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2021/03/16 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第2号 令和3年3月16日
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2021/03/16 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第2号 令和3年3月16日

#1
令和三年三月十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         長峯  誠君
    理 事
                佐藤 正久君
                三宅 伸吾君
                小西 洋之君
                三浦 信祐君
                井上 哲士君
    委 員
                宇都 隆史君
                武見 敬三君
                中曽根弘文君
                中西  哲君
                松川 るい君
                山田  宏君
                福山 哲郎君
                山口那津男君
                浅田  均君
                鈴木 宗男君
                大塚 耕平君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     茂木 敏充君
       防衛大臣     岸  信夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        神田  茂君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       三貝  哲君
       外務省大臣官房
       審議官      曽根 健孝君
       外務省大臣官房
       審議官      岡田 恵子君
       外務省大臣官房
       参事官      有馬  裕君
       外務省総合外交
       政策局長     山田 重夫君
       外務省経済局長  四方 敬之君
       海上保安庁総務
       部長       宮澤 康一君
       防衛省防衛政策
       局長       岡  真臣君
       防衛省整備計画
       局長       土本 英樹君
       防衛省人事教育
       局長       川崎 方啓君
       防衛装備庁長官  武田 博史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (外交の基本方針に関する件)
 (国の防衛の基本方針に関する件)
    ─────────────

#2
○委員長(長峯誠君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官三貝哲君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(長峯誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(長峯誠君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 外交の基本方針及び国の防衛の基本方針について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#5
○三宅伸吾君 おはようございます。自由民主党の三宅伸吾です。
 本日は、質問の機会をいただきまして、長峯委員長を始め、理事、委員各位に御礼を申し上げたいと思います。
 さて、数時間後に日米2プラス2が行われます。バイデン政権になってからの日米の外務・防衛担当大臣が初めてフェース・ツー・フェースで議論をしますと。本日の質問では中国の台頭問題等について取り上げますけれども、中国の国際秩序への挑戦的な姿勢が明確になる中、2プラス2は非常に大きな意義を持つと考えます。
 岸大臣、茂木大臣、それぞれについてお聞きいたします。
 本日の2プラス2、それぞれどのような期待を持ち、どんな成果を目指していらっしゃいますか。

#6
○国務大臣(茂木敏充君) バイデン政権発足後のこの早いタイミングで、米国の国務長官及び国防長官が初めての訪問先、訪問地として日本を訪れることは、これは史上初ということになると思います。米国が日米同盟を重視している表れでありまして、歓迎したいと考えておりますし、また、日米同盟の揺るぎない強固な結束、これを内外に示す機会としたいと考えております。
 この機会に、中国や北朝鮮情勢を含む一層厳しさを増す地域の安全保障環境や、コロナ対策、気候変動等、国際社会が直面する課題について議論をする、また、日米でどう協力していくかと、このことについて話合いを持つということは極めて重要かつタイムリーであると考えておりまして、日米同盟の抑止力、対処力の強化に向けた今後の協力等について対面でじっくりと意見交換をし、日米間ですり合わせを行いたいと思っております。

#7
○国務大臣(岸信夫君) 今、茂木大臣からもお話があったとおりなんですけれども、このいい機会、2プラス2の機会に、中国や北朝鮮情勢など一層厳しさを増す我が国周辺の安全保障環境についてしっかり意見を交わして、日米同盟の抑止力、対処力の強化に向けた今後の協力等についてしっかり協議をしてまいりたいというふうに思います。
 それから、2プラス2に先立ちまして、オースティン長官との間では、対面では初めてとなります防衛相会談も行います。そこでは、一月に実施をいたしました電話会談を踏まえて、インド太平洋地域の最新情勢、日米防衛協力の強化に向けた議論を行ってまいる予定でございます。

#8
○三宅伸吾君 新型コロナウイルス感染症の発生地とされます中国でございますけれども、日本を始め先進国のみならず途上国の多くが今なおコロナ禍で苦しむ中、中国は躍進をいたしております。
 中国は、二〇二五年まで毎年五・七%の成長が見込まれ、二〇二八年にはアメリカを抜き世界一の経済力になるとの予測も出ております。同様の分析を日本経済研究センターでも出しております。
 つまり、中国は、コロナウイルス発生地であるにもかかわらず、多くの国々がそれによって苦しむ中、着々と経済を回復し、それをてこに戦略的な外交をやっているということだろうと思います。
 こうした中、中国からの挑戦の矛先となったアメリカでは、強い警戒心と脅威を感じております。バイデン政権になって発表されました国家安全保障戦略暫定指針ではこのように述べております。米国に脅威となる国は複数あるが、中国だけが経済力、外交力、軍事力、技術力を伴い、安定し開かれた国際秩序を揺るがすことのできる唯一の存在であるとしております。その一方で、ブリンケン国務長官は、中国とは競争的、協調的、敵対的であるべきとしており、ただ、ただ敵対するだけでなく、緊張感をエスカレートさせるだけではなく、協力的であることも必要だと述べておられます。
 中国とアメリカの関係に表されるような台頭国と覇権国の対立の構造によって引き起こされる紛争は、過去にも歴史がございます。
 こうした観点から、国際政治学者でハーバード大学のグレアム・アリソン教授は「米中戦争前夜」という名著を出されておられます。台頭国が覇権国に挑む構図の戦争において、一定の条件がそろった場合には戦争を避けることが、できるということを、戦争になってしまうと、不可避だという分析もしておりまして、アリソンはこの理論をツキジデスのわなというふうに名付けております。
 しかしながら、アリソンは、必ずしも対立が戦争に至るわけではなく、幾つかの回避の方法もあるとしております。主に覇権国の側が妥協をすること、そして、対立している内容以外での協力関係を築くことで緊張関係が避けることもできるという分析もしております。
 台頭国が覇権国に挑戦した構図の戦争のうち、戦争に至った例、そして戦争を回避した例を少しだけ御紹介申し上げます。
 まず、一つ目の例でございますけれども、これはイギリスとドイツの対立でございます。ドイツの経済成長に伴い、同国が産業や海軍力で台頭したわけでございますけれども、ドイツは台頭国としての敬意や名誉を得るために海軍力強化を図りました。ドイツの海軍強化は攻撃的な目的があったわけではないとされておりますけれども、当時覇権を握っていたイギリスにとっては大きな脅威と映りました。そのため、イギリスも軍拡を進め、緊張感が高まり、結果的に第一次世界大戦へ突入していったという分析でございます。もう一つ、アメリカと日本の戦争もございました。
 戦争に至った例でキーポイントとなりますのは、台頭国は権力の維持拡大のために、その存在を認めてもらいたいとか、そして権威や名誉を求めるということがあるそうでございます。
 次に、戦争を回避した例もございます。一つが、イギリスとアメリカの事例でございます。一八七〇年代に世界最大の経済規模となったアメリカは、積極的に他国の戦争に介入、そしてまた、場合によっては仲介をするようになりました。その結果、イギリスとアメリカの間の大戦の機運が高まりましたけれども、覇権国側であるイギリスは、当時のアメリカの国力に鑑み、南米におけるアメリカの覇権を認めるという偉大な妥協をすることで大戦を回避したという分析がございます。
 次に、言うまでもなく、米ソ対立でございます。小競り合いはございましたけれども、代理戦争という意味の小競り合いでございますけれども、核兵器を持つということは当然大国としての権力の象徴と扱われておりました。そのため、ソ連も核開発を行い、アメリカと核戦争の危機を感じるときもあったわけでございます。しかしながら、戦争には至っていないと。その理由でございますけれども、両国間の距離が離れていること、それから核兵器のせん滅性でございますね、そして外交努力でSALTを構築できたことが大戦が避けられた理由であるという分析でございます。
 繰り返しになりますけれども、ポイントとなりますのは、台頭国は力の拡大に伴いその威厳を誇示する方針を取ることで覇権国との対立を高めていったということです。そして、戦争に至ったケースと異なるのは、覇権国の側が台頭国の地位や名誉、相互理解を進めるなど、妥協策を探ることで大戦が回避できたというふうにアリソンは分析をいたしております。
 また、この観点から、別の研究によりますと、台頭する国が求める地位と、一方で現実に与えられている地位、ステータスとのギャップが大きくなると開戦へつながっていくという別の研究もございます。中国やロシアなどのステータスを覇権国が認知することが、今の対立構造での戦争の回避、戦争のリスクを回避することにつながるのではないかという主張もございます。
 また、繰り返しになりますけれども、アリソンは、共通の利益になるような分野について協力体制を築くことが大戦リスクを低減させる一つの要素ではないかという分析をしております。
 そこで、茂木外務大臣にお尋ねをいたします。
 米中間の衝突を避けるために、アメリカは中国のどのような分野のステータスを認知し、協力体制を構築することができると茂木大臣はお考えでしょうか。そしてまた、日本は米中間の紛争リスク低減のためにどのようなことができるとお考えでしょうか。

