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2021/01/29 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 本会議 第5号 令和3年1月29日
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2021/01/29 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 本会議 第5号 令和3年1月29日

#1
令和三年一月二十九日(金曜日)
    ―――――――――――――
  令和三年一月二十九日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議

#2
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

#3
○議長(大島理森君) この際、内閣提出、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣西村康稔君。
    〔国務大臣西村康稔君登壇〕

#4
○国務大臣(西村康稔君) ただいま議題となりました新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 新型コロナウイルス感染症の発生の状況等に鑑み、感染拡大を防止し、国民の生命及び健康を保護するとともに、国民生活や国民経済への影響が最小となるよう、必要な法制を整えることが喫緊の課題であります。
 このような状況に対処し、新型インフルエンザ等対策特別措置法等に基づく感染症対策を強化するため、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、新型インフルエンザ等緊急事態に至る前から実効的な感染症対策を講ずることができるようにするため、新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置を創設します。
 第二に、国及び地方公共団体は、新型インフルエンザ等の影響を受けた事業者や医療機関等を支援するための必要な措置を講ずることとします。
 これらの措置により、都道府県知事は、措置が必要な業態に係る事業を行う者に対し、営業時間の変更等を要請するとともに、必要な財政上の措置等の支援を行うこととします。正当な理由なく当該要請に従わない場合には、当該要請に係る措置を命令することができることとし、当該命令に従わない場合には過料を処することにより、実効性を担保します。
 第三に、新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置の創設に併せて、新型インフルエンザ等緊急事態措置を見直し、特定都道府県知事は、施設管理者等が正当な理由なく施設の使用制限等の要請に従わない場合には、当該要請に係る措置を命令することができることとし、当該命令に従わない場合には過料を処することにより、実効性を担保します。
 第四に、新型コロナウイルス感染症を、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型インフルエンザ等感染症として位置付けます。
 第五に、厚生労働大臣及び地方公共団体間の情報連携、電磁的な方法による届出等について、必要な規定を整備することとします。
 第六に、厚生労働大臣及び都道府県知事等は、緊急の必要があると認めるときは、医療関係者、検査を行う民間事業者等に必要な協力を求めるとともに、正当な理由がなく当該協力の求めに応じなかったときは、協力するよう勧告するとともに、従わない場合は、その旨を公表することができることとします。
 第七に、厚生労働省令で定める新型インフルエンザ等感染症及び新感染症について、患者等に対して宿泊療養又は自宅療養に関する協力を求めることができることとします。また、検疫法上も、宿泊療養又は自宅待機その他の感染防止に必要な協力を求めることができることとします。
 第八に、入院先から逃げた場合又は正当な理由がなく入院措置に応じない場合及び積極的疫学調査に応じない場合の罰則を設けることとし、実効性を担保します。
 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、公布の日から起算して十日を経過した日としています。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。
 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
 新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

#5
○議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。中山展宏君。
    〔中山展宏君登壇〕

#6
○中山展宏君 自由民主党の中山展宏です。
 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
 新型コロナウイルス感染症により、お亡くなりになられました方々へ衷心よりお悔やみを申し上げますとともに、罹患された方々に心からのお見舞いと、現在入院、療養を行っている皆様の一日も早い回復をお祈り申し上げます。
 今般の国難というべき有事に際し、前線で力を尽くしてくださっている医療関係者を始め、かけがえのない社会経済機能を支えてくださっている方々、感染症拡大予防を心がけ、実践してくださっている全ての国民の皆様に、深く感謝申し上げます。
 我が国は、一人一人の公衆衛生の意識のおかげで、政府による個人の自由や財産などの私権への制約を極力控え、ワクチンや治療薬が充足されるまで感染を抑え込む、とても難しい隘路を進んでまいりました。
 接触確認アプリCOCOAの実装も、民間の病院やクリニックの医療関係者の御協力も、感染された患者の方の保健所による疫学調査への回答も、宿泊、自宅療養も、そして今後努力義務としてお願いするワクチン接種にしても、国民の皆様の御理解や善意の上、任意によってしのいでいるところであります。
 政府としても、一刻も早い収束に向け、引き続き全力を挙げて取り組んでいく必要があると考えます。
 昨年春の緊急事態宣言以来、様々な感染対策の取組が行われてきており、一定の知見の蓄積を踏まえて、今回、法改正の提出がされていることと思いますが、コロナ収束へのまさに事に当たっているさなか、感染対策全体の十分な検証がされていない中での、いまだ渦中での法改正については、慎重でなければならないと思います。
 加えて、昨日、与野党の修正協議が合意に至りました。
 まずは、今回の法改正を政府が提案するに至った背景と経緯及び法改正の狙いについて、総理にお尋ねします。
 今次のコロナ感染症の影響により、多くの事業者は大変厳しい状況にあります。ナイトタイムエコノミーや感染拡大防止の急所となる飲食業を営む皆様にとって、時間短縮営業の要請がもたらす経営への影響は非常に大きいものであることは言うまでもありません。
 飲食店のみならず、感染拡大によって緊急事態宣言を発出する事態となれば、様々な事業者の社会経済活動に対して大きな影響が生じ、雇用情勢にも直結することとなります。
 このため、そのような事態に至る前の事前の策として、蔓延防止等重点措置を設け、実効性を有する対策を行っていくことは必要だと思います。
 これまでも事業者の支援については行ってきておりますが、厳しい状況にある事業者への支援をしっかり行っていくことが重要と考えます。今後どのように対応していくか、西村国務大臣にお尋ねします。
 また、新型コロナウイルスへの感染は誰にでも起こり得るものであります。感染した患者の実名が特定され、インターネット上で不適切な書き込みや、誹謗中傷がなされた事例や、最前線で感染症の治療に当たってきた医療従事者の皆様、介護従事者の皆様、私たちの生活のために働くエッセンシャルワーカーの皆様やその家族への偏見、差別、学校や勤務先でのいじめや不当な扱いを受けた事例が社会問題となっております。
 このような偏見、差別は決してあってはならないものであり、新型コロナウイルスに起因する様々な理由による差別、偏見に対してしっかりと対策を取っていくことが重要であると考えます。
 先般、我が党は、高鳥修一議員が中心となって、コロナ差別解消法案をまとめております。
 今回の法改正においても、偏見、差別への防止対策にしっかりと対応する必要があると考えますが、西村国務大臣にお尋ねします。
 次に、医療についてですが、コロナ感染症患者を受け入れる病床が足りない、人材がいない、人材が回せないことを早急に解消しなければなりません。
 今回の法案には、現行の感染症法に規定されている医療関係者への協力要請について、その対象を民間の検査機関などに広げるとともに、正当な理由なく協力要請に応じていただけない場合に勧告、また、正当な理由なく勧告にも応じていただけない場合に公表することが盛り込まれております。
 やはり、そこは、国、地方自治体と医療関係者の間の信頼関係の下に、御理解を得ながら、丁寧に対応していくことが基本であると考えますし、そうした考えに基づき、政府も医療提供体制パッケージなど様々な支援策を用意しているのだと存じます。
 そこで、以下、質問いたします。
 まず、今回の改正において、医療関係者のみならず、協力要請等の対象を民間の検査機関に広げたことや、勧告、公表の規定を設けた趣旨について、総理にお尋ねします。
 また、先ほど申し上げたとおり、丁寧に対応していくことが基本と考えますが、現行の協力要請と今回設ける勧告、公表についてどのように運用していくのか、基本的な考え方について、厚生労働大臣にお尋ねします。
 そして、コロナ感染症患者のための必要な医療提供体制の確保に向けて、現在、どのような取組を行っているのか、また、それにより実際に病床確保は進んでいるのか、現在の取組状況について、厚生労働大臣にお尋ねします。
 このほか、今回の法案には、感染症に関する調査や研究を推進するために必要な改正も盛り込まれております。こうした調査研究に国が率先して取り組むことは当然でありますが、これが法律に明記されることにより、より一層の推進が期待されます。
 実際に、政府では、患者の検体情報や臨床情報を集約し、重症化因子の解明や新たな検査手法、治療法、ワクチンの開発に資するべく、既に具体的な事業にも着手し始めていると承知しておりますが、その事業内容や今後の見通しについて、厚生労働大臣にお尋ねいたします。
 結びに、コロナの災禍は我が国のもろさをあらわにしました。
 ウィズコロナの本意は、ウイルスの根絶を諦め、社会経済と共存するものではなく、感染対策への社会の適応力や経済の耐性を高め、我が国が有事に対する免疫を備えていくことと考えます。
 その上で、生活、仕事、子育て、教育、そして女性を取り巻く環境などで、苦悩を感じておられる方々へ目を離さず、一人一人の個人の考えや多様な事情を包摂する支援策そして社会システムを構築することを政府に求めますとともに、自由民主党としてお誓いを申し上げ、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#7
○内閣総理大臣(菅義偉君) 中山展宏議員にお答えをいたします。
 今回の法改正についてお尋ねがありました。
 この一年間に得られた知見や経験を踏まえ、対策をより実効的なものとし、何としても感染を抑えていかなければなりません。そうした中で、現場を担う知事からも、要請の実効性を担保するため、必要な対策が取れるよう要望があったものと承知をしております。
 このため、専門家の分科会や政府・与野党協議会での御議論も踏まえながら、今回の法改正を検討してきました。今回の案では、事業者や個人の権利にも十分配慮しつつ、支援や罰則の規定を設けるなど、感染症対策の実効性を高めるために必要な見直しを盛り込んであります。
 御審議の上、速やかに可決いただきますようお願いを申し上げます。
 感染症法の改正内容についてお尋ねがありました。
 今般の改正案では、必要な方が確実に検査を受けられるよう検査体制の拡充を図る必要があることなどから、民間の検査機関等に対しても協力要請を行えることとするものです。
 その実効性を高めるために、勧告や公表の規定を設けております。
 検査の実施への協力をお願いすることを基本としながら、地域の関係者の御意見を十分伺いつつ、検査体制の確保に向けて取組を進めてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣西村康稔君登壇〕

