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2021/02/10 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第1号 令和3年2月10日
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2021/02/10 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第1号 令和3年2月10日

#1
令和三年二月十日(水曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
   委員氏名
    会 長         芝  博一君
    理 事         豊田 俊郎君
    理 事         三宅 伸吾君
    理 事         山田 太郎君
    理 事         牧山ひろえ君
    理 事         杉  久武君
    理 事         高木かおり君
    理 事         伊藤 孝恵君
    理 事         岩渕  友君
                足立 敏之君
                小川 克巳君
                島村  大君
                高橋 克法君
                堂故  茂君
                羽生田 俊君
                藤川 政人君
                山田 俊男君
                和田 政宗君
                石垣のりこ君
                勝部 賢志君
                塩田 博昭君
                下野 六太君
                梅村みずほ君
                大塚 耕平君
                浜田  聡君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         芝  博一君
    理 事
                豊田 俊郎君
                三宅 伸吾君
                山田 太郎君
                牧山ひろえ君
                杉  久武君
                高木かおり君
                伊藤 孝恵君
                岩渕  友君
    委 員
                足立 敏之君
                小川 克巳君
                島村  大君
                高橋 克法君
                堂故  茂君
                羽生田 俊君
                藤川 政人君
                山田 俊男君
                和田 政宗君
                石垣のりこ君
                勝部 賢志君
                塩田 博昭君
                下野 六太君
                梅村みずほ君
                大塚 耕平君
                浜田  聡君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        塚本 禎宏君
   参考人
       東京都調布市立
       飛田給小学校校
       長        山中ともえ君
       特定非営利活動
       法人ピルコン理
       事長       染矢明日香君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国民生活・経済に関する調査
 (「誰もが安心できる社会の実現」のうち、困
 難を抱える人々への対応(子どもをめぐる課題
 )について)
    ─────────────

#2
○会長(芝博一君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会をいたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 国民生活・経済に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○会長(芝博一君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○会長(芝博一君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────

#5
○会長(芝博一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 国民生活・経済に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続については、これを会長に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○会長(芝博一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────

#7
○会長(芝博一君) それでは、国民生活・経済に関する調査を議題といたします。
 本日は、「誰もが安心できる社会の実現」のうち、「困難を抱える人々への対応」に関し、「子どもをめぐる課題」について二人の参考人から御意見をお伺いした上、質疑を行いたいと思います。
 まず、御参考人の方を御紹介をさせていただきます。御出席いただいております参考人は、東京都調布市立飛田給小学校校長山中ともえ参考人でございます。どうぞよろしくお願いいたします。及び、特定非営利活動法人ピルコン理事長染矢明日香参考人でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、大変御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 特に、現下のコロナ対策の中で、一都三県の皆さん方に参考人としての御出席をお願いし、また、日程調整等々につきましても大変御迷惑を掛けた上での御出席でございます。本当に心から感謝を申し上げますとともに、皆様方から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、山中参考人、そして染矢参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までをめどに質疑を行いますので、御協力のほどよろしくお願いを申し上げます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず山中参考人から意見陳述をお願いいたします。山中参考人。

#8
○参考人(山中ともえ君) それでは、よろしくお願いします。(資料映写)
 私、調布市立飛田給小学校の校長をしておりまして、校長歴としてはもう十一年目となります。校長歴長いんですが、私、元々は障害のある子供の通級指導を教員として担当しておりまして、その後、教育委員会の方、都の教育委員会の方に指導主事として入りまして、行政職に十年ほどおりましたが、ちょうどそのときに特殊教育から特別支援教育へという転換の時期を迎えまして、それに関する仕事に携わってまいりました。その後、小学校の校長として出たのですが、特別支援教育をもう推進するという時期でしたので、インクルーシブ教育システムということでの研究協力校もしたりして現在に至っております。
 その過程の中で、私の経歴、そういった経歴がありましたので、全国に特別支援学級や小中学校に設置されている通級による指導教室の校長先生の会があるんですけれども、全国で一万八千校余りが加盟しております。略して全特協と申しておりますが、その会長の方を昨年度までさせていただいておりましたので、その経験なども併せて今日お話しさせていただければと思います。
 このような会、障害のある子供について先生方がこのような勉強会、委員会している中に私を参考人として呼んでいただいたこと、大変有り難く思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 インクルーシブ教育ということで、済みません、私が持ってきたの、どうしてもきちっとしたものをと思って、文科省の資料の中から取ってきていますので、もう先生方も御存じのものばかりだと思いますが、日本の教育制度って今はこういうような、上に行けば行くほど重い子供ですが、というふうな形になっているんですけれども、日本の教育制度というのはこういう形になっていて、もちろん小中学校で通常の自分の行くべき学校、ところで学んでいる。けれども、障害がある程度によってはだんだん、本当に自宅にいて、本当に重くて学校にも行けない子供もいます。そういった形は訪問教育というような形で、日本の場合は全員とにかく就学するということは、ほかの国に比べてとても私は勝っているところだと思います。どんなに重い子でも、必ず子供は成長する、そこに必ず教員を配置するという考え方でやってきています。
 インクルーシブ教育ということで、多分、特別支援学校とか、場を別にしているところですね、そこのところが課題になるとは思うんですけれども、別に差別とかということではなくて、その子たちが一番伸びる状況というのを考えた場合の多様な学びの場だと思っています。それにしても、その特別支援学校とかだけではなく、小中学校の中に特別支援学級、特別支援学校、場を別にしたところに行くほどではないんだけれども、同じ学校の中でそういう場をつくって、そこで特別な教育課程を組めるというような学級ですとか、それから、ほとんど通常の学級にいるんですけれども、一部特別な指導を行うという通級指導ですね、私の学校には通級指導が設置されているんですけれども、そういった通級指導ですとか、あとは、今いろいろな支援の手が各学校に入っているところです。
 この教育制度も、今インクルーシブ教育システムということで進んできているんですけれども、日本は元々、明治の時代から京都盲唖院というものが設置されていて、まだそのときは全員対象とかということではないんですけれども、視覚障害や聴覚障害に対する指導というのはずっと行われてきて、ずっと脈々と継承されています。それが養護学校から特別支援学校になって、養護学校時代には全員就学とか、そういうような過程を経て今に至ってきていると思います。
 今、障害者の権利条約を批准して、合理的配慮だとか、それから障害者差別解消法の中で合理的配慮を学校は提供することというようなことが進んできているわけなんですけれども、そこの辺の周知だとか進んでいく行き方にまだ課題が大きくあるかなというふうに思っています。
 障害者権利条約の関係で、その委員会からの初審査が今年度あるんですね、もう多分先生方、皆さん御存じだと思うんですけれども。それでどういう評価が日本に対して下されるか、その評価に対してまたどういうふうに次進んでいかなければいけないのかというような、今そういう時期に来ていると思います。
 これも御存じだと思うんですが、これも文科省の資料なんですけれども、特別支援教育を受けているというんですかね、子供の割合というか人数だったりするんですけれども、これ十年前と比較して、黄色の矢印が十年前と比較した数字なんですけれども、特別支援学校も特別支援学級も通級指導も全部増えているんですね。今、子供の数、日本全体では減っている、減少しているわけなんですけれども、こういう特別支援教育を受ける子供は増えていると。特に、特別支援学級と通級による指導、ここがやっぱり増えているわけですね。通級指導というのはやっぱり、平成五年に制度化されたんですけれども、通常の学級にいて一部やっぱり特別な指導を受けられるというようなことが保護者も選択されるということかなというふうに思っています。こんな形で増えているんだよということですね。
 インクルーシブ教育という、場を、必ず場を一緒にするというようなところになってきますけれども、交流及び共同学習ということで、これはもうずうっと前から推進されています。特別支援学校とあと小中学校が学校間交流であったり、それから東京都は副籍と言ったり、埼玉の方では支援籍なんというふうな、籍ですね、言い方しているんですけれども、特別支援学校のお子さんが居住地の学校に行くというようなことがなされたりしています。
 ただ、やっぱりここのところの課題があって、じゃ、そんなにたくさん交流及び共同学習、交流の時間が持てているかというと、なかなか、例えば学期に一回程度であったりというようなことがあります。そこのやっぱり難しさというのは、周りの理解であったり、それからそういうそのようなお子さんが行くときにひっついていく人がいないとか、そんなような課題もあろうかなと思います。それから、ずっと言われているんだけれども、まあちょっとなかなか進んでいないかなというようなところがあります。
 これは文科省の方も交流及び共同学習のガイドなんというのを改訂して出していただいたりしているんですけれども、これも、何というんですかね、なかなかちょっと進んでいない状況があるかなと思います。
 ただ、特別支援学級は、同じ小学校、中学校の中にある学級ですので、そういったところでは、例えば給食だったり行事だったり、授業以外のところでも交流はしやすい状況にあります。
 それから、今回いただいているテーマがインクルーシブ教育ということなんですけれども、このインクルーシブ教育システムは、平成二十四年の、ちょっと長いんですけれども、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進という報告が中教審の初等中等教育分科会の方から示されて、これがやっぱり示されたときは、結構学校は、まあ大きいショックというんですかね、あっ、変わっていくんだなという状況ではあったんですけれども。この中でも、多様な学びの場ということで、特別支援学校や特別支援学級が必要ではないということではないんですね、必要ではないわけではないんだけれども、教育委員会とか上の方からあなたはここに行きなさいというふうに決めてそこに行くということではなくて、就学相談をきちんとして、保護者も合意した上で、合意形成に基づいて学校を選択していきましょうという動きがあります。
 ただ、そうはいっても、まだ全国ではなかなかそこのところが周知が進んでいなくて、保護者や本人とのやり取りがうまくいっていないというような部分も散見されます。
 これがそのときに変わった就学相談の仕組みで、ちょっと細かいんですけれども、要するに、簡単に申し上げますと、上から決めるのではなくて、早期から障害のある子の場合は相談を充実させていって、保護者と十分な合意形成を経て就学先を決定していきましょうと。その後、就学先を決定した後もなんですけれども、きちっと、転学したりとか、学びの場、柔軟な学びの場ということで、ここに示されているんですけれども、現状ではなかなか、例えば特別支援学級や特別支援学校に就学した場合に、その後またじゃ通常の、良くなったから通常の小中学校に行こうねというような動きは、全くないわけではないんですけれども、まだまだ状態として多いということではありません。この辺もちょっと、柔軟な就学相談の仕組みというようなところも大切かなと思っています。
 これ、ほかの県では、この就学相談に関わる方がやっぱりかなりいろいろスキルがないと、保護者ときちんとお話をしたりとか、いろんな場があるよとか先の見通しとかということを保護者ときちっと相談していくのに、そういった適切な人材がやっぱりなかなか配置されていないという状況は、この前のちょっと校長同士の集まりの中でもやっぱりそういった意見が出されました。
 それから、これが特別支援学校に就学する基準ですね。学校教育法施行令の二十二条の三という言い方を私たちしていますけれども、この中には視覚障害云々、聴覚障害云々というふうにあるんですけれども、今は、例えば医療的ケアの話がよくあるんですけれども、医療的ケアを受けていて、この基準でいったら特別支援学校に行くことが相当なんだけれども、例えば看護師さんを付けたりして小中学校に入っているですとか、車椅子でしたらバリアフリー、施設をバリアフリー化して通常の小中学校に行くとか、かなりそういったことは進んでいます。
 ただ、施設にしてもその看護師の配置にしてもやっぱり予算の伴うことなので、なかなかその予算がうまく、適切に人材配置とかにつながっていかないというようなこともあります。なかなか全ての学校に今エレベーターがあるという状況ではないので、車椅子のお子さんなんかも難しいなということもあります。ただ、視覚障害なんかの拡大教科書ですとか点字教科書の配付、そんなことはなされてきています。
 今ここに、就学相談における課題というのは今ちょっとお話をしてきたところなんですけれども、この保護者の意見、意向を尊重した就学相談というところがまだまだ、言われているんですけれども、実際、当事者の保護者の方々からは自分たちの意見がうまく聞いてもらえなかったというような話がよくあります。
 ただ、特別支援学校とか別な、多様な学びの場に行ったからすごく成長した、そこを選んで行くという方ももちろんいるわけなんですね。だから、特別支援学校とか特別支援学級、やっぱりそこが良かったということももちろんあるわけです。そこを選んで行くための専門知識のある相談員の配置だとか、こういったところが課題だというふうに思います。
 ちょっとこの辺はちょっと見ていただいて。
 それからあと、ここからはちょっと、今小中学校でこんな状況ですよということなんですけど、ちょっとこれは自分の学校の例を取ってきているんですけれども、例えば、今は発達障害のお子さんとか、通常の学級、通常の小中学校に国の方の調査で大体六・五%くらいはいるよねというと、一クラスに二、三人はやっぱり対象となる子供、発達障害と、はっきり発達障害と診断が出る子もいますけれども、出ない子もいます。そういう中で、学校ではいろいろちょっとレベルを考えて対応しているわけですね。
 ユニバーサルデザインなんというふうによく言われていますけれども、そういった授業の仕方で、まず先生が全員が配慮していこうと、それから、その後は少し支援員だとかボランティアとかそういったものを付けましょうと、それから、更にそれでもちょっと難しければ通級を活用しましょうとか、それから特別支援学級行きましょうとかと、そういうレベルがあるので、そういったレベルを、個別の指導計画を作って、特別支援教育コーディネーターが中に介在して、この校内委員会というところで進めていっています。
 ただ、この特別支援教育コーディネーターというのがかなりキーパーソンになるんですが、これは全然、今普通の教員がただそれを任命されているだけで、時間軽減だとか特別な人がこれに当たっているわけではないんですね。この辺がイギリスなどではもう特別支援教育コーディネーターとしてきちっと専任の人が配置されていたりして、まあなかなか、日本の場合だとコーディネーターが学級担任もしながらこのコーディネーターもやるというのはなかなか難しいねというような話はよくあります。
 それから、今言った分かりやすい授業を目指してと、一番ベースのところではこのユニバーサルデザインなんというふうに言われていますが、こういった形でやっています。ただ、これも、ユニバーサルデザインという言い方をしているんですが、アメリカとかできちんと法的な制度があったりというわけではありませんし、こういうことをするから予算が付くということでもないので、これも学校の今自助努力に頼っているというようなところです。
 それから、先ほど言いました障害者差別解消法の中で、合理的配慮というのはもうしなければいけないよ、提供しなければいけないよということなんですけれども、今学校でできている合理的配慮というのは、ちょっとノートにルビを振ってあげたり、一行物差しなんて言っているんですけれども、こんなことをしたり、ここは本当にこれぐらいだったら学校でできるかなというレベルのことなんですけれども、ただ、これすらもまだ保護者から言ってきたときに対応できないというんですかね、なかなか対応していない学校もあります。ただ、本当は、もう合理的配慮といったときに、保護者がこういうふうに言ってきました、じゃ、保護者、当事者も交えてきちんと相談をしてこうしましょうといったときに、調整に入る調停機関というものもちょっとはっきりしないなというのが現状であります。
 それから、これは校内の体制の、まあこんなようなのを、これも本当自分の学校ですけど、支援員だとかスクールカウンセラーとかボランティアとかいるんですけれども、これが制度としてあるところと、まだきちんと制度としてないところがあります。
 それから、こういった人をコーディネートしていくのも一つの役割かと思うんですけど、なかなかコーディネートする人材、さっきのコーディネーターのお話しましたが、学級担任をやりながらコーディネーターをするというのはなかなか難しいかなと思います。
 今こんなやって、あと算数少人数だとか、小学生、三十五人学級の話ももう進んできましたので、やっぱりより丁寧に少ない人数でやっていくとか個別指導とか補習とか、こんな体制も学校できちっと組織的にできればいいんですが、なかなかこれも組織的にできていない学校もまだあるというような状況です。
 それから、先ほどお話ししましたが、通級による指導というのは部分的に、例えば週に一回だったり二回だったりというようなことで指導を受けられる、発達障害のお子さんなんかが主なんですけれども、ということで、これはインクルーシブ、自分は通常の学級にいて、本当に時々通うという意味ではとても効果的かなと思っています。ただ、障害の程度が重いお子さんはやっぱりこの通級だけでは時間的には足りないということがあるので、特別支援学級、さらにはもっと専門的な教員や専門家のいる特別支援学校を選んで行くということも大事なことかなと思います。
 それから、障害のある子の場合、通常の小中学校で受け入れても、関係機関と連携していくことはもう非常に大事です。学校だけでやっぱり抱えていくことはできないんですが、こういった関係機関ですね、この辺もチーム学校としてどこまで今できているかなというところです。私の学校は、自分のところと関係する機関というものを把握しておいて連絡取ったりというようなことをしていますけれども、なかなかできていないというところもあります。最近は放課後等デイサービスを利用している方もすごく増えてきています。
 それからあと、当事者についてもなんですけれども、インクルーシブ教育を進めていくためには周りの子供の理解を進めていくということがすごく必要だと思っているんですが、なかなかこれも、障害者理解、障害理解というふうに言われていますけれども、系統的に学校でそういう教育が進んでいるとは言えない状況があります。これもすごく大事なことかなというふうに思っています。今、オリンピック・パラリンピック教育なんかでも障害者理解言われているので、そういうことと併せて、さらに周りのこの多様性を尊重する子供の育成ということも併せて必要かなと思います。ここもまだ進んでいないところかななんというふうに思います。
 ちょっとここは飛ばしますが、ちょっと最後に、コロナ禍における課題ということなんですけれども。ちょっと全国の校長先生全てではないんですけど、各地区の代表の方にちょっと特別支援学級や通級による指導を受けている子供の状態だとか課題を聞いたんですけれども、やっぱり子供の状態が落ち着かないとか学習意欲がなかなかとかというような状況が報告されています。
 ただ、特別支援学級の子が比較的通級による指導を受けている子供より状態が良かったというふうに校長先生は感じられているんですね。それはやっぱり、特別支援学級がしっかり多様な学びの場として子供にやっぱりきちっと対応しているからかなと。通級による指導を受けている子供は通常の学級にいるので、通常の学級でなかなか大勢の中でいろんな、何というんですかね、気持ちになったり、そこを担任の先生がなかなか全部サポートするというのは難しいのかななんというふうに思ったところです。
 これから児童生徒一人一人にGIGAスクール構想でタブレットが配付されますので、これを今後どういうふうに活用していくかというのは大変に大きな課題だというふうに思っています。
 以上で私の話は終わらせていただきます。

