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1951/02/18 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第15号
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1951/02/18 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第15号

#1
第013回国会 大蔵委員会 第15号
昭和二十七年二月十八日(月曜日)
    午後一時四十四分開議
 出席委員
   委員長 佐藤 重遠君
   理事 奧村又十郎君 理事 佐久間 徹君
      淺香 忠雄君    大上  司君
      川野 芳滿君    島村 一郎君
      三宅 則義君    宮原幸三郎君
    早稻田柳右エ門君    松尾トシ子君
      深澤 義守君    中野 四郎君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (主税局長)  平田敬一郎君
        農林事務官
        (農地局長)  平川  守君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (農地局農地課
        長)      和田 正明君
        專  門  員 椎木 文也君
        專  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
二月十八日
 委員川島金次君辞任につき、その補欠として松
 尾トシ子君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
二月十八日
 財政法、会計法等の財政関係法律の一部を改正
 する等の法律案(第十二回国会内閣提出第五三
 号)(参議院送付)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源
 に充てるための一般会計からする繰入金に関す
 る法律案(内閣提出第二七号)
 所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 二九号)
 法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 三〇号)
 相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 三一号)
 砂糖消費税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三二号)
    ―――――――――――――
#2
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 議案の審査に入ります前に御報告いたしておきます。来る二十二日開会を予定しております公聴会の公述人選定の件についてでありますが、公述人の選定につきましては、委員長及び理事に御一任願つておりましたので、理事各位と協議の結果、学識経験者側公述人として次の六名を選定いたしましたので、この際御報告申し上げます。すなわち一ツ橋大学教授井藤半彌君、日本証券投資協会理事飯田清三君、国民経済研究会理事藤井半三君、国鉄労働組合書記長太田末男君、日本医師会副会長医学博士武見太郎君、全国商工団体連合会会長河野貞三郎君、以上であります。なお一般利害関係者よりの選任につきましては、申出がありました場合にあらためて理事各位と協議の上、決定いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
#3
○佐藤委員長 それでは前会に引続き所得税法の一部を改正する法律案外三税制改正案を一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許すことといたします。奧村又十郎君。
#4
○奧村委員 平田主税局長にお尋ねいたしたいと思います。この国会におきましては、独立達成を前にして、占領中つくられた法律全般について、占領下という特殊の事態を一度御破算にし、白紙に返して、すべてこれらの法律をやりかえるといいますか出直す、そういう機運があるわけであります。この税法においても、シヤウプ勧告に従いまして根本的に税法が改正されましたが、この際このシヤウプ勧告に従つてつくられた税法全体について、これをこの際において一度改めて、従来のシヤウプ勧告の考え方を白紙に返して税法を出直す、そういうふうな考え方もある。それには税制審議会など、新たにそういう一つの税法審議の機関をつくつて出直す、そういうような考え方もあるように聞いておるのでありますが、今回の税法改正については、そこまでの考え方をもつて税法を改正なさつたかどうか。