#9
○国務大臣(茂木敏充君) 三宅委員の引用されましたグレアム・T・アリソンの本でありますけれど、グレアム・T・アリソンは私の大学院の恩師でありますけれど、ツキジデスのわな、これはペロポネソス戦争から始まりまして、主要な戦争における覇権国と台頭国、新興国との関係で戦争に至るパターン、戦争までには至らないパターン、こういったものを分析しておりますけれど、恐らくアリソン教授の一般的なやり方なんですけれど、まずこういう仮説を立てた上で、戦争に至った場合はどういう意味があるのかと、戦争に至らない場合はどういう意味があるのか、こういう観点からその特徴的なものを抽出するという形で、今先生がおっしゃったような結論といいますか、分析に至っているのではないかなと思っておりますが、いずれにしても優れた分析であって、尊敬もしているところであります。
 その上で、現在の米中間でありますが、通商問題、先端技術をめぐる競争等様々な分野で意見の対立が見られますが、米中両国の影響力からしても、国際社会全体にも関わる問題でありまして、アメリカを覇権国、そして中国を台頭国と定義するかどうかは別にしまして、今後も両国間で建設的な議論が進むことを期待したいと思っております。
 米国との関係と。米国は、中国との関係、委員おっしゃるように、必要に応じ競争的、可能な場合には協力的、そうしなければならないときには敵対的と、このように述べております。ここの中で協力可能な分野としては、新型コロナ対策、気候変動等が挙げられるのではないかなと思っております。重要なことは、気候変動等で協力をしていくということがあっても、ここの分野で協力を引き出すから、例えば基本的な価値であったりとかそういったことで譲ることがあってはならないということなんだと考えております。
 日本としては、東シナ海をめぐっては敵対と、敵対的と言える状況が生じていると、このように懸念をしておりまして、米国と連携し、しっかりして対応していかなきゃならないと考えております。
 私自身、ブリンケン国務長官とのこれまでの電話会談で、中国等の地域情勢についても認識のすり合わせを行って、海警法を含め東シナ海における一方的な現状変更の試みについての深刻な懸念を共有し、連携していくことで一致をしておりまして、今日午後の日米外相会談におきましても、更にこの議論深めたいと考えております。
 また、中国とは、昨年十一月の日中外相会談におきまして、私から王毅国務委員に対して、安定した米中関係が地域、国際社会に利益であることを強調するなど、中国側が適切に対応することを求めてきております。大国としての責任というのがあると、その責任を果たすことが重要で、またそれが国際社会から中国に対して期待されていることだと、こういったことを強調いたしております。
 我が国としては、同盟国たる米国との強固な信頼関係の下、様々な協力を進めつつ、中国に対しても引き続き大国としての責任を果たしていくよう働きかけていきたいと思います。

#10
○三宅伸吾君 岸防衛大臣にお聞きいたします。
 日本は米中間の紛争リスク低減のためにどのようなことができますでしょうか。

#11
○国務大臣(岸信夫君) 経済規模で見ますと世界第一位と第二位の米国と中国が安定的な関係を築いていくことということが、国際社会の平和と安定の観点からも、我が国にとっても大変重要なことだと、こういうふうに思います。
 米国とは、本日の2プラス2、また防衛大臣、防衛相会合においても、この厳しさを増す安全保障環境の中で日米同盟の強化ということについて突っ込んだ協議をしてまいりたいというふうに思ってもおりますが、中国との間では、先月、あっ、失礼、昨年の十二月に日米防衛相会合、電話で行いました。魏鳳和国務委員兼国防部長に対して、東シナ海、南シナ海の情勢をめぐって一方的な現状変更の試みに対する強い懸念を伝達をいたしました。また、国防政策、軍事力の透明性を増してもらう、そして国際社会の懸念を払拭するように直接働きかけをしたところであります。
 このような状況の中で、同盟国である米国との間では、茂木大臣からもありましたとおり、しっかり強固な信頼関係の下で更に意思疎通を図ってまいりたいと、こういうふうに考えております。

#12
○三宅伸吾君 茂木外務大臣に重ねてお尋ねしたいと思います。
 ロシアや中国の国際社会での地位を認める方法の一つとして、G7の枠組みを活用することも一つの意見としてはあるかもしれません。また、もしクリミア併合をやったロシアがG7復帰を希望した場合、日本はどのようなスタンスをお取りになりますか。また、どのような条件がそろえば復帰を認める可能性が出てくるでしょうか。

#13
○国務大臣(茂木敏充君) ちょうど七年前になるわけでありますが、二〇一四年の三月の十八日、ロシアは国際法に違反してクリミア併合を行いました。これを受けて、同じ月の二十四日、三月二十四日に、我が国を含みますG7首脳により発出されたハーグ宣言において、ロシアがその方向性を変更し、G8で意味のある議論を行う環境に戻るまでG8への参加を停止することとされ、それ以降、主要国首脳会議の枠組みはG7となっているわけであります。
 G7としては、例えば本年一月に、ロシアによりますナバリヌイ氏の逮捕及び拘束を非難するG7外相声明を発出しております。我が国はG7の結束と連帯を重視をしておりますが、同時に、国際的な課題への対応に当たってロシアの建設的役割を引き出すためには、ロシアとの対話と関与が必要であると考えております。
 ロシアの主要国首脳会議への復帰につきましては、冒頭申し上げたような環境、これにロシアが戻るということが重要であると考えておりまして、引き続き他のG7メンバー国と意思疎通をしていきたいと思っております。

#14
○三宅伸吾君 関連して、茂木大臣にお聞きをいたします。
 もし中国がG7参加を希望した場合、どのようなスタンスをお取りになられるでしょうか。

#15
○国務大臣(茂木敏充君) 中国ですか。G7は、基本的価値を共有する国々が国際社会の課題について責任ある立場で議論を行うことに意義があるわけであります。それこそがG7と中国等も含めた、等もメンバーになっているG20で決定的な違いがある点だと考えております。
 お尋ねのような、中国が主要国首脳会議への参加を希望しているといったことは聞いたことはありませんが、中国については国際社会の一員として、また大国として、国際ルールにのっとった行動をすることがまず重要だと考えております。

