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2021/03/09 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第1号 令和3年3月9日
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2021/03/09 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第1号 令和3年3月9日

#1
令和三年三月九日(火曜日)
   午後零時一分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         長峯  誠君
    理 事         佐藤 正久君
    理 事         三宅 伸吾君
    理 事         小西 洋之君
    理 事         三浦 信祐君
    理 事         井上 哲士君
                宇都 隆史君
                北村 経夫君
                武見 敬三君
                中曽根弘文君
                中西  哲君
                松川 るい君
                山田  宏君
                白  眞勲君
                福山 哲郎君
                山口那津男君
                浅田  均君
                鈴木 宗男君
                大塚 耕平君
                伊波 洋一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         長峯  誠君
    理 事
                佐藤 正久君
                三宅 伸吾君
                小西 洋之君
                三浦 信祐君
                井上 哲士君
    委 員
                宇都 隆史君
                北村 経夫君
                武見 敬三君
                中曽根弘文君
                中西  哲君
                松川 るい君
                山田  宏君
                白  眞勲君
                福山 哲郎君
                山口那津男君
                浅田  均君
                鈴木 宗男君
                大塚 耕平君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     茂木 敏充君
       防衛大臣     岸  信夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        神田  茂君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (外交の基本方針に関する件)
 (国の防衛の基本方針に関する件)
    ─────────────

#2
○委員長(長峯誠君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 議事に先立ち、一言申し上げます。
 本委員会委員羽田雄一郎君は、昨年十二月二十七日、逝去されました。誠に哀悼痛惜に堪えません。
 ここに、謹んで哀悼の意を表し、皆様とともに黙祷をささげたいと存じます。
 どうぞ御起立願います。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕

#3
○委員長(長峯誠君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ─────────────

#4
○委員長(長峯誠君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、外交、防衛等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○委員長(長峯誠君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#6
○委員長(長峯誠君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 まず、外務大臣から外交の基本方針について所信を聴取いたします。茂木外務大臣。

#7
○国務大臣(茂木敏充君) 外交防衛委員会の開催に当たり、長峯委員長を始め、理事、委員各位に御挨拶申し上げるとともに、外交政策の所信について申し述べます。
 まず、新型コロナへの対応について申し上げます。これまで外務省としても、新型コロナの世界的拡大の状況を分析しつつ、百一か国・地域からの一万二千名を超える邦人の出国・帰国支援を始め、様々な対策を講じてきました。引き続き、感染症危険情報を始めとする関連情報のきめ細かな発出や水際対策の強化、在外邦人の安全確保に万全を期します。
 次に、直近の外交課題について、ミャンマー情勢について申し上げます。二月一日、ミャンマーにおいて国軍によるクーデターが発生し、各地のデモにおいて、発砲を含む治安部隊の実力行使によって多数の民間人が死傷し、拘束者が発生している事態を強く懸念しています。国際社会の度重なる呼びかけにもかかわらず、民間人に対する暴力が継続されていることを強く非難します。我が国として、民間人に対する暴力的対応の即時停止、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問を始め拘束されている人々の解放、民主的な政治体制の早期回復をミャンマー軍に対して引き続き強く求めていきます。また、在留邦人の安全確保に引き続きしっかりと取り組んでいきます。
 外交政策全般については、七つの分野に焦点を当て、包容力と力強さを兼ね備えた外交をより一層、戦略的に展開します。
 第一に、日米同盟の強化です。地域の安全保障環境が厳しさを増す中、バイデン政権との間で、我が国の外交・安全保障の基盤である日米同盟をより一層強化していきます。新型コロナ対策や気候変動問題といった国際社会共通の課題についても、日米で緊密に連携していきます。先般署名した在日米軍駐留経費負担に係る特別協定の改正議定書は、現行特別協定を一年間延長するものであり、在日米軍の円滑かつ効果的な活動及び安定的な駐留を確保する上で重要な役割を果たすものです。現行特別協定が本年三月末で失効することも踏まえ、今国会での御審議をよろしくお願い申し上げます。また、普天間飛行場の一日も早い辺野古移設を始め、地元の負担軽減にも全力を尽くします。
 第二に、我が国が提唱してきた自由で開かれたインド太平洋の実現です。今や多くの国がこの考えを共有しており、ポストコロナに向けて、その意義、重要性はますます高まっています。二国間や日米豪印を含む様々な対話の機会を捉え、米国を始め、考え方を共有する豪州、インド、ASEAN、さらに、欧州、中東、アフリカの国々とも自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携、協力を進めていきます。
 第三に、近隣諸国との外交に、明確な基本方針の下、積極的に取り組みます。
 中国との安定した関係は、両国のみならず、地域及び国際社会の平和と繁栄のために重要です。中国との間には様々な懸案が存在していますが、引き続き、主張すべきはしっかりと主張し、懸案を一つ一つ解決し、また中国側の責任ある行動を強く求めていきます。
 特に、尖閣諸島周辺の我が国領海で独自の主張をする海警船舶の活動は、国際法違反であり、断じて認められません。そのような中、先般施行された中国海警法は、国際法との整合性の観点から問題がある規定を含むものであり、これにより我が国を含む関係国の正当な権益が損なわれることがあってはなりません。今後とも日本の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意の下、冷静に、かつ毅然と対処していきます。南シナ海をめぐる問題についても、緊張を高めるいかなる行為にも強く反対し、力や威圧によらず、国際法に基づき問題を平和的に解決することが重要であると改めて強調していきます。
 韓国は重要な隣国であり、北朝鮮への対応を始め、地域の安定には日韓、日米韓の連携が不可欠です。しかし、最近の日韓関係は、旧朝鮮半島出身労働者問題や慰安婦問題などにより、非常に厳しい状況に陥っています。特に、先般の元慰安婦等による対日訴訟判決については、国際法上も、二国間関係上も、到底考えられない、異常な事態が発生したと極めて遺憾に捉えています。政府として、日本の一貫した立場に基づき、今後とも韓国側に適切な対応を強く求めていきます。また、竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も日本固有の領土であり、この基本的な立場に基づき、冷静に、かつ毅然と対応していきます。
 ロシアとは、政治、経済、人的交流等、幅広い分野で日ロ関係全体を発展させていく考えです。平和条約締結交渉については、二〇一八年のシンガポールでの首脳間のやり取りをしっかりと引き継ぎ、領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針の下、交渉責任者として粘り強く交渉に取り組んでいきます。
 第四に、北朝鮮をめぐる諸懸案への対応です。日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を目指すという基本方針に全く変わりはありません。今後とも、日米、日米韓で緊密に連携し、中国、ロシアを含む国際社会とも協力しながら、関連する国連安保理決議の完全な履行を進め、朝鮮半島の非核化を目指します。また、政権の最重要課題である拉致問題の早期解決に全力で取り組みます。
 第五に、中東情勢への対応です。中東の平和と安定は、原油輸入の約九割をこの地域に依存する日本の国益に直結します。引き続き、中東の緊張緩和と情勢の安定化のために、多方面に信頼関係を有する日本の立場も生かし、粘り強い外交努力を続けていきます。
 第六として、経済外交の分野で新たなルール作りに向けた国際的取組を主導します。
 世界で保護主義や内向き志向が強まる中、自由で公正な経済圏の拡大や、ルールに基づく多角的貿易体制の維持強化が更に重要になっています。我が国はこれまでもこうした取組を主導してきており、先般署名したRCEP協定について、今国会での御審議をよろしくお願い申し上げます。また、ポストコロナで重要性が増すデジタル分野でのルール作りや、新事務局長が任命されたWTOの改革を主導します。経済安全保障の確保にも積極的に取り組んでいきます。さらに、本年は東日本大震災から十年の節目に当たることからも、日本産食品への輸入規制措置の撤廃と風評の払拭に引き続き全力で取り組みます。
 最後に、地球規模課題への対応です。
 我が国として、人間の安全保障の理念に立脚し、地球規模課題への取組を加速します。特に気候変動問題は、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、本年のCOP26を含め、国際社会の取組をリードしていきます。同時に、ワクチンへの公平なアクセスの確保や医療体制が脆弱な途上国への支援といった保健分野での国際的取組、海洋プラスチックごみ、人権、難民・避難民、女性の参画、防災など、SDGs達成に向けた諸課題にも積極的に取り組みます。また、来年のTICAD8に向け、アフリカ自身が主導する発展を力強く後押しをします。
 さらに、核兵器不拡散条約(NPT)体制の維持強化、国連安保理改革、国際機関の日本人職員増加にも取り組み、二〇二二年安保理非常任理事国選挙での当選を目指します。また、三月七日から開催されている京都コングレス開催等を通じて、司法分野での国際的な議論に積極的に貢献していきます。
 以上の諸課題について、着実に具体的な成果を上げるため、在外公館の数と質、両面の強化を含めた外交実施体制の強化と戦略的な対外発信に取り組みます。また、日系人社会との連携にも努めます。
 我が国としてポストコロナの新たな秩序、ルール作りに向けた国際的な取組で主導力を発揮する中で、国際社会における存在感、プレゼンスを更に高める一年とすべく、責任感と使命感を持って全力で取り組む決意です。
 長峯委員長を始め、理事、委員各位の御指導と御理解を心からお願い申し上げます。

