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2020/11/26 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 外交防衛委員会 第4号 令和2年11月26日
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2020/11/26 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 外交防衛委員会 第4号 令和2年11月26日

#1
令和二年十一月二十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     武見 敬三君     高橋はるみ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         長峯  誠君
    理 事
                佐藤 正久君
                三宅 伸吾君
                小西 洋之君
                三浦 信祐君
                井上 哲士君
    委 員
                宇都 隆史君
                北村 経夫君
                高橋はるみ君
                武見 敬三君
                中曽根弘文君
                中西  哲君
                松川 るい君
                山田  宏君
                羽田雄一郎君
                白  眞勲君
                福山 哲郎君
                山口那津男君
                浅田  均君
                鈴木 宗男君
                大塚 耕平君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     茂木 敏充君
       防衛大臣     岸  信夫君
   副大臣
       外務副大臣    宇都 隆史君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        吉川  赳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        神田  茂君
   政府参考人
       内閣府日本学術
       会議事務局長   福井 仁史君
       外務省大臣官房
       長        石川 浩司君
       外務省大臣官房
       参事官      遠藤 和也君
       防衛省大臣官房
       長        芹澤  清君
       防衛省大臣官房
       審議官      岩元 達弘君
       防衛省防衛政策
       局長       岡  真臣君
       防衛省整備計画
       局長       土本 英樹君
       防衛省地方協力
       局長       鈴木 敦夫君
       防衛装備庁長官  武田 博史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(長峯誠君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府日本学術会議事務局長福井仁史君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(長峯誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(長峯誠君) 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#5
○小西洋之君 立憲民主・社民の小西洋之でございます。
 我が会派は、この議案であります防衛省の職員給与法については賛成でございます、その関連でございますけれども。
 その前に、この質疑の中ではございますが、今日、防衛省職員として長きにわたりまして日本の防衛政策を引っ張ってくださいました菅原人事局長がお亡くなりになり、今日この時間、御葬儀というふうに伺っております。私も、昨年の地元千葉の台風十五号のあの災害のときには、菅原局長は統幕の総括官として、自衛隊の災害派遣、二千名の、破壊された屋根をブルーシートを覆う、二千名の自衛隊のブルーシート部隊をリーダーシップを発揮してつくってくださったわけでございますけれども、菅原局長の我が国の防衛政策に対する貢献に心から敬意を表し、また、この場をお借りいたしまして、御冥福をお祈り申し上げさせていただきたいと思います。
 では、質疑の方に移らせていただきたいと思います。
 この給与法の、この度、ボーナスの削減でございますけれども、その対象となる者のうち、防衛大学校で学ぶ者、また防衛医科大学校で学ぶ者が入るわけでございますけれども、そのうち、防衛大学校卒業生のいわゆる任官辞退が本委員会でも何度か取り上げられておりますけれども、政府参考人に伺いますが、過去七年間の任官辞退者の卒業生の数におけるその割合について答弁いただけますでしょうか。委員の先生方は、資料の一ページ目でございます。

#6
○政府参考人(岩元達弘君) お答えいたします。
 令和元年度を含む過去七年間の平均で申し上げますと、本科卒業生のうち留学生を除いた人数が四百三十九名、任官辞退者数は三十四名でありまして、卒業者数に占める任官辞退者数の割合は七・七%となります。

#7
○小西洋之君 七年間を通じて七・七%ということで、この前、安保法制が、我々は強行採決と言っておりますけど、採決をされた以降に比率が上がっているように見れるところでございます。
 防衛大臣、伺いますが、この平均七・七%、近年は八%を超えて一〇%に至るような数字になっておりますけれども、この数字についてどのような所感をお持ちでしょうか。

#8
○国務大臣(岸信夫君) その数字が高い低いということではなくて、やはり防衛大学校、防衛医大、そうした将来自衛官として中枢を担っていくその人材が途中で流出してしまうということ自体は非常に残念なことだというふうに思います。
 今、少子化が進んでいる中で、自衛隊としての人員の確保、特に優秀な人員の確保ということが大きな課題になっているところでございますので、しっかりその対策も含めて遂行しているところでございます。

#9
○小西洋之君 この防衛大学校の学生さん含め自衛官になる者は、服務の宣誓ですね、日本国憲法を遵守しから始まり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託に応える、この服務の宣誓の誓いが個々の自衛官の皆さんにおいて一点の曇りもない誓いになるように、安保法制を始め、我が国のこの防衛政策というのは今非常に大きな議論の中にあるわけでございますけれども、その責任を我々外交防衛委員会はしっかりと、国会は果たしていかなければいけないというふうに思うところでございます。
 では、次の点に移らせていただきまして、人事の関係ということで、自衛官出身者の大使任命というのが戦後初めて行われております。資料の二ページでございますけれども、アフリカのジブチですね、大塚大使が任命をされているところでございます。
 防衛大臣、この大塚大使の任命の理由は何でしょうか。

#10
○国務大臣(岸信夫君) 大塚大使は、ジプチへの任命ということは、あくまで本人のキャリア、そういったことから、適材適所の観点から行われたものと、こういうふうに承知をしております。

#11
○小西洋之君 河野防衛大臣はもう少しその適材適所の具体的な内容について会見で述べているんですけれども、それを御紹介いただきつつ、大臣の見解をお願いいたします。

#12
○国務大臣(岸信夫君) 河野大臣が会見で大塚氏についてコメントを送られておりますが、委員会の場で私がそのことを触れることは控えさせていただきたいんですが、あくまで適材適所の観点から行われたと、こういうふうに承知をしているところでございます。

#13
○小西洋之君 防衛大臣が公式の記者会見の場で国民に対して述べていることを、なぜ国民の代表機関の国会で現防衛大臣が答えられないのか。
 河野大臣がどう述べたのかを御紹介いただき、大臣の任命理由について御説明ください。

#14
○国務大臣(岸信夫君) 今お尋ねの件でございますが、九月十一日の会見のとき、記者からの質問に大臣答えられています。
 質問は、大塚さんのジプチの就任ですけど、自衛官が大使に就任するのは戦後初めてということで、今回こうしたことを持つ意義をどう捉えていらっしゃるのかと、こういうような趣旨の問いがありました。
 それに対して、ジプチには、海賊対処や情報収集を始め、自衛隊が拠点として置かさせていただいているということでございますので、そういう任務を理解している大使が赴任されるということは、連携という意味で非常に重要だというふうに思っておりますと。初めてこういう人事が行われました、今後どうなるかというのは、これは予断を持って申し上げることは控えますけど、私も情報本部長としての大塚本部長と仕事もさせていただいて、仕事ぶり、人間性、好ましく思っていると申し上げてよろしいかというふうに思いますと。日本の顔として、このジプチで活躍されることを期待している。こういうコメントがあったと承知をしております。

#15
○小西洋之君 関連で、問いの順番を変えさせていただきますが、防衛省として、このジプチですね、防衛省・自衛隊として、この拠点としてどういう戦略的な意義がある場所だと考えているでしょうか。また、その関連で、集団的自衛権行使の立法事実としてホルムズ海峡事例を挙げられておりましたけれども、仮にホルムズ海峡事例が起きたときですね、これ政府は起きることを例として挙げているわけですが、起きたときに、ジブチはどういう戦略的な、軍事政策的な、軍事戦略的な意義を有する場所としてお考えでしょうか。

#16
○国務大臣(岸信夫君) 防衛省・自衛隊では、海賊対処行動を効果的に実施するために、平成二十三年六月からジプチにおける活動拠点を運用しているところでございます。
 これまでのこのジプチの活動拠点は、海賊対処に加えて、南スーダンのPKOの派遣部隊への物資の輸送、それから西アフリカにおけるエボラ出血熱の流行に対する国際緊急援助活動に対しての中継場所、そしてジプチ軍に対する災害対処能力強化支援事業といったことに活用されているところでございます。
 人道的な側面も含めて地域の安定に寄与してきたところと、こういうふうに考えておるところでございます。(発言する者あり)
 失礼しました。集団的自衛権の行使との関係ですが、他国に対します武力攻撃の一環として敷設された機雷を除去する行為というものが武力行使に当たりますと、存立危機事態に該当し得る事例として説明してきていますホルムズ海峡における機雷掃海については、機雷が敷設された後、事実上の停戦状態となり、戦闘行為はもはや行われていないと、ただ、正式な停戦が行われず、遺棄機雷とは認められないようなケースですと、こういうことでございます。機雷の掃海は、その性質上、あくまでも受動的かつ限定的な行為で、外国の領域で行われるものであっても武力行使の三要件を満たすことではないということでございます。
 このように、武力行使の三要件を満たす場合に例外的に外国の領域で行う武力の行使については、このケースというものが該当し得る旨を説明してきているということでございます。

#17
○小西洋之君 昨日文書で質問通告しているので、二つ目ちゃんと答えてください。
 ホルムズ海峡事例が起きた場合に、ジブチというのは軍事的にどういう意義を有する拠点であるというふうに考えていらっしゃいますか。この箇所だけ答弁いただけますか。

#18
○国務大臣(岸信夫君) 失礼しました。
 過去の例を申し上げたわけですけれども、現実問題として発生すること、これを現在の国際状況に照らして考えますと、具体的に想定しているというものではございませんので、仮定の御質問についてお答えすることは避けさせていただきたいと思います。

#19
○小西洋之君 今の答弁ですが、ホルムズ海峡事例は、発生することは、現実に発生することは想定していないと、今、政府は、集団的自衛権、限定的集団的自衛権を立法事実として国会で、安保国会のときに提出したホルムズ海峡事例は、現実には、今現時点ですね、発生するものとしては想定していないという政府の見解であると、そういうことで間違いないですか。

#20
○国務大臣(岸信夫君) 現在の状況からすれば、具体的に想定しているものではないということでございます。

#21
○小西洋之君 安保法制のときに現実に想定するとあれだけ言って、なぜ今想定されないというふうに変わったんですか。

#22
○国務大臣(岸信夫君) 今のお問合せですけど、安保法制のときには安倍総理も答弁で先ほど私が引用したようなことを答弁をしているわけですけれども、今の状況、今、今現時点でのその状況を考えれば想定していないということでございます。

#23
○小西洋之君 二度目ですけれども、今なぜ想定していないという見解になっているのか、かつて想定していて今なぜ想定していないのか、その理由を述べてください。

#24
○国務大臣(岸信夫君) 当時の国際情勢に、現在の国際情勢について照らせば、現在の問題として発生することを具体的に想定をしているものではありませんと、このように当時の安倍総理は答弁をされているというふうに思います。(発言する者あり)

#25
○委員長(長峯誠君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#26
○委員長(長峯誠君) 速記を起こしてください。

#27
○国務大臣(岸信夫君) 失礼しました。
 集団的自衛権との関係でいえば、現在もそのような状態というものを、すなわち、ホルムズ海峡における機雷掃海というものは新三要件に該当する場合もあり得るわけですが、今現在の情勢ということにおいていえば、現実の問題として発生するということでは想定をしていない、ですから当時と変化はしていないと、こういうことでございます。

#28
○小西洋之君 委員長、二回聞かせていただきましたが、私も質問時間限りがありますので、ちょっと理事会に政府からの見解を出していただきたいんですけれども。
 繰り返しになりますけど、ホルムズ海峡事例が発生し得るということで限定的集団的自衛権の立法事実として政府は主張したんですけれども、それが今発生することは想定していない、その認識が変わった理由について、この委員会に文書で提出していただきたいと思います。

