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2020/12/02 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第3号 令和2年12月2日
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2020/12/02 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第3号 令和2年12月2日

#1
令和二年十二月二日(水曜日)
   午前十時三十七分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月三十日
    辞任         補欠選任
     本田 顕子君     福岡 資麿君
 十二月二日
    辞任         補欠選任
     福岡 資麿君     自見はなこ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         杉尾 秀哉君
    理 事
                そのだ修光君
                羽生田 俊君
                森 まさこ君
                和田 政宗君
                田名部匡代君
                真山 勇一君
                若松 謙維君
                石井 苗子君
    委 員
                石田 昌宏君
                片山さつき君
                佐藤  啓君
                酒井 庸行君
                清水 真人君
                自見はなこ君
                進藤金日子君
                高階恵美子君
                滝波 宏文君
                堂故  茂君
                豊田 俊郎君
                福岡 資麿君
                増子 輝彦君
                宮島 喜文君
                宮本 周司君
                吉川ゆうみ君
                石垣のりこ君
                江崎  孝君
                小沢 雅仁君
                木戸口英司君
                横沢 高徳君
               佐々木さやか君
                下野 六太君
                三浦 信祐君
                横山 信一君
                梅村みずほ君
                榛葉賀津也君
                芳賀 道也君
                舟山 康江君
                岩渕  友君
                紙  智子君
                渡辺 喜美君
   国務大臣
       国務大臣
       (復興大臣)   平沢 勝栄君
   副大臣
       復興副大臣    亀岡 偉民君
       復興副大臣    横山 信一君
       農林水産副大臣  葉梨 康弘君
       経済産業副大臣  江島  潔君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        神谷  昇君
       法務大臣政務官  小野田紀美君
       文部科学大臣政
       務官       三谷 英弘君
       経済産業大臣政
       務官       佐藤  啓君
       環境大臣政務官  宮崎  勝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  浩之君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      内田 欽也君
       内閣府大臣官房
       審議官      佐藤  暁君
       復興庁統括官   開出 英之君
       復興庁統括官   石塚  孝君
       復興庁統括官   角野 然生君
       復興庁審議官   阿久澤 孝君
       総務省大臣官房
       審議官      馬場竹次郎君
       文部科学省大臣
       官房審議官    塩崎 正晴君
       文部科学省大臣
       官房審議官    堀内 義規君
       文部科学省総合
       教育政策局社会
       教育振興総括官  寺門 成真君
       厚生労働省大臣
       官房生活衛生・
       食品安全審議官  浅沼 一成君
       農林水産省大臣
       官房政策立案総
       括審議官     村井 正親君
       林野庁森林整備
       部長       小坂善太郎君
       経済産業省大臣
       官房福島復興推
       進グループ長   須藤  治君
       経済産業省大臣
       官房原子力事故
       災害対処審議官  新川 達也君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       茂木  正君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      松山 泰浩君
       国土交通省大臣
       官房技術審議官  東川 直正君
       観光庁観光地域
       振興部長     村田 茂樹君
       環境省大臣官房
       審議官      白石 隆夫君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  市村 知也君
   参考人
       日本銀行企画局
       長        清水 誠一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○東日本大震災復興の総合的対策に関する調査
 (東日本大震災復興の総合的対策に関する件)
    ─────────────

#2
○委員長(杉尾秀哉君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月三十日、本田顕子さんが委員を辞任され、その補欠として福岡資麿さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(杉尾秀哉君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 東日本大震災復興の総合的対策に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(杉尾秀哉君) 御異議ないと認め、さよう取り計らわさせていただきます。
    ─────────────

#5
○委員長(杉尾秀哉君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 東日本大震災復興の総合的対策に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行企画局長清水誠一さんを参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(杉尾秀哉君) 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(杉尾秀哉君) それでは、東日本大震災復興の総合的対策に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#8
○森まさこ君 自民党の森まさこです。
 震災十年目になります。本日、委員会を開会できましたのは、国会日数残り少ない中で、十年目に向けての大臣所信への質疑を何とか実現させたいとの思いを、杉尾委員長、田名部筆頭、理事の皆様、委員の皆様方を始め、御努力いただき、実現いたしました。感謝を申し上げます。
 改めて、東日本大震災により犠牲になられた皆様に御冥福をお祈りし、長い避難生活、風評被害等により被害を受けている皆様にお見舞いを申し上げ、その御労苦に思いをはせながら、質問に入りたいと思います。
 平沢大臣、復興大臣就任おめでとうございます。福島県出身の大臣に対して、この十年目の復興に期待が高まる中、大臣は九回もの被災地入りをもう果たされて、各自治体の首長様方を始め、多くの皆様の意見を聞いてこられました。
 まずは、復興大臣に就任しての思いと、被災地に行かれた感想をお聞きしたいと思います。

#9
○国務大臣(平沢勝栄君) ありがとうございます。
 九月十六日、私は復興大臣になりましたけど、今委員からお話がありましたように、来年三月であの被災、災害から十年になるわけでございまして、その節目の年に復興大臣を拝命しまして、その責任の重さに身が引き締まる思いでございます。私自身、福島の出身でもございます。福島を含めた東北地方の復興再生のため、全力を挙げて東北地方の皆さん、そして全国の皆さんの期待に応えたいということで考えております。
 私は、今お話ありましたように、就任以来、被災地には何度となく訪問させていただきまして、多くの方からいろいろお話を伺い、また、いろいろと復興の状況等を見させていただきました。その感想を言いますと、地域によってかなり違いがあるなという感じがしますけど、復興はまだまだ終わっていないと、まだまだこれからであると、課題が山積していると、こういったことを痛感しているところでございます。
 とりわけ、委員の御地元である福島県は九回にわたりまして訪問させていただき、十六市町村を訪れさせていただきました。とりわけ問題が残っているなという感じを受けまして、帰還環境の整備とかあるいは移住、定住の促進、あるいは風評の払拭といった課題が山積しているわけでございまして、こうした課題にしっかりと取り組んでいかなければいけないなということを感じたところでございます。
 いずれにしましても、今後、地域ごとの課題、それから要望等を丁寧に伺いながら、福島県、そして東北の方、全国の方の期待に応えられるようしっかり頑張りたいと思いますので、引き続きの御指導、御支援をよろしくお願い申し上げたいと思います。

#10
○森まさこ君 大臣、ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
 さて、本日は二点お伺いしたいと思っております。大きく分けて、一つ目が次の十年に向けて、そして二つ目が処理水についての質問でございます。
 まず、次の十年に向けてでございますが、まず復興庁に伺います。
 本年六月に復興庁設置法等の一部を改正する法律が成立し、復興庁の存続期間が十年延長いたしました。私自身、参議院選挙の公約に掲げておりましたので、復興庁そして復興大臣、次の十年と、公約が実現できてほっとしているところではございますが、復興事業の予算支援、税制等が存続しなければ、復興庁が存続しても中身が伴わない組織になってしまいます。必要な事業、税制はしっかりと存続させる必要があると考えておりますが、復興庁の見解をお聞かせください。

#11
○副大臣(亀岡偉民君) 森委員の質問にお答えさせていただきます。
 昨年末に閣議決定した復興・創生期間後の基本方針において、各地域の復興の進捗状況を踏まえ、補助金や税制等を含む復興施策の取組方針をお示ししたところであります。その上で、第二期復興・創生期間において必要な復興事業を実施するための財源を確保するため、本年七月に新たな復興財源フレームを決定したところであります。
 これらに基づき、令和三年度以降も地域の実情をお伺いしながら、必要な復興事業をしっかりと継続してまいりたいと思います。

#12
○森まさこ君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 その点について、個別に三点伺いたいと思います。建設業、林業、法務省関連について本日は御質問したいと思っております。
 まず、建設業についてでございますが、福島県を始めとした被災地は、実は令和元年台風の被害を受けております。東日本大震災、原発事故からの復興のただ中において令和元年台風の被害を被りました。福島県においては、決壊箇所は全国一に上る五十か所、そして土砂崩れや浸水などの被害による被災住宅の全壊、半壊、浸水は約二万一千八百棟、死亡、行方不明者も三十二名に上り、県内過去最大となる被害を再び被ったわけでございます。
 その台風被害に対して、地域の建設業の皆様が東日本大震災の復旧復興事業と並行しながら早期の台風被害の復旧工事に取り組みました。二次災害の緊急を要することから二十四時間体制での施工を実施し、短期間で応急復旧を完了するなど、大変無理をしながら地域の安全、安心の確保のために取り組んだわけでございまして、今もそれは続いております。
 このような事業の中でコロナ禍が訪れ、極端に効率が低下した中での施工を強いられている現状に対し、引き続き東日本大震災からの復旧復興事業を進めていくためには、円滑な施工確保に向けた復興係数、復興歩掛かり等の被災地特例の諸施策を令和三年度も継続していただく必要がございます。
 この点についての政府の見解をお聞かせください。

#13
○政府参考人(東川直正君) お答え申し上げます。
 国土交通省におきましては、公共工事の発注者の責務といたしまして、施工の実態などを的確に捉え、適正な予定価格の設定に努めておりまして、これは令和元年六月の改正品確法にも位置付けられているところでございます。
 国土交通省が実施する直轄工事におきまして調達環境が厳しい建設資材を使用する工種など、標準積算で想定する現場条件と実際の現場条件に乖離が生じる場合は、例えば積極的に見積りを活用いたしまして予定価格を設定してきているところでございます。
 こういった中、東日本大震災からの復旧復興事業が進められる被災地域におきましては、地域全体で非常に広範囲にわたって調達環境や施工環境が悪化していたことから、事業推進に当たって円滑な施工体制を確保する必要がございました。このため、平成二十五年度から、岩手、宮城、福島の三県で実施する工事につきましては、現場管理費などにおいて予定価格の補正を行う復興係数、復興歩掛かりを導入し、毎年の施工の実態などを踏まえながら措置を継続してまいりました。
 来年度の復興係数等の取扱いにつきましては、被災三県や関係団体からその継続の御要望をいただいているところでございますが、現在実施している被災三県における直轄事業の間接費に関する実態調査の結果や、委員御指摘の令和元年東日本台風による復旧状況を含む被災地域の現場状況などを踏まえまして、今後検討してまいりたいと考えております。

#14
○森まさこ君 しっかり現場を見て前に進めていただきたいと強く要望をしておきます。
 次に、福島県における森林と林業の再生について伺います。
 令和元年十二月二十日に閣議決定された復興・創生期間後における東日本大震災からの復興の基本方針において、放射性物質の影響を受けた森林・林業の再生に向けて放射性物質対策と一体となった森林整備を令和三年度以降も引き続き実施することが明記されました。このことは評価したいと思います。
 令和三年度の復興庁の概算要求を見ますと、森林整備事業として四十七億円が計上されております。福島県における森林整備事業の予算額としては前年度までと変わらない水準であるのかを確認したいと思います。さらに、森林整備事業を活用して福島県が実施しているふくしま森林再生事業による森林整備面積は五年間で約三倍となるなど着実に増加をしておりますが、福島県全体の森林整備面積の水準は平成二十九年度時点で震災前の半分以下にとどまっております。
 今後の福島県の森林と林業の再生に向けた決意を伺いたいと思います。

#15
○政府参考人(小坂善太郎君) お答え申し上げます。
 放射性物質の影響を受けた森林において、間伐等の森林整備とその実施に必要な放射性物質対策を行う福島県のふくしま森林再生事業、この事業につきましては、議員御指摘のとおり、森林整備事業を活用して進めているところでございます。このふくしま森林再生事業につきまして、福島県の森林・林業関係者の皆様方から、復興・創生期間後の継続について強い要望をいただいているところでございます。
 こうした中、これも議員御指摘のとおり、昨年十二月に閣議決定いたしました復興・創生期間後における東日本大震災からの復興の基本方針において、この事業について、復興・創生期間後、令和三年度以降にも継続することが明記されたところでございます。
 このことを受けまして、農林水産省としましては、令和三年度の予算の概算要求におきまして、福島県における要望を受け、所要の予算の要求をしております。森林整備事業につきましても、このふくしま森林再生事業につきましても、昨年と同水準の事業ができる要求をさせていただいているところでございます。
 引き続き、関係省庁と連携し、福島の森林・林業の再生に向けた取組、しっかりと進めてまいりたいというふうに考えております。

#16
○森まさこ君 水準が変わらないということを確認できましたので、是非、四十七億円の獲得、頑張っていただきますようにお願いをいたします。
 次に、法務省関連事業について御質問をいたします。
 法テラス、法律相談を受けることができる法テラスでございますけれども、こちらの諸条件について被災地優遇がこれまでなされておりました。様々なこういった優遇制度の存続について福島県弁護士会などから要望がございますが、実際今後どうなっていくのか、法務省の見解をお聞かせください。

#17
○大臣政務官(小野田紀美君) 現在、法テラスにおいては、いわゆる法テラス震災特例法に基づき、東日本大震災の被災者に対し、資力の有無にかかわらず、無料法律相談や弁護士費用の立替えなどの法的支援を実施しております。また、福島県、宮城県、岩手県に被災地出張所を開所し、被災地における法的支援の充実に努めているところでございます。
 今後も、原発事故等により深刻な被害を被った方々に必要に応じて適切な法的支援を行うことは重要と考えておりますので、福島県弁護士会などの被災地の弁護士会と連携して、被災地出張所の一部を存続させることも含め、法テラスによる法的支援の在り方を検討し、被災地の復興と被災者の生活再建に努めてまいりたいと思います。

#18
○森まさこ君 今、被災地出張所の一部を存続させると政務官がお答えになりましたが、先ほど大臣がお述べになったとおり、福島県浜通りの双葉郡が最も今課題が多く残っているわけでございます。そして、そこにこれから更に帰還を進めていく国の方針でもございます。是非その場所の相談所、出張所については存続をさせていただきますよう強く御要望をしておきます。
 それでは、次の質問に入らせていただきます。
 このように被災地は、震災、令和元年台風、コロナと大きな被害を連続して被っております。その中で、被災地の皆様が頑張って復興に向けて努力をなさっておられます。そういった中で、明るい話題としてはオリンピック・パラリンピックでございます。この明るい話題としての復興五輪を、今のコロナ禍を乗り越えてどのように盛り上げていくのか、復興庁の御見解をお示しください。

#19
○副大臣(亀岡偉民君) 東京大会については、復興五輪として、これまでの支援への感謝や復興しつつある被災地の姿を国内外に発信する絶好の機会と取り組んでおります。
 こうした復興五輪の機運醸成に向けて、例えば被災地の各三県において小学生を中心に対象として、ラグビーやサッカー、野球などといったスポーツ交流や復興学習、又は併せて風評被害払拭に関する被災地の食体験を内容とするイベント等を実施すべく、検討を今進めているところであります。
 また、復興五輪に関する情報を発信する復興五輪ポータルサイトを先日大幅にリニューアルして、復興五輪自体の紹介に加え、被災地の食材や観光地など幅広い情報を多くの方々に届けられるよう、今取り組んでいるところであります。
 これらを通じて、世界に復興しつつある被災地の姿を見ていただくとともに、被災地の方々を勇気付け、復興を後押しするものとなるよう、今後ともしっかりと尽力をしてまいりたいと思います。

#20
○森まさこ君 今、亀岡副大臣が復興の姿を世界に示す絶好の機会とおっしゃいました。また、コロナに闘って人類が打ちかったあかしともなると思います。是非、被災地の皆様、特に子供たちの心に明るい光をともすことができますように頑張っていただけますことをお願いいたします。
 次に、大きな質問の二つ目の処理水についての質問に入らせていただきたいと思います。
 処理水については各種の報道がございます。二〇二〇年二月、多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会は、ALPS処理水の海洋放出、水蒸気放出のいずれも放射線による影響は自然被曝と比較して十分に小さいとし、実績のある水蒸気放出及び海洋放出が現実的な選択肢であると報告をしています。しかし、その安全性については、被災地の皆様又は日本国民に対して十分な情報が行き渡っているとは言えない現状にあると思います。
 政府としては、これらの処分方法の安全性についてどのように認識されていくのか、またその安全性についてどのように国民に説明していくのか、お聞かせください。

#21
○副大臣(江島潔君) 御質問のALPS処理水の件でございます。
 この処理水の今後の処分の方法につきまして御懸念を持たれている方がいらっしゃるというのは、これはもう事実でございます。今年の四月から七月にかけまして、ALPS処理水の取扱いに係る意見の書面募集というのを行いました。その結果、やはり多くの意見の中に安全性に関する御懸念というのが示されていたということは、これはしっかりと重く受け止めなければいけないと思っています。
 しかしながら、今私どもが一番懸念事項としているのは、これはもうひとえに風評被害であります。言葉を換えますと、この安全性に関してはもう絶対に心配ないと断言できるぐらい今対応というのはしっかり取っているということであります。したがいまして、この検討をする、この処理水の検討に際しましては、このような御懸念をいかに科学的な根拠に基づいて分かりやすく説明をするかということが一番大事だというふうに思っています。
 一例を挙げますと、今、トリチウムというものがこの処理水の中に含まれているわけでありますけれども、今、十年間あそこでためているわけでありますけれども、これを仮に一年間で全部処分をしたとしても、その人体への影響というのは、自然界から受けている放射線の千分の一とか、それぐらいに微量であるということも、これも科学的見地から計算をされているところでございます。
 また、トリチウムというのは実際にこの規制基準を遵守した上で国内外の原子力施設から現実に今も放出をされているところでありますが、どこの地点におきましても、このトリチウムが原因とされる人体への共通の影響というのは見付かっていないというのが事実であり、こういうことをしっかりと引き続き周知をしていかなければいけないと思います。
 一方で、やはり多くの国民がそのトリチウムという言葉そのものもやはり聞いたことがないわけでありますので、初めて耳にするトリチウムで、その影響は強いか弱いかはともかくとして、何か放射性の物質であるということだけでやはりその風評被害というのは起きてしまうわけでありますので、この辺が今後の最大の課題でございます。
 また、まだその処分方法というのは決定していないわけでありますが、仮に処分、処理水を処分をするということが決まりました場合には、これは国際的に統一された考え方の下で策定をされている国内の基準をきっちりと厳格に守っていくということでございます。処理水を処分する実施主体はこれは東京電力になるわけでありますけれども、その放出の計画や設備等につきましても、これは全て原子力規制委員会によるこの安全性の審査を受けた上で許認可を得るという仕組みになっております。
 このような方法、手段を通じて、安全性に関しては確実に担保をしていくということを考えております。
 以上です。

#22
○森まさこ君 江島現地対策本部長が全面的に、この安全性に対する情報発信というものを全国に、そして世界に向けて発信をしていただくようにお願いを申し上げます。
 同じ質問を復興庁にも伺いたいんですけれども、処理水に関する風評被害の払拭について具体的にどのような方法をもって行われるのか、特にこれからを生きていく子供たちの教育分野でどのように風評を払拭していかれるのか、お聞かせください。

#23
○副大臣(亀岡偉民君) 風評の払拭に向けては、復興の現状や放射線に関する正しい知識について子供たちがしっかりと知ることが重要であると、私たちもしっかりと認識をしております。
 私も前任は文科副大臣でありました。あのときに森先生からも御指導いただきましたが、風評タスクフォースの下で放射線副読本の改訂及び学校配付など、文部科学省を中心に放射線に関する科学的な知識についての理解を促すためにしっかりと取組を推進してきたところであります。
 この処理水の科学的な知識についても子供たちの理解を深めることができるよう、この各学校に配付した副読本の中で新たに改訂をしっかり進めながら、文部科学省等の関係省庁と連携をして、子供たちにしっかりと理解していただけるよう取り組んでまいります。

#24
○森まさこ君 是非、教育分野をよろしくお願いしたいと思います。
 漁業団体も反対をしており、農業団体も大変不安に思っているこの処理水の問題でございますが、多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会による社会的影響についての検討によれば、海洋放出を行った場合の産業の影響としては、水産物への産品影響、海水浴客など観光産業への影響のほか、地元での食材摂取などへの懸念から県内への観光が忌避され、宿泊業や飲食業、公共交通機関などでの消費が落ち込む可能性もあるとされています。
 政府は、このような懸念に真摯に向き合い、処理方針を決定するに当たっては、事前に風評被害対策の具体的内容、また補償の在り方について国民に分かりやすく説明すべきと考えております。
 まず、農林水産業の風評対策についてお聞かせください。

#25
○副大臣(葉梨康弘君) お答えいたします。
 私も福島の隣県の茨城県の選出でございまして、福島県の農林水産業再生のためには、この原発事故、処理水を始めとした原発事故の風評被害の払拭、これは本当に喫緊の課題であるというふうに考えています。
 令和三年度の予算におきまして、福島県農林水産業再生総合事業、これを四十七億円予算要求しております。この中で、農林水産物の放射性物質検査の推進、あるいは第三者認証GAPや水産エコラベルの取得促進など、生産から流通、販売に至るまでの総合的な支援を行って風評被害の払拭に当たりたいというふうに思っております。
 また、流通事業者や消費者に対して、食品の安全性や魅力に関する情報を幅広く発信してまいりたいと考えています。
 いずれにせよ、今後とも、風評被害払拭に向けて、復興庁を始めとした関係省庁と連携をして全力で取り組んでまいります。

#26
○森まさこ君 次に、観光産業、宿泊業、公共交通機関などへの対策についてもお聞かせください。

#27
○政府参考人(村田茂樹君) お答え申し上げます。
 東北の観光復興でございますけれども、東北六県の外国人延べ宿泊者数を百五十万人泊とする政府目標につきましては、関係者の皆様の御尽力によりまして、昨年、上回ることができました。
 福島県につきましては、震災前と比べました外国人宿泊者数の伸び率は東北全体の水準にまだ達しておりません。来年度以降も引き続き、海外のメディアやインフルエンサーを招請した情報発信、また震災や原発事故の教訓を伝えるホープツーリズム、こういった風評被害の払拭に向けた福島県の取組を強力に支援してまいりたいと考えております。
 また、日本政府観光局を通じまして東北六県の魅力を効果的に発信するほか、東北六県とJRによりまして来年四月から九月にかけまして実施されますデスティネーションキャンペーンとも連携し、また復興五輪も活用しながら、福島県を含みます東北六県への誘客を図ってまいりたいと考えております。
 また、御指摘がございました処理水に関しましては、観光関係事業者からも御指摘のような風評被害を懸念する声をいただいておりますので、今後とも、風評が福島県の観光需要に及ぼす影響を注視しながら、福島県や関係省庁等の関係機関と連携協力しまして、安全性に関する正確な情報発信、あるいは福島県の観光資源の魅力のPR、こういったことに観光振興しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

#28
○森まさこ君 この観光業については、私、レクのときも申し上げたんですけれども、先ほどの農林水産省の方とやはりお答えが違うのではないかと思っています。予算の額も今までと変わらないんです。
 今日の質問は、特に福島県においては震災プラス原発事故がございまして観光業が大変落ち込んだということでございます。その後に台風、コロナとございまして、もう続けていけない方も多く出ております。そのような中で処理水の話が出てきております。この処理水に関する風評被害について質問しているんですが、処理水のことに関わらない今までと同じ予算額を付けて今までと余り変わらない答弁をいただいても、実際に観光業を守っていくことができるのかということについては、強い疑問、不安を感じざるを得ません。
 もう一度御答弁をいただきたいと思います。

#29
○政府参考人(村田茂樹君) お答え申し上げます。
 処理水に関しましては、先ほども御答弁いたしましたように、観光の関係の方々から非常に懸念する声いただいておりまして、私どもそれに対しましてはしっかりと対応しなければいけないというふうに認識しておりまして、これを具体的に来年度予算あるいはそれ以降につきまして、この対応といたしましては、予算額につきましては、令和三年度予算要求につきましては今年度と同額を要求させていただいておりますけれども、中身につきましてはしっかりと精査しながら、風評被害対策、こういったことに重点的に対応するように福島県とも連携する必要があるというふうに考えております。

#30
○森まさこ君 私はこれまでと同額では足りないと思っております。
 今の質疑をお聞きになって、復興大臣、また復興副大臣から、復興庁は司令塔でございますので、どうか国交省と連携して、更なる観光業を守る措置を講じていく御決意をお聞かせ願えませんでしょうか。

#31
○国務大臣(平沢勝栄君) 今委員お話しのとおりだろうと思います。
 この処理水の問題、これはもうもちろん政府の方でやると思いますけれども、この問題、風評被害が出るおそれはあるわけで、これはおそれが出たときのその被害というのは相当大きくなる可能性もあるわけですから、そういったことは絶対ないように、とりわけ風評被害対策にはしっかりと取り組んでいかなければならないわけで、今までどおりの風評対策では全く足らないというのは私も全く同感でございまして、しっかり取り組んでいきたいと思います。

#32
○森まさこ君 ありがとうございます。
 この委員会を通して大臣に聞いてもらったこと、大きな成果だと思います。
 インバウンドに頼ってきた観光産業でございます。今コロナで落ち込んでいるとはいえ、アフターコロナでほかの地域がインバウンドを取り戻す中で、処理水に関する被害、風評被害が世界から、世界の中で心配をされます。どうか復興大臣のリーダーシップを発揮していただくことをお願いしたいと思います。
 結びになりますが、十年目を迎え、復興庁が存続し、次の十年に向けての大臣の決意をお伺いしたいと思います。この度の大臣所信は、本当に長く多く書かれておりまして、大臣の並々ならぬ決意を感じたところでございます。今後の十年、どう復興を導いていくか、大切な時期だと思います。福島県出身の平沢復興大臣の御決意をお聞かせください。

#33
○国務大臣(平沢勝栄君) 冒頭申し上げましたように、被災地の問題は解決しているわけではなくて、まだまだ課題が山積しているわけでございます。もちろん、地震・津波被災地域においては、ハードはかなりでき上がっていますけれども、しかしまだ残されたものもありますし、とりわけ私が岩手、宮城、福島の知事さんと話ししたときに異口同音で言われていたのは、ともかく心のケアの問題がこれから大変に重要になっていくと、こういうことでございました。
 そういった取り残された問題も含めまして、こういった問題にしっかり取り組んでいかなきゃならないと思いますけれども、とりわけ原子力災害被災地域ではこれまたこれは大きな問題が残されているわけでございまして、先ほどから委員のお話を聞いていまして、やっぱりこれは私たち、もっともっとしっかり頑張らなきゃならないなということを痛感したところでございます。帰還環境の整備、風評の払拭、こういったことに取り組むとともに、移住の促進に向けた検討なども進めていきたいと思います。
 いずれにしましても、現場主義ということを言っていますけれども、私たち、ともかく現地に何度も足を運び、現地の方から直接話を伺い、そうした現地の声をしっかりとこれからの政策、取組に取り入れていきたいと、そして現地の皆さん方に本当によくやってくれたと感謝される、そういった取組をしていきたいと考えておりますので、引き続きの御支援、よろしくお願い申し上げます。

#34
○森まさこ君 大臣が今まで被災地に足しげく入っていただいて気が付かれたとおりでございまして、地域ごとの課題が異なっております。それが十年たって更に地域ごとに異なりを見せてきているわけでございます。そうしますと、それぞれの課題に向き合って具体的な方策をしていくのは難しい側面がございます。是非お心をお配りいただいて、地域ごとの課題を見詰めていただきたいと思います。
 また、心のケアについてもお話をいただいてありがとうございます。帰還に向けての整備も重要でございます。若い皆様がまだまだ帰還をしていない、高齢者が多い地域になりつつあります。そのような中で、医療整備の事柄、それから、少ない子供たちの教育環境の整備ということもしっかり支援をしていただきたいと思います。
 また、今日は質問をする時間ございませんでしたが、被災地においては女性が多く流出をしているという現状がございます。その中で、若い女性に向けての、また少子化対策なども、全国の課題を被災地は先行して受けている、そういう状況でございます。
 また、デジタル庁ができるという流れの中で、デジタル化に後れを取らないように、被災地こそ、弱者こそ、デジタルの恩恵を受けて、生活がより便利に豊かになるように、是非、復興庁からもデジタル庁のグランドデザインの中に被災地へ目を向けた施策が入るように声を上げていただきたいというふうに思います。
 いずれにせよ、十年の節目を迎えて、福島県民始め被災地の皆様は三月十一日を特別な気持ちで迎えます。その後の復興期間、未来に希望を持って全員が歩み出せるように、平沢復興大臣始め政府の皆様方の一層の頑張りを期待をいたしまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。

#35
○委員長(杉尾秀哉君) 以上をもって森まさこさんの質問は終わりました。

#36
○木戸口英司君 立憲民主・社民、木戸口英司です。
 早速質問に入ります。私からもALPS処理水についてお伺いをいたします。
 政府は、その処分方針について近々処理方法を決定しようとしているということが報道としてありました。ところが、今、森委員からも指摘があったとおり、新型コロナウイルス感染症による影響もあって、地元住民を中心とする関係者の方々への意見聴取も十分とは言えない状況、また、それによって、福島県の農業あるいは漁業関係団体を始め多くの市町村議会からも、処理方針の決定に反対する声が上がっているというのが現状であります。地元住民の方々の生活や国民の生活に大きく影響する問題であり、軽々な結論を出すことはこれ慎重にならなければいけないのは当然でありますし、関係者の方々の理解を得るという努力、もっともっとしていかなければいけないと思います。
 そこで、東京電力は、本年七月、放射性物質トリチウムを含む処理水のうち、トリチウム以外の放射性物質が高濃度で含まれる二千トンの処理水の再浄化試験を九月から行うことを発表しております。タンクの設備トラブルや吸着剤の交換頻度不足などにより、ヨウ素129などについても基準値を超えていたとしていますけれども、トリチウム以外の核種における再浄化の状況、終了期限についてお伺いをいたします。
 また、先ほどの話、答弁にもありましたけれども、人体への影響、やはり懸念がございます。除去が困難とされるトリチウムについて、更田原子力規制委員会委員長は、規制基準を満足することにより、他の原子力施設と同様に、科学的な観点から環境への影響は考えられない旨の説明を行っていると、先ほどの答弁でもありました。
 しかし、希釈をしてということであれば、そのトリチウム自体の人体への影響ということ、様々な団体からも懸念が言われております。やはりその辺りの科学的根拠に基づいた説明がしっかりとなされていないのではないかということ、大きく懸念を持っております。
 この人体及び生態系への影響についても、もう一度しっかりとした答弁、希釈をした場合は先ほど分かりましたけれども、トリチウム自体の、本当に人体への影響ないのか、その点についてもお伺いをしたいと思います。

#37
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。
 東京電力は、仮にALPS処理水を処分する場合には、トリチウム以外の核種の濃度が規制基準を下回ることを確認できたものについてのみ処分対象とし、さらに、百倍以上に大幅に希釈した上で処分を実施する方針を示していると承知をしております。
 こうした前提の下、東京電力では、本年九月から、タンクに保管する処理水のうち、トリチウム以外の核種が規制基準値を超えて存在しているものを対象に、それらをALPSで再浄化することでどれだけ濃度を低減できるかについての試験を実施しています。
 現在、試験の結果を詳細に分析中ではありますが、これまでのところ、セシウムやストロンチウムなど、主要な核種の濃度が大幅に低減され、対象とした処理水の濃度は規制基準値を下回ったことを確認しています。
 具体的に申し上げれば、これまでに分析が終了している核種について、再浄化前後での放射性物質の濃度は、あるタンク群で基準値の二千四百六倍から〇・三五倍、別のタンク群では三百八十七倍から〇・二二倍まで低減したと承知をしております。
 なお、性能確認試験の分析評価は一月下旬を目途に完了する予定と聞いております。
 また、安全性につきまして、仮にALPS処理水を処分を行う際には、まず、国際的に統一された考え方による放射性物質の被曝基準と整合的に制定されております国内の規制基準を厳格に遵守する必要があると考えております。加えて、処分に当たって、東京電力は、放出の計画や設備について原子力規制委員会の認可を得る必要がございます。こうした対応を取ることにより、従前と変わらず、人体や環境への安全が確保されることとなると考えております。

#38
○木戸口英司君 様々試験も行われているということですが、そういった試験の最中にこうした放出等の決定がなされるのではないかという報道があったこと、こういったことが更に不安を広げているということは間違いないと思います。
 先ほど風評被害対策の話もありましたけれども、このALPS処理水の海洋放出についてのこの風評被害対策でありますけれども、平沢大臣は先般、十月二十日の記者会見において、どのような状況を取っても風評被害は出ると述べておられます。また、十月二十三日、廃炉・汚染水対策チーム会合の第六回会合が官邸で行われておりますけれども、横山復興副大臣から、処理水の処分が復興に悪影響を及ぼすようなことがあってはならない旨の意見が述べられたと承知しております。これは当然であります。
 復興大臣が述べているとおり、風評被害が出ることが避けられない以上、処理水の処分によって復興に悪影響が及ぶことは必至ではないでしょうか。福島の状況や県民の懸念を踏まえれば、どのような形であれ、汚染水処理を容認する状況には今はないのではないでしょうか。
 政府は、風評対策に全力で取り組むとしながらも、この汚染水問題については何をどの程度取り組むのか明らかにしておりません。風評被害への懸念が払拭されたと国民が納得できる状況をつくることは困難ではないかと考えますけれども、大臣、政府の見解をお願いいたします。

#39
○国務大臣(平沢勝栄君) 私が言ったのは、その処理水の取扱いというのはいろんなやり方がありますけれども、風評被害というのは誤解されるということですから、誤解される、どのようなやり方を取ってもいろいろと誤解されるおそれはあるという意味でそういうふうに申し上げたわけでございまして、いずれにしましても、処理水の処分に当たっては、この間違った理解が広まりますと大きな風評被害が生じるおそれがあることは今委員が御指摘のとおりでございまして、ここはもうしっかり取り組んでいかなければいけないなと思います。
 有識者委員会の報告書においても、処理水を処分した場合、風評被害が生じ得ると、こういうふうにされておりまして、ですから、これ、私たちの課題は、風評被害が、間違った誤解が広がるということを、できる限りというより、まあ完全にゼロにはできないと思いますけど、ゼロに近く、そういった誤解を避けるように持っていくということが必要なんじゃないかなと、そういった処分方法あるいは必要となる対策を検討していく必要があるんじゃないかなと思います。
 これまでも風評払拭につきましては風評対策タスクフォースを通じて政府が一体となって取り組んできたところでございますけれども、これからもこの問題の重要性に鑑みましてしっかり取り組んでいかなきゃならないと思いますけど、とりわけ、今回まだ私自身もいつこういった処分方法が決定されるかというのは存じ上げませんけれども、これが決定したとしても実際に行われるまでには二年間くらいの時間があるはずでございますから、その時間を通じて、もし決まった場合にですよ、に、その二年間の時間を通じて徹底してそういった風評被害を払拭する、誤解を解く努力をしていく必要があるんじゃないかなと。
 いずれにしましても、私たちとしては風評被害は起こさせない、生じさせないという強い決意を持ってしっかりと取り組んでいくことが必要ではないかなと思っております。

#40
○木戸口英司君 誤解、間違った理解というお話がありました。それは、どういう結果が生まれてくるか分からないから、その説明がしっかりされていないからでありまして、誤解する方の側の責任ではないと思います。
 この風評被害必ず出るという話は、今説明されたとおりに私も理解しております、大臣のおっしゃっていることはですね。これに対して、急いでいいのかということであります。
 その上で、ALPS処理水に係るIAEAのフォローアップレビュー、これは四月二日に出ておりますけれども、特定の助言事項として、燃料デブリを冷却するために注入されている水について、ある時点で注入水による冷却を終了するか、又は閉じた冷却ループを確立することを推奨するとしています。
 雨水対策の徹底に加え、IAEAが推奨する閉じた冷却ループ、これはまあ技術的に困難なのかもしれませんけれども、これが確立されていけば新たな汚染水の発生を大幅に抑制できるんではないでしょうか。この技術の確立に全力を挙げるべきではないかと考えますが、政府の見解あるいは現状についてお伺いいたします。
 汚染水がもし抑えられるのであれば、ALPS処理水をためるため今以上にタンクを増設するということも少なく抑えられると、あるいは必要もなくなるかもしれません。トリチウムの半減期、これはほかの核種に比べれば短いわけでありますので、に即した対応も視野に入るのではないか。すなわち、汚染水の発生をなくすことを前提にすれば、保管を継続してトリチウムの減衰を待つのも一つの選択となるのではないでしょうか。このことに関して、政府の見解をお伺いいたします。

#41
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。
 汚染水対策は中長期ロードマップに基づき取組を進めてきており、着実に効果が出ていると認識をしております。
 具体的には、凍土壁の凍結、サブドレーンによる地下水のくみ上げ、雨水浸透防止のための敷地舗装などの対策により、汚染水発生量は対策前の平成二十六年五月の一日当たり約五百四十立米から本年一月から十月までの平均約百四十立米まで減少しております。
 一連の汚染水対策については、IAEAからは、汚染水の発生量の削減に貢献したと評価をいただいております。また、IAEAからは、将来に向けた更なる対策の候補として、御指摘のデブリの継続的な冷却の必要性を分析した上で、その結果に応じ、注水の削減や将来の注水による冷却の終了、御指摘の閉じた冷却ループの確立等の抜本的な対策を推奨する旨の助言もいただいております。
 IAEAからの推奨も踏まえ、東京電力においては、燃料デブリの冷却水を一時的に停止し、その影響を評価する取組を行ってきております。注水停止期間を徐々に長期化させるなど、今後の廃炉に必要なデータの蓄積を着実に進めているところであり、引き続き、閉じた冷却ループも含め、最も効果的な対策を検討していきたいと考えております。
 なお、こうした将来に向けての汚染水の発生を減らす対策は重要なものであるものの、現在検討段階であり、実現までには時間を要するものと考えております。敷地の逼迫状況を勘案すれば、現下の課題の解決に向けて現実的な選択肢になるとは考えておりません。
 現在、これまでにいただいた様々な御意見を踏まえ、ALPS処理水の取扱いに関する政府方針を検討しているところでございます。敷地が逼迫する中、いつまでも方針を決めずに先送りできない課題であると認識をしております。丁寧な議論とのバランスを取りつつ、適切なタイミングで政府として責任を持って結論を出していきたいと考えております。

#42
○木戸口英司君 いずれにしろ、今、政治と科学、また日本政府と科学の関係が非常に悪化しております。その問題にも関わる問題、あとは政府の説明責任の問題にも関わる問題であります。しっかりと政府全体でこのことを考えていただきたいと思います。
 それでは、日本海溝・千島海溝巨大地震の津波想定についてお伺いいたします。
 内閣府は、日本海溝、千島海溝沿いで過去最大級の地震が発生した場合の最大津波高の推計結果を発表しております。資料一を御覧ください。北海道、そして東北と、特に岩手沿岸北部においては東日本大震災津波以上の津波高になるという推計がされております。
 国が東日本大震災から九年余の年月と膨大な費用を掛けて建設してきたのは、数十年から百数十年に一度のL1津波に対応する防潮堤であり、千年に一度のL2津波の周期は実は三百年から四百年で、その襲来が近づいているんではないか、切迫しているんではないかという状況で、防潮堤が全て破壊されるとする試算。これでは復興政策、復興事業と整合性が取れず、地域の困惑は大きいと言えます。住民の混乱を避けるため、岩手県沿岸三市長が一時、浸水域想定の非公表を求めたことは当然と言え、それを受け、内閣府は、防潮堤が壊れる最悪の前提に加え、壊れない場合の想定も示すこととなりました。各市町村で住民への説明会等が進められておりますが、対応に苦慮しているのが現状です。
 資料の二を御覧ください。これ、代表して釜石市の図を上と下に分けております。上の方は防潮堤が壊れる場合。東日本大震災津波では、釜石駅の近辺まで津波が来たところでありますが、それを大幅に越えて津波が押し寄せるということがこの赤い色で塗られております。そして、下の方は壊れない場合と。これだけの違いがあることを二つ並べて住民にどのように説明するかと、今本当に悩んでおります。
 そこで、内閣府にお伺いいたしますけれども、地方自治体による住民説明、新たな避難計画や防災対策の策定等、そこには当然財政措置が伴うわけですけれども、国において地方自治体と連携し早急な取組が必要だが、この所見をお伺いいたします。

#43
○政府参考人(内田欽也君) お答えいたします。
 日本海溝、千島海溝沿いで想定される最大クラスの地震による津波高や浸水範囲などの検討結果につきましては本年公表いたしまして、あわせて、中央防災会議の下にワーキンググループを設置いたしました。現在、このワーキンググループにおきまして、積雪に伴い通常よりも避難時間が多く掛かるなど、積雪寒冷地特有の課題を踏まえた被害想定手法について検討しているところでございます。引き続き、人的、物的、経済的被害の想定や、被害を軽減するための防災対策の検討を進めていく予定でおります。
 今後、ワーキンググループでの検討結果を踏まえて、地方自治体におきましても関係する計画の変更や住民説明などが必要になると思いますが、必要な財政支援の方策について、関係省庁などとも連携して研究してまいりたいと考えております。

#44
○木戸口英司君 まさに、縦割りを排すという今の菅政権の方向とも大きく外れている進め方だったと思います。国交省は聞いていない、あるいは復興庁もこのことを聞いていたのかどうか。
 復興大臣、地元では復興事業に大きな影響が出始めております。いろんな見直しが図られている事業も出てきております。復興庁は、今回の津波想定が復興事業に与える影響をどのように捉えていますでしょうか。また、浸水想定を基に各省庁と連携し、具体的な復興事業の見直しも含め対策に当たるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

#45
○国務大臣(平沢勝栄君) 今委員御指摘の最大クラスの津波ですね、これL2津波ですけれども、これに対しては住民避難を柱とした総合的な防災対策を構築すると、これを基本としてやってきているところでございます。
 内閣府より示された最大クラスの津波想定等も踏まえまして、地元の自治体においても、警戒避難体制の確認のほか、避難路の整備など、必要な津波避難対策を柱に検討が進められるものと承知しております。復興事業で整備されている防潮堤等の計画に影響するものではないということで考えております。

#46
○木戸口英司君 影響しているんです。ですから、細かくやっぱり聞き取りをしていただいて、どのように対応するか。やっぱり逃げるのは当然です。元々、L1でもL2でも逃げるということをもう被災地では徹底していますけれども、それにしても大きなこれだけの津波対策が必要でありますので、そのことは大臣に強くお願いをしておきます。
 それで、ちょっと時間になりましたが、最後に一問だけ、これ内閣府に聞きます。
 災害対策基本法第八十六条の八、広域一時滞在、この規定でありますけれども、リアス式の地形の中でこの避難所の設定、非常に困難な地域もございます。これは、災害が発生後協議ができると、広域一時滞在ですね、とされている規定でありますけれども、災害発生前から適用できるよう改正が必要と考えますけれども、対応を伺います。

#47
○委員長(杉尾秀哉君) 簡潔に御答弁願います。

#48
○政府参考人(内田欽也君) 御指摘の広域一時滞在については、東日本大震災において、ほかの市町村における避難、被災住民の一時的な滞在がなされたことを踏まえて、市町村間の協議の手続について規定を設けたものでございます。
 大規模な水害が発生するおそれがある段階におきましても同様に、市町村内では避難場所の確保が困難な場合には事前にほかの市町村への広域避難が必要になることが考えられます。
 現在、内閣府に設置した有識者会議におきまして、災害発生前から市町村間による居住者などの受入れの協議ができる新たな仕組みについて制度的な検討を進めているところでございます。今後、有識者会議の検討結果を踏まえ、令和三年出水期からの運用開始を目指して必要な準備を進めてまいります。

#49
○木戸口英司君 終わります。

#50
○委員長(杉尾秀哉君) 以上をもって木戸口英司さんの質問は終了とさせていただきます。
 続いて、横沢高徳さん。

#51
○横沢高徳君 立憲民主・社民の横沢高徳です。どうぞよろしくお願いいたします。
 私の地元岩手県内では、来年二月、最終の災害公営住宅の完成式が行われます。東日本大震災でお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、東日本大震災から十年、これまで復興に取り組んでいただいている全ての方々に感謝を申し上げたいと思います。
 質問に入る前に、平沢大臣に、被災地を視察され、感想をお伺いしようと思ったんですが、先ほど森委員からの質問にもありましたので、早速質問に入りたいと思います。
 まず、復興事業全体としての検証の必要性についてお伺いいたします。
 様々な事業を取り入れて復興に取り組んでいる自治体からは、いざ事業を行おうとすると要件が合わずできないとか、あとは、制度のはざまでいろいろ難しいところが復興、これまでの十年の中であったと。事業ごとに検証はされていると思いますが、今後の国づくりに対して、東日本大震災の経験に基づき、いま一度復興事業、そして被災地全体の検証が必要と考えますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

#52
○国務大臣(平沢勝栄君) 復興・創生期間の最終年度に向けて、昨年の十月、復興推進委員会の下に有識者のワーキンググループ、これを設けまして、これまでにいろいろ実施した復興施策の総括を行ったところでございます。この総括では、施策の進捗状況や成果を検証し、今後の課題や対応が必要な点を明らかにしたところでございます。これを踏まえまして、昨年末には、復興・創生期間後における復興の基本方針、これを閣議決定したところでございます。
 今後も、基本方針に基づきまして、被災地に寄り添いながら、引き続き復興を全力で進めていきたいと考えております。

#53
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 ワーキンググループやられているということですが、現場主義ということを平沢大臣もおっしゃられていて、震災を経験した市町村の担当者の方々がやっぱり一番、今回の震災を通して復興へ向かう中で、制度の矛盾点等を把握していると思うんです。是非、その矛盾点等を、声を拾い上げて今後の国づくりに生かしていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

#54
○国務大臣(平沢勝栄君) 今の横沢委員の御指摘、そのとおりだと思いますので、しっかり現場の皆さん方のお声を聞いて、それを私たちの取組に反映させていきたいと考えております。

#55
○横沢高徳君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 それでは次に、復興支援員制度についてお伺いいたします。
 来年度から第二期復興・創生期間においても、被災者の心のケアやコミュニティー形成支援のため、被災者の見守りケアや集落での地域おこし活動に従事する復興支援員の果たす役割は大きいと考えております。復興支援員制度についても被災地から継続の要望が寄せられていることを踏まえ、令和三年度以降も継続していただきたいと思いますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

#56
○国務大臣(平沢勝栄君) 復興支援員制度については、来年度以降も総務省において震災復興特別交付税による支援を継続することとしております。

#57
○横沢高徳君 ありがとうございます。継続ということで御答弁いただきました。
 また次に、税の減免を行った県また市町村に対する減収補填の措置についてお伺いをいたします。
 国税、地方税共に関係各省から令和三年度以降も延長の税制改正要望がなされていると伺っておりますが、具体的な内容をお伺いするとともに、コロナ禍の中、被災地の実情を踏まえた上で、減収補填措置を含め是非とも前向きな対応をお願いしたいと思いますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

#58
○国務大臣(平沢勝栄君) 令和三年度以降の復興特区法に基づく地方税の減収補填措置につきましては、昨年の十二月二十日に閣議決定された復興・創生期間後の基本方針におきまして、地方税法や東日本大震災復興特別区域法等の法律に基づき生じる地方税の減収額に対し補填措置を講じると明記されているところでございます。
 現在、この基本方針を踏まえまして、減収補填措置を所管する総務省と調整を行っているところでございまして、引き続き所要の措置が適切に講じられるようしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

#59
○横沢高徳君 よろしくお願いいたします。
 次に、被災地におけるNPO活動についてお伺いをいたします。
 元々NPO法は、阪神・淡路大震災後、ボランティア活動を支援するという新たな制度として制定をされました。復興においても、多くのNPO団体がいまだ大きな役割を果たしております。しかし、現場の課題も多くあるのが実情でございます。NPO団体からは、国からの補助事業には人件費が付かないものも多かったり、非常に細かいチェックが入り事務作業が膨大になり、現場は大変だという声も上がっているのが実情でございます。
 次の十年に向けて、NPOの持つ力を、そして地元の力を十分に生かしていくためには、こうした補助金の使い勝手を改善していくことが不可欠ではないでしょうか。復興に関連するNPOへの補助事業の現状認識と補助金の使い勝手の改善に向けた今後の取組方針を復興大臣にお伺いいたします。

#60
○国務大臣(平沢勝栄君) NPOの皆さんが、被災者の方の支援、避難民の方の支援、避難された方の支援に非常に一生懸命頑張っておられることは、先日、オンラインで、私もいろいろと話を、代表の方と話をして痛感したところでございます。
 復興庁は、NPO等の活動をより高め、復興をより進展させるために補助を行っておりまして、採択NPO等は適切に人件費を計上していると聞いております。
 その一方、復興を更に進めていかなきゃならないわけでございまして、NPOの皆さん方には今後とも重要な役割を是非お願いしたいと思います。そのため、NPOの皆さんがより成果を上げられるよう、地方自治体、企業等、多様な主体との連携を進めていきたいということで検討しているところでございます。

#61
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 NPO法人は元々ボランティア団体の延長という位置付けもありまして、なかなか事業継続が難しいというところもあります。
 例えば、中小・小規模企業の支援に商工会議所のような組織があるように、個々のNPOの活動を支援する中間支援組織の役割が被災地においてはますます重要になってくると思われますが、政府としてはどのように取り組まれていく方針か、お聞かせ願います。

#62
○政府参考人(開出英之君) 御指摘ございますように、被災地におきましては、個々のNPOとそれの中間支援団体、この役割が非常に重要だということでございますので、それぞれの役割に応じました支援が適切にできるよう、引き続き講じてまいりたいと考えております。