#9
○会長(芝博一君) 山中参考人、ありがとうございました。
 それでは次に、染矢参考人、よろしくお願いいたします。染矢参考人。

#10
○参考人(染矢明日香君) どうぞよろしくお願いいたします。(資料映写)
 NPO法人ピルコンの染矢明日香と申します。本日は大変貴重な機会をいただき、ありがとうございます。
 私は、大学生のときに思い掛けない妊娠と中絶を経験したことをきっかけに、日本の性教育の問題に関心を持ちました。大学を卒業した後、民間企業の勤務を経て、二〇一三年に性の健康教育の普及啓発を行うNPO法人ピルコンを設立し、現在、年間約一万人の中高生や保護者の方を対象とした性教育講演ですとか、あとはウエブサイトでの情報発信、海外の性教育教材の翻訳等を行っております。
 本日は、性被害予防、性教育の必要性ということで、こういった構成で進めていけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 皆様、こちらの数字が意味するものは御存じでしょうか。十三歳になるんですけれども、こちらは日本の刑法で定められた性交同意年齢、つまり性行為の同意能力があるとみなされる年齢になります。多くの先進国では十六歳から十八歳に設定されていますが、日本では、こちら、明治時代に制定されたまま変わっていません。
 そもそも、この性行為に同意するかどうかという性的同意について学ぶ機会が子供たちにも大人にもありません。性的同意が取れている状態は、対等な関係性の中で言葉等によって明確に確認されるものです。沈黙や曖昧な返事は同意ではなく、不平等な力関係によって言わされた同意は真の同意とは言えません。
 今まさに日本の刑法の見直しが進んでいますが、性行為において暴行、脅迫や抵抗できる状態ではなかったことが証明できなければ犯罪と認められていないという課題があります。十三歳の子がレイプをされたとき、殴られたり脅されたり怖くて抵抗できなかったと証明できなければ、性行為に同意したとみなされてしまうのです。
 先日、中学校での講演で生徒さんから質問をいただきました。性暴力は性犯罪になりますか。この質問に対する答えは、同意のない性行為は全て性暴力に当たります。けれど、日本の刑法では全ての性暴力を性犯罪とすることはできないというふうになります。このような回答しかできない日本の現状が子供たちに申し訳ないと思います。
 性暴力の現状を見ていきますと、無理やり性交等された被害経験を持つ人は約二十人に一人の割合で、女性が多い傾向がありますが、男性にも被害者がいます。性被害に遭った時期を見ていくと二十代以下の若年層が多く、また、性被害に遭ったとき、警察、医療機関、支援機関への相談につながるのは僅かです。相談しないという回答が六割。相談できた人でも割合が最も多かったのは友人でした。けれど、若い世代の友人が必ずしも性暴力についての正しい知識を持っているとは限りません。若い人には限りませんが、周囲の無理解な言動でセカンドレイプ、つまり被害者の心の傷を更に深めてしまうという二次被害で苦しむ人もいます。
 SNSを通した子供の性被害は年々増加しています。こちらも事件化したものの数字なので、暗数を含めると膨大な数になるかと思います。
 そして、性被害に遭った子供たち自身が不用意で問題があるのでしょうか。是非その背景に目を向けていただきたいと思います。
 性と生殖に関わる様々な社会的リスクは連鎖し得るものです。子供たちの生きづらさの背景には家庭の不和や虐待があり、その背景にはDVや思い掛けない妊娠があるかもしれません。もし性被害から妊娠に至れば、産むにしても中絶にしても大きな負担が当事者に掛かります。生後間もない乳児遺棄の事件も後を絶ちません。
 性被害に限らずにはなりますが、日本の人工妊娠中絶件数は年間約十六万件、予定外妊娠の数は年間約六十一万件に及ぶと推計されています。中絶の罪悪感で苦しむ人は多く、ケアもまだ十分とは言えない状況です。このような負の連鎖を断ち切り、必要なケアや支援につなげていくことが必要です。
 性被害の予防策として、まずは性被害の発生を防ぐ一次予防として、何が性暴力に当たるのかという性的同意に関する知識普及が必要です。また、性的同意を学ぶことは子供たちを加害者にしないことにもつながります。さらに、万が一性被害が発生した場合、早期に発見し対応するための二次予防として、支援先、避妊の知識の普及、緊急避妊薬のアクセス改善、性感染症の検査、治療につなげること。そして、性被害による長期的影響を最小限に抑えるために、三次予防として、妊娠、性感染症やトラウマへの適切な治療、サポート、二次被害を生まない社会への啓発も重要だと考えております。
 続いて、コロナ禍において見えてきた諸課題についても触れさせていただきます。
 弊社では、性の健康に関する無料相談メールを助産師などと連携して実施しております。中高生向けの性教育講演のアフターフォロー的な位置付けで細々と始めた相談窓口ではありますが、二〇二〇年のコロナの休校措置が行われてから、十代の月当たりの相談件数がこれまでの約二倍に増加しました。特に多かったのは妊娠したかもしれないという相談で、十代の妊娠、避妊に関する相談に限ると、これまで約十件程度だった相談が月四十件ほどと約四倍に増えました。ほかの妊娠相談に関わる自治体であったりとかNPOの窓口でも十代の妊娠相談の増加の報道が相次ぎました。それも氷山の一角のように感じています。私たちが運営しているピルコンにんしんカモ相談というLINEの自動応答による相談サービスがあるんですが、こちらは月当たりの相談メッセージが一万件を超えるということもありました。
 若年女性のメール相談の典型的な相談事例としては、こちらのスライドにお示ししたとおりなんですが、一部組み合わせておりますが、生理が遅れて妊娠したか不安である、避妊が不十分であった、性被害を受けたなどの相談が相次ぎました。
 背景には、性に関する知識の不足、コロナによる不安増、休校による性交渉機会の増加などが推察されました。また、自粛期間中、ステイホームと言われる家が子供たちにとって安心、安全な居場所であるとは限りません。親との不和や同居している家族からの性暴力、またパートナーとの不平等な関係が見受けられる事例もありました。緊急避妊薬のハードルや、経済的困窮によって数百円程度で買える妊娠検査薬すら買えない、避妊具が買えないという声も見受けられました。
 私たちは、妊娠の不安に対し、緊急避妊薬が入手できないという声も多く聞いておりまして、二〇一八年から緊急避妊薬、いわゆるアフターピルのアクセス改善を求める活動をしてきました。そして、コロナ禍において、国際機関や他国では、家族計画はエッセンシャル、不可欠なものであり、緊急避妊薬はふだんの避妊の重要なバックアップとして、緊急避妊薬のアクセスを薬局での入手の検討を含め確実にというような勧告が出ている中、また若年層の予期せぬ妊娠不安の声が高まる中、今こそ声を届けたいと思い、産婦人科医や市民活動団体の代表者とともに、緊急避妊薬を薬局でプロジェクトというものを立ち上げました。
 こちらのプロジェクトでは、二十五の市民活動団体に御賛同いただいた要望書と約十一万筆の賛同者を得た署名を厚労相や橋本聖子男女共同参画担当大臣にお渡しさせていただきました。そして、昨年末、第五次男女共同参画基本計画の中で、緊急避妊薬を処方箋なしに薬剤師を介し薬局で得られるように検討する方針が盛り込まれました。市民の声が政治を動かしたと胸が熱くなるとともに、当事者の声や科学的根拠に基づき緊急避妊薬の市販化を具体的に早急に検討していくことが次の課題だと思っております。
 緊急避妊薬の国内外でのアクセスを比較すると、日本では医師の診療、処方箋が必要で、価格も自由診療で高額です。この年末年始には、緊急避妊薬の診療費として五万円を請求する医療機関もあったと聞いています。一方、世界の約九十か国では緊急避妊薬が薬局で販売されており、価格も安価で、若者には無料で提供する国もあります。
 高額過ぎて買えない、人目も気になり産婦人科には行きづらい、夜間や土日祝日は病院がやっていない。なぜこんなに日本では緊急避妊薬が手に入りづらいのかという声を多くいただいています。私たちが約千五百名に実施したアンケート調査では、緊急避妊薬の入手にハードルがあると答えた方は九六%でした。
 緊急避妊薬に関する厚労省の検討会の中で、若い女性は知識がない、日本では性教育が遅れていて適切な使用ができないという発言もありました。しかし、こちらのスライドでもお示ししているとおり、WHOでは、全ての女性及び少女には緊急避妊にアクセスする権利がある、そして、アクセス改善によって性的リスク行動は増加しないと結論付けています。また、妊娠は女性だけの問題なのでしょうか。妊娠には同じ数の男性が関わっており、男性とともに、そして社会全体で考えなくてはいけない問題です。
 もし緊急避妊薬が薬局で買えるようになったら、悪用や不適切な使用につながるのではという懸念の声をいただくこともあります。しかし、その一方で、既にSNS等を通して安全性の担保できない海外製の薬が売買されているという現状があります。先日も、当時十三歳の少女が、避妊薬を譲ることを条件に四十代の男性から児童買春をさせられたという事件が起きました。この容疑者はネットで避妊薬を入手したと言います。背景には、緊急避妊薬、避妊薬の海外との価格差、入手しづらさがあると感じています。
 性教育が先という声もありますが、性教育の充実を待っていてはいつまでも救われない人がいます。知識を持っていても、入手できる環境がなければ知識は生かされません。安全に入手できる正規ルートを増やすこと、そして、性教育や適切な情報の啓発によって正しい認知を広めることを両輪で進めていくことが必要です。緊急避妊薬のアクセスを適切な支援や情報を得られる機会として広げていくことも重要だと思っています。
 そして、性教育についても現状と課題についてお話しさせていただきます。
 元々、日本では、戦後、女子の貞操を守るとの観点から、純潔教育として性に関する教育が始まりました。八〇年代、エイズ患者が確認されたこともあり、九〇年代に性教育の関心が高まりました。しかし、二〇〇〇年代になると、そのバックラッシュが起こります。
 有名な一例として、知的障害のある子供に人形を使って体の仕組みなどを教えていた東京都立七生養護学校での事例があります。この学校で行われた指導が不適切だという都議会での批判があり、メディアでも性教育バッシングが巻き起こりました。東京都教育委員会は教員の停職や減給などの処分を下しました。その後、訴訟になり、この都議会議員や東京都教育委員会の対応は不当な政治介入であったと判決が出たものの、その影響が今も尾を引いている現状があります。
 二〇一八年に再び都議会において公立中学校で行われた性教育を問題視することがありましたが、このときは時代が少し変わっていました。様々な性情報が氾濫していることを背景に性教育は必要という声が多く上がり、私たちも二万名ほどの署名を教育委員会に届けました。翌年、東京都の性教育の手引が改訂されましたが、保護者の理解等の要件の下、学習指導要領を超えた内容も指導を容認するというような記載が加えられました。
 今まさに性教育は過渡期にあると感じています。
 現在の保健体育の指導内容は、小学校から始まって、このようにまとめられています。文部科学省が最低限の学習基準として定めている学習指導要領では、いわゆる歯止め規定と言われる記載があります。例えば、小学校五年の理科、人間が母体内で成長して生まれることを取り上げる際、人の受精に至る過程は取り扱わないとの記述があります。また、中学校の保健体育では、思春期における生殖機能の成熟を扱う際に妊娠の経過は取り扱わないとされています。これは一読して意味が取りづらいですが、要するに性交を教えないと解釈され、現場の教員からは性交や性行為はNGワード、どこまで具体的に教えていいか分からないと戸惑う声も聞いています。
 中学校では性感染症が出てきますが、性的接触により感染するという分かりづらい説明になり、避妊、中絶が扱われません。高校になっても性行為や性的同意の扱いはなく、教科書には中絶をしないためにも確実に避妊が必要と記載がありますが、避妊具の入手方法や適切な使用に当たっての具体的な解説は十分にありません。
 また、思春期になると異性への関心が芽生えるという記載があり、いわゆるLGBT、性の多様性についての解説はありません。性的マイノリティーの当事者からも、自分は存在してはいけないように思え、つらかったという声も多くいただいていることを申し添えておきます。
 私たちが高校生に行ったアンケート調査では、性や妊娠に関する知識が十分に定着していない現状があります。こちらの表でもお示ししているとおり、分からないを選ぶ子が非常に多いです。
 こういった中、性情報の主な情報源になっているのは、友人や先輩、インターネット、またアダルト動画、漫画といった不確かな情報源になっています。
 性教育の国際スタンダードと比較しても、日本の性教育が質、量共に不十分なことが明らかです。世界の多くの国では、性に関する教育が生物や健康の科目を中心にカリキュラム化され、毎年十二時間から二十時間程度、幼い年齢から人権教育として性に関することを幅広く、詳しく学ぶことになっています。国際スタンダードでは五歳から学習目標が設定されており、先進的なオランダの性教育では国の定める学習のカリキュラムはゼロ歳から始まります。
 国際スタンダードである国際セクシュアリティ教育ガイダンス、ガイダンスとも略されますが、ユネスコらが国際機関と連携し、世界中の性教育実践や研究調査を基にまとめられています。ジェンダー平等を基盤に幅広い内容をカリキュラムに基づき体系的に学ぶ点、科学的に正確な情報、多様な考え方に触れながら主体的、対話的に学ぶ点が重視されています。これは、他者を尊重しながら、自分で考えて自分でどう行動するかを選択できる力、性的自己決定力を育むことに注力されているためです。知識を身に付けるだけではなく、健康な選択のためのライフスキルを獲得し、健康と幸せの実現につなげていくことが目標として位置付けられています。
 こちらはガイダンスの内容の一部抜粋ですが、生殖だけではなく、ジェンダーに基づく差別や偏見の問題、性交渉における相手との同意といったコミュニケーションなども習うべき項目として取り上げられています。九歳から十二歳の学習目標で、性交、妊娠の確認方法、避妊が出てきますし、十二歳から十五歳で、性と生殖に関する健康に影響する権利や法律について議論する、また責任という言葉も出てきます。十五歳から十八歳で、意図しない妊娠は起こるもので、全ての若い人は必要なサービスや保護を受けられるべきであると出てきます。日本の学習指導要領は、このようなガイダンスに基づくものにはなっていません。
 では、家庭で性教育が十分にされているかというと、二〇〇七年の内閣府の調査では、家庭で性教育を行っている割合は二三%となっています。ガイダンスでは、全ての子供たちに性の学習機会が保障されるためには学校の役割は極めて重要とされています。家庭、地域とも連携し、学校を中心とする性教育の基盤づくりが求められます。
 包括的性教育によって、性的なリスクを減らし、自己肯定感を高めるという結論が出ています。性に関することを教え過ぎると関心を高めてしまうというような、いわゆる寝た子を起こすという神話から、科学と人権に基づく性教育が必要です。
 国内でも、例えば自治体単位での成功事例として、秋田県で医師会と教育委員会が連携し、中高生向けに性教育講座事業を実施しているという事例があります。元々、十代の中絶率が全国平均より高いものでしたが、事業を開始してから約三分の一に減少しました。このような自治体単位での成功事例を全国的に広げていくこともできるのではないでしょうか。
 また、最近の性犯罪・性暴力対策強化に関する政府の動きとして、令和二年度から四年度までの三年間を教育、啓発の強化を含めた性犯罪・性暴力対策の集中強化期間と決定されました。
 命の安全教育という名称で、性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないよう、各段階に応じた取組が明示されたのは大きな一歩だと感じています。また、その一方で、指導する教員の十分な研修機会もどのようにしていくのかという課題もあります。実績のある民間団体と連携するなど、学習効果を高めていくための施策の必要性を感じています。
 これまでの課題整理と今後求められる取組をまとめさせていただきます。
 学校、家庭、地域での性教育の質、量共に不足している課題に対する施策として、包括的性教育を実現する学習指導要領の見直し、教員の研修機会の充実化、地域におけるPTAや多職種連携の強化が挙げられます。
 また、緊急避妊薬の入手のハードルに対して、薬局で販売するなど更なる入手の改善、避妊に関する周知の強化が求められます。
 最後に、性に関するトラブルを抱える子供の支援として、北欧や欧米で普及するユースクリニックのような若者に寄り添う相談機関、支援の充実、またその周知が求められます。
 子供は性について無知のままでいい、若しくは性被害や妊娠を女の子の自己責任とする社会の風潮を、私たち大人が変え、社会を変えていく必要があります。私は、日本の教育や医療の水準は非常に高いと思っていました。しかし、事性と生殖に関する健康と権利、セクシュアル・リプロダクティブヘルス・アンド・ライツの分野では非常に遅れていると言わざるを得ない状況があると感じています。女性たちの声を軽視してきた社会の責任は重いです。バイアグラは半年で承認されたにもかかわらず、低用量ピルの認可には日本は世界で最も遅いと言われる四十四年の年月が掛かりました。声を上げて変わっていくのが十年、二十年、四十年先では遅過ぎます。
 今の子供たちに、日本に生まれたから仕方ないよねではなく、私たちの声で社会をもっと良く変えていけると言える社会にできるよう、一人の母親としても、これから皆さんと考えていけたらと思っております。
 御清聴ありがとうございました。

