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2020/11/26 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 国土交通委員会 第2号 令和2年11月26日
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2020/11/26 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 国土交通委員会 第2号 令和2年11月26日

#1
令和二年十一月二十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     岩本 剛人君     世耕 弘成君
     熊谷 裕人君     蓮   舫君
 十一月二十四日
    辞任         補欠選任
     清水 真人君     櫻井  充君
     世耕 弘成君     岩本 剛人君
     蓮   舫君     熊谷 裕人君
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     清水 真人君
     西田 実仁君     里見 隆治君
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     里見 隆治君     西田 実仁君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         江崎  孝君
    理 事
                足立 敏之君
                大野 泰正君
                青木  愛君
                杉  久武君
                浜口  誠君
    委 員
                青木 一彦君
                朝日健太郎君
                岩井 茂樹君
                岩本 剛人君
                金子原二郎君
                清水 真人君
                末松 信介君
                鶴保 庸介君
                牧野たかお君
                増子 輝彦君
                熊谷 裕人君
                野田 国義君
                森屋  隆君
                里見 隆治君
                竹内 真二君
                西田 実仁君
                室井 邦彦君
                榛葉賀津也君
                武田 良介君
                木村 英子君
   国務大臣
       国土交通大臣   赤羽 一嘉君
   副大臣
       財務副大臣    伊藤  渉君
       国土交通副大臣  岩井 茂樹君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       朝日健太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  浩之君
   政府参考人
       総務省大臣官房
       審議官      川窪 俊広君
       財務省主計局次
       長        角田  隆君
       国土交通省大臣
       官房長      水嶋  智君
       国土交通省大臣
       官房公共交通・
       物流政策審議官  久保田雅晴君
       国土交通省大臣
       官房技術審議官  東川 直正君
       国土交通省総合
       政策局長     石田  優君
       国土交通省国土
       政策局長     中原  淳君
       国土交通省不動
       産・建設経済局
       長        青木 由行君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        井上 智夫君
       国土交通省道路
       局長       吉岡 幹夫君
       国土交通省鉄道
       局長       上原  淳君
       国土交通省自動
       車局長      秡川 直也君
       国土交通省航空
       局長       和田 浩一君
       国土交通省北海
       道局長      後藤 貞二君
       観光庁長官    蒲生 篤実君
       気象庁長官    関田 康雄君
       海上保安庁長官  奥島 高弘君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (流域治水の在り方に関する件)
 (防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急
 対策後の取組に関する件)
 (中央自動車道の跨道橋の耐震補強工事施工不
 良に関する件)
 (公共交通の維持・確保に関する件)
 (Go To トラベル事業に関する件)
 (バリアフリーの地域格差の解消に関する件)
 (民族共生象徴空間に関する件)
 (一般会計から自動車安全特別会計への繰戻し
 に関する件)
 (ユニバーサルデザインタクシーに関する件)
    ─────────────

#2
○委員長(江崎孝君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日、西田実仁君が委員を辞任され、その補欠として里見隆治君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(江崎孝君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省大臣官房審議官川窪俊広君外十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(江崎孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(江崎孝君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○大野泰正君 おはようございます。自由民主党の大野泰正でございます。
 本日は、皆様の御理解の下、質問の機会をいただいたこと、誠に感謝を申し上げたいと思います。
 それでは、早速質問に入らせていただきますが、その前に、まずは、今般の新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられました皆様に改めてお悔やみを申し上げますとともに、今まさに闘病中の皆様の御回復を心よりお祈りいたしております。また、様々な形で被害を受けている皆様に心よりお見舞いを申し上げます。そして、何より、この新型コロナウイルス禍の中、国民の生命と暮らしを守り、我が国経済を支えるために献身的にその責任を果たしていただいている全てのエッセンシャルワーカーの皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。
 また、近年は何十年に一度という豪雨が毎年のように降り、今年も大きな被害が出ました。亡くなられた皆様の御冥福と被災された皆様にお見舞いを申し上げ、質問に入らせていただきたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。
 菅総理の所信表明演説において、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、二〇五〇年カーボンニュートラル実現を目指すことが宣言されました。実現に向けては、国全体の明確な方針を示し、オールジャパンでの取組にしていくことが重要であります。
 こうした中で、交通、物流といった運輸部門や家庭などの民生部門が我が国のCO2総排出量の約五割を占めている状況に鑑みると、カーボンニュートラルを実現する上で国土交通省が果たす役割は非常に大きいものがあると言えます。国民の暮らし、経済の基盤を支える国土交通省が関わる幅広い分野において、産学官がしっかりと連携を取って、オールジャパンで一層の省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの活用等を進めることが重要なことは間違いありません。
 そのためには、菅総理が言及されたように、あしき前例や縦割りの排除が大切であります。今日までの取組の延長線ではなく、全体を俯瞰した上での国交省としての役割を改めてしっかりと見詰め直し、オールジャパンで取り組むため、国交省として、組織の在り方を含め、一二〇%の力を発揮できる体制づくりをしなくては掛け声倒れになってしまいます。
 実現に向けた確かな歩みを進めるために、二〇五〇年カーボンニュートラルに対する赤羽大臣の受け止めと、その実現に向けた意気込みを伺いたいと思います。

#7
○国務大臣(赤羽一嘉君) 御質問ありがとうございます。
 私の私見になるかもしれませんが、これまで、環境問題と経済問題というのは相対立する関係で捉えられた傾向があったと思います。
 しかし、近年のこれだけ激甚災害が頻発化する、また、本当に、気候変動による影響でと私も答弁で繰り返しておりますが、最近は、こうしたことが気候変動というよりも気候危機の状況に陥っていると、全ての生き物の生存基盤自体が脅かされるような状況であるという認識に立たなければいけないのではないかと。恐らく、そうしたことで菅総理大臣の所信の中で二〇五〇年カーボンニュートラルと。
 これは、これまでの状況でありますと、相当経済界から反対をされるですとか、そのもの自体も相当チャレンジングで、これを公約にするということは政治家としては大変大きなリスクも伴うというようなことで、ここまではっきり言い切られた政権というのはなかったのではないかと思いますが、総理がそうしたことを決意をされ、政権の一員としてそれはしっかりと呼吸を合わせてやっていかなければいけないと、こう思っております。
 加えて、国土交通省は、今御指摘のように、運輸、また民生部門と、大変排気量の大きな部門を抱えておりますので、我々がどれだけ真剣に取り組めるのかというのは大変政権公約に関わってくるという自覚で取り組まなければいけないと。具体的には、電気自動車ですとか燃料電池自動車等の次世代自動車の普及ですとか、また、公共交通を利用促進をしていただいてマイカーの削減に努めるですとか、また、住宅自体も省エネ住宅、ZEH等々ありますが、これは経済産業省と、梶山大臣とともに連携をしながらやっていこうというような話ももう既にさせていただいております。
 また、港湾ですとか下水道といった社会インフラも活用して、再エネですとか水素等の次世代エネルギーの利活用も進めていくこともできると思います。具体的には、今、経産省と連携しながら、なかなかこれ洋上風力発電、これまでなかなかスタートをしてこれませんでしたが、しっかりとした港湾を基地として改良を進めることで、業界というだけじゃなくて経済界全体がこの洋上風力いよいよ本気になったということで、大きな動きになっていると思います。
 また、水素等の次世代エネルギーにつきましても、水素サプライチェーンにまず必要な液化水素の海上輸送の体制の確立に取り組むとともに、海事局でもゼロエミッション船の開発、実用化の加速等々を具体的に進めております。
 本当に、縦割りではなくて、各局、加えて他の省とも連携をしながら、これは、二〇五〇年のゼロというのは各省の全ての共通の公約だという意識の下で取り組むことが何より大事だと思っておりますので、繰り返しになりますが、国土交通省としても、置いていかれないようにというよりも、積極的にトップランナーとして引っ張っていけるように頑張っていきたいと思っております。

#8
○大野泰正君 大臣、ありがとうございます。
 大変意気込みが伝わってまいりました。どうかみんなで頑張っていきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
 次に入ります。
 頻発する大規模災害や感染症の拡大、東京一極集中など、我が国が現在直面しているリスクに対応していくため、ハード、ソフト両面から国土の在り方を見直し、災害に強くしなやかで安心、安全な国土をつくっていくことが求められていますが、その取組方針について伺っていきたいと思います。
 今日、頻発、激甚化する災害から国民の生命、財産を守るため、三か年で防災・減災、国土強靱化のための緊急対策に取り組んでいただいておりますが、今年も、私の地元岐阜県では、豪雨により大きな被害に見舞われました。また、九州では更に厳しい状況で、尊い命が奪われました。しかしながら、平成三十年七月豪雨で大きな被害を受けた私どもの岐阜県の津保川においては、その後三か年緊急対策を実施していただいた結果、本年七月豪雨においては水位を下げることができ、被害を逃れることができました。緊急対策の効果が確実に表れていることに、地元からは感謝の声が寄せられています。
 今年度はその最終年度に当たります。しかしながら、まだまだ対策を講じなくては国民の生命を守れないことは間違いありません。真の強靱化のためには、今後も中長期的な視点を持って対策を計画的に進める必要があります。
 先週総理から指示のあった経済対策においては、十五か月予算の考え方の下、第三次補正予算において防災・減災、国土強靱化を機動的、弾力的にしっかりと進めるとの考えが示されました。三か年緊急対策後の対策については、経済対策として補正予算で措置するという考え方もあれば、計画的に取組を進める観点から当初予算において別枠で措置するという考え方もあります。
 私は、国土強靱化は一朝一夕にできない中で、中長期的に計画的に取り組む必要性とともに、地域を守る皆様が将来的な見通しを持って計画的に事業を維持継続できるようにしなくては、いざというときの地域を守る担い手がいなくなってしまいます。
 災害時の映像で、自衛隊が派遣され、各地域に安心と希望を届けていますが、自衛隊の皆様が被災地に入ってくる、その道を啓開しているのは地元の皆様だということを忘れてはなりません。その人たちは、テレビに映ることはありません。
 着実に国土強靱化事業を進めるだけでなく、地域の担い手を守り育てる観点から、雇用なども計画的に、そして事業を継続していただくために、当初予算において別枠で私は措置することこそが事業者に対し安心と計画性を示すことに大変大切なことだと思いますが、国土交通大臣のお考えをお聞きいたします。

#9
○国務大臣(赤羽一嘉君) 私、昨年の九月十一日に国土交通大臣を拝命いたしましたが、まさにその日は台風十五号が横浜、千葉に上陸をした直後でございました。以来、十七号、十九号等々で計三十回以上、この激甚災害の被災地に足を運んでおります。
 そのときに、常に現地で頑張っていただいているのは、今御指摘のありましたように、地元の建設業、土木業の皆さん方です。まさに地域の社会インフラの担い手として、また、防災、災害時の守り手として本当に全力で二十四時間体制で頑張っていると、そこに我々テックフォース部隊も飛び込んで必死にやってきているというのが実態だというふうに思っております。
 そうした中で、その地域の守り手の皆さんたちにとってコンスタントな仕事の量が、事業量があるのかどうかということと、それに対して担い手たる若手の建設技能労働者が育成できるかどうかというのは大変大きな課題だというふうに思っております。仕事の量につきましては、防災・減災、国土強靱化のこの緊急三か年対策、大変感謝をされました。訪問した首長の皆さん全て、お会いした人が全員異口同音に有り難いと言っていただいたと同時に、三か年で終わるわけではないので、今後の五か年、十か年という中長期的に是非継続をお願いしたいと。
 何より、この三か年対策、非常に有効だったんですが、例えばインフラの老朽化というのは入っておりませんので、老朽化対策も含めて、また、治水については、足立先生が専門ですけれども、これまでの対策ではなくて、河川の上流から下流、本川、支川と、流域全体を俯瞰する流域治水をやろうという抜本的な転換もしておりますので、それは、掛け声だけではなくて内実が伴うように、しっかりとした予算セットもしなければいけないと思っております。
 どうも、これまでいろいろ話しておりますと、災害関連の予算というのは補正で帳尻を合わせればいいだろうという傾向があったかと思いますが、補正でやるということは、地元の企業の側では定期的に人が採れないわけですし、また、中長期的な防災・減災対策も講じることができないと思っておりますので、大変財務当局は壁が厚いのでありますが、今、自由民主党、公明党の与党の皆さんからも骨太の方針の過程においても相当応援もいただいておりますので、これは、与野党超えて、是非野党の皆さん方にも、来年度の予算編成、大きな御支援をいただきながら、国交省としても、国民の皆様の声を体して、しっかりと先の見通せる防災・減災、国土強靱化対策が講じられる予算を獲得できるように頑張っていきたいと思っております。

#10
○大野泰正君 大臣、ありがとうございます。
 本当に、今のメッセージは、非常に地元にとって、担い手の皆さんにとって大変温かいメッセージであり、力強いメッセージであったと思います。多くの方にこれを伝えさせていただき、また、しっかりとした予算取りのため、みんなで頑張っていきたいと思います。
 それでは、次に入らせていただきます。
 一方、国土強靱化のためには、必要な場所に必要なインフラを整備することは、当たり前ですが極めて重要なことであります。このインフラ整備の実施に当たっては、事業採択段階で公共事業評価を行うこととされています。
 事業評価に当たっては、災害時においての人命や物資の輸送を確保する機能や過去の災害発生状況など、様々な要素を勘案して評価を行うこととされていますが、実態としては、BバイCによる評価が大きな影響を占めているのが現状であります。このため、地方の特に中山間や辺境の地では、インフラについてのBバイC評価は低くなり、切捨てになりがちです。こうしたBバイCの計算には人口が大きく影響しますが、大規模災害や感染症への対応、分散型社会の構築といった今日の社会変化を反映させ、公共事業の必要性を適正に評価するには、現状のBバイCによる評価は既になじまないのではないかと考えます。
 例えば、強靱な国土づくりには日本海と太平洋をつなぐ大動脈をつくることが大切なことは、東日本大震災のときに命をつないだ物資輸送でも明らかです。
 具体的な事例としては、中部地域において一宮西港道路という東海北陸自動車道の南進部を名古屋港まで直結させることによって、太平洋と日本海をつなぐ強靱な大動脈を完成させることができます。このワンピースがはまれば、東海北陸自動車道を始めとする名神高速、新名神、中部縦貫自動車道、東海環状自動車道、東名高速、中央自動車道、北陸自動車道などが災害に強い高規格道路で結ばれることになります。このことは、日本海と太平洋をつなぐ大動脈というだけではなく、本州全体の高規格道路と港湾の結節が可能になり、経済効果はもとより、災害時の本州全体の安心、安全に寄与します。
 しかしながら、このことは、日本地図を大きく広げて見なくては分かりません。このワンピースの大切さは、本当に、ともすれば愛知県の環状道路のワンピースにしか見えなくなってしまうのも事実であります。本当に重要で効果的なワンピースであることを見落としてしまうかもしれません。
 アフターコロナを見据えた新たな日常に対応した強靱な国土をつくり上げるためには、今のBバイCが中心の評価では正確な評価ができないことは明らかです。公共事業の評価は現在BバイCに偏り過ぎており、本当に必要な事業を見極め進めていくためには時代に即した思い切った改善が必要と考えますが、大臣の御所見を伺います。

#11
○国務大臣(赤羽一嘉君) 私は、初当選からもう二十七年間を経過するんですが、この間に、無駄な公共事業の議論というのは大変国会で占めてきました。無駄な公共事業とは何ぞやというときに出てきたのがやっぱりBバイCの概念だったと思います。
 ただ、そのときに、もう既に私は阪神・淡路大震災の被災をした経験がありましたので、交通量が多いところが無駄な公共事業ではない、交通量が少ないところは無駄な公共事業だというような考え方だと、いざといったときのセーフティーネットというかそうしたことは評価されないということについては、私は個人的に、これは果たして正しい、何というか、評価基準なのかということは個人的に思ってまいりました。しかしながら、大変公共事業に対する見方の厳しい時代がありましたので、BバイCというのは大変な影響力を持ってきた。
 それに対して、もう御承知のように是正もされておりまして、例えば災害時における人や物資の輸送ですとか違うファクターも入っておりますが、しかし、多分、国土交通省とか公共事業の関連のところにはBバイCの概念というのが多分刷り込まれていて、BバイCがこれプラスにならないともう駄目という、これはもう最初からなっていると。こうしたことで、やはりそこは改善の余地は随分あるんじゃないかと。
 今日御質問のその一宮西港道路というのは、私、知らなかったので昨日地図を見ていたんですが、これは、結構、北陸の方から来る道と名古屋のど真ん中をつなぐ、こんなにこれ効果が、BバイC相当高いんじゃないかというふうな話をしたら、いや、ここ土地代も高くて、実は通行量も多いけれど費用も掛かるのでBバイC的には非常に厳しい数字が出るんですと、何か非常にそれは違和感がありまして。そうしたこととか、あと、ミッシングリンクを解消するみたいな副次的な効果まで入れないと本当の意味でのネットワークの評価というのはならないのではないかと、私もそう思います。
 ですから、そうした御質問もいただいたので、今後、公共事業の評価手法研究委員会がございますので、このBバイCの在り方、公共事業の本当の意味での、時代の状況も変わってきましたので、これだけ災害が多い、また感染症といったようなこともありますから、そうしたことも広く考えながら、ミッシングリンクも随分進んでいるのでそうした効用も入れた、なかなか完璧な評価基準というのは難しいかもしれませんが、できるだけ改善していくように、委員会の先生方にも私からもお願いする予定でございます。

#12
○大野泰正君 大臣、ありがとうございます。
 大臣のリーダーシップで本当に大切なものがしっかりと見詰め直していただけますように、そして、一日も早く本当に安心、安全につなげていただけますよう、よろしくお願いしたいと思います。
 ちょっと質問を飛ばさせていただきますが、私の地元岐阜県では、古くから水害に見舞われてきた地域であります。昭和三十四年の伊勢湾台風や昭和五十一年九月の台風十七号では、長良川の国管理区間が決壊するなど、大きな被害を受けました。このような大きな被害を受けて、様々な反対運動等の困難もありましたが、先人の皆様の御努力で長良川河口堰や徳山ダムの建設が進められた結果、最近の豪雨ではこれらの施設が大きな効果を発揮して、沿川の皆様から感謝の声をいただいております。
 さらに、今年の出水期には、今日まで災害対策上の事前放流の対象となっていなかった長野県にある木曽川上流部の利水ダムで事前放流が実施されたことで下流は二割流量を減らすことができ、沿川住民の安心、安全につながりました。このように、前例を取り払い、全てのダムを水害対策に利用する新たな取組が進められたことで、大きな治水効果が発現いたしました。
 また、現在、一時見直しの対象となり事業がストップしていた木曽川の新丸山ダムや長良川上流部の遊水地の建設等が着実に進められていますが、過去の厳しい経験を礎として総合的な取組をしていただけることは、流域に暮らす私どもにとって何より有り難いことであります。このような取組は、国交省が打ち出した流域治水プロジェクトの先駆的な事例であり、更に進化させていただき、全ての皆様が安心して枕を高くして休めるようにしていただきたいと思います。
 上流、下流の相互理解を深め、流域は一つの生命体であり運命共同体であることを基礎とするこれからの流域治水の在り方、進め方について、お考えを伺います。

#13
○政府参考人(井上智夫君) お答えいたします。
 近年の頻発化、激甚化する水災害に対応するためには、委員御指摘の木曽川水系のように、河川管理者が主体となって河川区域で行う対策をこれまで以上に充実強化することに加え、集水域や氾濫域を加えた流域全体であらゆる関係者の協働により治水対策に取り組む流域治水を推進することが重要と認識しております。
 このため、堤防や遊水地、ダム等の整備を加速するとともに、集水域においては、水を貯留し、氾濫をできるだけ防ぐ取組を強化してまいります。例えば、利水者の協力を得て行う利水ダムの事前放流に加え、農政部局等と連携した水田やため池での貯留、民間企業による貯留施設の整備促進などの対策の充実を図ってまいります。
 さらに、氾濫域においても、河川が氾濫した場合の被害を減少させるために、まちづくり部局との連携によるリスクのより低い地域への居住誘導、不動産業界との連携によるリスク情報の周知徹底、壊滅的な被害を受けても事業が継続できるように、民間企業によるBCPの策定、住民の確実な避難のために、高齢者福祉施設におけるスロープ等の設備の改善や高台などの避難場所の確保などの対策も併せて推進し、被害の回避、軽減を図ってまいります。
 国土交通省としては、一級水系ごとに国、都道府県、市町村等から成る協議会を設置するなどして各流域における様々な対策が相乗効果を生み出すよう、河川整備等の実施主体としてだけでなく、流域における対策の取りまとめ役となって関係機関と連携し、流域治水の強化充実を図ってまいります。

#14
○大野泰正君 どうもありがとうございました。
 本当に、私ども流域に住む人間にとって、このプロジェクト、どんどん進化していただくことを切に願うものであります。
 それでは、次に入ります。
 近年の気候変動により激甚化、頻発化する自然災害に対応することは我が国の喫緊であることは間違いありません。特に、線状降水帯による豪雨災害への対応は、早急に解決しなくてはならない課題であり、予断を許さない状況であります。
 これまで、平成二十六年八月豪雨を始めとし、平成二十九年七月、平成三十年七月豪雨、本年の七月の豪雨など、線状降水帯による豪雨は近年全国的に多発している状況であり、私の地元である岐阜県においても、今年も大きな被害が発生いたしました。日本の地理的状況から線状降水帯の発生を抑止することはできない中で、確かな予報こそが国民の生命と暮らしを守る早期避難を可能にする唯一の手だてであります。
 線状降水帯の発生を事前に予測する取組こそ、現在の最優先課題と考えます。来年度からは、気象庁は、海上保安庁と連携して洋上の水蒸気観測を強化して線状降水帯の予報につなげていくと聞いておりますが、縦割りや前例にとらわれず、オールジャパンの力を結集し、早期に私たちの安心、安全に結び付けていただきたいと思います。
 国民の命を守る最前線の取組に対する見解を伺います。特に、先日、気象庁は庁舎を移転し、気持ちも新たにスタートを切られたと思います。ニュー気象庁の力のこもった希望あふれる御答弁をお願いいたします。

#15
○政府参考人(関田康雄君) お答えいたします。
 線状降水帯の発生を事前に予測することは現在の技術では残念ながら困難でございますが、防災上非常に重要な課題であるというふうに認識しているところでございます。
 線状降水帯を精度よく予測し、防災気象情報を提供するためには、スーパーコンピューターを活用した予測技術の高度化に加えまして、線状降水帯の発生に結び付く大気の状態を正確に観測し、特に、水蒸気の流入量を把握することが必要となります。
 このため、気象庁では、雨雲の監視や水蒸気の把握のため、従来より観測精度の高い気象レーダーの設置、アメダスにおける湿度観測の開始のほか、ただいま委員から御指摘いただきました気象庁及び海上保安庁の連携による洋上での水蒸気観測等、線状降水帯の観測監視体制の強化に向けた新たな取組を令和三年度概算要求に盛り込んでいるところでございます。
 加えまして、ただいま議員からも御指摘いただきました、関係者の総力を結集して取り組んでいくということが大変重要であるというふうに認識しております。先ほど申し上げました洋上観測における海上保安庁との連携のほか、文部科学省及び研究機関との協力によりますスーパーコンピューター「富岳」を利用した新たな予測技術の開発、民間分野の協力を得た観測データの一層の利用など、産学官連携を進めているところでございます。
 現在、交通政策審議会気象分科会におきまして更なる産学官連携のための方策について審議を進めているところでございますので、これまで以上に民間事業者や大学、研究機関との連携が進む環境づくりを進めてまいりたいというふうに考えております。

