くにさくロゴ
2021/03/02 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 本会議 第10号 令和3年3月2日
姉妹サイト
 
2021/03/02 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 本会議 第10号 令和3年3月2日

#1
令和三年三月二日(火曜日)
    ―――――――――――――
  令和三年三月二日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 令和三年度一般会計予算
 令和三年度特別会計予算
 令和三年度政府関係機関予算
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
    午後三時二分開議
#2
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○武部新君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 令和三年度一般会計予算、令和三年度特別会計予算、令和三年度政府関係機関予算、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#4
○議長(大島理森君) 武部新君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 令和三年度一般会計予算
 令和三年度特別会計予算
 令和三年度政府関係機関予算
#6
○議長(大島理森君) 令和三年度一般会計予算、令和三年度特別会計予算、令和三年度政府関係機関予算、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。予算委員長金田勝年君。
    ―――――――――――――
 令和三年度一般会計予算及び同報告書
 令和三年度特別会計予算及び同報告書
 令和三年度政府関係機関予算及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔金田勝年君登壇〕
#7
○金田勝年君 ただいま議題となりました令和三年度一般会計予算外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告を申し上げます。
 まず、予算三案の概要について申し上げます。
 令和三年度一般会計予算の規模は百六兆六千九十七億円であり、前年度当初予算に対して三・八%の増加となっております。
 歳出のうち、国債費及び地方交付税交付金等を除いた一般歳出の規模は六十六兆九千二十億円であり、前年度当初予算に対して五・四%の増加となっております。
 歳入のうち、公債金は四十三兆五千九百七十億円で、公債依存度は四〇・九%となっております。
 特別会計予算については、十三の特別会計があり、会計間の取引額などの重複額等を控除した歳出純計額は二百四十五兆二千五百七十二億円となっております。
 政府関係機関予算については、沖縄振興開発金融公庫など四機関の予算を計上をいたしております。
 なお、財政投融資計画でありますが、その規模は四十兆九千五十六億円で、二〇九・四%の増加となっております。
 この予算三案は、去る一月十八日本委員会に付託され、同月二十二日麻生財務大臣から趣旨の説明を聴取をし、二月四日から質疑に入り、基本的質疑、一般的質疑、集中審議、参考人質疑、中央公聴会、分科会を行うなど、慎重に審査を重ね、本日締めくくり質疑を行いました。
 審査においては、経済・財政・金融政策、新型コロナウイルス感染症への対応、非正規雇用労働者への支援、総務省及び農林水産省職員の国家公務員倫理規程違反事案、東京オリンピック・パラリンピック競技大会、男女共同参画社会の実現、令和三年福島県沖を震源とする地震、脱炭素社会の実現など、国政の各般にわたって熱心に質疑が行われました。その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。
 本日、質疑を終局後、立憲民主党・無所属及び日本共産党の共同提出により、また、国民民主党・無所属クラブから、それぞれ、令和三年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出をされ、趣旨の説明がありました。
 次いで、予算三案及び両動議について討論、採決を行いました結果、両動議はいずれも否決され、令和三年度予算三案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(大島理森君) 三案につき討論の通告があります。順次これを許します。武内則男君。
    〔武内則男君登壇〕
#9
○武内則男君 立憲民主党・無所属の武内則男です。
 私は、会派を代表し、令和三年度予算案に反対の立場で討論を行います。(拍手)
 我が国に新型コロナウイルスの感染者が出始めてから、既に一年余りがたってしまいました。
 亡くなられた多くの方々に、心より哀悼の誠をささげます。
 我が党の参議院議員であった羽田雄一郎さんも、昨年末に急逝されました。痛恨の極みであり、もっと早くに検査を受けておられればと思わずにはいられません。
 国会議員にも感染された方が出ており、私たちは、引き続き、最大限の緊張感を持って国政に臨まなければなりません。
 そんな中で、国民には緊急事態宣言を出して厳しい自粛を求めておきながら、政府・与党の幹部がこそこそと深夜まで会食を繰り返していたことは、まさに言語道断であり、同じ国会議員として恥ずかしい限りです。自らの行動を一層戒めるとともに、政府・与党の諸君には改めて猛省を求めます。
 この件に限らず、安倍前政権から菅政権に至るも、おごりや緩み、たるみは看過し難いものがあります。
 思い起こせば、コロナ禍の昨年末、桜を見る会の問題に関して、ついにうそがばれ、国会で百十八回も虚偽の答弁をし続けたと謝罪に来た前総理がおられました。あれだけいけしゃあしゃあと答弁し、議事録のどこをどう訂正するかも結局明言できず、全ては秘書のせいでは、あんまりではありませんか。
 森友、加計学園もしかりです。事実を隠し続け、隠蔽、捏造、改ざんのオンパレード。国会でも、聞かれたことには全く答えようとしない。不誠実、不正直の極みです。そして、人事を握られた役所の皆さんは要らぬ忖度を繰り返し、官邸官僚だけが我が物顔にばっこする。こんな政治に誰がしたんですか。
 顧みれば、与党議員の振る舞いにも許し難いものがありました。
 一昨年の参議院選で、自民党本部から一億五千万という桁違いの資金を受け取った河井夫妻は、前代未聞の選挙買収事件を引き起こしました。さらには、国会において何らの説明責任も果たそうとせず、議員の立場にしがみつき続けました。その振る舞いは、醜悪そのものです。担ぎ上げた自民党も、これまで何の自助努力、説明責任も果たそうとせず、まさに言語道断と言わざるを得ません。
 また、安倍、菅政権の看板政策であるカジノ導入に絡んで、内閣府副大臣も務めた、当時の自民党のあきもと議員をめぐる収賄事件も起こりました。前代未聞の証人買収事件にまで発展した、このカジノ利権をめぐる元自民党議員の振る舞いは、立法府の尊厳を損なう許し難いものであり、言語道断であるとしか言いようがありません。
 また、国民の皆さんが日々の生活にも苦しむ中、コロナ対策に全力で当たらなければならないところ、今国会でも、ルールを破り、利害関係者と平然と会食を繰り返す総務省の官僚が次々に現れました。驚くほかありません。ましてや、その場には、菅総理大臣が総務大臣だったときに総務大臣秘書官に起用した菅総理の御長男が同席したというのですから、これを問題だと思わない方がどうかしています。
 思えば、大臣室で平気で業者からお金を受け取ったという農林水産大臣もおられたようですが、大臣も大臣なら、その業者と会食を繰り返していた官僚もいたとのことです。この醜態には、もはやあきれ返るほかありません。どこまで安倍、菅自公政権は腐り切っているのでしょうか。
 安倍、菅政権のコロナ対策も、褒められたものではありません。
 もちろん、野党は野党の立場として、協力すべきは協力し、正していくべきものは正していきます。我々が先に提案したなどと、手柄の争いのようなことをするつもりは毛頭ありません。政府・与党の皆さんには、もっと柔軟に、謙虚になっていただき、要らぬこだわりは脇に置いて対応すべきです。
 そうでないと、入るべき情報が官邸に上がらず、独りよがりで、思いつきのような政策が乱発され、国民を不安に陥れるのです。突然、使われもしない布マスクを配ってみたり、思いつきのように一斉休校をしてみたり、給付金の対応がぶれにぶれたり、事業者への補償が足りなくなったり、生活困窮者への支援が遅れたりするのです。
 この間の政府の対応は、まさに後手後手の繰り返し、何もかも小出し、結局は中途半端の極みであり、是非こうした対応を改めていただきたいと重ねて主張します。
 こうした観点を踏まえた上で、本予算案に反対せざるを得ない理由について、るる申し上げます。
 コロナ禍の我が国において、最優先すべきは、感染症のこれ以上の拡大防止と、感染拡大により窮地に立たされた国民や事業者の救済です。しかしながら、今回の令和三年度予算案のうち、新型コロナウイルス感染拡大防止のための予算は、予備費の五兆円を除いて、決して多くはありません。
 政府は、新型コロナウイルス対策の予算については、令和二年度第三次補正予算で措置済みであるという考え方で、三年度予算では、ほとんど盛り込むことはしませんでした。しかし、三次補正予算にしても、この三年度予算にしても、編成されたのは状況が全く異なる昨年十二月のことであり、その後の第三波のピークや緊急事態の発令とその対応策については全く織り込まれていません。いずれの予算も、今回の第三波の事態に対応するためには全くもって不十分な内容だと言わざるを得ません。
 なお、私ども立憲民主党は、他の野党とも協力し、この令和三年度予算案においても新型コロナウイルス対策のための予算をしっかりつけるべきだとの考えから、委員会段階において、組替え動議を提出いたしました。内容は以下のとおりです。
 病床や療養施設の確保のため、国がより積極的に関与するとともに、収入の減った全ての医療機関への経済的支援を行うこと、医療従事者等への再度の慰労金を支給することなど、病床の確保や医療機関支援のために三兆円。
 ワクチン接種体制の整備充実や、エッセンシャルワーカーへの定期的公費検査の実施、コロナ検査機器やゲノム解析の普及促進、保健所の体制強化や出入国管理など、再燃防止策、封じ込め策のために二兆円。
 生活困窮者や低所得の子育て世帯に対する給付金の支給や、緊急小口貸付け、休業支援金の延長、雇用保険の特例や学生支援など、暮らしを守るために七兆円。
 事業規模に応じた持続化給付金や休業支援金の給付、無利子無担保融資の拡大、延長、雇用調整助成金特例の延長、地域公共交通機関への支援など、事業を守るために二十二兆円といった充実した内容となっています。
 また、コロナ対策以外の予算としては、保育士、幼稚園教諭、介護、障害福祉従事者等の処遇改善や、小中学校における給食費無償化、児童手当特例給付の所得制限の撤回、廃止、消費者行政の強化、DV被害者支援、農業者戸別所得補償制度の復活、充実など、持続可能な社会の実現や将来に向けた先行投資等に必要な予算の確保のために二兆円を計上すべきとしています。
 しかし、この組替え動議については、自らの無為無策を横に置き、与党側はこれを一顧だにせず、否決をいたしました。与党の議員諸君に、今回の感染拡大の実態とそれに伴う国民の窮状が果たして本当に見えているのでしょうか。仮にそれが見えていないなら論外であり、見えていてなお無為無策を貫き通すなら、無責任の極みであります。
 コロナ禍において、私ども野党は、対策に与党も野党もなしとして、数々の異例の国会対応も容認をして対応してきました。同じ立法府に身を置く者として、今回の与党の議員諸君の行動は極めて残念であると言わざるを得ません。
