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2021/03/16 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 農林水産委員会 第2号 令和3年3月16日
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2021/03/16 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 農林水産委員会 第2号 令和3年3月16日

#1
令和三年三月十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         上月 良祐君
    理 事
                堂故  茂君
                藤木 眞也君
                山田 修路君
                田名部匡代君
                紙  智子君
    委 員
                高橋 克法君
                野村 哲郎君
                林  芳正君
                舞立 昇治君
                山田 俊男君
                石垣のりこ君
                郡司  彰君
                河野 義博君
                熊野 正士君
                高橋 光男君
                石井 苗子君
                舟山 康江君
                須藤 元気君
   国務大臣
       農林水産大臣   野上浩太郎君
   副大臣
       農林水産副大臣  宮内 秀樹君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       熊野 正士君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        笹口 裕二君
   政府参考人
       厚生労働省大臣
       官房高齢・障害
       者雇用開発審議
       官        達谷窟庸野君
       農林水産省大臣
       官房長      横山  紳君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  青山 豊久君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  森   健君
       農林水産省大臣
       官房政策立案総
       括審議官     村井 正親君
       農林水産省大臣
       官房サイバーセ
       キュリティ・情
       報化審議官    信夫 隆生君
       農林水産省食料
       産業局長     太田 豊彦君
       農林水産省生産
       局長       水田 正和君
       農林水産省経営
       局長       光吉  一君
       農林水産省農村
       振興局長     牧元 幸司君
       農林水産省政策
       統括官      天羽  隆君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局長      菱沼 義久君
       水産庁長官    山口 英彰君
       経済産業省大臣
       官房福島復興推
       進グループ長   須藤  治君
       中小企業庁次長  奈須野 太君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (令和三年度の農林水産行政の基本施策に関す
 る件)
    ─────────────

#2
○委員長(上月良祐君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官達谷窟庸野さん外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(上月良祐君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(上月良祐君) 農林水産に関する調査を議題とし、令和三年度の農林水産行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#5
○山田俊男君 山田俊男であります。本当に久しぶりの委員会質疑でありますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 野上農林水産大臣は私と同じ富山の出身でありまして、私は全国比例ですが、田舎は富山であります。大変、御就任おめでとうございます。困難な多くの課題を抱えて大変御苦労さんであります。ふるさと富山県の出身議員の農林水産大臣の就任は、戦後農地改革を手掛けました松村謙三さんが初めてでありまして、野上大臣は二人目の農林水産大臣ということでありまして、県民の期待はもちろん、全国から大変な期待があるわけであります。
 大臣より、先日、当農林水産委員会で所信を述べていただきました。改めて大臣の決意のほどをいただきたいと存じます。
 本日は、私は、大臣の所信表明とも関連しまして、米と水田農業について質疑させていただきます。どうぞよろしくお願いします。大臣、よろしくお願いします。

#6
○国務大臣(野上浩太郎君) 山田先生には同じ富山県出身者として日頃から大変御指導いただいておりまして、ありがとうございます。今日もどうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 申すまでもなく、この農林水産業、これは、国民に食料安定供給をして、地域社会あるいはコミュニティー、地域経済、これを支えるとともに、国土保全をしていく、まさに国の基でありまして、この農林水産業を発展をさせて美しく豊かな農山漁村をしっかりと引き継いでいかなきゃならないというふうに思います。
 そういう中で、今コロナの影響、感染拡大の中にある農林水産業、食品産業への影響の緩和、あるいは十二月には、一月にかけて大雪が発生をしました。さらには、東日本大震災につきまして、福島県沖を震源とする地震も起きました。こういうことも含めた万全の対応をまずはしていかなければならないというふうに思います。
 その上で、産業政策と地域政策を車の両輪としまして、二〇三〇年の輸出五兆円目標ですとか、あるいは生産基盤の強化、担い手の育成、確保、スマート技術の開発、実装、あるいは農村政策の展開等々、重点課題に応えられるように全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。

#7
○山田俊男君 大変、野上大臣、期待しておりますので、どうぞよろしくお願いします。大臣の改めての決意をしっかり受け止めて頑張らなきゃいかぬと、こういう思いであります。
 本日、私は、大臣の所信表明とも関連しまして、米と水田農業について質問をさせていただきます。
 ところで、田植も始まっているわけでありますが、心配は、よほど農業者、JA等がしっかり役割を果たさないと、大雪に不作はないと、これ、全国の降雪地帯でみんなそう言うんではないかというふうに思いますが、水の関係があるんでしょうかね、こういう言い伝えがあるわけであります。うれしい豊作なのに、米価の低下が懸念されるわけであります。
 そして、平成三十年産から各都道府県に対する生産数量目標が配分されていないんです。これ、うかつにも、私ですら、こうして調べて原稿書きながら、おいおい、おいおい、おいおいと、三十年産から目標配分されていないのかということでありまして、いつどこでどんなふうにこうして我ながら決めてきたのかなというふうに思っている次第であります。目標は生産者自ら定めればいいということなんでしょうかね。とすると、生産者からすると、少しでも収量が上がるように努力します。それは生産する者として当然の意欲というか、行動の原理であります。これまでの経緯からしても、出来秋の収穫量は全国の生産見通しよりも上回って推移してきております。
 ところで、御案内のとおり、コロナ禍の影響により、令和二年産米の在庫は増えております。倉庫事情が厳しいと伝えられていますが、加えて、今年産の作柄の動向いかんでは、大きな過剰が生じかねません。とすると、言うまでもなく米価は下がります。また、このことは我が国の主食たる米について生産、流通、販売という米管理の在り方を崩すのみならず、農業者の混乱、そして農村地域社会の安定に大きな問題を生じかねないのではないかということを私は本当に心配しているところであります。
 この点、本当にどういうことで受け止めておられるか、大臣のお答えをいただきたいと、こんなふうに思います。

#8
○国務大臣(野上浩太郎君) 今お話ありましたとおり、主食用米につきましては、人口減少等によってこの需要が減少していく中で、令和二年産については、需要減少に見合った作付面積の削減が進まなかったことに加えまして、新型コロナウイルスの影響等によって中食、外食向けを中心として需要が落ち込んでいることから、厳しい需給環境にあると認識をいたしております。
 このような中で、令和三年産の主食用米につきましては、全国で過去最大規模の六・七万ヘクタールの作付け転換が必要となってまいります。これが実現できなければ需要と供給の安定が崩れかねない、まさに正念場だと考えておりまして、このことをJA系統のみならず全ての関係者の皆様と共有したいという思いで、先般、大臣談話も発表したところでありますが、この令和三年産の主食用米の需給と価格の安定に向けて、今強い危機感を持って取り組んでいるところであります。

#9
○山田俊男君 大臣からは、生産調整の目標数量の拡大も含めて、強い意思でこの実現を果たしていかなきゃいかぬという決意をいただいた次第であります。
 ところで、今年の米作りについて、既に米の生産、集荷、流通業者からは、コロナ禍の影響から中食、外食の需要が更に減少しているのではないか、元年産の販売がようやく終わり二年産の販売はこれからだが倉庫事情が厳しいなどの声を聞きます。このまま出来秋を迎えると、二年産の在庫を抱えたまま三年産が出回ることになって、米価は大幅に下落し、農家だけでなく米関係者は大きな影響を受けることになるのではないかということを大変心配するわけであります。
 加えて、コロナという予期せぬ需要減による民間在庫の積み上がりにより、米価は二年産はもとより三年産以降も下落は続くことになりかねず、これ私の心配ですが、担い手の経営は大変厳しい状況になってしまいます。
 今必要なのは、三年産の大々的な米以外への作付け転換の取組、推進に加え、二年産の過剰対策が講じられなければならないというふうに本当に考えます。私も、議員になりましてから、その前の農協に勤めておりますときから、ずっと米の取組に関わってきたわけでありますが、現下の状況は本当に厳しいものがあるんじゃないかということであります。
 もう三月中旬ですから、三年産の作付け転換の取組が可能かどうかですね。これ、ぎりぎりの段階だというふうに思います。心配される過剰対策に農水省はどんな手だてを講じようとしているのか、また講ずるつもりか、決意をお聞きします。

#10
○政府参考人(天羽隆君) お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘のとおり、現下のお米、主食用米の需給状況、これは極めて厳しいものがございます。今ほど大臣からも御答弁させていただいたとおり、大臣談話でもその旨のことが述べられているということでございます。
 そのような厳しい状況でありますからこそ、二年産米、三年産米に向けての対策をしっかり講じていかねばならないというふうに考えておりまして、農林水産省といたしましては、まずは令和二年産米につきまして、委員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響などにより中食、外食向けの需要が落ち込んでいる状況も踏まえまして、米穀周年供給・需要拡大支援事業という事業がございます。保管経費の支援対象期間、これを五か月間前倒しをして、昨年の十一月から支援をするということといたしております。本支援を活用いたしまして、全農などの集荷業者におかれては二十万トン程度調整保管をするというふうに承知をしてございます。
 また、令和二年度の第一次補正予算で、中食、外食向けのお米の販売促進の取組、コンビニでのコンビニ弁当での御飯大盛りキャンペーン、ラーメンチェーン店における御飯お代わり無料キャンペーンといった取組の支援をいたしております。さらに、三次補正予算におきまして、販売促進、販路の多様化等の取組に対する支援を行うこととしているところでございまして、これらの支援策、積極的に活用していただきたいと考えております。
 加えまして、現下の厳しい需給環境の下で需要に応じた米の生産、三年産に向けての米の生産、販売が進むよう、令和二年度三次補正予算におきましては、水田リノベーション事業によりまして、新市場開拓用米、加工用米、麦、大豆、野菜、果樹などについて、産地と実需者の連携に基づいた低コスト生産技術の導入への支援、輸出向けパック御飯の製造機械、施設等の導入への支援、さらには、麦・大豆収益性・生産性向上プロジェクトにより、水田麦・大豆産地の関係者が連携して団地化、営農技術、機械の導入を行う場合、さらには安定供給の実現に向けての一時保管、保管施設の整備等への支援を措置してございます。
 また、令和三年度の当初予算の水田活用の直接支払交付金においては、主食用米からの転換のインセンティブを高めるという目的で、都道府県が独自に支援をする場合に、その作付け転換の拡大面積に応じて国が追加的に都道府県の独自支援に追加して支援をする措置を創設することとしてございます。
 合計三千四百億円を計上しているところであり、これらの支援策を積極的に活用していただきたいというふうに考えております。

#11
○山田俊男君 お手元に、平成二十五年、二十六年産から三十年産に至る米の在庫状況の表があります。お手元に、この表であります。(資料提示)大変、私はこれ本当に、この米の価格も含めまして、どんな形で決まるんだろうかということを見るには、もう本当にこれよくできた表だと我ながら思っているところであります。
 これ見てもらいますと、二十五年、二十六年産の、新米が出回る直前の在庫である六月末の民間在庫と相対価格の推移を表にしているわけですね。これ、御案内のとおり、二十五年産、二十六年産、ここまで米価が下がっております。一俵当たり一万九百二十七円です。そして、それは二十七、二十八、二十九、三十、こうしてずっと行きますが、上がらない。そして、令和二年になりましてからわっと下がり始めまして、そして推移しそうな勢いであります。これが三年産になったらどこまで下がっちゃうのかという心配を誰もが抱いているわけです。
 ひとえに、赤のこの縦の柱は、それこそこれは主食米における民間在庫の状況であります。二年、三年、三年産はこれからですよ、これからなんだけれど、このレベルの在庫が出てくるということになったら、それこそ本当に米価は大変な環境になるんじゃないかという心配なんです。これをどうしても、止めることができるのかどうか。それは、国の責任と言いませんよ、農業者自身もどんな取組がちゃんとできるのかということを本当に本当に本当に自分のこととして考えざるを得ないというふうに私は思っております。
 このコロナ禍の影響によるこうした事態に対して、政府はどんな役割、それから機能を果たせるのでしょうか。言うまでもなく食糧法には、主要食糧の需給及び価格の安定を図り、もって国民生活と国民経済の安定に資することを目的としているわけですが、こうした事態にどう対処できるのでしょうか。法が定めているのだから法の責任で対処しろというだけでは問題は解決しません。だから、まさに今の段階から、生産者が、JA等が、そして政府がどうした取組ができるのか考えておかなければならないと、こんなふうに思っております。
 大臣に全てを責任転嫁するつもりはありません。何ができるのか、容易でないのですが、農業者とJA等の生産販売団体が一体となった取組を行わなければならない、この思いでいます。生産調整、これから取り組むわけでありますけど、もう完全に取り組んだよと、まさに超過達成まで踏み込んだぞという決意を示さないと、自由な価格形成で進む米価は私は大変な事態になるんじゃないかという心配であります。
 といいますのは、国による買入れ数量を限定し、民間による流通を促進してきたこれまでの食糧管理の運営から、政府においてはややもすると政府に在庫が累積しない運営がなされてきているわけであります。しかし、豊作により大きな在庫が民間に累積した場合、政府はどう対処するんでしょうか。民間での古米の在庫や輸出も含め、各種の過剰米処理を講ずるということなのか。
 しかし、過剰米処理と簡単に言いましても容易じゃないと。いろんなところからのやはり批判が出てくるかもしれません。まさにそれぞれ綱渡りの運営を行わざるを得ない、この局面に来ているというふうに思います。
 対策が、どんな形の対策が検討されているのか心配であります。改めて、こうした事態が生じたときに、生ずるおそれが今こそ見えるときに、どんな対策を講ずるのか、また講じようとするのか、それとも生産者、JAグループ一体となってどう対処することを想定しているのか、お聞きします。

#12
○政府参考人(天羽隆君) 委員御指摘のとおりの状況であるというふうに私どもも考えているところでございます。
 今年産、令和三年産の主食用米につきましては、全国で過去最大規模の作付け転換に取り組む必要があるというふうに考えているところでございます。
 農林水産省といたしましては、このような厳しい環境であればこそ、関係者一丸となって需給と価格の安定が崩れるような事態を招かないように取り組んでいくことが重要というふうに考えてございます。
 令和三年産に向けてしっかり関係者挙げて取り組むということでございまして、先ほど申し上げましたとおり、令和二年度の三次補正予算の水田リノベーション事業、麦・大豆収益性・生産性向上プロジェクトを措置いたしますとともに、令和三年度の当初予算の水田活用直接支払交付金におきまして、県にも、都道府県にもイニシアチブを発揮してもらうと、今まで以上の推進をお願いするということでございまして、JA系統に出荷する、していないかかわらず作付け転換の取組を推進できますよう、都道府県が独自に支援する場合に拡大面積に応じて国が追加的に支援する措置の創設などを盛り込んでいるところでございます。
 また、例年のとおりでございますけれども、系統外の事業者を始めとする関係者の皆様への説明、キャラバンと称して進めています。例年にも増して全国会議を小まめに開催をしておりまして、これまでに五回開催しておりますほか、都道府県、生産者団体、商系の事業者の方々等に対しましても、ウエブも活用しつつ、本省職員が参加したものだけでもこれまでに延べ六十五回にわたる説明、意見交換を行ってまいりました。
 六月末、営農計画書の提出の締切りでございます。今、各産地で作付け計画が検討されている時期だと思います。是非、委員御指摘の危機感を共有していただいて、作付けの転換、それによる所得の向上を目指していくというふうに進んでいければというふうに考えております。

#13
○山田俊男君 天羽さんには、天羽さんを筆頭に、それこそ大臣もそうですが、大変な各所を回る取組、今御紹介いただきましたけれど、よくやっておられるということは聞いております。それがやっぱりきちっと効果として出てくる、その意識をちゃんと持ってもらうということがなきゃいかぬのですが、御案内のとおり、米は、もう流通している米、生産している米、流通している米、販売している米と、だんだんだんだんですね、じゃ、JAがちゃんとそれを全部カバーできているかと、そんなことありませんよね。だんだんだんだんシェアが小さくなってきて、ほかの関係の流通の皆さんがしっかりシェア持っている、また大規模な担い手や担い手法人等が役割を果たすという動きになっているんです。としたときに、本当にきちっと気持ちを合わせた形での取組ができてきているのかどうか。
 それから、当然のことですね、JAグループも経営そのものがなかなか厳しいんだというふうに思いますけれども、そんな中で、米について、かつてのように、それこそかつてのように生産者米価を自分たちで決める、ないしは相談しながら決めてもらうという状況ではないですね。需給の中で決まるときだからこそ、ちゃんと需給を均衡させなきゃいかぬということなわけでありますけれど、それを組織するということになったら、おいおい、あっちの法人の人はな、もう自分で米出荷してしまっているよと、そして取引して、おい、大分その値引きもあるみたいだよ、なんていうような話が、実は一昨年、昨年辺りからも私の耳にも聞こえてきます。
 まさにそういう状況の中で、一体となって、この需給をどう管理し、関わっていくか、調整していくかということが物すごく大事になってくるわけであります。大臣は、作付けが本格化するこの三月ないし四月、この今の段階でこそ、これらの懸念への対策が講じられなければならないというふうに私は思います。
 大臣の所信表明では、全ての関係者がしっかり連携して需要に応じた生産、販売を推進していくと、こうおっしゃっていただいて、まさにそのとおりなんですが、各県の生産の目安は、昨年秋に設定して以降、見直しをする県はほとんどないと聞いています。事態がこんなふうに、困難がこうして迫ってきているのに、じゃ、そのことを受けて、ちゃんと需給均衡に向けた取組が定着しているかということなんです。改めて各県の目安の考え方やルールなど、国からきちんと提起すべきではないかというふうに思います。そして、JAは米を他の作物に転作する努力をしなければならないんですし、一方、今も言いましたが、JA以外の法人経営の皆さん等々は、売り先を確保しているからということで主食用米を中心にそれぞれ独自の動きを進められる傾向にあります。これらの皆さんにどのように働きかけを行っていくのか、このままでは米の流通、販売、価格形成は大混乱するんじゃないかということを私の経験からも大変心配しているところであります。
 政府におかれましては、年二十万トンを限度に買い入れられる備蓄米について、棚上げして五年後に処理するという、扱いに苦労されながら百万トン程度の水準で備蓄運営がなされています。それで市場に出回る米の価格水準は維持できるんでしょうか。役所としてはかなり思い切った措置に私は踏み込んでいる、先ほどの天羽さんのお話からもありましたが、私はやっているというふうに思います。
 もう目いっぱい手を尽くしているんだぞというふうにおっしゃるんでしょうが、現下のこの状況の中で、計画生産と過剰米の扱い、そして不足に対処するための備蓄と安定した仕組み、理念と制度の運営を確立していかないと、改めてその運用も含めてやらないと、この先どうなるのか大変心配なんで、この需給のことについての農水省としての考えがあればお聞きしておきます。

#14
○政府参考人(天羽隆君) ただいま委員御指摘の計画生産とか過剰米の対策とか様々なお話があったわけでございます。日本全体での主食用米の需要量がコロナがなくても毎年十万トン減っているという状況の下で、やはり需要に見合った生産を進めていく。主食用米から他の作物、麦、大豆でありましたり、輸出でありましたり、加工用米、それから海外からの輸入に依存している加工業務用の野菜だとか果物だとか、需要のある作物への転換、これをしっかり進めていくということがなければ、お米をめぐる様々な要素、需要なり需給の安定、価格の安定というのは図られないのではないかというふうに考えております。

#15
○山田俊男君 私は天羽さんのおっしゃるとおりだというふうに思います。
 大変取り巻く環境を考えながら、本当にはっきりここまで踏み込んでこうするぞというところがなかなか言えないというのも、財政の問題もありますし、大変難しいということはよく分かりますが、しかし、これもう本当にこの時点でですね、大きな低落が、価格の低落が来るみたいなことで、先ほどこれ看板に掲げましたように、こんな事態が来たときに、本当にどういう局面になるか考えなきゃいかぬとも思います。
 政府におかれては、年二十万トンを限度に買い入れられる備蓄米については、棚上げして五年後に処理するという扱いに苦労されながら百万トン程度の水準で備蓄運営がされています。それで市場に出回る米の価格水準は、しかしそれで本当に維持できるのかどうか、もういっぱい、目いっぱい手を尽くしているというふうにおっしゃるのでしょうが、現下の状況の中で、本当にこの先どう考えているのか、何か方法があるのか、更に取り組む課題があるのかどうかということを、本当に知恵を大臣、出してもらわなきゃいかぬというふうに思うんですが、大臣、いかがでございますか。

#16
○国務大臣(野上浩太郎君) 今統括官からも申し上げましたが、米政策につきましては、やはり主食用米の需要が毎年減少してまいります。コロナの影響もありますが、構造的に減少してまいるという状況がある中で、消費拡大を図る、あるいは輸出拡大を図りつつ、自らの経営判断によって需要に応じた生産、販売を着実に進めていくということが基本であるというふうに思っております。
 そういう中で、今般、令和三年産はこれ過去最大規模の作付け転換が必要になってくるということで、極めて強い危機感を持って今取組を進めているところであります。
 様々な対策等については今詳細申し上げたところでありますが、この対策をやはり危機感を持って共有をしていただかなければならないというふうに思います。全国会議、あるいはウエブ会議、あるいは地方農政局等々で今情報提供あるいは共有等々を図っているところでありますが、やはり関係者一丸となって、これ全ての関係者が一丸となって取組を進めていく、このことに全力を挙げてまいりたいと考えております。

#17
○山田俊男君 もう一点、皆さんのところへ資料を出させてもらっております。この赤い柱の表の次のページでありますが、主食用米の需要量の推移というのを出しています。御案内のとおり、何と私もこうして表を作ってみて、びっくりです。こんなに急激に真っすぐ一直線に下っているわけであります。
 そして、一方で、家畜、右側にあります、配合飼料原料に飼料用米を利用した場合の利用量というのを、試算をこれも農水省がちゃんとやってくれているわけですから、農水省も十分十分意識してやってくれているわけでありますね。配合飼料の生産量がこれだけあります。配合可能割合もこれだけあります。もちろん、低い率の部分もありますけれど、しかし、採卵鶏やブロイラー等みたいに比較的米を飼料として利用できる状況がちゃんとあるわけですね。利用可能数量もここにこうして数字が、まあ単純な数字であるかもしれませんが、しかし合計すると四百五十一万トン、これ使えるということがあります。今どれだけ使っているかということでありますけれども、それ差し引かなきゃいかぬわけでありますけれども、相当まだ余地があるというふうに言えます。
 その下の表、長い表ですね、令和元年度水田の利用状況、これ見てみますと、主食用米は、御案内のとおり左側にこれだけあります。それはもう当然のことですね、大変な量です。これ、棒が、グラフがちょっと切れているんですよ。もっともっと長いわけです。そして一方、右側に加工用米、米粉用米、飼料用米、ホールクロップサイレージ用稲、備蓄米、それから麦、大豆、飼料作物、ソバ・菜種、その他、こんな形であるわけですね。
 ここを、水田をどんな形で利用するか、構造的に変えていく、ということが何としてでも私はこれ必要なんだというふうに思うところでありまして、ここをもっともっと私は追求しなきゃいかぬと、役所も追求しなきゃいかぬ、団体も生産者もそのことをきちっと考えていかなきゃいかぬと、こんなふうに思うところであります。
 ところで、次の動きを御紹介しますけれども、私は、そうは言いながらも、地域の農業者、そしてJAを始めとする関係者に希望を持っております。米政策を議論した昨年秋の党の農業基本政策検討委員会ではJAや地域における米政策の取組が紹介されまして、代表者による取組の発表がありました。三つの、JAと青年部の組織等から発表があったわけであります。
 その中身見てみますと、一つは、JAが中心になった輸出米の取組による生産数量目標の達成を、輸出米で見事な計画的な生産がやられているんですよ。主食用をどうする、飼料用をどうするかということをやっておられながら、一方で輸出米の取組を丁寧にやっておられます。そして、相当量を輸出されているわけですね。実績あります。
 それから二つ目は、稲作農家と畜産農家が連携したホールクロップサイレージによる飼料用米と稲わらの提供を、これも集落営農を中心にしながら集団ごとにきちっとこの取組を実現されておられます。それから、ブロックローテーションによる麦、大豆の生産により、見事に生産数量目標の達成を実現している取組もあるわけです。
 まさに、これらの取組を大々的に推進する政策こそが私は求められるというふうに確信しています。今の段階で、生産者やJAや市町村や県や、そして政府が一体となって何ができるのか、徹底して対策を私は詰める必要があるというふうに思います。
 どうぞ、改めて大臣の決意を、この決意を私はお述べいただきたい、こんなふうに思います。

