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2020/11/30 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 本会議 第6号 令和2年11月30日
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2020/11/30 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 本会議 第6号 令和2年11月30日

#1
令和二年十一月三十日(月曜日)
   午後一時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第六号
  令和二年十一月三十日
   午後一時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(令和元年度
  決算の概要について)
 第二 被災者生活再建支援法の一部を改正する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────

#2
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の報告に関する件(令和元年度決算の概要について)
 財務大臣から発言を求められております。発言を許します。麻生太郎財務大臣。
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕

#3
○国務大臣(麻生太郎君) 令和元年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに国会に提出をいたし、また、令和元年度の国の債権の現在額並びに物品の増減及び現在額につきましても国会に報告をいたしておりますので、その概要を御説明させていただきます。
 まず、令和元年度の一般会計の決算につきましては、歳入は百九兆一千六百二十三億円余、歳出は百一兆三千六百六十四億円余であり、差引き七兆七千九百五十九億円余の剰余を生じております。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定により、既に令和二年度の一般会計の歳入に繰り入れておるところであります。
 なお、令和元年度における財政法第六条の純剰余金は六千八百五十二億円余となります。
 次に、令和元年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は十三であり、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算のとおりであります。
 次に、令和元年度における国税収納金整理資金の受入れ及び支払につきましては、同資金への収納済額は七十七兆四千六百六十六億円余であり、支払命令済額及び歳入組入額は七十六兆八百十二億円余でありまして、差引き一兆三千八百五十四億円余が令和元年度末の資金残額となります。
 次に、令和元年度の政府関係機関の決算でありますが、その内容につきましては、それぞれの決算書のとおりであります。
 次に、国の債権の現在額につきましては、令和元年度末における国の債権の総額は二百二十五兆五千八百四億円余であります。
 次に、物品の増額及び現在額につきましては、令和元年度中における純増加額は七千九百三十七億円余であり、この結果、令和元年度末における物品の総額は十四兆三千九十億円余となります。
 以上が、令和元年度の一般会計歳入歳出決算等の概要であります。
 なお、令和元年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用や経理の適正な処理に努めてきたところではありますが、会計検査院から二百四十八件の不当事項等について指摘を受けましたことは誠に遺憾であります。
 今後とも、予算の執行に当たりましては一層の配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。
 何とぞ御審議のほどよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#4
○議長(山東昭子君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。今井絵理子さん。
   〔今井絵理子君登壇、拍手〕

#5
○今井絵理子君 自由民主党の今井絵理子です。
 私は、自由民主党・国民の声を代表して、ただいま議題となりました令和元年度決算について質問いたします。
 平成という時代を通じて、参議院は決算の院として決算審議を充実させてきました。今でこそ年内に決算提出、委員会付託が行われますが、以前は年明けに提出され、付託まで半年以上掛かることもありました。
 大きな節目は、平成八年の参議院制度改革に係る答申、そして十五年の報告により、決算の早期提出と早期審査が実現したことです。決算審議が次年度の予算編成に反映されることで、その価値はとても大きなものとなりました。
 本日より、菅総理として初めての決算審議が始まりました。これまでの参議院での決算審議に対する改革の成果についての認識と、これから本格化する令和元年度決算に関する審議にどのような姿勢で臨まれるのかを総理にお伺いいたします。
 内閣から独立した会計検査院による決算審査、国会による決算審議のみならず、行政機関もまた効率的な行財政の実現に向けた取組を行っています。行政が自らの政策や事業を評価し、無駄はないのか、政策の在り方として正しいのかと常に見詰め直し、必要に応じて予算編成を行うというプロセスはとても重要だと考えます。
 そこで、予算執行調査や行政事業レビューによる指摘を予算編成に反映させていくことの意義や、これまでの反映実績について財務大臣にお伺いいたします。
 昨年生まれた子供は八十六万五千人です。統計を取り始めて以降、最も少ない数です。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、今年一月から七月の妊娠届は約五十一万件と、昨年の同じ時期に比べて五%減少しています。
 安倍内閣は、希望出生率一・八の実現に向けて少子化対策を強力に進め、本年五月には新たな少子化社会対策大綱を閣議決定しました。しかし、決算検査では保育士等の処遇改善や待機児童の解消に関する報告がありました。事業がきちんと狙いどおりの効果を出せるよう、万全を期していただくことはもちろん、さらに、結婚したい、子供を産み育てたいと強く望んでいる全ての人の声に耳を傾け、寄り添える政府であるべきだと思いますが、総理のお考えをお聞かせください。
 新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くの方々が厳しい環境に置かれています。特に、一億総活躍社会の実現に欠かすことのできない若者、女性、障害者が今とても苦しい状況にあります。
 本年八月の完全失業率は、前月より〇・一ポイント悪化して三・〇%となりました。二十五歳から三十四歳に限定してみると四・三%、この年齢区分における女性は四・七%と、若者、女性の雇用に大きな影響があることが分かります。
 企業などを解雇された障害者は今年九月までの半年間で約千二百人と、昨年の同じ時期と比べて四〇%の増加がありました。特に知的障害者の解雇が増えています。
 DVや性暴力に関する相談件数も大幅に増加。若者、中でも女性や子供の自殺が急増している状況は看過できません。
 政府では、生活不安に対する緊急措置や性犯罪・性暴力対策の強化の方針の決定など様々な策を講じていますが、現状をしっかりと認識し、雇用や生活、人権を守るために一層強力な対策を講じる必要があると考えますが、総理のお考えをお聞かせください。
 近年、毎年のように自然災害が頻発しています。昨年も、令和元年房総半島台風を始め多くの災害が日本を襲いました。改めて犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 豊かな自然の恩恵を受けるとともに、その脅威にもさらされる私たちは、防災・減災、国土強靱化を着実に進めていかなければなりません。
 残念なことに、決算検査報告では、災害拠点病院の自家発電装置が浸水のおそれのある場所に設置されていた事例に対し、処置要求の指摘がありました。
 また、防災担当の政務官として被災地を訪れた際には多くの課題と直面しました。自力で給水を受けることが困難な要配慮者に対するプッシュ型の配給。避難所におけるバリアフリー化やプライバシーの確保など、障害者や女性により一層の配慮。聴覚障害や発達障害のある方などに対し、字幕や手話、分かりやすい言葉による災害情報の伝達が必要なことなど、引き続き対策が必要です。
 そこで、障害のある方や高齢者、女性、子供などの方々に寄り添った防災の実現について、総理の決意をお尋ねします。
 最後に、本日の質疑におきまして、手話に対する御理解を賜りました与野党の全ての議員に心から感謝を申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#6
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今井絵理子議員にお答えをいたします。
 決算に対する認識等についてお尋ねがありました。
 これまでの参議院における決算審議の改革を踏まえ、政府としては、決算の早期提出や審議内容の予算への反映などに取り組んでまいりました。今後の審議においても、決算の内容を丁寧に御説明をし、御審議等の内容を予算や政策に反映するよう努めてまいります。
 少子化対策についてお尋ねがありました。
 少子化の問題は、結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が複雑に絡み合って生じています。私としては、結婚や子供を産み育てたいと望んでいる方々の声に丁寧に耳を傾け、その希望の実現を阻む障壁を一つ一つ取り除いていくことで、長年の課題である少子化対策を大きく前に進めていきたいと考えております。
 引き続き少子化社会対策大綱に基づき、安定的な財源を確保しつつ、様々な施策を速やかに具体化し、事業実施を効果的に行うことで総合的な少子化対策を推進していきます。
 雇用対策、生活困窮者の支援、自殺対策、DV等への対策についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症により社会経済は大きな影響を受け、若者、女性、障害者の方を含め、国民の雇用や生活にも広く影響が及んでいると認識をしております。
 政府としては、このコロナ禍にあって、これまでも、例えば、雇用調整助成金の特例措置や緊急小口資金の特例貸付け、DVや性暴力から女性の人権を守るための相談支援体制の拡充など、国民の雇用や生活を守るための様々な対策を講じてまいりました。
 引き続き、感染拡大が続く中、国民の命と暮らしを守り抜くという強い決意の下で、感染拡大防止に全力を挙げるとともに、国民の雇用や生活の状況を踏まえて、必要な取組はちゅうちょなく実施してまいります。
 防災・減災、国土強靱化と、障害のある方などに寄り添った防災についてお尋ねがありました。
 防災・減災、国土強靱化については、骨太の方針二〇二〇においても、中長期的視点に立って計画的に取り組むため、必要十分な予算を確保し、対策を進めることとしています。災害に屈しない国土づくりを進めていけるよう、年末に向け予算編成においてしっかりと対応してまいります。
 避難所の運営については、障害のある方などへの多様な伝達手段の確保や環境整備、女性の避難所運営への参画などの取組を進めております。また、自宅で避難している高齢者などについても、そのニーズに対応した支援ができるよう、国や自治体、地区の代表者等が連携して対応しております。
 引き続き、災害に屈しない国土づくりや、障害者など配慮を要する方に寄り添った災害対応に取り組んでまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕

#7
○国務大臣(麻生太郎君) 今井先生からは、行政側の事業見直し等についての御一問お尋ねがあっております。
 予算がどのように使われ、どのような成果を上げたかを評価、検証し、予算に反映させるということは、予算の効率化を図る上で極めて重要であります。こうした考えの下、財政当局といたしましては、国会の議決や決算検査報告を踏まえるとともに、財務省が自ら行います予算執行調査や行政事業レビュー等々の結果を的確に予算に反映をいたしておるところです。
 具体的に、令和二年度予算におきましては、令和元年度予算執行調査における四十四件の調査結果を踏まえ、百十億円の減額を反映、また、昨年の秋のレビューなどにおいて、四十八事業を検証させていただき、七百四十九億円の減額を反映をいたしております。
 今後とも、予算が最大限その効果を発揮できるよう、PDCAサイクルなどなどをしっかりと回してまいりたいと考えております。(拍手)
    ─────────────