#16
○三宅伸吾君 次に、テーマを変えまして、台湾問題、そして我が国の固有の領土でございます尖閣諸島に関して質問をさせていただきます。
 MITのテーラー・フレーベル教授の研究によりますと、中国の領土紛争の処理には三つのパターンがあるそうでございます。
 概して申しますと、一つ目は周辺部との紛争でございますけれども、これはどちらかというと対立よりも妥協を選択するということでございます。それから、二つ目でございますけれども、これは中国の統一、中国の統一に関わる領土紛争では武力行使も辞さないということでございます。三つ目、島嶼部でございますけれども、これは結論からいうとケース・バイ・ケースでございまして、支配している係争地の大きさですね、シェア、それから係争地へ向けることができる軍の投射力というか展開力によってケース・バイ・ケースで対応してきたという分析がございます。
 台湾でございますけれども、二〇一六年五月、民進党の蔡英文氏が総統に就任、政権が発足してからは中国本土との関係性に緊張感が生まれております。蔡政権発足後は、公式ルートでの中台間のやり取りが中断されていると聞いております。
 蔡政権は、いわゆる一つの中国を中台間で確認したとされる九二年コンセンサスや一国二制度を受け入れないという談話を発表いたしております。二〇二四年の今度、総統選挙がございますけれども、もし引き続き民進党が政権を取れば、今まで八年ごとに与党が変わってきた台湾にとっては大きな変革となり、中国による平和的な統一は遠のくのではないかという考えもあるかもしれません。
 先ほどのフレーベル教授の分析によりますと、中国は領土紛争に直面した場合、支配力そしてバーゲニングパワーが低下しているときに武力に頼りやすいという分析をいたしております。台湾では、特にアメリカが後ろ盾に付くことも歴史的に見て多いわけでございます。そういう意味で、中国の支配力、そして影響力が弱い地域だということも言えるかもしれません。
 今日における台湾での中国の支配力とバーゲニングパワーでございますけれども、今年の一月二十五日でございますけれども、中国外交部定例記者会見では、中国政府からは、台湾は中国の領土であり、独立や外部勢力からの干渉に断固として反対し、アメリカが一つの中国原則を遵守し、台湾の独立をサポートしないよう牽制をしたわけでございます。
 しかしながら、先ほど述べましたように、蔡英文政権発足の後、台湾では対中のメッセージが明確になってきております。つまり、中国の支配力が弱い状態が続いているというふうにも見えます。バイデン政権になって発表されました新しい国家安全保障戦略暫定指針においても、台湾での民主主義、人権や尊厳のための支援をすると。具体的に独立を支援するという表現は当然避けておりますけれども、後ろ盾に立つ姿勢は明確だと思います。
 つまり、中国は、内圧、外圧、共に中国にとって台湾への影響力を抑えるというか、ちょっとダウンサイド、ダウンストリームのような方向はあるような気がいたします。
 三月九日、アメリカ上院の軍事委員会で行われた公聴会、インド太平洋軍のデービッドソン司令官は、中国が台湾に六年以内、少なくとも十年以内には武力での侵攻をするおそれがあると主張をされました。台湾における軍事的な緊張は、残念ながら高まっていると言えるのかもしれません。
 そこで、外務大臣にお聞きをいたしますが、中国が台湾に武力行使をする可能性について、どれほど現実的であると分析されておられますか。

#17
○国務大臣(茂木敏充君) まず、中国がどういった形で支配力を強化をしていくかと。歴史的に見ると、漢民族の王朝のときとそれ以外の王朝のときで決定的な違いが出る、これは間違いない歴史的な事実であると思っておりますが。
 今お話のありました中国が台湾に武力行使をする可能性、なかなかこの現時点で仮定の質問にお答えすることは差し控えたいと思いますが、いずれにしても、我が国としては、台湾をめぐる問題が当事者間の直接の対話によって平和的に解決されることを期待しておりまして、引き続き両岸関係の推移を注視してまいりたいと思っておりますし、さらにそこで緊張感が高まる、対話でない形で何らかの動きが進むと、これについては適切な対処が必要だと思っております。

#18
○三宅伸吾君 岸防衛大臣にも、中国が台湾に武力行使をする可能性についてどれほど現実的であると分析されているか、お聞きしたいと思います。

#19
○国務大臣(岸信夫君) 我が国としては、今、茂木大臣からもお話がありました、当事者間の直接の対話により平和的に解決をされること、そして地域の安定に寄与することを期待するというのがこの台湾をめぐる問題に対しての我が国の立場でございます。
 その上で、近年、中国が軍事力を強化し、急速に進めてきております。中台の軍事バランスについて見ますと、もう全体として中国側に大きく有利な方向に傾いておりまして、その差は年々拡大をしている方向にございます。
 また、最近、中国は、台湾周辺の海空域において軍事活動を活発化させています。例えば、台湾当局の発表では、二〇二〇年九月以降、中国機による、中国軍機による台湾空域への侵入が増加をしているところです。また、バイデン政権発足後、本年一月二十三日そして二十四日には、連日にわたりまして十機を超える規模で戦闘機や爆撃機を含む中国軍機が台湾空域に侵入をしてきています。
 中国は、海上・航空戦力による海空域における活動を急速に拡大、活発化しておりまして、防衛省としては引き続きこうした動向について注視をしてまいりたいと考えています。

#20
○三宅伸吾君 続けて、岸防衛大臣にお聞きをいたします。
 台湾での有事は、我が国にとって存立危機事態に該当いたしますか。

#21
○国務大臣(岸信夫君) 繰り返しですけれども、我が国としては、当事者間の直接の対話により平和的に解決をされること、地域の安定に寄与することを期待をしているというのが我が国の立場ではありますが、具体的にいかなる事態が存立危機事態に該当するかということについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することとなります。そのため、一概にお答えすることは困難であると思います。

#22
○三宅伸吾君 次に、我が国の固有の領土でございます尖閣諸島についてお聞きをしたいと思います。
 言うまでもなく、特にこの十年でございますけれども、中国の海警局の船などが我が国の領海に毎日のように侵入するなど、緊張感が高まっているということは言うまでもございません。
 そうした中、けしからぬ発言がございまして、昨年、中国、王毅外相が来日した際、彼はこのように言いました。魚釣島が中国の領土であると分かっていない日本漁船が侵入してくるので、中国としてはやむを得ず対処せざるを得ないということまで、あり得ないようなことをおっしゃったわけでございます。
 そういった中、今年の一月十日でございましたけれども、日本経済新聞のあるコラムが目に留まりました。そのコラムは、尖閣諸島に関しまして次のようなあってはならないシナリオが書かれておりました。
 どういうシナリオかと申しますと、尖閣諸島周辺の日本の領海で中国海警局が尖閣へ無断上陸を図ったとされる中国漁民を逮捕、そして、中国政府は声明で、中国の施政下にある、施政下にある海域で日本とのあつれき回避のため管轄権を行使したと発表、政府の発表のみならず中国のテレビ局が逮捕劇の一部始終を撮影した映像を繰り返し報道し、これを見た海外メディアも追従して報道したという、あってはならないシナリオを原稿にしておりました。
 この記事のシナリオには幾つかポイントがあるんだろうと思います。第一に、中国海警が逮捕したのが中国人であるということ、二つ目が、尖閣諸島が中国の施政下であるという発言、三点目が、中国の海上警察組織が日本の領土で管轄権を行使しているということ、四つ目が、メディアの報道により尖閣諸島は中国の国内問題であるという印象付けが世界中にされてしまうということがこのシナリオの、あってはならないシナリオのポイントではないかと思います。
 外務大臣にお聞きしたいと思います。今申し上げました四点の点も考慮いたしまして、あってはならないことではございますけれども、万が一このような事態が起こった場合、日本としてはどのように対応されますか。

#23
○国務大臣(茂木敏充君) 三宅委員が編集委員もお務めになった日本経済新聞、クオリティーペーパーで、電子版を始め新しい取組も積極的に展開をされていると思いますが、こういったマスコミの一つ一つ、報道の一つ一つであったりとか仮定の質問にお答えすることは差し控えたいと思いますが、その上で申し上げれば、このシナリオとは全く違っていて、尖閣諸島は歴史的にも国際法上も疑いのない我が国の固有の領土でありまして、現に我が国はこれを有効に支配をしております。尖閣諸島をめぐり解決すべき領土権の問題はそもそも存在をしないわけであります。
 また、現状について申し上げれば、中国海警船舶が累次にわたり尖閣諸島周辺の我が国領海に侵入し、日本漁船に接近しようとする動きを見せていることは誠に遺憾でありまして、断じて容認できません。記事のシナリオにもあるような、尖閣諸島周辺の我が国領海内で独自の主張をするといった海警船舶の活動はそもそも国際法違反でありまして、中国側に厳重に抗議をしてきているところであります。
 このシナリオは成り立たないと思います。同時に、このシナリオの中で、これは日本の固有の領土であると、解決すべき領有権の問題はないということは国際社会にも理解を得てきておりますので、海外のメディアがこぞってそれを映すということも想定できないなと、そのように考えているところでありますが、いずれにしても、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意の下、主張すべきは主張し、今後とも冷静かつ毅然に対応していきたいと思います。

