、新型コロナウイルス感染症に関連した偏見や差別の解消に向けて、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

#13
○渡辺猛之君 しっかり取り組んでいっていただきますように強くお願いをしたいと思います。
 続きまして、今国会では法務委員会関係でも多くの重要な法案が審議される予定でありますが、そこで、本来であれば法案審査のときに質問をすべき内容ではありますが、私自身大変興味、関心を持っておりまして、所有者不明土地問題、これは解決すべき重要な問題だと考えておりますので、一点だけお尋ねをさせていただきたいと思います。
 今国会で所有者不明土地問題の解決のための民事基本法制を見直す法案が審議される予定ですが、その概要及び効果について、法務省より御説明をお願いいたします。

#14
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 三月五日に、民法等の一部を改正する法律案及び相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案を国会に提出いたしました。両法律案は、所有者不明土地の増加等の社会経済情勢の変化に鑑み、所有者不明土地の発生予防と利用の円滑化の両面から総合的に民事基本法制の見直しを行うものでございます。
 その概要としては、まず発生予防の観点から、不動産登記法を改正し、これまで任意とされてきた相続登記や住所変更登記の申請を義務化しつつ、それらの手続の簡素化、合理化策をパッケージで盛り込むこととしております。
 次に、同じく発生予防の観点から、新法を制定いたしまして、相続によって土地の所有権を取得した者が法務大臣の承認を受けて、その土地の所有権を国庫に帰属させる制度を創設することとしております。
 さらに、利用の円滑化の観点から、民法等を改正し、所有者不明土地の管理に特化した所有者不明土地管理制度を創設し、また、土地の共有者の一部が不明でも土地の利用、処分を可能にする制度を創設するなどの措置を講じているところでございます。
 両法律案は多面的に問題解決のための方策を講じており、法改正が実現した場合には、これらを適切に実施、運用することで問題の解決が図られていくものと認識しているところでございます。

#15
○渡辺猛之君 ありがとうございました。
 所有者不明土地問題につきましては、法案が実際参議院に送られたときに、恐らくこの問題の専門家であります豊田俊郎先生へあとの質問は譲りたいというふうに思っています。
 今回の委嘱審査の対象には法務省のほかに裁判所も含まれておりますので、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 裁判所では、昨年から民事訴訟手続においてウエブ会議を用いた争点整理の運用を開始されました。そして、新型コロナウイルス感染症対策としてもこの利用が拡大をされていると聞いています。そこで、現在のウエブ会議の運用状況はどうなっているのか、教えてください。

#16
○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、裁判所では民事訴訟手続のIT化の取組を積極的に進めておりまして、現行法の下で速やかに実施することのできるIT化の第一弾の取組として、ウエブ会議等のITツールを用いて争点整理を行う運用を開始しております。
 昨年二月に知的財産高等裁判所及び高等裁判所所在地の地方裁判所の本庁から運用を開始し、昨年の十二月には全国の地方裁判所の全ての本庁に運用を拡大いたしました。
 新型コロナウイルス感染症の影響による社会生活様式の変容ということもあるかと思われますが、裁判所に実際に出頭することなく裁判官や相手方当事者の表情を見ながら協議をすることのできるウエブ会議は利便性が高いという認識が高まったこともありまして、利用件数は順調に伸びております。直近で報告を受けた実施件数ですけれども、本年二月には一か月で延べ八千件以上利用されております。
 ウエブ会議の運用も含めまして、民事訴訟手続のIT化を進めることは、当事者の利便性の向上を図り、裁判を適正かつ迅速に進める上でも重要な課題であると考えております。今後も、国民の皆様の理解を得つつ、積極的にIT化の取組を進めてまいる所存でございます。

#17
○渡辺猛之君 裁判の迅速化、そしてまたコロナ対策という意味でも、ウエブ会議、非常に有用だというふうに考えますので、引き続き進めていっていただければと思います。
 多分時間的に最後になりますが、このコロナ禍においても裁判員裁判は滞りなく開催されているところであります。ただ、やっぱり私たちの裁判所のイメージだと密閉された空間というか、換気が悪いんじゃないかとかいろんな不安があって、コロナが怖いから裁判員裁判に出たくないなという方もいらっしゃるのかもしれません。そういう意味で、裁判員裁判における感染症対策、今、これ、どのように取っておられるのか、お伺いをいたします。

#18
○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、感染症が心配であるとして辞退の申出をする裁判員候補者もいることはいるというふうに聞いてございますが、裁判所としましては、コロナ禍でも幅広い裁判員候補者や裁判員の皆様に安心して参加していただけるよう、十分な感染防止策を講じる必要があると考えてございます。
 具体的には、各地の裁判所では政府の取組や専門家による助言も踏まえまして、裁判員などの方が来庁された際の体調確認、関係者へのマスク着用依頼などを行うほか、選任手続あるいは評議においては、通常より広い部屋で実施して席の間隔を空け、また、法廷では裁判員の各席の間にアクリル板を設置するなどの対応を取っておりまして、このような裁判所の感染防止策は裁判員の方々などからおおむね好意的な評価を得ているものと認識してございます。
 最高裁判所としましても、引き続き、感染防止策の徹底を推進し、国民の皆様に安心して裁判員裁判に参加していただけるよう努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。

#19
○渡辺猛之君 終わります。

#20
○真山勇一君 立憲民主・社民会派の真山勇一です。どうぞよろしくお願いします。
 私も、引き続き、今回は保護司の問題を取り上げたいというふうに思っております。
 先ほどもありましたけれども、今月の七日から十二日まで京都で第十四回国連犯罪防止刑事司法会議、京都コングレス開かれました。この京都コングレスというのは、この会議、五年に一度行われるということで、日本では五十年ぶりというふうに伺っております。コロナで一年延期されましたけれども、会場、オンライン方式でハイブリッドで国際会議を行ったということです。
 私は、やはり、この中で大きなテーマの一つであります世界保護司会議に注目をしたいと思います。
 初日に開かれたこの世界保護司会議、初めての開催と伺っております。コロナのために、保護司、本来ならば、何か全員参加するということで張り切っていたようなんですが、結局代表の方だけの参加ということになりました。ちょっとそれが残念だというような声も聞かれましたけれども、国際交流は十分にできたと言っております。何か日本のお茶を紹介したり、それから会場で世界の保護司の方と一緒に折り紙を折るというような、そんなイベントもできたけれども、ただ、残念ながら、京都の伝統的な日本のいろいろな文化、なかなか触れる機会がなかったのはちょっと残念だというふうにおっしゃっていましたけれども、非常に成功した形で終わったということはよかったと思うんです。先ほどもありましたように、成功で終わったからそれでいいというものではなくて、やはり今後へ役立てていくということが大事だと思うんです。
 世界保護司会議の中で、保護司という言葉がアルファベットのHOGOSHI、HOGOSHIということで紹介をされたということなんですね。この保護司制度は日本独自の制度で、今、フィリピン、タイあるいはケニアなどでこうしたことになじんではいる制度だということなんですが、世界へ向けて今回発信したこの保護司、この手応えはどうでしたか。評価、是非聞かせてください。

#21
○国務大臣(上川陽子君) 今回まさに五十年ぶりになりました、日本にとりましては二回目のこの京都コングレスでありますが、同じ会場で五十年前も開催されたということでございまして、これについては一年遅れて開催となりましたけれども、皆様の大変大きな御協力によりまして、ハイブリッド型で開催をし、そして大成功に終わったものというふうに思っております。
 とりわけ、初日のこの世界保護司会議は今回初めての開催となりまして、まさに我が国の誇るべき保護司制度をより多くの世界の方々にも知っていただく極めて大きな機会となったのではないかというふうに思っております。
 本会議の成果といたしまして、世界、参加された各国の賛同を得て、この保護司を始めとする地域ボランティアの国際的認知の向上や、各国にこれら制度を普及させていくこと、また国連の国際デーとしての世界保護司デーを創設することなどを盛り込みました京都保護司宣言、これを採択をすることができました。京都コングレスの京都宣言と並んで京都保護司宣言を採択できたということは極めて大きな意味があるというふうに思っております。まさにアルファベットのHOGOSHIのこの輪を世界に広げていくという、このスタートという意味では大変大きな手応えを感じたところでございます。
 SDGsでも、誰一人取り残さないという大きな目標の中で、マルチステークホルダーパートナーシップ、ゴール十七でありますが、これをうたっているところでありますが、長い歴史の中で刻み込んできたこの保護司の制度は官民連携のまさにマルチステークホルダーの代表選手とも言えるものであるというふうに思っておりまして、この普遍性、これにつきましては世界の皆様にしっかりとお届けできるものというふうに確信を持っているところでございます。

#22
○真山勇一君 今、大臣の答弁いただいた中に京都保護司宣言というのが出てまいりましたけど、保護司宣言の中で、英文では保護司のことをおっしゃっていたように地域ボランティア、コミュニティーボランティアズという表現をしております。
 日本の保護司、そしてほかの世界各国であるこのコミュニティーボランティアズ、これどんな制度なのか、そして日本との、その保護司の役割、仕事の違いみたいなものは何かあるんでしょうか。

#23
○政府参考人(今福章二君) お答えいたします。
 更生保護に重要な役割を果たしているこの海外の地域ボランティアというものには、今委員も御指摘ありましたとおり、フィリピン、タイ、ケニアなどに日本の保護司制度に類似した制度がございますし、また、ヨーロッパや北アメリカなどには性犯罪者等の支援に携わる地域ボランティアが存在しているものと承知しております。
 それぞれの国におきまして更生保護の法体系が違いますものですから、こういった地域ボランティアの活動対象ですとかその内容には若干の相違が認められますけれども、地域住民のボランティアの立場から罪を犯した人の立ち直りを支えているという点におきましては日本の保護司制度と共通しておりまして、いずれも再犯防止に重要な役割を果たしているものと考えておりますが、中でも日本の保護司制度は約百三十年の歴史を有しておりまして、その長さは際立っているということを承知しております。

#24
○真山勇一君 やっぱり世界各国でもこの犯罪防止、つまり再犯防止、大変重要なことだということで取り組んでいく。
 是非、この保護司、海外に発信をしていただきたいと思うんですが、今出ましたように、宣言の中で世界保護司デーを設立しようということを言われたわけですけれども、世界保護司デー、大臣、どうですか、これ。実現できそうですか。どうですか、感じは。

#25
○国務大臣(上川陽子君) まさに京都コングレスのこの会と、国際会議と対になって進めてきたところに保護司宣言という形で極めて明確に位置付けられた世界保護司デーの創設ということでございますので、日本はリーダーシップを発揮するわけでありますが、様々な地域、特にアジアの地域でもこれまで二回にわたりましてアジアの保護司の国際会議というのをもう二回やってきておりますので、そうした実績も踏まえまして、更に世界に広げていくという意味では非常に地の利があるし、またその意味が大きいというふうに思っておりますので、しっかりと実現すべく推進してまいりたいと思っております。

#26
○真山勇一君 是非、元祖保護司の国ということで、是非リーダーシップ取って、世界保護司デー、保護司の方の非常にこれ大きなやりがいになると思いますので、是非実現を目指していただきたいというふうに思います。
 京都コングレスのことはここまでにしまして、今度、国内の保護司制度、現状についてお伺いをしていきたいというふうに思います。
 お配りした資料一枚目を見ていただきたいんですが、保護司の現状なんです。保護司の身分などと書いてあります。下に図があって、保護司の人員・平均年齢等の推移ということで、統計、これは総務省が出しております更生保護ボランティアに関する実態調査というところから引用したものでございます。
 保護司の定数、全国で五万二千五百人。その保護司の条件、これ読んだら結構すごいんですよね。この条件を全て備えていることということで、社会的信望、人望があること、二番目には時間的余裕がある、三番目、生活が安定していること、四番目、健康で活動力があること。
 それから、職務というところに見ていただきたいんですが、法務省の職員の保護観察官を助けるという役目ですね。保護観察官では十分に保護観察の活動ができない、その活動を助ける役目がこの保護司ということで、職務、ここがまた非常に厳しいというか大事なことだと思うんですが、高度なプライバシー情報が提供されるために、守秘義務が課せられていると。やはり、出所したり非行した少年などのケアをするということで、プライバシー、守秘義務が大事だということ。その一方で、費用ですけれども、給与は支給されずということで、だからボランティアということで活動をされているということなんですね。
 ですから、やはりこの保護司の方たちは、こうした社会に貢献する、自分が役立っているということを、やりがいを感じている仕事じゃないかと思うんですが、その一方で、下を見ていただきたいんですが、下の一番右の棒グラフの上のところに四万七千二百四十五人と書いてある。これ、保護司の現在の人数ですね。定員が五万二千五百ということで、これ、かなり欠員というか足りない、不足しているという事態があるんですが、やはり今一番保護司の深刻な問題は、そのなり手不足ということをよく言われるんですが、法務省としては、この人材を発掘ですね、つまり保護司さんを見付けるということで何か具体的にどういうことをやっていらっしゃるのか、伺いたいと思います。

#27
○国務大臣(上川陽子君) 法務省におきましては、これまで、保護司組織と一体となりまして、更生保護サポートセンターの整備などの取組を推進してきたところでございますが、委員御指摘のとおりでございまして、保護司の適任者の確保がなかなか難しいという課題が実はございます。
 そうした課題に今後応えていくための方法論といたしまして、この保護司さんの負担あるいは不安を軽減するため、幾つかの施策について推進をしているところでございますが、その一つは、今、保護司が主に手書きで作成をしております報告書の作成、また提出、これをウエブ上で行うことができるようにすることによりまして、保護司活動のICT化を図っていこうというところでございます。また、新任の保護司の方が保護観察等を担当する場合などにおきまして、保護司複数指名の推進をし、ダブル、トリプルで体制を組んでいくということであります。また、御自宅でなかなか対面することが難しい昨今でございますので、保護観察対象者等と面接する場所の確保につきましても推進をしているところであります。さらに、地方公共団体を始めとした関係機関、あるいは経済団体との更なる連携強化を努めることとしているところでございます。
 今回の世界保護司会議によりまして関係者の皆さんが大変意識が非常に高まっている状況、この時期が大変重要であるというふうに認識しておりますので、幅広い層からの適任者の確保を図りまして、この世界に誇る保護司制度につきましての持続可能性がしっかりと担保できるように、その活動環境の整備、また保護司活動への支援、これにつきましては全力を注いでまいりたいと思っております。

#28
○真山勇一君 その中身を、やはり不足している中身をちょっと見てみますと、下の図を見ていただきたいんですが、平均年齢という、棒グラフがあります。この棒グラフ見てください。一番右側が六十五・一歳、平均年齢、保護司の平均年齢が六十五・一歳なんですね。それから、もう一つ見ていただきたいのは、棒グラフのところに重なっている折れ線グラフ、女性比と書いてあります。保護司の中の女性の数、これは二六・三%ということですよね。
 これ、今女性の活躍と言われているし、これからこういう保護司の仕事なんていうのはまさに女性の方もうってつけじゃないかなというふうに思うんですけれども、保護司の現状を見てみますと、平均年齢高齢化しているということ、大変高齢化しているということ。それから、女性の保護司が少ない。これ、実は私の実感とちょっと違って、私がこれまで関わってきたところでいうと結構女性の保護司多かったんですが、統計でいうとこれ四人に一人ぐらいしか女性いらっしゃらないということになっているのが、この辺何かちょっと実態と違っているのかなという感じもするんですが、でも、やっぱり女性少ないんじゃないかと思います。
 ですから、若い人と女性を保護司の仕事に是非やっていただくということ、この辺りって大変大事だと思うんですけれども、これについてはどう思われますか。