#16
○大野泰正君 ありがとうございました。しっかり頑張っていただきたいと思います。
 それでは、私の質問は終わらせていただきます。

#17
○足立敏之君 皆さん、おはようございます。自由民主党の足立敏之でございます。
 本日は、江崎委員長を始め理事の皆様に、質問の機会を与えていただきまして、心から感謝を申し上げたいと思います。
 私は、建設省、国土交通省で長年勤務をしまして、インフラ整備あるいは防災、災害対応に取り組んでまいりました。本日は、そうした経験を踏まえまして、少し大野先生とダブるところがありますけれども、お許しをいただきまして質問をさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 まず、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いまして、社会的な面だけではなくて経済面でも大きな影響が出ています。
 お手元に資料一をお配りをしてございますけれども、四月から六月のGDPの伸びはマイナス二八・一%、十一月十六日に発表されました七月から九月のGDPは二一・四%、済みません、先ほどマイナス二八・一で、今回は二一・四、回復はいたしましたけれども、一月―三月期に比べますとまだマイナス一二・七%と、厳しい状況にあるというふうに考えられます。そんな中で、小さい字で書いてありますが、公共投資は四月から六月では四・六%の増、七月から九月につきましても一・五%の増と、景気を下支えする大事な役割を果たしてきています。
 このような状況の下、これまで一次、二次にわたりまして経済対策が発表されてまいりました。しかし、これまで補正は感染症対策とコロナの直接的影響への対応に限られており、経済回復が道半ばであることを考えれば、公共投資を含めた更なる経済対策が必要だというふうに考えております。
 総理は、十月十日、当面の経済財政運営についてを発表されまして、新たな経済対策を策定することを表明されておられます。この経済対策の三つの柱のうちの一つに、防災・減災、国土強靱化を機動的、弾力的にしっかり進めるとともに、災害からの復旧復興を加速するなど、安全、安心を確保するという項目がございます。大変重要な判断だと敬意を表したいと思います。しっかり進めていただきたいと思います。
 しかしながら、こうした動きに対しまして、一部には、公共工事を追加して経済対策を行ったとしても、建設分野の人手不足の影響で繰越しが増えるだけだとか、不調、不落ばかりで執行ができないのではないかなどという指摘がございます。
 実際のところ、資料二の方にお示ししましたけれども、建設投資がピークであった平成四年当時と比べまして、金額ベースでは現在三三%減っておりますけれども、建設分野の就業者数という観点で見ますと約二〇%ぐらいしか減少しておらず、マクロ的に見れば施工能力は十分確保できるのではないかというふうに考えております。私が建設分野の皆さんから聞いている話でも、人手不足は災害の非常に激しかった一部の地域のことで、現在は仕事不足というような状況だというようなことも聞いております。
 公共工事が人手不足で執行できないというようなことはないと思いますけれども、国土交通省の認識を青木不動産・建設産業局長にお伺いします。

#18
○政府参考人(青木由行君) お答え申し上げます。
 お話がございましたように、公共事業費を増やしても建設業の人手不足の状況で事業が執行できないではないかという一部の指摘があることは承知をしてございます。
 しかしながら、資料でもお示しいただきましたように、建設業界の施工能力について申し上げますと、まず、マクロで見ますと、建設投資額、これはピーク時の平成四年から三・四割減少、そして公共投資に限って言えば四割減少しているのに対しまして、建設業の就業者数は二割減少にとどまっておりまして、マクロで見れば施工人員の確保は十分可能というふうに考えてございます。
 また、足下、現在の建設業界の状況を申し上げますと、建設技能労働者の過不足率という数値大変落ち着いてきているということ、それから、手持ち工事高もこの数年安定的に推移しているということ、また、近年のICT施工の増加などによりまして施工効率も向上していることなどから、施工能力に問題はないというふうに国土交通省として考えてございます。
 さらに、これも御指摘ございましたけれども、建設業の人手不足で公共事業予算の年度をまたぐ繰越額が増えているのではないかとの指摘もございますが、これは、建設業の働き方改革を推進いたしますために繰越制度の積極的な活用を図っていることの結果というふうに認識をしてございます。
 また、御指摘もございましたように、新型コロナウイルスの影響などによりまして現在民間投資が落ち込んでいるということでありまして、例えば、大手建設業の集まりでございます日建連の受注実績の調査によりますと、令和二年度上半期、国内工事全体で前年度比七・七%の減少、特に民間発注の工事では一五・五%減少となっているところでございまして、建設業界からは今後更なる落ち込みを懸念する声が私どもに多く寄せられていると、こういう状況でございます。
 以上でございます。

#19
○足立敏之君 ありがとうございました。
 今回の経済対策の一つの柱であります防災・減災、国土強靱化でございますけれども、資料三にお配りしておりますが、平成三十年度から、三か年緊急対策という形で毎年一兆円近い公共事業予算が六兆円の当初予算に加え別枠で上積みをされてまいりました。しかしながら、令和三年度の概算要求ではこの分が現時点では事項要求という形で、具体的な金額が明示されていないのが実情でございます。
 この三か年緊急対策については、先ほど大野先生からも、赤羽大臣の御答弁の中でもお話ありましたけれども、身近な公共事業に投入されまして、河床掘削あるいは堤防強化で水害を防止したり、道路ののり面対策などによりまして道路ネットワークの強化に活用されるなど、地方自治体の皆さんから、大変大きな効果があったと大きな評価をいただいています。
 このため、全国の知事さんや市町村長さんからは、この予算については三か年にとどまらず五か年に延長して中長期的に拡充すること、さらには、老朽化対策や交通ネットワークの整備など事業メニューの充実を図ること、こういう要望もいただいてございます。また、政府・与党において、国土強靱化につきましては五か年に延長して、当初予算の別枠で上乗せして必要十分な予算を確保すべきというような方向で一致しているというふうにも聞いております。
 防災・減災、国土強靱化、今後どのように取り組んでいかれるのか、赤羽国土交通大臣の見解を伺います。

#20
○国務大臣(赤羽一嘉君) 先ほど御答弁をさせていただいておりますが、防災・減災、国土強靱化緊急三か年対策に続いての中長期的な対策の必要性というのは、もう全国のほぼ全員の首長の皆様、そして自由民主党、公明党の与党の皆さんからも具体的にそれは明確に発せられているわけでございます。
 それに対して、なかなか、抵抗するというか財源を守らなければいけないという部分もあって、先ほどから、最初に質問を青木局長にいただいた人手不足ですとか年度末の繰越額の多さなんというのを、非常に私は、ミスリードする、情けない議論をしているところがございます。こうしたことについて国会で衆参の両予算委員会でも質問を受けまして、明確に否定をし、答弁もさせていただいているところでございますが、ややもすると大きな日本の新聞社でもそうした記事をいまだに書いているところもあって根強いわけでありますけど、これは、そうした懸念を払拭しながら、また、河川については、もう言わずもがなでございますけど、流域治水ということで、国、県、市町村、これはもう抜本的に見直さなければいけないと。
 昨年の台風十九号では、一級河川、国の直轄が七河川で大変大きな被害を受けるという本当に未曽有の出来事がございましたので、国直轄の全ての河川で流域協議会というのをしっかり立ち上げて抜本的にやると、そのために中長期的な予算が必要だということはしっかりと話せば分かっていただけるというふうに思いますので、国民の皆様の命と国土を守るためにしっかりと最大の手を打って全力を尽くしていきたいと、こう考えております。

#21
○足立敏之君 ありがとうございました。赤羽大臣のリーダーシップでしっかりと予算が確保されるようにお願いしたいと思います。
 続きまして、本年七月に激甚な被害が発生しました球磨川の治水対策についてお伺いをいたします。
 今年七月にも、国土交通委員会で赤羽大臣に質問をさせていただきました。熊本県南部を流れる直轄河川の球磨川では、これまでに経験したことのないような洪水に見舞われまして、人吉市や下流の球磨川沿川の市町村、大きな被害を受けました。赤羽大臣も再三現地に足を運ばれましたけれども、私も、これまで五度にわたり被災地に伺いまして現地を見させていただきまして、元々計画されていた川辺川ダムがあればもう少し被害を軽減できたのではないか、とても残念に思っているところであります。
 川辺川ダムにつきましては、御承知のとおり、民主党への政権交代直後に前原国土交通大臣の一声で中止されまして、その後、球磨川につきましては、ダムによらない治水を検討する場、そこで議論を積み重ねてこられました。しかしながら、結論を得ることができないまま今回の大災害が発生してしまいました。私は、川辺川ダムを前提とした河川整備基本方針、これを平成十九年に策定した当時の国交省の担当課長でございましたので、川辺川ダムが建設されていない現状につきましては、自らの責任も痛感しているところであります。
 今回の豪雨災害後、国土交通省、県、流域市町村が参加して検証の場が設けられました。川辺川ダムがあった場合の効果について検証がなされています。その場に国土交通省が示した資料、お手元に資料四、資料五を準備させていただきました。
 資料四は、人吉地点で水位は一・九メーター低下したんじゃないかという資料でございます。もう一点、資料五につきましては、浸水面積についても約六割低減したのではないかという資料でございますけれども、川辺川ダムがあった場合にはこの熊本の豪雨災害に対してどのような効果があったと見込まれるのか、改めて井上水管理・国土保全局長に伺います。

#22
○政府参考人(井上智夫君) 本年七月の球磨川の豪雨災害につきましては、九州地方整備局及び熊本県が球磨川豪雨検証委員会を設置し、河川の水位や流量などを検証しました。
 この検証の中で、今回の豪雨に対する現行の貯留型の川辺川ダムを整備していた場合の効果についても推計しており、具体的には、人吉地点のピーク流量は毎秒七千四百立方メートルから毎秒四千八百立方メートルにまで低減されるとしています。この流量は、人吉地点において河道で安全に流下させることができる流量の毎秒約四千立方メートルを上回っており、このダムだけによって浸水被害を完全に防ぐことはできませんが、例えば、委員からお示ししていただいたように、人吉市内の人吉大橋付近では球磨川本川の水位が約一・九メートル程度低下し堤防高以下になる、それからまた、人吉市街部から球磨村渡地区にかけての浸水面積が約六割程度減少する、さらに、浸水深が家屋の二階の高さに相当する三メートルを超えることとなる浸水面積は約九割程度減少するなどの効果があることを推計しております。

#23
○足立敏之君 ありがとうございます。川辺川ダムがあれば大変大きな効果を発揮したものと確信できます。
 こうした検証の場での検討と、その後の流域の関係者へのヒアリングを踏まえまして、蒲島熊本県知事が十一月十九日に県議会で、川辺川ダムにつきましては、これまでの貯留型のダムから流水型のダムに変更して、緊急治水対策プロジェクトの一環として実施すると表明をされました。大変重要な一歩だというふうに思います。これまでのダムによらない治水から大きく転換されたことにつきましては、心から敬意を表したいというふうに思います。
 球磨川につきまして、今後更に地球温暖化に伴って水害が激甚化することを考えますと、今回の熊本県知事の御発言を踏まえて、川辺川ダムを始め様々な対策を急ぐべきだというふうに考えますが、赤羽国土交通大臣の御見解を伺います。

#24
○国務大臣(赤羽一嘉君) この川辺川ダムをめぐる熊本の蒲島さん、また地元の皆さん、それなりの、これまでの歴史の中で様々な葛藤というのはあったというふうに思っております。知事も十一月二十日に東京に来られてお会いしましたが、率直に、やはり自分が掲げた公約をある意味では変えるということは大変厳しい選択でもあったというお話もされておりました。私も、その心情はよく分かります。
 また同時に、当時の前提である災害の大きさと頻度、全く前提が違っているわけでありますし、そうした中で、環境と災害に強いということで、緑の流域治水ということで新たな流水型のダムを整備するという御決断をされたということは、また、その過程において三十か所での住民集会を自ら参加をし、そして県でも有識者会議を開いて、国との評価委員会等々もやりながら最善の手を打たれたということで、その結論は尊重したいというふうに思っております。
 このことにつきまして、まだ若干検討しなければいけないというか、環境評価ですとか、随分設計も変わるわけですからそのことについてですとか、そういうことを時間を掛けずにスピード感を持って行いながら、同時に、治水対策だけではなくて、今、道路や鉄道、観光などのなりわいですとか住まいの再生、これも国交省の責任でございますので、そうしたことも含めて総合的な、再度災害を防止できて、地元の地域の人が安心で安全に暮らせるような地域の再生をしっかりと地元と連携しながら取り組んでいこうと、そのために川辺川ダムにかじを大きく切れたということは私もよかったのではないかというふうに思っております。

#25
○足立敏之君 ありがとうございます。
 赤羽大臣のリーダーシップに大きく期待したいというふうに思います。球磨川の流域の未来のために、これまでと同じ過ちは繰り返さないように、心からお願いを申し上げたいというふうに思います。
 次に、建設業の被災についての質問に参ります。
 今年の台風十号の際に、宮崎県の椎葉村で大変痛ましい災害が発生してしまいました。資料六にお示ししてございますけれども、大雨によりまして土石流が発生し、建設会社の社屋と住宅が直撃を受けました。社長さんは何とか助かったんですけれども、奥様と御子息の専務、ベトナム人の技能労働者二名が巻き込まれました。まだ三名の方が行方不明でございます。御子息の奥様とお子様は、ずっと下流の安全な日向市に避難されたと聞いております。
 実は、被災された方々は、台風通過後の復旧作業のためにそこにとどまって待機をしていて土石流に巻き込まれたというふうに聞きました。まさに、住んで守っている地域の建設業の役割自体を示した大変悲しい出来事だったというふうに思っております。
 国土交通省にはこうした方々への支援方策を現在検討していただいておりますけれども、地域の守り手として災害のときにも頑張っている建設業の方々への適正な評価、そして処遇の改善が必要だというふうに思います。
 こうした災害による被害に対しまして、国交省としてどういう支援を考えておられるのか、青木局長に答弁をお願いします。

#26
○政府参考人(青木由行君) お答えを申し上げます。
 お話ございましたように、本年九月六日、宮崎県の椎葉村におきまして、台風十号の災害対応に備えて待機中でございました地元の建設企業が被災をされまして、そして、土砂崩れによりましてベトナム人の技能実習生一人がお亡くなりになるとともに、現在も三名の方が行方不明になっているという大変痛ましい事案が発生いたしました。お亡くなりになられた方に心からお悔やみ申し上げますとともに、行方不明の方々が一日も早く発見されることを願ってございます。
 この被災事案を受けまして、国土交通省といたしましては、九月十八日に、災害待機時等の作業員の安全確保を図りますために、待機拠点につきまして、あらかじめ市町村が作成しておりますハザードマップで災害の危険性を確認して作業員などに周知をすること、そして、災害の危険が差し迫った際には、市町村等から発表される避難情報等に注意をしていただいて、作業員等の安全確保を最優先に行動することにつきまして、事業者団体宛てに通知をいたしたところでございます。
 また、亡くなられたベトナム人技能実習生のほか行方不明者三名の労災認定が円滑に受けられますように、私どもとして、厚生労働省に情報提供を行いつつ助言を受け、そして、それを踏まえて、宮崎県と連携して、被災した建設企業への助言、支援を実施するなど、建設企業の立場に立ちまして対応を行ってきたところでございます。
 さらに、今後、この危険回避、安全確保というのが最優先ではあるんですけれども、その上でも、災害対応で被害に遭われた場合にはしっかり補償が受けられますように、今回の事案の検証を行いまして、労災適用を確実にするための留意事項を整理をして周知を行うこと、そして、補償をより充実確保するための方策について、災害協定の見直しも含めて検討を行うなど、地域の守り手として最前線で災害対応に当たる地元の企業の皆様がより安心して業務に従事できますよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。

#27
○足立敏之君 ありがとうございました。
 地域の守り手、建設業にとって少しでも心の支えになれば有り難いと思います。青木局長は宮崎県でも勤務されましたので地域のことは精通されておられますが、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、デジタル化について、残りの時間で御質問させていただきたいと思います。
 国交省では、i―Constructionとしまして、ICTやAIを駆使して、さらに、デジタルデータも活用しまして建設分野のデジタル化を進めてこられました。赤羽大臣の所信の中でも、インフラ、物流分野等のデジタルトランスフォーメーションという文言がございました。菅義偉内閣の一丁目一番地の政策であるデジタル化について、政府をリードして国交省取り組んでこられたことにつきましては心から敬意を表したいというふうに思います。
 お手元の資料、資料七でございますけれども、先日、秋田県の東成瀬村の東北地方整備局が建設を進めている成瀬ダムというダムの現場に伺いました。
 台形CSGという最新のダム施工技術で工事が進められているんですけれども、ここでは、自動化施工が全面的に展開されています。具体的に言いますと、このダム本体の施工をブルドーザーだとか振動ローラーだとか、表面を締め固める章動ローラーだとか、いろんな機械が、重機があるんですけれども、その熟練者の操作を分析してプログラミングして、同時に複数の重機が全自動で動いて作業をしてございます。
 私は、二つのダムの現場で担当しておりました経験がございますが、ブルーワークとかそういったものが全自動化なんかできるなんて想定したこともなかったので、現地で大変驚きました。これからまたダンプトラックも自動運転にして、来年ぐらいになると二十数台の機械が無人化で施工すると、そういうような場面も見られるというふうに伺いまして、大変驚いたところであります。
 また、平成二十八年の熊本地震の際には、阿蘇大橋のところで大規模な崩壊がありました。この危険な現場の施工でも全自動の、遠隔操作ですかね、そういった最新技術を活用したというふうに聞いておりますし、雲仙の砂防ダムや水資源機構の川上ダムなんかでも自動化施工というのが進んできているというふうに伺いました。
 こうした建設現場のデジタル化について、国土交通省として今後どのように技術的に取り組んでいかれるのか、東川大臣官房技術審議官にお伺いをいたします。

#28
○政府参考人(東川直正君) お答え申し上げます。
 インフラ分野におきまして、将来の人手不足や災害対策、またインフラ老朽化などの課題に対応するために、国土交通省では、ICT技術の活用などによりまして建設現場の生産性向上を目指すi―Constructionに二〇一六年度から取り組んできたところでございます。
 また、今般、新型コロナウイルスを契機として社会のデジタル化が進展し、働き方が大きく変わることが予想されておりまして、国土交通省におきましては、建設現場だけでなく公共サービスや業務など、インフラ分野全体の変革を行うデジタルトランスフォーメーションを推進しているところでございます。
 インフラ分野のデジタルフォーメーションにつきましては、その実現する未来像に向けて省横断的に検討を進め、本年十月十九日に施策概要を公表したところでございます。その施策に基づきまして、例えば、具体的な建設現場の取組といたしまして、従来現場で行っていた施工状況や材料の確認、これを映像と音声データを活用いたしまして遠隔で行う非接触型の検査、確認方法、あるいは二十数台の、先ほど委員からも御指摘ございましたけれども、数台の建設機械が連携し、人の操作なしで施工するなど、建設機械の自動運転の現場実装の取組、また、災害現場で活用されてきたところでございますけれども、これを円滑に行うために5Gを用いた取組、こういったものをこれから積極的に採用していきたいというふうに考えております。
 こうした新しい技術を用いました取組を積極的に活用いたしまして公共投資の円滑な執行や感染リスクの低減などに貢献するとともに、建設業の新しい働き方への転換などを図ってまいります。

#29
○足立敏之君 ありがとうございました。
 建設産業の未来に向けて、すばらしい環境となりますように国土交通省でしっかり進めていただければ有り難いと思います。よろしくお願いします。
 以上です。

#30
○青木愛君 新立憲民主党に合流をさせていただきました立憲民主党・社民の青木愛です。
 改めて国土交通委員会に所属をさせていただきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 早速質問に入りますが、最近、道路に関して様々問題が発生しております。まず、跨道橋の耐震手抜き工事からお尋ねをしてまいります。
 現在中央自動車道で進められています耐震補強工事で、東京都日野市にある緑橋を支える橋台、下り線側に必要な鉄筋八本が不足していることが判明しました。その後の調査で、同じ緑橋の上り線、また、高井戸インターチェンジと調布インターチェンジ間にある北原橋と絵堂橋、いずれも下り線の橋台で施工不良が判明しました。耐震補強のための工事であるにもかかわらず強度を確保する鉄筋が欠落をしているということはあり得ないことであります。
 施工不良の原因に関してはこれから徹底的な調査が行われると思いますけれども、元請の大島産業、また、一次下請のダイコウ、二次下請の吉岡建設設計、三者の意見が食い違っているようであります。もちろん、発注者である工事を確認するNEXCO中日本にも大きな責任があると思います。
 まず最初に質問をさせていただきますのは、この工事の施工不良を受けて、NEXCO中日本が十一月の十三日にコメントを発表しております。その中に、通常時の安全性には支障がありませんとありました。今日明日にも大地震が発生するかもしれない、そのための耐震工事でありますから、通常時は安全だという発言はそもそもの工事の趣旨を分かっていないのではないかというふうに考え、大変不適切な発言ではないかと捉えました。
 この点について、まず、赤羽大臣の御見解をお伺いさせていただきます。

#31
○国務大臣(赤羽一嘉君) ちょっとその直接的なお答えの前に、ちょっと大局的に言いますと、今回のこの事案は、中日本高速道路会社はこれをもう受取を完了しているわけですね。その受取を完了した後にこうした手抜き工事というものが発覚したということは、これは決定的に駄目なんですよ。その原因がどこにあるかということは、これは有識者委員会で今やっておりますけれども、私、直接社長にもお会いして技術担当の役員にも会いましたが、当初は、有識者会議、第三者による有識者会議に原因を求めるというようなお話がありましたが、それは違うんだと、まず、発注元の中日本高速道路会社の責任で、どうしてこうしたことが起こったのかということをまず自分たちで原因究明をしなさいと、そのことが、第三者委員会でそれが妥当性があるのかどうかというのを検証してもらうんだと、そこを立て分けをはっきりさせないで、自分たちの失敗みたいなことを全部第三者委員会に委ねるなんということは余りにも無責任だというふうに叱責をいたしました。
 そうした大前提の中で行っていることであって、この事案について、総じて中日本高速道路会社は危機感が足りなさ過ぎるということを申し上げたいと。
 ただし、この文書、プレスリリースの文書を読みましたが、私、これは、そうした段階であるとまさに間が抜けたような表現だというお気持ちもよく分かりますけれども、これは、普通に通行されている方もいらっしゃるので、普通に通行する場合はどうなのかということの思いで書いたという、そういう説明があって、それをどう受け取るかというのはいろんな方の表現があるというふうに思っております。
 私も、最初第一報を聞いたときには、これ今の現状は大丈夫なのかということを思った中で、こうした構造があるということを説明を受けた、そのときは、私もこのプレスリリースは読みましたが、そのときは余り、正直言って、ああ、そうなのかと思いましたが、その後にいろいろ調べて、私なりに調べて、専門家ではありませんけれども、すとんと落ちなかったことについてただして、そうしたことを今プロセスとして進めているということでございます。
 いずれにしても、この事案というのは大変大きな、安全、安心を揺るがせないことになるというふうに思っておりますので、国土交通省としても、厳格に中日本高速道路会社に対しては対峙していきたいと思っております。