#24
○三宅伸吾君 茂木大臣、御丁寧な御答弁ありがとうございました。
 岸防衛大臣にもお聞きしたいと思います。
 今私が申し上げました四つのポイントも考慮しまして、このような事態が起こった場合、日本としてはどのように対応されるでしょうか。また、問題は、海上保安庁の管轄範疇にとどまるのでしょうか。それとも、海上自衛隊が指揮を執るような事態になるのでしょうか。

#25
○国務大臣(岸信夫君) あくまで一般論として申し上げますと、領土、領海におきます治安維持については警察機関が一義的には対応することになります。警察機関で対処できない場合に、自衛隊としては海上警備行動や治安出動を発令をして、警察機関と連携の上対処するということになります。
 このような対処に対して、警察機関と自衛隊との連携が極めて重要なことになります。平成二十七年には、海上警備行動等の発令手続の迅速化を図るとともに、関係機関の間で各種の訓練をしっかり行うとともに、情報共有、関係機関の連携についても不断の強化をしてきているところであります。
 さらに、侵害行為が外部からの武力攻撃に該当するという判断をした場合、我が国を防衛する必要があると認められる場合には、防衛出動を発令して対処をすることになります。
 また、その上で、自衛隊法第八十条においては、内閣総理大臣は、防衛出動や治安出動を命じた場合において、特別な必要があると認めるときには、海上保安庁の全部又は一部を防衛大臣の統制下に入れることができると規定をされているところです。この際、海保、海上保安庁は、非軍事的性格を保ちつつ、防衛大臣の統一的、一元的な指揮の下に、適切な役割分担を確保しつつ、海上における人命及び財産の保護、犯罪の取締り等を実施することとなります。
 いずれにいたしましても、自衛隊・防衛省としましては、国民の命、そして財産を、また領土、領海、領空を断固として守り抜くというために、関係の省庁とも連携をしっかり取って万全の体制をつくってまいりたいと考えております。

#26
○三宅伸吾君 ありがとうございます。
 次に、中国海警について話をしたいと思います。
 本年二月一日、海警法が施行となりまして、海警は中央軍事委員会の命令に基づいて防衛作戦等の任務を遂行することなどが海警法には明記をされております。
 岸防衛大臣にお尋ねをいたします。海警法の成立は我が国の安全保障環境にどのような影響があるとお考えでしょうか。

#27
○国務大臣(岸信夫君) 中国海警法が我が国の安全保障環境に及ぼす影響については、我が方の情報収集、分析に関わるものでありますことからお答えをすることは差し控えますが、この海警法により、我が国を含む関係国の正当な権益を損なうことがあってはならないことです。東シナ海などの海域において緊張を高めるようなことは断じて受け入れることはできません。
 その上で申し上げますと、中国は、透明性を欠いたまま継続的に高い水準で国防費を増加させ、軍事力を広範かつ急速に強化をしています。周辺海空域等における活動もまた活発、拡大化をしているところです。
 例えば、先般公表されました中国の二〇二一年度の国防費は、対前年度比で六・八%の伸びでありまして、約一兆三千五百五十三億元であると承知をしております。二〇二一年のレートで機械的に換算をいたしますと、日本円で約二十兆三千三百一億円となります。これは、我が国の令和三年度の防衛関係予算案の五兆一千二百三十五億円の約四倍と試算をされているところです。
 このように、中国の軍事動向等について、国防政策や軍事力の透明性も相まって、我が国を含む地域や国際社会の安全保障上の強い懸念となっており、今後とも強い関心を持って注視をしてまいりたいと考えております。

#28
○三宅伸吾君 ありがとうございます。
 外務省にお聞きをいたします。海警法に対する日本政府の懸念を、ポイントを絞って簡潔にお聞かせください。

#29
○政府参考人(曽根健孝君) お答えいたします。
 中国の海警法につきましては、国際法との整合性の観点から、問題がある規定を含んでいると考えております。
 例えば、第三条は、海警法を適用するとされる中国の管轄海域及びその上空の範囲が不明確でございます。仮に中国が主権等を有さない海域で海警法を執行すれば、国際法違反に当たります。
 また、二十一条は、外国軍艦、公船による中国の法令違反行為に対して法執行業務を行う旨、及び外国軍艦、公船に対して強制退去、強制引き離し等の措置を講ずる権利を有する旨規定しておりますが、国際法上、一般に、軍艦及び公船は、執行管轄権からの免除を享有しております。海警法が免除を侵害する行為を行う場合は、国際法違反に当たると考えております。
 さらに、二十二条におきまして、国家の主権が海上において違法な侵害を受ける場合等に、武器の使用を含む全ての必要な措置を講じる権利を規定し、その上で、四十九条、五十条等で一定の制約を課しているという規定になっております。国際法上、武器の使用に際しては、一般に、比例性及び必要性が要件となります。中国海警局が国際法上必要とされる比例性及び必要性の要件を満たさず過剰な武器使用を行う場合は、国際法違反に当たると思います。
 こうした中で、我が国を含む関係国の正当な権益を損なうことはあってはならないと考えており、中国海警法により東シナ海や南シナ海などの海域におきまして緊張を高めることになることは全く受け入れられないということで、こうした我が国の強い懸念を中国側に対し引き続きしっかりと伝えていきたいというふうに考えております。

#30
○三宅伸吾君 最後に、国土交通省参考人にお聞きをいたします。
 海上警察の組織論は様々あろうかと思います。米沿岸警備隊も、危機のときに当たっては海軍長官の指揮に入るということでございます。海上保安庁は海上の警察組織でございますから、管轄官庁を警察庁の方に置いてもおかしくないという議論もできるかもしれませんし、昨今の尖閣等の緊張関係を見ると、自衛隊に近いところにあってもいいんじゃないかという議論もあるのかもしれません。
 そうすると、防衛省の管轄に近いところでもいいという議論もあるのかもしれませんけれども、いずれにしましても、国土交通省が現在海保を所管しているわけでございますけれども、その経緯などをごく簡単に説明してください。

#31
○政府参考人(宮澤康一君) お答えいたします。
 海上保安庁は、昭和二十三年に、当時の運輸省の外局として設置されました。それ以後、一貫して、海上の安全及び治安の確保を図るという任務を果たすため、領海警備、海上における法令違反の取締り等の業務を行っているほか、船舶交通の安全確保、海難救助、海洋調査、海上防災、海洋環境の保全等の業務を行っており、これらの業務と極めて強く関連している海事行政を所管する国土交通省の外局として一体的に実施しております。

#32
○三宅伸吾君 本日午後の2プラス2、両大臣には、国益を担って十分な議論を進めていただき、成果を出されることを期待し、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#33
○山田宏君 おはようございます。自由民主党の山田宏でございます。本日も日本の尊厳と国益を守る立場から御質問をさせていただきます。
 今、三宅委員の方からも御質問がありましたので補足的になるかもしれませんが、今日は提案型の質問をさせていただきたいと考えております。
 両長官が今日、会談をされるわけです。茂木外務大臣がおっしゃられたように、日米同盟の重要性、重要なものというのを明かすあかしとなるような、最初の訪問地としてこの日本が選ばれたということはこれまでの御努力の成果と考えております。両大臣ともじっくり意見交換をしようと、こういう御答弁でございました。
 そこで、私は、対中国に関して考えると、やっぱり対峙する覚悟のある者だけがきちっとした交渉ができると考えているわけです。対峙する覚悟がなければ交渉はだらしないものになる。だから、対峙する覚悟というものが極めて大事だと、こういうふうに考えております。
 そこで、今回の2プラス2は恐らく四月上旬に予定をされております首脳会談につながっていく大事な会談となると思うので、この機会に幾つか進めていただきたい点について御質問させていただきます。
 一つは、防衛大臣。尖閣諸島が必ずテーマになります。今お話がありましたとおりです。日米安保条約の第五条の適用という表明はもう何度もなされています。これはこれで有り難いと思うんです。しかし、これだけ、このスローガンにとどまらず、やはり具体的な具体策、このスローガンを形にする具体策というものを今回は議論していただきたいと考えております。
 例えば、今の尖閣諸島の状況を考えると、日米地位協定で定める米国射爆場になっている久場島、大正島で日米の共同演習というものを実施しようじゃないかということについても是非オースティン長官に提案をしていただきたいと思います。
 もちろん、東シナ海でいろんな日米の演習をやっていることは私も存じ上げております。しかし、現在の尖閣の状況を考えると、その有効支配というもの、日本の有効支配というものをきちっと内外に明らかにするためには、またその決意をきちっと明らかにするためには、やっぱりもう一歩進めていただきたいと、こう考えておりますけれども、防衛大臣の御所見を伺います。

