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2020/12/01 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 外交防衛委員会 第5号 令和2年12月1日
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2020/12/01 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 外交防衛委員会 第5号 令和2年12月1日

#1
令和二年十二月一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     高橋はるみ君     武見 敬三君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         長峯  誠君
    理 事
                佐藤 正久君
                三宅 伸吾君
                小西 洋之君
                三浦 信祐君
                井上 哲士君
    委 員
                宇都 隆史君
                北村 経夫君
                武見 敬三君
                中曽根弘文君
                中西  哲君
                松川 るい君
                山田  宏君
                羽田雄一郎君
                白  眞勲君
                福山 哲郎君
                山口那津男君
                浅田  均君
                鈴木 宗男君
                大塚 耕平君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     茂木 敏充君
       防衛大臣
       国務大臣     岸  信夫君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  近藤 正春君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        神田  茂君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       中嶋浩一郎君
       内閣官房内閣審
       議官       三貝  哲君
       内閣府大臣官房
       審議官      内田 欽也君
       金融庁総合政策
       局審議官     天谷 知子君
       外務省大臣官房
       参事官      河邉 賢裕君
       外務省大臣官房
       参事官      石月 英雄君
       外務省大臣官房
       参事官      有馬  裕君
       外務省大臣官房
       参事官      河津 邦彦君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   本清 耕造君
       外務省経済局長  四方 敬之君
       外務省国際協力
       局長       植野 篤志君
       経済産業省大臣
       官房審議官    田村 暁彦君
       防衛省大臣官房
       政策立案総括審
       議官       川嶋 貴樹君
       防衛省防衛政策
       局長       岡  真臣君
       防衛省整備計画
       局長       土本 英樹君
       防衛省人事教育
       局長       川崎 方啓君
       防衛省地方協力
       局長       鈴木 敦夫君
       防衛省統合幕僚
       監部総括官    加野 幸司君
       防衛装備庁長官  武田 博史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (日米関係に関する件)
 (イージス・アショアに係る経緯と代替策に関
 する件)
 (集団的自衛権と憲法との関係に関する件)
 (退職自衛官の再就職に関する件)
 (ODAに関する件)
 (経済連携協定における電子商取引に係る規定
 に関する件)
 (普天間飛行場における航空機の運用に関する
 件)
○包括的な経済上の連携に関する日本国とグレー
 トブリテン及び北アイルランド連合王国との間
 の協定の締結について承認を求めるの件(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(長峯誠君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、高橋はるみ君が委員を辞任され、その補欠として武見敬三君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(長峯誠君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官中嶋浩一郎君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(長峯誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(長峯誠君) 外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○北村経夫君 自由民主党の北村経夫でございます。
 この参議院の外交防衛委員会で質問するのは久々でございます。たしか片山さつき委員長時代以来だというふうに思っております。両大臣、よろしくお願いいたします。
 そして、私の時間、割り当てられた時間がかなり短くなりましたので、質問通告した全て聞かれないかもしれないので、御了承いただきたいというふうに思っております。
 さて、バイデン・アメリカの次期政権、ようやく移行が本格化してまいりました。これまでに発表されました人事を見ますと、国務長官にブリンケン氏、国家安全保障大統領補佐官にサリバン氏が指名されたわけであります。こうした発表された外交・安全保障関係の顔ぶれを見ますと、オバマ政権のときにいずれも要職に就いた高官であるわけであります。
 この人事を見て見えることは何かというと、ほとんど全ての政策が大統領のトップダウンで決まっていたトランプ政権と違いまして、この政権、バイデン政権は、チームとなって外交・安全保障政策を展開してくるんだろうというふうに思うわけであります。こうしたことからすれば、日本側もチームプレーで取り組む必要があろうかと思います。
 もう一つ申し上げたいことは、ブリンケン氏が議会で承認されたその暁には、できるだけ早く茂木大臣には訪米をしていただきまして、国務長官そして外交・安全保障スタッフに様々な政策課題における日米連携を打ち込んでいただきたいというふうに思います。このことは岸防衛大臣にも言えまして、次期国防長官、まだ指名はされておりませんけれども、議会で承認されたら早期に会われて日米の連携を確認していただきたい、そういうふうに思っております。
 我が国にとりまして日米同盟というのは絶対でありますし、ここを揺るがしてはならないわけでありますので、その辺をよろしくお願い申し上げます。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 バイデン次期大統領、十一月二十四日の会見で、アメリカ・ファーストは終わったと宣言しました。多国間主義や同盟国関係を重視する考えを明確にしたわけでありますけれども、茂木大臣に伺います。
 こうしたバイデン大統領との間でいかなる政策課題を取り上げて日米関係の強化を図っていくか、御所見を伺います。

#7
○国務大臣(茂木敏充君) これまでトランプ大統領は、御指摘のように米国第一主義の下で、言わばトップダウンで様々な政策を進め、特に外交面では二国間、バイの交渉を重視してきたのに対して、バイデン次期大統領は、コロナ対策であったり経済回復、人種問題など、内政を重視しつつ、国際協調路線を志向するのではないかと言われておりまして、新政権の政策方針であったりとか具体的政策に注目をしているところであります。
 今後も日米同盟は日本外交、安全保障の基軸でありまして、インド太平洋地域と国際社会の平和と繁栄の基盤となるものであることは変わらないと考えております。
 この日米関係、更に強固なものとして、自由で開かれたインド太平洋の実現のため、バイデン氏、次期政権と一層緊密に連携していきたいと考えておりますし、おっしゃるような国際的な課題、コロナ対策、WHOの改革と機能強化を始めとする国際保健課題、気候変動問題などでもしっかりと協力をしていきたいと思っております。
 米国時間の二十三日には、次期政権の国務長官として、外交経験も長く何度も来日をしたことのありますブリンケン元国務副長官が指名をされたわけでありまして、正式に就任した暁には速やかに私も意思疎通を図り、現在の強固な日米関係の一層の発展に向けて協力をしていきたいと思っております。

#8
○北村経夫君 ありがとうございます。
 全般的にわたってお話伺いましたけれども、やはり次期バイデン政権は、外交よりもまず新型コロナ対応あるいは国内の経済対策の立て直しと、そちらが優先課題、順位として、政策としては展開されるんだろうというふうに思っております。
 今ちょうどトランプ政権から次期政権への移行期であるわけでありますけれども、こういうときには、中国という国は、こういうタイミングを捉えまして、硬軟織り交ぜ、アメリカ、日本、そして主要国に間違いなく外交的な攻勢を掛けてくるわけであります。
 既に始まっているわけでありますけれども、その一つが、さきのAPEC首脳会議において習近平国家主席がTPPへの参加への意欲を示した、これも一つの揺さぶりなんだろうというふうに思いますけれども、このことについて、中国の意図、どう受け止め、評価しておられるのか、さらに、アメリカをアジア太平洋地域における自由貿易体制に関与をいかにさせていくか、その辺について御所見を伺いたいと思います。

#9
○国務大臣(茂木敏充君) 確かに、習近平国家主席は、先日のAPECの首脳会議でTPP11について参加を積極的に検討すると、このように発言をしているところでありまして、TPP11、これはハイスタンダードでバランスの取れた二十一世紀型のルールを世界に広げていくと、こういう意義を有しておりまして、こうした観点から、高いレベルのルールを満たす用意のあるエコノミーによる関心表明、歓迎をいたしております。
 一方、このTPP11、市場アクセスの面でもルール面でも高いレベルの内容となっておりまして、関心表明を行っているエコノミーがこうした高いレベルを満たす用意ができているかどうかについてはしっかりと見極める必要があると思っております。
 米国のバイデン次期大統領は、これまで米国労働者及びインフラの主要な投資を行うまで新たな貿易協定に署名しないと、このように表明しておりますが、まさに今、米国、政権移行期、その準備を進めているところでありまして、我が国としても、米次期政権の政策、注目していきたいと思っております。
 日米貿易交渉を進めるに当たっても、最終的にはやはり米国がTPPに入るのが米国にとっても一番望ましい道なんだと、こういったことは強調してきておりますので、また、新政権との会話の中でもTPPの持っている意義等々についてはしっかり説明したいと思っております。

#10
○北村経夫君 これまでの各種協定まとめられた茂木大臣なので、その辺はしっかりとしておられるかというふうに思っております。
 中国の攻勢でありますけれども、もう一つ事がありました。
 先週、中国の王毅外務大臣が訪日したわけであります。コロナ禍にあってわざわざ日本に来ること自体大変異例なことなんだろうというふうに思います。その王毅外相でありますけれども、外相会談後の共同記者発表で、尖閣諸島周辺の中国の領海侵入につきまして、日本漁船に非があるかのごとき発言をし、その上、引き続き我々の主権を守っていくという発言をしております。まさに盗人たけだけしいということとはこのことなんだろうというふうに思いまして、断じて看過できない発言であるわけであります。
 先日の参議院の本会議で同僚の山田議員、厳しい質問をされました。その質問に対して、茂木大臣は、外相会談の中で尖閣は我が国固有の領土であること、そのことを明確に伝えたと答弁されました。そして、その本会議後、外務省で行われました記者会見においては、共同記者発表はそれぞれ一度ずつ発言するというルールで行われた、共同記者発表における王毅国務委員の発言については、記者発表後の会談で我が国の立場、考え方を改めて強調したと述べておられます。
 あのトランプ大統領にタフネゴシエーターと言わしめた茂木大臣であります。我が国の主張を明確に述べられ、抜かりはなかったのだというふうに思います。そして、共同発表という形、外交上の慣例があるということも理解をしております。しかし、それでもその場で反論は必要だったのではないかというふうに私は思っております。そのことを申し上げた上で質問をいたします。
 その会談の当日も、翌日、昨日までもそうなんでありますけれども、中国公船、尖閣周辺、接続水域内に毎日のように連日入っているわけであります。中国のこうした動きを見ますと、最近は領海内への侵入というのは減ってはいるわけでありますけれども、接続水域内への侵入というのは毎日のように起きている。まあ日本側を挑発しているとしか思えないようなことなんでありますけれども、その辺のこと、こうした中国の挑発にいかに対応するか、そして我が国の領土、領海をいかに守っていくか、その辺、決意をお伺いいたします。

#11
○国務大臣(茂木敏充君) まず、明確に申し上げたいのは、尖閣諸島は歴史的にも国際法上も疑いのない我が国固有の領土でありまして、現に我が国はこれを有効に支配をしております。同諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない、これが基本であります。
 ところが、尖閣諸島周辺海域において、中国公船によります領海侵入であったりとか接続水域内での航行が過去最長を記録し、更新し、中国公船によります日本漁船への接近事案が繰り返し発生する等、一方的な現状変更の試みが継続していることは誠に遺憾だと考えております。
 中国のこうした活動については外交ルートを通じて繰り返し厳重に抗議してきておりまして、先週訪日しました王毅国務委員との三時間以上にわたった外相会談、あの記者発表は外相会談全部が終わってではなくてその途中で行ったものでありますが、その外相会談においても、特に時間を使って、我が国の強い懸念、これをまずはその記者発表の前に、それからその後、記者発表の後にも、中国がこうした行動を取らないように懸念を伝え、強く申入れを行ったところであります。
 今後も、日本の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意の下、冷静かつ毅然として対応していきたいと思っております。

#12
○北村経夫君 中国の宣伝戦というのはよほど注意をしていかなければならないというふうに思います。日本が中国に対して何かしているというその印象を国際社会に与えますと、西側諸国、アメリカもそうでありますけれども、日本に対して疑念を抱き、西側の結束というのが乱れていく、それが中国がよく狙う西側の分断作戦、そのわなにはまるわけでありますので、その辺はよく気を付けていただきたい、そのように申し上げます。
 時間にもなりました。最後の質問になりますけれども、イージス・アショアの代替案について伺います。
 先日、報道によりますと、新型イージス艦、イージス二隻建造へ、来週にもNSCを開いて、十二月中に閣議決定する見通しだという報道がありましたけれども、これは護衛艦にイージス・アショア用のSPY7を転用する方向で決めるということでよろしいんでしょうか。防衛大臣に伺います。

#13
○国務大臣(岸信夫君) 我が国を取り巻く安全保障環境、非常に厳しいわけであります。特に北朝鮮においては、弾道ミサイル発射、核実験、こういうものを繰り返してきておりまして、我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威となっておるわけです。周辺国の軍事技術の進展に伴います多様な経空脅威の顕在化、これは安全保障環境に大きな影響を与える要因となっている。
 このような状況の下で、イージス・アショアの代替案と抑止力の強化については、菅総理が所信表明演説でも述べられたとおりでありますが、九月十一日の内閣総理大臣の談話を踏まえてしっかり議論を進めて、あるべき方策を取りまとめていく考えでございます。
 この代替案につきましては、今般、民間事業者から検討のために必要となる情報について中間報告を受けました。防衛省においても、その報告やあるいは米側から得た情報を踏まえて分析、整理を実施したところ、イージス・アショアの構成品の洋上プラットフォームへの搭載に係る技術的な実現性の確認、そして導入コストの規模感などの把握をすることができたわけであります。
 現時点でその洋上プラットフォームを具体的に何にするかということはまだ決まっておりません。今回の中間報告等を踏まえて、イージス・アショアの構成品を移動式の洋上プラットフォームに搭載する方向で引き続き鋭意検討を続けてまいりたいと思います。

#14
○北村経夫君 時間が来ましたので終わりますけれども、そもそも、このイージス・アショアというのは、海上自衛隊の負担を軽減するというところから来ております。このイージス艦を造ればまた負担が増すんだろうというふうに思っております。そして、艦艇の小型化ということも言われておりますので、制服組を入れて軍事的合理性からしっかりと検討していただきたい、そのことを申し上げて終わります。
 ありがとうございました。

#15
○白眞勲君 おはようございます。立憲民主・社民の白眞勲でございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 最初に、ミサイル防衛システムについてお聞きしたいと思います。
 今も北村委員の方からイージス・アショアについての質問もありましたけれども、ちょっと念のため私お伺いしたいことがありまして、政府としては、イージス・アショア、つまり陸上型のイージスシステムの導入は正式にやめたのかどうかをまずお聞きしたいと思います。すなわち、もう陸上にイージス・アショアを配備する可能性はゼロなのかどうか、これをまずお聞きしたいと思います。

#16
○国務大臣(岸信夫君) プロセスの停止のいきさつについては、これまでも何度も行っているところでございます。その上で、今イージス・アショアの代替案について検討を進めてきているところでございます。そういうことでありますので、このイージス・アショアの代替案をベースに話を進めて、検討を進めているということでございます。

#17
○白眞勲君 いえ、ですから、今ベースに検討はしているけれども、イージス・アショアという可能性はもうゼロなのかどうかをお聞きしております。もう一度お答えいただきたいと思います。

#18
○国務大臣(岸信夫君) 今もお話をさせていただきましたけれども、イージス・アショアの代替案を含めた我が国の今後のミサイル防衛体制の在り方について、NSS、NSCにおける議論も踏まえて、防衛省において検討をしていくということでございます。

#19
○白眞勲君 いや、お答えがちょっとよく分からないんですけれども、断念したかどうかです。要はゼロになったのかどうか。それ、今NSCという話もありましたけれども、どういう状況なのか、お答えいただきたいと思います。

#20
○国務大臣(岸信夫君) 今もお話をしたとおり、プロセスを停止をして、そして代替案について今検討を進めているというところでございます。

#21
○白眞勲君 つまり、プロセス自体は停止しているけれども、イージス・アショアは残っていると、可能性は、そういうことでよろしゅうございますか、逆に聞きますけれども。その辺り、もしあれでしたら事務方でも結構ですよ。

#22
○国務大臣(岸信夫君) 今のイージス・アショアについては、代替案としての洋上プラットフォーム案を検討しているということでございます。(発言する者あり)

#23
○委員長(長峯誠君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#24
○委員長(長峯誠君) 速記を起こしてください。

#25
○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 本年六月のイージス・アショアの配備候補地への配備断念時は、代替地についてブースターの落下が予想される範囲に住宅等が存在しないことを最優先の要件といたしまして、我が国全域を効果的に防護するとの観点から検討を行いましたが、代替地を見付けることは困難な見通しであったところでございます。
 六月以降も防衛省におきまして同様の調査を継続的に実施してきましたが、代替地はないとの結論に至ったところでございます。

#26
○白眞勲君 代替地はないという結論はあったけれども、イージス・アショア自体はやめたのかどうかなんですよ、僕は。断念したかどうか、ゼロ、可能性ゼロなのかどうか、そのまず根本的なところを僕聞きたいんです。
 代替地はゼロというのは今聞いたんですけれども、だからといって、じゃ、イージス・アショアやめたんですか。もう一度お聞きしたいと思います。