#32
○青木愛君 赤羽大臣の今の御発言を伺いまして、中日本の責任を深刻に捉えていらっしゃるということはよく分かりましたので、今後の調査も含めてしっかりと対応はしていただきたいというふうに思いますが、やはり、何というんでしょうね、通常時は安全だという、まあ安心感を与えようと思ったのかなというふうに推察しますけれども、やはりこれ、いつ何どき大地震が来るか分からない、そのための耐震工事をやっているわけですから、通常時が安全であればやる必要ないわけでありまして、そこのそもそものやはり趣旨というか、この工事のありようの深刻さというか、それが分かっていない発言だなというふうに思いまして、通常時は安全だというそんな安易な気休めよりも、もう早く工事を完了してほしいというのが走行者の気持ちではないかなというふうに思っております。
 そこで、お伺いしますけれども、大島産業ではない業者を決めて今工事やり直しが行われていると思いますけれども、ひび割れをNEXCO中日本が確認したのが十月の三十日でありますから、もう一月たとうとしておりますし、今どういう現状なのか、いつこれ完了するのか、そこをはっきり示してほしいと思います。

#33
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 今回の施工不良については、九月二十四日に緑橋のA1橋台においてクラックを発見したため、施工状況の確認や非破壊による検査を行ったところ、十月二十八日に鉄筋がないことを確認したと聞いております。その後、同一工事で施工が行われた他の橋梁についても確認を行ったところ、先ほど委員からお話もありましたとおり、十一月十三日までに更に三つの橋台においても施工不良を確認したということでございます。
 最初に施工不良が確認されました緑橋A1橋台については、状況確認後速やかに対策を検討し、十一月十日に再施工に着手したところであります。周辺の環境に与える影響もあることから施工可能な時間が限られておりますけれども、完了は十二月上旬を予定していると聞いてございます。その他の施工不良が確認された三つの橋台についても、既に再施工に着手しているというふうに聞いてございます。
 いずれにしましても、耐震補強工事の重要性を鑑み速やかに再施工を完了するよう、中日本高速道路会社を指導してまいります。

#34
○青木愛君 そして、これは様々な先生方が指摘をしているところでありますけれども、この工事は指名競争入札で、予定価格八億一千六百三十一万円に対しまして、大島産業が六億二百四十二万円で落札をしております。そして、最終契約額が十三億二千九百十万円と、二倍に跳ね上がっています。様々理由は挙げられていますけれども、二倍に高騰するのは異常だと思います。
 こういうことはしばしばあるのか、そして、国交省としてこの価格二倍の理由、納得されているのかをお伺いします。

#35
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 中日本高速会社が発注した二〇一九年度に竣工した全ての工事について確認したところ、全二百九十件のうち三件で最終契約額が当初契約額の二倍以上となっていたというふうに聞いております。
 一般的に、道路工事において、施工の手順、施工時間の変更や沿道環境への影響、道路交通への影響など個々の現場条件により増額の理由、幅は異なるため、一概に増額の幅が一般的であるかどうかお答えするのは難しいと認識しております。
 ただ、増額の理由につきましては、夜間施工に変更したというようなことを言っておりまして、お話をお聞きしますと、中日本に確認したところでございますけれども、当初は昼夜施工を前提として発注したものの、関係機関との調整の中で、先行工事の交通の影響が甚大だったということもありまして、交通の影響が大き過ぎるとの意見があって夜間のみの工事に変更したと聞いてございます。そういうことが事前にできなかったのかということもあるのかなというふうに思っております。
 いずれにしましても、増額の幅に加えまして施工不良が発生しているということも踏まえまして、契約前の基本的な条件の設定も含め、増額の理由及びその妥当性について徹底した事実関係の解明が必要であるというふうに考えてございます。

#36
○青木愛君 今局長がおっしゃったように、夜間変更は予測可能な範囲だというふうに我々も捉えております。
 最初のこの落札、これが本当に正規に行われたのかどうかというところを疑問に持つわけであります。この大島産業が安く落札して、後でいろいろ理由を付けて最終価格をつり上げると、そんな不正がなかったのかどうなのか、そんな疑念を抱かざるを得ない状況であります。
 落札が本当に正常に実施されたのか、その点については、調査はこれからでしょうか。その点いかがでしょうか。

#37
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 本件工事については、契約制限価格が約八億一千六百万であったところ、落札金額は約六億二百万であり、落札率は約七四%だったと承知しております。
 中日本高速会社に確認したところ、落札金額が重点調査価格を下回っていたことから、契約前に低入札重点調査を実施し、当該価格で入札した理由を確認するとともに、資材、労務、市場単価などの直接経費、安全対策等の共通仮設費、現場管理費等の計上が適切かどうかを確認した上で契約を結んでいるというふうには聞いております。ただし、この契約につきましては、先週の金曜日に第一回が開催されました中日本が設置した調査委員会においても、当初契約を含め、契約の適正について速やかに調査を行っていくというようなことも指摘されたところでございます。
 今後、中日本高速会社が自ら契約の適正性を含め事実関係について解明した上で、外部の有識者委員会による調査委員会において徹底的に検証していただくこととしているところでありまして、国土交通省といたしましても、早期の原因究明と再発防止に向けて、引き続き、中日本高速道路会社に対して適切に指導してまいりたいというふうに考えてございます。

#38
○青木愛君 よろしくお願いします。
 そして、さっき赤羽大臣がおっしゃった中に、その調査委員会の方針として、まず中日本にやらせるということであるんですけれども、そういう考え方もあるかもしれませんが、この調査委員会を中日本が主催しているというのはどうなのかなとちょっと思います。中日本も、どちらかといえば、どちらかというか当事者なので、ヒアリングをされる側だというふうに思うんですが、中日本が主催をしてこの調査委員会が設置されているということは、客観性が果たして担保されるのかなというふうに思います。この委員会のメンバーの先生方が直接、やはり元請の大島産業はもちろんですが、一次、二次下請、様々意見が食い違っているわけですから、それぞれから直接やっぱりヒアリングを行っていただくということが私は大事だというふうに思いますので、その点、御検討をお願い申し上げます。
 そして、この大島産業なんですけれども、今年七月に工事成績優秀企業に認定をされております。建設部門と物流部門があって、物流部門でのそれまでの不祥事ということでマスコミにも報じられたんですけれども、いろいろと、従業員へのパワハラ訴訟で一千五百万円の支払命令を受けていたり、あるいは残業代の未払ということで一億二千万円の支払いの判決を受けたりとか、様々なことが一般の人々にも知れ渡ったところであります。別部門とはいえ、同じ社長の下に組織されている会社でありますので、このようないわゆる労働基準法違反、こうした会社に対してもこの成績優良企業という、そういう対象になぜそうしたのか、また今後の対応についてもお伺いをしておきたいと思います。よろしくお願いします。

#39
○政府参考人(東川直正君) お答え申し上げます。
 公共工事の品質確保につきまして、企業の能力を適切に評価し評価結果を活用するために、工事成績優秀企業を国土交通省直轄工事におきまして各地方整備局ごとに認定しておりまして、その選定に当たりましては、建設業において不適切な行為があった場合は認定しない、また、認定していても取り消すこととなっているところでございます。
 パワハラ、残業代未払について委員より御指摘ございましたけれども、その詳細については承知しておりませんけれども、建設業法の第二十八条において、建設業者がその業務に関し他の法令に違反し、建設業者として不適当であると認められるときには必要な監督処分ができる旨規定されていることから、建設業法に基づく違反や監督処分等が必要であるかどうかを参考にしてこの認定制度の運用をしているところでございます。
 優秀企業認定当時、令和二年の七月でございますけれども、その時点において、建設業の許可部局である福岡県が大島産業に対して建設業法による監督処分等を行っておりませんでした。このため、大島産業は、請負工事成績評定結果策定基準案というものがございまして、その基準に基づき、直轄工事において工事成績優秀企業に認定したところでございます。また、今般、福岡県に確認をいたしましたけれども、確認できる範囲で、過去に大島産業を労働基準法を含めた他法令の違反により建設業法で処分したことはないということでございまして、現時点におきまして優秀企業認定を取り消す状況にはなっておりません。
 なお、今般、NEXCO中日本発注工事における施工不良については、これは大臣からも答弁いただきましたけれども、あってはならないことというふうに認識しておりまして、今後、建設業の許可部局である福岡県の判断やNEXCOの委員会の結果を受けまして対応を検討することになると考えております。

#40
○青木愛君 物流部門での不祥事だということでありますけれども、やはり同じ大島産業でありますから、今の御答弁はそのまま受け入れるのは、受け入れ難いというふうに思いますけれども。
 この建設業というのは、私も、やはり国民生活と、それからあらゆる産業活動のやっぱり基盤を担っていただいている建設業でありますから、この成績優秀企業というのは二年の間に三件以上の受注を行えるところというふうに聞いていますけれども、こういう機動力のある建設業というのは本当に国にとっても有り難い企業であって、本来は評価されるべきであると思っています。現場で働く作業員の方々も、もっと社会的立場というかを上げて、労働環境ももっともっと整備しなくちゃいけないと思っています。日頃から有り難いというふうに思っているだけに、今回のこれ、不正は不正ですから、やはり本当に残念であり、遺憾であります。
 ですので、このような不正工事が行われないように、国交省としてもまずは徹底した原因究明を、そこから始めていただきたいということをお願いしているわけであります。よろしくお願いします。
 そして、時間がないので先に進みます。
 このインフラのメンテナンス状況なんですけれども、道路、橋梁、トンネル、インフラが高度成長時代に多く建設され、その後五十年がたち、今、老朽化が進み、メンテナンスを順次行っていかなければならない状況を迎えています。この点検が平成二十六年から一巡目を終え、今二巡目に入っているわけでありますけれども、一巡目で修繕が必要と認められた箇所、今どの程度修繕が進んでいるのか、特に、地方が管理をする、老朽化対策が遅れているというふうに伺っておりますので、政府の支援の状況をお聞かせいただきたいと思います。

#41
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 道路の橋梁やトンネルについて、二〇一四年度から、国が定める統一基準により五年に一度の頻度での点検を義務化しております。二〇一八年度までに点検が一巡し、五年以内に修繕が必要な橋梁は全国で約七万橋確認されております。このうち、御質問の地方公共団体の管理する橋梁は約六万三千橋でございますけれども、修繕等の着手は約二万一千橋であり、いまだ四万橋が修繕未着手の状況にあります。
 地方公共団体のこれまでの実績では、約年間七千橋で修繕が行われているところです。しかし、二〇一九年の点検において、老朽化の傾向を踏まえますと今後年間約六千橋が新たに修繕等が必要な状態へ進行する見込みであり、年間約一千橋しか減らない状況であるということでございます。そのため、現在の予算ペースでは、地方公共団体において不具合が生ずる前に対策をする予防保全へ移行するためには四十年程度必要になるという状況でございます。
 国土交通省としても、速やかな対応が必要であると認識しておりまして、地方公共団体に対しまして、財政面の支援としては今年度創設しました道路メンテナンス事業補助制度を活用しまして必要な予算の確保に努め、老朽化が進むように支援しているところです。
 また、技術面の支援といたしましては、各県ごとに設置した道路メンテナンス会議等を活用しメンテナンスに関する情報共有を図るとともに、高度な技術を要する場合は、国の直轄の診断、修繕代行の実施、都道府県による市町村の点検、診断業務の一括発注、地方公共団体向けの研修の実施、道路メンテナンスセンターによる技術支援などの支援を実施しているところでございます。
 今後も、引き続き、地方公共団体に対しまして財政面及び技術面の両面から支援を行い、確実な老朽化対策を進めてまいります。

#42
○青木愛君 よろしくお願いします。
 次に、東京外郭環状道路の工事に伴う道路の陥没についてもお聞きしておかなければなりません。
 十月十八日、NEXCO東日本が行っている東京外環道路のトンネル工事のルートの上方にあります東京都調布市の市道が陥没し、長さ五メートル、幅三メートル、深さ五メートル、大きな穴が空きました。その後、また新たに二か所の空洞が発見されたところであります。調査がしっかり工事の前に行われたのかどうなのか、また、地権者あるいは住民に対する説明が行われていたのかどうか、まず、その点を簡潔に御答弁いただければ有り難いと思います。

#43
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 東京外環道、関越から東名の工事においては、地域の御理解、御協力を得ながら進めることが重要であると考えており、地域の方々に丁寧に説明して工事を進めることにしております。
 トンネル工事の着手に当たりましては、説明会としましては、東名側の本線シールドトンネルの掘進に先立ちまして、計四会場で二回ずつ、合計八回、また、大泉側の本線シールドの掘進に先立ちましても、各二回、計八回ずつ開催し、地域の方々に説明を行ってきたところでございます。
 また、事前調査につきましては、地下計画の具体化に当たりまして、環境に与える影響の予測評価や保全対策の検討を目的としまして、地形、地質の分布状況を確認するためのボーリング調査、地下水の高さや流向を把握するための地下水の変動観測、湧水の場所や湧出量の測定、既存井戸の水位、水質の測定などを行っております。
 また、着手後においても同様の調査を実施しているところでございます。

#44
○青木愛君 ありがとうございます。
 今後、この被害を受けた住民に対する補償ですとか、また、あるいは年月を経てから工事による地下水脈の変化等で地上に被害をもたらすといった場合も考えられますけれども、その点いかがでしょうか。

#45
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 工事に起因する被害、損害の話だったというふうに認識しまして、お答え申し上げます。
 工事に起因する建物の損害補償につきましては、公共工事に係る工事の施行に起因する地盤変動により生じた建物等の損害等に係る事務処理要領に従いまして、必要な調査を実施した上で工事に起因する建物の損害などが確認された場合は、原状回復に要する費用を負担するなど、事業者が適切に対応することとしています。この際、発生した損害の状況、工事箇所との位置関係、工事内容などにより因果関係を判断し、適切に補償を行うものと考えています。
 仮にですけれども、工事が完了し、道路の開通後に期間が経過してから地上部の建物等に何らかの損害が生じ、それが道路に起因するものと判断された場合は、道路管理者において適切に対応すべきと考えております。

#46
○青木愛君 大深度法というのがありますけれども、今回のこれ原因をこれから調査するわけですが、シールド工法の影響とも言われておりますし、また、昨今頻発している豪雨水害がもしかしたらその土壌に影響を与えているかもしれない、そんな指摘も聞くわけでありまして、果たしてこの四十メートルというのが適切なのかどうか、あるいはそもそもこの大深度地下の工事は適切ではないのではないかというふうに考えたりもいたしております。
 この後また最後の質問に移らせていただくんですけれども、リニア新幹線なんですが、これも大深度工事が予定されているわけでありまして、特に品川―相模原間、また名古屋周辺、大阪周辺、その地上部には多くの住宅やビルが建っております。安全が確保できるか、大変私は疑問に思っております。
 このリニアについては様々のお考えがあろうかと思いますけれども、私は、当時自由党に所属をしておりましたときに、自然を破壊することですとかクエンチ現象等やっぱり危険がありますので、反対の立場を取らせていただきました。今、社会情勢がコロナを経験して大きく変容する中で、このリニア新幹線についても是非私は検討の必要があるのではないかと、個人的にそのように考えているわけであります。
 リニアが完成する頃には、今いろいろとデジタルの方も進められておりますけれども、ITもいろいろ進み、5G、6Gとか飛躍的に進歩しまして、医療分野でも遠隔手術が検討されているくらいでありますので、わざわざ我々人間が大深度を移動する必要があるのかどうなのか、その頃になってみるとこれはもう古い発想になっているんではないかというふうに思うわけであります。
 大臣は所信の中でリニアは進めていくというふうに発言されておられますので、その点についてはお聞きしませんけれども、そのリニア新幹線と連動して、国交省がこれまで提唱されてきた東京と大阪を結ぶスーパーメガリージョンという構想があります。これは、やはり一極集中を助長するものであると思っています。特にやはり東京への一極集中を促進するものだというふうに考えます。
 今回のコロナのこの感染を経験して地方への転出の流れが出てきたわけですけれども、それを、このスーパーメガリージョン構想あるいはリニア新幹線、それに逆行するものだというふうに私は捉えておりまして、このスーパーメガリージョン構想について、大臣の御所見をお伺いをさせていただきたいというふうに思います。

#47
○国務大臣(赤羽一嘉君) 私の捉え方は全くちょっと逆で、スーパーメガリージョン構想というのは東京一極集中を改善する方向に行くのではないかと思っています。
 東京に住まないとなかなか仕事ができない、生活ができないところから、今回、このコロナ禍で働き方が随分変わりました。テレワークの推進ですとか地方でのワーケーション、現実にもう大きな動きが出てきて、東京都に対する転入人口より転出人口が増加が上回っているのが三か月続いている、地方の移住が進んでる。その地方、どこが選ばれるかというと、今、多分、新幹線の沿線沿いというのは非常に有利性があって、実は、軽井沢なんかの土地も既にもう暴騰が始まっている。
 こうした中で、リニアを私個人的に好きかどうかということは別にして、国土交通大臣ですからああいう所信表明しましたが、リニアがつながると、例えば飯田ですとか、この前、木曽の中津川、駅ができますけど、ああいうところにも多分まちづくりができ、人口過疎化が多分激しい地域だと思いますが、そうした地方創生のチャンスになるんではないかと。ですから、東京に住む必要がなくなる、地方の創生の一環で、私は、コロナ禍における社会の大きな影響に資するリニアでありスーパーメガリージョンであるべきだというふうに思っております。
 いずれにしても、どういう展開になるかというのは様々な評論もあるし見方もあると思いますが、いずれにしても、このコロナ禍という災禍を国民のため、これからの日本の将来のためにプラスにしていくことが私は大事だというふうに考えております。

#48
○青木愛君 大臣はそのスーパーメガリージョン構想は一極集中にはならないとおっしゃいましたが、これは人口減少を踏まえた中で国交省が考えられてきたやはり一極集中の方向性だというふうに私は捉えております。
 人口減少と、それから今回のコロナという一見逆方向のそういうところを考えていかなくちゃいけないというのが大変難しいところではあるなというふうには考えるんですけれども、やはり期待されている地域の方々もいらっしゃるので簡単には言いませんけれども、やはり日本全体を見渡した中で、それぞれの地方のもっと特色を生かした、そうした国土の在り方ということをもっと考えていただければなというふうに私は思うのでありまして、今、航空機もなかなか、国内線も半分しか飛んでいないという状況の中で、東京―大阪間、LCCなども安価で移動できますので、今あるものを最大限活用するという方向へと、いろいろと社会の情勢を見て判断の変更もあり得るのではないかということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。

#49
○森屋隆君 立憲民主・社民の森屋隆でございます。
 まずは、質問の機会をいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。早速ではありますけれども、大臣所信に対しまして質問をいたします。
 赤羽国土交通大臣は、この所信の中で、国民の命と暮らしを守るため、国の責務として重点的に取り組む三本の柱について、そのお考えを述べられています。一つ目の柱に挙げられていますこのコロナ関係で大臣に質問をいたします。
 大臣は、公共交通事業が過去に例を見ない深刻な危機に瀕していると、このように述べております。全く私もおっしゃるとおりだと、こういうふうに思います。まさに陸海空、交通分野全般にわたり、この移動の自粛によってこれまでにない赤字に転落をしています。
 実は、昨日はJRの皆さん、そして今日の朝八時から私鉄の皆さんが、それぞれ地域の今の状況、そして現場の実態ということで報告をしていただきました。特徴的なところを少し御紹介をさせていただきたいと思います。
 もう御承知のとおりでありますけれども、首都圏の鉄道は、これ私鉄も含めてですけれども、最終便の繰上げがされるというふうに報道されています。これは、実は地方都市でも同様の動きが既に見えておりますし、また、特に来年度以降、この地方鉄道、バスの減便、路線の廃止、このダイヤ改正が過去最大規模で減便や廃止になると、こういうふうに言われています。そして、観光バス、高速バスや空港連絡バスに至っては、もう希望退職を募らざるを得ない、そういった状況にまで陥っております。
 感染を恐れて公共交通が敬遠されているということも当然あるんだと思いますし、そして、公共交通での、このアナウンスにもある政府からのお願いということで、これ三密を避けるためにはもう大事なことでありますけれども、通勤、通学をその時間帯を避けていただきたいとか、またテレワークを更に活用していただきたい、こういったアナウンスがあるわけでありますけれども、この三密のためにはこれ必要なことですけれども、経営的には大変厳しい状況に裏を返せばあることになっております。
 また、期待をされていましたGoToトラベルについては、特に近距離移動、マイクロツーリズム、これについては、現場の声、肌感覚ではありますけれども、やはりマイカーやレンタカーの活用が大きかったんだろうと、そして、地域公共交通や観光バス、空港線を含む高速バスへのこの恩恵、効果は、これは薄かったんだろうと、こういうふうに言わざるを得ません。
 さらに、この直近の問題ですけれども、サラリーマンの出張時に地域共通クーポンを実はタクシーに使っていただいた方が多かったようでございます。これについても、十一月の六日からビジネス出張については割引対象外と当然なりましたし、今回の第三波感染拡大によってGoTo除外地域や飲食店の営業時間短縮など、特にこれはタクシーの運転手さんですけれども、運賃制度が歩合制を用いているところが非常に多くございますので、その結果として、深夜の割増し運賃、あるいはこの年末にかけての書き入れ時ということもありますから、大きく賃金に影響する、この辺が予想されるわけでございます。これについては補償の必要性を強く感じるところでございます。
 いずれにしましても、この人流を中心とする交通労働者の賃金は大幅に減少しています。赤羽国交大臣のおっしゃるこれまで以上に強力な支援とはどのようなものなのか教えていただきたいと思いますし、コロナ禍で傷んだ今後の公共交通に対するお考えをお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。

#50
○国務大臣(赤羽一嘉君) 公共交通機関というのは、言わずもがなでございますが、少子高齢化の進展、人口減少化、地方では過疎化の進展でただでさえ大変維持が難しい、もう釈迦に説法でありますけど。それに加えて、このコロナ禍ということで大変厳しい、より厳しい状況になってきてしまっていると。
 私も関東バスの現場の皆さんのお話を聞かせていただきましたが、路線の中にクラスターが発生した病院が二つあるコースもあると、そこは、しかし嫌だからといって乗車拒否をするわけにはいかないと。まさに社会的な使命を果たしていただいて、感染のリスクですとか大変大きな不安を抱えながら、運転手の皆さん、車掌さんも含めて大変な御苦労をされていると。そのときに、ちょっと今思い出したんですけど、マスクをしていないお客さんも乗ってくるとお客さん同士で結構トラブルになる、ワンマンバスですとそれを一人で運転手さんがさばかなければいけないといった御苦労の話も聞かせてもらいました。
 そうした中で、公共交通機関として、お客さんが少なくなっていながら、ゼロにするわけにはとてもいかないので、しっかりと便数を守っていただいてその使命と責任を果たしていただいているということに改めて心から感謝を申し上げたいと思います。
 そうしたことをどうしていくのかという中で、国土交通省の予算というのは、ざっくばらんに言いますと非公共の部分というのは非常に限られておりまして、感染対策に対する設備投資等々はできますが、なかなか路線バスそのものの路線の支援というのはなかなかできない。現実には、第二次でしたか、二次補正の地方創生臨時交付金とかは莫大な予算があり、その中で、各地方自治体の中で公共交通に対する支援というのはある意味で自由度があってやっていただいたと。ただ、地域差が随分あったわけでありまして、先日も、高知県に行ったら、タクシー一台につき二十五万円出したと、ところが、愛媛県では全くそういうのはないというのが現実だったと思います。
 私の思いは、所信で述べさせていただいたのは、こうしたことは本来、総務省がやっていただければ結構ですけれども、本来は国土交通省がしっかり地域公共交通機関の具体的な支援をしなければいけないと、必要な路線は国交省の予算でやっぱり確保しなければいけないという思いがありまして、令和三年度の概算要求の中で、地域公共交通確保維持改善事業として、バスの運行経費等に対する補助の増額、大幅増額要求に向けて今やっているところでございます。
 予算折衝というのはどうしても流れの中なので、大幅な増額というのは難しいんですけれども、このコロナ禍という未曽有の大変な状況の中を逆に、私はよく変毒為薬という言葉を使いますが、ピンチをチャンスに変えるような形で、しっかりとした公共交通政策としてあるべきだというふうに思っております。
 加えて、GoToトラベル、確かに始めたところはやっぱりマイカーが多かったと思いますが、私も、地方に移動していて、やっぱり当初よりもこの十月、十一月ぐらいからは新幹線も飛行機も随分お客さんも増えてきていると思いますし、数字でも、十一月の中旬の週末では、新幹線は対前年比約五〇%まで戻ってきておりますし、航空二社につきましても同じ時期で五五%と。これは、飛行機は随分減便もしていますからあれですけど、少しずつしっかりと、長い目で見てというか、きっちりと応援をしていきたいと思っております。