#11
○会長(芝博一君) 染矢参考人、ありがとうございました。
 以上で参考人の意見陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を執り行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言をいただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 発言は着席のままで結構でございます。
 また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いをいたします。
 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十五分以内となるように御協力をお願いをいたします。
 それでは、これより一巡目の質疑を行います。
 質疑のある方は挙手を願います。
 和田政宗君。

#12
○和田政宗君 自由民主党・国民の声の和田政宗でございます。
 両参考人、本日は誠にありがとうございます。
 まず、山中さんに質問していければと、お聞きをしていければというふうに思いますが、障害のある子供の就学相談、またそれ以後も、これはオーダーメードであったり、また継続性、こういったものが重要であるというふうに思いますけれども、先ほどおっしゃられた中で、人材配置の問題ですとか、あとはうまく相談に乗ってもらえなかったというような感想が出るというようなところでありますが、これは人を、スキルの高い人材を現場にもっと入れていくということが重要であるというふうに、私はそのように受け止めたんですけれども、これ、ただ、なかなかそういった人が増えていないということだったというふうに思います。
 これは、例えば予算的な問題なのか、それとも構造的に縦割りの問題などがあるのか、その辺りの人が増えない要因についてまずお聞かせ願えればというふうに思います。

#13
○参考人(山中ともえ君) ありがとうございました。
 子供の就学先を決めていく、まず義務教育ですと小学校になりますけれども、そのときに相談に当たる人というのは、就学相談員とかそれぞれの自治体でいろいろなんですけれども、小中学校というのは各市区町村の自治体が決める、設置しているから、大体そこの自治体の中で配置していくんですけれども。
 スキルと私が言いましたのは、まず障害があるわけですから障害についての専門性、その障害についても、例えば一つの障害だけではなくていろいろな障害について知っていなければならないということですね。それからあと、教育機関についてやっぱりよく分かっていないと、小学校に行ったらこうだとか特別支援学校に行ったらこうだとか。それから、更にその先ですね、学校に上がっても、親御さんやっぱり心配するのは、この子は大きくなったらどうなっていくんだろうというところなので、その大きくなるまでの過程にどんな支援機関があるだろうかというような、そういったことの知識があって、なおかつ相談ですね、心理的なことが分かっているとか、それからその保護者の心理よく酌み取って話を聞いてあげられるとか、そういったいろいろ相談員としてのスキルなんですけれども、それを兼ね備えた方というのをきちっと配置していくというのが、大きい都市部ではある程度いるんだと思いますけれども、なかなかそうでない、都市部でないところの人材、そこまで人材をそろえるのが難しいというお話はよくあります。
 なので、予算的に、あとまた医療機関、障害かどうかと診断したり、障害そのものについては医療の関係との相談もあると思うんですけれども、就学相談の中によく医師にやっぱり関わってもらうことというのがあるんですけれども、ドクターに関わっていただくにはかなりやっぱり予算的なものが大変だということはあります。それから、ドクターもお忙しいわけですから、それをわざわざ時間割いて来ていただくというのは、予算の面はかなりネックになっていると思います。
 相談員としてのスキルというところでは、今、割と退職された教員だとかそういったことを活用するということはされてはいるんですけれども、その組織、システムのようなものをきちっとつくっていくということもまだまだ課題があるかなというふうに思っています。

#14
○和田政宗君 それでは、更に山中参考人にお聞きをしたいというふうに思いますが、インクルーシブ教育の中において、障害のあるお子さんが同じクラスにいて接するということに対して、障害のない子供たちが、心の形成でありますとか、障害のある方々に対する理解ですとか、そういったところの心の影響というのはどういったことが出るでしょうか。

#15
○参考人(山中ともえ君) 障害者理解とか障害理解というようなことで言われていますけれども、日本の場合はやっぱり障害の重い子は特別支援学校、まあ日本だけじゃないかもしれませんけれども、やっぱり場を別にしているということで、実際接したことがないということがあると思います。
 それがあるので、副籍だったり支援籍だったりということで特別支援学校との交流を進めましょうということがあるんですけれども、周りの子にやっぱり理解させ、理解というんですかね、経験も含めて、それをきちっと系統的にやっぱりやっていくことというのはすごく大事だなと思っているんですね。思っているんですけれども、学校って、いろんな教科の中であったりして、その中で、大体四年生の中で総合的な学習の時間、総合的な学習の時間の四年生で、大体、福祉というような形で取り上げる学校多いんですけれども、じゃその中できちんと系統的にしていこうというとなかなか難しいものがあります。そういうような体系的なものが取り組まれていないというんですかね。交流及び共同学習のガイドというのは文科省の方からも出ていて、すごく進められているんですけれども、どんなところを注意していきましょうかというところがまだまだ弱いかなというふうに思います。
 今、私の学校でも、障害者理解ということで、オリンピック・パラリンピックが、私の学校はちょっと味の素スタジアムが近いので、それもあってパラの方に取り組もうということでやっているんですけれども、やっぱり体験だけをさせるということではなかなか理解にはつながっていかないと思うんですね。前後にやっぱりきちんと学習する。障害だけを理解するわけじゃなくて、障害から、やっぱり一人一人を尊重する、例えば高齢者であったり外国人であったり、いろんな人が今、日本の中にいるわけですから、そういったことにやっぱりつなげていくということを学校で系統的にやっていくということが必要だなというふうに感じています。
 それをきちっと、全学年というんですかね、学校とかで通してやっていくと子供の意識は確実に変わっていくということが、私たちの研究の成果としてはちょっとはっきりしている、したところです。なので、そのような取組を通していかないと、意図的にその機会をやっぱりつくっていく必要があると思います。

#16
○和田政宗君 それでは、染矢参考人にお聞きをできればというふうに思います。
 SNSでの性被害というようなことを述べられていましたけれども、これ非常に巧妙に、例えば画像を送らせたりだとか、相手がなかなかノーと言えないような状況にSNS上でも追い込んで、こういうような性犯罪、性暴力というものが行われているというふうに認識をしておりますけれども、こういった性被害に遭わない、SNSによる性被害に遭わないための教育、これ、なかなか学校現場においても難解である、難しいというふうに思いますし、また社会においてももっともっとその啓発をして、こういったことは絶対起きてはならないし、こういうふうになった場合にはこういうようなやり方で逃れられるとか、そういったことが重要だというふうに思うんですけれども、教育ですとか啓発、これに対する考え方というのはいかがでしょうか。

#17
○参考人(染矢明日香君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。
 SNSでの性被害の問題ですね、非常に深刻だと私たちも感じております。中高生だけではなくて、今小学生もそのような被害が多く起こっているという声を聞いています。
 性被害に遭わない、させないための教育として、やはり具体的な事例を踏まえて考えたりとか、相手の心情を考え、自分の気持ちを、向き合ったりとか、相手を傷つけない方法でコミュニケーションしていくということを具体的に考えていく必要があると思います。
 私たちも、御依頼をいただいた学校から、SNSの使い方や性被害の防止への教育をさせていただくこともあるんですけれども、やはりアニメ動画などを使って、分かりやすい、よくある事例を示した上で、自分だったらどうするかとか、友達がこのようなことで悩んでいたらどのようにアドバイスをするかという、子供たちに考えさせるようなプログラムということを作っております。
 そうしたことによって、もし同じようなことが起こった場合には対処したいとか、相手の気持ちを考えて行動していきたいというような声も多くいただいておりまして、そういうような事例をもっと広げていきたいと思ってはおりますが、ただ、学校では予算が限られるということもあって、私たちも、予算を御用意いただける、教員の意識の高い学校からの御依頼を待つしかないという状況があります。
 なので、こういうような先進的な事例であったりとか効果的なプログラムというのを、政府から是非支援したりとか予算を付けていただくということが有効な施策ではないかと思います。
 それに加えまして、済みません、ちょっと長くなってしまいまして、相談の支援のサービスですね、東京都の「こたエール」さんというサイトがあるんですけれども、こちら非常によくできたウエブサイトになっていまして、よくある相談事例ですとか、実際に相談もLINEや電話でできるんですけれども、こういったような相談窓口というのが既にある中で、そういった窓口の周知というのも同時に行っていく必要もあると感じています。
 以上になります。ありがとうございます。

#18
○和田政宗君 染矢参考人に更にお聞きをしたいというふうに思いますが、低用量ピルのことについてお聞きをしたいというふうに思うんですが、月経痛ですとか月経不順の改善などにもこの低用量ピルというのは効果があるわけでありますけれども、これも、社会認識として、もうピルは全く、使うなんてどういうことなんだみたいなことの意識が、男性の中でそういったことを言われる方もいまだにいらっしゃるわけですけれども、こういった部分について社会全体を、今の質問とも少しかぶるとは思うんですけれども、社会全体のこの変革をしていかなくてはならないという中で、例えば、もっと政府としてそういったところの啓発を強めてほしいであるとか、社会での啓発の在り方であるとか、そういったところの御意見はいかがでしょうか。

#19
○参考人(染矢明日香君) 和田議員のこの質問をいただいて、本当に有り難いなと思っております。
 本当に、月経痛とか月経不順で悩む中高生の声というのは非常に多くいただいているんですね。母親に相談したとしても、いやいや、月経というのは痛いもので、これが普通なんだよ、我慢するしかないんだよというふうに言われたりとか、いや、病院で低用量ピルといういいお薬があって、それを飲めば少し改善されるかもしれないとお子さんから言ったとしても、保護者がそれに反対をする、いや、もしかしたら副作用があるかもしれないから、もしかしたら子供が将来産めない体になるかもしれないという誤った認識の下、ピルへのアクセスが保護者によって阻まれているというような現状があります。
 なので、こういったことに対して、まずは、避妊薬というイメージもまだまだ強い中で、月経痛や月経不順の改善に産婦人科、婦人科へ相談に行きましょう、若くても、妊娠したかもしれないと思っていなくても病院にも行っていいんだよというようなキャンペーンというのは効果的なのではないかなというふうに思っております。

#20
○和田政宗君 もう一点、染矢参考人にお聞きをしたいというふうに思うんですが、性教育ですけれども、ともすると学校任せになっている部分があるのではないかと。私、昭和四十九年生まれで、第二次ベビーブームの一番最後だったんですけれども、じゃ、どういった性教育を自分たちが受けてきたかということを思い返してみると、今のような体系立てたものではなかったのではないかというような認識があります。
 改めて、そういった世代も含めて、家庭での性教育の在り方でありますとか、学校任せにしてはならないんだよというような部分のこれも啓発でありますとか、そういったところの理解を進めるためにはどういったことが必要だと考えますでしょうか。

#21
○参考人(染矢明日香君) 御質問ありがとうございます。
 性教育について、学校任せになっている、学校の裁量に任せられる範囲が大きいというのは実感していまして、ただ、保護者としても、子供たちのリスクを考えると性教育をきちんとやってほしいという声も多くいただいています。
 ただ、まだまだ性教育というものに対する認識とかイメージが人によって違うということもありますので、どういった目的でどのような性教育を行うのかというのを保護者の方にも説明、御理解いただいて、家庭と学校が連携しながら子供たちを、学習機会をつくっていくということが非常に重要だと思っております。
 そのため、今、私たちが講演するときも、お知らせという形で保護者の方に通知をすることもあるんですが、できれば保護者向けの講座を同時開催したりですとか、保護者のお時間を取っていただくというのが難しい場合でも、動画であったりとかそういったものを通じて、こういう性教育によってこういう効果が得られますというようなPRをしてきちんと理解をいただいて、家庭でできるフォローであったりとか、こういった質問に対してはこのような答え方があるとか、相談先というところもきちんとお伝えしていくことによって、より性教育の効果というのが見込めるんじゃないかというふうに思っております。

#22
○和田政宗君 お二人から伺った意見をしっかりと政策の方に、施策の方に生かしていきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。以上です。

#23
○会長(芝博一君) 以上で和田委員の質疑を終了いたします。
 引き続いて、御質疑のある方は挙手をお願いします。
 石垣のりこ委員。

#24
○石垣のりこ君 立憲・社民会派の石垣のりこと申します。
 今日は、お二人の参考人、非常に貴重なお話、ありがとうございました。
 まずは、それでは山中参考人に伺いたいと思います。
 インクルーシブ教育を推進していく上で、教員自身、先生方、学校現場の理解、そして対応スキルを上げていくということが本当に必要になっていると思うんですけれども、実際のところ、その研修というのはどのぐらい今機会が設けられていて、その参加対象になっている先生方というのはどうなっているんでしょうか。個々のケースがあると思いますけれども、是非教えていただきたいと思います。

#25
○参考人(山中ともえ君) 文科省の方で全国的な調査が毎年あるんですけれども、それについては通常の学級の方の教員がどれぐらいの時間受けているかというような人数の調査があるんですけれども、ちょっと今、去年度のとかというのがちょっとぱっと思い浮かばないんですけれども、通常の学級で発達障害を中心とした対応とか指導法についての研修の機会は、かなり各学校が校内研修だとかそういう時間で設けています。ただ、それで全てが解決するかというと、なかなかそうはいかない状況があります。今、大学の方の教職課程の中でも発達障害とか特別支援教育について、一単位かな、取るようになっているんですけれども、なかなかちょっとそれだけでは足りないというふうに言われています。
 それから、その通常の学級の先生たちが特別支援教育、いろいろな障害のある子についての対応を勉強していくことは大事だと思うんですが、教員、通常の学級の先生がこれ以上いろいろなことを身に付けていくというのは本当にちょっと大変なことだなというふうに思っています。そうすると、そこに入ってくるスタッフですよね、学校との関係、できる期間ですとか、そちらの方をやっぱり強化していく必要があると思います。
 それと、そのスタッフの中には特別支援学級とか通級による指導の担当教諭も入ってくると思うんですけれども、中教審、この間「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して」というのが出されましたが、私もちょっとそのメンバーの中におりましたので、そのときにもちょっと意見させていただいたんですけれども、通常の学級の先生たちの研修も大事で、今でもある程度やられてきた。そうすると、次、特別支援学級や通級による指導の先生方の専門性を上げていくということがすごく大事なんですけれども、なかなかここの研修が進まない。それから、じゃ何を、免許のようなものですね、目指していくようなものがちょっとはっきりしていない部分があって、そこのところをどうにかできないかという話はさせていただいたところです。
 特別支援学級とか通級の先生というのは、学校の中では少数派になってしまうんですね。だから、研修をしようと思ってもなかなかその先生たちが研修を受けられるという機会は、もちろん自治体とかでは設定していただいているんですけれども、十分ではないという状況があって、特別支援学級や通級による指導の担当をしている先生方のモチベーションがやっぱりなかなか上がっていかないというところにつながっているというふうに感じています。

#26
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
 実際、その担当されている先生方だけではなくて学校全体としてやはり皆さんが理解を深めていかないと、全体としてのこの教育の意味というのも深まっていかないのかなと。その辺に課題があるのかなということを改めて教えていただきました。
 その上で、外部の方が様々に関わっていく必要性というのももちろん感じますし、実際、支援員の方、介助員の方、通級による指導担当教員、巡回相談員、スクールカウンセラー、少人数指導担当教員、学級支援員、ボランティアの方、地域の方とか、いろんな形でその地域事情に応じていろんな方が関わっていらっしゃるという現状があるようなんですが、逆に、たくさんの方が、機関が関わってくると、個々のその関係性をどうなっているかとか、現状どうなっているかということを調整し、その先を見通して物事を組み立てていくということの重要性と、非常にそれがまた困難であるということが想像できるんですけれども、この辺に関しての現状をどのようにお感じでしょうか。

#27
○参考人(山中ともえ君) そのとおりなんですけれども、私、教員になってからもうかなりの年月がたつんですが、例えば三十年ぐらい前と今の学校というのを比べますと、物すごくいろいろな方が学校に入ってきていると思います。
 学校管理職のやっぱり一つのマネジメントとして、そのいろいろな関係する人たちをどういうふうにつなげていくかということが非常に大事になってきて、管理職だけのマネジメントではなかなか難しい。そうすると、先ほどお話しした中に、特別支援教育コーディネーターというのが今各学校で必ず任命されているんですね。これも調査があるんですけれども、もうほとんど一〇〇%の学校でいます。ただ、その教員の時間軽減ですとか専任とかという形にはなっていないんですね。
 神奈川県が生徒指導専任というような形で一人学校に配置して、障害のある子供だけじゃないけれども、それを専任できるというようなシステムをつくっていると思うんですけれども、なかなかそれだけを担当する配置というのはされていません。養護教諭がそういう役割を担っていたり、特別支援学級や通級の先生がそのコーディネーターの役割を担っていたりするんですけれども、これだけやっぱり発達障害のお子さんとかの対応を通常の学校でやっていくには、そのコーディネーターにもっと時間軽減をするとかそれ専任のコーディネーターの配置というのは、これ本当に切にお願いしているところなんですけれども、なかなかそこまで、少人数、三十人、三十五人学級だとかの教員の算出、出ていましたけれども、なかなかそれプラスアルファ、教員の立場でそういう人を増やしていくというのは難しい状況にはあります。
 イギリスなどですと、スペシャル・エデュケーショナル・ニーズなコーディネーターという、SENCOと言っているんですけれども、そういうような方が学校に配置されているんですね、割と管理職に近いような立場で。だから、今後はそういった方が配置されて、いろいろな関係機関との連携だとか自分の学校の中のリソースを上手に使っていくというふうにしないと難しいだろうなというふうには思います。

#28
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
 それでは、続いて染矢参考人に伺いたいと思います。
 染矢参考人のお話にありました、寝た子を起こす神話から科学、人権に基づく包括的性教育をということに非常に共感をいたします。その上で、日本で国際水準の性教育が阻まれている原因になっている、その壁になっているものというのをこれまでの活動を通じてどのように感じていらっしゃるか、教えていただけますか。

#29
○参考人(染矢明日香君) 御質問ありがとうございます。
 これまでも文部科学省の担当者の方に御質問させていただいたこともあるんですけれども、日本の学校における性に関する指導では、発達の段階を踏まえることですとか学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得るということに非常に重視されていて、性的な発達というのは個々人によって差が大きいということなので、集団教育と個別教育を分けて実施していくことというふうに言われています。また、国際スタンダードである国際セクシュアリティ教育ガイダンスが取り入れられていない理由としては、日本では日本独特の文化があるからというふうなことも聞いたことがあります。
 ただ、情報化社会の中で性的な発達にかかわらず既にたくさんの性情報が子供たちにさらされているという現状がありますし、自分自身が性的な関心を持っていなかったとしても性的な存在としてみなされることがあったりとか、月経や精通が起これば妊娠をさせる機能というのは出てきますので、そういったリスクをきちんと知るということで、何が危険で何が安全かというふうなことをカリキュラムに基づいて幼い年齢から伝えていくことというのは急務であると感じています。

#30
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
 SNSといった玉石混交の、特にメディアリテラシーが必要な情報源ですとか、先輩や友人といった限られた範囲でのコミュニティーに依拠した情報というのがどうしても若い世代では中心になってくると思うんですけれども、染矢参考人のお話の中で、いろんなこれまでの御経験で、ああ、もっと早くこういうことを知っていればよかったとか、実際にその正しい知識であったり、今まで何となく大人が隠していたようなことを、若しくは違う情報に触れてしまって間違った認識があったということを知った子供たちが具体的にどういうふうな反応、感想を持っていらっしゃるのか、ちょっと具体的な事例で、お話しできる範囲で是非教えていただきたいと思います。

#31
○参考人(染矢明日香君) 具体的な講演の反応としましては、やっぱり知れてよかったという声が非常に多くいただいています。
 性について、なかなか知りたくても、検索するのも恥ずかしかったりとか、検索しても必要な情報に、得られないという声も非常に多くいただいていて、その中で具体的にきちんと科学に基づく正しい情報を知れてよかった、安心したという声もありますし、さっきお伝えしたとおり、性的な発達というのは人それぞれだとは思うんですけれども、今すぐに性行為をするというようなわけではないけれども、将来必ず必要になってくる知識だと思うので、今聞けてよかったというようなお答えをいただいています。
 私自身も、妊娠した当事者になって初めて妊娠検査薬というものがあるとか、妊娠をして中絶をできるには期間が決まっているということを知ったんですね。その性的なリスクにいざ面したときに性教育とか性に関する情報を得る機会にしていくのではなくて、やはり予防というのが非常に重要だと思います。
 そのリスクに遭う前に何が危険かであったりとか、もしリスクに面したときにどのような行動を取ればそのリスクを減らすことができるのかということをあらかじめ広く知っておくことということによって、その全体のリスクを減らし、また、自分が自分らしくあっていいとか、自己肯定感を上げる効果であったり、やはり就職、就労ということも若い人、大きく関わってきますので、今後の女性の活躍推進にも役立つものではないかと思っております。

#32
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
 それでは、最後にお二方に伺いたいと思いますけれども、今日はインクルーシブ教育、そして性教育についてのお話ということで、それぞれ、山中参考人は、インクルーシブ教育における性教育というか、インクルーシブの教育を進めていく上での性教育、どういうふうにお考えになっているのかということを是非教えていただきたいのと、これまでの御経験も踏まえて、染矢参考人には、障害を持った方たちの本当に様々な多様な性についての教育というのをどんなふうにお考えになっているのか、それぞれ最後にお願いいたします。

#33
○参考人(山中ともえ君) インクルーシブ教育というか、障害のある子というふうにして捉えたときに、学校で一律に教えていくのをやっぱり理解できなかったり、うまく、何ですかね、捉えられなかったりする子供がいると思います。そこはやっぱり、一人一人発達段階をきちんと学校の方が把握しておいて、その発達段階に応じて付け加えたりとか配慮をしたような指導をしていくということが、だから、発達段階に応じたというところをきちっと学校側が分かっていて性教育進めていくということは大事、性教育をやっぱりきちっとしていくということは、知らせる、知識として伝えていくということは非常に大事なことだと思います。

#34
○会長(芝博一君) 続いて、染矢参考人。

#35
○参考人(染矢明日香君) 障害がある子への性教育も非常に重要だと思っております。被害者にも加害者にもなりやすい傾向があると言われておりまして、やはり全ての人に対する性教育を受ける権利ということを保障していくことというのが非常に重要だと思っております。
 その中で、ではどのように伝えていくのがより効果的なのかという調査や研究というのも今後進めていく必要性があると感じております。

#36
○石垣のりこ君 ありがとうございました。
 御意見を参考にして、今後の政策に反映させていきたいと思います。ありがとうございます。

#37
○会長(芝博一君) 以上で石垣委員の質疑は終わりました。
 引き続いて、御質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 塩田博昭委員。

#38
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭です。
 今日はお二人の参考人に大変貴重な御意見を伺わせていただきまして、大変ありがとうございます。
 まず、山中参考人にお伺いしたいと思います。
 今もずっとインクルーシブ教育についてはお話が出ていたとおりでございますけれども、やはり大変重要だということで、例えば政府としても、昨年十月に文部大臣が山中参考人が校長をされている飛田給小学校に視察に行かれたり、一昨年は浮島文科当時の副大臣が神奈川の県立高校に行ってやはりインクルーシブ教育についてしっかり視察をさせていただいた、このようなこともあって、我が党としても、様々インクルーシブ教育について議論させていただいたり、専門の方に来ていただいてお話を伺ったりということも重ねてまいりまして、そういう中で、やはり特別支援学校というのは教員の専門性が高くて安心して障害に応じた教育を受けられるということで、ただその一方で、児童生徒数が増えて教室が不足して過密化していると、このような課題が出てきておりますよね。
 例えば、教室の不足の対応について、例えば理科室を使っているとか、図書室を転用したり、教室をカーテンで区切って使っているとか、こういうようなことが起こっていたり、また、それ以外にも、例えば学校が郊外にあるので周りの目が届きにくいということがあったりとか、様々課題が言われていたりします。
 今日、だから、山中参考人に、インクルーシブ教育を推進するための課題について、そういうことも含めて再度端的にちょっと御説明をいただきたいというふうに思います。

#39
○参考人(山中ともえ君) 今御指摘いただいた、質問いただいたことはもう重々課題になっていることだと思います。特に特別支援学校の施設については、やはり以前に予想していたよりもより多くの子供たちが特別支援学校を選ぶようになっているという状況があると思います。
 今、教室、施設の設備はもう当然のことなので改築にそれぞれの自治体が取り組んでいただいていることと思いますが、これから、インクルーシブ教育とシステムを付けているわけですけれども、やっぱり多様な選択できるということが一つだと思うんですね。
 だから、全部通常の小中学校に入れてということではなくて、多様な学びとして、場として特別支援学校や、その同じ小中学校の中でちょっと特別な教育課程を受けられる特別支援学級ですとか、部分的に指導を受けられる通級指導の場がやっぱりどこもあって、保護者がそれを選んでいける。それから、選んだときに、その後、じゃ、特別支援学校に今は必要だから行くけれども、状態が改善してきたから今度、小中学校の方に転学したいというようなときに、やっぱりそれがきちんとできていくということが必要なんだろうと思います。
 インクルーシブというような話をしたときに、例えば三十年先とか五十年先とか長期、かなり先の話なのか、近々に、例えば本当にもう来年とか、それから五年後であるとか、近い将来と、ある程度その辺を区切って考えていかなきゃいけないのかなというふうに思うところなんですけれども、まずは多様な学びの場としてそれぞれの学びの場を充実していくこと。で、充実させた上で、選択を、上から目線ではなくて、きちんと保護者と話をして、やっぱりここが適切ですよねというような、先ほど就学相談の話させていただきましたけれども、そういう相談体制をきちっとしていくこと。で、それが入るときだけではなくてずっと継続していて、途中で状態が変わってきたらこちらに行きましょうというような行き来ができること。それからあと、転学だけではなくて、交流及び共同学習という今言い方していますけれども、そういった交流、一緒に学ぶ場というのが、学校だけではなくて地域でもいいんですけれども、そういった場がもっと増えていくこと、こういったことが大事なのかなというふうに思います。

#40
○塩田博昭君 ありがとうございます。
 もう一問、山中参考人にお伺いいたしますけれども、インクルーシブ教育の課題の一つに指導担当教師の専門性の向上ということが挙げられています。特別支援学級で指導を行う教員については、特別支援学校教諭免許状というのを有することの規定はないものの、高い専門性が求められているということから、こうした免許状を有することが望ましいとされていますけれども、山中参考人はその必要性を実感されているのかどうかというのが一つと、また、専門性のある人材の育成は、やはりコストも時間も掛かると思うんですね。そして、都市と地方など環境の違いによって専門性のある教員が偏っていたりして、教育の格差が生じることも考えられます。このことについても山中参考人の御意見をお伺いしたいと思います。

#41
○参考人(山中ともえ君) これは中教審の方でもいろいろお話しさせていただいたところなんですが、特別支援学校教諭の免許状は、特別支援学校はやっぱり取らねばならぬという方向に皆さん動いていて、一〇〇%を目指してそれぞれの学校が学校として取り組んでいます。
 じゃ、特別支援学級や通級による指導の教員はというと、もちろん基礎的な免許は、小学校であったり中学校の教諭の免許は持っているんですけれども、取るものが特別支援学校の教諭の免許になってしまうんですね。その保有率は、特別支援学級の場合は三〇%というところがもうずっと変わらないんです、ここ数年。それを上げたいわけなんですけれども、その免許をやっぱり取りに行く時間ですとかそういったことがなかなか難しかったり、それから、特別支援学校の教諭の免許なので、特別支援学級の先生がそれを目指すということは、ちょっとなかなかモチベーション的に持てなかったりすることがあります。
 ただ、私も、先ほどお話ししましたが、多様な学びの場として小中学校の中に存在する特別支援学級、通級による指導の教員の専門性を上げていくには、その先生方が目指すものというのがないと、保護者の方も、そこに今選んでお任せしてくださる方がすごく増えているんですけれども、その先生が免許をきちんとしたものをお持ちでないとかということを保護者がどういうふうに思うかなというふうに思います。
 なので、私は、やっぱり本当は特別支援学級や通級の先生が取る資格、免許のようなものというのは本当に必要であり、それがあるからこそ教員はそれを目指していく、それを目指せればそれに伴った研修だとか勉強というものもおのずと広がっていくのではないかなと思います。
 ただ、研修については、このコロナ禍でなかなか行くことが難しかったんですが、オンラインという方法がかなり今広がってきているので、これをすごく活用して免許取得だとか資格取得につなげていければいいなというふうに思っています。

#42
○塩田博昭君 大変参考になりました。ありがとうございます。
 続いて、染矢参考人にお伺いしたいと思います。
 染矢参考人は若者に対して正しい性の知識と判断力を育む支援活動を行っておられて、その活動にまず深い敬意を表したいと思います。
 私たちの時代もそうだったんですけれども、参考人の報告を聞いておりますと、いまだにちゃんとした性の情報を知る機会がないという実態を再認識をさせていただきました。
 そこで、端的に伺いますけれども、インターネット世代である現代の若者が正しき性の知識、情報にたどり着くために一番何が重要とお考えなのか。例えば、あふれる情報からその情報の真偽を見極める取捨選択をしながら活用する力を身に付ける、このようにすることが大事なのか、また、それとも文部科学省とか厚生労働省が公的機関のサイト、コンテンツとしてきちんとした性に関する情報を詳細に提供する、このようなことが大事なのか、まず染矢参考人の御意見をお伺いしたいと思います。

