くにさくロゴ
2020/11/26 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 文教科学委員会 第4号 令和2年11月26日
姉妹サイト
 
2020/11/26 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 文教科学委員会 第4号 令和2年11月26日

#1
令和二年十一月二十六日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十四日
    辞任         補欠選任
     岩本 剛人君     世耕 弘成君
     石川 大我君     古賀 之士君
     熊谷 裕人君     蓮   舫君
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     豊田 俊郎君     水落 敏栄君
     古賀 之士君     石川 大我君
     山下 芳生君     山添  拓君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         太田 房江君
    理 事
                赤池 誠章君
                上野 通子君
                吉川ゆうみ君
                斎藤 嘉隆君
    委 員
                有村 治子君
                石井 浩郎君
                世耕 弘成君
                高階恵美子君
                水落 敏栄君
                石川 大我君
                横沢 高徳君
                蓮   舫君
               佐々木さやか君
                安江 伸夫君
                梅村みずほ君
                松沢 成文君
                伊藤 孝恵君
                山添  拓君
                舩後 靖彦君
   国務大臣
       文部科学大臣   萩生田光一君
       国務大臣     橋本 聖子君
   副大臣
       内閣府副大臣   田野瀬太道君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       益田  浩君
       内閣官房内閣審
       議官       伊吹 英明君
       内閣官房内閣審
       議官       河村 直樹君
       文部科学省初等
       中等教育局長   瀧本  寛君
       文部科学省高等
       教育局長     伯井 美徳君
       スポーツ庁次長  藤江 陽子君
       文化庁次長    矢野 和彦君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    依田  泰君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京
 パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を
 改正する法律案(第二百一回国会内閣提出、第
 二百三回国会衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(太田房江君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、熊谷裕人さん、岩本剛人さん、豊田俊郎さん及び山下芳生さんが委員を辞任され、その補欠として蓮舫さん、世耕弘成さん、水落敏栄さん及び山添拓さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(太田房江君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官益田浩さん外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(太田房江君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(太田房江君) 平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。

#6
○石川大我君 皆様、おはようございます。立憲民主・社民の石川大我です。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 法案の審査に当たり、昨今の新型コロナウイルス、日本、世界で感染が増えている状況にあります。安全に開催ができるのかと大きな関心があるかと思います。もちろん、開催ができることが望ましいことは言うまでもありません。
 菅総理は、世界がコロナに打ちかったあかしとして東京オリンピックを開催すると繰り返し述べられています。ただ、欧米を中心に感染が急激に拡大する中で、世界がどのように打ちかつのか、その道筋を総理は示されてはおりません。また、何をもってあかしとするのかがなかなか伝わってこないわけです。総理に代わりまして、オリパラ担当大臣に示していただければと思います。

#7
○国務大臣(橋本聖子君) 現在、国内外で様々なスポーツ大会が開催をされておりまして、活躍するアスリートの姿に励まされたという声も聞かれるようになり、スポーツの持つ力を改めて実感をしているところであります。来年の東京大会は、世界のアスリートが万全のコンディションでプレーを行い、観客の皆さんにとっても安全で安心な大会として成功させたいと考えておりまして、まさに人類がコロナウイルスに打ちかったあかしとして大会開催を実現する決意であります。
 来年、東京大会を開催することは、十六日にバッハ会長が発言されたとおり、コロナ禍において人類の連帯と結束力、そういったものを表すシンボルとなるものと考えております。政府として、安全、安心な大会の実現に向けて、引き続き、東京都、大会組織委員会、IOC等と緊密に連携して、大会に向けた準備をしっかりと進めていきたいと考えております。

#8
○石川大我君 先ほど大臣からありましたけれども、この打ちかつという考え方が差別や偏見を生むのではないかというふうに思うんですね。勝たなければならない悪いものという、そこから感染者への差別といったものも広がるんではないかというふうに思います。
 私は、LGBTコミュニティーでLGBTの差別や偏見の問題に二十年以上取り組んでいるわけですけれども、LGBTコミュニティーは、HIV、エイズの問題が八〇年代にありました。ここで学んだのは、HIVウイルスを完全になくすことはできないんだけれども、投薬をしながらウイルスと一緒に暮らしていく、そして感染者を差別することなく共に生きていくという、リビングトゥギャザーという言葉があるんですが、こうした概念です。
 やっぱり、コロナウイルスを抑えながら一緒にどうオリンピックを開催するか、そういう視点が大切なのではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

#9
○国務大臣(橋本聖子君) 来年の東京大会は、世界のアスリートが万全のコンディションでプレーを行い、観客の皆さんにとっても安全で安心な大会として成功させたいというふうに考えておりまして、人類がウイルスに打ちかったあかしとして大会を実現するという決意ですが、そのような趣旨で申し上げておりますので、御指摘のような差別というような偏見につながるものではないと考えております。
 ただ、やはりしっかりと寄り添うということは非常に重要であるというふうにも考えております。

#10
○石川大我君 選手、関係者、観客の安全を守るための医療体制についてお伺いしたいと思います。
 オリンピック・パラリンピックで必要な医療人員やその予算について、まだ算定中ということですが、選手が一万五千人、ボランティアを含むスタッフが約十万人、観客、これ減らしても五百万人程度が見込まれているということですが、コロナを考えない状況でも医療従事者が一万五千人、これ暑さ対策ということですが、コロナ対策を含めると更に多くの医療従事者が必要となります。東京都の医師会長は無観客が妥当というふうにも述べております。
 まず一つ目、医療スタッフは確保できるのかという問題があると思います。また、通常の医療体制に不足が生じないのかという問題、疑問も上ります。今の状況でも、専門家会議は、このままの状況が続けば通常の医療で助けられるはずの命が助けられなくなるような事態が考えられるというふうに表明をしております。昨日、日本医師会も、全国で医療体制が崩壊危機にあるというふうに、この状況、現在の状況でも表明をしているところです。
 また、世界で感染拡大が続く中、各国が選手団を派遣できるのかと、これも未知数だというふうに思われます。世界各国から選手団が来なくなった場合、あるいは参加を取りやめることになった場合でも、オリンピック、これ開催ができるんでしょうか。

#11
○国務大臣(橋本聖子君) まず最初の質問でありますけれども、東京大会における医療体制の確保については、九月から行われております国、東京都、組織委員会によるコロナ対策調整会議において議論を進めているところであります。アスリートへの医療提供を行う大会指定病院等の人的な負担等を軽減することについては検討する必要があるというふうに考えております。
 今後とも、組織委員会や東京都を始めとする関係者と連携を図りながら、大会に関係する、大会における保健医療体制の確保に向けた支援の在り方も含めて検討を行ってまいります。
 また、もう一点の、感染状況によって選手団の派遣についてでありますけれども、開催国としては、万全の体制で世界各地からの参加者をお迎えするための準備に全力を挙げて、それが使命だと思っております。このため、東京大会における新型コロナウイルス感染症対策については、国と東京都、大会組織委員会におけるコロナ対策調整会議において議論を進めておりまして、アスリートや大会関係者、観客の参加を想定した実効的な対策を検討しているところです。
 政府としては、多くの国そして地域の方々にお越しをいただけるように、安全、安心な大会の実現に向けて引き続き準備に取り組んでいきたいというふうに思っております。

#12
○石川大我君 これ、具体的にどの程度まで縮小されても開催を考えていらっしゃるんでしょうか。参加国数が半分になってしまっても開催をするのか、いや、放映権のある、放映権の絶大な権力のあるといいますか、影響力のあるアメリカですとかヨーロッパ、こちらから来られなくなったらやめるのかとか、あと、観客の数もどのぐらい入れるのかということに関して、半分というのは何となく理解ができるんですが、大きな会場でさすがに十人でやる、二十人でやるということは、観客がですね、ちょっと難しいと思うんですが、その辺り、どのぐらいの規模というのを大臣お考えでしょうか。

#13
○国務大臣(橋本聖子君) 観客につきましては、東京大会における観客数の上限ということで、今月十二日に開催した会議におきましては、内外の感染状況や現在行っている観客数を引き上げた場合の実証の結果なども踏まえまして、国内の上限規制に準じることを基本としております。最終的な決定は来年の春までに行うとの考え方を提示しているところであります。
 バッハ会長は、十六日の総理への表敬の際には、観客に関して、東京大会では観客の参加を想定し、規制の上限や防疫措置の在り方等について検討を進めていることを紹介し、安全、安心な大会に向けて今後とも緊密に連携、協力をしていくというところで一致をいたしました。

#14
○石川大我君 観客の上限、外国人観光客の扱い、これ来春に最終判断を行うとおっしゃっているんですが、実質的な判断というのは、これ一月から二月ぐらいにしなければならないというふうに思うんですね。そして、この時期というのは、やっぱり感染に関しても寒い時期ですから、コロナも日本でもピークになるんじゃないかというような予想もあるわけでして、こういった時期に世界の感染状況や国民的な議論も踏まえて再度開催の可否を含めた判断をすべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

#15
○国務大臣(橋本聖子君) 繰り返しですけれども、現在、国、東京都、そして組織委員会等々でこのコロナ対策の調整会議を行っているところでありますけれども、これから中間の報告、取りまとめが行われますが、観客につきましては来年の春をめどに決定をしていくということになります。
 参加をする国、参加をするアスリートに関しては、IOCが、あるいは各国のIFあるいはNOCが判断をするということでありますので、国といたしましては、一人でも多くの国から、そしてアスリートが、万全のコロナ対策措置を講じている国だからこそ参加をしたいというふうに思っていただける準備に全力で取り組んでいきたいと思っております。

#16
○石川大我君 もちろん、オリンピック開催できればとてもすばらしいことだというふうに思っております。しかし、平和の祭典であるオリンピック・パラリンピックが医療体制使ってしまい、開催に固執する余り救える命を失ってしまったら、こんなに悲しいことはないと思います。文科委員会ですから、学びの継続や人々の暮らしを守ることを第一に考えていただきたいということをお願いして、次の質問に移りたいというふうに思います。
 オリンピック・パラリンピックに関連しまして、プライドハウスについて伺います。
 プライドハウスは、オリンピック・パラリンピックや国際スポーツ大会の開催に合わせて、セクシュアリティーやジェンダーを問わず、あらゆる人が安心して過ごせる場をつくるプロジェクトです。二〇一〇年のバンクーバーの冬の五輪、冬季五輪が始まりでして、LGBTQに関する正しい知識を広げるため、LGBTQ当事者の選手、家族、観戦に訪れた観光客が安心して過ごすことのできる空間をつくっています。
 現在、これ新宿に開設をされておりまして、東京大会でも開設をされております。このプライドハウスは東京二〇二〇組織委員会の公認プログラムにもなっており、IOCのバッハ会長からもメッセージが寄せられているという施設です。担当大臣としての御認識を伺います。

#17
○国務大臣(橋本聖子君) 平成二十六年十二月のIOC総会で改正されたオリンピック憲章のオリンピズムの根本原則には性的指向による差別の禁止が盛り込まれておりますが、プライドハウス東京レガシーはこの趣旨に沿った施設だと認識をしております。
 また、組織委員会においては東京二〇二〇大会の大会開催基本計画に性的指向を含む多様性と調和というコンセプトを掲げておりまして、当該施設で行われる取組はそのコンセプトに沿うものとして大会の公認プログラムとなっております。さらに、この今回の施設は常設でありまして、継続的に活用できると聞いておりますので、LGBTQへの更なる理解の促進につながるものと期待をしております。