#8
○国務大臣(西村康稔君) 中山展宏議員にお答え申し上げます。
 厳しい状況にある事業者への支援についてお尋ねがございました。
 新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にある事業者の皆様の支援については、大変重要であると認識しており、政府としても全力で取り組んでまいりました。
 今回の特措法改正案では、国及び地方公共団体が新型インフルエンザ等の影響を受けた事業者等を支援するための必要な措置を講ずる義務を明記することといたしております。
 これまでも、営業時間短縮要請に御協力いただく飲食店に対しては、地方創生臨時交付金の協力要請推進枠について、特定都道府県において、大企業も含め店舗ごとに協力金単価を一日当たり最大六万円、月額換算最大百八十万円まで拡充し、強力に支援しているほか、パート、アルバイトを含め一人当たりの月額上限三十三万円の雇用調整助成金は、解雇等を行わなければ、中小、大企業共に助成率一〇〇%で支援することといたしております。
 また、緊急事態宣言地域における飲食店と取引があること、又は、不要不急の外出、移動の自粛により影響を受けたことにより、本年一月又は二月の売上高が対前年比五〇%以上減少する場合、地域を問わず、中堅・中小企業に対し、法人四十万円、個人事業者二十万円を上限に一時金を支給することといたしております。
 加えて、地域や業種を問わない支援策として、雇用調整助成金は、中小企業には解雇等を行わなければ助成率一〇〇%で支援しておりますが、大企業についても、直近三か月の売上げの平均が前年又は前々年と比べ三〇%以上減少する場合、解雇等を行わなければ助成率一〇〇%で支援することとし、これらの特例措置は、緊急事態宣言が全国で解除された月の翌月末まで延長することとしております。
 さらに、実質無利子無担保の融資の上限額について、民間金融機関や日本政策金融公庫等の国民事業は四千万円から六千万円へ、日本政策金融公庫等の中小事業や商工中金は二億円から三億円に引き上げ、資金繰りを支援してまいります。
 今回の与野党協議において、事業規模に応じた支援の在り方について、事業者の状況、必要性等を踏まえて検討し、支援が効果的なものとなるよう取り組む旨を答弁及び附帯決議で明確化すると合意されたと承知しており、政府として、この合意を踏まえて対応してまいります。
 次に、偏見、差別の防止についてお尋ねがございました。
 今般の新型コロナウイルス感染症については、感染者やその家族に対する誹謗中傷がなされた事例、学校でのいじめが起きた事例、回復者の職場復帰を妨げた事例など、様々な差別的扱いの事例がございました。
 また、最前線で感染者の治療に当たっておられる医療従事者等に対する差別的な言動も発生しており、昨年十一月に取りまとめられた「偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループ これまでの議論のとりまとめ」におきましても、医療従事者等への誹謗中傷や、医療従事者の子供が保育園等から出席を拒否されたケースといった事例が生じている旨が報告されています。
 このような状況を踏まえ、感染者やその家族、医療従事者等の人権が尊重され、差別的扱いがされないようにするために、今回、新たに差別を防止するための規定を設けました。
 具体的には、国及び地方公共団体が、患者等に対する差別的取扱いの実態の把握、患者等に対する相談支援や啓発活動等を行うものであります。
 政府として、引き続き、何人も差別的な取扱いなどを受けることがないよう取り組んでまいります。(拍手)
    〔国務大臣田村憲久君登壇〕

#9
○国務大臣(田村憲久君) 中山展宏議員にお答えいたします。
 感染症法に基づく医療関係者等への協力要請等の考え方についてお尋ねがありました。
 新型コロナ患者のための病床の確保については、医療機関への協力要請を基本として進める方針に変わりはありません。
 今回の法案で新たに設ける規定の運用については、急激な感染の拡大に伴い、多くの都道府県で医療提供体制への負荷が更に厳しさを増している中で、現行規定にある医療機関への協力要請を存置し、まずはこれを基本としつつ、あくまでも、正当な理由がなく協力要請に応じられなかったときに勧告、さらに、正当な理由がなく勧告に従わなかったときには、その旨を公表できることとしております。
 いずれにいたしましても、この規定の適用に当たっては、地域の医療関係者の意見を十分に伺いながら、必要な協力をお願いしてまいります。
 医療提供体制の確保についてのお尋ねがありました。
 必要な方が必要な医療を受けられるよう、昨日成立した第三次補正予算による財政支援の積み増しや、都道府県との連携会議等による緊密な連携を通じて、新型コロナ病床確保の取組を進めています。
 こうした取組により、全国で約二万八千床の病床を確保しているところであり、引き続き、地域の医療資源を総動員して病床確保に努めてまいります。
 新型コロナウイルス感染症の情報収集及び利活用のための基盤整備事業についてお尋ねがありました。
 本事業は、新型コロナウイルス感染症及び今後新たな感染症を発症した際に、患者の臨床情報や検体等を国立感染症研究所と国立国際医療研究センター等にて収集、解析し、その検体やデータを治療法やワクチン等を開発する研究機関に提供する体制を整えるためのものであります。
 昨日、本事業に関する第三次補正予算が成立したところであり、その速やかな執行に努めてまいります。(拍手)
    ―――――――――――――

