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2020/11/24 第203回国会 衆議院 第203回国会 衆議院 財務金融委員会 第3号 令和2年11月24日
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2020/11/24 第203回国会 衆議院

第203回国会 衆議院 財務金融委員会 第3号 令和2年11月24日

#1
令和二年十一月二十四日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 越智 隆雄君
   理事 井林 辰憲君 理事 うえの賢一郎君
   理事 神田 憲次君 理事 鈴木 馨祐君
   理事 藤丸  敏君 理事 末松 義規君
   理事 日吉 雄太君 理事 太田 昌孝君
      井野 俊郎君    井上 貴博君
      鬼木  誠君    勝俣 孝明君
      城内  実君    小泉 龍司君
      田中 良生君    武井 俊輔君
      津島  淳君    百武 公親君
      船橋 利実君    古川 禎久君
      牧島かれん君    宮澤 博行君
      山田 賢司君    山田 美樹君
      海江田万里君    川内 博史君
      櫻井  周君    階   猛君
      野田 佳彦君    長谷川嘉一君
      古本伸一郎君    清水 忠史君
      青山 雅幸君    森  夏枝君
      前原 誠司君
    …………………………………
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   内閣府副大臣       赤澤 亮正君
   内閣府副大臣       三ッ林裕巳君
   総務副大臣        熊田 裕通君
   財務副大臣        伊藤  渉君
   厚生労働副大臣      山本 博司君
   農林水産副大臣      葉梨 康弘君
   国土交通副大臣      岩井 茂樹君
   内閣府大臣政務官     和田 義明君
   財務大臣政務官      船橋 利実君
   衆議院調査局長      佐野圭以子君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    近藤 正春君
   会計検査院事務総局第三局長            宮川 尚博君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房総合政策推進室長)        三上 明輝君
   政府参考人
   (金融庁総合政策局長)  中島 淳一君
   政府参考人
   (金融庁企画市場局長)  古澤 知之君
   政府参考人
   (総務省大臣官房政策立案総括審議官)       阪本 克彦君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 川窪 俊広君
   政府参考人
   (財務省大臣官房長)   茶谷 栄治君
   政府参考人
   (財務省大臣官房総括審議官)           新川 浩嗣君
   政府参考人
   (財務省理財局長)    大鹿 行宏君
   政府参考人
   (国税庁次長)      鑓水  洋君
   財務金融委員会専門員   齋藤 育子君
   決算行政監視委員会専門員 橋本 和吉君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月二十四日
 辞任         補欠選任
  井野 俊郎君     百武 公親君
  櫻井  周君     川内 博史君
同日
 辞任         補欠選任
  百武 公親君     井野 俊郎君
  川内 博史君     櫻井  周君
    ―――――――――――――
十一月二十日
 消費税率五%への引下げに関する請願(畑野君枝君紹介)(第三一号)
 同(田村貴昭君紹介)(第八三号)
 消費税率の引下げとインボイス制度導入中止に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三二号)
 同(笠井亮君紹介)(第三三号)
 同(穀田恵二君紹介)(第三四号)
 同(志位和夫君紹介)(第三五号)
 同(清水忠史君紹介)(第三六号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第三七号)
 同(田村貴昭君紹介)(第三八号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第三九号)
 同(畑野君枝君紹介)(第四〇号)
 同(藤野保史君紹介)(第四一号)
 同(宮本徹君紹介)(第四二号)
 同(本村伸子君紹介)(第四三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 金融に関する件(破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告)
 財政及び金融に関する件
     ――――◇―――――

#2
○越智委員長 これより会議を開きます。
 金融に関する件について調査を進めます。
 去る六月十九日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づき、国会に提出されました破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告につきまして、概要の説明を求めます。金融担当大臣麻生太郎君。

#3
○麻生国務大臣 令和二年六月十九日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出をいたしております。
 報告対象期間は、令和元年十月一日以降令和二年三月三十一日までとなっております。
 御審議に際しまして、その概要を御説明させていただきます。
 まず、国会の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。
 次に、預金保険機構による資金援助のうち、救済金融機関に対する金銭の贈与は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十九兆三百十九億円となっております。
 また、預金保険機構による破綻金融機関等からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。
 なお、預金保険機構の政府保証つき借入れ等の残高は、令和二年三月三十一日現在、各勘定合計で一兆九千六百三十二億円となっております。
 ただいま概要を御説明申し上げたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講ずることに努めてきたところであります。
 金融庁といたしましては、今後とも、各金融機関の健全性にも配慮しつつ、金融システムの安定確保に向けて万全を期してまいる所存であります。
 御審議のほどよろしくお願い申し上げます。

#4
○越智委員長 これにて概要の説明は終わりました。
     ――――◇―――――

#5
○越智委員長 次に、財政及び金融に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 両件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房総合政策推進室長三上明輝君、金融庁総合政策局長中島淳一君、企画市場局長古澤知之君、総務省大臣官房政策立案総括審議官阪本克彦君、大臣官房審議官川窪俊広君、財務省大臣官房長茶谷栄治君、大臣官房総括審議官新川浩嗣君、理財局長大鹿行宏君、国税庁次長鑓水洋君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 両件調査のため、本日、会計検査院事務総局第三局長宮川尚博君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#7
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#8
○越智委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。前原誠司君。

#9
○前原委員 おはようございます。国民民主党の前原でございます。
 コロナの感染拡大がまた深刻な問題になっておりますので、この問題につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 GoToトラベルを中止をされるということを、まあこれは条件次第ということでありますけれども、菅内閣総理大臣が明らかにされました。
 まず、お伺いします。
 このGoToトラベルの中止を決めるのは誰ですか。国か、都道府県知事か、お答えをいただきたいと思います。

#10
○岩井副大臣 前原委員にお答えをいたします。
 GoToトラベル、決定をするのは誰かというお話でありますが、まず基本的に、専門的な知見がございまして、そこの御意見については、提言という形で、まず分科会から国がその提言をいただきます。それを含めまして、必要な見直し等がある場合については、各都道府県としっかりと調整をさせていただくというスキームになっております。
 以上でございます。

#11
○前原委員 では、重ねて質問いたしますが、当初、今おっしゃったことと違う形で東京都が外されましたけれども、その理由は何ですか。

#12
○岩井副大臣 お答えをいたします。
 違うスキームというよりは、当時、まだ感染症の状況がわからないような状況であったこと、また、現在は感染症対策、国民にある程度行き渡ってきているということがございますが、当時はまだそのようなことが、なかなかまだ行き渡っていない等さまざまな要因がございまして、そのような判断になったかと思います。

#13
○前原委員 全くわかりませんけれども。
 とにかく、知事会からは、国の判断が大事である、そしてまた、地域の指定除外を含めたきめ細かな対応ということが言われているわけでありますので、私は、初めに東京を外したこととそして今回は、今の答弁とは矛盾があると思いますよ。したがって、今後のことをしっかりと国と都道府県で話し合い、そして、きめ細かな対応を地域ができるように取り組んでいただきたいと思います。
 二つ目、キャンセル料は国で持ちますか。

#14
○岩井副大臣 前原委員にお答えいたします。
 旅行者がキャンセルを行いやすい環境を整えるということも考えなければいけないと考えております。旅行者に請求しないよう宿泊事業者等に対して要請するとともに、旅行者からキャンセル料を徴収しないことに伴う宿泊事業者等の負担について、本事業の予算で対応しようということでございます。
 つまり、キャンセル料はいただかないということでございます。

#15
○前原委員 そもそも国は、GoToトラベルによって感染は拡大していない、こういうスタンスだったと思います。
 現時点で把握されている人数で結構ですが、GoToトラベルによって感染者は何人出ていると政府は認識されていますか。

#16
○岩井副大臣 お答えいたします。
 旅行者のうちGoToトラベルによる割引をした者は、百八十七人ということでございます。

#17
○前原委員 それは、いつの時点ですか。

#18
○岩井副大臣 十一月の二十三日の時点です。

#19
○前原委員 GoToトラベルを中断する、地域によっては中断する、そして、都道府県とちゃんと国が調整をされる、大事なことだと思います。
 しかし、今政府が把握されている数でありますと、二百人に満たない数ですね。ということは、感染拡大をしている中でGoToトラベルを仮に全部をとめたとしても感染拡大はとまらないということになるわけでありまして、このGoToトラベルに何か関心が集中しているようなことでありますけれども、新たな重症者は過去最多になっています。
 そういう意味においては、医療機関の逼迫というものも極めて大事なことでありまして、GoToトラベルをやめたら感染拡大が収束するのではないという認識なのか、そうしたら、その今拡大しているものに対して、GoToトラベル以外にどういった対応をとればいいと考えているのか、お答えください。

#20
○岩井副大臣 お答えをいたします。
 科学的知見というものが大変重要かと考えておりますが、今般、分科会によりまして、先週の二十日金曜日に分科会が行われまして、その中においては、GoToトラベル事業が感染拡大の主要な要因であるとのエビデンスは現在のところ存在しないという、そのような、御提言の中に盛り込まれているところであります。
 我が省といたしましては、そのあたりもしっかりと把握しながら、適切な対応を図っていきたいと思います。

#21
○前原委員 今、だから、国交副大臣が答弁される答弁ではないんですよ。政府全体として、GoToトラベルがいわゆる感染の一部だとすれば、それに、何かGoToトラベルをとめれば感染拡大がおさまるような雰囲気ではないのではないかということを申し上げているわけです。
 その認識が正しいのかということと、では、過去最多に重症者がなっていて、感染拡大がとまらない状況をどうやって政府としてとめようとされているのか、お答えください。

#22
○越智委員長 答弁できますか。
 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

#23
○越智委員長 速記を起こしてください。
 山本厚労副大臣。

#24
○山本副大臣 前原委員にお答え申し上げます。
 この感染防止拡大と経済の両立をどう進めていくかということで、感染対策の分科会におきましてもこのことを議論してまいりました。
 その中で、やはり医療の体制であるとか感染の状況を防ぐためにも、今の現状の中でしっかりと対応していく中で分科会としてもこうした提言をしたわけでございます。
 その意味で、今の感染状況に関してしっかりと対応していかないといけないということで臨んでいる次第でございます。

#25
○前原委員 だから、そのしっかり対応するは何をするんですかと聞いているんです。
 GoToトラベルをやめれば感染拡大がおさまるのではないということは、国交副大臣の数字からは明らかですよね。となると、今の感染拡大の状況というものはGoToトラベル以外にしっかりと対応策をとらなければいけないということは、多くの方々の共通の認識だと思いますよ。
 それについて御答弁をくださいと言っているんです。

#26
○赤澤副大臣 コロナ担当の副大臣として、ちょっとお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、認識は、分科会から出た提言というのは、この今感染拡大が広がっている状況、これを踏まえて、短期間に、例えば三週間、重点的にリスクが高い分野に絞って手を打てという提言をいただいて、それを受けて政府が対応を今考えているということなので、このGoToトラベルについて言えば、それが直接的に感染を引き起こしたという部分について多くはないわけでありますけれども、それ以外の部分についても、政府としては、例のリスクの高い五つの場面ということを考えながら、より更に対策を強めてくれということで、GoToトラベルに限ってだけお願いしているわけではないということは申し上げられるというふうに思います。

#27
○前原委員 地方に任せるという話ですよね、今の話だったら。政府として、全体として何かをやるということではないというふうに認識をしました。
 では、地方にしっかりやってくれと言うのであれば、やはり私はしっかりとした資金を提供することが必要だと思いますよ。第一次、第二次の地方創生臨時交付金だけでは足りないと思います。
 財政調整基金はもう枯渇をしているというところはたくさんありますけれども、地方に対する財政支援、まだ予備費はかなり余っていますね、七兆二千七百八十億円余っているということでありますが、更に地方に対する支援をされるべきだと思いますが、いかがですか。

#28
○三ッ林副大臣 お答えいたします。
 今般の感染拡大に対応するため、第二次補正予算において留保分としていた地方創生臨時交付金の五百億円について、国の一定の関与のもとに地方公共団体が感染防止に効果的なエリア、業種限定の営業時間短縮要請等を行って協力金等を支出する場合に、当該地方公共団体に対して、協力要請推進枠として地方創生臨時交付金を追加配分することといたしました。これにより、地方公共団体による機動的な対応を支援することとしております。
 また、感染拡大が厳しい状況にある地方公共団体において、まずはこの協力要請推進枠を御活用いただいて対応に当たっていただきたい、そのように考えております。

#29
○前原委員 五百億円で十分だと思われますか。

#30
○三ッ林副大臣 まずはこの五百億円で、この二次補正の留保分としていた五百億円、そしてまた、前原委員がお話しされました予備費の七・二兆でありますけれども、これは、今後、三次補正も考えて、そして必要なところに回していきたい、そのように思っております。

#31
○前原委員 お願いいたします。
 厚生労働副大臣に二つ伺いたいと思います。
 一つは、第一次、第二次補正及び予備費で約二・七兆円の医療に対する支援が行われているわけでございますけれども、一般的に言われているのは、コロナ患者を受け入れるところにかなり重点的に配分をされていて、感染リスクが高いかかりつけ医あるいは歯科医、こういったところに対しての支援はかなり少ない。
 私の分析では、もちろん明確に切り分けることができないんですが、二・七兆円のうち、一般の診療所あるいは歯科医などに配られるものは二千五百八十九億円ということで、かなり少ないですね。
 やはり、こういったところにも、もちろんコロナを受け入れてくれるところに対する支援も大事だけれども、一般の医療機関、歯科医療機関に対する支援が必要だと思いますが、いかがですかということと、もう一つは、これだけコロナが感染拡大をし、先ほど赤澤副大臣からも御答弁がありましたように、これから地方に対してさまざまな取組を要請していくということになっていけば、休業要請とかあるいは時短要請というものをされていくと思うんですね。そうなると、やはり、雇用調整助成金、今の特例措置、これは更に延長するということが必要になってくると思いますが、この二点についてお答えをいただきたいと思います。

#32
○山本副大臣 前原委員にお答えいたします。
 今御指摘がありました医療機関の診療の体制といいますか財政状況というのは、御指摘のとおり、八月はマイナス三・七%でございましたけれども、一番減少したのが一二・九%ということで、回復傾向はございますけれども、まだまだ戻り切っていないという状況がございます。その意味では、医療機関の体制をしっかりとしていく上で、予備費一兆二千億円と補正予算一兆八千億円、加えて体制をしております。
 今御指摘のとおり、感染拡大防止事業で二千五百八十九億円をされておりますけれども、それ以外に、直接国から支援をする発熱外来診療体制で二千百七十億円、この支援を予備費から対応している状況でございます。
 その意味では、感染状況とかまた地域医療の実態も踏まえて、医療機関ごとの体制というのはまだまだこれからでございますので、しっかりと検討していきたいと思う次第でございます。
 また、雇用調整助成金に関しましては、さまざま、産業界等からも延長の要望等もございます。一方で、働く方のモチベーションの問題ということで、長く続けるということの副作用ということの御意見もあるわけでございますけれども、この要望に関しましては、この一月以降の取扱いに関しましては、雇用情勢を見据えてしっかり判断してまいります。また、そのためにも、企業が今後雇用を含めた経営戦略を立てられるように、できるだけ早急に方針をお示ししてまいりたいと思います。

#33
○前原委員 終わりますけれども、一般医療への支援の強化、そして雇用調整助成金のさらなる延長、これをしっかりやっていただきたいということを申し上げ、また、葉梨副大臣には来ていただきながら答弁の機会がなかったことをおわびをして、質問を終わります。

#34
○越智委員長 次に、山田賢司君。

#35
○山田(賢)委員 自由民主党の山田賢司でございます。
 本日は、発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 早速質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、財政運営に関して御質問させていただきたいと思います。
 大変財政赤字が拡大しているというふうに言われておりますが、政府におかれましては、コロナ禍における対策、積極的に財政出動を行っていただいておりますことに感謝を申し上げたいと思います。これによって、基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスが悪化しているということを懸念される方もいらっしゃいます。他方で、全くこの指標は気にしなくてもいいという方もいらっしゃいます。さまざまいらっしゃいますが、私は全く気にしなくてもいいというふうには思っておりません。
 財政収支というのは、企業でいうところの損益ではなく、いわば現金収支、キャッシュフローに近いものではないかと考えております。営業活動によるキャッシュフロー、本業で幾ら稼いでいるか、そして、投資活動によるキャッシュフロー、将来への投資をどれだけ行ったか、これに加えて、資金が足りない部分を、財務活動によるキャッシュフロー、いわゆる資金調達、借入れや返済を行っている、こういう構造に当たるのではないか。とすると、プライマリーバランスというのは、そのうちの営業キャッシュフローと投資キャッシュフローに相当するものではないかと考えております。
 企業経営においても、事業の収支がマイナスであったり投資をして資金繰りが足りなくなっても、きちんと調達ができている限りにおいては企業は破綻をいたしません。逆に、損益が黒字であっても、資金繰りがつかなくなれば企業は倒産しています。いわゆる黒字倒産という状態になってしまいます。
 これを政府の財政に置きかえて考えますと、政府においての資金調達、国債の引受けが安定して継続できるか否か。継続できる限りにおいては資金繰りが詰まることはないのではないか、これは御案内のとおりだと思います。
 そこで、今現実に資金調達ができなくなっているかというと、これだけ財政収支の赤字が拡大していると言われているにもかかわらず、ここで円が暴落したとか、あるいは国債利回りが急騰したというわけではございません。
 これはどのような要因によるものと分析するかということを大臣にお伺いしようと思ったんですが、恐らく、為替や金利に関することは財務大臣、金融担当大臣としてはコメントしないというのが常識でしょうから、財政の信認という観点からお尋ねしたいと思います。
 つまるところ、財政の信認というものは、日本という国家の将来性、将来の持続性、成長性にかかっているのではないかと考えております。なので、今は、プライマリーバランスの黒字化というものにこだわるよりも、日本の将来性につながる投資をしっかりと行っていくという必要があるのではないかと考えます。それは、経済をしっかりと下支えすることであったり、日本の競争力を高めていくこと、あるいは、将来の人材を育てていくこと、災害に備えること、あるいは、子供たち、少子化対策を行っていくこと。
 こうした国力をつけることに積極的に投資していくことがひいては日本の信認につながるのではないかと考えますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

#36
○麻生国務大臣 経済再生と財政の健全化という、この両立というのは、これは次の世代というものに未来をつないでいきます我々にとっての責務なんだと思っておるんです。
 現在の状況につきましては、感染状況というもののいわゆる内容が余りよくわかっていなかったときと違って、今の場合は、ある程度、まあ七、八カ月間の知見も得ましたものですから、それに伴って、その対応策についてもいろいろなことが、とにかくまず静かにしてくださいだけではなくてということができるようになっていくことになりつつあるんだと思います。
 これまで二度にわたる補正予算を策定させていただいたんだと思いますけれども、事業とそれに関係します雇用、そして生活を守っていきますという個人的な話、そういったものをやらせていただきながら、知見が乏しかった時代の対応、とにかく経済だけ自粛してくださいというときの時代と、いわゆるポストコロナというんですかね、そういったようなものの時代に合わせての対応というのは、これはおのずと異なってくるんだろうと思っております。
 今後は、感染状況というのを見ながらやらせていただくことになるのは当然なんですが、経済構造を転換せざるを得なくなるというようなところも出てくるでしょうから、そういった企業、また、企業の生産性を高めるという方に支援の軸足が移っていくということになりますでしょうし、それは結果として民需主導の、政府による官公需要じゃなくて、民需主導のいわゆる成長につなげていくことが重要なんだと思っております。
 そういったものに、私ども、財政投融資、いろいろありますけれども、そういったものを使わせていただいて、インフラが古くなっている等々いろいろあります、そういったものを含めまして対応させていただこうと思っております。
 ただ、言われましたように、財政への信認が失われるとえらいこっちゃでというお話は全くおっしゃるとおりなので、幸いにして、今いろんな形で日銀等と、金融政策も絡めまして我々は一緒にやらせていただいておりますが、金利もそこそこ低金利で安定しておりますし、円につきましても百三円、四円、いろいろ、大体百円台でほぼ安定をしております。かつてのように二百四十円が百二十円になってみたり、いきなりどおんと、そういったようなこともほとんどこのところ、極端な動きというのは数日でおさまるというような形でもありますので。
 私どもは、少なくとも日本として、財政をいろいろやっても、きちんと日本は財政というものを健全化していこうという政府としての意思がはっきりしておるということが理解をされておりますし、これまで歴史的に日本はこの種のことできちんと、海外から借りました海外からの借入金というものをきちんとこれまで返済してきたという歴史がありますので、そういった意味では信頼も厚いというのが私どもにとりまして大きな財産なんだと思います。
 いずれにいたしましても、いわゆる皆保険等々含めまして社会保障というものを持続的に安定したものに、可能なものにしていくということをやっていかなならぬとかいろいろ改革もさせていただいておりますけれども、歳入歳出両面での改革というのに引き続き取り組んでいく、続けるという姿勢をはっきりしていくということが日本の信頼につながり、結果として、為替、金融等々の安定にもつながってまいると確信しております。

#37
○山田(賢)委員 ありがとうございます。
 ぜひ、財政への信認という、日本国の将来性、継続性、これをしっかりと支えるための財政出動を今は行っていただきたいというふうに考えております。
 その意味で、これをまた企業に落とし込んで考えますが、コロナ禍において企業の資金繰りが非常に厳しい状況にあったという中で、さまざまな融資を積極的に行っていただいて、企業においてもある程度の、資金繰りという意味ではついているのかなと。ただ、本業でこれから売上げが上がってこない、こういった不安が今の中ではあろうかと思います。
 そこで、コロナ対応融資においては、非常に破格の条件というか、無担保無利子、そして据置きも五年といったもの、それから貸出期間も十五年や二十年といった長期のものなんかもあります。
 ただ、据置期間を長くとると、予想されるのは、据置期間が終わったときどうするんだということで、例えば五年の据置きを置いて、今はよかったけれども、五年たったらいきなり返済が始まる、そのときになって実は返せないところがいっぱい出てきて、実は倒産する企業の先送りをしているのではないかということも懸念されます。
 そこで、これは金融庁の方にお尋ねしたいんですが、コロナ対応融資、民間の部分はわからないと思いますが、ぜひ調べていただきたいとは思うものの、把握している範囲で、コロナ対応融資の据置期間、大体どれぐらいのゾーンが多いのかという分析、もししていらっしゃれば教えていただきたいのと、もしその据置期間が、五年とかあるいは一年なのか、その据置期間が終了後に返済が滞るような事態になったらまた金融不安が生じますので、このときの対応についてお考えを聞かせていただきたいと思います。

#38
○新川政府参考人 お答え申し上げます。
 日本政策金融公庫の実績で申し上げますと、九月末時点で、据置期間でございますが、一年以内が約七割、一年を超えるものが約三割となってございます。
 据置期間が終わりまして元金返済が始まる事業者につきましては、返済負担が大きくなるということが予想されますので、事業継続のための支援が特に重要と考えてございます。
 官民の金融機関に対しましては、事業者の実情を十分に踏まえまして丁寧な対応を行うよう配慮要請を行っているところでございまして、政府としては今後とも適切な対応を促してまいりたい、このように考えております。

#39
○山田(賢)委員 ありがとうございます。
 これは結構意外な数字で、私も地銀の方に聞いたときも、大体そんな感じの数字だと言って、最長五年の据置期間を用意しているというのに、事業者の方は手がたく一年以内の据置きというのがほとんどだということでございます。
 そういうことで、コロナが早く収束していただくことが一番の経済対策と思いますので、政府におかれてはコロナ収束に全力を挙げていただきたいと思います。
 もう一つ、金融機関の貸出量も増加しているんですが、それ以上に預金量がふえているというふうに聞いております。この状況についてどのように分析されているか、お考えをお聞かせください。

#40
○中島政府参考人 お答えいたします。
 銀行等の貸出しについては、コロナ禍における資金繰りニーズ等により、三月から十月まで五・〇%増加しております。この中には、借り手企業の預金に手元資金としてとどまった部分もあると考えられますが、売上げが減少する中で、商取引先への支払いや家賃、給与といった固定費の支払い等に充てられ、支払い先の預金になっているものもあると考えられます。
 こうしたことなどを要因として、銀行等の預金については、三月から十月まで七・三%増加しているところでございます。

#41
○山田(賢)委員 ありがとうございます。
 数字だけ見ると、貸出しを積極的に行ったんだけれども、みんな企業が自分の預金口座に入れているんだったら、すぐに支払いに要らないけれどもとりあえずたくさん借りておこうという状態だと、これは余り健全ではないと思ったんですが、御案内のとおり資金というのはぐるぐる回るので、企業が借りても、支払い先に行くことでそこの預金に残るということで全体がふえている、このように理解をいたします。
 続きまして、資本性ローンについてお尋ねしたいと思います。
 資本性ローンというと、これは返さなくていいお金みたいに考える方もいらっしゃるんですが、あくまでローンなので、返済順位が低いというだけで。そうはいっても、企業にとっては資本増強につながる、そういう資金で、ありがたいと思うんですが、どれぐらい利用されているのかということを財務省の方にお聞きしましたところ、これは鳴り物入りで、二次補正で経産省、財務省合わせて六・三兆円規模で御用意をいただいたんですが、今のところ、進捗状況としては、承諾件数が七百四十四件、金額的には千五百十億円が利用されていると。
 七百四十四件も使っていただいているというのを多いと考えるか、六・三兆円の予算を設けたにもかかわらず使われているのは千五百十億円にすぎないと考えるのか。この辺の要因について教えていただきたいんですが、例えば、これは審査に時間がかかっていてなかなか出ないのか、それともニーズがずれていたのか。この辺について、ちょっとお考えをお聞かせください。

#42
○新川政府参考人 お答え申し上げます。
 現状でございますけれども、事業者様の御判断によりまして、現状は、資本性劣後ローンといった形よりも、まずは、資金繰り対策のために御用意させていただきました通常の形の特別融資、こちらの活用が先行しているという状況にございます。
 こうした現状の背景でございますが、まず、政策金融公庫等による中小企業向けの資本性劣後ローンでございますが、システム構築等の準備がございまして、八月からの取扱いということになってございます。
 それから、これら以外の大きな企業、大企業でございますが、こういった大企業に対して資本性資金のローンを提供する場合、その性質上、貸付条件につきましては、基本的には、いわば一件一件オーダーメードのような形で条件等を設定させていただいております。したがいまして、必要となる事業計画の策定あるいはその審査に通常の融資よりも時間がかかる、こういった現状もございます。
 しかしながら、今後でございますけれども、従来資本性劣後ローンを取り扱うことのなかった一部の金融機関、あるいは御利用が余りなかった事業者の皆様方、こういった方の習熟が進むということも考えられますので、今後は資本性資金の御利用がふえていくということも期待しております。
 引き続き、年末あるいは年度末に資金需要が高まることにも配慮いたしまして、資本性劣後ローンの活用を含めまして、コロナ対応、影響を受けていらっしゃる事業者の方の支援、これに万全を期してまいりたい、このように考えております。

#43
○山田(賢)委員 ありがとうございます。
 今おっしゃったように、中小企業にとっては、資本であるかどうかということよりも、手前の資金繰りが非常に重要だと思います。そういう意味で、ほかのメニューで五年の据置きだったり返済期間が十五年だったりということで、十分返済に余裕を持った融資制度をまずは企業の方は使われているのかなというふうに考えます。ただ、これだけの規模の予算を御用意いただいたんですから、有効に活用していただきたいと思っております。
 そんな中で、一番資本の増強などに使ってほしいなと思うのは、例えば、コロナで業績が大変悪化している、資金繰りが困っているとかそういった中で、重要な産業が外資に買われてしまったりとか、機微な技術あるいは先端の技術を持っているような企業が買われてしまう、こういったものを防衛することが大事だと考えております。
 もちろん、外為法によって外資の企業には買われない、買ってはいけないという規制はかかるんですけれども、買ってはいけないという、売ってはいけないというのかな、売ってはいけないのなら助けてくれるのかという話ですね。外資に売っちゃいけないけれども誰かがお金をつけてくれるわけではない、こういった企業に対しては、ある程度こういった資金を使って国が支える。
 日本の機微な技術、先端技術、こういったものを守る買収防衛の資金に使うことや、あるいは、逆の発想で、コロナ禍、みんな企業が苦しんでいる中、不謹慎と言われるかもしれませんけれども、海外の割安になっている企業をどんどん積極的に買っていく、こういった前向きな資金にも使っていただきたいと思うんですが、このようには資本性ローンといったものを活用できないのか、大臣、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

