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2021/02/26 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 予算委員会第四分科会 第2号 令和3年2月26日
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2021/02/26 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 予算委員会第四分科会 第2号 令和3年2月26日

#1
令和三年二月二十六日(金曜日)
    午前九時開議
 出席分科員
   主査 村井 英樹君
      伊藤 達也君    神山 佐市君
      河村 建夫君    高木  啓君
      中曽根康隆君    深澤 陽一君
      務台 俊介君    荒井  聰君
      大河原雅子君    川内 博史君
      道下 大樹君    宮本  徹君
   兼務 青山 周平君 兼務 山田 賢司君
   兼務 岡本 充功君 兼務 中野 洋昌君
   兼務 青山 雅幸君
    …………………………………
   文部科学大臣       萩生田光一君
   文部科学副大臣      丹羽 秀樹君
   厚生労働大臣政務官    大隈 和英君
   厚生労働大臣政務官    こやり隆史君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  彦谷 直克君
   政府参考人
   (内閣法制局第二部長)  平川  薫君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 田島 浩志君
   政府参考人
   (文部科学省総合教育政策局長)          義本 博司君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          瀧本  寛君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局教育課程総括官)    串田 俊巳君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            伯井 美徳君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局私学部長)         森  晃憲君
   政府参考人
   (文部科学省研究振興局長)            杉野  剛君
   政府参考人
   (文部科学省研究開発局長)            生川 浩史君
   政府参考人
   (文部科学省国際統括官) 田口  康君
   政府参考人
   (スポーツ庁次長)    藤江 陽子君
   政府参考人
   (文化庁次長)      矢野 和彦君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           山本  史君
   政府参考人
   (厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長)           岸本 武史君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         青山 豊久君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房官庁営繕部長)        下野 浩史君
   文部科学委員会専門員   但野  智君
   予算委員会専門員     小池 章子君
    ―――――――――――――
分科員の異動
二月二十六日
 辞任         補欠選任
  伊藤 達也君     深澤 陽一君
  河村 建夫君     中曽根康隆君
  川内 博史君     荒井  聰君
  宮本  徹君     穀田 恵二君
同日
 辞任         補欠選任
  中曽根康隆君     務台 俊介君
  深澤 陽一君     高木  啓君
  荒井  聰君     道下 大樹君
  穀田 恵二君     笠井  亮君
同日
 辞任         補欠選任
  高木  啓君     山下 貴司君
  務台 俊介君     河村 建夫君
  道下 大樹君     大河原雅子君
  笠井  亮君     宮本  徹君
同日
 辞任         補欠選任
  山下 貴司君     伊藤 達也君
  大河原雅子君     川内 博史君
同日
 第一分科員山田賢司君、青山雅幸君、第二分科員青山周平君、中野洋昌君及び第五分科員岡本充功君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 令和三年度一般会計予算
 令和三年度特別会計予算
 令和三年度政府関係機関予算
 (文部科学省所管)
     ――――◇―――――

#2
○村井主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。
 令和三年度一般会計予算、令和三年度特別会計予算及び令和三年度政府関係機関予算中文部科学省所管について、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。深澤陽一君。

#3
○深澤分科員 おはようございます。
 今回、質問の機会をいただきまして、与党理事を始め皆様に感謝を申し上げたいと思います。
 それでは、通告に従いまして、GIGAスクール構想についてお伺いいたします。
 既に、私たちの生活には、スマホを始めとしたICTが当たり前のものとして組み込まれており、教育の現場でもICTの活用を図ろうと、文科省ではGIGAスクール構想に取り組まれ、一人一台端末の導入などの事業を推進されております。
 当初は、一人一台端末の導入が進まないと言われておりましたが、今回の新型コロナウイルスの影響で、公立の小中学校には、三月末までにほぼ一人一台行き渡りそうだと伺っております。一方、私立学校においては、三月末時点で、平均すると二人一台といった状況であると伺っております。
 今後、文科省では、更なるデジタル化を推進し、紙の教科書と併せてデジタル教科書の導入も検討されているとのことで、先日行われた有識者会議の中間まとめ案では、令和六年度を目標に、デジタル教科書導入について幾つかの案が示されたと拝見をいたしました。その中で、デジタル教科書は学びの充実につながると述べられておりますように、多様な学び方、あるいは障害を補う役割もあり、私も大変期待をしております。
 そして、このメリットの共有は、公立、私立の分け隔てなく、全ての子供たちに行き渡らせていただきたいと思いますが、それもこれも、まずは一人一台端末の導入の実現からであります。
 現在、端末導入に関しては、公立は一〇〇%費用を賄って三月末には行き渡る見込みに対し、私立では上限四万五千円の二分の一補助で、導入率でいうと五〇%です。
 先ほど述べたデジタル教科書の導入も考えると、まずはそれを利用するための端末を私立の、私学の小中学校にも導入しやすくするために、公立と同様の措置を検討していただくことが必要だと感じております。既に導入してしまった学校との公平性を考えると、公立の小中学校の端末の更新時期が、早ければ恐らく二、三年後には来るのではないかと思いますが、その時期に合わせて私学も同様の措置にしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。御答弁をお願いいたします。

#4
○萩生田国務大臣 まずは、深澤先生、多分初めての予算委員会だと思います。望月先生の御遺志を継いで御活躍されることをお祈りしたいと思います。
 長く地方議員を務められたと思いますから、大前提を御承知の上で御質問されているんだと思いますけれども、我が国は、私立学校というのは、それぞれ建学の精神に基づいて学校法人等々が学校を設置をしています。なかんずく、義務教育期間の小学生、中学生は、地元の学校に行くことは誰でもできるわけです。しかし、御本人や親御さんの価値観の中で私学の学校を選んで行かれる方がいらっしゃるのも事実だと思います。
 私たちにとりましては、私学に通っていようが公立に通っていようが、全て日本の子供たちですから、ひとしく応援をしたい、こういう気持ちにはいささかの偽りもないんですけれども、しかし、財政的なことを考えれば、これはやはり一定のルールというものにのっとって対応しなくてはならないと思っています。
 私立学校は、その施設整備について、自前の財源により整備を図ることを基本としています。私学振興の観点などの原則として、補助率二分の一以内において支援を行ってまいりました。私立の義務教育段階の児童生徒の端末整備支援については、このことを踏まえ、補助率二分の一として、令和元年度補正予算において三十八億円、令和二年度補正予算において七十四億円を確保したところです。
 また、このほか、私立学校の特色を生かしつつICTを活用した教育を推進するため、私立高等学校等のICT教育施設整備推進事業を実施しており、令和三年度予算においても、対前年度二・五億円増の十二・五億円の予算を計上し、私立学校のICT環境の整備を進めているところでございます。
 昨日から、実は割と似た議論がありまして、私立と公立、不公平じゃないかというような議論もあるんですけれども、例えば私立の学校は、もう入学時にタブレットを備品として全て用意している、逆に公立から見れば羨ましいなと思った時代もあったわけです。それから、修学旅行の行き先も、静岡から、二泊三日、近辺で行けるところにとどまっている公立と、極端なことを言えば海外に修学旅行に行く私立学校があって、羨ましいなと公立から見れば思うこともあると思います。それは受益者としての負担も生じているわけですから。
 私、私立は私立のよさがあって、繰り返しになりますけれども、建学の精神に基づいて学校が設置されているわけでありまして、それを公立と比較して、二分の一の補助しか国から来ないのでICTの整備はできないんだという私立学校があるとすれば、それは逆に経営者の皆さんにちょっと残念だなという思いがありますので、もちろん大きな意味での応援はしっかりしていきたいと思いますけれども、せっかく公立の小中学校、一人一台端末という環境が整ったんですから、当然のことながら私立の皆さんも同じような環境を整えていただいて、共にいい教育ができる、そんな努力をしていきたい、そんなふうに思っております。

#5
○深澤分科員 大臣、御答弁ありがとうございました。
 公立もある中で私立を選ばれるということで、また建学の精神にのっとって経営されている、その思いを考えてそこを選ばれたということもよく理解いたしました。
 ただ、地方におきましては、今、大臣御承知のように少子化が進んでおりまして、相変わらずまだ進んでいる中で、いわゆる教育の質は高めながら少子化のために学費を下げている、その中で様々な理由で私学を選ばれる方が増えてきたといいますか、あるということもありますと、やはりそこは私学だからということではなくて、教科書の部分だけは何とか考えていただきたいなという思いがありまして、今回ちょっと提案をさせていただきました。
 そういった意味で、検討の材料としてこれから考えていただけたら、私も私学を自律の原則に基づいて応援してまいりますけれども、またそんな意味で支えていただけたらありがたいと思います。御答弁ありがとうございました。
 大臣、もし御都合で、退席で結構でございますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、質問に移ります。
 スタジアム、アリーナについてお伺いいたします。
 政府は、スポーツに関する施策を総合的に推進するために、スポーツ庁を設置されました。スポーツ庁の所管といたしましては、地域スポーツや学校スポーツ、プロスポーツや障害者スポーツに加え、間もなく開催されるオリンピック・パラリンピック、そしてスポーツによる地域活性化や産業化といったテーマもありますが、そこには多くの省庁も関係し、まさに総合的な推進役として活躍が期待をされます。
 今回は、その中でもスポーツの産業化の大きな柱であるスタジアム、アリーナについて、あるいはスタジアム、アリーナ改革について質問をさせていただきます。
 スタジアム、アリーナは、二〇〇二年ワールドカップを契機に、あるいは一昨年のラグビーワールドカップの際に建設や改修をされてまいりましたが、そのほとんどが地方自治体、行政の事業でありました。その運営も、指定管理者を置き、管理料を支払って担わせるものであり、つまり税金によって運営されており、スポーツ庁としては、コストセンターになっているスタジアム、アリーナを収益を生むプロフィットセンターに転換しようと、スタジアム、アリーナ改革に取り組まれ始めたと認識をしております。
 プロ野球はその成功事例として認識をされておりますが、今後はJリーグやBリーグ、そして今構想段階ではありますが、ラグビーのプロリーグなども実現すれば、それらプロスポーツを核としたスタジアム、アリーナの自立的な経営によって、新たな町の産業、活力となることが期待されます。
 しかし、そこで大きな課題となっておりますのが、その一歩目のスタジアム、アリーナの建設です。Jリーグでいえば恐らくJ2以上、BリーグでもB2以上を目指すのであれば、基準を満たすために少なくとも百億円ほどの建設費が必要となります。その上、観客の利便性や収益性の向上のために駅前といった町中に立地を勧めていることで、例えば騒音対策や光害対策によって更なるコストの上昇が発生してしまいます。
 全国各地でプロスポーツチームを核とした活性化の取組がありますが、必ずしも全ての地域、全てのチームが、それぞれのリーグの基準を満たすスタジアム、アリーナを確保できる見通しがあるとは思えません。スポーツ庁ではスポーツ振興くじの助成金を活用してそれらの支援を行っていただいておりますが、それらではめどが立たない状況もあると思われます。
 そこで質問ですが、スポーツ庁及び経産省が取り組んでこられましたスタジアム、アリーナ改革のこれまでの取組と、JリーグやBリーグなど、今後スタジアム、アリーナを必要とするチーム及び地域を捉えた今後の取組についてお答えをいただきたいと思います。

#6
○藤江政府参考人 お答え申し上げます。
 スタジアム、アリーナ改革について御質問いただきました。
 スタジアム、アリーナ改革は、御指摘のとおり、コストセンターからプロフィットセンターへの変革を目指すということで二〇一七年から取り組んでいる施策でございまして、二〇二五年までに二十拠点を実現するということを目標に掲げているところでございます。
 このスタジアム、アリーナ改革は、スポーツの成長産業化と地域活性化を共に実現するための基盤となるものでございまして、改革推進のために官民連携協議会というものを立ち上げさせていただきましたが、ここにはJリーグやBリーグにも委員として御参画いただきまして、両リーグが考えるスタジアム、アリーナ像について御意見をいただくなどしながら施策に取り組んでまいりました。
 スタジアム、アリーナ改革の実現には、スタジアム、アリーナ建設、運営に係るノウハウの共有というものが重要でございまして、スポーツ庁では、各主体におけるプロジェクト検討を後押しすべく、運営管理や民間資金活用に関するガイドブックの策定ですとか、あるいは相談窓口の開設、そして個別プロジェクトに対する官民連携協議会の立ち上げ支援等を進めてきているところでございます。
 また、資金面についての御指摘もいただきました。
 資金面での支援といたしましては、委員御指摘にもございました独立行政法人日本スポーツ振興センターのスポーツ振興くじ助成金等で、スタジアム、アリーナを含む、地域におけるスポーツ施設の整備の支援を行ってきたほか、各府省庁の活用可能な支援策を横断的に取りまとめまして、スポーツ庁のホームページ等での周知を図ってきているところでございます。
 本年度、二十拠点に向けた拠点の選定を開始したところでございまして、こうしたグッドプラクティスにおけるノウハウの展開などを通じまして、スタジアム、アリーナが地域にもたらす経済的、社会的効果を最大化するような改革の推進に、Jリーグ、Bリーグ等のプロスポーツ団体ですとか、あるいは地方自治体、そして経産省を始めとした関係府省庁とも連携を図りながら、引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えております。

#7
○深澤分科員 御答弁ありがとうございました。
 二〇二五年までに二十拠点ということで、まずはその成功を微力ながら応援を、また期待をしておるところであります。
 やはり思うところは、例えばアメリカの一部の地域とか一部の施設に関しては、いわゆるスポーツのエンターテインメント化によって非常に自立、収益性を生んでいるという好事例がございます。そういったところを当然目指していくと思うんですけれども、一方で、世界全体を見てみますと、私も何か所かスタジアム、アリーナを見たことはあるんですけれども、とはいうものの、ほとんどのところが、やはりふだんから複合的に、あるいは、何か収益性を生むような、単体で自立しているようなものだとも思えないというところで、まずはこの二十拠点、一つでもすばらしい取組をモデルケースとして、参考事例としてなるようなことを期待いたしますが、ただ、これを余り過度に押しつけるのも、やはり地域性もあると思いますので、そこはいろいろな広い目で見ていただきたいと思います。
 それを考えると、まだ二十拠点プラスアルファ、もうJリーグだけでも六十チームぐらいありますし、Bリーグとかを合わせると本当に百近いスタジアム、アリーナの中でどう考えていくかという課題がこれから出ていくと思いますので、そのときには、やはり、民間資金の導入等もありますけれども、そこもうまく活用できない等々の課題も出てくると思いますので、その辺りも見据えて、継続して、将来的にも長い期間にわたって、是非、地域のスタジアム、アリーナの実現を支えていただけたらありがたいなというふうに思います。
 この質問は以上でございます。
 続きまして、中学校、高校における部活動の再開に関して質問をさせていただきます。
 昨年の春の選抜高校野球では、待望の甲子園出場を決めた高校が新型コロナウイルスの影響による大会中止によってその機会を失い、持っていきようのない悔しさを抱えた球児や関係者の姿を報道を通じて多く目にすることになりました。そして、四月、緊急事態宣言が発令され、夏の全国高校野球選手権大会も中止となってしまいました。
 しかし、その後、各都道府県の高野連や関係者の御決断で、全ての地区大会が開催され、また、選抜で選ばれた全てのチームが、一試合だけではありましたが、憧れの甲子園で試合をすることになり、その姿を見たときには、全く関係のない私でも救われた思いをいたしました。
 その後、地元で、母校のハンドボール部の会合に出席することがありました。手前みそでありますが、県内でもトップ争いをする実力のある母校ハンドボール部は、後援会組織もしっかりとしており、毎年定期的に会合を開催しております。しかし、今年は例年と一つ違い、いつもはなかった三年生のキャプテンの挨拶がございました。その挨拶は、自分たちが三年間目指してきたことは、その機会さえもなくなってしまいましたが、その思いは後輩に引き継がれ、自分たちはそれを応援していくという、何ともやるせないメッセージでありました。
 彼らと同じように、今年度は多くの中学、高校三年生が、目標としてきた機会を失ってしまったものと思われます。これは誰かが悪いという話ではありません。コロナ禍ではしようがない話ではあります。しかし、今回のコロナの経験を少しでも生かせないか、二度とない子供たちの挑戦の機会をできる限り実現してあげたい、そんな思いでこの質問をさせていただいております。
 政府は、昨年五月二十五日の緊急事態宣言終了時に、外出自粛の段階的緩和の目安を示されました。そこでは、例えば、六月十九日からプロスポーツの試合は無観客ならば認めるといった目安が示され、それを参考にプロスポーツの試合も再開されるようになりました。
 一方、部活動の再開に関しては、教育の現場に感染症に関するガイドラインが示され、活用されておりましたが、段階的緩和の目安が活用されたという事例は聞くことがありませんでした。
 プロスポーツと部活動は違うと言われる部分もあると思いますが、私は、子供たちの機会こそ大切に考えてあげたいと思っており、教育現場だけにその判断や責任を負わせないためにも、文部科学省として、あるいは政府として、再開の目安のようなものを示していただきたいと望みます。
 今年度卒業の子供たちの機会は取り戻せませんが、だからこそ、今後のために、もし感染症等によって部活動や大会が中断した際の再開の目安は政府が示すようにしていただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。御答弁願います。

#8
○藤江政府参考人 お答え申し上げます。
 部活動の大会につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして昨年の夏の全国大会が中止されるなど、特に最終学年の子供たちは大変つらい思いをされたというふうに感じておるところでございます。
 委員もおっしゃっていただきましたけれども、スポーツ庁としても、大会というのは子供たちが活動の成果を発揮する貴重な場というふうに考えておりまして、中止となった全国大会に代わり、地域の感染状況を踏まえ、地方大会の開催を各都道府県に対して依頼するとともに、補正予算を活用いたしまして、大会の開催経費の補助ですとか、あるいは成績優秀者への大臣特別賞の授与ということを行ってきたところでございます。
 お尋ねの、コロナ禍における部活動の取扱いにつきましては、文部科学省において学校衛生管理マニュアルを作成し、その中で、例えば大会の参加ですとか、あるいは練習試合、部室の利用時など、部活動における留意事項を示させていただいているところでございます。
 加えて、部活動の大会の開催に当たりましては、日本スポーツ協会、日本障がい者スポーツ協会とスポーツ庁の連携の下で作成いたしましたスポーツイベントの再開に関するガイドラインですとか、各競技団体が作成したガイドラインを踏まえて、感染症対策を十分に講じて部活動の大会を開催していただきたいというふうに考えているところでございます。
 スポーツ庁といたしましては、今後とも、部活動の大会の安全な開催に向けて、関係団体と連携協力を図ってまいりたいというふうに考えております。

#9
○深澤分科員 ありがとうございました。
 質問の一番の目的が、繰り返しになりますけれども、なかなか、今御答弁いただきましたように、競技団体等が安全に開催できるガイドラインを見て検討していただきたいということだったんですけれども、やはりそこで、競技団体などが判断していくという、そのための目安を、今だったら無観客で、まあ、大体部活は無観客が多いんですけれども、父兄が見に来ることもありますけれども、こういう状況だったら、今だったら開催してもいいよというような、やはりそこは、政府とか文科省の方で、スポーツ庁の方で、次、起きたときにやっていただきたい。これはちょっともう重ねてのお願いになりますけれども、そんなことでお願いをしていきたいというふうに思いますので、よろしく、再度お願いを、要望をさせていただきます。お願いいたします。
 続きまして、質問に移ります。休日における学校部活動についてお伺いいたします。
 今年度の教員採用試験において、公立小学校の採用倍率が過去最低になったという報道は衝撃的でありました。二倍を下回る都道府県の数も十二と過去最多となり、加えて、中学、高校も状況は悪くなりつつあります。
 その原因として、過酷な労働環境を嫌い、民間に人材が流れていると指摘をされておりますが、過酷な労働環境でも成り立っているのは、いまだに教員の志によるものだと感じております。
 私も、後輩になる中学の教員から、部活動も一生懸命やっているので、雑務が多過ぎて、結婚しても家庭で過ごす時間がないので、補助職員をつけてほしいといった相談を受けたことがあり、それを実現できずに今日まで来てしまったことに罪悪感を感じております。
 一例ではありますが、恐らくそのほかにも様々なケースがあり、今の教員は学校での本業と部活動とプライベートのどれもバランスよく過ごせている方は少ないのだと感じております。
 その対策として、令和三年度、文科省では、休日における部活動を地域に移行できないか、検討を始められました。教員の負担を減らし、地域人材を活用して、子供たちによりよい指導や環境を提供しようという狙いは大変すばらしいものだと感じております。
 まずは、教員の多忙化、環境改善という大きな目的のために、モデル事業でしっかりと検討をされ、子供たちにとっても支障のない環境を提供していただけたらと期待をします。
 その中で、気になる点が幾つかございます。
 まずは、練習場所、試合会場の確保です。部活動では優先的に学校のグラウンドや体育館などの学校施設を使用できますが、地域にお願いした際も学校部活動と同様に優先使用させていただけるのか。そして、指導者に関しては、謝礼を支払うために保護者に更なる負担が発生するかもしれないということですが、地域のスポーツ競技団体などに相談して、その地域の指導者に善意で御協力をいただくことも、モデル事業の目的として加えていただきたいと思います。安易にクラブチームありきで、事業委託みたいなことはできるだけ避けていただけたらと思います。
 また、休日の指導者が替わるという意味では、ふだんレギュラーに選ばれていなかった子が練習試合等で選ばれる可能性があり、新たなモチベーションにもなると思いますが、一方で、それによるクレームも想定でき、教員と地域指導者とのコミュニケーションに加え、保護者の理解も必要になってくると思われます。
 いずれにしても、教員の多忙化という大きな目標のために積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、休日部活動についての狙いと検討状況を教えてください。

#10
○藤江政府参考人 お答え申し上げます。
 部活動は教師による献身的な勤務の下に成り立ってきたということがございますし、一方では、必ずしも競技経験を有していない場合等がございまして、生徒にとって望ましい指導を受けられない場合があるとともに、教師にとって多大な負担となっているというところでございます。
 このような実態を踏まえまして、生徒のスポーツ活動の充実と教師の負担軽減を図るということで、令和五年度から休日の部活動を段階的に学校教育から切り離し、地域の活動に移行することというふうにしておるところでございます。
 休日の部活動の地域移行に当たっては、委員も御指摘いただきましたけれども、幾つかの課題があるというふうに認識しておりまして、例えば、専門的な指導を担う地域人材や地域のスポーツ活動の運営団体の確保、それから指導者への謝金等の費用負担の在り方といったようなことが課題であるというふうに認識しております。
 このため、来年度から実施する予定の実践研究におきましては、各地域それぞれの実情に応じた多様な取組を着実に進めるとともに、あわせて、関係団体と連携協力して、競技の専門性を有する社会人や学生等の参画も得ながら、子供たちの休日のスポーツ活動を支える環境を構築するための取組を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 スポーツ庁といたしましては、こうした取組を通じまして、休日の部活動の地域移行を円滑に進め、生徒の多様なスポーツ活動の機会の確保と教師の負担軽減を両立できる部活動改革を進めてまいりたいというふうに考えております。

#11
○深澤分科員 御答弁ありがとうございました。
 重ねてですけれども、まずは教員の多忙化というところを解消していただきたいと思います。
 それと、これからの話ですけれども、やはり部活動の話をしていると様々意見が分かれます。学校のデジタル化が進んでくると、いわゆる学校で学びの部分は、デジタル教材を使うことによって、先生よりも、これは極端な話ですけれども、いい教材があれば先生に頼らない部分がかなり増えてくる。そうなると、教員と生徒のつながりというのはどこでつくるのか、あるいは生徒同士のつながりをどこでつくるのかというと、部活動とか、あるいは技術とか家庭科とか、そういったところで、より協調性とかそういったところを学ぶようになるんだという議論が実は出てきております。
 そういった意味では、学校の教育の中で部活動がこれからより重要になるということも言われている中で、これはちょっとまだ本当に私も悩ましいところなんですけれども、土日の部活動の在り方あるいは教員の生徒への関わり方がまたどんどん変わってくると思いますので、ここはまた更に長い目でしっかりと検証をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 最後の質問です。特別支援学級に通う生徒の部活動についてお伺いいたします。
 教員の多忙化の話をした後にこのことについてお伺いするのは大変心苦しく思いますが、通告どおり質問をさせていただきます。
 まずは、通常学級に通う生徒については、私の地元でも少子化の影響で部活動の数が減り、あったとしても学校単独ではチームが組めないケースが増えてきております。しかし、文科省そしてそれぞれの教育委員会の御努力で、複数の学校で合同チームをつくり、工夫して、ふだんの練習から大会出場までの機会を創出していただいております。
 一方、障害児の部活動についてですが、特別支援学校においては、中等部で四割弱、高等部では六割弱が部活動を実施しているということで、人数がいても部活動を行うには課題があるのだろうと推測をいたします。なおさら、支援学級に通う生徒については機会が提供されにくいことは想像いたします。
 しかし、先ほど言った複数の学校による合同部活動のことも考えると、広範囲で障害児のための部活動を実現させることもできるのではないかと期待をしております。
 私でも難しいことは想像できるので、それ以上に課題が存在しているのだろうとは思いますが、最近、支援学級の生徒数も増えているということもあり、将来求められてくるものだと思います。
 特別支援学級に通う生徒の学校部活動についてどのように考えておられるのか、御答弁をお願いいたします。

#12
○藤江政府参考人 お答え申し上げます。
 特別支援学級に通う生徒の部活動についての御質問をいただきました。
 障害の有無にかかわらず、生徒の発達段階に応じて、その特性やニーズを踏まえ、生徒が放課後や休日にスポーツ活動を実施できる環境を構築していくということは望ましいことであるというふうに考えております。
 スポーツ庁におきましては、特別支援学級に在籍する児童生徒等が適切にスポーツ指導を受けられるよう、小中高等学校の教員等を対象とした、障害のある子供たちの体育指導の方法論等についての研修のカリキュラム例を作成するとともに、これを活用した研修会を実施しているところでございます。
 また、障害者スポーツ指導者を特別支援学校等の運動部活動へ派遣し、障害種、程度に応じたきめ細かな指導を推進するとともに、他の学校に在籍する障害児や地域住民との合同部活動の実施、地域のスポーツイベントへの参加促進の取組も支援しているところでございます。
 今後とも、関係団体と連携しながらこのような取組を着実に進めることにより、特別支援学級の生徒のスポーツ活動の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。

#13
○深澤分科員 御答弁ありがとうございました。
 萩生田大臣におかれましては、三十五人学級の実施ということで、これによって地方自治体の教育の財源がやはり充実してくるということで、これによって更に特徴を持った教育をやろうというところに関しては教員を増やしていく、また、インクルーシブ教育ということで、非常に理念の高い教育を進めていただく中では更にいろいろなことが進むと思いますので、そういった意味では、一部分ではありますけれども、全ての障害者にも様々な機会をということで、是非検討をしていただきたいと思います。
 以上で終わります。

#14
○村井主査 これにて深澤陽一君の質疑は終了いたしました。
 次に、宮本徹君。

#15
○宮本分科員 日本共産党の宮本徹です。
 まず、奨学金制度の改善についてお伺いいたします。
 先日、進路担当の先生から、採用決定の通知がいまだに届かない生徒が何人もいるというお話を伺いました。上級学校からは採用決定通知の写しの提出を求められると。早いところは十二月に求められるということなんですね。大学、専門学校の側は、その通知を基に、差額を計算して授業料等幾らというのを求めるわけです。
 ですから、この通知の決定が遅れると、本人もお金をどれだけ用意する必要があるのかというのが分からないということになります。少なくとも十二月中には支給決定ができるようにすべきだと思うんですね。
 遅れの多くは、書類不備の解消に時間がかかるということのようなんですね。先生によると、前年度までは高校が窓口で書類不備に対応してきたけれども、今年度からは基本は高校を通さないやり取りになったと。
 聞くと、そもそも、奨学金申請の際、書類作成が家庭で難しいケースもあって、先生がサポートして作っているというケースもあるわけですよね。ですから、書類不備のケースも、しっかり、やはり高校の先生のサポートを得ることも含めて手だてを尽くすべきだと思います。
 それからあと、マイナンバー関係書類の不備というケースもかなりあるそうなんですが、マイナンバーを提出できない生計維持者の署名欄には提出できない理由というのを記入するということになっているんですけれども、この理由が記載されていないと不備だというので、これが時間がかかる一因になっているというのを職員の方に伺いました。
 ただ、マイナンバーを提出できない理由の記載の有無というのは、手続にとっては非本質的な部分ですから、この理由の記載がなくとも手続を進めればいいんじゃないかというふうに思います。
 是非、早く通知ができるように改善を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
    〔主査退席、神山主査代理着席〕

#16
○萩生田国務大臣 日本学生支援機構の給付型奨学金及び貸与型奨学金については、進学を希望する高校三年生を対象に予約採用を実施をしております。
 昨年実施した予約採用の選考結果については、昨年十月以降、順次通知を行っておりますが、書類不備等により手続に時間を要しているものも事実であります。
 審査の迅速化に向けては、本年度から、申込者が直接機構へ書類等を送付することも可能にするなど、改善を図ったところでございます。
 今、先生からは、高校の先生の非常に温かいお言葉を紹介いただきました。先生が見てあげることで書類の不備をチェックできるんじゃないかというお話だったんですけれども、他方、それが先生方に大変負担をかけているということもありましたので、直接機構に持っていくという仕組みもつくったという経緯もありまして、これは、サポートしていただける先生がいらっしゃるんだとすれば、それは逆に甘えさせていただいて、そういうチェックをしていただくことは大いに私もいいことじゃないかなと思います。
 いずれにしましても、子供たちが安心して進学できるように、引き続き、書類の簡素化、これに努めてまいりたいと思いますし、またあわせて、審査方法等の改善をしっかりやって、選考結果の早期通知に努めてまいりたいと思います。

#17
○宮本分科員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 それから、奨学金制度、もう一点ですけれども、この修学支援の新制度ができてから、予約採用の申込期間が夏までになったんですよね。
 しかし、現実には、夏以降、秋の段階になってから進路を就職から進学に変更するというケースも少なくないという話を伺っております。
 是非、秋以降の申込みもできるようにお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。
    〔神山主査代理退席、主査着席〕

#18
○萩生田国務大臣 進学を希望する高校三年生を対象とした奨学金の予約採用については、できる限り早期に採用候補者決定通知を出す必要があるため、学校における手続及び日本学生支援機構における審査期間等を考慮して、夏までを申請期間としているのは事実です。
 一方で、今先生御指摘のように、秋以降に、やはり進学をしてみようという意欲を持つ学生さんがいらっしゃることも大いに歓迎でございまして、予約採用に申請できなかった生徒については、進学後に申請することができるようになっております。進学後に申請し認定を受けた場合の支援額は、予約採用のときと全く変わりません。
 令和三年度予算案においては、奨学金に対する問合せ対応の充実を含めた経費を計上しており、引き続き、奨学金の申請を行う生徒一人一人に丁寧な対応ができるように、相談体制の充実に努めてまいりたいと思います。

#19
○宮本分科員 大臣、それは当然、在学といいますか、進学後も申請できるんですけれども、問題は、もう説明しなくても分かりますけれども、決定が夏になっちゃうわけですね。ですから、初めのお金をどうするかという問題が当然出てくるわけでございますので、是非ここは更に踏み込んで検討していただきたいと思います。
 次に、修学支援新制度ができて一年ということで、いろいろお話を伺いたいと思いますが、まずは、大臣の基本的な認識をお伺いしたいと思うんですけれども。
 コロナを理由としての退学が一千三百六十七人ということであります。結果として支援がやはり不十分だった、こういう認識はあるでしょうか。

#20
○萩生田国務大臣 今年の学生の皆さん、特別な環境の中で大変苦労されたことは否めないと思います。
 確かに、コロナを理由に退学を決定をされた学生さんがいることは極めて残念でありますが、他方、全体の退学数などを見ますと、前年度より抑えめで今まで推移しています。これは、昨年、先生方の御支援もいただいて、様々な学生支援のパッケージを行った結果が一定の功を奏しているのではないかと思います。
 残念なのは、経済的な理由で退学をするというお子さんには、もちろん万全の体制で何とかバックアップをしたいというメニューを作ってまいりましたけれども、今、我々報告を受けていますのは、要するに、自分が描いていた大学生活とは余りにも違い過ぎる、そのことで残念ながら修学の意欲を失ってしまったという学生さんが少し増えている、このことを大変危惧しているところでございまして、新年度を迎えますので、更なるサポート体制をしっかりやりながら、また、学生の皆さん一人一人に寄り添いながら、できる限り修学を続けてもらえるような環境を、大学の皆さんとも連携を取って、やっていきたいと思います。
 議会の中で提案をいただいたチェックシートも作らせていただいて、退学の書類が来たら、事務的に終わるんじゃなくて、どうしたのかということを聞いてあげて、理由が何なのか、どうすれば続けられるのかということもやり取りをしていただいているのは例年とは違うところだと思いますので、こういう体制を強化したいと思いますし、また、仮に、退学まで行かないで一時的に休学を希望する学生さんも一定ございます。ところが、休学するのに私立などは休学期間中のお金を積めというようなルールもあるやに聞いておりますので、こういった点も、この機会に全国的にしっかり調査をして対応を考えていきたい、こう思っておるところでございます。

#21
○宮本分科員 遠隔授業が中心で、対面授業は本当に少なくて、いろいろなことで悩んでいるというのは私も多くの学生さんからお話を伺いますので、そうした点も含めて、新年度から大いに改善していただきたいと思います。
 同時に、経済的な面でいっても、やはりアルバイトがなかなかないというのが引き続き続いている状況なわけですよね。ですから、食事を一日一回というケースなんかもあるのは大臣も御存じだと思います。
 給付金というのは、もう一度、大臣、是非考えませんか。

#22
○萩生田国務大臣 新型コロナウイルス感染症の影響で、経済的に困難な学生が修学、進学を諦めることがないよう、しっかりと支えることが重要だと思っております。
 学びの継続のための学生支援緊急給付金につきましては、学校が推薦すべきと判断した全ての学生約四十二万人に支給が終わったところでございます。このほか、学生の“学びの支援”緊急パッケージを昨年十二月に改定し、無利子奨学金の充実や休学する学生への対応などの追加の支援策を盛り込みました。
 なお、追加の措置については、改定したパッケージの実施状況や追加で実施している中途退学者に係る調査などを踏まえつつ、必要な対応をしてまいりたいと思います。
 予算的にまだございますので、更なる募集もここでさせていただいて、必要な学生さんには支援策を講じていきたい、こう考えております。

#23
○宮本分科員 新年度もアルバイトがそんなにたくさん急に増えるというのも見込めるわけではないですので、引き続き経済的な支援に努めていただきたいと思います。
 修学支援新制度ですけれども、二〇二〇年度の予算は五十一・四万人で組んだわけですけれども、採用者は前期で二十五・七万人、後期はそれにプラスアルファ程度なわけです。この制度について、初年度の評価、そして利用者が予算の想定の半分強にとどまった理由について、大臣、どう分析されているでしょうか。

#24
○萩生田国務大臣 高等教育の修学支援新制度については、今年度から開始したところですが、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、家計が急変した学生への支援を行うなど、学生の学びの継続に一定程度寄与したものと考えております。
 新制度の令和二年度予算については、希望者が全員支援を受けられる体制を整えておくため十分な予算を準備していたところであり、利用者が極端に少ないとは考えておりません。
 新制度は、家庭の経済状況によって進学を諦めることがないよう、真に支援が必要な世帯の学生を支援するものであり、中学校や高等学校の進路指導等の充実により徐々に利用者が増加していくものと考えております。
 一方で、周知不足により利用者が想定より下回っていることも考えられる、これは謙虚に受け止めなきゃならないと思います。これまでの政府広報や各学校に対する周知などを一層充実させるとともに、受験生にダイレクトにその中身が届くように、SNSなどの若い世代の利用頻度の高い媒体を活用した新たな広報の導入などによって、支援を必要とする学生等に情報が行き渡るように努めてまいりたいと思います。

#25
○宮本分科員 もう一点お伺いしますけれども、申請した人数は、予約採用の枠で三十六・七万人、在学採用の枠で前期で九・一万人、四十五万人いるということですから、二十万人が審査ではねられたという計算になるわけですね。これは、審査が通らなかった主な理由と理由ごとの人数というのは紹介していただけるでしょうか。

#26
○伯井政府参考人 高等教育の修学支援新制度について、令和元年度に実施した事前申込みの申請件数が三十六・七万人、令和二年四月以降の申請件数、在学採用の申請件数が九・一万人で、合計四十五・八万人の申請がありました。このうち令和二年度前期までの採用件数は二十五・七万人でございまして、先生御指摘のように、採用されなかったのは約二十万人でございました。
 これは、新制度の募集というのは貸与型奨学金と併せて実施しているため、多くの学生が、貸与型奨学金と併せて申請する方々が多いということでございます。新制度は真に支援が必要な所得の世帯を対象としておりまして、審査が通らなかった主な理由というのは、日本学生支援機構によりますと、家庭の経済状況に関する所得要件を満たさなかったというものが大半というふうに伺っております。

#27
○宮本分科員 初めから所得要件からいって無理だという人は給付制奨学金には申し込んでいないと思うんですよね。自分も何とかこの所得なら対象になるんじゃないかという人たちが相当多かったということが裏返して言えるんじゃないかなというふうに思います。
 新年度の予算を見ますと、五十・四万人で予算を組んでいるわけですけれども、恐らく、大臣もそう思っていると思いますけれども、予算は大きく余ると思うんですね、今の所得基準だとか対象者でいけば。やはり、消費税を増税して確保をした財源ですので、これはしっかり使っていくというのが大事だと思います。やはり対象を是非拡大していただきたい。収入基準の引上げと、そして多浪生ですね。医学部、芸術学部などは三浪以上が多いということにもなっているわけです。それから多子世帯ですね。経済的にも大変厳しい。
 この制度、四年後に見直しというのはたてつけであるわけですけれども、四年後の見直しを待たずに、予算がこういう状況ですから、早急に対象を拡大する検討をする必要があるんじゃないかと思いますが、是非大臣の政治判断をお願いしたいと思います。

#28
○萩生田国務大臣 昨年四月から開始した高等教育の修学支援新制度は、真に支援が必要な所得者世帯の子供たちを対象に給付型奨学金と授業料等の減免による支援を実施するものであり、まずは本制度を着実に実施することが重要であると考えております。
 今ほど御答弁申し上げましたけれども、やはり初年度だったので周知が徹底できていなかった、あるいはアナウンスが受験生に届いていなかったということもございますので、まだ潜在的な希望者というのはきっといるんだと思います。
 他方、書類の不備は、これは厳格にルールを出していますので、一人一人の理由は若干違うかもしれませんが、せっかく新制度なので借りることを前提に給付型も申し込んでおこうかという学生さんがいらっしゃったのも、学校の現場の話なんかを聞くと実態としてはあるようなので、まずはスタートの一年だったので、そこは御理解いただきたいと思います。
 その上で、法律の附則に規定された四年後の見直しを見据えつつ、本制度の効果の検証などを継続的に進めてまいりたいと思います。
 今お話がありましたように、これはせっかく予算を計上させていただいておりますので、一人でも多くの皆さんに使っていただいて、しっかり学んでいただくということに使っていきたい、その気持ちに変わりはございません。

