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2021/03/04 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 予算委員会 第4号 令和3年3月4日
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2021/03/04 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 予算委員会 第4号 令和3年3月4日

#1
令和三年三月四日(木曜日)
   午前九時四分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三日
    辞任         補欠選任   
     片山さつき君     清水 真人君
     山田 修路君     徳茂 雅之君
     河野 義博君    佐々木さやか君
     若松 謙維君     西田 実仁君
     石井 苗子君     音喜多 駿君
     伊藤  岳君     田村 智子君
     岩渕  友君     紙  智子君
 三月四日
    辞任         補欠選任   
     清水 真人君     片山さつき君
     徳茂 雅之君     山田 修路君
     福岡 資麿君     三木  亨君
     古川 俊治君     加田 裕之君
     本田 顕子君     上野 通子君
     森 まさこ君     宮本 周司君
    佐々木さやか君     河野 義博君
     西田 実仁君     若松 謙維君
     浜口  誠君     足立 信也君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 順三君
    理 事
                青木 一彦君
                滝波 宏文君
                馬場 成志君
                藤川 政人君
                白  眞勲君
                森 ゆうこ君
                石川 博崇君
                浅田  均君
                山添  拓君
    委 員
                青山 繁晴君
                磯崎 仁彦君
                上野 通子君
                加田 裕之君
                片山さつき君
                北村 経夫君
                佐藤 正久君
                清水 真人君
                進藤金日子君
                高階恵美子君
                高野光二郎君
                徳茂 雅之君
                藤木 眞也君
                古川 俊治君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                宮島 喜文君
                宮本 周司君
                山田 修路君
                山田  宏君
                石川 大我君
                打越さく良君
                熊谷 裕人君
                小西 洋之君
                田島麻衣子君
                福島みずほ君
                宮沢 由佳君
                河野 義博君
               佐々木さやか君
                塩田 博昭君
                杉  久武君
                西田 実仁君
                若松 謙維君
                音喜多 駿君
                片山 大介君
                足立 信也君
                礒崎 哲史君
                浜口  誠君
                矢田わか子君
                紙  智子君
                田村 智子君
   国務大臣
       内閣総理大臣   菅  義偉君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     武田 良太君
       法務大臣     上川 陽子君
       外務大臣     茂木 敏充君
       文部科学大臣
       国務大臣     萩生田光一君
       厚生労働大臣
       国務大臣     田村 憲久君
       農林水産大臣   野上浩太郎君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  梶山 弘志君
       国土交通大臣
       国務大臣     赤羽 一嘉君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     小泉進次郎君
       防衛大臣     岸  信夫君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 加藤 勝信君
       国務大臣
       (復興大臣)   平沢 勝栄君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災、
       海洋政策))   小此木八郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、規
       制改革))    河野 太郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、地方創生
       ))       坂本 哲志君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    西村 康稔君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(マイナ
       ンバー制度))  平井 卓也君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       クールジャパン
       戦略、知的財産
       戦略、科学技術
       政策、宇宙政策
       ))       井上 信治君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    丸川 珠代君
   副大臣
       財務副大臣    中西 健治君
       厚生労働副大臣  山本 博司君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  近藤 正春君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤井 亮二君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       山本 英貴君
       内閣府大臣官房
       審議官      難波 健太君
       内閣府男女共同
       参画局長     林  伴子君
       内閣府知的財産
       戦略推進事務局
       長        田中 茂明君
       内閣府子ども・
       子育て本部統括
       官        嶋田 裕光君
       総務省統計局長  佐伯 修司君
       法務省刑事局長  川原 隆司君
       外務省大臣官房
       地球規模課題審
       議官       小野 啓一君
       外務省アジア大
       洋州局長     船越 健裕君
       外務省欧州局長  宇山 秀樹君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    宮崎 敦文君
       厚生労働省医政
       局長       迫井 正深君
       厚生労働省健康
       局長       正林 督章君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  鎌田 光明君
       厚生労働省労働
       基準局長     吉永 和生君
       厚生労働省職業
       安定局長     田中 誠二君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  坂口  卓君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    渡辺由美子君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    橋本 泰宏君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    赤澤 公省君
       厚生労働省保険
       局長       浜谷 浩樹君
       厚生労働省年金
       局長       高橋 俊之君
       農林水産省食料
       産業局長     太田 豊彦君
       経済産業省大臣
       官房審議官    中原 裕彦君
       経済産業省大臣
       官房審議官    萩原 崇弘君
       経済産業省大臣
       官房審議官    福永 哲郎君
       経済産業省商務
       情報政策局長   平井 裕秀君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       茂木  正君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      松山 泰浩君
       国土交通省大臣
       官房海外プロジ
       ェクト審議官   石原 康弘君
       国土交通省住宅
       局長       和田 信貴君
       環境省地球環境
       局長       小野  洋君
       環境省総合環境
       政策統括官    和田 篤也君
   参考人
       独立行政法人地
       域医療機能推進
       機構理事長    尾身  茂君
       総務審議官    谷脇 康彦君
       総務審議官    吉田 眞人君
       総務省大臣官房
       付        秋本 芳徳君
       総務省大臣官房
       付        湯本 博信君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○令和三年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○令和三年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○令和三年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○派遣委員の報告
    ─────────────

#2
○委員長(山本順三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 令和三年度総予算三案審査のため、本日の委員会に独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君、総務審議官谷脇康彦君、総務審議官吉田眞人君、総務省大臣官房付秋本芳徳君及び総務省大臣官房付湯本博信君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(山本順三君) 令和三年度一般会計予算、令和三年度特別会計予算、令和三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。徳茂雅之君。

#5
○徳茂雅之君 おはようございます。自由民主党・国民の声の徳茂雅之でございます。本日は予算委員会質疑という大変光栄な機会を頂戴しました。感謝申し上げます。
 それでは早速、緊急事態宣言についてお尋ねします。
 総理は昨日、一都三県における七日までの緊急事態宣言を二週間程度延長するというふうに判断されました。まだまだ感染拡大に対する不安の声がある一方で、飲食、観光業を中心に一刻も早く緊急事態宣言を解除いただきたいという声もあります。大変難しい判断だと思います。
 これ事前に通告しておりませんけれども、このような判断に至った総理のお考えをお尋ねします。

#6
○内閣総理大臣(菅義偉君) この七日に緊急事態宣言の期限を控える中で、一都三県について感染症を抑え込むために大変重要な局面にあると考えています。
 その上で、緊急事態宣言については、病床の逼迫など、いまだ厳しい支障があり、私としては、国民の命と暮らしを守るために二週間程度の延長が必要ではないかというふうに考えております。
 いずれにしても、専門家や関係者の意見も十分に伺った上で最終的に判断をしてまいりたい、このように考えています。

#7
○徳茂雅之君 ありがとうございます。国民の命、暮らしを守る、しっかりお願いしたいと思います。
 東日本大震災から来週で十年を迎えます。そして、私たちに元気や勇気を与えてくれた女子サッカー、なでしこジャパンがアジアのチームとして初めて女子ワールドカップで優勝してからも間もなく十年がたちます。当時、たとえ離れていても、人の心や、人と人との心や気持ちをしっかりと通い合わせ、支え合い、助け合う、きずなという言葉が当時流行になりました。
 あれから十年、現在のコロナ禍においては、三密を避け、ソーシャルディスタンスを取り、在宅勤務により職場から離れて仕事を行うなど、これまで当たり前だと考えていた、人が集まり、直接会って話をするという人と人同士の直接のコミュニケーションが取りづらくなっています。そして、このような状況で改めてきずなという言葉が再認識されています。
 コロナ禍の中で、自分だけの力ではどうしても立ち行かない、あるいは日々の生活にも困っている人々の不安にしっかりと寄り添い、温かい手を差し伸べる、今こそ公助の出番だと思います。
 一方で、在宅勤務や巣ごもり需要の拡大に合わせ、自らの創意工夫で新たな商品やサービスを生み出し、業績を伸ばしている企業もあります。自らの努力で自分だけではなく社会や他人をも支えていこうと頑張っていく人たちの取組や意欲は、現在のコロナ禍においても、そしてコロナ収束後のポストコロナ社会を見据えても、常に大切にしなければなりません。
 総理は昨年九月、第九十九代内閣総理大臣に就任され、その所信演説では、自助、共助、公助、そしてきずなが目指すべき社会像であると発言されました。総理に就任されて間もなく半年がたちます。改めて、その考えにお変わりはないのか伺います。

#8
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今委員から御指摘いただきましたように、私自身の目指す社会像として、自助、共助、公助、そしてきずなというものを考えております。
 まずは自分でできることについては自分でやってみる、そして、それができなくなったら、病気とかいろいろな問題がありますから、まずは家族や周り、地域で助け合っていく、そして、それでもできなくなれば政府が必ずセーフティーネットで支えてくれる、そうした社会像、全体がきずなで結ばれている、そうしたことを目指したいという私の考え方は変わっておりません。今は確かにコロナ禍の中で大変な状況であります。そういう中で、公助としてしっかり支えていくというのは、これは当然のことだというふうに思っています。
 また一方、今御指摘いただきましたように、自らの創意工夫でこのコロナ禍の中でも事業を伸ばしている人がいます。そして、そういう方は、社会を支えていきたい。いろんな方がいる中で、やはり私たち、この日本という国は、お互いに自助、共助、公助、きずなで結ばれ、支え合いながら一人一人の力というものが発揮をできる、そして互いに助け合い、支え合っていく、そうした社会でありたい、このように思います。

#9
○徳茂雅之君 総理、ありがとうございました。
 それでは、まずデジタル社会の構築に関連して伺います。
 パソコンや高速コンピューターを導入し、WiFiなどの高速通信環境を整え、データをアナログからデジタルに変えるだけでは、直ちに社会の仕組みが変わり、国民生活が豊かになるわけではありません。デジタル化はそれ自体が目的なのではありません。デジタル化が社会や国民生活の仕組み、慣習を変え、新たなビジネスを生み、国民の暮らしを豊かにすることが目的であります。最近はやりの言葉で言えば、社会全体のDX、デジタルトランスフォーメーションを巻き起こすことが重要であると考えます。
 これまで政府では、二十年前に成立したIT基本法をベースに、世界最先端のIT国家を目指し、多くの戦略や計画を立ち上げてきました。しかしながら、例えば行政の分野では、国、地方を問わず専門人材が不足し、デジタル化への対応が遅れ、なお今でも紙ベースの事務が多く存在し、自治体ごとに情報システムが統一されておらず、さらに大量の行政データが住民サービスの向上のために有効に活用されていないなど、多くの課題が残されています。平時であれば問題にならなかったようなこのような課題も、現在のコロナ禍では、例えば特別定額給付金の支給の遅れや新型コロナ接触アプリの不具合などの問題にもつながっています。
 そこで、政府が目指すデジタル社会とは一体どのような社会なのか、平井大臣に国民の皆さんに分かりやすく説明をお願いしたいと思います。

#10
○国務大臣(平井卓也君) 先生、質問ありがとうございます。
 先生と問題意識は全く同じでございます。デジタル化は手段であって、目的はやっぱり国民の幸福な生活の実現ということだと思います。それと同時に、日本は高齢化が急速に進行している、これは世界で今トップを走っていると思います、高齢化に関して言えば。これからいろいろなやっぱり社会問題が顕在化してくるというものを解決するためには、どうしてもやっぱりデジタルテクノロジー、ネットワーク、新しい考え方をやっぱり使っていかなきゃいけないと思います。その意味でも、デジタルというのは我々にとっては不可欠だと思います。
 この目的のために、デジタル社会の形成に当たっては、徹底した国民目線でユーザーの利便性向上を図ることによる人に優しいデジタル化、そして、アクセシビリティーの確保や格差の是正等による誰一人取り残さないデジタル化、国際競争力の強化、持続、健全な経済発展、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現等が重要であって、その実現に向けた施策の基本方針等を定めるものとして、委員から指摘がありました二〇〇一年に施行されたIT基本法に代わる基本法として、本国会にデジタル社会形成基本法案を提出させていただいているところであります。
 そして、デジタル社会の実現に向けては、行政のデジタル化はやっぱり大きな問題であって、法案では、国及び地方公共団体の情報システムの統一・標準化、デジタル社会における基幹的なデータベースであるベースレジストリーの整備等に係る取組を基本方針として掲げています。
 委員の御指摘にあったとおり、今回、新型コロナの感染拡大で社会に大きな負荷が掛かって、そういう問題を解決するために今までのデジタル化政策というものが十分に機能しなかったと、そういうデジタル化の遅れを一気に取り戻していきたいと、そのためにこの法案の成立に全力を尽くしてまいりたいと思います。

#11
○徳茂雅之君 分かりやすい説明、ありがとうございました。
 一方、デジタル化の流れに対して、その恩恵を受ける人はますます便利になる一方で、スマホなどの情報機器を持たない、あるいはSNS、電子メールなどのサービスを利用していない層が高齢者を中心にたくさん存在しています。デジタル化の推進が逆に新たな格差の拡大につながるおそれもあります。さらに、デジタル化の進展は、サイバー攻撃などの情報セキュリティーの問題、データの大量流出など個人情報保護の問題、インターネット通販等における消費者トラブルや新たな詐欺被害などを引き起こす懸念もございます。
 政府では、先ほどありました、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を目指すとしていますけれども、デジタル化に伴う多くの課題や懸念、言わばデジタル化の影の部分についてもしっかりと焦点を当てて、国民の不安を取り除き、安心、安全なデジタル社会を構築していただきたいと考えますが、どのように取り組むのか、伺います。

#12
○国務大臣(平井卓也君) デジタル改革には、デジタル化で便利になるというだけでなくて、委員の御指摘のとおり、誰一人取り残さないという視点が不可欠だと思います。また、格差を拡大するようなデジタル化は我々が望むものではありません。
 デジタル社会形成基本法案においても、国民が誰一人取り残されることなくデジタル社会におけるあらゆる活動に参画することが可能になるよう、インターネット等の利用やデータの活用の機会が確保されるようにするための施策が講じられなければならない旨、規定しています。
 具体的には、高齢者や障害がある方、デジタルに苦手意識がある方にとって、使い勝手、UI、UXですね、が良い行政サービスへの刷新、身近な場所で身近な人からICT機器、サービスの利用方法を学べる環境づくりを推進する仕組みであるデジタル活用支援員制度といったリテラシー向上に関する取組を充実させていきたいというふうに思います。また、国民一人一人が安心して参加できるデジタル社会を形成することが不可欠であり、そのため、デジタル社会形成基本法においては、サイバーセキュリティーの確保、情報通信技術を用いた犯罪の防止、個人情報の保護等の措置が講じられなければならない旨、規定しています。
 今後、デジタル庁が創設される予定でございますが、サービス・バイ・デザイン、セキュリティー・バイ・デザインというのは基本方針であると考えております。

#13
○徳茂雅之君 デジタル社会の構築に向け、核となるのはマイナンバーです。
 昨年の特別定額給付金の支給に関し、マイナンバーカードの事務処理に際し全国の自治体窓口で混乱が発生し、結果的に支給事務が遅れたことは記憶に新しいところです。なかなか進まなかったマイナンバーカードの交付件数は昨年は一昨年の三・八倍と大幅に増え、直近では三千二百万枚とパスポートの交付冊数を上回り、普及率も二五%を超え、ようやく四分の一の水準に達しました。
 しかしながら、まだまだ普及は遅れています。遅れの原因として、周知、広報が不足している、交付手続が面倒である、マイナンバーカードを保有することの個人的なメリットが実感されていないということがありますけれども、そもそも、国民一人一人がマイナンバーという固有の番号を持つことで、これは本人はもとより、社会全体にどのようなメリットが、意義があるのか、これが国民に実感されていない、十分理解されていないのではないかと考えています。
 そこで、マイナンバーの普及が社会や国民生活においてどのような意義、役割を持つのか、お尋ねします。

#14
○国務大臣(平井卓也君) ありがとうございます。
 ここに来て、マイナンバーカードの申請数がぐっと増えています。というのも、今封書で、持っていなかった方々に申請書、またスマホで申し込めるQRコード付きの申請書を一斉に今月中送付していますので、一日当たり二月の後半だと約十三万件、二月、先月一日当たりの平均が十一万件ということで、もう既に累計で三千八百万枚を超えました。もう国民の理解が進んでいるんだなというふうに心から感謝したいというふうに思っているんですが。
 マイナンバー制度は、マイナンバーとマイナンバーカード、マイナポータル、この三つの活用によって行政の効率化と国民の利便性向上を実現して、公平公正な社会を実現するデジタル社会の基盤であり、マイナンバーカードはデジタル社会の言わばパスポートのようなものだと私は思っています。
 マイナンバーは個人を一意に特定する番号であり、マイナンバーを利用した行政機関間の情報連携によって、これまでの添付する必要のあった住民票の写しや課税証明書等の書類を省略可能とするとともに、行政機関における膨大な紙資料の取扱いをデジタル化して国民の利便性向上と行政の効率化を実現するということであります。
 また、それに加えて、マイナポータルでは、そのような行政機関間でのやり取りの履歴をそれぞれ個人がチェックできるという、これはもう全く新しい機能だと思います。つまり、行政のプロセスの透明化はこのデジタル化によって上がるということも非常に大きな意義があるというふうに思っています。
 そして、今国会に提出した法律案では、マイナンバーの利用により、相続、災害等での口座の所在確認の効率化を図ることもできます。
 そして、マイナンバーカードは、対面とオンラインでも確実な本人確認ができる最高の身分証明書なんですね。このことをもう是非国民に理解していただきたいのは、今までいろいろなところで自分が自分であることを証明するためには、免許証か免許証のコピーか、写真が付いた健康保険証か、パスポートか、公共料金の振り込みの領収書とか、いろんなものの合わせ技だったんですよ。ところが、国民全部に、これアナログの世界でも、このマイナンバーカードを、これ一つを持っていただければ最高位の身分証明書であるということで、全ての国民に身分証明書を持ってもらうという、アナログの世界でも大きな意義があると思います。
 その上で、このデジタルということで、今回から、今月から健康保険証としての利用も開始しますし、令和六年度からは運転免許証との一体化など、カードの利用拡大について関係省庁と鋭意準備を進めています。
 さらに、民間サービスにおいても、これまでオンライン証券やオンラインバンクの口座開設、住宅ローンのオンライン契約などにおいて、本人確認のためのマイナンバーカードの利用が今進んでいるところであります。
 そして、今後、カードの電子証明書機能を令和四年度中を目指してスマートフォンに搭載して、スマートフォンであらゆる行政手続をできれば全て六十秒以内に完結できるようにしたいと、そのように考えています。
 また、今国会に提出した法案では、電子証明書の更新等を郵便局でできるようにするということがあります。国民に一番身近な郵便局でそのような手続ができるということですから、これは先生にもまた御指導いただいて、国民のために是非この郵便局が使えるようにできたらいいなというふうに考えています。
 また、マイナポータルでは、行政機関等にある自分の情報を簡単に確認したり、子育てなどに関する行政サービスの検索やオンライン申請をすることもできます。さらに、そのマイナンバーとマイナポータルと口座の連携によって給付というものを大幅に迅速化することもできます。
 マイナンバー制度は常にその普及を図っており、更なる普及に当たっては、今後も国民の皆様の御理解を得つつ、関係省庁一体となって引き続き取り組んでいきたいと思っておりまして、我々の次の世代のためにも、ここはこのマイナンバーというのをデジタル社会の基盤にしたいと、そのように思っております。

#15
○徳茂雅之君 御丁寧な説明、ありがとうございました。是非、総務大臣としっかり連携して推進に努めていただきたいと思います。
 全国どこにいても低コストで利用できる高速大容量の通信環境の整備は、東京一極集中の是正、都市、地方の格差是正の観点から重要です。とりわけ昨年から始まった5G通信サービスは、現行の4Gのサービスと比較して、大容量のデータを高速に通信できるだけではなく、遅れが極めて小さい、あるいは同時に多数接続できるといったような特徴があり、我が国の社会経済の仕組み、国民生活の在り方を根本から変える起爆剤となり得ます。特に、自治体や企業が地域や産業分野を限定して5Gシステムを構築するいわゆるローカル5Gサービスの導入によって、農業、建設、医療など幅広い分野で地域や企業のニーズに合わせたきめ細かな5G通信サービスが提供できるようになります。
 デジタル社会の構築に向けて、その基礎となるネットワークインフラの整備について、例えば光ファイバー等の高速通信ネットワークの整備状況、それから今後の5G通信サービスの普及の見通しについて武田総務大臣にお伺いします。

#16
○国務大臣(武田良太君) 光ファイバーについては、令和元年度末時点で未整備世帯数は約五十三万世帯、世帯整備率にして九九・一%であったところを、令和二年度第二次補正予算等において五百億円を超える予算を計上しており、令和三年度末時点で未整備世帯数は十七万世帯、世帯整備率にして九九・七%となる見込みであります。また、携帯電話につきましては、令和五年度末までに全ての居住地域で利用可能となる見込みであります。
 5Gの展開につきましては、携帯電話事業者が整備を進めているところではありますが、総務省としては、5G投資を促進するための税制支援措置や、過疎地などの条件不利地域における基地局整備支援のための補助金といった予算措置を講じるなど、しっかりとバックアップしており、その結果として、令和五年度末には地域カバー率を九八%とすることを見込んでおります。
 こうした取組を通じ、有線と無線を組み合わせて国土の隅々までブロードバンドが利用可能となるよう、スピード感を持ってしっかりと取り組んでまいります。

#17
○徳茂雅之君 昨年の年初、参議院の調査団の一員としてヨーロッパの農林業の動向を視察いたしました。オランダでは、AIやロボットなど新たな技術を活用し、水や肥料、ハウスの温度管理や病害虫対策、収穫などの省力化を行い、トマトなどを輸出産業化する最先端のスマート農業を展開し、我が国の農家に対しても技術指導を行っていました。我が国でも、つくばにある農研機構においてスマート農業の研究や実証実験を行い、着実に実績を上げつつありますが、実用化についてはオランダなどの農業先進国からは後れを取っています。
 少子高齢化の進展に伴い長期的に労働力不足が懸念される中で、単位面積当たり収穫量を引き上げるとともに、農作業の効率化、省力化を行う上でスマート農業は不可欠です。とりわけローカル5Gの技術は我が国の農業のスマート化にとって切り札とも言えるものであり、世界的にもまたこれからの技術です。我が国が世界をリードするチャンスも大いにあるのではないかと考えます。
 そこで、スマート農業の推進について野上農林大臣の御所見をお尋ねします。

#18
○国務大臣(野上浩太郎君) これからの日本の農林水産業にとりまして、今お話のありましたロボットですとかAIですとかIoTを活用したスマート農業の推進、大変重要だと思います。
 今、全国で百四十八地区でスマート農業の実証プロジェクトに取り組んでいるところでありますが、御指摘のありました総務省が通信技術の実証を行っている例えばローカル5Gの特性を活用しまして、水田作におけるトラクターの複数台の遠隔自動操作ですとか、あるいはブドウ栽培におけるカメラ、マイク等を内蔵した高機能眼鏡、いわゆるスマートグラスと言っているんですが、これによります遠隔栽培の指導ですとか、あるいは茶栽培における自動収穫機の遠隔自動運転等について今実証を行っているところであります。
 これまでの実証プロジェクトの中で、労働時間の削減や省力化などの効果が現れる一方で、やはり初期投資に伴う機械費の増大、コストの増大、あるいはインフラ面の課題が明らかになってきておりますので、これらの課題に対応するために、昨年十月ですが、スマート農業推進総合パッケージとして取りまとめを行いました。このパッケージに基づきまして、やはりいかに現場に実装していくかということが重要ですので、スマート農機のシェアリングですとか作業の受託を行う農作業支援サービスの育成ですとか、あるいは通信環境、農地の整備推進、スマート農業教育の充実などを図る予算を計上しているところでございます。
 今後、二〇二五年までに農業の担い手のほぼ全てがデータを活用した農業を実践することを目指して、総合的に取組を推進してまいりたいと考えております。

#19
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 続いて、地方の問題についてお尋ねします。まず、地方創生についてお伺いします。
 新型コロナ感染症が拡大する中で、官民挙げてテレワークを推進するとともに、地方に対する関心の高まりや本社機能の地方移転などの動きを受けて、これまで転入増が続いていた東京都も昨年七月から本年一月までの七か月間、連続で転出超過になりました。しかしながら、広く都市圏で見れば、相変わらず東京圏は転入超過となっています。政府においても、これまでまち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、地方創生の取組を進めてきましたが、東京圏への一極集中の構造は大きく変わってはいません。東京等の都市部が特に若者にとって暮らし、学び、働く場として魅力的であることはもちろんですが、一方では、地方の側に独自の魅力が乏しいことも否定できません。
 そのような中、きらりと光る地方創生の取組を実践している自治体もあります。地方創生の成功事例として神山モデルとしてよく取り上げられる徳島県の神山町は、かつて二万人もいた人口が五千人まで減少したものの、今や人口増に転じてきています。ちょうど昨日、参議院自民党の政策審議会において、これまで神山町で地方創生に取り組んできたNPO法人の役員の方からお話を伺う機会がありました。神山町では、二十年前、アーティストの移住をきっかけとして起業家が移住し、ベンチャー企業がサテライトオフィスを設置するなど新たな人の流れをつくり出し、さらに、従来型の農産物等の地域の特産品を都市部へ販売するという一方通行の流れではなく、地域の中で経済の循環を高めることで自律的な発展を遂げてきています。
 言うまでもなく、東京圏への過度の一極集中は、東京圏と地方圏との間の経済格差を拡大するだけではなく、直下型地震などの大規模災害や近年多発する豪雨災害、新型コロナなど新たな感染症に対するリスクを抱えることとなります。
 本年度から五年間の第二期まち・ひと・しごと総合戦略がスタートしましたが、今後、東京圏への一極集中の是正に向けて地方創生の取組をどのように進めていくのか、伺います。

#20
○国務大臣(坂本哲志君) 委員御指摘のとおり、東京都の方は、もうこの七か月連続で転出超過となっております。これはやっぱり過度な一極集中、それから感染症あるいは自然災害、こういったものに対して住民の皆さんたちが危機感を持っている、まあその表れであるというふうに思っております。この機会を、動きをやはり逃すことなく、これから東京一極集中の是正というものを強力に進めていかなければいけないというふうに思っております。
 今おっしゃいました第二期まち・ひと・しごと創生総合戦略二〇二〇改訂版に基づきまして様々なことをやっていきたいと思いますけれども、まずはテレワークの実践というものが非常に伸びてまいりました。東京都で四〇%ぐらい、地方でも三〇%弱ぐらいというふうになっております。このテレワークによるやはり転職なき地方移住、こういったものも進めてまいります。
 それから、地方の大学というのを魅力あるものにして、人材育成していかなければなりません。地方の大学というものをこれまでと違った形で特性化をして、そしてアジア圏も含めて学生が集まるような、そういう大学にしていかなければいけないというふうに思います。
 さらには、副業、兼業なども含めた知の供給というものを東京の方からどんどんやっていく。これは、テレワークも含めて一緒にやっていかなければいけないというふうに思います。
 それと同時に、今、神山町等の例を挙げられましたけれども、やはり地方がどうしていくかということを自ら努力するということも大切でございます。地域に住んでいる皆さん方、あるいは移住してこられてきた皆さん方と一体になって地方創生のために取り組んでいかれるという姿勢が大事だろうと思います。
 それぞれの地方には、郵便局を始め、地域でなくてはならない安心できるやはりインフラというのがそろっております。こういったものをしっかり活用しながら、どうすれば東京にはない住みやすさ、あるいは新たな人生観を求めるようなそういう住みやすさができるのか、これをしっかり考えていくことが地方創生につながるというふうに思っておりますので、関係各省庁と連携をしながら、これから更に東京からの一極集中の是正、そして地方分散型の社会の形成、これに努めてまいりたいというふうに思います。

#21
○徳茂雅之君 続いて、地方分権について伺います。
 新型コロナ感染症の対応に当たって、今回の地方創生臨時交付金の仕組み、地方の実情に合わせ機動的な使用が可能でありますので非常に有り難いという声をよくいただきます。地方の実情や住民の声を一番よく知っているのは、霞が関ではなく、言うまでもなく自治体、特に直接地域住民に行政サービスを提供している市町村などの基礎自治体です。住民に直接係る行政サービスに関しては、できる限り住民に近いところに権限や財源を移譲し、地方の実情に合わせ、地方の創意工夫を最大限生かした取組を行うべきだと考えます。
 一方で、小規模の基礎自治体では、専門的な人材が不足するとともに、今般の新型コロナ感染症の対応など、常に新たな行政需要への対応が求められており、統一化、標準化できる事務はできる限り国や県で対応してほしいといった声も聞きます。
 参議院においても、行政監視委員会に国と地方の行政の役割分担に関する小委員会を設置し、地方自治体の長からのヒアリングを行うなど検討を行ってきていますが、政府においては、国と地方の行政の役割分担の在り方についてどのように考え、今後、地方分権についてどのように進めていくのか、お伺いします。

#22
○国務大臣(坂本哲志君) 地方分権改革におきましては、国は外交、安全保障など国家が本来やるべき仕事をきちんとやっていく、一方の方で、住民に身近な行政はできるだけ地方自治体の方で、地方公共団体の方で担うということで、今、分権、義務付け、枠付け、こういった見直しを進めているところでございます。
 御指摘のように、社会経済情勢の変化に伴って新たな課題が様々に出てまいります。そういう中で、国がやるべきことはしっかりやっていかなければいけませんけれども、県と市町村自治体、この役割分担というのもこれから非常に重要になってくると思います。非常に、やはり中小の市町村にこれからどれだけの対応能力があるかというようなことを考えながら、県が担うべきところはしっかり県が担う、そういうことをしていかなければいけないと思いますし、デジタル化の推進によってまさにそういったものが進んでくるであろうというふうに思っております。
 地方三団体から平井大臣の方に、デジタル化に関してしっかり意見を聞いてほしいという要望も出ているようでございますので、これから、国の役割、それから県の役割、さらには市町村自治体の役割、こういったものをしっかり考えながら、地方の意見を踏まえながら、今後の分権改革、そういったものを進めてまいりたいというふうに思っております。

#23
○徳茂雅之君 是非地方の声をよく聞いて進めていただきたいと思います。
 地方の問題とともに、例えば地域活性化や地域おこしなどに言ういわゆる地域の問題は、地方ではなく東京などの都市部においても、例えば独居高齢者や空き家対策など、多く存在しています。地方の状況に応じたきめ細かな対応が求められます。公助としての行政サービスはどうしても標準的、画一的にならざるを得ず、また、集中豪雨や地震など自然災害への迅速な対応については、自治会や町内会などの地域自治組織あるいは消防団など、より地域住民に密着した組織の役割が重要となってきます。
 しかしながら、人口減少や高齢化の進展、地域における人間関係の希薄化に伴い、これまで地域住民の安心、安全を支えてきたこういった地域組織への参画者が減少してきています。個人の自助努力だけでは立ち行かない、行政サービスなどの公助では迅速できめ細かな対応ができない地域の問題にこそ共助の役割が求められるのではないかと考えます。
 そこで、将来にわたり地域社会を支え維持していく上で、自治会などの地域自治組織や支援団体についてどのような役割を期待するのか、武田総務大臣にお伺いします。

#24
○国務大臣(武田良太君) 自治会等のコミュニティー組織は、地域における共助の担い手として、防災や環境美化等の様々な活動に取り組む重要な役割を担っております。他方で、人口減少や高齢化により担い手が減少し、継続的に活動するための組織的基盤の強化が課題となっております。
 第三十二次地方制度調査会答申においては、自治会等による法人格の取得は活動基盤強化のため有用であるとされ、現在、認可地縁団体制度を不動産等の保有の有無にかかわらず活用可能とするよう検討を進めてまいっております。また、自治会等の地縁的なつながりを基盤として、見守りや買物支援、配食などの共助活動を実践する、いわゆる地域運営組織の形式や運営を総務省として地方財政措置などを通じて支援を今しております。
 総務省としては、引き続き、地域の状況に応じきめ細かな共助の取組が進められるよう、コミュニティー組織の活動基盤の強化に向け取り組んでまいります。

#25
○徳茂雅之君 続いて、地域社会の重要な担い手であります郵便局の役割についてお尋ねします。
 書店では、我が国における近代資本主義の父と言われる渋沢栄一に関する書籍が並べられ、「論語と算盤」など、渋沢に関する書籍がベストセラーの上位をにぎわせています。言うまでもなく、渋沢は近代日本をつくる上で大きな役割を果たした人物の一人ですが、その渋沢と同時代に我が国の近代国家の基礎をつくったのが一円切手の肖像でも知られる前島密という人物でした。渋沢と前島は、明治の初頭、明治政府の新たな制度を立案する改正掛という組織で一緒に仕事をし、日本の近代国家へと生まれ変わる諸制度を形作りました。
 ちなみに、前島の生誕の地であります上越には前島の業績を記念した石碑があり、その表の題字は渋沢が揮毫したものであります。お手元に資料を配付しましたけれども、これ、私が昨年、上越市にある前島記念館を訪問した際に撮影しました石碑の写真であります。その左下には子爵渋沢栄一書と書かれています。
 本年は、前島が成し遂げた最大の業績と言われる近代郵便創業から百五十周年を迎えます。これまで郵便局は、明治四年の創業以来、山間、離島を含め、全国あまねく地域住民の生活を支える重要な役割を果たしてきました。
 少子高齢化や人口減少が進み、これまで地域社会において住民の暮らしを支えてきた担い手が減少する中で、来るべきデジタル社会を見据えて、今後、郵便局が果たすべき役割についてどのように考えるのか、武田総務大臣にお尋ねします。

#26
○国務大臣(武田良太君) 明治四年の創業以来百五十年にわたり、地域住民の生活を支えるとともに、郵便事業は我が国の経済社会の発展に重要な役割を果たしてまいりました。
 最近、過疎化が進む地域の郵便局において、市町村役場や地方銀行が支所などを閉鎖するに当たり窓口業務を受託したり、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた方に対する緊急小口資金貸付けの受付事務を受託するなどの取組を行っていると承知しており、これからも積極的に地域社会を支えていただきたいと思います。
 また、日本郵政グループにおきましては、国民、利用者の利便性向上、多様化するニーズに対応するため、デジタル化を推進し、例えば取得、保有する莫大なデータの活用等による新たなビジネスモデルの構築が必要だと考えております。
 日本郵政グループにおいては、今後とも郵便局が我が国の経済、社会において基盤となる役割を果たせるようしっかり取り組んでまいりたいと、このように考えております。

#27
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 ただいま地域の役割、デジタル化への対応ということで答弁ございましたけれども、総務省としては、それでは郵政事業のこれからの役割に対してどのような取組を行うのか、併せて武田総務大臣の御答弁をお願いします。

#28
○国務大臣(武田良太君) 総務省では、昨年の十一月から、私が主宰するデジタル時代における郵政事業の在り方に関する懇談会におきまして、全国二万四千局のネットワークや莫大なデータを活用することで、地域住民の生活を支える郵便局の役割やデジタル時代の新たなビジネスモデルについて検討を行ってまいっております。今月中には懇談会の中間整理を取りまとめの予定でありますけれども、引き続き、有識者の御意見も賜りながら、国民生活を支え、地域に貢献する郵政事業、郵便局の将来像を考えていきたいと考えております。

#29
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 地域にとってなくてはならない郵便局の将来に果たすべき役割をしっかりと支えていただきますよう、総務大臣の御尽力をお願いいたします。
 続いて、領土に関する問題について小此木大臣にお尋ねしたいと思います。
 先月、二月二十二日、第十六回目となる竹島の日記念式典が政府からも政務官が出席されて松江で執り行われました。言うまでもなく、領土は国家主権そのものであります。領土を守ることは、国民の生命、財産をしっかり守る上で、政府、国の最も重要な役割の一つであります。竹島の問題や海警法施行後急増している尖閣諸島周辺海域における中国船の新たな動きなど領土問題について国際情勢が厳しさを増す中で、我が国の考えをしっかりと諸外国に示すことが重要であり、政府には毅然と対応いただきたいと思います。
 その上で、日夜我が国の固有の領土であるこれらの国境離島を最前線で守る役割を果たしているのが自衛隊と海上保安庁であります。ところが、最近、最前線である自衛隊や海上保安庁の施設の周辺の土地や国境離島の土地が買収されるという動きが広がってきています。このような動きに対して政府としては今後どのように取り組んでいくのか、小此木大臣の御所見をお伺いします。

#30
○国務大臣(小此木八郎君) おはようございます。
 今委員がおっしゃった件は非常に重要なことだと認識しております。衆議院でも議論ございました。国会でも長年、政府内でも議論がされてきたところであると認識をしています。
 今おっしゃった、現在、安全保障上大変重要なところであると思われる防衛施設周辺あるいは国境の離島等を対象として土地の調査やあるいは規制を行うと、それを行うための新法をこの国会で提出させていただくべく今鋭意準備を進めているところでございますので、委員の御指導もまたいただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。

#31
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 続いて、消費者行政についてお尋ねします。
 消費者行政を担う消費者庁の成り立ちを振り返ってみますと、十年以上前になりますけれども、各省庁が縦割りでばらばらに対応していた消費者行政を一元的に所掌し、その司令的役割を果たすことができるように現在の消費者庁が発足して、そして十年以上が経過しています。言わば総理が掲げる行政の縦割りの打破を十年以上前から実践してきたのが消費者庁であると、私はこのように考えております。
 そこで、まず井上大臣に、霞が関における行政の縦割り打破のある意味フロントランナーとして消費者行政に懸ける意気込みをお尋ねします。

#32
○国務大臣(井上信治君) 消費者庁設立から十二年目を迎えます。
 御指摘のとおり、従来の縦割り行政では増加し多様化する消費者事故やトラブルに十分対応できないという問題意識の下、これを打破し、各省ばらばらであった消費者行政を一元化することで消費者保護を充実強化することが設立の目的でありました。設立以降も消費者行政を取り巻く環境は大きく変化しており、デジタル化や高齢化、感染症への対応など、どの課題においても個別行政の視点ではなく消費者視点という横串を貫き、縦割りを打破することが必要となっています。
 今後とも、消費者を取り巻く環境の変化に伴って生じる様々な課題に対し、消費者行政の司令塔として関係省庁と連携し、スピード感を持って対応してまいります。

#33
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 消費者庁設置後も、少子高齢化、デジタル化が進展し、ライフスタイルも大きく変わり、その都度次々と新たな消費者問題が発生してきました。特に近年では、電話だけではなくインターネット取引の利用拡大に伴う消費者トラブル、SNS等を利用した詐欺被害など、デジタル化の進展に伴う消費者被害が急増しています。
 消費者庁としてこのような問題に対してどのように取り組んでいくのか、お尋ねします。

