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2021/02/17 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第2号 令和3年2月17日
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2021/02/17 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第2号 令和3年2月17日

#1
令和三年二月十七日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         芝  博一君
    理 事
                豊田 俊郎君
                三宅 伸吾君
                山田 太郎君
                牧山ひろえ君
                杉  久武君
                高木かおり君
                伊藤 孝恵君
                岩渕  友君
    委 員
                足立 敏之君
                小川 克巳君
                島村  大君
                高橋 克法君
                堂故  茂君
                羽生田 俊君
                藤川 政人君
                山田 俊男君
                和田 政宗君
                石垣のりこ君
                勝部 賢志君
                塩田 博昭君
                下野 六太君
                梅村みずほ君
                大塚 耕平君
                浜田  聡君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        塚本 禎宏君
   参考人
       特定非営利活動
       法人移住者と連
       帯する全国ネッ
       トワーク代表理
       事        鳥井 一平君
       特定非営利活動
       法人青少年自立
       援助センター定
       住外国人支援事
       業部責任者    田中 宝紀君
       弁護士      指宿 昭一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国民生活・経済に関する調査
 (「誰もが安心できる社会の実現」のうち、困
 難を抱える人々への対応(外国人をめぐる課題
 )について)
    ─────────────

#2
○会長(芝博一君) それでは、ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会をいたします。
 国民生活・経済に関する調査を議題といたします。
 本日は、「誰もが安心できる社会の実現」のうち、「困難を抱える人々への対応」に関し、「外国人をめぐる課題」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
 本日御出席をいただいております参考人は、特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワーク代表理事鳥井一平参考人、続いて特定非営利活動法人青少年自立援助センター定住外国人支援事業部責任者田中宝紀参考人及び弁護士指宿昭一参考人でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、大変御多忙のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を伺いまして、今後の調査の参考にしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、鳥井参考人、そして田中参考人、並びに指宿参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までをめどに質疑を行いますので、御協力をよろしくお願い申し上げます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず最初に鳥井参考人からお願いをいたします。鳥井参考人。

#3
○参考人(鳥井一平君) 鳥井です。ただいま御紹介にあずかりました移住者と連帯する全国ネットワーク、移住連と略称申しますけれども、代表理事をしております鳥井と申します。今日は、このような場所で意見といいますか私の考えを述べさせていただくことを非常に有り難く思います。(資料映写)
 私、実は、衆議院の法務委員会では、二〇〇九年の入管法改正以降、その入管法に関わる、あるいは外国人技能実習制度に関わる審議の際に四回ほど参考人として意見陳述させていただいておりますけれども、今回は、二〇一八年の入管法改正以降、ある意味でいいますと、非常に外国人労働者の受入れ拡大に伴う総合的共生政策ということが議論されるようになり、メディアでも多く取り上げられるようになりました。そういった意味でも、本調査会でこのようなヒアリング、私どもに対してしていただけること、重ねて感謝申し上げたいなというふうに思います。
 ところで、皆さん、私ちょっと先生方に一言前置きさせていただきますと、ちょっと厄介なスピーカーで、早口で滑舌が悪いと。速記者の本当に悩ませる、通訳者だとか記録者を悩ませてしまうんですね。それで、実は早い段階からこのパワポというのを、もう本当にパワポができたとき、実はその前のOHP時代からそれをカバーするために、これを見ていただくと大体何をしゃべっているのか、ああ、大体あんなことしゃべっているなということが分かっていただけるかなというふうに思っております。
 私は研究者や法律家でもありません。そういう意味でいいますと、現場で見聞きし、あるいは交流してきた、経験してきたことを中心にして、そのことを基にしてお話をさせていただいております。ただ、データを軽視することは決してよくありません。経験主義ではいけませんので、データと照らし合わせながら、そのようなことを、活動を三十年やってまいりました。
 一九九〇年にニューカマーの人たちと初めて交流し、その課題に取り組んでからやってまいりましたので、この三十年間の思いをどの程度伝えることができるのかちょっと不安はありますけれども、限られた時間、精いっぱいお話をさせていただきたいなと思っています。
 では、早速、時間もあれですから。私は、今日、困難を抱える人々の対応の、困難を抱える人々ということでいいますと、外国籍住民、外国人労働者、移民、このようなことになると思いますけれども、全般的なお話を少しさせていただきます。この後、お二人の参考人の方が具体的なことをいろいろお話をしていただけると思いますし、全般的なことについて少しお話しします。
 フィクションによる移民政策が社会にゆがみをつくり出す、結構強い言葉言うなという感じだと思いますけれども、このフィクションについて少しお話をしたいと思います。
 私ども移住連は、背景ここに書いてあります、皆さんにお配りしております資料にもありますから、ざっと触れていきますけれども、移住連は一九九七年に結成されて、NPO法人、特定非営利活動法人化したのは二〇一五年です。今現在、団体で百五、個人で五百名を超える会員の中で、それに支えられて、あるいは連携して、ネットワークをして活動しています。
 ですから、組織は、移住連の組織ですけれども、こういうふうにいわゆるネットワーキングになっておりますから、ネットワーク組織なんですね。で、サブネットワークというのを持っておりまして、例えば生活全般でいいますと社会保障の課題、あるいは女性の問題、DVだとかそういう問題だとか、あるいは教育の問題、あるいは技能実習生の問題だとか、そういうサブネットワークをつくりながらネットワーキング活動をしております。
 活動としましては、市民社会からいろんな、市民社会に対する働きかけ、あるいは市民社会からの発信ということで、国会へのロビー活動だとかそういうものをやっておりますし、国際的な連携といいますか、国連を中心としたロビー活動も行っております。そして、様々な地域での取組、こういうものを行っているわけです。
 私は、ちょっと自分の宣伝になってしまいますけれども、先ほど申し上げましたように、特にニューカマーの人たちの問題ということでいいますと、一九九〇年からこの問題に取り組み始めて、そして二〇〇〇年から本格的に技能実習生の支援ということをやってまいりました。これまでたくさんの外国籍の労働者、あるいはその家族と一緒になって、今のこの社会における課題と向き合ってやってまいりました。
 二〇一三年に、アメリカ国務省が毎年選出しています、人身売買と闘うヒーローというのを選出しているんですけれども、その二〇一三年に選出されました。これはワシントンのアメリカ国務省での表彰式の写真です。そしてまた、先ほど申し上げましたように、今メディアでも多く取り上げられるようになったものですから、NHKの「プロフェッショナル」に私が出演するということで、これをきっかけにしていろんな連帯、ネットワークもまた増えております。
 私は、移住連の代表理事と言いましたけれども、労働組合としては個人加盟の労働組合のいわゆるオルグですね、書記長を長くやっておりましたけれども、書記長だとか代表理事というよりも自分ではオルグというふうに言っていますけれども、まあオーガナイザーですね。だから、そういうことをずっと活動をやってきたということだと思っています。
 また、人身売買禁止としては、人身売買禁止全国ネットワーク、JNATIPといいますけれども、これ、省庁との円卓会議の中で人身売買の根絶ということを取組をしております。
 移住連は、政策提言をこのように出しています。また出版物、ブックレットということで様々な出版物を出しています。
 ホームページはこのようになっていますので、是非一度御覧いただければと思います。
 そして、昨年はこの新型コロナ移民・難民緊急支援基金と、今日のテーマと直接的に関係していますけれども、コロナ禍の中で定額給付金がやっぱり給付対象から外れてしまう人、こういう人たちが非常に生活困難になるという中でどうしようかということで、とにかく現金給付だということで、一人三万円ずつの現金給付を行うということを行ったわけですね。このことが、個々人一人一人に渡すわけにもいかないので、やっぱりネットワーキングですから、支援団体を通じて、困難な人々に対してそのことが直接的にリーチできないかということで取組を行いました。
 結果的には非常に多くの寄附が集められて、五千万円近いお金が集まりました。それをほぼ全額困難な人々に対して給付をするということをやったわけです。全体で四千九百万、支援していただいた人たちは千六百四十五人ということで、たくさんの寄附をしていただきました。
 さて、ここから、今日の課題についてのお話をしていきます。
 まず、これは当たり前のことのようですけれども、まず皆さんと一緒に確認をさせていただきたいのは、日本における外国人、外国人という言い方をした場合に二つの大きなカテゴリーに分かれると。オールドカマーというカテゴリーとニューカマーというカテゴリーですね。
 オールドカマーというカテゴリーについては、旧植民地出身者とその子孫と書きましたけれども、やはり私どもは戦争を経験していますけれども、戦争を前後して無理やり連れてきた、あるいは来ざるを得なかった人たち、今の国籍でいいますと韓国、朝鮮、中国、台湾出身者ということになろうかと思いますが、この方々は、もう第五世代といいますか、非常に長くこの日本社会で生活しているわけですね。
 そしてもう一つが、ニューカマーというカテゴリーです。ニューカマーは、一九八〇年代以降、日本のバブル経済を背景にしてダイナミズムをもたらした人たちです。で、現在に至っているわけですよね。このニューカマーの人たち、一九八〇年代から九〇年初頭まではほとんどオーバーステイの人たちです。
 オーバーステイというと、何か不法就労どうなんだと、非正規滞在。でも当時は、それは全くお構いなしでした。たまに、気の利いたという言い方をしますけれども、警察官が職務質問をして交番に連れていくと、その外国人労働者が働いていた工場から社長さんが走っていって、今捕まえられると工場止まっちゃうと言ったら、ああそうですかといって戻ったんですよ。そんなこと、当たり前のようにして起きていました。
 今、ここ、日本における外国人というところに英語が付いています。マイグランツ・イン・ジャパンと書いておりますよね。フォーリナーとは書いていないんですね。これ、今日本にいる人たちをフォーリナーという言い方をした場合に、非常に英語圏の人たちがその実態をつかみにくいといいますか、私も、だから言葉でごまかしています、マイグランツ・イン・ジャパンと。だから、この外国人という言葉にも少し問題があるというふうに私は認識しております。
 皆さんも御案内のとおり、一番直近のところで二百八十八万、一昨年の十二月で二百九十三万人を超えましたが、コロナの関係で二百八十八万五千というのが二〇二〇年六月での数字データが出ております。このグラフ見てもらったら分かりますように、八〇年から、後半からぐぐっと伸びていくんですね。それまではほぼオールドカマーの世界でしたけれども、それ以降、いわゆるニューカマーの人たちがぐっと伸びたということです。
 国籍は、中国、韓国、ベトナム。オールドカマーの以前は韓国、朝鮮が一番で中国ということだったんですけれども、ニューカマーの時代から中国が一番になって、直近では、ここのところではベトナムが増えていますよね。フィリピンが第三位だったんですけれども、それを超えてベトナムが第三位になっていると。
 外国人労働者といった場合には、移住労働者、外国人労働者といえばどういうことになるかというと、日本の場合には在留資格ごとに分かれるわけですよね。つまり、どういうことを申し上げておりますかといいますと、就労ビザというのは存在しないということです、日本は。いわゆる就労ビザ、労働ビザじゃなくて、就労できる在留資格、つまり職種ごとの在留資格になっているということですね。それで、どんな仕事でもできる人というのは日系労働者、配偶者、永住者という身分に基づく在留資格。そして、技能実習生もやはり職種ごと、まあ非正規滞在、オーバーステイの人たちもいろんな仕事やっています。
 そして、日本の場合には労働法が適用されない労働者というのが存在するわけです。それはどういう人かというと、これは括弧付きで研修生と書きました。これ今は違いますから、これ誤解のないようにお願いいたします。以前の研修生ですね、二〇一〇年までの。そして、家事労働者、興行。
 日本はILO条約批准しておりませんから、家事労働者には労働法が適用されません。じゃ、家事支援労働者は何か。最近、何か家事支援労働者というのがあるよというふうに御指摘され、あると思いますけれども、家事支援労働者は派遣労働者なんですね。ですから、労働法の適用があります。
 そして、悪名高い興行です、エンターテイナー。悪名高いと申し上げているのは、非常に国際社会から厳しい批判を受けました。エンターテイナーということで、シンガー、ダンサーで歓楽街で働かせると、ホステスあるいは性産業で働かせるということをやってきたわけですね。現在、これは、興行は激減していますけど、それでも一定数いますね。
 それから、難民、難民申請中。日本の場合は、難民といいましても非常に少ないですから、難民申請中ですね、特定活動という在留資格。
 そして、留学です。これ、当たり前のように労働者のカテゴリーに留学というふうに書いておりますけど、変な話なんですね。留学というのが外国人労働者のカテゴリーに入っているということをこの社会はやってしまっているわけです。欧米では、あるいは世界中どこを見ても、留学生が労働者のカテゴリーという考え方はないと思います。これは日本だけだと思いますね。
 そして、最近は特定技能一号、二号、そして建設・造船就労者、家事支援労働者、介護ということになろうかと思います。
 ですから、全般的には、オーバーステイの容認政策、先ほど申し上げましたけれども、これを取っていたんですね、バブル経済のときには。もうどうしようもない、人手が足りないと、全く足りないと。その後、何を考えたかというと、日系ビザの導入をしたわけです。つまり、帰ってきてもらおうという政策だというふうに当時の入管局長の方が吐露されていますけれども、そういう政策を取った。しかし、それでも定住をしてしまうと。これはまずいなということで、外国人技能実習制度の拡大ということを二〇一〇年で本格的にかじを切りました。そして、今ということになっているわけですね。この技能実習制度でできないところは、その隙間は難民申請や留学、家族滞在で補完してきたわけです。
 その技能実習制度については、どうして人身売買、奴隷労働と言われるのか。
 これ、外国人技能実習制度については、国際社会から厳しい批判があるわけですね。それはなぜかというと、相次ぐ不正行為、人権侵害。これは後ほど詳しく指摘されると思いますけれども、時給三百円と強制帰国という象徴的な言葉があります。
 このことについては、残念ながら、日本の公的な機関ではなくて、国際社会からの指摘なんですね。一番最初の指摘が、アメリカ国務省の人身売買年次報告書の二〇〇七年版で指摘されました。以降、昨年までずっと毎年指摘されていますし、国連の人権を取り扱うところでは、この制度については非常に有名です。
 そういうことをやっているのは一体どういうことなのかということですね。これ一つの新聞記事ですけれども、難民申請、働くためというのがありますね。今先ほど申し上げましたように、難民申請中に特定活動ということで働くことができると。指定書というのがあるんですけれども、これによって経営・管理と風俗業以外は働いてもいいよということになっていますけれども、いや、それを偽装して来ているんじゃないかということなんですけど、私から申し上げると、偽装をしているのは誰なのかと、この社会なんではないかと。
 なぜかと申し上げますと、これ昨年十月の厚生労働省の外国人労働者雇用状況ですけれども、これ見ていただいたら分かりますように、実は労働者として入国しているのは二〇%しかいないんですね、労働者として入国しているのは二〇%しかいない。そして、技能実習や資格外活動のうちの留学が八二・八%ですから、全体で見ますと技能実習や留学で働いている人が四三%を超えると。
 留学生のうち、宿泊業、飲食サービス業、卸売・小売業で働いているのがほとんどだと。これはどういうことかと申し上げますと、技能実習が認められていない職種、ここで留学生を使うということを、まあある意味でいうと政策を補完するという形でやっているわけですね。
 技能実習がどれだけおかしな数字かといいますと、これは外国人労働者の中の比率ですけれども、今申し上げましたように全体で二三%ですが、宮崎県ですと七〇%です。五〇%を超える県がこれだけあるんですね。産業別でも、農業や建設業では外国人労働者といったら技能実習生というような数字になっているわけですね。
 ですから、これ昨年の新聞記事ですけれども、宮崎県の椎葉村、非常に、ある意味でいうと、今テレビでよく、高視聴率の「ポツンと一軒家」というのがよく出てきたりもしますけれども、私はたまたま友人が椎葉村にいたものですから連絡をしたら、いや、こんなところにも来ているんだなという、そこに技能実習生が犠牲になっているということです。
 これ、一つのデータ、グラフ見ていただくと分かりますけれども、二〇一二年に外国籍の方には住民票ができました。外国人登録法が廃止されて住民票ができたんですね。そことの比較でいきますと、二〇一九年の十二月、非常に増えて、八十九万人、九十万人弱増えているんですけれども、その増えている大半が技術、人文国際、技能実習、留学と、ここが非常に多く増えているんですね。
 つまり労働者が増えているということです。しかも、その労働者というのは、フィクションによる移民政策が社会にゆがみ、人権侵害をつくり出す。そのフィクションとは、つまり、労働力として来てもらえばいいと、労働力と人間を分離しているわけですね。このフィクションが非常に問題だと。
 ですから、例えば、実際は本当は、受入れと共生、職場と地域、労働と生活、これは切り離せない空間なんですよ。これを切り離して政策が論議されてきたんではないかと。
 実は、こんなことが起きました。二〇一九年の四月に特定技能が導入されて、すぐに東京電力が原発の廃炉作業に受け入れたいと。これに対して入管庁は、新しい在留資格なら可能ですよと答えました。しかし、一か月少し過ぎたところで、厚生労働省から、ちょっと待ったということになったわけですね。そこで働く労働者は人間ですから、ベトナムではどういうふうな法律になっているか、あるいは、被曝した場合のその後のフォローアップどうしていくのか、そういうことを考えられているだろうかということの指摘があったわけですね。
 厚労省は一日の長があったんです。私どもと一九九三年以降、もう三十年近く毎年毎年交渉してきて、例えば粉じん暴露でじん肺ですね、これが帰国してから発症した場合どうするのか、そのときのフォローはどうしていくのか、こういうことを議論してきた経験、積み重ねが厚労省には幾らかあったということではないかなというふうに思っています。
 共生ということについて、二つのお話をしたいと思います、時間も限られていますから。
 ミラクルさんとンダイキアさんの話です。ミラクルは、これは私と一緒にスキー、一昨年スキーに行った写真ですけれども、今高校生です。日本で生まれました。お父さんとお母さんはガーナから来ました。日本で生まれて、日本の小学校、中学校通って、中学校のときに東日本のバスケットボールのベストファイブメンバーに選ばれました。そのこともあって、彼女は私学の高校から引っ張られて、現在高校二年生です。しかし、彼女には在留資格がありません。どのようにしたらいいんでしょうか。
 ン問題です。ン問題は何か。ン問題は何かといいますと、ンダイキアさんというのは、ある建設会社で働いていました。この方、社会保険加入することになりました。社会保険加入をして、一向に健康保険証が来ない。どうしたのかなと思ったら、そこの会社の総務に日本年金事務センターから電話があった。おたくにンダイキアさんという方がいらっしゃいますね。はい、おります。その方の名前の順番変えてもらえませんか。えっ、何ですか、それは。いや、コンピューターのシステム上、Nから入力ができないんですと。いや、それはシステムを変えてもらったらいいんじゃないですか。いや、システムを変えることできないんです、名前の順番変えてください。
 で、私のところに相談に来ました。私もやり取りしましたが、一向に変わらない。そこで、国会で質疑をしていただいて、そして半年後にシステムが変わりました。システムを変えるよりも名前の順番を変えてもらおうという発想になってしまうということですね。
 そして、現在、日常生活上、外国人労働者、その家族はどんなことが起きるかというと、日本語のみによる通知です。これ見ていただいたら分かりますけど、これ一番最初のものは、還付がされますよというお知らせです。パキスタン人の家族です。これは消費税が上がったときにプレミアム商品券がもらえますよと。そして、これは児童手当のことですよね。
 今回、コロナ禍で追加して出されるけれどもということで、そのお知らせで、これを出せば、それはもらわない人は出してくださいということなんですけど、これ出した方がいいんですかと相談に来ました。これはトルコ人の家族ですけれども、彼、それから彼のお連れ合いも言っているんですけれども、電話一本もらえないかなと。これ、文章読んでも分からないと、しかし日本語聞くことは大体分かると。一体どういうお知らせなのかということが分からないわけですね。これ、ちょっと写真が後になりました。
 そして、デマやフェイクです。移民に対するデマやフェイクが非常に多い。ですから、それに対するファクトチェックというのが必要だと思います。私たちは事実を直視する力を持たなきゃいけない、この社会は、というふうに考えております。
 典型的なものは健康保険問題で、厚労省が調査を行いました。何かただ乗りするんじゃないか、不正があるんじゃないか。その調査をした結果、不正がゼロだったと。このことを、ゼロだったということの報告、発表が余りされていません。
 それから、犯罪の温床ですね。これは、この三十年間、どの数字をどこを見ても、警察庁が発表している数字を見ても、犯罪の発生率低いです。
 そして、単一民族国家論ですね。これ非常に、アイヌが先住民であるという、もう国会での決議もあります。
 そして、雇用競合論です。雇用が競合すると。しかし、これも全くその事実はありません。欧米であるんじゃないか。欧米でも結局なかったということが検証されております。
 そういうゆがんだ移民政策というのが、残念ながらヘイトスピーチというのを生み出したわけですね、韓国の話ということで。これ、ようやく川崎市が差別のない人権尊重のまちづくり条例を作りましたけれども、本来は中央政府で考えるべきことなのかもしれません。
 ですから、私たちは、事実を直視する力、これをどのようにこの社会につくっていくのか。そして、その事実とは何かというと、既に始まっている多民族・多文化共生社会、移民の存在なくして成り立たないこの社会というわけですね。
 顕在化している課題というのはいろいろあります。労働問題があります。その労働問題だけじゃなくて、これは例えばどういう図かといいますと、入国してきて以来、様々な生活課題が起きるわけですね、日常生活で。買物をしたりだとか、ローンをしたりだとか、家を建てたりするときにもいろんな弊害があると。こういう課題があると思います。ですから、そういう様々な課題についての言語、日本語での問題、この問題というのは非常に大きいんですね。読める、読めない、書けない。話はできる。
 奴隷時代や主従時代の労働者の移動ではなくて、労使対等、ここで今、私、移動という言葉を使っています、受入れではなくて。コロナ禍でいいますと、このデータだけは見ていただきたいと思います、もう時間がありませんから。海外在留邦人の総数なんですけれども、二〇一九年の十月時点で百四十万人、長期滞在と永住でこれだけの数。今コロナ禍ですから余り移動していませんけれども、三か月未満の移動をしている人だと大変な数になるわけですね。その日本人が、その地域、国において労働基準が守られ、人権が担保されて働きたい、あるいは生活したい、そのように考えるのは至極当然のことではないでしょうか。
 そしてまた、この新型コロナウイルスがあらわにさせたことは、外国人労働者、移民の存在ですね。誰一人も取り残さないということを私たちは改めて考える必要があるかなというふうに思います。仮放免者や非正規滞在者を含めて誰一人取り残さない、使い捨てにしない、させない、働く仲間、地域の隣人として考えていくということですよね。
 もう時間がありませんので、出稼ぎの歴史的価値ということについて私たちは今議論するときに、出稼ぎがこの社会をつくってきた、人が移動することによって社会がつくられてきたということだろうと思います。労働者が労働者として真っ当な移民政策が求められていると。つまり、社会の担い手だということですね。
 労使対等原則が担保された多民族・多文化共生社会。労働問題のときに、外国人労働者を救済するということだけではなくて、外国人労働者が物を言えるようにする、そのためのシステム、制度はどうしていったらいいのかということだろうというふうに思います。その人たちがきっとこの社会を良くしてくれるということだと思います。
 終わります。ありがとうございました。