#5
○平田政府委員 二十五年度におきまする国税、地方税の改正は、御承知の通りシヤウプ勧告に基きまして、相当従来のシステムを根本的にかえたものでありますことは、御指摘の通りでございます。これがはたして日本においていいか悪いかというようなことにつきましては、もちろん私どもも始終検討いたしておりまするし、また問題の点も相当多いかと存じますが、しかし大体において申しますると、やはり私は二十五年度の改正の方向は、相当日本にとりまして望ましい方向に行つたんじやないかと、感じておるのでございます。ただ問題は、少し進歩し過ぎていると申しますか、日本の少し遅れた経済等からいいまして、少し進み過ぎておる点につきまして、どうもやはり反省を加えなくてはならぬ点が、相当あるのじやないかということを考えまして、そういう点につきましては、細目におきましてはいろいろ検討をいたしまして、今回の改正案を出しておるような次第でございます。ただ根本的な問題になりますと、これはなかなか問題がございまして、はたして今すぐ結論を下した方がいいか、もう少し実施の状況あるいは経済の状況等をよく見きわめた上で、方針を決定した方がいいか、これは問題でございまして、私どもとしましては、今回はむしろもう少しよく検討した上で、結論を下した方がいいんじやないかという意味合いにおきまして、国税地方税を通ずる全般的な根本改正ということは、今回はさしあたり提案を見合す、そうしてさらに将来の一層の検討にゆだねよう、こういうことにおちついた次第でございます。国税の問題につきましても、たとえば富裕税をどうするかという問題、それから譲渡所得税をどうするかという問題、あるいはまた申告納税制度につきまして、どのような措置をとるかといつたような問題等が、ごく卑近な問題としましても考えられるわけでございますが、かような問題の根本的な点につきましては、もう少しよく検討した上で結論を下しまして、なるべく実際に即し、かつ合理的な税制が樹立できるようにいたしたい、こういう考え方で現在のところ臨んでいる次第でございます。
#6
○奧村委員 シヤウブ勧告に基いて行われた現行の税制は、ただいま根本的に改革をするという考えは持つておらぬ、こういうことであります。しかし事実においては、すでにシヤウプ勧告においてとられたところの税制改正の精神が、部分的に一つ一つくずれて行つておるんじやないかという不安を持ちますので、その点を少し深く掘り下げてお尋ねをしてみたいと思います。
 このシヤウプ勧告に基いて改正せられた現行税制の特徴は、税制全体から見て、あくまでも公平な制度をとろう、じかも税法上だけではなしに、税務執行の面においても、税法通り全体としてあくまでも公平な執行をして行こう、こういうふうなねらい、これがシヤウプ税制のいいところであつたし、またねらいでもあつた、こういうふうに考えるのでありますが、局長はそれについてはどうお考えになりますか。
#7
○平田政府委員 その点はお話の通りだと思います。ただ実はその点はシャウプ勧告だけではなくて、税制の改正をいたします場合の一番大きな問題と申しますか、ものさしと申しますか、方針は、常に負担の公平をはかるということが眼目でございまして、税が負担の公平を忘れますと、えらいことになるのではないかと思います。その他いろいろな必要に応じまして、新しい制度等を設けます場合におきましても、やはり負担の公平ということを大いに考慮しつつ、それぞれ妥当な措置を考えて行く。場合によりましてはある程度負担の公平にとらわれるよりも、他の目的を達した方がいい場合も中にはあるかと思いますが、しかしやはり公平を失しないようにという配慮を、常に加えて行く必要があるのじやないか。これはひとり税制だけではございません。運用の上におきましても、これは当然のことと私は考えておる次第でございます。
#8
○奧村委員 この負担の公平という点が税制の命であるというふうに思うし、また局長もそういうふうに言われる。場合によつてはこの根本方針を、ほかの道に譲る場合もあるというお言葉は、どうも少し問題があると思いますが、一応考えは公平でなければならぬ、これは当然と思います。もし税制が不公平である、税務執行が不公平であるということであれば、税務官吏はおそらく官吏としての正しい仕事はできぬだろうと思う。君キリストの言葉に、税吏は神の前に出るときに遊女の次に出られる、こういうことが言われているように聞いたのでありますが、つまりそれほど税吏はきらわれておる。しかしそれは昔のことであり、不公平な秘史のことである。公平な執行をする税務官吏は、国の財政を確立するために、公共団体の財政を確立するために絶対に必要な人である。そこでその公平という言葉をひとつただしてみたいのであります。この公平ということはどういう意味を持つか。公平をはかる上において、負担力の程度に応じての公平であるか。そのほかに、公平を考える場合にいろいろな考慮の要素があろうと思うが、この公平をはかる上においての税法上の考慮の要素はどういうものであるか、ひとつお答えを願いたいと思います。
#9
○平田政府委員 そういう点につきましては、むしろ奥村さんがよく御存じでございましようと思うので、あまり私から講義めいたことを申し上げる必要もないかと思いますが、お話の通り、英語では税の支拂い能力、ドイツ語では担税力という言葉で表現しております。もう一つ言いますと、負担能力に応じまして差別をつけないで公平に賦課徴收する。これがやはり公平原則の中心だろうと思います。そういう点からしまして所得税の累進税率ができておりますし、消費税におきましても奢侈税重課、必需品に対しましてはあまり課税しない、こういう原則が生れて来て参おります。同じ直接税の中でも、勤労所得に比べて資産所得は重課してもいいという例もあります。そういう科制の根本をなすプリンシプルは、いずれも公平原則から来ているというように、理解しているのであります。
#10
○奧村委員 公平原則を貫く上において、負担力に応じてということでありますが、基礎控除を設けたりあるいは扶養家族の控除を設けたり、これはすべて負担力に応ずる意味においてこの制度があり、また今局長の言われた累進課税とかあるいは奢侈品課税ということも、負担力の程度に応じてということになろうと思います。それ以外に政治的な考慮が拂われるとするならば、それは税法の上から言つたら邪道であると思うのであります。そこで今回の税制改正において公平原則から離れた改正がかなりある。これをひとつお尋ねしておきたいと思うのであります。無記名定期預金の制度を復活する、それから退職所得の取扱いに対する非常な軽減措置、株式譲渡所得あるいは山林一時所得などに対する取扱い、これはすべて公平原則に従つてこういう措置がとられたとは思えぬ。私はこれらの改正はすべて悪いとは言わぬが、今の税法を一歩後退するにしても、税法全体から見て公平な後退、改正ならよろしい。しかし一部分だけ特に政治的な考慮のもとに改正して行くことは、これは公平の原則を欠くのであるからはなはだ困る。そういうように考えるので二、三お尋ねして行きたいと思います。
 まず株式の譲渡所得についてお尋ねいたします。株式の譲渡所得税を全廃すべしという議論が近来高まつて参りまして、自由党は株式所得税を撤廃するという政策を明らかにしたのでありますが、これについて主税当局の御意見をただしておきたいと思うのであります。株式譲渡所得とか不動産などの譲渡所得、その他の一時所得、山林の讓渡所得、これらが所得の上から見て区別づけられるかどうか。株式讓渡所得のみに特別の取扱いをするということは、税法の公平の原則からいつて許されるかどうか、まずこの点をお伺いいたします。
#11
○平田政府委員 最初に申し上げておきますが、今回の改正はいずれも公平原則の点からいうと、反対の方向の改正を主としてやつているのではないかというお尋ねといたしますれば、私はそのようには考えておりません。たとえば基礎控除の大幅引上げ、これはもう所得税の減税額の申分は実は基礎控除の引上げによつて出て来ている、それから扶養控除の引上げ、相続税における小資産の軽減その他、今回の改正の根幹と申しますか、中心部面はやはりどちらかと申しますと、公平原則の線を追いつつ負担の軽減をはかつて行く、こういうところにあるのでございます。ただそれでは全部がそうかというお話でございますと、必ずしもそうではない。中には、ほかの政策目的と関連いたしまして、調整を加えている点がございます。従いまして原則論に立ちもどつて恐縮でございますが、私はやはり税は中心に公平原則を置かなくてはならぬと思います。しかしそれだけで税が全部でき上るかと申しますと、それだけではいけない。やはりそのときの経済政策の目的、あるいは社会政策の目的、あるいは場合によりましたら人口政策、文化政策等の目的というようなものと関連をはかりつつ、妥当な租制をつくり上げて行くということも、同時に考えて行かなければならないかと存じます。