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2021/03/18 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 総務委員会 第10号 令和3年3月18日
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2021/03/18 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 総務委員会 第10号 令和3年3月18日

#1
令和三年三月十八日(木曜日)
    午前八時三十分開議
 出席委員
   委員長 石田 祝稔君
   理事 橘 慶一郎君 理事 寺田  稔君
   理事 冨樫 博之君 理事 松本 文明君
   理事 務台 俊介君 理事 岡島 一正君
   理事 岡本あき子君 理事 國重  徹君
      井林 辰憲君    石田 真敏君
      金子万寿夫君    川崎 二郎君
      木村 弥生君    高村 正大君
      佐藤 明男君    杉田 水脈君
      鈴木 淳司君    田畑 裕明君
      谷川 とむ君    古川  康君
      山口 俊一君    奥野総一郎君
      神谷  裕君    櫻井  周君
      高木錬太郎君    松尾 明弘君
      松田  功君    道下 大樹君
      山花 郁夫君    桝屋 敬悟君
      本村 伸子君    足立 康史君
      井上 一徳君
    …………………………………
   総務大臣         武田 良太君
   総務副大臣        新谷 正義君
   総務大臣政務官      谷川 とむ君
   総務大臣政務官      古川  康君
   政府参考人
   (総務省情報流通行政局長)            吉田 博史君
   政府参考人
   (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       佐々木祐二君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局電波部長)         鈴木 信也君
   参考人
   (日本放送協会会長)   前田 晃伸君
   参考人
   (日本放送協会副会長)  正籬  聡君
   参考人
   (日本放送協会専務理事) 松坂 千尋君
   参考人
   (日本放送協会専務理事) 板野 裕爾君
   参考人
   (日本放送協会理事)   松崎 和義君
   参考人
   (日本放送協会理事)   田中 宏曉君
   総務委員会専門員     阿部 哲也君
    ―――――――――――――
三月十七日
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
     ――――◇―――――

#2
○石田委員長 これより会議を開きます。
 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。武田総務大臣。

#3
○武田国務大臣 度重なる総務省幹部職員の会食に関わる報道により、国民の疑念を招く事態となっていることにつき、改めて深くおわびを申し上げます。また、国会の御審議に御迷惑をおかけしていることと併せて、重ねておわびを申し上げます。
 このような中、株式会社東北新社の認定に関わる外資規制の問題について、総務省において株式会社東北新社の外資比率を精査した結果、申請当時、同社は外資規制の要件を満たしていなかったことが明らかになりました。
 このため、総務省としては、株式会社東北新社が受けていた認定において重大な瑕疵があったものと判断し、今般、当該認定の取消しに向けて、昨日聴聞を行うなど、必要な手続を進めてまいります。
 本件は、株式会社東北新社の申請におけるミスが主たる原因であるとはいえ、認定当時のプロセスにおいて総務省側の審査も十分ではなかったと考えており、こうした事態が生じたことを重く受け止めております。
 こうした事態を二度と起こさないよう、総務省における審査体制の強化について検討してまいります。
 また、昨日、情報通信行政検証委員会の第一回会合が開催をされました。国会での御指摘も踏まえ、全て第三者の有識者で構成をいたしております。委員会において、正確に、徹底的に検証を進めていただくため、総務省として万全の協力を行ってまいります。
     ――――◇―――――

#4
○石田委員長 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、審査に入ります。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件審査中、参考人として日本放送協会の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本件審査のため、本日、政府参考人として総務省情報流通行政局長吉田博史君、情報流通行政局郵政行政部長佐々木祐二君及び総合通信基盤局電波部長鈴木信也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#7
○石田委員長 まず、趣旨の説明を聴取いたします。武田総務大臣。
    ―――――――――――――
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

#8
○武田国務大臣 日本放送協会の令和三年度の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第七十条第二項の規定に基づき、総務大臣の意見を付すとともに、中期経営計画を添えて国会に提出するものであります。
 まず、収支予算について、その概要を御説明申し上げます。
 一般勘定事業収支につきましては、事業収入が六千九百億円、事業支出が七千百三十億円となっており、事業収支における不足二百三十億円につきましては、財政安定のための繰越金の一部をもって充てることとしております。
 一般勘定資本収支につきましては、資本収入が一千百十八億円、資本支出が八百八十八億円となっております。
 次に、事業計画につきましては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関する放送・サービスの実施、訪問によらない効率的な営業活動の推進、グループ全体での業務の見直し及び組織の効率化等に取り組むこととなっております。
 総務大臣といたしましては、この収支予算等につきまして、引き続き経営のスリム化に徹底的に取り組むとともに、受信料の適正かつ公平な負担の徹底に向けた取組を進めることにより、収支均衡を早急に確保することを求めております。
 また、日本放送協会の次期中期経営計画で示された、事業規模の一割に当たる七百億円程度を還元の原資として衛星波の削減を行う二〇二三年度に受信料の引下げを行う方針については、衛星付加受信料を含め、受信料引下げの内容を早急に具体化することが望まれる旨の意見を付しております。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

#9
○石田委員長 次に、補足説明を聴取いたします。日本放送協会会長前田晃伸君。

#10
○前田参考人 ただいま議題となっております日本放送協会の令和三年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明を申し上げます。
 NHK経営計画、二〇二一年から二〇二三年度の初年度となります令和三年度は、経営計画に基づき、新しいNHKらしさの追求を進めるとともに、構造改革を着実に実行し、スリムで強靱な新しいNHKへと変わることを目指しております。
 事業運営に当たりましては、受信料で成り立つ公共メディアとして信頼される情報の社会的基盤の役割を果たしていくため、自主自律を堅持し、事実に基づく正確な情報を公平公正に伝え、命と暮らしを守る報道に全力を挙げます。あわせて、より強靱なネットワークを構築するとともに、多様で質の高いコンテンツを合理的なコストで、最適な媒体で届けます。また、日本を積極的に世界へ発信し、様々な分野で国際社会との相互理解を促進するとともに、地域の課題や情報を広く発信して地域の発展に貢献いたします。東京オリンピック・パラリンピックは、4K・8K、インターネットを含めた新技術で魅力を伝えます。また、ユニバーサル放送・サービスの提供の充実に取り組みます。
 インターネット活用業務は、実施基準に示した費用の範囲内で、国内及び国際向けコンテンツを効果的に提供するとともに、地方向け放送番組の提供も段階的に実施してまいります。
 受信料につきましては、訪問によらない効率的な営業活動を推進し、営業経費を削減するとともに、公平負担の徹底と受信料制度の理解促進に取り組みます。
 NHKグループ全体で業務の見直しやガバナンスの強化を図り、組織の効率化を進めるとともに、働く一人一人の創造性を最大化する人事制度改革に取り組みます。
 次に、建設計画におきましては、緊急報道設備や番組制作設備の整備を進めるとともに、いかなる災害時等におきましても安定的に放送・サービスを継続するための設備整備等を実施いたします。また、老朽化した東京渋谷の放送センターや地域の放送会館の建て替え事業を着実に推進してまいります。
 以上の事業計画に対応する収支予算は、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入六千九百億円、国内放送費などの支出七千百三十億円を計上いたしております。事業収支における不足金二百三十億円につきましては、財政安定のための繰越金の一部をもって充てることとしております。
 また、資本収支は、収入として、減価償却資金など総額千百十八億円を計上し、支出には建設費など八百八十八億円を計上しております。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。
 以上、令和三年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その概要を申し述べました。事業計画の一つ一つの施策を着実に実行し、公共メディアとして視聴者の皆様の期待に応えてまいりたいと存じます。
 委員各位の御理解と御支援をお願い申し上げます。あわせて、何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。

#11
○石田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――

#12
○石田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山花郁夫君。

#13
○山花委員 立憲民主党の山花郁夫でございます。
 NHK予算の審議ということでございますけれども、委員会の冒頭、大臣の方から、会食問題についてということでおわびがございました。それはそれとして受け止めたいと思いますけれども、この間、役所の方に対しては、徹底した調査ということを指示されてきたと思います。
 御自身のことに関しては、総務大臣は、私は国民の皆さんから疑念を抱かせるような会食に応じたことはありませんという趣旨の答弁をこれまで累次にわたって予算委員会等でされてまいりましたけれども、現在でもその答弁は維持されるんでしょうか。

#14
○武田国務大臣 個別の一つ一つの案件についてお答えは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、国民から疑念を抱かれるような会食、そしてまた会合に応じることはございません。

#15
○山花委員 ちょっと確認をさせていただきたいことがございますが、二〇二〇年の十一月の十一日、パレスホテル東京でNTTとの会食が報じられているところでございますけれども、この報道は事実でしょうか。

#16
○武田国務大臣 本来であれば、個別の事案一つ一つにお答えするのは差し控えさせていただきたいと思いますが、今回の件に関しては、私に対して事前の事実確認の問合せが一切ないままに一方的な報道がなされており、私としても、大きな驚きを覚えるとともに、本件の事実関係を明らかにしなければならないという思いを強く持つに至りました。
 その上でお答えをさせていただきますけれども、十一月十一日に、JR東海の葛西名誉会長との会食に同席したことは事実であります。
 御指摘の会合は、JR東海の葛西名誉会長からのお声がけがあり、短時間顔を出すということで出席をしたもの、当日まで葛西名誉会長と私以外の出席者は存じ上げておりませんでした。
 当日は、別の予定もあったことから、中座する前提で、お酒のみをいただき、食事は私は注文いたしておりません。一時間に満たない滞在であったことから、ビール二、三杯程度をいただいた、退席したと記憶しており、費用として一万円をお支払いしております。
 出席者から特定の許認可等に関する要望、依頼を受けたことはなく、当時の状況を総合的に勘案すると、大臣規範に抵触する会食ではなかった、このように考えております。

#17
○山花委員 許認可に関わる話はなかったということでございますが、職務に関わるお話は一切なかったというふうに断言できますでしょうか。

#18
○武田国務大臣 断言できます。

#19
○山花委員 これは報道でも出ておりますが、そうであったとしても、この時期というのは、ドコモの完全子会社化が発表されて、TOB、公開買い付け、史上最大と言われる四・二兆円の公開買い付けが行われて、それが終わるのが十一月十七、そういうタイミングであります。後ろめたいことはないとしても、こういったタイミングでそうした方にお会いしたということは、疑念を抱かせるということには当たるのではないかと思います。
 このことについて、なぜ、つまり、これはほかの今起こっている役所の問題もそうなんですけれども、報道が出てから、こういったことが、こうでしたという話があったりとかするんですけれども、これまで何度も、こういうこと、疑念を抱かせるようなことはないですかということに対して、ありませんと言ってこられましたけれども、これは当たるとは考えなかったんでしょうか。

#20
○武田国務大臣 御指摘の会合については、JR東海の葛西名誉会長から御案内をいただきました。その案内状の中身は、日時、場所、そして葛西会長のお名前のみであって、その当日、その場所にどなたが何名来られているかということは、事前に私は全く知らずにその会合先に出向いていったというのが事実であります。
 また、NTTドコモの完全子会社化については、法令上、総務省の許認可が必要となるものではなく、NTT側の経営判断において実施することが可能なものであります。
 なお、総務省には、NTTから法令上問題ないかとの問合せがあり、法令上、完全子会社化を妨げる法的制約はない旨、九月三十日のTOB開始前に淡々と伝えた、これが事実であります。

#21
○山花委員 若干食い違っているんですけれども、国民に疑念を抱かせるようなことはありませんとおっしゃってきた、そして、事実としては今おっしゃったとおりかもしれないけれども、その場にNTTの方がいらっしゃったということについて、その時点で認識はなかったんですか。