#51
○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。
 令和三年度の予算ということで拡充をしていただきたいと思いますし、今大臣御答弁いただきましたこの地方創生臨時交付金、地域によって少しばらつきはありましたけれども、本当に助かっているという声もありますし、雇用調整助成金の特例処置、これについても延長が少し見えてきたのかなと思っております。これは本当に有り難いと思っていますし、そして、あと特に大手でございますけれども、やっぱり固定費が大分負担になっています。いろいろ難しい問題あるかと思いますけれども、公租公課の特例猶予、減免等々についても引き続き検討をしていただきたいと思います。
 そして、やはり利用者の方が安全、そして安心して利用していただくことが一番でありますから、今、感染防止安全対策の中で、スーパーコンピューターの「富岳」を使って、公共交通機関の車内環境、空気清浄のシミュレーションを行っていると、こういうふうにお聞きをしております。その科学的見地について、当然、国交省のホームページだけではなくて様々なメディアを通じて徹底した周知をお願いしたいと、このように思っていますし、そして、公共交通機関、特にタクシー、バスですけれども、今コロナで相当弱っているということで、この導入についても、その導入の資金がなかなか工面できないだろうと、こんなふうに思うわけでございまして、是非、この予備費のまだ七兆円がありますので、この安全対策、この思い切った、全額補助というような形で思い切った導入促進を望みたいと思いますけれども、この辺について、自動車局長の方でしょうかね、よろしくお願いしたいと思います。

#52
○政府参考人(秡川直也君) 今御質問いただきましたような公共交通機関のコロナ対策、また、今、補正予算などでも要求をしているところであります。
 そういういい案というのはできるだけ早くということなので、財源の確保の方策についてしっかり議論してまいりたいと思っております。

#53
○森屋隆君 ありがとうございます。是非御尽力いただきたいと思います。
 次に、国土強靱化の観点から、公共交通機関への公的助成の充実についてということで御質問をさせていただきたいと思います。
 道路関係予算は、この九年間で一・六倍にまで増加をしています。一方で、鉄道や地方公共交通に関する予算については、ほぼ横ばいに推移していると思っています。これらの予算を令和二年度当初予算の国費ベースで比較しますと、道路整備等は二兆円を超えていますが、鉄道や地方公共交通に関する予算については、合計しても千三百億円と、十分の一にも満たないものとなっています。
 大規模災害などにおける緊急時の避難輸送や救援物資の輸送など、鉄道や地域公共交通は道路と同様に大きな公的な役割を担うこととなっていますが、平時の整備、そして維持管理は民間企業に任されているわけでございますから、当然、利用者からの料金で賄うことになっています。公的な助成が少ないことが必要以上に許容されていると、私はこういうふうに思っています。
 また、先ほども大臣の方からありました人口減少、あるいはホームドアを始めとする安全対策、そしてバリアフリー等々のイニシャルコスト、そしてランニングコスト、これが企業負担として大変重くのしかかっています。そして、今回のコロナの需要減、平時からの赤字等々、災害への既に対応能力も失いつつある、こういうふうに私は思っています。
 さらに、賃金などの問題についてでありますけれども、労働者の待遇改善も一向に進んでいない、そのことによって、人への投資ができていないことによって慢性的な人手不足、そして高齢化にも加速をしていると、こういうふうな状況であります。そのような状況にありながら、この公共交通の従事者については、災害時において、自分のところが災害に遭っていたとしてでも、人流、物流のその責務を果たすために出社をしなくてはならないと、こういったことが多くございます。
 したがって、公共交通事業者が非常時に対応できる余力の温存ができるよう、経営基盤の強化、そしてその従事者の労働環境の改善、これは喫緊の問題だと思っています。そのために、鉄道関連予算、先ほどと同じになりますけれども、バスやタクシーなどの地方公共交通に対する予算などの公的援助を充実することがトータルでは国土強靱化に本当につながっていくんだろうと、こういうふうに考えております。
 被災地に何度も足を運ばれて、そして現場の声に耳を傾け、また、公共交通事業者、そして現場で働く者の果たす役割を目の当たりにしてきた赤羽国交大臣のこの現場主義の目線で大臣からの御意見をいただきたいと、こういうふうに思います。よろしくお願いします。

#54
○国務大臣(赤羽一嘉君) 例えば地方鉄道は、よく災害で、豪雨災害で鉄橋が途絶して、それも、通行止めになって結構長くなっているというようなことがあったりすると、その地域住民の人、また観光の方、大変大きな支障が生じております。
 ですから、一つは、老朽化している、鉄橋というのは大体百年以上たっていますので、そうした老朽化を事前にインフラ対策として、老朽化対策として進めていくということも非常にある意味での一つの大事なことではないかと思いますし、道路と非公共が比較してというのは余り納得が得られないと思うんですが、道路も、全国の首長の皆さんからは、二車線ではなくて四車線にしてくれと、二車線ですと土砂災害があると途絶してしまうので、四車線ですと片側通行でということで、その説得力というのは非常によく分かるわけであります。
 それはそれで、粛々と防災・減災対策としては進めていかなければいけませんが、その中にインフラの老朽化対策などを入れるですとか、また鉄道は、今、制度としては上下分離で、下物は公共ということのあれも含んでおりますし、そうしたことは進めていかなければいけない。
 多分、御質問の趣旨は、公共交通という、担う以上、現実には民間事業者にお願いをしているということをそのままでいいのかという御質問であれば、そのままではよくないと思うので、非公共の予算はしっかりと、ちょっと桁が違うぐらいに設けなければいけないというふうに私は思っております。
 加えて、余計なことかもしれませんが、先ほど言いましたコロナ禍で起きる社会の影響というのは大変大きいと思いますし、そのことによって、今は、鉄道は鉄道局、バス、タクシーは自動車局、道路は道路局と、それぞれが別の局でやっておりますが、地域住民からするとそれは別に一緒のことであって、将来的にいうと、その民間事業者も、鉄道をやっていたところがバス、タクシーもやるようになったりとか、ひょっとしたら道路を造るような時代が来るかもしれませんし、そうしたこととかを恐らく想定して菅総理は、縦割りの是正とかあしき前例主義の打倒というのはそういう思いで言われているというふうに、私はそう受け止めておりますので。
 しっかりこの社会の影響、変化を見ながら、やはり公共交通はなくてはならないというのは間違いはございませんので、公共交通に働く皆さんが安心して不安を感じることのないようなしっかりとしたサポートはしなければいけないと決意をしております。

#55
○森屋隆君 大臣、本当にありがとうございます。前向きな答弁をいただいたのかなと、このように捉えています。本当にありがとうございます。
 次に、地域公共交通によるクロスセクター効果、この重要性について質問をさせていただきたいと思います。
 地域公共交通を維持、充実させることというのは、観光復興等の地域経済の活性化に当然つながりますし、まちづくり、健康、福祉、教育、環境等の様々な分野でも、行政経費を削減できるこのクロスセクター効果がもたらされるんだと、このように知られております。
 そんな中で、そうであるならば、地域公共交通の支援については、当然、赤字の補填という少し後ろ向きになった考え方が一般的ではございますけれども、そうではなくて、地域公共交通を維持させるということはこのクロスセクター効果を通じて地域そのものを維持していくんだと、こういった捉え方をしていただいて地域公共交通を支援すること、このことに是非前向きに捉えていただきたい、こういうふうに考えております。
 現在、コロナ禍で地域公共交通が大変厳しい状況です。冒頭申し上げたとおりでございます。今こそこのクロスセクター効果の定量的な評価を推進していただいて地域公共交通への補助の在り方を見直すときであると、こういうふうに強く考えているわけでございます。これについても大臣のお考えをお聞かせいただきたい、このように思います。

#56
○国務大臣(赤羽一嘉君) 私、済みません、議員のように専門家じゃないので、クロスセクター効果って昨日初めて知りまして、勉強しましたが、勉強足らずなのであれなんですが。
 一つは、富山市で、あそこはLRTがすごくて、そうした中心まちづくりで、富山市というのは、実は合併をしているので結構広いものですから、その輪の中に入らない地域の高齢者に対しては、何とかという、一月千円か何かで使えるバスの乗り放題があって、森市長さんという、非常にまちづくりに熱心な方で、この定期チケットを持っている高齢者は病気になる率が少ないとか、そういったことを非常に統計的に出されていて、社会的コストとしては非常に安く済んでいるんだと、効率的に済んでいるんだと、そうしたこともクロスセクター効果と言えるんだったらそういうことなんだろうなと思ったんですが。
 昨日ちょっと見ていた資料が兵庫県の福崎町の資料で、多分こういうこともあるんだなと。通院のためのタクシー券の配布や病院の送迎貸切りバスの運行ということを結局なしにしてコミュニティーバスにした方がよいという、そういう説なのかなと思うんですが、それは多分逆のこともあるんじゃないかなと。コミュニティーバス、全国でやっているんですけど、なかなかもう運転手さん自体、ドライバー自体が高齢化になって運営できなくなって、ですからタクシーチケットを配っているという、そうした逆のところもあるので。
 私、ちょっとにわか勉強なので全体がどうなのかはよく分からないんですが、その地域の特性についても随分違うのではないかと思いますので、こうしたことをそれぞれの地方自治でしっかり学んでいただいて、どちらがどうなのかというのは、その地域事情でやり方の創意工夫というのはあると思いますが。
 いずれにしても、今の御提案というのは、人口減少、少子高齢化の我が国の地方都市の中でどう公共交通機関、もっと言うと、公共交通機関というよりもう少し身近な生活の足をどう確保するのかという御提案だと思いますので、こうした手法というのはしっかりと検証していきたいと、こう思っております。

#57
○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。
 本当に、このコロナもそうなんですけれども、人口減少でこのままでいけば地方の公共交通がなくなっていく、これは目に見えておりますし、地方の公共交通がなくなり、あるいは不便になれば、また結果的には地域の方がその地域から出ていってしまうという、こういった負のスパイラルになるわけでございますから、是非とも、大臣の今おっしゃっていただいた、地域地域によってそれぞれやっぱり特性があるかと思いますけれども、一つのものとしてこのクロスセクター効果、是非国交省を中心に広めていっていただきたいと、このように思っています。
 そして、最後になりますけれども、これは、赤羽国交大臣、先ほども菅首相の話がありまして、省庁の垣根を越えてということで質問をさせていただきたいと思います。それはどういったことかと申し上げますと、自動車運転者の働き方改革について、少し大臣と考え方についてやり取りをしたいと、こんなふうに思っているわけでございます。
 働き方改革関連法が平成三十年六月に成立をしました。衆参の附帯決議を踏まえて、これはもう当然厚生労働省ですけれども、厚生労働省において自動車運転者労働時間専門委員会が設置されました。そして、改善基準告示の改正に向けた検討が現在進んでいると、このように承知をしています。
 自動車運転者の年間労働時間でありますけれども、全産業平均より年間三百五十時間あるいは四百時間ほど多いと、長いと、このように言われています。そしてさらに、拘束時間、出勤してから退社するまでのこの拘束時間、これはもう年間通じて本当に長い、常態化をしているということでございます。この拘束時間の長い理由として、少し御説明をさせていただきたいと思います。
 例えばバスの場合でいえば、駅からバス停まで、終点のバス停まで行って、またそのバス停から駅に戻る、その折り返しの時間が十分あるいは十五分、五分のところもあるかと思いますけれども、それぞれ労働時間にカウントされる企業もあればそうでない企業もあると、こういうような状況が全国にいろいろあるわけでございまして、また、トラックでいえば、東京から大阪へ荷物を輸送して、そして倉庫に納めるのに、時間が通常より早く着いたと、そして荷待ちの時間があるわけでございますけれども、これについても、労働時間としてカウントされる、あるいはカウントされない、様々でございます。こういったことから、一日八時間を労働時間として働くに当たって、どうしてもこの拘束時間が延びてしまう、こういうようなことになっています。
 ここがグレーゾーンなわけでございますけれども、これは、労働時間の定義に関する条文がないからだと私は思っています。しかし、この労働時間とは客観的に判断されるものであり、会社がここからここが労働時間だよと決めたところが労働時間になるわけではないと、このように思います。
 現在、テレワークなど多様な働き方、労働の多様化が幅広く客観的に認められている中、先ほど申し上げたバスの運転手の折り待ち時間だったりトラック運転手の荷待ち時間などが客観的に労働であると認められないところが多いのは余りにも私は理不尽だと、こんなふうに思います。
 菅総理がおっしゃる、行政の縦割りを打破して厚生労働省としっかりと連携をしていただいて、国土交通省は、運転業務に従事する労働時間の定義、在り方あるいは方向性を示していただきたいと、このように思います。交通運輸労働者の安全と健康を守ることは、大臣がこの所信でおっしゃっていました国民の命と暮らしを守ることに私はつながるんだろうと、こういうふうに思っていますので、この辺について、ちょっと省庁を越えますけれども、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

#58
○国務大臣(赤羽一嘉君) まず、トラックについて、私もずっと関わってきたのでちょっと答弁させていただきますが、トラックというのはまさに長時間労働の究極みたいなところもあり、その労働自体が評価されないと。運賃自体も、規制緩和、平成二年だったと思いますが、規制緩和で運賃自体が自由になったということで、適正なコストに利益が乗せられないというような本当に異常な状態が続いていました。
 そのことで、平成二十九年に標準運送約款を改正させていただいて、今お話のあったように、まず、運賃は料金とは違うと。運賃の中で全部荷降ろしとかなんとかの作業をするというのは、別に料金と運賃はしなければいけないですとか、待機する時間も待機時間料金というのはちゃんと設定しなければいけないということを、標準約款を変えましたが、肝腎なことは、荷主がそれを同意しないと駄目だということで、なかなか効果が発現できなかったことで、一昨年だったと思いますが、秋の臨時国会で貨物自動車運送事業法を議員立法で法改正いたしまして、その中では、荷主の所管たる経済産業省、農林水産省、そして厚生労働省もその法律のプレーヤーに入ってもらって、しっかりと所管省庁も関わって、こうしたことは、何というか、国交省だけが一生懸命やるのではなくて、荷主の所管省庁も責任を持ってやっていくといったことが発動し、その中で、規制緩和ではありますが、標準的な運賃みたいなことの話も前に進んでいったということでございます。
 これは、少しずつでしょうけど、こうした人手が不足しているトレンドの中で逆に振れる可能性もあって、荷主にとってみれば、ちゃんとしたルールを決めておくというのは、私は当たり前のことだと思っております。
 そうしたことの同じ流れの中で、バスの運転手さんですとか鉄道の運転士さんの労働の在り方、これ、私もちょっと専門外ではありますけれども、自動車運転者労働時間等専門委員会の設置というのが、これ国交省も、厚生労働省と一緒だと思いますが、かねて、令和二年のこの十月から十二月、今まさに実態調査の実施をしておりますし、明年の四月から専門委員会を開催しながら、令和四年の十二月に改善基準告示改正、公布をすると、こうした段取りになっていると承知をしておりますので。
 いずれにしても、この働き方改革、自動車運送事業については令和六年四月から年九百六十時間の時間外労働の上限規制が適用されることになりましたので、そこまでにしっかりとしたルール作りをしていくのが我々の責務だと思っていますので、厚生労働省とも連携を取りながら、しっかりやっていきたいと思っております。

#59
○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。
 是非お力添えいただきたいと思いますし、今、本当に若者がこの交通運輸、運転手として、働く場として選んでいただいていないと。これは、ひとえにやっぱりそういった状況があるからなんだろうと私は思っていますし、先ほどトラックのお話もしていただきました。本当にありがとうございます。
 大分改善はされてきているというふうな話も聞いています。ホワイト経営の中で改善をしてきているんだろうと、こういうふうに思っていますけれども、まだまだ送料無料という、そんなような言葉が、以前よりは少し減ってきたのかなと思っていますけれども、輸送、物流、まあ人流もそうですけれども、当然、そこには対価として、労働の対価として賃金が発生するわけでございますから、送料無料なんということはあり得ないわけでございまして、そういった点も含めて、是非とも、交通運輸、大変厳しい状況でありますからお力添えをいただきますようお願いを申し上げまして、質問を終えたいと思います。
 ありがとうございました。

#60
○委員長(江崎孝君) 午前中の質疑はここまでといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#61
○委員長(江崎孝君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、里見隆治君が委員を辞任され、その補欠として西田実仁君が選任されました。
    ─────────────

#62
○委員長(江崎孝君) 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#63
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 私はこの国土交通委員会で質疑に立つのは初めてですので、大臣始め委員の皆様、何とぞよろしくお願いを申し上げます。午前中の質疑と重複する部分もあろうかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、令和二年七月豪雨に関連して何点か質問をしたいと思います。
 本委員会は本年八月三十一日に福岡、大分、熊本の各被災地へ委員派遣を行いましたが、私は、九月九日に、当時は災害対策特別委員長を仰せ付かっておりましたので、災害特として熊本県人吉市と球磨村へ委員派遣を行いました。
 発災から二か月後の訪問でございましたけれども、コロナ禍の中で復旧復興はいや増して厳しいものがあると、現場を訪問いたしまして実感をしたところでございます。その中で、人吉市を視察した際にホテルを経営しておられる方と懇談する機会がございましたが、その方いわく、ホテルそのものは自力で再建できても観光資源が被災をしてしまっている、ホテルを再開しても果たして人が来てくれるのかが不安だとのお話があり、私も、全くそのとおりだと痛感をいたしたところであります。
 そこでまず、国土交通省に質問いたしますが、被災地の復旧復興は、日常生活の復旧に加えてなりわいも同時に再建をしていかなければなりません。そうした観点からも、被災地の復旧復興は、例えば球磨川地域であれば温泉や球磨焼酎、球磨川下りといった観光資源がございますが、これら観光資源も一体となった面的な立て直し、これが不可欠であると考えますが、国土交通省としてどのように対応されているのか、伺いたいと思います。

#64
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
 令和二年七月豪雨におきましては、九州を始めとして宿泊施設等に対し多くの被害が発生しており、現時点でも、四十軒を超える宿泊施設におきましていまだ営業再開に至っていないものと承知しております。
 観光庁といたしましては、関係運輸局に被災事業者の皆様に対する相談窓口を設け、宿泊施設等のなりわい再建補助金の活用を後押しするなど、被災地に寄り添った対応を行ってまいりました。
 また、御指摘のように、宿泊施設の復旧だけではなく、観光資源と一体となった復旧復興が重要であると認識しており、先ほどお話のありました例えば人吉市では、青井阿蘇神社や球磨焼酎等の地域の観光資源を体感できるツアー造成、町全体と観光施設が連携した光をテーマにした観光まちづくりの取組など、観光資源と宿泊施設等が一体となった地域の魅力向上の取組が開始されており、観光庁としても、必要な支援を実施しております。
 観光庁といたしましては、引き続き、被災地に寄り添いつつ復旧復興を後押ししてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

#65
○杉久武君 被災地の復旧復興に向けまして、観光庁においては、いま一重の強力な後押しを是非ともよろしくお願いしたいと強く要望しておきます。
 次に、七月豪雨で十四名の方が犠牲になりました球磨村の特別養護老人ホーム千寿園に関して伺います。
 この千寿園でも、避難計画は作成されていたものの、想定になかった浸水被害によって多くの犠牲者を出すに至りました。そこで、この避難計画について国交省に確認をしたいのですが、平成二十九年に水防法と土砂災害防止法を改正し、浸水想定区域や土砂災害警戒区域内にある要配慮者利用施設の管理者等に対し、避難確保計画の作成や避難訓練の実施を義務付けをされましたが、作成された計画そのものは、施設の利用者やその家族に対して周知する義務はございません。
 私は、少なくとも施設の利用者やその御家族には避難確保計画について周知するよう義務付けを図るべきだと考えます。もちろん、避難計画の全部を伝える必要はないとは思いますが、例えば、施設の建っている場所がどのようなリスクを有しているのか、また、そのリスクを踏まえてどのような避難計画を立てどういう避難体制を取っているのかなど、利用者や家族にとって必要な情報はきちんと提供すべきではないかと、このように考えます。
 そこで、国土交通省に質問いたしますが、現状の避難確保計画についてどのような認識を持っているのか、また、今回の千寿園での被災を受けまして、国土交通省と厚生労働省が共同で検討会を立ち上げ、避難計画等の在り方について取りまとめを行うと、このように聞いておりますが、避難確保計画について、施設利用者等への周知の在り方について是非検討すべきと思いますが、国交省の見解を伺いたいと思います。

#66
○政府参考人(井上智夫君) 高齢者福祉施設などの要配慮者利用施設の利用者は、避難をする場合により多くの時間を要するため、あらかじめ避難のための計画を策定し、訓練を実施しておく必要性が高いものと認識しております。このため、市町村の地域防災計画に定められた要配慮者利用施設について、水防法及び土砂災害防止法によって、施設管理者に対し避難確保計画の作成と訓練の実施を義務付けております。
 災害が発生した際に、この計画に基づく施設利用者の避難をより実効性あるものとすることが重要であり、それには、委員御指摘のとおり、施設の管理者や職員だけでなく、利用者、さらには避難のサポート役が期待される家族を含めて、施設の災害リスク等を理解し、避難訓練を一体となって実施しておくことが大変有効であると認識しております。
 このため、現在、国土交通省が厚生労働省と連携して開催している高齢者福祉施設の避難確保に関する検討会の中で、避難確保計画で示される災害リスクや避難先、避難方法などの周知と効果的な避難訓練の在り方について議論したいと考えております。その結果は避難確保計画の作成の手引に反映させ、これを用いて関係省庁とともに避難確保計画の作成及び訓練の実施を支援することにより、避難の実効性を高めてまいります。

#67
○杉久武君 是非しっかり検討していただいて、より実効性のある避難計画が策定をされ適切に運用されること、これが非常に大事だと思っておりますので、国土交通省には、制度のブラッシュアップを是非よろしくお願いをしたいと思います。
 続いて、気象庁にお伺いをいたします。
 我が国を襲う自然災害は年を追うごとに激甚化の度を増し、我が国の社会経済全体に広範かつまた深刻な影響を及ぼしております。そのため、発災後の迅速な対応は言うまでもありませんが、災害そのものを予測し、予知し、予防することも極めて大切であると考えます。そこで、このような災害予測を担う気象庁の役割、特に気象観測体制の強化は不可欠であると考えます。気象庁は、先月、こうした自然災害への対応力を高めるために、気象防災監の新設を始めとする大規模な組織再編を行ったと伺っております。
 そこで、気象庁にお伺いをいたします。
 今般の組織再編の意義と気象防災監の役割について伺うとともに、発災前の住民避難を確実にするためにも、気象予測精度の向上や監視体制の強化として洋上観測や気象レーダーの強化や更新が不可欠であると、このように考えますが、現在の気象庁の取組について、併せてお伺いをしたいと思います。