#8
○委員長(長峯誠君) 次に、防衛大臣から国の防衛の基本方針について所信を聴取いたします。岸防衛大臣。

#9
○国務大臣(岸信夫君) 防衛大臣の岸信夫でございます。
 本日は、長峯委員長を始め、理事及び委員の皆様に、防衛大臣としての所信を申し上げます。
 我が国を取り巻く安全保障環境は、国際社会のパワーバランスが大きく変化しつつある中、厳しさと不確実性を増しております。
 中国は、透明性を欠いたまま継続的に高い水準で国防費を増加させ、軍事力を広範かつ急速に強化し、周辺海空域等における活動を拡大、活発化させております。東シナ海においては、我が国の抗議にもかかわらず、中国海警局に所属する船舶が尖閣諸島周辺の我が国領海への侵入を繰り返しています。海警船舶によるこのような活動は国際法違反であり、断じて受け入れることはできません。このような中、本年二月に施行された中国海警法については、国際法との整合性の観点から問題がある規定を含んでおり、我が国を含む関係国の正当な権益を損なうことがあってはならないと考えております。防衛当局としても、こうした強い懸念を中国側に対し、引き続き、しっかり伝えていくとともに、関係国との連携を図ってまいります。
 北朝鮮は、本年一月、五年ぶりとなる朝鮮労働党大会を開催し、その中で金正恩委員長は、核戦争抑止力の強化等、軍事力の強化に言及しました。
 依然として、我が国を射程に収める弾道ミサイルを数百発保有している状況に変わりはなく、弾道ミサイル等を相次いで発射することで、弾道ミサイルを含め、関連技術や運用能力の向上を図っていると認識しています。このような活動は、我が国として断じて看過できるものではなく、国際社会全体にとっても深刻な課題です。そして、ますます手法を巧妙化させながら、国連安保理決議違反の瀬取りを含む違法な海上活動を継続しております。
 防衛省・自衛隊としては、今後とも引き続き、国民の生命、財産及び我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの方針の下、冷静かつ毅然と対応してまいります。
 また、ゲームチェンジャーとなり得る最先端技術の開発に各国が注力するなど、テクノロジーの深化が安全保障の在り方を根本的に変えようとしています。
 このような環境の下、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、防衛大綱及び中期防に基づき、以下の施策を推進してまいります。
 まず、我が国自身の防衛体制の強化について申し上げます。
 防衛力は、我が国の安全保障の根幹であり、これを最終的に担保するものです。領土、領海、領空を主体的、自主的な努力によって守る体制を抜本的に強化する必要があります。
 その際、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域での優位性確保は死活的に重要となっています。この宇宙、サイバー、電磁波を含む全ての領域の能力を有機的に融合させる領域横断作戦を行うことができ、また、平時から有事までのあらゆる段階において、柔軟かつ戦略的な活動を常時継続的に実施できる、真に実効的な防衛力である多次元統合防衛力を構築してまいります。その際、防衛力の中核である自衛隊員の人材確保と能力、士気の向上による人的基盤の強化や、軍事技術の進展も踏まえた技術基盤の強化、さらには、装備品の生産、運用、維持整備に必要不可欠な産業基盤の強化といった防衛力の中心的な構成要素の強化にも努めてまいります。
 また、イージス・アショア代替としては、昨年末にイージスシステム搭載艦二隻を整備し、これを海上自衛隊が保持することとしました。
 イージスシステム搭載艦の運用構想や付加する機能及び設計上の工夫などを含む詳細について、引き続き検討を進めてまいります。
 また、抑止力の強化について、引き続き政府内で検討を行ってまいります。
 次に、日米同盟の強化について申し上げます。
 本年一月二十日、バイデン政権が発足し、二十四日にはオースティン国防長官と初めての電話会談を実施しました。国防長官就任直後のタイミングでの電話会談は、バイデン政権の日米同盟を重視する姿勢の表れだと考えています。会談では、自由で開かれたインド太平洋の維持強化、尖閣諸島に対する安保条約第五条の適用、北朝鮮のCVIDに向けた連携など、有意義な意見交換ができたと考えています。日米同盟は我が国の安全保障の基軸であり、バイデン政権との間でも、様々な分野において両国の協力を深め、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化してまいります。
 同時に、地元の基地負担の軽減にも引き続き取り組んでまいります。特に沖縄については、基地の負担軽減を目に見える形で実現するという政府の取組について、沖縄の皆様の御理解、御協力が得られるように丁寧に御説明をし、普天間飛行場の一日も早い全面返還などに全力で取り組んでまいります。
 続いて、安全保障協力の推進について申し上げます。
 自由で開かれたインド太平洋というビジョンを踏まえ、地域の特性や相手国の実情を考慮しながら、戦略対話、共同訓練、能力構築支援、防衛装備・技術協力等の手段を活用し、普遍的価値や安全保障上の利益を共有する国々と緊密に連携しつつ、戦略的な安全保障協力を推進してまいります。
 具体的には、豪州やインド、英、仏などの欧州諸国といったパートナー国との協力を一層強化しながら、ASEAN諸国や南アジア諸国、太平洋島嶼国との防衛協力・交流に取り組み、これらの地域全体の安定と繁栄に貢献してまいります。同時に、グローバルな安全保障上の課題について、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動、エジプト・イスラエル間の停戦監視活動等を行う多国籍部隊・監視団及び南スーダンPKOへの司令部要員の派遣など、国際社会の平和と安定のための取組を推進してまいります。また、日本関係船舶の安全確保のための情報収集活動にも万全を期してまいります。
 最後に、国会提出法案について申し上げます。
 防衛省設置法等の一部を改正する法律案は、自衛隊の任務の円滑な遂行を図るため、自衛官の定数の変更及び日本国の自衛隊とインド軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とインド共和国政府との間の協定に関する規定の整備等を行うものでございます。
 委員各位におかれましては、御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
 以上申し述べましたように、防衛省・自衛隊が直面する課題は山積しており、私は、防衛大臣として、こうした課題に全力で取り組んでまいる所存です。
 長峯委員長を始め、理事及び委員の皆様におかれましては、一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

#10
○委員長(長峯誠君) 以上で所信の聴取は終了いたしました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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