#27
○国務大臣(岸信夫君) イージス・アショアについては、様々な代替地も含めて検討した結果、陸上については困難であると。その結果、洋上プラットフォームに載せるという方向で様々検討を進めてきているというところでございますけれども、現在はまだ結論を出したわけではございませんので、これから、予断を持ってお答えすることはできないと思います。

#28
○白眞勲君 今言っていること、防衛大臣ね、どちらか分からないんですよ。はっきり言っていただきたいんですね。これ非常に重要なポイントなんですね。
 やめたならやめたでいいんです、そういう結論が出たならば。その辺りちゃんと国民に説明していただきたいんですね。結論出ていないんだったら、停止するというのは、まだやる可能性があるから停止するわけですよね。だから、やめたのかどうか、これ本当に僕は基本的なことだと思うんですが、この辺どうなんでしょうかね。大臣としてというか、そのプロセスがあるでしょう、いろいろNSCで何かやったりなんなりかんなりしているんだから。この辺りどうなっているんだということです。

#29
○国務大臣(岸信夫君) 現在、現時点では陸上案については困難、困難性が高いということでございますので、洋上プラットフォームに搭載する方向で米側とも、あるいは日米の民間業者を交えて技術的な実現性について確認、検討を行っているところでございます。

#30
○白眞勲君 現時点ではとおっしゃっているということは、まだイージス・アショア、つまり陸上イージスも可能性があるということなんですか。

#31
○国務大臣(岸信夫君) 今検討を行っているところでございますが、その最終的なことも含めて、すなわち陸上をやめるかどうか、そういうことも含めて結論を出していくということでございます。

#32
○白眞勲君 つまり、まだイージス・アショアの、つまり陸上案も残っているということですね。
 もう一度確認します。残っているということですね、今の段階、今そういうお答えでしたから。

#33
○国務大臣(岸信夫君) 今行っていることは、洋上案を中心に検討をしているということでございます。

#34
○白眞勲君 これ、国家安全保障会議、NSCでたしか断念するということは決定しているということでよろしいんですか。この辺どうなんでしょうか。

#35
○国務大臣(岸信夫君) NSCの議論の中身はお答えを、答弁を差し控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、今洋上プラットフォーム案で検討を進めているということでございます。

#36
○白眞勲君 つまりNSCでは、お答えにならないんですか、NSCでどういう内容だったかお話しできないということなんですか。

#37
○国務大臣(岸信夫君) NSCの議論の中身についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

#38
○白眞勲君 いや、私が聞いているのは議論の中身じゃありません。NSCでどういう結論になったのかをお聞きしております。

#39
○国務大臣(岸信夫君) そういうことも含めて、NSCについてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

#40
○白眞勲君 極めてちょっと曖昧で、ちょっと私も驚いているんですけど。
 ちょっと先へ進みますね。これ、防衛白書によりますと、政府は、イージス・アショアの導入によって、これ今年、二〇二〇年防衛白書ですけど、イージス艦八隻の体制の下でといってずっと書いてあるんですけど、最終的には、我が国の対処力、抑止力を一層強化することにつながることになるとして、イージス・アショアの導入が必要だということを主張しているんですよ。
 にもかかわらず、今度また何か、今洋上案だというふうに戻るということは、この今までの政府のロジックからすると、イージス・アショアの配備を諦めイージス艦を再度建造するとなると、今言ったように、防衛白書では、このイージス艦を造ることによって我が国の対処力、抑止力が、あっ、イージス艦じゃない、イージス・アショアを造ることによって我が国の対処力、抑止力を一層強化することにつながるということからすると、これ反対のことになっちゃうから、我が国の抑止力、対処力は弱まっちゃうんじゃないんでしょうか。その辺どうなんですか、洋上案だと。

#41
○国務大臣(岸信夫君) イージス・アショアの代替案につきましては、現在、イージス・アショアの構成品を洋上プラットフォームに搭載する方向で検討を進めています。
 現在、体制整備を進めていますこのイージス艦八隻体制と組み合わせることによって、組み合わせて運用することによって、情勢に応じて我が国全域の常時持続的に防護し得る態勢を構築することは可能であると、このように考えておるところでございます。

#42
○白眞勲君 そうすると、防衛白書の記述と全く逆のことを今答弁された形になるんですよ。今、八隻体制になるからと言うんですけれども、防衛白書の中では、八隻体制の下で、二隻程度が洋上においてBMD対応で展開するために運用せざるを得ないと、これマイナスなんだと、だから陸上案しかないんだという結論からすると、全く逆のお話を今防衛大臣された。これ、矛盾しているんじゃないんでしょうか。

#43
○国務大臣(岸信夫君) このイージス・アショアの代替案としての洋上プラットフォームというのは、この八隻体制に加えてということでございますから、この八隻体制の運用自体にはBMDの負担が軽減されるということになると思います。

#44
○白眞勲君 つまり、八隻プラスアルファだという意味合いだというふうに理解いたしました。
 私は、もう一つ、せんだっての十一月十九日に、これ佐藤委員の御質問で、現時点では、こうおっしゃっているんですよね。この経費、このイージス・アショアから洋上案にするときの経費については、代替案を決定し、具体的な内容を固めるには至っていないことから、代替案に要する経費や運用期間についてお答えするのは困難ということをそのときおっしゃっているんですね。ところが、翌日の記者会見では、昨日の私の発言は、つまりこの外交防衛委員会での発言について、代替案が最終的に決定した後で経費等について提示することを意図したものではないと、また逆の話しているんですよ、大臣。で、具体化していく中で可能な限り経費の見積り、一体これいつ経費を見積りするんですか。正確にちょっとお答え、ちょっと整理してお答えいただきたいと思います。

#45
○国務大臣(岸信夫君) 今回の調査研究の結果では、まず四類型に、四つの種類にプラン分けしたわけであります。その上で、技術的実現性の有無といったことについて分析を行った。今回、その中間報告には導入コストに係る情報をお示ししているわけですけれども、イージス・アショアの構成品の洋上プラットフォームへの搭載に係る技術的実現性を確認するという観点から、仮の要求性能を設定して検討した結果に基づく試算であります。あくまでも、これ、経費の規模感をお示ししているということでございます。
 また、三十年間の維持経費等について、海自のイージス艦の維持整備実績や米側の情報を基にした主要な構成要素について一定の情報を有しております。
 搭載する装備品の細部の仕様、運用の形態、こういった様々な要因によって今後変動する可能性があり得るということに鑑みまして、現時点では具体的な数字を御報告して比較することは適当でないと、このように考えた次第でございます。

#46
○白眞勲君 全然言っていることがよく分からないんですけれど、ちょっと先へ進みますね。
 この前、自民党の国防部会に、十一月二十五日に、この洋上プラットフォームで技術的検討を民間企業に委託した件について見積りが明らかになっていると思うんですけど、その内容をちょっとお示しいただきたいと思います。事務方で結構です。

#47
○政府参考人(土本英樹君) お答えいたします。
 今回の調査研究では、洋上プラットフォームを便宜的に四種類のプランに場合分けした上で、イージス・アショアの構成品の洋上プラットフォームへの搭載に係る技術的実現性の有無、そして各プランの分析を実施したというところでございます。
 それで、若干御説明いたしますと、プラン四つ、先ほど申しましたように我々設定いたしましたが、まずプランAというのは、いわゆるイージス艦「まや」型をベースにマルチミッションのタイプのものというものでございます。プランBというのは、いわゆる民間船舶ベースで、その兵装はBMDメーンと最低限の自己防護機能ということでございます。プランCにつきましては、いわゆるセミサブリグベースで、兵装はマルチミッション、イージスの「まや」型と同じものと。プランDというのは、セミサブリグベースで、これもBMDメーンで最低限の自己防護機能と。
 この四種類のタイプにつきまして、米側及び民間企業と調査した結果、元々陸上にあるイージス・ウエポン・システム及びレーダーにつきまして、洋上転用は技術的には可能だという結論と、それらのものがこれらの四つのタイプの洋上プラットフォームに技術的に搭載が可能であると、こういうことが判明したということでございます。

#48
○白眞勲君 今四つのプランがあるという御説明だったんですけれども、このプランの一番最初にお話しされたプランの場合には、イージス艦「まや」型のベースでの今御説明だったと思うんですけど、つまりイージス艦を造る場合ということですけど、その場合の費用は幾らぐらいというふうに見積もられていますか。

#49
○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のいわゆるプランA、「まや」型のベース、マルチミッションの場合の導入コストにつきましては、二千四百億から二千五百億円以上という経費の見積りを出させていただいたところでございます。

#50
○白眞勲君 ありがとうございます。
 ちなみに、イージス・アショアは今幾らぐらいの経費が掛かるというふうになっていますか。私が聞いている範囲では二千億以上ではないかというふうに言われているんですけど、その辺についてお答えいただきたい。イージス・アショア陸上型の場合です。

#51
○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 先般、我々の方で出させていただきましたいわゆる先ほどの中間報告の中でも記載させていただいているところでございますが、いわゆるイージス・アショアに関しまして、先ほどの洋上プラットフォームとの平仄を同じにするという観点で、施設整備費等を含めまして約二千億という数字を出させていただいたところでございます。

#52
○白眞勲君 皆さんのお手元の一ページ目、資料を見ていただきたいと思うんですけど、これは秋田県、市に御説明用の資料、五月二十七日、二〇一九年だと思いますけれども、イージス・アショア千二百億円、イージス艦二千億円、今の御答弁ですとイージス・アショアも二千億で、イージス艦の方は二千四百から二千五百、大分これ変わってきていますよね。これ、どうなっちゃっているんですか、これ。一体この資料何だったんだって感じするんですけど、どうなっているんですか、これ。

#53
○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 先ほど私の方から御答弁申し上げましたイージス・アショアの導入コストにつきましては、これまで、委員御指摘のとおり、防衛省として御説明してきました取得経費の一基当たり千二百六十億円に加えまして、特定の配備地を前提としない形で試算いたしました施設整備費や警備関連装置品、短SAM等でございます、これら及び通信機材等の取得に要する経費を合算したものでございます。
 ちょっと先ほども若干軽く簡単に触れさせていただいたところでございますが、このような形で今回お示しさせていただきましたのは、比較対象が船舶とかリグというタイプであり、これらの導入コストには、搭載するレーダーとかイージスシステム、VLSのみならず、船体建造に要する費用とか自己防護兵装の取得に要する経費などが含まれるということで、イージス・アショアの場合に、これらに合算する経費を合わせて計算することが適切な比較ができるという観点から、このような数字を出させていただいたところでございます。

#54
○白眞勲君 ということは、この秋田のやつは適切じゃなかったということじゃないですか。結局これだけ掛かるじゃないですかということですよね。
 これ、ちょっと時間があれなんで、ちょっと残り時間が何かどんどんなくなっちゃうんで、これまたちょっと次の委員会で、次の機会にちょっとこれをやりたいと思うんですね。
 それで、ちょっとこれ、その先へ進みたいと思うんですけど、ちょっと茂木大臣にお聞きします。
 私、ミサイル防衛って、これ一般論でいいんですけど、ミサイル防衛といったことを語る前に、やっぱり我が国としては、まず第一のことは、第一に重要なことは、やはり相互理解とか、どんどん国としてやっぱり信頼関係を醸成して、そういう外交努力が必要だと思うんですけど、この件に関して外務大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

#55
○国務大臣(茂木敏充君) 我が国にとって望ましい安全保障環境をつくっていく上でどちらが優先かということについては、様々な意見あると思いますが、対処力、そして抑止力を向上するのと同時に、外交的な取組、また各国との信頼関係の醸成、これが極めて重要だと、このように考えているところであります。
 この観点から、我が国としては、日米同盟を通じた安全保障の確保を基軸としつつ、ASEAN地域フォーラムなどの取組に積極的に貢献をしているところでございます。

#56
○白眞勲君 今回、アメリカがバイデン政権になりそうですけれども、トランプ政権からこのINF、一方的に離脱して、また去年失効しているわけですね、INF条約は。また、オープンスカイについても離脱をトランプ政権のとき表明していますが、この件について日本政府としてはどのようなお考えでしょうか。

#57
○国務大臣(茂木敏充君) INF全廃条約は、軍備管理、軍縮において歴史的な役割を果たしてきたことから、INF全廃条約が終了せざるを得なくなった状況は望ましくないと考えておりますが、INF全廃条約の終了に至るまでの米国の問題意識というのは理解をしておりまして、実際、INF全廃条約終了後も米国は効果的な軍備管理に引き続きコミットしておりまして、米ロを超えた広範な国家、より広範な兵器システムを含みます幅広い軍備管理の重要性を指摘しておりまして、我が国としては、そのための米国の努力を支持をしております。
 一方、欧州におけますオープンスカイズ条約につきましては、相互の偵察飛行によりまして締約国の軍事活動の公開性と透明性を増進させる、それが信頼醸成ということにもつながっていくんだと思いますが、そういったものだと認識をいたしております。

#58
○白眞勲君 いや、そういったものだと認識している中で日本政府としてはどのように考えているかです。

#59
○国務大臣(茂木敏充君) 冒頭申し上げたことでありますけど、我が国としては、我が国にとって望ましい安全保障環境を確保しつつ、東アジア地域における透明性の向上を含みます軍備管理の在り方についてもしっかりと議論していくことが重要であると考えておりまして、米国と引き続き緊密に連携しつつ、国際社会と協力をしていく考えであります。
 オープンスカイズに日本が、あれヨーロッパでやっていることですから、急に入るとかそういうことにならないと思うんですけれど、様々な形で透明性を高める、さらには信頼醸成につながるような取組というのは進めていきたいと思っています。

#60
○白眞勲君 非常に重要な答弁いただきました。ありがとうございます。
 それで、ちょっと私、基本的なことをお聞きしたいんですけれど、この前来日された王毅さんなんですね、王毅さんが、外務省のホームページを見ますと、王毅さんの正式な役職は中華人民共和国国務委員兼外交部長となっています。中国大使館のホームページを見ますと、国務委員兼外相となっているんですね。これ、外相ということは、王毅さんは外務大臣だということだというふうな認識もあるんですけど、もう一人、外交のトップとNHKが報道している楊潔チさんもいらっしゃるわけなんですね。
 このお手元のペーパーの、これ二枚ある、これ外務省のホームページから出したものなんですけれども、これ、外交のトップというのは我が国でいうと茂木外務大臣になるわけでして、そうすると、楊潔チさんが外交のトップであるならば、そのカウンターパートは外務大臣なのかなとも思えるんですけど、その辺りの整理というのは、外務省、どういうふうになっているんでしょうか。

#61
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 楊潔チ氏は、党中央外事工作委員会弁公室主任という立場で、党中央において外交政策の決定や調整に関与しております。これに対し、王毅国務委員兼外交部長は、中国において政府に相当する国務院の外交部長を務めております。G20外相会合等各国の外務大臣が集まる国際会議には王毅国務委員が参加しているものと承知しております。

#62
○白眞勲君 ですから、聞いているのは、楊潔チさんは、そうするとカウンターパート誰になるんですか。

#63
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 楊潔チ氏が本年二月に訪日した際には、茂木大臣と会談をしたほか、国家安全保障会議の事務を担う組織の長である国家安全保障局長が楊潔チ氏と対話を行っております。

#64
○白眞勲君 いやいや、だから事実関係を聞いているんじゃないんですよ。楊潔チさんのカウンターパートは誰なんだということを聞いているんですよ。

#65
○国務大臣(茂木敏充君) 日本と中国で統治システムが異なっているわけであります。
 そして、日本の場合、例えば政権与党が全部握って、そこが外交から全てのことをやるということではなくて、行政組織において、決められた法律に基づいてそれぞれの政策が遂行していくということで、その行政組織に当たるのが中国国家機関になって、行政組織ですから、そこにおいて外交を担うのが王毅国務委員、外交部長ということでありまして、私のカウンターパートということになりますけれども、中国の場合、またそれとは違って中国共産党という組織がありまして、そこの中に中央政治局常務委員が、神セブンというのがいまして、その下にまた二十五人いると、こういう体制で、そこの中に楊潔チさんが入っていて、外交については彼が党においては責任を持つということでありまして、それは当然、案件によって、私も会いますし、北村NSCの局長も会いますし、そういったことは出てきますけれど、そもそも体制が違いますから、その、何というか、誰が中国共産党という我々とは違った体制の下でのカウンターパートになるかという質問を白委員はされているんだと思います。