#29
○宮本分科員 ですので、四年後を待つのは本当にもったいない、これをそのまま国庫に今年も大量に返すことになるわけですから。恐らく、進学率八割というので全部予算を組んであるわけですけれども、なかなかそこまでたどり着くのにはやはり一定の期間がかかると思います。周知の問題だけじゃなくて、やはり家庭環境の問題とかいろいろな問題が進学率というのは影響します。
 その一方で、十八歳人口自体がこれからどんどん減っていくということも考えると、基準を更に、今の予算の範囲でも拡大していっても十分堪え得る。足りなくなったらそのときはまた新たな財源を考えるということもあると思いますけれども、今の予算でもかなりのことができると思いますので、是非そこは検討をお願いしたいと思います。
 続きまして、奨学金の延滞金についてです。
 これは最近相談があった話ですけれども、高校で百八万円、大学中退まで四十万八千円、無利子奨学金を借りた、大震災の後に夫の収入がなくなったのを契機に、高校分は四年、大学分も数年延滞し、またその後、今は返し続けているということなんですけれども。これまで返した延滞金の額でいうと二十五万七千円、残る延滞金は十三万六千円。百五十万弱借りて延滞金が四十万近いという話なんですよね。
 JASSOの調査を見ましても、延滞金の理由というのは、収入が減ったというのが六七・一%、支出が増えたが三九・五%ということなわけですよね。ですから、多くの人は経済的事情で、悪意があって踏み倒そうと思っているわけではなくて、経済的事情で返済ができないわけですよね。
 そういう方には、本来、もう徹底的に猶予を使っていただくというのが筋だと思いますし、猶予の要件が当てはまらないんだったら当てはまるように猶予の要件を緩和するということが必要なのであって、経済的に返せない人に延滞金をどんどんかぶせていくというのは、本来の奨学金の在り方からいって大変問題があるのではないかと思っております。
 更に言えば、過去の人を、どういう人が借りているかというのを見たら、今なら高校の無償化の当然対象になるような人だったり、あるいは大学でいえば給付制奨学金の対象になる人だったり、あるいは所得連動型の返還方式、今始まっていますけれども、そういう人なら少しずつ返せた人が、そうした制度がない時代の延滞金で苦しんでいるということがあるわけですね。
 ですから、私は、この延滞金というのは廃止、残債も帳消しにしたらいいというふうに思います。過去の人との公平性ということをよく言われるわけですけれども、今の制度の恩恵を受けている人との公平性、こちらをより重視して、制度の改善に踏み出していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#30
○伯井政府参考人 今御指摘いただきましたように、様々な事情で卒業後厳しい経済状況に置かれて奨学金の返還が困難な方々がいらっしゃるというのはそのとおりでございます。
 そこに対してはきめ細かな対応が必要ということで、これまでも、返還期限を猶予する年数制限の延長であったり、減額返還制度における期間の延長など、返還者の立場に立って制度の充実を図ってきたところでございます。
 他方、学生支援機構奨学金の遅延損害金、延滞金につきましては、期日どおりに返還するよう促すことであったり、あるいは期日どおりに返還している者との公平性ということから課していることに鑑みますと、これを廃止するというのはなかなか困難であるということは御理解いただきたいと考えております。
 一方、従前は、延滞金に係る賦課金を五%と設定していたところですが、民法における法定利率に合わせて、令和二年四月から三%に引下げというのを行ったところでございます。
 いずれにいたしましても、奨学金の返還に際しましては、長期にわたって延滞に陥らないということが重要でございます。延滞初期段階での返還促進や、あるいは返還困難時の救済措置の案内等によりまして延滞の防止、解消に努めていくということも必要であるというふうに考えておりまして、引き続きそのような対応を取っていきたいと考えております。

#31
○宮本分科員 いや、ですから、延滞の防止、解消といっても、延滞しそうになったときにちゃんとした丁寧な相談ができていないから、こんな延滞金が積み重なっちゃっているわけですよ。はっきり言って、その丁寧さが欠けたことがこういう事態につながっているわけですよね。それを本人にかぶせ続けているというのは、私は大変問題だと思いますよ。大臣は答えたくないのだなと思いましたけれども、ここは是非、もう一つ踏み込んで検討していただきたいと思います。
 次に、就学援助についてお伺いします。
 この間、東京でいえば、世田谷区が二〇一九年から、七百六十万円までの世帯に給食費のみの就学援助というのを作って、大変歓迎されております。一方で、自治体間の財政力によって就学援助というのはかなりの差があるのが事実であります。
 是非、準要保護世帯も含めて、やはり一〇〇%の国庫補助を行って、就学援助の市区町村での格差をなくしていく、進んだ水準に合わせていく必要があると思うんですね。やはり、憲法の、義務教育は無償だ、この考え方にのっとれば、就学援助の対象拡大に国として積極的な責任を果たす必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

#32
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 就学援助制度は、学校教育法第十九条の規定に基づきまして、義務教育段階において、経済的理由により就学が困難な児童生徒の保護者に対して市町村が必要な援助を行うものでございます。
 準要保護者への就学援助につきましては、要保護者に準じて支援が必要と市町村が認める者への支援でございまして、国から地方への税財源の移譲がなされましたいわゆる三位一体の改革によりまして、平成十七年度からは地方単独事業として整理をされまして、地域の実情に応じて実施をされているところでございます。
 文部科学省といたしましては、家庭の経済状況にかかわらず安心して教育を受けることができますよう、教育費負担の軽減や支援の充実を図ることが重要と考えておりまして、私どもとして、毎年度、各市町村におきますこの就学援助の実施状況を調査をいたしまして公表をすること、これを通しまして支援の充実を促してまいりたいと考えております。

#33
○宮本分科員 公表を毎年されて、大変な調査をされているのは知っているわけですけれども、これは自治体のやはり財政力の問題というのがあるわけですから、生活保護だったら、これは当然、全部国が義務的経費として出しているわけですけれども、就学援助も同様に本来していくというのが義務教育段階での支援の在り方なのではないかと申し上げておきたいと思います。
 もう一点、高校の入学時にも、制服、教科書等のかなりの出費があります。一方で、高校の給付制奨学金の対象の収入基準は住民税非課税世帯ということになっています。ですから、小中学校の就学援助よりも低いわけですね、基準が。少なくとも高校入学時にも小中学校で就学援助を受けてきた世帯を経済的に支援する、こういう制度も是非欲しいという声をよく伺いますので、是非検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#34
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 高校段階におきまして、制服や教科書等の購入など、特に入学時に必要な教育費につきましては、住民税非課税世帯を対象として高校生等奨学給付金による支援を行っていることは議員御指摘のとおりでございます。
 これに加えまして、各都道府県におきましては、国から移管をされた財源を活用いたしまして高校生を対象とした奨学金事業が実施をされておりますが、こちらにつきましては、中間所得層も含めて幅広い対象とするなど、域内の実情に応じた支援が行われているところでございます。
 文部科学省としては、国と都道府県による支援が相まって教育費負担の軽減が図られることが重要と考えておりまして、今後とも、都道府県と連携をして教育費支援の充実に努めてまいります。

#35
○宮本分科員 都道府県でそれぞれどういう制度があるのかというのは皆さんも御承知のことだと思いますけれども、入学に合わせてちゃんとした制度はあまねくあるのかといったら、そういうことではないわけですよね。だから国としてということを申し上げているわけですので、これは都道府県任せではなく、是非考えていただきたいと思います。
 次に、特別支援学校の問題についてお伺いします。
 設置基準がいよいよ作られるということになりました。
 全教、全日本教職員組合の障害児教育部の皆さんが、こういう、今日持ってきましたが、特別支援学校設置基準案というのを作っております。これは十二条あるんですけれども、是非、教育環境の向上に資する設置基準とするために現場の先生の意見をよく聞いて作ってほしいというふうに思います。大臣、こういうのを、組合の先生方が作っているのを御覧になられたことはありますか。あります。
 この案の中にも、一つだけ今日は紹介したいんですけれども、「児童生徒の健康・安全のため、家庭から学校までの通学時間が、一時間以内となるような位置に学校を設置しなければならない。」という文言を書いてあるんですね。やはり、長時間の通学で体調を崩して、登校後、救急搬送される事態というのも起きているわけであります。そして、通学の負担が大きいために登校回数を減らしている生徒というのもあります。ですから、この設置基準に通学時間の上限をしっかり設けて、学校をしっかりつくってほしい、さらには、バスも、スクールバスも増車してほしいということなんですよね。
 今、一時間以上もスクールバスに乗って登校する状況というのは東京の中でもあります。やはり、子供の成長にとっても、これは改善すべき事態だと思いますので、是非この点のしっかりとした対応をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

#36
○萩生田国務大臣 現在、文部科学省では、中教審の答申などを踏まえて、特別支援学校設置基準の策定に向けた検討を進めております。設置基準は学級の編制や学校に備えるべき施設及び設備等を示したものであり、既に定めのある小学校等の設置基準には通学方法や通学時間についての定めがないのは、先生御指摘のとおりです。
 通学環境については、特別支援学校における学校教育を進める上で必要な施設機能を確保するために施設の計画、設計における留意事項を示した特別支援学校施設整備指針において、幼児児童生徒の居住分布、心身の発達、障害の状態や特性などを考慮し、通学方法との関連に留意しつつ、幼児児童生徒が疲労を感じない程度の通学距離、又は通学時間を設定できるように校地を設定することが望ましいと規定しており、文科省としては、各学校設置者にこれを踏まえた施設に係る計画策定を求めているところでございます。
 また、特別支援学校のスクールバスについては、安全上の観点から換気が行われにくいなど三つの密が重なるおそれが高く、加えて、医療的ケア児など罹患すると重症化するリスクの高い幼児児童生徒が乗車している場合もあるため、令和二年度補正予算において、感染症対策のため、スクールバスの増便等に係る経費への支援として七十三億円を計上しているところでございます。
 いずれにしましても、障害を持つお子さんが一時間以上バスの中にとどまるということが、心身共に理想とするスタイルではないということは私も同感しますので、今申し上げたような手続を踏みながら、充実を目指していきたいと思います。

#37
○宮本分科員 しっかり改善を図っていただきたいと思います。
 あと、時間が迫ってきました、もう一点ですけれども、特別支援学校卒業後の青年・成人期の障害者の余暇活動、学ぶ場の支援についてお伺いします。
 自治体主催で行われていた障害のある成人向けの生涯学習の取組が、コロナ禍の下、自治体によってはずっと中止になっております。当事者の交流の場であり、父母のレスパイトの場にもなっていたわけですね。再開に向けた後押し、支援が求められております。是非、この点、答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。

#38
○義本政府参考人 お答えいたします。
 障害の有無にかかわらず、誰もが共に学び、生きる共生社会を実現していくことは、御指摘のとおり重要でございます。
 文科省におきましては、平成三十年度から、学校卒業後における障害者の学びの支援に関する実践研究事業というのを実施しておりまして、障害者の各ライフステージにおける効果的、具体的な学習プログラムの実例等を紹介しまして横展開を図るなど、障害者の学びの推進を図っているところでございます。
 これらの事業の実際の取組におきましても、委員の御指摘のとおり、コロナ禍でございますので、コロナ禍においても、障害者の学びの場の継続や充実に向けまして、検温、消毒、マスク着用、換気、看護師の配置など、感染防止に配慮しながら対面活動を実施する自治体の取組がございましたりとか、あるいは、リモート学習における在宅学習支援やオンラインによる情報提供、居場所づくり等を実施する民間の団体の事例等も報告されているところでございます。
 また、令和三年度予算におきましても、地方自治体におきますよりきめ細かな支援につきましての実践研究を行うとともに、コロナ禍における障害者の生涯学習の実態に関する調査研究の取組などを進めまして、地方自治体への情報提供等の支援を推進しているところでございます。
 今後とも、これらの取組を推進するとともに、障害のある方が生涯を通じて学校卒業後も学び続けられるよう、しっかり取り組んでいきたいと存じます。

#39
○宮本分科員 時間になりましたので、終わります。
 ありがとうございました。

#40
○村井主査 これにて宮本徹君の質疑は終了いたしました。
 次に、川内博史君。

#41
○川内分科員 おはようございます。川内でございます。
 萩生田大臣、よろしくお願いを申し上げます。
 コロナ禍の中で、子供たちの育ちや学び、あるいは科学技術の進展、そしてまた文化芸術の振興のために、日夜御努力をいただいております萩生田大臣以下文部科学省の皆さんに、心からの敬意と感謝をまず申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 今日、厚労省の方にもお運びをいただいているわけでございますが、ワクチンの学校での接種などのことについて聞かせていただきたいということで来ていただいております。
 四月から高齢者に向けたワクチンの接種も始まるということで、国民的な関心が大変高まっているわけですが、安全性、有効性について十分なインフォメーションがあり、そしてまた、個人の意思に基づいて接種が広がっていくということを期待したいというふうに思います。
 そこで、まず、厚労省の方に教えていただきたいと思いますが、ファイザー社製のワクチンというのが、有効期間、打ってどのくらい効果が持続するのかということについて教えていただきたいと思います。

#42
○山本政府参考人 お答え申し上げます。
 ファイザー社製のワクチンにつきましては、保存期間として六か月を認めておりますほか、有効期間を六か月として認めております。
 ただし、本ワクチンは開発されて間もないこともございますので、製剤の長期の安定性に係るデータというのは、現在、引き続き収集をしているところでございまして、今後、それらのデータに基づいて、この有効期間というものがもう少し延びていくというような可能性はあるかと思っております。

#43
○川内分科員 ちょっと今、私、余り理解が進んでいないので、済みません、こんなところで時間を取りたくはないんですけれども、有効期間は六か月で承認しているということなんですね。ファイザーのワクチンの添付文書には、有効期間は確立されていないと書いてあるような気がするんですけれども。

#44
○山本政府参考人 現在、引き続き、どのぐらいまで有効期間が延びるかというデータを取っている途上でございますので、今のところ六か月まで安定であろうということは分かっているんですけれども、更に延びていく可能性はあって、そういう意味で確立をしていないという表現になっているかと思います。

#45
○川内分科員 その六か月というのはどこに書いてあるんですか。

#46
○山本政府参考人 PMDA、いわゆる医薬品医療機器総合機構の審査報告書に、そのように審査の結果として記載をさせていただいております。

#47
○川内分科員 PMDAの審査報告書の中で六か月ぐらいは有効であろうというふうに認めて、承認をしたと。
 他方で、ファイザー社のワクチンの添付文書には、有効期間は確立されていないと書いてあるということでいいわけですね。

#48
○山本政府参考人 先生御指摘のとおりでございます。

#49
○川内分科員 そこで、全国の自治体でこれからワクチン接種が始まっていくわけですが、自治体の計画の中で、学校の施設をワクチン接種会場として使用する予定の自治体の数、そしてまた、その中で小学校、中学校、高校、それぞれ何校ぐらい使用を予定をされているのかという、全国の状況について御教示をいただきたいというふうに思います。

#50
○山本政府参考人 お答え申し上げます。
 各市町村が実施することとなる高齢者の接種につきましては、四月の開始を目指しておりますため、三月半ば頃までの接種計画の作成を各自治体にお願いしているところでございまして、現時点で、先生お尋ねの自治体数ないしは学校の数というのは承知できていないところでございます。

#51
○川内分科員 三月半ばまでに接種計画を自治体の方で作っていただいて厚労省の方で把握をされるということだというふうに理解しますが、じゃ、分かったら教えてください。うなずいていただきましたので、それで結構です。
 現在予定されているファイザー社製のワクチンというのは、十六歳以上、高校生以上が対象になっているということのようでございますけれども、将来、十五歳以下の子供たち、未就学児童あるいは小学生、中学生にも接種する可能性はあるのかないのかということを教えていただきたいと思います。

#52
○山本政府参考人 お答え申し上げます。
 ファイザー社の新型コロナワクチンにつきましては、現在、十六歳以上の方を対象とされているところでございます。承認において接種時点で十六歳以上の方とされているところでございまして、これを踏まえまして、二月十五日の厚生科学審議会におきましても、予防接種法上の接種対象者の範囲を十六歳以上とすることとされております。
 一方で、先生御指摘の、今後必要なデータが十分に整ってまいりますれば、十六歳未満の方での安全性、有効性の評価を行いまして、その年齢の方々についても接種対象者に含めるかどうかを検討することを考えていくものと思います。

#53
○川内分科員 仮に、十五歳以下の子供たちを接種対象とする場合、これは今でも、十六歳以上の方たちに対しても、個人の意思、接種は勧奨されるが、あくまでも安全性、有効性を自分で判断してねということが基本であるということでありますが、十五歳以下の子供たちを対象にするということになった場合でもそれは変わらないということでよろしいですよね。

#54
○山本政府参考人 先生御指摘のとおりだと思います。
 仮に、新型コロナワクチンにつきまして十六歳未満の方が接種の対象となった場合については、本人と保護者の方の同意の下で受けていただけるよう、必要な対応を行っていくものと考えております。

#55
○川内分科員 文科大臣、今でも高校生は対象になっているわけですけれども、仮に、十五歳以下の子供たちも対象となるような場合、学校の施設を接種会場とした場合、日本は同調圧力が非常に強く働きやすい、特に学校は働きやすい場であるというふうに思いますので、今、厚労省の審議官から御答弁ありましたけれども、保護者の方の同意などもしっかり取っていくよということだったんですけれども、その同意の取り方については、文部科学大臣としても、保護者の方の例えば同意書みたいなものが必要だねというふうにお考えになられるか否かということについて、御見解をお示しいただきたいと思います。

#56
○萩生田国務大臣 いずれにしましても、仮に十五歳以下のお子様たちも接種の対象になる場合にも、ワクチンの効果と副反応などを含めて、ワクチンについて正しい知識、接種の判断をしていただく根拠を示しながら、未成年でありますから、保護者の皆さんにもよく理解していただいた上で、同意書なりあるいはサインなり、こういったものをきちんと確認した上でやりたいと思います。
 あわせて、学校でということになると、じゃ、先生方がそれに携わるのかということになるので、今回このワクチン接種については国の責任でやるということで、仮に学校をお借りする場合でも、現場の先生方がそこに関わることを前提にしておりません、高齢者の場合であっても。
 したがって、子供たちの接種を学校が便利だということでやるとしても、ここは一人一人の判断を尊重してもらいたいと思いますし、私、予算委員会で答えたのは、学校にしろ、保健所にしろ、デパートにしろどこにしろ、子供たちも、自分の意思で親御さんと相談の上で受ける場合は、接種会場に自分の意思で出向いてもらうということを前提に対応したいと考えております。

#57
○川内分科員 ワクチンについては、最後、ちょっと。この前の予算委員会で、副反応被害で死亡した場合は四千四百二十万円が補償されるというふうに厚労大臣から教えていただいたわけでありますけれども、具体的には、どのようにして、どのような場合に補償されるのかということを教えていただきたいと思います。

#58
○山本政府参考人 お答え申し上げます。
 新型コロナワクチンの接種により健康被害が生じた場合には、他の予防接種と同様に、予防接種法に基づきます健康被害救済制度の対象となります。
 具体的には、健康被害が生じた住民の方からの申請を受けまして、専門家により構成される疾病・障害認定審査会におきまして審査が行われ、その審査を踏まえまして厚生労働大臣が認定したときに、市町村より給付を行うこととなります。
 その上ででございますが、厚生労働大臣の認定に当たりましては、接種に係る過失の有無にかかわらず、予防接種と健康被害との因果関係が認定された方を迅速に救済すること、そして、請求された疾病と予防接種の因果関係の判断に当たっては、疾病・障害認定審査会の意見を聞いてはおりますが、その際、厳密な医学的な因果関係まで求めているものではないこととしております。

#59
○川内分科員 ありがとうございました。
 続いて、今、大臣からも、ワクチンの接種で学校を使う場合であっても教員の皆さんの手を煩わせないようにするよという御答弁があったわけですけれども、改正給特法が運用され始めて、学校の働き方改革というのは継続的に御努力をいただいておるというふうに思うんですけれども、全国の自治体の、学校の中で、客観的な勤務時間管理という意味において、タイムカードをきちんと導入している自治体の数と割合について御教示をいただきたいと思います。

#60
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 勤務実態の把握についての御質問ですが、私どもが行いました令和二年度の教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査、この調査の結果によりますと、タイムカード等の客観的な方法による勤務実態の把握をしている自治体は七二%となっておりまして、これは前年比でいうと二四%の伸びということで、適正な勤務実態の把握が全国的に進んできているものと考えております。
 済みません、自治体の数という御質問でしたが、今手元に持っておりませんが、申し訳ございません。

#61
○川内分科員 タイムカード等という言葉を今使われたんですけれども、タイムカードを導入している自治体の割合というのはどのくらいか、厳密に分かりますか。

#62
○瀧本政府参考人 大変失礼しました。
 タイムカードと、あるいはICカード、それからパソコン、こういった、いわゆる人の目視ではない、客観的な使用時間のものをまとめて調査しておりまして、タイムカードだけというのは、申し訳ありませんが、調査としては把握しておりません。
 それから、自治体の数について、済みません、先ほどお答えできませんでしたが、千二百八十九の自治体が、今申し上げたような、物理的なといいましょうか、客観的な、タイムカードなどによります把握をしている自治体数として千二百八十九ということでございます。

#63
○川内分科員 先ほど局長がお述べになられた御調査によれば、市区町村の割合の中で、校長等の現認により客観的に把握しと。まあ、校長が現認することが客観的じゃないと言う気はないですけれども、この、校長等の現認により把握しているというのが一二・七%ぐらいあって、まだまだ、それこそ客観的なタイムカード、タイムカードでやはり把握するのが一番客観的だろうというふうに思うんですね。
 そこで、ちょっと文科大臣に改めて御見解をお示しいただきたいんですけれども、客観的な勤務時間管理、タイムカード等を使って客観的な勤務時間管理をしなければ改正給特法に反するという理解でよろしいのかということを教えていただきたいと思います。

#64
○萩生田国務大臣 給特法そのものには客観的な勤務実態把握に関する直接の規定はございませんので、直ちに給特法違反ということにはなりませんが、これは昨年さんざん先生方と議論をさせていただいて、新しいフェーズで今学校現場は進めているわけですから、改正給特法に基づく指針に反しているということになると思います。

#65
○川内分科員 ありがとうございます。
 私、全ての学校にタイムカードを早急に導入すべきであるというふうに思いますし、また、学校のICT化については地方財政措置などもされていることから、もちろん文科省としては、累次にわたってそのような、全国の教育委員会に対して、地財措置もあるのでタイムカード等を使った客観的勤務時間管理をしてねという事務連絡、通知を発出されていらっしゃるというふうには思いますけれども、新しい年度も迎えることでありますし、改めて、そのような事務連絡、通知などを、地財措置を使ってやってねということを発出していただきたいというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#66
○萩生田国務大臣 客観的な勤務実態の把握は、まさに働き方改革のスタートラインでありまして、義務として法令上明確化をされております。
 他方、この振り返った一年は、コロナ禍で、学校の先生方も本当に大変だったと思います。こういう中で、あれはどうなっているんだ、これはいつまでにやれとなかなか言いづらいところもあったんですけれども、先ほど七四%という数字は、この混乱の中ではよく伸びてきたんじゃないかなと思っています。
 新年度中に何とか一〇〇%をきちんと目指したいと思いますし、先生おっしゃるようにタイムカードが一番いいという意見もあれば、スマホなんかでやっているところもあります。パソコンのログイン、ログアウトでやっている方もいらっしゃって、しかし、校長の現認というのは、これは本当に客観的であるかなということは首をかしげるところはなくはないので、是非、時代に合った管理をちゃんとしていただくことが、先生方の働き方を変えていく次のステージに行く大切な要素だと私は思っていますので、是非、改めてしっかり通知をし、大変ですけれどもお願いをさせていただいて、徹底をしてまいりたいと思っております。

#67
○川内分科員 ありがとうございます。
 引き続いて、萩生田大臣の悲願である、そして私どもも悲願である、少人数学級について聞かせていただきたいと思います。
 萩生田大臣は、累次にわたって、三十人学級を目指すよということを御発言されていらっしゃるというふうに私は認識をしておるんですが、今般、三十五人学級の実現のためにいよいよ動き出したということで、来年度、小学校二年生について、加配定数を三千人縮減し、基礎定数に置き換えるということで、第一歩を踏み出していかれるわけでございますけれども、来年度はそういう形でやりましょうと。
 そのまた翌年度以降、年数をかけて三十五人学級を実現していくわけでございますけれども、来年度はともかくも、加配は、その役割があって加配を置いているわけでございますから、その加配を基礎定数に置き換えていくということは、全国的に、文部科学省的には数字のやりくりで問題ないよということになるかもしれないけれども、加配を抜かれる学校、その個別の学校にしてみたら大きな影響があったりするのではないかというふうに思うんです。
 五年間かけて三十五人学級を小学校で実現していく、その後恐らく中学もそういうふうにしていこうねということになるというふうに思うんですけれども、学校現場が混乱をしないように、加配定数が、加配が抜かれて、加配の先生がいなくなって学校現場が困ることのないように、文部科学省としては工夫をしなければならない、努力をしなければならないというふうに思うんですけれども、大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

#68
○萩生田国務大臣 安全、安心な教育環境とICT等の活用による新たな学びを実現するために、義務標準法を改正し、小学校について、学級編制の標準を五年かけて三十五人に引き下げ、必要となる教職員定数の計画的な改善を図ることとしました。
 これに応じて、現在、自治体独自の少人数学級を実施するために措置をしているものなど、加配定数の一部を含む合理化減等を活用することとしております。
 いずれにしましても、個々の教育課題に応じた加配定数を含め、必要な教職員定数は引き続きしっかり確保してまいりたいと思っています。

#69
○川内分科員 これは局長さんにちょっと教えていただきたいんですけれども、加配定数を三千人縮減して基礎定数に振り替えて、加配の先生方が減っていくわけですけれども、そのときの加配の配置についてどういうふうな考え方でやっていくのかということを、基本的な考え方をちょっと局長に教えていただければというふうに思います。

#70
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 まず第一段階、これから国会でお認めをいただければという前提でございますが、小学校二年段階につきましては、全国、既に加配で三十五人学級が実現しておりますので、これを置き換えて基礎定数化されていくということになります。
 それから、先生御質問の、その先のことかと思うんですけれども、小学校三年生から六年生までのところで、三十五人学級、あるいはそれ以下、これは国の加配と自治体の努力と相まって独自の少人数をやっておりますけれども、この部分で国が加配している三千人について、これを段階的に振り替えていくということでございまして、したがって、先ほど大臣からも申し上げましたとおり、それぞれの学校で、個々の教育課題に応じた加配定数については、元々加配定数は単年度ごとに財政当局との折衝でございますけれども、学校現場が困らないように、必要な教職員定数は引き続き確保していきたいということでございます。
 それから、もう一点。大変申し訳ございません。先ほど、私と大臣とお答えした中で、タイムカードの数字を申し上げたときに、もしかしたらちょっと間違えたかもしれません。七二が正しいので、訂正させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

#71
○川内分科員 いずれにしても、子供たちの学びと育ちを支援するために、学校現場が混乱しないように三十五人学級を実現していくという理解で、大臣、よろしいですよね。

#72
○萩生田国務大臣 長い間多くの教育関係者の皆さんが望んでいた少人数学級、先ほど先生、私の三十人という決意を改めてここで御披露いただきました。結果、その目標に達しなかったわけですから、じくじたる思いもありますけれども、しかし、四十年ぶりに法律をもって三十五人に、小学校がまずスタートします。
 その関係で、財務省ともいろいろな話合いをしたんです。年度ごとの加配でやった方がいいんじゃないかという御提案もありました。私は、誤解を恐れず申し上げますけれども、麻生大臣のように、向こう九年間、ずっと文科大臣を続けるんだったら加配でもいいという、こんなやり取りもしたぐらいでございます。
 せっかく法律できちんと裏打ちをする以上は、今までの加配の在り方も、きちんとやっている自治体もあれば、やや、それはちょっとルールと違うんじゃないのという自治体もあることも事実でありまして、ここは、法律の改正を皆さんにお願いする以上は、一回きちんとルールを見直しましょう、その上で必要な人員はしっかり確保していきましょうということを約束しましたので、その描いた羅針盤に沿って、しっかり間違いのないように、また、現場の皆さんに、せっかく少人数に移行したのに、現場は大混乱じゃないか、自治体はもう本当に困っているじゃないかということがないように、目配りをしながら、しっかりやっていきたいと思います。

#73
○川内分科員 向こう九年間、萩生田大臣が文科大臣であり続けることはないんだろうと思いますが、しかし、何年か後に総理大臣になっていらっしゃる可能性は私はあるというふうに思いますので、是非三十人学級を、私どもも御支援を申し上げたいというふうに思いますし、同じ目標を持って実現を目指してまいりたいというふうに、私もここで決意を申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 最後に、現在使用されている中学校の公民教科書の憲法学習の章のところに、基本的人権の尊重、法の下の平等というところに、今話題の、今や大変な時の人になられた山田真貴子さんが紹介をされておりまして、憲政史上初の女性秘書官ということで、「安倍晋三首相から辞令を受ける山田真貴子氏。」という説明つきの写真が掲載をされております。大臣も御覧になられたというふうに思うんですけれども。
 この公民の教科書は今年の四月からはもう利用されないというふうに承っておりますけれども、ごくごく単純に、この教科書を大臣は御覧になられて、そしてまた、山田真貴子さんの、接待を受けて、公務員倫理法違反であった、現職時代そういうことをしてしまったということで謝罪をされたわけですけれども、文科大臣、この教科書の記述についてどういう御感想を持たれたかということを聞かせていただけますか。

#74
○萩生田国務大臣 基本的に、教科書は民間の発行者によって編集され、検定を経た複数の教科書の中から各自治体等が採択をされるものでありますから、個別の教科書の記述のよし悪しに関する見解を私が申し上げるのは差し控えたいと思いますが、山田さんは、確かにここにあるように、ファクトとして、女性初の首相秘書官というのを務めたのは事実でありますし、そのことが女性の社会参加、あるいは男女共同参画や男女平等について学習する際の一つの参考になるものであるというファクトは、別に私、そんなに違和感はなくて。いやいや、隣の安倍さんの方がけしからぬという人だって、世の中にはいらっしゃるんだと思いますので。そのそれぞれのときの子供たちが関心を持ってもらえるような分かりやすい挿絵などを使うことは、教科書の編成上は、私はそんなに大きな問題ではないんじゃないかなと。
 今、山田さんが、過去の職にあったときに、公務員倫理に照らしたときにいかぬということは、これは御本人がしっかり反省をしなきゃならないことですし、それと、この写真が直ちに子供たちに悪影響を与えるというふうには私は思っていません。

#75
○川内分科員 最後の質問にさせていただきたいと思いますけれども、憲政史上初のというタイトルをつけるのであれば、例えば、土井たか子先生は憲政史上初の女性の衆議院議長であったということなどもありますし。ただ、現存する人物というのは、生きている間に何が起きるかも分かりませんし、安定した評価は難しいと思うんですけれども、現行の検定基準の中に、教科書の中で現存する個人を取り上げる場合は何らかの慎重な判断を要するねというような、検定基準に若干の修正なども必要なのではないかというふうに考えたりもするんですけれども、文科省としての御見解はいかがですか。

#76
○瀧本政府参考人 お答えを申し上げます。
 現在の中学校の公民や高校の現代社会の教科書においては、様々に、生存している、特定できる人物が描かれているところでございます。
 先ほどの内閣総理大臣もあれば、ニュージーランドの女性の首相を取り上げているところもございますし、あるいはノーベル平和賞の方が紹介をされたり、義足のパラリンピアンが紹介されたりといったこともございます。
 これら現代社会で活躍している方を教科書において取り上げるということは、児童生徒、子供たちが興味、関心を高めて、高い教育的な効果が得られるということで、教科書発行者が創意工夫をされているものと考えております。
 こうした点を踏まえますと、生存している人物を特定できる形で掲載することはなるべく避けるといったような、発行者の創意工夫の幅を狭めるような検定基準の見直しということについては、私どもとしては考えてございません。

#77
○川内分科員 終わります。ありがとうございました。

#78
○村井主査 これにて川内博史君の質疑は終了いたしました。
 次に、中曽根康隆君。

#79
○中曽根分科員 自由民主党の中曽根康隆でございます。
 本日は、質疑の機会をいただきまして誠にありがとうございます。大臣におかれましても、昨日、そして今日も朝九時から五時までと長丁場で、大変お疲れさまでございます。
 私自身、自民党の教育再生調査会のウィズ・コロナ下における初等中等・高等教育のあり方プロジェクトチームの事務局長を務めさせていただいておりまして、日頃から党でも教育に関する議論を行っております。本日は、この日頃の議論を政府とも是非とも共有をさせていただいて、同じステージに立ってこれから教育を進めていくということを確認する機会にもしたいというふうに思います。
 まず、要望から一点お伝えをしたいと思います。
 言うまでもなく、新型コロナウイルス、これは日本に多大な負のインパクトを与えております。教育現場においても例外ではなく、子供たちが学校に行けない。学校に行けずに、子供たち同士、友達にも会えない。そして、入学式、卒業式もできないところもあるし、また、楽しみにしていた恒例行事が相次いで中止にもなる。さらには、受験を控えている子供たちというのは、過去にないほど大変な思いをしている。また、子供たちが在宅をしている関係で、その保護者の皆さん、本来働きに出ていた保護者の皆さんもこれまた大変な苦労をされている。こういった負の連鎖というものが非常に多く、教育の現場でも家庭の現場でも起きているということをしっかりと認識しなくてはいけません。
 文科省として、とにかくコロナの感染拡大を一刻も早く収束をさせるとともに、生徒、そして保護者、あらゆる学校関係者の不安を解消できるように、全身全霊でこれからも頑張っていただくことをまず私からお願いを申し上げて、質疑に入りたいというふうに思います。
 今申し上げましたとおり、学校現場、そして家庭の現場は大変な状況である一方で、今回のこのコロナ禍というものは、これからの教育の在り方というものにかなり一石を投じる大きな転機にもなったというふうに考えられます。一人一台端末を前提としたICTの活用、いわゆるGIGAスクール構想、これを更に推し進める機運も高まりましたし、新学習指導要領で目指している主体的、対話的で深い学びの実現というのも、より一層加速させる必要が出てまいりました。
 このコロナを契機として、これからの時代に合った、前例にとらわれない学校教育の在り方というもの、これをいよいよ、しっかり考え、そして実践していくステージに入ったというふうに考えております。
 ここで質問させていただきますけれども、今後の新しい学びの柱として位置づけられているこのGIGAスクール構想というのは、二つの軸があります。一つは個別最適な学び、そしてもう一つが協働的な学び、このハイブリッド教育というものが焦点となっていきますけれども、一体これがいかなるもので、どういった趣旨で、どういった効果を期待しているのか。大臣の意気込みとともにお伺いをしたいというふうに思います。
    〔主査退席、神山主査代理着席〕

#80
○萩生田国務大臣 委員御指摘のとおり、これからの学校教育においては、ICTの活用と少人数によるきめ細かな指導体制の整備により、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実していくことが重要です。
 本年一月の中央教育審議会の答申では、社会の在り方が劇的に変化するソサエティー五・〇時代が到来しつつある中、子供たちに必要な資質、能力を確実に育成するため、子供の特性や学習進度、学習到達度等を踏まえたきめ細かな指導により学習内容の確実な定着を目指す指導の個別化と、子供の興味、関心、キャリア形成の方向性等に応じた学習活動や課題の提供により、学習を深め、広げる、学習の個性化による個別最適な学び、子供一人一人のよい点や可能性を生かし、多様な他者と協働することで異なる考え方が組み合わさり、よりよい学びを生み出していく協働的な学びを一体的に充実していくことが重要とされております。
 文科省としては、このような学びの充実に向け、新学習指導要領の着実な実施による主体的、対話的で深い学びの実現に向けた授業改善の推進、本年四月からの一人一台端末環境での学びの本格的なスタートに向けたGIGAスクール構想の推進、小学校における三十五人学級の計画的な整備などに取り組むこととしております。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、世界全体が新しい時代に突入していく中で、我が国の子供たちに必要な資質、能力を確実に育成していくことができるように、必要な改革を果敢に進め、令和の日本型学校教育の構築に取り組んでまいりたいと思います。

#81
○中曽根分科員 ありがとうございます。
 この一人一台タブレットというのは、あくまでも手段でありまして、これを配付することが目的又はゴールになっては当然いけないわけであります。タブレットを使用してどういった授業をしていくのか、生徒たちに一体何を学んでほしいのか、ひいてはどういう人材をこれから育てていきたいのか、そういったことを見据えた上で、新しい学びを実践していただきたいというふうに思います。
 同時に、これからいかにデジタルの方向にかじを切っていったとしても、やはり対面の重要性というのは私は不変のものであるというふうに思っております。デジタルとそして対面、このバランスというものを、各現場の声をしっかりと聞きながら、国としても継続的に注視をしてバックアップをしていただきたいというふうに思っております。
 次の質問に移ります。
 一つ懸念している点について御質問させていただきます。
 今申し上げたような一人一台の端末を始め、今後のあらゆるGIGAスクール構想の取組において、各自治体の首長の教育方針とか熱量とか、又は自治体の財源、これによって教育の地域格差が出るというのは絶対に避けなくてはなりません。
 つい数日前、文科省の有識者会議、これは二〇二四年度にデジタル教科書の本格導入を目指すという中間のまとめ案、これを大筋で合意したというふうに発表がありましたけれども、デジタル教科書を効果的に活用するという、これによって、生徒の理解度に応じたきめ細やかな授業が可能となるのはすごくいいことだというふうに思います。ただ一方で、これを導入するに当たって購入費用がかかったり、又は、学校において生徒たちが一斉にサーバーに接続することによる通信環境の整備とか、地域によってばらつきが出てくる可能性も出てくる。
 そこで、質問でありますけれども、デジタル教科書の導入とか通信環境の整備において、先ほど申し上げたとおりで、地域格差がしっかり出ないようにしていかなきゃいけない、このために国として、財政的な措置なのか又は人的な措置なのか、どういったことを対策として考えられているか、お聞かせいただきたいと思います。

#82
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のデジタル教科書の今後の在り方に関する検討会議の中間まとめ案におきましては、学校における一人一台端末環境の整備が進む中で、児童生徒の学習環境をよりよいものに改善し、学校教育の質を高めていくためには、各学校におけるデジタル教科書の活用を一層推進する必要があり、次の小学校用教科書の改訂時期であります令和六年度をデジタル教科書を本格的に導入する最初の契機として捉え、着実に取組を進めるべきであるとされているところでございます。
 文部科学省では、一人一台端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備をしてきております。また、令和三年度予算案におきましては、全国の小中学校等に広くデジタル教科書を提供する実証事業、あるいはICT活用に関する助言や支援等を行うICT活用教育アドバイザー等による整備、活用推進等を計上しておりまして、デジタル教科書の普及促進とそれからGIGAスクール構想の着実な推進を図ろうとしているところでございます。
 デジタル教科書の導入も含みます今後の在り方については、この検討会議において引き続き御議論をいただきますが、デジタル教科書、実は各社が出そろったのはまだ本年からでございまして、予算事業で、まず実証事業、先ほどおっしゃられたとおり、一斉につないだときのネットワークについても、フィージビリティー事業を三年度予算案の中でやっていきますが、こうした予算事業を活用しながら、地域間の格差が生じることのないよう、丁寧に取り組んでまいりたいと考えております。

#83
○中曽根分科員 今御答弁いただいたとおり、実証事業というものが非常に大事でありまして、ここから得られるフィードバックをしっかりと今後の政策に生かしていただきたいというふうに思います。
 今回のまとめ案では、デジタル教科書を生徒が自宅で使う場合は自宅からサーバーに接続する必要がある、この通信費というのは各家庭の負担になるというようなことも聞いております。自宅でサーバーに接続してデジタル教科書を活用して勉強をすればするほど通信料がかかる、すなわち勉強熱心な子ほどコストがかかるようなことになるのかなとも疑念がありますし、やはり家庭環境によって教育を受ける機会に格差が出るということを一つ懸念していますので、こういったことも踏まえてしっかりと丁寧に対応していただきたいというふうに思います。
 続きまして、今後の教師の在り方について質問させていただきたいというふうに思います。
 今回の新しい学びの実現またICTの活用、これによって当然教わる側の生徒の環境というのも大きく変わりますけれども、それと同じぐらい、又はそれ以上に教師の役割というものも変わってくるというふうに思います。いわゆるこれまでの、先生が黒板に書いて、それを生徒がノートに写す、試験前にそれを一気に覚えて、試験が終わったら全部忘れるという、いわゆる知識伝授型の授業というのは、もう今後主流にはなってこない。今後は、やはり先生がICTをしっかりと活用して、生徒一人一人の学習状況を把握していって、そして、その生徒の能力とか適性に応じて自律的に学んでいくことというのを先生が支援していく、ファシリテーター的な役割というのが今後どんどん増してくるというふうに思います。
 要は、ICTに強い先生に当たったらラッキーで、ICTに疎い先生に当たったらアンラッキーですねということがあっちゃいけないわけであります。教師のいわゆるデジタルリテラシー、これによって生徒たちの学習内容の質に格差が出ちゃいけないという中で、どんな場所でどんな先生に習っても同じICT活用の授業の恩恵を受けられるべきであるというふうに考えております。
 政府として、ICT活用という面で教師の指導力の向上、これに対しての対策、教えていただきたいと思います。

#84
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 GIGAスクール構想の実現に当たりましては、教師がICTを活用しながら、児童生徒の個別最適な学びと協働的な学びを実現していくことが重要でございます。
 こうした考え方の下、文部科学省としては、教師がICTを活用して指導する力を身につけられるようにすることやその支援を行うため、一つ、独立行政法人の教職員支援機構と連携をいたしまして、各地域でのICT活用に関する指導者層の養成研修の実施をしております。また、各教科等の中でどうICTを活用して効果的に使用していくかということに関します参考資料、あるいは解説動画などにつきましては、全国の教育委員会や学校の参考となる情報の発信、共有を既に進めているところでございます。
 また一方で、教師をサポートする外部人材でございますが、日常的な教師のICT活用の支援等を行いますICT支援員や、一人一台端末環境の整備を始めとする初期対応等を行いますGIGAスクールサポーターの配置の促進を進めますとともに、ICT活用に関する専門的な助言や研修支援などを行いますICT活用教育アドバイザーの派遣などの取組も進めているところでございます。
 こうした取組に加えまして、令和三年度の予算案におきましては、基礎的な内容も含めて、それから応用レベルも含めてですが、先生が教職員研修機構とかに集まらなくても、オンラインで研修を受けられる研修プログラムの策定等に係る経費を三年度の予算案の中にも計上させていただいているところでございます。
 また、更に遡って申し上げれば、教員の養成段階についてでございます。養成段階については、教育職員免許法の施行規則を改正いたしまして、教職課程においてICTを用いた指導法を必修化いたし、令和元年度から新しい教職課程が始まっておりますけれども、その内容の更なる充実に向けまして、ICTに特化した科目の新設について検討を進めているところでございます。
 文部科学省としては、GIGAスクール構想の実現に向けて、学校現場において円滑にICTを活用できるよう、引き続きこうした施策を積極的に進めてまいりたいと考えております。