#34
○国務大臣(井上信治君) 経済社会のデジタル化への対応は、消費者行政においても取り組まなければならない最優先課題です。
 まず第一に、今国会において、取引デジタルプラットフォームにおける消費者の安全、安心の確保のための新法、また詐欺的な定期購入商法への対応を含む特定商取引法や預託法等の改正といった法案を提出し、デジタル分野における新たな消費者トラブルを抑止し、消費者の利便性を向上する制度の構築を進めます。
 第二に、SNS等の活用や相談員の負担軽減などを実現するための全国消費生活情報ネットワークシステム、PIO―NET改革など消費者行政のデジタル化も進めます。また、消費生活のデジタル化に対応した消費者教育も重要です。
 全ての消費者が社会のデジタル化に取り残されず、そのメリットを最大限享受し、安全、安心な消費生活を送ることができるよう取り組んでまいります。

#35
○徳茂雅之君 さらに、最近では、SDGsの取組の一環としての食品ロスの問題に対する国民意識の高まりや新型コロナに乗じた詐欺被害など、消費者行政を取り巻く環境も大きく変わってきています。
 消費者行政は常に消費者目線で消費者の安全、安心を守るために新たに発生する問題に臨機応変に対応していく必要があると考えますけれども、今後どのように取り組んでいくのか、お尋ねします。

#36
○国務大臣(井上信治君) 御指摘のとおり、消費者行政が取り組まなければならない課題は大きく変化し、拡大しています。
 特に最近では、コロナ感染症への対応や食品ロスの削減、大きな課題です。新型コロナに関しては、ワクチン接種をかたる詐欺やコロナに効くと称する不当表示など、新しいタイプの悪質商法等による消費者被害の防止に万全を期してまいります。また、食品ロスの削減については、現状の取組ではいまだ不十分であると考えており、関係省庁の旗振り役として制度的な課題の検証を進め、国、公共団体、事業者、消費者等の多様な主体を連携させることが重要です。
 ほかにも、来年四月に予定される成年年齢十八歳への引下げに向けた消費者教育の充実など、新たな課題を前に進めるため、各省庁や業界にまたがる課題に果敢に取り組むことが必要です。
 消費者行政の司令塔として、あらゆる分野での縦割り打破に取り組んでまいります。

#37
○徳茂雅之君 時間が参りましたので、終わります。

#38
○委員長(山本順三君) 以上で徳茂雅之君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#39
○委員長(山本順三君) 次に、西田実仁君の質疑を行います。西田実仁君。

#40
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 首都圏における緊急事態宣言の取扱いにつきましては明日正式に決まるわけでございますけれども、まず、私は、いずれにいたしましても医療提供体制の構築を再強化していかなければ医療崩壊というものをまた招いてしまうということについてお聞きしたいと思います。
 まず、パネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)
 そもそも論でございますけれども、日本の医療体制というのは国際的に見ましても決して見劣りすることはないとよく指摘されるわけであります。ここにありますように、人口千人当たりのベッド数はOECDで第一位の十三床でございますし、また、医師数につきましても、米国よりはやや少ないわけですが中国よりは多い。また、看護師数につきましても十一・七六人ということでありますので、イギリスや中国よりも上位にある。そして、感染者数は世界的に見ても欧米のような爆発的な感染拡大には至っていないと。にもかかわらず、医療逼迫ということがやはり残念ながら言われることもしばしばでありました。明らかに医療資源の配分というものがうまくいっていないということの証左でもございましょう。医療機関の機能分化、また、その再編や民間病院依存体制の是非など、医療行政の抜本的見直しが必要ではないかというふうに思うゆえんであります。
 そこで、まず総理にお聞きしたいと思うんですが、この医療提供体制の再構築というのは言わば健康の安全保障問題でありまして、厚労省や自治体、医師会や官公労等が一体となって、言わば医療体制改革国民会議のような場において国を挙げて医療資源の最適配分について検討していく必要があるのではないでしょうか。

#41
○内閣総理大臣(菅義偉君) 新型コロナ患者の受入れ体制の確保に向けて、国としては、受入れ病院に対する強力な財政支援を行うとともに、各都道府県と一体となって病床の確保に取り組んできているところであります。私自身、直接医療関係団体の長の方にお会いをし、病床の確保に向けた協力を要請をしたところであります。その後、全国レベルで、医師会や、また病院団体が連携をして病床確保の対策会議を立ち上げていただいているというふうに承知しています。
 その上で、地域の医療提供体制については、地域の実情に応じて様々な患者に対して必要な医療をどのように提供をしていくべきかという、このことについては地域で役割分担を協議し、国と連携をしながら地域全体として支えていくものである、このように考えています。このため、各都道府県においても、医師会や地域の中核病院などの医療関係者も交えた協議会を設け、役割分担を協議した上で受入れ体制の整備を進めているところです。
 引き続き、必要な方が必要な医療を受けられるように、国と地方、そして医療関係者が緊密に連携し、地域の医療資源というものを総動員をして必要な医療提供体制の確保にしっかりと努めていきたい、このように考えています。

#42
○西田実仁君 次の医療計画、地域で検討する際には、この感染症、今後もまた続きますので、是非それの対応を検討していただきたいと思います。
 具体の話に行きたいと思いますので、パネルはもう結構でございます。
 病院逼迫の改善ということには、重症者から回復者まで一体で病床を調整する必要がございます。公明党は、一般病床以外の病床も活用するよう求めてまいりました。その結果、一月二十二日より、後方支援病院に対して診療報酬は三倍に、また九百五十点を九十日間算定できるようになったわけであります。
 医学論文などでは、発症後十日経過した患者からは、免疫が低下している方とごく一部の方を除いて、ウイルスが培養できない、すなわち感染させることはないと整理しております。たとえウイルスがあっても、言わばそれは死にがらのようなものでありまして、人に感染させる力はないという整理だろうと思います。それゆえ、入院して十日経過した場合には検査をせずとも退院できる、そういう退院基準を策定したというふうに理解しております。
 では、この基準を満たして転院してこられた患者さんには感染者としての対応が求められるのか、例えば後方支援病院ではその対応に防護服などを着用する必要があるのかどうか、厚労大臣にお聞きしたいと思います。

#43
○国務大臣(田村憲久君) 今委員がおっしゃられましたとおり、人工呼吸器を付けていない、そういう患者さんの場合、発症から十日以降、まあ七十二時間、これ症状がなくなってからですね、七十二時間経過している、若しくは十日後、PCR検査を二回やって陰性というようなことであれば、これは退院基準を満たすわけでありまして、そういう方々に対しては、これは感染に対するいろんな心配はございませんので、一般の患者と同じように対応いただいて結構であると。なかなか医療関係者の方々、これに対して十分に情報が伝わっていないということで過度な対応をいただく場合もありますけれども、改めてそういうことを我々としてはお伝えをさせていただいております。
 ただ一方で、アドバイザリーボード、二月二十五日だったと思いますけれども、ここで、人工呼吸器を付けた患者の方々の場合は、これやっぱり、発症後やはり十五日間経過をしないと、なかなかその後、症状がなくなって七十二時間であったとしてもこれはまだウイルス感染のおそれがあるということでありまして、退院基準は満たしておるんですけれども、やっぱり発症後二十日まではしっかりといろんな個室等々で感染を防ぐ対応をいただきたいというような、そういう評価をいただきましたので、人工呼吸器を付けられた患者に関してはそういうことであるということを改めて医療機関等々にしっかりと我々としてはお伝えをしてまいりたいというふうに考えております。

#44
○西田実仁君 この病院の逼迫を改善していくには、まさにそういう具体的な後方支援病院での対応というものをしっかり周知いただくことが大事だと思います。
 今お述べになられましたように、個人が感染した場合の退院基準というものは示されているわけでありますけれども、クラスター、この集団感染、これが発生した医療機関や福祉施設などにおいて、クラスターが収束したとする基準は定められていません。例えば全員一律の検査で陰性を確認するなど、何らかの一定の基準というものを定めていく必要があるんではないでしょうか。

#45
○国務大臣(田村憲久君) クラスターといいますか、お一人でも感染者が介護施設等々で発生した場合には、これはもう全員に検査をいただくようにということを通知をさせていただいて、今そういう体制を組んでおります。
 もちろん、ゾーニングやいろんな対応を組んでいただいて、クラスター化しないように、した場合にはそれ以上長期化しないようにいろんな対応等々を、これ実は厚生労働省だけじゃなくて都道府県においてもそういうような対応チームをつくっていただいてということでお願いをいたしておるわけでありますが、なかなかそのクラスターがこれで収まったという基準というのは、これは状況によって違うわけでございまして、難しゅうございまして、PCR検査をやって全員陰性だったからそれでいいというわけではなくて、もしかすればPCR検査の感度の問題もございますので、一定程度、やはり最終の感染者の方々が出てから、最終どれぐらい、つまり、その症状、潜伏期間がございますので、それを見るというようなことをやっておるような、そういうようなところもあるようでありまして、状況によってそれぞれ変わってまいりますので、これはクラスター班等々、厚生労働省からもお願いをする場合もありますけれども、そういうそれぞれの場合に応じて専門家の方々に対応いただくということで、なかなか一律にPCR検査だけで対応というわけにはいかないということで、それぞれの状況に応じて対応いただいておるということであります。

#46
○西田実仁君 この感染症の収束の要は、医療機関と福祉施設のクラスターをいかにして減らしていくかということですよね。やっぱりそこは一定の基準というものを国としても示す必要があるんじゃないですか。

#47
○国務大臣(田村憲久君) 今申し上げましたとおり、言われるとおり、最後、感染が出てから潜伏期間を考えてという話で、それが過ぎればというのが一般的なんですが、状況によってはその二倍を見ておるような、そういうような場合もあるようでございます。
 委員の言われるとおり、何らかの一定のことは我々としても考えていかなきゃならないと思いますが、ただ一方で、完全に払拭できない中でまたクラスターが発生をし返すということは避けなければならない。そういうことも含めて、委員の御提案等々も踏まえて検討してまいりたいというふうに考えております。

#48
○西田実仁君 その検査についてなんですが、クラスターが発生したある医療機関では幅広く定性検査を実施して陰性と判断しましたが、その後、この医療機関、クラスター収束宣言をするために改めてPCR検査を行いましたところ、実は陽性だったことが判明いたしました。その結果、濃厚接触者が新たに生じてしまいまして、クラスターは収束できずに混乱が起きた事例を聞いております。
 これは、無症状者に対しては、抗原定性検査により陰性の結果が得られても陰性証明にはならないということが徹底されていない事例ではないでしょうか。飲食と並んで今後の感染収束の要となる医療機関や福祉施設には質の高いPCR検査などを用いることが重要であると考えますが、厚労大臣の御所見を伺います。

#49
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど申し上げましたとおり、PCR検査でも完全ではないということはこれはあるわけでございまして、ましてや抗原定量検査となりますと、あっ、定性検査となりますと、これは検査キット等々を用いているものだと思いますが、更に感度がやっぱりPCR検査よりかは落ちるという部分がございます。そういう意味では、感染者が出た上で抗原定性検査キット等々で対応するということは我々もお勧めをしているわけではありません。やはりPCR検査をしていただきたいというふうに思っております。
 一方で、そういうような感染者が出ていない介護施設、こういうところをスクリーニング的に、例えば定期的に検査をする場合、こういう場合には抗原定性検査キット、こういうものも一定の効果を示しますし、そもそも検査しなければ何も分からない話でございますので、こういうものを使っていく、若しくは、最近申し上げておりますのは、こういうスクリーニングにはプール検査、要するにPCRに関しても数人をまとめて集合検査やるというようなことも有効であると。
 これは、検査能力、費用、いろいろ、そういう意味で、スクリーニングという意味では意味があるであろうということで、そういうものも含めて、今、各都道府県、特に感染拡大をしておる若しくは先般の緊急事態宣言の対象のエリア、こういうようなところに関しましては、こういうものを三月の末までにお願いしたいと、計画、実施計画を作った上で三月の末までにお願いしたいということで、今それぞれ計画が上がってきておるということであります。

#50
○西田実仁君 次に、マスクの着用についてお聞きしたいと思います。マスクの着用の生活はいずれにしても今後も続くことになると思うんです。
 先日、埼玉県内の子供食堂に地元の草加市長とともにお邪魔をしましたときに、ちょうど放課後デイの子供さんたちが来られていました。その際、市長からこれ知っていますかと聞かれたのがお手元の写真のバッジ、私、今日持ってまいりましたけれども、こういう「マスクをつけられません」ということが書いてあるバッジであります。
 この草加市長から、これ知っていますかと聞かれまして、私、ちょっと不勉強で存じ上げなかったんですが、これは千葉県の松戸市で配布をされているようでして、マスクを着けたくても着けられない発達障害の方や感覚過敏などの方々がマスクを着けられないということを周囲にお知らせするバッジあるいは意思表示カードだそうであります。
 教えてくれた草加市長も、このバッジを是非市内で配布したいという御意向のようでありましたが、同時に、国としても統一的な規格でこうしたバッジや意思表示カードの普及を後押ししてもらいたいと、こういう御要望をいただきました。
 厚労省では既に、マスク等の着用が困難な状況にある発達障害のある方等への理解についてという文書を発出をされておられまして、国民の理解をお願いをしていると承知しておりますけれども、是非、こうしたこのバッジや意思表示カードの規格の統一、またその普及に力を入れてもらえないでしょうか。

#51
○国務大臣(田村憲久君) 委員おっしゃられますとおり、発達障害の方、また感覚過敏等々の方、どうしてもマスクが着けられないというような状況にあります。厚生労働省でもホームページで、そういうことを広く国民の皆様方に御理解をいただく、そういう対応をいたしております。
 一方で、言われますとおり、マスクに対する着けられないというような表示、マーク、こういうものをいろんな団体がやられているようであります。それぞれの団体でやられているのでそれぞれの団体の思いもあられるというふうに思いますけれども、委員からもそういうお話ございました。
 統一できるのかどうか、ちょっとこれに関しましては、それぞれの団体ともいろんな話合いをさせていただく中でいろんな検討はさせていただきたいというふうに思います。

#52
○西田実仁君 ありがとうございます。
 続いて、ワクチンについて、その供給からお聞きしたいと思います。
 いろんな自治体から、とにかくワクチンの確実な確保で、自治体の計画に沿って提供してもらいたいという要望がもう連日寄せられております。
 先日は、六月末までに全自治体へ六十五歳以上のワクチン三千六百万人分を供給できるとファイザー社と合意したことが公表をされました。ただ、これにはただし書がございまして、EUによる対日輸出の承認が前提ということであります。
 そこで、このファイザー社のワクチンに関する域外規制とはどういうものなのか、一回一回輸出の許可を取るならば、場合によっては途中で輸入が止まるようなこともあるのか、外務大臣にお聞きしたいと思います。

#53
○国務大臣(茂木敏充君) EUの制度は、これはファイザー社に限らず、ワクチンの事前購入契約を欧州委員会と締結している製薬会社がEUの域内で生産したワクチンをEU域外に輸出をする場合に、当該企業が加盟国に対して輸出計画を申請して、加盟国と欧州委員会が承認を判断することとなっております。
 このために、長い期間にわたって、まだ輸出が実際行われるかどうか分からないような包括的な輸出の承認を得ることは困難であると考えられますが、重要なことは、EUの域内から日本に対するワクチンの供給が引き続き円滑に行われることであると考えております。この点につきましては、私から、欧州委員会で貿易問題の責任者でありますドンブロウスキス委員に対して直接求めているところでありますし、同時に、現地、ベルギー等の大使館におきましても恒常的に働きかけて、これは関係者に行っているところであります。
 これまでのところ、日本に輸出されているワクチンについては輸出が全て承認をされております。

#54
○西田実仁君 アストラゼネカやモデルナ社の、他社のワクチンの治験の状況と接種の見込みについて伺いたいと思います。
 現状では、自治体がファイザー社のワクチンのみを接種することを前提として計画を立てておりますけれども、他社のワクチン、これが接種できるようになった場合、市町村の計画をどのように見直すのか、その都度見直すことになるのか、河野大臣にお聞きします。

#55
○国務大臣(河野太郎君) 高齢者のワクチン接種はファイザー社のワクチンでやることを想定をしております。
 アストラゼネカ社が二月五日に承認申請をし、モデルナ社が今、国内で治験をやっておりますので近々申請があるんだろうと思っておりますが、両社共に申請はまだ見通せない状況にございますので、もう少し申請の時期が明らかになりつつあるときに、どのようにそうしたワクチン使っていくか検討していきたいと考えております。

#56
○西田実仁君 国内のワクチンの開発状況もお知らせいただきたいと思います。
 厚労省による開発の進捗状況を見ますと、国内のDNAワクチンの開発は遅れているようでありますけれども、何が課題なのでしょうか。また、既存の製法である不活化ワクチン、これの開発状況についてもお知らせいただきたいと思います。

#57
○国務大臣(田村憲久君) 今、主に四つのワクチンが研究開発されております。DNAワクチン、それからメッセンジャーRNAワクチン、組換えたんぱくワクチン、それから不活化ワクチンということでありますが、DNAワクチンはこれはもう治験、臨床に入っておりまして、第三相まで入りつつあるということであります。
 言われました不活化ワクチンに関しては、多分今年度末までには臨床に入るという形でありまして、今、動物試験というような形で、ちょうど今その瀬戸際ぐらいなのかも分かりません。ちょっと私、詳しくまだそこのところ、現状は認識いたしておりませんが。
 なぜ遅いか。これは一つは、SARSだとかエボラ、こういうときに欧米等々の製薬メーカーはワクチン開発のデザインをやり出しておられて、そういう技術というものが今回非常に役に立っておるというのが一つ。それからもう一つは、そもそも日本の国、ワクチンに関しては、感染症に対しても、製薬メーカー、いっときよりかは力の入れ具合、これは実際問題お聞きしますと、やはり何といいますか、いろんな問題があって、製薬メーカーが悪いとかいう話じゃなくて、いろんな問題があってなかなか取り組みづらかったというのがあるんですが、併せて申し上げると、そもそもワクチンというのは、日本はどちらかというと研究機関からの広がりが多いわけで、メガファーマというよりかはそういう小さいところから広がってきたというところがあります。
 ですから、元からその開発企業の母体という問題もあるわけでありますので、そういうところも我々いろいろ考えながら、これからワクチンというのは非常に重要なものでありますから国としても支援をしていかなきゃならないというふうに思っております。
 ちなみに、今も補正予算等々で、研究開発、それから生産、さらには治験に関して、これは三次補正で対応していこうということで支援をしております。

#58
○西田実仁君 様々な課題がありますけれども、とにかくこうした分野もしっかりと進めていかなきゃいけないと思っています。
 次に、薬事承認事項についてお聞きしたいと思います。
 ファイザー社はそのワクチンの有効率を九五%、アストラゼネカ社は同七〇%、それぞれプレスリリースしております。この数字について見解を伺いたいと思います。
 我が国の薬事でもこれらの海外における有効率を評価することになるのか。この数字が独り歩きすると、ファイザー社のワクチンの方が効果が高いと、一般的には九五と七〇と比べれば九五の方がいいというふうに思う国民の皆さんは少なくないと思いますけれども、これをどう今後周知していかれるのか、お聞きしたいと思います。

#59
○国務大臣(田村憲久君) ファイザーが海外試験で有効率が九五%でありますとか、今、アストラゼネカ、おっしゃられました、七〇%というふうなプレスリリースがあったりなんかしますが、これは、そもそも試験をやっている環境が違っておりますし、治験の対象者も違うわけでありまして、一概に比較できないということであります。
 いずれにいたしましても、PMDAで審査をした上で承認されるということであればこれは有効であるということでございますので、しっかりとその点は国民の皆様方に周知をさせていただきたいというふうに考えております。

#60
○西田実仁君 一概には比較できないという、そういうお話でした。今後、薬事の中でしっかりと国民に周知をお願いしたいと思います。
 次に、接種体制についてお聞きしたいと思います。いろいろ課題はありますけれども、行政の予約窓口の混乱についての懸念でございます。
 予約する際に、その際に様々な問合せとか疑問が投げかけられる可能性があります。また、予約しても、人は忘れたりあるいは間違ったり、そういうことがあります。こういうことを大前提として、イスラエルでは、例えば一回目のワクチン接種を受けると接種日から二十一日後の予約を自動的に設定し、また、予約した方には、前日と当日に予約が入っているので忘れずに来てくださいと、こういうメッセージをデジタルあるいは録音された音声メッセージで送っております。
 そこで、河野大臣にお聞きしたいんですが、予約を受け付ける窓口において、予約以外の様々な問合せは別の窓口にどう振り分けていかれるのか。また、ワクチン接種日の前日や当日などに、こうした予約が入っているというリマインドのメッセージを届ける必要がないのかどうか。自治体の予約システムの構築に当たりまして、国としてどう助言していくのか。また、そのための体制づくりに必要な財政支援は惜しむことなく是非投入いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#61
○国務大臣(河野太郎君) それぞれの自治体が設定しているコールセンターなどで予約を受けたり、あるいは必要な問合せにお答えをできるような、そういう体制を自治体が組んでいただいているところでございます。また、前日にリマインドするシステムを提供している企業とかなり多くの自治体が契約を締結していると聞いております。そうした費用の一切は国が負担をすることになりますので、自治体は必要と思われるそうしたサービスを是非受けていただきたいと思っております。
 先ほど、私、申請が見通せる時期になったらと申し上げたようでございますが、承認を見通せる時期でございます。訂正させていただきます。

#62
○西田実仁君 接種体制については、集団接種も個別接種も、接種する場所へ出向くことを前提としております。移動が困難な方々、高齢者の方や障害者の方々はどうしていくのか。ヘルパーと連携して接種施設に案内したり、あるいは施設において接種、あるいは通所した機会を生かすことも重要と考えますが、制度上可能かどうか。また、その支援の対象になるのかどうかも改めて確認したいと思います。

#63
○国務大臣(河野太郎君) 様々な施設を活用してそうした方々が円滑に接種できるような体制を組んでいただくことは当然支援の範囲内でございますし、積極的にやっていただきたいというふうに思っております。

#64
○西田実仁君 次に、コロナ対応に関連したシステム障害についてお聞きしたいと思います。
 まず、パネルを御覧をいただきたいと思います。
 昨今の、とりわけこの昨年の緊急事態宣言から今日に至るまで、コロナ対応で様々、政府のシステム障害ということを掲げさせていただきました。様々、手続の簡素化、業務の効率化のためにシステムが開始されましたが、誠に残念でありますが、この一年だけでも、雇調金のオンラインシステム休止、再開、再開、また休止とかですね、あるいは持続化給付金も不具合が生じたとか、典型的にはCOCOAでありますけれども、こうした多くのデジタル関連のトラブルが発生しております。
 これを改めて見ていただきまして、こうしたコロナ対応で構築されたシステムの相次ぐ不具合を見て、デジタル庁を創設することを決められました総理の思いについて伺いたいと思います。デジタル庁の創設によりどうこうしたことが変わっていくのか、また変えようとしていくのか、お聞きしたいと思います。

#65
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今回の感染症では、行政サービスや民間におけるこのデジタルの遅れ、こうした様々なことが浮き彫りになったというふうに思います。そういう中で、何としてもこのデジタル化を急がなきゃならない、そういう思いを強くいたしました。
 そして、このことが実現をすれば、役所に行かなくともあらゆる手続ができると、地方にいながら都会と同じような仕事、また生活ができる。こうした社会を目指して、デジタル庁が司令塔となって、誰もがデジタルの恩恵を受けることができるように、世界に遜色のないデジタル社会をつくり上げていきたいというふうに思っています。
 デジタル庁は、この改革の象徴として本年九月に創設をいたします。組織の縦割りを排して、強力な権能と初年度は三千億円の予算を持った強力な組織として国全体のデジタル化を主導をしていきます。全国規模のクラウド移行に向けて地方自治体のシステムの統一・標準化、マイナンバーカードの普及、デジタル社会の形成に不可欠なデータの利活用、こうした社会全体のデジタル化というものを進めていきたいと思います。

#66
○西田実仁君 今総理から国全体のデジタル化を主導していくデジタル庁、これについて、平井大臣、お聞きしたいと思います。
 システムの不具合を最初からゼロにするのなかなか難しいわけですけれども、大事なのはこうした障害情報を政府全体で共有して同じ過ちを繰り返さないということではないでしょうか。
 デジタル庁システム、あるいはデジタル庁が各府省と共同でつくるシステムについてはシステム障害の情報は共有されると伺っておりますが、それ以外、すなわち各府省が独自につくるシステムにおいて障害が起きた場合に、それをどう政府全体として共有するのかということが必ずしも明らかになっておりません。どのような方策をお考えでしょうか。

#67
○国務大臣(平井卓也君) デジタル庁は、システムに詳しいエンジニアに参画してもらって、官民問わずに適材適所の人材配置による体制強化を行いたいと考えています。
 そして、デジタル庁では全ての政府情報システムを対象として統括管理を行うということですが、このため、今年度から実施している一元的なプロジェクト管理によって、プロジェクトの方向性、経費の妥当性、仕様どおりの調達、運用が行われているかなどを検証しているが、デジタル庁ではこれを本当に強化していきたいと考えています。
 昨年末に決定したデジタル改革の基本方針では、政府情報システムを三類型、デジタル庁システム、デジタル庁プラス各府省共同プロジェクト型システム、各府省システムに分け、そのうち各府省システムについては、各府省が整備段階、運用段階を通じて責任主体になります。この各府省システムについては、一元的なプロジェクト管理を通じて各府省の情報システム担当部局と連携しながらシステム稼働前後の検証やシステム障害の情報収集やその情報の共有を行うことについて、その都度の対応ではなく、一定のルールをこれから定めていきたいというふうに考えています。
 常に情報を共有しながらデジタル庁は対応していきたいと、そのように思っております。

#68
○西田実仁君 かつてはIPAというところがそうした民間のシステム障害も含めて全て半年に一度情報提供をしておりましたが、今、二〇一九年度でたしか事業は終わっておりますので、デジタル庁の方でそうした全体のシステム障害についても情報をしっかり共有できるような体制をお願いしたいというふうに思います。
 続いて、生活者支援についてお聞きしたいと思います。
 まず、新型コロナウイルス感染症の影響によって住まいに困窮されている方々は若い方々も含めて大変に増えておられます。そうした方々に対して公営住宅の活用は既に進めていただいておりますが、UR、このURの空き家を活用した新たな支援策を是非検討していただけないでしょうか。
 あわせて、既にURにお住まいの方々がこのコロナ禍でも安心して住み続けられる支援策についてもお伺いします。

#69
○国務大臣(赤羽一嘉君) お答えいたします。
 コロナ禍によりましてお住まいに困窮されている方々への支援といたしまして、国土交通省としてこれまで、公明党からの御提案を受けて、セーフティーネット住宅制度におけるいわゆる公募原則の適用を外しまして、困窮者の方が住宅をそのまま住み続けられるようにし、また、家賃も安くするために、その予算、今のこの令和三年度の当初予算にも計上させていただいております。
 また、ただいま御提案のUR賃貸住宅の活用につきましては、これはもう新たな取組になりますが、まず、URが居住支援を行うNPO法人ですとか福祉法人を公募して、そしてその公募された法人に対しまして一定期間低廉な家賃で空き住戸を貸与すると。今のところ二、三年程度、定期借家という形でやろうと思っておりますが、そして、法人はその空き住戸を住宅困窮者の方々に安い家賃でお貸しする、そして、そのお貸しするだけじゃなくて、自立支援ということで就労等を見据えた居住者の自立支援を実施すると。こういったスキームをこの四月から実施できるように今調整中でございます。
 また、URの既存入居者が住み続けられるようにと、これはもう当然の原則と。これまでも実施しておりますが、家賃の支払を猶予した上で、分割支払等々、しっかりと御相談に乗れるように、寄り添った対応ができるようにしっかりと努めてまいりたいと、こう考えております。

#70
○西田実仁君 ありがとうございました。新たなこのURの空き家を活用した支援スキームについて御説明いただきました。
 次に、総合支援資金の再貸付けについて厚労大臣にお聞きしたいと思います。
 二月の十九日から総合支援資金の再貸付けが始まりました。窓口には多くの方々が殺到しております。私の地元さいたま市においても、問合せ件数は五日間で千件と、これまでの約三倍と急増しています。しかし、いまだに償還免除の要件が決まっておりません。
 田村大臣は、返せない方々にまで返せと言わないようにしたいとおっしゃるとともに、免除された場合はその分が所得と認められ課税される問題があるため整理が必要、こう説明されているんですね。大臣は厚労行政に限らず税制も大変お詳しいのでお気持ちは分かりますけれども、税の話は年末までに与党で、私、実は党の税制調査会責任者をしておりまして、しっかり議論いたしますので、まずはここは、債務免除の要件については、返済よりも生活再建、この生活再建を最優先に考えて、償還開始時に返せない方は一括免除する仕組みなどを大胆に実行していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#71
○国務大臣(田村憲久君) 緊急小口の方は一括償還という形で、これ、住民税非課税、令和三年、四年、どちらかでという話で決めました。
 総合支援資金の場合は非常に金額が、全て借りるとかなり大きくなってまいります。しかも、償還期間が十年ということでございますので、そういうものを考えながら、税の方は今こちらの方でというお話ございましたけれども、どのような形がいいのか、まあ税とも絡んでくるところもございます。
 そういうことも含めて、今実は鋭意やっておりますので、なるべく早くお示しをさせていただきたいというふうに思いますが、言われるとおり、やっぱり返せない方に返せということ、これは言えない話でございますので、そういうことを念頭に置きながらしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。

#72
○西田実仁君 しっかりお願いしたいと思います。
 休業手当支援金・給付金の周知についてお聞きしたいと思います。
 大企業の非正規雇用労働者への休業支援金・給付金の申請は先週から始まりました。受付は七月末までということです。
 適用対象の拡大は喜ばしいんですが、やはり気になるのは、用意された休業支援金の予算に比べて支給決定額が非常に少ないということなんです。とりわけ、休業手当を受け取っていない中小企業労働者の方々への直接給付、すなわち休業手当を受け取れない場合に労働者本人から申請できる休業支援金・給付金は、約五千億円の予算に対しまして支給決定額は七百億円程度というふうにとどまっています。
 野村総合研究所では昨年十二月と本年二月に、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金に関する認知状況、利用意向というものを調査されています。グラフを見ていただくと分かるんですが、昨年十二月に比べて本年二月は、この休業支援金・給付金について知らなかったという人が減っています、六二から四九に。これは、国会でも与野党問わず何度も指摘されて、周知の徹底ということで少し減ってきてはいるんですが、それでもまだなお五割の人は御存じないと。じゃ、これ必要ないのかというと、右側ですね、支給を受けたいですかというのを見ていただくと分かるんですけれども、今すぐにでも支給を受けたいというのは、本年二月の調査で四〇%、四割いらっしゃいます。今後の状況によっては支給を受けたいという方も含めると九割の方が求めていると。ニーズは確かにあるんですね。
 これまでも何度もこの周知の徹底はこの国会でまさに多くの議員の皆さんが要請してきたわけですけど、まだ知られていないと。とすれば、やっぱりこれまでとは異なる手法で周知していかなければ、困っておられる方々にこの支援が残念ながら届かない。
 そこで、私の一つの提案ですが、厚労省ではLINEとの間で情報提供に関する協定を締結されていました。新型コロナ対策のための全国調査を実施しておられました。その中で、例えば、新型コロナウイルスの影響でパートやアルバイトのシフトが減っていませんかと、こう問いかけをして、はいと回答された方にはこの休業手当支援金・給付金の申請に導くなど、支援策を求めている方にプッシュ型で情報を提供することを検討していただけないでしょうか。

#73
○国務大臣(田村憲久君) 御承知のとおり、休業支援金ですね、雇調金が受けられない方々、企業等々御理解いただけない方、こういう方々対象にして特例でやっております。
 五千億なのにまだ利用が少ないというのは、逆に言うと、一つは、雇用調整助成金が非常に大きく伸びております。企業が対応していただいている部分は非常に多いという部分が一方にあると思います。ただ一方で、シフトを中心にやはりなかなか受けられていない方々がおられるということで、事業主等々、業界団体も通じてお願いをさせていただいておるというふうな話であります。
 言われたそのLINEでありますが、これはクラスター対策で、発熱者がいたら今感染者が多いんじゃないかだとか、そういうような形で、去年の八月ですかね、やらせていただいたという話でございまして、今現状やっておるわけではないわけでございまして、ちょっとそういう仕組みをつくるとなると、また一から制度設計しなきゃいけないというような話でございますので、どれぐらい時間が掛かるか分からないということも含めて、今の体制の下でしっかりと更にお伝えをさせていただいて、本来受ける権利である方々が休業支援金、対応いただけるように私も更に頑張って情報発信を努めてまいりたいというふうに考えております。

#74
○西田実仁君 大事なことはプッシュ型の情報発信なんです。必要とされている方が誰か分からないから、幾ら言ってもなかなか申請が来ないんです。そのプッシュ型の情報発信、これ検討していただけませんか。

#75
○国務大臣(田村憲久君) 今もSNS、ツイッター、フェイスブック、それからLINE、いろんなものを通じて情報をお伝えをさせていただいております。それをプッシュ型とまで言うのかどうかちょっと分かりませんが、とにかくそういうシフト等々で働く方々がよく目にするようなものを、媒体を通じて、少しでも分かるような形でこれからも努力をしてまいりたいというふうに考えております。

#76
○西田実仁君 新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中、特に非正規の労働者の方々への影響が深刻になっています。こうした状況を適切に分析し、政府一体となって政策対応していくことが極めて重要であります。総理にリーダーシップを発揮していただきたいと、これは要請をさせていただきたいと思います。
 次に、ポストコロナに備えてということで、過去の世界的なパンデミック後に起きる変化に日本がいかに備えていくかについて議論したいと思います。ここでは国際秩序の再編及び技術革新による新たな企業群の育成について、歴史を振り返りつつ議論を進めたいと思います。
 まず、国際秩序の変化についてです。
 感染症が世界中に広まった後には必ず国際秩序の再編が起きております。十四世紀に発生したペストは、中世社会システムを崩壊させ、ルネサンス開幕へとつながりました。二世紀前のコレラ第一次パンデミックでは、清朝などアジアが衰退し、世界の中心がアジアから欧州へ、産業革命、西洋文化の開化へと向かいました。百年前のスペイン風邪では、西洋文明が衰退し、世界の中心が欧州から米国へと転換されていきました。そして、今、コロナ後の世界もまた、米国を中心とするパワーバランスが崩れ、ここに来てインド太平洋が浮上していることが目に付きます。
 パネルを御覧いただきたいと思います。
 直近三か月の世界主要国の生産、輸出を見ますと、ベトナム、あるいはシンガポール、インドネシアなど、インド太平洋経済の浮上が顕著です。このダイダイ色のものがインド太平洋地域のものでありますけれども。さらに、下に平均年齢を見ていただきますと、非常に若い、インド太平洋地域においては平均年齢は二十七・九歳。中国や米国などより十歳ほど若く、日本やEUより一回り若い。
 世界秩序が揺らぐ中、日本はインド太平洋と連携を強化し、自由貿易の推進や新しい国際ルールを積み上げることで二十一世紀の世界秩序の形成に主導的な役割を果たすべきときではないでしょうか。
 時あたかも日本は本年、TPP議長国になります。TPP11の加盟国のうち五か国はインド太平洋に属します。何らかの形で参加表明している国、地域も多い。
 菅総理は、最初の外交訪問先としてこのインド太平洋のベトナム、インドネシアを選ばれました。なぜ、ベトナム、インドネシアだったのか。浮上するインド太平洋との連携強化について、日米豪印首脳によるテレビ会談の可能性も含めて総理の思いをお聞きしたいと思います。あわせて、本年議長国であるTPPについても、どうリーダーシップを発揮されていくのかもお伺いします。

#77
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私が最初に訪問しましたベトナム、インドネシア、まさにこのASEANは、自由で開かれたインド太平洋、その実現に向けた取組の要となる、そういう思いからであります。
 また、インド太平洋地域において、ルールに基づく自由で開かれた秩序の実現によって、地域、世界平和、繁栄に向けて確保する、連携をすることが大事だと思っています。インド太平洋国家である我が国としては、日米同盟を基軸としつつも、豪州、インド、ASEANなどの、様々なこうした機会を捉えて、自由で開かれたインド太平洋を戦略的に推進していくとともに、今申し上げました国々と基本的価値を共有する、こうした国と連携をしていくということが大事だというふうに思います。
 また、今御指摘をいただきました日米豪印の首脳電話会談については、現時点においては決まっておりません。
 TPPについても、自由で公正な経済秩序を構築していく上で重視をしており、戦略的な観点も踏まえながら、その着実な実施や拡大、こうしたことに積極的に取り組んでいきたい、このように思います。

#78
○西田実仁君 外務大臣にお聞きしたいと思います。
 二月十九日のG7首脳テレビ会議では、菅総理から、ワクチンに関し、公平なアクセス確保や普及の加速が重要と指摘されました。我が党も強く働きかけてまいりましたCOVAXファシリティーの途上国支援枠組みへの拠出を増額し、合計二億ドルの拠出が表明されました。ただ、G7首脳会議の際には四十億ドル以上の資金的コミットメントが増加して、G7全体の支援は総額七十五億ドルに達しております。日本としても、その経済規模からしてCOVAXファシリティーへの資金的コミットメントを増やす必要があるのではないでしょうか。

#79
○国務大臣(茂木敏充君) 新型コロナ感染症の収束のためには、ワクチンへの公平なアクセス、この確保、そして普及、これを加速化していくことが極めて重要であると考えております。
 二月九日の日に、日本として、COVAXファシリティーの開発途上国向けの枠組みへの拠出を増額して、合計二億ドルを拠出することを表明いたしました。また、二月十九日のG7の首脳テレビ会議でもその旨、総理から改めて強調していただいたところであります。
 一方、ワクチンだけではなくて、治療や診断等の分野を含みます新型コロナ感染症対策の国際的な枠組み全体に対するG7としてのプレッジは、委員おっしゃったように七十五億ドル、その他の国を含めると百三億ドルに達しております。これに対しまして、COVAXファシリティーの途上国向けのプレッジ額は五十七・六億ドルでありまして、資金需要に比べますと十二・四億ドルの資金ギャップが現在でも存在しているところであります。
 我が国は、国内のみならず世界全体で安全で有効なワクチン等への公平なアクセスが確保されることが極めて重要であると考えておりまして、引き続き、COVAXファシリティーを含みます国際的な枠組みに対して我が国としてできる限りの貢献をしてまいりたいと考えております。

