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2020/11/20 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 災害対策特別委員会 第3号 令和2年11月20日
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2020/11/20 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 災害対策特別委員会 第3号 令和2年11月20日

#1
令和二年十一月二十日(金曜日)
   午後一時二十八分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十九日
    辞任         補欠選任
     野村 哲郎君     舞立 昇治君
     藤木 眞也君     徳茂 雅之君
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     大野 泰正君     高橋はるみ君
     酒井 庸行君     高橋 克法君
     徳茂 雅之君     中西 祐介君
     舞立 昇治君     上月 良祐君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         新妻 秀規君
    理 事
                足立 敏之君
                馬場 成志君
                斎藤 嘉隆君
                杉  久武君
    委 員
                大野 泰正君
                加田 裕之君
                上月 良祐君
                酒井 庸行君
                自見はなこ君
                そのだ修光君
                高橋 克法君
                高橋はるみ君
                滝沢  求君
                徳茂 雅之君
                中西 祐介君
                舞立 昇治君
                小沼  巧君
                熊谷 裕人君
                塩村あやか君
                平木 大作君
                室井 邦彦君
                浜口  誠君
                武田 良介君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        小此木八郎君
   副大臣
       農林水産副大臣  宮内 秀樹君
       国土交通副大臣  岩井 茂樹君
       環境副大臣    堀内 詔子君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       三谷 英弘君
       厚生労働大臣政
       務官       こやり隆史君
       国土交通大臣政
       務官       小林 茂樹君
       国土交通大臣政
       務官       朝日健太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  浩之君
   政府参考人
       内閣官房国土強
       靱化推進室次長  五道 仁実君
       内閣府大臣官房
       審議官      佐藤  暁君
       内閣府政策統括
       官        青柳 一郎君
       消防庁国民保護
       ・防災部長    荻澤  滋君
       財務省大臣官房
       審議官      小野平八郎君
       文部科学省大臣
       官房審議官    堀内 義規君
       厚生労働省大臣
       官房生活衛生・
       食品安全審議官  浅沼 一成君
       農林水産省大臣
       官房危機管理・
       政策立案総括審
       議官       村井 正親君
       農林水産省農村
       振興局整備部長  安部 伸治君
       林野庁森林整備
       部長       小坂善太郎君
       中小企業庁事業
       環境部長     飯田 健太君
       国土交通省大臣
       官房総括審議官  長橋 和久君
       国土交通省大臣
       官房審議官    天河 宏文君
       国土交通省大臣
       官房審議官    黒田 昌義君
       国土交通省大臣
       官房審議官    山田 知裕君
       国土交通省大臣
       官房技術審議官  東川 直正君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        井上 智夫君
       国土交通省自動
       車局次長     江坂 行弘君
       環境省大臣官房
       環境保健部長   田原 克志君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  市村 知也君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○災害対策樹立に関する調査
 (球磨川流域における治水対策に関する件)
 (災害時の新型コロナウイルス感染症対策に関
 する件)
 (令和元年の台風被害に対する政府の取組に関
 する件)
 (感染症及び原子力災害を含めた災害対策に関
 する件)
 (火山噴火時の原子力防災対策に関する件)
    ─────────────

#2
○委員長(新妻秀規君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、野村哲郎君及び藤木眞也君が委員を辞任され、その補欠として舞立昇治君及び徳茂雅之君が選任をされました。
    ─────────────

#3
○委員長(新妻秀規君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房国土強靱化推進室次長五道仁実君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(新妻秀規君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(新妻秀規君) 災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○馬場成志君 自由民主党の馬場成志です。
 本日は、大臣所信につきまして質問の機会を与えていただきました。皆様方に心から感謝を申し上げさせていただきます。
 早速質問に入らせていただきますが、まず、個別計画についてお尋ねをいたします。
 避難確保計画については、現在、国交省と厚労省が連携して検証を進めていると承知をしておりますが、避難の際に支援を必要とする方々については、特に事前の準備が必要、重要であり、在宅の要支援者に関する個別計画も推進していく必要があります。
 昨年六月の調査だと、個別計画を全ての要支援者について作成している市町村は一二%しかないということでありますが、計画策定を促進し、避難の実効性を高める必要があると思いますが、これについてお伺いします。

#7
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 御指摘の高齢者や障害者などの避難に係る計画である個別計画につきましては、現在、取組指針を自治体に示し、策定を促しておりますけれども、策定済みの市町村は、御指摘のとおり、全部策定というのが一二%、一部を策定済みが五〇%、未策定が三八%となっております。
 昨年の令和元年台風十九号におきましては、自宅での死者の多くが高齢者であるなど、近年の災害における高齢者等の被災状況を踏まえまして、現在、内閣府において有識者会議を開催をして、高齢者や障害者など災害時の避難に困難を抱える方々の避難の実効性を高める方策について御議論いただいているところでございます。
 十月に公表した有識者会議の中間取りまとめにおきましては、個別計画の策定について、災害時の避難支援を実効性のあるものとするために有効で、策定を更に促進するためには制度的な位置付けの明確化が必要であると、また、日頃から避難行動要支援者本人の状況をよく把握している福祉専門職の参画を得ることが極めて重要といった指摘がされております。
 今後、有識者会議の御議論も踏まえて、個別計画の策定の促進のために、災害対策基本法の見直しの検討も進め、個別計画策定の取組を一層進めてまいりたいと考えております。

#8
○馬場成志君 ありがとうございました。
 七月豪雨でも、計画も作り、訓練もしていた施設において多くの方がお亡くなりになりました。個別計画を実行あらしめるためにも、避難情報について適時適切な発信が必要だということであります。
 そして、現行では避難勧告と避難指示があり、結局どの段階で避難すればよいのかが分かりにくいというようなこともあります。現在一本化について検討していると聞いておりますが、検討の状況はいかがか、また、来年の出水期に間に合うのかということをお尋ねします。

#9
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 災害から国民の命を一人でも多く守るためには、住民の皆様に適切に避難行動を取っていただくと、さらに、行政は分かりやすい避難情報を提供するということで住民避難を支援していくことが重要と考えております。
 しかしながら、近年、水害、土砂災害が激甚化、頻発化をする中で、避難勧告が発令されても避難をせず、被災される方というのは多くございます。このような中で、警戒レベル四の中に避難勧告と避難指示、二段階ある現状の仕組みが分かりにくいという指摘もございます。このために、避難を強く促しますとともに、避難するべきタイミングが明確になるよう、これも内閣府に設けた有識者会議でございますけれども、今年の八月に避難勧告と避難指示を避難指示に一本化する方向性が示されたところでございます。
 現在、災害対策基本法改正の検討を進めているところでございまして、令和三年出水期、来年の出水期からの運用開始を目指して必要な準備を進めてまいりたいと考えております。

#10
○馬場成志君 ありがとうございました。
 そして、今、新聞でもテレビでも、また皆さん方の身近でもよく言われておるのが、コロナウイルスの感染者が増えてきたということであります。私も身近なところでそういったことを聞くようになってまいりました。
 こういった中でありますので、そして、災害が激甚化、頻発している中に、令和二年の七月の豪雨についてはコロナ禍で初めての大規模災害でありましたが、第三波とも言われているコロナ禍での避難所運営について、今回の経験も踏まえ、今後の災害にどのように備えていくのかをお尋ねしたいというふうに思います。
 また、続けて、熊本県がボランティアを県内からの応募に限るなど人の移動が制限される中でボランティア不足が課題となったのは御存じのとおりであります。災害対応にボランティアの存在は不可欠だというふうに考えますが、今後の災害でボランティア不足にどのように対応していくのかお尋ねをいたします。

#11
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。ちょっと少々長くなりますけれども。
 今回の七月豪雨はコロナ禍における初めての大規模な災害でございまして、様々な教訓が得られたところでございます。避難所における三つの密の回避など新型コロナウイルス感染症の感染防止に十分留意する必要があったわけでございますけれども、安全な親戚、友人宅等への避難の検討の周知、また、ホテル、旅館等の活用も含めた可能な限り多くの避難所の確保、マスクや消毒液などの用意といった避難所の衛生管理、さらには、パーティション等を活用した避難者スペースの十分な確保、こういったことについて事前の準備を促していたこともございまして、避難所における感染症対策はおおむね適切に行われたと考えております。
 令和二年七月豪雨では、自宅にとどまった方、在宅避難者への支援に当たりまして、自治会やケアマネジャー等とも連携をしながら把握に努め、必要な医療、介護などのサービスの支援が行われたと承知しております。
 各自治体においては、関係団体等と連携をして、避難所外避難者を把握し、そのニーズに対応した支援ができるよう、事前に想定して対応を検討していくことが重要と考えております。
 一方で、台風十号においては収容人数を超過した避難所が生じた市町村がありましたことから、自治体のホームページや防災メールなども含めまして、効果的な情報発信の手段について平時から検討していただく、さらに、災害の大きさを適切に判断して必要な避難所をできる限り当初から開設することが必要であります。
 こういった被災地での経験等は全国の自治体に共有をして、平時からの避難所の三密対策の取組を促していきたいと。発災時においても避難所の状態を確認して適切な対策が取られるよう支援をしてまいりたいと考えております。
 それから、ボランティアの関係でございますけれども、災害時の被災者の支援活動においてボランティアは大きな役割を担っておりますが、本年の七月豪雨に際しまして、熊本県では、ボランティアについて県民の力で対応するということで、これまでに約三万七千人の個人と百三十団体の参画を得て活動が行われてきております。
 熊本県では、ボランティアが集まりにくい中でも、高速道路の無料化措置ですとか被災地へのボランティアバスの運行、さらには、コロナウイルスの地方創生臨時交付金を活用して、被災地の店舗で使える被災地応援復興券のボランティア参加者への配付、こういったことによってボランティアの参加を促進しているところでございます。また、人吉市などでは、これまでは主にボランティアが行っていた被災家屋の土砂出しの作業、これについて国の事業の支援の下で市の委託事業として地元企業の社員が行うといったことで、官民が連携して対応しているところでございます。
 内閣府としても、こういった熊本県におけるボランティアを補う工夫について全国に周知をしているところでございます。さらに、国においては災害ボランティアセンターの人件費等を災害救助法の国庫負担の対象にできる仕組みを整備しまして、この七月豪雨災害から適用しているところでございます。ボランティア関係業務の円滑化を図ってきております。
 内閣府といたしましては、引き続き、ボランティアが集まりにくい中でも被災者支援が円滑に進められるような環境整備に努めてまいりたいと考えております。

#12
○馬場成志君 ただいま御紹介をいただきましたように、熊本の折には本当に踏み込んだ支援をしていただきました。本当にこんなに心強かったことはないということでありますが、今後にもしっかりとつなげていただくよう、お願いを申し上げます。
 今国会に提出されている被災者生活再建支援法の一部改正案については、中規模半壊まで対象を拡大するということで大変評価をしておるところでありますが、令和二年七月豪雨の被災地では既に修理等を開始している家もあります。被災者に寄り添って適切に支給対象を判断してほしいというふうに思いますが、これについてもお答えをいただきたいというふうに思いますし、また、大臣は所信の挨拶の中で、自助、共助、公助について言及をされました。支援金という公助だけでは生活再建は難しいという指摘をする方もいる一方で、自助としての保険加入を促進することも大変重要なことだというふうに思いますが、これについてお答えをいただきたいというふうに思います。

#13
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 令和二年七月豪雨の被災自治体に対しましては、支援法の家屋認定の暫定的な措置といたしまして、被災直後の写真を活用して、支援金の申請手続の中で中規模半壊として支援対象となるか判定を行う予定でございます。
 被災自治体に対しましては、この写真撮影の実施について、内閣府から二度にわたって被災自治体に対して通知を発出し、周知を行ってきたところでございます。被災自治体においても、被災者に対して十分周知を行っていると聞いております。この通知において、写真撮影後に補修等を開始して構わない旨を明記しておりまして、既に修理等を開始していることをもって支援の対象外となることはないというところでございます。
 また、自然災害からの生活再建に当たりましては、災害保険の加入といった自助による取組も重要でございます。
 内閣府においては、従来から、都道府県に対して、災害保険等の加入促進への協力を依頼いたしますとともに、パンフレットの作成や配布、広報誌による周知を行ってきたところでございます。
 今国会に被災者生活再建支援法の改正法案を提出しておりますけれども、その検討を行うために全国知事会と内閣府が設置した実務者会議におきましても、災害に備えて保険の加入を促進することも重要であると今年七月に確認をされたところでございます。
 全国知事会としても、全都道府県知事に対して災害保険等の重要性を周知して、普及に努めると聞いております。
 こうした動きを踏まえまして、国と地方公共団体とで連携をして、災害保険等のより一層の加入促進に向けて、より分かりやすいチラシの作成、配布など、住民に対する周知を図ってまいりたいと考えております。

#14
○馬場成志君 しっかりやっていただきたいというふうに思います。
 さて、令和二年七月豪雨については、河川の氾濫や土砂災害等により熊本県下で六十五名の尊い命が失われ、今もなお二名の方が行方不明となって、甚大な被害をもたらしました。
 この災害対策特別委員会においても、九月九日に現地に赴き、被害の大きかった人吉市や球磨村の惨状を目の当たりにしました。
 政府においては、自衛隊の早期派遣を始め、発災後は直ちに現地災害対策室を設置し、プッシュ型支援を行うとともに、激甚災害の早期指定、さらには四千億円を超える対策パッケージの取りまとめなど、切れ目のない強力な支援策を迅速に打ち出していただきました。また、流失した十個の橋を始めとする国道二百十九号や熊本県道、さらには芦北町や津奈木町などの治山施設の権限代行による災害復旧事業に速やかに着手いただき、感謝を申し上げておるところであります。そうした支援により、被災者の住まいや生活再建、被災した学校の再開など、少しずつではありますが、復旧復興に向けた明るい兆しも見え始めているところであります。
 しかしながら、復旧はまだ始まったばかりで、今後、更なる被災者や被災地域の復旧復興を成し遂げ、そして持続可能な地域を実現していくためにも、将来の住民の安全、安心の確保を目指す球磨川流域の新たな治水の方向性が大前提となります。
 そうした状況を踏まえ、昨日、熊本県の蒲島知事が、将来の球磨川流域の治水の方向性として、新たな流水型ダムを含めた緑の流域治水の推進を表明しました。過去に対立の激しさからダムを白紙に戻した知事の重い決断でありますので、二点ほど国交省に確認をしたいというふうに思います。
 一点目は、ダムに慎重な人たちの中には、ダムの効果には限界があり、ダムで全てを解決することはできないという意見があります。つまり、ダムだけで治水は完結できないと言っているのですが、それは当たり前のことであって、じゃ、ダムなしでこの治水ができるのかということで、お答えをいただきたいと思います。

#15
○政府参考人(井上智夫君) 球磨川の治水対策については、平成二十一年以降、ダムによらない治水対策を検討する場や球磨川流域治水対策協議会において、ダムによらない治水対策を県や流域市町村とともに検討してきたところです。
 昨年十一月には、昭和四十年七月洪水と同規模の洪水を目標に十の治水対策案を取りまとめましたが、その中で最も効果の大きい十七か所の遊水地を中心とした対策案を実施した場合でも、今回の豪雨における人吉地点のピーク流量は毎秒約五千五百立方メートルと算出されました。この流量は、河道で安全に流下させることができる流量の毎秒約四千立方メートルを大きく上回り、これらの対策だけでは浸水被害を防げないことを、この十月に開催した球磨川豪雨検証委員会で確認しています。
 他方、過去に検討していた貯留型の川辺川ダムの整備だけで対応した場合、今回の豪雨における人吉地点のピーク流量は毎秒約四千八百立方メートルと算出されました。この流量も、河道で安全に流下させることができる流量の毎秒約四千立方メートルを上回っており、浸水被害は防げないことを確認しています。
 球磨川が流下する人吉・球磨盆地は、周囲を急峻な山々に囲まれ、多くの急流支川が流入し、山地部に降った雨がすり鉢状の盆地に集まりやすい地形です。さらに、その盆地の最下流部において川幅が絞り込まれ、山間狭窄部を流下するという特徴を持っている地形的に治水対策が難しい河川です。
 球磨川においては、流域のあらゆる関係者が協働して、集水域、氾濫域、河川区域のあらゆる対策を総動員して取り組む流域治水を検討する必要があると認識しています。

#16
○馬場成志君 ありがとうございました。
 ダムがなければどれだけの被害が再び起こるのかは、これは火を見るより明らかであります。県の有識者会議も提言されているように、ダムや遊水地、河道掘削、堤防整備といったハード対策と避難体制の確保などソフト対策について、取り得る全ての対策によって地域の安全、安心を確保していただきたいというふうに存じます。
 もう一つ、地元で出てくる話として、まずは復興に向けた事業を優先しろと、生活やなりわいの再建が一段落した後にダムも含めた治水の在り方をじっくりと議論すべきという意見もありますが、治水対策を決めずに復興事業を進めることは可能なのか、お答えいただきたいと思います。

#17
○政府参考人(井上智夫君) 球磨川においては、十月に国、県及び流域市町村から成る球磨川流域治水協議会を立ち上げ、流域治水プロジェクトの検討を進めているところです。
 例えば、国道二百十九号やJR肥薩線の復旧に当たっては、治水によって河川の水位がどの程度になるのかを明らかにした上で、橋梁やトンネルの位置や高さの変更の要否などを詳細に検討する必要があります。同様に、復興まちづくりに当たっても、移転の要否やかさ上げの高さを詳細に検討するためには河川の水位やそれに伴う氾濫の有無を明らかにする必要があります。
 流域の市町村長からも、将来に向かって安全、安心に生活できる治水対策が示されなければ、人々は生活再建を描くこともできず、また町づくりも進みませんとの御意見を伺っています。
 このように、球磨川の治水対策やその効果を具体的に明らかにすることは、被災地域の復興の姿を描く際の前提となるものであることから、協議会の中で早急に検討することが重要と認識しています。