#44
○麻生国務大臣 企業の成長とか拡大に向けた支援は、発展していく可能性を秘めている企業に対しては、民間もある程度やるだろうけれども、それ以上にもっと長期的なことを考えてということなので。
 私どもも、それは全く同じ意見で、政投銀とか商工中金等々によりますいわゆる危機対応融資プラス今言ったような話、また、日本公庫等々によりましても実質無利子無担保等々をやらせていただいて、そういった制度を使ってもらって資金繰りというのを行っているところでして、加えて、二次補正におきまして、中小企業向けと中堅、大手企業に向けても約六兆円規模の、今御指摘のありましたいわゆる劣後ローン、資本性の劣後ローン制度を手当てさせていただいたところなので。
 企業の財務基盤というものを強化しておかないと、資金繰りだけついても、財務基盤ができないと、債務超過ということになりますと企業は金を借りられなくなりますので、そういったもので継続支援を行っておりますので、そういったものを引き続き、影響に対する対応をやらせていただきたいと思っております。
 また、いわゆる円高を利用してというお話でしたけれども、これも確かに、一九八五年の円が二百四十円でしたか、あれが約一年で百二十円にまで円が暴騰しておりますので、あのときは何か、経済をよくわかっておらぬ新聞なんかに円高不況とかいう言葉がえらくありましたけれども、企業は瞬く間にそれを解消して、国際的に見れば倍の金持ちになった計算になりますから、その金を使って海外で、MアンドAだ、株の配当だ、いわゆる海外に対する資本投資をやって、企業の買収、工場設立、新規工場等々、自動車会社を含めて皆大いにやられて、海外の事業展開をやられた等々によって、私どもはこれに対して、JBIC、国際協力銀行等々、こういったものに対して、今、新たな成長投資の設備というかファシリティーを設けて、海外企業の買収等々を含めて、低コストの支援の、資金の供給というのをさせていただいております。
 結果として、今、日本の場合、御存じのように、グロス・ドメスティック・プロダクト、通称GDPというものよりグロス・ナショナル・インカムの方がトータルで二十兆円ぐらい、GNIの方がでかいとなったと思っておりますけれども、そういった形にまでなってきておりますので、資金力の多さというのは、個人金融総資産が一千九百兆ありますこの日本というものはすさまじい資金を持っているということにもなりますので、そういったものをうまく企業というものも活用して、いわゆる物を売った利益以外の、金で稼いだ金というようなものに関しましての理解を十分にした上でいろいろ支援をしていく必要があろうと思っております。

#45
○山田(賢)委員 ありがとうございます。
 続きまして、大臣の所信にもございました、日本の金融市場を国際金融センターの一つとして発展させというお話がございました。
 この話は実は新しいようで古い話で、もう二十年来、東京を国際金融都市にするとか、金融構想というものがあったと思いますが、今、政府におかれても、英語での業務の対応ですとか、あるいは税制の見直し、それから入管、ビザの見直し、あるいは子弟の教育、インターナショナルスクールとかこういった話もあるんですが、これはどっちかというと障害になっている話であって、もっと大事なのは日本市場がそもそも魅力があるかどうかということで、魅力のない市場の障害を幾ら取り除いても誰も来ないのではないかということですね。
 要するに、稼げる市場だったら、多少の障害があっても、それはいろんなことをして企業というのは投資をやってくるのではないかということで、より本質的な、例えば香港から人を持ってくる、金融機関を持ってくる、そのためには東京あるいは日本の市場自身の魅力を高めることが重要ではないかというふうに考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。

#46
○麻生国務大臣 全くおっしゃるとおりで、人が来なきゃ話にならぬので。
 日本の場合、例えば英語がとかいろんな意味のマイナスというのは、これは十分に対応が可能なものなんだと思っているんです。いろんな形でこれは目下検討させていただいている最中ですが、やはり一番でかいところは来たくなる魅力、生活において治安がいいとか、全て約束どおり事は動いていくとか、金の貸し借りが極めて、借りた金は返す等々、はっきりしておる、長いそういった伝統が日本の持っている最大のものだとは思います。
 加えて、やはり先ほどの、前の質問にもありましたように、この国が持っております例えば個人の金融資産で一千九百兆円なんというのはちょっと薄気味悪いほどの大きな資金力でありますので、この辺のうちの約半分が現預金ということになって、今どき金利もほとんどつかないのに現預金しているというのはそれだけ投資する先がないというのを、我々に任せていただいたら三%で回しますよ、何%で回しますよという話ができる相手がそこにある。金のないところへ行ったってそういうのはもうあり得ませんから。
 そういった意味では、日本の強みとか可能性とかいうものを生かして、これは少なくとも日本というのはロンドンとかニューヨークに比肩し得るだけの大きさを持ったマーケットになり得ると思っておりますので、いろんな意味で、銀行とか証券のファイアウオールみたいなものですかね、そういったようなものの規制を見直しする等々、資本市場を活性化するということについては、これはいろんなものを検討させていただいて、海外からのプレーヤーといったものに対しても魅力を向上させていけるというのがひいては日本の国益に沿うであろうと思っております。

#47
○山田(賢)委員 ありがとうございます。
 大臣、今、ファイアウオールについて言及していただいたんですが、これはやはりさまざまな立場があって、ファイアウオールを取っ払ってくれという方とファイアウオールを残してくれという方々がいらっしゃるんですが、重要なことはやはり顧客であり、あるいは日本の競争力というのを強めていくことだというふうに考えております。
 今海外の金融機関なんかを日本に呼び込もうとするときに一つのネックになっているのが、このファイアウオールだというふうに聞いております。
 例えば、銀行業務をやっている企業、証券業務をやっている、海外はユニバーサルバンキングという形で両方、総合的な金融の提案ができるんですが、日本は縦割りの規制があるために、例えばアジアの統括拠点を日本には置けないとか、あるいは会議が入るときに日本のオフィスの人間だけ情報共有できないので出ていかないといけないとか、こういうところがネックになっているというふうに聞いております。
 ファイアウオール規制の見直しにつきましては、金融審議会においてさまざまな議論がなされているというふうに承知をしております。ただ、このファイアウオールの話をするときに、余り瑣末な議論になってもいけないなというふうに考えております。
 日本の銀行と日本の証券会社、これが、投資信託をどっちが売れるとか、株を売りやすいとか、こういうレベルの話ではなくて、例えば、銀行が企業にしっかり食い込んでいるんだったら、なぜ、MアンドAとかを行うときには、ゴールドマン・サックスですとかモルガン・スタンレーとかいった外資に負けてしまうのか。これは、銀行か証券かというものではなくて、日本の金融機関の総合力、国際競争力を高めていくことが必要ではないかと思います。
 先ほどは日本市場の魅力を高めるという話をお伺いしましたが、日本の金融機関の国際競争力の強化、この点について大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

#48
○麻生国務大臣 これは、山田先生、極めて大事な話でして、これは人材ということになるんだと思います。
 競争力の強化という表現でしたけれども、まさにそうなんですが、日本の金融機関が海外の同業他社と競争する、切磋琢磨するということですかね、それで結果が日本の顧客のサービス向上につながるということと、企業が今後人口が少なくなる日本の中ではなくて海外でのマーケットというものを目指すのは当然なんだと思いますが、グローバルになっていく、インターナショナルになっていくサービス、そういった営業の展開によって、日本だけではなくて世界の経済の発展にも寄与するというようなことが多分期待される、そういった時代になっていくんだと思っております。
 したがいまして、私どもとしては、日本の市場というものが魅力のある市場として更に発展していくというのはもちろんのことですが、私ども金融庁といたしましては、日本の金融機関が国際競争力を強化することによって日本の企業の国際競争力をというようなことを、両方、ウイン・ウインの関係になっていけるような感じで取組を進めてまいらねばならぬ、そう思っております。

#49
○山田(賢)委員 ありがとうございます。
 もうだんだん時間もなくなってきましたので、最後に、中央銀行発行デジタル通貨とデジタル人民元についてお尋ねをしたいと思います。
 デジタル通貨、今いろいろ言われておるんですけれども、新たに別にデジタル通貨と呼ばなくても、今、日本は、実は、電子振り込み、パソコンで送金しているのも、これもある意味デジタル通貨なのではないかなというふうに考えております。日銀の裏づけのある円が決済できる、これがデジタル空間で取引をされているというのは、十分デジタル通貨なのではないかなと思っています。
 ただ、今後新たに日銀が発行する中央銀行デジタル通貨というものを広めていくのか、それとも、既に民間でSuicaですとかさまざまな電子マネーというのが広がっております。デジタル人民元がなぜ広がっているかというと、取引実態が非常に広がっていること、これによるものではないかというふうに考えております。だとするならば、新たに実験的に中央銀行デジタル通貨というものをつくるよりも、既にある電子マネー、Suicaですとかそういったものの技術を後押しして、これをデファクトスタンダードにしていくことによって日本のデジタル円というものを広めていく、このことが大事ではないかというふうに考えております。
 他方で、デジタル人民元はもう一つ別の側面があって、ドルを中心とした金融覇権、これに対する、金融制裁の枠組みから影響を受けない、こういった側面があるんだろうと思っております。大臣もG7等でさまざま御発言をされていたと思いますが、デジタル人民元の評価について最後にお聞かせをいただけますでしょうか。

#50
○越智委員長 麻生大臣、申合せの時間を過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。

#51
○麻生国務大臣 これは、デジタル人民元というのに、いわゆる通称CBDC、セントラル・バンク・デジタル・カレンシー、中央銀行発行のいわゆるデジタルカレンシーということなんですけれども、米国を始め、この問題に関しましては、山田先生と同じで、私どもも意識を共有しているところなんです。
 過日行われましたG7の中央銀行総裁会議というのにおきましても、これについては、まずきっちり透明性にしてくれ、中国のやっているのはよくわからぬ、それから法の支配をはっきりさせてもらおう、ルールを決めてそのとおりやってくれる、また、健全な経済ガバナンスに関してコミットしている、取組をきちんとやっております先進国のこういった取組は促していくべきで、こうしたコミットを欠くものに関しては注意喚起をしていかねばならぬということを私の方から申し上げて、この問題意識というものを反映した共同声明というのが過日出されたところだと思っております。
 これは、いわゆるブロックチェーン等々いろいろあるんですけれども、こういったような問題や、各国のデジタル通貨というものの中でも中国のものというのは、主に一帯一路とかいろいろなところと関係させて動かそうとしているという意図はわからぬわけではありませんけれども、今言われましたように、ドルとの、通貨基軸等々いろいろなもの、これまでの通貨体制に対する一種の挑戦というような面で、それがうまくいくかいかないか、ちょっとよくわからぬところでもありますので、十分に注意をして見ていかねばならぬところだと思っております。

#52
○山田(賢)委員 ありがとうございます。
 以上で質問を終わります。

#53
○越智委員長 次に、海江田万里君。

#54
○海江田委員 立憲民主党、社会民主党それから無所属の会の海江田万里でございます。
 まず、先ほど麻生大臣から報告のありました破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告でありますが、麻生大臣からの報告にもありましたように、資金援助のうち救済金融機関等に対する金銭の贈与は今回の報告対象期間中にはない、それから、預金保険機構による破綻金融機関等からの資産の買取りは今回の報告対象期間中にはないということでありますから、これは、言ってみると、金融システムが比較的安定をしているということの証左ではないだろうかと思います。
 もちろん、これからまだ何があるかわかりませんが、まずはこういう報告がなされたということでありますので、この報告についてしっかり質疑をしたいと思いましたけれども、こういう小康状態でありますので、きょうは、この報告については、小康状態で、まずは、まずまずの形である、状態であるということを申し述べまして、この報告についての私の質問は終わらせていただきます。
 そして、これは通告してございませんけれども、この三連休の間にやはり新型感染症の感染者数が全国的に非常に拡大をしたということで、私も大変危惧を持っているところでございます。
 けさ方ですかね、テレビを見ておりましたら、やはりGoToトラベルの問題が一番問題でありますが、その中に、いわゆるキャンセルをするとキャンセル料を取られるから、だから来たんだと言う方がいましたね。テレビでああいうコメントが流れるということは、その人一人だけが言っているのじゃなくて、そういう発言がいろいろなところであったということで、そのうちの一つとして紹介をしていることだろうと思いますが、やはりキャンセル料を取られるから旅行に来たんだなどというのは、これはとんでもない、とんでもないというより、主客が転倒した話でありますので。
 先ほどたしか前原さんからお話がありました、国がこのキャンセル料については面倒を見るということのようでありますが、これは予備費でやるのが一番いいんじゃないだろうかというふうに思っておりますが、当然、予備費の支出の項目の中でキャンセル料を払っても問題はないわけでありますね。それを確認で、どなたかわかれば教えていただきたいと思いますが。

#55
○麻生国務大臣 あらかじめ御質問通告がなかったのであれですけれども、予備費の、検討する対象にはなるんだと思いますね、これは。それはそうだと思いますけれども。
 いずれにいたしましても、どう使うかというのにつきましては、これは主に国交省、厚生労働省かな、そういったところとの話をよく詰めていただいた上で、GoToトラベルというか、農林水産省も関係するんだと思いますけれども、そういったものを見た上で、運用を適切にやってもらわなきゃいかぬということになるんだと思います。

#56
○海江田委員 質問通告できませんでしたけれども、まさにこの休みの間に拡散したということでございますので、それは御勘弁をいただきたいと思います。
 いずれにしましても、やはり財布のひもを握っておりますのは麻生大臣でございますので、まさにまだ七兆二千億ほどあるということでございますので、これを使ってやはり必要なところにちゃんとお金を行き渡らせる、そのための予備費なんだということをアナウンスをしていただきたいと思いますので、この点については、ぜひそういう形で、別に全然けちるようなことなんかないよと。もちろん、必要なところにしっかり配らなければいけないわけでございますが、必要なところにはちゅうちょなくこれをちゃんと支出していくということをぜひお願いをしたいと思います。
 さて、もう一つ問題がございます。
 先日調査局から報告がありました、森友学園問題に係る財務省による文書改ざん等に関する予備的調査についてでございます。
 まず最初に麻生大臣にお尋ねをしたいんですが、今回の予備的調査に対する回答を当然財務省が行ったわけでございますが、財務省の全体的な責任者である麻生大臣は、国政調査権で衆議院の調査局から質問があった、これに回答するに際して、どういう基本的な姿勢で今回の調査に応じたのか、教えてください。

#57
○麻生国務大臣 御存じのように、予備的調査におきましては、これはいわゆる両院の国政調査権を補完するものでありまして、政府としてこれに可能な限り協力すべきものだと考えております。基本的な姿勢で申し上げれば、そういうことになります。
 そのため、今般、衆議院の調査局から協力要請をいただいた予備的調査につきましては、財務省としては、御要請をいただいた多岐にわたる資料につきまして、当時及び現在の財務省本省や近畿財務局、合計百三十名の職員に対して必要な資料の探索等々の確認を行うなど、できる限りの協力をさせていただいたところだと思っております。

#58
○海江田委員 今大臣から、国政調査権の補助的なというようなお話がありましたけれども、私は、これは国政調査権そのものだと思っております。
 この予備的調査、これまでに実施されましたのが、委員会の決議と、それから委員四十人以上からの要請と二つの種類がありますが、委員会の議決に基づく予備的調査は二回でございます。それに対して、四十人以上の議員からの要請に基づく予備的調査というのは全部で四十九回あるんですね。与党の皆様方は余り利用されていません。全く皆無ということじゃありません、一度か二度はあるようでございますが、大宗は野党の議員からの要請によってこの予備的調査が行われているわけでございます。
 委員会の議決に基づく予備的調査が二回、それから四十人以上の議員からの要請に基づく予備的調査が四十九回。しかも、今回は川内さんを始めとして、川内さんのほか百二十七名という、これは本当に、非常に、一番大きな議員が賛同して、そして調査をしてくださいというお願いだったわけでございます。
 きょうは衆議院の調査局長にお出ましをいただいておりますが、これまでの、今私が申し上げました、平成十年からだろうと思いますが、過去の調査の中で、訴訟を理由に、とりわけ民事訴訟を理由に調査に応じなかったというケースはありますか。