 以上、この令和三年度予算の政府案は、新型コロナウイルス対策という、私たちにとって今最も必要とされている内容が極めて手薄になっている一方で、本来なら厳しく精査をして不要不急の部分をカットするべき従来型の既存予算が相も変わらず膨張し続けているという、全くもって理解に苦しむ内容となっているのが事実です。このような予算案を私たちは決して容認することはできません。
 腐敗した政治を終わらせ、真っ当な政治に大転換することを申し上げ、私の反対討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#10
○議長(大島理森君) 藤原崇君。
    〔藤原崇君登壇〕
#11
○藤原崇君 自由民主党・無所属の会の藤原崇です。
 私は、自由民主党・無所属の会を代表し、令和三年度一般会計予算案外二案に対し、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 初めに、今般の新型コロナウイルス感染症で亡くなられた皆様に心より哀悼の意を表しますとともに、治療、療養中の皆様にお見舞いを申し上げます。
 また、対応に当たっている医療従事者を始めとした皆様に心より感謝を申し上げます。
 新型コロナの感染状況は、緊急事態宣言下、多くの皆様の御尽力により、新規感染者数等は落ち着く傾向にあります。
 我が国における新型コロナへの対策は、地方分権や人権という自由主義国家共通の価値観、そして人的、財政的な制約の下で取り組む必要があり、その中において感染症対応と経済の両立という二つの要素のバランシングが求められます。
 今後は、感染状況を見極めつつ、経済的活動を再開させ、同時に、新型コロナのリスクを許容範囲に収めるという困難な道を歩むことになります。
 そのためにも、今は、ワクチンを含めた感染拡大防止に万全を期すと同時に、今後の反転攻勢の起点を作ることが何よりも重要であります。
 こうした中、令和三年度予算案は、現下の情勢に的確に対応をする予算となっております。
 以下、その理由を申し上げます。
 第一の理由は、本予算案は、三次補正予算と併せて感染拡大防止に万全の対応を行っていることです。
 具体的には、医療や保健衛生、そして地方公共団体運営の基盤を支える経費などに加え、保健所体制の整備や診療報酬の特例加算により、新型コロナへの対応力を高めるものとなっています。さらには、万一に備えて、五兆円のコロナ予備費を措置しております。
 第二の理由は、経済復興期の経済再生の加速に目配りがなされていることです。
 現在、政府は、三次補正及び予備費により、時短要請協力金の国負担額の引上げや一時支援金の支給などを行っています。
 加えて、本予算案では、六兆円を超える公共事業関係費を確保し、防災・減災、国土強靱化を加速させるとともに、農林水産物輸出五兆円目標の実現に向けた生産体制の強化を図っています。また、新型コロナの影響を受けている観光、地域公共交通等の分野について、重点的な支援を行っております。
 第三の理由は、次世代の成長の原動力となるグリーン化、デジタル化などとともに、喫緊の課題である少子化対策などへの配慮もなされている点です。
 特に、新型コロナ対応の中で、対応の遅れが露呈したデジタル化に関しては、我が国のデジタル行政の統一的設計図を作る役割を果たすデジタル庁の設立、そして、オンラインで確実な本人確認を行うというデジタル社会の基盤の役割を果たすマイナンバーカード普及に向けた市町村事務を支援することとしています。
 第四の理由は、財政の持続可能性の観点から、改革を続ける予算となっている点です。
 令和三年度予算では、これまで二年に一度だった薬価改定を毎年行うこととするなど、社会保障の受益と負担の改善を続ける姿勢を示しており、現在と将来の国民を守るための予算となっております。
 なお、予算委員会では、省庁職員の倫理法違反事案が議論となりました。本事案については、私からも、各省庁における適正な対応を求めたいと思います。
 しかしながら、各省の報告等によれば、行政に対する不適切な働きかけはなかったということであり、予算案に反対する理由にならないのは明らかです。
 当事者による調査は信用性に欠けるという指摘もあります。しかしながら、例えば、総務省の調査結果を見れば、当初、違反疑いを指摘された四名以外にも、七名が処分などされており、真摯に調査に取り組んだ姿勢が見えます。
 また、対象者十二名からのヒアリングは個別聴取であり、口裏合わせもできません。もし行政をゆがめた事実があれば、完全に口裏を合わせることは困難ですから、個別聴取でそれをうかがわせる徴憑が出てくるはずです。にもかかわらず、それを疑わせる事柄が出ないということは、行政をゆがめるような事実はなかったと判断をするのが自然です。
 今、政府が必死に新型コロナ対応に当たっているのと同様に、地方自治体も懸命の努力を行っております。その中で、我々衆議院が行うべき意思表示は、本予算案を本日可決させることによって、それぞれの現場で必死に戦っている皆様の取組を力強く後押しすることではないでしょうか。
 以上、本予算案に賛成する理由を申し述べました。
 議員各位の御賛同を賜りますことを強くお願い申し上げます。(拍手)
#12
○議長(大島理森君) 藤野保史君。
    〔藤野保史君登壇〕
#13
○藤野保史君 私は、日本共産党を代表して、二〇二一年度予算案外二案に反対の討論を行います。(拍手)
 新型コロナ対策を進める上で、何よりも大切なのは、政治への信頼です。ところが、予算審議を通じて、菅総理の長男が関わった総務省の接待疑惑でも、農水省の贈収賄事件でも、金で行政がゆがめられたのではないかという疑惑は、ますます深まっています。
 総務省のワーキンググループは、二〇二〇年十二月、衛星放送のインフラ利用料の負担軽減、そして衛星放送の電波枠の利用という、東北新社側の要求に応える報告書案を出しています。問題は、この報告書案が出される前に接待が集中していることです。その背景には、総理と東北新社との特別の関係があるのではないか。この点も含めた真相の徹底究明が必要です。
 農水省では、贈収賄事件の贈賄側の企業との会食に、事務次官が出席していたことが明らかになりました。吉川、西川元農水大臣を始め、農水省ぐるみの疑惑の徹底解明が求められています。
 これらの問題に加え、政治への信頼回復のためには、河井夫妻による選挙買収事件、カジノ贈収賄事件、森友問題、加計問題、桜を見る会、日本学術会議への人事介入など、政治への信頼を揺るがす重大問題の真相究明が不可欠です。安倍前総理の証人喚問を始め、関係者の国会招致、関連資料の提出を強く求めます。
 本予算案は、新型コロナ対策として不十分であり、コロナ禍で苦しむ国民に対して非常に冷たい予算となっています。
 医療崩壊を防ぐという点でも、ワクチン接種を円滑に行うという点でも、医療機関の経営への支援が欠かせません。ところが、政府は、医療機関への減収補填に背を向け続けています。PCR検査についても、感染者数が減ってきた今こそ拡大強化すべきであるにもかかわらず、抜本的な拡充を行おうとしていません。これでは、再び感染が拡大し、医療崩壊に追い込まれる悪循環が繰り返されかねません。
 菅総理は、大企業で働くシフト制非正規労働者に直接お会いになり、実態をお聞きになりました。ところが、これらの方への休業支援金の適用は、昨年四月から六月までに限定されるなど、極めて不十分なものであり、これでは救われないという痛切な訴えが寄せられています。
 政府は、持続化給付金や家賃支援給付金の申請を二月十五日で打ち切りました。持続化給付金を申請した企業に対しても、書類の不備などといって切り捨てる姿勢も改めようとしていません。事業規模に応じた補償をという切実な要望にも、背を向けたままです。
 生活困窮者への支援について、政府は、緊急小口資金の活用をと繰り返していますが、必要な食料も買えない人に対して、新たに借金しろというのは余りに冷たい姿勢ではありませんか。その一方で、コロナ禍で最も影響を受けやすい七十五歳以上の医療費窓口負担を二倍にする法案を提出するなど、到底認められません。
 新型コロナを経験して、私たちは、日本社会が抱える数々の脆弱性、もろさを痛感しました。
 第一に、日本の医療保健体制が、感染症の拡大に対応できないところまで弱体化していたということです。
 保健所の数はピーク時の半分に減らされ、感染症病床や専門医も減らされてきました。政府は、この期に及んで、公立・公的病院の再編統合方針を撤回していませんが、言語道断です。本気で国民の命と健康を守る立場に立つのかどうか、政治の根本姿勢が問われています。
 第二に、非正規雇用の矛盾も改めて浮き彫りになりました。
 菅総理は、雇用が増えたことが成果だと自慢してきましたが、その大部分は不安定な非正規雇用であり、多くの方がコロナ禍で真っ先に職を失い、住む場所まで脅かされています。実質的失業者が女性だけで九十万人に達するという調査もあります。この痛苦の経験を踏まえて、こうした不安定雇用に歯止めをかけることこそ切実に求められています。ところが、本案にそのための施策は見当たりません。
 本案は、軍事費に五兆三千四百二十二億円を計上しています。これは、七年連続で過去最高を更新するものであり、来年度の後年度負担は過去最大の五兆五千三百三十億円に達します。日本各地で横行する、米軍による我が物顔の低空飛行訓練に物も言えず、沖縄県民の度重なる意思表示を無視して辺野古新基地建設を強行するなど、断じて許すことはできません。
 本案は、消費税の五%への減税に背を向け、富裕層に対する優遇税制を温存しています。この間の株高の恩恵で、富裕層の資産は、昨年二月の十二兆円から二十四兆円へと倍増しています。消費税の五%減税に踏み出すとともに、応能負担の原則を今こそ徹底すべきです。
 我が党は、立憲民主党と共同で、新型コロナの拡大を防止し、国民の命と暮らしを守るための予算組替え動議を提案しました。今こそ、国民を応援する政治に転換することを強く求めて、討論を終わります。(拍手)
#14
○議長(大島理森君) 浜地雅一君。
    〔浜地雅一君登壇〕
#15
○浜地雅一君 公明党の浜地雅一です。
 ただいま議題となりました令和三年度総予算案につきまして、賛成の討論を行います。(拍手)
 本予算案は、令和二年度三次補正と合わせて、十五か月予算としてコロナ対策、経済回復を万全なものとするための重要な予算であることは、言うまでもありません。
 まずは、感染防止対策が急務であります。
 令和二年度三次補正で計上した緊急包括支援交付金を始めとする病床の確保やワクチン接種体制の整備費等に加え、本予算案では、診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等の報酬を特別加算する臨時措置、業務が逼迫する保健所の体制を強化するための潜在保健師等の人材バンクの創設など、医療保健提供体制整備の更なる強化が図られております。
 また、今後の感染状況の急変や予期せぬ影響に備え、五兆円の新型コロナウイルス感染症対策予備費を確保しています。これまでも、予備費を活用して、病床確保のための緊急支援、一人親家庭やアルバイト学生等への給付金、飲食店の時短協力金など、適時適切な支援を講じてまいりました。今後は、特に昨年末からの感染急拡大による影響を大きく受けた方々のニーズを的確に把握し、真に必要な支援を迅速かつ確実に講じていただくよう強く要望をいたします。
 次に、コロナ禍から事業と雇用を守り抜く予算となっております。
 令和二年度三次補正では、事業再構築補助金の創設や、実質無利子無担保融資の拡充を図ったところですが、本予算案においては、中小企業の再生支援や事業承継支援に注力し、雇用や技術などの経営資源を守ります。さらに、後継者による経営革新の挑戦を支援する補助事業も実施します。