#4
○会長(芝博一君) 鳥井参考人、大変ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、田中参考人からよろしくお願いいたします。田中参考人。

#5
○参考人(田中宝紀君) NPO法人青少年自立援助センターの田中宝紀と申します。
 皆様のお手元には、当法人の活動紹介のパンフレットとA4横長で刷っていただきました資料をお配りしていただいております。
 私たちNPO法人青少年自立援助センターは、元々ニートや引きこもりといった若年無業者の若者の自立・就労支援を中心に手掛けてきた団体なんですけれども、東京都福生市に拠点を設けておりまして、横田基地がある関係等を含めて福生市周辺に外国住民の方々が多数暮らしている、その方々に対して、特に子供たちが支援のないまま放置されているというような状況に対応するために、二〇一〇年度より定住外国人支援事業部を創設しまして、両親又はどちらか一方が外国出身者である海外にルーツを持つ子供たちのための専門家による教育支援事業、YSCグローバル・スクール及び若者のための自立・就労支援事業を運営しております。詳しい活動については、是非お手元のパンフレットを御参照ください。
 本日は、外国人の子供の就学問題における現状と課題についてということでお話をさせていただくんですけれども、お話の中で海外にルーツを持つという表現を使わせていただいたときは、日本国籍者を含む、国籍を問わない両親又はどちらかその一方が外国出身者という定義で使っております。また、外国籍の子供というふうに表現をしたときは、国籍を限定した事柄というふうにさせていただきます。
 私たちの現場では、年間百二十名以上、六歳以上の子供、若者が支援に通ってきています。約十年間に及ぶ支援現場での経験に加えて、実は今回、この委員会でお話をさせていただくことになりまして、全国各地で活動をしている支援者の方ですとか関係者の方々に改めて最新の状況どうなっていますかということでヒアリングをしてまいりましたので、そうした支援者の皆様の知見も併せて共有をさせていただければと思います。
 では、お手元にありますA4横長の配付資料を御覧いただきたいと思います。(資料映写)
 表紙には、先ほど最後にも鳥井さんも御言及がありましたとおり、SDGsが掲げる「誰ひとり取り残さない」というメッセージを記載しています。私たちの法人では、これまでに千人以上の海外ルーツの子供たちや若者たちをサポートしてきましたが、彼らの入所時に、保護者に対して必ず、今後日本以外の国に暮らす予定はありますかということを尋ねています。すると、これまでに約九七%の御家庭が今後出身国への帰国や他国への移住は考えていないというふうに回答するんですね。
 つまり、海外にルーツを持つ子供たち、私たちが日々接している子供たちは、いずれ日本の中で成長して自立をして定着していく可能性が高い日本社会の子供であるというふうに言うことができますが、現状ではその多くが教育機会へのアクセスもままならず十分に学べないという、まさに取りこぼされた状況にあるというふうに認識をしています。
 そして、そんな状況がこのおよそ三十年間、日系人のお子さんたちが多数日本にやってきて以来ほとんど変化なく横たわっている中で、彼らの教育をめぐる諸課題を解決して、さらに学ぶ権利を真に保障していくためには、外国籍の子供を含め義務教育の対象とすることがやっぱり最も有効なんじゃないかなというような声は支援者から多数あることをまずお伝えをさせていただきます。
 では、資料の二ページ目を御覧ください。
 全体として、海外にルーツを持つ子供たちの取組については、官民問わずですけれども、外国人住民が多く集まって暮らしている地域と、外国人がゼロではないけれども割合として一%前後しかいないよというような少ない地域との間で、様々な面で格差が存在しているという現状があります。資料には、外国人集住地域と外国人が少ない散在地域、それぞれのメリットやデメリットなどを記載していますので、御確認をお願いいたします。
 海外にルーツを持つ子供たちは、日本人の子供たち以上に、どの自治体に住んでいるか、どの地域で生活しているかによって、受けられる支援や置かれた環境が一〇〇となったりゼロとなったりしているような現状です。この傾向は、様々な施策や取組が昨今充実し始めている近年、より顕著になっていると感じています。予算や人材や知識と理解のある地域ではどんどん充実した施策を活用して先に進んでいく一方で、まだ課題認知自体がこれからですよというような地域に暮らしている子供たちはどんどん置いてけぼりになっているということを現場から見ていると感じます。
 海外にルーツを持つ子供に関連する施策や取組を検討、推進していく際には、是非、この自治体間格差、地域間格差をどのように是正していくのかということを視点や配慮として必須としていただければというふうに考えております。
 続いて、三ページ目に移りたいと思います。
 三ページ目に掲載の表は、御存じの方も多いかと思いますが、文部科学省が令和二年三月に公開した外国人の子供の就学状況等調査結果の確定値から作成をしたものです。この調査によって、義務教育年齢相当の外国籍の子供たちのうち不就学又はその可能性がある子供が約二万人いるということで、かなり大きなインパクトをもたらしました。
 一方で、この数字を確認する際の注意点については資料に記載をしていますが、加えて、このデータは自治体さんが把握している学齢期のお子さんの数ということなので、例えば短期滞在の在留資格の子供ですとか非正規滞在の子供などは就学状況を把握する前段階、この調査では対象となっていないという点が挙げられます。
 続いて、四ページから、子供たちの就学の問題について要因別に五点整理をいたしましたので、御説明をいたします。
 第一に、四ページ目ですが、行政の課題になりますけれども、入学、転入時の手続に起因する不就学の発生ですね。就学案内が多言語されていなかったり説明が十分になされていないなど、まだ対応できていない自治体があります。細かな状況については文部科学省の先ほどの表の基にしました就学状況調査でも明らかとなっていますので、詳細はそちらを御参照いただければと思います。
 また、それに対して必要な施策や取組については昨年の二月にこの委員会において小島祥美先生が御指摘なさったとおりですが、一点私の方から付け加えさせていただくとすると、例えば小中学校の入学時ですとか自治体への転入手続のときだけ対応していてもカバーできない子供たちがいるというところですね。
 例えば、保育園や幼稚園に就園していない未就園の家庭であったり、何らかの理由から外国人コミュニティーからも孤立しているような家庭の場合、情報不足や誤解から就学手続まで至らないというようなケースもあります。こうした孤立リスクの高い家庭に対しては、妊娠、出産時や予防接種のタイミングなど子育て上のタイムラインに沿って、保健、医療、福祉の連携の下、家庭との社会的接点を逃さず丁寧な情報提供を続けていくということが必要と認識しています。
 二番目に、タイミングに起因して不就学となるケースがあります。
 資料にはよくある事例を記載しましたが、その中でも特にお伝えしたいのが、学校側の都合によって就学待機となっているような状況です。具体的に言えば、例えばその学年の一月に来日した場合、いや、ちょっと年度終了間際で三学期も始まっちゃっているので四月まで待ってくれというふうに言われたりですとか、運動会の練習が始まっちゃって途中から参加することが難しいので、それが終わってからにしてというふうに言われるというようなケースがあります。そして、こうした対応が同じ自治体の中にある学校であっても学校ごとに異なっているというようなケースがあって、問題です。
 少なくとも、就学を希望している場合においては一〇〇%学籍を作ること、そして学校とのつながりやその責任の範囲を明確にするということが徹底されるように必要な体制や規定などの整備を行っていくことが重要だというふうに考えています。
 三つ目は、受入れ体制の不足や欠如に起因をするものです。
 これ、日本国籍のお子さんでもこういった事例があるんですけれども、外国人保護者の方がお子さんの就学を希望して自治体の窓口に行ったところ、学校が、学校側が支援体制が何もないので受入れをためらっていて、どこかで日本語を学んでからある程度できるようになって戻ってきてというふうに言われ、就学手続をしてもらえないというケースです。
 これについては、学校内での日本語教育等の受入れ体制の整備を一層いち早く促進していくということが重要なんですが、やっぱりそのための人材や予算を常時確保できるような自治体は限られているんですよね。なので、広域圏によるICTを活用した遠隔教育機会の提供ですとか通訳制度の導入、あるいは学校の先生が恒常的に、どうやって支援したらいいの、これはどうなのというふうに相談ができるようなリソースセンターの設置等によって、もう本当に子供たち、日々直接サポートをする先生方が、ああ、これがあるんだったら受け入れできるよねというような安心感のある体制構築が重要だなというふうに感じています。
 あともう一つ、外国人コミュニティーの中で、日本の学校に入ると外人はいじめられるよというような情報が出回っていることがあります。それを耳にして就学を見合わせたというケースが実際にあります。私たちのところにやってくる海外ルーツの子供たちも、その多くが学校の中でいじめを経験します。その情報がコミュニティーで広まった結果、やっぱり、じゃ就学見合わせるわというような判断、引き起こしたりすることがあります。これは、海外にルーツを持つ子供たちだけが幾ら日本語頑張っても、学校になじもうと努力をしても、解決することができない問題なんですよね。マジョリティーである日本人の子供こそが共生社会の一員となっていく上で必要な力を育むことができるような学校教育の中での取組が必要だというふうに感じています。
 四つ目に、移動やトラブルに起因をする不就学の発生についてです。
 外国籍の子供たちの中で、日本と外国との間を行ったり来たりするような子供がいます。その過程の中で就学や転入のタイミングを逃してしまって学校に通わないままとなるケースもありますので、これについては、出入国ですとか転出入時のタイミングで情報提供を徹底するなどすることで大使館を含め横断的な連携などを推進するということが考えられると思います。
 さらにもう一つは、学校側とトラブルになって除籍となる場合です。例えば、公立学校に在籍をしていた外国籍の生徒さんなんですけれども、学校に居場所がなくなったということで、非行ですとか家出を繰り返すような状況になったんですよね。それに対して、学校と保護者との間でコミュニケーションがうまくいかなくて擦れ違いが積み重なった結果、中学校を除籍されてしまったというケースですとか、不登校となった途端に学籍が削除されたというような事例もあります。
 さらに、中学校三年学齢の場合は、特に来日時期ですとか出席状況等によっては転入を認められなかったり卒業証書を出してもらえないということが学校長の判断で行われているという現状があります。少なくとも、属人的な判断による対応格差を是正、防止することが必要です。そのためには、原則的な対応基準を定めることですとか、研修による啓発、意識改革などの取組を推進していくべきだと感じます。
 最後に、五つ目となりますが、複合的な困難に起因する不就学状況の発生です。
 これは、例えば外国人保護者が病気であったり、貧困やネグレクトによるもの、保護者が女子に教育は必要ないと考えるようなケースを含んでいます。これらの困難を有する家庭の場合、幾つもの課題を同時に抱えていることも少なくないんですよね。このような複合的困難の不就学の子供たちって、実は私たちのような教育を中心とするNPOでもなかなか発見ができないんです。なかなかつながってこない。
 ただ、こうした子供たちこそ社会から取り残された真に支援を必要としている存在であり、社会全体で手を伸ばしていきたいと思っています。自治体による家庭訪問等、不就学ゼロの取組の実施に加え、地域住民による虐待防止のキャンペーンなんかが参考になるなというふうに思っているんですが、情報提供窓口を設置することですとか啓発キャンペーンの展開など、発見の目を増やす、そうした不就学状態にある困難を抱えた家庭や子供を見付けていくという取組が重要になります。
 さらに、やっぱり複合的な困難に十分に対応していくためには、教育と福祉の接合を避けて通ることができないというのは支援者の間で合意されている事項です。資料では、多文化ソーシャルワーカーの導入、育成というふうに記載をしました。外国人の子供や家庭に対する十分な知識ですとかノウハウを持ったソーシャルワーカーを積極的に育てていくこと、必要な施策の創出と予算措置を是非お願いをしたいと思います。
 例えば、既にSSW、スクールソーシャルワーカーとして配置されているような方々への研修なども有効かと思います。家庭や子供、保護者の困難に適切に寄り添って、必要な専門性を持つ関係機関との連携を推進できる多文化ソーシャルワーカーの存在は、結果として子供たちの学ぶ権利を保障することにつながります。
 続いて、六ページ目の資料を御覧いただきたいんですけど、こちらには海外ルーツの子供たちが、ライフステージごとに幾つかのリスクの高い局面をまとめています。
 例えば、日本人家庭と比べて乳幼児年齢の未就園率が一・六倍に上っているという研究があるほか、学齢期で不就学の可能性がある子供が多数いるということ、それから、不登校出現率も実は海外にルーツを持つ子供、かなり高いんじゃないかということが全国の支援者間では指摘をされています。
 さらに、海外ルーツの子供の高校進学率の低さ、昨年の八月に日本学術会議が公開した提言書なんかでも、六割強というふうに進学率推計されていましたが、例えば高校進学率が七割だった場合に、端的に残る三割の生徒は進路未決定のまま卒業しているんですよね。その三〇%の子供たちがどこで何をしているのかというのは、自治体さんの方で把握するすべがなくて、実態が全くつかめていないんです。この状況は高校中退した後ですとか進路未決定で卒業した若者についても同様です。
 義務教育年齢の子供の場合は、教育の外側にいる海外ルーツの子供たちに対してはボランティアやNPOによる活動が存在しているんですけれども、その量、内容、質共に地域間格差がありますし、セーフティーネットとしての機能は限定的です。
 また、十五歳以上の若者の場合、日本人の若者に対しては厚生労働省による地域若者サポートステーションといった自立・就労支援ですとか、自治体による学び直し、居場所支援等のセーフティーネットが存在していますが、日本語力が十分でない若者にとってこれらのセーフティーネットは機能しないという状況です。
 こうした課題を解決していくために一つ御提案をさせていただきたいのが、資料の七ページ目に記載をしました社会資源の多文化対応の推進です。
 ここで言及している多文化対応とは、外国人も裨益者であるという視点に基づいて行われる必要な配慮や方策のこととしています。福祉、教育等の行政サービスにとどまらず、子供食堂ですとか無料塾、フリースクールといった現存する公益的な活動について、これまで日本人を主たる対象者や受益者としていたところから、外国人、海外にルーツを持つ人も対象者の一部として位置付けていくことで、必要な配慮を行うことが、既存の社会資源へのアクセスを確保していくということが重要だと考えています。
 具体的な取組としては、幾つか挙げていますが、さっきの多文化ソーシャルワーカー同様、保育士さんですとか幼稚園教諭、保健師さんなど子供と家庭に関わる資格取得者、実務者について、養成課程や免許更新時に多文化対応スキルの習得のための研修を行っていただいたりですとか、あるいは国や行政が公益活動団体等に委託をする支援事業のうち子供や家庭に対する事業についてはその受益者の多様性に配慮することを求め、通訳や翻訳など配慮に必要な予算を計上できるような仕組みなども併せて実施をしていただくことで、全国へ速やかなセーフティーネットの波及、社会的資源へのアクセスの確保が実現されることが期待されます。
 ちょっとそろそろ時間なんですが、最後に一点、新型コロナウイルスの影響について、最後の資料で言及をさせてください。
 保護者の方の経済状況が本当に厳しくなっているというのは恐らく指宿先生の御指摘でも出るかと思うんですけれども、特に高校受験や大学進学、専門学校への進学の時期を控えて、中三生、高三生のいる家庭が入学準備金が準備できないというような状況になっているので、何らか緊急の支援が、外国人家庭に限らず、日本人家庭に対しても必要な時期であるというふうに認識をしています。
 それから、コロナ禍の中で支援者が本当に直面しているのは、子供たちの健康と安全確保をどういうふうにしたらいいのかということなんですよね。認可外の外国人学校ですとか私たちのようなNPOが運営するフリースクール等で学ぶ不就学の子供については、学校保健の対象外になっています。感染予防策ですとか健康管理は運営者に一任をされていて、クラスター発生時に行政が踏み込みづらいというような課題も指摘されています。
 日本で学ぶ全ての子供たちの健康と安全確保の必要性がコロナ禍で高まっているなというふうに思っています。一定の要件下において学校保健安全法を適用するなど、体制整備に御検討をいただきたいと思います。
 二〇一八年を境に、海外ルーツの子供や外国人住民の存在の可視化が進んでいます。子供の日本語教育大事だよねとか、不就学の問題大変だよねというような理解を示してくださる方も本当に増えています。この変化の流れを逃さないように、子供たちが本当に誰一人取り残されない環境を実現するために社会全体で歩んでいけるよう、是非皆様の御協力をお願いいたします。
 以上です。