#85
○中曽根分科員 ありがとうございます。
 子供たちの適応力というのは非常に早い。一方で、大人たちの適応力の方が多分遅いと思いますので、今おっしゃったとおり、ICTの支援員とかそういった方々が必要な場所に、自治体に、学校にすぐに行けるように、各現場からの情報収集というのを常に行っていただきたいというふうに思います。
 今後、学校にもデジタルの波が来るわけですけれども、教師の質の担保というのは極めて重要であります。各市町村において、又は教育委員会、学校で、教師の指導の取組、これから始まると思いますけれども、国としてそれをしっかりとバックアップをしていただいて、先ほど申し上げたとおりで、いかなる教師に学んでも子供たちが格差なく新しい学びの恩恵を享受できる環境整備というのをしっかりとつくっていただきたく思います。
 続いての質問に移ります。
 先日、私の地元の群馬県前橋市において、GIGAスクール構想や学校の情報化を進めるために、市の教育委員会が学校教育情報化推進計画の原案を発表いたしました。これは、二〇二三年度までの取組を三段階に区分して、具体的なロードマップというのを示したものであります。
 この計画策定というのは、学校教育の情報化の推進に関する法律で自治体の努力義務というふうにされております。具体的道筋を示した計画策定というのは、私、極めて重要であるというふうに考えておりまして、努力義務ということで、計画を策定する地域としない地域が出てきて、それによる地域格差が出ることをちょっと懸念をしております。
 個人的には、国としてこの計画策定、もっと徹底をさせるべきだと思いますけれども、政府の考えを教えてください。

#86
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 令和元年六月に公布されました学校教育の情報化の推進に関する法律におきましては、地方公共団体は、文部科学大臣が定める学校教育情報化推進計画などを基本として、地方公共団体の学校教育情報化推進計画を定めるよう努めることとされているところでございます。
 この点、議員から御指摘のとおりでございますが、各地方公共団体におきます計画の策定を促すために、まずは、一人一台端末の活用状況など、今般のGIGAスクール構想の進捗を踏まえた国の計画の策定を速やかに行ってまいりたいと考えております。
 その上で、各地方公共団体におきます計画の策定、あるいは御提案のあった義務化ということでございましたけれども、まずは、法の規定にのっとりまして、各地域におきます取組の状況を注視させていただいた上で、その策定状況を踏まえながら必要な施策を検討してまいりたいと考えております。

#87
○中曽根分科員 各自治体がしっかりと計画策定をして、全国各地で同じスピードでICT化が進んでいくことが望ましいというふうに考えております。その先には、例えば、全国の生徒の教育記録をビッグデータ化して、そのデータを各自治体で共有できるようなシステムがあれば、生徒が引っ越しとかをして転出転入などがあった場合に、その教育記録を引き継いで切れ目ない指導ができるようになるとか、そういったようなこともできると思います。
 その意味では、各地域がやはり同じレベルでしっかりとICT化というのを進めていかなきゃいけないという前提があるというふうに思います。この計画策定、そして具体的なロードマップの重要性というのを、国としても、いま一度しっかりと各地方公共団体にお示しをいただきたいというふうに思います。
 次の質問に移りたいと思います。
 全国には、不登校だったり、又は病気療養児などの様々な理由で、通常どおりに学校に通えない子供たちがたくさんいます。そういった子供たちに対して、このICTの活用というのは非常に大きなメリットになるというふうにも考えておりますので、これはどんどん積極的に進めていただきたいというふうに思っております。
 少し話はそれますけれども、先日、私の地元で、自閉症とか、又は起立性調整障害、いわゆるOD、こういったものを持つお子さんの保護者と意見交換をする機会がありました。このODは、いわゆる朝なかなか起きられない、本人の意思とは関係なく起きられない、それによって不登校につながったり、実際、不登校の生徒の三分の二は実はこのODに悩まされているというような話もあります。
 これは、本人とか家庭の中ではもうどうにもできない問題というか病気でありまして、こういった人たち、学校になかなか通えないという人たちも、しっかりと環境整備をしてあげなきゃいけない。また、学校に行っても、特別支援学級における教師の質が非常に不安であったり、又は、学校や教育委員会のそういう子たちに対する協力体制というのも不十分であるというような声も聞こえています。
 ここで質問ですけれども、これらの状況を踏まえて、ICTの活用というのはもちろんなんですけれども、やはり、様々な悩みとか病気を抱える全ての生徒たち、そういった人を誰一人取り残さないような社会の実現に向けて、政府としてもしっかりと人的又は財政的な措置を講じるべきだというふうに考えておりますけれども、大臣の見解をお伺いしたいというふうに思います。

#88
○萩生田国務大臣 不登校児童生徒や、あるいは病気療養児など、学校に行きたくても行くことができない児童生徒に対して、ICTを活用した学習支援を行うことなどにより教育の機会を確保することは極めて重要です。
 このため、文科省においては、不登校児童生徒等が自宅や病院等においてICTを活用した学習を行った場合、一定の要件の下、指導要録上、出席扱いとできることとしているところ、GIGAスクール構想により今年度末までには小中学校等で一人一台端末環境が整うことも踏まえ、今後は、より一層、本制度の周知や活用促進に努めてまいりたいと思っています。
 また、関係機関の連携体制の整備や、教育支援センターにおける相談支援体制の強化、不登校特例校の手引の作成、周知など、不登校児童生徒等の教育機会の確保に取り組んでいるところです。
 特に、不登校の子供たちは、単に授業を機械的に、ICTを使って配信をするのみならず、これは、例えば、休み時間のみんなが楽しく過ごしている様子を見てもらったり、あるいは、康隆、学校来いよとカメラの前でクラスメートが声をかけてもらったりする、そういうことにも使えるんじゃないかと思っていまして、不登校を恒常化するんじゃなくて、是非学校へ戻ってこられるような関係づくりのためにも、このツールを有効に使っていきたいと思っています。
 さらに、今御指摘のあった様々な悩みや課題を抱える児童生徒を早期に把握して適切な支援につなげていくため、心理の専門家であるスクールカウンセラーや福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーなどが教員と連携協力をし、個々の児童生徒の状況に応じた支援をチームで行う体制整備を進めるとともに、二十四時間子供SOSダイヤルの設置やSNSなどを活用した相談体制の構築の支援など、支援相談体制の整備も推進しており、令和三年度予算案においても更なる充実に向けた予算を盛り込んでいます。
 文科省としては、引き続き、誰一人取り残さない社会の実現に向け、個々の児童生徒の状況やニーズに応じたきめの細かい支援に努めてまいりたいと思います。
    〔神山主査代理退席、主査着席〕

#89
○中曽根分科員 GIGAスクール、この構想の果たす役割というのは、非常にこういった子供たちに対して大きいというのが分かります。また、今大臣がおっしゃって、非常に大事なポイントで、オンラインで家で学校に来なくても学習できるからいいということではなくて、そういったものをしっかり活用すると同時に、不登校の子たちがいかに学校に来てもらえるかということを同時にしっかりと推し進めていくということが一番大事になってくるというふうに思います。
 現場の状況を国としてもしっかりと把握をしていただいて、真の共生社会に向けたバックアップというものをしっかりとしていただきたいと思います。
 また、先ほど話した、保護者から聞いた話では、ソーシャルスクールワーカーが、今の人がすごくいい、でも、その人が異動になっちゃった後が心配だとか、そういった声も聞こえておりますので、こういうSSW又はスクールカウンセラーのような、人的資源の増強、補強というのもしっかりとしていただきたいというふうに思います。
 次に、政府が創設する十兆円規模の大学ファンドについて、一点お伺いをしたいというふうに思います。
 財政融資四兆円と令和二年第三次補正の五千億、この計四・五兆円を元本として、来年度中にも運用を開始するというふうに聞いております。私、このアイデア自体は大賛成です。やはり、日本の科学技術関連予算を見てみても、アメリカの四分の一だったり中国の七分の一だったり、そしてその差が開いているということで、若い研究者たち、才能ある研究者たちがその才能を花開かせる十分な環境が日本にあるかというと、まだまだないという現状を踏まえれば、このファンドを通してしっかりと原資を確保して、そして、研究力の底上げ、人材の育成に力を入れていく、これは日本の未来にとって極めて重要なことだというふうに思っております。
 そこで、運用の方法と、そしてその運用益の配分の選定について、一点質問させていただきたいというふうに思います。
 今、この低金利の時代、そして世界の情勢がこれだけ不安定な中で、マーケットを見通すのもなかなか難しい。そういった中で、どれほどのリスクをどれぐらいの期間で取っていって、そして、どれぐらいの具体的な収益率というのを目指しているのか。運用がうまくいかなかったときに、それでも、本来の大学や研究者への資金提供という目的を果たすために、しっかりそこら辺の資金供給は担保されるのかどうか。
 さらには、その配付先ですけれども、これは、有力な大学だけにお金が行くんじゃなくて、地域にもたくさん若い研究者、有能な研究者がいるわけで、そういった地方大学にもお金がちゃんと回るような可能性はあるのか。
 そこら辺をまとめて御回答いただきたいというふうに思います。

#90
○杉野政府参考人 大学ファンドについてのお尋ねでございます。
 大学ファンドの運用につきましては、これは公的なファンドでございますので、まずは長期的な観点から安全かつ効率的に運用を行う、これが基本的な考え方だと考えておりまして、具体的には、市場の短期的な動向よりも長期的な観点から確実な収益を目指すということ、また、そのためにも、特定の資産に偏ることなく、国内外の様々な種類の資産に分散して投資を行うということを基本として考えていきたいと思っております。
 このため、JST法におきましても、いわゆるGPIFと同様に、国内外の債券、株式に限らない多様な資産運用が可能ということにしておりまして、このような考え方を踏まえまして、今後、具体的な運用方針あるいは基本的なポートフォリオ構成、さらには目標とする運用益についても慎重に検討していきたいと考えているところでございます。
 それから、運用益が出ない場合どうするのかという御指摘でございました。
 大学への助成額については、これは当然のことながら運用益の範囲内で行うことになるわけでございますけれども、仮に年度ごとに助成額が大きく変動するということになりますと、もらう方の大学が困ったことになりますので、これはできるだけ平準化して支援すべきであろうというふうに考えております。
 具体的には、単年度の運用益に基づいて助成額を算出するのではなくて、一定期間の運用実績あるいは中長期的な運用益の見通しに基づきまして、一定の計算式に基づいて助成額を算出するなど、運用益が仮に出ない年度があったとしても、大学に安定的に助成できるような方向で検討していきたいと考えております。
 最後に、支援の対象となる大学の選定の基準についてのお尋ねでございました。
 大学ファンドによる支援対象大学といたしましては、一つには、世界トップレベルの研究大学を目指して高いポテンシャルと明確なビジョンを持ち大学改革の加速に取り組む大学、もう一つは、博士後期課程学生などの若手人材育成などに意欲的に取り組む大学、こういった二つのタイプの大学を対象として当面助成を開始したいと考えております。
 このうち、世界トップレベルを目指す大学の支援につきましては、当面、どうしても限られた数になると想定しております。一方、博士後期課程学生の育成などに意欲的に取り組む大学の支援につきましては、それよりも幅広い範囲の大学が支援対象になるだろうというふうに考えております。
 いずれの支援メニューにつきましても、採択の結果はともかくといたしまして、国公私立の別を問わず、また都市大学、地方大学問わず、全ての大学が対象になり得るという前提で制度設計をしていきたいと考えているところでございます。

#91
○中曽根分科員 時間が来ましたので、最後に一言。
 本日、私、この質問を通して、格差という言葉を多用いたしました。学校教育の大転換期を迎える今、このコロナというピンチをチャンスに変えていって、これからの時代を見据えた新しい学びをしていく、これはすごく大事なことだというふうに思います。
 ただ、全国各地で、やはり急激な変化が起きると、当然それに伴う格差というものが出やすくなる。特に、義務教育において格差というのは絶対出しちゃいけないものだというふうに思っております。家庭環境による格差、地域による格差、又はさっき申し上げたような病気を持つかどうかによる格差、こういったあらゆる格差というものがしっかりと起きないような体制として、国としてもこれから教育政策を進めていただきたいというふうに思います。
 今後の大臣及び政府の取組に心から御期待申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございます。

#92
○村井主査 これにて中曽根康隆君の質疑は終了いたしました。
 次に、荒井聰君。

#93
○荒井分科員 立憲民主党の荒井聰でございます。
 冒頭、大臣にお礼を申し上げます。
 昨年の、やはり今ぐらいの時期だったと思いますけれども、分科会で、インクルーシブ教育の話でありますとか医療的ケア児の話を、私が八王子の幼稚園に視察に行ったことを言及をして、その要請を行いました。
 今回、今度の令和三年度の予算では、インクルーシブ教育の問題でありますとか、あるいは学校内における付添いの話でありますとか、大変大きな進展を見ているように思いますけれども、その辺りについて御説明いただけますでしょうか。

#94
○萩生田国務大臣 特別支援学校に加え、近年、小学校、中学校等においても、日常的にたんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な子供が増加傾向にあることから、小中学校等における医療的ケア児の受入れ体制整備をしていく必要があります。
 去年、先生ともこのことをやり取りしまして、一番理想は、あまねくどこの公立小学校でも中学校でもそういう体制が取れるのが一番いいんだけれども、しかし、やはり人的資源を考えますと、あるいは予算を考えますと、全ての公立学校にというのは不可能なので、令和三年度政府予算案において、中学校区に拠点校を設けるなどして、小中学校等において医療的ケア児を受け入れる体制の在り方を調査研究するための経費を計上いたしました。まだ数は少ないんですけれども、スタディーケース、しっかりやってみたいと思います。
 また、あわせて、小中学校等を含む学校において医療的ケアに対応する看護師を配置するための予算も拡充しているところであり、引き続き医療的ケア児に対する支援の充実を図ってまいりたいと思います。

#95
○荒井分科員 ありがとうございます。
 私は、医療的ケア児問題というのは、約二万人ぐらいいるんですけれども、それに対しての対策がこの数年間なされていなかったということに初めて気がついて、それで永田町子ども未来会議という超党派の勉強会をつくりました。
 普通、超党派の議員を入れる勉強会というのは、誰でも入ってくるような、そういう委員会、勉強会が多いと思うんですけれども、これは特殊な能力というか、看護師さんだとか、あるいは学校の先生だとか、あるいは医療的ケア児を抱えている先生だとか、そういう特殊な先生だけに絞って実質的な協議をしよう、その協議の中で、文科省や厚労省の優れた行政官にも入ってもらって、その人たちに具体的な政策の立案をやってもらおう、その人たちには、各省庁のトップクラスも含めて、了解を得て出してもらおうという、今までの超党派の勉強会とは相当違った形を取らせてもらいました。
 それはどうしてかというと、今の官僚、ある意味ではかわいそうだ、自分の理想とかあるいは理念とかということを国のために実施をしたいという意欲を持っていても、それがなかなかできないという状況の中にあるのではないかと。
 私は、かつて、私の農水省の大先輩である伊東正義さん、この方は当時の農林大臣であった河野一郎さんと大げんかをして、それで本省の局長から地方営林局の局長に飛ばされるんです。二段階ぐらいの降格です。そのときに、農水省の若手の官僚、大体課長補佐から若手の課長ぐらいが伊東正義帰還運動というのをやって、大臣が替わった後、すぐ水産庁長官で呼び戻し、その後、政界にも進出をしていくという。その伊東正義さんが、私たち、若手だったときに、しょっちゅうお昼御飯に呼びながら、昔の話をしてくれるんですね、俺のときはこうだったと。そうやって、彼の立場で若手官僚に元気をつける、そして勉強してもらうという努力をしておりました。
 私は、文科大臣、大変優れた資質を持っておられますから、文科行政のトップであると同時に、文科省の若手官僚をしっかり鍛え上げていく、それには、その人たちの、若手官僚の希望あるいは彼らの持っている理想というものをいつもくみ上げて、それを行政に反映させていくという努力を是非行っていただきたいと思うんです。
 この子ども未来会議に出てくる厚労省と文科省の役人、目を輝かせていろいろな議論をしてくれます。きっと楽しいんだと思います、この勉強会に参加することが。そんな会をもっとつくり上げたらいいのではないかというふうに思います。
 モデル事業は数に限りが、まだ今回はあるんだと思いますけれども、是非大きく拡大をしていただけるようにお願いをしておきます。
 さて、その次に、大学教育あるいは大学の在り方について少し議論したいと思います。
 今から十数年前にシンガポールのリー・クアンユーさんが日本に参りまして、当時、民主党政権になった直後だったので、民主党の幹部の人たちがお昼御飯、夕御飯かな、お呼ばれしました。その中でいろいろな議論をしたんですけれども、そのときに、リー・クアンユーさんというのは当時シンガポールに世界でも有数の大学をつくろうということで努力をしていたんですね、その経緯の話をして、リー・クアンユーさんが言ったのは、まあ、あんたにそんなこと言われたくないと思ったんですけれども、世界の大学のレベルではアメリカの大学がレベルが一番だと思う、日本はもっとアメリカの大学のレベルを勉強して、そしてそれに追いつかないといけませんねということを軽く言われました。
 私も確かにそうだと思うんですね。この間の大学の役割なり、コロナの問題に関して大学の役割が果たしているものは、本来税金が入っている大学ですから、もっとあってしかるべきだ。ところが、今の大学は、地方大学も含めて、中央の大学もその役割を十分に果たしているんだろうか。もちろん、大学に対する補助金の率が中国などと比べて非常に低いということもあるんでしょうけれども、でも、どこかに、今の大学の在り方に大きな課題があるんじゃないだろうか、そんなふうに思うんですね。
 そこで、文科省にお願いをしたいというか、したらどうですかということを申し上げたいのは、昨年、今より少し前だったですかね、小中学校の一斉休校というのをやりましたですね。高校もそうだったのかな。この影響が、どんなふうに影響が出ているのか、その影響を地域ごとに、地域の中核の大学を中心として検証してもらったらどうでしょうか。これは大学のレベルを引き上げることにもなるし、地域ごとにどういう状況だったのかということを歴史的な検証としてしっかりと保存しておくことがとても大事だと思います。
 文科行政だけではなくて、その地域におけるコロナの状況がどうだったのかということも含めて、幅広く地域の大学に参加をしてもらう。それを幅広く、オンラインなんかで、ICTのウェブ上で公表していく。公表していくことによって、ほかの地域の大学がどういう研究をしているのかということをお互いに分かり合っていくということがとても大事なんじゃないかと思うんです。それが結果的には大学のレベルを引き上げることにつながるんじゃないかというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

#96
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年の学校の一斉臨時休業を始め、新型コロナウイルス感染症は我が国の学校教育に多大な影響を及ぼしたものと考えられます。
 この新型コロナウイルス感染症の影響、あるいは学校や学校設置者による学びの保障のための取組が児童生徒等に与えた影響を分析をするため、今年度からでございますけれども、大学の研究者等による調査体制を構築いたしまして、地方自治体などの協力をいただきながら、臨時休業の実施状況や学習指導に関する状況等について調査をちょうど始めたところでございます。
 来年度に実施をされます全国学力・学習状況調査など各種の調査データも活用しながら、新型コロナウイルス感染症の影響について、地方自治体ごとに異なる影響の在り方も含めまして、様々な観点から把握、分析を行ってまいりたいと考えております。
 この研究の自治体ごとの調査結果につきましては、フィードバックをして、各自治体における検証において参考にしていただくことを期待しておりますし、幅広い大学関係者がこの研究に協力していただけることを期待をしているところでございます。
 ありがとうございます。

#97
○萩生田国務大臣 今、具体的な詳細、局長から答弁させましたけれども、先生の問題意識は、リー・クアンユーさんのように、国家戦略として自国の大学のレベルをぐっと上げていくようなことをやるためにも、いろいろな題材を与えて、そして皆さんが同じ努力や同じ調査をすることが能力アップにつながるんじゃないかという御提案だと思いまして、私、そのとおりだと思います。
 これは言い訳になりますけれども、日本の、言うなら行政側と大学自治とのたてつけの問題があって、例えば、日本は、製薬技術をもってしても、あるいは感染症の研究にしても、日頃から極めて高いレベルを持っているにもかかわらず、先進国でいまだにワクチンの開発がなされていない。
 こういうことを考えますと、本当は、私、こういう事態に、日本の場合は手を挙げた大学や手を挙げた企業に言うならば科研費を渡して研究をしてもらうという仕組みなんですけれども、もっと国家戦略的に、これをやってくれということを言って、そして機動性を持った学校群というのをつくっていくことが、結果として大学のレベルも上がるし、また、日本の国民の皆さんへの還元も出てくるんじゃないかと思っていまして、ここは、今回、このコロナを経験をしたがゆえに、大学と行政の在り方、学問の自由は貴ぶ必要はあると思うんですけれども、しかし、日本にある大学である以上、日本のために役に立たないんだったら、これは全国に散らばっている意味もないと思います。
 したがって、何かここは、少し落ち着いた環境の中で、果たすべき役割というのをお互い考えて、おっしゃるように大学のレベルを上げていく、世界としっかり肩を並べていくような、そういう日本発の大学群をつくっていくことも共に考えていきたいなと思っています。

#98
○荒井分科員 今の大臣の御発言で心を強くしたんですけれども、大学の、特に旧帝大を中心とする、あるいは私立大学などでも著名な大学が、様々な形で、独占というのではないんでしょうけれども、リードしていると言った方がいいのかもしれませんけれども、自由な教育、あるいは自由な研究というもののむしろ障害になっているんじゃないかというふうに思うこともあるんです。
 これは、私、もう二十数年前に薬害エイズの問題に携わったことがございました。あのときも同じような問題が出たんです。一つは、地方の大学も含めて、中央の大学もそうですけれども、エイズ患者を引き受けようとしなかったんです、公立の病院も含めてですね。確かに、おっかないからというか、感染する危険性も避けるために、大学病院は避けたいということで、大学病院が積極的にそれに携わらなかったんです。それからもう一つは、本来は大学が中心になって、当時、エイズの治療薬というのはアメリカで結構出ていたんですね、その治療薬を積極的に日本で検証するという動きさえもしなかったんですよ。これは厚労省が責任は大きいんですけれども。
 そういうことを踏まえると、今回の問題は、例えば旭川の医科大学なんか、学長と、患者を引き受ける、引き受けないで騒乱状態になっているとか、あるいは、アメリカではワクチンがもう既に検証されている、治験が終わっているにもかかわらず、日本は終わっていないからといってワクチンの導入がなかなかできない、そういうことというのは、過去の行政の経験を十分に生かしたとは言えないのではないか。その中心になっているのは大学なんですよ。大学病院なんです。
 あの二十数年前に、大学病院というのが文科省の担当であって、厚労省としてもそこに手を入れられない、だから、医療の世界の中では、大学病院に対する指導というか、そういうことが非常に難しいという実態が分かりまして、それで私が、当時与党だったですから、私が提案をしたというか、大学病院課長を厚労省からの出向にする、人事交流をするという形で、その間のパイプを太くすることを提案して、そのとおりになったんですけれども、まだまだ足りないと思うんですね。大学が、ほとんどの薬の創薬だとか、あるいは治療の主体的なスタンダードだとか、そういうものをつくり上げているにもかかわらず、それが行政として普遍化されていないという実態を見てきました。
 そこで、大学の、旧帝大を中心とする大学群と、あるいは私立大学を中心とする大学群とに分けて、今度のコロナの問題に関する検証というのを、一か所じゃなくて二か所やったらどうでしょうか。恐らく、絶対、それぞれ違う検証結果が出てくるのではないだろうか。
 私は、原発事故のときに、調査の委員会を幾つか立ち上げました。調査報告書が出ました。政府がやった調査。東京電力がやった調査。これはアメリカの上院議員までやってきて調査をいたしました。民間がやった調査。そして、それだけじゃ足りないということで国会事故調というのを設立をして、国会事故調で、僅か六か月ですよ、六か月であの事故の調査報告書を作りました。
 今回も、このコロナというのは、国家を危うくしている安全保障上の極めて大きな事態です。このことに関して、きちっとした検証、今でもできます。それを、一つのコースだけだと、私は偏っちゃうと思うんです。二つぐらいのルートを使ってこれを検証したらどうでしょうか。お金がかかるということだと、今の予備費を使ったらいいですよ、十兆円あるんですから。その予備費を少し使って、利用して。
 感染症は、パンデミックスは必ずもう一回ある、もう一回ではない、数年ごとにあります。今までだって、パンデミックスは十年置きぐらいに起きているんですね。そして、十年前に起きたインフルエンザのパンデミックスのときに、感染症法の対策が必要だということはそのとき提言しているにもかかわらず、ほとんど何もやっていなかったというのが実態ですから、是非、優れた、世界に誇るような大学が幾つかのルートでその検証作業をやられることを提案いたします。大臣、いかがでしょうか。

#99
○杉野政府参考人 委員御指摘のとおり、今般のコロナ禍のような未曽有の災害に際しまして、政府の取った対応などにつきまして学術的に分析、検証し、その教訓を次世代に継承していくという取組は、これは行政的にも非常に重要でありますけれども、本来、日本の学術界全体に期待したいと思われる大切な役割だというふうに考えております。
 御指摘のように、東日本大震災のときも、復興構想会議の提言、それは、「大震災の記録を永遠に残し、広く学術関係者により科学的に分析し、その教訓を次世代に伝承し、国内外に発信する。」、この提言を受けまして、日本学術振興会に学術調査委員会を立ち上げ、国内の百人近い研究者を動員いたしまして、詳細な調査、分析を行った例があるというふうに承知しております。
 先生から今、一か所ではなくて、様々なグループがそういった検証をしてはどうかという御提案をいただきましたけれども、私どもといたしましても、一か所に限らず、多くの大学関係者がこういった未曽有の災害に対する検証に積極的に手を挙げて取り組まれることを期待したいと思いますし、その場合には、科研費その他の支援をしっかりとしていきたいというふうに考えているところでございます。

#100
○荒井分科員 是非やってください。
 そして、その過程も含めて、オープンにするということです。多くの人が見て、ここがおかしいんじゃないか、あそこがおかしいんじゃないかという議論をする過程にしてほしいと思うんですね。
 COCOAというソフトがありますね、スマートフォンかなんかで使えるような。あれがずっと機能していなかったという、こんな恥ずかしいことはないですよ、デジタル化を進めようとしている国が、それが機能していない。
 台湾はすごく成功しているんですね。どうしてかというと、そのソフトをオープンソースにしたんです。その中身を全部公開したんです。そこで出てくるデジタルな個人情報は、それはクローズしますけれども、そのプログラムについては、オープンソースにすることによって、いろいろな人が、こういうふうに改善したらいい、こういうふうに改修したらいい、そういう意見が、あの台湾のタンさんとか、その人のところに全部行って、いいソフトになっていったんです。そういうことをやるべきだと思うんです。
 今回のこのコロナの全体的な検証というのも、国民的な課題ですから、是非そういうことをやっていただきたいと思います。
 次に、学校教育、教育をめぐる課題について少し議論したいと思います。時間が少なくなったので、通告したものからちょっとはしょって、行かせてもらいます。
 まず、私は、五年前に、ある学校法人、今にも潰れそうな、実質潰れていたという人もいますけれども、潰れそうな学校法人の理事長を引き受けました。当時、それを引き受けるのは反対だ、ちょうど森友、加計問題が起きそうなときだったので、あえてそんなところに行くのは反対だという私の秘書やあるいは私の友人がいたんですけれども、誰もやる人間がいなかったものですから、あえて引き受けたんです。
 そのとき、学校の問題というのは随分私なりに勉強をいたしました。一番大きいのは、当時から働き方改革というのはもう既に大きな課題になっているにもかかわらず、教師の世界はその働き方改革の中ではらち外になっているんですね。幾ら残業しても、残業しなくても、同じ給料が保障されている。何よりもかによりも、管理者というのはどういうことなのかということを校長先生や教頭先生が理解していると私には思えませんでした。なぜならば、管理者というのは、自分の部下がどのような仕事をしているのか、そしてその仕事量と仕事に関して、足りているのか足りていないのか、そこにもっと人的なリソースを注ぐべきなのか、注がずにその人に別な仕事も一緒にやってもらうということを管理するのが管理者ですよ。
 その管理者と言われている人たちが、教師はどのぐらい残業をしているのか、今度やっとタイムカードをやるようになったと言っていますけれども、どのぐらいやっているのかということを知らないで管理職になっているということは大変問題だというふうに思います。
 この後、ICTの話も少ししますけれども、やはりICTも、ICTに関して管理者が本当に管理できるのかという点についても後でちょっと議論しましょう。
 最初に働き方改革でこういう状態にあるのを長く放っておいた、私は文科省の責任は大きいと思うんですよ。初等中等局長、どうですか。

#101
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 校長を始めといたします学校の管理職には、教職員の勤務時間の適切な管理を含め、リーダーシップやマネジメント力を発揮することが強く求められているところでございます。
 御指摘の勤務時間管理は、従来から、労働法制上、教育委員会や学校の管理職の責務とされておりまして、文部科学省といたしましても、昨年一月に策定した教職員の勤務時間等に関する指針において、教育委員会が講ずべき措置として、ICTの活用やタイムカード等による勤務時間の客観的な計測を規定したところでございます。
 この勤務時間の把握の現状については、私どもの調査におきましては、客観的な方法による勤務実態の把握を実施している自治体が七二%となっておりまして、適正な勤務実態の把握が進んできてはいるものの、まだまだ足りないところもございますので、一刻も早く全国全ての都道府県、市区町村において行われるよう、引き続き周知徹底を図るとともに、学校の管理職がきちっと自覚を持ってマネジメント力を発揮していっていただけるよう期待をしているところでございます。
 ありがとうございます。

#102
○荒井分科員 その調査をやって、実態が分かってくるでしょう。恐らく七割から八割ぐらいは、部活の活動ということの実態だと思います。私の高校ではそうでした。恐らく実態は余り変わらないと思うんです。
 しかし、それは、ある意味では、生徒たちにとっては不幸なんですよね。全く素人の先生が、学校にいるというだけで、例えばハンドボールを教えるとか何とかを教えるというようなことをやらざるを得ない。やる方も苦痛でしょうし、教えられる方も不幸だと思うんですね。この辺りはいろいろな工夫を数年前からやり始めたので、それを見たいと思いますけれども、そのスピードを速めるべきだというふうに思います。
 ただ、その際に、財源問題はどうするのか。恐らく、一割とか二割ぐらい、私の学校では一割ぐらい増えました。二割ぐらい予想していたんですけれども、思ったほど増えませんでした。それは、きちっと残業がどういう残業なのかということをチェックすることによって初めて可能になったんだと思っていますけれども、しかし、財源はある程度増えると思います。その財源をどうするのかというのは大きな課題だと思いますけれども、しかし、残業代を出さない会社なんというのは、新卒、誰も行かないですよ。誰も行かない。今や、高校の教育を始めとして、教育界の中で人材をどう育てるのか、人材をどう募集するのかということがとても大事なことになっているにもかかわらず、そこの基礎的な部分がおろそかになっているのではないだろうかというふうに思います。
 次に、先ほどのオンライン教育ですね。
 オンライン教育、ICTの教育の話ですけれども、最大の問題は、恐らく、管理職がついていけないというふうに思います。
 私の高校は、校長がソフトバンクに勤めていましたので、ICTに関してはプロです。来たときに、すぐ生徒たちにiPadを一枚ずつ渡す、そういうことから始めました。一番参ったと音を上げたのは、学校の先生でした。しかし、これを使って教育するんだということを徹底すると、学校の先生というのはやはり知的レベルが高いですから、すぐ追いついてきました。
 しかし、そのためには、それだけの努力なりツールが必要だったというふうに思います。今、ICTの普及なりあるいはそのやり方については、北海道では多分一番進んでいるんじゃないかと思います、全国的なレベルでもかなり進んでいるというふうに自負していますけれども。
 全道の特に公立高校の学校の先生が、どうやって教えていいのか、研修をやってくれといって私の高校に陳情に来て、私の高校の先生方が研修会を月に一回ぐらいずつやっています。毎月百人以上の候補者というか希望者が来ているんだそうです。中には企業からも来ているということを言っていました。それだけ来るんだから、少しお金をもらったらどうだと言ったら、困っているときに助け合うのが私たち高校の教師です、そんなところでお金を取っちゃいけません、理事長といって怒られているんですけれども、そのぐらいオンラインのレベルというのは、教える側にすごく問題があるということ。
 それから、先ほど中曽根さんがおっしゃっていましたけれども、教育格差の問題があります。オンラインで教えていると、自分の個室がないので、トイレに入って、トイレからオンラインを受けているという子供たちがたくさんいるということを言っていました。そのぐらいの格差が生じてきているんですね。
 この問題は、オンライン化についての大きな課題と同時に、今、猫もしゃくしも全部オンラインに流れていますけれども、私はオンラインの限界というものがあるんじゃないかというふうに思います。幾らオンライン化しても、母親の役割はできません。母親はやはり子供をしっかり抱き留めてやる。また、優れた先生というのは、生徒をしっかり抱き留めてやる、受け止めてやるというのが優れた教師です。私は、そういう教育がおろそかになってはいけない、猫もしゃくしもオンラインということではないというふうに思います。
 最後に、この辺りについて、大臣。

#103
○萩生田国務大臣 先生、ありがとうございます。
 コロナの中でオンラインは有効なツールとして教育現場でも活用されていることは、これは大いに認めていかなきゃならないことだと思います。
 しかし、私、この間、国会でも様々議論したんですけれども、例えば公立の小学校、授業さえ、知識さえ積み上げればそれでいいわけじゃなくて、やはり集団で得意なことも苦手なこともお互いにやったり、そういう人にもまれて学び合いをしていくということも大事なことであって、やはり学校というのは対面がまず基本だと思います。これは大学も同じだと思います。
 したがって、オンラインのよさはこれから上手に使って、ツールとして使いこなしていくことが大事でありますから、先生御懸念のように、先生方、指導は大丈夫なのか、こういう心配があります。徹底して全国でいい授業を横展開しながら、先生たちの能力アップもしていきたいと思っています。
 私のところに、子供たちにタブレットが届きました、新学期が楽しみですという若い先生からのメールも来れば、定年まであと二年で何で大臣は余計なことをしてくれたんだ、こういう苦情も来ておりまして、どちらの意見も私はよく分かりますので、ここはしっかりサポートしていきたいと思います。
 いずれにしましても、オンラインが全てを代替するのではない、このことだけは間違うことのないように、しっかりツールとして使いこなしていくということに徹底して、対面の大切さというものもしっかり次世代にもバトンタッチしていきたいと思います。

#104
○荒井分科員 学校というのは、新しい知識を得、新しい友人を得、一生にわたる恩師を得る場です。本来、楽しいところなんです。本来、学校というのは、物すごいわくわくとするところなんです。そういう学校を是非文科省の皆さんにつくってもらいたいというふうに思います。
 ありがとうございました。

#105
○村井主査 これにて荒井聰君の質疑は終了いたしました。
 次に、青山雅幸君。

#106
○青山(雅)分科員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。
 本日は、貴重な質問の機会をありがとうございます。早速伺わせていただきます。
 今、日本の最大の課題である少子化、そして産業競争力の衰退、こういったものを、私は、切り返していく一つの最大の武器は教育だと思っております。少子化というのは必ずしも悪いことばかりではなくて、人が減れば、より丁寧な育成ができるということにつながるわけです。
 御承知のとおり、今回、三十五人学級というようなことが予定されているわけですけれども、私が子供の頃なんというのは大体五十人くらい各クラスにいて、四十五人学級、四十人学級を目指そうなんという話がされていました。それがいつの間にかどんどん実現していって、これはどちらかというと子供の数が減っていったというところも大きいのかなとは思っておりますけれども、今四十人学級、そして三十五人学級と。子供に対して丁寧な指導、あるいは育てることができるようになっているんだと思います。
 一方で、社会が、これは言うまでもないことですけれども、物すごく変わっている。スピードが速くなっている。技術もどんどん進歩している。今、先ほど話題になっておりましたオンライン教育もその一環かなと思いますけれども、そういった社会の進歩に対して、教育もどんどんどんどん変わっていかなければいけないんだと思っております。
 そういう観点からお伺いするんですけれども、まずは、学習指導要領が平成二十九、三十ということで改められまして、その中で、アクティブラーニングということが非常に大事にされているということでございます。
 アクティブラーニング、これは主体的、対話的な授業ということで、要は、自分の頭で物を考える子供を増やしていくと。大変重要なことだと思っておりますけれども、一方では、それは教師の指導法も大きく変わらなければいけないんだと思っております。
 そういった教員に、どうやってこのアクティブラーニングを実効性があるものにしていくのか、そういったことの研修とか、そういったカリキュラムとか、どういうふうになっているのかお知らせください。

#107
○義本政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、改訂されました学習指導要領におきましては、主体的、対話的学び、いわゆるアクティブラーニングの視点からの授業改善を通じまして、学校における教育活動の質の向上に取り組んでいくということになっているところでございます。
 このアクティブラーニングの視点から授業改善をするにおいては、教師一人一人が、校内研修あるいは校外研修などの様々な研修機会を通じまして能力を高めたりとか、あるいは、自主的な学習を積み重ねることによって授業観あるいは教育観自身を変革して力量を高めていくということが大事でございます。
 文科省におきましては、新指導要領の着実な実施に向けまして、その趣旨、内容につきまして学校ですとか教育委員会の関係者に周知をし、それに基づいて、各教育委員会あるいは学校においての研修を進めていただいているところでございます。
 さらに、それを国としても応援していく観点から、独立行政法人教職員支援機構におきましては、各地域において中心的な役割を担う校長、教頭を対象にしたアクティブラーニングを中心とした研修を実施するとか、あるいは、各地域において先進的な授業改善のアクティブラーニングの事例がございますので、その実践事例を収集して、これは二百を超える事例を集めておりますけれども、これを提供していくとか、さらには、オンラインの研修を今、力を入れておりまして、校内研修とか自己研さんに活用できるようなコンテンツを用意して、その動画を各学校あるいは教育委員会で活用いただくということをしているところでございます。
 今後とも、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実して、主体的、対話的で深い学びの実現に向けた授業改善につながっていくような、いわゆる令和の日本型学校教育の実現に向けまして、教師一人一人の力を高めていくような取組をしっかり取り組んでいきたいと存じます。

#108
○青山(雅)分科員 いろいろと気を配って計画はされていると思います。
 重ねて、同じようなことになりますけれども、要は、アクティブラーニング、自分の頭で考えていくような授業が増えることによって子供たちに自主性を持たせる、そういったことが目的だと思いますけれども、一方で、教える側がやはり自分の頭で考えられなければこれはどうしようもないわけですね。
 そういった意味で、これは二つ分けられると思います。ベテランの方は、やはり今までの、どちらかというと先生が主体となって教えていくような、そういう授業に慣れ親しんでしまっている。一方は、新人の先生は、今までのやり方と違うやり方になるものですから、先輩からやり方を教わることができない。そういう二つの問題が出るかなと思いますけれども、その辺については何かお考えはあるんでしょうか。

#109
○義本政府参考人 お答えいたします。
 学校現場の状況の変化や教育をめぐる環境の変化に対応して、教師が養成とか研修を通じまして生涯にわたって指導力を高めていく、いわゆる学び続ける教諭を養成していくということは非常に大事でございます。
 その観点から、各教育委員会等におきましては、校長とそれから教員の資質向上に関する指標というのを定めまして、これは法律で定めることにして枠組みを作ったわけでございますけれども、それに基づいて研修計画というのをしっかり立てていただきまして、教員のいわゆるライフステージに応じて、新人、あるいは中堅、あるいはベテランというふうな成長段階に応じた形の研修を体系的に実施しているところでございます。
 それから、特に新任の教員につきましては、教育委員会が実施いたします初任者研修等において、その実践力を高めていくというような取組をしておりますけれども、特に、今先生御指摘のようなアクティブラーニングの視点に立った授業改善につきましては、調査いたしますと、九〇%以上の自治体がそのテーマにおいて研修に取り組んでいるところでございます。
 さらには、先生になる前、すなわち養成段階においても大事でございますので、これは教職員免許法の省令を改正いたしまして、主体的、対話的で深い学びの視点からの授業改善を行うとか、あるいはカリキュラムマネジメントを行う、さらにはICTを用いた指導法などなどを必修化いたしまして、新しい教育課程での取組を令和元年度から始めたところでございます。
 文科省といたしましては、教職員の研修の効果的、体系的な計画立案に資するような通知を発出して取組を促すとともに、先ほど申し上げましたような独立行政法人教職員支援機構による研修とか、あるいはオンラインも含めた情報発信を通じまして、教職員の研修の更なる充実に取り組んでまいりたいと存じます。