#34
○国務大臣(岸信夫君) まさに日本とアメリカは一緒にあるということをしっかり行動で示していくということは、これは必要なことなのかもしれません。
 今お話がありましたけれども、自衛隊と米軍においては、これまでも尖閣諸島を含む南西方面において共同訓練を実施をしております。このような訓練によって、自衛隊の戦力、技術の向上、米軍との連携の強化を図ることができたほか、これらの取組を通じて地域の平和と安定に向けた日米の一致した意思や能力を示してきているものと、このように考えております。
 本日行われます日米2プラス2における具体的な議論の内容については現時点では予断を持ってお答えすることは差し控えますが、中国を含みます地域の安全保障環境について意見を交わした上で、日米同盟の抑止力、対処力の強化に向けた今後の協力等について協議してまいりたいと思います。
 いずれにいたしましても、防衛省としては、引き続き各種共同訓練を着実に積み重ね、日米同盟の抑止力、対処力を不断に強化するとともに、日米が共に行動している姿を示してまいりたいと考えております。

#35
○山田宏君 私の提案したのは、久場島、大正島での日米共同演習を提案してほしいということなんですが、その件についてはどうですか。

#36
○国務大臣(岸信夫君) 具体的には予断することは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、そのような山田議員からの御提案もしっかり心に留めた上で、日米の抑止力、対処力を高めていくために何をすべきか、このようなことについて協議をして進めてまいりたいと思います。

#37
○山田宏君 よろしくお願いいたします。
 それでは次に、外務大臣にお伺いします。
 二月二十三日、国防総省のカービー報道官が、米国は尖閣諸島の主権に関して日本を支持しているということを発言されて、その翌日にはウエブサイトで、いや、注を付けて、米国の政策には変更はないと。またその二日後には、カービー報道官自体が、発言は誤りであると、米国の立場に変更ないということで、アメリカは他国の領有権について、個別の領有権主張に対してはアメリカの立場は明確にしないというのが従来のスタンスでございました。しかし一方で、北方領土は例外的にこの日本の領土としてアメリカは明確に立場をしているわけです。
 そこで、尖閣諸島も日本領土として米政府が認めるということは、この海域の紛争抑止と安定化に私は資すると考えておりまして、カービー報道官のこの発言の行ったり来たりというのは、アメリカの政府が揺れているのか、それとも、むしろ余りしっかり考えていないのかというような印象を与えてしまったわけですけれども、我が国としては、尖閣諸島の領有権をアメリカに明確に立場をきちっと示してもらうということは、これは外交として大きなやっぱり大事なところだと、踏み外してならないところだと、こう考えております。
 御案内だと思いますけれども、二〇一九年、アメリカの上下院においては、南シナ海・東シナ海制裁法案というのが、共和党、民主党の有力議員が名前を連ねて提案をしています、まだ提案中ということで、かかったままですけれども。読んでみますと、やはりアメリカは、今申し上げたように、他国の領有権主張については立場を明確にしないという伝統的な政策というものは変更すべきだとこの法案には書いています。その上で、その上で、中国は、東シナ海では日本が施政権を保持する尖閣諸島への領有権を主張して軍事絡みの侵略的な侵入を続けているが、米国としてはこの中国の動きを東シナ海の平和と安定を崩す行動として反対するということで、中国が言わば、はっきり言えば、中国の領有権の主張は認めないと言っているわけです。
 つまり、アメリカは、議会ですよ、これは、議会はそこまで来ているというふうに考えると、政府、アメリカの政府について見ても、日本は不断に、この領有権についてはアメリカは立場を明確にしてほしいと、日本の領土とまで行かなくても中国の領有権は認めないというぐらいの、この立場というものを鮮明にしてもらうように今回の会談を通じてもよく外務大臣の方からお話しになっていただきたいと考えているんですけど、御所見を伺います。

#38
○国務大臣(茂木敏充君) 今日の午後に行われます日米の2プラス2の機会におきまして、東シナ海を含みます一層厳しさを増す地域の安全保障環境について議論をすると。これは、それに先立ちます外相会談でもかなり時間を掛けて中国の部分は議論することになると思うんですが、極めて重要かつタイムリーな会談だと考えております。
 その上で申し上げますと、米国政府は、尖閣諸島に関する日本の立場を十分理解し、尖閣諸島をめぐる情勢については、我が国の立場に立って緊密に連携していく立場であります。御指摘の報道官の発言もありますが、日米安全保障条約第五条に基づいて尖閣諸島を含む日本を防衛するとの米国のコミットメント、バイデン政権発足以来、累次の機会に表明をされているところでありまして、米国は現状を変更するあらゆる試みに反対する旨表明していることからも明らかだと考えておりまして、こういったことを踏まえて、今日の日米外相会談、そして2プラス2に臨み、その結果を共同声明等の形で発出をしたいと考えております。

#39
○山田宏君 外務大臣も御案内だと思いますけれども、フィリピンですね、スカボロー礁は、これはオバマ政権のときにはスカボロー礁は米比相互防衛条約の適用範囲内にあると、万一、しかるべきときはコミットメントを果たすと繰り返してアメリカ政府は発表していました。スカボロー礁はレッドラインだということまで言っていました。
 ところが、二〇一二年四月から六月にかけて中国が軍事的に圧迫を掛けたときに、フィリピン政府がこの条約の第五条を適用してくれとアメリカに何度も何度も言ったけれども、結局、オバマ政権は軍隊を送ることをしなかったと。その結果、今スカボロー礁も中国の下にあります。
 こういったことを考えると、やっぱり、もちろん第五条適用と言ってくれることは確か、有り難いことですけど、もう一歩、領有権の問題についても是非議題に上げていただきたいと思いますけれども、外務大臣、いかがでしょう。

#40
○国務大臣(茂木敏充君) 山田委員の御意見は御意見として重く受け止めさせていただいて、しっかりと交渉に臨みたいと思います。

#41
○山田宏君 是非お願いいたします。
 それから、先ほども三宅委員の方からお話がありました台湾問題について一点伺いたいと思います。
 台湾は、日本の安全と繁栄にとっては致命的に重要な場所だというのは、岸大臣はもうずっと台湾との関係も大事にされてこられまして、よく分かっておられるんですけれども、是非日米間で、今回の防衛相会談においても台湾防衛についても具体的に意見を交わしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょう。

