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2021/01/21 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 本会議 第3号 令和3年1月21日
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2021/01/21 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 本会議 第3号 令和3年1月21日

#1
令和三年一月二十一日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第三号
  令和三年一月二十一日
    午後二時開議
 一 国務大臣の演説に対する質疑(前会の続)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 国務大臣の演説に対する質疑 (前会の続)
    午後二時二分開議

#2
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説に対する質疑(前会の続)

#3
○議長(大島理森君) 国務大臣の演説に対する質疑を継続いたします。石井啓一君。
    〔石井啓一君登壇〕

#4
○石井啓一君 公明党の石井啓一です。
 私は、公明党を代表して、施政方針演説等政府四演説に対し、総理並びに関係大臣に質問をいたします。(拍手)
 昨年から続く新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、感染された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 世界各地で今なお新型コロナウイルスが猛威を振るう中、医療従事者の皆様は休日返上で感染症の治療や予防に尽力をされ、生活者や企業は多くの行動を制限された中で日常生活や経済活動を送ることを余儀なくされております。加えて、今月七日と十三日には計十一都府県に緊急事態宣言が再発令されており、感染拡大を抑え込むことが焦眉の急であります。
 令和三年は、これまで得た教訓や知見を生かしながら、反転攻勢の年とし、日常を取り戻さなければなりません。政治が新型コロナウイルス感染症の克服と経済回復や生活再建への対策を果敢に実行し、安心と希望を日本の隅々まで届ける一年としたい。
 菅政権が発足して四か月。この間、菅政権は、感染症対策と社会経済活動のバランスを取りながら、令和二年度第三次補正予算案と令和三年度当初予算案を併せて、いわゆる十五か月予算案を編成しました。
 日常を取り戻すための決め手は、治療、検査体制の強化とともに、安全性と有効性を前提とした治療薬、ワクチンの確保と速やかな普及であります。そのため、希望者全員がワクチン接種を無料で受けられるように予算案に計上しております。
 また、ポストコロナを見据え、我が国の社会経済構造の転換も進めていかなければなりません。二〇五〇年カーボンニュートラルの実現等を目指し、加速させる施策も盛り込まれております。
 不妊治療の保険適用や携帯電話料金の引下げ、デジタル化の推進などは、公明党が主張し長年取り組んできた課題であり、菅政権において前進をしております。
 他方、政治は、信なくば立たずです。国民からの信頼と協力なしに政治は成り立ちません。緩みやおごりを排し、謙虚さと誠実さを持って政権運営に当たり、国民の期待に応えるため力を尽くすべきと強調しておきたい。
 まずは、感染症を克服し、経済を本格回復させるための総理の決意を伺います。また、緊急事態宣言再発令から二週間を迎える現状認識を伺うとともに、感染者が増えている二十代、三十代の若者の行動変容を促すために、公明党青年局が提言をいたしましたSNSや動画のフル活用等について、総理の見解を伺います。さらに、宣言再発令の効果の表れる二週間以降の状況を速やかに検証し、必要であれば更なる感染症抑制対策を、二月七日の期限を待たずに果敢に講じていただきたい。総理の見解を求めます。
 以下、具体的に質問いたします。
 国内で初めて新型コロナウイルス感染症が確認されてより、一年が経過いたしました。年末年始も返上し、新型コロナ対応の最前線で患者のケアに当たっている関係者の皆様に、心から感謝申し上げます。
 しかしながら、医療従事者には極めて大きな負担がかかり続けております。医療現場を献身的に支えている医療従事者の処遇改善を含めた財政支援や労働環境の整備が急務です。あわせて、病床、宿泊療養施設の確保などにより、医療提供体制を断じて守らなければなりません。
 医療機関と同様に、保健所で働く方々の負担にも限界が来ております。感染者数の増加は、患者の症状にかかわらず、そのまま保健所の業務負担の増加に直結します。感染経路の追跡調査や陽性者のフォローアップなど、地域におけるコロナ対策の要となる保健所への支援を速やかに実施していただきたい。
 一方で、新型コロナにより、介護、障害福祉現場における業務負担や人材不足も一層深刻さを増しました。重症化リスクの高い高齢者等に接する従事者は、感染防止対策を厳格に行いつつ、現場を懸命に支えております。継続してサービスを提供できるよう、財政支援とともに、四月の報酬改定による評価など、最大限のバックアップをお願いしたい。
 医療機関や保健所、介護、障害福祉現場への支援など、新型コロナウイルス感染症から国民の命を守るための体制確保について、総理の見解を伺います。
 公明党は、一日も早く新型コロナワクチンを国民の皆様にお届けできるよう、最重要課題の一つとして取り組んでまいりました。この度、党本部に新型コロナウイルスワクチン接種対策本部を設置し、地方議員とも連携して、円滑な接種体制構築を支援することといたしました。
 ワクチン接種は、新型コロナによる死亡者や重症者をできる限り減らすとともに、医療提供体制の負荷を軽減することにつながります。また、社会経済活動の維持に貢献することも期待されます。
 まず、接種主体である市町村の準備を円滑に進めることが重要です。特に、コロナ感染症が拡大している自治体や小規模自治体では、準備のためのマンパワー不足が懸念をされます。また、接種場所、接種実施人員の確保、ワクチンの輸送を始め、多くの課題があります。国、都道府県、市町村がよく連携をしながら、接種体制の構築に万全を期していただきたい。
 また、ワクチン接種に対する期待と不安が交錯しております。ワクチンの有効性、安全性、副反応など、必要な情報を分かりやすく発信することが極めて重要です。あわせて、ワクチンは順次供給されることから優先接種が行われますが、具体的に、いつ頃にどういった人たちが接種できるのか、そうした目安も丁寧に伝えていただきたい。
 さらに、ワクチン接種への不安や、接種後、体調の変化が生じた場合などに対応するための相談体制を構築しておくことも不可欠であります。
 混乱なく安心してワクチン接種を受けられる体制の構築について、総理の見解を伺います。
 がん対策の強化について伺います。
 コロナ禍の影響で、がん検診を控える方が増えており、健康上のリスクが高まることへの懸念が指摘をされております。政府においては、コロナ禍における検診受診率の実態などを調査するとともに、自治体と連携をして、適時適切な受診機会の確保と働きかけを強化していただきたい。
 あわせて、がんで亡くなった患者の四割が終末期に痛みを感じていたという国立がん研究センターが昨年十月に公表した調査結果を踏まえ、緩和ケアの更なる普及と質の向上に取り組むとともに、医師等の外部講師の活用を含めた、がん教育の充実に取り組んでいただきたい。
 がん対策の強化について、総理の答弁を求めます。
 雇用、生活への支援について伺います。
 新型コロナの影響が長期化する中、公明党は、雇用維持や再就職支援など、雇用対策をパッケージで実施するよう、政府に重ねて提案してまいりました。
 その結果、昨年十二月に閣議決定された経済対策では、雇用対策パッケージとして、雇用調整助成金の特例措置が二月末まで延長され、産業雇用安定助成金の創設等が盛り込まれました。
 また、令和三年度税制改正では、企業に賃上げを促す所得拡大促進税制を見直し、雇用を拡大する場合も支援をいたします。
 生活支援では、緊急小口資金等の特例貸付けの申請期間や、住居確保給付金の支給期間が延長されます。
 しかし、緊急事態宣言が再発令され、更なる対策が急務であります。
 雇用調整助成金の特例措置について、三月以降も更に延長するとともに、女性や非正規雇用で働く方など、潜在的な休業者、失業者の実態を把握した上で、休業支援金等の支援が行き届くよう周知徹底と要件緩和等の対策を講じるべきであります。
 生活困窮者には、予備費を活用した新たな支援の検討や相談体制の強化を図るとともに、必要な人には、ためらわず生活保護を受給できるよう広く周知すべきであります。
 住まいの確保が困難な方には、ホテルや公営住宅、セーフティーネット住宅の提供など、状況に応じたきめ細かい支援が必要です。
 自殺者数は、昨年七月以降、五か月連続で前年より増えており、学生など若い世代や女性で特に深刻です。SNSでのネットパトロールや、安心できる居場所の確保、心のケア等の対策強化も急がなくてはなりません。
 雇用、生活への支援について、総理の答弁を求めます。
 緊急事態宣言の再発令に伴い、中小事業者への支援も急務です。
 政府は、緊急事態宣言地域の飲食店と取引のある中小事業者や、外出自粛等による影響で売上げが急減した中小事業者に対し、最大四十万円の一時金の支給を発表しました。予備費を活用し、対象者へ迅速な支給をお願いしたい。
 その上で、多くの飲食店と取引のある卸売業者等から、四十万円では足りないとの声が上がっております。また、緊急事態再宣言以外の地域で飲食業の営業時間短縮等を要請している道県からは、取引先中小企業や影響する中小企業への同様の一時金支給が要請されております。今後の影響を見据えた次なる一手の早急な検討を求めます。
 当面の事業継続に万全を期すとともに、今後は強靱な経済構造への転換に向けた支援が重要です。第三次補正予算案では、実質無利子無担保融資の継続に加え、新事業への進出やビジネスモデルの転換など事業再構築に前向きに挑戦する事業者に対し、低利な特例貸付制度や、最大一億円の事業再構築補助金を創設するほか、税制優遇措置も設けられます。
 こうした一連の施策が最大限効果を発揮するよう、事業者への相談体制や支援策の周知徹底など丁寧な対応を求めます。
 中小企業等の経営者が安心と希望を持って果敢に事業に挑戦できるよう、支援策の抜本的強化を進めるべきと考えます。総理の見解を伺います。
 長引くコロナ禍による観光業界への甚大な影響は、宿泊業者や旅行会社だけでなく、旅館やホテルの食材納入業者や清掃、リネン業者、観光地の飲食店や土産物店、イベント関連業者など幅広い業種に及び、地域経済にも深刻な打撃を与えております。
 公明党の強い要請を踏まえて政府は、雇用調整助成金の特例や資金繰り支援等の拡充、延長に加え、宿泊業者等に対するキャンセルに伴う支援金の支給、時短要請に応じた飲食店への協力金の拡充や関連業者等への一時金など、様々な支援策を講じております。
 引き続き、地方自治体と緊密に連携をし、雇用を守り、事業を継続させるため、きめ細やかな相談体制の充実を図るとともに、苦境にあえぐ事業者に対し、幅広く、迅速かつ柔軟な対応も含めた実効性のある支援をお願いしたい。
 他方、ポストコロナを見据えた取組も重要です。
 昨年、政府は観光需要回復プランを策定しました。感染拡大を抑え込み、需要喚起を図りつつ、地域や事業者等が行う新たな再生の取組を後押しするなど、今後の我が国の観光産業の復活に向けた支援策が求められます。
 また、GoToキャンペーンについては、感染状況などを踏まえつつ、事業の在り方をよく検討、工夫した上で、適切に運用していただきたい。
 バス、タクシー、鉄道、旅客船など、地域の足を支えている公共交通事業も甚大な影響を受けております。航空、空港業界に至っては、極めて厳しい経営状況に陥っております。
 コロナ禍にあっても、感染拡大防止や新しい高付加価値の提供など、様々な創意工夫を凝らしながら必死の経営努力を続けている多くの交通事業者を守らなければなりません。
 観光業や公共交通事業などへの支援の充実について、国土交通大臣の答弁を求めます。
 世界各国が脱炭素社会への取組を加速する今、日本も遅れずリーダーシップを取らなければなりません。二〇五〇年カーボンニュートラル宣言を受け、国内でも民間企業や国民の意識が高まりつつあり、公明党は、政府とともに目標達成へ全力で取り組んでまいります。
 本年のエネルギー基本計画の見直しでは、二〇五〇年カーボンニュートラル目標を達成するため、これまでの二〇三〇年目標を見直す必要があります。また、民間企業の前向きな挑戦を応援するため、再生可能エネルギーの比率向上をいかに進めるかが大きな意味を持ちます。