 また、雇用調整助成金の特例を当面継続するとともに、在籍型出向を支援するため、出向元、出向先双方を支援する産業雇用安定助成金が創設されます。また、離職者を試行的に雇用するためのトライアル雇用助成制度や、介護、障害福祉分野への就職支援金貸付事業を創設、離職者が新たな分野で再就職するための支援策も盛り込まれるなど、雇用の維持、確保に全力を挙げる予算となっております。
 その上で、令和三年度は、ポストコロナの新しい社会の建設に挑み、日本経済の回復を確実なものとしなくてはなりません。
 予算委員会の中央公聴会や参考人質疑でも多くの識者から期待が寄せられたのが、デジタルとグリーンです。
 デジタル改革については、三千億円規模の予算を措置し、官民高度専門人材五百名を集結するデジタル庁を発足させます。デジタル庁を司令塔として、政府情報システムの統合一体化、国、地方共通のデジタル基盤の構築、マイナンバーカードの普及の加速など、行政のデジタル化を強力に進めます。
 デジタル教科書の普及やオンライン学習システムの全国展開など、教育のデジタル化も推進されます。
 さらには、ローカル5Gの推進、異なる事業者間のデータ連携や官民データのオープン化の推進を通じた新たなイノベーションを加速することとしています。
 デジタル社会の構築は待ったなしです。企業の生産性向上、生活の利便性の実現につながる、迅速な対応を期待いたします。
 グリーン社会の実現に向けては、野心的なカーボンニュートラルの取組を後押しする成果連動型の低利融資制度の創設、先進的な省エネ設備の更新費用に対する補助やクリーンエネルギー自動車の購入支援、また、洋上風力発電の導入拡大、革新的蓄電池の研究開発など、グリーン投資を強力に後押しするものとなっております。
 激甚化、頻発化する災害から国民の命と生活を守り抜くことは、政治の大きな使命です。
 本予算案には防災・減災、国土強靱化関連予算として三・七兆円を計上し、五か年加速化対策の初年度として計上した三次補正と併せて、流域全体での抜本的な治水対策を推進します。インフラ老朽化対策や道路ネットワークの整備を一層加速化します。
 また、本年は、東日本大震災から十年の節目を迎えます。第二期復興・創生期間の初年度に当たり、必要な復興施策を確実に推進するために、六千二百億円を計上しております。復興を成し遂げるまで震災を風化させない、この決意で取組をお願い申し上げます。
 加えて、育休の取得や不妊治療のための休暇の取得に積極的に取り組む中小企業への助成金の創設といった、コロナで更に浮き彫りとなった少子化への対策など、我が国が抱える重要課題に対応する予算が盛り込まれております。
 以上、主な賛成理由を述べました。
 本予算の速やかな成立と迅速かつ確実な執行を強く求め、私の討論を終わります。
 ありがとうございます。(拍手)
#16
○議長(大島理森君) 藤田文武君。
    〔藤田文武君登壇〕
#17
○藤田文武君 日本維新の会・無所属の会の藤田文武でございます。
 私は、会派を代表して、令和三年度予算三案に反対の立場から討論をいたします。(拍手)
 本予算三案において、新型コロナウイルス感染症に対する措置、そして感染症拡大による社会経済活動の縮小に対する措置等が盛り込まれていることは、今まさに直面している問題に対処することであり、当然のことでございます。
 一方で、予算審議に当たっては、足下の問題だけに目を奪われることなく、本予算が有効に機能するかという点に加え、我が国が目指すべき中長期ビジョンを指し示すことが重要であり、その視点に基づいて、適切な態度を取るべきであると考えます。
 予算三案については、以下の理由で反対をいたします。
 第一の理由は、政府はコロナ禍における国民の苦しみに寄り添っていないということです。
 国民の皆様への支援の公平性については、予算委員会でも数多く議論されてまいりましたが、コロナとの戦いが一年を超えても、なお、納得感のある公平な支援の仕組みづくりが見えてきません。
 第二に、経済成長への道筋が見えないことです。
 我が党は、昨年の臨時国会と今国会において、消費税減税特例プログラム法案を参議院に提出し、消費税率を、二年間、五%に引き下げることを主張してまいりました。今こそ、税、社会保障の改革を通じて、国民の負担を極力少なくし、果敢なチャレンジを後押しすることが必要でございます。それこそが、新しい経済成長モデルへの道筋を指し示すことにつながると考えます。
 第三に、根本的な政治改革、行政改革を進めないまま、国民に安易に負担を押しつけていることでございます。
 そして最後に、最も重大な問題として、現政府・与党は、その場その場で現状維持、微修正型の対応を繰り返すのみで、新しい時代にふさわしい社会像を目指した根本的な構造改革に踏み込むことができないことであります。
 長らく、国民の生活実感は悪化し続けています。その代表的な要因は、実質的な可処分所得の減少にあると考えます。
 我々日本維新の会は、本通常国会冒頭、馬場伸幸幹事長から、新所得倍増計画を発表いたしました。
 税体系一体での改革、社会保障改革、成長戦略の三本柱で、国民の可処分所得を大幅に増加させるとともに、新たな経済成長モデルを描くための具体的な改革案でございます。
 これは、現状維持、微修正型の政府・与党プランAに対して、新しい時代に合った合理的な社会システムの構築を目指すプランB、我が党の中長期国家ビジョンであります。
 コロナ禍であらわになったことが幾つかあります。
 それは、国は、どの人がどの程度経済的に困っているのかを把握する仕組みがないこと、そして、困っている人に対して公平公正な支援を素早くお届けするすべを持たないことです。
 さらに、目を向けるべきこの問題の本質は、これまで一年以上もコロナと戦ってきたにもかかわらず、有事対応として、事業規模や業種の違いに適切に対応して支援や補償をする仕組みや、困っている個人をきめ細やかに支援する仕組みをつくろうとしてこなかったことに尽きます。
 これは、翻って、日本には有事に対応できるセーフティーネットの仕組みが存在しないこと、政府は平時の仕組みの微修正や継ぎはぎで有事を乗り切ろうとし続けているということがあらわになったと言い換えることができます。
 今後、このコロナ禍を乗り越えたとしても、感染症の問題は、来年、再来年にまた起こるかもしれません。地震、台風を始めとする自然災害は毎年のように襲いかかってきています。だからこそ、個人も社会全体も、突然有事に突入する可能性を想定した社会システムが求められる時代です。
 コロナを契機として、我々は、有事の対応を組み込んだ平時の社会保障システムをつくり直さなければなりません。それこそが、新しい時代に必要な、チャレンジのためのセーフティーネット論であり、新しい成長戦略だと確信をしております。
 今、我が国は転換期にあります。
 産業構造や都市機能、社会保障や政治システムの在り方といった日本の根本的な社会構造について、大きな転換を求められていることから目を背けてはなりません。そして、新しい社会像を実現するためには、国家百年の計に立った大きな視点と思い切った発想を持った政策思想が必要であります。
 我々日本維新の会は、人口減少、超少子高齢社会を始めとする構造的問題と、コロナによってあらわになった社会システムの不備に目を背けず、先送りされてきた日本大改革を目指して積極果敢に挑戦し続けることをお誓い申し上げまして、令和三年度予算三案に対する反対討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#18
○議長(大島理森君) 高井崇志君。
    〔高井崇志君登壇〕
#19
○高井崇志君 国民民主党・無所属クラブの高井崇志です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました令和三年度予算案に反対の立場から討論をいたします。(拍手)
 討論に先立ち、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げるとともに、感染された方々にお見舞いを申し上げます。
 また、医療従事者始め、コロナ禍と戦ってくださっている全ての方々に、心から敬意と感謝を申し上げます。
 本予算案の中身やこの間の菅政権のありようについては、問題点を挙げれば切りがありませんが、時間も限られておりますので、批判ではなく、建設的かつ具体的な提案を申し上げることで討論に代えたいと思います。
 一つ目の提案は、長引くコロナ禍で疲弊する国民生活と日本経済を立て直すため、家計第一の観点から、所得税還付方式による全ての現役世代に対する十万円の一律給付と、住民税非課税世帯などの低所得者に対する二十万円の給付です。世界各国における経済対策や我が国の窮状を考えれば、今ここで国債の発行をためらうべきではありません。
 二つ目の提案は、時短要請に応じた事業者に対する、事業規模に応じた給付金です。
 現行の一律六万円の協力金は余りに不公平との批判が強く、これに代わるものとして、我々は、米国で実施されているPPP、ペイチェック・プロテクション・プログラムを参考に、金融機関の融資と連携することにより迅速に支給できる、日本版PPP法案を作成しました。
 本法案は、米国PPPを参考にしていますが、その問題点を克服した制度につくり変えています。既にその旨を伝えているにもかかわらず、西村大臣は米国PPPの問題点を指摘し続けています。先ほどの予算委員会では、西村大臣から、米国は二月二十四日から二十人未満の事業者に限定するようだとの答弁がありましたが、正確には、二十人未満の事業者に対して二月二十四日から二週間の集中受付期間を設けるというものであって、支援対象を限定するものではなく、誤解を招く答弁です。
 西村大臣には、法案、制度の詳細を既にお伝えしておりますので、真剣に検討いただき、我々の提案を丸のみしていただけるのであれば、法案を出すまでもありません。手柄争いをするつもりは毛頭ありませんので、是非、我々の提案を使い倒してください。
 三つ目の提案は、緊急事態宣言などの発令されていない地域も含めて、業種を問わず、コロナ禍の影響を受けた全ての事業者を対象とする、事業規模に応じた給付金です。
 こちらも、支給の迅速化を図る観点から、米国PPPを参考に、金融機関の融資と連携する、新たな法案を準備しています。
 四つ目の提案は、総合支援資金の貸付枠拡大です。
 一か月前の補正予算審議における本会議討論で提案いたしました総合支援資金の三か月延長はすぐに採用していただき、田村厚生労働大臣には敬意と感謝を申し上げます。引き続き、貸付審査の迅速化、簡素化や返済免除要件の緩和など、更なる課題についても前向きな取組をお願いいたします。
 五つ目の提案は、緊急包括支援交付金などの医療機関に対する支援について、コロナ患者を受け入れる病院の減収補填に使えるようにする、運用の改正です。
 多くの専門家や医療現場からは、この運用改正を行えば、民間病院のコロナ患者の受入れが進み、医療逼迫は解消できると指摘されています。
 六つ目の提案は、PCR検査に比べて安価で早く結果が出る抗原検査の拡充です。
 抗原検査キットは、米国では一ドル以下のものもあり、PCR検査に比べて精度は落ちますが、十五分程度で結果が出るため、自宅で気軽に誰でも検査を受けることができます。第四波を封じ込めるためのゲームチェンジャーとなる可能性があります。
 七つ目の提案は、的を絞った給付を迅速に行うためのマイナンバーと銀行口座のひもづけや、財源を生み出すための所得税累進性と金融所得課税の強化です。
 我々は、必要とあれば、国民にとって耳の痛い政策であっても提案することをいといません。
 このほかにも、持続化給付金、家賃支援給付金の増額、要件緩和、雇用調整助成金特例措置の延長と対象重点化、休業支援金・給付金の拡充、医療従事者、介護従事者への慰労金の拡充、学生の授業料半額、貸与型奨学金の返済免除、税、社会保険料の支払い猶予延長、無担保無利子貸付けの返済繰延べなど提案をしておりますが、これらを盛り込んだ予算組替え動議は残念ながら予算委員会で否決されてしまいました。
 しかし、その全てを採用してもらわなくても構いません。一つでも二つでも我々の提案を採用していただけるならば、我々は協力を惜しみません。