#18
○石川大我君 ありがとうございます。
 このプライドハウス、実はここから十分もしないところの距離にありますけれども、車で、LGBT関連の本とかパネルの展示ですとか、プライドハウスには都内近郊の中学生や高校生たちが先生に連れられて訪れているというふうにおっしゃっておりました。私も視察をしてまいりました。
 社会科見学などの校外学習、あるいはコロナが落ち着いてからだと思いますが、修学旅行などで活用ができるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#19
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 プライドハウス東京レガシーは、性的指向、性自認に関する情報発信を行い、多様性に関する様々なイベントやコンテンツの提供を目指す施設であると伺っております。
 委員から修学旅行等でということで御提案ございましたけれども、他方で、修学旅行や校外学習の行き先等の内容については、地域や学校の実態あるいは児童生徒の心身の発達の段階や特性等を十分考慮して各学校において定めるものであるため、各学校においてそうした点については適切に御判断いただきたいと考えております。

#20
○石川大我君 是非、大臣にも、橋本大臣にもこれ視察をいただきまして、中学生や高校生にとっても非常に有意義な施設だというふうに思いますので、是非御視察をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#21
○国務大臣(橋本聖子君) 是非伺いたいというふうに思います。

#22
○石川大我君 是非、萩生田文科大臣もよろしくお願いしたいんですが、是非、私もお供いたしますので、お願いできないでしょうか、視察の方。

#23
○国務大臣(萩生田光一君) このような多様性に関する様々なイベントやコンテンツの提供を目指す団体の取組により、性的指向、性自認で悩む子供たちが励まされることは大変意義深い施設だと思います。理解を深める上でもいい施設だと思います。
 ここで私が視察に行くということを殊更強調するよりも、静かな環境で一度お邪魔してみたいなと思います。

#24
○石川大我君 是非、視察もよろしくお願いしたいと思います。
 このプライドハウスなんですけれども、施設があるだけでなくて、NPOとこのプライドハウスが一緒になりまして、コロナ禍におけるLGBTQの若者についてアンケートを取っております。コロナ禍において、セクシュアリティーについて安心して話せる相手や場所とのつながりについて変化はありますかとの問いに、つながれなくなった、つながりづらくなったと答えた若者たちが三六・四%います。例えば、多くの当事者は、家庭内で自らのセクシュアリティーを明かすことがなかなかできない中、学校の友人や保健室の先生のみ理解者だった場合、コロナ禍で家にいる時間が長くなると、こうした安心できる場とつながることが難しくなるわけです。
 このような状況に、文科大臣としてどういった対応ができるというふうにお考えでしょうか。

#25
○国務大臣(萩生田光一君) 学校における性的指向、性自認に係る児童生徒への対応については、個別の事案に応じ、当事者である児童生徒の心情等に十分配慮した対応を行うことが重要です。
 このため、文科省では、当事者の児童生徒に対するきめ細かな対応を行うための通知を発出したほか、教職員の理解促進を図るためのパンフレットを作成し配付しており、教育委員会や学校の担当者を集めた各種会議や研修などでもその趣旨の徹底を図り、学校において適切な対応が取られるように教職員の理解促進に努めています。
 また、コロナ禍における臨時休業中においては、性的指向、性自認に係る児童生徒のみならず、全ての児童生徒に対して配慮が必要であると考えており、各教育委員会等に対し、児童生徒本人との電話等を通じ定期的に心身の健康状態を把握するとともに、必要に応じて養護教諭やスクールカウンセラー等による支援を行うよう依頼をしてきたところです。
 引き続き、教育委員会や学校において適切な対応が取られるよう周知を図ってまいりたいと思います。

#26
○石川大我君 是非、研修などもしっかりと進めていただきたいというふうに思います。安心できる相手が増えれば、こうした孤立も防げるのではないかというふうに思っております。そしてまた、子供たちですとか当事者に直接響く政策を是非お願いしたいというふうに思います。
 私、先日のこちらの委員会で、新型コロナウイルスに関する差別について、分かりやすい啓発の動画を作ってみたらどうかというような御提案をさせていただきましたところ、早速作っていただきまして、御連絡もいただきまして拝見をいたしましたが、とてもいい動画だというふうに思っております。本当にありがとうございます。
 こうした同じような動画、これ、プライドハウス、とてもいろいろな素材といいますか資源を持っておりまして、企業十五社が協賛をしております。大使館も十九の大使館が協力もしておりますし、NPOに至っては三十六、そして様々なイベントに、これ有名なアーティスト、MISIAさんだったりとか松任谷由実さんなんかも応援をしているということですので、こうしたうまく資源を使って何か、すてきな動画を是非作っていただきたいんですが、いかがでしょうか。

#27
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 一般論として、性に関する指導は、児童生徒の発達段階を十分に踏まえながら、学校全体で共通理解を図り、保護者の理解を得、さらに、集団で一律に指導する内容と個々の児童生徒の課題等に応じて個別に指導する内容を区別するなど、様々な配慮、留意をすることが必要だと考えております。その上で、性的指向、性自認への理解や他者の尊重などをテーマとして、学校によりましては人権教育の一環として学習が行われている例があると承知しています。
 このように、指導に当たっては様々な留意が必要でございますので、文部科学省において全ての学校の授業で活用するような動画教材を作成をするということは現時点では考えてございません。

#28
○石川大我君 とても残念な答弁だというふうに思います。
 LGBTQの問題というと、どうしても性教育の方に行ってしまって、発達段階に応じたとかそういった話になってしまうんですけれども、LGBTQの存在は全て性教育ではありませんでして、様々な生活場面で困難を抱えているわけですから、このことイコール性教育、もちろん性教育の部分もありますけれども、そうでない部分も、これは当然LGBTQでない人と同じように人権の問題というのはありますので、是非引き続き動画の作成は検討いただきたいということをお願いをしたいと思います。
 そして、これ、スポーツにおいてLGBTQが直面する困難もまたほかの団体と一緒になってアンケートして明らかになりました。LGBTQの児童生徒が体育の授業や部活で精神的な苦痛を受けている場面が明らかになりました。先ほど大臣からもお話がありましたけれども、この冊子を作っていただきまして、パンフレット作っていただきまして、場面ごとの支援があるわけですけれども、まずは性別、性的指向、性自認で差別しないというような明確なルールが必要なのではないかと思います。
 これ、パンフレットを出していただいたのは有り難いんですけれども、この後のフォローといいますか、どのような状況で学校が取り組んでいるかという、そういったことはまだフォローし切れていないということなので、その辺も含めてお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

#29
○委員長(太田房江君) 時間が参っておりますので、簡略にお願いします。

#30
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 御指摘の委員のパンフレットについては、平成二十七年の四月に通知を申し上げて、その通知の状況、あるいは通知に対する様々な御質問や具体的な取組事例なども含めて、パンフレットの中で具体事例も含めて紹介をさせていただいているものでございます。したがいまして、学校におきます支援の事例は既に掲載をしており、これをまず参考にしていただいて、学校におきましてはこの通知やパンフレットの内容の周知徹底をしっかりと図っていただくというのが今の段階であろうと思っております。
 委員の方から、その後の状況ということですが、このパンフレットの活用状況等について、現時点で、このコロナ禍の中において、教育委員会や学校に対して、負担を考えますと、現時点ではまずはこの周知徹底をしっかりと図っていただいて、必要な子供たちに対する支援の充実に取り組んでいただきたいというのが私どもの考えでございます。

#31
○石川大我君 是非、この冊子ができておりますので冊子を御覧いただきたいんですけれども、このパンフレットに書かれている事例以外の事例もありまして、例えば柔道のときにインナーの利用を認めるとか、様々新しい点、提案というのも出ておりますので、是非その辺りも参考にしていただきまして、なかなか学校へ向けてのアンケートというのはコロナ禍において遠慮しているという部分が非常にあるかと思いますが、収束後、各教育委員会などに声掛けをしていただいて、具体的な対応事例、いい事例を拾っていただいて、それを全国で共有するといったような、そういった取組も是非していただきたいと思います。
 時間が二十九分までということで、あと四分ほどになりましたので次に行きたいと思いますが、不要な性別欄の削除についてお伺いをしたいと思います。
 公立高校の願書において性別欄をなくす動きが全国で活発化しております。お手元に資料も配付をさせていただいているかと思います。朝日新聞の報道によれば、二〇一九年一月時点で十六都道府県が廃止及び廃止の検討を行っており、その後、更に取組が広がりつつあります。性別違和を抱える当事者にとって、進学の際の障壁を取り除くことはとても重要だというふうに思います。
 この件、まず文科省として実態を把握をしているでしょうか。そして、全国どこでも平等な機会を保障することが大切だと思いますが、積極的に各教育委員会に情報提供すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

#32
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 最新の令和三年度に向けた公立高校入試の願書につきまして、文科省としては各県の願書の様式についての把握はしておりまして、幾つかの都道府県においては性別欄が設けられているものと承知をしております。
 また、高校入試に関しましては、願書や調査書の様式も含めまして、実施者である都道府県教育委員会等が適切に判断し決定することとされておりますので、文部科学省としては各自治体の判断を尊重したいと考えているところでございます。

#33
○石川大我君 今年の六月に、日本規格協会、JIS規格を発行しているところで有名ですけれども、この協会が履歴書の性別欄削除を求める声に応じて履歴書の様式を削除いたしました。これもニュースになりました。
 不要な性別欄を設けることで、これまでトランスジェンダーの方たち、就職活動において強制的にカミングアウトをせざるを得なくなってしまう。つまり、外見的な見え方、特徴としては、見た感じは女性として見えるんだけれども、実は性別、戸籍が男性だった場合、この性別欄があることによって、男性という、男というところに丸を付けなきゃいけないことを、なかなかそれはハードルが高いということで、あるNPOの調査によれば、トランスジェンダーの約九割が就職活動時に困難を経験したというふうに回答しておりまして、非常に深刻な事態がこれまであったというふうに思います。民間ではそうやって改善が今されようとしております。
 文部科学省では、全国高校統一応募書類というのがありまして、履歴書及び調査書の様式を定めているんですね。これ、ですから、全国共通で使っているということなんですが、そこに性別欄が設けられています。
 また、新規中学校卒業者用応募書類、就職相談票(乙)というのがあるんですが、これ、中学を卒業して就職をされる方が書く書類なんですけれども、その書類にも性別欄があります。こうしたものも、民間の先んじた取組に呼応して、削除を含めた検討、見直しを含めた検討必要なんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

#34
○委員長(太田房江君) 短めにお願いします。

#35
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 性の多様性への理解が広がったことを踏まえ、履歴書の性別欄をなくす動きがあることは承知しております。また、委員御指摘の、日本規格協会が性別欄を廃止したのではなくて履歴書の様式例そのものを削除したということも把握をしております。
 御指摘の調査書等の様式については、企業等のニーズも踏まえつつ、厚生労働省や関係団体等と連携をして検討をしていきたいと考えております。

#36
○石川大我君 ありがとうございます。検討していただけるということで、しっかりお願いします。
 その他、パワハラ防止法に関する通知の件もあったんですが、これはまたの機会にしたいというふうに思います。
 ありがとうございました。

#37
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。よろしくお願いいたします。
 東京オリンピック・パラリンピックが延期をされまして、そして開催まであと二百四十日余りとなりました。この東京オリンピック・パラリンピックは、震災から、東日本大震災から十年という復興五輪、そしてこのコロナ禍の中で様々な困難を乗り越えて開催をされる、私はそれが非常に大きな意味を持つのではないかなと、このように思っております。
 感染症対策を万全にして、安心、安全、これを確保するということが大前提であります。改めてそこに全力を挙げていただきたいと思っておりますけれども、このコロナ禍の中、様々、皆様行動を自粛をしていただいたりイベントが開催できなかったり、スポーツそして文化、こういったものに対するこの重要性というのが私は再認識されたのではないかな、このように思っております。非常にスポーツ、文化関係者の皆様も引き続き大変な状況にありますけれども、こういった中だからこそ、スポーツと文化の祭典である、平和の祭典であるオリンピックが明年無事開催をされれば、大変大きな意義のある、多くの方に勇気を与える大会になるのではないかなと、こう私は願っております。
 そこで、大臣に改めて、明年のこのオリンピック・パラリンピック東京大会の開催に向けて、御決意を是非お願いをしたいと思います。

