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2021/01/20 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 本会議 第2号 令和3年1月20日
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2021/01/20 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 本会議 第2号 令和3年1月20日

#1
令和三年一月二十日(水曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二号
  令和三年一月二十日
    午後一時開議
 一 国務大臣の演説に対する質疑
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 国務大臣の演説に対する質疑
    午後一時二分開議

#2
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説に対する質疑

#3
○議長(大島理森君) 国務大臣の演説に対する質疑に入ります。枝野幸男君。
    〔枝野幸男君登壇〕

#4
○枝野幸男君 新型感染症、COVID―19によって、四千五百人を超える方が命を失いました。その中には、同僚である羽田雄一郎参議院議員も含まれます。
 今も、陽性と判定されながら、自宅療養を余儀なくされている方、入院できない方、重症者病棟に転院できない方がいます。適切な治療を受けられないまま亡くなった方も少なくありません。
 亡くなられた方に心から哀悼の意を表し、御遺族の皆さんにお悔やみを申し上げます。患者、感染者の皆さんにお見舞いを、そして、医療体制に不安を抱いている全ての皆さんに、国会に議席を持つ一人としておわびを申し上げます。
 医療は、逼迫というより、もはや崩壊です。現場からは、このままでは壊滅するとの声まで聞こえています。医療従事者の皆さんは、昼夜を問わず、必死で治療に当たっています。感染症に対応している皆さんはもちろんのこと、それ以外の診療科や高齢者施設などでも多くの皆さんに長期間にわたって御苦労いただいています。全てのエッセンシャルワーカーの皆さんに、厚く御礼を申し上げます。
 本来、網羅的、総括的にお尋ねしたいところですが、命と暮らしが危機的な、深刻な状況にあることを踏まえ、私は、立憲民主党・無所属を代表して、感染症対策を中心に、テーマを絞って質問いたします。(拍手)
 今回の感染拡大は、昨年の十一月には明らかな兆候が表れていました。十一月下旬には、政府自ら、勝負の三週間と言ったくらいです。ところが、総理は、私たちを始め多くの声を無視してGoToキャンペーンを続け、必要な対策を先送りしてきました。その結果が、感染爆発と呼ばざるを得ない現状です。
 緊急事態宣言についても、私たちは、昨年十二月十八日には、決断すべきと提案していました。しかし、総理が宣言に至ったのは一月七日。その際にも、一都三県だけでよいのかと指摘しましたが、結局、一週間もたたない十三日に、七府県を慌てて追加せざるを得なくなっています。そして、今も、宣言の出されていない地域の中に、複数の指標がステージ4に達しているところも少なくありません。
 なぜ、こんなに後手に回っているんですか。今後の適切な対応のためにも、判断の遅れを認め、反省することから始めるべきではないですか。総理にお尋ねします。
 私たちが新型インフルエンザ特別措置法などの改正案を国会提出したのは、昨年の十二月二日です。政府・与党もようやく重い腰を上げ、今国会に政府案が提出されることとなりました。
 緊急事態を宣言してからその根拠となる特措法の改正を進めるというのは、順序が逆で、泥縄そのものです。
 野党の求めを無視して昨年十二月五日に早々と国会を閉じ、約一か月半にわたって国会を開かなかったのはなぜですか。この間に、政府からも対案を出し、野党案とともに審議を進めれば、特措法などの改正はとっくに実現できていました。総理には、国会を閉じ、法改正が遅れたことへの反省があるのか、お聞かせください。
 危機において、正常な日常生活の延長線上の出来事として捉えてしまい、自分にとって都合の悪い情報を無視したり過小評価したりしてしまうこと、これを正常性バイアスと呼びます。危機においてリーダーが最も注意すべきことであり、最悪を想定して対応することが危機管理の基本です。
 私は、東日本大震災での経験と教訓を踏まえ、このことを昨年も国会質疑の場で指摘をしてきました。残念ながら、総理は根拠なき楽観論に立ち、それによって対応が遅れてきたと言わざるを得ません。まさに正常性バイアスそのものです。
 正常性バイアスに陥ってきたことを認め、最悪を想定した対応へと根本的に転換すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 昨年の緊急事態宣言は、多くの皆さんに大きな負担をおかけし、一旦は感染を大幅に抑え込むことができました。一人一人の痛みと犠牲が積み重なって宣言解除に至ったことを、私たちは肝に銘じるべきです。
 文字どおりの緊急事態であった昨年と異なり、今回の感染拡大は、政治によって引き起こされた人災と言っても過言ではありません。
 冬場に感染が広がる危険性は繰り返し指摘されてきました。しかし、保健所など検査体制の拡充や重症病棟の確保、医療機関とそこで働く方々への支援などは十分なものではありませんでした。
 他方で、政府は、経済の再開に大きくかじを切りました。総理がこだわったGoToキャンペーンは、税金を使って、旅行に行ってください、会食してくださいと勧めるものです。感染が収まらない中で強行すれば火に油を注ぐことになることは、初めから心配されていたことです。結果として、年末年始の書き入れどきに営業時間の短縮や自粛が呼びかけられることとなり、緊急事態宣言が出され、経済にもかえって大きな打撃を与えました。
 こうした政府の動きを止めることができなかったことに、私はじくじたる思いです。国民の皆さんに、深くおわびを申し上げます。
 同じ過ちを繰り返さないためには、その場しのぎの対応ではなく、先を見通した明確な戦略方針と、優先順位をつけた具体的なプランが必要です。多くの皆さんも、先行きが見えないことに不安を募らせています。
 その際、事業や雇用を守り、経済を下支えして、できるだけ早く回復させることは、重要な課題の一つです。できれば、経済を回しながら感染拡大防止と両立させたい、私もそう思います。
 しかし、感染が収まらない中で、経済を活性化させようと人の移動や会食など接触の機会を増やせば、感染が再度拡大し、結果的に経済により大きな悪影響を与えます。残念ながら、この間の状況は、この厳しい現実を私たちに明確に突きつけました。
 同じ失敗を繰り返すことは許されません。総理の認識を伺います。
 国内での感染封じ込めにおおむね成功し、経済も順調に回復しているニュージーランドや台湾では、感染防止と経済の両立を目指すのではなく、まずは徹底的な感染の封じ込めに取り組みました。市中にウイルスが蔓延する中で経済を回していくウィズコロナではなく、市中から感染をなくしてしまう、いわばゼロコロナを目指し、成果を上げているのです。
 一時的には強力なロックダウン措置を取った多くの欧米諸国でも、そして日本でも、感染拡大の繰り返しに苦しんでいるのは、十分に感染者が減らないうちに対応を緩めたからです。
 幸い日本は、両国と同様の島国で、水際対策を取りやすい環境にあります。人口や経済規模には違いがありますが、これらの成功例を参考に、ウィズコロナではなく、ゼロコロナを目指す方向へと転換することを提案します。
 まずは徹底した感染の封じ込めに取り組み、その間は十分な補償と給付で支える。できるだけ早く感染を封じ込めた後に、いつでも封じ込めができる体制を維持しつつ、旅行でも会食でもイベントでも、制約なく、安心して再開する。このことで、結果的に経済を最も早く立ち直らせることにつながります。
 これこそが取るべき基本戦略だと思いますが、いかがでしょうか。
 あわせて、政府は、緊急事態宣言について、ステージ3、新規感染者数五百人にまで下がれば解除すると言っています。これでは、また感染が拡大に向かい、経済にもより深刻な打撃を与えかねず、見直すべきと考えます。答弁を求めます。
 こうした基本戦略の下、立憲民主党は、具体的な施策の三本柱として、以下の点を可及的速やかに進めるべきと考えます。
 第一に、命を守るとりでである医療の崩壊、壊滅を食い止め、充実させることに最優先で取り組みます。医療機関や従事者に対する支援を万全にし、病床の確保を急ぎます。
 第二に、感染の広がりを防ぎ、封じ込めることを徹底します。無症状の方を含めた感染者の早期把握と確実な隔離を進め、間違っても第四波を招くことがないよう、抑え込みます。
 第三に、感染を徹底して封じ込めるまでの間、倒産や廃業を防ぐ補償と、誰一人取り残すことがない生活支援で、暮らしと経済を守ります。
 第一の、医療崩壊を食い止めるためにも、本来は新規感染者を減らすことが一番です。しかし、既に崩壊している状況では、医療を急ぎ大幅に拡大しなければなりません。
 感染症法を改正し、病床確保への協力を勧告できるようにすることは、やむを得ないと考えます。しかし、政府には、協力を求める前になすべきことがあります。
 感染症患者の受入れには、院内感染の防止措置など多大なコストを要します。その上、他の診療科を縮小することなどを余儀なくされ、診療報酬が増額されたとはいえ、病院経営を著しく悪化させます。今、示されている助成措置では不十分です。
 医療機関といえども、資金がショートすれば倒産しかねず、医療従事者も、かすみを食べて生きているわけではありません。使命感と法的な強制力だけに頼ることは不可能です。
 受入れのためのコストと受入れに伴う減収を全額補填することを明確にし、事前に包括払いすることが協力を求める前提だと考えますが、いかがでしょうか。
 医療従事者の疲労は限界に達しています。使命感で頑張ってきた皆さんも、長期化の中で、肉体的にも精神的にも限界を超え、離職が相次いでいます。
 政府の進めている緊急支援事業では、医療従事者の処遇改善につながる担保がありません。また、補助の対象が限定され、第一波から長期にわたって最前線で頑張り、最も疲弊している皆さんへの支援が抜け落ちています。
 病床を確保しても、そこで働いてくれる医療従事者がいなければ成り立ちません。
 私たちは、第一波から継続している方を含め、第二波、第三波に対応している医療従事者にもう一度二十万円の慰労金を支給する、その法案を提出しました。感謝を口にするだけでなく、個々の皆さんに確実にお金を届け、慰労の気持ちを具体化することで、少しでも離職を防ぎ、採用が進むよう努力すべきです。この法案に賛同いただきたく、答弁を求めます。
 第二に必要な、感染拡大を防ぐためには、検査の拡大が不可欠です。私たちは、昨年春の第一波から、繰り返しこれを訴えてきました。
 しかし、政府は、一貫してPCR検査の拡大に消極的です。その結果、政府の把握できていない私費による民間での検査を除けば、人口当たりの検査件数が先進国で最低水準になっています。
 この間、政府が取ってきた戦略は、保健所が感染者の濃厚接触者を把握し、感染ルートをたどってクラスターを防ぐというものでした。しかし、感染ルートの分からない方が増え、保健所の人員不足などもあり、この戦略は既に完全に破綻しています。感染ルート不明者が一定規模を超えればこの戦略が成り立たないことは、素人でも分かります。
 感染症対策の基本は、感染者をできるだけ早く見つけ出し、確実に隔離することではないですか。
 無症状の感染者による感染拡大を防ぐには、大規模に検査を実施し、無症状感染者を見つけ出して、確実に隔離するしかありません。既に、世田谷区や埼玉県などでは独自の対策に踏み切りました。政府として明確に戦略変更することを提案します。総理の見解を伺います。
 こうした方向への第一歩として、立憲民主党は、医療、介護、福祉、保育に従事する方や教員など、エッセンシャルワーカーで希望する方を対象に月二回の定期検査を公費で行うよう提案してきました。なぜこれを進めないのか、理由を伺います。
 PCR検査については、政府の把握している能力ですらフルに稼働していないことに加え、政府の把握していない民間での私費による検査が急激に増加しています。短時間で大量の検査が可能な自動化機械も、相次いで伝えられています。
 政府も、民間検査との連携を図り、陽性者の報告を求めるようですが、更に進めて、民間などの持つ能力の情報を一括して募り、全体像を把握して、計画的に協力を求め、検査の拡大を進めるべきではないですか。答弁を求めます。
 感染者を隔離することも、感染拡大防止に不可欠です。このために強制力を持たせようとする政府の考え方を全面的に否定するものではありません。
 しかし、第一に、入院したくてもできない方、ホテル療養すらできずに、やむなく自宅にとどまっている方などが少なからず生じています。
 第二に、感染者の中には、乳幼児を抱えている方、寝たきりの家族の介護をしている方など、様々な事情の方がいます。自分が入院したら育児や介護の代わりがいないという方など、誰でも安心して入院できる支援体制が必要です。
 国民に強制力を持って迫る前に、国民が協力できるよう、病床や療養用ホテルの確保、そして感染者の生活支援体制の充実など、政府としての責任を果たすべきではないですか。
 また、懲役刑まで設けようというのは到底容認できません。行き過ぎではないですか。
 それぞれ総理の答弁を求めます。
 感染拡大防止のためには、国民の皆さんに様々な御協力をいただかなければなりません。そのためには、リーダーによる説得力と真剣さの備わった呼びかけが必要です。