#10
○議長(大島理森君) 長妻昭君。
    〔長妻昭君登壇〕

#11
○長妻昭君 立憲民主党の長妻昭です。
 私は、立憲民主党・無所属を代表し、本法案について質問をいたします。(拍手)
 感染でお亡くなりになった方に心よりお悔やみを申し上げます。
 また、感染された方に心よりお見舞いを申し上げます。
 今、日本は国家の危機にあります。今の大目標は、コロナ感染を抑え込み、医療崩壊、生活崩壊を食い止める、このことにあります。
 この間、私は、コロナ診療の最前線の病院、クラスターが発生した認知症グループホーム、保健所を始めとする現場に参りました。涙ながらにお話しする職員もおられ、本当に現場は地獄です。この危機感が政治の場に届いていない、こんないら立ちが現場に満ちあふれています。
 菅総理はそっけない答弁が目立ちますが、今回は、思いのこもった、国民の皆さんの胸に届く答弁をお願いします。国民の皆さんの共感なくしては、コロナ危機を乗り切ることなどできません。
 まず、命に関わる質問をいたします。
 コロナ感染で自宅療養をされている方が救急車を呼ぶ場合、いろいろな説明を受けており、混乱しております。命を落とされる方がいないように、この機会に、どのような場合は一一九番に連絡して救急車を呼ぶのか、明確に分かりやすく教えてください。
 そして、菅総理に厳重抗議をいたします。
 私たち野党は、特措法改正案を昨年十二月二日に国会に提出いたしました。その後、政府・与党は、事もあろうか、国会を延長せずに閉じ、今月十八日までの長い冬休みに入ってしまいました。この空白の一か月半を生んでしまったことに対する真摯な反省と明確な謝罪を求めます。
 この空白の一か月半の間には、三つの遅れ、すなわち、特措法審議の遅れ、緊急事態宣言の遅れ、GoToトラベル停止の遅れが生じました。遅れてしまったという真摯な反省は、総理には全くないんでしょうか。お聞かせください。
 「菅義偉の戦略的人生相談」という本の中で、菅総理はこうおっしゃっておられます。人生相談から人々の声を読み取っている。政治によって解決できる悩みや、政治がもう少し行き届けばやりやすくなるのにといった声をいかに吸い上げられるかが政治家の力量ですと。しかし、今、総理が国民の声を吸い上げているのか、甚だ疑問です。
 それどころか、政府の後手後手によって、国民の皆さんの悩みは深まっているのではないでしょうか。総理はどうお答えになりますか。
 何より、これまでの反省がなければ、今後の対策も的外れになってしまいます。これまでのコロナ対策において、菅総理が反省点としていることは幾つかあると思いますが、具体的に教えてください。
 本法案で国民に義務を強いるのであれば、菅内閣もやるべきことをやってほしいという思いを持つのは私だけではないはずです。
 まず、的確な対策のためには、的確な実態把握が必要です。入院していれば助かった命が、入院できなかったことで命が失われた、このような事例は政府は何件把握していますか。全数を把握していなければ、数十人単位なのか、数百人単位なのか、数千人単位なのか、どの程度の規模の人数なのか、教えてください。
 また、助かる命が失われている現実に対して、国のトップとしてどのような感想や責任をお感じになっておられますか。また、この現状を打開するための対策はありますか。お教え願います。
 感染症法には歴史的経緯があります。本法案の運用に当たっては、感染症法の前文、「過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。」との規定をいま一度重く受け止めるよう強く求めます。総理の見解を分かりやすく教えてください。
 本法案にある入院措置には応じない場合の刑事罰は、削除されることとなりました。しかし、そもそも、現行の感染症法十九条で、コロナの患者さんにも入院措置ができるとの即時強制の規定があり、刑事罰は必要ないのです。刑事罰を持ち出したこと自体に、政府・与党の見識を疑います。
 元々政府は、入院措置に応じないケースに刑事罰で対応するとしていましたが、コロナの患者さんで応じなかったケースは一例でも把握していたのですか。また、今回のコロナ感染の中で入院措置を発動したケースがあればお教えください。また、発動していない理由についてもお教えください。
 一昨日、我々が求めていた一月十五日開催の本感染症法改正を議論する厚生科学審議会感染症部会の議事録が、こっそりと厚生労働省ホームページにアップされました。
 政府は、これまで、刑事罰にはおおむね賛成だったと説明していましたが、驚くことに、実際にはほとんどの専門家委員が刑事罰導入に反対ないしは慎重な意見だったのです。総理はこの事実を御存じでしたか。
 昨日、私は、出席した中心メンバーからお話をお伺いしました。当日の議論は、ただ実効性を高めるということの必要性は共有したけれども、刑事罰までを是認するということではなかったというふうにおっしゃっておられます。
 また、会議最終盤、厚労省担当課長が、罰則を設けるかどうかということについては国会に先生方からいただいた意見をしっかり伝えるとの趣旨の発言がありました。しかし、国会には全く伝えられておりません。
 立法府に対する情報の隠蔽とも言える行為に関し、なぜこのようなことが起きたのか、解明していただけないでしょうか。答弁を求めます。
 次に、感染症法改正案では、医療機関に必要な協力を求め、正当な理由なく応じなかったときは勧告、公表ができるとあります。しかし、医療機関への支援が不十分なままでは、必要な協力などできるはずがありません。
 私たちは、政府に、医療崩壊の拡大を防ぐための提案を具体的にしております。医療機関への財政全面保障とともに、国が関与を強めるべき三つの調整、一つは医療資源偏在調整、一つは役割分担調整、一つは広域入院調整を国会で具体的に提案いたしました。
 例えば、万が一医療機関でクラスターが起こったときに、経営危機に直面しないように減収分全額を保証する、つまりクラスター減収保証に関して、菅総理は、さきの一月二十五日の衆議院予算委員会で、政府が保証したいと答弁をいたしました。この答弁はうそではありませんね。念のために、再度確認いたします。
 立憲民主党は、コロナ診療を受け入れるためのコストと受入れに伴う減収に関して、全額補填を明確にし、事前の包括払いを掲げています。政府は受け入れていただけますか。
 これ以外、医療機関に必要な協力をしてもらうため、勧告を出す前に国が実行する支援策について、全体像を教えてください。
 また、立憲民主党は、医療、介護、福祉、保育に従事する方や教員など、エッセンシャルワーカーで希望する方を対象に月二回の定期検査を公費で行うことを政策として掲げております。政府は受け入れていただけますか。お答えください。
 飲食店など事業者への時短要請などに応じない際の行政罰についてお尋ねをいたします。
 やはり、経済的補償が十分でないと、要請に応じることはもちろん困難です。事業者に一律の支援ではなく、最低限、事業規模に応じた補償が必要と考えますが、見解を問います。
 答弁の際は、緊急事態宣言下の補償と蔓延防止措置下の補償に違いがあるのかどうかについても明確に御答弁願います。
 私は、コロナ感染で不安を抱えている自宅療養の方とも電話で意見交換してまいりました。本法案でも自宅療養が位置づけられましたが、まず必要なのは、医療的、物的支援です。地域によって偏りがあるオンライン診療、パルスオキシメーターの貸出し、食料の配達、看護師さんの巡回など、国が強力に支援して地域間格差を是正して、容体をモニタリングする体制を確立すべきと考えますが、見解を求めます。
 本法案にある蔓延防止等重点措置の公示については国会の関与が必要と考えますが、見解を求めます。
 また、この措置が一定の期間内に何度も繰り返し発動されたり解除されたりするなど恣意的な運用とならないための仕組みがあれば、お教えください。
 本法案に、与野党協議を受けて、差別の防止に係る国及び地方公共団体の責務規定が入ったことは評価できますが、具体策が不明確です。具体的に考え得る対策としてどのようなものがあるか、列挙して説明願います。
 ワクチンについてお尋ねをいたします。
 昨年七月に、厚労省は、ファイザー社と今年六月末までに約六千万人分のワクチン供給に基本合意したと発表をいたしました。しかし、今年一月二十日、田村厚労大臣は、ファイザーから年内に約七千二百万人分のワクチン供給を受けると正式に契約したと発表しました。事実上、六月末六千万人のワクチン供給がほごにされた形になりました。
 原因は、いろいろ言われておりますが、どこにあるのですか。また、その反省点があれば教えてください。
 また、なぜ、昨年七月の時点で、基本合意でとどめるのではなく正式に契約をしなかったのでしょうか。
 今、何月までに何人分、ワクチンの供給を確実に日本は受け取ることができると言えるのでしょうか。確実な期日と数量をお教えください。
 参議院予算委員会で我が党の石橋議員がコロナ感染拡大によって生活に苦しむ方々への対応を質問した際に、菅総理は、いろんな見方がある、対応策もある、政府には最終的には生活保護という仕組みも、しっかりセーフティーネットをつくっていくことが大事だと答弁しました。
 この文脈で、しかも総理大臣という立場の人が生活保護をこのように語ることの危うさを私は感じます。国のトップが、最後は生活保護があるとしてしまっては、国の社会保障、雇用政策は不要となってしまいます。菅総理は、コロナ危機にあっても、公助を狭く小さく捉え過ぎているのではないでしょうか。それでは国民が疲弊し、国の活力は失われてしまいます。
 菅総理が考える、コロナ危機下の公助とは具体的に何なのか、更に充実させなければならない公助は具体的に何なのか、教えてください。
 多くの国民は、十分過ぎるほど自助努力をしています。もう限界に達しております。今こそ、温かい政治が必要です。
 最後に申し添えます。
 さきに触れた「菅義偉の人生相談」の中で、こうも総理は回答されておられます。自己PRが苦手ですとの相談に対して、菅総理は、アピール力など全く不要、結果を出すことが重要との回答をされておられます。
 確かに、菅総理は、その回答のとおり実践し、アピールが嫌いのようにお見受けします。しかし、トップリーダーになった今、結果を出すことが重要なことは言うまでもありませんが、どのような方向に進もうと考えているのか、国民に道筋をあらかじめ指し示すという意味でのアピール力は大切ではないでしょうか。
 今、日本には総理大臣は菅義偉一人しかおりません。菅総理、しっかりしてください。そして、頑張ってください。
 終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#12
○内閣総理大臣(菅義偉君) 長妻昭議員にお答えをいたします。
 自宅療養者の救急要請についてお尋ねがありました。
 新型コロナ患者の方々に対しては、事前に保健所から緊急性の高い症状を具体的にお示ししており、こうした症状に気づかれた場合には直ちに保健所等に御連絡をいただくようお願いしています。
 その際、保健所等においては、事前に確保された救急体制により、速やかに医療機関への搬送等を行うものと承知しています。
 対策の遅れに関する反省についてお尋ねがありました。
 対策の評価は最終的には国民の皆さんがなされるものであり、そうした評価を謙虚に受け止めたいと思います。
 ただ、九月の就任以降、一貫して、国民の皆さんの命と暮らしを守るという強い思いの下に、日々の感染状況を把握し、専門家の意見も聞きながら、対策による国民の皆さんの生活やなりわいへの影響にも思いをはせ、GoToトラベルの停止、緊急事態宣言の発出、特措法改正案の提出を含め、必要な判断を行い、対策を講じてきました。
 現在、緊急事態宣言に基づき強力な対策を講じており、一日も早く感染を収束させるべく、全力を尽くしてまいります。
 後手後手との指摘についてお尋ねがありました。
 私は、政治家を志して以来、現場の声、皆さんの声に幅広く耳を傾け、国民目線で政策を進めてきました。新型コロナウイルスの対応にあっても、この姿勢に変わることはありません。
 国民の暮らしと雇用を守ることが政治の責務であります。この思いの下に、日々の感染状況を把握し、専門家の意見も聞きつつ、対策による国民生活やなりわいへの影響にも常に思いをはせながら、適切な判断を行い、必要な対策を行ってまいりました。
 引き続き、国民の皆さんの声に丁寧に耳を傾けるとともに、この感染拡大を何としても収束させるべく、先頭に立って対策を進めてまいります。
 これまでの対策の反省点についてお尋ねがありました。
 これまで、政府は、様々な御指摘をいただいてきましたが、新型コロナという未知の感染症に対し、試行錯誤しながら、できる限りの対応を行ってきました。今、足下の感染拡大を一日も早く収束させるための対策に全力を傾注しているところであります。
 国民の皆さんが安心して暮らせる日常を取り戻した際には、これまでの一連の対応についてしっかり検証した上で、反省すべきは反省し、次の対応に生かしていきたいと考えています。
 入院していれば助かった命についてお尋ねがありました。
 これについては、具体的な基準が不明確であり、その件数を把握することは困難でありますが、自宅療養又は宿泊療養中に生じた死亡事例については、都道府県を通じて把握している限りでは、十二月一日から一月二十五日までの間で、十二都府県で計二十九例と承知をしております。
 国民の命を守ることが政治の責任であり、自宅療養又は宿泊療養中に亡くなられた方がいることについては、大変に申し訳なく、亡くなられた全ての方に御冥福をお祈り申し上げます。
 症状に変化があった場合に、速やかにこれを把握し、医療機関等につなぐことが重要であり、引き続き、保健所の体制整備やパルスオキシメーターの活用など、必要な対策を講じてまいります。
 感染症法の前文についてお尋ねがありました。
 感染症法は、過去の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在した事実を重く受け止め、教訓として今後に生かすことを前文に掲げた上で、国及び地方公共団体や国民の責務として、感染症の患者等の人権の尊重を規定いたしております。
 今回の改正法案では、新型コロナ感染症について、患者等の人権が尊重され、不当に差別されることがないように啓発活動等を行うことを法律上に規定することにいたしております。
 法律の運用に際しては、こうした規定をしっかりと受け止めて、患者等の人権に配慮した適切な対応に努めてまいります。
 入院勧告に応じなかった事例等についてお尋ねがありました。
 現在、そうした事例等について、厚生労働省において、全国の都道府県等を対象に、現場の負担を考慮しつつ、調査を行っていると聞いております。
 これまでのところ、二つの自治体から、入院措置を行った経緯があるとの回答をいただいておりますが、今後、速やかに調査結果を取りまとめたいと考えております。
 また、入院措置を行う自治体が少ない理由については、自治体が患者の方々に対して入院の必要性を丁寧に御説明し、多くの場合、患者の御理解を得て、納得して入院をしていただいていることなどが考えられますが、引き続き、患者の御理解を得ながら、人権に配慮した適切な対応を進めてまいります。
 感染症部会の議論についてお尋ねがありました。
 感染症法等の改正については、一月十五日の感染症部会で議論を行い、罰則を設けることを含め、改正の方向性についておおむね了承が得られたとの報告を受けています。
 また、感染症部会は公開の場で議論され、その議事録については委員の確認後速やかに公表されているものと承知しており、少なくとも、隠蔽という指摘は当たらないものと考えております。
 医療機関への財政支援についてお尋ねがありました。
 これまでも三・二兆円の支援を行うとともに、昨日成立した第三次補正予算では一・四兆円の追加支援を行っていきます。
 こうした中で、クラスターが発生した医療機関については、休止した病床や空いている病床に対しても、高い単価の空床確保料の対象として、手厚い支援を行っております。
 また、診療報酬についても大幅な引上げを行っています。
 こうした支援によって、新型コロナ患者を受け入れる医療機関が減収になることは基本的にはないと考えておりますが、仮にそうしたことがあり得るのであれば、更なる対応をいたします。
 医療機関への減収補填と支援の全体像についてお尋ねがありました。
 先ほども申し上げたとおり、新型コロナ患者を受け入れる医療機関がそのことによって損失を被るようなことのないよう、しっかり支援をしていくことが極めて重要です。
 このため、新型コロナ患者を受け入れる医療機関に対しては、診療報酬の大幅な引上げや病床確保のための空床確保事業、さらには、一床当たり最大千九百五十万円の強力な支援策を講じております。また、ハード面でも、施設整備や施設整備に対する様々な助成制度があります。
 なお、御党の御提案については、受入れのためのコストやそれによる減収の算定という実務面の課題があり、慎重な検討が必要と考えています。
 いわゆるエッセンシャルワーカーに対する検査についてお尋ねがありました。
 重症者の発生を可能な限り食い止めるために、感染拡大地域の医療、介護施設の従業員や入院、入所者などに対して、実質的に国の費用負担で検査を実施できるようにしております。引き続き、都道府県と連携しながら、こうした検査の実施を徹底してまいります。
 事業者への支援についてお尋ねがありました。
 具体的な支援内容については改正法の趣旨に基づき設定されることとなりますが、今回の与野党協議会においては、事業規模に応じた支援の在り方について、事業者の状況、必要性等を踏まえて検討し、支援が効果的なものになるよう取り組むと合意されたと承知しており、政府としては、これを踏まえ、適切に対応してまいります。
 蔓延防止措置については、それを実施した場合の範囲や影響に鑑み、必要な支援を行ってまいります。
 自宅や宿泊施設で療養中の方々への支援についてお尋ねがありました。
 こうした方々に症状に変化があった場合、速やかにこれを把握し、医療機関等につなぐために、御指摘のパルスオキシメーターなど、医療的、物的支援について、地域に偏りがないよう、国としてもしっかりと支援をしてまいります。自治体においては、こうしたものを活用いただき、患者の容体をモニタリングする体制を構築いただきたいと考えております。
 蔓延防止等重点措置の運用についてお尋ねがありました。
 今回の与野党協議において、蔓延防止等重点措置の速やかな国会報告について行うよう附帯決議で担保すると合意されたと承知しています。政府としては、この合意を踏まえ、真摯に対応してまいります。
 また、恣意的な運用がなされないよう、専門家からも意見を聞いて実施の判断をする仕組みといたします。
 差別防止の責務規定についてお尋ねがありました。
 新型コロナの感染者や関係する方々への差別はあってはならないことです。
 改正法案においては、国及び地方公共団体の責務として、実態把握や啓発活動を行うことを位置づけております。
 具体的には、SNS、ホームページ、政府広報等により、差別、偏見等の防止に向けた啓発、教育に資する発信を強化します。地方自治体における相談体制構築の取組について、国が支援するといった対策を行うこと等を想定いたしております。
 ワクチンの供給についてお尋ねがありました。
 個別の契約の内容や交渉過程についてお答えすることは差し控えますが、基本的対処方針において、令和三年前半までに全国民に提供する数量の確保を目指すこととされており、これを念頭に交渉を続けてきました。
 この結果、ファイザー社と年内までに一億四千四百万回分の供給を受けることについて、契約の締結に至りました。
 現時点で具体的な供給時期をお示しすることは困難ですが、基本的対処方針を踏まえ、国民の皆さんに一日も早くお届けすることができるよう、企業と調整をしてまいります。
 新型コロナ下の公助についてお尋ねがありました。
 国民の生活や雇用を守ることは政治の責務です。政府としては、雇用調整助成金のこれまでに例のない特例措置や緊急小口資金、住居確保給付金など、重層的なセーフティーネットによって必要な公助としての支援を行っております。
 引き続き、国民の生活と雇用の状況を踏まえつつ、必要な支援を全力で行ってまいります。(拍手)
    ―――――――――――――

