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2021/01/28 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 文教科学委員会 第1号 令和3年1月28日
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2021/01/28 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 文教科学委員会 第1号 令和3年1月28日

#1
令和三年一月二十八日(木曜日)
   午後五時三十四分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         太田 房江君
    理 事         赤池 誠章君
    理 事         上野 通子君
    理 事         吉川ゆうみ君
    理 事         斎藤 嘉隆君
                有村 治子君
                石井 浩郎君
                世耕 弘成君
                高階恵美子君
                水落 敏栄君
                石川 大我君
                横沢 高徳君
                蓮   舫君
               佐々木さやか君
                安江 伸夫君
                梅村みずほ君
                松沢 成文君
                伊藤 孝恵君
                吉良よし子君
                舩後 靖彦君
    ─────────────
   委員の異動
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     渡辺 猛之君
     水落 敏栄君     加田 裕之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         太田 房江君
    理 事
                赤池 誠章君
                上野 通子君
                吉川ゆうみ君
                斎藤 嘉隆君
    委 員
                有村 治子君
                石井 浩郎君
                加田 裕之君
                高階恵美子君
                渡辺 猛之君
                石川 大我君
                横沢 高徳君
                蓮   舫君
               佐々木さやか君
                安江 伸夫君
                梅村みずほ君
                松沢 成文君
                伊藤 孝恵君
                吉良よし子君
                舩後 靖彦君
   国務大臣
       文部科学大臣   萩生田光一君
   副大臣
       文部科学副大臣  高橋ひなこ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       文部科学省初等
       中等教育局長   瀧本  寛君
       文部科学省高等
       教育局長     伯井 美徳君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       板倉 康洋君
       文部科学省研究
       振興局長     杉野  剛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(太田房江君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、山下芳生さん、水落敏栄さん及び世耕弘成さんが委員を辞任され、その補欠として吉良よし子さん、加田裕之さん及び渡辺猛之さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(太田房江君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(太田房江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(太田房江君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省初等中等教育局長瀧本寛さん外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(太田房江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(太田房江君) 国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。萩生田文部科学大臣。

#8
○国務大臣(萩生田光一君) 今国会もどうぞよろしくお願いいたします。
 この度、政府から提出いたしました国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の影響により経済が低迷する中にあっても、世界各国は科学技術イノベーションへの投資の強化を計画しております。我が国としても、公的投資による科学技術イノベーション活動への力強い下支えを行っていくことが不可欠であり、その活動の中核となる大学への支援が重要であります。
 この法律案は、このような観点から、我が国の大学の研究環境の整備を進めるため、国立研究開発法人科学技術振興機構において、政府出資や長期借入れ等により調達した資金を運用するとともに、大学に対し、国際的に卓越した科学技術に関する研究環境の整備充実並びに優秀な若年の研究者の育成及び活躍の推進に資する活動に関する助成を行う業務等を行うために必要な措置を講ずるものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、国立研究開発法人科学技術振興機構が、政府出資、財政融資資金借入れ、債券発行等により資金を調達するために必要な措置を講ずることとしております。
 第二に、調達した資金の運用方法として、金融商品取引業者との投資一任契約を活用した信託等により、安全かつ効率的に行うこととしております。
 第三に、国立研究開発法人科学技術振興機構は、大学に対する助成のために資金運用を行うに当たり、文部科学大臣が定めた運用資産の構成の目標や資金の調達等に関する基本指針に基づいて、資金運用の基本方針を作成し、文部科学大臣の認可を受けなければならないこととしております。
 第四に、国立研究開発法人科学技術振興機構に資金運用を担当する理事を置き、金融や資産運用等の専門家を充てるとともに、金融や資産運用等の学識経験者や実務経験者により構成される運用・監視委員会を置くこととしております。
 第五に、国立研究開発法人科学技術振興機構の業務として、国立大学から寄託された業務上の余裕金の運用業務及び大学に対する研究環境の整備充実等に関する助成業務を追加することとしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようにお願いいたします。

#9
○委員長(太田房江君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。

#10
○赤池誠章君 自由民主党の赤池誠章でございます。
 国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案、いわゆる十兆円規模の大学ファンド創設のためのJST改正案につきまして質問をいたします。
 昨年来の新型コロナウイルス感染症によって、国内外の混乱が続いているところであります。このような混乱した中で、我が国の科学技術イノベーションの底力が問われているのではないかと思います。
 コロナ禍において、世界一のスーパーコンピューター「富岳」の飛沫の飛散等のシミュレーションによって、マスク等の予防効果を我々は見える化で理解することができました。
 そして、現在ワクチン開発が行われているわけでありますが、欧米やチャイナが先行していますが、自国開発への国民の期待は大きく、産学官が連携して現在も開発を進めておりますが、まさに今回の十兆円ファンドが今後大きく貢献できるのではないかと思っておるところです。
 我が国は世界第三位の経済大国ということですが、科学技術力は相対的な地位低下を起こしていると指摘されております。ここ二十年を見てみますと、量的な面では、研究開発資金が何とか、米中に大きく引き離されているとはいえ、世界第三位を維持していますが、四位のドイツに抜かれかねない状況でございます。また、質的な面では、トップ一〇%論文が国別でいうと四位から十一位へ、また研究開発の担い手であります博士課程進学率を見ると一七%から九%へとなってしまっています。研究開発力が将来の経済力を決める、国力を決めると言われていることから考えると、少子高齢化、人口減少が不可避な中で、我が国は経済大国から残念ながら陥落してしまうこともあり得るのではないかと思っています。
 先進各国は、先ほどの趣旨説明がございましたとおり、コロナ禍の影響下にあって、科学技術イノベーションへの投資の強化を計画的に着々と推進しています。他国との違いを我が国の科学技術力とどのように認識すればよいのでしょうか。今回、十兆円規模の大学ファンドを創設して運用し、大学に配分するJSTについて、どのような運用と配分の能力を強化して、国民に対して情報公開、説明責任を果たしていくのか、また支援する大学をどのように選定するのか、当局の見解をお伺いいたします。

#11
○政府参考人(杉野剛君) お答えいたします。
 御指摘のように、近年、トップ一〇%論文数の国際的なシェアが低下するなど、我が国の研究力が相対的に低下していると認識しております。
 その要因といたしましては、まず欧米の主要大学は数兆円規模のファンドの運用益を活用いたしまして研究基盤を充実しており、このような取組が我が国と欧米との研究環境の差につながっていること、さらには、博士課程在学中の経済的な不安やキャリアパスの不透明さなどにより、優秀な若手人材が研究を志さない傾向にあること、こういったことなどを含めまして様々な要因が挙げられるというふうに認識しております。
 加えて、御指摘もありましたように、新型コロナウイルス感染症の影響下にありましても、世界各国はイノベーションへの投資強化を計画しております。リーマン・ショック後の反省を踏まえまして、我が国においても科学技術イノベーション活動への力強い下支えを行うため、国の資金を活用して早期に大学ファンドを創設したいと考えているところでございます。
 その大学ファンドでございますけれども、運用益を活用することによりまして、世界トップレベルの研究大学に向けた高いポテンシャルと明確なビジョンを有して改革に取り組む大学や、博士後期課程学生など若手人材育成に意欲的に取り組む大学への助成を行うこととしておるところでございます。このうち博士後期課程学生への支援につきましては、研究力強化・若手研究者支援総合パッケージにおいて示されました約一万五千人の博士後期課程学生への経済的支援を目指すことになりますけれども、大学ファンドの創設に先駆ける形で令和二年度第三次補正予算案におきまして二百億円を計上しており、速やかな支援を開始したいと考えております。
 運営体制につきましては、JST、科学技術振興機構のことでございますが、JSTは外部の資産運用機関を活用しながら、文部科学大臣の承認の上で経済、金融などの専門家を担当理事に充てるとともに、文部科学大臣が任命する外部有識者による運用・監視委員会を新設することを通じまして、必要な管理運用体制を整備することとしております。
 情報公開につきましては、JSTが策定する資金運用の基本方針の公表を本法案にて義務付けるとともに、GPIF、年金積立金管理運用独立行政法人のことでございますが、GPIFなど国内の運用機関を参考に各事業年度の業務概況報告書を公表するなど、広く国民に対しまして丁寧で分かりやすい情報発信を促してまいりたいと考えているところでございます。

#12
○赤池誠章君 第三次補正予算成立を踏まえて、二百億円でまず大学院生支援、そして五千億円でしっかりとした基金の運用を、準備を加速的に進めていただきたいと思います。
 その中で気になるのは、我が国を抜いて世界第二の経済大国となり、その力を背景として軍事力や科学技術力を急速に強化している隣国チャイナに対して我が国からの人材や技術情報の流出が問題化をしております。いわゆる経済安全保障問題です。
 今回、十兆円規模の大学ファンドの支援が大学や大学研究者、留学生を通じてまさか隣国チャイナに利することにならないか、その歯止めについてどのように考えているのか、当局の見解をお伺いいたします。

#13
○政府参考人(板倉康洋君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、大学ファンドを通じて研究大学を支援するに当たりましては、技術流出防止に向けた取組が不可欠であると考えてございます。
 安全保障上重要な機微技術の管理につきましては、これまで経済産業省と連携いたしまして、安全保障貿易管理に係る機微技術管理ガイダンスの周知を図るなど、大学等における体制整備を進めてきたところでございます。
 具体的には、輸出管理担当部署の設置や関係規程の策定を求めるとともに、研究者や留学生について、受入れ時の事前確認や、退職時や卒業時の規制技術の持ち出しの確認、外国との共同研究実施に当たっての提供技術や相手先の確認など、技術流出防止に向けた取組を行ってきたところでございます。
 さらに、統合イノベーション戦略二〇二〇では、流出を防止すべき技術を守るための具体的な取組として、海外からの研究資金の受入れの在り方や大学等における内部管理体制の強化といった内容が含まれておりまして、関係府省とともに具体策の検討を進めているところでございます。文部科学省といたしましても、これらの課題に対応するため、本年四月から担当参事官を設置し、体制を強化することを予定しております。
 引き続き、現場の研究者が萎縮することのないよう留意しつつ、関係府省との検討を進め、科学イノベーションの発展と技術流出の防止の両立を図ってまいりたいと考えております。

#14
○赤池誠章君 終わります。

#15
○斎藤嘉隆君 立憲民主党の斎藤嘉隆です。
 いろいろ確認したいことがありますので、端的にお答えをいただければ有り難いというふうに思います。
 まず初めに、これはこの補正予算で五千億円が計上されていて、財投を含めると四・五兆円、最終的には十兆円規模のファンドを運営する機能をJSTに与えると、こういう法案です。非常に重い中身だし、大きな内容だというふうに思うんですね。これ、緊要性とか、それから補正予算ですから年度内執行が原則ですけれど、なぜ補正なんですか、そもそも。これは当初予算に計上をして、先ほど大臣もおっしゃったように、しっかり時間を掛けて議論をすると、こういう性質のものだというふうに思いますが、補正である、しかもこのコロナ禍の中で、まあコロナと関係がないとは言いませんけど、まあほとんどないですよね。こういうものであるこの理由をまずお聞かせをいただきたいと思います。