#110
○青山(雅)分科員 今の時代は、昭和の時代と違って、一度、一生懸命勉強して基礎をつくれば、あとはそのままで惰性でいけるという時代ではなくなっております。その意味で、全ての人にとって、働く人にとって大変ではありますけれども、逆に言うと、人生から見ると面白いというふうにも捉えられるかと思います。
 是非継続的な、そして、これも子供たちに詰め込み教育をするなというのと同じで、先生にも詰め込んでもしようがないわけですから、今、いろいろな研修等においても、先生が自ら主体的に考えられるような研修を是非工夫していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 さて、そういった中で、ちょっと将来的な課題になるかもしれませんけれども、御承知のとおり、我が国の大学入試システムというのは、受験勉強という言葉に代表されるように、入試テスト、入学時のテスト、大学が主催するテスト、あるいは国が主催する共通テストのようなものが主流でございます。
 私は、アメリカの映画が大好きなものですから、しょっちゅう見ていると、よく町の高校にハーバードなりなんなりの試験官みたいなのがやってきて、子供たちに面接する、そして採用するというような、そういうシステムで、へえ、随分違うんだなとよく感心するわけです。
 逆に、子供たちも、先生とのつながりを大変に大切にしておりまして、なぜかというと、きちんとした推薦文を書いてもらえないと自分の志望する大学に入れないということもあるわけです。
 今のようなアクティブラーニングの考え方を進めていくと、必ずしも成績優秀者、入試テストばかりで選抜するという今の日本のやり方がいいのかなという感じがしてきます。
 ハーバード大学というのは私立大学ですので、大学自身がどういう学生を取るかというのは決められるわけですけれども、公立大学でも、アメリカではそういったシステムが取られているようですね。
 特にハーバードなんか面白いものですから、ちょっと御紹介しますと、ハーバード大学では、カリスマ性が高いだけの学生でも偉大なことを成し遂げるであろうと期待される学生を受け入れてきた、これらの学生の学業成績は最高水準というわけではありませんが、校内やコミュニティーによい影響を及ぼす触媒となる可能性がある。こんな物の見方までしているわけですね。
 当然ながら、入学試験みたいなのはやらない。ただ、その他の標準的な、高校時代に行われている、そういったものはもちろん参考にするようですけれども、それを点数化することはしない。試験官が、今言ったように、一人の人を見て、それをほかの試験官と共同で会議みたいなのを開いて決めていく。
 ペンシルベニア州立大学なんかも同じで、高校の成績が評価の三分の二を占め、試験での得点や他の要素は三分の一にすぎない、我々は、一日の試験よりも、学生が長い時間をかけて何を得たかに価値を置くと。
 私は、日本の入試というのも、全てをこういう形に改めるというところまで行かないとしても、やはり一定程度こうやって、飛び抜けた個を持っている、あるいは継続して努力してきた子をきちんと拾い上げていく、こういったことが必要なんじゃないかなと思っています。
 昔の明治の時代のなんかを見るとそうなんですね。よく本などを読みますと、非常に貧しい子だけれども、この子はすごく優秀だからと思って、その学校の先生が自分の家に招いて、下宿させて、高校、大学、費用まで出してくれるなんという逸話がよくありますけれども。
 そういうような、やはり、ふだんから見てきた先生の、その目を確かに信頼して選抜していくというようなものも取り入れていく方向というのは、やはりこのアクティブラーニングという考え方に沿っているのではないかと思うんですけれども、そういった入試改革について大臣の御意見をお伺いしたいと思います。

#111
○萩生田国務大臣 大学入学者選抜改革につきましては、大学教育において高校までに培った力を更に向上、発展させるため、高校までに育成した学力の三要素、思考力、判断力、表現力を多面的、総合的に評価するものへと転換を図っているところです。
 我が国の国公立大学においても、募集人員の全体の約二二%が学力検査以外の要素を重視する総合型選抜や学校推薦型選抜で占めており、例えば、東北大学、先生の母校ですけれども、募集人員の全体のうち、総合型選抜が約二八%を占めています。また、国立大学全体としても、令和三年度までに総合型選抜や学校推薦型選抜による入学者を三〇%とすることを目指して改革が進められているところでございます。
 今、たまたまアメリカの大学の例を示していただきましたけれども、日本も同じに、アドミッションポリシーというのが各大学に与えられていて、自分たちの学校がどういう学生を取りたいのかということを決めていいことになっているんですけれども、何となく、一点刻みで点数によって選抜がされてきたというのが日本の大学のまさに入試制度だったと思います。
 しかし、それだけではなくて、高校時代にどんなことに取り組んだのか、スポーツや文化なども評価をしたり、あるいは、様々な自分自身の主体的なアピールなども聞いてさしあげて、一人一人しっかり見ていただいて学校に取っていただくということがすごく大事なんですけれども、日本の場合は、いわゆる受験シーズンというものが限られていて、その一校だけだったら丁寧な対応もできるけれども、複数の学校を受けなきゃならないなんという環境を考えますと、極めて機械的に点数でということが否めない現実として横たわっていることはございます。
 したがって、今、私の下に置かれている大学入試のあり方に関する検討会議において、学部の求める人材の特性に応じた総合型、学校推薦型選抜の推進などについても議論をさせていただいておりまして、こうした会議の検討結果も踏まえて、更なる大学入学者の選抜改革というのを進めてまいりたいと思います。
 最後に、アメリカの大学は確かにそうやって入りやすいんですけれども、これはしっかり勉強しないと出られないという、こういう出口が厳しくなっていて、日本は入口が高くなっているという、この違いもあるのかもしれません。

#112
○青山(雅)分科員 国立大学の中では様々な先進的取組をしております我が母校、東北大学を御紹介いただきました。ありがとうございます。
 やはり、突破力のある人材というのがこれから必要だと思うんですね。そういう突破力のある人材が、見ていると、例えば、アマゾンをつくり、アップルをつくり、マイクロソフトをつくっている。我々も、そういう突破力がある人材をつくっていくためのシステムの改善の努力が必要だと思っておりますので、是非その辺、よろしくお願いいたします。
 続きまして、クリティカルシンキングに関する教育。耳慣れない言葉ではございますけれども、批判的思考力ということをクリティカルシンキングと言うようですけれども、最近の政治を見ると、日米を問わず、不確かな情報やフェイクニュース、これがもう物すごくあふれている。特に今回のアメリカの大統領選では、もうそんなことを信じるのかと思うようなフェイクニュース、CIAがアメリカの軍と戦って何か情報を得たとか、あるいは投票の集計機に不正があるとか、それを、例えば私の高校の同級生の立派な大学を出ているような人間までうのみにしてSNSに流したり、そういうような状況なわけですね。これは非常にまずいんだと思っています。
 なぜまずいかというと、例えば、私はGoToキャンペーンは実はすごく評価しておりまして、これによって、本当に大変なダメージを受けた産業が一旦息を吹き返したわけですね。ところが、これに対する批判というのが、特段の根拠が、エビデンスが添えられずに何となくイメージだけでされている。こういうふうなことが起きると、私は、国の政策が誤ってしまうのではないかという危惧をしております。
 証拠とか論理に基づいて物事を考えていく。そして、例えば、マスコミが言ったんだからそれが本当に大事なのかということについては、きちんと考えていくということが私は必要だと思っています。
 二〇一八年のPISAの学習到達度調査では、日本は、数学あるいは科学リテラシーに比べて読解力が如実に劣っている、特に、情報を探し出し、評価し、熟考するの項目の得点が低いと。これは大変ゆゆしき事態だと思います。今のネット環境等を考えると、上手にフェイクを流した人間が世の中を支配していくなんてことも考えられなくはないわけです。
 新しい学習指導要領では、クリティカルシンキングを伸ばすようなカリキュラムが盛り込まれているのか、盛り込まれている場合には、どういった形で、どういった教材を用いて行っているのかについてまずお伺いしたいと思います。

#113
○串田政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のいわゆるクリティカルシンキングでございますけれども、学習指導要領の改訂について取りまとめました平成二十八年十二月の中央教育審議会答申におきまして、急速に情報化が進展する社会の中で、物事を多面的、多角的に吟味し見定めていく力、いわゆるクリティカルシンキングなどを各学校段階を通じて体系的に育んでいく、そういったことの重要性が高まっていると指摘されております。
 また、このいわゆるクリティカルシンキングにつきまして、二〇一八年の、御指摘ありましたPISAの調査におきまして、情報を探し出す、理解する、評価し、熟考するの三つの能力に整理し測定される読解力と通じるものがあると考えているところでございます。
 こうした能力につきましては、新学習指導要領におきまして、小中高等学校の発達段階に応じ、言語能力や情報活用能力等を学習の基盤となる資質、能力として育成することとしております。
 具体的には、国語科におきまして、本や新聞、インターネットなどから集めた情報を活用する活動や、実用的な文章を読み、実生活への生かし方を考える活動を示し、また公民科におきましては、現実社会の諸課題に関わる諸資料から、自立した主体として活動するために必要な情報を適切かつ効果的に収集し、読み取り、まとめる技能を身につけることといったことが盛り込まれたところでございます。
 新しい学習指導要領につきましては、小学校におきまして令和二年度から、中学校におきましては令和三年度から、高等学校におきましては学年進行で令和四年度から全面実施されるという状況でございまして、こういった新指導要領の着実な実施を通じまして、児童生徒の資質、能力の育成を図ってまいりたいと思います。

#114
○青山(雅)分科員 今お話しいただいたところをもう一つやはり掘り下げた学習といいますか、それが必要だと思うんですね。
 要は、批判的思考能力といいますか、例えば、偉い先生が、ある分野の権威が言っているからそれが正しいんだというふうに思い込みがちなんですね。しかしながら、例えば、私、医療に非常に関心があってよく調べるわけですけれども、大体十年に一遍ぐらい常識というのはがらっと変わっているわけですね。かっけとか水俣病とか、それまで学会の主流派が言っていた原因というのは実は全然違っていたなんということはしょっちゅうあるわけです。つまり、権威が言っているからでは、全然、それをうのみにすると大きく間違うことがある。
 それから、もう一つ大事なことが、最近、やれる人はやっているんですけれども、元のソースに当たるということをしないんですね。
 よくツイッターでもフェイスブックでも、どこかから貼ってきた画像をそのままうのみにして、それが自分の根拠だという。元のソースに当たるということをしていない。だから、誤った情報をうのみにしてしまうわけですね。政治家の中にもいます。何々省に聞いたらこう答えたから、だから自分の言っていることは正しいんだなんということを言っていて、それをそのままうのみにされている一般の方もまたおられる。そういった批判的思考能力だとか元ソースに当たるとか、そういったことをやはりきちんとやっていただかなければいけないと思っています。
 是非その点についてまで検討していただきたいと思いますし、そういったことについての、教員もやはりそういったことを分かっていなきゃいけない。先生に対してはどのような指導を行われているんでしょうか。

#115
○義本政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、しっかり根拠に基づいて正しい判断をしていくためのいろいろな取組ということについて、それぞれの授業の中において実践していくということが大事でございます。
 その観点から、教員研修についても、クリティカルシンキングに焦点を当てた取組を各教育委員会、学校でもやっておりますけれども、国としてもそれをしっかり後押ししていくという観点から、先ほど来述べておりますけれども、独立行政法人教職員支援機構におきましても、批判的思考力の観点を踏まえた授業改善の実践例の提供を行うとか、学習の基盤となる情報活用能力の育成に関する研修、あるいはオンライン研修などを実施するということをしているところでございます。
 こういう取組を更に充実させていって、各現場での取組自身、あるいは教員の研修に生かしていくように、文科省としても努力してまいりたいと存じます。

#116
○青山(雅)分科員 ありがとうございます。
 北欧の例を挙げさせていただきます。大体、この手の話は北欧が世界でも非常に進んでいる。スウェーデンの方の例でございます。
 このクリティカルシンキング、ファクトチェックというような言い方もされる場合もありますけれども、スウェーデンだと、これは小学校の低学年からもう教えられている。自分が聞いた情報が本当に正しいか、情報源が信頼できるものか確認するということがもう小学生のうちから身についているようです。特にインターネット上に拡散されているデマというのは、先ほども言ったように、本当に多様で、いっぱいあるわけです。これからもこの傾向は続くと思います。ですから、子供の頃からそういったことはもう教えていかなければいけない。
 それからさらに、高校レベルになると一段上がって、私は今でも、それこそ東北大学のときに法学部の教授のおっしゃられた言葉がもう本当にしみついていて、それを実践しているわけですけれども、孫引きは絶対にするな、原典に当たれと。ところが、これを怠っている方が物すごい多いわけですね。だから、ちゃんと一次情報に当たる、一次情報を調べるということが大変大切なんだと思います。
 こういった教育を是非取り入れていくべきではないかと思うんですけれども、この点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

#117
○萩生田国務大臣 クリティカルシンキングの概念というのは、これから情報のあふれる社会に子供たちが生き抜いていくためには極めて重要だと思います。永田町でも、ある筋からとかいって大騒ぎする政治家が結構いますけれども、よく事実関係を確認しないということで更なる混乱を招くこともありますし。
 あえてこの委員会で森前会長の例を出すのはどうかなと思うんですけれども、確かにあの発言の内容は、私はけしからぬ、時代に合っていないものなんですけれども、なぜ、どこでその発言をしたかを突き詰めていくと、実は申し訳ないなと思うことがありまして、あの中にも出てきましたけれども、あれはJOCの評議員会なんですね。今、私ども、JOCの配下のスポーツ団体に女性の理事を増やせということを明確にうるさく言っていまして、それのある意味応援の意味を含めて、女性理事を増やす必要性について応援演説してくれた例えが悪かったんだと思います。
 したがって、町の中であの発言をどう思いますかというと、テレビのワイドショーはもうスクランブルをかけたように全ての人たちがけしからぬと言うんですけれども、実はどういう発言をしたかを存じ上げない方までそういう洗脳をされてしまうというところも中にはあったのではないかなというふうに私は思っておりまして、そういった、きちんと情報ソースにタッチをしていくということの大切さを子供のうちから学んでいくということは、私は必要なのではないかというふうに思います。
 言語能力や情報活用能力などを学習の基盤となる資質、能力として育成をしていくことが新学習指導要領の中でも求められておりますが、中教審の一月の答申において、「判断の根拠や理由を明確にしながら自分の考えを述べる力を身に付けさせることも必要だが、そのためには、レポートや論文等の形式で課題を分析し、論理立てて主張をまとめることも重要である。」ということが指摘をされております。
 新学習指導要領において、例えば、国語では、情報の妥当性や信頼性の吟味の仕方について理解を深め使うこと、総合的な探究の時間では、探究の過程において、言語により分析し、まとめたり表現したりするなどの学習活動が行われるよう配慮することなど、各教科を通じて育成を図っているところです。
 また、高等教育においては、各大学の新入生を対象とする初年次教育等において、引用の仕方などを含むレポート、論文の書き方や、論理的な思考や問題発見、解決能力の向上などの取組が進められているところです。
 文科省としては、児童生徒や学生が豊かな人生を切り開き、持続可能な社会のつくり手となることができるよう、必要な資質、能力の育成に向けた教育の充実に努めてまいりたいと思います。

#118
○青山(雅)分科員 今、大臣が例に出されたようなものも含めて、やはりきちんとしたソース、あるいはどういう背景があるのかということを見詰めていくというのは、全ての人にとって正しい判断を行うためには重要なことだと思いますので、是非お願いいたします。
 つけ加えますと、私も、地元の弁護士会の役員をやっていた当時に、理事、そういった公的な職の方を送り出すときに、やはりうるさくそういった要望が、うるさくと言うと、失礼しました、行政庁の側からはそういう注文がやはり非常に多いわけですね。それに応える側が非常に大変であって、恐らくあの発言にはそういった背景もあったんだろうなということを思っておりましたけれども、やはりそういったところもあったんだろうなと。
 ただし、今の日本のこの状況では、そういった背景であるとか真実であるとかというのは全部無視されてしまう。私は、それはすごく残念なことだと思いますので、是非、教育から変えていくしかないと思いますので、よろしくお取組の方をお願いいたします。
 それから、ちょっと時間がなくなってまいりましたので飛ばしまして、トップ人材の育成についてお伺いしたいと思います。
 非常に残念ながら、我が国はこのところGAFAのような世界のトップ企業が全く出てきていない。あるのは旧来から頑張っているトヨタであるとかソニーであるとか、一部の生き残りのような世界的大企業だけになっております。ここを突破するには、やはりトップ人材を育成して、非常に個性のある方が一から立ち上げたような企業が世界に乗り出していくというような状況が必要かと思います。
 その点で、やはり世界の産業競争に伍していくためには、トップ人材育成の一層の充実を図らなければ世界に後れを取ってしまうということがあると思います。この点について大臣の見解をお伺いしたいと思います。

#119
○萩生田国務大臣 人工知能やビッグデータなどの先端技術が高度化し、あらゆる産業や社会生活に取り入れられたソサエティー五・〇時代が到来しつつある中で、社会の在り方そのものがこれまでとは劇的に変わる状況が生じつつあります。
 このような時代においては、高度な専門知識を柔軟に生かし、多様な課題の解決に向けて創造的にアプローチしていくことで、社会の変化、産業構造の変化に対応し、付加価値を生み出すことができるトップ人材の育成が求められております。
 こうした認識の下、文科省としては、今後とも、初等中等教育段階である小学校から高等教育段階である博士課程に至るまで、その教育段階の特性を踏まえつつ、ソサエティー五・〇時代に活躍できるトップ人材の育成につながる取組を進めてまいりたいと思います。

#120
○青山(雅)分科員 日本においては、どちらかというと、底上げ、つまり平均的なレベルを上げるというところに非常に注力を注がれております。それ自体は悪いことではないんですけれども、やはり一方では、トップ人材はトップとして育成していくという視点がないと、世界には後れを取ってしまうと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
 最後に、育成だけではなくて、アメリカや中国がまさに実践しているように、海外からトップ人材を日本に招いて、日本で研究、起業してもらうというような取組、これはすごく必要だと思っております。
 ところが、日本の大学では、恐らくこの点が大きく後れを取っているんだと思います。この点について是非改善していただきたいと思うんですけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

#121
○萩生田国務大臣 スーパーグローバル大学の創成支援事業、SGUといいますけれども、あるいは世界トップレベル研究拠点プログラム、WPIなどによって、外国人の教員や研究者に活躍をしていただくことは既に始まっております。それから、次世代アントレプレナー育成事業による起業家の育成も図っているところでありまして、先生がおっしゃっているほど閉鎖的ではないと私ども思っておりますが、より広く門戸を広げて、国際的に通用性のある教育研究体制をつくり上げて、我が国の国際的な頭脳循環を強化をし、国際競争力を高めていけるように努力をしていきたいなと思っています。

#122
○青山(雅)分科員 日本が世界三位のGDP大国であるうちに世界から優秀な人をどんどん招いていくという発想がないと、恐らく日本は今後どんどん坂道を落ちるように転げ落ちてしまうと思って、そこを危惧しております。是非、積極的なお取組をお願いしたいと思います。
 今日は真摯な御答弁ありがとうございました。

#123
○村井主査 これにて青山雅幸君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から本分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議

#124
○村井主査 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。高木啓君。

#125
○高木(啓)分科員 自由民主党、東京比例代表選出の高木啓でございます。
 本日は、質問させていただく時間をいただきまして、誠にありがとうございます。
 早速、文部科学関係の質疑に入りたいと思います。
 最初に、高輪ゲートウェイ駅周辺の鉄道遺構について質問をさせていただきたいと思います。
 高輪ゲートウェイ駅周辺で、先般、大変貴重な鉄道の遺構が発掘をされました。日本初の鉄道が新橋から横浜まで開通をした、そのことの遺構でありまして、いわゆる高輪築堤、こう言われておりますが、このことは大変大きなニュースにもなりましたし、また、萩生田大臣におかれては、先日、現地を御視察されたと聞いているわけであります。
 この一帯の高輪築堤については、これはJRのいわゆる国家戦略特区の開発によって発見をされたということであるわけでありますが、国家戦略特区の認定、あるいはJRの今までの歴史、そうしたことを考えましても、国民的な価値あるいは国家的な価値のある遺構であるというふうに思うわけでありまして、開発は開発として当然これからも進めることになると思うんですが、しかし一方では、この大変貴重な鉄道遺構について、やはり保存を求めるということも大事な考え方であるというふうに思うわけであります。
 そこで、この貴重な文化財の保存について、大臣の思いも含めて、是非御所見をお伺いしたいと思います。

#126
○萩生田国務大臣 高輪ゲートウェイ駅前の再開発におきまして、明治の鉄道創業期の重要な遺構が発見されたことを受け、二月十六日に、文化財保護を担当する大臣として、現状を把握するため、私も現地を視察いたしました。
 明治五年、イギリス人技師エドモンド・モレルの指導の下、工部省が新橋と横浜間の鉄道を敷設しておりまして、当時の様子は錦絵にも描かれております。その錦絵に描かれているような橋梁が良好な状態で残っている状況を見て、明治日本の近代化を体感できる、かけがえのない、すばらしい文化遺産であると感じました。
 錦絵を見てもらうと分かるんですけれども、汽車が海の上を走っているんですね。それはなぜかというと、明治当初、軍備の強化を訴える西郷隆盛さんと、それから、これからの近代化には鉄道が必要だという大隈重信さんや伊藤博文さん、こういう人たちの、言うなら対立、意見の対立の中で、最終的には鉄道の必要性も認めたんですけれども、しかし、当時、先生も御承知のように、あの品川一帯というのは薩摩藩の土地や軍部の土地がほとんどだったので、鉄道を敷くのはいいけれども、薩摩の土地は通さない、軍部の土地は通さないという、この対立の中で、やむを得ず海の中に堤を造ってそこに鉄道を走らせたということでも、歴史的にも極めて価値のあるものではないかなと思います。
 ちなみに、この工部省という日本の古い役所が、この鉄道敷設をきっかけに、やはり技術者を養成しなきゃいけない、そのためには工部大学校という学校をつくろうということで、国の責任において造られた学校が、実は今私どもが働いている文部科学省が建っている土地にあった学校でございまして、そういう歴史的なつながりも感じた次第でございます。日本の工学のまさに発祥がこの鉄道にあったんだと思います。
 遺構の保存方策については、現在、JR東日本の有識者会議の検討や、JR東日本と港区との協議が行われていると聞いております。関係者においては、有識者の意見も踏まえながら丁寧に議論いただき、開発と保存を両立させながら、貴重な文化遺産を現地で保存、公開できるよう検討いただきたいと考えており、その旨を視察のときにお伝えをしたところです。
 いみじくも今先生おっしゃっていただいたように、東京のまちづくり、開発を考えたときに、遺構や遺跡が出てくるたびに開発を止めていたのでは世界と太刀打ちできなくなってしまいますから、ある程度、過去に調査をしたものと類似のものなどが出てきたときには、一定の調査をして埋め戻して工事を進めるというのも、東京としては特別な事情として、今まで我々やってきました。先生も私も都議会の出身ですから、よく分かっています。
 また、この高輪のゲートウェイの開発が、まさに国家戦略特区、これからの世界都市東京を考える上で、オリンピックの後、大きなまちづくりの拠点であることも否めません。
 したがって、開発がいいか保存がいいかという二項対立じゃなくて、私は是非これを両方とも確立をしていただきたいなと思っております。
 先生も御指摘いただいたように、この土地は、JR東日本が民間の人から買い取った土地で開発をしたらこういう遺構が出てきたというのなら戸惑いも分かるんですけれども、元々国鉄の土地です。もっと言えば、国民共有の財産だったわけです。国民共有のまさに財産から出てきたかけがえのない遺構、ほかにないわけですから、これは何とか、私、保存を前提にJRにも考えていただきたいな、こう思っているところでございます。
 ちなみに、二〇〇〇年当初に文部科学省の庁舎の建て直しをしたときに、発掘調査において、当時、江戸城の外壁の石垣が発見されました。虎ノ門という地名がついていますので、まさしくその虎ノ門の周辺の遺構が出てきたわけですけれども、この遺構が見つかった際にも、この遺構を現地で保存して、一部を一般の方々に今公開しています。実は、虎ノ門の駅を文科省の方に上がってきていただくと、ずっと石垣がガラス張りに見られるようになっていまして、こういった保存の仕方も一つ考えられるんじゃないかと思います。
 高輪築堤の保存に関する今後の方策について、関係者でよく知恵を出し合っていただいて、当日、ちょっとびっくりしたのは、社長さんから、簡単に言うと、切り取って移設をして保存すると言われたんですけれども、切り取った瞬間に文化的な価値はゼロです。
 ですから、私は、現地で保存をかけながら開発の知恵を絞っていただく、日本の設計技術、建築技術をもってすれば、この遺構を国民の皆さんに見ていただくことを、ちゃんと保存をしながら新しい時代にふさわしい開発も私は十分できると思いますので、是非そのことを改めて求めてまいりたいと思いますし、もう一度申し上げますけれども、この土地は元々国鉄の土地です。国民共有の財産から出土をされたかけがえのない遺構でありますので、その価値、文化庁も専門的な見地からしっかり助言をしながら様々な応援をしてまいりたい、こう思っております。

#127
○高木(啓)分科員 萩生田大臣の考え方に私はもう一二〇%賛成でございまして、まさにこの場所で、この日本最初の鉄道の遺構を残していく。我が国は、やはり伝統と革新の融合とよく言われますが、このことを実現できる国というのはそんなにたくさんないんだと思います。
 その意味では、まさに、先進的なビルや、あるいは再開発が行われているところに、我が国の近代の鉄道の発祥の高輪築堤というものが発見をされた。これが一緒になってそこに共存をしているというこの姿は、想像するだけでやはりわくわくするし、非常にいい開発に、私は、更にその開発の価値が逆に言うと上がるのではないかというふうに思いますので、是非その方向で、保存そして開発の両立を図るべく、大臣の御指導をいただきたいと思っています。
 ちなみに、モレルが来日してからここができるまで約二年ちょっとでできておりまして、すばらしい技術が、ここから日本の鉄道というのは発祥をした。さらに、大臣御指摘になったように、工学のまさに発祥の地なんですね。ですから、鉄道の発着点であって発祥の地であったと同時に、我が国の技術の出発点だった。このことはやはり忘れてはいけないと思いますので、是非そういう方向でこの遺構を残していただきたいとお願いを申し上げたいと思います。
 大臣、お忙しいでしょうから、どうぞ御退席いただいて結構でございます。
 続きまして、文化庁にお伺いするんですが、文化芸術による子供育成総合事業についてお伺いしたいと思います。
 先日、私、本事業を直接視察をさせていただきました。何を見たかといいますと、私の住んでおります東京都北区の隣の荒川区の尾久小学校で行われましたバレエの巡回公演を拝見させていただいたわけであります。谷桃子バレエ団がこれを主催してやられたわけであります。
 この学校、また、御覧になっていた児童生徒は、本当に食い入るように見ていて、大変喜んでいらっしゃいました。
 それは、この谷桃子バレエ団自体が一流のバレエ団であって、ちなみに、平成二十二年度の第六十五回文化庁芸術祭の舞踊部門で、このバレエ団は大賞を実は受賞している。いわゆる世界的にも大変著名なバレエ団であり、また日本でも有数の一流のバレエ団であるという、そのバレエ団が学校に来て、そして学校の子供たちにその舞台装置も含めて見せていただける。この事業は本当に私はすばらしいなということを実感したわけであります。
 まず、本事業の意義についてお伺いしたいと思います。

#128
○矢野政府参考人 本事業に対して大変御評価いただきまして、誠にありがとうございます。
 先ほど委員が御指摘になったとおり、まさにこの事業は、一流の文化芸術団体による公演や芸術家等によるワークショップなどを実施することにより、子供たちの豊かな創造力、想像力や、思考力、コミュニケーション能力などを養うとともに、将来の芸術家や観客層を育成し、優れた文化芸術の創造につなげる、こういったことを目的にしているわけでございますが、実施校の先生方からは、本物の芸術に触れる機会を提供してもらえるのは大変すばらしい、生徒の文化芸術に対する関心を高めることができた、そういったような非常に高い評価を頂戴しているとともに、実施報告書において、約九割の学校が、豊かな心や感性、創造を育むことができたなどと回答いただいているところでございます。
 このように学校からも高い評価を頂戴しており、子供たちが質の高い文化芸術に触れる機会を確保していくために、この事業の取組は非常に重要であるというふうに考えているところでございます。

#129
○高木(啓)分科員 まさにそのとおりだと思っておりまして、コロナの時代だからこそというのもきっとあるんでしょうから、なかなか大きな声を出せない、あるいは思い切って運動ができないというようなこの時代に、心を養っていただく文化事業というのはそういう意味でも大事だと思いますので、是非大切にしていただきたいと思うんですね。
 私は、今年、コロナ感染症でイベントができなかったという事例を幾つか聞いております。そこで伺うんですが、このできなかった事業、せっかく予算も組んでいただいて、来年度あるいは再来年度というこれから先のこともありますから、今年できなかった分は是非予算を繰り越していただくなり、あるいはまた、来年度、予算を増額していただいて、この事業は本当にいい事業なので、是非、コロナだからといって少なくなってしまうんじゃなくて、同じようにやはりやっていただけないでしょうかということをお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

#130
○矢野政府参考人 ありがとうございます。
 今般の新型コロナウイルス感染症拡大防止による緊急事態宣言の発令等によりまして、文化芸術の鑑賞、体験教室の実施が難しい学校等への対応といたしまして、実は、第三次補正予算におきまして二十三億円ほど、来年度実施できるよう、予算の繰越しを行うということとしております。
 実は、本予算事業につきましては、確かにできなかったものもあるんですが、今まで一回で済むところを、子供の人数を絞って実施した関係で二回、三回しないといけない、こういうことで、本年度予算自身は実はほぼ全て使い切っているということがございますので、補正予算をしっかり活用していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

#131
○高木(啓)分科員 是非、来年度、三次補正を活用した上で、来年度予算も含めて、ですから、そういう意味では、並行してというかダブルでやっていただけるんでしょうから、期待していますので、是非お願いしたいと思います。
 この事業は、文化芸術団体あるいは芸術家個人の方々にとっても、やはり国が表現の場を予算とともに確保していくという側面が一つあって、さらに、先ほど言った、子供たちに対する心の素養を育てていく、この二つの意味で、私は有効な事業だというふうに思っています。
 しかし一方で、学校サイドに直接伺ってみますと、なかなかこの事業というのは、知名度という意味で、まだまだ行き渡っていないなという部分もありますし、どうやって申し込んだらいいんだろうという、多少何か敷居の高い部分もあるのかもしれませんので、この宣伝も含めて、自治体とよく連携をしていただいた上で、更に私は充実をすべきだというふうに思っています。
 特に、今、コロナ感染症でコンサートやあるいはこうしたイベントというのは人数も絞られていたり、あるいは実際そのイベント自体がもうできなくなっているということがありますから、このときにやはり国で場所を確保する、表現の場所を確保していただく、これは、やはり芸術家の皆さんに直接お金を支援するとかということ以上に意味があるというふうに思っているんです。だからこそ、もっと拡大をしていただけないでしょうかというふうに思うので、是非その点は、もう一度御見解をいただきたいと思います。

#132
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員が御指摘になったとおり、子供たちが質の高い文化芸術に触れるということとともに、やはり芸術家たちの実演の機会を確保していくというのは非常に重要なことであるというふうに考えております。
 今、周知が足りないんじゃないかということでございますが、今回初めて、実は二月十七日に、「子供たちの文化芸術鑑賞・体験機会の拡充について」ということで、初等中等教育局とともに、都道府県や教育委員会に対して通知を行ったところでございまして、自治体等に対して、本事業の周知、実施協力等をより積極的に呼びかけ、また、子供たちが質の高い文化芸術に触れる機会に、今後一層充実に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

#133
○高木(啓)分科員 本物に触れるということは本当に大事なことだと思うんですね。
 たまたま、実は、この間私が視察をした学校では、谷桃子バレエ団の一員の方が、その学校の出身者がいたんですよ。ですから、子供たちとの交流も含めて、とてもいい事業ができたのではないかなというふうに思いました。
 是非、これからも自治体と協力をしてこの事業を伸ばしていっていただきたいし、子供たちの人生がもしかしたら変わるかもしれないですよね。そこで何か心の琴線に触れることがあって、私もこうなりたいということを思っていただくとすれば、とても私は意味のある事業だと思いますので、是非これからも頑張っていただきたいと思いますし、私たちも応援をさせていただきたいと思います。
 続きまして、これは農水省の事業でありますが、学校給食提供推進事業のことについてお伺いをしたいと思います。
 これも先日、実は私、地元の小学校を視察させていただきまして、当日、農水省のこの事業を利用して、給食で子供たちに国産のウナギが提供されておりました。私たちの時代とは随分変わったなというふうにも思いまして、隔世の感があったんですが、子供たちが、先ほどのバレエ公演ではありませんけれども、やはり本物に触れるということ、それから本物のおいしいものを食べるということ、これは本当に大事なことだなと思いまして、子供たちに後ほどいろいろと意見も聞いてみたんですが、評価が極めて高くて、とてもおいしかったということを口々に子供たちは言っていたわけであります。ですから、食育の観点からも本事業の重要性というのは認識をさせていただいたんですが、これ、今後も積極的に食材提供を私はしていくべきだというふうに思います。
 さらに、農水省、学校だけじゃなくて子供食堂も食材の提供をして支援をしているということもありますので、この二つの、学校給食あるいは子供食堂、これからも是非推進をしていただきたいと思います。
 今の現状、食材の関係を言うと、やはり、飲食店あるいはホテルなどはお客さんが減って宴会も減ってというようなことで、食材の需給関係というんですか、それが昨年来非常に崩れているというふうに思っています。
 特に一次産品については、中でも栽培とか育成をしているものというのは、需給のバランスが急激に変化をしたときに対応が難しいと思います。一時的にその需要が少なくなったからといって、じゃ、今年はこの作物は作らなくていいやとか、あるいは牛は育てなければいいやというような話にはこれはならないわけですよね。ですから、そうした意味でも、学校給食あるいは子供食堂に食材を提供する事業というのは生産者にとっても有意義だと思いますし、生産者の声を聞きながら、あるいは生産者の支援という意味の側面も踏まえて、これからも一層この事業を充実すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

#134
○青山政府参考人 先生、事業の状況を御視察いただきまして、ありがとうございます。
 農林水産省では、新型コロナウイルスの影響により、全国規模で在庫の滞留、価格の低下等が生じた和牛肉、高級果実、水産物などを対象に、一次補正予算で、学校給食、子供食堂等に提供する食材の費用等を支援してきたところでございます。
 新型コロナウイルスの拡大により、外食需要が更に減少することが懸念されたことから、第三次補正予算においても、国産農林水産物等販路多様化緊急対策事業を措置し、影響を受けた国産農林水産物を活用して学校給食、子供食堂等に食材を提供する場合に、第一次補正予算と同等の支援を実施することとしております。
 この事業におきましては、学校給食、子供食堂への食材提供に当たり、食育活動を行うことを要件としてお願いしておりまして、農林水産物やその生産活動への理解の増進に努めることとしております。
 本事業を広く御活用いただけるよう、関係者の皆様にしっかりと周知を図ってまいりたいと考えております。

#135
○高木(啓)分科員 ありがとうございます。
 これからも是非お願いしたいと思うんですが、学校からのちょっと意見を披瀝させていただくと、申し込んでもなかなか当たらないというようなお話もありまして、もちろん、食材の提供というのは数に限りがあるんでしょうし、量もそれはあるんでしょうけれども、できるだけ多くの学校に行き渡るようにしていただきたいと思います。
 私の地元の学校は自校調理方式で給食を提供していますので、給食調理員の皆さんと、あるいは栄養士の先生と、あるいは学校の先生、子供たち、そこが非常にうまく連携をしていて、コミュニケーションも非常にうまくいっています。だからこそ、それぞれの食材のときにいろいろなお話が出てくるわけですね。今日はこういう苦労があったとか、これはこういうものなんだとかというもののコミュニケーションが非常にうまく取れている。
 栄養士さんも非常に頑張っていただいて、例えば、私が行ったときのウナギであれば、ひつまぶしを出していただいたんですけれども、ひつまぶしというのはどういうお料理なのか、食材はこういうことで、こういうふうにして食べるんですよというようなことを全部一枚のペーパーにして、絵にしていただいて、子供たちにそれを見せている。
 こういうのはやはり本当に食育としてはすばらしい事業だと思いますので、是非とも、これからも充実をして続けていただきたいし、できるだけ多くの学校にこの事業に参加をしていただけるような体制を是非取っていただきたい、このように思います。
 続きまして、教科書の諸課題についてお伺いしたいと思います。
 GIGAスクール構想を進めていく上で、デジタル教科書及びデジタル教材というのは、私は、これは自然に、自動的にと言ったらいいんでしょうか、普及率は高まるんだろうというふうに思っています。今、タブレットも一人一台で、大体、地域によって違うのかもしれませんが、自宅にも持って帰ってもいいですよというような形にもなってきているわけであります。
 この状況で、今までの考え方がだんだんそぐわなくなってきているものもきっとあるんだろうと思っていまして、特に私は、デジタル教科書あるいはデジタル教材というのは、デジタル化をされていく中で、教科書には検定制度があるんだけれども、今の教材は、紙の教材、今これは何の規制も実はないわけでして、だからこそ、デジタルも実は何の規制もかからないということになっているわけであります。ですから、学校の裁量で自由に教材というのは使うことができるということになっています。
 しかしながら、デジタル教科書とデジタル教材の組合せになったときに、紙の教材よりもはるかに多様なものが私は出てくるんだろうと思っておりまして、デジタル教材にも一定のルールというものが必要なんじゃないかなというふうに私は思っています。
 今日は、資料としても配りましたが、特に新聞を教材とするいわゆるNIE、ニュースペーパー・イン・エデュケーション、これはいつの頃からか進んできているわけでありますけれども、私は前から気になっていたんですが、今日のお配りした教材は、非常に政治的な意図を感じるものがあるわけです。
 こういうのを私はやはり野放しにしてはいけないんじゃないかというふうに思っているんですが、このままでいいんでしょうかということを率直に問いたいと思います。見解をお伺いしたいと思います。

#136
○串田政府参考人 お答えいたします。
 教科書につきましては、主たる教材として使用義務が課され、また、内容については教科書検定といったものが行われているわけでございますが、その一方、教科書以外の補助教材につきましては、有益適切なものである限り、校長や設置者の責任と判断で使用できるということになっております。その内容や取扱いにつきましては、平成二十七年に文部科学省の初等中等教育局長通知が発出されておりまして、教育基本法や学習指導要領等の趣旨に従っていること、児童生徒の発達の段階に応じたものであること、それから、特定の見方や考え方に偏った取扱いとならないようにするといったことなどに十分留意するものということを示しております。
 デジタル教材や新聞を含め、教材の使用につきましては、こうした点に十分留意しながら設置者や学校において適切に対応していただきたいと考えているところでございます。

#137
○高木(啓)分科員 十分留意をしてというふうに言っていらっしゃると思うんだけれども、大臣がお帰りになられたので、せっかくですからちょっと御披瀝しますが、今日お配りした資料で、小学校高学年以上の国語科で使われた教材があります。これは、新聞社の名前はここに書いてありますが、国語科の教材で、「PKO新任務「戦闘」懸念」というこの新聞記事が配られるわけです。
 ここに書いてあるように、これは問い一と書いてあって、こういう勉強をしてくださいというのが例示的に書かれているんだけれども、「この記事の見出しに使われている漢字から三文字熟語を書き出しましょう。」こう書いてある。では、見出しの中から三文字熟語は何があるのかというと、答え合わせのペーパーがありまして、答えの中に、これは答えを見てみますと、「新任務」「安保法」「防衛省」こう書いてある。これ、熟語なのかなと私は思いますが、こんなことを出題されているわけですね。
 更に言うと、その次の問い二で、今度は、「見出しに使われている二字熟語の中から、「似た意味の漢字の組み合わせ」からできているものを書き出しましょう。」と。「戦闘」、これが答えですよ。
 これは、明らかに政治的な何か思惑があって誘導しているとしか思えないわけであります。ですから、こういうのを野放しにしちゃいけないんじゃないでしょうかというのが私の言っている趣旨でありますので、是非注意をしていただきたいと思います。
 最後になりますが、デジタル教科書になれば、修正や改訂というのは紙の教科書よりもタイムリーに行うことがきっとできるんだろうと思います。例えば、最新の科学的知見などはできるだけ速やかに改訂をされるべきだと思いますが、この点についての見解をお伺いしたいのと、そもそも、例えば、今年また話題になりましたいわゆる従軍慰安婦という記述の問題、こうした歴史的事実に即さないような不正確な教科書の記述というのは早急に修正させるべきと考えるんですけれども、この点について御意見をお伺いしたいと思います。