#13
○議長(大島理森君) 高木美智代君。
    〔高木美智代君登壇〕

#14
○高木美智代君 公明党の高木美智代です。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
 冒頭に、新型コロナウイルス感染症により、お亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、闘病中の方々の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。
 また、年末年始もなく、今のこの瞬間も感染症対応のために懸命に御尽力くださる医療従事者を始め全ての関係者の方々に、心からの感謝を申し上げます。
 新型コロナという未曽有の危機に立ち向かっている私たちは、いかにして感染拡大を防止し、国民の命と暮らしを守るか、感染症対策の実効性を確保するか、政府、国会が党派を超えて力を合わせ、国民に寄り添い、乗り越える決意を改めて確認したいと思います。
 コロナ対策として、具体的に三点伺います。
 目下の最重要の課題は雇用の創出です。
 そこで、最初の質問ですが、コロナ対策の切り札として、ワクチン接種が二月下旬を目途に開始される予定です。
 地方自治体が実施するワクチン接種体制確保事業の運営には、入力作業や会場の案内役など多くの人員が必要となります。とりわけ、高齢者や基礎疾患のある方などについては、書類所持の確認や経路案内など、丁寧な対応が必要です。また、事業の期間も半年以上続くことが想定されています。
 そこで、このワクチン接種体制確保事業を緊急雇用創出の事業として位置づけ、生活に困窮している方や仕事を探している方、休業中の方などを広く採用することを提案いたします。
 政府は、早急に地方自治体に要請し、必要な財政措置と併せて強力に推進していただきたい。総理の答弁を求めます。
 次に、現在、感染症の影響により収入が減少した被保険者等に対し、国民保険料、介護保険料などの減免措置が取られていますが、この措置は令和二年度限りの措置となっています。
 感染症の影響が長期化していることから、減免措置の継続を望む声が多く寄せられています。特に、経済的に困窮している家庭の未就学児の被保険者均等割や、傷病手当金への特例的な財政支援なども含め、令和三年度も継続すべきです。検討を求めます。
 確定申告が来月から始まります。昨年は、三密を避け、感染防止のために期間を延長しました。感染を心配する方々から、期間延長を求める声が多く聞かれます。会場の感染防止策を万全にした上で、確定申告の期間延長を柔軟に検討すべきです。対応を伺います。
 さて、特別措置法改正案について伺います。
 昨日、与野党修正協議において、共産党を除き、合意されました。
 政府・与野党連絡協議会の一員として協議を重ねてきた私からも、合意に御尽力された関係者の方々に心から感謝を申し上げます。
 十一都府県に緊急事態宣言が出ている中、ワクチン接種の準備が始まり、国民の皆様の不安と期待が混在しています。この特措法改正案も速やかに成立させなければなりません。合意内容に基づいて委員会審議等を進めてまいりたいと考えます。
 ところで、総理は、官房長官のとき、特措法の改正はコロナが収束して落ち着いた環境の中で議論するといった趣旨の発言をされていました。コロナの感染爆発による国民の不安を解消したいというお気持ちは十分理解できます。しかし、感染防止をする実効性確保のための規制強化によって、営業の自由や権利、権益が損なわれる国民の立場にも十分な配慮が必要です。
 改めて、今般の法改正を急ぐ理由を確認しておきたいと思います。
 新設される蔓延防止等重点措置は、緊急事態宣言と同様の措置ができることとされています。しかし、現行の特措法は、国民の権利制約の根拠を緊急事態の発生としています。今回の蔓延防止等重点措置の創設は、蔓延防止のため、緊急事態宣言を前倒しするものです。
 今回、この措置を創設する理由は何か。あわせて、法的処分や支援に対応の違いはあるのかを伺います。
 蔓延防止等重点措置は、政府対策本部長が措置の公示を行えば、都道府県知事が、期間と区域を定め、事業者に対して営業時間の変更等の措置を要請することができるとしています。どのような事例を想定しているのでしょうか。
 早期に感染を抑え込むためということは理解できますが、一方で、要件を明確にしなければ、幾らでもできるようになってしまいます。その歯止めをどのようにかけていくかが重要です。
 第三十一条では、蔓延防止等重点措置を実施する要件として、政令で定める要件に該当する事態が発生したと認めるときとしています。政令で定める要件について伺います。
 また、行政罰、過料の前提となっている都道府県知事の協力の要請の内容が政令事項となっております。営業時間の変更その他新型インフルエンザ等の蔓延を防止するために必要な措置として政令で定める措置とありますが、どういう内容か、伺います。
 私権の制限を要請する措置に対して、緊急事態宣言には国会報告を義務づけていますが、蔓延防止等重点措置には国会の関与がありません。これでは立法府としての責任を果たせないのではないかとの懸念は、我が党内でもあったところです。そこで、委員会における附帯決議等で、国会の事後報告を求めることなどを規定することを提案しておきたいと思います。
 なお、緊急事態宣言に至らないための措置を取ることができる段階を設けることについては一定の理解はしますが、過料を科すことについて、その運用は慎重であるべきと考えております。
 憲法二十九条には、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」とあります。特措法では事業者への支援を規定していますが、憲法二十九条の正当な補償との関係をどのように考えるかについて伺っておきたいと思います。
 感染症法等改正について伺います。
 法案に宿泊療養、自宅療養を法的に位置づけたことは評価いたします。
 その上で、宿泊療養や自宅療養中に亡くなる方が後を絶たない現状を踏まえると、宿泊療養、自宅療養共に質の向上が急務です。
 現在、保健所が行っている健康観察は、可能な限り地域の民間医療機関等に委託して担ってもらう体制の構築を急ぐべきです。
 そして、療養中の感染者の容体変化や不安に対応するため、訪問診療やオンライン診療の導入を強力に推進すべきです。加えて、公明党が活用を推進してきたパルスオキシメーターを宿泊療養、自宅療養中の全ての方に貸与すべきと考えますが、答弁を求めます。
 入院措置に応じない場合又は入院先から逃げた場合の刑事罰は与野党協議によりなくなりましたが、行政罰としての過料は残ることとなります。どのような事例を想定し、どのような手続を経て適用されるのかを伺います。
 積極的疫学調査については、患者等が質問に対して正当な理由なく答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、調査を拒み、妨げ若しくは忌避したとき等の場合も罰金から過料へとなりましたが、正当な理由とは何か、答弁を求めます。一人一人の様々な事情について、人権の観点から、十分に配慮をされるべきと考えます。
 以上、本法案において、与野党の修正協議が合意に至り、国会としての政治判断に対する国民の理解を得つつ、早期に成立することを願い、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#15
○内閣総理大臣(菅義偉君) 高木美智代議員にお答えをいたします。
 ワクチン接種の体制整備についてお尋ねがありました。
 まずは、市町村において、必要な人員を速やかに確保し、一日でも早く、希望する住民への接種を進めていただきますが、その際、御指摘のような雇用を行う自治体があれば、そうしたことを含め、国として支援をしてまいりたいと思います。
 今般の特措法の改正理由についてお尋ねがありました。
 特措法の制度全般に関わる抜本的な改正については、感染収束後にしっかりとした対策の検証を経て行う予定でしたけれども、対策に強制力を持たせることについては、昨年の臨時国会の段階では、専門家の間でも意見が分かれる状況でした。
 その後の感染拡大の中で、現場からの要望等が行われ、与野党でも御議論いただき、法案提出に至ったものであります。
 今般の改正案では、個人の自由と権利に十分に配慮しつつ、支援と罰則をセットにして、より実効的な対策を行うこととしております。御審議の上、速やかに可決していただくようお願いを申し上げます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣田村憲久君登壇〕