#18
○馬場成志君 今答弁いただいたとおり、治水は復興の前提となるものでありまして、かつ、治水と復興は車の両輪であります。
 熊本県議会でも、地方自治法九十九条の規定に基づいて、川辺川ダム建設を含む球磨川流域の科学的、客観的で抜本的な治水対策をスピード感を持って講じられるよう強く要望するとの意見書を可決されております。一日も早い地域の復興に向けて、スピード感を持って対策に取り組んでいただきますようお願いを申し上げたいと思います。
 そして、今日、ちょうど今ほど、一時半からということでありましたけれども、赤羽国土交通大臣のところに蒲島県知事が、表明した内容について説明とお願いというようなことで上がっておるということであります。
 そういうときでありますから、どこまでお答えができるかというと難しいというふうに思いますが、今日は岩井副大臣にも来ていただいておりますが、今回の熊本県の蒲島知事の表明について、国交省としてはどのように受け止めたのか。蒲島知事は、命と環境の両立を目指し、新たな流水型ダムを含む緑の流域治水を表明しております。その表明を受けて国はどのような治水対策を進めていくのか、お尋ねをいたします。

#19
○副大臣(岩井茂樹君) 馬場委員にお答えをいたします。
 昨日、蒲島知事が球磨川流域の治水の方向性についてのお考えを表明をされました。
 近年の気候変動の影響により激甚化、頻発化する豪雨、洪水災害から国民の命と暮らしを守るためには、上流から下流、そして本川、支川の流域全体を俯瞰し、国、県、市町村が一体となって計画的に流域治水に取り組むことが重要であると考えております。
 また、球磨川におきましては、国、県及び流域市町村から成る球磨川流域治水協議会を立ち上げ、流域のあらゆる関係者が協働して取り組む流域治水プロジェクトの年度内の策定に向けて現在検討を行っているところであります。
 川辺川ダムにつきましては、住民の命を守り、さらには、地域の宝である清流をも守る新たな流水型のダムとするとの知事のお考えをしっかりと受け止めた上で、知事が表明された新たな流水型のダムや河道掘削、遊水地、避難体制の充実など、流域でのあらゆるハードそしてソフトの対策を組み入れた流域治水の検討を進めてまいりたいと考えております。

#20
○馬場成志君 よろしくお願い申し上げます。
 そして、地元ではダムは環境に与える影響が大きいという懸念の声もある中で、蒲島知事は、新たな流水型ダムに対し球磨川の環境への配慮を求めていくと表明しておりますが、国としてはどうお考えでしょうか。

#21
○政府参考人(井上智夫君) 昨日の表明で熊本県知事は、新たな流水型のダムは、安全、安心を最大化するものであるとともに、球磨川の環境に極限まで配慮し、清流を守るものである必要があると国に求められました。
 熊本県知事のお考えを受け止め、様々な知見等も積極的に取り入れつつ、球磨川の清流を可能な限り保全し、流域の安全、安心の要となるような流水型ダムについて、スピード感を持ちつつ検討したいと思います。

#22
○馬場成志君 ありがとうございました。
 それこそ、先ほど申し上げましたように、たった今、知事と大臣が会っておるというような時間でありますから、全てこれからスタートを切るというようなところだというふうに思います。これから一つ一つ煮詰めていっていただきたいと思いますが、今答弁いただいたように、またスピード感を持って対応いただきますようによろしくお願いを申し上げます。
 それから、ダムのことは本当に私も県議会におって随分長く関わってまいりました。ダムを造るかどうかで本当に長い年月を費やしてきましたので、もうこれ以上、対立を繰り返すわけにはいきません。多くの被災者と甚大な被害が出た今、政府には熊本県と連携の上、最大の御尽力をいただきますようお願いを申し上げます。
 それから、大切なことでお願いしたいのは、ダムができると、その予定地には多大な協力をお願いすることになります。それこそ、長年の対立の中で、五木村という名前はもう皆さん御存じだというふうに思いますが、五木村においては苦渋の選択がありました。ダムサイトの中にコミュニティーがあって、ここは、場所としてはダムの治水の恩恵に当たらない中で、下流の人々の命を守るために苦しみを乗り越えて受け入れていただいたんです。ただしかし、計画は白紙に戻り、五十年以上も、今もダム問題に翻弄されていることになります。そして、昨日の知事の判断ということになります。
 ここに対してはしっかりと対応していかなければならないというふうに思いますので、重ねて、県との連携をよろしくお願いを申し上げます。
 あと二つ本来は質問を用意しておりましたけれども、もう要望に代えさせていただきます。
 現在、三か年緊急対策、強靱化について進められていますが、その後についてもしっかりと国土強靱化の取組を進めるため、中長期で、最低でも五年以上の対策として必要十分な予算を確保していただきたいというふうに思います。これについては、済みません、大臣にお願いしておりましたので、是非一言いただきたいと思います。
 それからもう一つ、マンパワーについて、これはもう要望だけに代えさせていただきますが、今熊本でも災害復旧のために多くの人を投入していただいています。そして、次の、もし何かあったときに次のところにはその人数が行けるかという意味では、もう本当に地域の人たちはみんな戦々恐々としておるわけであります。
 ですから、人員確保、拡充ということには、更に、これにつきましても、国土交通省、そして、直接主管ではないかもしれませんが、小此木大臣にもよろしくお願い申し上げたいと思います。
 済みません、最後に一言お願いします。

#23
○委員長(新妻秀規君) 答弁は簡潔にお願いいたします。

#24
○国務大臣(小此木八郎君) はい。よろしくお願いいたします。
 御議論の中で、昨日は実は衆議院で法案審査をいただきましたが、国土強靱化につきましては、与野党問わず、しっかりやるようにという話をいただいたところであります。三か年の後の対策につきましても、今、総理から補正予算の指示も最近はまたございまして、来年度予算、しっかりと今獲得のために動いておりますので、いろいろ答えは用意いたしましたが、しっかりとやってまいるということで今日は御理解をいただきたいと思います。
 そして、地方整備局等の体制、国土交通省としっかりと連絡を取り合って、激甚化する、頻発化する災害等に、やっぱり人の力は、また現場の力は大切だと思いますので、しっかりと連携を取ってまいりたいと思います。

#25
○馬場成志君 終わります。

#26
○加田裕之君 自民党の加田裕之でございます。
 先ほど馬場委員より、本当に政治の持つ大切さ、この政治の持つ役割というもの、これは私も、ポピュリズムに走らず、しっかりとこれは政治の現場で判断していかなければいけないという思いをいたしております。
 そういう思いを込めまして質問させていただきたいんですが、先ほど馬場委員より、水害や避難所の運営の在り方とかボランティアの在り方ということについて質問がありました。私は、地方自治体と、コロナ禍との複合災害の対策についてお伺いしたいんですが、対策というよりも、その基となる財源ですね、新型コロナウイルスの感染症対応の地方創生臨時交付金。これは実際、本年の五月二十七日付けで、これは内閣府より、活用ができますということで、これはいろいろな災害時の避難所における運営とかそういうものにも使えますよという、先ほど答弁でもお話ありましたように、そういうことで使えますということで文書が発せられております。
 ただ、これ、私、地元の兵庫県の方を例にいたしますと、兵庫県の方は、地方創生臨時交付金については、休業要請協力金とか中小企業や個人事業主の感染症対策支援とか商店街の消費喚起、そしてまた家賃補助等に活用されて、実際、不足額の百六億円に対しましては、各自治体が財政基金を取り崩してしまって、そして対応している状況であります。コロナの状況におきますと、なかなか、目の前の火の粉、目の前の対応というものをやっていかなければいけないので、なかなかその目先の話に行ってしまいがちになる。
 例えばですけど、自治体ごとで比較されるときもよくありますので、あの隣の市はやったじゃないか、隣の県や府はこんなことをやっているじゃないか、うちの自治体どうなっているんだと、そういうことをちょっと言われてしまう。言わば、ちょっとつらい立場になってしまう。これ、もちろん地方創生の臨時交付金というのは、ある程度その自治体の自由度というのもあるんですけれども、ややもすれば比較対象にされてしまう、そういう嫌いもあるということがあります。
 また、本年は、令和二年の七月の九州豪雨以降、台風シーズンの上陸は幸いにしてなく、大きな災害は発生しておりませんけれども、近年の災害というのは、あの寺田寅彦が言うように、災害は忘れた頃にやってくると言っておりましたが、現在は、やはり災害は忘れなくてもやってくるという時代ではないかと思っております。
 地方創生臨時交付金が喫緊の課題の対象に充てられて、災害時のコロナへの事前の対策にまでなかなか回せていない各自治体の現状を踏まえますと、この交付金の増額ということやコロナ禍との複合災害に対応するために、やはり私は、新たな予算、もちろん地方創生臨時交付金の増額も必要だと思いますし、また、新たな予算というものが必要だと思いますが、小此木大臣の見解をお伺いしたいと思います。

#27
○国務大臣(小此木八郎君) ありがとうございます。
 平時の物資の備蓄については、地方交付税措置が講じられるとともに、災害救助法に基づく災害救助基金の活用が可能となっており、指定避難所の施設整備については、緊急防災・減災事業債の活用が可能とされております。
 また、災害発生時には、災害救助基金の活用やプッシュ型支援により必要な物資等を提供するとともに、災害救助法が適用される場合は、災害救助法による国庫負担の対象としております。
 これに加えて、感染防止対策用物資、資材の備蓄、ホテルや旅館、研修施設等の避難所としての活用などについて、新型コロナウイルス感染症対応の地方創生臨時交付金の活用が可能となっており、現在、交付金全体で第一次、第二次補正予算合わせて三兆円が計上され、その活用が進められていると、これも御案内のとおりであります。
 自治体においては、これらの財源を十分工夫、活用をして複合災害に対応していただきたいと考えておりますが、新型コロナウイルスの感染が収束しない現下の状況において、自治体の現状や課題の把握になお努めつつ、引き続き、関係府省とも連携しながら、自治体の災害対応に支障が生じないよう、適切に対応してまいりたいと存じます。

#28
○加田裕之君 ありがとうございます。
 是非、今回の複合災害というもの、コロナというのはまた感染拡大期に入ってきておりますので、そういう事態というものをしっかりと見据えながら、やはり大臣のリーダーシップで各自治体に対しましても、その活用について、また皆様方に理解が得れるよう啓発活動も呼びかけていただきたいと思います。
 その中で、コロナと自然災害との複合災害について、従来の防災マニュアルというものが大幅に見直さなければならないということになりました。また、災害時、水道は国民生活や社会経済活動、復旧復興するのに欠かすことのできないライフラインです。それに加えまして、コロナ禍においては基本であります手洗い、うがい、ウイズコロナの中で、水はますます重要になってきているのは言うまでもありません。
 そうした中で、今現在の水道事業というものについてなんですけれども、どこも老朽化しておりまして、更新時期が到来した施設を多く抱えているのが現状です。今後、膨大な事業費が必要となってきています。
 特に、陸地部から給水を頼らざるを得ない島を抱える水道事業体におきましては、各地で海底送水管の漏水事故が頻発しておりまして、一部では早急な布設替えを余儀なくされているところです。また、現時点では耐用年数が到来していない管路についても、今後順次更新していく必要があります。
 しかしながら、海底送水管の布設替えにおいては、専用の布設台船を必要としまして、管路は島から島まで継ぎ手のないシームレスな一連続管であるため、専用のプラントを構築した上で工場の製作をしなければならないことから、ふだんの地上にあります管路と比べまして、一メートル当たりの単価が二倍から三倍と高額のコストを要するというのが現実です。
 例えば、私の兵庫県姫路市の家島諸島を例に挙げますと、有人四島あるうち約四千七百人の給水人口を有しているんですが、布設延長が約十八キロと長距離に及ぶ。これは全て布設替えすると相当な予算で、例えば、本州側の方の赤穂市のところから家島の間の方で、概算で布設については四十七億円、既存の送水管撤去をするのに約三十億円以上も必要となる見込みとなっております。さらに、残り二キロの更新についても積算されております。
 これ同じような悩みというのは、同じ瀬戸内側の方の岡山県の笠岡市や、そして淡路島の南あわじから沼島においての海底送水管も同じような現状を抱えております。
 このように、多額な費用が掛かるんだったら、もういっそのこと給水船による運搬とか、プラントを使って海水を淡水化する給水など、ありとあらゆる方策を比べてはいるんですけれども、建設費と維持管理費を合わせた経済性では、海底送水管による給水が圧倒的に有利でありまして、安全性でも優れています。
 もちろん、長年の課題ですので、ほかに方法があるんだったらもうとっくにそういうほかの方法を取っているというのが現状です。
 このように、島が抱える水道事業においては、通常の更新事業に加えて、更に高いコストを掛けて海底送水管を更新していかなければならず、これが水道事業経営を圧迫することは必至です。陸地部の住民に比較して厳しい自然、社会的条件の下で住んでいる島の住民が陸地部の住民と同じ行政サービスを享受できるように、サービスの地域格差を解消し平準化することが地方自治体に与えられた責務であると考えております。たとえ採算性が確保できなくても、海底送水管の布設替えを実施していかなければなりません。
 こうした現状についてどのように分析をしているのか、そしてこれをどのように課題克服しているのか、近畿の水がめと言われております琵琶湖を抱えるまさに滋賀県選出の政務官の方に答弁を求めたいと思っております。

#29
○大臣政務官(こやり隆史君) 加田委員、姫路市の島の例をお話をしていただきました。
 私は琵琶湖を抱える滋賀出身ですが、山間地域の出身でございまして、各水道事業者さんをめぐる状況、地理的条件とかですね、様々になっているということは認識をしておりまして、こうした地域におきまして、施設整備を含めた事業運営に要する費用、これもまた様々多寡が生じることがあるということも認識をしているところでございます。
 他方で、委員も御承知のとおり、地方公営企業として運営される水道事業につきましては、これは原則独立採算が基本とされているところでございます。したがいまして、各水道事業者におかれましては、まずはその各地域におけるそれぞれの課題を分析、把握をしていただく。それを踏まえて、長期的な観点に立った計画的なアセットマネジメントを行いながら、できるだけこの水道事業を将来にわたり継続させていただく、そういうことが求められていることも事実でございます。
 こうした状況も踏まえまして、平成三十年の十二月に成立いたしました改正水道法におきまして、各事業者さんに対しまして、長期的視点に立った水道施設の計画的な更新を行うこと、あるいは、水道施設の更新に関する費用も含めまして水道事業の収支の見通しの作成、公表をしていただくということにつきまして新たに努力義務が課せられたところでございます。
 厚労省といたしましても、こうしたアセットマネジメントを容易にしていただくために、詳しい手引を策定をし、これを周知しているところでございまして、こうした取組を通じて、この改正水道法の趣旨を十分御理解いただきながら各水道事業者の取組をしていただけますよう、全力を挙げて支援をしてまいりたいというふうに考えております。

#30
○加田裕之君 ありがとうございます。
 やはり、このアセットマネジメントを活用しながら対応していくという中におきまして、本当に、やはり最終的には私は財政の問題にも大きく関わってくると思います。
 今回言っています海底送水管を抱える事業体というのは十三事業体あります。これはどこもなかなか厳しいものがあるというのは先ほど申し上げたとおりですが、やはりこの起こり得る問題につきまして国の新たな財政支援措置を創設するしかないんではないかと、私はちょっと個人的にはそうやって思うんですけれども、そのことについてコメントをお願いしたいと思います。

#31
○大臣政務官(こやり隆史君) 委員御指摘のように、各水道事業者さん、様々な課題を抱えておられるということはもう事実であるというふうに思います。
 厚労省といたしましても、先ほど申し上げましたような効果的なアセットマネジメントが可能となるように、そうしたマネジメントに資する取組として、水道施設の耐震化であるとか、あるいは事業の広域化、こうしたことを政策的に推進をしているところでございまして、そうした課題に対応していただける事業者さんに対しまして、整備に要する費用の一部を財政支援しているところでございます。
 いずれにいたしましても、厳しい条件を抱える水道事業者への支援につきましては、限られた財源ではありますけれども、最大限活用しながら、様々なお声を聞きつつ、これからも必要な対応に努めてまいりたいというふうに考えております。

#32
○加田裕之君 ありがとうございます。
 また、水の大切さを一番よく分かっております滋賀県のこやり政務官のところへまた引き続きお願いを、陳情行きたいと思いますので、またよろしくお願いいたします。
 そして、最後なんですけれども、国土強靱化についてなんですが、先ほど馬場委員からの方も中長期的な問題、そしてマンパワーの問題等ありました。私の方からもちょっと切り口を少しだけ変えて質問させていただきたいと思います。
 阪神・淡路大震災、今年二十五年を迎えました。やはりあのときの光景というのは、私にとりましても政治を志す原点となりましたし、また、阪神高速が倒壊したあの場面というのを実際に見たときのショックは忘れられないものがあります。
 あれから二十五年の歳月が流れて、町はどんどん復興はしていますし、その一方では、記憶もどんどん薄れてきているんではないか、風化しているんではないかという思いもあります。二度と子供たちや孫の世代があのような思いをしなくて済むように、防災・減災、国土強靱化をやっぱりしっかりとやっていかなければならないと、事前にしっかりとそういうのを備えていかなければならないという思いがいたしております。
 国土強靱化につきましては、もうこの委員会でも何度もお話も出ておりますし、党や、そしてまた衆議院の方でも意見が出ておりますが、この三か年が終了する今年度、次は中長期的な視点というもので五か年ということであるんですが、やはり私はしっかりとこれは目標を立てて、そして必要となる予算額をしっかりと示した上で進めていくべきだと考えますが、政府としての見解をお聞かせ願いたいと思います。