#80
○西田実仁君 もう一つ、コロナ後の世界は、一世紀前のスペイン風邪のときがそうでありましたように、技術革新により新たな企業群の誕生が期待されます。
 当時は、細菌研究やワクチンの開発、電子顕微鏡の開発や半導体理論など技術革新が進み、ラジオ放送などの情報革命やスーパーマーケットの誕生などにより流通革命も同時進行しました。実際、一九二〇年の日立に続いて、二一年には三菱電機、二四年にはIBM、二五年ベル研究所、クライスラー、そして二八年にはモトローラ等、二十世紀を代表する新しい企業群が誕生しております。
 翻って、新型コロナ後の世界でも、新薬、医療技術の開発や、グリーンエコノミーとデジタル革命で新しいビジネスモデルが誕生することが期待されております。
 そこで、今こそ二十一世紀を代表する新興企業群を育てることが大事になってまいります。中小企業の淘汰による生産性向上よりも、新興企業を育成することで全体として生産性を向上させることが重要ではないでしょうか。既存の中小企業については、更なる資金繰り支援などの生活保障としての支援策、いかに拡充するか、また、新たな企業群を目指す支援策について経産大臣の御所見を伺います。

#81
○国務大臣(梶山弘志君) 西田委員御指摘のとおり、コロナやデジタル化により事業環境が大きく様変わりをしていくという変革期に新たな産業の創出を図っていく必要があると認識をしております。そのため、既存の中小企業には資金繰りを支援するべく、昨年創設しました実質無利子無担保かつ最大五年間元本据置きの融資について、これまで延長及び上限額の引上げにより資金繰りを引き続き支えてまいりたいと思っております。
 雇用の受皿を確保するための雇用調整助成金を拡充、延長するとともに、今回の緊急事態宣言で売上げが大幅に落ち込んだ事業者に一時支援金をお届けするなど、支援策を総動員し、まずは事業者の皆様の事業継続を支えてまいります。
 その上で、中小企業の皆様がウイズコロナ時代を見据えて新分野展開、業態転換などの思い切った取組をしていただくことも重要でありまして、第三次補正予算で一兆円の事業再構築補助金を創設をしたところであります。今月中の公募開始に向けて作業を急がせております。
 加えて、起業の機運を醸成し、事業を起こすことですね、を醸成をし、我が国からベンチャー企業を一社でも多く創出するべく、創業者向けの融資やエンジェル税制などによる資金調達支援を行うとともに、世界に伍するベンチャー企業育成のために、有望ベンチャー企業に対する海外展開等の集中支援、産業革新投資機構によるリスクマネーの供給などを進めているところであります。
 また、今回のグリーンイノベーション基金についても、大企業と併せて、ベンチャーの活用なども含めてしっかりと検討をしてまいりたいと思っております。
 中小企業の事業継続と事業再構築に向けた投資を促すとともに、日本企業のイノベーションを後押しし、二十一世紀を代表するような企業を創出できるよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。

#82
○西田実仁君 最後に、防災・減災についてお聞きしたいと思います。
 電波法が改正され、携帯電話の上空利用の規制が緩和されました。この規制緩和を受けて、関東地方整備局と北首都国道事務所、私の地元埼玉県内の市町で、災害時の道路啓開をテーマに、発災現場の映像をドローンから携帯電話を利用して役場等に共有する実証実験を二月四日行いました。住民の生命や財産を守る最前線にいる市長、町長の方たちは小回りの利くドローンの有用性を実感したようで、すぐにドローンの購入を決めた市長もおられました。
 災害時に、大型河川や主要幹線道路、高速道路等の被災状況の確認には防災ヘリや防災行政無線による市町村への映像転送が有用でありますが、この受信機は大変高く、なかなか双方向で映像情報が共有されておりません。その結果、消防庁の調べによれば、府県から映像を受信可能な市町村は千二百三十あるんですが、逆に市町村から都県に映像を送信する、そういう可能な市町村は二百六十七しかないということであります。
 こうしたことを克服すべく様々な今実証実験を地元で行っておりまして、先駆的なこうした自治体の取組については、国から二分の一とかではなく一〇〇%の財政支援を是非お願いしたいと思います。
 多くの災害現場を視察され、地方自治体の現場を、実情をよく御存じの総理のお考えを最後お聞きしたいと思います。

#83
○内閣総理大臣(菅義偉君) 近年頻発化また激甚化する災害により効果的、効率的に対応するためには、自治体においてもICTを始めとする先進技術を積極的に活用していく、このことが大事だと思います。
 政府としては、災害時におけるドローンの利用に関する実証実験を政府が主催をして関係自治体に行うなど、自治体とも連携しながら先進技術の活用に検討しているところであります。また、来年度には、自治体のニーズと先進技術のマッチングを行うプラットフォームを設置し、自治体の先進的な取組の横展開、ここを推進していきたい、このように思います。
 引き続き、自治体への更なる支援の在り方、このことについても検討をしつつ、国と自治体、官民が連携し、先進技術など災害現場で活用し、対応の迅速化、効率化を図るなど、防災・減災に、その対策に万全を期していきたい、このように考えます。

#84
○西田実仁君 ありがとうございました。

#85
○委員長(山本順三君) 以上で西田実仁君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#86
○委員長(山本順三君) 次に、佐々木さやかさんの質疑を行います。佐々木さやかさん。

#87
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかでございます。
 四月半ば以降、六十五歳以上の高齢者、基礎疾患のある方々へのワクチン接種が順次開始する予定となっております。対象者の中には障害のある方もいらっしゃいますので、そうした方々への配慮が必要であります。視覚障害のある方々からは、市区町村から送付される接種券と案内が入った封筒に点字を付けてもらいたいという要望をいただいております。
 ワクチン接種に関する情報提供や市区町村からの接種券の送付、また接種の予約などにおいて必要な配慮がなされるようにしていただけないでしょうか。

#88
○国務大臣(河野太郎君) 様々、視覚障害、聴覚障害の方がこのワクチンに関する情報を正確に受け取れる、またワクチン接種を円滑に受けることができるようにするのは非常に大事なことでございますので、国の方からも様々な配慮をしていただくよう自治体にお願いをしているところでございます。
 また、自治体がそのために行う様々なことにつきましての費用は、これは全額国が負担をするということを明確にしておりますので、自治体には積極的な対応をお願いしたいというふうに思っているところでございます。

#89
○佐々木さやか君 先ほど私が申し上げた、例えば接種券の送付の場合に封筒に点字を付けてほしい、こうした配慮も是非現場で行われるようにお願いを、国からも後押しをお願いしたいと思います。
 また、マスクを、先ほどもありましたが、着用することが難しいので、接種会場で感染してしまわないか、またマスクを着用していないことで周囲からの厳しい目に耐えられない、会場でおとなしく並んで待てるか分からない、こういった不安の声もいただいております。そして、ふだんお願いしている介助者の方に付き添ってもらえるのだろうか、そうでないとすれば、きちんと必要な支援はしてもらえるのかという心配の声もいただいております。
 集団接種の大型の会場で障害者への必要な配慮、支援がなされるようにするとともに、かかりつけ医や在宅などでの個別接種が選択できるようにもすべきだと思います。いかがでしょうか。

#90
○国務大臣(河野太郎君) 接種会場におけるコミュニケーションボードですとか音声による案内、あるいは介助の方に一緒に行っていただくことなどを可能にできるように様々自治体には御努力をお願いをしたいと思いますし、かかりつけ医での個別の接種というのも可能でございます。
 様々な配慮をして、障害を持っている方に円滑にワクチン接種を受けていただくように国の方からも自治体の方に様々お願いをしていきたいと思っております。

#91
○佐々木さやか君 どうぞよろしくお願いいたします。
 例えば、視覚、聴覚の両方に障害のある盲聾者の方、接種の外出、接種をするために外出する際にも通訳、介助の方が必要であります。そして、触手話といって手で触る手話を行いますので、接触を避けたりとか距離を取るということも難しい、こういった事情もあるわけであります。
 このような場合にどういう感染予防を取ればいいのか。市区町村等でマニュアルを作るのはなかなか困難でありますので、国の方でしっかりとどのような感染予防対策が必要かなど示していただきたいと思います。厚労大臣、いかがでしょうか。副大臣。

#92
○副大臣(山本博司君) 佐々木委員にお答えを申し上げたいと思います。
 盲聾者通訳・介助員は、盲聾者やその家族の生活を支える上で欠かせないものでございまして、感染防止対策を前提とした継続的なサービスの提供が重要でございます。
 厚労省では、障害者の方に対するサービス提供に当たりまして、感染防止に関する具体的な留意点を周知の上で、感染予防、拡大防止対策のマニュアル等の作成やオンライン研修の実施等を行っておりまして、盲聾者通訳・介助員の方につきましても、これらに基づきまして感染防止対策の徹底が行われるようにお願いしているところでございます。
 委員御指摘の盲聾者の方に対しましてのワクチン接種に際しましても、適切な支援ができるように昨日付けで事務連絡を発出をいたしました。都道府県に対しまして、地域生活支援事業を活用して接種時における盲聾者の通訳や介助支援を含む意思疎通支援を行う者の派遣を行うことをお願いしたところでございまして、引き続き関係団体とも連携しながら盲聾者の支援に努めてまいります。

#93
○佐々木さやか君 ありがとうございます。引き続きよろしくお願いをいたします。
 重症心身障害児者など基礎疾患のある方々は副反応についても大変心配をしていらっしゃいますので、接種前後の丁寧な情報発信、こういったことをお願いしたいと思います。
 次に、少年法についてお伺いをいたします。
 少年法の改正案が閣議決定されました。民法の十八歳成人が来年四月からスタートをするということを念頭に、十八歳、十九歳の少年の取扱いを改正するものと承知をしております。
 公明党は、少年の可塑性の観点から、十八歳、十九歳について、引き続き成人とは異なる健全育成、矯正のための手続を設けるべきと主張してまいりました。少年の可塑性といいますのは、少年はまだ人格も未熟であり固まっていないので、事件を起こしたような少年であっても、適切な教育、また環境調整を行えば生まれ変わり、やり直すことができるという少年法の理念のことでございます。
 十八歳、十九歳について今回どのような改正がなされるのか、引き続き家裁全件送致がされ、審判手続も行われると、このようにした趣旨について法務大臣に伺います。

#94
○国務大臣(上川陽子君) お答えをいたします。
 今国会に提出いたしました少年法等の一部を改正する法律案は、十八歳及び十九歳の者を少年法の適用対象としつつ、特定少年と略称して、その取扱いについての特例等を整備するものでございます。
 少年法におきましては、家庭裁判所へのいわゆる全件送致の仕組みは、十八歳及び十九歳の者を含む少年の再非行の防止や、また立ち直りに重要な機能を果たしてきたものと認識をしております。
 十八歳以上の少年は、選挙権を認められ、民法上の成年となる一方、成長途上にあり、御指摘いただきました可塑性を有するということから、その改善更生、再犯防止を図るため、引き続き家庭裁判所の機能を最大限活用することが刑事政策的観点から合理性を有するものと考えております。そこで、本法律案では、十八歳以上の少年につき、従前と同様、家庭裁判所への全件送致の仕組みを維持するものとしたところでございます。
 その上で、本法律案では、十八歳以上の特定少年につきましては次のような特例を整備することとしております。
 いわゆる原則逆送事件に死刑、無期及び短期一年以上の懲役、禁錮に当たる罪の事件を追加したこと、また、家庭裁判所の保護処分は犯した罪に対応する責任に見合った限度を超えない範囲内で行い、虞犯は対象から除外をすること、また、公判請求された場合にはいわゆる推知報道の禁止を解除をすることなどでございます。

#95
○佐々木さやか君 少年法では、家庭裁判所が関与いたしまして、事件に至った原因や背景なども詳しく調査をし、どのような処分がその少年の更生に必要かという観点で手続がなされます。単に刑罰を科すだけよりも、丁寧な手続を取ることで若年者の再犯を防止し、新たな被害者を生まないということであると思います。実際、刑法犯全体の再犯者率よりも少年の再犯率は低くなっております。現行下でのこの制度が一定の成果を上げているということではないかなと思っております。
 今大臣からもありましたとおり、十八歳以上の特定少年は虞犯という処分の対象からは外れることとなりました。これは、犯罪行為に及ぶ手前で、そのおそれのある少年に必要な教育、環境調整などを行うことで犯罪に至るのを防ぐという意味もありました。ですので、これによって非行が増えるようなことは決してあってはならないというふうに思います。
 行政としては十八歳、十九歳は成人であっても若年であり、社会として見守り育てるべき存在ということを前提に、十八歳、十九歳を含む少年が非行に至ることを防止するための保護、支援、これを一層推進していただきたいと思います。いかがでしょうか。

#96
○国務大臣(坂本哲志君) 次の世代を担います青少年の育成は国民全体にとって課せられた大きな責務でございます。特定少年も含めた少年が非行に陥ることを防ぐことは重要な課題の一つというふうに認識しております。
 非行防止におきましては、家庭、学校、地域の緊密な連携の下、国、地方公共団体、関係団体等がそれぞれに役割と責任を果たしながら、相互に協力しながら一体となった取組を進めることが必要であると思います。今月末を目途に、第三次になりますけれども、子供・若者育成支援推進大綱を策定することとしております。
 今般の少年法改正も踏まえながら、関係省庁の緊密な連携の下で、関係機関が一体となって引き続き少年の非行防止のための取組を進めてまいりたいと思っております。

#97
○佐々木さやか君 非行防止、矯正、社会復帰のためには、高卒程度の資格、また学力を身に付けることも重要であります。
 文部科学省といたしまして、是非、法務省とも連携し、非行防止などの観点からも、高卒、中退者、若年無業者などへの学習相談、学習支援、この取組を一層推進していただけないでしょうか。

#98
○国務大臣(萩生田光一君) 就職やキャリアアップにおいて不利な立場にある高校中退者等に対して、高等教育機関への進学や社会的自立に向けて高卒資格取得のための切れ目のない支援体制を構築することが重要です。
 文科省では、広く高校中退者等を対象に、高等学校卒業程度の学力を身に付けることができるよう、学びを通じたステップアップ支援促進事業を推進しており、都道府県等において、高校や地域若者サポートステーション等の関係機関と連携して学習相談や学習支援及び就労支援を行っているところです。
 委員御指摘のとおり、特定少年を含む若年者につきましても、引き続き学習支援の対象としてしっかりと位置付けていくことが重要です。今後とも、法務省と連携しながら、非行をした特定少年等に対する支援や先進的取組の情報共有を進めながら、地域の多様な機関と連携した学びの機会の一層の充実に努めてまいりたいと思います。

#99
○佐々木さやか君 どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、不育症について伺います。
 不育症について、今回、初めて国による助成制度が創設をされました。公明党は、長年不育症への支援に取り組んでまいりました。不育症というのは、妊娠は成立するものの、二回以上の流産、死産、早期新生児死亡によって赤ちゃんを授かれない場合を指します。子供を得られないという点では不妊症と同様でありますし、不妊治療と同じく、経済的また精神的負担、いずれも大きいものとなります。
 昨年十一月、公明党の不妊治療等支援推進プロジェクトチームから総理に対しまして、国による助成制度の創設を提言させていただきました。そして今回、不育症の検査について、一回当たり五万円を上限に支給をするという制度を創設するという方向になったことについて心から感謝を申し上げたいというふうに思います。
 質問といたしましては、不育症の治療と仕事の両立について伺いたいと思います。
 この不育症ということ、まだ余り広く知られておりませんので、治療と仕事の両立について職場の理解をなかなか得られない場合が多いことが現状になっております。通院や、そして安静にするために休暇を取る、こういったことをすると、例えば勤務態度が悪いというふうに評価をされたり、心ない言葉を言われたりする。また、一か月入院する必要があったため両立が難しく、実際に転職をすることになったという方もいらっしゃいます。そして、流産や死産で筆舌に尽くし難い精神的、身体的ダメージを受けても休むことができない、無理をして仕事に行かなければならないという悲痛な声もいただいているところでございます。
 しかし、事業主は、妊産婦に対して母性健康管理措置を講じ、不育症についても必要な休暇、休業などについて配慮をしなければならないことになっております。ところが、患者御本人もそのような制度で守られるということを知らない状況にあるため、不育症患者について適切な母性健康管理措置等がとられるように、きちんと当事者にも分かりやすく支援策について情報発信をしていただけないでしょうか。

#100
○国務大臣(田村憲久君) 委員おっしゃられますとおり、妊娠中の女性、また産後一年以内の女性労働者ですね、不育症の方々もそうであります、男女雇用機会均等法にのっとって、事業主は、例えば健康診査でありますとか保健指導、こういうもので必要な時間、これを確保しなきゃいけないわけでありまして、不育症の場合は特にその健康診査も回数が多いということもございます。そういう意味では、必要なものをしっかりと確保を事業主はしなければならない。一方で、また、医師等々が労働時間の短縮でありますとか休業、こういうものに対して指導した場合には、その指導の内容、これを確認した上でしっかり対応していかなきゃならないということになっております。
 労働基準法で、不育症の方々も妊娠四か月以降に流産、死産の場合、これは産後休業の対象になってまいりますので、こういうものをしっかり対応しなきゃならぬということでありますが、なかなかこれが、事業主も医師も、場合によってはその対象の方々も知らないということがございます。ホームページやリーフレットや、いろんな形通じてしっかりとそれぞれの関係者の方々にこういうものを伝えられるよう我々努力してまいりますし、さらに、それによって、しっかり働きながらこの不育症というものを治療していただけるような、そんな環境を整えられるように、今ちょうど、今総理に対していろんな御要望を出されて一つ一つそれが実現しつつあるわけでありますけれども、これからも我々しっかり努力いたしまして、不育症の方々も安心して働ける環境、そして治療いただける環境、これをつくってまいりたいというふうに考えております。

#101
○佐々木さやか君 ありがとうございます。
 是非、この不育症の治療と仕事の両立について、当事者からヒアリングを行うなど実態を把握していただいて、そして、この両立支援が進むように実効性のある対策を講じていただきたいと思うのですが、大臣、重ねていかがでしょうか。

#102
○国務大臣(田村憲久君) いろんな方々からヒアリングもさせていただきたいと思いますし、あわせて、これ、いろいろと官邸の方ででも、坂井さん中心にいろいろ動いていただいているようでございます。
 我々、これに対しての例えばハラスメントでありますとか、それから不利益扱い、こういうものも非常に危惧をいたしております。こういうもの、もし分かれば、こういうものに対してしっかりと助言、指導、場合によっては勧告、公表までございますので、対応していかなきゃならぬというふうに思っております。
 安心して働けるような環境、関係者の方々のいろんな御意見もいただきながら環境整備に努めてまいりたいというふうに考えております。

#103
○佐々木さやか君 どうぞよろしくお願いいたします。
 不育症については、まだ専門的に相談できる病院も少ない状況です。また、治療についての調査研究も余り進んでいない部分があると聞いております。不育症への更なる保険適用や支援を実現していくためにも、不育症の調査研究を進めるとともに、全国でより質の高い検査、治療が受けられるよう、総理に是非国として取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#104
○内閣総理大臣(菅義偉君) 政府として、不育症について将来的に様々な議論を行うために必要なエビデンスを収集する観点からも、治療法等などの研究を進めるとともに、来年度から、患者の経済負担軽減の観点から最大五万円の検査費用の助成を行うことにしております。
 また、自治体とも連携をしながら、不育症の方々の悩みや不安に対する相談支援、これも行っており、引き続き、不育症の方々の気持ちにしっかり寄り添いながら支援を充実をさせていきたいと思います。

#105
○佐々木さやか君 是非、引き続き当事者の声を聞きながら取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 続きまして、男性の育児休業取得について質問をしたいと思います。
 公明党は、男性の育児休業取得を推進をするとともに、特に大変な新生児期の家事、育児に男性が参加ができるように、男性版の産休制度、この創設を提言をしてまいりました。
 今、特に大変な新生児期の育児というふうに申し上げましたが、恐らく御存じないというか、イメージすることが難しいかなと思いましたので、今日は資料を準備いたしました。是非お手元の資料を御覧いただければと思います。
 これは、ある新生児の一日の生活状況について記載をしたものであります。左側に並んでいる数字は時刻であります。この日は、零時、これは夜中の午前零時でありますけれども、零時に起きて、そして五分後におむつ替えをして、零時十分には授乳をして、そして零時二十五分に寝ると。そして、二時五分にまた起きて授乳をして、おむつ替えをして、二時二十分には寝る。そして、三時五分にまた起きて授乳をして、おむつ替えをして、三時二十五分に寝ると。こういったことがずっと一日繰り返されるということであります。
 この起きると書いてある隣に、右側に括弧書きで書いてある一時間四十分、〇時間四十五分というような数字は、これは赤ちゃんが寝た時間であります。これを見ていただければ分かるように、新生児期の赤ちゃんというのは短い時間寝て、また起きて、それを繰り返すというのが生活なわけであります。
 赤ちゃんが起きている時間は当然お母さんはそのお世話をしなければなりませんので、この短い赤ちゃんの睡眠時間のうちに休憩を取るとすれば取るわけですけれども、四十五分間寝ていても、その間に、赤ちゃんが寝ている間にといっても、お母さんがその短い時間寝るというのはなかなか難しいですので、恐らくこの日、この赤ちゃんのお世話をしているお母さんはずっと一日中なかなか寝れなくて、そして最後、夜二十一時に、赤ちゃんが二時間二十分寝たときに、ぱたっと少し仮眠を取るようなことができたかどうかかなというふうに思います。
 このように、大変、新生児期の育児というのは過酷と言ってもいいかもしれませんが、今回、政府は、子供の誕生から八週以内に二回に分けて取得できる出生時育児休業、言わば男性版産休と言ってもいいかもしれませんが、これを新設する育児・介護休業法などの改正案を閣議決定いたしました。
 産後八週という育児の中でも最も大変な時期にこの男性版産休制度を創設していただくというのはいいと思いますけれども、私がちょっと懸念をしているのは、この制度においては一定の就労を可能とすることができるということであります。もちろん、いろいろな御家庭がありますので、その選択肢を増やして、いろんな方に積極的に取っていただくというのは重要だと思いますけれども、御覧いただいたように、もうこの時期は不眠不休で赤ちゃんのお世話、これに更に家事、ほかの、上の子のお世話と、幾ら手があっても足りない状況ですので、くれぐれも、在宅勤務を事実上強いられるようなことによって家事、育児に参加できなかった、こんなことがないようにしていただきたいというふうに思っております。
 二〇一九年度の男性の育児休業取得率は七・四八%ということで過去最高となっておりますけれども、政府としての目標にはなかなか届かない状況にあります。
 総理には是非、この男性版の産休制度を含め、男性の育児休業の取得率向上について取り組んでいただきたいと思います。総理の御決意を伺います。

#106
○内閣総理大臣(菅義偉君) 出産、育児の負担がこれまでに女性に偏ってきた中で、男性が育児をするという当たり前のことを実現しなければならない、このように考えています。
 男性が育児休業を取得しない理由としては、職場が育児休業を取りづらい雰囲気であることや業務の都合により取れないなどが挙げられております。育休の取得促進のためには取得しやすい職場環境を整備していく、このことが必要だと思っています。
 私、官房長官時代に、男性国家公務員には一か月以上の育休取得を求めることで取得の促進を強力に進めてきました。今後は民間企業においても取得が進むように、子の出生直後の時期について、現行制度よりも柔軟で取得しやすい制度の創設、育児休業を取得しやすい現場環境の整備の義務付け、こうしたことを内容とする改正法案を今国会に提出したところであります。男性が希望に応じて一か月以上の休業を取得をすることができるようにしてまいりたいと思います。

#107
○佐々木さやか君 是非、子育て中のお母さん、またお父さん方に総理からもエールを送っていただければと、こういう気持ちでございます。
 三月一日から八日は、女性の健康週間であります。今、世界各国で女性の月経に関する生理の貧困という問題について動きがございます。生理の貧困とは、生理用品を買うお金がない、また利用できない環境にあることを指し、発展途上国のみならず、格差が広がっている先進国でも問題になっております。
 例えば、イギリスでは二〇二〇年から全国の小学校、中学校、高校で生理用品が無償で提供されており、フランス、ニュージーランド、また韓国などにおきましても同様の動きとなっております。
 この問題は日本でも無関係ではございませんで、日本の任意団体が行ったオンラインアンケート調査によりますと、日本でも五人に一人の若者が金銭的理由で生理用品を買うのに苦労したと、こうした結果が出ております。また、個別の事案といたしましても、貧困の中で購入ができない、またネグレクトなどによって親から生理用品を買ってもらえない、こういう子供たちがいるということも聞いているところでございます。
 日本においても、この生理の貧困の問題について、女性や子供の貧困、児童虐待などの観点から実態を把握し、学校での無償配布など必要な対策を検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#108
○国務大臣(丸川珠代君) 経済的な理由で生理用品を購入できない女性や子供がいるという生理の貧困の問題に対応するため、海外では生理用品の無料配布などが行われているということを伺っております。
 我が国でも、コロナの感染拡大によって女性が特に大きな影響を受けているということも踏まえ、文部科学省、また厚生労働省など関係省庁とも連携をしながら、今後何ができるかということを検討してまいりたいと思います。

#109
○佐々木さやか君 日本において後れを取ってはならない問題だと思います。是非よろしくお願いいたします。
 最後に、視覚障害者の方の母子手帳についてお聞きをしたいと思いましたけれども、質問の時間が参りましたので、お願いだけ申し上げたいと思います。
 視覚障害者の方が音声認識ソフトで使いやすいように、是非、厚生労働省のホームページに掲載されています母子手帳のデータ、これPDFですので、テキストデータにしていただきたいというふうに思っておりますので、是非御対応をよろしくお願いいたします。
 以上で終わります。

#110
○委員長(山本順三君) 以上で佐々木さやかさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#111
○委員長(山本順三君) 次に、片山大介君の質疑を行います。片山大介君。

#112
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 私は、まず、昨日夜、大きな動きがあったので、それについてお伺いしたいと思います。
 総理は、一都三県の緊急事態宣言について、今月七日の期限を二週間程度延長する考えを示されました。まず、その考えに至った理由を教えていただきたいのと、あと、総理は専門家にも判断を仰ぐというふうに言われましたが、今日、尾身理事長にもいらっしゃっていただいているので、尾身理事長にも御意見を伺いたいと思いますが。

#113
○内閣総理大臣(菅義偉君) 一都三県については、三月七日の緊急事態宣言の期限を控えて、感染を抑え込むために大変重要な局面にあると考えています。その上で、緊急事態宣言については、病床の逼迫など、いまだ厳しい指標もあって、私としては国民の命と暮らしを守るために二週間程度の延長が必要ではないかと、このように考えておりますが、いずれにしろ、専門家や関係者の皆さんとも、十分意見を伺った上で最終的に判断してまいりたい、このように思っています。

#114
○参考人(尾身茂君) お答えいたします。
 首都圏の緊急事態宣言の延長については、私個人としては、この延長については基本的にはその方向が適切だと思います。
 その理由は二つあると思います。
 一つ目は、感染状況は少しずつ改善されているというのはもう御承知のとおりだと思いますけど、千葉県なんかも中心に病院の、いわゆる医療への負担の軽減というのが、確かにステージ3にはなりましたけど、もうしばらく私は改善をする、しっかりとした改善の、安定の方向に行くということが必要だと思います。
 それから二つ目ですけれども、これがある意味じゃ一つ目と同じぐらい重要な点で強調させていただきたいと思いますが、首都圏というものの特殊性ですよね。これは人口密度の多さ、人流の多さ、それから首都圏の言わば匿名性といいますか、このため、いわゆるリバウンドの可能性がほかの地域よりも私は高いと思います。
 したがって、一方では病院の、医療機関の負担を軽減、更に軽減すると同時に、リバウンドが起こる可能性がありますので、それに対する準備体制の強化ということが今求められると思いますので、そういう意味では、延長という方向性は私は正しい選択だと思います。

#115
○片山大介君 ありがとうございます。
 その、じゃ二週間程度というと、二十一日頃なんですね。そうすると、もうやっぱり年度末になってきていますし、二十五日からはオリンピックの聖火リレーも始まります。だから、これ以上の延長はもうできないというところがあると思うんですが、そうすると、じゃ、この二週間で必ず解除させるためにはどのような対策が必要だとお考えか。これも総理と尾身理事長にお伺いしたいんですが。

#116
○国務大臣(西村康稔君) 今それぞれ答弁をさせていただいたとおり、総理からもございましたとおり、二週間程度の延長を考えております。尾身理事長からありましたとおり、医療の安定、しっかりと安定させること、それからリバウンドをさせない体制を取るということであります。
 この二週間で、程度で全力を挙げて下げていくために、二十時までの時短をまず徹底をし、今、それぞれの一都三県で見回り、呼びかけ、働きかけ、それから、幾つかの都県ではこの要請の文書も出しております。これは、特措法改正もありましたので、それを活用してしっかりとこの要請に応じていただき、また感染を抑えていくという決意が表れているものと思います。そういう意味でこの呼びかけを徹底していくということ。
 さらには、テレワークも、少し朝の人の流れを見ますと増えてきておりますので、ここをもう一段徹底をしていただいて、人の流れを減らしていくこと、飲食につながる人の流れを減らすこと、こういったことを徹底していきたいと思いますし、同時に、リバウンドを防ぐという観点から、高齢者施設での検査、それから私どもやりますモニタリングの検査、繁華街での検査の準備をしっかりと進めて、感染再拡大の兆しをつかむ、このための調整を都県と進めたいというふうに考えております。

#117
○参考人(尾身茂君) お答えいたします。
 先ほど東京都のリバウンドの可能性が高いと申し上げましたけど、やるべきことは幾つかありますけど、最も重要なことは、実は、首都圏の場合、まあ東京を中心にですよね、クラスターというのが、見えにくいクラスターがあって、クラスター起きているんだけど、そのものの感染源がほかの地域よりも分かりにくいということが、これははっきりしております。そのために、先ほど、今大臣がおっしゃったようなモニタリング検査と同時に、いわゆる単に検査をするだけじゃなくて、一体どこにクラスターの感染源があるというところが必ずしも分かっていないんです、そのための検査と調査を深掘りにやるということが極めて重要だと思います。
 それともう一点、まあ首都圏、特にですけれども、いわゆる東京都と、それから保健所の設置区がありますよね、その連携というのが今まで以上にしっかりしないとなかなか今のいわゆる感染の実態が、一生懸命やっていただいていますけど分かりにくいということがあるので、そういうことを、まあ二週間かどうかはまだ最終的には分かりませんけど、その期間に徹底的に準備をするということがこれからのリバウンド防止のために私は必須だと思いますので、その延長した期間を使ってしっかりしたリバウンドの防止体制の準備、強化ということをしっかりしていただければと思います。

#118
○片山大介君 その防止体制という意味では、変異株ですよね。私の地元兵庫、神戸でもすごく増えてきています。これの監視体制というのがまだ全国的な整備されていない。ここはしっかりやることが本当にこの二週間で大切になってくるんだと思いますが、そこはどのようにお考えですか。総理でも。

#119
○国務大臣(西村康稔君) 国立感染研から全国の地方の衛生研究所、地衛研、PCR検査などをやっているところにこの変異株の検出のための試薬なども配分をしておりまして、それぞれの地衛研で変異株かどうかの確認がPCR検査でできるようになってきております。
 これを通常、陽性の者の中から五%から一〇%サンプルを取ってやっているんですけれども、御指摘のように、私どもの地元兵庫県、神戸で変異株が非常に増えたということもあって、神戸ではそのパーセントを引き上げて対策を、より確認を多くしているわけですね。そうした形で、感染が見られるところでは変異株のチェックを増やすという形で検査を進めております。そして、変異株だということが分かれば、その検体を感染研に送っていただいて、そして遺伝子の解析をする、どういうふうにつながってきているのか、こういったことも解析を行っているところであります。
 いずれにしましても、基本的な感染症対策はこれまでと同様でありますので、マスク、手洗い、消毒、三密の回避、こういったことを国民の皆さんにはお願いをしていただきながら、変異株のこのモニタリング、監視の体制を強化をしていければというふうに考えているところでございます。

#120
○片山大介君 西村さん、だとしたら、やっぱりこの緊急事態宣言下でどの対策がどの程度の感染抑制効果があったのか、これをやっぱり政府は分析してきちっと公表していただきたいんです。それはやっぱり時短営業だったのか、それとも出勤率の大幅な削減というか減少だったのか。
 そうすると、それによって、もしやっぱり時短であるんだったら、やっぱりそれを続けながら出勤率の減少というのは少し緩和させていってもいいし、そうしたことが今後の二週間、それからその先の将来的な終息に向けて、経済とその感染拡大のジレンマですか、それを緩和するのに役立つと思いますが、そこはどのようにお考えなのか。あと、それも尾身理事長にもお伺いしたいと思います。

#121
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、緊急事態宣言に基づいて、現在は飲食店の時短、時間短縮を中心とした対策を行っています。新規感染者数は緊急宣言発した当時より約八割以上これ減少するなど、はっきりした効果は出ているというふうに思っています。新規感染者数の減少に対して個別の感染対策の効果、これを分析することは現実的には非常に難しい面はありますが、今後の対策を考えたときに重要であるというふうに思います。
 まずは専門家の皆さんのところで御検討をいただくようにしたいと思いますし、いずれにしても、今回、緊急事態宣言を発するときに専門家の皆さんから、今回については東京都内において約六割感染源が分からない、経路が分からないところは大部分が飲食だということを判断をしていただいて、それに沿った対策を現在講じてきているところでありまして、そこについては大きな効果が現れてきているというふうに思っています。

#122
○参考人(尾身茂君) お答えいたします。
 今回の緊急事態宣言は去年の四月に比べてかなり急所を狙ってやったということですけれども、私はこれは一定程度の効果はあったと思います。ただ一方で、この前の緊急事態宣言に比べれば、そういう急所をついたやり方をしたので、人流については確かに下がっていますけど四月ほどではないので、今だんだんと関東、首都圏を中心に感染の減少のスピードが少し鈍っていて、可能性としては下げ止まりということ、これはやっぱり人流の方が完璧にはいきませんので。
 そういう意味では、私は、今回、緊急事態宣言の解除、どうなるか、あした多分決まると思いますけど、してもですね、仮にしても、人々の基本的な対策は守っていただくと同時に、それから、特にまた年度の末の行事がありますから、これはもう、この一年間で我々学んだことは、恒例行事に際して感染が拡大するということはもうはっきり分かっていますので、一年間これだけ大きな犠牲を払って我々日本の社会が学んだことを、是非この教訓を生かして、今回のまた卒業旅行とか謝恩会ということを、あるいは花見の宴会ですね、これをやるとまた必ず感染が拡大しますから、是非ここは自治体、国のリーダーの方に強いメッセージを出していただいて、それに対して我々一般市民が協力するということが感染拡大防止に必須だと思います。

#123
○国務大臣(西村康稔君) 簡潔に補足をさせていただきます。
 今、総理、尾身理事長から御答弁ありましたとおり、私ども、人流、朝の人出、昼の人出、それから夜の人出、夜の飲食店のどの程度協力に応じていただけるか、こういったことと感染の数との分析は進めてきております。そうした中で、一番やはり効果があるのは八時の時短ということは分かってきております。
 これ、去年の春の経験も、そして夏の大阪や愛知県、名古屋での経験も含めて、今回もやはり八時までの時短に九七、八%の事業者の皆さんが協力をしていただいて、そして多くの皆さんが外出の自粛をしていただいている、こうしたことの効果が最も大きいということが分かっておりますので、ここの徹底を更にしていきたいと思いますし、しかし、朝も昼の人出もやはり一定のプラスの関係はありますので、できる限りのテレワーク、あるいは昼間も含めて不要不急の外出自粛はお願いしたいと思います。
 引き続きデータの分析しっかり進めながら、そうした成果もお示しをしていければというふうに考えております。

#124
○片山大介君 分かりました。
 それで、これも、昨日の夜だったのでちょっと通告ができていないんですが、ちょっと丸川大臣に聞きたいんですけれども、昨日、五者会議でオリンピックの観客、外国人からの観客の受入れはまあやめようかというような、調整するような話が出てきているというんですが、ちょっとそこを分かる範囲で教えていただきたいのと、あと、国内の観客についてはいつ頃判断するのか、それも併せてお伺いしたいんですが。

#125
○国務大臣(丸川珠代君) 昨夜の五者会議についてでございますが、海外からの観客については、国内外における感染状況や防疫措置、また専門家による科学的知見等を勘案しまして三月中に判断をすること、また、観客の上限については、国内の上限規制に準じることを基本として、専門家による科学的知見等を総合的に勘案して四月中に判断することを五者で合意をいたしました。

#126
○片山大介君 そうすると、その海外からの観客というのは、方向性というのは少し出たのかどうか、そこはどうです。

#127
○国務大臣(丸川珠代君) 海外からおいでになるお客様については、昨日の協議の場でそれぞれの意見はございました。
 私からは、私どもは水際対策を預かっておりまして、国民の安心と安全を守る立場にあるので、まずもって変異株の影響等が予測できないという意味で、現時点でこの夏の入国の可否を見通すことは困難であり、慎重な判断が必要であるということを申し上げました。
 結局、合意には至りませんでしたけれども、少なくとも結論を出す時期として三月中に判断をするということで合意をしたものです。

#128
○片山大介君 はい、分かりました。
 じゃ次に、ちょっとワクチンのことについて聞きたいんですが、(資料提示)これ、分かっている範囲のスケジュールを簡単に表したものなんですけど、河野大臣、河野大臣は六十五歳以上の高齢者を含めて四千万人超のワクチンを六月末まで全国に配布するという計画を表明されました。
 ただ、その実務を担う各自治体にとっては、これ、その計画が医師や看護師、それから薬剤師などの各項目において全ての準備作業の前提になるんだけれども、やっぱり余りにも少な過ぎてきちっと動けないでいると、そういう状況だと思います。
 これで、大臣としてやっぱりもう少し詳しい計画とかその先のスケジュールを、大変なのは分かりますけれども、出していただきたいというふうに思うんですが、そこら辺のこと、どのようにお考えでしょうか。

#129
○国務大臣(河野太郎君) 医療者の優先接種につきましては、昨日スタートをいたしました。四月十二日から高齢者の接種を開始をしていただいて、四月の二十六日には全ての市区町村にワクチンが一箱行き渡るようになります。その後は、市区町村の接種のスピードに応じてワクチン切れを起こさないように供給をしていきたいというふうに考えているところでございます。

#130
○片山大介君 まず、尾身理事長、もうこれ以上質問はしないので、お引き取りいただいてよろしいと思います。

#131
○委員長(山本順三君) 尾身参考人は御退席いただいて結構でございます。

#132
○片山大介君 それで、続いて、オリンピックの開会式は七月の二十三日で、本来であればそれまでに大半の人の接種が終わっていればよかったとは思いますけど、もうとてもじゃないけどそういう状況じゃないと思います。
 そう考えると、自治体が混乱なく余裕を持って接種を進められているスケジュール設定というのを少し考えてもいいんじゃないのか。今のようなちょっと小出し小出しでやっていくような形も、ちょっとなかなか受け入れる自治体も困っていると思うので、ちょっとそこのスケジュール設定についての考え方、これまでと同じようなことでいくのかどうか。どうお考えになりますか。