#29
○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘のとおりでございます。保護司全体に占める高齢の方々の割合は増加傾向にございますし、また、若い世代の方はもとより、女性も含めました多様な方々に保護司になっていただくということについては、これは極めて大きな課題となっているところであります。現在、本当に、多くはないんですけれども、実は二十代の女性にも保護司の方がいらっしゃいまして、大変活躍をされているということにつきましてちょっと御紹介をさせていただきたいというふうに思います。
 法務省におきましても、若い世代にも保護司になっていただけるよう、その負担軽減措置として、先ほど申し上げたようなICT化を進める等の取組をしているところでございます。そして、多くの方々に更に保護司になっていただきたい。特に女性の方々につきましては、本年度におきまして、立ち直り支援に参加していただくための方策などにつきまして女性経営者の方々から御意見を伺う機会を設けるなどしているところでございます。
 社会におきましては、多様性、何よりも大切ですし、また、保護司を始めとする更生保護ボランティアの方々もこの多様性の社会状況に備えていくということは重要な視点でございますので、様々な個性、バックボーンを持つ方々に保護司になっていただくことができるように、今後とも幅広く御意見等をお伺いしながら、必要な取組につきまして進めてまいりたいと思います。

#30
○真山勇一君 やっぱり保護司の方に伺うと、時間的余裕がないという、やっぱり保護司をやるということは時間を割かれるので、実際に生活忙しい方はなかなかできないということとか、それから、やっぱり保護司ってこういう役割だよということを聞かされると、ううん、私できるのかなという、自信がない、新しい方はやっぱり始めるということに対するなかなかそういう自信が持てないというところもあるので、そうした辺りをきめ細かくやっぱり対応していただくということが大事じゃないかというふうに思っておりますので、是非豊富な人材を何とか集めていただきたいというふうに思っております。
 それで、先ほど保護司のなり手がないというところで、大臣の方からいろんな対策なんかも紹介された中で、保護司一人じゃなくて今度は複数でも担当しようというような、そういうお答えあったので、ちょっとこの質問は飛ばして先へ行かせていただきたいと思います。
 再犯防止、やはり保護司の活動の中で、やはり再犯防止というのは大変重要な課題というふうに言えると思うんです。
 二枚目の資料を見ていただきたいんですが、図一、上のところですね、刑法犯検挙者数の中の犯罪者が占めるというその統計、犯罪者の占める割合を示した図なんですけれども、まず棒グラフを見ていただくと、薄い色が初犯者、それから下の方にずっと続いている黒い方が再犯者ということですね。これ、一番右側見ていただくと、初犯者が二十万六千九十四で、再犯者十万六百一。見てみますと、やはり共に減ってはいます。特に初犯者の減り具合というのはとても大きくて、平成十六年のピークから比べるとかなり減っています。再犯者も減っています。でも、この減り方、少し少ないかなということで。これは、分かりやすいのは、その棒グラフでなくて折れ線グラフを見ていただきたいんですが、再犯者率、やっぱり四八・八%。やはり二人に一人ぐらいの人が再犯ということで、だから、いかに再犯を防ぐということが大事だというふうに言えると思うんですね。
 この再犯を防ぐということで保護司がやれること、あるいは制度上で改善の余地というのはないでしょうか。

#31
○国務大臣(上川陽子君) 再犯防止は安全、安心な社会実現のための大変重要な課題でございます。とりわけ満期釈放者の二年以内再入率を見ますと、仮釈放中者と比べますと二倍以上高いと、こうした数字も出ておりまして、特に満期釈放者に対しての息の長い支援、これが重要と考えているところであります。
 近年、こうした状況にもございまして、保護司の方々の中にはこの保護観察期間等の終了後におきましても対象者の求めに応じて生活相談を行うなど、継続的な見守りに御尽力をしていただいている方々がおられます。また、保護司会等が地域の拠点となりまして、地方公共団体と連携しつつ、満期釈放者等に対する相談支援、取り組んでいる事例もございます。
 保護司が息の長い支援を実施されている取組につきましては、特に満期釈放者等の立ち直りに非常に重要でございまして、法務省といたしましても、再犯防止施策全体の中でその在り方につきましても更に検討を深めてまいりたいと思っております。

#32
○真山勇一君 そして、その二ページの、今のページの下を見ていただきたいですが、保護観察事件の年間取扱件数という、これは減っています。これ、保護観察は数は本当にかなりの減り方をしているということなんですけれども、この犯罪とか再犯率も減っているけどそれほどでないけども、この保護観察事件がこれほど大幅に減っているということは何か理由がございますか。

#33
○政府参考人(今福章二君) このグラフの減少幅の一番大きいものにつきましては、いわゆる保護観察、家庭裁判所で保護観察処分を受けた少年、そのうち交通の非行性のみあるという少年群がおりまして、我々交通短期保護観察と称しておりますけれども、その対象者がかなり減っているというのがこの一番大きな原因かと存じます。

#34
○真山勇一君 分かりました。ありがとうございます。今の御時世をちょっと反映しているような感じのものじゃないかなというふうに思いますけれども、よく分かりました。ありがとうございます。
 この今お話ししました再犯ということなんですが、これをどうやって防いでいくかということがやっぱり大きな課題であるということなので、その課題を解決する一つの重要なこととして、対象者の更生、再犯防止に役割をするのが協力雇用主というのがありますね。
 三ページ、三枚目見ていただきたいんですが、これは法務省と厚生労働省が出されている協力雇用主を募集するパンフレットの表紙ですね。なかなかいい表紙じゃないかと、明るい感じでね。やっぱりこういうもので協力雇用主を募集するということを今やっておられるということなんですが、この協力雇用主制度というのはもう大分たつと思うんですけど、うまく運用されているかどうかということについてお伺いしたいと思います。

#35
○国務大臣(上川陽子君) 委員御紹介いただきましたこのパンフレット、協力雇用主の制度でございますが、犯罪や非行をした人を、その前歴を承知の上で、前歴を承知の上で雇用してくださる事業主ということでございまして、刑務所出所者等の就労を確保し、自立更生を促進するために極めて重要な存在でございます。
 協力雇用主の下に雇用されている刑務所出所者等の数でございますが、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響もございまして前年度減とはなっているところでございますが、近年増加傾向にございます。また、刑務所出所者等を実際に雇用する協力雇用主の数、これ十年前と比べまして四倍以上となってきているところであります。出所者等の就労支援対策は協力雇用主を基軸として運用しているという状況でございまして、再犯防止に欠かせないものと認識をしております。
 現在、協力雇用主の方々には、雇用だけではなく雇用を支える環境づくりにも力を発揮していただいておりまして、引き続き、協力雇用主の声を聞きながら、協力雇用主の方々の活動環境の整備に努めてまいりたいと思っております。

#36
○真山勇一君 今大臣お話あったように、その仕事を持っているということと再犯と重要な関係があるということなんですね。
 四枚目の資料を見ていただきたいんです。
 これ、パンフレットの中のページなんですけれども、協力雇用主とはと書いてあるカラフルなページの上段見ますと、やっぱり無職と職業を持っている人では再犯率こんなに違うんですね、やっぱりね。仕事があれば再犯をすることが少ない。刑務所に戻った人の割合を見ても、無職と職業を持っている人でこんなにやはり差がある。
 いかにやはり仕事を見付ける、更生するということの一番大事なことは生活の基盤をつくるということだと、まあ衣食住ということで、特に住むところとか、それから、とにかくお金を稼いで生活を確保しなくちゃいけないということがあるので、本当に仕事を見付けるということは大事だというふうに思うんです。
 これで、下の段、協力雇用主の現状というところを見ていただきたいんですが、上の棒グラフ、協力雇用主への登録、だんだん増えている。今二万件、最近では二万件もう超えているということなんですが、この協力雇用主の数と、実際に雇った方、被雇用者数のその推移というのは何か統計はお持ちでしょうか。

#37
○政府参考人(今福章二君) お答えいたします。
 協力雇用主の数は、先ほどの答弁にもありましたとおり近年増えておりまして、令和二年十月一日現在では二万四千二百十三社、それが平成十八年当時では五千七百三十四社でしたから、順調な伸びになってございます。
 一方で、その登録数に比しまして、実際に刑務所出所者等を雇用してくださる協力雇用主の方の数は、この同じ令和二年十月一日で千三百九十一社、そしてまた、その下で就労をしている被雇用者数でございますけれども、これについては、昨今の社会情勢の影響等もございまして、同日現在で千九百五十九人となっております。これは、一年前の令和元年同日現在からは減少しておりますが、平成十八年四月一日当時と比較しますと、当時は六百五十五人でしたので、全体的には増加傾向にございます。

#38
○真山勇一君 私も全体的には増えているのかなという印象を受けますけれども、やっぱりでも二万四千人余りの協力雇用主、登録されているのに、二千人ちょっとですか、二千人弱ぐらいですか、やっぱりちょっと少ないなと。もっと積極的に雇用していただく、雇っていただくということが必要じゃないかというふうに思うんですね。
 やはり定着するということが難しいのかもしれません。いろんな仕事、協力雇用主の仕事はいろいろあります、建設とかサービスとか製造業とかいろいろこの下のグラフに出ていますけれども、やっぱりマッチングというか、うまくその勤めと本人が合うかということもあると思うんですけど、その被雇用者の、雇用された人の勤務継続期間とか、あるいはどのぐらい定着したんだというような、そういう統計資料がもしありましたら紹介してください。

#39
○政府参考人(今福章二君) お答えいたします。
 保護観察期間が終了した後の実情把握というのはなかなか困難な点もございまして、個々の就労継続期間ですとか職場定着状況の詳細については把握はできておりませんけれども、しかし、平成三十年九月にアンケート調査を実施いたしまして、刑務所出所者等を実際に雇用したことのある協力雇用主さん三百七十七社から、そのうち約四六%に当たる百七十三社の事業主の方々から、この平均的な勤務継続期間が六か月以内であるという回答が出されているところでございます。

#40
○真山勇一君 今のお答えですと継続した者がないということなんですけれども、五枚目の資料を見ていただくと、今お話し、説明してくださったそれがアンケート調査の結果じゃないかと思うんですが、協力雇用主で雇用した人の人数、まあ二人から四人、五人から九人という辺りが大きくなっております。それから、下を見ると、平均的な勤務継続期間どのぐらいですかという答えに、これは六か月以内というところと、あと一年以内、三年以内、この辺りが高い数字を出しておるので、まさにそういうことかなと思うんですが。
 やはりせっかく再犯を防止するという意味でいえば、やはり保護観察期間が終わった後でもどのくらい勤められているのか、そういうことをこの協力雇用主と、あるいは先ほど大臣がおっしゃったように、保護司と協力して追跡調査をやっていくようなことがこれから必要じゃないか、もう少しデータをきちっと取ってやっていくことによって再犯を防止するということは可能じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#41
○政府参考人(今福章二君) 保護観察終了後どこまでフォローできるかという点につきましては、先ほど申し上げたとおり若干の難しさがございますけれども、しかし、職場にどこまで定着したのか、あるいはその要因は何なのかという点につきましては非常に大切な点でございますので、いろんな方法を尽くしながら実態把握には努めてまいりたいと思います。

#42
○真山勇一君 先ほど大臣からもお答えありましたけど、その後も引き続きその対象者の方が仕事をやっているところで見守りを続けていきたいというふうにありましたけど、私はそれがすごく大切だと思うんですね。
 保護司の方からお話伺うと、やはり仕事は就けたけれども、でもやっぱり、なかなかその職場になじめないとか、それから信頼する人ができないとか、いろんな問題をやっぱり抱えているそうなんですね。そのとき相談する一番身近な人は誰かというと、やはり更生がうまくいくまで面倒を見てくれた、支援をしてくれた保護司の方。ですから、結構、保護司の方へ相談の電話などが掛かってくるということがあるんだそうです。
 やっぱり、ですから、協力、それからあともう一つ、ケースとしては、私が知っているケースでは、協力雇用主さん自体が保護司さんをやっている、そういうこともあると思うんですね。そんなに追跡調査難しいことではないので、是非これ実現していただきたいと思うんですけれども、いかがですか。

#43
○国務大臣(上川陽子君) あらゆる手段を講じていく再犯防止の大きな施策の流れの中で、協力雇用主の方々が更に継続して雇用していただくことのできる環境整備というそういう観点からも、今委員御指摘の取組につきましても検討してまいりたいと思います。

#44
○真山勇一君 ありがとうございました。

#45
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 法務委員会で質問するのは初めてなんですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は、京都コングレスを受けての司法外交、また再犯防止並びに性的指向、性自認に関する諸課題について取り上げたいというふうに思っております。
 まず、大臣におかれましては、昨年の秋の時点での所信演説、また、今年の通常国会の所信、共に大変重要視している概念としてSDGsを取り上げられておられまして、私も大変感銘を受けたというか心強く思いました。誰一人置き去りにしない、取り残さないという大変重要な概念であり、これ、全世界で全会一致で採択された、国連で採択されたものなんですけれども、各省の各委員会の大臣所信でそれを正面から取り上げる大臣というのは、外務大臣はあると思うんですけど、ほかの役所じゃなかなかなくて、その意味では、法務省、法務大臣としての所信で出てきたということでございまして、大変感銘を受けた次第であります。大臣御自身が自由民主党の中で推進されてきたということも承知をしておりますし、私の方も党の方でそのSDGs推進の責任者を担っております。
 そこで質問ですけれども、SDGsに基づく司法外交として、京都コングレス後のレガシーとして、再犯防止、更生保護に関する国連のスタンダードづくりについて、先ほど来、渡辺先生の質問でも言及されておりますけれども、このスタンダードづくりというのは具体的にどういうものなんでしょうか。どういうことをこれからやっていきたいのか、お答えいただきたいというふうに思っております。

#46
○国務大臣(上川陽子君) 今回の十四回の京都コングレスにおきまして成果文書の大変大きな柱がこの京都宣言でございますが、これ、国連及び加盟国が犯罪防止・刑事司法分野においての取決めをしたわけでありますが、その取組を進めるに当たりましての中長期的な指針となるものということでございます。京都コングレスも含めまして、この分野は五年に一回の国際会議を開催するという意味では、五年間の中長期目標ということにも関わるわけでございます。
 この中で、特にマルチステークホルダーパートナーシップを始めとする再犯防止施策の充実ということでありますが、法の支配を含めまして、このゴール十七ありますが、一番どのゴールにも基盤となるのが法の支配ということでありますし、とりわけゴール十六の法の支配と平和、そして、ゴール十七のマルチステークホルダー、この分野につきましては極めて重要なものであると認識をしているところであります。
 その意味で、今回の京都宣言の中に再犯防止施策の充実という形で詳細な記載がなされたと、そして、それに対して合意がなされたということについては、これは各国共にこれに向けて共通の課題として取り組んでいくと、こういう大きなスタートが切れたというふうに思っているところでございます。
 法務省におきましては、外務省とよく連携をいたしまして、この京都コングレスの成果の展開、これはレガシーというふうに言うわけでありますが、その一つとして再犯防止に関する国連スタンダードづくりを提唱し、その策定、この具体的な策定に向けまして推進をしていく重要な役割を担っているところでございます。
 この国連のスタンダードでありますが、各国におきまして、立法や施策立案の際に参照をされるということを通じまして、各国の施策の充実に重要な役割を果たすというべきものでございます。
 起草に際しましては、このサイドイベントとして開催されました世界保護司会議におきまして、再犯防止の取組に保護司を始めとする地域ボランティアが参画することの有用性等につきまして議論をされました成果、これは京都保護司宣言ということでありますが、これの成果を踏まえまして、我が国におきましては約百三十年の歴史を有する保護司制度等でございます、官民連携の大変重要な機能を持っておりますし、先ほど来の申し上げたマルチステークホルダーパートナーシップという、SDGsの極めて大きな理念の一つであります、このところを含めた再犯防止の知見、これをしっかりと織り込んだものでございます。そして、それを含めて司法外交としてこれから先に向けまして、途上国における国連スタンダードの実施を支援したり、あるいは各国におきましての再犯防止施策の充実に向けましてリーダーシップを発揮していくということであります。
 その意味で、司法外交の元年ということを明確に打ち出しながら、これから五年間の中長期に向けまして、しっかりとリーダーシップを果たすべく努力をしてまいりたいと考えております。