#63
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 被災地では、当時小中学生だった子供たちが今は社会人となり、地域に残り、自分たちの町づくりに情熱を持って取り組んでおります。是非、この情熱のある若者たちが地元に根付き、復興に向けて更に活躍できるような取組を政府としても前へ進めていただきたいと思いますが、平沢大臣、いかがでしょうか。

#64
○国務大臣(平沢勝栄君) 今、横沢委員からの御指摘をしっかり受け止めて取り組んでいきたいと思います。

#65
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 ちょっと前後しますが、防災教育についてお伺いいたします。
 先ほど木戸口議員からも千島海溝・日本海溝巨大地震の話が出ましたが、近年、豪雨災害そして台風災害、直下型地震、南海トラフ地震、千島海溝・日本海溝巨大地震を始め、今後もまたいつどこで東日本大震災のような大規模災害に見舞われるか分かりません。
 そこで、東日本大震災の経験、教訓を生かすことが大変重要であると考えます。まず、こうした防災教育の全国的な展開に関する御見解を、大臣、お伺いいたします。

#66
○国務大臣(平沢勝栄君) 東日本大震災の教訓を踏まえた防災教育の充実は極めて重要であると考えておりまして、復興・創生期間後における東日本大震災からの復興の基本方針、この中においても、全国各地で災害が頻発する中、東日本大震災の貴重な教訓あるいはノウハウ、こういったものを全国の防災力向上につなげるために防災教育の充実等の取組が必要であるとされたところでございます。
 防災教育は、様々な分野にまたがる極めて重要な課題でございます。そこで、復興庁としても、あらゆる機会に充実した防災教育が行われるよう、文部科学省を始め各関係省庁と連携してしっかりと取り組んでいきたいと思います。

#67
○横沢高徳君 そこでです。ちょうど今年、震災から十年の節目を迎えます。地元の若者たち、当時小学生だった、そして中学生だった方たちにお話を伺いました。震災のときは、全国、そして世界中から手を差し伸べていただき、ここまで復興してきた、何とか私たちが皆さんからいただいたその思いに対する感謝を伝えたいんだという声が地元の若者たちから非常に多く沸き上がっております。
 大臣も所信で、復興五輪ということで、世界中から寄せられた支援への感謝と、被災地の復興しつつある姿を、魅力を国内外に積極的に発信するということを述べられておりますが、是非、被災地の、当時子供たちだった、そういう被災した経験だったり彼らの感謝の気持ちを国内、国外に発信する機会を大臣がリーダーシップを取ってつくっていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#68
○国務大臣(平沢勝栄君) 今委員御指摘の、被災地の復興がここまで進んだと、その間にいろいろ全世界からいろんな支援をいただいたわけで、そういった支援に心から感謝するといった、感謝を述べるということは極めて大事なことでございまして、もちろん今回の復興五輪はその中の一つとして考えていまして、復興五輪を通じて世界の方々に、長い、この災害が起こってから十年間、本当にお世話になりましたと、今被災地はここまで成長しましたと、ですから、できれば是非被災地においでくださいと、それで直接被災地を見てください、そして被災地の食事を楽しんでくださいといったようなメッセージを送っていく必要があるかなと思いますけれども、それは復興五輪に限らず、あらゆる機会を捉えて、今委員が御指摘のそういった感謝の気持ち等が全世界に伝わるような機会を捉えていきたいということで考えております。

#69
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 被災地に来ていただくのも結構ですが、私たちが出向いてその感謝とそして防災に対する意識の大切さも伝えたいという若者たちが多分被災地には数多くいらっしゃると思うので、彼らの思いも是非酌んで取組に生かしていただきたいと思います。
 次に、災害時における要避難者の避難計画の進捗状況についてお伺いをいたします。
 東日本大震災では、犠牲になられた方々の六割が高齢者でございます。身体に何らかの障害をお持ちの方の死亡率は約二倍。昨年の台風十九号では、犠牲になられた方の約七割が高齢の方でございます。災害弱者と呼ばれる方たちの犠牲をなくすためには、スピード感を持って取り組まなければいけない課題でございます。
 令和六年時点で、要支援者名簿について、九八・七%の自治体で作成済みとなっているところ、全員分の個別避難計画を策定している市町村の割合は一二・一%と、策定が進んでいないのが現状でございます。昨年十一月の本委員会で当時の田中復興大臣にも質疑させていただきましたが、その後の政府の取組はどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

#70
○国務大臣(平沢勝栄君) 東日本大震災の経験を踏まえまして、平成二十五年六月の災害対策基本法の改正によりまして、市町村長に対しまして避難行動要支援者名簿の作成を義務付けるとともに、要支援者の避難計画の策定を促すということになったわけでございます。
 御指摘の要支援者の個別の避難計画の進捗状況につきましては、今委員御指摘のとおり、策定済みの市町村では一二%、一部策定済みは五〇%となっているということで承知しております。
 また、現在、内閣府において、令和元年台風第十九号等を踏まえた高齢者等の避難に関するサブワーキンググループ、これを開催しておりますけれども、ここでは高齢者や障害者などの災害時の避難の実効性を高めるための御議論をいただいているものと承知しております。このような議論は地域の防災力の向上に資するものと認識しておりまして、復興庁としてもその議論の推移を注意深く見守っていきたいということで考えております。

#71
○横沢高徳君 なかなか、避難名簿まではできているんですが、どうやって避難するのが大変な方を避難させるのかという、その計画作りがなかなか進んでいないのが現状で、課題であります。
 各市町村に丸投げするのではなくて、これは是非国がリーダーシップを取って、人的部分もあります、財政的な部分もしっかりと支援して、積極的に早急に災害に対しては進めるべきだと考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。

#72
○国務大臣(平沢勝栄君) 今委員御指摘の点をしっかりと踏まえまして検討させていただきたいと思います。

#73
○横沢高徳君 これ、相次ぐ災害も毎年起こっておりますので、是非、平沢復興大臣からも積極的に進めていただきたいと思います。
 それでは最後の質問、次に、国際リニアコライダーについてお伺いいたします。
 国際リニアコライダー計画は東北が世界的候補地になっており、福島イノベーション・コースト構想と並んで新しい東北に資するものであるため、力強く推進していくべきと考えております。
 今年の通常国会で審議が行われた復興庁設置法等改正案に対する本委員会の附帯決議においては、国際リニアコライダー計画について、国内誘致に向け関係機関と検討を進めることと盛り込まれておりますが、その後の進捗状況についてお伺いをいたします。

#74
○国務大臣(平沢勝栄君) 科学技術イノベーションの推進は、東北のみならず、我が国の将来にわたる成長と繁栄のために極めて重要と考えております。
 今委員御指摘の国際リニアコライダー、まあILCと言っていますけれども、この計画につきましては、文部科学省が、国内外の研究者コミュニティーによる議論も注視しつつ欧米の政府機関との意見交換を実施するなど、引き続き、同省において昨年三月に示した国際リニアコライダー計画に関する見解に沿って対応されているものと承知しております。
 復興庁としても、その動向を見守り、しっかり取り組んでいきたいと考えております。

#75
○横沢高徳君 この点について、文科省、何かありますでしょうか。

#76
○大臣政務官(三谷英弘君) お答えいたします。
 ILC計画、これは全長数十キロメートルの直線状の加速器を造り、宇宙創成の謎の解明を目指す壮大なプロジェクトでありますけれども、これは巨額な経費を要する国際プロジェクトでございます。技術的成立性や国際的な分担を含め、様々な課題が解決されるとともに、国内外の幅広い協力が得られることが必要であると認識しております。
 また同時に、現在、国際研究者コミュニティーにおきまして、ILCに関する国際協力体制を含めた検討が行われていると承知しております。そのため、現時点におきましては日本誘致の表明には至っておりませんけれども、文部科学省といたしましては、引き続き、国内外の研究者コミュニティーによる議論も注視しつつ、またアメリカ、ヨーロッパの政府機関との意見交換、これを行わせていただくなど、昨年三月に示しましたILC計画に関する見解に沿って対応してまいりたいと考えております。

#77
○横沢高徳君 以上で終わります。ありがとうございました。

#78
○委員長(杉尾秀哉君) 以上をもって午前中の質疑は終了いたしました。
 午後は一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#79
○委員長(杉尾秀哉君) それでは、ただいまから東日本大震災復興特別委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、福岡資麿さんが委員を辞任され、その補欠として自見はなこさんが選任されました。
    ─────────────

#80
○委員長(杉尾秀哉君) 休憩前に引き続き、東日本大震災復興の総合的対策に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#81
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 まず、平沢大臣、御就任おめでとうございます。同じ福島県人として一緒に復興のために頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 あわせまして、あの大震災発災から九年九か月がたちました。改めて、お亡くなりの方々に哀悼の意を表しますとともに、現在でも避難されている方々、大勢の方々にお見舞いを申し上げる次第でございます。
 先ほど森先生が汚染水等の質問もされました。私は別の観点から質問させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず、国際教育研究拠点についてお尋ねをいたします。
 ちょうど九月九日に与党第九次提言が出まして、その最も重要な政策課題として提言されたのがこの国際教育研究拠点であります。これは、既存の関連施設の研究活動などに横串を刺す調整機能を持った司令塔となるものであります。そして、福島浜通り地域の持続的な復興創生の実現に向けて中心的な役割を果たすべき研究開発と人材育成の機能を持った拠点となることが期待されております。
 一方、浜通り地域の産業再生の柱であります福島イノベーション・コースト構想、これは、これまでに、まずエネルギー関連では郡山市に福島再生可能エネルギー研究所、そして浪江町には福島水素エネルギー研究フィールド、そして南相馬市にはロボットやドローンの企業集積が進みつつある福島ロボットテストフィールド。そして、福島第一原発廃炉につきましては、いわゆるオンサイトの関係ではJAEAの楢葉遠隔技術開発センター、いわゆるモックアップ施設ですね、それと富岡町の廃炉環境国際共同研究センター及び大熊分析・研究センター。さらには、オフサイトの放射線の環境回復研究等につきましては、これは三春町と南相馬市でありますがJAEA廃炉環境国際共同研究センター、そして三春町には国立環境研究所福島支部と、多くの拠点整備が進んでいるところであります。
 そして、これから新たな国際教育研究拠点が始まるわけでありますけれども、これらの様々な施設、拠点の司令塔的な役割を果たすためには、今福島県内に分散しております先ほど申し上げました研究施設との十分な連携、役割の整理を行って、その上で、効果的、効率的な研究開発の体制を構築することが望ましいと考えますけど、復興庁の考えをお尋ねします。また、それぞれの拠点を所管している経済産業省、文部科学省、環境省の現時点の考え方もお尋ねいたします。

#82
○副大臣(横山信一君) 国際教育研究拠点が司令塔の役割を担い、福島県内の拠点が一体的に研究開発を行う体制を構築することは重要だと考えております。
 現在、関係省庁とも連携し検討を進めているところであります。年内に取りまとめる政府成案におきまして、検討の方向性をお示ししたいと考えております。
 国際教育研究拠点が福島の復興創生に貢献するものとなるよう、しっかりと調整を図ってまいります。

#83
○大臣政務官(佐藤啓君) お答えいたします。
 国際教育研究拠点構想は、経済産業省といたしましても、第二期復興・創生期間の最重要施策の一つと認識をしております。
 本構想の具体化に向けて、現在、本年九月の与党提言を踏まえて、復興庁主導の下、政府成案を得る調整を進めております。
 本拠点が福島浜通りの課題解決に資することはもとより、国際的にも魅力のある、意義のあるものとなるためには、何よりもまず、拠点が取り組む研究開発テーマを明確にするとともに、これらを実行するために必要な人材育成機能や研究開発環境の整備の在り方を検討することが重要であります。
 経済産業省としましても、所管の既存研究施設や産業界がどのように連携、協力できるのかを検討を深めるなど、本構想の具体化に向けた調整に積極的に参加をし、より有意義なものとなるようしっかりと貢献してまいります。

#84
○大臣政務官(三谷英弘君) お答えいたします。
 国際教育研究拠点につきましては、与党東日本大震災復興加速化のための第九次提言におきまして、福島イノベーション・コースト構想の具現化を図っていくために、既存の関連施設、大学等とも連携を取り、横串の入った形で調整機能と司令塔機能を持つものとして、最も重要な政策課題とされていると認識しております。
 その認識の下で、文部科学省といたしましては、福島の復興創生に貢献していけるよう、国際教育研究拠点の実現に向けまして、復興庁としっかりと連携してまいります。

#85
○大臣政務官(宮崎勝君) お答えいたします。
 御指摘いただきました環境省が所管する国立研究開発法人国立環境研究所、国環研の福島支部は、県の招致によりまして、平成二十八年四月より三春町の福島県環境創造センターの研究棟内に入居し、環境回復研究、環境創生研究、災害環境マネジメント研究等を行っております。
 これまで、例えば特定廃棄物の埋立処分場の安全確保や放射性物質を含む廃棄物の焼却処理などについて、環境省と国環研の福島支部は、つくば市にございます国環研本部とも一体不可分となって対応し、成果を上げてきたところでございます。
 震災からの復興のため、環境省といたしましては、国環研の研究をよりどころとして、今後とも一体的に対応する必要があると考えておりますが、先生の御指摘を踏まえまして、どのような協力が可能かを関係省庁と慎重に調整してまいりたいと考えております。

#86
○若松謙維君 今、復興庁、さらには三省庁お話しされましたが、是非、これ縦割りを排除して、横串でしっかりと議論してもらいたい。そのために、復興庁、司令塔として頑張っていただき、また、一月にも通常国会の最初の質問の機会がありますので、しっかりその進行状況をこの場でチェックさせていただきますので、心して進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、この資料の一を見てください。これが有識者、先ほどの国際教育研究拠点の先行事例となり得る機関として、短期間で非常に優れた成果を上げている沖縄科学技術大学院大学、OISTですね、これを今年の十一月二日、私も視察をさせていただきました。
 ちょうど亜熱帯樹林の上に校舎が浮いているような感じで、この通路に行きますと下が樹木でありますので、映画「アバター」を連想いたしました。
 亜熱帯樹木の上に校舎が、ちょっと画像ぼけておりますけど、さらに、茶色のれんが屋根の宿泊施設、これもすばらしくて、もう今からでもこの場で働きたいなともう誘惑に駆られたいぐらいの場所でありました。
 そして、この資料二は、OIST設立時から関わっていらっしゃる銅谷先生という神経の専門家の方ですが、このOISTの成功のポイント又は経験を踏まえて、国際教育研究拠点の構想において重要な点について御説明をいただきました。
 銅谷先生からは、OISTのような魅力的な研究環境や研究者にとって住みよい環境を整えることが研究者を集めるには重要であるということ、さらには、福島において福島の自然環境を生かしつつ、放射線による環境汚染からの回復、地球温暖への挑戦などの全人類的課題への対応を理念として掲げ、ロボティクスやIoT、バイオ等の研究を通じ取り組むことが重要ではないかというお考えを指摘していただきました。
 また、世界的に著名な外国人理事長によるガバナンス、又は学部間の、学部がないんです、学部の間の縦割りのない学際的な環境づくりもOISTの成功要因と伺っております。
 私といたしましても、この銅谷先生から伺ったこれらの点は、国際教育研究拠点を成功に導き、世界に誇る研究拠点とするためには欠かせない点ではないかと思っており、国際教育研究拠点の制度設計もこれらに倣ったものとすべきと考えますが、横山副大臣のお考えはいかがでしょうか。

#87
○副大臣(横山信一君) 私も、本年九月にOISTに行ってまいりました。研究レベルが非常に高いというのは以前から聞いておりましたけれども、今はスピンオフから生じるベンチャー、そのインキュベーションにも積極的に取り組んでいるということも伺いまして、大変に興味深く視察をさせていただいたところであります。また、委員御指摘のように、研究者に魅力的な環境、また学部のない、学部の壁のない組織と、そうしたところから、学際的な研究環境の整備の重要性を伺ってきたところであります。
 国際教育研究拠点は、福島の創造的復興に不可欠な研究を行い、その経験、成果等を世界に発信、共有するとともに、イノベーションの創出を通じて日本や世界の課題解決に貢献する、世界に誇れる拠点としたいというふうに考えております。そのためには、御指摘のような魅力的な研究環境や縦割りのない組織を構築することは重要というふうに考えております。御紹介いただきましたようなOISTの取組も参考としながら、国際教育研究拠点の構築に向けて引き続き検討を進めてまいります。

