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2020/11/27 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 災害対策特別委員会 第5号 令和2年11月27日
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2020/11/27 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 災害対策特別委員会 第5号 令和2年11月27日

#1
令和二年十一月二十七日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     藤木 眞也君     清水 真人君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         新妻 秀規君
    理 事
                足立 敏之君
                馬場 成志君
                斎藤 嘉隆君
                杉  久武君
    委 員
                大野 泰正君
                加田 裕之君
                酒井 庸行君
                清水 真人君
                自見はなこ君
                そのだ修光君
                滝沢  求君
                野村 哲郎君
                藤木 眞也君
                小沼  巧君
                熊谷 裕人君
                塩村あやか君
                平木 大作君
                室井 邦彦君
                浜口  誠君
                武田 良介君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        小此木八郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   赤澤 亮正君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        和田 義明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  浩之君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        青柳 一郎君
       消防庁国民保護
       ・防災部長    荻澤  滋君
       農林水産省大臣
       官房危機管理・
       政策立案総括審
       議官       村井 正親君
       農林水産省農村
       振興局整備部長  安部 伸治君
       国土交通省大臣
       官房審議官    天河 宏文君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        井上 智夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(新妻秀規君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官青柳一郎君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(新妻秀規君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(新妻秀規君) 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#5
○足立敏之君 自由民主党の足立敏之でございます。
 本日は、新妻委員長始め理事の皆様方には、質問の機会を与えていただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
 私は、御承知のとおり建設省、国土交通省で長年勤務をさせていただきまして、インフラ整備、防災、災害対応、そうした仕事に長年携わってまいりました。本日は、そういう経験を踏まえまして、被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案、そしてそれに関連する事項につきまして質問をさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、今年七月に熊本県南部の球磨川沿川を中心に激甚な水害が発生しました。お亡くなりになられた皆様の御冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆様、全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 小此木大臣には、就任直後の九月の二十六日、球磨川沿川の被災状況と復旧復興の状況について把握するために、人吉市そして球磨村に入られました。そのいつもながらの迅速な対応に心から敬意を表したいと思います。
 それでは、被災者生活再建支援法について質問をさせていただきます。
 まずは、今回の法改正の経緯について伺いたいと思います。今回の法改正を行うことになったきっかけは、先ほど申しました今年の球磨川の水害だというふうに思います。その点につきまして、経緯も含めて青柳政策統括官に確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

#6
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 被災者生活再建支援金の適用範囲の拡大につきましては、かねてより、各方面、全国知事会ほか市長会、町村会等々からの御要望をいただいてきたところでございます。こうした中で、平成三十年の十一月の全国知事会からの提言も踏まえて、全国知事会と内閣府によります実務者会議を設けて議論を重ねてきたところでございました。
 委員御指摘のとおり、今回の球磨川の災害が発生したあの令和二年七月豪雨踏まえまして、全国知事会から支援対象の拡大について早期に結論を出すよう求める緊急要望がありましたことから、本年七月三十日に、支援金の支給対象を大規模半壊世帯に満たない半壊世帯の一部まで拡大する実務者会議の検討結果報告を取りまとめ、政府部内での調整を踏まえて今回の改正に至ったところでございます。

#7
○足立敏之君 ありがとうございます。
 私も、人吉市や球磨村、芦北町、八代市など深刻な浸水被害を受けた地域に、この災害対策特別委員会の委員派遣も含めまして合計五回伺いました。その際に、浸水が二階にまで及んでいる、想像を絶するような被害を受けているたくさんの家屋を見させていただきました。人吉市内の商店街でも、浸水深が一メーター以上の全壊、あるいは大規模半壊には至らないものの大変深刻な被害を受けている家屋をたくさん見させていただきました。それらを見て、できるだけたくさんの浸水家屋の救済ができないか、そのように感じたところであります。
 今回の法改正によりまして、球磨川の水害で中規模半壊として救済される家屋がどの程度あるのか、青柳政策統括官に伺います。

#8
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 今回の改正によりまして、損害割合が三〇%台の、通称でございますけど中規模半壊世帯の被災世帯が新たに支援対象として追加されることとなるわけでございます。
 今後の災害の発生頻度、被害状況によるため、一概に何世帯というところまで言えませんけれども、昨年の令和元年東日本台風等の被災自治体へのアンケート調査によりますと、半壊世帯のうちの一、二割程度が今回支援対象に追加する損害割合三〇%台であると考えられます。これを踏まえますと、今年の令和二年七月豪雨では約五百世帯から千世帯程度が対象となると推計されるところでございます。

#9
○足立敏之君 ありがとうございます。
 現地で受けた印象はもっとたくさんあるなというふうに感じたところなんですけれども、できるだけたくさんの方々が救済されるようにお願いしたいと思います。
 さて、今回新たに設けられました中規模半壊なんですけれども、なかなかその判定が難しいんではないかというふうに心配をしております。この法律の附則には遡って適用できる旨の規定がございますけれども、被災してからかなり時間が経過していること、浸水していた時間もかなり長時間であったこと、こういったこともありまして、中規模半壊と判定するにはどうしたらいいのか心配されます。具体的にどうやって中規模半壊と認定するのか、青柳政策統括官にお考えを伺いたいと思います。

#10
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 令和二年七月豪雨の被災自治体に対しまして遡りで遡及適用していきたいと考えておるわけですけれども、暫定的な措置といたしまして、被災直後の写真を活用して支援金の申請手続の中で中規模半壊として支援対象となるか判定を行う予定でございます。被災自治体に対しましては、この写真撮影の実施については内閣府から二度にわたって通知を発出して周知を行ってきたところでございます。被災自治体においても、被災者に対して十分周知をしているものと考えております。
 また、今後の災害に備えてということでいいますと、被害認定調査における中規模半壊の判定方法について、有識者の御意見も伺いながら具体的な内容の検討を進めまして、災害に係る住家の被害認定基準運用指針の方に中規模半壊の認定の考え方、今年度内をめどに反映していく予定でございます。

#11
○足立敏之君 ありがとうございました。丁寧な対応をしていただいているようで、感謝を申し上げたいと思います。
 やはり、人吉市の現場を見ますと深刻な浸水被害の家屋大変多うございますので、しっかり法案を成立させて、できるだけたくさんの浸水家屋の救済ができるようにお願いをしたいというふうに思います。
 次に、球磨川の豪雨災害について伺います。
 前回十一月二十日の当委員会では、熊本が御地元の我が党の馬場成志先生からも質問がありましたけれども、球磨川ではこれまでに経験したことのないような洪水に見舞われまして、人吉市や下流の球磨川沿川の市町村が大きな被害を受けました。
 私は被災地に伺うたびに、元々計画されていた川辺川ダムがあったらなというふうにいつも感じておりました。川辺川ダムにつきましては、御承知のとおり、平成二十一年の民主党への政権交代後に当時の前原国土交通大臣の一声で中止されました。その後、球磨川については、ダムによらない治水を検討する場で議論が積み重ねてこられました。しかし、結論を得るには至らず、今回の大災害が発生してしまっております。私は、川辺川ダムが中止される前、平成十九年五月にダムを前提とする河川整備基本方針を策定した際の国土交通省の担当課長でありましたので、川辺川ダムが建設されておらず、大きな被害が出てしまったことについては大いに責任を感じているところであります。
 先日の馬場先生の質問の際の井上水管理・国土保全局長の答弁にもありましたけれども、球磨川の治水対策の基本的考え方なんですけれども、球磨川本川と支川の川辺川の合流点にあります人吉盆地には非常に洪水が集まりやすい、そして下流が渓谷となっていてボトルネックとなって水が流れにくい、極めて人吉盆地は浸水被害が発生しやすい地形条件にあります。
 また、球磨川本川には県で管理している市房ダムというダムがございますけれども、規模が小さくて洪水調節効果が小さい。川辺川ダムは八千四百万立方メートルの洪水調節容量を有しておりますので、この大きな洪水調節容量を活用して洪水調節を行うことが不可欠だというふうに私は考えておりました。
 ちなみに、洪水調節容量八千四百万立方メートルは、八ツ場ダムの洪水調節容量が六千五百万立方メートルでありまして、その一・三倍もありますので、効果が非常に大きいというふうに考えております。
 こうしたこともありまして、七月の豪雨災害の後に国土交通省、県、流域市町村が参加していわゆる検証の場というのが設けられまして、川辺川ダムがあった場合の効果について検証がなされています。その場に国土交通省が提示した資料の抜粋が、お手元に配付した資料の一、そして資料の二でございます。人吉地点の水位低下効果が一・九メートル、それから浸水面積の低減効果が約六割との結果が示されています。
 改めて、ここで、川辺川ダムがあった場合には今回の豪雨に対してどのような効果があったと見込まれるのか、国土交通省井上水管理・国土保全局長に伺いたいと思います。よろしくお願いします。

#12
○政府参考人(井上智夫君) 本年七月の球磨川の豪雨災害については、九州地方整備局及び熊本県が球磨川豪雨検証委員会を設置し、河川の水位や流量などを検証しました。
 この検証の中で、今回の豪雨に対する、過去に検討していた貯留型の川辺川ダムを整備していた場合の効果についても推計しており、具体的には、人吉地点のピーク流量は毎秒約七千四百立方メートルから毎秒約四千八百立方メートルにまで低減されるとしています。
 この流量は、人吉地点において河道で安全に流下させることのできる流量、毎秒約四千立方メートルを上回っており、このダムだけによっては浸水被害を完全に防ぐことはできませんが、例えば、委員からお示しがございましたこの資料のとおり、人吉市内の人吉大橋上流付近では、球磨川本川の水位が約一・九メートル程度低下し、堤防高以下となります。また、人吉市街部から球磨村渡地区にかけての浸水面積が、これも資料にございますように、約六割程度減少します。さらに、浸水深が家屋の二階の高さ、それに相当する三・〇メートルを超えることになる浸水面積は約九割程度減少する、そういった効果があることを推計しています。
 以上です。

#13
○足立敏之君 ありがとうございます。
 川辺川ダムがあれば大変大きな効果を発揮したのではないかと、皆さんもよく御理解いただけたのではないかと思います。返す返すも残念なところであります。
 こうした検証の場での検討と、その後の流域の関係者へのヒアリングを踏まえまして、熊本県知事の蒲島知事が、十一月十九日に県議会で、川辺川ダムについては、これまでの貯留型のダムから流水型のダムに変更して、緊急治水対策プロジェクトの一環として実施するというふうに表明をされました。
 また、翌日の二十日には、知事が上京されまして、赤羽国土交通大臣と面会され、流水型ダムを含む流域治水対策をお願いをしたいというふうに要請され、赤羽大臣も、国としてもスピード感を持って検討したいと答えられたというふうに報道をされておりました。大変大きな一歩だというふうに思います。これまでのダムによらない治水から大きく転換されたことにつきましては敬意を表したいというふうに思います。
 球磨川につきまして、今後、更に地球温暖化に伴う水害が激甚化することを考えますと、今回の熊本県知事の御発言を踏まえ、川辺川ダムを含めた抜本的な治水対策を早期に進めるべきだというふうに考えますけれども、小此木大臣の御見解を承りたいと思います。

#14
○国務大臣(小此木八郎君) 本日もよろしくお願いいたします。
 今おっしゃいましたように、この十九日に蒲島知事が発表されて、二十日に国土交通大臣との話がありまして、まさにこの委員会もそのときありまして、質疑の中でもお話しいたしました。
 そのおよそ二月前に、私が球磨村そして人吉市を知事始め地元の方々に御案内をいただきまして、その仮設住宅で生活をされている方から様々お話を伺った中で、若い御婦人の方でありましたけれども、非常に最初は明るい表情でされて、頑張っている様子がお見受けしましたが、最後に知事に対して、これからの治水どうなりますかと、これ最後に言われたということがちょっと印象に残っていまして、非常にこの間、その間の心の動き、あるいは、もっと聞きますと、知り合いが家を流されたという話もお聞きしましたから、相当な思いを持って知事に問うたんだと、問われたんだと思います。そのときに知事が、今いろいろ検証していますと、十一月には方向性を出しますからねということを丁寧に説明をされたという記憶がございます。
 その中で、十九日、おっしゃいましたように蒲島知事が今後の球磨川流域の治水の方向性を表明されて、その中で、川辺川ダムについては新たな流水型のダムを国に求めるという県の考え方を示されたものと承知しています。
 今後も、気候変動の影響により自然災害の更なる大規模化等が懸念されるため、流域全体であらゆる関係者が協働して、ハード、ソフト対策が一体となった流域治水を推進することが重要であると考えます。球磨川流域においても、流水型のダムを含め流域治水が重要であり、国土交通省を始めとした関係省庁としっかり連携をして、防災・減災対策に取り組んでまいります。

#15
○足立敏之君 ありがとうございます。大臣のお言葉は大変重うございますので、温かいお言葉だというふうにしっかり受け止めたいと思います。
 さて、利根川水系の八ツ場ダム、皆さんも御記憶にあろうかと思いますけれども、その八ツ場ダムにつきましては、前原国土交通大臣の八ツ場ダムを中止、川辺川ダムを中止という発言を受けまして一時工事が中断したものの、その後、流域内の都県知事の要請を受けまして方針を転換して、再検証を行って継続を決定し、昨年の台風十九号の出水に何とか間に合いまして大きな効果を上げた、そのことは記憶に新しいところであります。
 川辺川ダムにつきましても、地球温暖化の進展に伴いまして豪雨災害が頻発化していることを考えますと、一刻も猶予はならないものというふうに考えます。もちろん、川辺川ダムだけで全てを解決できるものではない、先ほど井上局長がおっしゃられたとおりだと思いますけれども、今回、緊急放流の懸念も示された市房ダムを改造するとか、調整池、堤防整備、河床掘削など、ハード対策を組み合わせ、さらには、情報伝達や避難体制の確立など、ソフト対策をしっかり組み合わせた総合的な治水対策を早期に実施に移すべきだというふうに考えます。
 八ツ場ダムの教訓というのを改めて考えると、必要な施設はもうできるだけ早くに、早期に完成すべきというふうに考えますので、川辺川ダムにつきましても、他のハード対策、ソフト対策とを組み合わせて一日も早く完成すべきと考えますが、井上水管理・国土保全局長の見解を伺います。

#16
○政府参考人(井上智夫君) 今の御質問にお答えする前に、先ほど私が御回答した中で少し間違いがあったのを訂正させていただきたいと思います。
 先ほど、貯留型の川辺川ダムを整備していた場合の効果について、七千四百立方メートルから四千八百立方メートルであるのを四千六百と答えました。正確には四千八百ですので、よろしくお願いいたします。
 委員から今いただきました、一日も早く対応すべきではないかというふうなことについてでございますけれども、先ほど小此木大臣からもお話がございましたように、十一月二十日には熊本県知事から、新たな流水型の整備をするなど緑の流域治水を進めてほしいというお話が赤羽国土交通大臣に対してございました。
 また、流域の市町村長からは、将来に向かって安全、安心に生活できる治水対策が示されなければ、人々は生活再建を描くこともできず、また町づくりも進みませんとの御意見を伺っています。
 球磨川の治水対策やその効果は、道路や鉄道、観光などのなりわいや住まいの再生など、被災地の復興を本格化させるための前提となるものであることから、早急に検討することが重要と認識しています。このため、国、県、流域市町村で連携し、知事からの御提案のあった新たな流水型ダムや河道掘削、遊水地、避難体制の充実など、委員から御指摘ございましたように、ハード、ソフト一体になった抜本的な治水対策をスピード感を持って検討してまいります。特に、新たな流水型のダムについては、知事のお考えをしっかり受け止めた上で、安全と環境の両立に向け必要な検討を進めてまいります。

#17
○足立敏之君 ありがとうございます。
 川辺川ダムにつきましては、是非とも一日も早く建設をされますようお願いを申し上げたいと思います。球磨川流域の未来のために同じ過ちを二度と繰り返さないように心からお願いを申し上げたいと思います。
 ところで、一点心配な点があります。
 最近、水管理・国土保全局が打ち出した、先ほどからお話があります流域治水という考え方なんですけれども、お手元の資料三に国交省の資料を添付いたしましたけれども、河川管理者の取組だけでなくて流域に関わる全ての関係者が主体的に治水に取り組むという、これはとてもすばらしい考え方だというふうに私も評価をしたいというふうに思います。
 しかし、流域治水についての報道など見ていますと、ダムや堤防だけに頼るのではなくてというところだけが取り上げられて、この考え方によればダムや堤防の整備は要らないというふうに見えるような、ダムを否定するダム反対の論調に戻ろうとしているんじゃないかというところがとても心配になってしまいます。本来のハード、ソフト両面の施策を総動員して、より効果的な治水対策を進めていくという考え方がゆがめられてはいけません。
 本来の流域治水が目指している方向について、改めて井上水管理・国土保全局長の見解を伺いたいと思います。