#133
○国務大臣(河野太郎君) 今申し上げましたように、四月二十六日には市区町村に一箱ずつのワクチンが行き渡ります。その後は、自治体ごとの接種のスピードが違いますので、自治体からの要望に応じてワクチン切れを起こさないように供給していきたいということでございます。

#134
○片山大介君 いずれにしろ、自治体は、かなりこの少ない本数をどういうふうに配分するのか、これ自体もかなり悩んでいるところがあるので、やっぱりそこの意見をきちんと聞いて進めていっていただきたいと思います。
 ちょっとワクチンの接種記録のシステムについて次聞きたいんですが、政府は、その接種情報をほぼリアルタイムで把握することを目的にした、マイナンバー活用した新しいシステムというのを開発をします。
 これ、接種会場でその予診票をタブレットで撮影してデータ送信をして、それで接種回数などをデータ化していくというものなんですけれども、まず、これ、まあCOCOAの問題もあったからなんですけれども、来月のその高齢者の接種には間に合わせて稼働させるというんですが、これテストも含めて本当に間に合うのかどうか、そして、今実際にそれで先行接種している医療従事者の方がいますけど、ここのデータはどうなるのか、教えていただけますか。

#135
○国務大臣(河野太郎君) 四月十二日に間に合うようなシステムの開発を進めているところでございます。医療従事者につきましては、これは後ほど入れていくということになろうかと思います。

#136
○片山大介君 それで、このパネル見ていただくと分かるとおり、これ、そもそも市区町村には予防接種台帳のシステムというのがあったんですね。それで、これだとその接種から情報登録までにタイムラグが二、三か月掛かるからというので、今回、この真ん中のワクチン接種記録システムというのをつくったんですよね。それで、あと、それにもう一つ、この右側というか、厚労省がつくった、ワクチンの流通量を入力していくV―SYSもつくっている。要は、その三つのシステムを並行してこれを行っていくんですよね。
 それで、これを使ったその接種会場でのフローチャートというのを資料もらったんですけれども、もう余りに複雑過ぎてこの場でも紹介し切れないからこういう形にしたんですけれども、それ見ると、その接種会場で予診票を撮影するだとか、それから、あとはV―SYSに必要なデータを入力していくとか、もう見るからに手間が多いんですよね。それで、接種会場は恐らく多忙を極めると思います。そこの中で、そういうようなことを、作業を前提にしているシステムというのはシステム構成としては本当に妥当なのかどうか。もうできるだけ、その接種会場ではその接種オペレーションをできるだけ手間を省いて低減化させることこそ本来なのではないかと思いますが、そこについてのお考えはどうでしょうか。

#137
○国務大臣(河野太郎君) 接種会場では、お配りするタブレットでバーコードを読み込んでいただくだけでございます。最後にダッシュボードに出てくる数字をV―SYSに入力をしていただくということになります。それをやらなければ予診票を紙で管理することになって余計に大変になると思います。

#138
○片山大介君 例えば、じゃ、そのタブレットでそれを飛ばし忘れたとか、そこに不具合があって飛ばなかったとかという場合はどうなりますか。

#139
○国務大臣(河野太郎君) まあこういうことですから、様々なことが起こると思います。都度しっかり対応してまいりたいと思います。

#140
○片山大介君 そうなんです。
 一つ一つのことを取り上げて言うつもりも余りないんですが、かなり大変なワクチン作業というのは分かっているので、是非しっかりやっていただきたいのと、あと、やっぱりちょっと気になるのが、これ三つのその管理の所管がそれぞれ違うんですよね。接種オペレーションに関するシステムは自治体で、接種記録システムは内閣官房で、それからV―SYSは厚労省なんですよね。そうすると、いろいろ混在しているので、これトラブルが起きやすいって、まあ起きやすくはないかもしれないですけど、トラブルが起きたときの責任の所在というか、こういうのはどういうふうに考えているのか教えていただきたいんですが。

#141
○国務大臣(河野太郎君) 今度の接種記録を予防接種台帳として取り扱うということができますので、必要ならば、これは二つのシステムでございます、今自治体からリエゾンが来ていただいておりますので、どういう取扱いにするかというのはリエゾンを通じて都度自治体からのお問合せには答えているところでございます。

#142
○片山大介君 ここのその自治体の負担感もやっぱり相当なものがあります。
 それで、この前、タブレットも四万台たしか平井さんお配りになったというのがありますけど、その個別接種とかなっていくと、だんだん四万じゃ足りなくなると思うので、ちょっとそこら辺の細かなことはもうしっかりやっていただくとしか言いようがないんですけど、是非頑張っていただきたいと思いますが、何かありますか。

#143
○国務大臣(平井卓也君) 内閣官房は、基本的にはそのシステムに関して河野大臣の下でやらせていただいています。四万一千台、足りなければすぐ追加できるような体制にさせていただいております。

#144
○片山大介君 それで、あと、ワクチンを打った人の対応なんですが、これ基本的には、西村さんも言っていらっしゃるとおり、これ発症防止とか重症化防止なので、基本的には接種した後も同じ対応を続けてほしいということなんだと思いますけど、ただ、ある程度接種が進んで、それから感染も今後落ちることになったら、ある程度接種をした人というのは普通の経済活動にやっぱり戻していってもらうというか、経済活動に寄与してもらうという考えにやっぱりなるんでしょうか。

#145
○国務大臣(田村憲久君) 委員御承知のとおり、まだ今のところ、その発症予防というのは証明されておりますけれども、感染予防や、また人にうつすというようなことがあるかどうかというのは分かりません。いろんな論文は出ておりますが、まだ査読をしておりませんでしたりということでありまして、そういうものを、まだ信頼できるような情報というところまで行っておりません。それぞれいろんな情報が入ってまいりまして、それをちゃんと確認できて、エビデンスとして例えば感染を抑制できたりだとか、まあ将来的に集団免疫みたいな話が起こるのかどうかということも含めて確認ができるようなことがあれば、その時点では我々もまたいろんなメッセージ変わってまいりますが、今のところは、やはりワクチンを打ったとしても今までどおりマスクをしていただきながら、感染をさせないように、しないようにというような、そういう対応を取っていただきたいというふうに考えております。

#146
○片山大介君 おっしゃるとおりだと思うんですが、ただ、ワクチンを受けた人はだんだんそれはまあ経済に戻っていくというか、やっぱりそういうような希望も持ってみんなワクチンを接種していると思うんですから、ちょっとそこら辺の分析もしっかりしていただいて、あとメッセージも出していく必要があると思います。
 総理、何かここ、お考えありますか。

#147
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、ワクチン接種、これがどんどん進んでいくと、受けた方と受けない方、まあこうした方々が共に社会生活をこれ営んでおるわけでありますから、ここの現時点において、接種が始まっても当面は接種したかどうかにかかわらず、先ほど来発言がありますように、引き続き三密回避、感染予防策というのは同じようにこれやっていただいて、そうしたことの必要性というものを周知をしていきたいというふうに思います。

#148
○片山大介君 よろしくお願いします。
 それで、ちょっと次のテーマに行きたいんですが、コロナ禍で深刻になってきている孤独、孤立の問題に行きたいと思います。
 それで、政府は各府省から三十人ほど集めた対策担当室立ち上げましたね。それで、先週には、総理、坂本大臣始め、会合も開いたということなんですが、それで、そこの中で総理は、関係省庁による連絡調整会議を立ち上げるという表明したんですが、これはどのようなものなのか教えていただけますか。

#149
○内閣総理大臣(菅義偉君) 孤独、孤立というのは、まず、それぞれの省庁にもこれ関係するものでありますから、幅広くこの問題については対応する必要があるだろうというふうに思っている中で、坂本大臣、担当大臣に任命をしましたので、そこで全体を吸い上げ、そうして対策を打っていく、こうしたことが大事だろうという、まあそういう思いの中で発言しました。

#150
○片山大介君 この孤独や孤立の対策というのはとても大切で、実はこの必要性も以前から言われてはきているんですよね。
 それで、例えば就職氷河期世代、去年の十二月に就職氷河期世代への支援に関する行動計画二〇二〇というのが作成されたんですけど、ここに書いてある文章を見ると、氷河期世代の中には、長期にわたる不安定就労や無業状態、職場での傷つきなどの経験から、就労や社会的参加に向けた支援を行う上で配慮すべき人たちがいる、引きこもり当事者や家族が孤立せず、相談しやすい環境づくりを促進すると書かれている。
 これ、まさに孤独、孤立の支援と一緒なんですけれども、これ、今年度の実績とかって分かりますか。

#151
○国務大臣(坂本哲志君) まず私の方から孤独、孤立のことにつきましてお答えいたしたいと思います。
 現在、孤独、孤立から発生するであろうといういろんな諸課題は、それぞれの省庁でやっていただいております。例えば、自殺対策、あるいは高齢者の独り暮らし、こういったものについては厚労省でやっていただいておりますし、さらには、オンライン授業になっているような大学生、また小中学生の様々な生きづらさ、こういったものは文部科学省の方でやっていらっしゃいます。それから、高齢者の独り住まいに対する住まいへの支援というのはこれは国土交通省でございますので、こういうところを全部孤独、孤立というようなことで一つにして、関係を、関連を持ちながら私の方で一種の司令塔になって様々な総合的な対策を進めてまいりたいというふうに思います。
 具体的には、例えば実態把握とか、あるいはNPOとの関係とか、それからSNSとどう向き合うかとか、こういったことについてタスクフォースをつくる、あるいはプロジェクトチームをつくる、こういうことで一つ一つその枠組みをつくってまいりたいと思っております。
 実は、海外の方からも複数のメディアから取材の申込みなんかもあっておりまして、やはりこの長引くコロナで各国がそれぞれ閉塞感に陥って、この問題に対して様々な関心を持っているんだなというような思いがいたしました。
 そういうことで、いろんなものにつながってくる課題でございますので、しっかりとそこは、寄り添うべき人にどういう支援をしていったらいいかということをしっかりとつくり上げてまいりたいと思います。その中に就職氷河期の問題も出てくると思いますので、取り組んでまいりたいというふうに思っております。

#152
○片山大介君 その氷河期世代を支援する対策室、これ、おととしの七月に設置されたんですよね、西村さんが。だけど、それで、今回事前にこの孤立・孤独対策室の立ち上げと同時に就職氷河期世代の支援室の担当者に聞いたら、連携、そのとき考えていなかったんですよ。だから、これ、恐らく共通する施策なのにやっぱりそういう連携が考えられていないんですよ、今これからやるようなこと言っていたんですけど。やっぱりどうも社会的に注目が上がると、そうすると急いで立ち上げるんだけれども、その後どうも腰が据わっていないというか、やっぱりそれを私、すごく気にしています。
 それで、やっぱり今回こういうのが立ち上がることによって、本当に救ってもらえるんじゃないか、こう思う人がたくさんいるわけですよね、日本全国に。だから、そういう人たちの期待を裏切らないためにも、是非共通の施策として認識して、両方兼務したっていいんですから、そういう環境を是非つくっていく、これは総理、必要だと思いますが、どうですか。

#153
○内閣総理大臣(菅義偉君) 非常に適切な御指摘だと受け止めさせていただいて、しっかり対応させていただきます。

#154
○片山大介君 是非頑張っていただきたいと思います。
 そして、それでは保育の話に行きたいんですけど、ちょっとこれ途中で五十四分で終わりますが、保育所は働く親を支えるだけじゃなくて、それこそ今の子育て中に孤立しやすくなる親を支援する場でもあるんです。だけど、その保育士の処遇というか、これは今もってまだ全産業の中で低いままなんです。
 これ、政府のためにも言うと、まあ政府は全く手をこまねいていたわけじゃなくて、二〇一三年度から処遇改善加算制度というのをやってきていますよね。だから、少しずつ上げているんだけれども、それでもやっぱり低い。これは何でだと思いますか。

#155
○国務大臣(坂本哲志君) 今委員御指摘いただきましたように、平成二十五年からこの保育士の処遇改善というのをやっております。四万四千円、それから平成二十九年からは技能、経験に応じて月最大四万円ということで、これは平成二十五年度と比べまして六年間で全国平均で五十四万円増加をいたしております。また、女性の保育士と全産業平均の年収との差は、平成二十五年度は約四十五万円でございましたけれども、その差が十九万円縮まっております。一定程度の処遇改善のその成果は出てきているというふうに思っております。
 今後、やはりこの保育の問題は非常に重要な問題でありますし、そして保育士の皆さんたちが使命感を持って、強い使命感を持ってこの保育のお仕事に当たられるわけでありますので、長く働くことができるように、引き続きこれからも処遇改善策を進めてまいりたいというふうに思っております。

#156
○片山大介君 ここからの質問は午後からにしたいと思います。

#157
○委員長(山本順三君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#158
○委員長(山本順三君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 令和三年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。片山大介君。

#159
○片山大介君 それで、先ほど午前中までは、処遇加算のことについて、それでも保育士の賃金が上がらないと。加算について言えば、六年連続で上がっていた人事院勧告のアップがマイナスに転じたので、今年度のその処遇改善がマイナスに、減額になっているんですよね。そういう状況もあると。
 ただ、私が言いたいのは、そうした中でも、処遇改善をしなくても処遇は改善できるという、これを説明していきたいんですが、保育所には運営に係る経費として国などから委託費というのが出ているんですね。委託費というのは、全国の地域ごとに人件費などの諸経費を公定価格というもので出して、それに基づいて算定されているものなんです。ただ、国としては、今その額は全国平均値しか出していないので、各地域の保育士にとっては、本来であればどのくらいの賃金をもらえるのか、それか、本来より低く抑えられていた場合、それが分からないといった問題があると。
 だから、私は、国の方に、これまで全国平均値だけじゃなくて各地域ごとの数値を出した方がいいというふうに言っていたんですが、今回、新年度から内閣府がその数値を出すことにしたというんですが、ちょっとそれについて説明いただきたいんですが。

#160
○国務大臣(坂本哲志君) 内閣府では、委員御指摘のとおりに、私立保育園への委託費につきまして、施設における運用の参考にするために、公定価格の改定に併せまして予算積算上の事業費や管理費、人件費の内訳を通知をしております。このうち人件費につきましては、施設長、保育士といった職種ごとに予算積算上の年額人件費をお示ししているところでございます。
 片山委員、今、長年の問題意識持っておられますこの人件費につきまして、地域手当が地域区分ごとに異なることを踏まえまして、各自治体の管内についての私立保育園における人件費の水準について確認を行うための参考となるよう、令和三年度から初めて全国平均に加えて地域区分ごとの年額人件費についても新たに通知でお示しする予定というふうにしております。このことによりまして、各施設にとりましては人件費を支出するに当たっての一つの参考になるのではないかというふうに思っております。

#161
○片山大介君 分かりづらいので表をちょっと用意したんですが、だから、これからですね、今月末には各都道府県にこういう表が行くことになるんですよね。それで、各地域ごとに、保育士だったらどれくらいもらえるべきなのか、こういうのが分かるようになるという効果なんですよね。
 例えば、この通知でどういうふうに変わっていくかというのを次のパネルで東京二十三区の場合でちょっと言いたいんですが、これ、東京二十三区の場合、これ公定価格としては本当は四百四十三万円なんですよね、今年度。それで、それに先ほど言った国の処遇加算制度があったり、それから都独自の処遇加算があれば最大百二十二万円が上乗せされるんです。そうすると、合計としては五百六十五万円もらえる形。だけど、実際の実績としてどうなっているかというと、今三百八十一万円なんです。その差額が百八十万円出ている。こういうことが分かるようになってくる。
 だから、これが見える化なんだと思うんですけれども、これはかなり私は前進なんだと思いますが、これによる効果、大臣、もう一度教えていただけますか。

#162
○国務大臣(坂本哲志君) 今、施設にとって人件費についての参考になるというふうに今私の方から答弁させていただきました。
 自治体にとりましては、管内の私立保育園における人件費の水準につきまして確認する際の参考として、例えば予算積算上の人件費と実際に支払われる人件費の差額の理由について保育所に説明を求めることなどが可能というふうになっております。
 一方で、この数値につきましては一定の留意が必要であることも事実でございます。職員の人数や経験年数、それから賃金体系等は保育所ごとに異なりますし、例えば委託費で算定されている職員数を超えて、できるだけ充実しようということで超えて多くの職員を雇用する保育所では当然職員一人当たりの賃金が低くなる可能性もあるということなどがあります。予算積算上の人件費とそれから実際に支払われる人件費との差額のみをもって単純に給与水準の適否について判断することは適当でないというふうに考えます。
 予算積算上の地域区分別の年額人件費をお示しする趣旨やそれから留意点につきましては、通知を発出する際にしっかりと園にも、それから自治体にも周知を図ってまいりたいというふうに思っております。

#163
○片山大介君 大臣のおっしゃるとおりです。全てにおいてこの額がもらえるというわけではないんですが、これを基本として考えることができるようになる、私、これがすごく大きいと思います。
 さあ、それで、最後の残りの時間を使ってカーボンニュートラルについてちょっと話を聞いていきたいんですが、おととい、地球温暖化対策推進法が閣議決定されました。五〇年ニュートラル、五〇年までの脱炭素社会が法律に文言として明記されたので、これからは法的根拠の中で我々は対策を進めていかなきゃいけなくなる、こう思っています。
 ただ、言うほど簡単ではなく、もし五〇年ゼロを実現させるなら、今ある二〇三〇年度の目標、温暖化ガスの削減目標、これNDCといいますが、これを変えていかなきゃいけない。今の目標というのは、二〇三〇年度は二〇一三年度比で二六%減、これ国連からも目標を上げるように求められていますが、これについてはどうでしょう、大幅に上げられますでしょうか。

#164
○国務大臣(小泉進次郎君) 片山先生に触れていただいた温対法の閣議決定でありますが、この中に二〇五〇年という年限を法律の中に明確に位置付けたことは、法律の対応としては極めて異例の対応をさせていただきました。これはイギリスなども同じような対応をしていますが、日本の菅総理のカーボンニュートラルの宣言を一体どのように進めるかという上で、国際的な発信の場で法的根拠をしっかりと明言ができること、そして、国内外様々な投資家に対しても、一内閣の閣議決定にとどめずに法律という根拠を持って進めることで予見可能性を高めることは、経済、投資の観点からも非常に大きなことだと思っています。
 その上で、重要なのは二〇三〇年の目標だというのは私も片山先生も認識全く同じです。この五年、十年が勝負だと思いますから、我々、新たな追加情報を国連に対しても報告をする上で大切な点は三つだと思っています。
 一つは、科学的な知見や二〇五〇年カーボンニュートラルという長期目標との整合性、これが一つです。そして、二つ目が世界の脱炭素化を前進させる国際性という視点。三つ目が具体的なアクションを引き出す実効性という観点。この三つをしっかりと踏まえた上でこの検討を進めていきたいと思いますが、総理も国会の答弁で何度も言っていますが、二〇三〇年の削減目標については二〇五〇年のカーボンニュートラルの目標と整合的なものになるようにしなきゃならない、これは当然のことだと思いますと総理が言っているこの整合性、私は非常に重いと思いますので、梶山経産大臣とも政府内でしっかりと連携をしてつくり上げていきたいと思います。

#165
○片山大介君 さあ、その今大臣が言った整合性というのをちょっと見てみたいんですけど、これ、今ここで書いてあるその二六%減が政府目標なんです。ただ、これ、今の削減量から五〇年ゼロに真っすぐ下ろしていくと実は四五%ぐらいなきゃいけないんですよね。これ結構大変なんですけど、整合性と言うんだったらこれなんだと思いますけど、小泉さん、どうですか。大臣、どうですか。

#166
○国務大臣(小泉進次郎君) 整合性というものを、二〇五〇年を起点にある意味バックキャストでこうやって線を引いていくと一体どういう数字になるかと。そういった中で、一つ先生が示されたものも、そういった意味では整合性の一つとして言えるのだと思いますし、各国の中で、二〇一〇年比なのか二〇一三年比なのか。日本は二〇一三年比で二六%というのが今の数字です。そして、国際的に政府間パネル、IPCC、こういったものは二〇三〇年に四五%、こういったものも言っています。そういった観点を踏まえて、どのように我々政府内として実効性もしっかりと担保した上で整合性のあるものを出していけるか。
 これ、まさに大変な作業でありますけれども、梶山経産大臣としっかり連携をした上で、総理が、四月にアメリカのサミットもあります。六月にはG7もあります。そして、最終的には十月のG20、十一月のCOP26。今年のこの一連の政治日程の中で、もしも総理が昨年の十月にカーボンニュートラルを宣言していなかったら、先日のG7は日本だけがカーボンニュートラルを宣言をしていない国だったわけです、G7で。そして、このNDCについても、このまま行ったときに、仮にですよ、二〇五〇年カーボンニュートラルという宣言をした中で日本だけがそれに見合った目標を持っていないという、そんな形で総理を出席させることになるわけにはいかないというふうに思っていますので、政府内、しっかりコミュニケーション取っていきたいと思います。

#167
○片山大介君 総理、今、小泉さんが言われて、その覚悟はどんなふうにお考えですか。

#168
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私自身、カーボンニュートラル、これを宣言する際に、どこにも事前相談等はしないで宣言をさせていただきました。それは、事前に相談するといろんなことが画策があるだろうと、これは当然そう思いましたので、しました。
 しかし、いざ宣言した後は、どなたからも私に対して直接クレームはなかったんです。そういう意味で、産業界も、また国民の皆さんも、カーボンニュートラル、こうしたことはもうやらなきゃ駄目なんだなとみんな思い始めたところだったんじゃないでしょうか。そんな感じをいたしています。
 そして、これからがまさに、今、小泉環境大臣が説明されましたけど、アメリカにおいてのこのバイデン大統領、ある意味では最初の国際舞台だと思います、気候変動の会議。そこから始まりますので、日本としても、そうした場に行ってしっかり発言し説明できるような、そんな体制はつくっていかなきゃならない、このように考えています。

#169
○片山大介君 それで、いろいろあると総理おっしゃったのは、やっぱりそれは、難しいのは、この温暖化ガスのその九割がエネルギー由来のやっぱりCO2なんですよね。だから、どのエネルギーをこれから使っていくかにすごく関わっているわけですね。だから、今、二〇三〇年度の電源構成をどうするのか。こちらは経産省が担当でやっています。
 次のパネル見ていただきたいんですが、今の現状がこうなっているんですよね。さあ、これを見ると、石炭がある、火力がある、それから原子力もある。やっぱりここが難しいんですよね。
 梶山大臣、これ、NDCを上げるためにこれはどこまでやるつもりか、教えていただけますか。

#170
○国務大臣(梶山弘志君) 今委員から御指摘ありましたように、エネルギーの構成、エネルギー基本計画を今議論をしているところであります。そして、各分野からの有識者の意見を聞き、また、私自身も、在野の企業の経営者であるとか、また研究者の話も聞いているところであります。
 二〇五〇年のカーボンニュートラル、政府の統一方針ですけれども、なかなか容易ではないというのが実感であると思っております。そういった中で、再生可能エネルギーを最大限導入していくためにどうするか。今認定されるもの、FITで認定されているものに関して、これ全て導入すれば、まだ手を着けていないものもありますけれども、全て導入すれば二〇一八年のエネルギーミックスの数値は達成するわけであります。
 さらにまた、それにいかに上乗せできるかということで課題を克服していかなければならない。これは、ネットワークの増強であるとか、慣性力、調整力どうするかということも含めて、産業の競争力を落とさずにどうしていくかということも含めて今議論を続けているところであります。

#171
○片山大介君 これ、すごく難しいところがあるんですが、ただ、総理、これも、だから五〇年ゼロと同じように、やっぱり三〇年のミックスもこれやっぱり最後は政治判断だと思うんです。だから、それをやらないと、やっぱりここはかなりいろいろと、ステークホルダーでも一部動かないところなんですが、総理、そこはどのようにお考えですか。

#172
○内閣総理大臣(菅義偉君) 二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けて、電源構成の在り方については安定供給を確保しながら脱炭素を実現していく必要があります。
 特に再エネを最大限導入し、御指摘をいただいた石炭火力だとか、こうしたものについても非効率なものは削減、効率化し、実際に進めていくという、そういう中で、ここはまさに政治判断でなければ最終的に動かないと私は思っていますし、私はその判断はしたい、こう思います。

#173
○片山大介君 それで、その政治判断の中でもやっぱり原子力が一番難しいかなと思っています。
 総理は、まず、原発の新増設は想定していないと発言していますが、これについて、これはそういうことでいいのかどうか、教えていただけますか。

#174
○内閣総理大臣(菅義偉君) これは一貫して私答弁させていただいていますけれども、原発について新増設やリプレースは現時点においては想定していない、これが政府の基本的な考え方で、これに変わりはありません。

#175
○片山大介君 そうなると、今、商用原発六十基あって、このうち二十四基が廃炉になっていますから三十六基なんですね。これで、二十年間の運転延長というのが認められるので、その二十年間延長して、それで六十年やったとしても、二〇四〇年代にはこれかなり減っていくんですけど、四〇年代以降。ちょっとこれについて御説明いただけますか。

#176
○国務大臣(梶山弘志君) 原子炉等規制法では、原子力発電所の運転期間を四十年としております。一回に限り最大二十年の運転延長を可能とされており、運転期間の終了後、順次、原子力発電所は廃炉されることとなっております。
 こうした中で、例えば建設中も含めて今ある原子力発電所三十六基について全てを六十年運転した場合、一定の仮定の下で計算すると、二〇四〇年時点では三十二基、そして二〇五〇年では二十三基、二〇六〇年では八基ということで、発電容量に関して言えば、二〇四〇年時点で三千三百六十五万キロワット、二〇五〇年で二千三百七十四万キロワット、二〇六〇年で九百五十六万キロワットと、自然体では減少していく見通しとなっていると認識をしております。

#177
○片山大介君 それで、やっぱり日本のエネルギー政策が力強いものになっていないのは、やっぱり原子力をどうするのか、この長期的な位置付けをはっきりさせていないからだと思うんです。
 再稼働を始め使用済燃料の再処理、その廃棄物処理、それから新型炉の開発など、そうしたものを包括的に、安全性やコスト面も含めて、国論を統一できるような作業をこれから求められると思います。これについて、総理、どうお考えですか。

#178
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほど申し上げましたけれども、現在ある原発については、安全最優先、すなわち原子力規制委員会から世界で最も厳しい水準の新規制基準に適合すると認めた原発のみ地元の理解を得ながら進めていくということです。
 そして、その上で、二〇五〇年に向けた長期的エネルギー政策の在り方について、省エネ、再エネを加えて、原子力も含めて、あらゆる選択肢の議論を進めているところであり、原発の長期的な位置付けを含めて、十一月のCOP26までにここは明確な結論を出したいと思っています。

#179
○片山大介君 総理、そうすると、その原子力の長期的な位置付け、これについても、じゃ、十一月までにきちんとそれも結論を出すということでよろしいんでしょうか。確認です。

#180
○内閣総理大臣(菅義偉君) そのように考えています。

#181
○片山大介君 是非それをやっていただきたい。それで、国論を統一できる作業、これなかなか、この期間内でやるって、もう半年ぐらいしかないですから相当大変だと思いますけど、それしっかりやっていただきたいと思います。
 それでは、時間が来ましたので、これで終わりたいと思います。

#182
○委員長(山本順三君) 以上で片山大介君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#183
○委員長(山本順三君) 次に、音喜多駿君の質疑を行います。音喜多駿君。

#184
○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。
 昨日の急な通告で恐縮ですが、私からも総理に、一都三県の緊急事態延長について、まず端的に一つお伺いいたします。
 資料、まず一番です。(資料提示)
 この資料一にあるように、新型コロナ対応において、東京都は、二月下旬に突如、重症病床使用率の大幅修正をした後、その詳細な検証は行っていないと承知をしています。修正後の数字に基づいて遡ると、医療資源はどのような推移をたどったのか、そもそも千という切りのいい数字は正確なのか、こうしたことを少なくとも厚労省はつまびらかに現時点で共有、把握をしておりません。
 このように、極めて重要なデータがあやふやな状態で緊急事態宣言の延長を要請する東京都、私は非常に無責任だと思いますし、東京都及び都知事に詳細な説明を求めるとともに、この延長については正しい客観的指標に基づいた慎重な判断なされるべきだと思いますが、菅総理の見解をお伺いいたします。

#185
○国務大臣(田村憲久君) もう委員十分に御承知だと思いますが、この重症者病床、これに関して計算の仕方が、元々厚生労働省が言っているものと、それから東京都が言っているものが違っておりました。その一番の違いは何かといいますと、母数にHCU、ハイケアユニットが入っていなかったということでございまして、それを今言われたとおり二月の二十四日時点でこれを入れたということで、最終的に病床使用率が三三%にその結果下がった。つまり、母数を増やしたものですから下がったということでございます。
 それは一応我々も確認をいたしておりますので、それをもってして厚生労働省が前から言っていた基準に合わせていただいたということでございますので、この使用率という中において、まあこれだけで解除する、しないということは決めませんけれども、これも一つの指標として考えさせていただくということであります。

#186
○音喜多駿君 今の御説明は御説明として、じゃ、半年以上この問題あったわけなのに、なぜ二月の下旬に突然訂正をして、しっかり検証しているのかどうか、こうしたものが分からないまま私権を制限されるわけですから、納得できない方たくさんいると思うんです。
 東京都に対して厳格な対応をお願いして、やっぱり正確なデータに基づいて、そして総理の信念に基づいた果敢な決断をされるべきだと思うんですが、是非総理からも一言お願いいたします。

#187
○国務大臣(田村憲久君) もちろん、どういう状況かということはつぶさに我々、東京都ともいろんな連携をさせていただいております。そもそも、あの緊急事態の前夜、非常に厳しくなりつつあった頃、あの頃から厚生労働省も東京都、区と協力させていただきながら病床確保に走っておりましたので、そういう意味では、東京の現状というもの、これもつぶさに我々拝見をさせていただきながら最終的には判断をさせていただきたいというふうに考えております。

#188
○音喜多駿君 納得できない都民、多いと思います。この問題については引き続きやらせていただきたいと思いますので、お願いいたします。
 次に、国際関係、安全保障の分野についてです。
 資料の二番。
 新型コロナウイルスの影響が続く中、引き続き、世界各国、周辺地域との連携は欠かすことができません。私も昨年、この予算委員会で台湾のWHOへの参加を関係諸国に強く後押しすべきと提言したところ、安倍前総理は、用意されたペーパー読む前に、まさにそのとおりだと力強い答弁を下さいました。この言葉に台湾人を含む多くの方が勇気付けられたと思います。残念ながら今なお台湾のWHOへの参加は進展がございませんが、菅総理も安倍前総理と同じお考え、お持ちなのかどうか、御見解を是非お願いいたします。

#189
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、国際保健課題への対応にあっては地理的空白は生じさせるべきじゃないというふうに考えます。特に、今回のような全世界に甚大な影響を与える感染症については、自由、透明、そして迅速な形で、台湾のようにコロナ対策で実効的措置をとり、成果を上げた地域も含めて、世界各国、地域の情報や知見が広く共有される、このことが大事だというふうに思います。安倍前総理も、そういう観点からWHOのことを総理自身もこの場で明確に発言されたんだろうというふうに思います。
 こうした日本の国の立場は変わりはなく、引き続きWHOで明確に主張していきたい、こういうふうに思います。

#190
○音喜多駿君 ありがとうございます。台湾のようにというお言葉をいただきましたので、菅総理からも是非強力な後押しをお願いしたいと思います。
 関係してもう一点、TPP、環太平洋経済連携協定についても伺います。
 英国も参加意向を示しているTPPは、覇権国家である中国の脅威に対抗し、自由主義国による海洋国家ネットワークを構築していく上で極めて重要です。
 このTPPへの台湾の参加について、官房長官時代の菅総理は歓迎したいと述べておられました。台湾政府も現在しかるべきタイミングで正式な申請を行う方針であると表明しており、我が国は是非この流れを加速させるよう対応すべきと考えますが、菅総理の姿勢に以前からお変わりないかどうか、見解を是非お願いいたします。

#191
○内閣総理大臣(菅義偉君) 台湾を含め様々な国、地域による関心表明がなされていることは、TPP11が評価されていることで、ここは歓迎をしたいと思います。その上で、関心表明を行っている国、地域がこの協定の掲げる高いレベルを満たす用意ができているかどうかについては、そこはしっかり見極めていきたい、こういうふうに思います。
 いずれにしろ、我が国は今年のTPP委員会の議長国でありますので、戦略的観点も踏まえながら、TPP11の着実な実施と拡大を推進していきたいと思います。

#192
○音喜多駿君 今パイナップルとかいろんな問題が起きていますけれども、是非国際社会と連携してこの台湾参加実現に向けて動いていただきたいと思います。
 次に、中国による深刻な人権侵害についてお伺いいたします。
 改めて指摘をするまでもなく、現在、ウイグル、香港、チベット、内モンゴルなどで中国による深刻な人権侵害行為が多数報告されています。とりわけ新疆ウイグル自治区における少数民族に対する加害行為は、一月には米国政府により国際法上の犯罪であるジェノサイドと認定され、先週にはカナダ、オランダの国会でも次々にジェノサイドであると非難する決議が採択をされました。
 こうした中で、我が国はウイグルの現状をどのように認識されているのか、政府の公式見解、改めて確認いたします。

#193
○国務大臣(茂木敏充君) 新疆ウイグル自治区に関しましては、重大な人権侵害が行われているとの報告が数多く出されているところであります。
 我が国としても、新疆ウイグル自治区の人権状況については深刻に懸念をいたしております。国際社会における普遍的な価値であります自由、基本的人権の尊重、法の支配、これが中国においても保障されることが重要であると考えておりまして、こうした立場を含め、国際社会間の関心が高まっている、また懸念が高まっている新疆ウイグル自治区の人権状況について、我が国として、中国政府が透明性を持って説明するよう働きかけをしているところであります。
 さらに、例えば昨年十月、国連の第三委員会におきまして、香港、新疆ウイグルに関する共同ステートメント、日本、アジアで唯一参加国として参加をいたしまして、新疆の人権状況に関する深刻な懸念を表明いたしました。さらに、今年の二月の二十三日には、人権理事会において私から深刻な懸念を表明するとともに、中国に対して具体的行動を強く求めたところであります。
 引き続き、国際社会が緊密に連携して中国側に強く働きかけていく、こういったことが重要だと思っております。

#194
○音喜多駿君 今、非常に憂慮する事態ではあるものの、国際法上の犯罪であるジェノサイドとまでは断定していない、こういう状態であると私は理解いたしました。
 こうした中で、来年には中国北京で冬季五輪・パラリンピックの開催が予定されております。
 さきに御紹介したカナダ国会の決議では、開催地を他の国に変更するようIOCに働きかけることも併せて求めています。事態の推移によっては我が国も五輪開催地の変更を求める、こういう必要も出てくると考えられますが、そうした事態は想定されているのかどうか、現時点での政府の見解をお伺いいたします。

#195
○国務大臣(萩生田光一君) まず、オリンピック・パラリンピック競技大会の開催地は、国際オリンピック委員会、IOCが決定をいたします。また、変更があるとしても、IOCがそれを検討することになります。
 オリンピック・パラリンピック競技大会への日本選手団の派遣については、これは日本オリンピック委員会、また日本パラリンピック委員会において判断されると思います。
 一方で、オリンピック憲章には、人間の尊厳の保持や、いかなる種類の差別も受けることなくといったことがうたわれておりますので、今先生御指摘のような、例えば新疆ウイグル地区における人権侵害等々、こういった懸念が日本側でもあるわけです。こういったものが仮に国際社会から疑念を抱かれるようなことがあるとすれば、開催国としてその疑念に対してしっかりと説明していく必要があるのではないかと考えております。
 日中韓スポーツ大臣会合を開催して、平昌、東京、北京でアジアでリレー開催をする協力というようなものを三か国でも行っておりますので、是非北京の冬季大会がオリンピック、パラリンピックの理念にのっとった平和の祭典として開催されることを期待をしております。

#196
○音喜多駿君 まさに今大臣がおっしゃっていただいたように、開催国には重い責任が私もあると思います。日本政府は、ただ今の事態を注視を行うというだけではなくて、国際的な独立機関による調査を働きかける、あるいは人権侵害の制裁を可能とするいわゆるマグニツキー法制定を検討するなど、主体的な行動に踏み出すことを強く要望いたします。
 次に、尖閣諸島周辺の問題についてお伺いいたします。
 中国政府が国際法違反の可能性が高いいわゆる海警法を施行したことにより、尖閣周辺地域での緊張は更に高まっています。今国会でも活発な議論がなされ、海上保安庁による武器使用については、我が党から従来求めていたように、今までよりもやや踏み込んだ答弁、説明がなされているものと承知をしています。
 これに加えて、実効支配力を高めていくこと、これが極めて重要です。二月二十二日は竹島の日でありましたが、竹島は国際法上も歴史的経緯からも日本固有の領土であるにもかかわらず、韓国により不当に占拠され、住民や行政官などが常駐する状況が続いています。残念ながら、一たびこうなると奪還するというのは困難である、これが竹島の現状が示唆するところであります。
 翻って、尖閣諸島にも無線中継所や気象観測所を新設し、行政官を常駐させるなど実効支配力を強化するべきという提案は、地元の石垣市のみならず、実は十四億円もの尖閣諸島基金を有する東京都からも毎年なされているところです。
 こうした自治体からの要望にどのように対応し、どのような検討がなされているのか、ここは政府、総理の見解をお伺いいたします。

#197
○国務大臣(加藤勝信君) 尖閣諸島は、言うまでもなく、歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であります。また、現に我が国はこれを有効に支配をしております。尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は存在しないというのが私どもの立場であります。
 その上で、尖閣諸島及び周辺海域を安定的に維持管理するための具体的な方策について、これは今委員の御指摘も含めて様々な選択肢があるというふうに思いますが、実際にどのような方策を取るかについては、これはまさに戦略的な観点からしっかり判断していく必要があると考えております。
 今後とも、我が国の領土、領海、領空、これは断固として守り抜くという決意の下、毅然かつ冷静に、戦略的に対処していきたいと考えています。

#198
○音喜多駿君 慎重な判断が必要と、そういう姿勢も分かりますが、こうした足踏みを続けてきた結果、中国船舶による侵入は深刻化をしています。
 そこで、資料三番です。
 提案ですが、先ほど申し上げたように、東京都は、尖閣諸島が国有化される以前の石原都政時代、尖閣諸島を購入するために基金を募り、十四億円もの浄財を集めたものの、国有化によってその基金は宙に浮いた状態が続いています。私はこれ、都議会議員時代にその活用を求めて検討を重ねましたが、やはり寄附者の意思を尊重する必要があり、返金も難しく、今や東京都の所管外である尖閣諸島以外の目的には使えないという結論でした。これを国に譲渡するために、東京都は強く尖閣諸島における具体的な諸整備を求めています。
 菅総理、ここは東京都と連携して、この基金も活用して、尖閣諸島の実効支配力強化、これを決断すべきではないでしょうか。小池百合子東京都知事に対しては思うこともあると思いますし、さっき答弁いただけませんでしたけど、私も思うところあるんです。でも、このお二人が協力して、絶対に尖閣諸島を守るんだと、こういう姿勢を打ち出せばこれは非常に力強いメッセージになると私は考えますが、総理の見解をお願いいたします。