#138
○串田政府参考人 お答えいたします。
 教科書検定規則におきましては、検定を経た図書につきまして、客観的事情の変更があった場合、それから更新を行うことが適切な事実が発生した場合などにつきまして訂正が認められると定められております。こうした訂正申請が承認された場合、紙の教科書に実際に反映させるのは次年度ということになっております。
 なお、教科書発行者から、訂正の内容につきましては採択された学校等へ通知されるということになっております。
 今後、デジタル教科書の普及を進めていく中で、御指摘のように、最新の科学的知見に基づく教科書の訂正が承認された場合にデジタル教科書に速やかに反映することなど、デジタル教科書の訂正の在り方については専門的な検討を行っていくということが必要と考えております。
 その点を含めまして、デジタル教科書の検定等の在り方につきましては、現在行っております有識者会議におきます議論を踏まえながら必要な検討を行ってまいりたいと思います。
 また、御指摘のございました従軍慰安婦の記述でございますけれども、教科書検定基準等に基づきまして、教科書検定調査審議会において現在の学説状況等を踏まえた審議が行われた結果として教科書に記載されているものではございますけれども、今後客観的事情の変更などがあった場合には、そうした事情を踏まえて検定や訂正がなされるものと承知しているところでございます。

#139
○高木(啓)分科員 時間が来ましたので終わりますが、これからも、今日の教科書の問題、私も注意をしていきたいと思いますので、是非文科省としても適切に取り扱っていただきたいと思います。
 以上で終わります。

#140
○村井主査 これにて高木啓君の質疑は終了いたしました。
 次に、務台俊介君。

#141
○務台分科員 長野二区の務台俊介です。
 昨年二月の予算委員会、この分科会で質問させていただきました「森のようちえん」に関する支援策について質問させていただきたいと思います。
 その折に、萩生田大臣からは、令和二年度においては、まず効果的な支援の方策について調査を行うための予算を政府予算案に計上しているとお答えいただきました。
 我々としても、この令和二年度の予算の執行状況を見据えながら、昨年十一月には森のようちえん振興議員連盟で大臣に提言を行わせていただきました。その中の提言として、令和三年度より「森のようちえん」を含む幼児教育類似施設への公的支援が継続的にできるように、令和二年度内に速やかに施設の認定基準と支援の仕組みを整えることを提言させていただいております。
 文科省では、こういう流れの中で、予算編成過程で一定の議論を行い、進展を得たものと考えておりますが、令和二年度の調査の結果を受けて、来年度予算における取扱いについてどうなったか、お伺いしたいと思います。

#142
○萩生田国務大臣 令和元年十月からの幼児教育、保育の無償化の対象となっていない多様な集団活動については、法令上の定めや基準などはなく、多種多様なものが存在しておりますが、各地域に固有の様々な歴史的な経緯を経て、現在も、地域や保護者のニーズに応え、重要な役割を果たしているものもあると考えております。
 今年度は、そのような無償化の対象とはなっていないものの、地域にとって重要な役割を果たす集団活動等に関し、効果的な支援の方策について調査事業を実施しているところです。
 また、並行して、関係府省、地方自治体と協議を進め、地方自治体が国の補助なしで独自に支援を行っているという実態が先行していること、早期に国による支援を求める声があることなどを踏まえ、内閣府の令和三年度子ども・子育て関係予算案において、子ども・子育て支援法に基づく地域子ども・子育て支援事業、いわゆる十三事業の中の多様な事業者の参入促進・能力活用事業に、地域における小学校就学前の子供を対象とした多様な集団活動事業の利用支援のメニューを追加したところです。
 具体的には、無償化の対象とならないものの、地域において重要な役割を果たしている小学校就学前の子供を対象とした多様な集団活動事業について、利用料の一部を区市町村が保護者に対して給付する際、区市町村の手挙げに基づいて、子育て支援の観点から国費の補助を行います。
 文科省としても、本事業の円滑な実施に向けて、関係府省と連携しつつ準備を進めてまいります。

#143
○務台分科員 手挙げ方式で制度をお認めいただいたということは大変ありがたいというふうに思います。
 ただ、もう園児の募集は既に各幼稚園でも始まっていると思います。その措置内容を早期に伝えていかないと、「森のようちえん」は園児確保の機会を逸することにもなりかねません。
 この点についてどういう配慮があるのか、お答えいただきたいと思います。

#144
○義本政府参考人 お答えいたします。
 令和三年度からの支援事業の概要につきましては、昨年の末に予算案が編成過程でまとまった段階において、各都道府県宛てに周知を図ったところでございます。
 その詳細につきましては、内閣府主催で、市町村あるいは都道府県も含めてですけれども、自治体向けに、地域子ども・子育て支援事業に関する説明会を本日の二月二十六日に動画配信をしていることとしていますので、本事業の詳細については自治体に丁寧に説明を行ってまいるところでございます。
 なお、こうした事業の必要性につきましては、自治体について、私ども総合教育政策局に対しての個別の御相談あるいは情報のところがございますので、それについて丁寧に対応するとともに、既に、事業の速やかな実施に向けて、その支援の必要性を認識している自治体においては準備に取りかかっていただいていると存じておるところでございます。
 いずれにせよ、しっかり四月から実施できるように、体制について特段の意を用いていきたいと思います。

#145
○務台分科員 今日、動画配信をまさになさっているということで、非常にタイミングがいいと思うんですが、今お伺いすると、自治体向けのPRが主のようでございます。私が地元で「森のようちえん」を運営されている方に聞いてみたら、これはまだ知らないということもありますので、是非、幅広く、実際にやっている人にその情報が行くように努めていただきたいというふうに思います。
 また、昨年末の議員連盟の提言では、「森のようちえん」を含む幼児教育類似施設と自治体の関わり方にも言及しております。令和二年度の調査事業を通じて連携を構築し、基礎的自治体が施設の運営、活動内容を把握することは、子供の安全確保の観点からも不可欠であり、公的支援とセットで運営の実態も把握すべきだと申し上げておりますが、この点についての対応も伺いたいと思います。

#146
○義本政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、子供の安全確保の観点からも、来年度の支援事業を実施する自治体が施設の運営、活動内容をしっかり把握することは重要だと認識しております。
 来年度の支援事業につきましては、国の一定の基準を基に、市区町村が個別に定める基準に基づきまして、職員の配置、それから非常時の対応等について、市区町村が施設に対し基準適合審査等を実施する仕組みとしておりまして、各施設等の運営、活動内容等につきましては、自治体にしっかり把握していただきたいと考えております。
 事業を実施する自治体と対象となる施設等が適切な関係を構築することは非常に大事でございますので、本日の説明会においても、事業の内容について、丁寧にこの点についても説明していきたいと存じます。

#147
○務台分科員 先ほど大臣は、今回の対応は自治体の手挙げ方式、つまり、自治体がその実態、必要性を認めて採択したものを公的支援の対象とするということだと思います。この点はもっともだというふうに思うと同時に、自治体は公立の保育園、幼稚園を擁しており、民間主導の「森のようちえん」については、自治体によっては、これは競争相手と見る傾向もなきにしもあらずだと思います。
 民間の創意工夫を重視する視点をどのように確保するのか、文科省の考え方を伺いたいと思います。

#148
○義本政府参考人 来年度の事業においては、それぞれの活動の精神を尊重した支援が可能となるように、自治体が対象となる施設等を決定するに当たりましては、国が一定の基準を設けるものの、地方自治体の裁量を認めることが可能な仕組みとしているところでございます。
 例えば、園舎等を持たないようなところも対象になり得るように、保育室の面積基準などにつきましては、適正な活動の実施、安全性が確保できれば、自治体の裁量で基準の内容等を変更できるというふうな仕組みにしているところでございます。
 各自治体が、地域や保護者のニーズに応えて重要な役割を果たしているものに関しては、民間の創意工夫を損なうことなく柔軟な支援を行うことができるように、制度の詳細についてはしっかり説明していきたいと存じます。

#149
○務台分科員 是非、創意工夫を重視した運用になるように調整していただきたいと思います。
 私どもの地元でも「森のようちえん」があるんですが、父兄の中には、都会からこのために移住してきたという家族も見受けられます。幼児期の自然体験教育が移住の意思決定の要因にもなっている、こんな実態もあるということなので、その点について、文科省は教育を所管しているので移住まで所管はしていないと思いますが、そういうことを評価されているという実態もよく考えていただきたいというふうに思います。その意味では、民間の知恵を生かした「森のようちえん」、温かく見守っていただきたいということでございます。
 昨年の予算委員会の分科会で、過疎地の小中学校の位置づけについても伺いました。過疎地の小中学校の支援が特に重要だというふうに我々も認識しております。
 というのも、小中学校というのは、過疎地のいわばシンボルという存在でございます。その小中学校がその地域からなくなると、その地域は自然消滅してしまう、そんなような位置づけもあると思います。いかにして過疎地の小中学校を維持するか、真剣に制度的にも考えていかなければならないというふうに思います。
 今、この通常国会に新しい過疎法を準備しております。その中では、若い世代の過疎地域への移動というのも重視して、教育を通じて過疎地域の振興を図る、これもテーマの一つに加えております。子育て世代が過疎地域に移住しようと考えても、その地域に肝腎の学校がなくなっているのであれば、移住など到底考えつかないことでございます。手を尽くして過疎地域の小中学校の存続を図る、こんな観点が必要だと思います。
 前回も聞いたんですが、市街地の子供たちが中山間地の小中学校に域内留学する制度、文科省は前回、小規模特認校の活用により、通学区域を越えての通学を可能とする制度があるので、自治体がやろうと思えばやれるんですよという、そういう答弁がございました。しかし、こういう、やろうと思えばやれるというよりも、もっと踏み込んで、この取組をモデル地域を指定して全面的にバックアップする、こういう考え方がないか伺いたいと思います。
 自治体が市街地の学校の小中学生を山の小中学校で勉強してもらう域内留学、そして、都会の子供たちに来てもらう域外の山村留学というのを本格的にバックアップすべきではないか、これについてのお考えを伺いたいと思います。

#150
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 市街地の子供が中山間地の小中学校に通学するいわゆる域内留学につきましては、平成三十年時点で、百九十二の自治体で小規模特認校の制度の活用がございます。
 その中で、例えば、長野県伊那市では、ICTを活用してグローバルな視点での遠隔合同授業なども取り入れたりするなどの取組事例もございますし、また、兵庫県神戸市では、豊かな自然を生かしたカリキュラム、地域行事への参加などの取組が注目されまして、児童が増加をして複式学級の解消につながったというような事例もございます。
 文部科学省においては、こうした小規模校におきます教育魅力化の好事例の発掘を行いまして、事例集の作成、あるいはフォーラムの開催等を行っているところでございまして、引き続き、こうした取組、好事例の横展開を図っていく形の中で支援をしてまいりたいと思っております。
 以上です。

#151
○務台分科員 好事例を横展開することも大事だと思いますが、是非、モデル校と指定してこういうことをやるということも、今後の課題として考えていただきたいと思います。
 GIGAスクールの取組が進んでおります。これを更に拡大して、最高水準の授業を自然環境豊かな中山間地の小中学校でネット学習する環境を整える、こんなことが大事だと思います。今も伊那市の事例が御紹介ありましたが、これをすると、中山間地の学校で勉強してみようという動きが更に加速化すると思います。
 教育委員会だけではなく、地域振興部局も一緒になって、地域振興と教育の連携を構築する、こんな考え方についてのお考えを伺いたいと思います。

#152
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 現在、文部科学省では、GIGAスクール構想の実現に向けて、令和元年度と二年度の補正予算を通じ、全国の小中学校に対する一人一台端末の配備や高速大容量の校内LAN整備を支援するなど、中山間地域を始めとした全国の学校ICT環境整備を加速させているところでございます。
 こうした学校のICT環境を活用することで、中山間地域など地理的な制約条件にかかわらず、質の高い教育を提供することが可能となり、域内留学の取組を始めとした様々な教育活動の充実にも資するものと考えます。
 文部科学省としては、引き続き、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの実現を目指して、学校におけるICT環境の整備に努めてまいります。
 以上です。

#153
○務台分科員 どちらかというと、ハンディキャップのある小規模校でこれをする、優先的にやる、そんなこともちょっと考えていただきたい、そんな趣旨の質問だったので、是非検討していただきたいと思います。
 カヤぶき文化の件について伺います。
 昨年十一月十七日、伝統建築工匠の技、木造構造物を受け継ぐための伝統技術がユネスコ無形文化遺産に登録されました。この中には、我々が茅葺き文化伝承議員連盟をつくり支援してきたカヤぶき、カヤ採取も盛り込まれています。
 菅総理は、日本各地で人から人へと受け継がれてきた伝統的な技術を次の世代に継承するとともに、このすばらしい技術を国内外に発信していきたいというメッセージを発せられました。萩生田大臣は、さらに、地域活力の力となることを願うという談話を出されております。まさにそのとおりでございまして、この登録に当たって御尽力された関係の皆様の御労苦に感謝申し上げるとともに、この登録を生かして次に何をするかということがまさに問われているというふうに思います。
 これらの伝統技術の継承、発信に対して、文化庁としてどのような振興策を講じてきたのか、講じていくつもりなのか伺いたいと思います。

#154
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員から御指摘がございましたとおり、昨年十二月、我が国から提案しておりました伝統建築工匠の技は、カヤを含む自然の素材を用い、持続可能性に貢献するという点が高く評価されておりまして、ユネスコ無形文化遺産の代表一覧表に記載されたところでございます。
 文化庁といたしましては、こうした文化財の保存のための伝統的な技術のうち、保存の措置を講ずる必要のあるものを選定いたしまして、その保持者や保持団体が行う後継者養成、技術の向上等の支援を行っているところでございます。令和三年度予算案にも、必要な経費、これは四億五千五百万円の内数でございますが、計上しているところでございます。
 また、ユネスコ無形文化遺産に記載されたものにつきましては、その普及啓発や情報発信のための人材育成等の取組を支援しておりますので、今後、そういったような事業の活用も考えられるところでございます。
 文化庁といたしましては、文化財の確実な次世代への継承がなされていくよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

#155
○務台分科員 少し前に大嘗祭がございました。その大嘗祭の際に、文献から確認できる千三百年以上、カヤぶきで大嘗宮が運営された。それが、今回の大嘗祭の際にはカヤじゃなくて板ぶきになってしまったということで、これは関係者は非常に落胆しております。
 こういうことがないように、文化遺産の登録もあったので、しっかりとこういう運用の面も目くばせをしていただきたい、こんなことを申し上げたいと思います。
 カヤぶきに関して言うと、特に人材育成が重要だと考えております。現在、カヤぶき職人の育成に関しては、文化庁の選定保存技術伝承事業で年間数名程度養成されていると承知しております。多くの職人の高齢化を考えると、これは国指定の重要文化財四百棟を守るのが精いっぱいで、ほかの三千棟近い文化財建造物については人が圧倒的に足りない、そんなことが言われております。
 一方で、私の地元のカヤぶき事業者の小谷屋根というところがあるんですが、ここには新規の就業者が集まっております。大学院を出た若い女性がカヤぶき職人として弟子入りしている、こんな実例があります。筑波大学の名誉教授で日本茅葺き文化協会の代表理事の安藤邦広先生は、毎年三十名くらいの新規カヤぶき職人が入ってくることで伝統技術の存続が可能である、こんなふうにおっしゃっております。
 カヤぶきなどの人材育成に関し、例えばカヤぶき伝統技術伝承機構という専門的な組織をつくったらどうかといったアイデアもあるんですが、こういうものについての御検討があり得るのか、伺いたいと思います。

#156
○萩生田国務大臣 議員御指摘のとおり、伝統建築を始め文化財を後世に継承していくためには、その修理などに必要なカヤぶきなどの技術の保護、人材育成、資材の確保が不可欠です。
 このため、文化庁では、カヤぶきやカヤ採取といった文化財の保存のために欠くことのできない伝統的な技術のうち、保存の措置を講ずる必要のあるものを選定保存技術として選定し、その保持者や保存団体が行う後継者の養成、技術の向上などの支援を行っております。
 カヤぶきやカヤ採取については、この保存団体が修復技術等の知見を有しておりまして、昨年十二月に伝統建築工匠の技としてユネスコ無形文化遺産にも記載されたところです。
 この保存団体を中心に、議員御指摘のとおり、若手職人の継承活動に参加いただけるように、一層の後継者育成と伝統技術の魅力発信を支援してまいりたいと思います。

#157
○務台分科員 是非、これまで以上のてこ入れをお願いしたいというふうに思います。
 大臣御指摘のとおり、これらの伝統技術は地方創生の起爆剤ともなり得ます。なぜならば、これらの技術は地方にこそ散在しているからでございます。都会の技術ではない、この技術を学ぶ者が地方に分散することで地方は元気になります。それぞれの分野での学びの場を公で支援するということは必要だというふうに思います。
 カヤぶきに関しては、カヤぶき集落の再生といったものも十分あり得ると思います。私の地元の小谷村では、カヤぶき集落の再生も検討しております。全国の各地でそれぞれの地域の特有の材料を活用し、カヤぶき集落を再生し、コロナ後を見据えたインバウンド観光の目的地とすることも考えられると思います。
 政府としてこういう支援策を考えるべきであると思いますが、いかがでしょうか。

#158
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のカヤぶき集落の再生に関しましては、文化庁では、重要伝統的建造物群保存地区として選定いたしておりまして、その保護の取組を支援しているところでございます。
 例えば、福島県の大内宿におきましては、伝統的なカヤぶき建造物の修理に加え、それを継続的に維持していくための取組といたしまして、大内宿町並み展示館におきましてカヤぶきの展示や研修等を行い、カヤぶきの技術の継承や普及に努めているところでもございます。その結果、修理だけでなく、新たにカヤぶきの建物も復元が行われておりまして、こうして維持される町並みを訪れる観光客は、これは令和元年の数字でございますが、年間約八十七万人に上ります。
 このように、カヤぶきを含む伝統的な町並みを文化財として継承することは、インバウンド観光にも有効であるというふうに考えられており、文化庁としましても、その取組を引き続き支援してまいりたいと考えております。

#159
○務台分科員 カヤぶき文化は循環型社会実現の典型事例でもあると思います。カヤは、水質を浄化する機能があります。大気中の二酸化炭素を吸収します。それを屋根に使い、いずれは有機肥料として土壌還元することで循環型社会が実現していきます。昔の日本人は、カヤ利用を通じて循環型社会の中に生きていたと言うこともできます。それが現代的価値にも通ずるようになっております。
 建築家の隈研吾先生は、現代建築にカヤを使うことを率先して行っておられます。欧州でも、公共建築物にカヤを使う例が増えております。一昨年の世界茅葺き大会では、ヨーロッパで消防署の壁にカヤを使う事例も勉強させていただきました。
 代表的な公共建築物にカヤ活用の推奨をする取組もあると思いますが、政府の考え方を伺いたいと思います。

#160
○下野政府参考人 お答えいたします。
 国の庁舎等に用いる建築資材につきましては、市場性、耐久性とともに、維持管理費用が過大にならないよう配慮しなければならないことから、屋根をカヤぶきとすることにつきましては容易ではございません。
 しかしながら、国の庁舎等については、カヤぶきのような伝統技術の活用を含め、歴史、文化、風土などの地域の特性を生かした町並みづくりへの貢献が重要と考えております。
 カヤの活用につきましても、施設の用途、地域の特性等を踏まえ、個別に検討してまいりたいと思います。

#161
○務台分科員 今、公共建築物に木材を利用しようという運動があって、法律までできておりますが、その中でカヤというのも入れ込む、そんな工夫を是非していただきたいというふうに思います。
 さて、新型コロナの影響で、全国のスキー場、それを支える地域の旅館、民宿は大変な苦しい状況に立ち至っております。子供たちのスキー合宿が軒並み中止になって、大変な状況にもなっております。
 コロナ禍では一時的な停滞はやむを得ないと思いますが、その間の対策をしっかり講じた上で、コロナ後を見据えた対応も考えていく必要があると思います。日本のスキー文化を継承していくために、子供たちのスキー合宿を教育課程にはっきり位置づける対策、こういったものを是非考えていただきたいと思います。
 さらに、長野県では、小中学校時代に学校登山を行う、こんな伝統もあります。学校登山を教育課程に組み込むこともあり得ると思いますが、お考えを伺いたいと思います。

#162
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 児童生徒の豊かな人間性や社会性を育むためには、発達の段階に応じて、スキーや登山を含め、様々な体験活動を行うことが極めて有意義であると考えております。
 このため、新学習指導要領総則において、新たに、体験活動等を通じて豊かな心や創造性の涵養を目指した教育の充実に努めることや、各教科等の特質に応じた体験活動を重視し、家庭や地域社会と連携しつつ体系的、継続的に実施できるように工夫することなどについて規定するなど、体験活動の一層の充実を図ったところです。
 議員御指摘のスキーについても、小中高等学校いずれも、体育あるいは保健体育の指導要領の中におきましてスキーを位置づけて、学校や地域の実態に応じて積極的に行うことに留意することとさせていただいているところでございます。
 また、文部科学省におきましては、令和三年度予算案において、この新型コロナウイルス感染症対策により失われた体験活動の機会の確保に向けた支援を含めた、登山やスキーも含みました宿泊体験活動を行う学校の取組を支援するために、必要な経費を計上しているところでございます。
 文科省としては、引き続き、学校における体験活動の取組が推進されるよう努めてまいります。

#163
○務台分科員 是非、踏み込んだ対応をお願いしたいというふうに思います。
 一昨日の二十四日に、孔子廟への那覇市の公園内敷地の無償提供が憲法二十条三項に違反するという最高裁判決がありました。これはこれで一つの各論の判断でございますが、少し心配するのは、この判断が独り歩きするのではないかということでございます。横並びで目くじらを立てるような政教分離論、いわば政教分離警察みたいなものがこれから始動するのではないか、そんな懸念もあります。
 というのも、各地の氏神様のお祭りに、子供たちがこれまで参加してきております。私の地元でもよくあるんですが、少し憲法をかじった人が、憲法上の制約でそういうことはしてはいけないのではないかという意見が出て、PTAを通じて学校が非常にびびってしまう、そんなことがあります。
 昭和五十二年の津地鎮祭訴訟の最高裁判決では、目的が宗教的意義を持ち、効果が特定宗教を援助、助長あるいは他の宗教を圧迫するものでない限り、憲法違反とは言えないという、いわゆる目的効果基準が示されており、この考え方はもっともっと広く地域に妥当するべきものというふうに思います。憲法との関係で、子供たちのお祭りへの参加について、文部科学省はどんな整理をしているのか伺いたいと思います。
 憲法違反との解釈におびえながら地域の伝統行事に参加するのでは、伝統行事を支えていくのに力は入りません。憲法が規定している政教分離の真の意味を考え、もっと自由に地域の伝統行事に、仮にそれが宗教的位置づけがあったとしても、胸を張って堂々と参加できるような考え方を示していくべきではないかと思いますが、お考えを伺いたいと思います。

#164
○串田政府参考人 お答えいたします。
 子供たちが地域の伝統行事等を通じまして地域の歴史や文化に親しむということは、教育上も大変意義があるものと考えております。子供たちの参加などにつきましては、各学校、家庭等において適切に御判断いただければと思います。
 地域の伝統行事と学校における教育活動との関係につきまして、一般論を申し上げますと、憲法第二十条第三項におきまして、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」と規定され、また、教育基本法第十五条第二項におきまして、「国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない。」と規定されております。
 したがいまして、例えば宗教的儀式に参加する目的ではなく、かつ児童生徒に強要せずに歴史や文化を学ぶことを目的として神社等を訪問することにつきましては、禁止されている宗教的活動には該当しないと考えております。
 また、当然ながら、子供たちが学校の教育課程外におきまして自主的に参加することもあり得ると考えております。
 文科省におきましても、学校の休業日の制定等に関しまして、学期中の授業日に行われている地域の祭り等、地域の行事の開催日を体験的学習活動等休業日として設定し得るとすることの通知、地域と学校が連携して、地域の方々の協力を得ながら子供たちが地域の祭り等について学んだり参加したりする様々な取組事例の周知、伝統文化親子教室事業等を通じた、子供たちが地域の伝統文化に親しむ機会への支援などを行っているところでございます。
 引き続き、これらの周知を通じて、子供たちが地域の伝統行事等に親しむ機会の充実を図ってまいりたいと思います。

#165
○務台分科員 是非周知をお願いします。
 以上で終わります。ありがとうございました。

#166
○村井主査 これにて務台俊介君の質疑は終了いたしました。
 次に、道下大樹君。

#167
○道下分科員 立憲民主党の道下大樹です。
 萩生田大臣また政府参考人の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、私からは旭川医科大学について伺いたいと思います。
 私も小学校六年生から高校卒業まで過ごしました北海道第二の都市、旭川市、そこで道北を中心に医療や医師派遣など中核的役割を担ってきた旭川医科大学に対して、今多くの関心というか、心配、懸念が寄せられているのは大臣も御承知かと思います。
 そこでまず、コロナ患者の受入れについて意見が衝突し、吉田晃敏学長が当時の古川博之病院長に対して辞めろとパワハラ発言をしたことについて、それと古川病院長を解任した問題について、現時点における文科省の事実確認、内容精査状況、そして、可能であればその結果報告をお願いいたします。

#168
○伯井政府参考人 お答えいたします。
 文部科学省といたしましては、旭川医科大吉田学長の言動に関する報道を受けまして、昨年十二月二十五日付で同大学に対して事実関係の確認を求める文書を発出しており、既に同法人及び同大学の監事からの回答を得ているところでございます。加えて、病院長の職を解任された古川教授に対しましても、先月二十九日付で事実関係の確認を求める文書を発出し、こちらについても一定の回答を得ているところでございます。
 現在、それらの回答内容の精査を行っているというところでございますが、今月一日には、旭川医科大の学長選考会議におきまして、学長に関する一連の報道について事実関係を確認していくということが決定されており、さらに、必要な場合には第三者による調査委員会を設置するとも聞いております。
 今後、我々といたしましては、この学長選考会議の議論の結果や、必要に応じて今回の関係者に対するヒアリングも行うなどにより、引き続き文部科学省としても事実関係の確認を進めてまいるとともに、病院運営を含めて大学運営が適正になされるよう必要な対応を行ってまいりたいと考えております。

#169
○道下分科員 今、事実確認等、その内容を審査というか調査してあるという、精査中ということでございますが、できる限り十分な情報を基に内容の精査を進めていただきたいと思いますが、それと同時に、今、旭川医科大学の中でいろいろな動きが出ております。大学の教授ら有志が吉田学長の辞職を求めて学内で署名活動を行い、署名数が大学で定める大学理事や専任教員らの過半数という請求条件に達したため、二月二十四日に学長選考会議に対して学長解任請求を行ったと承知しております。
 全国的に見ても、国公立大学の学長選考会で学長の解任が審査されるのは北海道大学に次いで二例目という、道民としては非常に残念な状況なんですけれども、学長選考会議において、透明性を保ちながら審査が速やかに行われて、何らかの決定がなされ、大学が早期に正常化されることを私も本当に望んでいるところですけれども、こうした、旭川医科大学でこのような事態になっていることの認識と今後について、国公立大学を所管する文科大臣に伺いたいと思います。

#170
○萩生田国務大臣 旭川医科大学の教員による吉田学長の解任を求める署名が解任の請求可能数に到達し、一昨日、学長選考会議に解任請求を行ったと報告を受けております。
 旭川市における基幹病院の一つとしてコロナ対応に重要な役割を果たす旭川医科大学において学長の辞任が請求されるような事態になっていることは、道民やまた患者の方々にも不安を与えるとともに、学生や教職員に動揺をもたらしかねず、早急に学内のガバナンス体制の立て直しが必要だと考えております。
 まずは、旭川医科大学の学内規則にのっとり、学長選考会議においてしっかりと議論をしていただきたいと考えておりますが、その議論の結果として、学長の解任の申出が仮にあったとすれば、文科省としては適切に対応してまいりたいと思います。

#171
○道下分科員 是非注視をしていただいて、適切に対応していただきたいと心からお願い申し上げます。
 私としては、古川病院長が病院長として戻ってきていただきたい。移植などで非常に技術を持っておられる方で、また、医師としてほかの医療機関また医師の方々に非常に人望が厚い方でございますので、今、コロナ禍で、何とか旭川はクラスターを抑えられましたけれども、何とかこれが、中核的役割を担えるような、また信頼回復に向けて、旭川医科大学、大変重要な役割だと思っていますので、是非その点、文科省も今後ともよろしくお願いいたします。
 では次に、学校現場と新型コロナウイルス対策について伺いたいと思います。
 教職員やスタッフ職の増員、継続配置について伺います。
 新型コロナウイルス感染症への対応も含めまして、令和二年度の補正予算において、小中学校を中心に教員、学習指導員、スクールサポートスタッフ、GIGAスクールサポーター、ICT支援員等の加配、配置のための予算措置が講じられてきました。その補正予算により新たな人員が配置された等の学校からは、業務改善が進んでいる、一部業務改善が進んでいるとの声を聞いておりまして、その有効性については一定程度の評価がなされていると思っております。
 しかしながら、改正給特法の施行後も、新型コロナウイルス感染症の影響もありまして業務削減が十分に進まない中、感染防止への対応と時数確保等の対応で、教職員の皆様は肉体的にもそして精神的にも本当に疲弊をされています。
 教育の安定性、継続性を確保するためには、教職員やスタッフ職を継続して配置すること、そして増員措置が重要だと考えておりますけれども、その点について文科大臣のお考えを伺いたいと思います。

#172
○萩生田国務大臣 まず、このコロナ禍にあって、子供たちの学びを守るために、先生方、学校関係者、大変御苦労いただいていることを感謝申し上げたいと思います。
 令和二年度第二次補正予算において、学習指導員、スクールサポートスタッフの追加措置分、合計約八万二千人分、二百七十億円を計上しており、その約八割に当たる六万九千人分について、自治体の希望どおり措置しています。これを踏まえ、各自治体においては、少人数指導や複数人による教科指導、教員業務支援などが大規模に実施をされているところです。
 また、令和三年度予算案においても、引き続き、感染症対応のために純増した業務に忙殺されることなく教員がより学習指導に注力できるように、スクールサポートスタッフを前年度当初予算に比べて倍増の人数規模で計上するとともに、学びの遅れなどを丁寧にフォローできるように、学習指導員については、前年度当初予算から約一・四倍の人数規模で計上しております。
 たまたまコロナでこういうスタッフを現場に入れましたけれども、本当は、コロナがなければ学校現場は働き方改革元年を迎えるはずでした。こういう状況の中で、皆さん本当に歯を食いしばって子供たちのために頑張っていただいておりまして、こういうスタッフが入ることで、先生方が、逆に子供たちと向き合う、本来の教員としての仕事に注力をすることができるという声を聞いておりますので。
 私、こういうスタッフは、コロナが収まったとしても、本来の学校の授業以外の業務をサポートするマンパワーというのは、これからも公立学校に必要であろうというふうに思っておりまして、現場や教育委員会の声をしっかり聞きながら、引き続き必要な支援をしてまいりたいと思います。

#173
○道下分科員 今、大臣から力強い御意見をいただきました。そのように進めていただければと思いますが、スタッフ職の増員は必要でありますけれども、やはり教職員自体の定数を増やしていくということが、私は、今後の日本の教育にとって取るべき対策だ、政策だというふうに思っております。
 また、答弁では、自治体の希望どおりに様々な予算確保そして増額を進めていただいているということで、それにも感謝申し上げますが、ただ、予算はある、それでも、補正予算等で措置されても、今、配置された教職員等の勤務時間が短いということで業務改善につながっていない、先ほどもそういう御認識があるということでありましたけれども、そういう御意見や、また、予算はついたんだけれども人が見つからないというような声が、いろいろな学校現場また教育委員会などから上がっています。
 そうした、スタッフ職を増やすにしても、賃金を含めた労働条件の改善が私は急務ではないかなというふうに思っているんですけれども、この点について文科大臣の御見解を伺いたいと思います。

#174
○萩生田国務大臣 今年度補正予算において追加配置をしたスタッフ職のうち、大多数を占める学習指導員やスクールサポートスタッフについては、国の予算補助を申請するに当たって配置時間の上限は設けておらず、地域や学校の実情に応じて必要な時間分を申請することが可能となっております。
 また、自治体における人材確保を後押しするため、学校に御協力いただける方の登録を全国から募集し、都道府県教育委員会等に名簿を提供する学校・子供応援サポーター人材バンクを昨年四月に開設し、これまで二万二千人を超える方から御登録をいただき、各自治体の採用につなげています。
 学習指導員やスクールサポートスタッフの時間単価については各自治体の実情に応じて設定されているものですが、予算補助における時間単価の上限引上げについては、配置拡充とのバランスも考慮しながら、引き続き自治体の要望を踏まえて検討してまいりたいと思います。

#175
○道下分科員 是非、学校現場、自治体のそういう要望に適切に御対応いただければというふうに思っております。
 また、先ほど大臣も、今コロナ禍でなければというお話がありました。それで、今コロナ禍で、学校現場の先生方が消毒業務に当たらなければならない状況です。外部委託も進めようとしているわけでありますけれども、消毒作業というのは教職員の本来業務ではありませんし、専門家でもありません。正しく消毒できているのかという不安の中で、学校で子供たちに教えたりしなければならないという教職員が多数おられます。
 外部委託について、文科省も、その予算化など、また衛生管理マニュアルとか、進めてきましたけれども、是非、今後更に、消毒業務の外部委託化、どのように進めていくべきか、どのように進めていこうというふうに文科省として考えているのか、伺いたいと思います。

#176
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 学校において感染者が確認された場合の校舎等の消毒については、施設全体の消毒を行う必要はなく、保健所及び学校薬剤師と連携し、感染者が活動した範囲を特定して消毒を行うことを衛生管理マニュアルで示しています。
 また、教職員等の消毒に係る業務負担を軽減する観点から、学校施設の消毒業務の外部委託を含め、学校の感染症対策に必要となる経費を支援するため、令和二年度第二次及び第三次補正予算で対応する補助金を措置しております。
 さらに、令和三年度の予算案におきましても、消毒作業を担うことができるスクールサポートスタッフの配置を支援するための経費を計上しているところでございまして、各学校においては、これらの支援も活用いただきながら、地域や学校の状況に応じて必要な対応を取っていただきたいと考えております。
 文部科学省としては、今後も各学校が感染症対策に万全を期した上で教育活動を継続して実施できるよう、引き続き必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
 以上です。

#177
○道下分科員 学校現場もコロナ禍の影響を受けて間もなく一年になります。そうしたことで、是非これは進めていただきたい。外部の業者も本当に今引っ張りだこでなかなか見つけられないという状況であります。また、先生方も手荒れがひどくて、そうしたことで身体的疲労もありますので、是非お取組を進めていただきたいと思います。
 次に、先ほど、川内議員も学校施設における新型コロナウイルスのワクチン接種のことでちょっと質問されて、答弁をされました。それに関連することなんですけれども、今、教職員の学校における集団PCR検査等への関与についてどのようなお考えか、伺いたいと思います。
 学校でコロナ感染者が出た場合には、教育委員会と保健所の判断によりまして、学校での集団PCR検査を実施することになっており、その際、教職員が検査に関わっている実態があるとも聞いております。学校では、学校で集団検査を行うことになり、対象となった子供に電話がつながるまで電話をして、保護者に事情を説明したなど、学校がPCR検査に関わることの困難さが示されました。一方で、ある自治体では、全て保健所等の外部対応で検査を実施し、教職員は関わることがなかったという学校もあります。
 学校の本来業務への支障や感染症対応への専門性の観点から、私は教職員が集団PCR検査等に関与することは避けるべきと考えますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。
    〔主査退席、神山主査代理着席〕

#178
○萩生田国務大臣 児童生徒等や教職員の新型コロナウイルスの感染が判明した場合は、まず保健所に届出がなされて、保健所において濃厚接触者の特定や対象者への検査などが実施をされます。
 教職員がPCR検査業務に直接関わることはないと考えておりますが、保健所が学校などにおいて濃厚接触者の特定のための調査の協力を、先生方に聞かないと分からないときがありますので、それはお願いすると思うんです。そのためにガイドラインを発出していますので、大事を取って全校生徒のPCR検査をしたという学校が、もしかしたら先生が御承知なのかもしれないんですけれども、それは決して国として望む調査方法ではありません。もっと狭く、発症者と濃厚接触者を特定していただいて、その中でやはり検査をやるべきだと思うんです。
 それで、推測で言ってはいけないかもしれないんですけれども、やはり保護者などが非常に危惧をして、全校の消毒をしないとうちの子供は学校に通わせない、あるいは全校PCRをやらないと心配で通えないというようなことがあって、結果としてやむを得ず自治体や学校現場で判断する場合があると思いますけれども、それは、私、スタンダードな、文科省が求めている対応とは違いますので、改めてそのことはこの場で申し上げておきたいと思います。
 具体的などのような協力が必要になるかは、感染の状況や規模によってまた違うと思います。一年生から六年生までぽつぽつぽつと出れば、これは一回学校を閉めなきゃならないような事態も考えなきゃならないんですけれども、今は、子供に感染者があった場合には、保健所と相談の上、いわゆる濃厚接触者を指定をして、そこをしっかり調べるまでの間、一時的にクラスを休みにしたり、その対象者だけを休みにしたりして、極めて柔軟な対応を全国でやっていただいておりますので、どうぞ、そんなふうに御指導いただければありがたいなと思います。

#179
○道下分科員 文科省はそういう姿勢ということで、是非、他の省庁と連携をしながらそうした考え方を浸透させていただきたい、学校現場にも、また自治体にも浸透していただきたいというふうに思います。
 次に、少人数学級と教員確保について伺います。
 今回、文科大臣、本当に尽力していただきまして、来年度からの公立小学校の一学級当たりの児童数、段階的に三十五人に引き下げるということで、今国会にその関連法案が提出されております。少人数学級の必要性について文科大臣の認識を伺いたいと思います。

#180
○萩生田国務大臣 ソサエティー五・〇時代の到来や、子供たちの多様化の一層の進展、今般の新型コロナウイルス感染症の発症等も踏まえて、ICTを活用した個別最適な学びと協働的な学びを実現するとともに、今後どのような状況においても子供たちの学びを保障することが不可欠だと思っています。
 このため、今回、義務標準法改正案において、国が定める公立小学校の学級編制の標準を現行の四十人から三十五人に引き下げることにより、一人一人のニーズに応じたきめ細かな指導を可能とする指導体制と、安全、安心な教育環境を整備してまいります。
 今回の法改正を通じて、GIGAスクール構想による学校におけるICTの活用と、その効果を最大化する少人数学級を車の両輪として、誰一人取り残すことなく、全ての子供たちの可能性を引き出す、まさに令和の日本型学校教育の構築に取り組んでまいりたいと思っております。
    〔神山主査代理退席、主査着席〕

#181
○道下分科員 私も、是非、今回、何とか四十年ぶりの前進になりましたけれども、更なる少人数学級を進めていただきたいと思います。
 以前、国立教育研究所、今、国立教育政策研究所というふうになっていますけれども、そこの次長を九五年に退官された市川昭午先生というのは皆様御承知でしょうか。私、実は、北海道議会議員のときに、憲法と教育基本法、そして教育行政についてお話を伺うために札幌に来ていただいて、そして講演いただきました。市川先生、そのときに、少人数学級について自分のところの研究所で研究調査して、子供たちの学力も含めて、少人数学級を進めるべきだというようなお話をいただきました。
 私は、これからも文科省は更なる少人数学級を進めていかれるというふうに思われていると思いますけれども、では、財源の問題が出てきますので、どうやって財務省を説得していくのか。
 四十人を三十五人にしたことでどれだけ効果が出せるのかということがなかなか難しいかと思いますが、この少人数学級、三十五人学級、そして更なる少人数学級が、教育面も、そして子供たちの心やコミュニケーション能力やそういった様々なことを育成していく、高めていく、こうしたことを、どのように研究を、そして証明して、少人数学級を進めていこうと文科省として考えておられるのか、大臣若しくは政府参考人にお答えいただければと思います。

#182
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 少人数学級の特に教育効果の点、今、るるございましたが、少人数学級は、特定の教科等の授業といった学習集団のみならず生活集団も少人数化するものでございますので、子供と触れ合う時間が増え、学力、学習面のみならず、生徒指導や保護者対応などにおいてもきめ細かな対応がしやすくなり、学校教育活動の充実につながるものと考えております。
 少人数化することで、集団の中での子供一人一人の活動の場が広がって、子供の授業態度がよくなったり学習意欲が高まるといった研究結果も出ておりますけれども、今回の学級編制の標準の引下げを計画的に実施する中で、更に学力の育成その他の教育活動に与える影響等の実証研究をしっかりと進めてまいりたいと考えております。

#183
○道下分科員 是非、少人数学級の効果、エビデンスをしっかりと見つけて、それを基に更なる少人数学級を進めていただきたいと思います。
 私、一つだけ申し上げたいのは、同じ少人数学級や学習でも、習熟度別少人数学習では駄目だと僕は思っています。やはりいろいろな子供たちがいて、その中でいろいろに切磋琢磨して学び合っていくということが私は重要だと思っていますので、習熟度別ということはやらないでいただきたいというふうにお願いしたいと思います。
 大臣、今、少人数学級なんですけれども、欧米諸国と比べると、やはりまだまだ一学級当たりの生徒数は多いと思います。これは、まず公立小学校で前進しました。中学校はどうするのか、要らないのか、それともやはり必要だと思っていらっしゃるのか。そしてさらに、高等学校はどうされるのか。そうしたことを、今後、まだまだ先のことかもしれませんが、どのようにこれからそうした日本における小学校、中学校、高校の少人数学級化を進めていこうとお考えなのか、大臣に伺いたいと思います。

#184
○萩生田国務大臣 元々、私、小学校、中学校の三十人というのを目指していましたので、そういった意味ではじくじたる思いがございます。しかし、多くの皆さんの御協力で四十年ぶりに義務標準法を変えて、小学校を段階的に三十五人というクラスにしていくことができると期待をしています。
 当然のことながら、小学校の三十五人の中で、先ほどエビデンスというお話がありました。私は、既にこの間、加配で少人数学級や少人数指導というのを行ってきて、その加配で行った自治体や学校で、こんなもの意味がないから返しますと言われた学校は一つもないんです。すなわち、その方がいいと現場の先生たちはみんな思っていらっしゃると思うんです。
 子供たちのエビデンスというのはどうやって評価するかというのはすごく難しくて、例えば、成績が一点刻みで上がることが評価なのか。子供たちが明るくなって、誰一人休まず学校に来ることも、私は例えば大きなエビデンスだと思うんですね。ですから、大きな視点から、子供たちの学びが四十から三十五に変わったことでどう変わっていくのかということはしっかり見極めていきたいと思います。
 あわせて、ICT環境が整いました。今までのように、正面に学校の先生がいて、黒板に板書をしながら四十五分の授業が終わるんじゃなくて、教室の中を先生たちが動き回りながら、時にはタブレットをのぞき込んで児童生徒に声をかけるような、そういう授業がこれからは可能になってくるわけです。
 誰一人取り残さない個別最適化された授業というのをしっかりやっていくことによって、まさに令和の時代、子供たちの学校での学び方、学びの成果というのは変わってくるというふうに期待をしておりますので、そこをしっかり見極めた上で、その成果を中学校、高校へとつなげていく必要があるんだろうと思っています。
 最後に、民間の皆さんの方がやはりこういったことには機微だと思います。先生、思い出していただきたいんですけれども、今や大人数の塾なんて存在しませんよ。みんな少人数ですよ。あるいは個別指導ですよ。それはなぜかといったら、その方が子供たちの理解度が上がるからだと私は思いますので、この三十五人学級というのは決して方向性は間違っていないというふうに信じておりますので、しっかり結果を出していきたいと思います。

#185
○道下分科員 私も大臣とほぼほぼ考えは同じだと思います。
 塾は、やはり学力を伸ばすということが目的なので、少人数、習熟度別、個別指導となると思います。ただ、公教育というものはそれだけじゃない、それ以上のものが必要だと思います。やはり、人間関係とかコミュニケーションだとか発想力とか、学力のみならず、それ以外の、その人が社会に出てどれだけ生きていくか、みんなで一緒になって支え合って、お互い励まし合って生きていくか、そういうことを学校現場で私は学ぶ必要があると。
 これは、社会全体も含めて、そういったことをサポートしていく必要があると思いますので、そうしたことを是非、そういうことも大臣ももちろんお考えだと思いますので、そうした思いも含めまして、中学、高校への少人数学級を進めていただきたいと思います。
 次に、教員確保なんですけれども、今、教職課程も非常に、例えば小学校と中学校で別々の教育実習を受けなきゃいけないとか、そしてまたブラック教育、まあ教育というか、学校の先生が大変だと。学校の先生のなり手がなかなか少なくなってきている現状を考えますと、どうやって教員免許を取るか。取りやすくするわけではないんですけれども、もっと魅力のある、学校の先生って魅力があるよということを広めていかなきゃいけないというふうに思いますし、さらに、やはり超勤、多忙化というものを解消していかなきゃいけない。
 業務削減を含めて、働き方改革、先ほども大臣おっしゃいました、働き方改革への取組を今後どのように更に推進していくのか、何か大胆な施策を打ち出す必要があるというふうに考えていますけれども、大臣、何かそういう秘策をお持ちなのか、伺いたいと思います。

#186
○萩生田国務大臣 秘策はありません。ありませんけれども、働き方改革というのは、やはりもう総合力でいろいろな方向から見直していかなきゃいけないと思うんです。
 やはり、教職課程で学ぶ学生さんはこれだけいるわけですから、その人たちが本来の学部で学んだ教職に進まないというのはちょっと残念なことです。それは、いみじくも今先生おっしゃっていただいたように、ブラック職業だという、しみついた、学校現場って大変だよね、長時間労働を強いられるんだよね、休みも自宅で準備しなきゃいけないんだよねみたいなものを、やはり変えていかなきゃいけないと思うんです。
 そのためには、教員が本来行うべき教師としての職業に集中できる環境をつくるためには、先ほども話題に出ましたけれども、外部スタッフなどを入れて事務的なことは省いていくようなことも考えなきゃなりませんし、あるいは、一人の先生が全ての教科を教える担任制ではなくて、やはり、高学年に行けば、理科だとか算数だとか教科ごとの先生たちを配属して、その隙間をつくっていくことで先生方の準備がしやすいような環境もつくっていくことも必要ですし、あるいは、はっきり申し上げて、免許更新制が、なかなか先生方がこの職業をずっと続けていく上で大きなネックになっていることも現場の声として承知をしておりますので。
 こういったものも含めてトータルで見直して、やっぱり学校の先生って魅力ある職業だよね、そういう、子供たちの憧れの職業にもう一回戻すことができるように、総合力で改革をして、しっかりやっていきたいな、そんな思いでやっています。

#187
○道下分科員 今、教員免許更新制の話がありました。本当に、私は免許更新制は必要ない、廃止すべきだというふうに考えています。先生方は、学校の授業、子供たちとのやり取りを通じて、どんどんどんどん技術というか教える能力というか、そういったものが高まっていくと思いますので、是非そういった点を含めて業務削減を進めていただきたいと思います。
 時間もこれで最後になるかと思います。GIGAスクール構想について伺いたいと思います。
 先ほど来、GIGAスクール構想についての推進を図られるというふうにおっしゃっておりますが、ちょっと現場実態は大変だということを私は聞いております。
 ある自治体では、GIGAスクール構想に関わる説明会があり、内容は、タブレットのパスワードや、学校、学級ごとのフォルダ、無線を使った通信を各学校で設定するためで、マニュアルが配られて、一時間半ほどのウェブ会議、説明会だったんだけれども。実はそれは、本来業者がやる予定だった作業を各学校の先生方にお願いする、本格的な作業は新年度から始まるので今回の説明会を録画したビデオをまた新年度に見てほしい、なお、新しい研修はしない、設定についての説明会なのに手元にタブレットも何もない、教育委員会の通信回線が粗悪過ぎて説明会が何度も中断される。これでは教育現場に更なる業務負担をさせるだけではないでしょうか。
 国が十分な環境を整備した上でこういうGIGAスクール構想を進めるのであれば進めるべきだと私は考えるんですけれども、文科大臣の見解を伺いたいと思います。

#188
○萩生田国務大臣 突然、学校現場でパソコンやタブレットを使おうと言い出したのではなくて、二十数年間、地財措置を含めて、三人に一人のパソコンやタブレットは配備してほしいということをずっと国は申し上げ、また財政的な措置もしてきました。
 しかし、残念ながら、全国を見渡したときに、しっかり一人一台まで整備をしている県もあれば、三人に一台どころじゃなくて、七人や八人に一台しかそういったツールがないという学校あるいは自治体があることも明らかになりました。そして、それに必要な周辺整備も、財政措置も含めて応援をしてきているのに、一体そのお金はどこへ使ってしまったんですかと逆に私は聞きたいぐらいでした。
 したがって、ここは、私は、確かに大きくフェーズが変わって一人一台ですから、もはや、言い訳はお互いできない環境をつくっていかなきゃならないわけですけれども。
 少なくとも、研修などは予算措置もしていますし、また人の派遣もしますし、様々なアドバイザーですとか支援員などもICTに関して用意をしておりますので、何かアリバイづくりみたいな研修で先生方が更に不安になるようなことを行うことは、自治体としてはあってはならないと私は思いますので。
 今日は、先生からそういう具体的な御指摘をいただきました。改めて、年度末に向けて、なるべく、先生たち、現場の負担がないような研修の在り方、また、得意、不得意も正直あると思います、いい授業を横展開、簡単にできるような、そういう仕組みも含めて、できるだけ皆さん方がICTを上手に使って子供たちが理解を深められるような授業ができるようにサポートしていくことをお約束したいと思います。

#189
○道下分科員 ありがとうございます。
 時間が参りましたので、質問できなかった障害者の高校の定員内不合格については、それは定員内不合格にしないように、是非、以前も質問させていただきましたけれども、お取組をよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

#190
○村井主査 これにて道下大樹君の質疑は終了いたしました。
 次に、中野洋昌君。

#191
○中野分科員 公明党の中野洋昌でございます。
 本日は、予算委員会の第四分科会の質問の機会を頂戴いたしました。ありがとうございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 まず冒頭、大臣に御質問させていただきたいんですけれども、このコロナ禍におきまして、いろいろな課題が浮き彫りになったわけでありますけれども、教育というのは非常に大きな影響を受けた分野の一つだと思います。
 昨年は、学校等の休校ということもございまして、大臣を始め文科省の皆様にも大変、過去に例のない、こうした中でいろいろな対応をしていただいたわけであります。そして、そうした中で、先ほど来議論も出ておりました、このコロナを乗り越えて新しい教育をということで、GIGAスクール構想のような、こうした大きな動きもまた始まってきているわけであります。
 ただ、他方で非常に気になる点もありまして、これはコロナの影響で社会全体にという話でもあるんですけれども、非常に社会的な孤立、なかなか支援の手が届かない、こういう方が増えている、こういうお話も伺います。また、女性の方の自殺が特に増えてしまっているですとか、こうした、非常に今まである意味で置き去りになってきたのではないか、こういうところに手を差し伸べていかないといけない、こういう問題意識もございます。
 そんな中で、少しショッキングなデータでありましたのが、二〇二〇年、昨年の小中高校生の自殺の数が統計を取り出してから過去最悪という、非常にショッキングなデータもありました。この対策について、待ったなしであるというふうに思います。
 こうした教育現場での対応という意味において、現状の認識、そして今後どのような対策を取られるのか、まず冒頭、大臣にお伺いしたいと思います。

#192
○萩生田国務大臣 児童生徒が自ら命を絶つことは本来あってはならないことであり、児童生徒の自殺が増加していることについては大変重く受け止めております。
 そのため、文科省においては、これまでも、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を充実させたり、組織的対応の強化に取り組んできましたが、加えて、二十四時間子供SOSダイヤルの周知、また、若い人たちは圧倒的にSNSを使いますので、こういった、活用した相談体制の整備の推進、教職員等を対象とした自殺予防の研修会の実施、それから、SOSの出し方に関する教育の推進についても取組をしておりまして、様々な悩みを抱える児童生徒の早期発見等に向けた取組の充実を図っています。
 今般のコロナ禍において児童生徒の自殺者数が増加していることを踏まえ、本年二月十五日より、児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議を開催し、児童生徒の自殺等に関する背景や適切な対応等について集中的に議論をいただいているところでございますし、また、昨日、政府、官邸では、孤独、孤立に対する政府の会議を初めて開催して、専門家の皆さんにも集まっていただきました。
 こういった知見を集めながら、児童生徒の相談窓口などの関係者へのヒアリングなどを進めていくことにしておりまして、ICTを活用した効果的な自殺対策も含め、充実した議論をお願いしたいと考えております。
 文科省としては、本協力者会議における議論を踏まえ、引き続き自殺予防教育を推進するとともに、これは余り時間をかけちゃいけないと思っています。特に年度末などにまた不安を抱える子供たちが出てくることも考えられますので、効果的な自殺対策について速やかに検討を進めてまいりたいと思っております。

#193
○中野分科員 時間をかけずに、これは早急に対策がという大臣の御認識、まさに私も同じ思いであります。
 特に、私ども公明党も、例えばSNS、LINEなどを活用して相談窓口を設置していくなどの取組、今までも後押しをしてまいりました。背景を早急に探っていただいて、また、相談体制にたどり着かない、こういう児童生徒の皆さんに本当にアプローチできるような、また声を届けられるような、しっかりそういう体制を強化していっていただきたいと改めてお願いを申し上げます。
 続きまして、若者の就職のことについてもちょっと御質問させていただきます。
 昨年、コロナで就活の在り方というのも大きく様変わりをしたところでありまして、イベントも採用スケジュール等も例年と大きく変わった形になりました。こうしたコロナによる景気の不透明感というのも非常にありまして、内定率も例年より下がっているということを憂慮しております。
 就職内定率の現状についてどういうふうに把握をされているのか、文科省、お答えいただければと思います。

#194
○伯井政府参考人 お答えいたします。
 昨年十二月一日時点での大学生の就職内定率は八二・八%と、同年十月一日時点から一二・四ポイント上昇しているものの、前年同期に比べて四・九ポイント低下しているところでございます。
 文科省では、引き続きこうした動向を注視するとともに、これまでの関係省庁で取りまとめた方針を踏まえまして、大学と新卒応援ハローワークの更なる連携による新卒者等への支援強化、大学の特色ある就職支援の取組の横展開による各大学での取組の促進、ミスマッチ防止のため、各府省と連携して学生のオーダーメイド型の就職支援に資する有益な情報を集約、提供する、こうしたことを通じて、一人でも多くの前途ある学生の皆さんが希望に沿った就職が実現できるよう懸命に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

#195
○中野分科員 数字としてはマイナス四・九、前年同月ということで答弁もあり、就職氷河期のときも同じような話もございまして、日本の場合、どうしても新卒で採用市場にうまく入れないとその後のキャリア形成がうまくいかないといった、そういうこともあって、これが問題になったのが、私、就職氷河期の問題であると思っております。
 これを決して今回繰り返してはいけないというわけでありまして、是非対策を、そのとき以来、いろいろな若者就職支援策というものも講じさせて、政府の方でも対応していただいていますけれども、これを是非総動員して集中的に対策を講じていただきたいと思います。
 先ほど局長からも、わかものハローワークとの連携等々、他省庁ともしっかり連携をしながら対策を進めていっていただくということで御答弁いただきましたので、是非それを更に力を入れていっていただきたいということを改めてお願いをしたいというふうに思います。
 続きまして、学生の家計の支援というものについてもお伺いをしたいと思います。
 このコロナ禍の中で、大変家計が急変をしたという御相談も数多くございました。他方で、教育の無償化政策、これを着実に進めてきたわけでありますけれども、これが今現在実施をされている。幼児教育の無償化や私立高校の実質無償化、あるいは給付型奨学金、こういうものが制度として今かなり確立をされている。こういうことであり、これがもしなければ、更に就学に困難を来していたような例も多かったのではないかと思いますけれども、やはり、教育無償化を進めてきたというのがこうしたセーフティーネットとして非常に重要な政策であったというふうにも感じております。
 そしてまた、コロナ禍においても、児童手当の上乗せでありますとかあるいは大学生等への緊急の給付金、こうした緊急の支援、追加的な支援というものも訴えてまいりまして、それも行ってきたというところでございます。
 他方で、また入学シーズンを迎えていくという中で、入学、進学に係る費用、これをなかなか賄うことができないんだ、こういうお声は引き続き強くいただいているところであります。典型的に言いますと、小学校の入学のときに、義務教育の公立のところであれば、学費そのものというわけではないんですけれども、例えばランドセル代であるとかいろいろな学用品の準備、あるいは、中学生であれば学校指定の制服なども含めて、やはり入学に当たって準備をするので非常にお金がかかる、こういうお話があるわけであります。
 こうしたことについて、どういう対応を来年度果たしていくのかということを文科省にお伺いをしたいと思います。

#196
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 家庭の経済状況が厳しい児童生徒の保護者に対しては、ランドセルや制服の購入等を含む入学時の学用品費につきまして市町村が就学援助を行っており、生活保護法に規定する要保護者への支援については、国がその経費の二分の一を補助しているところです。
 また、入学時の学用品費に係る援助については、平成三十年度の新入学予定者から、新たに入学前の支給に要する経費も国庫補助の対象とするよう運用を改めまして、各自治体に対して、通知や各種会議等を通じて入学前支給の実施を促してきているところでございます。
 三十年度入学生からですので既に三回あったわけですが、現時点で、自治体でいいますと、小学校で約七割、中学校で約八割が入学前支給の実施に踏み切っていただいているところですが、文科省としては、入学前支給の着実な実施により、援助を必要とする児童生徒に速やかな支援が行き届くよう、引き続き自治体に働きかけてまいりたいと思います。
 ありがとうございます。

#197
○中野分科員 先ほど、就学援助の入学前支給ということで、実施をしていくということでお話がございました。これは私、実は以前にも委員会で取り上げさせていただいたことがありまして、これを是非多くの自治体でやっていくべきだ、制度的にも入学前でできるように、こういうことで、制度も改正をしていただきまして、今、数字でいうと小学校が七割で中学校が八割ということで、数字をいただいたわけであります。
 私は、これは確かに自治体がやっていくということではあるんですけれども、是非全国の自治体にもっと広げていっていただきたいというふうに思っております。そうした中で、文科省としてもそれをしっかりと後押しをして、推進を是非していっていただきたいと思います。
 これがもっと広がるようにということで是非取組をお願いしたいと思いますが、これについても答弁いただきたいと思います。

#198
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 私が今のこちらに来ましてからも、先生からもいろいろな御意見をいただきつつ、昨年の八月にも、個別の都道府県教育委員会ごとに通知を出させていただいて、それぞれの地域の市町村に対して入学前支給の実施について検討を促すよう、都道府県教育委員会それぞれにお願いをしてきているところでございます。引き続き、こうした努力を重ねてまいりたいと思います。

#199
○中野分科員 是非よろしくお願いをいたします。
 そして、先ほど小学校と中学校ということで、今、対応策ということで言っていただきました。
 もう一つ、高校生も今度入学のシーズンを迎えるということでありまして、もちろん、小学校、中学校と比べて、いろいろなスケジュール的な問題もありまして、同じ仕組みというわけにはいかないのかもしれないんですけれども、やはりこの高校生の経済的な支援の強化というのも、お声としていただいているところでございます。
 高校生への経済的支援の強化について、来年度はどのように取り組まれるのかというのを併せて答弁いただければと思います。

#200
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 高校生への就学支援としては、第一に、高等学校等就学支援金による支援を行っておりますが、令和二年度からは、年収五百九十万円未満世帯の生徒を対象として支給上限額を引き上げ、私立高校授業料の実質無償化を実現したところであり、来年度も着実に実施することとしております。
 また、第二に、低所得世帯を対象とした授業料以外の教育費支援として高校生等奨学給付金による支援を行っており、来年度予算案では、オンライン学習通信費相当額など、非課税世帯の給付額を増額するなどの充実を図っております。
 また、高校生等奨学給付金については、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、今年度から、入学時に負担の大きい新入生に対して給付金の一部を早期支給できるよう制度の見直しを図ったところでございまして、この令和三年度からは、年度当初から対応できるように準備を進めているところでございます。
 様々な御意見をいただきまして、昨年度までは、国からの支払い、最初が七月であったんですが、これも四月当初に国からも自治体に出してしまいますので、年度当初からそれぞれの自治体で対応できるように努めてまいりたいと思います。
 今後とも、関係機関と連携をさせていただいて、各種支援制度の着実な実施と充実を図りながら、教育費負担の軽減にしっかりと取り組んでまいります。
 以上です。

#201
○中野分科員 ありがとうございます。
 先ほど答弁いただいた奨学給付金、早期に支給をする形で対応する。これは全体的に支援の増額というのも来年度しっかりやっていただくということでありますけれども、やはり、こうした費用がかかる、そういう時期にしっかりと支援が届くように、こうした、最後、運用の部分ではあるとは思うんですけれども、大事な点だと思います、是非御対応いただくということで、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
 続きまして、今度は大学生等学生への支援ということも取り上げさせていただきたいというふうに思います。
 コロナ禍の中で、学生の学びというのが非常に大きな影響が出ているのではないか、このように心配をしております。
 例えば、大学で独自に調査をしていただいた、そういう例などもあるんですけれども、やはり今回、多くの大学で、コロナ禍ということもありまして、遠隔の講義であるとかオンラインの講義、こういうものが非常に増えたわけであります。私は、それ自体は、様々な学びの方法があるというのは必ずしも悪いことだというふうには思ってはおらないのですけれども、実際に学生に対していろいろなアンケートなどで聞いてみますと、やはりそれだけでは、本当に自分にスキルが身についているのか、あるいは授業の内容そのものについても不安の声というものがあるというのは、私は事実だというふうに思います。
 もちろん、新しい大学が始まってもなかなか学校に集まらないということで、そうした学生同士のコミュニケーションであったりとか、そういうことについてもやはりそうした不安があるということなのかもしれないんですけれども、いずれにしても、大学で学ぶことに対して、本当にこれで大丈夫なんだろうか、こういう不安があるというのは非常に憂慮すべき事態であるというふうに思っております。
 こうした、特に学生の声をしっかり是非受け止めていただいて、大学は大学で、やはり運営というところでどういうふうにやっていくかというのはあるとは思うんですけれども、是非これは文科省としても対応していただくようにお願いしたいと思いますけれども、これについても答弁をいただきたいと思います。

#202
○伯井政府参考人 お答え申し上げます。
 その前に、先ほど、学生の就職内定状況で、私、十二月一日時点の大学生の就職内定率八二・八%と答弁いたしましたが、八二・二%の誤りでございます。訂正させていただきます。申し訳ございません。
 大学での遠隔授業の実施に関するお尋ねでございますが、やはり学生の学習の仕方が変化する中で、学生が不安を抱えやすい状況にあるというところは先生御指摘のとおりでございます。
 安心して学びに打ち込める環境をまず整備するということで、これまで文科省では、大学等における遠隔授業実施の環境整備に必要な経費として、令和二年度第一次、第二次補正予算合わせて百億円を計上いたしまして、学生への貸与用のパソコンあるいはモバイルルーターの整備等を支援してまいりました。
 一方で、各大学等に対して、実験、実習を始めとして面接授業の実施が適切であるというふうに判断されるものにつきましては、感染対策を十分に講じた上で面接授業の実施を検討することを累次にわたり要請しております。感染症対策と対面授業を効果的に両立している好事例の収集、発信というのを、具体的な大学名も挙げながら、我々として公表しているところでございます。
 さらには、遠隔授業等で不安を抱える学生の心のケアということを各大学にお願いいたしまして、学生の悩みや不安に寄り添ったきめ細かな対応というのをお願いしているところでございます。
 今後とも、遠隔授業あるいは面談授業というのをしっかり求めていく中にあって、学生が安心して学びに打ち込めるよう、必要な支援に取り組んでまいりたいと考えております。

#203
○中野分科員 ありがとうございます。
 来年度もいろいろな形の講義あるいは大学の授業というのを既に準備をされていて、恐らく遠隔等々も使いながらということも結構あるかというふうには思います。
 私も直接学生にいろいろなお声を聞いてみたこともあるんですけれども、確かに、講義によっては、講義によってというか、そうした研究のやり方によっては、オンラインでもそんなに実は余り影響がなくて大丈夫ですよというふうなお声ももちろんあるんですけれども、他方で、対面でないと、やはり、これは本当に自分がスキルが身についているんだろうか、こういうお声もあるかというふうに思います。
 是非、状況をよく文科省の方でも見ていただいて、そしてまた、実際に学生からどういう声が上がっているか、こういうことも含めてよく丁寧に聞いていただきまして、今後の対応というものもしっかり各大学に是非お願いをしていっていただければということで、改めてお願いをしたいというふうに思います。
 もう一点は、経済的に困難を抱える学生や留学生についての支援ということであります。
 先ほどもお話しさせていただいた、昨年は、学生に対する緊急給付金というのもやらせていただきました。特別の無利子の貸付けというのも実施をしております。給付型奨学金も、家計の急変ということで対応していただいている事例も数多くあるかというふうに思います。
 引き続き、来年度についても、こうしたコロナの状況ではありますので、恐らくアルバイト等も今年、昨年同様にかなり限られたような状況になることも想定もされますし、引き続き家計の状況が厳しい、こういう方も数多く出られるのではないかというふうに思っております。
 今、支援を受けられている人も、こうした修学の援助というのが、例えば少し収入が上がったことでこれが打ち切られる、こういうふうになると、やはりこれは直ちに学びが続けられないのではないか、こういう事態も心配されるところであります。
 やはり必要な支援はしっかりと来年度も、こうした経済的に困難を抱える学生たちに対する支援をまたしっかりと行っていくべきだというふうに思いますけれども、これについても答弁をいただきたいと思います。

#204
○伯井政府参考人 御指摘いただきましたように、文部科学省では、高等教育の修学支援新制度や貸与型奨学金において、家計急変した学生に随時支援を行うとともに、学生の“学びの支援”緊急パッケージを昨年十二月にも改定し、無利子奨学金の充実といったことも行っております。
 また、学生支援緊急給付金を予備費で措置いたしまして、留学生を含めまして、バイト困窮学生というような方に対して、これまで約四十二万人に支給を行ってきておりますが、さらに、昨年秋以降に経済的に困窮した学生約一・四万人を対象に、追加の支給を現在も行っているところでございます。
 新型コロナウイルス感染症の影響で経済的に困難な学生が修学、進学を諦めることのないよう、しっかりと支えることが何より重要というふうに考えております。今後とも、学生の修学状況というのをしっかりウォッチしながら、新型コロナウイルス感染症の状況等を踏まえつつ、必要な対応を講じてまいりたいと考えております。

#205
○中野分科員 是非よろしくお願いいたします。
 特に中退の状況ですとか、いろいろな御相談の状況ですとか、確かに、実際、給付型奨学金とかが本格的に実施を昨年しているということもありますので、なかなか単純な比較というのも難しいのかなとは思うんですけれども、しっかり状況を見ながら必要な支援というのをまた講じていっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、このコロナ禍の中で、大学の入試の出願数もかなり数字としては減っているということもお伺いをしました。もちろん、試験の切り替わりとかいろいろな理由はあるかというふうに思います。
 他方で、私、昨年も、高校生の受験生の子供たちで、やはり家計が大変に苦しくて、こうした受験に関しても、本来であれば受けようという子供たちが、なかなかそういう受験の費用を賄うことができなくて、諦めようか、こういうふうなお声もいただいたりですとか、あるいは、本来であれば何校か受験したいところなんですけれどもそれができないといったお声ですとか、いろいろなお声をいただいたところでもあります。
 こうした、将来に羽ばたこうという時期に家計の問題で進学ができないというのは本当に何とかしないといけない、こういう思いを強くしたところであります。
 そういう意味では、今、給付型奨学金のような入学後の手当てというのはしっかり、ある意味、制度としてはあるわけでありますけれども、いつも問題になりますのが、入学前の、大学の入試を受けるであるとかあるいは入学金を支払うであるとか、そうした様々な準備であるとか、進学に関連する費用というのは様々ありまして、ここが非常に費用がかかるところでもありますので、これが賄い切れないというのは以前からよく指摘をいただいているところであります。そこを進学後の奨学金で、何とか少しそういう費用も貸していったりですとか手当てはしているわけでありますけれども、やはり、引き続き構造的な問題としてこれがあるわけであります。
 例えば、今回、大学等の入学金や授業料というのがあるんですけれども、なかなか前もって支払うことができない、こういうお声もございますので、例えば大学等にこういうところを少し状況を見ながら猶予をしてもらえないか、こういうことを国の方からもしっかり言っていただけないか。
 あるいは、大学にとっても経営の問題だということもあろうかと思いますので、併せていろいろな支援を講じていくとか、やり方はいろいろあるんだと思うんですけれども、このコロナ禍の中におきまして、そうした対応というのを是非何かしっかりと図っていただきたい、このように思うんですけれども、これについて答弁をいただきたいと思います。

#206
○伯井政府参考人 ただいま御説明いただきましたように、大学など高等教育段階では、高等教育の修学支援新制度や貸与型奨学金におきまして入学時に必要な費用の支援を行っておりますが、入学前においてどうするかという課題がございます。
 今御指摘いただきました入学金等の初年度納付金につきましては、納付時期の猶予等を我々としても各大学にお願いをするということもしております。猶予等ができない場合でも、各種融資等の支援制度の周知というところを図っているところです。
 また、今年度、大学等が学生納付金の徴収猶予を実施することによって大学等が資金ショートする、そういうことを防ぐ観点から、国立大学法人運営費交付金や私学助成の交付を一部前倒しして実施しておりまして、令和三年度においても、各大学の経営状況等を見ながら、こうした同様の支援について検討していかなければならないというふうに考えております。
 今後とも、関係機関とも連携いたしまして、経済的に困難な学生が進学を諦めることがないよう、必要な支援に取り組んでまいりたいと考えております。

#207
○中野分科員 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

#208
○村井主査 これにて中野洋昌君の質疑は終了いたしました。
 次に、青山周平君。

#209
○青山(周)分科員 自民党の青山周平でございます。
 本日は、貴重な分科会での質問の機会をいただき、本当にありがとうございます。
 まず、昨年一緒に政務官として働かせていただきまして、いろいろなところで御指導いただきながら一緒になって仕事をさせていただきましたこと、本当に心から感謝を申し上げます。
 その上で、やはり一年間を振り返ってみますと、新型コロナウイルス感染症対策始め、そういった対策に追われた一年であったというふうに本当に実感をいたしております。
 ただ、中で皆様方のお仕事、また学校現場の状況を聞くに当たって、このような、戦後初めての緊急事態という、本当に日本にとっては初めての経験であったにもかかわらず、現場、その時々は混乱したと思うんですが、それぞれ御対応いただいて、本当に大きなマイナスなくここまで来られたのではないか、そんなふうに思っております。
 特に、昨年の二月の学校の一斉休校、このときは、私すごく感じたんですが、学校は子供たちを教える場所だけではなくて社会に本当に大きな影響を与えるんだなということを痛感しました。給食の食材、これは農水省に関わる問題かもしれませんが、そういったものに関してもどうやって補償していこうか、また、お休みを取らなきゃいけない方々の雇用に関すること、社会全体に影響する文部科学行政だなということを痛感をいたしました。
 そんな中ではありましたが、私、今回のこのコロナ禍、まだまだ続いております、ワクチンの接種ですとか皆様方の自粛によって少しずつ数も今は減っておりますが、脅威が遠のきつつあり、また未来が見えるようになってきた感じではありますけれども、まだまだ戦いの真っ最中でありますけれども、文科省の中では、ピンチであったんですが、チャンスに変えられたことも多くあったと思います。例えば、多分この分科会の中でも、GIGAスクール、すごく質問が来たと思うんですけれども、GIGAスクール構想なんというのはその最たるものだと思っております。
 まず、このGIGAスクール構想について、私から、一問目、質問をさせていただきたいと思っております。
 先ほどもちょっと様子を見ていたら、大臣からも、地財措置によって三人に一台はずっとこの二十年来推進をしてきたんだというお話がありました。
 ただ、これは忘れてならないのは、十二月の五日閣議決定の、一昨年だったと思いますが、そこで一人一台パソコンを五年間で整備しようということが決まったんですね。なので、これはコロナに対してGIGAスクール、一人一台が決まったのではなくて、その前にこれを推進しようということで、事前準備でスタートしたというのがスタートだったと思うんです。その上で、補正予算で、今年は大変だから一人一台を前倒して一年間にしようということになったんだというふうに理解をしております、多分間違っていないと思いますが。
 そんな中で、そのときに話になったのは、例えば一年間で整備するとなると、ネットワークの工事だとか、あと、端末を皆さんに作って買わなければならないので、その製造が追いつくかだとか、いろいろな懸念があったと思います。
 そんな中で、今現状で、一人一台端末、またネットワークの整備の状況、どのようになっているのか、これは未来のことも含めて御答弁いただければと思います。
    〔主査退席、神山主査代理着席〕

#210
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 ありがとうございます。コロナ禍の中で、本当に学校現場も最大限努力して子供たちの教育の継続に日々努力いただいていること、本当に敬意を申し上げたいと思いますが、その中で、このGIGAスクールに関しても、市町村、学校を含めて最大限努力をしていただいているところでございます。
 現在、全国の小中学校に、一人一台端末の整備や、あわせて高速大容量の校内通信ネットワーク整備等に一体的に取り組んでいるところでございます。
 まず、端末整備についてですけれども、これは昨年八月末時点での調査ではございますが、本年度末、すなわち、来月末、三月末までに、ごく一部の自治体を除きまして、ほぼ全ての自治体で端末の納品が完了する見込みとなっております。早いところですれば、もう昨年のうちに納品も済み、活用に着手している自治体、学校もございます。
 また、校内通信ネットワークの整備につきましても、昨年秋に状況を確認したところでは、全国の小中学校等のうち、既に十分なネットワークを有している場合とか、あるいは、LTE端末で対応するといった理由で整備予定がないという学校が三千八百校ございましたが、これを除いた約二万九千校が整備に取り組んでおりまして、このうち九九%、二万八千七百校が、本年度内、少なくとも本年四月中には供用を開始する予定と承知しております。
 ごく一部、もう少し工事が出てしまうところもございますが、全体の状況としてはこういう状況になっておりまして、文科省としては、学校におきますICT環境の一日も早い整備に向けまして、ICT活用教育アドバイザーの派遣等を通じて助言を行うなど、自治体に対して引き続き支援をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

#211
○青山(周)分科員 ありがとうございます。
 本当に、混乱の中で、しかも、その中で前倒すということで、非常に莫大な事務作業、また、学校現場の皆様方も非常な御努力をいただいたというふうに思っております。本当に、その皆様方の御尽力に敬意を表するところでございます。
 その上で、実は先日、私、最近、会議もリモートが多くなりましたが、リモートで国会議員に子供たちが聞いてみようというイベントがありまして、そこで小学校低学年から高学年ぐらいの子たち、小学生を対象にいろいろな声をいただきました。
 すばらしいことだなというふうに思ったんですが、実感として、小学校一年生、二年生でも、もうリモートで何かしゃべるというのは当たり前、生活の一部なんだと。学校にはまだ配備されていない子たちも多かったと思うんですが、家庭の中ではそういった環境が、もちろんオンライン学習をしようという御家庭ですから、そういったところが進んでいるとは思うんですが、それにしても、デジタルネイティブなんというふうに呼ばれる世代の子供たちというのを本当に身近に感じることができました。
 その中で意見をいっぱいもらったので、ちょっと御紹介します。コロナで会えないときに、GIGAスクール構想で、タブレットで友達と話せるのがよかった、うれしい声ですね。離れている人とつながれる、これは自宅かもしれませんが、おじいちゃん、おばあちゃんだとか遠い人ともつながれる、よかった。タブレットをもらったことで日記をつけようと思った、タブレットじゃなくてもつけられると思うんですが、しかし、そういったきっかけによって何か次のことをしようとした、そんなこともあったようです。
 あとは、反面、ゲームばかりしている子たちもいるから、それはよくないよねという子供の声がありました。また、ラグが気になると。僕も、ラグって何だろうと思って調べてみたら、遅れが出るんですかね、通信の。
 ここがちょっと気になって、以前、どことは言いませんけれども、大臣と一緒に視察させていただいたときに、学校でリモートをやっているときに、ラグではなくてフリーズしてしまっていて、先進的に取り入れたにもかかわらず、ほかの学校との会話がフリーズしてしまうと。
 今整備率のお話をいただきましたが、一台端末が届いて、ネットワークもでき上がりました。ただ、これは超高速通信、高速通信と言われていますけれども、一人当たり二メガバイトが大体基準でしたか、全校で一斉にやることはありませんから、今八メガバイトぐらいだと一秒ぐらいで画像が出るとかいろいろ言われていますが、一つのクラス、一学年でやったときには不具合のない、今現状だと思うんですが、多分今後、通信に関して、問題というのは結構多く起きてくるんじゃないか。
 なので、せっかく大きい金額を出してインフラ整備したんだけれども、結構ネット環境が使えないから、一人一台端末がなかなか有効に活用できないよということがあってはなりませんから、今回整備はしていただきましたが、それもしっかり後も追って、ちゃんと使えているかどうか。さらには、デジタル教科書だとか、今後ICT教育が進んでいきますから、必ず使えるような、その後もしっかりフォローアップしていただきたいと思いますので、それに関して御答弁をお願いします。

#212
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。ありがとうございます。
 一人一台端末環境の整備が整い、本格的な活用が行われた際、通信環境が原因となって不具合が生じないよう、あらかじめ対応していくことは重要と考えております。
 このため、昨年秋に学校の通信ネットワーク状況を調べましたところ、学校からインターネットに接続するネットワークに関して、現状の接続速度等が十分確保されていないにもかかわらず今後の増強予定がない、そういった自治体が一部にあることなども確認されました。
 こうした状況を踏まえまして、文科省では、特に、ボトルネックの発生が懸念されるセンター集約型のネットワークに対しまして、令和二年度第三次補正予算におきまして、学習系のネットワークを学校から直接インターネットへ接続する方式に改める改修への支援措置を講じるとともに、あわせて、ICT活用教育アドバイザーを通じて、クラウド活用に向けて、自治体に通信環境の増強に向けた取組を促すなどの方策を進めているところでございます。
 実は、こういう時期で、我々もそういったリモートの会議がございますが、国の施設でも、遅れが出たり、通信回線が具合が悪かったりというところがありますので、回線の問題なのか、その手前のハードの問題なのか。それから、御質問ではありませんが、デジタル教科書なども入れて一斉に使った場合にどうなるかというのを、来年度のフィージビリティーの予算としても計上しています。
 こういったことも、あらかじめできるだけ手は打ちますけれども、確認しながら、一歩一歩学校におけるICT活用が円滑に進められるように、機会を捉えて支援をしてまいりたいと考えております。
 ありがとうございます。

#213
○青山(周)分科員 御答弁ありがとうございます。
 本当に日進月歩なので、それをしっかりと追っていくということがこの後重要になると思います。
 先日、私、自分のパソコンを買い換えたんですね、十年ぶりでした。スペックを見て次のに買い換えようと思ったら、今持っている携帯よりも十年前のパソコンの方がスペックが低いというような状況。だから、十年間たつと、もうこの世界って様変わりしていると思うんです。なので、お金のかかることでもあるかもしれませんので、そこの最適なものを例示しながら、しっかりと使えるようにしていっていただきたいと思っております。
 それと、非常に重要だと思うのが、お答えしにくいかもしれないんですけれども、始めたばかりで次のことということで、更新です。
 やはり今回、本当に大きな予算措置、補正予算の措置で一人一台が実現したわけでありますが、携帯の買換えの平均って三年から四年だそうです、平均を取ると。端末も同じように、バッテリーが劣化したりだとか、使えなくなっていく可能性があります。そういったものに関して、今回は国費で大きく推進することができましたが、今後はやはり、今後ずっと使えるようにしていかなければなりませんので、その更新に関してもしっかりと認識した上で、これからもICT環境の整備、また、GIGAスクール構想をしっかりと進めていただきたいと思いますが、この点に関して。

#214
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 令和元年度及び二年度の二度にわたります補正予算による端末整備につきましては、各自治体が安価に学校ICT環境を維持管理できるよう、文部科学省として、事業者への働きかけも含めて、様々な施策を講じてきたところであります。
 まずは、年度末に向けてかなり多くの自治体が集中してまいりますので、この整備が円滑に進むように、引き続き丁寧に対応してまいりたいと思います。
 その上で、今後の耐用年数を踏まえた計画的な更新、あるいは更新に際しての費用負担の在り方についてでございますけれども、この点は、今後、関係省庁あるいは地方自治体等と協議をしながら検討を進めさせていただきたいと思っております。
 その検討のためにも、まずは、令和の時代のスタンダードとして、学校における一人一台のICT活用が当たり前である社会、学校をつくり上げることが前提だと考えております。