#8
○議長(山東昭子君) 古賀之士さん。
   〔古賀之士君登壇、拍手〕

#9
○古賀之士君 立憲民主・社民の古賀之士です。
 ただいま議題となりました令和元年度決算について、会派を代表して質問いたします。
 憲法第九十条、国の収入支出の決算は、全て毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その会計検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない、今回議題となった決算は、この条項に基づく重大な政策課題です。そして、決算重視の参議院においては、テレビやラジオの中継まで行われているのであります。
 しかし、令和元年度決算については大きな疑問が残ります。
 例えば、桜を見る会について、予算を大幅に上回る支出が何年も続いていたことがまさに去年、問題となったにもかかわらず、会計検査院の報告にはどこにも指摘されておりません。これを、たかが桜と軽く見てはいけません。財務省の予算査定、内閣府の行政事業レビュー、そして今回の会計検査院の検査報告のいずれも何年も擦り抜けてきたわけですから、政策の検証に大きな穴があることを意味しています。
 さらに、検査院による今回の指摘金額は二百九十七億円にすぎず、昨年の一千二億円の三割以下です。コロナ禍の影響もあり、金額が多ければいいというものではありませんが、憲法上の強い権限を持っている機関としては、国民の期待に応えていると言えるのでしょうか。
 こうした事態が続けば、国会に独自の検証機関を設けることを考えなければならないでしょう。そう表明いたしまして、質問に入ります。
 本日は、秋篠宮皇嗣殿下のお誕生日であり、明日は愛子内親王殿下のお誕生日です。お二方に対し、心よりのお祝いを申し上げるとともに、皇室の弥栄をお祈りいたします。
 三年前のいわゆる退位特例法の審議の際に、政府は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、本法施行後速やかに検討を行い、その結果を速やかに国会に報告することとの附帯決議が付されました。皇位継承に関わる一連の儀式を済ませた現在、国会はいまだに報告を受けておりません。
 そこで、この附帯決議に基づく検討状況と、国会に報告が行われる時期のめどについて、菅義偉総理大臣より御答弁願います。
 あわせて、皇族の減少に伴う公務の負担軽減策にもお答えください。
 ドイツの哲学者ニーチェは、昼の光に夜の闇の深さが分かるものかという言葉を残しています。菅総理は、苦学と努力の末に総理大臣へと上り詰められました。昼の光も夜の闇も両方分かる、そうした政権が始まり、格差の拡大に歯止めが掛かるのではと、私は当初期待をしておりました。
 明日のことを考える余裕のない人、限界まで働いたけど報われない人、希望を失い、自死を選ぼうと悩む人。実際に、この週末も、都内で列車に飛び込んで自死した親子が報道されています。こうした闇の中で懸命にもがいている人に、菅総理は、まずは自分でやってみるというフレーズを投げかけるのでしょうか。夜の闇にとらわれている人には、まずは明かりを照らし、手をこちらから差し伸べるというのが政治の役割だと考えます。自助、共助、公助の在り方について、菅総理のお考えをいま一度お聞かせください。
 私のふるさと福岡県久留米市では、この秋になりますと地元の方が育てたコスモスが三キロ以上も咲き誇り、美しい風景を見ることができます。このコスモスを漢字で書くと秋の桜ですが、久留米市北野町の見事なコスモスとは異なり、永田町では実に不思議な桜が咲いております。
 安倍前総理の桜を見る会の問題は、当時、現職の総理大臣が国会でうそを重ねてついてきたどうかです。最高権力者が堂々とうそを重ねる国は、全ての政策を信頼できなくなってしまいます。ほぼ一年前の去年十二月、今日と同じく決算を議題とした本会議において、吉田忠智議員が桜を見る会前夜祭について質問しました。そのときの総理答弁がことごとくうそだった疑いが出ていることに、同じ場所に立っている私は憤りを感じております。
 憲法第六十三条において、内閣総理大臣そのほかの国務大臣は国会において誠実に答弁する責任を負っているとの解釈を政府はこれまで行ってきました。幾ら前の総理の事務所に関わることとはいえ、官房長官時代の国会答弁が事実と異なっていたとすれば、誠実に答弁したとは言えるのでしょうか。菅総理、憲法第六十三条の政府解釈における誠実に答弁する責任について、御自身が全うされているかどうか、まさに誠実に御答弁願います。
 なお、今問題になっているのは直接的には前夜祭の問題ですが、桜を見る会自体についても問題があります。招待者名簿について、安倍前総理は、あらかじめ定められた手続にのっとって廃棄したと吉田議員に答弁しました。しかし、実際にはガイドラインに定められた廃棄簿への記載を行っていないなど、虚偽答弁であったことが明らかになっています。この点、廃棄簿に載っていないのに文書と電子ファイルの廃棄日時だけは明らかになっていますが、なぜ廃棄の日時が分かったのか、そして、その日時は本当に間違いないのか、菅総理より御答弁願います。
 コスモスが咲く久留米から筑後川を少し遡ると、朝倉市に原鶴温泉があります。福岡県を中心に多くの地元民から愛されてきました。それが三年前の九州北部豪雨で大きな被害や風評被害を受け、ようやく回復したやさき、今回のコロナ禍です。GoToトラベルでは、一泊何万円もする高級ホテルや老舗旅館ほど人気があると聞きます。しかし、原鶴温泉のような地域密着型の観光地を応援することこそ、今、求められているのではないでしょうか。
 感染対策と経済活動の両立を目指すなら、遠方からの移動を促すGoToトラベルもいいでしょうが、観光の地産地消を行う御当地トラベルを本格的に進めるときに来ております。地方の旅館、ホテルは、人、食、特産品、情報、こういったものが集まるまさに地元のハブというべき存在だからです。
 政府は、GoTo事業が感染拡大の主要な原因であるとのエビデンスは存在しないとしているにもかかわらず、札幌や大阪について適用を外すという支離滅裂な対応を取っています。ちょうどこの時期は年末年始の帰省や旅行についてJRの予約が行われる時期です。感染者が増える東京発着を含め、GoToトラベルを根本的に再検討し、早急に結論を出すべきと考えますが、赤羽国土交通大臣の御所見をお願いいたします。
 あわせて、GoToトラベルと深く関わる航空産業や鉄道産業への支援策についても御答弁いただきますようお願いいたします。
 さて、先日、沖縄県尖閣諸島周辺の領海への中国公船の侵入が多発している中で、王毅外務大臣が来日しました。中国の強権的な態度は、外交ばかりか内政にまで及んでいます。チベットやウイグル地域における人権侵害や、国家安全維持法による香港住民への過激な弾圧からそれは明らかでしょう。日本政府としてこうした姿勢を強く問いただす必要があるはずですが、菅総理の御所見をお伺いいたします。
 その中国の最高指導者、習近平総書記を国賓として日本に招くことは、少なくとも現段階では時期尚早ではないでしょうか。総書記が天皇陛下と晩さんを共にすることについて、国民の理解が得られるとは到底思えません。また、国際社会にも誤ったメッセージを送ることになるでしょう。この点について、菅総理大臣はどのように考えているか、お聞かせ願います。
 私は、参議院議員になる前、民放テレビ局のキャスターをしておりました。今も各局の番組をできるだけチェックしていますが、NHKは、「NHKスペシャル」や「クローズアップ現代+」など、検証報道や問題提起ですばらしい作品や番組を多く、また、今もこうして国会中継が行われていることに個人として敬意を表します。
 その一方で、経営計画で削減が検討されてはいますが、地上波やBS4K、8Kなど、多くのチャンネルで民放と同じような番組がオンエアされています。さらに、受信料に関連して、テレビ設置届出の義務化や居住者情報照会制度の導入など、広告料の減収に悩む民放からすれば、それは禁じ手ではないかと思うような対策をNHKは行政に求めました。巨大なNHKが行政の力を借りるのであれば、それは独立性の放棄であり、国営放送に近づくことにもなりかねません。
 そこで、公共放送の位置付け及びこれからの在り方、そして民間放送との関係について、同じ福岡県出身者である武田総務大臣より、この議場のみならず、今、テレビやラジオを御覧、お聞きになっている方々に直接語りかけていただけないでしょうか。
 今回議題となった決算は、突き詰めれば政策の検証です。私は日テレ系列の民放出身ですが、かつて、あの人は今という人気番組がありました。それをもじって、あの政策は今と検証してみましょう。
 まずは、アベノマスクです。
 総配布枚数が一億枚を超えているはずなのに、あの頃も今も町ではほとんど見かけないという、古今東西まれに見るほどの残念な政策です。国民から集めた税金を使って、ほとんど使われないものを配ったのですから、きちんと政府にお尋ねする必要があります。
 田村厚労大臣、結局のところ、アベノマスクは、虫が混入していた不良品の回収も含め、どのくらいの予算が使われ、どのような効果があったのか、数字を基にお示しください。
 繰り返しになりますが、不安の解消、マスク需要の抑制といったこれまでの抽象的な答弁は求めておりません。推定でも構いませんから、配ったマスクがどの程度使用され、感染者の減少にどれほど役立ったのか、数字でお答えください。
 またマスクか、そんな声が聞こえてくるようですが、今日は参議院が重視する決算の本会議であります。予算のチェックをきちんと行い、次の予算に生かすというこの参議院の本会議の意義を御理解ください。
 次は、接触確認アプリCOCOAです。
 リリースされた当時の安倍総理はまるで感染対策の切り札のように紹介されていましたが、今ではほとんど話題にならなくなっています。田村厚労大臣、COCOAの最新の普及率及び今後の見込みと、何より大事なアクティブ率をお答えください。
 ここでも繰り返しになりますが、ダウンロード数だけでは実態が分かりません。アプリが毎日どれくらい使われているか、数字でお示しください。また、陽性登録者のこれまでの累計と、直近二週間の一日当たりの陽性登録者数の平均を、そして、その値の陽性判明者数に対する割合をお答えいただき、できれば感染防止にどれぐらい役立っているかもデータを基に御教授願います。
 今回の決算の詳細は今後の委員会で議論してまいりますが、一つだけ重要な問題を指摘いたします。
 会計検査院の検査報告では、地方自治体において、マイナンバー利用事務ネットワークにおける認証が不十分であった事柄、マイナンバー利用事務ネットワークとインターネットの間で通信経路の限定がなく、住民情報の流出につながりかねない事例、そしてインシデント発生時の事業者との役割確認が行われていない事例が見付かりました。
 菅内閣は、目玉政策の一つに行政のデジタル化を掲げていますが、これらはいずれもその実現に支障を来すことにもなりかねません。検査院の指摘をどのように受け止めていらっしゃるか、また、今後どのような対処を行っていくかについて、武田総務大臣に御答弁願います。
 昨日、国会は議会開設百三十周年を迎えた記念式典を行いました。多くの先人たちが築いてきた知恵を引き継いでいく一方で、オリンピック・パラリンピック、コロナ禍のワクチン対応についてなど、まだまだお聞きしたいことはたくさんありますが、この時間の質問は、大臣は五人までというルールがあります。そのため、質問ができません。
 国会も時代にふさわしい改革を国民の皆様とともに進めていくことをお誓いして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#10
○内閣総理大臣(菅義偉君) 古賀之士議員の質問にお答えをいたします。
 安定的な皇位の継承等についてお尋ねがありました。
 安定的な皇位の継承を維持することは、国家の基本に関わる極めて重要な問題です。男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討を行う必要があります。
 また、女性皇族の婚姻等による皇族数の減少等については、皇族方の御年齢からしても先延ばしすることができない重要な課題であると認識をしております。この課題への対応については、様々な考え方、意見があり、国民のコンセンサスを得るためには十分な分析、検討と慎重な手続が必要であります。
 お尋ねの皇族の減少に伴う公務の負担軽減策を含め、これらの課題については、引き続き静かな環境の中で検討が行われるよう配慮していく必要があると考えており、現時点で具体的な日程等を申し上げることはできませんが、いずれにしろ、衆参両院の委員会で可決された附帯決議の趣旨を尊重して対応してまいります。
 自助、共助、公助の在り方についてお尋ねがありました。
 自助、共助、公助、そして絆という考え方は、まずは自分でやってみる、そして、家族、地域で互いに助け合い、その上で、政府がセーフティーネットでお守りをするという目指すべき社会像について述べたものであります。
 現在、新型コロナウイルスの影響により経済が厳しい状況にあり、政府としては、これまで二百三十兆円を超える規模の対策を講じてきたところです。この中で、生活に困窮されている方々に対しても住居確保給付金の支給、返済免除も可能な緊急小口資金等の特例貸付け、こうしたセーフティーネットを用意しているところです。その上で、今月十日には新たな経済対策の策定を指示したところです。今後とも、ちゅうちょなく必要な対策を講じてまいります。
 憲法第六十三条の解釈等についてお尋ねがありました。
 憲法第六十三条において、内閣総理大臣その他の国務大臣は、議院で答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならないとされており、これは国会において誠実に答弁する責任を負っていることを前提としていると認識しております。私は、これまでも国会においてお尋ねがあれば誠実に答弁してきたところであり、今後とも誠実に答弁をしてまいります。
 桜を見る会の招待者名簿についてお尋ねがありました。
 昨年の桜を見る会の招待者名簿については、公文書管理法などのルールに基づき、あらかじめ一年未満の保存期間と定められ、それに沿って廃棄されたものであり、ルール上、その廃棄に当たって廃棄簿への記載が必要となるものではありません。また、廃棄の時期については、担当の内閣府において確認を行い、それに基づいてお答えをしてきたところであります。
 中国の外交姿勢についてお尋ねがありました。
 中国との間には御指摘の点も含め様々な懸案が存在しておりますが、ハイレベルの機会を活用して、主張すべき点はしっかりと主張し、中国側の行動を強く求めていくことが重要です。
 習近平国家主席と電話会談を行った際にも、中国側の責任ある行動を強く求めるべく、尖閣諸島周辺海域を含む東シナ海情勢について改めて提起し、地域、国際社会の関心が高い課題についても今後しっかり議論していきたい旨を伝えてあります。我が国としては、引き続きこのような一貫した方針の下に、中国との外交を進めていきます。
 習近平国家主席の国賓訪日についてお尋ねがありました。
 中国との安定した関係は、二国間関係だけでなく、地域、国際社会のために重要です。中国との間には様々な懸案が存在していますが、引き続きハイレベルの機会を活用して、主張すべきはしっかりと主張し、中国側の行動を強く求めていきます。その上で、まずは新型コロナウイルスの収束に専念すべきであり、習主席の国賓訪日については、今は具体的な日程調整をする段階にはありません。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣赤羽一嘉君登壇、拍手〕