#16
○国務大臣(萩生田光一君) 先生の御意見、ごもっとものところもございます。
 これだけの大きな事業をスタートするわけですから、本予算の中でしっかり組み立ててやったらどうかというのは有り難いお言葉だと思います。
 他方、私、このコロナ禍の中で経済が落ち込んでいく中で、過去の例を見て、リーマン・ショックの後もそうでしたし、あるいはもっとさき、古くはオイルショックやバブル崩壊後も全く同じパターンなんですけれども、その都度やっぱり研究開発の予算というのがどうしても不要不急じゃないということで削られてきた経緯があったので、昨年からかなり意識してこのことを申し上げてきたと思います。
 したがって、何があってもこういうときに人への投資を後退させないという思いの中で、既に国内六大学、六研究機関などではワクチンの研究開発が進められております。世界から比べれば遅いという御批判もあるかもしれないんですが、日本の場合はやっぱり治験の評価というのがすごく厳しいハードルがありますので、他国と比べると、実は同じレベルまで来ているけれどもまだ接種ができないような状況にあるんだと思います。しかし、逆に言えば、極めて質のいいワクチンを将来的には日本国産で世の中に出すこともできるんじゃないかと思っていまして、こういうことが進んでいる中で、やっぱり先ほど他の委員の質問に局長からもお答えさせましたけれども、日本の研究力というのはどんどん低下していく中で、ここはやっぱり安定的に大学、研究機関などに投資をしていかなきゃいけない。その予算を、率直に申し上げて、毎年毎年財政当局と話合いをしながら積み上げていくというのはかなり厳しい道のりじゃないかと思いました。
 例えはいけないかもしれませんが、今まで文部科学行政で、準備万端、いろいろ時間を掛けて準備してきたけれども結局できなかったことってたくさんあったと思うんです。今回は、逆にこういったことを先回りしてお話をしてきたことが皆さんの言うなら共鳴をいただいて、私も率直に申し上げて、この話が出たときに、本当に十兆円の基金なんて積めるのかという、こういう自問自答もあったんですけれども、皆さん方の御支援でここまで来ました。
 したがって、ここは一日も早くスタートさせていただきたい。その上で、その中できちんと先生方の御意見や、また専門家の御意見もしっかり聞きながら体制づくりをしていきたい、こう思っておりまして、特にこの五千億、また先ほどもお話があった二百億は、博士課程に進んだ大学院からの学生の皆さんが安定して研究ができる環境づくりのための大きな第一歩だと思います。また、既に今年度お認めいただいてスタートした創発的研究は、十年間安定的に基礎研究に没頭できる、打ち込むことができる、そういう環境をつくってきましたので、私、ここがまさにチャンスだと思っております。
 この機会に、是非この基金をお認めいただいて、そして背伸びをせずに、安定的に、長期的にしっかりと学校現場に資金投与ができるような、そういう環境をこの際つくらせていただきたい。そのために、今回補正でスタートさせていただくことをお認めいただきたいと思っています。

#17
○斎藤嘉隆君 世界レベルの研究基盤が必要だと、これは私も同様の考えですし、この法案そのものを否定をする気はないんですけれども、いろいろ気になることがあります。
 例えば、じゃ、今大臣は、毎年毎年の予算の折衝も含めてそれは困難なので、だからここ、ファンドに積んでその運用でと、それも分からないでもないですね。
 ただ、いろいろ疑問がある。例えば、なぜ、じゃ、これはJSTなのか。同じ独法でも、文科省の関係でいえば、日本学術振興会とか、これはもう既に科研費の運用とか、こういったことをやって実績もあると思うんですね。スーパーグローバル大学とかWPIとか、いろいろやっている組織があるじゃないですか。こういうところではなくて、このJSTにという、この辺りも理由がよく分からないんですね。この辺りはいかがですか。

#18
○政府参考人(杉野剛君) 御指摘のJSPS、それから今回のJST、共に文部科学省が所管する日本を代表するファンディングエージェンシーでございます。
 JSPSは御指摘のように主としてアカデミアを対象に学術研究の助成、学術に関する国際交流の促進などの業務を実施する法人であるのに対しまして、JSTは広く産学官を対象に、新技術の創出に資する科学技術に関する基礎研究など、イノベーション創出に向けた業務を幅広く実施する法人となっております。
 今回、大学ファンドを運営するに当たりましては金融等の専門知識を有する人材が不可欠となるわけでございますけれども、実はJSTはベンチャー企業への出資あるいは償還を前提とした開発費の提供といった業務の実施を従来からやっておりまして、こういった業務を実施するために金融等に関する専門人材を既に約三十名程度擁しているということから、今回はJSPSではなくJSTに大学ファンドを創設するのが適切であると判断したものでございます。

#19
○斎藤嘉隆君 いろいろ心配があるのでいろいろお聞かせをいただきたいと思うんですが、十兆円という多額の資金を運用する大きなファンドです。制度設計がどれだけ精緻に今の段階でされているのかとか、いろいろ事前のレクでもお伺いをしましたけれども、余りそういうような精緻な設計がされているようには思えないんですね。
 これ、経済財政運営の改革と基本方針二〇二〇、これは承知しています。この中で議論され決定をされたということもお聞きをしておりますけれど、これ、それ以前に、詳細に文科省内でこの件について議論がなされてきたことはあるんですか。局長、いかがですか。

#20
○政府参考人(杉野剛君) これまでの議論の経緯、お尋ねでございます。
 そもそも、アメリカの大学を中心に、一九七〇年代ぐらいから巨額のファンドを造成して様々な研究基盤の充実に充てているということについては従来から文部科学省として注目をしてまいりました。
 一方、今回のような政府主導のファンド、こういったものをつくってはどうかという御議論については、実は文部科学省内というよりも、令和元年の八月から始まりました総合科学技術・イノベーション会議に置かれた基本計画専門調査会の中におきまして問題提起があったというのが初めてかと存じます。
 毎年度安定した予算支援を可能にする仕組みの必要性が議論される中で、具体的には、十兆円規模の国家基金を造成し、その運用益を活用することで大学に対して安定的な研究基盤経費を支給する旨の具体案が提起されてきたというのが昨年の夏の閣議決定に至るまでの政府内における検討の経緯だったと承知しております。

#21
○斎藤嘉隆君 最終的な姿をもう少し私たちもイメージできるように示していただきたいと思うんですね。
 民間からの資金拠出というか資金提供というか、このことも書かれています。この民間からの資金というのは具体的にどのようなものであるのか。それから、民間からの資金と政府から調達、まあ財投も含めてですね、するもののバランス、最終的な姿が十兆円だとすると、このバランスはどうなるのか。また、経年での計画はどのようになっているのか、この資金面の積み上げという観点でですね。具体的には、今回四・五兆円、十兆円ファンドということは、残り五・五兆円をどう調達するのかと。この辺りの計画はいかがですか。

#22
○政府参考人(杉野剛君) 民間からの資金調達についてお尋ねでございます。
 本ファンドの原資は、当初、財政融資資金を含む国の資金を活用しながらも、参加する大学や民間の資金を順次拡大するということが予定されております。
 このため、民間からの資金拠出につきましては、本法第三十三条におきまして、文部科学大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は科学技術振興機構債券、JST債を発行することができること、それから本法三十四条におきまして、長期借入金や機構債券に係る債務について、国会の議決を経た金額の範囲内において政府が保証することができることなどを定めていただいておりまして、具体的には今申し上げましたような借入金あるいはJST債の発行という形で民間の資金を拠出していただくという枠組みが用意されているわけでございます。
 なお、財政融資資金、政府出資金とのバランスや民間からの資金の目標につきましては、これは民間側の事情なども十分勘案する必要がございますし、現時点におきまして何らかの具体的な目途を決定しているというわけではございません。

#23
○斎藤嘉隆君 いや、そのところを決定しているわけではなくてということでこれ一歩進んでいくわけですけれど、いや、本当に大丈夫なのかと、もうこういうふうに思うんです。大丈夫であってほしいんですよ。今の話だと、民間から幾ら調達して、財投から追加でどれぐらい調達して、あるいは税金からどれぐらい調達してということも全く決まっていないということなんですね。
 この十兆円ファンドという規模とか責任というのがどれぐらい省内で認識をされているのかなというのもちょっとお聞きしたいんです。もし分かったら教えてください。日本国内で運用されている投資信託、ファンド、大きな規模のものでどれぐらいの規模か御存じですか。

#24
○政府参考人(杉野剛君) 公的なファンドということで、最も大きいものが恐らくGPIF、百五、六十兆規模ではないかと存じます。その他の詳細については余り承知しておりません。

#25
○斎藤嘉隆君 GPIFはちょっとおいておいて、日経の資料を読みますと、最も大きなもので九千九百億円、九千九百七十九億円というのがあるんです。これは年度ごとに運用益を配分、配当に回しながら進めていくものですよね、今回のファンドは。こういう見方でいうと、間違いなく最大、超巨大だと思います。GPIFとはもうそもそも根本的に違うんです、そこが。
 例えば、今申し上げた規模の大きいファンド、九千億円とか八千億円みたいなものを見ると、信託報酬は大体一%台です、後半。購入時の手数料は多くが三・三%というのが多いんですね。平均的です。外部に運用を委託するというか、運用担当の理事がいらっしゃって、外部といろいろ調整をしながら運用していくと思うんですが、こうした報酬を差しおいて、しかも財投の利払いをして、大幅に増える人件費の費用を捻出し、しかも毎年それなりの運用益を出していくという極めて困難な取組をしていかなければならないということなんです。
 GPIFの場合は、手数料は〇・〇三%以下です。一般のファンドの信託報酬って少なくとも一%以上なんですが、この辺りはどうですか。この大学ファンドの運用手数料はGPIF並みになると、こういう想定ですか。

#26
○政府参考人(杉野剛君) 手数料関係についてのお尋ねでございます。
 実務的には、いろいろなシミュレーションなり、あるいは情報収集をやっておりますけれども、現段階でどういった数値になるということを御紹介できるデータがあるわけではございません。
 GPIFについては、先ほど申し上げましたように、日本最大の巨大ファンドというその大きさ、それから公益を目的とするファンドということもありまして、恐らく手数料につきましてはそういった事情から特別に格安の手数料の設定になっているという有利な条件があるんだろうと思います。
 GPIFの規模に比べますと、私どものファンドは完成しても十兆円程度ということでございますので、同じような交渉になるというわけにはいきませんけれども、そういったGPIFを含め、その他の公的ファンドにおけます手数料の前例などをよく調べながら、できるだけその辺、合理的な低い手数料、料金が設定できるように、なるように検討を進めていきたいと思っているところでございます。

#27
○斎藤嘉隆君 いや、手数料も含めて、これ、ある程度の見込みを持っていないと計算が成り立たないというふうに思うんですね。
 じゃ、お聞きしますね。財投からの資金、これ、利払いも含めて何パー、利払いも含めてというか、償還の際に何%の利払いを想定をしているんでしょうか。

#28
○政府参考人(杉野剛君) 財投の利払いについて、今の段階で利払いが確定しているわけではございません。来年度、実際の財投を、財政融資をいただくときに確定するものと思っておりますけれども、現在、五年物の財投債で〇・〇二%という、かなりこういう超低金利の状況でございますので、低い利率が設定されているというふうに承知しておりますけれども、そういったことを前提としながらも、いろいろな試算をさせていただいているという状況でございます。

#29
○斎藤嘉隆君 ごめんなさい、ちょっと正確にお願いしたい。〇・〇二、そんなに高いですか、五年物で。

#30
○政府参考人(杉野剛君) 言い間違えましたでしょうか、済みません、〇・〇〇二%でございます。失礼いたしました。

#31
○斎藤嘉隆君 これ、財政投融資というのは、通常、前年の秋というか、財政審の分科会でいろいろ議論をされて、通常は十二月ぐらいにこの財投の計画が立てられて翌年執行と、こういうことになりますけれど、これもこの計画の中に入っているんでしょうか。

#32
○政府参考人(杉野剛君) 私ども、財政融資につきましては令和三年度におけます財政融資ということでお願いしておりますので、今年の十二月頃に策定されます財投計画によって最終確定をし、恐らくその年明け、来年年初ぐらいに実際に利率を確定した上、確定した利率の下に融資をいただくということになるだろうと考えているところでございます。