#16
○国務大臣(田村憲久君) 高木美智代議員にお答え申し上げます。
 国民健康保険等の特例的な財政支援についてお尋ねがありました。
 今般の新型コロナウイルス感染症の対応として、感染症の影響により収入が減少した被保険者等について、子供に係る均等割保険料も含め、市町村等が保険料を減免した場合には、特例的に財政支援を行うことといたしております。
 令和三年度の保険料減免や傷病手当金への財政支援については、今後の感染状況等を踏まえながら、検討してまいります。
 宿泊療養や自宅療養の質の向上についてお尋ねがありました。
 宿泊先や自宅で療養される患者の方々については、症状に変化があった場合に、速やかにこれを把握し、医療機関等につなぐことが重要であります。
 このため、保健所で定期的に健康観察を行い、症状が変化した場合等に備え、患者からの連絡や相談体制を構築しています。その際にも、症状の変化を速やかに把握できるよう、パルスオキシメーターの購入費用も支援し、一層の活用を促進いたしております。
 また、保健所の負担軽減という観点から、健康観察については、実質的に国の全額負担で、医師会等に委託可能であり、引き続き、こうした手段も活用しつつ、宿泊、自宅療養者の健康確保のための体制をしっかりと構築してまいります。
 感染法上の入院措置に関する罰則についてお尋ねがありました。
 感染症法に基づく入院は、まずは、都道府県知事等が入院を勧告し、本人の御理解を得た上で入院していただくことを基本とし、勧告に従わない場合に入院措置を取ることができるものであります。
 その上で、正当な理由がなく入院措置に応じていただけない場合や入院先から逃げた場合に罰則の対象となることとしておりますが、実際の運用に際しては、御本人の人権に配慮した適切な対応が図られる必要があると考えております。
 また、罰則の適用に関する手続の在り方については、この法律案が成立した暁には、保健所等の現場において円滑な運用がなされるよう、必要な対応を行ってまいります。
 積極的疫学調査に正当な理由なく答弁しなかった場合における罰則についてお尋ねがありました。
 積極的疫学調査は、感染源の推定や濃厚接触者の把握を行うための重要な調査である一方で、調査に協力していただけない場合があることから、虚偽答弁、調査拒否等を行った場合の罰則を設けることといたしております。
 正当な理由については、実際の事案に即して個々の判断が行われるため、一概にお答えすることは困難でありますが、基本的な考え方としては、患者等の個人の権利利益と感染症の予防、蔓延防止という公共の利益を考慮して、正当な理由と言えるかどうか判断することになると考えられます。
 積極的疫学調査については、感染症の発生を予防し、又は感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするために行うものであるため、接触者の名前、連絡先、訪れた場所等は、基本的に回答いただくべきものであります。
 一方で、例えば、特定の場所を訪れた理由など、感染症の予防等の観点からは必ずしも必要のない質問への回答を拒否する場合には、正当な理由として、罰則の対象にならないものと解されます。
 いずれにいたしましても、御本人の人権に配慮した適切な対応が図られることが重要であることから、今回の改正内容について、国民の皆様に御理解いただけるよう、法案審議を通じて丁寧に御説明してまいります。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

#17
○国務大臣(麻生太郎君) 高木議員からは、確定申告の期限について一問お尋ねがあっております。
 令和二年分の確定申告者が三密等々も言われる集中を避けるために、多くの確定申告会場において、例年よりも二週間程度は前倒しをして、二月一日から開設することといたします。申告会場でも、あらかじめ様々な三密回避策を講じまして、安心して御相談いただけるよう環境整備を進めることにいたしております。
 その上で、議員御指摘の確定申告の期限の取扱いにつきましては、今後、緊急事態宣言によります納税者への影響等を踏まえつつ、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣西村康稔君登壇〕

#18
○国務大臣(西村康稔君) 高木美智代議員にお答え申し上げます。
 まず、蔓延防止等重点措置の創設の趣旨及び法的処分や支援に係る緊急事態宣言措置との違いについてお尋ねがありました。
 昨年四月の緊急事態宣言発出が国民生活に大きな影響を及ぼした経験を踏まえ、緊急事態宣言を発出する事態とならないよう、感染が拡大してきている場合に機動的な対策を講じることを可能とするために、知事会からの御提言も踏まえ、今般、蔓延防止等重点措置の創設を盛り込みました。
 蔓延防止等重点措置は、地域の感染状況に応じて、期間、区域、業態を絞った措置を機動的に実施できる仕組みとしており、発生の動向等を踏まえた集中的な対策により、地域的に感染を抑え込むことで、全国的かつ急速な蔓延への発展を防ぐため、知事の行う要請等の実効性を高める趣旨で実施するものであります。
 蔓延防止等重点措置、緊急事態措置のいずれも、要請、命令、過料を規定しておりますが、緊急事態措置は、施設の使用の制限、停止の要請ができるのに対し、蔓延防止等重点措置は、営業時間の変更の要請ができるにとどまり、いわゆる休業要請を行うことはできません。また、過料の額についても違いがあります。
 支援については、蔓延防止等重点措置、緊急事態措置のいずれにおいても、新型インフルエンザ等の影響を受けた事業者を支援するための必要な措置を講ずる義務を明記しております。
 今回の与野党協議において、事業規模に応じた支援の在り方について、事業者の状況、必要性等を踏まえて検討し、支援が効果的なものとなるよう取り組む旨を答弁及び附帯決議で明確化すると合意されたと承知しており、政府として、この合意を踏まえて対応してまいります。
 蔓延防止等重点措置の政令で定める要件についてお尋ねがありました。
 蔓延防止等重点措置については、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある新型インフルエンザ等の蔓延を防止するため、蔓延防止等重点措置を実施する必要があるものとして政令で定める要件に該当する事態が発生したときに、期間、区域等を公示することとしております。
 この政令で定める要件については、例えば、新規陽性者数等の発生の状況を踏まえ、ある地域において感染が拡大しており、都道府県内に更に拡大するおそれがあること、それに伴い、医療の提供に支障が生ずるおそれがあると認められることといった内容を規定することを想定しております。
 当然のことながら、特措法第五条に基づき、基本的人権を尊重し、必要最小限の措置となるよう、できる限り分かりやすい形でお示ししたいと考えております。
 政令で定める都道府県知事の要請の内容についてお尋ねがありました。
 改正法案第三十一条の六において、都道府県知事は、営業時間の変更に加えて、その他新型インフルエンザ等の蔓延を防止するために必要な措置として政令で定める措置を要請できると規定しておりますが、政令で定める措置としては、緊急事態宣言下での特措法第四十五条第二項のその他政令で定める措置を定めております現行の施行令第十二条で規定されております、入場者の整理や、発熱等の症状を呈している者の入場の禁止等に加え、従業員に検査を受けることの勧奨等について定めることを想定しております。
 これらの政令で定める措置は、法律で規定する営業時間の変更よりも私権の制限の程度は小さく、蔓延の防止に必要なものを規定することを想定しております。
 改正特措法の事業者への支援に関する規定と憲法第二十九条、正当な補償との関係についてお尋ねがありました。
 憲法第二十九条第三項において、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」と規定されており、通常、特定の個人に対する財産権の侵害であり、社会的制約として受忍すべき限度を超えていると考えられる場合には、特別の犠牲としてその損失を補償しなければならないこととされております。
 他方で、憲法第十二条において、国民は、自由及び権利の濫用をしてはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負うとされており、国民の命を守るために必要となれば、感染症の蔓延の原因となるような施設の営業について、強制力を有する措置を用意するという法的な整理は可能であると考えております。
 法制定時においても、休業等を要請したとしても、事業活動に内在する制約であることから、特別の犠牲には当たらず、憲法二十九条三項の損失補償の対象とはならないものと整理をされております。こうした点については、内閣法制局とも議論した上で確認したものでございます。
 一方、今般、国及び地方公共団体が新型インフルエンザ等の影響を受けた事業者を支援するための必要な措置を講ずる義務も明記しております。
 今回の与野党協議において、事業規模に応じた支援の在り方について、事業者の状況、必要性等を踏まえて検討し、支援が効果的なものとなるよう取り組む旨を答弁及び附帯決議で明確化すると合意されたと承知しており、政府として、この合意を踏まえて対応してまいります。(拍手)
    ―――――――――――――