#33
○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
 委員より阪神・淡路大震災のお話いただきました。
 今後、発生が懸念されている南海トラフ等の大規模地震、また、令和二年七月豪雨を始めとする近年激甚化、頻発化している水災害から国民の生命、財産を守るために事前に備えを進める国土強靱化の取組を強力に進めることが重要であるというふうに認識しております。
 三か年緊急対策後の取組については、委員からも今御指摘いただきましたし、与党、知事会、各地方公共団体等から多くの御提言、御要望をいただいているところでございます。
 政府では、骨太の方針二〇二〇におきまして、中長期的視点に立って具体的KPI、数値目標を掲げ、計画的に取り組むため、三か年緊急対策後も必要十分な予算を確保するということとしているところでございます。政府におきましては、この骨太の方針などを踏まえて、三か年の対策後も国土強靱化を強力に推進できるよう、現在、中長期的に取り組む具体的な内容や目標、中長期的な見通しについてしっかり今検討しているところでございます。
 省庁、自治体、官民が連携いたしまして、引き続き、災害に屈しない強さとしなやかさを備えた国土づくりを計画的に取り組むために、必要十分な予算の確保に努めてまいります。

#34
○加田裕之君 やはり先ほど大臣も答弁いただいたように、政府見解ももちろんですけれども、これはやはり我々の安全、安心を守るための必要な予算であるということ、そして計画であるということ、そういうのをしっかりと踏まえた上で言っていただきたいと思います。
 特に、県下の市長や町長、そして議会の皆さんも、まだまだやりたいことはいっぱいあると、これは三か年で終わるものではない、だからこそ五年という中長期的な視点でやってほしいということは既にもう全国各地から来ておりますので、その点も踏まえて、また是非とも実行に移していただきたいと思っております。そのために我々も頑張ることをお誓い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

#35
○熊谷裕人君 立憲民主・社民、立憲民主党の熊谷裕人でございます。
 まずは、近年頻発をしております大きな災害でお亡くなりになられた皆様、そして御遺族の皆様方に心よりお悔やみを申し上げますとともに、全ての被災者の皆様方にお見舞いを申し上げたいと思います。
 ここ近年の大きな災害で命をなくす方が大変多くなっております。政治の役割は、そういった命をなくす方をゼロにすると、それから不幸に陥るような境遇をつくらないというのが使命だと思っておりますので、今日もそういった観点から、災害対策について小此木大臣に質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 これからの水の災害対策ということで、大臣の所信の中にも気候変動の影響などが大きいということがあって、その気候変動によって近年の水災害というのは激甚化しているし頻発化しているというのが私の認識でもあります。
 先ほどの馬場先生の御質問にもありましたが、これからは、やはり国も地方自治体も、そして国の中の省庁も横に連携をして、流域治水というところにこの水災害を防止するために考え方を転換をしていかなければいけないと思っておりまして、特に河川を起因した水災害、最近豪雨に伴って大変多うございます。山間部でもありますし、私の地元でありますさいたま市でも、内水氾濫で多くの家が床上浸水になったというようなことが昨年ございました。
 こういった全体的な水に対する災害について、流域治水ということに転換が私も必要だと思っておりますし、もちろん防災面ではそういったことをお考えになられていると思いますが、担当大臣として、改めてその辺の考え方についてお聞きをさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

#36
○国務大臣(小此木八郎君) ありがとうございます。私も同様の考えを持っております。
 九月に就任をいたしましたが、初めてお邪魔したのが熊本でございまして、球磨川の状況も自分の目で見まして、地域の方々からも教えていただきました。そういったことが、今日もいろんな議論がございますけれども、非常に、ここだけの話じゃなくて、この数年の災害の大きさ、そして川においての非常に恐ろしさというものも地域の皆さんが感じておられるということも聞いてまいりました。
 県知事さんのお話がありましたけれども、知事と一緒に球磨村の仮設住宅を回ったときも、治水はどうなりますかと二十代の若い奥さんが必死に訴えられていました。そのとき知事は、十一月には方向性を示しますと、それが昨日だったのかな、今日だったのかなというふうに思いますが、いろんなところでそういう思いがあるということを感じています。
 こんな事態を踏まえて、河川や下水道等の管理者を中心とした従来の治水対策に加え、流域全体であらゆる関係者が協働する流域治水を推進していくことが重要と認識しています。
 国民の命と財産を守るため、堤防等のハード対策の一層の加速とリスクの高い地域における開発抑制等のソフト対策が一体となった流域治水の考え方の下、国土交通省を始めとした関係省庁と連携し、防災・減災に取り組んでまいりたいと存じます。

#37
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 流域治水、是非、関係省庁と連携をして、不幸を生まないようにあらかじめ大きな災害に備えていただきたいと思っております。
 資料をいただいて、その流域治水に対する考え方を見させていただいたんですが、やはり国交省さんが中心になると、流域治水の考え方もどうもダムから下だけ、ダムから河口までというところで考えられているのかなとちょっとその資料を見て思っておりましたが、私は、ダムの保水力ということも必要かと思いますが、ダムにまず水をためないと、そのダムの上にある山の保水力だったり、そういうところをもっと重要視をして、もう山のてっぺんから海までで流域治水だという考え方をするべきではないかなとかねてから思っておりまして、集水域というんですかね、やっぱり山で雨が降って、まずは山がその雨水をためてもらって、そしてダムへ保水できなかったものが流れていってというようなことがあると思うので、山を大切にしなければいけないと思っています。
 山がやっぱり荒れますと、台風で倒木があって、それが流れていってダムに行ってとか、砂防ダムもありますけれど、崖崩れがあって、そういうところも埋まってしまってと。最終的には、ダムにやっぱり土砂が流れ込んで、ダムの湛水力が低下するというようなことがあると思っておるので、そのダムから上の治山のところが私は治水で重要だと思っておりますので、今日、宮内大臣に来ていただいて、農水省として、このダムから上の山をどのように災害で活用していくのか、その治山対策のところの重要性についてお答えいただければと思います。

#38
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 先生の御指摘のように、流域治水を総合的に考えて取り組むということは本当に重要なことだというふうに思っております。
 流域全体での治水対策を進めていく上での上流の森林の涵養機能の適切な発揮ということが大切だと思っております。まさに、一旦水を吸収して蓄えて徐々に流していくというようなことが機能として大変重要であるというふうに考えております。荒廃森林の復旧整備や間伐の推進にもしっかり取り組んでおるところでございます。
 また、近年の流木被害の発生等々を踏まえまして、国土強靱化三か年対策におきましても、流木を受け止める治山ダムの設置とか間伐の実施などの流木対策を重点的に進めておるところでございます。
 このような中、令和元年東日本台風や令和二年七月豪雨におきまして広範囲にわたって甚大な洪水被害が発生したことを踏まえまして、農林水産省におきましては、学識経験者から成る検討会を設置いたしまして、近年の豪雨を踏まえた森林整備、保全対策の強化に向けた技術的な検討を進めるとともに、流域治水の推進につきまして、関係省庁の実務者会議に参画いたしまして、水域ごとに設置されます流域治水協議会なるものをつくりまして、具体的な連携を、各それぞれの立場の方々が連携して総合的に進めるということの対策を講じることというふうにいたしております。
 引き続き、関係省庁とも連携をいたしまして、流域全体の治水対策、これに取り組んでまいりたいというふうに思っております。

#39
○熊谷裕人君 ありがとうございます。是非、その流域治水の協議会、積極的に参加していただきたいのと、それから、山が荒れないように、やはり林業関係に今従事する方が少なくなっていますから、そういった人材育成のところも御努力をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 あと、今、山を切り開いてメガソーラーを造るようなところが大変多くなっています。エネルギー事情だったりということで、環境面からということもあるんでしょうが、太陽光パネルを設置して、大規模に山を切り開いてメガソーラー施設を造っているというところが見受けられます。
 特に、晴天率の高い県だったり山間部が多かったりするようなところ、私の地元の埼玉も晴天率は割と高いので、いろんなところにソーラーパネルが設置をされておりますが、つい先日、地元の飯能市というところで大きなメガソーラー事業が始まっておりまして、現地見させていただきました。災害が起きたらどうする、山を切り開いて大きなパネルをどんどん造っていくので、災害起きたらどうしようという心配が若干私の中で芽生えました。
 また、去年の災害で、広島でたしかメガソーラーの施設のところで土砂崩れがあって、そのソーラー施設自体が破損をしたというような事例があったような記憶がございます。
 環境面ではなく災害防止という観点で、農水省として、林地におけるそういう大規模なメガソーラー施設の開発についてどのようなことを考えられているのか、災害を防ぐという観点でどのようにお考えなのか、お聞かせいただければと思います。

#40
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 先生の御指摘の心配については農林水産省としても共有をするところでございまして、やはりその設置の周辺の状況に心配な点があるんじゃなかろうかというような声も寄せられているところでございます。
 農林水産省では、森林法に基づきまして、水源や災害防止のため、特に重要な森林についてはもちろん保安林に指定して開発行為を厳しく制限しております。それ以外の森林につきましても、民有林で一ヘクタールを超える開発を行う場合には、都道府県知事が災害の防止措置などの要件について審査をして許可をするということになっております。
 太陽光発電施設の設置につきましては、農林水産省においてその特殊性を踏まえた許可の在り方について検討を行いまして、昨年十二月に都道府県に技術的助言として許可基準を通知したところでございます。新たに太陽光発電についての許可基準を新しく作ったというような位置付けでございます。
 具体的には、傾斜が三十度以上で整地が行われていない斜面に設置をする場合には防災施設を確実に設置してくださいということとか、太陽光パネルを設置した場合に雨水の流出量が増加すること、いわゆる土壌の機能が弱くなるということであると思いますので、これを安全に施設を設置すること、あるいは、施設周辺に一定割合の森林を環境保全のために伐採せずに周辺に残していただくというようなことを定めたところでございます。
 今後とも、制度の適正な運用を通じまして、森林の持っております公益的機能の確保にしっかり努めてまいりたいというふうに思っております。

#41
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 ただ、山というのは長年掛けて自然林ができていくので、一度開発をしてしまうと、もう戻るのに何十年も掛かる、まあ戻らない、元には戻らないものだと思っていますので、その辺は、山を大切にしていただくという観点から、災害というところも含めて農水省さんにもう少しお考えを練っていただいて、どうしたらいいのかということを一緒に考えさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 それから次に、やはり、この流域治水の中にもちょっと言及をされておりますが、テックフォースさん、国交省のテックフォースの体制についてやはり人員の増強が最近行われているようでございますが、その体制が今どのような体制になったのか。地方整備局ごとに多分人員の体制をしかれているんだと思っております。
 あの昨年の台風十九号の被害、埼玉県内でもあったんですけれど、私も現地に行きまして、テックフォースさんのユニホームを着て活動している方、九州からやっぱり来られて助けていただいていたりしておりまして、私はテックフォースの在り方はすごく評価をしているので、是非大きな災害に備えていただきたいなと思っておりまして、現状どうなっているのか、お答えをいただければと思います。

#42
○大臣政務官(朝日健太郎君) 御質問ありがとうございます。お答え申し上げます。
 近年の自然災害の激甚化、頻発化や被災自治体からの支援ニーズの高まりなどに伴い、例えば昨年の東日本台風では発足以降最大規模のテックフォース隊員を派遣するなど、近年、テックフォースの活動規模は大きくなっています。
 このような状況を踏まえ、隊員に指名している職員の数を年々増やし、全国の地方整備局等を中心に本年四月の時点で約一万四千名を配置するとともに、八機の防災ヘリや約三百六十台の排水ポンプ車など、資機材を全国に配備しています。
 災害発生時には、地方整備局等の管轄を越えた広域的な派遣も含め、被災市町村へ派遣したリエゾンによる情報収集や助言、排水ポンプ車による浸水排除、道路啓開による緊急車両等の通行の確保などの活動を実施しています。
 今後とも、国土交通省の有する資源を最大限活用し、被災地に寄り添ったテックフォース活動に取り組んでまいります。

#43
○熊谷裕人君 ありがとうございます。やっぱり災害時にすごく頼りになる組織でございますので、是非これからもきちんと整備をしていただきたいなと思います。
 私の地元のさいたま市は、集積地として協定結んで大学の空き地を借りて、そこに、首都直下型地震があったようなときに集積地としてお願いをするというような協定も結んでいるみたいなので、予想されているというか、将来あるかもしれないというような地震についてはそういった集積地の整備というのもお願いをしたいなと思っております。
 それから、民間企業との連携ということが書かれておりまして、民間企業さんとも連携をしていただきたいと思いますし、民間のボランティアさんとも連携が取れればなというふうに思っております。
 これは要望事項なんですが、私も三・一一の後に防災士の資格を取り、それから小松製作所さんの教習所に行って小型建機の資格を取りました。塩村議員も同じく資格持っているんですけど、それは、ボランティアに行って、人力じゃどうしても動かせないもの、小型パワーショベルがあればすぐにどかせるというのが目の当たりにありましたので、すぐその免許を取ってきたんですけど、借りられないんですよね、そういうものが。ですから、テックフォースさんとか、民間企業さんともし連携をするのであれば、その先のボランティアにも連携をしていただいて、マンパワーを最大限に生かせるようなことを今後御検討いただければと思いますので、これは要望にさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、入間川の緊急治水対策プロジェクトについて、地元のことなのでちょっとお尋ねをしたいと思いますが、大変大きな予算を付けていただいて今そのプロジェクトを進捗をしていただいておりますが、現状どうなっているのか、お尋ねをしたいと思います。

#44
○大臣政務官(朝日健太郎君) 荒川水系入間川流域においては、令和元年東日本台風で、国管理、埼玉県管理の河川で合計六か所の堤防が決壊をし、約二千ヘクタールが浸水するなど、甚大な被害が発生しました。
 これを受けて、国、県、市町等が連携をし、本年一月、ハード、ソフト一体となった入間川流域緊急治水対策プロジェクトを取りまとめ、対策に着手いたしました。
 これまでに、ハード対策としては、決壊、被災した堤防六か所の復旧が完了しました。また、今後、河道掘削、樹木伐採を下流側から進め、全体的な水位低下を図りつつ、さらに、水位を下げるための対策として、越辺川遊水地、都幾川遊水地の整備を進めてまいります。
 一方、ソフト対策については、越辺川、都幾川などで危機管理水位計や簡易型河川監視カメラの設置を進めております。また、市境を越える避難を実効性のあるものとするため、川島町、川越市、坂戸市の広域避難計画を策定するとともに、川越市や坂戸市でマイタイムラインの普及促進の講習会を実施するなど、関係機関が連携した水害に対する取組を実施しているところです。
 今後も引き続き、本プロジェクトを着実かつ早期に進められるよう、国、県、市町とも連携をしながら進めてまいります。

#45
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 着実にプロジェクトを進めていただいておるんですが、今政務官からも言及のありました越辺川と入間川の遊水地のところについては、まだまだ土地の利用規制だったり誘導だったり移転だったりということも絡んでくるので、まだまだ今は検討段階だということだと思いますが、地元の皆さんは、計画に出ているので、果たしてここに住んでいていいのだろうかと、自分の田んぼは遊水地のところに入っているけど、どうなっちゃうんだろうというような不安が大変大きいふうになっています。
 今どのような手法が考えられて、そして地元にはどのように、いつ頃になって、その遊水地の手法だったりこれからのプロジェクトの着手だったりというところを御説明になられるのか、その辺が分かれば教えていただきたいと思います。

#46
○大臣政務官(朝日健太郎君) 越辺川遊水地、都幾川遊水地は、川沿いの土地を囲み、洪水時の水を貯留しようとするものであり、下流の水位を下げるために整備をすることとしています。現在、遊水地を囲む盛土の位置について、土地利用状況を踏まえ、地元市と調整しながら検討を進めているところです。今後、遊水地を囲む盛土の位置が決まり次第、早急に地元住民を対象に説明をさせていただく予定です。
 今後も、引き続き、遊水地の整備について地元市町の御協力を得ながら進めてまいります。

#47
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 私も、両方とも災害が起きてすぐ現地視察に行って、地元の皆さんとも話しています。ただ、まだ自治体の方に詳しく説明がなされていないというような声も聞かれておりますので、今ちょっと協議をしているというお話がありましたが、その辺のところをもう一度御確認をいただいて、地元としっかりと連携を取っていただいて、できるだけ早くその地域住民の方にお知らせができるように御努力をいただければと思います。
 時間がありませんので、最後の質問になります。
 災害対策の決意を改めて小此木大臣にお尋ねをしたいなと思っているのと、ひとつ、所管ではないのでお願い、決意を聞かせていただきたいんですが、緊急防災・減災事業債という債券と、それから緊急自然災害防止対策事業債というのが、本年度、今年度を期限に今各自治体に発行が許されているんですが、今年度で切れると。防災のためにいろいろ使えるので、各自治体から三年度以降も延長していただきたいなという要望が総務省に出されております。
 是非、防災担当大臣として、その地元の皆さんが延長してほしいという声に応えていただきたいなと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

#48
○国務大臣(小此木八郎君) 緊急の防災・減災事業債については、避難所となる体育館のエアコンの設置ですとか公共施設の耐震化、ブロック塀対策など、地方自治体の防災・減災を推進するために多く御活用いただいてきたと承知しております。また、緊急自然災害防止対策事業債についても、国の三か年緊急対策と連携しつつ行う道路や河川等の防災インフラの整備のため、これまた多く御活用いただいてきたと思っています。
 両事業債については、多くの地方団体から事業期間の延長を求める強い要望をいただいておりますことも承知しておりまして、これ、総務省からですけれども、令和三年度以降の在り方について、緊急自然災害防止対策事業債は、三か年緊急対策後の動向等を踏まえつつ適切に対応するとともに、緊急防災・減災事業債の事業期間については延長する方向で検討を進めると、こう聞いております。
 内閣府といたしましても、総務省と連携し、地方団体が防災・減災、国土強靱化を一層推進できるよう対応してまいりたいと存じます。