 感染対策と経済の両立を図り、国民の命と生活を守るため、与野党の枠を超えて力を合わせていくことをお約束し、会派を代表しての討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#20
○議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。
 ただいまから十分後に記名投票をもって採決いたしますので、しばらくお待ちください。
    ―――――――――――――
#21
○議長(大島理森君) 令和三年度一般会計予算外二案を一括して採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。
 なお、今回の投票につきましては、順次間隔を空けて登壇していただくため、通常より時間をかけて氏名点呼を行わせます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#22
○議長(大島理森君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
#23
○議長(大島理森君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百五十九
  可とする者(白票)       三百十二
  否とする者(青票)       百四十七
#24
○議長(大島理森君) 右の結果、令和三年度一般会計予算外二案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
令和三年度一般会計予算外二案を委員長報告のとおり決するを可とする議員の氏名
あかま 二郎君   あべ  俊子君   安倍  晋三君   逢沢  一郎君
青山  周平君   赤澤  亮正君   秋葉  賢也君   秋本  真利君
麻生  太郎君   畦元  将吾君   穴見  陽一君   甘利   明君
安藤  高夫君   安藤   裕君   井出  庸生君   井野  俊郎君
井上  信治君   井上  貴博君   井林  辰憲君   伊東  良孝君
伊藤 信太郎君   伊藤  忠彦君   伊藤  達也君   伊吹  文明君
池田  道孝君   池田  佳隆君   石川  昭政君   石田  真敏君
石破   茂君   石原  伸晃君   石原  宏高君   泉田  裕彦君
稲田  朋美君   今枝 宗一郎君   今村  雅弘君   岩田  和親君
岩屋   毅君   うえの賢一郎君   上杉 謙太郎君   上野  宏史君
江崎  鐵磨君   江渡  聡徳君   江藤   拓君   衛藤 征士郎君
遠藤  利明君   小倉  將信君   小此木 八郎君   小里  泰弘君
小田原  潔君   小野寺 五典君   小渕  優子君   尾身  朝子君
越智  隆雄君   大岡  敏孝君   大串  正樹君   大隈  和英君
大塚   拓君   大西  英男君   大西  宏幸君   大野 敬太郎君
岡下  昌平君   奥野  信亮君   鬼木   誠君   加藤  鮎子君
加藤  勝信君   加藤  寛治君   梶山  弘志君   勝俣  孝明君
門   博文君   門山  宏哲君   金子  俊平君   金子 万寿夫君
金子  恭之君   金田  勝年君   上川  陽子君   神谷   昇君
神山  佐市君   亀岡  偉民君   鴨下  一郎君   川崎  二郎君
河村  建夫君   神田  憲次君   神田   裕君   菅家  一郎君
木原  誠二君   木原   稔君   木村  次郎君   木村  哲也君
木村  弥生君   城内   実君   黄川田 仁志君   岸   信夫君
岸田  文雄君   北村  誠吾君   工藤  彰三君   国光 あやの君
熊田  裕通君   小泉 進次郎君   小泉  龍司君   小島  敏文君
小寺  裕雄君   小林  茂樹君   小林  鷹之君   小林  史明君
古賀   篤君   後藤  茂之君   後藤田 正純君   河野  太郎君
高村  正大君   國場 幸之助君   左藤   章君   佐々木  紀君
佐藤  明男君   佐藤   勉君   佐藤 ゆかり君   齋藤   健君
斎藤  洋明君   坂井   学君   坂本  哲志君   櫻田  義孝君
笹川  博義君   塩崎  恭久君   塩谷   立君   繁本   護君
柴山  昌彦君   下村  博文君   新谷  正義君   菅   義偉君
菅原  一秀君   杉田  水脈君   鈴木  馨祐君   鈴木  俊一君
鈴木  淳司君   鈴木  貴子君   鈴木  憲和君   鈴木  隼人君
関   芳弘君   薗浦 健太郎君   田所  嘉徳君   田中  和徳君
田中  英之君   田中  良生君   田畑  裕明君   田村  憲久君
平   将明君   高市  早苗君   高木   啓君   高木   毅君
高鳥  修一君   高橋 ひなこ君   竹下   亘君   竹本  直一君
武井  俊輔君   武田  良太君   武部   新君   武村  展英君
橘  慶一郎君   棚橋  泰文君   谷   公一君   谷川  とむ君
谷川  弥一君   津島   淳君   辻   清人君   土屋  品子君
出畑   実君   寺田   稔君   とかしきなおみ君   冨樫  博之君
渡海 紀三朗君   土井   亨君   冨岡   勉君   中曽根 康隆君
中谷   元君   中谷  真一君   中根  一幸君   中村  裕之君
中山  展宏君   中山  泰秀君   永岡  桂子君   長尾   敬君
長坂  康正君   長島  昭久君   二階  俊博君   丹羽  秀樹君
西田  昭二君   西村  明宏君   西村  康稔君   西銘 恒三郎君
額賀 福志郎君   根本   匠君   根本  幸典君   野田  聖子君
野田   毅君   野中   厚君   葉梨  康弘君   萩生田 光一君
橋本   岳君   馳    浩君   鳩山  二郎君   浜田  靖一君
林   幹雄君   原田  憲治君   原田  義昭君   百武  公親君
平井  卓也君   平口   洋君   平沢  勝栄君   深澤  陽一君
福井   照君   福田  達夫君   福山   守君   藤井 比早之君
藤丸   敏君   藤原   崇君   船田   元君   船橋  利実君
古川   康君   古川  禎久君   古田  圭一君   古屋  圭司君
穂坂   泰君   星野  剛士君   細田  健一君   細田  博之君
細野  豪志君   堀井   学君   堀内  詔子君   本田  太郎君
牧島 かれん君   牧原  秀樹君   松島 みどり君   松野  博一君
松本  剛明君   松本  文明君   松本  洋平君   三谷  英弘君
三ッ林 裕巳君   三ッ矢 憲生君   三原  朝彦君   御法川 信英君
宮内  秀樹君   宮腰  光寛君   宮崎  政久君   宮澤  博行君
宮路  拓馬君   宮下  一郎君   武藤  容治君   務台  俊介君
宗清  皇一君   村井  英樹君   村上 誠一郎君   茂木  敏充君
盛山  正仁君   森   英介君   森山   裕君   八木  哲也君
簗   和生君   山際 大志郎君   山口  俊一君   山口  泰明君
山口   壯君   山下  貴司君   山田  賢司君   山田  美樹君
山本  幸三君   山本   拓君   山本ともひろ君   山本  有二君
吉川   赳君   吉野  正芳君   義家  弘介君   和田  義明君
若宮  健嗣君   鷲尾 英一郎君   渡辺  孝一君   渡辺  博道君
赤羽  一嘉君   井上  義久君   伊佐  進一君   伊藤   渉君
石井  啓一君   石田  祝稔君   稲津   久君   浮島  智子君
江田  康幸君   大口  善徳君   太田  昭宏君   太田  昌孝君
岡本  三成君   北側  一雄君   國重   徹君   佐藤  茂樹君
佐藤  英道君   斉藤  鉄夫君   高木 美智代君   高木  陽介君
竹内   譲君   富田  茂之君   中野  洋昌君   浜地  雅一君
濱村   進君   古屋  範子君   桝屋  敬悟君   吉田  宣弘君
鰐淵  洋子君   石崎   徹君   大塚  高司君   下地  幹郎君
白須賀 貴樹君   田野瀬 太道君   松本   純君   丸山  穂高君
否とする議員の氏名
安住   淳君   阿久津 幸彦君   阿部  知子君   青柳 陽一郎君
青山  大人君   荒井   聰君   伊藤  俊輔君   池田  真紀君
石川  香織君   泉   健太君   稲富  修二君   今井  雅人君
生方  幸夫君   江田  憲司君   枝野  幸男君   小川  淳也君
小熊  慎司君   小沢  一郎君   尾辻 かな子君   大河原 雅子君
大串  博志君   大島   敦君   大西  健介君   逢坂  誠二君
岡島  一正君   岡田  克也君   岡本 あき子君   岡本  充功君
奥野 総一郎君   落合  貴之君   海江田 万里君   柿沢  未途君
金子  恵美君   神谷   裕君   亀井 亜紀子君   川内  博史君
菅   直人君   吉良  州司君   城井   崇君   菊田 真紀子君
黒岩  宇洋君   玄葉 光一郎君   源馬 謙太郎君   小宮山 泰子君
後藤  祐一君   近藤  和也君   近藤  昭一君   佐々木 隆博君
佐藤  公治君   斉木  武志君   櫻井   周君   重徳  和彦君
階    猛君   篠原   豪君   篠原   孝君   下条  みつ君
白石  洋一君   末松  義規君   関  健一郎君   田嶋   要君
高木 錬太郎君   武内  則男君   津村  啓介君   辻元  清美君
手塚  仁雄君   寺田   学君   照屋  寛徳君   中川  正春君
中島  克仁君   中谷  一馬君   中村 喜四郎君   長尾  秀樹君
長妻   昭君   西村 智奈美君   野田  佳彦君   長谷川 嘉一君
原口  一博君   日吉  雄太君   平野  博文君   広田   一君
福田  昭夫君   古本 伸一郎君   堀越  啓仁君   本多  平直君
馬淵  澄夫君   牧   義夫君   松尾  明弘君   松田   功君
松平  浩一君   松原   仁君   道下  大樹君   緑川  貴士君
宮川   伸君   村上  史好君   森田  俊和君   森山  浩行君
矢上  雅義君   谷田川  元君   屋良  朝博君   山内  康一君
山岡  達丸君   山川 百合子君   山崎   誠君   山井  和則君
山花  郁夫君   山本 和嘉子君   柚木  道義君   横光  克彦君
吉川   元君   吉田  統彦君   笠   浩史君   早稲田 夕季君
渡辺   周君   赤嶺  政賢君   笠井   亮君   穀田  恵二君
志位  和夫君   清水  忠史君   塩川  鉄也君   田村  貴昭君
高橋 千鶴子君   畑野  君枝君   藤野  保史君   宮本   徹君
本村  伸子君   足立  康史君   青山  雅幸君   井上  英孝君
浦野  靖人君   遠藤   敬君   串田  誠一君   杉本  和巳君
馬場  伸幸君   藤田  文武君   美延  映夫君   森   夏枝君
浅野   哲君   井上  一徳君   岸本  周平君   高井  崇志君
玉木 雄一郎君   中山  成彬君   西岡  秀子君   古川  元久君
前原  誠司君   山尾 志桜里君   赤松  広隆君
     ――――◇―――――
#25