#18
○国務大臣(野上浩太郎君) 今、山田先生から御紹介いただきました取組、いずれも重要な取組だと思います。
 米の輸出につきましては、海外需要の開拓に加えまして、大ロットで輸出用米の生産に取り組む産地の育成が重要でありまして、海外需要の開拓ですとかプロモーション等の取組に対する支援に加えまして、新市場開拓用米の低コスト生産の取組に対する支援等も行っているところであります。
 私も去年、登米農協の組合長ともお話をさせていただきまして、非常に先進的な取組をされておられること、大変心強く思いました。また、牧畜連携につきましては、これは稲作農家と畜産農家が連携して行う資源循環ですとか飼料用米の稲わら利用等を進めることが重要であります。産地交付金等によりまして、地域の実情に応じてこれらの取組も支援をしてまいりたいと思いますし、さらに、お話しになった麦、大豆のブロックローテーションにつきましても、これ、水田麦・大豆産地生産性向上事業等によりまして、このブロックローテーションの前提となる作付けの団地化を推進をしてまいりたいと思いますが、引き続き、これらの支援措置を講じながら、これらの政策の推進を図ってまいりたいと考えております。

#19
○山田俊男君 実は、このJAが中心となった輸出米の取組による生産数量目標の達成というのは、大臣もよく御存じの富山のJAみな穂であります。輸出だけやっているわけじゃなくて、ブロックローテーションもやっているし、受委託もちゃんとやっているし、複合経営もやっているし、そして、その上で更に輸出仕向けの取組を輸出のメーカーと一緒になりまして丁寧に丁寧に実現して、見事な形で目標達成をやっているわけであります。できるんですよ。やればできるということであります。
 知恵と発想の下に、これらを何としてでも実現しなきゃいかぬし、どうぞ農林水産省におかれてもこうした取組を広く自覚を持ってやっていただく、このことを徹底して進めていただきたいし、JAグループも、それから我々議員も、日本の将来を深く深く考えてこれらの取組を励ましていくという取組を進めなきゃいかぬと、こんなふうに確信しているところであります。
 今日は短い時間ですが、大事なことを言わせてもらった。自らきちっと努力しなきゃいかぬということを申し上げているわけでありますので、政府も団体も、それから生産者も、心を合わせてこれらの取組にしなきゃならない、そのためにはやっぱり危機感を持たなきゃいかぬと。危機感を持って、この大事な日本の水田農業を、稲作を守っていこうじゃないですか。どうぞよろしくお願いします。
 ありがとうございました。

#20
○田名部匡代君 立憲民主党の田名部匡代でございます。今日はよろしくお願いいたします。
 今、山田委員の米のお話聞いていたら、ちょっと米のことにも触れたくなったんですが、後で安全保障のところでちょっと関連してお話ができればなというふうに思っています。
 余りこういうことを取り上げたくはないのですけれども、初めに、倫理規程違反について伺わなければなりません。この後、同僚議員も取り上げるようですので、できるだけ重ならないようにいたしたいと思います。
 ちょっとこれ通告をしていないんですけど、分かったら教えていただきたいんですけれども、一人一万円を超える利害関係者との会食は割り勘でもきちんと届出をするというのがルールでありますけれども、先日、これ朝日新聞で、農水省、直近五年間で四百十三件の届出があったと。一万円を超える会食というのは普通に考えてやっぱり高いですよね。それは、個人でそういう飲み会的な会食に行っているものの件数なのか、これってほかにどういうものがあるのか、今分かったら教えてください。

#21
○政府参考人(横山紳君) 通告いただいておりませんので少し正確なところではないかもしれませんけど、私の知っている限りでということでお答えをさせていただきたいと思います。
 まずあるのは、地方とかで、何といいましょうか、叙勲とか褒章とかそういったことを受けられた方が祝賀の会を催されて、その場に、農家の方であったりするわけなんですけど、そういう場に呼ばれていくと、これ当然利害関係ございますので自分で負担しなきゃいかぬと、そういうお祝いの場なので少し値段は高めになる、こういったことがあるのと、あと、やはりこれも地方が多いと思いますが、一次会の後に二次会なんかもある場合もあって、それを合わせると一万円を超える、そんなような場合もあるということで、そういったことも含めてしっかりと届出がなされているというふうに私どもとしては認識をしておるところでございます。

#22
○田名部匡代君 そのときの報道で農水省の件数がトップだったと、この数字だけ見て多いとか少ないということを語るべきではないと思いますし、もしかしたら農水省は正直に届出をしているのかもしれないですしね。分からないですけど、今のお話のとおり、地方でのその現場の声を聞くために、いろいろ勉強会などをする場では声は聞けない、その後の懇親会で、農家の皆さんやまた漁業者の皆さんがやっぱりそこで腹割って話せるというようなお付き合いもいろいろあると思いますから、ほかの総務省の件では一人七万円の会食、ごちそうになったなんて話があるから、一体これはどうなのかなということを思って聞いたんですが、そういう事情もあるということは分かりました。
 今回ばかりではなくて、問題なのは、政策を決める、方向性を決める重要な期間の間にやっぱり頻繁に外で会うだとかごちそうになるなんていうことは疑念を持たれて当然だというふうに思います。ただ、やっぱり私は、これは政治家の責任は非常に大きいと思いますよ。吉川元大臣の責任というのは、また、そこに参加をされた政治家の責任というのは本当に大きい。何の説明責任も果たさないでこの場を去ったわけですから、これは本当にひどい。しっかり説明してもらう責任があったんじゃないですか。それをさせもしなかったということだと思うんですね。
 ここに、目の前にいない人のことをここで言ったってしようがないわけですけれども、お金をもらって自分の利益のために人を巻き込んだということですし、今申し上げたように説明責任も果たしていない。こういうことに対して、野上大臣はどんなふうに思われますか。

#23
○国務大臣(野上浩太郎君) まず、今般、当省幹部職員が倫理規程違反によりまして懲戒処分に至りましたこと、心からおわびを申し上げたいと思います。
 その上で、今、政治家の責任というお話でございました。当然、政治家自身がその責任を自覚をして、そして常に襟を正していかなければならないということは当然であるというふうに考えております。私自身も、この再発防止あるいはこの検証の推進、また倫理規程の遵守等々、この国民の厳しい視線をしっかりと受け止めつつ、先頭に立って進んでまいりたいと考えております。

#24
○田名部匡代君 倫理規程違反は駄目ですよ、許されるべきことではない。だけれども、だけれども、私はやっぱりちょっとまあ気の毒だなと思うところもあるんですよ。大臣に誘われて、誰がいるかも分からないところに行ったと。じゃ、そこに利害関係者がいたから、まあ普通に考えればなかなか、ちょっと帰らせていただきますとはなかなか言えなかっただろうと。吉川元大臣が自分で払ってもいないお金を自分は払ったと言ったら、本当に大臣払ったんですかという話もなかなかならなかったと思う。いや、かばうわけじゃないですよ、駄目なことは駄目。だけど、そういう事情があった。
 つまり、私は、真面目に一生懸命仕事をされてきた姿を見ているということもあるし、その時々の政権を誠実に支えてこられたと思うし、疑念を持たれたのであればそれはしっかり晴らしていただきたいと、一生懸命仕事をしてきたことをやっぱり国民の皆さんにもう一回信じてもらえるようにしていただきたいという思いを込めて今日は聞いているんですけれども。
 今大臣、再発防止しっかりやるということでしたので、それは徹底していただいて、調査が続いているということですから、調査を受ける側の皆さんもこれは正直に誠実にしっかりそれはお答えをして、そしてうみがあるなら出すと。持たれなくていい疑念を持たれたんだと思っているなら、それは徹底して証明していくということをやっていただきたい。
 もう一回、大臣、お願いします。

#25
○国務大臣(野上浩太郎君) 今般の事案を受けて、今、農林水産省で倫理に関する追加の調査、あるいは第三者検証委員会等々も今検証を進めていただいているところでございますが、これらのことを通じて徹底的に検証をして、そしてまた農政が信頼いただけるように全力尽くしてまいりたいと考えております。

#26
○田名部匡代君 ありがとうございました。よろしくお願いします。
 ちょっとこのことに関して、アニマルウエルフェアについても聞こうと思ったんですが、この後の質問にもあるようなので、もし時間があればさせていただきたいと思うので、これ後回しにします。
 また、大臣、通告もしないで意地悪をするつもりはないので、この間、前の委員会で郡司委員もちょっと触れられていたと思うんですが、所信の中で大臣が、やっぱりこういう思いがあるな、これ思いが強いなとか、手を加えられたりしたことは何かあります、政策の順番、やっぱりこれを優先的にやりたいんだと所信で何か大臣の思いが込められたところってあるんでしょうか。

#27
○国務大臣(野上浩太郎君) その作成過程ということではありませんが、やはり私自身は、ずっと申し上げてきたことの一つに、産業政策と地域政策、両輪でやっていくんだという思いがあります。ここをベースにしながら、新たな輸出の取組ですとか、あるいはみどりの食料システム戦略、そういう新たな取組なども触れながら農政全体について所信表明の骨格をつくっていったということでございます。

#28
○田名部匡代君 ありがとうございました、通告もしていないのにお答えをいただいて。
 私、鹿野大臣にお仕えさせていただいたときに、鹿野大臣の所信で、やっぱり農林水産の再生というのは国政の真ん中に位置付けられるものなんだと。ちょうど震災のあった後でしたので、食と農林漁業の再生というのは国の新たな光を生み出すというふうに、とてもやっぱりそういう強い思いを込められたことが印象に残っています。
 そういうこともあって、今年は東日本大震災から十年迎えましたので、所信では一番最後に触れておられましたけど、ちょっとそのことについてお伺いをしていきたいと思います。
 所信で大臣は、復興にはまだまだ課題があるという御認識されましたが、特にどういう課題があるなというふうに感じますか。

#29
○国務大臣(野上浩太郎君) 様々な課題があるんですが、やはりいまだに残る風評払拭、これをどう払拭をしていくかというのは極めて大きな課題だと思っています。
 今農水省では、平成二十九年に風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略、これに基づいてこの風評払拭に向けて取組を進めているところでありますが、この結果、消費者庁の調査によりますと、福島県産の食品を買うことをためらう人の割合は年々減少してきておりまして、今年の二月の調査では過去最小の八・一%まで減少をしております。
 しかし、福島県産とこれ全国平均の価格差、徐々に縮小はしてきておりますが、依然全国平均を下回る価格の品物が多いと。さらには、納入業者が納入先の福島県産品に対する取扱姿勢を実態よりもやはり後ろ向きに評価をしているということもございます。
 こういうことで依然として風評が残っているわけでありますが、このため、今福島県とも様々なことを連携をしながら取組を進めております。GAPの話、あるいは水産エコラベルの話、放射性物質の検査、販売促進、それから生産、販売、流通に至るまで総合的な支援行うとともに、やはり関係事業者に対して、これ福島県産とその他の県産の農産物をこれは常に対等に比較して取り扱う商品を選択するように指導もいたしているところでございます。
 また、情報発信も極めて重要でありまして、厚生労働省などと連携いたしまして、食品の安全性、魅力に関する情報についてホームページやSNS等を通じた発信をいたしておりますし、また海外に向けてもこれ情報発信が重要だということで、福島県産を含む農林水産物・食品のオンライン商談会の実施等の支援なども行っているところでございますが、いずれにしても、現場の皆さんの声に耳を傾けて、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

#30
○田名部匡代君 大臣、思いが一致してうれしいです。私も、十年たつのに、安全でおいしい食べ物を提供してくださっているその価格が全国と比較して低い、まだ戻り切らないというのは本当に問題だし、必死で再生をというか、復興を成し遂げようと思って被災地に残って活動している方々にとってもこれは本当につらい思いをされているんじゃないかな、これ何とかしていかなければならないというふうに思っているんですね。
 今大臣からも消費者庁の調査のお話もありましたし、他省庁との連携もされているようなので、是非、いろんなアンケート取られていますよね、消費者庁もそうだし、自治体もそうだし、また三菱総合研究所なんかでもずっと継続的に調査をしているものがあって、確かに消費者側の食品に対する意識というのは大分変化があった。これは被災地の皆さんや、また国もそうかもしれないけど、そういう一生懸命な取組が結果として出ているというふうに思うんですけれども、やっぱり現場から聞くと、流通段階での誤解、何というかな、消費者の人たちがまだ買おうという気持ちにならないのではないかとか売れないのではないかということでそれを控えてしまうだとか、安くなければ売れないのではないかということで価格に影響が出てくるというようなこともあるのかなということと、これもう一つ、基準値を超えないものについていつまで検査するのかというのは被災地でも意見が分かれるところで、売り先が求めてくるから公でやってもらわないと自費で検査することになるので負担が大きくなるという声もあるし、逆に検査をし続けることでいつまでも安全性が疑われる要因にもなっているのではないかという声もあるんです。
 実は、このことでまた更に被災地では見えない被害を生んでいる。それは何かというと、分断なんですね。一緒に同じ地域でいろんなものを作ってきた、地域の中で、コミュニティーの中でみんなで努力をしてきたのに、こういうことで意見が分かれる、意見の相違が地域に分断を生んでいると、これも見えない被害の一つだということを被災地の方がおっしゃっていました。
 だから、その現場、被災地の声というのはとっても大事だし、それは尊重されるべきことだと思います。どうするのがいいのか。安心を消費者の皆さんに理解してもらうために、じゃ、どうするのかというのはとっても大事なんだけれども、被災地にその判断を押し付けるよりも、やっぱり風評被害を取り除く努力を国が先頭に立ってやっていくことで、もう誰もそんなこと求めていないよという状況を周りからつくっていくことがとっても大事だというふうに思うんですね。
 ですから、大臣にもそこは意識をしていただいて、流通関係のところに言うべきことがあるならしっかりと情報を発信すると、そして理解をしてもらうと。海外のことも取り上げていただきました。検査をしていることすら知っていただいていないという状況が海外にもあると思うんです。ですから、そういうことも徹底して説明をして、その規制を解いていくということを是非やっていただきたいというふうに思います。
 あわせて、先般、国連の科学委員会が、被曝が直接の原因となる健康への影響が将来的に見られる可能性は低いという報告書を出しました。これ、大臣、御覧になっていますか。なっていれば感想をお聞かせください。

#31
○国務大臣(野上浩太郎君) 直接拝見はまだいたしておりません。

#32
○田名部匡代君 これまでネット上でも本当に、本当にひどい誹謗中傷や、科学的根拠がない、またデータに基づかないような発信というのは数多くあったと思うんです。私はこれは、何というかな、そのことがまた被災地を傷つけてきたし、更なる風評被害を生んできたというふうに思っているんですね。原発政策の賛否じゃないんですよ。
 やっぱりそういう事実は事実として、それをどう安心や風評被害の払拭にもつなげていくかということだろうと私は捉えておりますので、是非、大臣の今語っていただいたその地域の持っている課題、それに対する取組が、十年一区切りではなくて、これからの先、震災前以上に福島も東北ももっといい地域づくりができるように、是非そこには強い思いを持って取り組んでもらいたいと思いますが、一言、どうぞお願いします。

#33
○国務大臣(野上浩太郎君) 私も昨年、大臣に就任させていただいて、まずは被災地、福島の方に行ってまいりました。現場の皆さんの声も聞いてまいりまして、徐々に明るい動きも出てきている一方で、しかし、まだまだ大変厳しい状況が残っている、それも実感をいたしておりますので、その方々が将来の希望を持って進んでいけるように全力を尽くしてまいりたいと考えております。

#34
○田名部匡代君 ありがとうございます。
 それでは、次に移りたいと思いますが、大臣は所信で、輸出であるとかスマート農業であるとか担い手育成、こうした政策を通じて自給率向上と安全保障を確立するんだということを述べられました。大臣がお考えになっている安全保障というのはどういうことなのか、お聞かせをください。

#35
○国務大臣(野上浩太郎君) やはりこの食料の安定供給というのは国家の最も基本的な責務の一つでありまして、食料・農業・農村基本法におきましても、これ国内の農業生産の増大を図ることを基本としながら、これと輸入、備蓄を適切に組み合わせることにより確保をすることとしておりますが、国内農業生産の増大につきましては、例えば、担い手の育成確保や農地の確保、あるいは輸出目標にも対応した農産物の増産ですとか、加工食品や外食、中食向け原料の国産への切替え等々を通じて生産の振興を図るほか、やはり多様な人材、あるいは地域資源を活用した農産、農村活性化など、新たな農産政策の展開、あるいは日本型直払いの政策等々で地域を下支えをするということが重要だと考えております。
 また、国内生産では十分に満たされない小麦、大豆、トウモロコシ等々につきましては、これは引き続き安定した輸入が行われる体制を整えていかなければなりませんし、不測の事態に備えて米や小麦、飼料用穀物については一定の水準の備蓄を確保すると、ほか、不測時の具体的な指針となります、昨年も少し御議論もありましたが、緊急事態食料安全保障指針を策定をしているところでありまして、その適切な対応の確保が図られるように取り組んでまいりたいと思います。
 さらに、今やはり新型コロナウイルスへの対応、感染拡大、これが新たなリスクになってきているというふうに思います。今、外部の有識者も交えながら、今後講ずるべき食料安保についての検討も今進めているところでございます。

#36
○田名部匡代君 その不測の事態で、芋食べてしのぐようなことの想定では駄目だというふうに思っていて、しっかりと自給率を高めて、最悪の事態を想定した安全保障を確立していかなければならないというふうに思っているんです。
 じゃ、ここで大臣は、自給率もこれらの取組で上げていくというふうに述べているんですが、何というか、私の受ける印象では、どうしても両輪だと言いながらも利益の出やすいことが優先されているし、何というかな、活用しやすい農地、効率化であるとか高度化であるとか、輸出に取り組めるところ、こういうことに大きく依存というか期待をされているんじゃないかなというふうに思うんですけど、私、この自給率を高めていくことだって本当に日本にとっては大事な問題だと思っていて、そのためには農地をしっかり確保しなきゃいけないし、それを活用しなきゃいけない、そのための人手を育てていかなきゃいけない。
 そういう意味では、私たちは、その流れの中で、だから経営の安定的な活動ができるように所得補償があったし、そして、その安定の中で若い人たちにもやってもらいたい、それが青年就農給付金になったし、その中にもっと女性の力も借りていこうよといって女性優先枠の具体的な政策も出したし、そして、それをじゃ六次産業化につなげよう、企業との連携、民間との連携、そしてそこにファンドで支援をする、それらが今度は輸出につながるという一連のやっぱりその基本、やっぱり土台として農地や人というところをちゃんとやりながらそれを発展させる、それが産業政策、土台がなかったらそっちはつくれないというふうに思うんですね。
 だから、ちょっとここはもう少し、両輪と言うならばそういうことを意識していただきたいというふうに思っているし、さっき米の話出ましたけど、これだって今年、来年しのげればそれで何とかなるという話じゃないと思うんですよね。これ本当に、温暖化の影響はどうなっていくのか、今、輸出、適正な輸入と言ったけど、どこかの国に依存して、それで何とか関係が良好だったらいつだって食べ物入ってくるということが前提ではやっぱり駄目で、それらが失われたときに、やっぱり農水省が責任持って日本のその食料を、命を守る、守れるのかと、その環境をどうやってつくっていくんだということがやっぱり大事で、緊急事態食料安全保障指針の中にも、やっぱりそのためには自給率であるとか書いてあるわけですから、やっぱりそこを意識して、この何か、スマートだ何とかだとかが、それがイコール自給率ということではなくて、やっぱりそこは、自給率を高めるために具体的に何をしなきゃいけないのかということがもうちょっと農家の皆さんにも御理解をいただいて御協力いただけるような発信と取組をするべきじゃないかなというふうに思っています。ちょっと時間がないので、そのままお聞きしないで進みますけれど。
 米の話でいったら、これだけ米があるある言いながら、今コロナで、見てくださいよ、貧困で御飯食べられない人がいるじゃないですか。なぜそういうときに国が支援を積極的にしないのか。備蓄米は使えないのですか、お米券のような形でできます、できませんか、いろいろやり取りしましたが、まあ食育の一環では出せるけどとかいう話だったんですね。
 だけど、作った農家さんだって、困って食べられない人に食べてもらったらそれはうれしいし、やっぱり食べることは生きる力、働く力ですから、地域でばらつきがあって、民間で支援をできるようなところは食べることができるけど、そういう人たちがいてくれなかったら食べることすらできないという状況を、やっぱりこれ、私は、貧困対策は厚労省なんですよなんて言っている場合じゃなくて、私はやっぱりそれは農林水産省の役割だというふうに思うんですね。
 だから、農林水産省がリーダーシップ発揮して、食べられない人たちにどうやってしっかりとその命をつなぐために責任を果たすかということは、もう少し、価格が高まった、輸入が入ってこない、温暖化でどうだという安全保障だけじゃなくて、一方では、食品ロスで余っているんだけど、逆に食べられないという現実がこの国の中にあるということをもうちょっと真剣に受け止めて、農林水産省として何ができるか、それだって安全保障の一つじゃないですか。どうやってこの国民の命を守っていくのかということはもっと積極的に農林水産省の中で議論していただきたいと思うんですけど、どうですか。

#37
○国務大臣(野上浩太郎君) 農林水産省では、従前より、食育の観点から、政府備蓄米を活用しまして、例えば学校給食における御飯食を推進してきました。また、最近、子供食堂、子供宅食等々、ここにつきましても御飯食の提供を行うということにしております。この五月からも、子供食堂に拡大をしてきているところであります。
 一方で、今日の関係閣僚会議、朝開かれたところでありますが、ここにおきましても、その備蓄米等々の、あるいは緊急支援事業につきまして販路多様化事業がございますが、その活用等々、要件緩和等々も図ってきたところでございます。

#38
○田名部匡代君 さっきは一致したのに残念ですね。そうなんですよ、今もあった。例外的に、場当たり的にやるんじゃなくて、やっぱりその体制しっかり整えるべきじゃないですかということなんですね。その備蓄の話も、確かにそれ活用すれば、市場には米がありますからと、そしてそのことによって価格に影響出ますよ、いろんな課題あるでしょう。でも、そんなことを言い訳に食べることができない人たちをほっておいていいということにはならないんですね。
 年末年始、日雇の労働の方々は、その日仕事がなかったら収入がない、食べられない、寝るところもないという状況があった。それ、国は責任持たずに、まさに自助なのか共助なのか、できる人たちが自分たちで食料かき集めて、そして提供してくださった、それで命をつなぐことができた。
 私の地元の青森県でも、緊急事態宣言出ていないですよ、それでも経済は相当悪化して、そういう意味では持続化給付金だとかという話もしたくなるんですけれども、ちょっとそれは場が違うので置いておいて、本当にもう追い詰められている、そういう中でアルバイトもできなくなって一日一食にしていた、それを地域で食料提供をしてくれる支援があったから御飯を食べることができた、恩返しをしたい、有り難かった、こういう話もあるんです。地域の中でそういう民間の人たちがきちんと体制整ってできるところは食べられる、そうじゃないところは仕方ないよねって、話にならないじゃないですか。
 だから、例外的にということじゃない。ちゃんとそれを国家の危機として捉えて、農林水産省が責任を持つべきじゃないんですかということを申し上げています。もう一回答弁お願いします。

#39
○国務大臣(野上浩太郎君) やはり生活困窮者対策という意味ではこれは厚労省が所管をして、今政策を推進しております。
 ただ、農水省としても様々な今政策を推進をしているところでございまして、先ほど申し上げましたが、フードバンクの食品の受入れ等の支援の対象も拡大をしました。また、子供食堂等に提供される食材の調達費等に対する補助金の要件の緩和ですとか、あるいは子供食堂への政府備蓄米の無償交付について、この交付上限数量の引上げなども行ってまいります。こういう取組、しっかりと周知をして進めてまいりたいと考えております。

#40
○田名部匡代君 またこれは改めて時間があるときに取り上げたいと思います。
 ちょっと最後に一点、これ、地元からも声が上がっていたので。
 農水省において、その行政手続のオンライン化の状況、取組状況についてちょっと、最後全然違う話で申し訳ないんですが、教えてください。