#199
○国務大臣(茂木敏充君) 音喜多委員が小池知事について様々な思いをお持ちであることは十分理解をしております。
 まず、尖閣につきましては、先ほど官房長官からもありましたように、我が国は、実効支配ではなくて、有効に支配をしております。そして、解決すべき領有権の問題はない。そういった中で、有効支配と、これをきちんと継続していくため様々な対応というのが考えられると思いますが、これは、どういう対応をしますと言うこと自体が有効支配に対して影響を与える可能性がありますので、しっかり検討させていただきたいと思います。

#200
○音喜多駿君 菅総理も思うところがあるのだなと、答弁に立っていただけないので私も分かったところであります。
 ただ、これ、領土問題については本当に深刻な問題ですから、引き続き私ども政策提言を続けてまいりたいと思います。
 それでは次に、労働市場改革について議論をさせてもらいたいと思います。
 新型コロナウイルスで我が国の経済、雇用環境は大きなダメージを負いましたが、そこで機能したセーフティーネットの一つが雇用調整助成金です。緊急時にこの雇調金を拡充し続けてきたこと、これは正しかったと思います。しかしながら、雇調金のデメリットとして、本来であれば発生するはずだった労働移動、業態転換が起こらず、労働市場をゆがめて生産性が低下する点が指摘されています。また、長期にわたるほど休業者と失業者の間の不公平感が拡大することも問題です。
 あくまで雇調金などの特例措置は短期的な止血措置であって、コロナ禍がスタートして約一年が経過しました。薬も飲み過ぎれば毒になるように、雇調金による対応には市場の硬直化という限界が来ていると思いますが、政府の現時点での見解をお伺いいたします。

#201
○国務大臣(田村憲久君) 雇用調整助成金ですね、大変な御活用をいただいておりまして、失業率という意味からすると、この厳しい中、世界中非常に厳しいんですけれども、足下でも二・九%ということでありますから、大変な役割を果たしておるなと、そういうことは我々も感じております。
 一方で、もう長くなってまいりましたので、委員がおっしゃられるとおり、中には働くことへのモチベーションが落ちてきている、こういうような声もお聞きをするわけでございまして、そういう意味では、在職の中での出向のような形、そういうことも考えていかなきゃならないということで、今般そのような形の施策も進めさせていただいておるわけであります。
 委員がお持ちになられたその思いというもの、これ我々も共有している部分がありますので、しっかりとモチベーションを持って働けるような、失業なき労働移動も含めて対応していかなければならないと考えております。

#202
○音喜多駿君 大臣の答弁から問題意識が感じられたことは非常に良かったと思いますけれども、これ、実は我が国の構造的な問題とも直結しています。
 過日に労働組合の総連合会の方々と意見交換した際、日本は一度労働環境に切れ目ができてしまうとまたつなぐのが難しいと、だからつなぎ続けることが重要なんだと、こう強調されていました。これ、現状認識では正しいと思います。正しいと思いますが、それが時代に合った適切な状態かと言われれば、残念ながらそうではありません。
 正社員による終身雇用という慣習がまだまだ根強い日本でありますけれども、一度レールから外れたらなかなか戻れない、だからつなぎっ放しにしようではなくて、途切れてもすぐに別のスキルを身に付けて戻れる、こういう労働環境こそがニーズが多様化した現代社会においてあるべき姿ではないでしょうか。
 であれば、これ以上拡張すべきは雇調金ではなくて、労働政策でいえば失業給付と求職者支援制度です。政府は、先月二月、職業訓練受けながら現金給付が得られる求職者支援制度の条件を緩和しました。これは評価できる一歩だと考えています。
 今後は、とにかく失業させない、つなぎ続けるという硬直化した現在の労働政策から、失業時にしっかり支える、途切れても戻れる、こういう制度設計にシフトするべきだと考えますが、厚労大臣、見解をお願いいたします。

#203
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど申し上げました、一つは在籍出向という形で、産業雇用安定助成金という制度、これは出す方にも受け入れる側にも助成金出るという形で、在籍出向等々、これが一つです。
 それから、言われるとおり、雇用が切れるということもあると思います。失業給付も最大延長六十日する中において、場合によっては訓練給付というものもありますから、要するに職業訓練を受けながら給付を受けて、技術、能力を身に付けて次のところに行くと、こういう方法もあります。
 それから、非正規の方々も含めて非常に厳しいということでございますので、トライアル雇用を、職種を変えられる方々に関しては非正規対応するということも入れております。
 更に言えば、求職者支援制度、これに関しても、収入要件でありますとか、また出席要件、それからこの訓練期間や日数、これも柔軟化しましてより使いやすくしながら、身に付けた技術をそのままこれ伴走型で、要は個別伴走型で対応して、この能力ならこの職種に就けようというところまでつなげるような、そういう窓口もつくっておりますので、委員がおっしゃられるようなところも含めてしっかり対応してまいりたいと考えております。

#204
○音喜多駿君 丁寧な答弁ありがとうございます。
 今回のこの求職者支援制度の拡充なども、単発に終わるのではなく、是非我が国の既存の労働市場、労働政策を見直すきっかけの一つにしていただきたいと思っています。というのも、これから我が国は労働市場の大改革、すなわち雇用の流動化、解雇規制の見直しという課題を避けて通ることができないからです。
 これ、資料四番です。
 我々日本維新の会は、さきの衆議院予算委員会にて、可処分所得を倍増させるための新たな抜本改革プラン、新所得倍増計画を発表させていただきました。消費税の減税を含むフローからストックへ税制を転換する税制改革、給付付き税額控除又はベーシックインカムの導入による社会保障制度改革、そして規制改革を中心とした成長戦略、この三本柱で可処分所得を上げていく改革プランですが、資料五番です。
 まさに、この成長戦略の柱の一つが労働市場改革です。様々な規制によってピン留めがされて潜在能力が発揮できていない、抑え付けられていた我が国のGDPを今こそ大幅に伸ばしていく、こういう改革が必要であると思います。日本は、残念ながら、他の国が当たり前にやってきた成長産業への労働移動を起こすための規制緩和を怠ってきました。
 資料の六番になります。
 こちらは昨年の予算委員会でもお見せをした図になりますけれども、主要先進国の中で我が国はほとんど唯一、使用者側からの金銭解雇制度がない国であり、これが労働市場の硬直化、生産性の低下を招いている、この指摘が強くあります。もちろん、ただ拙速に解雇規制を見直せと言っているわけではありません。
 資料の七番に行きます。
 こちらの次の資料も昨年作ったものですけれども、給付付き税額控除又はベーシックインカム、こうしたセーフティーネットをきちんと整えて、先ほど言及した求職者支援制度なども拡充し、その上でしっかりと労働移動を促す、解雇規制の緩和を行う、このパッケージによる改革、これを推し進めるべきにもかかわらず、解雇規制一つ取っても、この一年、結論を見ないままに時が進んでいます。
 検討状況はどうなっているのか、雇用の流動性を高める労働市場改革に政府はどう向き合っているのか、まず厚労大臣の見解をお伺いいたします。

#205
○国務大臣(田村憲久君) 事後的な金銭解決というものに関していろんな議論をしてまいりました。それは、解雇判決が、解雇無効の判決が出た後、その後、金銭的救済どうするかという形の中において、まあこれぐらいの金額ならば、解雇、それは裁判しなくたって、これぐらいしかもらえないならばというのが、そういうのがある程度、何というか、一定分かれば非常に流動化が進むだろうという御意見の下に進めてまいりました。これは、昨年七月の閣議決定をされました成長戦略フォローアップにおいても速やかに検討しろということでございます。
 一方で、ちょっと欧米とは雇用慣行でありますとかが違いますので、例えば無限定で働いてくださいという、つまり、残業もしなさい、転勤もしなさいというようなそういうルールです。欧米はある程度限定してルールが決まっている中でありますから、類型化されやすいという中において日本とは若干ちょっと違うものでありますから、メンバーシップ型なのかジョブ型なのかということも含めてこれは幅広に議論しなければならないと思います。
 一方で、そのベーシックインカムはちょっと財源も含めて我々もまだ研究しておりませんので、なかなかベーシックインカムに対してはコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

#206
○音喜多駿君 答弁の中にありました、速やかに進めるべきものすら停滞していると。その中で難しい論点いろいろあるのは分かりますけれども、やっぱりここは根幹ですから、しっかり取り組んでいただきたいと思っています。
 更に労働政策の議論を深掘りしていきたいんですが、資料の八番です。続いて、いわゆる百三万の壁、百三十万の壁の問題についてお伺いいたします。
 主に非正規労働者の方々が直面する課題として、収入が百三万を超えると所得税、済みません、資料は住民税と書いてありますが、これ所得税だけですね、所得税の納税者となる税金の壁と、収入が百三十万を超えると社会保険の加入者となる社会保険の壁が存在します。特に、手取りに強く影響する社会保険の壁は大きく、勤労意欲をそぐと長年問題視をされてきました。
 これも日本の労働力、生産性を下げる要因の一つであり、配偶者を通じて無料で社会保険に加入できる第三号被保険者という制度そのものが時代にそぐわず、とりわけ女性の社会進出、スキル向上を阻んできた要因の一つではないかとも指摘をされています。さらに、現行のコロナ禍では、職場を離れた医療職の方に感染症対応で戻ってきてほしいと、こういう依頼をしたときに百三十万の壁が理由となって十分に働いてもらうことができないと、こういう声も一部の地方自治体や医療現場から上がってきています。
 そこで、第一に、この百三十万の壁、これがワクチン接種などコロナ対応のために看護師等を確保したい医師会、医療現場、自治体にとって障害になっていることを大臣は認識しているか、伺います。そして、第二に、この原因となっている第三号被保険者というこの制度、この抜本的な見直し、必要ではないかと考えますが、厚労大臣、見解をお願いいたします。

#207
○国務大臣(田村憲久君) ワクチン接種で医療従事者がこれ働くことによって百三十万の壁を超えて、社会保険適用という形になるのが嫌だということで働かないのではないかというお話がありました。これは、去年ですね、去年のコロナ禍においていろいろと、学童保育等々で働く方々、いろんな形の中で急遽人が必要だというような形がございましたけれども、このときにも同じような議論出ました。
 どうやって収入認定をするか。企業によって違うんですが、一つは、三か月の給料を見ながら、一年間を類推しながらというような、そういうやり方をやっている企業があります。そういう場合は、こういうような特殊な例で三か月急に仕事が増える、今回のコロナもそう、コロナの予防接種なんかも同じだろうと思いますけれども、こういうものに対してはカウントをちゃんとしなくて特殊事情であるということを認識をしていただくということで保険者等々にも通知を出しておりますし、企業にも御理解をいただいておるということでございますので、直接これが絡むということはちゃんと御理解いただいて対応していただければ、ないと思います。
 ただ一方で、百三十万の壁自体をどう考えるかということでありますが、いろんな方々が三号にはおられるので、一概に全てが、全てこの三号自体無駄だということではないんだと思いますが、一方で、我々も被用者保険の適用拡大というのをやっておりまして、御承知のとおり、二〇二二年は百人、そして二〇二四年に五十人以上というような形で、その企業に対しては百六万までこの壁を下げてまいりまして、なるべく多くの方々がこの社会保険に入っていただこうということで今拡大をしておりますので、そういう意味では、こういうようなものを通じて、なるべく三号から労働市場の方に入っていただく、こういうようなことも進めてまいりたいというふうに考えております。

#208
○音喜多駿君 今おっしゃっていただいた通知による特例措置、あるいはこの厚生年金や健康保険の適用拡大、これらはやらないよりはもちろんやった方がいいことなんですが、いずれも残念ながらその場しのぎのびほう策でしかないと思います。適用拡大を更に進めていくとしても、これ国民年金との整合性や逆転現象などの不公平さというのは残り続けます。
 この百三十万の壁、第三号被保険者制度を多くの人々が問題だと考えながらも解決できなかったのは、労働政策と社会保障制度のこの二つにまたがる非常に複雑な難題だからです。労働者と労働市場のためにこれを解決しようと思えば、社会保障制度、この抜本改革を同時に進める必要というのがあると我々は思っています。
 そこで、資料の九番です。
 そこで、私たちは、党内で検討している新所得倍増計画、税と社会保障と労働市場の三位一体改革プランにおいて、給付付き税額控除又はベーシックインカムの導入により基礎年金、生活保護の一部などを統合、簡素化する抜本改革案を示しています。これによって労働市場における第三号問題はほぼ解決します。なぜならば、第三号被保険者制度というのは、そもそも一九八六年に、専業主婦が夫の退職や離婚で無年金になる状況を受けて、女性の年金権を確立すると、こういう趣旨の下に創設されたものだからです。老後のセーフティーネットが年金から給付付き税額控除あるいはベーシックインカム、こうしたものに大転換されれば、この制度を維持する大義名分や理由はなくなって、多くの人の勤労意欲を妨げる労働市場を、あっ、多くの勤労意欲を妨げずです、労働市場を活性化することが可能になるんです。
 菅総理、ここ、昭和の古いシステム、事ほどさように限界が来ていると私は思います。持続可能性が危ぶまれている年金を中心とした社会保障制度は抜本改革し、労働市場に大転換をもたらす、これを決断できるのは菅総理しかおりません。前例踏襲を否定し改革に邁進する決意を持った菅総理に、是非この抜本改革に対する見解をお伺いしたいと思います。

#209
○内閣総理大臣(菅義偉君) 世界に冠たる我が国の社会保障制度を次の世代にしっかり引き継いでいくと、このことが私たちの役割だというふうに思います。このために、給付は高齢者が、そして負担は現役世代中心という構図を見直して、未来を担う子供たちからお年寄りまで全ての人が安心できる社会保障への改革は進めていく必要があるというふうに思います。
 また、少子高齢化が進むとともにライフスタイルが多様化する中で、全ての国民がその能力を十分に発揮できる環境をつくり上げていくこともこれは重要だというふうに思います。
 このため、全世代型社会保障を掲げて、労働市場については、働く意欲がある高齢者の方がその能力を十分に発揮できる、そのための環境整備を進めるとともに、働き方の変化を中心に据えて、年金、子育て、医療、介護など、持続可能な制度の構築を目指し、社会保障全般に対しての改革を進めていきたいというふうに思っています。例えば、今年、七十五歳以上の医療費も、新たにそうした一定の所得のある人からは現役世代のために御負担をしてもらうなど、そうしたことを今進め始めていますし、薬価改定も毎年にしました。全体としてたしか四千三百ぐらい医療費に貢献をしていることもこれは事実だと思います。

#210
○音喜多駿君 丁寧な答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 ただ、僣越ながら、やっぱりここが対症療法、パッチワークを行うことが党是の自民党、政府・与党の限界ではないかと私たちは考えています。これからの日本の対立軸の一つは、現状を微修正していく漸次改善か、抵抗をいとわず大きく変えていく抜本改革かなんです。現状を微修正していく政府・与党に対して、我々日本維新の会は抜本改革を行える唯一の政党である、こういう自負を持って今後も本件については議論をさせていただきたいと思います。
 では、残された時間で男性育休の取得推進についてお伺いしたいと思います。資料の十番です。
 我が国の男性育休取得比率は各国と比較しても低迷をしており、ジェンダーギャップ指数にも影響していると考えられます。こうした中、政府は育休に関する法改正を閣議決定し、子の出生後八週間以内に四週間まで取得することができる柔軟な育児休業の枠組みを創設するとされたことは一歩前進です。前進ですが、これではまだまだ不十分です。特に要望が多いのが育休中の短時間就業で、週一回、重要な打合せがある二時間だけ働く、こういう短時間勤務が柔軟に可能になれば使いたいという男性は多いと思います。しかしながら、この点が現在、非常に限られており、法改正されても、生後二か月以内に一か月間だけでは使いづらさが残ります。
 そこでまず、所管外で申し訳ないんですが、閣僚の中で最近男性育休を体験した小泉進次郎大臣に是非実体験からお話を伺いたいんですが、一日二時間だけ働く、そういうイレギュラーな場面、多かったんじゃないでしょうか。こういう働き方を会社や社会が許容するようになれば男性の育児参加というものはより進むんじゃないかと思いますが、小泉大臣の御見解をお聞かせください。

#211
○国務大臣(小泉進次郎君) 音喜多先生から実体験を踏まえてという話がありましたが、私、まずこの育休の話をするときに、物すごく世の中って誤解が多いと思いました。育休という二文字ですけど、取ってみて分かるのは、休みなんかじゃありません。そういったことも含めて、あとは、育休という二文字は、実は育児休業と育児休暇、それは制度も違います。
 こういった中、私の場合、大臣という、そして政治家という、一般で働いて雇用されている方とは立場が違いますので、どこまで参考になるかは分かりませんが、私の中で週に二回は閣議がある、閣議後の記者会見もある、国会が開かれれば国会にも行く、そういった中で柔軟な働き方と育児への参加、これが両立をしなければ取得することができませんでしたので、今回の法改正によって、もちろん、育休中に働ける環境が整ったことで、本当は育児に専念したいのに働かざるを得なくなってしまうという方が出たとしたら、それは全く方向性は違うと思いますので、そうならない形で、その方が望む形で育児と仕事が両立できる、より柔軟な形になっていくことを私としては期待をしていますし、私が育休を取得した一つの狙いは、育児、孤立した形で育児をしている女性の、何と産後の死亡率で一番高いのは自殺なんですね。そして、十人に一人は産後うつになっているんですね。
 そして、私が二週間程度取りたいと言ったのは、実はこの産後うつのピークは産後二週間から四週間、ここにピークが来るということを私は周りの専門家の方からも聞きまして、これは私が取得する形でそういうことが世の中に知られれば、これこそ一番いいんじゃないかなと。そして、環境省の中も、ボスが取らなきゃ取りにくいと、取ってくださいと、こういうこともありましたので。
 そういったことに加えて、来月から世の中に新入社員がいっぱい出ます。新入社員の方が、今、アンケートで、あなたはもしも子供を持ったら育休取りたいですかというアンケートをやると、八割の新入社員は取りたいと言います。この法改正が、これから出てくる若い世代にとってより願いがかなう、そういう方向になることを期待をしています。

#212
○音喜多駿君 所管外に丁寧な御答弁ありがとうございます。
 昨年もこの件は小泉大臣と討論をさせていただきまして、育児休業と育児休暇の違いなども触れながら、休まれているとき議員歳費返したらいかがですかと僣越なことも申し上げたんですが、しっかりこれ議論をして、男性閣僚に男性育休の経験者がいるというのは非常に心強いことだと思います。私も、実は夏に第三子が誕生予定となりましたので、これは男性育休取得して、当事者としてしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
 最後に、田村厚労大臣、今回の改正案は小さな一歩として、やはりこの男性育休取得推進に向けては、育休中のこの短時間労働、この枠を更に広げていくなど、柔軟な働き方を更に更に推し進めていく必要があると思いますけれども、政府、大臣の御所見をお伺いいたします。

#213
○国務大臣(田村憲久君) 今、小泉さんからもお話ありましたけれども、ちょうどこれ、産後の休業と同じような期間に男性も育児休業を取っていただくと。これは、ある意味、お母さんも出産されて、慣れない一番大変なときのこれは育児、育児といいますか、要するにもう赤ちゃんを見なきゃいけないわけなんですよね。こういうときにはやはり男性も休業を取っていただいた上で、そしていろいろと参画できるところは一緒になって育児をやっていくということ、これ大変重要であろうと。
 そのためには、取りにくい一つの理由として、まあ自分がいなくなっちゃうとどうしても仕事が回らなくなることがあるかも分からないからという形で、ここはフレキシブルにいたしました。それは、お母さんも当然、まだ産後間もないわけですから、これは産後休業で休んでおられるという形の中においてであります。しかし、一般的に、これから育児休業というものを男性が取る場合には、女性も、もしかしたら女性は働きに戻られているかも分からないということもあるわけでありまして、ここで余りフレキシブルにすること自体が本当に取る方にとっていいのかどうか。企業からしてみればそちらの方がいいかも分からないということもあるかも分かりません。
 しかし、それを、そういうものを本人から、もちろん本人の言い値でやれればいいんですけれども、なかなか世の中というのはそういうのは難しい部分もあるわけでありまして、そこら辺のところを慎重に検討しないと、なかなか全てを、育児休業、フレキシブルにということは難しいわけでありまして、しっかりと関係者の方々の御意見もお伺いしながら検討してまいりたいというふうに思います。

#214
○音喜多駿君 どんな制度にもやっぱりメリット、デメリットがおっしゃるようにありますので、まあ百点満点の制度はないと思います。
 その中で、やっぱり産後の一番難しい時期に八週間のうち四週間だけという狙いは非常によく理解できるんですが、ただ、子育てはやっぱりそこで終わりではないですし、私も今、下の娘は四歳になりましたけれども、やっぱり一歳とか一歳半ぐらいまでは非常に大変で、二歳ぐらいになるとようやく何とかなるかなというところはありましたので、ここら辺はやっぱりしっかりとまだ不断の検討を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 時間が参りました。
 私たち日本維新の会は、現状の微修正に対して抜本改革、抜本改革の姿勢をしっかりとお見せをして、政府・与党に替われる唯一の政党としてしっかりプレゼンスを発揮できるように、今後も建設的かつ具体的な提案していきたいと思いますので、よろしく御指導、御鞭撻をお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#215
○委員長(山本順三君) 以上で音喜多駿君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#216
○委員長(山本順三君) 次に、足立信也君の質疑を行います。足立信也君。

#217
○足立信也君 国民民主党・新緑風会の足立信也でございます。
 通告はしていないんですが、午前中に加藤官房長官が記者会見で認められたことがありますので、ちょっと総理にお伺いしたいと思います。
 今度は、昨年六月、七月に、山田前内閣広報官、それから谷脇総務審議官を始めとする総務省数人に対するNTT、NTTデータの高額接待です。
 衆議院の質疑では、山田さん、それから谷脇さん、これ明らかに虚偽答弁ですよ。そしてまた、昨日は谷脇さんは参議院でも虚偽答弁をしている。これを防ぐためにはやっぱり証人喚問しかないんじゃないですかね。私はそう思います。
 それから、総務省は、第三者、武田大臣を加えた検証委員会を立ち上げましたけれども、これも谷脇さんの答弁と同じように、これ以上のものはないと、これ認定しているんですね。機能していないんじゃないですか。
 そこで、総理にお伺いしたいのは、これ農水省を始めとして総務省、政府全体の問題ですよ。これ、なので、政府全体を対象とした倫理規程違反の検証です。これは、官僚はもちろん国家公務員法です。それから、政務三役、大臣規範。これはもう一回しっかりやらないと、国民の皆さんはあきれていますよ。
 是非、総理の今後の方針、お答え願いたいと思います。

#218
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、具体的な疑いがあればそこは適切に対処するというのは、これは当然のことだというふうに思います。ルールをしっかり遵守をして、そして公正な職務執行にそれぞれの官庁の職員は努めてほしいと、このように思っております。
 いずれにしろ、各大臣が中心になって、政務三役を含め、それぞれの省庁に対してはまさにこのルール遵守というものを徹底をし、国家公務員は常に中立性、公平性を保つ職務を執行する、そうしたことを徹底をしてほしいと、このように思います。

#219
○足立信也君 官房長官はこれは事実だと認めたわけですよね。だったら、これにとどまってこれで幕引きという話じゃないんですよ。しっかりやらなきゃいけないということを私は申し上げているんです。そうしないと、信頼回復できないですよ。詳細な内容はこの後また質疑があると思いますので、私は、総理の姿勢、今お答えになりましたけど、私にとっては当たり前のことをおっしゃっているだけであって、自分がこれから何をするかという発言はなかったと思っています。非常に寂しい答弁だと思います。
 あとは通告に従っていきますけど、東京オリンピック・パラリンピック、私、小学校一年生のときに東京大会でした。すばらしかったです。私もいつかオリンピック出たいなと思ったぐらいです。そのときに、第二回パラリンピックで日本が初めて参加しました。選手団長は大分県別府市の、後に太陽の家をつくられる中村裕先生です。
 そこで、橋本参議院議員の組織委員会会長就任のことなんですが、バッハIOC会長を始めとして歓迎されているように見えますが、私は懸念を持っていたんです、あれ、国会議員辞めないのかなと。これはオリンピック憲章にある政治的中立の話です。
 そこで、丸川大臣にお伺いしたいんですけど、一九六四年の、今の東京オリンピック・パラリンピック以降、オリパラ開催時にですね、開催時に組織委員会会長又は委員長を選挙によって選ばれる現職の国会議員が単独で務めたことはあるんでしょうか。

#220
○国務大臣(丸川珠代君) 足立先生にはいつも御指導ありがとうございます。
 私どもが把握している限りにおきましては、二〇〇〇年のシドニー・オリンピックにおいて組織委員会の会長を務められたマイケル・ナイトさんは、当時、ニューサウスウェールズ州の議員かつ五輪担当大臣、これ、州の大臣であられたそうです。

#221
○足立信也君 今申し上げました条件、現職の国会議員、選挙で選ばれた人が単独で務めたかということなんです。これは、私が懸念持っているように、日本はちょっと違うのかなという懸念の材料なんだろうと私は思っているんです。ジェンダーギャップが非常に高いとか、あるいは報道の自由が非常に低いとか、そういう、まあ口に出して言わないのかもしれませんが、私は、一つ、何で日本がそういう独自的なことをやるんだろうと、日本だけやるんだろうと思うんですね。
 総理はそれについてどうお考えになりますか。

#222
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今、丸川大臣が答弁したとおり、世界の中でそうした前例もあったということを私自身も承知をいたしております。
 政府としては、国民や世界の皆さんが歓迎する中で開催を、大会、開催できるよう安全、安心に全力を尽くして応援をしていきたい、こういうふうに思います。

#223
○足立信也君 私も記憶をたどって、そんな単独で選挙で選ばれた人が組織委員会を主宰するというのはあったのかなと思って記憶をたどったら、一九三六年のベルリン・オリンピックでしたね、どなたが総裁でやったかというのはもうお分かりだと思いますけど、私はかなり特異的なことなんじゃなかろうかと、そのように思います。
 さて、今は、感染防止、それから拡大防止ですね、それと経済回復、そして財政健全化の三つのウサギを追う、三兎を追う非常に難しい状況だと思います。できるだけ今日はその三つの流れについて聞きたいと思いますが、まず、感染拡大防止で、ワクチンですね。これ、自治体に話聞くと、いつ、何回分来るのかと、それだけ知りたいと。二〇〇九年の経験もあって、準備はある程度できているんだと。それで、ころころ変わるから困っちゃうんだと。村井宮城県知事が、まるで大本営の発表みたいだと。せっかく準備しているのにころっと変えられる。(資料提示)
 これが世界の二月末現在の、人口当たりの最低一回の接種の比率ですよ。イスラエル、アラブ首長国連邦、英国、バーレーン、チリ、アメリカ。日本は一番下に〇・一%未満と。遅さは歴然ですね。
 これで一つお聞きしたいのは、そもそも、四月に高齢者用が配られると言うけれども、これ人口比でいうと大分は三%分しかない。埼玉は〇・五%分しかない。去年の夏から、これはワクチンが決め手だと。そして、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカと基本契約、基本合意していますよね、去年の夏に。で、ファイザーが一番早いというのはもう分かっていたわけです。なぜ、モデルナが十月、アストラゼネカが十二月、ファイザーが今年の一月に契約なんですか。どうしてそんなに遅れたんですか。

#224
○国務大臣(田村憲久君) 大変申し訳ないんですけれども、この契約企業との関係から、交渉過程についてはこれちょっと申し上げられないことになっておりますので、御理解いただきたいと思います。

#225
○足立信也君 遅れた、うわさではファイザーが一番先に利用できるんではないかと、もう去年からずっとそういう話でした。ファイザーが最後になったというのは、明確な理由といいますか、言えないのかもしれませんけど、正当な理由があるということですか。

#226
○国務大臣(田村憲久君) 交渉過程での話でございますので、理由に関してはちょっと申し上げられないということは御理解をいただきたいというふうに思います。

#227
○足立信也君 茂木大臣、世界の首脳の中で感染がもう大々的に報道された方々で記憶にあるのは、やっぱりトランプ前大統領と、それからボリス・ジョンソン首相だと思うんですね。このお二人はワクチン接種されたんでしょうか。

#228
○国務大臣(茂木敏充君) トランプ大統領は今年の一月に接種されたと報道されております。ジョンソン首相については、接種をされたという報道には接しておりません。
 なお、バイデン大統領も接種をしている、このように承知をいたしております。

#229
○足立信也君 アメリカは結構ワクチンに懐疑派の人もいて、それは一つは、トランプさんはずっと、自分はワクチンしないと言っていたこともあると思うんです。でも、やられた。ジョンソン首相はやられていない。これ、二つ意味があると思うんです。
 一つは、感染していたら必要ないんじゃないかということと、感染の既往があれば。もう一つは、感染していても、一度打てば更にブースター効果でいいんじゃないかと。そういう捉え方があると思うんですね。フランスでは、感染者は一回のワクチン接種で十分な効果が得られると、こういう見解も発表しています。それから、ジョンソン・エンド・ジョンソンは一回接種のワクチン、そろそろ始まりますね。
 そこで、二〇〇九年当時、新型インフルエンザのときには、一回接種と二回接種で差があるかどうかの臨床試験を日本で行ったんです。そして、一回接種に変えたんです。添付文書は二回なんだけど。これは一回接種でいいのかどうか、二回絶対必要なのか。臨床試験やる予定ありますか。

#230
○国務大臣(田村憲久君) 現時点でありますけれども、ファイザーから、今言われたように一回の臨床試験、これの実施に対しての報告はないわけであります。

#231
○足立信也君 二〇〇九年のように、日本でそういう治験、臨床試験をやる予定はありますか。

#232
○国務大臣(田村憲久君) 正確に言うと、ファイザーから、これファイザーのワクチンでございまして、一定のいろんな条件の下で契約をいたしております。これは、ファイザーが一回打ちの治験を実施するというような、そのような報告はないということでございます。

#233
○足立信也君 繰り返しますけれども、二〇〇九年当時は、一回でいいのか二回でいいのか臨床試験やった上で、接種の始まりから三週間で結論を出して、一回にするということをやったわけです。
 そこで、アメリカでもそうですが、日本の川崎での訓練、接種の訓練でも、一番時間の掛かるのはやっぱり予診、問診なんですね。この予診、問診に関して何か工夫を考えておられるでしょうか。

#234
○国務大臣(田村憲久君) おっしゃられますとおり、例えば集団的な接種を行う場合に、かなりの方が一定期間の間に集まりになって来られます。そのときに、例えば余りにも密接になり過ぎて感染のおそれがあるというようなことがあってはいけませんので、そういうものに対して一定の方向というものを自治体にお示しをさせていただいたりでありますとか、あと、その問診のときに、当然接種できない方が出てくる可能性がありますので、例えば発熱をされておられたりだとか、そういうことを、そういう方をちゃんと確認できるような、そんな予診、問診の体制、こういうものもおつくりをいただくようにお願いいたしております。

#235
○足立信也君 メイヨー・クリニックではやっぱり三十分経過観察、それから川崎ではトータルで一人当たり五十六分、そこで掛かると。やっぱりそこのところをどうクリアしていくか、そこ、会場に入らずにできるかという工夫がやっぱり一番大事ですよ。
 それから、ちょっと細かいことで申し訳ないんですけど、多くの方がアナフィラキシーショックを一番心配されていますね。ワクチンの添加物、この中、ファイザーのワクチンの添加物にポリエチレングリコールが入っています。ポリエチレングリコールがどうもアナフィラキシーの原因ではなかろうかというのがあります。
 こういうことは、問診あるいは予診のときに、質問するときに非常に大事なことなんです。あなたはポリエチレングリコールにアレルギーありますかなんて聞いたって、誰も答えられないですよ。これ、丁寧に答えを導くような質問を何か工夫されていますか。

#236
○国務大臣(田村憲久君) そのアレルギーというもの、今までそういう予防接種等々でアレルギー等々があったかどうかというようなことに関しては確認をするというふうにお聞きしておりますけれども、具体的に今言われたような物質に対してということは今のところ聞いておりません。

#237
○足立信也君 ごめんなさい、ちょっと細か過ぎたかもしれません。例えば、下剤の一部や化粧品に含まれているので、そういうものを使ったときにアレルギーを起こしたことはありませんかというようなことは、聞き方が私はいいと思います。
 さあ、そこで、総理にお伺いしたいんですが、今、世界的にパンデミックですね。このパンデミックを収束させる、収める束ですね、収束させるためには何が必要でしょうか。

#238
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、新型コロナのワクチンについては、国際的に発症予防、重症化予防の効果が期待されており、ワクチンが行き渡ることでこの感染症そのもののリスクが軽減される、このように考えております。
 このことがやはり一番のことだというふうに思いますし、それと同時に、今国民の皆さんにお願いしております現状の三密回避、マスク、そしてうがいとか、こうした基本的なこともやはりしっかりやっていただく、そうしたことが大事だというふうに思っています。

#239
○足立信也君 世界的なパンデミックを収束させるには、世界でワクチン接種が進むことです。それがないと収束できないです。
 私が懸念しているのは、医療従事者とか高齢者の接種が進みますね、感染者が減る、そうすると、その次に控えている若い方々が接種しないんじゃないかと、そして外に出回るんじゃないか、そういう懸念があります。もう一つ、日本の接種率が、そもそも低いんですけど、季節性インフルエンザも半分以下です、接種率が低かったら、日本人入国拒否みたいなことがあり得るかもしれない。
 世界的にパンデミックを収束させるには、世界中でワクチン接種が進むことです。是非、そのことを含めて、COVAX等への出資も含めてしっかり検討してもらいたい、日本だけが低いということにならないようにしていただきたい、そう思っています。
 次に、優先接種者のことなんですが、資料二をまず御覧ください。これ、資料二で、直近のクラスター発生の施設、どこが多いんでしょうか。

#240
○国務大臣(西村康稔君) これ、私どもで暫定的に集計をさせていただいて、データもいただいておりますけれども、やはり高齢者施設、福祉施設ですね、ここでのクラスターが非常に多く、人数でいえば半分以上を占めていると。続いて医療機関、学校、職場など。飲食店につきましては、もう皆さん方の御協力もあって、かなりクラスターの数は減少してきているという状況にあります。

#241
○足立信也君 これ、世界のアメリカ、イギリス、ドイツ、カナダ、そして日本の優先接種順位を書きました。介護施設、高齢者施設の職員、日本以外の国はトップです。なぜ日本が、一番右にありますが、こんな順位が下なんでしょう。クラスターの発生場所で一番多いところの、常に接している職員の優先順位がなぜこんなに遅いんでしょう。

#242
○国務大臣(田村憲久君) まず、医療従事者は、医療の現場で高齢者も含めて対応いただかなきゃならないということで一番であります。二番目、高齢者というのはやはり重症する確率が非常に高いということでございます。
 ちなみに、そのときに介護施設等々で集団的に打つ、巡回的に打つ、こういうこともあろうかと思います。このときに、介護従事者の方々、こういう方々も一緒に打つというのは、自治体の理解があれば、これワクチンの量がありますので、入ってきている、それに余裕があればそういう形で打っていただくというのも一つであるということにいたしておりますが、高齢者の方々が打った、つまり、なぜ介護従事者かというと、クラスターが起こったときも対応いただかなきゃならないということでございますので、高齢者が先にお打ちをいただいておられれば高齢者は重症化しないということでございます。そうなれば、一定程度、優先順位からすればまず高齢者であろうと、こういうことでこういう順序になっているわけであります。

#243
○足立信也君 総理、さっき世界との感覚のこと言いましたけど、これ、全部出したのが少ないですけれども、日本だけですよ、こんな低いの。常に接しているわけですよ。そこは高齢者以外の基礎疾患を有する方と一緒の順位ですよ。今、田村大臣がおっしゃることであれば、ここを変えましたと言うべきですよ、変えると。これは、私はおかしいと思いますよ。
 是非、できるんであれば言ってもらいたいし、実は私の地元の大分で聞いたら、介護施設、高齢者施設の職員も一緒にやりたいと聞いたら、それは順番が違うというふうに言われたらしいですよ。それは誤っている。
 もう一つだけ聞きたい。その薬や衛生品を扱っている卸の方って医療従事者と捉えていいんでしょうか。あるいは、一部報道があるけれども、訪問介護の方々は優先者の中に入るんでしょうか。

#244
○国務大臣(田村憲久君) 多分、卸は入ってこないんだろうというふうに思います。
 それから、訪問介護をやられる従事者の方々でありますが、これは元々は順番としては入っていないということでありましたが、昨日通知を出させていただきましたが、結果的に申し上げると、これ、高齢者の方々が仮に感染されると、本来は医療機関に入っていただくということで対応しなくてもいいんですけれども、今回のような緊急事態宣言前夜から非常に厳しい病院の状況がございましたので、自宅で対応していただかなきゃならぬというような場面もございました。このときに訪問看護の方、介護の方々がそれに対して対応ができないということになりますと、高齢者の対応ができないということでございますので、これはその事業者がちゃんと、高齢者、利用者の方々が新型コロナウイルスに感染されたとしても対応するということで、そういう方を前提にということであればこれは自治体等々の御判断でお打ちをいただくということはいいですということで通知を出させていただいたということであります。

#245
○足立信也君 次に、医療提供体制の逼迫ということを言われています。
 この一因は、私は在院期間の長さにあるとも思っています。国立国会図書館で調べていただいた日本の在院期間、COVID―19のですね、全ての患者は十五日、アメリカは六日、イギリスは八日です。これ、仮に半分にできれば、そういう連携ができれば、医療提供体制、ベッド数ということになれば、倍になるんじゃないですか。
 私はもう三週間以上前に、各都道府県の平均在院日数はCOVID―19の場合どうなっていると、それによって対応が違うんじゃないかという質問を部会でやったんですけれども、分かりますか、長い都道府県、短い都道府県。

#246
○国務大臣(田村憲久君) これ、NCGMで統計取っていただいたものなんですが、全国といいますか、全体では、委員言われたとおり、五月の三十一日まででいいますと、これ酸素投与のない患者さんでありますけれども、十四日掛かっておりました。ただ、それ以降、六月の一日以降は八日だとか九日という形になっておりますので、ある程度これは短くなってきております。
 ちなみに、都道府県別にというのは、これ取っておりません。申し訳ないわけでありますが、取っておりませんので、全国的に見てこういう形という、これはNCGMが取ったデータの下においてこういう形であったということでございます。

#247
○足立信也君 一つの分析として、もう三週間もたってデータがないのは悲しいんですけれども、提供体制考えるときに在院日数というのは私は必須項目だと思いますよ。よく聞くのは、そこに入られて接触機会を奪われるから日々のアクティビティー、ADLが下がってなかなか退院できない、あるいはほかの病院が引き取らない。そういうのが日本の事情だと私は思いますよ。そこは全部セットでやらなきゃいけないと、そのように思います。
 あとはもうまとめたいんですけどね、総理の、私は先ほどパンデミックを収束するためのワクチンのこと言いましたが、政治的メッセージがやっぱりかなり大事だと思うんですよ。
 そこで、当初はアメリカのCDCも失敗しました。これはPCRの試薬がコンタミ、汚染したからです。だから、日本はBSL3、バイオセーフティーレベル3できっちりやっていますね。数は元々少なかった。でも夏以降は迅速に、数いっぱいできるようになったわけですよ。しかも、抗原検査キットで、これ、大分県宇佐市なんかは高齢者施設、福祉施設、小中学校、市役所、無料で配布していますよ。これが高いと、感染力が高いときに高く出るんですよ。きっちり陽性出るんです。だから、PCRと抗原検査の組合せで無症状感染者と感染力の強い方をピックアップして、ここを断ち切ることです、その連鎖を。
 これをやらなきゃいけないと私は思いますし、今後の課題としては、このワクチン打った方が無症状感染者になるかどうか、これ、どこもチェックしていません。その無症状感染者になった人が感染力があるかどうか、これは調べないと分からないですよ。世界はどこもまだやっていません。そして、ファイザーはやろうとしています、感染した人、あるいは八か月抗体が保有されるけど、次一回のブースター効果がどれだけあるのか、これもまだ調べていない。ファイザーはやろうとしていますが。課題として、エビデンスとして残すことはいっぱいあるんですよ。是非そのことをやっていただきたいと思います。
 ちょっと、田村さん、大臣、突然なんですが、今ワクチンの話、していますけど、今日は何の日か御存じですか。

#248
○国務大臣(田村憲久君) 三月四日でしたっけ、今日、済みません、ちょっと三月四日、分からないので申し訳ありません。

#249
○足立信也君 今朝のNHKニュースで特集もやられていましたが、今日は国際HPV啓発デー。ヒューマンパピローマバイラスですね、子宮頸がんの原因ですね。御案内のように、これ七年間もうほとんど滞っている。
 そんな中で、去年、大きな論文が出ましたね。まず、副反応の面で非常に気になっている、これデンマークで百六万人調べて、接種した人としない人で差がないと。それから、スウェーデン、これよく言われますが、百六十七万人、約三分の二、子宮頸がんの発症を抑えることができた。
 これ、日本が年間、今二千八百人、あるいは三千人ぐらいが亡くなっていますよ。三分の二予防できたら二千人命救えるんですよ。これは早くやらないと、そのことをもう何年も私言っているんですけれども、この点について、しっかりこれから前向きにやれるようにやっていくかどうか、そのことを今日にちなんで言っていただきたい。

#250
○国務大臣(田村憲久君) 大変失礼いたしました。知っていなけりゃなりませんでした。申し訳ないと思います。
 これは平成二十五年に定期接種にしたわけでありますが、すぐにいろんな事象、副反応の事象が出てまいりまして、まあ副反応というか有害事象ですね、これが出てまいりまして、因果関係よく分からないという中で、調査もしてきたんですけれども、すぐに積極勧奨の方を止めたという経緯がございます。結果、その後、審議会において評価を行うとともに、ワクチンに関するリーフレット、これを作らさせていただいて、これ、啓発している、啓発といいますか、それぞれいろいろと情報は提供させていただいているんですが、なかなかこれ自身が十分に御理解いただいていないという現状があるのは事実でございます。
 令和元年八月にそういう下でリーフレットを改訂するということとなりまして、令和二年十月に、情報提供資材、接種対象者等への個別送付という形に進めさせていただいております。
 積極勧奨はまだいたしておりませんが、情報はしっかりと提供させていただいておると、こういう状況であります。

#251
○足立信也君 積極的接種勧奨が途絶えてから七年。そして、あと七年もたつとこの論文の年齢に達します、三十歳に。
 今、県民の方に私が聞くと、もう接種年齢を過ぎた女性が、ワクチンがあることを教えてもらえなかったと、知らなかったと。これは個別に、そういう対象年齢に達していますよというやっぱり通知、連絡が個別に、これが大事なんです。その点に関してはどうですか。

#252
○国務大臣(田村憲久君) 昨年十月に、ですから、これ、個別に通知をするということで自治体にこれ通知を出させていただきました。個別に情報を提供いただくという形の中で進めていただきたいということであります。

#253
○足立信也君 財政健全化で、麻生大臣、済みません、遅くなりましたが。
 これは野村総研の昨年暮れのデータで、平成二十一年を一〇〇とした場合の全金融、貯蓄資産、超富裕層と富裕層が急激に増えていって、まあマス層あるいはアッパーマス層と言われる多くの世帯の方々がほとんど変わらないと。これは、これだけ急激に増えて、超富裕層、富裕層が増えてきたというのは、その原因は何と、何だというふうに捉えられているでしょうか。

#254
○国務大臣(麻生太郎君) これ、この資料なんだと思うんですが、これ野村総研の資料を使っておられるんだというように理解しておりますけれども、試算方法などちょっと把握しておりませんので、その点に関してはお答えをちょっといたしかねますが、細目については。
 その上で、二〇一二年、政権交代前、政権交代後と、この十年間ぐらいの話で、経済の好循環が進みました。少なくとも給料上がりましたし、企業の収益も上がりましたし、そういった結果として、いろんな形で株価もつながったんだと思いますが、国民に広くその貢献、経済が好転した恩恵はそれなりに出たんだと思いますが、株価も上昇したとは思いますけど、株価、これは先行指標が基本ですから、先行き良くなると思わない限りは株はなかなか上がってこないと。実際良くても先が駄目だと思ったら株は下がりますんで。
 そういった意味では、株式が上昇したということは、少なくとも、まあ先行き、政権も替わってこれで良くなっていくだろうという期待もあって、あれからざあっと伸びていったんだというのは分かりますし、また、株価が上がると一部の方だけがと言われますけど、株価、結構広い方が今持っておられますし、現実問題として、これは、先生御存じのように、これ、年金というものを管理しておりますガバメント・ペンション、GPIFでしたっけね、インベストメント、GPIFで運用されておりますんで、そういった意味では国民が幅広く恩恵を得ていると思いますし、事実、GPIFはこれで今、この十年間で七十二兆円ぐらいですかね、あれが上がっておりますので、そういった意味では、その前まで年金は危ねえとかいう話がやたら多かったのが、十年、十五年ぐらい前そうでしたけど、今そんな話は出てこないのはこのせいだと思っております。
 したがいまして、金融資産の見ましても、我々の見ているのは、よく一億円以上の話が出ますけれども、五千万円ぐらいのところで見ましても、二〇〇九年から二〇一九年にかけまして金融資産というのが、この五千万円からというところで見ますと二百六十一兆円増加をいたしております。
 そういった意味としては、私どもとしてはそれなりの影響が良かったんだと思いますが、この問題がほたっていってそのまま放っておきますと、いわゆる低所得層の方々だけで見ますとどうのこうのという話いろいろ出てきますので、それを埋めるために今、菅内閣、そのまたその前の安倍内閣が、以後一人家庭の方々等々いろいろ試算をさせて、もうそれずっと言っていきますとずっと出ますのであれですけれども、同一労働同一賃金等々いろんな話をさせていただいておりますので、少なくともこういった格差というのが、フィックス、固定、動かないでそのまま固定されるということになりますと、大学卒の子供しか大学に行けなかったり、そんないろんな影響力が代々ずっと続いていくということにならないようにするためにどうするかということは常に頭に入れておかねばならぬ大事なところだと思っておりますが、経済が成長した大きな理由というのは、株価の上がり方がこれだから上がったというのはなかなかちょっと、これだというのが一つ答えがあるわけではない、いろんなものが複合的に起きて生まれたものだと思っております。

#255
○足立信也君 私、所得税のことを申し上げたいんですけどね、やっぱりこのマス層あるいはアッパーマス層というのは売却益を得るということがなかなかできないんですよ。巨大な売却益を得ているのはやっぱり富裕層、超富裕層なんですよ。
 そこで、私が申し上げたいのは、これは平成年間で所得税から消費税への重心の動くシフトはありました。それで、累進課税も多少下がってきた。二十七年にちょっとだけ上げましたけどね。私は、今必要なことは、金融所得課税との総合課税化とやっぱり累進性をもう一回高めないと、再分配機能を高めないとその格差というのは解消できないということを申し上げたいんです。
 総理にお聞きしたいのは、累進課税を再び強化していくか、あるいは緩和して消費税中心にやっていくのか、その方向性だけお示しください。

#256
○内閣総理大臣(菅義偉君) 税制によって所得再分配を行っていくことは極めて重要であります。
 今議員から御指摘いただきましたけど、安倍政権になってから所得税の最高税率引上げ行いました。さらにまた、消費税、社会保障の財源として、少子高齢化が進む中でその役割、これは一層重要になってくるというふうに思います。今後の税制の在り方についてこのところよく私も聞かれますけれども、経済社会の情勢の変化、こうしたことを丁寧に見定めながら行っていくべきだというふうに思っています。
 また、税制に限らず、私の内閣においては最低賃金の引上げ、ここはしっかり行っていきたい、こういうふうに思います。また、同一労働同一賃金などの改革を通じて格差是正に努めていきたい、このように思います。

#257
○足立信也君 麻生大臣は衆議院の質疑で金融所得課税の申告がもう大変だというような発言をされましたけど、そのための私はマイナンバーだと思っているんですよ。給付付き税額控除も含めて、そこをしっかりやらなきゃいけないと思います。それが一点。
 それから、法人税も平成の頭は十九兆円の税収が今は十二兆円と。やっぱりこの法人税のところは、内部留保のことですが、労働分配率を上げることだと思います、今総理おっしゃったように。
 それから、財政健全化のことについて言うと、日本は、アベノミクスの評価以降、クルーグマンも、物すごい需要が低いということがやっぱり大きいんですね。ここは社会保障による格差の縮小が持続可能な社会をつくると私は思います。
 分配なくして成長なしですよ。私はそういうふうに考えている。そのことを最後に申し上げて、今日の私の質問を終わりたいと思います。

#258
○委員長(山本順三君) 以上で足立信也君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#259
○委員長(山本順三君) 次に、礒崎哲史君の質疑を行います。礒崎哲史君。

#260
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。久しぶりの予算委員会となります。どうぞよろしくお願いをいたします。
 事前通告、二日前に行いまして、コロナ関係をお伺いして、まさに総理に緊急事態宣言、どのように御判断をされるかをお伺いしようと思ったのが実は通告の一番だったんですが、昨日の夕方、総理から重大なお考えの発表がございましたので、通告とはちょっと違う形の質問内容になることをまずは御了承、申し訳ないんですが、御理解をいただきたいと思います。
 昨日の夕刻の総理の発言の部分で幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、総理、二週間程度の延長という思いを昨日の夕方、お考えとして発表されたわけですが、この延長は御自分の中ではもう決めたことなんでしょうか、それともまだ変更の余地、つまりは解除という選択肢が残されているんでしょうか、いかがでしょうか。

#261
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、私の昨日の記者会見でありますけれども、もう三月七日に一都三県については緊急事態宣言の期限が迫ってきて、そういう中で、感染を抑え込むために極めて重要な局面である、そういう中で五大臣会合というのも関係の閣僚でおとといからやり始めました。
 その上で、緊急事態宣言については、病床の逼迫などいまだ厳しいこれ昨日の時点で指標がありましたので、私としては、国民の命と暮らしを守るためには二週間程度、ここは延長が必要ではないかと考えておりますということを申し上げました。
 ただ、いずれにしろ、専門家、関係者の皆さんと相談をし、また御意見を伺った上で私が判断します。そういう実は会見を行いましたので、この皆さんの御意見を伺う、そういう中で最終的には決断をしたいというふうに思います。

#262
○礒崎哲史君 最終判断は諮問委員会の意見を伺ってということだというふうに私も理解をしますが、その際に、解除という選択肢は、私はもう総理があの場で公式に御発言されたということは、ないんだと思っているんですが、解除はさすがにないというふうに理解してよろしいでしょうか。

#263
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、国民の皆さんの命と暮らしを守るためには今回は二週間程度延長した方がいい、そういう自分の考えを昨日申し上げました。
 いずれにしろ、これから手続がありますので、そうした手続をさせていただきながら、そこで判断をさせていただきたい、このように思っています。

#264
○礒崎哲史君 これまで総理、非常に物事を考えられて御発言をされていましたので、なかなか仮定の話ですとかそういったことには慎重に御答弁されているというふうに私は受け止めているんですけれども、今回、今言われた正式な手続を踏む前にあえてああいう形で発信をされたその意図は何だったんでしょうか。なぜ昨日の夜、発言をされたんでしょうか。

#265
○内閣総理大臣(菅義偉君) これ実は、関係者の皆さん、この準備という点でできるだけ早く意思決定をしてほしいという、そうした方がたくさんあったということも、これ事実であります。
 ただ、その中で、できれば私、ぎりぎりまで数字を見たいという話もさせていただきました。そういう中で、総合的に判断を、昨日、判断をさせていただいたということであります。

#266
○礒崎哲史君 昨日の総理の発言を受けて、テレビ等々で町の声ということで紹介がいろいろされていましたけれども、やっぱり早く決めてほしいという声があったのも事実だというふうに思います。その意味もあって昨日御発言をされたのではないかなというふうには思います。その意味で、ここに来てやっぱり解除というのはその意味でもないんだろうなというふうに思います。
 先ほど来、延長が必要と考えた理由として病床の逼迫等というお話をされているんですが、理由として病床の逼迫のみが総理のお考えをまとめていく上ではポイントになったんでしょうか。ほかにも要因としてはございますか。

#267
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、そこが基本だと思っていました。基本的対処方針というのがありまして、そういう中でステージ4からステージ3に行くときに新規感染者の数、それと病床の状況、そうしたことが、一つの大きな解除に向けての考え方というものが、これ諮問会議ですか、で全体の中で、全体の会合の中でそうしたことが示されていましたので、そこのことについてはやはり重点的に考えることが一つだというふうに思っています。
 それと、何よりも国民の皆さんの御協力で、宣言を発してから約八割下がってきているということも事実であります。そういう中で、やはり首都圏はなかなか、ここで下げ止まったという方もいらっしゃいますけど、不安定な状況でありましたので、このまま予定どおり解除ということよりも、やはり国民の命と暮らしを守っていくためには、大変国民の皆さんに申し訳ないんですけれども、大変な制約を掛けるわけでありますけれども、もう二週間ほどという考え方になりまして、そういう中で昨日記者会見をさせていただいて、これ明日にもそうした手続の中で決めていきたい、こういうふうに思います。

#268
○礒崎哲史君 病床逼迫、これが一番大きな要因だったということでありますが、二週間程度というふうにお考えになった理由は何でしょうか。

#269
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、今申し上げましたように、当初目指したステージ3は満たしていますけど、病床などに一部そうした緊迫している状況にあって、まあそういう意味で慎重に見極める必要があったということです。
 そうした意味で、二週間程度の延長ではないかと考えたわけでありますけれども、最終的には専門家や関係者の皆さんの御意見を伺う中で、明日決定を、決めさせていただきたい。その過程での話はこれからでありますので、私は、昨日はそういう全体の中で二週間程度ということを申し上げたということです。

#270
○礒崎哲史君 何か数字を見たり、若しくはこれまでの諮問委員会のデータなどを見て、これはやはり二週間というようなことを考えた、そういうエビデンスはありますか。

#271
○内閣総理大臣(菅義偉君) 当然、私自身も一都三県の知事ともそこは連絡して状況も伺っています。そして、専門家の先生方にも大体様子というものを伺っています。そういう中で判断をしました。
 先ほど、尾身会長がここの場で、二週間については適切じゃないかなという発言をしていただいたということも私にとって今は大変心強いなというふうに思っています。尾身会長には私お話ししていませんでしたけれども、ほかの専門家の人から情勢を、状況を収集する中で、まあそういういろんな意見があったということも事実です。

#272
○礒崎哲史君 まだ諮問委員会の前でもありますし、尾身会長もまだ個人的な考えということですから、委員会になればまた違う話も出てくるんだと思いますが、そういう意味では、二週間程度というふうに言われていますので、二週間を超えた期間を定めるという可能性も当然あるんだと思います。
 先日、関西地区ですとか、それから福岡含めて一か月を前に緊急事態宣言を解除するということをされました。であれば、今回も、例えば一か月という期間をもう一度定めて、その中でしっかりと低下をした段階で早めに解除するということも取り得るのではないかなと思いますが、こういった考えについては、何か総理、お考えありますでしょうか。

#273
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、先ほど来申し上げておりますけれども、当初目指したステージ3というその目標、これについて新規感染者は完全にクリアしています。そしてまた、その中で病院だけが逼迫的な、あっ、病床だけが逼迫的な状況にあります。そういう中で、やはりこの感染拡大防止を、収束をさせるためには、もう一度二週間程度国民の皆さんに制約の中で御協力をいただければ収束に向かうことができるのじゃないかなというふうに思ったということであります。

#274
○礒崎哲史君 総理、少し細かいことも含めてこうやって聞いているのは、さっき総理は、昨日の夜発表されたのは、早く考えを示してほしいという話も伺っていると、調整に時間が要るんだというお話されていました。一か月の延長が一月に発せられてから、あっ、一か月の緊急事態宣言が発せられてから、その後一か月の延長、そして今回また、これから正式に手続を取りますが、二週間の延長となって、二週間後また延長と言われたときの国民の気持ちです。早く言ってほしいということもあると同時に、早く収束してほしいという思いは全員一緒だと思うんですね。そういう中で、申し訳ないがまた延長ということを二週間後にもし言ったとしたならば、これはやはり気持ちの上ではかなり私はマイナスのイメージが募るのではないかと思いました。その観点で、広めに取って早くということを今お話を申し上げたわけですけれども。
 そうした国民の受け止めという観点で、いかが今お考えになっていますでしょうか。

#275
○内閣総理大臣(菅義偉君) 二週間延長する場合は、二週間たった時点で、その時点の状況に基づいて専門家の御意見を伺った上でやはりそこは総合的に判断をする、このようにこれ当然なるだろうというふうに思いますけれども、私自身の思いというのは、もう解除のところまで来ているんだと、しかし、病床の状況がまだ厳しい状況にある、そういう中で、そこは二週間の時間をいただければ改善をすることができると、そういう思いの中で判断をしたわけですけれども。
 そういう意味で、専門家の皆さんからいろんな御意見あろうかと思いますし、また知事の皆さんからもいろんな御意見があろうかというふうには思いますけれども。そういう意味で、ただ、御商売をやっている方にはまた御迷惑をお掛けするわけでありますので、タイミングとすればぎりぎりだったのではないかなというふうに思っています。

#276
○礒崎哲史君 諮問委員会はあしたかと思います。しっかりと様々な観点で御議論をいただいて最終的な結論を見出していただきたいと、そのように思います。
 それでは、通告の方に戻ります。
 二番目になりますが、今、首都圏の状況を中心にお話をさせていただきましたが、先ほども触れたとおり、既に緊急事態が解除された地域もございます。こうした地域も、さあ、じゃ、解除されてこれから様々な活動にということに気持ちが切り替わっていくと思うんですが、そうはいっても、気持ちとしてここの部分はしっかりと守ってもらいたい、ここの部分は少し、緩んでという言葉を使うといけないんですが、少し気持ちも新たにという、実際の経済的な活動あるいは生活面という観点において総理としてこれを皆さんにしっかりと守っていただきたいという、そういうメッセージをいただければと思いますが、いかがでしょうか。

#277
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私としましては、緊急事態宣言の下で、事業者の皆さんや国民の皆さんに大変な御労苦をお掛けしております。こうした皆さんの御協力によって、新規感染者数が八割以上、宣言以来、減少をしております。はっきりとした効果が見られている中で、一方、病院の逼迫状況については、かなり改善をされたものの、まだ厳しい状況にあるということも事実なんです。こうした中に二週間程度の延長が必要ではないかということを申し上げました。
 なお、政府としては、緊急事態宣言の解除後も引き続き高い緊張感を持って感染の再拡大を防ぐという、そこの方針の下に取り組んでいます。
 今御指摘をいただきましたが、既に解除された六の府県においては、例えば飲食店の営業時間が二十時から二十一時に緩和されるなど、飲食店の時間短縮やイベント開催制限等についてもこれ段階的に緩和をさせていただいております。
 そういう中で、国民の皆さんには、解除後であっても、この六府県を中心に、家族か少人数の会食をお願いする、そして、マスクの着用、手洗いなど、三密の回避、こうした基本的な感染対策の徹底というのをお願いさせていただきたいというふうに思っています。

#278
○礒崎哲史君 リバウンドの危険性含めて言われているところでもありますので、しっかりとそうした点も含めて発信を是非し続けていただきたい、そのように思います。
 厚労大臣にお伺いしたいんですけれども、今の総理のお話の中でも、やっぱり病床の逼迫というものが判断をするに当たっては非常に強いファクターの一つだというお話だったと思います。来週以降の重症患者に対します病床の確保、この考え方についてお伺いしたいと思います。

#279
○国務大臣(田村憲久君) 重症者だけではなくて、コロナ患者の皆様方のやはり病床、まだこれからも確保をいただく必要があるところたくさんあるわけであります。
 いろんなパッケージで最大一千九百五十万というお話よく総理されたんですけれども、あのパッケージの申請期限というのも二月いっぱいだったんですが、更にこれ延長させていただきまして、三月の十二日まで今延長をさせていただいております。でありますから、これからもまだ期限もありますので、申請をいただく中で病床を確保をしていただく、大変重要なことであろうというふうに思っておりますので、我々といたしましては、これからも各自治体に働きかけてまいりたいというふうに考えております。

#280
○礒崎哲史君 全国的には感染者の数が減っているということで、病床の使用率という数字としては余裕は出てきているんですけれども、その数字ではなくて、しっかりと絶対数は確保していくという取組を今後も続けていくという理解でよろしいですか。

#281
○国務大臣(田村憲久君) 地域によって事情は違うんだとは思います。今回、いろんな形で病床というものを考えたときに、役割分担と連携というものをやっぱりちゃんとやっていただく必要があるということを改めてそれぞれ都道府県と共有をさせていただきました。
 例えば、高度な医療機関、これは重症者を診ていただくということが多いと思います。それから、地域の中核病院が中等症の患者の方々を診ていただく。そして、それぞれで、もう症状は軽快したんだけれども、高齢者の方々が重症化、中等症化なりやすいものでありますから、そういう方々がなかなか御自宅や施設に戻れないということがございますので、もう新型コロナウイルスは軽快しているんだ、治っているんだけれども、いろんな理由で帰れない方々を、受皿的な医療機関、これは一般の医療機関でも対応いただける、しかも、もう既にコロナの感染のおそれはないので、そういう方々を受け入れていただくということで、これも一定の加算というものを増やさせていただいておりますので、そういうものを御利用いただきながら受けていく。
 つまり、役割分担の中で、それぞれの病床、コロナの病床をもっと回転を良くするということで、ある意味多くの患者の方々を受け入れていただくということもございますから、そういうことも含めて各都道府県に、まあいい結果というか、御苦労された東京や横浜や大阪の事例、こういう事例を横展開していくということを考えております。

#282
○礒崎哲史君 是非取組は続けていただきたいんですけれども、その一方で、この間、毎週、厚労省さんの方で病床についてはデータをしっかりと公表いただいているんですが、その数字拾ってみますと、昨年の年末から、特に重症者に関しては三千六百床からほとんど増えていないんですね。
 でも、取組期間として増やす努力はされてきたはずなんですが、データ上出てこないんですけれども、これは、増えない理由というのは何か具体的に、そういった要因分析のようなものはもうされていますでしょうか。

#283
○国務大臣(田村憲久君) 一つは、一番大変なところでありまして、病床だけじゃなくてマンパワーがどうしても必要になってまいります。そういう意味では、全く増えていないわけではないんですけれども、なかなか増えづらい。
 というのは、元々、確保病床というのがございまして、最大確保病床、その最大確保病床まで持っていくということも大変各自治体御苦労いただいたところでございますので、そういう意味で、最大確保病床のところで多分止まっているように見えるんだというふうに思いますが、実態は、即応病床的なすぐに入れる病床はあるんだけれども確保までは行っていなかったというのを、確保まで引き上げていただいてきたというのが今までの経緯であるというふうに考えております。

#284
○礒崎哲史君 今回、緊急事態宣言が解除が難しい状況になった最大の理由が病床の逼迫だということからすれば、やはりこの部分をしっかりと今後も強化をしていくという観点での活動は続けていただきたいと思いますし、やはり、なぜ増えないのかという原因がしっかりと分かった上で手を打たないと実効性がないと思いますのでね。半年前にPCR検査の数がなかなか増えないときに、前安倍総理も答弁なかなか困られていたようにも思いましたし、後の新聞報道では、総理自身も歯がゆい思いをされていたようなこともそこの特集記事には書いてありました。是非、この観点についてもしっかりと要因分析をして実効性高めていただきたいと、そのように思います。
 ちょっと時間の関係で順番を入れ替えまして、次のテーマに一度移らせていただければと思いますので、番号でいうと十二番の方に入ってまいりたいと思います。
 今回、国際標準化戦略ということでちょっと一つテーマを立てて質問をさせていただければと思っています。ちょっと取っ付きにくいものかもしれませんが、非常に重要な、実は身近で重要なテーマということで、この後、理解を深められるように質疑させていただきたいと思います。
 まず、総理にお伺いをいたします。
 総理の施政方針演説の中で、この標準化というキーワードに触れた記述がございました。この標準化、国際ルール、こういったものに対しましてどのような認識を総理自身お持ちでしょうか、お伺いします。

#285
○内閣総理大臣(菅義偉君) 企業が激しい国際競争の中でより優位な立場で国際市場を獲得をし、成長するに当たっては、標準化や国際化ルールというのは、ここは極めて重要だという認識を持っています。
 一方で、我が国の企業は技術力が高い、こう言われながらも、標準の戦略的、国際的な活用は他国の企業よりもこれは苦手である、こうも言われています。例えば、これまで、生活家電の評価規格など、国際標準が取れなかったために我が国企業の製品の国際的な普及が進まなかったという、もうこういう事例もあります。
 政府としては、官民で連携し、我が国の国際競争力、これにとって極めて重要な分野であります標準の戦略的、国際的な活用をここはしっかり獲得することが、主張し、実現することができるように戦略的に行っていきたい、このように思います。

#286
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
 少し技術的な話になってきたのかなというふうに受け止められる方も多いと思うんですが、もう少しこの後身近な事例でやり取りをさせていただければと思うんですが、ちょっと具体的な観点ということで経産大臣にお伺いをしたいんですけれども、この国際標準というのはそもそもどういうものなのかというのと、どういうプロセスで決まっていっているのか、その点について教えていただけますでしょうか。

#287
○国務大臣(梶山弘志君) 国際標準とは、国際市場における円滑な経済取引のために行う製品の品質、性能、安全性などに関する国際的な取決めのことであります。
 その形成過程から大きく分けて三種類ございます。まず、国際標準化機関が定めるデジュール標準。例えば、Suicaなどの国内のICカードに採用されている通信方式であるFeliCaというものであります。次に、関心のある企業が集まって作成するフォーラム標準。これは、スマートフォンとワイヤレスイヤホンなどを接続する通信方式のことということで、ブルートゥースなどがあります。最後に、個別企業等の標準が市場の取捨選択、淘汰によって支配的になるデファクト標準。例えば、これは世界の大半のパソコンに入っているウィンドウズがあります。
 国際標準化機関には、電気及び電子技術に関する国際電気標準会議、IECや、そうした分野以外を広く担当する国際標準化機構、ISOなどがあり、それぞれ一か国一機関の参加が認められているところであります。ISOやIECの国際標準は、新規提案、その検討の承認を経て、専門家による技術委員会で企画案を作成し、一か国一票の投票によって決定をいたします。
 なお、ISOやIECの日本の代表機関は、閣議了解に基づいて、経済産業省が事務局を務める日本産業標準調査会が担当しております。

#288
○礒崎哲史君 ありがとうございます。(資料提示)
 身近なところでいうと、多分Suicaなんというのは皆さん使われているかと思います。八年、九年ぐらい前はJR東日本でしか使えなかったんですよね。これが全国的に各地のJRで使えるようになっていったというのは、実は十年もたっていないと思います。実は私たちの身近なものにこういう規格があって、存在していて、これが整うことによって生活自体が便利になってくると、こういう観点でもあろうかというふうに思います。
 あわせて、この一国一票を持った上で投票して決めていくということですので、いかにこの国際的な会議の場でしっかりと日本がその存在感を示しながら、また意見をしていくかということも大変重要な観点かというふうに思うんですが、その今お話をいただきましたけれども、では、そういう取組を様々これまでされてきたと思いますけれども、課題認識ですね、この標準化を進めていく上での課題認識と、その課題を解決するための改善策に取り組んでこられたと思いますので、この点について経産大臣に御説明をいただきたいと思います。

#289
○国務大臣(梶山弘志君) 日本の企業が保有する技術、製品、サービスを世界に普及させるためには、その複雑化する価値をユーザーに分かりやすく伝えたり、様々な国の企業による製品を円滑に組み合わせて提供したりする必要があることから、社会実装に必要な基準を作り、国際標準化することが大変重要であると考えております。
 例えば、皆さんがお持ちであると思いますスマートフォンのガラスにも国際標準が関わっております。ガラス強度の評価方法を国際標準化したことで日本企業が保有する高品質のガラスが適正に国際市場で評価されるようになり、市場拡大につながっております。
 他方、これまで多くの日本企業は技術力と営業力を両輪として市場競争を勝ち抜いてきたものの、必ずしも国際標準を戦略的に活用した技術の普及にたけているとは言えず、技術で勝って事業で負けるという事態を引き起こしているとの指摘もあると認識をしております。
 そこで、経済産業省では、産業界等の代表者の方々と懇談会を開催をし、標準を活用した取組の一層の強化を呼びかけるとともに、各企業に標準化戦略の担当役員を置くことを推奨し、経営課題として標準化を捉えてもらうための組織体制の構築を促しているところであります。特に、政府として支援すべき多くの日本企業に裨益することが期待される国際標準化のテーマにつきましては、集中的な予算支援を実施するなどとしております。
 今後も、日本企業の標準化の取組を後押しするために関係府省庁と連携して政策を実行してまいりたいと考えております。

#290
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
 今の中でも、具体的な事例も含めて御紹介いただきました。大体こういう話すると成功事例が多いんですが、是非皆さんに失敗事例も知っていただきたいなと思いまして、ちょっと経産省さんの方にお願いして、今日、失敗事例と成功事例御紹介いただくことをお願いしていますので、この点について御説明お願いします。

#291
○政府参考人(萩原崇弘君) お答え申し上げます。
 日本が国際標準化を戦略的に行った成功事例の方から御紹介をしたいところでございますけれども、二〇一四年に成立をいたしました利用者の体をアシストするサービスロボットの安全性に関する国際規格が挙げられると思います。これ、医療や介護の分野でいわゆるロボットスーツとして活躍しているサービスロボットでございますけれども、産業用ロボットと異なりまして、産業用ロボットは安全用の柵により人と隔離されておりますので、人が装着した場合には高い安全性が必要になるということでございます。そのため、開発した企業や団体は、研究開発と並行して安全基準の国際標準化を進めることによりまして新たな市場を早期につくり出すことに成功いたしまして、国際標準化が成立した後、五年で四倍以上の売上げが拡大しております。
 次に、失敗事例でございますけれども、日本の利害を反映した国際標準化はなかなか実現できなかった事例も正直ございます。
 例えば、家庭用の冷蔵庫の消費電力量の試験方法に関する国際規格が挙げられると思います。この国際規格につきましてはヨーロッパ主導であったことから、ヨーロッパは試験の再現性を非常に重視をしておりまして、冷蔵庫の扉を開けない形で消費電力を測る試験でございました。その結果、日本が得意としている省エネタイプの冷蔵庫の評価が相対的に低くなるということで、アジアでのシェアの伸び悩みの原因となってございました。そのため、日本は、同じく高温多湿の気候でございますASEAN各国とも連携をいたしまして、扉を開閉しながら消費電力を、消費電力量を測る試験方法に変更するように国際標準化機関に働きかけをいたしまして、時間は掛かりましたけれども、二〇一五年に改正にこぎ着けました。
 このように国際標準化はやり直しが可能である一方でそれには相当な時間とコストが掛かることから、常に各国の国際標準化の動向を注視しながら、同じ立場の諸外国と連携しつつ取り組むことが重要だと考えてございます。

#292
○礒崎哲史君 冷蔵庫の開け閉めにもそういった背景があってということで、今教えていただきました。
 ちょっと一つ質問飛ばすんですけれども、今ずっと、その経産省さんとのやり取りとか製品系のものでずっと、工業製品物で話を進めてきたんですが、実はそれ以外にも様々なこうした国際ルールがございますので、ちょっと今日は具体的な事例、例えばそのサービスですとかシステムといった観点でその各省の取組について伺いたいと思います。
 ほとんどの省庁が関係してしまうんですが、今日は代表して国交省、農水省、環境省の三省に具体的な事例、御説明をいただきたいと思います。

#293
○国務大臣(赤羽一嘉君) 我が省はインフラ、交通など大変多くの分野所管しておりまして、様々国際標準、大変重要な案件でありますが、ちょっと何点か代表的にお話しさせていただきます。
 まず、海事の世界では、国際海事機関、IMOで例えば温室効果ガスの排出ゼロ船舶の導入促進、あっ、普及を促進する際に、これは国際ルールの整備が必要な状況でありまして、今、日本、代表してこれ我が国の標準化ができるようにという取組を進めております。
 また、建築、土木分野におきましても、最近、三次元データを使っての建設現場が増えておりますので、そうしたデータの国際標準化ということで、ビルディングスマートインターナショナルという組織を通じながら、我が国が主導的に、国際土木委員会というものを設置しまして、そこからの働きかけで、これはちょっと前になりますが、二〇一三年、建築分野でISO16739を獲得することができたところでございます。
 ちなみに、土木分野、これは道路、橋梁、トンネル、港湾、鉄道についての標準化について今ワーキング中でございます。
 また、少しちょっと肌色違いますが、今アジアとのいろいろな交流をしておりますと、スマートシティーということの要望がすごく強いわけでありますが、なかなかこれ、スマートシティーといっても非常に概念が広くて、どういうことをやっている、アプローチの仕方っていろいろあるんですが、例えば日ASEANスマートシティ・ネットワークハイレベル会合ですとか、アジアEST地域フォーラム、こうした大きな国際会議の中でセミナーを主催して我が国のスマートシティーに係る技術力を売り込んで、売り込みと同時に、ちょっと表現はあれですけど、標準化のためのロビー活動、やっぱり政治的なアプローチと技術力のやはり二本柱が必要だというふうに感じております。大変難しい取組でもありますが、これは、資源がない我が国にとってはこのことをやるというのは非常に重要だというふうに思っておりますので、しっかりこれからも続けて取組を進めていきたいと、こう思っております。

#294
○国務大臣(野上浩太郎君) 農林水産物・食品分野におきます世界標準、主なものとしましては、ISOが定めるISO規格ですとか、あるいはFAO、WHOによって設立されました政府間機関でありますコーデックス委員会が定めるコーデックス規格がございます。
 具体的には、ISO規格としましては、食品安全管理の体制に関する食品安全マネジメントシステムの規格ですとか、あるいは、コーデックス規格として、食品に使用される添加物の最大使用量の規格などが存在をいたしております。
 また、例えば今後、例えば欧州では魚の鮮度が見た目で評価をされまして、日本のこの生け締めの魚というのは魚体に傷があるということだけで低評価になってしまうということなどもあって、科学的な鮮度評価指標でありますK値というものを用いて生鮮魚介類の鮮度評価法のISO規格の検討などもしているところでございますが、いずれにしても、日本の事業者に合った基準やルールを世界の共通の規格にしまして、国際標準化を積極的に進めることによりまして日本の事業者が世界で活動しやすい環境をつくって、日本の農林水産物・食品の国際競争力を高めてまいりたいと考えております。

#295
○国務大臣(小泉進次郎君) 環境に関する国際規格を御紹介させていただきます。
 例えば、企業の環境マネジメントシステムの仕様を定めたISO14001や、製品、サービスの環境側面を評価して表示する環境ラベルの仕様を定めたISO14020シリーズなどあります。ISO14001は企業の環境経営の指針として定着しており、日本では現在約一万三千の組織が認証を取得をしています。
 環境省では、ISO14001を参考として、中小事業者向けの環境マネジメントシステム、エコアクション21ガイドラインを策定をしています。また、エコマークに代表されるようなISO14020シリーズに準拠して民間団体が認証している環境ラベルは製品の環境性能を判断するために有効であり、環境省でもグリーン購入法に適合する製品の確認方法として活用しているところであります。

#296
○礒崎哲史君 今それぞれ大臣から御説明をいただきました。今の環境省のものもそうですし、食品もそうですが、政府調達のものですとかそうしたものって、やっぱりこういう国際ルールに準拠しているかどうか、準じているかどうかというのが実はその取引の重要な要素の一つになっていまして、こういうものに適合していないとそもそも取引から除外されるという形になります。極めて国益に対して影響の大きい分野であるということを、これまず一つ考え方としてはお伝えをしておくべきことだなというふうに思っています。
 それで、環境大臣にもう一つお伺いをしたいんですが、今、グリーン社会ということで、の実現ということで、政府として二〇五〇年カーボンニュートラル、温室効果ガスの排出、二〇五〇年の実質ゼロを宣言されているわけですけれども、例えばこのCO2の排出量に関して国際的な標準、国際ルールというものがどうなっているんでしょうか、お伺いしたいと思います。

#297
○国務大臣(小泉進次郎君) 今、礒崎委員がお尋ねのCO2、これに関しては、CO2を含む温室効果ガスの排出・吸収量の算定は気候変動に関する政府間パネル、IPCCのガイドラインに基づいて行うこととされており、このガイドラインは最新の科学的知見を基に改訂が重ねられています。
 各国はこのIPCCガイドラインに従って、温室効果ガスが実際に排出された国ごとに計上を行っています。例えば製品のライフサイクルで考えると、製造時の排出は製造した国が、廃棄時の排出は廃棄された国での排出量となります。
 ガイドラインの開発、改良を担当しているIPCCインベントリータスクフォースの技術支援ユニットはこの日本に設置をされており、この分野における日本の貢献は世界的にも認められているところでもあります。
 引き続き、最新の知見を基にした温室効果ガス排出・吸収量の算定手法の改善に日本として積極的に貢献をしていきたいと思います。