#11
○国務大臣(赤羽一嘉君) 古賀之士議員よりGoToトラベル事業についてお尋ねがございました。
 本事業は、ウイズコロナ時代における安全で安心な新しい旅のスタイルを普及、定着させる重要なチャレンジであり、観光関連産業に従事する約九百万人の雇用を守り、地方経済を活性化することを目的としております。
 事業開始の七月二十二日から十月三十一日までの間の宿泊割引の利用者数は延べ約四千万人以上、割引支援額及び地域共通クーポン利用額は合わせて約二千億円以上に上り、全国各地の首長や観光関連事業者からは、GoToトラベル事業がなければ廃業が相次ぎ大変な事態となっていた、事業終了予定日以降も是非とも延長をお願いしたいなどとの声をいただいております。
 なお、一人泊当たりの旅行代金は一万三千円余りであり、必ずしも高級ホテル、旅館に集中しているわけではなく、価格帯にかかわらず幅広く利用されています。また、地元県内や近隣地域で利用されているケースが多く、マイクロツーリズムの着実な流れが実現をしております。
 本事業は、感染拡大防止が大前提であり、事業者及び旅行者の双方に対し、徹底した感染防止対策を講じることを参加条件としております。登録された二万三千を超える宿泊施設に対し感染防止対策に関する現地調査を実施し、必要な指導、助言も行っております。
 新型コロナウイルス感染症対策分科会より、GoToトラベル事業が感染拡大の主要な原因であるとのエビデンスは存在しないとの御見解を頂戴しておりますが、この度、北海道知事、大阪府知事それぞれから、札幌市、大阪市が分科会の定めるステージ三に該当するとの認識が政府に伝えられたことを受けて、両市の医療体制に負荷を掛けることを避けるために、予防的措置として十二月十五日までの三週間、両市を目的地とする旅行への本事業の適用を一時的に停止すること、並びに両市に居住する方に対し、本事業の利用自粛を強く呼びかけることとしたところでございます。
 今後、感染が増えている地域についての本事業の対応につきましては、分科会並びに当該知事らの意見を踏まえ検討するとともに、国土交通省といたしましては、引き続き感染拡大防止に向けた取組を徹底し、本事業の目標達成に向けて適切に事業を運用してまいります。
 次に、航空産業や鉄道産業への支援策についてお答えさせていただきます。
 航空業界や鉄道業界は、コロナ禍で長引く需要の減少により未曽有の厳しい経営環境の中、感染拡大防止策を講じながら公共交通機関としての使命と責任を果たしていただいていることに改めて感謝を申し上げたいと思います。
 これまで航空業界並びに鉄道業界に対し、資金繰りと雇用の確保のために、日本政策投資銀行の危機対応融資等の活用や雇用調整助成金の拡充、延長、国税、地方税の納税猶予の特例などの支援を行ってきております。
 また、需要喚起策としてGoToトラベル事業を実施することにより、鉄道、航空の国内線の利用客数は着実に回復基調にございます。
 特に、国際、国内の航空ネットワークを適切に維持確保する観点から、着陸料等の引下げ等を盛り込んだ支援施策パッケージとして実施しているところでありますが、航空業界からは、更に踏み込んだ公租公課の減免の御要望などをいただいており、その実現に向けて取り組んでいるところでございます。
 航空業界及び鉄道業界は、公共交通機関として国民生活や社会経済活動を支えるとともに、ポストコロナの成長戦略にも不可欠なインフラでございます。国土交通省として、引き続き両業界と密接に連携しながら、必要な支援策を講じてまいります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣武田良太君登壇、拍手〕

#12
○国務大臣(武田良太君) 古賀之士議員からの御質問にお答えします。
 まず、公共放送の位置付け及びこれからの在り方並びに民間放送との関係について御質問がありました。
 NHKは、公共放送として、放送法に基づき、広告主の意向や視聴率にとらわれない豊かで良い番組を全国にあまねく放送するなどの重要な社会的使命を担っており、引き続きその使命を果たしていただきたいと考えております。
 また、NHKにおいては、国民・視聴者の皆様からの受信料で成り立っていることを十分に踏まえ、とりわけこのコロナ禍において家計の負担が重くなっている中、業務の徹底的なスリム化や受信料の見直しなど、公共放送として国民・視聴者に対して何ができるかを真摯に検討いただきたいと考えております。
 我が国の放送は、公共放送であるNHKと主として広告収入を財源とする民間放送の二元体制の下、互いに切磋琢磨しつつ発展をしてきました。総務省としても、この二元体制を維持しつつ、NHKが国民・視聴者から支持を得られる公共放送となるよう、必要な取組を行ってまいりたいと思っております。
 次に、会計検査院の検査報告における自治体のセキュリティーに関する指摘について御質問いただきました。
 総務省では、平成二十七年度に地方公共団体の情報セキュリティー対策として、内部ネットワークを分割するなど、いわゆる三層の対策を講じるよう要請し、併せて補助金などによる支援を行いました。
 この補助金に関して、会計検査院が平成二十九年十月から行った検査において、一部の地方公共団体でマイナンバー利用端末に二要素認証が導入されていないことなどに対し改善の指摘がなされたところであります。
 こうした御指摘を受け、総務省としては、会計検査院の指摘事項全般に関して、全団体に現状の確認と対策の実施を求める通知を発出するとともに、個別に指摘があった団体に対して直ちに具体的な対策の徹底を求め、後日、適切に対応しているところを確認をいたしました。
 行政のデジタル化を進めるに当たっては、セキュリティー対策の徹底が極めて重要であると認識しており、サイバー攻撃の急速な多様化、高度化などを踏まえつつ、引き続き地方公共団体の情報セキュリティー対策をしっかりと支援してまいります。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#13
○国務大臣(田村憲久君) 古賀之士議員にお答えいたします。
 布マスクの全戸配布についてお尋ねがありました。
 マスクについては、二月以降、店頭での品薄状態が長引き、国民の皆様においては、マスクが手に入らず不安に感じられていたと認識しております。布マスクは、せきなどの飛散を防ぐ効果があるなど、感染拡大防止に一定の効果があると考えており、また、洗濯することで繰り返し利用できるため、急増しているマスク需要の抑制の観点からも有効と考えたことから、本年四月に国民の皆様に幅広く配布を行うこととしたものであります。この事業については、約一億二千万枚を配布し、約二百六十億円の予算を使用しています。
 政府としては、感染防止対策のための様々な対策を講じている中で、個々の対策がどの程度寄与するか数字をお示しすることは困難でありますが、マスクには対面する人への暴露量を減らす効果があるといった研究があり、米国疾病対策予防センターからも公衆衛生施策として推奨されていると承知しています。
 また、布マスクの全戸配布については、国民の皆様より感謝や御礼の声もいただいており、一定の効果はあったものと考えております。
 接触確認アプリの最新の普及率や感染防止への有用性等についてお尋ねがありました。
 接触確認アプリのダウンロード数は、十一月二十七日十七時時点で二千六十六万件となっております。アプリが国民一人一人の同意と御協力を得ながら御利用いただくものであることや、利用者のプライバシーに配慮した仕組みとしていることから、今後の見込みについて推計することや、アクティブ率及び使用頻度について把握することは困難であります。
 また、これまで三千百八十五名の方が陽性登録をしていただいており、十一月十三日から二十七日までの陽性登録件数の一日当たり平均及び陽性判明者数に対する割合は、それぞれ五十三・五件、約二・八%となっております。
 接触確認アプリをダウンロードすることや陽性登録することの有用性としては、過去に陽性者と接触した可能性のある方に通知が届き、通知を受けた方が検査の受診等につながるサポートを早く受けることで感染拡大防止につながることが挙げられます。
 引き続きより多くの国民の皆様に御利用いただけるよう、幅広い関係者の協力を得ながら、周知や利用の働きかけに努めてまいります。
 以上です。(拍手)
    ─────────────