#22
○武田国務大臣 行った段階で、おられたということを私は分かったわけです。

#23
○山花委員 いや、そうであるとすると、これまで、例えば、ほかにありませんかと言われたときに、こういったことがあったけれどもということで、あらかじめ、今回の件については答えるべきであったとは考えないでしょうか。

#24
○武田国務大臣 倫理法令には我々はちょっと該当しないというのは御理解いただけると思いますし、何ら私は、これは法律に反する、また大臣規範に反する行為ではないというふうに判断しております。

#25
○山花委員 今問題になっているのは、倫理規範に反するケースもありますけれども、必ずしも違法かどうかということではなくて、疑念を抱かせるような会食ということですから、何か定義を細かくすればするほど、会食というのは現に食べたかどうかとか、定義を細かくすればするほど当たらない分野は広がっていきますよね。余り狭めないでいただきたいんですよ。
 つまり、今回、例えば、その場にそういう方がいらっしゃった、別に後ろめたいことはないけれども、こういったことはありましたよということは答えるべきだったのではないかと思います。
 時間の関係もありますので、ちょっと次のことに行きたいと思いますが、鈴木電波部長、今日お越しいただいていると思います。
 三月十六日の予算委員会で、逢坂委員の質問中、鈴木部長に逢坂委員が、最後なんですがということで質問をし、八月九日頃に木田氏と会った、そういう事実、記憶がないと、それから、外資規制に違反している報告、その事実も記憶はないと、たまたま記憶はないということでありますので、木田氏と会った可能性、これはゼロではない、あるいは、外資規制に違反している報告、これを受けている可能性、これはゼロではない、単に今記憶がないだけですから、そういう理解でよろしいですかという質問を受けております。
 これは、あくまでも鈴木部長御本人の主観的な認識についての質問であったということでよろしいですね。

#26
○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。
 私自身の、私の記憶をたどって御答弁を申し上げました。

#27
○山花委員 そうであるとすると、誰かから指示を受ける類いのものではないと思われるのですが、その映像と音声を聞いておりますと、やや小さくて聞き取りづらいのでイヤホンなどをつけると聞こえるんですけれども、NHKプラスなどで追いますと十一時六分程度のところです、衆議院のインターネット審議中継ビデオライブラリによると二時間二十六分過ぎのことですけれども、その直後に、記憶がないと言えと言っているようにも聞こえる音声が確認できますが、鈴木部長はその音声について、記憶がというか、そういう指示を受けたという認識はございますでしょうか。

#28
○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。
 三月十六日は、自分自身にとりまして初めての予算委員会の御答弁でございましたため大変緊張しておりまして、答弁中や、答弁に向かう、また戻る、移動の際の周りの、周囲の声などは全く自分自身の耳に入ってはおりませんでした。

#29
○山花委員 その割には、それまで今みたいな声でお話しされていたのが、そのような報告を受けた事実に関する記憶はございませんというところで急にトーンが上がっていたりするんですけれども。
 恐縮ですが、ツイッター上では、これは大臣が言ったのではないかということで流布いたしておりますけれども、大臣、こういった発言はされたんでしょうか。

#30
○武田国務大臣 御指摘の予算委員会の収録、私自身も確認をしてみましたが、確かに、聞きづらいというのは分かるんですけれども、この御指摘の予算委員会においては、逢坂委員と鈴木部長との間で、記憶がないというような言葉をめぐって繰り返しのやり取りが続いたために、その言葉が私の方から口に出たのかもしれません。
 いずれにせよ、答弁を指示するような意図は全くございません。

#31
○山花委員 いやいや、それにしても、大臣は大臣としてその場にいらっしゃるわけですから。総務省のトップなわけです。発言も、記憶がないと言えという言い方は、音声が、聞こえるのは、記憶がないと言えと言っているように聞こえるんですけれども、もしそういう言い方をしたんだとすると、これはもう、何か事態の解明に蓋をするような言い方ではないかと思われるんですけれども、この点、御自身としての問題意識はどうでしょうか。もう一度答弁ください。

#32
○武田国務大臣 全く、答弁を指示するような意図というのは全く私にはございませんでした。

#33
○山花委員 そうであるとしても、それこそ疑念を抱かせるような行為ではないかと思います。
 この点については、私は極めて問題だと思うということは申し上げておきたいと思います。
 それでは、NHKの予算についての質問に入っていきたいと思います。
 今回、新会長の下でNHKの改革ということが言われております。
 近年、特に若い人たちを中心にテレビ離れということが言われておりまして、当委員会でもこの点について少し議論がございました。
 特に、実は、うちも二人、若い息子、娘がおりますが、ほとんどテレビを見ません。ネットだとかそういったもので見ているという傾向がございます。
 NHKがインターネットの活用業務等に力を入れていること、このこと自体、私は否定はいたしませんけれども、ただ、NHK改革といったときに、何か組織のための改革ということにはならないようにしていただきたいということ、そして、あくまでも視聴者目線での改革であってほしいなと思っております。
 特に、ネットとの対比でいうと、あくまでもこれは波を持っている、放送という特性がございますので、ここに留意していただきたいという観点から質問したいと思います。
 ちょっと話は脇の方から入っていきますけれども、民放連、日本民間放送連盟が発行している「民放」という雑誌がございます。今月号でもう終了ということのようでありますけれども、その二〇二〇年の十一月号で、テレビの広告効果に関する研究というタイトルで、民放連の研究所長、木村さんという方が、テレビの広告効果について書かれております。
 ネットと比べると、テレビの広告効果というのは非常に大きいという論考でございます。購買プロセスにはテレビは非常に大きく、幅広く貢献しますけれども、ネット広告は、バナーだとか動画広告共に、認知については効果があるんだけれども、購買については余り影響が大きくないという分析です。
 民放ですから、スポンサーとの関係でも、放送で広告を扱うということについて非常に研究するという意欲があることは理解できるんですけれども、別に、NHKですから、同じ研究をせよと言うつもりはありませんけれども、つまり、民間の事業者は、自分たちが波を持っているということに対してどういう意義があるのかということについて、非常に関心を持って取り組んでいるということがうかがえる論考ではなかろうかと思います。
 そこで、今回のNHKの方針として、波の整理を行うということが言われております。電波を整理するということです。
 一月十三日に公表した二〇二一―二〇二三年度経営計画では、保有するメディアの整理、削減等を行うものとされておりまして、衛星波は2Kのうち一波を削減、音声波は二波への整理、削減に向けた検討とされております。
 そこで、これは確認的に伺いたいんですけれども、今、それこそネット上でざわついているのが、Eテレがなくなっちゃうんじゃないかといううわさがまことしやかに流れておりまして、これは実は、今までNHKに対して余り親しみを持っていなかったような方々がというか、親しみを持っていなかったんだけれども、親になって初めてEテレのありがたみが分かったというような投稿も見受けられました。教育テレビで、夕食の準備をする親御さんが、夕食の時間、一生懸命見ているということは非常に調理をしているときにありがたいとか、「おかあさんといっしょ」に夢中になっている子供を見て、ああ、受信料を払うってこういうことかと思ったと。波の整理をするなら総合の方が要らないじゃないかみたいな、ちょっと乱暴な意見もありましたけれども。
 これはEテレなんですけれども、例えば民間でいうと、現在のテレビ朝日というのは、昔は教育専門局、教育番組専門局として設立された日本教育テレビというのが元々だそうです。ちょっと年が知れるかもしれませんが、私も子供の頃は、NETというのがテレビ欄でございました。また、私の世代より少し若くても理解されると思いますが、昔は東京12チャンネルというチャンネルが、今テレビ東京になっていますが、この前身は科学テレビ東京12チャンネルテレビというので、これも科学技術教育番組が六〇%、一般教養番組一五%、教養、報道番組二五%を放送するという条件で元々免許が下りたということなんです。
 ただ、これらが後にどういう困難な道をたどったかということを見れば、こうした教育関係を民間で支えるということは非常に困難だということが分かるかと思います。
 まさに公共放送としてEテレは極めて私は重要なのではないかと思いますが、今回、Eテレが整理の対象となるかどうかということについてお答えいただきたいと思います。

#34
○正籬参考人 お答えいたします。
 教育テレビ、Eテレですけれども、放送法や国内番組基準に基づきまして、幼児から高齢者まで幅広い世代の知りたい、学びたいという思いに応えるため、教育、福祉、語学、教養、趣味、実用など、多彩な番組を放送しております。
 また、去年の休校措置の際には、マルチ編成にして、サブチャンネルで学習に役立つ教育番組を放送するなど、できるだけ多くの御家庭、子供たちに御利用いただけるよう対応いたしました。
 二〇二〇年七月の世論調査、接触動向調査では、Eテレを含めたNHK番組全体の接触は、リアルタイム視聴、つまり放送中のテレビ番組を視聴されている割合で七八%と、放送での接触は依然高い割合となっております。
 先生御指摘のように、Eテレが果たしてきている役割は十分に認識しておりまして、NHKらしさの一つの象徴だと考えております。引き続き、幅広い世代の知的関心に応える質の高い番組、コンテンツを制作し、放送を通じて視聴者の皆様にお届けしたいと考えております。

#35
○山花委員 あと、ラジオ第一、第二とFMの波の整理の話であります。
 ラジオ第二といいますと、何か語学番組のイメージを持たれている人も多いのではないかと思います。ラジオにおいても、教育とか教養番組の放送というのはなかなか困難であると私は思います。
 これは、例えば、中学校に入ったときに、基礎英語というラジオ番組を勧められたという経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないかと思います。今、検討の中で、例えば、ラジオ第二については整理の対象となっているのではないかと思いますし、語学番組なんかはネットでいいのではないかという議論もあるのではないかと思われます。
 確かに、ちょっと、個別のを余り言うのもよくないのかもしれないですけれども、例えば、大人のビジネス英語みたいなのは、それなりに自分で必要があって、これをやろうということで視聴される方でしょうから、そういうのはネットでももしかしたらいいのかもしれませんけれども、例えば、今申し上げた基礎英語を始めとした番組なんですけれども、学校が始まる前であるとか、再放送は帰宅後の時間に設定されているのではないかと思います。
 私自身、以前、この世界に入る前は予備校の教員をやっておりました。実は、小学校から大学へ行くまでずっとそうだと思うんですけれども、時間割り、まあ大学は時間割りという言い方はしないかな、例えば、月曜日の一限目は国語で、二限目は算数でとか、そういうようなことというのは、単にルーチンで決まっているとか単位の問題だけではなくて、人間の生活習慣で、この時間帯になると例えば国語だよねとか、そういう、気持ちがそうなっていくということで、学習効果にも関わるものなんです。
 この語学番組についても、波の整理をするのですから、どこかをなくしてどこかを残すという判断をしなければいけないことは理解はいたしますが、リスナーの生活習慣にも関わるこういった番組というのがあるということについて、これは、冒頭申し上げた、まさに波の特性だと思うんです、ネットと違って。だから、波の整理に当たっては、こうした事情も十分に検討していただきたいと思いますが、このラジオ第二とか波の整理についての検討状況について教えてください。

#36
○松坂参考人 お答えいたします。
 音声波の整理、削減についてなんですけれども、現在は、AMはラジオ第一と第二、それからFMの三波がございます。これを、AM一波、FM一波の二波に整理、削減するということが基本的な考え方です。
 ラジオ第一は全国放送と県域放送の双方に対応していますが、ラジオ第二は全国放送だけの対応となっています。災害時にはきめの細かい情報提供を行う必要がありますので、ラジオ第一の送信所を残してラジオ第二の送信所を停波する方向で検討を進めていく考えです。
 委員御指摘のように、音声波の整理、削減に当たっては、リスナー、聴取者の皆様の意見に耳を傾ける必要があります。ラジオはテレビと違ってなかなか実態が分かりにくいものですから、昨年の十二月にインターネット調査を、今年の二月から三月にかけては世論調査を実施し、どのようにラジオが聞かれているかという実態について把握しているところであります。また、こうした調査とは別に、リスナーの方から、例えば、語学番組は聴取習慣があるので決まった時間に放送してほしいというような声も寄せられています。
 こうしたリスナーの方の声ですとか、行っております調査の結果を踏まえて、特にラジオ第二の語学や教育などのコンテンツは非常に大切だというようなお声もいただいておりますので、ほかの音声波で放送したり、インターネットも使って提供したりするなど、利便性を損なわないように十分留意しながら整理、削減を進めていきたいと考えております。