#18
○政府参考人(井上智夫君) 現在、国土交通省が進めている流域治水は、気候変動の影響により頻発化、激甚化する水災害に対応するため、上流から下流、本川、支川の流域全体を俯瞰し、河川管理者が主体となって行う治水事業等をこれまで以上に充実強化することに加え、国、県、市町村などあらゆる関係者の協働により流域全体で治水対策に取り組もうとする施策です。
 治水対策では、人命が失われないようにすることが最も重要ですが、暮らしやなりわいを持続させるためには、併せて経済的被害を軽減させることも重要です。河川管理者が主体となって整備する治水施設は、洪水時には、施設能力を超えるまでの間、人的被害や経済的被害を防止できるとともに、避難時間を確保することもできます。昨年の令和元年東日本台風では八ツ場ダム等が大きな効果を発揮しました。流域治水を進めるに当たっては、このようなハード対策の重要性を認識し、まずは氾濫をできるだけ防ぐために、上流で洪水を貯留するダムや遊水地の整備、下流から計画的に行う堤防整備や河道掘削などを加速してまいります。
 その上でさらに、いまだ治水施設の整備が途上であることや施設整備の目標を超える洪水の発生が頻発化している現状を踏まえ、氾濫が発生した際の被害を回避するため、リスクのより低い地域への居住誘導、さらには宅地かさ上げなどの住まい方の工夫等を進めるとともに、地域住民の防災意識を高めるなど、氾濫発生に備えた警戒避難体制の充実や被災地における早期の復旧復興のための対策などについても組み合わせながら、関係者と連携し、ハード、ソフト一体となった対策に取り組んでまいります。

#19
○足立敏之君 ありがとうございました。間違いのないようにしっかり徹底していただくようにお願いしたいと思います。
 続いて、流域治水の考え方に関連しまして、国土交通省が提唱している高台まちづくりという施策について伺いたいと思います。
 大都市圏の低平地の治水対策としてこれまでスーパー堤防の整備が進められてきましたけれども、近年の地球温暖化の進展に伴う浸水被害の激甚化、これを考えますと、氾濫区域あるいは浸水区域の抜本的な対策が不可欠だというふうに考えます。現に、関東・東北豪雨の際には常総市が広域に水没し、都市機能が大きな打撃を受けました。昨年の台風十九号の際には、東京の江東三区などで広域避難、大規模な広域避難についても検討が行われています。また、今回の球磨川の豪雨でも、人吉市の中心市街地が水没して都市機能が麻痺しています。
 こうしたことに対しては、浸水に弱い施設を浸水区域から移転させる。昨年、都市計画法の改正を行いましたけれども、これによる土地利用規制が最も効果的ではあるんですけれども、やはり既存の市街地でなかなか適用が難しいところもございます。
 そこで、重要な鍵を握るのが今御説明をした高台まちづくりだというふうに思います。資料四に国交省の資料を紹介させていただいておりますが、大都市圏の低平地で、氾濫区域内に浸水をしない、あるいは浸水しても致命的な被害は受けないエリアを人工的につくるというものであります。
 スーパー堤防が河川沿いに限られるのに対しまして、川から離れた、例えば駅の周辺部であっても、区画整理や市街地再開発に併せて人工的な高台を造ったり、浸水に強い建物群を造る、そうやって造った高台や建物群を道路だとかペデストリアンデッキで結ぶ、これによりまして、浸水被害があったとしても都市機能を維持できる浸水に強い町をつくるということが、やはり大規模氾濫、大規模浸水時の壊滅的な被害から逃れるためには大事なことではないかというふうに思います。
 大都市圏のゼロメートル地帯など低平地で展開する、今の考え方を、流域治水の考え方を低平地で展開するためには、この高台まちづくりの考え方が有効であり、具体的に検討が必要というふうに考えますが、井上水管理・国土保全局長の見解を伺います。

#20
○政府参考人(井上智夫君) 大都市圏のゼロメートル地帯は、人口、資産が多く集積しており、一たび大水害が発生すると、短時間のうちに人口集中地域の広い範囲が浸水し、しかもこれが長期化するものと想定されています。このような浸水被害から人命を守るためには早い段階から広域避難を開始する必要がありますが、令和元年東日本台風では、移動手段となる公共交通機関の計画運休や情報伝達の難しさなど、広域避難を実施する際の多くの課題が明らかになったところです。
 このため、これらの課題に対応し、広域避難の実効性を高めるとともに、これと併せて、早い段階からの避難ができなかった場合でも命の安全を確保できる避難場所となる高台の整備を推進する必要があると考えております。
 具体的には、委員もお示しいただきましたように、建築物の上層階に避難スペースを確保することや、公園の高台化、高規格堤防の整備等によって高台の拠点を整備するとともに、これらを想定される浸水深よりも高い位置に設けるペデストリアンデッキ等の通路で線的、面的につなぐことによって浸水区域外への避難を可能とするような高台まちづくりを推進していきたいと考えています。また、こうした高台まちづくりは、災害時だけでなく平常時においても地域のにぎわい空間として効果的に利用できるようにしてまいりたいと考えております。
 このため、東京都、関係区と連携、調整しながら、東京のゼロメートル地帯を対象にモデル地区を設定して、民間建築物に避難スペースの確保を促す都市計画上の誘導策や、高規格堤防が早期に整備可能となるような土地区画整理事業との連携強化など、高台まちづくりの具体的な方策について検討を進めているところです。
 国土交通省としては、高台まちづくりの早期具体化に向け、関係自治体との検討、調整を一層加速してまいります。

#21
○足立敏之君 ありがとうございます。
 ゼロメートル地帯などでこの施策を進めることによって、気が付いたら浸水に強い町づくりがもうできている、そんなふうにしっかり一歩一歩取り組んでいっていただければ有り難いというふうに思います。
 さて、東日本大震災から来年の三月には十年が経過をいたします。私も、あの東日本大震災からの復興道路として整備が進められている三陸沿岸道路の開通式などにお声が掛かって現地に参りますけれども、その際に、お手元の資料でございます、資料五の気仙沼市の東日本大震災の遺構・伝承館に立ち寄りました。この施設は、津波で被災した気仙沼の向洋高校という学校の建物を震災遺構として保存するとともに、そのすぐそばに震災伝承館というものを併設して、震災にまつわる様々な展示を行って後世に記憶と教訓を伝えているものであります。
 一枚めくっていただきまして、資料六ですけれども、これは陸前高田市の方なんですけれども、東日本大震災津波伝承館、いわてTSUNAMIメモリアルという施設でございます。この施設も、やはりあの津波で被災した陸前高田市の高田松原に国営公園として整備された高田松原津波復興祈念公園の主要施設として整備されたものであります。津波で犠牲になられた方々への追悼、鎮魂を祈るとともに、様々な展示を通じて震災の記憶と記録と教訓を後世に伝えようというものでございます。震災当時、災害対応に全力で頑張った東北地方整備局の災害対策室もそこで再現されています。
 是非、本日御出席の先生方には、足を運んでこれらの施設も是非御覧いただければ有り難いというふうに思います。
 ところで、各地の復旧復興が進む一方、震災の記憶が少しずつ薄らいできているというのも現実のように思います。こうしたことを危惧しまして、東北地方では、東北経済連合会だとか東北地域づくり協会など、そうした団体のリーダーシップで産学官民が協力して、三・一一伝承ロードという取組が始まっています。私が今着けておりますピンバッジがその活動の一環として作られたものなんですけれども。
 資料七の方にそのイメージを示しましたけれども、ちょっと小さくて申し訳ありませんが、東日本大震災の教訓を学ぶために、震災の伝承施設のネットワークを活用して防災に関する様々な取組や事業を行うというものでございます。その活動によって、防災に対する意識の向上を図るとともに、地域や国境を越えた人々の交流を促進させて、災害に強い社会の形成、多数の来訪者との交流により地域の活性化を図ろうという考え方であります。私自身、非常にすばらしい取組だというふうに思っております。
 しかし、残念ながら、首都圏ではこうした取組について知っている方々はまだまだ少ないように思います。近く十周年を迎える東日本大震災の記憶の伝承のために、この三・一一伝承ロードなど、地域に根差した様々な取組を国としてもしっかり支えていくことが大事だというふうに考えますが、小此木大臣の見解を伺いたいと思います。

#22
○国務大臣(小此木八郎君) おっしゃいましたように、東日本の大震災から来年三月で十年がたちます。毎年追悼式等出まして三県代表の方がお話をされるその話を聞きながら、一方では、もう聞きたくないというか、お話しされている方も恐らくこんな思いを改めて話したくないという思いもされながら聞いていますが、それは忘れてはならないと、今度いつあるか分からない、そういう悲劇、災害に人間が立ち向かっていかなきゃいけないと、逃げなければいけない、避難することのその重要さを、そういうものを語りながら防災の意識というものを高めていかなきゃいけないということは非常に重要なものと考えております。
 東北の被災地では、民間団体の語り部活動、知識を深めてもらうため、各地域にある震災伝承施設を複数訪問してもらうための官民が連携した活動、工業高校の高校生が津波に関する模型を作成し、模型を用いた小学生等への出前講演など、地域に根差した伝承活動が行われていると承知しております。国や自治体でも、こうした活動への様々な協力や支援、顕彰などを行っているところであります。
 また、震災の記憶の伝承については、内閣府としても、被災者からの聞き取りを基に東日本大震災の教訓集を作成し、各地の防災活動で御活用いただいたり、来年の防災推進国民大会、今年は広島で行われる予定でありましたけれども、コロナ禍の中でオンラインの形でいろんな意見交換、この大会を行ったところでありますが、来年は十一月、十一月五日は津波防災の日となっておりますけれども、この十一月に岩手県釜石市でこの防災推進国民大会を開催することとして、地元県、市と連携しながら、震災伝承施設等も活用し、震災の記憶を振り返りつつ、今後の防災を全国民で考える機会としていきたいと考えております。

#23
○足立敏之君 大臣、ありがとうございます。こうした取組をしっかりみんなで支え合って、震災の記憶が引き継がれていくようにしていきたいというふうにお願いしたいと思います。
 次に、公共投資による経済対策の方に参ります。
 お手元の資料八に示しておりますけれども、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いまして、経済的な面でも大きな影響が出ています。四月から六月にかけてGDPの伸びはマイナス二八・一%、十一月十六日に発表された七月―九月のGDPは二一・四%回復をいたしましたけれども、一月―三月期に比べるとマイナス一二・七%というふうなことになりますので、まだまだ厳しい状況にあるというふうに考えます。そんな中で、公共投資は四月―六月では四・六%の増、七月―九月についても一・五%の増ということで、景気を下支えする大事な役割を果たしてきております。
 このような状況の下に、一次、二次にわたり経済対策が発表されてまいりましたけれども、これまでの補正は感染症対策とコロナの直接的影響への対応に限られていたことから、やはりこの段階で公共投資を含めた更なる経済対策が必要だというふうに考えます。
 総理の方からは、十月十日に当面の経済財政運営についてを発表されまして、新たな経済対策を策定するというふうに表明をされておられます。この経済対策の三つの柱の一つに、防災・減災、国土強靱化、これがしっかり位置付けられておりまして、大変重要な御判断だというふうに心から敬意を表したいと思いますし、しっかり進めていただきたいというふうに思っています。
 しかしながら、こうした動きに対しまして、一部には、公共工事を追加する経済対策を行っても、建設分野の人手不足の影響で繰越しが増えるだけだとか、不調、不落ばかりで執行ができないのではないかなどという指摘があり、実際に報道もございました。
 実のところは、資料九にお示ししていますが、建設投資がピークであった平成四年当時と比較して、金額ベースで今約三三%減少していますけれども、建設分野の就業者数は約二〇%しか減少しておりませんので、マクロ的に見ましたら施工能力は十分確保できているというふうに考えます。
 こうした人手不足の影響で執行ができないという指摘もありますけれども、私が建設分野の方々とお話をしている限りでは、一部のその災害の激しかった地域ではそういったこともあるけれども、現在はもう仕事も不足してきているという声もたくさん聞くようになってきています。
 とても大きな乖離があるように思いますが、国交省の認識を天河審議官にお伺いしたいと思います。

#24
○政府参考人(天河宏文君) お答えいたします。
 公共事業費を増やしても人手不足の状況により事業が執行できないのではないかと指摘があることは承知しております。
 しかし、建設業界の施工能力については、まずマクロで見てみますと、建設投資額はピーク時の平成四年から三・四割減少、公共投資に限って言えば四割減少しているのに対しまして、就業者数は二割減少にとどまっております。施工人員の確保は十分可能であると考えております。
 また、現下の建設業界の状況は、建設技能労働者の過不足率が落ち着いてきていること、手持ち工事高もここ数年は安定的に推移していること、ICT施工の増加等により施工効率も向上していることなどから、施工能力に問題はないと考えております。
 さらに、公共事業予算の年度をまたぐ繰越額が増えているとの指摘もありますが、これは、建設業の働き方改革を推進するため、繰越制度の積極的な活用を図っていることの結果であると考えております。
 むしろ、先生御指摘のとおり、新型コロナウイルスの影響等により民間投資が落ち込んでおり、例えば日建連の受注実績調査によれば、令和二年度上半期は国内工事全体で前年度比マイナス七・七%、特に民間工事では一五・五%減少となっているところであり、建設業界からは今後の更なる落ち込みを懸念する声が多く寄せられているところでございます。
 以上でございます。

#25
○足立敏之君 ありがとうございました。
 どうも人手不足の影響というのは、まあうそだと言うのは良くないかもしれませんけれども、間違った報道ではないかというふうに思います。
 さて、今回の経済対策の一つの柱であります防災・減災、国土強靱化対策、平成三十年度から、お手元の資料十に示しましたが、毎年一兆円近い公共事業予算が、当初予算、公共投資は六兆円ですけれども、それに加えて上積みで、別枠で上積みされてきております。しかし、令和三年度の概算要求では、この分が現時点では事項要求という扱いで、具体的な金額は明示されていないということになっています。
 これまでの三か年緊急対策については地方の身近な公共事業に投入されて、例えば河床掘削だとか堤防強化、こういったことで水害が防止されたとか、道路ののり面対策だとか強靱化の施策を行って道路ネットワークが強化されたとか、地方自治体の皆さんから大変大きな効果があったんだという高い評価をいただいております。
 このため、全国の知事さんや市町村長さんから、この予算については三か年にとどまることなく五か年でとか、中長期的にしっかり確保してほしいとか、老朽化対策だとか交通ネットワークの整備など事業メニューの拡充もしてほしいとか、いろいろ強く要望されております。
 小此木大臣の所信の中でも、三か年緊急対策について言及がございました。また、政府・与党でも、現在、この予算については五か年に延長するとか別枠で上乗せするとか、いろいろ必要十分な予算を確保すべきという方向で一致しているように見えます。全国各地から私のところにも声は届いていますが、小此木大臣のところにもいっぱいそういう声は届いておると思いますけれども、今後、この防災・減災、国土強靱化、どのように取り組んでいかれるのか、小此木大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

#26
○国務大臣(小此木八郎君) もちろん、私のところにも、知事の皆様方あるいは地方自治体の方々、与野党を問わずこの委員会でも国土強靱化の重要性を問われて、そして質疑がされた経緯がございます。この度重なる、そして大きな災害というものについて、様々な意識が向上しているというふうに思います。
 要は、今回申し上げているのは、小さな投資で大きな被害を防ぐ国土強靱化の取組を進めることが重要であるということを言っております。昨年、東日本の台風で福島県の阿武隈川の堤防が決壊した例をお話をいたしておりますが、あらかじめ千三百億円の投資をしていれば、結果的にこれ七千億円以上の被害、費用が掛かるということで、それを結果的に試算をしたわけでありますけれども、備えというものはいかに重要であるかというのをこの度重なる災害の中で再認識をしているところがございます。
 三か年緊急対策の取組については、先ほど申し上げたように、そういう意味での、知事さんや地方自治体の皆さんが、非常にこの三か年の対策については意味がありましたと、それで引き続きこの後の対策をお願いしたいということは、もう私も九月に就任していましたから毎日のようにお話を伺っているところでありまして、これにつながっているわけでありますけれども、さらに十日には、今月十日には総理からも、防災・減災、国土強靱化の推進等の安全、安心の確保を一つの柱とする経済対策と第三次補正予算の編成について、総理から指示があったところであります。
 今、防災部局、そして省庁を超えてその答えを出すように一生懸命汗を流しているところでありますので、災害に屈しない強さとしなやかさを持ったこの国づくり、必要十分な予算を確保してまいりたい、改めて努めてまいりたいと存じます。

