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2020/11/24 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 農林水産委員会 第3号 令和2年11月24日
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2020/11/24 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 農林水産委員会 第3号 令和2年11月24日

#1
令和二年十一月二十四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十八日
    辞任         補欠選任
     加田 裕之君     林  芳正君
 十一月十九日
    辞任         補欠選任
     石垣のりこ君     川田 龍平君
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     川田 龍平君     石垣のりこ君
 十一月二十四日
    辞任         補欠選任
     石垣のりこ君     小沼  巧君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         上月 良祐君
    理 事
                堂故  茂君
                藤木 眞也君
                山田 修路君
                田名部匡代君
                紙  智子君
    委 員
                高橋 克法君
                野村 哲郎君
                林  芳正君
                舞立 昇治君
                宮崎 雅夫君
                山田 俊男君
                小沼  巧君
                郡司  彰君
                森 ゆうこ君
                河野 義博君
                熊野 正士君
                高橋 光男君
                石井 苗子君
                舟山 康江君
                須藤 元気君
   国務大臣
       農林水産大臣   野上浩太郎君
   副大臣
       農林水産副大臣  宮内 秀樹君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       熊野 正士君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        笹口 裕二君
   政府参考人
       国税庁長官官房
       審議官      木村 秀美君
       農林水産省大臣
       官房長      横山  紳君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  青山 豊久君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  森   健君
       農林水産省大臣
       官房統計部長   大角  亨君
       農林水産省消費
       ・安全局長    新井ゆたか君
       農林水産省食料
       産業局長     太田 豊彦君
       農林水産省生産
       局長       水田 正和君
       農林水産省経営
       局長       光吉  一君
       農林水産省農村
       振興局長     牧元 幸司君
       農林水産省政策
       統括官      天羽  隆君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局長      菱沼 義久君
       林野庁長官    本郷 浩二君
       水産庁長官    山口 英彰君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (食料・農業・農村基本計画に関する件)
 (新型コロナウイルス感染症対策としての農業
 等への支援に関する件)
 (再生可能エネルギーの普及促進に関する件)
 (畜産環境対策に関する件)
 (米政策に関する件)
○種苗法の一部を改正する法律案(第二百一回国
 会内閣提出、第二百三回国会衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────

#2
○委員長(上月良祐君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、加田裕之さんが委員を辞任され、その補欠として林芳正さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(上月良祐君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国税庁長官官房審議官木村秀美さん外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(上月良祐君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(上月良祐君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○高橋克法君 自由民主党の高橋克法です。質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございました。
 早速質問いたします。
 食料・農業・農村基本法の第二条には、国民に対する食料の安定供給及び不測時の食料安全保障の確保等の基本理念が掲げられております。そして、第七条には、国はその基本理念にのっとって、食料、農業及び農村に関する施策を総合的に策定し、実施する責務を有するとされています。しかし、近年の状況を鑑みると、国の責務が必ずしも果たされていないというふうに自分は判断をいたします。昭和四十年度に七三%であったカロリーベースの食料自給率は、令和元年度には三八%まで低下をしています。
 さらに、最近では、新型コロナウイルスの感染拡大によって、ロシアやウクライナ等の一部の国において食料の輸出規制が行われました。非常時には自国を優先して他国への食料輸出を止める、これは当たり前の話でありまして、二〇〇一年の七月、当時のブッシュ米国大統領がホワイトハウスで農業者に対する演説を行ったその文言を私は今でもはっきり覚えているんです。自らの国民を食べさせるに足る食料を生産できないような国を想像できようか。そんな国は、国際的な圧力に従属する国、危機に直面した国となってしまうだろう。この発言、まさに我が国を暗示しているというふうに感じます。
 これらの状況を踏まえて、食料安全保障の観点から、我が国の米政策について質問させていただきます。
 国が生産数量目標の配分を廃止をした米政策の転換から、三年が経過をいたしました。今回の米の需給緩和という現実も受けて、産地の自主的な判断に委ねた生産という手法にもう既に限界があるのではないか、改めて国が生産調整に関与する仕組みへ政策を見直すべきだという声も上がっていますし、私自身も、十分に議論をしていく、検証していく必要があると思っています。
 食料安全保障の確保という長期的な視点に立って、改めてこれまでの米政策を検証すべきと思いますが、大臣の見解をお伺いします。

#7
○国務大臣(野上浩太郎君) 米政策につきましては、主食用米の需要が毎年減少していくと見込まれる中でこの需給と価格の安定を図っていくためには、やはり今後とも、国内の消費拡大ですとか輸出拡大の取組を進めつつ、自らの経営判断による需要に応じた生産、販売を着実に推進していくことがやはり基本であると、重要であると考えております。
 このため、国としては、例えば事前契約あるいは複数年契約による安定取引の推進ですとか、麦、大豆あるいは野菜、果樹、輸出用米、加工用米、米粉用米、飼料用米など需要のある作物や主食用米以外の米の転換に対する支援による水田フル活用ですとか、あるいは、需給見通し等につきまして、各県の地域再生協議会等を集めた、これ全国会議の回数を今増やしておりますが、一層小まめできめ細かな情報提供を行うなど、やはり生産者が、また産地がその消費者、実需者のニーズを的確につかんで、どのような水田農業を進めていくかをしっかり判断できるような環境を整えてまいりたいと考えております。

#8
○高橋克法君 農林水産省の方でいろいろな側面から総合的に施策を行ってくださっていることは十分に承知をしていますが、そこの限界があるのではないかというその視点を持って、今後もしっかりと常に検証していただければと強くお願いをしたいと思うんです。
 今大臣がちょっと触れられましたけれども、現在のこの米需給の緩和という危機的な状況を乗り切るためには、過剰、米の過剰在庫の市場隔離であるとか消費拡大、さらには行政と生産者団体と集荷業者などの連携強化、役割見直しなど、いろんな対策が求められているんだと思います。
 その中でも即効的なのは、まさに大臣今おっしゃった水田活用の直接支払交付金の充実強化だと私は思います。なぜならば、主食用米を作付けた場合との手取り格差、これを埋めるためにはまだ不十分であると、この交付金の水準は、そういう声がたくさん聞こえてくるんです。
 政府においては、同交付金について、交付単価の底上げとか追加の加算措置など思い切った対策をしなければならないと思うんですが、大臣のお考えをお伺いします。

#9
○国務大臣(野上浩太郎君) 今、水田活用の直接支払交付金につきまして御質問いただきました。
 令和三年度予算概算要求では、こうした交付金の基本的な枠組みは維持しつつ、前年度と同額の三千五十億円を要求しておりますが、加えて、国産の麦、大豆の需要を捉えた生産拡大と安定供給の実現に向けまして、麦・大豆増産プロジェクトの推進のための予算を新規要求しているほか、本年度と同様に、水田における野菜や果樹などの導入を支援する予算を要求しており、しっかりと確保してまいりたいと思いますが、加えて、令和三年産の主食用米の生産量、これ六百九十三万トンとする見通しをお示しをしたところでありまして、令和三年産で主食用米の大幅な削減が必要となることから、委員今御指摘の点も含めましてどのような対策を講ずることができるか、財政当局ともしっかり議論をして検討してまいりたいと考えております。

#10
○高橋克法君 私自身は、水田活用の直接支払交付金というのは非常に重要な政策だと思っています。これが本来の目的をしっかりと果たせば、需給を締めて再生産可能な米価が維持できて、しかも米以外の品目の自給率を上げることができるんです。
 例えば、自分のふるさとであります栃木県のたんたん田んぼの高根沢町というところは、一反当たり九俵以上のコシヒカリが取れます。十俵以上のとちぎの星が取れます。つまり、仮に一反当たり、済みませんね、一万五千円の直接所得補償があったとしても、一俵当たり千七百円米価が下がってしまったら何にもならないんです。逆に、一俵千七百円以上米価が上がれば所得補償以上の手取りになります。しかも、自給率を向上させることができるんです。だからこそ、この水田活用の直接支払交付金の更なる充実ということを質問させていただきました。どうぞよろしくお願いします。
 次に、経営継続補助金について伺います。
 JA栃木グループの申請状況を確認しましたところ、一次公募の取組実績については二千八百二十三件申請があり、二千二百四十一件の採択。二次公募にも二千百十五件と非常に多くの申請があります。この補助金への期待がここに表れているんです。
 お手元の資料、御覧いただきたいと思います。この補助金の事業実施期間納品支払期限は、納品の遅れなどややむを得ない場合には二月二十八日まで延長可能とはなっていますが、実際には、メーカーの都合によって納品が二月二十八日までに間に合わないケースというのが多く発生しているのが実情なんです。
 現場のこのような状況を見れば、期限の延長をしなければならない、そう考えますが、農水省はどう考えておられるでしょうか。

#11
○政府参考人(光吉一君) 経営継続補助金の第一回公募で採択されました方には、本年十二月末までに機械などの購入、支払を終えていただきまして、この期限内に事業完了ができるようにしていただくことが基本と考えております。
 しかしながら、機械の納品が間に合わないといった声もお聞きをしており、こうしたやむを得ない御事情がある場合につきましては、来年の令和三年二月末までの延長を可能としたところでございます。
 さらに、来年二月末までの納品もなかなか難しいよというようなケースもあるというお声も聞かれるところでございます。このため、機械メーカーなどに対しまして円滑な供給に向けた協力要請を行うとともに、今後、農林漁業者の方に対しまして事業完了の見通しの調査を行うなど、現場の実態を丁寧に把握しながらきめ細やかな対応をしていきたいと思っております。

#12
○高橋克法君 現場の実態を細かく把握しながらという、その上でまたいろいろきめ細かに決めていくということだったと思いますが、ということは、現場の状況によってはこの期限の延長も検討に値するというようなことでよろしいんですか。

#13
○政府参考人(光吉一君) 先ほど申し上げましたように、まず、今回、令和三年二月末までの延長ということを可能にして、この範囲の中で事業完了していただくようにお願いをしているところでございます。その上で、先ほど申し上げましたように、実態を丁寧に把握しながらきめ細やかに対応していきたいということでございます。

#14
○高橋克法君 是非とも実態をきちっと把握をして、きめ細かな対応をお願いしたい。本来のこの補助金の仕組みというのは、このコロナ禍において農家をいかに支えていくかということですから、それが国の会計制度等で制約を受けるのは本末転倒になってしまいます。本来の目的を達成できるようによろしくお願いしたい。
 次に、高収益作物次期作支援交付金について伺います。
 この交付金は、当初想定していた以上の申請がありまして、途中で運用改善が行われ、また、これに対して追加措置も講じられることとなりましたが、混乱が収まったとはまだ言えない状況にあると思います。現場の皆さんに安心していただくためにも、追加措置も含めて十分な予算を確保していくことが必要だと思いますが、どうお考えでしょうか、お伺いします。

#15
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 高収益作物次期作支援交付金でございますが、これ、新型コロナウイルスによる影響を受けた花卉、茶、野菜、果樹等の高収益作物について、次期作に前向きに取り組む農業者に対し支援をするものでございます。
 委員御指摘のとおり、本交付金につきましては、農業者を対象とした一回目の交付金の申請におきまして多くの申請をいただいたところでございますが、収入が減少したこと、つまり減収を要件としていなかったことから、中には減収していない品目の申請も含まれておりました。農業者の皆様には要件に則して申請いただいたところですが、このまま交付金をお支払いすることになれば、新型コロナウイルスの影響を受けていないのに交付金が支払われることにもなりかねないことから、運用を見直すことといたしまして、減収のあった品目を対象とし、減収額を超えない範囲で交付金をお支払いすることとしたところでございます。
 また、この運用の見直し前に交付金を見込んで積極的に機械や資材の投資を行った農業者の皆様の経営に影響が生じて前向きな取組が続けられなくなることがないように、追加措置を講ずることとしたところでございます。
 本交付金に関しましては、結果として関係者の皆様に御負担をお掛けすることになりまして、誠に申し訳なく思っておりますが、関係者の皆様に御理解いただけるよう丁寧に御説明するとともに、また、追加措置を含めてこの交付金につきまして追加の財政措置が必要と判断される場合には、今般編成指示のございました令和二年度第三次補正予算において必要な財源をしっかりと確保してまいりたいと考えております。

#16
○高橋克法君 農水省の方も、今回のこの交付金については、このコロナ禍の状況の中で農業者を何とか支えたい、しかし、一方で公平性という原則もある、いろんな制度設計の中で悩まれて出して、それがちょっとハレーションを起こしましたよね。それは、だから、改善すればいいわけですから、最終的に農業者の方々がそれで支えられたと思っていただけるように、しっかりとよろしくお願いしたいと思うんです。
 次に、農業労働力確保緊急支援事業について伺います。
 これは、やはり新型コロナの影響によって、予定していた外国人技能実習生等が入国できずに人手不足となった経営体に対して、代替人材を雇用する際の掛かり増し費用、これを支援するために講じられましたが、実はこの対象期間も本年末までなんです。しかし、コロナの状況は改善していない。逆に再び拡大をしている。そして、第三波はもう大いに現実のものとなっている。
 こういう状況の中で、これまで以上に外国人技能実習生等の円滑な、円滑な入国の見通しは立っていないということですから、本事業を継続して措置することが必要ではないかというふうに考えますが、農水省の見解を伺いたいと思います。

#17
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、入国制限などがありまして人手不足が懸念される地域というのがあるという状況に鑑みまして、これまで委員御指摘のように、人材の募集ですとかマッチングですとか代替人材の掛かり増し経費につきまして、農業労働力確保緊急支援事業により支援してきているところでございます。
 これによりまして、例えば地域のJAにおきまして地元の旅館組合と協力関係をつくりまして、休業している旅館の従業員の方とのマッチングが行われるなど、この事業を活用いたしまして、各地域において労働力確保の取組が進められてきているというふうに承知をしております。
 今後につきましては、国際的な人の往来の状況などを注視しながら、事業の必要性について検討してまいりたいと考えております。

#18
○高橋克法君 今答弁の中でありました、地域の労働力のマッチングというお話がありましたが、まさにそのとおりなんです。この事業は、ただ単に人手不足の現場を支える、救うのみならず、地域経済を支えているんですね。だから、本当にこれは有り難い。現状を細かく分析をし、把握をして、是非とも継続をしていただきたいなと、状況が前提ですけれども、それをお願いしたいと思います。
 次に、スマート農業について伺います。
 野上大臣は、農林水産分野において、ロボット、AI、IoT、ドローンなどの先端技術が生産基盤の強化に貢献することを期待して、スマート農林水産業を推進していくということを表明されていらっしゃいます。
 ところで、スマート農業という言葉から受ける、これは自分のイメージですが、集積、集約によって大規模化が進んだ圃場を耕作するロボットトラクターとか、高度な環境制御技術が導入された農業用ハウス、植物工場といったイメージを抱きます。もちろんこれ、否定するものじゃありません。スマート農業技術を導入して生産性の向上やコスト削減を図ることは非常に重要なことなんです。
 しかし、我が国の農業はそれだけじゃありません。中山間地域を含む多様な環境において、棚田等の様々な水田、狭小な畑、傾斜地にある樹園地、自分はこのような多様な環境で行われている農業にも導入できるようなスマート農業が是非とも必要だと考えています。なぜならば、農村が維持できているのは小規模家族経営の農家の力によることなんです。だからこそ、スマート農業の視点は、大規模な企業的なもののみならず小規模家族経営にも導入できるような、そういう視点が必要だと思っています。
 そこで、現時点におけるスマート農業全体の課題と、今申し上げた中山間地域を含む小規模家族経営の農業者に対するスマート農業導入の支援策について、農水省の考え方を伺いたいと思います。