#42
○国務大臣(岸信夫君) まず、台湾が位置をします東シナ海においては、我が国の南西諸島とユーラシア大陸に挟まれ、その沿岸国として、経済面等で地域、国際社会に大きな影響力を有する我が国や中国が存在をしているところです。このような特徴を踏まえますと、台湾をめぐる情勢の安定というものは、南西地域を含む我が国の安全保障にとってはもとより、国際社会の安定にとっても大変重要なものであると、このように考えております。
 その上で、我が国を取り巻く安全保障環境が格段に厳しさを増している中で、同盟国たる米国との間で地域の情勢について意見交換を行うことは大変重要であります。本日の日米2プラス2、また防衛相会談においてもしっかり意見交換をしてまいりたいと思います。
 近年、中国が軍事力の強化を急速に進める中で、中台の軍事バランスが全体として中国側に優位な方向に動いておりまして、毎年その格差というものが広がっていると、このように考えております。
 台湾をめぐる問題については、我が国としては、基本的立場としては、当事者間の直接の対話により平和的に解決されること、地域の安定に寄与することを期待するという立場ではありますけれども、いずれにしましても、いかなる事態においても我が国の領土、領海、領空をしっかり守っていくこと、そして国民の命、平和な暮らしを守り抜くということは政府の最も重要な責務であります。引き続き万全を期してまいりたいと、こういうふうに考えております。

#43
○山田宏君 台湾の方は、多分アメリカからも話が出るとは思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
 最後にもうなってしまいました。まだ質問があったんですけれども、ちょっと時間があと二分ということになります。最後に外務大臣にお聞きをいたします。
 今回、2プラス2、また外相会談でも何らかの記者会見なり共同声明なども発表されるんではないかと、こう思っておりますけれども、もしそういうことであれば、必ず、今回、台湾による、力による、台湾の力による現状変更ですね、というものについては断固反対するということを是非その声明や発表の中に盛り込んでいただきたいと考えておりますけれども、いかがでございましょう。

#44
○国務大臣(茂木敏充君) 本日の日米外相会談、そして日米の2プラス2の共同発表等につきましては、本日午後の日米2プラス2等の結果を踏まえて発出をする予定であります。まさにこれから議論するんで、この段階でどういう発表にします、これは当然決められないわけでありますが、捕らぬタヌキの皮算用と、こういう言葉がありますが、これをポジティブに言いますと、結果を見てから笑えと言います。

#45
○山田宏君 私は共同声明の内容を言いましたけれども、そういう方向に向けて努力をしていただきたいと、こういうお話をしたわけです。是非期待しておりますので、よろしくお願いを申し上げて、時間となりましたので終えたいと思います。
 ありがとうございました。

#46
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 日米豪印首脳会議と日印外交について伺います。
 日米豪印首脳テレビ会議が十二日に開催をされて、茂木大臣も同席をされておりました。会議はコロナ禍とインド太平洋地域の安定と発展を標榜するものと理解をしております。
 今回、QUADが首脳級にて開催されることになった経緯と狙いについて、そして会議の際に議題となった項目とその結果について茂木大臣に伺います。

#47
○国務大臣(茂木敏充君) 日米豪印四か国でQUADと、このように呼ばれておりますが、これは二〇〇七年に事務レベルで対話を開催し、その後、二〇一七年頃から事務的な取組を重ねまして、私が外務大臣に就任しました二〇一九年の九月に初の外相会合を開催いたしました。また、昨年の十月六日にも東京で二回目の外相会合を開催して、先月にはブリンケン米新国務長官の参加も得て、オンラインでありましたが、QUADの外相電話会合、これを実施をしたところであります。こういったこれまでの、特に最近の積み重ねの上に、今回初めて首脳会合の開催、一段レベルを上げる、最上段まで上げるというところまで来たわけであります。
 今般の首脳テレビ会議、私も出席、同席をいたしましたが、自由で開かれたインド太平洋というビジョンを共有する四か国で、新型コロナ対策、気候変動、重要・新興技術、東シナ海、南シナ海、ミャンマー情勢等を含む地域情勢等の幅広い議題について充実した意見交換を行って、ワクチンの専門家作業部会を含みます三つの作業部会、ここの中には、あと気候変動と新興技術と、これが入ってくるわけですけど、この三つの作業部会の設置など具体的な協力を進めることで一致をいたしました。
 日本時間でいいますと十時半から始まった会合で、十二時までということですけど、十五分ぐらい延びるという形でありました。恐らくオーストラリアにとっては夜中の十二時半から始まるということで、大変だったんじゃないかなと。それぞれ時間は、アメリカが朝の八時半から始まる、インドは夕方の六時四十五分から始まる。どうしても地球のかなり違った位置にありますからそういう時間付けになったんですが、非常にかみ合った議論、一つ一つのテーマについて方向性が一致している、こういったところも自分なりに感じたところでありまして、首脳会談については本年末までに対面で首脳会談を開催するということで一致をしましたし、外相会談については既に毎年やろうということで一致を見ているところであります。

#48
○三浦信祐君 極めて充実した会議だということは茂木大臣の御答弁の中で酌み取れると思うんですけれども、インドについて質問させていただきたいと思います。
 インドのモディ首相がこのような首脳会議に出席することは大変意義深いと私は考えております。特に、安全保障面でのこれまでの立場を乗り越えてQUAD首脳会議に出席したことは、インド太平洋を取り巻く状況に大きな課題があり、必要性を認識して積極的に関与をするということを表明したとも言えると思います。日本政府としての受け止めについて伺いたいと思います。
 その上で、日印外交、これ極めて重要だと思います。より強化、深化をしていくということが私は必要不可欠なんではないかと思います。今後の展望と取組について、茂木大臣、いかがでしょうか。

#49
○国務大臣(茂木敏充君) 我が国と特別戦略的グローバルパートナーシップの関係にありますインドは、インド太平洋に自由で開かれた国際秩序を構築すべくインド太平洋海洋イニシアティブを掲げておりまして、我が国として自由で開かれたインド太平洋を実現する上で重要なパートナーであると考えております。
 同時に、インドはこのインド太平洋地域の要衝に位置するのは間違いないわけでありますし、コロナ対策で鍵を握るワクチン、このワクチンの世界最大の生産国でもあるわけであります。
 今般、バイデン政権発足後の早いタイミングで、インドのモディ首相の参加も得て史上初となります日米豪印の首脳会議が開催され、新型コロナ対策や自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力、そして地域情勢などについて議論を深めることは有意義であったと考えております。
 幾つかのこと、私なりに印象に残っているわけでありますが、その中の一つが、モディ首相が会議の冒頭で、自由で開かれ包摂的な、インクルーシブという言葉を使ったと思うんですけれど、インド太平洋のコミットメント、改めて明確に冒頭に表現したと、これは極めて印象的だったと、こんなふうに考えているところであります。
 インドとの間では、先般の首脳電話会談においても、二国間そして日米豪印の枠組みで協力していく旨確認もしておりますし、安全保障、防衛協力、デジタルを含む経済関係強化など、様々なレベルで今後も日印特別戦略的グローバルパートナーシップの強化に努めていくところであります。
 私もカウンターパートでありますジャイシャンカル外相と、奥さんが日本人ということもあって非常に親日的なところもあるんですけれど、対面でもう四回会っておりますし、電話会談を行ったり、また日米豪印等々でも、日米豪印さらにはG20等でも緊密に連携をしてきているところであります。
 特に、来年、日インド外交関係樹立七十周年という節目の年でありまして、人的交流、文化交流分野を含めて幅広い分野で二国間関係、強化していく契機にしていきたいと思っております。

#50
○三浦信祐君 明確にお答えをいただきまして、ありがとうございました。その中でも、二〇二一年中に首脳会談を対面でやろうと明言したということは国際社会に与える明確なインパクトがあることですので、それまでのプロセス、茂木大臣、是非頑張っていただきたいというふうに思います。
 次に、中国海警法について伺いたいと思います。
 茂木大臣は、所信表明において、中国の海警法について、国際法上の整合性の観点から問題がある規定が含まれるというふうに述べられました。どのような内容が問題で、我が国の正当な権益、存立に関わる部分はどの部分なのか、国際法上に照らし合わせて、例えば国際海洋法上と比較した上で具体的な内容を明確に国民にお伝えをいただきたいと思います。
 また、今回のQUADでも課題として取り上げられたというふうに私は認識をしております。政府の認識と今後の取組、そして国際社会との連携と対応について伺いたいと思います。