#27
○足立敏之君 ありがとうございます。
 大変胸に突き刺さるお言葉をいただいたように思います。本当に、防災面のプロであります小此木大臣にそこまで言っていただけると、何とか明るい、何というか展開が開けてくるんじゃないかというふうに期待をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 日本の公共投資なんですけれども、財政再建ということで平成十年をピークに減少を続けまして、残念ながら、新規事業の着手がおろそかになったり、先ほどダムの話もしましたけれども、ああいう大規模プロジェクトが止まってしまったり、維持管理やメンテナンスが不十分になったり、大きな影響が生じました。
 そのツケで日本は地球温暖化に伴う気候変動により災害のリスクが高まっておりまして、毎年大規模な水害、土砂災害が発生する極めて脆弱な国になってしまっているというふうに思います。
 また、インフラの整備水準についても、韓国、中国、台湾と比較してももう二流、三流になってしまっているんじゃないかというふうに思います。現に、港湾、空港、高速道路などの交通インフラが国際競争力を失って、生産性の低い残念な国土になってしまっています。
 日本は、ここで大きくかじを切って、安全、安心で強靱な国土、そしてインフラも再び一流レベルに取り戻していく、そういう必要がある。そのためにしっかりと公共投資を十分していただくようにお願いを申し上げまして、私の方からの質問を終わります。
 ありがとうございました。

#28
○小沼巧君 立憲民主・社民の小沼巧でございます。先週に引き続きまして、今週もよろしくお願いいたします。
 本日は、被災者生活再建支援法の法案審査ということであります。冒頭、私のスタンス申し上げておきますと、この法案、その趣旨、賛同するものであります。しかしながら、帯に短しというところが実はあるのではないのかという懸念を持っておりますので、その点に関する質疑、議論などもさせていただきながら、また、前回、時間の配分、私、間違えまして、一部聞けなかったところがございますので、その点についても併せて質問させていただき、災害対策樹立に資する議論というものを行ってまいりたいと思います。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 さて、通告の順番かなり入れ替えてしまうということを御了承いただければと思いますが、その上で質問であります。
 条文案についてお伺いしたいと思ってございますが、先ほどの政府参考人からの答弁におきましても、いわゆる損害割合、これは市町村による被害認定調査、罹災証明書における記載に反映されるものであると承知しておりますが、それが三〇%台になるものをいわゆる中規模半壊と認定して、それを支援対象にするものであるというような説明をるる受けているわけでございます。
 それはポンチ絵においてもそういうことになっているのでありますが、白表紙拝見いたしますと、それをなぜ三〇%台ということに定義をしておるのか、その記述がありません。
 国会答弁などなどにおいて議論をされるということ、ここで確定していくということは当然重要でありますけれども、時の法令解釈などによって、本来ここで議論されたはずのことが実はされなくなってしまったような、裁量が許されてしまうようなことはあってはならないと思いますので、今改めてお伺いします。
 その中規模半壊の三〇%等々の定義、ポンチ絵と白表紙においてギャップがありますが、これはどこでピン留めするのでしょうか、御回答をお願いいたします。

#29
○政府参考人(青柳一郎君) 今回の改正によりまして損害割合三〇%台の中規模半壊世帯を支援対象として追加するということでございますけれども、法律上はこの改正後の被災者生活再建支援法第二条第二号ホにございますけれども、「当該自然災害によりその居住する住宅が半壊し、居室の壁、床又は天井のいずれかの室内に面する部分の過半の補修を含む相当規模の補修を行わなければ当該住宅に居住することが困難であると認められる世帯」というふうに規定しておりまして、これを家屋の被害認定基準の積算に換算いたしますと三〇%台ということで今後運用されていくということですから、中規模半壊世帯と二条二号ホの規定は同一のものとして運用するというふうに考えてございます。

#30
○小沼巧君 そうなんですね。二条二号ホについてはそう書いてありますが、それをなぜ三〇%として結び付ける、イコールにするかということに関しては、この白表紙、すなわち法律案を読んでも分かりません。政令委任なんでしょうか、それとも通達で決めるんでしょうか。そのどこによってピン留めをするのかということを問うているのであります。もう一度お願いします。

#31
○政府参考人(青柳一郎君) こちら、規定上はこのように規定されておりまして、これは家屋の被害認定基準に落とし込んで、そこで三〇%台というものを明らかにしていくということでございます。

#32
○小沼巧君 被害認定基準というものの法令的な根拠というものは何なのかということを聞いております。三回目です。お願いします。

#33
○政府参考人(青柳一郎君) 内閣府防災のいわゆる通知でございます。

#34
○小沼巧君 通知というものは恐らく通達であろうということと推察いたします。もし間違っていたら修正してください。
 通達においては、法令とは違いまして法的根拠はないはずです。なぜそこが法的根拠として適当だと言えるのか。今の説明ではかみ合ってないと思います。もし私の理解が間違っていたら教えてくださいという意味で、もう一度お願いします。

#35
○政府参考人(青柳一郎君) これは、法律上は、従来の全壊あるいは大規模半壊においても、ただいまの第二条第二号ホのような規定で、それを通知に具体的に落とし込んで運用しているということでございますので、政府としては、この通知の五〇%以上、あるいは四〇%台、そして今回の三〇%台、これはこの法律、被災者生活再建支援法のそれぞれの全壊、大規模半壊、また今回措置する中規模半壊世帯、これを法律を具体的に明らかにするものとして通知をしているということで、そこにそごはないというふうに考えております。

#36
○小沼巧君 もう最後の質問にしようと思いますが、ということは、国会で議論されるのは法律案であります。政令案については普通議論されないわけであります。すなわち、政府の閣議決定等々で自由にできてしまうものでありますね。
 法律においてはこの第二号第二項ホまでしか規定していない、しかし、通知によって、様々なものによって柔軟に変えられるということは、論理的に言えば、今回三〇%台というような説明るる受けておりますけれども、それも政府部内等々の解釈によっていかようにでも変えることができるということになりますが、その理解でよろしいか、お伺いします。

#37
○政府参考人(青柳一郎君) そこは、必ずしも勝手に政府が変えられるというふうに考えているわけではございません。
 それは、今回の法案の審議におきましても、衆議院においてもこの参議院においても、三〇%台というものを中規模半壊世帯として追加をするということを御説明をし、また御審議もいただいているということですから、仮にこれを三〇%台じゃなくて別の数字にする、厳しくするとかあるいは緩めるということを勝手に政府としてできるものではなくて、三〇%台というのがまさに法律、法案として御審議をいただいたホの規定そのものであるというふうに理解をしております。

#38
○小沼巧君 ありがとうございます。
 何度もここで三〇%台だということを確約いただきましたので、それはもうそのとおりになるんであろうと、運用されるんであろうと、信頼するしかないわけでありますから、立法府としては。ただし、その実際のところについてどうなのかということは、今後その運用について順次しっかりと見ていく必要があるのではないかと改めて思いました。
 その上で、ちょっと順番入れ替えます。自治体との関係等々についてお伺いさせていただきます。
 これ、主語は都道府県が行うものでありますが、エンドユーザーの立場にとってみれば申請窓口は市町村であります。それで、市町村が受け付けて、申請をしてから、エンドユーザーが申請をしてから、実際に市町村、都道府県と行きまして支給されるまで大体六十日間掛かっていたと、先般の豪雨災害では掛かっていたということを伺っております。六十日間ということに対する様々な評価はありますが、これをもうちょっと早期化する必要があるのではないかということも一つ。
 同時に、申請の締切りというのもそれぞれあると思っています。その締切りに照らして六十日間というのは一体どうなのか。恐らく、いわゆる基礎支援金というものと加算支援金というもの、それぞれあると思いますが、それぞれの締切りについて絡めて、この自治体から、申請されてから実際支給されるまでの早期化が必要ではないかと思いますが、その点について御解説をお願いいたします。

#39
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、一日も早く被災者へ支援金が渡ることは生活再建の観点から大変重要でございますので、内閣府としても、まず支援金の支給に必要な罹災証明書の発行の迅速化、こちらに取組を進めているところでございます。
 例えば、被害認定調査というのを行うわけですけれども、これまでも、航空写真等を活用して簡易に全壊判定を行う、あるいは広大に床上浸水をしているような場合に、四隅の家屋の浸水深から、全体の浸水深一メートル以上であれば大規模半壊、一・八メートル以上であれば全壊というような簡易判定を行って、それによって一件一件の被害認定調査を要さずに罹災証明書の発行を早くするということも行っております。
 加えまして、今回、デジタル化という観点から災害対応業務のデジタル化を促進していこうということで、自治体が共同利用可能なシステム上で住民情報と被災情報を連携して支援に活用できる、また、罹災証明書の電子申請、コンビニの交付等にも対応できるシステムの構築の予算要求も行っているところでございますが、それを踏まえた形で支援金の申請手続自体のデジタル化というものも検討を進めていきたいと。
 また、六十日、確かに平均すると掛かっておるところでございます。この支給事務を行っております都道府県センターという都道府県会館の法人がございますけれども、こちらの方の事務手続もできるだけ早くしていく必要があろうかと思っておりまして、今後よくセンターの方とも連携をして、今六十日掛かっているものを少しでも短縮できるように取り組んでいければというふうに考えております。

#40
○小沼巧君 ありがとうございます。
 本当は聞きたかったのは、基礎支援金とか加算支援金についての月数なんですね。
 私の今の理解を申し上げます。これらについて申請しなければいけない受付期間というのが施行政令の第四条各項に定められていますね。今回新法でありますところの基礎支援金、法案第三条第二項で基礎支援金は施行令に照らすと十三月、法案第三条第五項で新たに定める今回の中規模半壊に関係するところの加算支援金というものは、これ施行令に照らすと三十七か月であろうということになるんだろうと思っております。
 さて、そういったことの、もし間違っていたらおっしゃってくださいね、基礎支援金は十三か月、加算支援金は三十七か月、そして今回の中規模半壊に関しては加算支援金のみであります。基礎支援金はありません。となったときに、白表紙にありますところの附則についてお伺いしたいと思っています。
 今回の附則においては、遡り施行、遡及適用、あっ、遡及適用と言った方が正しいですね、遡及適用で、今年の七月豪雨、七月三日以降のものについてから適用するとなっております。なぜ、なぜ、加算支援金は三十七月分受付期間があるということに照らすともっと遡ってもいいのではないかと、こういうように考えるわけでありますが、なぜ七月三日というところで線引きをしたのか、そのロジックをお答えください。

#41
○政府参考人(青柳一郎君) まず、基礎支援金十三月、加算支援金三十七月は政令で定められているとおりでございますけれども、この期間内に支援金の支給の申請をすることができないと認めるときにはその期間を延長することができると、延長規定も、もう委員の方も御覧になっておられるかと思いますけれども、それも延ばせるということでございますけれども。
 その三十七月という話と、今回遡及適用で令和二年七月豪雨以降としたというところは直接結び付いてはおりません。今回、全国知事会との間でもどこまで遡及適用するのかということは議論を行ってきたわけでございますけれども、一つに、昨年の令和元年東日本台風等も含めまして、近年の災害においては発災後一年程度で被災住宅全体で八、九割程度の住宅の応急修理が完了するということで、一定程度住宅の再建が進んでいると。この再建進んだ住宅について、再建前の損害割合というのを各市町村が確認するということが実務上困難だというところ。
 罹災証明書の先ほど早期交付の話をいたしましたけれども、その関係でいきますと、床上浸水であれば半壊と判定するというような運用を昨年の東日本台風でも行っておりまして、そうしますと、いわゆる二〇%台と三〇%台という区別が、昨年の災害の場合には記録が残っておりませんので、もう既に改修まで、修理まで終わってしまった場合には、その住宅が二〇%台だったのか三〇%台だったのかということを判定することができないと。
 そうすると、仮に今判定できるものだけを、中規模半壊世帯の判定ができるものだけを支援金支給するということになりますと、早く何とか一生懸命再建した方には支援金の支給ができず、いまだ再建されずに被災当時のままとなっている住宅に限って支給対象に追加するということは、公平の観点から適当ではないだろうということで、今回、記録を残してくれと言っておりますけれども、七月豪雨まで遡り、それ以前については遡及適用はしないという形で知事会とも合意をしたというところでございます。

#42
○小沼巧君 御答弁ありがとうございます。
 帯に短しかもしれないなと思ったというのはまさにここなのであります。過去、遡及適用、遡り遡及適用したものにおいては、平成十七年に政令改正しまして、一年前の災害に対してもやっていたと。二十二年の政令改正においては三か月前のものに対してやっていたと。それは、恐らく基礎支援金、すなわち十三月の以内であろうからここなんだろうなと思っているんですが、今回の、加算支援金のみであります、三十七か月のみであります、三十七か月のみであります。だとすれば、三年間遡ったところであったとしても適用する、遡り適用するということが適当なのではないのか、法令解釈上はと思っているのであります。
 御答弁ありましたとおり、現実問題としてちょっと難しいよね、今からということは理解もいたしました。しかし、立法府でありますので、法律に関する議論でありますから、法案立案、今後の法案樹立に関する考え方としては、その三十七か月なのだとすれば、そこまで遡ってもしかるべきなんじゃないのか、こういう解釈もあり得るのではないかと私は思います。
 同時に、今おっしゃっていただいた応急処理の話、応急修理の話ございましたが、性質は違いますよね。本法律案に基づくものについては見舞金的な性格であるということをおっしゃっております。他方で、応急修理とおっしゃったのは災害救助法における規定であって、それは明確にデマケをしている、そして一本化していないということなのでありまして、今おっしゃった応急修理の観点からということの最初の御説明というのはちょっとロジックがよく分からないというのが正直なところであります。
 これは、大臣、通告しておらぬのですが、今申し上げたような懸念もございます。今回のものについて、今回出された法律案のパーツの部分については私もこれでよいと思っています。しかし、今後このような災害対策に関する議論をするに当たっては、今るる私が申し上げて、また議論をしてきたような観点も踏まえて真摯に検討をしていくということは大事かと思いますが、大臣の所感をお伺いいたします。

#43
○国務大臣(小此木八郎君) この七月の豪雨について遡及できるということにつきましては、私も当初なぜだということを確認しながらやってまいりましたときに、この数年の議論の中で拡大されるわけですけれども、この七月の豪雨については、あらかじめその状況をカメラに収めておいてくれ、写真撮っておいてくれという話もしていた中で現実的な対応ができるという判断があったと。今議論、これまでもこの委員会でもあったかもしれませんけれども、これから様々な手法、デジタル化を進めています。これ、どこまで高度になるか、様々な話合いの中で更にそういうまさに備えも含めた形での議論が建設的にできることを望みながら私たちも考えてまいりたいと思います。

#44
○小沼巧君 通告になかったんですが、御答弁いただきまして、ありがとうございました。
 まさにこういったところ、過去の法令審議なんかも考えながら、災害対策樹立に関する法令というのはどうあるべきか、一緒に知恵を出し合いながら前に進めていきたいと思っておりますので、引き続きその姿勢で私も議論をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 そういうことを申し上げておりましたら、また時間の配分を間違えてきてしまいまして、前に質問を通告しておりましたが、結局質問することができず申し訳ございませんでしたということで、国交省及び農水省にお伺いしたいことがございます。それは、令和元年の台風十五号、十九号に関する質問であります。
 何を質問通告として用意していたかということに関してでありますが、茨城県におきましても大変な被害、十五号においては風、十九号においては水、それぞれの被害を受けたところであります。
 恐らく時間もなくなってきますので、二問まとめて質問して、それぞれ国交省、農水省からお答えいただければと思いますが。
 例えば国交省に関しましては、那珂川、久慈川というところで氾濫が起きたわけであります。そういった中で様々な、河川期成改正同盟でありますとか市町村などから様々な要望が受けていると承知しております。その流域の自治体や河川改修期成同盟などなどからどのような治水関係の要望を受理し、そしてどのような考え、計画の下、事業を進めているのかということを国交省にお伺いする。
 そして、農林水産省におきましても同様であります。県内の被災自治体、農林水産関係の推進協議会などなど様々あると思いますけれども、どのような要望を受理し、どのような考え、計画の下、事業を進めているのか。
 それぞれ国交省、農水省の順にお答えいただければと思います。

#45
○政府参考人(井上智夫君) 球磨川、那珂川におきましては、この東日本台風、昨年ので大きな被害が出ました。この被害については、私ども国と県と被災市町村の間で協議会を設置しました。その自治体の意見を十分聞きながら、まずはこの再度災害の防止を目的とした、短期、五年間という短期間で対応すべき治水対策はどうあるべきなのかということを話をしまして、それを踏まえて緊急治水対策プロジェクトとして今年の一月に取りまとめました。
 ただ、このプロジェクトにはまだ今後やっていくべき、中長期的に取り組む対策までは含まれていません。なので、もう一度改めて国、県、市町村が一堂に会する協議会をこの夏の八月に設置しました。これを本当に、市町村からいただく地域の安全、安心というようなこと、これ切実な声が要望でいただいておりますので、これを今後策定する流域治水プロジェクトに反映させて、必要な見直しを行って充実強化を図っていきたいというふうに考えております。