○武部新君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#26
○議長(大島理森君) 武部新君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#28
○議長(大島理森君) 地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。総務委員長石田祝稔君。
    ―――――――――――――
 地方税法等の一部を改正する法律案及び同報告書
 地方交付税法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔石田祝稔君登壇〕
#29
○石田祝稔君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 初めに、地方税法等の一部を改正する法律案は、固定資産税及び都市計画税について、現行の土地に係る負担調整措置等を継続した上で、令和三年度に限り、課税標準額が増加する土地について前年度の額に据え置く特別な措置を講ずるとともに、住宅及び土地の取得に係る不動産取得税の税率の特例措置の適用期限の延長、自動車税及び軽自動車税の環境性能割の税率区分の見直し等を行おうとするものであります。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案は、地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等に鑑み、令和三年度分の地方交付税の総額の特例措置を講ずるほか、地方交付税の単位費用等の改正、震災復興特別交付税の確保、緊急浚渫推進事業債の対象となる施設の追加等の措置を講じようとするものであります。
 両案は、去る二月十六日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われ、本委員会に付託されました。
 委員会におきましては、同日両案について武田総務大臣から趣旨の説明を聴取した後、十八日から質疑に入り、本日これを終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、両案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、委員会において、持続可能な地方税財政基盤の確立並びに新型コロナウイルス感染症及び東日本大震災等への対応に関する件について決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#30
○議長(大島理森君) 両案につき討論の通告があります。順次これを許します。本村伸子君。
    〔本村伸子君登壇〕
#31
○本村伸子君 私は、日本共産党を代表して、地方税法、地方交付税法等の改定案に対する反対の討論を行います。(拍手)
 まず、総務省接待問題についてです。
 菅総理が、総務大臣当時、大臣秘書官に任命した長男の菅正剛氏が勤める東北新社が、衛星放送の免許認定や衛星放送事業に権限を持つ総務省の幹部官僚に高額接待を繰り返し、東北新社に有利になるよう、行政をゆがめたかどうか問われる重大な問題です。
 調査過程で総務省が得た第一次資料の情報も開示されておりません。東北新社の関係者も国会に招致し、真実の徹底解明をするべきです。
 地方税法、地方交付税法等の改定案に対する反対の理由を申し述べます。
 法案は、地方の財源不足の穴埋めに一・七兆円もの臨時財政対策債の発行を地方に迫るものとなっています。
 地域の公衆衛生体制や医療体制の確立、社会保障関係費の自然増分など、地方が必要となる財源は、基準財政需要額を地方財政計画に反映し、地方交付税の法定率を抜本的に引き上げて地方の一般財源総額を確保することが必要であり、国はその責任を果たすべきです。地方債の特例発行に頼るやり方には反対です。
 また、菅政権がコロナ禍を口実に強行しようとしているデジタル庁の設置、行政のデジタル化についてです。
 地方公共団体情報システム機構に新たな基金を設け、国費を投入し、自治体業務システムの標準化、全国規模でのクラウド移行、マイナンバーカードを用いたオンライン手続の推進等、自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画に沿った交付税措置を創設しようとしています。
 自治体業務システムの標準化など、これらの推進は、自治体独自のサービスの抑制、個人情報保護の後退、住民自治、団体自治を侵害する危険性があり、問題です。
 今大事なことは、オンライン申請ありきではなく、困難を抱える当事者に情報をきちんと届け、自治体が一人一人の生活の状況をしっかりと聞き取り、寄り添ったケースワークをして生活を支える体制強化です。
 コロナ禍で格差と貧困が広がる下で、地方税でも生計費非課税、所得の再分配機能を高めることが求められていますが、地方税法の改定内容は応えるものになっていません。
 地方税の見直しとともに、消費税五%の減税こそ直ちに行うべきであることを申し述べ、討論といたします。(拍手)
#32
○議長(大島理森君) 松田功君。
    〔松田功君登壇〕
#33
○松田功君 こんにちは。立憲民主党・無所属の松田功です。
 私は、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案並びに地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、会派を代表して、両案に賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 しかし、まず冒頭、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方に心から哀悼の意を、闘病中の皆様に心からお見舞いを申し上げ、そして、医療従事者の皆様、介護従事者の皆様、そのほか、緊急事態宣言中も生命の危機と隣り合わせながら仕事を続けておられるエッセンシャルワーカーの皆様に、心から感謝を申し上げます。
 また、住民の皆様に対するコロナ対応やワクチン接種への準備に日々追われ、過労死ラインを超えて職務に従事しておられる自治体職員の方にも敬意と感謝を表します。
 そのような状況下において、自粛すべき時期にもかかわらず、総務省の職員が高額の接待を受けておりました。誠に恥ずかしい限りです。
 武田総務大臣は、放送行政がゆがめられた事実はありませんと、いまだに発言を撤回されておりませんが、接待を受けた当事者は、皆一様に、接待内容を覚えておりません、記憶にありませんと発言し、利害関係を否定していました。しかし、マスコミからの音声リークにより、一転、利害発言を認めております。
 そのようにいいかげんな官僚の発言を信じ、ゆがめられた事実はないという発言を撤回しない武田大臣には、本当に真実を明らかにする気があるのかと疑問を抱きます。検証委員会を早急に立ち上げるとのことですが、委員に内部の人間が入ることのないよう、立ち上げ時期も含めて国民とともにしっかりチェックさせていただきたいと思います。
 そして、菅総理大臣におかれては、今回の問題とは関係ないと一線を引かれておりますが、総理は、自身が総務副大臣、総務大臣を経験され、また、官房長官時代から、携帯電話料金の引下げに言及しておられました。そして、総理に就任され、携帯料金の引下げを政権公約にされるなど、総務行政に関心が高く、総務省への影響力の大きさがうかがわれます。
 総務大臣時代には、今回問題となっている御長男、菅正剛氏を秘書官に登用され、正剛氏はその後、総務省の許認可を必要とする衛星放送事業を手がける東北新社へ入社されております。
 このような一連の流れの中で、決して関係ないと言い切れるものではないことを自覚していただきたいと思います。
 一九九八年の大蔵省の接待汚職事件により、官僚が逮捕され、大臣、日銀総裁が引責辞任し、大蔵省の解体へとつながりました。その後、国家公務員倫理法が施行され、官僚の意識に変化が生じたと言われてまいりました。しかし、安倍政権となり、文書の改ざん、虚偽答弁など、忖度政治なるものが横行しましたが、問題なしとされれば、官僚の倫理意識が低下するのも当たり前ではないでしょうか。
 森友問題にしろ、加計問題にしろ、時の総理側に立てば出世し、退官させられても一時的なことで、その後、高い報酬と地位を得られている事実を見れば、官僚は総理の方を向いて仕事をすることになるでしょう。
 このように、倫理観が低下した原因を正しく認識していただき、国民に疑念が残るような調査で終了することがないよう、総理からも総務大臣へ強く指示していただきたいと思います。
 さて、それでは、地方税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 第一に、本来目指すべき分権社会に向けた税源移譲がなされていない点は、極めて残念であると言わざるを得ません。
 第二に、固定資産税の据置きは、納税者にとっては負担軽減となりますが、一方で、市町村税の基幹税であるにもかかわらず、税収減になる自治体への代替措置が講じられていません。
 第三に、車体課税の環境性能割税制では、新車を買わない限り税金は安くならず、自動車を買わない人にも恩恵はありません。交通政策全体の視点には乏しいと言わざるを得ません。
 第四に、住宅ローン控除が延長されますが、新規購入や増改築に限っており、借家住まいを続ける人や増改築しない人には無関係です。幅広い国民に恩恵があるよう、家賃補助や住宅手当の創設などを検討するべきです。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症により納税者の負担が増大している現下の状況に鑑み、固定資産税の負担を軽減することや、地方財源の確保のために航空機燃料譲与税の譲与割合を引き上げるなどの税制上の措置を講じることは必要であり、法案に賛成するものです。
 続いて、地方交付税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 第一に、地方財源不足の縮小、折半対象財源不足の解消、臨時財政対策債の減額、交付税特会の着実な償還のいずれも実現できず、地方財政の危機的状況はますます深まっています。
 第二に、地方から縮減、廃止を求められていた、赤字地方債である臨時財政対策債は、五兆四千七百九十六億円となっています。過去の臨財債の元利償還金を賄うためにも三兆七千六百二十七億円の増発となり、借金を借金で返済する異常事態が拡大しています。
 第三に、交付税総額確保のため、各種の繰延べ策を積み上げていますが、後年度の一般財源確保の余地を考えると、そうそう多用できる対策とは言えません。
 第四に、地方交付税算定の基となった国の成長率や税収見通しが非常に甘く、当初予算では高く見積もり、補正で減額することが常態化しかねない懸念があります。
 第五に、デジタル推進や災害対策、地方回帰支援など、施策の方向性は否定しませんが、地方が自由に使えるはずの一般財源の補助金化が拡大していることについては、懸念が残ります。
 第六に、地方交付税法に基づく交付税の法定率引上げ等を含めた抜本的な改革が見送られているのは問題です。総務省の概算要求で毎年度の事項要求にとどまっている法定率の変更を本格的に議論しなければなりません。
 他方、二〇二一年度の地方財政は三・六兆円の大幅な減収となり、地方財源不足が前年度比五・六兆円増の十・一兆円までに拡大しています。
 そうした中、あらゆる手段を講じ、前年度を上回る一般財源総額を確保したことは、自治体の新年度予算における安定的な財源に目途をつけたやむを得ざる措置であったと言うこともできます。課題は山積していますが、住民や事業者の命と暮らしを支える自治体現場を支援するために、賛成するに至りました。