#66
○白眞勲君 いや、私の質問の内容を説明いただいてもしようがないんであって、やっぱりその辺りちゃんとはっきりした方がいいと思うんですよ。向こうも向こうなりに、やっぱり我々も我々なりに考えておるわけですし。
 やっぱり、楊潔チさんの外交トップは、外交トップである以上はやっぱりそれは茂木外務大臣でしょう、これはもうすっきりするわけですよ。
 じゃ、王毅さんはといった場合に、じゃ、どうするのというのについて、やっぱり私たちはきちんと、でも向こうは外務大臣だと言っているわけだから、外相は外務大臣だというふうに私は認識しますけれども、それについて、しっかりとこの辺はもう少し分かりやすく説明、またこれやりたいと思っています。
 ありがとうございます。以上です。終わります。

#67
○小西洋之君 立憲民主・社民の小西洋之でございます。
 まず、存立危機事態に関する政府の見解を伺います。
 防衛大臣に伺いますが、防衛大臣は存立危機事態、これは今日含めいつ起きてもおかしくないと、起こり得るものだというふうにお考えでしょうか。

#68
○国務大臣(岸信夫君) 今後、他国に対して発生する武力攻撃であったとしても、その目的、規模、態様等によっては、我が国の存立を脅かすことも現実に起こり得るということでございます。
 政府の認識において変わりはございません。

#69
○小西洋之君 七・一閣議決定以降の認識は変わらないということでございました。
 では、今おっしゃられた現実に起こり得ると考えているこの存立危機事態ですけれども、具体的にどういうケースが起こり得ると考えていらっしゃるんでしょうか、今から言うことをお答えいただきたいんですが、先般、今は現に起きるとは考えていないというふうに言いましたホルムズ海峡事例ですね、それを除く二つの事例、我が国に対するミサイル攻撃等に対処する米艦の事例、邦人輸送中の米艦の事例、この二つは今でも現に起こり得ると考えていらっしゃいますか。

#70
○国務大臣(岸信夫君) この存立危機事態として想定されるケースにつきましては、あらかじめ包括的に申し上げることは困難でございます。
 これまで政府は、我が国近隣において我が国と密接な関係のある他国、例えば米国に対する武力攻撃が発生し、この場合において、我が国近隣の公海上で弾道ミサイル警戒に当たっている米国の艦船の防護や邦人を輸送している米国艦船の防護を我が国が実施しなければならない事例を存立危機事態に該当し得るケースとして説明してきております。この政府の認識には変更はございません。

#71
○小西洋之君 その二つのケースについては、起こり得るものだという認識は変わらないと、そういうことでよろしいでしょうか。ちょっと簡潔にそれだけ、念のため。

#72
○国務大臣(岸信夫君) 今の二例について、我が国が実施しなければならない事例を存立危機事態に該当し得るケースとして説明してきております。この認識に変わりはございません。

#73
○小西洋之君 ありがとうございました。
 では、このホルムズ海峡を含め、この三つの事例以外、安保法制のときの立法事実としては、この三つ以外の事例で現に起こり得ると考えているようなケースというのは、今、政府はありますでしょうか。

#74
○国務大臣(岸信夫君) 存立危機事態として想定するケースについては、あらかじめ包括的に申し上げることは困難でございますが、いずれにいたしましても、具体的にいかなる事態が存立危機事態に該当するかについて、実際に発生した事態の個別的、個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的また合理的に判断をしてまいることになります。

#75
○小西洋之君 いや、お答えいただいていないんですが。
 この三つの事例以外に、現時点で、あの安保法制の強行採決から五年たっているんですけれども、現時点において政府が発生し得ると考える存立危機事態のケース、この三つの事例以外にありますでしょうか。
 安保法制のときは、こういう考え方をしているんだけど、それだと説明にならないので、説明のために考えているケースを答弁しますということで三つの事例を出していました。
 答弁をお願いいたします。

#76
○国務大臣(岸信夫君) 繰り返しになりますけれども、存立危機事態として想定されるケースについては、あらかじめ包括的に申し上げることは困難だということでございます。

#77
○小西洋之君 いや、包括的に言ってくれというようなことは申し上げておりませんで、考えている具体的なケースがこの三つ以外ありますかと聞いています。
 三回目です。答弁お願いします。

#78
○国務大臣(岸信夫君) 具体的にいかなるケース、事態が存立危機事態に該当するかについては、実際に発生をした事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断するということになります。

#79
○小西洋之君 いや、だから、その三つ以外に考えているケースがあるのかないのかを聞いています。三つは答えているんですから、ほかのケースがあるんだったら答えないとおかしいじゃないですか。
 あるのかないかを聞いております。もう一度答弁お願いします。

#80
○国務大臣(岸信夫君) 現在、その当時と状況に変化はないと、変更はないというふうに考えております。ですので、政府として認識は変更していないということでございます。

#81
○小西洋之君 その状況は当時と変わっていないと、安全保障環境の状況は変わっていないという認識、よって政府としての認識も変わらないということは、三つのケース以外想定しているケースはない、ホルムズ海峡は今想定していないと言っているわけですけれども、この三つのケース以外、具体のケースとして政府が考えている、想定しているものはないということでよろしいですね。(発言する者あり)

#82
○委員長(長峯誠君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#83
○委員長(長峯誠君) 速記を起こしてください。

#84
○国務大臣(岸信夫君) 失礼しました。
 安保法制の制定時ですね、その三つの事例をお示ししたと思うんですけれども、存立危機事態として想定されるケースについては、当時もあらかじめ包括的に申し上げることは困難とした上で、三つの事例をお示ししたということでございます。
 現在もその状況に変更はないということでございます。

#85
○小西洋之君 いや、だからその状況が、何か意味不明になってしまったんですが、要するに、その事例として、我が国に対して起こり得る存立危機事態の事例としてこの三つ以外に現時点で政府として考えているものはありますかと聞いているんです。極めて明確なことを聞いています。ないんだったらないで、そういうふうに答弁していただければいいわけです。
 五回目か六回目だと思いますが、お願いいたします。

#86
○国務大臣(岸信夫君) 当時、この三つの事例をお示ししました。その当時から現在、認識は変更していないと、こういうことでございます。
 三事例については、先ほども私からもお話をしましたけれども、現在において政府としての認識に変更はないということでございます。

#87
○小西洋之君 さっきも聞きましたが、その認識に変更はないというのは、三事例のほかにはないという認識に変更がないということですか。

#88
○国務大臣(岸信夫君) この三事例について、三事例以外にはあらかじめ包括的に申し上げることは困難であると、こういうふうに繰り返し申し上げているところでございます。

#89
○小西洋之君 じゃ、三事例以外に具体の事例は、考えている事例はないということですね。そこを明確に言ってください。

#90
○国務大臣(岸信夫君) 三事例以外はあらかじめ包括的に申し上げることは困難であると、こういうふうに申し上げております。

#91
○小西洋之君 分かりました。
 次に行きます。
 では、今、現に起こり得ると考えているこの我が国に対するミサイル攻撃等に対する米艦の事例をちょっとベースで質問するんですが、三つ目の質問なんですけれども、資料二ページ目御覧いただきますと、武力攻撃を早急に止めなければ我が国にも武力攻撃が行われかねない状況というようなことを当時の安倍総理などは答弁しているところでございますけれども、防衛大臣、こうした存立危機の事例ですね、この我が国のミサイル防衛に係るような存立危機の事例というのは、大臣として、現に今防衛大臣でいらっしゃるわけですが、これはいつ起きてもおかしくないというふうにお考えでしょうか。そして、起きるときは、もう今日起きるかどうかってそれは分かりませんけれども、今日か明日か、それも可能性としては、ゼロか一〇〇かで言えばそれはゼロではないと。現に、近い将来、この数日内あるいは数週間、そうした状況でも起きるものだと、可能性としてはゼロではない、そういうふうな認識でよろしいでしょうか。

#92
○国務大臣(岸信夫君) 具体的にいついかなる事態が存立危機事態に該当するかについては、実際に発生しました事態の具体的、個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合的に勘案して客観的、合理的に判断するということになっております。一概にお答えすることは困難でありますが、その上で、防衛省・自衛隊としては、不確実性を増す安全保障環境の中であらゆる事態にシームレスに対応できるように、平素から情報収集、警戒監視等、我が国の平和と安全を確保するために必要な活動を実施をしているところでございます。

#93
○小西洋之君 じゃ、大臣の今のおっしゃったそのあらゆる事態に対応できるのそのあらゆる事態というのは、まあ私もまさかとは思いますけど、今日とかあるいはこの数日内にこのミサイル防衛に係る存立危機事態が発生する、そういう事態も含まれますか、その防衛省が対処を準備しているというあらゆる事態というのは。

#94
○国務大臣(岸信夫君) あらゆる事態、まあいろいろな事態ではありますけど、どれだけ直近にということも含めて、あらゆるケースにおいて総合的に、客観的に、合理的に判断をするということであります。

#95
○小西洋之君 もう八割方答えていただいている、直近ということをおっしゃっていただいたので。
 なので、防衛大臣としては、もうこの数日内に、まさかとは思うけれども可能性としてはゼロではない、そういう存立危機事態の発生について、常に緊張感を持って万全の対処ができるように日々尽くされていると、そういうことでよろしいでしょうか。そういう緊張感、警戒を持って業務を行うということでよろしいでしょうか。

#96
○国務大臣(岸信夫君) 我々、想定外ということは許されないというふうに思っています。そういう意味で、あらゆる事態に対処できるように政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断して決めるということになります。

#97
○小西洋之君 では、次の質問に行きます。
 この存立危機事態において、我が国は限定的な集団的自衛権を発動することが安保法制でできることになっているんですが、大臣に伺いますが、防衛大臣、この限定的な集団的自衛権を日本が発動すれば、その国ですね、日本の同盟国などに対して攻撃している攻撃国、今後、攻撃国と言いますが、その攻撃国に対して日本が限定的な集団的自衛権を発動すれば、当然、その攻撃国から日本が反撃あるいはその報復措置という実力行使を受けることというのは当然あり得ると、実力行使が、受けないことが全くあり得ないということはないという理解でよろしいですね。

#98
○国務大臣(岸信夫君) 存立危機事態は、武力を用いた対処をしなければ、我が国に、国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様の深刻な、重大な被害が及ぶことが明らかな状況ということであります。我が国として、我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として、武力行使の三要件に基づいて武力を行使する、武力の行使をして対処するということになるわけです。
 他方で、これまで、存立危機事態に該当する状況は、同時に武力攻撃事態等に該当することが多いということで説明をしてきております。事態の推移によっては、その後、存立危機武力攻撃を行う他国から我が国に対する武力攻撃が発生する場合もあり得ると考えております。その場合、武力攻撃事態として対処することになります。

#99
○小西洋之君 今大臣がおっしゃったのは、いわゆる我が国に対する武力攻撃の予測事態とか切迫事態と重なるケースが多いので、我が国が限定的な集団的自衛権を発動しなければ、後々そういう武力攻撃を、日本に対するものを受けるようなケースだということを言っているだけですよ。
 私の質問は、日本は武力攻撃をまだ受けていないんです、着手事態に至っていない。にもかかわらず、集団的自衛権を発動して相手に武力行使をするわけです。すれば、当然、戦闘状態になって、その攻撃国から報復や反撃を受けますねと。
 受けない、全く受けないと、受けることなんてあり得ないと考えているんだったら、そうお答えください。可能性として受けることがあり得ると、そういう理解でよろしいですかという単純なことを聞いています。
 明確に通告していますよ。何で答えないんですか。

#100
○国務大臣(岸信夫君) 我が国に対します武力攻撃を行う他国が、いかなる評価の下にその攻撃を行うにせよ、我が国は、存立危機武力攻撃を含めて、我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置としての武力行使の、武力の行使の三要件に基づいて武力を行使して対処するということであります。

#101
○小西洋之君 だから、今おっしゃった限定的な集団的自衛権の武力を行使すれば、その相手国から反撃や報復措置を受ける、戦闘状態になる、そういう理解でよろしいですね。そういうことが全く起きませんというふうに政府として考えているんですか。三回目です。何でこんなこと答えないんですか。日本が武力行使して相手から反撃を受けるかどうかって、国民にとって物すごく重要な課題じゃないですか。明確に答えてください。日本語で質問通告していますよ。

#102
○国務大臣(岸信夫君) これまで、存立危機事態に該当する状況は、同時に武力攻撃事態等に該当することが多いと説明をしてきております。事態の推移によっては、その後、存立危機武力攻撃を行う他国から我が国に対する武力攻撃が発生をし、我が国に被害を及ぼす場合もあり得ると考えております。その場合には、こうした武力攻撃を排除するために必要な措置をとることになります。
 その上で、この集団的自衛権の行使の結果、国民が殺傷されるかどうかということでございますけれども、限定的な集団的自衛権を行使した場合に具体的にどのような状況が生じるかについて、個々の事態ごとに異なるというふうに考えられることから、一概にお答えすることは困難であると考えております。

#103
○小西洋之君 今大臣は二つ目の質問を答えてくれたんですけれども、私の質問は、集団的自衛権を放てば反撃や報復措置を受けるか、それが一。その後の用意していた質問で、その結果、日本国民が死ぬことがあるか。で、今、死ぬことがあるかについて、個別の事態について云々とおっしゃいましたけれども。
 大臣、今答えていただいたその個別の事態の中には、日本が集団的自衛権を発動して、その反撃によって日本国民が死ぬと、そういうことも事実としてはあり得る、そういう事態としては起こり得るという政府の認識でよろしいですか。いやいや、日本国政府は、集団的自衛権を発動しても、その反撃によって日本国民が死ぬことは全くないと、一人も死なないと、そういう事実認識でいらっしゃいますか。どちらですか。明確に答えてください。

#104
○国務大臣(岸信夫君) 元々これ、存立危機事態になっているということでございます。我が国の国民に武力攻撃が及ぶ可能性があるわけでございますから。
 その上で、今お問合せの件ですけれども、どのような状況が生じるかについては個々の事態ごとに異なると、このように考えております。一概にお答えすることは困難であると考えております。

#105
○小西洋之君 じゃ、これも質問通告していますけれども、日本が存立危機事態において安保法制に基づいて集団的自衛権を発動すれば、その集団的自衛権のその武力行使によって自衛隊員が戦死することはありますか。いや、防衛大臣として、自衛隊員は集団的自衛権の発動では一人も戦死しないとお考えですか。自衛隊員が戦死することが可能性としてあり得る、私はあり得ると思いますよ、絶対にあり得ると思いますよ。大臣の見解を述べてください。

#106
○国務大臣(岸信夫君) 自衛隊の任務はこれまでも常にリスクを伴うものでございます。平和安全法制の整備による新たな任務にもこれまで同様のリスクはございます。
 その上で、存立危機事態に該当する状況は、武力を用いた対処をしなければ、国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様の深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな場合であります。そして、我が国としては、我が国を防衛するためにやむを得ない自衛の措置としての武力の行使の三要件に基づいて武力を行使して対処するということになりますが、このような状況においては、最前線で対応するのが自衛隊員であります。当然、その活動には様々なリスクが伴います。しかし、それは国民の命と平和な暮らしを守るため自衛隊員に負ってもらっているリスクであると、こういうふうに考えております。
 防衛省・自衛隊としては、このようなリスクを極小化、局限化する観点から、訓練や演習を通じて隊員の練度を向上していくことに努めているというところでございます。

#107
○小西洋之君 防衛大臣、大臣なんですから、自衛隊員の尊厳を誰よりも重んじて職務を行ってください。
 今大臣がおっしゃったそのリスクですね、集団的自衛権を発動してその作戦行動をやるときの自衛隊員のリスク、自衛官のリスク、そのリスクの中には、その実力行使によって自衛隊員が戦死してしまう、あるいは負傷してしまう、そういうリスクが当然含まれるという理解でよろしいですか。イエスかノーかで答えてください。

#108
○国務大臣(岸信夫君) 一般論として申し上げますと、リスクとして自衛隊、自衛官の被害も否定はできないと考えております。そういったリスクを極小化、局限化する観点で、訓練、演習を通じて隊員の練度向上に努めているところでございます。

#109
○小西洋之君 じゃ、先ほどの質問です。
 自衛隊員の被害は否定できないというふうにおっしゃいました。であるならば、その相手からの反撃行為によって日本国民に被害が生じる、日本国民に死傷者が出るということも可能性としてはあり得ると、そういう理解でよろしいですか。