#298
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
 このCO2排出量、グリーン化の中でこの発表をされたときに、新聞各社では結構、自動車の電動化をどうするということが結構記事になって大きく取り扱われたことがございました。最終的には、その二〇三五年の電動化であったり、あるいは二〇五〇年の目標値というものが今目指す方向性として示されているんですが、このときに一つちょっと考えておくべきことがありまして。
 というのは、今環境大臣がお話しされたとおり、作ったところでどれぐらい出たか、廃棄をしたところでどれぐらいそこでCO2が出たかというふうにカウントをすることになっているんですが、例えばこの透明なパネルも、これ日本国内で作っていれば全部日本でカウントすればいいんですが、海外でこれを作って今、日本に輸入してここで使っているとすると、それを作った国でCO2をカウントするのがいいのか、日本側で使っているんだから日本でカウントすればいいのかというような、こういう観点が出てきます。
 その意味で、自動車、ライフサイクルアセスメントといって、LCAというんですが、自動車に関して二〇三五、二〇五〇という二つの目標値が今出てきているわけですけれども、このLCAの観点で立ったときに、この二〇三五、二〇五〇のそれぞれの目標値、自動車に関してはどのように理解をしておけばいいのか、教えてください。

#299
○国務大臣(梶山弘志君) 政府としましては、二〇三五年までに乗用車の新車販売で電動率一〇〇%を実現をする、そして二〇五〇年に自動車の生産、利用、廃棄を通じたCO2ゼロを目指すこととしております。
 委員御指摘のとおり、CO2排出量については、自動車の走行時だけではなくて、生産、利用、廃棄の全体で評価するLCA、ライフサイクルアセスメントが世界的な潮流になりつつあります。例えば欧州では、電動車の基幹部品である電池について生産、利用、廃棄の全体でのCO2排出量の評価、原料調達、調達した原料についても児童労働の有無などの倫理的問題の評価がありますし、また生産のところでも、電気を使う、電力を使った場合にその電力の由来も含めてCO2の排出量なども考えていくというルールが検討されているところであります。
 我が国の自動車産業が引き続き国際競争力を維持していくために、こうした国際的な動きも十分に踏まえた上で、関係業界の皆様の御意見を丁寧にお伺いしながら、必要なルール整備や標準化などについてしっかりと検討してまいりたいと考えております。

#300
○礒崎哲史君 この考え方をどのように取りまとめるかは、サプライチェーン含めて産業構造にも大きく関わる点になってまいりますので、ちょっと今日は論点が異なりますのでこれ以上は話進めませんけれども、また別の機会に質疑をさせていただきたいと思います。
 今それぞれ大臣からいろいろなお話を聞かせていただいたところで、もうありとあらゆる省、ありとあらゆるところと関係をしているということは御理解いただけたというふうに思います。今回、その分野横断的に全体を統括できる組織としてタスクフォースが設立されております。タスクフォースの設立の目的とその目指すべきアウトプットについて伺いたいと思います。

#301
○国務大臣(井上信治君) 高度化、複雑化した現代の社会システムにおいては、例えばスマートシティーなど分野横断的な複合システムによる社会課題の解決が求められる傾向にあります。また、そうした社会課題の解決に向けた新たな市場をめぐって激しい国際競争が行われることとなります。こうした分野横断的な社会課題の解決を図り、我が国企業が新たな市場を獲得していくためには、俯瞰的な視点から分野横断的に、戦略的、国際的な標準活用を進めていく必要があります。
 このため、関係省庁が統一的な全体方針を共有して戦略的、国際的な標準活用が進められるよう、今般、政府として、関係閣僚をメンバーとする統合イノベーション戦略推進会議の下に標準活用推進タスクフォースを設けて体制を整えました。このタスクフォースでは、スマートシティーやビヨンド5Gなど、特に省庁横断的に重点的に取り組むべき分野について、諸外国の官民の取組、ビジネスや先端技術の動向など国際競争環境を分析しつつ、我が国として標準の戦略的な活用を進めてまいります。
 また、動きが速い国際競争環境の状況などに応じて重点分野における関係省庁の取組に対して予算を追加的に配分することにより、施策の効果も高めてまいります。

#302
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
 かなり専門的な知識も必要であったり、あるいは国際的な交渉をしていくということから、人材がかなりこの活動をしていく上では鍵というふうに考えております。
 その意味で、人材不足が今、実はこの業界も言われておりまして、この人材の育成、この人材不足に対する対応策、どのように考えておられるでしょうか、お伺いしたいと思います。

#303
○国務大臣(井上信治君) 我が国の民間企業では、標準活動は自社の利益に対して限定的な貢献しかなく、外部経済性が高いものと意識されており、企業内で標準に携わる人材も不足している傾向にあるとの指摘があると認識しております。
 このため、官民で連携して標準に携わる人材確保の重要性に対する意識を高めていくことや、重点的な分野における研究開発プロジェクトや国際会議への参加などを通じて実践的に人材育成を図ることなどの取組を進めてまいります。
 また、民間企業において、社内人材の育成、確保のみならず、標準活動にたけた政府系の研究開発機関や民間のコンサルなどの人材の活用を促進する環境についても整備してまいります。

#304
○礒崎哲史君 ちょっとお時間の関係がありますので少し飛ばさせていただいて。
 今回、タスクフォースもできました。来年度の予算、また今年度の補正予算の中でのこの標準化に関する総額とその内訳について御説明いただきたいと思います。

#305
○国務大臣(井上信治君) 内閣府としては、知的財産戦略推進事務局が政府全体の標準活用政策の司令塔機能を果たすよう、令和二年度補正予算及び令和三年度予算案で、合わせて、省庁横断で取り組む重点分野において標準活用戦略を整備するための予算として約二・六億円、専門人材の派遣、国際交渉、試験設備導入などの標準活用費用を関係省庁の施策に加える予算として十億円を計上しております。
 また、標準活用推進タスクフォースに参加している関係省庁を含めると、標準活用に係る予算として、令和二年度補正予算と令和三年度予算案で合わせて約百二十億円計上をされております。
 内閣府として、戦略の整備や人材、費用など、令和四年度以降も必要な予算の確保に努めてまいります。

#306
○礒崎哲史君 以前からこの分野は注目してきましたけれども、大体、これまでの予算の中身でいきますと調査研究費用というのがほとんどでして、なかなか人材育成という部分に焦点が当たっていませんでした。
 これまでお話をさせていただいてきましたが、かなり専門的でもありますし、交渉をしないといけないということから、やはり国際ルール作りをリードしていくための、そのための人材をしっかりと育てていくということ、これは私は国益、将来の国益につながっていくまさに将来への投資だと、そのように考えております。
 個人的には、この予算もっと上げてくださいというのが個人的な思いではありますけれども、この分野に限らず、将来的な国益に資するそうした人材育成、投資の重要性という観点で総理にお話を伺いたい。また、経営者としての御経験もございます麻生財務大臣にも御所見を賜れれば幸いでございます。よろしくお願いいたします。

#307
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今いろいろ御指摘をいただきましたとおり、我が国に標準化の国際交渉をリードしていける人材が不足しているということはおっしゃるとおりだというふうに思います。標準の分野で国際的に活躍できる人材を育成することは、我が国産業の国際協力のまさに向上の観点から、未来への投資であることは間違いないというふうに思います。
 これまで、国際標準化人材育成講座などの人材育成の取組をしっかりと進めるとともに、さらに、研究開発現場での人材育成を進めるなど、官民が連携してしっかり進めていきたいというふうには思います。
 それと同時に、やはり縦割りの中でばらついているところもありますので、そうしたものも集約しながら進めていきたい、このように思います。

#308
○国務大臣(麻生太郎君) 今、国際語といったら多分英語ということになるんだと思いますが、じゃ、英語ができるやつはみんなそんな才能があるかというと、全然関係ないです。英語ができる人たちだけというのは大体そういうことはできない人が多いのが現実ですから。
 そういった意味では、言葉を覚えりゃ全てできるみたいな勘違いはしないことで、なるべくそういったいろいろなところで仕事を一緒にする、それが一番最も手早く慣れるので、六十だ八十になってからはやめた方がいいですけど、もっと早いところからやらせた方がいいんで、役所でも今努めて、若いうちから国際金融機関等々に努めて出向させるようにはいたしてはおります。

#309
○礒崎哲史君 本当は人材育成で文科大臣にもお伺いしたいことがありましたが、また次の機会にさせていただきます。
 ありがとうございました。

#310
○委員長(山本順三君) 以上で礒崎哲史君の質疑は終了しました。(拍手)
    ─────────────

#311
○委員長(山本順三君) 次に、田村智子さんの質疑を行います。田村智子さん。

#312
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 総務省接待問題についてお聞きします。
 内閣広報官だった山田氏及び谷脇総務審議官がNTTから高額な接待を受けていたと報じられ、谷脇氏は事実と認めました。
 総理、三月一日に山田氏が辞任をしたとき、このことは御存じでしたか。

#313
○内閣総理大臣(菅義偉君) 承知していませんでした。

#314
○田村智子君 これ、報道した週刊文春は、内閣広報室や総務省を通じて事実確認を質問、事実確認の質問をしたが、回答を得られなかったとしているんですね。
 これ、東北新社による総務省接待が大問題になっているさなかのことですよ。当然、総理の耳に入っていたと思うんですけど、全く知らなかったんですか。

#315
○内閣総理大臣(菅義偉君) 承知しておりませんでした。

#316
○田村智子君 これ、内閣府もどうなっているんですかね。
 これ、山田氏が退院されましたら、事実確認は当然行いますね。

#317
○国務大臣(加藤勝信君) いや、もう既に退任されておりますので、当方から事実確認する立場にはないというふうに思っております。

#318
○田村智子君 なぜ事実確認されないんですか。

#319
○国務大臣(加藤勝信君) いや、もう既に退任されて、いわゆる一般の方になっているわけでありますから、政府からそうしたことについて確認する、政府側がですね、そうした立場にはないということであります。

#320
○田村智子君 総理、それでは菅政権はこういう接待問題の究明をする立場にないということになりますよ。いかがですか。

#321
○内閣総理大臣(菅義偉君) そこはルールに基づいてしっかり対応しています。

#322
○田村智子君 じゃ、先に谷脇参考人にお聞きします。
 二〇一八年に二回、二〇二〇年に一回、NTT社長などから接待を受けたんですね。

#323
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 まずもって、国民の皆様に更なる疑念を抱かせることになった点を深く反省し、またおわびを申し上げたいと思います。
 今委員御指摘の週刊誌で報道されておりますNTTとの三回にわたる会食でございますけれども、そのような会合があったというふうに認識をしております。
 ただ、先方の出席者や飲食代の具体的な金額などについては先方に確認する必要があるものと認識しておりまして、現在、大臣官房において事実関係の確認をしているというふうに承知をしております。

#324
○田村智子君 誰から会食の連絡を受けたんですか。

#325
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 私の場合、報道されております三つの件でございますけれども、一件目と二件目、すなわち二〇一八年の件につきましては、NTTからそういった御案内があったと記憶しております。それから、三回目でございますけれども、こちらについては、共通の知人でございます、また会合にも出席しておりました共通の知人、民間の方でございますけれども、から御連絡があったと記憶しております。
 なお、この辺の事実関係も大臣官房において確定をさせていくことになるんだというふうに理解しております。

#326
○田村智子君 二〇一八年、NTTのどなたから、どこからですか。

#327
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 直接私が御案内をいただいたというふうには考えておりませんで、私に付いております職員に宛ててだというふうに思います。
 ただ、これもまだ曖昧な部分もございますので、大臣官房での調査を待つ必要があると考えております。

#328
○田村智子君 御自身のことですからね、ちゃんとお答えください。
 その会食の目的は何だったんですか。

#329
○参考人(谷脇康彦君) 懇親と、それから情報通信関係全般にわたる意見交換でございました。

#330
○田村智子君 NTTからこれ以外に会食、接待を受けたことはありませんか。

#331
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 通信関係、通信事業者の方と会食をすることはほかにもございました。その部分も含めて、公務員倫理法に抵触するものがあったのかなかったのかという点を大臣官房において今改めて精査をしているというふうに理解しております。

#332
○田村智子君 これ東北新社の問題で、これ以外に倫理規程に反する会食はないということを繰り返し答弁されていたんですけれども、これ報道を読めば、これ明らかに倫理規程に反する、そういう接待だったと言わざるを得ないですよね。虚偽答弁だったんじゃないんですか。

#333
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 今回報道されております会食三件につきましては、先方の申出に応じて、先方の提示された金額について負担を行ったと思います。したがいまして、倫理法には抵触しないものと認識をして大臣官房には報告をしていなかったところでございます。
 ただ、今回の報告、失礼しました、報道も踏まえまして、他の会食も含めて大臣官房における調査において明らかにされていくものというふうに考えております。

#334
○田村智子君 明らかに五千円超えているでしょう。
 そうすると、そんな認識だと、ほかの事業者とも倫理規程に反するような、その疑いがあるような会食や接待あったんじゃないんですか。過去にブログで会食のことまでいろいろ書かれていらっしゃいますよね。これ見直して全部調べ直した方がいいんじゃないんですか。

#335
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 私は調査を受けている当事者でございますので、大臣官房において主体的に調査が行われるというふうに理解しております。

#336
○田村智子君 本件について総務省からの報告を本委員会に行うことを求めます。

#337
○委員長(山本順三君) 後日理事会において協議をいたします。

#338
○田村智子君 総理にお聞きします。
 これ、また虚偽答弁だった疑いがあるんですよ。東北新社による接待も、音声が報道されて、倫理規程違反の接待が繰り返されたことをやっと認められたんですよ。しかし、高額接待はまだ隠されていた可能性、極めて、極めてこれもう濃厚ですね。そうすると、この総務省の調査ではもう限界なんじゃないですか。政権としてどうされますか。

#339
○内閣総理大臣(菅義偉君) 武田大臣の下で総務省として徹底して調査をされる、こういうように思います。

#340
○田村智子君 あのね、人ごとじゃ駄目だと思いますよ。
 携帯料金値下げというのは菅政権の、菅総理の目玉政策ですよね。谷脇氏は言わばその推進力のような役割を果たしておられた。直接の利害関係者であるNTTから高額の接待を受けていたと。これ、またも、ばれなければいいんだといって隠してしまう。これ、国会で答弁が、また虚偽が繰り返される。これはやっぱり総理として、もっとちゃんとどう責任取っていくのか、どう究明するのか、その姿勢示すべきなんじゃないですか。

#341
○内閣総理大臣(菅義偉君) 総務省において既に調査を開始したと承知しており、事実関係の確認を徹底し、ルールにのっとってしっかり対応してもらいたい、こう思います。

#342
○田村智子君 これ、谷脇総務審議官、もう一点お聞きしたいんですが、総理に、このままその任に就けるんですか。

#343
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今まだ調査をしている段階じゃないでしょうか。

#344
○田村智子君 総務省は放送、通信などの許認可権限を持ちますよね。その政策というのは事業者の経営に対して直接の影響を与えますよ。まして、デジタル化だ、そして今、今言ったその携帯料金の値下げだと、まさに政権の目玉政策を今まさに進めようとしているわけですよ。
 そのときに、事業者との会食、接待が異常なまでに行われ、常態化をしている。問題になっても隠す。国会で虚偽の答弁がまかり通らされてしまう。極めて深刻な事態だと思いますが、それはお認めになりますよね。

#345
○内閣総理大臣(菅義偉君) 総務省において、倫理審査委員会の指導の下に徹底して調査をしているというふうに思います。

#346
○田村智子君 これは、もう菅政権としてはこのずぶずぶの事業者との関係、まともに究明するつもりがないのかと、こう言わざるを得ないんですよ。元々、お友達の政治家が事業者を優遇するなんという政治は、政治家から省庁に持ち込まれてきたという経緯もありますからね。これで霞が関がどんどん壊されていく。これを私たちこのままにしておくわけにはいきませんよ。是非これ、接待した側も国会に来ていただかなければならないと思います。菅政権、まともに調べるつもり示さないんだもの、総理が。
 東北新社の接待についても、菅正剛氏ら東北新社関係者の国会招致、また、NTTの社長ら谷脇審議官に接待を行った関係者、国会招致を求めます。

#347
○委員長(山本順三君) 後刻理事会において協議をいたします。

#348
○田村智子君 では、コロナの問題で質問いたします。
 首都圏の緊急事態宣言は二週間程度の延長ということで、午前の委員会でも、総理はその理由として医療の逼迫を挙げられました。宣言の解除に向けて、国民に協力をお願いするだけでなく、感染の波を起こさないために、検査をどうするのか、医療体制をどう強化するのか、政府の責任こそが問われていると私は思います。特に、第三波で起きてしまった医療崩壊を二度と繰り返さないために、今でき得る検証と対策を取るべきだと考えます。
 十二月と一月、医療機関で何が起きたのか、私も関係者の方からオンラインでお話を伺いました。軽症、中等症の患者を受け入れていた病院では、状態悪化した患者を転院させることができなかった。クラスターが発生した老人保健施設、酸素吸入が必要となっても患者の入院先が見付からない。悪化しても呼吸器を装着しないという前提ならばと、これで病院がやっと見付かって、家族の了解も得て搬送したと。あるいは、年末年始で御遺体を搬送することができなくて、看護師の方が御遺体が並んだ部屋で何日もドライアイスでその御遺体を冷やし続けたと。野戦病院と言う意味が分かりますかというふうに言われました。
 そして、病院が足りない、呼吸器が足りない、救える命が救えなかった、この新型コロナの患者だけでなく、がんの手術ができないままとか、救急搬送先が決まらないとか、こうやって命を落としてしまった方もおられたと。こういうお話を伺った後で、この医療関係者の方、こう言われたんです。政府は医療崩壊がなぜ起きたと、その原因どう考えているのか、検証をどうするのか。
 総理、是非お答えください。

#349
○国務大臣(田村憲久君) 医療崩壊という定義をどういうふうに捉えるかというのは我々明確に持っていないんですが、ただ、おっしゃられるとおり、新型コロナウイルス患者を受け入れていただいておられる医療機関において、いろんな医療、制約受けたというのは確かに我々も事実として確認いたしております。
 例えば、そこの患者が増えてきたことによって、言われるとおり、他の専門医療に影響が与えられた、救急医療に影響が与えられた、一方で、新型コロナ感染症の患者を受け入れておられない医療機関においてはいろんな対応はされておられたということでございますので、やはり一部の医療機関においてそういう問題があり、それによって御迷惑を被られた国民の皆様方もおられたということであろうと思います。
 一番の問題は、役割分担、連携というものがしっかりできていなかったというところ、我々も反省いたしております。例えば、重症化、もうある程度コロナの方は重症化から治っているわけですけれども、それを転院させられる先がないために重症化病床が埋まり続ける、それによって重い方々が行けない。本当を言うと、そういう方々は中等症に移すか、もう回復されておられるのならば受皿の医療機関に移す、こういうことをやっていかなければならなかったんですが、ということで、東京も横浜も大阪もそういうことを、後半でありますけれども、いろいろと政府と話をさせていただく中において対応いただきました。
 そういうような、いろんなことを学ばれた、我々も学ばさせていただいたことをこれから横展開、全国に広げていく中において、ある病床というものは一定程度限られております。大きな病院、高度な病院は例えば重症化の患者の方々は診られる、しかし、中等症は基幹病院である、ある程度中核病院、そして一般の病院は受皿になる。こういうような役割分担等々を含めてしっかりと、次、波を起こさせないというのが一番でありますけど、我々、最悪の場合も想定しなきゃなりませんので、そういう場合にどのような形で病床を確保していくか、こういうことをこれから都道府県等と話合いをさせていただきながら準備をさせていただきたいというふうに考えております。

#350
○田村智子君 一点確認したいんですけど、国や自治体が新型コロナ患者の受入れを要請してもこれに応えない医療機関は病院名を公表するという特措法の改定が行われたんですけれども、じゃ、患者の受入れが可能なのにやらなかった医療機関が幾つもあって、それが医療崩壊の原因だというような考え方を持っているんですか。

#351
○国務大臣(田村憲久君) 何度もこれも申し上げておりますけれども、全くもって、いきなりそのような形で公表なんてするつもりも全くありません。
 協力が主体でございまして、御協力をいただくためにはふだんから、日頃からそういうような体制を組んでいかなきゃなりません。協議会等々今おつくりをいただいておりますが、そういうものも含めて、そのような形でふだんから、もし感染が拡大したときのためのいろんな準備をさせていただくということが前提でございますので、公表というものを前提に考えておるわけではございません。どうかその点は御理解をいただきまするようお願いいたしたいと思います。

#352
○田村智子君 受け入れられるのに受け入れられない病院があったのが医療崩壊の原因だと考えているのかと聞いているんです。

#353
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど申し上げましたが、まず医療崩壊という定義はしっかりしておりませんので、そのような我々確かなものは持っておりませんが、あのような大変な逼迫状況を生んだのは役割分担をちゃんとできていなかったというところでございます。
 コロナ患者を受け入れられない規模の医療機関、感染防護ができないようなノウハウのない医療機関、それはあるのも確かであって、いきなりそこに受け入れていただければ、そこでクラスターが起こります。しかし、一方で回復した方をそこで受け入れていただくということはできたわけでございまして、そういうことを次に向かってしっかりと準備をさせていただきたいというふうに考えております。

#354
○田村智子君 民間医療機関に責任を押し付けるような議論というのは違うと思うんですよね。
 これ、受入れ可能な病院は既に患者を受け入れて、他の医療機関はコロナ対応に看護師を派遣したり、コロナ以外の患者の転院の受入れやったり、救急搬送を受け入れたり、発熱外来担ったり、そうやって地域医療全体で新型コロナに立ち向かってきた、それでも医療崩壊起きちゃったというのが実態だと思うんですよ。
 昨年十二月、総理は突如、コロナ受入れ病床に対して補助を上乗せする、新たな受入れをしてほしいと昨年十二月に医療機関に呼びかけを行った。しかし、国際医療センター病院の忽那医師は、恐らく第一波の緊急事態宣言の後など流行が落ち着いている時点で行政が主導してそうした備えをしておくことが必要だったのだろうと、今更言ってもどうしようもありませんと、苦痛の思いで指摘されていますよね。
 第一波、第二波で医療機関が経営難に陥った、そのときにすぐに減収補填をして、さらにコロナ対応への医療機関には上乗せでお金を届けて、新たな受入れができるように医療従事者への研修も行って、地域医療全体で新型コロナウイルスの患者の受入れの準備を政府が主導して強力に進めるべきだったと、私はそう思うんですけど、いかがでしょう。

#355
○国務大臣(田村憲久君) もう既に一次、二次補正で三・二兆円ほどこれはお金を準備して、いろんな形で対応させていただいております。
 そういう意味では、減収補填という意味がどういう意味でおっしゃっておられるのかよく分かりませんが、当然、コロナ対応していただければその分掛かるんです、いろんなものは。去年よりもいろんなことが掛かるのは当たり前であって、そういうものも含めてそれぞれの交付金の中でいろんな対応をさせていただき、交付金の執行がなかなか遅いというお話もございましたので、この三次補正等々、予備費も含めてでありますけれども、直接国の方から補助金で入れるというようなものもメニューとして準備させていただいて、それもいろんな形で今対応をいただいておるということであります。

#356
○田村智子君 だから、減収補填やって、その上でコロナ対応のお金を上乗せで出せばよかったんですよ。
 四兆円積んだという、そういう答弁を私たち何度も聞いてきて、その大部分は緊急包括支援交付金ですよね。では、都道府県への交付額、あっ、総額ですね、それから都道府県の交付額、医療機関からの申請額、そして医療機関に届いた額、それぞれ幾らですか。

#357
○国務大臣(田村憲久君) 二・八兆円分でございます。これが言うなれば今年度分という形でありまして、そのうち一・六兆円が申請額でありまして、交付額一・三兆円、八割を交付させていただいております。
 これ以外に、年末からの例の最大一千九百五十万円、これは国が直接お支払をするものでありますけど、こういうメニューで、この年末年始急激に感染者が増えた中で早急に病床を何とかお願いをいたしたいということでございまして、確保病床の中にも、実は即応病床で確保はしているんだけど確保病床までなかなか手が届かないというところも、こういうようなお金を使っていただいて急遽対応していただいたということであります。

#358
○田村智子君 これ今、第三次補正の額入れなかったんですけど、第三次補正まで入れると三・八兆円超えるんですね。ところが、医療機関に届いたのは僅か三二%、三三%ですね、約。しかも、直近のこの交付決定の資料には二つの注意書きがありますね。これ説明してください。

#359
○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 当該資料、これは、令和二年度新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金、これ医療分、変更交付決定額一覧という資料でございます。これは国から都道府県に対しまして交付決定した金額を掲載したものでございます。
 そこには都道府県の申請額につきまして二つ、御指摘のとおり注意書きがございます。まず一点目ですが、埼玉県、神奈川県、奈良県は、今回変更交付申請がないため、便宜的に交付決定、失礼しました、変更交付決定額欄は既交付決定額と同額を置いている、これが一点目です。二点目、岩手県、千葉県、愛知県、京都府、大阪府は、減額の変更交付申請のため、今後、順次減額の交付決定手続を別途行うことという二つの注意書き、ございます。
 この意味でございますけれども、これは二月十六日付けの交付変更決定前、これは十二月十日付けで交付決定を行ったものでございまして、交付金に対する積み増しを行った第三次補正予算の成立を受けまして各都道府県が変更交付申請を行った中で、幾つかの府県については所要額に変動がない、又は減額となったということを注記しているものでございまして、このように、各都道府県が改めて所要額を精査をいたしましたところ、所要額が増加する場合も減少する場合もございますけれども、いずれにしても、緊急包括交付支援金、これは医療分でございますけれども、今後適正な金額となるよう都道府県と調整を行い、今年度の未執行分につきましては令和三年度に繰越しをいたしまして、引き続き医療機関等の支援を行っていきたいというふうに考えてございます。

#360
○田村智子君 これ長々答弁されたんですけど、つまり、埼玉県、神奈川県などはこれ以上お金は必要ないと、交付ができなかったんですよ。大阪府、京都府、愛知県など五府県は既に届いたこの額の一部を返金すると、これが減額申請ですよ。驚きましたよ。
 今私が挙げた府県は、全部緊急事態宣言ですね。その一番の理由は医療逼迫ですね。医療機関は喉から手が出るほどお金が欲しいですね。ところが、県の側からは減額申請ですよ。お金返すんですか、これ。どうなるんですか。

#361
○国務大臣(田村憲久君) これ全国でありますけれども、昨年四月から十二月、これ試算いたしましたけど、九か月間で全体で医療機関一・三兆円の減収、こういう数字が出てまいりました。先ほど、たまたまでありますけれども、一・六兆円でしたっけ、のうち一・三兆円、八割ですか、の交付が決まっているという話でございますけど、これ、たまたまなんでしょうけれども、同じ金額になっております。
 その上で、埼玉でありますとか、いろんな話が出ましたが、交付金以外に年末から、御承知のとおり、最大一千九百五十万円のコロナ対策のパッケージ、これは直接国がお金を、県を通じずに出すお金でございます。こういうものに対してのいろんなニーズ等々もありますのでこのような形になったんだと思いますが、これはそのまま返していただいても次に向かってまた使わさせていただくということでございますから、必要な医療機関に使わさせていただくということであります。

#362
○田村智子君 これ、年度内届かない、返せということでしょう。そうなるって今お認めになった。
 これ、埼玉県では、新型コロナの患者受入れのためのベッドを空ける空床補償ですね、そのための費用というのは昨年のうちに、年度内、今年三月分まで医療機関に概算払したんですよ。非常に積極的に払ったんですよ。国からは空床補償に使うようにというふうに交付された額、その二倍あった。だけど、使いようがないんですよ。しかも、病院の側は常にベッドを空けていたわけではありません。コロナ以外の患者さんが使っていた期間もあります。そうすると、その分については三月末に病院から返してもらうことになると。他の都道府県にも同じことが起きることになると思いますよ。
 総理、医療機関に四兆円って何度も私たち聞いてきた、三兆円、四兆円。その相当部分は、年度内、今年度、このコロナの一年、見せ金で終わってしまうということじゃないですか。

#363
○国務大臣(田村憲久君) 先ほども申し上げておりますけれども、ある予算が全て使われるかどうかというのは、それは予算が余ることもあると思いますが、必要なものは必要なもので各医療機関に対して様々な形で今お支払をさせていただいております。
 それであっても、例えばコロナをしっかりとやっていただきながら、どうしても過不足が生まれて採算が合わずに運営ができない、経営ができないということであれば、これに対して何らかの対応はさせていただくということは以前から申し上げておるわけでありますが、まずは今のメニューの中で、先ほど来、この四月から九月までで一・三兆円の収益、マイナスがあったという話がございましたけれども、それをどのような形で埋めていくのか。それにプラス、コロナ対応でいろんな形で費用も掛かっておられるでありましょうから、そういうもの全体を見る中においてこれは医療機関が十分に対応できるのかできないのか、これからも我々はしっかりとそこを拝見をさせていただいた上で必要があれば更なる対応をさせていただくと、これは以前から申し上げておるわけであります。

#364
○田村智子君 今の答弁は、必要なものは払ったという答弁ですね。
 日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の三団体は共同で病院の経営状況の調査結果を発表しています。
 四月、五月に大きく落ち込んだ経営状態は六月以降改善が見られたが、十一、十二月と再び厳しさが増している、新型コロナ患者を受け入れている病院では四割超が冬のボーナス減額という厳しい選択肢を迫られていると。これが調査結果ですね。融資額も巨額に膨らんでいますね、借金が。
 総理、総理お答えくださいよ。
 医療支援のはずの交付金なんですよ。ボーナス払えない、減額、借金抱えている。それでも国にこの額返金させるんですか。減収補填に使っていいよという判断すべきじゃないですか。

#365
○国務大臣(田村憲久君) 個別の医療機関がいろんな大変な状況があるということも含めて、そのために厚労省の中で窓口をつくっておりまして、今あるメニューの中でどういうものを取っていただけるのか、その中でどのように運営していただくのかということも事細かく相談をさせていただくように、そういう窓口を去年の十一月につくらさせていただきました。
 いずれにいたしましても、メニューにそぐわなくてどうしても収入が入ってこない、実は一生懸命コロナの対応いただいているのにそういう中において運営できないということであれば、また更なる対策というものは組ませていただきたいと思います。
 この年明け、幾つかの医療機関のお話をお聞きしましたけれども、年末のパッケージ、これによってかなり収支の方は合ってきているという話もございます。ただ、そうじゃない医療機関もあるとは思いますので、個別具体的に御相談に乗らさせていただいて、どのような対応があるのか、これは検討させていただきたいというふうに思っております。

#366
○田村智子君 それではまた医療機関に届きにくい交付金となっちゃいますよ。メニュー決めて、事業を決めて、煩雑な手続やって。
 何で減収補填ができないんですか。

#367
○国務大臣(田村憲久君) 減収補填の意味が分からないんですが、コロナにはコロナの対応がありますので、場合によっては昨年よりもいろんなもの増えている可能性もあります。去年と比べて減収補填というだけでは、今回コロナを見ていただいた結果、それで収支が合うということでもありませんので、そこは必要なものはしっかりと出させていただいて、それでも合わない場合に対しては更なる対策を考えるという方が私は対応としては丁寧だというふうに思いますし、更に申し上げれば、その間のつなぎは特別な融資をさせていただいておるわけであります。これ、一・一、二兆円だったと思いますが、これも先ほど来のお金の差引きを考えると一・三兆円、大体、大体近しいところ。
 ただ、それが必ずそうだとは言いません、それはたまたまの数字なのかも分かりません、今の時点の。でも、そういうふうな形の中でいろんな対応をさせていただいておりますので、そこは御理解いただきたいというふうに思います。

#368
○田村智子君 医療機関の赤字というのはそのまま人件費に跳ね返っちゃうんですよ、利益幅少ないんだから。当たり前のことじゃないですか。それを減収補填の意味が分からないと。ちょっともう信じ難いですよね。
 それで、これからワクチン接種本格的に始まれば、診療所も含めて一層地域医療全体の経営の安定と体制強化が急がれるんですよ。最もシンプルに最も迅速に地域の医療機関全体に届く、それが減収補填なんですよ。
 総理、これ検討するぐらい言えないんですか。返金させずに使ってくれって言えないんですか。

#369
○国務大臣(田村憲久君) 先ほども申し上げましたけど、昨年の減収補填では、それ以上に費用が掛かっておればこれは十分な対応ができない話でございますので、コロナという新たな状況の下でいろんな医療の状態があるわけで、それに対していろんなものをお支払をしていくということが必要であろうというふうに思っておりますので、それでも対応できないならば更なる方策を我々は考えると申し上げておりますので、どうか御理解いただきたいというふうに思います。

#370
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私自身が国会で答弁しておりますことは、新型コロナを受け入れられる医療機関がそのことによって損失を被ることがないように、そこはしっかり支援する、そういうことは申し上げさせていただいています。
 これまで、医療機関支援を行うとともに、三次補正で追加支援を行っておりますが、昨年末以降、一床当たり最大千九百五十万円の支援を実施したところであります。また、診療報酬についても、新型コロナ患者の診療について大幅な引上げも行っております。
 こうした支援によって基本的には減収になることはないと考えておりますが、仮にそうしたことがあり得るのであれば、更に対策を検討して、医療現場の方々が財政面でちゅうちょすることがないようにしっかり支援するということを私は申し上げています。

#371
○田村智子君 緊急事態宣言以降の急激な減収は何にも補填されていないんですよ。赤字抱えて、巨額の借金抱えているんですよ。だから減収補填をしてくれって、医療機関これだけ言っている。自民党も要求している。政府・与野党連絡協議会では、田村厚労大臣も大臣になる前同じようなこと言っていたじゃないですか。大臣になったら立場変わっちゃう、経営の安定化どうするか。本当にあきれますよ。
 これ、医療従事者の方、今の答弁聞いていたら、本当に私たちの訴えが届かないのかと、医療崩壊の反省がないのかと、今深刻な思いだと思いますね。これ、来年度の予算というのはPCR検査も含めて本当に医療、検査の体制を強化するつもりがあるのかと、こういうふうに問わざるを得ないような状況です。
 この新型コロナで起きたことを見ていますと、これ、長期にわたってやはり医療機関の経営体力を弱めてきたその政治の責任も問わなければなりません。小泉政権以降、自民党政権は診療報酬の減額、抑制、やり続けました。民主党政権で引き上がった分、安倍政権になって大幅な減額も行いました。ある医療機関の経営に携わる方からは、二〇〇〇年以降、黒字になったのは民主党政権のときだけだと、こういうふうに言われましたよ。
 医療体制強化するためには、やはり診療報酬の抜本的な引上げ、これ人件費につながりますから、それが患者負担に跳ね返らないように窓口負担の軽減という、こういう抜本的な政策転換が求められていると思いますが、いかがですか。

#372
○国務大臣(田村憲久君) 診療報酬が上がれば、当然これは自己負担、患者負担も増えれば保険者の負担も増えますので、保険料も上がるんです。それが制度でございますので、診療報酬を上げてほかの方法というのは、これは制度上ないわけでございますので、そこを我々は常に患者負担とそれから医療機関の経営状況と保険料、これを考えながらどのような形で診療報酬を対応していくか、こういうことをやっておるわけであります。

#373
○田村智子君 これ、緊急対応ができないほどに体力を奪ってきたんですよ。ここにも反省がないのかということですね。
 さらに、公衆衛生体制の弱体化も見てみたいんです。これ、真剣な反省と政治の転換が必要です。保健所、地域保健法の改正以降、国が交付税で算定している職員数、保健師数とも大幅な減少です。これ保健所が逼迫した大きな要因だと思いますが、どうですか。

#374
○国務大臣(田村憲久君) 保健所でございますけれども、これに関しましては、言うなれば保健所自体の機能というものをしっかり強化していかなければならないということで集約化を進める、また専門化、技術化、広域化という態様の中で対応してまいりました。
 でありますから、一部は市町村に事業が移すというようなこともあったわけでありますが、保健師、これは専門性がございますので、保健師に関しましては、ここ十五年、いや二十年前から比べて増えておる状況でございまして、それに合わせて今般、またさらにこの二年間で一・五倍にしようということで、より専門性のある役割の下で仕事をしていただいて保健所機能の強化というものを果たしてまいりたいというふうに考えております。

#375
○田村智子君 来年度と再来年度は増やすということなんですけれども、だけど、これだけ減っているんですよ。二十年前の水準に戻らないんですよ。抜本的に強力に強化していく、こういう検討されないんですか。

#376
○国務大臣(田村憲久君) 申し訳ありません、二十年前からは増えておりますので、決して減っていないという我々は理解であります。保健師ですよ、保健師の数は減っていないということであります。

#377
○田村智子君 職員数全体は減っているんですよ、激減しているんですよ。今、保健師じゃない人もみんな、保健所、一生懸命対応に当たったでしょう。全体の職員数を増やさなきゃ駄目なんですよ。
 それで、これ、お話あったとおり、答弁あったとおり、専門職の養成が必要なので一朝一夕ではない、これ私もそう思います。だからこそ、医療や公衆衛生というのは、その分野を弱体化させるような政策というのは絶対にやってはならない。これがコロナの反省だと思います。
 この立場で、私、昨年三月も公的病院の統廃合につながる地域医療構想について質問しました。二〇二五年の医療提供体制の姿として示されたんですけど、これ止めるべきだと質問しました。これも一年前に示した資料なんですけど、新型コロナの重症患者の治療に欠かせない高度急性期などのベッドの数、これ削減したら救える命が救えなくなるよと、医療崩壊起こしかねませんよと、昨年の三月、質問いたしました。
 コロナの経験を経て、これ、どうされるんですか。

#378
○国務大臣(田村憲久君) 地域医療構想、御承知のとおり、人口がこれから減っていく中で、一定、高齢者はそのまま割合が増えてまいります。ですから、高齢者の数というのは現役者ほど減らない、逆に増えてくる部分があります。
 そこで、急性期というよりかはその後の回復期をしっかりと確保しませんと、高齢者が急性期で一定程度回復した後、御自宅や施設に戻れないということがございますので、今そういう意味で、病床の転換、そして機能分化、連携という形で進めさせていただいております。
 なお、急性期の病床が必要以上に、こういうコロナのときは別ですよ、これは地域医療計画の中でこれから考えようということで今法律を出させていただこうとしておりますが、病床、急性期病床が平素の、平常時に多くありますとその分収入が入ってきませんので、結果的に医療機関の収入減になる、収入が増えないという形でありますから、それぞれの医療機関がそこの人口構成、年齢構成に合わせた形で今病床の転換を図っていただいておる最中であるというふうに考えております。