#49
○熊谷裕人君 ありがとうございます。是非強力な後押しをお願いいたします。
 あと、最後に、大臣の所信の中で、自助、共助、公助、そしてきずなという社会像を目指してという言葉がありました。私も、先ほど防災士をやらせていただいていると言いましたが、やっぱり災害対策については、最後をセーフティーネットで守るというのではなくて、最初に国が不幸を生まないためにきちんと防災対策をして、その上で自助、共助、災害が起きたときには、まず自分の身を守る、そして近所の人と助け合ってその後生き抜く、そしてセーフティーネットというところがあるんですけれど、まずはそういう状況に陥らないというのが災害対策の肝要なところだと思っているんですが、最初にも述べました不幸になる人を生まないための公助というところが私は必要だと思っておりますが、改めて大臣のその辺のお考えをお聞かせいただいて、質問を終わりたいと思います。

#50
○国務大臣(小此木八郎君) 自助、共助、公助という言い方しますからそのような反応をいただくかもしれませんけれども、まさに選挙で選ばれた皆様方と、そして私たち政府におります人間がここで議論しておりますことは、納められている税金の使い道をどう決めるかということからすれば、ここはもう公助の使い道をどう、どう使うのかということの議論でありますから、これはもう当たり前のことだと私も思っております。
 しかし、公助だけでもこれは限界があると思いますし、自助だけでももちろん限界がある。それをつないでいくのが公助なのかもしれませんし、一つ一つがこれ独立しているわけじゃなくて、今はもう、まずはできることはやってくださいという思いはありますけれども、それだけでも限界があるので、共助、公助があるんだよということを是非御理解いただきたいと思いますし、恐らく気持ちは一緒だと思いますので、そういう意味で、力を尽くしてまいりたいと存じます。

#51
○熊谷裕人君 ありがとうございました。
    ─────────────

#52
○委員長(新妻秀規君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、舞立昇治君が委員を辞任され、その補欠として上月良祐君が選任されました。
    ─────────────

#53
○小沼巧君 立憲民主・社民の小沼巧でございます。台風十五号におきまして大変な農林水産業関係で被害を受けました茨城県は鉾田市からやってまいりました。早速、今日は所信に対する質疑ということにつきましてお伺いしてまいりたいと思います。
 災害対策の樹立、災害、防災・減災は待ったなし、一丸となって取り組もうということについては全く異論もないところだと思いますが、この災害といったところは一体何なのであるか、これに対して私、多少の疑義があるものでございますから、その点について議論をさせていただきたいというのが今日の趣旨でございます。
 小此木大臣も、連携でありますとか政府一丸となってでありますとか、そういった所信を述べられていらっしゃいました。是非とも、そういった御所信を遺憾なく発揮した、縦割りを排した御答弁拝聴したく、その腹積もりを持ってお伺いできればと思ってございます。
 さて、災害対策とは何であるかといったときに、災害というのは、恐らく災害対策基本法に定めるものであると思ってございます。この点について私の疑問というものは、この災害の定義からいわゆる感染症というものが抜け落ちているということでございます。
 今年の五月二十五日の参議院の決算委員会、麻生大臣と予算の移用について話し合うたときに麻生大臣の口からあったのですが、少なくとも、こういう危機管理というような文脈の中で、感染症というものを除くと書いてある法律自体に問題があるんじゃないのかと、ちゃんと考えた方がいいんじゃないか、しっかりと反省しなければならぬじゃないのかなと、こういうような御答弁がございました。
 その意味で、改めて大臣にお伺いいたします。この災害対策基本法、感染症を除くとなってございますが、この感染症が除かれた災害対策基本法という現状の法令、これが適切であるのか否か、この御認識についてお伺いいたします。

#54
○国務大臣(小此木八郎君) 災害対策基本法の対象となる災害については、地震や豪雨、洪水、噴火などの自然現象や、大規模な火事や爆発その他及ぼす被害の程度が類する大規模な事故により生ずる被害と規定されています。感染症については、既に感染症予防法や新型インフルエンザ等対策特別措置法などにより別途法体系が整備されているところであります。こうしたことを踏まえれば、新型コロナウイルスの感染が拡大する状況について、災害対策基本法上の災害として位置付け、自然災害に関する各種制度をそのまま適用するのは困難であると考えています。
 なお、新型コロナウイルス感染症対策については、感染症の法令体系を所管する内閣官房や厚生労働省が中心となり、関係省庁一丸となって適切に取り組んでいるところであり、現行の法令体系自体には問題はないと考えております。内閣府としても、様々な自然災害への対応における知見も生かしつつ、しっかり連携、協力を行っていきたいと思います。

#55
○小沼巧君 御答弁ありがとうございます。
 麻生大臣がその当時おっしゃっていたのは、こういうことなんです。危機管理というのは全省庁にまたがるんだから内閣府に一本化しておけばいいのにと、そして、そのさせられた役所というのは、準備、何も準備していなかったという話なんじゃないのかねと、きちんと反省しないといかぬところだと思いますけどと、こういうような御発言でございました。
 それを踏まえて、現状、法令上は問題ないというお立場であるということは理解いたしましたが、そのような、五月二十五日の麻生大臣のそのような答弁があったわけでございますが、それをもってしてもなお現行において、現行法体系において問題はないと価値判断をなさっている、こういうお考えで間違っていないのか、改めて御答弁をいただけますか。

#56
○国務大臣(小此木八郎君) 麻生大臣のお話を直接聞いておりませんから、どこに真意があるのか、大体なかなか真意の測れない方でもありますけれども、ただ、こういう真面目な議論の中では正直な気持ちを発しておられるとも思います。
 これ、ちょっと言い訳になるかもしれませんが、この感染症対策そのものが、こんな大きなものは、全世界的に広がっているものが、人類にとっても、今生きている我々にとって初めての経験であるとすると、いろんなこれからの対策というものは考えられると思います。
 近年、ここでは、大きな災害のことについて、やっぱりこれは気候変動によるものだと、いろんな議論を重ねて対策を講じていかなきゃいけないということの中で、加えてコロナというものがやってきたといいますか、そういう状況になります。
 常にその法体系で、我々所管所管ありますけれども、内閣の大切なところはその縦型を打破ということでありますので、そういったところは常にこれからの対策としては頭に入れていかなきゃいけないことだとは思います。

#57
○小沼巧君 ありがとうございます。
 組織論についてはこの後やりたいと思いますが、その前に一つだけ。災害ということで必ずしもくくられるのかどうなのか、合致するのか分かりませんが、原子力関係について文科省にお伺いしたいことがございます。
 昨年の十一月十四日、参議院の経済産業委員会でございましたが、私、JAEA、日本原子力研究開発機構における問題について質問をいたしました。
 何が起こったか。放射能管理区域に保管されているトランシーバー、保安管理物品のトランシーバー六台、これが窃盗されまして、ネットオークション、リサイクルショップなどで売り出されていたということでございました。
 原子力研究開発機構によると、危機管理上の問題であるということで、当時、上野副大臣から、ガバナンス等の問題にも関わってくるとか、再発防止の実施に当たってもくれぐれもしっかりするとか、様々な前向きな御答弁をいただいておったところなんですが、その中間報告がなされ、最終報告がなされるその前において、また別の、現金四十万円が盗まれたとか、様々な問題が発生しているわけであります。
 原子力の問題、確かに所管でいうと文部科学省なんでしょう。しかしながら、原子力といったとき、災害が、何かトラブルがあったときというと、どうしても原子力災害ということを惹起せざるを得ないわけであります。
 その意味で、今、文部科学省におきまして、JAEAのこの問題についてどういう評価をなさっているのか、また、内閣府防災等々との関係において役割分担が適切であると言えるのか、この点について御答弁をお願いしたいと思います。

#58
○大臣政務官(三谷英弘君) 御質問にお答えいたします。
 日本原子力研究開発機構におきまして、昨年の令和元年十一月の管理区域内における物品の盗難事件など、トラブルが続いておりますことにつきましては、地元を始めとする国民の皆様に御心配をお掛けしていることにつきまして大変遺憾に考えております。
 文部科学省におきましては、原子力機構においてトラブルが発生した場合、速やかに情報を収集し、必要な対応の指導を行うとともに、特に組織体制やマネジメントについて検証が必要と判断した場合、副大臣をチーム長とする日本原子力研究開発機構特命チーム、これは政務官もこのチーム長代理となりますけれども、におきまして、原子力機構の防災危機管理体制についての改善事項を検討し、再発防止策の徹底を指示してきたところでございます。
 そして、委員御指摘の盗難事案につきましても、当該チームにおいて検討させていただいておりまして、その中で、放射線管理区域からの物品搬出に関する改善、物品の管理方法に関する改善、そして請負企業に対するガバナンスの強化、そういった観点からの改善を進めさせていただいているところでございます。
 様々な御指摘をいただいているところではございますけれども、今後とも原子力機構がしっかりと再発防止策に取り組むよう、文部科学省といたしましても原子力機構を厳格に指導監督してまいりたいと考えております。

#59
○小沼巧君 ありがとうございました。
 その最終報告後も火災が二件起こって、実際に病院に搬送されたという事件も起こっておりますので、その点についてしっかりとしていただければと思いますし、内閣府との関係についてどうだったのかというところのお答えがお伺いできなかったような気がするんですが、また今日も時間も残り少なくなりましたので、またの機会にさせていただければと思います。
 委員長、文科政務官におきましては、これで御答弁結構でございますので、御退席をお取り計らいいただければと思います。

#60
○委員長(新妻秀規君) 三谷文部科学大臣政務官におかれましては、御退席いただいて結構でございます。

#61
○小沼巧君 ありがとうございました。
 それでは、今、感染症の話、そして原子力の話をさせていただきましたが、それらを踏まえた組織体制の在り方について議論をさせていただければと思います。
 いわゆる感染症や原子力災害も含めた災害緊急事態、これらを一元的に所管する組織を創設するということの議論があると思います。例えば、直近でいいますと、今年の八月二十六日の災害対策特別委員会、また令和元年十二月四日の参議院、それぞれの災害対策特別委員会、加田先生からも、いわゆる防災庁というような呼称でそういった組織をつくってはどうかというような議論がありました。また、平成三十年の七月十九日、衆議院の災害特でございましたが、当時、小此木大臣が第九十二代、九十三代のときの防災担当大臣であられましたときに御答弁なさっていたんですが、公明党の赤羽先生からも、防災庁のような組織をつくることが必要ではないかと、こういうような御提言がなされたところであります。
 様々あるということを承知しておりますし、私の立場からは、今申し上げたような例えば感染症の話、例えば原子力災害の話、様々ほかにもいろいろあると思いますが、そういう組織を創設するということの意義というのは重要なのではないか、特にこのコロナという問題が発生している状況においては、改めていま一度真剣に検討する必要があるのではないかと、このように思っております。
 平成二十七年に関係省庁の副大臣会合におきまして、そのときは特に必要ないと、必要であるとという結論は得られなかったと承知しておりますが、状況は変わりましたし、様々な党派を超えた先生方からも提言がなされているというように状況は変わっていると思います。
 現時点におきまして、そのような一元的にそういった緊急事態あるいは災害を取り扱う組織の創設が必要であるかという議論は現実味を帯びていると考えますが、大臣の御見解をお願いいたします。

#62
○国務大臣(小此木八郎君) 今おっしゃいましたように、私が前の就任時の前に副大臣会議がございまして、そのときに、その防災庁、取りまとめた防災についての省庁は今のところ必要ではないという話を受けて、受けてといいますか、その話を受け継ぎまして私は前に就任をいたしました。
 それからこの数年、今日も議論がありますように、様々な大きな災害が起こっています。しかし、そのたびに関係省庁がやはりすぐに集まりまして、台風なら台風の発生する前に情報共有をいたします。大臣会合、総理大臣も必ずそこには出席をして情報交換を行い、各省庁でやれることをやるということについては繰り返し繰り返しされてきた中で、議論をここでやめるということではありませんが、その中で、今組織が、総理大臣の指揮の下、内閣危機管理監あるいは内閣官房、内閣府が中心となって省庁横断的な取組を行っているこの体制が望ましいと私は思っていますが、改めて申し上げますけれども、今おっしゃった議論を止めるということではないということも御理解いただきたいと思います。

#63
○小沼巧君 分かりました。御答弁ありがとうございます。
 それでは、ちょっと個別の議論にこれから入ってまいりますが、いわゆる災害が起こったときにどうするのか、そして今のコロナの状況に起こったときにどうするのかということで、心配事というものが被災地、特に被災地に勤務する職員の労働安全衛生とかメンタルヘルス、そして被害状況を実際調査しなければいけないんですけれども、これらに対する支援の程度であります。
 罹災証明をやると、実際に被害が起こったときに、やれ半壊、やれ大規模半壊、やれ被害調整なり、床下浸水、床上浸水とかということを通告しなければならない方々の精神的なストレス、場合によっては、住民に対して、あなたのところは支援の対象になります、なりませんということを宣告しなければならないというところの精神的なストレスというのは相当なものであろうと推察いたします。
 また、保健所の問題、様々問われておりますけれども、この保健所の問題につきましても、公衆衛生というものの見直し、これが余り不要不急のようなものとして位置付けられてしまって停滞してしまった結果、今こんな現場でも大変な状況になってしまっているのではないかと。
 具体的に申し上げますと、保健所法、これ廃止されまして地域保健法となりまして、当時、平成六年当時八百四十七全国にありました保健所、これ令和二年においては四百六十九と約半減しているわけでございます。
 その中で、例えば労働安全衛生委員会なんかも開かれることになっておるんですが、本来月一でやらなければならないというものが実効性として担保されていない。保健所で働く職員の方々のうつ病の症状もそれなりにあるというような話も伺っているわけでございます。
 このような状況、特に被災した職員、被災した地域における精神的なストレスというのはいかほどまでかと思うわけでございますが、内閣府及び政府全体としてということになりますが、何らかの支援を行っているというように承知しています。現状、このような労働安全衛生やメンタルヘルス、被災状況の調査に当たって、どのように現状を把握して、そして何らかの、どのような支援策を講じていらっしゃるのか、政府の現状の取組及び考えについて伺います。

#64
○国務大臣(小此木八郎君) 委員の御心配のとおり、これ、被災が起こると、被災者だけではなくてそこに従事する方々、災害発生時に自治体等の職員が心身に過度なストレスを受けて不調を来すことはもう十分に懸念されることから、メンタルヘルスを始めとする職員の健康を保持することや必要な人員を確保することは極めて重要であると認識しています。
 このため、総務省では、各地方公共団体に対して災害等の対応においてもメンタルヘルスに関する各種相談事業や臨床心理士など専門家の派遣事業などについて積極的に活用するなど、メンタルヘルス対策を実施するように促しているところであります。
 また、被災地において災害発生時の初動対応や早期復旧に必要な人員については、内閣府調査チームや、被災状況の迅速な把握などに対し技術的支援を担うテックフォース等、各省庁の専門能力を有する職員を直ちに被災地に派遣することや、応急対策職員派遣制度を活用して、他の自治体からの被災自治体へ応援職員を派遣するなど、国と自治体が連携して迅速に被災地の人員体制を整える仕組みを確立してきていると認識しています。
 引き続きこのような取組を進め、被災地の迅速かつ円滑な復旧復興とこれに従事する職員の心身の健康の確保との両立に努めてまいりたいと思います。

#65
○小沼巧君 御答弁ありがとうございます。
 実はそのようなことを私も申し上げましたが、私の方でも調査が十分には現状できておりません。このコロナという状況において実際現場がどうなっているのか、まだクイックな粗い調査しかできていないというところでございます。今後、コロナなんかが落ち着きましたら、私の方でも情報収集いたしまして、実際どういう現場の状況になっておるのか、その情報を提言して、そして議論して、この状況、前に進めていきたいと思っておりますので、その際はどうぞよろしくお願いいたします。
 さて、そして、時間がもうなくなってきてしまいましたので、本日、小林政務官にもいらっしゃっていただいております。
 感染症と災害というような文脈の中で、私、本日一つお伺いしたいのが、公共交通機関としてのタクシーの有効利用でございます。
 小此木大臣が、当時、九十二代、九十三代、大臣が防災担当大臣をやられていたときに、御記憶にあられると思います、北海道の胆振東部沖地震。あそこで二日間のブラックアウトが生じたわけでございますが、その二日間の中で実際に公共交通機関として動いていたのはタクシーでありました。
 そういう意味で、様々、タクシーの運転手の方々、自分も感染症リスク等々の隣り合わせにある中、様々なエッセンシャルワーカーの人たちのため、あるいは場合によっては足がない人たちのため、頑張ってやっているということが現状であると思いますし、その人たちのなりわい、状況を支えるということが、これは災害時においても感染症対策においてもどちらも重要であると思っています。
 その中で、今回、国土交通省の方におきまして、新技術を活用したコロナ対策による安全、安心、快適な車内空間の実現のための予算措置、第三次補正予算などで検討なさっていると伺っております。
 これ、第三次補正予算まで待つまでもなく、今現状残っている予備費あるいは省庁の中における流用などによって早期に予算措置をすることによって、タクシーで働く人たちを守り、また地域の足を守るということにつながると思いますので、それを是非、早速やったらいかがかなと思いますが、そこについて、政務官からのお考え、御決意、あればお伺いしたいと思います。

#66
○委員長(新妻秀規君) お時間が来ていますので、答弁簡潔にお願いします。

#67
○大臣政務官(小林茂樹君) はい。
 今委員おっしゃるとおり、タクシー、エッセンシャルワーカーとして、国民生活に欠かせないエッセンシャルワーカー、公共交通機関であります。
 今おっしゃったこと、この高性能フィルターによるウイルス除去、そして車内の空気清浄を見える化する取組を指していらっしゃると思うんですが、これを早期導入してタクシーを安全、そして安心、快適に利用いただける環境整備、これ重要と考えております。関係省庁とも連携をしつつ、可能な限り早期に支援ができる方策について検討してまいります。
 以上です。