#110
○国務大臣(岸信夫君) 限定的な集団的自衛権の行使を行った場合に具体的にどのような状況が生じるかについては、個々の事態ごとに異なると考えますので、一概にお答えすることは困難でございます。

#111
○小西洋之君 いや、自衛官には被害は生じるというふうに言ったんですよね。自衛隊は本当に身をもって責務の完遂を務めると、本当、崇高な使命だと思いますよ。
 ただ、その使命でも全国民守り切れるかどうか私は分からないと思いますよ。結果、集団的自衛権を行ったことによる反撃で、あるいは報復措置で日本国民に被害が生じ得ることは可能性としてあり得ると、そういう理解でよろしいですか。いや、可能性としては全くないとお考えですか。黒か白かで答えてください。

#112
○国務大臣(岸信夫君) 限定的に集団的自衛権を行使した場合に具体的にどのような状況が生じるかは個々の事態ごとに異なると、こう考えておるところでございます。
 そもそも、存立危機事態という状況に置かれた中で、自衛官が国民の命を守るために前線に立って活動してもらうわけであります。そういう意味で、ただ、自衛官も国民の命を守るために働いているというところでございます。できるだけその被害を極小化するようにやっております。

#113
○小西洋之君 いや、もう委員長、私、十回近く聞いているんで、委員会に、今から申し上げることをですね、今まで私が聞いたことを文書で提出していただけますか。
 まず、日本が存立危機事態に基づいて集団的自衛権を発動した場合に、その発動した相手国から反撃や報復措置を受けることがあるのか、全くないと考えているのか、それを答えてください。そして、その反撃や報復措置によって日本国民が負傷あるいは戦死する、そういうこと、死んでしまう、そういうことがあると考えているのか、あるいは全くないと考えているのか、そこを明確にして、また、さっき自衛隊員については被害が生じるというふうに言いましたけれども、自衛官についても併せて文書の中で答弁をしてください。委員会に文書提出を求めます。

#114
○委員長(長峯誠君) 後刻理事会にて協議いたします。

#115
○小西洋之君 委員長、ありがとうございました。
 では、この関係で法制局長官に伺いますけれども、よろしいですか、法制局長官。
 今の話ですけれども、日本が集団的自衛権を発動して相手国からも反撃や報復を受けると、そのことによって日本国民が死んでしまう場合ですね。これは一般論です、一般論。そうした場合に、その死んでしまう日本国民は、日本国憲法が確認しているところのこの平和的生存権、それとの関係でどのような憲法的な問題、法的な問題があるでしょうか。それを説明してください。

#116
○政府特別補佐人(近藤正春君) 今議員のお尋ねは、集団的自衛権を行使した場合に相手国が何らかの措置をとってくるということを前提にしておられましたけれども、先ほど防衛大臣からの御答弁でも、どのような状況が生じるかは個々の事態により異なるということで一概に申し上げられないという御答弁ございましたので、その一定の前提の下の仮定のことについてのお答えというのは、政府全体としてはお答え控えさせていただきたいと思います。

#117
○小西洋之君 じゃ、内閣法制局としては、日本は集団的自衛権を発動しても相手から反撃や報復を受けることは一切ないというふうにお考えなんですか。

#118
○政府特別補佐人(近藤正春君) 法制局は法理論をやるところでございまして、そういう実体的な戦略判断とか、いろんなことについての権能を持っておるわけではございませんので、お答えする能力がないということだと思います。

#119
○小西洋之君 こんなの戦略判断でもなくて、相手に手を出せばやり返されるというのは、過去、外務省も答弁していますよ。政府答弁です。政府答弁の上に基づいて、政府の認識に基づいて法制局として法解釈を述べてください。
 相手に集団的自衛権を発動すれば、当然相手から反撃や報復措置を受けます。少なくとも受けることがあります。その結果、日本国民に犠牲が出ることも当然あります。そうしたら、その日本国民の犠牲というのは憲法の平和的生存権との関係でどのような関係がありますか。答えてください。

#120
○政府特別補佐人(近藤正春君) 法解釈の問題でありまして、今のは、事実についてどういうふうなことが起こるかという認識については私どものあずかり得ない問題でございますので、私どもとしてそこの問題をある程度前提とした答弁というのは、所掌上、そこはお答えできないということでございます。

#121
○小西洋之君 じゃ、法解釈の前提の立法事実の確認というのは、法制局の仕事、所掌には含まれないという理解でよろしいですか。法制局は事実の確認はしない、あらゆる解釈、法令の根拠となる立法事実については一切確認はしない、関知しないという理解でよろしいですか。

#122
○政府特別補佐人(近藤正春君) 立法事実については、担当省が現実に起こっている事実を確認し、それを私どもに御説明いただくということで、私どもが直接立法事実を調べに行くということではなく、あくまでも担当省庁がこういう事実がありますということを前提に法案を説明されますので、それを私どもは完全に信用してやると。
 今回は、防衛大臣の方から、その先は分からないということでございましたから、私ども、立法事実についての捕捉というのは、あくまでも担当大臣の上に、さらに憲法上の解釈等を行うということでございますので、そういう分担であると思います。

#123
○小西洋之君 では、先ほど、防衛大臣が認めた、自衛官は集団的自衛権の発動の戦闘の中で被害が生ずると、明確な事実の認定をしました。
 じゃ、それについて、その自衛官に生ずる被害というのは、自衛官の平和的生存権とどのような関係がありますか。

#124
○政府特別補佐人(近藤正春君) 同じように、自衛官についていろいろリスクがあるというお話がございましたけれども、平和的生存権という、憲法前文である、非常に抽象的な概念でございまして、個々の自衛官と平和的生存権というのは通常そういう形で議論される概念ではないというふうに考えております。

#125
○小西洋之君 日本国民の平和的生存権を根拠に七・一閣議決定で集団的自衛権を導いているんじゃないですか。何めちゃくちゃなこと言っているんですか。
 時間なので、政府統一見解を求めます。
 私が先ほどから質疑している集団的自衛権発動による──質問しないよ。反撃や報復による日本国民のその犠牲、死や負傷ですね、また自衛官のその被害、死や負傷ですけれども、それと憲法前文で確認している平和的生存権の関係について、内閣法制局と防衛省から政府の統一見解、先ほどとは別の文書です、政府の統一見解の提出をこの委員会に求めます。

#126
○委員長(長峯誠君) 後刻理事会にて協議いたします。

#127
○小西洋之君 法制局長官もこんな答弁をするんだったら、あなた、それはおかしいですよ。良心を何とか取り戻すことを申し上げて、質問を終わります。防衛大臣もちゃんと答弁をお願いいたします。(発言する者あり)

#128
○委員長(長峯誠君) 静粛に願います。静粛に願います。(発言する者あり)静粛に願います。静粛に願います。(発言する者あり)静粛にお願いします。
 じゃ、議事を進行いたします。
 引き続き、三浦信祐君。

#129
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 F2戦闘機後継機の開発に関連して伺いたいと思います。
 F2後継機について、我が国主導で開発する旨、私も与党PTの一員として携わりました。防衛大綱、中期防にも記載をされております。
 先般もシングル・プライム体制を取るとしたことに基づき、機体担当企業として三菱重工業との契約を締結したと承知をしております。日本の技術保持、防衛力を支える能力は不断の積み重ねとともに、体制を維持できる又は体制自体を整備することが必要であります。特に長期の運用や将来の能力向上に必要となるインテグレーションという広い意味での技術力は、国内企業が実践し続けることによってのみ獲得され、保持されると考えます。
 日本企業のインテグレーション能力の現状をどう評価するか、また、その保持の方策についてどう考えるか、これが全ての出発点となります。感染症拡大抑制への取組が最優先ではありますが、国内の産業維持とイノベーションを考慮しつつ、官民一体となって高度なインテグレーション能力を実現、維持するべく取り組むべきであります。
 防衛省、いかがでしょうか。

#130
○政府参考人(武田博史君) お答えいたします。
 二〇三五年頃に退役が見込まれますF2の後継機として我が国主導で開発する次期戦闘機は、我が国が主体的に航空優勢を確保するために必要な性能、能力を長期の運用期間にわたって保持することが必要でございます。これを実現するためには、高いステルス性を確保しつつ、エンジン及びミッション・アビオニクス機器が一体として高い能力を発揮すること、すなわち、戦闘機システム全体の能力や信頼性を決定する高度なインテグレーションを実現することが我が国主導の開発において極めて重要でございます。
 このため、これまで先進技術実証機や戦闘機用エンジンなどの関連技術の研究に加えまして、これら関連技術の成果をコンピューター上でインテグレーションし、仮想的な機体を設計する研究を通じて、官民挙げて機体、エンジン及びミッションシステムを統合するために必要な技術を維持、強化してまいりました。
 次期戦闘機の開発に当たっても、国内企業が保有する優れた技術や人的資源を最大限効果的に活用し、高度なインテグレーションを実現するため、シングル・プライム体制を取ることとし、先月末、これを担当する機体担当企業として三菱重工業と契約を締結したところでございます。
 今後、外国企業から戦闘機全体のインテグレーションに関する支援を得ることも考えておりますが、いずれにせよ、次期戦闘機の開発に当たっては、ユーザーである航空自衛隊のニーズを適切に反映しつつ、F2戦闘機の退役、減勢が始まる二〇三五年頃までに量産初号機を配備するとともに、開発中に培ったインテグレーション技術を用い、長期間にわたって運用が見込まれる中でも適時適切に改善や能力向上ができるよう、官民一体となって取り組んでまいりたいと考えております。

#131
○三浦信祐君 官民一体、極めて重要であります。でき上がった支援戦闘機は間違いなく国民の生命と財産を守るものであり、平和への抑止力でもあります。是非、そのインテグレーション能力を高めるべく、先頭に立って頑張っていただきたいと思います。
 一方で、国内の技術力を結集する際に課題は多数あります。例えば機体の設計に際して、より良き性能を有するための技術を収れんする際、参画する企業がこれまでに蓄積してきた知財、知的財産を共有しても、他社がその情報を他の目的に活用しないことを約束する制度が整えられるとは言い切れません。すなわち、情報提供に伴う不利益回避を想定した、規定した制度設計が整備をされていないと言えます。知的財産を共有し、制約下で活用するプラットフォームがないため、参画企業が本来有する能力、技術を出し切れないのが現状とも言えます。
 制度を整え、より良く技術を活用できることは、納税者たる国民への確実な還元となります。F2の次期戦闘機開発を契機に、知的財産を不利益なしで保護されつつプロジェクト上で活用できる体制整備を図るべきであります。
 武田長官、是非進めていただけませんでしょうか。

#132
○政府参考人(武田博史君) 複数の企業が連携をして装備品等の研究開発を進める場合には、参画する企業で分担して装備品等の構成品の開発をすることになります。
 これまでの研究開発におきましては、一般的に、防衛省の実施する事業に参画する各企業は、それぞれの企業が持つ独自技術につきまして、企業間で秘密保持契約を取り交わすことにより互いに提供される独自技術を不正競争防止法上の営業秘密として適切に保護されてきたものと承知をいたしております。
 次期戦闘機の開発においても、機体、エンジン、ミッション・アビオニクスといった業種の異なる多くの企業が参画することになりますが、各企業が保有する優れた独自技術を一層活用して開発を進めることは重要であると考えております。
 このため、実際の技術情報の流れを踏まえ、開発に参画する複数の企業間で必要に応じて秘密保持契約を締結するなどを含め、適切な開発手法について官民で検討してまいりたいと思います。委員の御指摘も踏まえまして、しっかり検討してまいります。

#133
○三浦信祐君 長官、ありがとうございます。
 バイでやっていてはうまい技術が出ない、そして、官民で一体となってテーブルにそれを出して、それを取得をして共有する、極めて重要なことでありますので進めていただきたいと思います。
 次に、自然災害の凶暴化が進む日本にあって、防災能力、災害対応能力がハード、ソフト両面で求められております。長年にわたって自衛官としてお勤めいただき退職をされた方々は数多くの災害対応を御経験をされておりまして、事前の準備、対処方法等、知見を持っておられます。基礎自治体に退職自衛官の経験を生かすことは、結果として地域防災の基盤強化となり、国民の生命と財産を守ることに通じます。中期防の与党PTの議論の中でも自衛官OBの能力活用をと訴えをさせていただいて、退職自衛官の地方公共団体の防災関係部局等における更なる活用を明記をしていただきました。現在、退職自衛官の地方公共団体防災部局への登用について取組が進みつつありますけれども、私はより採用を拡充をしていただきたいと考えております。
 まず、退職自衛官の登用について効果をどう捉えられているのか、内閣府に伺います。

#134
○政府参考人(内田欽也君) お答えいたします。
 地方公共団体においては、専門的知見を有する防災担当職員の確保のため、退職自衛官を始め防災の専門性を有する人材の活用が求められているところでございます。
 そこで、内閣府では、地方公共団体が外部人材を防災監や危機管理監などとして採用するに当たりまして、これに必要となる知識、経験などを有する人を地域防災マネージャーとして証明する制度を平成二十七年度より進めているところでございます。本年三月三十一日現在で、この制度により証明された三百七十六名の退職自衛官が全国の三百三十五地方公共団体に採用されていると認識をしております。
 これらの職員は、平時においては、例えば実践的な防災訓練の企画、実施、出前講座を通じた市民の防災意識の向上、計画やマニュアル策定などの業務を行っておりまして、一方で、災害時におきましては、災害対策本部の設置、運営、指揮命令系統の確立あるいは自衛隊との連絡調整などを行っており、その活動は知事や市町村長からも高く評価をされていると聞いているところでございます。
 今後とも、関係省庁と連携して、地域の防災対応力の更なる向上を図るために制度の的確な運用に努めてまいりたいと考えております。

#135
○三浦信祐君 東日本大震災のときに福島県庁に現職の自衛官が入っていただいて、それによって即座に情報収集、指揮系統が整っていたということは、私の弟から直接公務員として話を聞きました。ふだんからそれができるということは、どれだけ防災能力が上がるか、そして国民の命を守るかということに直結をいたします。是非拡充できるように積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 その上で、現在、退職自衛官を含めた地域防災マネージャーの採用、配置の費用は、経費は、特別交付税措置として措置率〇・五にて年額最大三百四十万円を充当できると承知をしております。しかし、基礎自治体の経済体力の違いが採用の機会喪失にならないためにも、また的確な処遇をするためにも、更なる拡充、拡大、上限を引き上げることを是非検討していただきたいと思います。また、一人だけではなく複数人採用できるように充当数を上乗せをして、更に採用拡大ができるように促進支援をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

#136
○政府参考人(内田欽也君) 現在、地域防災マネージャーが地方公共団体に採用される際には、御指摘のとおり、最大、一名の採用、配置に要する経費について、措置率〇・五、最大三百四十万円の特別交付税措置が講じられているところでございます。この特別交付税措置を活用いたしまして、防災の専門的な知見を有する人材を求める地方公共団体において退職自衛官などの採用、配置が進むことにより、より多くの地方公共団体の防災力を高めることが重要と考えております。
 御指摘につきましては、地方公共団体の声にもより一層耳を傾けながら、関係省庁とも連携して勉強してまいりたいと考えております。

#137
○三浦信祐君 是非、単費で出すのではなかなか大変だというところもたくさんあります。是非、そういうところによく耳を傾けていただいて、現場の人の命を守るという視点でサポートしていただきたいと思います。
 現在、地域防災マネージャーの採用対象者について、本省補佐級となっております。自衛官に該当する役職は三佐となります。しかし、地方では佐官の配置は少ないため、人数も限られております。
 したがいまして、もう一段階級を、表現は悪いですけれども一段下げていただいて、一尉も対象としていただきたいと思います。現場に長年携わり地域にも比較的長い時間赴任されていることから、一尉で退職されている方の経験値は高く、即戦力であります。また、後継者の確保、引継ぎも容易となります。是非御検討いただけませんでしょうか。

#138
○政府参考人(内田欽也君) 地域防災マネージャーとして証明を受けた人は、防災監など地方公共団体の防災上重要な指導的役職に配置されることを想定しております。このため、防衛省や内閣府の実施する研修などの受講経験、防災行政への一定期間の従事経験に加えて管理職的立場の経験、能力が必要なことから、国の本省課長補佐級の職位の経験を要件としているところでございます。
 この本省課長補佐級の職位の経験につきましては、自衛官の場合、防衛省に確認をした上で手続を進めておりまして、原則として三佐以上を経験したことを要件としております。なお、経験した最高位が一尉の人でありましても、実質的に三佐と同様の職務経験があると防衛省が認める場合には、課長補佐相当と解釈をして運用してきているところでございます。
 引き続き、地域の実情や要望、また自衛官の職務の実態なども勘案し、より多くの地方公共団体が地域の防災上のニーズに応える質の高い人材を採用、配置できるよう、制度の運用の在り方につきまして関係省庁とよく相談してまいりたいと考えております。