ただこういう公平原則以外の政策目的――政治的考慮という言葉は私は避けたいのですが、政策的な目的、これを達成する場合におきましては、でき得る限り公平原則の線に沿いつつ、そういう目的を達成するような方策をとつて行く。これはやはり税としては行くべき道でありまして、そういう限度におきまして、できる限りとつて行くという方向に行くのが、やはり正しい行き方だと考えます。しかしそういう見地に関しまして、最近はよほど他の政策目的を税制の上に取入れて行くという傾向に、これは世界的傾向になつております。財政政策自体が、財政だけの見地だけではなくて、やはり経済政策の一環としまして、インフレ、デフレ等の経済現象に対して、どういう財政政策をとるべきかというような議論が、非常に最近発展しておりますと同時に、税制におきましても、そのときの経済情勢と相関連いたしまして、経済政策の目的からすれば、どういう税制がいいかということを考慮しましてきめなくてはならぬという点が、最近は特に重要な問題になつて来つつあるようでございます。これは財政の経済に占める比重が重くなり、税の負担が重くなりますと、なおさらそういうことになるのでありまして、税制の上におきましてある程度そういう考慮を加えて行くということは、これまた進歩した税制としましては、考えていいことではないかと考えている次第でございます。ただしかし、そういうことを勘案いたしましても、やはりおのずから限度があるわけでございまして、奥村さんのお話のように順序を逆転しないということは、私はその場合には非常に大事なことではないかと思うのであります。それで公平原則を若干調整するにいたしましても、やはり順序といたしましては、たとえば貯蓄の奨励にいたしましても、少額の貯蓄を優遇するという面におきまして、まず税の上においては考慮しなくてはなりませんし、それから株式投資の奨励にいたしましても、できる限り大衆の投資を促進する意味におきまする考慮でありますれば、公平原則にそれほど大きく違反しなくても相当の目的が達成し得る。保險料の控除も同様でございます。一定のところまで保險料の控除をするということになりますと、中小所得者に対しまして相当多くの利益になるわけでありまして、その限度におきましてある程度入れて行くことは、これはそれほど大きく公平原則に反しない。そういう角度からできるだけ考えまして、必要な措置を税法の上に加えて行くということは、最近の進歩した税制の上におきましては、そう拒否すべき方向ではなからうというふうに考えておるわけであります。しかしこれはあまり限界を越えますと非常に問題がありまして、税としての本質上どうかというようなことになつて来ますれば、おのずから限界があろうと思いますが、やはりそういうことも考えて行かなくてはならぬのではないか。そういう意味で少額貯蓄の優遇、少額投資の優遇、それから山林所得等につきましても、従つて今回十万円の控除をすることにいたしておりますが、そういうような方向でありますれば、まず公平原則から行きましても、税の本質に触れることなくこれをやつて行けるのではないか。また法人におきまする償却の拡張等も同様でございます。そういう面におきましてはできる限り考慮を加えまして、そのときとして妥当な税制をつくり上げて行く、こういう方向に行くべきであろう。今御指摘の無記名預金の問題と譲渡所得全廃の問題、これは確かに税制の上におきまして一つの大きな問題でございますが、ただ無記名預金の問題は、私はどつちかと申しますと、課税自体はあくまでもやはり選択税率五〇%で――ちよつと軽減いたしておりますが、これで課税する。問題は、所得を隠すという問題に触れて来るので、この問題はむしろ税の執行面における公平の原則との関連においてどう考えるか。ことに納税思想等に及ぼす影響等はどうかというような点が非常に問題であります。従つて私どもも慎重に考えていたのでございますが、何と申しましても一方は急速に貯蓄をふやさなくてはならぬ、そうしなければあらゆる経済問題が解決しないという要請がございますれば、この際若干その方に歩を讓つたらどうかというのが、無記名貯金を認めるということになつたのではないかと考えます。それから株式の譲渡所得税の問題におきましても、先ほど申し上げましたように、十万円の控除ということになりますと、相当中小の投資家の保護にはなる。中小の投資家の保護ということになりますれば、それほど公平原則をこわさない。従つてできる限りそういう方向で解決したい。しかし日本経済の実態がそれだけではどうにも解決しない。また株式投資に対するひどい優遇を必要とする事情があるかないか。あるとしますれば、この際暫定的に税制の公平原則との調整を、若干そこは妥協になりますが、妥協して、調整をはかつて行くかどうか。これは一つの大きな問題だと存じます。従いましてこの問題につきましては、先ほど申し上げましたように、税の制度の上におきましても、根本に関連する問題になつて参りますので、私どもとしましてはよく検討いたしまして、妥当な結論を下すようにいたしたいというので、今回はその提案を見合せることにいたした次第でございます。