#47
○谷合正明君 よく分かりました。
 司法外交、また国際協力をこれから展開していくということで、どの地域ということをこだわる必要はないのかもしれませんけれども、しかしながら、私自身、ASEAN、特に大変重要だなというふうに今思っている次第なんであります。
 実は、一昨年の十二月、令和元年の十二月に参議院の派遣で、これ副議長班ですけれども、ベトナムを訪問いたしました。ベトナム、ハノイの法科大学を視察をいたしました。ハノイ法科大学内にあります名古屋大学日本法教育研究センターというところでございまして、そこで実際に授業を見学しまして、ベトナムの学生と懇談をしました。日本語でもうやり取りできます。
 そのセンターのポリシーというものは、発展途上国ないし体制移行を経験した国である母国の法の現状、構造的問題を理解し、母国の法制度に対する基礎的な知識及び批判的な問題意識を持つことを通じて、母国に必要とされる法改革に貢献でき、かつ日本との懸け橋となる人材を育成していくということが目的であると。二〇〇七年に設立されまして、現在六十人がそのハノイ法科大学に在籍をされております。ハノイ法科大学の正規授業とその名古屋大学のセンターのダブルスクールということになりますので、大変多忙を極めておりまして、修了できるのは毎年十人前後ということであります。
 卒業生は、法的な思考力、比較法的視点があること、法律用語を日本語で操ることができる等が挙げられまして、名古屋大学を含め、ほかの大学への留学のほか、政府機関、日系企業等に就職をされております。修了生の中には、二〇一六年四月に司法大臣に就任されたレ・タイン・ロン司法大臣もおられますし、副大臣等もおられて、国家中枢人材を担っております。
 そういう意味では、こういう司法外交、司法協力というのは大変重要だなと再認識をした次第なんですけれども、そこで、今、私ASEANと申し上げましたのは、特に自由で開かれたインド太平洋というこの外交の基軸を考えたときに、特に戦略的にこのASEANをしっかりやっていく必要があるのではないかなというふうに思った次第でありまして、そこでこのASEANでの展開の重要性、どう対策を講じていくのか。また、法務省自身の実際の取組も大事だと思っておりまして、ASEAN地域の在外公館へ派遣していくとか国際機関へ派遣していく、そうした交流も必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#48
○国務大臣(上川陽子君) コロナ禍によりまして、弱い立場にある人々の命、生活が脅かされている状況でございます。私もSDGsにつきましてはますますその役割は重要であると認識しておりまして、この誰一人取り残さない社会の実現に向けまして、法の支配に基づく国際秩序の形成や国際協力というのはこれまで以上に重要になってくるものというふうに考えております。
 こうした状況下でございまして、司法外交についてでありますが、これまで以上に戦略的に推し進めていく必要があるというふうに考えておりまして、特に委員が戦略的に取り組むようにということで御指摘がございまして、ASEAN地域につきましては自由で開かれたインド太平洋の実現を図る上でも重要なエリア、地域というふうに位置付けているところであります。
 先ほど御紹介いただきましたベトナム、これは一九九四年にベトナムへの法制度整備支援を開始して以降、二十六年間にわたりまして、法務省におきましてこれは司法外交の大きな柱の一つと掲げております法制度整備支援を実施してまいりました。カンボジア、ラオスなどのASEAN諸国等に対しての法令の基礎、司法制度の整備や運用改善、人材育成等の法制度整備支援を行ってきたところでございます。また、五十八年にわたりまして、ASEAN諸国等の刑事司法実務家を対象にいたしました犯罪防止あるいは犯罪者処遇の分野での国際研修等も地道に積み上げてきたところでございます。世界に五千人強の人々が活躍していらっしゃるということでございます。
 また、先ほどベトナムの方の法科大学院のお話がございましたが、まさに名古屋大学と本当に両輪となって、日本語で、しかも難しい法律の分野におきましての論文も卒論で書かれると、優秀な方は名古屋大学にも留学をされているという地道なこれも取組の実績がございまして、私も行かせていただいて感動して帰ってまいりました。これからのやはり人材の養成という意味でも、母国の日本のみならず海外の中でもそうした方々が活躍をすることに日本として支援をしていくということは国際協力の基本中の基本というふうに思っておりますので、この点につきましては特に委員御指摘のとおり重要なものと思っているところであります。
 また、これまで法務省の職員につきましては、ASEAN地域の在外公館、また国際機関等で勤務させることも司法外交の重要な要素というふうに考えておりまして、直近の三年間では、ASEANの日本政府代表部、また在ベトナム日本国大使館、また国連薬物犯罪事務所、UNODCの東南アジア太平洋地域事務所に新たなポストを設けておりまして、現在法務省職員をASEAN地域に合計二十二名派遣をしているところでございます。さらに本年は、在タイ日本国大使館、在ベトナム日本国大使館、在カンボジア日本国大使館に合計三名の法務省職員を新たに派遣する状況でございます。
 今後も、積極的な法務省職員の派遣だけではなくて、京都コングレス開催時のバイ会談を行ったところでありますが、各国ともに大変高い関心が示されたのが、各国の法務省、司法省と協力覚書、MOCの交換等によりまして、いろんな分野での基盤整備などに日本の力を借りたいと、こうした要請もございまして、ASEAN地域における司法外交のより戦略的な展開とともに、可能な限りよく戦略的な立場でこうした方向性に向かいまして努力をしてまいりたいと考えております。

#49
○谷合正明君 ありがとうございます。
 昭和の時代はメード・イン・ジャパンの時代だったと、平成の時代はメード・バイ・ジャパンの時代であったと、令和の時代はメード・ウイズ・ジャパンだということを言う識者もいらっしゃいます。まさにこの保護司の展開でありますとかというのも、メード・バイというよりはメード・ウイズ・ジャパンの、何というか、基本姿勢で是非取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 それで、SDGsなんですけれども、今日、外務省に来ていただいております。もう大臣の方からもSDGsは大変重要だということでおっしゃっていただきましたが、二〇三〇年がゴールになっております。あと十年であります。
 コロナ禍で各国の進捗状況は停滞しているという指摘もありまして、改めて旗振り役の日本がリードしていくということが大事でありまして、そこで、自発的国家レビューという、自らの意思に基づいて日本がどの程度国内でこのSDGsが進捗しているかという評価、レビューをするというVNRというものがあります。これをしっかりやっていくべきではないかなというふうに思っておりまして、また、法務省においても、目標十六、司法の分野、また目標十七、マルチステークホルダーパートナーシップ、また、全ての目標の基盤だというふうに大臣も言われておりますけれども、まさにそのVNRをしっかりやっていただくとともに、この司法の分野でもしっかりと評価をしていただきたい、その点について外務省の答弁を求めたいと思います。

#50
○政府参考人(高杉優弘君) お答え申し上げます。
 ただいま委員から御指摘のありましたVNR、自発的国家レビューというものでございます。国際場裏でSDGs達成に向けた取組状況をレビューする会合といたしまして、持続可能な開発のための国連ハイレベル政治フォーラム、HLPFというものがございます。こちらに各国が提出する報告書でございます。日本政府は、前回、二〇一七年にこのVNRを提出しております。
 前回の提出から今年でもう四年になります。さらに、様々なステークホルダーのSDGsへの取組が進化してきております。また、昨今、新型コロナ感染症の影響を踏まえてこのSDGsの考え方が改めて注目されていると、こういった状況も踏まえまして、現在、外務省といたしましては、関係の各府省とも連携しながら、今年の七月に予定されておりますこのHLPF、国連ハイレベル政治フォーラムに二回目となるVNRを提出すべく現在作業を進めております。
 VNRにおきましては、SDGsに掲げられております全ての目標についてフォローアップをする予定でございます。その意味で、あらゆるステークホルダーの参画を得ながら作成していきたいと考えておりますが、特にゴール十六を始めといたしました刑事司法分野におきましては、先般の京都コングレスにおきましても、二〇三〇アジェンダの達成に向けた犯罪防止、刑事司法及び法の支配の推進ということをテーマにSDGs達成のための取組が議論されたと承知しております。
 今後、様々な関係者とも連携しながら、外務省として日本の取組を国際社会にしっかり発信していきたいと考えております。

#51
○谷合正明君 よろしくお願いいたします。
 ちょっと質問を一つ飛ばして、再犯防止、保護司について伺います。
 保護司の役割というものは大変大きく、京都コングレスにおきましても、開催された世界保護司会議では保護司の国際発信がなされたところでございます。一方、日本国内では、保護司の担い手不足、また高齢化という問題がございまして、先ほども真山議員からも御質問がございました。私も、政務官の地元でもある岡山の保護司さんの声も聞いてまいりましたけれども、改めてこの保護司に対する支援ですね、しっかり強化していく必要があると思っております。
 とりわけ、その女性の保護司の比率が上昇傾向にあるという明るい兆しもあります。この機会を捉えて、女性の保護司も活動しやすい支援が必要と考えます。女性保護司の活用策、あるいは女性保護司のその重要性というものはどういうものなのか、また、女性保護司を増やすためにどういう環境整備していく等々、女性保護司に関していろいろ取り組んでいらっしゃると伺っておりますので、小野田政務官に答弁を求めたいと思います。

#52
○大臣政務官(小野田紀美君) 御指摘のとおり、保護司全体の数は減少傾向にあるものの、女性の比率が高まりつつあると、多様な方に保護司として活動していただいている現状がございます。
 私自身、全国の法務省関係者等を回る一筆書きキャラバンを大臣、副大臣と共に実施しておりまして、女性を始め保護司の皆様の生の声を聞く中で様々御意見をいただいています。
 とりわけ、女性の立場というふうになりますと、保護観察事件への対応に不安なことが推察されるところですので、例えば複数の保護司で事件を担当する複数指名制度の推進であるとか、また保護観察対象者を自宅に招くことを不安に感じるという方も多くいらっしゃったので、地方公共団体等の協力を得まして、自宅以外で保護観察対象者の方と面接できる場所を確保していくこと。あとは、先ほどちょっと答弁にも大臣からあったんですけれども、研修でちょっと遠くまで出かけたりですとか活動であるとかで長時間家を空けるのがなかなか難しいというような女性の声もありますので、保護司活動のデジタル化やオンライン化なども推進をしていこうというふうに様々取組を行う必要があるというふうに考えております。
 法務省といたしましては、世界に誇る保護司制度を持続可能なものにするために、女性が活動しやすいということは男性も活動しやすい環境でございますし、多様な様々な方々に保護司として参画いただけるよう活動環境の整備に全力を尽くしてまいりたいと思っております。

#53
○谷合正明君 よろしくお願いいたします。
 再犯防止については、マルチステークホルダーパートナーシップということで、今言われた保護司、また就労の場面でいうと協力雇用主、そして住まいの確保ということで更生保護施設があるということで、大臣からも京都コングレス等で度々発信をしていただいております。
 その中で、協力雇用主についてなんですけれども、先ほど数の実態について御報告ありましたけれども、職種についてはどういう実態があるのかについて、まず政府参考人に答弁を求めたいと思います。

#54
○政府参考人(今福章二君) 協力雇用主の登録数は、令和二年十月一日現在で二万四千二百十三社ですが、その内訳、業種別の内訳を申し上げますと、建設業五四・四%、サービス業一六・三%、製造業九・九%などとなってございます。

#55
○谷合正明君 それで、先日、私、少年院や協力雇用主と連携するNPO法人の育て上げネットさんの活動を視察してきました。それで思ったことは、その協力雇用主さんの職種についても、IT系など職種の拡大に向けた取組も必要だなというふうに感じました。とともに、実は、IT系を志望するというか、そういう、例えば少年院の話ですけれども、自分は建設系というよりもIT系の方がいいというふうに、ただ、IT系の職種がなかなかないと。で、IT系の経営者の方に話を聞いたんですけれども、まだ自分たちの企業以外にほかにIT系の企業でそこの協力雇用主になっている人はほとんどいないということで、自分たちが協力雇用主であるということを公表すると、例えば取引先企業との関連でいろいろためらいもあるというようなこともありました。
 そこで、この職種の拡大とともに、社会的認知、この協力雇用主の社会的認知を上げていく、理解増進を図っていくことが必要であるというふうに思っております。また同時に、マルチステークホルダーパートナーシップとして、この協力雇用主と連携する、自立支援を行っているようなNPO法人、こういうNPO法人との連携もますます重要になってくるのかなというふうに思っております。
 こうした点について大臣の御所見を伺いたいと思います。

#56
○国務大臣(上川陽子君) この多様な業種の方々に協力雇用主として活動していただくためにも、広報や、また社会的な認知、評価、こういったことの向上につきましては極めて重要であるというふうに考えております。
 今現在のところでありますが、経済団体への協力雇用主確保に向けましての依頼をさせていただいてまいりました。そして、これからもそうした方向を推進してまいりたいと思います。また同時に、協力雇用主の御功績に対しての栄典や表彰の実施、こういったことにも力をこれからも入れてまいりたいというふうに思っております。
 また、御指摘いただきましたNPO法人との連携ということにつきましても、まさに再犯防止、立ち直り支援のためのマルチステークホルダーパートナーシップというこの軸の、これを展開していく上でも多様な方々との連携は極めて重要というふうに考えております。法務省が一部のNPO法人の就労支援事業者機構に委託いたしまして協力雇用主に対してきめ細かな寄り添い型の支援を行う更生保護就労支援事業は実施しているところではございますが、さらに、このような取組の中で、NPO法人との協力雇用主の連携促進につきましては力を入れてまいりたいというふうに思っております。
 今、少し先進的な事例と皆様から評価されている取組といたしましては、例えば、美祢社会復帰促進センターにおきましてEコマースに係る職業訓練、こういったことの取組、あるいは沼田の就業支援センターにおきましては農業訓練などの形で社会復帰のための様々な新しいプログラムを実施しておりまして、こうしたことが更生保護就労支援事業と連動することによりまして社会復帰がより一層促進していくことができればというふうに考えており、ますます力を入れてまいりたいと思います。

#57
○谷合正明君 よろしくお願いいたします。
 それでは、性的指向、性自認に関して質問に移らせていただきます。
 今日、同性愛者、性同一性障害者など性的マイノリティーの抱える課題の解決は、誰一人取り残さない共生社会、多様性のある社会を築いていく上で大変重要な課題であります。
 二〇一六年以降、いわゆる骨太方針には、性的指向、性自認に関する正しい理解を促進するとともに、社会全体が多様性を受け入れる環境づくりを進めると明記されてきました。地方自治体や民間企業におきましても取組は着実に広がっております。オリンピック憲章には性的指向による差別の禁止が明記されまして、また、大阪・関西万博は二〇三〇年のSDGsの達成を見据えて開催される中、我が国の性的マイノリティーへの取組というのは国際的にも注目されてまいります。公明党といたしましても様々なこれまで取組を進めてまいったところでございます。
 先般、札幌地裁でいわゆる同性婚訴訟の判決も下されたところでございます。政府は慎重な検討を要するという立場でありますけれども、こうした同性婚をめぐる訴訟が提起されており、国民的議論を深めていく必要があると考えております。
 昨年の大臣所信でも、この性的指向、性自認に関しての差別はあってはならないという旨、大臣所信でも述べられておりますけれども、法務大臣として性的指向、性自認に関する差別や偏見の実態をどう認識し、どのように対策を図ろうとしているか、大臣の率直な答弁を求めたいと思います。