#19
○議長(大島理森君) 塩川鉄也君。
    〔塩川鉄也君登壇〕

#20
○塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表して、政府提出のコロナ対応の特別措置法、感染症法、検疫法改正案について質問します。(拍手)
 新型コロナ感染症の拡大を抑え込むために必要なことは、罰則を導入することではありません。正当な補償を明確にする法改正を行うことです。
 菅総理、あなたが、年末、十二月二十五日の記者会見で、給付と罰則をセットにした特措法改正の方針を明らかにしたことが本案提出の出発点になっており、その責任は重大です。なぜ、罰則を持ち出したのですか。
 入院できずに亡くなられる方が出ている現状で、入院拒否に罰則をかけるという発想に問題があります。
 政府は、予算委員会で、入院拒否の事例について、網羅的に把握していないと答弁しましたが、いまだに把握をしていないのですか。入院拒否で感染拡大した科学的証左を示してください。そもそも、罰則導入の立法事実がないのではありませんか。
 世論の反対に押されて、自民党は刑事罰の撤回に合意しました。しかし、刑事罰であっても行政罰であっても、罰則を導入することは感染抑止に逆行し、重大な困難をもたらします。
 罰則導入の本法案に、公衆衛生の専門家団体、薬害被害者、障害者団体、法律家など、多くの関係者が反対の声を上げています。
 日本公衆衛生学会、日本疫学会は、このように述べています。
 「刑事罰・罰則が科されることを恐れるあまり、検査結果を隠す、ないし検査を受けなくなれば感染状況が把握しにくくなり、かえって感染コントロールが困難になることが想定されます。」「罰則を伴う強制は国民に恐怖や不安・差別を惹起することにもつながり、感染症対策を始めとするすべての公衆衛生施策において不可欠な、国民の主体的で積極的な参加と協力を得ることを著しく妨げる恐れがあります。」
 さらに、現場で奮闘されている全国保健所長会からも意見が出されています。
 「保健所は住民に寄り添い、住民の健康と命を守る使命をもって業務を行っているが、もし罰則を振りかざした脅しを行うことにより住民の私権を制限することになればアンビバレンスと言わざるを得ず、職員の気概も失われ、住民からの信頼関係を築くことは困難になり、住民目線の支援に支障をきたす恐れがある。」
 感染コントロールが困難になる、国民の恐怖、不安、差別を助長する、国民の参加、協力を得にくくなる、保健所業務に支障を来す、このような意見を菅総理はどう受け止めているのですか。
 さらに、法案提出の前提である厚生科学審議会感染症部会でも、保健所の所長は、罰則導入が知事会の要望だと言うが、保健所から知事に対し要望を上げてくれと言ったわけではないと述べています。
 菅総理は、専門家の意見を聞くと何度も述べていますが、法案が感染防止に逆行するという声をなぜ正面から受け止めないのですか。
 さらに、日本医学会連合は、次のように述べています。
 「かつて結核・ハンセン病では患者・感染者の強制収容が法的になされ、蔓延防止の名目のもと、科学的根拠が乏しいにもかかわらず、著しい人権侵害が行われてきました。」「現行の感染症法は、この歴史的反省のうえに成立した経緯があることを深く認識する必要があります。」
 菅総理は、この歴史的反省をどのように認識しているのですか。
 このような罰則導入は、コロナに感染したり感染対策で営業が困難になるなど不利益を被る国民を犯罪者扱いするものです。これは、国民に責任を転嫁し、国が行うべき補償を免れようとするものではありませんか。
 さらに、医療機関に対し、ベッドの協力勧告に応じない場合、公表という制裁を加えるという規定は削除すべきです。減収補填など、医療機関、医療従事者への財政的、人的支援に全力を挙げてこそ、協力が得られるのではありませんか。
 今、入院したくても入院できない事態、自宅で亡くなる方が増えています。この現状を放置したまま、自宅療養を法的に位置づけて求めることは間違っています。公衆衛生、医療提供体制の整備のために、国は全力を挙げるべきです。
 次に、新型インフル特措法における恣意的な運用拡大の問題です。
 現行法においても、政府対策本部の設置や緊急事態宣言の発出の発動要件や私権制限措置は曖昧で、恣意的な運用が問題となってきました。それなのに、緊急事態宣言の前に実施するという蔓延防止等重点措置は、肝腎なところは政令で定め、国会への報告もないなど、国や自治体の裁量の余地が大きく、恣意的な運用が懸念されます。蔓延防止等重点措置の創設は認められません。
 また、法案は、指定感染症を特措法の対象に含めることとし、政府が決めれば法改正なしに今後新たに発生するものも特措法の枠組みが使えるようにしています。私権制限を含む特措法の改正は、本来、慎重な審議が必要なものであり、対象の追加は新型コロナ感染症に限定をすべきではありませんか。
 最後に、営業しなければ暮らしが成り立たない事業者に対して、まともな補償もせずに罰則を科すなど、断じて認められません。
 営業規制に応じた事業者に対して事業規模に応じて事業が続けられる補償、入院や宿泊療養などの要請に伴う不利益を被る個人に対して補償を行うことなど、正当な補償を明記することを求め、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#21
○内閣総理大臣(菅義偉君) 塩川鉄也議員にお答えをいたします。
 特措法の罰則についてお尋ねがありました。
 これまでの経験に基づき、飲食の感染リスクを抑える必要がある中で、現場を担う知事会からも、飲食店の時間短縮の要請等に応じない場合の罰則が提言されています。
 今回の改正は、こうした御意見も踏まえ、罰則と支援をセットにして対策の実効性を高めるものであります。
 入院拒否についてお尋ねがありました。
 現在、そうした事例等について、厚生労働省において、全国の都道府県等を対象に、現場の負担を考慮しつつ、調査を行っていると聞いております。
 これまでのところ、二つの自治体から、入院措置を行った経験があるとの回答をいただいておりますが、今後、速やかに調査結果を取りまとめたいと考えています。
 いずれにせよ、法律の運用に際しては、引き続き、患者の御理解を得ながら入院措置を行うことを基本とするなど、人権に配慮した適切な対応に努めてまいります。
 感染症法改正案への意見に対する受け止めについてお尋ねがありました。
 御指摘の意見については、感染症法等の改正案に対する一月十五日の感染症部会における議論だと思いますが、部会では、改正の方向性についておおむね了承が得られたところでありますが、一方で、慎重な運用が必要といった趣旨の指摘も多くあったと聞いています。
 いずれにしても、今回の与野党協議において、罰則については過料に見直すことで合意されたと承知しており、政府としては、合意内容を尊重して対応いたします。
 保健所や専門家の意見の受け止めについてお尋ねがありました。
 新型コロナ患者への対応について、ルールを整備し、効果的な感染対策を行うために感染症法改正案を提出いたしました。
 厚生労働省の審議会については先ほども申し上げたとおりであり、さらに、保健所を所管する都道府県知事からは、全国知事会の提言として、感染症法について、遵守義務や罰則について要望があったものと承知をしています。
 歴史的反省の受け止めについてお尋ねがありました。
 感染症法は、過去にハンセン病等の患者に対するいわれのない差別や偏見が存在した事実を重く受け止め、教訓として今後に生かすことを前文に掲げた上で、基本理念、国及び地方公共団体や国民の責務として、感染症の患者等の人権の尊重を規定いたしております。
 今回の改正法案では、新型コロナ感染症について、患者等の人権が尊重され、不当に差別されることがないように、国と地方公共団体が啓発活動等を行うことを法律上に規定することといたしております。
 こうした規定をしっかりと受け止め、患者等の人権に配慮した適切な対応に努めてまいります。
 入院拒否への対応についてお尋ねがありました。
 感染者に対する入院措置は、感染拡大を防止するために重要な措置であり、入院拒否の場合の罰則規定については、対策の実効性を高めるために必要な規定です。
 御指摘のような、国民に責任を転嫁し、国が行うべき補償を免れようとしているとの御批判は当たらないものと考えています。
 医療機関への協力要請規定についてお尋ねがありました。
 病床確保については、医療機関への協力要請を基本とした上で、あくまで、正当な理由なく要請に応じられない場合に勧告、公表をできるようにするものでありますが、適用に当たっては、医療関係者の意見を十分に伺いながら、必要な協力をお願いしてまいります。
 また、医療機関や医療従事者等に対し、これまで三・二兆円の支援を行うとともに、第三次補正予算では一・四兆円の追加支援を行っております。引き続き、全力で支援をしてまいります。
 自宅療養についてお尋ねがありました。
 感染症法に法的根拠を設け、都道府県知事等が患者に協力を求められるようにすることとしております。
 こうした患者の方々について、症状に変化があった場合に、速やかにこれを把握し、医療機関等につなぐことが重要であり、引き続き、保健所の体制整備や受入れ医療機関の拡充など、必要な対策を講じてまいります。
 蔓延防止等重点措置についてお尋ねがありました。
 今回の与野党協議においては、蔓延防止等重点措置の速やかな国会報告について行うよう附帯決議で担保すると合意されたと承知しており、政府としては、この合意を踏まえ、真摯に対応してまいります。
 また、この措置の実施に当たっては、専門家からの意見を聞いて判断することとし、地域や業種を絞って重点的に措置を講じてまいります。
 対象となる感染症の追加についてお尋ねがありました。
 今回の改正では、政令で定める指定感染症のうち、新型インフルエンザ等と同等の感染性や罹患した場合の重篤性を持つ疾病に限り、法改正を行わずとも特措法に基づく措置を講ずることを可能としております。
 その際、こうした感染症について、私権制限を伴う措置を講ずる場合には、法律上、あらかじめ専門家の意見を聞かなければならないこととするなど、慎重な手続の下で対応を行うことにいたしております。
 事業者への補償についてお尋ねがありました。
 今回の与野党協議において、事業規模に応じた支援の在り方について、事業者の状況、必要性等を踏まえて検討し、支援が効果的なものとなるよう取り組むと合意されたと承知しており、政府としては、この合意を踏まえ、適切に対応してまいります。
 また、新型コロナ患者の入院や宿泊療養、自宅療養の際に必要な治療費については、全額公費により負担をしてまいります。(拍手)
    ―――――――――――――

#22
○議長(大島理森君) 足立康史君。
    〔足立康史君登壇〕

#23
○足立康史君 日本維新の会の足立康史です。
 新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案については、既に与野党協議で合意した事項も多くございます。本日は、党を代表して、残る最大の課題三点について、総理に質問します。(拍手)
 冒頭、新型コロナウイルスに感染し、あるいは感染症の影響を受けて、貴き命を失われた方々に哀悼の意を表しますとともに、闘病中の皆様に心からのお見舞いを申し上げます。
 新型インフル特措法等の改正に向けて、私たち日本維新の会は、昨年の一月二十三日に、数ある政党の中で真っ先に党対策本部を立ち上げ、政府、与野党による緊急立法協議会の設置と、新型インフル特措法の速やかな改正を求める緊急提言を取りまとめました。
 当時の永田町の緊張感のなさは、昨年の通常国会冒頭、衆院代表質問で新型コロナ感染症の問題を取り上げたのが私たち日本維新の会と公明党だけであった一点を見ても明らかでありました。特に、維新以外の野党の緊張感のなさは、目に余るものでした。モリ、カケ、桜をやるなとは言いません。しかし、長らくコロナを取り上げてこなかった蓮舫議員や維新以外の野党の代表たちが、なぜ急に、テレビの前で、コロナ対策に奔走する菅総理始め閣僚たちを偉そうな口ぶりで糾弾できるのでありましょうか。
 総理に伺います。
 彼ら、彼女らは、なぜ、そうも偉そうな態度を取ることができるのでしょうか。大国を統治するということの苦労を知らないからか、あるいは未知のウイルスとの戦いの困難さを分かっていないからであると私は考えますが、いかがでしょうか。
 もちろん、民主党も、一時期、政権に就いたことがありましたが、その三年三か月の間、本来真っ先にやるべきことに取り組みませんでした。その最たるものが、いわゆる補償の問題です。
 戦後七十年余り、日本政府は、戦争など有事における被害や犠牲を国民は甘んじて耐え忍ぶべきものであるとの立場、いわゆる受忍論を取ってきました。しかし、世界では、戦争被害を補償の対象とするのがスタンダードであり、先進国の中で戦争被害補償法制を持たないのは日本だけです。
 大変に難しいテーマでありますが、私たち日本維新の会は、公約にも明記しているとおり、政権を掌握すれば、最初にこの補償の問題に取り組む所存です。ところが、民主党は、三年以上も政権の座にあったにもかかわらず、戦後、自民党が築いてきた安全保障法制の上に、あぐらをかくばかりでありました。
 今回の新型インフル特措法の改正に当たっても、私たち日本維新の会は、当初から補償の必要性を訴え、昨年三月の新型インフル特措法に新型コロナを追加した際の附帯決議においても、補償的な措置に係る検討規定を設けることで与党と合意をしていました。にもかかわらず、立憲民主党が、補償に関する維新提案を与党が採用するなら与野党協議に応じないと寝転がったため、日本維新の会による歴史的合意は、一転、幻に終わったのであります。
 その補償について、自民党の憲法改正推進本部最高顧問であられる高村正彦氏は、事業者に対する休業要請に関連し、憲法二十九条三項に基づく補償が必要との指摘があるが、公共の福祉の範囲内の制約であって、事業者側からいえば、それは受忍限度の範囲内であるとおっしゃっています。
 総理に伺います。
 こうした高村氏の見解に、内閣総理大臣として同意されますか。今回の緊急事態宣言において、知事の要請等に応じた事業者の経済的損失が受忍限度の範囲内であり、財産権に対して一般的に加えられた内在的制約であると判断されるのであれば、そう判断する際の基準、そう判断をした理由を国民の皆様に分かりやすく御説明ください。
 政府の新型インフル特措法等改正案には、国会に提出される前から、蔓延防止等重点措置、臨時の医療施設など、日本維新の会の提言を数多く採用いただきましたが、残念なのは、与野党協議において、最も大事な補償の議論が回避され、事業者への支援がバナナのたたき売りのようになってしまったことです。支援だけではありません。罰則規定までもがバナナのたたき売りに堕してしまったのであります。
 私たち日本維新の会は、野党がバナナの値引きに拘泥している間に、目下最大の焦点である医療提供体制に係る知事権限の強化に資するよう、感染症法十六条の二に医療機関を追加する条文修正を提案し、昨日、政府・与党と合意をいたしました。
 本日よりは、法案を一刻も早く成立させ、国民の命と健康を守るための力を現場に届けてまいりたいと存じます。そして、大事なことは、第三波の収束に全力を挙げるとともに、次なる有事への対応と準備に万全を期することであります。
 総理に伺います。
 私たち日本維新の会は、先ほど取り上げた、一、事業者への補償の在り方に加えて、二、特措法三十一条の運用を含めた医療マネジメントと医療機関の経営補償の在り方、三、基本的対処方針、緊急事態宣言等に係る政府と都道府県知事の権限と責任の在り方、四、新型コロナの感染症法上の位置づけ見直し、五、ワクチン接種の円滑な実施とマイナンバー活用の在り方、六、入国在留管理の強化と在外邦人の保護の在り方、そして、有事にあっても国民の生活費を保障できる頑強なセーフティーネットの在り方、こうした点について、平時から、最悪を想定して検討し、万全を期するべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第三波の収束後、間を取ることなく、こうした危機管理上の重要課題に政府を挙げて取り組むことを強く求め、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#24
○内閣総理大臣(菅義偉君) 足立康史議員にお答えをいたします。
 特措法と補償についてお尋ねがありました。
 特措法で感染症の拡大防止を目的として休業等を要請した場合でも、事業活動に内在する制約であることから、憲法二十九条三項の損失補償の対象とはならないと解釈されております。
 これは、施設の休業等の要請が、施設の使用自体が感染症の蔓延の原因となることから実施されるものであること、緊急事態宣言中に限って行われるものであり、一時的なものであること、こうしたことによるものと法制定時に整理されております。
 その上で、そうした基本的な考え方は、今回の改正によっても変わるものではないと考えます。
 次の感染拡大に備えた準備についてお尋ねがありました。
 現在、緊急事態宣言に基づき、飲食店の営業時間短縮等の強力な対策を講じており、まずは、一日も早く感染を収束させるため、全力を尽くしてまいります。
 その上で、御指摘も踏まえながら、これまでの経験を踏まえ、様々な対策について問題点や改善点を検討し、更に対策を進化してまいります。
 しかしながら、新型コロナは新型インフルエンザと比べて感染の特徴等がかなり異なっており、こうした中で、国民の皆さんの命と暮らしを守るという強い思いの下、日々の感染状況を把握し、専門家の意見も聞きながら、必要な対策を講じてきました。
 まずは、一日も早く現在の感染を収束させるために全力を尽くしてまいります。
 その上で、決して気を緩めることなく、今後、これまでの経験を踏まえ、問題点や改善点を検討し、対策を更に進化させてまいります。(拍手)
    ―――――――――――――