 最後に、地方財政計画は、地方の標準的行政水準を具体化するとともに、日本社会の指針を表すものであり、立憲民主党は、新型コロナ禍だからこそ、地方の皆さんとともに、従来の中央集権的なシステムから脱却し、分権、自治の花開く社会を目指し、地方税財政制度のあるべき姿を描いていかなければならないことを申し上げ、討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#34
○議長(大島理森君) 足立康史君。
    〔足立康史君登壇〕
#35
○足立康史君 日本維新の会の足立康史です。
 ただいま議題となりました地方税法改正案及び地方交付税法改正案について、反対の立場から討論します。(拍手)
 討論に入る前に、国会という病、民主主義を根底から破壊しようとする病について指摘をせざるを得ません。
 本通常国会の冒頭、補正予算案の審議に臨んだ我が党の馬場伸幸幹事長は、議員数がより少ない会派よりも一分短い質問時間しか与えられませんでした。それ以降、本日午前の予算委員会締めくくり質疑における私の質問時間に至るまで、毎回毎回、何と十三回にわたって、まさに一分ずつ短い時間しか与えられなかったのであります。このような粘着性のいじめは、よほどの恨みがなければできるものではありません。
 これだけではありません。その首謀者は、私の発言議事録のうち、自らに都合の悪い部分の削除を求めてきたのであります。
 米国の最高裁判事、ウェンデル・ホームズは、言論の自由とは、相手の聞きたくないことも言う自由であると喝破いたしました。
 私は、日本の言論の府を守るため、妥協なく戦い続けることを国民の皆様にお誓いしたいと存じます。
 さて、国会が果たすべき役割には三つあります。
 第一は、行政監視であります。
 総務省の接待事件に関し、NHKは一切の情報開示を拒んでいますが、本日午前の予算委員会で、私は、総務省の幹部が、東北新社のみならず、NHKとも会食していたことを明らかにしました。旧郵政省の官僚たちの腐敗は、東北新社だけではなく、放送業界に広く蔓延していたと私は考えています。森友学園のようなずさんな不動産鑑定が全国の国有地の払下げ時に民主党政権時も変わらず行われていたのと同じ構図であります。
 総理大臣の印象をおとしめるためだけの的外れの追及は、日本の民主主義にとって百害あって一利なしであると指摘せざるを得ないのであります。
 国会が果たすべき役割の第二は、言うまでもなく、立法活動でありますが、最も大切な国会の第三の役割は、政権構想であり、政府・与党のプランAと真の野党によるプランBとを突き合わせ、国の未来をかけて相争う政策競争であります。
 私たち日本維新の会は、本通常国会の冒頭、馬場幹事長から、新所得倍増計画を発表しました。まさに、維新の政権構想であります。
 昨年までは、地方税の果たしている役割を尊重する観点から、一歩前進であれば賛成してまいりましたが、今回の地方税法等には、自民党に正面から挑戦する、そうした姿勢を鮮明にする観点から、反対するものであると申し上げ、討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#36
○議長(大島理森君) 井上一徳君。
    〔井上一徳君登壇〕
#37
○井上一徳君 国民民主党・無所属クラブの井上一徳です。
 地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、会派を代表して、反対の立場から討論をさせていただきます。(拍手)
 新型コロナウイルス感染症の再拡大を受けた緊急事態宣言については、三月一日より六府県について先行解除されることとなり、首都圏の一都三県については、三月七日の期限どおりの解除を目指すこととされました。
 新型コロナウイルス感染症については、各地で変異株が確認されるなど、いまだ予断を許さない状況にあり、感染再拡大の警戒を決して怠ることなく、今後とも感染防止対策を徹底していかなければなりません。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、地方経済は疲弊しており、地方税収は大幅な減少が懸念されています。一方で、地域における事業者支援や感染拡大防止、医療体制の確保など、地方自治体の役割が一層重要となってきています。
 地域住民に密着する地方公共団体が地域の実情に応じた政策を迅速的確に実行できるようにするためには、地方税収を始め、必要な地方財源を確保しておくことが重要です。そのためには、地方財政審議会意見にあるように、地方税の充実確保を図るとともに、偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築が求められています。
 令和三年度は、地方財政において約十・一兆円にも上る巨額の財源不足が発生しています。この財源不足を補うため、臨時財政対策債が約五・五兆円発行される予定になっています。地方財政の健全な運営のためには、臨時財政対策債のような借金に頼るのではなく、地方交付税総額をしっかり確保しておくことが重要です。
 地方交付税法第六条の三第二項では、地方財源不足が著しく過大となっているときは、地方行財政に係る制度改正又は交付税率の変更を行わなければならないとされております。
 総務省は、毎年度の概算要求において、同項に基づく交付税率の引上げについて事項要求していますが、平成二十七年度を最後に、引上げはなされていません。コロナ禍で地方財政が非常に厳しい状況にある今こそ、政府は交付税の法定率引上げに真正面から取り組むべきではなかったのでしょうか。
 新型コロナウイルス感染症の拡大は、国と地方の在り方を見詰め直す契機となりました。交付税の法定率引上げを含む地方財政の在り方についても抜本的に見直す時期が来ているということを申し上げ、私の反対討論とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#38
○議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#39
○議長(大島理森君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#40
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#41
○武部新君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#42
○議長(大島理森君) 武部新君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
#44
○議長(大島理森君) 所得税法等の一部を改正する法律案、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。財務金融委員長越智隆雄君。
    ―――――――――――――
 所得税法等の一部を改正する法律案及び同報告書
 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔越智隆雄君登壇〕
#45
○越智隆雄君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、所得税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、ポストコロナに向けた経済構造の転換及び好循環の実現を図るため、デジタルトランスフォーメーション及びカーボンニュートラルに向けた投資を促進する措置を創設するとともに、家計の暮らしと民需を下支えするため、住宅ローン控除制度の特例の延長等を行うものであります。
 本案は、去る二月九日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、当委員会に付託され、十六日麻生財務大臣から趣旨の説明を聴取した後、二十四日から質疑に入り、本日、菅内閣総理大臣に対する質疑を行い、質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 次に、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、最近における国の財政収支が著しく不均衡な状況にあることに鑑み、令和三年度から令和七年度までの間の財政運営に必要な財源の確保を図るため、これらの年度における公債発行の特例措置を定めるものであります。
 本案は、去る二月十九日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、当委員会に付託され、同日、麻生財務大臣から趣旨の説明を聴取した後、質疑に入り、二十二日参考人からの意見聴取を行い、本日質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#46
○議長(大島理森君) 討論の通告があります。順次これを許します。櫻井周君。
    〔櫻井周君登壇〕
#47
○櫻井周君 立憲民主党の櫻井周です。
 私は、立憲民主党・無所属を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、反対の立場から討論いたします。(拍手)
 信なくば立たず。政治に最も大切なことは、国民の信頼です。そして、国民の皆様に税金を納めていただくためには、信頼が必要不可欠です。ですが、国民の信頼を裏切るような政府の問題が相次いでいます。
 森友学園問題では、赤木俊夫さんが決裁文書改ざんの経緯を記録したとされる赤木ファイルについて、財務省は存否すら認めていません。税務調査では、国民に対して書類提出を求めるのに対して、国民の財産であるはずの公文書については、財務省はその存在すら明らかにしません。このような財務省に国民の税金を託すことはできません。赤木ファイルの国会と裁判所への提出を強く求めます。
 また、今年に入ってからだけでも、総務省と農林水産省の幹部が相次いで懲戒処分を受けました。行政がゆがめられてしまっているのではないのか、総理や大臣に近い関係者が有利な扱いを受けているのではないのか、そのような疑念を持たれるような行為はあってはならぬことです。再発防止を確実なものにするためにも、事実を徹底的に解明することが必要です。
 ただし、今回懲戒処分を受けた高級官僚の皆さんは、ある意味、気の毒でもあります。なぜなら、不祥事は政治主導で行われたからです。農林水産省のケースでは、農林水産大臣に誘われて会食に参加して、懲戒処分。総務省のケースでは、菅総務大臣のときに秘書官を務めた菅総理の御長男、菅正剛さんに誘われて会食して、懲戒処分。
 しかし、ここは、官僚の皆さんは原点に返っていただきたい。国家公務員倫理カードの最初に「国民全体の奉仕者であることを自覚し、」とあります。官僚の皆さんは、官邸や大臣の奉仕者ではありません。官邸のために働くのではなく、利権のために働くでもなく、国民のために働く、そうした真っ当な行政を取り戻していただくよう、お願い申し上げます。
 税は国家なりと言われます。税制が人々の行動に影響を与え、社会を形作っていくという意味です。したがって、我が国の社会経済が抱える課題は何であるか、その課題を解決するために税制で何ができるのかということを考え、社会をよい方向に変えていくことが、我々立法府に身を置く者としての責務です。
 では、我が国が抱える課題は何か。
 目前の課題としては、新型コロナウイルス感染症への対応です。
 感染症対策の多くは歳出で行うものではありますが、税制においてもやるべきことはあります。
 具体的には、感染症の拡大を受けて、昨年の法改正により導入された納税猶予特例制度。いまだ苦しい状況にある方々が多くいるにもかかわらず、政府は、本年二月一日をもって、この特例制度を延長せずに打ち切りました。厚生年金保険料等の納付猶予特例についても、国税の例によるとされているため、打ち切られてしまいました。
 なぜ、この状況で特例制度を打ち切ったのか。感染症の収束が見通せない現下の状況にあっては、猶予特例の延長だけでなく、減免措置を創設すべきです。