#14
○議長(山東昭子君) 里見隆治さん。
   〔里見隆治君登壇、拍手〕

#15
○里見隆治君 公明党の里見隆治です。
 私は、会派を代表し、ただいま議題となりました令和元年度決算について、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 会計検査院からの指摘事項への真摯な対応について、まず求めます。
 令和元年度決算においては、新型コロナウイルス感染症の影響による経済の落ち込みや納税の特例猶予などにより、税収が五十八・四兆円と三年ぶりに減収となりました。今後、財政状況の更なる悪化も懸念されますが、経済再生のための十分な財政出動なくして今後の税収の回復、財政再建もあり得ません。
 政府においては、今般、会計検査院から指摘された税金の無駄遣いなどについて早急に改善を図り、真摯に対応すべきであります。その上で、第三次補正予算や来年度予算の編成に当たっては、国民の生活、雇用を守り、経済を確実に回復軌道に乗せるとの観点から、積極的な財政出動が必要と考えます。総理の御所見を伺います。
 雇用情勢は、年末にかけて予断を許しません。公明党として、第三次補正予算編成に向けて度重ねて提言をしてきましたとおり、雇用を守るため、雇用調整助成金の活用により、休業による雇用維持を支援しつつ、在籍出向も従来以上に支援を手厚くする必要があります。
 企業間の移籍、出向を支援する機関として産業雇用安定センターがあり、公明党として東京や名古屋のセンターを訪問しました。所管の厚生労働省に加え、経済産業省など各産業の所管省庁や自治体、金融機関、経済団体、労働組合等と連携をし、求人求職情報の共通プラットフォームを構築することが支援強化の鍵を握るとの認識を得ました。
 現在の情勢下では、雇用調整助成金の特例措置を延長するとともに、在籍出向も手厚く支援をし、中長期的には、成長産業や社会のデジタル化を担う人材育成、労働移動支援を進めなければなりません。今後の成長戦略を見据えつつ、政府を挙げての雇用対策の推進が求められます。雇用対策に取り組む総理の御決意を伺います。
 新型コロナウイルス感染症対策においては、予備費が有効に活用されてまいりました。令和元年度予備費は、中国からの日本人の帰国支援、病床確保、中小企業の資金繰り支援などに活用されています。また、令和二年度補正後予算においては、過去にない十兆円を超える予備費が計上され、見通しの立てにくい感染症対策にあっても、医療体制の確保、持続化給付金や雇用調整助成金の特例措置などを積極果敢に進めることができました。特に、ワクチンの確保に当たり、開発が先行する外国企業との間で交渉が進展できたのも、予備費の存在が大きく貢献したと考えます。公明党としましても、その活用を大きく後押しをいたしました。
 さらに、いまだ予断を許さない感染症対策に向け、予備費を更に積極的に活用すべきと考えますが、総理の御所見を伺います。
 新型コロナ感染症対策の事業の中には、国民に直接支給される給付やサービスに充てられる費用以外に、委託団体の事務費に充てられる間接経費が高過ぎるとの意見を踏まえ、実施方法を変更したものがありました。今後、委託であれ直轄事業であれ、決算において間接経費が見えるように工夫が必要です。
 かねてより公明党が強く求めてまいりました財政の見える化の一環として、個別事業のフルコスト情報の開示の更なる活用、本格実施は、その有効な手段となります。
 フルコストとは、事業費本体だけでなく、関連する人件費、物件費、減価償却費などの間接経費を加えたものであり、平成二十六年度決算分から、事業の一部で個別事業のフルコスト情報、単位当たりコストの開示が試行的に取り組まれております。例えば、参議院の業務の一日当たりコストは平成三十年度で一・一億円、ちなみに衆議院は一・八億円となっております。
 このフルコスト情報開示の対象事業を大幅に拡大するとともに、その積極的な活用を図るべきと考えます。また、フルコスト情報を含む国の財務書類の国会への提出に関して、特別会計は現在法定義務化されている一方で、一般会計は法定義務化されておりません。速やかに法定義務とすべきと考えますが、財務大臣の御所見をお伺いします。
 近年の災害の激甚化、頻発化を踏まえ、防災・減災、国土強靱化三か年緊急対策として、今年度までの三か年で百六十か所の緊急対策を実施してまいりました。
 しかしながら、例えば、我が国有数の産業貿易拠点の名古屋港においては、昭和三十四年の伊勢湾台風による高潮被害を教訓に防潮壁が整備されましたが、我が国最大のゼロメートル地帯を擁する濃尾平野を背景にしてもなお、切迫する南海トラフ巨大地震の大規模災害に対する防潮壁の地震・津波対策はいまだに五〇%以上実施されておりません。伊勢湾台風などの甚大な浸水被害に遭われた地元住民の皆様からは、早期の整備を求める切実なお声をいただいております。
 公明党は、防災・減災、国土強靱化を令和三年度以降も同規模以上で、また、通常予算と別枠で計画的に進めるべきと主張してきましたが、今後の取組について総理の御所見をお伺いします。
 耐震化対策に関して、例えば、令和元年度決算検査報告においては、経済産業省の関係事業で、関東以西の十二の石油製品の製造工場について、南海トラフ巨大地震等の大規模地震の想定が十分でなかったと指摘されています。
 耐震強化を始めとして防災・減災対策は一朝一夕にできるものではなく、質、量共に十分な計画を立てて着実に進めるべきと考えますが、国土交通大臣の御所見を伺います。
 政府は、行政のデジタル化について、各省庁や自治体の縦割りを打破し、今後五年で自治体のシステムの統一・標準化を行うとしています。公明党は、先般、政府にデジタル庁設置に向けた提言を行いましたが、デジタル庁設置は、単に行政組織、システムの構築にとどまらず、結果として誰一人取り残さず、豊かな国民生活をもたらすものでなければなりません。
 また、住民サービスの最前線、自治体のデジタル化を確実に進めるために、今後構築する自治体共通システムについては、国が無償で提供し、各自治体の実情に合わせた住民サービス向上のための施策についても国が財政上の支援を行うべきと考えます。
 一方、令和元年度決算検査報告においては、地方自治体の情報セキュリティー対策について、自治体により十分でない事態が指摘されています。この点も含め、自治体のシステムが統一・標準化されるまでの間も、デジタル庁が司令塔となって自治体のデジタル化を支援すべきと考えます。
 地方自治体のデジタル化に対する国としての支援策について、デジタル改革担当大臣の御所見を伺います。
 最後に、公明党は、コロナ禍や相次ぐ災害の影響を受ける国民の皆様にどこまでも寄り添い、断じて国民生活を守り抜くことを改めてお誓いを申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#16
○内閣総理大臣(菅義偉君) 里見隆治議員にお答えをいたします。
 決算検査報告についてお尋ねがありました。
 令和元年度決算検査報告において多くの指摘を受けたことは誠に遺憾であります。これらの指摘については、私から各大臣に対して、確実な改善に努めるよう指示を行いました。指摘の内容に応じて着実に改善策を講じ、今後の予算や会計事務などにしっかりと反映をさせてまいります。
 第三次補正予算等についてお尋ねがありました。
 感染対策を万全なものとし、経済を回復させていくために、現在、経済対策、補正予算の検討を行っております。
 医療機関などの支援、雇用や事業の支援、近年の災害に対応した国土強靱化、ポストコロナに向けたデジタル化やグリーン社会の実現などについて、経済の回復に向けて十分な中身となるよう検討を進めております。
 また、来年度の当初予算についても、感染対策をしっかり行いつつ、これまでの改革を反映させたものにしたいと思います。
 雇用調整助成金の特例措置などの雇用対策についてお尋ねがありました。
 雇用調整助成金の特例措置の取扱いについては、十二月までとしていたところ、現下の情勢を踏まえ、来年二月末まで現行の特例を延長することとしました。
 また、在籍出向を活用した雇用の維持への支援や失業なき労働移動を進めるとともに、デジタル分野を始め技術革新と産業界のニーズに合った人材育成に取り組んでまいります。
 雇用対策については、新たな日常の下での経済社会活動に適合した新たな雇用就業機会の確保に産業政策との連携を図りながら取り組む必要があり、引き続き関係省庁が連携しつつ、必要な対策をちゅうちょなく講じてまいります。
 いまだ予断を許さない新型コロナウイルス感染症対策の予備費についてお尋ねがありました。
 コロナ予備費については、これまで医療機関の支援、ワクチンの確保、雇用調整助成金や持続化給付金の追加など、その都度必要な経費四・二兆円を使用しています。今後も、感染状況や経済状況を踏まえ、緊急に予算の手当てが必要となった場合には、コロナ予備費も活用し、新型コロナウイルス感染症への対応に万全を期してまいります。
 防災・減災、国土強靱化についてお尋ねがありました。
 三か年緊急対策後の取組については、骨太の方針二〇二〇においても、中長期的視点に立って計画的に取り組むため、国土強靱化基本計画に基づき必要十分な予算を確保し、オールジャパンで対策を進めることとしております。省庁、自治体や官民の垣根を越えて、引き続き災害に屈しない国土づくりを進めていけるよう、年末に向けて予算編成の中でしっかりと対応をしてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕

#17
○国務大臣(麻生太郎君) 里見議員から、個別事業のフルコスト情報の開示と国の財務書類の法定義務化について、計二問お尋ねがあっております。
 まず、個別事業のフルコスト情報の開示についてお答えをさせていただきます。
 個別事業のフルコスト情報の開示の取組につきましては、平成二十六年度より開始をさせていただきました。逐次事業数を増やしてまいったところでもあります。
 その上で、平成二十九年度決算分以降につきましては、フルコスト情報を行政活動の効率化、適正化につなげることが重要という認識の下に、有効活用できると考えられる事業等への重点化を行わさせていただき、コスト情報の質の改善を図っているところでもあります。
 今後とも、フルコスト情報の開示について、更なる充実に向けて取組を進めてまいりたいと考えております。
 国の財務書類の法定義務化についてお尋ねがありました。
 一般会計の国の財務書類につきましては、法律で義務付けられてはおりませんが、平成十五年度以降決算分より毎年作成をし、公表いたしており、実態として十分に定着していると考えております。
 このような実態からすれば、国に一般会計の財務書類の作成を法律で義務付けることは必ずしも効果的であるとは考えにくいところでもあり、今後とも、一般会計の国の財務書類の作成、公表は継続してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣赤羽一嘉君登壇、拍手〕

#18
○国務大臣(赤羽一嘉君) 里見隆治議員にお答えをいたします。
 防災・減災対策についてお尋ねがございました。
 私自身、昨年九月、大臣に就任直後より、令和元年房総半島台風、同東日本台風、令和二年七月豪雨災害など計三十か所以上の被災地を視察いたしましたが、いずれの被災地におきましても、気候変動の影響による災害の激甚化、頻発化、そして被害規模の甚大化を目の当たりにし、抜本的な防災・減災対策の必要性を痛感しているところでございます。
 被災地の首長の皆様からは、異口同音に三か年緊急対策について高く御評価いただくとともに、来年度以降も更に充実した防災・減災、国土強靱化の取組を計画的に実施できる必要十分な予算の継続を強く求められております。
 国土交通省は、抜本的な治水対策として、上流から下流、本川、支川の流域全体を俯瞰し、国、県、市町村、地元企業、住民が一体となってハード、ソフト両面の流域治水を推進するため、特に国が管理する百九の一級水系において、本年度中に流域治水プロジェクトを作成してまいります。
 また、南海トラフ巨大地震や首都直下地震などに備え、住宅の耐震化や不燃化、道路の無電柱化、港湾・空港施設の耐震化等を推進するとともに、インフラ老朽化対策につきましても計画的な維持管理、更新に取り組んでまいります。
 里見議員御指摘のとおり、こうした耐震強化を始めとする防災・減災対策は一朝一夕に実現できるものではなく、中長期的な見通しを持って継続的かつ強力に取り組む必要があると考えます。与党からも、骨太方針の策定過程におきまして、三か年緊急対策後の取組に関し力強い後押しをいただきました。
 国土交通省といたしましても、防災・減災が主流となる安全、安心な社会の実現に向けた取組を中長期的視点に立って計画的かつ着実に執行できるよう、必要十分な当初予算、補正予算の確保に努め、全力で傾けてまいる所存でございます。更なる御支援をどうかよろしくお願いいたします。(拍手)
   〔国務大臣平井卓也君登壇、拍手〕

#19
○国務大臣(平井卓也君) 地方のデジタル化についてのお尋ねがありました。
 先日、公明党デジタル社会推進本部より、デジタル庁設置に向けての提言をいただきました。まずは、この短期間に御提言を取りまとめられた公明党の皆さんに心から敬意を表します。
 御提言にありましたデジタルにより国民の生活が豊かになったと実感できる社会、誰一人取り残さない社会を構築するとの方向性は、私も常々目指すべき社会像として申し上げてきているビジョンでもあり、この実現に向けて是非お力添えをよろしくお願い申し上げたいと思います。
 今般の新型コロナウイルス感染症への対応を通じて、各省庁や地方自治体が個別にデジタル化を進めてきたことによる課題が様々な分野で浮き彫りとなったと認識しています。また、小規模な地方自治体となると、予算、人員の制約もあり、今後、システムの保守、維持管理が負担になっていくと考えられます。
 このため、これからは、国が整備する共通的な基盤、機能を提供する複数のクラウドサービスを地方自治体も安全にかつ安心して利用していただけるようにしたいと考えています。
 こうして国が地方自治体のシステムについてもリードすることにより、地方自治体におけるシステム調達の負担軽減が図られます。また、新たな政策の選択肢が増えたとしても、システム改修に手間、コストを掛けることなく、地域の実情に即した住民サービスの向上に注力できます。
 住民から見れば、どの市町村に住んでいても、様々な分野で使いたいときにデジタルやオンラインで同じサービスを利用できる環境を地方自治体と一緒に整えていきます。
 なお、地方自治体の業務システムの統一・標準化については、国が財源面を含め主導的な支援を行うこととしており、地方自治体の負担に配慮するとともに、現場の実務等をよく知る自治体職員の方々とも対話をしながら進めてまいります。
 さらに、地方自治体からは、全国的に不足する民間人材を国と地方の間で共有する仕組みや、優秀な自治体職員を国に派遣する仕組みについての御要望もあるため、こうした考え方についても検討してまいりたいと思います。(拍手)
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#20
○議長(山東昭子君) 柴田巧さん。
   〔柴田巧君登壇、拍手〕

#21
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました令和元年度決算に関し、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 先般提出された会計検査院の検査報告では、件数二百四十八件、金額にして二百九十七億円の国費の無駄遣いが指摘をされました。前年度の三百三十五件、一千二百億円に比べると大幅に減っており、過去十年でも最少でありますが、これは、新型コロナウイルス感染症拡大によって、会計検査院が各地に出向く実地検査を抑制したからにほかなりません。
 しかし、そのような中でも、過去何度も同じ指摘を受けながら、国費の不適切な支出が繰り返されている状況は改まっていません。消費税率を引き上げ、負担増を求めておきながら、行政の無駄や不正が後を絶たないのでは、国民の理解を得ることは不可能です。
 そこで、まず、今回の会計検査院の検査報告をどのように受け止めているのか、また、指摘を受け関係大臣にいかなる指示をしたのか、併せて総理にお尋ねをいたします。
 税金の無駄遣いをやめ、未来に向け真に必要な予算を確保するには、まず議員自らが身を切る覚悟を示し、実践をすることです。
 我が党が大阪で与党となった平成二十三年に、大阪府議会で議員定数を百九人から八十八人に削減する条例改正案を可決し、その本気度が理解されて以降、大阪府・市で抜本的な行財政改革を実施し、かつ教育の無償化など実のある改革を行いました。
 まずは、隗より始めよであります。我が党は、今国会に、国会議員のボーナスを三割、六十四万円削減する議員期末手当削減法案など、身を切る改革関連十四法案を提出をしています。税金の無駄遣い削減や徹底した行財政改革のスタートは、議員の身を切る改革ではありませんか。総理の御所見をお伺いをいたします。
 新型コロナの収束が見通せない中、経済情勢に対しあらゆる対策を打たねばなりません。
 ヨーロッパの国々では消費税率を下げました。我が党も、先般、新型コロナに伴う我が国の景気の現状に鑑み、消費回復の切り札として、景気回復するまでの二年間時限的に税率を下げる、つまり、元の五%に戻し、併せて軽減税率は廃止する消費税減税特例プログラム法案を国会に提出をしました。
 政府は、消費税が全世代型社会保障の構築に向けて安定財源を確保するためにどうしても必要で減税できないと答弁していますが、今、目の前の経済的困難に直面する国民負担を軽減せずに、将来の社会保障構築などあり得ません。今こそ消費税減税の決断をするべきときではありませんか。総理の御所見をお伺いいたします。
 新型コロナ感染症は、冬を前にして各地で急速に進んでいます。
 総理は、今年度第二次補正の予備費残り約七兆三千億円について、適時適切に用い、対応に万全を期し、内外の経済動向を注視しながら、ちゅうちょなく必要な対策を講ずると答弁をしています。しかし、今国会で予備費の活用について深い議論も、また閣議決定も行われないまま、総理からは第三次補正予算の編成が指示されました。
 未曽有の国難だからこそ補正予算で巨額の予備費を計上したわけで、早い時点から議論し、予備費を活用して対応を進めるべきだったのではありませんか。また、第三次補正予算編成に向かうなら、残りの予備費の活用をどのように考えているのですか。併せて総理にお尋ねをいたします。
 次に、エネルギー使用合理化等事業者支援事業についてお尋ねをいたします。
 資源エネルギー庁は、エネルギー使用合理化に取り組む民間事業者等に対し、その経費の一部を補助する事業を実施をしていますが、補助する事業者を選定し補助金を交付する事務は、一般社団法人環境共創イニシアチブに委託をしています。
 会計検査院が検査したところ、事業により達成された省エネルギー量の実績を正しく計算すると、交付申請した際の計画量を達成していない事態や、エネルギー管理支援サービス契約を締結して、より効果的な省エネルギーの実現を目指すことを申請をしながら、これによる運用改善が全く行われていなかった事態などが明らかになりました。
 会計検査院は、省エネルギーの目標を達成できていない場合は補助金を返還させることも検討するよう指導すべきなどとしていますが、今回の指摘をどのように受け止め、対応するつもりか、経済産業大臣にお伺いをします。
 当該事業は、電通が設立に関わった環境共創イニシアチブが委託を受けて補助事業者となっていますが、環境共創イニシアチブは補助金申請や技術審査に係る実務の企画管理等を電通に再委託し、電通は事業者向けマニュアルの作成やコールセンター業務等の企画管理を電通の子会社に再々委託するというスキームになっています。これは持続化給付金で議論となった際と同じ構造でありますが、このスキームが監督官庁の管理監督を十分に行き届かせず、今回の事態を招いた一因となっているのではありませんか。経済産業大臣の答弁を求めます。
 現行の会計検査院法では、国等が事業を委託した一般社団法人の検査を行うことは可能ですが、再委託先の事業者を直接検査対象とすることはできません。一般社団法人が事業のほとんどを再委託や再々委託することによって会計検査院のチェックが行き届かず、予算監視の目を逃れるための隠れみのになっているのではないかと思われます。そこで、少なくとも会計検査院の検査が直接及ばない現状を改善する必要があると考えますが、総理の見解をお伺いをします。
 最後に、官民ファンドについてお聞きをします。
 民間が担い難いリスクマネーを供給し、民間投資を喚起することを目的とする官民ファンドは、令和元年度末時点で十四あり、政府からの出資額だけでも一兆円を超えています。しかし、投資実績が低調で、幾つものファンドで多額の累積損失が出ています。
 このうち、農林水産省が所管する農林漁業成長産業化支援機構、A―FIVEは赤字が続き廃止が決まりました。A―FIVEによれば、廃止の時期は令和七年度末になり、累積損失が百二十億円になる見通しとのこと。官民ファンドへの主な資金源は財務省所管の産業投資資金で、国が持つNTT株やJT株の配当を元手に、年一千億円から四千億円を産業投資に注いできました。このように原資は国民の公的財産であり、多額の損失が発生し、廃止が決まったことは極めて遺憾であります。
 そこで、多額の累積損失が生じたことについていかに責任を感じているか、また、A―FIVEの廃止による国民負担はどれぐらいになると試算をしているのか、さらに、廃止までにどのようにして投資回収や経費抑制に取り組むのか、農林水産大臣にお伺いをします。
 このA―FIVEを含め、令和元年度末で官民ファンド全体の累積損失額は四百九十六億円に膨れ上がっています。官民ファンドの目的は、民間資金は集まりにくいが、政府が進めたい産業分野のベンチャー投資とされていますが、成長可能性のある産業なら民間ファンドから資金が集まるので、官民ファンドに持ち込まれるのはいわゆる駄目案件が多いのが実情です。官民の寄り合い所帯は、生き馬の目を抜く投資の世界に不向きで、官の判断の遅さが致命傷になりかねません。
 そこで、原資は国民の公的財産であることから、官民ファンドの経営状況を一層厳しく監視するとともに、A―FIVE以外の赤字ファンドも早期清算に向けた議論を開始するなど、明確な出口戦略を示すべきでありますが、総理の御所見をお伺いをします。
 文部科学省と内閣府は、国費を債券などに投資し、運用益を国立大学等の研究資金に充てるため、十兆円規模のファンドを計画しており、来年度当初予算案の概算要求に盛り込みました。しかし、運用の仕組みの検討は不十分なまま、具体的な要望額を示さない事項要求で予算化を求めています。
 国際競争力を高めるため、大学の研究資金を拡充することは必要ですが、官民ファンドの投資実績が振るわず、しかも、マイナス金利で国債などの金融商品の利回りは一段と低下傾向にあります。安易な設立は、赤字ファンドが増え、税金などでの損失穴埋めが更に拡大するおそれがあります。
 そこで、巨額のファンド設立を急ぐ必要が本当にあるのか、また、損失を発生させない具体的な制度設計をどのように考えているのか、併せて文部科学大臣にお伺いをし、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#22
○内閣総理大臣(菅義偉君) 柴田巧議員にお答えをいたします。
 決算検査報告についてお尋ねがありました。
 令和元年度決算検査報告において、多くの指摘を受けたことは誠に遺憾であります。これらの指摘については、私から各大臣に対して、確実な改善に努めるとともに、今後の予算や会計事務などにしっかりと反映させるよう、指示を行いました。
 身を切る改革についてお尋ねがありました。
 我々政治家は、政策を実現するため、真摯に努力を続け、国民の負託に応えていかなければなりません。また、常に自らを省みる必要があることは当然です。日本維新の会がそうした観点から率先垂範して身を切る改革を続けてこられていることについて、敬意を表したいと思います。
 その上で、政治に要する費用の問題は、議会政治や議員活動の在り方、すなわち民主主義の根幹に関わる重要な課題であります。それゆえに、国会において国民の代表たる国会議員が真摯な議論を通じて合意を得る努力を重ねていくものであると考えています。
 消費税率の引下げについてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症の影響に対しては、二度の補正予算やコロナ予備費の活用により、全国民への十万円の給付や中小企業などに対する最大二百万円の持続化給付金など、二百三十兆円を超える規模の対策を講じてきたところです。さらに今月十日には新たな経済対策の策定を指示したところですが、消費税については、社会保障のために必要な財源と考えております。
 新型コロナウイルス感染症対策予備費についてお尋ねがありました。
 コロナ予備費については、これまで医療機関の支援、ワクチンの確保、雇用調整助成金や持続化給付金の追加など、その都度必要な経費四・二兆円を使用してきています。今後も、感染状況や経済状況を踏まえ、緊急に予算の手当てが必要になった場合には、コロナ予備費も活用し、新型コロナウイルス感染症への対応に万全を期してまいります。
 なお、第三次補正予算における予備費の扱いについても今後検討してまいります。
 会計検査院の検査についてお尋ねがありました。
 会計検査院は、一般に国又はその委託先の検査の際に再委託先等についても相手方の協力を得て必要に応じてその状況を確認しているものと承知しています。政府としては、会計検査院の検査に引き続き真摯に対応してまいりたいと考えております。
 官民ファンドの経営状況の検証及び出口戦略についてお尋ねがありました。
 官民ファンドについては、投資実績の評価等に関するガイドラインを定め、毎年度、有識者の御意見もいただきつつ運営状況の検証を行っております。本年の検証においては、A―FIVEの検証結果を共有するとともに、全ファンドに対して出資の毀損を回避し、効率的、効果的な組織運営を行うよう求めたところです。
 また、特に累積損失の大きな官民ファンドについては、昨年四月に累積損失解消のための計画を策定をし、定期的に進捗状況の検証を行っております。引き続きその進捗を厳しく検証し、仮に改善が見られない場合には、事業や組織の抜本的見直しも含めた業務運営の徹底した見直しを行う方針であります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣梶山弘志君登壇、拍手〕

#23
○国務大臣(梶山弘志君) 柴田議員からの御質問にお答えをいたします。
 エネルギー使用合理化等事業者支援事業に対する会計検査院からの指摘への受け止め及びその対応についてお尋ねがありました。
 平成二十六年度から二十九年度に行われましたエネルギー使用合理化等事業者支援事業について、十月二十六日付けで会計検査院から是正処置要求等を受けたことについて、大変重く受け止めております。要求内容を確認した上で、同日中に担当課から、同事業の執行の事務局である環境共創イニシアチブに対して適切な対応を取るように指導を行いました。
 これを受け、十月三十日付けで環境共創イニシアチブから担当課に対して対応方針の報告がありました。具体的には、各交付先において計画していた省エネルギー量が達成できているか再計測を行い、達成できていない場合には補助金返還を行うなど、会計検査院からの指摘を踏まえた対応を行うこととしております。執行の事務局への指導監督を含め、補助金執行が適切になされるよう、今後とも取り組んでまいります。
 エネルギー使用合理化等事業者支援事業に関する管理監督についてお尋ねがありました。
 環境共創イニシアチブは、事務局として交付先から提出された事業計画や成果報告を直接確認をしていますが、今回、会計検査院から受けた指摘事項は、交付先において適切に実施されるべき実績量の計測等に不備があったことに起因するものであります。
 この不備が生じた一つの理由として、会計検査院は、省エネ設備のエネルギー使用量の計測機器について電気配線の誤りがあったことを指摘していますが、環境共創イニシアチブから事務が委託されていることが理由であるとの指摘はしておりません。
 また、持続化給付金の事務局事業に関して受けた指摘については、現在、調達等の在り方に関する検討会で議論を進めており、その結果も踏まえて、経済産業省における会計ルールを見直すこととしております。(拍手)
   〔国務大臣野上浩太郎君登壇、拍手〕

#24
○国務大臣(野上浩太郎君) 柴田議員の御質問にお答えいたします。
 A―FIVEについてのお尋ねがありました。
 A―FIVEの早期解散の判断は、更なる損失の拡大を防ぐためのものでありますが、事業の実施状況を絶えず検証しつつ、損失が生ずる事態が発生した場合には、それを極力最小化していくことも、監督官庁である農林水産省としての重要な責任と考えております。
 また、A―FIVEがこうした事態に至ったことを重く受け止め、A―FIVEの検証に係る検討会を設置し、本年七月に、その検証結果が取りまとめられたところであります。今後、同様の事態が起きないよう、この検証結果を教訓としてまいりたいと考えております。
 A―FIVEが本年五月に策定した改善計画では、最終的な累積損失を百二十億円と試算しておりますが、最終的な国民負担は、今後の市場環境や投資回収の状況等により変動し得るものと考えております。
 A―FIVEは、今後、改善計画に沿って、さらに出資を行った案件について、必要な経営支援を実施し回収の最大化を図るとともに、人件費の削減等経費の抑制を図っていくこととしており、農林水産省としては、これらの取組が着実に実施されるよう指導監督を行ってまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣萩生田光一君登壇、拍手〕

#25
○国務大臣(萩生田光一君) 柴田議員にお答えいたします。
 十兆円の規模のファンドについてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルスの影響下でも、世界各国はイノベーションへの投資強化を計画しています。我が国においては、かつてリーマン・ショック後に研究開発投資が停滞したことから、その轍を踏まないよう、公的投資も含めた科学技術活動への力強い下支えを行うことが急務であり不可欠だと考えております。
 また、運用に当たっては、ファンドの運営団体のガバナンス強化や長期分散投資などによりリスクの最小化を図るなど、内閣府始め関係府省庁等と連携して具体的な制度設計を行ってまいります。(拍手)
    ─────────────

#26
○議長(山東昭子君) 芳賀道也さん。
   〔芳賀道也君登壇、拍手〕

#27
○芳賀道也君 国民民主・新緑風会の芳賀道也です。
 会派を代表して、令和元年度決算に関連して質問をいたします。
 まず、安倍前総理の桜を見る会前夜祭の違法性、虚偽の国会答弁の疑いが強まっています。参考人として安倍前総理を国会に呼んで解明が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 捜査中だからなどという答えは言い逃れでしかないことを国民は分かっています。菅総理、お答えください。
 秋田御出身の菅新総理が誕生しました。
 私の地元はお隣山形県ですから、特に秋田に近い山形県の北部を回りますと、菅総理のお父様の話題が出ます。農協の役員をされていたからでしょうか。東北に住む者の気持ちも分かる総理で、きっとこれまでよりは良くなるに違いない、期待をしたのですが、今はがっかりです。長く都会で暮らして東北の心を忘れてしまったのでしょうか。
 菅総理は、所信で、自助、共助、公助を挙げ、まずは自分でやってみるとおっしゃいました。地方では、除雪や雪下ろしもままならない御年配の方の独り暮らしが増えています。これまで雪国では、みんなが助け合って暮らしてきました。ところが、高齢化が進み、地域の助け合い、共助だけではやっていけない地区が多くなっています。
 菅総理、今や共助では立ち行かず、公助こそが重要な時代になったという認識はないのでしょうか。総理の答弁を求めます。
 自助、まずは自分でやってみるなどと言われなくても、国民は、厳しい中、既に懸命にやっています。総理という立場にある人が、まずは自分でやってみると言うとき、その言葉が人を傷つけることが分からないのでしょうか。コロナの中、懸命に頑張っている一人親家庭の方、休業、失業をされた方、商売が立ち行かない、そうおっしゃっている方、学業が続けられず退学を考えている学生たちは、総理のまずは自分でやってみるをどんな思いで聞いたでしょうか。
 警察庁のまとめによると、今年十月の自死、自殺者は、昨年十月と比べて三九・九%も増え、特に女性は八二・六%も増えました。自殺が増えるのは、総理が出すべきメッセージに、しっかりと国が守るというメッセージと国民の安心につながる具体的な政策がないからではないでしょうか。
 総理の自殺増加に対する現状認識と原因の分析、総理の考える具体的な対策をお聞かせください。
 さらに、子供の貧困、子供の七人に一人が貧困にある日本、支援に当たってくださっている皆さんはその状況が更に進むのではないかと心配されています。国民民主党は、低所得の一人親支援の法案を提出しているほか、休業支援金の拡充法案、短時間労働、有期雇用の雇用管理を改善する法案も提出しています。
 菅総理、コロナ禍での子供の貧困対策など、全ての対策が余りにも遅いと言わざるを得ません。子供の貧困対策、一人親など低所得者対策、学生支援や雇用や事業者への対策、七兆円からの追加対策、さらに第三次補正で検討している対策などを具体的に教えてください。総理にお聞きします。
 国民民主党は、提案型の野党として、常に具体的な提案をしてきました。今週にも、特別のコロナ国債発行という財源の提案も含めて、四十八兆円の追加経済対策を打ち出す予定です。
 私たちは、今こそ追加の現金給付が必要だと考えています。菅総理、いち早く国民民主党が提案した十万円の給付を結局は実現していただきました。今回も現金給付が必要です。総理、御決断ください。いかがでしょうか。
 次に、防衛省決算に関連して質問します。
 第二次安倍内閣以降、防衛費が伸びを続けています。防衛費の中でも、F35ステルス戦闘機など、米国の軍用機、兵器の爆買いが指摘されてきました。各地で反対運動を巻き起こし住民を翻弄した挙げ句、ブースターの落下が制御できず結局中止されたイージス・アショアの契約額は実に一千七百八十八億円、既に支払った額は累計二百七十六億円に上りますが、配備が中止されたにもかかわらず、契約はそのままになっています。直ちにキャンセルしないことで、結局更に無駄な支出が増えるのではないでしょうか。国民に分かるように、防衛大臣、説明をお願いします。
 沖縄辺野古基地工事で、軟弱地盤であることが分かり、工事着手後に結局中止された護岸、岸壁六工事に支払われた総額は、防衛大臣、一体幾らなのでしょうか。
 沖縄の民意を踏みにじり強行されている基地工事がずさんで、貴重な国民の血税が無駄になり、本体工事費も膨れ上がり、地盤の関係で完成を危ぶむ声まで出ている。こうした責任を菅総理はどう考えているのでしょうか。
 イージス・アショアが費用対効果で見直しなら、辺野古こそ見直すべきとの議論が与野党から出ています。菅総理、辺野古基地への移設を見直すべきではないでしょうか。
 朝日新聞の報道によると、総理は、今国会の冒頭から十一月六日までだけで、六十二回もお答えを差し控えますと回答を拒否、民主主義を否定する、答えない姿勢を繰り返しています。
 この総理の答弁を聞いて、私は戦前の五・一五事件を思い出しました。話せば分かるは犬養毅の言葉です。昭和六年に内閣総理大臣となり、翌年五月十五日、五・一五事件によって射殺されました。
 当時の記録によれば、武装した軍人九人が総理官邸に侵入したとき、犬養は落ち着いていて、おまえたち何を騒ぐかと一喝し、胸にピストルを突き付けられながらも、話せば分かると言って一同を客間に導き、そして犬養が身を乗り出して何か言いかけたとき、将校が、問答無用、撃てと言い、これに応じてピストルが発射され、犬養は凶弾に倒れました。
 この記録が示すように、話せば分かるという精神こそ民主主義の基本を成すものであり、問答無用という暴走こそファシズムの象徴です。問答無用は、質問も答えも必要ない、答えないということです。問答無用はまさに、総理が好んでよく使う、お答えは差し控えさせていただきますと全く同じです。言葉こそ丁寧ですが、答えない、問答は要らない、問答無用は民主主義を破壊する言葉のテロだと言ってもいいのです。
 さらに、この総理が何度も繰り返す、お答えは差し控えさせていただきますが大臣や最高裁の答弁にも伝染し、国会で質問に答えないが蔓延、国会の存在意義を脅かし、民主主義の危機を招いています。
 菅総理、問答無用、お答えは差し控えさせていただきますは封印し、命を懸けて民主主義を守ろうとした犬養毅元総理のように、話せば分かるの精神を最も大切にする総理大臣に変わることを国民に約束していただけませんでしょうか。
 皮肉なことに、コロナ禍の中、東京の人口集中にようやく歯止めが掛かり、東京からの転出が転入を上回りました。都会で密になって暮らすことが決して幸せでないことが図らずも明らかになりました。
 しかし、地方創生大臣が何代置かれても、全く地方は元気になっていません。高速道路も、山形県では、総理のふるさと秋田県とも新潟県ともつながっていません。国土の均衡ある発展はうそっぱちです。総理、これでいいんでしょうか。
 高速道路などのミッシングリンクの解消に向けて菅総理が今後どのような具体策を行うか、また、コロナ禍の今、全省庁を挙げて一極集中を是正し、地方創生を進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

#28
○議長(山東昭子君) 芳賀さん、時間が経過しております。簡単に願います。

#29
○芳賀道也君(続) 総理の考える一極集中の対策について、具体策を伺います。
 終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#30
○内閣総理大臣(菅義偉君) 芳賀道也議員にお答えをいたします。
 桜を見る会に関する安倍前総理の国会招致についてお尋ねがありました。
 国会の運営については国会においてお決めいただくことと認識しており、行政府の長としてお答えは差し控えます。
 高齢化社会における公助の重要性についてお尋ねがありました。
 私の出身の秋田の旧雄勝郡秋ノ宮村は、山々に囲まれ、雪深い、大変自然環境の厳しいところです。まさに、除雪や雪下ろしも家族、地域みんなで助け合いながら暮らしていました。
 お尋ねの高齢化社会にあっては、高齢者の方々が社会や地域から孤立することがないよう、市町村を始めとして地域の介護事業者やボランティア団体、民生委員など、市町村全体で高齢者御本人や世帯が抱えている複合化した課題を包括的に受け止める体制の構築を進めることなどにより、確実に支援を届けております。
 自殺増加に対する現状認識についてお尋ねがありました。
 自助、共助、公助、そして絆という考えは、まず自分でやってみる、そして、家族や地域で助け合う、その上で、政府がセーフティーネットでお守りするという目指すべき社会像について述べたものであります。
 現在、このコロナ禍で、国民の命と暮らしを守るという強い決意の下、政府を挙げて取組を進めているところであり、コロナの影響により大変厳しい状況にある方々に対しては、重層的なセーフティーネットを用意するなど、公的支援についてもしっかりと行ってきているところです。
 こうした中、自殺者数が増加傾向にあり、特に女性の自殺者数が増加しております。その原因は、男性では勤務問題や経済・生活問題が多くなっており、女性では健康問題や家庭問題が多くなっております。
 政府としては、自殺を考えている方に対する相談体制の拡充や、やむを得ず職を失った方へのきめ細かな就労支援、生活資金でお悩みの方への支援など、自殺総合対策大綱に基づき、自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、総合的な対策を着実に推進しています。
 子供の貧困対策等についてお尋ねがありました。
 政府としては、従来から、子供の貧困対策に関する大綱に基づき、低所得者世帯の子供に対する教育の支援や経済的支援など総合的な対策を実施してきましたが、今般の新型コロナウイルス感染症により国民の雇用や生活にも広く影響が及ぶ中で、子供の貧困問題もより一層重要な課題になってきていると認識しています。
 このため、従来からの取組に加え、一人親世帯への臨時特別給付金の支給や、家計が急変した学生に対する授業料減免等により一人親や学生への支援を行うとともに、雇用調整助成金の特例措置や持続化給付金等により雇用や事業者への支援にも取り組んできました。
 引き続き、これまでに活用してきた予備費に加え、今後、第三次補正予算を編成し、感染拡大を抑えながら、国民の雇用と事業を支え、子供を含め国民の皆さんの安心な生活を守っていきます。
 追加の現金給付についてお尋ねがありました。
 経済を回復させるため、これまで全ての方々への一人十万円の現金給付など二百三十兆円を超える規模の対策を講じ、必要な方々に行き渡らせるべく実行しているところであります。感染対策を万全なものとし、経済を回復させていくために現在、経済対策、補正予算の検討を行っています。
 医療機関などの支援、雇用や事業の支援、近年の災害に対応した国土強靱化、ポストコロナに向けたデジタル化やグリーン社会の実現などについて、経済の回復に向けて十分な中身となるよう、検討を進めております。その中で、雇用や事業を支えていくために必要な措置を検討してまいります。
 普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。
 普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現するため、沖縄防衛局において必要な代替施設の工事が進められており、また、地盤改良については、有識者の助言を得つつ、十分に検討が行われ、しっかりとした計画が作成していると承知しています。
 世界で最も危険と言われる普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければなりません。これは、地元の皆様との共通認識であると思います。これからも地元の皆さんの御理解を得る努力を続けてまいります。
 普天間飛行場の辺野古移設の見直しについてお尋ねがありました。
 イージス・アショアの配備に関しては、地元の皆様にお約束したことが実現できなくなったことから、配備プロセスの停止、配備候補地の断念に至ったものです。
 他方で、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければなりません。これは、地元の皆様との共通認識であると思います。日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせたとき、辺野古移設が唯一の解決策だと考えています。
 この方針に基づき着実に工事を進めていくことこそが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現をし、その危険性を除去することにつながるものと考えております。
 今国会での答弁についてお尋ねがありました。
 今国会での答弁に当たっては、いただいた質問にきちんとお答えするようにしてまいりました。
 例えば、仮定の質問や人事に関する質問など、政府としてお答えを控える必要がある場合もありましたが、その場合においても、その理由をできる限り申し上げてきており、御理解をいただきたいと考えております。
 ミッシングリンクの解消についてお尋ねがありました。
 高速道路などのミッシングリンクの解消を進めることは、地方創生、国土強靱化を進める上で重要であり、引き続き効果の高いものから広域的な道路ネットワークの整備を促進してまいります。
 一極集中の是正についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症を機に、地方に関心が高まっており、東京一極集中の流れを変えるため、地方の生活環境を更に良いものにしていく必要があります。
 そのため、各地の観光や農林水産業などが成長できるよう支援するとともに、ふるさと納税や企業版ふるさと納税も創設をしました。こうした取組を政府一体となって進め、地方の所得を引き上げ、地方の経済を活性化してまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣岸信夫君登壇、拍手〕

#31
○国務大臣(岸信夫君) 芳賀議員にお答えをいたします。
 まず、イージス・アショアの契約についてお尋ねがありました。
 イージス・アショアについては、本年六月に配備プロセスを停止して以降、その代替案について検討しているところであり、今般、民間事業者から受けた中間報告等を踏まえ、イージス・アショアの構成品を移動式の洋上プラットフォームに搭載する方向で、引き続きあるべき方策を示せるよう鋭意検討を進めているところであります。
 その上で、可能な限り速やかに代替装備の運用を開始する必要性を踏まえると、SPY7を含むイージス・アショアの構成品については、既に契約を行い一定程度プロセスが進展しているため、これを利活用することを考えており、契約を維持しております。
 なお、米政府や米側事業者とは、どのようなプラットフォームになっても共通して必要となる部分を中心に作業していると承知をしております。
 次に、普天間飛行場の辺野古移設に関し、護岸等の工事の支出額についてお尋ねがありました。
 御指摘のキャンプ・シュワブ北側の護岸等の工事契約六件については、本年二月と三月に契約を終えており、その支出額は約三百億円となります。
 これらの工事契約においては、ボーリング調査や、海上フロートと汚濁防止膜の製作、設置等の事業全体を進める上で必要な作業が実施されており、こうした作業実績等に応じて経費が支払われております。(拍手)
    ─────────────