#38
○国務大臣(橋本聖子君) 現在、来年の東京大会の成功に向けまして、大会関係者一丸となって準備に取り組んでおります。十六日に行われたバッハ会長による菅総理への表敬におきましても、来年の東京大会開催を必ず実現し、安心、安全な大会に向けて今後とも緊密に連携していくということで一致をしたところです。また、東京大会に向けた最大の課題である新型コロナウイルス感染症対策については、九月から開催している国、東京都、大会組織委員会によるコロナ対策調整会議において議論を進めておりまして、年内をめどに中間整理を行う予定としております。
 委員からいただきました質問でありますけれども、国民の皆さんに何といっても喜んでいただいて、そして子供たちがこの国に希望と誇りを持てるような大会にしなければいけないというふうに思っております。オリパラ担当大臣として、元アスリートの経験も生かしながら、安心、安全な大会を来年必ず成功させるという決意の下に、東京都、そして組織委員会、IOC等と緊密に連携し、しっかり準備を進めてまいります。

#39
○佐々木さやか君 ありがとうございます。大臣の御決意を伺いました。
 本当にこの困難な中であるからこそ、万全の対策を講じるとともに、諦めないで、あらゆる対策、手段を講じて、そして何より安心、安全、これに対する万全の対策を立てた上で開催をしていただきたいと思います。
 この困難の中で頑張っていらっしゃる方々、もう本当にたくさんいるわけですけれども、何といっても、選手の皆さん、もう本当に今も困難の中で、また不安の中で闘っていらっしゃるというふうに思います。
 日本選手の皆さんのこの強化活動に関してですけれども、本当に目覚ましい活躍を、例えば前回のリオ・オリンピック、ここでは過去最高の四十一個のメダルを獲得をいたしました。そして、東京二〇二〇オリンピックでは金メダル三十個目標ということで掲げているわけでございます。そして、パラリンピックにつきましては、二〇二〇年、そして北京の冬季パラリンピック、また二〇二一年にはデフリンピックも開催をされるということで、パラリンピック選手の皆様も本当に日々努力をされていらっしゃるというふうに思います。こういった日本選手の皆さんの強化活動、これを是非全力で支援をしていただきたいと思っております。
 とりわけ感染症対策でございますけれども、日本オリンピック委員会によりますと、オリンピック指定強化選手の半数以上の方がこの新型コロナ感染に対する恐怖、不安を感じていらっしゃるということでございます。その不安を和らげてしっかりと支援をしていく、そのためには、PCR検査等の検査費用、また陰性証明書の発行や感染症予防対策に関わるメディカルスタッフの帯同、衛生消耗品の購入などに関する費用など、こうした予算をしっかりと確保をして支援をしていただきたいと思っております。
 トップアスリートの皆さんの強化活動に支障が出ることのないように、安心、安全なトレーニング環境の確保に向けて、各競技団体が実施する選手強化活動での感染症対策、この徹底の支援を力強くお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

#40
○政府参考人(藤江陽子君) お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けることにより、トップアスリートの競技力強化活動に可能な限り支障が生じるということのないように、感染症対策の徹底を図りつつ、安心、安全なトレーニング環境を確保することはとても重要なことであるというふうに考えております。
 このため、競技力向上事業におきまして、競技団体の行うPCR検査を始めとした感染症対策経費を支援しているところでございます。また、我が国の国際競技力向上の中核拠点でございますハイパフォーマンススポーツセンターにおきまして、感染症の予防に対応した日常的な清掃、消毒作業などに加えまして、利用者の動線の分離ですとか競技団体ごとのガイドラインに基づく行動管理などの様々な工夫を行うとともに、施設を利用するアスリート等が新型コロナウイルスへの感染を診断する検査を受けられる体制を整備するため、現在、一部選手を対象とした試行的な検査を実施しているところでございます。
 令和三年度概算要求におきましてもこうした対策に係る支援の充実を盛り込んでいるところでございまして、アスリートが安心してトレーニングを行い、東京大会そして冬の北京大会において最高のパフォーマンスを発揮できるよう、予算の確保に努めてまいりたいと考えております。

#41
○佐々木さやか君 引き続き、選手の皆さん、また競技団体の皆さんの声をしっかりと聞いていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 オリンピックの、パラリンピックの成功のため、この感染症対策についてもう一つ重要なのは、観客の皆さんの安心、安全でございます。それに関連いたしまして、調整会議の基本的な考え方として、今後の国内外の感染状況ですとか、我が国と海外との往来に関わる状況、またスポーツイベントの開催状況等を踏まえて検討していくと、このように考えていることを承知をしております。
 先般、プロ野球において新技術を用いた実証実験が行われたというふうに聞いておりますけれども、これはどのような結果であったのか、教えていただけますでしょうか。

#42
○政府参考人(藤江陽子君) 委員御指摘いただきましたとおり、先般、横浜スタジアム、それから東京ドームにおきまして、収容率五〇%を超えても現状と同レベルの感染予防環境が実現できるかといったことを検証するため、追加の感染予防措置を実施した上で、新技術を含む実証の取組が行われたところでございます。
 本取組につきましては、現在も検証が進められているところでございますけれども、暫定速報版として報告されております横浜スタジアムでの取組結果では、例えば換気状況につきまして、コンコースやトイレでの換気状況としてCO2濃度を測定した結果、濃度が高い状態は継続せず問題なかった。ただ、これについては混雑度計測に基づく場内係員の誘導と待機列の整理が効果的であったといった点。あるいは、接触確認アプリの導入状況につきましても、接触確認アプリであるCOCOAの導入率は四四%程度で、全国平均の一六%を上回っており、これについては事前の呼びかけですとかインセンティブの付与が効果を生んだ可能性があるといった効果などの結果が得られていると主催者である横浜DeNAベイスターズ等から報告を受けているところでございます。

#43
○佐々木さやか君 ありがとうございます。
 結果については最終的な取りまとめはまだこれからというふうに聞いておりますけれども、今紹介いただいただけでも有意義な恐らく実験が行われたんだろうと思っております。ほかにも、私が聞いているところによりますと、マスクの着用率について調べたりですとか、それから入場時、退場時、この混雑具合ですとか、そうしたところについてもデータを取ったりしているというふうに聞いております。
 全体的に混乱はなくスムーズにというふうに聞いておりますけれども、課題として、例えば、ほとんど日本人の観客の方々だったと思いますので、これを例えばオリンピックに向けて考えたときに、外国人の観客の方が入られた場合にどのようにマスクの装着であったりとか様々な誘導について効果的にやっていくのか、こういったところはまだ実験ができていないのかなというふうにも思います。
 そうした課題も踏まえつつ、この実証実験、活用を、結果を考慮してこれから検討を進めていただきたいというふうに思います。
 ちなみに、横浜スタジアムでは、十月の三十日、三十一日、また十一月一日ということで三日行われましたけれども、実績としては十一月一日には八六%まで観客が入ったということであります。その状態でしっかりと感染症対策が行われたのであれば、オリンピックに向けても貴重なデータになるのかなと、このように考えております。
 このスポーツイベントにおける実証実験を踏まえて、既に申し上げましたけれども、このオリンピック・パラリンピックの観客数についてこれから検討していくと。この上限等は今後どのように検討、決定していくのか、伺いたいと思います。

#44
○政府参考人(伊吹英明君) お答え申し上げます。
 東京大会における新型コロナウイルス感染症対策については、九月から開催されているコロナ対策調整会議において議論を進めているところですが、観客数の上限については今月十二日議論をしまして、大きく二点、考え方を提示してございます。
 一点目、内外の感染状況、それから今御議論がありました観客数を引き上げた場合の実証の結果、こういったことなども踏まえて、国内の上限規制に準じるということを基本としますというのが一点目でございます。二点目、最終的な決定は来年の春までに行う。この二点の考え方を提示してございます。
 なお、今月十六日、IOCのバッハ会長、総理を表敬されておりますが、そのとき観客に関しては総理から、今申し上げたような、観客の参加を想定して、規制の上限の在り方、それから防疫措置の在り方、こういうことを検討を進めているということを紹介して、今後とも安全、安心な大会に向けて緊密に協力していきましょうということで一致しているということでございます。

#45
○佐々木さやか君 重ねてになりますけれども、開催に当たっては感染症対策を万全に、安心、安全、これが第一であると。その上で、今、国内外の感染状況ということを考えますと、国民の皆様の間には不安もあるところであります。しかしながら、これまでの様々な積み重ねによって、この新型コロナウイルス対策に対する知見もだんだん積み重ねられてきたのではないかなと思います。
 ですので、いたずらに不安ということではなくて、きちんとデータに基づいた冷静かつ客観的な検討をしていただいて、そしてその結果をしっかりと説明をしていく。それによって国民の皆様の安心ということにもつながってくると思いますので、是非引き続き精力的に検討をしていただきたいというふうに思います。
 それから、このオリンピック・パラリンピックというのは、スポーツの祭典であるとともに文化の祭典でもございます。この東京オリンピック・パラリンピックに向けましては、日本博を始めとする文化プログラム、これによって文化の祭典として盛り上げていく、この取組を進めてきたわけでございます。このコロナ禍の状況の中で、冒頭にも申し上げましたけれども、文化関係の皆様も大変現在も御苦労をされていらっしゃいます。そうした中で、そうした状況だからこそ、この文化プログラムを始めとして、オリンピック、文化の祭典としても成功させていく、それが文化関係者の皆様の大きな希望にもなっていると思います。
 是非、この文化プログラムについても来年に向けて引き続き全力を挙げていただきたい。今年度の実施状況、また来年度の取組等について伺いたいと思います。

#46
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、東京オリンピック・パラリンピック競技大会は文化の祭典でもございまして、魅力ある日本文化を世界に発信するとともに、地域の文化資源を掘り起こし、地方創生や観光振興の実現にもつなげる絶好の機会だと考えております。
 そこで、文化庁では、新型コロナウイルスの影響も大きく受けつつも、今年度でいいますと、例えば東京国立博物館で開催された特別展「きもの KIMONO」などのように、これ会期が四月十四日から六月七日を予定しておりましたが、それを六月三十日から八月二十三日に変更する、また海外からの里帰り展示とか着付け体験などはこれ中止させていただく、こういったように会期や内容の変更等に柔軟に対応しながら、日本博を始めとする文化プログラムを全国各地で現在も展開しているところでございます。
 来年度も積極的に推進してまいりたいと考えておりますけれども、特に中核的事業でございます日本博につきましては、来年度を新たな本番年と位置付けるとともに、令和四年度以降も積極的に取り組み、日本文化の発信を一層強力に推進してまいりたいと考えておるところでございます。

#47
○佐々木さやか君 文化プログラムは、地方創生、観光振興ということもそうでありますけれども、日本文化の再認識と継承、発展、次世代育成と新たな文化芸術の創造、こういったことを目的ともしております。非常に、これからの日本の文化芸術の発展において非常に重要な来年は年になります。それまでの取組になります。引き続き全力を挙げていただくように重ねてお願いを申し上げます。
 最後に、オリパラ教育について、これも、子供たちにこの機会を是非有効に活用をして様々な体験、経験を積んでもらいたいな、こう思っております。この学びということについても、コロナ禍の中、非常に大きな影響を受けました。しかし、子供たちには、困難だから諦めるのではなくて、私はこの困難の中からいろんなことを学んでほしいなと思っております。
 そういった意味でも、オリンピック・パラリンピック教育、これも来年に向けて取組を引き続き強化していきたいと思っておりますけれども、今年度の実施状況、また来年度の取組について伺います。