#29
○委員長(長峯誠君) 後刻理事会にて協議いたします。

#30
○小西洋之君 では、将来ホルムズ海峡事例が発生した場合に、ジブチはどういう軍事的な拠点になりますか。大臣、質問通告しておりますけれども。

#31
○国務大臣(岸信夫君) 現在の、武力行使の三要件を満たす場合に例外的に外国の領域において行う武力の行使について、ホルムズ海峡での機雷掃海が該当し得る旨を説明してきましたけれども、今現在の国際情勢に照らせば、現実の問題として発生するということを具体的に想定しているものではございません。仮定の御質問についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

#32
○小西洋之君 お答えいただけませんけれども、要は、そのジブチですね、海賊対処の拠点になることとして活動していること、自衛隊の唯一の海外の拠点ですけれども、そのことについては私も賛成でございます。
 ただ、申し上げるまでもなく、あの地域は世界的に見ても、非常に軍事的な緊張がある地域のまさにもう近郊というか、ど真ん中というか、そこにあるわけでございまして、仮にあの地域でホルムズ海峡事例のような紛争が発生し、集団的自衛権を日本が発動して自衛隊が武力出動する場合には、間違いなく拠点として使われるでしょう。
 そうしたことも含めて質問なんですが、私は、外交と国防というのは対極にあると思うんですね。外交の役割というのは、絶対にとにかく武力紛争は回避する、国際関係で我が国が問題が生じたときに、その問題を武力によらない手段でとにかく解決をする、このことを日本国憲法の九条、あるいは平和主義、国際協調主義は命令しているわけでございます。
 その外交をつかさどるその最高責任者である大使に武力を担当するこの自衛隊の出身者、自衛官を任命するというのは、先生方、資料配っておりますけれども、かつて陸軍の出身の大島氏がドイツの大使になり、いわゆるナチス・ドイツとムッソリーニのイタリアと三国の軍事同盟を結んで国際的な米英との大きな緊張を起こし、結果的に日本を破滅の戦争へと導いていってしまったわけでございます。
 私は、平和ですね、軍事紛争をとにかく避ける、武力紛争をとにかく回避して、そのために死に物狂いで職務を全うするその大使に自衛官出身の者を任命するということは、外交と国防の本質に照らしてやってはいけないこと、特に日本国憲法及び戦前のこの痛恨の反省から、してはいけないことだというふうに考えますけれども、両大臣の見解をそれぞれいただきたいと思います。

#33
○国務大臣(茂木敏充君) 当然、日本として、様々な問題解決、対話を通じて行っていくと、こういう基本姿勢の下で、大使も含めて様々な人事も行っているところであります。
 大使の人事については、御案内のとおり、防衛大臣が決めるわけではなくて、前大臣、多分、自衛官出身者が就くことの感想を述べたんだと思いますが、それぞれの知見や経験、そして相手国の事情などを含めて総合的に検討を行って、適材適所の考えに基づいて行うことといたしております。
 大使、在外公館の長として、外務大臣の命を受けて在外公館の事務を統括する立場にあると。つまり、外交的な任務を受けてその仕事を行う立場にあるということでありまして、外務大臣の職務上の命令に忠実に従う法律上の義務があるため、御指摘の懸念、これは当たらないと思っております。

#34
○国務大臣(岸信夫君) 先ほどからの繰り返しになりますけれども、大塚氏のジプチ大使起用は適材適所ということでございます。今、外務大臣から答弁のあったとおりでございます。

#35
○小西洋之君 任命、赴任地のジブチへの任命をされたの茂木外務大臣なんですけれども。
 赴任先で大使が外務大臣の命令の下に動くというのは、それは戦前も同じですよ。先生方、資料の三ページ、国会図書館から出していただいた資料が非常に教訓的でしたので、是非先生方お目通しいただきたいと思って配付をさせていただきましたけれども、この大島大使も、外務大臣、外務省の命令に背いて、自分の出身であるこの陸軍省、陸軍と結んで暴走をしたわけでございます。
 私は、今の防衛省の職員、いわゆる制服組の皆さんが全員こんなことをするとか、そういうことを言っているわけではございません。ただ、私もかつて官僚の経験がありますけれども、自分の出身の親元とやはり結び付いてしまう。そして、繰り返しでございますけれども、武人でございますので、武力を回避するためのある意味究極の文官である外交官とは対極の立場にある方でありますので、武人である方、国際紛争、国際関係の問題というものを最後武力によって、日本の場合は侵略を排撃する限定された個別的自衛権のみを行使できるわけでございますけれども、しかしその武力によって解決をする、そういう方を大使に任命するというのは、私は率直に国を誤る、そうしたおそれになるものだというふうに思うところでございます。(発言する者あり)
 見解の相違、今、違う違うという声がありますけれども、こうしたことは、私はかつて官僚ですから容易に想像できます。今後、軍事拠点を持っている各地域の大使館に自衛官出身の大使を任命していく。あっという間に日本のこの外交政策に軍事的な影響を及ぼすこと、私は容易に、簡単にできると思います。それができないという方々は、恐縮でございますけれども、日本の政治あるいは行政の実情ということが十分にお分かりになっていないのではないかということを思うところでございます。
 では、その次の質問に移らせていただきますけれども、敵基地攻撃能力の問題。
 敵基地攻撃能力について九月十一日に安倍総理の談話があり、その後、政府の中で検討しているということでございますけれども、あっ、茂木大臣、一問だけお付き合いいただけますか。今年、今年にですね、今年度、今年のうちに一定のその見解を出すということを、四ページ付けて、おっしゃっているところでございますけれども、今年中にそうした政府としての見解を出すのかどうか、防衛大臣、答弁をお願いいたします。

#36
○国務大臣(岸信夫君) 九月十一日の談話で、今、菅総理からは所信表明でもお話がございましたとおり、この九月十一日の総理の談話を踏まえて、適切に、そしてあるべき方策をお示しをすると、こういうことになっております。

#37
○小西洋之君 談話を踏まえてですから、今年末までにと談話に書いてあるので、今年の末までに、十二月末までに政府としての見解を出すということでよろしいでしょうか。明確に答弁をお願いいたします。

#38
○国務大臣(岸信夫君) これは菅総理もおっしゃっているとおり、この談話を踏まえて議論を進める、あるべき方策を取りまとめていくと、こういうことでございます。

#39
○小西洋之君 国会で政府が大きな防衛政策を検討します、それいつまでに検討する、出すのかというのを、それ答弁しなかったら議会政治が成り立たないじゃないですか、大臣。明確に答えてください。
 今年末までにと談話に書いてあるわけですから今年末までに出す、あるいは変えるんだったら別にそれは変えると言えばいい、あるいは決まっていないんだったら決まっていないというふうに言えばいいわけですから。今年末までに出すのかどうか、見解をですね、答弁ください。

#40
○国務大臣(岸信夫君) ミサイル阻止の方策については今検討をしている最中でございます。そういった状況の下で、九月十一日の総理の談話を踏まえてあるべき方策を示すということでございます。

#41
○小西洋之君 もう、ちょっと次に進ませていただきますけれども、この談話の中にも出てくるんですけれども、一定の何らかの見解を出すにしても、日本とアメリカの、日米の基本的な役割分担、それは変えることがないというふうにおっしゃっております。
 その後、五ページ以降、会議録を付けておりますけど、茂木大臣の会議録も付けさせていただいておりますけど、茂木大臣、答弁もされていますけれども、日米の基本的な役割分担、日米同盟に関するですけれども、について、どのようなものか、御説明お願いできますでしょうか。五ページに大臣の答弁も付けておりますけど、日米の基本的な役割分担とは何かでございます。

#42
○国務大臣(茂木敏充君) 日米間で、我が国の防衛に際しては、基本的に、日本は防衛的な作戦を実施する一方で、他国の領域における武力の行使については米国が実施するというそれぞれの役割がありまして、それに従ってやっているところでありまして、これ自体変更しようと、こういうものではございません。

#43
○小西洋之君 ありがとうございました。
 五ページの会議録では、主に打撃力はアメリカに、米国に依存し、防衛について日本が担う、こういう下の役割分担も変わらないというふうにおっしゃられています。
 防衛大臣、この外務大臣の答弁されている日米の防衛に関する役割分担、これは当然防衛省も同じ認識ということでよろしいでしょうか。

#44
○国務大臣(岸信夫君) 政府として、これまで、いわゆる敵基地攻撃能力について、日米の役割分担の中で米国の打撃力に依存しております。
 今後ともこうした日米間の基本的な役割分担を変更することは考えていないと、こういうことで説明をしてきておりまして、ミサイル阻止に関する安全保障政策の新たな方針については、こうした考えを踏まえまして検討を進めているところでございます。

#45
○小西洋之君 分かりました。
 この安倍総理の談話、四ページですね、今おっしゃられた日米の基本的な役割分担を変えることはない、この談話にも書かれているし、談話の後の大臣答弁でもそのようにおっしゃられているところでございます。
 その後の下線を引いてあるところなんですが、助け合うことのできる同盟はそのきずなを強くする、これによって、抑止力を高め、我が国への弾道ミサイル等による攻撃の可能性を一層低下させていくことが必要ではないでしょうかということを言っているわけですが、ここで言うこの助け合うことができる同盟、これは具体的にどういうことを言っているんでしょうか。
 日本がアメリカのために集団的自衛権を行うというようなことを言っているのか、あるいは、この談話の趣旨である二番のところに、弾道ミサイル、あるいは弾道ミサイル以外の新たな経空脅威、両方含めての新たな経空脅威ということを言っておりますけれども、この新たな経空脅威にアメリカが打撃力を行使すると、で、そのアメリカの打撃力について自衛隊が支援を行う、そういった意味でのこの助け合うことができる、助け合うということを言っているんでしょうか。この助け合うというのは具体的にどういうことを言っているんでしょうか。

#46
○国務大臣(岸信夫君) 今御指摘の談話におけます助け合うということ云々の部分ですけれども、これは現在検討しておりますミサイル阻止に関する安全保障政策の新たな方針によって、我が国の抑止力を強化することを通じて、日米同盟全体としての抑止力を高め、我が国への弾道ミサイルへの可能性を一層低くしていくという考えを述べたものだと考えております。

#47
○小西洋之君 今、談話の箇所を読み上げていただいているだけなんですが、この助け合うというのは、具体的にどういう場合、ことを言っているんでしょうか。この助け合うのこの意味について答弁してください。

#48
○国務大臣(岸信夫君) 先ほど答弁も申し上げました、いわゆる打撃力は米国に依存しているという部分もあると思います。そうした意味で、日米の役割分担ということから助け合うということに、文章になっているというふうに考えております。

#49
○小西洋之君 じゃ、政府参考人でも結構なんですけど、この助け合うというこの文言ですね、その意味として、この談話を踏まえて政府も検討しているということですから、この助け合うという文言は、アメリカがいわゆる敵基地攻撃能力の打撃力を行っているときに、それを自衛隊が支援する、何らかのサポートをする、そうしたことも意味としては含まれている、少なくとも排除はされていない、そういう理解でよろしいでしょうか。

#50
○政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。
 御指摘の談話の中の助け合うことのできる同盟という部分についてでございますけれども、ここは先ほど大臣からも答弁申し上げたところがございますけれども、この抑止力をいかに高めていくのかと、そして我が国への弾道ミサイル等による攻撃の可能性を一層低下させていくことができるか、そのためにどのような能力が考えられるのかといったことについて現在検討しているところでございまして、政府としての考え方、まだ今の時点で結論出ておりませんので、これ以上についてお答えすることはできる段階にはないというところでございます。

#51
○小西洋之君 いや、その安倍総理が談話を出した段階で、当時の安倍総理としてどういう意味を談話として入れているのか、かつ、これを踏まえて政府は検討するんですから、これを政府としてどういう意味として、この助け合うということは、日本語が現に書かれているわけですから、どういう意味なのか答弁してください。