#43
○参考人(染矢明日香君) 御質問と温かいお言葉をいただきまして、どうもありがとうございます。
 インターネット世代のために必要な情報の啓発ということなんですけれども、今私たちもまさに模索はしているところではあるんですが、やはりSNSを活用した情報の発信ということも重要かと思います。今の子供たち、インターネット検索をするときも、検索エンジンではなくてSNSのハッシュタグですとかユーチューブから検索をするということも多くあります。なので、そういうふうな子供たちが使っているメディアに流していくということも重要だと思っております。
 既に厚労省の方で性の健康に関するウエブサイトというのを作っておりまして、ただ、それが女性の健康をメーンにされたものであるんですね。もちろんそれも重要ではあるんですけれども、男性であったりとか、いろいろな性別の在り方について悩まれている方というのも非常に私たちメール相談で多く声を聞いておりまして、そういうあらゆる性別の方に向けた情報発信であったりとか、あとは、若い人たちが見ていて面白いとか、シェアをしたい、これを共有したいと思わせるようなコンテンツというのが必要だと思っております。
 ただ、やはり情報発信となっていくと限界があるようにも思っておりまして、興味がある人は見るけれども、興味がない人は全く見なかったり到達できないとなると、やはり権利の保障というところにはつながらないと思っております。
 そのため、学校教育の中できちんと学習機会をつくっていくということが更に重要であるということと、そういったインターネットの情報サイトというのも補完し合いながら、学校で取りあえず取り上げるのはここまでですけれども、もっと発展的に知りたい人はこういうサイトもあるよというような形で、うまく連動しながらやっていくというようなことも考えられるのではと思っております。
 海外では、今、コロナ禍において、ICTを活用したオンラインでのe―ラーニングシステムもかなり普及しているというふうに伺っております。今、私たちの法人でも、そういったオンラインを通じた学習システムであったりとか、あと教材作りということに対して調査や開発を進めているところではあるんですけれども、そういった教員の方へのサポートという意味でもそのような施策ということが有効ではないかと思っております。

#44
○塩田博昭君 ありがとうございます。
 では、染矢参考人にもう一つお伺いいたします。
 染矢参考人は、中学校の保健体育の教科書に掲載されているような基本的な内容でさえ今の高校生たちの知識として身に付いていないと、このような御指摘があったかと思います。この指摘はとても大事なことだと私も思っておりまして、原因は何だとお考えなのかですね。先ほども、学習指導要領の見直し、このような御提案もございましたけれども、教科書の内容の改訂をすべきなのか、性教育の授業の在り方なのか、また教員の教え方なのか、染矢参考人が感じておられる率直な御意見をお伺いできればと、このように思います。

#45
○参考人(染矢明日香君) 御質問ありがとうございます。
 原因は今おっしゃっていただいたような複数考えられるかと思うんですけれども、やはり感じているのは、今の大学生にどのような性教育を受けたか覚えていますかというような質問を投げかけると、ほとんどの人が、覚えていないとか、生理のことをやったというのを女子は覚えているんですけれども、生殖に関する仕組みについてが中心で、自分の体とか実生活に関わる大切なこととして習わなかったという声が非常に多くあります。
 これは、そもそも性に関する指導において、子供たちは性行為をしてはならないような、することが不適切な存在として取り扱われているということが大きな要因であると思っております。なので、子供たち、将来的には性行動をしていく存在とみなして、そのときにどのような意思決定の在り方があるのか、どういった選択肢があるのかというふうな考え方からカリキュラムを作っていくということが重要ではないかと思っております。
 その中で、伝え方としても、ただ一方的に知識を身に付けるというだけではなくて、やはりコミュニケーションも非常に関わってくるところであるので、相手とどのようなやり取りをするかとか、ロールプレーであったりとか、そういったアクティブラーニングを取り入れた学習の仕方というのも重要だと思います。
 今の現状に対して、では、一足飛びに充実をさせていくというのはもちろん難しいことではあるとは思うんですけれども、一つ一つハードルをクリアしていくというか、充実をさせていくことが重要かと思います。

#46
○塩田博昭君 ありがとうございます。
 今後の政策にしっかり役立ててまいりたいと思います。今日は大変にありがとうございました。
 以上で終わります。

#47
○会長(芝博一君) 以上をもちまして塩田委員の質疑を終了させていただきます。
 次に御質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 梅村みずほ委員。

#48
○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほと申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 まずは、山中参考人、染矢参考人、豊富な知識と経験に基づく貴重なお話を本日はありがとうございました。また、日頃からの活動に心より敬意を表します。
 まずは山中参考人にお伺いをいたします。
 山中参考人の本日のお話の締めくくりに、これからGIGAスクール構想でタブレットあるいはPCが学校現場、小中学校、全ての子供たちに配られたこと、ここにまたインクルーシブ教育における学びの可能性があるというような、大変重要だというふうにおっしゃっていたのですが、このGIGAスクール構想、一人一台のタブレットがもたらす可能性とリスクについてどのようにお考えか、お伺いいたします。

#49
○参考人(山中ともえ君) 今ちょうど、もう配られた学校もありますし、四月からという学校もあるんですけれども、元々ICT、タブレットというのは障害のある子にとって個別最適というか、一人一人に応じた使い方がやっぱりできるということで、可能性はもうありましたし、いろんな使い方がもう例えば特別支援学校などではされているところです。
 通常の学級の一人一人にタブレットが配られたことで、発達障害のある子は認知の特性がやっぱりありまして、例えば見方とか聞き方、覚え方にかなり特性があるんですけれども、そのときに、一人、タブレットがあるといいねというのは言っていたんですけれども、全員が持っていないでその子だけが持つということには抵抗があったりしたんですね。なので、これからもう一人一台のタブレットになって全員に配付されるということは、その子なりの使い方ができるなというふうにすごく、先のことですかね、これからに希望を持っています。
 ただ、その使い方をどういうふうに、こんな使い方できるということも指導していったり伝えたりしなければいけないので、与えただけではいけないので、そこの指導の仕方、全員で使う使い方とは別に個別に使う使い方、それからいろいろな今アプリとかも出ていますので、そういったことの研究を進めていくということが非常に大事だと思っています。
 また、タブレットは今特別支援学級の子供にも配付されているんですけれども、通常の学級の子供は、もう本校では配ったんですけれども、早いんですね。先生よりももう、使い方もうどんどんどんどん進めていくんですが、障害のある子の場合はやはり付いていて教えてあげなきゃいけない。それから、もしも遠隔オンラインで授業を仮にやるとしても、おうちに誰か家族の方がいて一緒に使ってあげないとできないということもあるんですね。その辺が、やっぱり障害のある子、一人一人状態違うんですけれども、それに応じた使い方がされていかなければいけないと思います。
 あと、そのリスクについては、本当にこれからいろいろ明らかになるかなと思うんですけれども、情報リテラシーの問題も、先ほどもSNSでというような染矢参考人の方からもお話がありましたけれども、そういった使い方の問題ですとか、それから健康上の問題ですね、どれだけ長く見たらどういう影響があるのか、それから使い方、姿勢とか使い方のルールとか、そういったものをこれから細かくやっていかないと、障害のある子だけでなくて全体になりますけれども、そこはかなりこれから本当に喫緊の課題になると思っています。

#50
○梅村みずほ君 ありがとうございます。大変参考になりました。
 また、子供たちにとって、このICTというものがもたらす恩恵もリスクもあるかと思いますが、また、進級に当たって、小学校から中学校に行く、中学校から高校に進学するに当たっての引継ぎにも大変有効かと考えております。また、就学支援などでも、例えばコロナ禍で、オンラインによるこういった相談というのもできるのではないかと思います。
 もし山中参考人が御存じでしたら、そういったICT、オンラインを利用した就学相談の実例などをお教えいただきたく存じます。

#51
○参考人(山中ともえ君) もうそろそろやっているところもあるかと思うんですけれども、実際に会ってとか、どこどこに行ってというのが難しくて、きちんとそういうアプリを使って相談をするということは割と早くに始まっていると思います。なので、そういった活用はできるかなというふうに、済みません、今どこがとかというのはあれなんですけれども、今、タブレットが入って、一人一台タブレットが入ってきたことによって、学校教育ってすごく多分変わっていくと思うんですね。今までの授業の在り方が、例えば先生が黒板書いてノートを提出するみたいなことというのが物すごく変わってくると思います。
 まだそこまで余り語られていないんですけれども、それに対応して、家庭との連絡方法だとか、今保護者会も割と東京は皆オンラインでやっているんじゃないかなと思います、学校に来ていただけないので。そういったものの使い方というのは、今後もう当然という形になっていくかなと思います。
 ただ、そこであるのが、対面してやっぱり話しないと、画面上だけではなかなかコミュニケーションが取れないとか、親近感が持てないとか、信頼関係が構築なかなかできないとかというような課題も出てきているところではあります。

#52
○梅村みずほ君 山中参考人、ありがとうございます。
 もう一点、山中参考人にお伺いしたいのですが、先ほど染矢参考人のお話からもありました二〇〇三年の七生養護学校での性教育の実例に関することでございます。
 先ほど山中参考人から、個別の発達段階に合わせた指導というのがやはり子供たちにとって大切だというようなお話もお伺いしました。一方で、私もそうだなと思いながら、今、学校現場の先生が業務過多でお忙しい中、新しいことをこれ以上吸収させるわけにはなかなかいかないというようなことも感じている次第でございます。
 ですので、大切ではありながら、個別発達段階に合わせた性教育をハンディキャップを持った子供たちに実際的にできるかどうかという点、お伺いしたいのですが、いかがでしょうか。

#53
○参考人(山中ともえ君) 性教育については、いろんな段階があると思いますが、きちっとしていくというのは本当に必要なことだと思っています。
 ただ、それを教育課程外というんですか、全然別のものとしてやるよりは、例えば保健体育の中でとか、先ほどの学習指導要領ということにつながってくるんだと思いますが、そういった中でとか教科書の中できちんと位置付けられていれば普通の授業の中でできるわけですね。
 それと併せて、個別の指導計画というのを障害のある子供には作っていますから、担任の先生がその子の障害の状態を考えてこういう説明の仕方がいいんじゃないかとか、そういうことは考えられると思います。
 それにやっぱりタブレットとかそういったものは本当に有効かなと思うので、授業の中にきちっと位置付けられるということですね、教科書とか学習指導要領の中で。そうすればできていくのではないかなというふうに思います。

#54
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 実は私、文教科学委員会に常任委員会では所属しておりまして、性教育の必要性を昨年の通常国会、臨時国会を通じまして萩生田大臣にも訴えているところでございます。
 バッシングという点については、大臣は今のところバッシングだと思っていらっしゃらないということを昨年の十一月の答弁の中でおっしゃっていらっしゃいまして、二〇〇三年の例を申し上げましたけれども、私、厳しく指導した方です、東京都で、本当に養護学校でこれだけの器具をそろえての子供たちにこういった性教育をすることが本当に必要かというのは、私は当時は行き過ぎた教育だと思いました、東京都はそれを是正しました、バッシングしたわけでも何でもありません、子供たちのことを思い、かばってやったことですというふうに答弁なさっています。
 一方で、私、性教育を推進すべきという立場から、今様々な自治体にヒアリングをしております。秋田県の、十代の人工妊娠中絶が倍だったところから半減させるところまでに至った秋田の事例もお伺いしましたし、昨日は東京都の足立区、先ほど染矢参考人のお話にもありましたけれども、の中学校の校長先生からは昨日オンラインでヒアリングをしたところでございます。いろんな自治体を、ほかにも富山県でありますとか埼玉県、三重県の四日市市、大阪生野区などにもヒアリングをしておりますけれども、自治体の、まあ全てではないんですけれども、多くの方々がおっしゃるのは、やはりバッシングが怖いということでした。ですので、このバッシングというものを超えていかなくてはいけないのではないかなと思いつつ、それでもやっぱり自治体の皆さんは、こうやったら子供たちに必要な知識を授けられるというふうに試行錯誤されています。
 そこで、染矢参考人に、済みません、お伺いしたいんですけれども、今、各自治体は、助産師さんが出前授業としてやってくださるところ、足立区、先ほどお話ししました、の学校では学校の先生がカリキュラムを頭をひねって考えてやっていらっしゃるところ、助産師さんがやっていらっしゃるところ、いろんな方がいろんなスタイルで教えていらっしゃいます。染矢参考人は、学校現場で教えるのであればどなたが適任だと思われますでしょうか。

#55
○参考人(染矢明日香君) 御質問ありがとうございます。
 学校に、教える人はどなたがいいのかという議論なんですけれども、私は、多職種連携して、いろんな方がいろんな立場から伝えていくというのがいいと思っております。もちろん、学校の先生というのが一番子供たちに近く接していて、課題なども把握している立場ではありますので、そういった中で、地域の助産師であったり、産婦人科医であったり、小児科医であったりが専門的な知識を活用して、子供たちを一緒に見守っていくというような、地域で連携のネットワークをつくっていくことというのが重要かと思っております。
 なので、先ほどの家庭でするべきか学校でするべきかという議論にも少しつながるところはあると思うんですけれども、誰が責任を負うかというものでもなく、それぞれがやはりできる役割というのを認識しながら、子供たちを見守っていけるような地域社会づくりというのが求められるのではと思っております。また、私たちのような市民団体も是非御活用いただけたらと思っております。

#56
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 染矢参考人も御自身の痛みを抱えながらこういった活動に踏み込まれたということをお伺いして、ひょっとしたらどなたよりも心に、子供たちの、子供に響く御経験、知識をお持ちなのではないかとお察しいたしますので、私も同様にいろんな立場の方から教えていただくのがよろしいかなと考えております。
 一方で、私も二人の子供を育てる母親として、小学校三年生の息子と年長の娘には自分で自らおうちで性教育を実施しているところでございます。私といたしましては家庭でも学校現場でも必要だという立場に立っておりますが、実際に現在は家族の在り方が多様しておりまして、性虐待のリスク、性暴力のリスクが家庭内に存在するという場合もございます。家庭内でのリスクと家庭で教える難しさについて、染矢参考人にお伺いいたします。

#57
○参考人(染矢明日香君) おっしゃるとおり、家庭での性教育も非常に重要ではあるんですが、その親自身が非常に困難であったりとか大変な状況であって、子供たちをケアできるほどの余裕がないというような御家庭も多く存在すると思います。そういった中で、家庭支援センターであったりとか子育て支援の文脈の中で保護者に向けてのサポートというのも非常に重要だと思っております。
 例えば、ドイツでは各家庭に性教育の手引のようなものが配られまして、家庭でこういったような性教育をしていくのがいいというような参考資料が保護者向けに送られるというのがあるんですね。西オーストラリア州でも同様の取組があると伺っております。そういった中で大人自身も学んでいって、子供に見守っていくような環境をつくっていくということが重要であると思っております。そういった海外の事例も是非情報提供させていただけたらと思っております。

#58
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 情報提供といえば、染矢参考人のピルコンさんが配信されているツイッターも私、しっかりフォローさせていただいているんですけれども、子供たちに受け取りやすい投げかけ方等をされているのを大変日頃から参考にさせていただいている次第です。
 また、染矢参考人の御著書では、中学二年生の男の子が登場する漫画テイストのものがあるかと思います。中学校というのがやはり適した年齢なのかなと考える一方で、最近は性犯罪もターゲットが低年齢化しています。秋田県では、小学生にも性教育をやってみた経験があるけれども、やはり早いのではないかと産婦人科のお医者様たちがお話しになって、現在はやっていないというお話でした。小学生に対する性教育の必要性というものに関してはどのようにお考えでしょうか。

#59
○参考人(染矢明日香君) 御質問ありがとうございます。
 小学生にも性教育、非常に必要だと思っております。月経や射精の二次性徴が起こる時期でもありますので、そういった思春期の体の変化に対してどのように対応していくのかであったりとか、あとはプライベートゾーンやいいタッチ、悪いタッチがある、身体接触における同意を確認していくというのを身に付けていく非常に重要な期間であると思っております。
 なので、産婦人科の先生の専門といえばやはり妊娠や避妊、性感染症の予防というところになってくるかと思いますので、そういう御専門の方と連携しながら、国際スタンダードや海外の先進事例に基づいて、科学的な根拠に基づいて、この発達段階における課題の対応ということでカリキュラムを作っていくということが有効ではないかと考えております。

#60
○梅村みずほ君 ありがとうございました。
 今後の議会活動に生かしてまいります。
 以上です。

#61
○会長(芝博一君) 以上をもちまして梅村みずほ委員の質疑を終了いたします。
 引き続き、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 伊藤孝恵委員。

#62
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。
 お二人の参考人の先生方、今日はありがとうございました。
 まず、山中参考人にお伺いしたいというふうに思います。
 参考人が先ほどからおっしゃっている障害理解、障害者理解というのは、例えば整えられた環境ですとか、おっしゃっていたような一学期に一回だけというような、そういった行事というのではなかなか深まり得ない、やっぱり一緒に育って、一緒に時間を過ごしてというものでしか深まり得ないというふうに思いますし、それがなかなか進んでいかないというような戸惑いも含めて、悔しさも含めて、参考人の語尾から感じたところであります。
 しかしながら、今回、オンライン授業というのが図らずも一気に導入をされて、今後オンラインとオフライン、このベストミックスというのが一番難しくて、そして一番求められるのが教育行政かもしれないという観点で、ただ、今まで物理的に難しかった、なかなか進んでこなかったというものを、このオンライン授業でインクルーシブ教育にいい方に作用させるには今どういうことが必要なのか。
 例えば私の地元では、一緒にやはり障害を持った子供たちと学校の教室を結んで、よく分からないけど、取りあえず一緒に歌を歌うということから始めるというようなことをやっている学校もあります。そういった、障害の特性にも関わると、違うというふうに思うんですが、このオンライン授業というのをインクルーシブ教育の進めるてこにするにはどういったことが必要なのか、まず教えてください。