#6
○会長(芝博一君) 田中参考人、大変ありがとうございました。
 次に、指宿参考人にお願いをいたします。指宿参考人。

#7
○参考人(指宿昭一君) 弁護士の指宿と申します。私からは、外国人労働者の問題について報告をさせていただきます。
 私は、弁護士として労働問題、労働事件に取り組んでおります。労働者側の代理人だけをしております。その中でも、外国人労働者の相談を受け、実際受任して裁判をしたり会社と交渉したり、そういうことにかなり力を入れております。日本労働弁護団という労働者側の弁護士の団体の常任幹事をしており、また外国人労働者を支援する二つの弁護士団体の代表もしております。
 私の仕事場は裁判所ではありません。裁判所も仕事場の一つでもありますが、労働者、外国人労働者のいる現場にできるだけ赴いて、相談を受けたり実際の状況を見たりしながら仕事をしております。今日は、外国人労働者の現場からの状況を報告させていただきたいと思います。
 そして、今日この場で皆さんとお話ができる、報告をさせていただき、質疑に答えさせていただけることを、これは本当にうれしく思っています。これは社交辞令ではありません。なぜかというと、今この国において外国人、外国人労働者をどうやって日本の社会で受け入れていくのか、このことが大きな問題になっており、これは日本社会の分岐点と言ってもいい状況にあると考えているからです。
 レジュメを作りましたので、これに沿ってお話をしていきたいと思います。私のレジュメは「外国人労働者受け入れ制度の問題と改革方向」というタイトルで作ってあります、簡単なものですが。
 まず第一に、外国人労働者の窮状について、一つ目に、技能実習生の妊娠、出産問題について触れたいと思います。これについては、別添記事として資料を配付していただきました。この資料を見るまでもなく、たくさん報道されていますので、皆さん御存じのことかと思います。
 一つ目の記事では、外国人技能実習生、妊娠、出産をめぐるトラブル相次ぐ、国は注意喚起というテーマの報道です。
 なぜ妊娠したり出産するとトラブルになるのか、このこと自体が非常に大きな問題です。この記事の方を見ていただくと、第二段落のところで、厚生労働省は、妊娠したら強制的に帰国させられるという間違った認識が実習生の間で広がっていると見ていますと書いてあります。その結果、どういうことが起こるのか。子供を産みたいがために職場から逃げて、まあ逃げるという言い方もおかしいんですけど、離れてどこかに保護される、これは教会だったりお寺だったり支援団体だったりします。そういうところに逃げなければいけない状況に追い詰められる、あるいは、子供を産んでその子供を死なせてしまったり、それから捨ててしまったり、そういう事件が相次いで起こっています。
 この厚生労働省の説明では、これが強制的に帰国させられるという間違った認識に基づいているかのようにこの記事では読めます。
 そうなんでしょうか。これは単に技能実習生が何か誤解をして、そんなありもしない、あり得ないルールにおびえてそういう行動を取っているんでしょうか。これは全く違います。
 実際に、多くの実習生については、妊娠が禁止だということを送り出し国で、例えばベトナム人であればベトナムの送り出し機関というブローカーからきつく言われている。言われているだけではありません、サインをさせられています。妊娠したら帰国だよ、強制的に帰国させるよ、同意しなさい、こういうサインをベトナムや各出身国でされているケースが多いんです。されていないケースにおいても、サインがなくても実際妊娠したら働き続けられない、これは少なくとも現在ベトナム人の実習生の中では常識です。
 根も葉もないことじゃないんです。実際そういうことが行われているんです。そして、この記事の次には、妊娠が理由の帰国、数は分からずというふうに書いてあります。調査もちゃんとはされていないんです。
 次のページに行くと、法務省の答えとしては、のコメントとしては、受入れ企業の実情によっては、産前産後、産休の取得が難しい可能性もあるとか、それから一番最後のところでは、実習期間中の妊娠や出産は想定しないというふうにコメントしています。
 それでいいんでしょうか。実習生も人間です。実習生も労働者です。生きている普通の人間であれば恋愛することもあります。当然、結婚することもあるし、妊娠することもあるし、出産することもあるんです。それはいけないんですか。実習生だから実習だけが仕事だ、労働以外のことはやるな、誰かと付き合ってもいけない、妊娠なんかとんでもない、妊娠したら目的に反するから帰れ、これが現実に行われている。でも、そんなことをして本当にいいんでしょうか。これがこの問題の本質だと思います。
 そして、別添記事二を見ていただくと、熊本で双子の乳児の死体を遺棄した事件についての報道です。下の方を見ると、二〇一九年一月に、川崎市で出産した子供を置き去りにしてしまった事件。それから、岡山で堕胎とそれから胎児の死体遺棄の疑いでベトナム人実習生が逮捕された事件。こういうことが報道されています。
 こういうことが現実にたくさん起こっているんです。たまたま実習生の一人が物すごいとんでもない思い違いをしてこういう事件が起こっているわけではないんです。この事実を直視する必要があると思います。
 次に行きます。
 この新型コロナウイルスの感染拡大で、様々な問題が実習生や外国人労働者に起こっています。
 次の資料で、別添記事三を見ると、これは性風俗の店が摘発されて、そこで元実習生が働いていたということで、その風俗店の方も実習生の方も摘発されたという、こういう事件です。
 これはたまたまではありません。今実習生がコロナで仕事を失う、これは解雇されるケースもあるし、解雇されないで、仕事がなくなって給料がもらえなくなって、本当は休業手当がもらえるはずだし、その企業の方は雇用調整助成金の特例措置を使えばちゃんとお金は填補できるはずなんだけど、私の知っている実習生たちの多くは休業手当ももらっていません。
 そういう中で、結局その場を離れて、よく失踪という言葉を使うんですけど、失踪してこういうところで働かざるを得ない状況に追い詰められているんです。誰もこんなことはしたくありません。こんなことをするつもりで日本に来たわけではないんです。なので、本当はやりたくないというコメントが出ているわけです。
 別添記事四、なぜ僕は失踪したのか。この方は、なぜか分からないけど、あなたは帰国することになったといきなり告げられて、そして失踪した、そういうケースです。この記事の二ページ目の上の方に大事なことが書いてあります。稼いだお金で、家族のために家を建てることを夢見て、実習生として日本に行く費用、およそ百万円を、借金をして工面して来日しました。
 ベトナムから日本への飛行機のチケット代、百万円掛かると思われますか。ベトナムで日本語の勉強などを準備して、その勉強する費用が掛かったとしても、百万円掛かると思われますか。掛かりません。でも、百万円取られているんです。多くの実習生が百万円前後のお金を送り出し機関に払って来ています。
 ベトナムから来る実習生、まあ他の国も同じですけど、は貧しい人たちです。農村から来る人が多いと思います。百万円のお金持っているでしょうか。持っていないんですよ。どうやって来るのか。当然借金して来ます。実習生には銀行もお金貸すんです、ベトナムでは。でも、それ借金ですから、返さなければいけない。
 ベトナムの平均年収御存じでしょうか。百万円って何年で稼げるお金なんでしょうか。平均年収は大体二十五万円ぐらいだそうです。四年間、四年分の年収分ですよ。それだけの借金をして日本に来ている。そして、技能実習で働いて順調にいけばそれを返して、少し持って帰るお金を稼いで、それで帰る、これが理想的な形です。もちろん、それができているケースもあります。でも、コロナの中でそうならないケースが今増えているし、この事例のように、よく分からないけど帰れと言われたら大変なことになるんですよ。年収四年分の借金だけが残って、そして帰らなければいけない。そうなったら困るので、いわゆる括弧付きですけど失踪して、どこか別のところで働く、これは法律の枠外のやり方ですけど、そういうふうにせざるを得ないところに追い詰められてしまうんです。
 次に行きますけど、技能実習生に対する労働基準法違反はもうたくさんあります。これは別添一の資料、厚生労働省が毎年発表している資料に書かれています。
 別添の二の方にグラフがありますね。平成三十一年・令和元年のところを見ると、九千四百五十五、これは監督指導を実施した事業数です。そして、その七一・九%の六千七百九十六の事業所で労基法等々の違反が見付かっています。毎年数が増えています。
 約四十万人の実習生がいる中で、この数字が必ずしも高いとは思いません。いや、私はもっと違反あると思いますよ、こんなものじゃないと思います。でも、労基署が一生懸命頑張って、毎年どんどん数増えていますけど、一昨年でいうと、これぐらいの調査をしてこれぐらいの違反を見付けたということです。
 多くはないと言いましたけど、少なくもないですよね、かなりの数が出ている。これだけの違反があるということは、実習生たちも相当たくさん労基署に相談に行って違反の申告をしていると思われるでしょうか。九千五百も疑わしい事業所があるんです。八千件、いや、もしかしたら一万件ぐらいの申告が実習生からあると考えるのが普通じゃないでしょうか。
 その二ページ後をめくってください。ページ数が、二ページというか、二ページぐらいめくっていただくと、申告の状況というのがあります。実習生からの申告数、毎年の申告数が書いてあります。
 平成三十一年・令和元年のところ見てください。たったの百七件ですよ。これしか申告していない。どうしてですか。少なくとも違反が見付かったのが六千八百ぐらいあるんですよ。でも、百人しか実習生は申告していない。言葉の問題ですか。ベトナム語では相談できないから、中国語では相談できないからだと思われますか。
 確かに、実習生余り日本語できませんけど、熱心に勉強して、ある程度しゃべれる人たちはいます。また、友達とかいろんな形で通訳連れていくことだってできなくはない。それでも百七件なんですよ。言葉の問題じゃありません。言葉の問題もあるけれども、それがメーンじゃありません。
 彼ら、彼女らは申告ができないんです。申告したら強制的に帰国させられてしまうから。そういうルールが送り出し機関との間でもう作られているんですよ。労基署に申告してはいけない、弁護士に相談してはいけない、労働組合にも相談してはいけない、加入してはいけない、そういうことが送り出し機関とのルールの中に書いてあります。私は何件もそれ見ていますし、実際に私の事務所に相談に来た中国人実習生たち、四人か五人かいたんですけど、一週間後に帰されてしまいました、中国に。そういうことが起こっている。だから、みんな怖くて申告ができないんです。
 物を言えない労働者なんですよ。物を言えない労働者って、本当に労働者ですか。奴隷ではないですか、それは。私は、実習生は奴隷に非常に近い地位にいると思います。
 さて、次に行きます。なかなか二十分で話せることが短いというのがだんだん分かってきました。
 第二のところで、日本の外国人労働者受入れ制度の概要と問題点と書きましたが、これをきちっと話すと多分無理なので、もう本当にざっくり話します。
 日本の政府は、単純労働者を受け入れないということをずっと言ってきました。大体、そうですね、九〇年代から言ってきました。でも、それは実情に合わなかった。だから、別の形で、いわゆる政府の言う単純労働者、私はこの言葉嫌いだし間違っていると思うので、非熟練労働者、熟練していない労働者というふうに呼んでいますけど、それを確保するためにいろんなルートができたんですね。
 その一つが技能実習生。それから留学生もあります。留学生がアルバイトという形だけど実際かなり労働に従事している、まあ全ての人ではないですけど、かなり多くの人が労働に従事している。それから、日系人の二世、三世も受け入れて、労働者として働いている。そして、いわゆるオーバーステイ、非正規滞在の人たちも労働者として現実に働いている。そういう形で九〇年代以降ずっと労働力が確保されてきた。とりわけ非熟練の分野、熟練していない労働者の分野で受入れがなされてきました。今でも技能実習と留学は日本の外国人労働者の中でも大きな比率を占めています。
 そして、前回の入管法改定で、二〇一九年四月施行の入管法ですけど、特定技能という新しい受入れ制度が始まりました。これは、非熟練労働者の受入れに道を開いたと言っていいと思います。法務省は違うと多分言うと思いますけど、これはもう、何ていうかな、そういう理解が常識だと思います。そういう中で今状況が推移しています。
 さっき技能実習生の問題点について触れましたけど、様々問題がありますが、一つだけ言うと、ブローカーが中間搾取をしている。私は、送り出し機関というのはブローカー、しかも多くは悪質なブローカーだと思っています。そこが例えばベトナム人の場合だったら百万円という過大な中間搾取をしているんです。これ、国内でこんなことできないですよね。国内でやったら法律違反になります。でも、国をまたぐとこれができてしまう。
 中間搾取だけじゃなくて、人権侵害のルールを押し付けるんです。出産してはいけない、妊娠してはいけない、弁護士に相談してはいけないというような、そういうルールを、これも日本の国内でやったら大変なことになるけど、ベトナムや海外でやることはできてしまっているんですね。それがおかしい。
 最後に、ちょっと飛ばして、三ページのあるべき外国人労働者受入れ制度について、少しだけ話させていただきたいと思います。
 技能実習制度、物すごく批判されています、国際的にも、国内的にも。恐らく、議員の皆さんの中にも問題を感じていらっしゃる方は多いと思います。政府の中の、まあ政府の中のというかな、政府のいろんな審議会に参加されているような有識者の中でも、もうこの技能実習制度は駄目だという声が私のところにはたくさん聞こえています。
 ずばり言います。廃止すべきです。技能実習制度廃止しましょう。もうこの制度やめた方がいいです。
 やめたらどうするの、労働力の確保どうするのという声が上がってきます。いや、だったら、特定技能制度をつくったんだから、これを適正化しましょうよ。私は、この制度、特定技能制度というのは理想的な形にはなっていないと思います。ちょっと今日、時間がなくて話せなかったんですけど、様々な課題があります。でも、改革は可能だと思います。
 一番やらなきゃいけないのが、ブローカーを排除することです。悪質なブローカーを排除する。ベトナムで、あるいはほかの国で、特定技能の場合、送り出し機関というのは入れなくていいんですけど、いろんなブローカーが百万円も、年収の四年分のお金を取ったりすること、これ、やめさせましょう。そうすれば、何というかな、適正な制度になると思います。
 ところが、逆に、今ベトナムとカンボジアについては、特定技能についても送り出し機関を入れることを義務化するということになってしまったんです。今日の資料の中にも入れておいたんですけど、ちょっと詳しいお話ができなくて残念です。
 技能実習制度を廃止する、で、特定技能制度を適正化する。そして、これは未熟練分野に限らず外国人労働者の人権と権利が守られる制度をきちっとつくる。例えば、外国人労働者雇用基本法を作る必要があると思いますし、今、旅券、パスポートの取り上げ、外国人労働者から取り上げて、そして意のままに働かせるということがいまだに横行しています。例えば、この基本法でそういうことを禁止する。そして、ブローカーによる中間搾取をきちっと排除する。そういうことをして、本当に外国人労働者の人権と権利が守られる制度をつくる、つくり上げるべきだと思います。
 今、そういう意味で、日本がどういう外国人労働者の受入れ制度をつくっていくのか。いや、受け入れるかどうかという、どういう制度をつくるかというだけではなくて、実際に日本社会に来て働いている、そしてまた、これからも働く人はいるし、恐らく増えていく。そういう外国人労働者、外国人住民と我々がどういう関係を結ぶのか。使い捨てにして、要らなくなったら帰ってくれと、こういうやり方なのか、その外国人の人権を守り、共にこの日本社会を構成していく仲間として扱っていくのか。今そういうことが問われていると思います。
 短い時間でお話しできませんが、もし、何というか、よく分からないからもっとちゃんと説明してくれという議員の先生いらっしゃいましたら、是非呼び付けてください、説明に行きますから。
 私の報告は以上とさせていただきます。