#68
○小沼巧君 終わります。ありがとうございました。

#69
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。この災害対策特別委員会、質問におよそ一年ぶりに立たせていただきます。
 去年、どんなときに質問したかというと、十月の一日でありまして、先ほど小沼委員の方からも言及ありましたけれども、昨年も大変災害が続いた年でありました。台風十五号が九月九日の未明に上陸をして、私もとにかく一か月間被災地をずっと歩き続けて、その状況を報告し、また質問にぶつけさせていただいたわけでありますが、その十月、同じ月のうちにまた今度は台風十九号が上陸をいたしまして、十五号がよく風台風と言われたんですけれども、十九号は水台風だったということで、一月余りの間に本当にこんな大変な災害がまた違う形でやってくるのかという思いで昨年は過ごしたわけであります。
 この十月の、昨年の災害特で私どんなことをお伺いしたかというと、一つは、この十五号のときに、これ房総半島を中心にでありますけれども、長期にわたって停電、断水、そして大規模な通信障害というのが発生をいたしました。特にこの通信障害という部分については、これは今年起きた災害のときにもまた指摘をされている点でありますけれども、私も非常にこれは何とかしなければいけないなという思いで実はおりまして、これ当然、通信障害、要は電話が通じない、携帯電話も通じないしネットにもつながらないという状況になりますので、災害対応の最前線に立つ市町村ですとか県庁がそもそも現場の状況を把握できないということがまず起きました。加えて、要するに独り暮らしの高齢者の方とか御自身で移動がなかなかままならないという方がSOSを発信できないと、こういう状況になりました。
 我々も、例えば千葉県内、公明党の議員、地方議員を中心に百六十人いるんですけれども、上陸前から災害対策本部を立ち上げまして、基本的に夜通し各地からの災害の状況を収集していたんですけれども、実はこのときには途中から電話がつながらなくなったんですね、各地の議員と。これは停電できっと電池切れだということで、私も、上陸した日の朝、もうモバイルバッテリーをとにかく車に積み、たくさん積み込んで各地の議員訪ねて歩いたんですけれども、実は幾ら携帯を充電しても結局電話はつながらなかったというところが一つのポイントでありまして、そもそも、これ近年の災害、東日本大震災のときに特に指摘されているんですけれども、この携帯の基地局のちゃんとバックアップ電源というものを長時間化しておかないと、いざというときにやっぱり電話が通じないという、そういう問題が長らく指摘をされてきたわけであります。こんな点を昨年の委員会で問わせていただきました。
 改めて、今日、ちょっと振り返りなんですけれども、まさにこのときお伺いした例えばハード面、倒木対策ですね。結局、木が倒れるときに電線ですとか様々なものを巻き込んで一緒に停電を引き起こしてしまう、あるいはそれに伴う無電柱化、言われているけどなかなか進まない、そして通信環境の強靱化、こういったハード面の整備。それから、ソフト面に関して言うと、この復旧、特に電力の復旧のときに、電気事業者、電力事業者の皆さんと自治体の道路部局、また自衛隊、こういったところがうまく連携できなくて、皆さん現地入っているんだけれどもどこにいるんだっけみたいなことで、実はいろんなところのコンビニの駐車場がそういう人たちで埋まっているみたいな、そういう状況が昨年は実際に起きてしまいました。
 改めて、これ一年で簡単に解決する問題ではありませんが、これまで検討状況、あるいはその後の取組ということについて、今日改めてお伺いをしたいと思います。

#70
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、昨年の台風十五号による災害の対応につきましてはいろいろな課題がございました。このために、官房副長官を座長とする検証チームで課題と対応策について検討をして、今年三月に取りまとめを行ったところでございます。
 個々の課題と対応策、具体的にまとめたところでございますけれども、例えば、通信障害に関しましては、携帯電話基地局などの重要な通信施設の非常用電源、これを長時間化することが課題でございますので、都道府県庁等をカバーする携帯基地局等においては少なくとも七十二時間の停電対策、市町村役場等をカバーする携帯基地局等においては少なくとも二十四時間の停電対策を行うよう、総務省におきまして今年の六月に告示を改正したところでございます。
 また、停電の発生に関して、一つには他電力からの応援派遣に対する受入れ体制、これが不十分で、当初、電源車や人員を効率的に活用できなかった、それから、倒木処理に係る電力会社からの自衛隊への要請が遅れた、また関係機関の連携というところが課題となったところでございます。このため、今年六月に、経産省さんのエネルギー供給強靱化法、こちらにおきまして、一般送配電事業者に対して、関係機関との連携に関する事項を記載した災害時の連携計画の策定、それから経済産業大臣への届出を義務付けるということとしたところでございます。関係者間の事前の備えの充実と災害時の円滑な連携の促進、また、現地での電力会社それから通信事業者、そして自衛隊や道路管理者、こういった主体が必ず連携の会議を設けて対応を検討するようにというようなことも定めたところでございます。
 そのほかもいろいろございますけれども、十五号の課題を踏まえた検証に基づきまして、各省庁、内閣府も含めましてしっかりと対応を進めてまいりたいと考えております。

#71
○平木大作君 ハード、ソフト両面にわたって、様々今お取り組みいただいているということで、大変感謝申し上げたいと思います。
 先日も、電力事業者の皆さんにお話を伺ったときに同様のお話がありまして、連携の協議体をつくっている、あるいは実際の訓練をされているという様子もお伺いすることができました。改めて御礼を申し上げたいと思います。
 こういった大規模で複合型の災害がとにかく毎年やってくると。こういう状況の中で、やはり、これある意味、官の世界だけではなくて民間の事業者の皆さんも含めて、非常にこのちゃんと実効性のあるBCPをやっぱり作らなきゃいけないんじゃないか、こういう機運が私は今盛り上がってきているのかな、関心が高まってきているのかなというふうに今思っております。
 例えば、自治体に関して言うと、私、ちょっと手元にあったのが古いデータではあるんですけれども、既に全ての都道府県はもうBCPちゃんと作っている、市町村においては八割を超えるところが既に作ったということであります。
 ちょっと確認したいんですが、改めて、この自治体のBCPの中で、感染症対策って反映したもの、どのくらいあるのかということをまず確認させていただきたいのと、恐らくそんなに対応はできていないんじゃないかとは思うんですけれども、今回の当然コロナ禍の教訓というものをしっかりとやっぱり反映してアップデートに生かしていかなきゃいけないわけでありますが、これ、国としても是非自治体と連携して取り組んでいただきたいと思っています。この点についてお伺いをしたい。
 ちょっと併せて聞いちゃうんですが、これは中企庁の方に。事業者の皆さんは、一方で、大分BCPの策定が遅れていると。これいろんな調査によって数字違うんですけれども、最近のものでも、中小企業・小規模事業者のうちおよそ八割はそもそもBCP作っていないという回答でありまして、ここはやっぱりしっかり対応していかなきゃいけないのだろうというふうに思っています。策定推進に向けたお取組、ちょっと自治体の分、それから事業者の分、併せて御答弁いただけたらと思います。

#72
○政府参考人(荻澤滋君) まず、地方公共団体における状況についてお答えをさせていただきます。
 消防庁では、毎年、地方公共団体の業務継続計画策定状況について調査をしているところでございますけれども、直近では、都道府県では四十七全て、また市町村でも九割近くまで策定が進んでいるところでございます。その中では、いざというときの必要な職員の確保、緊急参集についても定められているところでございます。
 ただいま御指摘いただきました感染症対策、これを踏まえたものというのは、はっきり書かれているものというのが全てではございませんけれども、そうした考慮状況については今年度調査項目に追加しているところでございまして、現在取りまとめ作業中というところでございます。
 特に、感染症対策を踏まえた対策といたしましては、やはり人のやりくり、必要な職員の確保、また、それを感染防止を講じながら、感染防止でございますので長期にわたって取組が必要である、そういうようなことをしっかり盛り込んでいく必要があるというふうに認識をしているところでございます。
 今後、調査結果の公表に併せて地方公共団体の取組状況を踏まえて助言を行ってまいりますし、また、例年内閣府と共同で実施しております研修の機会を活用するなどによりまして、業務継続の確保に支障が生じることがないよう支援してまいります。

#73
○政府参考人(飯田健太君) 中小企業のBCPのことについて御答弁させていただきます。
 中小企業のBCP、確かにまだまだでございまして、この計画策定を促していかなきゃいけないというふうに思ってございます。
 私ども中小企業庁では、昨年、中小企業強靱化法、これを施行させていただいておりまして、中小企業の防災・減災対策に係る取組を事業継続力強化計画というもので認定する制度を設けております。この計画策定のインセンティブといたしまして、税制でございますとか金融支援の関係、あるいは皆さんにお使いいただいていますものづくり補助金の加点でございますとか、こういったところで支援を実施しておりまして、本年十月末までに約一万六千件ということでございます。
 それから、お話にもありましたけれども、自然災害に加えまして感染症もということでございまして、現在、予算事業を活用いたしまして、普及啓発を目的とした、オンラインでシンポジウムを開催いたしましたり、あるいはセミナー、専門家派遣、ワークショップ、こんなことを通じまして、事業者の皆様方に計画の策定をしていただくように支援してまいりたいというふうに思ってございます。

#74
○平木大作君 私も、割と長い期間、BCPに実は関わらせていただいておりまして、大手企業のBCP作る支援をさせていただいたこともあるんですが、そもそも、振り返りますと、BCPがなぜこれだけ注目を集めるようになったか。一つのきっかけは、あの二〇〇一年の九・一一同時多発テロがきっかけになって注目されたということが言われております。
 私、当時、米国の会社に勤めておりまして、九・一一のときにまさにニューヨークにいたんですけれども、ああいう中で、実はその当時勤めていた会社の本社ビルがこのテロの標的の最終候補だったということが分かりまして、これはとにかく大変だと、本当にこんなものが起きてしまったときには、ある意味、公共の器としての企業としての役割が果たせなくなるということで、全社的なこれ対応しなきゃいけないということで大騒ぎになったのを覚えています。
 ただ、これ、私もテロの現場にある意味居合わせておいてなんなんですけれども、日本に実際帰ってきて、じゃ、日本の事業所を同じようにBCP、BCPと、本社からは来るんですけれども、まあ東京の支店には飛行機は突っ込んでこないよなみたいなやっぱり雰囲気がどうしてもなかなか覆せなかったというものも一方で覚えているわけでありまして、この災害が本当に自分たちに降りかかってくるという危機感がないと、ある意味、BCPってやっぱり作れないんだろうというふうに思っています。その意味では、これだけ災害が続く今だからこそ、機運が高まっている今だからこそ、しっかりと政府にもこのBCPの策定、これは自治体にかかわらず、事業者の皆様の策定も含めて全力で応援していただきたいというふうに思っております。
 その上で、これ、先ほどもちょっとあった質問なので答弁簡潔にいただけたらと思いますが、今年もやはり大規模な災害が相次いだということで、特に九州地方を中心に甚大な被害をもたらした令和二年七月豪雨ということであります。熊本県、球磨川の氾濫ですとか、あるいは山間部の崖崩れ、様々ある中で多くの方が避難生活を余儀なくされたわけであります。
 ここについて改めて、この今回の避難所運営では、これまでのものに加えて三密回避を始めとする感染症対策ということが求められたわけです。ちょっと重複する部分、若干簡潔にやっていただけたらと思いますが、現時点で避難所運営どうだったかという総括と、ある意味、これからのこの感染症の時代と言われる時代における避難所運営について、何か共有すべき教訓といったものがあるようでしたらお示しいただけたらと思っております。

#75
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 避難所運営に関しましては、三つの密の回避ということで様々の対応を行ってきたところでございまして、七月豪雨ではおおむね適切に行われたというふうに承知はしておりますけれども、避難所そのものの対応とともに、分散避難を促したというところがございますので、避難所外の避難者に対するケアというものをしっかりやらなければいけないということ。それから、台風十号の際には収容人数を超過した避難所が生じたということから、これはやっぱり情報発信をしっかり平時から検討をすると。また、災害の大きさを判断した上での必要な避難所をできる限り当初から開設するといったことも必要であるということでございますので、引き続き、今年の災害における教訓を各自治体に周知を図って、このコロナ禍での避難所運営、また避難者対策をしっかりとやっていただくように促してまいりたいと考えております。

#76
○平木大作君 こういう中で、ちょっとここで小此木大臣にお伺いをしておきたいと思うんですが、ある意味、状況が変わる中で避難所運営の在り方も変えていかなきゃいけないという中で、一つ、私、今注目している動きがありまして、それがいわゆるトレーラーハウスとかコンテナハウスといった、何というんでしょうか、移動式住居を災害時の仮設住宅に使う、あるいは感染症対策の拠点として活用する事例というのが幾つか出てきております。
 例えば、先ほど言及しました令和二年七月豪雨でも、実際に熊本県球磨村でこの移動式の木造住宅というのが応急仮設として実は今回も活用されておりまして、これはあくまでもその造った方たちがおっしゃる話でありますけれども、大体、通常のプレハブを現地でそのまま一から組み立て始めると二、三か月供用まで掛かるというものが、今回一、二週間で入居が可能になったということも言われているようでありまして、ある意味、この被災地にまさに可能な限り多くの仮設住宅を迅速に確保するという意味で、非常にこれは有力な手段なんじゃないかというふうに考えております。
 ただし、これ、各自治体で、じゃ、あとやっておいてくださいと言われると、ふだん何に使うのかということも含めてちょっと問題になるわけでありまして、なかなかいわゆる仮設住宅の備蓄みたいなことについては皆さん、自治体も腰が引けてしまうわけです。
 一つの解としては、実は、これ、例えば平時はコンテナホテルとして活用しつつ、災害が起きたときにこの協定を結んでいる自治体に出動していただく、こんな事例も今出てきていまして、これはこれで非常に有用なんだろうというふうに思うわけですが、一方で、これはあくまでも平時コンテナホテルですから、ホテルとしての需要があるところには集積がある程度できるんですけれども、そうじゃないところだってたくさんあるわけでありまして、やはりここにも何かしら、いわゆる公的な観点から、特にホテル需要がないところを中心に備蓄をするという考え方は、やっぱり私はひとつ今後検討してみてもいいんじゃないかなというふうに考えております。
 この点について小此木大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

#77
○国務大臣(小此木八郎君) おっしゃいましたトレーラーハウス等、こういうものについては、これまで、平成三十年の七月豪雨や、先ほど話ありました北海道の胆振東部地震、昨年の東日本台風、応急仮設住宅として活用がされてきたところだと認識しています。
 本年のこの七月豪雨におきましても、球磨村におきまして、先ほどの若い御婦人から治水の話を聞いたという、まさにこの球磨村のムービングハウスの中でございましたけれども、住まいの迅速な提供につながったのではないかと認識をしています。
 こうしたトレーラーハウス、ムービングハウス等が仮設住宅として活用され始めてから二年程度がたっております。その活用実績を自治体に周知をして理解の促進を図ることで、活用事例の更なる積み上げを促進していきたいと、こう私たち考えております。
 その上で、委員御指摘の国が主導する形の備蓄、融通については、備蓄スペースをどう確保するか、平時にどのような活用をするか、平時における維持管理費などの財政負担をどうするかなど、整理すべき課題が多いと認識していることから、このため、まずは救助の実施主体である都道府県等において民間団体等との協定の締結などを行っていただくとともに、民間備蓄を基本として、災害時に融通し合う仕組みの構築が可能かどうかについて検討してまいりたい。
 おっしゃるように、平時どうするかということはいろんな工夫が、民間の中で考えていただいて、その認識の共有といいますか、そういったことを大事にしていただけたらなと、このように思っています。

#78
○平木大作君 ありがとうございます。
 今回も、球磨村に派遣したトレーラーハウスですか、これ、基本的には今回は三か所から駆け付けていただいたようでありまして、一つが茨城県小美玉市にある研修施設から持っていった、もう一つが長野県の展示場にあったものを持っていった、そして最後、北海道から持っていったということでありまして、大変長い距離を今回移動している。これはこれで、数がそこそこまだ限られていたので、何とか三か所から遠い距離を運んでも間に合ったわけでありますけれども、一方で、なかなか大規模な災害のときにこれで全部対応できるかというと、難しいんだろうというふうに思っています。
 今大臣おっしゃったように、民間の平時の活用、様々今工夫がされておりますので、私もこれしっかり後押しをしたいなと思うのと同時に、先ほど申し上げたように、やっぱり面的にどうしてもカバーされないところが出てくるだろうというふうに思っています。一つの市町でたくさん抱える必要は私ないと思っていますので、ふだんは市町村の研修施設ですとか何がしかの施設として活用していただいて、いざというときに十か所、二十か所からやっぱり融通し合うと、こんな体制を是非御検討いただけたらということをお願い申し上げたいと思います。
 これに関連して、ちょっと国土交通省に幾つか確認をしたいと思います。というのが、この今御紹介したトレーラーハウスとかコンテナハウスとかというのが、まさにある面から見るとこれは車両であり、ある面から見ると建築物と、こういう立て分けになるわけですね。
 そこで、そもそも今申し上げたトレーラーハウスやコンテナハウスの設置に関して、恒久的な建築物と違って、建築基準法上の扱い、これがどうなるのかということについて御見解をお示しいただけたらと思います。

#79
○政府参考人(黒田昌義君) お答えいたします。
 近年発生した災害におきまして、設置が容易なトレーラーハウスを活用した応急仮設住宅、この活用が増えてきていると認識をしております。
 こうした災害時に建築します仮設建築物の建築基準法上の取扱い、迅速に建築できるよう、建築時の建築確認、また完了検査の手続を不要といたしまして、存続期間が三か月を超える場合は、それまでに特定行政庁の許可を得て、その後も原則二年間、合わせまして最大二年三か月は存続させることができるということになっております。
 さらに、存続期間が限定されることを踏まえまして、適用される建築基準法の基準は、恒久的な建築物と比べまして、構造、防火、避難規定、集団規定など、建築基準法の一部を大幅に緩和しているところでございます。
 以上でございます。