#51
○政府参考人(曽根健孝君) お答えします。
 中国の海警法につきまして、国際法との整合性等の観点から様々な問題がある規定があるというふうに考えております。
 その具体的な例として三つほど挙げさせていただきたいと思います。
 まず、第三条、海警法を適用される中国の管轄海域及びその上空の範囲というのが不明確でございます。仮に中国が主権等を有さない海域で海警法を執行すれば、国際法違反になります。
 また、二十一条で、外国軍艦、公船による中国の法令違反行為に対して法執行業務を行う旨規定するとともに、外国軍艦、公船に対して強制退去、強制引き離し等の措置を講ずる権利を有する旨規定しておりますが、国際法上、一般に、軍艦及び公船は、執行管轄権からの免除を有しております。海警法が免除を侵害する行為となるような場合には、国際法に違反するということになります。
 さらに、二十二条におきまして、国家の主権が海上において違法な侵害を受ける場合等に武力の行使を含む全ての必要な措置を講じる権利を規定するとともに、その上で、四十九条及び五十条等で一定の制約を課してあります。国際法上、武器の使用に際しては、一般に、比例性、必要性が要件となります。中国海警法が国際法上必要とされる比例性及び必要性の要件を満たさずに過剰な武器使用を行う場合には、国際法違反になります。
 こうした中で、我が国を含む関係国の正当な権益を損なうことがあってはならず、中国海警法により東シナ海、南シナ海などの海域において緊張を高めることになることは全く受け入れられるものではございません。こうした我が国の懸念は中国に対し引き続きしっかり伝えていきたいというふうに考えております。
 また、同盟国であります米国及び有志国との関係強化も重要でございます。米国を始めとするG7やASEAN諸国を含む国際社会と連携し、力による現状変更の試みに強く反対していきたいと考えております。
 十二日に行われた日米豪印首脳テレビ会議におきましても、総理から、中国海警法について、国際法との整合性の観点から問題がある規定が含まれており深刻に懸念している旨指摘しているところでございます。
 我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くという決意の下、主張すべきことは主張し、今後とも冷静かつ毅然と対処してまいりたいと考えております。

#52
○三浦信祐君 我が国の主権を守るために、国際的ルールにのっとって毅然と対応を是非やっていただきたいというふうに思います。
 いずれにせよ、中国は大国との責任を果たすためには必要なルールを遵守するということが国際社会の中での絶対に必要なことだということは、経済上どうしても切っても切り離すことができない日本こそが言わなければいけないことだと思います。本日の2プラス2でも、一番最初に大事なパートナーとして米国が日本にコミットメントを図ってくれるということであれば、防衛大臣からも、茂木大臣からも、是非この案件については世界に明確に発信をしていただきたいということをお願いをさせていただきたいと思います。
 次に、海上自衛隊艦艇の通信環境の改善について伺います。
 従前より、厳しい募集環境の中、今後の人材、人員確保には、海上自衛隊隊員の任務環境の改善を図る必要が常にあると私は考えております。中でも、艦艇における乗組員の情報通信環境の改善は必須であります。日本近海での家庭通信環境をより使いやすくする環境整備を是非行っていただきたいと思います。短期近海任務における各艦艇からの通信環境のニーズ調査、こういうことも行っていただくなど、確実に取組を進めていただきたいと思います。
 また、あわせまして、艦艇内でのWiFi環境整備も進めるべきだと思います。現状は、多くの船では食堂及び通信室と無線範囲が限定をされております。今後、隊員の居住区画でも通信可能にすべく、広く艦艇内でのWiFiによるアクセス可能に改良すべきであります。
 岸大臣、いずれも取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#53
○国務大臣(岸信夫君) 艦艇の乗組員の通信環境につきましては、隊員が家族等と連絡を取り合うための手段として、艦艇に設置されている家庭通信用端末によって家族等と電子メールによる連絡を行っておりましたが、平成二十九年から無線のLAN環境、いわゆるWiFiを整備をしたことで、隊員が個人の携帯端末から同端末を介して電子メールの受送信が可能になったところであります。
 これまで、長期の海外派遣となります海賊対処や、中東における情報収集活動に従事した艦艇乗組員に対して家庭通信用端末の利用状況のアンケートを実施をいたしました。隊員の通信ニーズの把握に努めておりますが、委員御指摘の短期の近海での任務の隊員は含まれておりませんでした。短期近海任務の艦艇乗組員の通信ニーズの把握にも今後努めてまいりたいと考えております。
 また、現在、艦艇の食堂や通信室の前にも無線のLANルーターを設置をし、隊員が利用できる通信環境は整備をされております。今後は、隊員の利便性を向上させる観点から、居住区画への無線通信環境の拡大を含めて通信環境の改善について検討してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、航海中における艦艇乗組員が安心して任務に従事し、また一方で隊員の留守を預かる家族が不安を感じないように、隊員、家族の心的負担を軽減させるべく、隊員の通信環境の利便性向上に努めてまいりたいと考えます。

#54
○三浦信祐君 是非進めていただきたいと思います。また、どういうふうな進捗かということも、結果も含めてまた伺いたいと思います。
 海上自衛隊の艦艇の位置秘匿、これは当然でありますけれども、先ほど来、乗組隊員の福利厚生環境の充実というのも欠かすことはできないと思います。両立を図る取組というのが必要です。
 艦艇から電子家庭通信を行う際、現状のインマルサットを利用した通信回線手法では、通信員が一つ一つ空いている回線を確保しているということをやっているのが現状であり、回線が限られています。回線も細い状況であります。
 改善手法としては、衛星回線のKuバンドの活用があります。これによって複数艦艇が常時接続可能となり、自動接続できるために通信員の負担軽減も図られます。省人化もでき、自動化がより進むことが期待ができます。日本近海における通信の確保も可能であって、電子家庭通信にKuバンドの活用を強く求めたいと思います。御対応いただけませんでしょうか。

#55
○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のKuバンドにつきましては、インマルサットに比べて大容量通信が可能な周波数帯でありまして、海上自衛隊が活動する主要な海域でも使用できるため、海上自衛隊でもXバンド衛星の補完機能としてデータ通信に使用しているところでございます。
 防衛省といたしましても、艦艇における任務遂行のための通信というものと福利厚生のための通信の両立といったことや、通信士等艦艇で勤務する隊員の負担軽減は非常に重要であると考えているところでございまして、引き続き福利厚生のための通信ニーズというものをしっかり踏まえさせていただきまして、委員御指摘のKuバンド衛星の利用拡大を含む通信環境の改善に向けて検討してまいる所存でございます。

#56
○三浦信祐君 是非、結果を待っております。よろしくお願いします。
 近年、海上自衛隊に対する負担の増加によって、任務と訓練とドック入り整備のこのバランスが崩れております。従前からの伝統を確保しつつも、改善のために、海上保安庁が取り入れているようなクルー制について検討すべきではないでしょうか。見解を伺います。

#57
○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のクルー制につきましては、艦艇の数よりも多くクルーの数を確保し、各クルーが交代で艦艇に乗船する運用形態でございます。
 クルー制の導入につきましては、艦艇の稼働率を向上させるのみならず、艦艇乗員の勤務環境の改善にもつながるものでございます。
 具体的には、従来、特定の艦艇の任務が増大すれば、その艦艇の乗員の洋上勤務日数もこれに合わせて増大せざるを得ませんでしたが、クルー制の導入によりまして、特定の艦艇の任務が増大した場合にも、クルーが交代で乗船することによりまして艦艇乗員の洋上勤務日数を縮減し、休養時間を確保することができるというものでございます。
 現在、クルー制につきましては音響測定艦に導入しているところでございますが、今後就役する新型護衛艦、FFMに導入するということとしているところでございます。

