くにさくロゴ
2020/11/26 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 総務委員会 第4号 令和2年11月26日
姉妹サイト
 
2020/11/26 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 総務委員会 第4号 令和2年11月26日

#1
令和二年十一月二十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     下野 六太君     新妻 秀規君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         浜田 昌良君
    理 事
                進藤金日子君
                堀井  巌君
                那谷屋正義君
                若松 謙維君
                片山虎之助君
    委 員
                石井 正弘君
                今井絵理子君
                片山さつき君
                滝波 宏文君
                柘植 芳文君
                二之湯 智君
                長谷川 岳君
                松下 新平君
                三浦  靖君
                山本 順三君
                小沢 雅仁君
                岸 真紀子君
                吉川 沙織君
                吉田 忠智君
                新妻 秀規君
                柳ヶ瀬裕文君
                小林 正夫君
                芳賀 道也君
                伊藤  岳君
   国務大臣
       総務大臣     武田 良太君
   副大臣
       総務副大臣    新谷 正義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤 研資君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       奈良 俊哉君
       金融庁総合政策
       局参事官     田原 泰雅君
       総務省大臣官房
       長        原  邦彰君
       総務省大臣官房
       総括審議官    吉田 博史君
       総務省大臣官房
       地域力創造審議
       官        大村 慎一君
       総務省自治行政
       局長       高原  剛君
       総務省自治財政
       局長       内藤 尚志君
       総務省情報流通
       行政局長     秋本 芳徳君
       総務省情報流通
       行政局郵政行政
       部長       佐々木祐二君
       総務省総合通信
       基盤局長     竹内 芳明君
       財務省理財局次
       長        井口 裕之君
   参考人
       日本郵政株式会
       社取締役兼代表
       執行役社長    増田 寛也君
       日本郵政株式会
       社取締役     池田 憲人君
       日本郵政株式会
       社取締役     衣川 和秀君
       日本郵政株式会
       社取締役     千田 哲也君
       日本郵政株式会
       社専務執行役   谷垣 邦夫君
       日本郵政株式会
       社専務執行役   河本 泰彰君
       日本郵政株式会
       社常務執行役   諫山  親君
       日本放送協会会
       長        前田 晃伸君
       日本放送協会理
       事        松崎 和義君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○郵便法及び民間事業者による信書の送達に関す
 る法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(浜田昌良君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、下野六太君が委員を辞任され、その補欠として新妻秀規君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(浜田昌良君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官奈良俊哉君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(浜田昌良君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(浜田昌良君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長増田寛也君外八名を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(浜田昌良君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(浜田昌良君) 郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#8
○小沢雅仁君 皆さん、おはようございます。立憲民主・社民の小沢雅仁でございます。
 まず、武田大臣、総務大臣御就任おめでとうございます。郵政事業の所管大臣として、今後もどうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 また、今臨時国会から総務委員会に所属をさせていただくことになりました。郵政の大先輩である柘植先生からの御指導も重ねてお願いを申し上げたいと思います。
 まず初めに、どうしても申し上げなければならないことがございます。
 昨日の衆参の予算委員会が行われましたが、桜を見る会の前夜祭に関して、費用の総額の一部、九百十六万円を補填されていたことが判明をいたしました。安倍総理は、昨年の十一月から事実と異なる虚偽答弁を繰り返していたことになり、国会審議を軽視し、国民を欺く答弁を繰り返していたことに憤りを禁じ得ません。昨日の菅総理の答弁を聞いていると、立法府と行政府の信頼関係に関わる重大な問題であるという認識を全く感じられませんでした。
 安倍内閣の閣僚であった武田大臣の受け止めと国民に対する今後の説明責任について、まず大臣の考え方をお伺いしたいと思います。

#9
○国務大臣(武田良太君) この個別の事案でありますし、我々としては実質的な調査権というのも持っていないわけでありますから、具体的な事実関係を承知する立場にないので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

#10
○小沢雅仁君 この問題は、安倍氏が首相として国会で答弁した以上、国会の場で説明する責任が私はあると思います。また、官房長官であった菅総理も疑惑に対する説明責任があるということをまず強く強く求めておきたいと思います。
 私は、郵政の労働組合の出身でございます。全逓信労働組合、日本郵政公社労働組合、日本郵政グループ労働組合と二十三年間専従役員を務め、昨年七月の参議院選挙で当選をさせていただきました。一九九七年の橋本行革会議、二〇〇五年の郵政選挙と、まさに政治に翻弄されてきた歴史を身をもって体験をしてまいりました。二〇〇七年の民営化以降、労使交渉を中心に会社の発展と社員の働きやすい環境づくりに全力で取り組んできたと自負をしております。
 しかし、その道のりは常に厳しい判断と苦悩の連続でありました。本日は、私自身が経験してきたことを踏まえ質疑に立たせていただきますが、私の大勢の仲間が参議院のインターネット審議中継でこの法案の質疑を見守っております。
 今日は、日本郵政グループ各社の社長の皆さんにもお越しをいただきました。大変ありがとうございます。このコロナ禍においても現場で汗して奮闘いただいている社員の厳しい声にしっかりと応えていただけるよう、経営者の皆さんに冒頭強く申し上げておきたいというふうに思います。
 グループ三社の株式上場から、十一月四日で丸五年を迎えました。その当日の新聞各社の評価は、「郵政 失態続き株価低迷」、「期待を裏切った上場郵政の五年間」など、私にとっては憤りの見出しであり、悔しいの一言であります。しかし、記事の内容は全く反論の余地もございません。
 二〇〇五年の郵政選挙のことを少し振り返りたいと思いますが、あのとき、小泉総理や竹中郵政民営化担当大臣の言葉を借りれば、郵政民営化が実現すれば競争原理が働き、もっとサービスが良くなると明言しておりました。また、当時の武部自民党幹事長が肝煎りで作った郵政民営化紙芝居、「あすなろ村の郵便局」では、郵便局はコンビニのようになり、山間、過疎地にも活気がよみがえり、国民生活はバラ色になると全国を回っておりました。与党の先生方、バラにもいろんな色がありますけれど、一体何色になったんでしょうか。
 郵政グループにとっても、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて、郵便物が相当減少をしております。また、昨年来のかんぽ生命の不適切な営業問題やゆうちょ銀行の不正引き出し問題など、企業として多くの問題を抱えています。人口が減少し、デジタル化が進展する、そのような社会環境の変化に直面し、まさに創業以来最大の危機に直面していると私は受け止めております。
 武田総務大臣は、そうした郵政事業の厳しさを直視され、中長期的なユニバーサルサービスの維持を図りつつ、国民、利用者の利便性向上や地域社会への貢献を推進するための方策、すなわちデジタル時代における郵政事業の新たな方向性を見出していくことが喫緊の課題であるとの認識の下、デジタル時代における郵政事業の在り方に関する懇談会が大臣の下に設置され、検討がスタートしました。私も、まさにそのとおりだと思っております。日本郵政グループが利用者である国民にとって必要なユニバーサルサービスの提供を維持していくためには、持続可能な経営が図られるよう真剣に立て直していかなければならないと考えております。
 その上で、日本郵政の株式売却について財務省にお伺いをしたいと思います。
 昨日の日本郵政の株価は八百六円、ゆうちょ銀行は八百八十八円、かんぽ生命は千八百円です。この間の不祥事等で株価は大きく毀損し、日本郵政がゆうちょ銀行株式の約三兆円の減損損失を余儀なくされてきました。
 日本郵政の株式売却は復興財源に寄与することとなっており、あと一回の売却をもって約四兆円の復興財源を確保する予定になっておりますが、今後の売却の見通しについて財務省の具体的な考え方をお聞かせください。