#8
○会長(芝博一君) 指宿参考人、大変ありがとうございました。
 以上で参考人の皆さんの御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 なお、発言は着席のままで結構でございます。
 また、質疑者には、その都度答弁者を御明示いただくようお願いをいたします。
 また、できるだけ多くの委員の皆さん方の発言の機会が得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十五分以内となるように御協力をお願いいたします。
 これより一巡目の質疑を行います。
 質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 山田太郎委員。

#9
○山田太郎君 自民党の山田太郎でございます。
 まず、指宿参考人の方から、かなり辛辣な御意見いただきました。
 実は私、元々技術系の会社の上場企業等をやっておりまして、実は中国、ベトナム、ミャンマーにも展開していて、技能実習ということで現地に拠点をつくるために人を入れていたという経験もあります。ただ、非常にもう、今もそうなんですが、そういう本当の技術者を採ろうと思うと、大学に行って、もう取り合いなんですね。日本に行くメリットがないというふうに言われるぐらいそれらの国も活況でありまして、最後、ラストリゾートはもうバングラデシュしかないんじゃないかというぐらいな状況でもあります。
 そんな中で、私も、もしかしたら、今日辛辣なこと言われましたが、技能実習制度、もう成り立っていないんじゃないかなというふうに思うこともありまして、ただ、そうはいっても、私の場合は拠点をつくるためにこういうことをやったということではあります。
 指宿参考人からすごく辛辣な意見いただいたんですけど、逆に、鳥井参考人の方から、同じように、このやっぱり技術実習制度というのは非常に問題が多いから廃止も含めて再検討するべきだという強い意見をお持ちなのかどうか、逆に改めてお聞きしたいというふうに思っています。
 それからもう一つ、特定技能の方に関しても、我々、本当に日本は過度な期待をしていいんだろうかと。実際に、今回五年間の受入れで合計三十四万人ということでなりましたが、二〇二〇年の十二月末で一万五千人なんですね。特に介護が足りないということで六万人をいわゆるこの五年間で予定しているということではありますが、ちょっと過度にこの部分についても期待し過ぎているんではないかと。特定技能だからいいのかといった議論もあると思っていまして、この辺り、指宿参考人に是非、特に特定技能ということになれば技術研修とはまた違った問題を抱えるということになりますので、どうあるべきなのかと。問題点はすごく多いのは分かるんですが、ポジティブにこの制度をうまく持っていくためにはどうしていけばいいのか、それぞれ御意見いただきたいと思います。

#10
○会長(芝博一君) それでは、まず鳥井参考人、お願いいたします。

#11
○参考人(鳥井一平君) 御質問ありがとうございます。
 私は、一言で申し上げまして、技能実習制度は廃止するべきであるというふうに考えております。
 技能実習制度は、やはり私、先ほど偽装したという言葉を使いましたけれども、留学生や技能実習生という形での労働者の受入れというのはやっぱりこの社会にゆがみをもたらすというふうに考えています。やはり、労働者は労働者として受け入れる。今、議員御質問が、御意見がありましたように、この社会が求めている労働者もいるわけですよね、技術系の。その労働者を技能実習制度で受け入れるというのは、やっぱり誤ったやり方だと思います。
 また、特定技能なんですけれども、この間の、昨年一年、年度で見まして、一年間で見ましても、あるいはトータルを見ましても、ほとんどが技能実習生からの移行になっているんですね。新規入国が少ない。なぜそういうことになっているのかということを考えなきゃいけない。つまり、リクルートの方法が非常にちょっと、ある意味でいうと拙速で、考えられずにつくられてしまっているなと。
 技能実習がいわゆる特定技能の試行、試用期間ということになってはいけないわけですから、やはりこのリクルートについては、私はこの間ずっと具体的に提案しているのは、ハローワークをどのように活用するのかと、日本のハローワークですね、それと送り出し国との、国と国とのマッチングをどのように行うのかというようなことで考えていくということが大切なんじゃないかなというふうに思っております。

#12
○会長(芝博一君) 続いて、指宿参考人、お願いいたします。

#13
○参考人(指宿昭一君) 御質問ありがとうございます。
 特定技能、実は私は、最初から余り来ないのではないかと思っていました。ただ、予想以上に来ないので、そういう意味では少しびっくりしています。
 私が、なぜ来ないのかということをいろいろいろんな人の話を聞いたりして、結論は、マッチングのシステムがないから。じゃ、何で技能実習生はたくさん来ているのか、四十万人以上も来ているのかというと、これ、実習生が出稼ぎがしたくて来ているという面は背景にはあるんですけど、実際の原動力は送り出し機関がもうかるからなんですよ。送り出し機関がもうぬれ手にアワで、ベトナムだったら一人当たり百万円取れるわけで、物すごいもうかるから必死で送り出すんです。
 特定技能はそういううまみがないから、だから送り出し機関は何もやろうとしない。じゃ、受入れを増やすためにベトナムやカンボジアみたいに送り出し機関を使うとなると、今度は送り出し機関がそこでも中間搾取を始めるわけで、決していいことではない。
 だったら、鳥井参考人からもあったように、ハローワークを活用してマッチングのシステムをちゃんとつくるべきだと思います。
 当然、海外のことですから日本だけではできない。日本とベトナムで二国間の協定に基づいた二国間のハローワークシステムをつくればいいと思うんです。これ、絵空事ではありません。韓国ではやっています。韓国の雇用許可制というのはそういうことをやっています。韓国の雇用許可制を全面的に日本で取り入れるということを言っているんではなくて、マッチングの面は大いに参考になるので、良い先行事例があるので、それをやれば特定技能は十分に機能できると思います。
 ほかにも、特定技能一号から二号への移行をスムーズにするために、スムーズにというかな、できるようにするために二号の枠をもっと拡大するべきだ、つまり、十四職種のうち十二職種については移行できない状態に今なっているので、もっとずっと日本で安心して働けるというような、日本でスキルアップして働ける、また働いてもらえる、そういうシステムをつくることとか、そういうこともありますけど、そういうふうに改革すれば特定技能は私はいい制度になり得るというふうに思っています。
 御質問の趣旨に沿って、ポジティブにお答えしました。以上です。

#14
○山田太郎君 ありがとうございます。
 次に、田中参考人にお伺いしたいと思います。
 実は、私、数年前に、ある里親協会の副会長のところ行きまして、そこで衝撃的な記憶というか、いまだに忘れられないのが、通常、里親さんというと、御案内のとおり、何年かたったらば自立させたりとか家族統合で戻すということなんですけれども、里親のおきてを破った一件のケースがあるんですということを涙ながらに言われたのは、外国人のいわゆる知的障害者の子はいわゆる特別養子縁組で実子にしたんですね。何でかというと、出口がないというかなり深刻な話をいまだに忘れることができません。実は障害を持っている場合もありますし、また健常であったとしても、いわゆる児童養護として外国人の子供たちのいわゆる出口問題というのはどういうふうに具体的になっているのかどうか。
 党の方でも、今実は若手の勉強会で子供家庭庁の議論ということを自民党内も始めてはいるんですが、外国人の子供たちの児童養護の在り方、一時保護というのは同じようにやれるんですが、施設での中口とか出口としての、自立なのか再家庭統合なのかですね、しかも障害を持っていると非常に厳しい現状もあると思っていますが、御存じな限り、どういう可能性、やり方があるのかどうか、あるいは現状がどうなっているのか、その辺り是非、田中参考人にお聞かせいただければと思っています。

#15
○参考人(田中宝紀君) 御質問ありがとうございます。
 私が把握する限りにはなりますが、児童養護施設にいる外国にルーツを持つ子供についてまとまった取組というのはまだ行われていないという認識でいます。
 一方で、現場レベルでは、児童養護施設の中で、外国人のお子さんを保護をした、日本語が分からないので教えてほしいですとか、学習の支援をしてほしいというような形で連携の事例は幾つか出ています。一方で、その児童養護施設の中でどのように保護をしていくか、育成をしていくかといったことですとか、あるいはその出口をどこにつないでいくかということについては、基本的には、実際に具体的に何か取組を行っていたり研究をしているようなケースというのは私は存じ上げていません。
 一方で、実は、本当にここ数年、海外にルーツを持つ子供に関する関心は高まっておりまして、児童養護施設の中でも非常に多数の子供が在籍をしていたりですとか、あるいは少年院の中にそうした外国にルーツを持つ少年がいたりですとかということで、そうしたそれぞれの領域の中でどのように海外ルーツの子供や若者を処遇していくかというようなことは、それぞれの領域の専門分野から何か取組をしたいというような声が上がっているところです。
 今後、いわゆる福祉領域の各児童養護の分野の方々や少年院の支援をするような団体等と連携を進めて、どういった支援があり得るのか、どういった仕組みをつくればいいのかということも検討を始めていくというような段階にあります。

#16
○山田太郎君 以上で質問は終わりなので。
 ありがとうございました。

#17
○会長(芝博一君) それでは、引き続いて、御質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 牧山ひろえ委員。

#18
○牧山ひろえ君 立憲民主党・社民の牧山ひろえです。
 本日、参考人の皆様におかれましては、大変お忙しい中、またコロナの第三波が猛威を振るう中、本当にためになる話、ありがとうございます。また、誰もが安心できる社会の実現として、困難を抱える人々、特に外国人をめぐる課題というテーマに沿った大変ためになるお話をたくさんいただきまして、厚く御礼申し上げたいと思います。
 参考人の先生方の陳述の中で、外国人技能実習生の妊娠や出産をめぐるトラブルについて取り上げていらっしゃっております。妊娠、出産はある意味生活そのものであるので、技能実習生が数年単位で日本に滞在するスキームである以上は、当然、受入れ側や制度全体を管理する国は技能実習生の妊娠や出産について何らかの準備ですとか想定をしておくべきだと当然ながら考えております。
 そこで、質問したいのですが、参考人が感じられる範囲で結構ですが、この問題に対して国や受入れ側が、ではどのような準備や想定がなされていたのか。それからまた、先ほど申し上げましたように、妊娠や出産が生活の一部である以上、今までも同じような状況が生じていたのではないかと考えます。ですが、実習生の妊娠、出産が大きく取り上げられるようになったのはここ最近のことではないのかなと思うんですが、では妊娠、出産に関する以前の実態はどうだったのかということも併せてお伺いできればと思います。
 指宿参考人と鳥井参考人、お願いいたします。

#19
○会長(芝博一君) それでは、指宿参考人からお願いします。

#20
○参考人(指宿昭一君) まず、国の認識については、先ほどの別添記事一の二枚目ですね、二ページ目で法務省のコメントがありましたが、非常に、何というか、その認識がない。実習生は三年間日本で学んで帰る人たちなんだから、出産、妊娠というのは本来あり得ないというのが国の本音ではないかと思います。
 送り出し機関や受入れ企業等々はそれ以上です。本当にあり得ない、妊娠したらもう帰ってもらうしかない。それは人道上は良くないことかもしれないけど、うちは高いお金払って働いてもらうために来ているんだから、それ以外あり得ない、妊娠なんかしたら帰ってもらうしかない、常識でしょう、これが本音だと思います。実際、そういう声も聞いたことがあります。
 それで、これが問題になったのがいつからかなんですけど、富山事件というのがありまして、平成二十三年だから二〇一一年の事件で、これ中国人の女性の実習生が実習期間中に中国残留孤児の三世の日本人男性と交際して妊娠した、そうしたら強制帰国させられそうになって空港まで連れていかれたという事件がありました、未遂に終わったんですけど。ただ、残念ながらその彼女はそこで流産してしまいました、それがきっかけとなって。これは、今私が報告している事実が富山地裁でも認定されて損害賠償責任が認められていますので、これは間違いない事実です。この頃からありましたし、多分、鳥井参考人の方が詳しいと思うんですけど、その前から、そして今までずっとあった問題だと認識しております。
 以上です。