#139
○三浦信祐君 一尉の力はすごいですよ。防衛大学校の卒業生がまさにお父さん幹部と呼んでいるのが一尉ですよ。なので、その能力を生かさないともったいない。なので、御相談いただけるということなので、結果を楽しみにしております。是非、後押ししますので、頑張ってください。
 防衛省として、退職自衛官の地方公共団体防災部局登用について、より採用への後押しをすべきだと考えますが、いかがでしょうか。防災のプロフェッショナルとして防災管理官等に登用いただき、国民の生命と財産を守ることは多大な貢献だと思います。岸大臣、是非積極的に取り組んでいただけませんでしょうか。

#140
○国務大臣(岸信夫君) 退職自衛官が在職時に培いましたその専門的な知識また実務経験等を生かして地方公共団体に再就職することは、自衛隊と地方公共団体との協力関係の構築、また相互の連携強化に寄与するとともに、地方公共団体側にとっても防災を始めとする危機管理能力の向上につながるものと、このように考えております。
 このため、退職予定の幹部自衛官に対しまして防災・危機管理教育を実施するとともに、防衛大臣名で都道府県知事また市区町村長に対しまして退職自衛官の防災関係部局での活用について依頼するなど、地方公共団体の防災関係部局における退職自衛官の活用を積極的に支援してまいりたいと考えております。

#141
○三浦信祐君 是非よろしくお願いします。
 女性自衛官の活躍と推進に関することについて伺います。
 令和三年度概算要求で、女性自衛官の採用を拡大し活躍を推進するために関連経費を確保していると承知をしております。ハード整備のみならず、メンター養成研修等のソフト面も考慮をされております。一方で、女性の方が現職自衛官となって以降、体調管理やメンタルヘルスケア、メンタルケアのためには、女性医官の充実も欠かすことはできないと私は考えております。
 退職自衛官の方の力をお借りすることも含めて、女性医官の体制整備、拡充、岸大臣、是非しっかり取り組んでいただけませんでしょうか。

#142
○国務大臣(岸信夫君) 優秀な人材を将来にわたり安定的に確保していく、そして自衛隊に求められる多様な活動を適時適切に行っていくため、女性自衛官の採用拡大及び活躍の推進は極めて重要であります。令和三年度の概算要求においても所要の関連経費として約五十億円の計上をしております。
 議員が御指摘のとおり、女性医官の充実は、自衛官の体調管理、メンタルケアの観点からも欠かせないものである、そういうことだけではなくて、自衛隊の活動の円滑な推進に寄与するものであることから、その存在意義は大変大きいものと考えております。
 現在、自衛隊医官全体における女性医官の割合は二割を超えるものとなっております。近年、防衛医科大学校卒業生のうち、女性の割合は三割程度で推移をしております。今後も女性医官の割合は徐々に増加していくと思われます。
 引き続き、医官の早期離職防止に努めるとともに、退職医官の活用も含めた検討に取り組んで、一層の充実向上を、充足向上を図り、自衛隊衛生における女性医官の充実を推進してまいりたいと考えております。

#143
○三浦信祐君 しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。

#144
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。
 本日は、一般質疑ということですので、国家安全保障戦略についてお尋ねしていきたいと思っておるんですが、本題に入る前に、自衛隊のコロナ対策支援についてお尋ねしておきたいと思います。
 私は選挙区が大阪なので、大阪の関係者といろんなテーマについてよくお話をさせていただいております。最近は専ら、大阪がコロナの感染拡大が顕著であるということでコロナに関する議論が多いんですけれども、この新型コロナウイルス感染者のうち、無症状者あるいは軽症者はホテル等の宿泊療養施設を利用するということでございますが、ホテルを利用するに際して自衛隊の方の御指導をいただいたというお話を聞いております。感染者のホテル収容等に際しまして、レッドゾーンとかイエローゾーンとかグリーンゾーンつくっていく、ゾーニングが必要であると。その際、自衛隊の指導を受けたというお話でありました。
 確かに、感染が急拡大していて、無症状者あるいは軽症者用の宿泊療養施設というのが非常に必要になってきておりまして、百室ぐらいのホテルなんか一番いいんではないかというふうに思っていたんですけれども、なかなか百室あっても、その半分ぐらい使えるのかなと思っておりましたけれども、そうでもなくて、ゾーニングするせいでワンフロアで二、三人収容するのが精いっぱいであると、だから百室あっても二、三十人しか収容できないということらしいです。だから宿泊療養施設としては千室以上の大きなところからお願いしているということでありますが、この関係者ですね、御指導いただいた関係者の方にまずお礼を申し上げたいと思います。
 それと、ゾーニング指導のほかにどのような支援を自治体の方にされているのか、お伺いしたいと思います。

#145
○国務大臣(岸信夫君) 自衛隊はこれまで、ダイヤモンド・プリンセス号のケース、また市中感染拡大に対します災害派遣活動等において、医療支援また生活支援を実施しております。隊員に一人の感染者も出すことなく任務を遂行、完遂いたしました。自衛隊がこれまでの活動において得てきた知見、経験を共有することは大変有用であると、こう考えております。
 防衛省・自衛隊は、本年四月以降、自治体からの要請に基づいて、三十三都道府県の延べ約二千四百名の自治体職員、医療関係者等に対して、手指消毒や感染防護服の着脱要領、施設内の清潔エリアと非清潔エリアを区分するゾーニングの実施の要領など、感染防止に関する教育の支援を実施をしてきているところでございます。
 防衛省・自衛隊としては、自治体等のニーズを踏まえて、今後とも、これまで蓄積してまいりました知見や経験を積極的に共有してまいりたいと考えています。

#146
○浅田均君 地方団体にとっては非常に有り難い話だと思うんです。
 それで、三十三都道府県を対象に消毒とかゾーニング等医療支援、それから生活支援もしていただいたという御答弁でありますが、そういう支援をするに際して、自衛隊の内部にそういう支援体制というのがあるんでしょうか。支援体制についてお伺いしたいと思います。

#147
○国務大臣(岸信夫君) 陸上自衛隊の各師団、旅団には、人員数は限定的ではありますけれども、医務官、衛生隊の隊員等、衛生の専門知識を有する隊員が配属をされております。
 これらの隊員は、自衛隊がこれまでの活動において得てきた知見、経験を有しているところです。自衛隊が自治体から教育支援の依頼を受けた際に、これらの隊員が自治体職員等の被教育者の人数に応じて数名から数十名の体制で教育支援を行うことにより、知見や経験を共有しているところでございます。

#148
○浅田均君 ありがとうございます。
 先ほど三浦委員の方から退職自衛官のお話がありました。地域防災マネージャーとしてそれぞれの自治体に、地方団体にですね、そういう方がおられるということになると、そういう連携もうまくいくのではないかという思いをいたしました。
 ところで、こういう話を聞いていますと、防衛省ですから、攻めてくるのは国とか人とかを想定しがちですけれども、必ずしもそうではないと。確かにこれ、ウイルスも攻めてきているわけですね。ウイルス自身にそういう意識は多分ないんだろうと思いますけれども、私たち人類の意識、日本人の意識として、ウイルスに攻められているという意識があると思います。だから、これはもう自衛ではなくて、まさしく防衛なんですね。だから、防衛軍という名前がふさわしいと思うんですけれども、またそのお話は別の機会にするとしまして。
 申し上げております国家安全保障戦略と防衛政策についてお尋ねしていきたいと思います。
 平成二十五年、これ、安倍内閣のときに閣議決定されております国家安全保障戦略というものがあります。これはもう六年、七年前に公表されておるんですけれども、時代を冷静に見た立派な戦略であると私は思っております。よく書かれていると思います。
 その中で、国家安全保障上の課題として、大量破壊兵器等の拡散の脅威、それから国際テロの脅威等の課題が挙げられております。課題があるということは、それに対する政策ですね、軍事的措置がないとおかしいと思うんです。
 そこで伺いますが、大量破壊兵器拡散の脅威という課題があります。それに対応するためにどのような軍事的措置をとるべきか、防衛大綱にはどのような記載がなされていますか。また、国際テロという課題がある。それに対応するために日本はいかなる軍事的措置を講ずるべきか、防衛大綱にはどのような対応が記載されているのか、防衛大臣にお尋ねいたします。

#149
○国務大臣(岸信夫君) 委員御指摘の大量破壊兵器等の拡散の脅威につきましては、現防衛大綱においては、核兵器の脅威に対しては、核抑止力を含む米国の拡大抑止や総合ミサイル防衛などを含む我が国自身による対処のための取組などに言及しつつ、大量破壊兵器やその運搬手段となり得るミサイルの拡散については、関係国や国際機関等と協力しつつ、それらの不拡散のための取組を推進する旨、記述をしております。
 その上で、一例として、防衛省・自衛隊としては、拡散に対する安全保障構想の下、各種専門家会合に防衛省職員を派遣するとともに、この安全保障構想、PSI阻止訓練に自衛隊艦艇、航空機を参加させる等、不拡散体制の強化に向けた取組を実施をしております。防衛大綱の下、大量破壊兵器等の拡散防止のため、引き続き積極的に取り組んでいく考えです。
 また、国際テロについては、現行の防衛大綱においてはこれを国際社会にとって重大な課題であると位置付けております。防衛省として、引き続き、政策判断や部隊運用に資する情報の収集、分析、共有などの各段階における情報機能を総合的に強化し、国際テロやゲリラ等も含めた情報収集に万全を期していくほか、テロの拡大を抑止するために国際社会と協力して取り組んでいく考えです。

#150
○浅田均君 今御答弁いただきましたけれども、私の理解では、防衛大綱等にはこの答えというものがほとんど記載がなかったと思ったんです。多分、今回の多次元統合防衛力という記載、それから十一月二十六日の私の質問に対する防衛大臣の答弁が、この二つの大量破壊兵器等の拡散の脅威、それから国際テロの脅威等の課題に対する初めての政策的な回答であったというふうに評価しようと思ったんですけれども、先にそういう記載があるという御発言がありましたので、言ってしまいましたけれども、ちょっと取り下げる必要がありますね。
 ただ、そういう記載があったという今の御答弁に対しましてはもう一度調べておきたいと思いますけれども、大量破壊兵器の拡散の脅威、これに対しては関係国との協力、まさにそのとおりなんですけれども、そういうところ、明示的に、これに対してこういう回答、こういう政策をもって対応するという表現がなかったというのは確かであります。
 それで、今お伺いしました、国際テロについてお伺いしたいと思うんですが、先日の防衛大臣の御答弁の中にも、国際テロ、サイバー対策と分けられております。ところが、このサイバー攻撃というのは国際テロの一種と僕は考えた方がいいと思うんですね。サイバー空間につながっているあらゆる個人とか組織が攻撃の対象に、攻撃される対象になるわけですから、これは自衛隊だけでは対応は不可能だと思います。
 だから、例えば国家安全保障会議の国家安全保障局が民間の協力を得ながらも実行組織を持つ方が現実的だと私は考えますが、防衛省の御見解はいかがでしょうか。

#151
○国務大臣(岸信夫君) 我が国の安全保障を脅かすようなサイバー空間における脅威に対しましては、内閣官房を中心に関係省庁が一体となって、取り得る全ての有効な手段と能力を活用し、断固たる対応を取ることとしておるところでございます。
 その中において、民間との協力については、例えば重要インフラ分野において、重要インフラの情報セキュリティ対策に係る第四次行動計画に基づいて官民の情報共有体制を構築するなど、必要な協力を行っていくこととしているところでございます。
 防衛省・自衛隊としても、内閣官房の内閣サイバーセキュリティセンター等の関係機関に対して、情報共有や各種演習への参加等の必要な協力を行っており、今後とも密接に連携しながら必要な協力を行ってまいります。

#152
○浅田均君 今、民間と情報共有や演習への参加を促していくという御答弁でありましたけれども、やっぱり日常的に情報を常に共有していると、常にその対応していると、そういう体制が私は必要だと思いますので、これから御一考いただけたら有り難いと思います。
 それから次に、国際テロ、ゲリラの脅威に対応するには情報の収集が死活的に重要であると思います。どのような、この国際テロ、ゲリラの脅威に対してどのような情報収集態勢を想定されているのか、防衛大臣にお尋ねいたします。

#153
○国務大臣(岸信夫君) 安全保障環境が一層厳しさを増す中で、国際テロ、ゲリラ等から我が国及び国民の安全を守るためには、関係省庁と連携しつつ、平素から安全保障や国民の安全に直接関わる情報の収集を強化することが極めて重要です。
 防衛省では、電波情報、画像情報、人的情報、公開情報の収集、各国の国防機関との情報交換、こういった各種情報収集を行っております。
 防衛大綱においても、これらの情報収集能力及び態勢を強化することとしているところです。特に人的情報につきましては、防衛駐在官の派遣体制の充実を図っております。二〇一四年度から五年間で二十一名の集中的な増員を行っているところです。
 防衛省としては、引き続き、政策判断や部隊運用に資する情報の収集、分析、共有などの各段階における情報機能を総合的に強化し、国際テロやゲリラ等も含めた情報収集に万全を期してまいる所存でございます。

#154
○浅田均君 今の御答弁をお伺いしておりますと、駐在官なんかを派遣しているということで、海外におけるその情報の収集、海外においてどういう国際テロ、ゲリラの脅威があるのかということに関する情報を収集されているということであって、国内でどういう組織がどういう動きをしているかということに関しては、公安とかそれから警察に依存しているということなんでしょうけれども。
 そこで次の質問に伺いますが、多次元統合防衛力の構築という考え方に、全て、すべからく自衛隊で完了するという考えが見え隠れするんです。例えば中国には、人民解放軍百万人のほかに百五十万人の武装警察、それから八百万人の民兵がいると言われております。民間との協働というのはお考えにならないのか、この点、質問させていただきます。

#155
○国務大臣(岸信夫君) 現行の防衛大綱においては、あらゆる段階において、防衛省・自衛隊のみならず、民間団体等との協力を可能とし、我が国が持てる力を総合する防衛体制を構築することとしております。
 宇宙、サイバーといった新たな領域においてもそのような協力が重要と考えております。例えば、宇宙領域においては、SSAシステムやSSA衛星の導入に当たりまして、民間のSSAのデータも活用してリアルタイムで情報共有できるよう相互補完的な運用体制の構築を進めているほか、本年十月には宇宙関連のスタートアップ企業との意見交換も実施をしております。
 また、サイバー領域においては、防衛省及びサイバーセキュリティーに関心の深い防衛産業を構成員とするサイバーディフェンス連携協議会において、サイバー攻撃等に関する情報共有を図るとともに、サイバー攻撃対処能力向上のための共同訓練等を行っています。
 防衛省・自衛隊としては、引き続きこのような民間団体との協力を進めていく考えであります。

#156
○浅田均君 今、専らサイバーに関しての民間団体との協力というお答えだったと思うんです。私が心配しているのは、国際テロ、ゲリラの脅威に対する情報の収集、そこで民間との協働が必要ではないかということでございますので、この点についてもまた防衛省として御一考いただけたら有り難いと思っております。
 それでは、次、ODAについてちょっと質問させていただきます。
 このODA予算、本年度は令和元年度に続いて増額となっているんですが、ピーク時一兆円を超えていたときの半額に、約半分になってしまっているということであります。そして、今年はコロナの影響でJICAも当面は現地への渡航が難しいという見解を示しております。開発コンサルティング企業などODA関係者らは、試行錯誤しながら何とか事業を進めていると伝えられております。
 そこでお伺いしますけれども、ODAにおける危機管理で近年テロ対策などの強化を進めてきたとは聞いておりますけれども、感染症リスクへの対応の見直しも新たな課題となってきていると思います。この点、どのように対応されているのか、外務大臣にお尋ねいたします。