#19
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 担い手の高齢化などに対応するためには、ロボットやAI等の先端技術を活用する、いわゆるスマート農業の推進が重要であると考えております。
 現在、全国百四十八地区で小規模家族経営を含めましたスマート農業の実証プロジェクトに取り組んでおるところでございます。
 先月末には、水田作の一年目の実証の状況を中間報告に取りまとめたところでございます。この中間報告におきましては、例えば自動走行トラクターや農薬散布ドローン等によりまして稲作の労働時間が全体で約一割削減できる。特に、ドローンによる農薬散布では平均で約八割、自動水管理システムでは約九割の労働時間が削減する等の効果があるということが分かりました。また、実証に取り組む水田農業の家族経営の方からは、朝晩の労働時間が少なくなり、空いた時間を利用してトマトの栽培へ注力し収益向上につながったなどという効果も伺っておるところでございます。
 一方で、やはり農業機械費の増大とかインフラ面の整備等の課題が明らかになってきたことから、スマート農機のシェアリングとか作業の受託を行う農業支援サービスの育成やスマート農業に適した農業農村振興の推進を図る予算を要求いたしています。
 さらに、水田作と比べまして技術の開発が遅れております野菜、果実作におきましても、その大部分を家族経営が占めておるというのが実態であると思っております。今後、野菜、果実の収穫ロボットや傾斜地にも対応できる草刈りロボットなど、農業者にとって使い勝手の良い技術開発と現場実装に努めてまいりたいというふうに考えております。

#20
○委員長(上月良祐君) 時間が参っておりますので。

#21
○高橋克法君 終わります。
    ─────────────

#22
○委員長(上月良祐君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、石垣のりこ君が委員を辞任され、その補欠として小沼巧君が選任されました。
    ─────────────

#23
○郡司彰君 立憲民主党の郡司彰でございます。今日は、田名部部会長の命によりまして質問をさせていただきます。
 大臣、就任おめでとうございます。
 国会があと十日ほどでございますから、閉じられますと、次年度の予算も概算もでき上がって、年末、本格的な大臣折衝が行われるかどうかまで大変だと思いますけれども、この概算要求含めて来年度の予算について、どういう内容でどんな感想を持っているか、まずお聞かせをいただきたいと思います。

#24
○国務大臣(野上浩太郎君) 令和三年度の予算につきましては政策経費をしっかり確保していかなければならないわけでありますが、十一月十日に総理から経済対策の策定と第三次補正予算の編成の指示がありまして、来年度予算と一体で十五か月予算とする考えが示されたところであります。
 農林水産省としては、まずはこの新型コロナウイルスによる影響を緩和をするための対策、これ引き続き着実に実施をしてまいりたいと思いますが、加えまして、やはり産業政策と地域政策を両輪としまして、例えば二〇三〇年五兆円という輸出目標を立てたわけでありますが、その新たな輸出目標に向けた施策の抜本的強化ですとか、また、そのためにはやはり生産基盤の強化ですとか担い手の育成ということも必要であります。今御議論のありましたスマート技術の開発あるいは実装やデジタル技術の加速化ということも重要な課題でありますし、多様な人材や地域資源を生かした農山漁村の活性化、新たなその農山漁村の政策の展開も図ってまいりたいと思います。
 さらに、やはり防災・減災、国土強靱化等々も重要な課題でありますが、このような課題に応えることができるように必要な予算をしっかり確保してまいりたいと考えております。

#25
○郡司彰君 概算のときの要求段階から、各項目、こんなにコロナが付くのかというぐらいコロナの関係が出ておりましたので、具体的にどういう対策が次年度行われるかということはこれから注視をしていかなければいけないと思っていますが、今日私、資料をお配りをさせていただきました。対GDP比、名目のですね、それから総予算、そして農林水産省の予算の推移をグラフと数字で表したものであります。
 じっくり見る時間がなかったかもしれませんが、簡単に言うと、表の方を見ていただくと、昭和の五十七年三兆七千億、これが一〇〇%とすると、令和の元年の予算は二兆四千、そして六五%。それをさらに対GDPで見てみますと、約五十兆ですよね、五十兆の予算に対して、比率でいうと七・四五%あった。名目GDPでいうと一・三〇というような数字。そのときの名目GDPが約二百八十五兆円ぐらい。これをやっぱり最後のところで見ますと、総予算に対して二・四%まで下がってきております。対名目GDP比でいうと〇・四四%。
 これ、誰のときのとかということが問題ではなくて、このように下がってきた原因といいますか、それから、この下がっている傾向を見て、先ほど大臣おっしゃったような施策、これから完全に行われることになりますでしょうか。併せてお答えをください。

#26
○国務大臣(野上浩太郎君) 先生御指摘のとおり、この農林水産関係予算につきましては、この数字のとおりだんだん漸減傾向にあるわけでありますが、このような中で政策実現を図っていくためには、一つにやはりめり張りの利いた効果的な予算の執行ということが重要だと考えております。
 利用可能なあらゆる政策手法を最大限に活用して進んでまいりたいと思いますが、例えば輸出の再構築ということを今掲げておるわけでありますが、その輸出についても、その重点品目ですとかあるいは国別のターゲットをしっかりと定めてやっていくということ。あるいは、その補助事業ばかりではなくて、リスクを取って輸出に取り組む事業者への出資による支援を考えていくこと。あるいは、農林水産物・食品輸出本部というものを立ち上げましたが、その下で政府一体となって取り組むと同時に、農林水産省においては、輸出・国際局というものを設置しようと考えておりますが、そのような形で体制も整えながら、創意工夫をして政策の実現に取り組んでまいりたいと考えております。

#27
○郡司彰君 大臣、就任後間もないですけれども、私自身も、改めてこうやって見ると、相当産業の自然死に向かっているような予算の流れだなというふうに思わざるを得ません。これまでなぜこのようになってきたかというのは、いろんな学者の方々が、私自身も、肌身で感ずるようなところ含めてたくさんあると思います。
 例えば、もう今はそんな言葉すら使わなくなりましたが、昔は鋏状価格差というのがよく言われました。はさみ状の価格差で、一定の途上国、後進国、これからの国が工業貿易立国に向かうときには、第一次産品の価格というのは上がらないようにしっかりつくっていく。そして、工業製品は賃金がどんどんカーブを描いて上がるようにする。何が起こるかというと、そこの就労人口が大量に都市下の工場地帯に移動をするわけです。
 そして、私たちの国は、お父さんの兼業でお米を作れるような地域については、もう仕事に行くようになった兼業農家が当たり前になった。結果として、農業に残ったのはじいちゃん、ばあちゃん、母ちゃんの三ちゃん農業ですよ。
 今、安倍政権から、菅内閣もそうでありますけれども、女性の活躍を目指していきましょうと。農業の就労構成人口は世界一、昔から日本は高いんです。九四、五%ありました。それは、結果としてそうならざるを得ないような構造にまで変化をしてきて、労働力は全部都会の方に行くような政策を取ってきたわけです。
 したがって、今になってみると、生産量や額や就労の人口の比率はどんどんどんどん第一次産業が下がってくる中で、それに応じたような予算というような形でこのような結果になっているのではないかなというふうに思っておりまして、私は、この辺でどっか立ち止まって、もう一度見直すような時期がようやく今来たんだと思っています。
 例えば、私は民主党ができたときに最初の国会議員になりましたけれども、そのときに、党内で食料安全保障、食料自給権という言葉はタブーでした。何度もいろんなところで意見交換をしましたけれども、貿易立国でWTOができようとするようなときに、世界の分業ではないけれども、そういう話をするのではなくてのような話が相当あったんですよ。
 しばらくして、いろんなところでそういう形の言葉も使われてきた。政府も平成の十四年に初めて緊急事態食料安全ガイドラインを作り出した。その後、原発の事故等もあったり、今回のコロナの問題があって、普通に食料安全保障という言葉が使われるようになった段階でこれまでのこの流れを変えるような形でやっていかないと、私たちのこの国の根幹、歴代の大臣も国の基だというふうに言っておりました。また、野上大臣も原風景と言っておりましたが、原風景は日本の気候風土からいったら、手を着けなかったら全部林や、あっ、林先生済みません、森林に戻ってしまうんですよ。七年に一遍、「もののけ姫」の鉄を作るような、山が再生されるような国ですから、五年たったら減反やめてまた田植すればいいじゃないですかという議論も減反のときもありましたが、五年たったら田植なんかできません。林になってもうそれを開墾するのは一苦労になるような地形なんですよ。
 こういうところで食料安全保障の農地をまず確保するという単純なことだけでも大転換をしなければいけないと思いますが、どうでしょうか。

#28
○国務大臣(野上浩太郎君) もう、今先生がおっしゃられた農業に対する危機感あるいはこれからの進む方向性というものは本当にそのとおりだと思いますし、共有するものであります。
 今般、三月に食料・農業・農村基本計画を改定をしたわけでありますが、その中でも産業政策と地域政策、車の両輪として進んでいくということを明記をさせていただいておりますが、やはり農地につきましても、これは国の農業の根幹になるわけでありますが、それをどのようにして確保していくのか、それも本当に重要な課題だと考えております。
 今、農業、高齢化が進み、人口が減少していく中でまさに曲がり角にあると、先生おっしゃるとおりだと思いますので、その思いを共有しながらしっかり施策に当たってまいりたいと考えております。

#29
○郡司彰君 大きな話の後で小さな話に聞こえるかもしれませんが、大臣、個人としても、せっかく農林水産大臣になったので、来年度予算はともかく、本来だったらこういう予算を取ってこれまでになかったようなことをやってみたいなというようなこともおありだと思いますよね。例えば、巷間言われているように、富山の米をほかの国にきちんと売っていきたいとかという思いもあるかもしれませんし、まあ次年度には難しかったけれども私は本当はこういうことをやりたいんだ、そのためにはこのぐらいの予算が必要なんだ、もしありましたらお話しください。

#30
○国務大臣(野上浩太郎君) ありがとうございます。エールと受け止めさせていただいておりますが。
 富山の米に限らず、今お米の話がありましたが、やはり米の輸出を伸ばしていくということは、これは私は重要な施策の一つだと思っております。今、全体の米政策の話も御議論があったところでありますが、そのような中でこの米の輸出ということもしっかり位置付けていかなければなりませんし、またそのためにはやはりその予算を確保していくということが必要だと思いますので、そこは今財務当局ともしっかり話をしながら、その目的を達することができるような予算の確保に向けてこれは全力を尽くしてまいりたいと思います。

#31
○郡司彰君 私も、副大臣、大臣とやらせていただいたときに、やっぱり忙しさにかまけてなかなかまとまった形で政策を実現にしていくというのが難しかったことがあるんですが、それでも、ちっちゃいことで言うと、国産チーズを何とか増やしたいなと、もう八五%も輸入しているもの食べなくてもよっぽど日本で作ったおいしいものを食べられるんじゃないかなと。そのためには、例えば畜産の関係で、規模拡大、頭数を増やすというようなことだけじゃなくて、国産チーズを作ることによって、例えば五十頭以内でも完全に大きな収益を上げているようなものが全国いろんなところで見られます。
 そのためには、ホルスタインだけじゃなくて、ブラウンスイスとかジャージーとか、チーズに適したような牛の飼い方、もっと言ったら、その当時はですよ、今はもう大丈夫だと思いますけれども、なかなか農水省の中で飼い方を指導するようなこともかなわなかった。
 それから、日本人でチーズを作る職人を育てるということもなかなかできなかったけれども、新たな予算で二十四億ぐらいだったですけれども、始めて、大変、チーズを作っているところに行くと、そのことだとは知りませんけど、いや、国の方で職人を養成してくれたんで私も習ってきて作っているんだという話を聞いたりして、やはり何か一つずつ変えるようなこともしたい。そのときに、先ほどのところに戻って恐縮ですけれども、もっと予算があればなというようなことがありましたので、やっぱりやりたい政策、その予算、ほかから分捕ってきてというようなことのこの予算の配分をしていたんでは駄目なんだということを、改めてちょっと最後にまた申し添えておきたいと思います。
 それから、余り時間の関係であれですけれども、人員的に予算が多かった頃と比べてどういうふうになっているかというふうになると、私は入った年の当初から、中川大臣でございましたけれども、林野特会、五十年で返済をするんだというような、当時の国鉄の民営化の返済も併せての特別法律ができ上がりました。そのとき、五十年でありますから、当時、中川大臣若かったんですよね。五十年たっても健在かなと思っておりましたけれども、ちょっとそれはそれで残念なことになりましたが、その当時は七万人ぐらいいたんですよね、一番多いときは。今五千人ぐらいですよね。
 国土強靱化、これからは国土強靱化だけで十五兆円来年は取るんだとかというような勇ましい話も聞こえてきておりますけれども、農水省の林野の関係の人たちも大変に優秀で、その人たちがいないとなかなか林道をどこに造るなんということもできなかったりするようなこともたくさん出てきております。
 そういうところの関係は、じゃ、民間にどうぞと言っても、民間はどこも受け付けません。それは、採算取れないから受け付けません。ようやく受け付けていただいたのは、切っていいですよ、後は元に戻さなくていいですよという昨年の法律ぐらいで、これはまたちょっと性格が異なってきている、政商の方々の関係じゃないかなというふうにしか思えませんけれども、そういうことも出てきた。
 それから、統計、厚労省でいろんな統計が一昨年辺りからありました。この統計が不備だと政策にきちんと反映されないんじゃないか、おかしいじゃないか、そんな議論で、当時の安倍総理もおっしゃっておりましたけれども、統計こそ国の基でありますと。
 じゃ、振り返って、翻って、農林水産省ではどうかというと、昔はどこにも食糧事務所と同じように統計事務所というのもありました。今はどんなふうになっているかというと、大変苦労して一生懸命やっているけれども、多くの部分は郵送でいただいたりするなりしています。昔はお米の出来具合なんかが何%違えば、もう大変大臣の首が飛ぶようなことでありましたけれども、今は食管法あるいは米の余剰の関係でそんなことも消えうせたかもしれませんけれども、それでも統計が大事だということはこれからも必要だろうというふうに思っております。
 そういうようなこと、ほかにも幾つかありますけれども、本当に、農林水産省、これまでの人員減らすことを内閣府庁の中で率先をして一番多くやってきた。やってきたところは今どうなっているかというと、前にやったんだから同じようにもっと減らせるだろうというので、削減率がずうっと多いまま来ているんだろうというふうに思います。
 このことに関しても、予算も含めて大臣はどうお考えでしょうか。

#32
○国務大臣(野上浩太郎君) 今お話のありました林野関係の人員あるいは統計関係の人員の重要性についてもそのとおりだと思いますし、加えまして、今CSFですとかASF等に対する国内防疫や水際防疫、あるいは防災・減災の話、あるいは漁業取締りなどの諸課題、様々新たな課題というものが出てきております。
 令和三年度の定員要求につきましては、四百十人の増員要求を行っているところであります。先生おっしゃるとおり、どんどん減ってきているじゃないかということはそのとおりでありますが、今四百十人の増員要求を行っておりますので、この必要な定員の確保に向けては全力を尽くしてまいりたいと考えております。

#33
○郡司彰君 ありがとうございます。
 防疫、検疫の関係は今述べていただきましたので、改めては触れないでおきたいなというふうに思っております。
 それから、江藤大臣のときにもお話をさせていただいて、その当時は例示としてEUの農業法の関係で質問をさせていただきました。先ほどの高橋委員の方も、基本法がある、それから計画があるというようなことの流れのお話がありましたけれども、この基本計画、五年ごとに作って、五年ごとだけれども、十年先までのことを行うんですよというような形で作られております。何で皆さんが関心を持たないんだと思いますか。