#58
○三浦信祐君 是非、ただでさえ国民の生命と財産を守る崇高な任務であります。それを心意気だけに頼るということではなくて、きちっと体制整備をしていただくということが持続可能な我が国の存立に関わることだと思いますので、是非進めていただきたいというふうに思います。
 一つ飛ばさせていただきます。
 間もなく防衛大学校は卒業式を迎えます。厳しい教育訓練を全うされ御卒業される学生各位にお祝いを申し上げたいと思います。また、御家族の方にも併せてお祝いさせていただきたいと思います。コロナ禍でも学生さんの育成に当たられた関係各位に心から敬意を表したいと思います。
 さて、大臣も恐らく卒業式に御出席をされて訓示をされると思いますが、明確にしていただきたい要望が一つあります。それは、防衛大学校の施設整備です。歴史と伝統を堅持しておりますけれども、建物が老朽化をしてきているということは確実な事実であります。防衛大学校の新理工学館の継続的整備を必ず行っていただきたいと思います。
 現状、新理工学館A棟が運用されて、今後順次建て替えていくと承知をしております。この最初の段階の建て替えのときには、私も当時職員として携わらせていただいて、思いは強くあります。ですが、理工学A館だけが立派で、あとは予算が足りないからきちっとしたものがないとなれば、教育環境の不平等さが出るということは断じてあってはならないというふうに思います。計画的にかつ予定どおりに進めていくために、現状の進捗と今後の見通しについて伺いたいと思います。
 また、グラウンドの人工芝の整備等、学生の教育環境整備も見える形で推し進めるべきだと思います。後輩のためにも、今回卒業する学生さんたちが将来いろんな形で携わるときに誇るべき大学の施設でもあるということを言えるように、是非、岸大臣、しっかり取り組んでいただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。

#59
○国務大臣(岸信夫君) ただいま委員御指摘の理工学館を含みます教育研究講義棟の整備につきましては、これはもう建設後六十年以上が経過をしているわけですが、これを、老朽化した六棟を四棟へ集約整備することによって、一棟目は令和元年六月に完成、二棟目についても令和六年度中に完成を目指しております。このように工事に着工しているところでございます。安全で機能的な教育研究環境の確保のために、残りの二棟についても着実に整備を実施してまいりたいと考えております。
 防衛大学校のグラウンドについては、けがの防止等の目的のほか、災害時における活用等を念頭に整備を進めているところでございますが、平成二十五年に人工芝化を完了したラグビー場に引き続き、サッカー場についても令和三年度中の完成を目指し工事を行う予定です。また、アメリカンフットボール場についても順次人工芝化を進める計画でありまして、令和二年度より計画に、設計に取りかかっているところであります。
 引き続き、防衛大学校における教育環境の整備にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

#60
○三浦信祐君 世界の士官学校はそれぞれの軍ごとにでき上がっていますけど、日本はいわゆる陸海空の自衛隊が一緒にそこで学ぶことができるという、世界にとってみれば希有な存在であり、それが実は統合運用に大きく貢献をすることだというふうに思います。世界にしっかりと、その人材の育成プランのところに施設というのも相まっていきますので、大臣、是非取り組んでいただきたいと思います。
 次に、防衛産業におけるセキュリティー対応とコスト負担の軽減について伺いたいと思います。
 防衛省がサイバーセキュリティー対応強化のために検討をしている新情報セキュリティー基準があります。昨年末公表する予定だったと承知をしておりますが、いまだ公表をされておりません。多くの防衛産業に携わる方が情報を待っている状況であります。
 岸大臣、現在の検討状況はどうなっているんでしょうか。また、いつ頃それが発出できるような状況でしょうか。

#61
○国務大臣(岸信夫君) 近年、防衛省が装備品の製造請負等の契約を締結した企業に対する不正アクセス事案が起きておりまして、防衛産業に対するこうしたサイバー攻撃に対する情報セキュリティー対策を強化することが重要な課題となっております。
 従来から、防衛省は契約を締結している企業との間で情報セキュリティーの確保に関する特約を結んで、企業側において必要な対策を進めているところですが、こうした対策を強化するため、現在、米国の国防省が企業に対して適用しているサイバーセキュリティーの基準と同程度となるような新たな情報セキュリティー基準に基づく対策について検討を行っております。
 その検討状況については、こうした新たな基準やこれに基づく新たな対策について、防衛省において具体的な案を検討するとともに、官民で検討する会議を設けて意見交換を行い、加えて防衛省と経団連との意見交換の枠組みの下で、情報保全の強化を重要な課題の一つとして取り上げて意見交換を行ってまいります。
 防衛省としては、引き続き防衛産業との間で丁寧な意見交換を行いながら、新たな情報セキュリティー基準に基づく対策についての検討を進め、早期に検討結果を取りまとめ、そして対策を具体化してまいりたいと考えております。

#62
○三浦信祐君 大臣にお答えいただきましたけれども、この新情報セキュリティー基準については、現場が対応できなければ意味を成していかないということになります。
 民間企業、今、経団連という名前も出てまいりましたけれども、より防衛産業の方々は幅広に存在をしております。ですので、民間企業と意見をよくすり合わせていただきたいというのが私のお願いであります。特定のところだけではなくて、幅広にきちっとやっていくことによって防衛産業を守ることにも資すると思いますし、準備もできることになります。
 是非御対応いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#63
○政府参考人(武田博史君) お答えをいたします。
 ただいま大臣から申し上げたとおり、防衛省といたしましては、新たな情報セキュリティーの基準に基づく対策について防衛産業と意見交換を行いながら検討を進めております。
 この対策につきましては、契約を通じ企業に対して新たな措置を義務付けるものでありますので、情報セキュリティー強化に関し官民で検討する会議や経団連との意見交換の枠組みの下で防衛産業と意見交換を行い、防衛産業側の問題意識や御要望を丁寧にお聞きしながら検討を深めているところでございます。

#64
○三浦信祐君 その先のことですけれども、防衛調達に関し初期コストをしっかり見ていただきたいと思います。
 特に、防衛省からのセキュリティー要求に対応するためには、発生するインフラ費用がコストとして掛かってまいります。その場合には、契約本体以外にも投資が必要になることが実態であります。セキュリティー構築に係る初年度の費用負担や維持費への反映を原価計算の中に私はしっかりと組み込んでいただきたいと思います。
 その上で、各防衛産業メーカーに、実はそういうふうに計上してもいいですよということが分からないケースもないとは言えません。ですので、現状と課題把握のために細部にわたってヒアリングをしていただいて御対応いただきたいと思います。

#65
○政府参考人(武田博史君) お答えいたします。
 防衛省が装備品の製造請負等の契約を行う際の価格につきましては、その装備品の製造等に必要な様々な経費を積み上げる、いわゆる原価計算方式に基づき予定価格を算定し、この予定価格に基づいて入札や商議を行った上で最終的に決めているところでございます。
 したがって、従来から、原価計算方式では、会社側において情報セキュリティーの確保のための対策に要した経費につきましても、加工費率及び一般管理及び販売費率において考慮をすることができる制度にはなっておるところでございます。
 先ほど申し上げたように、現在検討している新たな情報セキュリティー基準に基づく対策を防衛産業各社が講ずるために必要となる経費につきましては大きくなることも予想されるので、原価計算方式の下で、いまだそのやり方は決めてはおりませんけれども、こうした経費についても考慮してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、新たな対策の具体的な在り方などについては、引き続き、委員御指摘のように、防衛産業との間で丁寧な意見交換やヒアリングを行いながら検討を深めてまいりたいと考えております。

#66
○三浦信祐君 これからいろいろ検討が進んでいくと思いますけれども、一番大事なことは、防衛産業を守っていくということがサプライチェーン構築に必須であり、そして我が国の防衛体制をきちっと持続可能なものにすることであります。一方で、国際基準に合わせませんといろんな課題が生じる可能性もあります。ですので、防衛省として、是非この新基準のセキュリティーについてはよくよく民間企業の視点も取り入れるということ、一方で国際社会とのバランスを取るということは徹底的にやっていただかなければいけないと思います。
 引き続き、次回質問の機会をいただきましたら、この後、今日通告をさせていただいた内容について質問させていただきたいと思います。
 私は以上で終わります。ありがとうございました。

#67
○委員長(長峯誠君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午前十一時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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