#37
○山花委員 今、電波というか、ラジオ第一と第二の全国か県域かというお話がございましたけれども、AM放送とFM放送、また、今、ラジオ第一と第二の違いがございましたが、この電波の特性の違い、ちょっとテクニカルな話ですけれども、これについて教えてください。

#38
○松坂参考人 お答えいたします。
 FMの電波は、山などの障害物があると届きにくい特徴がありまして、送信所から見通せる範囲をカバーしています。一方で、AMの電波は、地形などに左右されず遠くまで届く特徴がありまして、最大で数百キロメートルまでカバーできることになっております。このような電波の性質の違いから、一つの送信所でカバーできる範囲は、一般的にFMはAMよりも狭くなります。このため、FMの場合は、AMに比べてより多くの送信所を設置して全国をカバーするという体制を取っております。
 また、先ほど述べましたけれども、AMのラジオ第一とラジオ第二の特徴については、ラジオ第一は県域ごとの放送ができるようにしているのに対しまして、ラジオ第二は全国一律の放送であります。
 このため、ラジオの送信所の数は、ラジオ第一が約二百七十なんですけれども、FMの場合は五百局ございます。一方で、ラジオ第二は、第一に比べて送信所の数は少ないですけれども、強い出力で電波を発射し全国をカバーするという特徴がございます。
 それから、FMは、雑音が出にくく、ステレオで放送できるため、AMに比べて高音質なサービスを提供できるという特徴がございます。

#39
○山花委員 今、そうした特性について説明がありましたが、私、ここ数年、NHK予算のときには、特に災害時こそ公共放送としての役割が大きいのではないかということを申し上げてまいりました。また、特に今年は東日本大震災から十年という節目の年ですが、これも毎年この場でお話をしていますけれども、当時、与党側におりましたので、岩手県で現地対策本部長も経験をいたしました。
 そのときに、これも毎年言っていることなんですが、思ったのが、あのとき、どうしても報道というのが東京目線で、恐らく、どれだけの規模の災害かということを伝えることが大事だからということだから、理解はできなくはないです。今日何人御遺体が発見されましたとか、すごい数字だというのは分かるんですけれども、現場で避難所にいる方々にとっては、どうでもいいと言うと言葉がよくないかもしれないけれども、そんなことよりも、避難生活が続いていて、どこどこに物資が届いたとか、やっとあそこの銭湯のところに水がつながったとか、そういうことの方がよっぽど大事で、地域のFM放送の方が、申し訳ないけれども、NHKよりもよっぽど役に立っていたわけですよ。
 そういう経験も踏まえて、この間、例えば、災害のとき、台風情報とかL字の形で文字情報で出す中に、単にそうした気象のことだけではなくて、生活情報なども入れるべきではないかということを指摘をしてまいりました。最近では、どこどこのスーパーが開いたみたいなことも入れていただいていると思います。その点は評価をしたいと思うんですけれども。
 今回、波の整理に当たって、今、FM、AM、それぞれ波の特徴についてお話しいただきました。FMはちょっと災害のときは余り強くないのかな。また、AMであれば、障害物があったとしても、例えば停電をしてしまって、ネット環境もよくない、インターネットも見られないというときでも、ラジオであれば、電池があれば聞けます。ちょっと、今どき鉱石ラジオがあるのかどうか分からないですけれども、あれは電池がなくても聞こえます。つまり、災害時には極めて強い、強いというか、強みを発揮するものだと思います。
 先ほど、特にラジオ第一と第二の違いということで、全国放送か県域かということでありました。これも、一々中身についてこうせよということではありません、アイデアとして聞いていただきたいんですが、例えば、近年、局地的な災害というものを我々経験していると思います。
 例えば、南房総での台風被害のときがそうですが、あれも、どうしても東京目線の報道になってしまったりとか、近くといっても千葉支局からの目線であったりとかするんですけれども、先ほどお話があった、ラジオ第一みたいな県域放送が可能であるという特性を考えると、そこを利用する。日常的にそんなことをする必要はありませんけれども、大規模なそういう局地的な災害があったときには、例えば、ちょっと矛盾するようなことを言うようですけれども、語学放送なんかを止めてでも、そうした地域の情報を流すということが大事になることもあるかもしれません。例えば、もう孤立してしまってというところに情報を届けるには、もしかしたらラジオしかないということも起こり得ます。
 ですので、今回、波の整理をされるということですけれども、そこのところについては是非御留意いただいて、アイデアとして受け止めていただきたいと思いますが、こうした局地的な災害について、場合によってはこうしたラジオ第一の特性を生かすということも有用ではなかろうかと思いますけれども、何か御所見があれば、お話しいただけますでしょうか。

#40
○正籬参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のように、我々も、地域情報を災害時にきちんと発出していくということは非常に大事だと考えております。
 NHKのラジオ放送は、二十四時間三百六十五日、災害報道に備えて体制を取っております。災害発生時は、広域的であるか局地的であるかにかかわらず、まずは放送センターから迅速に全国放送を開始して伝えております。
 一方で、被災地域に役立つきめ細かい情報を提供するために、地域放送局の判断に基づいて、独自にラジオ放送を送出できるシステムやルールを整備しております。地域放送局の態勢が整い次第、放送枠を柔軟に確保して、必要な情報を地域に向けて伝えております。
 例えば、去年九月の台風十号では、九州を中心としたそれぞれの放送局が地域向けのラジオ放送に取り組みまして、それぞれの地域に特化した、風速、降水量、河川水位などのデータですとか、避難指示、勧告などの避難情報を伝えました。
 また、今年一月の豪雪で、福井放送局では、二夜連続、徹夜で地域向けのラジオ放送を出しました。立ち往生した車のドライバーや孤立した集落に向けて、雪の見通しですとか救出活動の状況などを伝えるとともに、一酸化炭素中毒やエコノミー症候群などへの注意の呼びかけも続けまして、地域の皆様から大きな反響もいただきました。
 NHKでは、被災地の皆様にきめ細かく必要な情報をお届けすることが重要な使命だと考えておりまして、引き続き、先生の御指摘も踏まえて、全力で取り組んでいきたいと考えております。

#41
○山花委員 是非検討いただければと思います。
 またちょっと別の話で、今度はテレビなんですけれども、アナログ放送からデジタルに変わったことのメリットの一つとして、マルチ編成が可能になったということがあるのではないかと思います。
 マルチ編成というのは、私も最初はよく分からなかったんですけれども、どういうことだろうと。例えば、甲子園だとかスポーツ中継を見ていると、定時になると、ニュースの時間とかということで、引き続き御覧になりたい方はこっちを見てくださいということで、ボタンを押すと、ちょっと粗い映像になりますけれども、見られるというのがあります。
 テレビの番組表なんかを見ると、帯の中に細く案内されているものですけれども、実はあの番組表は意味があるといいましょうか、つまり、これまで、デジタル放送だと六メガヘルツの周波数を確保しなければいけないということで、それをフルに使わなければいけなかったのが、デジタルになると幾つかに分割して使えるということから、例えば、十三分割して、いわゆるワンセグというのはそのうちの一つを使うものですよね、幾つかを使って放送するというものであります。
 そこで、この間、何年かにわたって、私、L字のところでということを言ってきたんですけれども、ふと気がつきまして、あそこのサブチャンネル、L字は、それはそれで意義があるんですけれども、情報がどんどん更新されていくものですから、今の何だったんだろうと思ったときに、次のが来るまでしばらく待たなければいけないというのがございますが、このサブチャンネルを使えば、例えば、自分のところの情報ということも取得することができると思いますし、また、近年、どこどこ市といっても、平成の大合併でえらい面積が広くなっていて、何々区とか旧どこどこ村とか言ってくれないと場所がよく分からないということもございます。
 なかなか、あのL字の枠の中でそこまでというのは難しいんですけれども、サブチャンネルを使えば、現在は映像を流しているのが基本だと思いますけれども、こういう生活情報なんかも少し細かく出せるのかなと。さすがにマンパワーとしてつらいということであったとしても、今、L字で次々と流しているような話であったとしても、静止画の状態、静止画と言わないのかしら、文字情報、ちょっとテクニカルな名前は分からないんですけれども、言っている意味は分かりますよね、文字の状態で止まって、ゆっくり、どこの地域なんだろうということを見ることができるということもできるのではないかと思います。
 こうした、サブチャンネルを利用すると、より多くの情報を視聴者に届けることができるんじゃないかと思いますけれども、この点の活用というのは検討していただくことは可能でしょうか。

#42
○正籬参考人 お答えいたします。
 被災した人たちのために、避難所、水、食料の配布など、きめ細かい生活情報を伝えるライフライン放送は、命と暮らしを守る報道を行う公共放送、公共メディアの使命を果たすために重要な役割だと考えております。具体的には、テレビやラジオで特設枠を設けましたり、ニュースの一部としてお伝えするなどして、被災状況に応じて、被災者が情報を得やすい放送波、放送時間を検討しながら実施しています。
 また、ライフライン放送を実施するに当たっては、視聴者がサブチャンネルに切り替える操作に戸惑うことがないよう、原則としては通常編成の番組で実施しております。サブチャンネル、結構、どういうふうにするんだというお問合せは非常に多く来ることがございます。
 加えて、被災者に生活情報などをより広く届けるために、放送時間帯ではなくても必要な生活情報を得られる、先ほど言いましたL字放送ですとか、それからデータ放送ですね、これは今非常によく使われております。災害時には、データ放送のボタンを押すと、先ほど申しましたように、静止画のような画面になるわけですけれども、データ放送、それから、インターネットでは、大きな災害がありますと、自治体別の情報をインターネットで御覧になれるような仕組みをつくったりしておりまして、そういった、総合的に、引き続きライフライン情報の発信強化に努めていきたいというふうに考えております。

#43
○山花委員 るる申し上げてまいりましたけれども、前田新会長になられまして、NHK改革ということを標榜されております。冒頭申し上げたとおり、NHKのためのNHK改革であってほしくはないなと思いますし、視聴者目線での改革ということに努めていただきたいと思います。
 時として、体質的に、民間じゃ考えられないみたいなこともあるかもしれませんが、一方、民間ではできないことこそ、やはりNHKが公共放送として受信料をいただいて運営されているということであると思いますし、また、今日の質疑でも申し上げてまいりました、放送であるというその特性ということについて是非御留意いただいて、その改革を進めていただきたいと思います。
 時間が参りましたので、これまでの質疑を受けまして、今後の改革の方向性などについて、改めて所見を伺いたいと思います。

#44
○前田参考人 お答え申し上げます。
 何よりも、NHKらしいコンテンツ、より公共性が高く、質の高いコンテンツを増やすことがNHKにとって大切だと考えております。放送波を整理、削減して番組の数を絞る一方で、一本一本のコンテンツの質を上げていきたいと考えております。
 また、番組につきましては、これまでは地上波とか衛星波といった波ごとに管理しておりましたが、これを、報道とかドラマとか、要するにジャンル別に管理する手法を昨年から導入いたしております。そういう意味で、この新しいジャンル別を導入した中で、人気番組を含めて新しい視点で見直したいと考えております。
 今年四月からの番組編成では、夜のゴールデンタイムを新しいNHKらしさを追求するための番組開発ゾーンと指定いたしまして、若い職員に積極的に提案してもらい、いろんなチャンスを与えたいと思っております。
 私は、視聴率だけでなく、視聴率に加えて番組の質、それから合理的なコストかという、この三つを含めて番組を総合的に評価する指標を開発いたしました。これは、私ども、民放と違いますので、こういう量的な部分と質的な部分、それから合理的なコストという客観的データに基づいた管理を行いまして、NHKならではの番組を一層たくさん作り、視聴者の皆様にお届けしたいと考えております。