#34
○国務大臣(野上浩太郎君) この食料・農業・農村基本計画、これは十年間の農政の指針として位置付けられておりまして、おおむね五年ごとで改定をされるということであります。
 我が国の農業政策というのはこの基本計画に基づいて施策を展開をしているわけでありますが、先生の御指摘としては余り関心が持たれていないんじゃないかという御指摘でありますが、やはりこの農業、農村の持っている役割ですとか価値ですとか、それを支える農政に対する国民の理解と支持ということ、これは極めて重要だと思いますので、それが得られるように努めてまいりたいと考えております。

#35
○郡司彰君 私は、大きく言うと二つあるんだろうと思います。つまり、これまでの基本計画というものが継続性がなかった、そしてもう一つは予算との連動が明確ではないということだろうというふうに思います。
 予算との連動のことについてはこの後もう一度質問をさせていただきますけれども、政策の継続性については、日本の場合には、良かったのか悪かったのかということよりも、現実問題として、ずっと一貫して与党というものが変わらない中でぽつんと時々変わっているような形でございました。ですから、政策の継続性があるかないかというと、実はその都度かなり変わってきているんだけれども、政権の継続性はあるもんですから余り問題にはならなかった。そして、この前、舟山さんがちょっと私より語気を強めておっしゃっておりましたけれども、戸別所得補償とかそういうような大きな転換があったときには、大変にそのこと自体が農家の方々の関心を呼んだというふうに思っています。
 私も今ちょっと探して、そのときにでき上がったのが、平成二十二年の四月にできた今から二つほど前の食料・農業・農村基本計画であります。
 ここの中には、今細かく読んだりはいたしませんけれども、農政を変えますよ、所得補償をきちんとやりますよとかいろんなことが書かれていて、これは五年間、そして先ほど大臣が言ったように十年間はこの考えでやるんですよということですから、農家の人たちも、今までと違って、国の政策に従うんならばこのような形でやりましょうというので、減反もきちんと機能をするような形になってきたんですよ。
 しかし、政権が替わって、来年、再来年にはやめますよということになって、私は、いまだにですね、いまだに東北その他で自民党農政に対するアンケートの評価が低いというのは、根底にはその部分があるのだというふうに思っておりますけれども、大臣から見てどういうお考えでしょうか。

#36
○国務大臣(野上浩太郎君) 農政に対する理解を不断に求めていくということは極めて重要だと思っております。
 先ほど申し上げましたとおり、この食料・農業・農村基本計画、これは今後の大きな方向性について定めているわけでありますが、やはりその方向性に沿った予算要求もしっかりしていかなければなりませんし、それに沿った施策の展開ということもしっかりやっていくと。その十年あるいは五年のスパンの中でその継続性というものをしっかりと示していくということが重要だというのは、そのとおりだというふうに思います。

#37
○郡司彰君 それと、これは余計な一言なのかもしれませんが、歴代の大臣の中には、自給率もっと上げるためにしっかり具体的な施策をという話をすると、あれは目標の数字だからというような答弁をいただいたこともありました。やっぱり本気で自給率、例えば四五ならば、結果としてはともかくとして、こういう計算でこういう形でということをやっぱりきちんと訴えていただかないと、それはやっぱり通じるものが通じないのではないかなということで、これは余計な一言でございました。
 次に、前回、EUと比較をさせていただきましたが、今回、この前、舟山さんの聞いていてアメリカもいいなと思って、アメリカにしました。
 基本法、農業法ですね、これアメリカも大体五年ごとに作られるわけであります。今回といいますか、二〇一八年に作られた。その中の農業プログラムというものがありますけれども、農業プログラムは一階建て、二階建てで、一階建ては販売支援融資というような形になります。二階建てに不足払いというのと、それから収入ナラシというふうな形になっていて、以前は五年間の農業法が始まるときに農場は選択をして、収入ナラシか不足払いかどちらかを選択する。ところが、トランプさんのときになって、毎年選び直していい、選択していいということになったものですから、大変農場の方々はハッピーな感じになりました。しかも、この間、市場と不足払いのところの数字が高値で安定をしておりましたので、幅が少なくなっていた。トランプさん、これを見て、上に一五%引き上げました。ですから、不足払いの方を選択する人たちにとっては、ちょっと見えないかもしれません、V字で農家の収入が、済みません、資料、予算の関係で配っておりませんが、V字で増えております。
 それと同様に、もう一つ、この間問題があったのは、対中国との関係でトランプさんがいろんなところで関税を掛けました。中国は報復して農産物に関税を掛けるようになりました。何だ、どうするんだというときに、この農業プログラムとは別に、貿易緩和、支援のプログラムを農商務省が作って、百二十億ドル、日本円にすると幾らなのか、後で林先生に聞いてみたいと思いますけれども、大変な額を、これは形の上では、大統領制ですから仕組みが違うので、農商務長官が日本で言う財務大臣から借りて行うというようなことでありますから、大変トランプさんの下でいえば、農家の方々は、トランプさんはすてき、この人がもう一回やってくれるのが一番いいと、私もアメリカの農場主だったらば思うような施策をやっているんですね。
 これがその日本の基本計画と違うところで、でき上がった農業法には先ほど言った一階建て、二階建て、農業プログラム、額も含めてもうその時点で決まっているんです。ですから、関心を持つしか手がないというか、当たり前にする。
 例えば、EUでは、この前も言いましたけれども、環境支払というのが所得補償のほかにもう一本あります。環境支払は、いざというときの食料安全保障のために、その農地の五%が草地として確保されていなければ環境支払は行わない。つまり、今もう畑で小麦作るのはやめているけれども、いざというときにはそこは小麦を植えられるような畑にすぐ転換できる、そのための草地、ふだんは牛の餌になってももちろんいいけれども、そういう食料安全保障とセットでみんな農業法は作られているんですよ。
 それからすると、この日本の基本計画というのは、関係ないとは言いませんよ、それぞれ項目ごとに毎年予算が付くのでありますけれども、これが変わったから、さあ、これ一生懸命読んで選ばないと間違うかなというほどの関心を持っていない。
 私は、この辺も含めてこの機に改めてはいかがかなというふうに思いますけれども、もう作ったばっかりですからあと五年後になりますけれども、やっぱりそういうことをコロナに経験した後の考え方として取るべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

#38
○国務大臣(野上浩太郎君) 今先生御指摘のとおり、米国では、一階建て、二階建ての話もございましたが、おおむね五年ごとに農業法が策定をされて、同法に位置付けられた義務的経費はその連邦政府の年次予算に自動的に組み込まれていくということになっておりますので、我が国と、今の状況とは違う仕組みとなっているわけであります。
 我が国としては、先ほど来申し上げましたとおり、この基本計画で大きな方向性を示して、それに沿って予算要求あるいは施策を展開をしていくということでありますが、これをしっかり国民の支持と理解が得られるようにしていくということはこれは極めて重要だと考えておりますので、そこは努めてまいりたいと考えております。

#39
○郡司彰君 お気持ちを受け止めさせていただいて、それが実効性につながるように、例えば農政審議会で、これ誰が言ったという話じゃないですから、私は、こういうふうに改めようと思っているんだけれども、予算の編成とかその計画とかということをうまくリンクするように考えてよとか、そういうような大臣としての発信力もお願いをしたいなというふうに思います。
 それから、これからがよかったんですが、時間がなくなってきましたので、この後もう一回、もう一回一般問いがあるようなので、そちらの方にかなり譲りますけれども、ちょっとまた次の質問に入らせていただければなというふうに思っております。
 次は、先ほど言いました緊急事態食料安全保障指針、いわゆるガイドラインでありますけれども、これは平成十四年に作られて、今現在が二十七年のものが一番新しいんだということで読まさせていただいております。
 大臣、意地悪で聞くのではありませんが、もう時間がございませんでしたので、ただ、これまで補佐官やその他のお仕事絡みの関係でも、この食料安全のガイドライン、目にしたことはございましたでしょうか。

#40
○国務大臣(野上浩太郎君) 詳細に読み込んだことはございませんでしたが、そのガイドラインについては承知をいたしておりましたし、今般、また御質問の御通告いただきましたので、しっかり読んでおります。

#41
○郡司彰君 当たり前ですよね。余り関係がないときにこんな厚いものを読んでいるというのは、よっぽど眠れない人とかそういう感じになってくるかと思いますので、また、これからまた読んでいただければなというふうに思います。
 その上で、要するに、御存じかどうか、リスクというものが幾つかありますよ、レベルが一とか〇とかとありますよという中で、以前、痕跡をこの中から直ちに具体的に探るというのは難しいんですが、原発事故があったときに、それまでに加えて、原発という事故の要因によって広範囲に作物が作れない、作った作物が食べることができないというのもリスクの中に考えなくちゃいけないというのが議論をされた経過があると思っています。
 今回のことについて言うと、これまでしたかどうかということになれば、そんなのはもうしていないのが当たり前でありますけれども、今後、このコロナ禍の影響、今後同じようなこういう感染症に関することが世界中で起こったときに、これは非常事態という中の食料安全保障に関わる変更ということがあり得ますでしょうか。

#42
○国務大臣(野上浩太郎君) この新型コロナウイルスの感染拡大を受けまして、国内では業務用から家庭用への急激な需要の変化が起こりましたり、一部の食品で欠品が生じるということもありましたが、その後、消費者への落ち着いた購買行動を呼びかけるとともに、メーカーによる食品の増産努力等も通じて、店頭での欠品は徐々に解消されたところであります。また、海外では、ロシアやウクライナなど一部の国で輸出規制が行われた例がありますが、我が国の主要輸入先国であります米国等においては、食料の輸出や物流への影響は確認されておりません。
 したがって、輸入の減少等による我が国への食料供給に大きな支障は生じておりませんので、同指針が定めるレベル〇から二のような緊急時には該当しておりませんが、しかしながら、今回の新型コロナウイルスは、人や物の動きに大きな影響を及ぼしておりますので、これは新たなリスク要因として同指針にどのように位置付けるか、これは検討してまいりたいと考えております。

#43
○郡司彰君 大臣がおっしゃったようなことも分かります。しかし、やっぱり一回、今回のコロナの下で何が起こったのかというのはできるだけ詳細に調査をした方がよろしいかと思います。
 例えば、今の話の中で少し行間に出てくるのかもしれませんが、流通のところでどのぐらいがこれまでロスが出ていたんだと。今回は、始めから流通に乗らないようになったものがかなり消費が減ったというふうな評価をされているようなものが出てきていないのか。例えば、私は、外食はかなり減った、中食、内食は増えている、それからスーパーの食料品は売上げが増えて、先ほど言った外食はもう一五、六%以上落ち込んでいるわけですね。その中で、生産の段階で、流通の段階で金額、額、量ともどういうふうになったかというのはやはり調べておく必要があるんじゃないか。
 私は、ここのところの議論を聞いていると、一部ですよ、全部ではありませんが、お米の在庫量が増しているというようなときに、これは私自身のちっちゃな胃袋の話ですが、自分ちで御飯を作っておかずを作っているときは全部食べます。残っていても、残しても次のときにも食べる。だけど、外食、食べに行ったときに、ちょっと今日はもうお米、御飯いいかなというときは、それはお皿や丼にそのままにして置いてきます。私は、この量というのは、テーブルに出る以前のものも含めて相当あるんだろうと思っているんですよ。
 ですから、もし、流通が適正にというのはあり得ませんよね、物がないところでぴったり買うなんてことはありませんから、必ずロスは出るんだというふうに思いますけれども、そこのところも含めて、これまでの流通の中で、本当にどこまで流通してということが適正なんだろうか。それから、その後の段階の、ロス削減は今でもやっておりますけれども、私は相当な量が出てきていると思っています。
 農業新聞の中にゴリパパという漫画があって、料理人の人は食材と会話をするとか、いろんなことがありました。食べる人は何と相談するんだといったらば、太った方が、財布と相談してどれだけ食えるか決めるんだというふうな話をしたらば、そこにいたちっちゃな女の子が、違うでしょうと、おなかと相談して食べなきゃ駄目なんですよと。
 つまり、日本人の胃袋に合う以上の大量のものを輸入をして大量に廃棄をして、ほかの国々で一千万もの餓死者が出ているというようなことを、私たちはこの機会にもう一回見直すということも必要なんではないかなというふうに思っております。
 種子法の、種苗法ですか、のことについては私は全然皆さんと違う意見を持っておりまして、ここで言うとたたかれますので言いませんけれども、私は、基本的には、知的財産権というのは国や大企業が独占をすべきじゃないと思っています。ワクチンと同じように、お金がない国でもいざとなったらみんなにワクチンやりましょうと、同じように。種やそういうものはどんどん貧しい地域や人たちに与えて、それを作った人のプライオリティーやその他は別に考えるべきですよ。じゃなければ、いつまでたっても世界中から飢餓はなくならない。そのことも今回のコロナの関係で私は考えた方がいいんじゃないかなと。
 残りが大分ありますので、次の機会にまた命令を受けて質問をさせていただきます。今日はありがとうございました。

#44
○高橋光男君 おはようございます。公明党の高橋光男です。
 今臨時会より農水委員会に所属させていただくことになりました。初質問の機会をいただき、ありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。
 冒頭、我が国の食を支えていただいている全ての農林水産業の従事者の皆様、食品産業、飲食業の関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。
 では、早速質問に入らせていただきます。
 まず、山田錦を始めとする酒造好適米への支援について、国税庁並びに野上大臣にお伺いします。
 コロナ禍を受けて、清酒業界や原料の山田錦の生産現場が試練に立たされています。令和元年産の山田錦は、酒蔵から引取りの猶予を求められています。地元のJAによれば、その数、三万から四万袋、約一千トン前後に及びます。蔵元に無理に引取りを押し付けることになれば、来年の生産申込量への影響は避けられません。仮に処分することになれば、約一億円の損害とも聞いております。今年秋に収穫した二年産も同様の問題となる可能性があります。
 そして、来年産必要量につきましては、今年の年末年始にかけて契約がなされた後、生産計画に応じて作付けが行われる予定ですが、どの程度になるか見通しが立っていません。
 国も水田活用の直接支払交付金等を通じて支援をしていただいていますが、二年産はコロナ前の生産計画に応じて作付けがなされることになっていたため、転換はほとんどできませんでした。実際、国の支援で他品種への転換ができたのは、九月末時点で、全国五百八十九ヘクタールのうち、地元兵庫は僅か二十五ヘクタールと聞いています。県も応援事業を行っていますが、十分に活用されていないのが実態です。
 一方、お配りした資料一の一にありますように、清酒の輸出も昨年比で確実に今年は減少しています。そうした中、現地では、全国唯一の酒米研究交流館といったところがあるんですけれども、こうしたところを拠点とした品質の更なる確保、向上のための技術開発や、消費喚起のための特別ウエブサイトでの「山田錦」乾杯まつりなどを開催しています。
 いずれにしましても、日本酒の消費、輸出を後押しし、原料の要、日本の宝ともいうべき山田錦の生産体制をポストコロナ時代も維持発展していくことは国の責務だと考えます。
 そこで、まず国税庁においては、国内消費を盛り上げる応援セミナーや販売促進等の地域の取組、輸出促進については、資料一の二にありますとおり、昨年比で大幅に減少している米国等への輸出回復の後押し、近年輸出が増えている香港、台湾、豪州等に対しては更なる強化を支援していただきたいと思います。
 次に、農水省におきましても、既存の支援事業を通じた日本酒の国内販売や輸出促進、輸出用の日本酒に用いる酒造好適米の安定的生産に資する取組などを強化していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。御答弁をお願いします。