#68
○政府参考人(関田康雄君) お答えいたします。
 二点御質問をいただきました。
 最初の組織の再編についてでありますが、気象庁では、災害の頻発、激甚化や、情報技術の進展といった社会を取り巻く状況の変化を踏まえまして、政府や地域の防災対応の推進、観測、予測精度向上に係る技術開発、気象情報、データの利活用促進の三つについて取組を強化していく必要があると考えております。このため、令和二年十月、気象庁本庁の組織を再編したところでございます。
 御質問にありました気象防災監につきましては、気象、地震、火山等に関する幅広い専門的知見に基づいて、平時及び緊急時に関係省庁等と防災に関するハイレベルな調整を行うポストとして設置したものでございます。これにより、政府や地域の防災対応の強化に貢献してまいりたいと考えております。
 続きまして、豪雨への対応でございますが、令和二年七月豪雨で見られたような線状降水帯を始めとする豪雨の予測精度向上や監視体制の強化は、発災前の住民避難を確実にするためにも非常に重要な課題と認識しているところでございます。
 豪雨の監視強化を図るため、最新の技術を用いた気象レーダーへの更新強化や、気象庁及び海上保安庁の連携によります洋上での水蒸気観測等について、令和三年度の概算要求に盛り込んでいるところでございます。また、豪雨の予測技術を高度化するための技術開発をより一層推進していくとともに、これらの成果を踏まえまして、できるところから順次防災気象情報の改善を進め、大雨による災害の防止、軽減に努めてまいりたいと考えております。

#69
○国務大臣(赤羽一嘉君) 私からもちょっと。先日の参議院の本会議で公明党の山口代表からもこの気象に関する御質問があり、御答弁させていただき、そのちょっと継続がありますので付け加えさせていただきますが。
 これだけ激甚災害が頻発をすると、やっぱり予報の精度を上げていかなければいけない、早期に避難をさせるためにも必要だというふうに思っておりますので、今申し上げたように、線状降水帯云々について、難しいものですから海上保安庁と連携をするということは、それは御答弁したとおりであります。
 もう一つは、その地域地域に対する気候の特性ですとかこれまでの災害の歴史等々は、気象庁のOB、OGの皆さんの活用が大事だという御提言もいただいて、そうしたことを踏まえて、OB、OGの皆さん、元気で力を余らさせている人がたくさんおりますので、今回、新庁舎の式典のときに、開庁式のときに、気象防災何だっけ、余りよく分からないで答弁してごめんなさい、気象防災アドバイザーという、これはちゃんとしたあれがあるんですが、ここにOB、OGから全国にかけて委嘱をするという委嘱式も併せてやることにしまして、リタイアされた方も造詣がある人はたくさんいらっしゃいますので、フルに頑張っていただいて防災・減災、前進していきたいと、こう考えております。

#70
○杉久武君 大臣、ありがとうございます。
 国民の生活、生命と暮らしを守るために気象庁がより機動的に展開できるものと大いに期待をしておりますし、今おっしゃっていただいた、やはりOB、OG、知見と経験のある方をしっかり活用していただいて、気象観測体制の強化に向けた十分な予算確保も是非ともお願いをしたいと思います。我が党としてもしっかりと支援をさせていただきたいと思います。
 次に、国土強靱化三か年緊急対策についてお伺いをしたいと思います。
 菅総理は、十日の閣議で、新型コロナの感染拡大防止とポストコロナに向けた経済構造の転換や好循環の実現に加え、防災・減災、国土強靱化の推進を柱とする追加経済対策を盛り込んだ第三次補正予算案の編成を指示をされました。この中で、防災・減災、国土強靱化については、現在、国土強靱化三か年緊急対策として、一般の公共事業とは別枠で七兆円規模の事業が実施をされておりますが、少し前に気になる記事がありましたので、その内容について確認をしておきたいと思います。
 それは、十月二十日付けの日経新聞に掲載されました国土強靱化後回しにという題名の記事でございまして、その内容は、建設業の人手不足が続き、かつ建設業者の手持ち工事量が多いために、小規模事業が多い緊急対策事業が後回しになっている、その証拠に、予算の支出率が低く、契約率との乖離が顕著であるからだと、このように書かれているわけでございます。そして、財政審の歳出改革部会でも、契約率との乖離が問題視され、三か年緊急対策がどういう効果を生んだのか予算編成で精査をしてほしいとの発言があったとあります。また、財務省も、工事がだぶつくのであれば二一年度以降は慎重に考えるべきだと、このようにあるわけでございますが、この指摘が事実であるとすれば大問題であると言わざるを得ません。
 そこで、国交省に確認をいたします。
 建設業の人手不足や建設業者の施工余力がないために三か年緊急対策が後回しになっているという指摘がございますが、国交省にこの事実について確認をしたいと思います。

#71
○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 御指摘がございました十月二十日付けの日経新聞におきまして、建設業の人手不足が原因で三か年緊急対策が後回しになっている模様であるといったような記事が出たことについては承知をしてございます。
 建設業の施工能力につきましては、まず、マクロで見ますと、建設投資額がピーク時の平成四年から三・四割減少しておる、公共投資に限れば四割減少しているということ、これに対しまして就業者の数は二割減少にとどまっていますので、施工人員の確保は十分可能というふうに考えてございます。
 さらに、足下の建設業の状況を見ますと、建設技能労働者の過不足率という調査を私ども行っておりますが、これが落ち着いてきているということ、それから、手持ち工事高につきましてもここ数年安定的に推移しているということ、さらには、ICT施工の増加などによりまして施工効率も向上していることなどから、施工能力に問題はないというふうに認識してございます。
 なお、有効求人倍率を高いことをもって建設業の人手が不足しているという指摘もございますけれども、建設現場での人手確保は、縁故を始めといたしまして、職業安定所、ハローワーク以外の経路が大きな割合を占めてございますために、ハローワークでの有効求人倍率だけを見て建設業の人手の過不足を推測あるいは判断するということには無理があろうというふうに思っていまして、この建設業の人手の実態につきましては、現場の状況を丹念に調査をいたしました労働者の過不足率で捉えることが適切と考えてございまして、この過不足率は、先ほど申し上げたとおり落ち着いてきているところでございます。
 また、御指摘ございました公共事業予算の年度をまたぐ繰越額が増えているというような指摘もございますけれども、これは、建設業の働き方改革を推進するために繰越制度の積極的な活用を図っていることの結果であるというふうに思ってございます。
 更に申し上げますと、現場において実際に工事の施工を担っております建設事業者あるいはその事業者団体の方も十分に施工余力があるという認識をしておられるというふうに私ども伺っておりまして、いずれにしましても、国土交通省といたしましては、施工余力に問題はないと考えてございます。
 以上でございます。

#72
○杉久武君 ありがとうございます。
 今の御答弁では、有効求人倍率だけで人手の過不足を評価するというのはおかしいということと、業者の手持ち工事高は安定しているというふうに理解をいたしました。三か年緊急対策が決して後回しになっているわけではないということでございます。
 それで、更に国交省に伺いますが、契約率は八割を超えているのに支出率は五割程度と乖離をしているという、こういう指摘もございます。財務省はこの点を踏まえて来年度予算を慎重に行わざるを得ないとまで書かれておりますが、三か年緊急対策予算の執行状況、こちらについても確認をしたいと思います。

#73
○政府参考人(水嶋智君) お答えを申し上げます。
 新聞記事におきまして、契約率と支出率の乖離について指摘があることは承知をしております。
 そもそも、公共事業予算の執行におきましては、公共工事は、契約に基づき現場が動き始めまして逐次工事の出来高が積み上がっていくという一方で、工事代金の支払は、契約直後の前払金などを除きまして、工事の完了後に行われるという仕組みになっております。そういったことから、契約から支払までには一定の期間が生じますため、契約率と支出率の間には当然差が生じてしまうということでございます。
 このため、国土交通省といたしましては、公共工事の契約が行われれば、当該契約を踏まえまして受注企業が人員の雇用や資材調達などを行って工事を進め、実体経済に寄与するものとなりますことから、公共事業の執行状況につきましては、支出率ではなく契約率で見ることが適切であるというふうに考えております。
 その上で、三か年緊急対策の国土交通省分の契約率でございますけれども、一年目の平成三十年度補正予算が九八%、二年目の令和元年度当初予算の臨時特別の措置が九六%ということでございまして、ほぼ全てが契約に至っておる状況でございます。また、三年目に当たります本年度につきましては、九月末時点で臨時特別の措置における契約率が四七%ということでございますが、これは昨年同時期の四三%を上回る水準でございまして、一年目、二年目と同様に、順調に執行ができておるということかなと考えております。
 なお、三か年緊急対策の国土交通省分のうちに一年目、二年目を合わせた分の支出状況を念のために見てみましても、令和元年度末時点で七三%を支出済みでございまして、同じ期間の国土交通省の公共事業予算全体の支出率七〇%を上回る水準となっております。
 このように、いずれにいたしましても三か年緊急対策は着実に実施されているというふうに考えております。

#74
○杉久武君 今の御答弁いただいて、契約率は非常にもう高いということで、予算の執行は適切かつ着実に順調に進んでいるということでございます。
 我が国もコロナ禍の渦中ではありますけれども、台風や豪雨災害を、そして、いつ来るかもしれぬ巨大地震対策、私たちの命と暮らしを守るためにも、防災・減災、国土強靱化は来年度以降も徹底してこれを更に強力に推進をする、これは政治の責務であるというふうに考えております。
 その上で、私ども公明党は、最終年度を迎えているこの三か年緊急対策の後について、来年度予算を待つことなく切れ目なく事業が進められるよう、三次補正から盛り込んでいくことが重要であるというふうに考えております。また、緊急対策後の事業についても、五年程度の中長期的な幅を設けて計画が策定できるよう強く訴えておりますが、私から更に申し上げたいことは、次の事業においては、防災・減災対策だけでなく、三か年緊急対策では手が打てなかったインフラの老朽化対策等も加えて、腰を据えて行うべきであるというふうに考えております。
 そこで、大臣にお伺いをいたしますが、三か年緊急対策に続く次の防災・減災、国土強靱化に対する大臣の御見解をいただければと思います。

#75
○国務大臣(赤羽一嘉君) 午前中の御質問にも御答弁させていただきましたとおりですが、気候変動の影響でこれほど激甚災害が頻発化している、全国各地でそのリスクは高まっているわけでありますので、国民の皆様の命と暮らしを守るのが政治と行政の役割だというふうに思いますので、これは、当然しっかりとしたものをつくらなければいけない。そこにインフラの老朽化対策、先日の参議院の予算委員会で西田議員からも御質問はいただきましたが、やはり壊れたものを造るよりも老朽化対策を進めるということで、そうすると中長期的にも物すごくコストもセーブされるというのはもう実証されておりますので、しっかりとしたものにしたいと。
 なお、先ほど御質問のあったこの日経新聞にちょっと一言言っておかなきゃいけないんですけど。
 こういう主張をしているのは財務省と日経新聞だけでして、この財政制度審、私、財務副大臣かつてやっていましたけど、財政制度審議会というのは余りフェアじゃなくて、一方的な資料を出して、そのことについて審議委員が説明を求めたいといって、財務省しか説明をさせないと、国土交通省は説明をする場がないわけです。ですから、余りにも一方的なことでいかがなものかなということでありますが、これは、真実は一つですから、何か政府の中に二論あるようなことというのは間違いであって、真実は一つなので、私は、そういう中途半端なことは嫌いなので、徹底的に財務省とはここは詰めたいと思います。
 その上で、財源配分をどうするのかというのは財務省の仕切りでありますから、そこはおのずと限界があるかもしれませんが、私の気分としては、これ、余り真実とは違うことで全国の地方、また全国民が希求している予算が正常に付けられないというのは、私は余りに日本国として情けないというふうに思っております。

#76
○杉久武君 ありがとうございます。
 私も、財務政務官をやっておりましたので状況はよく承知をしていると思いますが、しっかりと我々としても党としても応援をしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 大分時間がなくなってまいりましたので、ちょっと質問の順番を変えさせていただきまして、バリアフリーの関連の質問に移りさせていただきたいと思います。
 先週十一月の二十日に次期バリアフリー整備目標の策定について発表がされましたが、振り返れば、二〇二〇年の十一月十五日に交通バリアフリー法が施行されましてからちょうど二十年という節目になり、赤羽大臣によって、先日新しい指針が示されたことになります。
 今では当たり前となった駅構内にあるエレベーターやエスカレーターも二十年前は皆無であったことを考えますと、我が国社会に劇的な変化が起こったのだと改めて強い感慨を覚えますが、これまでの成果として、先週十一月二十日に公表された二〇一九年度末の数字で申し上げますと、例えば、一日平均三千人以上の旅客施設におけるバリアフリー化は、駅の段差解消が九一・九%、点字ブロックが九五・一%、障害者対応型トイレの整備が八八・六%まで向上しまして、交通バリアフリー法の制定がなければ達成できなかったとの識者の声もあるほど、大変な進展を遂げるに至りました。
 ただ、ここで一つ指摘をしておきたいのが、今の数字は全国平均の数字でございますので、地域別で見ますとバリアフリーの進捗にばらつきが見られるという点でございます。具体的には、関東や近畿圏などではバリアフリーの進捗が著しい反面、北陸信越や中国、九州ではバリアフリー化率が全国平均よりも低くなっております。
 そこで、国交省にお伺いしますが、バリアフリーの地域間格差、この解消に向けて今後どのような対策を講じていかれるのか、見解を伺いたいと思います。

#77
○政府参考人(石田優君) お答え申し上げます。
 今御指摘いただきましたように、都市部におきましてはハード整備が着実に進展している中で、今後は、都市部に加えまして地方部のバリアフリー化をより一層推進していくことが非常に重要であると考えております。
 こうした観点から、先ほど先生からも御指摘いただきました次期のバリアフリー目標、これにおきましては、目標の対象となっております駅などの旅客の施設、これを、今現行では一日当たりの平均利用者数三千人以上となっておりますが、これを二千人以上に引き下げて、対象を地方まで拡大をさせていただいた上で、市町村が駅周辺との一体的なバリアフリー化を推進するための基本構想を策定いただき、これに位置付けられた駅などにつきまして優先的に整備をしていくということにさせていただいております。
 また、東京等で配置が進んでおりますUDタクシー、これにつきましても、全国の地方部での普及を図るために、全ての都道府県で総車両数の二五%の導入を図ることを目標として掲げさせていただきたいと思っております。
 さらに、心のバリアフリーにつきましては、認知度の向上でありますとか、当事者の立場を理解し行動する人の増加などの目標を掲げたいと思っておりますが、これは、都市、地方部を問わず、全国一律の目標として規定をさせていただきたいと思っております。
 こうした目標の達成に向けまして、必要な財源の確保も図りながら、地方部におけるバリアフリー化を着実に推進していきたいと考えております。

#78
○杉久武君 是非、この地域格差の解消に向けまして、今御答弁いただいた様々な対策を進めていただければというふうに思っております。
 次に、バリアフリールートの複数化についてお伺いをいたします。
 次期整備目標の中に、大きな鉄道駅におけるバリアフリールートの複数化を進めるということが示されたわけでございますが、バリアフリーを必要としている多くの方にとって待望の次なる一手であると、私も強く賛同をいたします。私も、バリアフリールートにつきましては、様々、地元を始めいろんな方から御意見や御要望をいただいております。その中から、具体的な事例を今日は一つ御紹介をさせていただきたいと思います。
 私の地元大阪には、焼き肉で有名な鶴橋という駅がございますが、この駅は路線が高架になっておりまして、三階部分がJR大阪環状線、二階が近鉄のホームとなっております。そして、この駅、大阪では珍しいんですが、JRのホームと近鉄の乗換改札が設置をされておりまして、この改札を通って二階に下りればすぐにJRから近鉄に乗り継ぎができるという便利な構造となっております。ところが、この三階と二階を結んでいるのは階段のみであります。鶴橋駅にもエレベーターはありますが、JR、近鉄とも、一階の改札と自社のホームをつなぐためのエレベーターがあるだけ、JRと近鉄を乗り継ぐためのバリアフリールートは現在ございません。
 そうしますとどうなっているかといいますと、JRから近鉄へ乗り換えるためには、三階から一階までまずエレベーターで下り、JRの中央改札口を一旦出てからUターンをして、鶴橋商店街を通り抜けて近鉄の西口改札を通り、再びエレベーターを上がって二階のホームへ行く、こういう状態でございまして、階段を使える人とそうでない人では移動の利便性に大きな格差がある、これが現状でございます。
 更に言えば、鶴橋駅には地下鉄もありますけれども、こちらの乗り継ぎは更に大変で、説明は省略いたしますが、こうしたバリアフリールートの問題は、この鶴橋駅に限らず様々な地域であるのではないかと、このように考えております。
 そこで、国交省に質問いたしますが、今日までのバリアフリー整備は言わば点の整備だったと思いますが、今後は、やはり面的な整備を推進するためにも、例えば、今申し上げた乗り継ぎルートがバリアフリーになっていない箇所を洗い出すなどして、バリアフリールートの複線化のターゲットを明確にすべきと考えます。また、その際、複数の鉄道会社が関与するような箇所については、事業者負担等の問題もありますので、仲介役として国交省が積極的に関わっていただきたい、このように考えますが、国交省の見解をお伺いしたいと思います。

#79
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 委員御指摘のバリアフリールートの複数化につきましては、次期目標の最終とりまとめに示されたとおり、高齢者、障害者等に迂回による過度な負担が生じないように、大規模な鉄軌道駅については、当該駅及び周辺施設の状況や当該駅の利用状況等を踏まえ、可能な限りバリアフリールートの複数化を進める必要があるとされております。
 このため、国土交通省といたしましては、平成三十年のバリアフリー法の改正に伴って全国十のブロックに設置されました移動等円滑化評価会議の地域分科会におきまして、地方運輸局が主体となって、個別駅におけるバリアフリールートの複数化に関するニーズの把握を進めてまいります。また、関係自治体や鉄道事業者と共有し、計画的な取組を促すとともに、実際の整備に当たっては、必要な支援を講じてまいりたいというふうに考えております。
 なお、御指摘の鶴橋駅における近鉄とJR西日本との乗り継ぎルートのバリアフリー化についてでございますが、近鉄におきましてエレベーター設置を検討中でございまして、現在、JR西日本と協議を行っているところでございますので、近畿運輸局といたしまして、この件に対して対応してまいりたいというふうに考えております。

#80
○杉久武君 ありがとうございます。
 本当に切実な利用者からのお声を私も直接いただいた件でもありますので、今、鶴橋駅は設置がこれ進めているということで、非常に有り難い話だと思っておりますが、こういった状況、全国各地であろうかと思いますので、しっかりと実態把握と、国交省が積極的な推進を是非お願いをしたいというふうに思います。
 次に、ハードの面でのバリアフリー整備と同時にやっぱり進めていかなければならないのが、私は、やっぱり心のバリアフリーであるというふうに思っております。
 私も、電動車椅子の生活をしている方から、路線バスに乗ろうとすると乗車拒否をされた、こういった話を伺いました。法律や制度を作っても、やはりそこに魂を入れるのは私たち一人一人の振る舞いにほかならないということを痛感させられたわけであります。そして、障害の有無にかかわらず誰もが支え合い、人間らしく暮らしていける共生社会について私たち一人一人の認識を深めていく、そのための施策を推進しなければならないと強く感じております。
 そこで、赤羽大臣にお伺いいたしますが、ハード面の整備が着実に進む一方で、ハートの面、心のバリアフリーについてどのように取組を進めていかれるのか、お考えをいただければと思います。

#81
○国務大臣(赤羽一嘉君) その心のバリアフリーについては、何回かこの委員会でも質問を受けて答弁もしているんですが、私、ちょっと私的なことなんですが、子供が二人いまして、上の子の同級生には障害を持たれている子供がいて、その学年の子供たちというのは障害を持った子との触れ合いというのが非常に自然にできる、もう身に付いているんですね。その下の私の娘の代は、そういう経験がないのでちょっとやっぱり違和感を感じているというような、明らかにやっぱり教育の差というのはすごく大きいなということを個人的に実感しております。
 心のバリアフリーにつきましては、法改正もさせていただいたり、今回も、市町村等による心のバリアフリーの推進ということで、市町村が作成する基本構想に記載する事業メニューの一つとして心のバリアフリーに関する教育啓発特定事業というものも追加するなどしておりますが、それは、私、ちょっと答弁にならないかもしれませんが、まさにバリアフリーというのは国とか国民の品格の表れだというふうに思っておりますので、そうしたことが恥ずかしくないように、また、東京オリンピック・パラリンピックでは世界中からのパラリンピストもいらっしゃると思いますし、そうした皆さんが非常に日本ってすばらしい国だなと言っていただけるように、一つの目標としてしっかり頑張っていきたいと、こう思っております。

#82
○杉久武君 是非、今おっしゃっていただいたように、やっぱり品格という、私もおっしゃるとおりだと思います。我々一人一人もしっかり心掛けて、心のバリアフリーの推進に全力で努めていきたいというふうに思っております。
 では、残りの時間で、ちょっと先ほど飛ばしましたところを、ちょっと途中で終わるかもしれませんが、質問させていただきたいと思います。
 GoToトラベル関連について伺いたいと思います。
 コロナ禍による外出自粛の影響で、観光業は、今年の春以降大きなダメージを受けました。しかし、赤羽大臣の強いリーダーシップによりまして、GoToトラベル等の力強い施策を推進していただいております。感染拡大は依然として予断を許しませんが、感染対策と経済活性化を両立した新しい観光スタイルに対しては、観光業界を始め多くの方々から感謝の声が寄せられております。
 しかしながら、コロナという初めての、また突然の緊急事態に対処した施策であることから、手続やシステム的な不備など、様々な指摘もいただいております。例えば、GoToトラベルは旅行代金の五〇%相当を国が補助いたしますが、このうち三五%は旅行業者が商品から割り引いて販売しますので、三五%は一旦旅行業者が立て替えて、GoToトラベル事務局に申請後お金を受け取ると。旅行業者からは、国からお金がスムーズに入らず資金繰りに苦慮している、こういった報道もございますが、これについて、観光庁についてその事実関係を確認をしたいと思います。

#83
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
 事業者の皆様への給付金の支払につきましては、手続を終えたものから順次支払を進めているところでございますが、事業の開始当初など、申請書類の不備や審査体制が十分に整っていなかったこと等によりまして、審査に時間を要し、支払までに時間が掛かっていたケースがあったものと承知しております。
 このような状況を改善し、支払の迅速化を進めるため、運営事務局とも協議を行い、審査のフローの改善、効率化や審査体制の拡充を図ったことに加えまして、この十一月からは、記入事項のチェックや申請の整理、集計が可能となるオンライン申請システムの導入を行ったところでございます。これらの措置によりまして、現状といたしましては、著しい書類の不備がある申請を除きますと、申請受理からおおむね最長三週間以内に支払われるという実態になっております。
 引き続き、一日でも早く事業者の皆様に給付金をお支払いできるよう、運営事務局とともに取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。