 また、コロナ禍以前からの我が国の課題としては、少子化、高齢化、人口減少、経済格差拡大、実質賃金低迷、個人消費も低迷、デフレーション、男女不平等などが挙げられます。これらが相互に絡んで、バブル経済崩壊以降、我が国の経済は三十年に及んで停滞し続けています。
 昭和の終わり頃には一億総中流と言われていた我が国の社会が、今や、格差社会、子供の貧困などと言われるようになってしまいました。分厚い中間層が、いつの間にか、すっかり細ってしまいました。分厚い中間層を取り戻す、経済格差是正、これこそが我が国が取り組むべき課題です。
 なお、誤解のないように申し上げますが、頑張った人が大金持ちになる、これはすばらしいことです。ですが、たくさん稼げるのは世の中が平和で安定しているからであり、もうかった分に応じた負担をお願いすべきと考えます。
 特に、グローバリゼーションとイノベーションによって、経済格差が拡大しやすい状況になっています。
 もちろん、グローバリゼーションは、世界平和のためにも進めるべきです。イノベーションは、人類の幸福のために進めるべきです。ただ、それらの副作用として経済格差が拡大しやすい状況にあるのですから、経済格差を積極的に縮小させる仕組みを社会に組み込むべきです。すなわち、所得再配分機能を強化する税制として、累進性の強化、資産課税の強化、直間比率の是正などが必要です。
 政府は、所得再配分機能の強化について、所得税の最高税率の四五%への引上げ、金融所得課税の二〇%への税率引上げなどにより対応してきたと説明します。しかし、それでは不十分です。金融所得課税は総合課税化すべきです。また、個人所得課税における人的控除を、所得控除から税額控除あるいは給付つき税額控除へと転換するといった改革も見送られています。給付つき税額控除は、消費税の逆進性対策としても、軽減税率制度より優れています。
 政府は、家計の暮らしと民需を下支えするため、住宅ローン控除の特例を延長しようとしています。しかし、総住宅戸数に占める空き家戸数の割合が一割を超えており、住宅市場は供給過多の状況にあります。新築住宅の増加を促進する税制に固執することに合理性はありません。そもそも、住宅ローン控除の恩恵を受けられるのは、ローンを組むことができる中高所得者層であり、低所得者層にはほとんどメリットはありません。
 政府は、今年三月末に適用期限を迎える教育資金援助の贈与税非課税措置を二年延長しようとしています。これは、贈与に対する優遇措置であり、経済格差を固定化するものであり、とても容認できません。
 政府の言う直間比率の是正は、間接税の引上げでした。これにより、平成の三十年間で、消費税率引上げによる増収分は、所得税と法人税の減税の財源に充てられていました。経済格差是正のためには、累進的である所得税や法人税など直接税の比率を引き上げるべきです。そして、消費税などの間接税の比率を引き下げるべきです。
 また、消費税に関連して申し上げれば、二〇二三年十月に導入される予定の適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度については、コロナ禍によりただでさえ苦しい状況に追い込まれている事業者が多い状況にあって、更なる事務負担を強いることになるほか、免税事業者に対する取引排除による廃業の増加や不当な値下げ圧力等が生じる懸念もあることから、導入の延期を求めるべきです。
 コロナ禍による未曽有の危機にあって、税制が果たすべき役割は小さくありません。そうであればこそ、時機を得た、適切かつ十分な改正を行うことが政治に求められます。
 しかしながら、今回の改正は理念と展望を欠いています。抜本的な税制改正の必要性を改めて申し上げ、私の討論を終わります。
 御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手)
#48
○議長(大島理森君) 青山雅幸君。
    〔青山雅幸君登壇〕
#49
○青山雅幸君 日本維新の会・無所属の会の青山雅幸です。
 私は、会派を代表して、所得税法等の一部改正案には賛成の立場から、特例公債法案には反対の立場から討論をいたします。(拍手)
 まず、所得税法等の一部改正案について。
 この法案には、総理の日本の近未来にかける思いが具現化されていると推察いたします。
 日本の最大の課題は、単なる人口減少にとどまらない、人口構成のゆがみにあります。税制を含め、これを少しでも食い止め、減速させていくための総力戦が必要です。
 また、新型コロナに関する経済的助成措置において露呈した日本のデジタル化の遅れについても、抜本的対策が必要です。
 日本の経済力の基盤は、企業の国際的競争力です。各国企業がしのぎを削る先端的技術開発の後押しは、当然必要なところです。
 さらには、地球環境問題への貢献には、カーボンフリー社会への移行は欠かせません。
 本所得税法改正案には、これら諸課題への対応として、子育て助成の非課税措置やデジタルトランスフォーメーション投資促進税制、研究開発税制、カーボンニュートラルへの投資促進税制が盛り込まれておりますが、これは日本にとって必須の課題を的確に捉えたものであり、低迷が続く日本を再発進させるために是非とも必要な取組であることは間違いありません。
 よって、本法案に示されている、未来のための的確な取組を評価して、賛成する次第です。
 次に、特例公債法について。
 我が国の財政に関する法的規律として唯一の存在である財政法四条一項は、建設公債以外の赤字国債の発行を禁じています。その例外としての特例公債の発行は、昭和四十年の特例公債法に端を発するものですが、昭和五十年からはほぼ常態化するものの、それでも単年度ごとに特例公債発行を認めるための法案提出が行われ、国会による監督に毎年度服してきました。
 しかし、平成二十四年においては、ねじれ国会を背景として、予算執行が政治的駆け引きにより阻まれるという立法事実の下、複数年度、四年間の特例公債を認めるという異例の措置がいわゆる三党合意の下に成立しました。
 ところが、その年限が切れる平成二十八年には、安定多数を政権与党が持つという、平成二十四年とは全く異なる状況にありましたが、厳しい財政状況がある中で安定的な財政運営を確保するためという理由により、再び複数年度、今度は五年間、特例公債発行を認めるという時限的措置が成立いたしました。
 しかし、五年間の時限的措置なのですから、五年間経過したら元に戻すのが筋です。積極的財政の立場に立つにせよ、財政規律を重視する立場に立つにせよ、このような手法を特段の事情もなく継続することは、事実上の永続化につながるおそれもあり、国会の監視機能を弱めるものとして、望ましいものでないことは言うまでもありません。
 そして、このようなやり方は、人口減少と高齢者層の増大が併存するという異例の事態によって社会保障費が右肩上がりに増大し、それを賄うために特例公債発行を拡大し続けなければならないという我が国の構造的問題をマスクすることにもつながってしまいます。
 与党、野党を問わず、現在の日本の最大の課題から目をそらすべきではなく、その観点からも、五年間は財政に関してルール不在とするような小手先の手法は百害あって一利なしと考えるがゆえに、特例公債法案には強く反対の意見を表明いたします。
 日本維新の会・無所属の会は、この構造的問題から逃げることなく、社会保障及び税制について正面から大改革を図り、真の意味で持続可能な社会保障システムを構築するとともに、閉塞感の強い現下の国民生活に豊かさの実感を取り戻すべく、さきに馬場幹事長が発表した新所得倍増計画を提唱しています。
 既得権益や既存の考え方にとらわれることなく、自由な議論に基づいて国民のための政策実現を目指すことをお誓いし、以上をもって両法案についての討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#50
○議長(大島理森君) 落合貴之君。
    〔落合貴之君登壇〕
#51
○落合貴之君 立憲民主党の落合貴之です。
 立憲民主党・無所属を代表し、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論をさせていただきます。(拍手)
 まず冒頭、国有財産の在り方を大きく揺るがした森友学園問題で、公文書の書換えを命じられた経緯を詳細につづったいわゆる赤木ファイルを隠し続けている財務省、国の根幹である国会の国政調査権を大きく傷つけている財務省に強く抗議をいたします。
 さて、今回の特例公債法案は、赤字国債の発行を認めるもので、昭和五十年度から、発行しなかった数年間を除き、毎年、年度ごとに審議がされてまいりました。
 しかし、十一年前の参議院選挙で与党が大敗し、衆参の多数派にねじれ現象が生まれたことから、状況は変わってきました。
 その翌年は、東日本大震災があったにもかかわらず、特例公債法案が夏まで通らず、そして、そのまた翌年は、当時の野党が十一月まで法案を通さず、赤字国債が発行できずに、予算の執行にも支障を及ぼす事態となりました。そういったことから、与野党の三党合意により、当初は四年で束ね、特例公債法案を通すこととなりました。
 しかし、その後、国会のねじれが解消したにもかかわらず、五年ごとにと、なぜか更に長い年にわたって束ねる法案が出され続けることになってしまっています。
 今、衆参はねじれていません。両院共に、与党が大多数を占めています。その中で、毎年国会で審議をしない意味があるのでしょうか。国会のチェック機能の弱体化を、わざわざ国会議員たちが自ら進んで決めるべきではありません。
 また、五年という期間は、衆議院の任期より長い。憲法第六十条では、予算に関する衆議院の優越が規定されています。すなわち、衆議院には予算について特別の立場が認められ、責任が課されています。特例公債法案は予算と密接に関係する法律案であるにもかかわらず、衆議院の任期四年を超える期間にわたり白紙委任をするという法を制定することも疑問です。
 国家が行う財政活動は国会で審議、決議されなければならない、国会や国民がしっかり監視をするべきであるという財政民主主義の原則は重要です。
 予算、税制、国債発行を同じタイミングでその都度議論する、そして、その過程を国民に示していく、これがあるべき姿ではないでしょうか。
 なお、この法案には、財政健全化が明記されています。持続可能な財政を実現することは、国家を運営する上でも、国民生活を安定させる上でも重要なことです。しかし、単に歳出額を減らすことと税率を上げることだけで、持続可能な財政運営が実現するのではありません。
 特に、リーマン・ショック以降、先進国においても格差の拡大が大きな問題となっています。そして、このコロナ禍がやってきました。各国が経済の回復を模索する中、K字回復が起きてしまうのではないかということも危惧されています。持てる者の経済状況だけが回復をし、持たざる大多数は更に没落してしまう。こうなってしまえば、国民の担税力は弱まり、持続可能で健全な財政は実現することはできません。
 このK字回復にはさせない、それは政治にしかできません。財政こそ、格差拡大を止め、健全な経済を実現するのに必要な手段です。
 これまで世界各国に財政規律を押しつけていたIMF、国際通貨基金も、財政支出の拡大が今は重要であるということを言い始めました。
 我が国は、昨年度は約九十兆円の赤字国債を発行しました。今年もそれなりの額の国債を発行することでしょう。その中で、財政はどのような使われ方をしているでしょうか。経済対策や災害対策と言いつつ、一部の与党政治家の利権のためというような項目ばかりが並んでいる予算。このために赤字国債を費やしていいのでしょうか。
 政治家の利権ばかりに使っていってはいけません。財政は国民のために使い、日本のよさであった分厚い中間層、これを復活させなければ、国民の担税力は上がりません。自律的な経済の好循環も生まれません。健全な財政も実現できません。国債を発行した予算は、国民の生活、国民の将来のために使われなければなりません。