#21
○会長(芝博一君) それでは、引き続き、鳥井参考人、お願いします。

#22
○参考人(鳥井一平君) 御質問ありがとうございます。
 今ここのところで顕在化したという表現が正しいと思います。ずっと横たわってきた問題ですね。そして、一つは、この日本社会における女性労働者の全体の問題がずっと横たわっているということもまずあると思います。
 つい最近、一部上場企業の技能実習室長といいますからそういう役職の方なんですけれども、女性の技能実習生の妊娠問題出たところで、女性の技能実習生を全員集めて、あなたたちの本分は技能実習だからということで、そういう妊娠やそういうものが起きないようにということを発言しているんですね。それ私、直接に、交渉の中でその技能実習室長が堂々とお話をされていました。これは、そうすると、この一部上場企業のホームページを見ますと、いわゆる企業行動綱領、これも大きく掲げていますし、非常に残念なことです。
 これはやっぱり、妊娠や出産というのが働く女性の権利としてあるということについて、やっぱりその今の日本の労働現場、企業の中にもこれがしっかり担保されていない中で、その中でとりわけ技能実習については一つの理屈をつくって、留学生なんかでも同じような理屈なんですけれども、学んでいるんだからという、権利を侵害していくということだろうと思います。
 先ほどお話があった富山事件では、これは記者会見を、受け入れている企業と監理団体が記者会見をしています。その記者会見で、送り出し機関との契約に明記されていると、妊娠すれば帰国だということを記者会見で述べています。
 これが、私も、ついこの一昨年のところでも、新たに入手したベトナム語の送り出し機関との契約書の中にも、強制帰国の場合、送還の場合というので、慢性病、エイズ、妊娠の場合には強制送還と明記されています。これ、もちろん、慢性病、エイズで帰国というのも、これも甚だしい人権侵害です。治療を受けながら働く権利を持っているわけですよね。そういうことを技能実習制度下において行われると。
 これ、時間も余りないところで恐縮ですけれども、先ほどの川崎事件の女性の実習生は、誰にも言えないので一人で産むわけですね。一人で産んで、そして川崎の町を歩き回るんです、子供を抱えながら。そして、ある一軒の家の中に玄関におもちゃがいっぱい置いてあったと、ここなら育ててくれるんじゃないかといって置いてくるわけですね。しかし、それは嬰児遺棄事件になってしまうわけですね。これ、私、直接本人とも話をしましたし、もう新聞記事が出てすぐに本人との連絡を取るということでやった中で彼女から直接聞いた話なんですけれども、そういう状況下に技能実習生を置いてしまっている。
 この制度というのは、やっぱり先ほどのもう一度繰り返しで、結論になりますが、廃止をして、やっぱり女性が女性として働く、そういう制度にしていくべきだろうというふうに思います。

#23
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 国内就労者のリソース不足を解消する手段として、政府は専門的、技術的分野についてはかなり早い段階から外国人労働者を積極的に受け入れる方針を示しています。それに対しまして、いわゆる単純労働者の受入れについては、第九次雇用対策基本計画に至っても十分慎重に対応するとされており、いわゆる単純労働者の受入れを正面からはしないという政府方針は引き続き堅持されています。その反面で、このような業務に従事するリソースの不足は、現実としてどうしようもなく技能実習生を始めとして留学生や日系人や二世や三世、そして非正規滞在者などによって賄われているわけです。
 先ほど申し上げました技能実習生の妊娠、出産の件もそうですけれども、外国人が日本で生活する際に生じる様々な困難の根源的な原因はこの建前と現実の乖離から生じているのではないかなと私は考えていますが、参考人の皆様の御意見をお聞きできればと思います。

#24
○会長(芝博一君) 三人にでよろしいですか。

#25
○牧山ひろえ君 はい。

#26
○会長(芝博一君) それでは、この件については、鳥井参考人から順次お願いいたします。

#27
○参考人(鳥井一平君) 議員御指摘のとおりだと思います。
 ですから、受け入れている企業や農家の方々は労働者を求めているわけですね。この制度で技能実習生が欲しいわけじゃないというふうにはっきり申されています。
 ところが、この制度上、先ほどから指宿さんが御指摘のとおり、がんじがらめの制度になっているんですね。いわゆる借金漬けにしておいて、がんじがらめに。そうすると、社長さんたち、農家の方々も勘違いをしてしまうんですよ。何も言わない、おとなしい、何をやってもいいんだなという感じになってしまうんですね。
 ですから、つまり、この実際と建前が乖離しているために様々な人権侵害や問題が起きるわけですね。刑事事件になるものもあります。必ずしも、その社長さんたち、あるいは農家の方々だけが悪いわけではないわけですね。この制度がそういう問題、事件を引き起こしてしまうということがあろうかと思います。
 御指摘のとおり、この乖離が非常に大きな問題ですから、廃止をするということだろうと思っております。

#28
○会長(芝博一君) じゃ、田中参考人、お願いします。

#29
○参考人(田中宝紀君) 御指摘のとおりだと思います。
 加えて、やはり労働者であっても、もちろん生活をする存在であるということですとか、あるいは日系人の方、日本人の配偶者と、あるいは定住者の方ですとか、日本社会の中に長期に滞在をしていける在留資格の方々も当然いらっしゃるわけですね。こうした方々が、移民でない、日本社会の一員でないというような前提の下、様々な施策が組まれていることが、特に世代を重ねた子供たちが成長していく過程でアイデンティティークライシスの引き金となったりするようなこともあります。私は日本で生まれて育っているのに、いつまでたっても日本社会の一員と認められている感じがしないというようなことですね。
 日本社会の中で生きていく、あるいは日本社会しか知らないというような子供たちが次々育っている中で、外国人はいつか帰る存在だからというような前提の制度設計というのはそろそろ限界に来ているというふうに感じています。

#30
○会長(芝博一君) 続いて、指宿参考人、お願いします。

#31
○参考人(指宿昭一君) 議員御指摘のとおり、全くそのとおりだと思います。
 私の資料、四点配らせていただいていますけど、三点目の外国人労働者をめぐる政策課題の中にも、そのことは結構力を入れて述べております。
 一言だけ付け加えさせていただくと、単純労働者とか、それから専門的、技術的分野の外国人という言葉は非常にあやふやです。何が専門的で、何が単純なのか。
 農業労働って単純ですか。私はそんなことないと思いますよ、すごく大変な。ただ、農業の労働は、必ずしも大学、まあ大学、農業大学出ている方もいますけど、大学を出る必要はないんですよ。また、必ずしも何か十年間例えばベトナムで農業をやっていたという証明が要るかというと、別にそれは要らないと思います。そういう人たちを単純労働のカテゴリーに押し込んで、でも実際、日本で農業の労働者足りなくて困っているんですよ。入れればいいじゃないですか。変な、何というかな、頭でっかちな概念にこだわって受け入れていない。
 専門的、技術的分野という言葉は、現実の日本の在留資格制度を見ると、ほとんどが大卒か専門学校卒ということを指しています。プラス、インドカレーの料理人とか、そういう特別な技能的な部分がプラスされていますけど、ほとんどは学歴ですよ。学歴で区別して、学歴ない人入れないなんて、何の合理性もないと思います。
 日本で、もちろん学歴ある人も来てほしいけど、農業や介護やいろんな分野で実際労働力が足りないんだから、労働者が足りないんだから、それを受け入れればいい。それをやらないから、いろんなところでぎくしゃくしておかしなことが起こっているということは言えると思います。
 以上です。

#32
○牧山ひろえ君 参考人の皆様、本日の陳述、大変参考になりました。ありがとうございます。
 単に労働力不足の穴埋めとして便利屋扱いするのではなくて、同じ日本という地域で共に生活をする仲間として関係性を再構築していくことが私は何よりも重要であると思います。
 本日はありがとうございました。

#33
○会長(芝博一君) 以上、牧山委員の質疑は終わりました。
 次に質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 下野六太委員。

#34
○下野六太君 公明党の下野六太でございます。
 本日は、参考人のお三方の皆様のお話をお伺いしながら、身につまされるような思いで、これは単なる外国人の労働者における困っている人の問題ではなく、そういった単純な問題ではなく、人権問題であるというふうに思いを新たにしているところであります。
 先ほどから、鳥井参考人と指宿参考人に共通して言える、海外でのやっぱり悪質なブローカー、中間搾取における、そういった問題を生み出している技能実習生の問題、この技能実習生を廃止するということに関しては、それをすればその問題はやむということにつながるかと思うんですが、現状でですね、現状でその問題をいち早く何とか改善をしないといけないというふうに思いを新たにしているところなんですが、この今ある現状の中で、各国における中間搾取をするような悪質なブローカーのこのような問題を改善をするためにはどのように手を打っていけばいいのかということについて、鳥井参考人と指宿参考人それぞれにお伺いしたいと思います。

#35
○会長(芝博一君) それでは、鳥井参考人、お願いします。

#36
○参考人(鳥井一平君) 御質問ありがとうございます。
 現状、廃止ということはもちろん言うんですけれども、今起きている問題がありますよね。もちろん御指摘のとおりで、それをまずどうするのかということもあると思います。
 そういう意味でいいますと、個々の技能実習生が陥っている窮状に対する救済と、今御指摘のシステム上での何か改善策がないかと、こういうことだと思うんですけれども、それは何よりも、一つは前借金を背負わせないようにするにはどうしたらいいかということなんですね。
 この制度上、保証金というのは、ようやくといいますか、ずっと保証金というのがあったんですけども禁止をされました。この保証金制度は現状禁止ですけれども、手を替え品を替え借金になっているんですね。確かにデポジットでもあります。デポジットということは、三年間無事に終えると返ってくるというようなシステムになっているんですけど、これをどうやってやめさせるのか、あるいはそれをどうチェックするのか。ですから、この前借金を背負っているか背負っていないかということが、チェックをどうするのかというのが一つの課題としてはあると思います。
 この前借金というのは、国際社会では、やっぱりアメリカ国務省の人身売買のいわゆる要素の中にもこのことが、前借金というのが非常に大きな要素として指摘しておりますから、この前借金を背負わないようにするための手だて、チェックというのを行うということが必要ではないかなというふうに思っております。

#37
○会長(芝博一君) 続いて、指宿参考人、お願いします。

#38
○参考人(指宿昭一君) 質問ありがとうございます。
 一言で言うと、ブローカー規制をきちっとする。これは技能実習もそうですし、特定技能もそうですし、日系人の二世、三世の場合にブローカー入っている場合あるんですね。ほかの就労系のビザの人たちも、ブローカーが入って悪質な中間搾取している場合はあります。これを徹底的に規制する、大きく言うとこういうことだと思います。
 規制の仕方は二つあります。一つは、ブローカーを入れない、禁止する。これが韓国のやり方です。韓国の雇用許可制はそういうやり方をしています。もう政府と政府で、二国間で二国間のハローワークをつくって、政府を通じて入れるから、費用はほとんど掛からない。
 もう一つやり方があります。台湾はブローカーの存在は認めるけど規制をします。幾らまで費用を取っていいかとか、そういうことをきちっと規制する。
 私は、ブローカー廃止、廃止というか禁止が一番いいと思いますけど、現行の制度をすぐに変えられないのであれば、まずはブローカー規制をするべきだと思います。例えばベトナムは、ベトナム政府自身が三千六百ドル以上のお金を実習生から取ることを禁止しているんですよ。でも全然守られていない。この間のNHKの報道、報道というかな、ドキュメンタリーでは、ある送り出し機関の職員が、ベトナム中で二社しかそれは守っていない、あとは全てそれを破って取っていると言っていました。
 ベトナム政府が自らの方針を守っていないようなことに対して、日本政府が何も言えないわけがありません。強力な二国間協定を作って、例えば、まあ三千六百ドルで本当にいいのかという問題ありますけど、仮にベトナム政府がそういう基準を持っているんだったら、それを破ったらもうその送り出し機関からは絶対入れない、ベトナム政府に対しても強い態度を求める、やってくれないんだったらこれはベトナムからの受入れはやめますよというぐらいの強い態度で臨めば、今の中でもブローカー規制はある程度はできると思います。
 ただ、そうはいっても、それは現実にはなかなか難しいので、やっぱり廃止した方がいいと思いますけど、もし現状を前提にということであれば、そういうことが考えられると思います。
 以上です。

#39
○下野六太君 大変参考になる御意見をありがとうございます。
 続いて、田中参考人にお伺いをしたいと思います。
 学校で、外国籍、外国人のお子さんが学校に学びに来る場合の受入れの問題なんですが、やはり、なかなか日本語がうまく話せないようなお子さんを学校で受け入れる場合、現状、日本の学校教育の現場も今疲弊をしているというのが恒常的にどこの学校でも起こり得ているというような問題があると思います。
 例えば、先生方が余りに過重労働の中で精神的な病になって病休をすると、そこに新しい人を講師として招き入れるような形を取りたいんですけれども、恒常的に人材不足がやまないと。では、じゃ、そこの分を周りの人たちが分担をして自分の仕事以上の仕事を恒常的にやらざるを得ないというようなことがどの学校でも今起こり得ているというような現状の中で、様々な形で例えば外国籍のお子さんを学校に受け入れる場合の受入れの体制が取れていないというのが現状ではないかなというふうに思っているんですね。
 つまり、四年間の教員養成系の学部を学んでくる中に、そういった外国人のお子さんが来る、そしてその子たちとともに学ぶと、どうすればそういった子たちとうまくやっていけるのかというような、教員養成系の課程の中にもそういった学習の仕組みが今まだ整えられていないというような現状があります。
 そこで、やはり、そこで力発揮してもらえればいいかなと私が思うのは、やっぱりスクールソーシャルワーカーの存在ではないかなというふうに思うんですね。やはり専門的な、スクールソーシャルワーカーがすごいなと思うのは、いろいろな家庭の中にやはり専門的な知見を持ってちゅうちょなく上がり込むことができる。私たちが、教員たちはなかなかその玄関先で止まってしまうところを、スクールソーシャルワーカーは、この家庭は困窮している、ここの家庭は行政の支援の制度をいまいち分かっていない、ならばここ上がり込んで膝詰めで話をしていかないと駄目だと思ったら、さっと上がっていってそこで話をまとめることができるというのがスクールソーシャルワーカーじゃないかなと思うんですが。
 そういったスクールソーシャルワーカーにもう少し研修を義務付けて活躍をしてもらえれば、今ある問題の改善に向けて少し前進するのではないかなと私は思うんですが、いかがでしょうか。

#40
○参考人(田中宝紀君) 御質問ありがとうございます。
 おっしゃるとおりだと思います。ちょうど昨日、クラブハウスというSNSを使ってソーシャルワーカーの方々と意見交換をさせていただいたところで、ソーシャルワーカーの、スクールソーシャルワーカーの方も、外国にルーツを持つ子供たちへの対応を何とか進めていきたい、そのために必要なノウハウを知りたいというような意向があるというタイミングであるので、ここでSSWの皆様に是非その一役を担っていただくというのは非常に有効な手段というふうに存じます。
 加えて、学校の先生方がこれ以上対応できないというのは私も現場で実感をしているところです。私たちの運営するスクールは、基本的には来日直後のお子さんで日本語が全くできない場合、およそ二・五か月間私たちのスクールのみに通っていただくんですね。平日の昼間、学校には行かずに、学校代わりにスクールに通っていただいて、日本語の初級レベルの基礎を身に付けていただく。その間、学籍のある学校からは出席扱いとしていただき、情報共有を密に行うことで、学校の担任の先生が準備をする時間を確保することができる。こうした、学校の先生方が体制を整えるまでに一定の時間を持つことができる、丸投げできるというような状態が実は理想的なのではないかなというふうに今の段階では感じています。
 その丸投げをどことどういうふうに進めていくのかということをコーディネートし得るのは、ソーシャルワーカーやコーディネーターの方の役割かと認識をしています。

#41
○下野六太君 大変参考になる御意見だと思います。ありがとうございます。
 それでは、鳥井参考人、もう一つお伺いしたいんですが、様々な形で行政の問題が多々あるかと思っています。意識の問題から具体の問題までがあると思うんですが、やはり今コロナ禍にあっても、外国人に対して、日本語が不十分な方々に対する支援が十分できていないというふうにも私も痛感しているところでありますが、このような現状を改善をしていくために、行政に対しての鳥井参考人のお考えをお聞かせ願えたらと思います。

#42
○参考人(鳥井一平君) ありがとうございます。
 一言で申し上げると、各自治体、行政の窓口では奮闘している方もいらっしゃるんですね。しかし、その方々は個々人で奮闘しているという状況なんです。つまり、自治体においても、それを対応することがいいのか悪いのか。例えば、多言語の予算をどうやって作るのかと。これ、ですから、中央政府との関わりもありますよね。ですから、各自治体における、例えば今申し上げた多言語の予算化ができるのかということになると思います。
 例えば、定額給付金についても、申請書は全て日本語です。私も十人ぐらいの分を書きましたけれども、ある日系二世、三世の若者は、日本語の、日本の学校出ていますから、七十人分の七十枚の申請書を書いたと、頼まれてですね、というふうに言っていました。これが実態なわけですよね。
 ですから、先ほどスライドでも出させていただきましたけれども、日本語が読めないと。ただ、せっかく住民票ができて、その住民票にはその家族がどういう構成になっているのかということは、各地方自治体、把握はしているわけですね。しかし、それに伴うサービス、行政サービスを行う、このことが予算化することで何か反発を受けないか、ファクスや抗議のメールが来ますという声も聞きます。
 そうすると、これはやはり中央政府での政策とのねじ曲がりといいますか、そこがぴったり一致するようなことにしていかないと、やっぱり地方自治体単位で、あるいは一つの役所単位で対応するのは非常に大変なことかなというふうに思っています。
 ですから、この言語の問題、多言語、つまり、どのようなツールで一人一人に対して住民サービスができるのか、このことをやっぱり検討する必要があるんだろうと。これはやっぱり、私は、政府としての政策として大切なポイントではないかというふうに思っております。