#84
○杉久武君 是非、事業者の負担を和らげるように、一層の取組をよろしくお願いをしたいと思います。
 多分これで最後の質問になろうかと思いますが、次に、資金繰りに苦しむ中小の旅行業者について伺いたいと思います。
 そもそも、旅行業を営むためには観光庁に登録を行うという必要がございますが、登録に当たっては、基準資産額という要件があります。これは、単なる資本金ではなく、資産総額から繰延資産、要は換金価値のない資産の部分を引いて負債総額を差し引いた金額、純資産に近い額だと思いますけれども、これが一定額準備をしておかなければならないという、こういうルールがございます。
 そして、この基準資産額は旅行業の登録種別ごとに異なりまして、例えば、国内外全ての旅行契約業が可能な第一種旅行業では三千万以上、主に国内旅行を営む第二種旅行業では七百万以上、第三種では三百万以上、地域限定では百万以上という、こういう基準資産額が必要となりますが、旅行業登録の有効期限、これ五年ごとに更新と聞いておりますけれども、基準資産額をクリアするためには増資をしたりして対応しなければならない、こういう必要がございます。
 しかし、この現下のコロナ禍で体力が奪われている中小の旅行業者にとっては、更新時に基準資産額を満たすことができず、廃業する事態が発生するのではないかと大変危惧をしているところでございます。
 そこで、最後、観光庁に質問しますが、更新登録時に必要な基準資産額に係る要件緩和について、今般のコロナ禍を踏まえて弾力的な措置が講じられていると伺っておりますが、来年度以降の延長も含めて、現状どうなっているか、お伺いをしたいと思います。

#85
○政府参考人(蒲生篤実君) お答えを申し上げます。
 旅行業法におきましては、旅行業務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図る観点から、旅行業の登録を受けようとする者に対しまして、必要と認められる一定の財産的基礎を有することを求めているところでございます。
 この財産的基礎につきましては、企業活動に伴い日々変化していくものであり、登録時に審査するだけでなく定期的に確認することが必要であることから、五年ごとに登録の更新をさせていただいております。
 その際、新型コロナウイルスの影響によりまして中小旅行業者の経営状況が著しく悪化しており、旅行業の登録の更新に必要な財産的基礎が満たされない場合があることから、こうした場合につきまして、前事業年度の決算書類を基に財産的基礎を確認する等、旅行業法の適用につきまして弾力的な取扱いをしているところでございます。
 このような取扱いに関しましては、令和三年三月まで実施することとしておりますが、今後の感染状況や中小旅行業者からの御要望等も踏まえ、本措置の延長等、中小旅行業者の事業の継続のために適切な措置を講じてまいりたいと考えております。

#86
○杉久武君 まだまだ大変な状況というふうに伺っておりますので、是非、延長を含めて検討をいただければと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

#87
○室井邦彦君 維新の室井でございます。よろしくお願い申し上げます。
 杉先生と多少重なりますが、私は、このGoToトラベルの件で質問をさせていただきますが、違った角度から質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、非常に大臣も御苦労されて、経済、そして感染、どちらも守り通していかないけないし、二兎を追う者一兎をも得ずというようなことわざもありますが、そのようなことにならないように我々も協力をしていかなくてはいけないですし、こういうときこそ、国民が国に何ができるんだというような精神で国民もやはり頑張っていかないといけないんじゃないのかなと。言われたことは忠実に守る、それを守ることによって、それほど難しい問題でもないんじゃないのかなと、こんな理想論を私は思っております。一億二千万国民が物を捨てない、物が落ちていたらそれを拾うとなれば日本の国は世界一費用の掛からない美しい国になるわけでありますけれども、なかなかそういう理想どおりにはいかないのが現実でありますが。
 私がお聞きしたいことは、もちろん、この観光というのは九百万人近い雇用を生んでいる、あらゆる経済効果も裾野が広いということは私も承知をしておりますが、第三波の様相を見せる中、このトラベルキャンペーンの事業を実施していく上で、安全で安心な新しい旅のスタイルとはどのような形を考えておられるのか、どうしようとしておられるのか、お聞きをしておきたいと思います。

#88
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
 GoToトラベル事業は、ウイズコロナの時代におきまして、国民の命と暮らしを守り抜くため、安全で安心な新しい旅のスタイルを普及、定着させることを目的といたしました重要なチャレンジであると考えております。関係事業者及び旅行者の双方に御理解と御協力を求めつつ、感染拡大防止策を徹底しながら進めてきているところでございます。
 具体的には、宿泊事業者に対しましては、本事業への参加に当たりまして、チェックイン時の検温などお客様の健康状態の確認や、保健所との連携体制の構築などの感染拡大防止策の確実な実施を条件とするとともに、これらを実施している旨をホームページ等で対外的に公表することなどを義務付けております。登録された全ての宿泊施設を対象とした実地調査なども通じまして、取組が十分でない施設に対しては必要な指導、助言を実施しているところでございます。
 また、旅行者の皆様に対しましても、旅行時は毎朝検温を実施し、発熱や風邪症状が見られる場合には保健所の指示に従うことや、接触確認アプリの積極的な導入、旅行者視点での感染防止の留意点等をまとめました新しい旅のエチケットといったものを実施することなどにつきまして旅行商品の申込時に同意をいただいた上で、チェックイン時等に再度周知徹底を図っているところでございます。
 我が国の公衆衛生のレベルの高さは、国際社会の中で比較しても大いなるセールスポイントになると考えているところでございます。今後のインバウンドの回復に当たりましても、本事業を通じまして安全で安心な新しい旅のスタイルを普及、定着させることは重要であると考えております。
 さらに、旅行需要の平準化を図る観点から、分散型旅行の推進を始め、テレワークを活用し、リゾート地や温泉地等で余暇を楽しみつつ仕事を行うワーケーションや、出張等の機会を活用し、出張先での滞在を延長するなどして余暇を楽しむブレジャー、そういったものの普及を通じまして平日の旅行を促進することが必要であると考えております。
 このため、観光庁では、ホテル等で仕事ができるようにWiFiなどの環境整備を引き続き支援していくとともに、令和三年度予算におきまして、ワーケーション等の送り手である企業と受け手である地域の双方を対象としたマッチングを行うモデル事業の実施や普及啓発等に必要な経費を要求しているところであり、引き続き、関係省庁とも連携しながら、新しい旅のスタイルの定着に取り組んでまいりたいと考えております。

#89
○室井邦彦君 実施するというのは、実施する側についても非常に、難しいことはないんですけれども、なかなかいろんな問題点も出てくるようでありますけれども。
 ともかくこれをやり遂げないといけないということで、しっかりと頑張っていただかないといけないということをまたお願いと要望をしておきたいと思います。また、我々も、気の付く限り、近辺の団体とかそういう人たちに対しても我々自身も協力していかないといけない、このように思っておりますので、よろしく御指導のほどお願いをしたいと思います。
 それでは、続いて、このGoToトラベルキャンペーンの成果と今後の対応ということについて大臣にお聞きするわけでありますけれども、大臣も、いろんな各方面からの質問やらまた対応、そして、テレビや報道機関見ても、いろんなことが言われたり批判されたり、もう大変な状況でありますが、別に犯人捜しじゃないわけでありまして、一生懸命頑張っていただいていることを私も高く評価をしていきたいと思っております。
 そこで、冒頭、感染防止と社会経済の両立は非常に難しいと、難しいけれども頑張って前に進んでいかなくちゃいけないというようなことでありますが、大臣は、更に厳しい状況になれば更なる運用の見直しが今後いろいろと必要になってくるんだと。
 確かに、見直しは、つい最近も大分てこ入れされておられますけれども、今後、更にこれ以上厳しい状況も考えられる、また、終息まで行かなくとも多少は数値が収まってくる、いろいろと考えられるわけでありますけれども、余り楽観した考え方は良くないと思いますので、更なる運用の見直しが厳しい状況になれば考える、見直さなくちゃいけない、このようにおっしゃっておられますが、何かそのような方法があるのかどうなのか、大臣の思い、所見をお聞きをさせていただきたいなと思います。

#90
○国務大臣(赤羽一嘉君) そもそも、この新型コロナウイルス自体が解明をし切れているわけじゃないので、その対策を取るというのは大変簡単ではないわけであります。
 緊急事態宣言が出されたときのある期間は、ステイホームということで一切外に出ない、そうした中で、町もゴーストタウンみたいな状況でありました。あれは緊急的な状況としてやむを得なかったと思いますが、これがずっと続くと経済的に大変な状況になってしまう、命と暮らしを守るというのが、暮らしを守れなくなってしまう。
 他方、まだワクチンが解明されているわけじゃありませんので、ウイズコロナというのは、リスクはゼロにはならない状況の中でどう経済活動を行い、国民生活、我が国の経済を支えていくのかというのは大変難しい課題だというふうに思っております。
 その中で、観光関連業というのは、裾野が大変広くて、またかつ地方の経済の、地方産業の主たる産業であるというところがすごく多いわけでありまして、地方創生というか地方を支えるためにはこの観光関連産業をしっかりと支えるというのが大事だし、九百万人の雇用も支えなければいけないということで、これまでは、経営の維持、雇用の確保ということで、雇用調整助成金の拡充、延長ですとか資金繰りの支援をしていく、そして、七月二十二日からは、GoToトラベル事業という大変大きな需要喚起事業をさせていただいた。
 これは、今までの経済対策だけではなくて、極めて厳しい制約を付けて、参加する事業者、参加されるお客さんに対しても新しい旅のエチケットですとか、ホテル側、旅館側にも、従来とは全く違う、全員のお客さんに検温をし、全員の身分証明をしっかり確認し、そして、お風呂場ですとか食事をするところとかというのは常に三密対策を取りながら、食事の仕方も、そこで感染が広がらないような細かい配慮も、相当厳しいことを求めております。こうしたことがちゃんとやっているということを誓約を取り、そしてそれを自らの旅館やホテルのホームページに掲載をする、また、フロントのところにもこうしたことをしていますということも、これも義務付けとして求めております。
 加えて、全国二万四千弱のホテル、旅館が参加をしておりますが、ここについても全件現場の調査をしておりまして、それがちゃんとなされているかどうか、また、こうした方がいいんではないかというアドバイス、指導、助言もしながら、そうしたことも行っているということでございます。
 しかしながら、また、この感染の波というのはいろいろあって、それは、私は専門家ではないのでよく分かりませんが、今こうした状況の中で、当然、参加する以上は業者もお客さんも感染拡大防止対策をしっかりと講じると。旅先に行くとつい浮き浮きしてはしゃぐ、そういう気持ちは分かりますけど、そうしたことも、新しい生活様式の旅のスタイルということで自重していただくと。
 こうしたことを求めつつ、今回は北海道の知事と大阪の府知事さんが、それぞれの中で大阪市と札幌市、両市はいわゆる国のステージ三という状況になったので、これはGoToトラベルだけじゃありませんけど、医療関係ですとか普通の飲食の時間規制、時短ですとか様々なことを展開すると、そして、それも国の支援もしっかりとしてほしいということがあったことで、予防的な措置として、今回、GoToトラベルは両市を目的地とするものは一時停止をするという措置をとったわけでございます。
 これは、こうした措置を今後どうなるのかというのは、それぞれのその場面その場面で専門家の皆様の、感染症の専門家の皆さんの医療的な見地からの御指導をいただきながら、これは、大枠は私の所管じゃないので、西村担当大臣がそこの連携役となって、そして、今回もですが、総理大臣、官房長官、西村担当大臣、厚生労働大臣、そして国土交通大臣たる私の五者の協議の中で政府の決定としてこういう措置をとらせていただいたということでございます。
 今後どういう状況になるかというのは想定できませんが、余りこういう厳しい状況になってほしくないとは思っておりますが、専門家のアドバイスをいただきながら、その場その場におきまして適時適切に対応ができるようにしっかりとしていきたいと、こう思っております。

#91
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 もう一つ質問したかったんですけれども、時間の関係で質問いたしませんが。このGoToトラベル、このキャンペーンの成果はいかにということをお聞きしたかったんですが、十分に成果も上がっているということも、数値も聞いておりますので、それはもう質問いたしません。
 次の、それでは最後に、この今の状況、国民は非常に期待感、大臣がそのように力強いことを前向きで答えられる、これには安心感というものがあるわけですけれども、また、最後に残るのは不安感ともやもや感というものが、まだ国民にもはっきりしないものがあるわけですね。その点も十分に含みながら、今後の力強い指導力とまた御指導を、新しい御施策をまた更に考えていただきたいと、このように期待をしておきます。ありがとうございます。
 それでは、ウポポイの件について、これは短く御回答いただきたいんですけれども。
 当初、非常に大きな期待を持ってウポポイの事業が進められておりました。建設費も二百億という費用を掛けて公園整備、また博物館の建築など、そして、年間の来場者数は百万人を目指すとすごい勢いでおっしゃっておられましたし、私もこの件については賛成なんですけれども、費用の面で二百億も掛けるというのはいかがなものかなということで反対ということになったわけでありますけれども、趣旨的には、思想的にはもちろん大賛成であるんですけれども。
 この目標は、これ非常に難しい問題で、インバウンドも期待ができない。今後どういうふうに努力して対応をしていかれるのか、その点だけ簡単にちょっとお答えできませんか。

#92
○委員長(江崎孝君) 呼んでいないよ、まだ。手を挙げてください、挙手してください。

#93
○政府参考人(後藤貞二君) 失礼しました。
 お答え申し上げます。
 アイヌ文化の復興、創造等の拠点であるウポポイは、本年七月十二日、北海道白老町に開業し、新型コロナウイルス感染防止対策として入場人数制限、事前予約や検温、消毒の徹底などの対策を講じながら運営を行っております。
 来場者数につきましては、開業日から昨日十一月二十五日までの間で約十七万八千人の方々に御来場いただいています。一日当たりの平均来場者数は約千五百人となっております。また、これまでの来場者のうち、教育旅行関係で児童生徒など約四万七千人の方々に御来場いただいております。このように多くの方々に御来場いただいていることは、ウポポイやアイヌ文化などに対する関心の高さを示すものだと思います。
 今後とも、新型コロナウイルス感染防止対策を講じながらPR活動の強化やコンテンツの充実などを行い、多くの方々にウポポイを訪れ、アイヌ文化のすばらしさを体験し、民族共生の理念に共感していただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。

#94
○室井邦彦君 もちろん、こういう事態が発生するとは、それこそ想定外のことでありますから、その数字聞いたときにがくっとしましたけれども、これはもうやむを得ないことだと思いますが、これだけの巨費を投じて頑張って、アイヌの問題もございますので、しっかりと推し進めていき、頑張っていただきたいと、このように思っております。
 それでは、公共交通についてお尋ねをしたいと思います。
 もちろん、先ほどの先生方との質問も重複するわけでございますから、その点はもうくどくお聞きしませんけれども、ただ、一つちょっと気になるのが、私も国土交通委員会が長いもので、また、赤字路線というとJR北海道、四国、もう絶対に出てくる社名、地域であります。しかし、これも大切な公共交通でございます。
 今後、これについて財政支援を継続するためにしっかりと後押しをしたいと、大臣も強力に支援を行っていくという御挨拶がありましたけれども、具体的に、このJR北海道、JR四国、社長も来ていただいたり、また、いろんな場面も私たちも経験していますけれども、どういうふうに強力にどう支援をされるのか、ただ財政の支援を上積みするだけのことなのか。その辺のことを、もう時間もございませんので手短に、申し訳ないですけれどもお答えいただけませんか。

#95
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、地域の足を支える上で、JR北海道、JR四国は、地域の公共交通ネットワークの担い手として大変重要な役割を果たしていると認識しております。一方で、旅客需要の減少等によりましてJR北海道及びJR四国は厳しい経営状況に置かれておりまして、その経営自立を図るため、鉄道・運輸機構による助成金の交付や無利子貸付金の支援等を行っております。さらに、今般の新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえた対策としましても、助成金の支払の前倒しや無利子貸付金の今年度分の償還猶予といった資金繰りに対する支援なども行ってきております。
 委員御指摘のとおり、法律に定められた鉄道・運輸機構の支援の期限が今年度末で切れますけれども、JR北海道及びJR四国に対する今後の支援の在り方につきましては、先ほど申し上げました地域の公共交通ネットワークの担い手としての重要な役割も十分考慮に入れながら、地域の関係者の御意見も伺い、また、各社の経営の状況も注視しつつ検討してまいりたいと考えております。

#96
○室井邦彦君 同じような回答をずっと続けられているような感がするんですが、もう時間がございませんので、これ以上突っ込んだ質問はいたしません。また後日、そのことについてはまたお伺いをしたいと思います。
 それでは、都市部の浸水対策について、これも、今回の水災害について、堤防の氾濫とか河川の氾濫がありましたけれども、一番大きい問題は、都市部の内水氾濫の発生ですよね。これについて、都市部の浸水対策の強化のため今後どのような対策を考えておられるのか。これは大きな問題だと思いますけれども、お答えいただけませんか。

#97
○政府参考人(井上智夫君) 国土交通省といたしましては、本年六月の有識者検討会からいただいた提言を踏まえまして、まずは、気候変動の影響を考慮した計画への見直しを進めるとともに、これと並行して、市街地に降った雨を河川等に円滑に排水するための雨水ポンプ場や雨水貯留施設の下水道整備を加速化してまいります。
 また、流域のあらゆる関係者が協働して治水に取り組む流域治水の考え方に基づき、民間企業による建物内貯留を促進するとともに、住民に実効ある避難に資する内水リスク情報の空白域解消なども併せて推進してまいります。
 さらに、激化する河川氾濫等の際にもポンプ施設等の電源喪失を回避し、雨水排水機能や下水処理機能が確保できるよう、電気設備を上階に移設するなど、下水道施設の耐水化を進めてまいります。
 以上です。

#98
○室井邦彦君 申し訳ない、一分ほど超過しますけれども、最後の御質問を海上保安庁に。
 尖閣の問題で、もうそれでお分かりでしょうけれども、毎日のように中国の公船が領海侵入を繰り返しているということでありますけれども、もう随分とこの件、大型化されて武装化もしておると。この問題についてどのように捉えておられるのか。
 また、公船は、千トン級の公船はもう日本の二倍を、勢力というか隻数にしてそういうことでありますけれども、この辺について一点だけ。
 これ、もし上陸を試みようと領海に侵入してきた場合、日本の国の場合は海上保安庁、防衛省・自衛隊、警察等が連携して対処に当たるという、こういうことでありますけれども、そんなのをやっていて大丈夫なのかというちょっと不安感があるんですが、時間もございませんので、ちょっと簡単にお答えいただけませんか、簡単にといっても難しいかも分からないけれども。

#99
○委員長(江崎孝君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願い申し上げます。

#100
○政府参考人(奥島高弘君) はい。
 お答えいたします。
 海上保安庁が尖閣諸島周辺海域の領海警備を円滑に実施していくためには、委員御指摘のとおり、自衛隊等の関係機関と連携することが重要である、このようにまず認識をしてございます。そのため、海上保安庁では、平素から関係機関と連携し、対処能力の向上、情報共有、連携強化など取り組み、必要な体制を構築してございます。特に、海上自衛隊との間では、捜索救助や海賊対処の共同運用に加え、各種の共同訓練などを実施し、連携を深めているところでございます。
 海上保安庁といたしましては、今後とも、我が国の領土、領海を断固として守り抜くという方針の下、関係機関と連携し、事態をエスカレートさせないよう冷静かつ毅然と対応を続けるとともに、領海警備に万全を期してまいりたい、このように考えてございます。

#101
○室井邦彦君 終わります。
 無人機の方もよろしく頼みます。

#102
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。
 早速質問に入らせていただきたいと思います。
 まず最初に、自賠責保険料の一般会計からの繰戻しについてお伺いしたいと思います。
 赤羽大臣、国土交通省の皆さんにも御尽力いただきまして、ここ三年連続して繰戻しは実施をしていただいております。ただ、水準が、二〇一八年は約二十三億円、二〇一九年が約三十七億円、二〇二〇年が約四十億円ということで、繰戻しは連続して増額もしていただいているんですけれども、やっぱり絶対額が非常に小さくて、結果として、毎年の被害者の方の救済事業をやるために積立金の取崩しが毎年発生していると、積立金も減ってきているんですね。まだ六千百億円もの金額が繰り戻されていないという実態にあります。被害者の方、その御家族の方からも、しっかりとやっぱり返済をしてほしいと。
 事業を安定的に継続してこれやっていくためには、この繰戻しというのは極めて重要な位置付けになっておりますので、是非来年度についても、財政状況は大変コロナ禍で厳しい状況だとは認識しておりますけれども、しっかりとした繰戻しを国土交通省と財務省の間で御協議いただいて、来年度はやはり積立金の取崩しがなくなる水準まで、最低でもその水準まで繰戻しを増額していただけないかなと。確認したら、約百三十億繰戻しがあれば積立金の取崩しをやらなくて済むようになるというふうにも伺っておりますので、是非、一般会計からの繰戻し、来年度について、赤羽大臣の御決意と、あと、財務省としてどのような今お考えなのかということをお伺いしたいと思います。

#103
○国務大臣(赤羽一嘉君) 昨年国土交通大臣に就任して、十一月に関東交通犯罪遺族の会、いわゆるあいの会、池袋でこの前高齢者の運転で御家族を亡くされた方も含まれたそういう被害者の会と、その後、いわゆる自動車損害賠償保障制度を考える会、これはまさに自賠責の、交通事故の重度後遺障害を持たれている方の御家族の会ですね、の皆さんとお会いさせていただいて、様々当事者の御苦労をしっかりと聞かせていただきました。
 私は、そのときから、高齢者の運転手さんも増えるので、ドライバーも増えるので、我が国から交通事故を撲滅することというのが一つと、もう一つは、万が一の事故に遭った場合でも被害者への万全な救済対策を取ると、この二点は国交大臣としても大事な仕事の柱として捉えようということを申し上げたところでございます。
 今年の八月に今後の自動車事故被害者救済対策のあり方に関する検討会ということも設置させていただいて、当事者の皆さんにも参加をしていただいて、有識者の皆さんと検討会をやらせていただいておりますが、その思いは、この会計の、自動車特別会計の話ですが、要するに、取った取られたというか綱引きしているわけじゃないので、これは債務として立っているのは間違いないんですが、財務省隣にいますけど、後輩だから好きなことを言いますが、偉そうにしている割には大して財布に金がないんですよ。だから、債務はあるというのは認めているんだけど、じゃ、六千億返してくれというわけにも、まあお金があれば返してくれるんでしょうが、ないから債務としては認めている、これは麻生大臣とも何回も繰り返しております。
 他方で、我々の役目は、この御家族の皆さんも随分高齢化になっていまして、御家族の方が高齢化で亡くなられた後の、その後の介護というものを大変深刻に考えられている。ですから、自動車局に私が指示しているのは、要するに、御家族のために何をするべきなのかと。そのメニューをちゃんと出して、そのためにこのくらい費用が掛かるからというものがなければ、財務省も、財源がそんなに余裕があるわけじゃないので、何もなくてなかなか返すような状況ではない。しかし他方で、こうしたことをやらなければいけないということを我々が責任を持って交通事故の被害者の御家族のために提案をしなければ駄目だと、することによって予算をしっかり獲得していこうということです。
 ここの委員会ですから、せっかくの御質問なので。
 当初予算でなかなか国土交通省の非公共というのは非常に限られているので、今考えているのは、この補正予算、今回指示も出ていますので、こうした補正予算も含めて、この案件についてはしっかりと予算要求をしていこうと、具体的なものが提言できれば財務省も納得をして予算計上に応じてくれるということは信じております。

#104
○政府参考人(角田隆君) 財務省の考えもということでございましたので、簡単に御説明申し上げたいと思います。
 非常に私どもも気持ちはあるんでございますけれども、そういうことでございまして、被害者保護のための事業が安定的、継続的に実施されるように留意しながら、一方で一般会計の財政事情も少し頭に置きながら、引き続き真摯に対応させてもらいたいと思っております。よろしくお願いいたします。

#105
○浜口誠君 是非、赤羽大臣、本当に気持ち込めて御答弁いただいていますので、財務省の方も、まだ約六千百億円返済が残っているというのもこれ事実ですので、しっかり被害者の方、御家族の方も、将来にわたって本当安心できる体制を一日も早くつくってほしいという切なる思いを皆さん持たれておりますので、是非その点しっかり踏まえていただいて、今後の協議を進めていただきたいなと。
 大臣、是非予算で、これ三番目に質問しようと思っていたんですが、予算も、毎年必要なものは、これしっかり財源、予算の中で確保していただきたいなというふうに思っています。あと、今、コロナ禍でまさにすぐやらなきゃいけないこともいろいろあると思いますので、御家族の方から要望もお聞きされているというふうに思っていますので、まさに今すぐやらなきゃいけないことは第三次補正でしっかり織り込んでいただいて財源を確保していただく、このことを改めて強くお願いをしておきたいなというふうに思います。
 この繰戻しについては、国土交通大臣と財務大臣で大臣間合意というのを今結んでおられます。これは、令和元年から令和四年まで四年間の繰戻しに対する合意ということで結ばれておるんですけれども、来年の末には、多分、令和五年以降の繰戻しどうするんだということについての取りまとめをまたやる必要があるんじゃないかなというふうに思います。そのときに、やっぱり六千百億円をいつまでに幾ら返済するのか、繰り戻すのかということを、この返済のロードマップをちゃんと作ってやっていただく必要があるんだというふうに思っています。
 毎年、去年も私この委員会で同じような質問を、毎年毎年協議するんじゃなくて、やっぱりそういう明確な計画を次の大臣間合意に当たっては作っていただきたいなと、これ必要だと思います。これがないから御家族の方も将来にわたって安心できないと、毎年どうなるか分からないわけですから。
 麻生大臣も、十一月十三日の記者会見で、記者からこの自賠責保険料の繰戻しに対して返済のロードマップは作成するんですかと聞かれたときに、今日、伊藤副大臣お見えになっていますけれども、副大臣に作成を指示しているという発言もされていますので、是非、その返済のロードマップ、いつまでに幾ら、これを明確にお示ししていただくことを強く求めたいなというふうに思っておりますけれども、財務省伊藤副大臣の方で現在の検討状況、そして国交省さんの考え方、お伺いしたいと思います。

#106
○副大臣(伊藤渉君) 私も、今記者会見の模様をお話しいただいたとおり、十一月十一日に自動車損害賠償保障制度を考える会という会の皆様方とお会いをいたしまして、まさに今浜口先生おっしゃっていただいた令和五年度以降の繰戻しについて御要望を頂戴したところでございます。
 まずは、現在この大臣間の合意の対象となっております令和三年度と四年度の繰戻しを着実に進める、これがまず最優先と考えております。その上で令和五年度以降の対応を検討させていただくことになりますけれども、その際は、先ほど来大臣と主計局次長とのやり取りでもありましたとおり、一般会計の現実的な事情もございますので、それをしっかり踏まえた上で、何よりも大事なことは、そのときも私申し上げましたけれども、被害者の皆様とその御家族の皆様が不安なく将来の生活を過ごせるようにするという観点から真摯に国土交通省と検討させていただきたいと、かように考えておりますので、御理解いただければと存じます。

#107
○政府参考人(秡川直也君) 国土交通省といたしましても、一番大事なことは、自動車事故被害者、あとその御家族の皆様の不安を解消するということだと思っておりますので、被害者救済事業の将来的な持続可能性をどう確保するのかという観点から、財務省としっかり議論してまいりたいと思っております。

#108
○浜口誠君 ありがとうございます。
 是非、返済のロードマップしっかり作っていただいて、二〇二〇年の繰戻し額は約四十億円なんですね。これ、六千百億円を割り戻すと百五十年掛かってしまいますので、もうそんな状況ではないというふうに思っていますから、より短期間でしっかりとした返済の計画を、ロードマップ作っていただくことを重ねてお願いしておきたいと思います。本当に、家族の皆さんから強い要望がそのとき十一日にもあったと思いますので、是非しっかり受け止めて御対応いただきたいというふうに思います。
 では、続きまして、先ほど大臣にもお答えいただいたので、三番目の質問はもう先ほどの御答弁の中に含まれたということで対応したいと思います。
 では、続きまして、自動車関係の税について少しお話ししたいと思います。お手元、委員の先生方も、資料一、大臣のところにもありますかね、資料一をお配りしていると思いますけれども。
 昨年の十月に消費税が上がって、今年に入ってコロナが発生したということで、大変日本経済全体が厳しい状況に今ありますけれども、自動車の国内販売も昨年の十月以降十二か月連続で対前年同月比割れということで、もう毎月対前年を下回るという大変厳しい販売状況が続いておりました。結果として、この資料にありますとおり、年間で、昨年十月以降の一年間で九十五万台ですね、国内販売が約二割近い減少幅ということになっております。
 日本自動車工業会の試算によると、その下、資料の下の方に書いてありますけれども、国内販売が三十万台減ると経済損失は二兆円、さらに九万人の雇用にも影響が出ると、これは自工会の試算ですけれども。今回九十五万台減っていますので、この資料の右の真ん中辺り、大変大きなやっぱり影響が経済にも雇用にも及んでいると。雇調金等でぎりぎり各企業も徳俵一枚頑張っている、踏ん張っているという状況だと思いますけれども、大変な影響が出ております。
 こうした中でやはり国内販売を底支えしていくために、自動車の税制に関して引き続き減税対応等をお願いをしたいなと。今、自動車関係諸税の中のエコカー減税ですとか、あと環境性能割の一%の軽減措置、さらにはグリーン化特例、こういった減税措置が来年の三月若しくは四月末に終わるという今計画になっていますので、年末にかけての来年度の税制改正の議論の中で、是非、自動車に関する減税措置、今の枠組みを来年以降も延長していただくことを強くお願いをしたいというふうに思っております。
 この自動車に関する減税措置の延長に関して、赤羽大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

#109
○国務大臣(赤羽一嘉君) 来年度の税制改正につきましては、年末に向けての与党税調の場で最終的に決まるということでありますので、今、細目についてはあれですが。
 今の御指摘にありましたように、自動車関係諸税については、環境の面のことですとかこのコロナ禍での市場の厳しさ等々を考えながら、例えば自動車重量税のエコカー減税の延長ですとか、また自動車税及び軽自動車税のグリーン化特例の延長、こうしたものはしっかりと実現できるように取り組んでいきたいと、こう考えております。

#110
○浜口誠君 大臣、ありがとうございます。是非、来年度の税制改正に向けて、国土交通省のお立場でもお力添えいただきたいなというふうに思っております。
 次に、トレーラー、被牽引車の環境性能割の税についてお伺いしたいと思います。
 環境性能割は、従来、自動車取得税が廃止になって、その代わりに、環境性能に応じて、環境負荷の高い自動車に対して環境性能割という税が新たに昨年の十月から課税されるようになりました。
 環境に負荷の大きなものに、自動車に掛けるという考え方からすると、被牽引車、これ、トレーラーは別に動力源が付いているわけでもなくて、CO2も全く排出をしない、引っ張られるだけの部分ですので、このトレーラーにも環境性能割というのが課税されているんですね、今。これは何でなのかなと。
 自動車取得税だったら分かります、取得したことに対しての課税ですから。今回、それが環境性能割に置き換わったにもかかわらず、トレーラー、単に動いていないときには何も、動力源も付いていないですからね。そのトレーラーにも環境性能割が課税されているということに対しては、やっぱり何でかなというのが正直な疑問を持ちますので、その考え方、なぜトレーラー、被牽引車に対して環境性能割が課税されているのか、その根拠を御説明いただきたいと思います。

#111
○政府参考人(川窪俊広君) 環境性能割につきましては、その創設の際、地方財政審議会の意見書におきまして、保有課税である自動車税に創設されるものであり、自動車がもたらすCO2の排出、道路の損傷、交通事故、公害、騒音等の様々な社会的費用に係る行政需要に着目した原因者負担金的性格を有しているとされたところでございます。
 こうした環境性能割の性格を踏まえまして、トレーラーも含めて広く自動車に対して環境性能割を課しているところとなっております。

#112
○浜口誠君 トレーラー部分は自動車なんでしょうかね。そもそもエンジンも付いていませんし、単にヘッドにつながって引っ張られているだけなので。
 そもそも、環境性能割が課税されていないのは、電気自動車ですからEVとか、あるいはプラグインハイブリッドだとか、そういう環境に優しい、あるいはCO2を排出しない、そういった車に対しては非課税になったり税率を下げているというのが今の課税の実態だと思うんですけれども、やはりトレーラーに環境性能割という税を掛けること自体が本当に考え方として合っているのかというのが今の御説明だと正直納得できないんですけれども、その点はいかがですか。

#113
○政府参考人(川窪俊広君) 総務省といたしましては、環境性能割が先ほど申し上げましたような原因者負担金的性格を有しているとして創設されたことを踏まえまして、トレーラーを含めた自動車に広く課税をさせていただいていることにつきましては合理性があるものと考えているところでございます。
 また、地方団体からも、道路、橋梁等の更新、老朽化対策等の財政需要が今後も増加していく中で地方財源を確保していくべきという要望もございます中におきまして、環境性能割はこうした地方の行政サービスを支える貴重な財源であるということもあると考えているところでございます。

#114
○浜口誠君 国土交通省の立場ではどのような見解を持たれているんでしょうか。このトレーラーに対する環境性能割の課税、国土交通省としても課題認識持っていただきたいなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#115
○政府参考人(秡川直也君) トレーラーは確かに先生御指摘のとおりエンジンは付いていないわけなんですけれども、走行によって道路が損傷するとかいろいろな社会的費用が発生するということが課税理由になっているということでございますので、課税対象から除外するというようなことについてはやっぱり総合的な判断が必要なのかなというふうに思っています。

#116
○浜口誠君 いや、そもそも、電気自動車とかプラグインハイブリッド、これも非課税ですよね、非課税。それも損傷しますよ、重量ありますから。でも非課税になっているんですよね。そこはどう説明されるんですか。

#117
○政府参考人(秡川直也君) 環境性能割なんですけれども、グリーン化へのインセンティブ機能に着目して、その軽減措置を図っているものというふうに理解をしております。
 トレーラーについては、そもそもやっぱりそれ自体CO2排出が想定されないので、軽減措置をとってもグリーン化へのインセンティブ機能は働かないのではないかというふうに思っております。
 このため、環境性能割の性能に照らせば、軽減措置を図ることについてはよく検討することが必要じゃないかというふうに思います。

#118
○浜口誠君 赤羽大臣、どうですかね、ちょっと今までの議論をお聞きいただいて。
 すぐに考え方を見直すというのは難しいかもしれませんけれども、やはり業界団体の方からもこのトレーラーに対する環境性能割の課税というのはやはり根拠としてどうなのかという御指摘もいただいておりますので、今後、トレーラーに対しては、特例措置の車両区分リストというのがあるんですけれども、その中にしっかりトレーラーは特例措置をする車両なんだという形で明記していただくだとか、あるいは課税の対象から外していただく、こういったことを是非御検討いただきたいなというふうに思うんですけれども。しっかり業界団体の方からも意見聞いていただきたいと思いますけれども、大臣、いかがですか。

#119
○国務大臣(赤羽一嘉君) 私、トレーラー業界の方と全然お付き合いもしたことありませんし、こうしたことがあるというのも余り存じ上げてはおりませんでした。
 税制というのは、一般論でありますが、様々な税制調整をするときに、理屈が必ずしも立たないときもあれば総合的な判断で、これ、例えば地方税の税源だったりする場合は、理屈としてはあれだけど、やっぱり地方の主たる財源を変更することはできないみたいな決着を付ける場合もあったと思います。
 私、この件についてどういう議論があったかはちょっと定かではありませんけれども、そうした業界団体からお声がいただければ、国交省として、まずは与党税調の場にお伝えをするということは、必要があれば対応したいと思います。

#120
○浜口誠君 ありがとうございます。
 是非、今回問題提起させていただきましたけれども、いろいろ国土交通省のお立場としても、いろんな方からの御意見も聞いていただいた上で、今後の税制改正要望の中に、省としての要望の中に織り込んでいただくことを是非御検討をいただきたいなというふうに思っておりますので、その点、重ねてお願いをしておきたいと思います。
 では、続きまして、航空産業への支援ということでお伺いしたいと思います。
 今日も公共交通の関連のいろんな御指摘、御質問もありましたけれども、本当に、航空産業も今コロナの影響で一番ダメージを負っている産業の一つではないかなというふうに思っております。ただ、今後、コロナ禍が収まってまた経済が回復してきたときには、非常に航空産業、観光の面でも海外からのお客さんも来ていただくという観点からも、しっかり支えていかなきゃいけない産業だというふうに考えております。
 こうした中で、今、政府の方でもいろんな支援策検討していただいているというふうに認識をしております。例えば、空港の利用料について、今四五%低減していただいていますけれども、その率を更に高めていこうですとか、あるいは航空機燃料税、これについても、今一キロリットル当たり一万八千円のものを一年間限定で四千円に下げていこう、更なる軽減をやっていこうと、こういうような議論があると報道ベースでは承知しておりますけれども、今後、国交省として、航空産業に対して公租公課あるいは資金繰り等も含めた経済的な支援策としてどのような対応をされようと考えておられるのか、その点について担当局長からお願いします。

#121
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
 航空業界は、ただいま御指摘いただきましたけれども、コロナ禍の中で大変厳しい経営環境に置かれております。政府では、これまで、危機対応融資等の活用による資金繰り支援でありますとか雇用調整助成金などの支援策に加えまして、着陸料等の引下げを実施してきたところでございます。
 今般、航空業界から国に対して、更に踏み込んで、着陸料に限らず航行援助施設利用料や航空機燃料税等も含んだ公租公課の更なる減免の御要望をいただいているところでございます。
 航空は、公共交通として国民の社会経済活動を支えるとともに、インバウンドに関する政府目標の実現など、ポストコロナの成長戦略の実現にも必要不可欠なインフラであります。そのため、需要回復に速やかに対応できる供給体制でありますとか需要回復後の成長投資の確保などに向けまして、国としてしっかり支援していく必要があると考えております。
 かつてない大変厳しい状況でありますので、必要な支援措置が講じられますよう、国土交通省としても最大限努力をしてまいります。

#122
○浜口誠君 具体的な議論の中身、この今日の時点でお答えいただけるのであればお答えいただきたいんですけれども。
 先ほど申し上げましたような空港利用料の削減幅、これはどの程度まで拡大しようとされているのか、あと、航空機燃料税についてもどの程度引下げを視野に入れておられるのか、具体的な水準を是非教えていただきたいと思います。

#123
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
 航空業界の方から、令和三年度には公租公課全体で約二千億円の支払が見込まれるというふうに聞いております。そのうち一千億円超の規模の軽減をお願いしますというふうに御要望をいただいているところでございます。
 その趣旨も十分踏まえながら、国土交通省として最大限努力してまいりたいと考えております。

#124
○浜口誠君 分かりました。
 是非、報道ベースで言われている軽減策、これ、しっかり政府・与党の皆さんの間でも御議論いただいて実現できるように、重ねてお願いしておきたいと思います。
 では、続きまして、ETC専用化、高速道路のETC専用化についてお伺いしたいと思います。
 これ、ETCを全てのゲートに付けて、もう現金精算を基本的にはなくしていくという方向ではないかなというふうに思っていますけれども、今回高速道路のETC専用化を実施しようとした背景ですとか、これまでどのような検討状況に今なっているのか、この辺り、まず総括的に赤羽大臣の方から御説明をお願いしたいと思います。

#125
○国務大臣(赤羽一嘉君) 高速道路の料金所においてのETCの専用化等につきましては、キャッシュレス、タッチレス化を進める、そのことによって料金所での渋滞の解消ですとか利用者の利便性の向上といったものを考えているところでございます。
 このことで、社会資本整備審議会の国土幹線道路部会の中間とりまとめがこの九月に提出をさせていただきました。その中でも、新型コロナウイルス感染症禍という中で、サステナブルな料金所の機能の維持ですとか非接触型、感染リスクの軽減といったものも書かれているところでございまして、この中間とりまとめにおきましては、例えば、ETC利用率の高い都市部は五年後のETC専用化を目指すということですとか、その手順についてはしっかりと目標時期を明示したロードマップを策定するといったことも踏まえながら、今現在、高速道路会社においてロードマップの策定に向けた検討を進めているところでございます。
 いずれにしても、ETC専用化すると、それ持っていない方はどうするのかとか、詰めなければいけないこともありますので、様々な御意見を伺いながら、今後、我々、高速道路会社と連携して、その実現に向けて丁寧に取り組んでいきたいと、こう思っております。

#126
○浜口誠君 ありがとうございます。
 大臣に触れていただきましたけれども、このETCを搭載していない車両、これもまだ結構世の中には走っておられますし、付けたくても付けれないような車両もこれありますので、こういったものに対してどう対応していくのかというのが今後の検討課題にはなっていくと思います。
 そこで、吉岡局長に聞きたいんですけれども、ETCのゲートを利用できない、いわゆる現金精算で対応している車両が今、日当たりどれぐらいの台数走っているのか、あと、その中で営業車と自家用車の区分が把握されているようでしたら、その営業車、自家用車の比率についてもお伺いしたいと思います。

#127
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 高速道路会社六社が管理する高速道路においてETCを利用していない車両ですけれども、令和二年九月現在、一日当たり五十七万程度あるものと承知しております。また、そのうち、お尋ねの自家用車、営業車の比率については、そういう区分はしておりませんが、営業車が多いと思われる中型車以上の車両でございますけど、それも令和二年九月現在で一日当たり四万台程度ということでございますので、ETCを利用していない車のうち約七%ぐらいになっているという状況でございます。

#128
○浜口誠君 ありがとうございます。
 残り、次の一般質問でやりたいと思いますので、これ準備していただきましたけれども、ETC、今言われたように、かなりの台数、日当たりでも現金精算で対応しているということですので、しっかりその辺の課題も議論させていただきたいと思います。
 今日はありがとうございました。

#129
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 GoToトラベルについて、赤羽大臣に質問させていただきたいと思います。
 政府は、先日、札幌市と大阪市を目的地とする旅行の一部除外を発表されました。今回の除外について、感染は東京首都圏ですとか中部ですとか各地に広がっておりますけれども、その中でなぜ札幌と大阪市に限られているのか、大臣に御説明を求めたいと思います。

#130
○国務大臣(赤羽一嘉君) この仕組みは、まず、直接の担当は西村担当大臣でありますが、一応基本的なルールが決まっておりまして、それぞれの各都道府県の知事さんが、その地域がいわゆる国でいうステージ三に該当すると、こう認定したときには、その知事さんから担当の西村大臣のところに連絡をし、そして国の、これは、GoToトラベルだけではなくて外食産業の時短ですとか医療面でのサポートですとか、そうしたことの依頼があると。そうしたことを受けて、政府としては、先ほど申し上げましたが、総理を先頭に関係閣僚で打合せをして、どう対応するかということを決定するということがございます。
 今回は、二十四日の夕刻に、北海道、大阪府の両知事からそれぞれ、札幌市と大阪市が国のステージ三相当に当たるとの認識が伝えられたことを受けまして、菅総理大臣、加藤内閣官房長官、西村担当大臣、田村厚生労働大臣、そして国土交通大臣たる私の五者で協議をし、両市を目的地とする旅行について一定期間GoToトラベル事業の適用を停止するということを決定したものでございます。
 それについて、細目はよろしいですか。

#131
○武田良介君 知事からの要請があってということだと思います。
 私もちょっとそれを聞いて疑問に思ったんですけれども、GoToトラベル事業がスタートしたとき、東京除外という状況がありました。あのときは、東京都知事の方から東京を除外してほしいという、そういう要請があったということなんでしょうか。

#132
○国務大臣(赤羽一嘉君) このことについて、ちょっと私、担当直接ではありませんが。
 いろんなケースがございまして、分科会、今でいう対策本部の分科会、当時は専門家会議だったと承知をしておりますが、そうしたところから逆に政府に対する建議というか、あのときは、記憶としては、東京が非常に感染者数が増えている上に、クラスターの原因となるエピセンター、ちょっと専門家じゃないんですけど、エピセンターとなる可能性がすごく高いと、ですから、東京から各地にそれを広げることは大変危険だという、そうした御提言があり、西村担当大臣、先ほど私申し上げましたが、知事から西村担当大臣に連絡があると言いましたが、そうした状況になるというと、西村担当大臣と該当の知事さんは相当綿密にやり合って、最終的に、北海道は、札幌市長とかそれなりの道内でのプロセスを踏んで、正式に最後そう告知してきたという意味で、何も連携がないという意味ではございません。そうしたやり合いは当時の都知事と西村担当大臣の中でもあったものだというふうに承知をしております。

#133
○武田良介君 そうすると、今回の札幌、大阪、その除外についても、今御説明のあったような今でいう分科会などからの建議のような形のものがあったという理解でよろしいんでしょうか。

#134
○国務大臣(赤羽一嘉君) これは、今回は、分科会の中で尾身先生の、ちょっと私、それ正確じゃありませんけど、私の聞いている範囲では、尾身先生の個人的な見解として、もう札幌市なんかはレベル三相当になっているのではないかという御発言があったと承知をしておりますが、今回の場合は、正式には、大阪の知事と北海道の知事から政府の西村担当大臣のところに正式には最終的に通知が受けたと、それを受けて、二十四日の夜、官邸で関係閣僚会議を行ったというのがプロセスでございます。

#135
○武田良介君 昨日の夜の分科会ですかね、今答弁にもありましたように、分科会の方がステージ三にあるという判断をするわけではないけれども、尾身先生の考えとしては、またほかの委員もそうだと思いますがという趣旨の発言もあったように記憶しておりますけれども、ステージ三に相当するような地域があるということで、大阪、それから北海道ももちろん入っておりましたけれども、首都圏だとか中部の方、名古屋などもたしか入っていたかというふうに思います。そういうふうにあるということをおっしゃっておられた、そのことを指しての今の御答弁だったかなというふうに聞かせていただきました。
 私、いずれにしても、GoToトラベルは国の事業ではあります。その一部除外するかどうかの判断というのを知事の判断、正式な要請があるのを待つ、委ねる、そういう格好になっていいのだろうかと、国が責任を持って判断していくということもこれ必要になってくるんじゃないだろうかということを思っております。
 今回のその札幌市と大阪市を目的地とする旅行をGoToトラベル事業の対象外とする判断ですけれども、これ予防的措置だというふうにおっしゃられておりますが、予防的措置というのはこれどういうことなのかということを伺いたいんですが、GoToトラベルで感染するきっかけになり得るということを認識として持たれているということでよろしいでしょうか。