 また、コロナで悪化した財政の穴埋めに、いずれは消費税の増税をという話まで出てくる気配です。格差拡大の是正が大きな問題であるにもかかわらず、逆進性ある消費税ばかりになぜ重きが置かれるのでしょうか。既に、税収に対する消費税の割合は、消費税、付加価値税の高いヨーロッパ諸国と同じレベルになりつつあります。税率が低くても、税収に対する消費税の割合が高い、つまり、ほかの税を取っていないからです。
 年収一億円を超えた辺りからどんどん負担率が下がる日本の税制。金融所得課税は国際レベルだと答弁していますが、お金持ちほど顕著に負担率が減っていく先進国など、この地球上にありません。欧米各国の年収別の負担率をよく調べてください。
 また、世界的な税率下げ競争をやってきた法人税は、国際協調の下、我が国が先導し、適正な課税を実現していかなければなりません。特に、GAFAを始めとする巨大IT企業への課税はなかなか進みません。
 コロナ禍で、百貨店の閉店が相次いでいます。小売業は、デジタルプラットフォーマーにどんどんのみ込まれています。ほかの分野でも、デジタルプラットフォーマーがどんどん役割を増しています。日本の中小企業の多くもデジタルプラットフォーマーの傘下に入りつつあります。我が国の経済の根幹を握りつつあるこれら世界的な企業に、意見も言えず、課税もできない。これでは、経済政策における主権もいずれなくなってしまいます。財政も成り立たなくなります。
 また、この数年の間違ったコーポレートガバナンス改革や間違った働き方改革などによっても、中間所得層はどんどん破壊されています。
 予算、国債発行、税制、重要法案は、国民生活のため、この国のために、その都度国会でしっかり審議をするべき。ねじれ国会でもないのに、五年間もの長い期間にわたり、重要な国債発行について白紙委任するような内容となっている本法案には、賛同できません。
 今こそ、誰のために政治があるのか、それをよく考えるべきです。国会のチェック機能を自らの手で弱体化させるべきではないということを申し上げ、反対の討論とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
#52
○議長(大島理森君) 清水忠史君。
    〔清水忠史君登壇〕
#53
○清水忠史君 私は、日本共産党を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案について、反対の討論を行います。(拍手)
 初めに、所得税法等改正案についてです。
 反対理由の第一は、コロナで苦しむ国民に対する税制支援が不十分だからです。
 今回の税制改正は、ポストコロナに向けた経済構造の転換を掲げ、売上げの減少が見込まれる中でも減税額を増やしたいという財界の要望に応える形で、企業のデジタル化やカーボンニュートラルに向けた投資への減税を措置しています。
 しかし、コロナ禍で優先して行うべきは、一昨年の消費税増税で苦しんでいる国民の暮らしを支え、その負担を軽減することであります。
 消費税は、食料品、生活必需品や光熱費など、暮らしに不可欠な支出にも課税され、コロナ禍で苦境にあえぐ国民にも容赦がありません。納税猶予の特例により、最も滞納を余儀なくされている税目が消費税であることを見ても明らかです。
 消費税減税は、新型コロナの影響を最も深刻な形で受けている所得の少ない人と中小零細企業への効果的支援にもなるものです。既に世界五十か国以上で消費税減税が実施されています。政府は、消費税五%への緊急減税を決断するべきです。
 第二の理由は、不公平税制にメスが入っていないことです。
 安倍政権以降、富の集中が進み、資産格差が拡大しています。野村総研の資料によると、純金融資産五億円以上を保有する超富裕層の総資産は倍になり、二〇一九年には、僅か八万七千世帯で百兆円近い資産を保有しています。
 にもかかわらず、本法案は、金融所得課税の見直しに全く触れていません。麻生財務大臣は、来年度以降に検討すると言いましたが、株価がバブル期に迫る高値となっている今こそ、証券優遇措置を抜本的に見直し、所得が一億円を超える高額所得者ほど税負担が軽くなるといういびつな税制にメスを入れるべきであります。
 大企業優遇税制も問題です。
 法案には、財界の要望に応えて、デジタルトランスフォーメーション投資促進税制の創設で百十億円の減税が、研究開発減税の見直しで二百四十億円の減税などが盛り込まれましたが、中小の赤字企業は、税額控除や特別償却の枠を幾ら広げても使えません。体力のある大企業向けの優遇を拡大すれば、更に法人税収が空洞化するだけです。大企業の法人所得が毎年過去最高を更新しながらも、法人税収が増えない不公平税制の是正こそ求められています。
 次に、公債発行特例法案についてです。
 この法案は、二〇二一年度から二〇二五年度までの五年間、特例公債の発行を自動的に認めようというものであります。
 財政法第四条は、原則、公債や借入金を認めていません。これは、過去の戦争で、戦費調達のために大量の国債を発行し、国家財政と国民生活を破綻させた痛苦の教訓によるものです。辛うじて認められるのは、財政規律を保つための最低限の措置として、その都度国会の承認を得たものに限られます。
 五年にわたって特例公債の発行を認めればどうなるのか。参考人として陳述された山田博文群馬大学名誉教授は、国債が雪だるま式に膨張すると、国債費が増大し、生活関連予算が圧縮されると指摘しました。
 麻生財務大臣は、無尽蔵な国債発行は行わないと強弁しましたが、予算編成の内容は時の政権の判断に委ねられており、歯止めがかかる保証は全くありません。
 財政規律を保つための最低限の措置を逸脱し、国会のチェック機能を今後五年にわたって奪うことは、議会制民主主義の重大なじゅうりんであり、到底認めることはできません。
 コロナ禍の下、国民生活を守り、日本経済を立て直すために、今こそ不公平税制を正し、負担能力に応じた税制へと見直すことを強く求めて、反対の討論といたします。(拍手)
#54
○議長(大島理森君) 前原誠司君。
    〔前原誠司君登壇〕
#55
○前原誠司君 国民民主党の前原誠司です。
 私は、会派を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行います。(拍手)
 税は社会を規定します。税負担の大小により国民に対するサービスの手厚さも変わり、税の内容次第で社会のありようも変わります。
 第二次安倍政権以降、教育資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税措置が導入されました。
 子供や孫の教育になら喜んでお金を出したいという親御さん、おじいちゃん、おばあちゃんの気持ちはよく理解できます。しかし、一部の裕福な家庭のみ、親や祖父母の財産を入学金や授業料、塾や習い事に使うことができ、より充実した教育を受けることができる。私は大いに疑問を感じます。
 日本国憲法第二十六条一項は、全ての国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有すると定めています。その能力に応じてであり、親や祖父母の財力に応じてとは書かれていません。
 ある統計によると、年収が四百万円以下の家庭の子供の四年制大学進学率は三一・四%、それに対して、一千万円以上の家庭では六二・四%。二倍の差が生じます。
 私は、何も全ての子供が大学に行くべきだと申し上げているわけではありません。高校や専門学校を出て、専門性を身につけて、社会で立派に活躍されている方々はたくさんおられます。ただ、親の収入によって子供の教育機会に不平等が生じることは、あってはならないのではないでしょうか。
 しかも、四年制大学を卒業した者の方が生涯賃金は高くなるという調査結果もあります。つまり、親の所得格差が子供の所得格差に引き継がれる。格差の固定化、格差の再生産が起きている。残念ながら、これが日本の現状なのです。
 教育資金の贈与税非課税措置を設けて、富裕層だけが教育の充実を享受できるのではなく、例えば、所得税とは分離されている、二割の定率課税の金融所得を総合課税化し、増収分をひとしく全ての子供の教育の充実に使う。みんなが応分に負担し、みんなが受益者になる。これが本来、国家としての役割ではないでしょうか。それが日本のあるべき国柄だと私は考えます。
 最後に、コロナ禍とはいえ、公債費率が四〇%を超える予算は異常です。更なるパンデミックや大災害が起きる可能性も考えておかなければなりません。このまま借金体質を放置しておけば、いずれは円の信認が低下し、物価や金利が上昇し、低金利を前提に経営してきた企業が次々に倒産し、不良債権増加により金融システムが不安定化し、失業の増大や賃金や年金の目減りによる生活不安などが現実のものとなり、社会の混乱は避けられないでしょう。まさに、政治の不作為、責任放棄が国民に苦悩をもたらすことになります。
 次の選挙ではなく、次の世代を考えるのが我々政治家の使命であります。歳出と歳入の改革、そして、経済成長政策の実行。日本の将来のために、党派を超えて取り組み、国民の負託に応えていかなければなりません。
 自らもこの課題に取り組む決意を申し上げ、反対討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#56
○議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#57
○議長(大島理森君) これより採決に入ります。
 まず、所得税法等の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#58
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#59
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
#60
○議長(大島理森君) 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙を行います。
#61
○武部新君 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙は、その手続を省略して、議長において指名されることを望みます。
#62
○議長(大島理森君) 武部新君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 議長は、日本ユネスコ国内委員会委員に小渕優子君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#64
○議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後五時四十四分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣 菅  義偉君
       財務大臣   麻生 太郎君
       総務大臣   武田 良太君
       法務大臣   上川 陽子君
       外務大臣   茂木 敏充君
       文部科学大臣 萩生田光一君
       厚生労働大臣 田村 憲久君
       農林水産大臣 野上浩太郎君
       経済産業大臣 梶山 弘志君
       国土交通大臣 赤羽 一嘉君
       環境大臣   小泉進次郎君
       防衛大臣   岸  信夫君
       国務大臣   井上 信治君
       国務大臣   小此木八郎君
       国務大臣   加藤 勝信君
       国務大臣   河野 太郎君
       国務大臣   坂本 哲志君
       国務大臣   西村 康稔君
       国務大臣   平井 卓也君
       国務大臣   平沢 勝栄君
       国務大臣   丸川 珠代君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト