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2021/03/11 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 議院運営委員会 第16号 令和3年3月11日
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2021/03/11 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 議院運営委員会 第16号 令和3年3月11日

#1
令和三年三月十一日(木曜日)
    午前十一時一分開議
 出席委員
   委員長 高木  毅君
   理事 御法川信英君 理事 盛山 正仁君
   理事 松本 洋平君 理事 井上 貴博君
   理事 福田 達夫君 理事 井野 俊郎君
   理事 小川 淳也君 理事 青柳陽一郎君
   理事 佐藤 英道君
      武井 俊輔君    武部  新君
      本田 太郎君    伊藤 俊輔君
      塩川 鉄也君    遠藤  敬君
      浅野  哲君
    …………………………………
   議長           大島 理森君
   副議長          赤松 広隆君
   事務総長         岡田 憲治君
   参考人
   (人事官候補者(早稲田大学大学院経営管理研究科教授))          川本 裕子君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 人事官任命につき同意を求めるの件
 次回の本会議等に関する件
     ――――◇―――――

#2
○高木委員長 これより会議を開きます。
 人事官任命につき同意を求めるの件についてでありますが、去る九日の理事会において、坂井内閣官房副長官から、内閣として、人事官に早稲田大学大学院経営管理研究科教授川本裕子君を任命いたしたい旨の内示がありました。
 つきましては、理事会の申合せに基づき、人事官の候補者から、所信を聴取することといたしたいと存じます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本日、参考人として人事官候補者川本裕子君の出席を求め、所信を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○高木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――

#4
○高木委員長 まず、議事の順序について申し上げます。
 最初に、川本参考人に所信をお述べいただき、その後、参考人の所信に対する質疑を行いますので、委員の質疑に対してお答えいただきたいと存じます。
 それでは、川本参考人、お願いいたします。

#5
○川本参考人 川本裕子でございます。
 本日は、所信を述べる機会をいただき、大変にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 国家公務員制度は、我が国の行政の円滑な運営を確保するための重要な基盤であります。また、国家公務員法は、国民に対し、公務の民主的かつ能率的な運営を保障することを基本理念としております。
 人事院は、この基本理念の下、国民全体の奉仕者である国家公務員の人事行政の公正を確保するため、また、労働基本権制約の代償機能を果たすため、中立第三者機関として設置されており、その構成員の人事官には、強い責任感と高い倫理観が求められると認識しています。
 私は、企業経営への助言の仕事からキャリアをスタートし、大学院で金融機関経営や企業統治全般についての研究及び実務者教育、職員研修などに従事してまいりました。その傍ら、二十以上の企業及び国際組織の社外取締役、監査役、理事などの立場から、経営・人事戦略などの監督、助言にも携わってきました。また、平成二十六年から五年間、国家公安委員会委員として、警察行政の管理の任に当たりました。
 私が人事官に就任した際には、このような経験を生かして、お役に立ちたいと考えております。
 昨今、内外の情勢変化は激しく、行政を取り巻く環境も複雑高度化しています。その中で、公務や公務員が国民に対して果たすべき役割の重要性は一層増しております。一方で、国家公務員は、公務の遂行に当たり、規律を厳正に保ち、国民全体の奉仕者として、信頼を得ていくことが何よりも重要と考えます。
 組織の基本は、人です。一人一人の公務員が高い意欲を持ち、その能力を十分に発揮することによって、初めて組織として重要な役割を果たしていくことができます。いかにすれば、活力にあふれ、国民から信頼され、魅力ある行政組織を実現できるか。人事院は、国家公務員の採用から退職に至るまでの人事管理全般の諸課題に取り組んでおり、行政組織運営の要として重責を担っていると認識しています。
 人事官を命ぜられた場合に私が取り組みたい課題について、三点申し上げたく思います。
 第一は、行政組織の経営管理力を高めることにより、個々の公務員が意欲を持って全力で仕事に取り組める環境を実現することです。
 私の経験からも、公務は、仕事として大変やりがいもあり、魅力もある一方で、長時間労働など不合理な慣行も残存している部分があります。幹部職員を始めとして、働き方を考え、組織を活性化させる経営管理力を磨いていくことが、日本の行政組織にとって重要課題です。
 第二は、時代環境に適応できる能力の確保です。
 地政学的に複雑さを増す国際環境、デジタル技術による産業の激変、感染症、自然災害やセキュリティーへの脅威など、環境変化のスピードと規模は想像を超えるものがあります。人口減少と高齢化に向かう我が国で、公務員には、こうした変化の情報を常に幅広く、鋭敏に収集、分析し、政治に対し正しい政策の選択肢を提言していく、高い能力が求められます。
 このためには、民間の資源や能力を最大限に活用する必要もあります。採用や任用方針を含め、組織運営や人事管理の在り方を不断に見直していく覚悟と実行力が求められます。
 第三は、国際性と開放性です。
 常に世界の動向に目を向け、日本国民に世界最高の行政サービスを届ける、強い気持ちを持つことが大事だと思います。そのために、人材の多様性を重視し、新しい考え方を取り込む柔軟性と積極性が必要です。
 こうした行動原理が定着していけば、諸外国と比べ大幅に遅れていて、喫緊の課題である女性の活躍についても、改善が図られると思っております。
 仮に人事官に任命されたときには、人事院会議の構成員としての自覚と責任感を持ち、これまでの私の知識や経験を生かし、全力を尽くす所存です。そして、国民の代表である国会での御議論を始め、様々な御意見に真摯に耳を傾け、先任のお二人の人事官と協力しながら、重責を果たしてまいりたいと思います。
 以上、簡単でございますが、私の所信を述べさせていただきました。
 本日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございました。

#6
○高木委員長 ありがとうございました。
 これにて参考人からの所信の聴取は終了いたしました。
 議長、副議長は御退席いただいて結構でございます。
    ―――――――――――――

#7
○高木委員長 これより川本参考人の所信に対する質疑を行います。
 質疑は、まず、各会派を代表する委員が順次三分以内で質疑を行い、その後、各委員が自由に質疑を行うことといたします。
 武井俊輔君。

#8
○武井委員 自民党の武井俊輔です。
 川本さんにおかれましては、こうして早稲田大学を始め多くの役職、社外取締役をお務めでございますが、今回は、この任命に当たって全て辞職されると伺っております。多くの立場をなげうって国のために御尽力をいただく御決意をいただきましたこと、心からまず敬意を表するところでございます。
 まず、どうしてもこの件を聞かなければならないところでございます。
 昨今、公務員の接待、飲食に係る不祥事等が続いておりまして、国会運営にも大きな影響を与えているところであります。
 もちろん、公務員倫理規程の遵守は重要であり、なかんずく、政策決定に関する議論が倫理規程違反の懇談の中で行われるというようなことがもしあれば、これは極めてゆゆしいことであることは、当然、論をまたないところであります。
 しかし、何がよくて何がよくないのかということも、一方で我々はよく明確に理解をしておく必要もあると考えております。懇親等が全て駄目だということになりますと、どうしてもこれはまた話も表層的になるという懸念もあるわけでして、私も、かつて、県会議員などをしておりましたが、知事の官製談合事件というのがありまして、それ以降は一切県も交流を絶つといったようなことで、非常にやはり民間との関係が薄くなったということを現場でも見てまいりました。
 あつものに懲りてなますを吹くということわざもあるわけですが、厳格にも取り組まなければいけませんが、一方で、こうした行き過ぎにも懸念がある。この難しいバランスにどう配慮して臨まれるか、お考えをお伺いしたいと思います。
 さらに、昨今、ジェンダーの問題も非常に国民の皆様の関心を集めているところでございます。ジェンダーギャップ指数など、国際的にもかなり厳しく言われることもあるわけですが、そうしたこの時期に、川本さんの御就任には、霞が関、特にここで働く女性の皆さんの関心も高いと思うところであります。霞が関におけるジェンダーギャップへの取組、また女性職員の職場環境の改善について御意見をお伺いしたいと思います。
 続いてもう一点。
 川本さんは、メガバンク初の女性取締役に御就任をされ、その後、ソフトバンクグループなど多くの上場会社でも社外取締役をお務めになりました。人事官は、各府省に対し、半分身内、半分は外の視点で取り組む、ある意味では社外取締役的な役割であると認識しておりますが、御自身の社外取締役としての多くの経験をどう生かしていくか、そしてまた、その経験から、今の霞が関に足らざるところはどのようなところにあるか、お感じのところをお伺いしたいと思います。

#9
○川本参考人 御質問の三点についてお答えしたいと思います。
 公務員の倫理意識は、公務を公正に行う上での基本と思っております。あらゆる公務員が高い倫理観を持たなければいけないですし、特に幹部は、リーダーとして、組織のお手本として、部下の法令遵守を指導する立場であります。昨今の出来事は、大変に残念、あってはならないことだと思っております。採用にも影響があると懸念をいたします。
 今回の問題は、ルールが守られていなかったことです。利害関係者からの接待などの禁止が国家公務員倫理規程で定められています。そのルールが守られずということですので、ルールの徹底が必要と思います。ルールを徹底した上で民間部門などと情報交換をすることは、公務の上でも大切だと私は思っております。
 ジェンダーギャップについてのお尋ねですが、日本には強固な性別役割意識がございます。女性の活躍をこれが阻害してきた面は否めません。学校卒業時点では男女で差がないにもかかわらず、女性にはなかなか投資がなされない。ですので、やはり登用を増やすには、期待して鍛えるということが大事かと思っております。人事評価を客観的、公正に行うようにすれば、自然と女性は増えていくはずです。
 もちろん、霞が関の長時間労働は、女性だけでなく男性にとっても非常に職場としての魅力を失わせて、持続可能でないと懸念をしております。解決すべき第一の課題と思っております。
 三点目の、社外取締役の独立の立場ということですけれども、社外取締役が独立の立場で企業を見る視点と人事院が中立第三者機関として各府省を見る視点は、共通性を持っていると認識しております。
 社外取締役の重要な役割を挙げれば、執行側に気づきを与えることだと思います。組織のマネジメントが適正であるか、社員が意欲を持って能力を発揮できる環境になっているのか、不正を生む風土ではないかというようなことを、会議で報告を受けたり質問をすることによって探っていきます。調査を依頼したり、結果を吟味したり、ふだんから現場の実態を把握する努力もとても大切です。このような客観的な指摘により、執行側が修正の必要性に気づき、組織運営の改革を推進していくようにもなります。
 これらは、政府が出しております社外取締役の実務指針というものがあるんですけれども、それにありますように、しがらみにとらわれず、執行部、人事院の場合には各省庁ですけれども、各省庁との間で適度な緊張感、距離感を持って、遠慮なく発言、行動するというところも、あるべき論として類似しており、霞が関でも強化されるべき観点かと思っております。

#10
○武井委員 最後にお伺いをいたします。
 川本さんは、かつて、佐々木かをりさんとの対談で、サッチャー時代の改革を舞台としたイギリスの「リトル・ダンサー」という映画についてお話をされておりまして、私も大変好きな映画で、ダイバーシティー、多様性の視点からも非常にすばらしい映画だなと思っておりますが、その対談の中で川本さんは、イギリスの変化は社会を覆っていた悲観主義からの克服だというふうなお話をされていて、私もそのとおりだなと思うんです。
 今も課題を申し上げましたが、霞が関にも、今、悲観主義が少なからず覆っております。人事官の立場として、この覆っている重い雲をどう取り払っていくか、非常に難しい課題かとは思いますが、最後に御決意をお伺いして、終わりたいと思います。