#41
○国務大臣(野上浩太郎君) この行政手続のオンライン化でございますが、やはり農林漁業者の高齢化、労働力不足、あるいは自治体職員の減少が進んでおりますので、経営、営農指導といった本来の仕事に注力できる環境を整備するには、この行政手続、煩雑でありますので、これを効率的なものにして利便性を高めていく必要があると考えております。
 農林水産省では、当省所管の法令や補助金など、行政手続をオンラインで申請できるように、農林水産省共通申請サービス、いわゆるeMAFFと呼んでおりますが、この整備を今進めています。具体的には、令和二年度から経営所得安定対策ですとか認定農業者制度の一部の手続について先行的にオンライン化を実施をしておりますが、令和三年度からこれ本格的にオンライン化を進めまして、令和四年度までに三千を超える全ての手続についてオンラインで申請できるようなことを今目指して進めております。
 やはりオンライン化、手続、簡便なものにするためには、その実態把握ですとか、その申請に係る書類や申請項目の抜本的な見直しも必要になってまいります。このようなことを進めながら、申請者の皆様が便利さを実感できるものとなるように、引き続き精力的に取り組んでまいりたいと考えております。

#42
○委員長(上月良祐君) おまとめください。

#43
○田名部匡代君 はい、ごめんなさい、時間なので終わります。
 最後は一致しました。そうなんです。オンライン化だけじゃなくて、中身に地域の概要だとか機械はどんなのかとか、もうそういう面倒くさいような要らないことは見直して、もっと簡素化できるように取り組んでください。
 終わります。

#44
○石垣のりこ君 立憲・社民の石垣のりこでございます。よろしくお願いいたします。
 まずは、今月、三月十一日で東日本大震災から丸十年となりました。私は宮城の出身でございます。改めて、東日本大震災で亡くなられた方々に心から哀悼の意を表したいと思います。
 十年一区切りとされますけれども、実際に被害に遭った地域に立って現実を見てみますと、これからまだまだ続いていく復興の道の途中であるというのが実感でございます。農林水産業に関して申し上げれば、早々に農地、復旧復興しまして、営農を再開、意欲的にされている方もいらっしゃれば、一方で、特に原子力災害地域における営農の再開は非常に厳しいものもございます。水産業に関して申し上げると、ALPS処理水の問題など、これから本当にまだまだ課題が山積しております。この点においても、しっかりと政府として御対応いただければと思います。
 さて、昨年の十二月に行われました農林水産委員会の閉会中審査で、私、吉川元農林水産大臣の収賄疑惑について質問をいたしました。その時点では吉川元大臣はアキタフーズの秋田元代表からの現金の受取について肯定も否定もされていないという段階でございました。その後、吉川元大臣が昨年末に辞職表明されまして、年明けには収賄容疑で在宅起訴、そして先月二十五日には、鶏卵大手のアキタフーズの元代表、秋田元代表から農林水産省幹部が接待を受けていたということが判明して、六名の官僚の方が国家公務員倫理規程違反で処分をされたということになっております。
 処分された六名の官僚の方は、利害関係のある業者からの接待を受けたことによって処分されたということになっておりますけれども、これ、吉川元大臣の疑惑というのは解明されていない段階での処分ということになっております。この処分された六名の方についてはあくまで倫理規程での処分ということになりますけれども、大臣に伺いたいんですが、この倫理規程以上の違反がないという認識での御処分なんでしょうか。

#45
○国務大臣(野上浩太郎君) この処分につきましては、いわゆる国家公務員倫理規程に沿ってあの処分がなされた、あの厳正な処分がなされたというふうに考えております。
 そこの会食の場で例えば第三者の関与があったのかどうか、あるいは政策的な影響があったのかどうか等々につきましては、これは今第三者委員会の検証の対象にもなるというふうに考えておりますが、そちらの方は第三者委員会で検証するということでありますが、国家公務員倫理規程の違反ということにつきましては、それに基づいて厳正な処分が行われたということだと考えております。

#46
○石垣のりこ君 その内部調査においては、政策がゆがめられたのではないだろうかと今疑念が生じているわけですけれども、その点について調査はされていらっしゃるんですよね。

#47
○国務大臣(野上浩太郎君) 今、第三者検証委員会におきまして、この養鶏・鶏卵行政の公正性について検証いただいているところでございます。

#48
○石垣のりこ君 第三者委員会に入る前に、内部調査でそれを調査をされていらっしゃるのですかという質問でした。

#49
○政府参考人(横山紳君) お答え申し上げます。
 まず、倫理の話は倫理の話として、国家公務員倫理審査会の承認を得て処分を行ったということでございます。
 今御指摘は、行政自体がゆがめられたのかどうかについて当省の中でということでございますが、それはまさに第三者委員会の手で、我々の方法がゆがんでいなかったかどうかというのを客観的な目で見ていただこうということで現在進められていると、こういう理解でございます。

#50
○石垣のりこ君 としますと、第三者委員会が立ち上がる前の段階ではあくまで接待を受けたかどうかの話であって、政策がゆがめられたところに官僚の方たちが関わられたかどうかということについては調査はされていらっしゃらないという認識でよろしいんでしょうか。

#51
○政府参考人(横山紳君) 今回の事案、国家公務員倫理規程等の違反ということではございますが、その際に、まさに会食の場において政策についての働きかけがあったのかなかったのかという点については確認をしておりまして、これに、会食に参加したいずれの者もそうしたものはなかったということを明言をしているところでございます。

#52
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
 今後、調査対象を百五十人に拡大して行うと、およそ百五十人に拡大して行うという、野上大臣の三月十日の委員会での御答弁でしょうか、ということだったんですが、これ、対象を拡大した理由というのは何ですか。

#53
○国務大臣(野上浩太郎君) さきに行いました倫理に関する調査では、アキタフーズ関係者との会食に参加していた者がいずれも生産局長及び畜産部の管理職であったことを踏まえまして、吉川元大臣の在任期間中の畜産関係の幹部職員等を対象に調査を行ったところであります。
 他方で、吉川元大臣と秋田元代表の起訴を受けまして様々な御指摘があることも踏まえて、今般、養鶏・鶏卵行政の公正性に影響を及ぼした可能性のある会食がなかったか、より広い範囲で徹底的に把握する追加調査を実施することといたしました。
 今回の追加調査では、吉川元大臣の在任期間に限らず歴代に遡って畜産部の室長級以上の者、特に第三者委員会の検証対象となっておりますアニマルウエルフェア、公庫融資、鶏卵生産者経営安定対策事業に関するポストにつきましては課長補佐以上の者について調査を行うことにしたわけでございまして、その対象が約百五十人ということになったわけでございます。

#54
○石垣のりこ君 ということは、第一弾として内部調査をされた段階ではまだそこまで広げる必要はないという認識だったということで、外部からの指摘を受けて改めて百五十人ぐらいまで拡大されたということで、やはり内部調査で行うことの認識の甘さということをそのところで指摘させていただきたいと思います。
 その上で、第三者委員会が一月の二十九日でしょうか立ち上がりまして、二月の三日に初会議が行われたと報じられておりますけれども、この第三者委員会の委員、四人の方がいらっしゃいますけど、どのように選定されていますか。

#55
○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。
 第三者委員会の委員につきましては、現在、法曹関係者一名、ジャーナリスト一名、有識者二名にお願いをしておりますけれども、下準備の候補者の選定作業を私のところで行った上で、人選の最終判断を大臣に行っていただきました。
 委員の人選に当たりましては、弁護士の井上宏様におかれましては、元検事の経験を生かして養鶏・鶏卵行政の公正性について厳正な検証をいただける方として、日本大学名誉教授の酒井健夫様におかれましては、畜産の専門的なお立場から検証いただける方として、農業ジャーナリストの榊田みどり様におかれましては、農業政策に関する見識を有し、国民目線から検証いただける方として、東京大学大学院法学政治学研究科教授の谷口将紀様におかれましては、政治、行政の専門的なお立場から検証いただける方として、それぞれ各分野の有識者であり、かつ十分に第三者性のある方として委員をお願いしたところでございます。

#56
○石垣のりこ君 十分に第三者性がある方ということで選定された方たちの話をいただきましたけれども、その四名の方を選定された事務局が、結局は農林水産省の職員の方たちによる事務局から委員が選出され、それを承認される、最終的に決定されるのが農林水産大臣であるということでよろしかったですか。

#57
○政府参考人(青山豊久君) 私どもの方で複数の候補者を選定いたしまして、大臣に最終的に御決定いただいたということでございます。

#58
○石垣のりこ君 複数の候補者がいらっしゃったということですけれども、結局は農林水産省内の調査をするのに農林水産省の方たちが事務局をつくって、その方たちが選んだ方たちの中から、複数いたとしても、そこから選定されているということに関しては変わらないということでよろしかったかと思います。そのように御答弁いただいたというふうに認識いたしますけれども、その上で、この会議、非公開ということで、今後、その調査結果が最終的に発表されるということなんですが、この結果の公表というのはいつぐらいまでに行うという見通しで今進められているんでしょうか。

#59
○国務大臣(野上浩太郎君) 吉川元大臣及び秋田元代表が贈収賄容疑で起訴されたことを受けまして、農林水産省としては、今お話しいただいております第三者委員会、養鶏・鶏卵行政に関する検証委員会で幅広く検証を進めていただいているところであります。
 座長の下で職員に対して厳格な調査を行う上で、今後の調査に影響があり得ること等から第三者委員会として検証の途中経過等については公表しないこととされておりますが、委員会でしっかりと検証をいただいて、その結果を公表してまいりたいと考えております。

#60
○石垣のりこ君 厳格な調査というふうにおっしゃいますけれども、先ほどから何回も申し上げているように、結局、第三者委員会を選んでいるのが農水省の方たちというところで、どこまで厳格に調査ができるのかは甚だ疑問でございます。
 その上で、やはり第三者委員会がやるからそれでよいということにはならないと思います。検証過程も結局は詳細が公表されない、まあ名ばかりのと言っていいでしょうかね、第三者委員会に任せて、出した結果にどれほど本当に信憑性があるのかということも踏まえまして、やはり昨年の農水省の委員会の、農林水産委員会の中でも申し上げたように、行政側としては国会に対してちゃんと説明する責任があり、国会としては行政を監視し、チェックする責任があるということで、検証すべき資料をしっかりと出していただきたい。委員会含め国会に出していただきたいということを改めて要求したいと思います。
 去る十二月の農林水産委員会の閉会中審査の中で提出を求めました鶏卵業界から農林水産省に寄せられた要望書、過去七、八年分ということで要求しておりました。また、吉川元農林水産大臣とアキタフーズや鶏卵業界、関係者との面会記録及び追加で二〇一八年から直近のOIE協議会の議事録、これはあくまで議事概要ではなく議事録ということで、詳細に記された議事録を是非御提出いただきたいと思います。

#61
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 お尋ねの点につきまして、まず養鶏業界からの要望書、それから面会記録でございますけれども、これにつきましては、吉川元大臣と秋田元代表が贈収賄の容疑で起訴されている状況におきまして、今後の公判等に影響を与える可能性があるということからお答え差し控えさせていただきたいと考えております。
 それから、もう一ついただきましたOIE連絡協議会の議事録でございますが、これにつきましては公開で開催されている会議でございまして、議事の概要はホームページに掲載されております。どのメンバー、どの委員がどういうことをしゃべったかという議事録につきましては、委員の方々の、メンバーの方々の確認をいただく必要がございますので、確認をいただいた上で提出することは考えたいと思います。

#62
○石垣のりこ君 お願いしたいと思います。
 第三者委員会でも検証していく上で多分資料の御提供というのはされると思うんですけれども、第三者委員会には提出されるけれども国会に出すことができないということに関しては甚だ疑問でございます。
 このような行政側の態度が続く限り、やはり疑惑に対して農林水産省としてもやっぱり国民に疑念を持たれることがないように、第三者による検証を開始すると表明されても信頼に足り得るものにならないということを非常に残念に思います。しっかりと今後もまた状況を把握していきたいと思っております。
 続いて、大臣の所信に関しての質問を行います。
 大臣所信において我が国の農林水産業が厳しい状況に直面しているという文言がございましたが、その理由について改めてちょっとお話しいただけますでしょうか。

#63
○国務大臣(野上浩太郎君) 我が国の農林水産業につきましては、国内人口、これは二〇〇八年にピークを迎えまして減少し続けております。この結果、国内の市場規模も今後縮小していくことが見込まれているほか、農林水産就業者数が直近三十年で半減をいたしております。また、農業就業者につきましては、平均年齢が直近二十五年で五十九・六歳から六十七・八歳まで八歳高齢化するなど、今後更なる就業者数の減少と高齢化などが見込まれております。
 また、これに加えまして、昨年から新型コロナウイルスの感染拡大によりまして、農林水産物につきましても需要の減少、あるいは価格の低下等大きな影響なども生じております。このような影響をいかに緩和していくかということも重要な課題だというふうに認識をいたしております。

#64
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
 その厳しい状況の中に挙げられていないことがすごく不思議に思うんですけれども、TPP11ですとか日EUとかEPAとか日米貿易協定とか農林水産物の貿易自由化が進められているわけなんですけれども、こうした状況というのは農林水産業の厳しい状況の理由の一つには該当しないという認識なんでしょうか。
 まして、今朝のニュースの中では牛肉、アメリカからの牛肉の輸入のセーフガードが発動するというようなことも飛び込んできましたけれども、この辺の御認識はいかがでしょうか。

#65
○国務大臣(野上浩太郎君) 今、米国産の牛肉のセーフガードの話がございましたが、本年度の牛肉の輸入量というのが全体としては前年同期に比べて減少している中で、米国産は前年同期に比べて増加をしているところであります。
 セーフガードの発動をするかどうかの見込みにつきましては、農林水産省としては言及することは市場に影響を与えることから、発言は控えさせていただきたいというふうに考えております。

#66
○石垣のりこ君 どうしてもやっぱり輸入されている食材が増えてくれば、それだけ市場に出回って国産のものを圧迫していくということは避けられないのではないかと思うんですけれども、最新の貿易収支について教えていただいてもいいですか。

#67
○政府参考人(森健君) お答えいたします。
 確定値で申しますと、二〇一九年の農林水産物の輸出額が約九千百二十一億円、輸入額が約九兆五千百九十八億円ということで、貿易収支は約八兆六千七十七億円の輸入超過となっております。また、これは速報値でございますが、二〇二〇年につきましては、輸出額が一・一%増加して九千二百二十三億円、輸入額が九・一%減少して約八兆六千五百七億円ということで、貿易収支は約七兆七千二百八十四億円の輸入超過となっております。

#68
○石垣のりこ君 まあ輸入超過の状態がずっと続いているということなんですけれども、今資料の一番、一枚目御覧いただくと、食材に関して輸入実績トップトゥエンティーということで二十項目挙げられている中で、数量ベースで見たときに二〇一八年より増えている品目が黄色でマークされております。豚肉も牛肉も数量ベースでは増えていると。金額に関してはその時々の為替などによっても変わっていくと、相場によっても変わってくるということによって、これ一律ではないんですけれども、やっぱり入ってきている量としては食材は増えているわけなんですよね。なので、これが我が国の農林水産業における厳しい状況を示す一つの要因として挙げられていないということが非常に私としてはなぞでございます。
 その厳しい状況の中に、一つ担い手の問題、先ほど野上大臣にも御言及いただきましたけれども、担い手の問題があると思います。
 資料の二枚目になりますが、二〇三〇年の望ましい農業構造の姿ということで、このようなポンチ絵が掲げられております。食料・農業・農村基本法第二十一条を踏まえて、効率的かつ安定的な農業経営になっている経営体及びそれを目指す経営体を担い手と定義しまして、二〇三〇年までに現在が今六割いるその担い手を八割に増やすというようなポンチ絵になっているわけなんですが、その地域を支える農業経営体の枠の中に、担い手と、もう一方、右側のそのほかの多様な経営体というカテゴリーがございます。この部分、これは例えば、そこに例がございますけれども、集約に向かないエリアの、場合によってはふぞろいな農地であったり、諸事情によって分散してしまっているような土地で営農する小規模家族経営の農家であったり、中には、ほかの自分の趣味をしながら半分農業もやりながらという半農半Xという、そういうスタイルの方もいらっしゃるということなんですが、これ、いわゆる安定的に効率的に経営をなさっていく担い手が六割から八割になる、増えるということは、相対的にそのほかの多様な経営体というのは現状四割ぐらいあって、二〇三〇年の望ましい農業構造の姿としては、それが四割から二割に半減するというのが望ましい姿だというようなポンチ絵に見えるんですが、そのような認識でよかったでしょうか。

#69
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
 委員今お話しいただいたように、食料・農業・農村基本法第二十一条に基づきまして、今おっしゃったような基本計画の中で、担い手への農地集積を現状の約六割から八割にすることを目指すというふうにしているところでございます。
 この場合、当然でございますけれども、担い手以外の方々の減少を積極的に進めて、その農地面積を約八割から二割にしようという趣旨ではございません。我が国の著しい高齢化あるいは人口減少、これが進む中で、どうしても発生するリタイアされる方、こういった方々の農地を、効率的、安定的な経営を目指す経営体を育成をして、そういった経営体が引き継いでいけるようにしようとするものでございます。
 その際、この委員御指摘の資料にもございますけれども、中山間地域の地理的条件や生産品目の特性など、地域の実情に応じ、家族、法人の別など経営形態にかかわらず、経営改善を目指す農業経営体を担い手として育成する、さらに、担い手に利用されていない農地を利用している中小規模の経営体等につきましても持続的に農業生産を行い、担い手とともに地域社会を支えている実態を踏まえて、営農の継続を図られるよう配慮していくこととしております。

#70
○石垣のりこ君 もう少し、やっぱりそのほかの多様な経営体とこの担い手と比較していくと、効率的にはなかなか営農することが難しい、様々な事情によってそういう経営体を営みながら農業を行っているということになると思うんですけれども、効率的で安定的な農業経営体というのはもちろん望ましい姿でもあると思うんですけれども、そうもできない。
 一見非効率で、個々の事情を抱えながらも営農を続ける小さな経営体の方たちが、日本の農業、この図でいえば、逆に言うと、この担い手の部分の大きな組織であったり、個人でもそういう組織形態をつくって営農されていらっしゃる方たちと共同でお互いに支え合いながら地域の農業を支えていると、形成していると、そういう部分が非常に大きいのではないかという、そういう現実をよく見ていただいて、このそのほかの多様な経営体が二〇三〇年には半減することを見越してそういう方向に突き進んでいくのではなくて、しっかりと支えていく農業政策を進めていただきたいなと思うんですが、そのほかの多様な経営体を支えていくためのそういう支援策というのはどのようなものがございますか。

#71
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
 まず、先ほど八割から二割と間違って申し上げましたけれども、四から二でございます。失礼いたしました。
 日本の農業経営体の九八%が家族農業経営でございます。そうした方々が、委員おっしゃるように地域の農業生産あるいは地域そのものを支えておられるというふうに思っております。このため、先ほど申し上げたように、意欲ある担い手を幅広く育成支援するとともに、中小・家族経営など多様な農業経営体、この方々が重要な役割を果たしていることに鑑みた支援を行うということを基本計画の中でも言っております。
 具体的には、品目別の対策、あるいは多面的機能支払、中山間地域等直接支払などの支援策などを講じているところでございまして、中小・家族経営を含む地域の農業を担う方々をしっかり支援してまいりたいと考えております。

#72
○石垣のりこ君 ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。
 続いてなんですけれども、ちょっと時間もないので先に進みますが、農家への持続化給付金の件について伺います。
 資料三以降の三枚なんですけれども、ちょっと御覧いただきたいんですけれども、これ中小企業庁から委託を受けたと名のる弁護士事務所からある農家に送られてきた持続化給付金の不正受給等に関する認識確認書でございます。これ、ざっと御覧になって、委員の皆様、どのようにお感じになるでしょうか。
 私自身は、この給付金の申請も受取ももちろんしておりませんけれども、この書面を読んだときに、何か脅されているようなそんな面持ちになりました。私だけかと思っておりましたら、この書面を読んだ方も同じような感想をお持ちの方複数いらっしゃいまして、ちなみに、これ、この文章を読んで不審に思った方が警察の方にそれを読んでもらったら、ああ、これは典型的な詐欺の文章だから気を付けてくださいと、そのようなことを言われたという話も耳にしております。
 警察の方すらそのように感じる文章ということで、まずは中小企業庁にお尋ねしますけれども、この認識確認書は確かに中小企業庁から委託した弁護士事務所が発送したもので間違いないでしょうか。

#73
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 持続化給付金でございますけれども、大変遺憾ではありますが、不適切な受給が大量に出ております。このため、給付要件を満たしていない可能性がある一部の方に対して、中小企業庁の委託先である法律事務所から給付要件を満たしているか否かについての認識を確認する書面を送付しております。

#74
○石垣のりこ君 今お話しいただいたように、給付要件を満たしているかどうかの確認書だったら分かるんですけれども、これがばんと不正受給という、ここにもうタイトルで書かれちゃっているわけですよ。受け取った人は、何だこれ、もう不正受給を疑ってかかれていると思うわけですよね。これ、書き方がまずこれ問題があるんじゃないかということなんですが、不正受給、要件を満たしていない方に送られているということなんですが、これ、どのような要件でこの送付がされているんですか。

#75
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 御指摘の認識確認の書面でございますけれども、不正受給の疑いがある場合を含めて給付要件を満たしていない可能性がある方に対して送付しております。
 具体的には、不正の疑いについて確度の高い情報提供、通報がなされた方について、それから不正事案と同一の発信源から送信されている事案について、それから、農閑期などの元々収入がない月を対象月としており、新型コロナの影響などにより事業収入が減少をしていない疑いがある申請、こういった申請を行った者に対して認識確認を行っております。

#76
○石垣のりこ君 まあ今お話しいただいた要件に関してもちょっと詳しくは書かれていなくて、例としてこういうケースがありますよということはあるんですけれども、この書面を見ていただくように、不正受給、不正受給、不正受給、不正受給、既に裁判で懲役判決の事例もありますという、このように、あなたは不正受給ですよねと言わんばかりの文面があるわけですよね。
 実際にここまで疑ってかかるのであれば、受け取った方が自分がもしそうなのかもしれないと分かるようにもう少し丁寧にまず御説明をいただかなければいけないのではないかということと、あと、農産物の出荷時期など、通常事業収入を得られる時期以外を対象月とすることそのものに関しては、これ不正受給の要件となり得るんですか。

#77
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 申請に当たっては宣誓を求めております。宣誓の中で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより売上げが大幅に減少したということを宣誓いただいております。これに対して、繁忙期や農産物の出荷時期など、通常事業収入を得られる時期以外を対象月として、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより事業収入が減少したわけでもないにもかかわらず給付を申請、故意にですね、申請するということは不正行為に該当すると考えております。
 また、故意にではなくて、制度をよく理解しないで誤って受給されたという方については自主的に返還されるということを呼びかけておりまして、既に一万五千人の方から申出をいただいております。

#78
○委員長(上月良祐君) 時間が来ておりますけれども。おまとめください。

#79
○石垣のりこ君 はい。
 なので、不正受給か、誤って受給されたという可能性もあるのであればもう少し、不正受給だろうというような書き方をせずに、特に、前回も申し上げていますけれども、政府側に申請手続をする段階での制度の不備があったということは否めないわけですから、頭ごなしに不正受給という文言を前面に出して、相手が悪いという前提に立った文書を送り付けるという乱暴なことは本当におやめいただきたいと思います。
 ちょっと農林水産省としての御見解も伺いたかったんですけど、時間がなくなってしまいましたので省かせていただきます。
 中小企業庁と農林水産省御協力の上でですね、せっかくの持続化給付金なんですから、農家の方たちが受け取って営農意欲を失うようなことにならないようにくれぐれも御対応いただきたいと思います。
 以上です。

#80
○高橋光男君 公明党の高橋光男です。
 本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 まず初めに、直前の通告となって恐縮ですが、私も米国産の牛肉の緊急輸入制限につきましてお伺いしたいと思います。
 こちら、昨晩、未明にニュースが入りました。日米貿易協定に基づきまして、この輸入量が基準数量に達するということで、セーフガードが発動されれば、関税率が三十日間、現在の二五・八%から三八・五%に引き上げられるというような情報が入りましたけれども、政府としての事実確認をさせていただきたいと思います。