#52
○政府参考人(岡真臣君) 先ほども申し上げましたけれども、いかにこの抑止力を高めていくのかと、我が国の抑止力を強化することによって日米同盟全体としての抑止力を高めて我が国への弾道ミサイルなどの可能性を一層低下させていくのかということ、こういう考え方について現在政府内で検討しているということでございます。

#53
○小西洋之君 ちょっと三回目で、もう私の残り十五分ちょっとしかありませんので、文書で出していただけますか。
 この助け合うって、具体的にどういう場合を意味していて、政府としてはどういう意味だと認識しているのかについて、委員会に文書の提出をお願いいたします。

#54
○委員長(長峯誠君) 後刻理事会にて協議をいたします。

#55
○小西洋之君 ありがとうございました。
 では、重ねて質問をさせていただきます。
 これ、確認ですけれども、これまでこの敵基地攻撃能力、先ほど、あっ、茂木大臣、じゃ、こちら退室いただいて結構でございます。

#56
○委員長(長峯誠君) では、茂木大臣は御退席いただいて結構です。

#57
○小西洋之君 このいわゆる敵基地攻撃能力でございますけれども、従前のこの政府の答弁というのは、これはあくまでアメリカに委ねている、先ほどもそういう答弁をされておりましたけれども、まあ盾と矛とよく言われていますけれども、アメリカの矛の打撃力に委ねているという政府のこの見解をずっと言ってきたわけでございますけれども、そうした見解は今も維持しているということでよろしいですか。防衛大臣。

#58
○国務大臣(岸信夫君) 政府として、敵基地攻撃能力について、日米の役割分担の中で米国の打撃力に依存していると、今後ともこうした日米間の基本的な役割分担を変更することは考えていないと説明してきておりまして、現在もその考えを維持をしておるところでございます。

#59
○小西洋之君 では、そのアメリカの打撃力に依存している、そしてそういう日米の基本的な役割分担を変えるつもり現時点はないということですが、これを将来変えることがあり得るということでしょうか。

#60
○国務大臣(岸信夫君) ミサイル阻止に関するこの安保政策の新たな方針について、今様々検討しているところでございますけれども、あくまでもこのこれまでの考え方を、先ほど述べさせていただきましたけれども、現在もこの考え方を維持しているということでございます。

#61
○小西洋之君 いや、今は、今日この瞬間は維持しているんだけれども、将来にそのことを変えることを想定しているんでしょうか。
 ここで委員の先生方もお気付きだと思うんですけれども、この日米の基本的な役割分担、それは五ページに答弁がありますけれども、主な打撃力はアメリカに依存し、防衛についてという、ここは変えないというふうに言っているんですね、言っていると。
 そうすると、ここを変えないんでしたら、日本は敵基地攻撃能力をやるというのは一体どういう場合なのかというのが私の問題意識なんですけれども、もう一回聞きますけれども、もう一度伺いますけれども、アメリカに、いわゆる敵基地攻撃能力のこの遂行、打撃力はアメリカに依存する、そうした考えを変える可能性がある、変えることも想定しているということでしょうか。

#62
○国務大臣(岸信夫君) 先ほど述べましたことですね、現在もこの考え方を維持している、こういうことで一貫をしてきておるところでございます。

#63
○小西洋之君 だから、それを将来変えることがあるんですかということを、あるいは変えることも想定して検討しているんですかということを、三度目の質問でございます。

#64
○国務大臣(岸信夫君) そういうことを踏まえて今後検討をしているということでございます。

#65
○小西洋之君 そういうこと、何を踏まえて何を検討されているんでしょうか。
 アメリカに打撃力を依存する、これを変えることも想定しているんでしょうか。四度目の質問です。

#66
○国務大臣(岸信夫君) 同じ御質問なので同じ答えになってしまうんですけれども、現在もこの考え方を維持をしていると、その考え方を踏まえて今検討を進めているということでございます。

#67
○小西洋之君 そのおっしゃった、その今進めている検討の中に、アメリカに打撃力を依存する、そうしたありよう、在り方を変えることも含まれているんでしょうか。

#68
○国務大臣(岸信夫君) ただいま検討中でございまして、結論が出ていないことでございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

#69
○小西洋之君 いや、政府はもちろん、憲法と法律の下で条約、法律の下でいろんなことを検討されるんですが、国の在り方に関わるような、国防の基本に関わるようなことを検討するに当たって、その基本的な方針とかスタンスを国会で答弁しない、事前に答弁しないんだったら、これ議会政治、議院内閣制成り立ちませんので、答弁いただけますでしょうか。
 五度目の質問ですけれども、打撃力はアメリカに依存する、この基本的なありようを将来変更することがあり得ると、そういう検討をなさっているんでしょうか。

#70
○国務大臣(岸信夫君) いずれにいたしましても、この検討というものは、我が国の憲法を遵守し、そして国際法の下で行っているということでございます。

#71
○小西洋之君 五回質問しましたので、でしたら、もう文書で出してください、今答えないんでしたら、この委員会に。私が質問した、打撃力はアメリカに依存すると、いわゆる敵基地攻撃能力のですね、そうした在り方を変えることも含め検討をしているのかどうかについて委員会に文書提出を求めます。

#72
○委員長(長峯誠君) 後刻理事会にて協議いたします。

#73
○小西洋之君 この敵基地攻撃能力ですけれども、先生方、六ページ以降、失礼しました、九ページ以降の、九ページの会議録を御覧いただきますでしょうか。我が国の武力行使の要件ですね、安倍政権の下の新三要件も含めて、他に手段がない場合でなければ国家究極の手段である武力を発動することはできないというのが、そこは要件としてはある、変わっていないところで、あるところでございます。
 そうしたときに、日本は日米同盟を結んでありますので、この九ページの例えば真ん中の昭和三十一年二月の二十九日の答弁御覧いただきたいと思うんですけれども、恐らくアメリカの空下の活動あるいは艦船の活動ということがあると思いますので、いわゆる他に方法がある、つまり、日米同盟に基づくアメリカの打撃力が遂行される場合、そのことによって敵基地攻撃能力を日本が軍事政策的にする必要がないという場合には日本がこの敵基地攻撃能力はできないんだということを言っているわけでございますけれども、こうした日米同盟に基づく打撃、アメリカの打撃力によって、ミサイルで結構なんですけれども、相手国のミサイルの基地あるいは策源地といったものが、軍事的に日本の脅威が取り除かれるのであれば、日本は敵基地攻撃能力は持っていても遂行はできない、そうした見解は今、政府も変わらないということでよろしいでしょうか。

#74
○国務大臣(岸信夫君) 政府は、従来から、昭和三十一年の統一見解、これを踏まえて、誘導弾等による攻撃が行われた場合、そのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置をとること、例えば誘導弾等による攻撃を防御するのに、ほかに手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは法理的には自衛の範囲に含まれると、こういうことでございます。(発言する者あり)一般論、一般的な、一般見解を維持をしているということです。
 その上で、御指摘の件でございます。他に手段がないと認められるかを含めて、我が国として、いかなる状況において講ずるいかなる措置が自衛の範囲に含まれるか、こういうことについては、実際に発生をした武力攻撃の規模、態様等に即して個別具体的に判断されるものであるということであると思います。

#75
○小西洋之君 全く答えていないんですけど、過去、この今御紹介している国会答弁を含め、政策論なわけですから、具体的に発生し得る状況を設定して、それについて政府としてどう答えるかということを質問して、過去の政府は誠実に答弁をしているわけでございます。
 もう一度伺います。日本に対してミサイル攻撃をしてくる国が現れたと、ただ、それは日米同盟に基づくアメリカの打撃力によってそのミサイルによる日本国民の生命、身体等へのこの脅威が軍事的に取り除かれるのであれば、それは他に手段がないことにはならないので、日本は敵基地攻撃能力を持っていても遂行できない、そういう考え方、見解で今の政府も同じということでよろしいですか。違っているんでしたら、違っている理由を答弁してください。

#76
○国務大臣(岸信夫君) 個別具体的なケースで御答弁することは差し控えさせていただきたいと思いますが、他に手段がないと認められるときにという条件が付いておるということでございます。他に手段があると認められれば敵基地攻撃をすることはできないと、自衛の範囲を超えるということだと思います。

#77
○小西洋之君 それ、今おっしゃった他に手段があるケースとして、アメリカの打撃力によってミサイルの脅威が、軍事的な脅威が取り除かれるのであれば、この憲法九条の規範の下に、日本は敵基地攻撃能力を持っていても遂行することはできない、そういうことでよろしいですか。三度目です。

#78
○国務大臣(岸信夫君) いかなる場合、他に手段がないと認められるかどうかということについては、我が国として、いかなる状況において講ずるいかなる措置が自衛の範囲に含まれるかということについて、実際に発生をした武力攻撃の規模、態様に即して個別具体的に判断をされるものというふうに考えております。
 例えば、今の米軍等の他国の支援で、支援の有無が、といった限られた与件のみでもって判断できるものではないということでございます。

#79
○小西洋之君 いや、過去は、過去のそれ以上の政府答弁というのは、限られた与件とおっしゃいましたけれども、アメリカの打撃力に委ねるというのが政府の基本方針なわけですよ。もちろん、ある軍事的な問題が起きたときに、いろんな要件を総合的に判断するわけでございますけれども、そうはいっても、議論の上では問題設定はできるわけですから、アメリカの打撃力によって相手国のミサイルの脅威が取り除かれるのであれば、我が国は敵基地攻撃能力を持っていても遂行できないというのかどうかについて、過去の政府答弁というのは、他の適当な手段がない場合にはならないので遂行はできませんということを繰り返し答弁しているわけでございますけれども。
 ちょっと委員長にお許しいただき、お願いしたいんですけれども、これ全く先ほどから本質的な質問、答弁されていないので、今私が申し上げたことを政府として見解を委員会に文書で出していただけるようにお願いいたします。

#80
○委員長(長峯誠君) 後刻理事会において協議いたします。

#81
○小西洋之君 ありがとうございました。
 では、もう一つ重ねて伺いますけれども、質問、全部質問通告に基づいてやっていますので、この質問は、かつて田中角栄総理が、一九七二年の十月三十一日のこれ衆議院の本会議答弁でございます。「専守防衛ないし専守防御というのは、防衛上の必要からも相手の基地を攻撃することなく、」ですね。繰り返します。「専守防衛ないし専守防御というのは、防衛上の必要からも相手の基地を攻撃することなく、もっぱらわが国土及びその周辺において防衛を行なうということでございまして、これはわが国防衛の基本的な方針であり、この考え方を変えるということは全くありません。」というふうに答弁をされています。
 この田中角栄総理の答弁ですね、専守防衛というのは、防衛上の必要からも相手の基地を攻撃することなくという見解は、現在の政府も維持しているでしょうか。変えているのであれば、その理由を答弁してください。

#82
○国務大臣(岸信夫君) 専守防衛ですね、相手からの武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使をし、その態様からも自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限ると、こういった憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢というものでございます。委員のおっしゃったとおり、我が国の防衛の基本的な方針であるということでございます。

#83
○小西洋之君 いや、私の質問は、今大臣が答弁されたその専守防衛の中身を聞くんじゃなくて、田中角栄総理の、その専守防衛というのは、防衛上の必要からも相手の基地を攻撃することなくと言っているので、専守防衛である限りはいわゆる敵基地攻撃能力というものはやらない、できないんだということを述べているわけですけれども、そうした見解は今の政府も同じですか。変えているんだったら変えている理由、それだけを答弁してください。

#84
○国務大臣(岸信夫君) 田中総理は、これは武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣をするいわゆる海外派兵は、一般の自衛のための最小限度、必要最小限度を超えるものである、憲法上許されないと解してきている、この専守防衛という考え方と、それといわゆる海外派兵について併せて述べられたものというふうに考えております。
 考え方としては、この考えを堅持していくということについて変わりはございません。

#85
○小西洋之君 じゃ、この田中角栄総理の答弁のこの相手の基地を攻撃するというのは、このいわゆる一般的な海外派兵のことのみを言っているということ、というふうに理解しているわけですか。でしたら、その根拠を示してください。

#86
○委員長(長峯誠君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#87
○委員長(長峯誠君) 速記を起こしてください。

#88
○国務大臣(岸信夫君) 田中角栄総理の、元総理の答弁というものは、専守防衛、これは先ほどのとおりなんですけれども、それといわゆる海外派兵が必要最小限度、自衛のための必要最小限度を超えるものであって憲法上許されない、こう解していますということを併せて答弁したものと、こういうふうに考えておるところでございます。

#89
○小西洋之君 じゃ、その田中角栄総理の答弁は、敵基地、いわゆる敵基地攻撃能力のことは関知していないという、そういう理解でいるということですか。

#90
○委員長(長峯誠君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#91
○委員長(長峯誠君) 速記を起こしてください。

#92
○国務大臣(岸信夫君) 田中角栄総理の答弁は、専守防衛ないし専守防御というのは、防衛上の必要からも相手の基地を攻撃することなく、専ら我が国、我が国土及びその周辺において防衛を行うということでございまして、これは我が国の国防、防衛の基本的な方針でありということを述べられているものでございますので、先ほど、繰り返しになりますけれども、敵基地攻撃ということを想定をして述べたものではないというふうに考えておるところでございます。
 その上で、先ほども申しましたけれども、海外派兵とそれから専守防衛の考え方について田中総理は述べられたということでございます。

#93
○小西洋之君 とんでもない答弁。
 私の手元に、防衛省から提供を受けた平成十六年の防衛研究所の報告書があります。この中に、田中角栄総理の答弁が紹介されているんですね。私も会議録も見ましたけれども、まさに敵基地攻撃能力を実施することを否定しているという、そういう答弁というふうにして紹介されているわけでございます。これ、歴史の歪曲ですよ、そんなことやり始めたら。学術会議と同じじゃないですか、こんなこと。
 もう時間が限られます。また委員会に文書提出求めますけれども、繰り返し、田中角栄総理のこの答弁をどういう意味として理解しているのか、私がさっき質疑して行ったことです。かつ、この防衛、今私が紹介した防衛研究所のこの見解との関係も含めて、委員会に文書の提出を要求いたします。

#94
○委員長(長峯誠君) 後刻理事会において協議いたします。

#95
○小西洋之君 もう一つ質問いたします。
 仮に、一般論ですけれども、我が国が敵基地攻撃能力のこの装備ですね、それを、武装した場合に、当該装備というのは、新三要件の下の集団的自衛権、限定的な集団的自衛権でも使えるということでよろしいでしょうか。

#96
○国務大臣(岸信夫君) 敵基地能力の武力行使の新三要件に基づく限定的な集団的自衛権の行使でも使用することが可能かどうかという御質問ですね。
 従来から、武力の行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領空、領海へ派遣するといういわゆる海外派兵については、一般的に、自衛のための必要最小限度を超えるものであって憲法上許されない、このように解しておるところでございます。
 一方で、他方、政府としては、平成二十六年七月の閣議決定以前から、誘導弾等で、誘導弾等の基地をたたくなど、他国の領域における武力行動で自衛権発動の三要件、自衛権発動の三要件に該当するものがあれば、憲法上の理論としては、そのような行動を取ることが許されないわけではないとしてきております。
 このような考え方は、平成二十六年七月の閣議決定において示された武力行使の三要件の下で行われる自衛の措置としての武力の行使にそのまま当てはまるものと、このように考えております。その上で、政府として、九月の談話で述べられました問題意識の下で、抑止力の強化するために、ミサイル阻止に関する安全保障の新たな方針について検討している、こういうことでございます。

#97
○小西洋之君 もう私の質問、全く答えていただいていないんですね。今の質問について文書提出を求めて、私の質疑、時間になっていますので、やむなく終わります。
 委員長、お願いいたします。

#98
○委員長(長峯誠君) 後刻理事会において協議をいたします。

#99
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。
 まず、議題となっております給与法の一部改正についてお尋ねしていきたいと思います。
 また第三波がやってきたというふうに報道されておりますけれども、コロナの影響、教育にも非常に大きな影響を及ぼした一年であったと思っております。特に、大学では対面式授業というのがもうほとんどなくなってしまって、オンラインでやっているところがほとんどであると。
 いわゆる第二波から第三波にかけてのはざまにおいて対面式の授業をまた一部で復活させたというふうなことを聞いておりますけれども、防衛省関係の防衛大学校、防衛医科大学校、陸上自衛隊高等工科学校における授業には、この今回のコロナの影響というのはどういうふうに出ているんでしょうか、教えていただきたいと思います。

#100
○国務大臣(岸信夫君) 今委員御指摘の、お尋ねの三つのところです、防衛大学校、防衛医大、高等工科学校、これらは一般の大学、高校と異なりまして、原則としては全寮制という形を取っております。そして、現在、マスクの着用、手指衛生の徹底、定期的な検温、教育の場などにおける間隔の確保といった必要な感染措置を講じた上で対面の授業を行っているところでございます。その上で、これら防衛大学校、防衛医大、工科学校においては、オンラインの授業も含めて教育のICT化について検討を進めているところでございます。
 いずれにいたしましても、防衛省・自衛隊として、コロナ禍の状況においても隊員に対して必要な教育を実施できるようにしっかり取り組んでまいっているところでございます。

#101
○浅田均君 確認ですが、全寮制で皆さん、生徒さん、学生さん、全寮制で生活をしておられると。そこでクラスター等、ほかの大学で結構そういう事例が報告されているんですが、クラスター等の発生は全くなかったという理解でいいんでしょうか。

#102
○政府参考人(岩元達弘君) お答えいたします。
 コロナの感染状況でございますけれども、防大と防医大につきましては、それぞれ学生が一名ずつ、帰省中に、実家の方に戻っていた際にコロナに感染しております。校内での感染ではございません。それから、高等工科学校につきましては、学生について感染はゼロという状況でございます。

#103
○浅田均君 今の御答弁に対して再度質問させていただきたいんですけど、帰省中に一名の方が、防衛大学校あるいは防衛医科大学校の学生一名が帰省中に感染されたと。PCR検査して、その後二週間、自宅待機とかホテル療養とかを余儀なくされたと思うんですが、その二名の方についての授業の遅れとか、そういうのはどういうふうに対応されたんでしょうか。

#104
○政府参考人(岩元達弘君) 済みません、ちょっと手元に詳細はございませんが、恐らくは夏休み中に実家に帰省をしていて感染したものではないかというふうに考えております。

#105
○浅田均君 ありがとうございます。
 それでは、学生さんに関してはほとんど影響がなかったということでございますが、それならば、進級とか卒業、これ自衛隊の定員とも大きく関わる話なんですけれども、進級とか卒業に関しての影響というのはほとんどないという理解でいいんでしょうか。

#106
○国務大臣(岸信夫君) 今お尋ねの件ですけれども、先ほど申しましたとおり、必要な感染防止策を講じた上で授業や訓練を実施をしております。そういうことから、学生や生徒の進級とか卒業に関して影響は生じないものと、このように考えております。

#107
○浅田均君 ありがとうございます。
 それで、この二月、三月以来、コロナによる影響、それに対してどう対応していくかという様々な課題がありまして、そのうちの一つが学生支援という課題でありました。アルバイト先がなくなってしまったとか実家からの仕送りがなくなったとかいうことで、学生支援という要望がかなり強くありました。これはまた、政府・与野党連絡協議会等で協議した結果、学生さんに支援するという方針が決まっております。
 他方、今回のこの法案でありますが、一般の、普通の大学生等に関しては学生支援緊急給付金等の学生支援が実現されておるわけであります。それならば、せめて今回のその支給に関しても下げるべきではないと。何か給付せよというわけではありませんけれども、下げないということによって公平性を保てるんではないかなと思っております。この件に関しましては、だから、後ほどまた討論の中でお話をさせていただきたいと思っております。
 それで、次の質問に移ります。
 前回、イージス・アショアを中断されて、この後どうするのかということがいろいろ議論されております。イージス・アショアの後、イージス・アショア、秋田、山口に配置することをやめて、洋上式にするのか、あるいはどうするのかということが議論されておりますけれども、これ、イージス・アショアのそもそもの原因というのは北朝鮮のミサイルです。その肝腎の原因になっておるところの北朝鮮のミサイルに関してほとんど議論がありませんでしたので、その北朝鮮のミサイルに関してお尋ねしておきたいと思います。
   〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕
 この十月十日ですか、北朝鮮の軍事パレードで公開された新型ICBM、これ、火星14号、15号とか、射程一万キロ、一万三千キロという、ICBMに関しては既に情報のあるところなんですが、十月十日の軍事パレードで公開された新型ICBM、これは今までのやつよりもすごく、かなり大きいと、それから弾頭部分が非常に大きいというふうに、私も写真で見ましたけれども、報道もされております。
 この新型ICBMについて防衛省が把握されておられる情報について御紹介いただきたいと思います。

#108
○国務大臣(岸信夫君) 今委員から御紹介のありましたその北朝鮮の十月十日のパレードにおきましては、新型のICBM級の弾道ミサイルの可能性があるものを登場させたと、こういうことでございます。
 事柄の性質上、その詳細についてはお答えすることは差し控えますけれども、既存のICBM級の弾道ミサイルである火星15号に比べて大型化をしております。そして、弾頭の大型化、多弾頭化を企図しているというものであると。さらに、発射台付きの車両、いわゆるTELについては、確認できておりますこの十一軸、車輪の数ですね、十一軸の車輪は世界で最も多く、北朝鮮製であるといった指摘があると、このように承知をしておるところでございます。
 北朝鮮は、米国の核の脅威に対抗する独自の核抑止力が必要と、こういうふうに考えていると。その運搬手段たる弾道ミサイルについても極めて速いスピードで開発を継続的に進めております。
 ICBM級弾道ミサイルの開発動向を含めて、引き続き関連情報の収集、分析に努めてまいりたいと思います。

#109
○浅田均君 北朝鮮の拉致、核、ミサイル、これを解決するというのが常に政権の課題であると思いますし、私どもも、朝鮮半島の非核化というのが日本の戦略、大きな戦略目標の一つであるということに変わりはないと思っております。
   〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕
 この朝鮮半島の非核化、こういうことを考えると、今大臣の方から説明いただきましたけれども、北朝鮮においては、いっとき核、ミサイル破棄するというふうなことまで表明したところ、逆にまた強化の方に動いていると。これは、本当に、朝鮮半島の非核化ということを考えると、また韓国との距離の近さということを考えますと、本当に日本にとってはこれからますます大きな脅威になっていくんではないかという危惧を、懸念を持たざるを得ないわけです。
 ところが、その北朝鮮たるや、そういうパレードはやっておりますけれども、今年のミサイル発射というのはすごく少ないです。そういうその沈黙ですね、沈黙の背後に何があるのかというのは、当然その情報がないことには、恐怖以外の何物、安心しろと言われてもそれはもう難しいわけでありますので、この沈黙、北朝鮮のしばらくの沈黙というのをこれはどういうふうに理解されているんでしょうか。副大臣にお尋ねいたします。