#215
○青山(周)分科員 各省庁と連携をしながら、しっかりと進めていただきたいと思います。
 今年入った子たちはみんなただでもらえたけれども、十年後の子たちは自己負担が出るというと、世代間でちょっと、そういう不公平性も出るかもしれません。いろいろ難しいところ、多くあると思いますが、せっかく始めたことでありますので、有効に使っていただきたいというふうに思っております。
 次に、部活動改革に関して御質問をさせていただきます。
 藤江次長とは、非常に難しい課題ではありましたが、本当にそれぞれの局が努力をしていただいて、ここまでこぎ着けることができたというふうに思っております。
 私が心配していることというのは、各教育委員会も、設置者の皆様方も、教員の働き方改革、これはもう待ったなしであります。その上で、地域部活動に移行をしっかりとしていくこと。一番大切にしなければいけないのは、子供たちがスポーツ、そして文化、これに、今まで先生方の本当に献身的な勤務によって支えられてきた部活動の子供たちへの体、また芸術への影響を少なくしてしまってはならない。その上で、働き方改革も進めなければならない。先生たちの負担も軽減していかなければならない。
 本当に難しい課題であったと思いますが、令和三年度予算にあります地域部活動の推進事業、これがやはり肝だと思います。令和三年、令和四年、あらゆる大きさ、また種目、そういったものを網羅してモデル事業をしていただいて、それを研究することで日本全国に広げられるモデルケースをしっかりとつくるということで、今回、予算が立っていることと思いますが、現状で、応募状況だとかそういったものがどういうふうになっているか、教えていただければと思います。

#216
○藤江政府参考人 お答え申し上げます。
 部活動改革につきましては、今お話しいただきましたとおり、委員に政務官として御指導いただきまして、令和五年度から、休日の部活動を段階的に学校教育から切り離し、地域の活動に移行するということを昨年九月に取りまとめたところでございます。
 この部活動の地域移行の実現に向けまして、今御指摘いただきました実践研究を都市部や町村部など様々な地域で行い、この課題を検証しつつ、その成果を発信したいと考えておりまして、各地域において来年度早々から円滑に実施できるよう、予算の成立が前提ではございますけれども、自治体からの意向を確認しつつ、拠点校の決定に向けた手続を今進めているところでございます。
 文部科学省といたしましては、幅広い地域で実践研究を行うことを通じて、都市部や町村部など各地域の実情に応じた多様な取組を着実に進め、その成果を広く情報発信することで、休日の部活動の地域移行を全国展開したいというふうに考えておりまして、生徒にとって望ましい持続可能な部活動の実現と教師の負担軽減を両立できる部活動改革を進めてまいりたいと考えております。

#217
○青山(周)分科員 ありがとうございます。
 本当に幅広く集めていただいて、どこもこのケースを使えばできるなというものをつくっていっていただきたいと強く思っております。
 最初、ちょっと予算額が少ないと思っていたところがあったんですが、一事業当たりたくさんの予算を積んでしまうと継続可能性が少なくなってしまうということもあると思うので、是非効率的な使い方をお願いしたいというふうに思います。
 その上で、令和五年度、ここから段階移行ということで、この段階的というのもどうなのかという話もありましたが、段階移行していくときに、どうしてもこの部活だけはできないというところができてきてしまうと思うんです。全部が全部できない可能性もあります。ですので、そこに関してもしっかりとフォローして、いや、働き方改革をやらなきゃいけないから、じゃ、土日はもう休みにずっとすればいいね、そういう判断にならないように、これはスポーツ庁が、あと文化庁、しっかりと力を入れてやっていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。質問はいたしません。要望とさせていただきます。
 次に、高等教育の修学支援制度と私学助成による授業料軽減ということに関してちょっと御質問させていただきます。
 まずは、今、休退学者、これはコロナ禍で心配されました、高等教育を受ける学生の収入減、また世帯の収入減による休退学が増加するのではないか。団体のアンケートでは、二〇%の子たちが休退学を考えている、そんな声が出ました。
 これに関して、今現状、学生の休退学はどうなっているでしょうか、教えてください。

#218
○伯井政府参考人 お答えいたします。
 昨年四月から十二月末までの調査結果では、大学の中途退学者数については令和元年度よりやや少なくなっております。率でいいますと、令和元年度が一・二二%、令和二年度が〇・九七%となっております。休学者数については、海外留学による減少分を除いてほぼ同人数となっておりますので、休学者数は大きな変化が見られないという状況でございます。
 ただ、今回の調査結果につきましては、これまでの様々な支援が一定程度効果を上げている部分はあるとは思いますが、例えば一年生で休学者数が僅かに増加しているというような状況もございます。
 年度末に向けて中退、休学者が増加することも想定されますので、我々としては、しっかりそこは注視しながら、経済的に困難な学生が修学、進学を諦めることがないようしっかりと支えていくということが重要と考えております。

#219
○青山(周)分科員 ありがとうございます。
 調査も多分、年何回もやっていただいていると思います。大変これは学生さんたちの身になって考えていただいているということを痛感をいたしております。しっかり数字を見ながら対応いただきたいと思います。
 その上で、コロナになる前よりも減っているというのは、やはり、これは家庭も、大学の御努力、補助金だとか支援金、こういったことが功を奏していると思っております。引き続きこの状況を続けていただきたいと思います。
 その上で、これは昨年の話なんですが、一昨年まであった、大学が独自に支援する学生の授業料減免、これに文科省から支援をしていたということだったんですが、修学支援の新制度によって、かなり大きな額で、非課税世帯、そこに準ずる方々の負担軽減を図ることができたわけでありますが、それに伴って、八百四十一万円以下ですかね、から新制度に入らない三百八十万円以上の方々、ここにしていた支援が去年一年なくなってしまったということであります。大学は、その年にやめるわけにいきませんから、一年生で入って、二年生もちゃんと大学の独自の財源でやっていただいていると思うんですが、これは幼児教育だとかそういったものも、本当に困っている方々から段階的に支援が伸びていっています。
 今回、大きく低所得者の方々への支援が伸びたわけで、今後、中間層に関しても、今までこれはいい制度だったと思うんです、マクロでいえば大きく支援の手は進んでいますが、ピンポイントで見るとそういったところが欠けてしまっているということがあると思いますので、ここに関しては、なかなか答えられないかもしれませんけれども、今後もしっかりと見ていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#220
○森政府参考人 高等教育の修学支援新制度につきましては、国公私立の学校の種別を問わずに、真に支援が必要と考えられる低所得世帯の学生に支援の手が確実に行き渡るように、制度を整備してきたものでございます。
 私立大学につきましては、この新制度による私立大学等の対象者への授業料減免分といたしまして、令和二年度予算で千九百四十二億円が計上されまして、従来と比べて対象となる人数、金額及び国からの支援の割合が大幅に拡充されておりまして、新制度の対象となる学生への支援につきましては、大学における負担分が減少いたしまして、大学にとって新たな財源が捻出されるものと考えております。
 また、令和二年度予算における私立大学等経常費補助のうち、学生の人数を配分の算定に盛り込んでいる一般補助については、前年度比三十一億円増の二千九百七十七億円を計上したというところでございまして、こういった学生の経済的負担の軽減によりまして学びの継続の支援をする観点は非常に重要でありますことから、各大学では、これらの財源やその他の自主財源も活用いたしまして、中間所得層の学生に対する支援についても適切に対応していただくようにお願いをしてきたところでございます。
 また、日本学生支援機構の無利子奨学金の充実や、あるいはその奨学金の返還について柔軟な仕組みの導入など、きめ細やかな支援措置を講じてきたところでございまして、高等教育の修学支援の充実について、これからも中間所得層も含めた学生の経済的負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。

#221
○青山(周)分科員 高等教育で、子供を何人授かりたいかというときに、やはり大学まで卒業させてあげるのに三人はうちでは難しいという方々は多い。本当に少子化対策としてもこれは非常に重要だと思っているんです。もちろん低所得者の方々への厚い支援、プラス、やはり高等教育、大変お金がかかりますから、そういったものも、しっかり今後とも、今のお話から更に発展をしながら、お支えをいただきたいというふうに思います。
 幼稚園、預かり保育に関して最後質問をさせていただきます。
 内閣府の行政レビューを受けて、今年度の予算から、来年度、令和六年までに、四時間未満の預かり保育が段階的に補助の対象から外れていくというお話であります。私、行政レビューを読ませてもらったんですが、実は、これはもう少ししっかり調べていただきたいと思うんです。なぜかというと、この二時間以内というのは、実は幼稚園の現場では一番利用者が多いんです。三時間、四時間、五時間と、受ける方々ってどんどん少なくなっていくのが現状なんですね。なので、ユーザー目線でという文言もありましたが、ユーザー目線ではそこが非常に重要なところなんですが、そこの基礎単価、補助がなくなることによってやめてしまわれては、実は待機児童が増える可能性も私はあると思っております。
 ここに関しては、今後、来年度は基礎単価五十万円ですかね、ということでありますが、それ以降、しっかりと調査をして対応いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#222
○森政府参考人 私立幼稚園等が実施いたします預かり保育につきまして、今委員の御指摘ございましたように、令和三年度予算案における今事業につきまして、今年度の秋の行政事業レビューにおいて、ユーザー目線で必要な開設時間が確保できるような補助要件の見直し等も指摘がなされたことを踏まえまして、補助要件を改めて、二時間以上の短時間の預かり保育への支援を行いながらも、長時間の預かり保育を実施する園に対する支援の充実を図ったというところでございます。
 令和四年度以降におきます本事業につきましては、今御指摘がございましたように、私立幼稚園等の預かり保育の実態や保護者等のニーズを踏まえまして、引き続き、補助の在り方を検討してまいりたいと考えております。

#223
○青山(周)分科員 働き方改革、学校でも今から教員の働き方改革をやろう、省庁でも始める、各会社でもやっていく。私、ヨーロッパで、長時間の預かり保育がみんな当たり前という状況ではないというのをよく聞きます。早く子供たちを親御さんに返すこと、家庭で過ごしてもらうこと、これこそまさに子育て支援だと思うんです。
 日本でも、働き方改革がどんどん進んでいきます。テレワークだとか、時間をずらした勤務、そういったいろいろな勤務体系ができ上がっていく中で、私は、どちらかというと、この二時間というのはすごく重要なポジションになってくるというふうに思っています。時代が逆に進んでいるような、なるべく長く、幼稚園でも八時間とか、そういう時間になっていくのではなくて、働き方改革と併せて子供たちの育ちの環境をつくっていくということ、非常に重要だと思いますので、是非よろしくお願いをいたします。
 済みません、生川局長、お越しをいただきましたが、核融合に関して、カーボンニュートラルの時代に向けて、非常に、文科省の中で、ITER計画、また核融合科学研究所のヘリカル方式も含めて、核融合に関しては期待が高まっておりますので、今後とも是非頑張っていただいて、二〇五〇年のカーボンニュートラルに資するように今後ともよろしくお願いを申し上げ、質問を終わらせていただきます。
 本日は、どうもありがとうございました。

#224
○神山主査代理 これにて青山周平君の質疑は終了いたしました。
 次に、大河原雅子君。
    〔神山主査代理退席、主査着席〕

#225
○大河原分科員 立憲民主党の大河原雅子でございます。
 今日は、学校現場、学校の教育現場における新たな公害、香害について質問していきたいと思います。
 香害とは、柔軟剤とか消臭除菌スプレー、制汗剤、芳香剤、合成洗剤、こうした香りを伴う製品によって起こります健康被害のことなんです。これまで何度もこの香害については被害者や当事者の方や市民の皆さんから御要望をお受けして、そして省庁にもお伝えをする機会をつくってまいりました。しかし、なかなか因果関係が分からないんだというようなことから、まず受け止めがなかなか遅かったということもございますけれども。
 特に、学校の教育空間、大人よりも化学物質の影響が大きい子供たちが毎日そこで遊ぶ、そして学ぶ、そうして子供たちの交流の場にもなっている、そういう場でございますので、子供たちの健康が一番懸念されます。もちろん、教室で子供たちとともに過ごす教員の皆さんにも健康被害はございます。
 子供たちは、教室の狭い空間の中で、家庭で使用した香りつきの製品によって化学物質が衣服に付着した状態で長時間過ごさなければなりません。この香りを閉じ込めるために、マイクロカプセルなど、こうしたものを使っておりますので、これが、空中に微粒子が漂っているということもあるわけです。まさにそのことが大きな課題だと思いますが、化学物質にあふれるこの環境ですけれども、まず、大臣、香害について御認識を伺いたいと思います。

#226
○萩生田国務大臣 学校においても香料等に起因して健康不良を訴える児童生徒がおり、その原因等については現段階においては明らかになっていないものと承知をしております。
 文部科学省においては、各学校において、個々の児童生徒等の実情に応じて個別の配慮が適切に行われるよう、いわゆる化学物質過敏症について取り上げた参考資料の作成や、教育委員会や養護教諭等を対象とした研修会などを通じて周知を図っているのが現状です。

#227
○大河原分科員 今年二月に札幌市の教育委員会が発行した、化学物質過敏症、予防と香りのエチケット、知って子供たちを守りましょうという広報がございました。家庭から持ち込まれるものとして、柔軟剤の香りがあるというふうに明記されたんですね。このことは画期的なことだと思いますが、さすがに、子供たちと日々接しているそうした現場であるからこそ、持ち込まれているものの正体を、実態をしっかりと把握するというところで、大変、消費者被害に遭っている人たちの声を受け止めたものというふうに思っています。
 自力で着替えや歩行のできなくなった方までおられまして、教育委員会にその方からお手紙が届いていました。ちょっと読み上げますと、私は、柔軟剤の香りで息苦しさや頭痛を感じるようになって、学校に通うことができなくなりました、よい香りが私にとってはつらくなってしまいました、以下省略をいたしますが、よかれと思って、香りがいいと思って使ったものが、化学物質でございますから、全ての香り、化学物質、におうということは、その化学物質が鼻に入って、肺に入って、そして、被害が起こるとすれば、それが血流で神経系統に作用するということだと。
 そうしたことも、実は、化学物質とは何かということも含めて広報している自治体もございます。しかし、保健の範囲で広報されることが多いんですが、今回、この札幌市は、教育委員会、ここが現場として喚起を促したということは非常に画期的だと思いますし、こうした自治体それから教育委員会の動きは各地にありまして、増えてきていると思います。
 茨城県のつくば市の教育局では、保護者宛ての通信で、香りの感じ方には個人差があります、自分ではよい香りでも、周囲の人々は様々な感じ方があります、周囲に配慮した使用を心がけていただきますようお願いしますということもきちんと書かれておりまして、さらに、お願いとして、給食当番用の白衣や保健室の貸出用のジャージ、この洗濯については特に御配慮いただきたいというふうに書かれております。
 つまり、子供たちが、自分のうちでは使っていないけれども、借りてきたもの、あるいは、当番で前の方が使った、それを使うということで、自分のうちでは使っていない洗剤や柔軟剤が入ったものを使うことになってしまって、うちに持ち帰ってそれを洗濯すると、家の洗濯物にもその作用が残ってしまう、移ってしまう、こういうことがあるんですが、自治体、教育委員会の動きなどをどのように把握しておられるでしょうか。

#228
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 いわゆる化学物質過敏症や香りのエチケットについて、啓発資料を作成あるいは配布をしたり、研修会を実施するなどの取組を行っている地方自治体があると、御紹介の札幌市やつくば市などのほか、例えばでありますけれども、埼玉県であったり、宇都宮市の教育委員会であったり、幾つもの自治体がそうした取組をしているということは承知しております。
 文部科学省におきましては、主催する研修会におきまして、こうした香り等による健康被害などを含めた、いわゆる化学物質過敏症に関する周知や情報交換を行っておりますので、こうした取組も通じて、今後も、児童生徒の健康の保持増進に必要な対応を行ってまいりたいと考えております。

#229
○大河原分科員 ポスターを使ったりとか、ホームページに載せたりとか、香料の自粛を呼びかけるそうした自治体が増えてまいりまして、お手元に配付させていただいた、ちょっと地図形になっているのを御覧いただけると、これらの自治体では、化学物質過敏症や香害について議会が取り上げている。それから、もう一枚の方を見ていただきますと、ポスターで、作っている、啓発している、そうした自治体は五十二か所ですかね。でも、自治体のホームページを使っているというのは百十一自治体もありまして、大臣のお地元の八王子も、ポスターの掲示などしているようです。
 このことは、やはり、非常に大きな新しい公害として、私たちは先手を打って予防をもっともっとしなきゃいけない。自主的になくしていく、少なくしていく、そして、これを、教育現場からは、お互いさまということもございます、どんどんなくしていくということも考えなくてはなりません。一斉に禁止するということができないんだというふうに行政は今言っているところですので、改めて、できるところからきっちりとやっていくということが大事だと思います。
 文科省の場合は、健康的な学習環境を維持するために、学校における化学物質による健康障害に関する参考資料というものを作っておられまして、この中でシックスクール対策、やりましたよね。シックスクール対策として掲げられております六物質、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、スチレン、エチルベンゼンなどが対象になってまいりました。
 しかし、教職員、児童生徒、保護者が使用する柔軟仕上げ剤、それから、消臭除菌スプレー、制汗剤、残香性の合成洗剤など、日用品からの被害が香害でございまして、化学物質の問題です。
 この参考資料を改定をしなくてはならないというふうに思っております。こうしたものがこの中には基準として入っていないんですね。ですから、この参考資料を改定して、是非柔軟仕上げ剤等から起こる香害についても記載をしていく、そのことが必要だと思います。
 例えば、芳香剤、消臭剤というのは、この十五ページにたった二行書いてあるだけなんです。でもこれに、今申し上げましたような、柔軟仕上げ剤、こうしたものをきちんと入れる。新しい健康被害が起こっている、こういうことも捉えて、是非これを改定していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

#230
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 香料等に含まれます化学物質による健康影響については、まだまだ不明な点も多く、関係省庁それぞれの専門的見地から検討される必要があると考えております。
 このため、現時点におきましては、御指摘いただいた指導参考資料の改定の予定はございませんが、今後、関係省庁において新たな知見等が得られた場合には、本参考資料の改定についても検討してまいりたいと考えております。
 以上です。

#231
○大河原分科員 新たな知見とおっしゃいますけれども、化学物質過敏症のことは、もう既に保険適用がされるような、そういう位置づけがされております。
 それで、香害の方は、まだそういう意味で化学物質過敏症との境がないんだというようなおっしゃりようだと思うんですが。でも、未然に、実際、学校に行けなくなってしまった子供たち、それから、女性にも多いんですけれども、先生方や、お父さん、お母さん、こういったところからいうと、すぐ治るものじゃございませんので、逆に言ったら、どんどん患者になる方たちは多くなっていくわけです。だから、小学校のとき、中学校のとき、そういう施設を使っているときに、きっちりとそうした基準を作っていく、一番最初に、裾野で守っていく、こういうことがなければいけないんじゃないかと思います。
 どうでしょうか、各自治体やそれから教育委員会の動きもありますけれども、改定できますよね。もう一度お答えいただけませんか。

#232
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘いただいている点のうち、既に化学物質過敏症については、御指摘いただいたとおり、健康保険の対象にもなる疾病として認められているものであり、この参考資料の中でも、いわゆる化学物質過敏症を有する児童生徒等に対する対応についての考え方、あるいは文科省としてのこれまでの対応等々についても記載を既にしているところでございます。
 一方で、先生御指摘の、いわゆる香害というものに関しては、まだまだ不明瞭なところがあって、それをどう記載していいものやら判然としないところもございますので、そうしたものについては、新たな知見等が得られた場合に改定についても検討してまいりたいということで、御答弁申し上げた次第でございます。

#233
○大河原分科員 ここの資料には、芳香剤、消臭剤、これらは可能な限り使用しないようにしてくださいと書いてあるんですよ。だから、ここに、せめて柔軟仕上げ剤、洗剤とか入れたらいいじゃないですか。まずはそれをやりましょうよ。使わないというふうに皆さん心がけておられるので、これはメーカーに、売らないでくれというような話ではないですから、是非ここは改定をしていただきたいというふうに思います。
 それで、検査のことなんですけれども、現在は、学校環境衛生基準で、生徒が室内にいない状態での検査を前提としているんです。でも、香害の発生というのは主に衣服から来るわけなので、香害の発生源は生徒たち自身でもあるわけですね、着ているもの。だから、生徒が教室の中にいる状態で室内の揮発性有機化合物の濃度を測定するということが必要だと思います。是非実施を求めたいんですが、いかがでしょうか。

#234
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、学校環境衛生基準の中では、学校の建物それから大きな設備、備品等から発せられる物質で、いわゆるシックハウス症候群、通称シックスクールというものがあり、それについて正確な検査をする際に、子供たちがいない状態での検査を行わせていただいているところでございますが、先生が今御指摘の児童生徒が教室にいる状態での測定ということでございますが、御指摘の香害に関係すると考えられる揮発性有機化合物については特定できておらず、現時点で、子供たちが教室内にいる状態での測定をするということについては困難であると考えております。
 なお、各学校では、子供たち、児童生徒がいる教室で不快な臭気等がないように、日常的に換気に配慮していただくようなお願いはしているところでございますので、実際に香り等によって健康不良を訴える児童生徒に対しては、そうした観点から、換気を含めた適切な配慮を行っていただきたいと考えております。

#235
○大河原分科員 今コロナのことで換気というのを物すごく皆さん関心を持ち、常時空気が流れるようにしておりますけれども、元々、CO2について、一五〇〇ppmですかね、基準が決まっていて、小学生だったら一時間のうちに二・二回空気を入れ替えなきゃいけない、中学生だったら三・二回、高校生だったら四・四回、空気をそっくり入れ替えるというような換気のことなんですね。
 それほどまでに、子供たちがいる環境、室内空気の環境というのはもっと厳しくやらなければならなかったはずで、子供たちが体育のために一斉に洋服を脱ぐ、そのときに、そこの状態で非常に多量の化学物質が室内にあふれる、このことで発症していくということがやはりあるんですよ。
 だから、絶対にこのことは是非御検討いただいて、子供たちがいる状態で、実態に合った状態で検査ができるようにしていただきたいというふうに思います。
 二十一世紀の新しい公害として、私は、香害について、文部科学省は子供たちの命と健康を守る、この対応を是非ともしていただきたい。これは、やはりそこで一緒に子供たちと過ごしている教職員の皆さん、それから関係者の皆さんには十分な情報提供をしていただいて、情報を共有していただいて進める必要があると思っています。
 大臣、学校環境というのは物すごく大事ですよね。子供たちにとって学校は、空間が保障され、時間が保障され、仲間が保障される大事な場所です。是非守る姿勢を御表明いただきたいと思います。いかがでしょうか。

#236
○萩生田国務大臣 今日、いわゆる香害について先生から初めて詳しく御説明を聞きました。
 においというのは人によって好き嫌いがいろいろあるかもしれないんですけれども、実際に体に異常を来して、ましてや学校に来れなくなるという児童がいるというようなことだとすれば、これは極めて重い課題だというふうに思います。
 文科省だけで解決できないこともあると思います。消費者庁や例えば経産省などとも連携しながら、その物質の特定というのはどうやってやっていったらいいのか、あるいは、どういうものに対して、どういう製品に対してどういう反応をする子供たちが多いのかなどは、少し考えてみる必要があるのではないかなと思っております。
 同時に、五省庁の担当者会議は外部の意見を直接伺う場ではないのですが、各省庁の情報共有を行う場であると承知しておりますので、本日先生から賜りました御意見や御指摘について、今後、担当者会議においてしっかり共有をしてまいりたいと思いますし、また、各教育委員会からも様々な情報収集をしてまいりたいと思います。

#237
○大河原分科員 大臣、いい御答弁をいただいたというふうに思います。
 なかなか因果関係がつかめないから、これを政府が、また省が扱うわけにいかないんだという御答弁がもうずっといろいろなところで続いてまいりました。私も、都議会議員の時代に、東京都が化学物質の子どもガイドラインというのを作りまして、これは、当時は国がやっていなかったことなので、そういう意味では進んだ施策だと思いますが。
 こうした化学物質に囲まれた中で将来を担っていく子供たちが育つ、大変感受性の強い子たち、そして、そこで一度そうした病気が発生をすれば、様々なところに支障が起こります。学校に行けなくなった、おうちで勉強しなきゃいけない。学校に行けたとしても、別室で今対応されている。本当にそこで、そうしたことに、コロナじゃありませんけれども、感染させない、要するに発症させない、そうした安全な環境をつくっていくことがまず第一だと思います。
 香害をなくす連絡会の皆さんが、被害等を受けていらっしゃる九千人にアンケートを取りました。こういう方たちの調査は、非常に貴重です。ですから、五省庁連絡会でも、是非直接、こうした方たちのお声は反映させる、あるいはしっかりと受け取っていただく、こうした姿勢も是非とも、今大臣の御答弁の中にありましたけれども、もう積極的に、地域、教育委員会とも連携しながら、自治体とも連携しながらやっていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、ちょっと時間が少なくなりましたけれども、教育行政といいますか、基本的な日本の教育環境について伺っていきたいと思います。
 子どもの権利条約が批准をされまして既に三十年です。世界の約束となっておりますこの条約、批准をしてもなお、子供たちの育つ環境は本当によくなったかと言われれば、さらに、今年はコロナのこともございまして、子供たちの身体は本当にどれほど痛んでいるのかと心配をしております。
 そこで、まず、この批准をしたところからどのように改善がされてきたのか、その点について伺わせてください。

#238
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 児童の権利条約に関しまして、子供たちにどのように啓発しているかというところでございますけれども、文部科学省におきましては、憲法及び教育基本法の精神にのっとりまして、学校教育を通じて人権尊重の意識を高める人権教育を推進をしております。子供の人権も個別的な人権課題の一つとして位置づけられているところでございまして、学校におきます人権教育は、地域の実情や児童生徒の発達段階に応じて行われており、人権教育の一環として、児童の権利に関する条約を題材とする学習が行われている例があると承知しております。
 例えばということでございますが、中学校の学習指導要領の社会科、公民的分野におきます基本的人権の尊重の理解や、技術・家庭科、家庭分野における幼児の生活と家族に関する学習などに関する教科等の記述を踏まえて、来年度、令和三年度より中学校で使用される教科書において、児童の権利に関する条約が定める四つの権利の内容などを記載する教科書が多くあるところでございます。
 ちなみに、来年から使用される社会科、公民的分野でいいますと、六点中五点の教科書で児童の権利に関する記述が見られているところでございます。
 以上です。

#239
○大河原分科員 子どもの権利条約を批准した九四年からもう時間がたっておりまして、私は、この国際条約は、非常に画期的な、人権条約としては本当に最終形とも言える、子供を権利の主体として位置づけているところからして、世界中が未来を担う子供たちに向けた、これこそが国際基準だと思っております。
 ところが、日本の状況を見ますと、子どもの権利委員会からも、こちらが、政府が出す報告書について様々な勧告を受けているところです。
 まず、萩生田大臣、ジェンダー平等ということが今物すごく議論に、議論というか、これほどまでに人の口に上るようになったのはないことだと思いますが、このジェンダー平等教育、そして、子どもの権利条約にのっとった文科省としての理想というものはいかなるものか、大臣はどうお考えになっているんでしょうか。

#240
○丹羽副大臣 御質問でございますが、男女共同参画の社会を是非実現するためには、男女双方の意識改革と男女共同参画の理解を促進するとともに、男女平等の理念を推進する教育の一層の充実を図ることが重要であり、文部科学省では、男女共同参画社会基本法や男女共同参画基本計画等に基づきまして、男女共同参画の推進に取り組んでおります。
 御指摘の学校教育の現場でございますけれども、児童生徒の発達段階に応じ、社会科、家庭科、道徳、特別活動等、学校教育全体を通じて、人権の尊重、男女の平等や男女相互の理解と協力の重要性等について指導を行うなど、文部科学省といたしまして、男女共同参画基本計画に基づき、新学習指導要領の趣旨の周知を始め、男女共同参画社会の実現に向けた取組を引き続き推進してまいりたいと思っております。

#241
○大河原分科員 今も、男女共同参画第五次計画に基づいて進めていくというお答えでございましたが、次の質問は、是非大臣にお答えいただきたいんです。
 私も文科省のホームページをいろいろと見ましたが、ジェンダーという言葉がなかなか出てまいりません。以前に、ジェンダーフリーという言葉を、誤解を招くので使わないようにするというふうにおっしゃって、これを封印しているかのようなんですが、このことにおいては、ジェンダーという言葉、ジェンダーイクオリティー、ジェンダー平等、このことをしっかりと知り、そしてそれを実現をする、そういう価値観を持った人たちこそ、二十一世紀を担っていく国際人材です。グローバルなところで活動しようと思えば、このジェンダーというものについては外せません。
 大臣、いかがお考えでしょうか。特に、教育再生ということを掲げていらっしゃいますが、それと私はちょっとずれがあるんじゃないかと思います。

#242
○萩生田国務大臣 ジェンダーという用語は、その意味や内容が使用する人によって様々であって、男女共同参画社会基本法の中では確かに使用しておりませんし、文科省のホームページにもまだ出てきていないのかもしれません。
 ただ、今回、オリンピックのことを機に、このジェンダーイコールのことについては、報道などでも非常に、ある意味、知名度も上がってまいりましたので、別段、先生がおっしゃるように、何か構えてジェンダーというワードを使わないことを心がけてきたわけではないんですけれども、今申し上げたような経緯もございますので、今後の課題として考えていきたいと思います。
 ただ、文科省のホームページは、割と横文字を使いたがる傾向もなくはないんですけれども、できるだけ日本の言葉に置き換えて、子供たちにも理解をしてもらうようなことは心がけておりますので、今後の推移を見ながら対応していきたいなと思います。

#243
○大河原分科員 男女平等、ジェンダーイクオリティーはイデオロギーではありません。SDGsの中にもしっかりと掲げられておりますように、私たちが目指す社会をつくる、そのための基本的な価値観、これを共有していこうということで、世界中がこれを目指しております。
 ですから、共同参画と、わざわざ男女共同参画と言わざるを得なかった時代から、男女平等としっかりと言っていける。
 日本語ってとても難しい。ともすればダブルスタンダードに見えてしまうところがたくさんあって、それをわざと使ってきたというようなところも、申し訳ないんですけれども、私は、国の政策、そのように感じております。もうダブルスタンダードはいけません。どうぞ子供たちの未来のために、しっかりとした教育行政を様々な方たちと、私たちとも議論させていただきたいというふうに思います。
 時間がもうないんですね。どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。

#244
○村井主査 これにて大河原雅子君の質疑は終了いたしました。
 次に、岡本充功君。

#245
○岡本(充)分科員 立憲民主・無所属の岡本充功でございます。
 今日は、文部科学大臣と、大学、特に医学教育の問題、それから学校の、大学のガバナンスなどについて少し議論したいと思います。
 まず一点目は、大学病院にも働き方改革がやってきます。医師の働き方改革ということで、この間、厚生労働省、取り組んでいるわけでありますけれども、大学における働き方改革の法の施行に向けての準備状況、そしてまた、現時点での課題などについてお答えいただければと思います。

#246
○萩生田国務大臣 大学病院において、医師の長時間労働の是正やワーク・ライフ・バランスの確保を図るために、働き方改革を進めるとともに、いわゆる無給医問題の解決に向けて適切な労務管理を行うことは重要でございます。
 国立、私立に限らず、やはり病院で適切な労務管理が行われるように指導していくことは当然のことだというふうに思っていまして、厚労省と連携しながら、病院の在り方については、しっかり働きやすい環境というのをつくっていきたいと思っています。

#247
○岡本(充)分科員 私は何回もこれは取り上げているんですけれども、なかなかこの無給医の問題も解決しないんですね。もう大丈夫だといって答弁をされたり、やっていくという答弁をもう何年にもわたって、もしかしたら十年以上にわたってされている歴代の文科大臣がいらっしゃるわけですが、結局、何かまた新聞に、無給医がいた、こういう話になってくるという話になっていて、私は本当にこれは根深いなと思っています。
 これまで無給医が解消されたと言いながら、またこうやって累次に出てくるこの状況をどうやって改善していくのか。今度こそ、こうした労働法制に反するような働き方の医師が出ないようにするためにどうしていくのか、そこを大臣に聞きたいと思います。

#248
○萩生田国務大臣 いわゆる無給医問題につきましては、平成三十一年一月に、国公私立全ての大学病院に対して、診療行為を行っているにもかかわらず給与が支給されない事案が生じないよう自己点検を求め、昨年二月までに各大学で必要な改善の取組を行ったところです。
 しかしながら、今年一月に、診療行為を行った大学院生に対して賃金の支払いがなされていないとして、大学病院が労働基準監督署の是正勧告を受ける事案が報道されたことから、二月一日付で通知を発出するとともに、全国の病院長が参加する全国医学部長病院長会議の会議において再度周知をさせていただいたところでございます。
 賃金の未払いについては労働基準法違反であり、罰則も設けられていることから、二月一日の通知では、病院長等の労務管理に携わる大学病院の職員に罰則の適用もあり得る問題であるとして、関係者に広く正しい認識を持っていただくよう周知を図ったところでございます。
 今後とも、この無給医問題の解決に向けて、粘り強く大学病院を指導してまいりたいと思います。

#249
○岡本(充)分科員 大臣、紙を読んでいただくのもいいんですけれども、これは本当に根深くて、もうずっと続いているんですよ。
 それで、繰り返し指摘をするけれども、元々、平成十八年かその頃は、そもそもこの問題を指摘をしたら、労働に該当するかも分からないみたいな話から始まって、いや、それは大学病院で、大臣、こちらを見ていただけますか、大学病院で医療を提供して手術をしている人が労働に当たらないということはあり得ないんだというところからこれはスタートしているんです。そこからスタートして、随分たってきて今ここまで来ているという状況で、繰り返されている。
 しかも、これは文科省がこれまでも何回も取り組んでいるんですよ。これをまたすり抜けるとか、若しくは、場合によっては隠しているというようなことがあるのなら、これは厳しく対応しなきゃ文科省はなめられると思いますよ。
 そういう意味で、決意を持ってやっていただかないといけないという意味で、大臣、是非決意をしっかり、もうこういうことは起こさないんだ、こういうことがあったら許さないんだ、こういうことをもう一度言ってください。

#250
○萩生田国務大臣 大学の附属病院を所管する担当大臣として、こういう問題は私の時代に終わりにしたい、こう思っておりますので、通知を繰り返し出せばいいという話ではなくて、それがどう運用、実行されているかということも含めてしっかり追いかけてまいりたいと思います。

#251
○岡本(充)分科員 是非ツールも含めて考えていただかないと、働き方改革がスタートして、大学病院でまた問題が指摘されるという話になる、長時間労働が出てくるという話になりかねませんから、あらかじめ言っておきますので、しっかりやってください。
 それから、次が、大学病院におけるコロナ患者さんの受入れ状況です。
 文科省に一覧を作っていただきましたところ、特定機能病院たる私立大学病院の医科系本院における新型コロナウイルス感染症受入れ可能病床及び受入れ状況、令和三年二月十九日時点という表を作っていただきました。これを見ると、病床が千床以上あるのに確保病床が一桁だとか、それから、そもそも七百床を超えるベッドがある特定機能病院でありながらコロナの受入れ可能病床ゼロとか、実際にこの時点で受け入れている患者さんもゼロというところがあります。
 いろいろな理由はあるかもしれませんが、私立の大学病院があるところは、総じて緊急事態宣言が出されたりするなど、比較的コロナの感染症が課題となり、病床確保が課題となった地域が多いわけであります。そういう意味では、こうした地域で特定機能病院、もちろん、いろいろな医療をやらなきゃいけないから、コロナだけやってくれと言っているわけじゃないです、ただ、多くの市中病院がみんな頑張ったんですよ。受け入れたんですよ。その中で、これでいいのかということを思っています。もちろん私立だけじゃないです、国立でも、同じように調べてみたら、こういうデータが出てくるのかもしれません。
 今回は時間の制約もあって私立大学病院だけをちょっと調べていただきましたけれども、こうした課題をしっかり捉まえて、次の波が来ないのが一番ありがたいわけでありますけれども、残念ながら来ることを否定できる人は誰もいないわけで、それに向けてやはり準備をしておかなきゃいけないという意味においては、なぜこれだけ受入れ可能病床が少ないのか、そしてまた実際に受け入れた患者さんが少なかったのか、多かったのか、そこをきちっと検証した上で、対応策を是非取ってもらいたい。
 そういう意味で、この一覧表を参考にしながらこうした課題を大臣と共有をして、更に調査を進めながら取り組んでいくということをお答えいただきたいと思います。

#252
○萩生田国務大臣 新型コロナウイルス感染症の対応において、大学病院は、重症患者の治療を中心として、最後のとりでとしての役割を果たすとともに、感染症の流行下においても他の疾患等に対する高度医療を継続的に提供するという、極めて重要な役割を果たしています。
 私立大学病院における新型コロナウイルス感染症の受入れ状況につきましては、先生が御指示いただいたときに作らせていただいた二月十九日時点で、全国七十七病院、七百六十八人の患者の治療に当たっており、これまでに累計八十四病院で一万一千五百九十人の治療を行ってまいりました。
 先生がおっしゃっている問題意識は、私もよく分かります。他方、このコロナ禍が始まったときには全くコロナ対応をしていない大学の附属病院等もあったんですけれども、今、各都道府県にも確認をしてみますと、地域の医療計画の中でそれぞれ役割分担が少しずつ明確になってきて、例えば、逆にこの病院に関してはコロナ患者さんの対応をしないで他の病院の救急を是非受け入れてくれなどということは、その地域で事情がかなり違うというふうに承知をしております。
 仮に、都道府県がやってほしいのにコロナの受入れをしてくれないんだという私立大学の附属病院があるとすれば、これは指導したいと思いますけれども、その辺はちょっと、よく問題意識を持ちながら精査をしてみたいと思います。

#253
○岡本(充)分科員 是非その精査の結果を私にも教えていただきたいと思いますが、きちっと調べて、もう一度御説明をお願いできますか。

#254
○萩生田国務大臣 今日先生に御答弁するに当たって確認している範囲では、そういう事例は今のところございませんけれども、引き続き確認をしてみたいと思います。

#255
○岡本(充)分科員 都道府県の要請を断ってというのを何をもって言うかというところがあると思いますが、やはり、数の蓋然性というか、数の事実というのは結構私はインパクトが大きいと思っています。
 そういう意味で、実際に、確保病床が三十五床しかないけれども、この時点で五十三人受け入れている病院もある。確保病床を超えて受け入れている病院がある一方で、片や一桁、ゼロとか。この差はやはり合理的に説明してもらわないと、なかなかそれはやはり説明しづらいと思います。是非そこは調査をして、御報告を待ちたいと思います。速やかにしていただかないと次の対策が取れませんから、速やかにお願いしたいと思います。
 その上で、大学の医学部のガバナンスについて少しお伺いをしたいと思います。
 報道でもかなり話題になっていますけれども、旭川医科大学は、学長の解任に向けて教職員が動いているという報道もあります。ちょっといろいろ調べてみると、在任期間が長い学長というのも結構いらっしゃるようでありまして、この旭川医科大学の学長さんは十四年目ということであります。全国の国立大学の中では、法人化以降で最も長い今任期になり、令和五年六月までが任期ということですから、このままいきますとあと二年以上任期がある、こういうことであります。
 長いからいけないと言っているわけではありません。海外の大学では任期の長い学長さんもいらっしゃるわけですから、単純に長いからいけないと言っているわけではありませんが、ガバナンスという観点、若しくは、実際に一人の人が権力を持ち続けるということの課題というのもやはり一方であるのかなというのを報道で見ていて感じるわけでありますが、こうした大学のガバナンス。
 今度、翻ってみると、私立においてもいろいろな課題があるようです。まずは、ちょっと国立の方を聞きたいと思います。
 大臣、大学における自治というのがありますから、一概に文科省がそこに何かするということはできないし、するべきではないというのはよく分かるわけでありますけれども、一方で、こうした今回のような事例や、また、ちょっと前には文科大臣に解任をされた北海道大学の学長がいらっしゃったと思います。そういうような事例があるということを踏まえて、こうした大学のいわゆる学長の様々な意味での適正な在り方についてどういうふうにお考えなのか、是非お答えいただきたいと思います。

#256
○萩生田国務大臣 大学の学長は各設置者において適切に選任されるものであり、在任期間が長いということをもって直ちに問題だというふうに考えてはおりません。
 他方で、大学が様々なステークホルダーとの関わりを強め、社会に貢献していくことを目指す中で、学長の選考過程や職務の執行状況について透明性を確保することが極めて重要だと考えております。
 このため、国立大学については、学長選考会議の権限と責任において主体的に学長の選考を行うこととしており、学長の任期についても、学長選考会議の議を経て各法人が定めることとしています。
 また、法令上、学長選考に当たっての基準、選考理由及び選考過程などを公表することとしているほか、今国会提出予定の法案においても、学長の職務執行状況等に関する監査機能の強化などを図るべく、国立大学法人の組織体制の見直しをすることを盛り込んでおります。
 学長選考過程や学長の職務執行状況についての透明性を一層確保することを目指してまいりたいというふうに考えております。