#81
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 そういった報道がなされていることは承知をしております。
 本年度の牛肉輸入量でございますが、全体といたしましては、前年の同期に比べまして、二月までの輸入量でございますが、比べて減少しております。五%ほど減少しておりますが、こういった中で、豪州産が減っている関係もありまして米国産は前年同期に比べて増えていると、若干増えているという状況にございます。
 そういう中で、セーフガードが発動するかどうかの見込みにつきましては、農林水産省として言及をすることは市場に予断を与えるということでございます。発言は差し控えさせていただきたいと思います。

#82
○高橋光男君 ありがとうございます。
 今の時点では、政府として市場への影響等からなかなかそういったことについて明確に御答弁いただけない状況というのは理解いたしますけれども、本件が与える関係者への影響というのも甚大です。それは国内にとどまらず、まさに今、日米関係、まさに2プラス2があったり、また来月には総理の米国への訪問も予定されています。まさに、そういったタイミングにおいてこのセーフガードが発出されれば、日米関係に水を差すようなことがあってはならないというふうに思いますので、政府としてしっかりと丁寧に説明をしていただくことをお願い申し上げて、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 続きまして、GoToイートについて野上大臣にお伺いしてまいりたいと思います。
 この件につきましては、先週の金曜日に予算委員会におきましても大臣にお伺いしたところでございますけれども、本日は追加で明らかにさせていただきたいことについてお尋ねしていきたいと思います。
 まず、緊急事態宣言が解除された都府県における食事券の販売再開についてでございます。
 国は、宣言を発出したときには一時停止の検討要請をそうした対象地域に対してされておきながら、解除された府県に対して再開の指針を示していないと承知します。コロナの分科会の提言によれば、ステージ1、2に相当する地域で実施することは基本とするというふうに示されています。しかしながら、既に宣言が解除され、全指標でステージ2に、2以下になっているにもかかわらず再開が未定のままになっているところがございます。例えば岐阜県などです。
 こうしたところにおいて本事業を再開することに差し支えはあるのでしょうか。明確に御答弁をお願いします。

#83
○国務大臣(野上浩太郎君) 今先生からお話あったとおり、GoToイート事業につきましては、昨年九月の分科会におきまして、各都道府県においてステージ1、2に相当すると判断される地域で実施することを基本とし、3、4に相当すると判断される地域では慎重に対応すべきと、そういう提言がなされております。
 他方で、農林水産省としても、これまで、年末を控えた十二月十七日あるいは緊急事態宣言を受けた一月七日、十三日、二月二日及び二十六日など、節目節目でこの食事券の発行一時停止等について都道府県に地域の感染状況を踏まえた検討要請をしてまいりました。
 こうした検討要請をした後も繰り返し各地域と意見交換を行ってまいったわけでありますが、このような緊密な連携の結果、緊急事態宣言が延長された二月二日時点では、緊急事態宣言の対象地域を含む三十二都道府県で食事券の販売一時停止がされておりました。一方で、三月十五日時点では、食事券の販売一時停止が行われている地域は十四都道府県にまで減っております。また、これまでの間、感染が広がっていない東北ですとか山陰においては停止等がなされておりません。
 このような状況で、これまでも分科会の考え方に沿って、地域の感染状況を踏まえて、また地域の飲食店への営業時間の短縮要請等とも併せて、食事券のこの一時販売停止の判断が各知事の下で明示的になされているわけであります。
 農水省としても、感染状況を見極めつつ、委員の御指摘も踏まえながら、食事券の販売再開も含めた対応の検討が進められるように、引き続き緊密に連携をして対応してまいりたいと考えております。

#84
○高橋光男君 やはり、都道府県の判断に委ねるということにはなっているかと思うんですけれども、国として、繰り返しになりますけれども、一時停止に当たって検討を要請した以上、解除された地域に対しては、もう使っていいんですよという、そうした明確な再開の指針というものを示していただくことがやはり大事かと思いますので、引き続き緊密に連携していただければと思います。
 続いて、関連ですけれども、飲食店が自ら行う店先でのテークアウト、また、宅配、デリバリーについてお伺いしたいと思います。
 これはまさに会食ではございません。感染のリスクもほぼないことから、私は緊急事態の措置の対象外だと思います。その意味では、緊急事態宣言やステージのいかんにかかわらずテークアウトやデリバリーは利用可能だといった政策は推進していくべきだと思いますけれども、どうでしょうか。
 また、実際にも北海道などでは導入されているところでございます。私の地元、兵庫はまだ病床確保のみがステージ2まで下がっていませんけれども、先日、飲食店で従事する若者たちとのユーストークミーティングというものを私たち行っておりまして、その中でもそうした要望を受けています。例えば、そうすれば、これから協力金が先細りしていく中においても、飲食店への経済支援とともに配達員への雇用も生まれ、そして、コロナによって収入が減ってしまった方への支援も間接的に行うことができるのではないかという御意見です。
 この点、是非国として、自治体任せにせず、明確な支援の方針を示していただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。

#85
○国務大臣(野上浩太郎君) コロナのこの基本的対処指針におきましては、飲食を伴う懇親会等、大人数で長時間に及ぶ飲食といった場面での感染が起きやすいと、こういう飲食につながる人の流れを制限する必要があるとの評価がなされております。こういう評価も踏まえながら、GoToイート事業では、緊急事態宣言となった地域で食事券等の利用を控える、利用者に呼びかけをしておるわけであります。
 しかしながら、緊急事態宣言の対象地域等であっても、感染症対策の観点から問題となっていない、飲食店自ら行う今お話のありましたテークアウトですとかデリバリーにつきましては、これは食事券等を利用していただくことは可能だと考えております。このため、今御指摘があった北海道を始め幾つかの道県では、食事券等の利用を控えるよう利用者に呼びかけている期間中であっても食事券の利用をしてのテークアウト、デリバリーを積極的に進めていると聞いております。
 農林水産省としても、こうした旨をお知らせしているところでありまして、引き続き周知に努めてまいりたいと考えております。

#86
○高橋光男君 まさに食事券等の利用を控えるよう利用者に呼びかけている期間中であっても食事券を利用してテークアウト、デリバリーを積極的に進めているということですので、やっぱりそういった意味においても、緊急事態宣言の対象となった地域は特にそうですけれども、なかなか再開のこの意思を決め切れない、そうした中でもこうしたデリバリー、テークアウトというものは利用できるんですよということをしっかり国として示していただくことが大事かというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 続きまして、緊急事態宣言外の地域についてです。
 時短要請もないため国から協力金も一切対象となっていない飲食店が大変厳しい状況にございます。国による新たな一時支援金ももらえない可能性が高いです。一方で、そうしたところでも徹底した感染予防策、例えば換気、消毒、飛沫飛散防止などしっかり行っていただいているお店が大半だと思います。
 こうした緊急事態宣言対象外の地域の飲食店への支援策をいま一度国として一層講じていくべきと考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#87
○国務大臣(野上浩太郎君) 今お話ありましたとおり、飲食店につきましては、感染状況が厳しくなく時短制限もされていない地域であっても、この全国的な自粛ムードの影響を受けまして大変厳しい状況にあるとの話も伺っております。
 農林水産省としては、引き続き、このGoToイートの食事券事業につきましては、昨年十二月に決定した経済対策におきまして追加して発行するとされた分も含めて、各地域と緊密に連携しながら執行してまいりたいと考えております。なお、既に昨年秋から販売した分が完売している地域もありますので、現在、そうした地域と追加分の準備に向けた調整を行っているところであります。
 また、累次にわたる補正予算で、この需要減少等の影響を受けた国産農林水産物等の販売促進ですとか販路の多様化を支援する事業を措置をしておりまして、これでも、新たにデリバリーですとかテークアウトに取り組む飲食店に対して、インターネット販売サイトを通じた食材の調達あるいは資材費等を支援していることとしております。
 農水省としても、このGoToイートの食事券事業に加えまして、これらについても活用しながら、飲食店の支援に努めてまいりたいと考えております。

#88
○高橋光男君 ありがとうございます。
 第三次補正の、五百五億円ですかね、このGoToイートに割り当てられている分というのはまだまだ未執行というふうにも承知していますので、しっかりとした継続的な飲食店に対する支援を農水省としてしっかり行っていただくようにお願いします。
 そうしましたら、続きまして、輸出拡大実行戦略に基づく輸出促進策についてお伺いしていきたいと思います。
 国は、第一次の輸出産地のリストを二月十六日に二十三品目で公表したと承知します。次の追加公表というのはいつになるのでしょうか。また、今後、産地の事業者等に対し輸出額や生産量の目標などを盛り込んだ事業計画の策定が求められ、その後、計画が認定されれば、予算や技術面で手厚い支援が行われるものと承知いたします。一方、選定段階で都道府県や市町村の自治体が間に入っていないところもございます。私の地元、兵庫もそうです。また、必ずしも今回の募集を知らず、後追いで参入したい事業者が参画すること、これは可能なのでしょうか。
 いずれにしましても、今回、輸出産地にならなかった地域も含めた公平な実施を図っていく必要があると考えますが、今後の進め方について御答弁をお願いします。

#89
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 今委員御指摘のように、輸出産地、実行戦略におきまして主として輸出向けの生産を行う輸出産地、これを今年度中にリスト化するということになっておりまして、二十三品目、三百五十三産地のリスト化を二月十六日に行ったところでございます。その公表におきまして、調整中となっておりました合板であったり酒類につきまして、あるいは既に公表している品目の新たな産地につきまして、現在、追加公表に向けた作業をしておりまして、農林水産省のホームページにおきまして近日中の公開を予定しているところでございます。
 この輸出産地のリスト化につきましては、品目によって検討の方法は異なりますけれども、農林水産省といたしましては、都道府県あるいは業界団体に説明をしつつ作業を行っているというところでございまして、今後とも、都道府県の輸出振興策との整合性やリスト化の公平な実施が図られるように、しっかりと連携しながら輸出産地の掘り起こしを行うとともに、適時、輸出産地のリスト化、リストに追加を行っていくということとしております。
 また、公表した輸出産地におきまして、産地での輸出額の目標あるいは取組の内容を具体化するために、必要に応じまして輸出促進法に基づく輸出事業計画の策定を行いまして、国としてその計画の実現のために補助や融資等の支援を行っていきます。この輸出事業計画につきましては、重点品目以外でも輸出促進法に基づく輸出事業計画の認定を受け付けるなど、輸出目標とその実行のための課題と対策を明確化する産地、事業者に対しましては引き続き支援を行ってまいります。

#90
○高橋光男君 今、最後におっしゃられた点ですね、重点品目以外の品目につきましても、輸出事業計画の認定を受けていただくことによって重点品目と同様の支援が受けることができるということを明確に答弁いただいたと思いますので、そのような対応をしっかりお願いいたしたいと思います。
 続きまして、一月二十二日、菅総理の所信に対して我が党の山口代表が、地方の農産物の鮮度を保ち、輸出するための物流基盤、具体的には地域別の集積地の設置を提案させていただきました。これに対して総理は、輸出対応型の集荷施設や地方空港の活用を進めると答弁されました。では、今後具体的にどう進めていかれるのでしょうか。関係省庁間の連携はもちろんでございますけれども、広く関係事業者からの御要望を踏まえた調整が不可欠と考えますが、野上大臣の御所見をお伺いします。

#91
○国務大臣(野上浩太郎君) 輸出物流の構築につきましては、先般、御党の山口代表に御提案いただきました内容も踏まえまして、輸出拡大実行戦略に基づいて今その方策について検討しているところであります。
 港湾や空港の具体的な利活用等の方策、あるいは輸出のための集荷等の拠点となる物流施設の整備、活用、海外におけるコールドチェーンの拠点整備、確保の方策等、この輸出物流の在り方につきまして、今国土交通省とも連携をしながら、輸出に取り組む事業者等との意見交換を行っているところであります。
 その結果を踏まえまして、本年夏を目途としましてこの輸出物流の実現のための実効性のある方策を提案していきたいと考えております。

#92
○高橋光男君 そうしましたら、続きまして、ちょっと順序を変えるんですけれども、担い手確保について私もお伺いしてまいりたいと思います。
 コロナ禍における労働力確保、これは当然この農林水産業においても非常に重要であるということは論をまちません。そこで、厚労省と熊野政務官にお伺いしてまいりたいと思います。
 現在、コロナ禍の中で、一時的に雇用過剰となった企業と人手不足が生じている企業との間で出向又は移籍による失業なき労働移動が産業雇用安定センターのあっせんで進められているところでございます。
 そこで、実際にそうした取組で、宿泊業、飲食業、製造業等の従業員が農林水産業へのマッチング、これができた数というのはどれぐらいなのでしょうか。地元でも、淡路島の野菜生産への労働力不足が深刻な状況にあるため、島内の旅館業においてマッチングできないか、産雇センターに要請をしているところでもございます。是非国として、これまでの実績やそこで見えてきた課題を踏まえてしっかりと御対応いただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

#93
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 産業雇用センターでございますが、企業間の移籍、出向を専門的に支援する公益財団法人でございまして、全国的なネットワークの下、昭和六十二年の設立以来、二十万人を超えるマッチング成立の実績があるところでございます。
 直近の実績といたしましては、令和二年四月から本年一月までの移籍と出向の合計で約八千五百件のマッチングが成立しており、そのうち農業、林業、漁業、鉱業等、鉱業はかねへんの鉱業でございますが、鉱業等につきましては、先ほど申し上げました約八千五百件のうち七十七件成立しているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、昨年十二月に閣議決定いたしました総合経済対策に基づき、在籍型出向による雇用維持を支援することとしてございまして、第三次補正予算におきましても産業雇用安定センターによるマッチング支援体制の強化を図ったところでございます。
 今後とも、同センターの移籍、出向のあっせん機能を最大限活用するとともに、農業法人を始めとする農林水産業への在籍型出向のマッチングにつきまして、農林水産省様とも全国及び地域における在籍出向型等支援協議会に御参加いただきまして、連携を図ってまいりたいと思っております。これらによりコロナ禍における雇用の安定を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

#94
○高橋光男君 ありがとうございました。
 今実績おっしゃられましたけれども、八千五百件のうちの七十七件、これは一%にも満たないということですね。
 背景には、昨日も御説明いただいたんですけれども、雇用保険の問題というのもある。法人に対してはやはり五人以上雇用されているところに対してそうした出向、移籍というものをできるような状況にあるといいますけれども、やはり家族経営の農家さんであったり、そうしたところはなかなかこの枠組みは使いにくいという状況かというふうに思いますが、我が党としても、昨日、菅総理に対して、まさに追加の生活支援・雇用対策についての緊急提言というのを行わせていただきまして、そこにおいても、まさに雇用支援の拡充という中の一項目の中にも、この在籍型出向による雇用維持の支援、これを効果的に実施するために、やはりこの産業雇用安定助成金を活用したそうした支援というものをしっかり周知をしていただくとともに、そうしたものは非正規の労働者も対象となる、また部分出向も可能である、こうしたことをしっかり情報提供を行うことを申し入れたところでございます。
 この対象に当然ながら農林水産業も含まれるわけでございまして、そうしたところにもしっかり活用していただけるように、厚労省、また農林水産省と連携して対応していただくことをお願い申し上げます。
 続きまして、関連でございますけれども、労働力不足を補うための外国人雇用についてお伺いしてまいりたいと思います。
 現在、産地間連携等も進んでいるところと承知しますけれども、これを主に利用できるのは何らかの一年中作業がある大規模農家であって、小規模農家の大半は一年を通じて委託作業がないことから、労働力が必要なときは知人や親戚、また隣保に依頼しているのが現実です。そのような中、人材派遣会社と連携し、特定技能等の外国人をスポット的に三か月から六か月間、労働力が不足しているところに派遣する仕組みを模索している農業協同組合もございます。
 実際、このようなスポット労働力を確保できている他の地域の好事例などをより広範に全国的に推進するためにも国としてしっかりと後押しする必要があると考えますが、いかがでしょうか。

#95
○大臣政務官(熊野正士君) お答えいたします。
 農業就業者の減少や高齢化が進行する中、農繁期等における産地の労働力確保が重要な課題となっております。議員御指摘のとおり、産地では従来より農繁期の人手として地域の人にお願いするなどにより対応しているとともに、近年は民間企業等において農業の人材派遣や農作業受託を行う動きも出ていると承知をしております。
 特定技能外国人を雇用し、農家に派遣する仕組みにつきましては、労働者派遣事業者が出入国在留管理庁から認められた場合に実施することが可能であり、こうした仕組みの活用や国内の人材確保の取組により産地の労働力確保を進めていくことが重要と考えております。
 このため、農林水産省といたしましては、今後も出入国在留管理庁と連携をし、特定技能外国人の派遣の仕組みやこれを活用した優良事例について周知、普及していくとともに、日本人も含めた労働力確保のため、令和三年度予算において農繁期の異なる他産地や他産業と連携した人材確保の体制づくりへの支援を実施することとしております。
 今後、こうした取組を積極的に進めることにより、産地の労働力不足に対応してまいります。

#96
○高橋光男君 ありがとうございました。
 しっかりとした、これは外国人の雇用に限った話ではございませんけれども、来年度の予算には先ほど御答弁いただいたようにこの人材確保の体制づくりの支援ということで予算を計上されているというところで実施されていくかと思いますので、現場への周知、また関係機関との連携をしっかり行っていただき、必要なところに必要な支援が届くように御対応をお願い申し上げます。
 続きまして、山田錦の生産者への支援について引き続き熊野政務官にお伺いしたいと思います。
 今年度、水田活用の直接支払交付金を通じて、我が地元、兵庫県内で輸出向けの日本酒原料として酒造好適米が支援を受けた面積、これは僅か五十九ヘクタールにとどまりました。これは、面積ベースでは全国で支援を受けた酒造好適米の中で一三%、そして新市場開拓米に占める割合に至っては一%にも満たない非常に限られたものです。
 つきましては、この令和三年度においても同様の支援、これを単に継続していただくだけじゃなくて、しっかりとこれから国として今後日本酒を輸出重点品目として輸出強化をしていくのであれば、その原料である良質な酒米への支援、待ったなしだと私は思います。そのために、現場で本当に必要とされている生産者の方々にこの支援の枠組みを利用していただけるように最大限の努力をしていただくことを求めたいと思います。
 つきましては、国として、この交付金を通じた酒造好適米への支援と現場の活用に対する課題についてどのように認識されていて、今後どのように円滑な実施を図っていくお考えかについてお尋ねいたします。

#97
○大臣政務官(熊野正士君) 日本酒は輸出有望品目であります。令和二年の輸出金額は前年比プラス三%となるなど、今後更に輸出拡大が期待される品目と考えております。
 水田活用の直接支払交付金におきましては、輸出用日本酒の原料となります酒造好適米の生産に対し、新市場開拓用米として十アール当たり二万円の支援を行っているところです。
 この本支援の活用のためには、酒造メーカー等と産地、生産者が連携をし、具体的な輸出戦略を持って日本酒とその原料となる酒造好適米の生産に取り組んでいくことが必要であると認識をしております。輸出先、販路を開拓できるよう、国内外のイベントへの出展や輸出に取り組む事業者と海外バイヤーのマッチング等を支援しているところです。
 農林水産省といたしましては、引き続き、地方自治体や関連団体等と連携をし、説明会等を通じてこれらの支援策を酒造メーカーや産地、生産者等にしっかりと周知をし、有効に活用されるよう推進してまいります。

#98
○高橋光男君 しっかりとお願いをしたいんですけれども、こうした山田錦への支援ということを行うツールとしては、直接支払の交付金のみならず、水田活用、水田の活用のリノベーション事業についても同様に言えることについて、これから具体的にちょっとお伺いしてまいりたいと思います。
 第三次補正におきまして、この水田リノベーション事業、三月五日で募集が締め切られたと承知しています。生産者向けの取組支援につきましては、要望が予算額二百七十億円の倍程度あったと報じられているところでもございます。一方、地元では、県の当局から本事業に関心のある酒造メーカーに対して直接の周知や情報提供は行っていなかったことが判明しました。そのため、要望提出までの期間が余りにも短く、十分に対応できなかった実態がございます。これは一社のみならず複数社から伺い、私自身、大変驚きました。
 そのため、以下二点についてお伺いしたいと思うんですけれども、まず、都道府県ごとの応募状況、これ一体どうなっているんでしょうか。いずれにしましても、国として生産県、消費県の差別なく公平に執行していただくことが大変重要だと考えますが、いかがでしょうか。
 続いて、都道府県に対し、事業者が余裕を持って公募できるような十分な期間を提供するよう、私は管理を徹底すべきだと思います。具体的には、民間事業者が情報を早期に入手できるように、国による直接のアウトリーチが大変重要だと思います。
 政府の今後の対応ぶりについてお伺いしたいと思います。

#99
○大臣政務官(熊野正士君) 水田リノベーション事業への要望調査は三月五日に締め切り、現在、集計、内容確認を行っているところですが、予算額を超える要望額となる見込みでございます。
 本事業は、米の生産県、消費県にかかわらず、実需者との連携や低コスト生産技術等の取組を要件として、取組面積や主食用米の削減面積等に応じてポイント付けを行い、ポイントの高い順に予算の範囲内で採択する補助事業であります。事業の実施要綱及び実施要領において、これらの採択審査の手法を含め、委員御指摘のとおり、事業の執行の透明性、公平性、客観性を担保してまいります。
 次のお尋ねでございますが、水田リノベーション事業につきましては、国として、現場での検討期間が確保されるように、補正予算案が閣議決定をされた翌日、十二月十六日に全国会議を開催し、事業概要や要件、農業者向けパンフレット等をお示しするとともに、ホームページにも公表し、速やかな事業周知を行いつつ、要望調査の期間も二か月、一月七日から三月五日まで設けるなど、丁寧な対応を行ってきたところです。
 また、民間企業等の様々な事業者、事業関係者への周知については、直接タイムリーに情報をお伝えするべく、フェイスブック等のSNSやMAFFアプリ、メールマガジン等のデジタル媒体をフル活用した情報発信のほか、民間企業等から成る実需者団体を通じた周知も図ってまいりました。
 委員御指摘の酒造メーカーに対しましては、昨年十二月に農林水産省の担当者が日本酒造組合中央会を訪問し、傘下の酒造組合や酒造メーカーに対する周知を依頼したほか、年明け一月にも、日本酒造組合中央会原料委員会において改めて本事業の説明と活用検討をお願いするなど、直接周知、情報発信をしてまいりました。
 農林水産省といたしましては、委員からの御指摘を踏まえ、都道府県に対しまして周知、情報発信の徹底をお願いするなど、都道府県とも連携を図りながら、今後とも引き続き、事業関係者に対しまして丁寧な周知、情報発信に努めてまいります。

#100
○高橋光男君 ありがとうございます。
 本当に今回の、私、事例はゆゆしきことだというふうに思いますので、情報提供の徹底、都道府県からしっかり行っていただくこと、非常に大事だと思います。中央の団体に伝えたからといって、その傘下の企業にくまなく行き届くかというと、必ずしもそうでないという側面もあるというふうに思いますので、しっかりと農水省として責任を持って御対応いただくことをお願い申し上げます。
 続いて、牛マルキンについてお伺いしたいというふうに思います。
 この生産者負担金の猶予措置に関してでございますけれども、私も昨年の十二月、畜産物価格に関する本委員会においてお尋ねしたところでもございまして、野上大臣にお伺いしていきたいというふうに思います。
 国は現在、生産者負担金の納付再開、これを検討しているものと承知します。具体的には、月平均の枝肉価格がキロ当たり二千三百円が三か月間超えた場合に、その後、二か月間の準備期間を経て納付を再開する方針というふうに伺っています。現在のところ、一月はキロ当たり二千五百七十四円、二月は二千五百五十三円と承知しますので、このままでは六月から負担金が再開されることを大変懸念しているところでございます。
 地元の但馬牛の生産費、これ、県の畜産協会によれば、今年十月まで百二十万円を超えているところでもございます。昨年の秋以降、GoToキャンペーンや和牛保管事業等によって確かに販売金額は上昇しているところでございますけれども、今後のコロナ禍の影響によっては採算割れの可能性も十分に考えられるところでございます。
 飼料代金の借入れの返済というのも迫られているところでもございまして、このように我が地元、兵庫県では生産者の経営が不安視されているところなので、是非九月までの支払免除お願いしたいところでございますけれども、万一それが困難であったとしても、但馬牛の生産基盤の維持のため、現在のような高い負担金単価、これ九万五千円、全国一高いところでございます、に関しましては生産者の資金繰りに配慮して対応していただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