#33
○斎藤嘉隆君 今の点はよく分かりました。来年度の、まあ来年度中にそのように執行があると、こういう理解だというふうに思います。
 もういろいろ申し上げておりますけれども、運用とその安全性についてGPIFを引き合いによく出されます、文科省さんは。お聞きをすると、GPIFは過去に三%、平均すると三%ぐらいの運用益を上げていて、そこを目指すんだと、こういうことです、そういう想定の下での制度設計だというふうに思うんですね。ただ、GPIFと今回のこの大学ファンドとの大きな違いは、違いは、GPIFの場合は運用益を内部に留保していく、そういう性質のものだと思うんですね。今回の大学ファンドは、十兆円という元本があって、それの運用益を上げて、その運用益分を各大学に配分をしていく、こういう性質のもので、これは言ってみればより難度が高いというふうに思うんです。
 GPIFであれば、ある年一〇%の運用損が出ても、長いスパンで、例えばその後五年間でこれが元に戻ると、これは現実的にこういうことが繰り返されてきているわけですね。ところが今回は、今の話だと五年間で財投も償還して回していくわけですよね、恐らく。そうしたら、例えばその五年のうちに大きな運用損が十数%、こんなことはよくあるんですよ、十数%なんという大きな運用損がぽんと出たときにですよ、一体どのように償還をしていくのか。こういったことも、今の時点でこのいただいた資料や法案を読む限りは全く明確になっていないんですね。
 これはもう、マイナス運用、単年度であっても、今回のファンドの場合はマイナス運用は僕は命取りだというふうに思っているんです。こういう認識、まあ金融の世界ですから、そんな、得もあれば損もあるんですよ。長いスパンでいえばそれはプラスで回っていくかもしれないけど、今の大学ファンドのこの性質からいうと、なかなかそういうような考えには立てないんじゃないかというふうに思うんですけれど、この辺りの認識はいかがでしょうか。

#34
○政府参考人(杉野剛君) GPIFとの違いについては先生御指摘のとおりだと思っております。共に公的な性格のファンドということでございますので、基本的には、短期の利益を取りに行くのではなくて、長期的な観点から資産を分散運用いたしまして確実なリターンを取っていくというところは変わらないわけでございますけれども、一方で、GPIFは年金財政の計算によりまして恐らく当面数十年間はキャッシュアウトの必要がないということでございますので、ひたすらキャピタルゲインを含めてリターンを最大化していくということだけやればいいと。片や、私どもの大学ファンドにつきましては、長期分散の運用をしながらも、運用が安定した暁には各大学に対して毎年度一定の財政支出をして支援をしていくということをやっていかなければいけないということでありますので、その意味では、GPIFに比べますとより慎重な、より繊細な資金運用のかじ取りが求められるだろうと思っております。
 その上ででございますけれども、元々私どもがこういったファンドを想起した原点はアメリカの大学のファンドでございます。アメリカの大学は、先ほど申し上げましたように、一九七〇年代以降、かなり積極的に運用するというかじ取りをいたしまして、今日の兆を超える、一兆を超えるようなファンドを各大学が持つようになったわけでございますけれども、あの大学ファンドがまさに長期分散型の運用をしながらも毎年度のキャッシュアウトを確実にやっていくと、トップクラスの大学になりますと、それこそ年間数千億円のキャッシュアウトをやっていくと。それでやりながら、なおかつファンドそのものも成長させているというような巧みな運用をやっているという例があるわけでございます。
 運用利回りも、ここ二、三十年で一〇%前後の運用をやっている大学もかなりあるということで、アメリカの例ではございますけれども、そういったことも踏まえながら、いろんな前例が幸いにもありますので、GPIFにとどまらず、アメリカの大学のファンドの運用例なども十分勉強いたしまして、先生の御心配いただいている点は誠にそのとおりだと思っておりますけれども、まずはいろいろな勉強をし、情報を収集し、慎重な制度設計をして運用を開始したいと思っているところでございます。

#35
○斎藤嘉隆君 アメリカの大学、エール大学とかハーバードだとか、あるいはイギリスのケンブリッジとか、確かに多額の資金を運用して利益を上げているという大学は多々あると思います。ただ、それはほとんど、ブランド化とか、OBをネットワーク化して、個人で数億円なんていう寄附を多くの方がしていたり、あるいは一法人が数百億みたいな資金を拠出をしたりして、若干日本の場合と文化が少し違うんではないかなと。今回は、これは一部税も入って公的な資金でこうやって大学を支援をしていこうということですので、欧米なんかの私立大学とはやっぱりちょっと性質が違うんではないかなということはあえて申し上げたいというふうに思います。
 今ちょっと申し上げましたけど、心配しているのは国民負担なんです。運用がうまくいかなかったときに。三十四条を見ると、政府は、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の長期借入金又は機構債券に係る債務について保証することができると、こうあるんですね。これは、運用がうまくいかなかったら、何らかの形で、国民負担で、あるいは税で穴埋めをすると、こういうことも可能だというような読み取りをしていいんでしょうか。

#36
○政府参考人(杉野剛君) 大学ファンドの運用に当たりましては、金融市場の動向による一時的な損失の発生に十分堪え得るように、四・五兆円の元本のうち資本性の資金として先生御指摘のように五千億円の政府出資を用意するということ、それから、運用の当初は、各大学に対する支援よりも、まずは運用益の相当割合を元本に積み立てるということによりまして、できるだけリスクバッファーを厚くするということを想定しているところでございます。
 その上で、さらに、必要な場合には、文部科学大臣が定めます基本指針や本法案第三十条に基づきまして、運用方法の見直し、運用の停止、繰上償還などの必要な対応をJSTに求めることができるということになっておりますので、金融の動向、金融経済の動向に細心の注意を払いながら、また、財政融資資金の償還確実性の担保に留意しつつも、国費の補填を回避すべく、必要な措置を講じてまいりたいと考えているところでございます。

#37
○斎藤嘉隆君 二十八条で大臣が基本方針を定めて、極力安全な運用を促すというか義務付けていくということでありますし、三十条を見ると、いわゆるJSTの運用側がまたこれも基本方針を定めて、その内容について文科大臣がチェックをしながら、今局長おっしゃったような形で随時対応していくと、こういうことも可能になっていますので、できるだけこういった点、機能的に稼働するように、引くところは引くというか、突っ込むところまで突っ込んじゃうみたいなばくちみたいなことではなくて、危ういときにはやっぱり引く勇気も必要ではないかなというふうに思います。
 その上で、これはやっぱり運用ですから、誰かが責任を持って運用していくわけですよ。恐らくこれは運用担当理事、新たに任命される、こういう方なのかなというふうに思うんですね。
 さっき大学の話されましたけれど、エール大学なんかはデビッド・スウェンセンなんという投資のプロ中のプロが大学の、一大学の投資担当責任者になって先ほど言われたような運用成績を上げているんですね。やっぱりこれ、それ相応の人材が必要なんですよ。
 これ、JSTはもう既に目星を付けて、この方を運用担当の責任者、理事にして、この方にお願いをすると、こういうような意中の方がいらっしゃるんですか。

#38
○政府参考人(杉野剛君) 運用の責任者、それはまさに新設されます運用業務担当理事でございます。法案では、経済、金融、資産運用、経営管理その他資金運用業務に関連する分野に関する学識経験者又は実務経験を有する者のうちから、文部科学大臣の承認を受けてJSTの理事長が任命をするとなっております。したがいまして、JST任せではなく、文部科学省もしっかりと関与して適任者を探していくということに法律上なっているわけでございます。
 今、意中の人間がいるのかというお話でございますけれども、この担当理事を含め、運用・監視委員会のメンバーその他について、いろいろな情報収集をやりつつ、CSTIを担当しております内閣府とも連携をいたしまして、どういった方がいいのかということをいろいろリサーチをしている段階でございます。
 何度も恐縮でございますけれども、GPIFなどの公的ファンドの先例もよく見ながら、どういった方が実際の担当理事になられているのかといったことをよく調査をして適任者を探してまいりたいと考えております。

#39
○斎藤嘉隆君 やっぱり人選重要だと思いますので、他の省庁ともいろいろ相談をしていただきながら、それなりの人をお願いをしたい。
 運用担当理事だけではなくて、監視委員というんですか、この人選も本当に重要だと思います。二十二条だったと思いますけれども、例えば、取引上密接な関係にある方は監視委員にはなれないという一文がありますよね。これ見ても、単に、ということは、もう金融関係の方とか銀行のOBとかってなかなか難しいのかなと思ったり、ここの読み取り方もまたちょっと後でこの委員会ではなくて議論させていただきたいと思うんですけど、どういった方が監視委員になって、どういった方が運用担当理事になるのかといったことも含めて、まだ若干時間はありますので、制度設計急がなくてはいけないといいながら、この点も是非慎重に、我々にも情報提供していただきながら進めていただきたいというふうに思っています。
 ちょっと細かなことですけど、これ、ファンド、単年度で運用益が出ないような年があった場合は大学への配分はない、こういうことでいいですか。

#40
○政府参考人(杉野剛君) 大学への助成は運用益の範囲で行われること、これは当然でございます。ただ、年度ごとに助成額が大きく変動するようなことがありますと、もらう側の大学の運営にとってこれは大変なことになります。各年度の助成額は運用益をなるべく平準化して大学へ支援してまいりたいと考えております。
 具体的には、単年度の運用益に基づくのではなく、例えば、それまでの運用実績や中長期の運用益の見通しに基づきまして助成額を一定の算式で算出するなど、運用益が出ない年度があったとしても大学に安定的に助成できる、そういった方向で今後検討したいと思っております。

#41
○斎藤嘉隆君 ある大学の関係者とちょっと話をしたんですけど、大学の持っている資金をこのファンドに拠出をしようと、そういうことを考えていらっしゃる大学の関係の方なんですけど、これ、例えばある大学が十億円をこのファンドに拠出をすると、そうすると、この預けた十億円がいずれ返ってくる、いずれ返ってくる、その運用益の一部もこの大学に対して配当されると、こういう考え方でいいでしょうか。

#42
○政府参考人(杉野剛君) これは、大学からファンドに対する拠出のやり方というのは、幾通りかやり方があると思っております。
 一つには、大学ファンドに対して出資をすると。一応、持分をキープした上で財産を出資すると。この場合は、出資ですので、持分はありますけれど、所有権はファンド側、JSTに移るということになります。
 それから、二つ目の方法としては、先ほど御紹介いたしましたJST債、これを購入してもらうということになります。これは、債券でございますので、債券の元本を保証しつつ、一定の利回りが保証されるということになります。
 さらには、これは国立大学に限られる場合でございますけれども、国立大学に限ってでございますけれども、資金を寄託するということになります。寄託の場合は、これは所有権は大学に残ったまま、要するに運用を委託するというわけでございますので、運用次第によっては寄託した財産、資金よりも上回ったものが返ってくる可能性があるということでございます。
 いろいろその大学からファンドに拠出する資金のやり方というのは方法がありますし、各大学の設置形態によりましてできること、できないことがございますので、そういった資金の拠出の方法によりまして実際のリターンの仕方というものが変わってくるというふうに御理解いただければと思っております。

#43
○斎藤嘉隆君 時間が少なくなってきたので、もう最後にしたいというふうに思います。
 大臣にお願いと、最後に決意をお伺いをしたいんですが、今回の三次補正で、博士課程の学生六千人に一人当たり二百九十万円を支援するという創発的研究若手挑戦事業というのが入っています。この事業は、私は、先ほどあったように、博士課程の学生たちにこのファンドの運用益を活用して配分をしていくまでの間、それが進むまでの間、継続をするべきものではないかなというふうに思っております。是非このことを大臣にお願いをしたい。
 それと、今いろいろ議論させていただいたように、まだ制度が精緻に定まっていなかったり、特に運用の安全性という点で若干心配があるんですね。是非これ、大臣は責任者であるというふうに思います。JSTの理事長も責任者であるというふうに思いますけれども、責任者の一人として、この安全な運用についての、最後、お考えというか決意のほどをお伺いをして、質問を終わりたいと思います。