#45
○政府参考人(木村秀美君) お答え申し上げます。
 国税庁におきましては、酒類業振興のために様々な取組を行っております。
 まず、新型コロナウイルス感染症拡大への対応として、令和二年度第一次補正予算において措置された酒類の国内消費回復・拡大支援事業において、例えば日本酒関連の取組としまして、地域の酒販店が試飲等を通じ地元の酒類等の魅力や特色を伝える酒販店フェアや、全国の酒蔵の情報を多言語で登録して表示する取組などの施策を実施しております。
 一方、新型コロナの影響で海外におけるプロモーション等に制約はあるものの、日本産酒類の輸出促進に向けてブランド化推進事業や酒蔵ツーリズム推進事業の実施、香港やオーストラリア等の現地バイヤーと酒類製造者等との間でのオンライン商談会の開催、国内の輸出商社等と酒類製造者等とのマッチング支援など、創意工夫しながら日本産酒類の認知度向上と海外販路開拓に取り組んでおります。
 また、本年中に策定を予定しております農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略において、輸出重点品目を定め、それぞれ目標を設定することとされており、清酒についても重点品目に位置付けることとしております。
 このように、農林水産物・食品の輸出拡大に向けた政府全体の方針を踏まえ、関係省庁、機関とも緊密に連携しつつ、日本酒を含む日本産酒類の更なる輸出促進、酒類業の振興に向けて取り組んでまいる所存でございます。

#46
○国務大臣(野上浩太郎君) 日本酒につきましては、先生今御指摘のとおり、国内外の出荷量も減っておりますし、その影響で酒造好適米についてもその需要が大幅に減少しているという状況であります。
 このため、農水省では、需要拡大ですとか輸出促進に向けまして米穀周年供給・需要拡大支援事業による日本酒の販売拡大の取組への支援、国内のイベントですとかあるいはオンライン商談等々でありますが、に向けての支援ですとか、あるいは水田活用の直接支払交付金によります輸出用日本酒の原料となる酒造好適米への支援、あるいは日本酒等の輸出に取り組む事業者とこの海外バイヤーとのマッチングを推進するためにジェトロによりますオンライン商談会の実施等の支援を行っているところであります。
 農林水産省としても、今国税庁からお話ありましたが、国税庁と連携をして引き続き日本酒の需要拡大、輸出促進を行うことによって、酒造好適米の安定的な生産を図れるように取り組んでまいりたいと考えております。

#47
○高橋光男君 ありがとうございます。
 是非とも、今大臣おっしゃられたように、日本酒といえば国税庁になるわけでございますが、生産の現場はこれは農水省でございますので、しっかりと政府一体となってこの山田錦の生産現場、またこの日本酒の需要そして輸出の拡大に向けて取り組んでいただきますようにお願いを申し上げます。
 続いて、原発事故による食品等の輸入規制緩和、そして撤廃に向けた働きかけについてお伺いしたいと思います。
 政府は、先週二十日に農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略(骨子案)を公表したと承知しております。重要品目となった清酒を含め、日本が強みを持つ産品を最大限に生かし、輸出を伸ばしていくことは大事だと思います。
 一方で、原発事故に伴い諸外国・地域で継続している福島県を始めとする産品の輸入規制の緩和、撤廃に向けた働きかけの強化、加速化も不可欠と考えます。言わば強みに光を当てるだけではなく、影の部分もしっかりと手当てしていただきたいというふうに思います。
 現在、規制を設けた五十四か国・地域のうち、引き続き十八の国・地域で継続をしております。特に、我が国からの輸出額が大きく、輸入停止を続けている国・地域、すなわち香港、中国、台湾、韓国、マカオ、米国への働きかけを政府一体となって続けることが重要と考えます。
 このうち、例えば中国は、資料二にございますように、十都県産の日本酒を輸入停止しています。全体では酒類の輸出実績というのはこちらの下の表にございますように増加傾向にありますが、この十都県産につきましては、日本酒のみならず全ての食品の輸入停止を続けています。しかしながら、なぜかその一つの新潟産の米だけは輸入しています。米はよくて酒は駄目、これは極めて非合理的な扱いだと思います。
 いずれにしましても、日米貿易協定やRCEP等で自由貿易が進む中におきまして被災地の食品等が取り残されるようなことがないように、来年の東日本大震災十年を見据え、全世界での完全撤廃の目標期限など具体的な目標を設定して、戦略的かつ着実に緩和、撤廃が実現するよう働きかけるべきと考えますが、野上大臣の御所見をお願いいたします。

#48
○国務大臣(野上浩太郎君) 輸入規制の撤廃はこれまでも最重要課題の一つとして政府一体で取り組んでまいりまして、今お話ありましたとおり、三十六の国・地域において規制が撤廃をされたわけであります。残り十八か国・地域ということになりますが、この規制につきましても、科学的根拠に基づいて直ちに撤廃すべきというのが我が国の立場であります。
 本年四月に農林水産物・食品輸出本部を設置をいたしまして、この取り組むべきスケジュールを示して実行計画を策定して対応しているところでありますが、委員御指摘のとおり来年には三月には震災から十年目の節目を迎えるわけでありますので、この節目に向けて輸入規制が一日も早く撤廃をされるように、今コロナ禍の状況でありますが、世界的なコロナの拡大の状況もあって、相手国の事情に応じて、テレビ会議ですとかあるいは電話もそうですし、メールもそうでありますが、そういうことも活用しながら、今様々なレベルで規制撤廃に向けて働きかけを行っております。
 引き続き、検査証明書の簡素化などの規制緩和も含めて、交渉を粘り強く行ってまいりたいと考えております。

#49
○高橋光男君 ありがとうございます。
 菅総理は、十月一日に行いました関係閣僚会議におきましても、関係省庁一体となった体制をつくって、各国の輸入規制緩和に取り組んで、品目別に具体的な目標を持って取り組む必要があるというふうに表明されたというふうにも承知しております。重ねて申し上げますが、被災地が取り残されるようなことがないように、具体的な目標設定と戦略的な働きかけの強化をよろしくお願いします。
 続いて、熊野政務官にお伺いします。
 本年、西日本ではトビイロウンカによる水稲への被害が拡大しました。私の地元兵庫県も例外ではございません。県の西部など、中には田の六割で被害が確認された地域もあり、県の病害虫防除所によれば、一九八七年以来三十三年ぶりの大発生になりました。兵庫では、今年の初飛来が確認された六月下旬以降に増加、発生圃場率は八月上旬は九・七%でしたが、県の防除所が県全域に注意報を発出した八月二十七日には七七%に急増しました。その後、警報を発した九月十六日には一〇〇%に達しましたので、いかに急速に拡大したかお分かりいただけるかと思います。
 農水省は、十一月六日、防除所長会議を開催し、トビイロウンカの防除対策について議論を行ったと承知いたします。つきましては、特に小規模農家、家族農家への支援に加え、発生被害状況の掌握と現場への周知徹底、注意報、警報を出したタイミングが適切だったのか等の厳格な検証、来年以降の再来に備えた営農指導を始めとする実効的な対策が必要と考えますが、いかがでしょうか。

#50
○大臣政務官(熊野正士君) トビイロウンカにつきましては、本年は過去十年間で最も早いペースで飛来をし、また飛来量も多く、飛来地域も拡大したことが確認をされております。
 このため、先ほど委員御指摘ありましたけれども、本年八月に各都道府県に対しまして防除指導の徹底を促す通知を発出したところであり、各都道府県においても注意報や警報の発出により速やかな薬剤散布の徹底等を指導してきたところでございます。
 農水省といたしましては、次期作、次期作における被害の抑制に向けて来年の防除対策が本格化する前に、本年のウンカ対策における課題、問題点等をしっかりと検証をした上で、先ほど委員御紹介いただきましたが、水稲病害虫防除対策全国協議会、これを開催をいたしまして、ウンカの基本的な防除を各地域で効果的に実施するための方策を年内に取りまとめることといたしております。農業者の方々への丁寧な情報提供や防除指導を徹底してまいりたいと思います。

#51
○高橋光男君 ありがとうございます。
 生産者の中には、ナラシ対策や、また収入保険にも入っていない、またさらには農業者共済などにもこの対象にならないような方もいらっしゃいます。しっかりとそうした方々に寄り添った御対応をよろしくお願いいたします。
 そして、次、続きまして、学校給食における都道府県産農水産物の活用についてお伺いしたいと思います。
 私の地元兵庫でも、県内の国公立小中学校を対象に神戸ビーフ、地鶏肉、水産物が給食に供され、人気を博しております。兵庫のみならず、例えば和牛では、山形、宮城、岐阜、石川、三重、滋賀、鳥取、宮崎、鹿児島などで利用されており、最大計三千トンにも上るとされています。御協力いただいた関係組合、団体の皆様に感謝を申し上げます。
 この事業は、子供たちにとっては地元産品の魅力を実感できる教育的意義があると同時に、生産者支援に大いに役立っています。コロナ収束の見通しが立たない中、依然として在庫が多い産物に特化するなど、たとえ小規模であってもかかる支援は継続していく意義があると考えます。また、現在、学校給食での地産地消の取組というのは自治体レベルで行われておりますけれども、国の取組といえば、コーディネーターの育成、派遣等の支援にとどまり、予算も農水、文科と合わせて一億円強と極めて限定的と承知いたします。
 つきましては、国として来年度以降も学校給食に都道府県産の農水産物が活用されるよう支援すべきと考えますが、いかがでしょうか。

#52
○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の影響による在庫の滞留等を解消するため、学校給食や子供食堂への国産食材の提供の支援を始めとしました国産農林水産物等販売促進緊急対策事業を実施しております。本事業は、状況に応じまして対象品目を追加してきておりまして、先週十八日には、新型コロナウイルスの影響を受けまして需要が大きく減少しております中食、外食向けの米を新たに支援対象品目として追加したところでございます。
 委員御指摘のとおり、依然として地域の農林水産物の販売機会を失いまして販路に困っている生産者等も多くいらっしゃると承知をしております。新型コロナウイルス感染症の状況を注視しつつ、学校給食への食材提供の支援も含めまして、今後どのような対応ができるか検討してまいりたいと思います。

#53
○高橋光男君 ありがとうございます。
 例えば神戸ビーフの給食などぜいたくだと思われる方いらっしゃるかもしれませんけれども、これ、単に食べるだけでなく、例えば和牛のルーツ、また神戸ビーフの定義など学びます。私は子供の時分からこうした地元の一流食材に触れて学ぶことも食育の重要な一環だと思いますので、前向きな御検討よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、GoToイート関係につきましてお伺いします。
 二十一日、先週の土曜日でございます、菅総理は、急遽、食事券の新規発行の一時停止やポイント利用を控えるよう都道府県に検討を要請しましたが、現場の混乱は必至かと思われます。特に、食事券の発行停止はいつまでなのか分からないのであれば、一月末までと今なっていますこの期限も柔軟に延長すべきだと思います。いずれにしましても、政府には現場への周知が行き届くよう丁寧な説明をお願いしたいと思います。
 また、GoToイート登録飲食店が食事券を回収し現金化するためには、都道府県ごとに扱いは多少異なりますけれども、大体申込みは月一回のみ、受付には一回当たり食事券二十枚以上が必要といったような形になっています。今回の一時停止が各地域での迅速な現金化の妨げとならないよう、換金申込回数や換金に必要な一回ごとの食事券数の下限などにつきましては柔軟に御対応いただきたいと思います。
 続いて、もう一つお伺い、併せてさせていただきます。
 本年度一次補正におきましては、新型コロナの収束を見据えたインバウンドの需要回復を推進することを目的としました衛生管理、空気換気設備の導入、店舗の改装などのための緊急支援事業を実施したと承知をいたします。しかしながら、インバウンドしばらく戻ってきません。他方、飲食店におきます感染防止の取組は、周知のとおり大変急務でございます。
 ウイズコロナ時代の新しい生活様式に中長期的に対応するため、経産省の持続化補助金による感染防止支援に加えまして、農水省としても、例えば換気設備導入や配膳ロボット等のIoTの活用など、極力多数の中小の飲食店が衛生管理、生産性向上に資する施設整備ができるようにするための支援策が必要と考えますが、いかがでしょうか。端的にお願いします。

#54
○大臣政務官(熊野正士君) お答えいたします。
 新型コロナウイルスの感染状況については、極めて警戒すべき状況が続いております。
 こうした中、二十日の新型コロナウイルス感染症対策分科会において、分科会から政府への提言がございました。これを受けまして、本日二十四日、農林水産省としては、GoToイート事業については、食事券の新規発行の一時停止及び食事券やポイントの利用を控える旨の利用者への呼びかけについて各地域の感染状況等を踏まえた検討を行うよう、各都道府県に要請したところでございます。また、一月末までとしている食事券の販売期限につきましては、一時停止の期間、執行状況、都道府県の意向等を踏まえる必要があります。まずは、農水省としても、都道府県が感染状況を見極めつつ対応の検討を進められるよう、引き続きバックアップしてまいります。
 GoToイート事業は、新型コロナウイルス感染症により甚大な影響を受けた飲食店の需要を喚起するものでございますので、飲食店の資金繰りに配慮する必要が重要と考えております。各地域における振り込み頻度が月一回、月二回としている事業者や、金融機関窓口で随時受け付けて数日程度での入金としている事業者など様々ですけれども、どの地域の事業者においても、基本的には最低月一回以上の振り込みがあるところでございます。
 御指摘の点につきましては各地域の食事券発行事業者と調整を進めてきたところであり、その結果、ある事業者では、当初、請求から換金まで三十日、月一回の振り込みであったところ、二十一日、月二回の振り込みに改善した事例もございます。引き続き、事業の趣旨も踏まえまして、柔軟な対応ができるよう努めてまいります。
 また、もう一つ、インバウンドの需要喚起の……

#55
○委員長(上月良祐君) 時間が参っておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。

#56
○大臣政務官(熊野正士君) はい。
 政府全体として措置をしております雇用調整助成金や無利子無担保の融資、持続化給付金の支給に加えまして、様々な支援を検討して措置をしてきたところでございます。
 今後とも、外食業の事業が継続できるようしっかりと取り組んでいきたいと考えてございます。

#57
○高橋光男君 以上で終わります。

#58
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 冒頭、コロナに関する質問を一つ先にさせていただきます。
 新型コロナ第三波と言われている中、先週、小池都知事から五つの小という予防対策が発表されました。小人数、小一時間、小声、小皿、小まめに換気、医療従事者への心遣い、全部で六つでございますが、私は、これではまだ不十分だと思っております。
 換気についてお伺いします。冬場になりますと、暖房の関係で難しくなってまいりますのが換気ですが、飲食店に限らず、そもそも換気が難しい店舗というのがございます。ほかのやり方でも空間での感染予防対策が必要だと考えておりますが、先ほどGoToイートキャンペーンの食事券の質疑がありましたが、飲食設備の空間の新型コロナ感染防止に関して何か新しい対策を考えていらっしゃいますでしょうか。短くお答えください。

#59
○政府参考人(太田豊彦君) お答えいたします。
 飲食店における新型コロナウイルス感染症防止対策につきましては、外食事業者団体がガイドラインを策定をしておりまして、食事中以外はマスクの着用をすること、テーブルはパーティションで区切るか、できるだけ二メートル以上の空間を空けること、店内は適切な換気設備の設置又は換気設備の点検を行って徹底した換気を行うことなど、感染防止のために必要な取組を具体的に示しております。
 農林水産省といたしましても、様々なチャンネルを使ってガイドラインの遵守を飲食店に呼びかけることを含め、引き続き、三密の回避、手洗い、マスク、消毒、換気など基本的な感染防止対策の徹底を国民の皆様にお願いをしながら、業界団体のこうした取組をしっかりバックアップしていきたいと考えております。