#48
○政府参考人(藤江陽子君) オリンピック・パラリンピック教育につきましては、子供たちがこのオリンピック・パラリンピックを題材として、スポーツの価値ですとか異文化への理解を深めるとともに、共生社会への理解を深めるなど、多面的な教育的価値を持つ重要な取組であると考えておりまして、スポーツ庁では、オリンピック・パラリンピック・ムーブメント全国展開事業としてその充実を図ってまいりました。
 本年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、これまでのような形でアスリートとの交流活動等を行うことが難しくなる中で、関係機関と連携しつつ、タブレット端末やプロジェクター等のICT機器を活用し、アスリートと学校をオンラインでつないだ形での実施でのオリンピック・パラリンピック教育の推進、あるいは史上初めてオリンピック・パラリンピック大会が延期される中で、スポーツの意義、価値について改めて考える指導案の周知、オリンピック聖火リレーの動画など、自宅学習でも活用できる教材等の共有など、様々な工夫を重ねつつ取組を進めているところでございます。
 来年度に向けましては、大会の開催年でもありますので、学校におけるパブリックビューイングの実施などを支援していきたいと考えており、また関係団体と連携しつつ、アスリートから児童生徒へのメッセージ等を伝える動画の発信などの取組も進めたいというふうに考えております。
 今後とも、東京大会のレガシーとして、関係機関と連携を図りながら、新型コロナウイルス感染症対策を講じつつ、オリンピック・パラリンピック教育に取り組んでまいります。

#49
○佐々木さやか君 本当に困難な中での開催を目指すオリンピック・パラリンピックでありますけれども、こうした中だからこそ、新しい価値を私は生み出していくべきだと思います。引き続き、私も頑張っていきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。

#50
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文でございます。
 東京オリパラ特措法改正案に関連して質問いたしますけれども、まず資料一、皆さん御覧になってください。
 これ、オリンピック憲章のオリンピズムの基本原則、最も大切な基本原則が、七項目でしたかね、たしかあるんですけれども、その中にこう書いてあります。スポーツをすることは人権の一つである。全ての個人は、いかなる種類の差別も受けることなく、スポーツをする機会を与えられなければならない。このオリンピック憲章に定める権利及び自由は、いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない。オリンピックを開催する国は、これをしっかり守ってオリンピックを実現しなきゃいけないわけですね。
 さあ、そこで私は、何度もこの委員会で質問させていただいていますが、スポーツの中でゴルフという競技だけに課税をすること、ほかのテニスや野球は一切スポーツをするとき課税ありません。ゴルフだけはゴルフ場で課税されます。それから、ゴルファーの中でも、ジュニアや高齢者、あるいは国際大会に出る選手、オリンピック選手は課税しません、ただ、一般ゴルファーは課税すると。スポーツの中での差別、それからゴルファーの中での差別が歴然と残っているのが今の日本の実態なんですね。
 このような我が国のゴルフ場利用税は、オリンピック憲章が定める基本原則第四条及び第六条、この資料にあります、これ完全に違反することから、ゴルフ場利用税を即刻廃止すべきだと考えますが、橋本大臣はどのようにお考えになるでしょうか。

#51
○国務大臣(橋本聖子君) ゴルフ利用税の撤廃等については、文部科学省、スポーツ庁において複数年にわたり税制改正要望に取り組まれてきたところであります。また、オリンピック憲章の解釈については、オリンピック憲章を作成したIOCが行うこととなるものと考えております。

#52
○松沢成文君 私は、平成元年の十二月十三日、大臣を訪ねました。そして、大臣に、ゴルフ場利用税及び国家公務員倫理規程の見直しに関する要望ということで、こうしたことをるる申し上げながら、大臣に是非ともリーダーシップを発揮して、バッハ会長やドーソンIGF、これは国際ゴルフ連盟ですね、の会長と協議した上で、この問題の解決について是非とも御尽力を願いたいとお願いをしました。
 その後、何かこのお願いを受けて動いていただいたんでしょうか。

#53
○国務大臣(橋本聖子君) 昨年、委員からいただきました御要望につきましては、所管でありますスポーツ庁とも共有をさせていただいております。
 その中で、ゴルフ場利用税に関して、IOCからオリンピック憲章に違反しているとの指摘がなされていないという認識の下に、バッハ会長に直接お伺いをする前に、IOCとしての認識としてはオリンピック憲章に違反をしていないということでありました。
 引き続き、こういったことを認識をしながら、ゴルフ場利用税の在り方については当該制度を所管する部局において適切に判断すべきものと考えておりますが、これまでも、文部科学省、スポーツ庁においてゴルフ場利用税の撤廃等について複数年にわたり税制改正要望がなされておりますので、令和二年度から、ゴルフ競技が行われる国際的競技会に参加する選手の当該公式戦及び公式練習のための利用等について非課税措置が認められたものと承知をしております。

#54
○松沢成文君 今大臣おっしゃったとおりなんですね。
 私は、この日本のゴルフ場利用税はオリンピック憲章に完全に違反するから、IOCとしてそれを認めて、日本政府に要請してほしいと、その改革を、実はバッハ会長に二回もお手紙を送りました。そうしたら、本人は逃げちゃって、エグゼクティブディレクターという方からお返事が来まして、こう書いてありました。IOCはこのような日本の規制についてコメントする立場になく、関連する国内組織で議論されるべき問題と考える。つまり、これは日本の制度なんだから日本がちゃんと改革してくださいよと、IOCに持ってこないでくださいよという逃げの姿勢なんですね。
 じゃ、日本の政府はどう考えているのか。萩生田文科大臣に私は昨年十二月の委員会で質問しました。大臣、こう答えました。オリンピック憲章に違反するかどうかについては、お答えできる立場にございませんので意見を差し控えさせていただきたい。私は、この答弁が不服だったので、政府に質問主意書を出しました。同様の答えでした。日本政府もこの憲章にどうのこうのというコメント、違反の、判断する立場じゃないから勘弁してくれと。
 さあ、困っちゃいましたね。オリンピック憲章がある、それに完全に違反している制度が今、日本にあるのに、IOCにこれは憲章違反だから改めよと言ってくれるかと言ったら、IOCは、いやいや、それは日本の問題だと。じゃ、日本の政府、これ改革する意欲があるかと言ったら、いや、私たちはそれを判断できることができませんと言うんですね。
 さあ、大臣、これ、オリンピック担当大臣でこのオリンピック成功させなきゃいけない。こんな憲章違反の制度をそのまま温存しているような日本ではこれ困るわけですね。じゃ、ゴルフ場利用税がオリンピック憲章に違反しているか否か、これを判断するのはどちらにありますか。IOCですか、それとも日本政府ですか。お答えください。

#55
○国務大臣(橋本聖子君) ゴルフ場利用税に関してIOCからオリンピック憲章に違反しているとの指摘がなされていると認識はしておりませんので、その在り方については関係省庁間において検討されるべきものと考えております。
 ゴルフ場利用税の撤廃等については、文部科学省、スポーツ庁において複数年にわたり税制改正要望に取り組まれてきたところでありますので、オリンピック憲章の解釈についてはオリンピック憲章を策定したIOCが行うということで認識をしております。

#56
○松沢成文君 オリンピック憲章の解釈についてはIOCがやるべきだと、こう今お答えになりました。
 それでは、このオリンピックを成功させるために、大臣の方から、日本のゴルフ場利用税、国内政治ではごちゃごちゃになって全く改革進まないと、やはりIOCにこれが憲章に違反しているかどうか判断を願いたいと、そうバッハ会長に伝えていただけませんか。それが私はオリパラを成功させるためのオリンピック担当大臣の責務でもあると思いますが、いかがですか。

#57
○国務大臣(橋本聖子君) 繰り返しになりますけれども、ゴルフ場利用税に関してIOCからオリンピック憲章に違反しているとの指摘がなされておりません。そういった認識の下で、その在り方については関係省庁間において検討されるべきものと考えております。

#58
○松沢成文君 IOCからその認識がなされていないから、やっぱりオリンピック担当大臣のあなたが、この制度は憲章に照らしてみるとやはりまずいですね、違反ですねということを確認すべきですよ。そうしないと、これ前に進みません。憲章違反の制度ですから。
 私は、ゴルフ場利用税が、こんな差別的な税制がですね、スポーツに対する、これ、この憲章に、全然平気だよと、全く違反じゃないよと言える勇気のある方がいたら是非ともここに出てきてほしいですし、それを大臣が言えるならいいですよ。言えない。それで、IOCが判断すべきだと言っている。そうであれば、バッハ会長にあなたがきちっとただすべきじゃないですか、日本じゃ改革全然進まないんですから。それぐらい責任持ってやってくださいよ。オリンピックをやる上で、こういう不公平な税制、差別、それをなくしていくという改革をやることが私はオリンピックのレガシーにつながると思う。何年これやっているんですか。本当に恥ずかしいですよ。
 さて、この問題解決するためにいつも自民党の税調の中で出てくる議論は、ゴルフ場利用税、これは地方自治体にとって貴重な財源だと、地方自治体は今財源が厳しいと、だからその財源をどうにかする方法がないと、もうすぐに廃止なんかできないよという議論で終わるんですね。終わるんです。
 ただ、逆に言えば、私は地方自治体の長もやっていましたので、地方自治体は財源が既得権益ですから、ゴルフ場利用税でなくたって、国がちゃんと財源を保障して回してくれるのであれば、別にゴルフ場利用税なくなったっていいよという自治体の長が圧倒的なんです。財源が利権になっているわけですよ。じゃ、財源を用意してあげようじゃないですか。今日は自民党幹部の世耕参院幹事長もいますので、それぐらい幹事長、考えましょうよ、改革やるためには。
 まず、交付税措置できるかどうか。それだけ地方はゴルフ場あって頼って、困っている、なくなったら困るので、それを基準財政需要額に入れていただいて交付税措置する。じゃ、不交付団体もあるんですよ、ゴルフ場がたくさんあって。例えば神奈川県の箱根町。じゃ、交付税来ないじゃないかと、一番困るよとなるでしょう。
 それこそ知恵を使って、例えば、今度、toto法案が来週審議されます。そこでは地方自治体や国庫に入ってくるんです。それで、交付税措置で賄えない分、不交付団体なんかにはそういうものを使って財源を取り急ぎ激変緩和措置で認めてやるとやれば解決策見えてくるんですよ。
 さあ、これ世耕幹事長に質問したいぐらいですけれども、さあ、文科大臣、これ、スポーツ庁も、この税制不公平だからどうにかしてくれと、スポーツを担当する立場としてはこれは困るんだと言っている。そうであれば、財源措置だって、toto法の財源も出てくるわけですから、きちっと財務省や総務省にも説得して、それで財源保障されました、地方自治体もオーケーです、じゃ、ゴルフ場利用税という本当に不公平なひどい税制は廃止できる、オリンピックを本当に憲章にのっとった形で迎えられる、そう持っていってほしいんですが、文科大臣、それぐらいやる根性ないですか。

#59
○国務大臣(萩生田光一君) 根性で解決できるならとっくに解決していると思うんです。
 スポーツの中で唯一課税されているという観点から、私、見直しが必要だということは、先生、同じ意見をかねてから申し上げています。先生、知事時代に神奈川県下のゴルフ場の利用税についてどういう対応されたのか、逆にいつか御指導いただきたいなと思うんですけれど、ゴルフ場利用税による税収は地方自治体にとって貴重な財源となっているとの声があり、見直しに当たっては、今御指摘の代替財源の確保が大きな論点になっていると思います。もうポイントはここだと思います。
 今、一つtotoの提案いただきましたけれども、totoの売上金については、地域のスポーツ施設の整備や総合型地域スポーツクラブの育成などに活用され、地域スポーツの振興に欠かせない貴重な財源となっているところです。これを直ちにゴルフ場利用税相当額で代替財源として振り分けるということが果たして可能かと言われると、これはまた税制制度との関わりが出てきますので、一つの提案としては受け止めてまいりたいなというふうに思っています。
 いずれにしましても、ゴルフにだけ税金が掛かっているというこの状況は私は望ましいとは思っていませんので、根性じゃなく、いろいろ知恵を出しながらしっかり対応していきたいと思います。