    ―――――――――――――
#12
○佐藤委員長 ただいま税法四案の質疑続行中でありますが、税法に対する質疑はあとまわしとして、次に開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題として、質疑を続行いたします。宮原幸三郎君。
#13
○宮原委員 第一にお尋ねしたい点は、繰入金額が十五億三千百二十一万円となつておりまするが、前年度に対して約一億の増であります。しかるに新規入植者を前年度と対比いたしますると、今年度はたしか六千五百人になつております。前年度が七千人となつておるので、五百人の減になつておりますが、その理由は特にありますか。
#14
○平川政府委員 入植戸数は二十六年度が六千五百戸でありまして、二十七年度は七千戸に、五百戸増加するわけであります。それからなお單価の点につきましては、これは一戸当りの貸付金額の総額を、パリテイ計算を基準にいたしておりまして、二十六年度が一九五、二十七年度が二五五というパリテイを想定いたしまして、一戸当り貸付金額の総額、これは三箇年間で貸すのでありますが、二十六年度は十三万円、二十七年度は十五万円というように、單価も増加いたしておりまするし、入植戸数も五百戸増加いたしておりまするので、金額も増加いたしております。
#15
○宮原委員 累年の開拓者、入植者に対する国家投資額が五百八億という報告になつておるようであります。これと入植者の資産との対比でありますが、入植者の資産のうちに自己資本を計上し、国家投資額のうちには建設工事費を除外する、そうして四十四億かの黒字という報告をされておりますが、その四十四億という黒字を出すために、その数字に説明を加えられたものかのごとく、曲解をするわけではありませんけれども、どうしてこういうふうにまでして、黒字だということを説明しなければならぬのでありますか。
#16
○平川政府委員 これは別に黒字とか赤字とかいうことを特に意図して計算したものではございません。大体今までに国の助成金あるいは融資額ということによつて、この程度の国家投資をいたしまして、なおそのほかに農家自体の労力なり、そのほかの投資もございまして、現在開拓者の資産状況というものが、全体としてどういう状況になつておるであろうかということを、一計算しただけのことでありまして、特別の意図を持つておるわけではございません。なお今の計算は国家投資額としましては、三百九十七億ばかりと推定をいたしておるのであります。
#17
○宮原委員 この「開拓の概況」というパンフレツトを頂戴したのですけれども、四十ページの間に正誤が二十件も出ておる。それから統計数字なんかを見ると、さらに再正誤を必要とするようなものがある。たとえば十八ページの十二表の合計のところの(A)と(C)の対比、二〇六というのは間違いじやないかと思うのです。二十三年度は百二十五万石、二十五年度は二百三十八万石で、パーセンテージが二〇六にはならないように思います。その辺はいかがでしようか。
#18
○平川政府委員 なるほどその数字の点は、ちよつと精密に計算しますと誤りがあるようにも思いますので、なお調べてお答えしたいと思います。
#19
○宮原委員 大体農事を扱うお役所も学者も、のんびりし過ぎているので、国会へ出すような資料はあまり正誤表をよけいつけないように、もう少し緊張して事に当られんことを希望します。
 それからもう一点、開拓農業の合理化というものに対する熱意を伺いたいのですが、それについて動力、農機具の普及率の向上の問題であります。電気施設が、重点を置かないわけではないけれども、営農方面に努力を注ぐために、手遅れになつておるような御説明が、他の委員の御質問に対してあつたようであります。しかしこういう問題は、農林当局の熱意で解決のできる問題だと私は思う。なお麦、雑穀類を主にする畑作農家を中心とする開拓事業の向上発展という面から考えて参りますと、これは軍に農地局だけではなくて、食糧庁関係にも非常に影響することと思うのですが 人のことに考えないで、大勢の努力を注ぐ開拓事業でありますから、大いに予算の獲得をせられる意気をもつて農林省全体を動かして、そうしてこの雑穀類の加工技術またはそれに対する施設、研究、調査、そういう方面に対して大幅なるところの熱意と努力を傾ける意向はないか。