#43
○下野六太君 おっしゃるとおりだと思います。
 昨年四月七日に緊急事態宣言が発出をされたときに、困窮しているのは日本人だけでなく、外国籍の方々、日本に働きに来られていらっしゃる方々も同じように困窮しているのを見て、そこで特別定額給付金を四月二十七日を起算日として、その住民基本台帳に名前が載っていらっしゃる方は全員に給付できるようにしたというようなことに対して私は非常によかったんではないかというふうに思っているんですが、そのもう一歩先を私たちはしっかり地方で行政が取組を進めていくべきだったなということを今深く反省をしているところであります。
 最後に、女性に優しい社会は男性にとっても優しい社会であると。今ジェンダーのことが言われていますけれども、私は、今回の件を通して、やっぱり外国人に優しい社会は日本人にとっても優しい社会であって、そういった社会をやっぱりつくっていかないといけないなということを改めて考えさせられましたので、しっかり取り組ませていただきたいと思います。
 三人の参考人の皆さん、大変にありがとうございました。

#44
○会長(芝博一君) 以上、下野委員の質疑を終了いたします。
 次に質疑のある方は挙手を願います。
 高木かおり委員。

#45
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
 本日は、三人の参考人の皆さん、本当にお忙しい中お越しいただき、大変貴重な意見陳述の方を聞かせていただきました。ありがとうございます。
 それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。
 今日、御説明と、それから各委員の皆さんの御質問を聞いている中で、私が以前、法務委員会それから文教科学委員会におりましたときに、この外国人の技能実習生についてもいろいろと議論を重ねてまいりました。そういった中で、この留学生の問題、今日何度か出ていたかと思います。これは約十年間の間に三十万人計画というのが達成されるほど、今日お話を聞いていると、やはりそこの中にはブローカーという存在があり、早急に進んできたのかなというふうに思っています。
 そういった中で、この留学生の学種別に見ますと、大学とかの学部、短大に行っている方というのが、日本語学校で学ぶ方が多いと。しかも、今まで国の方、中国とか韓国が多かったのが、最近ベトナムですとかネパール、非漢字圏といいますか、そういったところが増えていると。これは、やはり言葉の問題、今日も出ていましたけれども、非漢字圏の国の方というのは漢字圏の国の方よりも約四百時間ほど多く習得に掛かるというふうにも言われていると聞いています。
 そういった中で、今日のお話の中でも、借金をしていて、借金をしながら日本に来て、アルバイトをしながら、当然これ勉強する時間もないわけですよね。そういった中で、私は今日聞いて、ブローカーの規制をするのがやはり解決策の一つだということを指宿参考人もおっしゃっておられましたが、この得策の二国間協定というのがまだまだ行き届いていないということにちょっとびっくりをしたといいますか、まだまだこの課題は大きいんだなというふうに今感じているところなんですけれども。
 こういった中で、この留学生の問題にしても、この技能実習生の問題、これ、ほとんど同じぐらいの人数がいるわけなんですよね。こういった中で、アルバイト二十八時間まで、これも一つのアピールポイントとして、ほかの国よりも長く働けるというようなことも言われながら、日本に夢を抱きながら留学生も技能実習生も来ているというようなのが今の現状だと思います。
 そういった中で、今日いろいろと課題聞きましたが、こういった先ほどのブローカー規制以外で、例えば地域で就職の支援をするですとか自治体が支援するですとか、そういったことも含めて、この成功事例と、留学生や技能実習生がしっかりとそこで夢を抱きながら、仕事をしっかりしながら、もちろん留学生は勉強もできながら、そういった成功事例というのがあれば指宿参考人、それから鳥井参考人も御存じであればお聞かせいただきたいと思います。

#46
○会長(芝博一君) それじゃ、指宿参考人、よろしくお願いします。

#47
○参考人(指宿昭一君) そうですね、先行事例は、実習生について私は一つだけ、ちょっと勝手に名前出していいかどうか分からないので、北海道のある農場で、きちっとした受入れをして、賃金もちゃんと高めに払って、もちろん労働基準法を全て守ってやっているところは知っています。ただ、そこの受入れでは、実習生というのは農場にとっても本人たちにとっても良くないということで、特定技能への切替えを行っているようです、基本的に。そういう農場を一つ知っています。
 留学生の受入れについては、これは報道で知っただけなんですが、やっぱり北海道で、ちょっと地域の名前が間違っていたらあれなんで言いませんけど、自治体と学校が協力してかなりの補助金を出して、実習生が、あっ、失礼、留学生がアルバイトをしない形で入ってくる、そして将来そこの地域の担い手になっていく、こういう受入れの仕方が報道されていました。私は、報道ベースでしか知らないので実態までは分かりませんけど、それがもし本当にそういう形で行われているとすれば、それはいい形ではないかと思います。
 もう一つ、実習生の問題や、特に実習生ですね、実習生が物を言えない労働者であるということを言いましたけど、地域社会とつながっていれば助けが求められるんですよね。でも、ほとんどの場合、もう隔離されちゃっている。工場で何かベトナム人が働いているみたいなんだけど、あの人たち誰って。全然何かも分からないし、買物にすら出るときは誰かが監視で付いているから話もできないしということが多いです。
 だから、地域社会の中にちゃんと結び付いていく、そうすると、おかしなことをやっていれば情報が出ていって、それで労基署が動くとか、そういうことにもつながる。そういう意味で、問題事例、とにかく問題事例を減らすというかな、明らかにする上でも地域社会の役割というのは大きいと思っています。
 以上です。

#48
○会長(芝博一君) 鳥井参考人、御事例があれば。

#49
○参考人(鳥井一平君) 成功事例というのがなかなか厄介なことでしてね。何を申し上げるかというと、成功事例という表現が何に対する成功事例なのかということなんですね。
 留学生は、私の試算で二〇一九年に、在留数に対する労働者数という単純な計算なんですけれども、八八%が働いているんですね。こういう国は世界どこを探してもないわけですね。お隣の韓国で一・七%、いわゆる先進国の中ではもっと非常に低いですね。ですから、議員御指摘のように、働くために留学生として来ているということになるわけです。これは技能実習生も同じことになるわけですね。
 そうしますと、成功事例といいますか、留学生の中に自らの専門の勉学について日本の企業で生かしていく道筋、これは恐らく、私が述べるまでもなく、あると思います。ただ、先ほど山田議員から御指摘があったように、必ずしも日本に定着しないという問題がかえって今言われているんだろうと思うんですね。留学で日本の大学で学んだことを日本で生かすということではなくて、国際社会の中で活躍する人が出てくるということだろうと思います。
 もう一方で、成功事例といった場合に、喜んで帰った人たちがいるかということでいいますと、少なくはないわけです、それは。それはいわゆる出稼ぎの成功事例といいますか、この三年間で、あるいは留学の中で、働く中で仕事を身に付けて、それを国に帰って生かすということは少なくもないわけですね。ただ、これは目的意識的に開発途上国への技術移転ということで行われた事例ではありません。
 ですから、先ほど一部上場企業のお話をしましたけれども、その技能実習室長に、技能実習生の本分というんであれば、御社において開発途上国に技術移転をしたフォローアップはされていますかとお聞きしたら、していないと。そうではなくて、喜んで三年間いかに働いて帰ったのかということはしているということなんですけどね。
 ですから、いわゆる成功事例というのを、この制度上での成功ということにはなかなか、そもそもJITCO時代から、JITCO自身が成功事例、いわゆる好事例を見付けるのが大変だったということにも表れていますけれども、なかなか難しいなと、この制度での成功例というのは難しいなと思っております。

#50
○高木かおり君 ありがとうございました。大変参考になりました。なかなかうまくいっている事例というのは難しいんだなというふうに感じました。
 続きまして、田中参考人に伺いたいと思います。
 今日も、言葉が話せない、そういったことで様々な問題が生じているという話が出てまいりました。そういった中で、今日御説明も少しいただいたかと思うんですけれども、この未就園児の時期ですね、そこから小学校に入る前の幼児保育の部分ですとか、あるいは小学校に入ってからの学童保育の部分ですね、学校が終わった放課後の学童保育の部分でのこの生育過程というのも非常に重要だと思うんですけれども、ここではどういった日本語の教育というものが担保されているのか、そういった点について御見識あれば伺いたいと思います。

#51
○参考人(田中宝紀君) 幼児に対する日本語教育の取組については、プレスクールと呼ばれる施策が愛知県等の外国人集住地域で先行して実施をされていまして、いろんな形態があるんですけれども、保育園等を回って、週に数時間、日本語の言葉や、日本のお子さんであれば家庭の中で学ぶ機会のある昔話ですとか歌ですとか、そういったような情報を補足していく。同時に、学校生活に向けて必要な準備、例えば上履きを準備したりですとか、そういったことも併せて保護者の方の支援という文脈で行うというような取組があります。こちらのプレスクールの取組に関しては、就学前ガイダンスというような形で、保護者を中心として入学に関する手続等を支援するという形態でも各地で取組が広がっているところです。
 一方で、学童保育に移行した後に、まとまった学童の中での日本語教育が行われているという事例は私は聞いたことがありません。学童期に関しては、主に地域のボランティアの方ですとか私たちのようなNPOによる放課後の学習支援ということが多く、大半を占めていまして、何かまとまった取組が学童の中で行われているというようなことは今のところ聞いたことがないというところです。
 一点、もしよろしければ、先ほどの指宿さんと鳥井さんへの御質問について、これが成功事例ではないんですけれども、東海地域の中で、留学生か実習生だったかちょっと失念してしまったんですが、新たに地域の中にやってきた外国人の方々に一人一家庭をマッチングして、バディーという形で生活のあれこれ、地域のことをお伝えしたりですとか、例えばお正月は一緒にお雑煮を食べたりお参りに行ったりというような日本の行事を共に過ごしたりですとか、本当に一対一の関係の中で地域とのつながりを育んでいくというような取組をしている自治体があると報道ベースで見ています。元々は、たしか欧米の中でバディー制度という、ベルギーだったかドイツだったかと思うんですけれども、そうした制度を持っている町があって、移民の受入れの初期段階による、言わば社会統合の中の一つのプログラムとして非常に有効に機能しているということを聞いたことがあります。御参考まで。

#52
○高木かおり君 ありがとうございます。
 そうですね、小学校に入ってからの学童保育の部分というのは、実は私の地元の小学校で、数年前なんですけれども、やはり、例えば一か国、二か国程度であれば対応が、ボランティアの方に対応していただくということができたときもあったんですけれども、それが、いろいろな国の言葉を使う子供たちというのがどんどん増えてきてしまい、その学童保育で、当然その保護者のお母さんもちょっと日本語が分からないという状態の場合、子供同士のトラブルですとか、そこに学校は関与しないということで大変困っていらっしゃるという話をお聞きしまして、こういった放課後での学びの場というところでも、そういったボランティアの方始め、そういった専門的な日本語を教えていただけるというような人材が必要なのかなというふうに感じました。
 そういった中で、御見識があれば少し最後にお聞きしたいんですけれども、この日本語を指導するというのは、例えば教員の免許を持っている教員の先生が学校の中で、例えば少ない児童、外国籍を持った児童に対して取り組んでおられると、それは様々だと思うんですけれども、例えば日本語教師の資格を持っている方々、こういった方々は今ボランティアとして働いていらっしゃるという方が約半数近くというふうに聞いています。そういった中で、常勤では一四・三%、それぐらいの数字でしか常勤で働いておられない。
 こういった方を活用していく、協力をしていただくというような、何かそういった御見識がございましたら、最後にお聞かせいただけますでしょうか。

#53
○参考人(田中宝紀君) そうですね、日本語教育、特に子供に関しては、実は母語の育成の観点も含めて言語発達の非常に重要な繊細な時期にあるということで、本来であれば専門性を有する人材が対応することが望ましいという分野です。その中で、やはり御指摘のとおり、子供の日本語教育も地域の中の大人への日本語教育もほぼボランティアの方が担っている現状がありまして、なかなかその専門性のある体系的な支援というところまでには至っていない状況です。
 一方で、日本語教育推進法なんかの存在も含めて、やはりきちんと日本語教育機会を提供するべきだというような考え方は自治体の中にも広がっているというふうに感じています。
 以前であれば、手の空いた先生が取り出し授業を担当する、ボランティアの方々に入り込みで学校の授業の中に入ってきていただいて支えてもらうというような状況から、一部の自治体さんではICTを活用して、遠くの地域にいる日本語教師の方と学校の中にいる支援を必要とする子供、その学校にはごく少数しか存在していないような場合に、そうした遠隔教育の手法を用いても日本語教師という専門性のある方の教育機会を確保するというような取組を進めているところもあります。
 一方で、外国人の方が多く暮らしている地域に関しては、昨今では初期集中指導という形で、来日直後にまとまった時間数を日本語教育のみに充てるというような形式の支援も自治体ベースで増えてきています。
 先ほどお話の中で、ある意味丸投げをするような時間があることが望ましいというふうにお伝えをしましたが、そうしたまとまった時間の中で、ごく短期間であっても専門家による体系的な支援の機会を提供した方が実は現場の実感値としては予後がいいんです。日本語をきちんと学ぶことによって、自分で自分の言いたいことを日本語を使って表現することができる、また読み書きの力も同時に付けていくことができるというようなことが、専門家が介在することによってそうした結果につながることが多いというふうに感じています。
 日本語教育の専門家を、専門知識を持った方をどのように学校の中に入れていくことができるのかというのは、私が二〇一九年度に参加をさせていただいた文部科学省の有識者会議の中でも議論となったところでして、そこも地域間の格差ということで、まとまって外国人のお子さんや日本語指導を必要とする子供がいる地域ではそういった取組が行いやすいけれども、本当にこの学校に一人しかそういう子がいないんだよねみたいなところはなかなか専門家を引っ張ってきてというところには行かないということなので、本当にITを活用してであっても、実際に質の高い支援というものをどう実現していくかということをかなり考えていかなくてはいけない状況だというふうに認識をしています。

#54
○高木かおり君 終わります。

#55
○会長(芝博一君) 以上で高木委員の質疑を終了いたします。
 次に御質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 伊藤孝恵委員。

#56
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。
 三人の参考人の皆様、本日はありがとうございました。
 まず冒頭、鳥井参考人に伺います。
 昨今、アジアにおいては非常に看過できないような深刻な人権侵害が発生しており、また、それが今も継続をしております。
 我が国と人権と法の支配といった普遍的価値を共有する国々においては、加害者たる個人や団体に対して人権侵害行為を理由にピンポイントで資産凍結やビザ規制などの制裁を行う、いわゆるマグニツキー法などが整備され、実際に制裁が発動されておりますが、日本にはまだございません。それどころか、難民条約を批准しているにもかかわらず、現行法上、難民認定の基準は存在いたしませんし、UNHCRの基準に倣うわけでもなく、極めてブラックボックス化しております。
 入管収容においても、司法審査なく、必要性、合理性の要件を満たさず無期限であることが国際人権規約に違反している、いわゆる国際法違反だというふうな指摘を国連の人権理事会からされてしまうといった現状です。
 令和元年六月には、長崎県の大村の入管施設において、三年七か月収容され、四回の仮放免申請を却下されたナイジェリア人の方がハンガーストライキによって餓死するといった事件まで起きております。
 この誰を入国させるかというのは、まさにこれはその国家の権力の作用を示すものでありますから、根源的な本質的な課題でありますけれども、国のスタンスを示すという中で、我が国は今自由で開かれたインド太平洋構想を提唱、主導する主導国の立場であります。この普遍的価値へのコミットを今試されている局面とも言えるというふうに思います。
 経済安全保障の観点からも、人権を重視した国際秩序というのを連携、形成していくことが必要だと強く思うところでありますけれども、参考人から見たこの日本政府の対応、一連の対応、例えば、遺憾であるとか懸念を示すとか、そういった表明するのみで、国内外の人権問題に対して行動がなかったり沈黙すること、そういうことについて危機感を募らせている、又は一定度の理解をしている、三十年間活動されていく中でどのようにお感じになっているか、教えてください。