#136
○国務大臣(赤羽一嘉君) それは違います。
 もう一度言いますけど、国と両知事が全く会話もなく、両知事が言ってくるのを待つという、そういう現実ではございません、大変心配をして、どうなんだという状況を聞いたり。例えば、数字だけ見ていますと、我が兵庫県は、たしか入院率というのかな、ベッド率が相当高いんですけど、それは県の、兵庫県の独特のやり方で、軽症の人も全て病院に入ってもらっていると。ですから、見かけはすごく数字が悪く出ておりますが、それは数字だけ見るとよく分からないので、西村担当大臣から兵庫県の井戸知事に確認したところ、そうした兵庫方式をやっているので、いざとなるときのベッドの、病床の状況は余裕があると。そうしたことはやっぱり国では分からない、そういう意味で、やっぱり地元の状況が一番分かっているのは知事さんですから、そこを飛び越して国が何だかんだするというのはおかしいだろうということが、県知事からのまず申入れがということの定めでございます。
 それが一つ目で、それで、GoToトラベル事業については、この分科会においても、GoToトラベル事業が感染拡大の主要な原因であるとのエビデンスは現在のところ存在しないというふうに言われておりますが、札幌市においても大阪市においても、病床の状況、ベッドの状況とかが相当切迫感があるので、それを外からそこに、その目的地に人が、随分人が訪れ、かつ、正確に言うと感染拡大防止をしていない方が訪れて、そこで感染をして、またそこで入院するというようなことがあってはならないということで。
 GoToトラベル事業というのは、何回も申し上げておりますが、参加する側についても原則は感染拡大防止をしっかり講じているということで参加をしていただいておりますし、その結果、これまで四千万人泊の利用者がありますが、その中でも、少し多めに見ても感染された方は百九十名という状況で、極めて抑制的に行われていると。しかし、そうした中でも、もうぎりぎりのところの状況である札幌市と大阪市に医療的な負荷を掛けることは避けた方がよかろうという意味で、予防的措置というふうに言っております。

#137
○武田良介君 二つ御答弁いただきまして、一点目ですが、やり取りする、その現場の状況をよく分かっている知事さんとやり取りをするというのは、それは当然だと思うんですね。その上で、いや、ステージ三に相当するぞと、これ止めた方がいいんじゃないかという判断を今だと知事の方から正式に要請来るのを待つわけですが、国の方もそういう判断を示すことがあっていいんじゃないだろうかと、そういうことを私は申し上げているということです。
 それと、後のその予防的措置ですけれども、感染拡大しているところに行って医療提供体制に更に負荷を掛けてはならないということは、そこで感染するということが想定されているからですよね。そうじゃないとそこに負荷が掛からないわけですから、感染拡大しないと。ですから、GoToトラベルがきっかけになっているということは、これ誰が考えてもそうなんじゃないだろうかというふうに私は思っておりますけれども。
 先ほど答弁の中にもありました、四千万人のうち広く見て約九百人ということでありましたけれども、そしてその……(発言する者あり)ああ、済みません、失礼しました、百九十人ということでしたけれども、GoToトラベルによってその拡大、感染が拡大したというエビデンスはないというふうにこのことで説明されてきておるわけですけれども、この数字、私は余りにも小さ過ぎるんじゃないかなというふうに思っておりますが、この点はいかがでしょうか。

#138
○国務大臣(赤羽一嘉君) なぜ小さ過ぎると感じられているのか、私はよく理解できません。

#139
○武田良介君 GoToトラベルの事業によってどれだけ感染拡大しているのか。そもそも私、その検査が十分されているんだろうかということを、私、疑問に思っております。
 そもそも、この調査方法もそうですけれども、その宿泊したところで体調を崩された方がいらっしゃれば、その方がフロントなんかに連絡をして感染拡大が把握できる、あるいは、帰宅された後に発症した場合などに保健所を通じて検査なども行って陽性だと分かれば、その後の追跡調査で、ホテルなどを利用していればそこに連絡が入るということからつかまれている数字だというふうに私認識をしておりますけれども、やっぱり無症状の方もそもそもいらっしゃるわけですよね。そうなると、どこでどれだけ感染が拡大したのか分からない。そうすると、これGoToトラベルだけじゃないですけれども、検査がしっかりと行われていない下で、四千万人のうち百九十人の方がGoToトラベルの関連で確認されているだけだということでは、これは、やっぱりしっかりとGoToトラベルによってどれだけ感染拡大したのかということがつかめないんじゃないだろうかというふうに思っております。(発言する者あり)

#140
○委員長(江崎孝君) まだ質問中です。質問中です。どうぞ。

#141
○武田良介君 時間がちょっとありませんので……(発言する者あり)

#142
○委員長(江崎孝君) 質問を終わってください、じゃ、まず。よろしいですか。

#143
○武田良介君 じゃ、お願いします。

#144
○国務大臣(赤羽一嘉君) 推測でそういうことを言われると、風評被害を生むので非常に困るんですね。
 これは、無症状の方が発症しなかったら、これは全てにおいて数字として出てこないわけです。無症状で帰られた方もチェックアウト後一週間とか十日ぐらいまでは捕捉をしておりまして、そこで症状が発症した方は病院に行く、その病院で陽性と認定された方は必ず保健所に行く、保健所で履歴を、行動履歴を調べる、そこでGoToトラベルを使ってと言ったら必ず宿泊施設に連絡がある、宿泊施設はそれを受けて事務局に報告をしなければそれは義務違反ですから、そこでもう参加資格は失うという、非常に厳しくやっているんです。
 ですから、百九十名ぐらい出ていますけど、その全数は捕捉しております。その全数を捕捉していることについて、昨日のちょっと予算委員会でも言いっ放しで言われたんですけど、それはいいかげんな数字だみたいな、恣意的な余地が入ること。そういう仕組みじゃないんです。
 ただ、もちろん検査の限界性というのは、別にGoToトラベルにかかわらず全てにおいてあるわけで、そこをあたかもGoToトラベルが全部みたいなことを言われるのは、ちょっとそれは、これは私にはどうでもいいんだけど、協力をして真面目にやっている旅館やホテルの皆さんたちに対して、それはちょっとひどい認識なんではないかと言わざるを得ない。

#145
○武田良介君 旅館、ホテルの皆さんが感染対策取られていることは私も十分承知をしております。
 私が言いたいのは、社会的な検査も含めて私たち今提案しておりますけれども、そういう検査の体制をしっかり取ることが必要なんだということを私は訴えさせていただきたいというふうに思っております。(発言する者あり)

#146
○委員長(江崎孝君) 静かにしてください。

#147
○武田良介君 時間がないので先に行かせていただきますけれども、厚生労働省のあの専門家会議、アドバイザリーボード、十一月二十四日に行っている感染状況の評価というのもありました。先ほどもありましたが、昨日の分科会でもありましたけれども、北海道だとか首都圏、関西、中部圏中心に顕著な増加が見られると、このままの状況が続けば医療提供体制と公衆衛生に重大な影響が生じるおそれがあるということも言われております。
 全国で深刻な感染状況になっているのは、GoToトラベルが全国一律で進められてきたことが感染拡大のきっかけになった可能性もあるというふうに思っておりますが、新型コロナの感染状況は地域によって異なっております。観光は、県をまたぐものもあれば県内で旅行を楽しむもの、また感染が厳しいときは控えるなど、感染状況に応じて様々な形態があるものだと思っております。この際、全国一律のGoToトラベル事業を見直すべきではないかというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。

#148
○国務大臣(赤羽一嘉君) 今の御質問の中で、観光客が殺到しているところが感染状況がどうかということを丁寧に分析しないと、これは余りに暴論ですよ。それを一把一からげで、もちろん移動するから感染拡大のリスクが高まるということは、私はそこは否定しませんけれども、それなりに一生懸命やって、数も出ていない。
 ですから、そういう連関性を示していただけるなら私は答えますけど、そうした連関性も示されない中で、何というか、印象論でそういうことを言われると、それは、観光庁の責任を持っている私としては、それは全く承服できません。

#149
○武田良介君 いや、私、そういうことを言っているわけではありませんが、もう時間がないので先に進ませていただきます。
 日本共産党は、今、全国一律のGoToトラベルの見直し、これを求めております。主に、紹介しますが、次の五点であります。全国一律のGoToトラベル事業はやめること、二つ目に、感染状況に応じ、地域ごとの事業にして国が応援すること、三つ目に、その際、小規模事業者に支援が行き届くようにすること、四つ目に、持続化給付金の第二弾など直接支援を組み合わせること、五つ目に、消費税の五%減税と中小企業の納税免除などを行っていくこと。
 やっぱり、一時停止するということであれば持続化給付金を改善した上で支給することもセットにしてやっていくだとか、こういう観光業支援もあるんだと、GoToトラベル事業だけじゃなくて、自粛と補償をセットにしたそういう支援もあるんだと、こういうことも今行っていく必要があるというふうに思います。感染が拡大してきたときには自粛と補償をセットにした休業も選択できると、ここが大事だというふうに思っております。
 地域ごとに支援策取っていくということも申し上げました。そこで、長野県の小さなお宿応援事業というのを一つ紹介させていただきたいというふうに思っておりまして、この事業を宿泊事業者の方に知らせる長野県の観光部の資料もいただきました。
 これ見ましたら、趣旨には、国が実施するGoToトラベルキャンペーンは主に旅行会社やインターネットの宿泊予約サイト(OTA)を通じて宿泊、旅行代金の割引を受ける仕組みのため、これらを利用していない宿泊施設のうち、特に小規模な施設はキャンペーンによるメリットが及ばないことが想定されますというふうにされているんですね。ですから、支援対象はGoToトラベル事業の支援を受けていない事業者というふうになっております。
 そこで、直接、登録事業者の方に聞いてみました。収入ゼロの日が百日以上続いたということでありました。そして、この小さなお宿応援事業に登録をされて、長野県が告知をしたりあるいは常連さんへの制度の紹介もされる中で、約百人泊分の利用があったということでありました。煩わしい手続もなく、請求も簡単なので使い勝手がいいと、うちの宿では小さなお宿事業の予算を使い切ってしまったので追加で用意してもらえば引き続き事業を利用したいと、こういうお話でありました。
 こういう各自治体が行っているきめ細かな小規模事業者にも裨益するような支援策を、今後国はこういう支援をどんどん応援していくと、ここが大事になってくるんじゃないかというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#150
○国務大臣(赤羽一嘉君) 四十七都道府県全部でそれぞれやられております。それは併用も可能で、いわゆるマイクロツーリズムになっている、利用していただいている、それは非常にいいことだと思います。
 長野県の今の例示をもって全てGoToトラベル全体が、制度がちょっと欠陥だみたいな、そういう言われ方も私はちょっと承服しかねるのであって、確かに、私たちの制度は機会は平等なんですよ。感染拡大防止対策を取れるということが参加する条件、機会は平等、結果は、努力している地域がやっぱり利用が進んでいるということは、それは否めない。
 ただ、一つ申し上げておきますけど、当初は、旅行代理店が全部やるとか、県民割引とか復興割引というのはある大手の旅行会社が全部仕切ってやっていたんですよ。それだと、まさに中小ですとか旅館、ホテルに直接裨益できないということで、今回は直接契約するということもやっているわけです。ですから、そうしたことを配慮しつつ、地元の皆さんの零細な旅館を助けようとする長野県ですとかほかの県、それは非常にいいことだと思いますが、それと、GoToトラベルを全部やめてそうしたものにというのは、なかなか規模的に難しいと思います。
 ですから、私は、両方をうまく併せてうまく使っていただけるというなら賛成ですけれども、GoToトラベルを全部やめて各地方、四十七都道府県に委ねるといったら、全国の地方自治体もそれは困ると思いますよ、これをハンドルするというのは。それが私の発言でございます。

#151
○武田良介君 もちろん、私も長野県だけで全てのものを言うつもりはありませんし、先ほど紹介した事業者以外にもあちこち聞かせていただいております。GoToトラベル使っているところ、使っていないところ、いろいろ聞かせていただいております。その中でたくさんの指摘もありますので、また引き続き議論が必要だと思います。
 今日のところは終わります。

#152
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。会派を代表して質問いたします。
 今回は、国民の交通アクセスに欠かせないUDタクシーについて質問いたします。
 障害者にとって、地域で生活する上で社会的障壁が多く、交通のバリアは社会参加を妨げる重大な問題の一つです。以前から問題となっているUDタクシーについて、障害者の視点から、様々な障害を持っている障害者が利用しづらい現状について、その問題点と改善すべき課題をお伝えし、質問にしたいと思います。
 UDタクシーは、一台につき国から六十万円の補助金が出され、この補助金制度によって、全国的には平成三十一年度末時点で一万二千台以上が配車されています。昔に比べれば、車椅子を利用する障害者が健常者の人と同じようにタクシーに乗れるようになってとても助かっていますが、全ての障害者がいつでもどこでも安心してタクシーを利用できるという状況にはまだ至っていません。
 国土交通省のホームページには、ユニバーサルデザインタクシーとは誰もが利用しやすい、みんなに優しい新しいタクシー車両と書いてありますが、UDタクシーとして認定されているトヨタのジャパンタクシー、日産のバネットとセレナ、それぞれに重度障害者の立場から実際に試乗をし、利用状況を視察してきました。
 資料二の一を御覧ください。まず、ジャパンタクシーに乗ってみたところ、私の利用している車椅子は大型でリクライニング式の電動車椅子です。運転席や隣の助手席を前にずらしてスペースを広げても、車椅子が大き過ぎて前向きには回転できず、固定ベルトも着けられていません。何とか乗れましたが、車椅子ごと乗ることで二重の揺れがあり、車酔いを起こしてしまうこともあり、発車してもらうことはできませんでした。また、運転手さんも、完全に固定できないので、横向きにしか乗れないお客様には安全上の観点からお断りさせていただくこともあるとお話しされました。
 日産のセレナ車については、認定されている車両が全国に六十九台しかなく、さんざん探しましたが、乗ることはできませんでした。
 唯一私の大型の電動車椅子でも試乗ができたのは、資料二の二のバネットでした。このタクシーは、後ろから乗降し、前向きに乗って、固定ベルトもあり、介助者も、真横ではありませんが私の車椅子の近くに座席があり、とっさのときの介助を頼むことが可能でした。
 しかし、ジャパンタクシーは約一万五百台に対して、バネットにおいては全国で約千二百台しかなく、流しではないため、乗りたいときにいつでも利用することはできず、今回私が試乗するに当たっては、さんざん電話してやっと乗せてもらったという状況でした。
 このように、UDタクシーは、まだまだ全ての車椅子ユーザーが使いやすいといった状況にはなっていません。その理由は、台数が少ないだけではなく、乗車する際の安全性が問題点があります。
 そこで、お聞きします。
 ジャパンタクシーには、大型の車椅子やリクライニング式の車椅子は車内では横向きにしか乗れないのですが、この場合の安全性は確保されているのでしょうか、お教えください。

#153
○政府参考人(秡川直也君) お答え申し上げます。
 ユニバーサルデザインタクシーの認定要領というのがございまして、その中では前向きの固定装置を備え付けていることが記述してありまして、前向きに乗車していただくということが基本になっております。
 他方、車椅子の中には、その大きさ、形状によってタクシーの中で前向きに転回できないというものもございまして、また、障害者の方々の中には、横向きの乗車でもいいのでタクシーに乗りたいという声もございます。また、横向きのままであっても、助手席と後部座席で両側から車椅子を押さえることによりまして転倒を防止できる場合もあるということを車両メーカーからも聞いております。
 この方法によって乗車できる車椅子もある一方で、車椅子によっては、そのような固定もできず、利用者の安全を確保できない場合もあると。そういう場合には、運転者から利用者にそのことを丁寧に御説明をして、御利用は控えていただく必要があるというふうに考えてございます。(発言する者あり)

#154
○委員長(江崎孝君) 介助者の方は手を挙げてください。はっきりとお願いします。

#155
○木村英子君 済みません。
 今お話ししていただきましたが、やはりお断りをしないということを重視するということも大事なんですけれども、安全性というものも大事でして、私が乗る場合には、特に隣に介助者がいないと難しい点もありますので、やっぱりUDタクシーというのは誰もが安心して乗れるということを目標に造られていると思います。
 障害者も高齢者もベビーカーを利用している子連れの方も安心して乗れることがこのUDタクシーだと思っております。健常者の方であれば、座席に座り、シートベルトを装着して安全が保たれます。当然、車椅子の方が乗る場合にも、先ほどお話しされたように、前向きに乗り、固定ベルトを着けて安全確保は保たれますが、しかし、私のような大型の車椅子では利用していくことが困難であり、今後構造上乗ることができないUDタクシーの方が今現在は多い現状です。
 国土交通省のユニバーサルデザインによる運送の適切な実施の徹底という通知によると、車椅子が横向きで乗車し、シートベルトや固定ベルトを着けなくても道路交通法に違反しないので、運転手さんは車椅子のお客さんに対して乗車を断ってはならないということにすごく気を遣われます。しかし、車椅子で横向きに乗る障害者の人は、いつも不安を持ちながら乗っています。運転手さんにその判断の責任を負わせるのは、やはり国交省としてちょっと無責任ではないかなと思います。どんな形状の車椅子を使用している方でも安全と安心を保障してもらえる設置基準を検討していただけたらと思っています。
 次に、配付資料五を御覧ください。
 資料五の認定要領のレベル2には、介助者席を車椅子スペースの横に設置すると書いてあります。レベル1では介助者についての記述がありません。
 私のように常時介護が必要な重度障害者にとっては、介助者は命を守ってくれるとても大切な存在です。頭や体を支えていないと体位を保てない方や言語障害がある場合、意思疎通が、目の動きを見たり、文字盤や指文字など、介助者がそばにいないと意思が読み取れず危険な状態になってしまう障害者の方もいます。私も、介助者がいないと体のことが全てできないので、UDタクシーに乗る際には必ず隣に介護者がいないと困ります。
 しかし、現在のUDタクシーのほとんどは車椅子席の隣に介助者用の座席はなく、運転席の横の助手席に介護者は乗るしかありません。なので、私とは実際には離れてしまいます。私が視察したときも、バネット車だけに車椅子の近くに介助者の席がありました。
 様々な障害を持った人たちが利用しやすいUDタクシーに改善していただき、介助者がそばに乗れるUDタクシーを走らせてほしいので、再度質問いたします。
 国交省は、障害者から介助者を離した状態でしか乗れないような認定要領を作っていますが、これでは安全に乗れないので、介助者がいないと乗れない障害者の人のことはそもそも考えられて設計されたのでしょうか、お答えをお願いします。

#156
○政府参考人(秡川直也君) お答え申し上げます。
 ユニバーサルデザインタクシーの認定要領ですけれども、これは、障害者の皆様、あと車両メーカー、タクシー事業者などが参加した検討会というのを開きまして、そこで様々な観点から御議論いただいて作成したものでございます。
 御指摘いただきました介助者の同乗についてなんですけれども、認定要領においては、介助者の同乗を念頭に置いて、車椅子使用者以外の乗客一名以上が乗車できることというのがまず基準になっております。それに加えて、車椅子でより利用しやすい車両として設定されているレベル2というのがございまして、この中では、車椅子利用者の乗車時に介助者が利用できる座席を車椅子スペースの横に設置するという基準も設けているところでございます。
 大型の車椅子利用者や高齢者などを含めて誰もが利用できるタクシーとしてユニバーサルデザインタクシーに改善すべき点がないかにつきまして、今後も、障害者、車両メーカー、タクシー事業者と意見交換を継続して行ってまいりたいというふうに思っております。

#157
○木村英子君 ありがとうございます。
 レベル1の認定については車のどこかに介助者が乗るということではあるんでしょうけれども、レベル2の障害者の近くに介助者が乗れるという規定については、現在、車はほとんど配車されていません。というか、まず造られていないと思います。ですので、まず、私の乗れるUDタクシーというのは本当に限られているということが一つ現状ではあります。
 もう一つ、障害者の団体の方を検討会等に、ヒアリングも受けて作っていらっしゃるというのはもちろん存じているんですけれども、やはり実際に私のような大型の車椅子が乗ったときに乗れないUDタクシーが存在しますので、やはりこの検討会とか研修とかを行うときに、様々な障害を持っている方、そして多様な形状を持っている車椅子の方の意見を聴取できるように、特に、大型の車椅子に乗って重度の方だったり、あるいは医療的ケアが必要で、医療機器を使ってそのUDタクシーに乗られる方とか、そういう方の状況を踏まえた上で今後検討していただけたらと思います。
 次に、UDタクシーの予約状況についてお話ししたいと思います。
 大型の車椅子やリクライニング式の車椅子が乗れるタクシーは認定されたバネットかセレナだけでしたが、しかし、流しでも乗れるジャパンタクシーと違い、予約しないと乗れないという状況でした。運転手が例えばいないとか、あるいは車はあるけれども講習を受けている運転手がいないとか、あと、UDタクシーを配車する場合の曜日が固定されていて、実際利用者さんが使いたい日に使えないとか、様々な理由で配車を断られ、それぞれの会社に二十件以上電話を掛けてお願いしたんですけれども、なかなか見付からず、視察にも、乗るのに大変苦労しました。国交省はこのような状況を把握しておられるのか、お聞きしたいと思います。

#158
○政府参考人(秡川直也君) 先ほど先生から、ユニバーサルデザインタクシー、全体で一万二千台ぐらいだということを御紹介いただきましたけれども、この中で、後ろから乗車できる車種というのは大体千三百台ぐらいとなっております。残りの一万台強が横から乗車するタイプとなっております。
 ですから、後ろから乗れるタイプというのは台数が非常に少ないということですので、今御指摘いただいたように、予約が非常に難しいという状況があるものだというふうに承知しております。

#159
○木村英子君 ありがとうございます。
 私も流しのタクシーに乗れればとてもスムーズなんですけれども、予約もなかなか受け付けられない状況の中で、UDタクシーを利用するということが非常に難しい現状です。
 そもそもその台数が少ないという問題がありますので、予約状況をスムーズにするというのは、なかなかその台数も少なくて需要が少ないという意味では、今後改善をしていただきたいなというふうに思っています。都内ですらバネットは百台あるかないかしか走っていなくて、障害者の人が予約しやすい方法を今後新たに検討していただいたり、車椅子を使用している障害者の人たちがUDタクシーを利用したくて、今後、電話を掛けても通じないというようなことが生まれないように、検討なり改善策を考えていただきたいと思っております。
 次に、赤羽大臣にお聞きしたいと思います。
 今お話ししまして、大型の車椅子の人たちの、あるいはリクライニング式の車椅子などの状況をお伝えしましたが、全ての車椅子ユーザーがUDタクシーを利用しやすいというような現状には至っていない中で、これからも誰一人排除されない交通のバリアフリーを実現していただきたく、今後も大型の車椅子の方が安心して乗れるUDタクシーの利用を改善していただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。

#160
○国務大臣(赤羽一嘉君) UDタクシーで不都合をお掛けしていることに大変申し訳なく思います。
 これ、ちょっと私もしっかり検討してみないとまずいんですけれども、まず、安全性が若干損なわれるみたいなことが堂々とうちの文書に載っていいのかという、そういう問題が一つあると、ちょっとそれ、確認いたします。
 もう一つは、バネットが都内で百台の状況だというふうに聞きましたが、これですと、多分流しに出会うというのは極めて難しいので、多分ちょっと予約の在り方というのをやっぱり工夫するというのがまず現実的な話なのではないかなと思いますので、まず、ちょっと自動車局と全国ハイヤー・タクシー協会、全タク連とちょっと連携をして、まず最初にできることは、障害者の皆さん、特に大型の車椅子を利用されている皆さんがスムーズにストレスなく予約ができる、そういう仕組みを早急につくれるようにちょっと研究させていただきたいと思います。ちゃんと報告させていただきます。

#161
○木村英子君 ありがとうございます。今後とも、私たち障害者の人が乗りやすいUDタクシーの改善をお願いしたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。

#162
○委員長(江崎孝君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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