#110
○副大臣(宇都隆史君) 御質問の御意図が、今お話ししたように、最近北朝鮮がミサイル発射等を含めた挑発的な行動あるいはそういう態度を取っていないこの沈黙の背景に何があるのかというお話だと思われますが、我が国として、北朝鮮をめぐるこの動向につきましては常日頃から高い関心を持って情報収集もしている状況にございます。その中身は、シンクタンク等の公開情報であったり、あるいは我が国も含めた各国の情報機関等が収集するインテリジェンスであったり、様々な情報に接してきている段階ではございます。
 引き続き、米国、韓国を始めとした国際社会と緊密に連携しながら収集また分析も行っていきますが、その分析の結果につきましてはこの場で開陳をさせていただくことは控えさせていただきたいと思います。

#111
○浅田均君 控えずにですね、まあ副大臣、外務大臣いらっしゃいませんけれども、お考えは多分同じなんだろうと思います。
 あれだけミサイルを発射し続けて、米朝接近というのがありました。トランプさんと何回か会談して、その後、雪解けになるのかと思ったら、実際、工場を破壊したりミサイル発射基地を破壊したり、表向きはそういう行動に出ましたけれども、その後、また沈黙を続けて、伝えられるところでは、実際の核発射装置というのは破壊されていないと、また造られているというふうな情報がいろいろありますし、この間の軍事パレードにおいても、決してこれ、核・ミサイル開発をやめているという認識を持てるようなことではありません。
 だから、背後に何を考えているのか。アメリカの出方を待っているのか日本の出方を待っているのか、あるいは自ら何をしようとしているのか。また元のミサイル強硬路線に走るという可能性が極めて高いと思います。イージス・アショアの問題が漂流していて、そういうところに対して穴が空いてしまっていると。だから、向こうにとっては今がチャンスと捉えている可能性が極めて高いと思います。他方、コロナあるいは韓国との関係というものも考えていると思います。
 だから、私が考えているようなことは当然副大臣もお考えなんだろうと思いますけれども、北朝鮮の次の一手は何と考えるかというとこれまた答えられないとおっしゃると思いますので、それでは、宇都副大臣の次の一手は何でしょうか。

#112
○副大臣(宇都隆史君) 外務副大臣として対応させていただきますが、御質問の中にもございましたように、北朝鮮も、米国の大統領選挙が終わり、今後の米国の出方というのを注視しているであろうと我々も予想はしておりますが、我が国の北朝鮮に対する対応というのは、拉致、核、ミサイルといった諸問題を包括的に解決して、最終的には国交正常化を目指すという考えでございますけれども、この考え方と特に北朝鮮の非核化を目指すという考え方は、米国の前政権も、まだトランプ政権ですけれども、今の政権も次期の政権であろう次の政権に関してもこれは変わらないであろうと、また、我々もそれを変わらないように働きかけをしっかりとしていかなければならないと思っております。
 そしてまた、具体的に、じゃ、今後、この膠着している北朝鮮外交をどう取り組むのかという話なんですが、これは一貫して政府としても訴えていることなんですけれども、国連の安保理決議にのっとった制裁を含めてこれをきちんと完全に履行していくことが大事なんだということで、国際社会での連携を呼びかけているところでございます。
 実際、国連決議は、決議に賛成した国々というのは、ルールに基づいて半年以内にこの決議に対してどのような制裁を行ったかという報告書を提出することが求められているわけですけれども、国連加盟国のうち、最新の状況では、実際にこの決議に対して報告書を提出した国というのはまだ八十一か国しかございません。また、北朝鮮と国交を結んでいる国というのは、少し古いデータで二〇一八年になるんですけど、百六十一か国の国々が国交を結んでいること等を考えると、やはり日北朝鮮のバイの関係ではなく、そういう国交を持った国々、あるいは制裁決議にちゃんと賛成をしながらまだそういう提出をしていない国々に、しっかりとやはり北朝鮮に対して圧力を掛けて、彼らが核を放棄する、あるいはミサイルを放棄するという方向に持っていくべきであろうというふうに思っております。

#113
○浅田均君 まあ、べき論はべき論でそのとおりだと思うんですが、先ほど岸大臣の方から、軍事パレードに関して、新しい型のICBMが開発されていると、多弾頭であると、それを運搬する車両も新しく公開されていると。これ、国連安保理決議が実際に誠実に履行されていたら絶対実現できない軍事装置ばかりですよ。これはそういうことを、瀬取りの問題もそうですけれども、そういう網をかいくぐって開発を続けているわけです。だから、安保理決議があると、輸出制限やと、資金移動もできないと、厳しい決議はやっているんですけれども、実効性がないと思わざるを得ないわけですね。こういう点、どういうふうにこれから追及されていきますか。

#114
○副大臣(宇都隆史君) 繰り返しになるんですが、実際そういうきちんと履行されていない部分を国際連携をしながら日本の立場をきちんと伝え、きちんとこれを履行するようにそれぞれの国へ働きかけていくことが日本の外交として重要だと考えております。

#115
○浅田均君 外交として重要なんですけど、言うだけで、本当にその効果がないと。本当に、また言うてるわいなというぐらいでしょう。だから、でないと、ここまで北朝鮮の軍事力の脅威というのを感じるというところまではいかないはずなんです。だから、この点、もっと今まで以上に厳しく取り組んでいただきたい、いただきたいと思っております。
 それで、もう時間が余りありませんので、この間の河野行革担当大臣のレビューについてお尋ねしていきたいと思います。
 河野大臣は、レビューのときに、新しい技術を取り入れることが大事で、今後防衛予算を大きく増やすことが難しい中、自衛隊の陸海空の人員や研究開発予算などについて、過去を引きずらず、見直しを大胆に行う必要があるというふうな指摘をされております。この指摘を防衛大臣はどのように受け止められたんでしょうか、お尋ねいたします。

#116
○国務大臣(岸信夫君) 現在の格段にスピードを増していますこの安全保障環境の変化、こういったものに対応するため、防衛省として、従来とは抜本的に異なる速度で防衛力を強化していく、このことが必要であると、こう考えております。このため、現大綱、中期防においては、既存の予算、人員の配分に固執することなく、資源を柔軟かつ重点的に配分するということとしておるところでございます。
 防衛省として、現下の厳しい財政状況の下で、引き続き効率的、効果的な防衛力整備を進めてまいりたいというふうに考えております。

#117
○浅田均君 その整備の過程で、今、無人化あるいはAIを使って、オートメ化というかな、AI化、無人化というのが技術の分野ではかなり進んできております。それで、無人の偵察機とか、だから、無人の戦車とかいろいろ考えられるわけですよね。そういうことを考えたときに、これ、人員についての見直しとか研究開発予算についての見直しというものに関しては大臣はどういうふうにお考えでしょうか。

#118
○国務大臣(岸信夫君) 安全保障環境が極めて格段に変化をしているということ、それから、技術の革新も一方でどんどん進んでいるという状況において、我々も柔軟に対応し、検討していかなければいけない課題だと考えております。

#119
○浅田均君 柔軟に対応するというのは、人を例えばロボットに替えると、そういうことも視野に入れておられるという理解でいいんでしょうか。

#120
○国務大臣(岸信夫君) 様々なケースを検討していかなければいけないということでございます。

#121
○浅田均君 時間ですね、まだですか。それじゃ、もう一問。
 中国とかロシアの新型の戦闘機の数が航空自衛隊のおよそ三倍となる、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増しているとして、防衛力の強化の必要性を訴えておられます。防衛大臣は、この戦闘機の数に関して、柔軟に考えていくという答弁が返ってくるんでしょうけど、それ以外の何かお答えはありますでしょうか。

#122
○国務大臣(岸信夫君) 我が国周辺の国では、いわゆる第四世代の戦闘機の中でも最新型とされる機種の配備、第五世代の戦闘機の試験的配備、こういった航空戦力の近代化が急速に行われているというところでございます。
 数の上で申し上げるならば、この第四世代、第五世代合わせて我が国は三百九機に対しまして、中国は千八十機、ロシアは九百三十四機と、それぞれ三倍以上という状況になっておるというところではあります。
 そうした状況に加えて、我が国の周辺には、北朝鮮の核・ミサイル問題、それから中国の透明性を欠いた軍事力の強化の問題、東シナ海、南シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試み、そして大量破壊兵器の拡散、国際テロ、サイバー空間や宇宙空間、こういった新たな領域、この課題の顕在化などが出てきているというところだと思います。
 そうした中で、我々としては、防衛大綱に基づいて、国民を守るために真に必要な防衛力としての多次元統合防衛力、これを構築していきたい、こういうふうに考えております。防衛省として、今後、この多次元統合防衛力の構築を力強く推進をし、陸海空といった従来の領域に加えて、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域においても能力を抜本的に強化することを通じて、揺るぎない防衛力の整備を行います。
 国民の命と平和な暮らし、そして領土、領海、領空を断固として守り抜いていくという構えでまいりたいと思います。

#123
○浅田均君 これで終わります。ありがとうございました。
    ─────────────

#124
○委員長(長峯誠君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、武見敬三君が委員を辞任され、その補欠として高橋はるみ君が選任されました。
    ─────────────

#125
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。
 限られた時間ですので、今日の法案に関連して質問させていただきます。
 今日、朝の海外ニュース見ていましたら、BBCで、イギリスの財務大臣が国会答弁で、イギリスは三百年に一度の経済の危機に瀕していると、したがって海外の支援をする余裕もないという答弁を今日、財務大臣がしているニュースを見まして、これは大変なことだなと。
 日本もどういう状況かというのは、これから、この国会でもそうですし、次の通常国会でもいろいろ議論されると思いますが、こういう状況下ですから、自衛隊員の皆さんの給与についても、厳しい財政状況の中でこういう法案が出てくるというのも理解できないわけではないんですけれども、ただ、これまでの自衛隊員の給与の在り方の考え方と、国際情勢がこういうふうになってきている中での今後の防衛に携わる人員の処遇の在り方とを同じように考えていっていいのかということは、今後できるだけ迅速にいろんなことを検討しなくてはならないという印象を私は持っています。
 その上で、ちょっと二、三、事実関係確認させていただきたいんですが、今日、他の委員の資料で私の質問に関わる数字が一つもう出ています。防衛大学の卒業生のうち任官しなかった者、最新データで令和元年度は四百十七人のうち三十五人ということでありますが、通告の二番の方から先にお伺いしますが、防衛医大の場合は新卒者のうち任官しない方がどのくらい、それから高等工科学校は、これは防衛大学や防衛医大とは同じような考え方では把握できないのかもしれませんが、工科学校を卒業して自衛隊に残らない人というのはどのぐらいいるのか、まず数字を教えていただけますでしょうか。

#126
○国務大臣(岸信夫君) 防衛医大における令和元年度の卒業生百八十四名のうち任官辞退者の数は二名であります。それから、高等工科学校における令和元年度の卒業生、これ二百八十名ですけれども、このうち任官辞退者は三名ということでございます。

#127
○大塚耕平君 加えて、民間企業や霞が関においても、その後辞めていく方がいるわけですね。このところ、霞が関では通常の四倍の人間が辞めているといったニュースになっていましたけれども、新卒者ではなくて、もう既に任官された防大、防衛医大あるいは工科学校卒業者のうち、例年、どのくらいの人数が自衛隊を辞めていくのか、もし数字があれば教えてください。

#128
○国務大臣(岸信夫君) 令和元年度において、防衛大学校出身の隊員については百二十九名、防衛医大出身の隊員について四十七名、そして自衛隊高等工科学校出身の隊員については八十五名の方が中途退職という形を取られました。

#129
○大塚耕平君 中途ということで、いわゆる定年退職は含まれていないという前提で聞かせていただきましたが、防大だと百二十九名と今おっしゃいましたが、そうすると、平年の卒業、新卒者が四百人ぐらいですから、そのうちの二五%近くが平年ベースで抜けていっているというのはかなりゆゆしき事態だと思うんですが、これはあれですか、例えば給与の問題とか処遇面で先が見通せないとか、そういうことも理由になっていると考えてよろしいでしょうか。