#11
○川本参考人 各種国際調査を拝見しても、日本人は実態よりも悲観的になりがちな傾向はあると思います。
 日本は、安全で、生活で誇れる点がたくさんありますけれども、もしネガティブな雰囲気があるとすれば、少子高齢化もあり、若い人が希望を持てる社会なのかという懸念があります。潜在能力を生かす構造や仕組みになっているのか、古い価値観ややり方から脱皮して、多様性を重んじ、変革を信じられるように大人たちは若い世代を応援しているのか。先ほど女性の活躍について述べましたが、日本は男性の多様性も許容していない面があります。
 仮に人事官に任命されたならば、変革を行っていける社会構造に向けて、国家公務員制度を私の立場で考えていきたいと思っております。

#12
○武井委員 御活躍をお祈りし、終わります。
 ありがとうございました。

#13
○高木委員長 次に、伊藤俊輔君。

#14
○伊藤(俊)委員 立憲民主党の伊藤俊輔でございます。
 本日は、質疑の機会をいただき、ありがとうございます。早速質疑に入らせていただきたいというふうに思います。
 人事院は、言うまでもなく、独立性やあるいは公平中立、強く求められる機関でございます。昨今の森友、加計の問題や、直近では総務官僚接待問題など、国民目線からしても、到底理解、納得が得られない、信頼を損なう事案が続いております。
 森友問題では、あれだけの不祥事があって、財務省において二十名の処分がされ、重いものでも停職は三か月相当、懲戒処分に至らない厳重注意などにとどまったものも半数に上りました。また、問題に関わったとされる官僚の多くは、その後、出世をされている状況でございます。
 総務官僚接待問題では、接待を受けていた山田真貴子氏においては、調査も処分もされておりません。谷脇氏に至っては、退職をすれば満額の退職金が支払われる予定でございます。
 川本参考人におかれては、以前、政治主導で、しかし政治的恣意を排したシステムの構築、そしてまた、蔓延した忖度文化を払拭してほしい、そういう主張もされておられます。これら昨今の処分の在り方等をどのようにお考えか、御認識をお伺いしたいと思います。

#15
○川本参考人 昨今の国家公務員の不祥事については、非常に残念な事件だと思っております。行政に対する国民の信頼を揺るがす事態となっておりまして、あってはならないことと思っております。
 人事院は、人事管理に関するルールを設定して、それに基づいて各府省が適切な人事管理を行うことが基本的な考え方だと思っておりますので、失った国民の信頼を回復するためにも、まずは、所属職員の服務の責任者である任命権者の大臣の方たちにおいて、厳正に調査をして、その結果に基づき適正な処分を行い、二度とこのような事態が起こらないように再発防止策を考えて、実行していただきたいというふうに思っております。
 なお、人事院に関しては、職員の職務に関わる倫理の保持に関する業務については、人事院から国家公務員倫理審査会に業務が委任されているというふうに承知していますけれども、人事院も、研修などの実施を通じて任命権者を支援していくことが重要であると考えております。
 今回の件では、昨日の報道によれば、辞職した方も調査の対象にするというふうになっておりますようですので、それは国民的には納得感のあることではないかなと理解しております。

#16
○伊藤(俊)委員 ありがとうございます。
 国家公務員の超過勤務においてもお聞きをしたいと思いますが、令和元年度において、上限を超えて超過勤務を命じられた職員が一割弱存在をして、本年一月の内閣官房コロナ対策室の平均超過勤務時間は百二十二時間、最も長い職員で三百九十一時間と異常な事態になっていることも報道されております。
 早急に在庁時間そして勤務実態を正確に把握することがまず大事だというふうに思いますけれども、民間企業の実情に通じておられる参考人におかれては、このような国家公務員の勤務実態や働き方においてどのような取組が必要か、御認識をお伺いしたいと思います。

#17
○川本参考人 今回の内閣人事局による在庁時間調査は、拝見して、私も正直申し上げて非常に驚きました。職員の健康確保とかワーク・ライフ・バランスの推進、ひいては国家公務員への人材確保の観点から、長時間労働を是正していくことは非常に重要だと思っています。
 この問題については、特に超過勤務縮減については、政府全体で連携して取り組んでいくことが必要でありまして、人事院としても、一昨年の四月に導入した超過勤務命令の上限規制措置の運用状況を把握して、必要に応じて各府省を指導していくなど、引き続き適切に役割を果たしていくことが求められているというふうに思います。
 委員御指摘のように、超過勤務の削減のためには、各職場において、マネジメントの強化を図り、勤務実態あるいは勤務時間管理を徹底することによって、府省のトップが先頭に立って、組織全体として業務の削減、合理化に取り組むなどの対策を講ずることが、まず一点。それに対して人事院もいろいろとコメントしていくということが必要ではないかと思っております。

#18
○伊藤(俊)委員 正確な在庁時間等もまだ把握をしていない段階だ、民間に比べてもかなり遅れているというふうに思いますので、対策を取らなきゃいけないと危機感を持っております。
 最後に、給与制度についても一言お聞きをしたいと思います。
 政府は今年九月にもデジタル庁の発足を目指しておりますけれども、現在の給与制度は硬直的でありまして、このままでは民間との争奪戦で優秀な人材が確保できるのか、危惧を持っております。それに対応できる給与の制度や給与水準についてどうあるべきか、どういうお考えか、見解をお伺いしたいと思います。

#19
○川本参考人 専門性の高いデジタル人材の確保は非常に重要な課題というふうに認識しております。ポイントは、本当に適切な人を確保できるのかということなんだというふうに思っています。
 ですので、要件ですね。どういう方が必要なのかということを各府省がまずスペックを出し、要件を出しまして、それに対して必要な人員を集めていくということが大切なのだというふうに思います。
 人事院としても、必要な人材が確保できるように取り組んでいくこと、特に、マーケットは非常に競争的でありますので、その辺りの工夫というのも今後考えていかなければいけない課題なのだろうなというふうに認識しております。

#20
○伊藤(俊)委員 ありがとうございます。
 このままでは、いい人材が確保できるかどうか、そういう局面に入るんだろう、デジタル庁の成功等、課題もここにあるのではないかとも思いますので、是非そのことも中心に考えていただきたいというふうに思います。
 ありがとうございます。

#21
○高木委員長 次に、佐藤英道君。

#22
○佐藤(英)委員 公明党の佐藤英道です。
 質問に入る前に、今日、東日本大震災から十年を迎えました。あの日、一瞬にして多くのかけがえのない命と当たり前の日常が失われました。
 犠牲となった方々、その御遺族に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
 以下、川本候補者に四点併せて質問をしてまいりたいと思います。
 まず、一問目。総務省や農林水産省をめぐる国家公務員倫理法違反は、国民の信頼を著しく損ねる行為であり、厳しい反省の上で、襟を正して出直すべきであります。九〇年代の不祥事から二十年の時がたち、緩みが見られるのではないでしょうか。財布に入れておく携行カードや小冊子の配付、トップからのメッセージなど、繰り返し繰り返し、国民から信頼される公務員としての自覚を促す取組を行う必要があるのではないでしょうか。人事院として、公正な行政運営を確保するためにどのような取組を行うべきと考えているのか、伺います。
 第二に、新型コロナ拡大防止の観点から、各省庁の職場においても各職員によるテレワーク等の在宅勤務が推進されておりますが、今般の経験を、コロナ禍のみならず、コロナ収束後の新しい働き方にもつなげていく必要があるのではないでしょうか。情報通信機器の不足、勤務管理の難しさなど、課題も指摘されておりますが、どのような取組が必要と考えているのか、所見を伺います。
 第三に、テレワークや時差出勤といった柔軟な働き方の拡大には、霞が関において、女性活躍の可能性を広げていくことも大事であります。
 これを機に、国家公務員において、女性の採用、登用の拡大に率先して取り組むべきではないでしょうか。女性の採用、登用の現状をどう評価しているのか、また、霞が関の勤務環境、どのような点が課題と考えているのか、伺います。
 第四に、霞が関の働き方改革を進めることが大切であります。
 内閣人事局の調査によると、二〇一九年度に自己都合で退職をした二十代のキャリア官僚、総合職は二〇一三年度の四倍以上に増加し、三十歳未満の男性職員の七人に一人が三年以内に辞めたいとしております。
 長時間労働の是正はもちろんのこと、目標に向かって多くの人材を束ね、最大限の成果を上げるチームづくりを行うマネジメント人材の育成が急務ではないでしょうか。今後の幹部職員、管理職の職員にはどのような資質、能力、経験が必要か、人事院にはどのような取組が求められるのか、候補者の所見を伺いたいと思います。

#23
○川本参考人 お尋ねの四点についてお答えしたいと思います。
 まず、倫理意識の向上については、今回の件は、先ほども申し上げたように、非常に残念なことだと思っております。
 今回の問題は、ルールがきちんと守られていなかったことというふうに思いますので、委員御指摘のように、こういったルールは、繰り返し繰り返し、民間企業などですと、そういう決まりを手帳に入れたりとかお財布に挟んだりというようなことで徹底をするというふうなこともございますので、繰り返し、緩みが生じないように対応していくように各省庁に対して助言をしていければというのが人事院の立場というふうに思っております。
 それから、テレワークについてですけれども、公務においては、まだまだ、割と現代的でないやり方も残っておるようにお聞きしておりまして、そういう意味では、テレワークも非常に進むといいなというふうに思っています。
 特に、男女共同参画の社会の実現は、人事行政における重要課題でありまして、世界の百二十か国よりも日本は男女が均等でないということであります。
 お尋ねの、女性の活躍についてですけれども、日本にはやはり強固な性別役割意識があって、女性の活躍を阻害してきた面は否めません。テレワークなど、時間と場所にとらわれない働き方が女性活躍の可能性を広げるというふうに思っております。
 私も、三十年前から、電話会議、メール、ボイスメール、ビデオ会議などを利用しながら、それがあったから子供を育てながら業務を続けてきたと言うことができる経験がございますので、そういうような現代の機器、技術をより早く使えるようになるといいなと思っています。
 さらに、登用を増やすには、先ほども申し上げましたように、期待して鍛える、人事評価も客観的に行うということで、よく言われることですけれども、女性は実績で評価され、男性は可能性で評価されるというふうに言われますし、あと、女性で昇進している人は同じ地位の男性よりも長時間労働という調査もございます。
 もちろん、霞が関の長時間労働は、女性だけでなく男性にとっても職場としての魅力を失わせるわけですけれども、小さなボトルネック、例えば、転勤の際に余りにも内示が遅いということですと、転勤先で保育園が見つけられないというような悩みも聞きます。そういうことも解決していくようなことに尽力できればと思っています。
 委員御指摘のように、若手職員の離職は本当に深刻な問題だと思います。辞める二十代の方たちに理由を聞くと、専門性や実務能力が身につかないというふうにおっしゃる方が多い。国家公務員になられると、高い視座を持ったりとか、文章に落とし込む力、説明能力といった能力はついているけれども、意識されたり明示的に指導されたりしていないので、本人に多分成長の実感が湧かないのではないかというふうに思います。
 達成目標を上司ときちんと協議して、それに向かって進展をチェックしていくというような人事管理が必要でありまして、これは、裏を返せば、御指摘のように、幹部、管理職にマネジメント力の高度化が必須であるということです。
 マネジメントというのは、資源配分と優先順位づけで、必要な業務に有限な資源である人材と予算を割り振って、国民にとって最大効果を上げることだというふうに思っております。このために、構成員のやる気や満足度を高めるリーダーシップが必要ですけれども、その基本は、適切な人事評価とその結果の使い方、それから伝え方にあります。
 こういうようなこと、方法論でありますとかスキルといったものを、研修、あるいはオン・ザ・ジョブ・トレーニング、あるいはオフ・ザ・ジョブ・トレーニングで、研修などを通じながらこういう能力を高めていくということが人事院が今後やるべきお仕事かなというふうに思っております。

#24
○佐藤(英)委員 終わります。

#25
○高木委員長 次に、塩川鉄也君。

#26
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 人事官候補者の川本参考人にお尋ねします。
 公務員は、憲法で全体の奉仕者と定められ、職務の遂行に当たっては、中立公正性が強く求められます。このため、国家公務員法に基づき、人事行政に関する公正の確保及び国家公務員の利益の保護等に関する事務をつかさどる中立第三者機関として設けられたのが、人事院であります。最も重要なのは、公務員の労働基本権制約の代償機能としての役割であります。
 人事官は、こうした人事院の役割を自覚して、政府から独立して中立な立場で職務を遂行することが求められていると思いますが、お考えをお聞かせください。

#27
○川本参考人 人事院の役割については、公務の民主的、能率的な運営を保障することを目的とした国家公務員法の下で、中央人事機関として、国民全体の奉仕者としての公務員の人事制度やその運用の公正性の確保、そして労働基本権が制約されている職員の利益保護という、憲法に由来する重要な役割を果たしているというふうに思っております。
 憲法十五条二項は、今御指摘のように、全て公務員は全体の奉仕者、一部の奉仕者でないと定めております。
 公務員の人事行政の中立公正性確保の仕組みとして、内閣の所轄の下に、独立性の高い中立的第三者機関としての人事院が設置されており、人事院の業務は任免の基準の設定や採用試験の実施、研修などでありますけれども、公務員が不偏不党、中立公正の立場で能率的に公務を遂行することを可能にしているというふうに考えております。
 行政の継続性、専門性を確保するために、能力本位で、言うなれば、メリトクラシーで任命するということの仕組みを担保しているものというふうに認識しております。

#28
○塩川委員 ありがとうございます。
 公務員の、国民の全体の奉仕者、公務の公正性が疑われる総務省接待、農水省接待問題など、国家公務員倫理法違反が問われる官民癒着が大きな問題となっております。農水省接待問題では、吉川農水大臣、西川元農水大臣の関与があり、総務省接待問題では、総務大臣秘書官を務めた菅総理の長男の関与が背景にあったとされております。
 政治家と官僚の在り方について、どのようにお考えでしょうか。

#29
○川本参考人 政官の関係については、政と官の役割分担と公務員の行動原理というものを明確にする必要があるというふうに考えております。
 公務員には、行政部内の政策を執行、立案する過程において、内閣や大臣などの御指導、監督の下で、法律などの執行を公正に担うことが求められています。それと同時に、大臣などに対して、適時適切に、専門家としての行政上の課題を提起し、政策の企画立案について助言、進言するなど、誠実に補佐する役割を課されているというふうに思います。
 忖度が過ぎてもいけないと思いますが、専門性の殻に閉じこもって視野が狭くなってもいけないので、そのバランスを取ることが非常に大事かと思っております。

#30
○塩川委員 ありがとうございます。
 官邸で中央官僚の人事を統括する内閣人事局の存在が、総理や官房長官に忖度をして行政をゆがめるような官僚を生み出す要因となっているのではないのか。
 内閣人事局についてのお考えをお聞かせください。

#31
○川本参考人 内閣人事局は、府省の枠を超えた機動的な人事配置を実現するために設けられたものというふうに認識をしております。
 内閣総理大臣は、幹部職員の人事の一元管理、それから幹部候補育成課程、機構及び定員に関する事務を行っておられて、一方、人事院は、引き続き、人事行政の公正確保、また労働基本権制約の代償機能を担うというふうにされたというふうに理解しております。連携しながら、それぞれの役割を果たすことが重要です。
 幹部職員は、先ほども申し上げましたように、大臣などを直接補佐して、行政の遂行に責任を持つ立場でありまして、行政運営に与える影響が大きいことから、その任用について、不当な圧力や影響を受けることなく、能力評価が適切に行われて、客観的な基準や適正な手続の下に公正に行われる必要があるというふうに思っております。

#32
○塩川委員 ありがとうございます。
 国家公務員倫理法及び倫理規程は、一般職国家公務員が対象であります。内閣広報官のような特別職の官邸官僚は対象外となっております。
 政権中枢で政策の企画立案、総合調整を担う特別職の官邸官僚に対する倫理法、倫理規程に相当するルールを作ることが必要ではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。

#33
○川本参考人 一般公務員が倫理法の下に置かれているということを理解しておりますし、特別公務員については、今、何らかのルールというものは存在しないやに認識しておりますけれども、元々、特別公務員になられる方たちというのは、非常に厳格な倫理意識を持った方たちが選任されているのではないかというふうに拝察をいたしますし、今後、特別公務員に対して選任をするに当たって、いろいろな厳格な、選任のときのいろいろなルールというものは、それぞれの府省庁ではお持ちかと思いますけれども、それの統一などは常識的な範囲で考えていくことは必要かと思います。

#34
○塩川委員 ありがとうございます。
 二〇〇〇年以降、官邸機能強化の下で、政権中枢の内閣官房や内閣府において、民間企業の出向者が非常勤の国家公務員として勤務し、重要政策の企画立案を行っている事例が増加をしております。
 一方、人事院が所管をする官民人事交流法では、出身元企業の業務に従事することや給与補填を禁止する等、公務の公正性を確保するための規制を定めています。非常勤職員は、兼業が可能だということを理由に、出身企業からの給与補填を容認しております。
 これでは、誰のために仕事をしているのか、公務の公正性に疑念が生じるのではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。

#35
○川本参考人 いずれの公務員においても、李下に冠を正さずといいますが、疑念を抱かれるようなことはいけないというふうに思います。
 ただ、非常勤職員に民間企業出身者を採用する場合には、公務の公正性を確保し、官民癒着などの疑念を抱かれることがないようにするために、国家公務員としての各種服務規定が課されているというふうに認識をしております。各府省において、服務規律を遵守させるとともに、職員の配置や従事する業務などに十分配慮するなど適切な運用を図るよう、人事院としても引き続き制度を周知徹底していくことが必要であるというふうに考えます。

#36
○塩川委員 終わります。ありがとうございました。

#37
○高木委員長 次に、遠藤敬君。

#38
○遠藤(敬)委員 日本維新の会の遠藤敬でございます。
 本日は、川本参考人におかれましては、本当にお疲れさまでございます。
 何点かお伺いをいたします。
 まず、一点目でありますけれども、非効率な業務の見直しについてお伺いをいたします。
 新型コロナウイルスへの対応や相次ぐ自然災害への対応など、多くの分野で行政体制の拡充が求められていますが、しかし一方で、厳しい財政事情に鑑みれば、体制の純増は容易ではなく、行政全体に、不断の見直し、点検をし、柔軟な人員配置や、無駄な業務の徹底した見直しが必要である。
 我々国会も、行政の効率的な運営へ協力すべきであり、本年一月の議院運営委員会理事会では、政府職員や院の職員ができるだけ早く帰れるような配慮として、速やかな質問通告やオンラインレクの推進などについて各会派一致して、進めているところであります。
 候補者は、民間企業の社外取締役などを歴任されて、民間企業でのマネジメント事情にも広く精通されているとお聞きしますが、そうした運営、経験に照らして、現在の国家公務員の業務の見直しをどのように考えるか、あるいは、非効率であると考えているところがあるか、改善策とともに御所見をお伺いいたします。

#39
○川本参考人 お尋ねの件でありますが、例えば、紙がいまだたくさんコピーされていて、本当に全て必要なのかと感じたり、あと、儀礼的なことですね、辞令の交付とか、あるいは、新任御挨拶と赤字で押されたお名刺を持って御挨拶に回られたりとか、必要な部分もあるのかもしれませんけれども、本来の業務にどれほど意味があるのかと感じることがあります。
 人の労力と時間は有限であるという意識が徹底されていない中で、業務量と人員配置のバランスが考えられているのか、優先順位づけがなされているのか、疑問に思うこともありますし、最も課題が多いのは、政治情勢で仕方がない部分があるとはいうものの、業務の計画性の欠如が深刻に見えます。その意味では、質問通告の早期化は御英断だというふうに思います。
 各省庁でもオンラインワークが進みつつあると聞いておりますけれども、依然、登庁が重視されている職務も散見されるようです。一層の効率化が求められるというふうに思います。
 いずれにしましても、改善策は、合理的な思考、判断の下、組織として計画性を持って業務を組み立てる、優先順位づけをする、IT技術の活用を徹底することなどだと思っております。こういったことを進めることも人事評価で重視して、インセンティブとなることが第一歩かと存じます。

#40
○遠藤(敬)委員 大変重要なポイントを御指摘いただいて、我々も肝に銘じながら進めていくべきだと思いますし、もし就任されれば、どんどん言っていただいたら効率化が進むのではないかと、両筆頭、思いますよね。
 というところで、二点目にお伺いをしたいと思います。
 国家公務員の人事評価についてでありますが、国家公務員の世界には、いまだに、新卒採用、年功序列、終身雇用などの、よき人事制度と言われておりますが、いいか悪いか分かりませんが、色濃く残っております。
 本来、国家公務員の人事管理は、先ほども例に出されましたけれども、成績主義の原則であるにもかかわらず、実際には人事評価の基準が非常に定量的で、これが仕事の成果よりも仕事の量を重視する風土を生んでいると思われます。
 先週、内閣官房のコロナ室の職員が、報道にもありましたように、三百七十八時間の残業をしたことが明らかになりました。長時間労働の是正は急務であり、公務は特殊との言い訳に聞こえますが、能力や実績本位の人事評価が不可欠と考えます。先ほども触れられたことと重複しますが、改めて候補者にお伺いをしたいと思います。

#41
○川本参考人 人事評価がいかに適切に行われるかということは、組織運営の基本だというふうに思っております。
 組織の発展、衰退に関わる話でありまして、国家公務員制度においても、年次制ではなく、能力、実績に基づく人事評価制度が導入されて、人員配置、昇進管理、給与処遇の基礎となっていると伺っています。さらに、最近は、有識者会議で人事評価の改善に向けた検討がなされているというふうに理解をしています。
 ただし、人事評価改革が実際にどの程度進展しているのか、仮に人事官に着任することがあれば、詳しく調査をして、進展度合いやボトルネックを探りたいと思っております。
 この問題に関しては、組織人全員が人を適切に評価する能力を獲得して、評価は毎年多大なエネルギーと時間を注いで運営していくべき仕事です。今、全員というふうに申し上げましたのは、管理職でない個人も、自己認識能力を高める必要があるからであります。
 この評価基準をはっきりと具体的に定めて、個々人の達成目標を決めて、客観的な材料を持って評価する。一上司の評価のみならず、上司、部下、同僚からの三百六十度評価も材料の一つだと思いますし、長年にわたる客観的な評価データの管理も大切であると思いますし、評価者としての能力、私心を持たずに冷静に人を評価する能力があるのかどうかのトラックレコードも記録され、検証される必要があるというふうに思っております。

#42
○遠藤(敬)委員 ありがとうございます。
 是非、川本参考人には、先ほどの御指摘をどんどん言っていただいて、浄化作用、我々も共に頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 終わります。

#43
○高木委員長 次に、浅野哲君。

#44
○浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、川本参考人に一問お伺いいたしますが、川本参考人の経歴を拝見させていただいたところ、大変多くの職に現在まで就かれてこられた。今の時点で、大学の教壇に立たれたり、あるいは、多くの社外取締役の職に就いていらっしゃいます。
 今回、これを全て辞してこの人事官という職務になろうというお心をお持ちということなんですが、川本参考人にとって、それほど、今ある職を手放してまで人事官に就くということ、そこにどのような価値を見出したのか、是非御開陳いただければありがたいと思います。

#45
○川本参考人 国家公務員制度は、我が国の行政を支える非常に重要な制度であります。人事官は大変な重責であります。
 所信で申し上げましたように、私は、これまで、組織の運営とかマネジメントとか人事戦略に民間で関わってまいりまして、国家公安委員などの行政にも知見を得ておりました。これらの経験を踏まえつつ、微力を尽くせるかなというふうに思いました。
 また、第三者機関、中立、独立の立場でいかに貢献するのかは、政府の委員とかあるいは社外取締の立場で多く経験してまいりましたので、中立機関というのは説得力のある議論を展開できるのかということが一番大事なポイントだと思うんですけれども、それも生かせて、もし国に尽くせればというふうに思った次第でございます。

#46
○浅野委員 ありがとうございます。
 冒頭の所信の中で、参考人は、公務員制度は円滑な運営のための重要な基盤である、そして、そのための課題感として三つお述べになっていらっしゃいました。経営管理力の向上や時代に対応する力、国際性と開放性、重要なキーワードを我々も聞かせていただいたというふうに思っております。
 その一方で、今、コロナ禍の中にありますが、国家公務員のテレワーク導入というのは、民間と比べれば遅れている印象があります。そして、先ほどもありましたように、官僚の長時間労働というのも深刻化している実態が浮き彫りになっております。
 人事行政に関する国家公務員の利益の保護というのは人事院の重要な役割の一つでありますが、公務員の利益の保護に向けてどのような視座をお持ちか、是非お述べいただきたいと思います。

#47
○川本参考人 国家公務員の長時間労働の是正は、職員の健康確保やワーク・ライフ・バランスの推進、ひいては国家公務員への人材確保の観点からも、非常に重要だと認識しています。
 国家公務員の超過勤務縮減については、やはり政府全体で取り組まなければいけない問題、その必要がありまして、人事院としても、一昨年の四月に導入した超過勤務命令の上限規制措置の運用状況を把握し、必要に応じて各府省を指導していくなど、引き続き適切に役割を果たしていくことが求められるというふうに承知しております。
 既に、超過勤務命令の上限規制措置というのがなされているわけですから、ルールがありますので、ルールは守っていただくということが非常に大事なのではないかというふうに思っております。
 また、勤務時間、休暇、給与などの公務員の勤務条件については、民間の状況に準拠することを基本として決められるものと承知しておりまして、人事院は、民間法制の状況、民間の状況を踏まえつつ、長時間労働の是正や両立支援制度の拡充などの取組を順次進めてきていると思いますが、民間の様子もよく聞きながら、社会情勢の変化に的確に対応しつつ、適正な勤務条件の確保に全力で取り組む必要があるというふうに思っております。

#48
○浅野委員 ありがとうございます。
 今触れていただきました、人事院規則の中で、勤務時間の上限に関する規定、私も拝見をさせていただきました。これも、まずは守ることが大事だと思いますけれども、人事院の方には、これの妥当性や、これからの働き方の変化に応じた、その内容の引き続きの改善というものは是非不断に行っていただきたいというふうに私は思っております。
 また、先ほどからの川本参考人の発言を聞いておりますと、非常に、民間感覚といいましょうか、民間の企業では当たり前のガバナンス、やり方というものをこれから政府の中に持ち込んでいただき、それをしっかりと発信していただけるような印象を持っておりますが、是非そこは私は個人的には期待をしたいと思っているところであります。
 最後になりますが、公務員制度、コロナを乗り越えたその先、先ほども民間採用等の話もありましたが、人事制度、処遇制度、働き方、今も少し触れていただきましたけれども、女性活躍も含めて、最後に川本参考人の思いをお伺いして、終わりたいと思います。

#49
○川本参考人 国家公務員は、国民全体の奉仕者として、使命感に燃え、気概があり、エネルギーを持っている方たちが応募していらっしゃると思うんですね。高い専門性と高い倫理観と市民感覚も必要であるわけでありますので、その方たちがやりがいや可能性などを感じられるような職場に、ですので、長時間労働などというものを是正し、若者にとって魅力のある、働いていて魅力のある、持続可能であるような組織というものをつくっていくということをポリシーとしてやってまいりたいというふうに思っております。

#50
○浅野委員 終わります。ありがとうございました。

#51
○高木委員長 これにて各会派を代表する委員の質疑は終了いたしました。
 これより自由質疑を行います。
 質疑される方は、挙手の上、委員長の許可を得て発言されるようお願いいたします。
 また、発言の際は、所属会派及び氏名をお述べいただき、一人一問一分以内としていただきますようお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。

#52
○小川委員 立憲民主党の小川淳也と申します。
 今日は、御出席ありがとうございます。
 非常に豊かな御経歴、御経験、そして自らの実績や御功績に対する強い自負を感じる御答弁でございました。特に、企業統治やいわゆるコーポレートガバナンス、そして金融ビジネス、こういった分野に造詣が深いということも理解をいたしました。
 その上で、ちょっとお聞きしたいんですが、人事行政の前提となる国家観についてお聞きします。
 つまり、企業統治、企業経営と国家統治、国家経営は同じなのか、違うのかということです。
 発言機会が一回ですので、ちょっと私の考えを先に申し上げて、お考えをお聞きしますが、企業経営は個別の生存戦略なんですね。だから、合理化とか効率化とかとなじみやすいんです。国家経営は全体の生存戦略なので、国民を効率化したり、国民を合理化したり、国民をリストラしたりできません。そういう前提の上に立って人事行政の組立てを御考察いただきたいという希望を持ってのお尋ねですので、御答弁をお願いしたいと思います。

#53
○川本参考人 民間は、貴重な資本を元にリターンを求めることで成立しています。その規律は、税とか資本市場とか金融市場の規律でありまして、特に大きな規律は、結果を厳格に問われて、失敗すれば続けられないということでありますので、今御指摘のように、個別の生存戦略ということに当てはまるんだと思うんですね。
 官は、民主主義に基づいた運営で、税金を元に、国民全体の奉仕者として運営されるので、規律は公務員としての規律というものが一番大事なものであります。ただ、納税者は政府の事業をチェックしにくいので、事業の評価は非常に難しくて、長期的視点に立っている場合も多いですが、それが、ともすれば無責任体制になります。ですので、民も官も、民と官と違いはありますけれども、リーダーの高潔さとか個々人の規律が大事なことに変わりはありません。公務員の場合には、身分が保障されている分、国家公務員はより襟を正さなければならないというふうに思っております。
 また、昨今は、ESG、エンバイロンメント・ソーシャル・ガバナンスへの関心も高くて、企業が社会的な課題解決を事業領域の中で取り組んでいて、パブリックの分野の担い手が増えているということにも注目したいというふうに思っております。

#54
○高木委員長 発言の際は、所属会派及び氏名を述べてください。

#55
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。先ほどの質問に重ねてお尋ねをいたします。
 人事院が所管をします官民人事交流法におきましては、出身元企業に身分を置いたまま公務員として勤務をする形態が可能となっています。ただ、その際に、公務の公正性を確保する観点から、出身元企業では仕事はしません、出身元企業から給与補填は受けません、こういうことをルールにしております。
 しかし、この間、官邸などで増えている非常勤の国家公務員として民間企業の方がお勤めになる場合には、この規定が当てはまらない。
 そうしますと、非常勤国家公務員で、年間二百五十万円ぐらいもらったとしても、残りの部分についてはそれより多い金額を出身元の企業から受け取る、そうなりますと、仕事の従事も可能となった場合に、誰のために仕事をしているのかという公務の公正性に疑念が生じる事態があるんじゃないのか。
 官民人事交流法との対比でも、こういった非常勤の国家公務員の、出身元企業に身分を置いたままの勤務の在り方について、何らかの公正性確保のルールが必要ではないかと思うんですが、この点、いかがでしょうか。

#56
○川本参考人 非常勤職員についても、公務の公正性の確保に留意する必要があることは言うまでもありません。
 兼業についての規制がないことから、兼業として民間企業の業務に従事した場合、その勤務の対価としての給与を受け取ることがあり得るのではないかと考えております。
 なお、非常勤職員については、勤務時間等において常勤職員との性格に違いがあることから、兼業などの取扱いについて違いが生じているのではないかと認識しております。

#57
○盛山委員 自民党の盛山正仁です。
 川本参考人が人事官の候補者に手を挙げられたということに、まず敬意を表します。
 私は、大分以前、OECDというところに派遣をされたことがあります。まだ、日本では、当時、土曜日は半ドンといって、土曜日も働いておりました。そんな中、完全週休二日で、そして有給休暇年間二十日間、これを全て消化するというのがルールでございました。ちゃんとそういうことを、有休を取らせないというのは管理職としての管理能力が問われる、そういうような状況でした。男女は平等であり、そして、九時から六時でしたが、ぴたりと終わる、そういうような労働環境に私は大変驚きました。
 そして、二年たって日本に帰るときに、何でそんな労働環境の悪い日本に帰るんだ、こう言われました。こちらは、余りそういう問題意識なく戻ってきたわけでございます。
 それでも、海外の公務員に比べて日本の公務員の能力は高かった、あるいは、そういうような公務員に対して、志望する人が多かったと思います。ヨーロッパやアメリカやアジア、そういうようなところと比べても、十分、あるいはそれ以上に能力が高かったと思うんですが、最近、ちょっとその状況が変わりつつあるのではないかということが懸念されてなりません。
 私の年齢よりもう少し上の方の場合には、民間になかなか女性がお勤めになれないということで、厚生省や文部省が中心であったと思いますが、女性の方が多く入って御活躍をされました。
 そういうことも含めて、大事な公務を担う公務員、こういうレベルを引き続き高く確保できるように、また、昔のように公務員が民間の方々のお手本になれるような、そういうような人事制度、人事の在り方、そういうことを、川本様の広い御経験、こういったものを是非生かしていただきたいと考えておりますが、それに対して川本参考人の御所見を伺えれば幸いでございます。

#58
○川本参考人 これまでも申し上げましたように、やはり、公務というのは大変魅力がある、やりがいのある仕事だと思いますけれども、現在、競争的な採用市場において、なかなか公務員志望者が増えていない、現実としては減っているわけですけれども、といいますのは、やはり、非常に職場環境が厳しい、長時間労働というようなことがあるかと思いますので、それは是非に直していかなければいけないと思います。
 さらに、研修というようなものも増やすとともに、民間との交流人事というものでアップデートをしていく。公務員の方たちが民間に出向する、民間から出向者を、ルールをきちんと定めた上で来ていただいて、互いに最先端の技術、やり方というようなものをお互いに学んでいって、国が繁栄していくように尽くすというような形態になっていけばよいなというふうに思っております。

#59
○高木委員長 よろしいですか。
 それでは、これにて川本参考人の所信に対する質疑は終了いたしました。
 川本参考人、ありがとうございました。
 以上をもちまして人事官の候補者からの所信聴取及び所信に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――

#60
○高木委員長 次に、次回の本会議の件についてでありますが、次回の本会議は、明十二日金曜日午後一時から開会することといたします。
 また、同日午前十一時理事会、正午から委員会を開会いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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