#46
○委員長(新妻秀規君) よろしいでしょうか、井上局長、川の名前はそれで正確ですか。

#47
○政府参考人(井上智夫君) 久慈川と那珂川でございます。(発言する者あり)あっ、済みません。申し訳ございません。訂正させていただきます。

#48
○政府参考人(村井正親君) お答えいたします。
 令和元年は、令和元年房総半島台風や令和元年東日本台風等の自然災害により甚大な農林水産被害が発生をいたしました。本年十月二十三日現在で、全国の被害総額は四千九百九十二億円に上っております。
 茨城県では、イチゴやネギなどの農作物の冠水、農業用ハウスや農業用機械の水没、倒壊、農地、農業用施設の損壊などの大きな被害が発生をしたところであります。令和元年十月には茨城県から、甚大な被害を受けた農地、排水機場等の土地改良施設について災害復旧事業の補助率のかさ上げ、同様に被害の大きい農業用施設、機械などの復旧に係る支援などについて御要望をいただいたところであります。
 これらの御要望を踏まえ、まず災害復旧事業の補助率についてですけれども、激甚災害へ指定をされたことにより、過去五年の実績平均で見ると、農地復旧で九六%程度、施設復旧で九八%程度の水準にかさ上げされることとなります。農業用ハウスや農業用機械につきましては、強い農業・担い手づくり総合支援交付金の被災農業者支援型を発動し、補助上限額を撤廃するとともに、事前着工を可能として速やかな復旧に努めてまいりました。
 茨城県における農地、農業用ハウス、農業用施設につきましては全ての工事発注を終えており、農業用ハウス、農業用機械の復旧についても共に今年度中には完了する予定であると報告を受けております。
 農林水産省といたしましては、近年頻発する豪雨や台風などの自然災害に対し、今後とも現場主義に立って、被災された農林漁業者の方々が営農意欲を失わず、一日も早く経営再開できるよう、被災農林漁業者の皆さんに寄り添った支援に努めてまいります。

#49
○小沼巧君 御答弁、それぞれありがとうございました。
 様々な要望がありますが、要望を出せば何かしら検討の俎上にのせてもらえるんだと、優先順位やスピード、様々なリソースの制約等がございますけれども、いずれにせよ要望を出す、声を上げるということは無駄ではないのだということが分かった答弁であったと思います。
 私自身も、様々な声、声なき声も含めてしっかりと拾っていき、それをお届けしていきたいと思いますし、それぞれの担当省庁におかれましても、この点はもう党派を超えて関係ないと思いますので、連携して、被災された方々の一日も早い復旧復興、そして生活の再建等々のために努力をしていきたいと、こういうことを一緒に頑張っていきたいと申し上げる次第であります。
 様々、時間も若干限られてしまいますので、残余の質問については同輩議員に譲りたいと思います。一部の質問ができず、大変失礼しました。
 ありがとうございました。終わります。
    ─────────────

#50
○委員長(新妻秀規君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤木眞也君が委員を辞任され、その補欠として清水真人君が選任されました。
    ─────────────

#51
○塩村あやか君 立憲民主・社民の塩村あやかでございます。
 まずは、被災者生活再建支援法改正案、こちらについて質問をさせていただきたいと思います。
 全国知事会が七月二十日に行った緊急要望では、七月の豪雨災害に関して、平成三十年七月豪雨災害の被災者が二年、平成二十八年熊本地震の被災者が四年という短い期間で再び被災をされている現状を踏まえて、短期間に何度も被災をする場合の生活再建は困難を極めることから、被災者支援に当たっては別枠での支援を検討するなど、特段の配慮をすることと政府に求めています。
 災害のたびに被災者生活再建支援金が受けられるとはいえ、短期間のうちに自宅を複数回再建するとなると、二重のローンを抱えるなど金銭的な問題だけではなく、被災者の再建に向けた意思を大きくくじくことになると思われます。
 知事会は別枠での支援を検討するなど特段の配慮と言っておりますが、今後とも、気候変動の影響により豪雨災害が各地で発生をするとともに、南海トラフ地震や首都直下などの地震も含めて大きな地震被害が時と場所を選ばずに発生をするおそれもあると私は思っています。
 そのような危険性も踏まえて、短期間に度重なる災害に被災した者に対して被災者生活再建支援金を増額給付するなど、何らかの特別な支援策が必要とすると。知事会の要望に対して政府としてはどのように考えてきて、そしてこの本法案、改正案で応えてきたのかをお伺いしたいと思います。

#52
○国務大臣(小此木八郎君) 今回の改正ですが、全国知事会より本年七月の緊急要望において、全国知事会が要望してきた被災者生活再建支援制度の半壊世帯までの対象拡大について、早期に結論を出して施策に反映するとともに、令和二年七月豪雨の被害にも適用させることとの要望がなされてきたことは、これまでも申し上げてきたことであります。
 一方、短期間に何度も被災する場合の生活再建は困難を極めることから、被災者支援に当たっては別枠での支援を検討する等、特段の配慮をすることとの要望については、今回の改正には反映されておりません。
 被災者生活再建制度においては、短期間に再度被災する場合においても災害ごとの被災の状況に応じて災害ごとに支援を行うことは可能でありますが、別枠で支援する仕組みとはなっておりません。このことにつきましては、他の要望も含め、全国知事会からよく要望の背景や被災の実情をお聞きしながら、これからもどのような対応が可能か研究をしてまいりたいと存じます。

#53
○塩村あやか君 御答弁ありがとうございます。
 今回の法改正には反映をされていないということで、恐らく知事会の皆さんは各々の地域の意見をまとめて要望しているということですので、必要であるんだろうとは思います。今回入らなかったということですが、次回あれば検討していただきたいと思いますし、災害災害で求められる対応が違うと思いますので、そのときに十分な対応をしていただきたいと思っています。
 続いて、今回、支援金は被災世帯となった世帯主に対して支給される、これは支援法の第三条一項なんですが、世帯主に支給をされるということですよね、この法律。被災者によっては、離婚訴訟中やDVなどによって別居していたり、住民票で示される世帯と異なる生活実態を持つ場合が多々あるのではないかと思っています。
 世帯単位で支給をされる支援金を個人単位とするべきではないかと思うんですが、現状は個人に支給をすることができるとも聞いているんですが、できるかどうか、ちょっと確認をさせてください。

#54
○国務大臣(小此木八郎君) 今回の被災者生活再建支援制度についてですが、住宅被害に着目して支援対象を世帯単位としているところでありますが、ここでいう世帯とは、社会生活上の単位として、住宅及び生計を一つにする者の集まり又は独立して生計を維持する単身者であるということであります。
 したがって、住民票上は同一世帯であっても別に生活していることが明らかであれば、例えばおっしゃったようなDV被害を受けるなどの理由からやむなく別居されている方々が被災された場合であっても、住民票上の世帯主に限ることなく、支援金の支給の対象とすることは可能であります。
 また、個人単位での基礎支援金の支給については、本制度が自然災害によりその生活基盤、すなわち住宅に著しい被害を受けた方の生活の再建を支援することを目的としているため、難しいと考えております。

#55
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 世帯というのは、住民票ではなくて生活の実態に即して支援をしているということで理解がされてよかったというふうに思っています。
 そこで、もしお分かりになればお聞きしたいんですが、実際にそうした別居をしているというような世帯に支給をした実績というのはどれぐらいあるのか。相当数の方が、DVとか離婚などとか前提などとかで別れて暮らしていらっしゃるという方、私も知っているだけでも相当数いるので、どれぐらいがこれまでに対象になったのかを分かれば教えてください。

#56
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたしますけど、申し訳ございませんが、現状では分かりません。調べてみないと分からないという状態でございます。

#57
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 可能であれば調べていただきたいと思っておりますし、そうした実例があるのであれば手を挙げやすくなってくると思うんですよね。やっぱりそうしたことをやっていただけるんだということが必要だと思いますので、是非調べていただきたいと思いますし、周知をしていただくことも必要だと思いますので、周知の方も是非よろしくお願いをいたします。
 一方でなんですが、今届けた、皆さんにお配りをした資料を見ていただきたいんですが、これ支援金が受け取れないというような報道がされているところです。一方で、今大臣のお言葉だとできるということだったので、これ何かが違うんだと思うんですが、どうしてこのような報道が出てしまうのかというところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

#58
○政府参考人(青柳一郎君) 配付資料のところで、受け取れませんというところが、同居の世帯で世帯主さんがいて、何というか、家庭内DVの場合には、この場合には同一世帯というのか、生活上も一体でございますので、その場合は世帯主はまさに夫ということで奥さんが受け取れないということだということでございます。
 ですから、途中の右っ側の方に出ております、DV被害により逃れている妻子などがお金を受け取れないことになるというところは、先ほど大臣からも答弁したとおり、それは支給が可能ですということでございます。

#59
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 ただ一方で、多分、記者の方はきちんと調べて書かれていると思うんですよね、違ったら大変なことになると思うので。
 恐らくなんですが、これまでレクを受ける中でも思うのが、例えばなんですが、災害があった直後、これがきっかけとなって、別れて暮らすきっかけになるというか、DVなどはきっかけがないとなかなか別れて暮らすということになったりもしませんから、これがきっかけとなって別れて暮らすようになった場合などがここで書いてある事例ではないかなというふうに私も思っているんですね。こうした事例だと先ほどのことに当てはまらないので、こうした方々には支給がされないということになってくると思うんですが、今回の法案、先ほども小沼議員からありましたが、お見舞金的な意味合いもあるということが強いというふうに思うんですが、そうした場合には少し検討してもいいのではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

#60
○政府参考人(青柳一郎君) 生活再建のためにということですから、いわゆる生計を一にするというところはちょっと譲れないところかと思います。
 ただ、ちょっとこの記事の内容自体がどういうケースかというのは記者さんに確認しないと分からぬところではありますけれども、記者さんに聞いても教えてくれるかどうかというところはありますが、よく研究していきたいと思います。

#61
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 是非研究をしていただきたいと思います。もういろんな方がいらっしゃいますので、できるだけ災害によってより苦しい暮らしにならないように、いいきっかけとなると言うと言葉も悪いんですが、なるべく助けてあげる方向で検討をしていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 関連してなんですが、被災者に対する国の支援の在り方に関する検討会というものがあるということで、ちょっといろいろ調べてみました。こうした視点で女性の委員などから指摘があるのかなということで調べてみたんですが、調べても逆にいただいたんですが、ないということでした。調査室を経由しても、ないということでした。
 逆に、離婚して別世帯となって支給を受けるというような不正が起こる、発生があるみたいな意見もあったりとかして、今私が議論していることと真反対に走っていくような意見が出ているというのが現状で、それはそれで私は問題だなと。確かにそうなんだけれども、そうなんですが、問題だなというふうに思ってもいるところです。
 女性の委員を増やしていくということで頑張っていただいているようですので、今私たちが議論をしているような、そうした意見を言える委員を是非選んでいただいて、検討会などに入れていただきたいというふうに思っています。今のままですと、そうしたところがどんどん見逃されてしまうということになりますし、不正を働くんだみたいな印象を受けてしまいますから、それではいけないと思うので、きっちりこうした声が代弁できる方を是非検討会などで選んでいただきたいとお願いをしておきたいと思います。
 続きまして、災害に関連して、話題ががらっと変わるんですが、ため池と流域治水プロジェクトについてお伺いをいたします。
 西日本の豪雨災害などで多数決壊したのがため池で、ニュースで多く取り上げられたと思います。私も広島出身でして、住んでいた周りにはたくさんのため池があったということですので、非常に、私もニュースなどを見て、そのときに私も広島にいたものですから、ため池の件については興味を持って見ているところです。
 その後、議員立法で、防災重点農業ため池に関する防災工事等の推進に関する特別措置法、いわゆるため池特措法ですね、が議員立法で成立をして、十月に施行されたところです。この特措法は、ため池の決壊などによる水害から国民の生命と財産を守ることを目的としていると。災害時などに備えて堤体を開削することで決壊を防いでいくもので、補強だけではなくて廃止工事も含んでいるものと理解をしているところです。
 まず、国が基本指針を作って、県がそれを基に防災重点農業用ため池を指定して、市区町村などが実質的にいろいろ担っていくということになっていきます。事業を推進してくれる自治体にいろんな情報が伝わっていないというふうに思いましたので、今回ちょっと取り上げさせていただこうと思っています。
 早速ちょっとお伺いするんですが、水路を設置する場合です。ため池、今回の廃止なり整備なりするとき、水路を設置する場合、費用は国が持つのかと。この場合の水路とは、安全に河川に流すというところまでを私はちょっとお願いしているところなんですが、お聞きしたいと思います。
 まず、農業用ため池を廃止する場合、次に農業用ため池を補強する場合、そして農業用ため池を治水管理のために農業ではない場合に活用する場合、これはいわゆる転用だと思うんですが、これは費用はどこが持つのか、国が持ってくれるのか、お伺いしたいと思います。

#62
○政府参考人(安部伸治君) お答え申し上げます。
 農業用ため池の廃止や補強等の防災工事については、補助事業により支援を行っているところです。
 具体的には、開削によりため池を廃止する場合は、ため池下流の人命、財産を守る観点から所要額を助成をしております。一方、埋立てによりため池を廃止する場合や、地震、豪雨対策、老朽化対策のためにため池を補強する場合は、事業費の五〇%等を助成をしているところです。また、ため池の廃止や補強等と一体的に行う必要がある下流の水路については、ため池の防災工事の中で実施が可能です。
 なお、農業利用しなくなったため池を治水目的に転用する場合には、地方単独事業又は治水担当部局の補助事業を活用していただくことになります。

#63
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 もろもろと国の方でも費用を見てくれるということで、ただ、これがきちんと伝わっているのかというところが問題なんだろうというふうに思っています。
 水路というものも、昨日いろいろレクしながら、どこまでが水路だという話で結構もめたりもしたんですが、その現場で働く自治体職員は、水路の整備については補助が出ないということで理解をして地域を回って、結局、ため池本体は補強をするなり、そして埋めてしまうなりというところは合意形成が取れたとしても、水路で問題が出てくるということで、幾つかその事業、事業といいますか、前に進まなかったということを私も直接聞いておりますので、この部分は、どれぐらいまでであれば国が負担をして、そして地域で持っていくのかとか、その辺りは丁寧に説明をしてあげてほしいというふうに思っています。
 また、水路なんですが、ため池から今まであった水路に出すだけの場合、ここまでの短いところだけを、区間だけを持つというような話を昨日伺ったんですが、もろもろ地元でお話を聞いてみると、それなりの大きなため池を埋めて、そして削って下に流していくというときに、雨が一気に降った場合にその今まである狭いところに流れ込んでしまってそこがまた壊れてしまってはどうしようもないという話で、そこの補強は出ないということだったんですね、そういった場合の。それでは雨が、洪水のような雨が降ったときに垂れ流しになってしまって安全とは言えない状況になってしまうため、とても進められないというような意見も聞いておりますので、その辺りはしっかりと改善ができるように連携をしてほしいなというふうにいただいています。
 で、お伺いしたいんですが、次に、農業用のため池を治水管理のために活用すると、いわゆる転用の場合、これまでお話をしていたのは農水省さんだと思うんですが、転用する場合は担当省庁はどこになるのか、お伺いしたいと思います。

#64
○政府参考人(井上智夫君) 担当省庁は国土交通省になります。
 国土交通省では、地方公共団体が行う一定規模以上の貯留浸透施設の整備であって、通常の堤防や遊水地等の整備よりも経済的であるものについて防災・安全交付金により支援を行っています。御指摘の農業用ため池の改良についても、この要件に適合する場合には支援の対象とすることができます。