#59
○佐野調査局長 お答えいたします。
 今回の財務金融委員会の予備的調査以外に、これまで報告書を提出いたしました予備的調査、四十六件ございますけれども、民事訴訟を理由として資料の提出や回答がなされなかった事例はございませんでした。

#60
○海江田委員 今、民事訴訟を理由に回答がされなかったものはないという御返事をいただきましたが、その前に、調査局の皆さん、本当にお疲れさまでございました。大変丁寧な調査をやっていただきました。
 私、これはかなり、この予備的調査というのは始まった当初からかかわっておりまして、例えば、平成十一年の十二月に命令があって、そして平成十二年の三月に報告をいただいた、銀行、生保など金融機関の行き過ぎた営業活動による個人債務者、契約者の被害に関する予備的調査という、当時は、当時というかその前ですけれども、銀行や生保が提案型融資というのをやっていたんですよ。時々、金融庁で問題になりましたけれども、それがどの程度行き渡っているのかということを調査をお願いしたんです。
 このときは、まさに債務者と、それから貸し手の側の金融機関との間でたくさんの民事訴訟が行われていたんですね。しかし、行われていたけれども、にもかかわらず、やはり国からの、衆議院からの調査というものが大事だということで、これは当然のことながら、ちゃんと、うちはどのくらいの件数がありますよということを報告をしてくれた、調査に応じてくれたわけですね。
 今回、やはり財務省が訴訟を理由に、しかも民事訴訟ですよ、これははっきり言って。刑事訴訟の場合は、確かにこれはいろいろ、議院証言法でも証言をしないで構わないというような要件があるし、それから、予備的調査をやるためには、刑事訴訟のおそれがある場合はやっちゃいけないよということで、実は我々は待っていたんですよ、ずっと刑事訴訟が一段落するまで。
 そして、やっと刑事訴訟が終わったから、民事訴訟として、これは民事訴訟はあるけれども、それも本当に、亡くなられた赤木さんの奥様がやむにやまれず、余りにも財務省の態度がひどいので。すぐやったわけじゃないんですよ、しかも、お金が目的じゃないということはおっしゃっていますけれども、余りにもひどいので、これは訴訟をやむにやまれず起こしたわけですよ。その民事訴訟を盾にこれは回答ができないなんというのはもってのほかだと私は思っております。
 詳しい法的な、国政調査権と司法権の問題については階さんがたっぷりやってくれると思いますが、本当に、やはりそういうやむにやまれぬ事情で赤木さんの奥様が訴訟を起こしたにもかかわらず、赤木さんが本当に生命を賭して書いた記録ですよ。その記録のファイル、赤木ファイルと言われるもの、これがあれば事実関係がわかるんですよ。そうでしょう。事実関係を知りたいと思わないんですか。私は、事実関係を知りたいと思わない、若しくは、事実関係をまだ本当にふたをしたい、そう思っているとしか思えないんですよ。
 何でこんな、訴訟をと、とりわけ民事訴訟を理由にこういう返答になったんですか。お答えください。

#61
○大鹿政府参考人 お答えいたします。
 先ほど大臣が答弁されましたとおり、もとより、国会の予備的調査は議院の国政調査権を補完するものであり、政府としてはこれに可能な限り協力すべきものというふうに考えております。
 そのため、今般の協力要請をいただいた予備的調査につきまして、財務省としても、御要請いただいた多岐にわたる資料について、当時及び現在の財務省本省及び近畿財務局の職員合計約百三十名に対しまして必要な資料探索等の確認を行うなど、できる限りの協力をさせていただいたところであると認識しております。
 しかしながら、御指摘のファイル、メモにつきましては、現在係属中の国家賠償請求訴訟、これは民事ではありますけれども、これにおきまして、存否も含めて求釈明事項の対象となっておりますことから、訴訟の一方当事者である国としては、あくまで訴訟の場で国としての主張を明らかにし、裁判所の判断を仰ぐということが基本であって、訴訟外の言動等によって訴訟に対する司法審査に影響を及ぼすべきではないと考えておりまして、このため、訴訟外でお答えすることを差し控えさせていただいているということを御理解いただきたいと存じます。

#62
○海江田委員 この後、階さんからお話があろうかと思いますが、並行調査、立法調査とそれから訴訟、この二つは同時に進めることができるということが定説といいますか、主流になっているわけですから。
 それから、先ほどもお話ししましたけれども、何で亡くなられた赤木さんの奥様が訴訟を起こさざるを得なかったかということなんですよ。そこにやはり深く思いをいたしたとき、少なくとも赤木さんが心血を注いで、このことだけはやはり後世に残したい、このことだけはちゃんと伝えたい、どうして自分が改ざんに至ったかということをやはりきちっと後世に残したい、歴史にとどめたい、その思いをまたここであなた方は踏みにじっていることになるんですよ、これは。
 そのことをよく覚えて、普通の民事訴訟、最初から何か訴訟を起こして損害賠償金を取ろうとか、いろいろな民事訴訟がありますよ、そうじゃないということ、これをやはりどういうふうに皆さん方が考えるか。明らかにすればいいんですよ。いずれ明らかになりますからね。皆さん方がやっていることは、火を油紙で包んでいるようなものですよ。一旦紙で包めば火は見えなくなるかもしれない。でも、必ず燃え上がりますからね。いいですか。
 その上で、訴訟を理由に、ここで、訴訟にかかわることであるため回答を差し控えたいと書いてありますが、では、訴訟が終わったら、これは当然回答するわけですね。回答というか、明らかにするわけですね。

#63
○大鹿政府参考人 お答え申し上げます。
 現在、現に訴訟が係属しておりますので、訴訟が終わった後の対応については、仮定の質問ということになりますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにしましても、現在係属中である国家賠償請求訴訟につきましては、国として引き続き必要な主張を行いつつ、真摯かつ適切に対応してまいりたい、このように考えているところでございます。(発言する者あり)

#64
○海江田委員 本当にそうだよね。
 あなたは仮定だと言うけれども、別に、UFOがいつ飛んでくるんですかとか、そういう話ならこれは仮定ですよ。だけれども、裁判というのは必ず終わるんですよ。終わらなかった裁判がありますか。全部終わるんですよ。だから、時間の問題なんだから、むしろ早い段階で明らかにして、先ほど大臣もお話がありましたよ、それから、もう二度とこんな改ざんなんかしちゃいけないというのも何度も聞きましたよ。そのあかしとして、まず、その貴重なファイルを公開をする、衆議院の調査局から問合せが来たんだからそれに答えるということは、本当に、その意味ではもう最後のチャンスだったのかもしれませんね。
 いずれにしろ、そういうかたくなな、とっているんだったら、我々は何度でもやりますからね、四十人以上で。これは何度でもやる。次はもう通用しませんからね、こういう答えは。いいですね。
 そのことだけを申し述べて、終わります。

#65
○越智委員長 次に、階猛君。

#66
○階委員 立憲民主党の階猛です。
 引き続きまして、今回の予備的調査についてお尋ねしたいと思います。
 内閣法制局長官にもお越しいただいていますので、早速お尋ねいたしたいと思います。
 今、海江田委員からの質問の中で、民事訴訟の係属中を理由に予備的調査への回答を控えた例はないということが明らかになりました。
 ところで、今回の報告書によれば、亡き赤木俊夫さんが作成したいわゆる赤木ファイルの提出要請と探索先について、財務省が、訴訟にかかわることであるため回答を控えたいというふうに、先ほど来指摘があるところです。
 ところが、私のお配りしている資料をごらんになっていただきたいんですが、二十番、国政調査権と司法権という表題が付されております。
 この中では、これは内閣法制局が書かれたものですけれども、司法に関することも国政調査の対象となるということをまず最初の方で言っておいて、その上で、司法の独立にいささかでも反するような国政調査を行うことは許されないとしています。
 そこで、内閣法制局長官に、一般論としてお尋ねします。
 民事訴訟の一方当事者が相手方に対して提出を求めている資料について、行政監視の目的で国政調査権に基づいて資料提出を要求することは、今申し上げましたこの見解、司法の独立にいささかでも反するという国政調査に当たるのかどうか、この点を、法制局長官、お答えください。

#67
○近藤政府特別補佐人 今先生のお示しされました、私どもの執務参考資料からの抜粋がされておりますけれども、私ども、個別の問題ということではなくて一般論ということでございますけれども、そこの資料にも書いてございますとおり、一般論として、司法権の本質であり中核をなす裁判作用については、司法権の独立が保障されており、国会の権能の外にあることから、裁判所による裁判の行使に関して司法の独立にいささかでも反するような国政調査を行うことは許されないと解されております。
 現に裁判所に係属中の事件であるからといって、およそ国政調査の行使が許されなくなるわけではございませんが、一般論としては、民事、刑事を問わず、裁判所に係属中の事件について裁判所と同様の目的で行われるなど、当該事件に係る裁判に不当な影響を及ぼすような国政調査については、その要求を拒み得ると解されております。

#68
○階委員 私たちは、まさに国会の行政監視機能が害されたのではないかという観点から、赤木ファイルを見たいということでありますし、また、司法の独立を害するとか、司法に不当な影響を与えるという目的は全くないわけです。
 その意味で、私たちは、この内閣法制局の見解に沿ったとしても、これは当然開示されるべきものだと考えております。もしそうでないというのであれば、大臣の見解をお示しください。

#69
○麻生国務大臣 裁判が係属する中で、目的が違えば国会による並行調査を行うことができると主張してきた場合の話をしておられるんだと思いますが、今法制局長官が答弁をいたしましたとおり、一般論として、民事とか刑事にかかわりませず、係争中の裁判につきましては、裁判所と同様の目的で行われるなど、その事件にかかわる裁判に不当な影響を及ぼすような国政調査への対応として、回答を差し控えることができると承知をいたしております。
 したがいまして、国家賠償請求訴訟及び予備的調査のいずれも文書改ざん等の問題の真相を明らかにすることを目的として御指摘のファイルの提出を求められていると承知をいたしておりますので、実質的に目的が同じものであると私どもは認識をいたしております。
 このため、御指摘のファイルにつきましては、訴訟に関することでもありますので、国家賠償の請求訴訟の一方的な当事者である国といたしましては、繰り返しになりますけれども、訴訟の場で国として主張を明らかにして、証拠に基づいて立証して裁判所の判断を仰ぐ、これが基本だと思っておりますので、訴訟外の言動によって、訴訟に対する、司法審査に影響を及ぼすべきではないと考えております。
 したがいまして、従来よりのお答えを申し上げておりますとおり、回答は差し控えさせていただきたいと存じます。

#70
○階委員 今大臣も、その前の法制局長官も言ったとおり、許されないとすれば、目的が同一である、そして不当な影響を及ぼす、この二点が満たされて初めて並行調査が許されないということになるわけですね。
 ところが、目的が同一かどうか。私たちは、国会の行政監視機能が害されたのではないか、そのことを明らかにするための調査です。裁判は、民事訴訟でして、個人の権利を主張する、そして損害賠償を求める、その目的ですから、全く違います。
 そして、なぜ不当な影響を及ぼすと言えるんでしょうか。私たちは、客観的な証拠資料、資料を提出してほしいと言っているだけでありまして、そこに対して評価を加えるとか、そういうことを目的としているわけではありません。不当な影響を及ぼすとは到底言えないと思います。大臣がおっしゃった要件には全く当てはまらないわけでありまして、ぜひ、これは出していただくべきです。
 逆に、これを出していただかないと、先ほど、大臣、予備的調査は国政調査を補完する役割だとおっしゃっていました。国権の最高機関である国会が有する国政調査権を踏みにじることになりますよ。大臣、これは皆さん、出す義務がありますよ。先ほど言った提出を拒む要件には当てはまらない、そこをもう一度申し上げます。
 大臣、もう一回、提出していただきたいんですが、いかがでしょうか。

#71
○麻生国務大臣 いわゆる森友学園問題の全容というのは、いまだに明らかになってはおりません。(階委員「明らかにしなさいよ。明らかにしろよ」と呼ぶ)それだけですか。国民の関心もまた衰えることがない。
 そこで、今般の赤木氏手記の公表と、同氏のいわゆる妻によります提訴を契機として、文書改ざん問題の真相を解明し、行政に対する国民的信頼を回復するべく、本件予備調査の実施を要請するというのが予備調査の目的だというように、予備調査の目的でしょう、これが。
 したがいまして、私どもは、先ほどお答えをいたしましたとおり、そのため、御指摘のファイル等々、いろいろ訴訟に関することでもありますので、私どもとしては、国家賠償請求の一方の当事者であるという国としては、私どもとしては、あくまでも訴訟の場で国としての主張を明らかにして、証拠に基づく立証を尽くして裁判所の判断というものを仰ぐということが基本なんだと思っておりますので、訴訟外の問題としては、司法審査に影響を及ぼすということも考えられますので、私どもとしては、今申し上げたとおり、回答は差し控えさせていただきたいと申し上げてきております。

#72
○階委員 後段の方の答えは全く先ほどの繰り返しでありまして、私たちは、目的は違いますし、また、不当な影響も及ぼさないことから、提出を拒む理由には当たらないということを言っているわけです。
 ただ、その前段の方でもっと重要なことをおっしゃっていました。森友事件の真相は明らかになっていない、これをおっしゃるのであれば、もう一回調査やり直しじゃないですか。しかも、第三者委員会でやらないと、皆さんの内部の調査では不十分だったということをみずから認めていますよ。調査やり直しですよ、これは。調査をやり直してください。

#73
○麻生国務大臣 最後までよく聞かれていないと思うんですが。
 予備的調査の目的を先ほどより御説明させていただきました。予備的調査の目的というのは、森友学園の全容はいまだに明らかでない、そこだけ捉えてしゃべっておられますから、これは予備的調査の目的を説明したというように御理解いただければと思いますが。

#74
○階委員 最初、そのような枕言葉はなかったですね。全容が明らかになっていないと最初におっしゃったから、私はそう言ったんですよ。みずから認めたじゃないですか。

#75
○麻生国務大臣 私の発言を最後まで聞かず、途中から一方的に区切られて発言をされたので、確認をさせていただきましたよ。そして、予備的調査の目的をしゃべっておりますと申し上げたじゃないですか。議事録をよくもう一回見ていただければと思います。(階委員「ちょっと一回中断して。ちょっと今の答弁、最初のところ、違いますから。明確におっしゃいました」と呼ぶ)