#157
○国務大臣(茂木敏充君) 新型コロナの世界的な拡大、これ、現代社会の脆弱性、これを浮き彫りにして、政策対応にも様々な見直しが求められていると思っております。
 OECDにおいては、新型コロナは国境にとらわれないグローバルな危機であって、短期的な医療分野での支援はもちろん、中長期的な経済支援も必要との認識が示されておりまして、我が国としてもこの認識、共有をいたしております。
 こうした観点から、我が国は、海外へのコロナ対策支援として四百八十億円の二国間の無償資金協力によります医療機材の提供、先生の資料でも私がラオスの外務大臣に医療機材提供しているところの写真も掲載をしていただいておりますが、そういった供与を通じて、中長期的な視野に立って、医療保健体制が脆弱な途上国への支援、これをかつてないスピードで、例えば交換公文を結ぶのも、これまで大体三か月程度掛かっていたのを一か月に短縮する、こういうすぐに届く支援というのを実施してきているところであります。
 さらに、途上国におけます経済活動の維持、活性化に貢献するため、二年間で最大五千億円の緊急支援円借款も実施をしております。こうした支援、世界各国から高く評価をされておりまして、私も八月に東南アジアを訪問したわけでありますが、東南アジアの国々からも感謝の言葉を直接受けているところであります。
 引き続き、現下の感染症危機を克服するためのワクチンを始めとする支援とともに、将来の健康危機に備える中長期的な視点から、途上国の医療保健システムを強化して、また、水であったりとか衛生分野も含めた幅広い分野での健康安全保障のための支援、行っていきたいと考えております。

#158
○浅田均君 今の御答弁が次の質問の答えの一部になっているんですけれども、今御発言のありましたOECDのDAC加盟の一部の援助国は、既にODAを基本的な生活条件の支援、インフラとか等の支援がメーンだったわけでありますけれども、ODAを基本的な生活条件の支援、それから緊急医療設備の建設、開発途上国の銀行への流動性資産の提供などに組み替えることを表明しておりますが、我が国はどういうふうに対応しているんでしょうか。外務大臣にお尋ねいたします。

#159
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほどの質問がまさにその趣旨だと思ってお答えをしたところでありまして、様々な政策対応の見直しが必要になってくる中で、基本的な生活条件、ここの中には、水の問題であったりとかさらには衛生環境と、こういったものも含まれてくると思いますし、先ほど御説明した緊急医療設備、これも造っていくということが必要だと思っておりますし、経済的にも世界全体で大きな影響をこのコロナで受けていると、その影響というのは十二年前のリーマン・ショックのときよりも大きいと、こんなふうに今言われているところでありまして、そういった国々を支援していくということが必要ではないかなと。
 リーマンというのは先進国の危機でした。また、経済の影響も先進国に出ました。それに対して、今回のコロナ、世界に広がり、先進国もマイナス、途上国もマイナス、こういう状況でありますから、そういった国々に対する財政上の支援、これも極めて重要だと思っております。

#160
○浅田均君 今のところをもう少し詳しくお尋ねしたいんですけど、リーマン・ショックのときは先進国の銀行、流動性がやられたわけで、今回のコロナというのは需要が飛んでしまった、それに対して供給も減ってきているという流れで、いきなりその資金というところまでは行っていないわけですよね、我が国においてはまだ。
 それから、開発途上国への銀行のその流動性資産の提供、お金を貸すということになると思いますけれども、こういうことに対して、組替えとかですね、今ODA予算があってJICAでいろいろやっていただいていますけれども、そういうのの組替えとかいうのは考えていないんですか。

#161
○国務大臣(茂木敏充君) 今回のコロナ危機、リーマン・ショックと比べてみますと、リーマン・ショックというのは、リーマン・ブラザーズという大きな証券会社が破綻をすると、それによりまして、金融そしてマーケットシステムが混乱をしまして、最終的にはそれが実体経済に及ぶ、こういった形で危機に陥ったわけでありますが、どちらかといいますと、それは先進国における危機でありまして、当時は、中国であったりとかBRICSの国々はプラス成長続けておりました。
 今回はそうではなくて、それがマイナスになる。特に、各国がいろんな移動制限等々を掛ける中で、これまでも財政状況が厳しかった途上国、こういった国においては、財政、これもう極めて厳しい状態になっておりまして、債務についてリスケをすると、こういった対応も必要になってくると思っております。
 そこの中で、その個々の銀行をどうしていくかと、こういう問題については、今後の状況等考えながら検討していきたいと思っています。

#162
○浅田均君 今、コロナに対応して、DACで決められている援助を必要なところに回していくということに関してお尋ねしたわけでありますが、そもそも、冒頭申し上げましたように、一番多かったときは一兆円を超えていたODA予算が半分ぐらいになってしまっていると。五千六百億円ぐらいですか。
 このODA予算について、今後我が国はどういう方針で臨まれるのか。増やしてほしいとは思うんですけれども、どういう方針で臨まれるんでしょうか。

#163
○国務大臣(茂木敏充君) 浅田委員御指摘のとおり、政府全体のODA予算、これは、我が国の財政状況が厳しくなっていると、こういうこともあって、ピーク時、これが平成九年、一九九七年頃になるんですが、それと比べて半減という厳しい状況にあるわけであります。
 一方で、ODAを通じた我が国の開発協力につきましては、先ほど申し上げたように、開発途上国から非常に高く評価をされておりまして、相手国との関係強化、さらにはSDGsの達成を含めて我が国の国際社会における主導的役割を果たしていく、こういうことからも重要な政策ツールであると考えております。
 こういった重要性を踏まえて、これまでODAの予算の増額、毎年財務省と折衝をしているわけでありますが、外務省としてのODA予算は十年連続、また政府全体のODA予算は五年連続で増加をしているわけであります。
 そこに来てまた今のコロナ危機という状況であります。そして、自由で開かれたインド太平洋と、これを具体化していく、SDGs、これを達成していく、様々な課題がある中で、しっかりと予算を確保して対応してまいりたいと思っております。

#164
○浅田均君 ありがとうございました。
 これで終わります。

#165
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚でございます。
 今日は一般質疑ですが、先週、日英EPAの本会議質問させていただきましたので、その本会議での答弁に関連して、幾つかまず確認をさせていただきたいと思います。
 まず、外務大臣にお伺いしますけれども、日英EPAとRCEPとの関連でお伺いしたんですが、RCEPでも電子商取引分野に関しては協定発効後に各国と協議すると答弁されたんですが、それは、今回も協議したけど合意に至らなかったという意味なのか、協議そのものがなかったという意味なのか、事実関係だけ教えてください。

#166
○国務大臣(茂木敏充君) 事実関係でいいますと、協議を行いました。そして、協議を行って合意した事項もあります。さらには、協議を行った結果、協定発効後に締約国と更に協議をすると、こうなった項目もあるわけでありまして、合意に至った項目、これは、情報の越境移転の制限の禁止であったり、コンピューター関連施設の設置要求の禁止等について規定しまして、電子商取引章、RCEPの中の、これが設けられたところであります。
 他方、ソースコードの開示要求の禁止等につきましては、交渉の結果、協定発効後に締約国と協議することになったものであります。RCEP協定発効後に電子商取引分野のルールの更なる発展に向けて、あり得べき制度について引き続き各国と議論していきたいと思っております。
 もちろん、日米デジタル貿易協定とか今回の日英の包括的経済連携協定と比べますと、参加している国、これは後発途上国もあるわけでありまして、様々なサービス分野であったりとかルールの分野については課題はあると思っておりますが、少なくとも一歩大きな前進をしたのは間違いないと、こんなふうに考えております。

#167
○大塚耕平君 前進という意味では僕も同じ認識を持っていますが、今いみじくも大臣もおっしゃられましたように、合意はしたけど一歩前進で、例えば日英EPAなんかと比べると足らざる点が多々あるということだと思います。
 今の御説明ですと、デジタルに関するいわゆるTPP三原則のうちの二つは合意をし、しかもその三原則の中身の書き方的にいうと、随分、緩いとは言いませんが、少し大ざっぱな書き方になっているなという認識を持っています。
 今後、これをバージョンアップしていく過程で、TPP三原則的なもの、あるいは日英EPAや日米デジタル協定に入っている内容がそのまま反映されれば、それと同じレベルになるということなんですが、さりながら、本会議の質問、どういうふうに御理解くださったか分かりませんけれども、その日英EPAや日米デジタル協定の条約文書としてコンファームされて書かれているものもよくよく読み解いていかないと、それと同じものをRCEPに反映したり、あるいは中国との新たな協定や条約で合意したとしても、それで十分かどうかという注意力はやっぱり必要だと思うんですね。
 そういう意味で梶山大臣にもお伺いしたんですけれども、例えばコンピューター関連設備をわざわざサーバー及び記憶装置に限定列挙した理由を伺いましたら、それはTPPや日米デジタル協定の定義と同じですと述べるにとどまって、理由は何もおっしゃっていないんですよ。そうであるならば、なぜTPPや日米デジタル協定でも限定列挙にとどめたのかと、そこをお答えいただきたかったんですが、特段お答えがなかったので、今日は経産省にお答えいただきます。
 なぜTPPや日米デジタル協定でもわざわざサーバーと記憶装置、この二つに限っているんですか。

#168
○政府参考人(田村暁彦君) 御説明申し上げます。
 TPPや日米デジタル協定におきましては、コンピューター関連設備は、累次にわたります交渉の結果、商業上の利用のために情報を処理し、又は保存するためのコンピューターサーバー及び記憶装置と定義をいたしております。
 交渉相手国との関係から、交渉の詳細な経緯につきましては言及を差し控えさせていただきますけれども、委員御指摘のとおり、技術の進歩あるいはビジネスの変化等に関しまして重要な考慮をしていく必要、重要な考慮と考える必要がございます。このような考慮をいたしまして、協定を行うたびに我が国産業界等利害関係者とは適切に議論を行ってきておるところでございます。
 コンピューター関連設備の設置条の導入に関しましては、これまで産業界等利害関係者の方々から歓迎のコメントを頂戴しておりまして、これまでのところ限定列挙が問題であるという御意見は頂戴してございませんけれども、いずれにいたしましても、電子商取引のルールの在り方に関しましては、委員御指摘のとおり、最新の実態を適切に反映させるべく、引き続き御指導等賜りながら、産業界や専門家等との意見交換を踏まえつつ、対応を行ってまいりたいと考えてございます。

#169
○大塚耕平君 より幅広く規定しておかないと、これは今おっしゃった考えの背景には、基本的にはデータの格納場所と知的財産を保護するという意図なり意欲が読み取れるんですが、それが保存される場所というのは技術進歩とともに変わっていきますので、わざわざサーバーと記憶装置というふうに限定しておく必要もないし、しからば、じゃ、それ以外のものがそれと代替する機能を果たせるのならばそういう形にしようと考えるのが相手国でありますので、今後の交渉においてはいろいろ工夫をしていただきたいなと思います。
 同様に、ソースコードについても梶山大臣に伺いましたら、同じような答えだったんですね。ソースコードについても伺いますが、なぜTPP及び日米デジタル協定でもソースコードの定義を行わなかったんですか。

#170
○政府参考人(田村暁彦君) 御説明申し上げます。
 一般に、ソースコードと申しますと、プログラミング言語で書かれました文字列を意味してございます。TPP、日米デジタル貿易協定含めまして、過去の協定におきまして、交渉の結果、特段の定義規定を設けてきておらない次第でございます。
 交渉の詳細の経緯につきましての言及は差し控えさせていただきますものの、先ほど申し上げましたコンピューター関連設備設置条と同様に、ソースコード条につきましても協定交渉を行うたびに我が国産業界等利害関係者の方々との議論を適切に行ってまいっておりまして、これまでのところ、これらの方々から歓迎のコメントを頂戴しておるところでございます。
 いずれにいたしましても、電子商取引のルールに関しましては、先生御指摘のとおり、最新の実態を適切に反映させながら、引き続き、産業界や専門家の方々との意見交換を踏まえつつ、対応を行ってまいりたいと考えております。

#171
○大塚耕平君 引き続き関心持って関わらせていただきますので、よろしくお願いします。
 今日は金融庁にも来ていただいているんですが、同様の趣旨で金融サービスについても聞いたんですけれども、金融担当大臣にもおいでいただいて、金融上の規制及び監督の適当な限度を超えなければ当局が何がしか金融サービス事業者のコンピューターの設置等々に関して要求をしてもいいと、こういう組立てになっているんですね。
 したがって、適当な限度とは何かというのが一番問題になるんですが、一般的に恣意的かつ過剰とならない範囲と麻生大臣お述べになって、それは分かるんですけれども、特定の国を想定した話ではないものの、例えばかの国が、我が国において金融サービスを提供する事業者は我が国国内にコンピューター及び記憶装置を設置しろといって法律に書いたら、それは法定事項ですから、しかも当局の権能は除外するといって、元々条約上もそうなっていますから、もう問答無用で置かざるを得なくなるわけですよね。そういう状況は是認しているという理解でいいですか。

#172
○政府参考人(天谷知子君) お答えいたします。
 今、ただいま御指摘ございましたように、日英EPAにおきましては、相手国の金融サービス提供者に対して自国内にコンピューター関連設備を設置することを要求することを禁止する一方で、効果的な金融上の規制及び監督のために適当な限度においてこうした要求を行う権利を認めております。また、この適当な限度につきましては、先般、金融担当大臣の方から、一般的に恣意的かつ過剰とならない範囲と解される旨答弁をさせていただきました。
 この情報へのアクセスやコンピューター関連設備の設置要求が適当な限度に当たるか否かにつきましては、個別具体的な事案に応じまして金融上の規制及び監督のために恣意的かつ過剰とならない範囲であるかが判断されるものでありまして、相手国の法律に規定してあることをもって直ちに適当な限度に当たるというふうに判断されるものではございません。
 実際に、今回の場合でいいますと英国ということになりますが、英国の金融当局が日本の金融機関に対して英国内にコンピューター関連設備の設置を要求するというようなことをやる場合におきましては、まず、英国金融当局が実行可能な範囲内で当該日本の金融機関に対し情報のアクセスが不十分であることを改善するための適当な機会を与えること、また、英国の金融規制当局が日本の金融規制当局と事前に協議を行うことといったことが要件として定められておりまして、こうした規定を通じまして本規定の適切な運用を確保されるものというふうに考えております。

#173
○大塚耕平君 今、相手国の法律に書かれているからといって一概にそれが適当な限度とは言えないと、そうおっしゃったので、それをベンチマークにちょっと今後考えさせていただきますが、ちょっとあと数分残っているんですけれども、今のような話にも関連して、北村委員が尖閣の話聞いておられましたけれども、外務大臣、尖閣については、中国の領海法に尖閣は中国固有の領土だと書いてあるということは御存じですか。

#174
○国務大臣(茂木敏充君) 外国の法律について私が何らかのコメントをすることがまた誤解を生む可能性もありますので、お答えは差し控えます。

#175
○大塚耕平君 順番が後ろの方だと、どうしてもいろいろ興味深い質問を前の方にしていただくのでついでに聞いてしまうのですが、一回調べてみてください。私の記憶では、一九九二年の中国の領海法に尖閣は中国の固有の領土と書かれてあると文献で読んだ気がします。ただ、今、天谷さん言うように、その相手の国の法律に書いてあるからといって、はい、そうですかというわけにいかない分野がいっぱいあるわけですが、さりながら、あの米中の貿易摩擦見ていると、アメリカも中国も同じですけれども、自国の法律の域外適用ということについては、もうこれまでの国際法の常識を無視してやっているわけですよね。
 そう考えると、仮に中国の国内法に尖閣は中国固有の領土だというふうに書いてあるとしたら、日本は何らかの法的な対抗措置をとらないと国際社会に対しての訴求力を弱めるかもしれないので、その点についてはどうお感じになりますか。

#176
○国務大臣(茂木敏充君) 私は全くそんなふうには考えておりません。
 尖閣諸島に関しましては、歴史的にも、また国際法上も我が国の領土であると、このことは間違いない事実でありまして、実際に我が国はここを有効に支配をしておりますし、尖閣に関わりますこの領有権の問題そのものが存在しないわけでありますから、どこの国がどう法律で書こうが、固められている、その何というか、国際法上の解釈、また歴史的な事実、これは曲げられないと思っております。

#177
○大塚耕平君 尖閣は固有の領土とおっしゃいますが、北方領土も固有の領土とここで言えますか。

#178
○国務大臣(茂木敏充君) 我が国が領有権持っている島々であると、このように考えております。

#179
○大塚耕平君 この件は、去年の通常国会の予算委員会で安倍さんに質問させていただいて、なかなか固有の領土とおっしゃらないのでびっくりしちゃったんですけども、また別の機会に聞かせていただきます。
 防衛大臣にも一つだけ。またイージスの話が出ていましたので、基本認識を確認させてほしいんですが、私もずっとイージス、ミサイル防衛システムのことは関心持ってずっとフォローさせていただいているんですが、結局、イージス・アショアの話が出てきたときに、イージス艦は海自、PAC3は空自、イージス・アショアは陸自という、こういうすみ分けで三軍ともミサイル防衛システムに関わるんだという、こういう説明を聞いたような気がするんですが、もし今度洋上プラットフォームでイージス・アショアの代わりをやるとした場合に、それはあれですか、海自の担当ですか、陸自の担当ですか。