#58
○国務大臣(上川陽子君) この性的指向、性自認に関しましては、社会生活の様々な場面におきまして様々な課題が生じているということを認識をしております。
 大事なことは、まさにSDGsの基本的な理念の一つであります多様性を認めるということ、またそれを包摂する力を持つ社会であることということでありまして、法務省におきましても、性的少数者の方々を含めて全ての人々が一人の人間としてそれぞれの個性、また考え方を尊重し、お互いに認め合うことによって人権や尊厳を大切にして、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現を目指しているところでございます。
 もとより性的指向、性自認を理由とする不当な差別や偏見はあってはならないことでございますが、これに関しまして、昨年一年間の人権相談件数を見てみまして、百八十二件、そのうち人権侵犯事件数が十七件に及んでいる状況でございます。差別、偏見の解消は法務省の人権擁護機関でございますので様々な取組をしているところでございますが、例えば、人権啓発の充実のための講演会等の開催や、また啓発冊子等の配布等も実施しているところでありますが、こういったことについて更に充実する必要があるというふうに考えているところでございます。
 そこにいらっしゃる方々の中で、今のような状況、偏見にさらされ、また、いらっしゃる方々のところのお気持ちにしっかりと向き合い、また寄り添うことができるように、こうした様々な活動につきましてもそういう視点で取り組んでまいりたいと思いますし、引き続き、この多様性と包摂性というところが誰一人取り残さないというところの大きな理念でございますので、そうした共生社会の実現は、これは待ったなしの課題であると認識しております。

#59
○谷合正明君 関連しまして、同性の外国人パートナーに付与される在留資格について伺います。
 これも多分この委員会で度々質疑があったかもしれませんけれども、外国人双方の本国で有効に婚姻が成立する場合には、平成二十五年の通達で、本国と同様に我が国においても安定的に生活できるよう人道的観点から配慮し、同性婚による配偶者は、在留資格、特定活動により入国、在留を認めることとしています。
 そこで、まず、その平成二十五年通達に基づき同性婚による配偶者に特定活動の在留資格を付与した件数はこれまで何件なのかという数をまず確認したいと思います。
 その上で、実は、その日本人配偶者との同性パートナーになると、日本では同性婚が法的にまだ認められておりませんので、この特定活動による在留、入国というのが認められていないという状況であります。
 平成三十年十一月の参議院外交防衛委員会では、我が党の同僚議員の質問に対しまして、外務大臣からは、同性婚のパートナーが日本人だと入ってこれないというのは明らかにおかしな話なので、外務省から法務省に問題提起をし、政府内で是正すべき、前向きに検討しているという答弁がございました。
 公明党PTとしても既に申入れを行っておりますが、日本人配偶者との同性パートナーについて、相手国で婚姻が成立していれば特定活動の在留資格を付与すべきではないかと考えますが、いかがですか。

#60
○政府参考人(松本裕君) 御指摘の外国人双方について本国で同性婚が認められている場合の特定活動の在留資格を認めた件数は、二十五年十月から令和二年末までの間、取り急ぎ集計した件数として九十三件でございます。
 当事者の一方が日本人の場合の関係につきましては、身分関係の明確性、確実性の点やその把握や確認方法等に課題があることから、これらの課題の対応の在り方について現在検討を行っているところでございます。

#61
○谷合正明君 もう時間がないので、最後、大臣、一言、この点についても前向きに検討すべきではないかと、重く受け止め、我々もPTとしても提言しております。重く受け止めて検討していただきたいと思います。一言だけお願いいたします。

#62
○国務大臣(上川陽子君) 同性パートナーに係る在留資格の今後の在り方につきましては、様々な方々から声をしっかりと聞かせていただき、また何ができるのか検討をしてまいりたいと思います。

#63
○谷合正明君 終わります。

#64
○清水貴之君 日本維新の会の清水と申します。よろしくお願いをいたします。
 性犯罪対策について、まずは伺いたいと思います。特に子供、十八歳未満の子供に対する性犯罪に対してですけれども、大阪府では、子どもを性犯罪から守る条例というのを作っています。これらの罪に係る刑期の満了の日から五年を経過しない者で大阪府の区域内に住所を定めたものは次に掲げる事項を知事に届け出なければいけないということで、名前とか住所とか連絡先などを届け出なければいけないという、こういった条例を作っております。
 こういった条例を制定しているのは大阪府とあとは福岡県ということになっておりまして、こういった取組を地方自治体が行っていることに対して、まずは政府としてはどのような見解をお持ちでしょうか。

#65
○国務大臣(上川陽子君) 性犯罪、特にお子さんのということで今御質問をいただきました。
 被害者の尊厳を著しく侵害し、その心身に長年にわたり重大な苦痛を与えるものでございます。この根絶のためにも、性犯罪者の再犯防止、極めて重要というふうに認識しているところでございます。
 今回、条例の御紹介がございました。大阪府の条例、そして福岡県も同種のものがあるということでございます。性犯罪者の再犯を防止するためには、この刑事司法手続の終了後も地域社会において必要な支援が受けられるようにするということにつきましては重要であるというふうに考えております。
 大阪府のこの子どもを性犯罪から守る条例には届出制度の周知などなお課題もあるようでございますが、性犯罪者の再犯を防止するため、大変意欲的な取組を重ねていただいているというふうに認識をしております。
 法務省といたしましても、引き続き必要な協力を行ってまいりたいと考えております。

#66
○清水貴之君 今大臣からも言っていただいたとおり、やはり課題もありまして、届出制ということなんですね。届出は義務ではあって、しかも過料という罰則も付されているんですけれども、とはいえ、なかなかこれが完全に、じゃ、それが実施されているかといったら、そうではないというところもあります。
 そういった中で、大阪府は法務省に対して出所者情報というのを求めています。帰住者情報、処遇、そして再犯者かどうかといった、こういった情報を求めているんですが、やはりなかなかこういった情報を法務省からは出していただけないというところで、大阪府としてもあくまで出所者の自発的な届出に頼っているところが大きくて、やっぱりなかなかそこの連携がうまくいかないと全体を把握し切れないと、せっかく条例を作っているものの、これをうまく活用し切れていないという問題が生じています。
 こういった様々な情報、個人情報の問題とかプライバシーの問題とか復帰に対しての様々な課題とかいろいろあるんだと思うんですけれども、こういった情報を自治体が求めていることに関して法務省としてはもっと積極的に対応いただけないものかと思うんですが、いかがでしょうか。

#67
○政府参考人(大橋哲君) お答え申し上げます。
 法務省としましては、大阪府のこの条例の制定当時から大阪府の担当者と緊密に連絡を取りながら、大阪府の求めに応じまして、先ほど委員御指摘のとおり、出所者の罪名、それから刑終了日など、それから昨年につきましては性犯罪再犯防止指導の実施結果提供など、提供する情報について逐次検討をしてまいった状況でございます。
 今後も、大阪府からの要請を踏まえて、お出しできる情報について検討を重ねてまいりたいというふうに思います。

#68
○清水貴之君 今おっしゃって、その提供している情報というのが先ほど御紹介させていただいた処遇のところでして、どのような指導を受けてきたかとかこういった情報であって、やはりその本人がどこでどうしているかとか、帰住者情報ですね、こういった情報というのは、やはりこれがないとなかなか特定にもつながらないし、どこで何しているか分からないと。この大阪の条例というのは、再犯防止、そこでその方々とコンタクトを取りながら指導をしていく、カウンセリングをしていく、こういったのも含まれた条例ですので、こういったもの、うまく機能しないというのが問題なんですね。
 ですので、処遇の部分は提供はされていると、これ大阪府の方も言っております。でも一方で、帰住者情報とか再犯者かどうかとか、こういった情報は出してもらえないんだという話なんですが、ここの部分はやっぱり難しいですか、出すの。

#69
○政府参考人(大橋哲君) 一般論として申し上げますと、個人の犯罪の経歴に関する情報等につきましては、人の名誉あるいは信用に直接関わるものでございまして、特に取扱いに慎重を要するものということで、今回、大阪府の担当者の方々ともいろいろ議論重ねまして、法務省としてお出しできる情報は大阪府の要請に応じてお出ししているという状況でございます。

#70
○清水貴之君 僕も、全てに対して、社会復帰というのは非常に大事な要素だと思いますので、全てに対してとは言わないんですが、やっぱり子供に対してというところ、そしてまた再犯率も非常に高い状態にあるという中で、やっぱり子供を守ると、プライバシーかそういった再犯の危険性、どっちを取るかって比較考量の問題で難しいとは思うんですが、やっぱりこれ子供が当事者、被害者になってしまいますので、ここはそっちを優先する必要性があるんじゃないかなというふうに思います。
 このプライバシーと社会の安全の考え方についてはどういうふうに考えていますか。

#71
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 一般論として申し上げますと、個人の犯罪の経歴に関する情報でございますので、人の名誉あるいは信用に直接関わる情報ということで、個人情報といたしましても、現行法上、その取扱いに特に配慮を要するものとされていると承知をしております。
 他方で、委員御指摘の安全、安心な社会の実現はかねてより政府として取り組んでいる重要課題でありまして、犯罪をした者等の再犯の防止を含め、関係省庁において各種の犯罪対策が講じられてきたものと承知しております。
 このように、お尋ねの両者でございますが、いずれも重要な利益でありまして、その優劣関係に一概にお答えするのは大変困難かと存じます。

#72
○清水貴之君 これ、今大阪と福岡でやっています、なんですが、あと、じゃ、全国的にはどう対応していったらいいんだというふうな話になってくるかと思います。
 本来はやっぱり国でこういったことにも積極的に取り組んでいく必要があるんじゃないかというふうに思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

#73
○政府参考人(竹内努君) 委員御指摘の大阪府の条例でございますが、十八歳未満の子供に対する性犯罪により服役をした方などを対象といたしまして、その再犯防止のための社会復帰支援を行うという前提として住所の届出義務を課しているものと承知をしております。
 刑事司法手続を離れた方に対してどのような社会復帰支援を行うかということにつきましては、自治事務としてそれぞれの地方公共団体において判断いただくべき事柄というふうに認識をしております。そのため、このように刑事司法手続を離れた性犯罪者に対して国として社会復帰支援のためその住所の届出を義務付けるということにつきましては、その必要性や許容性を含めまして慎重な検討が必要であると認識をしておるところでございます。

#74
○清水貴之君 逆に、教えていただきたい。社会復帰支援を、じゃ、しようとしたときに、出所者がどこでどうしているか、何をしているかというのがもう完全にこれは手が離れてしまって分からない状態だと、なかなか支援の手も差し伸べられないんじゃないかなというふうにこれ思ってしまうんですが、その辺りというのはどう対応しているんですか。やっぱり離れてしまったら、もうあとは各自治体に任せるのか、もうあとは対応できないのか、若しくは自発的にアクセスしてきた方には対応するのかというような形になるのか、どう対応している。

#75
○政府参考人(竹内努君) 委員御指摘の点でございますが、法務省といたしましては、地方公共団体が各地域において大阪府と同様の性犯罪者に対する再犯防止施策を講じることができるようにすることも考慮しなければいけないというふうには考えておりまして、昨年六月に策定されました性犯罪・性暴力対策の強化の方針というのがございますが、それに基づきまして、今年度内に地方公共団体に対しまして出所者情報の提供ができる場合などを取りまとめた資料を作成する、作成、配付するという予定にしておるところでございます。

#76
○清水貴之君 加えて、性犯罪歴がある今度は教員に対する対策なんですが、これ文科省ですかね、わいせつ教員に対して教員免許の再取得を厳しく規制する教育職員免許法、この改正を見送ったと、本来ならば今国会で進めようとしていたが見送ったという話です。
 これも非常に学校の中で大きな問題になっていて、再犯もこれ度々起きてしまっているような事案です。今の制度でしたら、一定期間がたったら免許もまた取れたりとか、自治体ごとの届出とかが、情報共有がうまくできていなくて、どういった教員が存在しているのか、どういった過去のそういった性犯罪歴があるかというのがなかなか情報共有が進んでいないというのも大きな問題ではないかと思います。
 ここもしっかり進めていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#77
○政府参考人(高口努君) お答えいたします。
 文部科学省といたしましては、児童生徒を守り育てる立場にある教師が児童生徒に対してわいせつ行為を行うなどということは断じてあってはならないというふうに考えております。
 今議員が御指摘のように、現行の教育職員免許法などの規定では、性犯罪による場合を含め、例えば禁錮以上の刑に処せられた者は、当該刑の執行後罰金以上の刑に処せられずに十年を経過するまでの間は欠格事由に該当し、教員として教壇に立つことはできないこととなります。また、教員が禁錮以上の刑に処せられたり懲戒免職処分などになった場合、その保有する免許状は失効し、それらの情報は氏名などと併せて官報に公告されることとなってございます。
 文部科学省では、各教育委員会による適切な採用判断に資するため、この官報に公告された過去の免許状失効歴に関する情報を過去四十年間分にわたって簡便に参照できる官報情報検索ツールを作成し、これを各教員採用権者に提供して、活用いただいているところでございます。
 この問題に関しては、こうした実効性のある対応を速やかに検討、実行してきているところでございまして、引き続き、可能な限りあらゆる手だてを講じてまいりたいというふうに考えているところでございます。

#78
○清水貴之君 これ、やっぱりスピード感を持った対応が必要だと思うんですが、今国会、これ提出見送った理由というのは何ですか。どこを今調整している状況なんですか。

#79
○政府参考人(高口努君) お答え申し上げます。
 教員の免許状に関してでございますけれども、児童生徒にわいせつ行為を行い、懲戒免職になった者に無期限に教員免許状を授与しないことに関しましては、刑の執行後十年で刑が消滅することなどとの均衡上、法制的にこういうことが取ることができなかったということでございます。

#80
○清水貴之君 今国会はなぜ、今なぜ見送っている状態になるんですか。

#81
○政府参考人(高口努君) お答え申し上げます。
 今申し上げましたような法制的な課題が十分クリアできなかったということで、今国会の提出はできなかったというところでございます。

#82
○清水貴之君 加えて、無犯罪証明書、日本版DBSについて、これも有効ではないかという議論もされているかというふうに思います。
 これも、犯罪が社会に拡散すると社会復帰の妨げになるのではないかといった課題、これ大臣も述べられているということですが、よくイギリスなどで進んでいるというこの例が紹介されるところではありますけれども、こういった対策というのも進めていく、有効ではないかと思いますが、いかがでしょうか。これ、大臣じゃないかもしれません、済みません。

#83
○委員長(山本香苗君) どなたがお答えになられますか。
 上川法務大臣。

#84
○国務大臣(上川陽子君) 現行法におきまして、前科がある者を特定の職種に就かせない方法として、一定の前科があることを国家資格の制限事由、欠格事由とし、当該資格の主務行政官庁から対象者の本籍地の市区町村に照会する方法でその該当性を確認しているものと承知をしているところでございます。
 子供が性犯罪、性暴力の被害に遭うということは断じてあってはならないことでございまして、性犯罪、性暴力対策の強化方針に沿って各種施策を進めること、これは、チルドレンファーストの視点に立って諸課題に対応することの重要性ということで重く受け止めているところでございます。
 その上でということでありますが、犯罪者の社会復帰を実現させつつ、子供への性暴力、性犯罪を防止する目的をいかに達成するかということでございまして、その際、子供を扱うどの職種に就かせないこととするのか、また、いかなる前科がある者を対象とするのかなどにつきまして、法律により明確化することが前提となるものというふうに考えております。
 法務省といたしましては、犯歴に係る情報の取扱いは慎重であるべきことを前提に、子供が性犯罪、性暴力におびえることなく伸び伸びと過ごせる社会をつくるために、教育等の業務を所管する関係省庁に対しましてどのような協力が可能かなど、知恵を絞ってまいりたいと思います。
 証明書の問題につきましてもそのうちの一つということで御提言をされているところでございますので、あらゆる角度から検討をしてまいりたいと思っております。