#57
○会長(芝博一君) どなたの参考人にお聞きしますか。

#58
○伊藤孝恵君 冒頭、鳥井参考人に。

#59
○会長(芝博一君) それでは、鳥井参考人、お願いいたします。

#60
○参考人(鳥井一平君) 御質問ありがとうございます。
 議員御指摘のとおりです。はっきり申し上げて、日本が先進国としてその立場で国際社会の中で果たすべき役割、それはやはり何よりも民主主義、人権を重んじる、そのことをまず示すべき立場にあるんではないかなというふうに思っているんですけれども、一つ具体的な数字でいいますと、いわゆる労働搾取の人身売買の被害者認定というのがないんですね。先進国でそういうのがないというのは日本だけ。このことについて厳しく国際社会から指摘されています、まず被害者の認定も行っていないと。
 今、収容所の処遇の問題だとか様々な御指摘がありましたけれども、やっぱり国際的な基準、人権基準に立って、私たちのこの日本社会、日本政府が対応するべきところではないかなというふうに常々感じています。現場を回っていて、なぜこの人たちが救われないのか、なぜ救済されないのかということで、ずっと壁にぶち当たっているわけですね。その中で、やっぱり国際基準の中で、日本政府が批准している条約もあるわけです、そのことを実行することがすごく大切なことでありますし、今からでもすぐに批准するべき条約もあるわけですね。
 繰り返しになりますけれども、国際社会の中における日本の役割、責任というのをいま一度、この民主主義、人権という観点の中でしっかり考える必要があるんじゃないかなというふうに考えております。

#61
○伊藤孝恵君 おっしゃるとおりだと思います。私の問題意識の所在もそこにあります。
 また、人権の観点のみならず、例えばサプライチェーンにおけるデューデリジェンス、そういったものの強化に向けたガイドラインとか法整備がないというのはG7で日本だけなんですよね。そういったところで、多国間の人権外交連携とも言えるものがどんどんどんどん進んでいく中で、日本が何もしないということが本当に悪目立ちしていく、そういったことを非常に危惧しております。
 続いて、田中参考人にお伺いしたいというふうに思います。
 先ほど山田委員の質疑の中にもありましたけれども、児童養護施設で暮らす外国籍の子供たちのことが大変気掛かりであります。その入所者数、国籍、全国的な統計というのは我が国にはございません。調査によって課題が把握できていないので、当然対策もありません。
 一方で、外国人児童生徒の割合が三〇%を超える施設もあるというような、その増加率には特段の注意を要すると指摘している識者もおりますところから、厚労省がようやく今年度の研究調査事業として、施設種別ごとの外国籍の子供とその保護者に関する実態調査、課題の整理を行って、あわせて、施設や自治体で行っている取組についても情報収集し、必要な支援を検討するというようなことを行っております。
 彼ら、彼女らに私たちができることというのは、今みんなが手探りだというのが偽らざる現状だというふうに思いますけれども、やはりポイントとなってくるのが、この子たちは能動的に行政支援を得る、得に行くという存在ではありませんので、私たちがいかに多機関連携をしてこの子たちを守っていくかということに尽きるんだというふうに思います。
 そこで、お伺いしたいんですが、例えば本当に、児相、要対協、市役所、包括支援センター、NPO、学校、警察、裁判所。オーストラリア、諸外国にあるような、そういった多機関連携をシステムやデジタルで補完していく、支えていくというのも必要だと思うんですが、現状、田中参考人等はどういったところと連携をし、そのときのツール、メールなのか人、人なのか、デジタルなのかSNSなのか、どういったつながり方をしているのか、教えてください。

#62
○参考人(田中宝紀君) 御質問ありがとうございます。
 今、特に様々な分野の公益活動団体の方々と意識的に連携を行う事業を実施をしていまして、例えば就労支援をメーンにする団体ですとか、高校生の支援をする団体、女の子のサポートをする団体ですとか、あるいはスポーツを通した体験活動で子供たちの健全な育ちをサポートするような団体ですとか、そういった団体に対して、コロナ禍の状況でもあるので、本来であればOJTのような形で研修を行いながら、先ほど御提案させていただいた多文化対応を実際に外国ルーツの子供たちと触れ合いながら身に付けていただくというようなことを事業としてはプランニングをしていたんですけれども、コロナの影響もあって実地研修や対面でのやり取りがなかなか実現難しいということもある中で、現段階では公益活動を行う団体の皆さんにはオンラインを通した研修機会というものを設けながら、自分たちの事業の中でどういうふうな工夫をすれば外国人の子供たちもアクセスしてくれるのか、外国人保護者とスムーズにコミュニケーションが取れるようになるのかというようなことをそれぞれで進めていただいているところです。
 海外にルーツを持つ子供たちや外国人保護者に対する対応で、特別に配慮をしなくてはならない事項と、実は日本人の御家庭に対応するような方策で対応していけるものと、分かれていくんですね。なので、例えば言葉の壁ですとか宗教的な配慮事項ですとか、そういったものに関しては特化した知識やスキルというものや方策というものが必要なんですが、それ以外の部分についてはいかにアクセスを確保できるかという合理的配慮の範囲内で対応可能な部分も大きいというふうに考えています。
 なので、どこまで自分たちの事業の中でそうした合理的な配慮をしていくのか、あるいは特別な支援を組み合わせていくのかということをまず見出していくという形が分野横断的な連携の第一歩というふうに認識をして、多様な分野の方々とそういった点からお話を進めさせていただいているところです。

#63
○伊藤孝恵君 今日の資料でも触れていただきましたけど、不就学の子供たちが、外国ルーツの子供たちが二万人いるというこの数字をあぶり出していただいた、本当に有り難いというふうに思うんですが、ちょっとやっぱり足りないのは、私お願いいたしましたのは、私の地元愛知県ですけど、愛知県って日本語指導が必要な児童生徒数全国一位で、これを、その座を、何と二十年以上もその座を譲っていないというようなところで、例えば豊田市では、スクールソーシャルワーカーが学校のお休みの期間を利用して一軒一軒訪ね歩いて、その不就学、学齢期の不就学だけではなくて、妹さん、弟さんいますので、こういったその未就園の子たちの数もあぶり出している。さらには、やっぱり不登校の子供たちの数も把握してほしかったんですね。ただ、やっぱり厚労省の管轄だとか、不登校までは及ばずというところで今回不就学のみになっているんですが、やっぱりゼロ歳から就学前の、就学前の課題というのと、それから六歳から十五歳の学齢期の課題、特に、もちろん就学義務のことも大変大きなイシューですけれども、不登校、これ、その後の大変深刻な学齢超過の問題に直結していきますので、やっぱりここの数字というのが、今日の数字でも不明というふうになっていますけれども、ここを把握していくこと本当に大事だというふうに思います。
 文科省も、この不就学、あるいは除籍の場合のその後どうしているかという形、どういう形でフォローできるのか、数も把握していないし、どうしたらいいのかというのを考えあぐねている状態です。この中卒認定試験とか夜間中学にもアクセスできていないという子供たちにどこでタッチできるのか、どこで出会えるのか。就労マッチングするだけではきっと足りない、言葉の問題もある。そういう部分をお知恵をいただきたいというふうに思います。
 時間の関係で、最後、指宿参考人にお伺いしたいというふうに思います。
 現在、政府は移民政策は取らないというふうに言っていますけれども、現実として在留外国人は二百九十三万人、外国人労働者は百七十二万人で過去最高、うち技能実習生は四十万人、働く留学生は三十七万人です。外国人労働者受入れ制度は余りにパッチワーク的というか場当たり的につくられていて、その現場の労働実態を受け止める制度にはなっておりません。
 そういった中で、改めてこの外国をルーツとする方々の就労資格の在り方、暮らし方も含めて白地から考えていかなきゃいけないというので今日いろいろお話を伺ったんですが、言わずもがなですが、我が国が迎えたのは労働力ではありませんで、やっぱり感情や家族のいる人間、もちろん権利の主体者であり、働く生活者であり、老いる存在であります。
 やがて高齢者に占める外国人比率というのが高まっていく中で、医療、年金、社会保障の課題をどういうふうに乗り越えていくのか、御所見をお聞かせください。

#64
○参考人(指宿昭一君) 質問ありがとうございます。
 日本は移民政策は取らないという言い方はやめた方がいいと思います。間違っていると思います。現実に移民はいます。それも、五人、十人の数ではありません。三百万人近くいる。その状況の中で移民政策を取らないというふうに言ってしまったならば、それは無政策であるということになってしまいます。移民に対して無政策な状態を取り続ける、これは一つの国家として正しいやり方、在り方ではないというのは自明のことです。
 問題は、どういう移民政策を取るのか。率直に言わせていただいて、私は、現在の移民政策は外国人使い捨て政策、外国人労働者使い捨て政策であると考えています。これはやめなければならない。労働力を呼ぶのではない、生きた生身の人間が来るのである。そして、その人たちに長く働いてもらおうと思ったら、人権、権利が尊重され、多文化共生の社会の中で、日本人と職場の仲間、地域の仲間として共にこの社会や地域を支えていってもらう、そういう存在として受け入れていかなければならない。そのための移民政策を取るべきです。
 一般に、移民政策というのは二つの側面を持つと言われています。一つは、在留管理政策です。そして、もう一つの柱が統合政策、若しくは多文化共生政策と言われるものです。在留管理を、今の国家が存在している社会の中で在留管理というものをなくせということはもちろん言えない。でも、管理だけの移民政策では駄目なんです。現実に日本で生活している、働いている外国人の人たちを共に仲間として受け入れていく、そのためには日本語のことも必要だし、教育のことも大事だし、労働政策も必要だし、そういう総合的な政策の中で受け入れていく、これが統合政策であり、多文化共生政策である。
 日本の移民、現実には日本も移民政策あると思いますが、日本の移民政策は管理だけに偏っていると思います。管理だけでは駄目です。それが最初の鳥井参考人への質問でもあった入管での長期収容や、その中で餓死者が出るというような問題にもつながっている。そういう、在留資格が、たくさん受け入れている中で在留資格を失ってしまう人もいるんです。あるいは難民申請者として来る人もいるんです。そういう人たちも含めた人権と人道にかなった移民政策が必要であると思います。
 以上です。

#65
○会長(芝博一君) 時間が来ております。

#66
○伊藤孝恵君 ありがとうございました。
 まさに、保護ではなく管理の視点で今行われているものを、管理ではなく保護であり共生であり、そういった共に生きていくという政策に変えていけるように今後も御知見を授けていただければ幸いです。
 ありがとうございました。

#67
○会長(芝博一君) 伊藤委員の質疑を終了いたします。
 続いて、質疑のある方は。
 岩渕友委員。

#68
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 三人の参考人の皆さん、貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。三人のお話を聞いて、こんなに問題があるのかというふうに思いましたし、特に技能実習制度については問題点が今日この場でも次から次へと指摘をされるということで、私もやめるべきだというふうに思っています。
 初めに、鳥井参考人と指宿参考人にお聞きをいたします。
 コロナ禍の下で、今日も技能実習生が摘発風俗店で働かざるを得ないような実態があるといった話もありましたけれども、コロナ禍の下で非常に困難な状況になっているのかなというふうに思うんです。お二人も、解雇であるとか賃金の未払なんかも含めて直接相談を受ける場面がおありかなというふうに思うんですね。それで、どんな相談が実際に寄せられているのか具体的に御紹介をいただきたいということと、あと、解決のためにいろいろ御尽力されていると思うんですけれども、解決できないこともあるんだというふうに思うんですね。どんなことがハードルになっているのかということについて、それぞれ教えてください。

#69
○会長(芝博一君) 鳥井参考人と指宿参考人でよろしいですか。

#70
○岩渕友君 はい。

#71
○会長(芝博一君) まず、鳥井参考人、お願いします。

#72
○参考人(鳥井一平君) 御質問ありがとうございます。
 一言で言いますと、やはり全てが監理団体任せといいますか、監理団体次第になっているということですね。つまり、コロナ禍において救済策を政府が取っていないわけではないです。救済策ありますよね。例えば、帰れなくなった人に対しては在留資格を付与して、その間滞在できる、あるいは働くことも、就労可能な場合もあると。これ、二十八時間という制限を付けています。
 ただ、これも、あるいは移転することもできるとなっていますけれども、監理団体がそのことをやらないと、本人がその手続を取るということはできないわけですよね。ですから、そういう意味でいうと、今いろいろなお寺や教会あるいは市民団体のシェルターに保護されているというのはそういうことなわけですね。行き場所がない、行くところがないと。
 例えば、二十八時間以内で働けるという就労可をしたというのは、これ技能実習、ごめんなさい、留学と同じような時間帯になっているんですけど、これで働くところがどれだけあるか、三か月間という在留期間で働ける場所がどれだけあるかというと、やっぱり本人がどこかに求職するといってもこれは難しいです。例えば、建設現場で人手が足りない。ところが、建設現場では社会保険加入が今義務で、これがないと駄目なわけですね。二十八時間で社会保険加入ができるかどうか。そうすると、そのための手続というのは非常に煩雑な手続が必要になってくるんですね。四分の三条項、事項というのがありますから、四十時間に対して三十時間に行っていないわけですから。そうすると、そこに思いが至っていないですよね。二十八時間与えておけばどこか働けるんじゃないかというような発想になってしまっていて、具体的な現場における日本の制度の中での合理的な救済になっていないんですね。
 ですから、私どもに相談で来るのは、行く当てがない、生活困窮していると。今現在でも、その二十八時間の在留カードを写真でどんどんメールで送ってきて、どこか働く場所ありませんかと、こういうふうに来るんですけど、じゃ、監理団体どうなっているか。監理団体はどう言っていますかというと、これも答えられない。監理団体がそのことについて手が回っていないといいますか、そういう発想もしない。だから、監理団体の中には頑張っている監理団体も幾つかあるんですけれども、本当にそれはいわゆる当たり外れになってしまうと。これでは救済策にならないわけですね。
 これは、やっぱり制度そのものの矛盾が、技能実習生自身が労働者として権利主張できる、あるいは手続を取れるというような制度になっていないというところに、このコロナ禍においても問題が起きてくるということですね。
 もう一方、このコロナ禍においては、受け入れている事業主も非常に矛盾にさいなまれていると。労働、技能実習生が来ないと、来なかったら、たちまちローテーションの労働者がいないので仕事が止まってしまうというようなことも起きているということだと思います。

#73
○参考人(指宿昭一君) 技能実習生から、あるいは元技能実習生から、コロナ禍においての相談もう本当にたくさん受けています。もう毎日のように電話が来ます。あるいは、年末年始に大久保公園というところで年越しコロナ相談村というのを開催しました。ここにもたくさんの外国人労働者、技能実習生も含めて来ました。それから、移住連、鳥井さんのところの移住連とキリスト教の団体が一緒に月一回ほどベトナム人の実習生の相談会やっていますけど、ここにもたくさんのコロナの関係の相談が来ています。
 一番、一番かどうかは分からないですけど、多いのはやっぱり解雇ですね。それから、解雇されていないけど仕事がないという、つまり仕事させてもらえない、本当は休業手当もらえるはずなんですけど、実際には払われない。で、結局もう生活できないし、それから借金抱えていますから、借金の返済が困る、そういう意味ですごく困窮している。
 そして、結局、だからその職場を離れざるを得なくて、どこに行くかというと、そのままオーバーステイになってしまったり、あるいは技能実習の資格のまま別のところで働いてしまう、それで風俗店とかいろんなところが出てくるわけですね。あと、報道されているところからいうと、恐らくウーバーイーツのようなところで働いていたり、様々なケースがあると思います。
 本当は、そういうときに監理団体がきちっと支援して、例えば農家で、農家は余りないかもしれないですけど、工場で働いていて仕事がなくなった、そうしたら監理団体が別のところに移してあげなきゃいけないはずなんですよ、制度上。でも、それが実際にはやられていない。監理団体それやってももうからないですからね、面倒くさいだけで。多分それでやられていない。
 それで、入管庁は、この状況に対して、解雇された実習生については特定技能に移行する方向で、一度特定活動という資格で一年間その準備をして特定技能一号に移れるようにという制度を用意して、実際これ使っている人もいます。
 でも、これ本当に知られていないですね。実習生にも知られていないし、受入れ企業にも知られていない。だから、相談会でたくさん相談を受けて、いや、こういう制度あるんだよ、全く知りませんでした、あるいは、知っているんだけど実際どうやれば手続ができるのかが分からない、そういうことをたくさん相談を受けています。
 入管庁がやっているこの制度は、救済策としては悪くないと思っています。いい政策だと思っています。ただ、もう完全に技能実習制度が労働力確保のための制度だということを認めちゃっていますよね、これ。国際貢献も技術移転も関係ないですよね。国際貢献のためだったら、給料が出なくなって生活できなかった実習生に国が生活費全部補償して、借金も払えるように補償すればいいじゃないですか。そこまではできない。だから、労働力のマッチングという形でしか対応できていない。その対応も不十分で、広報が不十分だと思います。
 実際、農家とか介護施設では、来る予定だった実習生が来なくて困っているところいっぱいあるんですね。働きたい実習生たちもこっちにいっぱいいる。このマッチングがすごくうまくいっていない。これは残念なことだと思います。
 そして、支援する上でのハードルは、何よりも送り出し機関です。日本の法律が及ばないので、送り出し機関との間で弁護士に相談するなとかいろんな約束があって、何というんですかね、言葉は悪いですけど実習生の首根っこをつかまえているわけですよ。それは日本の法律からいって人権侵害だとか、日本の憲法からいって人権侵害だとか強制労働だとか我々言うんですけど、でもベトナムでそれやられちゃ、ベトナムに限らないですけど、ベトナムに特定するとちょっと語弊はあるけど、でも一番多いのベトナムですから。その送り出し機関が例えばベトナムでそういうことをやると、我々がそこまで力を及ぼすことが非常に困難なんです。ここがもう、これはコロナ禍に限らず、いろんなあらゆる実習生の支援でいつも悔しい思いをする難しいところです。
 以上です。