#65
○塩村あやか君 これも是非自治体の皆さんにちゃんと伝えてあげてほしいんですね。ため池特措法ができてため池担当として仕事をしていると、その話は何か聞こえてきていても、使えるかどうかも分からないということで非常にためらわれているようなんです。是非そこはちゃんと地域地域に教えてあげてほしいというふうに思っています。
 もう一点お伺いをしたいと思っているんですが、今の流域治水プロジェクトを使っていくことになると思うんですね。そうした場合は、農水省の管轄から今度は国交省に移っていくということになってきます。農水省が管轄の防災重点ため池、ため池特措法ですよね、これは、埋めるとか整備をするとか、そして廃止をするということが大きな柱の一つとして事業が進んでいます。一方で、流域治水プロジェクトは、水をためるということを目的にして事業が進んでいると。水害対策をしていくという点では同じなんです。見てみると結構涙ぐましい努力があって、田んぼダムとか、学校の校庭も使って少しでも水をためていくということをしているようです。
 ですから、なおさらため池については活用をしていただきたいと思っているんですが、今埋めるという方向で話が進んでいるため、私が聞いた担当の方の話だと、ため池特措法でため池を埋める方向で今私たちは進めているんだけれども、漏れ伝わることでは、治水プロジェクトというものがあるそうで、進みそうでと。本年度中に策定されるということなんですが。プロジェクトに使えそうなため池が廃止になっていっている、これは実にもったいないと、水がためられるのでもったいないという視点だと思うんですが、このように言っているんですね。私は、全くそのとおりで、これは課題であるというふうに思っています。
 お話をする中で昨日も思ったんですが、きれいに縦割りになっちゃっているんですよね。この話だと農水省さんです、この話だと国交省さんです。だけれども、地域地域で働いている自治体の職員さんは、そう縦割りにされると、どっちにいるかで何が使えるかというのは分からなくなっちゃうというか、限られてきてしまうので、ここはきれいに整理をしておかないと、せっかく流域治水プロジェクトが進んだとしてもうまくいかないことになってしまいます。ですので、是非国交省さんと農水省さんの方で特にこのため池の問題はきれいに解決ができるようにしていただきたいというふうに思っています。
 是非連携をしていただきたいと思っているんですが、こうした課題の共有とか連携をしっかりやっていただけるのかどうか。方針を定めて自治体に早急な周知が必要ですが、今後の進め方についてお伺いをしたいと思います。

#66
○政府参考人(井上智夫君) 今、塩村委員からいただいたとおりの課題、これは本当に私たちも、この新しい流域治水プロジェクトを進めていくに当たっては非常に重要なことだと考えております。今まで河川管理者が主体となって行う治水事業を充実強化することはあるんですけれども、それに加えて、あらゆる関係者の協働により治水対策に取り組む必要があり、この流域治水プロジェクトを策定、推進することとしております。
 農業ため池は、雨水を貯留することにより河川の氾濫の防止、軽減に寄与し得るものであり、地方公共団体あるいは土地改良区などの理解と協力を得て積極的に治水への活用を進めることが重要であると考えています。このため、国土交通省では、地方公共団体や土地改良区などに水田や農業ため池を治水へ活用する意向があるかどうか、そういう流域があれば、国、都道府県、市町村で設置した流域治水協議会に農水省からは地方農政局の参画を求めて、ため池活用の先進事例とか支援策、こういうようなことができるように自治体に周知しているところです。これはもうつい最近通知したところでございます。
 農業ため池で事前放流をするという形、あるいは、廃止されたため、それを今度、治水浸透施設へ転用する、いろんな活用方策があります。それ、どうやって、どういうふうに使ったらいいのかが難しいと思いますので、地方公共団体、土地改良区などの意向を踏まえて、取組を進める上での課題を共通して、関係機関が連携して検討、調整を行ってまいりたいと考えています。
 国土交通省としましては、農林水産省と連携し、こうした取組を通じて、農業用ため池等を活用した流域治水を強力に推進してまいりたいと考えております。

#67
○委員長(新妻秀規君) 時間が来ております。

#68
○塩村あやか君 しっかり進めてください。
 終わります。ありがとうございました。

#69
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 本委員会では、昨年より約一年間、委員長として皆様には大変にお世話になりましたが、本日から理事として質疑に参加をいたしたいというふうに思いますので、大臣始め委員の皆様には改めてよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、被災者生活再建支援法の一部改正案につきまして順次質問をしてまいりますが、既に御承知のとおり、本法律は阪神・淡路大震災を契機として成立した議員立法でございます。なぜこの法律ができたかといえば、復旧や復興の過程において被災者の方々の尊厳が守られなかったという現実があったからでございます。災害に遭う直前まで立派な国民として生きていた多くの方々が巨大地震によって一瞬にして家屋を失いました。しかし、それにもかかわらず、当時の政府からは、私有財産だから自力で再建すべきだと、このように突き放され、震災によって生きる希望を見失った被災者の心に更に追い打ちを掛けた事実を忘れることはできません。
 自らが阪神・淡路大震災の被災者でもあり、この被災者生活再建支援法に深く関わり続けてこられた我が党の赤羽一嘉国土交通大臣の言葉を借りますと、この被災者生活再建支援法は被災者を救うという観点で作ってきたのが立法の精神であるとおっしゃられているとおり、一人でも多くの被災者を救うとの信念の上に立って本法の改正、そして運用を行っていくべきであると、このように考えております。
 こうした点を踏まえ、本法改正について質問をしたいと思いますが、今回の見直しにつきましては、平成二十八年の熊本地震を始め、平成三十年の大阪府北部地震や北海道胆振東部地震など、全国で大規模な災害が相次ぎ、被災者生活再建支援制度の拡充を求める声、これが上がる中で、平成三十年十一月の全国知事会の提言を踏まえて、内閣府では昨年六月に被災者生活再建支援制度の在り方に関する実務者協議を立ち上げて一年に及ぶ検討をいただいたと、このように理解をしております。
 また、この改正案につきましては、私どもも現場から半壊世帯も支援対象にしてほしいとの強い要望を受けまして、公明党としても今年七月に政府に申入れを行ってきたものであり、私も今国会での成立に強く期待をいたしているところでございます。
 そこで、まず内閣府に質問いたしますが、今回の法案では、全ての半壊世帯は対象とはせずに、いわゆる中規模半壊世帯という区分を新たに設けて支援対象としておりますが、これはどのような考えに基づくのでしょうか。また、中規模半壊世帯に至らないような半壊世帯に対する支援の在り方についてはどのように考えているのか、内閣府の見解を伺いたいと思います。

#70
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 今回、支援対象に追加する損害割合三〇%台の中規模半壊世帯につきましては、損害が大規模半壊世帯に準ずるものだと、その補修等の費用については、平成三十年の給与所得者の年間の平均給与、これと同程度であるといったようなことから、生活再建を支援する必要があるので今般の改正により支給対象に追加すると、この考え方を全国知事会とも共有をしたというところでございます。
 全国知事会と内閣府による実務者会議が実施した実態把握調査によりますと、損害割合二〇%台の半壊世帯、その多くの被害程度が比較的軽微、といっても、補修費でいうと百六十二万ほど掛かるわけでございますけれども、一定の補修を行えば元どおりに使用できるということで、実務者会議の検討結果報告においては、支援金の対象とはせず、引き続き災害救助法の住宅の応急修理制度等で対応していくことが妥当であるというふうにされているところでございます。
 このために、中規模半壊に至らない半壊世帯につきましては、引き続き災害救助法の支援制度で対応していくということとしたところでございます。

#71
○杉久武君 そういう整理がされた中で、次に、今回の改正では、支援金の支給対象として、半壊世帯のうち大規模半壊世帯には至らないが相当規模の補修を受ける世帯、今御説明ありましたけれども、これが三〇%台の、として三〇%台の損害割合について中規模半壊世帯という新たな被災世帯の区分を設けて支援金の支給対象とする、これが大きな柱となっているわけであります。
 しかし、支援金の支給内容について全壊あるいは大規模半壊世帯と大きく異なるのは、先ほどの他の先生の質疑にもございましたが、基礎支援金が支給されないという点でありまして、中規模半壊世帯には加算支援金のみが支給されるということに、そういうふうになっております。
 この加算支援金は住宅の再建方法に応じて支給する支援金でありますが、基礎支援金については住宅の被害程度に応じて支給するという考え方に基づくものですから、この基礎支援金は被災そのものに対する見舞金としての性格を有していると、このようにされております。
 そこで、内閣府に質問いたしますが、中規模半壊世帯について基礎支援金を支給せず加算支援金のみを支給するとしているのはどのような理由によるものなのでしょうか。基礎支援金の性格を考えますと、基礎支援金を支給しないという制度設計が果たして妥当なのか、この点について確認をしたいと思います。

#72
○政府参考人(青柳一郎君) 今回の改正によります支給対象の拡充は、近年の頻発、激甚化する自然災害において、半壊でも大きな被害を受けた被災者の方が住まいの再建に時間と費用を要しているという状況にあることを踏まえまして、これらの方々の居住の安定の確保を後押しするということで拡充をしようというところでございます。
 そういった中で、全国知事会との協議におきまして、この目的に照らすと、支援金を一律に支給する基礎支援金よりも、住宅を再建する方を対象に支給する加算支援金により支援する方がより迅速な生活再建につながる可能性があると、より効果的であるのではないかということ、それから、実務上の問題ではございますけれども、中規模半壊世帯について仮に基礎支援金を支給するとした場合に、大規模半壊世帯や全壊世帯に対する支援とのバランスを考慮しますと少額にならざるを得ないと、少額かつ複数回の支給を実施するということは自治体の支給に係る事務負担が大きいということで、考え方としての生活再建を加速化するということと実務上の問題、この二つの理由によって、今回の拡充による支援については基礎支援金の対象とはせずに加算支援金により対応するということで合意をしたものでございます。

#73
○杉久武君 よく分かりました。ありがとうございます。
 次の質問に移りたいと思います。
 本委員会では、九月の九日に、令和二年七月豪雨で大変な被害を受けました熊本県人吉市と球磨村へ委員派遣を行いました。発災から約二か月後の訪問となりましたが、コロナ禍の中での復旧復興はいや増して厳しいものがあると私も現場で痛感をしたところでございます。この令和二年七月豪雨災害につきまして、本法案では遡及適用を行うとされておりますが、被災地の復旧復興の加速に向けて大変力強い支援になるものと私も期待をしております。
 そこで、内閣府に質問いたしますが、この令和二年七月三日以降に発生した自然災害に新制度を遡及適用するとした理由について確認をするとともに、遡及適用した場合、新基準となる中規模半壊世帯を含めてどの程度が、世帯がこの支援金の対象となると見込まれているのか、確認をしたいと思います。

#74
○政府参考人(青柳一郎君) まず、遡及適用の理由でございますけれども、全国知事会からの、対象拡大について、令和二年七月豪雨の被害にも適用させることという緊急要望があったことを踏まえまして、七月豪雨においては住宅再建後であっても支給対象であるか判断できるように、被災直後の住宅の写真撮影の実施についても内閣府からは自治体に対して依頼をしているところでございます。
 先ほど小沼委員からの御質問でもございましたけれども、昨年の令和元年東日本台風等も含めたものについては逆に遡及が実務上困難だということで、知事会との間でこれはもう七月豪雨以降ということにしたところでございます。
 写真活用の支援金の申請手続の中で支給対象となるか判定を行うということでございますけれども、御指摘のどの程度の世帯が対象となるかということにつきましては、足立委員からの御質問でもございましたけれども、アンケート調査によりますと、半壊世帯のうちで一割から二割程度が支援対象に追加する損害割合三〇%台ということでございますので、令和二年七月豪雨におきましては五百世帯から千世帯程度が新たに支援対象となるということで、ちなみに、現行制度で支給の対象としております全壊世帯は約千八百、大規模半壊世帯が約千二百世帯という、大体こういう水準であると御理解いただければと思います。

#75
○杉久武君 ありがとうございます。
 今回の改正案における新制度の設定によりまして、支援金の支給対象は今、これまでの制度ですと全壊千八百、大規模半壊千二百に加えて、今回の新しい区分で五百から千世帯ですかね、こういう形が適用拡大されるということになります。
 これに伴い、住家の被害認定においても、中規模半壊について新たに定義をすることになろうかと思います。この半壊の定義については、住家の主要な構成要素の経済的被害の住家全体に占める損害割合としてこの損害基準判定というものがございますが、二〇%以上四〇%未満の半壊を二つに分割をし、ここに中規模半壊として三〇%以上四〇%未満とする基準を新たに位置付ける、このようになるものと承知をしております。
 そこで、この中規模半壊については、先ほども申し上げましたとおり令和二年七月豪雨に遡及適用することから、判定基準を被災地に早くお示しすることが必要でございますが、当然、既に被災地では被害を受けた住宅の解体等も進んでいるわけでございます。
 そこで、被災家屋認定については、暫定的な措置として、先般の所信質疑の際、馬場先生の質問に対する内閣府の答弁、また今日の答弁、質疑の中にもございましたけれども、被災直後に撮影した写真を利用して支援対象に該当するかを判断するということでございます。
 この写真で被害状況の確認を行うという点につきましては、大変機動的で柔軟な対応をいただいているものと評価をいたしておりますが、その反面、やっぱり写真のみでは客観的な判断や公平性の担保が本当にでき得るのかと。また、新制度によって追加された判断基準を判定するのに、自治体の負担増について心配な面もあるわけであります。
 そこで、内閣府に質問いたしますが、新基準で調査を行うに当たっては、判定結果の公平性や客観性を担保する必要がございますし、被災市町村における事務負担の増加というものも考えられます。今回の法改正で真っ先に適用されるのが、先ほど来申し上げていますようにこの令和二年七月豪雨になるわけですので、こうした点について内閣府としてやっぱりしっかりと支援していただきたい、このように思いますが、見解を伺いたいと思います。

#76
○政府参考人(青柳一郎君) まず、住家の被害認定につきましては、内閣府において地震、水害、風害等の災害ごとに住宅の経済的被害の標準的な調査、判定方法を示しました災害に係る住家の被害認定基準の運用指針ということを定めております。これによってできるだけ公平かつ客観的に判定を行うということとしているところでございます。
 一方で、今回の改正については令和二年七月豪雨からの適用ということで、この災害につきましては、被災自治体に対しまして、御指摘のとおり被災直後の住宅の写真撮影の実施を依頼をしております。暫定的な措置として、この写真を活用して、支援金の申請手続の中で支援対象となるか判定を行う予定でございますけれども、できるだけ自治体負担にならないようにということ、また現場で混乱が起きないようにということで対応していきたいと考えてございます。
 ただ、今後の災害に備えては、やはり被害認定調査における中規模半壊の判定方法というのをできるだけ急ぎ策定をする必要があると思っておりまして、自治体の負担も踏まえつつ、有識者の御意見も伺いながら具体的な内容の検討をまた進めて、この災害に係る住家の被害認定基準運用指針、こちらの方に、今年度内を目途に反映をさせていきたいと。
 いずれにしても、できるだけ自治体負担が生じないように、また住民の方々に混乱が生じないように、しっかりと内閣府として支援をしていきたいと考えております。

#77
○杉久武君 是非、今年度内にということでございますけれども、やっぱり非常に重要な、自治体として運用する上で非常に重要な部分だと思いますので、しっかりお願いしたいと思います。
 次に、国の財政支援について伺いたいと思います。
 この支援金の支給に関しましては、先ほども申し上げましたとおり、都道府県が拠出した基金から支給をし、国からは被災者生活再建支援法の第十八条によってその二分の一を補助をするという、こういうスキームになっております。
 そして、本年三月三十一日時点における都道府県の相互扶助に基づく基金の残高は約六百三十九億円というふうに伺っております。そこで懸念されるのが、やはり基金の不足ということであります。今回の法改正によって対象範囲が拡大をいたしますので、基金が不足する可能性というものが以前よりも少なからず高まるわけであります。
 また、例えば東日本大震災のときには国の補助率をこれ二分の一から五分の四にするという、こういう措置が講じられましたが、今後発生することが想定される南海トラフ巨大地震等の大規模災害が発生した場合には、本制度とは異なる対応を講じなければ基金が維持できないといった事態が生じるおそれもございます。
 そこで、内閣府に質問いたしますが、基金への都道府県による拠出にはこれまでも交付税措置などの国による財政支援を行っていただいておりますが、国の補助率、補助割合の引上げについてはどのような見解を持っているのか、また、今後、南海トラフ巨大地震等の大規模災害が発生した場合、補助割合の引上げについてどのような考えを持っているのか、見解をお伺いしたいと思います。

#78
○政府参考人(青柳一郎君) 御指摘のとおり、被災者生活再建支援制度は、全都道府県の相互扶助を国が支援するという趣旨に鑑みまして国が二分の一を補助しておりまして、東日本大震災の際には、重大な被害であるということに鑑みて国の補助率を五〇%から八〇%に引き上げるという特例措置を設けたと。
 一方、全国知事会からも、相互扶助の理念に基づく被災者生活再建支援法の想定を超える大規模災害発生時には、東日本大震災の対応や教訓等を踏まえて、特別の国の負担により対応することという提言がなされているところでございます。
 更なる制度拡充につきまして、国や都道府県、特に国の方の財政負担の課題もございますので、簡単に結論が出るものではないとは思いますけれども、南海トラフ巨大地震等の大規模災害への対応について、破綻というようなことがないように全国知事会とも連携しながらよく研究をしてまいりたいと考えております。