#63
○参考人(山中ともえ君) 障害者理解、障害理解でもどちらでも、ちょっと私は余りこだわりがないんですけれども、まず、オンラインで生かすというところは本当ここ急速に始まってきたところなので、その地域のところ、地域の中にある特別支援学校とか小中学校のまず連携が取れているということがないと進まないと思うんですね。それぞれの先生でもいいし学校間でもいいんですけれども、保護者同士でもいいし、地域の様々な活動でもいいんですけれども、まずそこのつながりがないとオンラインやりましょうということにならないので、そこのつながりがあれば、オンラインには当然発展していくのかなというふうには思います。
 今、本当に容易になってきたのが最近なので、私は、ちょっと、十年ぐらい前に試した、スカイプで試したことがあるんですけれども、固まってしまって、そのときはやっぱりうまくいかなかったんですね。今は環境がもう全く違うので、それこそ一緒に歌おうとか何かという活動は、多分今後検討されていくと思います。ただ、そこの素地には、先ほど言いましたけれども、地域の中でのいろいろな関わりがないと難しいかなと思います。
 特別支援学校の方は、今センター的機能ということで、小中学校にいろんな、教えに行ったりとかというようなことを先生がするような仕組みがあるんですね、学習指導要領の中にも明記されましたので。だから、その特別支援学校の方からまず発信していただいて、地域の中のネットワークをつくると。そのネットワークがつくれれば、保護者同士ですとか、それから、子供たちも何年かすれば巣立っていくわけで、結局は社会に出ていく、で、その社会が地域になるわけなので、そこでまた出会うとかというようなことにつながっていくと思うので、まずその特別支援学校を中心としたというか、校区になりますか、ネットワークつくっていくことが、結局はオンラインを活用していくというのにもつながるのではないかなと思います。

#64
○伊藤孝恵君 ありがとうございます。
 やっぱり会いたいですから、やっぱり会って、会った、きれい事ではない障害の現状とか、そういった自分の中に生まれる戸惑い等も含めて、そういうのも感じながら、それでも一緒に生きていくのが社会だというようなことをオン、オフ合わせて感じて、子供たちに大きくなってもらいたいなというふうに思います。
 もう一個お伺いしたいというふうに思います。
 今、テクノロジーで虹彩認証だったり顔認証だったりして、例えば画面をオフしていても、ちゃんと見ている、ちゃんと聞いている、理解しているということが分かるというのはテクノロジーではある。けど、それは出席にならない、単位にならなかったりします。それから、例えばずっと引きこもりになっていたりして、不登校で、中学校や高校にはN高やN中やというのができていても、小学校の不登校に関してのほかの行き場所がないというようなお母さんからの相談もたくさん受けます。
 そんな中で、その体験というのをなかなかできない中で、浴衣を着て夏祭りに行くとか、クッキーを作って焼きたてを食べるとか、そういう体験もしていないというような子供たちに対して、じゃ、体験をバウチャーで送ったり、そういったものに参加したら単位にしてもいいじゃないかと。顔が見せていなくてもちゃんと授業を聞いている、それで単位で、外に出ていく自分を整えて、そして巣立っていくのを見守ったっていいじゃないかというふうに思ったりするんですが、このテクノロジーの発展とともに。どう思われますか。

#65
○参考人(山中ともえ君) 今おっしゃられたことは、小中学校は義務教育なので単位ということにならないので、高校以上になると思いますが、不登校の子に対してそのタブレットを使うということはもう確実に始まっています。
 自分の学校の話ばかりになってしまうんですけれども、今、配られてすぐ、一週間、二週間ぐらいなんですけれども、やっぱりどうしても登校できない、授業を一緒に受けられない子がやっぱり二、三人いるんですけれども、その子には今渡して、教室の後ろにタブレットを置いておいて、映しています。そうしたら、ずっと見ています。ただ、本人はまだ顔を出せないので、顔を出さないんですけれども、そのうち、それが顔が出せるようになって、クラスの子としゃべったりというのができればいいかなと思っているんですけれども。
 あと、それを単位とか、あと出席日数と認めるかというところは、例えば私どもの教育委員会でもちょっと問題にしていただいていて、今後前向きに多分進んでいくだろうと。高校にもそういった波は押し寄せていくんじゃないかなというふうに思っています。それがやっぱり単位になっていく、出席になっていく時代に多分なるのではないか。
 ただ、ちょっと危惧しているのは、実際にそうやって見たものが本当に本人に定着して、力として定着しているのかというところは、それをちょっと何か確認するようなことをしていかないといけないかなというふうに思っています。

#66
○伊藤孝恵君 すばらしいお話、ありがとうございました。ちょうど今出てきたやっぱり一人一台のタブレットというのが、その一人の生徒とつながる本当にデバイスになっていくというのを感じるお話でもありました。
 そんな中で、例えばヤングケアラー、DV、妊娠もそうです、いじめもそうです、抱え切れない悩みを前に、小中高生、特に女子が自殺をコロナ禍の中でしているというような数字があります。そういう中で、この一人一台タブレットでもってつながって生きる方に引っ張っていくというようなことをするために、なかなか今は用途が限られているというような現状の中で、どのような使い方をしたら生きることにつながる、そういったものになり得ると思われますか。

#67
○参考人(山中ともえ君) 今、タブレット、本当にいろんな使い方ができるんですけれども、まだ学校現場としては、教員、先生方の方が全部使えるような、使い方を熟知するというところには行かないですね。
 先ほど言いました授業を見せてみたらというのも、ああ、じゃ、そうやってみましょうかという、何というんですかね、そういうアイデアみたいなことでどんどん進んでいるところがあって、そういうことを教員が少し余裕を持って考えられるようにするには、やっぱり働き方改革で教員の時間をきちっと確保してあげて、そういうことにも気持ちが回っていったりするようにしなきゃいけないのかなと思っています。

#68
○伊藤孝恵君 ありがとうございました。
 続いて、染矢参考人に伺いたいと思います。
 今、ちょっと教員の働き方改革というようなお話が出ました。それは文科省も非常に課題視をしていて、今回、コロナ影響で休業人材、それを学校の現場で働いていただくというので、文科省のデータベースで学校雇用シェアリンクというのを、幼稚園から大学の学校現場で働いていただける、企業の業種を不問で企業から募って今登録をしていただいている、そういった形でいろいろな方々が学校の現場の中に入ってくる。
 先ほど、いろいろな方々が、いろいろなバックボーンを持った方が、いろいろな言葉を持って、誰かを好きになることや触りたいと思うことや、セクシュアルコンセント、お互いの意思を通じ合うということをしっかり伝えることが必要だというのの中で、こういう人材をその専門人材にするというようなことはできるんでしょうか。御所見を。

#69
○参考人(染矢明日香君) 御質問ありがとうございます。
 専門人材の活用という視点ですが、そもそもその方がどのような専門性を持っていらっしゃるのかにもよるかと思います。全く知識がないところから、ゼロから伝えていく、教えられるようにしていくというのはやはり労力というのも掛かってきますので、逆に、専門性がある人材をこういった教育現場で貢献していただけるような筋道をつくっていただくということも重要かと思っております。
 先ほどの事例にあるような、医療従事者というのもありますし、あとは性の多様性、ダイバーシティーの理解ということでいえば、いろんなマイノリティー当事者の方のお話というのも学習を深めていく上で有用ではないかと思っております。

#70
○伊藤孝恵君 今、いろいろな観光業とかスポーツクラブとか、おっしゃるように企業のダイバーシティー担当者とか、そういう方たちも含めて企業の登録が進んでいるんですが、そういう何か企業でやっていた方なら専門人材になり得る、ないし、やはりそういったことをしていない人が、染矢さんのようにいろいろなお母さんや若者に語りかける言葉を持つ、そういう専門人材にはなかなかなるのは難しい、ないし時間が掛かるんでしょうかね。

#71
○参考人(染矢明日香君) そうですね、私たちがしているプログラムでは、若い方に限って、身近な目線で若い人同士で伝える性教育というような、ピアエデュケーションと呼ばれる手法を使っております。これは、ピアというのが仲間という意味で、啓発している対象に近い立場の方というのを登用した取組になっております。
 なので、そういった若い方に限って私たちの用意している研修、トレーニングを受けていただいて、一緒に学びながら活動していくというようなことは実施はしているんですけれども、また、ピアという意味では、例えば保護者の方同士の学び合いであったりとか、あとは、そうですね、企業の方々でも、その企業内における、何でしょう、リプロダクティブヘルス・アンド・ライツの向上に向けた取組というような可能性もあるのではというふうに思っております。

#72
○伊藤孝恵君 ありがとうございました。
 先ほど、一人一台パソコンの中で、やはりこの性教育等、その悩みを聞くのも集団と個別の教育を分けてというお話があったので、その個別のアクセスには非常に最適なデバイスだというふうに思いますけれども、やっぱりチャットボットをやっている中で、一番思い悩むとか何か思い詰めるときって、夜とか夜中とか明け方だったりします。そういうところの相談がなかなか乗れないので、今、例えば孤独対策をやっている団体の方は、時差を利用して、この時間は海外にいる日本人の方に相談を乗ってもらうことで二十四時間絶対に離さないと、二十四時間絶対相談に乗るという体制をしいているというふうにおっしゃっていました。そんなような夜中、明け方対策みたいなところはどうされているんですか。

#73
○参考人(染矢明日香君) 私たちのチャットボットは全て自動応答で答えるものになっていますので、専門の相談員というのは付いてはいないんですね。ただ、ニーズとしては、恐らく、メール相談とLINE相談の両方やっているんですけれども、個別の自分のケースについてどういうふうにしたらいいか教えてほしいとか、気持ちを受け止めてほしいというようなニーズもあるかなと思っております。
 ただ、やはり相談支援事業の中で相談者から課金をするというのがなかなか難しいということがあって、こちらも予算を取っていくということが必要なのかなとも思っております。
 ただ、実際に生活をしている以上に表面化していない性の悩みというのが数多く存在しているのではと思っていて、また、こういう相談に乗るということが、先ほどの二次予防、三次予防につながっていくというか、早期発見と対応につなげていくことでリスク低減にもつなげていけるのではと思っております。

#74
○伊藤孝恵君 アフターピルのアクセス改善というのは、本当にこれは皆さんが頑張ってくださって、あとは政治がやり切る番なんだなというふうに認識をしています。
 もう今、四年も議論していますので、その議論の総括を経て、今年のスイッチOTC化評価検討会議で導入が決定できれば製薬会社の申請や審査を経て二二年度に導入を目指せるというふうに言っていますので、我々は、その二〇一七年に指摘された性教育の不足というところと薬局薬剤師の知識補完というところ、後者についてはもう厚労省が手当てしていますので、この性教育の、ちゃんとやると、この不足を補うということで、アフターピル、必ずこれを、アクセスを改善させていくという、これは本当に我々が次は後押しする番だというふうに思います。
 今日は本当にありがとうございました。

#75
○会長(芝博一君) 以上をもちまして伊藤孝恵委員の質疑を終了いたします。
 引き続いて、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 岩渕友委員。

#76
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 お二人の参考人、本当に貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。
 まず初めに、山中参考人にお伺いをいたします。
 先ほど、国連の障害者権利条約についても触れられていました。この条約では、障害のある人が障害のない人と分け隔てなく人権を保障されて、豊かに生きられる社会の実現のためにインクルーシブ教育が提唱されていると。日本の教育でもこの内容を実現するということが非常に重要だというふうに感じました。
 まずお聞きをしたいのは、通級指導教室についてなんです。
 生徒数が増えているということが紹介もありましたけれども、希望しても入ることができないといったような話もお聞きをしました。それで、潜在的なニーズがどれぐらいあるのかということも含めて実態を明らかにして、それに基づいて教室であるとか教員を増やすなどの改善が必要だというふうに思うんですけれども、実態と課題についてお聞かせいただけますでしょうか。

#77
○参考人(山中ともえ君) 通級の方は、例えば発達障害に関する文科省の調査がありまして、小中学校で平均すると六・五%ぐらいは発達障害の可能性といいますか支援を必要とする子供がいるという数字が出ています。その六・五%が全部通級が必要かというと、そうではないと思うんですけれども、発達障害がはっきりしてきてというか周知されてきて、保護者の方が、子供がうまくいかない理由が、あっ、発達障害かもというようなことで診断を受けたり支援を受けるようになったりしている例が非常に増えているというふうに思います。通級指導を受けることが、自分にとってプラス、子供にとってプラスになるというふうに考える方がすごく増えているんだと思います。
 そういったところで増えていて、この辺の割合なんですけれども、東京都の場合は、通級指導を自分の学校で受けられるという、教員の方が巡回する形にしていますので、数としては急激に増えています。そろそろちょっともう落ち着くかなと思うんですけれども、やっぱり自分の学校で受けられるということになると、じゃ、行きたいなという形は増えてきているんだと思うんですね。改善して指導を終わりにしている子もいるので、確実に成果は出ていると思います。
 その辺の割合はちょっと自治体によって違うんだと思うんですけれども、じゃ、通級による指導がそれだけいいねということになっても入れないということなんですけれども、このことについては、国の方が、文科省の方が、通級の担当の教員を、それまでは加配、平成三十年より前は加配という形だったんですね、基礎定数化されていなかったんですけれども、平成三十年度だったと思うんですけど、以降基礎定数化されて、子供が十三人いれば通級の先生を配置しますよというふうに法令的に改正していただいたので、ただ、それが順次、十年間だったかな、増やしていくというふうになっていますので、なかなかいきなり増えないということは、計画的に増やしていくということはあるかと思います。なので、通級は多分今後全体的にまだまだ増えていくだろうし、教員の方は増えていくと思います。
 今、ただ、通級の対象のところが、今ちょっと知的障害のお子さんどうするかというようなところがあって、知的障害というのも、はっきり分かられているお子さんもいるんですけれども、そこのところははっきりしていないお子さんもいたりして、そこのところが課題になっているというようなところはあるかと思いますけれども、今後、法制化されたので順次増えて、インクルーシブという意味では通常の学級に行って必要な部分だけ受けられるので、いいのじゃないかなと、今後増えていってほしいなというふうに思っています。

#78
○岩渕友君 ありがとうございます。
 続けて、山中参考人にお聞きをします。
 特別支援学校についてなんですけれども、先ほども話がありました。在籍するお子さんがどんどん増えていて学校数が足りていないということで、一つの教室をカーテンで仕切って二つの教室として使うというような実態が問題になって、その背景に設置基準がないということがあるじゃないかということで現場の声が上がって、国会でもいろんな議論がされる中で、今、設置基準の策定に向けた動きが始まっています。
 その教育環境の改善につながる基準の策定というのが大事だと思うんですけれども、これ、策定をするに当たってどんなことが必要だというふうに考えるか、参考人の考えをお聞かせください。

#79
○参考人(山中ともえ君) 通常の小中学校と違って、一学級当たりの人数というか、その辺のところは違うので、まず、その子たちの活動が、人数少ないので通常の教室の広さは当てはめられないと思うので、施設、設備的に、その広さだとか、障害のある子にとって活動がやっぱり十分にできるというところを考えていただきたいなというのと、それから、障害があるので、まあちょっと教育課程の話になるんですけど、自立活動という、障害に特化した、そこの状態を改善するという領域が特別支援学校にはあるんですけれども、そこがやっぱり特別支援学校の一つ肝でもある、障害の改善というところがあるので、その自立活動というか、その障害の状態改善していくというようなところも施設の中に盛り込んでいただきたいなというふうに思います。通常の小中学校とはかなり大きく違うのではないかと思います。

#80
○岩渕友君 なるほど、ありがとうございました。
 次に、染矢参考人にお伺いをします。
 コロナ禍の下で、妊娠したかもしれないなども含めて、性に関する相談が増えているというお話が先ほどもありました。性暴力の被害も増えていて、ワンストップ支援センターへの相談も増加をしていると。
 それで、家が安全、安心な場所ではないという話も先ほどあったんですけれども、未成年者が家にいづらくなって、SNSを介して性被害に遭うケースもあるんだと聞いています。
 このワンストップ支援センターであるとかシェルターの拡充などが必要だというふうに思うんですけれども、コロナ禍で子供たちの不安だとか相談に対応するためにどんなことが必要だというふうに考えるか、お考えをお聞かせください。

#81
○参考人(染矢明日香君) 御質問ありがとうございます。
 相談支援におけるリソースというところでは、やはり私たちの相談の窓口ではメールのみの対処というふうになりますので、もし何か被害があったときに付き添ってどこかに行ったりとかというところまではできないという状況があるんですね。そのため、既にある社会資源や相談機関につないでいくということになるんですけれども、やはりそういった信頼関係を築いていくとか、直接的なもっと深い支援をやっていくというところに各相談機関でも差があったりとか、何というんでしょう、手厚さの違いであったりとか方針の違いというのがあるかと思います。
 あとは、自粛している、ステイホームと言われる家庭環境が必ずしも安心、安全な居場所ではないという子供たち向けに、やはりコロナにおいても、感染症対策を気を付けた上での居場所であったりとか、一時的に避難できるような場所の拡充というのも必要だと思っております。

#82
○岩渕友君 ありがとうございます。
 続けて染矢参考人にお伺いをするんですけれども、国際セクシュアリティ教育ガイダンスについて御紹介をいただきました。このガイダンスがジェンダー平等とか多様な性の在り方など人権教育について性に関することを幅広く学ぶものだということで、この考え方が非常に重要だなというふうに感じたんですね。
 何で日本ではこうした考え方が取り入れられていないかという理由で、文化が違うからだというふうに言われたという話があって、ちょっと驚いたんですけど、このガイダンス、非常に重要だということで、先ほど触れられなかったところで大事だと思うこと、もう少しちょっと詳しく教えていただけないでしょうか。

#83
○参考人(染矢明日香君) 御質問ありがとうございます。
 こちらの国際セクシュアリティ教育ガイダンスというのは、ユネスコが様々な国際機関と連携した上で作成して発表したものになっておりまして、二〇〇九年に初版ができて二〇一八年に改訂をされています。日本語訳も今出ておりまして、書籍もあるんですけれども、ウエブサイト上で全て無料で閲覧もできますので、もし御興味のある方、是非御覧いただけたらと思っております。
 やはり、こちらの特徴としては、非常に幅広く多岐にわたる性に関する課題というのを各年齢層に応じて学習目標が設定されているということになります。こちらと日本の学習指導要領を比較した資料も私たちで作ったこともあるんですけれども、やはり全体的に、例えばジェンダー平等のこと、性の多様性のことであったりとか、あとはメディアリテラシーについて、性暴力について、非常に足りていないような状況というのがあります。
 ただ、先ほどの発表の中でもお伝えしたとおり、性暴力対策強化の動きというのは非常に進んできているものではありますので、そういった流れの中で、ただ、そのガイダンスの全てのカリキュラムをカバーするものではないので、更にこの効果を高めていくというためにも、より幅広い範囲での教育の時間の確保であったりとか、また先生方の研修機会の確保、先生が難しいという場合であれば、こういった民間の団体との連携した取組であったり、オンラインの活用というのが求められるのではと思っております。

#84
○岩渕友君 ありがとうございます。
 次も染矢参考人にお伺いをするんですけれども、ジェンダーの問題が性暴力を始めとしていろいろな問題の根底にあるんだというふうに思うんですね。
 ところが、最近でいうと、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長の女性蔑視発言が世界でも大問題になって、日本のジェンダーギャップ指数が世界で百二十一位ということで、世界と比べてもこの分野は圧倒的に遅れているというのが実態だと思うんですね。
 それで、ジェンダー平等を実現をする重要性について、参考人の考えをお聞かせください。

#85
○参考人(染矢明日香君) 御質問ありがとうございます。
 このジェンダーの不平等というのは、日本において非常に重要な問題と私自身も感じております。
 日本で生きているとこの今の状況が普通だと思ってしまうんですけれども、海外と比較すると、やはり政治に関わるとか重要な意思決定に関わるところで男性の意見というところがメーンになってしまっていて、女性の声というのがなかなか生活や社会の中で反映しづらい状況というのがあるのではないかと思っております。そういったことが日本のセクシュアル・リプロダクティブヘルス・アンド・ライツ、性と生殖に関する健康と権利の遅れというところにも非常につながっているのではないかと思っております。
 ただ、この性に関する問題というのは、虐待のこととかDVのこと、性暴力のこと、非常に多くの問題とリンクしているんですね。ジェンダー不平等を解消しジェンダー平等を実現していくことで様々なその付随する社会問題の解決にもつながっていくものとして、SDGsの中でも重要視されているかと思います。
 そこで、やはりいろいろな性別の在り方があるという中で、男らしさ、女らしさの思い込みであったりとか、そういったことにまず私たちが自覚的であるという必要があると思いますし、差別であったり不当な扱いに対してノーと言える社会づくりというところが非常に重要であると思っております。

#86
○岩渕友君 じゃ、最後に染矢参考人にお聞きするんですけど、今日の冒頭に、日本の性交同意年齢が十三歳と、ほかの先進国と比べて低いことや、性的同意に関わって、刑法では、性行為において暴行、脅迫や抵抗できる状態ではなかったことが証明できなければ犯罪とは認められないという話もありました。
 同意のない性行為は違法だというふうにすることやその同意年齢の引上げが必要だというふうに思うんですけれども、参考人、この問題についてもう少し詳しく教えてください、お考えを聞かせてください。

#87
○参考人(染矢明日香君) こちらの性交同意年齢が十三歳というのは、学習指導要領で性や生殖について教える内容が限られているというのと非常に矛盾していて、その結果、やはり若い世代、特に女の子たちにしわ寄せが行っていると感じています。
 もし妊娠した場合に、自分が性行為を断れなかったから悪いんだとか、避妊について知らなかったから悪いんだとか、あとは、妊娠してしまってどうしよう、親にも絶対言えなくて毎日泣いて過ごしていますというようなメール相談の切実な声もいただいています。もう本当にその子だけの問題ではなくて、やはり社会としてきちんと、自分の身を守る方法があるとか、あなたが受けていることは暴力であってすごく不当な扱いであるんだよということを知らせてこなかった責任も非常に重いと感じています。
 これからの世代のために、女の子で生まれてきたから仕方ないよねとか、我慢するしかない、夢を諦めるしかないというふうな社会ではなくて、やはりその子たちの意見に耳を傾けて、若い人たちを力のない存在としてみなすのではなくて、一緒に未来をつくり上げていくような貴重な声として共に生きていく、まあインクルーシブというところにも関わってくるかと思うんですけれども、社会の一員としてより良く全ての人が生きやすい社会にしていくために巻き込んでいく、また声を取り入れていくということが重要であると思っております。

#88
○岩渕友君 以上で終わります。ありがとうございました。

#89
○会長(芝博一君) 以上をもちまして岩渕友委員の質疑を終了いたします。
 続いて、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 浜田聡委員。

#90
○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHK党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 参考人の先生方には、お忙しいところお越しいただき、そして貴重な御意見お聞かせいただき、大変ありがとうございます。
 まずは染矢参考人にお聞きしたいと思います。いわゆる民間の自立支援施設について起こっている可能性のある問題についてです。
 例えば、ここ数年の間に引きこもり自立支援施設でずさんな管理がされていて、支援が必要にもかかわらず、そういった方が放置されていて餓死したなどの事例が、報道がありました。このように、内情がめちゃくちゃなのに外見上は優良施設として取り上げられているようなところを問題視しております。
 私の元に来た相談を一つ紹介させていただきます。
 現在成人女性の方でして、十年以上前、十七歳のときに少年少女の更生施設に入所させられていた方なんですね。施設から一歩も出ることができない日々が続いて非常に怖い思いをしていたそうです。指導員から暴力を受けることが多々あったとのことなんですが、それだけではなく、男性指導員からいわゆる卑わいな行為をされていたとのことでもありました。親に報告しようにも、外部との連絡が遮断されていてなかなか難しかったとのことでした。さらに、相談者の方によると、十数年たった今ですので、その施設に対して民事訴訟を検討しているとのことですが、証拠がないので難しいと、苦労しているとお聞きしております。
 こういったことが起こっている可能性を踏まえた上でお聞きしたいんですが、このような少年少女施設、更生施設にいる、あるいはいた方からの相談があるのかどうか、あと、その他、このような少年少女の更生施設での問題について御見解をお聞かせいただければと思います。

#91
○参考人(染矢明日香君) 御質問いただいてありがとうございます。相談者の方も非常に大変な思いをしてこられたということが伝わってまいりました。
 私どもが行っている少年少女の支援の施設、更生施設における取組なんですけれども、率直に申し上げて、今のところ特にそういった方からの相談と分かるような事例というのはないように思っております。ただ、やはり、こういった問題行動と言われるものの背景に、その子が置かれている社会的な状況であったりとか支援の少なさというところが陥ってしまう要因としても挙げられると思います。
 非行、悪いことをしてしまったという子に対して、やはり罰を与えるのではなくて、そこから、じゃ、どのような行動が望ましいのかというふうにきちんと教育の機会として充実をさせていくことが必要だとは思うんですけれども、ここにおいてもその包括的な性教育の視点というのがまだまだ足りていないのではと思っております。

#92
○浜田聡君 ありがとうございました。
 民間の自立支援施設であったり少年少女の更生施設で起こっているかもしれない問題について、委員の方々、皆様とともにこの機会で共有をさせていただきたいと思いまして、質問の方をさせていただきました。
 次に、山中参考人にお聞きします。
 特別支援学校について、障害者権利条約を踏まえた上での見解をお聞きしたいと思います。
 障害者権利条約が二〇〇七年、国連で署名されたと認識しております。日本でもこれ批准しておりまして、二〇一四年の二月十九日、国内法的効力が生じていると思います。この障害者権利条約に従いますと、特別支援学級、学校というのは障害のある子と障害のない子を分離するものであって、縮小化すべきものであるのではないかという意見が寄せられていたんですね。
 裁判事例を一つ紹介させていただきます。報道によって多くの方御存じかもしれませんが、川崎市の事例になります。
 医療的ケアが必要な小学校三年生になる男の子が通常小学校に入学を希望していました。ただ、ケアが必要なので御両親が付き添うと言っていた上で希望されたのですが、結局、通常小学校への入学を拒否されて、特別支援学校へ入学すべきとされました。この件については、現在、東京高裁で控訴審中だと承知しております。
 このように、入学拒否というのは障害者権利条約の理念に反するのではないかという意見について耳を傾けるべきではないかと考えます。もちろん、現場のことを考えますと、理想と現実との間で難しい問題だとは思いますが、このように特別支援学校を縮小していくべきだという意見に対して御見解をお聞かせいただければと思います。

#93
○参考人(山中ともえ君) 先ほど、ちょっと私の最初のところでも申し上げたんですが、特別支援学校とか特別支援学級とか、やっぱり多様な学びの場としてそれぞれ機能して、その子のためにある、その子の力を一番伸ばしていくのはどこかということになるので、より専門性の高いところですとか特別な教育課程を受けられるところの場としては、より充実していく必要はあると思います。
 ただ、そこに就学するに当たって相談が十分でなくて、保護者、当事者、本人が同意、合意形成できていないのにそこに行かねばならないというふうな状況になることが良くないことだと思うんですね。就学相談については、そこに専門的な人を配置するとか、それから、入ったらそこで、その入るときにはそこの状況が一番いいんだけれども、何年後かには変わるかもしれないというときに、転学なり、その学びの場を変えるということがやっぱり柔軟にできていくということが必要なんだろうと思います。そこのところがやっぱり問題になっているのかな。
 それから、医療的ケアのことなどもありましたけれども、確かに命に関わることなので、普通の小中学校で三十人近くの一クラス持っているところではなかなか命に関わることを預かるのは難しいというふうな判断だったのかなというふうに思いますけれども、医療的ケアについても、現実、医療的ケアが必要な子の一割ぐらい小中学校に入っている現状があるんですね。そこにやっぱり看護師を配置するとか、その看護師のためのマニュアル、どういった活動をするかというマニュアルも今作成、もう出たと思うんですけれども、そういった体制も進みつつあるので、そういった支援体制だとか人材というのをきちんと予算化して配置していって、そういう配慮の必要な子供たちも小中学校で学んでいける。そして、そこが強制ではなくて、逆に特別支援学校、特別支援学級を選択して行く人もいるので、それはそれで大事にしなければいけないことなのだなというふうに思います。

#94
○浜田聡君 ありがとうございました。
 難しい問題だとは思いますが、障害者権利条約の中にあらゆる場面における差別禁止という考え方がありまして、このような考え方を改めて委員の皆様とも共有をさせていただきたいと思いました。
 本日は貴重な意見をいただきありがとうございました。いただいた御意見を参考に、今後の議員活動に生かしていきたいと思います。
 以上で終わります。

#95
○会長(芝博一君) 以上をもちまして浜田聡委員の質疑は終了いたしました。
 以上で各会派の一巡目の質疑は終了をいたしました。
 二巡目は、答弁を含めた時間がお一人五分以内となるように御協力をお願いを申し上げます。
 これより二巡目の質疑を行います。
 質疑のある方は挙手を願います。
 山田太郎委員。

#96
○山田太郎君 自民党の山田太郎でございます。
 インクルーシブの教育に関して、一点御質問、二点かな、山中さんに御質問したいと思っているんですが、支援学校を出た後の話という問題があると思っていまして、多分、すぐ就職とかという形になってしまうと。
 二つちょっとポイントがあると思って、それぞれ御質問したいのが、一点が、すぐ就職するのではなくて、その間のいわゆる高等教育というんですかね、大学カレッジみたいなものが必要なのではないかと。私、実は、そういうことを民間でやっている早稲田カレッジだとか、そういうところのサポートもずっとやってきているんですけれども、すぐ就職という形ではなくて、そこに一旦挟む。一旦就職しても、A型、B型でもそうなんですが、三年から四年たつと結局辞めちゃって、今度戻るところがないとよく言われる中で、その辺のいわゆるカレッジみたいなもの。ただ、残念ながら、そういうカレッジをつくろうと思っても文科の枠組みではできないので、就労支援の枠組みになってしまうので厚労マターだということで、なかなか連携がいわゆる支援学校と図れていないのではないかといったところもありまして、その辺りのちょっと問題意識を持っているものですから、山中参考人の方に是非その辺りをお伺いしたいのと。
 もう一つは、まさに国公立大学のインクルーシブ教育というものがあると思っていまして、私も東工大の教授やっていたりとか、東大の講師を十四年ぐらいやっていて、国公立大学の方もしっかりインクルーシブ教育、場をつくるべきだと。
 御案内のとおり、MITもハーバードも、私もオーストラリアの方のも調べに行ったことあるんですけれども、実際あるんですよね。日本だけがなくて、某学校の国公立の副学長に直接直談判したら、何でうちの大学がそんなことをやらなきゃいけないんだというふうに言われて、これはもういわゆる差別解消法違反だなと思いつつ、非常に、まあ私立はそれぞれともかくですよ、国公立の大学におけるインクルーシブの教育というのはほとんどもう理解も全くないのではないかという中で、山中参考人自身の問題意識ですね、どう日本のそういったところあるべきなのか、特に高等教育ですよね。
 是非、二点お願いしたいと思います。

#97
○参考人(山中ともえ君) 最初の卒業後、まあ卒後とよく言っているんですけれども、特別支援学校の今は大体高等部まで行かれて、高等部からというところだと思うんですけれども、特別支援学校の高等部は、割と就労についての移行支援計画とか個別の支援計画の中で地域の機関と連携してということは進んでいるし、ジョブコーチなどが付くとかいうような制度もいろいろあります。
 ただ、おっしゃられたように、やっぱり選択肢の広がりはもう当然あった方がいいと思うので、そこを特別支援学校の高等部でやっているだけではなくて、いろんな機関、すぐに出なくても学べるような場があったら確かにいいなというふうには思います。
 やっぱり、障害のある子の選択肢ってどうしても狭くなってしまうところがあるので、もちろん就職すぐにできればそれにこしたことはないですし、就労の仕方でもいろいろ形があるのじゃないかなというふうに思っています。
 それから、二つ目の国公立の大学でというところで、特に高等教育、高等学校での特別支援教育ということで、それぞれ各都道府県が着手しているところなんですけれども、やはりなかなか難しいというところがあります。これもやっぱり本当、多様な選択肢の一つとして、私立というよりは国公立でそういったことを何か始めていただけると有り難いなと思います。
 ただ、大学生は、今、割と大学でいろんな相談ができたり支援が受けられるようになってきたりしていて、大学での対応も、大学の入試、共通入試とかでもいろいろな対応はされてきているので、進んでいるとは思いますが、それが更に促進されていけばいいなというふうに思います。

#98
○山田太郎君 時間になりましたので、以上です。
 ありがとうございました。

#99
○会長(芝博一君) 引き続きまして、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 勝部賢志委員。

#100
○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志でございます。
 今日は、お二人の参考人の方々から大変貴重な御提言と御説明をいただきまして、ありがとうございました。
 ちょっと時間が限られておりますので、まず山中参考人に端的にお聞きをしたいんですけれども、来年度から小学校の三十五人学級が始まるということで、行き届いた教育のためには、定員がどんどん下がっていくことを恐らく先生も望んでおられるんではないかと思うんですね。そんな中で、障害児学校、障害児学級の定員について何かお考えがあるかどうか。
 それから、来年度以降、その人員を確保するために加配を削るとかというような話も出てきたりしています。専門的な人員の配置が求められる中で、そういったことに対する懸念などおありでしたらお聞かせいただきたいと思います。

#101
○参考人(山中ともえ君) 通常学級の方の三十五人学級は今後も進んでいくと思いますが、特別支援学級の定員は一学級当たり八人なんですね。八人で、例えば小学生でしたら、一年生から六年生までいろんな学年が交ざって八人で一学級なんです。なので、昔は、その一つの学級についての子供が少ない時代は良かったんですけれども、今は、結構八人いっぱいいっぱいだったり、一つの学校で特別支援学級が一学級ではなくて幾つかやっぱりできているような状況があります。そのときに、先生一人で、例えば七人なり六人なり、学年も違って、それから障害の程度も結構多様化しているところがあるので、そこを一人で見るのはなかなか大変だと。
 その特別支援学級の定員と定数についてどうにかできないのかというのは、校長会の方からも要望が出ているところです。特別支援学校の方が六人で一学級なので、特別支援学校が六人で一学級だと、特別支援学級でどうして八人なのかというようなことになっているのかなというふうに思います。ただ、そこについては指摘があるところです。

#102
○勝部賢志君 ありがとうございます。
 染矢参考人にもお聞きしたいんですが、本当に端的にお聞きします。
 学校現場とかいろいろなところで直接子供たちを相手にお話をされることがあると思うんですね。反応を聞いてどんなふうにお感じかということと、それから、先生方との関わりはおありなのかなということをちょっとお聞きしたいと思います。

#103
○参考人(染矢明日香君) 御質問ありがとうございます。
 生徒たちの反応は様々なんですけれども、初めはちょっとそわそわしていたりとか少しざわついているような子も、でも私たちが話し始めると割と真剣に聞いてくれたりとか、ディスカッションということをすることもあるんですけれども、ちょっと難しいかなと思うような子たちでも話したり、ちょっとディスカッション自体余り慣れていないという子は紙に書いて、みんなで集めて、誰が書いたか分からないような形で意見を共有したりということをしていくんですけれども、私たちが逆に気付かされるようないい意見というのがいっぱい出ていって、こうやって教育する側と学ぶ側が相互に学び合えるようなプログラムというのがやはり対話的な学びを広げるものではないかなというふうに思っています。
 先生方からも、どういうふうに伝えていいか分からないというので御依頼いただくことが多くて、生徒さんと一緒に聞いていただいてという形で御参加いただいて、勉強になりましたというふうにおっしゃっていただくことが多いんですけれども、先生向けの教材、何度かもう出してはいるんですが、先生が自分で伝えるとして、もしお子さんたちから相談とか質問が来た場合にまだ自分ではなかなか答え切れる自信がないというような声もいただいていまして、そういう先生方向けのフォローアップということも重要かなと思っております。

#104
○勝部賢志君 ありがとうございました。

#105
○会長(芝博一君) それでは、引き続き、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 下野六太委員。

#106
○下野六太君 公明党の下野六太でございます。
 お二人の参考人のお話をお伺いしながら、大変今日は勉強をさせていただいております。
 時間の関係でちょっと短い質問になるかと思うんですけれども、まずは染矢参考人にお伺いをしたいと思います。
 これまで、私も三十年間中学校の教育現場にいたんですけれども、こういった性教育を外部から呼んできて講演とかいう場合に、最小単位が学年であったり学校全体であったりすることが非常に多かったんですね。薬物乱用防止教育もそうでした。しかし、これから少し小単位で、学級というぐらいの単位の中でやっぱり子供たちと生のやり取りをやっていただけると、子供たちがそこから学ぶことは非常に大きいんじゃないかなと。ただ説明で終わるのではなく、その後の質問とかいう対話をやっていただいたらいいんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。

#107
○参考人(染矢明日香君) 御質問ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、やはり大人数でまとめて集団教育の中で知識提供が中心になるよりかは、もちろん伝えるべき情報というのはあるんですけれども、それを基にどう考えるかというふうなことを主体的に考えていただくようなことがより効果的ではないかと思っております。
 実際に、包括的性教育の国際セクシュアリティ教育ガイダンスの中でもそのように記載がされておりまして、クラス単位での実施ということになりますと、ただ、一方で講師への負担が大きくなるということもありますので、こちらとしても、その対応できる人材のより多くの育成であったりとか、先生方との密なコミュニケーションであったり、先生との連携した授業づくりというのが今後求められると思っております。

#108
○下野六太君 ありがとうございます。
 次に、山中参考人にお伺いをしたいと思います。
 インクルーシブ教育は、やはりこれからの学校教育の中でも社会全体においても必要ではないかというふうに思っているんですが、私は地元が福岡県で、糟屋郡の志免町に志免南小学校というところがあるんですが、この志免南小学校は、一九九九年に、小学校一年生の教室の隣の教室、並びの教室ですね、で障害者の方の作業所をその空き教室を使って開設をしたというような全国的にも極めて珍しい取組が行われて、当初、保護者の間で、大丈夫かと、いろんな問題が起きるのではなかろうかという不安をよそに、いまだにすばらしい教育実践がその場で行われているという。
 休み時間には小学生、一年生のお子さんたちがその作業所にやってきて交流が生まれて、そして学校行事には、その作業所の知的障害を持っている六人の方々が学校行事に参加をして、麗しい人間関係がそこでつくられていっているというようなことが、それが幅広く社会で認められて、二〇一五年にはグッドデザイン賞を受賞をされて、無形の福祉事業として全国初となる、ベスト百、未来づくりデザイン賞にも選ばれているというような事例がありますので、こういった、これから小学校においても、小学校の特別支援学級と健常の普通の学級だけのインクルーシブではなく、そういった社会に開かれたインクルーシブ教育を推進していく必要性があると私は思っているんですが、山中参考人の御意見をお伺いしたいと思います。

#109
○参考人(山中ともえ君) 今のような取組、非常に大事だと思っています。やっぱり、いろいろ、勉強するとかということよりも、一緒の場にいるということは非常に大事なことだと思います。
 ただ、なかなかすぐに施設を全部そういうふうにするというふうにはいかないので、今、学校は、これからコミュニティ・スクールということに向けて、地域の中で学校をどういうふうにしていくかという、地域の人が入って学校をつくっていくということにこれからなっていくと思いますが、その中にやっぱり、いろいろな障害のある方、それから施設だったりというのが地域にあると思いますので、そういうものを含んだコミュニティ・スクールになっていくということも一つあると思います。

#110
○下野六太君 参考にさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

#111
○会長(芝博一君) 引き続き、質疑のある方は挙手をお願いをいたします。
 高木かおり委員。

#112
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
 本日は、お忙しい中お越しいただきまして、両参考人、ありがとうございました。
 時間の関係上、早速御質問させていただきたいんですけれども、山中参考人に伺いたいと思います。
 今日、本当に特別な支援を必要とする児童も例年増えてきているという中で、発達障害のお話も出てきていたかと思います。これ、かなり各学校、研修もされているというお話もあったかと思うんですが、支援を必要とする発達障害の子供たちも本当にもう認知されるほどに増えてきているという中で、これ国会でも議論がされ、平成十七年には発達障害者支援法が施行されまして、法律には、この自閉スペクトラム症、学習障害、注意欠陥多動性障害の児童を含めた早期支援というのが明記をされているわけなんですが、こうした発達障害は法的支援の位置付けを持ちながらも、文科省の方では、この教員免許状の件なんですけれども、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者、病弱者の五領域しか今ないということなんですね。いまだに大変、この今日のお話の中にもありましたように、専門性が問われるこの発達障害、この免許状はないということで、この法が施行されましてから十六年がたちます。
 そういった中で、まだ、社会的にこれだけ認知がされて、繰り返しになりますけれども、より専門性が問われているこの発達障害の子供たち、やはりこの発達障害に関する免許に関して、これは創設するべきではないかというような議論が今あるかと思うんですね。ただ、確かに一方で大変難しい問題ではあると思いますが、山中参考人の御見解を是非伺いたいと思います。

#113
○参考人(山中ともえ君) これ先ほどもお話ししましたが、ちょっと中教審でも話題になったことなんですけれども、やっぱり教員の確保ということで、都市部は例えば免許を創設したとしても確保ができても、地方でやっぱりその免許を持っていないとその学級なり教室なりが担当できないというふうになるとなかなか人材の配置が難しいというようなこともありまして、あと、障害種が五種というのが、特別支援学校が、その五つの障害種に対して特別支援学校を設置されているので、で、自閉症については、自閉症の特別支援学校というのはないんですね、免許もないので。
 なんですけれども、ちょっとそういう状況であることについては、少し免許の取るときの単位の取り方のようなところをちょっと発達障害を含めて検討してくださるということだったんですけれども、これだけ通級の希望するお子さんが増え、目指す教諭も、今の学生の中にも多分通級を希望する学生さんも出てくると思うんですね。そういったときに、やっぱり私は、通級なり特別支援学級なり、特別支援学校とは別の免許、発達障害を含めたですけれども、必要だと思うんですが、なかなかすぐには難しいという状況も、自治体の状況からですね、それはそれで分かりました。
 それとは別に、民間資格が臨床発達心理士とか特別支援教育士とかあるんですけれども、そういったものの活用ということも今後考えていくといいのかなというふうに思っています。
 以上です。

#114
○高木かおり君 ありがとうございます。
 民間の力も使いながらサポートをしていくというお話もいただきました。ありがとうございます。
 続きまして、染矢参考人に伺いたいと思います。
 端的にお伺いしたいんですけれども、今日、緊急避妊薬のアクセスの課題ということもお話しいただきました。今、こういった状況の中で、安全性が担保できないような海外製の薬というのが売買されている、ネット上なんかでも売買されているという話もいただきましたけれども、染矢参考人の御存じの範囲で結構なんですが、どの程度これが市中に出回っていて、そういったものを使わざるを得ないというような事例があったのか、また危険だということが啓発されているのか、その辺りの御見識をお伺いしたいと思います。

#115
○参考人(染矢明日香君) 御質問ありがとうございます。
 どの程度使われているのかというので正確な数字は把握はしてはいないんですけれども、SNSとかで例えばアフターピルというので調べていくと、そのようなサイトというのはたくさん出てきます。私も実際に注文してみたこともあるんですけれども、海外から発送されて大体十日間くらいで届くというようなものになっていますが、それが、アフターピル、緊急避妊薬の入手にハードルにある方にとって、そこが、何というんでしょう、抜け道になっている。
 ただ、海外製の並行輸入品ということで、本物の薬であるという認証であったりとか、あとは医療従事者のアフターフォローなどもありませんので、また副作用の救済対象にもならないというようなリスクもあるんですけれども、そういったリスクというのが啓発されないまま使われていってしまっているというような現状があると認識しております。

#116
○高木かおり君 ありがとうございます。
 時間が来ましたので、これにて終了させていただきます。
 本日は誠にありがとうございました。

#117
○会長(芝博一君) 引き続き、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 羽生田俊委員。

#118
○羽生田俊君 自由民主党の羽生田でございます。
 私自身、三十年以上にわたって学校医という立場を経験しておりましたので、その中から、古い話でございますけれども、今でも非常に大切なことだろうというふうに思っておりますので、質問させていただきたいと思います。
 まず、山中参考人にお伺いしたいんですけれども、インクルーシブ教育というのは非常に大切であるというふうに思っておりまして、今後どんどんどんどん進んでいっていただきたいと思っているんですけれども、実は、視覚障害児がいらっしゃいまして、その方が、親の強い要望もあって、普通学級、普通の学校に通ったという例がございました。やはり、かなりもう昔の話でございますから、やはり仲間ができない、いじめや何かに遭って非常に暗い生活を送っていたと。一年ぐらいのときに、一年ぐらいたったときに、親も考えまして、盲学校に移っていい、転校したということがございました。盲学校に行きましたら、その子は自分で、一人で歩くぐらいの視覚障害だったものですから、全盲の子たちの手を引いて一緒に歩いたり、クラスの中心になって非常に明るい元気な子になったという、こういった経験がございました。
 そういった中で、やはりこのインクルーシブ教育というのは大事であるけれども、個々の児童がどういう状況であるかということをまず第一にやはり考えなければいけないというふうに思うところでございまして、その点についての御意見を伺えればと思います。よろしくお願いします。

#119
○参考人(山中ともえ君) インクルーシブ教育システムって、全ての子供を一つのところに入れてということでは今はまだないと思います。それぞれやっぱり障害の程度だとか障害種別だとか困難に思っていることが様々に違うので、やはり同じ仲間がいて安心できたり力を発揮できたりという子供は大勢います。そういったお子さんが別な場ということで特別支援学校を選択しているということはあるので、そういう意味で、特別支援学校、それから同じ小中学校にある特別支援学級という多様な学びの場、それぞれ選択できるということが必要で、ただ、そこに行かねばならないではなくて、選択、主体的に保護者や当事者が選択してそこに行くんだということが大事なんだと思います。それから、その後、柔軟にやっぱり変化していくと。
 あと、それと結局併せてなんですけれども、結局、それを受け入れていく社会が、やっぱり結局、通常の学級に行ったけどいじめがあったとか、そういうことでは浮かばれないわけですから、だから、社会的障壁というような意味で、それを取り除く、それで周りの子供たちの多様性を尊重するということとやっぱり両輪でやっていかなければいけないのではないかなというふうに思います。

#120
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 それでは、染矢参考人にお聞きしたいんですけれども、性教育の問題でございますけれども、日本ではやはり性教育というのが全然発展をしていないといいますか、ほとんど行われていないに近いような状況であろうというふうに思います。
 この障害というのがいろいろあって、先ほど山中参考人の中でも、議会が反対したとか、そういったこともあったんですけれども、教育委員会の問題であるとかPTAの問題というのがあるというふうに思っていますけれども、私が、今までの経験からすると、このPTAの問題というのが非常に大きい、先生方も引いてしまうというような状況があって、なかなか、性教育という言葉を使っただけでいろんな反対意見がわっと来るというのが現状だろうというふうに思っておりまして、私の学校医初めの頃からの経験、今でも変わっていないように思っているんですけれども。
 やはり、家庭での性教育というのが非常に大事で、私も学校保健委員会等で家庭での性教育というのが大事だという話をした記憶もあるんですけれども、そういったことも含め、まずはPTAに対しての性教育というのをもう少し考えた方がいいんではないかという提案をしたいんですけれども、その点についてお聞かせください。

#121
○参考人(染矢明日香君) 御質問と御提言、ありがとうございます。
 現在、PTAの方からの講演の御依頼、お問合せも多くいただいておりまして、最近はコロナの状況の中でオンラインを使っての講座であったりとか、既に講演動画をあらかじめ録画しておいて、そのウエブサイト、URLをお渡しするというような新しい講演の受注の仕方などもしております。そうすることによって、ふだんはPTA活動なかなか参加しづらいお父さん方も週末を利用して閲覧することができたというようなお声もいただいておりまして、そういうPTAの方においても、オンラインを使った講演や情報の普及啓発というところで可能性を感じております。

#122
○羽生田俊君 ありがとうございました。終わります。

#123
○会長(芝博一君) それでは、他に御質疑もないようでありますし、予定の時間も参りましたので、参考人に対する質疑はこの程度といたします。
 参考人の皆様には一言御礼を申し上げます。
 皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表いたしまして一言厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 それでは、これをもちまして本日は散会といたします。
   午後三時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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