#60
○石井苗子君 ありがとうございます。
 新しい対策を何かお考えですかということで、今お伺いしたのはみんなやっていることでございまして、諸外国も始め国内でも、今年の五月のNITEの発表で、これは次亜塩素酸水溶水の空中、空間ですね、噴霧がされ、一定の効果が出ているという発表がされていると聞いております。次亜塩素酸水溶水の効果については専門家の意見が分かれるところではありますが、私は、専門家チームをつくってコロナ対策における手段の一つとして検証すべきだと思っております。ウイルス対策に有効であるなら、ガイドラインなどを作っていくことでウイズコロナの時代を乗り切る効果的な手段の一つになると思いますので、また来年の通常国会で私は質問をさせていただきます。
 さて、本題に入りますが、前回、牛のふん尿を微生物を使って発酵させ、臭いのないさらさらな堆肥に戻す、いわゆる戻し堆肥の北海道における大規模スマート技術を紹介させていただきました。このふん尿処理システムで臭いの問題を解決することができ、環境に大きなメリットをもたらすことができ、それによって従業員の労働意欲も上がり、畜産を体験したい外国の方を呼び込むという経済的波及効果も期待できる、インバウンドの農泊事業にも貢献できて、その上、ふん尿を堆肥だけではなく敷料にも利用できるという資源リサイクルのSDGs展開を述べて、国の補助金の対象になりますかと訴えたんですが、大臣の御答弁が検討しますで終わっておりました。議事録見ますと、その新たなシステムの内容と効果が補助事業の趣旨に合致するか勉強し、検討しますという答弁だったので、ちょっと疑問を感じました。
 SDGsを声高にうたっているのに、微生物の研究成果がやっと認められるのに、畜産ふん尿処理システムによる資源リサイクル支援、これがなぜないのかと。調べていきますと、法的制度設計にハードルがあることが分かりました。家畜排せつ物は、法律上産業廃棄物の扱いになっています。ふん尿は廃棄するものであり、循環リサイクルを図るといったSDGs的な取扱いにはなっておりません。
 私は、乳牛の搾乳機ですね、これには補助金が出たのに、どうしてなのかと。こちらはソフト事業扱いとなっております。同じ機械でも家畜排せつ物の処理の機械はハード事業扱いとなっておりまして、扱いが違うわけなんです。補助金の扱いが違う。
 そして、廃棄物処理法の廃棄物処理及び清掃に関する法律というのがありまして、家畜のふん尿は廃棄物として各畜産農家自らの自己責任において処理するものとなっております。昭和四十五年、一九七一年にできた法律ですから、半世紀もの間、畜産農家の方々は家畜のふん尿処理を廃棄物処理法の中で廃棄してきた、つまり周囲の環境を考えて自己責任で扱ってきたということです。なので、微生物を使った処理を導入されている小規模な畜産農家さんもどこかでいらしたかもしれないということなんです。
 そこで、質問をやり直します。
 北海道で約五千頭の牛のふん尿を処理する畜産農家が導入した、戻し堆肥を生産する大型機械は一台三億円以上と高額でした、国として補助の対象にしてくれませんかと、このように私が質問したと聞こえて、大臣は、どこの補助事業の趣旨に合致するか勉強し、検討するとお答えになったんだと理解します。
 そこで、合致できそうな補助事業として見付けたのが本日資料としてお配りしました畜産環境対策総合支援事業、これを大臣も答弁でこのハード事業名を挙げていらっしゃいましたが、そこで、この支援事業がハード事業の分野で戻し堆肥を生産する機械に適用できるとしたらその要件は何なのかを御説明してください。

#61
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 畜産環境対策総合支援事業でございますが、これは堆肥の高品質化やペレット化など、耕種農家のニーズに対応した土づくり堆肥の生産、流通の促進を支援するということによりまして、畜産環境問題の解決を図ることを目的とした事業でございます。委員御指摘の牛のふん尿を処理し、戻し堆肥として活用できるシステムにつきましては、この事業の補助対象となると考えております。
 この事業の主な要件といたしましては、まず一点目といたしまして、事業実施主体が畜産クラスター協議会又はそれに準ずる協議会であること、二点目といたしまして、実際に施設整備を行う取組主体が畜産を営む者などであることということ、それから三点目といたしまして、施設整備に関する計画におきまして、家畜排せつ物を原料とする堆肥又は液肥の生産量に占める販売量若しくは輸出量の割合が一〇ポイント以上増加する成果目標を設定することなどが要件となっております。
 こうした要件を満たす事業計画の申請があれば、選定審査委員会による審査を経て、評価の高いものから順に予算の範囲内で採択をされるということになる次第でございます。

#62
○石井苗子君 今確認できたのは、その私が提案した微生物を使った機械はハード事業として、ここに、今日はお配りしませんでしたが、この事業の対象にはなる。しかし、計画書を提出せよ。そして、有識者の協議によってそれに効果があるものかどうかなどを決めて、その要綱に当てはめることができれば、結果としてそうなれば補助金を出すということで、確認です、それでよろしいわけですね。

#63
○政府参考人(水田正和君) 委員御指摘のとおりでございます。

#64
○石井苗子君 私は、その資源としてリサイクルをしていこうという発想、SDGsです、まさにこの継続性がなければ日本の何の産業もこれからの未来を開いていけないわけなので、リサイクルという意味で敷料というものにも当てはまるのかという質問をしましたが、敷料は当てはまりませんか。

#65
○政府参考人(水田正和君) 先ほど申し上げましたこの事業の主な要件の中で、施設整備に関する計画におきまして、この家畜排せつ物を原料とする堆肥又は液肥ですね、この生産量に占める販売量若しくは輸出量の割合が一〇ポイント以上増加ということでございますので、堆肥として利用されるものを一〇ポイント以上増加していただくことが必要と考えております。
 戻し堆肥の場合は、敷料としてまずは利用されますけど、最終的に堆肥になって販売なり使用されるということではないかと考えておりますので、そういう意味では最終的には対象となるということだと思います。

#66
○石井苗子君 最終的には対象となるけれども、原則的には対象とならないわけで、堆肥として一〇%販売をアップするならば、このハード事業の、微生物を使った機械の導入も、有識者がオーケーということになれば補助金の対象になりますと、こういう話だと思います。よろしいですね。
 そうすると、先ほどのその畜産環境対策総合支援事業は令和元年度の補正予算事業です。私は、これだけではなくて、菅総理から指示された本年度第三次補正予算でも、資源リサイクル、環境問題、インバウンドに資するような、このような機械の導入を支援する予算を確保してほしいと思うんですが、いかがでしょうか。第三次補正予算で考えている支援事業ございますか、お答えください。

#67
○政府参考人(水田正和君) この事業につきましては、確かに元年度の補正予算でございますけれども、引き続き、この畜産環境対策のための必要な予算の確保については、第三次補正予算も含めて検討してまいりたいと考えております。

#68
○石井苗子君 将来のことを考えたら、先ほどそのリサイクルということで基本的には皆さんその敷料には使わないんですが、臭いをなくしていくということのそのSDGsを考えたら、やはり資源リサイクル、環境問題、インバウンドに資するという機械の導入を支援していただきたいと思います。
 さて次に、畜産環境対策総合支援事業、これがお配りしたものですけれども、以外に、戻し堆肥を生産できるような機械に対する支援策、ほかに何かありますでしょうか。

#69
○政府参考人(水田正和君) 委員御指摘のその牛のふん尿を処理して戻し堆肥として活用できるシステムにつきましては、畜産環境総合支援事業以外では畜産クラスター事業による補助対象となるものと考えております。
 その要件でございますけれども、畜産クラスター事業のその主な要件といたしましては、一点目といたしまして、整備を行う者につきましては、畜産を営む者であって、畜産クラスター協議会が作成いたします畜産クラスター計画において中心的な経営体として位置付けられているということ。
 それから、二点目といたしまして、当該経営体が地域の平均飼養頭数規模以上に増頭するか、又は、北海道の場合でありますとおおむね北海道の平均規模以上、都府県の場合でありますと北海道を除くおおむねの全国平均の規模以上に増頭するという、頭数を増やすということが要件になっております。
 それから、三点目といたしまして、施設整備に関する計画におきまして、販売額の一〇%以上の増加、あるいは生産コストの一〇%以上の削減、又は農業所得又は営業利益の一〇%以上の増加、この三つのうちのいずれかの成果目標を設定をするということなどが要件となっておるところでございます。
 このような要件を満たす事業計画の申請があれば、都道府県等による順位の高いものから順に予算の範囲内で採択をされるということになります。

#70
○石井苗子君 ありがとうございます。
 畜産環境対策総合支援事業、ペレット化とか高品質化、高度な施設の整備、畜産クラスター事業の中には環境優先枠というので二十億円入っております。家畜排せつ物処理施設の整備、堆肥センターの整備、個々の畜産農家の経営状況に合わせて排せつ物の適切な処理と有効利用を総合的に対応するというふうに書いてありますので、先ほど郡司先生からも御発言がございましたように、やはり長期的に見て、どこに目標を定めて予算を獲得して使っていくのかということを明白にして初めてSDGsと言えるのではないかと思います。堆肥を一〇%以上売ったら、販売が一〇ポイント上がったらここの要件に当てはまるとか、そういうことだけではなくて、もう少し成果ベースで見ていただきたい。
 レクにおいてはその北海道の施設まだ見ていないからという御発言もございましたけど、やはり北海道では三日間でできるものを五時間でできるようにしていけばイノベーションだと言っておりますので、こういった機械の導入に関しても、やはり将来的に見て、畜産農業について、皆さんがもっと農業に、畜産農業も農業ですから、参加していこうという意欲をつくっていかなければならないと考えます。農林水産行政でのSDGsは大臣が先頭に立って進めていると考えております、思っております。資源リサイクルもインバウンドも、また畜産農家の人材難という問題も国の支援がないとなかなか前に進みません。
 もう一度お聞きしますが、先ほどの政府参考人の皆さんの説明した要件に当てはまれば戻し堆肥を生産できる機械も補助対象になるのかというお答えと、それからもう一つ、大臣に最後ですのでお聞きいたします。生産力の向上と持続化可能性、SDGsですね、これを両立させるみどりの食料システム戦略を設定する、策定すると書いてありますが、具体的に一つだけ紹介していただいて私の質問を終わらせていただきますので、よろしくお願いいたします。

#71
○国務大臣(野上浩太郎君) 今先生御指摘のふん尿処理システムにつきましては、生産局長から答弁しましたとおり、畜産環境対策総合支援事業や畜産クラスター事業の補助対象となるものであり、それぞれの事業の要件を満たす事業計画の申請があり、審査を経た上で採択されれば補助金が交付されることとなります。
 もう一つは、みどりの食料システム戦略についてであります。
 具体的な検討方向としては、例えば農林水産物や肥料、飼料といった資材についての輸入から国内資源への転換ですとか、あるいは地域資源のエネルギー活用など脱炭素社会の牽引ですとか、雇用の増大や地域の所得向上、豊かな食生活の実現を目指すことを考えております。

#72
○石井苗子君 ありがとうございます。
 総合的に質問させていただきましたが、私は、やっぱり生産力の向上と持続可能性を両立させるためには、具体的に国内の肥料を使うということ、そして雇用を拡大していくということ、それがやはり地域での、畜産農業も農業です、強い農家をつくっていくということに必要な要件だと思っております。それが食生活の改善につながっていく。
 先ほど、地元のものを食べるときには地元がどのような努力をしてこの食品を作っているのかということを子供たちに教えながら食べてもらう、学校給食の設定とかですね。全てにつながっていかなければ、ぽつんぽつんとやっていて、どれだけ堆肥を売ったらこの要件に、このすごい分厚いものがありますが、計画書を書いて、それが有識者の目に留まったらオーケーが出るというようなことではなく、やはり大臣としてこのSDGsに向けて日本の強い農家をどのようにつくっていくのだと、そのためにはどんな予算が必要なのだというような夢を含めたリーダーシップを取っていただきたいと思っております。
 時間が三分余っておりますので、用意してきた質問で私がちょっと不思議に思ったことのSDGsがございますので、大臣にお聞きいたします。先ほど最後の質問と言いましたけど、大臣のお答えが短かったので、あと二分ありますので。
 大臣は、林業とか農業とか漁業にリモートワークで人材を呼び込みますと、このように発言していらっしゃいますが、都会のクリエーティブワーカーがこういった漁村や農村に来て、本来の仕事を離れたところでやるというようなことに思いまして、これ、どのようなリモートワークのメリットがあるのかちょっとよく分からなかったんですが、どういうシステムを想像して具体的に考えていらっしゃるんでしょうか。

#73
○国務大臣(野上浩太郎君) コロナの影響下におきまして、自然ですとか美しい景観を有する農山漁村地域への旅行ニーズは高いと思います。また、新しい生活様式を踏まえてリモートワークの滞在先としても関心が高いということが、これは民間の調査でも示されているところであります。
 都市部のビジネスマン等がその農山漁村においてリモートワークを実施をすることで、滞在中に地域の食や景観等を楽しむことを通じて地域の活性化が図られることも期待をしておりますし、既に家族連れの職場の同僚等がリモートワークのために長期にわたって農泊施設に滞在する事例もあると承知をしております。
 農水省としては、リモートワークできる環境の整備にも資する古民家等を活用した宿泊施設の改修ですとかWiFiの整備等の支援、あるいは農泊事業者向けのガイドラインを整備して普及をして、安心、安全な滞在先としての農山漁村のPR等に向けて、農山漁村地域でのリモートワーク事業に積極的に対応してまいりたいと考えております。

#74
○石井苗子君 ありがとうございます。人が来ることでメリットになるというふうに理解しました。
 ありがとうございます。質問を終わります。

#75
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。
 私からは、まず、先ほど郡司委員からも言及がありましたけれども、今年三月に取りまとめました食料・農業・農村基本計画の内容について質問をさせていただきます。
 先ほども指摘がありましたけれども、この基本計画は食料・農業・農村基本法に基づいて五年ごとに十年先を見据えた計画ということで、まさにいろんな外部から、何ちゃら会議とかってありますけれども、やはりこの基本計画が中心だということはこれ否定ができないんだと思っております。
 そういう中で、今回の基本計画には、中小・家族経営の重要性が明記されたと考えております。これまではどちらかというと規模拡大とか攻めの農業、企業化、法人化、こちらが中心だったのかなと思う中では大きな転換だと思っております。
 そういう中で、まず、今回方針転換をされた大きな背景、理由についてお答えいただきたいと思います。

#76
○国務大臣(野上浩太郎君) 日本の農業経営体の約九八%は家族経営でありまして、こうした方々が地域の農業生産、農村を支えていると認識をしております。このため、従来からも、経営規模の大小や法人か家族経営かの別を問わずに意欲ある担い手を幅広く育成支援するとともに、中小・家族経営など多様な農業体が地域社会の維持に重要な役割を果たしていることに鑑みた支援を行っておりますが、そのことを本年三月に閣議決定されました基本計画において明確化をしたところであります。
 引き続き、品目別対策ですとか多面的機能支払、中間地域等の特別支払の支援策も続けてまいりたいと思いますし、中小・家族経営を含む地域の農業、これをしっかりと支えてまいりたいと存じます。

#77
○舟山康江君 ありがとうございました。
 この中小・家族経営など多様な経営体について、いわゆる生産支援と同時に「地域社会の維持の面でも担い手とともに重要な役割を果たしている実態を踏まえた営農の継続が図られる必要がある。」と、こんな記述になっております。
 今大臣からも様々な支援をしているということでありましたけれども、今回明記されたということで、まさにその生産支援と同時に、規模拡大、集約化ではない別の側面での家族農業、小規模農業を支える政策が必要だと思っています。
 やはりこの政策によって方向性をしっかりと打ち出していく、そして希望を持って営農を続けていくということが必要だと思う中で、具体的に、今回、多分来年度予算、これからの予算にも反映していくのかなと思いますけれども、その具体的な中身として新たな方向性をどのように打ち出そうとしているのか教えていただきたいと思います。