#85
○清水貴之君 これ、済みません、三の方で通告を入れていたんですが、この性暴力に関係するので、ワンストップ支援センター、内閣府さんですかね、お答えいただけたらと思うんですけれども。
 ただ、今、ワンストップ支援センターを進めているということですが、地域によっての差があったり、なかなか経済的に支援を受けられないとか、これも課題も見えてきているということなんですね。この辺りについての対策、取組、教えていただけますでしょうか。

#86
○政府参考人(林伴子君) お答え申し上げます。
 性犯罪、性暴力の被害者のためのワンストップ支援センターは、被害を受けられた方がワンストップで医療的、心理的支援を受けられるようにするというものでございまして、全都道府県にございます。
 このワンストップ支援センターで被害者の医療費を負担しておりますが、被害者が居住する都道府県外での被害等について取扱いが異なるという課題がございました。それで、私ども、昨年十二月二十五日に、急性期の医療的支援、例えば産婦人科で証拠を採取したり、緊急避妊薬を服用したり、こういったことございます、こうした急性期の医療的支援を必要とする被害者がワンストップ支援センターを通じて医療機関を受診した場合に、被害者の居住地及び被害の発生地にかかわらず、そのワンストップ支援センターを所管する都道府県において医療費支援の対象とするよう、都道府県所管課に私ども男女共同参画局男女間暴力対策課長から通知を発出したところでございます。
 医療費支援については、性犯罪・性暴力被害者のための交付金により都道府県に対し三分の一の補助を私どもの方から行っておりまして、引き続き被害支援の充実に努めてまいります。

#87
○清水貴之君 続いて、ああ、こういった取組はいいなというような取組なんですが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いまして全国的に医療用のガウンとかマスクが不足していたところ、これ、矯正施設の中でそういった生産、刑務作業として生産を進められ、かなりの枚数、既にこれ全国規模で行ったということで、非常に多くの医療機関とかも助かったんじゃないかなというふうに思うんですけれども、こういった取組を進めるに至った経緯とかその結果とか、こういったところを教えていただけますでしょうか。

#88
○政府参考人(大橋哲君) お答え申し上げます。
 矯正施設でのマスク、防護服、あるいは医療用のアイソレーションガウンにつきましては、社会の要請を受けまして、マスク、防護服については、民間企業等からの契約に基づいて受注いたしまして、本年度においては令和三年二月末現在までにマスクについては三十一施設において約百十一万枚、防護服については五施設において十一万枚を生産しております。また、医療用のアイソレーションガウンにつきましては、厚生労働省からの依頼を受けまして作成しておりまして、全国で四十二の刑事施設で作成しておりまして、二月末現在、約百三十六万着を都道府県に納付済みでございます。

#89
○清水貴之君 特にマスクなんかも、マスク外交なんかも言われたりして、国内生産がどれだけ少なかったのかと、足りていないのかというのがよく今回の件で分かったと思うんですが、こういったこと、どうでしょう、継続していく意義、意味もあるんじゃないかなと思いますが、今後についてのその取組を聞かせてください。

#90
○政府参考人(大橋哲君) お答え申し上げます。
 これらの刑務作業を通じまして、社会に貢献できているということについて受刑者から特に喜びとやりがいを感じているというふうに聞き及んでおります。受刑者自らが社会に役立つ存在であり得るという自己肯定感を高めさせて、改善更生に寄与するものであると考えておりまして、今後も、社会からの要請に応え、受刑者の円滑な社会復帰と新型コロナウイルス感染症の早期収束化に向けて刑事施設としても積極的に取り組んでまいりたいと思います。

#91
○清水貴之君 終わります。ありがとうございました。

#92
○川合孝典君 国民民主党の川合孝典です。
 本日も、前回に引き続きまして、在留外国人をめぐる課題について幾つか確認をさせていただきたいと思います。
 実務的なところから確認させていただきたいと思いますが、現在、コロナ禍における技能実習生の雇用継続のために特例措置が講じられているということは皆さん御承知のとおりということで、感染症の影響等によって実習の継続が困難となった技能実習生や特定技能外国人に対して、特定活動の在留資格を付与することで日本国内で働き続けられる状況を今つくっていただいて、この特例措置が現在運用されております。
 これ、まず確認ですが、現時点でこの特例措置に基づく特定活動の在留資格を付与されている方の人数は何人ぐらいになっていますでしょうか。

#93
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 本年三月十五日時点の速報値でございますが、御指摘の特例措置により特定活動の許可を受けた方は四千三百五十七人となっております。そのうち、元技能実習生だった方で許可を受けた方は三千八百四十八人となっているところでございます。
 以上でございます。

#94
○川合孝典君 ありがとうございます。
 大臣にお伺いをしたいんですが、今回のこの特例措置についての評価、分析といったようなものをもししていらっしゃるのであれば、法務省としての評価をお教えいただきたいと思います。

#95
○国務大臣(上川陽子君) 今回の特例措置によりまして四千三百五十七人の方々が引き続き就労できるようになったこと、そして、国内で、日本の国内で安定した生活の維持につながったと考えているところでございます。
 また、許可を受けた方を分野別に見てみましても、コロナ禍におきまして人手不足分野の人材確保の一助になったというふうに思っているところでございまして、飲食料品の製造業とか農業、また建設、介護の順となっているということから見ても、そうした意味で大変重要な戦力となったなというふうに思っております。
 この新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によりまして本国への帰国が困難な状況がいまだ続いているということでございますので、本例特例措置で在留されている方に対しましても、帰国ができる環境が整うまでの間、引き続き本邦での就労を認める予定でございます。

#96
○川合孝典君 ありがとうございます。非常に弾力的に当時運用していただいたと思っておりますので、私もこの制度については非常に評価しておるんですが。
 今大臣少し触れていただいたんですけれども、確認させていただきたかったのは、今回、この特例措置が運用され始めたのが去年の四月二十日ということでありまして、この特定活動の在留期間は最大一年間という期限が決まっております。したがって、この措置が始まった四月二十日以降、この特定活動の方で在留資格を得た方は期限が来た場合にどうなるのかということについての確認をさせていただきたかったということであります。
 ということは、今、上川大臣がおっしゃったように、仮にこの在留資格一年間の期限を迎えた方についても、コロナが収束するまでの間は今の形で国内で雇用が継続されるということで、そういう理解でよろしいですか。

#97
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、帰国が困難な状況が現在におきましても継続しておりますところ、技能実習生等から在留資格変更につきましては、特定活動一年を許可する方向で検討しておりますとともに、さらに、現在、雇用維持支援、特定活動一年で在留中の者につきましても在留期間の更新を許可する方向で検討しているところでございます。

#98
○川合孝典君 もう一点確認なんですけれども、この特定活動の在留資格者の方々は、何らかの事情で雇用が継続できなくてという方がその中に多く含まれているということで、現在、いわゆる実習先と申しますか、働いている先が従来の目的とは違うところで働いていらっしゃる方が大勢いらっしゃるはずなんですが、そうした方々がこのいわゆる特定活動というところから離脱できた状況になったときに、今後その通常状態に戻ったときに、従来の技能実習のその研修先、実習先というところに何か戻すというような、そういうことになるんでしょうか。今働いていらっしゃるところでそのまま働き続けられる環境になるのかということ、ちょっと細かい話なんですけど、確認させてください。

#99
○政府参考人(松本裕君) 御指摘の点につきまして、基本、現在与えておりますその在留資格に基づいてというところを中心に考えておるところでございますが、その元技能実習生の方の意向もございます。あるいは実習実施先の意向というものもございます。その点うまくマッチングできるように柔軟に対応してまいりたいと思います。

#100
○川合孝典君 そうなんですよね。要は、仕事がなくて移動されているということなわけですから、コロナが収束したから戻れるかどうかというのも正直分からないというのが実態だと思うんです。そういう方々がきちんと仕事できる、実習ができるということですね、環境を整えるためにどうマッチングの支援を行うかとか、監理団体とどう連携するのかということが非常に重要になってくると思いますので、その点是非対応をよろしくお願いしたいと思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 前回の法務委員会で指摘があった名古屋の出入国管理局内の収容施設でスリランカの女性の方がお亡くなりになられた事案についてということですが、これ、当時、あの折に上川法務大臣が、速やかに事実関係を調査しますということをおっしゃっておられました。その後どのような調査の経過なのかということについてお伺いしたいと思います。

#101
○政府参考人(松本裕君) 御指摘の今月六日、名古屋出入国在留管理局の被収容者の方が亡くなられた事案につきましては、これも御指摘のとおり、法務大臣から、死亡に至る経緯や対応状況などの正確な事実関係を速やかに調査するよう指示があったところでございます。
 この指示に基づき、まず本庁職員による調査チームを立ち上げました。さらに、大臣からは、法務大臣からは、先週、出入国在留管理庁に対しまして、外部の専門家などの方々に調査に加わっていただくよう指示がございまして、その点の検討を今行っているところでございます。
 これまでの調査状況といたしましては、検察官の身分を有する者を含む調査チームの職員が関係記録の収集や精査、分析を進めるとともに、現地名古屋に赴きまして、診療室の医師や看護師、収容施設の関係職員、外部病院の医師のほか、今回の事案の経緯をよく把握されておられる関係者の方からの聞き取りを行い、あるいは所要の医療記録の入手のために必要な調整を行うなどの調査を行ってきております。
 亡くなられた方の死因につきましては、現在その究明作業が行われていると認識しておりますが、現時点においては未判明で、なお調査が継続されると認識しているところでございます。
 調査チームにおきましては、まずは記録の分析及び聞き取りの結果に基づいて、亡くなられた方の健康状態の推移や診療経過などの客観的な事実関係を速やかに取りまとめるべく作業を進めており、できる限り早期にそういった事実関係を適切な形で明らかにしてまいりたいと考えております。

#102
○川合孝典君 三月の六日、で、三月の七日には法務大臣が調査を指示なさっているわけです。既に半月たっています。死因が分からないという意味が分からないんですけど、どういうことですか。

#103
○政府参考人(松本裕君) 現在、一定の手続に基づいて、亡くなられた方の解剖結果等の分析、検討が行われているというふうに認識しているところでございます。解剖結果に基づいたその分析が現在行われているところでございます。

#104
○川合孝典君 何解剖をされているんですか。

#105
○政府参考人(松本裕君) 我々の行政調査とは別の司法関係の手続における解剖でございます。

#106
○川合孝典君 御説明だけ聞いていると、要は、そのうち出てくるということはおっしゃっていますけれども、それが一体いつ出るのかということについては全く分からないですね。そういうことがこれまでも何度も何度も繰り返されてきているわけですよ。それが、今回こういうことを放置しておくことが今後再発を招くことにもなりかねないということで、わざわざこの場で問題指摘させていただいているわけです。
 大臣、改めてこれ、この問題なんですけれども、至急速やかに調査結果を公表できるように調査を急がせるようにしていただきたいと思うんですが、いかがですか。

#107
○国務大臣(上川陽子君) 第三者の方々の御協力も含めまして今指示をしております。私もスピード感を持ってしっかりと取り組むようにということも併せて指示をしているところでございますので、委員の御指摘に対しましては真摯に受け止めてまいります。

#108
○川合孝典君 この収容施設の医療提供体制についてちょっと確認をさせていただきたいと思いますが、この収容施設のドクターは常勤ですか、非常勤ですか。それから、緊急、いわゆる急患の場合の対応がきちんとできるようになっているんですか。

#109
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 名古屋出入国在留管理局におきましては、常勤医師は配置されておらず、非常勤医師のみが勤務している状況でございます。令和二年度、本年度はその非常勤の医師は二名でございまして、一名は内科、呼吸器内科、アレルギー科、もう一名は整形外科でございます。
 これら非常勤医師の判断を踏まえまして、必要に応じて外部病院への搬送等も行っているところでございます。さらに、休日、夜間及び非常勤医師不在の際に急病人が発生した場合には、必要性を踏まえまして外部病院への救急搬送により対応することといたしております。
 以上でございます。

#110
○川合孝典君 一月頃から既に嘔吐を繰り返していたという報道が出ているわけですよね。それを当然この非常勤の医師の方が何らかの形で診察されていると思いますが、カルテ残っていますよね、ちゃんと。

#111
○政府参考人(松本裕君) 詳細は今調査中でございますのでお答えは差し控えさせていただきますが、中での診療記録等々を今確認をしているところでございます。これは外部病院についても同じでございます。

#112
○川合孝典君 詳細を差し控える、中身のことを聞いているわけじゃなくて、カルテがあるかないかを聞いているんですよ。ごまかさないでください。

#113
○政府参考人(松本裕君) 申し訳ございません。
 そういう点においては、中での、収容施設内での非常勤の医師が対応した記録というのがございます。

#114
○川合孝典君 すぐにもう一度確認してください。その上、報告してください。
 全国の入管施設の、収容施設の医療提供体制というのは、これは今の名古屋の入管と同じような感じですか。

#115
○政府参考人(松本裕君) 全国的な視点で申し上げますと、現在、主な入管収容施設には診療室を設けておりますが、診療室に常勤医師が配置されておりますのは大村入国管理センターのみでございます。その他の施設におきましては、先ほど申し上げましたように、非常勤医師あるいは外部病院への搬送により対応しているという状況でございます。

#116
○川合孝典君 最後に一つだけ、もう一つ確認させていただきたいと思いますが、体調がおかしくなって入院を希望されたけれども、結局、入院の希望はかなえられなかったという報道が出ています。事実関係も含めて今調査されているのかもしれませんが、入院の可否を決めるのはどなたですか。

#117
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 一般論で恐縮でございますが、基本、その非常勤の、名古屋の場合ですと非常勤の医師、常勤の医師がいるところは常勤の医師に相談をして外部病院に連れていき、その外部病院での診察を踏まえての判断になるものと承知しております。

#118
○川合孝典君 だから、その外部病院に連れていく判断をするのはどなたですか。

#119
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 一般的には、その収容施設で診察をされた医師の先生の判断を踏まえた対応でございます。

#120
○川合孝典君 ドクターの判断を聞いた上で動くのは当然のことなんですけど、それで、外部の医療機関に診察に行っていただくか、行っていただかなくてもいいと判断するのか、これは入管の話でしょう。それを誰が判断しているのかと聞いているんですよ。

#121
○政府参考人(松本裕君) 継続的にその内部の医者にかかっている場合は医者の判断を踏まえておりますが、容体が医者のいないときに急変等々した場合には収容施設の判断で外部病院に搬送等をしているところでございます。

#122
○川合孝典君 二か月もあったんですよ、体調がおかしいという話が出てから。その間、当然、体調が悪くなってから二か月の間に、非常勤のドクターだって何度も施設で診察されているでしょう。人ごとみたいなこと言わないでくださいよ。
 この問題に関しましては、きちっと正確な情報がつまびらかにされるまで質問し続けさせていただくことになりますので、必ず本日質問させていただいた内容については速やかに情報開示するようにお願いしたいと思います。
 済みません、時間がなくなってきたので次の質問に入りたいと思いますが、在留外国人をめぐる様々なトラブルが生じていることについては既に前回の委員会のときにも御質問させていただきましたが、システム上の問題もさることながら、この在留外国人の方々のいわゆる語学力、日本語力の要は不足が結果的に制度をきちっと理解できていないことにつながっているといったような、そういう指摘も多くされているわけであります。
 行政側もやるべきことをやろうとして努力していただいていることは分かるんですが、その情報に正確にアクセスし切れないことがトラブルの原因になっているという、このことも指摘されておりますが、そこで、素朴な質問なんですけど、技能実習生に在留資格を付与するに当たっての日本語力の基準というのが、今の基準が適切なのかということを聞きたい。お教えください。