#180
○国務大臣(岸信夫君) これまでも御答弁させていただいたように、移動式の洋上プラットフォームを何にするかということもまだ決まっていないわけでございます。その中で、自衛隊の運用についてもこれは今後検討していかなければいけません。人材を有効活用していくという観点も含めて今後検討してまいりたいと思っています。

#181
○大塚耕平君 頭の体操ですけれども、もちろんまだ決まっていないので、確定的なことをおっしゃっていただく必要はなくていいんですが、洋上プラットフォームであったり、あるいはイージス艦的なものになるのかもしれないんですが、その場合、引き続きイージス・アショアの担当であった陸自が担当することも頭の体操的にはあり得るということでいいですか。

#182
○国務大臣(岸信夫君) これは本当に運用の問題であって、どのようなプラットフォームにするかということによっても、どの部隊を、陸海空どこになるのかということも含めて今後考えていかなければいけない、検討していく項目の一つであります。

#183
○大塚耕平君 いろいろ我々が知り得ないことも多いとは思うんですけれども、繰り返しになりますが、陸海空三自衛隊それぞれがミサイル防衛に関わるという説明を聞いていたような気がするものですから、そうじゃない体制になるとしたら、やはりその過去の説明や実際の防衛機能との整合性の問題もありますし、それから、SPY6とSPY7は当然、メーカーが違う、仕様も違う、性能も違う、おまけにアメリカの海軍はSPY6を導入している等々ですね、いろんな要因が絡んで今々迷走していると思うんですが、是非論理的な説明が成り立つ決着を付けていただきたいのと同様に、第一に日本の防衛能力を高めるための合理的な判断をしていただきたいと、ほかの要因に左右されないようにしていただきたいということをお願い申し上げて、終わります。

#184
○委員長(長峯誠君) 外務大臣は御退席いただいて結構です。

#185
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 イージス・アショアの代替案についてお聞きいたします。
 防衛省が国内の民間業者との間で契約した検討、調査の中間報告が出ました。概要について通告しておりましたけど、先ほど答弁がありましたので、これは割愛をいたします。
 あのイージス・アショアの構成品を移動式の洋上プラットフォームに搭載をする方向で、それらの構成品が洋上でも問題なく作動するか、BMDの性能は洋上でも発揮できるか、そして国内の民間業者に設計、建造が可能かという視点で、お手元の資料にありますように四つのプランに基づいて検討をされました。
 中間報告を受けて、船体、機能共にイージス艦「まや」型をベースにするこのプランAが最有力とされております。これ見ますと、導入コストは二千四百から二千五百億円以上というふうになっております。
 ところが、朝方の質疑で白委員が配られた資料を見ますと、昨年五月のアショア導入の地元説明会の際に、アショアの方がイージス艦よりも費用対効果が優れているという説明がされて、イージス艦の導入経費はおよそ二千億円とされております。
 何で同じイージス艦でこの二千億が五百億円も膨れ上がってしまうのか、まずお答えください。

#186
○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 今回、検討でお示しいたしました「まや」型をベースとしたプランAを含めた導入コストにつきましては、まず現時点で、米側、米国政府及びロッキード・マーチン社でございますが、こちらや国内事業者から入手可能な情報を基に試算したものでございまして、あくまでも、先ほどもちょっと御答弁申し上げたところでございますが、経費の規模感を示すものとして御理解いただければと思います。
 その上で、今御指摘の導入コストに関しましては、主としてイージスシステムなどのFMS調達分、SPY7の直接調達、いわゆるダイレクト・コマーシャル・セールスと言われている分でございますが、この分、それと、プラットフォームの建造、VLSの取得や自己防護兵装の取得などに要する経費で構成されておりまして、イージスシステムなどのハードウエアやソフトウエアを洋上仕様に変更するための経費はこれらに含まれておるところでございます。
 委員御指摘の関係でございますが、御指摘の地元説明会でお示ししましたイージス艦を導入する場合の約二千億円という金額につきましては、米海軍が予算要求いたしました建造中の次期イージス艦アーレイバーク級フライト3艦の一隻の調達経費を公刊情報に基づいて例示したものでございます。そのため、お示ししました「まや」型ベースのプランAの導入コストは、今般の中間報告等を踏まえて試算したものである一方、御地元へ御説明する際に示しましたイージス艦の経費につきましては、公刊情報に基づいてアメリカの次期イージス艦の経費を例示したものであるため、過去の説明と比較して経費が増額したというものではないと理解しているところでございます。
 お示ししている導入コストにつきましては、洋上プラットフォームの搭載機能、任務、残存性、形態などの検討や民間事業者におけるプラットフォームの最適化の検討によって更に精緻化していく必要があるため、今後、変更が当然のことながらあり得るところでございますが、いずれにいたしましても、厳しい財政事情等も踏まえつつ、導入コストを含めたイージス・アショアの代替案に係る経費を精査してまいる所存でございます。

#187
○井上哲士君 元々「まや」型は二千億よりもっと低い千八百億とかで説明されていたものですよね。それより金額上がるというのは、結局SPY7を載せるために大型化をすると、この費用が掛かっているんじゃないですか。

#188
○政府参考人(土本英樹君) 繰り返しになって恐縮でございますが、まず、今回検討でお示ししましたプランAとして記載されている「まや」型ベースを含めた導入コストにつきましては、先ほど御説明したとおり、あくまで経費の規模感を示すものということでございます。そのため、今回検討でお示ししております導入コストにつきましては、今後精緻化する必要があるものでありまして、実際の艦艇の調達経費と単純に比較することは適切でないと考えているところでございます。
 その上で、委員御指摘の関係でございますが、あえて申し上げれば、「まや」型護衛艦につきましては、その調達経費は約一千七百億円でございましたが、今回の検討でお示ししました「まや」型ベースの案と比べると、まず一つは、SPY7より性能劣っているSPY1Dを「まや」型イージス艦は搭載していると、この点の違いがございますし、船体規模が小さいなど、その諸元は同一でないというところがございますので、経費の違いというのは当然そういう形で出てくるということでございます。

#189
○井上哲士君 いろいろ言われましたけど、船体規模が同一でない、約十メーター程度伸ばすとかということも言われているわけですね。
 結局、アショアで使うSPY7を、断念しても解約せずにこれに載せるということに伴って大型化であるとか、そして陸上から海上で使うことによる強度を上げるとか、これで金額が膨れ上がっていると。二隻で五千億でありますから、アショアの二基の四千億より一千億円高くなるんですね。しかも、この表を見ていただきますと、これにとどまらないと。実射試験に要する経費や人材育成関連経費は含んでいないということですから、どこまで膨れ上がるか分からないということであります。
 さらに、維持整備費の問題ですけれども、これもお手元の表を見ていただきますと、イージス艦「まや」型をベースにした場合の維持整備費について、下の米印二を見ていただきますと、搭載装備品が確定していないこともあり、精緻な金額を試算することは困難だとして数字は示されておりません。しかし、これも先ほどの地元説明会の資料を見ますと、イージス艦の三十年間のライフサイクルコストは七千億円ともう明記してあるんですね。
 なぜこの七千億円をおおよその数としても使わなかったのか。この七千億円よりもうんと減るようなそういうめどがあるということなんでしょうか。お答えください。

#190
○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 配備プロセスを停止する以前におきまして、海上自衛隊の最新の「まや」型のイージス艦二隻の取得及び三十年間にわたる維持運用などに要する経費、いわゆるライフサイクルコストでございますが、約七千億円を要するものと、今委員御指摘の点でございますが、と見積もっていると説明してきたところでございます。
 他方、今回の中間報告等においてお示ししました洋上プラットフォームを形態、機能の観点から場合分けした各プランの一基当たりの総経費につきましては、まず、導入コストにつきましては、あくまで仮の要求性能を設定して試算することで経費の規模感、先ほど御説明しましたとおり経費の規模感をお示ししたものであり、必ずしも今回お示しした四つのプランの中から選んで事業化するわけではないという点がまず第一点ございますし、あと、二点目の三十年間の維持整備費等につきましては、搭載する装備品の細部仕様や運用形態等、様々な要素を検討する必要があるため、現時点で精緻な総経費をお示しすることは困難だということでございます。
 そのため、「まや」型イージス艦二隻のライフサイクルコストと、今回お示ししました各プランを参考に検討を進めるイージス・アショアの代替案の総経費を比較し、具体的にどの程度の金額差が生じるかをお答えすることは困難でございます。
 いずれにいたしましても、厳しい財政事情等も踏まえつつ、運用構想や要求性能の細部の検討を通じまして、イージス・アショアの代替案の総経費を精査してまいる所存でございます。

#191
○井上哲士君 いろいろ言われましたけど、プランBからDの民間船舶ベースとかセミサブリグベースというのはこれまで検討されていなかった話なんですよ。しかし、イージス艦使うというのは、この間、皆さんが比較のために出してきたカードなんですね。
 今いろいろおっしゃいましたけど、中間報告では、この「まや」型を大型化することによって、推進性能や船体構造など見直しが必要としているんですよ。そうなれば特別な船体になりますから、むしろ維持整備費が増えるということはあっても、私減るとは考えにくいと思うんですけれども、防衛省としてはこの金額が減るというようなめどを持っているのかどうか、お答えください。

#192
○政府参考人(土本英樹君) 繰り返しになって大変恐縮でございますが、維持整備費等につきましては、海上自衛隊のイージス艦の維持整備実績や米側情報を基にした主要な構成要素について一定の情報を有していることは事実でございますが、先ほど申しましたとおり、搭載する装備品の細部仕様や運用の形態等、様々な要因によって今後変動があることに鑑みまして、現時点で具体的な数字で御報告し、比較することは適切でないと考えているところでございます。

#193
○井上哲士君 あのね、アショアが安上がりだという説明のときにはこの数字出して、今度はイージス艦に変えようというときにはこういう数字を示さないと。御都合主義ですよ、本当に。こういういいかげんなやり方がやっぱり厳しく批判されてきたわけですね。
 しかも、アメリカが実際に運用しているSPY6と違って、SPY7は日本独自仕様でありますし、実際使われた実績がないわけですよね。そうしますと、今後、継続的な技術更新などの費用負担が更にかさむと、こう指摘されていますけれども、その可能性はどうお考えでしょうか。

#194
○政府参考人(土本英樹君) まず冒頭、米海軍は、SPY6、導入は決定をしておりますが、まだ運用実績はないと承知しているところでございます。
 その上で、二〇一八年七月に実施いたしましたイージス・アショアのレーダー等の構成品の選定におきまして、今委員御指摘のSPY6とSPY7、二〇一八年七月の選定時はLMSSRとの名称でございましたが、これの比較を行った際、基本性能に加え、後方支援、経費についてもSPY7の方が優れていると評価されたため、防衛省としてはSPY7をまず選定したという経緯があるところでございます。
 また、SPY7は、より広いエリア、高い高度において目標を探知可能で、また同時により多くの目標を追尾できるため、ロフテッド軌道のミサイルや同時発射された複数のミサイルへの対処能力の向上を図ることができるため、我が国のニーズに適したものであると考えられるところでございます。
 その上で、今委員御指摘の観点でございますが、使用するレーダーがSPY7であってもSPY6であっても、将来的に必要なアップデートは当然逐次行っていくということになるところでございます。それに伴って、いずれのレーダーにありましても所要の経費が必要になると考えているところでございます。

#195
○井上哲士君 私言いたいのは、米軍が使う、使って多くのところで使われるものと、日本の独自、事実上の独自仕様のものであれば、当然、いろんな費用の問題でかさむんじゃないかと、こういう指摘がいろんなところでされているけれども、それについてお聞きしているんです。いかがでしょうか。

#196
○政府参考人(土本英樹君) 今委員御指摘の、システムのアップグレードといいますか、技術更新の関係でございますが、まず、先ほどちょっと申しましたが、SPY7、我々が今導入しようとしているものは、SPY7というレーダーに、イージス・ウエポン・システムはベースライン9というものでございます。このイージス・ウエポン・システムというのがまさに弾道軌道を計算し、迎撃点を計算するという、ある意味コンピューター部分でございますが、まず、このベースライン9につきましては、日米で多くの使用実績があるのみならず、今後もアップデートが続けられていくというものであると承知しているところでございます。
 あと、今、委員御指摘の新たな脅威への対処能力の向上とか、あと、更に言えば、バグや不具合の修正等そのソフトウエアを作成している、ロッキード・マーチン社でございますが、これが、ロッキード・マーチン社が全てのソフトウエアコードを一元的に管理、共有するシステム、これコモン・ソース・ライブラリー、CSLと申しますが、これを導入しているため、プラットフォームの種類やそのベースラインの、先ほど申しました9とか10とか、そういう違いにかかわらず、我が国のアセットも米海軍や他国軍のアセットに適用されたアップデートや能力向上プログラムを必要に応じて随時適用できると、このようになると承知しておりまして、必ずしも委員御指摘のように、ベースライン9であるとその不利益が被るということはないというふうに承知しているところでございます。

#197
○井上哲士君 ベースライン9のことだけを言っているんじゃないんですね。
 要するに、日本の独自仕様になることによって、やはり様々な費用の負担が大きくなるんじゃないかということを言っておりますし、これ多くの専門家の方が指摘をされている問題であります。
 元々、イージス・アショアは、最初二基千六百億円という話から始まって、トータルで四千五百億円とかいう話になり、更に膨れ上がりました。今回の断念のときも、ソフトだけでなくてハードの改良も必要で、それに二千億円掛かると。だから、費用対効果で問題だということで断念したはずなのに、実際にはこの代替案では維持整備費を加えますと一兆円を超える、更に迎撃ミサイルの費用も掛かるわけでありまして、青天井ですよね。私、コロナ禍の下で、本当に国民の命、暮らしを守る予算必要なときに、こういうずさんなやり方でいいのかということが本当に問われていると思います。
 更に聞きますけれども、アショア導入の際には、防衛省は、ミサイル防衛任務に就くイージス艦の乗務員が長期の洋上勤務を繰り返し強いられるという問題を解消して、二十四時間三百六十五日体制での監視を可能にすると強調してきましたけれども、この新たなイージス艦の代替案というのはこういう説明とは逆行するんじゃないでしょうか。

#198
○政府参考人(岡真臣君) 現時点におきまして、この移動式のプラットフォームを具体的に何にするかということは決まっておりませんで、その運用主体ということについても確定はしておりません。
 先ほど来お話がございますが、今般の中間報告等を踏まえて、イージス・アショアの構成品を移動式の洋上プラットフォームに搭載する方向で引き続き検討を進めているところでございます。
 その上で、イージス艦につきましては八隻体制にするということでやってきているわけでございますけれども、この八隻のみで対応する場合と比較をすれば、イージス艦八隻にイージス・アショアを代替するアセットを組み合わせて対応を行う場合には、イージス艦のBMDの任務所要を相当程度減少させられるものと考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、イージス艦のBMD任務負担や隊員の負担の軽減には留意しつつ、検討を進めてまいりたいと考えております。

#199
○井上哲士君 元々、八隻体制にするというときに、皆さんは、それによって、それと最新型の迎撃ミサイル導入をして、日本全国を継続的に防護することが可能になると説明していたんですよ。そこにトランプ大統領からアメリカ兵器の追加購入を迫られて、突如このイージス・アショアというものが上から決まったという形でありまして、費用が少ないという点でも、海上自衛隊の負担問題解消という点でも、これまでの説明は何だったのかということになるわけですね。
 私、こういうずさんなやり方を本当にやれば、国民の信頼は一層失われると思いますし、結局配備断念もそこが大きな問題だったわけですね。何の反省もないんじゃないかと考えますが、大臣、これやっぱり根本的に見直すべきじゃないでしょうか。

#200
○国務大臣(岸信夫君) 防衛省として、イージス・アショアの代替案に関連するまず経費につきましては、今回の中間報告を踏まえて初めてお示しをしたところでございます。その上で、今回の中間報告においてお示しした洋上プラットフォームを形態、機能の観点から場合分けした各プランの一基当たりの総経費について、導入コストについてはあくまで仮の要求性能を設定して試算するということで経費の規模感をお示ししたものであります。必ずしも今回お示しした四つのプランの中から選んで事業化するということではなく、三十年間の維持整備費等については、搭載する装備品の細部の仕様、運用の形態、様々な要素を検討する必要があります。現時点で精緻な総経費をお示しすることが困難であるということを是非御理解をいただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、厳しい財政事情も踏まえつつ、運用構想や要求性能の細部を、検討を通じまして、イージス・アショア代替案の総経費を精査してまいりたいと考えております。