#88
○若松謙維君 よろしくお願いいたします。
 この福島の復興創生の推進には、地元住民の関与が欠かせません。国際教育研究拠点は米国のワシントン州ハンフォード地域における成功取組、いわゆるPNNLという研究所がありますけど、これを参考にしております。そこではトライデックという地元住民から成る組織が地元意見を集約、発信機能を有して、ハンフォードの成功を支えております。
 私は、このトライデック機能は国際教育研究拠点を成功に導くためにも重要と考えておりますが、現在、浜通りでも福島浜通り版トライデックの構想が進められておりまして、来年二月にも設立予定とされているところであります。この地元の声を反映した国際教育研究拠点を構築するに当たり、こうした草の根の取組を国としても支援していくべきと思いますが、いかがでしょうか。
 また、十五市町村の若手経営者約三百者から成るHAMADOORI13という地域連携団体も設置されておりまして、失礼しました、十三市町村でした、浜通り版のトライデックの中心的な役割を果たすことが期待されております。
 こうした地元の動きも踏まえて、第一原発の廃炉作業、帰還困難区域の除染作業等、地域から具体的な提案、要望があった場合には、政府としてもしっかりその要望を受け止めるような関係を構築すべきと思いますが、横山副大臣、いかがでしょうか。

#89
○副大臣(横山信一君) 米国のハンフォード地域における民間組織トライデックは、地域の方向性を議論し、合意形成を図り、企業誘致や産業振興を進める役割を果たしており、有識者会議の最終取りまとめにおきましても、このような組織や枠組みを本拠点に合わせて検討することが重要であるという旨の指摘がされているところでございます。このような観点から、御指摘の福島浜通り版トライデック、このような動きがあることは望ましいというふうに考えております。こうした動きが地域において幅広く認識されるよう、可能な限り協力をしてまいりたいと考えております。
 また、HAMADOORI13ですか、地元の方々によるこのような活動に基づき具体的な提案、要望があった場合には、復興庁として真摯に受け止め、対応を図ってまいります。

#90
○若松謙維君 例えば、国内唯一の風力発電のポールメーカーですね、これ日本で一社しかありません。いわきにありますけど。実はそこに、これから起きるであろう三メガ以上の風力のポールは来ません。なぜかというと、国内の風力発電の事業者が撤退をしまして、そうすると下請に出す、いわゆる認証制度が、お互いに持たなければいけない。しかし、残念ながら、GEとかドイツの会社等がそういう認証基準持っていますので、全部海外で造って、それを日本に納めると、こういうような事態が起きております。
 是非政府としても、そういった取組をされ、認証制度も含めてですね、後押しをお願いしたい、要望をしていきたいと思います。
 次に、移住、定住促進でありますけれども、これも第九次提言の重要項目の一つでありまして、特に原子力事故災害被災地域への移住、定住の促進でありますけど、これを強力に推進するために国、自治体が一丸となって取り組む連携体制づくりをすべきと考えますけど、いかがでしょうか。

#91
○国務大臣(平沢勝栄君) 先般、福島特措法を改正し、交付金の対象として、住民の帰還に加え、新たな住民の移住、定住の促進等に資する施策を追加したところでございます。
 現在、移住、定住の促進等に向けた予算を要求しているところでありますけれども、こうした施策の実効性を高めるためには国、県、市町村間の連携が必要でございます。具体的には、国、県、市町村の意識の共有、全国の移住希望者に焦点を当てた情報発信や広報戦略など広域で行うことがより効果的、効率的な事業の実施、市町村間のノウハウの集約、蓄積、共有等の促進が重要となります。このため、移住、定住の促進等を確実に進めるための国、福島県、各市町村の連携体制の在り方について、福島県及び市町村の要望を踏まえながら今後しっかりと対応していきたいと考えております。

#92
○若松謙維君 資料三を見ていただきたいんですが、これは北海道帯広市の北に位置します人口五千人の上士幌町でありまして、実はふるさと納税者、八万人おります。そういった方々を毎年、移住、定住体験で二百組招待をして、子育て世帯がどんどんどんどん今、上士幌町に住んでおりまして、人口増であります。
 こういう体験からも含めまして、私はこういうような、浜通りにもこの移住推進の一環としてこのような体験、移住、居住体験、これを是非設置すべきではないかと考えております。やはり移住する場合、定住をする場合には、その場でそういう事務的なところをやっぱり置かなければいけないと思っておりますし、私自身も反省しておりますが、例えば福島イノベ機構とか官民合同チームとか、かなりの部分が、もちろん現場にも、浜通り、人来ていますが、福島市でやっているんですよ。そういった、本当に企画とか部門以外はやっぱり浜通りで仕事を働くべきじゃないでしょうか。
 そういった観点も含めまして、是非こういった推進を、定住、移住を進める、さらにそれを、その受皿、体験づくりを浜通りにつくっていただきたい。いかがでしょうか。

#93
○国務大臣(平沢勝栄君) 今委員御指摘のとおり、移住、定住の促進に当たっては地域の魅力や創意工夫を最大限に引き出すことが大事ですけれども、そのためには新たな活力を呼び込めるよう積極的な施策を講じていくことが必要となるわけでございます。
 先ほど答弁させていただきましたように、現在、移住、定住の促進等に向けた予算を要求しているところでございますけれども、委員が今御指摘のお試し移住体験ができる取組も対象にしてほしいという地元の声も把握しておりまして、福島県及び市町村と連携しつつ、できるだけ柔軟な制度となるようしっかりと対応していきたいと考えております。

#94
○若松謙維君 是非よろしくお願いいたします。
 それでは、ちょっと質問を変えまして、資料四の福島新エネ社会構想について移りたいんですが、ちょっと時間の関係上、一つ目の質問は私が答えさせていただきますが、まず、第一フェーズといたしまして、これは二〇一五年、私が安倍総理に当時提案をして、そして二〇一六年九月にこの福島新エネ社会構想ができました。そして、再生可能エネルギー、いろいろあるんですけど、例えばいわき市の洋上風力、これが実験がもう行われましたし、水素に関しては浪江の水素製造拠点もございます。
 こういったところが進めておりますが、私の質問は、これから第二フェーズになりまして、一方、福島は二〇四〇年までに元々県内エネルギー需要の一〇〇%相当を再エネから提供すると、こういう事実と併せまして、今回、菅総理の誕生によりまして二〇五〇年カーボンニュートラルという新たな流れもありますので、今後この第二フェーズを迎えるに当たってどのように構想を改定してどのように取り組むか、簡潔にお願いします。

#95
○政府参考人(茂木正君) お答えいたします。
 福島新エネ社会構想でございますが、今委員御指摘のとおり、これ、再生可能エネルギーの導入拡大、それから水素社会実現に向けたモデル構築、それからスマートコミュニティーの構築の三つの柱で、総理の指示の下に、委員の御支援もいただきまして、二〇一六年の九月に策定したものであります。御指摘のとおり、今、第一フェーズが終わる段階に近づいております。これは、二〇二〇年、二〇三〇年、二〇四〇年のそれぞれ十年ごとにフェーズを切って進んでいくというふうに我々考えておりまして、今、まさに二〇三〇年に向けた構想の第二フェーズを迎えるというところでございます。
 第二フェーズでございますが、先ほど申し上げた三つの柱を二つに集約をしていこうと考えています。一つは再生可能エネルギーでございまして、もう一つが水素でございます。
 まず、再生可能エネルギーの方でございますが、これ、既に第一フェーズの中で、福島県内の再エネのポテンシャルを最大限生かしていこうということで、送電線の整備をかなり進めてまいりました。これ、当初の予定では八十キロの共用送電線を引くというところが五十三キロまで、約七割引いてきたわけですけれども、引き続きこの共用送電線の整備を進めまして、さらに、発電設備の導入の支援も継続していきたいと考えています。
 それからもう一つは、風力発電の産業拠点をつくっていこうということでございまして、こうした取組も進めてまいります。
 それから、分散エネルギーシステムの構築ですとかイノベーション拠点としての、先ほどからも御指摘がありました産総研の再生可能エネルギー研究所、FREA、この機能を最大限生かしていくべく計画を策定していくことにしております。
 また、水素についてですが、浪江町に今年の三月に開所をして稼働し始めております福島水素エネルギー研究フィールドがございます。ここで更に水素の製造コストを一段と下げていくということ、それから、変動する電力需給に対応しても効率よく水素が作れるような技術をしっかりここで作っていきたいというふうに考えています。この実証をしっかり進めていくということであります。
 それからもう一つは、ここで作られた水素を福島県下で活用していただくべく、これは、モビリティーだけではなくて、公共施設ですとか駅ですとか、それから産業の利用、こういったものも含めて県内で広く御利用いただくべく、これは様々な働きかけを進めていきたいと考えております。これによって水素社会の先駆けとなるモデルを福島県から発していきたいというふうに考えています。
 こうした構想の改定に向けては、今後、県の関係者の皆様の御意見もよく伺いながら議論を進めて、構想の実現に引き続き取り組んでまいりたいと考えています。

#96
○若松謙維君 是非、御努力は評価いたします、引き続きよろしくお願いいたします。
 それでは、資料五を御覧ください。ちょうど十月十九日、私が党の、公明党、社会形成推進小委員会、この委員長を務めておりまして、川崎重工業神戸工場を視察して、ちょうど新造された八千トンの水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」を視察いたしました。いよいよ来年初めから、世界初となります液化水素の海上輸送を日本とオーストラリアの間で行い、二〇三一年までには十六万立方メートルの水素を一度に大量輸送する船の商用化も目指していると伺っておりますが、先ほど申し上げましたように、二〇五〇年カーボンニュートラルの動きも加速する中で商用化を前倒しして実施できるよう、国も特に研究開発等も含めて支援すべきと考えますが、政府の見解を伺います。

#97
○政府参考人(茂木正君) ただいま御紹介いただきました「すいそ ふろんてぃあ号」と申します、この配付資料に示されている船でございますが、全長百十六メートルございまして、ここに液化した水素をためて運ぶ船でございます。昨年の十二月に進水をいたしました。
 これ、二〇一五年から、オーストラリアの褐炭から水素を製造しまして、これを液化して日本まで海上輸送する国際水素サプライチェーンの構築事業の一環として製造された船でございます。これは世界初の水素運搬船、液化水素の運搬船ということでありまして、今後、日豪間の液化水素の海上輸送を行う予定にしております。このプロジェクトは、二〇三〇年頃の商用化というのを目指しております。
 今後、商用化していくに当たりまして大きな課題は、今、商用化スケールの規模になりますと、現状のパイロットスケールの、今の船の約三十倍ほどの大きさの液化水素のタンクを造らなきゃいけないということでありまして、この大型化、それから大変低温でございます、マイナス二百六十三度という低温でございますので、こうした断熱性能のある大型の液化水素貯蔵タンクの開発が必要ということになります。こうした技術開発をしっかり進めていくべく、昨年度からこうした大型化の技術開発にも着手したところであります。
 今委員から御指摘いただいたとおり、引き続き国としても商用化の早期の実現に向けて全力を尽くしたいと考えていますし、事業者とも連携して最大限支援は行ってまいりたいというふうに考えています。

#98
○若松謙維君 是非、前倒しを期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
 ちょっと時間が一分残っておりますので、先ほど質問しました、特に国際教育研究拠点の中でエネルギー関連、先ほどの、郡山市にFREAと言われている福島再生可能エネルギー研究所、日本の再エネ技術かなり詰まっております。
 あわせまして、先ほどの国際研究拠点、是非、復興省とこれ縦割りではなくて、お互いにある意味でデーターベースを共有するぐらいの本当に密接した関係を築いて、それで、この国際教育研究拠点をまさしく世界に冠たる知の財産として仕上げていただきたい、それを強く要望して、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#99
○委員長(杉尾秀哉君) 以上で若松謙維さんの質疑は終了いたしました。

#100
○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほでございます。
 平沢大臣、御就任、誠におめでとうございます。
 私からも、本日はALPS処理水について質問させていただきたく存じます。
 平沢大臣は、一昨日の所信表明におきまして、適切なタイミングで政府として責任を持って結論を出すとおっしゃっています。適切なタイミングとは一体いつのことなのか、お伺いいたします。

#101
○国務大臣(平沢勝栄君) 処理水の取扱いの方針につきましては、関係者からの御意見を踏まえ、今後、適切なタイミングで政府として責任を持って結論を出すということにしております。
 先日開催された廃炉・汚染水対策チーム会合での経済産業大臣からの指示を受けて、風評対策や情報発信等について、関係省庁において更に検討を深めているところと承知しております。
 その検討状況等を踏まえ、経済産業省が方針決定のタイミングを適切に判断されるものと認識しております。

#102
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 私は、検討はもう既に深まっているというふうに思っておりますし、適切なタイミングはとっくに過ぎているというふうに考えております。
 配付資料の一枚目になります。ここ一か月半以内の処理水をめぐる主な動きでございます。政府は、十月に月内にも方針を決定をするというふうにおっしゃっておりまして、二十三日には海洋放出の月内決定を断念しておりますが、その間に全漁連の反対があり、そしてその間も菅総理大臣は先送りできないとおっしゃりながら、やはりちょっと難しいということで見送られたという経緯があるんですね。
 現在、福島第一原発の敷地内には千五十二基のタンクがございます。昨日、ポータルサイトを確認したところ、現在、貯水量は百二十四万立米、そして九月に東電が微修正を出しましたけれども、これまで二〇二二年の夏までタンクはもつと言っていたところを九月までもつだろうというふうに微修正しております。
 そして、政府そして国側は、二〇二二年の夏、まあ秋にはタンクがいっぱいになるだろうと言っていましたけれども、また処理水の最終処分に要する準備期間は二年ほどあるということも、こちらも随分と前から知られておりました。
 いずれにしても、逆算すれば、今年の九月までに決断をしなければタンクは足りなくなる、そういうことだったというふうに認識をしております。だからリミットが今年の九月であったのであって、適切なタイミングはそれ以前に過ぎていたのではないかというふうに考えております。
 こちらの配付資料一枚目の表の最後の項目になります。梶山経産大臣は五日前、記者の質問に答える形で、今後処理水を貯蔵するためのタンクの増設の要否、必要か否かについて検討するとおっしゃいました。どのような背景からそのような御発言になったのか、続いて、経産副大臣にお伺いいたします。

#103
○副大臣(江島潔君) お答え申し上げます。
 まず、是非先生に御理解いただきたいのは、まだ政府として処理を、放出を決定したとか断念したということはございません。まだ決定はしていないというのが政府見解でございます。
 また、先般、梶山大臣が、このタンク増設の要否も検討するという発言がありましたが、これはどういう御発言されたかというと、敷地が逼迫する状況の中でALPS処理水が日々増加しているということを踏まえて、このタンク建設の要否についてはALPS処理水の取扱いと併せて検討する必要があるという発言をしたわけでありまして、決して建設、増設を前提で話しているのではないということであります。
 また、御心配のこのタンクが満水となる時期であります。これは、汚染水の発生状況が必ずしも予測したどおりにはなりません。ある程度の、今までの延長上で計算というのを、まあ例えば今年の九月までと決められるんですけれども、これは、例えばそのときの降水量とか、そういうものによっても大きく変わってきます。この秋は非常に奇跡的に台風が全く日本に来なかったということで、当初の予想よりも随分結果として汚染水の量は少なくなってきておりまして、今後また大雨が降るという可能性ももちろんあるわけですけれども、この降水の状況、それから、ほかにも地下水から発生する汚染水もあるんですけれども、このような、あと抑制対策というのもしております。こういうもののその効果を検証しながら、今、東京電力とともに、継続的にこの残り、残されたタンク容量というものを精査をしているところであります。
 ただ、言えることは、これは決してゼロにはなりませんし、間違いなく、日々、時間がたつとともにタンク容量の余裕がなくなってきているというのは、これはもう実際問題であります。したがいまして、いつまでも方針を決めずにこの状態を進めるということは、これは決してあってはならないと思います。ただ、前々からいろいろお話がありましたように、丁寧な議論というのが非常に必要でありますので、この丁寧な議論というものとバランスを取りながら、政府としては、適切なタイミングをもって責任を持った結論を出していきたいと思います。