#60
○松沢成文君 私は知恵を提供しているんです。でも、それをやれるのは大臣の立場ですから、そこにはしっかりとした信念を持って改革をしていただきたいと思います。
 この問題はオリンピックの前に解決すべき問題でした。スポーツの発展を阻害して、五輪憲章に完全に違反するゴルフ場利用税、その廃止ができないのでは、私はオリンピックの本当の意味でのレガシーは残らないと思いますよ。
 何か最近、NHKから国民を守る会というのがゴルフ党という名前に変えたらしいんですね。それで、これからワンイシューとしてゴルフ場利用税、不公平税制の撤廃を訴える。こういう動きも出てくるんですよ。
 私は、今年の自民党さんの税調でほぼ決まっていきますので、是非とも世耕幹事長におかれましても、自民党の中できちっと議論をしていただいて、本当にオリンピックやる国として恥ずかしくない、そういう制度をつくり迎えていただきたいと切にお願いをする次第です。
 さて、次、資料三を見ていただきたいと、資料三になるのかな。
 実は、こういうことを私触れるのは嫌なんですけれども、ちょっと本当にこれ厳しい状況になってきているのであえて言いますけれども、東京オリンピックを招致する招致委員会の疑惑が続々と出てきてしまって、実はこれ、フランスの検察当局がどんどん調べています。
 その情報が外に出てきていまして、まず第一に、現在の東京オリパラ組織委員会の理事の高橋治之さん、元電通で、このスポーツビジネスを仕切ってきた方ですね。この方の、招致するときですよ、の会社コモンズに招致委員会から九億円の送金があったと。もうこれが、アフリカ票を獲得するための贈収賄というか、の資金に使われたのではないかということで、今捜査がどんどん進められているんです。
 実は、JOCの前竹田会長もこの疑惑でフランスの検察当局に呼ばれて聴取を受けて、それで辞職をしているんですね。御本人の理由は後継に譲るためと言っておりますけれども、もうこうやって国際機関に狙われると海外に出れなくなりますから、これで辞職をしていると。これが、実は九億円送金というのがもう確実に証拠として出てきてしまいました。何に使ったのか。まあ、高橋さんは、こんなこと、どこの国でもやっているんだとか、アフリカ票を確保できたのは自分のおかげだと、こうやって威張っているわけですが、これかなりまずい発言ですよね。ここまで来ちゃっています。
 二点目、高橋さんもいた電通なんですが、確かに国際スポーツビジネスを仕切っているすごい会社だと思います。これ、電通は、オリンピック招致のときにIOCのマーケティングパートナーであったんですね。その電通が日本の招致委員会の口座に六億七千万円も寄附として入れちゃっているんです。ということは、電通は招致委員会と組んで開催都市を決定するIOCメンバーに対するロビー活動を行っていたというふうに疑われても仕方ないですね。この行為は、招致活動の公平性、中立性を確保するために利益相反を防止するというIOCの行動規約第十条に違反しているのではないかといって、フランスの検察当局も捜査が進んでいます。
 さて、三つ目、大活躍の組織委員会の森会長が代表と会長を務める嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センターにも招致委員会から一億四千五百億円が振り込まれている。そして、ここに一人だけ職員がいるんですが、この職員はこれを何のために使ったのかと聞かれたら、国際的な情報を、招致に関わる国際情報を分析するからこのお金を使ったんだと。いや、国際的な情報を分析するのに一億五千万近くお金が必要なんでしょうか。
 つまり、高橋さんのコモンズもこの嘉納治五郎財団も、完全に招致委員会が、ロビー活動といえば聞こえはいいですけれども、IOCのこの投票権を持った有権者を買収するために様々な工作に使った資金のトンネル会社だったんじゃないか。完全に国際機関はここを疑っていて、今捜査をしているんですね。
 さあ、オリパラ大臣、文科大臣、こうしたフランスの検察当局の捜査、どのように見ておられますか、どう感じますか、どこまで御存じですか。

#61
○国務大臣(橋本聖子君) 招致委員会に関することにつきましては政府としてコメントする立場にありませんが、招致委員会の設立主体であったJOC、東京都において説明責任を果たしていくべきものだと思いますし、また嘉納治五郎財団のお話がございましたけれども、嘉納治五郎財団につきましても説明責任を果たしていただきたいというふうに思っております。

#62
○国務大臣(萩生田光一君) 幾つかお話のあったそれぞれの御指摘の報道は承知していますが、報道された事実関係については、私、承知しておりません。

#63
○松沢成文君 実は以前、三年前ですけれども、JOCがやはりこの状況はまずいということで調査委員会つくったんですね。でも、この調査委員会が全く機能しないで、金を受け取った側の取材にも行っていませんので、まあ全く法律違反はないという結論だったんですが、全く機能しなかったということで厳しい評価だったんですね。
 さて、新たな疑惑が幾つも発覚して、フランス検察当局や国際の通信社ロイターが今どんどん調査をして新しい事実が出てきてしまっています。
 私は、日本もきちっと、こういう疑惑があるのであれば、自浄能力を発揮して新たに第三者機関による調査を行うべきじゃないかと。私は、むしろ後継機関である組織委員会の中に第三者機関をつくって、やはりこれが本当だったらばまずいと、まず先に、国際機関に指摘する前に自浄作用で先に対応しようというのがないと、これオリンピック終わった後、私は必ずこれ上がってきちゃうと思います。そのときに、日本の招致は何だったんだと、その正当性から問われることになるんです。
 ここは、担当大臣として、これ招致委員会は文科大臣ですが、オリンピックを成功させるための担当大臣として、橋本大臣、新たな調査委員会をつくって、きちっと自浄能力を発揮したらいかがでしょうか。

#64
○国務大臣(橋本聖子君) この東京大会の招致に関する問題につきましては、当時の招致委員会の主体になっていたJOC及び東京都において説明責任を果たすべきものと考えておりまして、政府として調査を行うということに関しては考えておりません。

#65
○委員長(太田房江君) 時間が来ました。

#66
○松沢成文君 時間が来ましたので、以上です。ありがとうございました。

#67
○伊藤孝恵君 東京二十三区や名古屋、大阪、都市部を中心にコロナ感染者が急増しております。西村大臣は、昨夜、再度の緊急事態宣言も視野に入ってくると発言をされました。あれほどまでに深刻な経済への打撃をもたらした緊急事態宣言という言葉を経済再生担当大臣が口にされるという、事の深刻さを感ぜざるを得ません。
 一方で、十一月十二日、コロナ感染者が過去最大の一日で一千六百六十二人を記録したこの日、官邸では、政府、東京都、大会組織委員会による調整会議が開催され、オリパラを見に来た観客には、通常、日本が感染防止の水際対策として求めている入国後十四日間の待機措置を免除するという緩和策が話し合われました。
 そして、十四日にはIOCバッハ会長が来日し、来年はオリンピックスタジアムに観客を迎えられると確信していると述べて帰られました。しかしながら、このバッハ会長、欧州では、来年二月に開催されるはずだった国際会議を、今は世界はそんな会議を開催できる状況にないといって十一月への延期を早々に決定したものですから、これはダブルスタンダードなのではというような批判の、また疑問の声も上がっております。
 橋本オリパラ大臣に伺います。
 東京オリパラについては、今国民の受け止めが大変微妙であることを認識しなければいけないと思います。開催を待ち望む声がある一方で、世界中から人が集まるということは、世界中から変異したウイルスが持ち込まれるということになるのではという心配の声も大変根強いものがあります。
 政府が不退転の開催の覚悟を述べれば述べるほど、思いは思い、科学は科学として整理をしてほしいし、いつの間にか復興五輪からコロナ五輪に変わっているし、その決意というのは、日本国民のためなのか、日本経済のためなのか、世界のオリンピック・パラリンピックファンのためなのか、アスリートのためなのか、はたまたスポンサーのためなのか、それとも政治的な事情、いろんな思いが、何でここまでして不退転の覚悟でというふうにおっしゃる、その大丈夫という、そういう裏付けは何なのかという思いが湧き起こってくるわけです。今は、みんなに整合的な説明をして、心から応援されるオリパラをいかにつくっていくか、そこに腐心しなければいけないと思うんですが。
 資料一を御覧ください。
 これ、選手を応援しようと公立学校の生徒会が企画した壮行会にまでアンブッシュマーケティング違反だと目くじらを立てるJOCの対応が書かれた記事であります。アンブッシュマーケティング、日本語では便乗商法と訳されますけれども、オリンピック公式スポンサーでもないくせに乗っかってくるなということですね。でも、これ生徒会の企画なんですよ、県立高校。そして、ここには選手を育てた恩師がいて、確かに公式スポンサーではないけれども、地道に競技を支え、選手に資金提供をしてここまで育ててきた企業もある。みんなで選手を囲んで頑張ってきてとエールを送る、それを地元メディアに取り上げてもらうことでコアな地域がより一層盛り上がる。もちろん、ロゴとか商標なんて使いません。
 それのどこにそんなに問題があるのか。大臣、どう思われますか。

#68
○国務大臣(橋本聖子君) 東京大会の計画、組織、資金の調達及び運営については、開催都市契約において、東京都、日本オリンピック委員会及び大会組織委員会がその成功に対して責任を負い、これを確実に実施することというふうにされております。オリンピック・パラリンピックはアスリートのためのものであって、万全の準備と運営によって、安全、安心で全てのアスリートが最高のパフォーマンスを発揮し、自己ベストを記録できる大会を目指すこととされております。
 また、今御指摘がありました壮行会についてでありますけれども、JOCによるオリンピックに関する知的財産の保護の観点から、平昌大会時には選手の所属先等が開催する壮行会の公開中止や壮行会自体の中止等があり、当時の鈴木大臣から、スポンサーの権利保護と国民全体の参加や機運醸成とのバランスの取れた対応を求めておりました。東京大会では選手の所属先における壮行会の実施が可能となりまして、学校等の非営利団体では壮行会の公開も可能となったと承知をしております。
 東京大会では、より国民が参加しやすい壮行会になるものと考えておりますので、引き続きしっかりとした対応をしていきたいと思っております。