 残念ながら、つい先日までGoToイートで外食を奨励していた政府が、反省やおわびもなく、手のひらを返すように会食しないよう呼びかけても、説得力はありません。
 また、総理自身に、国民の皆さんに積極的に呼びかけよう、理解を得ようという意思が感じられません。
 これで国民の協力を得られると思っているのでしょうか。
 幅広い業種で、多くの方が、倒産や廃業の瀬戸際に追い込まれています。感染症危機による倒産や廃業が生じないよう最善を尽くすのが政治の責任です。
 持続化給付金と家賃支援給付金について、その申請は、野党などの強い求めに押され、一定期間延長されました。しかし、従来の給付金についての手続の延長であり、再度の緊急事態宣言など事態の長期化に対する追加措置ではありません。
 政府は、事業再構築補助金、これは新分野への展開や業種、業態の転換などを図る中堅・中小事業者に対して設備資金を補助する制度ですが、こうした新たな投資などを前提に補助をするという通常時と同じような支援策を提起しています。
 しかし、総理自身がもう一度皆さんに制約のある生活をお願いせざるを得ないと述べたように、事業者も消費者も厳しい制約の下にあります。
 感染が収束しない限り、業種転換や新事業など、新たな投資ができる事業者は少ないのではないですか。また、これらによって経営状態を好転できる余地も著しく小さいのではないですか。お答えください。
 多くの事業者が求めているのは、感染が収束し、制約ある生活から抜け出すことができるまでの間、何とか今日明日の苦しい状況を乗り切りたい、まずはこのことです。
 倒産や廃業を食い止めるために、持続化給付金と家賃支援給付金を継続し、必要に応じて改善や拡大をした上で、再度支給すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 雇用の危機も深刻です。
 雇用調整助成金の特例措置や休業手当を受け取ることができなかった労働者に支給される休業支援金・給付金の期限は、中途半端な細切れの延長ではなく、少なくとも六月末まで延長すべきです。総理の見解を伺います。
 休業支援金・給付金の対象は中小企業に限定され、大企業については、雇用調整助成金を活用し、企業が休業手当を支払うよう想定されています。
 しかし、観光や飲食などで、大企業なのに手当を受け取ることができず、生活に困窮する労働者から悲鳴の声が上がっています。大企業への雇用調整助成金の補助率を一〇〇%に引き上げても、全ての大企業が適切な対応を取ることは担保されていません。大企業の労働者も休業支援金・給付金の支給対象とすべきではないですか。
 また、求職活動の更なる長期化に備え、失業手当の給付日数を延長するとともに、給付割合を引き上げるべきです。求職者について、職業訓練受講給付金と同額程度の臨時職業訓練受講給付金を支給することも提案します。総理の見解をお尋ねします。
 私たちが提案した、ひとり親世帯給付金年内支給法案を受け、臨時特別給付金が再度給付されたことは一定の前進です。しかし、これから四月に向けて、進学や進級を控え、多くの費用が必要となります。進路の変更や断念、中退などを余儀なくされる子供たちが相次ぐおそれがあります。一人親以外の子育て世帯でも、少なくない家庭が厳しい経済状況にあります。しかし、臨時特別給付金の対象からは外されてきました。
 一人親家庭や生活に困窮する子育て家庭を対象に、臨時特別給付金を二回にわたって支給することを提案します。御見解を伺います。
 約十九兆円に及ぶ第三次補正予算のうち、新型感染症の拡大防止対策は僅か四兆円ほど、半分以上は感染症の収束後を見据えたものです。年度末の三月三十一日までに感染症が収束することは、残念ながら期待できません。特に、GoToキャンペーンに年度内の追加予算を計上しているのは、ピント外れの極みであります。
 補正予算は、感染症対策に集中したものへと編成し直し、少なくともGoToキャンペーンの追加予算は削除して、感染症対策に振り替えるべきです。答弁を求めます。
 限られた財政状況の中で最優先すべき感染症対応の予算に思い切った重点配分をするには、不要不急の事業や効率性の低い予算について大胆にカットせざるを得ません。しかし、令和三年度予算は、そのようなめり張りの利いたものになっておらず、何よりも感染症対策の予算が大幅に不足しています。
 来年度予算も大幅な組替えが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 東京オリンピック・パラリンピックについて、アスリートなど関係者の努力と期待を思えば、私も何とか開催したいと思います。しかし、ここまで目前に迫りながら、世界的な感染拡大が収まらない以上、希望的観測だけで走るのはかえって無責任です。
 本当に実施や参加が可能であるのかを各国のオリンピック委員会や競技団体と協議するなど、万一の事態に備えたプランBは、どのように検討し、準備しているのでしょうか。総理の答弁を求めます。
 今年三月十一日で、東日本大震災と原発事故から十年が経過します。
 亡くなられた方々に改めて哀悼の意を表し、御遺族にお悔やみを申し上げます。
 いまだ避難生活を送っている四万人を超える皆さんを始め、被災者の皆さんのこの十年の御苦労に心からお見舞いを申し上げ、政治が皆さんの期待に十分に応え切れていないことについて改めておわびを申し上げます。
 津波被災地域を中心に、ハード面での復興はある程度進んでいます。しかし、地域や家族、壊れてしまったコミュニティーは、到底回復されたとは言えません。高齢化の中で、孤独死が相次いでいます。
 原発事故の被災地復興に至っては、むしろこれからが本番です。
 私は、コミュニティーを再生させるために、そして福島の復興を更に本格化させるために、引き続き全力を挙げて取り組む決意です。間違っても、十年の節目を風化に向かう区切りにするわけにはいきません。
 有識者検討会による提言の概要案に、復興再生は国の責務との文言が盛り込まれていないと伝えられています。昨年九月に閣議決定された基本方針に復興に関する記述がなかったことに加え、政府の中で風化が始まっているように見えてなりません。
 総理に、改めてその御決意を御自身の言葉で示されるよう求めます。
 原発事故で発生した処理水を海洋放出することが検討されています。しかし、地元では、風評被害の心配から、漁業関係者を中心に強い反対の声があります。
 トリチウム以外の放射性核種についても、処理水の七三%で基準を満たしていないことが明らかになっています。
 トリチウムについては、分離ができないから大気か海に放出するしかないと言われてきました。しかし、タスクフォースの報告書を踏まえると、キュリオンの分離装置を使って除去できる可能性もあるのではないでしょうか。
 漁業関係者など地元の皆さんの御苦労と思いに寄り添うなら、かつて凍土遮水壁に膨大な資金を投じたように、最高の技術を用いてトリチウムを含む放射性核種の分離に挑戦すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 二〇五〇年の脱炭素を宣言したことは、率直に評価します。しかし、それを、原子力発電への依存を継続、拡大することの大義名分にしてはなりません。施政方針では、その点が不明確です。
 原子力発電所の新増設を進める予定があるのかどうかも併せて、考え方を明確に御説明ください。
 再生可能エネルギーの拡充と送電線の増強という方針は歓迎します。しかし、既存の電力会社に送電網の増強を迫っても、民間企業である以上、自社の利益につながらない投資はできません。
 再生可能エネルギーによる発電に新規参入を促すには、公共投資として、国の責任で送電網を増強することが必要ではないですか。総理の認識を伺います。
 脱炭素のためには、建物の断熱性能を高め、エネルギー消費量そのものを削減することも重要です。しかし、住宅は、断熱義務化の対象から外れています。
 日本は、断熱性能に乏しく冷暖房効率の悪い建物が多かった分、大きな効果が期待されます。断熱工事などは、地場の小さな工務店の仕事をつくり、地域活性化にも効果的です。
 再生可能エネルギーなどとともに、住宅の断熱化を脱炭素に向けた柱に据えるべきではないでしょうか。
 日本では、地震や津波、火山噴火などに加え、昨年七月の豪雨や昨今の豪雪など、気候変動の影響と思われる災害が大規模化し、かつ頻発しています。自然災害は、特別の事態ではなく、常に日本のどこかで対応を迫られる状況です。
 命と暮らしを守るために、内閣府の防災部局を格上げして増強し、災害対策のための独立の省庁を設けるべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。
 米国でバイデン政権が発足しますが、政権移行に当たって大きな混乱が生じました。フェイクに基づいて国民を分断してきた政治がもたらした、民主主義の危機とも呼べる事態です。
 こうした状況を総理はどう受け止めていますか。他山の石とすべき点があるとは思いませんか。
 昨年十一月、来日中の王毅中国外相は、茂木外務大臣との共同記者会見の場で、尖閣諸島の領有権を主張しました。中国公船による領海侵入などと併せて、失礼千万です。茂木大臣が、その場で日本の立場を明確にし、主張を打ち消さなかったのは甚だ残念です。
 こうした中国の姿勢に対し、抗議以外にどういった外交努力をされるつもりか、お答えください。
 拉致問題について、安倍前総理は、この内閣で解決すると断言し、菅総理も、自ら先頭に立って、あらゆるチャンスを逃すことなく活路を開いていきたいと述べられました。
 しかし、さきの臨時国会でも、衆参共に、担当大臣から一度だけ説明聴取をしたのみで、野党が求めた特別委員会での実質的な質疑は一度もありませんでした。政府・与党から、拉致問題解決に向けての熱意や必死さが感じられません。
 総理は、拉致問題の解決に向けてどんな行動を取るおつもりですか。現状打開に向けた具体策をお尋ねします。
 安倍前政権は、新しいアプローチと称して、ロシアとの共同経済活動を進めつつ、一九五六年の日ソ共同宣言をベースに、二島先行返還を実現するという姿勢を示してきました。
 ところが、領土問題には全く進展がなく、それどころか、プーチン大統領は、昨年七月、領土の割譲を禁止する憲法改正を行うなど、領土交渉に否定的な姿勢をあからさまに示しています。
 はしごを外されたのではないですか。施政方針で述べられた、これまでの両国間の諸合意とは何を意味するのでしょうか。二島先行返還を軸に交渉を行っていくということでしょうか。このような状況の下でも北方領土における共同経済活動を進めていくのでしょうか。それぞれお答えください。
 選択的夫婦別姓の導入について、総理自身を含め、一部の閣僚などから前向きとも取れる発言があり、前進が期待されました。しかし、強い揺り戻しに遭い、第五次男女共同参画基本計画の記述はむしろ後退したと言わざるを得ません。
 私自身、二十年以上にわたって、繰り返し法案を提出してきました。選択的夫婦別姓を導入する法案を成立させ、結婚における選択肢を増やしませんか。せめて法案の審議を進め、自民党の中はばらばらのようですから、党議拘束を外して採決しませんか。総理の決意を伺います。
 安倍政権では、官僚の皆さんが官邸の意向を忖度せざるを得ない傾向が強まり、官邸の指示によって、現場の職員が改ざんや廃棄などに加担させられるという事案まで生じました。加えて、菅総理は、反対する幹部は異動してもらうとまで公言しています。
 これでは、官僚の皆さんのモチベーションを高め、積極的な政策提言を引き出すことなど期待できないのではないですか。
 私は、内閣人事局制度が濫用、悪用されてしまったと反省しています。見直しが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 新型感染症の危機で、これまでの日本政治が根本から問い直されています。
 これまで何とか自活できていた方が次々と困窮し、民間の支援現場では、まるで野戦病院のような状態が続いている、そんな声が聞こえます。ある支援団体の方は、パンドラの箱が開いたと表現していました。これまで政治が見ようとしてこなかった社会の貧困が感染症によってあぶり出されているということです。
 こうした指摘を総理はどう受け止めますか。
 政治は、三十年近く、自助と競争ばかりを強調し、目先の採算性で現場を切り捨て、命と暮らしを守るための基盤を掘り崩してしまいました。
 自助と自己責任が強調され過ぎた余り、困窮の極みにあっても国民の権利であるはずの生活保護を申請しないなど、救いを求める声を上げることにためらう方が少なくありません。
 この未曽有の危機にあって必要なのは、時代が決定的に変化したことを認め、政治そのものを本質的に変えていくことです。
 立憲民主党は、自己責任や自助努力ではどうにもならない、そんな状況が暮らしの現場で広がっていることを正面から受け止めます。その上で、政治が先頭に立ち、困ったときに支え合い、互いの命を守り、共に生きる社会へ、そして、それを支える、機能する政府への転換を進めます。
 感染症による国家の危機を乗り越えるには、政治と国民が一つの方向を向いて共に歩む必要があります。
 多くの国民は、既に十分過ぎるほど自助努力をしています。この局面においても、自助を強調し、政府による公助を怠りながら、罰則をちらつかせることで対策を進めるような姿勢では、国民の信頼と協力が得られるはずがないと思いますが、いかがですか。
 何としても国民の命と暮らしを守る。立憲民主党は、そのために、苦しい状況にある一人一人と向き合う政治、あなたのための政治を実現します。自己責任から支え合いへ。あなたとともに力を合わせ、感染症と戦い、命と暮らしを守る政治へ。
 あらゆる手段を講じてこの難局を乗り切り、あなたのための政治を実現するために全力を尽くすことをお誓いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#5
○内閣総理大臣(菅義偉君) 枝野議員にお答えをいたします。
 緊急事態宣言の発出についてお尋ねがありました。
 緊急事態宣言は、法律に基づく幅広い措置によって感染対策を徹底する強力な手段であり、国民の生活を大きく制約するものであることから、政府として最善の判断が求められます。
 昨年の特措法改正による国会の附帯決議においても、緊急事態宣言については、専門的な知見に基づき慎重に判断すべきとされております。
 こうした中で、私は、日々の感染状況等を把握し、専門家の御意見をお伺いしながら、判断をいたしました。
 今後、緊急事態宣言に基づき、飲食店の営業時間短縮等の強力な対策を講じることで、何としてもこの感染拡大を食い止めていく決意であります。
 特措法と国会会期についてお尋ねがありました。
 国会の会期については、国会においてお決めになるものと承知しています。また、今国会においては、予算編成作業などの諸要素を総合的に勘案し、一月十八日に召集をさせていただきました。
 その上で、特措法の改正については、私権の制約にも関わることから、規制強化すべきという意見と私権制限に慎重な意見があり、これまでも、分科会や政府・与野党連絡協議会で慎重な議論が続けられてきたと承知をしております。
 政府としては、こうした御意見も踏まえ、速やかに法案を国会に提出してまいります。
 新型コロナウイルスへの対応についてお尋ねがありました。
 これまでも、感染状況等を注視しつつ、専門家の御意見もお伺いしながら、対策の判断を行ってきたところです。御指摘のように、根拠なき楽観論に立ち、それによって対応が遅れてきたとは考えておりません。
 引き続き、国民の命と暮らしを守り、感染拡大を抑えつつ、雇用や事業を維持する、この考えに基づいて、必要な対策を講じてまいります。
 新型コロナの感染拡大防止の戦略についてお尋ねがありました。
 対策を徹底し、一日も早く感染を収束させ、皆さんが安心して暮らせる日常、にぎわいのある町を取り戻します。
 そのため、緊急事態宣言を発出し、これまでの経験に基づき、効果のある対象に徹底的対策を行っております。
 その中で、飲食店を始め大きな影響のある事業者に支援を行うとともに、事業の継続、雇用の維持のために、雇用調整助成金や資金繰りの支援を行います。
 いわゆるステージ4を早期に脱却した上で、引き続き対策を講じて、更なる感染の減少を目指してまいります。
 緊急事態宣言の解除についてお尋ねがありました。
 専門家の分科会からも、解除の前提として、速やかにステージ3まで下げるよう提言をいただいております。まずは緊急事態宣言のレベルであるステージ4を早急に脱却し、ステージ3の水準を目指した上で、その後も更なる感染者数の減少を目指してまいります。
 医療機関の経営及び医療従事者に対する支援についてお尋ねがありました。
 新型コロナ患者を受け入れる医療機関が損失を被ることのないようにするとともに、現場で戦う医療従事者の方々に支援が行き届くことが重要だと考えております。
 御党からもそうした趣旨から御提案がなされていることは承知しておりますが、政府としては、これまでに三・二兆円の医療機関支援を行うとともに、今回の補正予算案で一・四兆円の追加支援を計上するなど、現場のニーズを酌み取りながら支援を行っております。今般、新たに対応病床を増やしていただいた場合には、一床当たり最大で千九百五十万円の強力な支援を行い、必要な方が必要な医療を受けられるよう措置を講じております。
 引き続き、必要な支援を実施してまいります。
 無症状者への対応についてお尋ねがありました。
 政府としても、感染者を早期に把握し、入院やホテルでの療養等の対応を行い、感染拡大を防ぐことが基本と考えております。
 このため、必要な検査を受けられるように検査体制の拡充を図るとともに、感染拡大地域では、症状がない方も含めた大規模、集中的な検査を実質的に国の費用負担で実施できるようにしてきたところであります。
 引き続き、検査体制の拡充を図るとともに、無症状又は軽症の三十代以下の若年者が知らず知らずのうちに感染を広げていると指摘されており、こうした方々への働きかけを強化してまいります。
 いわゆるエッセンシャルワーカーに対する検査についてお尋ねがありました。
 重症化リスクの高い方々のいる施設に対して重点的に検査を実施し、重症者の発生を可能な限り食い止め、国民の命を守ることが極めて重要であります。
 このため、感染拡大地域の医療や介護の施設の従業員や入院、入所者に対して実質的に国の費用負担で検査を実施できるようにしており、引き続き、都道府県と連携しながら、徹底してまいります。
 民間とのPCR検査の連携についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルスに係る検査については、行政による検査だけでなく、民間検査機関も含め、オール・ジャパンで体制強化を図っていくことが重要であると思います。
 このため、行政検査を行う民間検査機関等への検査機器の導入を支援するとともに、個人の希望に応じた検査を行う民間機関の情報を一括して公表し、国全体として、検査を受けやすい環境整備を図っております。
 引き続き、民間検査機関等にも御協力いただきながら、検査体制の整備を図ってまいります。
 病床や宿泊施設の確保などの充実についてお尋ねがありました。
 必要な方が必要な医療を受けられるよう、地域の感染状況に応じて病床や宿泊療養施設がしっかりと確保されることが重要であります。
 このため、政府としては、強力な財政支援を行うとともに、都道府県とも一体となって、病床確保を進めております。
 また、感染症法の見直しについては、個人の権利に十分配慮しつつ、感染拡大防止を図るために、入院措置を拒否した場合には罰則の規定を設けるなどの改正を行うものであり、与野党の御意見も伺いながら、速やかに法案を国会に提出してまいります。
 国民の皆様の御協力についてお尋ねがありました。
 これ以上の感染拡大を防ぐためには、これまでの経験に基づき、飲食について徹底的な対策が必要であり、そのためには国民の協力が不可欠です。
 このため、先月以来、節目節目で私自ら会見などの場で国民の皆さんに御説明させていただいておりますが、引き続き、丁寧な御説明を行い、御協力をお願いしてまいります。
 事業再構築補助金、持続化給付金及び家賃支援給付金についてお尋ねがありました。
 コロナにより各企業の環境が変化する中で、中小企業の中には積極的に事業転換に取り組みたいとの声もあり、適切な支援を行ってまいります。
 また、多くの中小企業にとっては、厳しい経営環境の中で事業の継続のために資金繰りの支援が極めて重要であり、今般、公庫などによる無利子無担保融資の四千万円の限度額を六千万円に引き上げる、そして手続も簡素化いたします。
 持続化給付金と家賃支援給付金については申請期限を延長したところであり、さらに、今回の緊急事態宣言において、飲食店の営業時間短縮などの影響により大幅に売上げが減少する中小事業者については、一時金を支給いたします。
 雇用調整助成金の特別措置や休業支援金・給付金の期限についてお尋ねがありました。
 昨年以来、新型コロナの感染拡大の中でも、我が国の失業率は直近で二・九%と、主要国の中で最も低い水準で推移をしています。昨年の企業倒産も、近年では低水準にとどまっています。
 そうした中でも、雇用と暮らしを守ることは政治の責務であります。そのため、雇用調整助成金の特例等について、来月末まで延長しましたが、三月以降の取扱いについては、雇用情勢等を踏まえ適切に判断し、今月末までにはお示しできるようにいたします。
 休業支援金・給付金の支給対象についてもお尋ねがありました。
 休業支援金は、雇用調整助成金の活用がままならない、中小企業の労働者を早期に支援するために創設したものであります。
 政府としては、大企業の労働者の方々が雇用調整助成金の特例を活用いただけるよう、企業に対し丁寧に働きかけを行ってまいります。
 なお、今般の緊急事態宣言に伴い、営業時間の短縮要請に協力する大企業について、助成率を引き上げるなど、制度を利用しやすい環境整備に努めております。
 求職活動を行う方に対する支援についてお尋ねがありました。
 新型コロナの影響を受けて失業された方が再就職をし、安心と希望を持って生活できることが重要であり、求職活動や職業訓練を支援するとともに、その間の生活を支える必要があります。
 失業給付の支給割合の引上げは、求職活動への意欲に対する影響を慎重に考慮する必要がありますが、一方で、求職活動の長期化に対応できるよう、給付日数を延長できる特例措置を講じてまいります。
 また、職業訓練受講給付金については、対象人員の拡充を図っており、訓練受講を積極的に働きかけております。
 引き続き、雇用情勢を注視しつつ、雇用を守るために必要な対策を講じてまいります。
 一人親家庭等への支援についてお尋ねがありました。
 一人親家庭の生活実態が特に厳しい状況にあることを踏まえ、臨時特別給付金を再度支給することとし、ほぼ全ての自治体で、昨年中に給付金をお届けすることができました。
 また、生活に困窮する子育て家庭に対しては、緊急小口資金の特例貸付制度など、個々のニーズに応じた対策を講じており、引き続き、自治体における様々な取組を支援してまいります。
 三次補正予算及び来年度予算についてお尋ねがありました。
 三次補正予算においては、病床の確保、雇用や事業の支援に加え、コロナ予備費を確保しており、GoToキャンペーンの予算の組替えを行わなくても、新型コロナ感染症の拡大防止策に十分な予算を確保しております。
 さらに、来年度予算については、社会保障の見直しを始めとして、めり張りのある予算としており、五兆円のコロナ予備費により、十分に感染症対策が可能な予算としております。
 これらの予算により、今後とも新型コロナ対策に全力を挙げてまいります。
 東京オリンピックとパラリンピックの開催についてお尋ねがありました。
 まずは、新型コロナウイルスの克服に全力を尽くします。東京大会については、安全、安心な大会を実現するため、IOCや各競技団体とも相談しながら、感染対策の具体的内容を現在検討しております。
 バッハ会長とも、東京オリンピックを必ず実現し、今後とも緊密に協力していくことで一致しており、引き続き、東京都、大会組織委員会、IOCと緊密に連携しながら、準備を進めてまいりたいと思います。
 東日本大震災からの復興についてお尋ねがありました。
 発災から十年を迎え、復興は着実に進展している一方で、今後も、被災者の心のケアなどの課題が残り、福島の復興再生には中長期的な対応が必要です。
 引き続き、政府の最重要課題として、閣僚全員が復興大臣であるとの意識を共有し、福島の本格的な復興再生、そして東北復興の総仕上げに全力を尽くしてまいります。
 トリチウム分離技術についてお尋ねがありました。
 最先端の技術を積極的に活用することは重要ですが、実用化できる段階にある技術は確認されなかったとの評価がされていると承知しています。
 いずれにせよ、先送りせず、今後、適切な時期に、政府として責任を持って処分方針を決めてまいります。
 脱炭素化と原子力発電についてもお尋ねがありました。
 原発依存度を可能な限り低減し、新増設やリプレースは現時点では想定していないという政府の考え方に変わりありません。
 その上で、二〇五〇年カーボンニュートラルには、電力分野の脱炭素化は大前提であり、省エネ、再エネに加え、原子力も含めてあらゆる選択肢の議論を進め、結論を出してまいります。
 再エネ拡充を促すための送電網の強化についてお尋ねがありました。
 再生可能エネルギーを含めた新規参入を促すためにも、これまで、大手電力会社の発送電分離を行いました。
 その上で、送電網の整備については、民間企業が送配電の費用によって賄ってきたところですが、政府としては、費用対効果の高い全国の送電網整備の計画を示すことで、効率的、効果的な送電網の整備を促進します。
 住宅の断熱化についてお尋ねがありました。
 これまでも断熱化などの省エネ性能の高い住宅への転換を進めており、こうした取組は、脱炭素社会の実現に向けて極めて重要であると考えております。
 省エネ性能の高い住宅への支援や、省エネ基準への適合率を向上させるための更なる規制措置の導入を検討してまいります。
 災害対策のための独立の省庁についてお尋ねがありました。
 近年の大規模災害への政府の対応については、私の指揮の下に、関係省庁が一体となって、迅速な復旧と早期の復興に取り組んでいます。
 新たな組織を直ちに設置する必要性は低いと考えていますが、防災体制の充実強化は重要な課題であり、不断の見直しを進め、万全の防災体制を確保してまいります。
 米国の内政状況についてお尋ねがありました。
 いずれの民主国家においても、平和的な政権移行は極めて重要であり、選挙の結果を暴力で覆すことは断じて許されないと考えております。
 本日就任するバイデン新大統領の下で、米国民が一致団結して歩んでいくことを期待します。
 尖閣諸島についてお尋ねがありました。
 同諸島は、歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であり、同諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在せず、日中間で議論すべき問題はありません。その上で、我が国の立場と懸念については、茂木大臣から王毅国務委員に対し明確に伝えています。
 政府としても、今後とも、ハイレベルの機会も活用し、主張すべきは主張し、具体的な行動を強く求めていくとともに、米国を含む関係諸国とも連携しつつ、冷静かつ毅然と対応してまいります。
 拉致問題についてお尋ねがありました。
 拉致問題は、菅内閣の最重要課題です。拉致被害者の御家族も御高齢となる中、拉致問題の解決には一刻の猶予もありません。
 総理就任以来、米国を含む各国首脳との会談等においても、引き続き緊密に連携していくことなどを確認いたしております。
 また、私自身、条件をつけずに金正恩委員長と向き合う決意の下に、北朝鮮に対して働きかけを行ってきています。
 引き続き、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動をしてまいります。
 北方領土問題についてお尋ねがありました。
 昨年九月の日ロ首脳電話会談でプーチン大統領も平和条約交渉の継続に言及しており、はしごを外されたのではないかとの指摘は全く当たりません。
 施政方針演説で述べた両国間の諸合意には、例えば、二〇一八年のシンガポールでの合意のほかに、二〇〇一年のイルクーツクの声明や一九九三年の東京宣言などが含まれます。
 北方領土は我が国が主権を有する島々であり、平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であるというのが我が国の一貫した立場です。
 共同経済活動については、その取組を通じ、北方領土問題の解決につなげていくとの考え方の下に、両国の法的立場を害さない形で、しっかりと取り組んでまいります。
 選択的夫婦別氏制度についてお尋ねがありました。
 選択的夫婦別氏制度の導入を含む夫婦の氏に関する問題は、我が国の家族の在り方に関わる事柄であり、国民の間にも様々な意見があります。
 政府としては、男女共同参画基本計画に基づいて、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、検討を進めてまいります。
 内閣人事局の見直しなどについてお尋ねがありました。
 内閣人事局の下での幹部人事の一元管理制度は、能力・実績主義に基づく公正中立な人事配置を行う仕組みとなっています。
 各府省の幹部人事は、この制度の下、今後とも、適材適所で行いつつ、官僚の方々が、適正な業務遂行はもとより、士気高く職務に邁進できるよう努めてまいります。
 新型コロナウイルスの影響による生活の困窮についてお尋ねがありました。
 国民の命と暮らしを守ることは政治の責務であり、生活に困窮されている方々に対して、緊急小口資金等の特別貸付けや住居確保給付金の支給など、重層的なセーフティーネットにより支援を行っております。
 まずは、一日も早く感染を収束させ、皆さんが安心して暮らせる日常を取り戻すべく、全力を挙げてまいります。
 国民の信頼と協力についてお尋ねがありました。
 新型コロナの影響が長期にわたる中、雇用調整助成金の特例措置や、緊急小口資金等の特例貸付け、無利子無担保保証融資で、雇用を守り、事業を継続いただくことを最優先に、政府を挙げて支援を行ってきたところです。
 その上で、特措法については、感染症対策を実効的なものとするために必要な見直しを行うものです。
 まずは、一日も早く感染を収束させ、皆さんが安心して暮らせる日常、そして、地方も含めて日本全体がにぎわいのある町を取り戻すべく、全力を尽くしてまいります。(拍手)
    ―――――――――――――

#6
○議長(大島理森君) 二階俊博君。
    〔二階俊博君登壇〕

#7
○二階俊博君 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、菅義偉内閣総理大臣に質問をいたします。(拍手)
 まず、昨年来、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々、また、長引く社会の不安から自ら命を絶ってしまわれたような方々の関係者の皆様に、深くお悔やみを申し上げます。
 今なお入院、療養中の多くの皆さんの一日も早い御回復を心からお祈り申し上げるものであります。
 現在のコロナ禍は、まさに国難であり、私たち一人一人が心を一つにしてこれを乗り越えていかなければなりません。政治の真髄は国民の命を守ることだと改めて強く認識し、この難局に当たってまいることをお約束いたします。
 我が国では、新型コロナウイルス感染症の対策は、危機管理上、極めて重大なものであるとの認識の下、国民の命を守るために、水際対策や、蔓延を防止する、医療の提供を進める等、総力を挙げてまいりました。
 国民の命を守るためには、まず第一に感染者の数を抑えること、医療提供体制を確保すること、そして社会機能を維持することが重要であります。
 三つの密を徹底的に避け、人と人との距離を保ち、マスク着用や手洗いでの感染予防など、基本となることを国民の皆さんが、一人一人がこれを徹底することが何よりも大切であります。
 その上で、感染拡大が懸念されるようであれば、外出自粛等、社会全体で接触の機会の低減を図る措置も必要であり、早め早めに講じていくことも重要であります。
 現在、医療従事者の皆さんが昼夜を分かたず最前線で御対応いただいておることに対して、多くの国民の皆さんとともに心からお礼を申し上げるとともに、何よりも、私は、国民の皆様の、国を挙げてといいますか、関係者の御協力に深く感謝と敬意を申し上げたいと思います。
 総理は、二月下旬までにワクチン接種を開始できるように準備すると表明されております。
 ワクチンの安全性や有効性を最優先に、迅速な審査を行い、承認後は速やかに接種できるよう、接種体制の整備など、接種に向けた準備も最大限急ぐべきであります。海外では既に実施している国もあり、我が国も一刻も早くワクチン接種を開始すべきであると考えますが、総理に、ワクチン接種についての準備状況、そして、自らが先頭に立ってこれらのことに対して対処するという決意を伺いたいと思います。
 コロナ禍の中で必死に歯を食いしばって我々の日常生活を支えてくださっております全ての国民の皆さんに、改めて感謝と敬意を申し上げます。
 特に、警察、消防、自衛隊、公共交通、そしてスーパーやコンビニ等で毎日毎日働いておられる方々など、まさに国民生活に必要不可欠な仕事をされている皆さんにも、その仕事が円満に継続していただけるよう、我々もあらゆる協力、努力を惜しんではなりません。
 長期間にわたる外出自粛などでメンタルヘルスへの影響が懸念され、配偶者への暴力や児童虐待の防止が急務となっております。
 また、社会的に孤立しがちな高齢者、休業中の一人親家族、登校できない学生の皆さんなどへの支援も必要であります。
 とりわけ、日常の生活が奪われた結果、笑顔を失ってしまったような子供たちが、思い切り、スポーツ、文化、自然との触れ合いができる環境の整備をしていくことが急務であります。
 新型コロナウイルス感染症の罹患は誰にでも生じ得るものであり、感染者やその家族、勤務先等に対する不当な扱いや誹謗中傷は、人権侵害になり得るだけではなく、結果として感染防止策にも支障を生じさせます。
 新型コロナウイルス感染症対策に従事する医療関係者が偏見、差別により風評被害を受けることのないよう、国民の理解とリーダーの断固たるメッセージが必要であります。
 海外から帰国された子女の学校への受入れ支援やいじめの防止等の真剣な取組も不可欠であります。
 特に、新しい生活様式に移行していく中で、インターネットの活用が高まる一方、ネットを通じた誹謗中傷など心ない書き込みが社会問題化されております。このような状況にはスピード感を持って法律を整備するなどの対応が必要と考えますが、武田総務大臣にその取組についての決意を伺っておきたいと思います。
 新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、昨年三月、政府に対策本部が設置されました。そして、同年四月七日には緊急事態宣言を行い、今年一月七日に再び緊急事態宣言を発令されました。
 また、先般、菅総理は、感染拡大のリスクをより小さくするために、海外での変異種発生による国民の不安等を考慮し、水際の防疫措置を一層強化するという観点から、ビジネス入国を一時停止するという判断をされました。全体の状況やタイミングを見て、果断に対応されたものと思っております。
 政府は、これまでの特措法にのっとって臨機応変に事態に対処してまいりましたが、より全ての国民が危機意識を共有し、感染症の蔓延防止に当たられるよう、蔓延防止等重点措置の創設など、特措法を改正する必要があると考えております。また、感染症法や検疫法についても改正が必要と考えますが、これら三本の法改正について、総理の基本的な考え方をお尋ねいたします。
 政府は、令和二年度第一次補正予算を含む新型コロナウイルス感染症緊急経済対策及び令和二年度第二次補正予算における各施策を、国と地方を挙げて迅速かつ着実に実行することによって、感染拡大を防止するとともに、雇用の維持や事業の継続、生活の下支えに万全を期してまいりました。
 今後は、医療提供体制の確保、ワクチン接種体制の整備、そして、感染症の厳しい影響から雇用と生活を守っていくための雇用調整助成金、金融機関による実質無利子無担保融資が柱になっていきます。それがゆえに、第三次補正予算の一日も早い成立を願うものであります。
 昨年十二月に閣議で決定されました防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策は、誠に時宜を得たものと考えております。公衆衛生インフラも、その中の大きな柱であります。
 私は、もとより、妊娠、出産や予防及び予防的検査も医療に含めるべきだと申し続けてまいりました。そのような中で、不妊治療やPCR検査に対する全国民への支援を総理が決断されたことは、誠に勇断であったと思います。
 感染症の分野に対しては、戦後、結核がほぼ収束したとき以来、人的、財政的資源が十分には配分されていませんでした。コロナ禍の今こそ、この公衆衛生にもう一度光を当て、これまで以上に尊厳を持って皆さんに働いていただけるような環境を早急に整備しなければならないと考えております。
 総理に、公衆衛生分野の強靱化策についてお伺いをいたします。
 観光の語源は、易経にある国の光を観るから引いたものと言われておりますが、私は、この光が子供の笑顔であるべきだと思っております。
 コロナ禍の時代、コロナ後の時代に、子供たちの笑顔をどのようにして取り戻すことができるか、今、我々に課せられた喫緊にして大きな課題であると考えております。
 東京オリンピック・パラリンピックの開幕まであと一年となった昨年七月、大会組織委員会が国立競技場で開催したイベントで、白血病からの復帰を目指す競泳女子の池江璃花子選手が登場し、世界に向かってメッセージを発せられました。
 聖火の入ったランタンを掲げた池江選手は、スポーツが決してアスリートだけでできるものではないということを学びましたとの自身の経験を踏まえながら、世の中がこんな大変な時期に、スポーツの話をすること自体、否定的な声が上がることもよく分かります、ただ、一方で思うことは、逆境からはい上がっていくときに、どうしても希望の力が必要だということです、世界中のアスリートとアスリートから勇気をもらっている全ての人のために、一年後の今日、この場所で希望の炎が輝いていてほしいと思いますと池江選手が世界に語りかけられました。
 我が国がオリパラの開催を目指すのは、決して自国のためだけではありません。オリパラの成功が世界中のアスリートの支援につながり、それを見て次の時代に挑もうとする世界中の子供たちの笑顔と希望につながると確信しているからであります。政治がオリンピック、パラリンピックを開催できるよう努力することは当然のことであります。
 橋本オリンピック・パラリンピック担当大臣に、オリパラ実現に向けた取組、自らの経験も踏まえて、その抱負をお述べいただきたいと思います。
 公立小学校の学級編制基準について、令和三年度から五年間をかけて三十五人以下に引き下げるとの政府方針が合意されました。
 学級編制基準の計画的な引下げは、実に、皆さんも御承知のとおり、これは四十年ぶりであります。三十五人学級が実現すれば、一人一人の先生が児童生徒と向き合う時間が増え、学校が子供たちの命と笑顔を守る拠点になるということが期待されるわけであります。
 学校現場からは、歴史的な快挙だという喜びの声が多く出ておりますが、これで終わるわけではありません。今後は、何よりも、新たに必要とする教職員の質の確保、将来的な課題として残る中学校での導入などに向けた検討が重要であります。
 コロナ禍にあっても、我々は、あらゆる知恵と努力を振り絞り、子供たちの命と笑顔を守らなければなりません。それは、すなわち、この国の未来を築くことにもなるからであります。
 三十五人学級の方針の御決断と今後の教育への思いについて、総理に伺いたいと思います。
 「はやぶさ2」は、平成二十六年の打ち上げから、距離にして約五十二億キロメートル、六年間という長い航行を経て、昨年末、地球への帰還に成功されました。ミッション全体を通じて、多くの世界初の業績を達成することができました。
 地球への帰還を諦めなかった一号機の偉業と、それを踏まえた関係者の更なるチャレンジ精神が「はやぶさ2」の一層の飛躍を生み、多くの人々に深い感動を与えたわけであります。
 コロナ禍に沈む空気の中で輝かしい業績を成し遂げた全ての関係者の皆さんに敬意を表したいと存じます。「はやぶさ」プロジェクトのように、当初はやや無謀、不可能と言われるような課題に日々挑み続ける科学者の皆さん、研究者の方々、これを国を挙げて支援することは非常に重要であると改めて思うものであります。
 総理に、科学技術、イノベーションへの思いをお伺いしておきたいと思います。
 二〇五〇年の脱炭素社会の実現に向けての総理の御決断に敬意を表します。道のりは、決して楽なことではありません。しかし、世界に約束したことは必ず実施するという総理の決断、全ての国民と事業者にその心が伝わり、お互いの行動へとつながっていくものと信じております。
 自由民主党も、二〇五〇年のカーボンニュートラル実現推進本部を立ち上げました。既に昨年、政府にも提言を申し上げたところであります。
 今年の夏までには、エネルギー基本計画と地球温暖化対策計画を、それぞれ二〇三〇年を目標年次に改定しなければなりません。
 成長戦略会議で議論されたように、各分野、各業界で、一刻の猶予がないどころか、産業革命にも匹敵するようなイノベーションが必要であります。政府はそのための基金も準備しようとしておりますが、何よりも、絶対にこれを実現するという総理御自身のリーダーシップが最も大事であります。今後も力強い指導力を発揮していただきたいと思います。
 菅総理は、平成三十年に、官房長官として、七十年ぶりとなる森林改革及び森林環境税の導入に主導的な役割を果たしていただきました。関係者の間では高く評価をされております。
 今年度末には、間伐等特別措置法が期限を迎えることになります。森を若返らせる取組は、二酸化炭素の森林吸収量を増やし、カーボンニュートラルに抜本的に貢献するものであることは、誰もが承知していることであります。あわせて、六万四千も存在すると言われる防災重点ため池の整備など、土地改良を進めることによって、農業生産性を向上させ、激甚化する自然災害から農山村地域を守っていくことにもつながるわけであります。
 本年三月十一日に、東日本大震災から十年を迎えます。
 震災によって亡くなられた多くの皆様に、ここに改めて哀悼の誠をささげます。また、いまだ御不便な生活を強いられている皆様にもお見舞いを申し上げます。
 今年開催される東京オリンピック・パラリンピックは、奇跡のような復旧復興を成し遂げた東北の皆さんのその御様子を世界の人々に見ていただく絶好の機会だと捉えております。
 東京電力福島第一原発事故で一時全町避難を余儀なくされた福島県浪江町が、二〇五〇年までに二酸化炭素排出実質ゼロの目標を掲げ、水素を利用したまちづくりを進めてくれております。昨年三月には、世界最大級の水素製造施設である福島水素エネルギー研究フィールドが稼働を開始しました。ここで造られた水素が、東京オリンピック・パラリンピックの聖火台やリレー用トーチの燃料として使われる予定であります。
 一時は震災によって絶望のふちにありましたが、そこから立ち上がり、日本全体の二〇五〇年のカーボンニュートラルを牽引していくということは、多くの国民に勇気を与えるものだと思っております。この勇気と希望あふれる万感の思いが、あらゆる困難を乗り越え、聖火リレーによって全国津々浦々の皆さんにこれが伝わることを念願します。
 平沢復興大臣に、今後の復興の在り方を伺います。
 今年に入り、降り続いた豪雪によってお亡くなりになられた多くの皆様に、心からお悔やみを申し上げます。また、高速道路や国道で立ち往生になった方、孤立した集落で、不安の中、救出を待っておられた方々、それぞれお見舞いを申し上げると同時に、国民の一人として、申し訳ないという思いを持っております。
 なぜ、同じことが繰り返されてしまうのか。高速道路や国道で、毎回同じように立ち往生なのか。
 気候の予測や降雪の予測、除雪の体制、そして交通規制のタイミング等に遺漏はなかったのか。厳しい言い方ですが、できることを怠ってはいなかったのか。政府は、いま一度、検証、反省をしていただきたいと思うのであります。
 我々に求められているのは、聞く力、見る力、そして感じる力、さらに、共感する力ではないでしょうか。どんな困難に遭っていても、これを見逃すことのないよう、今後も、一人一人、全ての国民ときずなを結び合わせなければなりません。
 本当に助かりました、仕事がなくなり、お米がなくなった、おかゆで膨らませながら二人の子供に食べさせていたので。年末に給付されたひとり親世帯臨時特別給付金は本当に助かりましたと、昨年末、一人親支援を行うNPO団体の皆さんが官邸で菅総理に感謝を述べられました。
 誰一人忘れない、誰一人見捨てない、誰一人独りぼっちにさせないという総理の思いが理解された瞬間だと思います。
 この給付金は、まさに菅総理の決断によって実行されたものであります。
 総理は、国民本位で、国民目線で、国民のために働くということを就任当初からおっしゃってこられました。弱い者の側に立った政治を実践するということがライフワークだと常々私たちにも言われており、地方の実情や地方に住む人々の心を十分に理解されている政治家の代表だと思っております。
 総理、この機会にもう一度、総理の地方の皆さんに対する哲学といいますか思いをこの場で語っていただきたいと思います。
 現在、尖閣諸島を始め、東シナ海、日本海などにおける領海警備や治安の維持に当たる海上保安官は、常に危険と隣り合わせの厳しい現場で、二十四時間三百六十五日、高い使命感に支えられて、緊張の連続で職務を遂行されておられます。現場の海上保安官に相当な負担がかかっていることを、我々は忘れてはならないのであります。
 海上保安庁業務の強化について、総理の見解を伺います。
 なお、拉致問題について、総理の決意をいま一度ここで伺っておきたいと思います。
 憲法改正についても一言触れておきたいと思います。
 コロナ禍に、改めて、危機管理としての国会の意思決定の重要性を認識させられました。
 昨年十二月、自民党、立憲民主党の幹事長・国対委員長会談において、憲法改正国民投票法改正案について、この通常国会で何らかの結論を得ることで合意したところであります。
 是非、この国会において、しっかりと結論を出すとともに、憲法改正に向けての活発な議論が行われることを期待しておりますが、総理の御所見を伺っておきたいと思います。
 結びに、冒頭申し上げましたように、現在、我が国はコロナ禍という国家的な重大な危機の中にあります。政治は弱い者のためにあると我々は教わってきました。危機に際しても、脅かされる国民の生活を守るため、何よりも政治が力を発揮しなければなりません。それは今ではありませんか。
 私は、同僚の皆さんとともに、バブル崩壊、金融危機、そして東日本大震災という、こうした重なる危機に際して、与野党がお互いの垣根を越えて、今このときこそ政治の力を集約することが重要だと考えます。
 各党は、この危機を乗り越え、国民の命と暮らしを守り、お互いに、幅広く、与党も野党もみんなで協力し合って、政治の力を結集しようではありませんか。
 私どもは、そのためにいかなる努力も惜しまない。(発言する者あり)だから野党に呼びかけているんじゃないですか。
 以上申し上げて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#8
○内閣総理大臣(菅義偉君) 新型コロナに関するワクチン接種の準備状況についてお尋ねがありました。
 ワクチンは感染対策の決め手になるものであり、国民の皆さんに安全で有効なワクチンを速やかにお届けしてまいりたいと思っています。
 このため、審査を行った上で、自治体と連携して万全な接種体制を確保し、できる限り二月下旬までには接種を開始できるように準備をいたしております。さらに、一日も早く開始できるよう、あらゆる努力を尽くしているところであります。
 また、政府全体としての連携体制を強化するために、河野大臣に、全体の調整とともに国民への分かりやすい情報発信を指示したところであり、引き続き、政府を挙げて全力で取り組んでまいります。
 特措法、感染症法及び検疫法の改正についてお尋ねがありました。
 この一年間に得られた知見や経験を踏まえ、対策をより実効的なものとし、何としても感染を抑えていかなければなりません。
 このため、今回、特措法、感染症法及び検疫法について、党でのこれまでの御議論も踏まえ、法改正をすることとします。事業者や個人の権利にも十分配慮しつつ、支援や罰則の規定を設けるなど、新型コロナ対策として必要な見直しを行うことにしております。
 引き続き、与野党の御意見も伺いながら、速やかに法案を国会に提出してまいります。
 公衆衛生分野の強靱化策についてお尋ねがありました。
 これまでの反省を踏まえ、また、職員の方々がより一層誇りを持って働いていただけるように、公衆衛生分野の強化を図っていくことが必要だと考えています。
 今般の新型コロナ対策では、地域の公衆衛生対策の中核である保健所の体制強化のため、全国的な広域派遣や国からの専門職の派遣など、必要な体制強化を図ってまいりました。
 一方で、感染症のための公衆衛生対策は、平時からの対応が極めて重要であります。このため、有事に即応できるよう、国立感染症研究所や保健所の体制及び機能の強化、専門人材の育成等に取り組んでまいります。
 三十五人学級と教育への思いについてお尋ねがありました。
 今回の公立小学校三十五人学級は、四十年ぶりの学級人数の大改正です。学校現場で子供の状況を把握し、一人一人にきめ細かい教育を実現してまいります。
 教育は、今後の我が国の社会を担う子供たちを育むものであります。一人一人の多様な個性や能力を最大限伸ばすことができるように取り組んでまいりたいと思います。
 科学技術、イノベーションについてお尋ねがありました。
 我が国の研究力が長年低迷する中、総力を挙げて、世界をリードする科学技術立国日本を取り戻します。日本の中小企業が数多く参画をし、数々の世界初の偉業を成し遂げた「はやぶさ2」のような事業をしっかりと進めてまいります。
 若手研究者の育成、十兆円規模の大学ファンドの創設、大学改革などに取り組むとともに、今後五年間で官民の研究開発総額の目標を百二十兆円とし、積極的に科学技術、イノベーションの創出を促していきます。
 私の政治哲学についてお尋ねがありました。
 私は、政治家を志して以来、現場の声、皆さんの声に幅広く耳を傾け、国民目線で政策を進めてきました。そして、私自身、活力ある地方をつくる、その思いの中で、総務大臣当時にふるさと納税、そして官房長官のときは企業版のふるさと納税をつくり、企業に是非地方に目を向けていただきたい、地方に進出していただきたい、それが地方の活力につながる、このように思っています。新型コロナの影響が長期にわたる中、国民の暮らしと雇用を守っていくことは、これは政治の責務です。
 とりわけ経済的に厳しい状況にある一人親世帯の皆さんに、年末年始を前に、いち早くお手元に資金をお届けしなきゃならない、そうした思いの中で今回の給付の決断に至りました。
 まずは、一日も早く感染を収束させ、皆さんが安心して暮らせる日常、そして、地方も含めて日本全体がにぎわいのある町を取り戻すべく、全力を尽くしてまいります。
 海上保安庁業務の強化についてお尋ねがありました。
 海上保安庁の諸君は、領海警備の最前線において、絶え間ない緊張感の下に、日夜命懸けで我が国の海を守っており、深く敬意を表しております。
 我が国周辺海域の厳しい状況を踏まえ、政府としては、平成二十八年に決定をした海上保安体制強化に関する方針に基づき、体制の強化を進めています。
 今後とも、我が国の領土、領海を断固として守り抜くとの決意の下、周辺海域の警戒警備、国民の安全、安心の確保に万全を期してまいります。
 拉致問題についてもお尋ねがありました。
 拉致問題は菅内閣の最重要課題であり、拉致被害者の御家族も御高齢となる中で、拉致問題解決には一刻の猶予もない、このように思っています。
 私自身、条件をつけずに金正恩委員長と向き合う決意の下で、北朝鮮に対し働きかけを行いながら、何としても解決をしたい、拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて頑張っていきたいと思います。
 憲法改正についてお尋ねがありました。
 憲法は国の礎であり、そのあるべき姿を最終的に決めるのは、主権者である国民の皆様です。そして、憲法審査会において与野党の枠を超えて様々な論点について建設的な議論を重ね、国民の皆さんの理解を深めていくことは、私たち国会議員の責任ではないかと考えております。
 国民投票法改正案について今国会で何らかの結論を得ることで合意されたと承知しており、この合意の実現に強く期待をしております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣武田良太君登壇〕

#9
○国務大臣(武田良太君) 二階議員からの御質問にお答えをいたします。
 インターネット上の誹謗中傷への対策について御質問をいただきました。
 個人の人格を傷つけるなどの誹謗中傷は許されるものではないと考えております。
 インターネット上の誹謗中傷への対策については、総務省において、昨年九月に政策パッケージを取りまとめ、ユーザーに対する啓発活動、事業者による削除などの対応及び透明性、アカウンタビリティー向上の促進、発信者情報開示に関する制度整備、相談対応の充実に向けた体制整備を推進するとともに、今後、政策の効果検証を行う予定であります。
 特に、発信者情報開示に関する制度整備に関しましては、迅速な被害者救済の観点から、有識者会議において、昨年十二月に、新たな裁判手続の創設などの内容を含む報告書を取りまとめていただきました。
 総務省としては、報告書の内容を踏まえ、本通常国会への法案提出に向け、速やかに準備を進めてまいります。(拍手)
    〔国務大臣橋本聖子君登壇〕

#10
○国務大臣(橋本聖子君) オリパラ実現に向けた取組状況に関してお尋ねがございました。
 東京大会については、昨年のIOC総会において競技スケジュールと会場が決定されており、現在、夏の大会に向けて関係者が一丸となって準備を進めているところであります。
 東京大会の新型コロナウイルス感染症対策については、各省庁、東京都、大会組織委員会による会議において議論を進めてきたところであります。具体的には、アスリートについては、入国から出国までトータルでの環境整備、ルール作りを行うこと、観客数の上限や外国人観客については、国内外の感染症状況なども踏まえ、春までに決定をすること、そして、必要な対策を確実に実施すること、全力を挙げて準備に今取り組んでいるところでございます。
 池江選手のメッセージをいただきました。