#104
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 丁寧な議論、そして慎重な議論、地元の御意見、責任を持って決断、これらの言葉というのは、これまでに経産委員会や決算、予算委員会、そして本委員会でも度重なって聞いてきた言葉ではあるんですね。台風が少なかったから降雨量も少なくてちょっと長くなったんだと、たまるまで長くなったんだというような御答弁もありましたけれども、やはり物理的に日々タンクは埋まっていくんですね。そして、やはり半年前に決定していたらタンクの増設の要否を検討するまでもなかったのではないか、そのように私は思っているわけなんです。タンクの増設も管理も処分も、税金が掛かるものなんですね。
 また、先ほど降雨量という話もありましたけれども、震災はどうでしょうか。
 資料の二枚目になります。気象庁の資料では、二〇一八年しか最新のものございませんでしたが、二〇一八年に福島では震度四の地震が七回起こっています。昨年は震度五弱も起こっているんですね。先ほど木戸口委員からもありましたように、L2津波であるとか最大クラスの地震というのがまた東北で起こらないとも限らない。そのときにタンクは無事に守れるのか。それ、なかなか保証しづらいところがあるのではないかなというふうに思っております。
 そして、慎重な議論というお話、先ほどから、大臣からも、そして皆様からお伺いしておりますけれども、これまでにトリチウム水のタスクフォースですとかALPS小委員会、東電とともに行っていらっしゃいます汚染水処理の対策委員会、先々月にも開かれた廃炉・汚染水対策チーム会合、被災地からの御意見も七度にわたって吸い上げていらっしゃいますし、関係者との意見交換会は数百回に上っているというふうに私も認識をしております。それでも地元の皆さんは認められないとおっしゃる。今後、一年、二年御説明して、意見交換をして、納得していただけるんでしょうか。私はそのようには思っておりません。頭で分かっていても心で受け入れられない、そういった現状があると思います。
 この難題を解決していくためには、経産大臣のみならず、縦割りを打破して、積極的にこの国のトップたちが顔を合わせて、膝を突き合わせて判断をしていかなければならないというふうに思います。
 菅総理大臣は、縦割り行政の打破をうたっていらっしゃいます。復興大臣と経産大臣の間で、処理水についてはどのような話合いがなされているのでしょうか。大臣にお伺いいたします。

#105
○国務大臣(平沢勝栄君) 繰り返しになりますけれども、処理水の取扱い方針につきましては、関係者からの御意見を踏まえ、今後、適切なタイミングで政府として責任を持って結論を出すと、こういうことにしているところでございます。
 御指摘の処理水の処分につきましては、廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議、この枠組みの下で廃炉・汚染水対策チーム会合が開かれておりまして、風評対策それから情報発信等について、経済産業省、復興庁を始め関係省庁が連携して検討を進めているところでございます。
 処理水の処分に際しましては、風評被害が生じ得るものと考えられることから、できる限り風評被害を生じさせないような処分方法や必要な対策を検討すべきと認識しているところでございます。
 いずれにしましても、復興庁としましては、経済産業省を始め関係省庁と連携して、風評被害を絶対に生じさせないという強い覚悟を持って対策に全力を尽くしていきたいと考えております。

#106
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 そうなんです、風評なんです。この一点だと私は思っております。
 科学と感情というのは全く別のものなんですよね。震災によって家族を失った方、震災から十年たっても心の傷はまだ癒えないと思います。津波に漁船を流されてしまった漁師さんたちは、新しい借金をして船を購入されたと思いますし、漁業を諦めたという方もいらっしゃるでしょう。そして、今はコロナによって追い打ちが掛かっています。
 そんな中で、ある新聞で漁師さんがおっしゃっていました。十年、我慢して、我慢してきた、今トリチウム流したら魚を食べなくなると思うよ、福島の漁業はやる人いなくなっと、自殺者出るよと。東北の方々は我慢強いというふうに私も聞いたことがあるんですけれども、こればかりは譲れない、我慢できない、必死の思いで抵抗している、その気持ちが分かるからこそ、政府の皆さんも決断できずにいるというふうに私は思っております。
 処理水の道筋も示せず、沿岸部、漁業関係者の皆様の不安を引きずったままで、来年は復興五輪が行われることになっています。このままで復興五輪とうたうことはできるでしょうか。大臣にお伺いいたします。

#107
○国務大臣(平沢勝栄君) 来年夏に行われる東京大会、これは復興五輪として被災地の方々を勇気付け、そして復興を後押しするものとなることになっています。しっかりそういう方向になるように努力していきたいと考えております。
 先ほど申し上げましたとおり、処理水の処分方針については、適切な風評被害対策の徹底も含めて、今後、政府として責任を持って結論を出していきたいということで考えております。
 いずれにしましても、処理水の処理、それから復興五輪、どちらも大事なことでございまして、いずれにしましても、両方とも解決できるよう、それできちんと行われるよう、政府一丸となって取り組んでいきたいと考えております。

#108
○梅村みずほ君 御答弁ありがとうございます。
 大臣からは、風評を絶対に発生させないんだと、風評被害を発生させないんだという強い意思も受け取ることはできるんです。けれども、大臣が就任なさる前に、私、今年の通常国会、六月三日にお伝えしたのは、松井一郎大阪市長が大阪湾に処理水を流すことも検討すると発言されていたんですね、昨年。その発言もあって、今年の通常国会で私は、海のない県を除く三十九都道府県に協力を仰いではどうかと、そのようにも申し上げたんですね。私どもは、科学が風評に負けることがあってはいけないというふうに思っております。ですから、海洋放出には賛成なんです。けれども、風評を心配している皆さんの気持ちを思えば、福島ありきは余りに余りだ、そのように考えているわけなんです。
 そして、先月の予算委員会では、我が党の松沢成文議員が、全国にお願いするよりも、コストが抑えられる南鳥島周辺への海洋放出を御提案申し上げております。私どもは対案を出すというのが党是でございますので、風評被害に遭わないためにこれはどうですか、あれはどうですかというふうに御提案申し上げております。けれども、全く取り合っていただいたことってないんですね。やはり国はどこまでも福島ありきで進んでいるように思えるんです。
 福島の方にお話を伺うと、我慢強いことと、もう一つ福島の魅力をお伝えくださいます。それは人があったかいこととおっしゃいます。政府は懇切丁寧に説明をしていらっしゃると思うんですけれども、その説明の全てが福島ありきであることに温かさあるいは思いやりを見出せずに、寄り添うという言葉だけが上滑りしているのではないかというふうに私の目には映るわけなんです。
 ですので、配付資料の三枚目になります。大阪府の吉村洋文知事は、十月十六日、処理水に関しまして、国からの要請があれば協力すべきだと思うと述べ、大阪湾での放出に理解を示しています。
 大臣、孔子の論語を私、大好きなんですけれども、その中に「巧言令色鮮し仁」という言葉があります。総理や経産大臣、復興大臣や環境大臣がこれまで再三口になさっていた福島に寄り添うというお言葉、それが本当に誠意や温かさ、思いやりを伴うものであれば、そして、風評を何としてでも発生させないんだという強い思いがあるのであれば、私はこの吉村知事の発言を突破口にしていただきたい、そのように思うんですね。
 大阪漁協を敵に回しての発言なんです。知事という仕事は全国的な人気を得る必要はないわけなんです。そうすると、このような発言を知事がするというのはどれだけリスキーなことかというふうに考えるんです。ですので、大阪からこれ私は助け船だと思っているんですけれども、処理水問題の解決に関しては。こういった助け船を出すというのは、これが最後ではないかと思うんです。
 大臣、申し訳ございません、通告はしていないんですが、吉村知事に話を聞いてみる、そんなおつもりはございませんか。

#109
○国務大臣(平沢勝栄君) この問題は経産省の方で今専門的な見地からいろいろとやっていることと思います。有識者委員会の報告書においては、処理水の敷地外への搬出については、大量の処理水を移送する手段の検討、準備に相当な時間を要するということ、それから多岐にわたる関係者との事前調整が必要ということが書かれているわけでございます。
 いずれにしましても、関係者からの御意見を踏まえまして、今後、適切なタイミングで政府として責任を持って風評被害対策も含め結論を出していきたいということで考えております。

#110
○副大臣(江島潔君) 経産省からも少しお答えしたいと思います。
 このようなこのALPS処理水に関わる風評被害対策を御党からいろいろと出していただいているということに関しては、本当にこれは感謝を申し上げたいと思っております。大阪府知事が大阪湾で放出をすることというのを御提案をいただいていることも承知をしております。
 しかし、議員御指摘のように、漁協からのすぐさまの反対もございましたし、また、先般の南の方の海洋放出でもやはり当該の漁協からの反対の声というのがありました。これは、ALPS処理水をどうするかというのは、相当、小委員会において検討して、検証をしているところであります。決して全く検討していないわけではないんです。
 ところが、その検討の中で、まず、じゃ、そこまで運ぶのをどうするかという問題がすぐ上がりますし、その運ぶ過程においての道中の自治体の同意を取れるのか取れないのかという問題がすぐ出てまいります。また、大阪府知事のように、この提案をしたことによってすぐまたそのリアクションが出てきます。結果として、手を挙げたときに反対という声がいろいろ出てくると。それが最終的に、やっぱりみんなどこのところも反対という声が出るんだな、いや、で、福島というふうになると、かえってこれはまたこの風評被害を助長してしまうという結果にもまたなりかねないということをどうぞ御理解をいただければと思います。

#111
○梅村みずほ君 それが杞憂に終わるかもしれません。まずは、差し伸べられている手に自分からも手を伸ばしていくことが必要なのではないかと思います。
 時間になりましたので、筋は通して心を通さずでは人の気持ちは動かないということを申し上げまして、質疑を終了します。
 ありがとうございました。

#112
○委員長(杉尾秀哉君) 以上で梅村みずほさんの質問は終了いたしました。

#113
○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。今日は、被災地から災いがなくなるようにふるさとの出羽三山のマスクで質問をさせていただきます。
 震災からあと数か月で十年、いまだに原子力緊急事態宣言下にあり、放射線被曝線量の基準も、年間一ミリシーベルトから二十倍に緩められた年間二十ミリシーベルトが基準となっています。この年間二十ミリシーベルトの基準はいつになったら本来の一ミリシーベルトに戻るのか。私はあのとき、このような基準を子供にまで適用することができないと涙を流しながら抗議した専門家のことがいまだに忘れられません。
 いつ本来の基準に戻るのでしょうか、お答えください。

#114
○大臣政務官(佐藤啓君) お答えいたします。
 御指摘の年間二十ミリシーベルトでございますけれども、これは避難指示に係る基準でございます。これは原子力安全委員会の意見を聞きまして、国際機関であります国際放射線防護委員会が緊急時に被曝低減の目標値を設定する場合の被曝線量の範囲として勧告をしている年間二十ミリシーベルトから百ミリシーベルトのうちの最も低い値として定められたものでございます。
 避難指示は、その地域における居住の権利を奪うという厳しい権利制限を伴う行為でありますので、解除要件にも避難指示と同じ年間二十ミリシーベルトを用いているものでございます。
 なお、避難指示解除後の住民の被曝線量を低減する観点から、個人の追加被曝線量が年間一ミリシーベルト以下となることを長期目標として定めているところでございます。
 この実現に向けて、個人線量のきめ細かな把握、管理等、放射線防護の対策を自治体等の意向を踏まえながら総合的、重層的に講じているところでございます。

#115
○芳賀道也君 国際的に緊急事態のみ認められるということですが、いまだに緊急事態にあるという認識だということでいいんでしょうか。

#116
○大臣政務官(佐藤啓君) 現状、今先生から御指摘ありましたとおりに、緊急時といいますのは、原発事故や核テロ等により緊急の対策が必要な時期ということになっておりますけれども、現状、避難指示を解除する要件としてはこの年間二十ミリシーベルト以下ということとさせていただいておりまして、これを長期的に一ミリシーベルト以下とすることを目標として今動いているところでございます。

#117
○芳賀道也君 今、緊急時かどうかということを聞いているんです。イエスかノーかでお答えください。(発言する者あり)

#118
○委員長(杉尾秀哉君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#119
○委員長(杉尾秀哉君) 速記を起こしてください。

#120
○大臣政務官(神谷昇君) お答え申し上げます。
 原子力緊急事態解除宣言ということでございますが、今、原子力災害対策特別措置法第十五条第四項におきまして、原子力災害の拡大の防止を図るための応急の対策を実施する必要がなくなったと認めるときに行うこととされております。具体的には、住民の避難や福島第一原子力発電所の施設及び設備の応急の復旧等の実施状況等を踏まえつつ、関係する地方公共団体の思い等をしっかりとお聞きしながら、関係省庁等とも連携をし、総合的な見地から判断することとなっています。
 解除の時期につきましては、現時点において確たることを申し上げることは困難ですが、ただいま申し上げた状況をよく注視しつつ、関係自治体のお考えも伺いながら、関係省庁とよく検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

#121
○芳賀道也君 緊急事態だという認識でいいのでしょうか。そしてまた、私、緊急事態のみ認められた基準が適用されておる、私が小さな子供が家族にいて、戻れと、やっぱりもう戻りたくないなというのが正直な感想です。
 今出ておりました原子力緊急事態宣言、これ出されたままなわけですけれども、解除の見通しってどうなんですか。ここ十年は無理だとか、いやいや一年はどうだと、その辺も具体的にお答えいただきたいんですが。

#122
○大臣政務官(神谷昇君) お答え申し上げます。
 まず、緊急事態解除宣言が出されていないときにおいて、まだ緊急事態だというふうに思っております。例えば、具体的に申し上げますと、帰還困難地域がまだまだ広範囲に残っておりますし、多くの皆さんが避難をしておる状況、そしてまた、原子力発電所におきましてはまだ原子力燃料デブリが多数残っていることから、まだ緊急事態解除宣言までは程遠いというふうに思っておるところであります。

#123
○芳賀道也君 目安を聞いてもお答えがないということで、やっぱり復興を成すためには、この緊急事態宣言が解除できる見通しもないということでは復興も何もないということを申し上げて、次の質問に移ります。
 今もこの基準の問題がありましたが、震災後に年間被曝の線量の基準が緩和されたことに強い不安を感じてふるさとを離れた人もかなりいらっしゃる。帰宅困難区域が解除されて、ふるさとに戻る選択をされる方もいらっしゃいますが、基準が余りにも緩いのではないかと不安を感じ、依然としてふるさとから離れている方々もいらっしゃいます。住宅保護も打ち切られて避難先での立ち退きが訴訟になるなど、そうした皆さん、本当に大変です。
 実際に、地元山形県米沢市に避難していらっしゃる皆さんからもお話をお聞きしました。もちろん、ふるさと福島に戻られる、それから戻られたという方への支援も更に手厚くすべきだと避難していらっしゃる皆さんも口々におっしゃるんです。
 しかし、平沢大臣、自主避難と国から呼ばれて厳しい生活を余儀なくされている人に、もう少し、もっとサポートが必要なのではないでしょうか。今年三月の復興推進会議でも被災者の就学・学習支援について意見が出たようですが、特に、ふるさとを離れている高齢者のいる世帯への支援、それから子供のいる世帯への就学・学習支援を復興庁としても考えていただけないでしょうか。避難していらっしゃる方は、福島県御出身で実行力、行動力のある平沢新大臣に本当に期待しているんです。是非、大臣、前向きな答弁をお願いいたします。

#124
○国務大臣(平沢勝栄君) 今委員が御指摘の自主避難者に対する支援というのはもっともっと積極的にやっていくべきだということについては、私も全く同感でございます。
 自主避難者を含む避難者に対しまして、福島県が設置する生活再建支援拠点等の相談窓口、この情報を定期的に周知しまして、個別の状況に応じた相談対応や戸別訪問を現在実施しているところでございます。そうした避難者が抱える課題が個別化、複雑化する中で、各拠点では、住宅、生活、健康など様々な課題を把握し、必要に応じて関係機関と協力し、解決につながるよう努めていると承知しております。また、拠点においては、自主避難者も含む避難者の子供への学習支援等も行われていると聞いております。
 しかしながら、今委員が御指摘のとおり、やることがまだまだあるんじゃないかということだろうと思います。全くそのとおりでございまして、引き続き、福島県や関係団体と連携して、避難者の支援に積極的に取り組んでいきたいと考えております。

#125
○芳賀道也君 実に前向きで心のこもった答弁、ありがとうございます。特に、高齢者をお持ちの世帯、子供のいる世帯への学習支援、よろしくお願いいたします。
 次に、トリチウム汚染水の問題は先ほどちょっと質問もありましたので、順番を変えさせていただいて、食品の放射能汚染の問題を質問させていただきます。
 資料の一ページから三ページを御覧いただきたいんですが、震災からあすあす十年、依然として山菜やキノコ、野生動物で基準値を超えた線量が検出されています。今年度、検査で食品のセシウム濃度が超過した件数は何種類の食品で、何都県で、幾つなのか、何件なのか、さらに超過した主な品目のうちで最も濃度が高かったものを教えてください。

#126
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 厚生労働省では、各地方自治体や国立医薬品食品衛生研究所から提出された食品中の放射性物質の検査結果を取りまとめ、厚生労働省ホームページにおいて公表しております。
 令和二年度の公表している放射性セシウムの検査結果の御質問ですが、基準値を超過したものにつきましては、十一月末時点の件数は百三件、品目としては九種類、産地、都道府県数は十一件、動物性の食品で認められた最大の検査値は千七百ベクレル・パー・キログラム、これはイノシシ肉でございます。植物性の食品で認められた最大の検査値は千七百ベクレル・パー・キログラム、これはキノコでございます。