#78
○国務大臣(野上浩太郎君) 中小・家族経営に対しましては、今申し上げましたとおり、品目別の対策ですとか多面的、中山間地等々の直払い、幅広く支援をしてまいりましたが、また畜産クラスター事業ですとかあるいは産地パワーアップ事業につきましても、中小・家族経営の皆様にも活用しやすいよう、これまでも要件の緩和ですとか地域の事情に応じた事業の見直しを行ってきたところであります。
 これらの支援策を引き続き実施をしてまいりたいと思いますし、これは中小・家族経営に限った話ではありませんけれども、今後とも農業現場のニーズを把握しながら、また今明確にした理念に従いながら、この基本計画を踏まえて政策を検討してまいりたいと考えております。

#79
○舟山康江君 二〇一七年十二月に国連家族農業の十年というものが決議をされました。この中でも家族農業、小規模農家、やはりここに対してしっかりと支援をする必要があると、様々な役割を果たしていると、こんな決議がなされております。
 大臣、この家族農業の十年に対する大臣の見解を教えてください。

#80
○国務大臣(野上浩太郎君) 今先生御指摘のとおり、国連は二〇一九年から二〇二八年を家族農業の十年と定めまして、各国が家族農業に関する政策を進めるとともに、その経験を他国と共有すること、また国連食糧農業機関等の国連専門機関は各国による活動計画の策定、展開を定めること、先導すること等を求めております。
 農林水産省としましても、この家族農業がこの世界の食料安全保障の確保ですとか、あるいは貧困の撲滅に役割を担っていると認識をしております。このため、家族農業の重要性について国際社会で認識を、この責任を共有していくということは極めて意義深いことだと考えております。

#81
○舟山康江君 一時期、農政の中では一定規模以上に施策を集中すると、こんな方式が取られておりました。そういう中で、今、家族農業、小規模農業に対してもしっかりと目を向け、光を当てていくということだと思いますけれども、これ前回の質問とも関連いたしますけれども、やはり単なるこの品目別の一律の対応ということではなくて、SDGsの話が石井議員からもありましたけれども、やはりこの環境対応とか今後の温暖化防止対策という観点でのこの小規模家族経営の役割に対してはもう少し目を向けて、やはり諸外国のような直接支払、本当の意味での、そこで環境を守っていくということに対する支援をもう少し手厚くしていく、そんな検討を是非お願いしたいと思いますけれども、是非、大臣いかがでしょうか。

#82
○国務大臣(野上浩太郎君) いずれにいたしましても、この基本計画で先ほど来議論のある方向性を明確化させていただきましたので、その方向性に沿ってしっかりと検討してまいりたいと思います。

#83
○舟山康江君 ありがとうございました。
 その方向性に沿ってしっかりと検討していくという御答弁がありましたので、今後、私たちも、次の来年度予算、今後の補正についての様々な意見も申し上げたいと思いますし、是非その新たな政策について期待をさせていただきたいと思っております。
 先ほど食料・農業・農村基本計画がもう基本中の基本なんだという話がありました。そういう中で、やはりこれまで規制改革推進会議、未来投資会議、また国家戦略特区諮問会議等の提言に基づいて様々な改革が行われてまいりました。中には効果があったものがあったかもしれませんけれども、やはりいろんな改正がありましたよね。卸売市場法の改正、農地中間管理機構の創設そして改正、畜安法の改正、いろんなことがあったと思いますけれども、やはりこういった提言、ある意味では外部からの規制改革の要求もあったと思いますけれども、やはりこの取り組んだ後のフォローアップ、検証、これも必要だと思っておりますけれども、どのような形で検証をなされているのか。とりわけ、これ今年に入って集乳停止という混乱が生まれましたけれども、畜安法を改正して自由化された生乳流通改革についてのこの混乱の原因分析等をされているのかどうなのか、ここについてお答えいただきたいと思います。

#84
○政府参考人(青山豊久君) 規制改革会議や国家戦略特区会議等の議論につきましては、実際に現場でどのような効果が上がるのかという視点や、施行した場合にはその検証や評価の視点が必要であると考えておりまして、当省においては、これまでも改革の実施状況等について随時検証等を行いながら、政府内での議論に対応してまいりました。
 委員御指摘の事例、昨年冬から今年の春にかけまして、北海道において一部の集乳業者の集乳停止により生乳廃棄が生じた件については、農林水産省として、当該集乳業者を始め、生産者が所属する組織や生産者に対して聞き取りを行ってまいりました。その結果、当該集乳業者からは、生産段階での生乳への異物混入が原因で受入先の乳業者から生乳の受入れを断られた生産者がおり、その生乳が廃棄されたなどの報告を受ける一方で、生産者側からは、異物混入は事実であるが、既に改善し、その後は当該集乳業者を経由せずに乳業メーカーへの出荷が受け入れられていたなどの報告を受けているところでございます。
 今回の生乳廃棄の件につきましては、廃棄された生乳の費用をどちらが負担するかについて論点となっておりまして、契約当事者間の取引上の問題であると捉えているところでございます。

#85
○舟山康江君 総じて見て、今回の法改正は成功だったのか、こういった状況が起きることは実は当初から予想されていたというか、ある意味では、やっぱりこの全体の需給バランスを見て、指定生産者団体制度があったということですけれども、何かいいとこ取りになるんじゃないか、混乱するんじゃないかという懸念は当初からあったと思います。
 そういう中で、この改正をどのように総括しているのか、そして、まあ当事者間の問題だといえ、国の法改正によってこのような業者が参入できた、そしてこういった事態が生じたという意味では、やはり農水省も責任の一端というか、この解決に向けて動く責任があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

#86
○政府参考人(青山豊久君) 今般の生乳流通改革につきましては、酪農家が加工原料乳生産者補給金を受給できる生乳の販売先をJA等の指定団体以外にも選択できる環境を整備したものでございます。一方、今回の事例につきましては、生乳廃棄に伴う費用負担の問題でありまして、契約当事者間の取引上の問題であると考えております。
 制度につきましては、いかなるものであっても不断に検証することは必要でございまして、本制度についても制度運用を重ねていくとともに、その中で改善すべきことがないか、生産者、生産者団体等様々な方々の御意見を聞きながら検証してまいります。

#87
○舟山康江君 結局、その農業の実態、現場が分からない中で、とにかく競争すりゃいいんだとか、自由にすりゃいいんだ、大きくすりゃいいんだという提言がやはりこれ否定できないと思うんです。そういう中で、やはり現場で起き得る懸念とか実際に起きたこと、それに対してしっかり検証して見直しをするということを行っていただきたいと思います。
 今、私がもう一つ懸念しておりますのが、国家戦略特区の中で企業による農地取得が一部行われておりますけれども、この全国展開というのも検討されているやに聞いております。
 これに関しても、先ほど少し触れさせていただいた食料・農業・農村基本計画の中での、要は小規模家族経営を大事にしていこうという方向と、ある意味では逆行する部分があるんじゃないのかなと思うんですね。農地は、その単なる投資の手段ではなくて、いろんな生産基盤であって、また、多面的な役割を果たしていくということでありますから、そういった観点から、やはり農水省が、これは政府で閣議決定しているわけですからね、基本計画は。そういう方向の中で、また外からいろんな改革の声が出てくるということに対して毅然と対応いただきたいと、これは大臣にもお願いをしたいと思っています。
 続きまして、輸出の促進に関して質問させていただきます。
 資料の一枚目を御覧いただきたいと思います。輸出目標につきましては、総理も大臣も所信で、輸出額が七年で倍増になりましたと大きな成果を誇っておられましたけれども、元々は、二〇一九年に輸出一兆円を達成というのが目標だったんですね。つまり、目標未達成だったというふうに思います。そこはやっぱりまずは真摯に受け止め、認めていかないといけないのかなと思います。
 そして、これまで、こういった目標に向けて様々な事業が行われてまいりました。その事業の成果が何だったのか、行政事業レビューの中でもいろいろ指摘をされておりますけれども、こういった成果と課題について、農水省の認識、お伺いします。

#88
○政府参考人(太田豊彦君) お答えいたします。
 まず、一兆円輸出目標の達成状況でございます。
 二〇一九年までに農林水産物・食品の輸出額一兆円を達成する目標を掲げていた中、先ほど委員からもお話ありましたように、七年連続で過去最高を更新したものの、二〇一九年の輸出実績は九千百二十一億円となりました。このように、二〇一九年の輸出額が伸び悩んだ原因としては、香港の不安定な政治情勢、あるいは水産物の漁獲量の減少などが主な原因というふうに考えております。
 これらのマイナス要因はあるものの、主な他産業の年間輸出額が減少する中で、農林水産物・食品の輸出は増加を続けており、二〇一九年まで八年間で倍増したところでございます。
 続きまして、これまでの輸出の促進対策についての成果でございます。
 近年、農林水産物・食品の輸出の拡大に向けましては、輸出先国の規制やニーズに対応した輸出産地の育成、日本の強みを生かした海外でのPR及び販路開拓、輸出を円滑化するための手続の整備や輸出先国の規制の緩和、撤廃に重点を置いて取り組んでまいりました。
 具体的には、GFPグローバル産地を形成する生産者を支援し、事業者の計画では、今後三から四年の間に輸出額が約四十九億円増加する見込みであります。また、ジェトロ、JFOODOによるPRや販路開拓によりまして、ジェトロでは過去五年間で一千二十七億円の商談の成約額を達成するとともに、JFOODOのプロモーションの参加者の輸出額も毎年伸びております。
 本年四月に設置をいたしました農林水産物・食品輸出本部の下、施設認定の迅速化や輸出証明書の発給の利便性の向上などを図っています。
 また、これまで政府一体となって輸出先国との協議を行った結果、原発事故に伴い規制を設けた五十四の国・地域のうち、三十六の国・地域が規制を撤廃をいたしております。
 このように、事業の実施によりまして輸出拡大に向けた成果が上がっているというふうに考えております。

#89
○舟山康江君 それだけ様々な予算を投じて、事業を駆使して、それは輸出の額も伸びるとは思いますけれども、投じた予算に対して果たしてどれだけの成果があったのか、これも、恐らくこれ行政事業レビュー等でも指摘をされているんじゃないのかなと思いますけれども、是非またこの検証についても今後お聞きしたいと思います。
 二枚目を御覧いただきたいと思いますけれども、一枚目と併せて、実は、加工食品とか、この輸出金額の上位二十書いていますけれども、アルコール飲料、ソース混合調味料、真珠、ホタテなんかは海産物ですけれども、清涼飲料水、いわゆる純粋な農産物というのはさほど多くないという状況なんですね。
 そういう中で、もう一つ、一枚目の表の左側ですけれども、輸出も確かに伸びていますが、輸入も伸びているんですよ。で、輸入額は輸出額の大体十倍以上という状況です。農林水産物全体で十倍、農産物では十一倍、たばこ等を抜くともっと大きいということなんですけれども、そうなると、輸出に力を入れることは否定しませんが、むしろ、このどんどん伸びている、十倍以上もある輸入の部分をどうやって国産に置き換えていくのか、その対策にもっと力を入れていかないといけないんじゃないか。
 なぜ、この小さい輸出だけに特化して様々な予算を投入していくのか。やっぱりそこを、それこそ食料安全保障の話とかも先ほど来出ていますけれども、やっぱり国産に置き換えていく、国産を伸ばしていく、足りないものを増やしていく、そういった政策のウエートを上げていくということが必要ではないかと思いますけれども、何でここまで輸出に固執するのかなというのが、正直本当不思議なんですよ。その辺、どうなんでしょうか。

#90
○国務大臣(野上浩太郎君) 今御指摘ありましたとおり、国民に対する食料の安定供給というのは国家の最も基本的な責務の一つであると思っております。
 食料自給率の達成に向けて全力を尽くしていかなければなりませんが、輸入品から代替が見込まれる小麦や大豆の増産ですとか、あるいは加工食品ですとか、外食、中食向けの原料の国産への切替え、あるいは畜産物、あるいは果樹等の増産、また農業経営の底上げにつながる生産基盤の強化や担い手の育成確保等々、これは総合的に取り組んでいかなければならないと考えています。
 一方で、輸出の促進によりまして、輸出と併せて海外市場を視野に入れることで供給能力自体を高めるということもあろうかと思いますし、農業所得の増大にもつながるというふうに思います。また、不測時における国民への食料の安定供給を図る上でも重要な取組となると考えておりますので、国内生産を充実させていくということは当然でございますし、これはしっかりやっていきたいと思いますが、それと併せて輸出の促進も進めていきたいと考えております。

#91
○舟山康江君 ありがとうございました。

#92
○委員長(上月良祐君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。

#93
○舟山康江君 はい。
 予算が無限にあれば、あっちにもこっちにも予算投入して応援していただければいいんですけれども、やっぱり限られた中で輸出ばかりに、今回、戦略の中でも、実行戦略の中でもかなりいろんな戦略がありまして、そこに力を入れると、さっき言ったような小規模家族経営、こういった方々はやっぱり国内向け、国内仕向けの方が多いと思うんです、そこが手薄にならないようにしていただきたい。
 マーケットが縮小といっても、だって、これだけ輸入に頼っている中でそこを置き換えていく、そのマーケットは十分あるわけですから、そこをしっかり輸出と同様かそれ以上に力を入れていただきたい、そのことをお願い申し上げまして、質問を終わります。

#94
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日は、高収益作物次期作支援交付金についてお聞きします。
 高収益作物次期作支援交付金は、新型コロナウイルスの影響を受けた農家が営農を断念することなく次期作に前向きに取り組めるように、簡素で弾力的な要件にすることによって支援する制度として創設をされました。新型コロナによって経済的にも精神的にもかつて経験したことないようなやはり打撃を受けている中で、生産者はこの制度ができたということで来年に向けて希望が見えたと、生産者に寄り添ったコロナ対策だということで、歓迎をして受け止められました。
 ところが、申請の締切り後、二か月以上もたってから、農林水産省は交付金の運用を見直すということで一方的にこれは通知をすると。見直しを知った生産者はびっくりして、怒りやあるいは不安、混乱の中で私の事務所にも多くの電話が掛かってきました。野上大臣は、申し訳なく思っているという原稿をこの間繰り返し読み上げられたんですけれども、これでは反省の気持ちが伝わってこないわけです。
 十月以来、生産者や農協から怒りや不安の声が寄せられておりますので具体的に聞きますけれども、追加措置をとったということなんだけれども、北海道で農協と懇談をしてきたんですね。今年の花卉、花ですね、花卉の売上げは前年比で二〇%減で推移をしているわけです。次期作のこの支援交付金で十アール当たり八十万円支援をいただけると思っていたと。それで、申請額が花卉だけでも三千万円だったんだと、ところが、要件が変わって全体に千三百万円ぐらいまで減少したんだと。種苗の購入ですとかあるいは年内の作付けというふうな条件に沿ってこれ経費を掛けて、じゃ、植えなきゃということで定植作業をしてきたということなんですね。それで、新たな減収要件によって交付予定額が言わば千七百万円も減少したことになるわけなんですけど、これ、追加措置でどこまで支払われるんでしょうか。

#95
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 高収益次期作支援交付金の関係で先月末に講じました追加措置につきましては、交付金を見込んでコロナの影響の中においても積極的に機械や資材の投資を行った農業者の皆様の経営に影響が生じ、前向きな取組が続けられなくなることがないよう支援を行うものでございます。
 このため、支援に当たりましては実際に購入した機械、施設の取得費、あるいは資材等の掛かり増し経費を申請いただくこととしておりますが、その申請につきましては農業者ごとに内容が異なるということと、それからまた、申請の締切りでございますが、当初十一月三十日としておりましたが、事務手続に時間が掛かる等のお話もございまして、十二月二十五日に延長をしたところでございます。
 全体として追加措置によりどの程度の交付金が支払われることになるのか申し上げることは、現時点においては困難でございます。