 公明党が一貫して提案する再エネの主力電源化へ、水素、蓄電池、洋上風力、カーボンリサイクルなど、多分野における革新的技術開発が不可欠であり、特に、地理的メリットがあり、切り札と期待される洋上風力は、送電網への投資や安定供給のための部品調達、低コスト化などの官民協力した取組が求められます。加えて、専門人材の育成や欧米との連携強化、第三次補正予算案に盛り込まれた二兆円基金の効果的活用が重要であり、同時に、国民的理解を得ることも欠かせません。
 二〇五〇年カーボンニュートラル目標の達成へ、エネルギー基本計画改定の方向性と再エネ比率向上のための課題解決に向けた取組を総理に伺います。
 次に、デジタル化の推進について伺います。
 公明党は、豊かな国民生活と誰一人取り残さない社会をつくるためのデジタル化を訴えてまいりました。
 年齢や性別、能力などの違いにかかわらず、できる限り多くの人が使いやすいように設計するユニバーサルデザインとすることで、平時はもとより、災害や感染症などの危機を乗り越える手段になります。国民に安心と希望を持っていただくために、我が国のデジタル化はユニバーサルデザインを原則とするという理念の下に行うべきと考えます。
 昨年末、閣議決定をされましたデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針には、公明党が主張いたしましたデジタル人材が民間企業と政府の間を行き来すること等が盛り込まれましたが、デジタル人材の不足は喫緊の課題であります。
 特に地方自治体で、デジタル業務を担う専門職員の人材育成、確保は急務であり、民間との人事交流など、人材確保に向けた環境整備に取り組むべきです。
 デジタル化推進の理念と地方における人材確保について、総理の答弁を求めます。
 続いて、防災、減災、復興について質問いたします。
 今年は、東日本大震災から十年という大きな節目を迎えます。
 改めて、震災の影響により犠牲となられた全ての方々に謹んで哀悼の意を表します。
 令和三年度は、第二期復興・創生期間という新しいステージが始まります。
 これからも公明党は、現場第一で、被災者に寄り添い、人間の復興を目指し、全力を挙げてまいります。
 また、台風災害やコロナ禍による追い打ちで、より厳しい状況にある産業、なりわいの再生支援も、重要な課題です。未曽有の危機を克服して迎える本年夏の復興五輪の成功を目指すとともに、震災前を大きく上回る新しい東北の実現へ、政府は総力を挙げていくべきです。
 福島再生に向けては、国が前面に立ち、効果的な風評対策を講じ、廃炉、処理水対策など様々な課題の克服に一層力を尽くさなければなりません。
 我が国の新産業創出を牽引する福島イノベーション・コースト構想の中核となる国際教育研究拠点については、昨年十二月の与党提言を受けて、政府は、令和三年度に国立研究開発法人を軸として形態を決定し基本構想を策定する方針を明らかにいたしました。福島のみならず東北被災地全体の夢と希望の一大拠点の実現へ、必要な予算と人材を確保し、関係省庁が一体となって取り組むべきであります。
 国際教育研究拠点を始め、第二期復興・創生期間に向けた総理の決意をお伺いいたします。
 コロナ禍への対応とともに、激甚化、頻発化する自然災害から国民の命と暮らしを守ることは、政治の使命と責任です。
 昨年、政府は、総額十五兆円規模の防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を閣議決定いたしました。かねてより公明党が強く求めてきたものであり、高く評価をいたします。
 大事なことは、実効性の確保です。令和七年度までの五年間で、我が国の防災・減災対策をどのように加速化し、災害に強い町を築いていくのか、重要な課題です。
 特に、政府は、水害対策の新たな取組として、流域治水プロジェクトを全国百九の一級水系、全百十八協議会で令和二年度中に策定、公表するとしておりますが、次の出水期に向けた早急な対策も必要です。加えて、流域治水関連の法律についても、必要な見直しを図るべきであります。
 また、五か年加速化対策の初年度については令和二年度第三次補正予算案によって措置されておりますが、令和四年度以降の予算についても安定的、計画的に確保し、地方と連携して対策を進めることが求められます。総理の答弁を求めます。
 次に、東京オリンピック・パラリンピック競技大会、文化芸術、スポーツ振興について伺います。
 コロナ禍の大変な中、東京大会を目指して懸命に努力を重ねてきた選手の熱と力は、困難な時代に生きる私たち一人一人の心に希望の光をともしてくれるに違いありません。
 東京大会の成功に向けては、万全の感染症対策が何よりも重要であります。特に、主役である選手たちが安心してプレーできるよう、出入国の検査等による水際対策や、選手村、会場等における場面ごとの三密回避など、感染症対策を徹底して実施すべきであります。
 あわせて、新型コロナウイルス感染症によって大きな影響を受けているスポーツイベントと文化芸術活動への支援も忘れてはなりません。
 スポーツイベントにおいては、デジタル技術を用いたリモート観戦などの新たな取組や消毒液等の購入など感染症対策に関する取組への支援を着実に実施すべきです。
 また、文化芸術活動においては、感染症の影響で自粛を余儀なくされた関係団体への支援に加え、博物館等の文化施設における配信など新たな取組に対する支援も欠かせません。
 東京大会の成功に向けた感染症対策等の取組、スポーツ、文化芸術活動への支援について、総理の答弁を求めます。
 昨年の十二月十五日、政府の全世代型社会保障改革の最終報告が閣議決定をされました。二〇二二年から団塊の世代が順次七十五歳以上の後期高齢者となり、人口減少、少子高齢化が更に進む中、全世代型社会保障の構築は待ったなしの課題です。
 この最終報告の柱の一つ、七十五歳以上の医療費の窓口負担は、二二年度の後半から、単身の場合、年収二百万円以上は二割になります。後期高齢者医療への支援金を拠出している現役世代の負担軽減が目的でありますが、激変緩和を求めた公明党の主張で、施行後三年間は、外来患者の負担増加額を一か月当たり最大で三千円に抑える措置が取られることとなりました。
 もう一つの柱が少子化対策です。最終報告には、待機児童問題の解消に向けて、四年間で約十四万人分の保育の受皿を確保する新子育て安心プランの策定などが盛り込まれました。この待機児童対策の財源として、児童手当を見直し、年収一千二百万円以上の世帯を特例給付の対象から外すことになりました。ただし、公明党の主張により、児童手当の所得制限の基準は、世帯合算ではなく、引き続き現行の、夫婦のうち所得の高い方となりました。
 全世代型社会保障改革の意義と構築について、総理の所見を伺います。
 次に、教育費の負担軽減について伺います。
 家庭の経済的事情にかかわらず、希望すれば誰もが必要な教育を受けられる社会にしたい。公明党は、教育費の負担軽減を一貫して訴えてまいりました。
 本年四月からは、幼稚園としての基準を満たさないため、これまで幼児教育無償化の対象になっていなかった、いわゆる幼児教育類似施設に通う世帯への支援がスタートいたします。
 また、高校生等奨学給付金の拡充が第三次補正予算案に盛り込まれました。コロナ禍で生活が困窮している高校生への支援として、現在の支給額に加えて、第一子二万六千百円、第二子以降と通信制、専攻科に一万二千円が追加支給されます。当初は来年度予算からスタートする予定でありましたが、公明党の主張によりまして、コロナ禍での支援として第三次補正から実施することとなりました。
 一方、昨年四月から始まった大学等の高等教育無償化の拡充については、多子世帯や中間所得世帯の教育費の負担に配慮した取組を更に進めていくべきと考えます。
 教育費の負担軽減の取組について、総理の答弁を求めます。
 最後に、外交政策について伺います。
 米国では、バイデン大統領が正式に就任いたしました。
 深刻な状況が続く新型コロナや、今回の大統領選挙などを機に浮かび上がった米国社会が抱える諸課題にどう取り組んでいくか、新政権のかじ取りに全世界が注目しております。
 外交面では、米国第一主義から、パリ協定への復帰表明など、多国間協調や同盟重視への回帰を明らかにしております。
 総理は、昨年十一月、バイデン氏と電話会談を行いましたが、新大統領との信頼関係を構築し、日米同盟を深化させるためにも、できるだけ早期に首脳会談を行うことが望まれます。
 その上で、米国と緊密に連携をし、各国とともに、新型コロナや気候変動等、国際社会が直面する課題に率先して取り組んでいく必要があり、総理にはそのリーダーシップを期待いたします。
 今後の日米関係について、総理の見解をお伺いいたします。
 日中関係は、最も重要な二国間関係の一つです。他方、尖閣諸島等周辺海域を含む東シナ海情勢などの懸案について、我が国は冷静かつ毅然と対応すべきです。主張すべきことは主張し、懸案を一つ一つ解決し、中国側の前向きな対応を引き出す努力を続け、良好な関係構築に取り組むべきであります。
 韓国とは、元慰安婦等による韓国国内の訴訟で、先日、日本政府に賠償を求める判決が出るなど、非常に厳しい状況が続いており、関係改善のめどが立っておりません。しかし、東アジア地域の安定のためには、日韓の連携は不可欠であります。早期に日本にとって受入れ可能な解決策を示すよう、引き続き韓国側に強く求め、関係改善に取り組んでいただきたい。
 隣国ゆえに、乗り越えるべき課題はありますけれども、中韓両国は、経済や安全保障の観点からも、我が国にとって大変に重要な存在であります。今、目の前にある新型コロナ、気候変動などを協力して乗り越えるため、首脳会談や外相会談等のハイレベル対話を促進していくべきです。
 我が党も、政党間交流などを通じて、両国との関係発展のために尽力をしてまいります。
 また、北朝鮮については、昨年も弾道ミサイルの発射を繰り返し、非核化に向けた具体的な動きを見せておりません。菅内閣が最重要課題とする拉致問題も、解決の糸口が見えない状況が続いております。御家族が御高齢となる中、もはや一刻の猶予もありません。
 中韓両国とどのような関係を築いていくのか、また、一日も早い拉致被害者の帰国実現に向け、北朝鮮とどのように交渉を進めていくのか、総理の答弁を求めます。
 最後に一言申し上げます。
 コロナ禍で誰もが暮らしに不安を抱える時代には、つながりや支え合いがますます重要です。
 先行きの見えない不安な時代だからこそ、公明党の強みであるネットワーク力を存分に発揮し、これからも、国民に寄り添い、一人一人の声を的確に捉えた上で、解決策を見出し、山積する内外の諸課題解決へ向けて全力を挙げることをお誓いし、代表質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#5
○内閣総理大臣(菅義偉君) 緊急事態宣言に対する現状認識などについてお尋ねがありました。
 緊急事態宣言の発出から二週間を迎え、全国の感染状況は引き続き高い水準が続き、緊張感を持って対応する必要があるものと認識しております。
 こうした中、特に三十代以下の若年者への働きかけが重要であり、御提言いただいたSNSや動画なども活用した情報発信を強化してまいります。
 緊急事態宣言については、対策の効果を見極める期間として一か月としており、皆様の協力の下で、引き続き、効果的な対策を講じ、まずはステージ4を早急に脱却することができるように、都道府県とも密接に連携をしてまいります。
 国民の命を守るための体制確保についてお尋ねがありました。
 感染拡大が続く中で、医療や介護、福祉の現場の方々がそれぞれの現場においてしっかりと患者や施設入所者等に対応できるよう、体制を確保することが必要であります。
 現場の声も踏まえながら、効果的な体制を確保すべく、引き続き取り組んでまいります。
 ワクチン接種の体制についてお尋ねがありました。
 現在、できる限り二月下旬までには接種を開始できるよう、準備をしております。さらに、一日でも早く開始できるように、あらゆる努力を尽くしているところであります。
 市町村に必要な情報提供を行い体制整備を支援するとともに、接種状況などを管理するシステムを構築してまいります。
 河野大臣に、全体の調整とともに国民への分かりやすい情報発信を指示したところであり、引き続き、政府を挙げて全力で取り組んでまいります。
 がん対策の強化についてお尋ねがありました。
 引き続き、がん検診を定期的に受けていただくために、検診の際の感染防止対策の徹底や、早期に受診の機会を設けるよう自治体に要請をするとともに、状況の把握、分析などを行い、受診を奨励してまいります。
 また、終末期の緩和ケアについては、専門的な研究を進め、医療従事者向けの研修を実施するなど、普及と質の向上に努めてまいります。