 私自身も、オリンピックアスリートの経験から、スポーツはその枠を超えて世界に大きなメッセージを与えさせていただけるものと確信をしております。
 東京大会の成功を通じて、世界の団結を示し、世界中に希望と勇気をお届けするとともに、世界が直面する様々な大きな課題の解決に寄与することができる大会にしなければいけないと思っております。
 引き続き、東京都、大会組織委員会、IOC等と緊密に連携しつつ、安全、安心な環境を確保することを最優先に、しっかりと準備を進めてまいります。(拍手)
    〔国務大臣平沢勝栄君登壇〕

#11
○国務大臣(平沢勝栄君) 東日本大震災からの今後の復興の在り方についてお尋ねがありました。
 この十年間、被災地は、国内外の皆様の御努力、御支援と政府の総力を挙げた取組によりまして、復興は着実に進展しております。
 こうした中、福島県の浜通り地域では、産学官の連携によりまして、エネルギー分野やロボット分野などを重点に、新たな産業を創出していく取組を進めているところであります。
 こうした動きを更に発展させていくため、福島には、今後、福島の方々そして東北の方々が誇りに思える、世界レベルの国際教育研究拠点を設立したいと考えております。
 また、夏のオリンピック・パラリンピック大会につきましては、東北の被災地が世界各地からの支援を受けて復興を進めている中で開催されるわけであります。まさに復興五輪として、支援への感謝、そして復興しつつある被災地の姿を国内外に発信できるよう、関係機関と連携して取り組んでいきたいと思います。
 福島の本格的な復興再生、そして東北復興の総仕上げに向け、今後とも、各地のそれぞれの課題にきめ細やかに対応しながら、万全を期してまいりたいと思います。(拍手)
    〔議長退席、副議長着席〕
    ―――――――――――――

#12
○副議長(赤松広隆君) 逢坂誠二君。
    〔逢坂誠二君登壇〕

#13
○逢坂誠二君 緊急事態宣言が発令されております。コロナ感染対策が、現下の国家の最重要課題です。枝野代表に引き続き、コロナ対策を中心に、立憲民主党・無所属を代表して質問をさせていただきます。(拍手)
 総理は、仮定のことは考えないと民放のテレビの番組で述べました。私は、この発言を聞き、愕然としました。菅総理には政治家の資格はないと強く感ずるのです。一定の仮定の下、様々なことを想定し、将来に備えること、それが政治家の役割の一つだからです。
 菅総理には、仮定のことは考えないという姿勢を改めていただかなければなりません。まず冒頭に、この件に関する総理の見解を伺います。
 感染者の状況が大変なことになっております。コロナ感染が判明し、発熱などの症状が出ているのに自宅療養を余儀なくされ、亡くなった方もおられます。総理、命の危機です。まさに緊急事態です。
 そこでお伺いします。
 現在、陽性と判定されながら、入院できずに自宅やホテルでの療養を余儀なくされている方は何人いるのでしょうか。その中で、発症しながら入院できていない方は何人でしょうか。これまでに、自宅やホテルでの療養中に亡くなられた方は何人いるのでしょうか。そのうち、対応が早ければ助かった可能性のある方はどれぐらい含まれているのでしょうか。
 これらは、適切な政策を検討する上で、当然把握しておくべき実態だと思います。それぞれ、全国と東京都及び大阪府の人数をお答えください。
 また、政府としては、これらをどのような方法で、どのような頻度で把握しているのか、あるいはしていないのか。その把握の在り方が適切であるのかどうかの見解を含めてお尋ねします。
 コロナ感染症で容体が急変する例が報告されています。自宅療養者の容体が変化した場合の対策が急務です。特に、独り暮らしの自宅療養者への対策が急がれます。自宅療養者に対し対策を講ずる必要がありますが、総理の見解を伺います。また、容体の急変を素早く確認するための一助として、パルスオキシメーターの利用を推奨するべきと思いますが、総理の見解を伺います。
 コロナ感染症以外の医療についても深刻な状況が伝えられています。救急車を呼んでも受入れ病院が見つからないという悲鳴のような声が相次いでいます。こうしたケースはどのぐらい増えているのでしょうか。同じく、全国と東京都、大阪府の状況、そして、その実態把握についての現状と見解をお尋ねします。
 また、福祉施設などの入所者がコロナ感染しても、入院先が見つからず、そのまま福祉施設などで経過観察をするケースが多いとの報告があります。コロナ患者受入れ医療機関には支援がありますが、コロナ患者をそのまま受け入れている福祉施設などには入所者一人四万円の支援しかなく、均衡を失しています。総理に改善を求めます。見解をお願いします。
 京都大学の西浦教授の試算によれば、飲食店の時間短縮などに限定した対策では、感染者数はほぼ横ばいになるとされています。
 総理は、今回の措置で感染を大幅に減らす、そういうことができると本当に考えているのでしょうか。宣言が一か月では期間が短過ぎるとの多くの指摘がありますが、二月七日までとした根拠をお示しください。また、感染の状況によっては緊急事態宣言の延長もあるとの理解でよいのでしょうか。以上三点についてお答えください。
 感染拡大を防ぐには、枝野代表が指摘したとおり、検査の拡大、特に無症状感染者の把握が重要です。それに加えて、聞き取りなどの調査が欠かせません。しかし、懲役まで含む刑事罰をもって迫ることが本当に適切であり、かつ実効性を高めるのか、甚だ疑問です。
 ニュージーランドでは、ゲノム解析を活用し、その結果を基に、聞き取りなどを加味することで、感染ルートをほぼ完璧に把握し、新たな感染の広がりを防いでいるといいます。罰則の強化よりも、こうした手法を拡大することこそ重要ではないでしょうか。日本ではなぜゲノム解析が進まないのか、総理にお尋ねします。
 過日、静岡県の男女三人から、英国型の変異種によるコロナ感染が確認されました。三人は外国渡航歴も渡航歴のある感染者との接触も確認されず、今のところ経路不明です。これによって、変異種が市中感染しているかもしれないと大きな不安が広がっています。
 一方、菅総理は、GoToトラベルに強いこだわりを持つと同時に、変異種感染リスクの高い外国人の入国もなかなか止めようとはしませんでした。やっとビジネス往来を止めたのは、今月の十四日です。その結果、昨年五月に四千人まで減った入国者が、十一月には六万六千人、十二月には七万人にまで急増しました。
 そこで、菅総理にお伺いします。
 今回の経路不明の変異種の感染は、ビジネス往来にこだわり続けた菅総理による人災なのではないですか。ビジネス往来を止めなかった理由と併せて、人災との指摘に対する総理の見解を伺います。
 総理は、今回、緊急事態宣言地域の飲食店に対し、二十時までの営業時間の短縮を要請しました。一方、国民には、日中も含めた不要不急の外出、移動の自粛と、十二日には西村大臣がランチの自粛も要請しました。この要請に対し、飲食店の皆様から悲鳴の声が寄せられております。
 国民には昼も夜も外出や会食の自粛を求める一方、飲食店には午後八時まで店を開けていいと言っている。これでは客が来ない。大いなる矛盾だ。総理は国民に何を求めているのか、全く理解できない。このような声が多く聞かれます。
 総理は国民にどうしろというのでしょうか。総理から国民への分かりやすいメッセージを求めます。
 飲食店への協力金について、総理は月額最大百八十万円まで引き上げたと言いますが、この一律の対策に不満が噴出しております。一日の売上げが多い店舗などでは十分な対策とは言えません。先日話を聞いたある地域の経営者さんたちによれば、この政府の一律の協力金によって、地域内の飲食店間での妬みなど、分断が広がっているとの指摘がありました。
 そこで、一律の協力金ではなく、事業規模に応じた協力金へと転換することを提案します。この点について、総理の見解を伺います。
 事業規模別対応は交付の手間が煩雑などとの指摘がありそうですが、例えば光熱水費、家賃、人件費の一定額を補填するなど、工夫の余地はあるのではないでしょうか。その点も含めて、総理の見解を伺います。
 エッセンシャルワーカーを始め午後八時以降まで仕事をされる皆さんが、一人で食事をする場までもがなくなって困っているとの声が上がっています。一人で黙って外食をすることにも感染拡大を招くという根拠があるのでしょうか。営業形態によっては、時間短縮の要請を解除すべきではないですか。総理の認識を伺います。
 緊急事態宣言地域の飲食店の経営が大変厳しい状況になっておりますが、飲食店への納入業者、生産者など、今厳しい状況に陥っているのは飲食店だけではありません。宿泊、小売、製造、交通運輸など、ありとあらゆる業種が苦境に陥っています。事業支援の対象範囲を広げるべきと思いますが、総理の見解を伺います。
 また、苦境に陥っているのは緊急事態宣言地域の事業者だけではありません。全国各地の事業者が大変な状況になっております。私の地元の事業者の皆さんからも、ほぼ毎日、政府の支援対策強化を求める声が寄せられます。事業支援の対象地域を全国に拡大することを提案しますが、総理の見解を伺います。
 更に混乱をもたらしているのが法律によらない働きかけです。この対象には、劇場やミニシアター、ライブハウスなど、午後八時まででは営業が成り立たなかったり、大幅な減収が避けられなかったりする皆さんがおります。
 こうした文化事業には、利用可能な支援策がほとんどありません。また、零細な事業者やフリーランスで働く皆さんが大部分です。こうした皆さんに、法律にも基づかず、何らの補償や支援もなく、廃業を迫るのですか。それとも、単なる働きかけだから、どうぞ営業してくださいというのでしょうか。固定費を支援するなど、働きかけによって相当に困っているこれらの当事者の皆さんが納得できるような総理の答弁を求めます。キャンセル料の支援だけでは不十分です。文化芸術は人間の生命維持装置です。総理の前向きの答弁をお願いいたします。
 昨年十一月二十五日、財政制度等審議会が、持続化給付金や家賃支援について、予定どおりの終了を求める次の建議を提出しました。「こうした政府の一時的かつ非常時の支援を継続し、常態化させれば、政府の支援への依存を招き、産業構造の変革や新陳代謝の遅れ、モラルハザードを通じて今後の成長の足かせとなりかねない。」
 全国の事業者の皆さんが今置かれている現状を思うと、余りにも心ない、冷酷とも言える言葉の羅列です。今は平時ではありません。非常時、緊急時なのです。だからこそ、私たちは繰り返し、事業者への支援を求めています。
 菅総理は、この建議を受け入れて、事業者への支援を中止し、縮小するのでしょうか。経済構造の変化や生産性の向上は重要なことですが、今はそれを声高に叫ぶ時期でしょうか。コロナ感染によって事業者の皆さんが苦しんでいる今を、産業構造の変革や新陳代謝のチャンスだと総理は受け止めているのでしょうか。それぞれについて、総理の見解を伺います。
 新型感染症には対応していない一般の病院も、受診控えが続くなど、極めて厳しい経営環境が続いています。この状態を放置すれば、感染者を受け入れていない一般の病院でも、資金のショートやスタッフの退職といった事態を招き、医療崩壊が更に進みます。
 全ての医療機関に対して、昨年からのコロナ感染による減収分について経済的支援を行うべきです。この点については、政府・与野党連絡協議会で、昨年来、繰り返し繰り返し指摘をしましたが、一向に実行する気配がありません。総理の認識を伺います。
 私たちの強い要請もあり、昨年末、一人親世帯への追加給付が決まり、緊急小口資金や住居確保給付金の延長、さらには、十分ではありませんが、雇用調整助成金の期限延長が行われ、大企業への適用拡大が実施される見込みとなりました。
 しかし、これだけでは国民の命と暮らしを守るためには十分ではありません。そこで、二つの提案をいたします。
 現在の生活保護制度は、保護を受ける前に扶養義務者への照会が前提になっており、そのことが生活保護申請の妨げになっているとの意見を多く聞きます。そこで、この扶養照会を一時的にでも取り払うなどの特別な措置を講ずるべきと思いますが、総理の見解を伺います。
 加えて、現行の個人への支援制度を活用しても、なお生活に困窮されている方々がたくさんおられます。しかし、生活保護を受ける基準には満たない、そういった方々が現在最も厳しい生活を余儀なくされております。こうした困窮状態におられる方々を支援するための措置を緊急的に講ずるべきと思いますが、総理の見解を伺います。
 総理は、ワクチンについて、できる限り二月下旬までには接種を開始できるように準備することを表明しました。昨年十二月十八日に日本で初のワクチン承認申請のあったファイザー社のワクチンについて伺います。
 今回の承認は、日本国内での第三相試験を行わずに承認することを予定しているのか。日本における第一相、第二相試験の日本人対象者は何名か。ファイザー社の海外における第三相試験の登録者は何人で、どの程度の有効性が確認されたのか。副反応に対する懸念はどの程度のものか。副反応については、特に抗体依存性感染増強についてどう認識するか。
 ワクチンへの正しい理解を深めるためには、こうした点について国民に確実に説明することが必要です。それぞれについて、総理の説明を求めます。
 また、ワクチン接種の主体となる市町村への支援が欠かせません。市町村への支援は十分であるのか、あるいは、市町村からはどのような要望や不安、苦情が寄せられているのか、総理の見解を求めます。私の下には、このワクチン接種の体制整備、非常に不合理である、それぞれの市町村がばらばらにやっている、これではうまく進まないといったような意見が寄せられております。総理、しっかり答弁をお願いいたします。
 いわゆるマイナンバー法が二〇一三年五月に成立しました。しかし、総理自身が日本はデジタル化の流れに乗り遅れたとの指摘を施政方針演説中で紹介せざるを得ないほど、この八年間の政府の取組は不十分なものでした。こうした中、総理はデジタル庁の立ち上げを表明しました。その全容が不明なため、今は評価のしようがありませんが、デジタル化の推進に当たっては、次の点に十分配慮することを提案させていただきます。