#201
○井上哲士君 時間ですので終わりますが、イージス・アショアはとにかく配備ありきで、もうずさんな調査、説明が行われて破綻をしたわけですよ。私は、結局その繰り返しでありまして、破綻は明白であるし、代替案も含めて断念をするべきだということを申し上げまして、質問を終わります。

#202
○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
 政府は、米軍普天間飛行場の負担軽減のためにできることは全てやるとの考えで、前回の委員会でも防衛大臣が繰り返し強調されているように、空中給油機の県外移転、訓練移転、緊急時航空機受入れ機能の移転などに取り組んできました。その一方で、宜野湾市に対する、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律、いわゆる環境整備法に基づく九条交付金の交付額は増加しており、この要因として、飛行回数が増え、また外来機の飛来や夜間飛行も増えていることが防衛省の答弁から確認されました。
   〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕
 政府の言う負担軽減策には、築城、新田原への機能移転で約三百十四億円、平成二十年度から令和二年度までのオスプレイの訓練移転費、国内及びグアムに約百一億円、そのほか、岩国の総建設費が五千五百二十億円、鹿屋も整備しておりますが、これは額が不明でございますが、莫大な税金が支出されています。加えて、本日の報告にもあるように、グアム移転に三千五百億円、辺野古新基地建設に九千三百億円もあり、加えると何と一兆八千七百三十五億円になります。岩国の分から五千億を引いたとしても一兆三千七百三十五億円です。これだけの財政負担をして、普天間の危険性や負担軽減に全くなっていないというのは驚くべきことです。
 質問に入る前に、本日の配付資料をお示しして普天間飛行場の現状を説明します。
 お手元に配付資料ございますが、最初の一枚目は普天間飛行場における外来機の飛行状況です。これで分かりますように、平成二十九年、三十年、令和元年と、オレンジの濃い色ですけれども、急激に増えていることが分かります。平成三十年の常駐機の、この固定翼機の場合は、これたまたま機体移動のため二機おりまして、その分が二倍になっておりますが、令和元年には一機だけになっております。
 それから二枚目の方は、前回質疑をしましたいわゆる特定周辺整備調整交付金に係るものですけれども、ここの特に黄色いところの方ですね、平成三十年度は五万八千五百回以上六万五千回未満というランクにも位置付けられるようになっている。棒のところ、二倍にも増えているわけですね。そういう、この計算式等は特殊な計算の仕方をしているようでございますから。それにしても負担は極めて大きいです。
 次のページは、二〇一二年のオスプレイ配備に伴う米国が行った環境レビューなんです。指摘しているのは、この普天間飛行場にはクリアゾーンが設定されているけれども、それがいわゆる住民地区に広がっているということが書かれております。このクリアゾーンというのは、そもそも事故可能性ゾーンと言いまして、本来ならばあらゆる構築物があってはならないと、利用をしてはならない土地ということが指定されているわけでありますから、極めて重大なことなんですね。
   〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕
 次のページが、その環境レビューに示された図です。この両端に広がる大きな台形がクリアゾーンでありまして、そういう、中の方はヘリのクリアゾーンなんですけれども、固定翼機のものが大きく基地外にはみ出ていることが分かります。
 次のページ、五ページ目ですけれども、これは宜野湾市で作られた資料でございまして、まさにこのクリアゾーンの中に普天間第二小学校が入っているわけですよ。まさにこの普天間第二小学校というのは、いつでも墜落する可能性のあるエリア、その中でずっと放置されていると、このことをやはり重大な問題だと思っております。
 六ページ、七ページですけれども、実は二〇一七年十二月十三日に米軍ヘリの窓が落ちました。それ以降、防衛省から、沖縄防衛局から監視員が来て、一応、ヘリが飛んできたら逃げろと言って逃がす、そういうことをやっておりました。事故が起きても、今、写真にありますように、ヘリは連隊でこうして飛んでくるわけですね。
 その次のページを見ますと、子供たちが逃げている様子なんですが、逃げるためのシェルターまで造ってくれたんですね、日本政府は。いわゆる、ここへ逃げなさいと。それで、その当時、二月の十三日から九月十一日まで、何と七百六回も、要するに警告を出して逃がしている。
 その後、十月になって、あとは自分で逃げなさいといって防衛局は行かなくなっているわけですけれども、現状はこのまま放置されているわけですね。つまり、飛行機が来たら逃げなさいよというだけの話になっています。
 次のページ、八ページですけれども、これは実は二〇〇四年の八月の沖縄国際大学へのヘリ墜落後、一年半掛けて日米が合意した飛行ルートの設定合意なんですね。ところが現実は、こんな飛行ルートで飛んでいないんですよね。本当にもうあちこち飛んでいます。普天間から出るときのルートも設定されているんですけれども、その飛び方はしていない。というのは、そこのルートの下には普天間第二小学校もありませんし、その一週間前に墜落、落下物があった緑ケ丘保育園もないんですね。でも、日常的にはもう毎日ここを飛んでいるんですね。そういう現状が今の状況です。
 これに対して、九ページ目は朝日の記事ですけれども、駐日大使だったアマコスト氏が、事故が起きたら本当に日米関係に壊滅的な影響を及ぼしますよ、こういう記事をインタビューでちゃんと答えているんですね。
 十ページ目が、実は沖縄県が他国地位協定調査というのをやりまして、これは翁長知事の頃のものなんですけれども、これ、いわゆる同盟国じゃなかったところ、敵国だったところ、イタリアとかドイツとかの部分なんですけれども、そこでも、いかにほかのところがちゃんと自国で米軍というものを管理をしているかということが書かれております。
 それから十一ページ目ですけれども、これが平成二十五年から三十年に至る苦情の件数なんですが、その前もっと少ないんですけれども、二百四十から四百五十八、あるいは三百六十と、どんどん増えているわけですね。こういう現状が放置されているんですよね。
 そのことを含めて、私は、やはりこういうことはちゃんと解決しなきゃならないと、こういうことをこの委員会で指摘をしていきたいと、このように思っております。
 そこで質問に入りますけれども、今説明しながら、米軍に対し、普天間の負担軽減が必要なので、日本政府が費用を負担しますから、どうか訓練や機能を移転してくださいと頼んで、先ほど申し上げた国民の税金を支払って、百一億円ですけれども、米軍は、払って、そこから外してもらっても、米軍、空いた空域や滑走路に外来機を飛来させて米軍機の訓練を行い、結果として飛行回数が増えているわけです。これでは全く負担軽減にならないのは誰が見ても明らかです。こんなことを主権国家の政府が容認してよいわけがありません。
 前回、岸大臣は、訓練の移転によって普天間飛行場に所在する航空機が長期間沖縄を離れるということになりますので、その間の訓練の時間が削減されるという効果はあると発言をされています。
 そこでお伺いしますけれども、沖縄防衛局の平成二十九年度以降の普天間飛行場における航空機の離発着、離着陸状況調査において航空機の訓練時間を調査しているんですか。

#203
○政府参考人(鈴木敦夫君) 普天間飛行場につきましては、航空機に起因する騒音の実態を把握することを目的といたしまして、二〇一七年、平成二十九年度以降、外来機を含む全機種の離発着等の回数を確認する目視調査を実施していますが、航空機の訓練時間について把握しているものではございません。
 ただ、今後もこうした目視調査を継続して引き続き実態把握に努めるとともに、米側に対して、航空機の運用に当たりましては地元の皆様に与える影響を最小限にとどめるよう申し入れてまいりたいと思ってございます。

#204
○伊波洋一君 先ほどの回数の資料、あるいは苦情の様子を見ても分かりますけれども、市当局は、何度も沖縄防衛局や、あるいは直接防衛省まで行って、この外来機の飛来を少なくするよう、止めるよう言ってきているんですね。それにもかかわらず、ずっと放置されているわけです。
 結果的に、その移転に行ったオスプレイ、確かにグアムに行ったかもしれない、あるいは他県に行ったかもしれないけれども、別に、オスプレイも別にあるわけです。それが、ヘリコプターもある、CH53とかH1とかですね、この部分が空いた空間を使うし、なおかつ外来機が来るわけですよ。それも、前回の委員会でも言ったように、ジェット戦闘機、あるいはジェットの輸送機、あるいはジェットの哨戒機などが来るわけですよ。より大きい騒音を出すものが来るということなんですね。それが大きな負担になっています。
 そこで、伺いますけれども、岸大臣、トータルの航空機の飛行回数が増えていれば、たとえ訓練の時間が正確に把握できていなくても、基地の負担が増えていることは明らかではありませんか。基地の負担が増えているということをお認めになりませんか。

#205
○政府参考人(鈴木敦夫君) 御指摘でございますけれども、確かに、実際のこの訓練移転、これに伴うところのその実感ということについては、なかなか受け止めが難しいところもあるかと思います。ただ、申し上げれば、確実に一定の期間、長い期間ですね、普天間に所在する航空機が訓練を移転させてそこから所在しなくなるということに伴いまして、それに伴って、当然のことながら、その分、そこにおける飛行が減っているということもまた事実でございますので、こうしたことを積み重ねていくことが御地元の方々の御不便について緩和するというような措置につながっていると私どもは考えてございます。

#206
○伊波洋一君 いや、事実なのは、その飛行機が別のところ行ったというだけなんですよ。回数も、全部計算されて、ちゃんとチェックされていますから、回数も増えているし、新たな飛行機が来ていますし、そういうことをもうちょっとしっかりと認めなきゃいけないと思います。それで自分たちで調べていかなきゃいけないと思いますね。
 前回は、防衛省は、普天間において五万回を超える飛行回数が九条交付金の普通交付額の算定根拠であることが分かりました。九条交付金の算定基準では、飛行回数が、二〇一五年度の二万六千回未満から二〇一八年度は五万八千五百回以上六万五千回未満と倍増しています。この数値は、実際に航空機の飛行回数の実態を反映した数字ということでよろしいですか。

#207
○政府参考人(鈴木敦夫君) 特定防衛施設周辺整備調整交付金のうち、この普通交付額につきましては、この法律第九条の規定に基づきまして、防衛施設の面積ですとか関連市町村の人口、それから運用の実態等を基礎として算定するものです。このうち、宜野湾市への交付に際しましては、普天間飛行場における運用の実態といたしまして、同法の施行令第十五条第五号及び同法施行規則第三条第二項の規定に基づきまして、飛行回数を算定の基礎と、算定の基礎の一つとしております。
 また、この飛行回数につきましては、その交付額の算定プロセスの中で、各年度ごとにデータを収集し確認しているものでございまして、その上で申し上げれば、御指摘の二〇一五年、平成二十七年度の交付から二〇一八年度、平成三十年度の交付にかけて飛行回数が増加しているということは事実でございます。

#208
○伊波洋一君 実際の飛行回数自体は一万六千回ぐらいなんですね。でも、今この算定しているものは、急降下とかあるいは低空飛行とか、もろもろの飛行形態まで全部加味しているというふうな説明を受けております。それについての総数については、これは言及できないという話ではございますけれども、つまり、実態なんですよね。実態であって、ただこれによる調整交付金というのは一千万しか増えません、二倍になってもですね、五万以上になってもですね。その分を、特に別の手だてで今四億になっているわけです。ゼロから四億になっているわけです。
 そういう意味では、私は、これ自体はそれなりの妥当な措置だと思いますけれども、ただ、現実に負担軽減しているところで、負担が本当にこんなに急増しているということはお認めにならないと対処ができないんですよ。
 夜間飛行については、二十二時から六時までの飛行を規制する一九九六年三月二十八日の日米合意、普天間飛行場における航空機騒音規制措置が存在しています。規制する日米合意があるにもかかわらず夜間飛行は増加しており、日本政府は全く夜間飛行を規制できていません。夜間飛行については例外的な場合のみ許容されることを再確認し、夜間飛行前に例外に当たることを厳格に証明させるなど実効的な規制に改めるべきだと思います。
 大臣、防衛大臣、いかがでしょうか。

#209
○国務大臣(岸信夫君) 現在の航空機騒音規制措置は、飛行場周辺の住民の方々への御負担をできる限り軽減するという課題と日米安保条約の目的を達成するために米側の運用上必要な活動を確保するという課題との間でどのような方策が取り得るかということについて、日米間で鋭意協議を重ねた結果取りまとめたものであります。米軍の運用上、可能な限りの制約を課したものであります。
 政府としては、このような航空機騒音規制措置の遵守によりまして航空機の運用による影響を最小限にとどめるよう、引き続き様々な機会を捉えて様々なレベルで米側に求めていく所存でございます。

#210
○伊波洋一君 一方、外来機については、状況はより深刻です。外来機については日米合意で規制するという根拠がないということが前回の質疑で分かりますが、このこと自体が普天間の危険性を高めています。宜野湾市民を非常に危険な状況に置いています。
 二〇〇三年十一月、当時のラムズフェルド米国防長官は、普天間飛行場を視察して、世界一危険な飛行場と指摘しました。これ以降、菅総理を始め歴代の日本政府も普天間を世界一危険な飛行場と評価しています。これは何も、普天間が宜野湾市の約二五%を占め、市街地の中心にあって、住民の上空を軍用機が訓練する、二〇〇四年八月には沖国大ヘリ墜落事故という大惨事が生じたから、何らか新たな規制を加えなきゃならないということではありません。既に規制や基準はあるのに、それを満たしていないということが普天間の危険性の本質です。
 米連邦航空法、FARのパート一五一や米軍統一施設基準、UFCの滑走路とヘリポートの計画と設計、UFC三―二六〇―〇一では、固定翼機が離着陸する滑走路に対して、滑走路の端から約九百メートルをクリアゾーンとして確保することが義務付けられています。
 防衛省はクリアゾーンの趣旨や規定を承知していますか。

#211
○政府参考人(鈴木敦夫君) 防衛省といたしまして、米国の法令について網羅的に把握し有権的に述べる立場にないため、確たることをお答えすることは困難でございますが、その上で申し上げれば、御指摘ございましたように、米国連邦航空法、FAR、それから米国統一施設基準、UFCにおいて、御指摘のクリアゾーンの設置に関する規定が存在するということは承知してございます。
 また、この米軍統一施設基準におきまして、固定翼機が使用する滑走路の両端から約九百メートル外側までの間の区域については、飛行の安全と地上における人の安全確保の観点から、土地の使用が制限される区域としてクリアゾーンが指定されているというふうに承知してございます。

#212
○伊波洋一君 二〇一二年四月のオスプレイ環境レビュー、先ほど示させていただきましたが、では、「事故の可能性が高く、土地利用に制限がある地域に該当するクリアゾーン、」、「全ての固定翼の使用滑走路に必要とされる大きなクリアゾーンは、」、今普天間飛行場の両端に広がっていますと明記されています。
 固定翼機の滑走路に義務付けられる米連邦航空局の規則、米統一基準に適合していないことが普天間であり、だからこそ世界一危険な飛行場なんです。
 時間来ましたから続きは次の委員会にしますけれども、これが放置されているということだけは常に頭に入れていただいて、そしてその対処を私たちは求めているということを、宜野湾市民は求めているということを、是非防衛大臣にはしっかり知っていただく、それでまた外務大臣には米国との交渉のために是非頭を痛めていただきたいと思っておりますので、以上で終わります。
 ありがとうございました。

#213
○委員長(長峯誠君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 防衛大臣及び政府参考人は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────

#214
○委員長(長峯誠君) 包括的な経済上の連携に関する日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。茂木外務大臣。

#215
○国務大臣(茂木敏充君) ただいま議題となりました包括的な経済上の連携に関する日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 政府は、本年六月以来、英国政府との間でこの協定の交渉を行いました。その結果、令和二年十月二十三日に東京において、私と先方国際貿易大臣との間で、この協定の署名が行われました。
 この協定は、我が国と欧州連合離脱後の英国との間で、物品及びサービスの貿易の自由化及び円滑化を促進し、投資の機会を増大させるとともに、電子商取引、知的財産の保護等の分野における協力を強化するものであります。
 この協定の締結により、経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定、いわゆる日EU・EPAの下で得ていた利益を引き続き確保し、日系企業のビジネスの継続性を確保できます。また、高いレベルの貿易・投資ルールの下で、我が国と英国との間の貿易・投資の更なる促進につながると考えます。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 何とぞ御審議の上、本件につき速やかに御承認いただきますようお願いいたします。

#216
○委員長(長峯誠君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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