#25
○議長(大島理森君) 浅野哲君。
    〔浅野哲君登壇〕

#26
○浅野哲君 国民民主党・無所属クラブの浅野哲です。(拍手)
 昨年十二月、私たち国民民主党は、他の野党とともに、万全の補償と罰則をセットにした特措法改正案を提出いたしました。万全の補償を前提に、一定の統制力を持たせ、短期で感染を抑え込む方が、国民の健康リスクや経済ダメージを最小化でき、財政的にも負担が少なくて済むと考えたからです。
 また、私たちの案では、国民の皆様に行動制限や罰則を科すのはあくまでも緊急事態宣言下に限り、非宣言下では私権制限を極力行わない方針でした。新型コロナ対策は、国民の理解と協力がなければ成立しません。制度全体ができる限り簡素であることが望ましいと考えております。
 一方、今回の政府案では、蔓延防止等重点措置を新設することによって、制度全体が複雑化し、分かりづらくなりました。蔓延防止等重点措置は、緊急事態措置同様に、事業活動の制限に関する勧告、命令及び罰則規定が含まれます。そして、理屈上は、対象地域や対象者について、同様な範囲を指定することが可能です。つまり、この二つの措置は、効能的に極めて高い同一性があります。
 西村大臣にお伺いします。
 蔓延防止等重点措置で実施しようとしていることは、そもそも緊急事態措置でも実施可能ではありませんか。国民の協力を得やすいシンプルな制度とするべきです。蔓延防止等重点措置でやろうとしていることを緊急事態措置の制度を活用して実施できない理由があれば、お答えください。
 一月二十六日の予算委員会で、西村大臣は、特定の地域や特定の業種に絞れば私権の制約の程度は相当低いと発言しました。だから国会への報告は不要であるという意図での発言だと理解しています。しかし、対象者が少数であっても、私権制限であることに違いはありません。対象者が少ないからといって、国民の代表たる国会の理解なく私権制限を正当化することなど、あってはなりません。
 蔓延防止等重点措置について国会の関与が不要であるとした根拠について、法制上の観点も踏まえ、明確に御説明をお願いいたします。あわせて、国会へ報告を行うよう再考を求めます。
 条文中には、正当な理由なく命令に従わなかった場合に罰則の対象となるという記載があります。この正当な理由の要件は何でしょうか。今後、具体的な指針を定める予定はありますか。例えば、既存のガイドラインに沿ったコロナ対策を実施した上で、生活を守るため、従業員を守るため、会社を守るためなどの理由で営業することは、正当な理由に当たりますか。明確にお答えをお願いします。
 西村大臣は、先日の予算委員会の中で、休業要請は事業活動に内在する制約であることを理由に損失補償の対象とはならない旨を答弁されました。しかしながら、新型コロナ拡大が長期にわたり、事業者の皆さんは大変厳しい経営環境に置かれています。それなのに、政府は、事務作業の負担を理由に一律給付にこだわっているように見えます。政府には、国民の立場にもっと寄り添う姿勢を見せていただきたい。
 本法案の第六十三条の二では、事業者に対する支援等の規定が新たに設けられていますが、事業者を支援するために必要な財政上の措置その他の必要な措置の内容の妥当性については、どのように確保されるのでしょうか。また、効果的に講ずるとは、具体的に何に対する効果を意図しているのでしょうか。
 また、事業者への支援について総理に質問します。
 この条文の趣旨に照らした場合、現在検討されている一時金などの一律給付制度の内容は妥当と言えますか。私は、国民民主党がこれまで提案してきた、事業者が受けた影響に応じた措置の内容とする方が、条文の趣旨に合っていると思います。影響度に応じた支援の是非についても、総理の見解をお伺いいたします。
 入院拒否に対する刑事罰については、修正協議の結果、削除されることとなったと承知していますが、改めてお伺いいたします。
 人に居場所を強制する制度に関しては、違憲となる可能性が高いという指摘があります。また、入院しなかったことで感染が拡大したという証拠も明らかになっておりません。本件に関する立法事実及び合憲性について御説明をお願いいたします。
 あわせて、自宅やホテルでの療養拒否に対する入院命令を可能とする点については、強く再考を求めます。自宅等で入院調整中の方の死亡がこれだけ問題になっている中、病床逼迫状況を悪化させる本末転倒の施策です。むしろ、端的に療養命令を可能とする改正の方が現実的ではないでしょうか。また、その前段階として、療養者の病状把握等を強化するなど、協力へのインセンティブを高める努力をするべきだと思いますが、田村大臣の見解をお伺いいたします。
 菅総理に質問します。
 コロナ禍を乗り越えるには、政府と国民が危機意識を共有し、協力しなければなりません。その前提となるのは、国民の政府に対する信頼と共感です。トップリーダーの強い決意と国民へのメッセージが不可欠です。現在、緊急事態宣言の期間延長も検討されていると伺っていますが、延長される場合には、議院運営委員会に出席し、総理御自身の言葉で国会と国民に対して総理のお考えを発信していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 最後に一言申し上げます。
 先頃より国民民主党は、国会内での感染防止のために質疑通告等のオンライン化を始めました。そうしたところ、国会議員と官僚双方の感染リスクを減らせるだけでなく、官僚の皆さんの働き方改革にもつながると喜ばれています。官僚の皆さんは、議員会館への移動に片道約二十分程度を要しています。一日複数回往復することも多いと聞いています。彼らが移動に使う時間も、この国にとっては貴重な資源です。質問通告や打合せにおけるオンライン活用について、現在、他会派の皆様も多く実行されており、大変喜ばしく思っておりますが、更に多くの議員の皆様が活用されることをお願い申し上げまして、私の発言を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#27
○内閣総理大臣(菅義偉君) 浅野哲議員にお答えをいたします。
 特措法改正案における事業者への支援についてお尋ねがありました。
 今回の特措法改正法案は、休業要請などを受けた事業者の経営や国民生活への影響を緩和するため、支援を行うこととしています。
 時短営業に協力する飲食店への一日六万円の支援金は、迅速な支援を行うために店舗ごとに一律としておりますが、多くの地域において、店舗数に応じた支援金としております。さらに、影響を受ける納入業者等については、一時金を支給することとしております。
 なお、今回の与野党協議について、事業規模に応じた支援の在り方については、事業者の状況、必要性等を踏まえて検討し、支援が効率的なものとなるよう取り組むと合意されたと承知しており、政府としては、この合意を踏まえて適切に対応してまいります。
 新型コロナに対する決意と国民へのメッセージについてお尋ねがありました。
 九月の就任以降、一貫して、国民の命と暮らしを守ることを最優先に、日々の感染状況を把握し、専門家の意見も聞きながら、対策による国民生活やなりわいへの影響にも常に思いをはせながら、適切な判断を行い、必要な対策を行ってきたところです。
 その上で、今、私に求められていることは、一日も早く感染を収束させ、国民の皆さんが安心して暮らせる日常、そしてにぎわいのある町を取り戻すことだと思っています。
 引き続き、国民の皆さんの声に丁寧に耳を傾けるとともに、この感染拡大を何としても収束させるべく、先頭に立って対策を進めてまいります。
 議院運営委員会への出席については国会でお決めになるものと承知しておりますが、国会の場においては真摯かつ丁寧な説明に努めるとともに、国民の皆さんに対しては、会見の場などにおいて、分かりやすく丁寧な情報発信に努めてまいります。(拍手)
    〔国務大臣西村康稔君登壇〕

#28
○国務大臣(西村康稔君) 浅野哲議員からの御質問にお答え申し上げます。
 蔓延防止等重点措置について、緊急事態措置の制度を活用して実施できないかについてお尋ねがありました。
 緊急事態宣言発出は国民生活に大きな影響を及ぼすことを踏まえ、緊急事態宣言を発出するような事態とならないよう、感染が拡大してきている場合に機動的な対策を講じることを可能とするために、知事会からの御提言も踏まえ、今般、蔓延防止等重点措置の創設を盛り込んでおります。
 蔓延防止等重点措置は、地域の感染状況に応じて、期間、区域、業態を絞った措置を機動的に実施する仕組みとしており、発生の動向等を踏まえた集中的な対策により、地域的に感染を抑え込むことで、全国的かつ急速な蔓延への発展を防ぐため、知事の行う要請等の実効性を高める趣旨で実施するものであります。
 また、特措法第五条において、国民の私権の制限を必要最小限とすべきことが規定されており、この趣旨からも、緊急事態宣言前の段階においては、より私権制限が少ない措置とする必要があり、期間、区域、業態を絞った措置を設けることとしております。
 蔓延防止等重点措置に関する国会への報告についてお尋ねがありました。
 緊急事態宣言の発出は、住民に対する全面的な外出自粛の要請や物資の供給や運送の要請、その他全市町村における対策本部の設置など、国民生活、国民経済に大きな影響を及ぼす幅広い措置を含むため、緊急事態宣言を発出するような事態とならないよう、感染が拡大してきている場合に機動的な対策を講じることを可能とするために、知事会からの御提言も踏まえ、今般、蔓延防止等重点措置の創設を盛り込んだところであります。
 蔓延防止等重点措置は、発生の動向等を踏まえた集中的、機動的な対策により、地域的に感染を抑え込むことで、知事の行う要請等の実効性を高め、全国的かつ急速な蔓延への発展を防ぐこと等の趣旨で実施するものであります。
 また、特に措置が必要な地域、業態を限って、期間を限定した営業時間の制限等が想定されるにとどまり、国民の権利を制限する内容は、緊急事態宣言措置と比べれば相当程度少ないものであります。このため、公示のみとし、国会の承認や報告は規定をしておりません。
 今回の与野党協議において、蔓延防止等重点措置の速やかな国会報告について行うよう附帯決議で担保すると合意されたと承知しており、政府としては、この合意を踏まえて真摯に対応してまいります。
 蔓延防止等重点措置の正当な理由についてお尋ねがありました。
 改正法案第三十一条の六の第三項では、施設管理者等が正当な理由がないにもかかわらず要請に応じない場合であって、重点区域における新型インフルエンザ等の蔓延を防止するため特に必要があるときに限り、当該要請に応じるよう命令をすることができると規定しております。
 この正当な理由の解釈は、今回の改正案においては、国及び地方公共団体が新型インフルエンザ等の影響を受けた事業者等を支援するために必要な措置を講ずる義務を明記していることも踏まえ、また、憲法第十二条の趣旨に照らし、感染拡大を抑えるため、限定的に解釈されるべきものと考えております。
 御指摘の事例も踏まえ、具体的な状況における諸般の事情を考慮して客観的に判断されるものと考えております。
 事業者支援の内容の妥当性の確保及び効果的に講ずるの意図についてお尋ねがありました。
 今般、国及び地方公共団体が新型インフルエンザ等の影響を受けた事業者を支援するための必要な措置を講ずる義務を明記することといたしました。
 新型インフルエンザ等や蔓延の防止に関する措置が事業者の経営に及ぼす影響は千差万別であるため、事業者を支援するに当たっては、それぞれの影響の程度も踏まえて支援を行うことが重要であり、このため、効果的にという文言を規定したものであります。
 今回の与野党協議において、事業規模に応じた支援の在り方について、事業者の状況、必要性等を踏まえて検討し、支援が効果的なものとなるよう取り組む旨を答弁及び附帯決議で明確化すると合意されたと承知しており、政府として、この合意を踏まえて対応してまいります。(拍手)
    〔国務大臣田村憲久君登壇〕

#29
○国務大臣(田村憲久君) 浅野哲議員にお答えいたします。
 感染症法上の入院に対する罰則についてお尋ねがありました。
 感染拡大を防止するためには、感染者に対する入院勧告、措置は重要であり、個人の人権に配慮しながら、実効性を高めるための措置を講ずる必要があると考えております。
 御本人の御理解を得ながら入院していただくことが基本でありますが、自治体等からの協力要請に応じていただけない場合があることや、全国知事会から罰則の創設を求める緊急提言が出されていることなどを踏まえ、罰則を創設することといたしました。
 また、現在の感染症法においても、感染症の蔓延を防止するため、入院の勧告に従わない場合は強制力のある入院措置を取ることができるところであり、更に実効性を担保するために、今般の改正案では強制措置と罰則を組み合わせております。
 このような例としては、既に検疫法において、隔離、停留中に逃げた場合の罰則が設けられており、今回創設する罰則もこれを参考にしており、憲法に違反するものとは考えておりません。
 なお、今般の改正案については、与野党間で協議が行われたものと承知しており、政府としては、与野党間の協議を経た上での国会での御審議の結果を尊重して対応してまいります。
 宿泊療養等の拒否に対する入院勧告についてお尋ねがありました。
 今国会に提出している感染症改正法案においては、これまで運用で行ってきた宿泊療養、自宅療養について、その実効性を確保するため、これらを法的に位置づけるとともに、要請に従わない場合に入院勧告の対象となる、これまでの政令上の取扱いを法律で明確化したものであり、現場でのより確実な取組を後押しするものであります。
 療養者の健康観察については、これまでも、保健所で定期的に健康観察を行い、症状が変化した場合等に備え、患者からの連絡や相談に対応する体制を構築するとともに、健康観察を医師会等に委託することも可能とし、その費用は新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金において支援をいたしております。
 いずれにしても、今回の法案審議の過程を通じて、国民の皆様から御理解を得られるよう、丁寧に御説明させていただきたいと考えております。(拍手)

#30
○議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――

#31
○議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時一分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣   菅  義偉君
       財務大臣     麻生 太郎君
       厚生労働大臣   田村 憲久君
       国務大臣     西村 康稔君
 出席内閣官房副長官及び副大臣
       内閣官房副長官  坂井  学君
       内閣府副大臣   赤澤 亮正君
ソース: 国立国会図書館
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