#76
○越智委員長 階君、もう一度質問してください。

#77
○階委員 整理します。
 最初に、全容は明らかになっていないとおっしゃられましたよね。そのときに予備的調査の目的とは言っていません。最初に言ったことはそのとおりです。その後、後ろにいる方が出てきて、慌てて予備的調査の話に切りかえたんですよ。だから、そこを私は言っているんです。最初に言ったことが大事ですよ。

#78
○麻生国務大臣 予備的調査の目的とここに書いてあるので、私どもとしてはちゃんとそれを読んでいますので、それが終わった後、最後に予備的調査の目的を説明しているんですがと申し上げただけです。(発言する者あり)

#79
○階委員 委員長に申し上げます。
 最初の答弁でおっしゃったことと違うことを今おっしゃっていますので、後で速記録を精査していただいて、大臣の答弁、間違っていると思いますので、そこを委員会の方でしっかり取り上げていただきたいと思います。

#80
○越智委員長 この点については、理事会で協議します。

#81
○階委員 私も、この真相解明はまだまだできていないと思いますよ。つい本音が出たんだろうと私は思いました。
 そこで、目的が違うということを私たちは言っているわけです。国権の最高機関たる国会の国政調査権が踏みにじられたのではないか、そこを検証するという目的であって、訴訟とは全く目的が違います。
 逆に、そういう目的で並行調査が許されなければ、どういう場合に並行調査が許されるんでしょうか。ほとんど並行調査は許されないということになると思います。
 もう一つ、私、三月二十四日にも、赤木さんの手記が雑誌等で公表された直後に質問したんですけれども、赤木さんが自殺に追い込まれたことに関する真相究明をそのとき求めましたが、まともに答えられず、財務省が組織として抱える問題を抽出し、風土の改革を進めているというようなことを大臣はおっしゃられていました。
 私は、今回の件を見ても、相変わらず文書隠蔽の風土は変わっていないのではないかと思いますけれども、大臣、財務省の風土は変わっていないんじゃないですか。

#82
○麻生国務大臣 この今の御質問と財務省の風土改革を関連づけられてしゃべっておられるということですか。
 私どもは全然違うと思いますけれども、これは私ども、法律的に基づいて、国の立場として当然のことを申し上げているんだと思っておりますので、この問題に関しまして、隠蔽しようという気はございません。

#83
○階委員 では、今回、拒み得るということで大臣は答弁されていると思うんですが、法制局長官、政府の方はさっき言ったような理由で、目的が同一であるとか裁判に不当な影響を与えるとかいうことで提出を拒んでいるこの赤木ファイル、仮に百歩譲って拒み得るとしても、財務省がみずから積極的に真相を明らかにするために赤木ファイルを提出する、これは制度上は問題ないのかどうか。法制局長官、お答えください。

#84
○近藤政府特別補佐人 お答えいたします。
 先ほど一般論としてお答えをいたしましたけれども、私ども、お尋ねにつきましては個別案件の話でございまして、まさしく当該案件を担当している省庁が御判断し、お答えされるべきものだと思っておりますので、私ども、ちょっと詳細を承知しておりませんので、お答えすることは差し控えたいと思います。

#85
○階委員 一般論として、個別の事案を離れて、法制局長官にお尋ねします。
 先ほど言った提出を拒み得るような場合、目的が同一であるとか、あるいは裁判に不当な影響を与えるといったような場合であったとしても、あくまで、拒み得るというのは拒むことができるという意味であって、任意で求められた側が提出する、これは別に問題ないという理解でよろしいですよね。

#86
○近藤政府特別補佐人 ちょっと個別の話と絡むんでしょうけれども、基本的には、不当な影響を及ぼすということで拒んでおられるので、何かそれを任意に出すということは、ちょっと一貫性を欠いたような対応のような感じはいたします。
 ちょっと、最終的にはそれぞれの御省庁の御判断でやられることだと思いますけれども、基本的には、お断りになっておられる以上、任意というのは余り考えられないのかなというふうに、今のお話を伺いまして、感想を持ちました。

#87
○階委員 これは財務大臣のリーダーシップが問われていると思うんですね。本当にこの真相を解明して、責任の所在を明らかにして、再発防止を図るのであれば、法制度上は拒み得る場合であったとしても、赤木ファイル、これは重要な資料ですよ。国権の最高機関たる国会に提出すべきだと思っております。
 組織風土を変えようという気持ちがないのであれば、財務省の役人の言うとおり法解釈を振りかざして提出を拒むということはあり得るのかもしれませんけれども、大臣が本気でこの財務省をまともな組織にしていこうと思うのであれば、今回、この赤木ファイルを提出すべきですよ。
 最後は個別の省庁の判断だということを法制局長官はおっしゃっていましたので、ここはぜひ大臣のリーダーシップで提出していただけませんか。お願いします。

#88
○麻生国務大臣 御意見としては伺っておきます。
 先ほど申し上げたとおりなので、少なくとも釈明事項等々の対象となっておりますので、訴訟の一方の当事者である国としては、私どもとしては訴訟の場で明らかにしてまいりたいという司法に対する考え方を変えて考えているわけではありませんので、私は従来より、訴訟外でお答えすることは差し控えたいということを、先ほどから申し上げているとおりです。

#89
○階委員 そういう役人が書いた答弁書をただ読み上げるだけで本当にいいんですかね。どうぞ。

#90
○麻生国務大臣 役人の書いたもの以外を読むとどういう結果を期待しておられるのでしょうか、よくわからぬのですけれども。
 私どもとしては、少なくとも、役人が書いたものであろうと、ただ読んだものであろうと、私がそらんじて答えたものであろうと、基本は同じだと思っておりますが。

#91
○階委員 大臣のリーダーシップを期待して申し上げました。
 それで、組織風土を改革するために、去年の六月ですか、組織理念というものを財務省で定められましたね。大臣、それはお読みになっていますか。お読みになっていたらそういう結論にはならないと思うんですが、お読みになっているかどうか、お答えください。

#92
○麻生国務大臣 組織理念というのは、秋池さん等々に大変お世話になりまして、長い時間をかけて、私ども、次官、局長以下、私を含めまして、いろいろ秋池さんと話をさせていただく機会を得たというのは事実であります。

#93
○階委員 では、その中の行動規範、三つありますけれども、覚えていますか。

#94
○麻生国務大臣 八十歳になって記憶力もそんなによくはありませんので、全部そらんじて覚えているわけではございません。

#95
○越智委員長 階君、予定した時間が参りましたので。

#96
○階委員 はい。これで終わります。
 私から申し上げますと、一つは、公正と誠実です。遂行した職務についてしっかりと説明します。それから二つ目は、研さんと挑戦です。困難に直面しても粘り強く取り組みます。三つ目は、風通しと柔軟性。誤りはちゅうちょなく正し、よい意見を積極的に取り入れます。全くできていませんということを申し上げまして、質問を終わります。
 以上です。

#97
○越智委員長 次に、日吉雄太君。

#98
○日吉委員 立憲民主党・社民・無所属の日吉雄太です。
 私も森友学園問題について質問をさせていただきます。
 まず、前回のときに質問できなかった点から聞かせていただきます。私の方からは個別的な内容についてお伺いさせていただきます。
 この報告書の千百九十ページに、調査票八、この中に探索先として財務省大臣官房長・秘書課というところの調査票があるんですが、ここで、当時の在籍者についての調査が、現在の在籍者に確認すれば探索可能なためということで、実施しなかったということになっております。
 他の探索先を見ますと調査されているんですけれども、なぜここだけ当時の方に調査をしなかったのか、これについてまず教えてください。

#99
○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。
 大臣官房長・秘書課において探索対象となった資料は調査報告書を作成した際の聴取メモ等であり、当該聴取メモ等は現在の在籍者が保管していることから、現在の在籍者に対して資料探索等の確認を行ったものでございます。

#100
○日吉委員 ほかの部署でもそういったものは引き継がれていると思います。ですので、対象者が全く同じだったらわかるんですけれども、そうじゃなくて、違う方もいたら、念のために確認する必要があるんじゃないかなと思うんですが、そこはいかがでしょうか。

#101
○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。
 理財局において探索対象となった資料は、法律相談文書が保管されていたことを知っていた職員の範囲など当時の職員の認識を確認するものを含むため、当時の在籍者を探索対象に含めておるところでございますが、繰り返しになりますが、大臣官房長・秘書課において探索対象となった資料は調査報告書を作成した際の聴取メモ等であり、当該聴取メモ等は現在の在籍者が保管していることから、現在の在籍者に対して資料探索等の確認を行ったものでございます。

#102
○日吉委員 念のため、もう一度だけ確認します。
 ここの対象者となる方は同じなのか違うのか、それだけ教えてください。

#103
○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。
 その間に人事異動があったので、異なっている部分がございます。(日吉委員「済みません、もう一度お願いします」と呼ぶ)
 当時と現在で人事異動があったものですから、対象となる人は異なっている部分がございます。

#104
○日吉委員 もう一点、済みません。
 なぜ大臣官房においては平成三十年三月からの調査になっているんでしょうか。

#105
○茶谷政府参考人 財務省の秘書課において調査を開始したのが平成三十年三月になっているからでございます。

#106
○日吉委員 二十九年二月からということで全ての部署を調査しておりますけれども、これは大臣官房ではやる必要はないんですか。

#107
○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。
 大臣官房秘書課においては、平成三十年の三月に森友問題の改ざんが発覚した後、監察として調査するために、調査を平成三十年三月から開始したところでございますので、三十年三月からとなっておるところでございます。

#108
○日吉委員 そうしますと、先ほど、当時と現在では担当者が違うということですので、念のためそこは確認するべきではないかなということを申し上げて、次の質問に移らせていただきます。
 前回お話をお伺いしたときに、近畿財務局での法律相談文書の件でお話をさせていただきました。
 まず、会計検査院の方にお伺いいたします。
 普通、検査を行うに際していろいろな資料の請求をすると思うんですが、その際に、その窓口となる方に、こういった資料が欲しい、法律相談文書を保存されていますかというようなことを聞かれると思うんです。一般論で結構なんですけれども、そういったときに、その窓口となっている方が文書の存在がわからないときには、さらに、こういったところにあるんじゃないかとか、そういった当たりをつけながらいろいろな部署に問い合わせてもらう、こういったことをしていただくのかなというふうに想像できるんですけれども、資料要求の仕方について簡潔にお答えいただけますでしょうか。

#109
○宮川会計検査院当局者 お答え申し上げます。
 検査に関係する資料の依頼の方法についてのお尋ねでございます。
 一般論として申し上げますと、会計検査院では、検査対象機関における会計検査の窓口である部署に対しまして一括して検査に必要な資料の提出を求めるのが一般的でございます。その後、検査が進捗いたしまして、担当部署が明らかになったなどの場合には、当該部署を特定いたしまして資料の提出を求めることもございます。

#110
○日吉委員 そうしますと、この法律文書は管財部が窓口になっていましたということなんですが、法律文書の存在自体は管財部ももちろん知っていましたし、それが保存されていたということがわからなかったということなんですけれども、法律文書が存在した、それが近畿財務局の中の統括法務監査官、こちらの方でもその法律文書をやりとりしているということは近畿財務局内で共有されていたということでよろしいですね。

#111
○大鹿政府参考人 お答えいたします。
 ちょっと御質問の趣旨が、はっきりと理解しているかわかりませんが、先ほど会計検査院が答えられましたとおり、一般的に、会計検査に対しましては担当となる部門の職員が対応を行いますが、必要に応じて担当部門以外の職員が同席して補足的に説明を行う場面もございます。
 この二十九年春に行われました会計検査におきましては、主に管財部、具体的には第一統括国有財産管理官のところが中心となって対応しておりましたが、統括法務監査官が一部検査に同席をした場面もあったというふうに承知しております。
 しかしながら、統括法務監査官が同席した場面では資料の提出が求められていなかったということで、その時点において管財部の人間が法律関係文書の存在に気がつかなかったということでございます。

#112
○日吉委員 済みません、統括法務監査官が同席されていたということなんですけれども、そこに資料請求がなかったということを今御答弁だったと思うんですが、管財部の方に資料請求があったときに、じゃ、その管財部の方も当然統括法務監査官のところで法律相談の文書のやりとりをしているということは知っているわけですので、もしかしたらそちらに資料が保管されているんじゃないかということは考えると思うんですけれども、管財部からそれを聞かれたことはなかったんですか。

#113
○大鹿政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、この平成二十九年の春の会計検査におきましては、主に管財部の統括国有財産管理部門が対応しておりましたが、質問や議論の内容によって、それでは不十分なところにつきましては適宜他部門の職員も同席して補足的に説明していたというのが実際のところであります。
 こうした中で、なぜ管財部が法律相談文書の存在に気がつかなかったのかということであろうかと思いますが、部門をまたがる一覧性のあるリストが作成されていなかったことや、これは平成三十年度の会計検査院の報告書にも記載されておりますが、通常、他の部署の行政文書の保存状況を確認をする、そういう習慣にはないこと、それから、この件におきましては事務的に極めて多忙な中で会計検査の対応をしており、他部門に法律相談文書が保存されているということには思いが至らなかったということから、管財部の方では統括法務監査官部門に当該文書が保存されているということについて気がつかなかったというふうに承知をしております。

#114
○日吉委員 前回の質疑のときに御答弁いただいたんですけれども、法律文書についての個別の指示は確認されなかったという御答弁だったんですが、応接録などについては提出を拒むようにというようなことが実際に行われました。
 これは、本省から近畿財務局に対して、この内部資料、検討資料について全体として、検査院に提出するなとか、そういった指示があったんじゃないんですか。

#115
○大鹿政府参考人 平成二十九年の会計検査院の検査に対する対応につきましては、財務省の調査報告書におきまして、会計検査院から、廃棄していない応接録などを提示するよう求めがございましたが、理財局において、国会審議等において存在を認めていない文書の提出に応じることは妥当ではないというふうに考えて、存在しない旨の回答を続けたというふうに認定をされております。

#116
○日吉委員 ですので、応接録はわかったんですけれども、応接録を提出するなという指示をしているわけですから、ほかのものだって提出しないようにという指示をしていたんじゃないのかなと。
 全体として、赤木さんの手記の中では一切提出するなというふうに言われているというふうに書いてありましたけれども、本省から、検査院の検査に対して資料を一切提出するなとか、そういう指示が出されていたんじゃないんですか。

#117
○大鹿政府参考人 今般衆議院の調査局から御要請がありました予備的調査におきまして当方で行いました資料探索等の確認の過程におきまして、指示等の内容を示す資料の探索にあわせて、会計検査院への対応をしていた当時の職員に対しまして確認を行ったところでございます。
 そうしたところ、御要請の項目が法律相談文書ということでございましたので、法律相談文書について個別の指示があったということは確認されていなかったということでございます。