#11
○政府参考人(井口裕之君) お答えいたします。
 今御質問ございました日本郵政株式につきましては、郵政民営化法上におきまして政府が保有する割合をできる限り早期に減ずるものとされておりまして、また、先生おっしゃいましたとおり、その売却収入につきましては、東日本大震災のいわゆる復興財源確保法に基づきまして令和九年度までの売却収入を復興財源に充てるということにされております。
 こうしたことを踏まえまして、日本郵政株式の売却時期につきましては、株式市場の動向や日本郵政の経営の状況等を注視しつつ検討してまいりたいと考えております。

#12
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
 残りの一・三兆円を確保するには、日本郵政の株価が千百三十円程度になる必要があると報じられております。この株価の観点からも、日本郵政グループの信頼回復が急務であるということを強く申し上げておきたいというふうに思います。
 財務省の皆さんは御退席いただいて結構でございます。委員長のお取り計らいをお願いいたします。

#13
○委員長(浜田昌良君) 財務省理財局井口次長、退席いただいて結構です。

#14
○小沢雅仁君 それでは、具体的な質問に入ってまいりたいというふうに思います。
 かんぽの営業問題がクローズアップされてから一年以上営業自粛を続けまして、お客様本位のサービスを提供し、お客様からの信頼を取り戻すことを誓って、十月五日にいわゆるおわび行脚という営業再開を開始いたしました。日頃から窓口に接し、お客様のために精いっぱい頑張っている日本郵便の渉外社員や窓口社員、かんぽの営業社員だけでなく、失われた信頼を一日も早く回復するためにも、経営陣が先頭に立って全社を挙げて信頼回復に注力しなければなりません。民営化からこの十三年間で、日本郵政の社長も増田社長で六人目となりました。これまで社長が交代するたびに経営方針が変わり、現場は翻弄されてまいりました。
 そこで、改めてお聞きしたいんですが、いかにして信頼回復を図っていくのか。従来も、少なくともお客様本位という方針を掲げておりました。では、なぜそれを実践できなかったのか。どんなに経営トップがお客様本位のサービスを提供し、お客様から信頼を取り戻すと訴えても、いわゆる企業風土や組織風土が変わらなければお客様本位は実現をしません。どのように取り組んでいくのか、グループ各社から説明をしていただきたいと思います。

#15
○参考人(千田哲也君) かんぽ生命の千田でございます。
 この度は、かんぽ商品の募集に係る問題に関しまして、お客様を始め多くの皆様に御心配と御迷惑をお掛けしておりますことを心よりおわび申し上げます。
 かんぽ生命におきましては、お客様の利益回復及び募集人調査を進めております。全社を挙げて業務改善計画に取り組むとともに、お客様への信頼回復活動を進めております。
 先生から御指摘いただきましたとおり、企業風土が変わらなければ真のお客様サービスの提供はできないという認識の下、経営の重要な柱の一つとして企業風土改革に取り組んでおります。そして、企業風土改革で何よりも重要なことは、経営陣に対する社員からの信頼回復であると考えております。そのためには、経営陣と社員とのコミュニケーションを改善していくこと、社員を守っていくという経営陣の姿勢を示し具体化していくこと、これが必要であると考えております。これに全力で取り組んでまいります。

#16
○参考人(衣川和秀君) まずは、今回のかんぽ不適正募集問題につきまして、お客様に多大な御迷惑をお掛けしたことを改めておわびを申し上げたいと思います。
 先生御指摘のとおり、いま一度お客様から信頼される存在になるためには、企業風土、組織風土の改革が必須であると認識をしておりまして、当社におきましては、例えば各社社長の動画メッセージの配信など、本社幹部の声を直接フロントラインの社員に届ける施策、本社役員、部長などと郵便局社員がテーマごとに意見交換を行うフロントライン・セッション、それから本社社員等による郵便局訪問による社内コミュニケーションの充実、あるいは本社の仕事のやり方の改革などをこれまで実施してきておりまして、私自らもその都度郵便局訪問を行ってきたほか、これらの施策で郵便局からいただいた意見には目を通すなどしているところでございます。
 私自身、就任以来、風通しの良い会社にしたいという思いをいろんな機会を通じまして社内に対して伝えております。今後も、私自ら先頭に立ちまして、社員の声に積極的に耳を傾け、本社、支社、郵便局間の信頼関係構築に注力していくことで組織風土を改善し、会社全体でお客様本位のサービス提供を行っていけるよう取り組んでまいりたいと考えております。

#17
○参考人(池田憲人君) ゆうちょ銀行の池田でございます。
 まず、キャッシュレスサービスの不正利用によりお客様に御迷惑をお掛けしていることを深くおわび申し上げます。
 今回の事案を受け、真にお客様本位の業務運営を行っていけるよう、まずは日本郵政グループとして公表したお客様の信頼回復に向けた約束を社員一人一人が着実に実行してまいります。また、お客様本位のサービス改善を継続的に実践していくため設置をしましたサービス向上委員会、これは私が委員長となって、組織、文化、風土改革のための具体的な施策を積極的に議論し実行に移してまいります。
 今後も、経営理念であるお客様の声を明日への羅針盤とする最も身近で信頼される銀行を目指し、組織、文化、風土改革に全力で取り組んでまいります。
 以上でございます。

#18
○参考人(増田寛也君) 日本郵政の増田でございます。
 今回の不祥事を発生させてしまった要因の一つ、ただいま各社の社長からもお話ありましたが、お客様本位の企業風土、組織風土が徹底していないと、そして、そこでは会社の都合、個人の利益が優先されてしまったことによるものと、このように認識をいたしております。
 日本郵政グループの経営理念、これは以前の経営陣の下で作られた経営理念というものがございまして、その中では、お客様本位のサービスを提供し、地域のお客様の生活を支援し、お客様と社員の幸せを目指しますと、このように定められております。この精神がグループ社員全体に理解、浸透できていなかったということを今回また深く反省をいたしまして、日本郵政グループで働く全ての社員がこうした経営理念に基づく活動ができるように、本年七月でありますが、経営理念ハンドブックというものを作成、配付をいたしました。また、解説ビデオの方は、私もその解説をして、それで全社員研修に今努めているところであります。また、経営理念にひも付いたお客様の信頼回復に向けた約束というものを策定、公表いたしました。このようなことで、お客様本位の活動が実践できているかどうか、こちらをお客様に評価をしていただくという活動も今行っているところであります。
 また、私自身も、直接又はオンラインによって郵政グループの現場社員との意見交換会、それから特定テーマでグループの本社社員との意見交換会も定期的に実施をしておりますが、こうしたこと、それから各社の取組を併せまして、企業風土、組織風土として徹底されるよう引き続き強力に取り組んでまいりたいと、このように考えます。

#19
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
 今のお話にもありましたが、十一月十三日に日本郵政グループ中期経営計画の基本的な考え方を公表されました。これは、来年五月の公表を目指して、グループ各社の社員の声を積極的に盛り込み、グループ全体で策定を進めていくとしております。お客様本位を徹底する、そして企業風土、組織風土を改革する、そのためには、まず現場の社員の声に耳を傾ける必要が、まさしく今おっしゃっていたとおりあるというふうに思います。しかし、これまではむしろ数字や結果を優先してきた推進と管理の在り方に間違いなく問題があったと思っております。
 実は、二〇一〇年の宅配便事業統合ということを行いましたが、準備が間に合わないという現場の声が経営陣に届かず大失敗した挙げ句、一千億円の赤字を計上しました。しかし、その当時の郵便事業会社の社長は、現場社員の不慣れがあったと現場に責任転嫁をいたしました。その後、債務超過になって郵便事業会社が倒産する危機があったことから、苦渋の決断で正社員の年間一時金を四・三月から三・〇月に引き下げて、社員の賃金を犠牲にして会社と雇用を守ってまいりました。まさしく経営責任を社員がかぶったのです。私は、その当時、交渉を担当しておりましたけれど、社員の怒りの声や怒りの目を私は生涯忘れることができません。
 つまり、このことは、中間管理機構を含めた経営推進の姿勢、体制に問題があったのではないかというふうに思っております。日本郵政グループ、巨大な企業でありますので、経営トップが現場の声を直接把握するということは非常に難しいことであります。したがって、組織的な立て直しを図らないと現場の声というものは経営陣の耳に届かないというふうに思っております。
 したがって、どのような仕組みで社員の声を盛り込むのか、具体的にどのように組織を変革していくのか、これもグループ各社から聞かせていただきたいと思います。

#20
○参考人(千田哲也君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおりでございます。かんぽ商品の募集に係る問題の原因というのは、経営陣が社員の声を十分に把握できていなかったと、社員とのコミュニケーションが不十分であったと、こういうことが原因であるというふうに認識しております。
 かんぽ生命では、こういうことに対する改革といたしまして、私から月二回定期的なメッセージというものを発信をしております、社長通信と呼んでおります。それから、かんぽ目安箱というふうに呼んでおりますが、社員の改善意見に対して私が答えて、それをちゃんと実行していくという、そういう提案制度。それから、経営陣と社員との対話、これ役員ダイアログということで、全役員がウエブとか、それから訪問でやっております。それから、経営陣が郵便局にも訪問していく、郵便局社員との対話。こういうところを通じまして、社風改革、真摯に取り組んでいるところでございます。これをとにかく継続的に取り組んでいかなければいけないと思っております。
 経営陣と社員が一体となって働ける組織風土を実現してまいりたいというふうに考えております。

#21
○参考人(衣川和秀君) 先生御指摘のとおりでございまして、郵便局社員の声あるいはその郵便局の実態を的確につかむということが非常に重要なことだというように認識をしております。
 そのための具体的な取組としまして、先ほども少し御紹介をさせていただきましたが、本社役員、部長等が郵便局の社員の皆さんと直接対話をするような機会を設ける、あるいは郵便局で起こっていることが的確に本社のそれぞれの組織に伝わるように、まずは本社の仕事のやり方、本社のマインドから変えていこうというような取組を実施をしております。
 さらには、私ども、定期的に支社長会議、私も出席をしておりますが、支社長会議を実施をしておりますが、支社長会議の中でもディスカッションの時間を増やしていこうということで、いろんな問題をみんなで率直に話し合っていこうというような取組をしておりまして、こういったことを通じまして社員の声に積極的に耳を傾け、本社、支社、郵便局の信頼関係の再構築に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

#22
○参考人(池田憲人君) お答えします。
 お客様と直接接している現場社員の声に耳を傾けることは、お客様本位の業務運営を実現するために大変重要なことであると認識しております。
 そのため、当行では、商品、サービスの改善などに関する社員からの前向きなアイデアを募集するための提案制度を設けているほか、本年九月から、社員の声を直接経営に生かしていくために、社長直通に御意見箱を設置しております。また、経営幹部が現場の生の声を直接聞くキャラバン等の施策も実施しております。こうした取組を強化していきたいと思っております。
 社員から寄せられた貴重な意見を積極的に経営に取り込み、お客様本位の業務運営につなげてまいりたいと思います。
 以上です。

#23
○参考人(増田寛也君) この日本郵政グループには、組織間の連携不足、そして上意下達の文化と、こういったものがこれまで存在していたと、このように認識をいたしております。
 ただいま各社の社長から申し上げましたような取組に加えまして、私どもでも、持ち株の方でも現場の社員の声に広く耳を傾け、経営に生かしていく必要があると考えて、本年七月に日本郵政グループとしての社長直通御意見箱というものを設置をいたしたところでございます。ここには、持ち株の社員のみならず郵便やゆうちょ、かんぽ、それぞれのグループ関係の社員が誰でも直接意見を寄せられることができるような仕組みにいたしました。既に三千件を超える意見がここに寄せられているといった状況がございます。
 今そうした寄せられた意見に対してお答えをお返しをしているということでございますが、こうしたところで寄せられた貴重な意見を経営に生かすということをしておりますほか、先般発表した中期経営計画の基本的な考え方の中でも、基本的な考え方につきましても、社員からの意見募集を行うなど現場の社員の声を経営に反映させる取組を行っているところでございます。
 そのほか、私自身もリモート等も活用しながら社員から直接意見を聞く機会等を持っているところでございまして、やはり委員御指摘のとおり、現場の意見というのが一番実態をよく反映している貴重なものだという、こういう考え方で今後も臨んでいきたいと、このように考えております。

#24
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
 この間、かんぽの営業問題にかかわらず、日本郵政グループ各社は、社会環境の変化やお客様のニーズが多様化しているにもかかわらず営業社員へのプレッシャーを繰り返すなど、旧態依然の営業スタイルから脱却できませんでした。この間も様々な見直しを行ってまいりましたし、マネジメントの見直しも組織風土改革に入っているというふうに思います。しかし、日本郵政グループ各社は、階層的な組織マネジメントの下、縦割り的な組織運営が色濃く残り、都合の悪い事象等を覆い隠すような傾向があります。
 先ほども社長おっしゃっておりましたが、社員の信用が得られない会社にお客様の信頼は私は得られないと思っております。また、現在もこのかんぽ生命の不適正営業問題で様々な問題に波及し、会社や指導に当たった上司に対する不満や疑念が今も職場の中で渦巻いております。また、郵政事業を持続可能なものとしていくためには、先ほど来ありましたとおり、何としても上意下達の組織風土を変革しなければなりません。
 これまでも、私の経験値からいっても、組織風土や企業風土改革、風通しの良い職場をつくろうという掛け声が何回も行われましたが、結局実現できないまま、そのたんびに頓挫をしていたというのが私は実態であったというふうに思います。そして、現在の取り巻く厳しい環境や経営状況を踏まえても、本社の役員や本社の社員に創業以来の危機という緊張感があるとはとても思えません。
 現場の社員は何を信じていくのか、誰を信じていくのかという観点で捉えたときに、まさしく社長の皆さんが本気度を示さないと、現場に対して、社員に対して今度こそやるんだという本気度を示さないと、全く何も変わりません。
 改めて、この企業風土、組織改革に取り組んでいく各社経営陣の皆さんの本気度を是非この場で示していただきたいと思います。

#25
○参考人(千田哲也君) お答え申し上げます。
 先生から御指摘いただきました縦割り、そういう上意下達というものを改善していくためにはガバナンスというものを強化していくことが必要であるというふうに認識しております。
 具体的には、お客様の声や社員の声が正確に経営に伝わって、経営陣が各部と密接に連携を取りながら即座に対応していくと、それから、問題が発生したときには透明性を持って内外にちゃんと情報を出していくということ、それから、様々な情報から問題を検知するためのリスク感度を高めていくこと、こういうことを継続的に取り組んでいく必要があると考えております。
 企業風土改革で何よりも重要なことは、先ほども申し上げましたが、経営陣に対する社員からの信頼回復ということであると考えております。まさにESなくしてCSなし、すなわち社員が満足をして初めてお客様本位のサービスができるということを信条として、真にお客様本位の業務運営を実現してまいりたいと思います。

#26
○参考人(衣川和秀君) 先ほども申し上げましたとおり、私自身、就任以来、風通しの良い会社にしたいというような思いを都度、社内に対して伝えておりまして、組織風土の改革は必須であるという、そういう認識でございます。
 一方で、全国に二万四千ございます郵便局に対しまして業務的な指示や周知を行うに当たりましては、本社あるいは十三の支社を通じてそれぞれの郵便局長等の管理者に伝達することが一定程度必要なものと考えておりますが、この際には、円滑な業務運営をしていくために、前段で社内で丁寧なコミュニケーションを取ることが重要でございまして、日頃の本社、支社、郵便局間の信頼関係が欠かせないものと考えてございます。
 そのため、他の組織風土改革の施策と併せ、本社の全社員が課題を認識し、自分のことと、自分の問題として捉えた上で、本社、支社、郵便局の相互理解を深めて、風通しの良い職場づくりをするため、本社の仕事の仕方の改革をやろうと、こういった取組もしているところでございます。
 次期中期経営計画におきましても組織風土改革を重要な柱として掲げているとおり、今後、更なる取組を実施し、抜本的な組織風土改革を実施してまいりたいと、このように考えてございます。
 以上でございます。

#27
○参考人(池田憲人君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、組織、文化、風土改革は極めて重要なテーマであります。そういうことを認識しております。そして、トップが率先して取り組んでいくことが重要と承知しております。
 そこで、お客様本位の業務運営を実現するために、四つほど先ほど来申し上げていることをもう一度整理して申し上げますと、一つは社長メッセージの定期的な発信、二つ目が私が参加するキャラバンなどによる社員からの生の声の収集、活用、三つ目が社長直通御意見箱等による社員の声の収集、活用、四番目に、四つ目に私が委員長となって主導しているサービス向上委員会での議論などを通じ、組織、文化、風土改革に精力的に取り組んでまいります。
 お客様からの信頼回復に向け、私を含め経営陣が先頭に立って、真にお客様本位の業務運営が行えるよう組織、文化、風土改革に取り組んでまいります。
 以上でございます。

#28
○参考人(増田寛也君) 改めて申し上げますが、風土改革、組織風土改革に向けてやらなければいけないことは何でも行うと、内部の力に加えて外部の力もお借りしながらも何でも行うと、このような覚悟でしっかりと臨んでいきたいと、このように思います。

#29
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
 分社化に伴う会社間の壁がいまだに存在するのではないか。製販分離のビジネスモデルの下、相互に依存する関係であるにもかかわらず、自社の数字を優先する傾向が強いのではないか。ゆうちょ銀行、かんぽ生命からの手数料を重要な収入源としている日本郵便と、できるだけ低コストで金融商品を販売したいゆうちょ銀行、かんぽ生命の間には決定的な利益相反が存在をしております。その上でも、日本郵政が持ち株会社としての横串機能を発揮し、ガバナンスを強く発揮していくことが重要だと思っております。
 今後、リスク・アペタイト・フレームワークなどを導入し、ガバナンス機能を強化するというふうにしておりますけれど、具体的にグループガバメントをどのように強化するのか、日本郵政にお聞きしたいと思います。

#30
○参考人(増田寛也君) ただいま委員御指摘のとおり、今回の中期経営計画の基本的な考え方の中で、リスク・アペタイト・フレームワークの導入に取り組むと、このような記述をしたところでございます。
 このリスク・アペタイト・フレームワークとは、企業が事業戦略遂行のために取るリスク水準をあらかじめ定めて、そして、これをモニタリングする経営管理の枠組みでございますが、ゆうちょ銀行では既に導入しておりますし、かんぽ生命保険においても同様の考え方でありますが、ERMと、これは生保各社もこういったERMという形で同様の仕組みを導入している、かんぽの方でもこういったものを導入しているところでございます。
 こうしたフレームワークの導入を今考えているところでございますが、委員御指摘のように、いずれにしても当グループでは銀行業や生命保険業のほかに、郵便、物流、そして金融窓口、さらには不動産事業、そして今後、新規事業も戦略的に推進をしていくという非常に間口の広い事業をこれから進めていくということになりますので、これらを含めたグループ全体のリスク、リターンの向上などを考えていく。しかも、経営管理の高度化というものを実施をしていかなければいけませんので、そうした中ではグループガバナンスの強化、これは具体的にいろんなやり方ございますが、やはりこうしたトータルとしてのグループガバナンスの強化を進めていきたいと、このように考えております。

#31
○小沢雅仁君 今御説明いただきましたけれど、社員に分かりやすいように是非きちんとした説明をしていただきたいというふうに思います。とかく横文字が結構好きで、会社は好きでございまして、理解できる社員はそんなに多くおりませんので、是非そのところをお願いしたいと思います。
 私も、この間、各社の皆さんといろんなお話をさせていただいておりますけれど、日本郵政はグループの各社からどういうふうに見られているのか。こんな声があります。日本郵政はあれもこれも報告しろと言うが、報告したらそれで終わり、報告だけでガバナンスを利かせていると思っているのかという厳しい声が各社の中にあるということも、是非、増田社長、承知をしておいていただきたいというふうに思います。
 私は、根本的な会社間連携強化の仕組みづくりが極めて必要だというふうに思っております。法律の立て付け上もいろいろとあるでしょう。しかし、そういった連携強化をしっかりやらないと、やはりこの日本郵政グループ全体が成長、発展していくことは極めて難しいというふうに思っています。
 その上で、今後、この会社間連携の仕組み、どのような仕組みづくりをされようと考えているのか日本郵政にお聞きしたいのと、監督官庁であります総務省の見解も併せてお伺いしたいと思います。

#32
○参考人(増田寛也君) 今委員御指摘いただきました、グループ間での横串機能という御指摘ございました。こうした横串機能の発揮が大変重要だと、こういうふうに思っております。
 一つは、そのためにも、グループ組織内の風通しを良くするために人事交流を更に促進をしていきたいと。本社、支社、フロントラインといういわゆる縦の系列、それからグループ各社間、横の系列、そしてグループの外との人事交流等も進めて更にお互いの共通認識を醸成をしていくといったようなことが必要かと思いますし、また、もう一つ具体的に申し上げておきますと、今グループ間で様々なリスクを共有する、危機を察知するという意味では、グループ各社の社長を含めた経営陣が出席をするグループ運営会議、これは必ず最低週一回は開くようにしておりますが、そこで、かんぽの契約の問題も当然のことですが、そのほか、各社に、個別の各社に寄せられているお客様の声、そして社員の声の状況、具体的にこういうものがあるということを毎回毎回時間を取ってそこで議論をしております。
 それから、横文字が多いという御指摘をいただいたのできちんと対応しなければいけませんが、いわゆるオペレーショナルリスクという、そういうリスクについても議論を行うといったことで、そのグループ運営会議での協議する事項も段階的に順次広げて、しかも深くそこで議論をするようにしているところでございます。
 そのほか、例えば日本郵便の、毎月、支社長会議、あれ、局長さんたちを集めた会議があるんですが、そこに私も必ず出席をして意見交換をするといったようなことをしているところでございます。
 今後も、こうした形のほか、更に入れるべきものは入れてグループ各社間の連携を強化していきたいと、このように考えております。

#33
○国務大臣(武田良太君) この問題に関して、我々に対し業務改善計画というものが提出されたわけでありますけれども、先ほど委員が御指摘のあったように、報告だけして終わるんではなくて、計画だけで立てるんではなくて、この効果というものを目に見える形で出してもらわなきゃならないと私は考えております。
 横串の話もありましたけれども、しっかりとした連携体制というものを、理想論だけではなくて現実のものとしてもらわなくちゃならないと思っております。
 先般、十一月十三日に公表しました次期中期経営計画の基本的考え方についても、しっかりと、ただ単のスローガンで終わらずに、一つ一つ実現をしていく、目に見える形で実現していく、こうした形をしっかりと取っていただくように我々としてもしっかりと注視してまいりたいと、このように考えております。

#34
○小沢雅仁君 大臣、ありがとうございます。是非監督指導の立場からもそのような形でお取り計らいをお願いをしたいと思います。
 今回、この企業風土改革、組織風土改革に質問の大分時間を充てました。私は、社長の皆さんを責めているわけではないですよ、責めているわけではなく、頑張っていただきたいから申し上げているんです。
 先ほど増田社長おっしゃったとおり、私も現場の労働組合の役員を務めているときに会社に再三再四申し上げたのが、やっぱり本社の社員が現場の管理者や現場の局長に出て、今現場がどういう苦労をしているのかということを身をもって体験してこないと、本社の中の企業風土改革などは全く変わらないと思っています。
 ですから、今もう始めていただいておりますけれど、より多くのやっぱり本社の社員の皆さんがフロントラインに出て、本当にどういう苦労があるのか、直接社員と対話をして、それをまた本社に持ち帰ってきて経営に生かすというこのサイクルを実現していかないと、絶対にこの会社は私は良くならないと思っておりますので、そのことも申し上げておきたいですし、そして、何よりも一番大切なのは、社員を大切にしてこなかったということなんです。社員を大切にしてこなかった。社員を大切にしない会社が、社員が、じゃ、経営陣の皆さんのために頑張ろうなんてやっぱり思わないですよね。
 今回、社員の声をきちんと盛り込むということも入れていただきましたが、まずは社員の皆さんを大事にする会社、社員の皆さんを愛している会社ということを是非とも力強く社員の皆さんにメッセージとして出していただきたいということを強く求めておきたいというふうに思います。
 それでは、郵便法改正法案の質問に入りたいというふうに思います。
 まず、雇用の確保と処遇向上に向けて質問させていただきたいと思いますが、日本の人口減少は本当に待ったなしの状況でございます。私も本部の役員として二年間日本全国を三周しながら地方の郵便局も見てまいりましたけれど、もうそのエリアには郵便局一局しかない、金融機関が、そういったところが日本全国各地に広がっております。隣で岸先生うなずいておりますけれど、岸先生の地元の北海道も数多く伺ってまいりましたが、隣の集落、町まで何十キロも離れているところに郵便局がぽつんと一局あるのみであります。そういった郵便局がたくさんあります。
 超少子高齢化、過疎化が進む地域社会に日本郵政グループが貢献し、利用者である国民、お客様からの信頼を取り戻すことはもちろんでありますけれど、安定的に郵便サービスとユニバーサルサービスを提供していくためには、新たな収益源の模索もさることながら、まずは優秀な人材を確保するということが極めて重要だと考えております。
 ステークホルダーは株主だけではございません。配当政策最優先ではなく、優秀な人材を確保していくためにも、是非とも正社員の比率を向上させていく必要があるというふうに思いますが、日本郵政と日本郵便の考え方を伺うと同時に、あわせて総務省の見解も伺いたいと思います。

#35
○参考人(衣川和秀君) 正社員と期間雇用社員につきましては、それぞれ期待役割を定め、それに基づくあるべき配置領域、配置数の決定をしているところでございます。
 正社員につきましては各業務の中核としての役割を期待しておりまして、その中で役職者などになる者については、各業務の責任者として業務運行管理等に従事することとしております。期間雇用社員につきましては、正社員配置領域以外の主に定型的な業務に従事をしていただくということにしております。
 安定的な業務運行確保のために一定の正社員数の確保は必要と考えているため、新規採用だけではなく、正社員登用や必要に応じて中途採用も実施しつつ必要な正社員数確保に努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。

#36
○参考人(増田寛也君) 今社員数が一番多いところが日本郵便でございまして、今社長の衣川の方から御答弁申し上げました。グループ全体としても、ゆうちょ、かんぽも含めて、やはり必要な正社員数の確保というのは大変重要なことでございます。
 したがいまして、今、衣川の方からも御答弁を申し上げましたが、新規採用だけではなくて、正社員の内部的に登用を図っていくということも大変重要でございますし、また必要に応じて中途採用という、こういう方策も取りながら必要な正社員数の確保に努めてまいりたいと、このように考えます。

#37
○副大臣(新谷正義君) 日本郵便株式会社は、あまねく全国に設置する郵便局ネットワークを活用し、郵便、貯金、保険のこのユニバーサルサービスを提供します義務を負っておられるところでございます。
 このユニバーサルサービス、これを担う職員として、先ほども御答弁ございましたけれども、中途採用も含め、正規職員、正社員の確保に努めておられると答弁もございました。正社員をどの程度採用するか、これは経営判断事項ということになろうかと思いますけれども、日本郵政グループにおいて検討を進めていただきたいと、そのように思っております。
 総務省としましては、やはり日本郵便の社員がその意欲や能力を十分に発揮できるような環境を整えていただくことでユニバーサルサービスの安定的な提供を行っていただきたいと、そのように思っております。

#38
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
 非正規雇用で働いている社員をとりわけ日本郵便が一番多く抱えているわけでありますけれど、先日、十月十五日、最高裁において、日本郵便に係る労働契約法第二十条最高裁訴訟の判決結果がありました。正社員と非正規社員の労働条件の相違が一部不合理であるとの判決結果で分かるように、非正規雇用社員を決して安価な労働力と捉えるようなことはもうあってはならないというふうに思っております。
 更なる正社員化を図る取組は当然であるというふうに思っておりますが、一方で、非正規雇用社員として働きたいというニーズもあるのも事実でございます。そうした環境下で、働き方改革関連法の趣旨にのっとり、格差是正を図る観点からも、処遇や労働条件は労働の価値に見合った処遇に引き上げるべきだと考えておりますが、日本郵政と日本郵便の認識を伺いたいと思います。あわせて、同一労働同一賃金について今後どのように指導監督をされていくのか、総務省の見解も伺いたいと思います。

#39
○参考人(衣川和秀君) 期間雇用社員の皆さんにつきましては、正社員と同様に事業運営に不可欠な重要な戦力であり、モチベーションアップの観点からその処遇改善に努めてきたところでございます。
 これまでの具体的な取組といたしましては、正社員登用の実施、法施行に先んじた無期転換制度の導入、基本賃金、一時金等の改善など、各種労働条件の改善を行ってきております。今後とも、経営状況や同一労働同一賃金の観点にも留意しつつ、労働組合との交渉を通じて期間雇用社員の皆さんの処遇改善に努めてまいりたいと考えております。
 また、先般、労働契約法二十条裁判の最高裁判決におきまして、一部労働条件の差異が不合理である旨の判決が出されたところでございます。会社としましても、この問題の重要性に鑑み、当該判決内容を踏まえ、速やかに労使交渉を進め、必要な制度改正について適切に取り組んでまいりたいと考えてございます。

#40
○参考人(増田寛也君) この同一労働同一賃金、こういう観点、委員御指摘のとおり大変重要な点でございまして、経営状況にも留意しながら労働組合との交渉を通じて期間雇用社員の処遇改善に努めてまいりたいと、このように思います。
 そして、今、衣川の方からも御答弁した内容になりますが、先般の最高裁判決、ここにおきまして一部労働条件の差異が不合理であると、こういう判決内容、出されたわけでございますので、会社としても、こうした問題の重要性に鑑みて、やはり判決内容を踏まえて速やかに労使交渉を進める、そして必要な制度改正に適切に取り組んでまいりたいと、このように思います。

#41
○副大臣(新谷正義君) 本年十月の最高裁判決、これを受けた非正規職員のこの処遇改善につきましては、やはり日本郵政グループにおいて速やかに労使交渉を進めていただき、必要な制度改正について適切に取り組んでいかれるものと認識をしておるところでございます。
 総務省としましては、労使での十分な対話を通じて、日本郵政グループの社員の皆様がどのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられるように、この同一労働同一賃金の実現に取り組んでいただくことでユニバーサルサービスの安定的な提供を行っていただきたいと、そのように思っております。

#42
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
 今お話があったとおり、やはりその処遇は当然労使協議になるわけでありますけれど、職員の納得が得られるということが極めて大事だというふうに思っております。
 非正規社員、日本郵便、とりわけ非常に多い非正規社員を抱えておりますけれど、今後、労使交渉をするということは当然でありますけれど、正社員の処遇を下方平準化して合わせるなどの考えを持っているのであれば、これはもう本当に誰が経営者をやっても私は同じだと思っております。是非とも、あらゆる方策を総動員をして、下方平準化は絶対に行わないというふうに私は増田社長に言っていただきたいと思いますけれど、これは通告してありませんが、社長、お考えいかがでしょうか。

#43
○参考人(増田寛也君) 今の委員の御指摘も十分踏まえつつ、また経営状況も見ながらきちんと労使交渉に臨みたいと、このように考えます。

#44
○小沢雅仁君 是非よろしくお願いをしたいと思います。
 今回の郵便法改正法案の成立によって、日本郵便の子会社である日本郵便輸送で働く者の雇用を維持をすることは当然として、処遇や労働条件に影響を及ぼすことがないのかどうなのか、また、制度見直しに伴い地域区分局間の長距離輸送にどのような影響が出るのか、長距離輸送を担当する日本郵便輸送のトラック運転手の労働強化につながることがないのかを確認したいと思いますが、日本郵便の見解を伺いたいと思います。

#45
○参考人(諫山親君) お答え申し上げます。
 今回の郵便サービスの見直しに当たりましては、ハブとなります地域区分局間の長距離運送を行いますトラック便につきましては、地域区分局におけます郵便物等の区分処理あるいは発送処理につきましては従前どおり行う予定でございますので、その便数等に大きな変更はなく、したがいまして、トラック運転手の労働強化になるということはないというふうに考えております。

#46
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
 是非、労働強化につながらないという明確な答弁をしていただきましたので、しっかりとお取組をお願いをしたいと思います。
 残り時間が少なくなってまいりましたので、ここでユニバーサルサービスコストについて少し議論をさせていただきたいというふうに思っております。
 総務省にお伺いをしたいというふうに思いますが、今回のサービスレベルの見直しは、諸外国はこういった見直しによって更なるサービスレベルのダウンを招いております。いわゆる配達日数がどんどん少なくなっていってしまっているということです。このことを踏まえれば、これ以上のダウンは絶対にあってはならないと考えております。しかし、実態は、法律でユニバーサルサービスを義務付け、一方でそのコストは全て企業努力。言い換えれば、日本郵政に丸投げというのが実態だというふうに思っています。
 武田大臣は、衆議院の総務委員会質疑において、ユニバーサルサービスが自分たちの力だけではどうしても維持できないとき、申出があれば幅広い検討を我々もしていきたいと答弁されておりました。しかし、どうしても維持できないまで放置をしていれば、間違いなく郵便局ネットワークの維持費やユニバーサルサービスのコストは労働者の賃金や労働条件に転嫁されることが私は避けられないというふうに思っております。巨大な企業だけにあって、このユニバーサルサービスのコストの負担をどうするのか、今のうちにしっかりと検討を始めていかないと私は取り返しの付かないことになってしまう可能性があると、働いていた者の肌感覚でそのように思っております。
 将来にわたって郵便サービス水準を維持し、持続的かつ安定的に郵便事業を発展させていくためには、効率化施策のみならず、正当な郵便料金の引上げやユニバーサルサービスの公的負担の在り方をまさに今検討する必要があるというふうに私は考えておりますので、総務大臣の見解を伺いたいと思います。
 あわせて、デジタル懇談会における郵政事業の持続的成長に必要な環境整備という検討内容がございますけれど、もし具体的なお考えがございましたらお示しをいただきたいと思います。

#47
○国務大臣(武田良太君) どうしても維持できない状況を想定する前に、どうしても維持できない状況をつくらない努力を全力を挙げてするべきだと私は思っているんです。国による援助を最初から頼っておったら、民間企業として失格だと思うんです。ほかの民間企業がどういう営業努力をしてどういう努力を重ねているか、そこのところを見習って、しっかりと経営状況というものを改善して、国民の信頼に足る企業として進化していただきたいと私は考えております。
 デジタル懇に関してですけれども、地域の拠点としての郵便局やデータを活用しながら地域課題の解決に貢献する取組などについて議論をいただくこととしており、必要な環境整備について御指摘があれば、税制改正、また予算措置など幅広く検討してまいりたいと考えております。

#48
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
 デジタル懇談会、スタートしたばかりでございますけれど、日本郵政グループが成長、発展できるように是非とも前向きな御討論をお願いをさせていただきたいと思いますし、先ほどユニバーサルサービスのコストについては、大臣おっしゃるとおりだというふうに思います。まずはやっぱり企業としてしっかりとユニバーサルサービスを提供できるように努力していくことが極めて重要だというふうに思っておりますが、片方で、やっぱり監督官庁として、指導監督だけではなくて、先ほどのデジタル懇もそうなんですけれど、どのようにやっぱり日本郵政グループが成長、維持発展できるのかという観点でも引き続き私は支援をしていただきたいと思いますので、併せてお願いをさせていただきたいと思いますし、先ほどの大臣の答弁、社長の皆さんお聞きになられていると思いますので、是非ともその大臣の言葉をしっかり受け止めていただいて経営執行に当たっていただきたいというふうに思います。
 最後に、今日お時間をいただいて様々この郵便法に関連する議論をさせていただきましたけれど、私は、やっぱりあの二〇〇五年九月、小泉総理により郵政民営化を問うワンイシューの衆議院解散・総選挙はまさしく衝撃の出来事でありました。二〇〇七年十月に民営・分社化して十三年が経過をしましたけれど、確かに東日本大震災の復興財源の確保等、復興に寄与できたことはありましたが、まさしくこの十三年間は苦悩の連続でございました。働く者にとって厳しい判断を受け入れざるを得ないということも様々ございました。かんぽ生命の不適切な営業問題では、たくさんのお客様に御迷惑をお掛けをしました。と同時に、私たちの仲間、社員も大きく傷つきました。
 こうした問題は、民営化後、会社が働く者、すなわち社員を大事にしてこなかったからこそ起こっていると言っても過言ではありません。上層部に対し問題が起こっていると伝えても、経営陣まで問題の本質が伝わらない。様々な問題がこの間起こってしまったことに、郵政OBである私も責任を痛感をしているところでございます。
 今も新型コロナウイルス感染対策に仲間が懸命に応えている中で、これまで経営形態問題や郵政民営化阻止に取り組んでいただいた多くの皆さんに、そして、この総務委員会の理事として当時先頭で闘っていただき三年前に亡くなられた伊藤基隆元参議院議員を始め、衆参の先輩議員各位に私は心からおわびを申し上げたいというふうに思っております。
 本日は経営陣から決意を伺いましたが、お客様からの信頼を取り戻すことはもちろん、日本郵政グループで働く者が会社を愛することができる体制づくり、地域社会に貢献する会社であり続ける、そして働く者が自信と誇りを持って働けるような会社になること、そのためには働く者を大切にする会社になることを、今日、社長の皆さん方にも是非誓っていただきたいというふうに思います。
 最後に、総務大臣にお伺いしたいと思いますが、今日のこれまでの質疑や会社答弁を踏まえて、このような厳しい経営下に置かれている日本郵政グループをどう立て直すのか、民営化を成功にどう導き出すのか、もしお考えがあれば最後にお伺いをしたいと思います。

#49
○国務大臣(武田良太君) やはり働く方々のためにもしっかりとした安定した経営、これを実現するべきだと思っております。
 そのためには、やはり国民から信頼を得る、信頼を得るサービスというものを展開していかなくてはなりませんし、それを持続安定化するためにはどうするべきか、真剣に考え実行に移していく、これが重要だと考えております。

#50
○小沢雅仁君 大臣、ありがとうございます。
 是非、日本郵政グループの指導監督並びに支援をお願いし、そして、政府の責任の履行と日本郵政グループ各社の一層の取組をお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

#51
○吉田忠智君 立憲民主・社民の吉田忠智でございます。
 新型ウイルス感染者が増加をしています。第三波とも言われる状況になっております。改めて、新型コロナウイルスで亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、罹患をされている方々の一刻も早い御快癒を祈念を申し上げます。そして、新型コロナウイルス対策に当たられている医療関係者の皆さん、今日は郵政がメーンテーマでありますけれども、郵政関係者の皆さんを始め、多くの皆様方の御尽力に心から感謝を申し上げます。
 今日はもう質問する時間はありませんけれども、総務省としても、今後の新型コロナウイルス対策に総務大臣として全力で取り組んでいただきたい、そのことを強く要請をさせていただきます。
 それから、本題に入る前に、私も武田大臣に一点質問をいたします。
 小沢議員から先ほどございましたが、桜を見る会に関わって安倍総理が虚偽答弁をしたのではないか、そうした可能性が濃厚になっています。また、これは政府が認めましたけれども、森友学園問題で百三十九回も虚偽答弁をしたということも認めております。これは、立法府として、与党、野党を問わず、ゆゆしき問題であります。このままゆるがせに、このままにするわけにいきません。
 安倍内閣のときから大臣を務めた武田大臣、また立法府の一員としてこのことをどのように考えておられるのか、見解を伺います。

#52
○国務大臣(武田良太君) 個別の事案について、実質的な私自身、調査権を有しておりません。具体的な事実関係を承知する立場にないので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

#53
○吉田忠智君 具体的な言及がないのは大変残念でございます。是非また、この総務委員会におきましても、そうしたことがないように、お互い、執行部側も議員も戒めて審議に当たらなければならない、そのように考えております。
 今日は、郵便法の改正がメーンテーマでございます。
 郵便法の改正内容につきましては、一般郵便物、土曜日の配達をやめる、また送達日数を三日以内から四日以内にする、そのことについては、会派としても、社民党としても賛成でございます。
 郵便法の改正という議論を契機にして、先ほど小沢議員から、郵政に働く皆さんの代表として、また郵政出身者の立場で、専門的な観点から質問がございました。私は専門外で、当然、専門外ではありますけれども、一般市民の目線に立って是非質問をさせていただきたいと思います。
 まず、武田大臣に、郵政についての基本認識についてお伺いをいたします。
 今から十五年前、二〇〇五年の九月、衆議院選挙の候補者として主張が全国紙の朝刊に出されておりまして、これ、武田大臣はこのように書かれていました。この郵政についてですね、郵政民営化についてです。行財政改革の中心として郵政民営化を行うことは賛成だが、ほかに金融機関のない地方の郵便局は高齢者の年金受取など生活を支えている、民営化で地方の郵便局が確実に残せるよう法案に明記するなど配慮すべきということを書かれて、そのことを武田大臣覚えておられるかどうか分かりませんけれども、その後、大臣は、自民党議員でありながら郵政民営化法案に反対票を投じられました。
 そのときの思いをいま一度お聞かせください。

#54
○国務大臣(武田良太君) 懐かしいお話でありますけれども、当時、私、そしてまた反対された同志の皆様方は、中身より以前に党内手続の在り方について反対したんです。
 自民党というのは、しっかりとした党内手続を経て、時間を掛けて法案というものを成立に導いてくるのが常識だった。これ、総務会も含めてですね。総務会というのは基本的に全会一致を原則とするんですけれども、強行に採決したんです、当時。それは自民党のあるべき姿ではない、こういうふうに我々は判断したんですね。なぜそこまで急ぐのかと、なぜそう急ぐ必要があるのかということで我々は反対したという思い出が強く残っております。

#55
○吉田忠智君 反対をされて、二〇〇七年の十月に民営化をされまして十三年が経過をしたわけでございます。先ほど小沢議員とのやり取りについても、この間の議論、こともございました。
 この十三年間を振り返って、最初に反対票を投じて今は総務大臣を務められている、この十三年間を振り返ってこの郵政の歩みはどうであったのか、そのことについて感想をお聞かせください。

#56
○国務大臣(武田良太君) 事業の選択の幅が広がったという点ではいいと思いますけれども、私は増田社長にもお願いしたんですけれども、もっと生かしてほしい、郵便局のこの能力というものをもっと生かして、そしてひいては社会貢献に導いていただきたい、このことを期待しております。

#57
○吉田忠智君 社会貢献という言葉がありましたけれども、武田大臣は、九月十七日の大臣就任記者会見で、記者からこういう問いかけがございました。地域防災や各地域への貢献、地域創生や地方創生とも絡んで郵便局に期待できることは何かという問いに対して武田大臣は、特に過疎地等々、二万四千のユニバーサルネットワーク、ユニバーサルサービスは社会福祉につながっていると思います、過疎地、そして地方に行けば行くほど郵便局の価値は高まっているのは間違いないと思いますと言われました。
 郵便局のユニバーサルサービスがどのように社会福祉につながり、郵便局にどのような役割が求められているのか、武田大臣の、具体的にですね、見解を伺いたいと思います。