 さらに、がん教育についても、研修や外部講師の活用などにより、正しい理解や知識の普及に取り組んでまいります。
 雇用や生活への支援についてお尋ねがありました。
 雇用調整助成金の特別措置の三月以降の取扱いについては、情勢を踏まえて適切に判断をし、今月末までにはお示しをしたい、このように考えております。
 また、生活に困窮されている方々に対しては、重層的なセーフティーネットにより支援を行ってまいります。
 自殺対策については、相談体制の拡充を始め、自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、総合的な対策を推進してまいります。
 雇用と暮らしを守ることは政治の責務であるとの覚悟を持って、御指摘の点も踏まえ、きめ細かな対応を行ってまいります。
 中小企業支援策についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、無利子無担保融資の限度額引上げなど、今回、支援を強化したところです。
 まずは、こうした措置を活用し、経営者が安心と希望を持って事業を継続できるよう、政府としては、相談体制の充実に努め、周知徹底を図ってまいります。
 エネルギー政策についてお尋ねがありました。
 本年のエネルギー基本計画の改定に当たっては、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて、再エネの最大限の導入など、あらゆる選択肢を追求し、検討を進めてまいります。そして、COP26までには、詳細についてしっかりと目標を設定し、それまでの道行きも表明をさせていただきたい、このように思っています。
 また、二兆円の基金や税制措置などにより、民間企業の前向きな挑戦を応援し、大胆な投資とイノベーションを促してまいります。
 デジタル化推進と地方の人材確保についてお尋ねがありました。
 役所に行かずともあらゆる手続ができる、地方にいながら都会と同じような仕事や生活ができる、こうした社会を目指して、官民のデジタル化を加速していきます。
 その際、誰でも使いやすいサービスを実現していくとともに、地方自治体については、財政面での支援に加え、研修や人事交流を通じて、人材の育成を支援してまいります。
 東日本大震災からの復興についてお尋ねがありました。
 発災から十年を迎え、復興は着実に進展をしている一方で、今後も、被災者の心のケア等の課題が残り、福島の復興再生には中長期的な対応が必要です。
 引き続き、創造的復興の中核拠点となる国際教育研究拠点の設立などに取り組み、福島の本格的な復興再生、そして東北復興の総仕上げに全力を尽くしてまいります。
 防災・減災、国土強靱化についてお尋ねがありました。
 年末に決定をした五か年加速化対策に基づいて、まずは、今年の出水期に向けて、川の掘削やダムの事前放流の拡大などを進めます。また、危険な区域での土地利用を規制するための法改正を行います。
 さらに、令和四年度以降についても、対策を着実に推進し、災害に屈しない国土づくりを進めてまいります。
 東京大会に向けた取組やスポーツ、文化芸術活動の支援についてお尋ねがありました。
 東京大会における感染症対策については、現在、国、東京都、組織委員会が参加する調整会議において、出入国管理を含め検討を進めており、大会に向けた準備をしっかりと進めております。
 スポーツ、文化芸術団体については、活動の再開や継続に向けた支援を引き続き行うとともに、第三次補正予算も活用し、イベントや感染症対策の強化、デジタル技術活用の環境整備についての支援を行ってまいります。
 全世代型社会保障改革についてお尋ねがありました。
 世界に冠たる我が国の社会保障制度を次の世代にしっかり引き継いでいくことが我々の世代の責任であります。
 給付は高齢者中心、負担は現役世代中心という構造を見直し、全ての人が安心できる社会保障への改革を進めてまいります。
 これまでにない発想で少子化対策に取り組むとともに、後期高齢者の窓口負担割合の見直しに必要な法律案を提出し、全世代型社会保障の構築を進めてまいります。
 教育費の負担軽減の取組についてお尋ねがありました。
 一昨年から幼児教育、保育の無償化がスタートし、昨年から高等教育の無償化とともに私立高校の実質無償化を実現してまいりました。
 高等教育の無償化については、現在も多子世帯への配慮を行っており、中間所得層については、進学の状況等を見極めつつ、検討をしてまいります。
 日米関係についてお尋ねがありました。
 日米同盟は、我が国外交、安全保障の基軸であり、インド太平洋地域、さらには国際社会の自由、平和、繁栄の基盤です。バイデン新大統領と緊密な連携を構築し、日米の結束を更に強固にします。
 また、自由で開かれたインド太平洋の実現や、新型コロナ、気候変動問題などの国際社会の共通課題で緊密に協力をしていく決意であります。
 中韓両国との関係及び北朝鮮との交渉についてお尋ねがありました。
 中国との安定した関係は、両国のみならず、地域及び国際社会のために重要であり、双方が大国としての責務を果たしていくことが国際社会から期待をされております。
 両国には様々な懸案が存在しますが、ハイレベルの機会も活用しつつ、主張すべきは主張し、具体的な行動を強く求めていきます。その上で、共通の諸課題の解決に向けて連携をしてまいります。
 韓国は重要な隣国です。現在、両国の関係は非常に厳しい状況にあります。健全な関係に戻すためにも、我が国の一貫した立場に基づき、韓国側に適切な対応を強く求めていきます。
 政権の最重要課題である拉致問題については、私自らが先頭に立ち、米国を含む関係国と緊密に連携しつつ、全力を尽くします。金正恩委員長と条件をつけずに直接向き合う決意に変わりはなく、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、国交正常化を目指します。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣赤羽一嘉君登壇〕

#6
○国務大臣(赤羽一嘉君) 石井啓一議員から、観光業や公共交通事業などへの支援の充実についてお尋ねがございました。
 石井議員御指摘のとおり、新型コロナ感染拡大の中、地域住民の日常生活や我が国の経済産業活動を支える公共交通事業者は、現場での感染リスクの不安を抱えながら、エッセンシャルサービスとしての使命と責任を果たしていただいておりますが、残念ながら利用客は激減しております。また、約九百万人の雇用と地域経済を支える観光関連産業は、移動抑制の中、大変厳しい経営状況となっております。
 しかしながら、我が国には、内外の観光客を引きつける、自然、食、歴史、文化芸術などがそろっており、政府として観光立国を目指す方針は変わりません。昨年十月に策定した観光需要回復プランに基づき、令和二年度第三次補正予算案において、全国百程度の観光地で、町中に残る廃屋を撤去するなど、魅力ある地域へのリニューアルや、国立公園などにおける自然の中での宿泊、城や古民家での滞在など、滞在型観光や文化観光、ワーケーションを推進することとしております。
 GoToトラベル事業は、観光事業者並びに旅行者の双方に徹底した感染対策を講じた上で、七月二十二日より開始し、十二月十五日までで八千万人泊を超える利用がございました。
 私どもは、本事業を新たな旅のスタイルの普及、定着を目指しての支援事業と位置づけ、状況を分析しながら展開をしております。これまでの利用状況を見ると、地元又は近隣地域からの少人数単位での利用が大変多く、地元の魅力を再発見する、いわゆるマイクロツーリズムの増加傾向が見られます。
 現在は、感染の拡大状況と医療の逼迫状況を踏まえ、苦渋の決断の末、本事業は全国で一時停止の措置を取っておりますが、私は、これまでに全国三十五か所の観光地を訪問し、首長、観光協会、宿泊、旅行事業者、DMO、交通事業者などから直接お話を伺ってまいりました。
 皆様からは、GoToトラベル事業がなければ廃業が相次いでいた、地域共通クーポンにより幅広い業種で売上げは目に見えて増えている、GoToトラベル事業を一刻も早く再開し、平日の需要を喚起しながら、少しでも息長い実施を、その際には、十分に裨益していない中小・小規模事業者や公共交通機関への支援をといった切実な声を頂戴しているところです。
 国土交通省として、当面、一日も早い感染の収束こそが最大の支援として、全力で感染防止策を講じてまいります。そして、その上で、政府の分科会の専門家の御指導をいただきながら、改めて感染対策を徹底するなど必要な見直しを行い、GoToトラベル事業の再開を目指していきたいと考えております。
 また、公共交通事業者に対しましては、令和二年度第三次補正予算案並びに令和三年度当初予算案等に、地域の鉄道、バス、タクシー、フェリー、航空などの各分野への様々な支援措置をしっかりと盛り込ませていただいているところでございます。
 国土交通省として、引き続き、国民生活、経済活動に欠くことのできないこれら重要産業がコロナ禍による危機を乗り越えられるよう、全力で取り組んでまいります。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――

#7
○議長(大島理森君) 志位和夫君。
    〔志位和夫君登壇〕

#8
○志位和夫君 私は、日本共産党を代表して、菅総理に質問します。(拍手)
 冒頭、新型コロナ感染症によって亡くなられた方々に衷心よりお悔やみを申し上げるとともに、闘病中の方々に心からのお見舞いを申し上げます。困難な状況下で奮闘されている医療・介護従事者の方々に深い感謝を表明するものです。
 全国各地で新型コロナの爆発的感染が起こり、医療崩壊が始まっています。まず総理に伺いたいのは、こうした事態を招いた責任をどう自覚しているかということです。
 総理は、これまで、検査を増やして感染を抑えるという感染症対策の鉄則を実行することを怠ってきました。反対に、GoTo事業に最後までしがみつき、全国にウイルスを広げてしまいました。その責任は極めて重いと考えますが、いかがですか。答弁を求めます。
 総理は、緊急事態宣言の発令に際して、飲食店への時間短縮要請など四つの対策を呼びかけましたが、そのどれもが国民に対して努力を求めるものとなっています。その一つ一つは必要なものだと考えますが、それでは、政府として感染抑止のためにどのような積極的方策を取るのか、それが全く見えません。私は、ここに政府の対応の深刻な問題点があると考えます。
 今、政府は何をなすべきか。私は、三つの緊急提案を行うものです。
 第一は、PCR等検査を抜本的に拡充し、無症状者を含めた感染者を把握、保護することによって、新規感染者を減らすことです。
 新型コロナの厄介な特徴は、無症状感染者が知らず知らずのうちに感染を広げてしまうことにあります。ところが、政府は、検査によって無症状感染者を把握、保護するという積極的検査戦略を一貫して持ってきませんでした。
 本庶佑氏、山中伸弥氏らノーベル医学・生理学賞を受賞した四氏は、一月八日、声明を発表し、PCR検査能力の大幅な拡充と無症候感染者の隔離を強化することを提言しています。本庶氏は、現在の最大の問題は無症候感染者だと強調し、日本の検査数が国際的に見ていまだに少ない、感染者の早期発見と隔離は医学の教科書に書いてある、なぜ厚労省が教科書に書いてあることをしないのか理解に苦しむと述べました。さらに、一日二千検体を処理できる完全自動のPCR検査機器を搭載したコンテナトレーラーが開発されていることも紹介し、なぜやらないのかと厳しく指摘しました。
 総理、この指摘をどう受け止めますか。政府として、無症状感染者を把握、保護する積極的検査戦略を持ち、実行すべきではありませんか。答弁を求めます。
 一月十四日、広島県は、広島市の特に感染者が多い地域、中区、東区、南区、西区の全ての住民と就業者約八十万人を対象に、希望者に無料でPCR検査を実施する計画を発表しました。湯崎英彦県知事は、集中的にPCR検査を実施することで感染者を早期に発見して感染拡大を未然に防ぐと述べています。
 総理、こうした自治体の取組を政府は全面的に支援すべきではありませんか。政府として、感染者が集中している地域に対して、住民と就業者全員を対象にした大規模検査を実施して、感染抑止を図る戦略を持つべきではありませんか。答弁を求めます。
 医療機関と高齢者施設等の職員や入院、入所者に対する一斉、定期的なPCR検査、社会的検査は、これらの施設で集団感染が多発し、多くの人々の命を奪っている下で急務となっています。
 東京・世田谷区を始め、全国各地の自治体で社会的検査が始まっています。政府も、社会的検査の重要性を否定できなくなり、事務連絡などで自治体に実施を促しています。しかし、費用の半分は自治体持ち、後から交付するという問題点の是正に背を向け続けており、自治体が検査拡大にちゅうちょする大きな要因となっています。
 私は、総理に訴えたい。この期に及んで予算を出し惜しんでどうするか。自治体がちゅうちょなく社会的検査に取り組めるように、初めから全額国費で社会的検査を行う仕組みをつくり、医療機関と高齢者施設を守るべきではありませんか。答弁を求めます。
 陽性者を保護する取組が深刻な遅れを来しています。
 現在、陽性者のうち、病院にも宿泊療養施設にも入れず、自宅で不安の下に置かれている人が、直近の政府発表でも、全体の六四%、四万一千人に上っています。自宅で容体が急変し、亡くなる方が後を絶たないのは、政治の重大な責任であります。
 自宅療養による家庭内感染を止めるためにも、政府として、宿泊療養施設を大規模に借り上げ、潜在的な看護師の募集も含め、スタッフを確保し、容体管理に万全を期し、陽性者を保護する取組に全力を挙げることを強く求めるものです。答弁を求めます。
 第二は、医療機関と医療従事者、保健所への支援を抜本的に拡充することです。
 全国各地で医療体制が逼迫、崩壊し、医療従事者の疲弊は極限に達しています。
 ところが、政府は、医療機関に対する減収補填を一貫して拒否してきました。その結果、現場はどうなっているか。日本医労連の調査では、医療機関の四〇%余りで冬のボーナスが引き下げられています。日本看護協会は、看護師や准看護師の離職のあった病院が一五・四%に上るという調査結果を発表しました。使命感だけで働き続けることはできない、総理は医療現場の痛切なこの声にどう応えますか。
 総理は、医療機関を支援すると言いますが、その中身は、コロナ患者に対応する医療機関の一部の病棟などに対象を絞った、スポットの支援でしかありません。コロナに対応する医療体制を確保しながら通常医療の体制を維持するためには、地域の医療体制全体への支援が必要です。
 総理、全ての医療機関に対して、直ちに減収補填を始め十分な財政支援を行うべきではありませんか。あわせて、野党が共同して求めているように、医療、介護の現場で働く人たちに新たな慰労金を支給すべきではありませんか。答弁を求めます。
 感染急拡大の下、保健所がパンク状態となり、濃厚接触者の追跡、入院先や宿泊療養先の調整に十分対応できないという事態に陥っています。東京都墨田区の保健所のように、濃厚接触者の追跡体制を八倍に増やして感染抑止に懸命の努力を続けている保健所もありますが、この問題は自治体任せでは解決しません。
 総理、政府として、保健所の臨時的な人員強化に全力を挙げるとともに、抜本的な定員増に踏み切るべきではありませんか。答弁を求めます。
 政府が、この期に及んで、地域医療構想に基づいて、全国四百を超える公立・公的病院の統廃合計画をやめようとしないのは、極めて重大です。
 総理、今、コロナ患者の多くを受け入れ、対策の中軸を担っているのは公立・公的病院ではありませんか。統廃合計画を撤回し、地域の公的医療体制を維持拡充する政策に転換するべきではありませんか。しかとお答えください。
 第三は、自粛要請と一体に十分な補償を行い、コロナから雇用と営業を守る大規模な支援策を実行することであります。
 緊急事態宣言に際しての政府の支援は、営業時間の短縮を要請する飲食店への一日最大六万円の協力金、飲食店の取引先への四十万円の一時金だけとなっています。
 一日最大六万円という一律の協力金、一回きりの四十万円では、多くの事業者は到底立ち行きません。ヨーロッパで行われているように、事業規模に応じて、事業が続けられる補償が必要ではありませんか。納入業者、生産者など、直接間接に影響を受ける全ての事業者を対象に、十分な補償を行うべきではありませんか。
 感染抑止を実効あるものにする上でも、十分な補償をセットで行うことが何よりも大切だと考えますが、総理の認識を問うものであります。
 政府が提出した第三次補正予算案は、コロナ収束を前提としたものであり、感染急拡大という新たな局面に全く対応していません。
 総理、緊急事態宣言で自粛を呼びかけながら、中小業者の命綱とされてきた持続化給付金、家賃支援給付金を一回限りで打ち切るというのは、一体どういうことですか。打切りを撤回し、第二弾を支給すべきではありませんか。
 感染を拡大したGoTo事業に一兆円を超える予算をつけているのは、失敗から何も学ばないものではありませんか。GoTo事業はきっぱり中止し、宿泊、観光産業に対する直接支援の制度に切り替えるべきではありませんか。
 仕事や収入を失った生活困窮者に、まず現金を渡し、所得が少ないことを届け出れば給付に切り替える、新たな制度をつくることを提案します。
 以上の諸点について答弁を求めます。
 我が党は、他の野党の方々と協力して、第三次補正予算案の抜本的組替えを提起して、闘うものであります。
 菅政権は、七十五歳以上の三百七十万人を対象に、医療費の窓口負担を一割から二割に引き上げる方針を決めました。
 現行の一割でも、窓口負担を苦にした受診控えで手遅れになる方が後を絶ちません。そこに、コロナによる受診控えも重なり、高齢者の命と健康を脅かす深刻な事態が進んでいます。
 総理、こうしたときに受診控えに追い打ちをかけるような負担増を押しつけるのは、まさに血も涙もない、冷酷な政治と言うほかないではありませんか。負担増はきっぱり撤回すべきです。現役世代の負担軽減を言うなら、後期高齢者医療制度を導入した際に政府が減らした国庫負担を元に戻すべきではありませんか。答弁を求めます。
 新型コロナ危機の下、世界の五十を超える国と地域が消費税減税に踏み切っています。消費税減税は、コロナで生活に困窮している人、営業に苦しむ中小・小規模事業者にとって、最も効果的な支援策となります。
 日本共産党は、消費税五%への減税に踏み切ることを強く求めます。コロナ危機の下、大幅に資産を殖やしている富裕層と大企業に応分の負担を求め、消費税を減税することは、税の公正にとっても当然の方向ではないでしょうか。総理の答弁を求めます。
 政府・与党は、新型コロナ対応の特別措置法や感染症法の改定で、時短要請に応じない飲食店、入院勧告に従わない患者、患者受入れ勧告に従わない病院などに対して罰則と制裁を導入しようとしていますが、日本共産党は、こうした動きに断固反対であります。
 感染症対策は、何よりも、国民の納得と合意、十分な補償、そして社会的連帯によって進められるべきではないでしょうか。患者の人権を尊重することは、強制収容という著しい人権侵害が行われたハンセン病などの痛苦の教訓を踏まえて、感染症法に基本理念として明記されていることです。国内百三十六の医学系学会が結集した日本医学会連合がこの点を指摘し罰則導入に反対していることに、耳を傾けるべきではありませんか。
 総理、罰則を振りかざして強制することは、相互監視、差別と偏見、社会の分断を招き、感染症対策に逆行すると考えますが、いかがですか。総理の見解を問うものです。
 総理は、施政方針演説で、今年の夏の東京オリンピック・パラリンピックを人類が新型コロナウイルスに打ちかったあかしとして開催すると述べました。
 しかし、コロナ危機の拡大の下、世論調査でも、中止、再延期を求める声は既に八割を超えています。総理は、一体何を根拠に夏の東京五輪の開催が可能だというんですか。説明いただきたい。
 我が党は、夏の東京五輪の開催は、幾つもの重大な問題点があると考えます。
 第一に、一部の国でワクチン接種が始まったものの、集団免疫については、WHOの主任科学者は、二〇二一年中に達成することはあり得ない、幾つかの国ではできるかもしれないが、世界全体の人が守られる水準になることはないと述べています。ワクチンを頼りに開催を展望することはできないのではありませんか。
 第二に、アスリートが最も強く願っているフェアな大会という点でも、各国の感染状況の違いによってアスリートの置かれている練習などの環境に大きな格差があり、ワクチンの接種でも先進国と途上国の間で格差が生じています。アスリートファーストという立場からも、開催できる条件がないのではありませんか。
 第三に、五輪開催期間中に必要とされる医療従事者は、熱中症対策だけでも五千人とされています。これにPCR検査などコロナ対策を加えたら、それをはるかに上回る医療従事者が必要となるでしょう。半年後に多数の医療従事者を医療現場から引き離して五輪に振り向けることは、とても現実的ではないのではありませんか。
 総理は、これらの問題点をどう考えますか。
 日本共産党は、これらの問題点を考慮するならば、今年夏の五輪開催は中止し、日本と世界のあらゆる力をコロナ収束に集中するべきだと考えるものであります。
 総理に求めたい。開催国の政府として、五輪開催ありきでなく、ここで立ち止まって、ゼロベースから開催の是非を再検討し、東京都、組織委員会、IOCなどとの協議を開始すべきではありませんか。答弁を求めます。
 最後に、コロナ対策を進める上で何よりも大切なのは、政治リーダーに対する信頼であります。
 総理、桜を見る会問題で一年間もこの国会にうそをつき続けてきた、吉川元農水大臣らの深刻な贈収賄事件に一言の説明もない、日本学術会議への任命拒否について理由を一切説明しない、こういう政治リーダーが国民の信頼を得られるとお考えですか。
 政治の信頼を回復する上でも、安倍前首相、吉川元農水大臣の証人喚問を始め、真相究明に責任を持つべきです。違憲、違法の任命拒否は撤回すべきであります。
 総理の答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#9
○内閣総理大臣(菅義偉君) 感染拡大の責任についてお尋ねがありました。
 政府は、これまでも、日々の状況を把握し、専門家の意見も聞きながら、対策が与える国民生活やなりわいへの影響も踏まえ、適切な判断を行い、対策を講じてまいりました。
 必要な検査を受けられるよう、一貫して検査体制の拡充も進めてきました。
 今後とも、対策を徹底し、一日も早く感染を収束させ、皆さんが安心して暮らせる日常、そしてにぎわいのある町をつくり戻せるよう、総理大臣としての責任を果たしてまいります。
 無症状感染者の把握についてお尋ねがありました。
 感染者を早期に把握し、入院やホテルでの療養等の対応を行い、感染拡大を防ぐことが基本です。
 このため、これまでも、地方自治体とも連携し、必要な検査を受けられるように検査体制の拡充を図るとともに、感染拡大地域では、症状がない方も含めた大規模、集中的な検査を実質的に国の費用負担で実施できるようにしてきたところであります。
 無症状又は軽症の三十代以下の若年者が知らず知らずのうちに感染を広げていると指摘されていることから、こうした方々への働きかけを強化してまいります。
 広島県における検査の取組への支援についてお尋ねがありました。
 現在、広島県において具体的な内容を検討していると聞いており、その状況を注視するとともに、必要な助言を行ってまいります。
 引き続き、地方自治体とも連携し、検査体制の整備を図るとともに、感染拡大地域における大規模、集中的な検査を支援してまいります。
 社会的検査の費用負担についてお尋ねがありました。
 従来から、地域で必要となる検査については、地方創生臨時交付金も活用しつつ、実質的に全額国の負担で検査を実施できるようにしており、引き続き、自治体がちゅうちょなく必要な検査に取り組めるよう、徹底してまいります。
 宿泊療養施設の確保についてお尋ねがありました。
 感染者を早期に把握し、ホテルでの療養等を行うため、都道府県において必要な施設の確保を進めていただいており、その際、国としても強力な財政支援を行っています。
 また、看護師を始めとした人材の確保も重要であり、日本看護協会と連携して、潜在看護師の復職を呼びかけ、千名以上の宿泊療養施設への復職を実現しております。
 引き続き、各自治体がその実情に応じて施設の確保を進められるよう、必要な支援を進めてまいります。
 全ての医療機関及び医療従事者に対する支援についてお尋ねがありました。
 政府としては、これまでも全ての医療機関を対象に三・二兆円の支援を行うとともに、今回の補正予算で一・四兆円の追加支援を計上するなど、現場のニーズを酌み取りながら支援を行っております。特に、新型コロナ対応の医療機関に対しては一床当たり最大千九百五十万円の支援を行っており、これを活用して医療従事者への処遇改善に充てていただけるものと考えております。
 また、介護施設等に対しては、コロナ対応に必要な経費について、今回の第三次補正予算を含め約五千億円を措置しており、引き続き、必要な支援を実施してまいります。
 保健所の人員強化についてお尋ねがありました。
 まずは自治体において万全の支援を行っていただくとともに、関係団体等の協力を得て、専門人材の応援派遣を行う体制を整えております。
 国においても、応援派遣を千二百名から三千名に増員します。
 さらに、保健所で感染症対応業務に従事する保健師を今後二年間で約九百名増員し、現在の一・五倍とする地方財政措置を講ずることとしており、引き続き、体制の強化に努めてまいります。
 地域医療構想についてお尋ねがありました。
 地域医療構想は、地域の医療ニーズに合わせ、効率的で質の高い地域医療提供体制の確保を目指して取り組むものであります。
 その上で、公立・公的医療機関等については、新型コロナ患者を積極的に受け入れるなど、今回の感染症対策において重要な役割を果たしていただいていると承知しています。
 今後の医療提供体制の在り方の検討に当たっては、今般の感染拡大への対応も踏まえ、地域の事情もよく踏まえつつ、感染症対策も含めて、必要とされる医療提供体制の議論を地方自治体などと連携して進めてまいります。
 休業要請と補償についてお尋ねがありました。
 事業者の規模にかかわらず、事業を継続して雇用を維持していただけるよう、雇用調整助成金の特例や公庫等によるきめ細かな資金繰り支援を行っているところです。
 こうした支援に加え、飲食店への協力金や納入業者などへの一時金の支給を併せて行うことで、対策をより実効的なものとし、感染拡大を食い止めてまいります。
 給付金、GoTo事業及び生活困窮者支援についてお尋ねがありました。
 給付金については、申請期限を延長したところであり、今回の緊急事態宣言を踏まえ、無利子無担保融資の限度額を引き上げ、及び一時金の支給を行います。
 GoTo事業については、地域経済の下支えをするものであり、先月の経済対策において延長が決定をされ、そのために必要な経費を補正予算に盛り込んでおります。事業の再開については、今後の感染状況を見て判断いたします。
 生活に困窮されている方々に対しては、緊急小口資金などの特例貸付けや住居確保給付金の支給など、重層的なセーフティーネットにより支援を行ってまいります。
 後期高齢者の窓口負担についてお尋ねがありました。
 現役世代の負担上昇を抑えつつ、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築することは、待ったなしの課題です。そのため、少しでも多くの方に、支える側として活躍していただき、能力に応じた負担をしていただくことが必要であり、今回、七十五歳以上の高齢者のうち一定の収入以上の方々について、その窓口負担割合を二割とするものであります。
 必要な受診が抑制をされないように経過措置を設けることとし、国庫負担の割合も維持をします。
 消費税の減税についてお尋ねがありました。
 消費税については、社会保障のための必要な財源と考えております。
 他方、中小・小規模事業者に対しては、事業を継続いただくための資金繰り支援など、効果的な対策を講じているところです。
 なお、富裕層や大企業への課税については、これまで所得税や相続税の最高税率の引上げなどを行っており、今後の税制の在り方については、経済社会の変化を踏まえ、検討してまいります。
 特措法改正案の罰則についてお尋ねがありました。
 特措法については、個人の自由と権利に配慮し、必要最小限の私権の制限とした上で、まさに権限強化、すなわち、罰則と経済支援をセットとして見直しを行うものであります。これにより、感染防止の観点から、より実効的な措置を講じることが可能となるものと考えています。
 感染症法についても、患者本人の権利の制限と感染症対策上の必要性に留意しつつ、感染症対策の実効性をより高める観点から、罰則を設けることも検討していくことが必要と考えます。
 今後、与野党の御意見も伺いながら、速やかに国会に法案を提出してまいります。
 コロナ危機と東京五輪の開催についてお尋ねがありました。
 まずは、新型コロナウイルスの克服に全力を尽くします。東京大会については、安全、安心な大会を実現するため、IOCや各競技団体とも相談しながら、感染対策の具体的内容を検討してまいります。
 バッハ会長とも、東京五輪を必ず実現し、今後とも緊密に協力していくことで一致しており、引き続き、東京都、大会組織委員会、IOCなどと緊密に連携して、準備をしっかりと進めてまいります。
 ワクチン、アスリートの問題、医療体制についてお尋ねがありました。
 アスリートも含めて感染症対策をしっかり行うことにより、ワクチンを前提としなくても安全、安心な大会を開催できるよう準備を進めています。
 また、必要な医療体制については、地域医療に支障を生じないよう、東京都、組織委員会などと連携しつつ準備を進めてまいります。
 東京五輪の開催の再検討についてお尋ねがありました。
 先ほども申し上げましたとおり、新型コロナウイルスの克服に全力を尽くし、引き続き、万全な感染対策を検討し、準備をしっかりと進めていきます。
 政治の信頼回復についてお尋ねがありました。
 桜を見る会前夜の夕食会に関する私の答弁の中に事実と異なるものがありました。国民の皆さんに対して大変申し訳ない思いであり、施政方針演説において改めておわびを申し上げさせていただきました。
 政治資金については法令にのっとって取り扱わなければならず、政治家は、常に自ら襟を正し、説明責任を果たすべきものと考えています。その上で、証人喚問については国会がお決めになることであると考えます。
 日本学術会議の会員の任命については、法律に沿って、求められる役割等も踏まえて、任命権者として適切に判断を行ったものであります。(拍手)
    〔議長退席、副議長着席〕
    ―――――――――――――

#10
○副議長(赤松広隆君) 馬場伸幸君。
    〔馬場伸幸君登壇〕

#11
○馬場伸幸君 日本維新の会の馬場伸幸です。(拍手)
 まず初めに、新型コロナウイルスによりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、現在、入院及び自宅でやむなく治療、療養されている方々に心よりお見舞いを申し上げます。そして、日夜最前線で尽力くださっている医療従事者の皆様方に心から敬意と感謝を申し上げます。
 私は、ちょうど一年前の通常国会冒頭の代表質問において、新型コロナウイルスの問題を最初に取り上げ、中国の春節を前に国民が大きな不安を抱いていると指摘し、水際対策など万全の防疫体制をしくよう、政府に強く要望しました。
 そして、日本維新の会として、昨年二月三日の第一弾から本年一月四日の第七弾まで、先手を取る七度の政策提言を通じて、繰り返し水際対策の強化と新型インフルエンザ特措法の改正を求めてきました。しかし、政府が重い腰を上げたのは、昨年十二月の下旬に入ってからでした。
 私たちが再三申し上げてきたように、夏の間に法改正をしていれば、感染症対策のための新しい枠組みの下で冬の感染拡大に対応することができたと考えますが、総理の見解をお伺いいたします。
 感染症対策の肝は、医療提供体制の有事シフトです。いわゆるハンマー・アンド・ダンス戦略を取る際、その体制に厚みがあればあるほど、国民の命と暮らしを守ることができます。
 こうした観点から、私たちは、今こそ特措法第三十一条を適用し、知事が医療機関にコロナ病床の拡充を法律に基づいて要請、指示するとともに、コロナ対応に伴う医療機関の減収等を補償することが重要と考えますが、政府は、現在の状況は特措法三十一条の適用対象に該当しないとし、ガイドラインを通じて知事の手足を縛っているのが実態です。
 総理にお尋ねします。
 なぜ特措法三十一条を適用しないのですか。ガイドラインを見直せば今日からでも適用できるにもかかわらず、なぜわざわざ時間をかけて感染症法を改正するのですか。特措法六十二条、六十三条の補償規定を使いたくないからというのが理由であれば、恣意的過ぎるし、法治国家とは言えません。明快な答弁をお願いいたします。
 一方、現場で懸命に対処している知事たちは、法改正を待っているわけにはいきません。国民の命と健康を守るために、できることは何でもやる、そんな思いで、大阪府の吉村洋文知事は、一昨日、特措法二十四条一項に基づく医療関係団体への協力要請を正式に行いました。
 問題となるのは、医療機関に直接、要請や指示を行う規定が特措法にも感染症法にもないことです。それらの法律に規定されている医療関係者には医療機関の管理者も含まれるとのことですので、そう解釈すれば医療機関のマネジメントもぎりぎり可能かもしれませんが、その旨を関係者に周知する必要があります。改めて明確に答弁いただくとともに、現場への周知徹底をお願いいたします。
 今回の政府案を見ると、感染症法の十六条の二に勧告、公表規定を新たに盛り込むこととなっています。私たちはこうした公表規定の濫用はネット時代にはふさわしくないと考えていますが、そもそも、勧告の対象は医療機関の管理者であるのに、公表するのは医療機関の名称というのでは、法律のたてつけがちぐはぐになってしまいますが、こんな条文が法制的に認められるのでしょうか。
 内閣法制局長官に伺います。
 SNSが広く普及したネット時代においては、公表規定の意味も変わらざるを得ないのではないですか。そうした時代の変化を踏まえた上で、今般の特措法及び感染症法の政府案に多用されている公表規定の法制的な意味、役割について説明ください。そして、勧告と公表の対象が一致しないような条文が、本当に法制的に認められるのですか。それなら正面から勧告の対象に医療機関を追加すべきではないでしょうか。法制的な観点からの見解を求めます。
 もう一つ、深刻なのは、時短や休業を要請する飲食店等に対する補償の問題です。
 日本維新の会は、立憲民主党や共産党が便乗してくる前の昨年三月から補償の必要性を訴え、特措法改正案の附帯決議に補償的な措置に関する検討規定を設けることで与党と合意していましたが、野党の反対で取り下げざるを得なかった経緯があります。
 また、自民党の中にも、当該要請は憲法が定める公共の福祉の範囲内の制約であって受忍限度の範囲内であるとの観点から、補償に否定的な意見もあると報道されています。
 総理に伺います。
 休業等の要請に応じる飲食店等に対する措置が支援にとどまり補償ではない理由は、いわゆる受忍論を採用しているからでしょうか。明確に御答弁ください。
 私たち日本維新の会は、受忍論を取りません。戦後七十年余り、自民党は、戦争の被害や犠牲についても、国民は甘んじて耐え忍ぶべきものだという立場を取ってきました。しかし、世界の先進国では、戦争被害は補償の対象とするのがスタンダードとなっており、戦争被害補償法制を持たないのは日本ぐらいです。感染症の蔓延という有事にあっても補償だけはしたくないという政府のかたくなな姿勢には、戦後日本政治の宿痾を感じざるを得ません。
 総理、私たちは、この補償をめぐる問題が、自民党の存立を脅かすくらい深刻なテーマであることをよく理解しています。だからこそ、昨年の早い段階から検討を求めてきたわけです。感染症の蔓延という有事を機に、補償の在り方について政府内に検討の場を設けるべきではないですか。総理の真摯な答弁を求めます。
 コロナ禍を通じて、日本の行政のデジタル化の遅れを痛感させられました。国際競争力を高め、経済成長につなげるためにも、社会全体のデジタル変革を推し進めることは不可欠です。
 そうした観点から私たちは、マイナンバーこそ日本社会をアップデートするセンターピンになり得ると考え、早くから党を挙げて国会で取り上げてきました。
 過去の国会審議で野党がマイナンバーを取り上げた回数を調べたところ、昨年春の時点で、我が党の片山虎之助共同代表が十二回、足立康史衆議院議員に至っては三十七回。翻って、立憲民主党の枝野幸男代表と国民民主党の玉木雄一郎代表はいずれも一回、共産党の志位委員長に至ってはゼロ回。逆さにつるされても、透明で公正公平なマイナンバーだけは認めたくないという強い意志を感じます。
 日本維新の会は、マイナンバーと全ての預貯金口座とのひもつけを義務化し、社会保障の抜本改革の基盤とすべきと考えています。徴税や給付を含むあらゆる行政施策にマイナンバーをフル活用し、数兆円にも及ぶとの指摘もある税や社会保険料の徴収漏れを防止し、お預かりできるところからしっかりお預かりする、そして、手を差し伸べるべき方々に手を差し伸べ、しっかりと支えていく。そんな透明で公正公平な社会を目指していきます。
 残念なのは、デジタル庁やマイナンバーカードといった手段にばかり焦点が当たり、一番大事な行政内でのマイナンバー連携に十分な目くばせがなされていないことです。
 例えば、平井卓也デジタル担当大臣は、就任早々に、マイナンバーと預貯金口座のひもつけ義務化を断念するような発言をされています。
 総理、マイナンバーと預貯金口座のひもつけを義務化しないということは、マイナンバーを社会保障改革に使わないということを意味します。それでは何のためのマイナンバーか分からなくなります。平井担当大臣に対し、再検討するよう御指示いただきたいと存じますが、総理の見解をお示しください。
 コロナ対策に戻りますが、河野太郎行革担当大臣が新たにワクチン担当大臣に指名されました。河野大臣自らが、ロジを担当するとおっしゃっています。
 ロジといえば、本来、官僚機構の得意分野です。そうした中で、私たちが河野ワクチン担当大臣に最も期待するのは、ワクチン接種の管理にマイナンバーを活用するという政治判断を速やかに行うことです。接種は大規模な上、ワクチンは三種類。二回の接種を行う間に転勤や引っ越しなどを挟むことになる国民も少なくありません。
 総理に伺います。
 総理は、午前中の参議院本会議で、ワクチン接種の管理にマイナンバーを活用することを含め検討すると述べられましたが、私たちは、マイナンバーの活用なくしてワクチン接種の成功はない、河野大臣を担当大臣に指名されたのはそのためであると確信しています。改めて総理のお考えをお聞かせください。
 昨年末に政府が決定した今年度の第三次補正予算案については、緊急事態宣言の再発令を想定したものではなく、GoToトラベル事業の延長や国土強靱化の推進など不要不急の事業が多数計上されています。
 総理に伺います。
 我が党は、独自の組替え動議を提出する準備を進めていますが、国会審議を経て、補正予算案の組替えに応じる考えはありませんか。あるいは、予備費を積極的に活用する準備はありませんか。お答えください。
 一昨年十月の消費税率引上げで後退した景気は、コロナの追い打ちで更に落ち込みました。景気浮揚の即効薬は、GDPの過半を占める個人消費の需要を喚起することです。
 そこで、私たちは、当面二年間を目安として、消費税率の五%への引下げを断行すべきと訴えてきました。消費減税は、貯蓄に回る余地が残る現金給付より消費拡大の効果も大きく、国民の暮らしを公平に支える経済対策だと考えます。
 総理にお尋ねします。
 コロナ禍から国の経済と国民の生活を守るため、時限的に消費税率の引下げを検討する選択肢はありませんか。検討さえもしないのであれば、その理由をお示しください。
 コロナ禍は、国権の最高機関であるはずの国会が、戦後、国家の最も大事な権能の一つである有事対応の本質から目をそらしてきた怠慢ぶりを浮き彫りにしました。
 憲法九条、緊急事態条項を取り上げるまでもなく、国民投票の利便性を向上させるための国民投票法改正案でさえ、八国会にわたって継続審議となってきました。当たり前の宿題を片づけられず、肝腎の憲法議論には一ミリも踏み込めないまま、時間と税金だけが浪費されてきました。
 日本維新の会は、一刻も早くこの事態を打開するよう、与野党双方に訴えてきました。御託を並べて憲法審査会での審議を妨害し続ける一部野党と、結果的にそれに加担している与党の姿は、国民の負託を裏切る責任放棄にほかなりません。
 自民党総裁たる総理に答弁を求めます。
 今国会で国民投票法改正案を成立させること並びに憲法審査会での改正項目の議論を深めていくことに、指導力を発揮すると約束できますか。緊急事態条項の創設について、自民党も党派を超えて積極的に議論をリードしていく覚悟はありますか。また、党総裁として憲法改正にちゅうちょせず取り組む決意をお示しください。
 日本維新の会は、宿弊がはびこる立法府の改革断行も訴えてきました。最たる事案が特別委員会の問題です。
 現行の九つの特別委員会を見ると、開催実績がほとんどない委員会もあれば、審議内容が他の委員会と重複する委員会もあり、健全に機能していません。特別委員会の構成は、時代のニーズに応じて国会ごとに見直すのが筋です。私の地元、堺市議会を始め、多くの地方議会では当たり前のように行われています。
 我が党は長らく議運や国対の場でスクラップ・アンド・ビルドを主張してきましたが、一向に改善されません。昨年の通常国会と臨時国会の二国会にわたり、今最も必要なコロナ対策の特別委員会の設置を求めてきましたが、不要不急の委員会は残したまま、コロナ対策の特別委員会設置が見送られました。何のための特別委員会の制度なのでしょうか。
 多くの国民が家計のやりくりに苦労されているとき、特別委員長には委員会の開催状況にかかわらず一日六千円の手当が支払われ、委員長は、寝ていても月に約十八万円を手にする上、専用の公用車や部屋、職員も用意されています。
 これを無駄と言わずして何と言うのでしょうか。特別委員長ポストは、与野党がなれ合い、甘い汁を吸うための利権と化していると断じざるを得ません。拉致や震災等に関する特別委員会は必要ですが、我が党は、十八日の本会議で、このゆゆしき事態をリセットするために、全特別委員会の設置に反対しました。
 総理に伺います。
 特別委員会の現状や委員長の待遇をどう受け止めますか。国会改革も、与党が背を向けていては進みません。総理は、あしき前例、慣例を打破するとおっしゃっておられますが、行政府のみならず、立法府の改革にも指導力を発揮すべきです。自民党総裁として答弁をお願いします。
 総理は、一月四日の年頭記者会見で、十月に任期満了を迎える衆議院の解散・総選挙の時期について、当面は新型コロナウイルスの感染対策を最優先に取り組む、時間の制約も前提に、よくよく考えて判断したいと述べられました。
 総理に伺います。
 全国においてコロナの感染状況がどこまで落ち着けば、衆議院解散の条件が整うとお考えですか。緊急事態宣言が発令されていたり、それに準ずる感染地域がある場合に、解散できないといったお考えはあるのでしょうか。私たちは、いつであっても正面から受けて立ちますが、現下の有事にあっては国民から見た予見可能性も大事になりますので、お考えをお示しください。
 迎えたうし年は、我慢や、発展への萌芽の年と言われています。コロナ禍で、なおも耐え忍ぶ一年になるかもしれませんが、我慢だけで終わらせるわけにはいきません。日本を新たな発展へとつなげる年、光り輝く日本を取り戻す年にするための起点にしようではありませんか。
 我が党は、引き続き先頭に立ち、明日の日本のための改革の実現に身を捨てて努力していくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#12
○内閣総理大臣(菅義偉君) 特措法の改正についてお尋ねがありました。
 特措法の改正については、私権の制約にも関わることから、規制強化すべきという意見と私権制限に慎重な意見があり、これまでも、分科会や政府・与野党連絡協議会で慎重な議論が続けられてきたと承知をしております。
 政府としては、こうした意見も踏まえつつ、速やかに法案を国会に提出してまいります。
 特措法三十一条の適用についてお尋ねがありました。
 この規定により、都道府県知事は医療関係者に対する要請や指示が可能ですが、病原性が非常に高い場合など、極めて緊急性の高い状況が想定をされております。
 現時点では、まずは、感染症法第十六条の二など、その他の規定を活用しつつ、協力要請を行っていただきたいと考えております。
 いずれにしても、感染症法等の見直しについては、政府・与野党連絡協議会における議論も踏まえ、速やかに法案を国会に提出してまいります。
 特措法及び感染症法の解釈についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、特措法第三十一条及び感染症法第十六条の二の医療関係者には、医療機関の管理者も含まれます。
 この点については、引き続き、都道府県等に対し、適時適切に周知を行ってまいります。
 飲食店への補償についてお尋ねがありました。
 休業などの要請に伴う影響は、事業者によって千差万別であります。事業者ごとの損失を算定し、それに基づき補償することは、難しい課題であると認識しています。
 飲食店を始め大きな影響のある事業者に対し迅速な支援を行うため、協力金や一時金による支援を行っております。
 こうした実態を踏まえ、政府の専門家の分科会や与野党協議会において検討した結果、今回の特措法改正法案においては、国及び地方自治体が、休業要請などにおいて、事業者の経営や国民生活への影響を緩和するために、事業者に対する支援を行うこととし、罰則と併せて規定することで、実効的な対策を行うこととしております。
 マイナンバーと預貯金口座のひもづけについてお尋ねがありました。
 預貯金口座にマイナンバーを付番することによって、公正な給付の実現や、所在の分からない口座情報の把握に資するようになります。
 そのため、新規口座開設時に金融機関がマイナンバーの告知を求めることを義務づけるとともに、相続、災害時に口座の所在を確認できるようにするため、新法を今国会に提出することとしています。
 河野大臣の起用についてお尋ねがありました。
 ワクチン接種には各省庁にまたがる様々な課題があり、規制改革担当としてそうした課題を解決してきた河野大臣の手腕を期待して、全体の調整とともに国民への分かりやすい情報発信を指示したところです。
 河野大臣の起用にかかわらず、円滑なワクチン接種を進めるためには、マイナンバーの活用も含め、効率的に接種記録を把握できる仕組みを検討する必要があると考えております。
 第三次補正予算及び消費税についてお尋ねがありました。
 第三次補正予算においては、病床の確保、雇用や事業の支援に加え、必要なコロナ予備費を措置しており、予算の組替えを行わなくても、新型コロナ対策に十分な予算を確保しております。
 また、消費税については、社会保障のために必要な財源と考えております。
 まずは、この補正予算を早期に成立させ、コロナ予備費も活用しつつ、感染拡大を防止し、経済と国民生活を守っていきたいと思います。
 憲法改正についてお尋ねがありました。
 日本維新の会が憲法改正について具体的な考え方を示し、憲法審査会において建設的な議論を呼びかけておられることに、まずもって敬意を表したいと思います。
 憲法のあるべき姿を最終的に決める主権者である国民の皆さんの理解を深めていくことは、私たち国会議員の責任ではないかと考えております。
 議論の進め方など、国会でお決めいただくことではありますが、憲法審査会において、与野党の枠を超えて、国民投票法改正などの様々な論点について建設的な議論が行われることを期待しております。
 国会改革についてお尋ねがありました。
 立法府たる国会の在り方については、まさに国会でお決めいただくべき重要な事柄であり、各党各会派がそれぞれのお考えを持ち寄って議論をいただきたいと思っております。
 解散についてお尋ねがありました。
 新型コロナの感染対策、そして経済の再生が最優先であり、これらに全力で取り組みたいと考えています。
 いずれにせよ、この秋までのどこかでは衆議院選挙を行う必要があり、よく考えていきたいと思います。
 残余の質問については、関係政府特別補佐人から答弁をさせます。(拍手)
    〔政府特別補佐人近藤正春君登壇〕

#13
○政府特別補佐人(近藤正春君) 公表規定の法制的な意味、役割と、勧告と公表に関する条文の規定ぶりについてお尋ねがありました。
 公表規定の意味及び役割については、個別の法律ごとに様々なものがあるため一概に申し上げることは困難ですが、その社会的効果に着目して行われる公表として、例えば、行政庁が指示、勧告等を行ったときにその旨を公表し、利害関係者や一般国民等に知らせ、注意を喚起するとともに、相手方が勧告等の内容に従う効果を期待するものや、行政庁の勧告等に従わなかったときに公表することとし、制裁的な効果及びこれによる予防的効果を期待するものがあります。
 また、個々の公表規定の内容や規定の仕方については、個別具体的に検討されるべきものであり、一概に申し上げることは困難であると考えております。(拍手)
    ―――――――――――――

#14
○副議長(赤松広隆君) 玉木雄一郎君。
    〔玉木雄一郎君登壇〕

#15
○玉木雄一郎君 国民民主党代表の玉木雄一郎です。
 会派を代表し、今日はコロナ対策だけ聞きます。(拍手)
 まず、羽田雄一郎先生を始め、全ての亡くなられた方にお悔やみを申し上げます。
 また、今なお治療をされている方にお見舞いを申し上げ、そして、日々医療の最前線で奮闘しておられる医療従事者の皆さんに心から感謝と敬意を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 さて、国民民主党は昨年九月に新しいスタートを切りました。私たちが掲げる政策提案型、改革中道の姿勢は、今のコロナの危機の時代にこそ必要だと考えます。
 政府・与党は、どうしても目の前の課題の対応に追われ、少し先のことに目が届きにくくなりがちです。だからこそ、私たち国民民主党は、少し先に必要になる政策や、政府の代替案、プランBを提案する政策先導型の姿勢で課題解決に取り組んでまいります。
 事実、国民民主党が提案した政策は、昨年の一律十万円給付や特措法改正案を始め、数か月後には実現につながるものも少なくありません。私たち国民民主党は、国民の声に丁寧に耳を傾けながら、コロナ危機を乗り越える知恵を仲間と一緒に絞り出してまいりたいと思います。
 菅総理、今から申し上げる、少し先に必ず必要になる政策の提案に真剣に耳を傾けていただくことをお願いして、質問に入ります。
 国民民主党が緊急事態宣言に合わせてオンラインで意見募集をしたところ、短い時間ですけれども、約二千件の声が寄せられました。その多くがお金と住まいに関することです。
 国民民主党は、昨年十一月二十七日、感染の再拡大も想定して、現役世代に一律十万円、低所得者には更に十万円を上乗せした二十万円の追加現金給付を含む、総額四十八兆円の緊急経済対策を策定しました。麻生大臣はやるつもりはないそうですが、バイデン新政権は、千四百ドル、約十四万から十五万円の追加の現金給付を含む、総額二兆ドルの経済対策を発表しました。
 総理、日本の人口の半分を占める地域に緊急事態宣言を発令したのであれば、家計消費を下支えするためにも、もう一度、一人十万円の現金給付を行うことを提案いたします。そのための第三次補正予算の組替えを求めます。
 また、国民民主党の意見募集には、月額最大二十万円、無利子で融資が受けられる総合支援資金の貸付枠を拡大してほしいという切実な要望も多数寄せられています。
 コロナ禍の長期化で、今でも週一万件もの申請があります。リーマン・ショックのときでさえ、年間三万件でした。現在は原則三か月六十万円、最大六か月百二十万円となっている総合支援資金の貸付期間を、更に三か月から半年間延長することを提案します。そうすれば、生活保護に頼らなくて済む人も増えるでしょう。延長に必要な補正予算の組替えも含め、総理の決断を求めます。
 政府は、飲食店の取引先を支援する新たな一時金の制度を発表しましたが、今から事務局の入札を行って、申請は早くても三月以降になります。遅過ぎます。しかも、上限額は四十万円で、業種も限定されています。今から中途半端な新制度をつくるより、今ある持続化給付金を再給付した方が、はるかに早く支援が行き届きます。
 総理に、持続化給付金と家賃支援給付金の再給付を強く提案します。第三次補正予算の組替えと併せて総理の決断を求めます。
 先週、私がツイッターで休業支援金・給付金の解説動画を流したところ、五十万回以上再生されました。コメントの中にも、知らなかったという声があふれています。
 総理、時短でシフトが減ったアルバイトさんも賃金の八割を国から直接受け取ることができる休業支援金・給付金の制度が、まだまだ知られていません。周知の徹底を提案します。予算も八割以上余っています。
 また、大企業のパート、アルバイトも対象にしてほしいという声も多数寄せられました。総理、大企業で働くアルバイトなども休業支援金・給付金の対象とすべきです。少なくとも、緊急事態宣言発令地域で働く大企業の従業員については、この休業支援金・給付金の対象とすることを提案いたします。総理の決断を求めます。
 ライブハウスやクラブ、演劇、コンサートの夜公演や映画のレートショーなどは、法律に基づかない働きかけによって、夜八時までの時短営業となっています。また、演奏者など文化芸術の担い手の多くはフリーランスの方々です。第三次補正予算で文化庁に計上されている支援策、アーツ・フォー・ザ・フューチャーも感染収束を前提とした支援策で、しかも立替え払いが必要です。仕事がなくなり収入が減ったフリーランスの方々の補償には使えません。新たに発表された最大二千五百万円の支援制度も、対象が法人のみでフリーランスは対象外です。
 総理、緊急事態宣言の影響を受けていながら支援策がないエンターテインメント業界の方々への十分な支援を提案いたします。文化芸術は生きるために必要です。
 昨年十二月二十五日、国民民主党は、入国を全面停止すべきと西村大臣にも直接、早々に伝えました。しかし、全面停止は一月十四日までずれ込み、結局、変異株の市中感染を許してしまいました。
 ビジネストラックを含む例外なき入国禁止についての総理の判断の遅れが水際対策の失敗につながったのではないですか。しかも、今後も特段の事情がある場合には引き続き入国が認められることになっていますが、その法的要件は曖昧です。定義をお示しください。
 また、十四日間の行動制限や公共交通機関の利用制限は、あくまで要請、お願いにすぎず、法的根拠に基づく義務化ができていません。水際対策は、依然、ざる状態のままです。
 総理、外国人に対する防疫措置を義務化するため、出入国管理法の改正を急ぐことを提案します。テロ対策の目的で設けられた出入国管理法第五条一項十四号で入国制限をかけるのは、もう限界です。
 感染の抑え込みに成功している国に共通している点が一つあります。それは、コンタクトトレーシング、追跡がうまくいっていることです。しかし、日本の接触確認アプリCOCOAは十分効果を上げていません。
 総理、COCOAは御自身の携帯にはインストールされていますか。また、COCOAは当初予定していた効果を上げているでしょうか。COCOAによる陽性者登録は累計何件で、全国でこれまでに確認された陽性者のうち何%を占めるのか、そして、COCOAからの通知によって判明した感染者は何名いるのか、データでお示しください。
 また、かねてから指摘をしておりますファーウェイ社のスマホにCOCOAがインストールできないという仕様は、いつまでに改善されますか。念のためファーウェイ社に確認したところ、昨年十月三十日に厚労省に対応を依頼しているのに、三か月たってもいまだにナシのつぶてと聞いています。中国ではシェア四割を占めるファーウェイ社のスマホにCOCOAがインストールできない現状を放置したままでは、安全なオリンピックの開催などできないのではないですか。
 日本のワクチン接種はなぜこんなに遅いんでしょうか。総理は、施政方針演説で、二月下旬から開始するとのことでしたが、医療従事者や高齢者が最優先です。
 総理、一般の国民がワクチン接種ができるようになるのはいつでしょうか。河野ワクチン担当大臣は五月頃の想定を否定されていましたが、一体いつまでに何%の国民に接種を目指すのか、具体的なめどを教えてください。
 また、総理は率先して接種されると表明されましたが、いかなる根拠で総理は接種できるのか、併せて教えてください。
 ワクチン接種の管理こそ、総理肝煎りのデジタル化を駆使して行うことを提案します。しかし、今の提案されている仕組みでは、接種の管理は接種券という紙ベースで行って、しかも、紙の接種記録を各市町村、自治体がデータ入力することになっています。
 マイナンバーも活用し、医療機関等での接種記録を自動的にデータ化して国や自治体で共有すれば、接種情報を一元的に収集、管理、分析できます。また、接種予約も、今既に各自治体がそれぞれにシステム発注しようとしていますが、オンラインでできる一元的な仕組みづくりを提案したいと思います。
 今のままでは、総理の目指す自治体システムの統一、標準化に反することになるのではないですか。総理の見解を伺います。
 国民民主党は、昨年の四月から、いわば北風である罰則と太陽である万全の補償をセットで盛り込む特措法改正案を一貫して訴え続けてきました。しかし、政府は第三波が来てからようやく検討を始め、今回の緊急事態宣言にも法改正が間に合いませんでした。新たな武器もないままコロナとの戦いに臨むことになった責任は、総理にあります。
 総理、感染が収まってから法改正するという方針は、やはり見通しが甘かったと反省されますか。また、法改正が間に合わず、緊急事態宣言も遅過ぎたことで、少なくとも今都市部では感染爆発になっていると考えますが、総理の認識をお聞かせください。あわせて、この改正特措法の施行は一体いつ頃を考えておられるのか、併せてお答えください。
 国民民主党は、罰則つきの特措法改正案を昨年十二月二日に国会に提出しています。万全の補償を前提とした強制力を持って短期間で感染を抑え込んだ方が、結果的に経済の回復も早く、必要な財政支出もトータルで少なく済むという考えに基づくものです。ただし、私たちは、行動制限や罰則を科すのは緊急事態宣言下に限るべきであって、逆に、非宣言下では権利の制限は極力行わないという平時と有事のめり張りを重視しています。しかし、政府が検討中の特措法改正案では、プチ緊急事態宣言ともいうべき蔓延防止等重点措置を新設し、飲食店に時短営業等を求め、従わない場合は罰則を科すこともできます。
 しかし、蔓延防止等重点措置には、緊急事態宣言には求められる国会への報告義務もなければ、専門家の意見を聞くという科学的客観性を担保するプロセスもありません。これは与党は既に了承したと聞きましたが、本当に大丈夫ですか。法案を読んでいますか。是非、修正に応じていただきたいと思います。
 総理、せめて、罰則を科すのであれば、緊急事態宣言下に限定すべきと考えますが、総理の見解を求めます。また、国民の権利を制約する罰則つきの命令を可能とする緊急事態宣言を出すときは、国民の代表である我々国会の事前承認、あるいは事前が難しければ、せめて事後承認が必要だと考えますが、併せて見解を伺います。
 また、事業者支援については、強制力を伴う措置を導入する以上、売上高や従業員数、店舗数といった事業規模に応じた支援をする旨を法律にも明記すべきです。また、緊急事態宣言下でより厳しい権利制限を課す以上、緊急事態宣言下での支援措置については国が全額負担するなど、より万全な支援を明記すべきと考えます。併せて伺います。
 今、最大の課題は病床の確保です。先ほどの総理の答弁を聞いていても、政府は一床当たり最大一千九百五十万円の支援金を出すから大丈夫だと言いますが、この資金は、コロナ患者の受入れのための人件費や消毒、清掃費用には使えても、ほかの一般の患者さんが減ることによる減収補填や赤字補填には使えません。これが民間病院がコロナ患者を受け入れにくい一因となっています。
 総理、コロナ患者を受け入れる民間病院に対する支援金を、単に額を増やすだけではなくて、使い道を広げて、実費弁償だけじゃなくて減収補填にも使えるようにすべきです。これは実は極めて重要な課題です。総理の決断を求めます。
 昨年八月、政府のコロナ対策本部で、医療機関や高齢者福祉施設等に勤務する者全員を対象とする一斉、定期的な検査を実施すると決めました。その後、医療従事者や介護従事者などエッセンシャルワーカーへの一斉、定期検査はどの程度行われていますか。複数の知事からは、直接、私、聞きました、実施したいが財源がなくてできないと聞いています。エッセンシャルワーカーへの一斉、定期検査に対する国の全額補助を提案します。総理の見解を伺います。
 また、政府は三月にも不特定多数を対象にしたPCR検査を始めるとの報道がありますが、この事実関係を教えてください。
 クラスターをもはや追えなくなっている地域が出てきている以上、無症状感染者を検査で迅速に把握し、追跡、隔離、保護の体制を強化する戦略に方針転換することを提案します。
 総理、この不特定多数を対象としたPCR検査を速やかに実施すべきではありませんか。また、駅前PCR検査のような民間事業者による検査結果も漏れなく保健所に集約できるような制度整備を提案したいと思います。いかがでしょうか。
 いわゆるコロナ差別について伺います。
 同僚議員の中にも差別を経験した方がいらっしゃいます。民間病院の中には、差別を気にしてコロナ患者の受入れをちゅうちょする病院もあります。国民民主党は、一月八日の政府・与野党連絡協議会で、差別の防止を特措法改正案に書き込むことを提案しました。政府における検討状況をお聞かせください。
 鎖の強度は、その一番もろい箇所の強度に等しい、なぜなら、その箇所が崩れたら、鎖全体がばらばらになって崩れ落ちるからだ。これは、十八世紀のスコットランドの哲学者トマス・リードの言葉です。
 コロナは、社会の最ももろい部分を直撃しています。昨年十月の労働力調査では、非正規雇用者八十五万人が失業し、うち六割が女性です。同月、女性の自殺は前年比八八・六%増えました。今年の自殺者数は十一年ぶりに増加に転じる見込みです。今必要なのは、もろいところを補修すること。日本中の孤独に届く政策が必要です。
 国民民主党は、一昨年の参議院選挙の公約として、孤独対策を公党として初めて掲げました。私たちは、分散している相談窓口の一本化やSNS相談の強化、デジタル民生委員、若者民生委員の創設、そして、既に稼働しているNPOとの連携などを提案しています。政府においても、先行するイギリスやフランスの例も参考にしながら、政府の責任者として孤独担当大臣を創設し、望まない孤独に向き合う総合的な政策を進めることを提案します。総理の見解を伺います。
 最後に、感染拡大を効果的に抑え込むには、何よりリーダーが約束を守ることが重要です。五人以上の会食を控えてほしいと言いながら、総理が大人数でのステーキ会食をしたことを見て、多くの国民は、言っている政治家が約束を守らないんだから自分たちも大丈夫だと思ったことでしょう。密を避けてと言いながら、この本会議場はまだまだ密のままです。リモートワーク七割といっても、永田町や霞が関ではできていません。
 私たち国民民主党は、質問通告を原則リモートで行い、対面での通告を禁止しました。与野党でも議運で一定の合意ができたと聞いておりますので、一歩前進だと思っております。
 できない理由を挙げれば、例外も抜け穴もいっぱいつくれます。それはどの業界、業種も同じでしょう。しかし、やると決めたら率先垂範。私たち国会議員が自ら変わることを示すことで、国民と危機感を共有し、力を合わせ、心を合わせてコロナ禍の危機を乗り越えていこうではありませんか。
 この機会に、積極的に国会改革に取り組み、率先して範を示していくことを議場の同僚議員に呼びかけ、国民民主党を代表しての質問といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#16
○内閣総理大臣(菅義偉君) 追加の経済対策についてお尋ねがありました。
 今回の緊急事態宣言による影響を受ける方々については、雇用や暮らしを守るための必要な対策をしっかりと講じてまいります。
 具体的には、雇用調整助成金や資金繰り支援の拡充、飲食店への協力金や納入業者等への一時金、緊急小口資金などを実施してまいります。特別定額給付金を再度支給することは考えておりません。
 今回の支援策には、三次補正予算や十分な額のコロナ予備費等で対応することとし、予算の組替えも考えておりません。
 総合支援資金の貸付期間の延長についてお尋ねがありました。
 総合支援金の特別貸付けは、これまで約四千億円が利用され、幅広く活用されていますが、一方で、債務が過大となることが自立を阻害しかねないという指摘もあります。
 貸付期間の延長には慎重な検討が必要であると考えます。
 持続化給付金及び家賃支援給付金についてお尋ねがありました。
 今回、給付金の申請期限を延長したところです。さらに、緊急事態宣言において、飲食店の営業時間短縮などの影響により大幅に売上げが減少する中小事業者については、一時金を支給することとしております。
 また、中小企業の事業継続のため、公庫などによる無利子無担保融資の四千万円の限度額を六千万円に引き上げ、手続も簡素化いたします。
 これらの支援について、今回提出した第三次補正予算などを活用して実施してまいります。
 休業支援金・給付金についてお尋ねがありました。
 昨年以来、我が国の失業率は直近で二・九%と、主要国の中で最も低い水準で推移しています。昨年の企業倒産数も、近年では低水準にとどまっており、まさに、雇用と暮らしを守ることは政治の責務であります。
 休業支援金・給付金について、相談支援機関や大学などを通じて必要とされる方に直接お知らせできるよう、引き続き、しっかりと周知を徹底してまいります。
 その上で、これらは、雇用調整助成金の活用もままならない、中小企業で働く方を早期に支援するために創設したものであり、大企業で働く方については、雇用調整助成金の特例を活用していただけるよう、丁寧に働きかけを行ってまいります。
 エンターテインメント業界などへの支援についてお尋ねがありました。
 文化芸術やエンターテインメント業界については、事業を継続させ、雇用を確保するため、実質無利子無担保融資や雇用調整助成金の特例を実施することといたしています。
 さらに、コンサートや演劇などの自粛に伴うキャンセル費用の支援や、緊急事態措置の期間中も含めた活動に対する支援を行うこととしております。
 これらにより、新型コロナの感染拡大により厳しい状況にある文化芸術やエンターテインメント業界の活動を支えてまいります。
 ビジネストラックを含む水際対策についてお尋ねがありました。
 政府としては、変異株が確認された国、地域からの入国に対する水際対策を速やかに強化してきました。
 ビジネストラック及びレジデンストラックについては、十一の国、地域と合意しておりますが、これらの国、地域からの入国者に変異株の感染が確認をされた事例はありません。
 しかしながら、現在の国内の深刻な状況に加え、英国とブラジルの帰国者から変異株が国内で確認される事例などが相次ぎ、国民の皆さんの不安が更に高まっている現状を重く受け止め、国民の皆さんの命と暮らしに対するあらゆるリスクを予防的に取り除くため、ビジネストラック及びレジデンストラックについては、緊急事態宣言が発令されている間、一時停止することとしております。
 政府としては、これまでも、国内外の感染状況を見極めつつ、必要な水際対策を着実に講じてきたところであり、水際対策の判断が遅れたとは考えておらず、失敗との御指摘は当たりません。
 外国人の入国を認める場合の特段の事情など、水際対策についてお尋ねがありました。
 特段の事情について、入国を認める場合には、例えば、親族が重篤な状態にあるため訪日するなど人道上の配慮を必要とする者、公益上の必要性のある者が含まれます。これらの者について、出国前検査証明の取得や検疫での検査などの必要な防疫措置を取ることを条件に、入国を認めております。
 政府としては、現行法の運用を通じて必要な水際措置を講じることは可能であると考えており、引き続きしっかりと対応してまいります。
 接触確認アプリについてお尋ねがありました。
 まず、私のスマホにもアプリはインストールされております。
 これまでのダウンロード件数は約二千四百万件です。そして、陽性者登録された件数は九千件弱であります。陽性者全体の二・六%であります。なお、アプリにより陽性が判明した件数の把握には保健所等の協力が必要であり、現時点で把握できておりません。
 政府としては、更なる広報に努め、より多くの方に活用していただき、感染拡大防止というアプリの効果を高めてまいります。
 なお、ファーウェイ社のスマホへの搭載については、技術面を継続して情報収集しつつ、精査してまいります。
 ワクチンの接種時期についてお尋ねがありました。
 ワクチンについては、安全性、有効性の審査を行った上で、自治体と連携して万全な接種体制を確保し、できる限り二月下旬までには接種を開始できるように準備いたします。
 全体接種の時期は、お示しすることは本日は控えさせていただきたいと思います。いずれにしても、まずは医療従事者、高齢者、基礎疾患を有する方、高齢者施設等の従事者から順次開始し、国民の皆様に一日も早くお届けできるよう全力を尽くしてまいります。
 なお、私が率先して接種と申し上げたのは、あくまでも、順番が来たら率先して接種を受けると申し上げたものであります。私は高齢者に位置します。
 ワクチン接種の情報管理についてお尋ねがありました。
 接種記録を管理することは重要であり、ワクチン接種を円滑に実施するため、自治体と緊密に連携し、国として、マイナンバーの活用も含め、効率的に接種記録を把握できる仕組みを検討します。
 また、接種予約の円滑化など、オンラインも活用しながら、接種に向けた準備を進めてまいります。
 現在の感染状況と特措法の改正についてお尋ねがありました。
 感染拡大が続いている背景には、専門家によれば、気温の低下の影響に加え、飲食をする場面が主な感染拡大の要因とされているというふうに承知しています。
 その上で、緊急事態宣言については、強力な手段であり、国民の生活を大きく制約することから、政府として最善の判断が求められており、日々の感染状況等を把握し、専門家の御意見をお伺いしながら、判断したものであります。
 また、特措法の改正については、私権の制約にも関わることから、規制強化すべきという意見、私権制限に慎重な意見、両方あり、これまで、分科会や政府・与野党連絡協議会で慎重な議論が続けられてきたと承知しています。政府としては、こうした御意見も踏まえつつ、速やかに法案を国会に提出してまいります。
 なお、施行日については、罰則に関する周知期間に配慮しながら、できる限り速やかに施行したいと思っています。
 罰則と国会への報告についてお尋ねがありました。
 特措法については、個人の自由と権利に配慮して、必要最小限の私権の制限とした上で、罰則と支援をセットとして見直しを行うものであり、これにより、感染防止の観点から、より実効的な措置を講じることが可能となるものと考えます。
 国会への報告については、蔓延防止等重点措置は緊急事態宣言に至る前に実施する措置であり、私権の制限はかなり少ないことなども踏まえて、検討してまいります。
 特措法改正案での事業者への支援についてお尋ねがありました。
 特措法改正法案については、国及び地方自治体が、休業要請などにおいて、事業者の経営や国民生活への影響を緩和するために、事業者に対する支援を行うこととし、罰則と併せて規定することで、実効的な対策を行うこととしております。
 なお、現在は、多くの都道府県において、国の支援の下、店舗ごとに協力金を支払っており、店舗数に応じた支援となっていると承知をしています。
 新型コロナ感染の受入れ医療機関に対する支援についてお尋ねがありました。
 新型コロナ患者を受け入れられる医療機関が損失を被ることのないようにするとともに、現場で戦う医療従事者の方々に支援が行き届くことが重要と考えています。
 政府としては、これまでも三・二兆円の医療機関支援を行うとともに、今回の補正予算案で一・四兆円の追加支援を計上しておりますが、こうした支援については、補助の目的の範囲内で、できる限り柔軟に使えるように配慮しております。
 また、使途が限定されていない診療報酬についても、新型コロナ患者については大幅な引上げを行っています。
 引き続き、現場の声を踏まえながら、必要な支援を実施してまいります。
 いわゆるエッセンシャルワーカーに対する検査についてお尋ねがありました。
 重症化リスクの高い方々のいる施設に対し重点的な検査を実施することとし、感染拡大地域の医療や介護の施設の従業員や入院、入所者などに対して実質的に国の費用負担で検査を実施できるようにしております。
 昨年十一月の要請から二週間で二百を超える施設で検査が実施されており、引き続き、都道府県とも連携しながら、そうした方々への検査を行ってまいります。
 検査の拡大実施についてお尋ねがありました。
 御指摘の報道された内容は、今回の補正予算案に盛り込んでいる研究事業であり、不特定多数に検査を実施するかどうかも含め、詳細については今後検討してまいります。
 また、必要な方が検査を受けられるよう、検査体制の拡充を図るとともに、感染拡大地域では、症状がない方も含めた大規模、集中的な検査を実質的に国の費用負担で実施できるようにしてきたところであります。
 また、個人の希望に基づき民間事業者の検査を受ける場合も、結果として、医療機関の診断を受け、保健所に届出が行われることが重要であり、民間事業者に対してあらかじめ提携医療機関を決めておくよう求めるなどの対策を講じております。
 特措法改正に差別防止を盛り込むことについてお尋ねがありました。
 新型コロナの感染や医療従事者、その家族等への差別はあってはならないことです。
 このため、国及び地方公共団体の責務として、差別的取扱いなどの実態の把握や啓発活動を行うことを改正案に盛り込む方向で検討をしております。
 孤独対策についてお尋ねがありました。
 単身世帯の増加や地域のつながりの希薄化などに伴い、さらには新型コロナの感染拡大により、望まない孤独の問題が一層顕在化しているものと認識しております。
 私たちは、きずなのある社会の実現を目指しており、多様なつながりの中でお互いに支え合いながら生きていくことができる社会を構築していくことが重要であると考えています。
 英国など諸外国の取組も参考にしつつ、自治体における包括的な支援体制の構築や、SNSや電話による相談体制の拡充など、きずなのある社会の実現に向け、この問題に取り組んでまいります。(拍手)

#17
○副議長(赤松広隆君) これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――

#18
○副議長(赤松広隆君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時二十九分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣  菅  義偉君
       財務大臣  麻生 太郎君
       総務大臣  武田 良太君
       法務大臣  上川 陽子君
       外務大臣  茂木 敏充君
       文部科学大臣  萩生田光一君
       厚生労働大臣  田村 憲久君
       農林水産大臣  野上浩太郎君
       経済産業大臣  梶山 弘志君
       国土交通大臣  赤羽 一嘉君
       環境大臣  小泉進次郎君
       防衛大臣  岸  信夫君
       国務大臣  井上 信治君
       国務大臣  小此木八郎君
       国務大臣  加藤 勝信君
       国務大臣  河野 太郎君
       国務大臣  坂本 哲志君
       国務大臣  西村 康稔君
       国務大臣  橋本 聖子君
       国務大臣  平井 卓也君
       国務大臣  平沢 勝栄君
 出席内閣官房副長官
       内閣官房副長官  坂井  学君
 出席政府特別補佐人
       内閣法制局長官  近藤 正春君
ソース: 国立国会図書館
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