#118
○日吉委員 じゃ、それ以外、どういったものについて提出をしないようにという指示をされたんですか。

#119
○大鹿政府参考人 まずは、平成二十九年春の会計検査院における対応でございますが、先ほど、近畿財務局の管財部が中心、窓口となって対応したというふうに申し上げました。この平成二十九年春の会計検査院の検査は、時間的な余裕もなく、また国会等で再三にわたって御議論があった内容であるということもありまして、本省の職員が現地に赴いて、窓口である管財部の職員とともに会計検査院の対応に当たっております。そうした中で、応接録等につきましては、これまでの国会答弁との関係もありまして、回答を行わなかったということでございます。
 法律相談文書につきましては、そのような、提出を差し控えよというような指示も行われておりませんでした。

#120
○日吉委員 近畿財務局長、当時の美並局長は、この法律相談文書が保存されているということは御存じだったんですか。

#121
○大鹿政府参考人 統括法務監査官室において、所管の資料ということで、保存期間五年と定めて保管をされているという取扱いになっておりましたが、当時の近畿財務局長がその点を承知していたかどうかについては、ちょっと当方ではおわかりしかねます。

#122
○日吉委員 時間が参りましたので終わりますが、その点を確認して、今度教えてください。
 以上で終わります。どうもありがとうございました。

#123
○越智委員長 次に、川内博史君。

#124
○川内委員 川内でございます。
 委員長、理事の先生方にお許しをいただいて、大変貴重なこの時間に発言をさせていただけますこと、心から感謝を申し上げます。
 私も予備的調査報告書について聞かせていただきたいと思いますが、今般の予備的調査報告書について、明らかになったこと、私は大変重要な報告書であったというふうに思うんですけれども、麻生大臣、私が思うには、自殺された赤木さんが残された手記並びに遺書に指摘している事実について、今般財務省から提出された資料では何ら反証する資料が出てこなかったというのは非常に重要な事実ではないかというふうに考えております。
 当時近畿財務局長だった美並さんの関与の度合いについて、国会の想定問答が新たに公表されたわけですが、それは国会の想定問答であって、では、その想定問答を裏づけるさまざまな近畿財務局内でのやりとりとか、あるいは本省とのやりとりについては何ら資料は提出されなかった、監察事務に影響するからという理由だと。
 だから、結局、先ほど図らずも麻生大臣がおっしゃったように、森友学園問題の全容というのは明らかになっていない。そして、これを明らかにするのは財務省にしかできないわけですね。国民の信頼をどう担保していくのか。財務省というのは本当に大事な役所ですから、その信頼を回復するには、財務省が財務省として筋目を通すかどうかということが問われているのだろうというふうに思います。
 その観点で聞かせていただきたいと思いますけれども、まず、財務省が御自分たちでお出しになられた平成三十年六月四日の森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書、この報告書でございますけれども、佐川さんが改ざんの方向性を決定づけたと書いてあります。赤木さんの手記では、佐川さんの指示であると書いてあります。方向性を決定づけるのと指示とはちょっと意味合いが違うわけでございますけれども、この報告書の保存年限、行政文書としての保存期間は何年ですか。

#125
○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。
 調査報告書の保存期間は、十年、二〇二八年末までの保存期限となっております。

#126
○川内委員 大臣、この十年の保存期間が過ぎた後、恐らく、財務省の皆さんもあるいは今の政府の皆さんも、みんな忘れると思っていらっしゃると思うんですね。どうせ忘れるんだ、いつまでやっているんだ、野党はと言われると。
 しかし、麻生大臣がみずからおっしゃったように、あってはならないことをしてしまった組織の問題というのは、組織のDNAの傷として永遠に残るんですよね。犯罪としては時効はあるかもしれないけれども、行政の信頼というものに時効はないわけですから。これにどう向き合っていくのかというのは、財務省の人たちがこの問題をどうはっきりさせるかというところにしかかからない。我々野党は、これはどうなんですか、ああなんですかということを言うことはできるけれども、今回の報告書でも明らかになったとおり、資料が出てこなければ我々には何にもわからないんですよね、結局。財務省にしかできないことなんです。
 そこで、次の質問なんですが、では、この報告書、十年たったら廃棄するんですか。それとも、歴史公文書として、全容は明らかになっていないけれども、こんなことをしてしまったことがあるんだよ、二度とこんなことをしちゃだめだよということを歴史公文書として永遠に保存するという判断になるのか、財務大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
 これは大臣に答えてもらうことだから。官房長、申しわけない、これは大変重要なことなので。

#127
○麻生国務大臣 調査報告書の保存期間は十年、したがいまして二〇二八年末までの保存期間ということにしているところでありますが、その上で、今、歴史公文書についての話になっているんだと思いますが、これは公文書管理法において、任期満了、終了後に廃棄するということなく公文書館に移管するものだと承知をいたしております。
 したがいまして、財務省の調査報告書では、一連の問題行為の経緯や目的を明らかにした上で、その上で、説明責任を果たす観点から、できる限り調査を尽くした結果をお示ししたものであります、この資料は。
 これらを踏まえて、公文書管理法に基づいてこれは適切に処理をさせていただくということになろうと思います。

#128
○川内委員 公文書管理法に基づいて適切に処理をすると。それは廃棄するということですか、それとも、歴史公文書にするということですか。どっちなんですか。

#129
○麻生国務大臣 今申し上げたとおりで、これは御意見としては拝聴させていただきましたけれども、いずれにしても、これは公文書法に基づいておりますので、公文書管理法に基づきまして私どもとしては適切に対応してまいりますと申し上げております。

#130
○川内委員 いや、大臣、大臣の大臣としてのお考えを御披瀝いただければ結構かと思うんですけれども、私は、重要な文書であると。
 重要な文書は歴史公文書として国立公文書館に移管するよということになっておるわけでございますが、大臣は、この財務省がまとめた調査報告書、私どもは不十分だと思うが、二度とこんなことをしてはならないのだという思いを込めて、歴史公文書として語り継いでいかなければならないねという思いを今お持ちであるか、重要な文書であるという認識をお持ちであるかということをお聞かせをいただきたいというふうに思います。

#131
○麻生国務大臣 これは川内さん、極めて重要な文書だと思いますよ。当たり前の話じゃないですか。それを確認しておられるだけですか。

#132
○川内委員 重要な文書であるということで、これは歴史公文書として財務省の中で永遠に語り継いでいかなければならない、二度とこんなことをしてはならないのだということを語り継いでいかなければならない文書であるというふうに思います。
 さらに、今般、この予備的調査報告書で、さまざまな資料を、ほとんど何も提出を財務省はされなかったわけでありますが、その理由として、森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書作成時の聴取メモ等については、今後の監察事務において職員の協力を得ることが難しくなるという支障が生ずるため等という理由、さらに、先ほどから話題になっておる、訴訟にかかわることであるため回答を差し控えたいという理由、これらの理由によって資料が提出をされておらないわけでございます。
 先ほどから話題になっておる赤木ファイルですけれども、大臣、赤木さんの奥様と国との訴訟において、赤木ファイルの扱いは、国は、この訴訟には関係ないから提出しないと言っているんですよ。我々国会に対しては、訴訟に関係するから提出しないと言っているんです。これは、後で大臣、事務方に確認して、君らは訴訟でどんな主張をしているのということを御確認されたらいかがかというふうに思います。
 そこで、これらの書類を提出しないことの法的根拠、法律上、言わなくていいんだもんということを、どういう法律のどういう条文に基づいておっしゃっているのかということを教えていただきたいと思います。

#133
○大鹿政府参考人 お答えいたします。
 訴訟にかかわることであるため回答しないということについての法的根拠は何かというお尋ねについてでございますけれども、先ほど階委員の御質疑の中で法制局長官もお答えされておりますけれども、司法権と国政調査権の関係については、一般論として、司法権の独立が保障されており、国会の権能の外にあることから、司法の独立に反するような国政調査を行うことは許されないという旨、承知をしております。
 私どもとしては、もとより、予備的調査は議院の国政調査権を補完するものであり、政府としてはこれに可能な限り協力をすべきというふうに考えておりまして、そのような対応をとってきているところでございます。
 しかしながら、御指摘のファイルにつきましては、訴訟に関することでありますことから、国家賠償請求訴訟の一方当事者である国としては、訴訟外の言動等によって訴訟に対する司法審査に影響を及ぼすべきではないと考えておりますことから、回答を差し控えさせていただきたいというふうに申し上げているところでございます。

#134
○川内委員 さっぱり、委員長、わかりましたか、今の答弁。私は、法律上の根拠を教えてくださいと言ったんですよ。こういう法律があって、この法律の何条にこう書いてあるから出さないんだもん、正当化されるんだもんと。行政というのは法律で動くんじゃないんですか。
 今長々と何か御答弁されましたけれども、さっぱりわからないんですよ、意味が。法律を答えてください。法律上の根拠があるんですかということを聞いているんですよ。

#135
○大鹿政府参考人 お答えいたします。
 憲法や国会法におきますところの解釈を有権的に述べる立場ではございませんので、これについては申し上げられませんが、国が国賠訴訟における一方当事者である場合、訴訟外の言動等によって訴訟に対する司法審査に影響を及ぼすべきではないということは、一般的に当然のことではないかと考えております。
 こうした観点から、従来より、行政機関におきましては、国政調査権を背景とした委員会における質疑や資料要求、あるいは質問主意書に対しましても、係属中の訴訟に関する事務については回答を差し控えるという対応をとってきているかと存じます。今般の……(川内委員「はい」と呼ぶ)

#136
○越智委員長 川内君。

#137
○川内委員 委員長に指名を受けたので。理財局長、ごめんなさいね。
 今長々とまた答弁されていますけれども、私は、法律にこう書いてあるから言わなくていいんですという、その理由を教えてくださいということを言っているんですよ。出さないことの言いわけをしてくださいと言っているわけじゃないんです。法律で動くんでしょう、この国は。法治国家なんでしょう。だから、法律上許されるんだということを条文で答えてくださいということを言っているんですよ。
 官房長、法律の名前と、条文と、何条だということを言いますね。だったら手を挙げていいけれども。

#138
○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。
 予備的調査に関する法令としましては、衆議院規則第五十六条の二及び第五十六条の三、議院事務局法第十九条並びに議院法制局法第十条が定められているものと承知しています。
 また、平成九年十二月十一日の議院運営委員会決定においても、予備的調査に関する申合せがなされているものと承知しております。
 これらの法令などについて、政府として解釈をお示しすることは必ずしも適当でないと考えますが、衆議院御自身のウエブサイトにおいて、予備的調査は議院の国政調査権を補完するものであり、その調査協力要請は強制にわたるものではないとの解釈が示されているところでございます。
 これらを受けまして、政府としては、御要請いただいた多岐にわたる資料について、できる限りの協力をさせていただいたところでございますが、先ほども申し上げたように、訴訟にかかわる、あるいは監察事務等にかかわるということで提出を差し控えているものがあるということを御理解いただければと存じます。

#139
○川内委員 いや、だから、訴訟にかかわるような事柄については資料を出さなくてもいいんだもんということが、どういう法律によって担保されているのか。
 国政調査権を補完するものとして、院から要請のあった資料要求に関しては、真摯に誠実に丁寧に対応するというのが政府の基本的立場であると。では、その基本的立場に反してもよいのだということを法的にどう説明されるのかということを聞いているんですよ。

#140
○大鹿政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど、階議員との質疑におきまして、法制局長官から、一般論として、司法権の本質であり中核をなす裁判作用については、司法権の独立が保障されており、国会の権能の外にあることから、裁判所における裁判権の行使に関して司法の独立にいささかでも反するような国政調査を行うことは許されないと解されている旨の答弁があったと承知しております。
 これにつきましては、憲法第七十六条におきます司法権の機関と裁判官の職務上の独立ということの解釈であろうというふうに考えております。

#141
○川内委員 ここまで三回か四回やりとりしましたけれども、結局、何法の何条にこう書いてある、だから出さなくていいんですということは答弁されなかったわけですね。ということは、根拠はないんですよ。行政の恣意として、出したくないから出しませんというのが結論なんですね。
 委員長、委員長が調査局に指示をされたことでありますから、これは理事会として、もう一度きちんと出す、出しなさいと。これまでの答弁を聞いていると、やはり、財務省として真実を明らかにしようとする思いは恐らく余りないんだろう、自分たちで筋目を通そう、国民の信頼を取り戻そうというお気持ちは余りないのではないかと言わざるを得ないと思うんですね。
 そうすると国会がしっかりと対応していかなければならないわけでありますから、ぜひ理事会で、これは根拠がないわけですから、委員会としてきちんともう一度資料要求をするということを御協議いただきたいと思います。

#142
○越智委員長 この件については、理事会で協議いたします。

#143
○川内委員 さらに事実関係を、きょう調査局にも来ていただいているのでお尋ねしますが、平成二十九年二月十五日から平成三十年七月二十二日までの衆議院及び参議院の国会質疑において、森友学園問題についての内閣総理大臣、財務大臣、国土交通大臣、財務省理財局長、官房長及び国土交通省航空局長等の政府参考人、これは政府参考人以外の参考人及び佐川さんなどの証人等を含む等の国会答弁の中で、平成三十年六月十九日に参議院予算委員会に提出された会計検査院による中間的な報告、並びに、きょう話題にいたしました財務省自身がおつくりになられた平成三十年六月四日の森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書から見て、事実と異なる答弁、例えば、応接記録は廃棄した、応接記録は存在しない等の虚偽答弁等をしたそれぞれの答弁回数を調査し報告してくださいと衆議院調査局に申し上げてありますが、全部で何回、それぞれありますか。お答えいただきたいと思います。

#144
○佐野調査局長 お答えいたします。
 平成三十年七月十九日に川内先生から調査の御依頼をいただきまして、翌月二十二日に御回答申し上げた内容となりますけれども、平成三十年六月四日に公表されました財務省の調査報告書との関係では、同報告書の内容と異なる答弁は八十八回、そしてまた、平成三十年六月十九日に参議院予算委員会に提出されました会計検査院の中間的な報告との関係におきましては、同報告の内容と異なる答弁は五十一回、合計で百三十九回でございます。

#145
○川内委員 これを質問の御通告で、財務省に対して、百三十九回事実と異なる答弁、その中には恐らく虚偽答弁も入っていると思いますけれども、とにかく事実と異なる答弁は百三十九回というのをお認めになられるかということも聞いてあります。いかがですか。