#69
○伊藤孝恵君 バランスの取れた対応というのに努めていただいたという御答弁でありました。
 本当に、日本にはアンブッシュマーケティング規制法等はありませんので、商標権、不正競争防止法による保護される権利、著作権等、こういった法をちゃんと守っているというようなところに関しては、こういった応援団の集まりですとか壮行会ですとか、よもや、その青少年の頑張ってほしいという気持ちをその広告会社が覆いかぶさって規制をするような、そんなことがないように、大臣のお立場からもチェックをしていただきたいと思います。
 こういった五輪憲章、オリンピズムの精神、誰より理解されている大臣だと思いますし、競技を続けていくには確かにお金も要る。しかし、この商業主義が競技自体にまで影響を及ぼしている、その実態もジレンマもよくよく御存じの大臣でありますから、いま一度、オリパラ開催がなぜ今必要なのか、開催によって日本をどう変えていくのか、もちろん、より良く変えていくのか、そういった本質的な議論を求めたい思いから伺います。
 スポーツ社会学、歴史社会学の観点からオリンピックを研究されている奈良女子大学の石坂先生、一九九八年に長野で行われた冬季五輪のレガシーを調べるために、十年後の二〇〇八年、現地調査に入られまして、精緻なデータによる裏付けと聞き取りにより、当初五輪がもたらすとされた経済効果は乏しく、むしろ間接経費の増加により、残ったレガシーというのは多額の借金だったというようなことを明らかにされました。ただ、一方で、ボランティアという日本にはまだその頃余りなじみのなかった文化が定着し、その後、緩やかで自発的な連帯というのがその後の町づくり、人材育成に役立ったともおっしゃっていて、私は非常にその話が印象的でありました。
 大臣は、所信的挨拶の中でも、担当大臣として次世代に誇れるレガシーを創出すると宣言しておりますし、もちろん会計検査院からも大会終了後のレガシーの創出というのが要請されております。レガシーというのは立派な競技場でも高層マンションでもございませんので、今日は大臣にテクノロジーによる善意の可視化というレガシーをつくる仕組みを御提案したいというふうに思います。
 例えば、今の仕組みの中でいうと、車椅子の方が競技場に出かけていく場合、大会会場の中にはもちろんボランティアの方がいてくださいます。しかしながら、その会場と駅の改札の間というのは自治体の対応に任されているということでした。さらには、改札の中に入ってしまえば、一部自治体の対応もあるかもしれないということでしたが、基本的には全て事業者の対応に任されているということでした。
 この車椅子の対応件数というのは、もちろん車椅子の方が自由にいろんなところに出かけてほしいという思い、そして、そういった法整備、バリアフリーの整備もありまして年々増加しております。
 先日、JRで働く方々に、自分たちは公共交通としての使命をしっかりと感じているので、昼食が取れなくてもこの車椅子対応頑張りたいというふうにおっしゃっているのを聞いて、私は一抹の、有り難さとともに違和感を感じました。こういった従業員の使命とか事業者の責務、こういうことに頼ること、特に、オリパラ期間中は日本中や世界中の方々に生の競技を、そのパフォーマンスを、選手のパフォーマンスを見ていただきたいと呼びかけているのに、では一体、国はどんな取組をしているのかというような疑問があります。
 五月に可決されたバリアフリー法改正案には、附帯決議の十及び十一に、参議院の明確な意思として、事業者、行政、ボランティア団体等の連携の下、社会全体で障害のある利用者の安全を確保し、支えていくための取組を推進すること、それから、国は、移動制約者と事業者双方との対話を重ね、介助の在り方の明確化を図ることというのが明記され、今まで政治が理解を怠ってきた事業者側の負担軽減に言及をしております。
 赤羽大臣からは、介助は事業者の職員だけではなくて乗客がカバーできるところもあり、究極的には国民の共生社会の度合いをレベルアップしていくことが重要、いい知恵がすぐに出ないが、必要な対応はしっかりしていかなければいけないと思っているというふうに答弁をされました。
 大臣、今、子供が改札を通ると保護者にプッシュ通知で今何々駅の改札を通りましたよというふうに教えてくれるアプリがあるんです。GPS機能も付いていますので、今どこにいるかも保護者はそれを分かることができます。
 これと同じ仕組みで、例えば車椅子の方が改札を通ったら、事前にボランティア登録をしている人に、かつ半径数百メートルとか五十メートルとか以内にいる人にプッシュ通知が行って手伝ってもらえるアプリとかできないのかなと、ついでに事前に行程を登録しておけば、そのリクエスト、落札というかアテンドできますよというふうにつなげてもらえる、これ、シッターアプリの、今のベビーシッターのアプリの仕組み、よくある仕組みですけれども、そういうマッチングアプリってできないのと私は以前勤めている会社の技術者に聞いたら、そんなアプリとかそんなものはサービスは数時間でできるよと、ただ、マネタイズの仕組みというのが見えないので、一事業者がサービスとしてそれをカットオーバーするというのはなかなかイメージはできないというふうに言われました。
 大臣、今ほどの御提案というか例えは、例えばJR等のエッセンシャルワーカーたちの働き方改革、そういったところにとどまらず、例えばインクルーシブな社会をつくっていく、大それたボランティア精神を発揮してくれと言っているのではなくて、小さな、我々の中、みんなが持っている小さな善意というのを、総和で社会を強くしていく、テクノロジーにより可視化していく、政治はそういった仕組みに投資をする、こういうチャレンジがDXというのの本質だと思いますし、レガシーの形の一つになり得るんじゃないかというふうにも思います。
 こういった、オリパラを機に新しい当たり前をつくっていく、レガシーのアプローチというのに関してはこういったものもあるんじゃないかというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

#70
○国務大臣(橋本聖子君) 今委員から御提案をいただきました提案というのは大変すばらしいというふうに思っております。
 この東京大会において、やはりレガシーとして、次世代に誇れる有形無形のレガシーを残すということは非常に重要だというふうに認識しておりまして、このため、オリパラ基本法においても、基本的な考え方の中で、次世代に誇れるレガシーの創出と世界への発信というものを掲げております。スポーツや文化など多様な分野における交流を通じて、地域の活性化に資するホストタウンの推進というものもありますが、ユニバーサルデザインや心のバリアフリーによる共生社会の実現というもの、そして日本の文化や食などの魅力の発信などにも力を入れております。
 世界各国から、障害を持った方、あるいはパラリンピアンの方々への対応というもの、そういったものをこれから、やはり調整会議等も踏まえまして、何ができるのかということをしっかりと連携を図りながら、推進していくための参考にさせていただきたいというふうに思います。

#71
○伊藤孝恵君 大臣、ありがとうございました。
 時間がなくなってしまいましたが、最後に文科大臣に伺います。
 今、幼稚園とか保育園とか小学校で、オリンピック教育、パラリンピック教育として、あのパプリカ、みんな踊っていますね。うちの子たちも踊っていて、東京だけかと思ったら、もう全国津々浦々の子供たちが、あれみんな踊れるんですよね。すごいなというふうに思っていて、先ほど佐々木委員の方から、レジリエンスというか、困難の中にあっても折れない心を子供たちの中に育むというような重要性についても触れられたことでありますけれども、こんなに津々浦々全国に浸透するというフォーマット、これ、例えば、子供たちの本当に必要な主権者教育、もちろん性教育、そういったものにも活用できるんじゃないかなというふうに思いまして、例えばイギリスの性教育動画、パンツサウルスと有名なものがありますね。大事なものは見せちゃ駄目といってみんな歌ったり踊ったりするんですけれども、そういうような教育に利用していける、そんな可能性も今回のオリパラ教育の中にはあったんじゃないでしょうか。これもレジリエンスの一つ、すごく残された、今後残していくものの一つなんじゃないでしょうか。最後に御答弁お願いします。

#72
○国務大臣(萩生田光一君) 御提案の歌の活用など一つ一つの手法についてコメントすることは差し控えたいと思いますが、一方、各学校において、主体的、対話的で深い学びの視点からの授業改善を図り、身近な題材などを取り上げて児童生徒の興味や関心を引き出したり理解を促進したりすることは重要だと思います。各学校においては、引き続き、児童生徒に必要な資質、能力を育むため、発達段階等も踏まえつつ、創意工夫をして授業を展開していただきたいと思っております。

#73
○伊藤孝恵君 この驚くほどの浸透度、是非分析をしていただいて、活用をお願いしたいと思います。
 終わります。

#74
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 菅総理は、IOC、バッハ会長との会談で、人類がウイルスに打ちかったあかしとして二〇二一年の東京オリンピック・パラリンピックを開催すると述べ、橋本大臣も開催は決定だと答弁されております。しかし、例えばANNの十一月の世論調査では、七月開催でよいは三三%、更に延期二八%、中止三一%と世論は分かれています。世界的にも国内でもコロナの感染拡大に収束の兆しがなく、今後を予測できない下では当然のことだと思います。
 感染状況によっては来年夏の開催は確実ではありません。その際、私は、開催ありきで突き進むのも、また勝手に中止や延期を判断するのも相当ではないと考えます。例えば安倍前総理は、一年延期をIOCに提案したことについて、専門家の助言はいただいていないが、政治的に判断しなければならないと答弁していましたが、これは科学的とは言えないと思うんですね。
 政治判断の前提として、専門的知見やスポーツ界の意見などを踏まえるべきだと考えますが、大臣の認識を伺います。

#75
○国務大臣(橋本聖子君) 今、この九月から開催をしております東京大会における新型コロナウイルス感染症対策について、国、東京都、大会組織委員会によるコロナ対策調整会議におきまして、このコロナ対策に関して、観客あるいはホストタウンですとか選手を取り巻く環境、そういったものについての議論を行っております。
 その中で、当然、感染症対策の専門家の先生方にも御参加をいただいて指導していただいておりますので、そういった全ての関係者の方、医科学的な問題も含めて解決をするためにどうあるべきかという議論でありますので、これをしっかりと寄り添う形で踏まえて、年内をめどに中間整理を行う予定としております。

#76
○山添拓君 専門家の意見は当然だと思いますし、例えばJOCの理事の山口香さんは、次の決断がされるときにはスポーツ界も議論に加わるべきだと述べています。独断ではなく、意見聴取、検討を経た上での判断を是非お約束いただきたいと思っています。
 今後、どの程度費用が膨らむのか見えないことも重大です。コロナで暮らしとなりわいの困難が広がる中、開催できるか分からないオリンピックに更に予算をつぎ込むのかと、こういう懸念も当然あるわけです。報道では三千億円の増加とされておりますが、明らかではありません。
 そこで伺いますが、一年延期で増額が予想される費用は、具体的にはその内容はどのようなものでしょうか。また、開催都市契約のバージョンフォーでは、本契約当事者は共同して評価及び議論を継続するとの理解の下、追加の費用について責任を負うとしていますが、この本契約当事者の中に国は入っていません。国は新たに費用負担をしないのかということについて伺います。

#77
○国務大臣(橋本聖子君) まず最初の御指摘でありますけれども、追加経費の内容であります。主なものを具体的に挙げさせていただきたいというふうに思いますが、大会組織委員会によりますと、東京大会の延期に伴い発生する経費として主なものは、仮設の観客席やプレハブなどのリース、レンタル費用、そして資材の一時保管、また撤去した資材を再設置するなどの工事の費用、そして工事の一時中止期間中に資材等を点検、管理する費用などがあるというふうに認識をしております。
 また、費用負担についてですけれども、開催都市契約は、IOC、東京都、大会組織委員会、日本オリンピック委員会、JOCのこの東京大会を開催する、運営する、開催と運営をする四者の間で結ばれた契約であり、国は当事者ではございません。そのため、開催都市契約の条文の解釈について、国としてお答えする立場ではございません。

#78
○山添拓君 いや、国は新たに費用負担をしないのかどうかという点について伺います。

#79
○国務大臣(橋本聖子君) 東京大会の開催経費については、これまでも大会運営の実施主体である大会組織委員会から毎年年末に大会経費としてその全体像が公表されてきたところであります。
 追加の大会経費に係る役割の分担ということになると思いますけれども、IOCや大会組織委員会を中心とした延期に伴う経費の精査状況やコロナ対策調整会議における議論の整理などを踏まえながら、今後、東京都や大会組織委員会を中心に、国も関わって検討がなされていくものと承知をしております。

#80
○山添拓君 国も関わってというだけではなくて、立候補ファイルの段階では、組織委員会が資金不足になれば都が補填するとしていました。しかし、東京都は、コロナ禍で財政調整基金を切り崩して、この先税収の大幅な減収も見込まれています。一方で、IOCは最大八百五十億だと先手を打っているわけですけれども、これは政府としても、IOCの言い値では困るという、そういう姿勢が必要なんじゃないでしょうか。

#81
○国務大臣(橋本聖子君) 東京大会の延期に伴う経費について、六月のIOC理事会において示された安全、安心、費用節減、簡素化という基本原則にのっとって精査が進められておりまして、十月のIOC理事会において大会組織委員会よりこれまでの簡素化による効果が報告をされたところであります。
 五月に開催されたIOCの理事会においては、東京大会の延期に伴うIOCの追加負担を最大八億ドルと見込み、このうち六・五億ドルを大会延期に係るコスト、一・五億ドルをIFやNOC等に対する支援となっておりますが、その詳細な内容は公表されておりません。
 いずれにいたしましても、追加の大会経費に係る役割分担については、今後、東京都、組織委員会を中心に、国も加わってしっかりと検討をなされていきますので、国自身がどの部分において負担をするべきかということをまずは精査をさせていただきたいというふうに思います。