#101
○国務大臣(野上浩太郎君) 牛マルキンは、御案内のとおり本来保険的な制度でありまして、生産者が負担金を支払うことが原則でありますが、今コロナの影響によりまして、枝肉価格、大幅な下落を踏まえまして、昨年四月からこの納付猶予を実施をしているところであります。
 このような中で、昨年十一月以降、枝肉価格も回復をしまして、生産者の資金繰りも改善していることから、昨年十二月、納付再開の考え方を、一定の条件を満たせば生産者負担金の納付を再開するということと定めたわけであります。具体的には、令和三年一月以降、食肉中央卸売市場の和牛去勢の全規格平均の枝肉価格が三か月連続でキロ二千三百円を超えた場合に、その後、準備期間として二か月を経て納付を再開することといたしました。
 現在の状況としては、一月に続き二月もこの二千三百円を上回る見込みとなっておりまして、これが引き続き三月も上回った場合には、この定めから申し上げますと、六月から全国で納付再開となるわけであります。
 この納付再開時の負担金の単価につきましては、これはALICが再開条件を満たした段階での枝肉価格等を踏まえて単価を見直しまして、都道府県ごとに新たに設定をするということになりますが、納付猶予されております現在の負担金単価はコロナ禍で枝肉価格が大幅に下落した中で設定されたものでありますので、これに比べて納付再開時の単価はかなり低くなると見込まれているところであります。
 いずれにしましても、生産者負担金の再開、納付再開につきましては、現場で混乱が生じないように周知を丁寧に行うなど、これしっかりと準備を進めてまいりたいと考えております。

#102
○高橋光男君 本当に御丁寧に御答弁いただきまして、ありがとうございます。現場は大変不安を抱いているところでございますので、今大臣御答弁いただいたように、しっかり御説明をいただくようにお願い申し上げます。
 そうしましたら、最後になりますけれども、世界農業遺産の登録申請と、日本農業遺産を受けた地域への支援についてお伺いしてまいりたいと思います。
 これ、併せてお伺いしますが、私、十二月の委員会の質疑におきまして、兵庫美方地域の但馬牛の飼育システムについて、今現在の世界農業遺産への登録の申請状況についてお伺いしたところでございました。そのとき御答弁いただいたのは、FAOにおいて継続審査中であって、畜産と水田農業との関連性を明らかにすべき等との指摘がなされているところと承知しますけれども、最新の状況についてお伺いしたいのと、いずれにしましても、今申し上げたように、但馬牛が大変厳しい状況でございますので、その産地を応援していく意味におきましても働きかけを一層強めていただきたいというふうに考えますが、いかがでしょうか。
 もう一点が、日本農業遺産に関してでございます。
 うれしいことに、本年二月、新たな日本農業遺産として、地元、兵庫でも水稲、タマネギ、畜産による生産循環に関しまして南あわじ地域、そして黒大豆に関しまして丹波篠山市が日本農業遺産に認定されたところでございます。
 一方で、この日本農業遺産を世界農業遺産につなげていく取組が私は大事だと思いますし、この日本農業遺産に認定された地域に対する支援というのも大変必要だと、重要だというふうに思いますけれども、どのように国として行われていくのかにつきまして、まとめて御答弁お願いします。

#103
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
 まず、この兵庫美方地域における但馬牛のシステムの関係でございますけれども、平成三十一年二月に日本農業遺産として認定されますとともに、世界農業遺産への申請承認がなされまして、令和元年十月に国連食糧農業機関、FAOに申請を行ったところでございます。
 FAOからは、今委員から御指摘ございましたように、畜産と水田農業との関連を明らかにすべきというような御指摘があったところでございまして、昨年二月にFAOに対しまして指摘事項を踏まえた申請書の修正を提出をしているところでございます。その後、十一月にはこのFAOの世界農業遺産科学助言グループにおきまして議論がなされたというふうに聞いておりますけれども、現在、FAOにおいて引き続き継続審査中というような状況でございます。
 農林水産省といたしましても、このFAOからの指摘に対しまして、申請地域と連携して適切に対応することによりまして、世界農業遺産の認定に向け取り組んでまいりたいと考えております。
 続きまして、南あわじ地域、丹波篠山地域でございますけれども、本年二月に日本農業遺産に新たに認定をされたところでございます。認定を活用したこの観光促進などの地域振興につなげる効果というものが大いに期待をされているところでございますので、農林水産省といたしましても、認定地域の取組を後押しするために農山漁村振興交付金におきまして活動計画策定事業等の採択に対しまして配慮を行っているところでございます。こうした事業の活用によりまして、認定地域を支援してまいりたいと考えております。
 そして、さらに、この世界遺産を目指すということでありますれば、今回、この日本農業遺産の認定に際して専門家会議から指摘をさせていただきましたような評価とか課題とか、こういうものを十分御検討いただきたいというのがまずでございます。
 その上で、この世界農業遺産の次回の募集は令和四年早々というふうに聞いております。そこに申請いただくことが可能でございますので、この世界農業遺産の申請を希望する認定地域に対しましては、国内に世界農業遺産等専門家会議というような専門家の集団がございますので、それらの専門家による助言等を通じまして必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

#104
○高橋光男君 時間が参りましたので、以上で終わります。
 ありがとうございました。

#105
○委員長(上月良祐君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会

#106
○委員長(上月良祐君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、令和三年度の農林水産行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#107
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 今日は、トリチウムを含む処理水について質問させていただきます。
 東日本大震災、三月十一日をもちまして十年たったということになります。福島第一原発の処理水ですが、約百二十四万トンがタンクの中に貯蔵されております。二〇二二年の夏、つまり今年の夏にはこれが限界を迎えることになります。
 日本維新の会は、政党として、かねてより処理水は原子炉等規制法で定める基準を満たすように処理した上でできるだけ早期に海洋放出すべきだと訴えておりますが、しかし、今年に入りまして、朝日新聞の世論調査を見ますと、汚染された水から大半の放射性物質を取り除き、国の基準の値以下に薄めた処理水を海に流すことへの賛否を聞きましたところ、海洋への放出に賛成というのが三二%ですね、とどまっております。対して反対は五五%という、こういう結果が出ています。
 そこで、お伺いします。トリチウムを含む処理水の海洋放出ですが、科学的に見て周辺水域の水産物に対する影響はありますか。お答えください。

#108
○政府参考人(須藤治君) お答えをいたします。
 仮にALPS処理水を環境中に放出する場合には、放射性物質の人体や環境への影響の防護に関する国際的に統一された考え方、国際放射線防護委員会、ICRPによる放射性物質の被曝基準のことでございますけれども、この下で作成されている国内の規制基準を遵守する必要がございます。また、処分に当たっては、実施主体となる東京電力は、処分計画やその他の処分設備について原子力規制委員会の許認可を得なければなりません。
 こうした対応を取ることによりまして、仮にALPS処理水を環境中に放出したとしても、人体や環境への安全性については確保されることとなると認識しております。

#109
○石井苗子君 という説明をこれまでずうっとしてきたはずなのですが、リスクコミュニケーションとして、しかし、ALPS処理水の海洋放出が実施された場合、福島県のみならず日本の漁業にこれは壊滅的な影響を与えかねないという、こういう危惧があります。実際には水産物に対する影響がないという今の御説明であれば、処理水が海洋放出されたら周辺海域の水産物は食べられなくなるというようなことは単なる風評にすぎないと、このようにお考えですか。

#110
○政府参考人(須藤治君) 科学的安全性につきましては、先ほど御紹介を申し上げましたとおり、国際的な基準に沿った形で提供されています。
 一方で、石井先生の御指摘にもあろうかと思いますけれども、様々な形で御理解を深めていかないと風評につながる部分があろうというように思っておりますので、私どもとしましては、六年間にわたり専門家による御議論をいただいてまいりましたけれども、そのうち特に後半三年間については風評影響などの社会的な影響も含めて御議論をいただいております。多くの方々といろんな形で御意見を伺い、御懸念を伺う中で方針というのを決めてまいりたいと、このように考えております。

#111
○石井苗子君 これまで、科学的な見地において、国際的な基準はこうであるけれども、福島において、日本の今回の原発事故において、安全なのだ、大丈夫なのだという科学的な根拠を示したことはありますでしょうか。

#112
○政府参考人(須藤治君) 福島第一原発の状況につきましては、様々な形で情報発信を続けてきております。
 この中では、例えばでございますけれども、私どもから発信、あるいは東京電力から発信することに加えて、IAEAがホームページなどで情報の発信をしたりというような形で、透明性と客観性を考えながら情報発信を続けてきているところでございます。

#113
○石井苗子君 つまり、国際的にはこうだということをホームページに出していたという情報発信しかやってこなかったと。で、さっき言ったように、反対が五〇%以上まだあるということですね。
 しかし、物理的にもうあそこの廃炉の計画を前に進めるためには、タンクの処理水を何とかしなければならないということが今年の夏に迫ってきているということなんですけれども、今後、海洋放出という方法を選択した場合、水産業を営んでいる方々への補償が必要になってくると思うのですが、もし海洋放出となった場合、どのような枠組みで補償をすることになるのでしょうか。

#114
○政府参考人(須藤治君) 現時点におきましては、政府としてはまだ方針を決めたというわけではございませんけれども、今後、仮にALPS処理水を処分する場合には、まずは風評被害を発生させないという強い決意の下で、国が前面に立って万全の風評対策に取り組んでまいります。
 万全の風評対策を講じてもなお風評被害が発生した場合には、被害の実態に見合った必要十分な賠償が迅速かつ適切に実施されるように東京電力を指導してまいります。

#115
○石井苗子君 もう少し詳しい御説明をこの前に受けたんですけれども。じゃ、ちょっと話を変えて、これまでの補償額の集計というのはお持ちでしょうか。例えば、漁業賠償というのはどのくらいあったのでしょうか。例えば、漁業そのものを止めてしまったという状況がかつて過去にあったと思うんですが、賠償額を教えてください。

#116
○政府参考人(須藤治君) 漁業賠償についてのお尋ねでございましたので、昨年十二月末時点までの累計金額でございますけれども、関連の賠償で二千十七億円お支払をしているという状況でございます。

#117
○石井苗子君 二千十七億円、そこの賠償を立てましたということで、今後、そのALPS処理水をどうするかということであります。どこかに持っていく、そこでまた交渉をして流すと。維新は、日本全国の問題であるのだから、全国の海で分かち合って流すのがいいのではないかという、そういう発言もしておりますけれども、そこに掛かるコストとこれから掛かるコストということになります、賠償も含めてですね。
 で、思うんですけれども、今のお話聞いていると、風評被害をゼロだということを体にして海洋放出をするというふうに聞こえるんですが、風評被害が起こらないようにするように対策を練っていくと、風評は起こさないという体でやっていく、風評被害はゼロですと。出る前提で、それが出る前提で出すと、そうすると、売上げが減少を起こしている場合の賠償というのはどうやって考えていくのでしょうか。そこを教えてください。

#118
○政府参考人(須藤治君) 先ほどお答えした数字は、風評影響以外の、営業ができなかった、操業ができなかったところの賠償を含めての金額でございます。
 風評についての損害の算定でございますけれども、何か起きて、事故が、原発事故の由来によりまして売上げの量が減ることがございます、あるいは価格が下がることがございます。この量と価格の両面から、東京電力の福島第一原発の事故に由来する部分について賠償すると、こういう考え方で行われてきております。

#119
○石井苗子君 私が調べましたところによりますと、売上げが今まで百円だったのが七十円になったら三十円賠償するということになります。今、そうやってやってきましたと聞いております。
 そうすると、今度、百円だったものが十円になったら九十円を賠償していきますという基本的な考え方で、それは原子力損害賠償の制度によって東京電力が賠償するということになる、これでよろしいでしょうか。

#120
○政府参考人(須藤治君) 第一原発を原因にして値段が下がった場合、それから、繰り返しになりますが、量が売れなくなった場合、この場合について賠償を、適切に賠償していくということでございます。(発言する者あり)あっ、東京電力が賠償するという状況でございます。

#121
○石井苗子君 分かりました。
 そこの確認を踏まえてお伺いします。
 先ほどのあの調査ですけれども、朝日新聞の、海洋放出によって水産物に風評被害が出る不安は大いにある四二%、ある程度ある四四%、合わせて八六%が水産物に風評被害が出る不安を感じるとなっております。感じないとか余り感じないが九%、全く感じないは二%です。合わせて一一%しか感じないという統計は出ておりません。
 風評被害というのを防ぐというのは、リスクコミュニケーションという言葉がよく使われますけれども、リスクコミュニケーションが重要になってくると。これは分かるんですが、海洋放出すると決まった場合ですね、決まった場合にどのようなリスクコミュニケーションを取る御予定でございますか。

#122
○政府参考人(須藤治君) 幾分繰り返しの部分があろうかと思いますけれども、まず、処理水の安全性について、科学的根拠に基づく丁寧な説明、客観性と透明性の高い情報発信が必要だというふうに考えております。この過程では、やはり国、経済産業省あるいは東京電力の情報発信も重要ではあろうかと思いますけれども、客観性を高めるという形の中で、国際機関の協力も得ながら、その評価を受けながら発信をしていくと。これは一例でございますけれども、こういう形で客観性、透明性を高めてやっていくということがポイントになろうと思います。
 具体的な風評対策という意味でいいますと、やはり発信していくに当たっては三つポイントがあろうと思っていまして、一つはモニタリングでございます。これを強化して、どういう数字が出ているかというのをはっきり示していく。それから、繰り返しになりますけれども、科学的根拠に基づく情報発信、こういったようなことを通じて、あるいはその農産物の販売促進、実際に安全だということをしっかりお伝えをしていくということを通じて広く国民あるいは国際社会の理解を求めていくという形を取り組んでいきたいというように思っております。

#123
○石井苗子君 これまでもリスクコミュニケーションやってきたのが今の御説明だと思います、国際的に見てどのくらい安全なのかということを、度重なる発信の方法でいろいろ工夫を懲らしてきたと。しかし、私が質問しているのは、海洋放出する前のリスクコミュニケーションと海洋放出した後のリスクコミュニケーションと分けてお答えいただきたいと思うんですね、何が違うのかと。
 今言ったそのモニタリングをしていくことによって、全然安全だということをどのようにリスクコミュニケーションとして、具体的にです、さっきパーセンテージ言いましたけれど、あれほどの人が不安を感じていたり反対していたりしているのを、大丈夫なんだというふうに思わせていくようなリスクコミュニケーションの取り方というのは、今までと違ったやり方というのは何を考えていらっしゃいますか。

#124
○政府参考人(須藤治君) お答えいたします。
 風評対策、これ事故後十年たっても今なお福島県で苦しんでいる方がいらっしゃいます。そう簡単に物事が進んでいくというように私ども認識をしておりませんで、改めて、これまでやってきた政策の中で効果的だったものをより強化をしていくという話、あるいは御意見を聞いていく中で追加すべき対策というのを考えていくということになります。
 これも、済みません、繰り返しになりますけれども、モニタリングの強化、安全、安心に関わる科学的根拠に基づく情報発信、農産物の販売促進といった三つのポイントを中心に、現在、関係省庁を始め関係者において検討を進めております。ALPS処理水の取扱い方針の決定と併せて、政府として責任を持って全体像をお示しをしていきたいと考えております。

#125
○石井苗子君 あしたすぐ放出するということではないと思います。いろいろな手続を踏んで放出していくんだと思いますから、その期間中にいよいよこういうことになったんだということで、モニタリングもしていくし、これから補償も考えているが、これはもう物理的にこういうふうに決断をしたのだから、責任持って安全だ、安心だということを皆さんに伝えていくということを先にお伝えしておかないと、放出してから大丈夫なんだじゃなくて、これから放出しますので、こういう手続を踏んでやりますので皆さんに御案内しますというのが、先に回ってやることがリスクコミュニケーションなので、是非そこを心得ておいていただきたいと思います。
 これまでもリスクコミュニケーションと言葉が先走っておりまして、実際何なのかがよく分かっていないというのは、皆さんがおやりになっていることは科学的に正しいのかもしれませんが、国民の皆様がそれに対する理解力を持っていらっしゃらないということは大変、数字になってこのように出てきますので、そこを改善していっていただきたいと思います。
 続きまして、同じことなんですが、日本の生産している農林水産ですけれども、それを海外に輸出する、向こうにしてみれば輸入するんですけれども、日本はこれまで食料というのを輸入を主にしてきたんですね。輸出に関しては余り考えてこなかった面があると思います。相手国がどんなことを重視して食品を輸入しているかということを考えなければ輸出は増えていきません。
 農水省は農産物の輸出を進めていこうとしているのは分かるんですけれども、ちょっとこの言葉、諸外国で使われている、話題にもなりましたけど、アニマルフェアという言葉なんですけれども……(発言する者あり)ウエルフェア、失礼しました、アニマルウエルフェアという言葉なんですが、アニマルウエルフェアが進んでおります。これ、一般的には動物の一生の過ごし方に関する考え方と、アニマルウエルフェアなんですが、日本が世界の基準に沿った飼育をしていないとなりますと、これは、行く末、輸出が進まなくなるのではないかと思います。世界では既にそのアニマルウエルフェアの視点から、日本はどうやらひどい飼育をしているから日本産を買わない方がいいんではないかというような運動も起きています。これはやっぱり、ここでもリスクコミュニケーションが必要になってくると思いますが。
 EUでは既に、卵ですね、卵、産卵鶏の保護のために最低基準というのを設定しておりまして、二〇一二年からバタリーケージの飼育を禁止しています。
 その資料をお配りしましたけれども、エンリッチドケージというのもありまして、そのほかの三つぐらい私がお配りした資料にあると思うんですけれども、情報を求めるといただく写真というのが、そこの資料にもありますように、きれいに日本型で飼育しているような写真が出てくるんですけれども。
 さあ、日本の養鶏ですけれども、バタリーケージでの飼育はどのくらいの割合になっていますでしょうか。

#126
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 ケージ飼いの飼養の状況について、国際鶏卵委員会という民間団体による調査がございます。この調査によりますと、我が国におけるケージ飼いによる飼養の割合は九四・二%となっております。なお、この調査はバタリーケージ飼いとエンリッチドケージ、止まり木や営巣の区域のあるエンリッチドケージ飼いを区別することなく調査が行われているものでございますが、我が国においてはほぼ全て、ほとんどがバタリーケージ飼いとなっているところでございます。

#127
○石井苗子君 九四・二%ということなんですね。それなりに理由があるということもよく存じておりますけれども。
 OIEですけれども、OIEがアニマルウエルフェアの基準である、アニマルウエルフェアとそれから採卵鶏生産システムに対する日本政府への対応というのが書いてありますけれども、ここに関して質問させていただきます。
 日本の養鶏協会あるいは鶏卵業界から水産省に対してどのような要望が出てきたでしょうか。

#128
○政府参考人(水田正和君) OIEにおきまして、採卵鶏のアニマルウエルフェアに関する基準の検討が行われてきております。その一次案におきましては、先ほど申し上げましたケージ飼いの中でも止まり木とか、あるいは営巣ですね、巣の区域、こういったものについて、任意の、任意事項という形で決まっておったわけで、となっておったわけでございますが、二次案では、それらを義務的な事項、必須事項という形になったと、そういった案が提示されたところでございます。
 この二次案に対しまして、が提示されたものですから、二〇一八年の十二月十九日に平成三十年度第二回のOIE連絡協議会を開催しておりまして、そこの中で生産者の方々、生産者団体の方々からは、この営巣の区域ですね、巣の区域と止まり木について、これを設置すると卵が汚れたりひびが増えると、こういった課題があるということ、そして、生食の食習慣があります日本では安全性が重要だという御意見がございました。また、鶏卵では安全、安価、安定供給が重要との御意見もございました。さらに、国際基準では、国、地域の気候、風土、経済性が配慮すべきとの御意見もございました。また、この営巣の区域と止まり木につきまして、世界の大半は従来型ケージが多く、アニマルウエルフェアの理解や対応が進んでいない中で国際基準で設置すべきという必須事項とするのは時期尚早であると、こういった御意見がございました。

#129
○石井苗子君 私が説明を受けたとおりの御答弁でございますが。
 つまり、国際的なアニマルウエルフェアというものの考え方がありますが、しかしながら、日本の安全性の基準から考えると、いろいろなアニマルフェアに関して実際に影響を受けるような、例えば、今の止まり木のようなものを義務付けるというのではなくて、望ましい、望ましいというのはほとんどやらなくてもいいということなんですけれども、そのように変えていってほしいと。実際に影響を受けるという養鶏業者からの意見や要望を聞くのは、それは当然だということは理解しますけれども、その意見がどのようにOIEへの要望に反映されたのかということなんです、問題は。
 OIEの採卵鶏のアニマルウエルフェアの基準の策定に関してどのような意見や要望を出してきたのかをもう一回お答えいただけますでしょうか。さっき質問の前にお答えいただいたので、もう一回お答えください。

#130
○政府参考人(水田正和君) 先ほど申し上げましたOIE連絡協議会で、生産者の方々からの御意見お聞きいたしました。また、OIE連絡協議会には学識者や消費者の方々も入っておりまして、そういった方々からも御意見を頂戴したところでございます。そういった方々からの様々な御意見を伺うとともに、これについての科学的な知見について、これも確認をした上でコメントをOIEに提出をしておりまして、その中身は、我が国で主流でございますケージによる飼養を含めた多様な飼養形態が認められるべきであると、そういうコメントを出しております。

#131
○石井苗子君 つまり、多様性を認めろと言ったということなんです。多様性というのは、その国その国のやり方があるんだから、一括してアニマルウエルフェアの基準の策定に関して全体的に決めるのではなくて、多様性を、多様な生産システムを考慮して柔軟性を確保してほしいと、そのようにOIEで訴えたということで、これでよろしいでしょうか。

#132
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 結構でございます。

#133
○石井苗子君 では、それを踏まえまして。
 大臣が所信の二ページでお示しになりました、鶏卵や養鶏の行政の公正性について検証するために検証委員会を設置したというふうに述べております。
 これは、私は非常に公正な目を持って見なければいけないと思うんですね。国が取るべき施策は何なのかと。あれが悪い、これが悪い、大臣が悪かったということではなくて、施策、国の取るべき態度というのを決めていかなければならないと思います。
 贈賄罪で起訴されたアキタフーズの秋田善祺前代表は、収賄罪で起訴された吉川元農水相にアニマルウエルフェアの国際基準案への反対を要望したとされていますけれども、現在捜査中ということでありますが、特定の業者からの圧力で、業者の圧力でアニマルウエルフェアの政策がゆがめられるということはあってはならないと思うんですね。
 大臣、この農水省の検証委員会、どのようなことを検証するのかというのをお述べいただけますか。

#134
○国務大臣(野上浩太郎君) 吉川元大臣及び秋田元代表が贈収賄容疑で起訴されたことを受けまして、農林水産省として養鶏・鶏卵業界の公正性について検証いただくために養鶏・鶏卵行政に関する検証委員会で幅広く十分に検証を進めていただいているところであります。
 具体的には、養鶏・鶏卵行政の公正性に関して、アニマルウエルフェアの国際基準の策定プロセス、また日本政策金融公庫の養鶏業者への融資方針の決定プロセス、鶏卵生産者経営安定対策事業、その他、養鶏・鶏卵行政に関し必要な事項について調査、検証を行っていただくということになっております。
 極力速やかに検証いただいて、調査結果として報告書を公表することができればと考えております。

#135
○石井苗子君 私は、確かに特定の業者からの圧力でアニマルウエルフェアの政策がゆがめられることはあってはならないと申し上げましたけれども、一つ申し上げたいことは、アニマルウエルフェアというのは世界のトレンドで、傾向なんですね。ですから、これは、いいとか悪いとかというんではなくて、傾向がどのようになっていくかという、オリンピック・パラリンピックのような国際的なイベントがありますと、その食べている、今のこの食べている肉がどのように育てられたものの肉であるのかというようなことを選択して食料を選んでいくというような傾向にある、この世界的な傾向についていち早く日本国としての方向性も定めないと、やっぱり先ほど冒頭に申し上げたように、輸出という品目あるいは輸出額というのを高めていこうとするんであれば、傾向と対策というのを取っていかなければならないと思うんです。
 次の質問に関係するんですけれども、昨年の、先ほど資料にも配りましたが、農林水産物・食品の輸出額ですけれども、九千二百二十三億円で、先ほどからも出てきていますけれども、一・一%増です、これ。平成三十年以降ですけれども、少ししか上がっていないんですね。頭打ちになっているという状況は否めないと思うんですが、これは、八年連続で過去最高額を記録したと、大臣がそうおっしゃっていますけれども、これ胸を張って言えるような増額でしょうか、どうでしょう。

#136
○国務大臣(野上浩太郎君) 二〇二〇年のこの輸出額、九千二百二十三億円と八年連続で過去最高額を更新しまして、少額貨物などを含めると九千八百六十六円となりました。これは、世界的なコロナの拡大に伴いまして外食需要が減少して家庭食需要が拡大する中で、その需要の変化に対応した産品の輸出が増加したということであります。
 二〇二〇年は、やはりコロナの感染拡大がありましたので、輸出全体が対前年比で一一・一%減少しました。そのような中で、農林水産物・食品につきましても、上半期は対前年比八・二%と伸び悩んだわけでありますが、コロナによる需要の変化に対応すべく努力を行いまして、下半期はプラス一〇・一%となっておりまして、対前年比で輸出額が伸びている点は評価をできるのではないかと考えております。

#137
○石井苗子君 輸出戦略というのに沿ってやっていくという今のお答えですけれども、最後の質問になりますが、大臣は所信でマーケットインの発想で輸出にチャレンジするとおっしゃっています。農林水産業者を後押しするということなんでしょうが、これまで日本の農林水産業者はマーケットのニーズを重視するという発想がなかったとか乏しかったという認識なんでしょうか。

#138
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 事輸出につきまして、現在マーケットインの発想で輸出向けの生産を行う産地あるいは事業者というのは少数であるというのが残念ながら事実でございまして、その多くは国内向けに生産をした産品の余剰品を輸出すると、こういったことが実態ではないかというふうに思っております。
 このため、昨年十一月の輸出戦略が取りまとめられたところでございます。この実行戦略のサブタイトルは「マーケットイン輸出への転換のために」でございまして、この戦略をスピーディーに実行し、輸出に向けた生産から販売までの意識をマーケットインに転換することによって輸出拡大を促進をいたしまして、農林漁業者の所得向上、地方経済の活性化につなげてまいりたいと考えているところでございます。

#139
○委員長(上月良祐君) おまとめください。

#140
○石井苗子君 はい。
 これまでの余ったものを売るという発想では駄目ですね。やっぱりスピーディーに世界のトレンドをキャッチして輸出戦略を進めていただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。

#141
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。
 まず、今朝のニュースでしたので通告してありませんけれども、私からも米国産牛肉のセーフガード発動について質問をさせていただきたいと思います。
 これ、日米貿易協定によって関税率が下がっていくということも含めて、米国産の牛肉輸入量に対する懸念は以前からありました。協定前からも我々懸念を申し上げてまいりましたし、直後からかなり牛肉の輸入量が増えているという、そんな状況でもありましたので、今回のセーフガード発動は懸念が現実となったという思いで受け止めております。
 それを受けまして、野上大臣、今日の閣議後記者会見で、発動しても国民生活に大きな影響があるとは考えにくいと述べられたという報道を聞いております。確かにそうかもしれませんけれども、ただ一方で、セーフガード発動まで輸入量が増えたということは、生産現場にはやっぱり影響が懸念されるのではないかと思っています。そこは大臣、どのように捉えていらっしゃるでしょうか。

#142
○国務大臣(野上浩太郎君) 先ほども申し上げましたが、日米貿易協定に基づく牛肉のセーフガードについての報道がなされていることは承知をいたしております。ただ、セーフガード発動するかどうかの見込みについて現在農林水産省として言及をすることは、市場に影響を与えることから発言は控えさせていただきたいと思っております。
 その上で申し上げれば、今朝申し上げましたのは、発動時の税率、これは二〇二〇年一月の日米貿易協定発効前の税率に戻るものであり、これによって国民生活に大きな影響があることは考えにくいということと、もう一つ、関税率の引上げ分が消費者への販売価格に転嫁されるかについては、事業者ごとに対応が異なるものと考えており、一概に申し上げることはできませんということを申し上げました。
 そして、本年度の牛肉輸入量は、全体としては前年同期に比べて減少しております。米国産は前年同期と比べて増加しておりますが、全体としては牛肉輸入量は減少をしていると考えております。

#143
○舟山康江君 国民生活への影響は言及しつつ生産者に対する影響は言及されないというのも、ちょっとなかなか理解しにくいなという気がしております。
 マーケットに影響を与えるような発言をしろとは言っていませんけれども、ただ、少なくとも、やはり大きな影響があると、だからこそ日米貿易協定の議論のときにもあれだけ大きな懸念の声が寄せられたと思っていますので、やはりここはしっかり注視していただいて、何らかの対応を取る必要も出てくるんじゃないかと思っています。
 もう一つ懸念するのが、この日米貿易協定では、発動された場合に、発動基準を一層高いものに調整するために、十日以内に協議を始めるということが日米貿易協定のサイドレターで書かれておりますけれども、これは、今コメントできないと、こういう答えでしたけれども、協定に書かれているということは協議を始めるという理解でよろしいんでしょうか。

#144
○国務大臣(野上浩太郎君) 牛肉のセーフガードが発動した場合には米国と協議を行うこととされておりますが、現時点で仮定の質問にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

#145
○舟山康江君 セーフガードが発動されるぐらい急にアメリカ産の輸入が増えたということに対する我々、そしてまた現場の懸念と、そして、今後、更にセーフガードの発動基準が上がるということはもっと入ってくる可能性があるということですから、ここに対する影響はしっかりと注視していただきたいと思いますし、協議内容については是非当委員会にも報告をいただきたいと思っておりますので、委員長、お取り計らいいただきたいと思います。

#146
○委員長(上月良祐君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。

#147
○舟山康江君 続きまして、大臣の所信表明演説で言及されておりますけれども、農林水産業・地域の活力創造プラン、これ十二月に改訂されておりますけれども、このプランと、やはり法律に基づいて十年後の姿をきちっと提示する食料・農業・農村基本計画、この関係というのはどのように整理して捉えればいいんでしょうか。

#148
○国務大臣(野上浩太郎君) 今お話のございました食料・農業・農村基本計画とこの農林水産業・地域の活力創造プランでありますが、政策についての基本的な考え方は同じものとなっておりますが、このうち、食料・農業・農村基本計画は、食料・農業・農村基本法の規定に基づきまして施策についての基本的な方向、方針を定めるものでありまして、おおむね五年ごとに変更することとされていることから、中長期的な視点で策定をしているものであります。
 一方、この活力プランの方でございますが、これは政府において毎年実施している、実施していこうとする個別具体的な政策を盛り込んだものでありまして、毎年スピード感を持って取り組むべき事項を踏まえて改訂をしておるものであります。
 それぞれの役割、性質に応じて策定をしております。

#149
○舟山康江君 そうすると、この二つの、プラン、計画は、上下関係とか矛盾したりとか、そういったことは考えにくいということなんでしょうか。上下関係はどうなっているんでしょう、並列なんですか。食料・農業・農村基本計画に矛盾するプランというのはあり得ないという理解でよろしいんでしょうか。

#150
○国務大臣(野上浩太郎君) これは、どちらが上位とか上下関係というものはないと認識をしています。

#151
○舟山康江君 確認ですけれども、じゃ、大きな中長期的な計画があって、それを具体化するためのプランである以上は、その食料・農業・農村基本計画に矛盾するようなプラン作りはあり得ないという理解でよろしいですか。

#152
○国務大臣(野上浩太郎君) 基本的にはそのような考え方だと思います。

#153
○舟山康江君 ありがとうございます。
 この食料・農業・農村基本計画ですけれども、昨年の四月に改定されまして、やはり一つの大きな特徴は、中小・家族経営を久しぶりに盛り込まれたのではないのかなと思っています。先ほど石垣委員からも質問がありましたし、同じ資料での質問がありましたけれども、私も、この望ましい農業経営の姿の中にこの中小・家族経営がどのように位置付けられているのかというところでちょっとお聞きしたいんですけれども。かなり中小・家族経営を大きく位置付けているというところ、そして、それは、いわゆる地域を支えるということに加えて、やっぱり農業生産の面でも大事なんだということをきちんと書いたのが今回の基本計画の特徴ではないかと思うんですけれども、改めて、中小・家族経営の生産面での位置付け、そしてその評価について教えていただきたいと思います。

#154
○国務大臣(野上浩太郎君) 日本の農業経営全体の約九八%、これが家族経営であります。こうした方々が地域の農業生産や美しく活力ある農村を支えていると認識をいたしております。
 このため、経営規模の大小や法人か家族経営かの別を問わず、意欲ある担い手を幅広く育成支援するとともに、中小・家族経営など多様な農業経営体が地域社会の維持に重要な役割を果たしていることに鑑みた支援を行っておりまして、そのことを昨年三月に閣議決定した基本計画において明確をしたところであります。
 今後も品目別対策ですとか多面的機能支払、中山間地直払い等の支援策を通じまして、中小・家族経営含む地域の農業をしっかりと支援をしてまいりたいと考えております。

#155
○舟山康江君 ただ、この図を見ますと、担い手がいて、こちらに農地も集積をしていくと。
 そして、もう一つ、中小・家族経営、その他の経営体と位置付けている中で、やはり今御答弁にもありましたけれども、担い手以外への支援というのは、今、品目別とか多面的支払と言っていましたけれども、例えばゲタ、ナラシのような経営所得安定対策はこれ対象外ですよね。そうなると、果たしてどこまで本気で中小・家族経営をこれから農業の担い手として位置付けているのかというところの覚悟がなかなか見えないと思うんです。
 本来、元々は、その効率的かつ安定的ということでかなり集中してきた。でも、それでは農村がもたないということで、中小・家族経営も多分これから温暖化とかいろんな持続可能性を考えたときに、やっぱり中小・家族経営の役割というのはますます大きくなると思います。そうなると、時代の変遷の中でその位置付けというのは今までとは変わってきていると思うんですけれども、施策の中では一部しかそちらに向けていないというところはやっぱり見直していかないとおかしいんじゃないか。
 そうなると、この図も、何かこう担い手とそれ以外というところで、こちらのその他の多様な経営体と言って、頑張ってもらっています、役割いろいろありますと言いながらも、そこの施策というのは薄い。ということは、やっぱり見直していく必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。

#156
○国務大臣(野上浩太郎君) 中小・家族経営に対しましては、今申し上げました品目別対策ですとか多面的機能支払、中山間地直払い等によって幅広く支援してきたところでありますが、例えば中山間地直払いにつきましては、中山間地域におきまして農業生産活動を継続していけるよう加算措置を充実させたほか、畜産クラスター事業につきましても中小・家族経営の皆様に活用しやすい要件の緩和などを行うなど、地域の実情に応じた見直しを行ってまいりました。
 引き続きこれらの支援策は実施してまいりたいと思いますが、中小・家族経営に限った話ではありませんけれども、今後も農業現場のニーズをよく把握しながら、基本計画を踏まえて政策を検討してまいりたいと考えております。

#157
○舟山康江君 先ほども触れましたけれども、経営所得安定対策とか強い農業・担い手づくり総合支援交付金なんかは、これ使えないんですよね。基本法二十一条の「望ましい農業構造の確立」というところも、まあそろそろ見直しの時期に来ているのかなというような気もしております。
 繰り返しになりますけれども、この食料・農業・農村基本法を作った頃は、やはりそこに施策を集中させて、そこが牽引していくということだったと思うんですけれども、改めて、世界的にも国内的にも中小・家族経営の役割が大きくなっている中で、改めてこうやって別の存在として書くのではなくて、一つの中にもう少し強く位置付けるような方向転換も必要かと思うんですけれども、そのような検討を是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

#158
○国務大臣(野上浩太郎君) 先ほど申し上げましたが、日本の農業経営の全体の九八%、これが家族経営でありますので、こうした方々がしっかりと地域の農業生産ですとか、あるいは農村を支えていけるようにしていくことは極めて重要だと考えております。
 先ほど来申し上げてきたような支援策を行ってまいりましたが、今後とも、これ中小・家族経営に限った話ではありませんが、この農業現場のニーズをよく把握しながら、基本計画を踏まえて政策をしっかり検討してまいりたいと考えております。

#159
○舟山康江君 是非お願いしたいと思います。
 そして、この食料・農業・農村基本計画のもう一つの柱として、食料自給率についての言及がございます。
 食料自給率は、何とか向上させようということでもうずっと長年取り組んではきましたけれども、なかなか上がらない、低下の一途をたどっているということですけれども、この原因分析はどのようにされているんでしょうか。

#160
○副大臣(宮内秀樹君) お答えさせていただきます。
 まさに食料自給率が低下をしております。昭和四十年が七三%、カロリーベースですね、令和元年が三八%ということでございますが、これに対して何とかしなければとずっと言い続けてきたわけでありますけれども、やはりこの原因は、経済成長や人口増加、都市部への人口集中といった様々な社会の変化というのが、やっぱり一番基本的に構造が変わってきているということであるというふうに思っております。
 食料の消費面では、特に食生活の洋風化が進んで国内生産で需要の主なところを支えておりましたお米の消費が減少すると、これが一番だと思っておりまして、約半分ぐらいになっているというような現状認識をしております。畜産物や油脂類等の外国産の飼料や原料に依存する品目の消費がやっぱり増大をしていると、これが一番の原因だというふうに思っております。
 農業生産面では、こうした消費面の変化に対応いたしまして、米の生産が減少し畜産物や油脂類の生産が増大してきたというところ、こういうことに原因があるということでございまして、食生活の変化が主な原因となって食料自給率が低下しているという現状認識を持っておるところでございます。

#161
○舟山康江君 そうすると、食生活の変化に生産の現場が追い付けなかった、追い付けるような政策が足りなかったという理解でよろしいんでしょうか。

#162
○副大臣(宮内秀樹君) 生産現場が原因であるということではなくて、やはり社会の変化、これが大きな原因であって、それに対して生産現場が追い付けなかったということよりも、国民生活の消費の変化であるとか社会の構造、こういうものが大きな要因だというふうに認識をいたしております。

#163
○舟山康江君 いや、ですから、そういった食生活の変化がある中で、ああもう食生活が変化したからもうしようがないよねじゃなくて、やっぱりその食生活の変化に対応するような生産の取組は多分してきたと思うんですよ。そこがやっぱりまだ足りなかったということなんでしょうかねという質問なんですけど。

#164
○副大臣(宮内秀樹君) もちろん、生産現場に対する施策、いろいろ打ってきたというふうに思います。それが追い付かなかったから食生活が変化したということではなくて、社会の変化に伴って消費の形が変わってきたというふうに認識をいたしております。

#165
○舟山康江君 いずれにしても、ちょっと何かよく分からなかったんですけど、やっぱりその食生活の変化に対してきちんと対応するような農業の在り方をきちっと模索していかなければいけないと思いますし、まさに十年後、中長期計画として基本法の中にやっぱりその具体的な方向性を書くべきだし、示すべきだと。そういった大きな青写真の中で、じゃ、現場は次、何をするのか、どういう手を打っていくのかというところで動きやすくなると思うんですよ。
 何かこう五月雨式に政策を打ったところで動きにくいですし、やっぱりその中長期計画が基本計画だとすれば、その中に、じゃ、どうやって、自給率だって上げようという目標を立てているわけだから、どうやればいいのかというところを具体的に工程表を示しながらしっかりと提示をするということが必要だと思いますけれども、それはされているんですか。

#166
○政府参考人(青山豊久君) 食料自給率の目標達成に向けましては、基本計画の中のあらゆる施策を総動員した取組が必要でございます。基本計画内のほぼ全ての施策が自給率の向上につながると考えているところでございます。
 こうした状況ですので、委員御指摘の工程表というのは作成しておりませんけれども、基本計画の施策の進捗管理を行っていくことが重要だというふうに考えております。
 昨年三月に改定した基本計画におきましては、前回までの基本計画における進捗管理と評価の方法を充実させまして、合理的根拠に基づく施策の立案ですとか、食料・農業・農村政策審議会企画部会への政策評価結果の報告等を追加しまして、必要に応じ第三者の目を通じて施策の内容を見直して、翌年以降の施策の改善に反映させていくこととしております。
 こうした進捗管理を通じまして、食料自給率の目標の達成に向けまして着実に取り組んでまいりたいと考えております。

#167
○舟山康江君 やはり進捗管理とか、本来は工程表なんかもきちっと示しながら、恐らくこれ気候危機、気候変動、環境などの様々な制約の中で、やはり不測の事態というのが起きる頻度が上がってきていると思います。そういう中で自給率を向上させるというその要請は今まで以上に強まっていると思っておりますので、是非しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 恐らくこの自給率、先ほども米の消費が減っているということだったのでちょっと米問題に行きたいと思いますけれども、今年の米の需給、先ほどのお話でも非常に、六・七万ヘクタールの追加転換、去年の段階ですね。だから、更に必要になるかもしれないということではありますけれども、米以外への政策転換に向けていろんな手を打たれているのは承知しております。
 そういう中で、水田活用の直接支払交付金というものがありますけれども、要は米から米以外に、まあいわゆる昔でいうところの転作ですね、転作を促すためにこの直接支払交付金がありますけれども、この助成単価の基本的な考え方を教えてください。

#168
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをさせていただきます。
 主食用米の需要が毎年減少する中にあって、産地ごとの実情に応じまして、主食用米から麦、大豆等への需要のある作物へ転換を図ることが重要であるというふうに考えております。このために水田活用の直接支払交付金では、主食用米と遜色のない所得が確保できるように麦、大豆等について全国一律で戦略作物助成の単価を設定しているところでございます。

#169
○舟山康江君 この考え方は元々の戸別所得補償制度のときから変わっていないと思うんですね。やっぱりどうしたってもうかる方を作りたいわけだから、主食用米とせめて同じぐらいの所得が確保できるようにして、しっかりとこの生産移行を促していくということの基本的な考えの中で単価が設定されたということなので、多分その頃から単価水準はほとんど変わっていないと思っています。
 それに加えて産地交付金というものが、まあ上乗せというんでしょうかね、設けられていますけれども、この産地交付金の単価設定の考え方、根拠、そしてその成果について教えていただきたいと思います。

#170
○国務大臣(野上浩太郎君) 今お話ありました産地交付金でありますが、国から配分する資金枠の範囲内で都道府県や地域ごとに対象作物や単価等を設定できる仕組みとしておりまして、地域の特色を生かした魅力的な産地づくりを支援をしているところであります。
 例えば、これまで飼料用米あるいは米粉用米の多収品種の導入ですとか、加工用米の複数年契約の取組を国から都道府県への追加配分の対象として推進してきました結果、それぞれ六割ですとか約七割まで取組が拡大したところであります。各産地では産地交付金等を活用しまして、例えば新潟県の長岡市ではJAが中心となって地元の米菓企業と連携したモチ米の契約栽培に取り組みまして地場産業を支える産地が育成されるなど、地域の特徴を生かした魅力的な産地づくりが進められるところでありまして、こうした取組を後押しをしてまいりたいと考えております。

#171
○舟山康江君 こういった水田活用の直接支払交付金、要は主食米用の生産を需給に応じたものに少し締めていって、そのほかに生産を移していこうということだと思うんですけれども、これが本当にスムーズにうまくいくのであれば、今懸念されているように主食用米がだぶつくんじゃないか、供給過剰になって価格が下がるんではないかという心配もなくなるんだと思うんですけれども、そうはなっていないというところが今問題だというふうに思います。
 この産地交付金ですけれども、まず新市場開拓用米というものについてお聞きします。新市場開拓用米、これは内外の新市場の開拓を図る米穀とありますけれども、具体的に何を指すんでしょう。

#172
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 主食用米の需要が毎年減少すると見込まれる中で、産地ごとの実情に応じまして主食用米から需要のある作物へ転換を図ることが重要であると、委員おっしゃるとおりでございます。
 このような中で、お米の新たな市場開拓に取り組む産地を支援するために、平成三十年度から産地交付金において新市場開拓用米の作付けに対して十アール当たり二万円の支援をしているところでございます。
 農林水産省といたしましては、引き続き主食用米から新市場開拓用米などの需要のある作物への作付け転換を推進しておるところでございまして、結果、輸出米として、そういうものが効果を生んだりとか、そういうこともあっているというふうに認識をしているところでございます。

#173
○舟山康江君 私の質問は、新市場開拓用米、内外のと言うけれども、具体的に何を指しているんですかと聞いているんですけれども、今のお答えでは輸出用米ということですか。

#174
○政府参考人(天羽隆君) 輸出用米を排除するわけではございませんけれども、そのほか、バイオエタノールとかアルコールといった用途もございます。

#175
○舟山康江君 そういうの、かなり実績あるんですか。

#176
○政府参考人(天羽隆君) 令和二年産での実績がございます。

#177
○舟山康江君 参考までに、具体的にどのぐらいの面積が作られているのか、教えてください。

#178
○政府参考人(天羽隆君) 令和二年産のバイオエタノール、アルコールですけれども、これは〇・三ヘクタールでございます。

#179
○舟山康江君 〇・三ヘクタール。何か一人当たりの平均耕地面積よりずっと少ないので、実績があると言えるかどうかはともかく分かりませんけれども、要は、輸出用米なんでしょう。輸出用米について、私、これ本当不思議なんですけど、平成二十九年度までは対象外なんですよ。明確に、輸出用米については使えませんという注意書きまでしているんですね。そういう中で、なぜ平成三十年度から。輸出用米に対する助成は行わないことというルールが徹底していたんですけれども、三十年から突然この輸出。いろいろ多分、輸出に際してこういったものをやることについて懸念もあるということで外していたと思いますけれども、三十年から入れた理由は何なのでしょうか。

#180
○政府参考人(天羽隆君) 輸出も含む新市場開拓用米でございますけれども、先ほど申し上げたとおり、輸出用に限らず、バイオエタノール用など新たな市場の開拓に取り組むものを支援をするという考えで、その新市場の開拓により力を入れていかねばならないという考えから新市場開拓用米というカテゴリーをつくったと承知をしております。

#181
○舟山康江君 要は、そのバイオエタノール〇・三ヘクタールが実績になるかどうかというのはちょっと疑わしいので、要は輸出用の支援ということなのかなと思います。
 資料二枚目を御覧いただきたいと思いますけれども、この産地交付金が年々拡大しております。何か理念を持って拡大しているならいいんですけれども、どうも、やったはいいものの、増えないからもうちょっと上乗せ、あと一声、あと一声という形でどんどん増えているような気がするんですけれども、私、これ非常に懸念をするのが、輸出補助金に当たったりしないんでしょうか。

#182
○政府参考人(天羽隆君) 委員御存じのとおり、輸出補助金に当たる当たらないというのは、最終的にはWTOのパネルで判断をされるということになると思っております。
 先ほど申し上げたとおり、この新市場開拓用米でございますが、国内、国外を問わず新市場の開拓に取り組むものを支援対象としているということでございまして、輸出に限定した支援ではないというふうに考えております。したがいまして、輸出補助金には当たらないと考えてございます。
 また、この新市場開拓用米の作付面積に対する国からの、十アール当たり二万円でございますけれども、この支援につきましては、地域農業再生協議会が対象作物や単価を定める産地交付金の資金枠の配分要素の一つであることからも、いわゆる輸出補助金には当たらないというふうに私どもは考えています。

#183
○舟山康江君 元々の産地交付金のその発想の、地域独自の取組を支援するというのは非常にいいと思います。ただ、その地域独自の取組を支援する中で金額だけがどんどん大きく膨らんできて、果たしてどんな成果があったのか。そして今、今年、先ほど来何人か質問されていますけれども、主食用米の過剰傾向が心配されていて、ここを何とかしなければいけないという課題があると思うんですね。
 繰り返しになりますけれども、本当にこの取組がうまくいっているのであれば、自然状態の中できちっと主食用米が締まって、そのほか足りないものが増えていくと非常にいい形になっていくと思いますけれども、現実はそうならない。やっぱりその原因の一つは、生産数量目標も示されていない、現場に任せるということがあるんじゃないかと思います。
 改めて、私は、やはり今の状況の中で、国が一定の目安の提示とか需給調整にしっかりと乗り出す中で、ある意味やっぱり、これは戸別所得補償なんかそうだったんですよ。きちっと守ってくれることに対して支援をするからこそ、他の作物への移行が進んで超過作付けも減っていったというようなことがありますので、周りを増やすためにそこを支援するのか、守ってもらうために本体を支援するのか、その辺の考え方の違いがあると思いますけれども、今のやり方で果たしてうまくいくのか大変疑問だと思っています。
 先ほど山田議員もおっしゃっていましたけれども、やっぱり国がもう少し需給調整に乗り出すべきだと考えていますけれども、そこは大臣、是非、この状況の中で、やっぱり改めて、生産者団体、一つの団体では無理ですよ。そういう中で、やっぱり国の役割というのが今非常に大きいと思っていますので、国による需給調整の必要性について大臣のお考えをお聞きさせていただきたいと思います。

#184
○委員長(上月良祐君) 答弁は簡潔にお願いいたします。

#185
○国務大臣(野上浩太郎君) はい。
 主食用米の需要は毎年減少していくと見込まれております。そういう中で、引き続き行政による生産数量目標の配分を行うこととした場合に、生産者自らが市場のニーズを捉えて需要に応じた生産を行う状況に導くことが難しく、また、生産数量目標の配分に基づいて決められる主食用米の作付面積も減り続けることになると考えられます。
 米の需給と価格の安定を図っていくためには、今後も国内消費拡大、輸出拡大を進めつつ、この水田フル活用の予算なども活用して、自ら経営判断による需要に応じた生産販売を着実に推進していくことが重要だと考えております。

#186
○委員長(上月良祐君) おまとめください。

#187
○舟山康江君 終わります。

#188
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日、四テーマで質問したいと思います。
 まずは、震災復興の問題です。
 東日本大震災、原発事故から十年、お亡くなりになられた皆さんや被災された皆さんに哀悼とお見舞いを申し上げるとともに、日夜復興を目指して頑張っておられる皆さんに心から敬意を表します。
 二〇一一年の三月十一日というのは、国会にいましたけれども、議員会館自身がもうぎしぎしと揺れました。翌日の十二日の早朝に、私は車で被災地に向かいました。初めに向かったのが福島県のいわき市で、沿岸部に行きましたけど、本当に壊滅的な被害を目の当たりにして大きな衝撃を受けました。福島に向かう途中のラジオの放送で、水素爆発、そして原発事故ということを知りました。
 福島県庁に我が党の県議団と、それから県委員会の皆さんと一緒に緊急の要請に行って、そこに同席をし、その後、宮城県に向かいました。仙台市の荒浜から南に広がる仙台東部田園地帯も、もう津波で惨たんたる状況になっていました。本当に、この行方不明になった方々の御遺体を捜すというような情景があって、そうしたことがもう本当に鮮明に目に焼き付いております。
 十年たちましたけれども、まだまだ復興には至っていないという実感です。十年目に当たって被災地の実情をしっかりと把握をし、支援を継続、強化するということが必要だと思いますけれども、大臣の見解をお聞きいたします。

#189
○国務大臣(野上浩太郎君) 東日本大震災から十年がたったわけであります。この十年間の間、本当に大きな御労苦をされてこられた皆様方に、まず心からお見舞いを申し上げたいというふうに思っております。
 私自身も就任後すぐに一市三町訪ねさせていただきまして、現場の皆様のお声を拝聴させていただきましたが、やはり感じましたのは、農林水産関係のインフラの復旧は相当程度進展はしているんですが、しかし、原子力災害地域においては、営農の再開ですとか、あるいは風評払拭、森林・林業の再生、漁業の本格的な操業再開等、いまだに様々な課題を抱えておるというふうに思います。まだまだなりわいの再開に至っていない厳しい地域があることを実感をいたしました。
 この復興に向けまして、農林水産省では、県や市町村との連携をしながら様々な施策を進めております。農業では、例えば昨年改正されました福島特措法による農業集積の特例措置の活用ですとか、あるいは営農再開の加速化等々に取り組んでおります。林業、水産業もそれぞれ取組を進めております。
 長くなりますので全ては申し上げませんが、それぞれの分野で引き続き現場の声に耳を傾けながら、しっかりと全力で取り組んでまいりたいと考えております。

#190
○紙智子君 被災地の漁業は震災前から回復していないというふうに思うんですね。
 岩手、宮城、福島の漁業センサスの震災前の二〇〇八年と十年後の二〇一八年を比較してみたんですけれども、海面漁業就業者は東北三県で二万千四百四十四人から一万三千六百三十一人に減少しています。経営体の数では一万六十二から六千百九まで、十年間で四〇%減少しています。県別で言うと、岩手県は五千三百十三から三千四百六、約三六%減少、宮城県は四千六から二千三百二十六ということで約四二%減少、福島は七百四十三から三百七十七ということで約四九%減少しています。多くが沿岸漁業ということです。
 なぜこういう差が出ているんだと思いますか。

#191
○国務大臣(野上浩太郎君) 今、この漁業センサスの数字、お話のあったとおりでございます。被災三県合計で二〇〇八年の一万六十二経営体から二〇一八年には六千百九経営体、約三九%減と。全国の減少率は三一%でありますので、八%の差があります。また、就業者数も、被災三県で二〇〇八年の二千百四十四人が二〇一八年には一万三千六百三十一人、約三六%減となっておりますが、全国の減少率は三二%で、四%の差があるわけであります。これ、いずれも被災三県、減少幅が大きくなっているわけであります。
 その理由としましては、全国と同様に高齢漁業者のリタイアが背景にはありますが、やはり被災三県では被災後の操業再開を断念した者がいるということが考えられます。特に福島の経営体数の減少幅が大きいのは、原発の事故によりまして当初操業を自粛して、その後、試験操業として操業区域や漁業対象魚種を拡大してきたものの、いまだ本格操業に至っていない状況にあり、経営体数の回復が遅れているということであります。
 引き続き、この操業再開や水揚げ量の拡大の支援をしっかりと行ってまいらなければならないと考えております。

#192
○紙智子君 被災地の実情を把握するという上でしっかり分析していただきたいというふうに思うんですね。
 福島県、今言われましたけど、やっぱり原発事故に伴う操業停止がこれ直接影響しているというふうに思います。宮城と岩手の差ということで言うと、私、創造的復興ということで大上段に掲げたところと、地域に目を向けて地域から復興を進めてきたというところの違いもあるんじゃないのかなというふうに思います。実情に応じた対策が必要だというふうに思います。
 それから、水産加工業者における東日本大震災からの復興状況アンケートってありますよね。それによると、売上げが戻っていない理由として、販路の不足・喪失・風評被害というのが一つ、それから原材料不足という、この二項目で回答の八割を占めています。
 水産業、水産加工業者はグループ補助金などを活用して何とか工場を再開し、復興を目指して頑張ってこられました。今その返済が始まっているところなんですよね。それから、水産資源が減少していますけれども、サケ、サンマが減少していると。マイワシとかサバ、ブリが増えているということで、魚種が変わってきています。それに対する対応も必要になっていると。そこにコロナ禍ということですから、この需要の減少ということで、漁業、水産加工業は、震災に、この大不漁に、コロナという三重苦ということになっています。既に借りている返済資金の一時棚上げとか返済期限の延長、あるいは魚種転換への支援が必要だと思います。
 それから、漁業資源が減少していますから、これ、水産業の多面的機能発揮対策事業、これを拡充するということなどを含めて、漁業者や被災地域の収入につながるような対策が必要ではないんでしょうか。

#193
○国務大臣(野上浩太郎君) 済みません、ちょっと答弁の前に。
 先ほど、被災三県の二〇〇八年の漁業就業者数、二万一千百四十四人と申し上げなければいけないところを二千百四十四人と言い間違えましたので、訂正をさせていただきます。
 被災地の今お話のありました水産加工業につきましては、再開を希望する水産加工施設の九割以上が業務を再開する一方で、やはり売上げの回復の遅れですとか不漁に伴う加工原料の不足、さらにはコロナの感染に伴う外食需要の減退等々で厳しい状況下にあるというふうに承知をいたしております。
 政府としましては、被災地の水産加工業者が活用しましたグループ補助金に関して、償還困難な利用者に対して償還猶予等の柔軟な対応を行うとともに、コロナ感染拡大に対する支援としましては、第三次補正で、販路多様化ですとか、あるいは売上げが減少した事業者に対する実質無利子無担保融資などによる支援を講じているところであります。
 今の御指摘のありました主要魚種の不漁による加工原料不足、これも起こっておりまして、これの対応につきましては、やはり近年、漁獲が増えている魚種に原料を転換するために必要な機器整備等に対して支援を行っているところであります。
 加えまして、地震等自然災害により発生した漁場等の堆積、漂着した流木等への対応につきましては、漁業者等により構成される活動組織が回収、処理を行います。今先生から御指摘のありました水産多面的機能発揮対策事業により日当や用船料などを支援をしているところでございます。
 このコロナの感染症に対しても、休業を余儀なくされる沿岸漁業者等に対しても同様の支援を行っているところでありますが、引き続き、今のお話も踏まえながら、他省庁とも連携をして、復興地域の漁業者、水産加工者が経営を維持できるように支援をしてまいりたいと考えております。

#194
○紙智子君 よく把握をして、本当に実情に応じた支援が必要だというふうに思います。
 それから、福島原発事故で、福島県、これは福島だけではないんですよね、近隣、全部海がつながっていますから。しかし、とりわけ福島県の漁業というのは大きな打撃を受けました。こういうさなかで政府は汚染水を海洋放出しようとしています。
 私は、原発事故の後、福島県の県漁連、それからいわき漁連などを訪問しました。漁は一切そのときはできていませんでした。試験操業ということで始まっていて、放射性物質が検出されない、当時はミズダコ、ヤナギダコ、シライトマキバイ、言ってみれば軟体動物というか骨のないものですね、こういうのが検出されないということで、三種のみだったと。その後、魚種を徐々に増やしていきました。
 この間どれだけ努力したかという話を聞いたんですね。築地の市場に出かけていって産地表示をして売るとしたら消費者は買ってくれるだろうかと、ちゃんと検査をしていてもね、そういうことはどうなんだろうということの意見を聞くとか、それから、熊本の水俣まで行ったそうです。水銀が海に流されたことで大きな実害と風評被害も続いたと、どうやって乗り越えてきたんだということで勉強しに行ったという話もされていました。何よりもやっぱり消費者や国民に安心感と信頼してもらえる努力が必要なんだと、自ら進んで検査を行って安全性を証明する努力をとにかくやっていこうということで努力されてきたという話なんですね。
 それで、いよいよ試験操業から本格操業ができるところに今来たと。そのやさきに汚染水が海洋放出されたら、せっかくこの間取り組んできた信頼が壊れてしまうと、水の泡だという話をされています。
 大臣、こういう訴え、どのように思いますか。

#195
○国務大臣(野上浩太郎君) 福島第一原発事故以来、本当に復興に向け懸命に取り組まれている農林漁業者の皆様、本当に御労苦と御心配をお掛けしているところであります。
 私自身も、昨年参りました際に地元の漁協の皆様と話もさせていただきました。本格操業に向けての思いも聞かせていただいたところでございます。
 ALPS処理水の取扱いにつきましては、これまで、昨年二月にALPS小委員会が報告書をまとめたことも踏まえて、様々な方々との意見交換を重ねるとともに、福島の農林水産関係者を始め、広く国民の皆様から貴重な意見をいただきつつ議論を積み上げてきていると考えております。
 こうした議論を踏まえて、廃炉・汚染水対策チームの梶山チーム長から各省庁に対して、風評による影響を最大限抑制する処分、あるいは処分方法やモニタリング、経済対策を含めた具体的な風評対策、国内外への丁寧な情報発信といった論点について検討を深めるようにと要請があって、農林水産省でも従来から行っている風評対策の効果を見極めつつ検討を今深めているところでありますが、何よりも、農林水産省としては、復興に向けた農林漁業者の努力、これを妨げないということを最優先にして、できる限り安心いただけるような処理水の方法、処分方法ですとか周辺環境のモニタリング強化などの風評被害対策、これを検討していくべきだと考えております。

#196
○紙智子君 政府は三月三日に新しい復興の基本方針を決めたんですけれども、先送りできない課題というふうに書いているんですけれども、関係者の理解を得るという言葉がないんですよね。理解も得ずに、これ原発汚染水の海洋放出はやめるべきだということを強く申し上げておきたいと思います。
 次に、大雪被害についてです。
 昨年から今年にかけて、東北地方それから北陸地方を始め、記録的な豪雪によって被害に見舞われました。昨年の十二月だけでも新潟県、群馬県、東北地方では降雪量が二メートルを超えて、平年の二倍から四倍の雪が降りました。三月には北海道の富良野地域などでも三百六十棟以上の農業用ハウスが倒壊しています。
 野上大臣は、豪雪による農業の被害の現場を視察されましたけれども、認識を伺います。

#197
○国務大臣(野上浩太郎君) 令和二年から三年までの冬期の大雪によりましてお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申しますとともに、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。
 令和二年からこの三年の冬期の大雪被害額、現時点で約百二十八億円となっておりますが、農業用ハウスですとか畜舎等の倒壊、果樹の枝折れ、倒伏など、大きな被害が発生をいたしております。
 私自身も、発災後、新潟県の上越市、また南魚沼市に参りまして、現場の方々とお話を聞かせていただいたわけでありますが、やはり今回は雪国、雪に慣れている雪国においても本当に一気に集中的に雪が降ったものですから、そういう地域であっても除雪が間に合わなかったり、あるいは現場にたどり着けない状況の中で今申し上げたような被害が発生をしていったということでございました。
 この農林漁業者の皆様の不安に応えて、経営の永続、一日も早い経営再開が図れるようにという思いで二月二日には支援策を決定をさせていただいたわけでありますが、これまた雪が解けてからの被害というものもあるわけでありますので、現場に寄り添いながら、できるだけきめ細かい支援策を進めてまいりたいと考えております。

#198
○紙智子君 私たち日本共産党国会議員団としては、一月二十日に小此木防災担当大臣に対して豪雪対策に関する申入れをやりました。その中で、農業用ハウスなどの被害に対する支援については、二〇一四年の二月に関東を襲った大雪被害に対して行った被災農業者の負担を最小化する支援、被災農業者向け経営体育成支援事業、これと同様の支援を行うように要請をしました。
 三月十二日時点の被害状況を見ても、この農業用ハウスの被害だけでも一万七千五百七十七件で百億円を超えていると。今回、被災農業者支援型をなぜ発動しなかったんでしょうか。

#199
○国務大臣(野上浩太郎君) この支援策、二月二日に公表させていただいたわけでありますが、その中で、農業用ハウスの被害に対しては、今回の被害の状況ですとかこれまでの災害における対応状況を勘案して、強い農業、強農の総合支援交付金の地域担い手育成支援タイプの優先採択により支援することといたしました。これは北陸を中心とした平成二十九年から三十年までの大雪による被害の対策と同様の支援内容となっております。
 また同時に、この事業のほかに、持続的生産強化対策事業の産地緊急支援対策によりまして、農業用ハウスの再建等も支援をするということとしたわけでございます。

#200
○紙智子君 被災農業者支援型を発動する基準というのはどうなっているんでしょうか。

#201
○国務大臣(野上浩太郎君) この強農の総合交付金の被災農業者支援型につきましては、これは、過去に例のないような甚大な気象災害等によりまして担い手の農業経営の安定化に支障を来す事態が発生しており、特に緊急に対応する必要がある場合に限って発動することといたしております。

#202
○紙智子君 被害額とか、結局、定義なんかを決めているわけではないわけですよね。
 昨年の七月の豪雨のときには被災者型が発動されているんですけど、今回の大雪被害では発動していません。被災した農家の皆さんは、実はこの被災農業者支援型を期待をしていたということなんですね。
 大臣の御地元であります富山県で被災した農家の方から、こういうふうに言っています。三八豪雪以来の大雪によって農業用ハウスが被害を受け、今年の野菜や水稲の育苗に大変困っています、農水省は被害農家を支援すると政策を出していますが、内容は中核農家や営農集団が対象のようです、これでは多くの個人農家は何の支援も受けることができず、営農を継続するには自己資金での再建しかありません、個人農家も食料生産に頑張っているんです、営農継続に意欲のある生産農家全てが支援を受けられますようにお願いする次第ですと、こういうふうに要望を寄せています。
 大臣の御地元であります富山県の農家のこの切実な声をどのように受け止められるでしょうか。

#203
○国務大臣(野上浩太郎君) 今回の雪害に対しましては、強農のいわゆる担い手育成タイプの優先採択を行いまして、被災した地域の担い手に対しまして、農業経営の改善に必要な農業ハウスの再建、修繕を支援することといたしましたが、この事業では、人・農地プランの中心経営体を支援対象としておりますが、これは認定農業者のみならず、認定新規就農者や集落営農組織など、人・農地プランに位置付けられた中心経営体のほか、農地中間管理機構を活用している農業者が含まれます。
 また、この中心経営体、これは地域の話合いによって決めていただくものでありますので、市町村が策定する本事業の支援計画の国への提出までに中心経営体となっていれば支援を受けることが可能でありますが、一方で、この事業のほかにも、農業ハウスの復旧に対しては、被災した産地に対しまして、例えば作物転換とか規模拡大等に必要なパイプ等の生産資材の購入等を支援します持続的生産強化対策事業の緊急支援対策を講じているところであります。
 こういう点も周知をしながら、被災された農家の方々、取り残されることなく、一日も早い経営再開ができるように、地方自治体とも連携をして取り組んでまいりたいと考えております。

#204
○紙智子君 被災農業者支援型は、営農再開を希望する被災農家の全てが対象となって、補助の上限額が撤廃されるなどの手厚い支援となっています。その一方で、今回の地域担い手育成支援タイプというのは支援対象が限定されていて、補助の上限額も六百万円となっています。中心的な担い手だけでなく、小規模農家も食料生産を担っているわけで、やはり営農を継続できる支援が必要だというふうに思うんです。
 岩手からも悲鳴が上がっています。あるトマト農家の方は、七棟のハウス全部が倒壊したと。農水省の支援策では支援対象にならないため、今回七棟のうち四棟のハウスの再建にとどめて、あとは牛の頭数を増やすために、三棟あった土地や休耕田を牧草地にするなど苦労して、人・農地プランの中心経営体になれるようにしようということでそれをやって、地域担い手育成支援タイプを申請したんだそうです。被災して、もうそれだけでも心が折れそうなときに、支援を受けようと思うと規模を拡大しないといけないと、こういう現実があるわけです。
 被害を受けた農家が離農することなく営農を継続できるようにするためには、小規模農家を含めて全部の被災農家が支援対象となる被災農業者支援型を発動すべきではないんでしょうか。

#205
○国務大臣(野上浩太郎君) 今お話のありました中心経営体の話でございますが、今お話のあったような対応とともに、この事業のほかにも、持続的生産強化対策事業の産地緊急支援対策等を講じているところでございますので、これは三戸以上の組織、三戸以上で組織されれば、その資材費を補助するということになります。
 こういう事業も活用いただきながら、取り残されることなくこの支援策を届けてまいりたいというふうに考えております。

#206
○紙智子君 気候変動によって毎年のように今自然災害が発生しています。被害も範囲、広範囲に及んでいて、かつ甚大なものになってきているわけで、被災した農家が離農することがないように万全の対策を求めておきたいと思います。
 あと、時間がちょっと迫ってきましたので、米の政策についてお聞きします。
 新型コロナ感染症の影響で、米需要が減少し、米価が下落しています。民間在庫は四か月連続で三百万トンを上回り、生産者は卸業者が米を買ってくれないと言っています。
 コロナ禍で今年一年の業者の動向をお聞きしますけれども、対前年比で巣ごもり需要であるスーパーなどの小売向けが何%なのか、外食向けは何%なのか、トータルで何%なのか、御説明をお願いします。

#207
○国務大臣(野上浩太郎君) まず、小売事業者向けでありますが、二年の一月から十二月の計で対前年比一〇五%、それから中食・外食事業者向けにつきましては八八%、この販売数量の合計として九八%となっております。(発言する者あり)

#208
○委員長(上月良祐君) もう一度お願いします。

#209
○国務大臣(野上浩太郎君) 済みません。三年一月の数字ということでございます。この小売事業者向けは一〇七%、それから中食・外食向けは八七%、合計で九七%ということでございます。

#210
○紙智子君 前年比でいうと九七だから、三%ということですよね。年間の需要量を約七百万トンとすると、三%ということは、計算すると二十一万トンの需要減になるということになるんですね。通年の減少幅を十万トンとすると、コロナの下でこれ十一万トンが需要が減少したことになるわけです。
 二月二十六日の食糧部会で米の基本指針の最新版が示されたんですが、今年一月から再度緊急事態宣言が出されているのに、この緊急事態宣言に伴う需要減、一月は対前年比でマイナス三%見込んだ指針にはしなかったんでしょうか。

#211
○国務大臣(野上浩太郎君) 御指摘のとおり、一月に発令されました二度目の緊急事態宣言の発令の延長ですとか、その後の一部解除など、現在公表しています米の需要量を見通しを公表した昨年十一月から様々な状況の変化が生じております。
 このような中で、その需要量見通しを見直したとしてもそれで確定するわけではなくて、更なる状況の変化によって、関係者はもとより国民の皆様を混乱させるおそれがあるのみならず、結果として誤ったメッセージを発することになりかねないため、現時点で需要量見通しを見直すことは適当でないと考えております。
 現に、昨年十二月は、先ほどちょっと申し上げましたが、米穀販売事業者の販売状況は前年同月比で一〇〇%まで回復をしている、また消費量が中食、外食の約二倍となります家庭向けの精米を含む小売向けの販売量、これ前年同月比で一〇八%となっております。
 また、一月から十都道府県に緊急事態宣言が出されましたが、首都圏においては二度の期限延長、あるいは一部解除が行われるなど様々な状況の変化が生じていること等から、農林水産省としましては、年明け以降の販売動向の見極めですとかデータ収集に努めて、節目のタイミングでコロナの影響を含めてお示しできるように、引き続きこの需給動向を注視してまいりたいと考えております。

#212
○紙智子君 在庫が積み上げれば米価の下落というのは当然心配になるわけで、中食・外食事業者の米の仕入れの状況のアンケートというのもありますけれども、前年同月比の仕入れ額と比べて下落したという事業者が五割です。コロナ禍で需要が減少して在庫が積み上がっていくと米価の下落につながると。既に備蓄米の落札価格というのは前年比で二千円も下がっているというふうに報道されていますけれども、生産者に聞いてみると、卸が引き取る価格というのは千円以上下がっているんだというんですね。だから赤字だと言っています。
 米の根詰まりをなくすためには、一旦市場からこれ隔離すべきじゃありませんか。

#213
○国務大臣(野上浩太郎君) 政府備蓄米につきましては、これ、不作等による主食用米の生産量の減少によりその供給が不足する事態に備えまして、必要な数量の国産米を保有するということを目的といたしております。需給状況に応じて買入れ数量を増減させるなど、国による需給操作や価格の下支えにつながるような運用というのはこの政府備蓄米制度の趣旨に沿わず、また、自らの経営判断による需給に応じた生産、販売を進めるという米政策の考え方に沿って対応する必要があると考えております。

#214
○紙智子君 対策を取っても、米卸は買わない、売れないと言い、農家は米が売れないと、売れても買いたたかれると、米を作っても我々飯食えないというふうに言っています。今進んでいる米余り、この米価下落を止めて、生産者の生活と経営を守る対策を強く求めるものであります。
 あとちょっと残り二分ぐらいなので、アキタフーズに関わる養鶏疑惑について聞きます。
 農林水産省は、二月二十五日に、利害関係者から供応接待を受けていたことが判明したとして職員の処分を発表しました。
 調査結果の報告書について聞きます。
 調査結果の報告書には、二〇一九年九月十八日の会食に参加したのは十名とあります。農水省の職員が五名で、吉川貴盛元農水相、それから西川公也元内閣官房参与、そして河井克行衆議員、秋田善祺アキタフーズ社長、アキタフーズ社員の十名です。一方で、支払の方は、アキタフーズのコーポレートカードで支払われたのが二十五万五千九百六十四円で、十一名となっているんですね。十名ではなくて十一名分払っていると。
 あと一名は一体誰なのかということで、そこに参加をされていた水田さんにお聞きしたいと思います。