#257
○岡本(充)分科員 いろいろな大学で学長についてニュースが昨今見受けられるので、やはりそこはしっかり学内で理解が得られる取組をやっていただきたいと思います。
 私立についてちょっとお伺いすると、調べていただいたら、二十八年学長という方もいらっしゃるんですよね。二十六年とか、長い方。学長と理事長を兼ねていたり、そういう意味では、法人の実質的創業オーナーだったりとか、こういうようなことで更に強い権力を持っている方がいらっしゃるようでもあります。
 私立においては、しばしば労働問題も取り上げられるなど、特に、新しい、そしてまた中小の大学に多いような印象を持ちますけれども、こうした課題がやはりしばしば見受けられるということを思うと、やはりここには更に課題があるのではないかと思っています。
 二〇一九年の法改正など様々な取組をしてこられたことは十分承知をしている中ではありますけれども、残念ながらこうした事例が後を絶たないところを見ると、やはり、ここもどのようにガバナンスを強化していくか。また、場合によっては、文科省からの指導を余り聞いていないんじゃないかと思われるような私立大学も見受けられるわけでありまして、こういったところの問題意識をやはり共有しながら、どう改革をしていくか、これは課題だと思います。
 大臣の問題意識と、それから改革に向けての決意をお話しいただきたいと思います。

#258
○萩生田国務大臣 私立大学の学長の選考の在り方については、法令の規定はございませんが、私立大学においても、建学の精神を踏まえ、求めるべき学長像を具体化し、候補者のビジョンを確認した上で決定することが重要であり、学校法人自らが学長選考方法を再点検し、学校法人の主体的な判断により見直していくことを通知しており、このような観点から、各大学の取組の工夫がなされることを期待しております。
 ガバナンスについては常々見直しをしておりまして、特に、監査人を複数置くことや外部からの監査人を置くことを義務づけておりまして、ここが何か理事長や学長と元々知り合いだなんということであると、たまたま外から来たとはいえ全然コンプライアンスが利かないじゃないかということになりますので、そういうことは実は厳しく指導をさせていただいております。
 私学も、私は、十八歳人口の減少を考えれば、ある意味、どういう透明性ある経営をしているのか、例えば、このコロナ禍において学生たちにどういう対応をするのか、そのことを受験を目指す子供たちもしっかり見ていると思います。また、親御さんも見ていると思います。
 実は、対面かオンラインかということのアンケートを取ってそれを公表するときに、随分私学団体の皆さん、反対されました。しかし、私、それの公表を年末にしましたところ、受験生の皆さんからは大変評価をいただいて、今自分が目指そうと思っている学校がこういうときにどういう対応をしているのかというのがよく分かりましたという連絡を数多くいただいたところでございまして、こういう透明性を上げながら、私学の皆さんには、しっかり自らの責任において健全な経営をしていただく、そういう御努力をしていただきたいなと思っています。

#259
○岡本(充)分科員 経営は、お金の問題もあるし、それから労働法制の問題もあると思っています。特に、昨今、非正規の教員が増える中で、その労働環境というのが劣悪だというような報道もあるわけでありまして、こうした、いわゆる法をどう守っていくか、コンプライアンスの問題ということについて、やはり文科省は積極的に関与していかなきゃいけないんじゃないか。
 いろいろな、言い方は悪いですけれども、あめとむちというのが表現が正しいかどうか分かりませんが、やはりそこがきちっとできていないと、建学の精神だということを建前に、様々な文科省の指導に対して抵抗するというようなことがあってはいけないんじゃないか。法律はきちっと守っていただくということは当然だと私は思っています。
 そういう意味で、この間、私は、文科省、私立大学に対してやや及び腰だったんじゃないかと思っているんです。そのうちの一つが、私立の医学部の入試の男女差別の問題ですよ。
 結局、最後まで認めなかった大学が出てきていて、しかし、その大学は、その後の入試で女子の合格率が上がっているんですよ。これ、指摘を受けて、いや、俺のところは差別なんかしていないよ、こう言っていて、まあ、言い方は悪いですけれども、文科省から宣告されて、あんたのところ、やったでしょうと言われて、その大学はその後、女子学生の合格率が上がっているんですね。これは、実質的にあったと言わざるを得ないわけですよ。文科省もそう言っているわけです。
 ただ、こういうようなことを許していたのでは、やはり問題なんじゃないか。先ほどの働き方改革の無給医の問題もそうです。やっているよ、やっているよと言っていて裏でやっていなくても、最後、文科省は大して何もできないからということでは困るということを私は言っているわけでありまして。
 この入試のことでいえば、確認をしたいんですけれども、今年も、これまでも男女別の合格率、医学部の入試、公表していただいていますけれども、当然今年の、二〇二一年の入試についても公表していただき、男女差別がないということをきちっと周知できるように取り組んでいただけるという理解でよろしいですか。

#260
○萩生田国務大臣 国会でも度々答弁していますけれども、そのとおりでございます。

#261
○岡本(充)分科員 もう一つ気になるのは、一部の大学で、このときの調査に対して、募集要項に明記をすれば差別をすることが許される、こういう理解をしている大学もあるようですが、募集要項に例えば記して、うちの大学は男子の方を一・五倍加点します、女子は加点しませんということを公表する大学があったとすれば、その入試は許されるという理解でいいんですか。私は、やはりそれは問題なんじゃないかと思っているんですけれども、いかがですか。

#262
○萩生田国務大臣 ちょっと仮定のことなので答えづらいんですけれども。
 そこに、例えば、受験生に対して合理的な説明ができるんだとすれば、学校独自の採用の在り方というものはあってもいいんだと思います。その自由度はあると思います。ただ、今お話しになったように、例えばですよ、例えば男性の方を加点するとしたら、それはなぜかということを学校がちゃんと説明ができなければ、それはおかしな制度だというふうに私は思います。

#263
○岡本(充)分科員 一般論からいって、なかなかそれを説明するのは難しいと思いますよ。性において差をつけるということを合理的に説明するような理由が想像できますか。基本的にやはりないんだと思います。日本国憲法上も、やはりそれは、合理的に説明できる理由はないんだと思いますよ。
 そういう意味で、いや、男女においてそういう差をつけるということを、もし大臣、合理的に説明ができればいいというと、これから医学部、そうしていくかもしれませんよ。それではやはりいけないんじゃないかということで、私は大臣に改めて確認を取りたいんです。
 性の差別を募集要項に書いたからといって認めるということは、やはりそれは日本国憲法上も許されないと私は理解していますが、大臣、いかがですか。

#264
○萩生田国務大臣 ちょっと言い方が違うだけで、同じことを言っているつもりでいます。
 そもそも、性別を合理的に、その人数を変えるということや、あるいは点数を変えるということは、私、どう考えても合理的に説明できないと思います。
 したがって、先ほど、仮定の質問なので答えづらいんですけれどもということをお話ししました。合理的な理由もなく、性別、年齢、現役それから多浪、浪人の別、また、出身ですとか居住地域などという属性を理由として一律に取り扱う差異を設けることは、入学選抜にとっては不適切だというのが大原則でございます。

#265
○岡本(充)分科員 それは募集要項に書いたとて認められない、こういう理解でよろしいですね。

#266
○萩生田国務大臣 済みません。仮定の質問なんですけれども、例えば、女子の医大があるじゃないですか。女子医大があって、女子医大が例えば男子の募集をするという、仮にそういう時代の変化があったときに、それが、社会の皆さんが認めるのかどうなのかというきちんとした合理的な説明ができたとすると、それは差別ではなくて、合理的な方向性を明確にするんだったら、そういうことは将来、決して全てを否定するわけじゃないということを私は申し上げているわけであって、基本的に、性の違いによって、それを募集要項に書いたからということだけをもって、学校の自由度でやるんだということが認められるとはとても思えません。

#267
○岡本(充)分科員 是非それを私ははっきりしていただきたかったんです。
 そういう意味で、これから先、これは働き方改革ともかぶるんですよ。結局、働き方改革がきちっとできれば、女性医師はもっと働けると思います。大学病院での勤務はかなり過酷で、私もこの分科会で何回か披瀝したことがあるんです、どんな働き方をしてきたか。すさまじい働き方をしているわけですよ。こういう働き方が、子育てしている女性や、また介護をしている女性がと言うと、女性がやるのかというまた議論になっちゃうんですけれども、様々、やはり女性の働き方に私は制限をかけているとしか思えないんですね。
 そういう意味で、大学病院の働き方を見直していくことは、女性が働きやすい環境ができてくるということにつながり、ひいては、こうした入試の男女差別がなくなってくることにつながってくるという意味で、これは一貫して一つの重要な課題だと思っているので、今日は取り上げさせていただきました。
 もう一つ、ちょっとどうしても指摘しなきゃいけないことが、大学の医学部の教官と製薬業界との関係です。
 これまでも、国立病院の医師のいわゆる製薬業界からの様々な講演料や執筆料について、過度に高いものがあって、おかしいんじゃないかということを指摘してきました。
 今回、先ほどちょっと提起しました旭川医科大学の学長は、学長になる前から、道内の市立病院にほとんど出勤もしないのに、報道によると、一年間四百万円のコンサルタント料をもらって、市の税金ですよね、市民病院ですから。これ、医師を派遣するということがあったのかどうかは分かりませんけれども、お金をもらっていました。一つの病院からですよ。これ、普通に考えると、やはり度が過ぎていると私は思うんです。だって、行かないんですから。診療しているならまだ別ですよ。行きもしないのに毎年四百万円もらえる顧問契約というのはなかなかないですよ、そんなものは。聞いたことがない。でも、こういうようなことが問題じゃないかと言ってきました。
 大学病院、国立大学は今取組をいろいろやってくれていると思いますし、文科省でもいろいろ考えていただいていると思いますが、私立についてもこれはきちっとやるべきだということで、改めてこれは取組をお願いしたいと思いますが、大臣にまず、私立についても取組を進めているということの確認と今後の方向性についてお答えいただきたいと思います。

#268
○萩生田国務大臣 失礼しました。
 大学病院に勤務する医師等が行う講演等の活動については、大学における教育、研究、診療の使命が十分に果たされ、社会的信頼が損なわれることがないことが重要です。
 文科省では、国会での御議論を踏まえ、全国医学部長病院長会議に対して、製薬企業等からの謝礼金、謝金等の受領の在り方について検討を依頼し、本年一月に各大学に対する提言として取りまとめをいただきました。
 本提言が、製薬企業等からの謝金等の受領について、各大学が社会的説明責任を果たすよう、各大学で取扱いを決め、利益相反委員会等で適切に管理を行うこととしており、文科省においても、一月十五日付で、全国の国公私立大学病院に対して本提言にのっとった対応を求めたところでございます。
 今後、文科省では、本提言を踏まえた各大学の取組状況を把握していくこととしており、その中で、大学病院の医師がつくった別法人等々との金銭授受もしっかり管理状況を確認してまいりたいと思っています。

#269
○岡本(充)分科員 それは次の質問なんですよ。要するに、別法人をつくってやるのは更にいけないよという話をしようと思ったんです。
 大臣、これは率直に私、感じてほしいんですよ。やはりこれは、一部の医師が、自分が開発した薬かどうかは別として、関わった薬が多いんですけれども、そこの製造販売する製薬メーカーの依頼を受けて、その薬のある意味宣伝広告塔をやる、それでお金をもらうという構図。
 そもそも、大学の教官のやはり待遇が悪いというのが背景にあると思いますよ。やはり、国立大学の教授ともなろう方に出す報酬がなかなか、今、大学の自主性を重んじるから、文科省がどうこう言えないというのはあるかもしれないし、運営費交付金の獲得努力を文科省は頑張っているというのはよく分かりますが、それでも減っていく。
 こういう中で、そもそも待遇がよくないという背景があるとはいえ、その補填に製薬メーカーからのそうした執筆料や講演料が充てられるというのは、やはり私は、本来の医薬行政がゆがむのではないかと思って、この問題を指摘をしているんです。
 そういう意味で、適正な在り方をやはりきちっと基準を示して、これは国立は比較的早く従うと思います。これも私立が課題だと思っています。そういう意味で、是非、また面従腹背にならないように工夫をしていただきたい。その決意を、大臣、頑張りますと言うだけで結構です、お答えいただきたいと思います。

#270
○萩生田国務大臣 文科省では、全国医学部長病院長会議の提言を踏まえた各大学の取組状況を把握していることとしておりまして、その課題等が見つかれば、関係団体とも連携して対応してまいりたいと思います。
 今先生が、より具体なお話をされました。過去にもそういう事件もありましたし、また、ドラマなどでもよくそういう設定がされるというのは、やはりそこに何か無理があるんだろうと思います。
 いずれにしましても、私立の大学とはいえ、私学助成等を含めて交付金も入っているわけですから、それはやはり、正しい運営をしっかりしてもらうように、そこはウォッチをしてまいりたいと思います。

#271
○岡本(充)分科員 今日は、厚労省のこやり政務官にもお越しいただいています。
 これはやはり、大学だけじゃ駄目で、製薬メーカーにも、先ほどの別法人をつくってそこにお金を入れるということだと、これまでの取組が無になるんですね。製薬協は独自のルールで公開しましたよ、どこに誰に幾ら出していますと。これは、足し合わせていけば、一体どの先生が幾らぐらいもらっているのか、分かるようになった。中には、一千万円、二千万円というお金を一年間に製薬メーカーからもらっている大学教授もいる。こういう状況の中で、つまり、本俸よりも高いというこの状況、やはり私は異様だと思っているんです。それで、そこにいろいろな取組をしてきたという過去の歴史があります。
 是非、こうした別法人をつくる、いろいろニュースにもなっています。これは製薬メーカーだけじゃないです。医療機器の会社もそうです。こういったところからこうしたお金の授受が行われないような取組を、製薬メーカーそれから医療機器メーカーにきちっと指導をしていただいて、厚労省側からもアプローチをしていただきたい。いかがでしょうか。

#272
○こやり大臣政務官 個々のケースへのコメントはちょっと差し控えますけれども、委員御指摘のとおり、医薬機器あるいは医薬品の企業と大学との関係につきまして、製品を購入する際の誘引する手段として金銭を提供する、こうしたことについては是正される必要があるというのは、御指摘のとおりだというふうに思います。
 今でも、議員御承知のとおり、公正取引協議会が景品表示法に基づきまして、そのルールを作り、そのルールにのっとらない場合には、まさに、違約金であるとか除名処分等々の措置を講ずることをしています。
 それに加えて、業界団体におきましても、行動基準を定めて、その意思決定において不適切な影響を与える金銭面の提供について明確に禁止をしているところでございます。
 厚労省といたしましても、既存のこうした取組、これがしっかりと機能するように適切に指導してまいりたいというふうに考えております。

#273
○岡本(充)分科員 それをやっていても、これはニュースになっているんですね、政務官。これをやっていてもニュースになっているということを踏まえたら、これまでどおりやっていきますでは、これはなっちゃうんです。一工夫してくださいということを言っているので、是非、一工夫していただきたい。お願いします、最後に。

#274
○こやり大臣政務官 具体的に本当にどうしたことができるかというのは検討してまいりたいというふうに思っておりますけれども、例えば、規約違反になり得るような具体的なケースについて、公正取引協議会あるいは業界団体が主催する研修会等において、しっかりと周知するよう働きかける等、様々な検討をしてまいりたいというふうに考えております。

#275
○岡本(充)分科員 是非、検討結果、検討についてまた説明を求めたいと思いますので、お待ちしています。
 ありがとうございました。

#276
○村井主査 これにて岡本充功君の質疑は終了いたしました。
 次に、山田賢司君。

#277
○山田(賢)分科員 私は、自由民主党の山田賢司でございます。
 萩生田大臣始め役所の皆様、本日は、質問対応、ありがとうございます。
 早速ですが、質問に入らせていただきます。
 私は、学校の安全、安心ということに関して、二点質問をさせていただきたいと思っております。一つはわいせつ教員の根絶、そして、もう一つはいじめという名の犯罪の撲滅に向けて、政府の取組についてお伺いをしたいと思います。
 まず、わいせつ教員を二度と教壇に立たせないという方策について。
 政府におかれては、わいせつ行為を行った教員が二度と教壇に立つことがないよう、懲戒免職等により教員免許状が失効した者の欠格期間を実質的に無期限に延長するよう、教育職員免許法の改正を検討されてきたと承知しております。
 また、昨年七月二十二日の文部科学委員会でも、我が党の池田佳隆議員の同旨の質問に対して、萩生田大臣は、「私の責任において、できるだけ速やかな法案提出を念頭に、しっかりと進めてまいりたいと思います。」と御答弁されていました。
 ところが、昨年末、十二月二十五日の会見で大臣は、内閣法制局とも相談を重ねてきたが、いまだ乗り越えられない法制上の課題がありということで、法制化を断念したように御発言をされていらっしゃいます。
 まず、政府は、わいせつ教員を二度と教育現場に立たせないという立法を行うことは憲法違反に当たると考えているのか、お聞かせください。
    〔主査退席、神山主査代理着席〕

#278
○義本政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、子供たちを守り育てる立場にある教員が子供たちにわいせつ行為を行うことは断じてあってはならないことだということでございます。
 文科省としては、この思いの下に、児童生徒等にわいせつ行為を行った教員が二度と教壇に立つことがないような思いで、教育職員免許法改正について、現行の法令の規定等も考慮しながら、政府部内で検討を重ねたところでございます。
 しかしながら、児童生徒等に対するわいせつ行為を行い教員免許状を失効した者に永久に免許状を再授与しない仕組みにつきましては、憲法上の規定の関係というよりも、刑の執行後に十年経過すれば刑が消滅していることになっている刑事法制との整合性の課題があったところであり、引き続きの検討課題とさせていただいたところでございます。

#279
○山田(賢)分科員 ありがとうございます。憲法上の問題ではなくて、刑法の刑の消滅、この問題だという理解をしてもよろしいでしょうか。
 では、内閣法制局に念のため確認をしたいと思います。
 一般論で結構です。政府の憲法に対する考え方として、生命身体の自由の保護は、職業選択の自由を含む経済活動の自由に優先するという整理でよろしいでしょうか。

#280
○平川政府参考人 お答えいたします。
 生命身体の自由の保護は、職業選択の自由を含む経済活動の自由に優先するかというお尋ねでございますが、憲法に規定する権利の相互間でどちらがどちらに優先するということを一概に述べることは大変難しい問題であるというふうに考えております。

#281
○山田(賢)分科員 それはちょっと驚きの御答弁ですね。これは私の理解が間違っているのか、憲法の人権の中でも、生命身体の自由、これに対する規制、消極的規制というのは、経済活動に対する積極的な規制よりもこれは優先されるべきだという考えだと思うんですが。
 ということは、例えば、教師という支配的地位にある者の言うことに抵抗ができないような難しい立場に置かれているそういった子供たち、加えて、小中学校は義務教育であって、学校に行かないという選択は子供たちは取り得ないんです。こうした中で、子供の心身、身体や生命、心、こういったものを守るという保護法益と、性犯罪で有罪となった元教員が再び教育現場に立つ権利を比較考量した場合であっても、子供の心身を守るという保護法益が優先されるのは当然ではないかと思うんですが、もう一度お聞かせください。

#282
○平川政府参考人 お答えいたします。
 繰り返しになりますが、どちらがどちらに優先するかということを一概に述べることは大変難しい問題であると考えております。
 内閣法制局は、担当省庁が政策を立案し立法化の案を作成した段階におきまして、憲法との整合性も含めて審査を行うものでございますので、具体的な案が示された段階で、仮に複数の憲法上の権利との整合性が問題となるというものでございましたら、それぞれの憲法の規定に基づき、その整合性について判断することになるものと考えております。

#283
○山田(賢)分科員 ありがとうございます。ある意味ちょっと驚きの答弁であるけれども、そういう整理がなされたということは議事録に残しておきたいと思います。
 その上で、具体的な法案というものを是非文部科学省においては検討していただきたいんですが、冒頭、局長おっしゃったように、むしろ、憲法上の問題ではなくて、刑法三十四条の二の刑の消滅のことをおっしゃったんだと思うんですが、刑法というのは一般法であります。法律の原理として、特別法は一般法を上書きすることができますが、生徒の身体、精神を保護するという特別の必要性、これを考慮しますと、他法令と必ずしも横並びにする必要はなく、特別法である教育職員免許法で、刑法三十四条の二の規定にかかわらずということで欠格事由を規定することができるのではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

#284
○萩生田国務大臣 まず、児童生徒等に対するわいせつ行為を教員が行うということはあってはならないことであります。しかしながら、後を絶たないわけでありますから、ここは法律で永久に教員免許を再授与しない仕組みをつくろうということで取組をしてまいりました。
 十二月二十五日になぜそう言ったかといいますと、通常国会の法案の提出の期日が近づいていたからでありまして、全てを諦めたわけじゃないんですね。時間的な制約の中で、この通常国会に提出することが難しいということを素直にお伝えをしたつもりでございます。
 じゃ、どうするのかといえば、これは諦めるわけにいかないわけでありまして、今先生から特別法との比較のお話がありました。児童生徒等に対しわいせつ行為を行った教員が二度と教壇に立てないようにするための法改正について真摯に検討し、政府部内で相談をしてきましたけれども、例えば、現行法上、殺人罪などの重罪を犯し懲役刑に処せられた場合でも、刑の執行後十年で刑が消滅するということがございます。すなわち、わいせつ行為は永久追放、殺人罪の人は十年たったらもう一度受け直して免許を取ることができるという、こういったいびつな制度になってしまう可能性がございました。
 また、教員免許状の授与の欠格事由として規定することを検討し、要するに、行為じゃなくて状態の方で何とか阻害しようということで、小児性愛に関して議論をしました。アメリカなどではこれはもう本当に一般的になっているんですけれども、残念ながら、日本ではまだ学会などで診断基準について一定の合意形成がなされていないこと等に鑑みて、こうした内容の法改正を今通常国会に内閣提出法案として提出することは見送ったところでございます。
    〔神山主査代理退席、主査着席〕

#285
○山田(賢)分科員 ありがとうございます。国会の会期のスケジュール的なものも考えて、今国会においては難しいという御判断ですので、引き続き御検討はいただきたいと思います。
 今大臣、殺人罪でも復帰ができるということなんですが、殺人罪を犯した者であっても十年たてば復職できる。性犯罪というのは、魂の殺人とも呼ばれるように、被害者の人生を破壊する卑劣で残酷な犯罪でございます。殺人といっても一概には言えず、怨恨など様々な動機があろうかと思います。もし、殺人罪であっても、常習的に快楽殺人など子供の命を奪うという異常な嗜好がある者であるというのであれば、これは性犯罪に限らず、殺人罪であっても、こうした者については永久に教育現場に立たせないようにする必要があるんだというふうに考えております。
 ここで、今ちょっと通告はしていないんですけれども、具体的に、教員が子供に対し快楽殺人などを行って、再び教育現場に復帰して殺人を犯しているような例はあるんでしょうか。わいせつ教員の場合はそういう例が山ほどあるので。これは通告していないので、手元で分からなければ分からないで結構です。

#286
○義本政府参考人 そういう事例は、ちょっと私も今把握しておりませんので、少し調べたいと思います。

#287
○山田(賢)分科員 ありがとうございます。
 もし、常習的にそういう快楽殺人をやっているやつがいて、教育現場に何度も復帰しているんだったら、これはこれで大きな社会問題ですから、それに対する手当ても必要なんですが、わいせつ教員というのは、本当にこれでもかというぐらい出てきている、実例、立法事由がある犯罪でございますので、特にこれについて緊急に手当てする必要があると考えております。
 誰かがこのことによって自殺をして命を奪われる、そうなってから法改正をするのではなくて、これだけ被害があることですので、先手先手を打って、子供たちを守れるのは我々だけだ、そういう視点に立って立法を考えていただきたいと思います。
 そこで、大臣、先ほど、小児性愛者という話を御提示いただいたんですけれども、小児性愛者だけがわいせつ教員なのか。これは、大人に対する性犯罪の常習者であっても、やはり教育現場に立たせるべきではないというふうに考えております。
 今、文科省においては、児童生徒に対しわいせつ行為を行った教員は原則として懲戒免職とするということとしておりますけれども、児童生徒以外に対するわいせつ行為は原則懲戒免職ではないのか、事務方で結構です、教えてください。

#288
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 児童生徒を守り育てる立場にある教師が児童生徒に対してわいせつ行為を行うなどということは断じてあってはならず、文部科学省としては、自校の児童生徒に限らず、他校の児童生徒を含め、広く十八歳未満の者に対するわいせつ行為について原則として懲戒免職とすべきとし、各教育委員会に対して機会を捉えて周知徹底をしてきたところであります。
 なお、教員による一般の成人などに対するわいせつ行為についても厳正に対処すべきものと考えておりますが、国家公務員に関する人事院の懲戒処分基準、あるいは他の地方公務員に関する懲戒処分基準等も参考にしながら、個別の事案ごとに、任命権者である各教育委員会において適切に判断、対応されるものと考えております。

#289
○山田(賢)分科員 ありがとうございます。
 そういう意味で、性犯罪をやるやつは、児童だからとか小児だからというか、確かに小児性愛者というのもあるんでしょうけれども、これ自体が、大臣もおっしゃったように、なかなかこの判断が難しかったり、専門家の中でも意見が分かれたり、この人が小児性愛者かどうかということは判断がつきにくいところがあります。加えて、小児性愛に限らない、性犯罪常習者が対象から漏れてしまうことがあってはならないというふうに考えております。
 今、政府におかれては、官報の情報検索データベースのようなものを作って、四十年にわたって、懲戒処分歴、免許の失効歴を記載したというふうに聞いております。これは過去の処分歴が閲覧できるというだけであって、欠格事由となっていなければ、結局は免許が再交付されて、教壇に再び立つという可能性も否定できません。これは、そのデータベースを見て、任命権者である都道府県の教育委員会が、自身の責任において免許を再交付するかどうか判断しろということでしょうか。教えてください。

#290
○義本政府参考人 お答えいたします。
 過去に免許状の失効歴がある者でも、現行の教職員免許法の規定に定めた欠格事由に該当しないことになれば、この規定に基づきまして、授与権者から新たに免許状を授与されるという形になっております。懲戒処分につきましては、三年経過した後については失効から外れるということになりますので、今申し上げました形で、授与できるという形にたてつけとしてはなっているところでございます。
 その上で、教員の採用につきましては、各採用権者の責任と権限で行われるものでございますが、これに当たりましては、文科省においては、各採用権者が、提供している官報情報検索ツール、これは、名前を入れますと、その方々自身が失効者に当たるかどうかということについて過去四十年間は分かるというふうな仕組みでございますけれども、それを適切に活用いただいて判断いただきたいと思っています。
 なお、統計上の数字でございますけれども、懲戒免職をした事由の中の大体七割程度がわいせつ事犯というふうな形になっているところでございます。それを端緒として、任命権者において適切に権限行使をいただきたいという形でお願いしているところでございます。

#291
○山田(賢)分科員 ちょっと確認なんですけれども、今おっしゃった官報情報検索ツールというものでは、わいせつにより懲戒処分になったという処分理由も閲覧することができるようになっているんでしょうか。
 なっていないんだったら、いつから掲載できるようになるのか、併せてお答えください。

#292
○義本政府参考人 お答えいたします。
 現行の官報情報検索ツールにつきましては、採用権者が、採用希望者が過去に懲戒免職処分等を受けた有無についての確認はできますけれども、現行のたてつけにおいては、処分の理由について、わいせつであるかについての区別ができる形になっておりません。
 ただ、この問題につきましては、現在、省令改正を予定しておりまして、懲戒免職処分の事由が児童生徒等へのわいせつ行為であるかどうかが明確に判別できる形にさせていただこうという形で用意しておりまして、今現在パブリックコメントをかけているところでございます。
 予定どおり改正できることとなりましたら、本年の四月一日から施行するという形になっているところでございまして、このツールを使いますれば、四月一日以降の公告から登録される予定でございますので、四半期ごとにその情報については更新しますので、この情報におきましては、七月に提供します予定のバージョンから、懲戒免職等の具体的な事由が判別できる形になる予定でございます。

#293
○山田(賢)分科員 ありがとうございます。そうしていただけると、わいせつ教員ということ、過去に処分歴があったということが分かるようになるので、是非その方向で進めていただきたいと思います。
 これは、中には、立法の検討に当たって、無犯罪証明書の提出を義務づけてはどうかといった御意見もあったやに聞きますが、いわゆる無犯罪証明書、犯罪経歴証明書というのも、結局はこれは刑の執行を終えて十年たったら犯罪経歴がないということになってしまうので、使い勝手が悪いので、むしろ、こういう処分を受けたという記録が四十年ちゃんとあるのであれば、そちらの方が私は使い勝手がいいと思うんですね。
 これを活用して、教育職員免許法第五条における免許状授与の欠格事由に、例えば、官報情報検索ツールにわいせつによる処分履歴がある者には授与しないといったような形での立法もあるのではないかというふうに考えています。
 この辺は、いろいろ詰めていただきたいと思いますけれども、様々な課題はあろうかと存じますけれども、他の免許資格と違って、子供たちをわいせつ被害から守るのは我々の責任だという認識に立って、いま一度、わいせつ教員を二度と教壇に立たせないための立法措置を検討していただきたいと思いますが、大臣、御決意をお聞かせください。

#294
○萩生田国務大臣 先生と全く同じ思いでございます。
 それで、検索ツールにつきましては、記念すべき今日からワークをすることになっております。
 しかしながら、そこには確かに、過去四十年には、わいせつ事案が分かるような仕組みになっていません。これは、先ほど局長が答弁したように、四月、新年度を目指して整備をさせていただきたいと思うんですけれども、他方、これだけ社会問題になって、採用権者の皆さんがお互いこれを上手に使っていこうということを会議体などでも今話をしています。
 これは誰でも見られるわけじゃなくて、それぞれの採用権者しか、コードを渡していませんから、その人たちしか見えません。ところが、過去にやはり一度免許を失効している人は、どうしてだろうということは、そのときの採用自治体に問合せをする。今までは、ちょっと前までは個人情報なのでということだったんですけれども、これじゃ、ばば抜きになっちゃいます。向こうは分かっているわけですから。
 ですから、これはお互いに情報提供しましょうねということを促していきたいと思います。そうすれば、この四十年の検索ツールで一つカバーができると思います。
 他方、今、無犯罪証明書の話がありました。学校現場だけ封じ込めをしたとしても、例えば、元教員が児童相談所に転職をして、そこでわいせつ行為を再び働いたという事例もございます。あるいは、誤解なくお聞きいただきたいんですけれども、子供たちが集まるであろうスイミングクラブですとか塾ですとか保育園ですとか、こういったところも含めて、やはり社会全体で、こういう人たちをそういう現場に立たせない環境をつくっていくことも一方では考えなきゃいけないと思っておりまして、一度この通常国会に間に合わなかったことを決してマイナスにしないように、他省庁にも是非同じような思いを持っていただいて、更なる法案提出に向けての努力をしていきたい、そのことを改めてお約束したいと思います。

#295
○山田(賢)分科員 ありがとうございます。是非その方向でお願いをしたいと思います。
 続きまして、いじめという名の学校における犯罪の根絶についてお尋ねをしたいと思います。
 まず、政府にお聞かせいただきたいんですが、いじめは犯罪という認識はあるかどうか、お聞かせください。

#296
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 いじめの態様としましては、冷やかしやからかい、仲間外れ等もございますので、その行為が直ちに犯罪と言えるかどうか判断が難しい場合もあると思います。
 一方で、いじめ防止対策推進法第二十三条第六項においては、学校は、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署と連携してこれに対処することとされており、当該法律にのっとって適切に対応すべきと考えております。

#297
○山田(賢)分科員 ありがとうございます。
 恐らく、冷やかしとかからかいなんかと一緒にしているからこの問題がなかなか根絶されないんだと思っています。冷やかしぐらいの話であればいいんですが、実際に学校でいじめに悩んでいる子供たちから寄せられるものは、殴る、蹴る、お金を巻き上げられる、それから、ひどいものに至っては、裸にされて写真を撮られたり、子供たちの前にさらされたりという、もう聞くに堪えないようなことが行われています。
 明らかな犯罪であって、いじめはやめようとかいうことではなくて、犯罪は許さない、犯罪をなくすという扱いをしていかないといけないというふうに思っております。
 冷やかしやからかいではなく、実際に殴る、蹴る、金品を奪う、こういった犯罪が行われたときに、例えば刑事訴訟法二百三十九条二項は、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と、公務員の告発義務を定めております。
 公立学校の教員、教育委員会の委員などは、学校において犯罪を知った場合は告発する義務があると理解してよろしいでしょうか。

#298
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 公立学校の教職員やあるいは教育委員会の委員等は、地方公務員でございますので、刑事訴訟法第二百三十九条第二項によりまして、「その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」とされているところでございます。

#299
○山田(賢)分科員 では、実際にこれだけいじめが行われているんですが、どの程度告発が行われているのか、数が分かれば教えてください。

#300
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 いじめ事案のうち、その児童生徒の行為が犯罪行為として取り扱われるべきと認められる場合や、児童生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは、警察との適切な連携が必要だと我々も認識をしておりまして、平成三十一年に通知を発出して、警察への早期の相談又は通報に当たっては、学校や教育委員会と警察が日頃から緊密に情報共有できる体制の構築が重要ということで、必要な取組を積極的に進めるべき旨、示しております。
 具体のいじめに関する告発件数そのものは把握をしておりませんが、私どもで持っている数字としては、いじめる児童生徒への特別な対応として実際に警察等と連携をした件数ということでいいますと、平成三十年度で千二百三十四件、令和元年度で千三百四十五件となっております。
 文科省としては、引き続き、様々な機会を捉えて、警察との適切な連携について周知徹底に努めてまいります。

#301
○山田(賢)分科員 ありがとうございます。
 千二百件を多いと見るか少ないと見るかですが、いじめのうち警察に言わないといけないものと言っているから、やはりこれは判断がぶれるのかもしれないと思うんですね。冷やかし、からかいなんかで警察に言うやつはいないんだけれども、犯罪だったら告発をしないといけないので、いじめをやはり犯罪とそうでないものに分けて、犯罪は絶対許さないというふうにしないといけないというふうに思っております。
 ややもすると、なぜこれは刑事事件にしないのかということで、まあ、刑事事件という言い方はおかしいですね、警察とかに告発しないのか。加害者が少年であって、成長発達過程にあるから、教育、矯正するために、警察沙汰にせずに穏便に済ませてやろうというような考え方があろうかと思います。
 ただ、私、少年法改正のPTに入らせていただいていろいろ勉強させていただいたんですが、少年法というのは、罪を犯した少年を処罰するための法律ではなくて、少年というのは可塑性に富むから教育、矯正を図るという観点で定められている。むしろ、学校において犯罪行為を行う少年というのは、早期に家庭裁判所の審判を経て少年院において教育、矯正を行わせることが本人の将来のためであり、社会のためでもあると考えます。
 また、少年審判は非公開でもあります。表沙汰にしないで穏便に済ますということではなく、積極的に少年法に基づいて教育、矯正を図るよう発想を切り替えていただきたいと思いますが、大臣、御見解をお聞かせいただけますでしょうか。

#302
○萩生田国務大臣 いじめ事案のうち、加害児童生徒の行為が犯罪行為として取り扱われるべきと認められる場合を始め、学校内における犯罪行為に対しては、被害児童生徒を徹底して守り通すという観点から、教職員が毅然と適切な対応を取ることが重要だと思います。
 文科省としては、加害児童生徒について、その児童生徒の行為が犯罪行為として取り扱われるべきと認められる場合や、児童生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは、警察への通報を含め、適切な連携が重要であるということを周知しているところであります。
 他方、児童生徒の問題行動については、教育的な指導により改善が見込まれ、そのような指導が児童生徒の将来のためにも効果的である場合は、警察等の関係機関と連携しながら、学校において、教育的な指導によって改善措置を講じることが考えられます。
 文科省としては、引き続き、全ての子供たちが安心して学べる環境を確保するため、学校内における犯罪行為に対する教職員の毅然とした適切な対応を促してまいりたいと思います。

#303
○山田(賢)分科員 ありがとうございます。
 実は、私、引きこもりの問題について仲間と勉強会を進めてきておりまして、今回、自民党の中にも引きこもりのプロジェクトチームが立ち上げられました。そんな中で、実際に、引きこもりの当事者の方、そしてその親御さんからお話を聞かせていただく機会がありました。
 引きこもりのきっかけの一つには不登校というものがあります。不登校というと、登校しない児童や生徒に問題があるかのように思われるかもしれませんが、不登校の原因の中には、私が聞いた中の三名は、学校におけるいじめでありました。
 しかも、先ほど申し上げましたように、学校で殴る、蹴るといった暴行を受けたり、金品を巻き上げられたり、裸にされてそのまま廊下を歩かされたりといった犯罪被害に遭っているのに学校が対処してくれなかった、挙げ句の果てには、親御さんに、このまま黙っておいたら、問題を表沙汰にしないんだったら卒業させてあげるとまで言った、もう人間不信になってしまったというような悲惨な事例もあります。こうしたケースは、本人に非がないどころか、むしろ犯罪の被害者です。
 いじめという犯罪行為から命を守るために学校に行かない、そういう選択をされた、そのために不登校となって、卒業できずに中途退学したり、進学ができず、その結果として就職も困難になって、引きこもりになっているというケースがあります。
 いじめは犯罪だという視点に立って、犯罪被害者支援という観点から、いじめによって不登校となった被害者の就学機会の確保や支援策を設けていただけないか、お考えをお聞かせください。

#304
○瀧本政府参考人 いじめにより児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いのあるときは、いじめ防止対策推進法に基づきまして、学校の設置者等は事実関係を明確にするための調査を行うこととされておりますが、文部科学省では、被害児童生徒の学校復帰への支援と再発防止とを目的として、不登校重大事態に係る調査の指針等を策定し、適切な対応が図られるよう周知徹底を図っているところでございます。
 また、不登校児童生徒の支援に当たっては、個々の児童生徒の状況に応じた支援が行われることが重要でございますので、児童生徒やその保護者の希望を踏まえ、柔軟に学級替えや転校の措置を活用することが考えられることや、緊急避難的には欠席が弾力的に認められてもよいことなど、支援に関する基本的な考え方を示しているところでございます。
 その上で、現実に不登校となられた児童生徒の教育機会の確保に向けて、これまで、教育支援センターの設置促進や機能強化、教育委員会や学校と民間団体等の連携強化、不登校特例校の設置促進、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置の充実などの支援策を推進してきているところでございまして、令和三年度予算案においても更なる支援施策の充実に向けて必要な予算を盛り込んでいるところでございます。

#305
○山田(賢)分科員 ありがとうございます。
 本来、学校というものは、安全であって安心に学ぶことができる場であるべきです。むしろ、幼少期の多感な時期に楽しい思い出をつくる場であってほしいと思います。被害者が学校に行けず、犯罪行為を行った加害者が学校でのさばることがあってはならないというふうに考えます。
 学校現場に欠けているのは、学校におけるいじめという名の犯罪行為を犯罪だと捉えていないこと。いじめをやめようという言い方が間違っているんだと思っております。いじめではなく、学校犯罪、少年犯罪であり、学校から犯罪を撲滅する、犯罪のない学校にすることを実現すべきだと考えております。これに関する大臣の御見解をお聞かせください。

#306
○萩生田国務大臣 いじめの問題については、いじめは絶対に許さないという意識を社会全体で共有し、子供を、加害者にも、被害者にも、また傍観者にもしない教育を実現することが必要です。
 学校から犯罪を撲滅する、犯罪のない学校にすることは当然のことであり、児童生徒の行為が犯罪行為として取り扱われるべきと認められる場合や、児童生徒の生命、身体又は財産に重大な被害を生じるおそれがあるときは、警察との適切な連携が必要です。このことは、平成三十一年に通知を発出するとともに、毎年二回開催している生徒指導担当者向けの会議等において周知を行っているところです。
 また、いじめ問題については、これまでも、道徳の特別の教科化など道徳教育の充実、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置の充実のための財政支援、二十四時間子供SOSダイヤルの設置、SNS等を活用した相談体制の整備の推進等に取り組んできたところです。加えて、平成二十八年度より、文科省の職員が地方自治体に赴き、教育委員会の担当者や校長等に対して直接、行政説明、研修を行う取組を進めています。
 文科省としては、引き続き、いじめに適切に対応できる学校指導体制の整備を推進するとともに、いじめの防止等のための対応が適切に行われるよう、家庭や地域の協力を得ながら行う各教育委員会や学校現場の取組を促してまいりたいと思います。

#307
○山田(賢)分科員 ありがとうございます。以上で終わらせていただきます。

#308
○村井主査 これにて山田賢司君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして本分科会の審査は全て終了いたしました。
 この際、一言御挨拶を申し上げます。
 分科員各位の御協力を賜りまして、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。
 これにて散会いたします。
    午後五時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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