#79
○杉久武君 是非よろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、今回の改正案に関して、被災者支援に関する法制度の在り方について伺いたいと思います。
 被災者支援に関する法制度には、今審議をしております被災者生活再建支援法のほか、災害救助法や災害弔慰金の支給等に関する法律、こういった法体系がございます。このうち、厚生労働省で所管をしておりました災害救助法や災害弔慰金等の関係業務につきましては、平成二十五年十月に内閣府に移管したことで、発災後の縦割り行政というものについては一定程度解消が進んだわけでございますが、しかしながら、法律それ自体はそれぞれが個別に分かれて取り扱われておりますので、被災者にとっては被災後の状況に応じた支援の全体像がいまだ分かりにくく、生活再建や自立に向けた将来の見通しが立ちにくいといった問題がございます。
 一たび災害が発生いたしますと、その地域の復興、そして被災者の生活再建には長い期間を必要といたしますし、復旧復興の各段階で対処すべき課題は変化をしてまいりますので、こうした問題に対し誰もが的確にスムーズに対処するには、タイムライン的に切れ目なく、かつ分かりやすい法制度を構築することが大変重要ではないかというふうに思っております。
 そこで、内閣府に質問いたしますが、被災者支援に関する法制度の全体像を確認するとともに、今後の被災者支援に関する法制度の在り方についてどのような見解を持たれているか、確認をしたいと思います。

#80
○政府参考人(青柳一郎君) 被災者支援に関する法制度につきまして、委員御指摘のとおり、今回改正法案を提出しております被災者生活再建支援法、それから、災害発生時からの被災者の救助を目的として、避難所の開設、また応急修理、また仮設住宅の供与などを行う災害救助法、そして、被災者の遺族への災害弔慰金の支給、災害援護資金の貸付け等を定めます災害弔慰金の支給等に関する法律といったもの、災害の段階や規模、被災者の状況等に応じて各種の法制度が設けられているところです。
 加えまして、各省庁においても被災者支援に資する制度というものが設けられておりますので、御指摘のとおり分かりにくいというところもあろうかと思います。
 内閣府としては、できるだけ各種制度は取りまとめてホームページで公表しているところでございますけれども、今後さらに、これらの多岐にわたる被災者支援制度について、被災者あるいは被災自治体の職員が簡単に検索できるデータベースの構築についても今後取り組んでいきたいと考えております。
 このように、各種支援制度をより活用しやすくするということと併せまして、近年の災害、激甚化、頻発化する状況を念頭に、課題を踏まえていかなくちゃいけないところがありますけれども、法制度そのものについては、なかなか、それぞれの法目的、立法趣旨ございますので、難しいところございますけれども、よく在り方についても勉強はしていきたいと考えております。

#81
○杉久武君 是非、やはり被災者は、本当に被災したら、もうどうやって再建しようかということで、目の前のことでやはりいっぱいになろうかと思いますので、できるだけやはりこういう公的な支援が分かりやすく周知、また情報提供されることを願っておりますので、是非ともよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、この被災者生活再建支援のための支援金の支給につきましては、平成十一年以降今日に至るまで八十三の自然災害が支援金の対象とされ、およそ二十九万世帯に対しまして約五千五十八億円の支援金が支給をされております。支援金につきましては、自然災害によって生活基盤に著しい被害を受けた方を支援対象としておりますが、自然災害等に該当せず、被災者生活再建支援法の支給対象とならない被災者につきましては、地方公共団体による支援制度で対応しているという、そういうケースもございまして、現在三十八都道府県で五十七制度が運用されていると伺っておりますが、裏を返せば一部の府県では現在運用されていないという、こういう現状があろうかと思います。
 そこで、内閣府に質問いたしますが、こうした地方公共団体独自の支援制度が全都道府県で実施されていない背景や原因について把握をしていることがあれば、是非教えていただきたいと思います。

#82
○政府参考人(青柳一郎君) 被災者生活再建支援制度、この支援法の適用基準を満たさない市町村におきましては、支援法による支援金、支給されないわけですけれども、都道府県が全壊等の世帯に対しまして支援法と同様の支援を行えば、支給額の二分の一を特別交付税で措置するということとされているところです。
 御指摘のように、支援法と同様ではない支援も含めまして三十八都道府県、五十七制度が運用されているところでございますけれども、理由、何で、支援制度を設けていない都道府県が幾つかあって理由について確認をしたところ、ちょっと固有名詞は控えますけれども、地域として災害が余り発生しないので支援制度を設けるニーズが余りないとお答えになったところが幾つかあるのと、それから、災害が発生した際にその災害に応じた柔軟な措置を講じるため恒久的な制度としていないというところが幾つかあると。それから、これは一つですけれども、今後、支援制度を創設する方向で検討しているといったところが支援制度を設けていない都道府県の理由というところでございますけれども、やはり内閣府としては、頻発化、激甚化する災害に対して備えが住民の安心にもつながるというふうに考えておりますので、導入していない都道府県に対しては、引き続き制度の導入について働きかけて促していきたいと考えております。

#83
○杉久武君 是非促していただきたいというふうに思います。
 残念ながら私の地元大阪府は今導入していないという状況を確認をしておりまして、制度があれば今おっしゃっていただいたように二分の一国庫負担があるということで、部分もあるということですので、やはりあとは、制度は私個人的には発災してからつくっているのではやっぱり機動性に欠けるかなというふうに思っておりますので、是非、各自治体で導入されるように後押しをしていただければというふうに思います。
 最後に、本法案からは少し離れますが、私も一年余り委員長席からこの本委員会、質疑の模様を見ておりまして、一つ気になる点がございます。それは、いつも御答弁いただいております内閣府の皆様についてであります。
 そもそも我が国の災害対策は内閣府の防災担当が中心となって行っていただいておりますが、頻発し激甚化する自然災害に対して、国民の命と暮らしを守る司令塔が内閣府の中にある他の政策統括官と横並びであるという今の現状ですね、少なからず違和感を覚えておりました。つまり、政策統括官、括弧、防災担当という構図、これが統治機構上ふさわしいのかということを考えていたわけであります。
 具体的な例を申し上げますと、特に若く優秀な防災担当の方のお名刺を頂戴しますと、政策統括官、括弧、防災担当付、括弧閉じる、参事官、括弧、何々担当、括弧閉じる、付参事官補佐、括弧、何々担当、括弧閉じるという、こういう名刺になっているわけでありまして、大変申し訳ないんですけれども、正直何の役職かよく分からないという現状でありまして、名は体を表すと言います。ネーミングからして、どういうことをやって災害にどういうふうに対処していくのか、正直要らぬ心配をしてしまうわけであります。
 災害に即応し、復旧復興に継続的に対応していくために、防災担当部局の権限強化、人員確保は当然のことでありますけれども、それと同じように、誰から見ても我が国の災害対策の司令塔はここなのだと分かるような防災担当部局の在り方について是非検討していただいてもいいのかなと。
 やはりこの自分がやる役割の肩書というものはその本人の仕事のやっぱりやりがいにもつながっていく部分であろうかと思いますので、少し変わった視点からのちょっと御質問になりますけれども、まずこの防災担当部局の在り方、今なぜこうなっているのか、当然理由もあろうかと思いますので、その辺りについて事務方に確認をするとともに、最後、大臣に御見解をいただければと思います。

#84
○政府参考人(青柳一郎君) 私の方からは、まず何でこういう名前になっているのというお話でございますけれども、一つに、内閣府においては、内閣の重要政策に関して、その時々で重要政策に応じて柔軟に組織を運営していく必要があるということで、局長級の政策統括官を置いて、防災分野においても政策統括官ということになっております。ただ、政策統括官の場合には余りほかの部局とかぶることはそんなにないというところはありますけれども、制度上はそうなっておると。
 参事官以下に関しましては、実は実務上のメリットがございまして、通常であれば○○局○○課という短い名前なんですけれども、この課というのは所掌事務は政令で定めることになっております。なので、課の所掌を超える事務をその課の職員にさせようと思うと、政令を改正するか若しくは人事発令をして併任を掛けるかということをする必要があります。
 一方で、内閣府の政策統括官の場合には参事官を置いておりますけれども、この参事官の職務というのは基本的に統括官が命ずればそれでオーケーということでございますので、災害が発生して、業務量の繁閑に応じて、ある参事官が業務量が少なければ、その人に本来の担当ではないけれどもこの業務をやりなさいということを政令改正や人事発令を行わなくてもできるということで、その結果として政策統括官防災担当付参事官何たら何たら担当、で、付きというふうに長くなってしまうというところがございますけれども、柔軟かつ機動的に業務を遂行するための国家行政組織法令上の対応であるということでございます。

#85
○国務大臣(小此木八郎君) この件につきましては、今の青柳統括官と私の頭の中は全く違いまして、杉委員と同感であります。もう肩書が一行じゃないんですよね、二行、三行。そういって私の肩書も、こうやって見てみると三行か四行、四行目になると名前にかぶってきちゃうような。防災担当から海洋政策から国土強靱化、領土問題、カジノ管理委員会、国家公安委員長とか、こうありますと、自分の中でも訳が分からなくなりますが、そこは整理しています。
 要は、これは、しかし、災害にどう対処するかということが一番重要なところであるとも思いますが、委員の御指摘も私同感でありますので、分かるようにそこのところは説明してくれと日々言い続けたいと存じます。

#86
○杉久武君 時間になりましたので、以上で終わります。ありがとうございました。

#87
○室井邦彦君 よろしくお願いいたします。維新の室井でございます。
 我が会派は、この法案につきましてはもちろん賛成であります。もっともっと早くという思いもございますけれども、そういう思いでございます。
 大臣も、全国知事会から突き上げというか要望も受けながら、熱心に前向きで政府内で頑張っていただいているなという心強い思いがしております。敬意を表したいと思っております。これからもよろしく取り組んでいただくように、国民の安心、安全のために頑張っていただくように、盾になっていただいて、お願いをしたいと思います。
 急にバイデンやトランプの話をしてもちょっと取っ付きにくい話でありますけど、ただ、私が申し上げたいのはCO2の排出の問題で、バイデンさんはトランプさんと正反対で、地球環境は非常に大切だということで前向きに捉えるということをおっしゃっておられるので、中国もそれに右に倣え、こういう異常気象、こういう集中豪雨、考えられない災害が少しでも少なくなるようになればなと、そういうことを願っておりますが、まだまだ当分はこういう状況、また来年もいつこういうことが襲ってくるか分かりません。
 そういう中で、予算も限界もありますし、大変なことでありますが、今回もこの法改正によって、損害割合、これは半壊、三〇%台の半壊も対象として支援が受けられるということで、本当によかったなというか、安心をしているところであります。
 通告でもしておりますように、大臣の思いもいろいろと、立場もあってございますが、国がこの支援をすることになる、その妥当性ということについてお聞きしたいなというふうに思っておりますが。
 二〇一九年でしたか、台風十九号で災害救助法が適用され、十四都道府県の三百九十市区町村のうち六割に当たる二百五十市区町村において独自に見舞金制度を設けていると答えていると、こういうことが毎日新聞が実施したアンケートの回答でありました。
 先ほど来、重複しますが、各先生方の質問の中で、国の支援から漏れている被災者の救済をするため自治体が独自の制度等を取り入れて補っているというか、そういう対応をしているところもあれば、特別交付税の措置が講じられていないために、この自治体の財力、財力の自治体でもあるところ、ないところもありますし、今お聞きすると、災害がそれほど起きないところはそういうものは準備していないというようなこともございましたけれども、被災者支援に格差が生じてはいけないなということは私の感想であります。
 そういうところで、遠回りになりましたけれども、大臣、このことについて、国が支援することになる、その知見というか妥当性についてちょっとお答えを、お考えをお聞かせください。

#88
○国務大臣(小此木八郎君) まず、御激励と賛意を表明していただいたことに感謝いたしますが、これも重ねての答弁になりますけれども、この支援金の半壊世帯までの支給拡大については、平成三十年十一月の全国知事会の提言始め、各方面からこれもいただいてまいりましたことを踏まえ、全国知事会と内閣府による実務者会議において、支援金の支給対象を損害割合三〇%台の半壊世帯まで拡大する検討結果を取りまとめたところであります。
 この報告において、この割合が三〇%台の半壊世帯については、補修費の平均等を踏まえ、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた方に該当するとされておりまして、これを踏まえ、政府間の検討、調整等を進めた結果、損害割合三〇%台の中規模半壊世帯については、その補修等の費用が平成三十年の給与所得者の年間平均給与と同程度であることから、生活の再建支援のための措置を講ずる必要があるとの結論に至りました。
 この結論を踏まえ、今回の改正に至ったところでありますが、中規模半壊世帯を支援対象とすることは妥当であると考えております。

#89
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 続いて質問をいたしますが、災害保険の加入率、加入について、政府は主導的に率先して加入をするようにという指導をされているようであります。
 確かに、この保険と生活再建の状況の分析によると、この保険、共済未加入の場合は約二七%が生活再建が進んでいないという実態にあり、他方、五百万円以上の保険金を受け取っている場合、生活再建は進んでいるが、なお修理は半分程度しか完了していない、現実はこのような状況であるわけであります。
 この保険の加入に関しましては、損保大手四社が近年の台風や豪雨といった自然災害の多発を理由に、来年一月から被害の実態に即した保険料に改めると、改めるということは保険料を上げるということなんでしょう、そのような新聞記事がありました。
 この保険会社は元々、先生方も御承知のとおり、審査が非常に厳しく、保険金がなかなか支給されないという認識であります。昔、私もこういうことを耳にしたわけでありますけれども、保険に入っているんだけれども、柱が残ったのでこれは全壊じゃないという判断をされたというような恐ろしい査定も聞いておるところであります。こういう実態の中で、特にまた古い家屋を持つ人の保険料がまたこれも負担を対象として高くなるという、こんなことも耳にしております。
 こういう中で、この保険契約の更新を一般国民はためらう状況になっておるわけでありますけれども、この保険の加入率の向上に引き続き政府としてどのように主導して取り組んでいかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。

#90
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 自然災害からの生活再建に当たっては、災害保険の加入等自助による取組、重要でございまして、内閣府においては、従来から都道府県に対して災害保険等の加入促進への協力を依頼するとともに、パンフレットの作成、配布ですとか、広報誌による周知を行ってきたところでございます。
 御指摘の損害保険の関係、損害保険会社に確認したところ、新聞記事に記載のとおり、自然災害のリスクや築年数に応じた保険料に改めるということでございましたけれども、一方で、保険金の支給に当たっては衛星写真やドローンの活用等によって迅速化に努めているということ、それから、保険料の引上げ、契約更新に与える影響について、値上げ幅はできる限り抑制しているけれども、影響についてはなかなか一概には言えないというようなお話がございました。
 また、現在御審議いただいている改正法案の検討を行うための全国知事会との実務者会議においても、災害に備えて保険の加入を促進することも重要であると確認をされているところでございますので、全国知事会としても、全都道府県知事に対して災害保険等の重要性を周知をして、普及に努めると伺っております。
 今後でございますけれども、保険料改定後も、災害保険のより一層の加入促進に向けては、より分かりやすいチラシの作成、配布、そのほかの様々の周知の方法、加入の促進策、考えなければいけないと思います。よく知事会だけではなくて地方団体、市長会や町村会などとも連携をして、工夫をして加入促進、周知に努めていきたいと考えております。

#91
○室井邦彦君 自治体、またそういう首長さんたちとの連携を密にして進めていきたいと。それは一番大切な基本でありますが、ひとつ、なかなか実態は難しい問題もあると思いますので、迅速に、まあ根気よくというか、進めていただきたいなというふうに思っております。よろしくお願いをいたします。
 続いて、支援金の手続、この簡素化についてお聞きをしたいと思います。
 これも、後半になってくるとまた同じような質問ばかりで申し訳ないわけでありますけれども、その答えももう耳にしておるわけでありますけれども、一応質問を用意しておりますので、お付き合い、御協力をお願いしたいと思います。
 この迅速に支援金を支給するということ、素早く支給ができるという環境が整うと、もちろん市民生活の安定と被災地の速やかな復興にも資するということにもつながってくると思っております。国はこれまでも、もちろん支給手続の簡素化、迅速化に向けて対応してきておるということは承知をしているところであります。
 大規模自然災害の発災時、被災自治体における各種業務の対応に多くの人手が必要となり、十分な体制が整わない、こういうのが現場の現状であります。手続が遅れる、こういう状況じゃ前に進まないというのも現場に入って実際体で感じ取ることができるわけでありますが、しかし、そこは十分に知恵を絞って各自治体も前に進めていかなくちゃいけないと思っておるわけでありますが、もちろん各市町村の応援もお願いしたいわけでありますが、応援も当てにならないという現状の中で、お聞きしたいところは、この支給手続の効率化、迅速化に向けて行政手続のデジタル化の推進、あわせて、今後どのようにデジタル化の推進に取り組んでいこうとされるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