#45
○山花委員 終わります。

#46
○石田委員長 次に、高木錬太郎君。

#47
○高木(錬)委員 立憲民主党、高木錬太郎です。
 今の山花議員のやり取りを聞いていまして、いま一度、武田大臣に事実関係を確認したいことがあります。
 まずは、さきの衆議院の予算委員会での鈴木部長に対する発言についてです。記憶がないと言えとおっしゃったんですか。いかがですか。

#48
○武田国務大臣 私は、そもそも答弁を指示するような意図というのはないわけですから、どうせい、こうせいというような指示をしたという記憶は全くございません。

#49
○高木(錬)委員 では、記憶がないということは言ったんですか。指示じゃなくて、記憶がないという言葉は発せられましたか。

#50
○武田国務大臣 記憶がない指示……。

#51
○石田委員長 ちょっと、ではもう一度。

#52
○高木(錬)委員 記憶がないと言えではなくて、そういう指示ではなくて、記憶がないという発言はなさいましたか。

#53
○武田国務大臣 先ほども答弁しましたように、その収録を私自身確認しましたが、確かに、記憶がないというようなことを言っているように聞こえました。

#54
○高木(錬)委員 指示する意図はないと先ほどもおっしゃられましたが、そもそも、大臣席から、答弁に向かう部下である鈴木部長に何か声をかける、この意図は何ですか。

#55
○武田国務大臣 私は、答弁者に対して声をかけたつもりは全くありません。

#56
○高木(錬)委員 そもそも大臣、大臣席から不規則発言というのはしていいんですか。さきの八年間、何度も何度もあったじゃないですか。あそこの大臣席に座っているときは、質問者に向き合う、答弁をするという、それ一心で座っておくべきじゃないんですか。
 続きまして、週刊誌報道についてです。
 先ほど来、大臣は、JR東海、葛西名誉会長から案内が来た、それに基づいてその会合に出席したと言っていますが、NTTドコモ社外取締役の遠藤典子氏からの誘いではないんですか。

#57
○武田国務大臣 先ほどから申し上げますように、本来だったら一つ一つの件に関してお答えするのは差し控えさせていただきたいと思うんですけれども、今回の件に関しては、事前の事実確認が全く私の方にはないんですね、この記事に対して。一方的に報道がなされており、本当に私としても、大変驚いていると同時に、これはやはり明らかにしなければならないことがあると思って、今こうして発言させていただいておるわけですけれども、私の方に、案内、メール、私はそのメールから書面にしたやつを拝見したんですけれども、案内をいただいたのは紛れもなくJR東海の葛西名誉会長であります。

#58
○高木(錬)委員 出席者について確認したいと思います。
 今私が申し上げましたNTTドコモの社外取締役遠藤典子氏とNTT沢田社長はいらっしゃいましたか。

#59
○武田国務大臣 複数名の中に含まれておった、このように考えております。

#60
○高木(錬)委員 このNTTドコモ社外取締役遠藤典子氏とは、この会合以前から、そもそも、元々面識はありましたか。

#61
○武田国務大臣 昨年の九月まで国家公安委員長そして内閣府の防災担当、そしてカジノ管理委員会の立ち上げまではその準備に入っておった。そのカジノ管理委員会のメンバーに遠藤さんがおられたということは承知をいたしております。

#62
○高木(錬)委員 メンバーにいたことを承知していると今答弁されました。私が伺っているのは、面識がありましたかと聞いています。

#63
○武田国務大臣 国家公安委員長室の方に、就任された際に御挨拶に見えました。

#64
○高木(錬)委員 それ以外で会ったことはありますか。

#65
○武田国務大臣 個別のそうした件についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

#66
○高木(錬)委員 そういう答弁を繰り返すから、次から次へといろいろなものが出てきて、また釈明に追われるということになるんじゃないですか。
 大臣就任以降、このNTTドコモ社外取締役遠藤典子氏との間で、電話、ファクス、メール、LINE等々、様々なツールを使ってのやり取り、会話はありますか。

#67
○武田国務大臣 個人的なプライバシーの問題も関わってまいりますし、個別の案件については、一つ一つお答えするのは差し控えさせていただきたいと思います。

#68
○高木(錬)委員 その十一月十一日の二、三杯ビールを飲んだ席で、TOBについて会話は、大臣ですよ、ほかの方々がやっているのを聞いていたではなくて、大臣がTOBの話をしましたか。

#69
○武田国務大臣 それは、どなたに対してですか。

#70
○高木(錬)委員 では、一つ一つ聞いていきましょう。
 NTT沢田社長との間でTOBの会話はありましたか。

#71
○武田国務大臣 先ほど申し上げましたように、私は、その会合にかなり遅れて、遅参すると同時に、次の会合のためすぐ退席をさせていただいたわけでありまして、そのほとんどの会話は葛西さんとの間であって、ほとんど、ほかの方々とは挨拶程度で、会話を交わしたという記憶はございません。

#72
○高木(錬)委員 もう一度聞きます。
 NTT沢田社長とTOBについて会話をしましたか。あるかないか、あったかないか。

#73
○武田国務大臣 具体的な個別の話について、葛西さん以外の方からは話を受けておりません。

#74
○高木(錬)委員 NTTドコモ社外取締役遠藤典子氏とTOBについてその場で会話いたしましたか。

#75
○武田国務大臣 葛西さんとずっと私は会話しておりまして、他の参加者の方々と個別の案件について会話したということはありません。

#76
○高木(錬)委員 あったかないかを伺っています。NTTドコモ社外取締役遠藤典子氏とTOBについて会話をしましたか、しませんでしたか。

#77
○武田国務大臣 ほとんどの時間をJRの葛西会長との時間に割きました。ほかの方々には個別の案件について話したことは一切ありません。

#78
○高木(錬)委員 後ろめたいんですね。
 こういうことが続くから、答弁が結果として不誠実な答弁だったり虚偽の答弁だったりして、それをまた報道されて、釈明に追われ、処分をしということが幹部官僚の方々に起こっていましたけれども、いよいよ大臣ですよ。大臣、真っ正面からちゃんと答えてくださいよ。今後、この後参議院の予算委員会にも行かれるそうですけれども、真っ正面から答えてください。
 それでは、NHK予算に行きたいと思います。
 NHK前田会長、よろしくお願いします。NHKの皆さん、御準備いただきましてありがとうございます。
 前田会長、武州藍染めマスクです。埼玉十五区で活動しております。毎週楽しみに見ております。
 まず、予算の中で、この場は国民の皆さんに代わって私も質問する、そんな意識でおりますので、国民の皆さんにとって関心の高いであろうことについて伺っていきたいと思うんですが、まず、この予算の中で数字を確認しておきたいことが、何といっても受信料のところでありまして、まず最初に受信料収入について伺います。
 令和二年度予算では六千九百七十四億円でありまして、見込みでは六千八百八十億円となっています。九十四億円の減収となっていますが、この主な原因について伺いたいと思います。

#79
○田中参考人 お答えいたします。
 今お尋ねのありました減収の主な要因としましては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いまして、営業の訪問活動が制約を受けること、あるいは、経済情勢の悪化によりまして受信契約数が減少したことや、中小事業者への受信料免除等が原因と考えられます。

#80
○高木(錬)委員 今ありました、新型コロナウイルス感染症拡大に伴って受信料の支払いが困難になっていらっしゃる方がいらっしゃいます。NHKとしてそういった方々への対応、この一年間で新しくつくられた制度も含めて、御説明をお願いいたします。

#81
○松崎参考人 お答え申し上げます。
 NHKでは、昨年の三月より、新型コロナウイルスの影響により、影響を受けた皆様から受信料のお支払いに関する御相談をお受けする専用の窓口を開設し、支払い期限の延伸を受付をしております。
 昨年の五月には、持続化給付金の給付決定を受けた事業者の方が、事業所内に設置した受信機の受信契約について免除の申請をされた場合、受信料を二か月間全額免除するよう、日本放送協会放送受信料免除基準を変更いたしました。あわせて、新型コロナ感染症の影響を踏まえて、延滞利息に関する措置を見直し、支払いを猶予した方が不利益を被らないよう、同じく受信規約を変更いたしましたが、今月、この期限を今年の九月まで延長するように再度変更したところでございます。

#82
○高木(錬)委員 二十一日で、緊急事態宣言、一都三県に関しては解除する方向で、本日、政府内で様々動きがあります。
 昨年の緊急事態宣言で大きな打撃を受けた方々が多数いらっしゃいます。今御説明がありましたそれぞれの制度、どのような、実際に、件数と申しますか、利用されていると申しますか、数字を御紹介ください。

#83
○松崎参考人 お答え申し上げます。
 今年の一月までの件数でございます。免除の適用件数は約五十八万件、感染症拡大による休業や廃業などにより受信契約が解約となった件数は約九・三万件、支払い延伸の申出があった件数は約九・七万件となっております。

#84
○高木(錬)委員 そこで伺いたいのが、予算の資料にも書いていますが、支払い率についてです。
 令和二年度の予算では支払い率は八四%で、現時点での見込みでは八一%になっています。令和三年度の予算では八〇%とあります。低下していますね。この理由を御紹介ください。

#85
○松崎参考人 お答え申し上げます。
 二〇二〇年度の予算の策定段階では、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮せず、支払い率八四%を目指すということにしておりましたが、緊急事態宣言の発出等により、年度当初より営業活動を制限せざるを得なくなったことなどから契約件数が減少したため、支払い率は八一%となり、前年度実績の八三%から二ポイント低下する見込みであります。
 今後も、新型ウイルス感染症の社会経済状況への影響が長期化し、従来の対面による訪問活動がしづらい状況が続くものと想定されており、二〇二一年度末は八〇%となる見込みと考えております。
 先を見通すことが難しい状況ではございますけれども、訪問によらない営業に重点的に取り組むことなど、新しい生活様式に対応した最適な営業体制の構築を図り、支払い率八〇%台の維持を目指していきたいというふうに考えております。

#86
○高木(錬)委員 素朴な疑問なんですけれども、今御紹介にありました諸制度を使って、例えば契約の解除になった方々、あるいは支払いの免除になった方々は、支払い率を算出するときの母数に組み込まれないと思うんですが、教えてください。新型コロナ感染の影響ということをおっしゃられていますけれども、それが理由に当たらないんじゃないでしょうか。

#87
○松崎参考人 お答え申し上げます。
 新型コロナウイルスの影響により、対面による訪問活動、営業活動がしづらいことで契約取次件数が減少することや、受信契約の解約などにより受信契約数が減少することで、支払い率が低下する見通しでございます。
 なお、新型コロナウイルスの影響により支払い期限を延伸された方、あるいは受信料を一時的に全額免除された方は、受信契約としては継続するため、支払い率の算定の対象には含まれたままになっております。

#88
○高木(錬)委員 含まれるという答弁でしたね。済みません、私がちょっと思い込みもあってでした。
 今も何度となく答弁にありました、訪問によらない営業をしていくんだ、これまでとモデルを変えていくんだという話でございまして、その話に移っていきたいと思うんですが、その前に、確認しておきたい数字があります。
 受信契約未締結者について、二〇一八年度末では八百十九万件、内訳としては、世帯が七百九十二万件、事業所が二十七万件。今申し上げたのが受信契約未締結の件数ですね。それで、契約済みですけれども支払いに応じないというケースが、同じく二〇一八年度末では七十六万件あって、内訳としては、世帯が七十四万件、事業所が二万件。つまり、受信契約未締結者と、契約済みだけれども支払いに応じていないという数、足すと八百九十五万件という数字は、今紹介したのは二〇一八年度末、直近でどのような数字になっていますでしょうか。御紹介ください。