#130
○国務大臣(岸信夫君) この防衛大学校の百二十九名というのは、累積の数であります。すなわち、四十年ぐらい勤め上げる、その中での中途退職ということで百二十九名という数を申し上げたところでございます。

#131
○大塚耕平君 それは理解しています。だから、四百人掛ける例えば三十年ですと、それだけの累積の中から百二十人辞めているということですが、そうはいっても、百二十人毎年辞めるというのは決して少ない数ではなくて、これが、今申し上げたように、処遇面の先が見通せないことを理由に辞めている方が結構いらっしゃるということでいいでしょうか。

#132
○国務大臣(岸信夫君) 中途で退職をされる方がそのように多いということでございますけれども、防衛力の中核として、自衛隊員はまさに中核の存在でございます。この確保が不可欠ということから、中途退職者の人材流出、これについてはこれまで以上に取り組んでいく必要があると、こういうふうに思います。そのときの経済状況、その他の状況等によってもこの数字というのは動いてくると思いますけれども、まず、今後、隊員の生活環境、勤務環境の改善とか、女性について言えば、女性の自衛官の活躍の場をしっかり確保すると、ワーク・ライフ・バランス、処遇の改善、ハラスメントの防止、メンタルヘルス、こういったことをしっかり推進してまいりましてこの中途退職者の抑制を図っていきたいと、このように考えているところです。

#133
○大塚耕平君 残り十分ぐらいなんですが、決して予定された質問のやり取りだけで委員会が回ればいいとは思っておりませんので、委員会の質疑の中で大臣に何かいろいろお気付きいただいて、実際に権限を持っておられるわけなので、対応していただくための委員会だと思っていますから、一度、どういう理由で辞める方が多いのかということは、ちゃんと大臣として調査をして把握をしていただきたいということをまずお願いをしておきます。
 その上で、冒頭申し上げましたように、例えば日本は人勧の報告受けて公務員の給与も決まるし、民間の所得水準も参考にいろんなことを考えながら自衛隊員の給与のことも考えていると思うんですけれども、今自衛隊の皆さんは、例えば極東においては中国や北朝鮮と向き合っているわけですね。他国は、防衛業務に従事する、まあ他国であれば軍ですから、軍の人員の処遇が一般の公務員の皆さんとの比較においてこうだとか、そういう基準で決められているのかどうか、他国はどういうふうかということは、大臣はどういうふうに御理解されていますでしょうか。

#134
○国務大臣(岸信夫君) それぞれの国によって事情はいろいろあると思います。ですから、様々な要素で決まってくるんだと思うんですけれども、我が国の場合は、自衛官の制度上の問題から、ほかの公務員の人事院の勧告、これに従った形で決めていると、こういうことだと思います。
 ただ、自衛官の任務というものは非常に多岐にわたっていますし、そういう意味ではハードシップというものも高くなっている部分というのもあると思います。そういう面で、しっかり処遇面で、処遇面というのは結局給料だけではないと思いますが、そういった面でしっかり満足のできる職場というものをつくっていかなきゃいけないんだと思います。

#135
○大塚耕平君 決してそんな、処遇を目的に防衛業務に従事している方が中心だとは思っていませんので、もちろん処遇の問題だけじゃありません。
 ただ、例えばファーウェイなんというのはもう今や日本中の人がみんな知っていますけれども、ファーウェイという名前をほとんどの日本人が知らない二〇一三年とか一四年の段階である情報を私は聞いてびっくりしたんですけれども、当時のファーウェイが日本で博士課程の卒業生を新卒で年収二千万円でハンティングしていたんですね。そうしたら、日本人の大学院の卒業生は、年収三百五十万とか四百万の日本の電機メーカーに行くよりは二千万のファーウェイに行くに決まっています。
 同様の理由で、大臣、是非他国の、まあ日本の場合は自衛隊員ですけれども、他国の場合は軍の要員がどういう処遇をされているかということについては是非調べていただきたいということも、これもお願いをしておきます。またしかるべき時期に聞かせていただきたいと思っています。
 残された時間で一つ二つ提案めいたことも申し上げたいんですが、実は日本のサイバー関係の企業あるいはIT関係の企業、最近イスラエルの企業と提携している先が結構多いんですね。どうしてかなと思って聞いてみたら、イスラエルの企業にはイスラエルの八二〇〇部隊出身者が結構多いというんですよ。
 イスラエルの八二〇〇部隊というのは大臣は御存じですか。

#136
○国務大臣(岸信夫君) 済みません、存じ上げません。

#137
○大塚耕平君 私もその情報を聞いて調べて分かったことですが、これは国防軍傘下の、日本でいうとイメージ的には高等工科学校的なものというふうに言いたいところなんですが、多分日本の場合は高等工科学校は土木とか建築だけだというふうに考えてよろしいですか、大臣。

#138
○国務大臣(岸信夫君) 今委員おっしゃったことと自衛官としての一般的なところがございますので、そういった教育も含めて行っているところでございます。

#139
○大塚耕平君 つまり、八二〇〇部隊というのは、私の調べた限りでは、十八歳ぐらいの若者から採用するんですが、イスラエルの場合は徴兵制ですから、その中で八二〇〇部隊に適した者を選抜して入れるんですが、まあ言ってみれば、プログラミングとか言語とか、いろんなことにその時点でたけているだけではなくて、その時点ではたけていなくても、そういう才能のありそうな若者を集めて相当集中的に教育をするんだそうですね。で、その部隊出身者が一定の期間を経て、除隊した後に今や多くのスタートアップ企業を立ち上げている。
 そういうふうに考えると、今回のこの処遇の問題とも関わりがあるんですが、防衛大学とか防衛医大とか高等工科学校が、今のイスラエルの八二〇〇部隊と同様には扱えませんけれども、そこで起きている現象と同じような効果を世の中全体にもたらすような人材を輩出するというような仕組みにはなっていないわけですよ。
 そこで、ちょっとお伺いしたいんですが、防衛大学とかでは、いわゆる通常の大学でいう理工系的な教育はかなりしているという理解でよろしいですか。

#140
○国務大臣(岸信夫君) そういう教育を行っておるところでございます。

#141
○大塚耕平君 しかし、八二〇〇部隊は、多分イメージ的にはアメリカのNSAに近いと思っているんですけれども、そこで輩出された人材がその後ビジネスの世界でも活躍するという、こういうエコシステムというか、いい意味での関係はまだ防衛人材と非防衛人材の間では構築されていないと思いますので、私は、これは広い意味での、安全保障のレベルを上げていく意味でも非常に重要な点だと個人的には思っています。
 そこで、提案なんですけれども、一つ確認ですが、防衛大学とか防衛医大とか高等工科学校は、これは文科省とか厚労省の何か権限は及んでいるんでしょうか。一つだけ確認させてください。

#142
○国務大臣(岸信夫君) これはいずれも学校教育法上の大学ではありません。ございませんが、卒業者については、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構によって大学又は大学院相当の水準の教育を行っているとの認定を受けている、そのことによりこの機構から学位を授与されているということでございます。

#143
○大塚耕平君 学位は授与されるけど直接の権限は及んでいないというふうに理解していますので、是非、もう時代も変わってきていますので、防衛大学や防衛医大、あるいは高等工科学校の学生の中にもよりハイレベルな教育に適した人材というのはいると思いますので、まあ大学院という必要はないですけれども、この防大、防衛医大、高等工科学校の卒業生の中で更に高度な教育を受けたり、あるいは高度な研究をする人材、しかも、そこには外部から人材も入れた方がいいと思います。防大出身者、防衛医大出身者以外もそこに入って、言わば一緒に研究活動や、あるいは大学院的教育システムの中で育っていく場をつくった方がいいんじゃないかと、最近の防衛環境を見ているとそう思いますので、そういうことを御提案申し上げて、感想を聞いて終わりにさせていただきたいと思います。

#144
○国務大臣(岸信夫君) 委員御指摘の点、大変重要だと思います。特に今、陸海空以外にも、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域でしっかりその優位性を保っておくということがまさに重要になってきている、そうした知識をしっかり蓄えておかなければいけないわけです。一方で、技術面では民間のところにハイレベルのものはあるわけです。
 そういう意味で、官民交流という意味も含めて、そういった力を防衛省・自衛隊としてもしっかり取り込んでいかねばならない大切なところだというふうに思っています。

#145
○大塚耕平君 終わります。

#146
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 給与法案については討論で意見を述べます。
 日本学術会議の任命拒否問題と軍事研究についてお聞きいたします。
 菅総理が、日本学術会議が推薦した中で六人の学者を理由も明らかにせず任命拒否をいたしました。総合的、俯瞰的、多様性が必要、事前調整がなかったからなどというこの間の説明は、ことごとく破綻をしております。任命は形式的、推薦者の任命を拒否しないという三十七年前の答弁以来の一貫した解釈を秘密裏に変更することを許したら国会審議は意味なくなりますし、まさに法治主義の破壊だと言わなければなりません。
 一方、この違法な任命拒否という暴挙を、この日本学術会議の在り方の問題とすり替える議論が行われております。その中で重大なのは、先日の内閣委員会での井上科学技術担当大臣の答弁であります。研究成果が民生にも軍事にも使われるデュアルユース技術について、大臣は、時代の変化に合わせて冷静に考えていかなければならないとした上で、これも含め梶田会長とお話をしていると述べて、学術会議に検討を求めていることを明らかにいたしました。
 防衛省は、デュアルユース技術の積極的活用のためにとして、研究資金を提供する制度として二〇一五年度に安全保障技術研究推進制度をつくりました。これに対して、学術会議は、一年近く掛けて十一回の検討委員会を行い、そして学術フォーラムも開催をした上で、この防衛省の制度が、政府による研究への介入が著しく、問題が多いとして、戦前の教訓から戦争を目的とする科学の研究は行わないとした過去の二回の声明を継承する新しい声明を二〇一七年に採択をいたしました。私は、大臣の答弁は実質的にこの声明の見直しを求めるものになると考えます。
 今日は、大臣の代わりに政務官来ていただいておりますが、この御発言、答弁は、学術会議が時代の変化も考慮せずに冷静さを欠いて声明を出したと、こういうお考えでしょうか。

#147
○大臣政務官(吉川赳君) 済みません、まず委員御指摘のこと、案件でございます、十一月十七日の参議院内閣委員会での井上大臣の答弁ということでよろしいかと思います。
 これにつきましては、まず、学術会議の二十九年の声明ということではなく、デュアルユースなどの課題については時代の変化を踏まえ冷静に考えていかなければならないが、いずれもまずは学術会議自身が考えるべきものであると考えるという趣旨のものであって、当時の御指摘いただきましたこの声明について評価をしたものではないという認識でおります。

#148
○井上哲士君 そうおっしゃいますけど、例えば下村自民党政調会長が、軍事研究やらないのなら行政機関を外れてもらうと発言するなど、自民党幹部から学術会議の軍事研究への見解の変更を求める発言が続いている、その中での答弁なわけですね。ですから、これと一体となって学術会議への見解変更を求める、事実上そういうことになっているということなんですよ。
 この学術会議が声明案を発表したときに、採択したときに、私、この委員会で当時の防衛大臣に質問いたしました。答弁は、学術会議が独立の立場において検討しているものであり、防衛省としてコメントは差し控えるということだったんですね。学術会議事務局に聞きますと、基本的にこういうラインの答弁であって、提言や声明の中身に関わるような、そういう答弁はこれまでにないということだったのに、法律が変わったわけじゃないのに、もう踏み込んだ答弁をされたわけですね。
 学術会議は政府から独立をして、政府に対して勧告も行います。その勧告を受ける側の政府の担当大臣が、組織の在り方にとどまらず、見解の内容を事実上見直しを求めるというのは、独立をして職務を行うという学術会議法に私は反すると思いますけれども、いかがでしょうか。