#146
○大鹿政府参考人 今委員御指摘の答弁回数につきましては、議員より衆議院調査局に依頼され、調査局において調査をされた結果であるということで、私どもも承知をしております。
 財務省としましては、独自に悉皆的な検証を行っているわけではございませんけれども、また、何をもって虚偽とするかについては議論の余地があろうかと思いますが、これらの答弁が行われたということは事実でございます。
 いずれにしましても、国会への対応として、決裁文書の改ざん作業を行い、改ざん後の文書を提出したことや、応接録の取扱いについても、国会審議等において各種応接録の存否が問題になった後に廃棄を進め、存在しない旨を回答したということについては、まことに不適切な対応であったと言わざるを得ませんし、深くおわびを申し上げたいと思います。

#147
○川内委員 桜を見る会でも、何か安倍総理大臣がちょっと事実と違う答弁を国会でしたのではないかと、きのうからきょうにかけて報道されておりますけれども、森友学園問題に関しては百三十九回、今、財務省もお認めになられたわけでございますけれども、このような答弁をされていらっしゃる。
 国会でうそつき放題なのかと。大臣、どう思われますか。国会でうそをついちゃだめですよね。

#148
○麻生国務大臣 一般論として申し上げさせていただければ、これは国会におきましても当然のことでしょうが、政府として虚偽の答弁をするということはあってはならないことだと思っております。

#149
○川内委員 こういう百三十九回の答弁のうち、虚偽の答弁書が作成された回数は何回ありますか。
 要するに、財務省の調査報告書でも、総務課長、企画課長、あるいは国有財産審理室長は、その他の職員も含めてですよ、近畿財務局の応接録あるいは面接録があるということを知っていたというふうに書いてあります。知っていて、ないという答弁書をつくることは虚偽の公文書の作成に当たるわけですけれども、そういう虚偽の公文書、応接録があるということを知っていて、ないという答弁書を書いた回数が何回あるのかというのを財務省として調べましたか。

#150
○大鹿政府参考人 具体的に答弁回数を調べているということではございませんけれども、調査報告書におきまして、平成二十九年二月二十四日の衆議院予算委員会において、近畿財務局と森友学園との交渉記録というのはございませんでしたといった理財局長の答弁があるまでに、本省理財局の総務課長及び国有財産審理室長は、森友学園関係の各種応接録が実際には残っているということを認識していたというふうに認定されておりますし、また、他の幹部職員も国会審議が相当程度紛糾することを懸念して、保存期間終了後の応接録は廃棄している旨を説明するにとどめるということを志向したということも認定されておりまして、その上でそのような国会答弁がなされたということは事実でございますし、これについては深く反省をしているところでございます。

#151
○川内委員 理財局長さん、こちらの聞いたことに誠実に答えず、しかし、最後の方で反省していますと言えば何となく許されるみたいに思っていらっしゃるとしたら、それは、今、首を振っていらっしゃるけれども、そんなつもりはないんだよ、ちゃんとやるんだよという思いだと思うんですよ。
 だったら、虚偽の答弁書を知っていてつくった人、まあ、人をこの際どうこう言うのはやめましょう、要するに、いろいろな資料があるということを知っていて、ないという答弁書をつくった回数が何回あるのかというのは、私は、これは財務省としてしっかり調査すべきことだと思いますよ。
 例えば、この調査報告書の十九ページに「情報公開請求により、森友学園案件に関する一連の応接録の開示を求められるケースも相次いだが、その都度、「文書不存在」を理由に不開示の決定を行ってきている。」と。これは、あるということを知っていて文書不存在という開示決定をしたということは、完全に虚偽の公文書を作成したということじゃないですか。
 何回あるんですか、これは。いかがですか。さっきは、百三十九回は国会答弁ですけれども、これは何回ですか。

#152
○大鹿政府参考人 お答えいたします。
 情報公開請求によりまして応接録の開示を求められた際に、文書不存在を理由に不開示の決定を行った回数ということにつきましては現時点で承知をしておりませんけれども、繰り返しになりますが、調査報告書におきましては、この予算委員会における理財局長の答弁までに、本省の一部職員は応接録が実際に残っていたということを認識しておりました。また、情報公開請求に対しまして、廃棄されずに残された応接録についても文書不存在と回答したり、改ざん後の決裁文書を開示したということは不適切であるというふうに認定をされておりまして、これまでも国会で御答弁しているとおり、大変不適切な対応であったというふうに考えております。

#153
○川内委員 いや、だから、理財局長さん、最後に、不適切な対応であった、反省していますと言えば、その前はもう適当なことを答弁しても許されるみたいに財務省さんが思っていらっしゃるとしたら、それはやはり、だから、財務省しかこれはただすことはできないんですよね。
 国民は財務省を信じているんですよ。なぜなら、予算を組み、税金を徴収し、国家の中心として財務省をみんな信頼しているんですよ。冠たる財務省であってほしいと思っているわけです。そこにこの傷があるわけですよ。では、その信頼をどう回復していくのか、財務省のあるべき姿をどうやって示すのか。
 私は、今の答弁は到底納得できる答弁だとは言えないです。通すべき筋を通してこそ財務省の信頼があるわけで、誰がいつどのような形でこういう改ざんをしたのか、そして、その改ざんに基づいて、誰がいつどのような形でうその答弁書をつくったのか、これを全て明らかにして、二度とこんなことはしないよということを、その時点で初めて反省していますと言って国民の信頼が得られる、回復されるというふうに思うんです。
 だから、そういう意味で、大臣、やはりもう一度、私は一連のことをきちんと調査をすべきであるというふうに考えますが、大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

#154
○麻生国務大臣 財務省といたしましては、これは御存じのように、検察当局の協力も得た上で、応接録や改ざん前の決裁文書などの関係資料を公表して、文書改ざん等の問題につきましても、捜査当局による捜査とあわせまして、説明責任を果たす観点から徹底して調査をさせていただいたものだと思っております。
 その上で、平成三十年の六月に調査結果を取りまとめて、この結果、一連の問題行為につきましては、佐川元局長が方向性を決定づけ、近畿財務局の職員の抵抗にもかかわらず、本省理財局の指示により行われたと結論づけられたものだと承知をいたしております。
 したがいまして、このように、財務省としてはできる限りの捜査を尽くした結果というものをお示しをいたしておりますので、今の段階で再調査を行うことは考えておりません。

#155
○川内委員 大臣が、先ほど階さんの御質疑で、意見としては伺っておくというふうにおっしゃって、大臣が意見として伺うというのは非常に大きなことで、私どもの、再調査してくださいよということに対しても、今は再調査は考えていないということですが、意見としては聞いていただいているという理解でよろしいですかね。意見としては聞いていただいていると。

#156
○麻生国務大臣 そんなに耳も遠くありませんので、まだ聞こえております。

#157
○川内委員 意見としては聞いているということでよろしいですかね。聞こえているじゃなくて、意見として聞いている、聞いたということでよろしいでしょうか。

#158
○越智委員長 申合せの時間が経過しておりますので、御協力ください。

#159
○麻生国務大臣 今御答弁申し上げたとおりです。

#160
○川内委員 終わります。

#161
○越智委員長 次に、清水忠史君。

#162
○清水委員 日本共産党の清水忠史です。
 初めに、コロナ対策助成金に対する差押えの考え方について確認したいと思います。
 本年四月二日、国税庁は、「新型コロナウイルス感染症関連の助成金等に対する差押えについて」という指示文書を出しました。
 配付資料をごらんください。これはコロナ対策として支給、交付される各種助成金に対する滞納整理時の差押えについて、国税庁の考え方について示したものでございます。アンダーラインを読み上げます。「コロナ対策助成金を受ける権利の差押えについては、法令上、差押えが禁止されていないものであっても、その給付・交付の趣旨が経済的な影響を受けた事業者等への対策であることを踏まえ、慎重に対応することとし、その差押えが必要と認められる場合は庁徴収課に照会する。」つまり、差押禁止財産として法律で認められていなくても、助成金の趣旨を鑑みて、これらは慎重に対応せよということを国税庁は示しているわけです。
 その下には、「また、コロナ対策助成金が預貯金口座に振り込まれたことにより生じた預貯金債権の差押えに当たっても、その給付・交付の趣旨に鑑み、令和二年一月三十一日付徴徴六―二「差押禁止債権が振り込まれた預貯金口座に係る預貯金債権の差押えについて」(指示)に準じて、適切に対応する。」とも書かれている。
 これは、持続化給付金が銀行口座に振り込まれても、その預金残高の差押えについては一月三十一日の指示文書に従いなさいと。指示文書には、預貯金の性格をよく調べて、すぐ差し押さえないように書かれているわけです。
 それで、国税庁に質問したいと思います。
 通常国会では、持続化給付金の取扱いについて、差押禁止の立法措置を与党内で検討していると梶山経産担当大臣がことしの五月十五日に答弁していたわけですが、結果的に立法措置は行われませんでした。
 国税庁に確認します。立法措置はとられませんでしたが、持続化給付金等の取扱いについて、どのように対応する指示をしていますか。お答えください。

#163
○鑓水政府参考人 お答えいたします。
 持続化給付金につきましては、委員御指摘のとおり、法令上差押えが禁止とはされておりません。
 ただ、国税庁といたしましては、国税の滞納整理に当たっては、法令等を一律、形式的に適用するのではなく、滞納者個々の実情に即しつつ適切に判断する必要があるものと考えております。
 例えば、持続化給付金につきましては、その趣旨が経済的な影響を受けた事業者等への支援であることを踏まえまして、持続化給付金の支給を受ける権利、債権を直接差し押さえて実際に使用できなくすることや、残高のない預金口座への持続化給付金の振り込みを待って狙い撃ち的に差し押さえ、銀行口座に入金された持続化給付金を実際に使用できなくするような差押え、こうしたことは慎むべきものと考えておりまして、慎重な対応を行う旨を各国税局、税務署に指示しているところでございます。

#164
○清水委員 持続化給付金ですとかあるいは家賃支援給付金は、この指示文書においてコロナ対策助成金の例に挙げられておりません。
 配付した資料一の二枚目を見ていただいたら書いているわけですが、小学校休業等対応助成金だとか雇用調整助成金とか書いておりますが、この(六)のその他事業者等対策として助成されるもの、ここに持続化給付金や家賃支援給付金が含まれるという今の御答弁だったと思います。うなずいていらっしゃいますから、そのとおりだと思います。
 その理解で、今度は総務省に質問させていただきたいと思います。
 地方税や国民健康保険税などの滞納処分に当たって、持続化給付金や家賃支援給付金などコロナ対策として支給、交付される各種助成金等に対する差押えについては、国税と同様の運用がなされるべきという認識でよろしいでしょうか。

#165
○川窪政府参考人 地方税に関しましても、滞納処分に当たりましては、滞納者個々の実情に即しつつ、法令等に基づき適切に対応することが重要であると考えております。
 こうした観点から、総務省では、新型コロナウイルス感染症の発生に伴い財産に相当の損失を受けた納税者や、売上げの急減により納税資力が著しく低下している納税者などに対する柔軟な対応を地方団体の税務当局に対して要請しているところでございます。

#166
○清水委員 個々の実情をよく確認して柔軟な対応をお願いしているところだというふうにおっしゃったんですが、実は、残念ながら、地方自治体では、無慈悲にも、地方税の滞納整理として、持続化給付金が入金された預金口座を全額差し押さえる、そういう事例が生まれております。私の事務所に報告がありました。
 滋賀県のある自治体ですが、建築関係の自営業者の方です。七月に持続化給付金が百万円振り込まれました。五〇%減ですから、前年比、比べて。相当コロナで仕事がなくなり、売上げが減少したという方であります。
 この方は、その振り込まれた一週間後に、売上金とあわせて銀行の口座残高全てを差し押さえられました。当時その方は病院で入院中、手術を行う予定であったということです。御本人いわく、そのような自分という納税者の実情も調べず、コロナ禍で仕事がなく困っている業者を支援するための持続化給付金をすぐに差し押さえるなんて、業者を廃業に追い込むものではないかと憤っておられます。
 しかも、総務省、聞いてほしいんですけれども、この滞納は、固定資産税や市民税などの本税を完納した後の延滞税分なんですよ、延滞税分。本税は払っているんです。こつこつと分納して全ての対応をしっかりやるなど、いわゆる悪意の納税者では全くありません。とてもこのコロナ禍で行われるような滞納整理処分ではないと思います。
 その他の自治体でも、このコロナ禍で生活が逼迫している方々に地方税の差押処分が行われている。これも私の事務所に届けられております。
 総務省として、この持続化給付金だとか家賃支援給付金が差し押さえられている実態というのは把握していますか。

#167
○川窪政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたとおり、総務省におきましては、財産に相当の損失を受けた納税者や納税資力が著しく低下している納税者に対する柔軟な対応を地方団体に要請しているところでございます。
 また、あわせまして、差押えなどの滞納処分につきましては、地方税法におきまして、滞納処分によって生活を著しく窮迫させるおそれがあるときには、その執行を停止できることとされているところでもございます。
 各地方団体におきましての取扱いにつきましては各地方団体の取扱いということでございますけれども、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況に置かれた納税者に対する柔軟な対応はもちろんのことでございますが、こうした地方税法の規定を踏まえまして、納税者の個別具体的な実情を十分に把握した上で適正な執行に取り組んでいただきたいと考えているところでございます。

#168
○清水委員 知っていますかという質問には全く答えていないんですよね。
 総務省は、ことし三月十八日に、各都道府県知事宛てに「新型コロナウイルス感染症の発生に伴い納税が困難な者への対応について」ということで要請文書を出しておられますが、これはコロナ対策助成金の問題に特化して出したものではないんですよ。
 資料の二、三を見ていただいたらわかりますように、国税庁だけではなくて金融庁や経産省も、民間金融機関や政策金融公庫などの金融機関に依頼文書を出しているんです。
 対応を同じようにすると言いながら、総務省だけがこのコロナ対策助成金の差押えに対する依頼書を出していません。これは各都道府県に出すべきじゃないですか。

#169
○川窪政府参考人 お答え申し上げます。
 滞納処分に関します個別の事案につきましては、個別性、具体性がございます。また、地方団体の税務当局の判断と責任において対応すべき性格のものでもございます。
 こうしたことを踏まえつつ、総務省といたしましては、地方税関連事務の執行に当たりましての留意事項等をこれまでにも通知として示してきたところでございます。
 滞納者の個別具体的な実情を十分に把握した上で適正な執行に努めるよう、各地方団体におきまして、こうした関係法令や通知に沿って適切な対応を行っていただきたいと考えているところでございます。

#170
○清水委員 今の答弁を載せた議事録をぜひ各市町村、自治体に送っていただきたいと思います。
 次に、森友学園の予備的調査に係る問題について質問をさせていただきます。
 私からは、亡くなられた赤木俊夫さんの上司であった近畿財務局の当時の局長、美並局長の発言について確認をさせていただきたいと思うんです。
 美並局長が、決裁文書について、様式や字句の修正が行われていることは聞いたが、その具体的内容までは聞いていなかった、こう答えておられるわけですが、これはぜひ麻生大臣に聞きたいんですけれども、様式や字句の修正というのは、決裁文書において行われてもいいことでしょうか。