#127
○芳賀道也君 風評被害を招かないために言っておきますが、ほとんどこれは、畑で栽培された農産物は全く安心ということですが、山の幸でということになると思います。
 そこで、もう一つお聞きします。
 このうち、実際に流通しているもので基準が超えていたのは何種類、何件でしたか。

#128
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 市場流通品の検査結果のうち基準値の超過したものは、十一月末時点では十四件、品目としては二種類でございます。

#129
○芳賀道也君 これも実際に流通しているものが基準を超えていたというのが特に問題だと思うんですね。
 更にお聞きします。
 今年度に入って、新たに法に基づく農水産品、食品の出荷制限や出荷自粛が行われた件数と都道府県数を教えてください。

#130
○政府参考人(須藤治君) お答えをいたします。
 令和二年度の原子力災害対策特別法に基づく食品の新たな出荷制限は、十一月末時点で二件ございます。対象の都道府県数としては計二県、品目はコシアブラと野生キノコでございます。

#131
○芳賀道也君 都道府県などが出す出荷自粛はどうなんでしょうか。

#132
○政府参考人(須藤治君) 失礼をいたしました。
 令和二年度に行われました各都道府県独自の判断で行われております出荷自粛に関しましては、十一月末時点で国として承知している件数は三件でございます。対象の都道府県としては計二県、品目は野生キノコでございます。失礼いたしました。

#133
○芳賀道也君 国として承知しているのはとありましたが、これ全体は把握していないということですか。

#134
○政府参考人(須藤治君) 当然、様々な形で都道府県と連絡を取り合っております。その上で、実態を調査する中で万に一つも漏れているものがあってはいけないということで、国として承知しているという形でお答えをさせていただきました。恐縮でございます。

#135
○芳賀道也君 漏れがないということでよろしいんですね。

#136
○政府参考人(須藤治君) 済みません、都道府県と連絡を取り合っておりますのでこれだろうというようには思っておりますけれども、念のため、承知しているという表現をさせていただきました。

#137
○芳賀道也君 こうした大事なことを国がしっかりとデータとして把握していない、これは問題だと思いますので、改善してください。
 次に、放射能災害発生後、翌年の食品検査では、セシウム濃度が四百ベクレルを大きく超えるものが幾つもありました。このうち約半分と言われるセシウム137の半減期が三十年であることを考えると、翌年でですね、半減期が三十年のセシウム137だけで二百を超えるものが幾つもあったわけですから、これ、考えれば半減で三十年ですから、少なくとも山の幸、野生の動植物は今後二十年以上注意が必要、安心のためのモニタリングが必要だと考えますが、政府の御見解はいかがでしょうか。

#138
○政府参考人(須藤治君) お答えをいたします。
 御指摘の野生動植物のモニタリングにつきましては、原子力災害対策本部が決定をした検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方で定められた食品中の放射性セシウム検査計画に基づき、検査対象自治体で行われているものでございます。検査対象自治体、検査対象品目について、前年度の検査結果データ等に基づきまして毎年見直しを行っているところでございます。
 引き続き、検査結果データの推移、新たな科学的知見の集積等を見極めつつ、適切に実施をしてまいります。

#139
○芳賀道也君 今後何年ぐらいモニタリングが必要という肝腎なところが抜けています。お願いします。

#140
○政府参考人(須藤治君) 毎年毎年検査をしっかりやっていきますので、その結果を見てまた翌年度続けていくという形で、懸念があれば当然ながら翌年も実施をしていくと、こういう考え方でございます。

#141
○芳賀道也君 これ以上聞いてもしようがないので次の質問に行きますが、平沢大臣に伺いたいんですね。
 今のやり取りの中にもありましたけれども、これ、繰り返しますが、栽培されている農作物はもう安心な状況になっていますが、その一方で、山の幸、十年近くたっても新たに出荷制限が出される。それから、流通しているものからも基準を超えるものが出てくる。安心につながらないと思うんですね。安心につながらないということは復興にも影を落とします。やっぱり、ちょうど十年になるということですけれども、事故翌年などに検査器の貸与や補助など行われました。検査器の寿命だってあります。今後、二十年以上は間違いなく検査しなきゃいけないんですよ。継続したこうしたものの支援が余りにもなさ過ぎるのではないでしょうか。
 国が山菜やキノコなどに注意を呼びかけているのは、東日本十七都県に及びます。この十七都県の皆さんが安心して山菜が食べられるように、どの都県でも安心のための検査が、個人で楽しむために取る人もいますから、個人でもできる、ちょっと出荷するような人でもできる検査機器の貸与や補助の制度、そしてすぐ近くに調べたいと思ったら調べる機械があると、そういうことを構築すべきではないか、それが復興のための安心につながるのではないかと思います。
 平沢大臣の御見解を伺います。

#142
○国務大臣(平沢勝栄君) 委員御指摘のとおり、国民の皆さんに食品を安心して召し上がっていただくということはもう国の基本中の基本でございまして、そのための食品中の放射性物質対策が適切に実施されることは極めて重要なことと考えております。そのため、食品中の放射性物質の基準値を設定しまして、出荷前に徹底したモニタリング検査を行った上で、仮に基準値超過が確認されたものについては市場に流通させないと、こういった措置を講じているところでございます。
 復興庁としましては、今後も国民の皆さんが被災地産の食品を安心して召し上がっていただけるよう、引き続き関係省庁と緊密な連携の下、しっかり取り組んでいきたいと考えております。

#143
○芳賀道也君 是非、国がその山菜の、いや、動植物などの、野生の動植物ですね、注意を呼びかけて、十七都県の全ての皆さんが安心して山の幸を楽しめる、そういったシステムを十年目を機会に再構築していただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
 最後に、福島第一原発の事故後、避難者などが乗って避難した車、洗車が行われたガソリンスタンド、新潟県などでその水が流れるところからの汚染が発見されて、車のいわゆる線量の基準が約八倍厳しくなりました。
 資料の五ページから九ページを御覧いただきたいんですが、今、復興のために、線量が高い地域をJR常磐線が走り、高速や一般道も通行が可能になっています。安心を確認するためにも、定期的にこういったところを繰り返し走る列車や車、それから域内で作業している車、こういった車が洗車されている場所の、やはり洗車場の排水溝の泥など、そういったものの安心確認が必要だと思います。
 当然確認されていると思いますが、そうしたデータはあるのか、ないとすれば、安心のために確認が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

#144
○政府参考人(須藤治君) お答えをいたします。
 立入り規制がされております帰還困難区域については、立入りを行う車両は、帰還困難区域付近に七か所設置されておりますスクリーニング場の受付において、線量計や防護服等の貸出しを受けた上で入域を行っております。そして、帰還困難区域から出る際には、スクリーニング場において、車両のタイヤ周りや立入り者の足裏でございます、足の裏の検査を実施してございます。
 また、立入りに制限のない国道六号線、常磐道、あるいは今常磐線の御指摘がございましたけれども、こういったところにつきましては、事前に環境省が除染を行った上で、一回通過するに当たり、被曝線量が、胸部エックス線検診、これ道路の場合でございますけれども、胸部エックス線検診を一回受けますと一回当たり六十マイクロシーベルトでございますけれども、これの数十分の一から数百分の一程度であることを確認をしております。道路について確認をしております。
 今後も、こうした対策を講じていくことで、放射線防護に万全を期しつつ、復興に取り組んでまいりたいと考えております。

#145
○芳賀道也君 データがあるかないかと、検査をすべきだと考えがあるかないか、それが、お答えが抜けています。お願いします。

#146
○政府参考人(須藤治君) 失礼しました。
 幾つかデータで御紹介をさせていただきます。例えばでございますけれども、国道六号線、常磐道については、四輪車で一回通過するとどのようになるかというようなところは試算をしてございます。(発言する者あり)済みません、失礼しました。二つ調べておりますので、それで御紹介をさせていただきますが、まず、制限のないところにつきましては、先ほど御紹介をしたとおり、エックス線検査と比べまして数十分の一から数百分の一だということでございます。
 御指摘がございました泥でございますけれども、スクリーニング場で当然測定をしてございます。現時点において、帰還困難区域に立入り前の車両あるいはその立ち入った後の車両が検査の基準を超える事象は最近ではないという状況でございます。

#147
○芳賀道也君 それでは、最後に大臣にお伺いしたいんですけれども、まず、JRは、民間企業でありながら、国の指示に基づいて復興のためにドル箱路線でもない常磐線の全線開通を果たしてくれ、原発付近の線量の高い地域を通って運転を続けてくれています。国の指示に基づいて運行しているのですから、これ、民間企業とはいえ、このすばらしい働きをしているJR東日本に何らかの補助があってしかるべきだろう。しかも、その補助の中には、こういった列車を洗車したところの泥の安全を確認するとか、そういったものも含めて、さらには、その周辺の車の洗車場の泥、あるいは国道であれば沿道の土砂とか側溝の土砂、そういったものも確認すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

#148
○国務大臣(平沢勝栄君) 東日本の大震災により被災したJR常磐線の運行再開に当たりましては、JR東日本、環境省によりまして、除染、それからインフラ整備等が行われたところでございます。その結果、避難指示解除の要件である空間線量率で推定された年間積算線量が二十ミリシーベルト以下になることが確実であることが満たされたということで避難指示区域が解除されたものと承知しております。
 これらを踏まえまして、JR常磐線の運行に当たるJR東日本が運転再開を決定し、令和二年三月十四日に全線開通したものでございます。
 委員御指摘のとおり、JR東日本、採算が恐らく取れないであろうという線路も運行してくださって、地域の方々の便宜に大変助かっているわけでございまして、そういった意味では心から感謝申し上げたいと思いますけれども、避難指示、この問題については避難指示が解除されている区域内での運行でありまして、運行に当たっての特別な補助というのは必要ではないんじゃないかなと考えております。

#149
○芳賀道也君 是非、復興のためには、安心につながるということが必要だと思いますので、懸念がある部分、列車の洗車場の泥、それから定期的に運行している車を洗車しているところの泥、そういったところも検査をし、より安心につなげていただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。

#150
○委員長(杉尾秀哉君) 以上で芳賀道也さんの質疑は終了いたしました。

#151
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から九年八か月がたちました。被災者の生活となりわいの再建はこれからです。
 こうした状況の下、被災地の基幹産業の一つである漁業は不漁が続いて、台風、豪雨災害、コロナ禍が重なるなど、被災地、被災者を取り巻く環境は厳しくなっています。国は被災者の生活となりわいの再建のために最後まで責任を果たすことを強く求めます。
 原発事故によって、福島県内外で今も多くの方々が避難生活を強いられています。震災支援ネットワーク埼玉というところと早稲田大学災害復興医療人類学研究所というところが、福島県内七つの自治体の協力を得て首都圏に避難をする約六千世帯にアンケートを送付をして、そのうち先行回収分を分析した結果を基に、今年の六月に総理と復興大臣に対して要望を行っています。この要望の趣旨と要望の柱について紹介をしてください。

#152
○政府参考人(開出英之君) お答えいたします。
 本年六月、震災支援ネットワーク埼玉及び早稲田大学より、原発事故避難者に対するアンケート調査及びその分析結果に基づく要望書をいただきました。
 その中で、避難生活が長期化する中での避難者の健康状態悪化に対する支援、失業状態の継続や生活費の不足などの経済的困難に対する支援、家賃補助の再開など住宅支援の再開と継続などにつきまして御要望をいただいたところでございます。

#153
○岩渕友君 趣旨も紹介していただきたかったんですけど。

#154
○政府参考人(開出英之君) これ、委員お話がございましたように、避難者の方にアンケートを行い、その分析を行った上で、国に対して必要な支援を検討するようにという形で、そういう趣旨で御提出いただいたものと考えております。

#155
○岩渕友君 要望の中身に書いてある趣旨が非常に重要なので私から紹介しますけど、あの原発事故から九年が経過した今もなお、原発事故の区域内避難者及び区域外避難者共に甚大な精神的苦痛が持続している事実を真摯に受け止め、社会全体で避難者の苦難を共有し、苦痛をなくしていく努力を今後も長く積み重ねることを国として宣明した上で、継続的かつ実効的支援を行うことを求めると、こういう趣旨なんですね。これ、非常に重要だと思います。
 調査の中では、避難生活によって高いストレス状態が長期にわたって続いて持病の悪化が認められたという方が四六・一%、震災後に新たな疾患を患った方が六二・六%にも上っています。首都圏への避難によって生活環境が大きく変化をしたこと、人間関係の喪失と悪化、なりわい、生きがいの喪失、こういったことが重なることで健康状態の悪化が広く認められるとともに、介護が必要な避難者の方も増加をしています。同時に、収入が二百万円未満の世帯が震災前と比べて約二倍になるなど、経済的に困難な世帯が増えているということなんですね。
 一方、国は、国民健康保険、後期高齢者、介護保険の減免措置を縮小してきました。一部負担金の免除が現状では来年の二月末まで、保険税の減免が三月末までというふうになっています。
 そこで、大臣にお聞きをするんですけれども、今御紹介をしたように、避難者の皆さんの健康の状態や財政的な状況を見れば、この減免措置は当然継続をするべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#156
○国務大臣(平沢勝栄君) 国民健康保険等における一部負担金等の免除を行った保険者に対しまして、これまで、原子力災害地域の厳しい状況を踏まえつつ、国として財政支援を継続してきたところでございます。
 その一方、本措置については、昨年末に閣議決定された復興の基本方針において、被保険者間の公平性等の観点から適切な見直しを行っていくとされたところでございます。
 具体的な見直しの内容や時期については、厚生労働省と連携して検討を進めていきたいと考えております。

#157
○岩渕友君 資料の一を御覧いただきたいんです。これは、新潟県原子力発電所事故による健康と生活への影響に関する検証委員会の生活分科会というところの検証結果案から抜粋をしたものなんです。これを見ていただくと分かるように、避難によって単身世帯と二人世帯が増加をして、就業形態の変化ということで、避難によって正規職員が減少をし、無職や非正規で働く職員の方が増加をしていると。そして、平均世帯収入が月十・五万円も減少をしたということを書かれているわけですね。
 山形県も今年の七月に調査を行っているんですけれども、ここで、困っていること、不安なことという問いに対して、生活資金、身体の健康と回答した方が五割をどちらも超えているんですね。
 医療費などが無料だから何とかなっているという声も寄せられていまして、先ほど大臣が復興の基本方針では適切な見直しをするというふうに言ったんですけれども、これ、福島県も自治体も継続求めているんですよね。これまでどおり継続しなければならない事態が実際起きているということなんです。なので、この継続を強く求めたいというふうに思います。
 これだけではなくて、固定資産税も、避難指示解除後三年度分は二分の一減額をされるんです。その後は、各市町村による条例対応ということになるんですね。宅地の固定資産税は、住宅が建っている場合は減額措置があるんですけれども、住宅が解体をされて更地になると軽減措置がなくなると。で、その措置がなくなれば、最大で六倍の固定資産税が掛かるということになります。
 既に避難指示解除をされている方の中からは、自宅の再建は諦めたんだけれども土地も売れずに固定資産税だけ払っているという方や、戻りたくても戻れないから苦渋の決断で住宅を更地にすると固定資産税がアップすると、減免をお願いしたいという声が寄せられていて、帰還困難区域に自宅があるという方からは、泣く泣く汚染された自宅を解体して税金だけを取られるのは理不尽過ぎると、特例措置延長してほしいという声が寄せられているんですね。
 この固定資産税の減免を延長するべきではないでしょうか。大臣。

#158
○国務大臣(平沢勝栄君) まず、保険料の減免措置の問題ですけれども、医療費の減免措置の、というか減免特例措置の問題ですけれども、これにつきましては、来年度の取扱いも含めまして、この減免措置の具体的な見直しの内容や時期については、被災自治体の御意見もよくお聞きしながら検討していきたいと考えております。被災自治体の意見を聞き……(発言する者あり)それから、固定資産税につきましては、避難指示区域における固定資産税等の課税免除につきましては、避難指示の、新たな避難指示が解除された区域のうち市町村長が指定する区域内の土地及び家屋に係る固定資産税等について、原則三年度分、その税額の二分の一が減額されるというのが現行の制度でございます。
 今は、各自治体の判断で、復興の進捗や個々の固定資産の実態等に応じ特例終了後に同様の特例を設定するなど、個別の減免を条例で行うことが可能になっております。この減収分は、震災の復興の特別交付税により減収を補填されることになっているわけでございます。
 現時点で本特例の延長に関する自治体からの要望については特段承知しておりませんけれども、いずれにしましても、適切に活用されますようしっかり努めていきたいと考えております。