#92
○政府参考人(青柳一郎君) まず、応援職員の関係についてもちょっと触れさせていただきたいと思いますけれども、災害対応業務、大規模災害が発生した場合には被災自治体単独で実施することは困難でございますので、自治体間での応援職員の派遣の調整を政府としても行っております。
 総務省の応急対策職員派遣制度というのを通じまして、これは熊本地震の後から運用されるようになっておりますけれども、最近はできるだけ早く必要な人員、特に罹災証明書の発行につなげていくということで、できる限り自治体の実態を踏まえて応援職員の派遣調整を進めているところでございます。
 そして、罹災証明の発行の迅速化、様々な支給手続の、行政手続のデジタル化の関係でございますけれども、支援金の支給も含めた災害対応業務のデジタル化、これは当然重要な点でございますので、内閣府において現在予算要求を行っておりますのが、自治体が共同利用可能なシステム上で、住民情報、被災情報を連携して被災者支援に活用ができて、支援金の申請に必要な罹災証明書、これは電子申請、コンビニ交付にも対応できる基盤的なシステムを構築していこうということ、それから、支援金の申請手続自体も、添付書類をデジタル上で対応する、あるいは今求めているような添付書類をできるだけ簡素化するといったことも含めて検討して、できるだけ一日も早い支給の迅速化が図られるように取組は進めてまいりたいと考えております。

#93
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 今、青柳さんが答弁された中で、国の方も被災地にできるだけ応援の手だてというか調整をしている、そういう制度、機関を持っていると、そういうことを説明されましたけれども、現場に対しての、その希望に対して十分な満足するような応援体制は取れているの。

#94
○政府参考人(青柳一郎君) これも災害が起こるたびに改善を図ってきているというのが実態というところございます。
 二十八年の熊本地震のときよりも、その後の西日本豪雨、さらには昨年の東日本台風、そして今年の七月の豪雨ということで、実態上もできるだけ自治体ニーズを踏まえてといっても、自治体さん自身がどれだけ必要なのかよく分からぬというような市町村さんもいらっしゃいますけれども、その場合には国の職員の方で、これだけの事務があるんだったらこれぐらい必要だろうと、だからこれぐらい広域で応援職員を派遣するよというようなやり取りをやって、一つ罹災証明書に関して言うと、災害発生後一か月以内には罹災証明書が発行できるように、それに必要な被災家屋の家屋調査の人員と罹災証明書の発行事務に要する人員、これを、大体これ、単位を掛け合わせて何人ぐらい、何チームでやればよかろうということで、それに合わせた形での応援職員の派遣を調整しておるところでございまして、実際に今回の熊本豪雨あるいは昨年の東日本台風などでもおおむね一か月以内には罹災証明書が発行できるような体制は確保して応援を行っているというのが実態でございます。

#95
○室井邦彦君 ありがとうございました。
 十分、そういう応援体制があったら先方にも安心感を与えているというような内容の話だったかと思います。よろしく対応をお願いをしていきたいと思います。
 最後に、この被災者生活再建支援金の支給額のことについて、もちろん増加の傾向にあるわけでありますけれども、その辺をちょっとお聞かせをいただきたいと思いますが。
 令和二年三月末時点で四千九百六十八億円、支援金ですね、そのうち東日本大震災の関係は三千六百九十億円と、約七四%を占めておるわけであります。そういう中で全壊、半壊世帯が約四十万五千と確認されておりますが、そのうち約二十万世帯に支援金が支給されております。
 こういう状況の中で、首都直下地震や南海トラフ地震の場合、更に大きな被害が生じると想定をされるわけでありますが、この支給額が増加し続ける傾向の中で持続可能な制度として運用していくためにどのような方策を考えておられるのか、あればお聞かせをいただいて、最後の質問といたします。

#96
○政府参考人(青柳一郎君) 先ほどもちょっと御答弁申し上げまして、具体的な方策までは今何かあるというわけではございませんけれども、全国知事会等の実務者会議における検討におきましても、南海トラフ地震、首都直下地震等の大規模災害発生時も見据えた制度の安定性を勘案しても、今回の拡充後の支援の枠組み、これが適切であるというふうにされているところなんですけれども、東日本大震災においては国の補助率五〇%から八〇%に引き上げる特例措置を設けたということで、全国知事会からも、相互扶助の理念に基づく被災者生活再建支援法の想定を超えるような大規模災害発生時には、東日本大震災の対応や教訓等を踏まえて特別の国の負担により対応することという提言がなされているということでございます。
 そういう意味では、全国知事会ともちょっと連携しながら、大規模災害への対応についてはどのような対応が考えられるのか、ちょっと今後の研究ということになりますけれども、研究をしっかりしてまいりたいと考えております。

#97
○室井邦彦君 終わります。

#98
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。よろしくお願いします。
 今日は、法案に賛成の立場で質問をさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、災害の支給規模要件についてお伺いしたいと思います。
 今回、支援金が支給される条件として、同じ都道府県で同じような災害に遭って同程度の被害を受けた場合であっても、市町村が違うと今回の支援金が支給される、されないといったことが生じてしまう。そういった課題をなくすために、災害規模要件、これを撤廃してほしいと、こういう要望を市町村の中には持っておられるところもあります。これに対しての政府としてのお考えをまずお伺いしたいと思います。
 また、あわせて、そういう適用されないところは、自治体独自に被害を受けた世帯に対して支援を行うというような制度を持たれています、先ほど来少し議論がありましたけれども。そういった自治体からは、財政的な負担に対して国の方から支援をしていただけないかと、こういった要望もあるというふうに承知しております。こうした各自治体からの要望、意見に対して政府としてどのようなお考えを持たれているのか、まずはお伺いしたいと思います。

#99
○国務大臣(小此木八郎君) これも度々お話はしておりますが、被災者生活再建支援制度ですが、被災市町村や都道府県のみでは対応が困難な自然災害が発生した場合に、全都道府県の相互扶助及び国による財政支援により支援金を支給するものということであります。そのため、一市町村で全壊十世帯以上など著しい被害を及ぼす自然災害が発生した場合に、全壊や大規模半壊等の重大な被害を受けた世帯に対して支援金を支給することとしております。
 また、市町村ではそういう御要望があったということでありますけれども、知事会との実務者会議においての検討においてはその災害規模要件を撤廃すべきという意見は伺っていないところであります。
 なお、支援法の適用基準を満たさない市町村については、支援法による支援金は支給されませんが、都道府県が全壊等の世帯に対し支援法と同様の支援を行えば支給額の二分の一を特別交付税で措置することとしておりまして、既に二十五都府県で制度が導入されております。
 これにより、これらの都府県では適用基準を満たしていなくても独自支援制度による支援金が支給されており、また、これらの都府県以外でも災害発生に応じて支援を実施している都道府県もあると承知しておりまして、各自治体による十分な対応が行われるよう、独自支援制度を導入していない道府県に対しましても引き続き制度の導入を促してまいりたいと存じます。

#100
○浜口誠君 ありがとうございます。
 是非、政府としても、各自治体としっかり連携取っていただいて、知事会始めいろんなチャンネルで様々な意見も受け止めていただいて、よりいい制度になるように引き続き御努力いただきたいなというふうに思っております。
 続きまして、今回の法案の対象の災害は自然災害が対象になっておりますけれども、今年もベイルートで爆発事故で非常に広域の災害が生じました。日本においても今回のベイルートのような自然災害以外の広域災害がこれ起こるとも限らないので、今回の支援法についても、自然災害だけではなくて、そういった自然災害以外の広域災害にも適用するというような考え方もあっていいんじゃないかなというふうに思っているんですけれども、その点に関して政府としての現時点での見解がありましたらお聞かせいただきたいと思います。

#101
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 被災者生活再建支援法は、自然災害を対象としてということで、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象により生ずる被害ということでございます。そういう意味で、賠償すべき原因者がいる事故等によって被害を受けた際は対象とはしていないというところでございます。
 ただ、過去の事例でちょっと二つほどございますけれども、西日本豪雨のときに岡山県総社市において工場が結果的に爆発する事故が発生いたしましたけれども、これは水害と工場爆発に因果関係が認められるということから、岡山県において工場爆発による爆風等の被害も自然災害由来ということで制度の対象としているもの、それから、糸魚川のあの大規模火災というのは平成二十八年十二月に発生しましたけれども、通常の火災ですと支援金の対象にならないんですけれども、当時、出火前後の強風がございましたので、これが大規模火災の原因であったということで自然災害として制度の対象としているということで。
 そういう意味で、現行法においては生じた事象の態様を踏まえて自然災害と解される場合には対応していくことになろうかと思いますけど、爆発そのものというのは、ちょっと法律を改正することになりますけど、そこはよく議論が必要かなと考えております。

#102
○浜口誠君 ありがとうございます。
 現行法の中でも、実際に起こった災害の要因等もしっかり踏まえた上で、幅広く適用すべきところには適用していただいているということですので、そういった柔軟な対応をこれからも是非お願いしたいなというふうに思っております。
 続きまして、支給対象ということについてお伺いしたいと思います。
 現行法案は住居に対しての災害に対して支給するということになっておりますけれども、被災された方のなりわいですとか仕事、生活の再建ということを踏まえたときには、住居だけではなくて、店舗ですとかあるいは工場とか事業所、賃貸住宅、こういったものも被災者の方の生活の再建という視点からは支給対象にしてもいいんではないかと、こういう考え方もあるんではないかと思いますけれども、この点に対しての政府の御見解をお伺いしたいと思います。

#103
○政府参考人(青柳一郎君) 被災者生活再建支援金、自然災害により生活基盤に著しい被害を受けた者に対して生活の再建を支援する目的で支給するということ、衣食住の住というのがやはり生活の基盤であるということでございます。そういうわけで、店舗や工場、事業所を営む場合の事業者は支援金の支給対象とはしていないところでございます。
 そこは事業用の資産ということで、住まいとは異なるということで、一義的には保険や融資を利用して対応するということになろうかと思いますけれども、一方で、今年の七月豪雨でも、経済産業省さんのなりわい再建補助金といったような事業者支援の仕組みというのが別途ございますので、そこは、事業者支援についてはまた別に考えていくのが基本ではないかというふうに考えているところでございます。

#104
○浜口誠君 ありがとうございます。
 是非、内閣府さんと他省庁、この被害を受けられた方の支援ということにおいては、それぞれの省の管轄があったりすると思いますので、政府全体として被災された方をしっかりと支える、いわゆる公助として役割を果たしていただくことが非常に大事だというふうに思っていますので、我々からもそういう関連する省庁にもいろんな提案であったり被災された方の意見を伝えていきたいというふうに思っておりますけれども、幅広く是非内閣府としても連携取っていただきたいなというふうに思います。
 続きまして、住居だけではなくて、住居は何ら被害は受けていないんですけれども、地盤が自然災害で影響を受けて、地盤が緩んでいるがために住めないとか、あるいは地盤が緩んでその隣の家にも影響が出ているだとか、そういった、住居には被害は出ていないんですけれども地盤が自然災害で影響した場合ということについては現時点で何らかの支援策があるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

#105
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 被災者生活再建支援制度は、自然災害によりその生活基盤、住宅に著しい被害を受けた方に対して支援金を支給するということで、地盤被害そのものというのは支援対象とはならないんですけれども、一方で、地盤被害を原因として住宅に全壊等の被害が生じた場合、あるいは、地盤がなくなっちゃって、建物はあるのはあるんだけれども解体をせざるを得ないような場合、こういった場合には支援金を支給することが可能でございます。
 内閣府で定めております被害認定基準の運用指針において、住宅の不同沈下、同じじゃない沈下等の地盤被害が発生した場合には、地盤の液状化等が生じた場合の判定方法を活用することで、必ずしも外観には大きな被害が見られなくても外壁や柱の傾斜状況等によってその住宅が損傷しているものとして判定するということもございますので、よく、実態上のケースをよく見た上で、住宅被害と言えるかどうかというのをしっかりと判定を行っていきたいというところでございます。

#106
○浜口誠君 ありがとうございます。
 是非、個々の被害の状況というのを今局長言われたようにしっかりと御確認いただきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 続きまして、今回は中規模半壊が新たに支援金の対象ということで、損害の規模としては三〇%台ということになっておりますが、それより下回る半壊あるいは一部損壊、床上浸水、床下浸水、こういった今回の支援金の対象にならない被災者の方に対して政府としてどのような対応をしていくのかという点と、あわせまして、専門家の方からは、全壊の場合の住宅再建に係る費用として千八百万円から千九百万円ぐらいの再建費用が必要だから、現状の支援金の上限額ですね、基礎と加算合わせても最大三百万円というのは上限額としては少ないんではないかと、こういった指摘もございます。もっと全体の支援金の水準を上げていく必要があるんではないかと、こういった御指摘もされている専門家の方もいらっしゃいますけれども、この点に対して政府としての現時点の御見解をお伺いしたいと思います。

#107
○国務大臣(小此木八郎君) この支援金ですけれども、常々申し上げておりますように、生活再建を支援する目的で支給する言わば見舞金的、見舞金という言葉をよく使いますけども、そういう性格のものとしておりまして、災害による財産の損失を補填するものではないという位置付けでおります。このため、特に自助の意味になりますけれども、災害に備えて保険の加入を促進することも重要であるということが、実務者会議でもそういったことを促進しましょうということとされています。
 今回の法改正ですが、実務者会議の検討報告結果において、損害割合の二〇%台の半壊世帯は、その多くの被害程度が比較的軽微であるため支援金の対象とせず、引き続き災害救助法の住宅の応急修理制度等で対応していくことが妥当であるとされておりまして、そのことを踏まえて、新たな支給対象を損害割合が三〇%台の中規模半壊世帯としているところであります。
 なお、昨年十月には災害救助法の応急処理の制度を拡充して、一部損壊の住宅のうち損害割合が一〇%台の住宅について準半壊として支援の対象に追加したところであります。
 支給額の上限額の引上げについては、相互扶助する都道府県の意見等も踏まえる必要がありますが、全国知事会による平成三十年七月の被災者生活再建支援制度に関する検討結果報告においても、現行の支給額は被災者が住宅再建を行うために必要な支給額であると考えられることから、支給限度額は現行どおりとされております。さらに、国や都道府県の財政負担等の課題を勘案すると、支給対象の拡充や支給額の上限額の引上げについてはなお慎重に検討するべきものと考えております。
 なお、床上浸水世帯についても、今回の法改正により、損害割合が三〇%以上と判定されれば支給対象となるところであります。

#108
○浜口誠君 大臣、ありがとうございます。
 政策統括官に伺いますけども、全国知事会等でこの上限額に対しての意見というのはほとんど、知事の皆さんからは引上げの要請とか要望なんかはあるのかないのか、その点だけちょっとお伺いできますか。

#109
○政府参考人(青柳一郎君) ただいま大臣からも申し上げましたとおり、三十年七月のあの報告以降、額を引き上げろという知事さん、知事会からの御意見というのは承っておりません。

#110
○浜口誠君 分かりました。ありがとうございます。
 では、続きまして、被害割合の算出についてお伺いしたいと思います。
 先ほど来ほかの委員の先生方からも御質問ありましたけれども、やはりこの三〇%台なのか二〇%台なのかによって支給対象になるかならないかということは非常に、被災された方から見ても、正確にその被害割合というのが算定されるのかどうかというのはすごく注目されるところだと思います。
 やっぱり正確に、誰が見ても、ああ、しっかり正しく被害割合が算定されているな、算出されているなということは大事だというふうに思っておりますので、正確にこの被害割合を算出するための取組として、今日の説明によりますと、認定指針の中に今年度中に反映するという御答弁もありましたけども、より正確性を期すために今後どのような取組をされていくのか、その点に対してお伺いしたいと思います。

#111
○政府参考人(青柳一郎君) 御指摘のとおり、災害に係る住家の被害認定基準運用指針、こちらの方、有識者の御意見も伺いながら、中規模半壊世帯の認定、三〇%台というものの判定の基準を今年度内に定めていきたいと考えておりますけれども、これをまず運用をしっかり行っていくためには実際に被害認定を行う自治体職員の方々が理解をしてちゃんと習熟していかなくちゃいけないということがございますので、各都道府県に対してやはり講師派遣、また説明会等も今後しっかり実施をして、公平公正な判定ができるようにということで取り組んでまいりたいと。自治体に対して助言も行いながら、またニーズも伺いながら対応していきたいと思います。

#112
○浜口誠君 実際にその認定をされる地方自治体の職員の方のやはりその評価のばらつきをもうなくしていくというのがすごく大事だと思うんですね。AさんとBさんで同じものを判定したとしても、それが割合が違うというようなことが生じないようにしていくというのが非常に大事だと思いますけど、そういった面を担保するための何か仕組みというのは、これまでも運用上でやられていることがありましたら御紹介いただきたいと思います。