#96
○紙智子君 だから、分からないというわけですよね。実際、元の予定よりも相当減るということに対して、どれぐらい追加措置でなるのかって分からない状態なわけですよね。
 それで、投資して例えばすぐにお金を払ったとか、あるいはこれから発注するという、こういう人については出るということなんだけれども、投資しようと思っていたんだけれども、まだお金払っていないとか、まだ発注していなかったと、これからやろうと思っていた人というのは、これは出ないということなんですか。

#97
○政府参考人(水田正和君) 今回の追加措置でございますが、運用見直しに伴いまして交付金が減額されるあるいは交付されなくなる農業者の方でございまして、その中で既に機械や資材に対して投資を支出した方に対して支援をさせていただくということでございます。こうした方々は経営への影響が特に大きいことを踏まえまして、こういう投資によって生産性の向上を図ろうとする前向きな取組が続けられなくなってしまうことがないよう新たな措置を講ずるということとしたところでございます。
 不公平との御意見があることは承知をしておりますけれども、機械等の投資がこれからで、まだ経費が発生していない方にまで同様の支援を行うことは難しいと考えておりまして、こうした方々には既存の補助事業等の活用も含め、丁寧に対応させていただく所存でございます。
 結果として関係者の皆様に御負担をお掛けすることになって申し訳なく思っておりますけれども、丁寧に御説明させていただくとともに、しっかりと現場の皆様をお支えしたいと考えております。

#98
○紙智子君 幾ら申し訳ないという言葉を繰り返しても、実際上、今の答えからいうと、当初交付予定額をこれ投資した額を下回れば、これ満額交付されないということなわけですよ。次期作に前向きに取り組めるようにというふうに、そういう交付金なんだというふうに言いながら、結局、今出されている追加を含めても、我慢しろということになるんじゃないでしょうか。
 それで、例えば豪雨の被害を受けた以外の申請の締切り、これは七月末だったわけです。ですから、もう四か月目になるわけですよね。本来だったら交付金の支給というのは始まっていたはずなんですね。既に、持続化給付金ですとか経営継続補助金、これまだ途中ではありますけれども、手元に、農家の手元には渡ってきつつあるわけですよ。ところが、この次期作については、十月に運用の見直しを行ったために、これまだ交付金については一円も農家に渡ってないんじゃありませんか。大臣、いかがですか。

#99
○国務大臣(野上浩太郎君) 申請者の皆様への支払が遅れていることにつきましては、大変申し訳なく思っております。
 現在実施しております第三回公募の締切りについても、農業者の申請書の作成ですとかあるいは事業申請窓口の事務処理に要する負担に鑑みまして、当初の十一月三十日から十二月二十五日まで延長したところでありますが、まずは運用見直しですとか追加措置につきまして関係者の皆様に丁寧に御説明をさせていただいて、申請書等の提出をいただいた上で支払に向けた所要の手続を行い、できる限り速やかに交付金をお支払いできるように努めてまいりたいと考えております。

#100
○紙智子君 だから、まだ一円も現場に届いてないですよね。届いていませんよね。そのことをちょっと聞いたんですけど、言ってないから。

#101
○政府参考人(水田正和君) 御指摘のとおりでございます。

#102
○紙智子君 ですから、まだこれ農家の手元に払われていないということですよね。交付金の運用を見直したことで、これ、農家の経営計画を狂わせる、そういう事態をつくっているわけです。申請締切り後に要件を一方的に変えて、この交付金はいまだに払われていない、更に追加書類の提出も求めているわけです。前向きにと言って期待だけ持たせておいてはしごを外したと、だから詐欺だという声もあるぐらいですよ。そう言われても仕方がないというふうに思うんですね。
 この追加措置で救済される人がいる一方で、救済されない農家の方々もいるんですね。今回の追加措置では、これ、十月三十日までに機械や資材などに投資した方は対象にするけれども、投資していない、これから投資しようと思っていた人は対象外ということになっているわけで、これ、どうして十月三十日で線を引いて切るんでしょうか。

#103
○政府参考人(水田正和君) 今回の追加措置でございますけれども、運用の見直しに伴いまして交付金が減額又は交付されなくなる農業者の中で、既に運用見直し前に機械や資材に対して投資をし支出をした方につきまして、経営への影響が特に大きいということを踏まえまして、こうした農家の生産性の向上を図る取組が続けられなくなってしまうことがないよう新たな措置を講ずるということとしたところでございます。
 一方で、運用見直し後に投資をされる場合でございますが、今回交付金が減額又は交付されなくなった方という方は、収入の減少が少なかった方あるいは収入の減少がなかった方ということでございますので、こういった方々に見直し前の交付金額を前提に御支援をするということは、この高収益作物以外に取り組む農業者の方々とのバランスに考えても極めて難しいと考えておるところでございまして、こうした方々に対しましては、機械、施設に対する様々な補助事業等の支援策ございますので、そういったことの活用をお願いするなど丁寧に対応してまいりたいと考えております。

#104
○紙智子君 ちょっと今の答えだと、どうして十月三十日で線を引くのかということに答えになっていないんですけど。分からないんですよね、何で十月三十日で線引くんですか。

#105
○政府参考人(水田正和君) 基本的に、運用見直しを行う前に既に投資をされた方という方につきましては、こういった運用見直しを全く想定をされてないという状態でございましたので、そういった方々に対しまして追加の措置について御支援をさせていただくということでございます。
 運用見直し後になりますと、既にその運用見直しが世の中に周知をされている状態になっておりますので、そういった中で今後投資をされる方につきましては、新たな取組ということでございますので、前向きな取組ということでございますので、様々な補助事業等による支援をさせていただきたいということでございまして、追加措置の対象とはさせていただいてないということでございます。

#106
○紙智子君 ちょっと何言っているかよく分からない。
 経営継続補助金は今年の十二月三十一日まで実施期間にしているんですよね。だったら別に十月三十日じゃなくてもいいんじゃないかなというふうに思うわけですよ。
 元々の交付金の趣旨というのは、これ、コロナの影響で農家が営農を断念することがないように次期作に前向きに取り組んでもらうための支援だったはずなんですね。同じ支援策で十月三十日という線を引いたことで切り捨てられる農家も出てくるわけですよ。減収要件で農家の選別を持ち込んで、さらに、この事前に投資したかどうかということで更に切り捨てていくという、これは農水省が、本来農家を支援しなきゃいけない農水省がやることなんですか。大臣、どうですか。

#107
○国務大臣(野上浩太郎君) この高収益作物次期作支援金につきましては、売上げが減少するなど、コロナの影響によって大きな影響を受けた花卉、茶、野菜、果樹等の高収益作物を対象に次期作に前向きに取り組んでいただけるよう支援する事業であります。
 その事業を創設した当初は、コロナ禍によって需要減少が外食産業ですとか学校給食など様々な消費場面で現れておりましたので、花卉、茶、野菜、果樹の分野の品目を生産している全ての農業者に売上げの減少が発生する蓋然性が高いと考えて、事務の簡素化の観点も踏まえて、個人ごとの減収を要件としないという仕組みを、申請しやすい仕組みをつくったというところでありました。
 その後、需要減少に一定の回復が見られる中で、野菜や果樹などの分野においても個別品目で見ますと価格が回復する品目が出てくる中で、減収していない農業者からの申請も含まれていることが見込まれまして、このまま交付金が支払われることになれば、コロナの影響を受けていないのに交付金が支払われることになりかねず、国民の理解を得ることは難しいと考えて、農業者ごとに減収のあった品目を対象にして、減収額を超えない範囲で交付額をお支払いするところとしたというのが経緯でありますが、この運用見直しによりまして減収額を超えない範囲で交付金をお支払いすることといたしましたが、次期作に前向きに取り組んでいただくための支援であるというこの本来の事業の趣旨自体は変えたということではございません。

#108
○紙智子君 何か長く答えましたけど、全然中身が分からないんですよね。
 それで、いや、コロナの影響を受けていないのに申請したというふうに、そういう誤解を持たれると言うんだけど、衆議院の方で我が党の議員が質問したときに、じゃ、影響を受けていない人ってどれくらい申請したんだと聞いたら、分からないと言っていたんですよ。そういうこともちゃんと分からないのに、一方的に決め付けてやるっておかしい話で、私はこれ支援策に一律に線を引くべきではないと思いますよ。
 要件の見直しに至った経緯についても聞きますので。実は、十月の、私たち共産党の農水部会として、この次期作の支援策の交付金ですね、次期作の交付金の要件変更についての説明を求めました。で、来てもらったんです。で、私たちの質問に対して農水省は、七月三十日の申請締切り後、八月に財務省と協議したと説明をされました。そこで、財務省との協議内容も含めて、時系列で運用の見直しに至った経緯の詳細を農水省に資料要求しました。
 ちょっとお配りした資料を御覧いただきたいと思うんですけれども、これずっと時系列で書いてあるんだけれども、財務省との協議というふうに言っていたのに、その協議のところが抜け落ちているわけなんですよね。これはなぜなんですか。

#109
○政府参考人(水田正和君) 予算の関係でございますが、予算の執行に関する責任と申しますのは一義的にその所管省庁にございまして、この交付金につきましては農林水産省が責任を持って実施をするというものでございまして、この今回の見直しにつきましても農林水産省において決定をしたということでございまして、八月に協議をしたというお話でございますが、八月の時点で申請状況の報告が地方からまだ上がってきている、順次上がってきている段階でございまして、申請状況の十分な分析とかそういったものには至っておらない状況でございまして、運用の見直しなどは想定していなかったという時期であったと記憶しております。

#110
○紙智子君 七月三十日以降の締切り後に財務省と協議していないということなんですか、大臣。

#111
○政府参考人(水田正和君) 運用見直しにつきましては局長通知を最終的に出しましたけれども、そういった内容につきまして財務省に情報提供をさせていただいておるところでございますが、いずれにいたしましても、この運用の見直しにつきましては農林水産省の責任において農林水産省として決定をしたものでございます。

#112
○紙智子君 農林水産省として決定したと言うんだけど、大臣、本当に財務省と協議していないんですか。

#113
○国務大臣(野上浩太郎君) 今局長が申し上げたとおりだと考えております。

#114
○紙智子君 財務省とは協議していないんだというふうに言うんですけど、じゃお聞きしますけれども、事業実施団体である団体が九月九日付けで交付金の申請者に向けて出した文書を入手したんですね。ここには、高収益作物次期作支援交付金審査の遅延についてという見出しで始まるんです。そこにはこう書いてあります。全国から予想を超える金額の申請があったことから現在農林水産省と財務省との間での協議に時間を要しており、当初のスケジュールから遅れが生じております。こういうふうに書かれているわけですよ。財務省と協議して時間を要したと書いてあるわけですよ。何を協議したんですか。

#115
○政府参考人(水田正和君) 先ほど申し上げましたように、運用見直しにつきましては財務省に情報提供をしております。協議ということではございませんけれども、情報提供をさせていただいておりまして、そういう中で、農林省として、運用の見直しについては農水省として決定させていただいたというものでございます。

#116
○紙智子君 提供するだけだったらそんな時間要しないと思うんですよ。この文書にはっきり、予想を超える金額の申請があったことから現在農林水産省と財務省との間で協議に時間を要しておりと、はっきりこれ書いてあるわけですよ。書いてあるんですよ。これ勝手に書いたとは思われないんですね。やっぱり農水省から聞いて、それを文書にして出したんだと思うんですよ。違いますか。

#117
○政府参考人(水田正和君) ちょっと経緯を申し上げますと、先ほどお話ございましたように、第二次公募でございますが、これは農業者を対象とした一回目の交付金の申請の受付でございます。事業申請窓口であります地域再生協議会から地方農政局に申請をいただきまして、その締切りは七月の三十一日でございました。その後、お盆の期間を挟みまして、八月中旬にかけまして農政局とその申請窓口との間で確認作業などを行いました上で、八月十八日を期限に農政局から本省に申請状況を報告をしていただいたところでございます。
 これを受けまして、本省の方で地域別の集計を行って、そういう中で、地方農政局を通じまして、その申請の対象となった品目など確認を事例的にさせていただく作業を行いました。こうした中で、収入が減少していない農業者からの申請も一定程度含まれていることが確認をできたわけでございますが、この申請数かなり多かったこと、あるいは慎重な調査が必要だったこともありまして、こうした作業を九月の半ばぐらいまで実施をしておったところでございまして、その上で運用見直しの要否につきまして検討を行った上で、十月の運用見直し通知の発出ということに至ったということでございます。

#118
○紙智子君 今、答えになっていないんですよね。
 それで、事業実施団体が勝手に書くということは考えられないので、他の事業実施団体も同様の文書出しているんじゃないかと思うんですけど、これ調べていただきたいと思います。それで、当委員会に資料提出を求めたいと思います。

#119
○委員長(上月良祐君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。

#120
○紙智子君 野上大臣は、このまま交付金をお支払いすることになれば、コロナの影響を受けていないのに交付金が支払われることになりかねず、国民の理解を得ることは難しいというふうに言われたわけですよ。でも、ここで言う理解というのは、これ国民の理解じゃなくて財務省の理解が得られなかったということなんじゃないんですか。
 なぜ要件を見直したのか、これ農水省には説明する責任があるんですよ。申し訳なく思っているということで事済ませるわけにいかないんですね。当初の政策を突然なぜ変えたのか、その経緯を含めて説明しないと、これ農政に対する不信になると思うんですよ。この先どんな対策を取っても、また変わるんじゃないかというふうに不安を持つことになると思います。いかがですか。

#121
○委員長(上月良祐君) 時間が参っておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。

#122
○国務大臣(野上浩太郎君) この見直しに至った経緯につきましては、今ほど来、真摯に説明をさせていただいているとおりでございます。

#123
○委員長(上月良祐君) 時間が参っておりますので、おまとめください。

#124
○紙智子君 今回のこういう対策に対する農水省の対応、二転三転したと、生産現場に農政の不信を広げているわけです。
 やっぱり、大臣自身が新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた農林水産業の皆様に、関連従事される人たちの基盤を守るために全力を尽くすというふうに述べたわけで、これをやっぱり定めたルールを自ら破って、支援を求める農家の切捨てをやるということは非常に責任が重いというふうに思います。
 コロナ禍で営農を断念する農家が出ることがないように、この運用の変更の撤回を求めて、質問を終わります。

#125
○須藤元気君 こんにちは。無所属の須藤元気です。
 前回の委員会質問で有機農業についてお聞きしましたが、有機農業を推進していく上でソーラーシェアリングというものが効果的ではないかなと思いました。そこで、本日はソーラーシェアリングについてお伺いしたいと思います。
 ソーラーシェアリングとは、農地に支柱を立てて、その上にソーラーパネルを設置して発電を行うとともに、下の畑で農産物を生産するというものです。私はこの二毛作的な発想が結構好きでして、是非推進していきたいと思っています。
 ソーラーパネルと聞くと、何か畳一畳分ぐらいなものがずらっと並んで何か日の光が下まで届かないようなイメージがあると思いますが、ソーラーシェアリングのパネルは幅が狭いので日の光が十分畑に届きます。
 先月、千葉県匝瑳市でソーラーシェアリングを行っている匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所を視察してまいりました。ここはソーラーシェアリングとして日本最大規模となる一メガワットの太陽光発電所です。想定年間発電量は百四十二万四千キロワット、一般家庭およそ三百世帯分の年間消費量に相当する電力をつくり出しているそうです。
 そこで、まず質問ですが、自然エネルギーの転換が急がれる一方で、太陽光発電所の適地は限定的になっているとお聞きしましたが、その現状を教えてください。