#379
○田村智子君 このベッド数の削減、このまま進めるということなんですか。

#380
○国務大臣(田村憲久君) ベッド数の削減というよりか、今も病床はありますけど使っていない病床もあります。さらに、人口が減っていく中で、当然、減っていった分は病床というものがあったとしても対応、そこに入られる方がおられないと。
 ですから、必要な回復期なんかは転換していただいて、しっかりそのベッド数を確保しながら、新たな人口構成の下での最適、医療の資源の最適配分ができるような、そんな体制をつくろうというのがこの地域医療構想ということで、今、都道府県、二次医療圏ごとにそれぞれ協議会をつくっていただいて、うちはこれがベストであるというものをつくっていただいているという最中であります。

#381
○田村智子君 だから、これを見直したのかと聞いているんですよ。これを、グラフで示しているもの。

#382
○国務大臣(田村憲久君) 見直すかといいますか、それは今、それ自体は見直す必要はないと。
 ただ、各都道府県、また二次医療圏で、このコロナの状況も踏まえた上で実態がどうあるべきかどうかというのは御議論をいただいておりますから、その御議論をしっかりと踏まえた上で我々としては対応してまいりたいというふうに考えております。

#383
○田村智子君 一年前にも提起したけど、見直さないんですよ。このまま進めるんですよ。
 社会保障審議会医療部会は、十二月二十五日に、新型コロナウイルス感染症対応を踏まえた今後の医療提供体制について報告書まとめています。地域医療構想は基本的枠組みを変えず推進するというものですが、では、知事会の代表はどういう意見表明されましたか。

#384
○国務大臣(田村憲久君) いろいろ御意見ありましたけれども、コロナが収束するまで大きな見地で見守っていただく必要があるのではないか、今この進め方について調整を図ろうという方向が出てきたことについて評価したい等々の御意見がございました。

#385
○田村智子君 えらい簡潔ですね。読まなかったところ読みましょう。私たちは、実は今、年末年始に向けて病床の確保をしようと一生懸命なわけであります、その病床の確保をしようとしている相手方の病院の皆様に再編整理の話を持ちかける、あるいは調整するなどということは全くナンセンスでありますと。
 市長会の代表も、この医療構想を進めるということ自体は地域医療崩壊を加速させるおそれがあるのではないかということで大変懸念しておりますと述べていますよね。違いますか。

#386
○国務大臣(田村憲久君) 様々な御意見がありましたけれども、先ほど私が申し上げたような意見もあったということでありますし、そもそも、全国自治体病院開設者協議会、これは知事会も入っておりますけれども、ここも、今この病床再編に向かっての交付金といいますか基金、さらには補助金等々に対してやはりこういうものが必要であるということをおっしゃっておられるわけでありまして、そういう意味では、やはり地域医療構想は当初の計画にのっとって進めますが、この感染症の問題がありますのでそこの部分もしっかりと入れ込んだ、いただいた上で、いつまでにということ、これは今期限は切っておりませんけれども、各二次医療圏ごとの話合いの下で都道府県でおまとめをいただくということになろうというふうに思っております。

#387
○田村智子君 これ、高度急性期って重症者の患者とかを受け入れてきた病院ですよね、ベッドですよね。これ減らしていって、感染症対策とどうやって両立させるのかですよね。
 それで、自主的、自治的言うけれど、今、交付金とおっしゃった。そうなんです、今年度、この病床削減をもう強力に後押しするために全額国庫負担の病床再編支援制度が創設されました。今年度、来年度、それぞれ予算額幾らですか。

#388
○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 病床機能再編支援事業の予算額でございますけれども、これは、令和二年度は全額国費でございまして八十四億円、令和三年度につきましては、地域医療介護総合確保基金の中の病床再編支援事業を位置付けるための改正法案を今提出をさせていただいているところでございますが、基金のうち病床機能再編支援事業は全額国費で百九十五億円となってございます。

#389
○田村智子君 しかも、厚労省の資料には、今年度八十四億、来年度百九十五億、ベッド減らすための予算ですね、消費税増税分を充てると書いてあるんですね。
 もう入院できずに亡くなった方があるわけですよ。重症者の受入れでこれだけ逼迫しちゃったんですよ。そして、知事会や市長会は、そのこと経験しているから、代表の方がナンセンスだと、医療崩壊招くと、非常に強い懸念を表明されている。
 総理、それでもやるんですか、消費税増税分充てて。どうですか。

#390
○国務大臣(田村憲久君) これ、令和二年十一月十八日の全国自治体病院開設者協議会要望書ですよ。これ、知事会も入られておられますが、病床のダウンサイジングを含む再編、統合において令和三年度以降も引き続き国が強力な支援を図ること、こういうふうにおっしゃっておられるんですね。
 ですから、もちろん、感染者、このような感染症が起こった場合の対応、これは当然考えなきゃいけません。それを踏まえた上で、病床再編というのは、ダウンサイジングもありますが、実際問題は病院統合して機能強化という意味もありますから、様々な形でそれに堪えられる対応というものを各都道府県でお考えをいただきながら、言うなれば統合をしていくと、強化をしていくということでございますので、そこはちょっと意見が合いませんけれども、御理解をいただければ有り難いというふうに思います。

#391
○田村智子君 今、ダウンサイジングと言われた。そうなんですよ、これやると、医師、看護師が大幅に減少すると、こういうこと起こっちゃうんですよ。専門職が一度減らされると緊急事態に対応ができなくなる、それが医療崩壊、この冬の教訓じゃないんですか。
 総理、お答えください、これでいいのか。

#392
○国務大臣(田村憲久君) これは要望書の中に書いてあるんですね。国というか、要望書の中に、病床のダウンサイジングも含む再編、統合においては国が強力な支援を図ることという要望書であります。
 要するに、ダウンサイジングというのは、悪いダウンサイジングもあれば、いいダウンサイジングもありますから、要は必要のないものはダウンサイジングすべきであろうと。しかし、それによって強化するところも出てくるので、だから統合、あっ、再編、統合と書いてあるわけでありますから、その点はどうか御理解いただきたいというふうに思います。

#393
○内閣総理大臣(菅義偉君) これは厚生労働省、田村大臣の下で、地方自治体と、また医師会とも連携しながら、そういう中で地方医療制度というのは考えていくという、こういうふうになっています。

#394
○田村智子君 もう本当に、医療崩壊なぜ起きたのか、これ根源に迫るような検証をやらなきゃいけないし、もう率直に言って、やっぱりこの政権に命を守るということを任せるわけにいかないというふうに言わざるを得ません。
 次の問題に行きます。
 選択的夫婦別姓の実現を求める意見書が採択されないように格別の御高配をと求める文書が自民党国会議員五十名の連名で地方議会の議長宛てに出されました。これを明らかにした埼玉県議会議長は、失礼だ、地方議会をどう思っているのかというふうに述べておられますが、自民党総裁として、総理、お答えください。

#395
○内閣総理大臣(菅義偉君) 地方議会による意見書の提出及び内容については、あくまでもそれは議会自身の判断と責任の下で決定される、こういうふうに考えます。
 また、国会議員が政治家個人として様々な考え方を持って意見を述べること、これはあり得ることじゃないでしょうか。

#396
○田村智子君 これ、意見述べたんじゃないんですよ。意見書採択するな、これは地方議会に対する介入じゃないですか。

#397
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私、これ持っておりますけれども、あの意見書の中で、格別の御高配を賜りたい、お願い申し上げますと書いていますよ。

#398
○田村智子君 つまり、丁寧な言葉の圧力ですよね。
 この五十人の中に丸川珠代氏の名前があるんですね。丸川大臣は国会で問われて個人の考えだと言い、菅総理も個人として様々な考えを持つのは当然というふうに答弁されました。
 では、総理は、丸川大臣が選択的夫婦別姓の意見書を上げるなと地方議会に圧力を掛けた一人だということを承知の上で男女共同参画の担当大臣にしたんですか。

#399
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今申し上げましたけれども、丸川大臣は一政治家としてこうした活動をするということは、これはおかしいことじゃないでしょうか、おかしくはないと思いますよ。政治家ですから、いろんな意見を持ってそれを実現するために政治活動をすることは私は許されると思います。(発言する者あり)

#400
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#401
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、その、この、何というんですか、これ要望書というんですかね、(発言する者あり)ええ、これを出したということは承知していませんけれども、こういうことを事実としていても大臣は丸川さんにお願いする、このように思っています。

#402
○田村智子君 そういう事実があったとしても丸川大臣をやっぱり任命するのは正しかったという今の御答弁ですね。
 これ、同姓を強制する法律によって女性は結婚したら名字を変えるのが当たり前とされてきた、その当たり前によって不利益や苦痛を受けてきた女性がいる、同姓も別姓も法律で認めよう、夫婦が選べるようにしよう。これ、国民の中でこの流れはもう止まらないですよ。
 そもそも今回の任命は、森氏の組織委員会辞任に端を発しています。男中心社会の当たり前を赤裸々に示した発言に、多くの女性たちが、森氏個人の問題にとどめずに、日本社会の当たり前をジェンダー平等の視点で問い直そう、変えていこうと、こういうムーブメントが始まっている中での男女共同参画担当大臣の任命なんですよ。
 丸川氏は、これに抵抗する側であることを具体的な行動で示しました。昨日の委員会では、このことを追及されると、職員たちに自分の思いを持って仕事をしてほしいからと、答弁できないということを繰り返したんですね。
 これ、自ら、自分の存在が職員の仕事の阻害になってしまうと認めているようなものですよ。総理の任命責任が問われていると思います。いかがですか。

#403
○内閣総理大臣(菅義偉君) 森前組織委員長の問題とは全く私は違うと思います。
 私自身は、人事については適材適所の観点から、私自身は丸川大臣の能力、経験などを総合的に考慮して大臣に任命をいたしました。

#404
○田村智子君 昨年十一月六日、予算委員会で我が党の小池晃書記局長が、総理が過去に読売新聞のインタビューで、選択的夫婦別姓に理解を示し、不便さや苦痛を感じている人がいる以上、解決を考えるのは政治の責任だと述べたことを紹介しました。総理は、その発言に政治家として責任を持つと答弁されましたね。
 丸川大臣の任命は言行不一致じゃないですか。

#405
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、夫婦の氏の問題は、我が国の家族の在り方に関わる事柄であって、国民の間にも様々な意見があります。
 政府としては、男女共同参画基本計画に基づいて、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関し、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながらここは検討を進めていく、これが政府の方針です。
 私自身も、さきの国会で、政治家としてそうしたことを申し上げたことには責任があると申し上げました。政府の立場に立って国民各層の意見を幅広く聞くとともに、国会の中で議論の動向を注視しながら検討を進めていく。何も矛盾はないんじゃないでしょうか。

#406
○田村智子君 家族の在り方云々言って、当たり前を仕方がないと受け入れろって、女性たちは、多くの女性たちが名字変えてきたわけですよ。その当たり前を問い直そうという運動が今起こっているわけですよ。私は、本当にこれはもう適任なんて、適材適所なんてどうして言えるのかというふうに言わざるを得ないんですね。
 私は、今日は、その社会的に女性に対して当たり前とされてきたこと、これが実は新型コロナの下で女性に大きな困難をもたらしているんじゃないかと、このことをお聞きしたいんです。
 内閣府男女共同参画局が立ち上げたコロナ下の女性への影響と課題に関する研究会、ここでも私と同じような問題意識での議論がなされています。
 この研究会への政府提出資料、真剣に議論すべきものが幾つもありますので、その一部を資料配付いたしました。この資料について、局長、御説明いただけますか。

#407
○政府参考人(林伴子君) お答え申し上げます。
 まず、女性の雇用者数でございますが、特に昨年四月は、対前月で女性の雇用者数が七十四万人減少し、男性の約二倍の減少幅となっております。現在は徐々に戻ってきております。
 とりわけ、産業別に見ますと、飲食業、宿泊業、生活・娯楽業などの産業において女性の方が男性に比べて減少幅が大きいという現象が見られます。

#408
○田村智子君 仕事を失うということは、もちろん男性にとっても女性にとっても極めて深刻です。しかし、ここまで激しいジェンダーギャップがあるということに私は衝撃を受けました。
 なぜ多くの女性が仕事を失うことになったのか。これ、総理の認識伺いたいんです。

#409
○国務大臣(丸川珠代君) 御指摘のとおり、非常に大きくコロナ禍が女性に影響を与えているという認識は同じでございます。
 特に今回のコロナ禍では、飲食、宿泊、また生活・娯楽業におきまして非常に雇用者の減少が大きくなりました。まず、こうした業種では非正規雇用の方が多いということ、とりわけ非正規雇用の女性の割合が高いということが指摘をされております。
 実際、二〇二〇年度の数字でございますが、宿泊、飲食業におきましては、済みません、ちょっと老眼で数字がうまく見えないんですが、五三%が非正規雇用の女性、また、生活・娯楽業におきましては三八%が非正規雇用の女性ということで、こうした特定の業種、特に女性の非正規雇用の方が多い業種に大きな影響を与えたことが女性が大きな雇用を失うということになったということにつながっていると思います。
 コロナ禍で大変な思いをされている女性を誰一人取り残さないという思いで、関係省庁と連携をして対策を進めてまいりたいと存じます。

#410
○田村智子君 私、丸川大臣には答弁要求をしておりません。
 総理、いかがですか。

#411
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今、丸川大臣からも話がありましたけど、飲食とかあるいはホテル、旅館、そうした中で働いていらっしゃる女性の方が多く非正規、非正規の中で働き、そして雇用をなくしている、そういうことは十分承知をしています。ただ、そうした人たちに政府としては様々な対応を今させていただいているところです。

#412
○田村智子君 非正規雇用の七割が女性なんですね。宿泊、飲食産業では従業員の五割以上が女性の非正規雇用なんですね。それが、コロナ危機によって非正規で働く女性たちが雇用の調整弁にされた、構造的にはそういうことだと思いますが、どうですか。

#413
○国務大臣(田村憲久君) 正規で働きたくて、なかなか働く場がなくて非正規で今言われたような職に就かれている女性の方々もおられると思います。一方で、それぞれ御自身が、働く時間帯等々を含めて自ら望んでそういう職種に就かれる女性が多いのも確かであります。
 そういう方々がいつでもまた正規になりたいときに正規で働ける環境を今つくらなきゃならないということで、事実、正規、実は女性は今正規の方は増えてきているということでございますので、決して、調整弁というよりかは、そういうような中においてまあ女性がそういう職種に就いておられる、そういう方々が多かったということが一番の理由であろうと思いますが、それでよしと我々は思っておりませんので、それによって職を失われた方々が他の職種に転換できるように、トライアル雇用でありますとか、いろんな窓口等々をつくりまして対応してまいりたいというふうに考えております。

#414
○田村智子君 これはやっぱり景気悪化で事実上雇用の調整弁ですよ、どう見たって、これね。
 昨年の緊急事態宣言というのは何の給付金もないまま営業自粛要請がやられたので、もちろん事業者、経営者の皆さんもとても苦しい立場だったと思います。しかし、その緊急事態宣言が出された途端、その四月に女性の非正規雇用が激減した。経験したことのないパンデミックの中でたちまち仕事を失って収入が途絶える、それがどれほど不安と苦しみをもたらしたか。このことを女性の自殺者の急増と切り離して考えることはできないと思うんですけど、総理の認識伺いたいんです。

#415
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、自殺者は昨年七月から高めの水準となっており、特に女性の割合が高くなっております。その原因、動機としては、健康問題や家庭問題、経済・生活問題、様々なものがあるというふうに思っています。
 一方、長引く新型コロナの影響により、特に飲食業や宿泊業の非正規雇用で働かれている女性の方々の雇用情勢は大変厳しい状況にあります。
 政府としては、雇用調整助成金の特例措置などによる重層的なセーフティーネット、セーフティーネットを構築するとともに、自治体や民間団体との連携、連携をし、自殺を考えている方に対する相談体制の拡充や周知を図っております。
 実は先般も、坂本孤独・孤立担当大臣の下に、こうした自殺を未然に防ぐためにボランティア活動を行っている皆さんとか、あるいは子供食堂をやっている皆さんとか、いろんなボランティアの方に、の代表者にお集まりいただいて現状というものを聞かせていただきました。そういう中で、この自殺防止策、そうしたものを政府としてもこれから徹底して行っていきたい、こういうふうには思っています。
 先ほどお話ありましたけれども、女性の正規の職員というのは実は増えているんです。平成二十六年一千二十三万人から令和二年一千百九十四万人、また令和二年においても対前年比で三十三万人、このコロナ禍の中では正規の方は増えております。しかし、残念ながら非正規の方がどんどんと職を失っているということも事実でありますので、そうした一番弱い部分というんですかね、その影響の多いところには政府としてはやはりしっかり支援をする、そのことは当然のことであるというふうに思っています。

#416
○田村智子君 その正規雇用の実態についても後で取り上げたいと思うんですけど、私、やっぱりアベノミクスで雇用状況の改善を安倍総理は自画自賛していましたよ。観光立国と女性活躍を結び付けた政策というのも強力にやられました。だから、飲食、宿泊、そこで女性の非正規増えていったわけですよね。私たちは、これが雇用改善なのかと、非正規が増えているということについて問題提起何度もしてきたんですよ。だけど、当時の安倍総理は、今まで働いていなかった人が働けるようになったんだと、言わば女性が非正規で働き始めるということは当たり前というような政策が取られ続けてきたと思うんですね。女性は非正規と。これ、長年にわたって非正規雇用を増やし続けた政治によって当たり前にされてきたんじゃないのかというふうにも思うんです。
 今、正規雇用増えていると言うんですけど、でも、長く見てみましょうよ。男女別に非正規の割合の推移、これ示してほしいんですけど、いかがですか。

#417
○政府参考人(佐伯修司君) お答えいたします。
 総務省が実施した労働力調査等の結果から、職員、従業員全体に占める非正規の方の割合を男女別に見ると、一九九〇年二月は男性八・八%、女性三八・一%、二〇二〇年一月から三月期平均は男性二二・三%、女性五六・〇%となっています。

#418
○田村智子君 私、この中で女性が担う業務が正規雇用から非正規にと、給料の安い働き方に置き換えられてきたんじゃないかと、この問題提起したいんです。
 事例示します。バスガイドの女性、バス会社の正社員で働いてきた。ところが、二〇〇〇年、小泉構造改革の規制緩和で運輸業や旅行会社の新規参入がすさまじい勢いで進み、会社は経営困難になった。ドライバーは雇用を維持したが給与の大幅引下げ、バスガイドはフリーになってほしい、仕事のあるときに声を掛けると解雇され、バスガイドの派遣会社もできて、ガイドは賃金の安い非正規、日々雇用、これが当たり前になってしまった。そこにコロナ禍なんですよ。四月以降仕事はゼロ、何の支援もない、同年代で仲の良かった仲間は命を絶ってしまった、このままでは命を落とすガイドはもっと増えてしまう、どうか助けてほしいと、こういう訴えやられているんですよ。
 これ、非正規には休業手当払われない、休業支援金も届かない、フリーランスへの持続化給付金は打切り、生活困窮者への給付金さえやらない、これでは命を落とす女性がもっと増えてしまうという訴えなんですけど、総理、政治の責任、どうお考えになりますか。

#419
○国務大臣(田村憲久君) 様々な規制改革等々があったことは事実で、それによって産業構造がいろいろと変わったことは事実であります。それによって生まれた職種、新たに生まれた産業の中で雇用がたくさん生まれたというところもあるわけでありまして、総合的に判断しなきゃなりませんが、全体としては、例えば非正規で働く方々に関しても、これも小泉、あっ、ごめんなさい、安倍内閣で決定をされたことでありますけれども、同一労働同一賃金、例えば非正規であったとしても働き方が一緒であるならば処遇は同じであるべきだということで、これいよいよ中小企業もこの四月からスタートしてまいりますが、そういうようないろんな対応もしてきたのも事実でございます。
 一方で、今言われたような非正規というような形の中で大変コロナ禍でお苦しみになられておられる方々がおられる中において、緊急小口資金でありますとか生活支援資金、最大二百万までというような形でのいろんな対応もさせていただいておるわけでございまして、重層的な支援で対応しますが、何よりも必要なのは、そういう方々が正規で働きたいと思われておられるのならば、これは正規で働けるような、いろんなまあこれ職業も種類あると思いますけれども、これは職業能力開発を含めて我々が対応させていただく中において正規の方に誘導していく、これ重要な施策であるというふうに考えております。

#420
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほども申し上げましたけれども、このコロナ禍の中にあっても正規の女性の職員が実数として増えている、このことも是非お示しをさせていただきたいと思います。
 そして、今、確かにこの非正規の女性の方の職、なかなか職業に就くことが難しい状況の中で、今厚労大臣から申し上げましたけど、政府としては様々な施策を今お示ししながら、そして、特に非正規の方が職業訓練をしながら次の職に就けるような、そうしたことにも政府として力を入れていきたい、こういうふうに思っています。

#421
○田村智子君 今の、バスガイドの方に届くメッセージでしたか。これ、このバスガイドの方、本当に高校卒業からずっとガイドの仕事に誇り持って働いておられた。だけど、正規でもう働けないんですよ、派遣会社かフリーか、正規で雇うような会社が地方の中になくなっちゃったから。
 そういう雇用の流動化とか労働者派遣事業の規制緩和とか新規参入促して、もっと人件費抑えろ抑えろって、こういう政策が取られてきて、その中で女性が構造的に不安定で低収入の働き方になっている。今、休業支援金も届かない。その政治の責任をどう考えるのかと聞いているんです。

#422
○国務大臣(田村憲久君) バスガイドという仕事が、今どうしてもこのコロナ禍で観光産業が厳しい中で需要がないという問題、これは我々も早くこの新型コロナ感染症を抑えて、旅行需要がないわけではないので、早く元の社会に戻していかなきゃならないという思いはあります。その上での今回の緊急事態宣言の延長という話、昨日から出ておりますけど、そういうことなんだろうと思います。
 一方で、そういう方々に対してどうしていくか。先ほど総理もおっしゃられましたけれども、これは、例えば雇用保険の対象じゃなかったといたしましても、求職者支援訓練というのがございます。こういう方々に対してしっかりと職業能力、非常に受けやすくなっております、いろんな緩和しておりますから。こういうものを受けていただいた上で、給付金、生活費の方も受けていただいて、そして、その能力を、今、個別伴走型の新たなステップアップ窓口というのをつくっておりますから、そういうところで付けた能力を必要な企業につなげていくというようなことも含めて、いろんなメニューをおそろえをさせていただく中において、丁寧にそういう方々がしっかりと次の職に転換いただけるように我々努力してまいりたいと考えております。

#423
○田村智子君 ガイドだけじゃないんですよ。事務職とか窓口業務とか銀行の窓口とか、どうですか。かつては正規職員でしょう。それ今、非正規でしょう。契約社員、派遣社員、当たり前。こうやって女性たちが非正規が当たり前という構造をつくってきたんじゃないのかと。そこでのコロナ禍だから休業支援金届いていないとか、こんな事態を許していちゃいけないんですよ。そのことを問うているんです。
 それで、総理は正規雇用増えているとおっしゃった。一番増えているのは医療、福祉なんですよね。だけど、その正規雇用は女性は給料が安い、これも当たり前にされてきたんじゃないのかなんですね。
 衆議院の予算委員会中央公聴会で全労連小畑議長が示した資料です。
 これ、今女性の中で正規雇用が増えている看護師、見てください。二十代では大卒の男子よりも高いのに、もう三十代になると大きく引き離されていって、四十代後半では高校卒業の男性の賃金よりも低くなるんですね。
 もう一枚見ていただきましょう。これは、介護や保育なんですけれども、ここも増やしているんですよ。介護は、生活困窮者の方がいろんな相談に行くと、介護の職業訓練とセットで給付金というようなのが行政でどんどんやられています、人手不足だから。しかし、見てください。介護士、保育士、賃金が二十代から六十代まで上昇がほとんどない。寝たまま賃金ですよ。
 総理、これ総理、お答えいただきたい、異常な低賃金構造だと思いますけど、どうですか。

#424
○国務大臣(田村憲久君) いろいろとおっしゃられます、これ、小畑議長さんが出された資料、これどういうふうに加工されているのか、賃金構造基本統計を使われているか、ちょっと我々は理解していないんですが、産業系の給与に関してはこれ役職者の給与も含んでいると、一方で職種別の給与は役職者が含んでいないということもあるようでありますが、いずれにしても、それでも決して高い状況じゃございませんので、我々も処遇改善やいろんな対応してきているわけでありまして、これからも不断の努力を、努めさせていただきたいと思いますし、勤務年数が短いというのもございますので、それが長く勤務いただけるような、そういうような職種にしていくように努力してまいりたいというふうに考えております。

#425
○田村智子君 私、今日、ちょっと構造的な掘り下げたところの議論したいんですよ。
 例えば、看護師の仕事は医師の補助的業務であると、介護や保育は元々女性の家庭労働だからと専門性や経験を評価しないと、こういうことがこの低賃金の構造の中に表れているんじゃないでしょうか。だけど、医療や介護、保育というケア労働、これがどれだけ社会全体にとって大切なものか、私たちもう実感しているわけですよね。ケア労働の処遇の抜本的な引上げ、この寝たままになっている賃金、この現状を変える、これ政策的にできることです。
 総理、これやりましょうよ。総理、どうですか。総理。

#426
○国務大臣(田村憲久君) 問題意識、本当に我々も同じでございますので、介護も、長く勤めて能力のある方、技術ある方を評価するような報酬、処遇改善もいたしましたし、保育自身も、副主任でありますとか職務別リーダーでありますとかそういう方々に対しては加算をつくっているわけでありまして、何とか長くキャリア形成できるような対応というものを我々も一生懸命これからも考えてまいりたいというふうに思っております。(発言する者あり)

#427
○委員長(山本順三君) 田村智子さん。(発言する者あり)田村さん。いやいや、あなた、もう一回質問してください。駄目だよ。質問者は委員長の許可を得て発言してください。もう一回質問してください。
 田村智子さん。

#428
○田村智子君 構造的なものを変える、どうですか。

#429
○内閣総理大臣(菅義偉君) 医療、介護、保育など、このコロナ禍の中にあって、国民の命や暮らしを守る上で欠かせないサービスが適切に提供されるように、そこで働く方々の処遇の改善というのは重要な課題だと私自身は受け止めています。
 今日までの間で、介護についても、また保育についても、それぞれ賃金の引上げを行ってきていることは事実じゃないでしょうか。御指摘の賃金については労使の交渉により決められるものでありますが、政府としては、こうした分野で働く方々に対し、累次の処遇改善というものの取組を行ってきています。今も非常に厳しい状況で、中で働くそうした皆さんに対して感謝と敬意を表しますとともに、引き続き皆さんの、現場で働いている皆さんの気持ちに寄り添いながら、ここはしっかり対応させていただきたいというふうに思っています。

#430
○田村智子君 これ、小手先ではこれだけの構造変わらないですよ。
 民間企業での女性の賃金も私は寝たままなんじゃないかと思うんですよ。いまだに就職するときに、残業も単身赴任もやりますという総合職か、それができないなら一般職と、で、初任給もその後の給与改定もずうっと差別されていく。そこには女性は家庭的責任があるから一般職が当たり前、給料に差があって当たり前という構造がある。だけど、その実態が隠されている。
 男性、女性で雇用形態がどう違うか、給料がどう違うか。これ、企業からの報告を求めて構造的に把握して変えていくことが必要だと思いますけど、どうでしょうか。

#431
○国務大臣(田村憲久君) 改正女性活躍推進法等々で、女性の登用でありますとかいろんな指標、これを開示をいただくということ、こういうことを進めてきているわけであります。いろんな産業によってかなり変わりつつありまして、御承知だと思いますけど、産業によって、業種によっては女性がもうばりばりと働いていただき、男性と変わらないような賃金体系の企業もたくさんあるわけであります。
 ただ、それでよしというんじゃなくて、そこで働き方改革等々も含めていきませんとこれまたディーセントワークにならないという問題がございますので、そこは我々としては不断のやはりいろんなチェックをしていきたいというふうに思いますが、ただ、今言われているようにいろんな課題があることは我々も認識いたしておりますので、女性の方々も同じような働き方ならばちゃんとした賃金体系、同じように男性と、賃金をもらえるような、そういうような対応というものはこれからも我々しっかりと女性活躍の観点から進めてまいりたいというふうに考えております。

#432
○田村智子君 今、女性活躍推進法、出されました。確かに企業は報告の義務があるんですよ、役員何割とか女性何割、それから勤続年数がどれぐらいか。だけど、賃金については報告の義務求めてない。雇用形態の違いも報告求めてない。
 私、そもそも、女性活躍推進法は名前変えた方がいいですよね。雇用におけるジェンダー平等推進法とか、変えた方がいいですよ。で、企業に正規、非正規の男女比、給料の男女比、その報告求める。これ、政府機関や自治体も報告の義務付けがありますから、ここでもジェンダーギャップの実態、まず明らかにする。明らかにしなかったら、分からないんですもの。総理、どうでしょう。これ検討しましょうよ。どうですか、総理。答弁要求してないです。総理、総理、お願いします。

#433
○国務大臣(丸川珠代君) 田村議員御指摘の男女間の処遇の格差というのは非常に大きな問題だと捉えておりまして、それを見える化するという努力は、これは不断に続けていかなければいけないものだと認識をしております。
 なお、この改正女性活躍推進法もようやく昨年の六月から施行されまして、来年の四月からはこの対象を百一人以上の一般事業主に拡大して、これ義務化してまいりますので、是非こうした取組をまず進めさせていただきながら、一方で、見える化の努力がどのように進められるかということを関係省庁とも連携しながら進めてまいりたいと思います。

#434
○田村智子君 男女共同参画局は、今回そのコロナ禍の女性の問題検討するときに、本当に苦労されて男女の違いの資料作られたってお聞きしましたよ、統計がないから。統計取るぐらい言えないんだったら、本当に担当大臣の資格ないですよ。
 女性は家計の主たる担い手ではなく補助の立場、だから非正規で低賃金、家庭的責任を担うのは女性、こういう当たり前とされるような構造が一番矛盾を集中させているのが、私、シングルマザーだと思うんです。家庭的責任があるから残業が当たり前の正社員になるのは難しいと。八時間働くのも難しい場合もありますね。で、非正規雇用で、そうすると低賃金が当たり前な状態にされてしまう。しかし、彼女たちは、お母さんたちは、家計の補助ではなくて担い手そのものなんですね。この構造的な不利益を埋める補償が余りにもなさ過ぎる。
 お話伺いました。コロナで突然の学校休校。小学生の子供を一人で家に置いておくわけにはいかない。会社からは休んでいいけれど有休を使ってくれと言われ、有休はあっという間に使い切り、勤務時間の変更を提案されたけれども保育園の送り迎えもあって無理だと。正社員で事務職やっていたんだけど辞めざるを得なかった。今はパートで、時給じゃなく月給で働きたい。ボーナスがあれば少しほっとできる。
 別のお母さん。コンピューターのCAD入力の事務職を十年以上やっている方です。時給はずっとほぼ最低賃金。子供は成長につれて教育費が掛かるので、土曜日に別のアルバイトをすることにしたと。
 また別の方。介護施設で職場の協力で介護福祉士の資格を取った。しかし、時給は五十円しか上がらなかった。子供が小学校を卒業したら正社員になって働いてと思ったけれども、子供に発達障害があって、年齢とともにむしろ子供の対応が大変になっている。この苦しさから抜け出せる道が見えないとおっしゃっているんですよ。
 こういうシングルマザーの苦悩に応える政治でなければならない。総理、これ、大きな意味ですから、ここは一致できますよね。どうですか。

#435
○内閣総理大臣(菅義偉君) そこはしっかり支えていくということは変わらないというふうに思います。
 とりわけ、経済的に厳しい状況にある一人親家庭の皆さんに対しては、年末年始を前にいち早くお手元に資金を届けなきゃならないという思いの中で、昨年、二回目の給付金、給付金の再支給を私自身判断をいたしました。また、新型コロナの影響が長引く中で、一人親家庭を含め、依然として生活が厳しい家庭もあるということは認識をしております。緊急小口資金などの限度額を百四十万円から二百万円に引き上げるとともに、所得が減少している方々については返済を免除することとし、具体的要件を早急に検討しています。また、住居確保給付金の再支給、これも行うところであります。
 一人親家庭の方々についても、こうした重層的なセーフネットを活用し、個々のニーズに寄り添った継続的な自立につながる、つなげるための支援、ここはしっかり応援させていただきたいと思います。

#436
○田村智子君 シングルマザーの方にお聞きすると、本当にコロナで仕事がなくなったからといって、本当にシフト減とかもう来なくていいとか言われちゃうわけですよ。私たちは家計の主たる担い手なのに一体どうしたらいいのか、そのことを考えてくれる人がどこにもいないのかという訴えなんですね。で、何が希望になりますかということをお聞きしたら、どなたもとにかく現金だとおっしゃるんですよ。あの昨年の十万円の給付で、これであと三か月生きていかれると思ったと言うんですね。
 今、三月で進学の時期で、お母さんたち、また教育費の問題などでもう本当に苦しんでおられるんです。
 私たち野党は、生活困窮者の方にはもう一度十万円出そうよという、こういう法案を衆議院に提出をしています。一人親の家庭にもまた給付を行うこと必要だと、こういう提案しております。
 この生活困窮のところの十万円は自治体ももう分かっているわけですから、すぐできると思うんですよ。せめてこれはやりましょうよ。どうですか。

#437
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど総理おっしゃられましたけど、総合支援資金、三か月、これ更に拡大いたしました。最大二十万円一月ありますので、六十万円三か月で、これで対応させていただきます。そういう意味では、十万というお話もあるのかも分かりませんけれども、これに対して、これ償還時、住民税非課税ならば償還不要ということでもございますので、こういうものもお使いをいただきながらしっかりと対応いただければ有り難いというふうに思っております。

#438
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今、田村大臣から小口資金について説明がありましたけれども、先ほど私申し上げましたように、やはり併せて仕事と訓練受講を両立しやすい環境の整備に向けて、職業訓練受講給付金の支給要件をシフト制で働く方々については緩和するなどの措置を講じており、継続的に自立につなげる支援、取り組んでいきたいと思います。

#439
○田村智子君 本当に、どうしたら収入増やせるかという政策に本気で取り組むこと求められていると思うんですよ。これは、非正規で現に働いていますから最低賃金の引上げがどうしても必要なんです。だけど、そうやって求めると中小企業が大変だからといってなかなか難しいと。シングルマザーの方に聞いたら、せめて千三百円どの地域でも欲しいとおっしゃっていた。やろうといったって、それで中小企業の支援が何できるのか、収入どうしたら増やせるのかってやらなきゃ駄目なんですよ。児童扶養手当の二人目の額が少な過ぎるとか、養育費をちゃんと受け取れるかどうかも女性の自己責任にされてしまう。できることはいっぱいあります。
 それから、やはり女性が置かれている構造的な問題、本気で変えましょうよ。時給じゃなくて月給で収入が得られる、一か月、三か月のような短い雇用契約じゃなくて、経験積んで長く働ける、その経験が給料で評価される、休業しなくちゃいけないときには生活保障がある、こういう雇用のルールをつくる方向に政策転換が求められている、このことを申し上げて、質問を終わります。

#440
○委員長(山本順三君) 以上で田村智子さんの質疑は終了しました。(拍手)
 これにて基本的質疑は終了いたしました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#441
○委員長(山本順三君) 速記を起こしてください。
    ─────────────

#442
○委員長(山本順三君) この際、先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。
 それでは、報告を森ゆうこさんにお願いします。森ゆうこさん。

#443
○森ゆうこ君 予算委員会委員派遣の調査につきまして御報告いたします。
 派遣団は、山本委員長を団長とする十一名で編成され、二月十六日の一日間、東京都において、新型コロナウイルス感染症対応の実情に関し、参議院議員会館で医療機関及び生活困窮者支援団体との参議院初のオンライン意見交換を行うとともに、羽田空港を訪問し、水際対策等について調査を行ってまいりました。
 まず、オンライン意見交換について御報告いたします。
 医療機関とのオンライン意見交換では、三名の参加者から説明を聴取した後、意見交換を行いました。
 最初に、国立研究開発法人国立国際医療研究センター理事長の國土典宏氏から、これまでの新型コロナウイルス感染症患者受入れ状況、治療薬と回復者血漿療法の開発状況などについて説明を聴取いたしました。
 次に、東京慈恵会医科大学外科学講座統括責任者・教授の大木隆生氏から、感染状況及び医療提供体制における欧米との差違、政府の医療財政支援の問題点などについて説明を聴取いたしました。
 次に、インターパーク倉持呼吸器内科院長の倉持仁氏から、法整備による感染防止策の強化、無症状感染者に対する検査の積極化などについて説明を聴取いたしました。
 その後、医療機関が患者受入れを継続する中で顕在化した課題、政府の対策に関する要望、検査体制の拡充に向けた方策などについて意見交換を行いました。
 生活困窮者支援団体とのオンライン意見交換では、二名の参加者から説明を聴取した後、意見交換を行いました。
 最初に、NPO法人抱樸理事長の奥田知志氏から、コロナ禍での相談支援体制の強化、緊急小口資金等貸付けの今後の在り方などについて説明を聴取いたしました。
 次に、作家・反貧困ネットワーク世話人の雨宮処凛氏から、家族連れなども含めた生活困窮者の多様化、失業による女性のホームレス化などについて説明を聴取いたしました。
 その後、声を上げることが困難な者への支援の在り方、生活困窮者の健康状態、相談支援体制強化のための取組などについて意見交換を行いました。
 なお、オンライン意見交換は参議院として初の試みでしたが、総じて円滑に進行し、それぞれの現場の実情を十二分に把握することができました。今回の取組は、今後の審議の在り方を考える上でも参考になるものと期待します。
 次いで、羽田空港における調査について御報告いたします。
 羽田空港では、国際線用の東京国際空港第三旅客ターミナルにおける水際対策等について説明を受けました。入国者はあらかじめアプリにより質問票に入力し、唾液による抗原定量検査を実施する。そして、陰性が確認された者は入国可能となる。こうした検疫業務は、航空会社従業員の補助も得て実施しているとのことでありました。
 このほか、検疫業務の実施状況等を視察し、船舶による入国者への対応、航空会社への支援策など政府に対する要望、検疫補助業務に当たる航空会社従業員への配慮の在り方などについて意見交換を行いました。
 最後に、今回の委員派遣におきましては、オンライン意見交換への参加者及び羽田空港関係者の方々に多大な御協力をいただきました。ここに深く感謝の意を表するものであります。
 調査の詳細につきましては、これを本日の会議録に掲載されますよう、お取り計らい願いたいと存じます。
 以上でございます。

#444
○委員長(山本順三君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、提出された報告書につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#445
○委員長(山本順三君) 御異議ないものと認め、さよう取り計らいます。
 次回は明五日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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