#80
○平木大作君 今、建築物としてのトレーラーハウス、コンテナハウスについて確認しました。
 では、今度、車両の面からもう一度確認させていただきたいんですが、これ、トレーラーハウスの一部なんですけれども、いわゆる法規上被牽引車両として車検制度が適用されることになっております。
 これ、登録から二年以内に一度検査を受けて、以後毎年やっていくというものなんですけれども、現行のルールでは、実は国の車検場又は指定車検場に持ち込んでの検査ということが義務付けられておりまして、これがなかなか、いわゆる人が住める大きさのものを特にかなりの規模で持っていた場合に、実務上、一度に検査工場に持っていくということがなかなか難しいということがありまして、加えて、これ、実際に災害時に何か活用しようというふうに当然考えながら今展開されているわけですけれども、近隣の市町村で実際に災害が起きたと、だけど、この車両は全部来月車検だから出すことできないなみたいなことも実際にちょっと起こり得るんじゃないか、こんな御懸念の今声も上がっているわけであります。
 改めて、これ、被牽引車両でありますからそもそも内燃機関、エンジンがない、そういう車両でありまして、検査の主な部分というのは、電気系統ですとかタイヤ回り、こうなるわけです。であるならば、これ、工場に持ち込むということではなくて、検査官の方を現地に、現場に派遣する形で当該検査が実施できるよう、そんな制度の見直し、私、考えてもいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

#81
○政府参考人(江坂行弘君) お答えいたします。
 トレーラーハウスを含みます被牽引自動車につきましては、先生御指摘のとおり、法令に定める期間ごとに国の検査場又は指定整備工場、いわゆる民間車検場が行う検査の受検が義務付けられております。
 このうち指定工場は、自らの事業場におきまして適切な設備により所定の点検整備を行った自動車についてのみ、この工場の自動車検査員が保安基準の適合性を判断することができる旨、道路運送車両法に規定されていますことから、この自動車検査員が事業場外で検査のみを実施することは現在認められておりません。
 一方、国の検査官の派遣につきましては、委員の御指摘のとおりで、災害時におけるトレーラーハウスの有用性も考慮いたしまして、検査官が出張先において法令に定める検査を適切に行える環境が整っていること、自治体との災害協定の対象であるなど高い公益性が認められるトレーラーハウスであること、さらには出張旅費など必要な実費が支払われることなどを前提といたしまして、どのような対応が可能か総合的に検討してまいりたいと考えております。

#82
○平木大作君 大変前向きな御答弁ありがとうございます。
 残り限られてきましたので、二問ほどあとお伺いしたいと思います。
 ちょっと話題を変えまして、首都直下地震における帰宅困難者問題というのをちょっと扱いたいと思っています。
 これ、例えば近年ですと二〇一一年の東日本大震災のとき、それから二〇一八年の大阪府北部地震、こういった際に、いわゆる多くの帰宅困難者の方が出た。これは、メディアを通じてでも御覧になった方もたくさんいらっしゃるかと思うんです。いつ起きてもおかしくないこの首都直下地震についても、これ当然同様の事態というのを想定をしておかなきゃいけないと思っているんですが、今、私懸念として持っているのは、実は多くの方が、帰宅困難者問題というのは、まさに勤務先とか出先から何時間も掛けて苦労して徒歩で帰宅しなきゃいけない問題、こう捉えているんじゃないかという懸念であります。
 実際はそうではありませんで、こういった事態のときにはとにかく帰ってはいけないというのが一丁目一番地の対策になるんですけれども、実際は、今アンケートを取っても、あるいは三・一一のときに実際に歩いて帰られた方を対象にしたアンケートで、同じような事態になったときどうしますかという問いに、もう一度歩いて帰ると答えた方が実は回答八〇%に至っているということでありまして、これやはり、多くの皆様の御認識も含めてきちっとこれは変えていく対策をしっかりやっていかなきゃいけないんだろうというふうに思っています。
 そこで、まずお伺いしますが、この大規模災害において発生する帰宅困難者問題、具体的にどのような被害ですとかどのような事態が想定をされるのかということについて内閣府から御答弁いただきたいと思います。

#83
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 首都直下地震の被害想定におきまして、帰宅困難者、平日の十二時に発災した場合が最も多いと想定しておりまして、一都四県で約六百四十万人から八百万人というふうに想定されております。
 このような大量の帰宅困難者が御指摘のように一斉に帰宅を開始した場合には、緊急通行車両等の通行に支障を来して救命救助活動や消火活動等に支障を来したり、鉄道駅周辺等では帰宅困難者が集団転倒などに巻き込まれるといったおそれがありますので、まずは帰宅困難者の一斉帰宅を抑制する必要があると考えております。

#84
○平木大作君 これ、今、一斉帰宅抑制しなきゃいけないんだということで端的にお答えいただいたんですが、これ自治体の中には、例えば東京都は大変熱心に取り組んでいただいていて、帰宅困難者対策条例というのがもうできております。しかも、作った後も鋭意見直しを掛けているような状況なんですが、私もこれ読ませていただいたんですけれども、例えば、事業者に対しては従業員の一斉帰宅抑制に努めるというように義務付けている、努力義務規定を置いている、都民に対してもむやみに移動しないことを責務であると定めているんですけれども、やっぱりこれ強制力はないわけです。
 今のある意味コロナ禍の緊急事態宣言と同じような状況でありまして、お願いベースで、動かないで、帰らないでということが条例に書いてあるだけでありまして、これやっぱりきちっと対策を、例えばとどまるのであれば、その間、一日、二日の間ですね、そこでちゃんと食べるものにも困らないような状況というのを当然つくっておかなければいけませんし、どれだけ準備をできるかということが極めて重要なわけであります。
 そこで、最後にこれ小此木大臣にお伺いしたいんですが、やはりここ、いわゆる意識の高い自治体任せではなかなか難しい。特に首都直下地震の場合、東京都が幾らやっても、東京には近隣の県から多くの方たちが通っているわけでありまして、我々は東京都民じゃないから、じゃ帰っていいのかみたいな話にやっぱりなりかねない部分もあります。
 そういう意味では、政府としてこれきちっと自治体間の広域連携で旗を振っていただく、あるいは中小企業、事業者の皆さんにもこの意識をしっかり持っていただく。備蓄物資購入に対する財政支援、あるいは帰宅困難者への情報提供体制の整備、こういったところ、是非とも政府としても役割を果たしていただきたいと考えておりますが、大臣、いかがでしょうか。

#85
○国務大臣(小此木八郎君) 二〇一一年は、私自身は東京で働いていたかったんですけど、選挙に失敗しちゃいまして、選挙区横浜にいたんですが、私の兄が、いつもは日頃横浜で働いているんですけど、そのときは東京にいまして、そこで震災に遭って、会食があったのが中止になったかどうか知らないけれども、新橋から国道をずっと横浜まで帰ったのが朝方だと、人が大勢いたという話を今思い出しました。
 国として、地方公共団体、民間企業等との連携、協働、一斉帰宅抑制の基本方針の下、適時適切な情報提供などの帰宅困難者対策に積極的に取り組んでいくことが重要であると考えています。このため、帰宅困難者への情報提供については、被災状況や一時滞在できる施設の場所などが適切に周知されるように、内閣府と東京都が共同で開催した協議会において地方公共団体から住民等への発災時の情報提供の方法等を定めたガイドラインを作成するとともに、内閣府においてアプリを活用した情報提供などに関する事例集の作成などを行ってまいりました。また、備蓄物資の購入等に対する財政支援について、東京などで既に取り組んでいることを踏まえつつ、国としてどのような対応が必要か研究をしてまいりたいと思います。
 引き続き、関係省庁、地方公共団体等との連携を重要視し、帰宅困難者対策の促進に向け取り組んでまいります。

#86
○平木大作君 ありがとうございました。時間が参りましたので、終わります。

#87
○室井邦彦君 日本維新の会の室井でございます。
 早速質問に入らせていただきますけれども、今先生方の質問、また答弁をお聞きして、ちょっといろんな、阪神・淡路大震災のこと、またよみがえってきたわけでありますけれども、日本の国は災害大国でありますから、いろんな教訓、いろんな経験、いろいろと学ぶ点があったわけでありますけれども、今私がふと思ったことは、あの当時に、阪神・淡路大震災の当時にドローンがあれば随分犠牲者が少なくなったんだろうなという、今そんな思いをいたしました。
 阪神・淡路大震災は、皆さん方御承知のとおり、ほとんどの方が押し潰されて亡くなっておられて、ごく一部が火災によって犠牲になられたと。そういうことで、押し潰されて、その隙間隙間で助けてほしいという声を出されているんですけれども、空を見ると竹とんぼのようにマスコミのヘリコプターがもう何十機と取材に回っていて、その小さなか細い声が聞こえなかったと、そういうことを、後からいろんなことを聞かされました。
 そういうことをふと思い出しましたけれども、震災にはいろんな、神戸のようにほとんどが押し潰されて亡くなる、そして今回質問をさせていただくことは、集中豪雨によって、水災害で、いかに、どういうふうに過去の経験を生かしながら、教訓を生かして、この自助、共助、公助を組み合わせた、国民の命、財産を守っていこうかということになるわけでありますけれども。
 もう単刀直入に大臣にお伺いいたしますが、この自助、共助、公助を組み合わせた取組をスムーズに進めていくためには、今現在具体的にこんな策があるんだよ、こういうことを今計画というか、こういう対応をしようとそれぞれが今いろいろと意見を交わしているんだということがあれば、お聞かせをいただければ幸いであります。

#88
○国務大臣(小此木八郎君) 自助、共助、公助についての考え方は先ほどもお話をさせていただきました。
 被災者の生活再建において、例えば被災住宅の応急処理や被災者生活再建支援金の支給といった、今回お願いしています法案でございますけれども、こういった公助は住宅再建への支援として重要でありますが、加えて、被災に備えた災害保険の活用といった自助、ボランティア等による支援活動などの公助、こういったものを推進していくことも速やかな再建を可能にすると考えております。
 このように、自助、共助、公助を組み合わせることで防災の効果は一層高まりますが、こうした組合せがうまく機能するためには、各々の取組主体がばらばらではなく、連携して取り組むことが重要であると考えております。
 例えば、命を守るための避難を確実に行うためには、自治体や地域住民が協力して行う避難行動や避難情報の理解を促す周知活動、住民等が行う地区防災計画の作成に対する国や自治体の職員等による支援、自治体と住民が連携して行う防災訓練、こういったものの連携した取組を推進していくことが必要であると考えています。
 内閣府として、国民が連携して自助、共助、公助の防災活動に取り組むことを促し、我が国の防災力を高めてまいりたいと存じます。

#89
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 この自助、共助ということに関しては随分地域で浸透してきているように私も感じておりまして、地域の方、消防団の方、警察の方、あらゆる団体がありますけれども、各企業の防火団体とかあるわけでありますけれども、随分、私は兵庫県の尼崎でありますけれども、年に数回こういうことを、そして河川敷でヘリコプターが救助者をつり上げて助けるというか救助しているという、そういうことを再三繰り返しておりますので、随分そういう意味では自助、共助は徐々には浸透してきているなと思いながら、やはり不安な点もありますし、やはり公助の絶大なるそういうデータといいますか教訓、そういうものを生かしてこれからもしっかりと国民を守っていただきたくお願いを申し上げたいと、このように思っております。
 続きまして、先ほども述べましたけれども、今までの多くの災害から経験、教訓を得ておるわけでありますけれども、被害を最小限に食い止める知恵や工夫がそれぞれ生み出されていると思っておりますが、この被害状況の早期把握、また被害者の救援・救護活動について、これまでの経験や教訓を生かした新たな方策というかそういうことを考えておられるのか、進めていっておられるのか、そういう部分があればお聞かせをいただきたい。

#90
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 お尋ねの被害状況の早期把握につきましては、昨年の台風十五号に関する検証を踏まえまして、被害状況の確認や被災者の救援、救助の調整等を行うための職員を派遣するタイミング、あるいは情報収集、共有手段等について再整理をいたしまして、今年の五月に防災基本計画に盛り込んだところでございます。
 この計画を踏まえまして、今年の七月豪雨においては、内閣府調査チームを始め関係省庁や電力・通信事業者は直ちに被災地に職員を派遣して、被害状況や課題、ニーズ等の把握、国、被災自治体、事業者間の連絡調整を行うと。また、関係省庁は、ヘリコプター等で収集した被害の映像を、中央防災無線網を活用して、国と被災県等の間で情報共有等を行ったところでございます。
 それから、以前の地震、平成二十八年の熊本地震におきまして、現地で関係機関がばらばらに情報を持って災害対応に当たるといった非効率な部分があったことを踏まえまして、平成三十年度からは、現地で災害情報を集約、地図化して関係機関に提供するISUT、災害時の情報集約支援チームというものを運用しているところでございます。
 今年の令和二年七月豪雨の際もこのISUTチームが現地に派遣されまして、孤立集落の位置や道路、電力の復旧状況等、関係機関と連携して収集して、地図化して関係機関に共有するということで、孤立集落解消やライフライン復旧、被災者支援等に向けた調整会議等の場において活用されたところでございます。
 こういった教訓を、経験を生かした取組について引き続き努めてまいりたいと考えております。

#91
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 余りこの部分は触れるのやめようかなと思いましたけれども、それぞれ救護隊、救援に駆け付ける方々、一生懸命精いっぱいやっておられるんだけれども、嫌な場面がテレビで映っておりまして、救助、引き上げた人を落としてしまったというようなこともありました。責任追及とかどうこうということは、そんなことはありませんが、ああいうことが二度と起きないように、毎日毎日訓練をされているんでしょうけれども、ああいうことがあったということは残念でありますけれども、以後またしっかりと、そういう面についても訓練の方をまたよろしくお願いをしておきたいと思います。
 続いて、水災害等に対するこの避難場所の確保なんですよね。一番、避難場所を全て近くの、御近所のいろんなところを避難場所にする、設置すると、またそういう許可を得ると、そういうものを備えておくと、いざ水が出てもそこに逃げれる、逃げるという、逃げ遅れがないということができるんでしょうけれども。
 いろんな話を聞いておりますが、今、小此木大臣が、この避難所を確保する、可能な限りこの避難所を確保する必要があると、そして、避難所の衛生管理徹底等も含めて自治体にその取組を促してきておるというように力強くおっしゃっておられますけれども、さて、自治体がそのようにしっかりとそういう避難場所を設定して努力をしていただいているのか、その辺を国としてしっかりと把握されておられるのかですね。やはり、緊急避難場所をより多く確保するということが、住民にまた周知徹底しておくということが多くの命を救うことができる、こういうふうに思っておりますが、その辺はどのようになっているのか、お聞かせいただけませんか。

#92
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 まず、大雨等の影響で災害が発生する危険が高い地域等においては、逃げ遅れによる被害が生じないように適時的確に行政が避難情報を発令する、住民の方でも意識を持って早め早めの避難をするということが重要でございます。平時より住民に地域の災害リスクを認識してもらって、災害時に取るべき行動について理解してもらうという、これは情報周知の関係でございますけれども、今年四月にもハザードマップの各戸配布や回覧、避難行動の判定フローや避難情報のポイントの周知等、市町村等に依頼をして理解を促したところでございます。
 避難場所の確保につきましては、防災施設の整備の状況や地形など地域の実情を総合的に勘案して、住民の安全を確保する観点から市町村が指定しているところでございますけれども、内閣府においても、適切な場所を指定していただけるように、指定緊急避難場所の指定に関する手引き等を通じて適切な指定の促進に努めているところでございます。
 全国で七万か所以上の避難所、これ大概は避難場所と重複しているところでございますけれども、しっかりと避難場所の確保にも努めて、円滑な避難の実施に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。

#93
○室井邦彦君 よろしく、避難場所の徹底を、数多く避難場所を指定していただければ住民も安心できるんじゃないのかな、このように思っておりますし、その情報を住民への周知を徹底的に、やはり伝えるというか、避難をするまでの経路ですね、その辺をしっかりと、くどいようでありますけれども、御指導をお願いをしておきたいと思います。
 じゃ、次の質問に入ります。
 次は、先ほども多少触れられた先生がいらっしゃいますけれども、火山噴火に対する原子力災害対策について。まあ、東日本大震災はああいうことでありました。だけど、また違った意味での、日本の国には御承知のとおり百十一の活火山があるわけでありまして、いつ噴火してもおかしくないというような状況の中に、日本の国には原子力発電所があるわけでありますけれども、その中には、噴火したときのいろんな噴石とかですね、があるわけでありますけれども、一番私が心配するのは、この火山が爆発して、噴火して、人が逃げるときには防空ごうみたいなのをつくっておりますよという話はよく聞きますけれども、火山流が流れ込むところですね、この火山灰が二センチ積もっただけで人が生活できなくなると。その火山灰が電線に付着したり腐食する、重みで電線が切れるとか、そういうふうな状況が出てくるわけでありますけれども、この点、国として火山に対するこの防御というか対策はどのように考えておられるのか、ちょっと聞かせていただけませんか。

#94
○政府参考人(市村知也君) 私から、まず原子力規制の観点からお答えを申し上げます。
 お尋ねの火山対策でございますが、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえて作成をされました新規制基準がございます。ここにおいて、考慮すべき自然現象として火山を追加するとともに、最新の知見を踏まえまして、原子力発電所の火山影響評価ガイドというものを策定をして、火山灰や噴石といった火山事象に対する原子力施設への影響を評価して必要な対策を講じるということを求めてございます。
 具体的には、例えばフィルター等の資機材を備えて原子炉を冷却するために必要な非常用ディーゼル発電機の機能を維持をすること、また、さらにその機能が喪失した場合にも、事態を想定をいたしまして、代替となる可搬型電源や注水機能を確保するといった措置を講じているところでございます。