#89
○松崎参考人 お答え申し上げます。
 二〇一九年度末の件数でございますけれども、受信契約を締結いただけていない件数でございますが、七百九十万件、世帯が七百六十九万件、事業所二十一万件と推計しております。
 また、受信契約を締結した上でお支払いをいただけていない未収数は、二〇一九年度末で七十二万件、こちらの方は、世帯が七十一万、事業所は一万件というふうになっているところでございます。

#90
○高木(錬)委員 ありがとうございます。
 そこで、新しい営業モデルというものについて、国民の皆さんの関心も高いと思っていますので幾つか聞いていきたいんですけれども、そもそも、営業経費について、前年度予算は七百七十九億円であり、八十億円減の六百九十八億円が令和三年度予算となっていますが、令和二年度の決算見込み、数字を教えてください。

#91
○松崎参考人 令和二年度の営業経費の見込みでございますけれども、予算額七百七十九億円を下回るものと想定しています。新型コロナウイルス感染症の影響により、年度当初より訪問活動を停止したことに加えまして、段階的に訪問活動を再開した後も、対面による契約勧奨等が困難な状況が続いており、訪問員への手数料などの支出が減っていることが影響しておるというところでございます。

#92
○高木(錬)委員 まだ数字としては、見込みとしても公表できないということと理解させていただきます。
 この訪問によらない営業というのはちょっとイメージがなかなか湧きづらいところもあり、今後はこういった新しい営業スタイルでいく、営業モデルでいくということでありますので、国民の皆さんが具体的にイメージしやすいように、ここでちょっと御紹介いただけますでしょうか。

#93
○松崎参考人 お答え申し上げます。
 訪問によらない営業ということですが、具体的には、電力・ガス事業者など公益企業や不動産会社、あるいはケーブルテレビ会社等、他企業との連携を強化することにより、視聴者とのあらゆる接点を活用して受信契約の手続を促進をしていきたいと考えております。
 また、デジタル空間を通じた視聴者への理解促進活動や、受信契約に関する手続サイトである「受信料の窓口」の利便性の向上など、デジタル営業を推進することで、自主的な契約の申出の促進に努めてまいります。
 引き続き、視聴者の皆様に公共放送の役割、受信料制度の意義を丁寧に説明することなど、理解促進に努め、公平負担の徹底を推進してまいりたいと考えております。

#94
○高木(錬)委員 国民の皆さんに御理解をいただいて、丁寧に説明もしていくということは分かります。これまで、訪問による営業でいろいろな相談や苦情が来ているということも事実、過去に。しかも、少なくない量の苦情や相談が寄せられている中で、今度は訪問によらない営業ですと、転換すると。
 今御紹介がありました不動産、電力・ガス事業者、その方々に、受信契約を結んでいただくように、窓口、そこから先のイメージが浮かばないんですけれども、電力・ガス事業者の方々や不動産会社の方々に何を担ってもらおうと思っているんですか。

#95
○松崎参考人 お答え申し上げます。
 具体的には、電気・ガス事業者の皆様には、視聴者の皆様が引っ越しをされて新しいおうちに入居されるときに手続をされます、電気、ガス、水道、公共料金、そのときに合わせて、受信契約の手続も一緒に進めていただきたいということでございます。不動産会社も同様でございまして、不動産の賃貸手続を締結される、あるいは、分譲マンションのようなところでいいますと、マンションを購入される場合、そういった手続に合わせて受信契約の手続を一緒にしていただく。こういった活動を推進をしていきたいと考えているところでございます。

#96
○高木(錬)委員 引き続き、どのような営業になるのか、国民の皆さんと一緒に注視していきたいという気持ちでおりますが、実は、今参議院に向かわれた総務大臣は、総務大臣意見の中で、日本郵便との連携という言及がなされていまして、新しい営業活動というのを模索しなければいけないということは非常に理解するところではありますけれども、それによって、どうなんでしょうか、まず一つ伺いたいのが、この訪問によらない営業というもので、協会の放送を受信することのできる受信設備を設置しているかどうかというのは分かるんですかね。いかがですか。

#97
○松崎参考人 お答え申し上げます。
 どなたが受信設備を設置しているかどうかという点につきましては、NHKでは把握することができません。このため、これまでどおり、受信設備の設置者からNHKに届けていただくこととなります。
 このため、これまで以上に、公共放送の役割ですとか受信料制度の意義を視聴者の皆様に丁寧に説明をして、受信機を設置した場合は受信契約が必要となることを御理解いただきまして、自主的な契約申出を促していきたいというふうに考えております。

#98
○高木(錬)委員 これまでの営業手法で、決して褒められたやり方ではないことが数々あって、改善しようとなさっていて、促していくということを今おっしゃいましたけれども、いささか、今聞いている限りにおいては、大丈夫かなと。今まで、かつてあったような、苦情や相談が寄せられるような、国民の皆さんから見たら強引だったり圧力を感じたりという営業はもちろん駄目ですけれども、とはいえ、そこを改善しようとして向かうところが、本当にこれで大丈夫なのかなという気もいたします。
 ところで、先ほど、受信契約未締結の方々と、契約しているけれども支払っていない方々についての件数を御紹介いただきました。この訪問によらない営業、新モデルで、この数字というのは、NHKさんから見たら改善に向かうんでしょうか。いかがですか。見込みを教えてください。

#99
○松崎参考人 お答え申し上げます。
 公平負担の観点からは、先生御指摘のとおり、未払い者の方を減らしていくことは大変重要なことだというふうに認識しております。一方で、コロナ禍により、受信料の収入が長期的に減少局面を迎えていく中で、視聴者の皆様の受信料を財源とする公共放送として、訪問による営業に多くの経費をかけていることについて社会的な納得を得ることが難しくなっていると考えております。
 新型コロナウイルス感染症の社会経済への影響の長期化など、先が見通しづらい状況でございますけれども、訪問によらない営業に重点的に取り組み、支払い率八〇%台の維持と営業経費の削減に努めてまいりたいというふうに考えております。

#100
○高木(錬)委員 前田会長、新しい営業モデルについて今るる聞いていきました。今、御答弁で公平感という言葉が出てきまして、八〇%台を維持するということもおっしゃられています。八〇%台で、公平感というのは大丈夫ですかね。いかがですか。会長のお考えを聞かせてください。

#101
○前田参考人 先生御指摘のとおり、八〇%で、公平感という意味では、これはちょっと公平感がないと私は思います。
 ただ、他方、私ども大変苦労しているんですけれども、絶対払わないという方もおられるんです。これはなかなか難しい問題がございまして、これを解決するためには、一つは、やはり受信機をお持ちの方は、せめて受信機をお持ちだということをお届けいただけないかという、これを私どもは今回お願いをしております。
 これはちょっと、どういう形で、放送法を変えるのか分からないんですが、せめてお届けをいただければ、その先の契約はNHKが努力しますけれども、持っているか持っていないかという証明、NHKでできないんです。それで、結果として何が起こるかといいますと、やはり、持っていそうな方に、今までは、要するに何回もDMを、お金をかけてDMをポストに入れて頑張っていたわけです。その結果としてトラブルが多発するわけです。それから夜間に行くとかですね。私は、これはもう限界を超えているということで、何とか是正したいということで今考えています。
 昨年は八四まで行ったんですけれども、今回、ちょっとコロナという特殊事情がございまして若干下がったんですけれども、やはり公平感という観点からいいますと、確かにもうちょっと頑張らなきゃいけないと思いますが、一〇〇%というのは、これはまたなかなか難しいんです。税金も多分そうだと思うんです。強制力があっても、一〇〇%の徴収というのは非常に難しい。私どもとしましては、八〇%台の後半を何とか目指したいということで、それで、公平感という観点からも何とかしたい。
 やはり、営業経費が全体で一割かかっていますけれども、その中の半分はシステム経費なんです。これは電力会社でも同じでして、要するに、どなたが払っていただいたかという台帳が必要になりまして、それのメンテナンスが必要になります。
 半分はそういう意味では必要経費なんですけれども、それ以外のは人件費なんですね。人件費で、かつ人海戦術で無差別に近い形でやるというのはさすがにちょっと限界に来ていると思いまして、今回、いろいろお願いをしながら、私どもの営業の仕方も変えていきまして、最終的にはやはり公平感、これは公平感がないと、今お支払いいただいている方に対しても誠に申し訳ないものですから、そこを追求していきたいと思っております。

#102
○高木(錬)委員 おっしゃるとおりだと思います。前田会長の思いは大変伝わってまいりました。
 今日は省きますけれども、放送と通信の融合時代を迎え、どうやって受信料をいただいていくかということは大きなテーマであろうと思いますし、実際、前田会長も昨年の検討会分科会の中で、新しい総合受信料という言葉を使って、いろいろ検討していくということを明言されておりまして、受信料の単体だけじゃなくて、今申し上げたように、インターネットとの関係性を含めて大きな視野で変えていかなきゃ、次のあるべき姿を模索しなきゃという思いなんだというふうに受け止めましたし、私たちも何かいいアイデアはないかなということを思う次第です。
 ここから先は前田会長とやり取りさせていただきたいと思うんですが、前田会長、時間があれなので幾つか飛ばしまして、私はどうしても聞きたいと思っていた話が、この度、二〇二一年度から二〇二三年度までの三か年の中期経営計画を会長の手の下で策定をされ発表されたわけでございますけれども、考えてみれば、会長が就任なさったときには、前任の方が作られた中期経営計画の最終年度でありまして、この度、会長の手で作られて、三か年これをやっていくよと。
 しかし、会長の任期を全うなさって、仮の話です、あくまでも理論的な話で、仮の話でありますけれども、会長が再任されなかった場合は違う方の手に渡って最終年度をまた迎えるということになるわけでありますけれども、この会長任期と中期経営計画のずれに関して、長年経営をなさってこられた前田会長、いかがですか、このずれは。

#103
○前田参考人 お答え申し上げます。
 私もちょうど一年前に就任いたしまして、その当時は前任の上田会長が作った三か年計画、最後の年になる直前でございました。
 私は、昨年の一月に就任してから約一年間かけまして、次期中期経営計画に取り組んでまいりました。今回の計画には、業務、受信料、ガバナンスの三位一体改革を強力に進めるためにNHKが直ちに取り組まなければならないことを全て盛り込み、NHKを本気で変えるという強い覚悟を示すことが必要でございました。
 しっかりとした中期経営計画を作るためには、NHKの人を知り、組織を知り、業務を知るための一定の期間が必要だと私は思っております。また、私自身の問題意識を計画に反映させるためにも、私も銀行にいましたので、やはり、まず実態把握をして、何が問題か、何がおかしいのかというのを、ちょうど一年関わりまして、本当におかしいものがいっぱいありました。たくさんございまして、いかにも変なのがたくさんございまして、それを変えながら、実際に三か年計画でフィージビリティーをして、これでちゃんといけるかどうか、工程表を作って、いけるかどうかというのがないと三か年計画になりませんので、それを作りました。
 あわせて、やはり、三か年計画ですけれども、結局、一年たって、毎年また予算があり、決算があり、それを見まして、その中で達成できたものと達成できなかったものを見直すということが必要だと思います。
 そういう意味で、任期の、期間のずれにつきましては、前倒しで準備期間があった方が私はいいと思います。ぴったりで替わりますと、準備期間もなくて、例えばいきなり三年走れと言われると、前の方が作ったのをそのまま三年間やるのかと。これはちょっと、むしろ、私にとっては、一月に就任するというのも物すごく、昨年は地獄のような一年でしたけれども、そういう意味では、一年準備期間があるという意味では私はよかったと思っております。