#74
○岩渕友君 なるほど。ありがとうございました。
 次に、田中参考人にお聞きします。
 先ほども文科省の調査で把握の対象になっていない子供たちもいるということでしたけれども、約二万人の子供たちが不就学であると。就学問題が発生する要因についても御紹介がありました。
 その中で、複合的困難ということで、貧困など幾つもの課題抱えていることが多いというお話あったんですけれども、例えば労働条件が悪いとか一人親であるとか、その保護者そのものが困難な状況に置かれているということなのかなというふうに思うんですね。
 その実態について、参考人が御存じのことがあれば教えていただけますでしょうか。

#75
○参考人(田中宝紀君) そうですね、おっしゃるとおり、複合的な困難を抱えている御家庭の親御さんは、一人親であったり不安定な立場で働いていたりということが比較的多いです。
 例えば、日本人男性と結婚をしたある東南アジア出身の女性が、日本人男性によるドメスティック・バイオレンスを受けて、二人の子供を連れて遠くの地域へ国内移動した。その先でうつ病を患い、働くことができなくなり、子供は不登校となり、あるいはその進路未決定のまま形式卒業となり行く先がないというような状況の家庭にも出会うことがあります。
 そうした家庭にこれまで対応してきているのは、比較的宗教関係のつながりであったり同郷出身者とのつながりの中で何とか生き延びているというようなケースも多いんですが、やはり同郷出身者のコミュニティーからも孤立しているようなケースも少なくないので、どうやってそうした御家庭を、本当に見えなくなってしまうことがすごく多いので、どうやって見付け出していくかが非常に大きな課題だというふうに思っています。

#76
○岩渕友君 ありがとうございます。
 それでは、最後に指宿参考人にお伺いするんですけれども、今国会で入管法の改定案が提出をされる予定になっているんですけれども、この改定案について参考人がお考えのことがあれば教えてください。

#77
○参考人(指宿昭一君) 多分、近日中に提出されるであろう入管法改定案については、私は反対であります。
 なぜかというと、今の長期収容とか、特に長期収容で人権侵害が起こっているという状態は、ほかの方法で解決できるからです。どういう方法か。それは、五、六年前までやっていた在留特別許可をきちっと出す、そして仮放免を適正に運用する、これで十分解消できます。
 入管自身が基準を勝手に厳しくして、自ら長期収容をつくり出しておいて、そして送還しようとしてもできない人たちがどんどんたまっていく。そういう状況の中で、じゃ、これを力でもって解決しようというふうに考えて送還拒否罪というものをつくり出す。これは誤ったやり方だし、あと、それをやっても本当に帰れない人は帰れないですよ。難民で、国に帰ったら殺されるような人、それから日本に家族がいてもう絶対に帰りたくない人たちはそれをやっても帰りません。刑務所と入管を無限ループで往復することになります。そんなことをやって一体何の意味があるのか。
 また、難民申請の今の問題点を解決しないで、何回も難民を申請する難民制度の濫用者がいるから強制送還できるようにしよう。これは難民条約にも反しますし、国際法の原則であるノンルフールマン原則にも反しています。
 カナダの難民認定率、御存じでしょうか。五十数%ですよ。日本は何%か。五%ないですよ。四%も三%もない、〇・四か〇・五ぐらい。ちょっとこれ異常じゃないでしょうか。もちろん、難民認定というのは正しく認定すべきで、数値目標みたいなものを設定するべきではないですけど、でも、どう考えても日本だけそんなに難民が来ていないというのはあり得ない。ここを改善しないで、難民申請者が濫用しているから強制送還できるようにしよう、これはもう間違った考え方だと思います。
 だから、こういう改正ではなくて、本当に外国人の人権が守られるような改正に取り組んでいただきたいと思います。
 以上です。

#78
○岩渕友君 以上です。ありがとうございました。

#79
○会長(芝博一君) 以上、岩渕委員の質疑を終了いたします。
 引き続き、質疑のある方は。
 浜田聡委員。

#80
○浜田聡君 浜田聡です。所属政党NHK党、参議院の所属会派みんなの党です。よろしくお願いいたします。
 参考人の先生方、本当に貴重な御意見お聞かせいただき、ありがとうございました。私の方から、時間の許す範囲でいずれの先生にも質問させていただこうと思います。
 まず、鳥井参考人にお聞きしたいと思います。
 日本在住の外国人の方が国内で触れる日本語についてお聞きしたいと思うんですね。日本における外国人の方が、日本語ができなくて厳しい状況に置かれている方が、まあそれなりにいるとは思います。そういった問題への対処として、最近幾つかの自治体ではいわゆるやさしい日本語による情報展開がされています。例えば、漢字交じりの日本語より簡単で、日本語能力が十分でない外国人にも分かりやすいような配慮した日本語を使うということを推奨しているものだと承知しております。
 現場で外国人の方々に触れ合ってこられた鳥井先生から見て、このやさしい日本語の政策としての評価、あるいは外国人の方向けのその他の日本語の関する政策でも結構ですので、御意見お聞かせいただければと思います。

#81
○参考人(鳥井一平君) 御質問ありがとうございます。
 非常にピンポイントで、私にとっては答えたい質問だというふうに思います。やさしい日本語は、私としてはいい進歩かなというふうに思っています。
 実は、私はローマ字というのも推奨しています。実は、ローマ字というのは日本語として理解している、英語圏の人たちだけじゃないんですね。だから、日本語として、言葉として、耳から入っている言葉で理解している人は結構職場では多いんですね。そうすると、ローマ字表記というのは非常に有効。
 そして、やさしい日本語というのは、仕事をする上では非常に大切なポイントだと思います。仕事上では仕事に合った言葉というのもありますね。ただ、やはりやさしい日本語によっていろんな情報が吸収されやすい。災害時の場合の緊急避難の情報伝達についても、やはりやさしい日本語でないと分からない。多言語も大切ですけれども、日本で長く生活している人は、先ほど申し上げましたように、読み書きはできないけれども聞いたりしゃべったりすることは何かしらできるという人たちも結構いますので、それは大切だと思います。
 そしてもう一つは、日本語をスキルとして考えてもらいたい。これはもう私は一九九三年に初めて政府との交渉をやらせていただいたときから言っていることなんですけれども、職業訓練校で日本語というのを入れてほしいと。その答えはいつも、いや、それは文科省の範囲だからという答えだったんですね。しかし、働く上での日本語というのもあるわけですから、スキルとしての日本語という考え方、これは非常に大切なことじゃないかなというふうに思っております。

#82
○浜田聡君 ありがとうございます。
 今後、鳥井先生の意見など参考にして、日本に住まれる外国人の方が、より良い、住みやすい社会となることを期待するとともに、私も応援させていただきます。
 次に、田中参考人にお聞きしたいと思います。
 外国人の子供に関わる活動をされてきたと承知しております。そのときに、子供が生まれたときに取得するものとして国籍があります。日本国籍ですね。日本国籍に限らず国籍があります。そこで、先生には国籍取得の考え方について御意見をお聞きしたいと思うんですね。
 釈迦に説法だと思うんですけれど、国籍取得というのは出生地主義と血統主義に大きく分けることができます。出生地主義というのは、両親の国籍に関係なく、生まれたときの場所、国の国籍を取得できるという考え方で、例えばアメリカやカナダが採用していると。一方、血統主義というのは、出生地主義とは違って、生まれた国に関係なく父母から受け継いだ血縁関係で国籍を取得するという考え方です。
 日本はこの血統主義を採用している国なので、例えば両親が外国人の場合で、その夫婦の間に子供が生まれたとき、それが日本で生まれたとしても、日本国籍を取得できないということがあります。ただ、こういったときに、このように日本で生まれた子供には、その本人が希望すれば国籍取得の道を開くという柔軟性があってもいいんではないかという意見を耳にして、一理あると思ったんですね。
 国籍取得の考え方について、田中参考人の御自由な意見をお聞かせいただければと思います。

#83
○参考人(田中宝紀君) 非常に個人的な意見になってしまいますが、グローバルスタンダードを考えれば、二重国籍というものは認められるべきというふうに考えています。
 また、例えば現場とかですと、お父さんとお母さんが日本以外のそれぞれ異なる国の出身者で、日本で出会って、日本語を家庭内言語として、日本で生まれた子供を育てるみたいなことはあるんですね。
 そういうことを考えると、ルーツ、アイデンティティーとしては三つないし四つ以上というようなマルチカルチャーの子供たちというのは多数おりまして、そこに、例えばそういった子供たちが自分らしく生きていける、あるいは日本の社会の中で生きていくことを誇りに思うというようなことを実現していくためには、国籍自体は選択の余地があってもいいのではないかというふうに思います。
 一方で、日本に長く暮らしたいんだったら日本国籍を必ず取るべきというような考え方に陥ってしまうとかなり偏ってきてしまいますので、あくまでも個人の選択の範囲を広げていく。それに伴って、いかなる選択をしようとも、きちんと権利が保障されているような状態をつくっていくことが望ましいというふうに考えています。

#84
○浜田聡君 ありがとうございます。慎重に考えるべき問題かもしれませんが、時代に合わせた制度となっていくよう、私もいただいた意見参考にして、今後の議員活動に生かしていきたいと思います。
 最後に、指宿参考人にお聞きしたいと思います。
 指宿参考人、法律の専門家ということもあって、今回のテーマから少し離れるかもしれないので恐縮なんですけど、多文化共生、多民族共生社会について話をするときに、時折話題となります外国人参政権について御意見をお聞きしたいと思うんですね。
 過去の国会で、外国人に参政権を付与する旨の法案が何度か出されていると承知しておりまして、ここにおられる委員の皆様も各々の御意見があろうかと思います。恐縮ながら私の意見を申し上げさせていただきますと、外国人参政権を認めるというのは、ある方々への差別につながるので認めるべきではないと考えております。誰に対する差別かというと、帰化して日本国籍を取得した元外国人の方に対する差別ではないかということです。参政権欲しいのであれば日本国籍取得すればいいと考えているわけなんですけど。
 ただ、私の意見はさておき、法律家としての指宿参考人の外国人参政権についての忌憚のない御意見、教えていただければと思います。

#85
○参考人(指宿昭一君) 私、この点については余りしっかりとしたお答えのできる見識がありませんので、私の分かる範囲でお答えをさせていただきたいと思います。
 参政権と申しましても、国政の参政権と地方参政権では若干事情が異なるのではないかと思います。私は、外国人住民が地方自治体の政治において意思決定ないしリーダーの選出において参政権を有していくという法制は十分に考え得るし、私の意見としては、好ましい、望ましいことではないかと思います。
 国政については、また少し違う議論も出てくると思いますので、ここではちょっと意見を差し控えさせていただきたいと思います。
 以上です。

#86
○浜田聡君 ちょっと、貴重な御意見ありがとうございました。少々今回のテーマからは外れて答えにくかったところもあろうかと思いますが、大変ありがとうございます。参考にさせていただきます。
 最後に、日本におられる外国人をめぐる課題というのが今回のテーマだったんですけど、そのテーマの、我々、我がNHK党が考える問題としましては、NHK委託業者の訪問員による問題があることを最後に挙げさせていただきます。
 昨年の調査会で私、既に取り上げていましたので、ここでは簡単にとどめますけど、日本語に不自由な外国人の方々をNHK委託業者が訪問する際に、外国人の方だと日本語がよく分からないということもあって度々トラブルになっているという情報があります。二〇一九年八月には、ベトナム人の方がNHK訪問員とトラブルになって消火器噴射したという事件もありました。
 改めまして、日本におられる外国人をめぐる課題の一つとして、NHK党の国会議員として、委託業者訪問員の問題を最後に共有させていただきたいと思います。
 私の質問、以上です。ありがとうございました。

#87
○会長(芝博一君) 今のは答弁はよろしいですか。

#88
○浜田聡君 はい、結構です。

#89
○会長(芝博一君) それでは、以上をもちまして各会派の一巡目の質疑は終了をいたしました。
 二巡目は、答弁を含めた時間が残り申合せ時間五分となっておりますので、恐れ入りますけれども、二巡目の質疑の方は残り五分以内で御答弁をいただけたらと思っておりますので、御質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 石垣のりこ委員。

#90
○石垣のりこ君 立憲・社民会派の石垣のりこと申します。
 今日は、三人の参考人の皆様、ありがとうございました。
 三人の参考人の皆様の問題意識の共通項というところを考えてみますと、やはり日本における人権意識の低さというのが根底にあるというふうにお話を聞いて改めて感じました。
 例えば、鳥井参考人の言葉をお借りすれば、労働ということで申し上げると、労働力と人間とを分離して考えてしまうということそのものの問題、これが非常に大きいと。その上に成り立っている法律であるがゆえにこういう制度になって問題を生んでいるということを改めて今日示していただいたと思います。
 そこで、残り僅かな時間ということで、大変大づかみな質問になって恐縮なんですけれども、先進国を名のりながらなかなか世界水準の人権意識を持ち難いというこの日本の現状において、この人権意識を向上させていく、私たちもちろん制度を変えていくということは重要なポイントにはなると思うんですが、それぞれの参考人の皆様がどういうポイントを非常に重要に考えていらっしゃるか、多数あるとは思いますが、その中から一つあえて挙げていただくもの、お一人ずつにお答えいただければと思います。

#91
○会長(芝博一君) 恐れ入りますが、時間の関係上、端的に。
 まず、鳥井参考人からよろしくお願いします。

#92
○参考人(鳥井一平君) 御質問ありがとうございます。
 一言で申し上げますと、外国人と日本人という二分化の誤りですね。外国籍の人も日本国籍の人も一人一人名前があるんですね。そのことを尊重することができるのかということです。
 思い起こしてください。二〇一八年の国会のときに、入管から提出された失踪者名簿の中に、被疑者という言葉になっていました。つまり、外国籍であれば監視、管理の対象であるという考え方ですよね。この社会を構成している一人一人、国籍にかかわらず一人一人が名前があり、一人一人が人間として生きているということに立脚した物の考え方というのが大切なんじゃないかと、尊重し合うということだと思います。

#93
○会長(芝博一君) それでは、田中参考人。

#94
○参考人(田中宝紀君) 私は、今、あと三世代後に変化を起こすために、今の子供たちにいかに共生社会の一員としての意識を小さな頃から持ってもらえるかということに力を入れて発信をしています。
 移民受入れ国ですとダイバーシティー教育というようなものが推進されていて、例えば肌色、多様な肌色を集めたクレヨンですとか、肌の色の濃いバービー人形ですとか、そうしたおもちゃベースで多様性に触れられるような商品なんかも多数開発をされています。そういったところから緩やかな意識改革を行っていき、三世代後には真の共生社会の実現を目指していくべきというふうに考えています。

#95
○会長(芝博一君) 続いて、指宿参考人。

#96
○参考人(指宿昭一君) 人権意識の向上についてという御質問だったと思います。
 人権というのは、決して抽象的なものではありません。現実に、そこに人権侵害をされている人がいる、何とかしてあげたい、このままじゃいけない、それが人権意識の向上ということの原点だと思います。
 私の資料の一に、技能実習生たちの笑顔と私の宿題という文章を入れてあります。私が初めて、今から十四年前に、実習生たち、若い二十代前半の女性たち、中国人の実習生たちでした。本当に驚きました。日本で今まだこんな人権侵害があるのか、それにすごく驚き、恐れおののきました。
 そして、その課題を、そのときその事件は解決しましたけど、その実習生たちの苦しみ、それが今でも続いている、現実にたくさんの人が同じ目に遭っている、それがこの実習生に対する人権侵害、そして外国人に対する、もっと言うと広く人権侵害について何とかしなきゃいけない、そのために制度を変えなければいけない、その原点になると思います。
 多くの人にこういう人権侵害の実態を知っていただく、そして改革に向けて日本の市民社会が取り組んでいく、それが大事だと思います。
 以上です。

#97
○石垣のりこ君 ありがとうございました。

#98
○会長(芝博一君) 他に御質疑の御希望はあろうかと思いますけれども、本日予定をいたしております時刻も参りましたので、参考人の皆様に対する質疑はこの程度といたします。
 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
 皆様方には、御多忙の中、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 それでは、本日の調査会はこれにて散会をいたします。
   午後四時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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