#149
○大臣政務官(吉川赳君) まず、御指摘いただきました党からの発言でございますが、これに関しては、政府としては、党からの発言でございますので、特段それを踏まえてということではないということを御認識いただければと思います。
 そして、いただきました二問目に関してでございますが、独立性ということでございますが、日本学術会議は、日本学術会議法上、科学に関する重要事項の審議等の職務を独立して行うことが御案内のとおり規定されております。
 井上大臣から学術会議に対して、御指摘のデュアルユースに対して検討することを要求をしたという事実は現在なく、より良い学術の在り方について、何を検討課題とするかを踏まえ、まずは学術会議自身に考えていただくものであり、委員の御指摘は当たらないものと考えます。

#150
○井上哲士君 大臣は、これも含めて梶田会長とお話をしていると、こう言われたわけですよ。そして、やっぱりこの一連の経過を踏まえて、多くのマスコミが新聞の社説などで、これは軍事研究への参加を求めるものだと、こういう指摘をしているということは是非重く受け止めていただきたいと思うんですね。
 そこで、防衛大臣、お聞きしますけれども、この軍事を目的とした研究を行わないというのは戦前の歴史を踏まえたものであります。滝川事件、そして天皇機関説事件で、時の政権の意に沿わない学問が弾圧をされて、国民の言論、表現の自由が抑圧をされていく。
 一九四三年には閣議決定がありました。その中身は、科学研究は大東亜戦争の遂行を唯一絶対の目標としてこれを推進すると、こうされたわけですね。その下で学問の自由が奪われて、科学者が戦争に動員をされた。この痛苦の教訓から、戦後憲法に学問の自由が明記をされ、政府から独立した学術会議がつくられました。
 その言葉は学術会議の最初の声明にもあるわけでありますが、こういう戦前の歴史を踏まえて学問の自由が憲法に明記されたことの重みについて、大臣はどういう認識でしょうか。

#151
○国務大臣(岸信夫君) 憲法二十三条に定められておりますこの学問の自由、広く全ての国民に保障された基本的人権であります。特に、大学における学問研究の自由、その成果の発表の自由、教授の自由、こうしたものを保障したものであって極めて重要な権利だと、こういうふうに認識をしているところです。

#152
○井上哲士君 軍事研究の押し付けというのは、この戦前の痛苦の歴史を踏まえた学術会議の私は原点を壊すものだと思うんですね。学術会議は、二〇一七年の声明をまとめるに当たって、冷静かつ徹底的な議論を行いました。声明にはデュアルユースという言葉は出てきませんけれども、この問題は議論の大きな柱だったんですね。それは報告書を見ていただければ分かります。その上で、防衛省の資金制度は学問の自由と自主性との関係で問題があるといたしました。
 そこで、声明で指摘している問題を幾つか確認をしたいんですが、まず、他省庁ではるかに規模の大きい競争的資金があるのに、防衛省独自の資金制度をわざわざつくった目的は何なんでしょうか。

#153
○国務大臣(岸信夫君) 安全保障技術研究推進制度の創設の趣旨については、公募要領の冒頭にも記載されているとおりでございます。他の競争的な資金制度とは異なるところであります。
 中身としては、我が国の高い技術力は防衛力の基盤であるということ、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、安全保障に関わる技術の優位性を維持向上していくことが将来にわたって国民の命と平和な暮らしを守るために不可欠であると、とりわけ近年の技術革新の急速な進展は民生技術と防衛技術のボーダーレス化をもたらしていると、今や安全保障上有益な研究は全ての科学技術領域に広がっていると言っても過言ではありません。安全保障技術研究推進制度では、こうした状況を踏まえて、防衛分野での将来における研究開発に資することを踏まえて、期待して、先進的な民生技術についての基礎研究を公募、委託をするというものでございます。

#154
○井上哲士君 将来の防衛省の目的に踏まえてという趣旨がありました。
 当時、私の質問に対しては、防衛省としての行政目的に合致した形のテーマをつくることがより一層民生技術を取り込むために必要だと考えて資金を提供すると言われたわけですね。つまり、デュアルユース、軍民両用といいますけれども、あくまでもこの制度は民生技術を軍事に取り組むために必要だということで防衛省独自につくられたわけです。そして、研究テーマについては、防衛省の装備品の研究開発をする防衛装備庁の職員が将来の装備構想に基づいて提案し、手続に基づいて決定されると、こういうプロセスを踏みます。
 じゃ、こういうテーマによる研究の進捗の管理はどのように行われるのかと。この制度は基本的に三年間継続して委託しますけれども、途中で委託の中止もあります。それを判断するのは、この制度に基づく委託研究の進捗を管理するプログラムオフィサーであります。
 文科省の制度ではこのプログラムオフィサーというのは外部研究者が当たっておりまして、文部科学省の職員が当たることはないと当時文科省は答弁いたしました。しかし、防衛省の場合は、の資金制度では外部研究者ではなくて防衛省の職員が全て当たっておりますけれども、なぜそういうふうにしているんでしょうか。

#155
○政府参考人(武田博史君) お答えいたします。
 防衛装備庁は、自ら研究開発を行う研究所を有しており、それぞれの研究所には、専門的な知見を有し、かつ防衛省の研究開発のマネジメントの経験を有する研究職の職員が多数おります。安全保障技術研究推進制度の各研究課題のプログラムオフィサーは、こうした研究職の職員の中から最適な職員を選定することで効率的な業務を行っているということでございます。

#156
○井上哲士君 他省庁にも研究職いますけど、全て外部でやっているんですよ。
 そして、装備庁の担当者が二〇一五年にCISTECジャーナルという雑誌でこう書いております、述べています。プログラムオフィサーは防衛用途への応用という出口を目指して研究委託先と調整を実施をすると、こういうふうに言っているんですね。しかも、進捗状況に問題があると判断されますと資金を打ち切られると。私は、多くの研究者の皆さんが、自由に行われるべき基礎研究に介入があると考えたのは当然だと思うんですね。
 さらに、研究成果の知的財産権について聞きますけれども、応募要領では、一定の条件を付した上で受託した研究機関にこの知的財産権を帰属させることができるとしておりますが、その条件の一つが、防衛装備庁が自ら利用する場合、それから、他に特に必要がある場合は無償で知的財産権を利用する権利を防衛省及び防衛省が指定する者に許諾する、これが条件になっておりますけれども、この防衛省が指定する者には例えば民間の兵器産業も該当し得るのでしょうか。

#157
○政府参考人(武田博史君) 御指摘につきましては、安全保障技術研究推進制度委託契約事務処理要領の委託契約書における第二十五条第一項の(2)に記載されている指定する者についての御質問であると考えますけれども、この指定する者には防衛関連会社もなり得ると考えております。しかしながら、現時点において、具体的に指定する者については事例はないところでございます。

#158
○井上哲士君 研究受託者が、将来、自分の研究成果が兵器産業に使われるのは困るといってこの無償利用の許諾を約束しないという場合はどうなるんでしょうか。

#159
○政府参考人(武田博史君) 今の御質問につきましては、今ほど申し上げました安全保障技術研究推進制度委託契約事務処理要領の委託契約書における第二十五条の第三項に基づきまして、その知的財産は国に帰属するということになります。

#160
○井上哲士君 つまり、この資金制度で研究成果の知的財産権が受託者に帰属しても、将来、兵器産業に無償利用されることを拒むことはできないという、こういう仕組みになっているわけですね。
 ですから、日本学術会議は、こういう今答弁があった事実を踏まえて、声明において、将来の装備開発につながるという明確な目標に沿って公募、審査が行われ、外部の専門家ではなく同庁内部の職員が研究中の進捗管理を行うなど、政府による研究への介入が著しく、問題が多いと、こういうふうにしてきたんです。そして、その上で、研究成果は、時に科学者の意図を離れて軍事目的に転用され、攻撃的な目的にも使用され得るために、まずは研究の入口で研究資金の出所等に関する慎重な判断が求められると述べた上で、各大学での審査制度の設立を求めました。その下で、大学からの応募は大幅に減ったわけですけれども、これは科学者としての冷静で真摯な議論の結果だと思います。
 政府がやるべきことは、声明でも述べている科学者の自主性、自律性、研究成果の公開性が尊重される民生分野の研究資金を一層充実させることでありまして、人事への介入や見解の見直しを迫ることではないと、任命拒否の撤回を改めて求めまして、質問を終わります。

#161
○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
 給与法案については、人勧に準拠するものであり、異論はありません。
 去る十一月十九日、一年二か月ぶりに普天間飛行場負担軽減推進会議作業部会が開かれました。国と県の主張は平行線をたどりました。これまで日本政府は、普天間の負担軽減策として、空中給油機の県外移転、訓練移転、そして緊急時航空機受入れ機能の移転の三つに取り組んできたと説明しています。これに対しては、これまでも数十億円の予算が支出されて、米側に渡されています。
 辺野古の設計変更申請では、普天間所属部隊の辺野古新基地への移転には最短でも十二年掛かると書かれています。十二年以上もの期間にわたり普天間の危険性を放置し、宜野湾市民、沖縄県民を危険にさらし続けることは許されません。十九日の記者会見でも、加藤勝信官房長官は、今後とも、沖縄の負担軽減のため、できることは全て行うと明言しています。
 現在、宜野湾市など基地周辺の自治体には、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律の第九条に基づく特定防衛施設周辺整備調整交付金、いわゆる九条交付金が交付されています。九条交付金は、防衛施設の運用が周辺の生活環境に及ぼす影響を考慮し、市町村に交付する交付金です。基地負担に見合った交付金を市町村に渡す制度です。九条交付金は、基地が飛行場であれば、飛行回数に基づいて算定される普通交付額と運用の態様の変更に係る額という、二つの金額から構成されています。
 配付してございます防衛省提供資料によれば、宜野湾市に対する九条交付金の交付額は、表のとおり、過去十年で、八千万円から令和二年度四億九千万円へ六倍に増額されてきております。政府が、普天間の負担軽減に努めている、できることは全てやると言っているにもかかわらず、飛行回数の増加に伴って増額する普通交付金も減っていないし、増えております。特に、運用の態様の変更に係る額が大幅に増えています。平成二十三年度までゼロでしたが、毎年のように増え、令和二年度は三億九千七百万円になっています。
 宜野湾市に対する普通交付額、運用態様の変更に係る額、それぞれの増額の要因はどんなものですか。

#162
○政府参考人(鈴木敦夫君) 特定防衛施設周辺整備調整交付金につきましては、環境整備法第九条の規定に基づきまして、普天間飛行場を始めとする特定防衛施設の関連市町村に対して、防衛施設の面積や運用の実態、運用状況の変化等を考慮して年度ごとに交付しているものです。
 このうち、宜野湾市への交付に際しましては、普天間飛行場における外来機の飛来や夜間騒音などの状況、近年の傾向等を考慮しているところであり、これらを踏まえた結果として交付額が増額となっているというものでございます。
 今、それぞれ御指摘ございましたこの交付額につきましては、一定の算定式により算出する普通交付額と特定施設の運用状況の変化等を基礎として交付する運用の態様の変更に係る額がございまして、これらを合計した額について年度ごとに交付することとしてございます。
 その上で申し上げますと、宜野湾市への交付に際しましては、普通額は、環境整備法施行令第十五条一号から第五号及び同施行規則第三条第一項から第四項の規定に基づき、普天間飛行場の面積や宜野湾市の人口、普天間飛行場における飛行回数等を基礎として算定した結果、増額となっているものでございます。
 また、もう一方の運用の態様の変更に係る額につきましては、環境整備法施行令第十五条六号及び同施行規則第三条第五項の規定に基づきまして、普天間飛行場における外来機の飛来や夜間騒音などの状況、近年の傾向等を考慮した結果、増額となっているものでございます。