#95
○政府参考人(佐藤暁君) ただいま発電所における対応の答弁ありましたけれども、発電所外、いわゆるそのオフサイト対応につきましては私ども内閣府の原子力防災担当がしておりますので、お答えいたしたいと思います。
 万が一原子力災害が起きた場合には、原子力災害対策特別措置法に基づきまして、内閣総理大臣を本部長とし、実動省庁の大臣など、全ての国務大臣を含めた本部員で構成される原子力災害対策本部が設置されます。その上で、原子力災害対策指針などに基づきまして、責任持って対処することになります。
 また、原子力災害と今委員御指摘の火山噴火などの自然災害との複合災害が発生した場合には、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓も踏まえまして対応することとしております。具体的には、原子力災害の担当部局と自然災害の担当部局が連携、役割分担を行い、対応いたします。情報共有や意思決定の一元化を図るため、原子力災害対策本部と非常災害対策本部との合同会議を開催し、合同でオペレーションを行います。毎年実施しております原子力災害に備えた防災訓練においては、こうした複合災害をも想定して、合同で行う対応の確認を行っているところであります。
 いずれにいたしましても、その状況において最もリスクが低減できる対応を取り、人命を最優先に対応してまいります。

#96
○室井邦彦君 まあ、これは随分議論しましたけれども、日本の原子力委員会は世界一厳しい基準を課していると。これは名せりふでありますよね、厳しい、世界一の厳しい規制基準を原子力運営するのに課せているということでありますけど、ちょっと私が心配したのは、原子力発電所の設計では高温の火石流は想定しておらずという、設計上そういうふうなことは想定していないという、これはいいかげんな記事じゃないんですけども、そういうことも言っておられるので、そういう面で非常に心配がありまして、で、こういう質問をさせてもらったんですよね。まあ、もちろん、こういうときに、日本の国は自然再生エネルギーに進んでいくとか、太陽光は世界一の技術があったんだけれども、今、中国に越されてしまって最下位の技術力しかないとか、随分いいチャンスを失ってきているなあと、そんな思いもあるんです。こういう島国ですからね、大陸の大きな国じゃないですから、何か起きれば全てに被害を与える、産業、経済にも与えるわけですよね。
 ですから、あなた方も大体分かっておられると思うんだけれども、その点はこれからも十分にまた研究され、勉強されて、ひとつ国民が安心して暮らせるような、こういう日本の常識が非常識と、原発が、何でこんな地震大国の国にこれだけの原子力発電所があるんだと、世界はそういうふうなことも言っております。まあ、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 五十一分ということでありますので、あと残りましたけれども、申し訳なかったね、質問。いや、もう、済まぬ。おわびいたします。
 じゃ、これで終わります。
    ─────────────

#97
○委員長(新妻秀規君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大野泰正君及び酒井庸行君が委員を辞任され、その補欠として高橋はるみ君及び高橋克法君が選任されました。
    ─────────────

#98
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。今日はよろしくお願いします。
 今日は、令和二年の七月豪雨で被災された皆さんからいろんな御意見もいただいておりますので、そういった御意見も踏まえながら御質問させていただきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 まず最初に、令和二年七月豪雨で、熊本にある市房ダムの放流に関しましてお伺いしたいと思います。
 下流域の住民の皆さんから、今回の豪雨時、市房ダムの放流に関して、丁寧に説明してほしいと、さらに情報発信等の在り方についてもしっかり検証して今後の対応に生かしてほしいと、こういう意見も伺っております。
 まず、今回、豪雨時の市房ダムの放流対応と情報発信についてどのような対応があったのかという点をお伺いしたいなと思います。
 あわせてですけれども、今回、球磨川流域、昭和四十年にも洪水があり、そして今回も洪水があったということで、これらの洪水踏まえまして、今後の球磨川の流域の洪水対策、どのように進めていくのかということについても併せて御説明をお願いしたいと思います。

#99
○政府参考人(井上智夫君) ダムは、ダムに流入する洪水を貯留し、下流河川の水位を低下させようとする治水対策ですが、一般に、ダムへの流入量が最大になるときの洪水をダムに貯留することができるよう、洪水の初期から全量を貯留するのではなく、洪水を貯留しながらその一部を下流に被害を与えない範囲で放流するのが通常です。
 令和二年七月豪雨では、こうした考えに基づき市房ダムの操作が行われ、ダムの約十キロ下流の多良木観測所付近でおおむね九十センチ程度の水位低減効果を発揮したところです。
 市房ダムにおける放流、その他のダム操作の具体的方法については特定多目的ダム法に基づく操作規則に定めており、例えば、ダムへの洪水流入量が毎秒三百立方メートル以上であるときの放流量などを明らかにして、その場合に発信する防災情報やその伝達手段とともに、平常時から人吉市を始めとしたダム下流の関係自治体等と情報共有に努めているところです。
 令和二年七月豪雨でも、こうした方針に従って、関係自治体等による防災活動に資するよう、洪水の流入量が増加する初期段階でダムからの放流に関する通知を行うとともに、下流の河川内の利用者に対しサイレンや警報車による警報を行った上で所定の放流を行ったところです。
 委員から洪水対策についてもお尋ねがございました。
 球磨川における昭和四十年や今回のような災害を発生させないための治水対策については、十月に、国、県及び流域市町村から成る球磨川流域治水協議会を立ち上げたところであり、昨日表明された熊本県知事の治水に関するお考えも踏まえた上で、流域のあらゆる関係者が協働して取り組む流域治水プロジェクトを検討してまいります。

#100
○浜口誠君 ありがとうございます。下流域の皆さんにしっかりと丁寧な説明を引き続きお願いをしたいというふうに思っております。
 また、今回被災された皆さんから出てきている声としては、被災地の道路ですとかあるいは河川とか水田だとか、今後の復興復旧計画がまだ具体的に伝わっていないというような意見も伺っております。今後の被災地の復興計画について、今どのような段階にあるのか、そして被災された住民の皆さんにどういった説明をこれまで行ってきているのか、その辺りの経過についてお伺いしたいと思います。

#101
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 熊本県では、迅速に復旧復興作業に取り組むために、八月二十一日に令和二年七月豪雨復旧・復興対策本部というのを立ち上げております。これまで三回開催された対策本部の概要や資料は県のホームページ等で公開されておりまして、住民に対して支援策の周知には努められているということでございます。
 県の復旧復興計画につきましては、現在策定作業が進められていて、今月中、十一月中に公表予定と聞いてございます。二十一回にわたりまして公聴会を開催することなどによりまして、住民からの生の声を聞きながら復旧復興計画づくりを進められていると承知しておりますけれども、御指摘のような被災地の住民の声というものも県の方に伝えさせていただいて、被災地の住民が不安を抱かないような取組を促してまいりたいと考えております。

#102
○浜口誠君 ありがとうございます。十一月中の県からの復興計画の公表ということですので、県とも連携取っていただいて、しっかりと被災された皆さんに今後の計画が周知されるように御努力いただきたいなというふうに思っております。
 続きまして、今回被災された一部の自治体で防災無線がうまく機能せずにいろんな情報が速やかに住民の皆さんに伝わらなかったということが生じたようです。
 こういった災害があるときには、住民の皆さんに必要な情報を速やかにお伝えしていくというのは極めて重要だというふうに思っておりますので、防災無線だけではなくて、危機管理という面では複数の情報発信手段というのを整備していくことが重要だというふうに考えておりますけれども、その辺りの対応状況についてお伺いしたいと思います。

#103
○政府参考人(荻澤滋君) 令和二年七月豪雨におきましては、御指摘のとおり、浸水により送信局破損したために、被災者支援、例えば罹災証明の交付申請でございますとか、ライフライン、給水等の支援情報、これを防災行政無線使って伝えることができませんでしたので、登録制メール、広報車巡回、広報紙の配布等の手段により行ったというところもあるというふうに伺っておるところでございます。
 災害時対応の際には、警戒情報、また支援情報、発災前後を通じて確実に伝達していくことが必要でございますので、情報伝達手段、強靱化することももちろん必要でございますけれども、一つの手段に頼らない複数の手段を組み合わせることが重要だというふうに考えております。
 そのため、消防庁におきましては、地方団体に対しまして、防災行政無線等の整備に加えまして、緊急速報メール、登録制メール、テレビ、ラジオでの情報伝達など、地域の実情に応じて伝達手段を多重化していくように、参考となる手引書の提供、また、希望するところに対しましては、アドバイザー派遣、地方財政措置を講ずる等の取組を進めているところでございます。引き続き、取り組んでまいりたいと思います。

#104
○浜口誠君 しっかりとした対応を重ねてお願いしておきたいと思います。
 今回、令和二年七月豪雨の義援金に関して差押禁止の議員立法を議論する、審議する予定になっているんですけれども、私は、こういった大災害が起こったときにこの義援金の差押禁止法案がその都度出されているということに対して、やはり空白期間が議員立法ですと生じてしまうので、やはり差押えの禁止の空白をつくらないという観点からは、恒久法にしていくということも必要ではないかなというふうに感じております。
 小此木大臣、この差押禁止法案、その都度審議するのではなくて、恒久法化していくことに対してのお考えがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。

#105
○国務大臣(小此木八郎君) 義援金の差押え等を禁止する法律については、これまで、東日本大震災など特定の災害を対象に四つの法律が議員立法で制定されているということは承知しております。
 個別の立法がなくても速やかに義援金の差押え等を禁止できる等の観点から、現在、一部の党において、特定の災害ごとではなく、一定の災害を対象に義援金の差押え等を禁止するいわゆる恒久法について検討が行われているということを承知しております。その動きを注視してまいりたいと思います。

#106
○浜口誠君 我々も、しっかりと恒久法化していくための議論、各党とも連携しながら対応していきたいなというふうに思っておりますので、是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、大規模災害が生じたときに、特定非常災害の指定ですとか激甚災害の指定とか、いわゆるそういう災害指定をすることによって被災地の復旧を支援していくということがこれまでのプロセスだというふうに思っております。
 この災害指定をより迅速に行っていくことが復旧のスピードを速めていくことにつながるというふうに認識しておりますけれども、これまでのそういった特定非常災害とか激甚災害の指定をするまでのリードタイム、掛かっている期間がどのようになっているのかということと、その指定するまでの期間を短縮するためにどのような取組を政府としてこれまで行ってきているのか、その辺りのこれまでの経過についてお伺いしたいと思います。

#107
○国務大臣(小此木八郎君) このことにつきましては、被災者だけでなく被災自治体の職員等も本当に大いに関心を寄せる、不安を取り除くことのできる話だと思っています。
 特定非常災害の指定については、令和二年七月豪雨では、令和二年七月三日に発生をして、令和二年七月十四日に特定非常災害に指定したところでありまして、近年の特定非常災害においては、災害発生日からおおむね二十日以内で指定されています。近年の激甚災害の指定見込みの公表はおおむね一週間、閣議決定までおおむね一か月で行っているところです。
 また、激甚災害指定の早期化については、被災地等からの要望を受けて、平成二十九年十二月に、被害が甚大になる蓋然性が高いと判断される場合には、被害状況調査の支援や、基準に達したものから順次指定見込みを公表するなどの運用の見直しを行ってまいりました。
 引き続き、関係省庁と連携しながら、特定非常災害や激甚災害の指定を速やかに行うよう努めてまいりたいと存じます。

#108
○浜口誠君 ありがとうございます。是非、被災地の自治体、被災者の皆さんの立場に立って、指定のリードタイムの短縮、引き続き取り組んでいただきたいなというふうに思っております。
 続きまして、お手元の資料を大臣もちょっと見ていただきたいんですけれども、被災をされた皆さんの自然災害の損害に対する所得控除、現状は雑損控除という制度がございます。平時だといろんな、配偶者控除だとか扶養控除、こういう控除が所得からできるんですけれども、災害時には現行制度では雑損控除というのがありまして、この雑損控除はほかの控除よりも最初に控除しないといけないんですね。
 何が起こるかというと、平時で控除できていた配偶者控除等がこれ反映できないということが課題ではないかという指摘が被災者の方から、毎回こういう大規模災害があるときに指摘されているんですけれども、この点に対して、政府としてのまずは御見解をお伺いしたいと思います。

#109
○政府参考人(小野平八郎君) お答えいたします。
 所得税の課税所得の算出につきましては、初めに、事業所得の必要経費や給与所得控除など所得を得るために必要な経費を収入から差し引きまして、その上で、人的控除等の所得控除でそれぞれの世帯構成などに配慮した担税力の調整を行うといった仕組みとなっております。
 御指摘の雑損控除につきましては、住宅や生活必需品など生活の基盤となる資産につきまして、災害などで損害が生じた場合に適用される控除でございますけれども、災害などの異常かつ不可避な事由によりまして生活の基盤に生じた損失、これはまさに担税力の直接的な減殺に当たるものでありまして、収入から差し引く必要経費に類似した性質を有しております。
 こうした災害などの損失の性質を踏まえまして、雑損控除を人的控除よりも先に控除する仕組みということに所得税法はなっておるわけでございます。

#110
○浜口誠君 ありがとうございます。
 ただ、被災された皆さんの負担をより軽くしていくという観点から、もう一度大臣見ていただきたいんですけれども、新たにちょっと御提案なんですけれども、自然災害で損害が生じた場合には、損害損失控除というのを新たにつくって、この控除については、ほかの控除をした後に、一番最後にこの損害損失控除を反映すると。このことができれば、より一層被災された皆さんの税制面での支援につながるんではないかなと。単年で控除できない場合は翌年以降に繰越しができると、こういう仕組みを導入していけば、より被災された皆さんの支援につながっていくというふうに考えるんですけれども、小此木大臣、こういった制度に関して御所見がございましたらコメントをお願いしたいと思います。

#111
○国務大臣(小此木八郎君) 今、財務省から答弁があったと思いますけれども、所得税法上の基本的な考え方に関わるものであるとこれは認識いたしますが、現行制度上、災害の損失を計上できる雑損控除は災害発生後三年間の繰越しが可能となっていると、こう承知しています。
 このため、御提案のような控除の期間を長くすることによる効果は災害発生後四年目以降に出るということになると思いますが、災害対応においては応急対応など即効性、スピード感がまずは大切であるとも考えています。税制だけでも、歳出も含めた総合的な対応を検討することが重要であります。
 今回提出させていただいている被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案についても、被災者を即座に支援することが重要との観点に立ち、支援対象の拡充をすることとしたものでありまして、その上で、御指摘の損害損失控除については、所得税法上の基本的な考え方に関わるものである上、控除の順序を変更すると、例えば配偶者控除が先に適用されることになり、世帯構成によって繰越額が異なってしまい不合理となる、余りに長期にわたる控除を認めると制度の濫用や納税者間の公平性が損なわれるおそれがあるといった課題があるのではないかということも承知しています。
 税制は、全体の制度設計のバランスを勘案する必要もあり、慎重に検討する必要があると思います。

#112
○浜口誠君 是非、被災された皆さんの意見も政府として聞いていただいて、どういう控除の在り方がより最適なのかというところは引き続き御検討いただきたいなというように思っております。
 続きまして、ボランティア支援に関して、先ほども馬場理事の方からも御指摘ありましたけれども、いろんな支援策、高速道路無料ですとかあるというお話聞きましたけれども。
 これも提案なんですけれども、ボランティアの方、本当に大事だと思うんですね、災害起こったときに。より多くの方に来ていただくという観点から、ボランティアの方が自己負担で被災地に入ったときの交通費、この交通費については、自己負担分は税額控除をしてボランティアの方にインセンティブとして対応していく、こういう仕組みを入れてはどうかなというふうに思うんですけれども、ボランティアの方への支援策の一つとして今後是非検討していただきたいなというふうに考えておりますけれども、大臣のお考えがありましたら。

#113
○国務大臣(小此木八郎君) ボランティアの方々については、日頃から本当に感謝の気持ちを持っています。特に、今年はコロナという中で、様々な御苦労、あるいはいろんな考え方工夫していただいております。自治体等の調整いろいろありました。重要な役割を担っていただいていると思います。
 本年七月の豪雨災害では、高速道路の無料化措置、熊本県等による被災地へのボランティアバスの運行、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した被災地の店舗で使える被災地応援復興券のボランティア参加者への配付などが行われたと承知しています。
 御提案のボランティア活動に要した交通費等の自己負担分に係る税額控除についてですが、そもそもボランティアは、まあ有り難い話なんですけどね、個人の選好や自主性に基づく活動であって、一人一人が自己完結で被災地に入っていただくことが基本であるということを考えています、思っています。
 様々な支援策があり得る中で、税制という手段が効果的かつ適当かなど、様々な論点があることも承知しており、税制により公的なボランティア控除の支援することには慎重な検討が必要であると現在考えております。

#114
○浜口誠君 ありがとうございます。引き続き是非御検討いただきたいというふうに思っております。
 続きまして、水害を受けた場合に、保有している車が水害で破損をして、その車を廃車して代替えするときの税制面での支援という点についてお伺いしたいと思います。
 車は非常に、災害時、復旧ですとか、あと生活面、仕事面でも必要不可欠なものだというふうに思っておりますが、災害で被害を受けた車を代替えするときの支援策として、自動車税とか軽自動車税とか自動車重量税等、国として財源を確保して、被災された方が代替えした車を購入されたときにそういった自動車に関する税を減免していくということもこれ非常に大きな支援策になるんではないかなというふうに思っておりますけれども、大臣のお考えがありましたらお聞かせいただきたいと思います。

#115
○委員長(新妻秀規君) 質疑の申合せの時間が参りましたので、簡潔にお願いします。

#116
○国務大臣(小此木八郎君) なかなかちょっと難しいんですが。済みません。
 自動車に係る税制としては自動車税、自動車重量税がありますが、自動車税については、一年ごとに払う自動車税種別割に関し、納付後に廃車した場合、廃車までの期間に応じた還付が平時から認められているほか、災害発生時には都道府県が条例に基づく減免措置を行うことができるとともに、自動車重量税については、被災者生活再建支援法が適用される災害により廃車となった場合に、実際の廃車日にかかわらず災害発生日を廃車日として、既に納付済みの自動車重量税を還付する特例措置が設けられております。
 このような措置に伴う地方税の減収を補うため、一定の条件を満たす被災団体については歳入欠陥債の発行を行うことができるなど、被災した地方公共団体の財政運営に支障が生じないような仕組みとなっております。
 災害対応における被災者支援において重要なことは、税制だけでなく、歳出も含めた総合的な対応を検討することでもあり、また、こういったことについて関係省庁と自治体としっかりと連携をしてまいりたいと、こういうふうに思います。
 長くなりました。