#104
○高木(錬)委員 準備期間というところ、大変理解いたしました。ただ、勝手な思いですが、自分で作られた三か年、しっかり見届けて、やり切って次の方にバトンタッチしたいというのも経営者としてはあるんじゃないかなと勝手に拝察いたします。
 時間がないので、会長、最後の質問になりますけれども、新しいNHKらしさという言葉が随所に出てきて、これまでのNHKらしさに加えて新しいという言葉がついております。その新しいに対する思いもあろうかと思います。あるいは、会長がいろいろなところで言及なさっています、構造改革だ、NHKの体質を変えていくんだということも入っているのかなというふうにも思ったりもします。
 その、新しいに対する取組、意義というのは、当然国民の信頼がなければ、国民との関係性において、ああ、新しくなったね、NHK変わったねということが何より重要になってくるんだというふうに思います。
 他方、私は元々、国民の皆さんの前で堂々と言うのもなんですが、NHKが大好きで、ずっと、NHKも、大河ドラマは「独眼竜政宗」から始まり、中学校一年生だったと思うんですが、あるいは、私、実は、国会議員になる前まで約九年間主夫をやっていまして、上のお姉ちゃんが二歳のときに双子が生まれまして、大変だったんですけれども、妻が政治家をやっていますもので、妻には政治活動に専念してもらって、私がずっと妻の仕事を手伝いながら主夫をやっていたんですが、朝のあの子供たちの番組は大変助かりまして、ずっと見させておけば家事もできるし掃除もできて本当にありがたかったんですよね、そのぐらい、NHKヘビーユーザーだと自負しておるんです。
 そもそもあるNHKらしさ、これはいろいろ、人それぞれ思いは違うのかもしれないんですけれども、これも大事にしてほしいなという思いがあるんです。
 例えばの例で出すと、いかがでしょうね、会長の思いで、コストカット、構造改革をやっていく、新しいNHKの模索だとやりつつも、現場の、分かりやすく言うと、ある意味、無駄だとか、遊びとか、幅とか、余裕とか、ゆとりとか、そういうものも尊重していただければなというふうに思ったりもするんです。取材に行く、人間関係をつくる、報道は時間をかけなきゃいけない。物づくりである番組制作、まさに今やっている「青天を衝け」、外でロケをして、一大何か昔の村みたいな感じに造っていますよね。ああいうのも、手がかかるし、そんな効率化、合理化という話とちょっと次元が違う世界の話だと思うんですよね。
 是非とも、新しさの追求をしながらも、元々あるNHKのよさというのも現場の皆さんとの対話の上で維持、継続していただきたいという思いがあるんですが、いかがでしょうか。

#105
○前田参考人 お答え申し上げます。
 先生の御指摘のとおりでございまして、私も、当初はNHKらしさの追求というコンセプトにしたんです。これは、民放のまねをしない、NHKはNHKしかできないものを頑張ろうということで、そういう具合にしたんですが、経営委員会で、経営委員の先生から、いや、それをやると、NHKらしさというと昔の番組ばかりやるということになるぞ、それでは狭過ぎるので新しいというのをつけた方がいいということで、新しいとしたんです。ですから、過去を否定するとかそういうことじゃないんですけれども、やはり新しいという切り口も必要ではないか、そういう観点であります。
 さっき申し上げましたが、番組を評価するときに、従来、データがないものですから、視聴率だけで判断していたんです。これは、視聴率は民放さんの一つの判断指標ですが、この視聴率の中には、量的な側面は測れるんですけれども、質的な側面とか合理的なコストがどれくらいかかったかという、そこは全部外れていまして、ここはやはり公共放送でございますので、そこを含めて、番組の、予算ではなくてでき上がった実績で評価して番組を見直そう、そういう具合に今回から切り替えております。
 予算ベースではなくて決算で、普通の会社であればみんな決算ですよね。予算で比べることはないわけですから、実績でちゃんと評価する、そういう具合に軸を変えていきたいと思っておりまして、そういう意味で、先生の御懸念のありますようなことには僕はならないと思っております。
 時間をかけた科学番組、長いのも、当然、先ほどの判断指標でありますと、視聴率が仮に低くても、クオリティーが非常に高い、そういう評価軸がありますので、そういう形で、いろいろなジャンルのところで、それぞれジャンルによって評価の軸が違いますので、それを見ながら、皆さんから見てこれはという番組にしたいと思います。
 一つ懸念していますのは、やはり、例えば紅白歌合戦がありますけれども、非常に長寿番組で、いまだにいろいろな方に見ていただいておりますが、長寿番組だからいいということにしてしまいますと、それはさすがにちょっと国民の皆さんから飽きられますよね。ですから、幾らいい番組でも、やはり時間がたって、このままで本当にマンネリ化していないのか、そういうのを一回チェックしてほしい、そういう思いを込めて、新しいNHKらしさということにさせていただきました。

#106
○高木(錬)委員 誠実な御答弁ありがとうございました。
 以上で終わります。ありがとうございました。

#107
○石田委員長 次に、杉田水脈君。

#108
○杉田委員 自由民主党の杉田水脈です。
 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 先日の予算委員会第二分科会の質疑で、昭和三十年放送の「緑なき島」について質問しました。本日は、その御答弁を受けて、改めて質問いたします。重複する部分もありますが、御理解いただき、是非、誠意のある御答弁をよろしくお願い申し上げます。
 昭和三十年十一月十七日、NHKで、長崎市の端島炭坑、いわゆる軍艦島の様子を紹介する「緑なき島」という番組が放送されました。
 この番組は、明治日本の産業革命遺産が平成二十七年にユネスコの世界文化遺産に登録されたことを記念し、DVD化もされています。
 番組では、端島の当時の様子が紹介されるとともに、炭坑坑内の様子も映し出されます。
 放送当時はテレビが多く普及していない時代でしたが、DVDを機に、複数の点において元島民の方々の証言や当時の坑内規則と異なることを一般財団法人産業遺産国民会議が指摘しています。
 その一部を御紹介させていただきますので、どうぞ皆さん、資料を御覧ください。
 こちらの資料一枚目、上の写真なんですけれども、これは鉱員の方々が坑口に向かうときの様子ですね。頭にはキャップランプをつけて、作業服を着用しています。が、次、この下の写真なんですが、この上のすぐ次の画面なんです。先ほどと全く違う格好になっていて、上半身裸でふんどし姿ということになります。
 ちょっと一枚めくっていただきますと、ここに保安規則が、保安規程があるんですけれども、この上半身裸でふんどしというのは、これは保安規則に違反しているということになります。
 それから、もう一枚めくっていただきますと、こちらは端島の方の支柱規格の図の説明なんですけれども、一番低い支柱規格でさえ一・九メートルの高さがありますので、この一枚目の下の写真のように、かがんで進まなければいけないような坑道はなかったということになります。
 そして、四枚目。これは先ほども申し上げたんですが、ヘルメットがおかしいんですね。ヘルメットが明らかに形状が違っているというのがこの資料で御確認いただけるのではないかと思います。
 そして、五枚目なんですが、当時の保安規則では、坑内の照明が定着安全電灯を使用しなければならないとなっているんですが、この写真にありますように、映像の中には裸電球が映っているんですね。
 このほかにも、上半身裸の鉱員がつるはしで作業する、そういう映像があるんですけれども、兵庫信一郎という方が書かれた「炭坑読本」第三巻によると、当時の端島は、つるはしではなくてピック採炭が行われていました。端島炭坑では急斜面採炭が行われており、採炭現場の構造も異なります。
 また、ヘルメットすら装着していない上半身裸の鉱員が炭層にダイナマイトの穴を開けるシーンがありますが、端島炭坑はガスが多い甲種炭坑のために、炭層にダイナマイトを入れて発破をすることはなかったんだそうです。
 ほかにも、作業中の鉱員の顔が全く汚れていないとか、腕時計をしているとか、不可解な点が幾つも見られます。
 そもそも、炭塵爆発の危険性や映像内での様々な保安規程違反が見られることを鑑みますと、三菱鉱業がNHKに坑内撮影の許可を与えたのかどうか、甚だ疑問なんです。
 そこで、お尋ねします。撮影許可はあったのでしょうか。

#109
○正籬参考人 お答えいたします。
 「緑なき島」は、今から六十六年前、終戦から十年後の昭和三十年十一月に放送されたNHK短編映画で、当時の端島、軍艦島で暮らす人たちの様子、運動会ですとか買物の様子ですとか、そういったものを二十分にわたってまとめた風土記的な内容となっております。
 坑道内の映像は二分ほどありまして、この場面では、黒く輝くすばらしい石炭を掘る坑夫の顔はさすがに喜びに満ちていますと紹介しております。
 作業している方々の国籍ですとか労働環境について言及はしておりません。また、歴史問題を取り上げた番組でもございません。
 関係する資料について、詳細な取材、制作の過程にも関わるのでお答えできませんけれども、今回の確認作業の中では、六十六年前に当時の三菱鉱業とやり取りした文書は確認されておりません。
 一九四七年に撮影された映像など、端島、軍艦島の炭坑の坑内を撮影した映像は複数残っております。坑内の映像を撮影できたことがあったことは確認しております。

#110
○杉田委員 先ほども御説明いただいたんですけれども、歴史問題とかには関係ないとおっしゃったんですが、この映像は、韓国のメディアに引用されて、韓国の釜山の国立日帝強制動員歴史館でも展示され、韓国が主張する戦時中のいわゆる強制連行、強制労働被害の証拠として度々利用されてきました。
 真実の歴史を追求する端島島民の会は、事実と異なるとして検証を求めていますが、NHKは島民の問合せに対し、当時の端島における取材に基づき、制作、放送されたと回答しています。先日の質疑でも第三者による検証を求めましたが、百四十本近くの過去の映像を精査した結果、指摘のような事実はなかったという御答弁を、先ほどもそうなんですけれども、御答弁をいただきました。
 十六日の参議院内閣委員会でも同様の答弁をなさっていらっしゃいましたが、NHKに残っている「緑なき島」より以前に撮影されたテープを確認したところ、「緑なき島」に流用していないという事実が確認できたということかと思います。
 しかし、ほかのテープから流用していないからといって、端島以外のほかの場所で撮影していないということの証明にはならないのではないでしょうか。現在でもよく使われております手法の、再現ドラマのようなものだったという可能性はないのでしょうか。

#111
○正籬参考人 お答えいたします。
 御指摘を受けまして、NHKでは、できる限りの確認作業を行いました。具体的には、「緑なき島」に関係する資料の確認ですとか、取材、制作に関わった部署の関係者などからの聞き取り、それから昭和三十年以前に撮影され、保管されていた炭鉱の映像の精査などを行いました。関係者の聞き取りはおよそ百人に上りました。昭和三十年以前に撮影され、保管されていた炭鉱の映像はおよそ百四十あったんですけれども、それを一つ一つ確認いたしました。
 しかし、映像の精査などの結果、別の炭鉱で撮影された映像が使用されたという事実はございませんでした。また、証言でも、そうした証言はございませんでした。

#112
○杉田委員 検証の結果、それが端島炭坑の映像であるというふうに裏づけた証拠は一体何なんですか。明確にお示しください。何をもって、これが端島の映像であると断定されたんですか。

#113
○正籬参考人 何々がなかったということを証明するのは非常に難しいことでございます。ただ、御指摘を受け止めまして、違う炭鉱の映像を使用したのではないかという疑問に答えるべく、できる限りの確認作業を行いました。
 繰り返しになりますけれども、「緑なき島」に関係する資料の確認ですとか、当時の取材、制作に関わった部署の関係者などの聞き取りですとか、昭和三十年以前に撮影され、保管されていた炭鉱の映像の精査などを行っておりました。できる限りの確認作業を行ったということでございます。