#126
○政府参考人(太田豊彦君) お答えいたします。
 十一月十七日に開催されました総合資源エネルギー調査会基本政策分科会におきまして、資源エネルギー庁が整理をいたしました説明資料によりますと、地上設置型の太陽光発電の導入拡大に向けた課題として、日本の国土の約七〇%は森林であり、平地につきましては、宅地や農地として既に開発されている地域が多く、太陽光発電を導入できる地域が限られているということから、導入適地は限定的であるというふうにされておるところでございます。

#127
○須藤元気君 ありがとうございます。この太陽光発電所の適地が限定的になっているということで、ですから、この農地を生かして発電できるソーラーシェアリングに期待しております。
 ソーラーシェアリングは、農業が続けられず、荒れ地になってしまった耕作放棄地で行うことで農地として再生させようという狙いもあり、有機農地を広げていくことにもつながります。
 有機農地の取組面積を縮小する理由として、三割以上の方が期待している販売価格水準となっていないとのことです。特に有機農業を続けたくても採算性が難しいと考えている農家さんとソーラーシェアリングはマッチするのではないかと思います。なぜなら、農産物の収入にプラスしてソーラーシェアリングによる売電で安定収入を得ることができるからです。そして、耕作放棄地も減少し、それと同時に有機農業の取組面積も増えるので、とても調和的です。実際に私が視察した発電所も有機大豆、有機麦を作られているとのことです。
 昨年起きた房総半島の台風の際は、市内で長期にわたる大規模停電が発生しました。この発電所は、無料充電ステーションを開設して、発電した電気を市民に提供し、地域に貢献されたとのことです。
 これからの時代、僕もそうなんですが、多くの人がスマホから、まあスマホで情報やコミュニケーションを取り、これから生活する上でもう欠かせないものになっていると思います。ですから、この災害対策においてこのような電気の炊き出しみたいなものが必要になってくると思います。このようにソーラーシェアリングは農業生産と売電の二毛作、耕作放棄地の解消、災害時の非常用電源など多くのメリットがあります。
 そこで、まずソーラーシェアリングのための農地転用の許可の実績についてお伺いします。全国的な実績とともに、都道府県ごとで見たときに差があるのかどうか、またこれが普及している場所について、平場や中山間など地域的な特徴はあるのか、お答えください。

#128
○政府参考人(牧元幸司君) お答え申し上げます。
 この営農を継続しながら上部空間に太陽光発電設備を設置するという営農型太陽光発電設備でございますけれども、このための農地転用許可の実績につきましては、調査を開始をいたしました平成二十五年四月から平成三十一年三月までに全国で一千九百九十二件の許可が行われたところでございます。
 都道府県別の実績を見てみますと、許可の実績が百件以上の都道府県が全国で六県ございまして全体の過半を占めておりますなど、都道府県ごとの実績に差が見られるところでございます。最も実績が多いのが千葉県の二百九十八件、続きまして静岡県二百六十四件、群馬県百六十九件などとなっておりまして、全国的には関東地方に多く立地をしているところでございます。
 この営農型太陽光発電設備が普及する主な要因といたしましては、日照環境などの自然環境が太陽光発電に適しておりますということ、それから電力会社の送電網への接続が比較的容易であること、また近隣の取組に参考となるような事例がございまして、事業計画の策定に当たりまして相談可能な発電業者がいらっしゃるというようなこと、こういったものがございますので、これらの条件を満たした地域に多く立地しているものと考えているところでございます。

#129
○須藤元気君 農水省は様々な事例を検証されてきたと思います。そこで、ソーラーシェアリングのメリット、デメリットをどのように分析しているのか、その評価をお伺いします。

#130
○政府参考人(太田豊彦君) お答えいたします。
 営農型太陽光発電につきましては、再生可能エネルギーの導入だけではなく、農業収入に加えて売電収入を得ることによって農家所得の向上が図られるといったメリットがあります。荒廃農地にソーラーパネルを設置して農業生産を再開するなど、地域農業の活性化にも資する取組であるというふうに考えております。
 一方で、農業生産の面では、農地に支柱が立つことによる作業性の低下、あるいは太陽光パネルにより日光が遮られることによる収量の減少、あるいは品質の低下など、生産性の低下がデメリットであると考えているところでございます。

#131
○須藤元気君 ありがとうございます。
 現場の声を聞くと、実際に支柱も三メーター以上あって、日の光も十分だというふうにありましたが、総合的に見て何かやはりメリットの方が多いのかなと思います。
 そこで、ソーラーシェアリングの普及に向けた課題と方策についてお聞きします。
 本年七月に閣議決定された成長戦略フォローアップには、二〇二二年度までに農業者向けの手引を作成し、全国展開を図るとされていますが、ソーラーシェアリングの普及に向けて政府はどのような方策を講じていく方針でしょうか。
 視察のときにいろいろとお話を聞いて、実際に事業を始めるためには調整していかなければいけないことがあるなと思いました。農地所有者の合意形成、地域との調和、営農計画の策定、売電先、採算性の確保などの調整が必要です。農家さんにはそこまで時間もなく、またこの分野に必ずしも熟知していないため、餅は餅屋といいますが、これらに取り組むことのできる専門的知見も必要ですし、そのような人材が不可欠だと考えます。
 農水省はこれらの調整に対する支援を行っていますが、そこで見えてきた課題がありましたらお答えください。また、二〇二二年度までの全国展開や二〇二三年度における再生可能エネルギーに係る経済規模六百億円というのも目標もありましたが、実現に向けてどのように取り組む方針か、お伺いします。

#132
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 委員御指摘のように、営農型太陽光発電の事業化に向けた農業者からの御相談が多くなっております。
 農水省におきましては、地方農政局に農山漁村再生可能エネルギー相談窓口を設けて、その制度や先行事例に関する相談にお答えをいたしております。また、補助事業によりまして、事業化を目指す農業者に対する専門家による相談対応も行っているというところでございます。
 こうした支援の中で、農業者の皆様方からは、長期にわたる営農計画や発電の事業化に向けての計画の策定、また発電設備を建てるための資金調達、それから売電するための電力会社との契約や農地の一時転用許可等の手続等につきまして相談が多く寄せられているというところでございます。
 また、委員御指摘のように、成長戦略フォローアップにおきまして、二〇二二年度までに電気を自家利用する農業者向けの手引を作成する等により全国展開を図るということを明記しておりまして、その実現に向けまして、今年度から営農型太陽光発電で得られる電力を営農に利活用するための実証実験を行っているところでございます。
 こうした取組を通じまして、今後もきめ細やかな相談対応を行い、営農型太陽光発電の更なる普及促進に取り組んでまいりたいと思っております。

#133
○須藤元気君 ありがとうございます。是非しっかりと取り組んでいただければと思います。
 野上大臣は、先日の所信の中でみどりの食料システム戦略を現在検討されているとおっしゃっていました。そして、先週検討チームが設置され、初会合が開かれましたが、今後、食料の安定供給、農林水産業の持続的発展と地球環境の両立を実現させる戦略を検討していかれるとのことです。
 この検討チームの資料を見ましたが、EUのファーム・ツー・フォーク戦略は、この有機農業を広げていきたい身としてはすばらしいなと思いました。この戦略では、二〇三〇年までに農薬の使用及びリスクを五〇%減少、農地の二五%を有機農業とするなどと具体的な数値が示されています。
 現在、日本はグリホサートを始めとする残留農薬の規制がEU各国に比べて逆行しているように思います。SDGsや環境を重視し、有機農業の取組を拡大させるため、具体的な目標や、特に数値ですね、数値をみどりの食料システム戦略の中で掲げるべきと思いますが、いかがでしょうか。

#134
○大臣政務官(熊野正士君) お答え申し上げます。
 SDGsや環境の重要性が国内外で高まる中、農林水産業や加工、流通も含めた持続可能な食料システムの構築が急務と考えてございます。こうした中、先ほど委員御指摘ございましたけれども、食料、それから農林水産業の生産力の向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるための新たな戦略として、みどりの食料システム戦略の検討を進めているところでございます。
 具体的な数値目標の設定でございますけれども、我が国のようなアジア・モンスーン地域等では、欧州などと比べまして気候や自然条件が異なることから、それぞれの地域の気候風土に応じた持続性の追求が重要と考えてございます。このため、今回検討する戦略の中で、EUなどと単純に比較するだけではなくて、生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるための中長期的な施策の方向を示したいと考えております。その中で、有機農業も含め、目標の在り方についても検討していきたいと考えております。

#135
○須藤元気君 EUと日本のその条件が違うというのは分かりました。
 しかし、やはりゴールを明確にすることによって最短のプロセスを歩めるのであって、ダイエットと何か同じような気がするんですよね。私、格闘家だったんですけれども、試合のときに必ず減量をしていました。ふだん七十六キロぐらいあったんですけれども、試合は七十キロで試合をしていたんですが。最初に、一か月前からスタートして、炭水化物を抜いてたんぱく質中心の食事にします。そうすることによって体脂肪が燃えて、そして試合の一週間前ぐらいになってから今度炭水化物も少し取り出してエネルギーを蓄えます。そして、試合で七十キロでぴったり動ける体でつくると。これもやはり、実際の試合の期日、計量の期日があって、そして七十キロというリミットがある。やはり、この数値を明確にしているので自分の中でマネジメントがしっかりとできるということです。
 基本的にこの構造というのは一緒だと思うので、是非EUと同じように、この数値というものを明確にするのも手ではないかなと思います。
 少し話がそれましたが、このソーラーシェアリングによるエネルギーの地産地消の取組も、農業の持続的発展と地球環境の両立に貢献します。是非、ソーラーシェアリングを戦略的に位置付け、推進していただきたいと思いますが、大臣の御所見と戦略策定の決意をお聞かせ願います。

#136
○国務大臣(野上浩太郎君) 営農型太陽光発電ですとか、あるいはバイオマスもそうですし、水とか土地とか地域の資源を使った再生可能エネルギーの地産地消の取組というのは極めて重要だと考えております。
 このため農林水産省では、営農型太陽光発電の普及、展開ですとか、あるいは農山漁村再生可能エネルギー法に基づいた再生可能エネルギーの発電を導入する取組を推進をして、その地産地消の取組を推進をしているところでありますが、今先生から食料システムに位置付けてはどうかという話でありました。
 現在検討を進めているみどりの食料システム戦略におきましては、今答弁をさせていただいたとおりでありますけれども、持続可能な食料供給システムを構築する上でも、この営農型太陽光発電を始めとした地域資源のエネルギー活用などを通じた脱炭素社会を牽引する取組というのは重要だと考えておりますので、こうした取組をこの戦略に位置付ける方向で検討を進めてまいりたいと考えております。

#137
○須藤元気君 ありがとうございます。
 ちょっと質問、先ほどの質問の方に戻るんですけれども、この農山漁村再生可能エネルギー法のところで、再生可能エネルギーに係る経済規模、二〇二三年度に六百億円にするという目標の実現に向けてどのように取り組む方針かお伺いしましたが、平成三十年度の時点の実績二百九十七億円を五年間で倍増させなければいけません。なお、これは再生可能エネルギー全体としての目標であり、ソーラーシェアリング以外のものも含まれていると思います。
 そこで、令和元年度時点及び目標値に占めるソーラーシェアリングの割合、金額を明らかにしていただき、目標の中でソーラーシェアリングをどう位置付けているのか、お伺いします。

#138
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 昨年七月に改定をいたしました農山漁村再生エネルギー法に基づく基本方針におきまして、委員おっしゃったとおり、地域の農林漁業の発展に資する再生可能エネルギーに係る収入等の経済規模を二〇二三年度に六百億円とする目標を設定をいたしまして農山漁村における再生可能エネルギーの導入を推進しているところであり、令和元年度の実績としては三百七十二億円となっております。
 お尋ねの目標値及び実績に占めます営農型太陽光発電の割合につきましては、この目標値は平成二十八年度までの農山漁村再生可能エネルギー法に基づく導入実績の合計値を基に算定したものでございまして、個別の電源種の目標を積み上げたものではないということ、それから、営農型太陽光発電につきましては、営農の状況によりまして太陽光パネルの設置方法、設置方法が様々でありますので、導入面積から金額を推計するといったこともなかなか難しいというような状況にございますので、いずれもお示しすることがちょっと困難だというふうに考えております。
 昨年の基本方針の改定によりまして、農業者の所得向上に結び付く営農型太陽光発電を推進する旨、新たに盛り込んだところでございますので、引き続き地域の実情に応じた適切な導入が図られますよう、しっかりと後押ししてまいります。

#139
○須藤元気君 ありがとうございます。
 いずれこの自然エネルギーだけでやっていける農業、そんな未来を思い描けるだけで何かうれしく思います。
 私の質問は以上になります。ありがとうございました。

#140
○委員長(上月良祐君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────

#141
○委員長(上月良祐君) 次に、種苗法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明を聴取いたします。野上農林水産大臣。

#142
○国務大臣(野上浩太郎君) 種苗法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 種苗法は、品種の育成の振興等を図り、もって農林水産業の発展に寄与することを目的として、新品種の保護のための品種登録に関する制度等を設けているところであります。
 近年、我が国の優良な登録品種が海外に流出し、他国で生産され第三国に輸出されるなど、我が国からの輸出等に支障が生じる事態が生じております。
 こうした中で我が国の農林水産業の発展を図るためには、登録品種の海外流出等を防止できるようにすることが重要であります。
 また、登録品種を実効的に保護するためには、育成者権者が育成者権侵害を立証しやすくすることも重要であります。
 こうした観点から、登録品種を育成者権者の意思に応じて海外流出の防止等の措置ができるようにするとともに、育成者権を活用しやすくするための措置を講ずることとし、その法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、育成者権者の意思に応じて登録品種の海外流出の防止等ができるようにするための措置についてであります。
 登録品種について、出願時に輸出先国又は栽培地域に係る利用条件が届けられた場合には、その種苗等が譲渡された後であっても、育成者権者はその利用条件に違反する行為を制限することができることとしております。
 また、譲渡する登録品種の種苗や包装、また広告等を行う場合に、登録品種である旨及び輸出先国又は栽培地域の制限がある旨の表示を義務付けることとしております。
 また、農業者が登録品種等の収穫物の一部を次期収穫物の生産のために種苗として用いる自家増殖については、育成者権者の許諾に基づき行うこととしております。
 さらに、品種登録の審査を充実させるため、出願者は栽培試験等に係る手数料を納付することとしております。
 第二に、育成者権を活用しやすくするための措置についてであります。
 育成者権の侵害立証を行いやすくする観点から、品種登録簿に記載した登録品種の特性を利用して、育成者権が及ぶ品種であるかどうかを推定する規定を創設することとしております。
 また、品種登録制度を充実させるため、他の知的財産制度に倣った規定の整備を行うこととしております。
 この法律案につきましては、衆議院において、輸出先国又は栽培地域を指定して品種登録された登録品種についての育成者権の効力に関する特例の創設等に関する規定の施行期日を令和三年四月一日に改め、品種登録の審査の充実及び見直し、品種登録簿に記載された品種登録の特性の位置付けの見直し等に関する規定の施行期日を令和四年四月一日に改めるとともに、その他所要の規定の整理を行う修正がなされております。
 以上が、この法律案の提案理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

#143
○委員長(上月良祐君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
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#144
○委員長(上月良祐君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 種苗法の一部を改正する法律案の審査のため、来る二十六日に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#145
○委員長(上月良祐君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#146
○委員長(上月良祐君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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