#117
○浜口誠君 熱中症対策は次回以降質問させていただきます。よろしくお願いします。
 どうもありがとうございました。
    ─────────────

#118
○委員長(新妻秀規君) この際、委員の異動について御報告をいたします。
 本日、徳茂雅之君が委員を辞任され、その補欠として中西祐介君が選任をされました。
    ─────────────

#119
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 農地、農業用施設の災害復旧について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 昨年の台風十九号災害から一年以上が経過をいたしました。この台風十九号災害でも大変大きな農地、農業用施設の被害が発生をしております。主に市町村がその災害復旧の事業に取り組んでおりますけれども、田んぼだとか頭首工、こういったところの災害復旧は一定進んできましたが、まだ復旧事業の遅れが出ているというふうに伺っております。
 まず、農水省に、この農業用施設の災害復旧、どういう事業か、簡潔に御説明をお願いしたいと思います。

#120
○政府参考人(安部伸治君) お答え申し上げます。
 農地・農業用施設等災害復旧事業は、豪雨、地震等の災害により被災した農地や水路等の農業用施設を復旧する事業です。
 復旧に当たっては、復旧を急げば次の作付けに間に合う場合や二次災害の防止が必要な場合については、査定前着工制度を活用することで災害査定を行う前に工事に着手することが可能です。また、被災農家が営農意欲を失わないよう早期に復旧することが重要であり、原則、災害発生年を含む三か年度以内に復旧を完成させることとしてございます。

#121
○武田良介君 先日、私、長野県の立科町というところに伺いまして、町長さんともお話をさせていただく機会がありました。立科町というのは、千曲川、まあ新潟へ行くと信濃川ですけれども、千曲川の上流部分に近いところでありまして、群馬県に近いような辺りなんですけれども。
 そこでお話伺いましたら、災害復旧の事業について、事業者の不足、更に言えば、新型コロナの影響で、町が発注している農業用施設の復旧が遅れているというお話を聞いてまいりました。比較すれば、田んぼの災害復旧などは一定進んでいるということでありましたけれども、特に頭首工のお話されておりましたが、農業用施設の方がなかなか遅れているということでありました。
 先にちょっと大臣にお伺いしたいと思っておるんですが、そのときに町長から言われたのは、先ほども営農が続けられるようにということで三年というお話がありましたけれども、お聞きしましたら、十月に発災をしております、今年の春の田んぼの作付け、頭首工が壊れているのでどうするかということで、土のうを使って、先ほどの仮復旧の関係ですよね、土のうを使って水を取るということをやったんだけれども、今年七月豪雨災害でその土のうすらまた流されてしまったと。じゃ、来年の作付けに頭首工、間に合うかというと、なかなかこれ間に合わないんですね。
 やはりこういう遅れというものは次の、翌年の被害になる。より大きな甚大な被害になっていくこともある。そして、農業施設ということですから、農業が続けられるかどうかという地元にとって本当に大変な問題になる。私、そういう大変大事な問題だというふうに思っておるんですが、大臣の御認識を伺いたいというふうに思います。

#122
○国務大臣(小此木八郎君) 今日も阪神・淡路大震災からこれは二十五年という話がありましたけど、私たちは、今ここのいらっしゃる皆さんのほか、日本国民、あるいは世界の方々もそうでしょうけれども、幾度かの大きな災害についての困難は乗り越えてきたと思いたいし、まだまだそれが、今委員がおっしゃったように、災害が重なって重なって重なってまた元に戻しちゃったと、戻っちゃったというその残念な思いとが交錯しながら来ていると思います。
 国交省、農水省、自治体等はそういうことがないようにこれまで力を尽くしているというふうに思いますが、力を尽くしている結果が言ってみれば幸せな結果になっていないというものも多々ありますので、私たちがここでしっかりと議論をして対策を考えなきゃならないと、こういうふうに思っています。
 被災地の早期復旧復興のためには、早期に事業実施、早期に完成させることがもちろん重要でありますので、常に改善をする、改善をするという気持ちを持ちながら、改善をさせるという気持ちを持ちながら関係省庁と連携してまいりたいと、先生方の御指導も仰いでまいりたいと思います。

#123
○武田良介君 その結果に必ずしもつながっていない事例もあるというような大臣からの御答弁もありまして、本当にそうだと思うんですね。やっぱりそういう被災現場の一つ一つの実態を正確に捉えるし、やっぱりそこに応える仕事をやっていかなければいけないというふうに思っております。
 具体の話にも入りたいと思うんですが、その前に一つ農水省の方にも確認をさせていただきたいんですけれども。
 先ほど、営農を諦めることのないように基本的に三年という話だったんですが、今回大規模な災害でありまして、事業者さんたちも一生懸命やっているわけなんですが、どうしてもこれ三年超えてしまうおそれがあると。もちろん計画上は三年以内でやろうというものになっているわけですが、超えてしまうおそれがある。その場合に、災害復旧の国からの補助が打ち切られてしまうことはないだろうかという懸念が出ておりますが、この点はどうでしょうか。

#124
○政府参考人(安部伸治君) 先ほど申しましたように、被災農家が営農意欲を失わないように早期復旧が重要であることから、原則三か年以内に復旧することとしておりますが、河川や道路の災害復旧事業等との調整が必要な場合でありますとか、被害が甚大であるなど、三か年度以内に復旧することが困難である場合には柔軟に対応させていただいておるところでございます。
 引き続き、地元の状況をよくお聞きして、適切な復旧に努めてまいります。

#125
○武田良介君 そういう河川の工事と農業用施設の工事が重なってなかなか進まないだとか、そういう事例がある場合というお話でありましたけれども、それをどこで確認するんでしょうか。農水省の本省だとかあるいは地方の出先機関と県が確認をするだとか、あるいはその発注者が町であれば町と農水省がやるのか、どことどこがどんな分掌でそれ確認するのか、もう一言、具体的にお願いできますか。

#126
○政府参考人(安部伸治君) 農地、農業用施設の災害復旧事業は市町村が実施主体となってございます。それで、県等を通じまして当方の出先機関であります農政局の担当者とやり取りをして、復旧の進捗状況等を確認しながらやらせていただいているという状況でございます。

#127
○武田良介君 同様に、河川の関係もありますので国土交通省の方にも伺いたいと思うんですが、河川、まあ道路なんかもそうだと思いますけれども、災害復旧で三年を超えてしまう可能性があるという声出ているんですけれども、これ、国交省の方でも柔軟にやっていただけるということでよろしいでしょうか。

#128
○政府参考人(井上智夫君) 自治体が施行する災害復旧事業については、地域の復旧復興を進めていく上で早期復旧が望ましいと考えております。
 このため、自治体が三か年度以内に事業を完了できるよう、財政の許す範囲内において必要な予算措置を講じることとしております。ただし、工事の規模、難易度、地形条件等により三か年度以内に完了しない場合も、四か年度以降に必要な予算措置を講じることとしております。
 被災地の方々が一日も早く元の暮らしを取り戻せるよう、引き続き被災箇所の早期復旧を全力で支援してまいります。

#129
○武田良介君 丁寧に現場の実情をつかんでいただいて、本当に延長するべきものだというふうに判断されましたら是非柔軟に対応していただきたいというふうにお願いをしたいというふうに思います。
 それで、先ほどの立科町ですけれども、両角町長とお話をさせていただきました。それで、来年の作付けに向けて何とかその頭首工の改修をということで考えているんだそうでありますけれども、先ほどの話のように、千曲川、長野県が管理している区間もありまして、その長野県が発注している千曲川の改修工事、それも同じ業者が請け負っているということがあって、頭首工の方にもなかなか手が付いていないという事情があるんだというふうにお話をされておりました。
 一言言っておきたいと思うんですが、決してその県の発注している工事があるから頭首工の方が遅れてしまっていると、そういう批判をしたいわけでは私はなくて、技術的にも現実的にも、当然取水したいわけですから、河川の工事とその頭首工の工事というのはこれは一体だというふうに思いますし、そういうことを私は言いたいわけではないんですけれども、そのことは確認をさせていただいた上で、さらに町のその担当者の方にお話を聞きますと、この立科町というところでは大体十社会社があるそうなんですが、河川だとか頭首工を扱えるようなところは四社なんだということもお聞きをいたしました。同時に多くの工事を抱えて、事実上の工事のスタートがまだ切れていない、事実上四社が担っていますのでということがあると。
 そこでお聞きをしたいんですが、その河川の被害が甚大で頭首工にも手が付かないと、こういうときに、国交省は十九号災害から復旧復興工事を円滑に進めるために発注者団体、事業者団体に対してどんな助言をされているのか、御説明いただけるでしょうか。

#130
○政府参考人(天河宏文君) お答えいたします。
 台風十九号からの復旧に当たっては、被災地における災害復旧事業の迅速かつ円滑な実施を図ることが重要であると認識しております。
 このため、国土交通省におきましては、台風十九号における災害の発生直後から、応急復旧を優先するため、既に契約した工事、業務の一時中止、必要な人員等を円滑に確保できるよう前金払いの適切な実施、積極的に見積りを活用して積算するなど施工地域の実態に即した適切な予定価格の設定、遠隔地からの建設資材調達や地域外からの労働者確保に伴う設計変更による請負代金額の変更などの適切な支払などの措置を講じるよう、通知を発出しております。
 以上でございます。

#131
○武田良介君 今言われたその適正な予定価格、適正な予定価格を設定することだとか代金の支払、工事の一時中止、いろいろ御説明もいただきました。
 それで、私も現地でお話を聞きまして、河川改修に汗を流されている長野県の担当者の方からもお話聞きました。そういった文書が出されているということで十分県の方も承知をされておりまして、そういう立場から仕事をされているということでありました。ただ、そういう手だてを取っても、先ほど言ったような工事の遅れというのがあるというのが私の聞いてきた現実なんですね。
 長野県では、いわゆる復興JV、東日本大震災のときに始まったあの取組を、過去の他の自治体がやっている事例なども参考にしながら私たちもそれやろうじゃないかということで取組もされておりました。
 今御紹介いただいた、国交省からそういう通知出しているということだったんですけれども、この復興JVの取組を知らせるような事務連絡というのは、これは十九号災害を受けて出されているものなんでしょうか。

#132
○政府参考人(天河宏文君) 発出しておりません。出しておりません。

#133
○武田良介君 発出されていないということなんですけど、これ、私、是非発出する必要があったんじゃないかというふうに思いますし、問題意識が不十分だったんじゃないだろうかというふうに思っておりまして、その復興JVの目的というのは、これ政府の文書見ましても、大きな被害を受けた場合に、不足する技術者又は技能者を広域的な観点から確保することにより、復旧復興建設工事の円滑な施工を確保するため、これが目的だというふうになっているんですよね。
 これが知らされていないということは、その不足する技術者や技能者を広域的に集める、そういう必要性は生じていないと、そういう必要性はないということの認識だったんでしょうか。この点どうですか。

#134
○政府参考人(天河宏文君) 復興JVにつきましては、東日本大震災という未曽有の大災害、非常に範囲が広がったという大災害におきまして、同時に事業を推進しなければいけないと、そういう状況の中で、極めて特殊な形で、特殊というか、極めて特殊な事情に鑑みまして発出いたしました。

#135
○武田良介君 いや、台風十九号災害だって大変大きな被害だったと思うし、特殊な状況でやったというんだけど、いや、私はその認識がやっぱり甘かったんじゃないかというふうに思っておるんです。
 立科町は長野県の佐久地方というところですけれども、その佐久地方で見ますと、年間の公共土木の事業規模は大体五十億から六十億円だというふうにお聞きをいたしました。しかし、台風十九号の災害を受けて、復旧工事の査定だけで約二百億円の事業規模になっているというんですね。ふだん五十億から六十億の仕事量になっている佐久で、災害復旧の査定で二百億円ですから、大変な仕事になると。
 これ、佐久地方以外のところからも応援を受けて仕事をしなければならないような実情があるというのは当然だというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。

#136
○政府参考人(天河宏文君) 地域要件の緩和によりまして、地域以外の企業が参加するといったことは可能にしております。

#137
○武田良介君 地域以外の人も可能だと、それは分かっているんです。それは可能だ、分かっているからこそ、長野県も復興JVだとか、先ほど御説明あったことも周知するということももちろんやっているわけです。だけど、なかなか外から事業者が入ってきて一緒に仕事をするというふうにならない。どうしても遅れてしまうという現実があるんです。
 だから、この現実はなかなか国交省の方で十分認識いただけていないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、今、全体として、私、建設業の皆さんの人手不足もあるんじゃないかなというふうに思っておりますが、済みません、この点通告していないけれども、人手不足はあるというふうに私思っているんですが、その点いかがですか。

#138
○政府参考人(東川直正君) お答え申し上げます。
 公共工事に関する人手不足、業者不足についてでございますけれども、全国的な建設業界の施工能力をマクロで見ますと、東日本大震災の復興が本格した時期に比べれば、建設技能労働者の過不足率は落ち着いてきておりまして、また、手持ち工事高もここ数年は安定的に推移しているなど、施工能力に問題はないと認識しております。
 一方、この長野県立科町地域における状況の詳細は十分承知しておりませんけれども、一般的に、我々直轄工事におきましても、災害のあった地域などにおきまして一時的に例年より多くの不調、不落が発生するというケースがございます。こうした場合には、先ほど通知がございましたけれども、積算価格を高くするとか、あるいは現場の技術者の有効活用や早期復旧の実現の観点での適切な規模での発注をするといった取組を我々させていただいているところでございます。
 こういったことで直轄のは取り組んでおりますけれども、そういった取組はきちっと発注者協議会を通じて関係自治体に周知してきているということでございますけど、改めてまた長野県や立科町にきちっと周知をもう一度させていただきたいんですけれども、先ほど委員御指摘の点は、もしかしたらそういう発注のところではないのではないかと、問題点がですね、そういった積算のところではないのではないかという御指摘もございましたけれども、そこのところはよく長野県と立科町とが相談いただけるように国からもお話をしていきたいと思いますし、もし困ったことがあったら相談に国としても乗っていきたいというふうに思います。

#139
○武田良介君 今御答弁ありましたけれども、今の答弁の中でいえば、全国的に人手不足ではないと。災害だとかそういうことがあって瞬間的に需要が高まることがある、それに対しては対応しています。先ほどの、発出しているような、答弁で説明いただいたような予定価格だとかいろいろ対応していますと、不調、不落が起こらないようにやっておりますという話だと思うんですが、しかし、やっぱり現実は冒頭言ったような状況なんですよ。
 この認識がどうしてずれていくのかということを私も非常に思うんですが、聞きましたら、契約はされています。町が発注している頭首工だとか河川の工事も含めていろいろありますけれども、契約はされているけれども、農地でいいますと、実際に工事が始まっているのは三分の一程度なんだそうです。農業用施設は五分の一程度なんだそうです。契約しているから着工というふうに出るんですけど、実際には違うんだということもおっしゃっておりました。
 ちょっと大臣に通告していなくて申し訳ないんですが、こういう認識の違いがどうも生まれているように思うんです。現場では人が足りないというふうに言っている。でも、国交省は今ほどのような答弁で対応しているというふうに言うんですが、しかしやっぱり現場は足りていない。やっぱり、どうしてこのギャップが生まれるのか、ここをしっかりと調べていただく必要があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、大臣、この点で是非調べていただきたい。いかがでしょうか。

#140
○国務大臣(小此木八郎君) 日頃から私たちは関係省庁との連携という言葉を発していますし、昨日も衆議院でそこは議論になったんですけれども、関係省庁だけじゃなくて、自治体、国と自治体、あるいは自治体とその県民の皆さんなのか、その地域の皆さんとの連携を、情報共有を常にこれは大事にしておくことは非常に重要であるというふうに考えます。

#141
○武田良介君 是非、じゃ、立科なら立科でもいいんですけれども、実情をつかんでいただきたいと思うんですが、そういうことでよろしいでしょうか、今の答弁は。

#142
○国務大臣(小此木八郎君) そういうことだと思います。
 国会議員、こちらにいらっしゃいますけれども、そういう地元のこと、立科だけにかかわらず、こういったことの本当の現状、このことを私たちが知ることは非常に重要なことだと思っています。

#143
○武田良介君 それぞれつかもうというだけじゃなくて、政府としてしっかりこれつかんでいただきたいというふうに私は思っております。
 長野県は一九九八年にオリンピックが開かれまして、そのときに投資額がピークに達しているということをこの間も改めて伺ってまいりました。そのときから比べると、投資額がもう四分の一になっているというんですね。だから、本当に業界としては非常に大変な状況になってきているということも言われておりました。決してこの認識の差を曖昧なまま私も終わらせるわけにもいかないなというふうにも思っております。
 建設業全体としても、今なかなか人手が足りなくて大変だということはもちろんあるというふうに思いますし、今日もテックフォースという話もありましたが、これ例えば国交省の方でも地方整備局なんかが行くわけですけれども、これ自身なかなか人が足りなくて大変だという声も伺っております。定員削減ずっとやってきたわけだけれども、そういうことではなくて、人を増やしていく、県とか市町村ももちろんですね、最前線ですから、こういったところもちゃんと人を増やしていくということも含めてこれから必要になっていくと。
 もう時間ですので終わりにしたいと思いますけれども、そのことを訴えて、終わりにさせていただきたいと思います。

#144
○委員長(新妻秀規君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会をいたします。
   午後四時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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