#114
○杉田委員 では、島民の方々が示しておりますこの不可解な点についてはどのように説明されるんですか。

#115
○正籬参考人 お答えいたします。
 元島民の方々の代理人からそうした指摘をいただいていることを承知しております。それを真摯に受け止めまして、先ほどから申しましたような確認作業を進めました。
 その中では、そうした、御指摘のような事実は確認されなかったということでございます。

#116
○杉田委員 これまでの答弁を聞いていても、それは内部の調査なんですよ。全く私は検証不十分だと思います。
 再度お尋ねしますが、第三者による検証は今後もなされないおつもりですか。

#117
○正籬参考人 お答えいたします。
 先ほどからお話ししておりますけれども、過去の資料ですとか、当時いらっしゃった方の証言ですとか、いろいろなことを、できる限りの確認作業を行いました。できる限りの確認作業を行わせて、今御発言させていただいているということでございます。

#118
○杉田委員 では、この「緑なき島」の坑内の映像は端島の映像であると断言できますか。イエスかノーかでお答えください。

#119
○正籬参考人 この「緑なき島」という短編映画ですけれども、終戦から十年後の昭和三十年に放送され、当時の端島で暮らす人たち、先ほど言いました、運動会ですとか、買物の様子ですとか、娯楽施設でくつろぐ様子ですとか、そういったものを二十分にわたってまとめた風土記的な内容です。歴史的な問題を扱った番組ではございません。ほかの炭鉱で撮影した映像をわざわざ使用するような必要性はなかったのではないかというふうに考えております。
 また、繰り返しになりますけれども、関係する資料の確認ですとか、取材、制作に関わった部署の関係者などからの聞き取り、昭和三十年以前に撮影され、保管されていた炭鉱の映像の精査など、できる限りの確認作業を行わせていただきました。その中で、別の炭鉱で撮影された映像が使用された事実はなかったということでございます。

#120
○杉田委員 なかなか、本当に明言を避けられたという御答弁なんですけれども。
 私もこの「緑なき島」は拝見いたしました。その番組自体に異を唱えているわけでは全くございません。端島に暮らす方々、当時の様子が本当によく映し出されておりまして、特に主婦の方々や子供たちの映像とかが本当にすばらしい記録映像でした。
 せっかくこういうすばらしい番組なのに、制作過程の一部に疑念の目が持たれていて、その部分が韓国に利用されている、それによって元島民の方々の名誉が傷ついている、このことが問題であるということです。
 明治日本の産業革命遺産は、長い鎖国の終えんを迎えた日本が、約五十年という短期間で飛躍的に産業革命を進め近代国家に変貌を遂げたこと、歴史を物語る優れた科学技術の集合体であることなどが評価された結果です。その記録である映像が政治的プロパガンダのように利用されることは、当時の制作者が意図していたところではないはずです。
 ここではっきり断言できないのであれば、彼らの名誉のためにも、そのシーンは端島の映像であるとは断言できないということをNHK側から発信することはできないのでしょうか。それによって、少なくとも、今後このシーンが、韓国に強制連行、強制労働被害の証拠として利用されることは回避できるのではないかと思います。
 最低でも、元島民の方々から、間違いなくこれは自分の故郷だと太鼓判をいただけるような努力をすべきではないですか。私は、何も、やっていないことを証明する悪魔の証明を求めているわけではないんです。そういうことではなくて、元島民の指摘に対して一つ一つ誠実にお答えする必要があるのではないですかということをお願いしております。どうでしょうか。

#121
○正籬参考人 お答えいたします。
 島民の会の代理人の方からの抗議書兼要求書を受けまして、「緑なき島」に関係する資料の確認や、取材、制作に関わった部署の関係者などからの聞き取り、それから保管されていた炭鉱の映像の精査など、できる限りの確認作業を行っております。別の炭鉱で撮影された映像が使用されたという事実はございませんでした。
 こうした内容を、書面で十二月に島民の会の方の代理人に送付いたしました。
 今後も、問合せなどがあれば、誠意を持って対応していきたいと考えております。

#122
○杉田委員 さて、前回の質疑で、この映像が韓国の国立日帝強制動員歴史館で展示されているが、許諾を与えているのかと質問したところ、展示されていることは承知しているが、映像についてのやり取りをした記録がないという答弁をいただきました。
 具体的に、いつ頃お知りになったのでしょうか。

#123
○正籬参考人 お答えいたします。
 島民の会の代理人から届いた抗議書兼要求書やその報道などで、御指摘の韓国の国立日帝強制動員歴史館の展示に「緑なき島」の映像が使われているという指摘があることを知りました。

#124
○杉田委員 それを知ってから今まで、どうして何も対処しなかったのでしょうか。前回私が質問したときは、確認中ですという御答弁でしたが、確認の進捗状況をお伺いしたいと思います。
 歴史館側との記録がないのであれば、それは無断で使用しているということではないですか。これ以上何を確認する必要があるんでしょうか。そして、一体何が確認できたら確認が終わるんですか。

#125
○正籬参考人 「緑なき島」ですけれども、六十六年前に放送された番組についての御指摘でしたので、可能な限りきちんと対応しようと、私どもでは、先ほどから申し上げている確認作業やその後の対応に当たっております。
 少なくても、御指摘の韓国にある国立日帝強制動員歴史館と映像についてやり取りした記録がないことは確認しております。
 御指摘の国立日帝強制動員歴史館に展示されている映像には、韓国の放送局で放送された番組の映像から使っていると受け取れる表示があったことから、経緯や事実関係を確認しているところでございます。

#126
○杉田委員 NHKが視聴者に受信料の支払いを求める裁判については度々そういうのを目にするんですけれども、国民には訴訟を起こしてまで受信料を求めるのに、国外での不正使用については何ら対処していないということに非常に違和感を覚えます。
 先日の質問でもしかるべき対応をお願いしたところですが、無断で使用されていることが明確になった以上、映像の差止めやこれまでの使用料の未払いに対する損害賠償について、いつまでにどのように対応する予定か、お聞かせください。

#127
○正籬参考人 お答えいたします。
 少なくとも、御指摘の韓国にある国立日帝強制動員歴史館と映像についてやり取りした記録がないことは確かでありますが、その経緯や事実関係を確認している最中です。ルールを逸脱するような使われ方をされているとするならば、遺憾であります。
 ただ、今、事実関係、どうした経緯でそうなっているのか確認中ですので、今現在、明確なことはお答えはできません。

#128
○杉田委員 ちょっと時間がなくなってまいりましたので、二問まとめて質問させていただきます。
 先ほどの答弁の中にもあったんですけれども、「緑なき島」の映像は、二〇一七年の七月四日放送の韓国MBC、PD手帳、「軍艦島そして安倍の歴史戦争」で使用されていますが、この番組では、どのような経緯で映像使用の許可を与えたのでしょうか。この番組の趣旨などは当然御覧になって検討されたんですよね。それを一問お答えください。
 もう一問ですが、私もその番組を視聴したんですけれども、番組内では、端島に強制徴用されたと主張する方が、拷問を受けた、あんな殺人鬼はいない、端島は忌まわしい島だと述べています。番組全体を通して、端島炭坑では、韓国人の元鉱員たちが過酷な環境で強制的に働かされ、暴力なども受けた、しかし日本政府はこれを隠蔽しようとしている、日本は慰安婦問題でも不誠実な対応をしてきたという内容でした。
 また、翻訳ではありますが、番組内で実際に使用された表現をかりると、戦犯国家の過去を消し去った世界文化遺産の登録、明治日本の産業革命遺産に同時登録された安倍総理の地元山口の松下村塾は、日本の軍国主義の出発点であり植民地支配と侵略の種をまいた、吉田松陰の弟子である大島義昌は安倍総理の高祖父であり、安倍総理の右傾化と軍事大国化は東アジア全体の二十一世紀にとって新たな災厄でしかないなど、日本国民としては怒りや悲しさを覚えるような番組でした。
 このような趣旨、内容の番組への映像資料提供について、NHKはどのように捉えていらっしゃるのでしょうか。提供した映像がどのように切り取られ政治利用されようと、全く問題ないという認識でおられるのでしょうか。お答えください。

#129
○正籬参考人 お答えいたします。
 御指摘の韓国のMBCの番組、PD手帳については、今回の御質問の通告がありまして初めて知りました。詳細については把握しておりません。ただ、MBCと「緑なき島」の映像についてやり取りした記録はございません。まずはその事実関係を確認して検討したいと考えております。
 ただ、先ほど申しましたように、ルールを逸脱した利用がされているとすれば遺憾であります。
 一つ一つ確認しながら作業を行っておりますけれども、事実関係の確認を行っている最中で、今後適切な対応を考えていきたいと考えております。

#130
○杉田委員 済みません、時間が来たので終わりますが、審議されているこのNHKの予算も、まずは国民の皆様が納得するような番組制作や対応をされることが大前提ではないかというふうに思います。放送内容によって故郷や家族の名誉を傷つけられた、また、この国の先人たちが国の発展を願って築き上げてきた偉業に対し、国の名誉すらおとしめかねない一方的な批判が国際問題にまで波及していることについて、どうか真摯に御対応いただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#131
○石田委員長 次に、國重徹君。

#132
○國重委員 おはようございます。公明党の國重徹です。
 今、時代は大きく変わりつつあります。放送を含むメディア環境も激変をしております。そういった中で、若者を中心に、テレビを持たない世帯も増えております。他方で、ネット上の動画配信サービスで、放送由来の動画を始め、多くのコンテンツを視聴する人が増えております。放送と通信の融合が進む中で、放送でしか果たせない役割というのは何なのか。なかんずく、公共放送の本来の役割、存在意義は何なのか。この役割を果たすために必要な業務は何なのか。これらを踏まえた受信料の在り方、こういった根源的、本質的な問題について真正面から検討し、速やかに必要な取組を進めていく、そうでないと、技術革新の流れ、時代の変化に対応できず、手遅れになってしまいます。
 NHK、総務省には、この点について緊張感と責任感を持ってしっかりと取り組んでいただきたい。冒頭、このことをまずは申し上げたいと思います。
 その上で、私の持ち時間、二十分と非常に限られておりますので、今日は国民・視聴者目線の観点で、取り急ぎやるべきこと、検討すべきことを取り上げさせていただきたいと思います。
 新型コロナの感染拡大によりまして、経済的な打撃を受けている事業者の方も数多くいらっしゃいます。こういった中で、NHKは、持続化給付金の給付決定を受けた事業者が申請をすれば受信料を二か月間免除する措置を講じております。NHKとしては、宿泊施設の部屋に設置されたテレビなど、免除対象となる受信契約は約百七十五万件、免除額は約三十億円と見込んでいたようであります。しかし、一月末時点の受理件数は約五十八万件、免除額は約十・五億円、当初予定していた額の三分の一程度と、事業者に広く行き届いてはおりません。
 これまでもDMを出すなりして申請を促してきたことは承知をしておりますけれども、NHK放送を使ってこれまで以上に免除申請を促していくなどの広報の強化が絶対に必要だというふうに考えますが、これについてどのように考えているのか、今後の取組を含めてお伺いいたします。

#133
○前田参考人 お答え申し上げます。
 持続化給付金の給付決定を受けた事業者に対する免除の適用件数は今年の一月までで五十八万件、免除額は十億五千万円でございます。
 NHKといたしましては、免除の受付を開始した当初より、ホームページへの掲載を始め、テレビを通じて約三百回以上、免除の案内を放送し、周知に努めております。また、官公庁、地方自治体やホテル、旅館の業界団体等に協力をお願いするとともに、対象となる事業者の方に六十六万通のダイレクトメールをお送りして、免除の手続の御案内をしております。
 放送やインターネットによる御案内を今月末の申請期限を強調した内容に変更するなどして、一層の周知に努めてまいりたいと思います。