#171
○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。
 本件は決裁文書の改ざんを美並元局長が知っていたか否かということでございまして、その場合には、文書の位置づけや改ざんの具体的内容を事前にはっきりと認識していたかどうかがポイントになると考えますが、これまで述べましたように、美並元局長からは、調査過程において申し述べたとおり、決裁文書について、様式や字句の修正が行われていることは聞いたが、その具体的内容までは聞いていなかったとのことであり、このため、美並元局長については、改ざんを明確には知っていたとは認定していないところでございます。

#172
○清水委員 答えていません。
 麻生大臣にお伺いします。質問通告していますので。
 様式や字句の修正というのは、決裁文書におかれて行われてもいいものかどうかと聞いたんです。

#173
○麻生国務大臣 決裁文書の改ざんを知っていたかについてという話が載っていますよね。(清水委員「違います、違います」と呼ぶ)文書の位置づけや改ざんの具体的内容。(清水委員「違います。もう一度質問します」と呼ぶ)もう一回言ってください、済みません。

#174
○清水委員 もう一度質問します。
 美並局長は、いわゆる決裁文書について、様式や字句の修正が行われていることは聞いていたが、その具体的な内容までは聞いていなかったと述べているんですね。
 私が聞いているのは、決裁文書を、様式や字句の修正の範囲であれば行っていいのかと聞いているんです。

#175
○麻生国務大臣 今、意味がわかりましたので、済みません。
 決裁を行われる前の段階で、修正なり等々、いろいろ字句の修正というのはあると思いますけれども、決裁がされた後の話は、考えられませんね。

#176
○清水委員 決裁された後の文書については、字句や様式の変更はあってはならないことだという答弁だったと思います。
 それでは、もう一度財務省の方に確認したいんですけれども、それについて、理財局の指示に従う以上、逐一局長に上げる必要はない、それについては責任を持つ、自分は聞いていなかったと言うつもりはないとも述べているんですが、これは二月上中旬に、この予備的調査の報告書を見ますと、いわゆる財務省から国会対応等についていろいろ作業を求められていることに対して美並局長が当時述べたものであり、三月に決裁文書について様式や字句の修正が行われていることを知った後、どういうリアクションをしましたか、報告を受けて。それを教えてください。

#177
○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。
 我々が把握しておるのは、三月ごろに、美並局長の記憶では、様式や字句の修正が行われていたということを聞いたということのみが把握しているところでございます。

#178
○清水委員 質問に答えないから、どんどん時間がなくなるじゃないですか。
 報告を受けた後、どのようなリアクションをしたんですかと聞いているんです。何もしなかったのなら何もしなかったと答えてください。

#179
○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。
 特に何かしたということは把握しておりませんが、それがゆえに、美並局長は、本来報告を受ける立場にあったにもかかわらず改ざんを認識していなかったということで、監督責任をとって処分を行ったところでございます。

#180
○清水委員 そんないいかげんな話じゃないでしょう。決裁文書は字句や様式の修正もしてはいけないというふうに麻生大臣が答えたじゃないですか。そういう報告を受けた後に、何らそれらをとがめることなく、何も対応しなかったというのは大問題だと言わなければなりません。
 しかも、その処分は一番軽い戒告でしょう。免職、降任、停職、減給とあって、一番下の戒告で、今は東京国税局長に出世しているじゃないですか。
 赤木さんが、三月七日に、泣きながら抵抗して、そしてこれ以上改ざんできないと言ったときに、当時の楠管財部長が、美並局長が全て責任を負う、こう言ったわけです。しかし、この予備的調査の中身とは全くそごがあるじゃないですか。
 やはり、私は、当時の楠管財部長、そして美並局長にこの当委員会に出てきていただいて真相を語っていただくことが必要、このことを述べて、質問を終わります。

#181
○越智委員長 次に、青山雅幸君。

#182
○青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。
 本日も貴重な質問の機会をありがとうございます。
 時間もございませんので、きょうは、経済について、概括的な質問をさせていただきます。
 まず、きょう、短期的な経済に関して、円レートについて若干の議論がなされておりました。これは、私が思うには、日本と欧米のパンデミックが、感染者、重症者、死亡者、いずれも一桁違うこと、それから、アメリカの二〇二〇年度の財政赤字は前年度比何と三倍の三・三兆ドルにも上ること、それから、二〇年度の連邦債務は二十六兆ドルにも上ることが影響していて、それによるドル安ではないかと。つまり、円が高くなっているというよりはドルが安くなっている、為替レートでいえば負け組競争であり、まあ多少、百三円とか円高に振れてはおりますけれども、これは財政収支において今円高になっているからといって余り安心できるものではないと思っております。
 そういうような現状認識の中で、中長期的な視点で、日本経済を世界との比較で眺めてみたいと思っております。
 配付資料の一番をごらんください。麻生財務大臣もたびたび日本のGDPは回復傾向にあるというようなことを述べておられますけれども、一般的には、GDP、ドル建てで国際比較をするものと私は承知しております。その観点から見ると、二〇一二年に日本のGDPは最大になりまして六兆二千三十二億ドル、そこから、リーマン・ショック等もありましたけれども、落ち込んで、そこから回復は確かにしましたけれども、基本的に横ばい。二〇一九年は五兆七百九十九億ドルと、最盛期に比べると一兆ドル、日本円にして現在のレートで百三兆円ほど落ち込んだままという状況であろうかと思います。往時とは一兆ドル以上の差がある。
 こういった数字を見ると、日本経済が衰退あるいは停滞しているというのはやはりまごうことなき事実であろうかと思っております。比較として、アメリカが本当に右肩上がりの伸び方をしているのと比べると、それは少なくとも停滞と捉えるべきものだと思っております。
 この要因、さまざまあることが考えられますけれども、一つには、大臣もたびたび言及されておられます人口要因。アメリカとの比較の点でいえば、経済学的に、アメリカでいえば人口ボーナスを得ている、人口がふえておりますので。一方、日本は、中長期的に見れば大変に減少傾向にございますので、人口オーナスという差があると思います。
 アメリカの数字を具体的に挙げますと、このところの移民規制で伸び率が多少減少しているとはいえ、二〇〇七年に人口三億人を超えて、今現在も伸びている途上にございまして、現在はほぼ三億三千万人。十三年前に比べて一割ほど人口が伸びております。
 配付資料二、これはもう委員の皆様方あるいは政府におかれても御承知の数字ではございますけれども、二〇〇八年に一億二千八百八万人であったものが二〇一九年には一億二千六百十六万人と、約二百万人減少しております。県一つ分くらいの人口が丸ごとなくなっているというような状況でございます。
 日本よりは若干成長しておりますけれども、やはり人口という面で見れば停滞しているのがドイツであり、日本と同じような工業国。一に戻っていただきますと、多かれ少なかれ日本と同じような状況にございます。
 ドイツの人口はどうなっているのか、ちなみに御紹介いたしますと、ドイツの方もずっと、二〇一〇年ころに人口が一旦減少、八千百万人から八千万人くらいに向けてたしか減少しております。ところがその後、ドイツの場合には、御承知のとおり積極的に人口を、移民を入れまして、若干、八千二百万人くらいまで増加に至っております。こういったようなやり方もドイツはとっている。
 この人口問題については、前回大臣にも少しお聞きしまして、政府としては積極的な政策をとっていくというようなことでございました。今回は、この人口問題はとりあえずおいておきまして、余り正面切って話題にされることはございませんけれども、誰しもが頭の片隅にある日本企業、特に大企業の国際競争力の低下についてお伺いしたいと思っております。
 大企業の国際競争力、非常に簡便な指標としてフォーチュン五百社がございます。トップ五百のうち、御承知のとおり、一九九五年くらいには百五十社ほどございました。アメリカと本当に僅差、数社の差でしたけれども、今では五十社程度しかございません。三分の一まで縮小しております。
 私は、単に数が減っただけではなくて、非常に深刻だと思っているのは、三枚目をごらんください、配付資料の三です、上位百社の数が物すごく減ってしまっているということです。一九九五年には、トップテンのうち何と一位から三位を独占しております、いずれも商社でございますけれども。トップテンのうち六社も入っています。日本企業が十社のうち六社入っていた。トータルが三十七社ございました。
 これが五年後の二〇〇〇年には、早くも二十二社に減っただけではなくて、トップテンのうち九、十と、下の方二社になってしまっております。
 さらに、ちょっと悲惨な状況であるのが二〇一九年、トップ百の中に八社しかございません。一九九五年にはトップテンの中に六社あったことと比べれば、この衰退のさまは非常に深刻でございます。更に深刻なのは、トップテンの中に、十位にトヨタが辛うじて入っているだけという状況です。つまり、国際競争力を持つ巨大企業はどんどん減少して、製造業、メーカー系は自動車ばかりの三社に今なってしまっていまして、九五年にはいっぱいあった電機産業や重電関係は姿を消してしまっております。
 このような技術力の衰退を象徴しているのが、私は、一兆円の巨費を投じながら米国での型式認証すら受けられないまま事実上凍結して、撤退もうわさされておりますMSJ、旧MRJです。三菱重工の中型飛行機、国産飛行機です。
 一方で、アメリカでは先日、スペースX社がクルードラゴンで野口さんを国際宇宙ステーションに運んで衝撃を受けましたけれども、きのうの朝日によれば、ペイパルを起こしてもうけたお金であのテスラのイーロン・マスク氏がこれをつくったんですけれども、自由な社風と工夫でもって、二〇〇二年にゼロから立ち上げた会社が早くも宇宙に人を送っております。
 こういった彼我の差が、本当に何とかしないと日本の再興はないと思っているんです。
 そういった、国際的に見た企業競争力の回復と、国際的な新興企業がどうすれば日本で伸びてくるのか、本当に難しい課題ではございますけれども、この点に関し、副総理である麻生大臣から大所高所からの御見解をお伺いしたいと思います。

#183
○麻生国務大臣 この百社の中身は、これは事実です。この内容がおもしろいですよね、一番下のところは住友銀行ですもんね、あのころ。たしか、私の記憶なんですけれども。
 この会社が今はどうなっていったかという形を見てみますと、この中で、やはりこの後、御存じのように、九七年、八年のいわゆるアジア通貨危機というのがありまして、この段階でほとんどの銀行は、長銀がなくなる、おられたところですから思い出しましたけれども、たしか債券信用銀行もあのとき一緒だったな。三洋証券、山一証券、でかいところで北海道拓殖銀行、これは全部、九七年、九八年に倒産ということになっていって、この中で昔の名前で出ていますなんて銀行は三井住友と東京三菱ぐらいです。あとは、興銀やら第一、富士やら何やら、みんな合併やら何やらしていますので、今はもう、興銀は今何ていうのと言われてすぐ名前が出る方が珍しいんじゃないか。私はその世界にいるからそこそこわかりますけれども、全然わからなくなりましたから。
 それほどやはり金融というものはこの中においてくちゃくちゃになりましたので、いろいろな意味で、金融、ファイナンスをやっていた商社もかなり痛手を受けたこともまた事実だと思っております。そういった意味では、先生、こういった国際的な大きな変化というのは、我々の持っているものに大きな影響を与えたことは一つ。
 それから、御存じのように、この前の八〇年代は、これは明らかにバブルというようなものが、八五年のいわゆるプラザ合意によって二百四十円が百二十円までドルが暴落していますから、その意味では、かなり、今言われるように、確かに円高とかよく書いてありますけれども、円だけが高くなっているんじゃなくて、これはポンドも、それからユーロも、いずれも全部対ドル交換レートは高くなっていますから、これはドル安が正確な表現だと思いますけれども、ドル安という流れが出てきておりますので、元もそれに影響を受けることになりますので、いろいろな形でこの話が、ドル決済を主にやっておりますので、ドル表示になりますと、そういった意味では、ドルが安くなっている分だけ、いろいろな形でまた別の影響が出てきますから、上がったり下がったり、そういったものも全部含めた上で、この話が出てくるんだと思います。
 物づくりという点から言わせていただくと、総じて物づくりというのは、大きかった比率がどんと下がってトヨタというのだけになってきていますけれども、これはもう間違いなく、日本がデフレーションになり、それからアメリカに対しての対米貿易黒字になり、そういったものに対応するために、日本はアメリカへ三百四十万台ぐらいの車をつくっていたんですが、それが今アメリカ国内で三百四十万台を、アメリカ製トヨタ、ホンダ、いろいろなものが出てくるという時代になって、その分だけ日本から、生産をする人が、輸出する車が三百四十万台を向こうでつくっちゃうんですから、今、日本でつくっておるのが百六、七十万台だと思いますが、それしかつくれなくなった分だけ、簡単に言えばそれに働いている従業員も単純計算すれば半分ということになりました。したがって、日本は、失業者。
 そういったような経済構造の変化というのが主に一九九〇年代から顕著になってきたんだ、私はそう思っております。
 したがいまして、その間、日本の企業としては、主に、百二十円になったことは世界的に見れば倍の金持ちになったわけですから、その金を使って企業を買い、株を買い、出資し、いろいろな形でいわゆる国民総資本の資本利益というものが物に使われていって、物の売買から金のやりとり等々、銀行の金融とか金利とかそういったものの差で金を稼いで、今、そのGNIの方はGDPより二十兆ぐらい大きい、ちょっと正確じゃありませんけれども、二十兆円ぐらいGNIの方が大きくなってきていると思っておりますので、そういった意味では、構造自体が変わっておりますというのもちょっとあわせてお考えになってやらないかぬ。
 これを日本の政府として今後どうやっていくかという問題は、エネルギーの問題等々いろいろやらないかぬところだとは思いますけれども、幸いにして、いろいろな企業がいろいろな努力をしておられることは確かなので、そういった企業がより成長する方向に向けて我々のできる範囲は何かと。
 目先、コロナのときは資金繰りとかいう話ばかりしておられた方もいっぱいいましたよ。しかし、今でもまだそれを言っているという方もいらっしゃいますが、コロナの後どうするかという話は全然別の話と考えないかぬので、あのころみたいに、とにかく何かよくわからぬから右往左往していたときと違って、もう半年もたってそこそこ方向も見えてきたというのであれば、我々としては、そういったものに対して、今後生産性が上がっていくというようなものに私どもはいわゆる援助、支援、そういったものをやっていかないと、私どもの国としては、なかなか、補助金だけでやっていくというので、目先の資金繰りだけではなくて、いろいろな意味のものをやっていかないかぬという時代に変わりつつあるんだろうなと。その需要が、どういうものが民間から出てくるかということを考えないかぬところだと思っております。

#184
○青山(雅)委員 丁寧な御答弁、ありがとうございました。
 またこの問題を引き続き議論をさせていただきたいと思っております。
 どうもきょうはありがとうございました。

#185
○越智委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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