#215
○政府参考人(水田正和君) お尋ねの件でございますけれども、私参加いたしました令和元年、二〇一九年の九月十八日の会合でございますけれども、十名でございます。十一名ではなく十名だったと私は……(発言する者あり)十名です。十名だったというふうに思いますというか、そうでした。

#216
○紙智子君 じゃ、カードで支払われた分が十一名分となっているのは何でしょうね。

#217
○委員長(上月良祐君) 簡潔に願います。

#218
○政府参考人(水田正和君) 済みません。正直言って分かりません。

#219
○委員長(上月良祐君) おまとめください。

#220
○紙智子君 ちょっと時間になりましたので、やっぱり不明な点が多々あるんですよね。なので、委員長、真相を究明するために、農林水産省の関係者の参考人招致を求めたいと思います。

#221
○委員長(上月良祐君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。

#222
○紙智子君 それじゃ、あとは、残りは次に回したいと思います。よろしくお願いします。

#223
○須藤元気君 無所属の須藤元気です。ラストバッターですので、ラスト三十分、よろしくお願いします。
 先週の野上大臣の所信表明で、みどりの食料システム戦略の策定についてお話がありました。有機農業を推進していきたい私としては、大変うれしく思っております。必ず、そして形にしていただきたいと考えています。
 まずは野上大臣にお伺いしますが、みどりの食料システム戦略を策定するに当たり、議論のスタートラインとなったであろう日本の農業の現状認識についてお聞かせください。

#224
○国務大臣(野上浩太郎君) 近年の食料あるいは農林水産業を取り巻く環境につきまして、生産者の減少あるいは高齢化、あるいは生産基盤の弱体化や地域コミュニティーの衰退が進んでいる、また、地球温暖化に伴う農産物の品質低下ですとか大規模災害の激甚化が顕在化をしているというふうに思います。これに加えまして、新型コロナを契機としたサプライチェーンの混乱とか農産物への影響、大変厳しいものになっております。
 こうした中で、やはり様々な産業でSDGsや環境への対応が重視されるようになりまして、今後、我が国の食料、農林水産業においても的確に対応していく必要がありますし、国際的な議論の中で、我が国としても、アジア・モンスーン地域の立場から新しい食料システムというものを提案していく必要があると考えております。農林水産業や地域の将来も見据えながら、持続的な食料システムの構築の急務が課題だと考えております。
 このため、昨年十月に、この食料、農林水産業の生産力向上、それから持続性の両立、これをイノベーションで実現させるための政策として、このみどりの食料システム戦略の検討を指示をいたしまして、現在、省内、本部を立ち上げて精力的に検討を進めているところでございます。

#225
○須藤元気君 ありがとうございます。
 農水省は、三月五日、みどりの食料システム戦略の中間取りまとめ案を発表しました。有機農業は、二〇五〇年までにオーガニック市場を拡大しつつ、有機農業面積を全体の二五%に当たる百万ヘクタールまで拡大する方針を固めたとのことですが、EUのファーム・ツー・フォーク戦略では二〇三〇年に有機農業を二五%に拡大すると明確にしています。日本は二十年遅れとなりますが、数値目標を明確にすることは一歩も二歩も前進できてすばらしいことだと思います。
 しかし、あえてお聞きしますが、恐らく条件等違うと思うんですが、どうして日本とEUにこの二十年という大きな開きができたんでしょうか、教えてください。

#226
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 農業はそれぞれの地域の気候や自然条件の中で自然循環機能を活用しながら営まれているわけでございますが、それぞれの地域の気候、風土に応じた持続性の追求が重要だと考えているところでございます。
 委員御指摘の有機農業につきましては、EUでは二〇一八年の時点で耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合が七・七%まで拡大してきておりますけれども、一方で、我が国の方でございますが、高温多湿なアジア・モンスーン地域に位置しておりまして、欧州などに比べまして雑草とか病害虫の発生しやすい環境にございます。こういった中で、有機農業の取組面積の割合、増えつつあるとはいえ、〇・五%ということでございます。
 こうした中で、今後我が国において有機農業の取組面積の大幅な拡大を果たしていくためには、これまで確立してきた先進的な農家が取り組んでおります技術を横展開するだけではなくて、品種開発あるいは除草ロボット等、有機農業に取り組みやすくする新たなイノベーションが必要不可欠であると考えております。
 こうした次世代の有機農業の技術体系を二〇四〇年までに確立するとともに、こうした技術を現場に普及して、普通の農業者が経営上の一つの選択肢として有機農業に取り組める時期として二〇五〇年を目標年としているものでございます。
 農林水産省といたしましては、こうした点十分に考慮しつつ、昨年十一月の農林水産委員会で委員に御指摘もいただきました、意欲的な数値目標を掲げて、この実現に向けて様々な課題に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

#227
○須藤元気君 ありがとうございます。
 風土、環境の違いがあることも分かるんですが、やはりEUは日本に比べて国土も広いですし、気候も環境も多様性大きいと思います。この二十年の差を埋めていくみたいなちょっと気概がやはり必要ではないかなと思います。
 私、監督業をちょっとずっとやっていましたが、やはりオリンピックで金メダルを取るというふうに目標を掲げた選手って、大抵日本チャンピオンぐらいまでにはなるんですよ。しかし、日本チャンピオンになると目標を掲げた選手というのはほとんど日本チャンピオンになれないというか、今何を言いたいかというと、やはり夢や希望だったり目標というのは大きく、勇気を持って大胆に設定することが大切ではないかなと僕自身も学んだので、是非この二十年の差を埋めるぐらいな気持ちを持って取り組んでいただきたいと思います。
 国内の有機農業は、二〇一八年の時点でおよそ二万三千七百ヘクタールにとどまっており、目標である二五%の百万ヘクタールは四十倍以上に増やすことになります。一見難しく聞こえますが、AIなどの技術が人間より賢い知能を生み出すことが可能になるシンギュラリティーがいつ起きてもおかしくない状況の中で、私自身はそこまで難しい話ではないと思います。
 そこで、有機農業の取組面積拡大に向けた具体的な技術開発、普及についてどのような取組があるか、お聞かせください。

#228
○副大臣(宮内秀樹君) お答えさせていただきます。
 有機農業につきましては、みどりの食料システム戦略で示す目標の達成に向けまして、まずは令和二年四月に改定いたしました有機農業の推進に関する基本的な方針に基づきまして、野心的目標であります二〇三〇年までに取組面積を六万三千ヘクタールまで拡大することとしているところでございます。
 これに向けまして、近年、水稲やニンジン、バレイショなどの根菜類などでは有機農業の栽培技術の体系化が非常に進んでおりまして、安定的に栽培が可能な品目も出ていることを踏まえまして、当面は、こうした技術を基に、有機農業を指導できる人材の育成、それから技術習得等の産地づくりの取組支援によりまして、現場で実践されている先進的な有機栽培の取組の横展開を進めることとしておるところでございます。
 さらに、二〇五〇年の有機農業の取組面積百万ヘクタールというこの目標の達成に向けては、例えば、本年度から開発を開始いたしました、有機野菜畑でも使用できるような自律型の除草ロボットを始めまして、普通の農家が経営の一つの選択肢として有機農業に取り組むことができるような環境づくりを進めていきたいというふうに考えているところでございます。
 今後とも、みどりの食料システム戦略を踏まえまして、このような技術の開発、普及の横展開、これらの取組をしっかりと推進してまいりたいと思っております。

#229
○須藤元気君 ありがとうございます。
 この除草ロボットがちょっと気になりましたけれども、是非ターミネーターのようなすばらしいロボットを開発していただければと思います。
 さて、みどりの食料システム戦略をやり、より確実にしていく上で、私自身、不耕起栽培が有効なのではないかなと思いました。
 昨年末、茨城大学の附属農場で不耕起栽培について説明を受けてきました。不耕起栽培の定義には、作物を栽培する際に通常行われる耕うんや整地の工程を省略し、作物の切り株やわらなどの作物残滓を田畑の表面に残した状態で次の作物を栽培する方法とされております。
 不耕起栽培は、耕起栽培に比べ作業時間が短縮でき省エネルギーである上に、畑に生息するミミズやヤスデ、クモなどの土壌動物の群集が豊かになるなどの長所もあります。そして、前作の作物のかすをこの地表に放置できることになり、その結果、それらが土壌のマルチとなって風雨による土壌流出を緩和できるメリットもあります。さらに、耕さない土に根が張り、稲に生じる植物ホルモン的な作用が活力の高い太い根をつくり、茎を太くするということです。
 これを聞いたときに、まさしくウエートトレーニングと同じだなと思いました。やはり筋肉も負荷を掛けることによって大きくなっていきます。政治も、腕力じゃない、体力大事ですので、是非皆様にもウエートトレーニング、お勧めいたします。
 さて、海外に目を向けてみますと、一九六〇年代、北米はほとんどが耕起されていましたが、アメリカにおいては二〇一七年に不耕起栽培が三七%で実施されておりました。ただし、その内実には農薬の使用法などいろいろ問題があるようですが、それはさておき、日本の不耕起栽培の実情についてお尋ねします。不耕起栽培の耕地面積は現状でどれぐらいあるのでしょうか。

#230
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 近年の我が国の不耕起栽培の耕地面積に関する具体的なデータはございませんが、労力軽減を目的とした不耕起播種栽培や、あるいは、いわゆる自然栽培として不耕起栽培に取り組まれている事例があることは承知しております。

#231
○須藤元気君 データがないということですが、先ほど有機農地が〇・五%ということで、本当に僅かだなと思います。
 この有機栽培としてのこの不耕起栽培について、農水省としてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。

#232
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 不耕起栽培につきましては、土壌浸食の防止ですとか土壌水分の保持、それから労力なり燃料の節約、土壌微生物、土壌生物の保全などの面でメリットがあるものと承知をしておるところでございます。
 このため、地力増進を図ることを目的といたしました地力増進基本指針というものがございますが、この中においては、環境保全型農業の推進を図る一環といたしまして、不耕起栽培については、適地は限定されるものの、土壌への炭素の貯留や生物多様性の保全にも高い効果を有することから、適地においては不耕起栽培の導入を進めることが望ましいとされているところでございます。
 有機農業において不耕起栽培を用いる場合でございますが、これは省力化が可能であることがメリットである一方で、雑草が生い茂ったりとか、あるいは湿害が発生したり漏水という、水が漏れたりと、こういった、増加するという課題もあるところでございますので、こうした課題を克服して安定生産可能な不耕起栽培の技術の確立を進めるとともに、適地において要望に応じてこの横展開を進めてまいりたいと考えております。

#233
○須藤元気君 先月、二十四年間不耕起栽培を行っている千葉県の香取郡にあるさくま草生農園さんの畑を視察に行き、実際の不耕起栽培を見てきました。見た感想は、雑草を放置しているので、ちょっと汚いという言い方はちょっと失礼なんですが、まるで僕が学生時代に住んでいたレスリング部の合宿所みたいでして、食べたら食べっ放し、脱いだら脱ぎっ放しみたいな、もうまさしく何か不耕起部屋みたいだったんですが。
 さくま草生農園さんのこの周りは普通の畑なので、そのコントラストが結構すごいんですよね。佐久間さん自身も、たまに知らない人からちゃんと畑管理した方がいいですよとか言われるそうです。しかし、その見た目とのギャップがありまして、その場でその畑にできたブロッコリーと白菜を食べたんですが、非常に甘くておいしかったです。何か、こんなにちょっと何かすごい畑でこんなにおいしいものができるんだと驚きました。
 最近では、不耕起栽培を基本とした家庭菜園も広がっていると聞いております。農家のみならず家庭菜園にも取り入れられているということは、安心、安全の野菜を好む人が増えたものだと思われます。
 不耕起栽培は、労力が少なく新規就農者でも取り組みやすいので、是非積極的に推進していくべきではないかと考えますが、農水省の考えをお聞かせください。

#234
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 新規就農を希望する方には有機農業に関心を持っている方が非常に多いというふうに承知いたしております。農業外からの新規参入者のうち、有機農業に取り組んでいる方は二、三〇%いるというようなことも聞き及んでいるところでございます。
 先ほど申し上げたとおり、不耕起栽培は有機農業に利用できる栽培方法の一つといたしまして、省力化や環境保全面での効果も見込める有効な栽培方法であり、雑草の繁茂等のデメリットの克服や地域の皆様の理解を得て取組を進めていくことが大切であるというふうに考えております。
 このため、有機農業を進める中で、不耕起栽培も一つの選択肢として取り組めるよう技術の確立等を進めながら、確立した技術については新規就農者を含めて取組を希望する農業者の方々に横展開するなど、地域の要望に応じて積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。

#235
○須藤元気君 横展開が先ほどから多いので、是非、縦でも斜めでもどんどん展開していただければと思います。
 同じくこの千葉県にあるやぎ農園、おかげさま農場を始めとする有機農家さんたちと意見交換をしましたが、そこで生物濃縮のお話をしていただきました。
 生き物は生態系という中で循環しています。食物連鎖という、鎖のように密接につながっており、その中で、安全と言われる濃度であっても、食物連鎖の中で濃縮され、やがて生命に影響を及ぼすようになります。これを食物濃縮と呼びます。水俣病も、水銀を流していた企業は一ppm以下だから問題なしとしていました。しかし、それが魚の食物連鎖で濃縮されていき、その魚を食べる人間の体内で神経を冒し、数十人の方が亡くなり、さらに数万人と言われる水俣病が発生しました。不必要なものは体外に排出する機能を人は身に付けていますが、体内にため込み過ぎると、ある段階から神経を冒してしまいます。ですから、農業も極力、化学合成農薬を使わない方がいいということです。
 そんなお話をしていただいた農家さんたちから、有機堆肥の専用堆肥場への支援を充実させれば有機農家が増えるのではないかとの御意見をいただきました。堆肥場があれば、完熟発酵ができ、良い土ができるそうですが、構造物と重機が必要になってくるそうです。
 平成六年に東京都が有機農業を始め環境と調和した環境保全型農業を推進するため、土づくりに不可欠な優良堆肥生産を実証するモデルプラントを設置しました。ここで生産された堆肥は、東京都エコ農産物認証制度や有機農業に取り組む農家など、できる限り化学合成農薬や化学肥料を使わない環境に配慮した農業を実施する生産者、また家庭菜園を楽しむ都民にも広く提供され、都市農業の振興に貢献しています。
 このような取組を国でも制度として行っていると聞きましたが、どのような支援をしているのか、説明をお願いします。

#236
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 有機質資源を原料とした堆肥等の利用は、持続的な農業生産活動のための土づくり、あるいは地域資源の循環利用にとって重要な取組であるというふうに考えております。特に、化学肥料を使用しない有機農業にとりましては、堆肥の使用は作物へ肥料成分を供給するため大変重要なことであるというふうに考えております。
 そこで、農水省におきましては、堆肥等の利用の促進を図るために、良質な堆肥の供給能力の拡大や地域の未利用資源の利用拡大に向けましての農業生産現場における堆肥等生産設備の整備への支援を行っております。また、堆肥を用いた土づくりの取組拡大に向けまして、堆肥の実証的な活用による全国的な土づくりの取組の支援も行っております。それから三つ目、家畜排せつ物を堆肥として土づくりに有効利用するための堆肥の高品質化やペレット化に資する施設等の整備への支援も行っているところでございます。令和二年度からは、強い農業・担い手づくり総合支援交付金における重点政策推進の優先枠に有機農業の取組を追加したところでもございます。
 今後とも、こうした取組によりまして各種施設の整備を推進してまいりたいというふうに考えております。

#237
○須藤元気君 ありがとうございます。是非積極的に取り組んでいただければと思います。
 さて次に、量り売りについてお聞きします。量り売りと聞くとキャンディーやお菓子を思い浮かべるんですが、野菜の量り売りです。
 実は私、先週四十三歳になりまして、この年で一年間で日本料理を究めるという目標を立てました。毎日料理を作って、いろんな品目を作るんで、スーパーでいろいろな食材を買うわけです。しかし、たくさん買っても冷蔵庫に入らなかったり、あとは結局使い切れなかったりというのもちょっとあったりしました。こういったときに、少量でも購入できる量り売りやばら売りがあったらいいなと実際思いました。
 現在の日本の農業マーケットは大きさの規格で取引され、個性的なものは流通に回せず、大きさがそろいやすいF1種の野菜が出回りやすくなっているように感じます。量り売りはたくさんのメリットがあります。まずは、食材の買い過ぎ防止や捨てる食材が軽減され、フードロスの削減です。そして、独り暮らしの人や小食になった老夫婦世代なども気軽にオーガニック食材や産直野菜を購入し、生活に取り入れられます。さらに、日本は過剰包装と言われていますが、プラスチックごみの削減にもつながりますし、海洋プラスチック問題の軽減にもつながります。
 都内に野菜の量り売り専門店、HACARIというそのままの名前のお店があるんですが、そのお店に並ぶ商品は全国各地から取り寄せた野菜です。普通の野菜はもちろんなんですが、ユニークな形だったり色の野菜がありまして、もう本当見ているだけでわくわくするんですよ。特にいいなと感じたのがミニトマトの粒買いができるところでして、やはり料理ってちょっと、何だろう、赤いものとかちょっと添えるだけでおいしそうに見えるじゃないですか。そういった意味では、このミニトマトの量り売りというのはいいなと感じました。
 さて、欧米諸国のオーガニックスーパーでは、このような野菜や果物に過剰包装しない量り売り、ばら売りのスタイルが一般的だそうです。私も海外よく行っていましたが、よく考えると結構量り売りあったなと思います。
 ここでお聞きしますが、日本では量り売りの販売方法は普及しておらず、消費者が必要な量だけ購入したくても難しい状況です。また、量り売りは、先ほども言いましたが、食ロスやプラスチックの削減に寄与する面もあります。量り売りが普及しないのは長年の買物習慣に基づくものと考えますが、農林水産省は量り売りを推進していくべきではないでしょうか。

#238
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 野菜や果物の量り売りにつきましては、委員今御指摘のとおりでございます。消費者が必要とする量に応じて自由に購入ができる、こういうメリットがあるほかに、少量でも購入ができますので、買い過ぎによる食品ロスの発生を防ぐ、あるいは包装を簡素化することによりましてプラスチックの使用削減が期待できる、こういったプラスの効果があるというふうに認識をしております。
 一方で、野菜や果物の量り売りの場合、消費者が直接触れるということで傷みやすい品目につきましては品質劣化のおそれがあるということ、それから、量り売りに慣れていない消費者をサポートするための人員を確保するという課題がある、また、これは最近の状況でございますけれども、新型コロナウイルス感染症の感染予防対策のために顧客自らが取り分ける販売方法からパックや袋詰め販売へと切替えが進んでいるといった、こういった課題があるところでございます。
 このため、各小売店舗におきまして、品目に応じて、ばら販売あるいは少量パックなどにより消費者のニーズに応じた販売が行われているという、こういった現状にあるというふうなことだろうと思います。
 こうしたその販売方法につきましては、品目の特性あるいは各店舗の販売戦略、こういったことに関わるものでございますので、量り売りの導入につきましても各小売店の販売で取り組んでいただくことが適当ではないかというふうに考えているところでございます。

#239
○須藤元気君 おっしゃることは分かります。やはり、コロナ禍なので今逆にばら売りは難しいかもしれませんが、そのコロナがいずれ収束するわけで、いずれ収束することを踏まえて、いずればら売り、お肉とかも実際ばら売りとかも多いですし、少し考えていただければと思います。
 そして、この量り売りが浸透していない理由の一つに有機JAS制度があると思います。日本では、有機農産物であっても有機JASマークが付いていない場合は有機農産物、オーガニックとの表示をすることができません。有機野菜が入荷された場合、こん包された段ボールには有機JASマークが表示されていますが、野菜一つ一つには当然表示はされていません。お店ではこれを袋詰めして価格を表示して販売しています。しかし、この小売店が有機小分け認証を取得していなかったら、袋詰めをした製品には有機やオーガニックとは表示ができません。
 オーガニックであることをきちんと明示しつつ、自分の店で袋詰めし、量り売りするためには、有機小分け認証を小売店で取得する必要があるとのことですが、小分け認証を取得するには様々な条件をクリアすることが必要な上、納品から小分け、出荷までの記録を管理するなどに手間や人件費等コストが掛かります。多くの小売店は有機認証と慣行品との差別化を図りたいので、あらかじめ適量に小分けされた有機JASマークが付いているものを仕入れます。
 このような有機小分け認証の問題を始め、有機農産物を推進していくためにも、この有機JAS認証制度を簡素化するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#240
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、小売店が袋詰めした包装上にJASマークを付け、有機またオーガニックの表示を行うためには、有機JASの小分け業者の認証を取得する必要がございます。
 一方で、小売店が有機JASの小分け業者の認証を取得していない場合であっても、小分け後の包装に有機JASマークを付することは当然できないんですけれども、有機農産物のコーナーを設けるなど、その他の農産物と混同しないように、混合しないような措置をとりまして、有機農産物を仕入れた際の箱などに付されたJASマークを切り取ってこれをポップ等に貼り付けて、その際に、有機又はオーガニック、こういった表示を明示しつつ、袋詰め、量り売りをして販売するということであれば可能でございます。
 このような措置が可能なことにつきまして引き続き周知をしていきたいというふうに考えておりますし、また、有機JAS認証取得の課題につきましては、事業者の皆様の声を聞きつつ、必要があれば見直しの検討を進めてまいりたいと考えております。

#241
○須藤元気君 ありがとうございます。是非、それ知らない方も多いと思うので、是非そのプロモーションをしていただければと思います。
 小売店だけでなく、農家さんも、慣行農法から有機農法に切り替えたくても、失敗して減収したときのダメージや販路の確保を考えるとなかなか挑戦しづらいのも現実です。
 やはり、有機農家さんというか、農家さんに有機について語ると、やはりこの有機JAS認証、保証なりサポートをしていただきたいという声が断トツに多いです。昨年にも有機JASの取得に掛かる費用についてお聞きしました。やはり有機農業推進法を形だけにせず、そして、新たにみどりの食料システム戦略という明確な目標もできつつあります。明らかに昨年と違う状況です。
 目標達成のためにも、有機JAS取得に掛かる費用を全面的に補助するべきだと思いますが、改めて御見解を伺います。

#242
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 有機JASの認証自体、これを取得するかしないかにつきましては農産物の販売戦略や農業者の経営判断によるものでございますけれども、認証を取得することによりまして販売機会が拡大するなどのメリットがございますので、有機JAS認証を取得しやすい環境をつくることは有機農業を推進していく上で非常に重要なものと考えているところでございます。
 このため、昨年十一月にも御質問いただきましてお答えさせていただきましたけれども、農林水産省では、令和二年度より、新たに有機農業に取り組む農業者を対象といたしまして、有機JAS制度の研修に受講する場合、あるいは初回の圃場の実地検査、これを受検をする場合に支援をさせていただいているところでございます。
 また、有機JAS制度に関する相談や指導を受けやすくするために、都道府県を通じました指導者の育成支援、これもスタートしているということでございまして、令和三年度もこれらにしっかりと取り組んでいく考えでございます。
 また、これに加えまして、さらに、例えばでございますが、有機JASの申請事務の負担を軽減できるような、日々の栽培記録をスマホで管理できるアプリケーションの導入、あるいはJAなどが農業者を取りまとめてグループで有機JAS認証を取得する取組、こうしますと経費が少し安く済みますので、こういった取組をお勧めする、こういったことによりまして、農業者の負担の更なる軽減に向けまして支援や情報の共有に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 今後、みどりの食料システム戦略の検討と併せて、有機農業の拡大への環境づくりにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

#243
○須藤元気君 農業は英語でアグリカルチャーです。このカルチャー、文化の付くビジネスって農業しかありません。やはり、文化ではなくビジネスベースだけで考えていくと、伝統ある日本の農業が失われていくのではないかと懸念しております。これからは量から質へと転換する小規模農業の可能性を追い求めるべきだと私、強く思います。
 いずれにせよ、農業と食の分野はオーガニックにシフトしていくと思います。気候変動対策を含め、国際的動向に追随せざるを得ず、再生可能エネルギーに大きくシフトし、エネルギー分野でも真の成長産業が明らかになっていくはずです。成長分野に取り組んだ有機農業と再生可能エネルギー事業の組合せが日本の農業の明るい未来をつくると思いますので、是非しっかりと取り組んでいただければと思います。
 どうもありがとうございます。

#244
○委員長(上月良祐君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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