#134
○國重委員 よろしくお願いします。
 その上で、申請状況を踏まえて申請期限を延期するなり、また、コロナの状況を踏まえまして、新たな受信料の減免措置、こういったことも是非御検討いただきたいと思います。
 次に、受信料の値下げまた免除に関してお伺いをいたします。
 二〇二一年度から二〇二三年度のNHKの経営計画では、剰余金の積立金制度の導入等によって、受信料を還元する原資として七百億円程度を確保し、その上で、衛星波の削減を行う二〇二三年度に受信料の値下げを実施する方針を示しております。そして、NHKは、この受信料の値下げについて、衛星契約の一割値下げを目指したい、このようにも述べております。
 しかし、これについては私は疑問がございます。つまり、受信料の還元の原資というのは、衛星波の削減のみで確保するものではありません。また、地上契約を締結している人たちのうち半数弱が衛星契約を締結していません。このようなことからすれば、衛星契約の受信料のみを値下げすることは国民の納得が得られるものなのか、家計の負担軽減の観点から、地上契約を含めて今後幅広く検討すべきではないかと考えますけれども、これについての見解、まずはこれが一点目。
 済みません、時間がないのでまとめてお伺いします。
 もう一点は、チューナーつきのカーナビやワンセグつきの携帯、これらも受信契約の対象になっていますけれども、これによって、例えばトラック事業者、トラックにテレビが視聴できるチューナーつきのカーナビがついていればトラックの台数分、一定の割引があるとはいえ受信料を支払う必要があります。カーナビやワンセグはテレビの視聴が主目的ではないのに何で受信料を支払わないといけないのか、チューナーがついていない、テレビが視聴できないカーナビを探す方が難しいと、受信料の支払いに納得していない、不満を抱いている人たちも少なくありません。
 放送と通信の融合時代の受信料の在り方をどう考えていくのか、本質的な課題と絡んでくることではありますけれども、そのあるべき姿が確立するまで国民の不満を漫然と放置していいとも思いません。今後、カーナビやワンセグの受信料免除も検討すべきと考えますが、これについての見解はどうか。
 以上、二点をお伺いいたします。

#135
○前田参考人 お答え申し上げます。
 次期中期経営計画でお示ししました二〇二三年度の値下げにつきましては、衛星付加受信料の割高感がずっと指摘されておりますので、二〇二三年度には衛星波の削減も予定されておることなどを踏まえまして、衛星付加受信料の値下げを一応考えるということを申し上げました。
 一方、先ほど御指摘ありました、カーナビやワンセグ等の受信機が受信契約の対象となっていることにつきまして、適当なのかという御意見があることは十分承知いたしております。カーナビやワンセグなどの受信機を受信契約の対象外とする場合に、多様な端末が現在普及している中で適切に線引きができるかというまた別の観点からの課題もございます。
 そういうことを含めて、今後の受信料の在り方につきましては引き続きしっかりと検討してまいりたいと思います。

#136
○國重委員 衛星の付加受信料の件については、今回の値下げとはまた別途、受動受信の問題等、様々な課題がありますので、それはまた別途検討しないといけないでしょうけれども、次の値下げということに関しては、是非、国民の納得感という観点で、大局的に考えていただきたいと思います。
 次に、受信料の徴収に関してお伺いいたします。
 受信料の公平な負担を徹底する観点から、受信契約の割合、受信料の徴収率を高めていくことは大切であります。その一方で、訪問営業活動で生じている様々なトラブルについては是正していく必要があります。
 これについては、昨年のNHK予算の質疑でも取り上げさせていただきました。その中で、全国の消費生活センターに寄せられたNHK関連の苦情相談は一つの企業に対するものとしては非常に数が多いこと、女性の単身世帯に深夜に訪問する、訪問員が名前や訪問目的を言わない、土足で上がり込む、これはひどいんじゃないかと思われるものも数多くあること、受信料徴収は特定商取引法の適用外とはなっているが、一定の節度を持って訪問活動するのは当然のことであって、自主ルールを定めて、それを徹底し、問題があればその見直しをしていくこと、こういったことを訴えさせていただきました。
 そこで、訪問営業活動におけるトラブル防止策としてその後どのように取り組んでいるのか、また、これに関して、先ほどもございました、営業によらない訪問活動にも力を入れていくとのことでありますが、最高裁判決で指摘をされた次の点、つまり、NHKが受信設備設置者に対して一方的な支払いを迫るのではなくて、NHKの目的や業務内容等を説明して理解を求め、合意を得られるよう努力することが望ましいとした点、これをどのように満たしていくのか、この両立をいかに図っていくのか、お伺いいたします。

#137
○松崎参考人 お答え申し上げます。
 訪問というコストのかかるコミュニケーションから、インターネットなどを活用した新しい形の活動に転換をいたしまして、より効率的に幅広く視聴者の皆様の御意見に耳を傾け、番組の質の向上などにつなげていきたいと考えております。こうした視聴者との結びつきを大切にする取組を続けていることが、NHKの信頼を高め、受信料制度への理解促進につながるものと考えています。
 訪問によらない営業に転換することで、営業経費の削減や、ただいま御指摘いただきましたトラブルの防止など、これまでの課題に対処するとともに、NHKへの理解や納得をいただく機会の創出に努めてまいりたいと考えております。

#138
○國重委員 公共放送の役割、また受信料制度の意義がよく分からず、納得しないまま受信料が徴収されることになりますと、国民の不満がたまっていくことになります。また、強い反発が生まれます。国民・視聴者の理解を得るチャンスとして、受信契約のタイミングというのは重要なポイントになると思いますので、是非これは知恵を絞って、合理化は大事ですけれども、そういった理解を促す、これについても是非力を入れていっていただきたいと思います。
 次に、訪問営業活動の実態については、総務省としてもきちんと注視をしていくことが必要であります。このことは、本年一月十八日に公表されました公共放送と受信料制度の在り方に関するとりまとめ、この中においても指摘をされております。
 そこで、総務省として、訪問営業活動の実態をどのように注視をし、その実態をどのように評価をしているのか、また、問題がある場合には具体策を検討することも必要と考えますが、これについての総務省の見解をお伺いいたします。

#139
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 総務省としても、NHKの訪問営業活動に関し、公表資料などを通じ、多数の御意見、苦情が寄せられていることは把握しております。具体的には、全国の消費生活センター、あるいはNHKのふれあいセンター等に寄せられていると承知しております。
 NHKは国民・視聴者からの受信料によって支えられており、その訪問営業活動についても、委員御指摘のとおり、国民・視聴者の理解を十分得ていくことが求められるものでございます。
 NHK予算に付した総務大臣意見においても、寄せられた苦情等を踏まえ、委託先を含めた受信契約の勧奨業務の適正を確保すること等について指摘しているところでございます。
 さらに、全国の消費生活センター等に寄せられたNHKに関する御意見等の内容について、調査、分析を実施する等、必要な対応を引き続き行ってまいりたいと考えております。

#140
○國重委員 総務省としての更なる取組、是非よろしくお願いいたします。
 次に、スリムで強靱な新しいNHK改革を目指す構造改革、これについて、NHKは放送波の整理、削減を進めていくこととしております。これは重要なことと評価をいたしますが、これに対して、例えば、NHKの語学放送は非常に重要な役割を担っているのに、これがばっさりと削減されると、学校現場などへの影響が極めて大きい、このように懸念する声がございます。これは、語学放送だけではなくて、様々な放送についてそういった声が寄せられております。
 視聴率だけで形式的に整理、削減を判断するのではなく、良質、有益なコンテンツが無用に切り捨てられることのないよう、視聴者保護の観点で十分な配慮をすべきと考えますけれども、これについての見解をお伺いいたします。

#141
○前田参考人 お答え申し上げます。
 放送波の整理、削減に当たりましては、現在提供しているコンテンツに対するニーズを踏まえ、視聴者の皆様の利便性を損なわないことに十分留意しながら進めていく所存でございます。
 衛星波の整理、削減につきましては、昨年七月に視聴者の皆様の意向を確認する世論調査を実施いたしました。その結果、八割以上の方々から、衛星放送ならではの番組については他の波に移すなど工夫して維持してほしいといった声をいただいております。
 また、音声波の整理、削減につきましては、昨年十二月にインターネット調査、今年二月から三月にかけて郵送による世論調査を実施し、その結果を取りまとめている途中でございます。
 このような調査結果を基に、視聴者の皆様の意向やニーズを踏まえ、具体的に検討を進めてまいりたいと思います。

#142
○國重委員 是非よろしくお願いいたします。
 最後に、人に優しい放送についてお伺いをしたいと思います。
 デジタル社会の目指す方向性として、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化ということが繰り返し示されておりますけれども、人に優しい放送も、これもまた重要であります。この点、字幕放送については普及が進んでいる、このように承知をしておりますが、例えば、目が見えない人に状況を解説する解説動画、あるいは手話放送についてはそれほど普及が進んでいない状況であります。
 私、総務大臣政務官を務めさせていただいた際に、総務省の中に、これは厚労省と共催で、デジタル活用共生社会実現会議という会議を立ち上げさせていただきました。その中で、この構成員のメンバーの方に、目の見えない方、また耳の聞こえない方、あるいは知的障害のある方、また八十を超えた高齢者の方、こういった方にも御参加をいただきまして、どのようなものであればその人たちにとって役に立つものなのか、どのような広報をすればその人たちに届くのかというようなことについて会議を重ねて議論をしてまいりました。
 そして、報告書を取りまとめまして、その報告書に基づいて、今、様々な施策が実施をされております。例えば、デジタル活用支援員という、寄り添って、スマホ等の使い方を教えるような、そのようなデジタル活用支援員、今年度、実証実験が始まっておりまして、来年度、千か所以上で実施をする予定になっております。
 放送についても、先ほど言った解説放送また手話放送にとどまらず、人に優しい放送の更なる実現のために、障害者や、その関係者、関係団体の生の声、ニーズを直接把握する取組を進めていく必要があると考えます。これについての見解をお伺いいたします。

#143
○正籬参考人 お答えいたします。
 我々NHKにとって、人に優しい放送、ユニバーサル放送は非常に重要な経営課題だと考えております。
 NHKでは、年に数回程度、視覚障害者の方の団体や聴覚障害者の方の団体と意見交換会を実施しております。
 視覚障害者団体との意見交換の場では、NHK側から、先ほどありましたテレビの解説放送の付与の状況ですとか、視覚障害者向けのラジオ番組の実績などを報告しております。団体の皆様からは、解説放送の評価ですとか改善の要望、ラジオ番組で取り上げてほしいテーマなど、幅広く御意見をいただいております。
 聴覚障害者団体との間では、NHKが行った、AIの技術を活用した自動音声認識技術を使って字幕を生成してインターネットで配信する実験を実施した際に、デモンストレーションを御覧いただいたり、アンケートに御協力いただいたりしながら、意見交換を行うなどしてまいりました。字幕の精度ですとか表示スピードなどにいただいた御意見を参考にして、引き続き研究開発に取り組んでおります。
 なお、今年度も意見交換会を企画し、団体にも開催を打診しているんですけれども、新型コロナウイルスの感染の流行もありまして、今年度はまだ実現できておりません。
 誰もが快適に放送・サービスを楽しんで、必要な情報を手に入れられるように、人に優しい放送・サービスの充実に向けまして、引き続き、利用される方々の御意見も踏まえながら対応してまいりたいと考えております。

#144
○國重委員 是非、現場の声を踏まえて、適切な取組を力強く進めていっていただきたいと思います。
 以上で私の本日の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

#145
○石田委員長 次回は、来る二十二日月曜日午後一時五十分理事会、午後二時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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