#163
○伊波洋一君 配付資料の三ページにありますように、普通交付額につきましては算定式があります。赤線の部分で書いてございますが、そこを読むと飛行回数が分かります。平成二十七年度は一万九千五百回から二万六千回未満、平成二十八年度は三万二千五百回から三万九千回未満、平成二十九年度は五万二千回以上五万八千五百回未満と。さらに、平成三十年度は五万八千回以上六万五千回までということですので、つまり、飛行回数は全く減っていません。むしろ増え続けています。平成二十七年度の二万六千未満から平成三十年度の五万八千回以上に倍増していると言うべきですね。こういう実態が現実にはあるわけです。
 一方、この普通交付額は平成二十七年度の八千四百万円から令和二年度の九千四百万円、一千万円しか増えていないですよ。つまり、飛行回数は二倍になるけれども、普通交付額ではこれが反映できない仕組みになっているんですね。
 そういう中で、やはり、この先ほど言った負担変更に係る額というのがあります。政府は普天間基地の負担軽減をしてきたとずっと言い続けていますが、なぜ実際は飛行回数は減っていない、むしろ倍増しているのでしょうか。

#164
○政府参考人(鈴木敦夫君) 今御指摘のございました特定防衛施設の周辺整備調整交付金のうち、普通交付額については、環境整備法第九条の規定に基づきまして、先ほど申し上げましたように、施設の面積、関連市町村の人口、運用の実態等を基礎として算定するものです。
 このうち、宜野湾市への交付に際しましては、普天間飛行場における運用の実態として、同法施行令第十五条五項及び施行規則第三条二項の規定に基づき、飛行回数を算定の基礎としているということでございます。
 お尋ねの飛行回数については、交付額の算定プロセスの中で、あくまで年度ごとにデータを収集し確認しているものでございます。
 他方、普天間飛行場における離発着陸等回数については、防衛省において実施している目視調査というものがございます。この目視調査の結果について申し上げれば、二〇一九年、令和元年度は一万六千八百四十八回、二〇一八年、平成三十年度は一万六千三百三十二回、二〇一七年、平成二十九年度は一万三千五百八十一回となっており、二〇一九年、令和元年度にあっては前年度と比して増加しているということは事実でございます。
 これ以上の飛行理由等の詳細については、米軍の運用に係ることであり、コメントは差し控えさせていただきますが、普天間飛行場を含む米軍飛行場における航空機の飛行等は米軍の運用に不可欠なものであるというふうに認識してございます。
 その上で、米軍機の運用に際しては、安全確保はもとより、周辺住民の皆様の生活への最大限の配慮が大前提でございます。米側に対し、航空機の運用に当たっては、航空機騒音規制措置を始めとする日米合同委員会合意を遵守するなど、地元の皆様に与える影響を最小限にとどめるよう、引き続き申し入れてまいります。

#165
○伊波洋一君 ただいまの答弁は、私が先ほど指摘した回数を認めるものでした。
 つまり、今、普天間飛行場は目視でずっと調査をしています。それだけの回数があるにもかかわらず、先ほど申し上げたように、二倍になっても一千万しか増えない仕組みなんですね、この普通交付額というのは、普通交付額というのは。そこで、実際は、運用の態様の変更に係る額が、皆さんの資料の二枚目にありますけれども、どんどん増えて現状の額になっています。別紙四のとおりですね。
 そして、その説明の資料、ここには書いてございませんけれども、お手元に配付したのは私たちの方に資料が来たものですが、沖縄防衛局が平成二十九年度以降、夜間飛行、外来機の飛来回数を目視で調査した結果をまとめたものなんですけど、これについては、平成二十七年度から令和二年度は、外来機飛来や夜間飛行の増加の運用の態様の変更を考慮し、交付してきたと。四億近くがそれに当たっているわけです。しかし、実態として、政府はこの間ずっと負担軽減をしてきたと言い続けていますよね。
 大臣にお伺いします。
 日本政府は、負担軽減策を、先ほど申し上げた三つの事業を取り組んで、できることは全てやると約束したにもかかわらず、実際の飛行回数は絶対数が増えているということ、ただいま答弁で分かりました。負担は軽減されていないんです。その分、その運用態様の変更に係る額がどんどん増えています。そうなると、基地負担は増加しているということではありませんか。率直にお認めになりませんか。

#166
○国務大臣(岸信夫君) まず、普天間飛行場の件でございますけれども、これは日米同盟の抑止力の維持、それから普天間飛行場の危険性除去、考え合わせたときに、この辺野古移設というものが唯一の解決策であり、その方針に基づいて着実に工事を進めていくことこそが、普天間飛行場の一日も早い返還を実現し、その危険性を除去していくことにつながるというふうに考えております。この普天間飛行場の返還による危険性の根本的な除去を一刻も早く実現するために、辺野古移設に向けた工事を着実に進めていきたいというふうに考えております。
 また、政府として、移設までの間における普天間飛行場の危険性の除去が極めて重要な課題であるという認識の下、成果を積み上げてきているところでございます。
 具体的に申しますと、空中給油機十五機を岩国基地、岩国飛行場への移駐を行いました。また、オスプレイの沖縄県外への訓練移転を実現しているところでございます。さらに、普天間飛行場が有している緊急時の航空機の受入れ機能については、築城基地の滑走路延長を除く施設を整備の後、新田原基地及び築城基地へ移転する予定になっております。これらの施設は二〇二二年までに整備を進めてまいります。
 その上で、普天間飛行場における航空機の騒音は周辺住民の皆様にとって深刻な問題であり、その軽減を図っていくことは重要な課題という、こういうふうに認識をしています。引き続き、航空機騒音規制措置の遵守など、地元の皆様に与える影響を最小限にとどめていくように米側へ申し入れるとともに、今後とも、オスプレイの沖縄県外への訓練移転の積み重ねを行うなど、可能な限り地元の負担軽減に努めてまいりたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
 政府として、辺野古への移設を待つことなく普天間飛行場の危険性の除去を進めるためにも、引き続き、できることは全て行っていくという姿勢で全力を尽くしていきたい、こう考えております。

#167
○伊波洋一君 ただいまの質問は、辺野古への政府の姿勢を聞いているわけではないんです。要するに、それだけのことをやったけれども、現実には、飛行回数は倍になり、調整交付金は結局四億も払わなきゃならない事態になっている、そういうことを聞いている。つまり、それは、飛行回数が絶対数が増えており、そして負担は増えている。
 皆さん、お手元の資料に、苦情の資料が三枚目に入っていますけれども、市民の苦情はどんどん増えているわけですよ。そういう意味で、基地の負担が増加しているということではありませんかと聞いているんです。負担が減っているということを言い続けるつもりなんですかと。大臣、お答えください。

#168
○国務大臣(岸信夫君) 我々として、訓練移転等を行ってきているわけでございます。訓練の移転によって普天間飛行場に所在する航空機が長期間沖縄を離れるということになりますので、その間の訓練の時間が削減されるという効果はあると、このように考えておるところでございます。
 普天間飛行場における航空機の騒音につきましては、周辺住民の皆様にとっても本当に深刻な問題であると、その軽減はしっかり図っていかねばならないと、こう考えております。

#169
○伊波洋一君 前に、ここでも、委員会でもやりましたけれども、訓練移転した期間、別の飛行機が来て訓練しているんですよ。だから、回数も減らないし、さらに、それは多数のジェットエンジン戦闘機や輸送機なんです。FA18、F15、F22、F35、P8、KC135。P8などは一か月に百回近く訓練している月もあるんですね。つまり、皆さんが何十億って金出して移転させている結果がこういう結果を生んでいるんですよ。つまり、外来機の飛来を呼び込んでいるんですよ。
 外来機について政府は、防衛省としてどういう規制をしていますか。

#170
○政府参考人(鈴木敦夫君) 米軍飛行場におきますところの航空機の飛行等は、米軍の運用上必要不可欠なものでございます。他方、航空機による騒音は周辺住民の方々により深刻な問題でございまして、飛行場周辺の騒音軽減は重要な課題の一つとして認識してございます。
 このような認識の下、日米両政府は、日米合同委員会におきまして、普天間飛行場等における航空機騒音規制措置に合意し、外来機によるものも含めまして、夜間騒音の低減や、学校、病院を含む人口密集地の飛行をできる限り避ける等の配慮に努めてきております。
 また、政府としては、地元に与える影響が最小限となるよう、これまでも累次の機会に米側に対して、騒音規制措置の遵守や、土日を始め年末年始、入学試験等、地元の重要な行事に配慮するよう申入れを行っておるところでございます。さらに、住宅防音工事などを始めとする各種施策を通じまして周辺住民の方々の御負担を可能な限り軽減するよう取り組んできているところでございます。
 政府としては、引き続き、これらの措置を総合的に実施することで周辺住民の方々の負担軽減が図られるよう、全力を尽くしてまいります。

#171
○伊波洋一君 時間来たのでまとめますけれども、次回に、外務大臣も含めて、二〇〇〇年の環境原則の共同発表、2プラス2協議並びに、普天間飛行場がいかに米軍飛行場としては欠陥だらけである、危険であるかということを含めて質疑をし、そして、外来機を禁止させるということを是非政府に求めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

#172
○委員長(長峯誠君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#173
○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
 私は、我が党を代表して、本法案に反対の立場から討論をいたします。
 本法案は、令和二年十月七日の人事院勧告を受け期末手当を減じようとするものですが、我が党はそもそも人事院勧告の根拠になっている官民給与比較の在り方に疑問を持っております。
 防衛大学校、防衛医科大学校、陸上自衛隊高等工科学校は、設置趣旨が他の大学、学校と異なるのは事実です。しかしながら、新型コロナウイルスにより経済的な影響を受けている学生に対しては学生支援緊急給付金や緊急授業料等免除、減免制度等の支援策が講じられているところ、防衛大学校、防衛医科大学校、陸上自衛隊高等工科学校の学生、生徒に支給される期末手当が減額されることは公平を欠くと言わざるを得ません。
 また、クルーズ船での対応や、コロナ禍にあっても、七月の熊本豪雨災害対応等、自衛隊の活動はまさにエッセンシャルワークそのものです。我が党は、公務員給与は削減すべきと考えますが、決して一律にとは考えておりません。頑張った人が報われる給与体系を実現したいと思っております。
 以上の理由から、本法案には日本維新の会は反対いたします。

#174
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、防衛省職員給与法一部改正案に反対の討論を行います。
 新型コロナ感染拡大の下、政府が自粛要請をしながら十分な補償をしない中、民間労働者の賃金が引き下げられました。人事院は、政府の責任やコロナの影響を一切考慮せずに、民間準拠だけを理由に今年度の一般国家公務員の期末手当について年間〇・〇五か月分の引下げを勧告しました。これは、国家公務員の労働基本権の制約に対する代償措置としての役割を無視したものです。
 本法案は、この勧告に沿って、防衛大学校、防衛医科大学校の学生と陸上自衛隊高等工科学校の生徒等の期末手当を一般職と同様に引き下げるものです。国家公務員全体の給与引下げの一環を成す本法案には反対であることを申し述べ、討論を終わります。

#175
○委員長(長峯誠君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#176
○委員長(長峯誠君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#177
○委員長(長峯誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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