#32
○議長(山東昭子君) 山下芳生さん。
   〔山下芳生君登壇、拍手〕

#33
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表し、二〇一九年度決算について菅総理に質問します。
 同決算は、内閣総理大臣が主催する政府の公的行事として、桜を見る会に予算の三倍もの税金が投入された決算です。
 当時の安倍総理は、桜を見る会に多数の地元後援会員を招待した上、その前夜、都内のホテルで安倍晋三後援会主催で後援会員らを招いた前夜祭を開催していましたが、安倍氏側が数百万円の費用を補填していたことが判明したと報道されました。これが事実なら、公職選挙法違反、政治資金規正法違反は明白です。
 しかも、重大なのは、国会で一年にわたって総理がうそをついていたことです。国会と国民を愚弄するものであり、絶対に曖昧に済ますわけにはいきません。
 この問題では、官房長官として、ホテル側に確認もしないで安倍総理と同じ答弁を繰り返した菅総理の責任も重い。総理、その自覚はありますか。
 総理は、捜査中なので答弁は控えると言います。しかし、国会で真相を明らかにするとどうして捜査の障害になるのか。国政調査権と司法の捜査が真相解明を進める上で車の両輪となることは、ロッキード疑獄など数々の歴史的経験があります。捜査中なのでという逃げ口上は、到底通用するものではありません。
 国会をうその舞台としたままにすることは、民主主義の国では許されません。国会の在り方が問われています。党派を超えて真相解明に力を尽くし、国会の矜持を示そうではありませんか。
 そのためには、安倍前総理の証人喚問は不可欠です。総理、国会のことは国会がお決めになると逃げないで、自民党総裁として決断すべきではありませんか、答弁を求めます。
 二〇一九年度決算は、消費税が一〇%に増税され、医療切捨てが進められた年の決算です。総理は、そのことが新型コロナウイルスの感染拡大と結び付き、今、国民の暮らしと命を危機にさらしていることを認識していますか。
 新型コロナの感染爆発は何としても止めなければなりません。以下四点提案し、総理の認識を伺います。
 第一は、無症状の感染者を把握、保護するためのPCR検査の抜本的な拡充です。
 コロナの一番厄介なところは、無症状の感染者が感染を広げてしまうことにあります。ところが、政府は無症状の感染者を把握し保護するという検査戦略を持っていません。その結果、感染経路不明者が五割から六割に達し、対応不能となっています。
 七月、我が党の志位委員長は、一つ、新宿区歌舞伎町など感染拡大の震源地となっていると考えられる地域に対し、大規模で網羅的な検査を行い、感染拡大を抑止すること、二つ、医療機関、介護施設など集団感染によるリスクが高い施設に勤務する職員、出入りする業者への定期的な検査を行い、集団感染を防ぐことを当時の安倍総理に申し入れました。
 政府も十一月、新宿区歌舞伎町で大規模、地域集中的なPCR検査を実施したことにより、陽性者数が減少したと認めました。ならば、総理、全国の感染急増地域に対し、大規模、地域集中的なPCR検査を積極的に行うべきではありませんか。
 また、政府は、八月以降、医療機関、高齢者施設等の入所者、職員に対する一斉、定期的な検査を自治体に要請する通知を何度も出しています。しかし、費用が心配で二の足を踏む自治体も少なくありません。
 総理、医療機関、高齢者施設等で検査を行った費用は全額国庫で負担すると明言すべきではありませんか。
 第二は、感染者と接触した人を追跡するトレーサーを確保し、保健所の体制を抜本的に強めることです。
 総理は、保健所を応援するための人材を千二百人確保すると言いましたが、とても足りません。米国のニューヨーク市では、民間の協力も得て検査・追跡部隊を立ち上げ、検査、追跡、隔離、援助を一体的に実施しています。四千人のスタッフが活動し、陽性者の追跡率は九〇%に上っています。
 総理、政府の責任で十分な数のトレーサーを確保すべきではありませんか。
 第三は、医療崩壊を起こさないために、医療機関に対する減収補填、宿泊療養施設の確保を行うことです。
 総理は、医療機関への支援のために三兆円の予算を投入したと言います。しかし、医療現場に届いたのは、十一月十六日時点で僅か五千六百三十四億円、二割弱です。そうした下で、四分の一の医療機関では夏のボーナスがカットされました。少なくない医療機関で冬のボーナスもカットされようとしています。
 総理、医療関係者に感謝すると言うのなら、医療機関に対する減収補填に今こそ踏み切るべきではありませんか。
 第四に、GoToトラベル事業を抜本的に見直すことです。
 総理は、延べ四千万人以上の方々が利用して、感染者は約百八十名と言いますが、百八十名とは一体どういう人ですか。利用者から感染した人は含まれていますか。四千万人の利用者の中に、無症状の感染者がどれくらいいて、どれくらいの人に感染を拡大したか、把握していますか。こうしたことを抜きにGoToトラベルが感染拡大の主要な原因ではないなどとは言えないのではありませんか。
 専門家の意見に耳を傾け、GoToトラベル事業は抜本的に見直すべきです。あわせて、苦境に追い込まれた中小事業者に対し、持続化給付金の第二弾を実施し、地域や業界の状況に合わせた直接支援を行うべきです。総理の認識を伺います。
 このままでは年が越せないとの声が広がっています。
 総理、雇用調整助成金のコロナ特例、生活に困窮している人のための貸付金など、十二月末で期限が切れる直接支援策は来年まで延長し、充実させるべきではありませんか。
 また、一人親世帯に対する臨時特別給付金、食費を削って学費や下宿代を払っている学生への緊急給付金も、年内に再支給することが必要ではありませんか。さらに、消費税を五%に減税することもちゅうちょなく行うべきです。
 総理、三次補正では間に合いません。七兆円の予備費を活用し、今、暮らしと雇用、営業を支えるべきではありませんか。答弁を求めます。
 最後に、日本学術会議への人事介入について質問します。
 菅総理による六人の任命拒否に対し、九百を超える学術団体から抗議や憂慮、任命を求める声明が出されています。総理は、我が党の田村智子議員から、なぜこれほどの規模で抗議や憂慮の声が広がったと思うかと問われ、私の立場では答えるべきでないと思うと答弁しました。
 自らの行為が招いた結果に責任を負わないのなら、総理の資格はありません。総理、そう思いませんか。
 今、科学と政治の関係が問われています。
 日本学術会議が政府からの高度な独立性を保障されているのは、戦前の科学者が戦争遂行のための軍事研究に総動員されたという痛苦の教訓があるからです。科学者までも支配下に置こうとし、強権をもって異論を排除する政治には、決して未来はありません。
 この問題は、任命拒否された六人の科学者だけの問題ではありません。学術会議だけの問題でもありません。国民全体の問題です。
 日本共産党は、戦前の時代から自由と民主主義のために闘ってきた党の存在意義に懸けて、この暴挙を許さない先頭に立って奮闘することを表明し、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#34
○内閣総理大臣(菅義偉君) 山下芳生議員にお答えをします。
 安倍前総理の関係団体の行事に関する答弁などについてお尋ねがありました。
 この行事に関する私のこれまでの答弁については、安倍前総理が国会において答弁された内容につき、必要があれば安倍前総理に確認し、誠実に行ってきたところです。
 また、国会の運営については国会においてお決めいただくことと認識しており、お答えは差し控えます。
 消費税増税と新型コロナ感染症への対応についてお尋ねがありました。
 消費税については、社会保障のために必要な財源であり、新型コロナウイルスの影響に対しては納税猶予の特例を行ったところです。
 また、現場を支える医療機関、介護施設等については、これまでも支援を進めてきたところですが、現在検討中の経済対策においても支援をしっかりと進め、国民の命と暮らしを守ってまいります。
 新型コロナウイルス感染症に係る大規模、地域集中的な検査についてお尋ねがありました。
 政府としては、従来から、感染拡大地域において、感染防止を図るための特定の地域における大規模、集中的な検査や、医療機関や介護施設等において働く方々や、入院、入所者に対する一斉、定期的な検査を実質的に国の負担で実施するようにしてきたところです。
 また、今般、感染拡大地域で積極的な検査が実施されるよう、都道府県等に対し、検査実施に係る優先順位として、高齢者施設や医療機関などの重症化リスクの高い方が多数いる場所、接待を伴う飲食店など、不特定多数との接触があり、感染があった場合に拡大される場所については、特に優先して検査を実施することを強く要請したところです。
 医療機関等で検査を受ける際の費用についてお尋ねがありました。
 行政検査の国、地方の負担割合については、法律の規定によりそれぞれ二分の一となっておりますが、この地方負担分については、地方創生臨時交付金の算定対象となっており、既に配付された交付金に追加し別途交付されることにより、検査費用については実質的に国が負担することとなっております。
 こうした点を踏まえ、今般、感染拡大地域の高齢者施設等の入所者、従事者に対する集中的な検査について、国の負担により早急に実施するよう都道府県には要請するとともに、私自身、様々な機会を通じて国の負担で検査を行えることを明言しているところであります。
 感染の接触追跡を行う保健所の人材の確保と養成についてお尋ねがありました。
 地域における新型コロナウイルス感染症対策の拠点として、御指摘の追跡調査の実施も含め、保健所は極めて重要な役割を担っていただいていると認識しております。
 このため、まず自治体において保健所への人的、物的支援を行うための全庁的な体制を整備していただくとともに、都道府県内での人材確保が困難となる場合に備え、国が保健所支援のための広域調整を行う仕組みを整備してきました。
 その上で、都道府県での広域調整では不十分な場合に備え、国において、感染拡大地域の保健所等に派遣する専門職について、先週にはそれまでの倍となる一千二百名を確保し、都道府県からの要請により派遣することとしております。引き続き関係団体等に働きかけ、更なる人材確保に努めてまいります。
 医療機関への減収補填についてお尋ねがありました。
 医療機関については、患者数の減少による収入の減少などが見られることから、医療現場で新型コロナウイルスに立ち向かってくださった医療従事者の方々への慰労金を含め、これまで約三兆円の支援を実施してきました。
 現在、実際に医療機関に届いている金額は〇・六兆円であり、これは医療機関からの申請の約五割となっています。厚生労働大臣には、速やかに医療機関にお届けするよう厳しく指示をしています。
 先日は、私の方から全国の知事に直接早期執行を要請しており、まずは引き続き一刻も早く医療機関にお届けできるよう、政府としてしっかり対応してまいります。あわせて、引き続き国民の皆様に必要な地域医療が確保できるよう、感染状況や地域の医療実態等を踏まえ、必要な取組や支援を検討してまいります。
 GoToトラベル事業に係る感染者についてお尋ねがありました。
 事業の実施に当たっては、旅行や従業員の感染が判明した場合は、ホテル、旅館などから観光庁に報告されることになっております。このような仕組みによって、GoToトラベルの利用者で、症状の有無にかかわらず新型コロナウイルスの陽性が判明した方の人数を把握しております。
 なお、十一月二十日の分科会の提言においては、GoToトラベル事業が感染拡大の主要な原因であるとのエビデンスは現在のところ存在しないとされております。
 GoToトラベルの見直し等についてお尋ねがありました。
 GoToトラベルについては、専門家の分科会の提言を受け、感染拡大地域への到着分の一時停止に加え、さらに、出発分についても利用を控えるよう呼びかけることにしたところです。
 持続化給付金については、緊急事態宣言を得て厳しい状況にある事業者の事業の継続のための特例的な措置でしたが、中小企業については資金繰りや感染対策、設備投資などを幅広く支援しているところです。
 さらに、現在、経済対策の検討も進めており、雇用を守り、事業が継続できるように必要な措置を検討してまいります。
 雇用調整助成金などの支援策の今後の取扱いについてお尋ねがありました。
 雇用調整助成金の特例措置の取扱いについては、十二月末までとしていたところ、現下の情勢を踏まえ、来年二月末まで現在の特例を延長することにしました。
 緊急小口資金などの特例貸付けについては、貸付実績や経済の動向などを踏まえ、今後の対応を検討してまいります。
 一人親家庭に対しては、その実情を把握しつつ、緊急的な支援が必要な場合には状況に応じて迅速な対応をしていきたいと考えています。
 学生支援緊急給付金については、新型コロナウイルス感染症や学生の修学の状況などを注視しつつ、必要な対応を検討してまいります。
 消費税減税についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、収入が減少した中小事業者も含め、消費税等の納税猶予を特例的に行っておりますが、消費税については社会保障のために必要な財源と考えております。
 新型コロナウイルス感染症対策予備費についてお尋ねがありました。
 コロナ予備費については、これまで医療機関の支援、ワクチンの確保、雇用調整助成金や持続化給付金の追加など、その都度必要な経費、合計四・二兆円を使用してきています。
 今後も、感染状況や経済状況を踏まえ、緊急に予算の手当てが必要になった場合には、コロナ予備費も活用し、新型コロナウイルス感染症への対応に万全を期してまいります。
 日本学術会議の会員の任命についてお尋ねがありました。
 御指摘の委員会質疑でも申し上げましたとおり、今回の任命について様々な御意見があることは承知しておりますが、任命権者として、内閣総理大臣として、その責任をしっかり果たすため、日本学術会議法に沿って学術会議に求められる役割等も踏まえ適切に判断を行ったものであり、こうしたことはこれまでも説明してきたとおりであります。(拍手)

#35
○議長(山東昭子君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────

#36
○議長(山東昭子君) 日程第二 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。災害対策特別委員長新妻秀規さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔新妻秀規君登壇、拍手〕

#37
○新妻秀規君 ただいま議題となりました法律案につきまして、災害対策特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、被災者の居住の安定の確保による生活の再建を支援するため、被災者生活再建支援金の支給対象となる被災世帯の範囲を拡大しようとするものであります。
 委員会におきましては、中規模半壊世帯まで支給対象を拡充する意義、被災者生活再建支援金の支給の在り方、本法律案の令和二年七月豪雨の被災世帯への遡及適用等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#38
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#39
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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