#44
○国務大臣(萩生田光一君) 先生には各般にわたって御心配いただきまして、本当にありがとうございます。
 例えば、これから選ぶ理事ですとか、あるいは監視委員会のメンバー、当然この分野にたけた人を集めなきゃならないわけです。じゃ、本当にそういう優秀な人が今国が考えている外郭団体のまあ言うなら年俸のような形で本当に来てくれるのかという問題も当然あると思います。
 実は私、この構想の段階から、もう随分、半年以上前から、いわゆるその業界の人たちといろんな意見交換をする中で、もちろんその目先で報酬が高ければやるという人もいます。他方、やっぱり日本の将来を憂いて、とにかくやっぱり大学のレベル上げていかなきゃいけない、日本発の研究をどんどん進めていかなきゃいけないと思っていただいている金融に詳しい方たちもいらっしゃいます。そういう人たちは、その年俸が幾らとかよりも、もう本当に一緒になってこの問題に取り組んでいただけるという、そういう強い意思を感じています。ところが、本当にやるのかというのが皆さん方の懸念だったんです。
 したがって、今回五千億の補正を組ませていただくことで、内外に向かって日本の本気度を示すことが私できるんじゃないかと思っています。
 是非、皆さんが信頼できる専門的な知識を持った人に、先ほど局長は人事に当たっては文科省も関与してと言いましたけど、文科省が関与する方が多分皆さん心配だと思います。そうじゃなくて、本当にやっぱり業界の皆さんがきらりと光る人たちに助けてもらって、手伝ってもらって。それから、冒頭私申し上げたように、背伸びをしないでというのは、GPIF、確かに平均三%利回りしていますけれど、お話しのように、これ、キャッシュアウトしていかなきゃならないです。我々は利益をちゃんと使っていかなきゃならないわけですから、そういう意味では、そこは背伸びをしないで、三%というターゲットを決めるんじゃなくて、もう少したとえ低くても安定的に、きちんと毎年計画的に大学や今お話のあった博士課程の皆さんへの資金が供給できるような、そういう仕組みをしっかりつくっていくために慎重に対応していきたいと思います。
 あわせて、今回、今六千名と言っていただいたんですけど、七千五百名を予定しております。特に、大学院から博士に進む一万五千人分のこの生活費についてはきちんと国が面倒を見ていく、そして安心してその分野で仕事をしていただけるような人を増やしていくことが、裾野を広げていかないと、幾らファンドなんかつくったっていい研究出てこないわけですから、ここはもうトータルで頑張っていかなきゃいけないと思います。
 したがって、先生御指摘のように、ファンドが利益を生むのは何年後かということになりますので、その間はきちんと予算要求をして、これ、しっかり博士課程の皆さんが同じような形で毎年一定の資金の中で生活費を心配しないで研究ができる、そういう環境づくりをしていくことを改めてお誓い申し上げたいと思います。

#45
○斎藤嘉隆君 終わります。

#46
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 時間も限られておりますので、早速ですが、本法案について質問をさせていただきたいと思います。
 まず第一に、改めまして本法案の意義について確認をさせていただきたいというふうに思います。
 本法案の提出理由、すなわち、大学ファンド、これを創設する趣旨、我が国の大学の研究環境の整備を進めるため等ということでありますが、従前からも御指摘がありますその背景には、昨今の日本の大学の研究力の低下ということがございます。改めまして、この研究力の低下という原因について文科省としてどのように御認識をされていらっしゃるのか改めて確認をすると同時に、今回のファンド、それがその原因に対してどのような効果、有効性、関係性を有するのか、萩生田文部科学大臣から御答弁をいただきたいと思います。

#47
○国務大臣(萩生田光一君) 近年、トップ一〇%論文数の国際的なシェアの低下など、我が国の研究力が相対的に低下していると認識しております。
 この原因としては、欧米の主要大学は寄附金等を原資とした数兆円規模の大学ファンドを保有し、その運用益を人材や研究設備に投資することで充実した研究基盤を構築しており、このような取組が我が国と欧米との研究環境の差につながっていること、博士後期課程の在学中の経済的な不安やキャリアパスの不透明さなどにより、研究力の要である若手が研究を志さない傾向にあることなど、様々なものが挙げられると認識しております。
 このため、今般、大学ファンドを創設し、その運用益を活用する仕組みを構築することで、世界トップレベルを目指す研究大学の研究基盤強化のための長期的、安定的な支援、また、博士後期課程学生を始めとする若手人材の育成支援を推進し、これを通じて我が国の研究力を抜本的に向上してまいりたいと思います。

#48
○安江伸夫君 ありがとうございました。
 今回の法改正成った暁には、今の御答弁を踏まえまして、今後、様々な体制整備、また対象大学の指定、その内容等が定められるということでありますけれども、いずれにしましても、日本の研究力の強化のためのファンドの活用というところをお願いしたいと思います。
 また、忘れてはならないのは、学生や研究者の個々人の自己実現にもしっかりと資する運用でなければならないのかなというふうに思っておりますので、重ねてその点も御要望申し上げます。
 続いての質問に移ります。総合支援パッケージとの関係性について確認をさせていただきます。
 二〇二〇年一月、総合科学技術・イノベーション会議におきまして、研究力強化・若手研究者の支援総合パッケージが策定されておりまして、先ほど杉野局長からも付言をいただきました。同パッケージで示された施策の方向性といたしまして、人材、資金、環境の三位一体改革を進め、大学改革等を実現し、イノベーションを創出、加速をさせていくということが示されております。
 まさに今般の大学ファンドの創設はそのベクトルを同じくするところであるというふうに考えますが、その総合パッケージと今回の大学ファンドの関係性について確認をさせてください。

#49
○政府参考人(杉野剛君) 御指摘のように、令和二年一月に総合科学技術・イノベーション会議が策定いたしました研究力強化・若手研究者支援総合パッケージにおきましては、研究力強化に求められる主な取組といたしまして、若手研究者のポスト拡大、優秀な研究者に世界水準の待遇、博士後期課程学生の処遇の向上、産業界へのキャリアパス、研究環境の充実が掲げられているところでございます。
 今般の大学ファンドは、科学技術イノベーションの中核である大学の研究力を強化するために、世界トップレベルの研究大学を目指して高いポテンシャルと明確なビジョンを有して改革に取り組む大学や博士後期課程学生などの若手人材育成等に意欲的に取り組む大学を対象に支援をするというものでございますけれども、これはまさに御指摘のパッケージの方向性を念頭に置いて構想したものでございます。
 実際には、各大学が独自に練ってまいります戦略、将来戦略に基づきまして重点的に支援を行うということになるわけでございますけれども、パッケージに掲げられた取組が強力に推進されることが可能だと考えておりますし、是非そういう方向になるように期待しているところでございます。

#50
○安江伸夫君 ありがとうございました。
 やはり、真に研究力を向上するという意味で、同パッケージの施策を総合的に推進していただきたいというふうに思います。
 基盤的経費の充実、また競争的資金の在り方等の見直しも含めまして、人材、資金、環境、三面にわたっての三位一体改革、総合的な改革が引き続き必要だという点を改めて強調させていただきたいというふうに思います。
 続いて、先ほど斎藤委員の御指摘もありましたが、私からも運用に関してのガバナンスについて確認をさせていただきます。
 今般の改正に伴いまして、JSTに新たな運用業務担当理事を設け、また寄託金運用業務等の適正な運用を図るための運用・監視委員会を置くものとされております。ファンドの適正な運用という点において、先ほども御指摘ありましたが、その適格性、十分な能力を持った人材かという点が大変重要かと思いますが、当該理事及び委員の選任、どのような基準であるか、確認をさせてください。

#51
○政府参考人(杉野剛君) 運用業務担当理事につきましては、本法案第十一条等におきまして、資金運用業務について、機構を代表し、理事長の定めるところにより、JSTを代表し、理事長を補佐してJSTの業務を掌理すること、運用・監視委員会につきましては、本法案第二十条等によりまして、資金運用に関する重要事項を審議し、その実施状況を監視することなどが業務となっているところでございます。
 このため、こうした業務を適正に実施する上で必要となるものについて、本法案では、法案第十二条及び第二十二条におきまして、経済、金融、資金運用、経営管理などの資金の運用に関連する分野に関する学識経験又は実務経験を有することと明記されております。これらの経験を有する者のうちから、それぞれの業務に適した人材を、運用業務担当理事については文部科学大臣の承認を受けて理事長が任命し、運用・監視委員については文部科学大臣が任命すると、こういう仕組みになっているところでございます。

#52
○安江伸夫君 ありがとうございました。
 残余の質問は先ほどの質疑の中にも出ましたので、以上で終わりたいと思います。
 いずれにしましても、着実な運営はもとより、その助成の在り方につきましても、創設の趣旨にしっかりとかない、かつ国民の目から見ても納得のできる公平性を有するものであることを強く求めまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#53
○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほです。よろしくお願いいたします。
 世界に伍する研究基盤の強化を目指し、十兆円規模の大学ファンドでそのための資金を捻出しようというのが今回の法案だと理解をしております。運用に当たっては、今回の三次補正から五千億、そして来年度借り入れる財投四兆円ということで、大学拠出金、JST債の発行で資金を調達するとのことです。
 このJST債の発行には格付も取らなくてはいけませんし、各種準備で時間が掛かるのではないかと思うのですが、実際の債券の発行はいつ頃になるとお考えでしょうか。

#54
○政府参考人(杉野剛君) JST債の発行につきましては、市場の状況等を踏まえましてタイミング、規模などを総合的に検討する必要がございますので、この発行に要する期間がどの程度になるかにつきましてはなかなか現時点でお答えすることは難しいと考えておりますが、仮に発行時期や規模などの意思決定をした上で、事務手続としてどの程度時間を要するかという点で申し上げれば、JSTと同様に財投機関債を発行しております法人の例を見ますと、起債準備から債券発行して資金を受けられるまでに大体三、四か月程度掛かっている例が多いのではないかと承知しているところでございます。

#55
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 三、四か月というような期間も聞かれましたけれども、実際はその市場の状況を見てということで、意外とのんびり構えていらっしゃるのではないかというふうにお受けいたしました。
 では、続いての質問でございます。
 将来的に十兆円規模に成長させるということなんですけれども、まずはファーストステップの四・五兆円以外の五・五兆円を調達するには、JST債のほかに若手研究者などへの助成分を除いた運用益の投入などを想定されているかと思いますけれども、これもまた成長するのに随分な時間が掛かるのではないかと思っています。
 十兆円規模に成長するまでにどれぐらい掛かると見込んでいらっしゃいますでしょうか。

#56
○政府参考人(杉野剛君) 大学ファンドは、まずは国の資金を活用しながら、その後、参加する大学や民間からの資金を順次拡大することとしております。
 ファンドの規模がどういったプロセスで拡大していくかというお尋ねでございますけれども、これは今後の国内外の投資環境あるいは財政融資資金の償却状況、運用当初の元本強化期間を含めまして、運用益についての元本強化と大学助成とのバランスなど様々な要因を考慮する必要があると考えておりまして、現時点ではっきりと申し上げることは難しいと考えておりますが、できるだけ早期に十兆円となるために努力していきたいと考えているところでございます。

#57
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 やはり長期スパンのプランですので、いつ頃にというのはおっしゃりにくいのだとは思うんですけれども、できるだけ早くというのは余りにもふんわりとしているのではないかというふうに受け取っております。
 ファンドが成長する間もアメリカや中国は着々と研究を進めていきます。GPIFを参考になさって年利三パーという話なんかも聞くんですけれども、文科省さんのお話では、必ずしもGPIFのままではないので安定的に運用して、まあそう言われると、一%とかそれ以下もあり得るのかなと思っています。
 いずれにいたしましても、それなりの運用益を見込んでその助成をしていくためには、国内外の債券、国内外の株式にリスクも織り込み済みで投資をしていくという必要があるのではないかと思っています。
 内外にわたって国の本気度を示すことができるのではないかと先ほど大臣がおっしゃいまして、本来であれば当初予算に組み込んでいただくべきものをあえて三次補正に入れてこられているわけなんです。それは、やはり一刻も早くという気持ちがおありになるからだと思っているんですね。しかし、スピードを重視されているならば、逆に利払いによるロスもあります。
 財投頼みではなくて、しっかりとプランを練り込んで、もっと真水を入れていくべきだということも言えるのかなと思っているのですが、真水を入れていくというのは難しいんでしょうか。大臣にお伺いしたいと思います。

#58
○国務大臣(萩生田光一君) もし真水を入れていくことができたら、ファンドじゃなくて毎年予算をしっかり取っていくという方が手っ取り早いと思うんです。文部科学省の今までの言うならば生い立ち等をいろいろ冷静に考えたときに、ここは是非新しいスキームでしっかり別の予算立てをしていくということが大事だと思いましてこのような発想に至ったところでございます。
 ただ、御指摘のように、四・五兆円の次はいつなんだ、いつから配当が始まるんだ。これはもう来年度になったらどこかでやっぱり目安を示していかないと、また今度本気度が離れちゃうと思いますので、どこかできちんと旗を上げていきたいと思っています。そのときに、国として、これ、内外の情勢をよく見ながら、このファンドを急ぐことが本当に我々が目指す政策に近道なんだということをより説得をして、国としての予算等にも考えていただきたいな、そういう気持ちはございます。

#59
○梅村みずほ君 おっしゃるとおり、ちゃんと予算を毎年入れていけるのであればこんな策は取らないということもあるかと思うんですけれども、一方で、今回の三次補正にカーボンニュートラルに二兆円という予算も計上されています。これも、そんなに今すぐに必要なんですかと思うところでもあるんですね。
 なので、本当にこのやっぱり国の存在感というのが懸かっていますこういった研究に本気で財務省も取り組んでいる国の本気度というのが、文科省だけではなくて財務省もくっついているのであれば、もう少し予算が付くのではないかなと思っているところでもあります。
 とにもかくにも、このJST債というのが具体的でないなという印象を受けております。
 昨年、大学債の発行要件が緩和されたことを受けまして、早速東大が第一回国立大学法人東京大学債券を発行しまして、二百億の発行額に対して投資家からの需要は六倍を超える千二百六十億円となっているということです。こちらは、社会貢献債であるとかESG債と俗に言われます環境、社会、ガバナンスに配慮する債券に注目が集まっているというふうに好意的に受け止めることもできます。が、一方で、東大債はゴールの設定や利率、年限なども明確になっていますし、東大のブランド力というのもあります。それでも千二百六十億円の需要だということです。
 今回のファンドは、もちろん国という圧倒的な存在がありますけれども、債券への需要がどれほどあるのか、資金調達に不安を覚えるところです。今回は大学からの拠出、寄託金なども見込まれていますが、現在、各大学も財政的に非常に厳しい状況にあるのではないかと思うのですね。なので、寄託に踏み切れない大学や思い切った金額を拠出できない大学も想定されますし、原資として大学からの寄託金、拠出金はさほど当てにできないのではないかなと考えております。もっとどういう大学や企業からの拠出金が見込まれるのかや、助成対象の明確化、選定方法なども含めて入口、出口を固めていただいて、これならばと企業や投資家に思われる内容を満を持してこの場に上げていただきたいなと感じています。
 元々、ファンドというのは長期的な視点で捉えるものなんですから、構想としては是非やっていただきたいというふうに思っているんです。ただ、申し上げたいのは、やっぱり補正予算で五千億今入れることなんですかということなんですね。一刻も早くという思いもお伝えいただくんですけれども、やっぱりふんわりしている、そのJST債をいつ発行するんだとか長期的なプランとか余り描けていないのかなと思うところが多いからなんです。
 私は、この三次補正に、小中高生の自殺が過去最高になっていることから、自殺対策に予算やアイデアを出してほしかったというふうに本当に思っているんです。後ほど質問にも入れますけれども、四百四十名、十二月の数はまだ明らかになっていないんですけれども、一月から十一月までで四百四十名の小学生、中学生、高校生が自ら命を絶っているんですね。この時期の補正予算ですから、やはりコロナに関連する諸問題の対策に徹底して費やされるべきと思いますし、自殺を防ぐんだという政策や予算が計上されずにこの五千億の数字が上がってきたということにちょっと肩を落としております。
 このファンドに戻りますけれども、GPIFも一時は危機的な時期がありましたように、短期的には損失が出て元本を割り込む可能性も否定はできませんけれども、何十年スパンで見ればチャレンジする価値がある取組だと思っておりますので、このファンドによって各大学の環境が充実して、若手研究者の皆さんがお金がないから研究の現場をやりたくても離れるということがないように、是非運用を頑張っていただきたいなと思うところです。
 ちょっとここからは寄附のことについてもお伺いしたいと思います。
 このファンドでお金を捻出していくという方針には賛成なんですけれども、先ほど他の委員からも御指摘がありましたように、諸外国と日本では文化の違いというのもあると思っております。ハーバードやMITであるとかスタンフォードであるとか、外国の大学はやはりOBからの寄附が大きくございまして、文科省は寄附をしやすい文化を醸成していくことも並行して行うべきと考えますが、大臣、いかがお考えでしょうか。

#60
○国務大臣(萩生田光一君) 大学が自律的な経営を確立していくためには、寄附金などの外部資金を増やすことにより大学の財源の多様化を進めることが重要と認識しております。
 このため、文科省では、大学や独立行政法人等への寄附を増やすことを目指し、ファンドレイジングに関する理解を深めるとともに、成功事例を共有するための寄附フォーラムを開催しております。
 また、大学への寄附を促進するための税制改正として、大学に土地などを寄附する際にみなし譲渡所得税の非課税承認を受けるための要件の緩和、また、国立大学法人等への個人寄附に係る税額控除の対象を修学支援事業だけでなくて学生やポスドクに対する研究助成、能力向上のための事業へも拡大、またさらに、大学の外部資金獲得に係る税制改正として、私立大学が行う受託研究に係る法人税の非課税措置の拡充などに取り組んできたところでございます。

#61
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 寄附文化を根付かせていくというのは大変大切だなと思っております。
 全く関係ない話になるかもしれませんが、我が家には二人の子供がおりまして、今月渡したお年玉を精査して消費と貯蓄と寄附に分けて、子供たちは貧しい子供たちのためにという窓口に寄附をしております。去年から始めたんですけれども、去年はやはり九歳の息子に関してはもったいないという意識が高かったと思うんですけれども、今年は当たり前のように、去年もやったもんねというふうに受け入れているんですね。そういうふうに、やはり文科省は教育というものがありますので、子供たちへの寄附の教育も進めていただきたいところです。
 もちろん、大人もこういう寄附というのを当たり前にしていけるようにならないといけない。そのためには、ふるさと納税にも着目したいなと思うところであります。
 私の地元大阪では、ふるさと納税の選択肢として府立大や高専が創設した基金への寄附というのがあるんですね。また、東京の中央区のふるさと納税では早稲田大学への支援メニューがありますし、京都府では企業版のふるさと納税で京都大学が行っているiPS細胞関連のプロジェクトへの寄附という納税メニューがございます。こういった選択肢を増やしていただきたいですし、国全体に、母校に寄附をしていくのだ、母校でなくても可能性のある大学に寄附をしていくのだというふうな文化が根付けばいいなと思っております。
 そして、今回のこのファンドで願うのは、確実に若手研究者の人件費や研究費用にお金が回るような仕組み、これを確保してほしいということなんですね。
 まだこの用途に関しても明確になっていない、その助成を受ける大学もどのような大学なのかというのがなかなか想像しにくい仕組みになっているかと思いますけれども、用途の明確化を法律に書き込む必要があるのではとも思うのですが、いかがでしょうか。

#62
○政府参考人(杉野剛君) 若手研究者に対する支援、とても重要だというふうに思っております。
 このため、本法案におきましては、法案第二十三条六号におきまして、優秀な若手研究者の育成及び活躍の推進に関する活動への助成、これを明記したところでございまして、これを踏まえまして、博士後期課程学生などの若手研究者の育成等に意欲的に取り組む大学に対する助成を行うということにしております。
 なお、若手研究者への支援につきましては、各大学の取組状況や若手研究者の実情等に合わせまして、今後、具体化を進めてまいりたいと考えているところでございます。

#63
○梅村みずほ君 若い研究者が希望を持って研究に没頭できる環境を是非つくっていただきたいというふうに思います。
 そして、先ほどちらっと申し上げましたけれども、子供の自殺に関して質問させていただきたいと思います。
 今回の三次補正、自殺対策こそ入れるべきだったのではと考えておりますが、いかがお考えでしょうか。

#64
○政府参考人(瀧本寛君) 厚生労働省の公表情報によりますと、先ほど委員御指摘のとおり、昨年度の一月から十一月までにおきます児童生徒の自殺者数について前年度に比べて大きく増加しておりまして、この実態を大変重く受け止めているところでございます。この自殺者数の増加については、新型コロナウイルス感染症による社会全体への影響なども否定できないところであります。
 私どもとしても、昨年五月、それから十一月に通知を出しまして、学校におきます教育相談の充実でございましたり、早期発見に向けた取組の強化、さらには学校内外におきます児童生徒への見守り活動の強化等についても依頼をしております。
 このほか、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置の充実、二十四時間子供SOSダイヤルの周知、SNS等を活用しました教育相談体制の整備の推進、教職員等を対象としました自殺予防の研修会の実施、さらにはSOSの出し方に関する教育の推進などの取組を行っておりまして、文部科学省の令和二年度第三次補正予算案には計上しておりませんが、令和三年度の政府予算案に必要な予算を計上し、取組の充実を図ろうとしているところでございます。
 このような様々な取組を通じて、児童生徒が自ら命を絶つ悲しい事案が起こらないよう、引き続き児童生徒の自殺予防の取組を進めてまいりたいと考えております。
 以上です。

#65
○梅村みずほ君 時間がそろそろですので、本当は提案したかったプランは割愛させていただこうと思いますが、子供たちのこの最多の自殺数についてどのように大臣が考えているかだけお尋ねして、質問を終えます。

#66
○国務大臣(萩生田光一君) 子供たちが自ら命を絶つことはあってはならないと思います。こんな悲しいことはないと思います。何としても食い止めるために、社会総掛かりで子供たちの悩みにタッチできるような体制をつくっていかなきゃいけない、そのことを意識しております。
 したがって、今いろんなメニューはあるんですけれど、例えば、SOS子供ダイヤルなどは都道府県や政令市などで仕組みが違うものですから、例えば夕方のたそがれどきに集中すると掛からないなんという問題もあります。四月からは、一人一台端末、小学生、中学生がやっと整うわけですから、我々文科省としても、そこを使った、例えばSNSの相談などは国全体でもやっぱりやっていかなきゃいけないんじゃないかという問題意識を持っています。
 是非、子供たちが相談できる相手をしっかり見付けて、手を差し伸べて、自ら命を絶つことがないようにしっかりサポートしていきたいと思っています。

#67
○梅村みずほ君 よろしくお願いいたします。
 終わります。

#68
○伊藤孝恵君 平成の三十年、国の予算規模は一・七倍になりました。この間、年金、医療、介護などの社会保障の予算は三・三倍になり、また、その多くを借金に頼ったため、今、国債費は二倍になりました。一方、教育や科学技術に関する予算はおよそ五兆円で、三十年の間、ほぼ横ばいです。この間、アメリカや中国の科学技術予算は数倍、数十倍にもなっています。この過去三十年の未来への過小投資というのが我が国の競争力低下の大きな原因であります。
 言わずもがなですが、科学技術振興費というのは、人、また技術への投資、資源のない我が国にとって人材こそが最大の資源ですので、この人というのに投資をして、人が技術をつくり、技術が産業をつくり、産業が経済をつくり、経済があって暮らしがある、こういった全ての起点、ここに投資をしていただく、この方向性については何ら異論のないものでありますけれども、今るる議員から指摘あったように、これはやっぱり補正にはなじまないものであります。しかしながら、今を逃すときっともう二度とつくれないかもしれないと、そういうような思いのある答弁も染み出ておりましたので、そこを理解するところではありますが、やっぱり心配なことはあるので、私の心配に今日は答えていただければと思います。
 まず、やっぱりJSTによる、実績のない方々によるこの資産運用というのが心配です。今、何より低金利ですから、この時代に公的資金を投じて運用益を確保できるのかというのはあります。
 先ほど大臣から、三%の利回りでなく、もっと低くていいから安定的にというようなお話がありました。この安定すら危ういというのが今の状態でありまして、何でこんな心配なんだろうというふうに思うと、やはりまず、事務方に御説明いただいたときに、例えば私が投資家であったら、投資家に対しての説明が何もないわけですね。だから、いいも悪いも判断できないというのが一番の今回の心配の種でありまして、一番ここは押さえておきたいところ、やはり損失が出た場合、こういったところの穴埋め、税金ですからね、そういった部分はどういうふうになるのか、まずそこを教えてください。

#69
○政府参考人(杉野剛君) いろいろ、コロナ禍の状況でもあり、超低金利の状況でもあり、いろいろ運用環境として心配な点があるという御指摘、そのとおりだと思っております。
 大学ファンドでは、世界トップレベルの研究基盤を構築するための支援を長期的、安定的に行うことを目的として、GPIFなどにおけます運用と同様に、長期的で分散型の資産運用によりまして、リスクを分散、抑制させつつ確実な収益を上げる、これを基本として運用していきたいと考えております。
 また、例えば今般のコロナ禍のような事態など、金融市場の動向によります一時的な損失の発生にも堪えられますように、四・五兆円の元本のうち資本性資金として五千億円の政府出資を用意することや、運用当初は運用益の相当割合を元本に積み増す、こういった形でリスクバッファーを備えていきたいと考えているところでございます。
 その上で、更に必要な場合には、文部科学大臣が定めます基本指針あるいは法案第三十条に基づきまして運用方法の見直しや停止、繰上償還などの必要な対応をJSTに求めることとしておりまして、こうした形で主務官庁としての責任を果たしてまいりたいと考えているところでございます。

#70
○伊藤孝恵君 それぐらいのリスクバッファーを持ったとしてもかなり難しい。私も、自分の年金、自分で運用していますけど、三パーで運用するのかなり難しいです。そういう部分で、そういう難しいことにチャレンジをしている皆さん、この制度設計も同時に進めていくと思いますが、こちらもかなり心配なところがたくさんあります。
 今まで相談してこなかった、まあ相談はしていたけれども、しっかりと制度設計をした上で我々の目の前に出していただけなかったということは、いかに今回いろいろばたばたと決まったのかなというふうに想像するところですけれども、これ具体的な要件を一年掛けて検討というふうに聞いています。必要があれば次々国会で改正をするというふうにも聞いておりますが、一番分かりにくいのが、例えば客観的基準、例えば公平性をどう保つ、いろいろこういう抽象的な言葉が並んでいるわけですね。
 この客観的な基準や公平性をどう保つか、そして決めたものを公開するのか否か、そういうところについて、どんなメンバーでいつまでに決めてというような、そういうまず概要を教えていただけますか。

#71
○政府参考人(杉野剛君) 御質問は、今後の具体的な制度設計をどのような形で進めるのかということだと存じます。
 一応、今回の大学ファンド創設に当たりまして、その基本的な運用の方針とかあるいは支援大学の基本的な方針というものは政府全体として決めているわけでございますけれども、その詳細につきましては、御指摘のとおり、今後具体的な検討に着手したいと思っております。
 その検討の場につきましては、内閣総理大臣が議長を務めております総合科学技術・イノベーション会議の下に専門的な調査会を設置いたしまして、これはできれば今年度中に速やかに創設したいと考えておりますけれども、その調査会におきまして専門家を交えましてファンドの基本的な運用方針あるいはそれによります各大学への配分の基準、選考基準、その他につきまして具体的な御議論をいただき、それを踏まえまして、できますれば来年度中には政府として、関係省庁も協力をいただきまして、政府として、情報公開の御指摘もありましたでしょうか、情報公開の点も含めまして具体策を明らかにしたいと考えているところでございます。

#72
○伊藤孝恵君 これ、なので、調査会の設置、すごく大事な今話だったと思います。ここにどういう専門家がどういう意図を持って集まって、その客観的基準というのを作っていくかというのすごく大事だと思うんですよね。
 今年度中にも設置されるというその調査会、その専門家、どうやって選定するのかと、その議事録等を我々も拝見できるのか教えてください。

#73
○政府参考人(杉野剛君) 調査会は、今申し上げましたように、総合科学技術・イノベーション会議の下に置くというわけでございますので、形式的には内閣府に置くという形になるわけでございます。形式的にはそうでございますけれども、このJSTの主務官庁であります文部科学省と内閣府、そしてその他の関係省庁が協力をして具体的な検討を進めていくということになっております。
 調査会のメンバーにつきましては、済みません、今、内閣府その他の省庁とも今相談中でございまして、この段階ではまだこういうメンバーということは明らかにできないわけでございますけれども、調査会が一旦設置されまして議論が始まりますと、これはできる限り情報公開をしていきたいというふうに思っているところでございます。

#74
○伊藤孝恵君 できる限りじゃなくて、完全情報公開をしていただきたいというふうに思います。これ、大事なんですよ。これは目利きする人によって、基準、物差しをつくるわけですからね、その調査会で、その目利きのする力がある人なのか、そういう責任の所在等も含めてここで決めていかれるというふうに思いますので、また是非、透明性のある議論をしていただきたいと思います。
 それで、このファンドで利ざやが出たものをどういう人たちに配分されるのかというのも、各大学非常に興味を持って、期待を持って見ています。例えば、やっぱり地方の国立大、私立大の方々、そういう方々が、いや、どうせこれ、大きいお金を有名大学にぼんと、そういう感じなんでしょうというようなことをおっしゃる方もいます。そういう方針等もこの調査会で決めるということでしょうか。

#75
○政府参考人(杉野剛君) 最終的には、どういった大学を対象に、そのためにどういった選定基準を作るかということにつきましてもその調査会で詳細が決定されるわけでございますけれども、今先生御指摘いただきました地方大学はどうなのかということにつきましては一定の私ども基本方針を持っておりまして、このファンドによります支援対象といたしましては、一つには、世界のトップレベルを目指しつつ、研究大学としてこれから改革に取り組んでいく、そういう大学に対する支援と併せまして、博士課程学生など若手研究者に対する支援に意欲的に取り組む、そういった大学を対象にまず支援をしたいと考えております。
 そのいずれの支援につきましても、これは地方、都市限定なく、国公私の区別なく、全ての大学が対象になり得るという形で制度設計をいたしますし、わけても、世界トップレベルの研究大学を目指す大学に対する支援につきましては、運用当初はかなり数が限られておりますけれども、少なくとも、博士課程学生など若手研究者の支援に意欲的に取り組む、この大学につきましては、より幅広い大学が支援の対象になってくるのではないかなということで、当然地方大学なども含めての対象になるだろうと想定しているところでございます。

#76
○伊藤孝恵君 ノーベル賞を受賞された先生方は、みんな、やっぱりこれは最初は広く薄くいろんなチャンスを分け与えてほしいというようなことをコメントされていました。
 これは大臣にお伺いしたいんですが、とかくこういうのって、国の戦略として、例えば、じゃ、ワクチンとAIと蓄電池みたいなふうにテーマ設定をするようなタイプというか、なのか、もう勝手にいろいろな自由に研究をしていただいて、そこから世界と伍していくような、そういった技術をピックアップする、どういう方向性になるんでしょうか。

#77
○国務大臣(萩生田光一君) 今先生がおっしゃった応援は科研費でできると思うんですね。テーマを決めたものに対して国費を投入して研究してもらうというのは科研費でできます。多分皆さんも心配していると思いますけど、こういうファンドができると国立大学の運営費交付金や私学助成や基盤的な経費を削られるんじゃないかと、ここが我々の勝負どころでございまして、これはもう絶対いじらないと、増やすことはあっても減らすことはないと。
 ですから、上乗せで今回ファンドをつくらせてもらいました。こちらから研究テーマを絞って何かをやってもらう、言うならば優等生を見付けて世界ランキングを上げていくような小手先のことじゃなくて、もう少し提案型で、各大学が大きなもの、ややもすれば理系じゃなきゃいけないんじゃないかという先入観をお持ちだと思うんですけど、そうじゃなくて、もうまさに文理融合の研究をしていただくものを総合的に評価して決めていきたいと思いますので、全く色を付けていません。

#78
○伊藤孝恵君 安心しました。上乗せでというのも安心しました。
 終わります。

#79
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 新型コロナの感染拡大が止まりません。緊急事態宣言も出されている下、例えば学生たちの生活、ますます困窮していて、更なる緊急の支援も求められている今、なぜこの大学ファンド法案を急いで通す必要があるのか、大いに疑問であることをまず冒頭に申し上げて、法案の質疑に入ります。
 本法案の大学ファンドで行われる支援の一つに、博士課程学生への経済的支援、先ほど来あるとおりあります。今回の補正では、このファンドでの支援に先駆けて、博士課程学生七千八百人分を支援する予算を付けたと伺っているわけです。
 これ、いつまで実施することになるのかと。先ほど御答弁では、ファンドの運用安定するまでは予算計上し続けるという話もあったわけですが、つまり期限が来れば打切りということはしないということでよろしいのか、大臣、いかがでしょう。

#80
○国務大臣(萩生田光一君) 今般の大学ファンドによる支援開始に先駆けて、文科省では令和二年度第三次補正予算案及び令和三年度の当初予算案に合計で七千八百人規模の博士後期課程学生への経済的支援に関する経費を計上しました。博士後期課程学生支援の抜本的な充実を図ってまいりたいと思います。
 これらの取組については、予算成立を待ってできるだけ速やかに支援を開始したいと考えておりまして、また、将来的に大学のファンドの運用益による支援が開始される段階でこれに置き換わっていくことになると考えております。
 その具体的な時期については今後の運用状況を踏まえながら検討したいと思いますが、それまで継続的に続けてまいりたいと思います。

#81
○吉良よし子君 この間の国の若手研究生への支援策というのは、やはり期限ありきの支援が中心だった、基本的にはそれだ、期限が来れば支援打切りと。例えば、博士課程教育リーディングプログラムの場合は、この支援期間が終了した途端にもう幾つかの大学でRAでの雇用が継続しなくなって、もう打切りになってしまったという話を現場、大学院生の皆さん、チェンジ・アカデミアの皆さんから聞いているわけです。やはり期限で区切らない、最後までの支援というのは求められているということを強調したいと思います。
 ただ一方で、先ほど説明あったとおり、大学ファンドの運用安定すれば、これはファンドからの支援に切り替えていくという話だったわけです。ただ、この大学ファンドというのは、株式投資などにより、先ほど来あるとおり、運用益を出すことを前提とした支援となると。
 しかし、じゃ、この運用益が出ない、運用損が出た場合どうなるのかというのはやはり疑問になるわけです。運用損が出た場合、こうした若手研究者への支援が打切りになったりすることはないのですか。大臣、いかがでしょう。