#159
○岩渕友君 冒頭、医療費の問題についても現場の声聞くと言ったんですけれども、現場は継続してほしいということを求めているので、これ是非継続してほしいということなんです。固定資産税のことは、自治体から声上がっていないという話でしたけれども、現場ではそういう声出ているわけですから、これもしっかり聞いて、実態に合った対応をこれも強く求めたいと思います。
 こういった問題を含めて、時間の経過とともに、住民税の減免措置や応急仮設の供与など、もう次々打ち切られてきているんですよね。そうした中で、避難する方々の実態どうなっているかと。今日紹介をしたように、新潟県とか山形県とか、あと東京都なども、避難をする方々を受け入れる自治体や市民団体の皆さんが独自に調査を行ってきているんですね。
 これまでも、こうした調査を紹介をしながら、国が責任持って実態を調査する必要があるんだということを求めてきました。山形県は、避難者のニーズを把握して今後の避難者支援に資することを目的として実施したといって調査をやっているんですね。これ実態つかまなかったら、これから何が必要なのか、何をすればいいかということ、分からないわけですよね。
 だから、やっぱりこの実態の把握というのが大事だと思うんですけれども、被災者に寄り添ってきめ細かい対応をしていくと大臣も言うのであれば、避難者の実態つかむのは大前提だと。国が責任を持って実態を把握するべきではないでしょうか。

#160
○国務大臣(平沢勝栄君) 避難者の実態をしっかりと把握することは私たちがいろんな施策を取っていく上での大前提でございますから、正確に間違いない実態が把握できるようにこれから更に力を入れていきたいと思います。
 今でも例えば福島県なんかでは、定期的に避難者のところを、避難者に対して定期的にこういった相談の窓口などについて周知し、個別の状況に応じた相談対応や戸別訪問を実施していると聞いております。また、各生活再建支援の拠点では、住宅、生活、健康など様々な課題を把握し、必要に応じて関係機関と協力して解決につながるよう努めていると聞いておりますけれども、いずれにしましても、こうした取組を通じて福島県や避難先の関係団体と連携し、避難者の実態把握や生活再建の支援に力を入れて取り組んでいきたいと考えております。

#161
○岩渕友君 福島県がということだけじゃなくて、国が責任持って実態つかんでほしいということなんですよ。いつも自治体から聞いていると言うんですけど、国がちゃんとつかまなければこれからの対策取ることできないということなので、これしっかり国が責任持ってやってほしいということを重ねて求めておきます。
 原発事故から間もなく十年でどれだけの方が避難をしているのか、その人数さえも正確につかまれていないんですよね。
 浪江町の帰還困難区域に自宅がある方からは、四世帯十人で住んでいたけれども六か所にばらばらになったと、借り上げ住まいの息子夫婦は住宅支援がなくなって家賃が発生して、自宅に帰ることができないのに納得がいかないという声や、自宅は草が背丈よりも高く生えて、家の中はイノシシなどが荒らし放題、原発事故への思いなど話したくないけれども悔しいという声が寄せられています。
 原発事故の加害者である国が被害者の実態をつかむのは当然のことで、実態もつかまないのに対策打ち切ったり縮小したりするというのはとんでもないことです。改めて、国が責任持って実態把握するよう求めます。
 次に、ALPSで処理をされた汚染水の取扱いをめぐる問題について聞きます。
 今年の二月に国の小委員会が、海洋か大気へ放出することが現実的な選択肢だと、海洋放出の方が確実に実施できるという報告書をまとめました。これを受けて、福島県内では、県議会のほか、四十一の市町村議会で海洋放出に反対、慎重な対応を求める意見書が相次いで上がっています。
 四月から七月末まで行われた意見募集ですけれども、意見ごとに切り分けて集計した、総数八千を超えるわけですね。そのうち、海洋放出への懸念は五千件を超えています。海洋放出の決定などとてもできるような状況ではありません。
 資料二を御覧ください。これは、六月二十三日に全漁連が通常総会で、汚染水の海洋放出に断固反対する特別決議を全会一致で採択をしました。これ、非常に重いものだと思います。福島県の漁業者は血のにじむような努力を重ねて、今年の二月、ようやく全ての魚種の出荷制限が解除をされました。来年四月の本格操業を目指しています。決議は、海洋放出を行うことは、地元はもとより、全国の努力を水泡に帰すのみならず、我が国漁業の将来にとって壊滅的な影響を与えかねない重大な問題だと厳しく指摘をしています。
 大臣は、十月二十日の会見で、全漁連と福島県漁連の会長からの要望を受けたということで、漁業関係者の思いを受け止めてどのように感じていますかというふうに聞かれて、漁業者の要望はごもっともで、私が漁連の皆さんの立場だったらもっと強く言ったかもしれないと、漁民の皆さんの思いを無視することなく取り組んでいきたいというふうに答えているんですね。
 漁業者の皆さんは海洋放出に断固反対だと言っています。漁民の思いを無視することなく取り組むということは、海洋放出決定には当然反対だということでいいですね、大臣。

#162
○国務大臣(平沢勝栄君) 処理水の海洋放出が決まったということは私はまだ聞いておりませんけれども、いずれにしましても、先ほど来の審議でもそうですけれども、処理水の取扱いについては、風評の発生への懸念あるいはそのほかのいろんな問題で様々な御意見があることは承知しております。政府としては、先日開催された廃炉・汚染水対策チーム会合も踏まえまして、こうした御意見に対しまして、風評対策や国内外への情報発信等について今検討を行っているところと承知しております。
 いずれにしましても、処分の方針は、決定してから実際に処分が行われるまで二年くらいはあると思います、その間の。ですから、どういう決定がなされるか分かりませんけれども、決定が行われて、それから実際に処分が行われる二年間の間、その間はフルに使って、風評被害の払拭とか、そういったことにしっかりと努めていく必要があるんじゃないかなと思います。

#163
○岩渕友君 風評被害というんですけど、関係者の御意見を伺う場の中では、風評被害じゃなくて実害なんだという声が上がったわけですよね。これ、私、そのとおりだというふうに思います。そしてさらに、この伺う場の中で、海洋放出というけど海洋放出しないのが一番の風評対策だという声も上がったんですよね。復興大臣なわけだから、経産省と同じことじゃ困るんですよ。海洋放出の決定駄目だってことを言ってくださいよ。

#164
○委員長(杉尾秀哉君) 時間が来ておりますので、端的にお答えください。

#165
○国務大臣(平沢勝栄君) 御意見としてはよく承りました。

#166
○岩渕友君 時間が来たので終わりますけれども、復興のやっぱり妨げになるんですよね。
 当面の陸上保管の継続を行うことを強く求めて、質問を終わります。

#167
○委員長(杉尾秀哉君) 以上で岩渕友さんの質疑は終了いたしました。

#168
○渡辺喜美君 みんなの党、渡辺喜美でございます。
 大震災の当日、私は名古屋市内で街頭演説をやっておりました。街宣車の上で突然、あっ、目まいがした、これやばいなと思ったんですが、周りを見渡すと、皆さん揺れているんですね。新幹線は止まる、携帯は通じない、車で帰ろうと思ったら清水の辺りでもう通行止めになっているという状況でありました。
 後からその報告を受けたんですが、総理官邸に与野党党首会談をやるというので集められた。みんなの党も私の代わりが出たのでありますが、そのときに、後からの報告によると、こういう緊急事態のときにはまず緊急事態対応を優先しようと。御案内の方もいらっしゃるかと思いますが、当時、菅内閣、外国人献金問題でもうほとんど辞職寸前みたいな状況だったんですね。しかし、これはもう震災対策が第一というので、政治休戦も行った。
 そのときの官邸の与野党会議、これはたしか複数回やっているはずなんですが、メモとか会議録ってありますか。

#169
○政府参考人(開出英之君) 御質問のありました与野党党首会談に関する記録につきまして、内閣官房及び内閣府に確認をいたしましたが、該当する文書は存在しないとの回答でございました。また、復興庁の管理する文書につきましても確認しましたが、該当する文書は存在しませんでした。

#170
○渡辺喜美君 これ、復興庁に聞くのも酷な話で、当時、復興庁ってありませんからね。
 しかし、これは極めて歴史的な会議だったと私は思っております。もう日本初というか人類初の大津波と全電源喪失というシビアアクシデントが目の前に起きた。その頃の危機管理を検証するためにも、この会議録、どこかにメモがあったってよさそうなものですけど、どうですかね、大臣、官房長官とか副長官に頼んで探してもらえませんかね。いかがでしょうか。

#171
○国務大臣(平沢勝栄君) これが大事な文書であるということは私も同感です。ただ、そのときは私ども政権を失っていたので、そのときの関係者に聞かないとよく分からないんじゃないかなと。
 こういう、こういった指摘があったことは、じゃ、伝えておきます。

#172
○渡辺喜美君 私からも官房長官か副長官にお願いしておきたいと思いますが、是非、杉尾委員長、理事会で協議していただきたいと思います。

#173
○委員長(杉尾秀哉君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議させていただきます。

#174
○渡辺喜美君 翌三月十二日は私も東京に戻ってきておりましたので、二回目の与野党党首会談、出ました。もう既に報道で炉心溶融という言葉をNHKは使っていましたね。CNNはメルトダウンという言葉を使っていましたよ。私は、当時もう報道ベースで、米軍が支援したいということだったので、米軍の支援を受け入れてはどうかと、日本よりもはるかに原子力には詳しいですよ、この人たちの方がという御提案とか、それから、これってメルトダウンというんじゃないんですかと御質問をしました。菅総理、枝野官房長官は、いや、これはメルトダウンと言わないんですよと、もうしきりに釈明しておられたんですね。
 その日の朝、前日の申合せにもかかわらず、現場へ行って、どういう情報を得てきたのか存じ上げませんけれども、そのとき、よく覚えているのは、菅総理と枝野官房長官の間に秘書官か誰かが何とオレンジ色のメモを入れたんですね。普通、メモといったら白ですよ。それ、オレンジ色の紙だった。こうやって私はのぞき込んだけれども、見えなかった、何が書いてあるのか。結局、戻ってニュースを付けたら、一号機が爆発していたと。
 要は、前日の与野党党首会談で、こういう非常事態のときにのこのこ政治家が現場へ行くのはもうやめようという申合せをやったと私は聞かされました。けれども行って、ベントですよ、ベンチレーションね、換気、これが遅れて水素爆発を起こした、こういう指摘が当時なされておりました。それ以来、水素と聞くと、危ないというイメージがもう刷り込まれてしまっているんですね。
 実は私、土地改良区の理事長をやっておりまして、百万トンクラスの調整池の躯体の上に太陽光パネルを張って、その調整池の中の水を電気分解して水素を作る、そういうことをもう十数年前にやりました。結局、我が方はうまくいかなかった。なぜかというと、その需要がないので、売上げがありませんから、もうとても水素ハウス維持できないと。地元の中小企業のバンテックというところに頼んだんですけれども、これうまくいかなかった。
 今、浪江でもって水素センターみたいなものができて、じゃ、この水素が思うように普及しているかというと、トヨタが二〇一四年から水素自動車四千台ぐらいですよね。水素ステーションは百三十か所ぐらいだと。水素発電なんというのはまた夢のまた夢みたいな話になっておると。
 どうですか、これちょっと、水素社会がなかなか進展していないというのはどういうところに原因があるんでしょうかね。

#175
○政府参考人(茂木正君) お答え申し上げます。
 我が国は、世界で初めて水素社会の実現に向けて二〇一七年に水素基本戦略というのを策定しまして、一歩前に踏み出したということかと考えています。一九年には、具体的な数値目標や達成時期を設定した水素・燃料電池戦略ロードマップというのを策定しております。
 今委員から御指摘がありました、水素社会がこういう中でなかなか進んでいかないのではないかという御指摘なんですが、この水素社会を実現していくに当たって大きく三つ課題があるというふうに考えています。
 まず一つは、水素を大量かつ安価に製造することができるかどうかと、コストをどれだけ下げられて大量に作れるかどうかということです。それから二つ目に、これは量が増えてまいりますと、海外からの調達も視野に入れて、大量の水素を安定的に輸送したり貯蔵したりという技術をきちんと蓄積することであります。それから三つ目は、今委員からも御指摘あった自動車も含めて、これは幅広い分野で水素を利用するための技術の開発と、これを社会実装するための仕組みというのが必要になってくるということで、これら三つを一体的に同時に進めていく必要があると考えています。
 私どもとしては、この解決をしていくために、まず、福島県の浪江町の福島水素エネルギー研究フィールド、今年の三月に開設をいたしましたが、ここでまず、効率的、低コストに再エネから水素を作る技術をしっかり実証してコストダウンをしていきたいと考えています。それから、海外から運んでくるという意味では、日本と豪州の間で水素を海上輸送する実証というのもやっておりまして、これを二〇三〇年頃に、大量の国際水素の輸送事業というのを商用化をしていくと。加えて、水素の利用については、需要でございますが、これ燃料電池自動車の導入や水素ステーションの整備、それから発電分野の利用ということで、これは非常に大きな水素の利用源になるわけですが、水素を安定的に燃焼させるための燃焼器の開発、それから、産業分野での活用ということで、例えば製鉄ですとか石油化学ですとか石油精製ですとか、こういったところで水素を活用するための技術開発の支援というのも取り組んでおります。
 こういった取組を通じて水素社会の実現を加速させていきたいと考えています。

#176
○渡辺喜美君 今、十年物国債の金利がゼロ近辺にあって、それ未満はマイナス金利なんですよ。国債発行するたびにお釣りが来ると、こういう状況になっています。ですから、国がマイナス金利で調達した財源でもってこういった水素社会をつくる、インフラ投資に支援をするといったって罰は当たりませんからね。
 国交省に何度も聞いている話ですが、お尋ねします。
 今から十六年前、私が国土交通部会長をやっている頃だったかと記憶しておりますが、公共事業採択のBバイC評価の割引率を当時の長期金利の実質利回り三・五よりもちょっと高めの四%に設定した。これは公共事業抑制という意味合いが間違いなくあの頃はあったんですね。ところが、今、今申し上げたように、長期金利の実質利回りはもうゼロ近辺ですよ。この四%なんていうばか高い割引率やめれば、今の実勢金利に合わせれば、高橋洋一内閣参与の計算によりますと、公共事業は今の三倍に増えるということを言っておられますけど、この割引率、変更するお考えはありませんか。

#177
○政府参考人(東川直正君) お答え申し上げます。
 費用便益分析、いわゆるBバイCの算定を行うために導入しております社会的割引率でございますけれども、平成十六年に策定いたしました公共事業評価の費用便益分析に関する技術指針、これに基づきまして、十年物国債の実質利回りなどを参考に国土交通省において全事業を統一的に四%と設定させていただいているところでございます。
 委員御指摘のとおり、公共事業費の予算の方はございますけれども、これにつきましては毎年予算確保に国土交通省としては努めているところでございまして、一方、このBバイC分析というものにつきましては、公共事業の評価におきましてその効率性あるいは実施過程の透明性の向上を図ることを目的に実施しているということでございまして、公共事業関係費のこの増減を目的に実施しているものでないことにつきまして御理解いただきたいと思います。
 一方、この四%の割引率を含めた事業評価の在り方、これにつきましては、国交省で設置しております有識者で構成される公共事業評価手法研究委員会を本年六月から開催しておりまして、御議論をいただいているところでございます。

#178
○渡辺喜美君 とにかく、災害環境ががらっと変わっちゃったわけですね。
 平沢大臣とか我々が一年生の頃、公共事業費って、小渕内閣の頃ですけど、十五兆円ですよ、国費ベースね、国費ベースの、まあ補正後ですけれども、平成十年。今、半分以下ですからね。国土強靱化言ったって、半分以下の国費ベースの公共事業しかないわけですよ。だから、予算を増やすためじゃないって今言ったけれども、国土強靱化言うんだったら、これが一番手っ取り早いですよということを私は再三申し上げているわけであります。
 残念ながら時間が来てしまいましたので、日銀に質問する時間がなくなってしまいましたけれども、お手元にお配りしたこのグラフ、震災のときに全然日本銀行、マネー増やしていないんですね。その結果、何が起きたか、超円高ですよ、あのとき七十六円まで突っ込んだ。そのことも先ほど野党の会議で私は申し上げたんですけれどもね。結局、日銀がサボっていると国がとんでもないデフレになるということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#179
○委員長(杉尾秀哉君) 以上で渡辺喜美さんの質疑は終了いたしました。
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会といたします。
   午後二時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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