たとえば日本の製粉事業というものは非常に幼稚である。日本の内地における大会社でも、先進欧米の各国の技術、機械設備と比較しますと、まるで文明と野蠻ほどの差がある。同じマカロニを、日本でそのまねごとをしても、とうてい世界水準からははるかに遠いようなことを伝え聞くのであります。こういう方面にまで熱意を傾けて処理をするのでなければ、ただおざなりに七年計画を立てて、ただ営農方面に力を注ぐんだから、重力設備はあとまわしになるのだ、将来に対する対策についても、ただ農林省の伝統を追うとかいうような、姑息偸安ではないかもしれませんけれども、ありきたりの官僚の取扱い方では――私はこの法案に反対どころではない、賛成のあまりに申すのでありますが、まことに心細く感ずるのであります。今後に対する農林省、ことに担当の農地局長の御決意を伺つて、私は質問を打切りたいと思うのであります。
#20
○平川政府委員 特に開拓地におきましては、畑作関係が大きな部分を占めておりますが、これに対する経営の安定向上のための施策、進んで加工方面に至るまでの施策という点でございますが、これにつきましては、もとより私どもといたしましては、でき得る限りの助成なりあるいは補助なりをいたしたい、かように考えておるのであります。開拓関係の、直接に開拓者を目標として考えられておりますところの予算なり、融資金なりというものにつきましても、二十七年度は二十六年度よりも各方面において増額いたされております。また新たなる制度も設けられておるのであります。しかし單に開拓地あるいは開拓者を目標とした予算なり資金のみならず、さらに一般の農林関係の予算あるいは資金等におきましても、これをでき得る限り開拓者の営農の確立なり、促進なりの面に使つて参るということもいたしたいわけでありまして、現にたとえば家畜の導入の貸金につきましても、一般の農業者に対する資金融通の制度を、今回二十七年度から設けることになりましたが、これについても開拓者の一部がこれを利用し得るようにして行く。あるいは農林漁業関係の長期の融資の制度もありますが、これも開拓者が利用できるものはできるだけ利用できるようにする。小水力発電等につきましては、相当開拓者の方にも行つておるわけであります。そういうようなあんばいで、でき得る限り一般の農林予算あるいは国家資金につきましても、その方にまわし得るものはまわすということに、あわせて力を入れて参りたいと考えておるわけでありまして、御指摘の点につきでましては、私どもといたしましてもできる限りの努力をいたしたいということを、申し上げる次第であります。
#21
○三宅(則)委員 私は開拓者資金融通特別会計におきまする質問が二つばかりありますから、一つずつお答え願います。最初にお伺いいたします事柄は、三十七年度には十五億三千百二十二万円を開拓者資金融通特別会計の方に繰入れる、こういうことになつております。これは年々こういうふうに繰入れて来たものと思つておりまするが、その繰入れたものに対していつ返済するか。返済の時期はこの法案では第二の方に、後日開拓者貸金特別会計の方から入れることになつておりまするが、いつ入れる予定でありますか。その予定を一点聞きたい。
#22
○平川政府委員 この資金は、開拓者がある程度の農家として安定をいたすものを目標といたしております。従つて政府としては五箇年すえ置きの十五箇年年賦で償還するということになつておりますので、二十八年度にはある程度の償還が出て参る。まだ金額はごくわずか一億足らずの金額でありますが、これが年々昭和二十一年、二年ごろの入植者が、来年、再来年からだんだん償還に入つて参りますから、今後は毎年数千万円あるいは数億の償還が行われるということに、なつて参るわけであります。
#23
○三宅(則)委員 そういたしますると、こういうような何千億という貸付金は、少くとも十年とか十五年というように長くかからなければならぬと思いますから、相当特別会計の方に一般会計の方から行つておるものと思うのでありますが、われわれといたしましては、なるべく早い期間にこれを決済いたしたいとも思うわけです。しかし相当十年なり十五年間は貸付になつておりまして、順次返済するということになりますから、特別会計の方に合計額が残ると思いますが、どういうふうになりますか、もう一ぺん承りたいと思います。
#24
○平川政府委員 ただいまのところは、このように一般会計から繰入れました金額を、大体その年に貸付をいたしてしまうわけでありまして、特別会計の資金としてはふえて参りますが、現金は農民の方に貸付になるわけであります。しかし入植者が毎年数千戸入植いたしますと、それに貸付をいたしますので、一面古い入植者からの償還金が全部皆済になるまでは、新規入植を続ける限りは、だんだん特別会計の規模が大きくなるということは言えるわけであります。
#25
○三宅(則)委員 そのようにだんだん多くなるのですが、どのくらい今の予定で多くなる予定でありますか。今千億くらいでありますが、少くとも百億くらいになつて、もう一ぺん切りかえるという線でありましようか。本年は十五億でありますが、年々決済いたして行くわけでありますから、相当特別会計の方に残るというふうになると思うのですが、そういう予算ができているか。その計算等は一般議員の方にも配つてもらいたい。ただ毎年繰入れる繰入れると言つているわけですが、その返還のもくろみというものがあるわけでしようが、どういうふうになつているか。その点も一般議員諸公の方に配付せられた方がよくわかると思うが、その辺に御注意を願いたい、かように考えます。
#26
○平川政府委員 実はこの開拓者の入植の計画というものが、はつきりいたしておらないのでありまして、全体の計画といたしましては、私どもはなお七、八十万町歩の開拓の余地がある。そういたしますと、これに対してなお十数万戸は入植ができるということになるのであります。これが毎年の予算の関係もあり、入植をする数を本年は七千五百戸とか、あるいは二十七年度は六千戸というふうにきめて参ります関係で、これに伴つてこの資金が増額して参ります関係上、その入植数の方がきまりませんと、増額はきまらないということでございますが、要するに本年のパリテイの計画で参りますと、一戸当り十五万円という資金を考えてあるわけでありますから、今後かりに十万戸はいるといたしますならば、百五十億になりますか、そのくらいの限度まで貸付をいたす。しこうして五年、六年目から均等償還をいたしまして、十五箇年々賦で返済するわけであります。入植戸数と、入植のスピードと申しますか、毎年の額によつて変更があるわけであります。いつになつて完済できるかということは、結局最大限度入植が行われましてから二十箇年目に完済願う。こういうわけでありまして、今のところ入植戸数の関係で、はつきりした数字を申し上げておらぬわけであります。
#27
○宮原委員 関連して……。顧みて他を言うというのですか、抽象的の答弁で、この国会において私委員の一人としてまことに侮辱を受けているような感じがする。本員の調査したところによりますと、昭和二十一年度の貸付開拓資金というものは、すでに償還金はこの一月末に到達しております。その実績もすでにある程度おわかりだと思う。それから昭和二十三、四、五年度の共同施設資金の償還期が来ておつて、ある程度わかつていると思います。もとより全部の締切りは済んでいないだろうと思いますが、いやしくも国会に対して本法案が出る際に、しかもその用意もなく委員の質問を受けて、あんな抽象的な答弁をするとは何事ですが。中国、四国九県の二月五日までの状況は、私の方にある程度の資料が来ております。農地局には何にも資料がないのですか。
#28
○平川政府委員 先ほどの御質問は、全体の償還計画と申しますか、全体の特別会計の規模についての御質問であつたように思いましたので、その点をお答えいたしましたわけでありまして、ただいままでの二十年の入植者の償還状況についての御質問でありますれば、これは三月十五日を期限といたしまして、本年度から償還に入るということになつております。その数字は、三月十五日を期限としておりますので、まだ全体としてまとまつておりません。断片的な報告はございますけれども、これはまだ一千万円足らずの数字しか集まつておりません。しかし三月十五日までには、まとまつた数字をお知らせすることができると思います。
#29
○三宅(則)委員 私はこの開拓者資金融通特別会計につきまして、農林省は会計経理については詳しいと思いますけれども、ややともいたしますると放漫に流れるおそれがあるということを聞いております。私は大蔵委員として心配をいたす一人であります。農地のことでございますから、そう簡單にも行かぬと思いまするが、そういう場合にはぜひ便法を講じまして、他の代案を考えるというふうにいたしまて、なるべく開拓者にも便益を與え、国家にも損害を與えないようにしていただかなければならぬと思うのでありますから、そういうような計画等は時折本委員会にも報告していただきまして、国民全体の会計経理の運用をあやまたないようにしていただきたい、かように思いますが、農地局長の御答弁をいただきます。
#30
○平川政府委員 実は私どももその点は非常に心配をいたしておるのでありまして、開拓者というものが御承知のようになかなか営農を確立するまでに容易でない。中には相当條件の悪いといつたようなものもございますので、これが償還にならぬということになりますと、非常な責任問題でもあり、また開拓者自身のふためでもあるということで、私どもといたしましては、開拓者の中からは償還期限を延ばしてくれ、五年すえ置きではまだ償還の時期に至らぬというような声もずいぶんあるわけでありますが、その点につきましてはほかの援助方法をとりまして、たとえばこの資金が貨付にならない三箇年以上過ぎた開拓者に対しまして、あるいは家畜購入の資金を貨し付けるとか、あるいは農林漁業の長期融資の道を広げましたり、また本年度二十七年度の予算におきましては、そういう農家の肥料代金というようなものにつきまして、信用基金の制度を別に設けまして、国から一億円ほどの出資をする、また貸付をする、また県及び開拓者自身も醵出をいたしまして、合計四億ほどの基金をもつて、農林中金からその三倍の金額を、開拓者の営農資金として貸し付けるというような制度をいろいろ設けまして、開拓者の営農状態を確立することに努める、それを基盤としてこの資金は資金としてちやんと予定通り償還をする、またその償還の指導につきましても、いろいろ指導の費用等の予算を組みまして、この償還自身は償還として、確実に確保したいというふうに努めておるわけであります。なおその状況等につきましては、ただいま申しましたように、三月の中旬にはまとまるわけでございます。期限になつておりますから、そのときには御報告申し上げたいと思います。
#31
○三宅(則)委員 それでは長い質問にならないように簡潔にいたします。これは農地局長に聞くのはちよつと見当はずれかと思いますが、開拓ということはもちろんけつこうでありますが、むしろ土地改良の方に重点を置いた方が、拙速主義ですか、あるいは早まわり主義ですか、とにかく土地改良の方に重点を置いた方が、けつこうではないかという輿論もあるわけであります。その両方をやれるならばけつこうですが、一応開拓ということよりも、土地改良の方を中心にやつてしかる後に開拓、主は土地改良、従は土地開拓というようにおとりになつた方がいいと思いますが、農地局長の御見解を承りたいと思います。
#32
○平川政府委員 実は開拓と改良につきましては、それぞれ利害得失といいますか、長所短所があるわけでありまして、また場所によりましては、開拓に適する北海道とか東北地方とかいうような、非常に広い開拓可能地を持つておるところもございます。またそういう余地がなくて、改良にもつぱら重点を注ぐべきところもございます。また改良はその土地で、同じ労力で増産を上げるという長所もございます。また開拓の方は、たとえば次男、三男の入植に適するというような問題もございまして、それぞれ長所短所がありますので、私どもといたしましては両方並行的に、それぞれの適するところでやつて参る。特に私どもといたしましては国家投資に基く増産の効果ということに力を入れまして――よく開拓が非常に割高であるというお話があるのでございますけれども、実は必ずしもそうではないのであります。というのは適地の選定の仕方によりまして、必ずしもそう高くならない。私どもの方では高いところはオミツトする。比較的安い、改良と同程度あるいはそれよりもむしろ安いような程度の国家投資で、増産の効果が上るという適地だけを選びまして、開拓するというふうに調整をいたしておるわけであります、
#33
○佐藤委員長 ほかに本案に対する御質疑はありませんか。
#34
○佐久間委員 本案につきましてはすでに質疑も盡されたと思われますので、この程度で質疑を打切り、討論を省略してただちに採決に入られんことを望みます。
#35
○佐藤委員長 ちよつと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#36
○佐藤委員長 速記を始めてください。
#37
○佐久間委員 ただいま提案いたしました私の動議をこの際撤回いたしまして、質疑を続行せられんことを望みます。
#38
○佐藤委員長 それでは先ほどの動議は撤回いたしまして、質疑を続行することにいたします。
 本日はこれにて散会いたしまして明日午後一時から開会いたします。
    午後二時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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