#113
○政府参考人(青柳一郎君) 被害認定基準運用指針、かなりきめ細かく定めておるところでございますので、これをまずしっかり行っていただくというところがございます。であるからこそ、講師派遣ですとか説明会、研修といったところをしっかりやっていきたいというところ。また、随時リクエストに応じて、特に災害発生時には現場の県庁あるいは市町村職員さんとやり取りも相当行って、ばらつきが出ないようにというところを留意をしているところでございます。

#114
○浜口誠君 是非、調査、認定、被害認定される皆さん、お互いのクロスチェックをやるような仕組みなんかも取り入れていただいて、より判定の、損害算出の正確性を高めていただく取組を進めていただきたいなというふうに思っております。
 では、続きまして手続、支給までの手続の迅速化。
 先ほど来、六十日が今の平均で、罹災証明は一か月以内というのを目指してやっていきますという御答弁もございましたけれども、トータルの今後の支援金の支給までの期間を、今六十日を最終的にはどの辺まで短縮していこうという内閣府としての目標値があるのか。罹災証明が一か月以内であれば、それプラスアルファぐらいを目標にするのかなというふうに思っているんですけれども、現時点でどこまで短縮を図ろうという目標を持たれているのか、お伺いしたいと思います。

#115
○政府参考人(青柳一郎君) 現時点では数字としての短縮目標まではちょっと持ち合わせていないところではあるんですけれども、一つに、おおむね一か月めどと言っている罹災証明書の発行自体ももっと迅速化できないかということは考えていきたいということ。六十日はやはりある意味直感的に長過ぎるかなというところございますので、これをもうとにかくできるだけ早くということで。
 これ、どこをどうやったらどれだけ短縮できるのかというのをしっかりこれから詰めていかなければいけないと思いますけれども、単に一日、二日短くなったからそれでやったということにならないように、ある意味では高い目標をできるだけ掲げたいなとは思いますけど、今のところはまだ、いつまでというところまでは至っておりません。

#116
○委員長(新妻秀規君) 時間が来ております。

#117
○浜口誠君 はい。ありがとうございました。是非被災者の立場で迅速な支給に今後も取り組んでいただきたいと思います。
 ありがとうございます。終わります。

#118
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。よろしくお願いいたします。
 被災者生活再建支援法改正案について、早速質問させていただきたいと思います。
 現状は、支援金が全壊、大規模半壊には支給されるけれども、半壊以下の認定では支給されないという、こういう実態に対して、本法案は、中規模半壊、こういう新たな概念を設けまして、基礎支援金は支給されませんけれども、加算支援金を建設、購入の場合百万円、補修の場合に五十万円、賃借の場合には二十五万円支給するというものだというふうに思います。
 被災者の皆さん始め全国知事会も求めてきた内容であり、大変重要な意味のある法案だというふうに思っております。
 改めて確認しておきたいのは、改正案の第二条第二項の定義、居室の壁、床又は天井のいずれかの室内に面する部分の過半の補修を含む相当規模の補修を行わなければ当該住宅に居住することが困難と認められる世帯というふうに、改正案でこういうふうにされていることと、被害認定運用指針、ここでは半壊のうち損害割合が三〇%以上四〇%未満というふうに定義すると、こういうふうにされていることとの関係について確認をさせていただきたいというふうに思っております。
 今日の質疑でも、また衆議院の私ども日本共産党の田村貴昭衆議院議員の質問に対しても、損害割合三〇%台の中規模半壊世帯を支援対象として追加するためのものの規定なんだと、両者は同一のものであるという御答弁がありました。今後、被害認定調査における中規模半壊の認定方法については、自治体の負担も考慮しながら、有識者の御意見も伺いながら具体的な内容の検討を進めて、標準的な調査や判定方法を示す被害認定基準の運用指針に反映していくんだという御答弁がありました。
 そこで、確認をさせていただきたいと思うんですが、今後、その被害認定を行う現場では、被害認定基準の運用指針を基に損害割合三〇%台であるかどうかを見るのであって、その居室の過半の補修を必要とするかどうか、それを見るのではないということでよいでしょうか。

#119
○政府参考人(青柳一郎君) 御指摘のとおりというところでございます。
 三〇%台という、損害割合三〇%台という話と第二条第二号ホの規定というのは同一のものでございまして、これは、現行法の大規模半壊世帯というのも、実は「自然災害によりその居住する住宅が半壊し、基礎、基礎ぐい、壁、柱等であって構造耐力上主要な部分として政令で定めるものの補修を含む大規模な補修を行わなければ当該住宅に居住することが困難であると認められる世帯」と。これを基準では四〇%以上ということで措置をしているところでございますので、定性的な部分に至らない形で三〇%台が判定できるように運用指針は定めていきたいと考えております。

#120
○武田良介君 今後、更新された被害認定基準の運用指針、それを用いて損害割合三〇%台と判断されたんだけれども居室に関しては過半の補修を必要としなかったと、そういう事案が発生した場合というのは、これはどうなるんでしょうか。

#121
○政府参考人(青柳一郎君) 基本的には一致するはずではございます。
 過半の補修はある意味あるはずではあるんですけれども、「含む」は相当規模の補修でございますので、余りにもケース・バイ・ケースでという世界が出てきたときには、またちょっとこれまた有識者の御意見いただいて運用指針を若干手直しをという話はあろうかと思いますけど、基本的には三〇%台のものは中規模半壊世帯ということで、混乱生じないように対処をしていきたいと思います。

#122
○武田良介君 混乱生じないようにということで、私も同じ思いでありまして、もう現場が混乱しないこと、その被災者が泣かされるような事態が生まれないようにということで繰り返し聞かせていただきました。
 大臣について、先ほどもあったんですけれども、支援金の増額について聞かせていただきたいと思います。
 内閣府防災に直近の災害における住宅の応急修理の進捗状況というのを先日聞きましたら、台風十五号で被災した千葉県、ここは発災後約一年で千葉県全体で六三%だったんだそうです。その他、大阪北部地震で被災した大阪府、これは一年後の時点で七五%だったと。二〇一八年の七月豪雨で被災した岡山県の場合八八%、広島県で八九%、愛媛県が九五%。それから、北海道胆振東部で被災した北海道ですけれども、これは八五%だったと。平均すると、一年後で応急修理の進捗は大体九〇%というお話だったんですね。そうすると、千葉県は六三%ということでしたので、相対的に遅れている状況にあるという御説明をいただきました。
 そこで、鋸南町に私ちょっと聞いてみましたら、住宅修理支援、その対象になっている戸数が一千六百三十八戸あるうち、修理申請に至っていない戸数が大体六百戸まであるんだそうであります。その申請に至らない理由ということをお聞きしましたら、一つには、地元の業者に発注したいということで順番待ちをされているけれども、まだ進んでいないという問題。それから、もう一つに、手持ち資金の不足ということがあるんだということをお聞きをいたしました。
 こういうやっぱり手持ち資金の不足という問題が出てくる、お金がなくて修理ができないという実態がやっぱりあるからこそ、支給額を増額していく必要があるんじゃないだろうかというふうにも思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#123
○国務大臣(小此木八郎君) 支援金の支給額の引上げについても度々述べてまいりました。
 武田委員がやっぱり地元の現実、ことをこの前もちょっと議論いたしましたけれども、これは政治家にとって大変必要なことであろうと思います。
 相互扶助の観点から、それが基本にあることで、都道府県の意見等も踏まえる必要がありますけれども、全国知事会による平成三十年七月の被災者生活再建支援制度に関する検討結果の報告においても、現行の支給額は被災者が住宅再建を行うために必要な支給額であると考えられることから、支給限度額は現行どおりとすると、こういうふうになっております。
 さらに、国や都道府県の財政負担等の課題を勘案すると、支援金の支給額の引上げについては慎重に検討すべきものと考えておりますが、更にこれは研究等しっかりと受け止めてまいりたいと思います。

#124
○武田良介君 御答弁いただきましたけれども、共同通信が行った全国自治体アンケートというのを私も見ましたけれども、これ見ますと、市区町村の四四%が対象の拡大だとか支援金の増額を求めるという結果も出ているというのを私、見させていただきました。その拡充や見直しが必要な項目というところがありまして、半壊や一部損壊への拡大に次いで、支援金の増額というのも三九%になっている。私の地元、長野県でありますけれども、長野県の場合は五〇%というふうになっておりました。
 支援金だけでは何もできないという、そういう現状に正面から向き合っていく、あるいは、この被災者生活再建支援法の第一条の目的も、「生活の再建を支援し、もって住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資する」というふうになっておりますので、そういう抜本的な改正が求められているんだろうというふうに私認識をしております。
 前回、この二〇〇七年の改正の際には、参議院の災害対策特別委員会の附帯決議にこういうのがありました。一、支援金の支給限度額については、被災者の住宅再建に対する意欲に十分応え得るよう、今後、実績等を踏まえ、引き続き検討すること。二つに、本法施行後四年をめどとして、支援金の支給限度額、国の補助割合を含め、制度の見直しを行うなどの総合的な検討を加えることというふうにありました。
 今回の法改正後も、こういう附帯決議に示されているように、支援金の限度額について引き上げるですとか、制度の見直し、総合的な検討をする、これ引き続き取り組んでいくということで大臣のお言葉いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#125
○国務大臣(小此木八郎君) 平成十九年の十一月に参議院災害対策特別委員会において、今附帯決議読まれましたけれども、そのことにつきましては承知をしております。
 被災者生活再建支援制度の拡充については、かねてより各方面から御要望をいただいてきたところでありまして、これらの御要望も踏まえ、今般の改正に至りました。
 今回の改正法案の検討を行うために、全国知事会と内閣府が設置した実務者会議において、この拡充により、支援金と応急処理を合わせた支援の枠組みは、被害の程度に応じて調和の取れたものとなるとされております。
 この実務者会議の結論を踏まえると、当面、制度の見直しが必要となることは現在考えておりませんけれども、引き続き、委員のお話も、今日は皆さんのお考えもそれぞれお聞きしたと思います。御要望を伺って受け止めてまいりたいと思います。

#126
○武田良介君 引き続きお願いしたいというふうに思いますし、今、野党の方も被災者生活再建支援法の拡充を求める法案出しておりますけれども、被災者の生活を守り、早く復旧復興を進められるように積極的な議論を私たちもしていきたいというふうに思っております。
 時間の限り、別のテーマについても聞かせていただきたいと思っておりますが、避難所について聞かせていただきたいというふうに思っております。
 今後、地震や水害に対応した避難計画の作成がどんどん進められていこうかというふうに思いますが、先日、長野県の町村会から御要望をお聞きいたしまして、公共施設ではない場所を避難所に指定する際に、施設整備に対する支援がないんだというお話をお聞きをいたしました。
 今どうなっているのかと、その制度がどういう支援があるのかというのをまずお聞きしたいんですが、市町村が設置した公民館とは違って、地域のコミュニティーだとか、寄り合ってみんなでお金を出し合って造ったような研修センターですとかコミュニティーセンターというんでしょうか、呼び方いろいろだというふうに思いますけれども、そういうものがある。しかし、それは耐震不足という状況もかなりあるんだということでありました。だから耐震化が必要だ、あるいは発電機ですとかパーティションですとか簡易トイレですとか、いろいろ必要だと。
 備えておくものもあるんですが、まず、この公共施設ではないものを指定避難所として設備を整える場合、どういう支援があるのか、これについて伺いたいと思います。

#127
○政府参考人(青柳一郎君) 施設整備の関係で、公共施設でない民間施設の避難所に対する支援ということで、国土交通省さんの耐震強化の補助は、耐震性のない建築物について防災・安全交付金で耐震診断とか耐震改修が行われ、ただ、前提として、自治体が補助制度を持っているという前提ではございますけれども、対象としては、公共施設でない民間の避難所も対象になるというふうに認識をしております。
 また、施設整備の関連でいいますと、自家発電設備、非常用電源ですね、この関係についても、避難所を含めまして、この避難所は民間の避難所も含めて施設整備の支援はあるということでございますので。
 ただ、ケース・バイ・ケースと言うとあれですけれども、委員御指摘の避難所のそのパターンがいろいろ、何らかの位置付けも全くなくて、住民の方々が事実上避難しているというものですと補助対象から外れるとかなんとかというところがあるかもしれませんけれども、基本的に地域防災計画に定められている避難所であれば支援策はあるものと認識しております。

#128
○武田良介君 使えるものがあるということであれば、是非その町村会の方にも私も伝えていきたいというふうに思いますので、皆さんもアナウンスしていただき、私も更に勉強させていただいて、伝えていくようにしたいというふうに思います。
 先ほど、国交省の防安交付金の関係でもそうおっしゃっておりましたけれども、それぞれの自治体が取り組んだ場合に国の方が応援するという格好になっているということでありました。
 そういうことも含めてよく伝えていかなければならないというふうに思いますし、今コロナの問題もあって、指定避難所をどう確保していくのかと、これ切実な課題になっているというふうに思います。市町村がそういう公共施設ではない指定避難所の耐震化とかバリアフリー改修とか必要な備品をそろえていく、こういうことに対する補助をした場合、した場合、国が国庫補助をする。まだどういう由来の建物かということによってない場合があるかもしれないということでしたので、そこをしっかり詰めていただきたいというふうに思います。
 次に、自主防災組織についても質問させていただきたいというふうに思います。
 日本共産党の千葉県委員会の皆さんが、台風十五号の災害から一年を節目に被災の四市町を訪問されまして懇談した際に、自主防災組織に関する要望というのが出されました。
 積極的に活動する自主防災組織も千葉県にもあるということを伺っておるんですけれども、まず、その自主防災組織に対する国の支援策、どういったものがあるのか、御説明いただけますでしょうか。

#129
○政府参考人(荻澤滋君) お答えいたします。
 ただいま御紹介いただきましたとおり、災害頻発する中、その最小化に向けて、公助のみならず、自助、共助の取組必要でございますし、その中心となる自主防災組織の活動は重要であると認識しております。そういった点から、第一線の市町村におきましても、自主防災組織に対して活動支援、資機材の整備などを行っているというふうに認識しております。
 消防庁といたしましても、この自主防災組織、しっかり活発に活動していただくということが重要であろうというふうに考えておりまして、手引などにおいて活動事例でございますとか組織の運営のポイントなど、そういう情報提供を行うですとか、また、地域の多様な主体、消防団でございますとか学校、社会福祉協議会、そういうことによって活動の幅も広がるというようなメリットもございますので、そういう先進的な取組を委託調査事業として支援する、そういったことも行っているところでございます。

#130
○武田良介君 鴨川市ですとか南房総市で聞き取った内容ですと、炊き出しだとか発電機などの備品を用意する自主防災組織、そういったものに対して市の単独事業として二十万円助成していると、そういうこともあるんだということもお聞きをいたしました。
 こういうふうにその市町村が自主防災組織に対して行う支援策があった場合に、先ほどのような避難所のような話ですね、自治体がやっているものに対して国が後から応援する、補助金を出す、そういうこともやって自主防災組織の活動を支援していくことも必要ではないかなというふうに思っておりますが、この点、どうでしょうか。

#131
○政府参考人(荻澤滋君) 自主防災組織が整備する資機材整備等の支援、一義的には市町村が行っているところでございまして、これは地域の実情によってそろえるべき資機材等、また必要な支援等も異なりますので、現在では地方交付税で支援を行っているところでございます。
 それに加えまして、先ほど御紹介いたしましたとおり、先進的な取組については、財政支援そのものを目的としているわけではございませんけれども、モデル的に支援、委託調査という形で支援をしておりまして、その得られた成果については全国に情報提供してまいりたいというふうに考えております。

#132
○武田良介君 全国で大規模な災害がこれだけ繰り返し発災している中で、本当に自治体の皆さん、一生懸命取り組まれていると思うんです。先ほどの避難所の話も私、調査、調査というか聞き取りましたら、長野県の下諏訪町というところは、民間のそういう集会所みたいなところの耐震改修に要する経費に対して上限二百万円で支援するということをやっているということをお聞きをいたしましたし、それから筑北村というところもあるんですけれども、こちらも、改築それから耐震改修、これに対してのその要した経費の二分の一、上限二百五十万円ということですけれども、村でもこういう努力をやっているということも私もお聞きをいたしました。
 やっぱり、こういう災害が頻発する中で自治体も必死に取り組んでおりますので、こういった取組をしっかりと応援していく、そういうことも非常に重要だということを述べさせていただきまして、今日の質問を終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。

#133
○委員長(新妻秀規君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#134
○委員長(新妻秀規君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#135
○委員長(新妻秀規君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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