 基本的人権に十分配慮をすること。
 役所の都合を押しつけるのではなく、国民目線で制度設計を行うこと。
 単に効率化や経費の削減を求めるものではなく、国民にとって真に機能する政府となるよう十分配慮をすること。
 この八年余り政府の中に横行している公文書の廃棄、隠蔽、改ざん、捏造が防止でき、経緯も含めた政府の意思決定に至る過程並びに事務及び事業の実績を合理的に跡づけ又は検証できる公文書の作成と管理が実現するものであること。
 政府の保有する情報は、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的財産として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることに十分配慮すること。
 国民が自己情報を管理制御できること。
 デジタル化を推進するに当たり、こうした点に十分配慮することを提案します。それぞれについて、総理の見解を伺います。
 政府は、現在二四%の保有にとどまるマイナンバーカードの普及に躍起になっています。しかし、この分野の技術進化は速く、マイナンバーというシステムそのもの、特に個々がカードを持つというシステムについては、時代に大きく遅れているとの指摘もあります。今のマイナンバーに関するシステムが本当に最先端であるのか、総理の認識を伺います。
 総理は、アベノミクス三本の矢により日本経済はバブル期以来の好調を取り戻したと演説されました。この認識は大きな誤りです。
 現在、コロナ禍の中で国民生活は大変な状況になっていますが、コロナ禍以前から国民生活はとても厳しいものでした。総理にこの認識はあるでしょうか。特に、この三十年余り、日本国民の実質賃金が上がっておりません。それでも日本経済は好調と胸を張れるのでしょうか。総理の好調だとする経済は、誰のための経済なのでしょうか。それぞれについて、総理の見解を伺います。
 昨年十二月二十九日、日経平均株価の終わり値は二万七千五百六十八円十五銭で、バブル後の最高値を更新し、三十年四か月ぶりの高値水準となりました。しかし、コロナ禍の中で、現実の経済状況は最悪です。今の日経平均は現実と完全に乖離していると私には感じられます。
 日銀と年金積立金管理運用独立行政法人、いわゆるGPIFがせっせせっせと株を買っております。両者の推計保有残高は九十兆円以上と見られ、日銀とGPIFで一四%以上の株を保有していることになります。日銀やGPIFが株を手放そうとすれば株価は暴落する可能性があり、簡単には手放せません。
 そこで、総理の認識を伺います。
 現在の株高の要因は何だと認識しているのでしょうか。現在の日経平均株価は日本の経済の実態を反映しているものと認識しているでしょうか。官製相場との批判がありますが、日銀やGPIFによる大量の株購入は株式相場の健全性を失わせているとの認識はあるでしょうか。株高と実質賃金の低迷によって格差が更に拡大するとの認識はあるか。以上、それぞれについて答弁をお願いします。
 総理が二〇五〇年カーボンニュートラルを宣言したのは、遅ればせながらも世界の標準に追いつき、私も一定の評価をしたいと思います。
 二〇三〇年時点での再生可能エネルギー比率など、二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けて、現時点で示すことのできる目標があれば御紹介ください。目標がなければその旨と、今後の課題についてもお知らせください。
 安全最優先で原子力政策を進めるとも表明されましたが、世論調査によれば、原発の稼働に否定的な国民がたくさんおります。それでも総理は原発政策を進めるのでしょうか。見解を伺います。
 総理が言う原発稼働時における安全最優先とは、規制委員会の規制基準をクリアすることと地元同意の二点との認識でよいか、伺います。
 また、日本の規制基準には避難計画が含まれておりませんが、その理由は、住民の安全に一義的な責任のある自治体が防災避難計画を策定することが最も適当との考えに基づいている、この認識でよいのか、総理の考えを伺います。また、避難計画の策定主体は市町村との認識でよいかも併せて伺います。
 政府は、東日本大震災以降、原発事故は起き得るとの認識を示しておりますが、万が一の事故の際に確実に機能する避難計画が策定できないと市町村が判断した場合は、安全最優先の観点から、原発は稼働できないとの認識でよいでしょうか。加えて、確実に機能する避難計画が策定されるよりも以前に新設原発に核燃料を装荷しないことも、併せて確認します。
 政府は、単身世帯の場合で年収二百万円以上の後期高齢者について、医療費の窓口負担を一割から二割に引き上げることを決めました。
 安易に自己負担を引き上げると、受診抑制による重症化を引き起こし、長期的には医療財政を悪化させるおそれがあります。コロナ感染症の影響で、今既に受診抑制が顕著となっています。感染の収束や社会不安の解消がない中で引き上げれば、受診抑制に拍車をかけることは明らかです。
 引上げで軽減するとされる現役世代の負担約七百二十億円は、公費で対応すべきです。支払い余力のある高齢者に負担をお願いする場合でも、受診抑制につながる窓口負担ではなく、税や保険料を軸に検討するのが妥当です。総理の見解を伺います。
 マスコミの世論調査によれば、菅内閣の支持率が下がっています。支持率の低下要因について総理はどのように分析されているのか、見解を伺います。
 コロナ禍の中、政府は国民に対し様々な要請を行っています。この要請を国民の皆様に受け入れてもらうための前提は、政府への信頼です。政府への信頼があって初めて政策が有効に機能します。
 しかし、今の菅内閣は、公文書の廃棄、隠蔽、捏造、改ざんや国会における事実に基づかない答弁の連発など、ここ八年余りに及ぶ民主主義を破壊する行為によって、国民の信頼を得ているとは言えない状態です。
 そこで、政府が信頼を取り戻すため、以下の提案を行います。
 公文書の不適切な取扱いについて、菅総理は、公文書管理法に基づいてそこはしっかり対応したいと答弁していますが、これは当然のことです。安倍内閣で不適切に扱われた公文書を可能な限り元の状態に復元するよう職員に指示をすること。
 国会での事実に基づかない答弁について、菅総理本人は当然のこと、安倍前総理や柳瀬元秘書官、佐川元国税庁長官などから、国民が改めて説明を受ける機会を設定すること。
 桜を見る会など、行政の私物化まがいのことについて、総理が率先して真相解明に乗り出すこと。
 日本学術会議六名の任命拒否の正当な理由を明らかにすること。正当な理由を明らかにできないなら任命拒否を取り消すこと。
 公文書の不適切な扱い、国会での事実に基づかない答弁、行政に対し私物化まがいの扱いをすることなど、これら全てが、刑事事件にならないからといって、国会や行政の場で行ってよいことではありません。不問に付すべきものではありません。
 日本の民主主義を守り、国民の政府への信頼を取り戻すため、以上のことを提案しますが、それぞれについて、総理の見解を伺います。
 また、吉川元農水大臣、河井元法務大臣夫妻、菅原元経産大臣、加えて安倍前総理など、この間、いわゆる政治と金をめぐる問題が噴出しておりますが、総理が率先して真相を解明し、再発防止策を講ずることを提案します。
 特に、鶏卵会社アキタフーズと次官を始めとする農水省職員の複数回にわたる接待漬けの現実は、常軌を逸しております。真相解明がなければ、再発防止策を講ずることもできません。総理の見解を伺います。
 私たちは、昨年九月、国民の命と暮らしを守ることを綱領に掲げ、新しい立憲民主党を結党しました。今、コロナ禍という未曽有の危機の中で、政治がその役割を確実に果たさねばなりません。
 私たちは、一人一人の日常の暮らしと働く現場、地域の声とつながり、明日への備えを重視し、強い決意を持って、この危機を乗り越えるために全力を尽くしてまいることを申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございます。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#14
○内閣総理大臣(菅義偉君) テレビでの私の発言についてお尋ねがありました。
 御指摘の発言は、前日に発出したばかりの緊急事態宣言の効果が上がるように、まずはしっかり実行することに全力を挙げるべきという趣旨で申し上げたものであります。
 一国の総理として、様々なことを想定して対策を検討することは当然のことであり、そうした姿勢で今後とも感染対策に全力を挙げてまいります。
 新型コロナ患者のうち、自宅で療養されている方の把握等についてお尋ねがありました。
 政府においては、都道府県の公表情報を基に新型コロナ患者の療養状況を一週間ごとに集計し、公表しております。
 今月十三日時点の自宅及び宿泊療養者の人数は、入院の必要がないと判断された方を含め、全国が三万八千十一人、東京都が九千五百二十一人、大阪府が三千五百一人であります。また、それ以外の数字などは政府として把握しておりませんが、東京都、大阪府によれば、自宅又は宿泊療養中に亡くなられた方は、十九日までの累計で、東京都は四名、大阪府は一名と聞いています。
 現場の実態を適切に把握することはもちろん重要ですが、療養中の経過などを含めた数字を把握することは、新型コロナ対応で大変な御苦労をしていただいている保健所等に大きな負荷を課すことになります。
 今後、現場の負担も考慮した適切な実態把握の在り方を検討するとともに、何よりも、助けるべき命を助けるべく、自宅及び宿泊療養への支援を講じてまいります。
 自宅療養者への対策についてお尋ねがありました。
 自宅で療養される患者の方々については、症状に変化があった場合に、速やかにこれを把握し、医療機関等につなぐことが重要であります。
 このため、保健所で定期的に健康観察を行い、症状が変化した場合などに備え、患者からの連絡や相談体制を構築しております。
 その際、私としては、健康観察に有効なパルスオキシメーターをできるだけ多くの方、多くの現場で使っていただきたいと考えております。既に、全額国の負担により、多くの自治体で活用されております。改めて、国が自治体の購入を支援するとともに、先進事例の紹介やメーカーへの増産要請を行うなど、活用を促進してまいります。
 病院への受入れについてお尋ねがありました。
 救急搬送の困難事案は、感染の拡大に伴い増加していると承知をしております。把握しているところでは、直近の一週間につき、前年と比べ、全国で約二・二倍、東京都で約二・五倍、大阪市が約一・八倍となっています。
 こうした状況を改善するため、病床確保に向けた強力な支援を行うとともに、私からも直接医療関係団体の方々に対して協力の要請を行ったところです。
 引き続き、国と地方で緊密に連携をしながら、地域の医療資源を総動員し、病床確保に努めてまいります。
 患者を受け入れる福祉施設への支援についてお尋ねがありました。
 福祉施設等への入所者が感染した場合には医療機関に入院していただくことが基本ですが、やむを得ず施設内で入所を継続する場合でも、必要な医療支援や福祉サービスが受けられることが必要だと思います。
 このため、こうした施設等に対し、必要となる人員や物資などの支援体制を確保するとともに、必要な経費については実質全額国の負担で助成を行っており、引き続き、必要な支援を行っていきたいと思います。
 緊急事態宣言の時期についてお尋ねがありました。
 今回の緊急事態宣言については、これまでの経験に基づいて、飲食店の時間短縮、不要不急の外出自粛などの措置をセットで講じるものであり、これにより感染を抑え込み、減少傾向に転じます。
 緊急事態宣言の期間についても、専門家の意見を聞いた上で、今回の措置の効果を見定める期間として一か月といたしました。
 現時点では緊急事態宣言の延長の議論を行うのではなく、まずは、宣言のレベルであるステージ4を早急に脱却できるよう、都道府県とも緊密に連携しつつ、対策を徹底してまいります。
 ゲノム解析についてお尋ねがありました。
 ゲノム解析については、新型コロナウイルスの感染状況の把握のために重要なものであると考えています。
 我が国では、国立感染症研究所において、ゲノム解析による疫学調査を実施しておりますが、ゲノム解析は一般に数日を要し、我が国の感染状況を踏まえると、全ての症例について個別の感染ルートの把握に活用することは現実的ではないと考えております。
 一方で、海外からの変異株の流入が課題となる中で、迅速にゲノム解析が行われるよう、国立感染症研究所の体制整備を行ったところであり、引き続き、しっかりと取り組んでまいります。
 ビジネスの往来についてお尋ねがありました。
 政府としては、変異株の確認された国、地域からの入国に対する水際対策を速やかに強化してきました。
 ビジネストラック及びレジデンストラックについては、十一の国、地域と合意していますが、これらの国、地域からの入国者に変異株の感染が確認された事例はありません。
 しかしながら、現在の国内の深刻な状況に加え、英国とブラジルの帰国者から変異株が国内で確認される事例などが相次ぎ、国民の皆さんの不安が更に高まっている現状を重く受け止め、国民の皆さんの命と暮らしに対するあらゆるリスクを予防的に取り除くため、ビジネストラック及びレジデンストラックについては、緊急事態宣言が発令をされている間、一時停止することにいたしました。
 政府としては、これまでも、国内外の感染状況を見極めつつ、必要な水際対策を着実に講じてきたところであり、人災との指摘は当たりません。
 自粛要請に関する国民へのメッセージについてお尋ねがありました。