#82
○山添拓君 国民負担や都民負担が増える可能性が高い問題ですが、その金額も負担割合も、今こうして一年延期のための法案審議をする中で大枠すら示されておりません。これ、重大な問題だと思うんです。
 資料をお示ししております。次の問題に行きます。
 政府の調整会議では、外国人観客の受入れについて、入国後の二週間隔離と公共交通機関の使用禁止を条件とするのは観戦を事実上困難とするとし、これらを不要とする検討が行われています。しかし、これは余りに短絡的ではないかと思うんですね。
 現在、原則入国禁止措置となっている百五十二か国から来日する人には、空港での検査で陰性が確認されても十四日間の待機、そして公共交通機関は使用禁止です。ビジネストラックという枠組みで十四日間待機を求めない場合でも、公共交通機関については使用禁止とされています。
 厚労省に伺いますが、なぜこうした扱いになっているのでしょうか。

#83
○政府参考人(依田泰君) お答え申し上げます。
 ただいま委員から御指摘ございますように、ビジネストラックやレジデンストラック等による入国につきましては、指定場所での十四日間の待機、また公共交通機関での不使用を要請を行っていることに加えまして、また、こうした公共交通機関の不使用などの防疫措置につきまして、受入れ企業、団体、確約することを条件として、感染拡大防止の徹底を図ると、水際対策の強化の一環として実施をしているというところでございます。

#84
○山添拓君 ビジネストラックは不特定多数の人とは接触しないという前提があるのだと思いますが、厚労省に確認しますけど、これ潜伏期間の問題で、ウイルスの特性上、十四日間の待機中に感染が確認される場合もあり得ると、こういうことですね。

#85
○政府参考人(依田泰君) こうした取扱い、十四日間の待機でございますけれども、新型コロナウイルス感染症につきましては、十四日間の潜伏期間があるといったようなところを踏まえて現在実施をしているというところでございます。

#86
○山添拓君 この点はもう御承知のとおりなんですけれども、大臣に伺いますけど、やはり外国人観客について、二週間隔離、公共交通機関不使用を条件としない扱いというのは、少なくとも現時点では現実的ではありませんし、適切とも言えないのではないかと思いますが、いかがですか。

#87
○国務大臣(橋本聖子君) 二週間の隔離、公共交通機関不使用を緩和する場合については、これらと同程度の防疫措置を構築する必要がありますが、具体的な措置内容については、今後の国内外の感染状況等を考慮し、来年の春までに決定をする予定としております。

#88
○山添拓君 これはウイルスの特性の問題ですので、感染状況がどういう状況になっても対応を検討しなくちゃいけないことだと思います。
 東京都医師会の尾崎会長は、全世界から観客を呼んでできるかといったら限りなく難しいと、もしやるとすれば無観客が現実的には妥当との見方を示しています。これ、改めて検討すべきだと思います。
 次に、医療体制について伺います。
 選手村の総合診療所のほか、各会場に医務室を計百三十か所以上設ける計画とされています。スタッフの数は一万人以上、医療従事者だけでも五千人以上が必要とされていますが、このうち報酬を支払うのは責任者の約五十名だけで、それ以外は無報酬あるいは病院から勤務扱いで派遣してもらうと、基本はボランティアということです。
 コロナで疲弊する医療機関に減収補填がなされず、多くが赤字を抱えて職員の給料やボーナスがカットされています。この下でただ働きせよというのは、さすがに無理を強いるものなんじゃないでしょうか。

#89
○国務大臣(橋本聖子君) 選手村の総合診療所や各会場の医務室における御指摘でありますけれども、大会期間中における医療体制については、組織委員会において、選手村に総合診療所、各競技会場には選手用、観客用の医務室を設置、運営するほか、これらの施設の機能を超える治療、検査が必要な場合は大会指定病院に搬送するなどの体制と承知をしております。
 このコロナ対策調整会議におきまして、そういった医療現場の実態も踏まえながら、しっかりと専門家の御意見をお聞きして検討を進めていきたいというふうに思っております。

#90
○山添拓君 先ほどこの点は石川委員からも質疑がありましたけれども、資料の三ページに新聞記事も紹介しております。コロナ前の検討の結果としての現在の体制です。この先更に発熱外来などを設置することになれば、人手は更に必要になると思います。記事にもありますが、都内の大学病院の責任者は、組織委員会は必要人数や待遇をゼロから協議するべきだと話をされています。原則無報酬というやり方を含めて、現状の計画では医療体制は破綻しかねないと思います。これは抜本的に検討し直すべきだということを指摘させていただきたいと思います。
 組織委員会は、持続可能性に配慮した調達コードにおいて、国際的労働基準の遵守、尊重など、適正な労務管理と労働環境の確保を求めていくとし、ILOとの間ではディーセントワーク促進に向けた合意書、協力覚書に署名しています。これは初めてのもので、非常に意義あるものだと思いますが、例えば、そうした合意がある下で解決していない労使関係の問題ということも残されております。大会のオフィシャルパートナー企業である日本航空では、二〇一〇年の経営破綻時に強行したパイロット八十一名、客室乗務員八十四名の整理解雇事件がいまだに解決しておりません。ILOから四次にわたる勧告で労使の対話が求められ、赤坂社長も解決を図りたいと述べながら事態が動かないままです。
 ILOの百六十六号勧告では、経済的理由で解雇された者には再雇用の優先権を与えるべきだとされているのですが、これは日本も賛成したものです。しかし、日本航空は、整理解雇の後、五千六百名を超える客室乗務員を採用しながら、解雇された者からは一人も再雇用していないんですね。
 大臣に伺いますが、こうした国際労働基準ないし行動規範にそぐわない労使関係が見られる場合、これはやはり、その是正が図られてしかるべきなのではないでしょうか。

#91
○国務大臣(橋本聖子君) 組織委員会が定める持続可能性に配慮した調達コードでは、調達する物品、サービス等の製造、流通等に関してサプライヤー等に求める基準が定められておりまして、労働に関しても、国際的労働基準の遵守、尊重を始め、九つの事項について基準が定められております。
 調達コードの実効性を担保するための方法、規定というのは、これから事案が発生した際には組織委員会において適切に対応するものと考えておりまして、しっかりと対応しなければいけないと思います。

#92
○委員長(太田房江君) 時間が参っております。

#93
○山添拓君 ありがとうございます。
 時間ですので、終わります。
 調達コードもILOとの協力覚書も、掲げたからには実効あるものにするべきだと思います。組織委員会は個別の問題を含めて適切に対処すべきことを求めて、質疑を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#94
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 まず初めに、一言申し上げます。
 私は、人間の可能性に限界はないというスローガンで活動しています。そのことを証明されたオリンピアンの橋本大臣、パラリンピアンの横沢先生に敬意を表したいと存じます。
 それでは、質問に移ります。
 この法案を審議するに当たり、前提となる東京五輪・パラリンピック開催の是非を問いたいと存じます。私たち、れいわ新選組は、五輪・パラリンピックの中止を求めています。この立場から質問いたします。
 代読いたします。
 東京五輪・パラリンピックに対し、選手や関係者の方々が開催に期待する声があることは理解しています。また、延期を受けて、アスリートや関係者の方々の不安は余りあると思います。
 しかし、今、国内で五輪・パラリンピックを開催する状況でないことは明白です。資料一と二を御覧ください。新型コロナに伴う景気低迷の影響もあって、八月の完全失業率は三%となり、完全失業者は二百万人を超えました。資料は八月の数字ですが、九月も三%と横ばいでした。自殺者も増えており、NHKの報道によると、十月の自殺者は昨年よりも約四〇%増えました。医療現場の厳しい状況も変わりません。コロナ禍による困難さは現在進行形で続いています。こうした状況は、約八か月たって劇的に改善しているとは考えにくいと思います。
 こうした中、新型コロナへの感染リスクを拡大しかねない大規模な国際大会を行うことが菅総理のおっしゃる打ちかつあかしなのでしょうか。資料三のとおり、京都大学人文科学研究所准教授の藤原辰史さんは、東京五輪や観光振興といった動かしにくい大きな目標があり、感染対策の遅れにつながったことは否めないと思いますと述べ、五輪の存在が感染対策に影響を及ぼしたと分析しています。
 そもそも、当の国際オリンピック委員会、IOC自身が、当初二〇二〇年にモナコで開催予定だったIOCのワールドカンファレンスを、コロナ発生後、一度、二〇二一年二月に延期し、さらに、今年の十月二十日には、それが来年の十一月二十五から二十七日に再延期すると発表しています。
 資料四のとおり、共同通信社が今年七月十七日から十九日に実施した全国電話世論調査で、来年夏に開催すべきだとの回答は僅か二三・九%にとどまります。中止すべきだとの意見は三三・七%に上ります。再延期を含めると七〇%です。
 こうしたことを踏まえると、まずは五輪・パラリンピックを中止し、新型コロナ感染拡大防止対策を進め、アスリートやファンの人たちが希望を持てる環境を構築していくことが求められているのではないでしょうか。今すぐ中止を表明すべきではないでしょうか。大臣、御見解をお願いいたします。

#95
○国務大臣(橋本聖子君) 来年の東京大会開催に向けて、大会関係者が一丸となって準備に取り組んでいるところであります。
 御指摘いただきました様々な声があるということは承知をしておりますけれども、大会における新型コロナウイルス感染症対策をしっかりとやることによって、多くの皆様方に御理解をいただける準備をしていきたいと思っております。
 九月から開催されている国、東京都、組織委員会によるコロナ対策調整会議におきまして議論を進めており、年内を目途に中間整理を行う予定でありますけれども、引き続き、安心そして安全の東京大会というものを開催できるように努力をしていきたいというふうに思っております。

#96
○委員長(太田房江君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#97
○委員長(太田房江君) 速記を起こしてください。

#98
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 お尋ねいたします。
 諸外国は参加の意向を示していますか。また、外国の選手の感染対策についてはいかがでしょうか。

#99
○国務大臣(橋本聖子君) 諸外国の参加につきましては、IOC、各国のNOC等、IF等も含めまして、今後、感染の状況を踏まえて判断をするべきものだと理解をしております。
 多くの国の選手や関係者が東京大会に参加をしたいというふうに思っていただけるように、安心、安全の対策をしっかりと準備をして取り組んでいきたいというふうに考えております。

#100
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 残念ながら中止の表明はしていただけませんでしたが、質問を続けます。
 もしこのまま開催を断行するとするならば、この環境下でどのような対策をして、それに幾ら掛かるのかを国民に明確に示すことが組織委員会、東京都、国の責務と考えます。
 先日、体操の国際大会が開かれました。選手の参加規模は四か国からの参加で三十人ほどとのことですが、この大会で感染予防対策に掛かった費用は三千七百万程度の見込みと聞いております。
 そうしますと、選手の参加人数だけで五百倍の規模となる五輪・パラリンピックで、少なくとも感染対策費用として幾らを投じるのでしょうか。人的、物的資源などについて既に逼迫している医療体制を更に追い込むことになりませんでしょうか。お答えください。

#101
○国務大臣(橋本聖子君) 東京大会における医療体制の確保については、九月から開催されているコロナ対策調整会議において議論を進めているところであります。
 アスリートへの医療提供を行う大会指定病院等の人的な負担等を軽減することについても検討する必要があると考えておりまして、経費につきまして、今それぞれの関係機関と連携をしながら、全体的な経費負担、延長した中での追加経費、そしてコロナ対策におけるコロナ感染症対策の経費、こういったものを今組織委員会等と東京都、IOCと連携をしながら経費について示されるというものと承知をしておりまして、しっかりと対応していきたいというふうに思っております。

