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2020/11/30 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 第1号 令和2年11月30日
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2020/11/30 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 第1号 令和2年11月30日

#1
令和二年十一月三十日(月曜日)
   午前十時十五分開会
    ─────────────
令和二年十一月三十日行政監視委員長において本
小委員を左のとおり指名した。
                石井 正弘君
                石田 昌宏君
                島村  大君
                高橋はるみ君
                徳茂 雅之君
                中西 祐介君
                吉川ゆうみ君
                石垣のりこ君
                小沢 雅仁君
                川田 龍平君
                竹内 真二君
                西田 実仁君
                音喜多 駿君
                伊藤 孝恵君
                岩渕  友君
                伊波 洋一君
                浜田  聡君
同日行政監視委員長は左の者を小委員長に指名し
た。
                西田 実仁君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    小委員長        西田 実仁君
    小委員
                石井 正弘君
                石田 昌宏君
                島村  大君
                高橋はるみ君
                徳茂 雅之君
                中西 祐介君
                吉川ゆうみ君
                石垣のりこ君
                小沢 雅仁君
                川田 龍平君
                竹内 真二君
                音喜多 駿君
                伊藤 孝恵君
                岩渕  友君
                伊波 洋一君
                浜田  聡君
    行政監視委員長     野田 国義君
   国務大臣
       総務大臣     武田 良太君
   副大臣
       農林水産副大臣  葉梨 康弘君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        吉川  赳君
       厚生労働大臣政
       務官       大隈 和英君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        清水  賢君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣官房内閣審
       議官       時澤  忠君
       内閣官房内閣審
       議官
       兼内閣府道州制
       特区担当室長兼
       内閣府地方分権
       改革推進室長   宮地 俊明君
       内閣府大臣官房
       審議官      村手  聡君
       総務省大臣官房
       総括審議官    前田 一浩君
       総務省大臣官房
       地域力創造審議
       官        大村 慎一君
       総務省行政管理
       局長       横田 信孝君
       総務省行政評価
       局長       白岩  俊君
       総務省自治行政
       局長       高原  剛君
       総務省自治財政
       局長       内藤 尚志君
       総務省情報流通
       行政局長     秋本 芳徳君
       厚生労働省子ど
       も家庭局児童虐
       待防止等総合対
       策室長      岸本 武史君
       農林水産省食料
       産業局長     太田 豊彦君
       農林水産省政策
       統括官      天羽  隆君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局長      菱沼 義久君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      松山 泰浩君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国と地方の行政の役割分担に関する件
    ─────────────

#2
○小委員長(西田実仁君) ただいまから国と地方の行政の役割分担に関する小委員会を開会いたします。
 議事に先立ちまして、一言御挨拶申し上げます。
 この度、本小委員会の小委員長に選任されました西田実仁でございます。
 行政監視委員会は、平成三十年六月に取りまとめられた参議院改革協議会報告書を受け、本院の行政監視機能の強化の具体化に向けて取り組んでまいりました。本年常会においては、本小委員会と同様のテーマの小委員会を設置して調査を深めるとともに、行政監視委員長から行政監視の実施の状況等に関し、六月には初めての本会議報告が行われました。そして、本会議において総務大臣から政策評価の年次報告を聴取し、同月より新たな行政監視の年間サイクルがスタートしたところであります。
 本小委員会では、常会に引き続き、国と地方の行政の役割分担の在り方等について調査を更に深めていくことが期待されております。小委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りまして、公正かつ円満な運営に努め、参議院らしい一定の成果を出してまいりたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#3
○小委員長(西田実仁君) 国と地方の行政の役割分担に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#4
○高橋はるみ君 自由民主党の高橋はるみでございます。
 国と地方の役割の分担に関する小委員会においてこうして質問の機会をいただきましたこと、委員長を始め関係の皆様方に心から御礼を申し上げます。
 私自身、前職は広域自治体である北海道におりました関係から、常にこうした役割分担について考えながら仕事をしてまいった一人でございます。
 そこで、最初の質問でございますが、住民に身近な行政は市町村、それを補完する都道府県、そして国は外交、安全保障など国家の本来的任務を行うというのが基本的な役割分担だと私自身認識をいたします。これまでの累次にわたる地方分権改革の流れの中でどのように捉えているのか、政府の認識をお伺いをいたします。

#5
○政府参考人(宮地俊明君) お答え申し上げます。
 地方分権改革の起点となりました平成五年の衆参両院における地方分権の推進に関する決議以降、第一次地方分権改革では、機関委任事務制度の廃止等により国と地方の関係を上下主従から対等協力の関係に変え、国は外交、安全保障など国家の本来的任務を重点的に担い、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体が担うということを基本的な役割としたところであります。
 さらに、平成十八年からの第二次地方分権改革におきましては、地方分権改革推進委員会の勧告を踏まえました第一次から第四次までの地方分権一括法により、国から地方及び都道府県から市町村への権限移譲、並びに義務付け、枠付けの見直しなどを行ってまいりました。
 平成二十六年からは、それまでの成果を踏まえ、地方の発意に基づき住民に身近な課題を現場の知恵と工夫で一つ一つ具体的に解決するため、提案募集方式を導入し、様々な分野にわたる地方からの提案に対しましてきめ細かく実現、対応してきたところであります。
 今後とも、国と地方の基本的な役割分担を踏まえ、地方分権改革を推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

#6
○高橋はるみ君 ありがとうございます。
 確かに、北海道におきましても、道内の市町村からの御提案を受けて権限の移譲、そして必要に応じ財源面も含め対応してまいったことを今振り返るものであります。
 さて、次でありますが、経済政策、農業政策など多くの政策分野で、国、都道府県、市町村が連携をして民間の活動を支援する、そういった政策実行の仕組みというのがあります。こうした仕組みづくりは国が中心となって策定をすることがほとんどであると思うわけでありますが、こういった場合に、よくよく地方の意向、意見というものを聞いた上で検討すべきと考えるところでありますが、政府の御見解をよろしくお願いをいたします。

#7
○政府参考人(宮地俊明君) お答え申し上げます。
 地方公共団体に影響を及ぼす国の政策につきましては、国と地方が様々な機会を通じて協議を行い、その効果的かつ効率的な推進を図ることが重要と考えております。そのため、国と地方の協議の場におきまして、これまで地方創生や予算編成など地方自治に影響を及ぼす国の重要政策について幅広く協議を行うとともに、関係府省においても、個別の政策に関し意見交換会等を適宜開催し、地方と協議を行っているものと承知しております。また、立案中の施策に関する情報を地方六団体に対して事前に提供する地方自治法上の事前情報提供制度も活用されているところであります。
 今後とも、地方公共団体に影響を及ぼす国の政策の立案に当たりましては、様々な機会を通じて地方の声に十分に耳を傾けていくことが重要であると考えております。
 以上でございます。

#8
○高橋はるみ君 ありがとうございます。
 是非ここの点は更にしっかり地方の声を聞いていただくように、関係省庁にもお声掛けをよろしくお願いを申し上げる次第であります。と申しますのは、せっかくの政策、その実効性を高めるためにも、国と地方との調整、意見交換というのは大変重要だと思う次第だからであります。
 さて、次の質問でありますが、現下の我々にとっての最大の政策課題であるコロナ感染症に関連をして質問をさせていただきたいと思います。
 コロナ感染症対応の中で地方財政が厳しさを増していると、このように考えるのは私ばかりではないと、このように思うわけであります。こうした地方のコロナ対応を支援するために地方創生臨時交付金も補正予算で手当てされているところではあるところでありますが、それでもコロナ対策を進めるため、今年度を見ても、国、地方とも大幅な支出増、他方、地方税収の大幅な減が想定されるところでありまして、こうした中、今年度の地方の財源不足対策に国としてどのように取り組んでいかれるのか、お教えいただきたいと思います。

#9
○政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の影響によりまして地方税収が大幅に減少するおそれがありますなど、例年にも増して地方財政は厳しい状況にあると認識をしております。このため、まずは当面の資金繰りに困りませんよう、地方税の猶予に対する猶予特例債の創設でございますとか、猶予特例債等に対する公的資金の増額確保、あるいは公営企業の資金不足についての特別減収対策企業債の発行などの支援を直ちに講じたところでございます。
 さらに、今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、減収補填債の対象でございます法人関係税の税目以外の税目におきましても通常の景気変動を超える減収があると承知をいたしております。このため、今後明らかとなります各地方団体の地方税収の動向などをよく踏まえまして減収補填債の対象税目を拡大することを検討いたしまして、地方団体の財政運営に支障が生じないよう万全を期してまいりたいと考えております。

#10
○高橋はるみ君 ありがとうございます。
 地方が財源不足や緊急の支出が生じた場合に備えて積み立てることになっております財政調整基金、このことについて先般御説明を受けたところでありますが、それによりますと、令和元年度末、すなわち今年の三月段階で七・二兆円あったものが今年の九月の段階で四・九兆円まで全国で減ってきているというふうに聞いているところでございます。
 こうした中、今年度の状況は、来年度以降においても更に厳しい地方財政が続くと想定されるわけでありますが、今後どのように国として支援をしていかれるのか。
 ここで一点、是非、地方の立場、おられた方はよく御存じだと思うのでありますが、臨時財政対策債という国からの手当てがあるわけでありますが、これは外見的には地方の借金となるものでございまして、これはできれば地方の立場からは避けた形での財源対策、やっていただければと思う次第であります。よろしくお願いをいたします。

#11
○政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。
 御指摘ございましたように、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして地方税収が大幅に減少するおそれがあるなど、来年度も例年にも増して地方財政が厳しい状況になることを想定しているところでございます。このような状況の中にございましても、地方団体は、行政サービスを安定的に提供しつつ、感染症拡大への対応と地域経済の活性化の両立でございますとか、防災・減災、国土強靱化などの重要な課題に対応していかなければなりません。
 令和三年度に向けましては、地方団体が行政サービスを安定的に提供し、これらの重要課題に取り組めますよう、新経済・財政再生計画に沿って一般財源総額をしっかりと確保した上で、その中でもできるだけ臨時財政対策債を抑制できるよう、地方交付税総額を適切に確保してまいりたいと考えております。

#12
○高橋はるみ君 ありがとうございます。しっかりよろしくお願いをいたします。
 次に、今回のコロナ対応を通じての、我々国民あるいは政府の経験も踏まえてでありますが、国、地方が連携をして行政のデジタル化を進めることが今まさに求められていると考えるところであります。
 デジタル庁の設立準備も鋭意進められていると、お忙しいと承知するところでありますが、国と地方の業務システムのデジタル化に向け今後どのように進めていかれるのか、現時点でのお考えをお伺いをしたいと思います。

#13
○政府参考人(時澤忠君) お答えいたします。
 今般の新型コロナウイルス感染症の対応を通じまして、各省庁や地方自治体がこれまでそれぞれ個別にデジタル化を進めてきたことによる課題が様々な分野で浮き彫りになったというふうに認識をしております。
 デジタル庁の具体的な所掌事務には、現在検討中でございますが、各省庁が共通して利用する基盤的なシステムにつきましてはデジタル庁が自ら整備するということで、これまで各省庁が独自に整備したことによります重複的な投資あるいはオーバースペックでの設計等の問題が抜本的に改善されるものと考えております。
 地方自治体のシステムにつきましては、行政サービスの多くは基礎的自治体からのものであることを踏まえまして、国と自治体間のシステム連携、自治体間の業務システムの統一・標準化を早期に実現することで非効率性を排除し、職員の負担軽減にもつなげていきたいと考えております。
 特に、地方自治体の業務システムの統一化、標準化につきましては、デジタル・ガバメント閣僚会議の下のマイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループにおいて現在議論をしておりまして、工程表を年内にも取りまとめる予定でございます。
 国民にとって真に便利な行政サービスを国、地方一体となって実現できるよう、自治体の意見も伺いながら、デジタル庁が主体的に取り組むことが必要と考えているところでございます。