 今回の緊急事態宣言では、不要不急の外出、移動の自粛、特に二十時以降について不要不急の外出の自粛を求めています。一方、日中でも感染リスクに配慮した飲食を心がけていただく中で、働いている方など一定の方々に配慮し、飲食店の二十時までの営業時間短縮をお願いしております。
 感染拡大を速やかに収束させるため、国民の皆さんの御協力が必要であり、節目節目で私自らも会見の場で説明するなど、様々な機会を使って国民の皆さんに丁寧に説明をさせていただいています。
 飲食店への協力金についてお尋ねがありました。
 緊急事態宣言の発出に伴い、協力金に対する支援額を引き上げ、宣言の対象地域の二十時までの営業時間の短縮については、一月当たり百八十万円までの協力金を国が支援することとします。
 多くの自治体において、店舗の規模を問わず一律の金額としていると承知しておりますが、各自治体の判断で事業者ごとに異なる支援額を設定することも、これは可能になっています。
 さらに、御指摘の光熱水費や家賃については、地方向けの臨時交付金を御活用いただくことも可能であり、地域の実情に応じた取組を推進していただきたいと思います。
 飲食店の営業時間の短縮についてもお尋ねがありました。
 これまでの経験を踏まえ、今回の緊急事態宣言では、専門家が対策の急所と指摘する飲食による感染リスクについて強力な対策を行うことが必要であると考えており、対象地域については、飲食店は一律に二十時までの時間短縮を求めております。
 国民の皆さんには、今回、再び制約のある生活をお願いせざるを得ませんが、この感染拡大を何としても食い止めるために、御理解、御協力をいただけるよう、引き続き、丁寧な説明をしてまいります。
 事業支援の拡充についてお尋ねがありました。
 多くの事業者にとっては、厳しい経営環境の中で事業の継続のために資金繰りの支援が極めて重要であり、今般、公庫などによる無利子無担保融資の四千万円の限度額を六千万円に引き上げ、手続も簡素化いたします。
 さらに、飲食店以外については、緊急事態宣言による飲食店の時間短縮などの措置により大幅に売上げが減少する中小事業者に対し、一時金を支給いたします。
 事業者への働きかけと支援についてお尋ねがありました。
 今回の地域において、人が集まる施設に対し、その後の飲食につながることを防止するなどの観点から、二十時までの営業時間短縮について、法によらない働きかけを行うこととしております。
 その上で、こうした状況に対する支援措置として、非正規やパートの方も含む雇用調整助成金の特例や、官民の金融機関による実質無利子無担保融資、自粛に伴うキャンセル費用の支援などを行うこととしております。
 政府としては、この感染拡大を食い止めるために、こうした支援も活用していただきながら、宣言対象地域の自治体からの働きかけに御協力をいただきたいと考えております。
 中小企業の支援の在り方についてもお尋ねがありました。
 多くの中小企業については、厳しい経営環境の中で事業の継続のために資金繰りの支援が極めて重要であり、今般、公庫などによる無利子無担保融資の四千万円の限度額を六千万円に引き上げ、手続も簡素化します。
 また、今回の緊急事態宣言において、飲食店の営業時間短縮などの影響により大幅に売上げが減少する中小事業者については、一時金を支給いたします。
 さらに、コロナによる各企業の環境が変化する中、中小企業の中には積極的に事業転換に取り組みたいとの声もあり、適切な支援を行ってまいります。
 医療機関全般に対する経済的支援についてお尋ねがありました。
 国民の皆さんにとって必要な医療が提供されるよう、地域の医療提供体制を維持、確保していくことは重要です。
 このため、これまでも、感染症対策を徹底しつつ、地域医療を継続いただくために、コロナ対応を行っていない医療機関への支援も含めて三・二兆円の支援を行っているほか、過去に例のない、最大減収十二か月分を上限とする無利子無担保などの危機対応融資も実施してきました。
 引き続き、地域の医療機関の状況を踏まえ、必要な支援をちゅうちょなく実施してまいります。
 生活保護制度についてお尋ねがありました。
 扶養義務者の扶養が保護に優先して行われることは生活保護法に明記された基本原理であり、扶養照会は必要な手続であります。
 他方で、DVや明らかに交流が断絶している場合などには、照会を不要とする取扱いを認めており、引き続き、必要な配慮の周知徹底に努めてまいります。
 生活に困窮される方への支援についてお尋ねがありました。
 国民の命と暮らしを守ることは政治の責務であり、生活に困窮されている方々に対して、緊急小口資金などの特別貸付けや住居確保給付金の支給など、重層的なセーフティーネットによって支援を行っております。
 まずは、一日も早く感染を収束させ、皆さんが安心して暮らせる日常を取り戻すべく、全力を挙げます。
 ファイザー社のワクチンや接種の関係についてお尋ねがありました。
 国民に対してワクチンに関する丁寧かつ分かりやすい情報提供を行うことが重要であり、承認されたワクチンの安全性や有効性について、今後、しっかりとした情報発信を行ってまいります。
 その上で、御質問の点については、約百六十人の国内第一、第二相試験、約四万四千人の海外第三相試験が行われており、海外試験の結果からは、九〇%以上の有効性が示され、安全性については、倦怠感、頭痛などの有害事象が報告されていると承知をしています。
 昨年末に、海外第三相試験データに基づき特例承認を求める申請が行われており、御指摘の抗体依存性感染増強を含め、今後、安全性や有効性について、しっかりと審査を行ってまいります。
 また、接種に必要な費用は、全額国の負担で行うこととしており、第三次補正予算案に必要な経費を計上しております。
 引き続き、自治体の様々な御要望等に真摯に耳を傾けつつ、承認されたワクチンが速やかに接種できるよう、準備を進めてまいります。
 デジタル化の推進についてお尋ねがありました。
 役所に行かずともあらゆる手続ができる、地方にいながら都会と同じような生活や仕事ができる、こうした社会の実現を目指し、官民のデジタル化を加速します。
 また、公文書管理についても、デジタル化を進め、適正かつ効率的に行われるよう、取り組んでまいります。
 その他の御提案をいただいた各事項についても配慮しながら、誰もがデジタル化の恩恵を最大限享受できる社会をつくり上げてまいります。
 マイナンバー制度についてお尋ねがありました。
 マイナンバー制度は、国民の利便性の向上と行政の効率化を大きく進め、今後のデジタル社会のインフラとなるものであり、そのためのマイナンバーカードは、確実な本人確認に必要なものです。
 今後、カードの利便性を更に向上させるために、新技術を積極的に活用しながら、スマートフォンへの機能の搭載、健康保険証や運転免許証との一体化を進めます。
 経済認識についてお尋ねがありました。
 八年前の政権交代以来、経済再生を最優先に取り組む中で、雇用者数は約四百万人増え、地方の公示地価が二十七年ぶりに上昇し、賃金についても、国民みんなの稼ぎである総雇用者所得は増加が続くなど、大きな成果を上げたと思っております。
 まずは、新型コロナの感染を収束させ、経済を回復させてまいります。
 株価の動向についてお尋ねがありました。
 株価については、経済や企業の活動を背景に、様々な要因により、市場において決まるものと考えています。
 日銀によるETFの買入れなどについては、金融政策の一環として行われており、その具体的な手法は日銀に委ねられております。また、GPIFは、法令に基づき、専ら被保険者の利益のために運用を行っており、政府は具体的な投資行動を指図する立場にはありません。
 また、格差については、それが固定化されずに、人々の許容の範囲を超えないものとなるよう、引き続き、様々な施策を進めてまいります。
 カーボンニュートラルに向けた目標についてお尋ねがありました。
 政府としては、例えば、二〇三五年までに新車販売で電動車一〇〇%を実現する、水素は二〇五〇年に今のガス並みの価格にまで安くする、こうした目標を示しています。
 こうした高い目標の達成に向けて、政府としては、企業の大胆な投資とイノベーションを促し、産業構造の変革を実現してまいります。
 原子力政策についてお尋ねがありました。
 資源に乏しい我が国において、電気料金の上昇や気候変動問題などを考えれば、原発ゼロで、最適な政策を実現できるとは思えません。
 その上で、安全最優先、すなわち、原子力規制委員会が世界で最も厳しい水準の新規制基準に適合すると認めた原発のみ、地元の理解を得ながら進めていくのが政府の方針です。
 原発の避難計画についてお尋ねがありました。
 避難計画は、新規制基準の審査対象ではありませんが、市町村も含む自治体が災害対策基本法等に基づき策定をするものです。
 国としては、地元の安全、安心の観点から、避難計画がない中での、建設中の原発への核燃料の装荷や再稼働が実態として進むことはないと考えており、避難計画の策定をしっかりと支援していきます。
 七十五歳以上の高齢者の医療費の窓口負担の見直しについてお尋ねがありました。
 二〇二二年には団塊の世代が七十五歳以上の高齢者になり始める中で、現役世代の負担上昇を抑えつつ、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築することは、待ったなしの課題であると考えています。そのため、少しでも多くの方に、支える側として活躍をいただき、能力に応じた負担をいただくことが必要であると考えます。
 このため、七十五歳以上の高齢者のうち、一定の収入以上の方々について、必要な受診が抑制されないよう経過措置を設けた上で、その窓口負担割合を二割とするものであります。
 内閣の支持率についてお尋ねがありました。
 支持率の動向には様々な要因があると考えますが、国政を預かる者として、今後も御指摘を謙虚に受け止めます。
 まずは、新型コロナ対策に全力を挙げ、国民の皆さんの声に耳を傾けて、一つ一つ課題に取り組んでまいります。
 公文書管理についてお尋ねがありました。
 国民の信頼を確保するため、ルールに基づいて公文書管理を徹底することは、これは当然のことであり、職員一人一人のコンプライアンス意識向上のための研修の充実強化、各省の公文書監理官によるチェックなどに取り組んでおります。
 また、行政文書の紛失などがあった場合には、行政機関において、必要な措置を講ずることとしております。
 説明の機会についてお尋ねがありました。
 まず、今回、桜を見る会前夜の夕食会に関する私の答弁の中に事実と異なるものがありました。国民の皆さんに対して大変申し訳ない思いで、施政方針演説において改めておわびを申し上げたところであります。
 また、御指摘いただいた方々については、国会においてできる限りの説明をされたものと考えております。
 桜を見る会などの真相究明についてお尋ねがありました。
 桜を見る会については、様々な御指摘について、必要な調査を行い、国会の場でも繰り返し御説明をしてまいりましたが、御批判も踏まえ、少なくとも私の任期中は開催しないこととしました。
 日本学術会議の会員の任命についてお尋ねがありました。
 会員の任命については、日本学術会議法に沿って、学術会議に求められる役割なども踏まえ、任命権者として適切に判断を行ったものであり、そのことは繰り返し説明をしてきました。
 また、この任命の手続は終わっており、取り消すことは考えておりません。
 いわゆる政治と金をめぐる問題についてお尋ねがありました。
 政治資金については法令にのっとって取り扱わなきゃならないことは、これは申し上げるまでもありません。
 必要があれば捜査機関が厳正な捜査を行っているものと承知しております。いずれにしろ、政治家は、その責任を自覚し、国民に疑念を持たれることがないように、常に襟を正して行動すべきものと考えています。
 アキタフーズの事案については、農林水産省において、必要な説明を行うとともに、第三者による検証などを開始するものと承知をしています。(拍手)
     ――――◇―――――

#15
○武部新君 国務大臣の演説に対する残余の質疑は延期し、明二十一日午後二時から本会議を開きこれを継続することとし、本日はこれにて散会されることを望みます。

#16
○副議長(赤松広隆君) 武部新君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#17
○副議長(赤松広隆君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時五十分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣  菅  義偉君
       財務大臣  麻生 太郎君
       総務大臣  武田 良太君
       法務大臣  上川 陽子君
       外務大臣  茂木 敏充君
       文部科学大臣  萩生田光一君
       厚生労働大臣  田村 憲久君
       農林水産大臣  野上浩太郎君
       経済産業大臣  梶山 弘志君
       国土交通大臣  赤羽 一嘉君
       環境大臣  小泉進次郎君
       防衛大臣  岸  信夫君
       国務大臣  井上 信治君
       国務大臣  小此木八郎君
       国務大臣  加藤 勝信君
       国務大臣  河野 太郎君
       国務大臣  坂本 哲志君
       国務大臣  西村 康稔君
       国務大臣  橋本 聖子君
       国務大臣  平井 卓也君
       国務大臣  平沢 勝栄君
 出席内閣官房副長官
       内閣官房副長官  坂井  学君
 出席政府特別補佐人
       内閣法制局長官  近藤 正春君
ソース: 国立国会図書館
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