#123
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 御指摘の技能実習生に関しましては、介護職種につきましては技能実習計画の認定申請におきまして日本語能力を確認しておりますが、他の職種におきましては日本語能力は受入れの要件とはしていないところでございます。その上で、入国後講習におきましては、監理団体におきまして日本語科目の実施を講習として義務付けたりしているところでございます。
 委員御指摘のように、技能実習生の日本語力というところは非常に大事なところだというふうに認識しておりまして、現在、外国人技能実習機構におきまして、実習現場で使用される日本語を学習するための教材及びアプリを開発しているところでございまして、可能であれば来年度の早い段階でその導入を予定しているところでございます。

#124
○川合孝典君 既に入国されている方にどう語学力を付けて、日本語力を付けていただくのかということの対応という意味では今の説明はいいんですが、今後入ってこられる方々ということで考えたときに、介護職種だけということでは対応し切れないんじゃないんでしょうか。
 大臣の所見、所感としてお伺いできれば有り難いんですけれども、介護職は要介護者の方といろいろなやり取りをする上で、日本語力がないときちっとした介護ができないということで日本語力についてのチェックがなされていますが、ほかの職種だって一緒ですよね。当然、日本語力、コミュニケーション能力がなければ、いかなる職場であろうともきちんとした仕事がやっぱりできないという意味でいくと、介護職種のみならず、日本で在留資格を取って仕事をされる方々については全て一定の日本語力というものを求めるべきではないのかと私は思うんですが、大臣、どう思われますでしょうか。

#125
○国務大臣(上川陽子君) 日本の国内で技能実習の方々がその技能を身に付けていきつつ、また生活をしていくわけでございますので、一定程度のコミュニケーション能力としての日本語を習得していただくというのは極めて重要なことだと思います。
 コミュニケーションの、対人的なコミュニケーションが非常に強く必要な場面、また、介護の現場につきましては、お年を召した方も含めましてコミュニケーションの部分についてはなかなか難しい面もございますので、そういったことについての能力の熟度というものは高いものが要求されると思いますが、全般的に生活をしていくわけでありますので、その意味で日本語能力がある程度維持していくというのは極めて重要だというふうに私は思っております。

#126
○川合孝典君 例えば製造の現場なんかでも同じことなんですが、やはり危険作業を、危険を伴う作業を結構なさる職場というのは多いわけでありまして、日本語能力が、日本語がしっかり理解できていないがために作業手順がきちっと守られておらず、その結果として労災事故が発生する頻度が極めて高くなってしまっているという、こういうことがあるわけであります。
 したがって、ここまでの間どうだったかということについては時計の針を戻すことはできませんので、今後どう対応するのかということについては、これ是非、上川法務大臣のところで御検討いただきたいということを申し上げさせていただきまして、時間が参りましたので、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#127
○委員長(山本香苗君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#128
○委員長(山本香苗君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、令和三年度総予算の委嘱審査を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#129
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 三月十七日、同性婚を認めないのは婚姻の自由を保障する憲法に違反するとして、同性カップル三組が訴えた訴訟で札幌地裁が判決を下しました。同性同士の結婚を認めず、その法的効果を受けられないのは、憲法十四条が保障する法の下の平等に反し、違憲だとしたものです。一斉訴訟の初めての判決であります。
 大臣に伺いますが、法務省としてこの判決を受けて対応を検討していることはありますか。

#130
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘の判決におきましては、原告らの国に対する請求は棄却されたものの、その理由中におきまして、同性愛者に対しては、婚姻によって生じる法的効果の一部ですらも享受する法的手段を提供していないことは、その限度で憲法十四条一項に違反するとの判断が示されたものと承知をしております。
 政府といたしましては、婚姻に関する民法の規定が憲法に違反するものではないと主張してきたものでありますが、その主張が受け入れられなかったものと承知をしております。現段階では確定前の判決でございます。また、他の裁判所に同種訴訟が係属していることから、まずはその判断等を注視してまいりたいと思っております。

#131
○山添拓君 違憲とされたことは重く受け止めるべきだと思います。
 民法や戸籍法は異性同士の間での婚姻しか認めておりません。同性同士の婚姻は認められていません。この点で、異性愛者と同性愛者とは区別されています。判決は、今大臣もお話あったように、その区別には合理的根拠がない、憲法違反だとしたものであります。
 国はこの裁判の中で、この区別は同性愛者の性的指向を差別するものではないと主張していました。同性愛者であっても異性との間で婚姻することはできるからだというわけなんですね。しかし、判決も指摘しているように、同性愛は精神疾患ではありません。意思や治療によって変更できるものでもありません。
 大臣は、今日午前中の質疑の中で、性的指向による不当な差別や偏見、これはあってはならないと述べられました。同性愛者に対して、結婚したいなら異性とせよと、こういう主張をすること自体差別的なんじゃないでしょうか。

#132
○政府参考人(小出邦夫君) 国が行いました主張について事実関係を御説明させていただきたいと思います。憲法十四条一項に違反するか否かの判断基準におきまして、まず判例は、憲法十四条一項が定める法の下の平等は、事項の性質に応じた合理的な根拠に基づくものでない限り法的な差別的取扱いを禁止する趣旨であると判示しております。
 このため、今回の訴訟におきましても、まず第一に、現行の民法七百五十条が異性愛者と同性愛者とで法的な取扱いを区別しているか否かという点がまず問題となりまして、次に、仮に法的な取扱いを区別していると認められた場合には、その区別に合理的な理由があるか否かが問題となります。
 この訴訟におきまして被告である国は、まず第一の区別、法的な区別をしているかどうかという点につきまして、具体的、個別的な婚姻当事者の性的指向の点にその区別を設けたものではない……(発言する者あり)はい。異性愛者であるか同性愛者であるかを問わず、国民は婚姻制度を利用することができるのであるから、この点に法令上の区別は存在しないという主張をいたしました。
 御指摘の、裁判所が同性愛者も異性との間で婚姻することができるというように整理しておりますが、国はこのとおりの主張をしたことはなく、相手方である原告がその主張を基礎付ける証拠として提出した文献の中にこのような記載があるということに言及したものでございます。

#133
○山添拓君 いや、そのことを国としても政府の法解釈の一部として求めてきたからこそ、このような主張整理になっているんだと思うんですね。
 判決は、異性愛者と同性愛者の違いというのは、意思によって選択したり変更したりできない性的指向の差異でしかないのだと繰り返し強調しています。にもかかわらず、異性愛者は婚姻による法的利益を得ることができ、同性愛者には全くない。病院で家族としての面会や付添いや、あるいは手術への同意、こういったものができないなど具体的な問題もあります。
 野党は、二〇一九年の六月、同性婚を法制化する法案を共同提出しています。これは前に進めるべきだということを今日は改めて求めておきたいと思います。
 次に、離婚後の面会交流について伺います。
 民法七百六十六条一項は、協議離婚の際に協議すべき事項の一つとして、父母と子との面会交流を定めています。二〇一一年の民法改正で盛り込まれました。しかし、面会交流は誰かの権利なのか、その法的性質というのは法律上定められておりません。
 家族法研究会が二月にまとめた報告書があります。この点でどのような分析と提案を行っているでしょうか。

#134
○政府参考人(小出邦夫君) 二月にまとめられました家族法研究会の報告書でございますけれども、面会交流につきましてはその法的性質を明示する規律が設けられていないところ、この報告書では、面会交流が子の利益のためのものだという認識については異論がなかったものの、それを権利義務としてどのように構成し、規定するかという点については様々な意見が出されたと承知しております。
 例えば、父母間の取決めなどにより具体的な面会交流の内容が定まった場合には、非監護親の監護親に対する一定の請求権として規律した上で、その権利は子の利益のために行使しなければならないとするような規律を設けるべきとの意見もございましたし、権利義務に関する規律を明確にすると、面会交流が認められない場合はかなり例外的な場合に限られることとなると思われるが、それが子の利益にかなうか否かについては慎重に検討する必要があるとして、規律を設けること自体に慎重な意見などがあったということでございます。
 そのため、報告書では、子の利益に合致する面会交流とはどのようなものかという点に立ち返って慎重に検討する必要があるとしつつ、面会交流の法的性質を明示する規律を設けることの当否や、規律する場合には誰の誰に対する権利又は義務として整理するかなどについて更に検討を進めることが提案されているものと承知しております。

#135
○山添拓君 様々意見が出されているわけですが、少なくとも誰かによる一方的な権利ではなく、子の利益のために、子の意見や希望も踏まえつつ、父母の合意の下に本来行われるべきものだということは多くの共通の認識なのではないかと思います。
 私は先日、全国婦人相談員連絡協議会の皆さんから要望をいただきました。法制審で実態に即した議論を求めるために、全国の会員に緊急アンケートを行われた結果をまとめています。
 例えば、面会交流の中で、学校や住所を聞き出そうとするDV加害者がいる、プレゼントの中に盗聴器やGPSを仕込んで追跡されたケースがある、面会交流を断ることで養育費の減額や未払などにならないか、母は心配しているなど、実態は様々でありました。面会交流中に非監護親が四歳の娘を殺害した兵庫県伊丹市の事件、監護親である元妻を殺害し、自らも自死した長崎市の事件などもありました。
 大臣に伺いますが、面会交流におけるこうした事件やトラブルについて、法務省としての例えば実態把握の調査などはあるのでしょうか。

#136
○国務大臣(上川陽子君) 今委員御紹介をいただいた様々な事例がございます。離婚後の親子が面会交流を実施していた際に、別居している親の故意によりまして子供が亡くなると。誠に痛ましい事件が発生しているということについては承知をしているところでございます。
 それぞれの事案ごとの具体的な、また詳細なことについては私自身も把握しておりませんけれども、そうした事例があるということについては承知をしております。

#137
○山添拓君 これは、やはり実態を把握できるような調査などを行うことが必要ではないかと思います。
 最高裁に伺いますが、離婚しても父母の関係が良好で養育費や面会交流について大きく問題にならないケースも多いかと思います。しかし、DVや虐待や、そこまで至らなくとも高葛藤と呼ばれる父母間では単純ではありません。
 そこで、事件が家庭裁判所に持ち込まれて調停で面会交流が争点となる場合、その審理はどのように進めているのでしょうか。

#138
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 具体的な調停手続の運営は個別の事案における各調停委員会の判断に委ねられているところでございますが、その上で、一般論として申し上げますと、面会交流については、民法の趣旨を踏まえ、子の利益を最も優先して考慮する必要があるところでございまして、具体的には、子の意思や心情、生活状況、親子の関係に関する事情、ドメスティック・バイオレンスや虐待の有無等、子の安全に関わる事項など様々な考慮要素を総合的に考慮して、面会交流を実施するか否かといった点も含めまして、子の利益を最も優先した面会交流の在り方が検討されているものと承知しております。

#139
○山添拓君 ありがとうございます。
 資料の三ページ以下にお配りしておりますが、家族法研究会の委員で東京家裁部総括判事の細矢郁氏の二〇二〇年の論文があります。この間、調停実務で面会交流の原則実施論が独り歩きし、同居親に対する十分な配慮を欠いた調停運営が行われたことがあったとし、また、それは細矢氏自身が関わった二〇一二年の論考の趣旨が誤解されたものだというふうにも記しております。
 改めて、最高裁、伺いたいんですけれども、少なくとも現在は、面会交流の実施によって子の利益に反するような事情があるかどうか、安全かどうか、子の状況はどうか、そういった点を慎重に検討し、原則実施ということではなく、実施、不実施も含めて調査検討する、こういう運用になっているということでよろしいのですね。

#140
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のような御指摘があること、あったこと自体は承知をしております。
 ただ、家庭裁判所としましては、面会交流、先ほど申し上げたとおりでございまして、面会交流に関する調停事件においては、子の利益を最も優先して考慮して取決めがされるべきものというふうに承知して適切に運用しているものと……(発言する者あり)あっ、実施、非実施の点も含めましてということでございます。

#141
○山添拓君 私、調査官の方からもお話を伺いました。原則実施という流れが一時期あったわけですが、監護親からも子供からも意見があって、現場では模索が続いているということでありました。合意形成できるのが望ましいわけですが、審判で決めなければならない場合もあります。父母の双方から愛情を感じられる機会はもとより大事です。子供が自らの意思を表明できる場合はそれを尊重する、それは当然だと思いますが、できない場合には会う会わないという選択を自らできるようになるまでそういう選択肢を持たせるべきではないかと、こういうお話がありました。しかし、そうして自分で選択できるようになるまでそういう機会を保障していくということ自体がまた子供にとってストレスになる、そういう場合もあるのではないかと。ですから、何をどこまで決めるのかは悩ましいというお話がありました。
 そこで、大臣に伺いたいのですが、実施、不実施、実施する場合の内容についての調査や検討、これは専門性が求められて、知見や経験を踏まえた慎重な対応、丁寧な対応を要するものだというふうに思いますけれども、そのことについて、大臣、認識ありましたら、御見解がありましたらお示しいただきたいと思います。

#142
○国務大臣(上川陽子君) 子の最善の利益を図るという観点から、親、監護親との関係性についてしっかりと客観的に、またその心情に照らして、また子の御意見もしっかりと踏まえた上で対応していくという、そうしたことができるだけ可能になるようにしていく、こうした制度の枠組みの運用が大切であるというふうに考えております。

#143
○山添拓君 やはり、これは専門的な知見や経験を要するものだと私は考えます。
 ところで、最近、自治体の判断によって学校や保育園を面会交流の場として活用する動きがあります。
 資料の最後のページになりますが、これはある市がホームページで紹介をしている市立小中学校における面会交流の説明であります。裁判所が作成した調停調書、審判書、判決書又は両親の合意書面などにより現実の面会交流が認められていない場合や子供に悪影響を及ぼす場合以外は可能だとしております。
 文科省に伺いますが、小中学校で例えばどのような場合に面会交流が子供に悪影響を及ぼすと判断すべきなのか、こうしたことを調査したり判断したりすることが可能な体制というのはあるんでしょうか。

#144
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。
 民法七百六十六条におきまして、協議離婚の際には面会交流について父母の協議で定めるということになっているところでございますが、学校を面会交流の場として使用するということにつきましては、当該学校の設置者におきまして、父母の協議、裁判所の審判等の内容等に基づき、教職員等への負担といったことも考慮した上で判断されるべきものというふうに考えております。

#145
○山添拓君 ですから、私が伺いましたのは、ここの資料にもありますように、子供に悪影響を及ぼす場合は認めないという運用を例えばしている市があります。しかし、その子供に悪影響を及ぼすかどうかというのを、今おっしゃったような、教職員の一人一人ができるような体制、あるいはそのための、こういう場合にはこういう判断をしましょう、調査をしましょうと、そういう例えばガイドラインのような、政府として、文科省として示しているものというのはあるんでしょうか。

#146
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。
 今御質問いただいた点について、文科省として何らかのガイドラインを示しているということはございませんが、一般的な考え方につきましては、先ほども申し上げましたように、学校施設を場として使うということになる場合につきましては、その設置者において、先ほど申し上げましたような、父母の協議、裁判所の審判等の内容に基づいて、また教職員等の負担も考慮した上で判断いただくということになると考えております。

#147
○山添拓君 政府からのガイドラインはないということでありました。
 仮に協議離婚や調停の時点で面会交流の合意ができたとしても、その後の父母間、親子間の関係の変化によって調停どおり行えない場合も生じ得ると思います。特に、高葛藤の父母間では見極めは難しく、また流動的でもあります。本来、専門的なサポート体制が求められるはずです。付添いの支援だとか、受渡しの支援、開始時、終了時の送迎、あるいは連絡調整、間接交流、これは手紙やプレゼント送付の中継などですが、父母のみでは円滑な面会交流を行えない場合にサポートするNPOも存在しております。しかし、利用者から料金を得てこの支援を行うというのは、例えば利用料金を払っている非同居親は顧客ということになります、支援はサービスだと。そこで、その要望は受け入れて、聞き入れて当たり前、そういう状況にもなりかねず、これ現場で取り組んでいる皆さんにとっても非常に悩ましいというお話がありました。
 厚労省はこうした支援団体に対してどのような財政的支援を行っているのでしょうか。