#102
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 開催が約八か月後に迫っている今でも、どのような対策をして、幾ら投じるのかを明確に示せない大会に賛同することはやはり難しいと存じます。
 次に、障害当事者の立場から、パラリンピック選手の感染対策について質問いたします。
 今のように感染が広がっている中で開催するとなると、多くの選手、関係者たちを感染リスクにさらすことになりかねません。個々の状態や障害の程度によって異なりますが、私を含め、呼吸機能が低下している障害者の場合、コロナ感染時に重症化のおそれがあります。
 資料五を参照ください。私を含め、介助者という人を介して支援を受ける障害者はソーシャルディスタンスを保つことも難しいのが実際です。こうした状況を踏まえると、特効薬など抜本的な解決策のない現状で、世界各国から人を集めるパラリンピックを開催するのは余りにリスクが高いと感じます。
 感染が今も広がっている日本で、このようにリスクの高い大会を開けますでしょうか。率直にお答えください。

#103
○国務大臣(橋本聖子君) 東京大会については、パラリンピックの成功なくして東京大会の成功なしという認識の下で、大会組織委員会、東京都等との皆様と連携をして全力で取り組んでいるところであります。
 特に、基本的にはオリンピック・パラリンピックの共通の部分は新型コロナウイルス感染症対策でありますので、パラアスリートについては、障害の種別によって必要となる感染防止策、例えばソーシャルディスタンスを保つことや、手、手先、手や指の消毒が困難な選手や関係者もおります。また、基礎疾患を抱えるパラアスリートや呼吸機能が弱いパラアスリートに対して、感染によって急速に重症化するリスクがあるとも言われております。こういったことを踏まえまして、パラアスリートの具体的な感染症対策については、大会組織委員会、日本パラリンピック委員会等と連携をして、しっかりと検討を進めてまいります。
 世界のパラアスリートが万全のコンディションでプレーを行い、観客の皆さんにとっても安心、安全な大会の実現に向けて、しっかりと声を聞きながら、寄り添いながら大会の準備に全力を挙げていきたいというふうに考えております。

#104
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 私は開催に反対をしておりますが、もし開催するとならば、一人一人の状態に応じた対応が欠かせないと考えております。
 次に、パラリンピックに関連し、障害のある人がスポーツをする環境について質問いたします。
 障害者は地域のスポーツ施設を使いづらいという実態があります。車椅子を使ったスポーツをしようとすると、地域の施設で床が傷つくなどの理由で利用を断られるケースがあるとも聞いております。地域で暮らす障害者がほかの健常者と同じようにスポーツを楽しめる環境づくりが整備されていないのが実態です。
 具体的な取組が必要だと考えますが、大臣の御見解をお願いいたします。

#105
○国務大臣(萩生田光一君) 文科省では、障害者がスポーツを行う場合における様々な障壁を解消し、障害者が身近な場所でスポーツを実施できる環境を整備するため、例えば公立社会体育施設のバリアフリー化などへの整備への支援に取り組んでいるほか、障害者スポーツ推進プロジェクト等の事業を通じた障害者スポーツ用具を気軽に利用できる普及拠点の整備や指導者の育成などを実施しています。これらの取組により、週一回以上スポーツを実施する成人の障害者の割合は、平成二十七年時点の一九・二%から令和元年時点で二五・三%と、障害者のスポーツ実施率の向上が見られるところです。
 先生御指摘のように、地域、場所、施設によっては、車椅子でのバスケットなどができないという規定のある施設があることも承知しておりますが、来年のパラリンピックを通じて、改めて障害者スポーツに各自治体にも理解を深めていただいて、引き続き障害者がスポーツに親しめる環境整備にしっかり取り組んでまいりたいと思います。

#106
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 地域でスポーツをしたい障害者が排除されない、差別されないよう取組をお願い申し上げます。
 次に、パラリンピックの開催が障害者への理解を深めるきっかけになるのかという点について質問いたします。
 資料六の記事にあるとおり、二〇一二年ロンドン・パラリンピック大会後に行われた障害者への調査で、ロンドン大会を通じてスポーツに取り組みたいと感じなかったと答えた割合が七九%に上りました。朝日新聞の記事、資料七によりますと、二〇一六年にパラリンピックが開催されたリオデジャネイロで暮らす視覚障害者からは、パラリンピックが来ても、みんなスポーツを見るだけで、障害者を助けてくれる人はかえって少なくなっているとの意見もありました。また、国内でも、共同通信が全国の当事者向けに行ったアンケートで、東京大会が決まった以降に障害理解が進んだ経験、実感があるかとの問いに、なしが六割以上を占めました。こうしたことを踏まえると、パラリンピックは特別な祭典であり、一般の障害者にとって距離が遠いというのが実態ではないでしょうか。
 障害当事者であるアクティビストのステラ・ヤング氏は、障害者が健常者に感動を与える存在として消費されていることをインスピレーションポルノ、邦訳ですと感動ポルノと表現しました。こうした受け止めが広がると、アスリートでない障害者が、選手が頑張っているんだから、あなたももっと頑張りなさいとか、障害を言い訳にするなとか、強くあることを求められたり、普通に生活しているのに、偉いね、頑張っているねなど一方的なイメージを強制されたりするという望ましくない影響にもつながります。
 競技アスリートの方々が高みを目指して頑張ることも、それを見た一人一人が感動することも否定するつもりはもちろんありません。パラリンピックを通じて障害者への理解を深める契機にするというのであれば、こうした感動の強制やイメージの押し付けが起こらないことが必要なのではないでしょうか。
 大臣、御見解をお聞かせください。

#107
○国務大臣(橋本聖子君) 大変重要な御指摘をいただいて、本当に有り難く思っております。
 パラリンピックを契機として、心のバリアフリーとユニバーサルデザインの町づくりに取り組み、障害の有無にかかわらず、誰もが生き生きと活躍する共生社会を実現していくことは極めて重要だというふうに考えております。
 政府においては、関係閣僚会議で決定したユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画に基づいて、心のバリアフリーを推進すべく、学習指導要領の改訂やパラアスリート、パラスポーツを題材としたパラリンピック教育の充実、ユニバーサルデザインの町づくりを推進すべく、バリアフリー法の改正及び鉄道駅、ホテル等のバリアフリー基準の見直し等に取り組むとともに、パラリンピック選手の受入れをきっかけに共生社会の実現を目指す共生社会ホストタウンの取組を推進しているところであります。
 パラリンピックの選手を受け入れるホストタウンの特に中学生や高校生といった生徒の皆さんが、障害の有無にかかわらず、どのようにユニバーサルデザインの町づくりを推進していくのかということを積極的にパラアスリートと話をしながら進めているという姿に感動をしております。
 こういった取組がしっかりとレガシーになるように、共生社会の実現に向けて大会のレガシーづくりに全力を尽くしていきたいと思っております。

#108
○委員長(太田房江君) おまとめください。

#109
○舩後靖彦君 終わります。ありがとうございました。

#110
○委員長(太田房江君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 文部科学大臣及び政府参考人は御退席いただいて結構でございます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#111
○山添拓君 日本共産党を代表して、平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 本法案は、全大臣を構成員とする推進本部や専任の担当大臣を置く政府の推進体制を二〇二一年度末まで一年間延長することを中心とするものです。五年前に制定された本特措法は、オリンピックの開催を我が国が活力を取り戻す弾みとなると位置付け、大臣を増員して専任の担当大臣を配置し、オリンピックを名目とした都市の再開発や大型公共事業をより強力に推進する体制をつくろうとするものです。
 我が党は、こうしたやり方は、オリンピック精神、また簡素で無理のない取組を求める国民、都民の声、さらに、IOCが二〇一四年十二月に発表したオリンピック・アジェンダ二〇二〇の精神にも逆行するものだとして反対しました。その推進本部の設置期限を延長する本法案には賛同できません。
 しかも、本年三月、東京大会の開催は新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大する下で来年七月に延期されました。現在、新型コロナの感染は再び世界的に拡大し、世界でも日本でも収束のめどは立っていません。開催には大会に関係する全ての人に安全、安心な環境が保障されることが必要不可欠です。
 政府は、人類がウイルスに打ちかったあかしとして東京大会を開催すると言いますが、選手、観客の受入れや医療体制を始め、安全、安心な開催のあかしは示されていません。大幅な増額が予想される経費については、その大枠も国や東京都の負担割合も不明確なままです。大会開催の条件が整っていないにもかかわらず、開催ありきで推進体制を延長することには賛成できません。
 今必要なことは、新型コロナの感染拡大の下で大会開催が可能なのかどうか、専門家の知見やアスリートの声、国民、都民の意見に幅広く耳を傾け、冷静な判断を行うことではないでしょうか。何よりも、感染拡大を防止し、人々の命と暮らしを守ることを最優先するのが政治の責任だと申し上げ、討論を終わります。

#112
○舩後靖彦君 私は、れいわ新選組を代表し、平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
 本法案は、東京大会の開催時期が約一年延期となったことに伴い、大会推進本部の設置期限を延長することなどを定めています。しかし、新型コロナウイルスの収束の見通しが立っていない中、来年七月の開催を前提として推進体制を延長することには賛同できません。
 海外では感染者数が再び増加し、国内でも第三波と見られる感染拡大が続いています。政府は、安心、安全な大会として成功させたいとおっしゃいますが、特効薬の開発などの見通しも立たない中、どうやって実現するのでしょうか。約八か月後に新型コロナの感染を収束できるという見通しも立たない中、開催ありきでこれほどまでの大規模な国際大会を実施しようというのは余りに無謀ではないでしょうか。
 今何よりも必要なのは、新型コロナの感染防止対策に徹底的に取り組むとともに、困窮している国民を支えることだと申し上げ、討論を終わります。

#113
○委員長(太田房江君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#114
○委員長(太田房江君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決するべきものと決定いたしました。
 この際、斎藤さんから発言を求められておりますので、これを許します。斎藤嘉隆さん。

#115
○斎藤嘉隆君 私は、ただいま可決されました平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、政府は、本法の施行による令和三年の国民の祝日の移動について、国民の各界各層に周知徹底し、国民生活及び経済社会活動に混乱を生ずることのないよう万全を期すこと。
 二、東京オリンピック競技大会及び東京パラリンピック競技大会(以下「本大会」という。)の準備及び運営に当たっては新型コロナウイルス感染症対策が重要な課題となることから、政府は、東京都及び東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下「大会組織委員会」という。)等と連携し、感染防止対策の徹底、検査・医療体制の充実等を図ること。
 三、本大会の延期及び新型コロナウイルス感染症対策に伴い追加的な経費が必要になることが見込まれることから、政府、東京都及び大会組織委員会は、可能な限り本大会の開催に要する経費の抑制を図るとともに、追加的経費を含めた総経費の内訳や分担について適切に情報を公開し、丁寧な説明に努めること。
 四、本大会の延期及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響を受けているオリンピック・パラリンピックの競技団体を支援するため、政府は、関係機関と連携し、迅速な相談対応及び情報共有を行うとともに、新しい生活様式における強化活動及び感染症対策に資する方策を検討すること。特に、パラアスリートがスポーツを安全・安心に実施できるよう、介助者を含め、適切な新型コロナウイルス感染症対策が講じられるよう支援すること。
 五、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、全国の地方公共団体と本大会の参加国・地域との直接的な交流が困難となっている中でも、本大会の開催が地域活性化、観光振興等に資するよう、政府全体として、関係する地方公共団体に対し、感染症対策も含め必要な支援を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#116
○委員長(太田房江君) ただいま斎藤さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#117
○委員長(太田房江君) 多数と認めます。よって、斎藤さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、橋本国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。橋本国務大臣。

#118
○国務大臣(橋本聖子君) ただいまの御決議につきまして、その御趣旨に十分留意をいたしまして、対処してまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。

#119
○委員長(太田房江君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#120
○委員長(太田房江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト