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2020/12/03 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 厚生労働委員会 第7号 令和2年12月3日
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2020/12/03 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 厚生労働委員会 第7号 令和2年12月3日

#1
令和二年十二月三日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月二日
    辞任         補欠選任
     塩田 博昭君     里見 隆治君
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     里見 隆治君     塩田 博昭君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 克巳君
    理 事
                石田 昌宏君
                自見はなこ君
                石橋 通宏君
                矢倉 克夫君
                足立 信也君
    委 員
                衛藤 晟一君
                こやり隆史君
                島村  大君
                そのだ修光君
                羽生田 俊君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                本田 顕子君
               三原じゅん子君
                打越さく良君
                川田 龍平君
                田島麻衣子君
                福島みずほ君
                里見 隆治君
                塩田 博昭君
                山本 博司君
                東   徹君
                梅村  聡君
                田村 まみ君
                倉林 明子君
   衆議院議員
       発議者      橋本  岳君
       発議者      篠原  孝君
       発議者      桝屋 敬悟君
       発議者      足立 康史君
   国務大臣
       厚生労働大臣   田村 憲久君
   副大臣
       厚生労働副大臣 三原じゅん子君
       厚生労働副大臣  山本 博司君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        吉川  赳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       梶尾 雅宏君
       内閣府子ども・
       子育て本部審議
       官        藤原 朋子君
       消費者庁審議官  坂田  進君
       外務省大臣官房
       参事官      河邉 賢裕君
       文部科学省大臣
       官房審議官    川中 文治君
       厚生労働省大臣
       官房総括審議官  井内 雅明君
       厚生労働省大臣
       官房生活衛生・
       食品安全審議官  浅沼 一成君
       厚生労働省大臣
       官房高齢・障害
       者雇用開発審議
       官        達谷窟庸野君
       厚生労働省大臣
       官房年金管理審
       議官       日原 知己君
       厚生労働省医政
       局長       迫井 正深君
       厚生労働省健康
       局長       正林 督章君
       厚生労働省職業
       安定局長     田中 誠二君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  坂口  卓君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    渡辺由美子君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    橋本 泰宏君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    赤澤 公省君
       厚生労働省老健
       局長       土生 栄二君
       厚生労働省保険
       局長       浜谷 浩樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○労働者協同組合法案(衆議院提出)
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (新薬の開発支援に関する件)
 (生活保護の運用の在り方に関する件)
 (新型コロナウイルスワクチン接種の安全性確
 保に関する件)
 (就職氷河期世代に対する支援方策に関する件
 )
 (新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策
 に関する件)
 (二〇二一年度薬価改定の在り方に関する件)
 (コロナ禍における雇用対策に関する件)
    ─────────────

#2
○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、塩田博昭君が委員を辞任され、その補欠として里見隆治君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(小川克巳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 労働者協同組合法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用環境・均等局長坂口卓君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(小川克巳君) 労働者協同組合法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○梅村聡君 おはようございます。日本維新の会の梅村聡です。
 本日は労働者協同組合法案の審議ということで、まず、これ非常に議論が始まってからもう歴史があるかと思います。これまでしっかり法案という形でまとめていただきまして、また、この提出ということに至られましたこと、敬意を表したいと思っております。
 その上で、今回審議する内容というのは、まず協同労働というものがどういうものなのかということで、一般の会社であれば、出資者、これ株主ということになると思いますが、そして経営者と労働者と、それぞれの立場というのが比較的はっきりしている、また、その役割というものを組織の中で果たしていくというものだと思いますけれども、今回は働き手が一つは出資をすると。だから、お金を出し合うということと、そしてもう一つはその働き手ですね、組合員の意見を適切に反映をして組合の事業を行うことだと。ですから、これは皆で協議をしながら事業を進めていくことだと。これは、協同労働という考え方は今までももちろんあったわけですけれども、今回は、企業組合でもなく、NPO法人でもなく、第三の法人格をこの法律の中で定めていこうと、こういう趣旨なんだと思っております。
 そんな中で、発議者のお一人であります今日足立康史発議者にお伺いをしたいと思いますが、十一月十一日の東京新聞にインタビュー記事が載っておりまして、この中で、足立発議者は元々経済産業省で職務をされておられまして、その在職中に有限責任事業組合契約法、LLP法の策定に関わって組織を規定する法律整備ということをされたことがあるので、桝屋発議者から声を掛けられたときに非常にこれ興味深いというふうに思われたという、そういうことが述べられているんですけれども、足立発議者の、これまでの公務員としての労働という面、そして今は政治家としてされていますけれども、労働観というか、そういうものを少し教えていただきまして、その労働観が今回の法案の中でどのように興味深いものなのかということをちょっと教えていただきたいと思うんですが。

#7
○衆議院議員(足立康史君) 衆議院から参りました足立康史でございます。
 梅村聡先生からは大変深い、深甚の御質問をいただきまして、ちょっと余りに深くて、少し答弁せよということですが、労働観ということになると二十分ぐらいはちょっといただきたいところでありますが、ちょっと圧縮して申し上げたいと思います。
 今、梅村委員の方から御紹介をいただきましたように、私、大学、大学院を卒業した後、ちょっと皆さんイメージが合わないかもしれませんが、一応二十一年霞が関で仕事をしておりました。留学もいたしましたし、ヨーロッパに、ベルギーに駐在もいたしておりまして、一応真っ当に、そこでうならないでいただきたいんですけど、一応二十年余り、ジュニアの管理職になるまで霞が関の仕事を全うしてまいりました。
 大変やりがいもある仕事だったわけですが、二〇〇九年に民主党政権ができまして、これはやっていられないなということで、あっ、余り受けないですね、あっ、梅村先生もかつて民主党政権で政務官をしていらっしゃったわけでありますが、東日本大震災もあって二〇一一年の三月末日で政治に転じて、二〇一二年に初当選をさせていただいたわけであります。
 限られた私のそういう経験からいっても、労働と一口に言っても、幾つか満たしていかないといけない条件もあるし、それから実現していきたい価値もあると思います。
 昨今よく言われている、河野大臣が、霞が関、危機に直面する霞が関という、「ごまめの歯ぎしり」のブログで書かれて大変今注目をされているわけでありますが、一つは、そこでも紹介されているように、余りに霞が関で長時間労働等で仕事と家庭の両立が難しいといって辞めていかれる方もおられると、こう紹介されています。
 そういった意味では、我々も、永田町と霞が関の関係についてはまた改善をしていくべきはしていかなあかんと、こう思うわけでありますが、今回の労働者協同組合法でももちろんそういう労働条件のところもちゃんと目配りをされているわけでありますが、それが建物でいうと一階の部分で、これ土台ですからちゃんとしなければならないと、こう思っています。
 次に、河野大臣のブログで紹介されているのは、これ何のアンケートかちょっと書いていないんですが、あるアンケートで、国家公務員の総合職の申込者数が半減しているんだとか、三十歳未満の国家公務員の中でもう既に辞める準備中云々云々というのを足すと男性一五パー、女性一〇パーということで、相当危機的な状況にあるということですが、その理由について、時間やっぱり二十分要りますね、その理由について、やっぱりもっと自己成長ができる仕事に就きたいとかキャリアアップが望めないとか、そういうのがあります。
 だから、やっぱりこの労働という建物の一階は労働条件かもしれませんが、二階のところはやっぱり自己実現というのがあって、それがなかなか今の国会との関係も含めて感じられないという意見があるんだと思います。
 ただ、私は、今回の労働者協同組合法を見たときに、この先ほど御紹介くださった東京新聞の記事でも、私がこれ面白いなと思って、桝屋先生と篠原先生、橋本先生にお声掛けをいただいて、まあ橋本先生は僕より後ですね、済みません、に合流させていただいたわけでありますが、一番面白いなと思ったのは、自分たちが出資をして自分たちの意見で自分たち自身が働く場をつくって働いていくという、そういう自立とか、維新の会は綱領に自立と書いてあるんですけど、自立とか責任感とかあるいは地域への貢献、そういったようなものを実現しやすい、この組織法が船、車になるのではないかなという面白さを私は感じたわけであります。
 もちろん仕事に優劣はありません。ただ、今申し上げた私の労働観ということでいうと、そういう三階建ての建物で、できれば、官僚の皆さんも、二十代で辞めるんだけど、また四十代、五十代でまた戻ってきたいという方、結構多いんですよ。民間ではもう何かそういう国への貢献とかそういうもののあれが満たされないというんですね。だから、また霞が関に戻ってこられる方も多いです。
 だから、是非この三階建てというものを、今日は一旦御紹介を申し上げましたが、この労働者協同組合法は、まさに私が今御紹介した労働条件の問題、それから自己実現の問題、それから貢献、責任、自立という問題、この三つを満たす大変興味深い船になっていると思います。これまで、ワーカーズコープ、各地でいろんなお仕事されてきておられる、まさに今私が申し上げたような観点で働く人々が集まって自ら取り組まれてきた、そのお手伝いがこの制度として、法律として、組織法としてお手伝いできるのであればこんな光栄なことはないと、こう思っている次第でございます。
 以上でよろしいでしょうか。

#8
○梅村聡君 ありがとうございます。
 持ち時間十分なんで、これでまとめに入らないといけないんですけど。
 重要な話をいただいたと思っていまして、まず、その一つ、三階の部分の話ですね。これは利他の精神というふうにつなげれるかなと思いますけれども、さっき申し上げたように、やっぱり一般企業等では株主の意向というのがやっぱりある程度優先されてきますので、そういったことからいえば労働者が出資をするということは非常に意味があることだと思いますし、それから、二階の部分ですよね、働く方が自己実現をしていくと。これ、やっぱりただ時間を掛ければ能力や自己実現できるわけではなくて、やっぱり現状を見て、仕事の内容でも状況でもそうですけど、それを自分で一回消化して、また自分でどうすれば成長できるかと考えて労働していくということがやっぱり成長につながっていくと思いますので、今日はちょっと一問しかできなかったんですが、この労働者協同組合法案がそういったことにしっかり寄与できるように、まだこれは法案ができましてもその後も必要だと思っております、取組がですね。そのことを是非発議者の方にもお願い申し上げまして、私の質疑とさせていただきます。
 ありがとうございました。

#9
○石橋通宏君 立憲民主・社民の石橋通宏です。
 まずは、私からも、長年にわたりまして本法案の制定、様々な困難もあったというふうに私も理解をさせていただいておりますが、発議者の皆さん、関係者の皆さんの御尽力にまずは敬意を表したいというふうに思います。
 その上で、重要な法案でありますので改めて幾つか確認をしてまいりたいと思いますが、実は、最初に桝屋発議者に是非お聞きしたいことがあります。
 実は、私も元々労働組合の出身ですし、議員になる前は長年国際労働機関、ILOで諸外国でも勤務をしてまいりました。私も協同組合の精神そのものには賛同するものでありますが、ただ、実態として、これまで途上国も含めてこの協同組合というものが悪い使用者に労働者性を否定する、特に労働組合の団結権ですとかそういったものを否定するために濫用、悪用されてきた実態というのを私たち見てまいりました。そういう懸念もあったものですから、当初議論をされていた案については、この労働者性というものをどう担保されるのかという点について私自身も問題意識を持って見させていただきました。
 当初、本法案には、組合員との労働契約の締結というものが義務付けられていなかったと理解をしております。それはもう、そもそも協同組合の原理原則といいますか、そもそもの理念からいけば、組合員というのは出資者であり、かつ経営に関わる方々であり、事業にも従事をするんだという理念からすれば、じゃ、経営に関わる者が労働者なのかということで相当なこれまでの議論があったというふうに理解をし、最終的に今回提案されている法案については二十条一項において労働契約を締結すべしというふうに整理をされたというふうに理解をいたしますが、重ねて、桝屋発議者に是非、この間どういうふうに整理をされたのか、なぜこのそもそもの協同組合の精神からいえば相反すると思われるこの労働者性の担保ということを今回提案されたのか、その点について確認の意味でお聞きしたいと思います。

#10
○衆議院議員(桝屋敬悟君) ありがとうございます。
 石橋先生が今言われたとおりの経緯がございまして、いわゆる協同労働の法制化につきましては、出資と経営と労働が一体的に行われる法人ということで、この実現を目指して大きな超党派の議連の活動であったり、先生の民主党政権下においても法制化の取組が行われたわけでありますが、先生おっしゃるとおり、労働者性をめぐって、ここは整理できなかったということで今まで成案を得ることができなかったという経緯がございます。
 こうした経緯は、実は自公のワーキングチームでもそのまま引きずってまいりました。もうずっと議論をする中で、法案の策定過程において、これまでの経緯も踏まえ、大変な議論の中ではありましたけれども、いわゆるブラック企業に悪用されると、あるいはチープレーバーを生んでしまうという厳しい指摘があったこと、そして何よりも、これは大事な話ですが、当事者団体が人として人にふさわしい働き方をお求めになっていたということもございまして、やはりここは労働契約の締結義務を明確にすべきというふうにまとまった次第でございます。
 組織法としては異例でありますけれども、労働者性を明確にするとともに、組合員保護の観点から今先生が言われた二十条の規定ができたわけでございます。これは、石橋先生がILOにおられたわけでありますが、ILOが提唱しているディーセントワークという、その実現のためにも避けて通れないというふうになった次第でございます。
 なお、こうした議論とともに、さっき申し上げた、出資と経営と労働が一体となったというふうに申し上げましたこの経営の概念も随分議論いたしました。これは、総会における議決権の行使、平等な行使という出資者としての立場のものと、あるいは日常の事業運営の中で事業従事の在り方などについて意見を言うことができるという労働者性、労働者としての立場、両方あるんじゃないかということで、であれば、労働者協同組合は組合員が出資をして、そして意見を反映して事業が行われると、組合員自らが事業に従事するということを基本原理として整理すればいいじゃないかというようなことになった次第でございまして、提案者としてはこうした整理は協同組合の理念に反するものではないと考えておりまして、本法案は、労働者保護を明確にしてど真ん中に据えて、その上で、労働者と経営者の二項対立の考え方だけでなくて、協同組合の理念、精神も生かしながら両者との調和を図った新たな協同組合法案だと考えている次第でございまして、どうぞ御理解を賜りたいと思います。

#11
○石橋通宏君 労働者保護のために、そしてディーセントワーク実現のためにもそういう整理をされたということで理解をさせていただきました。
 その上で、篠原発議者に以下いろいろお聞きしてまいりたいと思いますが、まず確認ですが、これ、二十条一項により労働契約を締結する組合員については全ての労働法令が、これはもちろんですが、完全に適用されるという理解でよろしいでしょうか。

#12
○衆議院議員(篠原孝君) 一般的に、労働契約を締結した皆さんには全て適用されると理解しております。

#13
○石橋通宏君 明快な御答弁ありがとうございました。私も、そのとおりでなければ先ほどの桝屋発議者の理念は達成できないと思いますので、そういう整理を私たちも理解をさせていただきます。
 その上で、私が先ほど申し上げましたように、労働組合の結成も含めて労働者の基本権が必ず確保されなければいけないということで考えますと、労組法の完全適用についても、今もう御答弁の中でいけば当然労組法も完全適用されるんだというふうに理解をいたしますが、衆議院の議論において、発議者から、労組法上の労働者に該当する者であれば適用されるんだという趣旨の、何か条件付のような肯定のような答弁があったものですから、これ、二十条一項で労働契約を締結した組合員であって労組法上の労働者に該当しない者が果たしているのかという疑念がむしろ湧くんですが、篠原発議者、改めて、これは当然労働契約を締結した労働者であれば労組法上の労働者に該当する、それでよろしいですよね。

#14
○衆議院議員(篠原孝君) 我々の同僚議員の西村智奈美議員が提案者の一人として答弁したことでございますけれども、労働組合の結成のときには、二つ労働者の定義、ちょっと違うんですが、労働組合法と労働基準法とありまして、職業の種類を問わず事業又は事業所に使用される者で賃金を支払われる者というのが一つ労働者、労働組合法ですね、それから賃金、給料その他これに準じる収入によって生活をする者と、これに該当する必要があるわけです、労働者の定義に。
 基本的には個別具体的に判断しなけりゃいけないんですが、我々の法案で、法律の中で労働契約を締結した人は全員該当し、例外はないと思っております。それは、桝屋提案者が既に触れましたとおり、ブラック企業、チープレーバーというのを悪用されてはいけませんので、そこのところはきちんと見ていかなくちゃいけないという観点から、完全に適用されると考えております。

#15
○石橋通宏君 明快な御答弁、ありがとうございます。
 ということは、この労組法上に基づいて労働組合を結成された場合には、通常労働組合に認められている全ての権利が認められるし、当然、労使交渉で労働契約締結をしていくという前提はあると思いますが、例えば労組の専従者を置いたりユニオンショップ協定を締結をしたり、若しくは争議になればスト権を行使をしたりということも含めてこれは労働者としての権利は保護されるという理解でよろしいですね。

#16
○衆議院議員(篠原孝君) 一般的に労働組合に認められる権利、権能は全て認められるものと考えております。

#17
○石橋通宏君 これも明快な御答弁、ありがとうございます。
 ここで大事なのは、今確認をいただきましたように労働法令の適用はあると、労組法の適用もこれは認められるというふうにおっしゃいましたが、やっぱり冒頭、発議者、桝屋発議者からありましたように、これまでの協同組合というものの考え方からいくと、そこをどう組合員、この法律に基づいて労働者協同組合に実際に出資をし参加をされる方々がそのことを、理念も含めて、そして労組法上が適用される労働者なんだということを理解いただいて、そしてその権利を、そう望まれれば権利を行使していただかなければいけない。
 そのためには、その知識、理念、理解がなければいけませんので、それをどう本法が成立し施行に向かって全ての方々に理解をいただくのかということが大変重要な要素だと思いますが、発議者、この辺についてはどうお考えでしょうか。

#18
○衆議院議員(篠原孝君) これは全く新しい仕組みでございまして、企業組合とかNPO法人とかいろいろあるわけですね。だから、これはいろいろ分かりにくい面があるんだろうと思います。ですけど、重要なプロセスがありまして、労働契約締結すると、その過程においてきちんと説明して、そのプロセスの中で十分に情報提供できるんじゃないかと思っております。

#19
○石橋通宏君 まさにここで労働契約の締結というのも、そういった労働者としての権利や行使し得るそういった様々な労働者保護の制度、こういったものも理解いただくというのは大変重要なプロセスだと。そこで是非周知を徹底していただきたいというふうに考えております。
 そして、次の問いに入らせていただきますが、ちょっと今回誤解が少し、賃金と配当金との関係において、法律上、この法律では剰余金の従事分量配当とか配当については書かれておりますが、賃金について余り明確に書かれていないような気がして、若干この配当と賃金というものが同じなのかというような誤解のような理論があると思うんですが、当然、先ほど来整理しているとおり、労働契約を締結していただいて、労働者でありますから、賃金は賃金として当然支払われるべきものであって、配当は別のものであるというふうに私は理解をさせていただいておりますが、そういう整理、そういう理解でよろしいでしょうか。

#20
○衆議院議員(篠原孝君) 賃金は労働契約法に基づく正当な対価です。剰余金の支払は全く別物です。ですから、剰余金は、賃金等いろいろな経費をきちんと負担、支払って、いろいろな経費とかを補填したりいろいろなことを払った後、最後に残ったものでもってその従事量に応じて分配されるものと考えております。

#21
○石橋通宏君 これも明快に整理をいただいたと思います。
 そうしますと、この賃金というのは、これ当然、労働契約締結の際にこれは賃金、労働日、労働日数、労働時間、そういったものを決めていただきながら賃金というものを決定していくわけでありますけれども、その賃金というのは、重ねてこれ正当な労働の対価として支払われるべきものでありますから、公平公正にそれは決定をしていただかなければいけないし、支払っていただかなければならないというふうに考えますが、これ冒頭の質問にも絡むんですが、そうすると、この配当があるから基本給、賃金を安くていいじゃないかとか、配当を見込んで全体として賃金を抑え込むとか、そういったことはやはり先ほどの理念からいけばあってはならないというふうに思いますが、そういう理解でよろしいか。であれば、それをどう担保していくのか、そのことも含めて確認をさせていただきたいと思います。

#22
○衆議院議員(篠原孝君) 御懸念の点があるんだろうと思います。
 正直申し上げまして、そのところを、剰余金と賃金と同じように払われるのだからいいじゃないかと、うんともうけたらというか、ちゃんと払えるようになったらということで剰余金を多くしておいて賃金は低めに抑えてという悪用のことが考えられるわけですけど、それを防止する条文はありません。ですけれども、それは当然、みんなで出資してみんなで働いてということですから、そういったことは避けるべく皆さんで努力していただかなきゃならないことだと思っております。
 いろんな行政庁のいろんなチェックもありますので、そういったところで防いでいかなければならないことだと思っております。

#23
○石橋通宏君 今の点、確認ですが、つまり賃金において、それは本法の趣旨に合致した、地域地域で参加される皆さん、組合員になられる皆さんが安心して生活ができる、そういう水準の賃金でなければならない、そういう趣旨だということでよろしいでしょうか、確認です。

#24
○衆議院議員(篠原孝君) そのとおりでございます。

#25
○石橋通宏君 これも重要な確認の御答弁をいただいたと思いますので、是非そういう趣旨を徹底していただきますようによろしくお願いしておきたいと思います。
 次の問いに行きます。
 今回、法律上、これ営利事業をやってはならないですとか、派遣、労働者派遣事業をやってはいけないとか、この辺は明記をされております。ただ一方で、これ、本法では労働者協同組合が他の法人に出資をしたり子会社を設立するということは禁止されていないと理解をしております。
 そうすると、中には子会社をつくって、そして、この法律で、その本体には禁止をされているそういった労働者派遣事業ですとか営利事業とかを営む、そういうケースがないとは言えないのではないかという懸念がありますが、なぜそれを明示的に、本法の趣旨に反する、もとるというのであればなぜそれを明示的に禁止されなかったのか、理念としては禁止されるべきなのか、その辺を確認したいと思います。

#26
○衆議院議員(篠原孝君) 御指摘のとおりでございまして、本法案では労働者協同組合がほかの法人に出資したりすることを明文でもっては禁止しておりません。ただ、たった一つ、労働者派遣事業というのは駄目だよということはネガティブリストという形で書いてあります。
 それで担保できるのかということですけれども、どっちにしろ自分たちで出資して働いてというこの理念から反するわけですよね、子会社というのは。ですから、提案者といたしましては、このようないろんな事業をほかのところに手を出して子会社でもってやるということは実態上あり得ない、そういうことはしていただきたくないと思っております。

#27
○石橋通宏君 これ、発議者、立法趣旨としてはそういうことはしてほしくないと、趣旨に反するんだというふうに御答弁をいただいたと思いますので、よろしいですね、それで。

#28
○衆議院議員(篠原孝君) 一番の問題は、みんな参加しているのに、子会社に行くと参加している皆さんの意思が反映されなくなるんですね。ダイレクトに意思が反映されて生きがいを持って仕事をしていただくということに非常に重要な意義がありますので、子会社、子会社になっていくと見えなくなるということで、これは想定していないし、やっていただきたくないことだと思っております。

#29
○石橋通宏君 そこは明確な意思を示していただいたというふうに思いますので、それも是非担保していただきたいと思います。
 続いて、第二十条第一項、先ほども議論した労働契約の締結についての確認なんですけれども、先ほどのとおりでありまして、組合員とは労働契約を締結するということが義務付けられておりますが、これ、ただ、反対解釈をしますと、組合員以外の被用者については労働契約を結ばなくていいというふうにも読めてしまいます。
 本法案の第八条第二項においては、組合員以外の者が臨時の場合に、繁忙期とかに臨時で採用されることが想定してこれが置かれているんだという説明がありましたが、じゃ、そういった臨時の方々については労働契約じゃなく委託とか様々な別の形態でということもあり得るんだと思いますが、これ、本法の重ねて趣旨に照らせば、そういった臨時雇用の組合員ではない方々についても安定的に安心して就労いただくということでいけば、原則労働契約を結ぶべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

#30
○衆議院議員(篠原孝君) 石橋委員は、御自分でもおっしゃっておられましたが、ILOに働いて労働問題をずっとやってこられたので、いろんなところにお気付きになられるんだろうと思います。したがいまして、この法律、大部な法律になっておりますけど、全部を想定してきちんと法案に織り込むわけにはいかないんです。それで抜けているところもありますが。ですから、アルバイトの人とかそういう人たちと労働契約をちゃんと結べとかいう明文なことは、明文上はありませんけれども、なるべく同じように扱っていただきたいというのは我々の願いです。
 それで、ある程度、アルバイトという話ありますけど、繁忙期のときにも手伝ってもらわなくちゃならない人があるわけですね。ですけれども、非正規雇用とかいろいろあるわけですから、我々はそうした人たちにもちゃんと安定的に雇用の場は確保すると、なるべく同じように扱っていただきたいということで考えております。

#31
○石橋通宏君 そこも是非それぞれの組合においてしっかりと労使でも検討いただきたいというところですが、安心、安定の雇用が提供されるように、是非それはしっかりと担保していただきたいと思います。
 最後になるかもしれません。今のところに関連するんですが、そうすると、やはりあくまで第八条第二項における、繁忙期においての臨時の目的でこういった規定も置かれているということであれば、やはりこの常用代替はあってはいけないのではないか。つまり、継続的に一緒にその組合の従事をしていただく、それはやっぱり組合員になっていただくべきでありまして、あくまで八条第二項というのはそういった臨時の場合にのみ適用されるものだというふうに理解しますが、そういった長期で頑張って一緒に働いていただく方をそうやって臨時でずっと何年もということでは趣旨にもとるというふうに考えますが、この点についても確認させていただきたいと思います。

#32
○衆議院議員(篠原孝君) それはおっしゃるとおりでして、我々のこの組織は逆でして、介護だとか育児だとか病気だとか、そういう人たちがその間だけはちょっと休ませていただきたいと、だけれども一緒に働きたいと、むしろ逆にそういったことで救おうとしているんであって、臨時のものを永続的にずっと続けるということは毛頭この組織では考えておりません。

#33
○石橋通宏君 時間が参りましたので、まだお聞きしたいことありましたけれども、以上、重立ったところは確認をさせていただきました。
 是非、今、最後の御答弁も含めて、この労働者協同組合という新たな選択肢が労働者、働く者にとって本当にいい形になるように今後とも御尽力をいただきたいと思いますし、我々もそういう形で関わっていきたいと思いますので、そのことを申し上げて質問終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。

#34
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。質問の機会いただきまして、ありがとうございます。
 実は私、この労働者協同組合に大変思い入れと、また御縁がございます。今から二十五年前、平成七年に、当時勤務しておりました労働省で、この協同労働について国内、海外の実態調査をしたことがございます。当時からNPO法人と並ぶ可能性を持つ法人形態だと期待を寄せておりましたところ、以来、国会議員の諸先輩が制度設計に大変な御苦労をいただく中で、私も四年前、初当選直後に、桝屋先生のお誘いをいただき、有り難くも与党ワーキングチーム、また超党派議連でこの議論に加わらせていただきました。本日、こうして質疑の日を迎えましたこと、感慨もひとしおでございます。また、発議者の先生方には敬意を表するものでございます。
 この法案は、地域における多様な需要をこの事業で受皿となっていくと、それを促していくものだというふうに受け止めております。私もこれまでに、その担い手となる団体として全国様々な活動をしておられるワーカーズコープやワーカーズコレクティブの皆様の活動、現地にお伺いをし、拝見をしてまいりました。
 その中で、ワーカーズコレクティブについて特にそういう傾向があろうかと思いますけれども、二十人以下の小規模な団体が多く、しかも事業を始められるときは少人数であるということでございます。こうした中で、この法案が地域を下支えする小規模の団体の後押しになるという意味でも非常に意義のあるものだというふうに考えております。
 これらの団体が主にNPO法人や企業組合として活動されているという実態からしますと、こうした団体がしっかりと労働者協同組合になることが可能かどうか、その点確認しておくことが重要だと思いますけれども、その点いかがでしょうか。

#35
○衆議院議員(桝屋敬悟君) 今委員からお話があったとおりでございまして、この法案では、組合員数の総数が二十人を超えないような組織、組合において、全員が事業に従事することができるよういろんな工夫をしておりまして、例えば監事に代えて組合員監査会を置くとか、小規模の組織に対する配慮も設けております。そうした意味では、この法案が、小規模のものも含めて労働者が自発的に協同して労働し事業を行うという、まさに協同労働の形で地域における多様な需要に応じた事業の実施を考える団体を後押しするものだというふうに考えておりまして、里見委員のお話のとおりだと思います。
 その上で、組織変更は可能かとの御質問でありますが、本法案が成立した後、労働者協同組合として事業を行うことが見込まれる団体の中には、今現在は企業組合やNPO法人の形態を取って活動しているものがございます。本法案では、これら現に活動する企業組合、NPO法人が労働者協同組合に円滑に移行することができるよう、組織変更のための制度を設けることとしております。
 なお、組織変更については、施行前に企業組合、NPO法人の形態を取って活動している団体にのみ適用する暫定的な措置として、組織変更ができる期間は施行日から三年以内に限るというふうにしているところでございます。

#36
○里見隆治君 ありがとうございます。
 今御答弁で、組織変更が可能ということでございました。特にNPO法人について、これは法案の作成過程においても、まさに新しい制度ということで、超党派のNPO議連の方々にも御理解をいただきながら丁寧な議論を行っていただいたと、そのように記憶をしております。
 今ほども若干触れていただいておりますけれども、NPO法人からの組織変更に関してどのような規定を設けられているのか、改めて御説明をお願いいたします。

#37
○衆議院議員(桝屋敬悟君) NPO法人からの組織変更に当たっては、NPO法人から組織変更した組合が保有するNPO法人時代からの財産について、NPO法人と同様に構成員に対する処分制限を及ぼす必要があります。この点はNPO議連の先生方とも何度も協議をしたところでございます。
 一方で、組織変更後の組合が従前と同じ事業その他NPO活動に該当する事業を行っている場合の財産使用への配慮も同時に必要だということでございまして、そこで、NPO法人から組織変更した組合については、社員総会での特別多数による議決など企業組合からの組織変更と同様の規定に加えて、特にNPOでは、NPO法人からの変更では、財産分配の規制、それとNPO法人時代から保有する財産のNPO活動に該当する事業への使用についての規定を設けることとしております。
 その主な内容としましては、剰余金のうちNPO法人時代からの財産に相当する組織変更時財産額に係るものにつきましては、特定非営利活動、NPOに係る事業に該当する旨の行政庁の確認を受けた事業によって生じた損失の補填に充てる場合のほか使用してはならないということにしております。そして、解散した組合の残余財産のうち組織変更時財産残額、残った額ですね、すなわちNPO法人時代からの財産の残額に相当する部分はNPO法人等に帰属させなければならないというふうにしているほか、毎事業年度終了後、組織変更時の財産の額に係る使用の状況を行政庁に報告しなければならないこととしております。
 これによりまして、実態、手続の両面から規律を及ぼすことが可能となるというふうに考えている次第でございます。

#38
○里見隆治君 よく分かりました。ありがとうございます。
 最後の質問とさせていただきますが、最後に組合員と社会保障についてお伺いします。
 労働者協同組合は、全ての組合員が組合の事業に従事するということが基本的原理の一つでありますが、その中には、代表理事等の組合と労働契約を締結しない方が存在します。これらの者に社会保障、また労働保険の適用があるのか、その点について確認をさせてください。

#39
○衆議院議員(桝屋敬悟君) ここは、委員からお尋ねでございますが、当事者団体の皆さん方も一番気にはなさっておられる点であります。
 まず、健康保険あるいは厚生年金保険といった社会保険につきましては、事業所に使用される者であることが被保険者の要件となっております。この使用される者とは、法人から労務の代償として報酬を受ける者を指しておりまして、この要件を満たす者であれば、一般労働者のほか法人の役員なども適用の対象になるものと承知をしてございます。
 そのため、組合の代表理事、専任理事、監事等の役員につきましては、業務の実態において法人の経営への参画を内容とする経常的な労務の提供があると、そして業務の対価として法人から経常的に報酬の支払を受けている場合は適用対象となるというふうに考えてございます。
 一方で、雇用保険とか労災保険といった労働保険でございますが、これは労働者であることが適用の条件であるため、今お話のありました代表理事、専任理事、監事については原則としては対象にならないのではないかと考えております、原則として。労働者性が認められる場合も私はあるのではないかと考えている次第でございます。
 なお、労災保険については、組合員の人数規模や事業の内容によっては特別加入の対象となるものと思われます。
 以上でございます。

#40
○里見隆治君 御答弁ありがとうございました。
 私もこの法案の成立を長く望んできた者の一人として、これが成立した暁には、しっかりとこの法律が全国津々浦々しっかりと運用されるように後押しをさせていただきますこと、決意を申し上げまして、質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。

#41
○石田昌宏君 自由民主党の石田昌宏でございます。
 この法案、ある意味でかなり異例なプロセスを経ていると思いまして、本則見ると百三十七条もあって、附則が更に三十四も付いていて、これだけでかい議員立法はなかなか見たことがないですし、参議院で全会派質問に立つというのもなかなか議員立法でないもので、それだけきっと思いが込められているんだと思います。私の事務所にも桝屋先生が何度も何度もいらっしゃってくださって、ある意味その気迫というか執念というか、そういうものを感じながら過ごしていました。
 ある意味それもそのはずで、歴史をちょっと振り返って見てみますと、この協同組合を意味するんでしょうかね、ワーカーズコレクティブ、第一号が誕生したというのが一九八二年というふうに物のページに書いていました。もう四十年近く前になるんですね。その頃から、法律がないにもかかわらず、自分たちでこういった活動を始めていらっしゃる方が実際に地域に貢献して成果を出して、それがだんだんだんだん全国に広がっていって法制化しようという、こういった長い歴史を持っています。今日傍聴に来ていらっしゃると思うんですけれども、民間の方々も法案要綱を最初にまとめたのが一九九七年ということです。その後、法案を実際法制化しようという活動がずうっと続けられて、議員連盟、坂口前厚生労働大臣がつくられたんですかね、議員連盟が二〇〇八年にできてようやく今日に至るということで、ある意味皆様この瞬間を記念すべき時間として過ごしていらっしゃるんじゃないかなと、関係者の方々の心情を拝察いたします。
 ただ、この長い歴史があるからということじゃなくて、むしろ中身を見てみると、今日的な日本の課題を解こうとしている重要なものじゃないかなというふうに思っています。というのは、高齢社会ですとか人口減少社会ですとか、そういった社会の中では今キーワードとなっているのが、例えば地方創生ですとか地域包括ケアとか地域づくり、町づくりですとか、まさしくそういった言葉で、それは自分たち自身が一人一人が主役となって、またかつお互いに支え合いながら自分の地域をしっかりと守ってつくっていこうと、そういった考え方だと思います。
 この労働者協同組合法案も、まさしく自分たちが出資し、自分たちの意見で、自分たちも働きながら、公のために地域のために尽くしていくといった意味ではまさしくこの理念が一致するものであって、是非これから進めていかなければならないものだなというふうに感じています。様々な課題があったと思いますが、ここまで来たことに対しまして関係者の皆様方に敬意を表したいと思います。
 そこで質問に入りますが、最初に実は私も、今感想めいたことを言いましたけど、基本的な考え方とか背景、目的について聞こうと思ったんですけど、どうやらそれを聞くと思いがあって答弁が長くなってしまうことがよく分かりましたので、これ省略いたします。
 まず、幾つか議論深めなきゃならないと思いますので、それについてお伺いしたいと思います。
 まず一点目なんですけれども、自民党の中だと思います、立法の過程の中で、この労働者協同組合というのが地域で頑張っている中小企業の、例えば事業承継とかに使えるんじゃないかといった議論があったと思うんですけど、この点についてちょっとまずお伺いをしたいと思います。

#42
○衆議院議員(橋本岳君) 思いについてお尋ねはなかったのでありますが、福祉の現場では、例えば地域共生社会というキーワードが言われております。この組合も、そうしたものにも実はフィットする概念のものではないのかなというふうに思って、是非進めていきたいと思っているということは申し添えたいと思います。
 事業承継でございますけど、例えば、中小企業のオーナーなどが御高齢で引退をされるといったときに、従業員が出資をしてこの組合をつくってその事業を引き継ぐ、そんなイメージでの議論があったんだろう、ありました。海外における事例もあると聞いておりまして、この労働者協同組合が受皿になるという可能性も十分にあるのではないかと思っております。
 ただ、今回の法制度、法律、法案につきましては、例えば実際にはそうした場合には財産の移転等々をどう考えるかといった論点というのは考え得るわけでありまして、そうしたところについては今後の議論というふうな整理だと思っております。
 まずは、この法案を是非成立をさせていただきまして、その労働者協同組合制度の普及というものに注力をし、その上で更に議論を続けていきたいと思っております。

#43
○石田昌宏君 ありがとうございます。そうですね、今後また議論があるかと思います。
 次に、さっきもちょっといろいろと述べていたんですけれども、基本的な理念はとても大事で、ここで一つ、法律の中に、組合の事業を行うに当たり組合員の意見が適切に反映させること、ここかなり強調されています。ある意味、組織が構成員の意見を聞くというのは当たり前のことだと思うんですけれども、その仕組みがこれまでの協同組合とかとは違って、出資組合でまずあるにもかかわらず、出資、普通、口数によって発言って違ってくる、発言権って違ってくるんですけれども、出資口数によらずに一人一人が一票といった議決権のやり方とか、あと組合員に事業への従事を求めるとか、かなり特徴的なことがあります。
 したがって、この組合員の意見が適切に反映させるというようなここの文言がどうもこの法律のポイントとなっていろんな意味を含めていると思うんですけど、これについて是非解説をお願いしたいと思います。

#44
○衆議院議員(橋本岳君) まさしくこれは御指摘のとおりでありまして、労働者協同組合は、組合員が出資し、それぞれの意見を反映して組合の事業を行われ、組合員自らが事業に従事することを基本原理とする組織ということが第三条第一項でございますが書いてありまして、その事業への組合員の意見の反映というのは、まさに組合の根幹を成す重要な要素でございます。
 すなわち、労働者協同組合は、ほかの組合員とともに意見を出し合いながら働く場を組合員自身でつくるというものでございまして、このような組合の性格に鑑みまして、本法案では組合員それぞれが意見を出せる仕組みを設けることとしたものでございます。
 その仕組みについてもう少し申し上げますと、まず、組合員の意見を反映させる方策を組合の定款の必要的記載事項としております。第二十九条第一項第十二号でございます。組合員それぞれの意見をどのように集めるのか、出てきた意見はどう集約していくのかといった点について、各団体の状況を踏まえて定めることを想定をしております。
 そして、各事業年度に係る組合員の意見を反映させる方策の実施の状況及びその結果を総会への報告事項としております。これは第六十六条の第一項にございます。これによりまして、組合員それぞれが出した意見がどのように反映されたかについて全ての組合員が確実に共有することができるものと考えておりまして、これによりまして、先ほど申し上げましたその基本原理というものを果たしていきたいと、このように考えております。

#45
○石田昌宏君 とても重要なところだと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、組織について確認したいことが一点あります。
 労働者協同組合、規模は様々になると思うんですけれども、比較的規模の小さな組合で組合員監査会を設けることができるというふうになっております。小さな規模の組合ですから、その組合員が組合員監査会をつくって監査するとなると、ある意味、自分自身が自分自身を、また自分たちが自分たちを監査するという形になってしまうのかなというふうに思わなくもないんですけれども、この辺、組合員監査会を認めた趣旨について御説明、お願いしたいと思います。

#46
○衆議院議員(橋本岳君) 組合の適切な運営を確保するためには理事の職務執行を監査することは重要でございまして、この役割を果たす者として監事を置くこととしております。第三十二項の第一項でございます。そして、監査は、監査対象である理事からの独立性を確保するため、理事や組合の使用人との兼職ができないこととされております。第四十三条です。
 一方で、特に小規模の組合におきましては、全員がその理事あるいは使用人として営業や日常事務などの組合の活動に従事したいと、こういうニーズがあるものと承知をしております。しかしながら、監事は理事や使用人との兼職が禁止されているため、監事になることでこれらの活動に従事することができなくなってしまう、そういう人が出てきてしまうということになります。
 この問題をどのように解決すべきかにつきましては、この法案作成過程で大きな論点の一つでございました。議論する中で、当時、ワーキングチームの座長でおられました田村憲久、今の厚生労働大臣ですが、先生から、労働者協同組合の性格に鑑みれば、理事の活動をほかの組合員がチェックできるような規模の組合であれば、各組合員による監査という仕組みを設けることも一つの合理的な解ではないのかという御提案がありまして、この御質問の組合員監査会は、この考え方を基にこれまでにない新たな組織としての制度設計を行ったというものでございます。
 すなわち、小規模の組合において、組合の活動への従事のニーズに応えつつ、理事の職務執行に対する監査が適切に行われるように、組合員の総数が二十人を超えない組織に限り監事を置かないことができることとし、これは第五十四条第一項でございますが、その場合には、理事以外の全ての組合員で組織する組合員監査会という新たな仕組みを設け理事の職務執行を監査をするということとしております。これによりまして、要するに全員で理事の仕事を監査するという格好をつくるということで、別の独立した監査という人を置かないということにしたということでございます。
 なお、なれ合い的な監査となることを防止する観点から、組合員監査会による監査の結果である監査報告については一定期間事務所に備え置くことを義務付けておりまして、組合の債権者による閲覧等を可能とするということとしております。

#47
○石田昌宏君 運用にもかなり注意が必要ということもあるかもしれませんけれども、理念がしっかりと浸透することが運用をより適切にするんじゃないかなと思います。どうぞ皆様方の活動がしっかりとされて、地域をしっかりと守っていくような活動をしていただけたらと思います。
 質問、どうもありがとうございました。

#48
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみでございます。
 今日は、桝屋発議者に御質問したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、質問に入る前に、私事なんですけれども、私、議員になる前、一年前まで、サラリーマン時代には企業内の労働組合の役員をもう長くやっておりました。なので、私がしゃべっていて労働者と組合というのが入ると、どうも憲法二十八条の労働基本権に基づき、労働組合法によって、対等な労使関係の下、労働者の労働条件交渉等を行うために組織されている方の労働組合をイメージされる方がやっぱり世間にも多いんじゃないかなというふうに思っているので、まずそこは違うということを、こちらの委員会にいらっしゃる方々は当然御存じだというふうには思うんですけれども、改めていろんな方がこの新しい法律がどういう議論過程であったかというときに、是非このことをまず最初に申し上げておきたいなというふうに思いました。
 そして、本当にこの法案が可決されることによって、今日、私は、社会やそこに集う方たちにどういうふうな変化がもたらされてどんなメリット、いい効果があるのか、そのことについてお伺いしたいというふうに思っております。
 この制度は地域における多様な需要に応じた事業を行う新たな法人制度だというふうに承知しておりますけれども、まず、労働者協同組合は具体的にどのような事業を行うことを想定されているのか、そのことをお伺いしたいと思います。

#49
○衆議院議員(桝屋敬悟君) ありがとうございます。
 最初に、国民民主党の先生方にも大変にこの法案、御協力をいただいたこと、改めて提案者の一人として感謝を申し上げたいと思います。
 そしてまた、今先生から言われた、労働組合とどう違うのか。実は、この質問がこの法案を考えたときに一番たくさん出た質問でありまして、労働組合とどう違うんだというのは、本当に適切な御指摘をいただいたこと、感謝を申し上げたいと思います。
 その上で、労働者協同組合は具体的にどのような事業を行うのかというお尋ねでございます。先ほどから基本原理の話はずっと出ておりますが、こうした基本原理に従って行われる持続可能で活力ある地域社会の実現に資する事業であれば、基本的に自由に行うことが可能だということでございます。ただし、他人の指揮命令を受けて当該他人のために労働に従事させる労働者派遣事業は行うことができないというふうにしてございます。また、いろんな事業をなさっておられます可能性があるわけでありますが、認可等が必要な事業については当然にその規制を受けると、例えば介護保険の事業であったりですね。
 その上で、現在、労働者協同組合の基本原理に沿って活動している団体では、先ほど梅村先生の議論から出るかなと思ったんですけれども、足立先生が長い答弁でありまして、出なかったのでありますが、例えば訪問看護などの介護福祉事業、あるいは学童保育などの子育て事業、あるいは農産物加工品の直売所等の拠点整備、あるいは総合建物管理などの地域づくり事業、そして自立支援などの若者・困窮者支援事業。最近、私、ずっと現場を見ておりますと、小農と言われている農家の農業とか、あるいは山里の整備、山林の整備とか、こうしたことにお取り組みになっておりまして、まさに地域課題を解決するための取組が行われているというふうに理解しているところでございます。

#50
○田村まみ君 ありがとうございます。
 では、具体的になんですけど、具体的というか、済みません、それが行われているのは、今既存のNPOや企業組合法人でも行われているという話がこの議論の中でも出てきたんですけれども、この法案ができることでその形態を取って活動されている方への具体的なメリット、意義はどのようなものなんでしょうか。

#51
○衆議院議員(桝屋敬悟君) ここも随分法案策定段階で議論をしたところでございます。議論が出ておりますように、労働者協同組合は、組合員による出資、意見反映、事業従事という三つの要素を基本原理としているわけであります。現行法上、このような三つの要素を満たす協同労働の実態に合った法人制度は存在しておりません。NPO、企業組合、同種のもの、地域活動をされておられる組織はありますものの、この三つの要素を基本原理としているという組織はないわけでありまして、そうしたいわゆる協同労働を実践する団体は任意団体として活動するか、御案内の、さっき出てきておりますNPOとか企業組合など他の既存の法人形態を使って活動しておられるわけであります。
 本法案が制定されることによりまして、労働者協同組合の基本原理に沿った形で活動したいと考えている方々がその活動実態に適した法人格を取得できることとなるわけであります。また、そればかりでなく、労働者協同組合の基本原理に共鳴をし、新たに労働者協同組合を立ち上げようという動きが出てくることも大いに期待をしているわけであります。
 一方で、本法案は、地域課題の解決のためには必ず労働者協同組合を使うべきというものではもちろんないわけでありまして、活動の在り方は様々でありまして、他の法人形態で活動したいという方々は引き続き今の形態を取られるものと思っております。
 労働者協同組合は、既存の法人制度と共存するものでありまして、地域課題に取り組む活動が一層盛り上がるように、新たな乗り物、ビークルを増やし、選択肢を広げる意義があるのではないかと考えている次第でございます。

#52
○田村まみ君 ありがとうございます。相当期待をされているということは伝わってきました。
 ただ、今日も議論で幾つか、運営する中での運用の部分で書かれていない中で、本当に皆さんのその思いがそのまま現場に伝わって運営されればいいんですけれども、実態として違う形での運用があるということはやっぱり避けなければいけないというふうに思っております。そういう中でも、組織変更の規定や期間も明確に設けてされていますし、そのとき、今までのやり方とは違う法律の中でやるということはしっかり説明がされていくということは希望したいというふうに思っております。
 もう一つ。やっぱり組織が活動するには、原資、資金が必要です。そこはしっかり確保されていることが重要なんですけれども、協同組合では組合員の出資が活動の原資というふうになるというふうになっていますけれども、この組合員が出資をされる意義と、通常の事業運営に加えて、特になんですけど、事業拡大や人材育成、そこに集う方たちへの人材育成を行うための資金、それを確保していくということは重要だと思いますが、これについてはどのようになっているんでしょうか。

#53
○衆議院議員(桝屋敬悟君) ありがとうございます。
 労働者協同組合は、他の組合員とともに意見を出し合いながら働く場を組合員自身でつくるというものでございまして、こうした組合の性格に鑑みれば、組合の事業に必要な財産的基礎につきましても組合員自身によって確保されるべきであると考えております。労働者協同組合の基本原理の一つとして、組合員自身に出資を義務付けるというふうにしているところでございます。
 このように、組合の通常の事業運営については組合員の出資によるところが大きいと考えますけれども、組合が継続して活動し発展していくためには、更なる事業拡大や人材の育成も必要と考えております。
 そこで、本法案における特徴的な制度の一つでありますが、就労創出等積立金あるいは教育繰越金に関する規定を設けました。
 まず、就労創出等積立金でございますが、組合の事業規模、事業活動の拡大を通じた就労の機会の創出を図るために、毎事業年度の剰余金の二十分の一以上を積み立てておくものでございます。これは、中長期的な視点に立ち、将来事業を拡大する際の原資として用いることを想定したものでございます。
 次に、教育繰越金は、組合員の組合事業に関する知識の向上を図るため、毎事業年度の剰余金の二十分の一以上を翌事業年度に繰り越しておくものでございます。組合では、地域のために働きたいと考える多様な方が各自のライフスタイルに合った働き方を選択することを認めておりまして、それぞれのものに合った教育を行うために設けたものでございます。
 かみ砕いて言いますと、就労創出等積立金は事業づくりのための資金、それから教育繰越金は人づくりのための資金でありまして、組合員による出資のほか、これらの制度によって事業拡大や人材育成を行うための資金が適切に確保されるものと考えている次第でございます。

#54
○田村まみ君 ありがとうございます。
 今日の議論でも、そのときに支払われる賃金の話も重要だと私は思っておりますけれども、もう一つは、やっぱりその事業が持続可能なものであるということでいけば、やはり就労創出積立金でそこを確保していくというようなこと、また、そこに集う方が成長を促されるということも必要で、教育繰越金がそこにも設定されていて成長ができるという期待感を感じました。
 是非、この法案成立後、本当に皆さんの思っている理念が現場に実現するようなところまで一緒に見届けたいと思っております。
 ありがとうございました。

#55
○倉林明子君 日本共産党の倉林でございます。
 本法案の提出までに本当に長年にわたって御尽力いただきました当事者団体の皆さん、そして超党派議連の皆さんに敬意を表したいと思います。
 そこで、今日は法の執行をしていくに当たって幾つか確認をさせていただきたいと思います。
 一つは、やっぱり大きな焦点となりました労働者性の確保という問題であります。
 法案では労働契約の締結が明記されたと、それは大きな担保として盛り込んだ意義についても議論があったとおりかと思います。衆議院の審議でも労働組合を結成する権利の確認というのもされました。そして、今日また賃金と配当における悪用防止の条文はないというふうなやり取りもございまして、まだそういう意味での担保を付けていくという作業は、宿題はあるという状況なんだということもよく理解いたしました。
 今日質疑でも出されたことも含めて、担保していくため、労働者性を担保していくための指針の策定ということが必要になってくるんじゃないかと思うんですけれども、政府参考人から御答弁願います。

#56
○政府参考人(坂口卓君) お答えを申し上げます。
 今般、法案の第百三十条におきまして、厚生労働大臣は労働者協同組合等の適正な運営に資するため必要な指針を定めることとされ、指針の策定に当たりましては労働政策審議会の意見を聴くこととされております。
 今委員のお尋ねの組合員の労働者性に関しましては、今回法案では、労働者協同組合の設立、管理等について規定する組織法であるところでありますが、労働契約の締結義務について、組合員の保護の観点から、法案の第二十条において、組合は、代表理事、専務理事及び監事を除き、事業に従事する組合員との間で労働契約を締結しなければならない旨特に規定されているものと承知をしております。
 今後の対応についてでございますけれども、衆議院の厚生労働委員会におきましても、提案者の方から、組合員は事業者ではなく労働者であることを明確にするため、今後定められる指針等において事業を実施するのはあくまでも組合であって、組合員は事業の従事者であることや、また、労働者協同組合制度においては、組合員は組合と労働契約を結ぶ事業の従事者であり、基本的に一部の企業組合のような事業者性を有するものではないことという趣旨が明らかにされるものと考えている旨、提案者の方からの御発言もあったところでございます。
 法案が成立した場合に、私どもとしましても、これら国会における御議論等も踏まえ、指針等の具体的内容についてしっかり検討してまいりたいと考えます。

#57
○倉林明子君 具体的な指針の中身ということなんですけれども、一つ、やっぱり求人に当たって労働契約を明示する必要性があるんじゃないかということが一点。それと、名ばかり理事という問題で、労働者性を認める場合の要件の整理ということも示していくべきではないかというふうに思うんですけど、いかがですか。

#58
○政府参考人(坂口卓君) 先ほど申し上げましたように、指針等の具体的内容につきましては、今後、国会での御議論等も踏まえつつ検討してまいりたいと考えておりますが、法案の第二十条において、代表理事、専任理事及び監事を除き、組合と事業に従事する組合員との間で労働契約を締結しなければならない旨規定されており、代表理事等でない組合員が組合に加入する際には労働契約の締結が当然に必要になるものと考えております。また、専任理事といいながらも実態として組合の事業に従事させる事態は、そもそも法案の第二十条違反になる旨、衆議院の厚生労働委員会において提案者からも御発言があったものと承知しておりまして、こういった点も踏まえつつ検討してまいりたいと考えております。

#59
○倉林明子君 特に、確認ですけれども、名ばかり理事の問題については、理事長の指揮命令に従って事業の執行に関わる業務、人事権や予算執行権、これはないという場合については労働者性はこれ認められるという考え方になりますかね。

#60
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 先ほども御答弁申し上げましたとおり、法案の第二十条におきまして、代表理事、専任理事又は監事を除き、組合と事業に従事する組合員との間で労働契約を締結しなければならない旨規定されており、専任理事といいながら実態として組合の事業に従事させる事態は、そもそも法案第二十条違反になる旨、衆議院の厚生労働委員会において提案者からの御発言があったものと承知しております。
 私どもとしましても、法案が成立した場合には、法の実施に当たってこのような状況が生じることのないよう、法律を周知することなどによりしっかりと対応してまいりたいと考えております。

#61
○倉林明子君 様々な懸念事項もあったし、名ばかり理事の問題というのはやっぱり最後まで論点にもなった問題だというふうに認識しているんですね。そういうところで指針のところの整理というのが非常に重要になってくると思いますので、その点では、衆参の委員会で出された意見も踏まえてしっかり整備していただきたいということは要望をしておきたいと思います。
 最後に、これ意見を申し述べたいと思います。それは、法案で、就労支援A型事業を実施する場合ということで、利用者である障害のある人は、当分の間、八条の組合の行う事業に従事する者には該当しないと、事業従事者に関する人数要件の算定の対象としないという規定がございます。
 これは、障害のある労働者を障害のない労働者と扱いを異なると、異なる扱いをすることになるというものですね。様々な矛盾を整理すればこういう形しかなかったという経過はよく伺っているところであります。
 障害のある人の就労、生活を支援する事業所千八百八十か所が参加しますきょうされんからは、不当な取扱いとなる可能性が指摘されて、見直しも求めて引き続きの検討という御意見いただいているというふうに承知しております。就労支援を利用する障害のある人たち、働きに行くのになぜ利用料を払わなければならないのかという声が訴え続けております。B型の場合ですと、労働法はこれ適用されません、B型就労支援事業は。働く場では生活支援受けることができません。
 ということで、大きな課題、この法案とは別に大きな課題があるということを申し上げたいと思うんですが、憲法と障害者権利条約に基づいて労働の場での他者との平等をどのように実現していくのかと、改めてこの課題が突き付けられているということは指摘して、終わりたいと思います。

#62
○委員長(小川克巳君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 労働者協同組合法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#63
○委員長(小川克巳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#64
○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#65
○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、里見隆治君が委員を辞任され、その補欠として塩田博昭君が選任されました。
    ─────────────

#66
○委員長(小川克巳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長迫井正深君外十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#67
○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#68
○委員長(小川克巳君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#69
○本田顕子君 自由民主党の本田顕子です。
 新型コロナウイルス感染症の拡大が続いております。感染者の増加により医療提供体制の逼迫となっている地域もございます。休業することなく医療提供体制確保に御尽力なさっている全ての医療従事者の皆様に感謝をして、質問に入らせていただきます。
 冒頭に、まず、通告で七番目にさせていただいておりましたけれども、不妊治療に関連した質問をしたいと思います。
 菅政権一丁目一番地に不妊治療の支援を掲げたことは、子供たちを持ちたいという思いを持ちながら苦労されてきた多くの女性、夫婦にとって大きな希望になったと思います。そして、この希望の光は、現に不妊で悩んでいる方々だけでなく、不妊の原因となる抗がん剤治療を前にした小児・AYA世代のがん患者にも照らせるのではないかという期待が高まっています。
 最近の報道によりますと、がん治療に伴う不妊に備え、若い患者が事前に卵子や精子などを凍結保存する対策について、厚生労働省は二〇二一年度から費用を助成する方針を固めたとされています。早くも来年度から実現できるとすれば、それはすばらしいことだと思います。是非事実関係を三原副大臣にお答えいただきたいと思います。

#70
○副大臣(三原じゅん子君) お答えさせていただきます。
 若年者へのがん治療によって妊娠するための機能、能力が低下するといった問題は、妊娠、出産を希望するがん患者にとって大きな課題であると考えています。このため、医療機関において、卵子や精子の凍結保存など、妊娠するための機能、能力を維持するために様々な処置が行われていると聞いているところです。
 先日、私も、患者団体の要望や関係する四つの学会の提言もいただきました。また、当事者の皆様から直接お話を伺う機会もありまして、自費診療のため経済的な負担が大きいことや自治体ごとの助成制度に格差があるなど、困難な状況に置かれている実態を改めて重く受け止めました。
 こうした意見を踏まえまして、小児・AYA世代のがん患者の卵子や精子などの凍結保存に係る経済的支援を含む研究事業の検討を前向きに進めています。これによりまして、有効性等のエビデンスの蓄積も進めつつ、若いがん患者が希望を持ってがんと闘い、将来子供を持つことの希望をつなぐための取組を全国に広げてまいりたいと思っております。

#71
○本田顕子君 三原副大臣、どうもありがとうございます、御答弁。本当に希望を持てるお話で、私も感銘しました。
 現在、医療逼迫の中で、こうした治療を受けている患者の皆様の不安の声も伺います。患者の皆さんの情報共有や闘病の孤立を防ぐためにも、是非継続したフォローをお願いしたいと思います。
 では次に、十一月十九日の衆議院本会議、そして二十日の参議院本会議において決議されました、配付資料一でございます、気候非常事態宣言について質問をさせていただきます。
 この決議は全員一致で可決したものです。厚労委員会には特異的な質問と思われるかもしれませんが、気候変動は環境の問題だけではなく感染症対策に関係すると思いますので、取り上げさせていただきました。
 近年、地球温暖化を要因とする猛暑や台風、洪水等の大規模な自然災害の発生が多発しています。そして被害も深刻です。気候変動は環境への影響のみならず、感染症の発生や流行にも影響していることが報告されています。
 例えば、IPCC、国連の気候変動に関する政府間パネルの評価報告があります。IPCCの評価報告によりますと、気候変動が感染症の発生や流行にも影響していることや、永久凍土の融解についての記載があります。
 そこで、配付資料二でございますけれども、資料二の新聞記事には、北極圏の永久凍土が解けて閉じ込められた細菌が人に感染したことや、ウイルスを媒介する蚊が生息する地域を広げている等の記載があります。
 感染症対策を担当する厚生労働省として、気候非常事態宣言やIPCCの評価報告についてどのように受け止めておられるか、お聞かせください。

#72
○政府参考人(正林督章君) お答えします。
 委員御指摘のように、国連気候変動に関する政府間パネル、IPCC報告書では、気候変動が動物媒介感染症等のリスクを増大させる可能性が指摘されており、令和二年十一月二十日に決議された気候非常事態宣言を踏まえ、厚生労働省としても、気候変動が健康へ与える影響についてしっかりと注視していかなければならないと考えております。
 気温上昇などの気候変動と蚊媒介感染症等の発生リスクの関係等については、現時点では研究事例が限られております。
 厚生労働省としましては、以前より国立感染症研究所と連携して、デング熱などの蚊を媒介とする感染症等の対策を自治体と連携して進めてきたところであり、引き続き、IPCCの評価報告書を含めた知見の集積を踏まえ、環境省などの関係者と連携しながら、様々な感染症対策の取組を進めてまいりたいと考えております。

#73
○本田顕子君 ありがとうございます。本当に、今そうした御意見、答弁を賜りまして、私も非常に有り難いなというふうに思いました。
 気候非常事態宣言が出されたことで、議員同士でも危機感が共有されていると思います。こうしたIPCCの評価報告というのは環境省で対応されておりますけれども、今後、感染症の観点から、先ほど御答弁いただきましたように、省庁横断的にフォローをしていただければと思います。
 では次に、感染症対策強化という観点から質問をさせていただきます。
 昨日、参議院本会議において、予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案が可決、成立いたしました。これによって、可及的速やかな実施に向けて接種体制が進んでいくわけでございますが、新型コロナワクチンについては接種後のモニタリングが何よりも大切であることがこの委員会の先生たちとの共有意識で、附帯決議も付きました。
 繰り返しになる部分もあるかと存じますが、厚労省としてモニタリング体制の構築はどのように進めていかれるか、お聞かせいただきたいと思います。

#74
○政府参考人(正林督章君) お答えします。
 現状、副反応と疑われる症状の発生を把握した場合には、予防接種法等に基づき、医師等からPMDAに報告することとされています。
 新型コロナワクチンの接種に当たっては、この仕組みについて、多くの人数に接種することで副反応疑いに関する報告の件数も増える可能性があることを踏まえ、PMDAの体制強化を図ることや、迅速に評価を行うため審議会を通常よりも頻繁に開催することといった強化を図ることを検討しています。
 また、国立感染症研究所においては、重篤な副反応などが報告された場合、必要に応じて症例の調査等に協力することとしており、こうした体制についても引き続き適切に確保していきたいと考えています。
 今般のワクチンの接種に当たっては、こうした枠組みにより、国として接種開始後に副反応に関する情報を迅速に収集、評価し、必要な安全対策を講じるとともに速やかな情報発信に努めてまいりたいと考えております。

#75
○本田顕子君 ありがとうございます。
 そうしたことに加えまして、私は、新しい連携として、例えば長崎大学に期待をしております。
 本年夏の新聞記事によれば、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、新たな感染症に即応できる体制を強化し、研究棟を設置予定とのことでした。この棟では新型コロナワクチンの接種後のフォロー等も行っていくという記載でした。まだ建設されていないので見解は求めませんが、ウイルスは北上していくことを思えば、アジアの人口の入口となる九州、長崎でこうした施設を建設し研究を進めていくことは、私はとても有意義、意義あることだと思っております。
 予防接種法の附帯決議には、未知の感染症に対するワクチンの開発について、産官学医が一体となって国内におけるワクチンの研究開発能力等の強化に取り組むということが付されております。そうした意味でも、こうした新しい連携をつなげていくことを、これは私の希望でございますが、発言に残させていただきます。
 次に、今後の新薬の開発支援についてお尋ねさせていただきます。
 新型コロナウイルス感染症の蔓延・拡大防止のために、日本企業を含め、世界中の製薬産業が新型コロナウイルス感染症の治療やワクチンの開発に尽力されています。新薬の開発は長期にわたり、数百億円から数千億円という高額な開発経費が必要です。一方で、製薬企業は二年ごとの薬価改定で毎回薬価の引下げを余儀なく受け入れており、さらには毎年改定については今慎重な検討がなされているところです。
 本日は、薬価の問題は触れずに、日本の新薬開発支援についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。税制面で申しますと、研究開発税制があるかと存じますが、今後の新薬の開発支援に対して厚生労働省としてのお考えをお聞かせください。

#76
○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 医療の高度化と健康寿命の延伸のためには革新的医薬品の創出が実現できる環境整備が必要でございまして、我が国の技術力、成長力や国際競争力の強化を図るためにも研究開発の促進が重要と認識をいたしております。
 一方で、新薬の開発は研究開発から実用化までに時間が掛かるほか、研究開発の中心分野が低分子からバイオなどの中分子、高分子に移行いたしておりまして、研究開発の成功確率は年々低下しているところでございまして、多額の研究開発投資を要しております。
 そうした中で、製薬企業が今後とも高い投資水準を維持、拡充できるようにするための取組の一つとして、研究開発税制の延長、拡充が重要であると考えております。
 特に製薬産業は他の産業と比べまして試験研究費の額が高い企業が多いことから、現行の上乗せ型、これは試験研究費の額が平均売上金額の一〇%を超える場合の控除額、控除上限の上乗せの措置でございますけれども、時限措置の延長が必要でございまして、これを要望いたしております。
 さらに、新薬の効率的な開発に不可欠な企業やほかの企業との連携を更に進めるためのオープンイノベーション型をより利用しやすくするための手続の簡素化についても要望いたしておりまして、これらの要望については現在税制改正のプロセスにおいて議論されているものと承知をしておりますけれども、今後とも研究開発税制等を通じまして製薬企業の新薬開発を後押しをしてまいりたいと考えております。

#77
○本田顕子君 是非とも予算獲得に向けて頑張っていただきたいと思います。
 それで、追加のところでございますけれども、今御答弁にありましたように、その新薬が成功すれば、景気に影響されず、安定した担税力を持ち、我が国の経済成長にも寄与することになります。何よりも国民の命と健康を守ることができるわけでございます。
 我が国の経済成長に貢献する製薬産業を長期的な視野で是非とも応援し続けていただきたいと思うのですが、大臣のお考えをお聞かせいただけませんでしょうか。

#78
○国務大臣(田村憲久君) 医薬品産業でありますけれども、もちろん国民の皆様方の保健医療水準の向上という意味で大変な大きな役割を担っているわけでありますが、今委員おっしゃられましたとおり、産業面、経済面から考えても、知識集約型でありますし、高付加価値型の産業であります。そういう意味では、経済成長にも大変な御貢献をいただいております。
 研発税制、研究開発税制でいろんな支援もさせていただくわけでありますけれども、それ以外にも、例えばゲノム解析の戦略的な推進でありますとか、それからバイオ医薬品の開発支援、それからバイオシミラーの普及もそうであります。さらには、リアルワールドデータ、こういうものを活用する上での環境整備、これも業界の方からもいろんな御支援といいますか、要望をいただいております。
 基礎からその実用化までといいますか、一貫したやはり支援をしていかなきゃならぬというふうに思っておりますけれども、先般も実は官民対話、これ医薬品産業界と官民対話、これオンラインでやらせていただきました。いろんな御意見をいただきました。いただく中で、しっかりと我々としてもお手伝いできるところはあると思いますので、これからも医薬品産業、日本の経済のためにも、そしてまた国民の健康のためにもしっかりと御支援をさせていただきたいというふうに思っております。

#79
○本田顕子君 力強い御答弁、どうもありがとうございました。
 ちょっと一つ質問が、時間がありませんのでこれで終わらせていただきます。浜谷局長、申し訳ございません、済みません。
 終わります。

#80
○打越さく良君 立憲民主党、打越さく良です。
 十一月三十日、旧優生保護法下での強制不妊手術について二度目の違憲判断が下されました。専ら優生上の見地から不良なる子孫を出生させないという目的の下、特定の障害や病気のある人を不良とみなす、そして不妊手術をする、これは極めて非人道的で差別的であると。違憲判断を厳粛に受け止めるべきと思いますが、大臣の受け止めはいかがでしょうか。

#81
○政府参考人(渡辺由美子君) 御指摘のございました十一月三十日の判決でございますが、国家賠償法上の責任の有無に関しての国の主張を認めたという判決と受け止めております。
 お尋ねの違憲判決につきまして、判決でそのような言及があったことは承知してございますが、現在係属中の訴訟に関する事項でございますので、判決そのものについてのお答えは控えたいと思います。

#82
○打越さく良君 大臣のコメントいただきたかったんですけれども、本当に残念です。
 では、旧優生保護法の下で、優生思想に基づき不良な子孫を出生することを防止することを目的として強制不妊手術が行われたということ自体についてはどのようなお考えか、大臣にお願いしたいです。

#83
○国務大臣(田村憲久君) 申し訳ありません。係争中のことなので、裁判については今局長から申し上げたような内容でございます。
 一方で、この旧優生保護法でありますけれども、これ、平成三十一年四月、厚生労働大臣談話としてでありますけれども、このような談話を出しております。
 昭和二十三年制定の旧優生保護法に基づき、あるいは旧優生保護法の存在を背景として、多くの方々が、特定の疾病や障害を有すること等を理由に、平成八年に旧優生保護法に定められていた優生手術に関する規定が削除されるまでの間において生殖を不能にする手術等を受けることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けられてこられました、このことに対して、厚生労働省としても、旧優生保護法は旧厚生省が所管し、執行していたことから、真摯に反省し、心からおわび申し上げます、こういうような表明があったわけであります。
 私といたしましても、今現職の厚生労働大臣として深くおわびを申し上げると、申し上げたいというふうに思います。
 あわせて、私、この旧優生保護法、これに関する与党のワーキングチームの座長をやっておりました。議員連盟の皆様方と協力させていただく中において、一時金支給法という法律を作らさせていただいたわけでございます。まだ多くの方々、御申請をいただいていないという状況でございますので、重ねてこの周知をしっかりさせていただく中で多くの方々がこの一時金支給をしていただけるように努力してまいりたいというふうに考えております。

#84
○打越さく良君 ただ、国の責任というものは、そうした一時金の支給ということでは果たし難いというふうに思われます。
 国は裁判で除斥期間を主張して、裁判所はその主張を認めたわけですけれども、ただ、やはり国の政策でこうしたことをしたと、そしてこの手術の結果と権利侵害というものは極めて重大なことであって、そして被害者の特性ゆえに権利行使がなかなか難しいということからして、除斥期間を適用することは適用ではない、失礼しました、除斥期間を主張することは正義、公平に反するのではないでしょうか。

#85
○政府参考人(渡辺由美子君) 大変恐縮でございますが、今御指摘がございました除斥期間につきましても、まさに今係属中の訴訟の中での争点になってございますので、この点についてのお答えは差し控えたいと思います。

#86
○打越さく良君 いや、もうこの主張自体が権利の濫用と言うべきであって、本当に残念なことです。ただ、本当このような訴訟が相次いでいるということ自体が、一時金ということでは解決できないという被害者たちの思いが訴えられているのだと思います。
 そして、厚生労働省としても反省したということであれば、除斥期間、退けるということが正義にかなうのかということをいま一度考えていただきたいです。
 原告の一人は三十日の記者会見で、手話通訳を介して、悔しさ、子供をつくることができない寂しさは今も消えることがないとおっしゃっています。控訴審となった場合には、この除斥期間の主張、見直していただきたいというふうに切に要望しまして、次の質問に移らさせていただきます。
 十一月十九日の当委員会での質問でも取り上げましたとおり、憲法二十五条に基づく生活保護とセーフティーネットが用意されているというのに、元々困難でぎりぎりの状況にある方が感染症で追い詰められて、それでも自助、自己責任だと頑張っておられると、そういう事態になります。大臣にそのような様々な悲鳴が聞こえていらっしゃるでしょうか。
 例えばということで、あしなが育英会のアンケートがございます。十月二十三日から十一月五日にかけて実施したというもので、十一月三十日に発表されました。保護者の三人に一人が収入が減少しているということです。三十日の記者会見に出席した女性は、涙を流しながら、GoToトラベルについて、あしなが育英会の子供も親も旅行に行く余裕なんかありません、一日一食取れるかどうかというときもあります、旅行に行ける家庭に税金を使うのではなく、本当に困っている家庭を助けてほしいと訴えたそうです。政治はこの声を真摯に受け止めるべきではないでしょうか。
 資料一でアンケートを抜粋しました。
 保護者の自由記述には、子供の教育費と生活費について毎日悩んでいます、自分のものや食べ物などを我慢して子供に回して生活しています、五十代母親。子供は育ち盛りで食費はこれ以上削れません、私は八十八円のふりかけで御飯を食べたり、農家の人から出荷できない野菜を廃棄する袋ごともらい、虫だらけ、溶けて腐ったレタスの中から食べられる僅かな部分を探しながら涙が出ました、四十代母親。とにかくお金が足りなくて、今年いっぱいで子供たちも退学かもしれない、家も追われるかもしれない、とにかく支払ができないものだらけで、いつ生活が途絶えるのか、それが心配、五十代母親の方です。
 そして、高校生からは、例えば、困っていることが多過ぎてやばい、パニック発作で死にたくなる、高校二年生。進学するためのお金をアルバイトで稼げなく、また家計を助けることもできなくて、おなかがすいている、たまにはお菓子も食べたい、高校二年生。就職して母を助けたい、コロナの影響でバイトしたいけど雇ってくれるところがない、高校二年生。
 アルバイトがないので食費を削っている、土日は寮で御飯も出ないため、友人からもらった乾パンで空腹をごまかしている、大学三年生。現在、自分だけで学費と生活費全て賄っているが、両親の仕送りをしなければならない可能性もできて、安心して勉学に励むことができない、高校から学費のためにお金を借りたり、学校の奨学生になったりして努力してきたけれど、大学の学費分の学びを吸収できなければこれまでの頑張りが無に帰するような感じがして、枕をぬらし、その恐怖に耐えているような日もある、大学二年生と。
 どうしてこのような状況なのかと。ネット上でこのアンケートを紹介する記事に、生活保護を受けられるじゃないかと、受けたらいいのにというような感想が寄せられていました。確かにそうなんじゃないかと思います。
 大臣、生活保護、こういうときのセーフティーネットだと思うんですけれども、それが機能していないのではないでしょうか。

#87
○国務大臣(田村憲久君) 生活保護の前にもいろんな、このコロナ禍ですから、いろんな支援策を講じてきているわけでありまして、例えば緊急小口資金でありますとか総合福祉資金の貸付けということを進める中において、これ、いろいろとリーフレット等々も作りまして周知をさせていただいております。
 生活保護が本当の意味でセーフティーネット、最後のセーフティーネットとするならば、その前に求職者支援制度等々があるわけで、さらには生活困窮者自立支援制度、こういうものもしっかりと、窓口うまくつなぎながら、例えば生活困窮者自立支援制度に相談に行ったときに、もうそれでは無理ならばやはり生活保護の方につないでいただかなきゃなりませんから、そういうことも徹底をさせていただく中において、そもそも生活保護制度自体もよく分かっていただいていないということもあるようであります。こちらも、このコロナ禍で緊急にホームページを作ったりでありますとかリーフレット、こういうものを作らさせていただいて、とにかく生活保護の申請を行うことは国民の権利であるということで、本当に困窮されていればためらわずに御申請をいただきたいということも今広報をさせていただいておるような次第であります。
 ヤフーのバナー広告というようなものも使いながら、いろんな形でメッセージが伝わるようにはさせていただいておりますけれども、やはり本当言うと、社会自体、今地域共生社会というのを目指して各自治体にもお願いさせていただいておりますが、そういうようないろんな制度がどこに相談してもちゃんとつながるようにしていくということが大事でございまして、これからも、本当に困っておられる方々に、この生活保護制度のみならず、いろんな制度があるということがつながるように、我々としても自治体と協力をいたしながらしっかりと制度整備、環境整備を努めてまいりたいというふうに思っております。

#88
○打越さく良君 今のお話伺うと、本当に頑張ってくださるという意気込みは感じるんですけど、ただ、本当に私の地元でも、まだまだ様々な制度にしても生活保護にしても周知されていないと思いますので、是非引き続き頑張っていただきたいというふうに思います。
 そして、次の③の方の質問に移らさせていただきますけれども、本当、現場の方々によると、様々な誤解が生活保護に関してあるということで、例えば住民票上の住所から家出しているという場合には駄目なんだとか、そういうことについては、念のため、誤解でよろしいかどうか、お願いします。

#89
○政府参考人(橋本泰宏君) 生活保護制度におきましては、居住地を有する方の場合には居住地を所管する福祉事務所において保護を実施するということを原則としておりますが、ここで言う居住地というのは、住民登録上の住所ということではなくて、実際に居住事実のある場所というものを指してございます。また、居住地がないあるいは明らかでない場合には、その現在地を所管する福祉事務所で保護を実施すると、このようになってございます。

#90
○打越さく良君 そういうことを、皆さんにとっては当然のことだというお気持ちでしょうけれども、本当に知られていないと思いますので、引き続き周知をお願いしたいというふうに思います。
 そして、さらに、支援の現場の方々によると、扶養照会が生活保護申請を控える大きな要因となっているということです。家族とうまくいかないで家出してきている方がいらっしゃると。親も貧しく頼れないという方もいらっしゃいます。生活保護法四条二項ですね、民法の認める扶養義務者の扶養が生活保護に優先して行われるものとすると、この条文がかなり大きな影響があるようです。十一月二十七日の衆議院厚労委員会で長妻委員が指摘したとおり、日本ほど幅広くやっている親族照会はないと思われます。
 資料二ですけれども、裁判官や家庭裁判所調査官も私のような弁護士ももう必ず参照するようなテキストですが、そこからの抜粋を示しました。民法の認める親族的扶養の範囲は、近代法に類例がないほど広範であり、特に現実に共同生活をしない親族にまで扶養義務を課しているということを考えると、私的扶養優先の原則の適用に際しては、特に慎重な考慮を払うとともに、公的扶助を整備強化することによってその補充性を緩和し、できるだけ私的扶養の機会を少なくすることが望ましいと。もっともな考えだと思います。
 近代法に類例が見ないほど広範である民法上の扶養義務者に全部照会されてしまうんではないかと、もうそんなことをおびえて生活保護申請を諦めてしまう方々がいらしたら問題ではないでしょうか。できるだけ慎重な考慮を払うべきですし、公的扶助を強化すべきだと思います。御見解をお願いします。

#91
○政府参考人(橋本泰宏君) 扶養義務者の扶養というものが保護に優先して行われるということは、先ほど委員が御指摘されたように、生活保護法上に明記された基本原理でございます。また、この扶養照会を行う範囲につきましては、民法上の扶養義務者の範囲も踏まえて設定しておりまして、このような制度の根幹については維持していくことが必要だというふうに考えております。
 ただ、一方におきまして、生活保護が必要な方には確実かつ速やかに保護を実施することが重要でございますし、お尋ねの扶養照会につきましては、親族関係をいたずらに悪化させて要保護者が申請をためらうことのないように慎重に対応する必要がございます。
 このため、例えば配偶者の暴力から逃れてきた場合といった扶養を求めることが自立を阻害する場合ですとか、あるいは二十年間の長期にわたって音信不通など明らかに扶養が期待できないような場合ですとか、こういった場合には扶養義務者に対する直接の照会を行わないといった配慮を求めてございまして、今年の九月にはこうした取扱いを自治体の方に再度周知をさせていただいております。
 こういった取扱い、きちんと行われるように、引き続き現場に対して周知徹底に努めてまいりたいと考えてございます。

#92
○打越さく良君 ちょっと今の御答弁では、やはり現場で一般の方たちが大変生活保護申請のぎりぎりを超えても諦めてしまう要因なのではないかなというふうに思いました。
 そして、二十七日の衆議院厚労委員会での、生活保護について、扶養は優先するという優先原則について大臣が御答弁されていたと思うんですけれども、ちょっとその原則の意味が曖昧だったかなと思いますので、その原則、この優先するという意味について確認したいんですけれども、これは、保護受給者に対して実際に扶養援助、仕送りなどが行われた場合は収入認定して、その援助の金額の分だけ保護費を減額するという意味であって、保護義務者による扶養は保護の前提条件とはされていないという意味で、理解でよろしいでしょうか。

#93
○政府参考人(橋本泰宏君) 今委員御指摘のとおり、生活保護法の四条の一項の方で保護の要件の方を定めています。こちらの方は、この利用し得る資産や能力その他あらゆるものをこの生計維持のために活用すると、これが要件というふうになっているわけでございますが、一方において、扶養というのは、法律に定める扶助は全てこの法律による保護を優先して行われるというものでございまして、扶養による仕送りなどがあった場合にはそれを収入認定するという形で保護費としては減額すると、そういう扱いをするという趣旨でございます。

#94
○打越さく良君 戦後、私的扶養を強調するということは封建的で時代錯誤的であって、もうそんな制度から改めるということになったはずなんですが、そういう私的扶養というものが条件だというふうにむしろ誤解している方たちがまだまだ多いように思いますので、その誤解を解くように運用していただきたいですし、周知徹底をお願いしたいです。
 次の質問に参りますが、私の地元新潟もそうなんですけれども、公共交通機関の廃止が相次ぐような地方では自動車がなくては生活できません。病院まで自動車で三十分や一時間掛かることも珍しくない状況です。歩いて買物に行けるお店もなくなって、生活必需品も郊外の大型店に行かなければ買えないという実情にあります。
 資料三の総務省の年収下位二〇%一千世帯当たりの保有台数の表ですが、都市部を除く三十七の県で一千世帯当たりの台数が一千を超えていますと。これは、移動に自動車は必要であって、ぜいたく品ではないということを示しています。
 資料四は、教育社会学者の舞田敏彦先生が今年七月二十二日の記事で示した自動車必須と母子世帯の生活保護の図です。自動車必須度と母子世帯の生活保護受給率が強く連関している。明確なマイナスの相関関係にあることが分かります。車の必須度が高い県ほど母子世帯の生活保護受給率が低い傾向にあるわけですね。
 まず、生活保護と自動車保有の関係に関する四月七日付けの厚労省の通知を御説明ください。

#95
○政府参考人(橋本泰宏君) 先ほど私申し上げましたように、利用し得る資産、能力その他のものを活用するということは生活保護の要件でございますので、これは保護の補足性ということで法律上明記されてございます。
 自動車の保有につきまして、保有を認めないというのが原則なわけでございますが、一方におきまして、一時的な収入減少により保護が必要となる方について、スムーズに就労再開できるよう通勤用自動車等の資産の保有を柔軟に取り扱い、また保有を認めた場合には、例えば求職中の一人親世帯の保育園送迎等に使用してもよいこと、こういった弾力的な運用を行うように、今般の事態に合わせた形で累次事務連絡等で周知を図っているところでございまして、今後ともそういった形での周知を続けてまいりたいと思っております。

#96
○打越さく良君 ただ、本当、周知をしていただいているということですけれども、本当にこの通知にしても全然知られていないんですね。だから、もっと分かりやすく広くやっていただきたいというふうに思います。
 それで、全国市長会からも、平成十九年から毎年自動車保有条件の緩和が要望されているのではないでしょうか。そのような要請もあるので、そもそも自動車保有容認の基準を緩和すべきではないでしょうか。

#97
○政府参考人(橋本泰宏君) 自動車の保有ということをめぐりまして地方自治体の関係者の方々から様々御意見いただいていることはもちろん承知しておりますし、またそういったものを踏まえて引き続きいろんな形での検討をしなければならないと思っております。
 周知という点で少し補足させていただきますと、先ほど大臣の方から申し上げた生活支援のためのリーフレットございますが、こういった中で、不動産、自動車は例外的に保有が認められる場合がありますということを明記いたしまして、ホームページとかツイッター使って周知をさせていただいておるところでございまして、そういった点を併せてやっていきたいというふうに思っております。

#98
○打越さく良君 本当に工夫していただきたいんですね。自動車の処分価値がある場合とない場合を分けて、ない場合についてはそもそも資産に当たらないことから、ガソリン代とかそういったものの捻出があれば保有を認めるということを考えていただきたいとか、そういうふうに思うんですけれども、いかがでしょうかね。

#99
○政府参考人(橋本泰宏君) 個々には申し上げられませんけれども、最初に申し上げた利用し得る資産、能力その他のものを、あらゆるものを活用するということとの関係でどうなのかということを個々に検討してまいりたいと思います。

#100
○打越さく良君 次の質問に移りますが、行政が窓口でこの人は生活保護基準以下だなという人を把握しても、必ずしも生活保護につながっていないような現状があるようです。先ほどのように、生活保護の申請窓口でも、自動車について詳細を問うことなく保有していたら駄目なんだというふうに拒否される場合もあるということも伺っています。
 どうしてそのようなことが起こるのかというと、その要因は定かではありませんが、一つにはケースワーカーの増員が間に合わなくて非常に余裕がないこともあるのではないかと。制度を熟知して経験を蓄積することができないのではないか、心配です。
 社会福祉法上の標準数はどうなっているでしょうか。

#101
○政府参考人(橋本泰宏君) ケースワーカー、これはまさに最低生活の保障と自立の助長という、この生活保護を担う貴重な人材でございます。
 社会福祉法におきましてこのケースワーカーの数につきましては、市部におきましては被保護世帯八十世帯に一人、郡部におきましては六十五世帯に一人ということを標準として定められてございます。

#102
○打越さく良君 ところが、現実にはもう到底こんな数字ではなくて、もっと多くの世帯数を担当しているワーカーも多いというふうに伺っています。それで現場は十分に対応してくれと、利用者に寄り添えということは本当に無理な要求ではないかというふうに思います。
 ケースワーカーが心身疲れて病気休職も問題になっていると思うんですが、その点、把握されているでしょうか。

#103
○政府参考人(橋本泰宏君) ケースワーカーの方々のそういった病休等の状況につきましては、ちょっと関係する省庁にも聞いてみましたけれども、把握をしていないという状況でございます。

#104
○打越さく良君 是非把握していただきたいというふうに思います。
 全日本自治団体労働組合より、十月二日付けで、大臣に、生活保護、生活困窮者自立支援施策に関して要請がなされています。その各項目について善処していただきたいんですが、一つだけ取り上げますと、ケースワーカーの配置につき、標準数を超えている自治体に適正な人員となるよう指導、助言の強化をという要請もあるんですが、強化していただけるでしょうか。

#105
○政府参考人(橋本泰宏君) 私どもの方で、都道府県等に対する事務監査というものを国の方でも直接行っております。その中で、常時標準数を満たしていない福祉事務所を把握した場合には、ケースワーカーの充足について個別に指導させていただきます。また、全国会議等の場を通じましても、都道府県や指定都市などに対しましてケースワーカーの充足についての指導の徹底をお願いしているところでございまして、今後ともそういった要請をしてまいりたいというふうに考えてございます。

#106
○打越さく良君 自治労の要請には、ケースワーク業務の外部委託化を行わないことというのも含まれています。外部委託化というのは本当にゆゆしき問題ではないかと思っています。
 二〇一九年十二月二十三日に閣議決定された外部委託化に関する方針について、御説明をお願いします。

#107
○政府参考人(橋本泰宏君) この地方からの提案等に関する対応方針ということで、ケースワーク業務の外部委託につきまして閣議決定した内容でございます。一つは、現行制度で外部委託が可能な業務の範囲について令和二年度中に整理した上で必要な措置を講じること、また、現行制度で外部委託が困難な業務については外部委託を可能とすることについて検討し令和三年度中に結論を得て必要な措置を講じること、こういったことが決まっております。

#108
○打越さく良君 その閣議決定の方針の中で地方公共団体の意見というのもあるんですが、それの中には、それは令和元年度生活保護担当指導職員ブロック会議資料というものも参照されるのではないかと思われます。ブロック会議では、ケースワーク業務の負担軽減についてが協議されました。各自治体に対し、ケースワーク業務の一部を外部委託することや非常勤職員が行うことについてどのように考えますかと質問されました。その結果はどのようなものだったでしょうか。

#109
○政府参考人(橋本泰宏君) 私どもでは、例年、生活保護指導職員ブロック会議というものを行ってございます。これは、生活保護の運用につきましてのいろんな意見交換を行うということを目的として行っているものでございますが、御指摘の点につきましては、令和元年度に行いましたこのブロック会議の中での一つでございますけれども、アンケートを行いまして、ケースワーク業務の一部を外部委託することや非常勤職員が行うことについてどのように考えますかと、こういう質問をさせていただきまして、それについての賛成が四四%、反対が二六・四%、その他が二九・六%という結果が出ております。

#110
○打越さく良君 資料五にそのアンケート結果を紹介しております。これをもってケースワーク業務の一部を外部委託化することについて多くの自治体が賛成しているとみなされてしまうのは、本当に懸念されます。
 このアンケートですが、まず質問に問題があるということで、ケースワーク業務の一部を外部委託化するということと非常勤職員が行うことというのは全く違います。その全く違う二つの質問を一つにしてしまうと、例えば、外部委託化は賛成するけれども非常勤化は反対と、あるいは非常勤化は賛成するけれども外部委託化は反対という人はどういうふうに答えたらいいか分からないという類いの質問である、異質な質問項目のどちらかに賛成したら賛成と評価されてしまうとしたら問題ですということで、この子細を分析した吉永純花園大学教授の「賃金と社会保障」という雑誌に載った論文を読ませていただいたんですけれども、その教授は、これは賛成への意図的水増しであり悪質とまで批判されています。その上で、吉永教授は、このアンケート結果を細かく分析なさって、民間委託への賛否と非常勤職員に担ってもらうことを分けて再集計されたと。
 それが資料五の下半分ですけれども、そうすると、外部委託には賛成というのは七・二%にとどまって、その六倍以上の四四・八%、半数近くが反対である、そういうふうに出ています。むしろ、多くの自治体がケースワーク業務の外部委託化に反対していると受け止めるべきではないでしょうか。

#111
○政府参考人(橋本泰宏君) 先ほど私申し上げましたアンケートというのは、福祉事務所におけるこの負担軽減、業務負担軽減策をどうするかという意味で、外部委託ですとかあるいは非常勤職員の活用、こういった議論があるものですから、そういった活用につきましての議論を行うための材料として、あくまでも便宜的にまとめたものにすぎません。
 この会議におきましては、委員御指摘のように、自治体からは片方のみ賛成とする意見もございましたし、また条件付で賛成する意見もございまして、様々な意見もいただきました。何%がというふうなことが問題なのではなくて、一つ一ついただいた具体的な御意見を踏まえて今後検討させていただきたいと思っております。

#112
○打越さく良君 そういうことであれば、ケースワーク業務の外部委託化という結論に強引に導こうとしているのではないかということが単なる杞憂だということであればそれで結構なんですけれども、そうであれば本当慎重に分析して受け止めていただきたいというふうに思います。
 そして、閣議決定にあった福祉事務所の実施体制に関する調査結果も踏まえるとということなんですが、それは厚生労働省が委託して日本ソーシャルワーク教育学校連盟、ソ教連が今年三月に発表した実施報告書もそれに当たるのではないかと思われます。それで明らかになったということはどんなことでしょうか。というのは、こちらから申し上げますと、例えば指定都市、中核市、一般市へのヒアリング調査からは、現在外部委託されている事業のほとんどがそもそも現業員が担うことを想定しない業務、例えば学習支援事業、就労準備支援事業、就労訓練事業、求人開拓業務ということであることが判明したのではないでしょうか。

#113
○政府参考人(橋本泰宏君) 令和元年度に行われましたこの調査研究におきましては、ケースワーク業務の一部につきまして、事務的な手続等を非常勤職員が行っている事例ですとか、あるいは保護の決定、実施に関わらない業務について非常勤職員の活用や委託を行っている事例ですとか、こういったものの報告があったというふうに承知いたしております。

#114
○打越さく良君 この調査をもってケースワーク業務、様々ケースワーク業務の外部委託化が必要だということは根拠付けられないということだけ、念のため申し上げたいというふうに思います。
 そして、時間がもう限られてきましたので一つだけ申し上げると、暮らしに困った方々は真っすぐに生活保護申請の窓口にはいらっしゃらないと。例えば、水道代が払えないとか、子育てに困っているとか、もう主訴は様々であって、それに、それぞれの自治体窓口に現れるということで、この人は生活保護の基準の人なんじゃないかというふうに窓口で気が付いても、縦割り思考で止まってしまっては必要な支援にたどり着けないのではないかというふうに思いますので、本当に、そして一つのところで、例えば風俗の方が自分はこういう仕事をしているとか御相談しても、また違う窓口で同じことを話さなきゃいけないというと、とっても苦痛だということなんですね。
 だから、その自治体の中で一つ、一人の方の様々なことがワンストップのように情報が共有されるようなことにならないかということが要請をされているんですが、それについてはいかがでしょうか。

#115
○政府参考人(橋本泰宏君) 委員が御指摘のように、生活に困窮されている方というのは、家計、仕事、住まいなど様々な困難を抱えていらっしゃいますので、自立相談支援機関におきましては、そういった様々な不安というものを幅広く受け止めて、関係機関と連携しながら包括的な支援を行っていかなければなりません。
 平成三十年に生活困窮者自立支援法の改正を行ったわけでございますが、この中で、関係機関等がそれぞれ把握している困窮が疑われる方に関する情報の共有を行う支援会議というものを法定化しまして、関係機関の連携の強化というものを進めさせていただきました。この支援会議のイメージでございますが、今委員、水道事業者ということを挙げられましたけれども、そういったライフラインの事業者なども含めて関係者が集まる、そういった場として念頭に置いているものでございます。
 それから、あと、自治体の実践例の中におきましては、最初の相談窓口で聞き取ったものを共通のシートにまとめまして、本人の同意の下で関係機関で共有するといった取組がございます。具体的には、東京都の足立区でつなぐシートというふうなものを作りまして、これを関係者間で共有するといったことを実際にやられております。こういった事例につきましても私ども周知をさせていただいておりまして、そういった様々な工夫した取組を通じて関係機関の連携強化ということに努めてまいりたいと思っております。

#116
○打越さく良君 ちょっと時間が近づいてまいりましたので、最後に一つだけ。
 児童手当の特例給付の廃止議論ですけれども、それは子育て罰の加重だというふうなことも批判されているんですが、本当に少子化対策というものにも逆行すると思われます。これについては、もう本当に廃止に向けたことはやめていただきたいんですが、いかがでしょうか。

#117
○大臣政務官(吉川赳君) お答え申し上げます。
 御指摘の児童手当でございますが、多子世帯や子供の年齢に応じた給付を求める声がある一方では、社会状況の変化の中で、世帯間合算の導入や特例給付の見直しをというような声、これが双方ございますので、児童手当については、少子化対策社会大綱において、給付の在り方について検討することとされているものであります。
 なお、こういった現金の給付、こういったものの重要性も十分認識しつつも、昨年十月に幼稚園、幼児教育、保育の無償化を開始し、子育て世帯全体の支援を順次拡充しているところでございます。そういったところを踏まえながら、財源確保の具体的な方策と併せて、子供の数や所得水準に応じた効果的な給付の在り方を検討してまいりたいと思います。

#118
○打越さく良君 少子化対策というのであれば、子育てに係る予算の中でやりくりするということではない発想が求められていると思います。
 終わらせていただきます。

#119
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。今日は貴重な時間をいただきまして、ありがとうございます。
 まず冒頭、質問がちょっと短くなったので、三番目の質問を二番目に持っていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
 まず、新型コロナワクチンの接種体制について。法案の審議は終わったんですが、二十四日の厚生労働委員会で、ワクチンの種類がいろいろあることで混乱が起きないように体制、するということについて古川議員から質問がありまして、それに対して正林健康局長からは、できれば一回目と二回目は一緒の方が望ましいという趣旨の発言がありました。
 これ、政府の見解を確認させていただきたいんですが、政府の立場として一回目と二回目のワクチンの種類ができれば同じがよいという立場だということでしょうか。答弁された意図を確認させてください。

#120
○政府参考人(正林督章君) 十一月二十四日の古川委員の御質問に対する私の答弁については、新型コロナワクチンは開発中であり、その詳細がまだ分からないという状況の中で、新型コロナワクチンが二回接種となった場合には、一回目の接種と二回目の接種に用いるワクチンは同じメーカーのワクチンを接種することが基本である一方、過去に例があったように、私自身が当時課長時代でしたけど、ポリオだったと思いますけど、ポリオのワクチンのように臨床試験が実施されて互換性が確認された場合には異なるワクチンでの接種の実施もあり得るため、望ましいという表現を用いました。しかしながら、私の答弁を聞いていた方々に、一回目の接種と二回目の接種に異なるワクチンの、異なるメーカーのワクチンを用いることもいとわないという意味で受け止められてしまったのであれば、おわびを申し上げたいと思います。
 複数回接種のワクチンについて、互換性が確立していない場合には、異なるワクチンの、異なるメーカーのワクチンを接種することは推奨されません。また、現在進行中の新型コロナワクチンの治験においても、異なるワクチンを接種してよいという観点でのエビデンスはないと承知しており、二回接種が必要となった場合には、国民の皆様が一回目と二回目の接種に同じメーカーのワクチンを接種できるような接種体制の構築に取り組んでまいりたいと考えております。

#121
○川田龍平君 これ大変重要なんですが、一回目と二回目のワクチンが異なっていて事故が起きた場合には、これは適応外使用になるわけですから、どちらの製薬会社も責任を取らないという可能性になりませんでしょうか。
 英明な古川先生もこれすぐに気が付かれて御指摘をされていましたが、臨床試験は同じワクチンを二回接種することで効果、効能の測定をしているということですから、効果が保証されるのは同じワクチンを二回打ったときだけです。
 確かに、モデルナとファイザーのワクチンはよく似ていますし、しかし、アストラゼネカのワクチンは種類が全く違います。全く異なるワクチンを使って何が起こるかがよく分からないという、これは、局長のさきの発言というのは、リスク分析も何もしていない組合せで接種するのもありだと言っているようなものです。
 国は国民にやっぱり努力義務という重い自主判断を背負わせているのですから、こんないいかげんなことにならないように、誰にでも、誰にとっても安心、安全に、そして適切な接種を適正に受けられる制度をつくるのが国の責任だと思います。
 そういうことをやっぱり考えていただいて、やっぱり是非、間違いがあっても仕方がないなどという甘い制度設計をするので薬害が起きているんではないかと思います。国は責任を持って、間違いが起こらないように、その一回目と二回目のワクチンが異なるようなことは絶対に起こらない確固たるシステムというのをちゃんとつくるという宣言をするのが局長の責任だと思います。
 例えば、一回目と二回目が違うワクチンになることを容認してしまうような制度設計があったら、これは適応外使用で生じた有害事象を根拠にして製薬企業を裁判に訴えても、これは適応外使用での有害事象ですから、どこまで製薬企業の責任を問えるのでしょうか。そもそもどちらのワクチンが原因なのか簡単には証明できないということになります。何か事故があっても製薬企業の責任を問える範囲が狭まりますし、そもそも裁判に勝てる見込みも低いとなれば、製薬企業と損失補償契約を結んでも使うことがありません。これでは、国はこの損失補償契約を実行させないために曖昧な制度をつくっているんではないかと非難されても仕方がないんではないでしょうか。
 国民健康保険、医療保険制度の下では適応外使用に厳しく対処している厚生労働省が、なぜワクチン政策では適応外使用を認める制度をつくろうとするのか理解ができません。
 大臣、ここは大事なことですからもう一度確認しますが、一回目と二回目のワクチンが異なるなどといういいかげんな制度にならないと明言していただきたいと思います。国民目線で、事故が起こらないということに細心の注意を払った制度にすると確約をしてください。

#122
○国務大臣(田村憲久君) 局長の方から前回曖昧な発言があって、今訂正をさせていただきました。
 厚生労働省として、一回目と二回目が違ったワクチンを打つなんということは想定をいたしておりません。ちゃんと二回打ちの場合は同じメーカーのワクチンを二回打っていただけるような形での体制整備、それを今考えているわけでございますので、そのようなことがないように、国民の皆様方に安心してワクチンを打っていただけるような体制をしっかり整備してまいりたいというふうに考えております。

#123
○川田龍平君 正林健康局長と今の林予防接種室長、お二人がHPVワクチンのときの予防接種室長と筆頭補佐ということでしたよね。本当に、やっぱりここはしっかりとふんどしのひもを締め直してちゃんと予防接種行政を担う、このように猛省していただきたいと思います。
 次に、三番の質問に入らせていただきます。
 厚生労働省の児童養護施設入所児童等調査によると、お配りした資料によると、平成三十年二月一日現在で、心身に何らかの障害を持っている児童は児童養護施設において三六・七%に上ります。また、親から虐待を受けた経験のある子は六五・六%に上り、児童養護施設に入所する理由が、放任・怠惰、虐待・酷使、棄児、養育拒否を合算、合計した虐待の子は四五・二%に上ります。
 このような子供たちが障害福祉サービスを利用する場合、施設の所在地、居住地である、住所地である自治体ではなく、親が住んでいる市区町村に施設が申請することとなります。これは、施設がある自治体に財政的な負担が偏らないための措置と聞いていますが、親が何らかの事情で現在の居住地から転居する場合は、申請する自治体も親の転居先となることから、これまで利用していたデイサービスなども再申請が必要となります。
 今年の九月に東京都にある児童養護施設で働く自立支援コーディネーターからお話を伺ったところによれば、親が転居を繰り返すことや親の転居先が遠隔であって調査に時間を要するなどにより、申請からサービスが決定するまでに時間を要し、子供がその間サービスを受けられなくなるなどの不具合が生じているといった事例があるといいます。
 厚生労働省は、このような事例について把握し、また対処しているのかを教えてください。

#124
○政府参考人(赤澤公省君) お答えいたします。
 児童養護施設に入所する障害児の方が放課後等デイサービス等の障害児通所支援を利用する場合、基本的には当該児童の保護者が居住する市町村が利用の可否を決定することとなっております。
 御指摘いただきました保護者が児童養護施設の所在地と異なる市町村に居住している場合に手続に時間を要し、障害児の方がサービスを速やかに利用できない事例があるということは承知いたしておるところでございます。
 こうした事例が生じる一因といたしましては、児童養護施設に入所する障害児が障害児通所支援等を利用するときの取扱いや事務処理の流れについて市町村等に浸透していないところがあるものと考えており、今後、市町村等に対し具体的な事務の取扱いをお示しするなど、御指摘の事例に係る事務が円滑に行われるよう対応してまいりたいと考えております。

#125
○川田龍平君 このサービスの利用決定の基準が自治体によって異なるということから、例えば今おっしゃったこの利用できていた放課後等デイサービスが親がほかの自治体に転居したことによって利用できなくなるといったことはあり得るんでしょうか。

#126
○政府参考人(赤澤公省君) 放課後等デイサービス等の利用の可否等を判定する上での勘案事項というのは国から市町村に示しておりますところであり、利用の可否について基本的に市町村によって大きく判定が異なることはないと考えております。
 しかしながら、判定に当たりまして、あくまでもその時々の障害児の方の状態や置かれた環境等を勘案して決定するというものでございますので、それまでの判定と異なる結果が出る場合もあり得ると考えております。

#127
○川田龍平君 都内の児童養護施設で育った子供が退所後に近所の障害者グループホームに入所しようとしたところ、親の居住地が都外である、いわゆる都外ケースのために、都独自の運営費加算が入らないとして入所を断られたとの例もあると聞きます。
 児童養護施設に入所する子供の中には虐待を受けて親から離れた子供も多いというのに、親の居住地や転居によってサービスを利用するまでに時間を要したりサービスを受けられなくなるという不具合が生じていることについて是正していく必要があるのではないかと考えますが、厚生労働省としてこれまでも何らかの対策を取っているかについて、大臣のお考えをお聞かせください。

#128
○国務大臣(田村憲久君) 今ほど来説明がありましたとおり、どうしても親が途中で転居した場合に障害をお持ちのお子さんがいろんなサービス受けるのに改めて申請した場合、届出した場合に、親が住んでいるところが対応するという話になります。
 ですから、例えばお子さんの状態像、これを見なきゃいけないわけでありまして、そのときに、出張といいますか遠方の自治体から出てきてその状態像を確認をするということをするのか、それとも今そのお子さんがおられる地域でそれを確認するのか、これいろんなパターンがあると思います。
 そういうことも含めて、ただ、これ引き続きやっぱりお子さんが、障害お持ちのお子さんがサービスを受けられるということは、これはもう絶対必要なことでございますので、そこがそういうような親が転居したことによって滞ってしまうということがないように、各自治体には我々もなお一層、どのような手続が必要かということも含めて徹底をしてまいりたいというふうに考えております。

#129
○川田龍平君 是非これ大臣にお願いしておきたいんですが、親の転居等の情報が自治体間でスムーズに引き継がれて、申請手続の簡素化や短縮化により子供が切れ目のない支援を受けられるようにする必要、是非国には自治体用に事務マニュアルを作成するなどの対応を早急に行って、こういった問題の周知を徹底する必要があると考えますが、大臣、いかがでしょうか。

#130
○国務大臣(田村憲久君) おっしゃられるとおり、そこのところがなかなか徹底できていないというところは、事務マニュアルも含めてどういうふうな形にしなきゃいけないのかというのはなかなか分からないというところもあるんだと思います。
 今提案のいただいたような、そういうような具体的なものを各自治体にお示しできるように努力してまいりたいというふうに思います。

#131
○川田龍平君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 子供、本当にすぐ大きくなってしまいますし、成長のところでやっぱり本当に利用できないことがあって、本当にそれよって就職の機会をなくしたりとか、いろんな事例があるそうですので、是非よろしくお願いいたします。
 次に、栄養学の問題について。
 健康日本21第二次の案では、個人の生活習慣の改善及び個人を取り巻く社会環境の改善を通じて、生活習慣病の発症予防、重症化予防を図る等の取組によって、結果として健康寿命の延伸、健康格差の縮小を実現するという考えの下で、国民の健康の増進に関する基本的な方向の一つとして、栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯と口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善を挙げています。
 このように、日々の健康づくりのためには、部門別、科目別に診察、診療することのみならず、栄養学や運動、社会活動などの各分野の側面から人の体を総合的に見ることが必要です。
 しかしながら、今の医学教育の問題などの原因により、栄養に関する系統的な知識やスキルを持っていない医師が多いなどの指摘もあるなど、健康日本21の第二次において重視される栄養や食生活といった分野は医学部を中心とした医療従事者の養成課程において必ずしも重視されていません。その結果として、医療の現場においてなかなか実践されていません。
 一人一人の健康づくりにおける栄養学の重要性に対する厚生労働省の考え方を教えてください。また、健康日本21の掲げている基本的な方向性を重視していくことについて、今後の医学教育における文部科学省の考え方も教えてください。

#132
○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 議員御指摘の患者一人一人に対応した栄養指導や栄養教育について、医療現場において医師自らがこれに対応するだけではなくて、チーム医療を推進し、栄養学に関する十分な知識を有する管理栄養士さんあるいは看護師さんに活躍いただくことも期待されているところでございます。
 このような観点から、平成二十二年にチーム医療の推進に関する通知を発出をいたしまして、傷病者に対する栄養管理、栄養指導や栄養状態の評価、判定において管理栄養士を積極的に活用することが望まれることを示すとともに、平成二十三年にはチーム医療推進のための基本的な考え方と実践的事例集を作成をいたしまして、多職種による栄養サポートチーム、あるいは管理栄養士の病棟配置による栄養管理の事例などの取組、事例紹介などの取組を行ってきております。
 さらに、医師の働き方改革におきましても、労働時間短縮を強力に進めていくための具体的方向性の一つといたしましてタスクシフティング、タスクシェアリングを挙げておりまして、現行制度下でのタスクシフティングも最大限活用しつつ、多くの医療専門職種それぞれ自らが能力を生かし、より能動的に対応できる仕組みを整えていくために検討を行っているところでございます。

#133
○政府参考人(川中文治君) お答えいたします。
 食事を始めといたしました栄養素の摂取による健康の増進について深く理解した医師を養成するため、医学教育において栄養学的な観点から医療を見る力を身に付けさせることは重要であると認識しているところでございます。
 このため、文部科学省におきましては、医学生が卒業時までに身に付けるべき能力を示しました医学教育モデル・コア・カリキュラムにおきまして、食生活を含む生活習慣、各種栄養素の機能や身体への作用、また診療における食事・栄養療法など栄養学を理解するための学修目標を設定するなど、教育内容の充実を図っているところでございます。これにつきまして、各医学部におきましては、例えば、滋賀医科大学では、遺伝現象の仕組みを分子のレベルで理解し、個人の特性に応じた治療や疾患の発症抑制のための栄養などを理解する科目や、北里大学では、栄養という観点から細胞内代謝を理解する科目を導入している取組などがあると承知しているところでございます。
 文部科学省といたしましては、引き続き、モデル・コア・カリキュラムを通じまして各医学部において栄養学に関する体系的な教育が実施されるよう、各大学の取組を促してまいりたいと思います。

#134
○川田龍平君 時間が来ましたので終わりますが、次回、この分子栄養学とプロバイオティクスとプレバイオティクスについてしっかり、腸内細菌のこととか是非しっかりと質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。

#135
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いします。
 昨日成立しました改正予防接種法等法案、法律、今後の運用がまさに大事であります。それに当たっての参考として、先日、参考人として来ていただいた坂元参考人、大変御示唆に富むお言葉たくさんありました。
 その中での二つ。一つは、まず予防接種台帳の広域化に関連して各自治体のシステムが統一されていないということであります。現実、自治体はそれぞれのベンダーと契約、設計し、仕様等も違うという状況があるわけでありますが、やはりクラウド技術などを活用して自治体ごとのシステム標準化、統一化、これをすることが最終的には国民の健康にも資するということに対しての認識と、改めて、今デジタル庁の議論がある、そことの連携についてお伺いするとともに、あともう一つは、坂元参考人がおっしゃっていたことは、副反応に対する情報提供。これにつきましては、メーカーの市販直後調査と予防接種台帳、Vシステムのリンクによる副作用の、副反応の見える化という提案もありました。これについての厚生労働省の見解をお伺いしたいと思います。

#136
○政府参考人(正林督章君) お答えします。
 地方自治体システムの標準化については、新経済・財政再生計画改革工程表二〇一九などで定められたスケジュールに沿って進めているところであり、予防接種なども含む健康管理分野についても、二〇二二年夏を目途に標準仕様を作成するために検討を進めているところであります。これにより、国、地方自治体等の相互の連携が確保され、健康分野においても住民サービスの向上が期待されると考えております。
 今後、システムを実際に利用する自治体の意見も丁寧に聞きながら、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室や今後創設予定のデジタル庁とも連携し、クラウド技術などの活用も踏まえつつ進めていくつもりです。
 御指摘の提案に関して、ワクチンの副反応に関する情報収集については、現状、予防接種法等に基づき、接種後に副反応と疑われる症状についてPMDAが医師や製造販売業者等から報告された情報を取りまとめ、厚生労働省の審議会で評価し、必要な安全対策や情報提供を実施しており、新型コロナワクチンの接種に向け、PMDAの体制強化や報告の電子化に向け準備を進めています。
 また、ワクチン接種の記録については予防接種法に基づき市町村において保存され、ワクチン使用量についてはワクチン接種円滑化システム、いわゆるV―SYSと呼んでいますが、で把握されることになっており、それぞれのシステムから得られる情報を有効に組み合わせ、適切な情報収集に取り組んでいきたいと考えております。
 なお、ワクチンの安全性評価において、予防接種記録といわゆる予防接種台帳とのリンクですが、ごめんなさい、予防接種台帳、すなわち予防接種記録と保険診療データを連結することにより評価する、そのシステムの必要性についてかねてから御指摘いただいていますが、これについては、試行的に今市町村が有している予防接種情報と保険者が有している保険診療に関する情報を連結し分析する事業を昨年度から開始しています。
 いずれにしましても、それぞれのシステムから得られる情報を有効に組み合わせて、適切な情報収集に取り組んでいきたいと考えております。

#137
○矢倉克夫君 副反応の情報をしっかり提供していくことが、最終的には情報を知ることの安心感が接種にもつながると思います。是非よろしくお願いします。
 次に、コロナの中でやはり最前線で頑張っていらっしゃる介護、障害の関係の従事者の方、どんなときも利用を止めないで、また利用者のためでもあるし、親族にも会えない方々に代わって頑張っていらっしゃる方々に対してでありますけど、やはり今、例えば先日、財政制度等審議会、こちらが見解を出して、例えば介護報酬などはプラスとする事情が見出せないなどというような見解も出ていたというふうに伺っております。
 しかし、私は、例えば報酬単価にしましても、例えばコロナ以前から特別養護老人ホームの三四%強が赤字であったり、その七割が平成二十九年から赤字が継続している、こういった状況がある。このいろんなサービスがある中で、それを全部均一化して数値を出しているというようなことは非常におかしいかなというふうに思っております。
 あわせて、介護報酬、処遇改善の方なんですけど、先日も介護従事される方から話を聞いたんですが、皆さん、いや、もっともっとやはり処遇改善がないと将来が不安だと。介護人材の有効求人倍率は全職業の四倍。これだけ求人倍率高いのに人が来ないというのは、やはり今現状も依然として全産業平均との差が八・五万円の差がある。更なる処遇改善が必要だというふうに思っております。
 それに向けて、改めて厚生労働省として、介護報酬単価の引上げと処遇改善について御見解を求めたいと思います。

#138
○政府参考人(土生栄二君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、介護サービス等が利用者やその御家族の生活を継続する上で欠かせないものであることが再認識されたと考えております。
 厚労省といたしましても、これまで介護事業所に対しまして、感染症対策実施のための必要な掛かり増し費用の助成、あるいは施設の改修費用の助成等を行い、必要な支援を行ってきたところでございます。
 令和三年度介護報酬改定におきましては、地域包括ケアシステムの推進など従来からの課題に加えまして、感染症や災害への対応力を強化していく必要があると考えております。
 さらに、御指摘ございました介護人材の確保も引き続き重要な課題と考えておりまして、昨年十月に創設しました介護職員の更なる処遇改善のための加算の取得促進など、着実に実施していく必要があると考えております。
 こうした考え方に基づきまして、現在、社会保障審議会介護給付費分科会におきまして議論を進めていただいておりまして、予算等の対応も組み合わせながら、介護事業所の経営状況、地域において適切な介護サービスが安定的に提供される必要性、さらには保険料等の国民負担や介護保険財政に与える影響なども踏まえながら、必要な対応を予算編成過程でしっかりと検討してまいりたいと考えております。

#139
○矢倉克夫君 是非しっかりと各予算確保をお願いしたいと思います。
 じゃ、大臣にちょっとお伺いしたいと思います。
 大臣所信に対する質疑のときに質疑できなかったものがありました。就職氷河期について質問をしたいと思っていたところでありましたので、大臣、所信で就職氷河期支援における社会機運ということをおっしゃってくださいました。私も、同世代である人たちと話を聞いて、ちょうどその時代にぶつかったことで不本意な就労関係に置かれていたという。その後、正社員になったとしても、ずうっと自己否定であったり、自分の能力ということに自分でおとしめて苦しんできたと、そういうようなことを泣きながら話をされてこられたとき、ただ時代がそういう時代だったというふうにあるときに言われて初めて自分の気持ちの中が軽くなったというような、泣きながら話されたことも記憶にあるところであります。
 是非、非正規雇用とかで働かざるを得なかったりしたことが自己や人生否定につながって苦しんできたという就職氷河期世代に対して、社会全体で励ます機運というものをつくっていただきたいと思いますが、この言葉に、大臣、込められたことをまずおっしゃっていただければと思います。

#140
○国務大臣(田村憲久君) 就職氷河期世代とよく言われ方しますけれども、本当に経済の状況、雇用環境が厳しくて就職ができなかった、本当にその状況の中で就職できなかったという方がたくさんおられるんですね。その方々が、今言われたように自己否定をされたり、いろんな形で悩まれて、事実、今も安定していない形で働かれていたりでありますとか、更に申し上げれば、働いておられない方々もおられる、場合によっては引きこもりというような形でなかなか社会へ参加できない方々もおられるということ、これ大変な問題というか大きな課題だと思っています。これ、御家族や御本人というか、社会的なやはり問題、課題として捉えていかなきゃならないと。
 そこで、産業界、それから労働界でありますとか、あと社会福祉の関係団体、もちろん家族団体でありますとか、御本人の、当事者の団体といいますか集まり、そういうところとプラットフォームみたいなものをつくって、そこで例えばどういうニード、ニーズ、要望があるのか、どういう課題があるのか、そういうこともしっかりとお聞きをさせていただき、みんなが共有をしながら、その上でいろんな支援につなげていこうというようなこと。
 そういう意味では、一つは、機運を高めるという意味では、例えばネットを通じていろんな情報発信をしていこうということで、サイトの方でそういうような方々の相談に乗るようないろんな場所のアクセスといいますか、そういうことを載せたりでありますとか、事例等々も載せさせていただいたりでありますとか、また、これもヤフーニュースでありますけれども、そういう方々を採用されておられる企業、こういうもののニュース、こういうものを載せさせていただいたりとか、いろんなことをやらせていただいております。
 改めて、やはりみんなでこの問題を解決していくために、就職氷河期世代の方々をしっかりと企業も雇っていただける、またそういう方々に対してもいろんな教育訓練等々いろんな場があるということも含めてお知らせをさせていただきながら、更に申し上げれば、これちょうど今、第二代、第二といいますか、就職氷河期の第二世代みたいなものが生まれるのではないかというような大変な御心配をいただいております、コロナ禍の下において。こういう心配もございますので、先般、四大臣で経済団体とお会いをさせていただきまして、是非ともこの今年度の就職、今やっておられるわけでありますけれども、もう就職氷河期をつくらないように採用いただきたい。
 あわせて、既卒三年、この方々、そもそも今までも指針等々で新卒扱いをしてくださいというお願いをさせてきていただいておるわけでありまして、そこも改めて、仮に今回、まずは全力でこの四月に向かって就職の応援をしてまいりますが、それがもしかなわなくても、その後、次のときに新卒として扱っていただいてしっかりと就職につなげていくように、今までの就職氷河期世代の方々の支援と同時に、またこういうことを繰り返さないような努力もしっかりと進めてまいりたいというふうに考えております。

#141
○矢倉克夫君 先日、NHKのテレビで「こもりびと」というドラマがありまして、松山ケンイチさんが主役されていて、自分の中でも外に出たい、そのために頑張っているんだけど、自分とか周囲が与える期待と現実とのギャップで出られなくなった、そういう中にあって、厳格だった親が最終的には、例えばおはようとか、存在を認めた上で話していく、そういうたわいのない言葉から雰囲気が変わっていったという。そういう部分もいろいろ示唆に富むようなドラマもありました。
 そういういろんな状況にある方に、一人一人に寄り添うような環境をつくっていく。その中で、山本副大臣にもちょっとお伺いしたいと思うんですが、所信で大臣が言及されていた、就職氷河期世代に働くことや社会参加への支援というふうに書かれておりました。これもこの社会参加に向けた支援というふうに、必要とされている方に対しての支援だと思いますが、これを今コロナの状況でなかなか会いにいけない環境でいかに寄り添う環境をつくっていくのか、御答弁いただければと思います。

#142
○副大臣(山本博司君) 就職氷河期世代の中、特に引きこもり状態にある方への支援につきましては、厚労省では従前から都道府県や指定都市、ひきこもり地域支援センターの設置を進めてきたほか、より身近な場所においても、市町村における相談窓口の明確化や居場所づくり、これを環境整備を進めてきたわけでございます。
 これに加えまして、先ほど大臣お話ししました就職氷河期世代支援プランに基づきまして、アウトリーチ機能の強化のための訪問相談を行う人を自立相談支援機関に配置したり、支援の核となる関係機関が連携した市町村プラットフォームを設置するなど、取組を更に加速化したわけでございます。また、コロナ感染症の影響を受けまして、地域の実践では、対面での支援に加えまして、ビデオ通話やSNS等の活用したオンラインでの居場所づくり、こうしたことで感染防止の、感染拡大防止に配慮した取組も行われております。
 厚労省では、これらの取組が更に広がるように、令和三年度の予算概算要求におきまして、引きこもり当事者等によるSNSや電話等のオンラインを活用した支援に必要な経費を計上している次第でございます。
 その上で、これらの取組を始め、引きこもり状態にある方やその家族への支援に当たっては、それぞれ異なる経緯や事情を抱えておられることにつきまして、社会全体の理解を深めることで支援を必要とする方が相談しやすい環境づくりを進めるとともに、生きづらさと孤立の中で日々葛藤していることに思いを寄せながら、時間を掛けて寄り添う必要があると考える次第でございます。ですので、就労だけを唯一のゴールとせず、コロナの状況の踏まえた様々な支援の選択肢を用意した上で、引き続き取り組んでまいります。

#143
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 最後に、大臣、済みません、質疑、ちょっと質問する予定でありましたが、時間も参りましたので、意見だけ最後申し上げさせていただきたいと思います。
 私、最初の、今回の国会の最初の質問で産後サポートの関係でお訴えしたことは、ある方から言われた言葉が、不妊治療の拡大とかで子供をつくりたいというその思いにまず寄り添う、それと同じぐらい大事なのが、実際子供いらっしゃる世帯が、子供がいて良かったと、そしてまた、また更に子供が増えればいいなと思うような思いを支えるという、そういう大事さがあるという話で、何としてもこの現役世代の子育て世代、今負担もどんどん増えておりますから、それをしっかり支えていくという姿勢を是非堅持をしていただきたいなと。
 その意味でも、少子化対策というメッセージがぶれない形でお願いしたいと思っており、待機児童の解消の財源として例えば児童手当の見直しというふうになるとメッセージがごっちゃになってしまうというような懸念もあります。是非、ほかのところから、政府全体で財源を取って、しっかりと子育て支援を国がやっているんだという姿勢を堅持していただきたい、これは要望を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。

#144
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 コロナの感染状況が非常に逼迫してきました。特に重症患者数がやっぱり増えてきたということで、重症患者を受け入れる病院がやっぱり非常に厳しい状況になってきております。これはもう東京も大阪もそうでありまして、是非とも、この国会もあしたが閉会日ということでありますが、延長を求める声もありますのでまだ分かりませんが、もし閉会になったとしても、この厚生労働委員会の閉会中審査を是非お願いしたいというふうに思います。
 今日は、ちょっと順番を入れ替えさせていただきまして、先にコロナ関連のことから質問させていただきたいと思います。今日は内閣府の方からも来ていただいておりますので、その質問が終わりましたら、次の話題に行きましたら、もう即帰っていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、コロナ関連のことについてまず質問させていただきます。
 新型コロナの感染拡大が今年ありまして、非常に三月以降、五月以降ですかね、マスク、防護服、これが非常になくなってきたということでありました。今年の夏頃まではマスクを買おうと思ってもなかなか買えない。政府の方でも五月にマスクを、布マスクを配布するというふうなことを決めましたけれども、もう非常に時間が掛かってしまって、届いた頃にはもう遅かったというようなこともありました。
 そんな中で、マスクや防護服というのは、やっぱりこういった医療に関わるものは国内で生産すべきだということをこの委員会の中でもさんざん議論がありました。今、国内でマスクとか防護服の工場を造るときには補助金を出してでも造っていく。これは経産省の方でやっている事業でありますが、そういった形でマスクとか防護服の工場を造っていっております。
 ただ、今はマスクが、これ第三波と言われておりますけれども、マスクが不足しているという状況は今のところ聞きませんが、またこれからあるかもしれません。ただし、コロナが収まってくると、今度、マスクとか防護服、この行き場所がなくなっていくんではないのかなというふうに思うわけでありますが、この点についてどのように対処していこうと考えているのか、お伺いしたいと思います。

#145
○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 マスクなどの個人防護具の供給につきましては、海外からの輸入に依存しているものが多く、輸入の停滞でございますとか感染予防のための国内需要増加などにより需給が逼迫したところでございます。各物資の需給の逼迫を受けまして、先ほど議員もおっしゃいましたけれども、経済産業省とともに、国内企業への増産要請、あるいは補助金による増産支援を行ってきたところでございまして、メーカーなどの皆様の御協力により国内での生産能力が増加してきていると承知をいたしております。
 今回、輸入依存等が国内供給不安をもたらしたことも踏まえますと、大流行の感染症、あっ、失礼しました、大規模感染症の流行に備えるため、足下の需要が落ち着いた場合におきましても個人防護具について必要な国内生産体制を維持していく必要があるというふうに考えております。
 新型コロナウイルスの流行が収束した後の需要の見通しにつきましては、流行前に比べて医療現場向けや一般向けの個人防護具の需要が増加することも考えられるほか、大規模感染症の流行などに備えるために備蓄している個人防護具の更新についても収束後の需要に含まれることになります。
 具体的な生産につきましては、各メーカーさん各社が需要の見通しに基づいて対応することになりますけれども、国内全体の需給については、経済産業省とも連携をいたしまして、今後、各物資の市場における需給の状況を継続的に把握をしながら必要な対応を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

#146
○東徹君 今、防護具のお話が中心にありましたけれども、これは防護服、国内で生産していって、これはもう続けていってもらうということでありましたけれども、これ、余ってきたやつ、使わないやつ、これが大量に増えてきたときはどうされるんですか。

#147
○政府参考人(迫井正深君) 先ほど申し上げましたけれども、国内の需給状況につきましては、今後コロナが収束いたしました後にどういうふうに動いていくのかということをよくよく状況を把握する必要がございます。
 基本的には、国内需給のその状況の中には我々が備蓄をするものについても更新をしていく必要がありますので、その更新分についての考慮もしながら、一方で、これ民間市場によるものでございますので、その辺りの状況を把握をしながら、繰り返しになりますけれども、必要な対応についてその都度考えてまいりたいというふうに考えてございます。

#148
○東徹君 要するに、これがどんどんどんどん増えてくると、それをどうするかというのは考えていないという、これから考えますということだと思うんですね。
 私は、これ、厚生労働省もWHOに現金で寄附していますよね、大きな金額を、五十億とかそれぐらいの金額だったと思うんですけれども。私は、WHOに寄附するのも現金で寄附するのでなくて、こういったマスクとか防護服、こういったものを物でやっぱり寄附をして、そして海外のそういった防護服を必要としているところ、そういったところに届けてもらう、そういうことを是非お願いしたいと思いますので、厚生労働大臣、是非御検討いただきたいというふうに思います。
 続きまして、ちょっと飛ばしまして、政府の新型コロナ対策の、感染症対策の分科会のことについてお伺いをしたいと思います。
 分科会から出された十一月二十五日のあの提言でございますが、その十一月二十五日の提言には、自衛隊の活用も含めて全国的な支援を早急に検討するというふうにあります。自衛隊がいつからどのような役割を果たしていくということを想定しているのか、是非お伺いさせていただきたいというふうに思います。

#149
○国務大臣(田村憲久君) 自衛隊のお話いただいたわけではありますけれども、自衛隊自体今までも、例えば自衛隊中央病院等々で患者の受入れ等々をしていただいたりでありますとか、また、自治体の職員に対して感染防護に係る教育訓練、さらには、いろんな形で、自衛隊の持たれているいろんな知見をいろんな形で、教育といいますか、お教えをいただいてきているわけであります。
 分科会から御指摘のあったのは、新型コロナウイルス患者の搬送でありますとか、特に必要がある場合は看護官でありますとか准看護師の病院への派遣等、これについても都道府県知事から災害派遣要請に基づき実施していただいているところでありまして、厚生労働省といたしましては、引き続き自衛隊とも連携をしながら、必要な準備しっかりとしてまいりたいというふうに考えております。

#150
○東徹君 厚生労働省の方で自衛隊と調整をして、そして看護師さんとか、お医者さんもですかね、そういった方々を現場に派遣をしていっていただいているということでございますね。はい、分かりました。
 提言が出された十一月二十五日からのその三週間の対策の効果、この三週間が勝負の三週間というふうに言われておりますけれども、その対策の効果を政府の分科会と厚生労働省のアドバイザリーボードの脇田座長の方で評価をされて、効果が不十分であれば更なる対策を行う必要があるというふうに提言書の方には書かれております。
 まず、国民にとって三週間後にどうなるのかという不安もこれありますが、やっぱりどのような状況になれば更なる対策が必要となるのか、まずこの点についてお伺いをさせていただきたいと思います。そういった是非数字でお示しいただけると大変分かりやすいのかなと思います。

#151
○政府参考人(梶尾雅宏君) お答え申し上げます。
 現在、感染が拡大をしている地域では、都道府県と緊密に連携をしながら、酒類を提供する飲食店におけます営業時間の短縮要請などの強い措置を実施しているところでございます。
 御指摘のとおり、十一月二十五日の分科会からの提言には、この三週間の対策の効果を新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード及び分科会で評価をして、万が一効果が不十分であった場合には更なる対策を行う必要があるというふうに記載されてございます。
 したがいまして、評価を行います分科会等におきましては、その時点におけます直近の医療提供体制の状況あるいは感染の状況などを踏まえまして、専門的な視点に基づいて、その時点における必要な対策についての議論がなされるということになるんだろうというふうに考えてございます。

#152
○東徹君 なかなか数字ではお示ししにくいんだろうというふうに思いますが、そういう医療提供体制の状況、そういったところが一番大事なんだろうというふうには思っておりますが。
 その分科会が必要とされる更なる対策、更なる対策というのは一体何なのか、この点についてお伺いをさせていただきたいと思います。

#153
○政府参考人(梶尾雅宏君) お答え申し上げます。
 実際はその時点における必要な対策を検討するということになるんだと思っておりますけれども、十一月二十五日の分科会の提言におきましても、対策が必要となる地域におきます対策の例としまして、営業時間の短縮要請を始めとする幾つかの強い措置というのが例示をされておりますし、また、ステージについての考え方を当時示しました八月の分科会の提言におきましても、ステージ三というときに取り組むことを検討していただきたい事項ということで幾つか示されているようなところでございます。
 こうしたものが想定されるのかなとは思いますけれども、いずれにしましても、分科会におきまして、医療提供体制の状況あるいは感染の状況などを踏まえて、その時点において必要な対策というのが検討されることになるだろうというふうに考えてございます。

#154
○東徹君 この時点でそんな答弁で納得しますかね。やっぱり具体的にもうちょっと更なる対策というものを、こういったこと、こういったこと、こういったことを考えておりますとかですね、やっぱりそういった具体的なことが言えないと、不安なまま皆さんなるんじゃないのかなというふうに思いますね。
 是非、これ以上厳しくなったときにはこういった対策も考えておりますとかですね、まあ今、時短の短縮をやっているのは、これ分かっているわけですから、更なる対策についてもう少し具体的なお話を是非していただきたいと思いますので、もう一度お願いいたします。

#155
○政府参考人(梶尾雅宏君) 現在は、十一月二十五日の分科会の提言におきましても営業時間短縮要請などの措置をということがありましたけれども、八月のときの事例、八月七日のときの提言の中でも、ステージ三ということになった場合の取り組むべき事項としまして、今のその休業要請等のほかに、イベントの話、あるいは人が集中する観光地の施設等における入場制限等々、様々な対策の検討すべき例というのがございます。こういったものを参考にしながら検討していくということになるんじゃなかろうかというふうに考えてございます。

#156
○東徹君 是非もう少し具体的にお話ししていただけると国民も安心ができるというふうに思いますので、こういった効果があると、こういったことがやれば効果が出てくるとか、そういった対策を是非またお示しをいただきたいというふうに思います。
 もうこの点につきましてはもうこれで終わらせていただきますので、どうぞ戻っていただいて結構でございますので、よろしくお願いいたします。

#157
○委員長(小川克巳君) 梶尾内閣審議官は御退席いただいて結構でございます。

#158
○東徹君 そうしたら、今度、レセプト、支払審査機関のことについてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 国民医療費も、先日報道で出ていましたけれども、四十三・三兆円ということですね。過去最高ということであります。これはもう高齢化の進展とか医療の高度化、こういったものが影響してきたということでありますが、恐らくこれからもこういった高齢化の進展というのは続いていくわけですから、こういった医療費がまだまだ増えていくんだろうというふうには思います。だからこそ、いろいろと工夫をしてできるだけ減らせるところは減らしていく、経費の減らせるところは減らしていくということが大変大事だというふうに考えております。
 その中で、診療報酬の支払機関のことについて質問させていただきたいと思います。
 これ、御存じのように、社会保険診療報酬支払基金というのと、それから国保の国保連合会という二つの審査機関があります。社会保険診療報酬支払基金、社会保険、会社等で働いている人たちが医者行った、病院行ったときに、医者にかかって、そのレセプトがこの社会保険診療報酬支払基金の方に行って計算をされるわけでありますが、その社会保険診療報酬支払基金の職員の数は四千二百八十人、審査委員が四千六百八十人、平成三十年の予算が八百八億円、レセプト一件当たりの手数料が六十四・三〇円というふうになっています。
 一方、国保連合会の方は、国保連合会の職員数二千四百五十六人、審査委員三千七百九十六人です。レセプト一件当たりの手数料単価は五十四・四五円ということになっております。
 それでなんですけれども、支払基金、まず支払基金の方からお聞きをしたいというふうに思いますが、支払基金のレセプト審査に関して、各支部でですね、各支部でコンピューターでチェックするときに、支部独自のルールがあるということなんですね。ローカルルールみたいなものだと思うんですが、それが平成二十九年には十四万ルールあったということでした。昨年五月七日の委員会でこれ質問させていただいたときには、昨年の九月までに二万ルールまで減らしたいというふうな御答弁でありました。今現状どのようになっているのか、まずお伺いをさせていただきたいというふうに思います。

#159
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 御指摘の支払基金支部の独自のチェックルールにつきましては、支払基金の審査支払の新システムが稼働いたします令和三年九月までに原則として全て本部に集約又は廃止することとしております。
 現状でございますけれども、平成三十年九月時点で約七万件でありました独自ルールが、令和二年九月時点、直近でございますけれども、約一・三万件まで減少しております。

#160
○東徹君 令和二年九月で一・三万件までこれを減らしてきたということでありますが、この一・三万件、まだ一・三万件残っているわけですね。これ、ゼロにするのはいつ頃めどにされるのか、お伺いしたいと思います。

#161
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 先ほど御答弁申し上げたのと同じですけれども、令和三年九月に支払基金の審査支払新システムが稼働予定でございますけれども、この令和三年九月までに原則として全て本部に集約又は廃止することとしております。

#162
○東徹君 じゃ、予定どおり令和三年九月までにゼロにしていくと、廃止するということでございますね。
 続いて、国保連の方に移らせていただきますが、国保連のレセプトの審査基準について、各都道府県でコンピューターチェックの項目として採用しているんですけれども、これが異なっているということで会計検査院からの指摘もありました。その指摘を受けて、厚生労働省の方では、実態を把握してコンピューターチェックの項目を統一していくということをされたというふうに聞いております。これ、昨年五月にもそういうふうに答弁をしていただいておりました。
 項目が違うと、各都道府県で審査がこればらばらなわけですね。同じ医療行為をしているのに各都道府県で審査がばらばら、これがもう本当に非常におかしな話であるわけでありまして、これを是非統一していかないといけないというふうに思うわけでありますが、これまでどれぐらい統一できたのか、お伺いしたいと思います。

#163
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 今御指摘ございましたけれども、昨年三月十九日に会計検査院から国保連におけるコンピューターチェックを活用したレセプト審査につきまして不適切な事例の指摘を受けました。この原因でございますけれども、厚生労働省におきましてコンピューターチェック項目等の把握をしていないことなどが発生原因であるという旨の指摘を受けております。
 この指摘を受けまして調査を行った結果でございますけれども、会計検査院の指摘対象となりました医学的判断を伴わないコンピューターチェック項目につきましては、会計検査院が検査した平成三十年四月当時、五千百三十六項目ありましたコンピューターチェック項目のうち、検査対象となりました二十五国保連では、共通使用されていたコンピューターチェック項目は七百七十項目、一四・九%にとどまっておりました。
 現状でございますけれども、令和二年八月現在では、六千四百十項目ある医学的判断を伴わないコンピューターチェック項目の全てが全ての国保連で共通に使用されております。

#164
○東徹君 現在は全て共通になっておるということですね。
 続けてなんですけれども、国保連だけでなく、もう一つの審査支払機関である支払基金、社会保険診療報酬支払基金ですけれども、各都道府県で審査基準がばらばらで、これを統一しようとしていますけれども、これなかなか進んでいないわけであります。全国で一つの診療報酬制度の下で各都道府県の審査がばらばらというのは、これは非常におかしいわけであります。
 国保連とかそれから支払基金の内部のルールを統一化して、早急に国保連と支払基金、ここは統一できると思うんですね、一つの機関として。これ、やっぱりやっている仕事が同じなわけですよ、ここの審査の支払のところはですね。だから、やっぱりここを統一すればより効率的にできるというふうに思っておりまして、そうすることによって審査も早くできますし、そしてこれからデジタル化の社会ですから、そういったものでどんどんやっぱり早くしていって、そして職員の数もこれ減らすこともできると思うんですね、将来的に。
 だから、是非これをやるべきというふうに考えますが、これ田村厚生労働大臣、是非お考えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#165
○国務大臣(田村憲久君) 支払基金と国保連でありますけれども、今もお話いろいろとありましたけれども、コンピューターのチェック設定でありますとか、また審査の判断基準、これ今それぞれ統一を、それぞれの中で統一をしているということを今いろいろと説明があったと思います。
 それに関しては、平成三十年三月、医学的な判断を伴わないもの、これコンピューターチェックにおいて支払基金と国保連が公開をいたしておりまして、その内容、両者整合性のあるもの、違うものだとやはり今委員が言われたみたいにいろんなぶれが出てきますので、整合性のあるもの、このようなものとしておりますし、その他のものですね、言うなれば医学的判断が伴うもの、これに関しても公開の可能性について検討をしていただいているところであります。
 まずは、それぞれの審査の判断基準の統一化を進めていただくということが重要でありまして、統一化が図れた事例をそれぞれ他の機関の方にそれを情報提供、これを随時していただいて、審査基準の統一化、これを進めていくということ。そして、その中でもやっぱりちょっと違うものがありますから、そういうものはどうするかというのは審査基準統一化推進連絡会議というものをつくっていただいて、ここで順次検討を進めていただく仕組みをつくっていただいております。
 こういうことをしながら、審査基準の統一化というものは、これは今それぞれの機関がやっていただいていますので、それを我々としてはしっかりと支援をしてまいりたいというふうに考えております。

#166
○東徹君 審査基準の統一化、これは当然大事なことでありまして、これ基準がばらばらな方がおかしいわけであります。
 先ほど田村大臣が言われていた連絡会議、国保連と支払基金とですね、統一化を図っていくためにこれ連絡会議をやっているというふうにおっしゃられましたけれども、最後にやったのいつですか。

#167
○政府参考人(浜谷浩樹君) 御指摘の連絡会議でございますけれども、第一回連絡会議を令和元年九月三十日に開催いたしました。それ以降でございますけれども、結論として開催いたしておりませんけれども、これは両機関におきましてそれぞれ統一した事例について情報提供し合いながら統一化の検討も進めてきておりまして、協議が必要な事例が一定程度たまってきた段階で連絡会議を開催すると、こういう運用になっておりまして開催しておりません。
 ただ、年度内には連絡会議を開催いたしまして、対象となる事例につきまして統一化を行う予定でございます。

#168
○東徹君 だから、やっぱりスピードが遅いんですね。前回やったのが昨年の九月なんです。もう一年以上たっているのにまだ二回目が行われていない。そんなことで統一化なんて、なかなかそれは進みませんよ。
 是非、これ三か月に一回とかそれぐらいのペースでやらないとやっぱり物事進んでいかないというふうに思いますので、田村大臣、そこはきちっと御指導いただいて、年に三回ぐらい、三か月に一回ぐらい、年四回ぐらいやるように、それ御指導いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#169
○国務大臣(田村憲久君) 必要があるときには随時開いていただくようには、これはお願いをさせていただきたいというふうに思います。

#170
○東徹君 これは非常に、やっぱり医療費の問題ですから、やっぱりこれから医療費が二〇四〇年へ向けてまだまだこれは掛かっていくわけですよね。どうやって患者の負担を抑えながらも医療費全体を抑えていくのかという大変大事なテーマだというふうに思っておりまして、こういったデジタル化を進めていこうという時代なわけですから、是非そういったところを進めていただいて、できるだけそういった経費にお金が掛からないような形を是非つくっていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わりにします。ありがとうございました。

#171
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会会派、田村まみでございます。今日はよろしくお願いします。
 まず最初に、予防接種法の改正は終わりましたけれども、私も多少、そのワクチン接種の有害事象、事故等に関わる内部通報と公益通報者保護法についてということでお伺いしたいこと、お伺いそして要望がございます。
 まず最初に、済みません、今日、消費者庁の方から来ていただきました。さきの通常国会で可決された公益通報者保護法について御説明いただきたいです。
 現状の企業、組織への内部通報体制の制度の導入状況や、特に企業別、そして、通常国会で改正された体制整備についての内容と施行予定日の方、お願いします。

#172
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 さきの通常国会で成立し、本年六月十二日に公布されました公益通報者保護法の一部を改正する法律においては、従業員数三百人を超える事業者に対して、事業者内部への公益通報に適切に対応するために必要な体制を整備する義務が課されたところでございます。
 この点に関しまして、消費者庁が平成二十八年度に民間事業者を対象に実施した調査の結果によりますと、通報窓口を設置するなど内部通報体制制度を導入していると回答した事業者は、従業員数千人を超える事業者に限りますと九割以上でございましたが、三百一人から千人までの事業者では約七割程度でございました。他方、体制整備の努力義務が掛かる中小企業について見てみますと、従業員数百一人から三百人までの事業者については四割程度となっているなど、内部通報体制の導入率は比較的低い状況にございます。
 改正法の施行日につきましては、公布の日から起算して二年を超えない範囲内とされており、事業者においては、必要な体制の内容について策定される指針を踏まえて現行の体制を見直すなど相応の準備期間を確保する必要があることから、事業者における準備状況等を踏まえながら判断してまいりたいと思います。

#173
○田村まみ君 ありがとうございます。
 実は今日この質問をしたのは、海外メーカーの開発のワクチンが承認された場合は海外メーカーへの適用ができないのは承知しているんですけれども、しかし、体制整備の部分でいけば、多くの保管や流通や接種の現場に携わる人々は国内企業の中で働くような人たちです。また、もしかしたら国内での製造が、ワクチン製造がされることも否定できるものではないというふうに考えております。
 十一月二十六日の参考人聴取のところで、隈本参考人の課題提起の中で、ワクチン品質に関わる問題の発覚が内部告発の文書だったという一つの事例がありました。
 予防接種法の議論の際には、ワクチンの安全性について多くの議論がありましたし、私自身も副反応疑いを幅広く集めることについて幾つか提案させていただきました。
 しかし、接種までの部分は私たちには分かりません。新型コロナウイルス感染症に関わるワクチン接種に関わる事業者等には内部通報体制整備が十分に行われているということは、現行法ではもちろんなんですけれども、先ほどあったとおり、改正法の施行があってやっと三百人以上の企業への義務付けになっていきます。ですので、国が損失補償費用を負担するとか接種費用を負担するとか、国の費用負担がある部分を考えたときに、内部通報体制整備があるということを契約先の条件とすべきだというふうに市町村へ指示すべきだというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

#174
○委員長(小川克巳君) 坂田審議官は御退席いただいて結構でございます。

#175
○政府参考人(正林督章君) お答えします。
 新型コロナワクチンについては、厚生労働大臣の指示の下、都道府県の協力により市町村において接種を実施することとなりますが、メーカーからの委託を受けた卸売業者がワクチンの保管、輸送などを担うほか、市町村から委託を受けた医療機関が接種を実施するなど、多くの事業者が関わることになります。
 一方、公益通報者保護法は、公益のために通報した労働者を保護し、国民の生命、身体等の利益を保護するために制定されたものであり、同法に基づくガイドラインにおいて内部通報制度の整備やそれを適切に運用することが求められており、これは今回のワクチン接種に関わる事業者にも適用されるものと承知しております。
 今後、具体的な接種体制、流通体制の構築については検討を進め、自治体等に対し、その考え方や準備いただきたい事項をお示ししていくこととなりますが、委託先における内部通報体制の整備についてもその中で例示するなど、しっかりと周知してまいりたいと考えております。

#176
○田村まみ君 ありがとうございます。
 周知はされる、ガイドラインがあるという話なんですけれども、先ほど申し上げたとおり、今回の改正法の施行は約二年後だというふうに予定がされています。昨日の消費者委員会でも実は私確認したんですけど、なかなか二年より縮まるみたいな答えがなかったです。
 ということは、先ほど言ったとおり、今ガイドラインで現行法の中でできる限りのことはやっているけれども、義務化されていないのでというところで、まだ先ほど言った中小企業の整備体制でいけば四割を超えないところにあるということを御認識いただいて、是非、地域に行けば行くほど小さな事業者の方にも関わってもらう可能性は出てきますので、その辺りをまたしっかりチェックしていただくことで、私たちの接種後の副反応疑いの報告を集めるもそうなんですが、その手前での何か事故だったりとか重大事項がありそうな可能性を予見できるのはやはりそこに携わっている人たちだと思いますので、是非よろしくお願いします。
 じゃ、二問目の方参ります。
 薬価中間年改定についてなんですけれども、前回も質問させていただいて本当にしつこいというふうに思われるかもしれませんが、まさしく、先ほども医療費の、国の医療費の膨れ上がっていくというところの中で、別にこの大きくなることが悪いことではないんですけれども、適正に、そして国民の皆様にきちっと説明できる内容になっていくことが私は重要だというふうに思っております。
 今日、配付資料一枚付けさせていただきました。
 上段の資料一の方を御覧ください。
 単品単価取引の状況について、このグラフとして数字が出ていますけれども、これについて厚労省の受け止めの御説明いただきたいと思います。

#177
○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 単品単価取引とは、その個々の医療用医薬品の価値を踏まえて品目ごとに価格を決定した取引ということでございまして、医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドラインで推奨しておる取引でございます。
 御指摘のアンケートの状況、御指摘のその資料等の状況でございますけれども、直近の二〇二〇年度上期の状況につきまして、これ十一月二十四日開催の医療用医薬品の流通改善に関する懇談会において報告した内容でございますけれども、この二〇二〇年度上期、これは四月から九月においての割合でございますけれども、二百床以上の病院につきましては八三・三%、二十店舗以上の調剤薬局チェーン、これが九五・二でございました。前年度の上期はそれぞれ八一・四%、九七・〇%でございまして、二〇一八年度以降はほぼ同水準で推移をいたしております。
 今回については、新型コロナウイルス感染症による影響も想定されたところではございますけれども、取引率がほぼ同水準に維持した結果となってございます。

#178
○田村まみ君 ありがとうございます。前年度と同水準とのことでした。
 あわせて、昨日行われた中医協にて提示された薬価調査の結果の速報値は付けていませんけれども、例年並みと読める数字が示されたというふうに承知しております。
 しかし、現場の受け止めというと、お手元の今配った資料の下段の資料二の方見ていただくと、これ日本医薬品卸売連合会から提出されたものなんですけれども、要は卸の現場の皆さんの状況を聞き取ったアンケートの結果です。
 これでは、新型コロナウイルス感染下にあっても配送業務を優先したり取組を行うなど、流通改善に積極的に取り組める状況ではなかったというふうにありまして、数値も実際にそうやって示してありますし、その取り組める状況を遵守できなかったというところの内容も中段に挙げられています。
 あわせて、これ資料も付けていないんですけれども、同じアンケートの中の別のページには、上場大手の卸六社の四から九の経済状況でも、売上げではなくて営業利益率の方を私見ました。それが〇・三%となっておりました、例年一%前後のものが。
 売上げが減るということは、コロナ禍の中で多少受診抑制等々があったということであり得るかもしれませんが、営業利益率が例年一%前後のものが〇・三になっており、本年度の上期の価格交渉において医療機関への経営状況などの配慮をしたというアンケートの答えも六〇%ほど配慮したというようなところで出ておりました。
 厚生労働省が提示された、今ほど説明されたような、まあ一例なんですけれども、その例年と変わらなかったというところと、現場から集まってきたこのアンケート結果の数字が大きく相違しているように私は見えるんですけれども、この点についての御見解をお願いします。

#179
○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 御指摘のアンケート、これ数字も出ておりますけれども、ガイドラインの遵守状況につきまして、六五%ができなかった又は余り遵守できなかったとの回答でございます。
 受け止めでございますけれども、記載ございますけれども、具体的な内容といたしまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から価格交渉の期間あるいは回数が例年よりも減少しましたことによりまして、個々の医薬品の価値を踏まえた価格交渉や覚書の締結ができていないという認識がありますと。平時とは異なり、流通改善ガイドラインの遵守に積極的に取り組める状況ではない中で行われたものであるというふうな認識、回答があったところでございます。
 先ほども触れておられますけれども、単品単価取引のその取引率については前年度と同様の水準は確保されたという結果ではございますけれども、今御紹介しましたとおり、医薬品卸からは、十分な価格交渉の期間が時間が取れない中で、丁寧な交渉に基づく価格形成という点では課題があったというふうな認識だというふうに伺ってございます。

#180
○田村まみ君 私自身は毎年改定には反対しておりませんし、最初に申し上げたとおり、日本のこの皆保険を持続可能なものにするために、こういう一つ一つのことを見極めながら国民に伝えられる制度や商慣習にしていくべきだというふうに考えているという点で御指摘させていただいております。
 この資料が出るまでに、私は実は現場の卸とかメーカーの労働者の皆さんから直接声を聞いていて、今回の流改懇で出された厚労省からの資料等々を見て、正直本当のことを私に言っていたのというふうに改めて実は現場の人に聞き直したぐらい、なぜこんな数字になったんだろうと私も感想として驚いたわけなんですよね。
 ですので、是非、この相違がなぜ起きているのかということを、大臣、調査して、そして、従来から申し上げているとおり、骨太の方針に基づき、本当にコロナ感染拡大の影響があるということが分かったり、この影響を今の現場の受け止めも含めて鑑みて、非常の事態だなということを受け止め対応して、改定を見送るという決断をしていただきたいんですが、いかがでしょうか。

#181
○国務大臣(田村憲久君) 二〇二一年度の薬価改定は、これ二〇二〇年度の骨太の方針において、骨太方針二〇一八年等の内容に新型コロナウイルス感染症による影響も勘案して十分に検討し決定すると、新型コロナウイルス感染症による影響も勘案してということの文言が入っております。
 昨日の中医協で、本年の薬価改定、薬価調査の結果、これ今報告がありましたけれども、これをこの報告に基づいて議論を進めているところであります。
 ここにも、骨太の基本方針二〇二〇にも書いてありますとおり、まさに新型コロナウイルス、もちろん薬価調査の結果というものは、これは踏まえなきゃいけませんが、その上で、新型コロナウイルス感染症の影響も勘案してということで十分に検討し決定するということでございますから、このプロセスをしっかりと踏んでまいりたいというふうに思っております。

#182
○田村まみ君 ありがとうございます。数字を見たままですぐ判断するのではなく、今言ったような相違があるのではないかというようなところも是非調査していただき、それに反映させていただきたいというふうに思います。
 そしてもう一点、セルフメディケーション税制について伺います。
 これもなかなかお答えはできませんとか今財務省との調整中ですという話になるとは思うんですけれども、今の現状がどんなふうになっているか、一部報道等によると難しいんじゃないか、財務省がなかなかこれオーケーしてくれないみたいなことがちょろっと聞こえてくるので、いかがなんでしょうか。

#183
○政府参考人(迫井正深君) お答え申し上げます。
 セルフメディケーションでございますけれども、これは、自分自身の健康に責任を持って、軽度な身体の不調は自分で手当てをするというものでございまして、国民の健康増進をさせ、限りある医療資源を有効活用する観点から極めて重要であると考えてございます。これは、今後の高齢社会の高齢者人口の急増でございますとか二〇二五年以降の労働力人口の減少等を見据えて今後更なる推進を図っていく、そういう前提で取り組ませていただいているものでございます。
 そのセルフメディケーション、これを推進をするために二〇一七年に新設をいたしましたセルフメディケーション税制、これは、先ほど議員御指摘のとおりでございますけれども、各種健診や予防接種を受けている人がスイッチOTC医薬品を購入した場合に所得控除を受けられる制度でございます。
 この本制度でございますけれども、二〇二一年十二月末までの時限措置となっておりまして、厚生労働省といたしましては、セルフメディケーションの更なる推進、それからこの本税制の十分な効果検証のために、五年間の延長を要望しているところでございます。
 要望内容につきまして、これは与党税制の調査会で審議中でありまして、引き続きこの税制改正プロセスにおいてしっかり調整してまいりたいというふうに考えてございます。

#184
○田村まみ君 なかなか今のこの枠組みの中でというのは難しいと思っているんですけれども、私の主張は、全てのOTCにというのが、そして恒久化ということが私の主張でございます。
 というのも、やはり周りの地域の皆さんの健康要望に対して貢献したいと思っている薬剤師の方々は、やっぱりそのお薬を相談に乗って紹介しようと思ったときに、これは税制対象だけどこれは違うというところは、やっぱりお客様の好みもある、そういうところもあったりとかしてやっぱり使いづらいということ。そして、販売する側も陳列をいかに分かりやすくするかと思うんだけれども、やはり風邪薬のコーナーは風邪薬のコーナー、目薬のコーナーは目薬のコーナーとなってしまうので、それだけを集めるのは難しいと。もう数々聞いていらっしゃると思います。
 それを思えば、やはり本来のそのセルフメディケーションという意味を考えたときには、厚労省として、今回は必ず今提案されているところを通していただくとともに、今後、是非、恒久化も含めてなんですけれども、このセルフメディケーション税制、広く一般薬にも私、拡大するということ、そのことについて、一点、大臣、お考えをお伺いしたいと思います。

#185
○国務大臣(田村憲久君) 今話がありましたとおり、スイッチOTCを対象にしているということでありますので、今分かりづらいという話がありましたが、場合によっては同じブランド名でも対象になるものならないものが出てくるわけで、そういう意味では、現場では大変説明しづらいだろうなというふうに思います。
 セルフメディケーション税制、まさにセルフメディケーションを進めて自らの健康を管理いただくというような意味でこれ我々も進めているわけでありまして、スイッチOTCのみならず、OTCですね、治療等々に使うものに関しては、これは我々としても今回幅を広げていきたいということで今税制要望をさせていただいているわけでありまして、今当局の方と、税務当局の方といろんな議論をさせていただいております。しっかり我々の要望が通るように努力してまいりたいというふうに思います。

#186
○田村まみ君 なかなか通りづらいというのも、もう一つは、使っている人が少ないからやめてもいいんじゃないかと思われているところの部分は私は大きいというふうに思っていますので、そのためにも、やっぱり利用拡大ということも考えるという意味での先ほどの対象商品の拡大を申し上げましたし、おとといの厚生労働委員会では、そろそろ予防に対してもというような発言もあり、少しこの委員会内でも、おお、予防予防みたいな話になりました。
 やはりこの感染症拡大の中で、個人一人一人が予防に対する意識を高めていくという重要性も高まってきていて、今がチャンスだというふうに私は思っていますので、是非、この点も踏まえて今後の御検討に反映させていただきたいと思います。
 続きまして、済みません、ちょっと雇調金のことを飛ばしまして、ごめんなさい、先に、外務省の方に来ていただいていますので、ビジネスと人権についてということを先に御質問したいと思います。
 まず、このビジネスと人権、なかなか聞き慣れない、まだ聞いたことがないという方ももしかしたらこの議事録を読まれる方でいらっしゃるかもしれませんけれども、今日は、済みません、少し内容を省いて、もう質問だけ入らせていただきます。
 このビジネスにおける人権侵害をなくすための行動計画をやっと政府機関、関係省庁で今年の十月に出されましたけれども、厚労省としての行動計画の策定にどのように携わり、今後具体的にどのような取組を行っていくのか、お聞かせください。

#187
○政府参考人(井内雅明君) お答えいたします。
 ビジネスと人権に関する行動計画の策定に当たりましては、厚生労働省は、関係省庁とともに、企業活動に関連する我が国の法制度や施策の現状整理を行った上で、経済界、労働界、市民社会等からの意見も聞きながら、行動計画が現実的かつ効果的なものとなるように努めてまいりました。
 また、本行動計画については、今後、関係府省庁の連絡会議を通じて実施状況を確認するとともに、新たな施策がある場合にはそれらも追加していくこととなっております。
 こうした中で、厚生労働省としましても、ビジネスと人権に関する取組がより一層進むよう、例えばILO条約の批准を追求するための努力、改正労働施策総合推進法の着実な施行を通じたハラスメント防止対策の強化等を行ってまいりたいと考えております。

#188
○田村まみ君 ありがとうございます。
 ちょっと外務省の方にお伺いしたいんですけれども、この関係省庁の会議で議長もされていまして、このビジネスと人権の行動計画、この進めることに関して、外務省のところの関わりについてお聞かせ願えればというふうに思います。

#189
○政府参考人(河邉賢裕君) お答え申し上げます。
 外務省といたしましては、まず欧米諸国を中心に、各企業に対し、サプライチェーンも含め、人権尊重を求める法制を導入する広がりというのが広がりつつあるという認識をしております。そういった観点から、外務省といたしましては、国際的な状況も踏まえて、関係省庁とよく協力しながらそういった行動計画を今回策定させていただいた次第でございます。

#190
○田村まみ君 ありがとうございます。
 その行動計画を拝見しましたけれども、新しいことが出ているかといえば、もう既に我々日本の中で課題だと思っていることが挙がっているというのが私の正直な感想でございます。
 是非、もう田村厚労大臣、先ほどのILO条約もという言葉もありましたけれども、この多岐にわたる分野の中でも相当厚労省の中での役割というのは私は重要だと思っております。省庁の大きさもそうなんですけれども、やはり労働というところのキーワードも多く関わっておりますし、是非、外務省の方で海外の状況もということなんですけれども、やはり国内の中で進めようと思ったときには厚労省の役割、本当に重要だと思います。大臣の御所見、そして意気込みをお伝えいただければと思います。

#191
○国務大臣(田村憲久君) ビジネスと人権に関する行動計画でありますが、外務省を中心に十五の府省庁等々で協力して策定したということであります。
 厚生労働省としても、例えばディーセントワークの促進でありますとかハラスメント対策の強化でありますとか、あと外国人でありますとか子供、この権利ですね、こういうものをしっかりと尊重していく、保護していくというようなことで多くのものが盛り込まれております。
 そういう意味では、今委員おっしゃられましたとおり、我が省も大きく関わる分野でございますので、しっかりと進めてまいりたいというふうに思っております。

#192
○田村まみ君 しっかりとということなんですけれども、やはりこの行動計画見たら、具体的なKPIもないような状態で、前からずっと挙げられていることがそのまま挙がってきているだけだというふうに、先ほども申し上げたとおりです。一体いつまでに何をどれぐらいするのか、それぐらいは是非厚労省が最初に示していただくことでこの計画が全体がぐっと進むというふうに私は思っていますので、是非そのことは指摘させていただきたいと思います。
 残り三分なんですけれども、何とか雇調金、二問だけ聞きたいなというふうに思います。
 これもずっと追いかけてきました。今日幾つかの御質問させていただきたくて、二か月延長した根拠が聞きたかったりとか、三月以降、じゃ、どんなふうに助成金を縮めていくのかということもお伺いしたいなというふうには思っていたんですけれども、一番はその企業間同士での取組で、出向で雇用調整維持をする取組、含まれてきている、多く出てきているんですけれども、そういった企業に対しての助成の特例、これの具体的な進み具合ですね、内容、今の時点で分かっていることがあれば教えてください。

#193
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の影響が長引く中で、人手が足りない企業が業績不振の企業から出向者を受け入れるという動きがあるところでございます。このような取組への支援策につきましては、様々な御意見、御提言をいただいているところでございまして、働く方々のモチベーションを維持しつつ雇用を維持するという観点から、在籍出向の取組を広げるための支援策につきまして現在検討しているところでございます。

#194
○田村まみ君 現在検討中ということなので是非お願いしたいんですけれども、それと併せてなんですが、田村大臣、最後に、雇用調整助成金の出向の枠組みで、一番最後です、苦境に陥った会社から別の会社に出向した労働者がそのまま転職する、転職の場合の話を前回もさせていただきましたが、この出向した後に転職するというところで、やはりその本人、労働者本人に何らかの助成や支援みたいなものがなければなかなかその転籍というところに踏み出せないんじゃないかということで、その拡充。又は、その出向を一旦受け止めた後に、その後転籍として受け止めて、受け入れた企業に対してのインセンティブ、雇調金の範囲ではなくて、この出向した後の転籍のところに対しても何らかの助成制度を考えるべきかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#195
○国務大臣(田村憲久君) 要するに、今、二月まで今の状況を延長しますが、在籍出向をする場合に、それに対してどういうふうに各出向元、出向先に支援していくか。これに関しては、今我々もしっかりと検討しながらいろんなお声をお聞かせをいただいております。その場合に具体的にどう進めていくかということを検討しておるわけでありますが、今委員が言われたのはそのまま転籍をされた方に対しての支援ですか。これはなかなか、転籍した方に支援をするというものが社会的にもどういう評価があるのかというのもちょっと我々まだ検討もしていない状況でございまして、なかなか今のところ難しいのではないかというのが率直な感想であります。

#196
○田村まみ君 ありがとうございます。終わります。

#197
○倉林明子君 日本共産党の倉林でございます。
 ようやくではありますけれども、雇調金が二月までということで特例延長ということになりました。ほっとされている経営者の方々多いんじゃないかと思います。
 それで、コロナの収束が見通せないという現状になっております。懸念されるのがこの雇調金の財源部分でありまして、一つは、雇用安定資金の残高は今どうなっているのか。そして、返済前提ということで借り入れしている元々の雇用保険の積立金の額というのはどれだけで、積立金残高、これがコロナ特例前、そして二〇年度末見込みでどれだけになるのか。いかがでしょうか。

#198
○政府参考人(田中誠二君) 雇用安定資金の残高ですが、二次補正後の令和二年度予算による年度末残高見込みで千八百九十九億円となっております。また、雇用保険の積立金の残高ですが、令和元年度決算において四兆四千八百七十一億円ありました。二次補正後の令和二年度予算による令和二年度末の残高見込みで二兆七千百二十億円となっております。なお、雇用保険臨時特例法に基づいて雇用安定事業に充てるために積立金から貸し出している金額がございまして、これが二次補正後の令和二年度予算において五千億円となっております。

#199
○倉林明子君 いや、雇用情勢ということで見ますと、悪化にちょっと歯止め掛かっていないんじゃないかというふうに思っております。これ中小企業にとどまらず、大企業のところでも早期退職という呼びかけがかなり広がっているという報道も出ておりました。失業者についても三%、三・一%ということで、これ僅かながらですけれども、数字で出ている分で増加傾向も明らかになってきております。
 積立金は大幅に減少ということでございまして、今後の不足あってはならないと思うわけで、これ備えておく必要があると。必要な財源、公費で確保するしかないと私は思うんですけれども、大臣の予算確保に向けた決意を聞いておきたい。

#200
○国務大臣(田村憲久君) 十月の完全失業率、〇・一ポイント悪化しました。しっかりと休業等々、雇調金等々で、休業という形で失業にならないように雇い入れていただいたまま、企業もいろいろと御努力をいただいているわけでありますが、モチベーションの話もありますので、そういう意味では、先ほどお話がありましたとおり在職で出向みたいなこともこれから支援をしていかなきゃならない、これ、失業なき労働移動という中においてそう思っています。
 一方で、失業給付も、これセーフティーネットでありますから、これもしっかりと確保していかなきゃならぬわけでありますので、そういう意味では、保険料と、そして保険料も労働者、事業者それぞれ出していただいておりますけれども、プラス国の国庫、国庫ですね、ここからお金が入っておるということでありますが、もう御承知のとおり、この臨時の特例法で、言うなれば令和二年、令和三年に関しては国庫を入れられるようになっておるわけでございまして、委員が御心配をいただいている点に関しては、しっかりと財政当局とも話をさせていただきながら必要な対応をしてまいりたいというふうに考えております。

#201
○倉林明子君 是非本当に頑張って、予算の確保については期待しております。
 そこで、失業手当の日額上限ということでも、これ今、一日八千三百七十円余りということで、東京の最賃レベル程度です。この引上げこそ必要だし、期間の延長についても強い要望が寄せられているということは伝えておきたい。
 そもそも、過去にはILOから、失業手当を受給できない失業者の割合、これ七七%にも上ると、先進国中最悪の水準と、こういう指摘もあるわけで、私は、そもそもの失業給付のところ、これから失業者増大傾向あるということですから、抜本的な拡充、併せてこれを強く求めておきたいというふうに思います。
 次、質問ですが、休業支援金・給付金ということで、これも期限の延長を決定していただきました。これ対象者は非正規労働者ということ多いと思います。それで、そもそも低賃金の労働者が多いと。で、シングルマザーとか女性が主たる生計者、こういうところはこれ使えないとたちまち深刻な生活困窮に陥ると、たくさんの声が寄せられております。
 これ、活用実績が議論になりまして、伸びていないということ再々指摘がありました。その理由に、やっぱり休業させているのに手当を出していないと。こうなりますと、明確に労基法二十六条違反と、こういう懸念があるので、雇用主が休業を認めないと、これ想定されると思うんですね、十分。
 休業支援金・給付金を確実に届けるということは、これは命に直結する問題と、そういう事案が出てきております。まずは、休職者の生活支援を最優先に私考えるべきだと。労働者の申請によってできるということになっているけれども、まずは休業の実態を確認できれば支援金・給付金を企業に代わって政府がまずは手当として支給すると、そして明確な違反行為があれば企業に対して支払った休業手当を請求すると、こういう運用に切り替えるということも考えるときじゃないかと思います。どうでしょうか。

#202
○政府参考人(田中誠二君) 御指摘の新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金ですけれども、この対象者として、新型コロナウイルス感染症等の影響により事業主が休業させということになっております。
 したがって、労働者だけでなく、やはり事業主に対して休業させていることの確認というのはどうしても必要だと考えておりますが、事業主が協力しないときには、まず労働局に申請いただいて、労働局から確認するという方法を取っておりまして、今後ともしっかり対応していきたいと考えております。

#203
○国務大臣(田村憲久君) 今の話ですと、休業させた場合に事業主は支払義務が生じるというようなこと前提であったと思いますが、それにかかわらず、今回の場合、コロナということで事業者が責めに負わない場合があるかどうかは別にして、そういう場合であったとしてもちゃんとこの休業支援金は支払うという形になっておりますので、そういう意味では、事業者に後から求めるというか、どうかというのはこれはなかなか難しい部分だというふうに思います。
 併せて申し上げれば、申請が来れば、たとえ事業主の方から休業ということを認めていなかったとしても、それは窓口で追い返すわけではなくて、そのままちゃんと申請を受け付けた上で、今度は事業主に向かってしっかりと状況をお聞きしますので、そういう意味では、委員が御心配されていることのないようにこのほど運用をいろいろと見直しておりますので、そういうような形で対応させていただきたいと思います。

#204
○倉林明子君 運用の見直し、改善等してもらっているということは十分知っているんだけれども、根幹部分でやっぱりなぜ伸びないかというと、それは、休業認めないと、事業主がね、そういう状況あるということで、制度はあるけど使えないということになっているので、本当にそこ突破要るんだということを申し上げているので、受け止めていただきたいなと思うんです。
 小学校休業等対応助成金・支援金、これについても、対象期間二月末までということで延ばしていただいております。予算の執行率、これも二割にとどまっておりまして、利用されておりません。総理が今年二月に指示した学校の一斉休業要請に伴うのがこの制度なんですよ。総理ははっきりおっしゃいました、私が決めたことなので私が責任を取ると。もう辞めはりましたけどね。申請がこれ企業任せのために使えない制度になっているんですよ。
 これ、岐阜県に住む小学校二年生、中学校二年生の子供さんを持つシングルマザーさん、署名も集めたりして、これ使えるようにしてくれと取り組まれておられます。三か月にわたりまともに働けなかった、たちまち生活困窮に陥ったと。退職に追い込まれた女性たちも少なくないというわけですよね。
 延長するなら個人申請も認めて、休業手当の給付、ここも優先して、私がやったことやから責任取るとおっしゃっていたんだから、ここについて、本当に休業手当が手元に届くようにということでの取組促進してほしいと。お願いします。

#205
○国務大臣(田村憲久君) これ二月まで延長する旨を二十七日、公表いたしましたけれども、二十四日に労働局、都道府県のですね、ここに小学校休業等対応助成金に係る特別相談窓口、これを開設をいたしました。
 要は、事業主にまず特別休暇制度を導入していただかなきゃならぬわけですね。その上で助成金の活用をしてもらわなきゃいけないので、制度の立て付けが要は事業主にお渡しして事業主から支払っていただくという形でございますので、元々個人給付の形になっていないわけであります。言うなれば雇調金のような形というイメージですかね。
 ですから、そういう意味からすると、休業者支払制度、休業者支援制度ではないわけでありまして、この制度をもってして個人に支給するということは制度の立て付け上難しいということで御理解いただきたいというふうに思います。

#206
○倉林明子君 制度の立て付けが問題で余計ハードル高うなって、必要なときに必要な支援が受けられていないと。さらに、これは学校休業のときだけじゃなくて、それが今も重たい負担になっているということなんですよ。だから、制度の立て付け悪いの分かっていますよ。だから使われていないんですよ。だからちゃんと休業支援、これは総理の責任でつくったいわゆる休業になっちゃっているわけで、ここについていまだに困窮引きずっているんだというところに、制度の限界あるんだから辛抱してくれというのでは責任取ったことにはならないと。本当に休業支援につながるように早急にしていただきたいということですので、御理解をいただきたい。
 次ですね。総理の要請で、学校休業と同時に事業継続を要請された学童保育があります。一斉休校の受皿として朝から子供たちを受け入れると。これも、金曜日に言うて月曜日からというような急いだ要請でありました。臨時の雇用が確保できないということで、職員の勤務時間の延長ということで対応せざるを得ないと。一時的にこの期間、給与が上がりました。報酬が上がりました。そうしたら何が上がったか。社会保険料も報酬月額が大幅に上がってしまい、学童保育の、今ですね、今、朝から勤務する必要はなくなりました。そうなると、がくんと給与が減っているのにこの社会保険料が高いと、高くなってしまったということで、非常に事業に影響が出ているんですね。
 コロナで休業し、報酬が下がった場合、これにはコロナの特例があります。社会保険料の減額特例制度、これつくってもらいました。ところが、コロナ対応で一時的に報酬が上がった、こういう学童に対しては救済措置ないんです。特例使えないんです。これも総理が学校休業をやったその影響で出ている問題ですので、これも改善必要だと思うんですよね。どうですか。ずっと投げている話なので、検討されているかと思うんですが。

#207
○国務大臣(田村憲久君) 標準報酬月額が三か月変わった場合に平均してと、その翌月からというのはもう御承知のことだと思いますが。その間は収入が上がっておりますけれども、そのままの保険料を払っていただいたわけですよね。三か月たってその平均変わって、ときに元の収入に戻られたと。ですから、元の収入に戻ったからその元の収入の方というんですが、収入増えているときにはその以前の標準報酬月額で保険料を払っていたわけですから、そういう意味ではそこは変わらないという話だと思いますし。
 もし、そこだけ特別に見るとなると、いろんな言うなればライフラインを支える職業の方々は残業をその期間やられておられたわけでありまして、どの業種をどうやって、じゃ、そのような学童保育以外にも対象にするかなどというような問題も出てくるわけでありまして、これは普通で考えると、特例制度はあくまでも休業で収入が下がって払えないから、だから特例で一か月分だけを見てその次の分を下げるということでやっておりますが。これは、上がったときにはちゃんと収入をもらわれておられて、そのときは前の保険料、標準報酬月額に対する保険料を払っておられるわけでありますから、それはちょっと制度を変えるというのはなかなか難しいんだというふうに思います。

#208
○倉林明子君 いや、これ標準報酬月額の算定のときにタイミングがきっちり、要は報酬が超勤によって上がったということなんです。通常、そのときは上がっていたから低い保険料を払っていたやないかという話やけども、高い報酬月額になったのは、コロナで子供を受け入れなあかんかったからそうなったんですよ。
 ただ、じゃ、その後はずっと一年間その標準報酬月額の高くなった分を払い続けなあかんわけですよ。減ったときと上がったときと、じゃ、あんばい取れているのかといったら、取れていないんですよ。ここから先の負担が一年間続くということになるので、事業に対する圧迫があるということを言っているんです。
 特例改定という考え方ある、いいですか、特例改定という考え方があるんだったら、コロナで上がらざるを得なかった分をずっと標準報酬月額対応するというのは、私はあんまりやないかと思うんですね。特例制度を本当に対象というのを検討してもらうべきだと思います。

#209
○政府参考人(日原知己君) 繰り返しの部分もあって恐縮でございますけれども、この今お話ございました特例改定は、あくまでも新型コロナウイルス感染症の影響による休業に伴って所得が急減されたと、本来得ることができる報酬を得ることができなかったと、そういう方につきまして、速やかにその報酬の状況に応じた社会保険料に減額するために臨時特例的に行っているものでございます。
 また、政府からの要請によりまして通常よりも就業時間などが増えて報酬額が増えられた可能性のある業種というのは広範多岐にわたっておりますことなどから、やはり対象を限定して特例措置を講じるというのはかえって公平性を欠くおそれもございますので、御指摘のような特例措置を設けることは難しいというふうに考えてございます。

#210
○倉林明子君 引き続きやらせていただきます。

#211
○委員長(小川克巳君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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