#14
○高橋はるみ君 ありがとうございます。今後、これからデジタル庁の形が我々国会議員あるいは国民の皆様方にも順次明らかになってくるという、そのことを大いに期待するところであります。
 そして、そういった中で、これも国民の方々の関心を集めている、とりわけマイナンバー制度ということについて話を進めてまいります。
 このマイナンバー制度、国と地方が役割分担と連携をしっかり進めていく形で制度を運営をしていく、そして更なる普及率の向上ということを図っていかなければならない課題であるというふうに考えるところであります。
 かく言う私自身も、マイナンバーカードを入手するのに大変に苦労いたしました。札幌市で市役所との調整、まあ私の不勉強もあったのかもしれませんですけれども、大変苦労をしたことを記憶をいたしているところでございます。
 そういった中で、マイナンバーの普及率は今二〇%を少し超えるぐらいというふうにお伺いをいたしているところでございますが、マイナンバー制度の普及率の向上、そしてそれと裏腹の関係にある利便性の向上、どういったところで使うことができるのか、そして今、私の経験も若干申しましたが、取得方法の簡便化なども含めて、制度全般の企画立案ということを国、地方が連携をして進めていくべき課題だと思うわけでありますが、今後どのように進めることを想定しておられるのか、御答弁をお願いをいたします。

#15
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 まず、マイナンバー制度にはマイナンバーそのものとマイナンバーカード、それが大きなものとしてございます。
 マイナンバーそのものにつきましては、番号ということでありますので、本人を特定するものであると。証明はいたしません、本人を特定するものであるということで、より公平公正な社会保障制度や税制の基盤となるものであるとともに、デジタル社会のインフラとしまして、国民の利便性向上や行政の効率化に資するものであると考えております。
 マイナンバーそのものにつきましては、既に自治体あるいは国、国税あるいは年金等のシステムに入ってございまして、現在、その情報のやり取りとかに活用されてございますが、今後、一層活用が必要だと考えてございます。
 一方、先生御指摘のマイナンバーカードにつきましては、これはマイナンバーを使っていない手段で本人確認ができると。本人確認のやり方は免許証のように見せてやるやり方と、それから、このマイナンバーカードに特有なものといたしましてデジタルでやるやり方がございます。
 このデジタルでやるやり方、それから見せてやるやり方は、いずれもマイナンバーは使っておりませんが、マイナンバー制度の根幹を成すものとして、今後更に対面、非対面でもオンラインで確実な本人確認ができるというものでございまして、安全、安心、利便性の高いデジタル社会のパスポートとなるものと考えております。
 マイナンバーカードの普及率の向上、利便性の向上につきましては、来年三月からの健康保険証としての利用、さらに、お薬手帳、介護保険被保険者証、障害者手帳、母子健康手帳、ハローワークカードなどとしての利用を可能とするほか、本年六月、マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループにおいて示された運転免許その他の国家資格証のデジタル化、それからスマホへの機能搭載など、カード機能の抜本的改善に向けて関係省庁一体となって鋭意検討を進めているところでございます。今後、様々な行政サービスにおいて利用するとともに、さらに、マイナンバーカードのこの本人確認機能については民間にも利用できるような形でどんどん進めてまいりたいと考えております。
 また、先生御指摘のマイナンバーカード取得の簡便化でございますが、これまでも総務省におきまして、市区町村に対し、土日、夜間での交付の実施や、職員が出張して申請を受け付け、後日カードを郵送する方式の実施の要請、あるいは、カードの代理人受領が認められる範囲の明確化、出張申請受付方式時に申請者本人から申出があった場合における簡易書留でのカード送付など、交付方法の改善を行っていると承知しております。
 こうした取組を含みますマイナンバー制度全体の企画立案に当たりまして、制度を真に実効性のあるものとするため、国と地方公共団体の協議の場を定期的に設けることなどによりまして、地方公共団体の意見を踏まえた検討を行っているところでございます。引き続き、国と地方公共団体が協力して、住民目線に立ったマイナンバー制度の企画立案が図れるよう努めてまいりたいと考えております。

#16
○高橋はるみ君 ありがとうございます。しっかり、よろしくお願いをいたします。
 それでは、最後の質問でございますけれども、ちょっと個別案件についてであります。災害時等における死者の氏名等の公表の在り方ということについてであります。
 私の地元の北海道におきましても、一昨年、胆振東部地震がございました。また、その数年前には、台風が一週間のうちに三つぐらい北海道に上陸をするなど、大きな台風の被害もあったところでございます。こういったことを含めて、近年、数十年に一度と言われる大きな災害が頻発をしている中で、そうした場合に、残念ながら死者の方々が出てこられるということであります。
 私がお伺いしたいと思いますのは、こういった死者の方の氏名等の公表の在り方について、私自身も現場で大変苦労して、混乱をした経験も有するところでありますが、こういった公表の在り方については、まさに国、都道府県、市区町村が連携してガイドラインを策定をして対応すべきと、このように考えるところでありますが、御見解をお伺いをしたいと思います。

#17
○政府参考人(村手聡君) お答え申し上げます。
 災害時における死者氏名等の公表について、内閣府といたしましては、御遺族の御意向等、被災者の事情等に応じて、当該情報を保有する自治体が判断すべきものと考えているところでございます。
 本年十一月五日の全国知事会におきまして、全国知事会において公表の判断の参考となるガイドラインの策定に取り組むこととされ、国にはその策定に協力を求める形の提言が取りまとめられたところでございます。また、今回の提言では、氏名公表に関する権限などを法律上明確化することについても追加して提言が行われてございます。
 小此木大臣が黒岩知事と面会いたしましてこの提言をいただいた際には、大臣から、氏名公表の権限を法令上明確にすることについては、市町村長や警察、消防といった知事以外の主体とも調整が必要である旨お伝えをし、黒岩知事からは、今後、基礎自治体等と調整したいとの御発言もあったところでございます。
 内閣府としては、全国知事会による調整の状況に応じて必要な協力を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

#18
○高橋はるみ君 ありがとうございました。
 これで質問を終わります。

#19
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。
 まず、小委員会について、行政監視機能の強化に関する申合せということで、今年の四月にこの行政監視委員会で申合せがありまして、この審議ルールの中に、小委員会の設置と併せて閉会中の活動や省庁別の調査の実施ということも申し合わせておりますので、是非、この年間サイクルが今年の六月に決まってから、始まってから、実はこの六月に始まってこの十一月三十日という末日まで開催されなかったということですので、是非来年は、これは六月からこの十一月まで開かれないということがないように、年間サイクルの中で何かしらのやっぱり閉会中の活動などできるように、皆さんとともにこれから検討させていただければというふうに思っております。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 二〇一八年の四月、主要農作物種子法が廃止をされました。種子法は、稲、麦、大豆という私たちの主食である作物の種子について、都道府県に優良品種の原種及び原原種を生産することなどを義務付けておりました。
 種子法の廃止後、種苗法に基づく指定種苗の生産等に関する基準の対象に稲、麦、大豆の種子が追加されることによって品質確保が図られています。そして、この種苗法に基づき、県が行う稲、麦、大豆の種子に関する業務に要する経費については、従前と同様、地方交付税措置が講じられています。
 ですが、県の種子生産を義務付ける根拠法であった種子法が廃止されたことにより、今後とも県は種子生産を継続していくのか、また、国の地方交付税措置は継続されるのかなど、不安を抱える農業者や地域住民は少なくありません。その声を受けて、種子の品質確保及び安定的な生産供給体制の整備等を定める条例、いわゆる種子条例を制定する動きが全国に広がっております。
 今日配付した資料にありますように、全国で現時点におきまして二十二道県で制定、施行されており、ほかにも四県でこの条例制定に向けた動きがあります。これらの条例の中には、稲、麦、大豆に限らず、小豆やソバ、イチゴ、伝統野菜など、各道県で振興する作物を対象にするものもあります。
 このように、種子条例は、これまで国から義務付けられてきた種子生産を地方自治体が自らの農業振興に必要なものとして明確に位置付け、今後ともしっかりと供給していくことを住民に約束する、まさに地方発の食料安全保障宣言とでも言えるのではないかと思います。
 本来、食料安全保障は国が責務を負うものですが、しかし、最近の国の施策の流れは、民間の活力の活用という名の下に公的役割を民間に明け渡す一方であり、公的機関の存在が後退していることに国民は不安を覚えています。
 このような状況を踏まえると、これからは、食料安全保障に資する取組も、地産地消など食料自給率の向上につながる取組も、地域をよく知る地方自治体こそが中心となって取り組んでいくことでうまく機能していくのではないか、そして、国はそのような地方自治体の取組を支援し、各自治体の判断だけではどうしても補えない部分や全体の調整についてしっかり取り組むことにより国としての食料安全保障の責務を果たすべきではないか、国と地方の役割分担の在り方についてこのような問題意識を持って質問してまいりたいと思います。
 まず、稲、麦、大豆の種子の生産、供給についてです。
 先ほど申し上げましたように、種子条例が制定されている県と、条例までは制定せず要綱を策定して種子生産を継続している県が半々の状況になっております。条例の有無によって、ありなしによって種子の需要と供給にミスマッチが起き、安定供給に支障が出てくるのではないかとの懸念の声も聞こえてきます。また、各県で種子計画を策定する際には近隣の県の種子の需給状況も踏まえているものと思うので、通常は大丈夫だと思いますが、例えば自然災害や原発事故など、東日本大震災もそうですが、大規模災害が起きるなど、近隣の県同士での融通だけでは調整できない事態が生じることも想定できます。
 そのような事態が生じた場合には、もちろん、稲、麦、大豆の種子が引き続き安定的かつ適正な価格で農業者に供給されていくため、国として県と県の間を調整していかれるべきと考えますが、農林水産省の見解をお聞かせください。

#20
○副大臣(葉梨康弘君) お答えいたします。
 種子法廃止後、二十二県において条例が制定され、それ以外の県においては要綱、要領等に基づいて種子の供給業務が継続して行われているというのは御指摘のとおりです。しっかりと地方交付税措置は引き続き講じてまいりたいと考えております。
 委員の御質問でございますけれども、天候不順等により種子の供給不足が見込まれる場合には、従前から、各県にある種子協議会が種子と同様の品質であるかを確認の上、県内の別の圃場で主食用として収穫されたもみが、種子用への転換を図るほか、全国主要農作物種子安定供給推進協議会により各県の協議会との間で県間調整が行われております。これらの取組は、種子法の廃止後もこれまでと同様に実施されているところです。
 農林水産省として、災害時等には、状況に応じ円滑に県間調整が行われるよう調整を図ってまいりたいと考えています。

#21
○川田龍平君 この農水省の全国の調整機能、今失われているのではないかと懸念もあります。
 例えば、民間企業の生産量は、品種検査を通らずに直接取引であるために農水省は把握していないのではないでしょうか。大手の米卸業者も種もみの供給に乗り出すというこの状況では、全体の調整機能、需給調整機能は働かないという、この調整はどうなっているのか、どうするつもりなのか、お答えください。

#22
○副大臣(葉梨康弘君) 主要農作物の種子ということで、稲それから麦、大豆等についてはなかなか、本当に民間の事業者が参入するという例はほとんどないというような状況でございます。ですから、稲、麦、大豆の種子はほぼ全てが国産でもありますし、また民間参入も極めて僅かな状況ですので、これはしっかりと注視をしていきたいと思いますけれども、農林水産省としてしっかり調整機能を果たしていきたいと考えています。

#23
○川田龍平君 今、外食産業などを中心に民間のお米なども大変使われております。そういった意味では、この民間企業は、またもうからなくなれば生産を放棄してしまうこともあります。育種家種子から種もみを作るまでは四年近く掛かります。急に生産を増やせないわけです。そういう意味で、食料保障をしっかり守っていかなければなりません。
 次に、野菜の種苗の安定供給について伺います。
 農林水産省によりますと、国内で流通する野菜の種苗の九割が海外で生産されています。その理由としては、気候が適していること、交雑を防止するための広大な農地や低廉な安い労働力があることなどから、日本の種苗会社が海外での委託生産を増やしてきたようです。
 しかし、海外に依存するリスクは今年のコロナ禍で顕在化しました。今日の配付資料の中にもありますが、先日の報道で、十一月二十五日毎日新聞夕刊によりますと、中国に野菜の種の生産を委託していたけれども、コロナ禍で物流にも混乱が生じ、輸入できず、半年遅れてようやく種が届いたという事態が報じられています。食料安全保障のためにも、種子、種苗の安定供給体制の確保が必要です。
 現在、国内の採種農家の減少と高齢化が著しく、既に、すぐには国産回帰は難しい状況です。種苗の生産は、品質を確保するために、原種の選抜、病害虫の厳格な防除、交雑の防止、適期での収穫や収穫物の選別など、一般生産以上の厳格な生産管理が求められます。そのような高い技術を持った人材を確保するためには長期的な取組が必要です。
 種苗生産者の高齢化や減少を含め、我が国の種苗供給体制の脆弱化について、農林水産省はどのように分析、評価していますでしょうか。

#24
○副大臣(葉梨康弘君) まず、先生からいただきましたこの記事についてでございますが、ちょっと、私どもも、余り個別の案件についてここで申し上げるのもいかがかと思いますが、一般論として、いろいろとお聞きしましたところ、昨年末より問題となっている新型コロナウイルスの発生による流通の混乱の中にあっても、現に野菜の種子の輸入は滞っておりません。農業者の作付けに影響は出ていないというふうに実は聞いております。この御指摘の農園も在庫は確保しているというところです。
 ただ、だからといって、この安定的な供給のための方策をしっかりやっていかなければいけないということはもうもちろんのことでございます。そこで、外国の企業でなくて日本の種苗会社が、海外生産であっても日本向けに生産すること、リスク分散の観点から複数の国で生産すること、約一年分の種子を国内に備蓄することなどの体制を取って安定供給に努めているところです。
 国内の生産というのも大切であるということは私どもも認識をしておりますけれども、国内の野菜種子については、気候が高温多湿傾向で病虫害も多い、植生が豊かであることから種子を得ようとする作物と近縁種が存在しない環境をつくり出せない、また、狭い土地に多くの品種が栽培されており交雑防止が困難である、高い生産技術が必要であり高齢化が進展する中で担い手の確保がなかなか困難だなどの問題があることから、現状では産地を確保するのがなかなか容易ではないという状況にあります。
 ただ一方で、国内の種子生産は重要です。農林水産省としても、種子の生産技術の継承や生産組織の確保に現在支援を行っているところでございます。令和三年度の概算要求でも、そういった支援策を要求をさせていただいております。

#25
○川田龍平君 この種苗生産者の保護や育成、またノウハウの継承や国内外の採種地の確保など、種苗の安定供給体制の維持、構築に向けた方策について伺います。

#26
○副大臣(葉梨康弘君) 国内においてですけれども、今、先ほど申し上げましたけれども、植物品種等海外流出防止対策強化事業のうち、種苗資源の保護という予算を要求しております。令和二年度では一億三千七百万円の内数、令和三年度は六億一千四百万円の内数でございます。これは、種苗生産の維持が困難である伝統野菜等の優良品種の種苗資源を保存する取組及び、令和三年度要求では、特性や遺伝子情報の評価など、遺伝資源保存活動の取組を支援すると、そういうような方策を講じているところです。

#27
○川田龍平君 内数ということで、はっきりした数字は農水省も把握していないということのようですが、国内の採種農家の減少は、伝統野菜など、在来品種の保護の面においても大きな打撃があります。
 各地の風土に応じて長い年月を掛けて栽培されてきた在来品種は様々な個性を有しており、後の世代、その世代に残すべき財産でもあります。将来どのような異常気象や災害が起きるか分からず、在来品種の個性が私たちを飢えから救ってくれるかもしれません。
 一九五〇年代以降、特に野菜ではF1の品種が席巻するというに伴い、この在来品種の生産は縮小して消え行くものが数知れず、品種の多様性が失われてきていることは大きな問題です。本来、農家に栽培され活用されながら後世や後代へと残すことがベストでありますが、それが難しいものについてはジーンバンクで保存する取組も重要であります。
 国においても、農研機構遺伝資源センターによる農業生物資源ジーンバンク事業が実施されております。そこでは、国内外の生物遺伝資源の収集、増殖、保存、特性評価、配布などが行われ、海外の試験研究機関とも協力して遺伝資源の保全に取り組まれています。このような取組は大変有意義だと思います。
 また、これとともに、特に在来品種の保全という観点からは、例えば広島県農業ジーンバンクのような地方自治体におけるジーンバンクの取組も注目されるところです。実際に私も視察して伺った話では、この広島県農業ジーンバンクは、先見の明を有する当時は竹下虎之助知事の音頭で設立をされて、現在基金で運営されていますが、維持運営費が掛かり、冷蔵庫などの設備の更新や人材の確保も大変厳しくなっているということです。
 この各地の在来品種を収集、保全する地方自治体のジーンバンク事業に対し、国としても支援していくべきと考えますが、農水省の見解をお聞かせください。

#28
○副大臣(葉梨康弘君) 先生御指摘のように、優れた品種を開発するためには、在来品種を含む遺伝資源を次世代に引き継ぐことは極めて重要です。地方自治体による在来品種の保全の取組も非常に意義あるものと認識しています。
 まず、農研機構遺伝資源センター、いわゆるジーンバンクでございますが、ここでは国内の品種を、国内の在来品種、現在約一万八千点保存しています。そこで、地方自治体が種子を保存できない場合の受入れや、種子を預かって保存する預託、また在来品種の原産地である都道府県から要請があった場合には、研究目的以外であっても、販売を目的とした栽培でも遺伝資源の無料での提供、さらには都道府県が管理する遺伝資源をデータベース化し、その情報を提供などを行っております。地方自治体が行う種子の保存や開発等に関する支援措置を講じてまいります。
 また、農林水産省としても、地域で古くから栽培されている伝統野菜等の利用を促進するため、地域における種苗生産体制づくりや、採種技術の講習会の開催など、産地が行う国内在来品種の保全の取組を支援をしているところです。
 またさらに、令和三年度概算要求において、国と都道府県等が連携し、各地に散在する在来品種等をワンストップで検索、管理、利用できる統合データベースを構築する予算を要求しているところです。
 地方自治体のジーンバンクとの連携を更に進めてまいります。

#29
○川田龍平君 是非この地域のジーンバンクを支えていただきたいと思います。また、広島や岡山にもあると聞いておりますが、まだまだ少ないですので、是非地域のジーンバンク事業、是非支援していただきたいと思います。
 私自身も、この地方自治体による在来品種の収集、また保全や、これはただ単に冷蔵庫や冷凍庫に保存していくというだけではなくて、活用して、この種を回していかなければなりません。そういった意味で、活用を支援する法制度を提案するべく、今準備を、法律案を準備を検討しております。是非これについても皆さんにも検討いただければというふうに思っております。
 現在、参議院の農林水産委員会において種苗法の改正案が審査をされています。新品種の育成者の権利を適切に保護することは重要ですが、種を取る農業者の権利とのバランスが大事です。新品種育成者の権利を守る国際条約であるUPOV条約においては、登録品種であっても、一定条件の下で農業者が次期作に向けて種を取ることは許されております。現行の種苗法もそうなっております。しかし、現在審議中の種苗法改正案は、農業者の登録品種の自家増殖について一律に育成者権の許諾を要することとするなど、バランスを大きく崩そうとしています。
 種子法廃止と同時に制定された農業競争力強化支援法八条四号には、公的試験研究機関が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進することと規定されております。さらに、同法第七条には、国は、良質かつ低廉な農業資材の供給、括弧略ですが、実現するための施策を講ずるに当たっては、農業生産関連事業者の自主的な努力を支援することにより、民間事業者の活力の発揮を促進し、適正な競争の下で農業生産関連事業の健全な発展を図ることに留意するものとすると規定されております。この適正な競争の下でという条件設定が、将来的に利いてくるのではないかと危惧する声があります。
 農林水産省は、登録品種の自家増殖を許諾制にしたとしても、農業上重要な食用作物の登録品種の多くは公的機関が開発しており、国や地方農業の振興のため税金を用いて開発された公的機関の登録品種については許諾料は高くならない、また民間種苗会社もその価格水準を見ながら値段設定するから高くならないと説明しています。しかし、この農業競争力強化支援法第七条によって、公的機関と民間の種苗会社との適正な競争の環境をつくるために公的機関の登録品種も高くならざるを得ないのではないかと懸念をされています。種代や許諾料が上がるかもしれず、今後も農業を続けていくことができるか不安だと考える農業者は、安心できる材料がないと心配をされています。
 農林水産省として、種子、種苗が引き続き安定的かつ安価に、安く農業者に提供されていく体制を構築、確保していくことを約束していただきたいのですが、農林水産省の見解を求めます。

#30
○副大臣(葉梨康弘君) 現在、許諾に係らしめているということで栄養繁殖のものがあるわけですが、例えばイチゴ、例えばじゃなくて、イチゴの場合は、増殖ではなくて、まず育苗をして、それで増やして、それから植えるという形で、自家増殖ではございませんけれども、現在のところ、民間開発品種が利用されている野菜においても、種苗代により農業者の経営が困難になっているという実態はないというふうに今のところ承知しています。
 それに加えてなんですけれども、種苗法が改正されても種苗生産費自体は変わりません。したがって、公的機関、民間企業の品種とも、種苗法改正を要因として種苗の販売価格が変わることはないんではないかと思っています。
 種苗の増殖に関する許諾料は、先生、もう農水省の見解聞かれましたけれども、公的機関において大きく変わることはございませんし、民間についても、公的機関の許諾料を見ていることから、私どもは大きく変わることはないと考えています。
 加えて、一般に農業者が登録品種を選択することにより得られる収益の増分を上回る水準に許諾料が設定されれば、登録品種以外の品種が多くある中で、農業者が当該登録品種を選択しないと考えられますので、このような水準に許諾料が設定されるということにはならないんではないかなというふうに考えています。
 なお、民間企業が供給する種子の中には、都道府県が供給する種子と比べて価格が高いものもあります。けれども、これらの種子は収量が多く、生産者の販売収入が多くなるなどの理由によって農業者の経営判断で選ばれているものと承知しております。
 全体として、むしろ多くの優良な品種の開発が進められることによって農業者の選択できる品種が増えていくのではないかというふうに考えています。

#31
○川田龍平君 コシヒカリやササニシキ、ゆめぴりか、つや姫など、地方自治体が地域振興のために地域に合った品種を多数作ってきました、主体的に作ってきました。今後、気候変動の変化が激化が予想される中で、より地域に適合した種苗の確保が必要であるだけでなく、環境などSDGsに合った、この目的にかなう種苗を開発するためには、やはり地域の多様な種苗を確保するために最適な主体は、地域の育種農家、企業体も含みますが、農協や地方自治体となると思います。
 しかし、この農業競争力強化支援法やイノベーション戦略二〇二〇においては、これらの存在が消えていて、産官学のバイオ研究が新品種の開発の中心になり、民間企業がそれを商品化するような位置付けになっています。国の方針の下で産官学の研究機関が、組織が新品種を主導する形では、地域に合った多様な品種を作ることはほぼ不可能になっていきます。
 また、農研機構の品種の値段が高いことも指摘をされています。これは、独立行政法人化されたことによってそうなっているのではないかと考えられています。この値段は地域の農家には負担になって、さらには、農研機構の種苗の値段を低く抑えて農家の負担を減らす必要があると考えます。
 この農研機構の開発品種はより広域なものが多く、やはり地域に合った種苗という点では、地方自治体が主力に位置付けられるべきと考えます。新品種を開発する主体としては、地域の農家、農協、地方自治体がやはり大きな役割を担う、確保する必要があると考えますが、中でも地方自治体というのはその中核的な役割を果たす必要があります。
 しかし、ここ十年、地方自治体の新品種開発数はほぼ半数に激減してしまっています。一九九八年から政府の地方自治体の種苗事業に対する財政支援が補助金から地方交付税になってしまったことに根本的な原因があるのではないでしょうか。地方自治体の主体的な役割を強化することがなければ日本の農村は地域に合った種苗を今後得ることが更に困難になり、地方自治体に種苗事業を抜本的に権限移譲し、財源も安定的に確保する体制に移行する必要があるのではないかと考えます。地方自治体の今後の育種をしていく上で、その地域の在来種が活用できる状態で維持されることが必要と考えますが、そのようなシードバンク事業というのが大変大事になってくると思います。
 そして、今世界では小規模家族農家が持続可能な農業の実現において最も効率的だという評価がなされるようになり、二〇一八年の十二月の国連総会でいわゆる小農宣言が採択されました。そこには、種を取る行為は小農の権利であると規定されています。この宣言に日本は棄権をしておりますが、日本が加盟している食料・農業植物遺伝資源条約、ITPGRにおいても、自家採種は農業者の権利として位置付けられております。
 種苗法改正案が農業者の自家増殖を制限することは、このような世界の潮流、流れに逆行するものと考えますが、農水省の見解を求めます。

#32
○副大臣(葉梨康弘君) 小農の権利条約ですけれども、あっ、いやいや、決議ですね、総会決議ですが、日本は棄権をしておりますけれども、他の先進国も多くの場合、棄権とか反対という形になっておりまして、これ強制力を持つものではない。もう一つの条約の関係ですけれども、これは自家増殖の権利を確保しているものではない。その上で、許諾といいますのは、必ずしも自家増殖を禁止しているものではございません。
 それと、もう一つは、一つの潮流として知的財産の保護という、全体として世界の流れというのもございます。UPOV条約でも必ずしも、自家増殖について許諾に係らしめるということも認められているというわけでございますので、問題はそこのバランスの問題だろうと思います。
 私どもの今回の種苗法の改正案というのは、そこをうまくバランスを取ったものであるというふうに私どもは認識をしています。

#33
○川田龍平君 種は元々は開発によって作られてきたというよりも、代々、元々の種を守ってきた自然の営みがあり、命の問題でもあります。そういった意味で、ここはバランスの問題と言いましたけれども、農家の権利をしっかり守っていかなければいけないと。農家がいなくなってしまったら作る人もいなくなってしまうということですので、本当に、権利だけ守って農業の営みが失われてしまうということは、これは農水省としてもしっかり避けなければいけないことだと思います。
 種苗法の改正案には、ほかにも様々な懸念の声が寄せられております。先ほど申し上げました登録品種の自家増殖が許諾制となることに加え、権利侵害の訴訟においても、これまでのような現物比較ではなく特性表という出願審査結果を示した書面が活用されることにより、権利者側が訴訟を活用しやすくなるものとなっております。このような改正案について、在来品種を栽培する農家の皆さんの間では、在来品種そのもの、あるいは少しだけ改変されたものが大企業などに勝手に登録されてしまい、これまでどおり栽培を続けられなくなるのではないかという懸念があります。また、自らが栽培する在来品種と風に乗って飛んできた登録品種の花粉とが交雑してしまった場合に、その種を取る行為について登録品種の権利者から訴えられるのではないかという懸念もあります。
 これも、時間なのでまとめますが、これらの懸念に対し農林水産省は、品種登録されるためには在来品種と異なる特性を有しないといけないから大丈夫、あるいは登録品種と全ての特性が同じ場合に権利が及ぶものであり、交雑した種は登録種と特性の全てが同じにならないため大丈夫だと説明していますが、その説明を伺ってもなおなかなか不安が解消されないのは、あくまでも理論上の説明にすぎないからそう聞こえるのかもしれません。
 本当に大丈夫だと信じられるには、国が在来品種の特性を熟知しているということが必要ですので、是非在来品種を収集、保存して、それをリスト化していくということも含めて、ジーンバンク事業をしっかりと国として支えていただくように、そして地方自治体が主体としてできるように、この小委員会でもありましたように、国が決めた法律に従って地方がやっていくのではなく、地方自治体の主体をしっかり後援する国の役割を担っていけるように、是非お願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 終わります。ありがとうございました。

#34
○竹内真二君 公明党の竹内真二です。早速質問に入らせていただきます。
 この小委員会では、これまで国と地方の行政の役割分担について、現在、地方が国との関係において抱えている負担などの観点から議論を行ってまいりました。現在、地方が直面している最大の課題は新型コロナ対策です。感染の波が再び広がりを見せ、日本全国で市民生活に深刻な影響を及ぼしている中、対応の最前線となる地方自治体を始めとした相談窓口の重要性が高まっております。
 しかし、最近は相談崩壊などといった対応窓口の危機も報じられるなど、職員の待遇改善や人員の確保などと並び、窓口の職員がより効率的かつ効果的に対応業務が行えるよう、国としても最大限の取組を行っていく必要があると考えております。
 本日は、こうした視点からお伺いしていきたいと思います。
 今般のこの新型コロナ対策では、国と地方の連携が不可欠です。未曽有の事態に国を挙げて十全な対応を行うため、政府からは、分野を問わず多数の通知や事務連絡が発出されてきました。この結果、住民の悩みや願いと行政とを結ぶ接点となる相談窓口では、刻々と変化する状況を反映した膨大な通知等の内容を把握しつつ住民への的確な対応を求められるという厳しい状況となっております。実際に新型コロナ対策関連の通知等の数を見てみますと、今年一月から八月に発出された通知、通達のうち文書番号が付いているものだけでも政府全体で六百一件あり、全体では数千件に上るのではと予測をされております。
 そこで、総務省にお聞きします。
 通知や事務連絡は自治体向けに発出されるものが多いと思いますけれども、通知等の件数を始めとした実態に関する総務省の把握状況、また、総務省が通知や事務連絡を自治体向けに発出する際の取組や工夫についてお伺いしたいと思います。

#35
○政府参考人(大村慎一君) お答えをいたします。
 新型コロナウイルス感染症の対応に際しまして、総務省においては、都道府県、指定都市の幹部と総務省職員との連絡体制を構築し、地方自治体に対して最新の情報の提供を行うなど、国と地方の連携に努めているところでございます。
 地方自治体への情報提供に当たりましては、全般的に、まず、受け手となる自治体職員がその内容を理解しやすいよう、できる限り簡素で明瞭なものにすることが重要であると認識をいたしております。総務省としても、具体の数は調査をできておりませんが、かなりの通知を発出しているところでございます。
 その上で、例えば、通知や事務連絡におきまして、重要な部分については下線を引くなど強調する、関係条文の内容を記載する、文書の内容を図式化する、参考となるホームページのURLを記載する、解釈に疑義が生じる点についてはQアンドAを添付する、重要度の高いものについては宛先を首長とする一方で、事務的な内容のものについては担当課長宛てとするなど宛先を使い分ける、こういった様々な工夫を行っているところでございます。また、内容に不明な点がある場合には自治体職員の方が容易に問合せができるよう、国の担当者の氏名や連絡先を明記することなど、今後とも、自治体職員が内容を把握しやすい情報提供に総務省として努めてまいりたいと考えております。

#36
○竹内真二君 様々な工夫をされている点は私も高く評価されるべきだと考えます。
 しかし、私も各省庁の、今回の様々な通知を実際に幾つも見てきましたけれども、件名から内容がすぐにつかみにくいものや、本文が難解あるいは長文で非常に理解に時間が掛かるもの、行政経験が豊富で専門性がある方々が取り組むにしても苦労が絶えないだろうなと、そう感じることがありました。もちろん、通知とは施策の実施に非常に重要でありまして、国としてもこの事態を何とかしなければとの強い思いを込めて地方に発出しているわけですけれども、現場となる地方の窓口対応に十分に活用いただける形で伝えられなければ、せっかくの取組も無駄になりかねません。
 そこで、総務省としても、それだけ手間が掛かることもあるわけですから、職員の負担にも配慮しつつ、地方自治体の窓口負担の軽減のために、通知や事務連絡の改善、引き続きしっかりと取り組むべきであると考えますけれども、いかがでしょうか。

#37
○政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。
 国と地方公共団体は、適切な役割分担の下で、国民福祉の増進という共通の目的に向かって相互に協力する関係にございます。各府省からの通知等の発出に関しては、先日の予算委員会におきましても菅総理大臣から、地方公共団体における住民サービス等を圧迫することのないよう簡素かつ明瞭を旨とすることが重要であり、そうしたことに気を付けながら全体として取り組んでいきたいとの御答弁があったと承知をしております。
 総務省といたしましても、総理の御指摘を十分に踏まえながら、地方公共団体の効率的な行政運営に資するよう取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。

#38
○竹内真二君 是非よろしくお願いいたします。
 次に、こうした状況において、相談対応の改善に向けて各自治体が具体的に取り組んでいる事例について目を向けてみたいと思います。
 新型コロナに関する相談について、人工知能によるメール形式の自動会話プログラムであるチャットボットなどのデジタル技術を活用して時間外の問合せに多言語で対応するなど、住民サービスを向上させつつ、窓口職員の負担軽減を図っている自治体もあります。あるいは、手続に必要な書類や提出窓口について、スマートフォンで質問に答えれば分かるような仕組みを導入している自治体もあり、こういったデジタル技術を活用した先進的な取組も各地に広がっております。
 シンプルな質問や案内、時間外の問合せへの対応をAIの活用やデジタル化によって効率化することにより職員が本来の相談業務に更に集中することができれば、住民サービスの向上につながると考えられます。
 政府は、行政のデジタル化推進を今掲げています。新型コロナの状況を考えれば、デジタル技術を活用した自治体の先進的な取組への支援や自治体業務の効率化の必要性が高まっていると考えられますけれども、政府の取組をお伺いいたします。

#39
○政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。
 自治体において、行政サービスの更なる向上、効率化のため、デジタル化を進めていくことが極めて重要でございます。
 御指摘のチャットボットを含め、AI、RPAを活用した自治体の取組の支援といたしましては、自治体が導入する際の経費に対して地方財政措置を講じております。また、自治体の求めに応じて、情報通信技術に精通したデジタル人材の派遣等も行っております。こうした措置を通じて、引き続き自治体における行政運営の効率化を支援してまいります。
 以上でございます。

#40
○竹内真二君 実は、私の所属する千葉県でも、今年四月から、新型コロナに関してスマホ等の問合せでAIのチャットボットによれば多言語で答えられるサービスというものもいち早く開始しております。二十四時間外国人にも対応する、電話相談の担当者の負担軽減効果もあるということで、当初、四月スタートの十日間だけでも一万三千件の相談があったというふうにも聞いておりますので、引き続き、相談窓口の対応という意味でも、こういったものを支援していただきたいと思います。
 次に、国の相談窓口としては、総務省行政評価局が実施する行政相談というのがあります。各地方に配置している行政相談センターや行政相談委員が住民の相談を受け付けています。自治体と合同で相談を行う日を設けるなど、自治体との連携も行っています。さらには、この行政評価局は、新型コロナに関して、行政相談における対応状況の公表や行政相談委員への調査なども行っています。
 こうした相談に関するそれぞれのノウハウの情報の共有、日々の連携といった地道な取組が重要であると思います。国と地方双方の相談対応全体の改善につながると考えますが、総務省の取組と今後の方針について説明をお願いしたいと思います。

#41
○政府参考人(白岩俊君) お答え申し上げます。
 行政をめぐる相談につきましては、相談者である国民の皆様に、国のことか地方のことかというようなことを区別をあらかじめすることを求めるのは、ほとんど意味がございません。したがいまして、相談を受けてから国と地方が連携して相談に対応する考え方、これがとても重要だと思っております。
 そこで、自治体と合同で相談を行う、委員御指摘の一日合同行政相談所、あるいは、新型コロナウイルス感染症に関しては、国と地方の関係機関の窓口や各種支援策を一覧にまとめたガイドブックを作成して配布しております。また、国民に身近な行政相談委員の活動、この方々は、国、地方からの推薦を受けて、私どもの委嘱を受けているわけでございますけれども、この方々の活動の支援など、自治体との情報の共有、連携を進めております。
 今後とも、国、地方が連携して国民の相談に真摯に対応していけるよう、現在の取組だけで満足することなく、努力を重ねてまいりたいと思います。

#42
○竹内真二君 今御答弁にありましたガイドブックなんですけれども、大変分かりやすくできていて、私もすばらしいものだと思いました。こういったガイドブックの取組等も含めて、引き続き対応をよろしくお願いしたいと思います。
 最後の質問になりますけれども、これまで述べてきたような自治体の相談窓口の改善については、より具体的、効果的に進めていくために、国として自治体の相談窓口における現状や課題をしっかりと把握していく必要があるのではないかと思います。先ほど行政相談の実施主体として紹介した総務省の行政評価局では、行政評価局調査を実施しております。地方組織も活用して、あらゆる行政上の課題の把握、改善に努めていると承知をしております。
 そこで、この総務省行政評価局が地方自治体の相談窓口のこの厳しい実情に配慮して、重要な課題と受け止めて様々な調査もしていくべきと考えますけれども、総務省の見解をよろしくお願いいたします。

#43
○政府参考人(白岩俊君) お答え申し上げます。
 地方自治体の相談窓口には、各種施策を担当する部局での対応窓口や一括して相談を受け付ける総合窓口、あるいは専門的分野について士業団体などの専門家の方の御協力を受けて相談などを受け付けるものなど、多様な形態があります。したがって、現場での課題も実に様々であると考えております。
 委員の御指摘は、相談窓口を始めとして、地方自治体が置かれた厳しい実情に十分に配慮をすべきとの御指摘かと思います。
 行政評価局では、様々な施策に関し調査を行い、行政上の課題を把握し、その改善に努めているところですが、調査や報告を行う際には必ず現場の実情を視野に入れるよう努めているところでございます。
 例えば、せんだって公表した認知症高齢者等の地域支援に関する実態調査では、認知症の高齢者の方を支援する認知症初期集中支援チームの実態を調査したところ、国が制度を企画した段階では必ずしも想定していなかった活用事例が見られました。これを踏まえて、厚生労働省に対しては、制度の考え方を押し付けるのではなく、各地の取組を踏まえた柔軟な対応が可能となるよう勧告いたしました。
 このほかにも、空き家対策等で現場の状況を踏まえて柔軟な対応をするよう勧告等を行っているところであります。
 今後とも、地方の置かれた厳しい実情について、重要な視点として調査を実施してまいります。
 以上でございます。

#44
○竹内真二君 ありがとうございます。
 是非、この行政評価局の調査でも、相談窓口に十分配慮したいろいろな調査も進めていただきたいと思います。
 新型コロナウイルスが現代における相談窓口の重要性というものをある意味では改めて浮き彫りにしているとも言えます。より良い住民サービスを行うために、国や自治体は、この通知、事務連絡の改善やデジタル技術の活用、国と地方の連携に当たって相談窓口の重要性を強く認識して取組を進めていただきたいと思います。
 このことを強くお願いいたしまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。

#45
○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。
 本日は、国と地方の行政の役割分担ということで、我々日本維新の会が一丁目一番地としている統治機構改革、すなわち地方への権限、財源の移譲及び道州制導入などの観点から、広域行政の在り方を中心に質問させていただきたいと思います。
 我々が考える統治機構改革の理念の一つに、できる限り権限、財源は自治体に下ろして、国は外交、防衛やマクロ経済などに限定して行政運営を行っていくという点があります。そのプロセスの中で、広域自治体と基礎自治体の二重行政打破が必要と考え、大阪都構想を打ち出してまいりましたが、残念ながら、御承知のとおり、二度の否決という結果でありました。この民意は厳粛に受け止めておりますが、多くの賛成票もいただいたこと、そして維新の政治の実績へ評価をいただいたことを踏まえれば、改革の精神と理念について旗を下ろすということは一切ございません。
 加えて、今回のコロナ禍で露呈されたのは、都道府県という広域行政単位の限界です。現状、ベッドや医療の逼迫状況について見れば、特定の都道府県が逼迫しているというのも実情の一つであります。もちろん、これには様々な要因が複合的に存在するものの、これは都道府県という単位で医療救急体制をしいてきたことにも原因が考えられ、都道府県境を越えた融通、対応ができれば、状況や見通しはかなりの程度変わってまいります。都道府県を単位としない広域行政をこのコロナ禍を契機に再度検討するべきではないでしょうか。
 そもそも、現在の都道府県という広域行政の単位は、人や物の移動手段が徒歩や馬が中心だった時代に構築された制度です。高速移動手段やインターネットなどが高度に発達した現代社会においては、狭い日本の国土を四十七分割して、それぞれの都道府県が公安行政から警察、消防、医療までフルスペックで装備、対応しているやり方は、明らかに非効率的、非合理的なものになっています。
 そこで、具体的に導入されるべき制度が地方分権型の道州制であり、政府や国会でも長らく議論されてきたと認識しております。しかし、残念ながら、実態としては何一つ進んではおりません。そこで、我々も、権限移譲と徴税権を含む財源移譲を行った上でスムーズな道州制導入の実現ができるよう、今の制度でどこまで都道府県の枠を越えた広域行政ができるのかを改めて調査検討をしているところでございます。
 前置きが長くなりましたが、ここで一つの大きな問題として、広域行政の制度事務や地方分権の事務について様々な部局がばらばらに取り組んでいることが挙げられるのではないかと感じております。
 例えば、道州制導入の実験的な取組である道州制特別区域制度については内閣府が所管官庁である一方で、事実上の道州制に近い関西広域連合に代表される広域連合の所轄省庁は総務省となっています。また、地方分権改革については内閣府に別の部署がある一方、広域自治体と基礎自治体の権限の振り分け、権限移譲を扱う部署はまた総務省にあります。こうした現状は、国と地方の行政の役割分担を含めた統治の在り方について大きなビジョンを持って取りまとめている組織がないということではないでしょうか。
 そこで、道州制特別区域、道州制、国から地方への権限移譲、広域連合、それぞれの担当省庁が異なるというこういった現状ですが、こうした状況をどう捉えているのか、見解を伺います。また、これらを含めた統合的な統治機構改革に関する会議体や担当部局は存在するのかどうか、お伺いをいたします。

#46
○政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。
 地方に関連する政策に関しては、地方公共団体の組織運営に関する制度の企画立案等については基本的に総務省が所管しつつ、各府省を通じた調整等を要する地方分権や道州制については特に内閣府等が所管するといった分担がなされているものと考えております。
 内閣総理大臣の諮問に応じて地方制度に関する重要事項を調査審議する地方制度調査会が制度化されており、これまで地方自治法等に関わる事項とともに、地方分権や道州制に関する事項も担ってきているところでございます。
 以上でございます。

#47
○音喜多駿君 地方制度調査会があるという御答弁でありましたけれども、この調査会は、道州制や大都市制度、市町村合併や地方分権など、確かに必要な議論がされ、答申も出されてきたと認識をしています。
 しかしながら、この調査会を受けて、政府がビジョンを持って、ではその統治機構改革を進めていく、この組織体がないというのが実情ではないでしょうか。総務省と内閣府が連携して新しい国の形を目指している、そういった常設の組織体も見当たりません。
 そこで、ビジョンを持った統治機構に関する総合的で実行力のある常設の会議体若しくは部局を政府内に設置するべきと考えますが、地方自治を統括する大臣の見解をお伺いいたします。

#48
○国務大臣(武田良太君) 昭和二十七年、地方制度調査会設置法が制定されて以来、累次の地方制度調査会においては、地方分権や道州制を含む地方制度の在り方について幅広く審査、審議をされてまいりました。
 同調査会は、内閣総理大臣の諮問機関として総理がその立ち上げや諮問事項を決定してきており、今後とも、地方制度に関わる様々な問題について地方公共団体を始め関係者の御意見に幅広く耳を傾けながら必要な対応がなされるものと考えております。

#49
○音喜多駿君 事前の意見交換も役人の皆さんとした際にも感じたことなんですけれども、この新しい国の形、国と地方の役割分担というビジョンは、やはりこの政治主導で事を進めなければ進まない分野であって、大臣を含めた政治家のリーダーシップというのがとりわけ求められているように思います。
 我々日本維新の会としても新たな設計図を示してまいりますので、今後もこの統治機構改革、この建設的な議論を行いたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 これに関連して、次に、道州制移行に向けてスムーズなものを考えた際に、現行制度でどこまでできるのかという観点からお伺いをさせていただきます。
 この点、先ほども例示で挙げさせていただきましたが、道州制特別区域という制度がございます。これは、主に北海道に適用されることを念頭にした制度であるものの、法律をよく読み解いていくと、三以上の都府県をまとめて特定広域団体とすることも可能な法律制度となっており、全国一斉にではなく、ある特定の地域から段階的にいわゆる道州制へと移行するのに適用できる制度というふうに組み立てられております。
 そこでまず、本制度の根拠法である道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律、この施行後の進捗状況、特に成果についてお伺いをいたします。

#50
○政府参考人(宮地俊明君) お答え申し上げます。
 道州制特区制度は特定広域団体からの提案を受けて国から事務事業の移譲等を行う仕組みでありまして、これまで六次にわたり北海道からの提案を受けております。
 成果といたしましては、商工会議所に対する認可の一部など六つの事務と開発道路に係る直轄事業など四つの直轄事業を国から都道府県へ移譲するとともに、全国的な措置につながった項目が八件、実務上の対応がなされた項目が十四件となっております。この道州制特区制度により移譲された事務事業では、従来から北海道が実施していた事務事業との一体的な実施により効率的な執行が図られている例や、事務の標準処理期間の短縮化といった利用者の利便性の向上につながる成果などが出ているところであります。
 以上でございます。

#51
○音喜多駿君 平成十九年の制度施行後、国から北海道に移譲された事務事業などが数件から十数件ということでして、数字にしてみるとやや不十分なものかと思いますが、本制度の取組が実を結べば道州制移行の礎となることも考えられますので、改めてこの検討を進めていただきたいと思っております。何より、本制度の基本方針を読みますと、将来の道州制導入の検討に資するため推進するとも明記がされております。
 そこで、こちら、政務官お越しいただいたので伺いたいんですが、本制度の基本方針に、将来の道州制検討に資するためとある中、同法施行後、本制度を踏まえて道州制導入について前向きな検討は政府内でなされているのでしょうか。お伺いをいたします。

#52
○大臣政務官(吉川赳君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の道州制特別区域制度に関してでございます。
 これ、委員も十分御承知のとおりかと思いますが、同推進法の施行後、道州制については平成十九年の一月、これ第一次安倍政権でございましたが、設置されました道州制ビジョン懇談会において議論がなされております。また、翌年の平成二十年の三月でございます、ここで中間報告が取りまとめられました。ただ、その後の平成二十二年、これ民主党鳩山政権時に最終報告が出されないまま廃止ということになっておりますので、我々としてはこの中間報告に基づいてでございますが、この中間報告におきましては、道州制の理念、目的、制度設計の基本的な考え方や導入のメリットやプロセスなどに加えて、道州制の準備段階において道州制特別区域推進法を有効に活用することの意義についても提示をされているところであります。
 また、その後も各党での議論がなされてきておるところでありますが、いずれにいたしましても、道州制は国と地方の在り方を根底から見直す大きな改革であることから、その検討に当たっては、地方の声を十分にお聞きしつつ、国民的な議論を行いながら丁寧に進めていくことが重要であると考えており、今後、国会における御議論も踏まえつつ対応してまいりたく思います。

#53
○音喜多駿君 取組状況を理解いたしました。
 しかし、繰り返しになりますが、本制度の基本方針には、その実績を積み重ねていくことにより、将来の道州制導入に向けて国民的な議論の進展に資することが期待されると、こう明記をされているわけです。しかし、残念ながら、現状、平成の時代が終わって令和になりましたけれども、国民的な議論に至るまでの実績を進めていないのではないかと、あるいは議論を巻き起こすような政治主導の動きがないのではないかと感じております。
 この制度については、ちょうど本年期限を迎えるということで、更に延長がなされる見込みであるとも伺っております。そこで、道州制特別区域制度の延長に際しては、本制度を道州制導入の礎とし、段階的な道州制導入を視野に入れて、政治的な明確な意思を持って運用していくべきと考えますが、政務官の御見解をお伺いいたします。

#54
○大臣政務官(吉川赳君) この御議論いただいております道州制特別制度でございますが、これは、やはり将来の道州制導入の検討に資することが期待されているものであります。
 今後とも、北海道との連携、これをしっかりと図りながら成果を積み重ねていく、この成果、先ほど参考人の答弁でありましたとおりでございますが、こういったことを積み重ねながら、将来の道州制の導入も含めた広域行政の在り方の議論の参考となるよう、引き続き取組を進めてまいります。

#55
○音喜多駿君 私は東京都選出の参議院議員でございますけれども、これ一都三県五政令市にまたがるこの経済圏をどうまとめていくか、一都三県五政令都市をなるべくまとめてグレーター東京、こうした構想も検討しているところでございます。是非、この制度の行方には我々も注視してまいりますので、今後も建設的な検討を重ねていきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 残された時間、総務大臣にも御出席いただいておりますので、情報公開制度についてお伺いしたいと思います。
 菅政権が発足後、最も力を入れている分野に行政のオンライン化、IT化があり、この点、我々も大いに期待をしているところです。
 一方で、国民と政府の大事な懸け橋である情報公開制度について調べたところ、国交省や厚労省など一部の省庁を除いて情報公開請求がオンラインでできず、また開示もオンラインで提供されないということが分かりました。
 こうした点についてどのような問題意識を持っているか、オンライン化を進める議論は出ているのかどうか、まず内閣府に進捗状況をお伺いいたします。

#56
○政府参考人(時澤忠君) お答えいたします。
 情報公開請求のオンライン化の在り方につきましては、方針などが決定されているものではございませんが、一般論を申し上げますと、行政手続のデジタル化につきまして、デジタル手続法等に基づきまして行政の在り方の原則を紙からデジタルに転換することを目指しまして、情報システムの整備を総合的、計画的に実施することの取組などを通じて推進をしております。
 このような行政手続のデジタル化に当たりましては、デジタル化自体が目的とならないように、事前に、利用者と行政機関のフロント部分だけではなくて、バックオフィスも含めましたエンド・ツー・エンドでデジタルを前提とした業務プロセスの見直しなどを徹底し、行政サービスの利用者の利便性の向上や行政運営の簡素化、効率化、これを図ることを求めております。
 情報公開請求のオンライン化に当たりましても、こうしたエンド・ツー・エンドの業務プロセスの検討を行うことが重要であると考えておりまして、内閣官房としましても関係省庁とよく連携して検討してまいりたいと考えております。

#57
○音喜多駿君 デジタル化についてはいろんな御議論があると思うんですが、この情報公開についてはそれほど難しい話じゃなくて、これができた方が利用者にとって利便性が向上するということはほぼほぼ明らかな政策課題になっているわけです。もう、しかも実際には、先ほど申し上げたように、この情報公開請求については既に国交省、厚労省、あるいは地方自治体でも東京都などはオンラインで対応していることから、これオンライン対応しない、できない理由を探し出すことはもうこれは困難であって、これは政治のリーダーの一言で変えることができるものだと確信をしております。
 そこで、最後に、情報公開制度の所轄省庁である総務省として、情報公開請求書の受理及び開示の実施を各府省にオンライン化できるよう求めるべきだと考えますが、総務大臣の見解をお伺いいたします。

#58
○国務大臣(武田良太君) 御指摘のように、情報公開請求への対応をオンラインで行っている府省が一部となっていることは承知をいたしております。
 今後、更にオンライン化は進めるべきと、このように私も考えておりますし、国民の利便性の向上や行政、業務の効率化等のバランスを考えながら業務プロセス全体の検討を行う必要があると思います。
 情報公開に係る手続について申し上げれば、請求の受付や開示の実施といった業務の一部だけではなく、対象文書の探索、特定や開示、不開示の判断を含めた情報公開業務のプロセス全体を一貫してデジタル化することが重要と考えております。現在、内閣府におきまして文書管理全体の電子化に向けた検討が進められているところと承知しておりまして、そうした中で、情報公開に関する事案について確実、効率的な処理が可能となるよう、総務省としても必要な検討を行ってまいりたいと思います。

#59
○音喜多駿君 前向きな御答弁ありがとうございました。
 終わります。

#60
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。
 本日は、国と地方の行政の役割分担に関する件、特に外国人児童生徒に係る課題について伺ってまいりたいと思います。
 昨年、文科省が実施した初の全国調査により、およそ二万人の外国人児童生徒の不就学実態が明らかになりました。日本で暮らす外国人児童生徒はおよそ十二・四万人ですので、実に六人に一人が不就学だということになります。
 ユニセフによれば、小学校に通っていない子供の割合が世界で最も高い地域はサハラ以南のアフリカ地域で、それでもおよそ五人に一人だそうなので、日本における外国人児童生徒の不就学実態がいかに異常かお分かりいただけると思います。
 にもかかわらず、市区町村の教育委員会が作成している義務教育年齢の子供たちの名前を記載した学齢簿には、外国人児童生徒の名前はありませんでした。ありませんでしたと申し上げたのは、この不就学実態調査を受けて、国は二〇二〇年度から、自治体の転入手続担当部署と教育委員会が連携することで外国人児童生徒の名前を学齢簿に記載するように促しておりまして、各自治体の動きは出てきたものの、いかんせん外国人児童生徒は就学義務を負っていないため、最終的には自治体が独自に対応、判断するしかなく、法的根拠がないことにより、不都合や、住民基本台帳と連携したシステムを使用することにした自治体では公立学校以外を希望した児童生徒のデータの取扱いに現在苦慮しております。
 さて、大臣、現在、教育委員会の分掌規程に外国人の子供の教育に関する記載は、九二・三%の確率でございません。就学案内や手続等する旨を規定していない自治体は九六・三%に上ります。一方で、外国人教育に携わる業務を職務と明確に位置付けて取り組んでいる岐阜県可児市のような自治体では不就学児童生徒がゼロになったというような好事例も出てきております。
 もうこの国にはたくさんの外国をルーツとする子供たちが生きております。この国で存分に学び、働き、家族をつくって、納得して税を納めていただける生活者になってもらわなければなりません。そのために必要なこととして、国は就学義務について検討を行い、その結果を得るまでは、地方自治体の行政、つまり職務として取り組んでいただくことが必要ではないかと思うんですが、大臣の御所見、お聞かせください。

#61
○国務大臣(武田良太君) 文部科学省に問合せをいただきたいと思うんですけれども、その上で、外国人児童への支援を含めた外国人教育について、文部科学省によれば、外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握等のために地方公共団体が講ずべき事項について、指針を取りまとめて教育委員会に対して通知、また、外国人の子供の就学促進や学校での受入れ体制の整備のための補助事業の実施といった施策が講じられておるとのことです。
 御指摘のあった外国人住民の比率が高い岐阜県可児市におきましても、日本語教育、学校生活への適応への支援が必要な外国人児童が多く、これらに関わる取組が行われているものとされています。
 我々としても、地域における外国人住民との多文化共生を推進する観点から、文科省含めて関連府省の施策を周知し、地方公共団体における取組を促してまいりたいと思います。

#62
○伊藤孝恵君 総務大臣、実は私、文科委員でして、もちろん萩生田文科大臣にもこの件伺っております。
 令和元年十二月五日の文科委員会の議事録には、萩生田大臣が、やっぱり縦割りの中で、義務教育の対象じゃないがゆえに、住民基本台帳があったとしてもそのひも付けが小学校入学前の手続につながっていなかったこと等が大きな問題だと思っており、来年度以降、総務省と連携して課題を解決していくと答弁をされております。
 また、菅総理が掲げる行政の縦割り、あしき前例主義を打ち破る、ああいったスローガンがございますので、今、縦割り行政を乗り越えて総務大臣にお伺いしたところでございます。
 国は、しっかり自治体にやってくれというふうに通知をしたり、依頼をしたりしております。一方、自治体は、国が就学義務化しないことが問題だと述べる。こういった押し問答がこの課題の解決を先送りしているというような指摘もございます。
 大臣には、是非、政府の一員として、この国の未来に必要な施策として、この外国人児童生徒の就学義務化、検討するとともに、総務大臣として自治体に対応を求めるのであれば、それ相応の人的そして財政的な支援を何とぞよろしくお願いいたします。
 資料二を御覧ください。本日お配りしている資料二ですが、コロナ禍における外国人学校の様々な工夫や苦悩を報じる新聞記事でございます。
 特に見ていただきたいのは、岐阜県美濃加茂市の外国人学校でクラスターが発生した際、ここが公立学校ではなく、私学の一条校でもなく、子供たちがあらゆる居住地から県や自治体をまたいで通ってきている外国人学校なので、コロナの陽性者の把握や対応が学校所在地の自治体のみでは難しいこと、情報共有等にも課題がある旨が書かれております。
 そもそも外国人学校の健康問題については、愛知淑徳大学の小島祥美教授など、外国をルーツとする子供たちの支援をずっと続けていらっしゃる識者からは以前から指摘されており、外国人学校は学校保健安全法や日本スポーツ振興センター法の適用外であるがために、国が定めた定期健診を受けられない、公費での結核検診が受けられない、保健室もない、養護教諭もない、そんな状態が続いております。
 大臣、これ、結核検診というのは周囲への感染を防ぐ公衆衛生的な意味合いもございますので、公的支出の根拠があるというふうに思います。にもかかわらず、自治体間で大分対応の違いが出ております。これ、適切だと思われますでしょうか。

#63
○国務大臣(武田良太君) 適切、不適切ということを私の立場で答えるべきものではないと思いますし、各自治体は自主自立、しっかりとコロナウイルスには対応していっていただけると思いますし、先般、私の方から千七百四十一全ての自治体に対して、コロナウイルスには総力を挙げて取り組んでいただくべくの通知を発達させていただいた次第であります。

#64
○伊藤孝恵君 是非、自治体ごとにいろいろ対応の違うこの件について知っていただいて、自治体とコミュニケーションする際には課題提起をしていただければ幸いに存じます。
 我が国というのは、教育のみならず、子供たちの心身の健康を願って、学校内に独自の職種、養護教諭というものを生み出しました。これ、日本独自のもので、英語では訳すことができないのでヨーゴティーチャーというふうに訳されて呼ばれて、各国の尊敬を集めている存在だそうです。こういったかけがえのない文化というのを共有することも共生の、それをつくる、共生社会をつくる一助であると思います。是非御検討をよろしくお願いいたします。
 さて次に、自治体DXについて伺います。
 今回、特別定額給付金に係る一連の自治事務に二か月も三か月も掛かるという、DXとは程遠い我が国の現状を確認したところであります。菅総理は、令和七年度までにDXを完成させる方針を示すとともに、IT基本法改正案の骨子をまとめ、来年九月のデジタル庁創設を目指すとしています。そういった政府の動きに合わせて、地方自治体におけるデジタルトランスフォーメーションも推進していく必要があり、年内には自治体DX計画が策定され、令和三年度予算の概算要求においても、総務省は前年度予算の五倍以上となる三十八・八億円を要求していると承知しております。
 資料一を御覧ください。現在、十億円弱を投資して厚労省が開発中の要保護児童等のケース記録を自治体間で情報共有するシステムです。これ、香川県から東京都の目黒区に移転した後、両親による虐待で僅か五歳で命を奪われた女の子の、あの本当に悲しい事件をもとに受けて開発されているものですけれども、今までケース記録、郵送かファクスで共有されていたものを、今回PDF化して、LGWAN―ASPで見られるようにしただけの、それだけのものです。
 自治体や児相のみですので、例えば幼稚園とか保育園とか小学校、病院、警察、場合によっては裁判所など、子供たちを見守っている多機関連携というのをかなえたものでもなく、AIによるリスクアセスメントができるわけでもなく、業務過多や経験不足の児相職員の業務を補完するものでもない、ただのOCR機能付きのPDFです。これがあれば五歳の女の子が亡くなることはなかったのかなんてシステムには全くなっていないんですけれども、リモートアクセスもできませんし、このクラウド・バイ・デフォルトと言われているのに、しっかりしたサーバーを構えてですね、ベンダーロックイン状態で、本当に突っ込みどころ満載のシステムであるんですが、今日伺いたいのはこのシステムの内容ではありません。補助率の話です。
 資料中段を見ていただくと、このシステムの補助率は、国が二分の一、都道府県、市町村二分の一となっております。こんな微妙なシステムを入れるために自治体は相当な出費を要するということです。
 大臣、この件に限らずなんですけれども、今後、自治体のデジタル化全般を推進していく上で、システム改修費の補助率、二分の一では不十分だというふうに考えますが、いかがでしょうか。

#65
○政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。
 委員御指摘のシステムについては、厚生労働省が所管しており、その必要性、適切な補助率等については厚生労働省において判断されるものというふうに考えております。
 以上でございます。

#66
○伊藤孝恵君 このシステムについては、厚労省とも何度かやり取りをさせていただいております。今回、その補助率について特にお伺いしたく、これから自治体にいろいろそのシステムを導入していく、自治体DXを推進していく上で、この補助率というのが、どれもこれも、あれもこれも二分の一であれば、自治体は相当な出費を要するわけです。こういった形で推進していくというふうに思われますかというふうに問いました。

#67
○国務大臣(武田良太君) 地方自治体において、行政サービスの更なる向上、効率化のため、デジタル化を進めていくことは極めて重要なことだと思います。
 このため、先般、専門家や先進的な地方自治体に御参加いただき、地方自治体のデジタルトランスフォーメーション推進に係る検討会というものを立ち上げました。この検討会において、標準化に伴う業務プロセスの見直しや行政手続のオンライン化を含め、地方自治体のデジタル化の進め方を検討しているところであり、その中において、地方自治体において適切にデジタル化が進められるよう、財政支援を含め、支援策についても取りまとめられていると承知しております。

#68
○伊藤孝恵君 大いに検討していただきたいんですが、先ほど高橋委員からの質問でもあったんですね。地方自治体は、来年度の税収減というのは見込まれていることに加えて、新型コロナウイルス対策のために財政調整基金などの取崩し、これが大分進んでしまっております。財政状態というのは大変厳しいものになっているというような声が各地から上がっております。
 コロナの収束時期というのはいまだに見通せない中で、その中でDXの推進というのを国がしていくぞというふうに掛け声を掛けられても、この補助率次第では、うちは付いていけないよと、うちはまだそれどころじゃないよというような自治体も出てくるんじゃないかというふうに思います。
 本当に自治体DXを進めるのであれば、こういった国の財政支援というのは不可欠だと思うんですね。今検討していただいているというふうに伺いましたけれども、財政当局と協議を積極的にしていただいて、是非、この補助率というもの、それから本当に必要なシステムというのを検討しながら進めていただきたいと思います。
 非常に大事な自治体DXの件です。最後に、大臣の御答弁、お願いいたします。

#69
○国務大臣(武田良太君) このコロナ禍において地方経済疲弊しており、地方税収入もかなり大幅に下がるということが予測されている中で、我々としては、この先生御指摘の分野の財政措置も含めて、とにかく一般財源確保、これをしっかりとやることが我々の責任であると思い、しっかりと臨んでいきたいと思います。

#70
○伊藤孝恵君 こちらも、児童虐待をなくするために必要なシステムだと厚労省は言うんです。しかしながら、じゃ、これ、児相があるところは全部導入するんですねというふうに聞くと、恐らく全部導入すると思いますというふうにお答えになるんです。
 それもこれも、これが十分の十だったら、それはみんなシステム改修をして、みんな情報連携をするかもしれませんけれども、今この状況で、二分の一、そして、ただのPDF化した、既存の郵送やファクスでやり取りをしていたものをPDF化するだけのその情報連携に支出ができるだろうか、そういったところも非常に疑問なところであります。
 是非、自治体DX、大切なことだと思います。財政措置も含めて御検討をお願いして、質問を終わらせていただきます。

#71
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 今日は、高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のごみの最終処分場をめぐる問題についてお聞きをいたします。
 北海道の寿都町と神恵内村で最終処分場選定の第一段階となる文献調査が始まりました。九月上旬、畠山和也前衆議院議員と寿都町に伺って住民の皆さんとの懇談を行ってきました。町長が文献調査への応募検討を示した直後のことになります。
 その懇談の中では、東京に住む孫から、最終処分場が造られたらもう遊びに行かないと言われてショックを受けたとか、子供や孫、そのずっと先の世代まで十万年も最終処分場を残すことは許されないなど、不安や怒りの声が参加された方から次々と寄せられました。同時に、懇談会に参加をしたいんだけれども周りの目があって参加できないと、こういうふうに言われたなど、町民に分断が持ち込まれる、そういう事態にもなっています。
 立地調査の流れの中には、住民の意見を聞く場はありません。町民の意見が分かれて納得は得られていないにもかかわらず文献調査への応募が行われて、認可されたことに怒りの声が上がっています。周辺自治体はもちろん道内の自治体からは、一次産業や観光への影響を心配する声、北海道には特定放射性物質を受け入れ難いとする条例があり、その考えを遵守すべきとか、文献調査は当該市町村の判断だけで受け入れることが可能なのは問題だなどの意見も出されて、道漁連が断固反対と知事に求めるなど、市民団体なども含めて反対、慎重な検討を求める声が上がって、それは今も広がり続けています。道内の世論調査では、両町村での文献調査の実施に反対、どちらかといえば反対と答えた方が七割近くにも上る状況となっています。
 文献調査は、期間を二年として、二十億円を限度に電源立地地域対策交付金が交付をされます。寿都町は、文献調査を受け入れる理由の一つにコロナ不況、町財政の逼迫を挙げています。神恵内村は、泊原発が立地をしている泊村に隣接をしていて、一九八四年から原発交付金を受け取ってきました。
 十一月十一日、北海道議会の決算特別委員会で我が党の真下紀子道議が、一九八四年から昨年までの三十六年間にこの神恵内村が受け取った原発交付金の額を確認をしました。そうしたところ、約五十六億円というふうな答弁がありました。神恵内村ではこの電源立地地域対策交付金を活用してどんな事業が行われているのか、その事業の概要を見てみますと、毎年のように消防士とか保育士、保健師の人件費に充てられているんです。ほかには、小中学校の改修工事などが行われています。原発交付金のない自治体は、同じ事業に地方交付税を充てているわけですよね。
 神恵内村が電源立地地域対策交付金を活用して行った事業費がどのぐらいになるのかお聞きしたいんですけれども、二〇〇七年度から二〇一九年度までの総事業費の合計は幾らになるでしょうか。

#72
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 行政文書を通じて確認できる範囲でお答えすることになるものですから、その範囲で申し上げますと、二〇一四年度から二〇一九年度まで、これが文書保存期間でございます、この期間において神恵内村が電源立地地域対策交付金を活用して実施した事業の事業費について申し上げます。総額約六億円、うち交付金充当額は約五・八億円であったというふうに認識してございます。

#73
○岩渕友君 こちらでは調べて、二〇〇七年度から二〇一九年度までの総事業費の合計というのは十六億二千九百四十七万四千三百七十六円になるんですね。これに対して、十五億円以上の交付金が充当をされています。
 二〇〇七年度から一九年度の十三年間でこれだけの額というのは多いなというふうに思うんですね。というのも、神恵内村というのは財政規模が年間約二十億とか二十一億円なんです。文献調査は僅か二年で最大二十億円が交付をされるということになりますので、この二十億という額がいかに破格の額かということが分かると思います。
 人口減少に苦しんでいる自治体は全国でも多いと思うんですね。そうした自治体が巨額の交付金に頼らざるを得ないという状況になっていることを示しているんだと思うんです。これは自治体の財政をゆがめることになって、これで本当にいいのかなという思いがあるんです。
 大臣は、これまでの話や実態を聞いてどのように感じられたでしょうか。

#74
○国務大臣(武田良太君) コロナ禍でなくても、地方の財政状況というのは全国的に厳しいのは先生御承知だと思います。その中において、我々は財政の調整そしてまた保障機能というものをしっかりと充実させるために取り組んでいるわけでありますけれども、その上において、それぞれの市町村は自らの財政を立て直すための事業計画というのを独自に立ててもらう、これは健全な姿だと私は考えているんです。それは様々な分野があるんでしょうけれども。
 先生御指摘の神恵内村の皆さん方は、それは、地方自治体として自ら考え、自らのビジョンの下でそうした施策に講じているものと承知しておりますので、これに対して国がどうこうということを地方自治に対して言うべきものではないと考えております。

#75
○岩渕友君 財政難に苦しんでいる自治体に交付金で国策を押し付けるというやり方が自治体も住民も苦しめているという実態があるんですよね。核のごみの最終処分場をめぐって、真下道議が、金銭的手段によって誘導するような最終処分場の決定というのは問題があると思うけれどもどう受け止めているかと質問をしたのに対して、道は、科学的特性マップの合意形成を図ろうとする印象があると答弁をしています。交付金を前面にして合意形成を図ろうとする国のやり方は、原発マネーに依存をせざるを得ないような状況をつくることになります。
 これ、東京電力福島第一原発もまさにそうだったんですね。原発事故後、避難を強いられた住民の方々は、こんなことになるんだったら原発なんてない方がよかったと、こういうふうに口々に語っていたことを忘れられません。
 神恵内村は、人口約八百二十人の村なんです。直近五年間で百人を超える方が減少をしています。原発マネーがあれば、人口減少など地域の抱える問題を解決できるということにはなっていないんですよね。
 電源立地対策に係る交付金、補助金がこれまでどれだけ交付をされてきたか。いわゆる電源三法が制定をされた一九七四年度から二〇一九年度の総額は幾らになるでしょうか。

#76
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 こちら、様々なちょっと交付金ございますものですから、財務省のホームページで公表されております特別会計決算参照書によりますと、一九七四年度から二〇一九年度までにおける電源立地対策のうち、本日配付されております資料に記載されました十の交付金及び補助金について申し上げますと、その総額は約四兆円であったというふうに認識してございます。

#77
○岩渕友君 資料を御覧ください。四兆円を超える額が既に電源立地対策として配られています。
 東日本大震災で被災をした東北電力の女川原発二号機は、六割から七割の県民の反対があるにもかかわらず、知事と立地首長が再稼働に同意をしました。その女川町も、十一月二十五日付けの毎日新聞で原発マネーが町の歳入の一割超を占めているというふうに報道をされました。
 日本学術会議は、内閣府原子力委員会から高レベル放射性廃棄物の処分に関する取組について審議依頼を受けて、原子力発電をめぐる大局的政策についての合意形成に十分取り組まないまま高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定という個別的課題について合意形成を求めるのは、手続的に逆転しており手順として適切ではないとして、核のごみを一定以上増やさない総量管理や独立した第三者による公正な政策討論の場などを提言をしました。
 核のごみの処分方法が定まらないままに原発を進めてきたツケを自治体に押し付けるやり方、自治体の財政難に付け入って巨額の交付金で最終処分場に応募させるというやり方は許されません。核のごみをめぐる処分政策は転換するべきだ、このことを強く求めて、質問を終わります。

#78
○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
 国と地方の行政の役割分担に関連して伺います。
 国の新型コロナ対策はほぼ全てが実施主体は地方自治体であり、厚労省などの国の施策を自治体が実施するという構図です。このような制度設計と実施の役割分担の結果、国の施策メニューが自治体に十分周知されないケースや国の方針変更に自治体が翻弄されるケースが生じています。政府の新型コロナ対応が国民の安心につながっていないのも、こうした役割分担が機能していないことも一因ではないでしょうか。
 新型コロナの影響で生活が不安定になった一人親世帯を支援するため、令和二年度第二次補正予算では、ひとり親世帯臨時特別給付金が支給されました。
 国の平成二十八年度全国ひとり親世帯等調査の推計では、全国で百四十一万九千世帯が二十歳未満の子供のいる一人親世帯です。沖縄県の平成三十年度の沖縄県ひとり親世帯等実態調査によれば、沖縄県内では全世帯の約五・六%が一人親世帯です。その背景としては、全国最低水準が続く県民所得と非正規労働比率の高さがあり、全国と比較して高い離婚率となり、約五%高い一人親世帯割合の背景と考えられます。
 全国でも沖縄でも、特に母子世帯では、子育てと仕事を両立させるためパートなどの非正規の仕事に就くことが多く、コロナ禍で減収になったり仕事を失うなど、生活に深刻な影響が生じています。
 コロナ対策としての一人親世帯の臨時特別給付金のこれまでの給付状況について伺います。

#79
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 低所得の一人親世帯への臨時特別給付金につきましては、各自治体の御努力をいただきまして、平成二年十月末現在で約九十六万世帯に対し、計八百三十八億円の支給決定をしております。
 申請を必要としない児童扶養手当受給世帯への給付は全ての自治体で支給決定済みであり、児童扶養手当の支給を受けていない年金受給者、家計急変者、収入が減少した方を対象とする申請が必要な給付につきましても、全ての自治体で支給事務を開始していただいているところでございます。
 引き続き、給付金ができるだけ早くお手元に届くよう、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。

#80
○伊波洋一君 是非、一人親世帯の実態把握等をしっかりして、本当に九十六万で済んでいるのか含めて、やはりなお一層努力してもらいたいと思います。
 今、第三波と言われる新型コロナの感染拡大が全国で生じています。非正規を中心に非常に厳しい雇用情勢が続く中で、一人親世帯の生活の困難は長期化しています。
 一人親世帯を支えるため、給付金を再び支給すべきと考えますが、政府の現在の検討状況を伺います。

#81
○大臣政務官(大隈和英君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、一人親家庭は非正規雇用労働者の割合が高く、収入が少ないなど、元々経済的基盤が弱い、厳しい状況にある中で、今般の新型コロナウイルス感染症の影響を受けまして大きな困難を生じていると承知しております。
 こうした中、これまで関係団体の御意見を伺うほかにも、現在、足下の、一人親の置かれている状況について緊急的に調査をしているところでございます。
 こうした取組を通じまして、現状の支援で十分かどうか検討している最中でございまして、緊急的に支援が必要な場合には、状況に応じて迅速かつ適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

#82
○伊波洋一君 是非、再度の支給を御検討し、そして実現をしていただくよう、この場でお願いを申し上げます。
 コロナ禍でエッセンシャルワーカーが注目されていますが、困難を抱える方を支える側である労働者の生活の安定を図ることは、結果として支援の効果を高めることにつながります。
 一人親家庭に対して、生活一般についての相談指導を行う母子・父子自立支援員は、従来は非常勤の特別職という身分でした。しかし、平成二十六年の児童福祉法等の一部改正では、自治体職員の任用については自治体の長が判断すべきとする原則に立ち返って、母子・父子自立員は非常勤とするという規定が削除されました。
 また、平成二十九年の地方公務員法及び地方自治法の改正を受けて、本年四月からは会計年度任用職員制度が導入されるなど、特別職任用の厳格化が実施されています。母子・父子自立支援員についても、職員の身分、処遇が変化していることが考えられます。
 現在の母子・父子自立支援員の身分状況、内訳をお答えください。給与など処遇状況についてどのような変化があったか、伺います。

#83
○政府参考人(岸本武史君) 母子・父子自立支援員につきましては、以前は、業務内容が一人親家庭等に対する相談指導等に特定されていること、非常勤とすることで幅広く民間から適任者の方を採用できる仕組みとすることが適当であるとの考え方から、平成二十八年の制度改正以前は非常勤の特別職とされておりました。しかしながら、自治体における職員の任用の在り方については個々の自治体において判断されるべきものであるとの考えから、平成二十八年に母子及び父子並びに寡婦福祉法改正をいたしまして非常勤を原則とする旨の規定を削除いたしまして、常勤の職員も任用可能となるようにできるよう見直しを行ったところでございます。
 平成三十年度末時点の数字でございますが、母子・父子自立支援員は全国に一千七百六十二人配置されておりまして、そのうち常勤職員は四百九十四人となってございます。
 母子家庭、父子家庭の相談支援は非常に重要なものでございますので、引き続き一人親家庭の個々の実情に応じた支援を行ってまいりたいと考えております。

#84
○伊波洋一君 先ほど申し上げましたように、自治体採用職員については、任用職員については、会計年度任用職員制度というものが実施されております。そういう意味で、やはり一番厳しい方々を支える方々の仕事が身分が不安定では、やはりそれを支える力にならないんだと思うんですね。
 今の答弁の中にはそこは十分含まれませんでしたけれども、是非、今年度から実施されておりますこの会計年度任用職員制度等のように身分を安定するという、そういう視点でやはりこういう制度がしっかりと機能するよう取り計らっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#85
○政府参考人(岸本武史君) 先生御指摘のとおり、支援する方の御自身のその安定というのも重要であると思います。二十八年の制度改正によって非常勤という形に特定をしない形にいたしましたので、これが適切に運用されるようにしてまいりたいと考えております。

#86
○伊波洋一君 よろしくお願いいたします。
 この一人親世帯の充実のためには、国の支援メニューは極めて多くあります。そしてまた、それはただ、自治体が実施をしなければそれが実現できないものでもあります。そういう意味では、やはり制度があっても活用されなければ十分な支援にはなっていないというのが現状、幾分か見られるということであります。そういう意味で、各自治体に周知をしていくことが大変必要だと思いますし、それでまた同時に、各一人親世帯にもそういうメニューがあるということを是非周知していただきたいと思うんですね。
 今回の新型コロナに対する支援策の中で、そういう支給というものを通してできるだけ多くの方々に接することになりますから、この際、やはり多くの一人親世帯がこういう制度を活用できることへの啓蒙といいますか周知を、是非、各市町村、自治体等に通知もしながら実現をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#87
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 厚生労働省といたしましては、自治体の相談窓口を通じて必要な支援策の活用を働きかけることとしておるわけでございますが、例えば、自治体の相談窓口に緊急小口資金等の申請書を備え、必要に応じて申請のサポートをするなど、自治体の相談窓口が創意工夫をしながら多様な支援策につなげていただいているところでございます。こうしたことで、本年九月には、自治体における一人親家庭等に対する相談支援の取組例といたしまして、SNSを活用した支援施策の情報発信、家庭訪問によるプッシュ型の相談支援など、優良事例の横展開を図っているところでございます。
 また、本日でございますが、自治体において一人親家庭等への支援を担当する職員の方々を対象としまして、全国ひとり親家庭支援者会議を開催することとしております。国の支援策の説明や先駆的な自治体の取組事例の横展開など、こうした場を通じて図ってまいりたいと考えております。引き続き取り組んでまいりたいと考えています。

#88
○伊波洋一君 本日は一人親世帯支援を取り上げましたが、効果的な支援のためには、施策の実施主体である自治体への制度の周知と自治体からのフィードバックが必要です。こうしたフィードバックを調査、把握し、情報公開して国民的な議論が展開され、制度の改善につなげていくことが重要だと思います。このことを改めて強調して、質問を終わりたいと思います。

#89
○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派みんなの党です。委員長、そして御答弁いただく総務省の皆様、よろしくお願いいたします。
 今年の九月に安倍政権から菅政権に替わりました。この菅政権、規制改革を重要な政策の柱としているようで、国民大いに期待していると思います。我々NHKから国民を守る党としても、これまで長きにわたって続いてきたNHK、特に受信料制度という岩盤規制をあるべき方向に改革できるものと期待しているとともに、できる限りの協力をさせていただきたいと思っております。
 これまでの武田良太総務大臣の会見などを見ていますと、政府、総務省がNHKに対する世間の厳しい目を敏感に感じ取って、NHKに対して対決姿勢を取っているように思えます。この対決姿勢というものは、我が党としてはもちろん喜ばしいことですし、多くの国民の皆様にとっても大変意義のあることだと思います。
 今回、NHK受信料関連で質問させていただきますが、よろしくお願いいたします。
 先に申し上げておきますと、本来であればNHKに尋ねるべき質問ですが、様々な制約により、今回無理を承知の上で総務省に質問させていただくわけでございまして、総務省として踏み込めない限界があることは承知の上で尋ねさせていただきます。
 さて、NHKの受信料制度というものは、昭和二十五年、西暦だと一九五〇年に制定された放送法を基につくられたものでございます。今から七十年前につくられた制度です。設立当初であれば、当時、時代背景を考えると大いに意義のあるものだったと思いますが、七十年経過すると時代も変わりますし、制度が時代に合わなくなるという点が出てもおかしくはありません。時代に合わなくなっている点は幾つもあると思いますが、ここではまず、NHK委託業者の訪問員が各家庭を戸別訪問するときのやり取りを取り上げます。
 訪問員が放送受信契約をしていない家庭を訪問し、その際に契約をお願いしているところを御想像いただければと思います。契約をしていない家庭にも様々ありまして、最近引っ越したことで契約していないという方もいらっしゃれば、数年間契約しないままの方なども様々です。ここで、訪問員が数年間契約をしていない家庭を訪問して、その家の方とお話しする場面を考えてほしいのです。
 訪問員としては、数多く契約を取ることで自身の仕事の成果としてもらえる報酬が上がるわけでもありますので、何とか契約を取ろうとします。しかし、この場合、放送法で問題が生じるわけです。放送受信料というものは、放送法六十四条第二項において、契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならないと規定されており、放送受信機設置時に遡って払わないといけないというのが最高裁でも言われたわけです。これらの規定に忠実に従うと、この場合、契約してください、そして過去払っていなかった数年分の受信料も払ってくださいとなるわけです。
 訪問員の立場を考えると、こういう状況でよほどのことがない限り契約を取れるわけがありません。でも、契約は欲しい。そこで、こういうことを言う訪問員がいるわけです。これまでの受信料はいいです、今月からでいいから契約をお願いします。このような訪問員が出てきてもおかしくありません。
 そこで、質問です。事実関係はひとまずさておき、NHK委託業者の訪問員が戸別訪問時に放送受信機設置月から訪問時までの受信料債権を免除する行為がなされているとすれば、真面目に受信料を払い続けている人のことを考えると不適切だと思うんですが、総務省の見解を教えてください。

#90
○政府参考人(秋本芳徳君) お答えいたします。
 浜田委員御指摘の点について、総務省として事実関係を承知しておりませんため、コメントは差し控えさせていただきたいと存じます。

#91
○浜田聡君 分かりました。ここではひとまず問題提起ということで質問の方をさせていただきました。
 先ほどの質問に関連して、今回、NHKの内部資料を手に入れまして、配付資料として提示させていただきます。これはNHKの営業部が委託業者に配っている資料の一部です。NHK内部にも問題だらけのNHKを何とかしたいという正社員の方がおりまして、その方からの正義の内部告発として資料提供いただいたものです。
 我々NHKから国民を守る党、昨年の参議院議員選挙で議席を獲得しました。そのすぐ後に作られた、二〇一九年八月に作られたと思われるものでございます。各地でNHK委託業者訪問員が放送法六十四条二項違反、つまり勝手に受信料を免除して契約を取る行為が横行しておりまして、それを指摘されるとまずいとNHK側が感じてそれに対応している様子が分かるような資料ですが、何かと問題があるように思います。
 資料下の受信機設置日と契約締結日の留意点というところを見てもらえればと思います。
 まず一つ目、お客様から受信機設置日について尋ねられた場合は、放送受信料は受信機の設置の月からお支払いいただく必要があることを説明しますとありますが、ただ、ここですね、お客様から受信機設置日について尋ねられた場合はではなくて、NHK側が受信機設置の有無を確認した上で受信機設置日を確認しに行くべきだと考えております。
 そして二つ目、設置日、設置月を覚えていない、分からないと言われた場合は、確実に受信機があった月の末日を申し出ていただきますとあります。ここですね、うがった見方をすれば、訪問先の人の裁量によって設置日、設置月を最近の月に設定できてしまい、法律違反につながるというのが一つの問題として挙げられるのではないかと思います。
 さらに三つ目、更に詳しく聞かれた場合は、契約書の設置日欄を指さし、こちらに書いてあるとおりですと案内しますとありますが、この案内された指さし先が非常に小さな文字でも書かれておりますし、改めて、今月からで結構ですなどのように法律違反に何とかならないようにしている様子がうかがえるわけであります。
 この資料については、NHKに問いただして本当にNHKが作った資料かと聞きたいところでありますが、ここは総務委員会ではないので控えます。
 これ、総務省にお聞きします。総務省の立場としてはこの資料の真偽については何とも言いようがないでしょうからこれはさておき、設置月が分からないと言われたときの対応について、総務省としてのお考えをお聞かせください。

#92
○政府参考人(秋本芳徳君) お答えいたします。
 NHKの放送受信規約の第三条の第一項におきまして、NHKのテレビジョン放送を受信することのできる受信設備を設置した方は、遅滞なく、受信設備の設置の日を記載した放送受信契約書をNHKに提出しなければならないという旨が規定されております。
 浜田委員御指摘の点は、NHKが定めた放送受信規約の運用に関するものでございますので、NHKにおいて適切に整理、判断されるべきものと考えております。

#93
○浜田聡君 ありがとうございます。
 機会があれば、是非、私自ら総務委員会でNHKに問いただしたいところでございます。
 最後の質問ですが、時間の都合上省略させていただきます。
 冒頭にも申し上げましたが、菅政権になり、武田良太総務大臣、そして総務省がNHKへの対決姿勢を打ち出しているというのは本当に喜ばしい限りです。今後更にNHK改革が進むことを期待しつつ、我々NHKから国民を守る党としても政府、総務省と協力してNHK改革を進めていくことを誓いまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#94
○小委員長(西田実仁君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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