#82
○国務大臣(萩生田光一君) 大学ファンドは、世界トップレベルの研究基盤を構築するための支援を長期的、安定的に行うことを目的として、GPIF等における運用と同様、長期的で分散型の資産運用により、リスクを分散、抑制させつつ、確実な収益を上げることを基本として運営することとしております。
 その上で、運用の状況に左右されて年度ごとの助成額が大きく変動することは大学の運営にとって望ましくないことから、例えば運用益の相当割合を元本に積み立てつつ、それまでの運用実績や中長期の見通しなどに基づき助成額を算出するなど、安定的な助成を確保する仕組みの構築に努めてまいりたいと思います。
 先ほど他の委員とのやり取りでも局長が何度も申し上げましたけど、いわゆるそのリスクバッファーを積み上げていって、そして、少なくとも、大学への支援そのものがもしかすると減額する年はあるかもしれないんですけど、この博士課程の皆さんの支援は、先ほどから申し上げているように、何としても継続的に続けてまいりたいと思っています。

#83
○吉良よし子君 博士課程の学生への支援は何としても継続的にという話でした。それは本当に重要なんですけれども、ただ、年度ごとに左右されないとおっしゃいますけど、その運用損が本当に一年限りなのか、二年、三年、四年と続いた場合にどうなるのかということはやってみなければ分からないところがあるわけで、そういう意味では、やはり安定的な財源なのか、安定的に運用できるのかという疑念は拭えないわけなんです。
 そもそも、この支援をするというのは、日本で二十年近くも研究力が低迷しているからだと、それを支援するためだということですが、その原因について大臣は衆議院で大学に財政的基盤がないからだという御答弁もされていたわけです。だとすれば、この研究力低下を防ぐ、研究力を向上するために必要なのは、そういう安定的な運用が保証されない大学ファンドではなく、やはりまずは基盤的経費、つまり運営費交付金や私学助成の拡充すべきと思うんですが、大臣、いかがでしょう。

#84
○国務大臣(萩生田光一君) 先生御指摘のとおり、それ大事なことだと思います。
 新型コロナウイルス感染症の影響により経済が低迷する中にあっても、世界各国はイノベーションへの投資計画を進めております。我が国としても、リーマン・ショック後の反省を踏まえ、科学技術イノベーション活動への力強い下支えを行うことが不可欠と認識しております。このため、国の資金を活用しつつ、大学ファンドを創設し、その運用益を活用することで世界トップレベルを目指す研究大学や博士後期課程学生等への支援に注力をしている大学への支援を行うこととしています。
 また、このコロナ禍の困難な状況においても、全国の大学が継続的、安定的に教育研究活動を実施し、広く国民に高等教育の機会を提供していくことが重要です。このため、大学ファンドによる支援だけでなく、国立大学運営費交付金等の基盤的経費についても必要な資金が十分に確保されるように引き続き努めてまいりたいと思います。

#85
○吉良よし子君 運営費交付金等の基盤的経費も充実させていきたいというお話だったわけです。
 ただ、実際は、例えば来年度予算見てみれば、運営費交付金十七億円減らされてしまっているということでいうと、口だけになってしまわないんですかということは言いたいんですね。
 そもそも、こうした大学の財政的基盤壊してきたのは誰かというと、やはり政府じゃないのかと。この間、例えば二十四日付けの読売新聞では、鈴鹿医療科学大学の豊田学長も、政府が運営費交付金を年々削減した、それによって研究に専念できる環境が損なわれ、若手にポストが回らなくなったという指摘をされているわけです。なのに、こうした基盤的経費をどんどん削減したことに対する反省なく、運営費交付金というのは簡単に増やせないからとにかく大学ファンドだというこのやり方に私はやはり納得がいかないんですね。
 今回のファンドの支援の対象についても、やはり世界と伍したとか卓越したとか優秀なというような条件が付いて、一部の数大学への支援にとどまると。そういう選択と集中のやり方、この間もずっと続けられてきたわけですけど、そのやり方も変わらないわけですが、やはりこういう予算配分の選択と集中のやり方こそ今改めるべきではないでしょうか。いかがですか。

#86
○国務大臣(萩生田光一君) ちなみに、来年度の運営費交付金が若干減額になったのは、債務償還が終わるものがあるので、実際の運営費が減るわけじゃないんで、そこは安心してください。
 我が国が創造性あふれる社会として更に発展していくためには、大学における研究や人材育成が極めて重要です。特に、優秀な研究者が多様な分野で腰を据えて研究に専念できる環境を構築するとともに、世界においてしのぎを削っているAIですとか量子ですとかマテリアルといった分野、重点分野や新興・融合分野などにおいてしっかりとした投資を行い、我が国の知的プレゼンスを高めていくことが重要です。
 そのためにも、これまでも競争的資金により国として研究の加速に必要な分野への投資を行いつつ、運営費交付金や科研費などにより卓越した研究を裾野を広く支えてきました。このようなデュアルサポートシステムにおいてめり張りのある支援を行うのは、限られた予算を有効かつ効果的に配分するに当たって必要なことと考えております。
 その際、競争的資金の種類やメニューが多くなり過ぎて研究者としても申請しにくい、申請に時間が掛かるといった指摘もなされているのは事実です。第六期科学技術・イノベーション基本計画に関する議論でも指摘されているとおり、今後、これらの競争的資金の大くくり化などに取り組み、卓越した研究者が競争的な環境の中で優れた研究を進めることができる環境の確立を図ってまいります。
 なお、デュアルサポートシステムによる支援に加え、今回の大学ファンドでは、世界に伍する研究大学の抜本的な機能強化、博士後期課程学生への支援の充実を行うものであり、これらの施策全体で大学における研究や人材育成にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

#87
○吉良よし子君 この選択と集中、改めることはしないと、競争的な環境の中で卓越した研究が進むだろうということなんですけれども。でも、この選択と集中、成果をとにかく求めるという予算配分により、研究の現場ではどうなっているかというと、もう教授から学生まで、とにかく目に見える成果、業績を上げなければならないというプレッシャーがはびこっているわけです。もう支援を受けていればいるほどそういうプレッシャーにさいなまれているという声も聞いているわけです。でも、共同、協力して研究を進めるということよりは、もう自分のことで精いっぱいになって、みんな孤立してしまって追い詰められている。
 こうやってプレッシャーで追い詰めるので本当にいい研究ができるのかと。いや、そうじゃなくて、もっとゆとりを持った研究環境をつくる、しっかりと支援をしてあげることこそがより豊かな研究成果につながるんじゃないのかという意味では、やはり選択と集中の在り方を是非見直していただきたいということを強調したいと思います。
 また、基盤的経費の削減によって大学での若手のポストが減少しているということも若手研究者育成の障害になっていることも指摘しておきたいと思うんです。
 ポストがあったとしても任期付きで、大学外の場合でも、大学院修了した人たちが活躍する職や場というのがほとんどなくなっていて、公的部門の方ですら縮小されていっている現状があると。そうじゃなくて、私たちが活躍できる場を、職を、雇用を拡充してほしい、待遇改善してほしいということをチェンジ・アカデミアの皆さんから聞いたわけですけれども、大臣、やはり経済的支援の拡充とともに、例えば学芸員、司書など、大学院修了者が進むような公的な部門の職や場を確保し、待遇改善することでキャリアパスの道を明確に示すことも若手研究者支援として必要と思うんですが、いかがでしょう。

#88
○国務大臣(萩生田光一君) まず、先生今御指摘になった、確かに科研費などのように年度で切られて結果を出せといって、その結果、あくせくとした研究になるばかりがいいと思いませんので、したがって、創発的研究、十年間腰を据えてという新しいメニューも作らせてもらいましたので、いろんなメニューで組み合わせて研究現場では頑張ってもらいたいなと思っています。
 博物館の学芸員については、その数が年々増加傾向にありますが、他方、課題として、研究の困難さや職員数の不足なども指摘されておりまして、学芸員が十分に研究に打ち込める研究環境に向け、引き続き議論を進めてまいりたいと思います。
 また、図書館の司書についても、その数は全体として、資格者は増加傾向にあるんですけれども、期待される役割の多様化、高度化に伴い、その適切な配置が求められているところです。文科省としても、図書館司書の役割の重要性を踏まえ、各設置者に対し引き続き適切な配置を促してまいりたいと思います。その上で、御指摘の公的部門も含め、若手研究者のキャリアパスを確保し、その明確化、多様化に取り組むことは極めて重要だと思っております。
 このため、文科省では、多様な研究機関において活躍し得るキャリアパスを提示する卓越研究員事業の実施、ポストドクター等の雇用・育成に関するガイドラインの策定、国立大学における人事給与マネジメント改革の推進などの取組を進めてきているところであり、引き続き大学等におけるポストの確保も含めた若手研究者支援の強化に全力で取り組んでまいります。
 日本遺産というのをつくりまして、全国で百四の事業を採択したんですけれど、そこには是非研究して継続的に後世に残していくために専門的な知見を持った学芸員の配置を望んでいます。
 すなわち、何か指定だけされたけど、あとはもう全然観光の看板にしてしまうんじゃなくて、ちゃんとした学術的な研究続けてもらうためにも、各自治体に、どんどん今減っちゃっていますから、改めて逆に、専門職じゃなくてもいいから学芸員資格を持った人が職員の中に入っていただいて、部署を回りながらでもそのことをちゃんとしっかり勉強してもらうような人もこれからは必要だと思っていまして、そういう後押しもこれから文科省としてやっていきたいと思っています。

#89
○委員長(太田房江君) 時間参っております。

#90
○吉良よし子君 是非、基盤的経費削減はやめて、ポストをしっかりつくるということを重視していただきたいということを申し上げ、終わります。

#91
○舩後靖彦君 れいわ新選組の舩後靖彦でございます。本年もよろしくお願いいたします。
 まず初めに、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった羽田雄一郎先生並びに国民の皆様に心からお悔やみ申し上げます。もし私も感染した場合、重症化する可能性が高く、他人事では決してありません。また、現場で奮闘いただいている医療関係者の皆様に心から感謝申し上げます。
 党としては、年末に菅総理に直接要望しておりますが、医療従事者個人への手厚い給付などを求めております。是非実現していただくことを重ねてお願い申し上げます。改めて、政府におかれましては感染防止対策を徹底的に進めていただくことをお願い申し上げます。
 それでは、質問に移ります。
 代読いたします。
 今回の法案に対し、私は反対する立場から質問をしたく存じます。
 まず強調したいのは、そもそもコロナ禍の今必要なのは、逼迫する学生、大学に国費でお金を投入することだということです。
 現在、大学の教育研究環境は逼迫しています。国立大学法人運営費交付金予算額は、二〇〇四年度以降、減少傾向にあります。私立大学等経常費補助金についても、高等教育の修学支援新制度の効果で上昇したように見えますが、同制度で大学院生は対象外となっておりますので、とても楽観できる状態ではありません。
 教育研究環境を考える上で重要なのは、研究人材の問題です。特に、博士課程の学生や博士号を取得しながら任期制の職に就いているポストドクター、いわゆるポスドクの方々の生活・研究環境の改善は待ったなしの状況です。国はポストドクター一万人支援計画を推進しましたが、ポスドク後のキャリア支援を十分に行ってこなかったという指摘もあります。
 国が国立大学の運営費交付金を削った結果、ポストも削られ、行き場も失った若者たちに奨学金という巨額の借金を背負わせた上に、困窮させてきたのです。国はこの誤りの反省に立った政策を行うべきなのです。にもかかわらず、国の支援策は今の今まで不十分だと言わざるを得ません。
 内閣府の資料によると、博士課程学生のうち現時点で生活費相当額を受給している割合は一割程度です。国は二〇二一年度から博士課程に進学する学生の生活費を支援する新たな制度を設けると聞いています。それによりますと、初年度の関連経費は二百三十億円程度とのことです。対象となる学生は七千八百人。こうした取組で生活費相当受給者の二割まで上げるとのことですが、到底足りません。
 一般社団法人日本若者協議会のウエブ調査によると、二百三十三人の大学生、大学院生、ポスドク、常勤研究者に対して、現在、大学院生及び非常勤研究者に対して迅速に対応すべき問題は何ですかを複数回答で尋ねたところ、将来常勤職に就く見通しが立たないが百八十六人、学費や研究費の負担が重いが百四十九人、大学非常勤職の経済的問題が百二十八人に上りました。
 ただでさえこうした逼迫した状況があることに加えて、このコロナ禍です。ファンドへの投資をする前に、今必要なのは、人件費を含めた基盤的経費に国費を注ぐことであります。通貨発行権がある国が国債を発行して教育費を注入するべきです。今、大学を国が支えなければ未来の人材は途絶えてしまいます。この点、大臣、いかがお考えでしょうか。

#92
○国務大臣(萩生田光一君) 新型コロナウイルス感染症の影響により経済が低迷する中にあっても、世界各国はイノベーションへの投資強化を計画しています。我が国としても、リーマン・ショック後の反省を踏まえ、科学技術イノベーション活動への力強い下支えを行うことが不可欠と認識しております。このため、国の資金を活用しつつ、大学ファンドを創設し、その運用益を活用することで世界トップレベルを目指す研究大学や博士後期課程学生等への支援に注力する大学への支援を行うこととしております。
 今、先生も質問で触れてくれましたが、新たに七千八百名の博士課程の生活費の一部を支援しようということになりました。既存メニューで応援してきた七千名と合わせますと一万四千八百人、約一万五千人まで到達しましたので、これは更に手厚くしてまいりたいと思います。
 また、このコロナ禍の困難な状況においても、全国の大学が継続的、安定的に教育研究活動を実施し、広く国民に高等教育の機会を提供していくことが重要だと思っています。このため、大学ファンドによる支援だけでなく、当然のことながら、国立大学法人の運営費交付金等の基盤的経費についても必要な資金が十分確保されるように引き続き努めてまいりたいと思います。
 今先生から御批判いただいたように、そんな金があるんだったら運営費交付金手厚くした方がいいじゃないかという御意見は、私も、今目の前にあるバランスシートだけ見ればそういう意見があることはよく分かるんですけれど、じゃ、この五千億はそっちへ回すことができるかというと、これまた違う話にどうしてもなってくるんだと思います。ここはまた違う、ある意味、今までの運営費交付金に上乗せできちんと新しいファンドをつくって基盤を強化していくために使わせていただきたいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。

#93
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 そもそも、こうしたファンドの政策を今出してくること自体にも疑問を抱いています。この仕組みで出た運用益を配分するのは、世界に伍する大学のためという名目で少数の有力校に絞られるのではないでしょうか。そうすると、この仕組みで得をするのはこれまで力を持っている大学であり、すぐに結果が見える分野にお金が積み上がっていく仕組みではないでしょうか。前の質問でも申しましたが、国の失策によって研究環境や生活に困っているポスドクの方々、高学歴ワーキングプアを生み出した反省が全くないと感じます。国にとって都合の良い研究を優先する視点を推し進めようとするこの仕組みはとてもいびつなものと感じます。
 先日、産経新聞の記事で、経団連が自民党の政策を高く評価し、政治献金を呼びかけるという内容を読みました。こうした記事を読むと、私は、今回のファンドも、学生や大学院生、ポスドクの方々を見ているのではなく、経済、金融界を見てそんたくしているのではないかと感じてしまうのです。
 このファンドの運用益は博士課程学生の支援にも活用することを想定しているとお聞きしています。しかし、いつ、どのように配分されるのか、そもそもきちんと確保されるのか、そうした点が見えないことからも、この政策に疑問を感じざるを得ません。大臣、いかがお考えでしょうか。

#94
○政府参考人(杉野剛君) 大学ファンドでは、科学技術あるいはイノベーションの中核でございます大学の研究力を強化するために、世界トップレベルの研究大学を目指して高いポテンシャルと明確なビジョンを持ち、改革に取り組む大学への助成を行うこととしております。
 その際、世界トップレベルの研究基盤を構築するために長期的、安定的な支援を行うこととしておりますので、御指摘のようなすぐに結果が見える分野のみならず、長期的な取組が必要な分野における研究力の強化にも資するものと考えておりますし、また、実際の助成に当たりましては、各大学が描く戦略、これを踏まえての助成となりますので、できるだけ各大学の創意、戦略が生かされる、そういった方向での支援をしていきたいと考えているところでございます。

#95
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 この法案は、政府が昨年末に閣議決定した総合経済対策によれば、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現、十八・四兆円、これに含まれるものであります。一方、同対策によれば、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策は五・九兆円にとどまります。
 繰り返しますが、今まず必要なのはコロナ対策ではありませんか。コロナの感染対策を全力で行った上で、時間を掛けて検討すべき政策なのではないでしょうか。大臣、御見解をお願いいたします。

#96
○国務大臣(萩生田光一君) その前の質問で、先生が、すぐに結果が見える分野にお金を積み上げていくんじゃないかと御指摘があったんですが、それは科研費がありますので、ある程度短期間で結果を出していただく研究というのは今までのその補助金を使っていきたいと思います。これは、特別な大学とか特別な研究じゃなくて、先ほども申し上げたように、もう本当に真っ更な状態から夢のある研究を続けていこうという大学を、公私、私立の差なく純粋に選んでいきたいと思っていますので、そこは是非また御意見をいただきたいなと思っています。
 確かに、今コロナ禍ですから、コロナに集中していくことは大事だと思います。もちろん、それはそれで文部科学省の所管の範囲でやれることは怠りなくやっているつもりですし、来年度に向けても引き続きしっかりやっていきたいと思います。それと国内の大学に力を付けてもらうことというのは、ある意味、アフターコロナを考えたときには必要なことだと思っています。
 先ほど他の委員の皆さんにもお答えしましたけど、おっしゃるように、きちんと制度設計して、そしてどういう人が理事になって、どういう人たちが監視委員会に入って、そして運用をしていくのかということを説明した方が、順序としては私、正しいと思うんです。ただ、文部科学省が内閣府と一緒になって十兆円のファンドを本当につくるのかというのが、今までのある意味、世論の疑いの目だったと思います。この本気度をしっかり示して、四・五兆円の基金を積むことによって、私は人もまた新たなお金も集めることができると思っていまして、ここは順序が逆だけれどもそういう志でやっているということは是非御理解をいただきたいなと、そんなふうに思っております。
 決してコロナ対策をおろそかにして違うことに注力をしようなんて気は全くございませんので、そこは文部科学省の所管内でやる、言うならば、コロナに対するその様々な政策は私の責任でしっかり前に進めていくことは改めてお約束させてください。

#97
○委員長(太田房江君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。

#98
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 研究開発費を増やすことは、国が成長する伸び代、すなわち供給力を伸ばすものなのだから、どんどん国債を発行して財源を確保し、未来への投資とすればよいのです。
 菅政権はこの国の将来をどのように考えているのですかと申し上げ、質問を終わります。

#99
○委員長(太田房江君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#100
○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表し、国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 本法案は、海外の大学を例に、国が旗振り役となって研究資金確保のためのファンドを立ち上げるものです。しかし、そもそも海外の大学と日本の大学では歴史的、文化的背景が大きく異なっており、形だけ海外の大学をまねてみても絵に描いた餅にならざるを得ません。
 また、運用益を確保するには株式での運用が多くを占めることが予想されます。GPIFが国内大企業の株価対策の手段とされているように、大学ファンドから数兆円が株式市場に投入されれば、日銀、GPIFに次ぐ第三の公的マネーによる株価対策の手段とされるおそれもあります。
 大学ファンドの助成で若手研究人材の育成をすると言いますが、その対象は、国際的に卓越したであるとか、優秀な若年の研究者などに限定されています。参画大学にも大学改革のコミットを求め、ファンドを通して選択と集中を行い、大学をイノベーション創出に活用しようというやり方も問題です。
 研究力低下や若手研究者不足などの課題を解決するには、基盤的経費の拡充、学費負担軽減など、高等教育全体に対する公的支援の底上げこそ進めるべきです。何より、政府自らが大学への基盤的経費を削減し研究基盤を壊しておきながら、その反省なく、運用損などのリスクを大学に負わせる大学ファンドを創設するなど、到底理解できません。
 最後に、現在、コロナ禍の下で、学生は生活が困窮し、学業継続が危ぶまれています。三次補正で必要なのは、ファンドへの拠出などではなく、大学院生も含めたコロナで困窮した学生への緊急支援であることを申し上げ、討論とします。

#101
○舩後靖彦君 私は、れいわ新選組を代表し、国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
 本法案は、十兆円規模の大学ファンドを創設し、その運用益を日本の大学の研究環境整備に助成するため、科学技術振興機構に資金運用と助成の業務を追加することを定めています。しかし、大学の教育、研究環境が逼迫する中、この政策は今の状況にふさわしくありません。
 将来常勤職に就く見通しが立たない、学費や研究費の負担が重い学生、大学院生、ポスドクの方々の現状は大変厳しい状況です。この状況を改善するため、安心して研究に取り組める環境整備に今すぐ取り組むことが必要なのではありませんか。このファンドに五千億円政府として出資するとのことですが、その額を出せるのなら、今、学生、大学院生を支えるために使うべきではありませんか。
 そもそも、今回のファンドの仕組み自体にも疑問を感じざるを得ません。助成先がどのような基準でどのような大学に選ばれるのか現時点では分かりませんが、結局のところ、今力を持っている大学、国にとって都合の良い研究をする大学、すぐに結果が出やすい分野にお金が積み上がっていくのではありませんか。この仕組みで本当に得をするのは誰なのでしょうか。国の税金を使ってお金もうけをしたい人たちにとっての利益が優先されているのではないでしょうか。しかして、国内の大学の環境、研究環境を整えるためには運用益を当てにした仕組みではあるべきではありません。
 以上、日本の将来の成長の基盤となる人材育成を強化するためにも、大学における研究開発のための予算拡充は国が通貨発行権を行使して果たすべきと申し上げ、討論を終わります。

#102
○委員長(太田房江君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#103
○委員長(太田房江君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、斎藤さんから発言を求められておりますので、これを許します。斎藤嘉隆さん。

#104
○斎藤嘉隆君 私は、ただいま可決されました国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、本法による大学に対する助成のための基金のような大規模かつ新たな仕組みを創設する際、補正予算で計上する場合にはその緊要性を含め、国会において十分に審議ができるよう努めること。
 二、本法による大学に対する助成のための基金の創設に伴い、これまで措置されてきた運営費交付金や競争的研究費などの大学への資金が十分に確保されるよう、引き続き大学の長期的、安定的な運営及び研究基盤構築のための財政措置を講ずること。
 三、国立大学法人から寄託された資金の運用及び大学に対する助成に関する資金の運用については、その責任の所在を明確にするとともに、必要に応じて国会に対する説明責任を果たす等情報公開に努めること。また、機構のガバナンス体制を強化し、運用業務担当理事及び運用・監視委員に適切な人員を配置し、安全かつ効率的な運用が着実に行える体制を構築すること。
 四、文部科学大臣が定める助成業務の基金の運用に関する基本指針については、運用開始当初は運用益の相当割合を元本強化に充てるとともに、長期的な視点から安全かつ効率的な運用が着実に行われるよう、有識者等の意見を踏まえた十分な検討の上で定めること。また、助成対象となる大学の要件についても、世界レベルの研究基盤を構築する観点から、公平性を担保しつつ、地方大学を含め、適切な大学に助成を行い、多くの若手研究者に十分な資金を配分できるよう、有識者等の意見を踏まえた十分な検討の上で定めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#105
○委員長(太田房江君) ただいま斎藤さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#106
○委員長(太田房江君) 多数と認めます。よって、斎藤さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、萩生田文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。萩生田文部科学大臣。

#107
○国務大臣(萩生田光一君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。

#108
○委員長(太田房江君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#109
○委員長(太田房江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後七時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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