#148
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 面会交流は子供の健やかな成長のために非常に大切なことであり、子供の立場から実施される必要があるものであると考えております。
 このため、厚労省におきましては、面会交流に関する意義や課題等を双方の親を含む関係者が認識した上で、取決めや実施が適切に行われるよう、面会交流の実施に関する相談を担う専門の相談員の配置や面会交流の取決めがある方を対象とした日程調整や付添いなどの支援といったことを行う自治体の取組に対する支援を行っているところでございます。
 また、令和元年度から、離婚前後の父母等に対しまして、離婚が子供に与える影響や養育費、面会交流の取決めの重要性に関する親支援講座の開催に要する経費についても、モデル事業による支援をしているところでございます。
 こういった事業につきましては、民間団体等への委託を可能としているほか、令和三年度予算案におきましては、離婚前後親支援モデル事業につきまして、一自治体当たりの補助単価を約百七十万円から一千五百万円に拡充をしているところでございまして、こういった活用を通じまして引き続き自治体を支援してまいりたいと考えております。

#149
○山添拓君 ありがとうございます。
 面会交流は合意に至るのも大変ですが、その後の公的な支援がない。財政的な支援はいろいろありますけれども、現実に行っているのは民間の団体が非常に多いと、そのことが当事者双方にとって大きな負担ともなっています。
 実施に支障が生じた場合の適時適切な相談、協議のやり直しなどの支援体制、これは更に拡充していくことが必要だと考えますけれども、大臣の認識を伺います。

#150
○国務大臣(上川陽子君) 子供の利益の観点からは、父母の離婚後も養育費の支払、面会交流の実施等を通じまして、父母の双方が適切な形で子の養育に関わるということについては非常に重要と考えております。
 もっとも、面会交流につきまして取決めがされても安全、安心な実施が困難な場合があると、そして適切な支援がなければ実施が難しい事例もあるという御指摘もございます。法務省の担当者も参加しておりました家族法研究会におきましても、安全、安心な面会交流の実施のため、今委員御指摘の公的支援を行うことについて更なる検討の必要性や、また民間の面会交流支援機関の制度化に関しましての検討の必要性などにつきまして指摘もなされているところでございます。
 こうしたことも受けまして、制度の部分と、またそれを実現していくための環境整備ということについても併せて対応していく必要性があるというふうに考えております。

#151
○山添拓君 時間が参りましたので終わりますが、家族法研究会の報告書では、親権の法的位置付けそのものの見直しも提案されています。同時に、その議論のいかんにかかわらず、個々の面会交流の実施の可否、頻度や内容、それは直ちに定まるものではありません。子の利益の優先を実効あるものとするためには、調査官やその後の支援体制の拡充が不可欠だということを改めて申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#152
○委員長(山本香苗君) 時間が参っておりますので、簡潔に。

#153
○政府参考人(小出邦夫君) 申し訳ございません。先ほどの答弁、ちょっと修正させていただければと思います。
 お尋ねいただきました同性婚との関係、憲法十四条との関係で、私は、現行の民法七百五十条が十四条との関係で問題になるというようなことを申し上げましたが、これは条文、間違っておりまして、申し訳ございません、同性間の婚姻を認めない現行民法等の規定がということで、済みません、そういう趣旨で御理解いただければと思います。申し訳ございませんでした。

#154
○山添拓君 終わります。

#155
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。
 三月十六日の所信表明の質疑で、通告しながらできなかった問題について質問いたします。
 上川大臣は所信で、法の支配の貫徹された社会、そして、多様性と包摂性のある誰一人取り残さない社会の実現を目指すと述べられ、十六日の法務委員会では、法の支配について、法の支配の内容として重要なものは、憲法の最高法規性の概念、権力によって侵されない個人の人権、法の内容、手続の公正を要求する適正手続、デュー・プロセス・オブ・ローということでありますが、さらに権力の恣意的行使をコントロールする裁判所の役割に対する尊重などと考えられていると答弁されました。
 多様性と包摂性のある誰一人取り残さない社会の実現を目指すと述べられていますので、多様性と包摂性が個別の施策でしっかり貫徹されることを願いながら、質問をいたします。
 まず、選択的夫婦別姓についてお伺いします。
 九六年の法制審議会答申から今年二月で四半世紀を迎えました。法制審議会が五年の年月を掛け、様々な観点から審議をして答申をしたことは御存じのはずです。十六日の真山委員からの質問に上川大臣は、世論も様々な意見があるということを強調して、前向きな答弁をされませんでした。
 しかし、政府は男女平等の観点から夫婦の氏の見直しを憲法や条約に照らして行ってきたはずです。そのことは、昨年の法務委員会でも小出民事局長から丁寧に御説明をいただきました。世論のみを理由に法改正しないことについては、国連女性差別撤廃委員会から厳しく指摘されています。婚外子相続分規定の違憲決定や再婚禁止期間の違憲判決などで明らかなように、最高裁が違憲、憲法違反ということを突き付けるまで法制審答申を立法化しないということは、答申を受けた側の責任が問われ、訟務機能の強化にも逆行しています。
 一九九六年の答申当時より国民の理解は格段に深まっています。政府の世論調査、報道機関やNGOの調査でも賛成が反対を大きく上回っています。自民党でもこのワーキングチーム、そして今般、選択的夫婦別姓に賛成する自民党議員による議員連盟を立ち上げ、議論が行われるということも承知しています。
 答申を受け継ぐ法務大臣としても、法改正に向けて積極的姿勢を示すときではないでしょうか。お願いします。

#156
○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘いただきましたとおり、法制審議会におきましては、平成八年二月に選択的夫婦別氏制度を導入すること等を内容とする民法の一部を改正する法律案要綱を答申いたしました。法務省におきましては、平成八年及び平成二十二年に法案の提出に向けまして法制審議会の答申を踏まえた改正案を準備をしたところでございます。
 しかしながら、この問題につきましては、国民の間に様々な意見があったほか、当時の政権内におきましても様々な意見がありました。平成八年当時は自民党を中心とした政権でありましたし、また平成二十二年当時は民主党を中心とした政権でありましたが、それぞれの当時の与党内においても異論があったこと等から改正法案の提出にまでは至らなかったものと認識をしております。
 現在、御指摘のとおり、自由民主党内におきまして、氏制度の在り方に関する検討ワーキンググループが設置されたものと承知をしております。
 法務省といたしましては、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関しまして、各党での検討を含む国会における議論の動向等も注視しながら検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

#157
○高良鉄美君 今やはり様々な意見ということがありましたけれども、これは人権の問題であるということを考えると、それは世論の多寡に委ね続けて法改正ができませんというような言い訳ではいけないんじゃないかと思います。四半世紀も待たされているという国民も中にはおられますから、これはうんざりしていると思います。法の支配ではなくて人の支配で、時の政権の意向でというような言い方に聞こえます。それは人の支配で立法化できていないということを申し上げて、次の質問に入ります。
 二〇一六年二月に行われた女性差別撤廃条約第七回、第八回日本政府報告審査で、民法改正についてはフォローアップの対象とされてきました。女性差別撤廃委員会が二〇一八年十二月十七日に日本政府にフォローアップ報告の評価文書を送っていますが、公表されていなかったため、昨年九月十八日、私の方から外務省から取り寄せました。その際、外務省からは、英文の公表も仮訳の予定もないことを告げられました。
 しかし、女性差別撤廃条約は内閣府男女共同参画局が所管しています。男女共同参画局はこれまで、女性差別撤廃条約の政府報告、最終見解などをウエブサイトで公表していますが、今回の勧告では、次回定期報告と併せて報告するよう勧告されています。NGOやNPOはこの内閣府のウエブサイトを見て国連にカウンターレポートを提出したり意見交換などを行っているため、男女共同参画局は広く知らせる義務があります。
 そこで、外務省にお伺いしますが、外務省はいつ男女共同参画局に国連の文書が来たことを報告されたのでしょうか。

#158
○政府参考人(田島浩志君) お答えいたします。
 委員御指摘の日本政府によるフォローアップ報告に対する女子差別撤廃委員会の文書については、その文書が出された二〇一八年十二月当時に関係省庁に対し迅速に情報共有すべきであったところ、情報のやり取りに不備があったものと認識しております。
 委員からの御指摘を受けて直ちに内閣府男女共同参画局に情報を共有いたしました。また、外務省ホームページにも当該文書の原文を掲載しております。仮訳については内閣府と連携して速やかに掲載する所存です。
 外務省としては、遅滞なく、かつ、しっかりとした情報発信の提供を行い、今後このようなことが起きないように対処してまいる所存です。

#159
○高良鉄美君 間が二年ぐらい空いていましたので、きちんと連携をまた期待したいと思います。
 男女共同参画局はこれまで、女性差別撤廃条約の政府報告、最終見解の英文、仮訳をウエブサイトで公表されており、先ほどの外交文書の英文を既に公表されたと承知していますが、これはいつ公表されたのか、お尋ねします。

#160
○政府参考人(林伴子君) 委員御指摘の文書につきましては、まさに三月十五日の夕方に、委員からの御指摘を踏まえて、直ちに外務省から取り寄せまして、そして翌日の十六日の午前に私ども内閣府男女共同参画局のホームページに掲載をいたしました。今、仮訳の作業にも着手をしたというところでございます。
 委員御指摘のとおり、ホームページなどを通じて、NGOや市民社会の皆様方に広く情報提供を行いますことは大変重要と考えておりまして、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

#161
○高良鉄美君 国民の知る権利にも関わりますので、よろしくお願いします。
 本来であれば、今年が第九回政府報告審査の予定でしたが、コロナ禍で国連の委員会の審査が遅れていると聞いています。男女共同参画局が外務省に報告を求めることも重要ですので、連携をしっかり取っていただけることを求めて、次の質問に入ります。
 政府が夫婦の氏について議論を始めたのは、戦後の民法の大改正から長い年月が経過し、結婚や離婚に関する価値観の多様化、女性の職場進出、男女平等意識の高まり、夫婦別姓を求める声が増えてきたことなどが背景にあります。
 一九七五年以降、国際的な女性の権利保障が推進されてきました。日本政府も女性差別撤廃条約を批准し、男女平等施策を推進するための国内行動計画を策定し、九一年の新国内行動計画では、男女平等の観点から夫婦の氏や待婚期間などの民法を見直すとされ、法制審も議論を開始し、九六年に答申をしました。国連女性差別撤廃委員会は、二〇〇三年以降、民法を改正するよう度々勧告しています。
 丸川男女共同参画担当大臣は、これまで選択的夫婦別姓の賛否についての問いに、個人の意見は申し述べる場ではないと理解しております、第五次男女共同参画基本計画に書かれておりますように、選択的夫婦別氏制度を含めて、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関し、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえて更なる検討を進めるとされております。あるいは、私の下には優秀な職員が第五次男女共同参画を決めるときの議論、つぶさにフォローしているので、支えていただき、大臣としての職務をしっかり果たしたいと答弁されています。
 答弁で第五次男女共同参画基本計画ばかりを引いていますが、男女共同参画局長はこれまでの政府の男女共同参画の取組を丸川大臣に理解していただく努力が必要なのではないですか。
 男女共同参画会議基本問題専門調査会は、二〇〇一年十月十一日、選択的夫婦別氏制度に関する審議の中間取りまとめにおいて、当専門調査会としては、個人の多様な生き方を認め合う男女共同参画社会の実現に向けて、婚姻に際する夫婦の氏の使用に関する選択肢を拡大するため、選択的夫婦別氏制度の導入が望ましいと考えると、二十年前に方向性を示しています。これ、資料を出しておりますけれども。
 今後の取組をお伺いします。男女共同参画局、お願いします。

#162
○政府参考人(林伴子君) 丸川男女共同参画担当大臣、二月に就任されて以来、私ども男女共同参画局、私、局長以下、選択的夫婦別氏制度をめぐるこれまでの議論の経緯、そして昨年末に閣議決定された第五次男女共同参画基本計画の内容など、詳細に繰り返し何度も御説明を申し上げているところでございます。
 今後も引き続き、この問題について大臣にしっかり御説明をするとともに、国民の皆様方が深い議論をしていただけるよう、議論の後押しを私どもとしてもしてまいりたいと思います。

#163
○高良鉄美君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 やはり、男女共同参画局の役割としても、この男女共同参画社会基本法、一九九九年に制定されておりますけれども、これの中にも、行政機関としても担当大臣にいろいろなアドバイスをすると、支援をするということが書かれていますので、そこはしっかりお願いしたいと思います。
 そして、今もありましたけれども、この資料の中、この流れを見るということ、とても大事でして、第五次だけを強調しているように見えるんですけれども、かつてこういった夫婦別姓の問題について上川大臣は賛成を表明しておられたと思いますけれども、反対を表明された丸川大臣とで、ちょっとまあ賛成と反対でベクトルは違うんですけれども、今立たれて、改正しない理由というのが第五次男女共同参画基本計画の中にあるようなことを同じようにおっしゃっているというんじゃないかということを一応指摘をしておいて、次の質問に入ります。
 上川大臣は、無戸籍状態の解消について寄り添い型の取組を継続すると述べられましたが、大臣は二〇〇七年から無戸籍の要因となっている嫡出推定規定の見直しに大変関心を持たれていると承知しています。嫡出用語については、国連子どもの権利委員会から見直しの勧告がされています。嫡出概念やこの用語を持つ国も近年廃止してきた国際的な潮流があります。
 現在、嫡出推定規定の見直し論議が行われているようですが、嫡出という概念や嫡出の用語の見直しをするときではないでしょうか。法務大臣、お願いします。

#164
○国務大臣(上川陽子君) 無戸籍者の方々が今もその権利を主張することができない状態にあるということにつきましては、一日も早くこうした状況を改善しなければいけないという思いで、第一回目の法務大臣の当時からこの問題に取り組んでまいりました。
 今、嫡出であるかないかという、この嫡出でない子という用語につきましては、これは最高裁判所は、民法等の規定上、あくまで法律上の婚姻関係にない男女の間に出生した子を意味するものとして用いられているということで、差別的な意味合いを含むものではないと判示をしているわけでございますが、この用語が用いられてきました社会的、歴史的な背景も踏まえますと、この用語を見直すべきとの指摘があることも承知をしているところでございます。
 現在、法制審議会の民法(親子法制)部会におきましてこの嫡出推定制度の見直しについて調査審議がなされているところでございますが、その中でも同様の指摘がなされておりまして、この点につきましては引き続き検討が必要な課題として整理をされているものと認識をしているところでございます。
 親子法制に関しましての課題、喫緊の対応が必要な課題でございます。法制審議会におかれましては、スピード感を持って、また充実した調査審議がなされるよう期待をしているところでございます。

#165
○高良鉄美君 嫡出という言葉も含めて、一番最初に質問をしましたが、法の支配の中の概念で、それから大臣の所信の中にもありますけれども、誰一人取り残さない社会の実現を目指すといったときのこの基本的な概念の中で、嫡出とそうでない子というような表現というのは、やはり取り残されていくんじゃないかという響きがあります。その点も踏まえて、また今後取組を私期待しておりますので。
 上川大臣、離婚後の共同親権には積極的に取り組む姿勢を見せながら、事実婚の共同親権には否定的な答弁を繰り返していますが、選択的夫婦別姓が認められないために事実婚夫婦の子供が単独親権になっています。夫婦が共に子供を養育しているのに、事実婚というだけで単独親権というのは、子供の最善の利益と思われますでしょうか。

#166
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘がございましたとおり、現行の民法におきましては、この父母の婚姻中は子供の親権は父母が共同して行使すると規定する一方で、事実婚のカップルから生まれた子供の親権につきましては父母のいずれかが単独で行使することとされております。
 現行法の下で、法律婚と事実婚は相続権の有無も含めまして法的に差異が設けられているところでございます。事実婚の場合にも共同親権を認めることにつきましては、民法の法律婚制度の存在意義に遡って慎重に検討する必要があるというふうに考えております。
 また、事実婚につきましては明確な定義がございませんで、様々な形態が考えられるところでもございます。共同親権を認める基準としては不明確ではないかということでございまして、いつの時点で事実婚の状態が終了したのかが明確でない場合も考えられるところでございます。
 このため、御指摘の問題につきましては、これらの課題への対応を含めまして慎重な検討を要するものというふうに考えております。

#167
○高良鉄美君 まあ質問というよりも締めたいと思いますけれども、時間が来ましたので。
 大臣の所信の非常に重いお言葉だと思います。法の支配というものの内容を私何度も聞きましたけれども、それから、法の支配のこの貫徹された社会というのがどういうような社会なのか、そして、多様性と包摂性のある誰一人取り残さない社会の実現というのはどのような形で進んでいくのかと。
 先ほど山添議員から同性婚の話もありました。これは最高裁、失礼しました、地裁が、裁判所が憲法違反の問題というのが出てきているわけですね。こう同性、りっしんべんの性の同性婚の問題がこれだけ憲法問題となって上がってきている、大きな話題になっているわけですね、議題に。
 かばねのおんなへんの姓の方は、なかなか、先ほど言いました二十五年、四半世紀話題に上がって法制審の答申の中でこれ変えるべきだとして、国際的にも女性差別撤廃委員会から指摘をされているということも考えていただいて、是非、大臣には、その初代のこの民法改正で大きな働きをしたと、夫婦別姓の問題について、そういうような形を私は期待しながら、もう質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#168
○嘉田由紀子君 碧水会の嘉田由紀子でございます。少数会派にも時間をいただきまして、ありがとうございます。
 引き続きまして、私の方は、大臣の所信に関わるところで、親が離婚をしても子供は最大の幸せを求められるような、そういう日本社会になってほしいと思いまして、質問をさせていただきます。
 まず、先回も取り上げました未成年時に親の別居、離婚を経験した子供に対する調査、一千人もの調査をしていただきました。そして、ここで幾つか特筆すべきところを紹介させていただきたいと思います。
 まず、親が離婚をしたときの年齢ですけど、未就学児がほぼ三分の一、小学生時代がほぼ三分の一、中学生以上がほぼ三分の一ということで、意外と幼いときに離婚した、親が離婚したというのが多いと。また、父母の離婚を記憶しているのは千人の中で六百七十二名。また、その中で八割近くが薄々知っていた、知っていた。しかし、誰かに相談したという子供たちが九・四%。つまり、多くの子供は薄々親の不仲を知りながらも自分で抱え込んだ、大変ふびんな状態だと思います。
 あわせて、父母が別居を開始する前にどのように感じていたか。三人に一人は仲直りしてほしい。四人に一人は家族がばらばらになってしまうと心配。そして、六人に一人は父母の仲が悪いのは自分のせいではないのか。今の生活環境が変わってしまうのも心配、これも六人に一人。複数選択を可能としている調査ですが、あわせて、父母が仲が悪い状態の中では早く離別、別居してほしいという子供さんも五人に一人おられたと。また、八人に一人は親の問題に関わりたくない。
 本当に親の不仲は子供さんにとって大変大きな精神的負担になっていた、なっている、引き続き、というようなことも含めて今回の調査で分かったと思います。
 また、離婚後、経済的に苦しくなった、若干苦しくなったという回答は四割ございます。あわせて、経済的に好転したという人も七%ほどあります。養育費の問題、これまでも随分議論されておりましたけれども、やはり経済的に苦しくなるという子供さんが四割ここで出てきているというのは大変深刻だろうと思います。
 そして、今回の調査は個人別のデータがありますので、今後、例えば離婚時の子供の年齢による違いとか男女別の違いとか、クロス集計ができます。
 そういうところで最初の質問ですけれども、先日、数項目に対してクロス集計お願いをしましたけれども、この結果、いつぐらいに出していただけるでしょうか。上川法務大臣にお伺いいたします。

#169
○国務大臣(上川陽子君) 先日、委員会におきまして私が委員に申し上げた点でございますが、今回の実態調査を行うに当たりまして、私から担当者に対しましては、今まさに委員御指摘の、親の離婚を経験した時点における子の年齢あるいは性別に着目をし、その後の子の生活にどのような影響があったのかという点につきまして、子供の育ちのステージというか、ごとに比較しながら検討をする、また分析をするようにということを基本的なスタンスとして指示をしたところでございます。その意味におきましては、今委員おっしゃったような年齢とか性別等につきましては、クロス集計を単純クロスという形でさせていただいてきたところであります。
 今回の調査では、この別居時の年齢を基準にいたしまして、三歳刻みでクロス分析を行わせていただきました。また、兄弟の有無にも着目したクロス集計、分析を行ったりしておりまして、その取りまとめた結果を含めまして、ちょっと分厚いレポートでありますが、公表をしている状況でございます。
 その上ででございますが、今回の調査結果につきまして、そこで表れた結果を更に精査をするということを通して、専門家の方々からの意見、これも参考にさせていただきながら、回答者の属性に応じて更なるクロス分析、設問間のクロスをするとか、単純に属性別のクロスのみならずということでありますが、含めて検討するようにということで指示をしたところでございまして、今まさに皆さんに御覧いただいている状況でございますので、幅広い方々からのまた御意見も頂戴して、そして、今あるデータに基づきましての調査の成果をしっかりと施策に反映できるようにしてまいりたいというふうに考えております。

#170
○嘉田由紀子君 御丁寧にありがとうございます。
 調査結果をどういうふうに政策に生かしていくのか、そこが次のポイントだろうと思います。
 そういう中で、一つ、前回の調査、質問九で、父母が不仲になった原因として性格の不一致が三九・六%、つまり四〇%、ほぼ四割ございます。離婚がある意味で父母の都合だけで、夫婦間の協議によって簡単に認められる、これが今、日本の協議離婚の状態です。
 子供の養育が置き去りにされ、子供の利益を害する結果を招く、こういう状態に対して大臣の御認識はいかがでしょうか。

#171
○国務大臣(上川陽子君) 今回の調査の結果の中で、私どもが大人の視点からはなかなか気付かなかった、子供さんが思っていることを表に出せないままに事が進んでいってしまうというようなことの結果も明確に出てきたところでございまして、この前から申し上げているところでありますが、定量的なこの調査の結果を踏まえて、また深掘りする形での検討もしていく必要があるなということを改めて感じたところでございますので、そういった調査も更に実施してまいりたいというふうに思っております。

#172
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 前回の委員会でも申し上げましたけれども、子供の最善の利益、これはいつも誰もが子供の最善の利益と言うんですけど、その中身についてはどういうことになっているのか、もっと具体的に議論するべきだろうと思います。
 国際的に、例の二十四か国調査の中で、子供の養育計画なしに、まさに形式的に判こ一つで離婚ができるというのは日本だけだということも明らかになってまいりました。
 そういう中で、協議離婚を認める要件として共同養育計画の策定を義務付ける、これは超党派の共同養育議連の中でも出てきている意見でございますけれども、そこについて、大臣の御見解いかがでしょうか。

#173
○国務大臣(上川陽子君) 子供の利益を確保するためには、父母の離婚後でありましても、父母の双方が適切な形で子供の養育に関わるということが非常に重要と考えております。その上で、父母が離婚した後の子供の生活、また成長という観点からは、子供のための養育費や面会交流といった養育計画につきまして、それぞれの家庭の事情に応じて、協議離婚に際して父母間で必要な取決めが適切になされる必要があるというふうに考えております。
 この点につきましては、現行の協議離婚制度を改めまして、未成年の子がいる父母は原則として養育計画を作成しなければ協議離婚をできないものとする見直しの意見があるところでもございますが、その一方で、このようにすると協議離婚の手続が過度に重くなり、家庭内にDV等があって早期に離婚を成立させることが望ましい場合に協議離婚が困難になるといった指摘もなされているところでございます。
 離婚及びこれに関連する法制度の見直しにつきましては、これまでの実態、さらに、子供を中心としてものを考えたときに更にどうした対応をすることができるのか、いろいろ考えた上で、二月の十日、私から法制審議会に対しまして諮問を行ったところでございます。検討の具体的な内容につきましては法制審議会におきましての議論の展開に委ねられるところでございますが、協議離婚の制度につきましても、子供の目線に立って実態に即した具体的な検討をしていただきたいというふうに大きな期待を寄せているところでございます。

#174
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 私がこういう質問をしますのは、今いろいろなネットの上でとか、あるいは知り合いに、あなた、離婚もしするとしたら、子供をどっちかに決めなきゃいけないのよ、日本は単独親権なのよと言うと、えっ、知らなかったという人が十人に九人ぐらいなんですね。つまり、いざその場になって、それであたふたとするということなので、この辺りはもっともっと言わば家族法なりあるいは家族の在り方のリテラシーを高める必要があるんだろうと思います。私は、アメリカに留学しているときに、高校の教科書とか、もちろん大学でも、社会学でしたらこういう家族の在り方とかあるいは男女の在り方みたいのがきちんと国民的議論なされていたなということで、しつこくこの問題を聞かせていただいております。
 そして、今既にある民法の中で、例えば民法七百五十二条には夫婦の協力、扶養義務が子育てについても適用されるのか。夫婦の協力、扶養義務が七百五十二条にありますけれども、これは子育てについても適用されるのか、あるいは別居中の夫婦間での子育てについてはどうでしょうか。法務省さんにお伺いしたいと思います。

#175
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 御指摘の民法七百五十二条は、夫婦の同居、協力、扶助の義務を定めるものでございます。このうち、協力義務につきましては、夫婦は子供の養育についても協力をする義務があると解されているものと承知しております。また、扶助義務についても、夫婦は互いに未成熟子を含む夫婦の共同生活に必要な負担をする必要があると解されているものと承知しております。したがいまして、委員御指摘のこの民法の条文七百五十二条の規定は、夫婦の子育てについても適用されるものと考えております。
 それから、この条文、婚姻の効果を定める規定でございますので、夫婦である以上は、婚姻関係にあるものが別居していたとしても適用されるものでございます。もっとも、民法七百五十二条の協力、扶助義務によって具体的にどのような義務を負うこととなるのかは、当該夫婦が置かれている具体的な状況等によって定まるものと考えられておるところでございます。

#176
○嘉田由紀子君 実は、この質問をさせていただいたのは、本当に今、親子がある意味で分断をされて、そしてどうにか今の、民法改正の前に今の状態の中で親子が会いたいというようなかなり切実な声が現場からも聞こえてきておりますので、質問させていただきました。
 実は、この七百五十二条に関わる審判あるいは調停が本当に処理件数に占める言わば認定あるいは成立という比率が少ないんですね。今日皆さんにこの資料をお配りしておりますけれども、審判の方は認容されたのは五・六%、それで調停の方は一一・六%しかないというようなことで、それこそわらをもすがる思いで今ある七百五十二条にすがりたいと思う方たちの成果もなかなか得られないというのが実態のようでございます。
 これを最高裁判所さんなり、あるいは法務省さん、どう評価なさるでしょうか。お願いします。

#177
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の夫婦の同居、協力扶助に関する調停、審判は、民法七百五十二条に基づいて、夫婦の一方が他方の者に対して同居自体や生活費の支払等を求めるものが考えられるところでございます。もっとも、このような内容は、実務上、夫婦関係調整調停、いわゆる円満調停でございますが、や婚姻費用の分担に関する処分の調停又は審判などとして申し立てられるものが多いものと認識しております。
 このうち、円満調停につきましては、令和元年の既済総数二千四百七十件のうち三五%に当たる八百六十四件で調停成立、また、婚姻費用分担調停事件につきましては、令和元年の既済総数二万五百三十三件のうち五六・五%に当たる一万一千五百九十四件で調停が成立しております。また、婚姻費用分担審判事件につきましては、令和元年の既済総数二千九百十二件のうち六五・一%に当たる千八百九十五件において申立てを認容する判断がされているところでございます。
 このように、委員御指摘の紛争解決を目的とします事件類型を総じて見ますと、個々の裁判体又は調停委員会において個別の事案に応じて適切な解決が図られているものと承知しております。

#178
○政府参考人(小出邦夫君) ただいま最高裁からも答弁がありましたように、裁判所においては、それぞれの裁判体又は調停委員会によりまして、父母が別居中のケースも含め、個別の具体的事案に応じて子の利益を実現する観点から適切な事件処理が図られているものと承知しております。
 その上で申し上げますと、離婚に先立つ別居の問題も含め、父母の離婚後の子の養育の在り方に関する民事制度上の課題につきましては、近時、様々な議論があるところでございまして、離婚及びこれに関連する制度の見直しにつきましては、本年二月十日、法務大臣から法制審議会に諮問がされたところでございます。
 法務省といたしましても、この別居中の子の養育についての課題も含めまして、法制審議会において充実した調査審議が行われるよう、必要な対応に努めてまいりたいと考えております。

#179
○嘉田由紀子君 時間がちょっと迫っておりますのでまとめさせていただきますけれども、先ほど来、協議離婚に対して共同養育計画が必要ではないかと提案させていただきましたけれども、夫婦間の葛藤が高まる前に、ある意味で、共同養育に関するガイダンスなど、自治体で、日本中、市区町村の自治体でサポートすることが大事ではないかと思います。
 先ほど、厚労省さんの方で、今まで補助金が百七十万から千五百万円と少しプラスすると言っていただいておりましたけれども、ある意味で、離婚の前の予防効果ということで、もう具体的に例えば明石市などは弁護士を十一人雇って、そして子供と家族のサポートしておりますので、ここは予算と人的サポートで予防的措置ができると思うんですけれども、この辺り、大臣の御認識、いかがでしょうか。

#180
○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘の共同養育に関するガイダンスでございますが、一部の自治体におきまして、離婚を検討している父母を対象にし、離婚後の子供の養育に関する情報提供等を行うものと承知をしております。必要な情報が父母に届けられることは、離婚後の子供にとりましても大変望ましい生活や成長の確保につながるものというふうに考えております。
 この点に関しまして、家族法研究会におきまして、離婚を検討している父母が離婚後の子の養育に関する適切な取決めを図る方策として、父母が協議離婚をする場合に子の養育に関する講習を受講するための規律を設けることなどが取り上げられたと承知をしております。
 本年二月に私から諮問を行いました法制審議会におきましては、離婚及びこれに関連する制度につきまして検討が進められることになるところでございますが、その中では父母に対する離婚前の情報提供等も含めまして幅広い課題が取り上げられ、検討されることを期待しているところでございます。

#181
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 この共同養育の問題については、DVがあったらどうする、それから、そもそも面会交流で殺人があったじゃないか、先ほど山添さんが指摘しておられました。もちろんそういう問題はありますが、できない理由ばかりを、つまり、後ろ向きの理由ばかりを言って、世界各国では既に、高葛藤であるのは当然です、離婚に直面するんですから。それでも、子供のためを思って、フレンドリーペアレントルール、大人の対応ができる、私は日本人にはそれだけのリテラシーと精神があると思うので、できない理由ばかりで法制審など進まないでいただきたいということを最後に希望として持たせていただきます。
 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。

#182
○委員長(山本香苗君) 以上をもちまして、令和三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#183
○委員長(山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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