#58
○国務大臣(武田良太君) 恐らく福岡県の中で私の選挙区が一番田舎だと思うんですね、村も存在しますし。
 民営化しても郵便局員の努力というのは本当に感謝しなきゃならないのが、おじいちゃんやおばあちゃんの元を訪れて本当に気さくに話しかけていただいているんです。それが国民の心のどれだけ支えになっているか。ただ単に貯金を売ったり、保険を売ったり、郵便物を配ったりするだけではなくて、社会福祉にどれだけ貢献しているか、このことは国民全員が感謝していかなくてはならないと、このように考えております。

#59
○吉田忠智君 そこで、また重ねて大臣にお伺いをしますが、国民の命綱とも言えるまさに国民の財産ですよね、お話がありましたように。社会福祉という点においても貢献されているという大臣の答弁もございました。
 この国民の命綱とも言える、財産とも言えるこの郵政事業、とりわけ金融機関の限られた地域においては郵便局が果たす金融の役割も大きい、そのように考えています。
 また、菅内閣で現在地方銀行の再編も検討していると報じられているところでございます。今後、地方での金融機関の更なる減少が危惧される中で、郵便局が果たす金融機能、そして郵便、保険など各種業務を持続していくことが必要と思われますが、改めてそのことについて大臣の見解を伺いたいと思います。

#60
○国務大臣(武田良太君) 他の金融機関が撤退した地域など少子高齢化の進む地域社会において、郵便局が生活インフラとして大きな役割を担っておると認識しております。そのため、絶対にユニバーサルサービスというものは安定的に維持していかなくてはならないと考えております。
 その郵政民営化法により、日本郵政及び日本郵便にその確保の責任が課されており、まずは両者においてしっかりとその責任を果たしていただきたいと考えております。我々としても、日本郵政及び日本郵便の事業計画の審査を通じてユニバーサルサービスが安定的に提供されるかを確認することなどにより、このユニバーサルサービスというものを確保してまいりたいと思います。
 郵便局と地域の連携も重要になってまいりますけれども、日本郵便において、村役場が支所を閉鎖する場合などにおいては窓口を受託したり、地方銀行が支店を閉鎖する場合には通帳名義の書換えなどの窓口業務を受託するなどの取組を行っていると承知をいたしております。また、令和元年度から、郵便局活性化推進事業としてICTを活用した買物支援、また高齢者の見守りなど、郵便局と地方自治体などが連携して地域課題を解決するモデルケースの創出を行っております。
 とにかく、ユニバーサルサービスが確保され、地域との連携が進むよう取り組んでまいりたいと考えております。

#61
○吉田忠智君 私が後から個別に質問することも大臣が前もって答弁をしていただきましたが。
 大臣は、先ほども述べられたんですが、本委員会の所信で、郵便事業については引き続き社会基盤としてユニバーサルサービスを確保しますというお話をされました。また、十一月十九日の衆議院の総務委員会の質疑で、郵便サービスの将来にわたる安定的な提供のための郵便の基本料金の見直しやユニバーサルサービスコストの公的負担についての質問に対して、大臣は、ユニバーサルサービスが自分たちの力だけではどうしても維持できないときに、申出があれば幅広い検討を我々もしていきたい、そのように答弁をされました。
 そこで、質問をいたします。まず、日本郵便に質問をいたします。
 郵便サービスを将来にわたり安定的に提供していくためには、将来的には郵便の基本料金の値上げやユニバーサルコストの公的負担などを政府に要望することが必要になってくるかもしれません。私は必要になってくると思います。
 今回のサービス見直しの法改正を総務省に要望する際に、郵便の基本料金の見直しなどについても検討されたのでしょうか、そのことについて伺います。

#62
○参考人(諫山親君) 二〇一八年十一月に今回の郵便サービスの見直しにつきまして、当時の総務省郵便局活性化委員会に御要請申し上げた際には、当然のことながら郵便料金の値上げにつきましても検討させていただいた経緯がございます。
 しかしながら、郵便サービスに対するニーズの変化に対応するための見直し、サービスレベルの見直しの方がお客様に対する影響が少ないのではないかということ、それから、働き方改革に対応するということであればサービスレベルの見直しの方が直接的な効果が得られるのではないかといったことも勘案いたしまして、最終的にはサービスレベルの見直しを御要請申し上げたという経緯でございます。

#63
○吉田忠智君 大臣に伺いますが、幅広い検討を我々もしていきたいという大臣の言葉は、郵政事業を会社任せにせず、国もしっかり責任を持って見ていくという決意の表れと受け止めました。
 将来検討を行う場合に総務省としてどのような観点を重視することになるのか、伺います。

#64
○国務大臣(武田良太君) 先ほども答弁で申しましたけれども、どうしても維持できない状況を考える前に、絶対に維持する努力が必要だと思うんです。国のサポートを最初から期待しての民間経営なんというのはあり得ない話であって、しっかりとその能力を発揮する努力をしていただきたい。そして、その上で、客観的に見てユニバーサルサービスが維持できないという場合においてはありとあらゆる手段を我々も考えなきゃならないと、このように考えております。

#65
○吉田忠智君 ありとあらゆる手段のことについては、一番この郵政の質問の最後にちょっと併せて質問させていただきたいと思います。
 次、質問を予定しておりました正社員比率の向上と非正規職員の処遇の改善については、先ほど小沢議員から質問をされましたので、一点だけ、質問を省略するんじゃなくて更問で聞きたいと思うんですが、今後、同一労働同一賃金を実現をして安定的なユニバーサルサービスを提供していくために必要な制度改正を進めていくということを答弁をされたんですけど、具体的にどういう制度改正を考えておられるのか、そのことについて今日お話しできる範囲でお話をいただきたいと思います。

#66
○参考人(諫山親君) 期間雇用社員につきましても、正社員と同様に事業運営に不可欠な重要な戦力でございます。モチベーションアップの観点から、その処遇改善に努めてきた経緯がございます。今後とも、安定的なユニバーサルサービスの提供に向けて、グループ各社の経営状況も踏まえながら、あるいは同一労働同一賃金の観点にも留意しつつ、労働組合との交渉を通じて期間雇用社員の処遇改善に努めてまいります。
 また、先般、日本郵便に係る労働契約法二十条裁判の最高裁判決におきまして、一部労働条件の差異が不合理である旨の判決が出されたところでございます。会社といたしましても、この問題の重要性に鑑みまして、当該判決内容を踏まえ、組合の意見も踏まえつつ交渉を進めまして、できるだけ早期に制度改正の具体的な内容を固めてまいりたいと考えております。

#67
○吉田忠智君 今日は具体的な事項はお聞きすることはできませんでしたが、今後また労働組合と真摯に話し合っていただいて、早急に、できるだけ早く制度改正がなされるように強く要望したいと思います。
 郵便法改正、本題の郵便法改正に関する質問をいたします。
 人手不足が深刻化する中、持続可能な郵便事業を維持するために、労働者の安定確保は経営側から見ても深刻な課題と思われます。そのような中、労使双方の検討を経て今回の法改正に至ったと説明を受けましたけれども、その過程で総務省は郵便サービスの見直しに関するアンケートを行いました。
 アンケートの対象、実施時期、結果について御説明ください。

#68
○政府参考人(佐々木祐二君) お答え申し上げます。
 御指摘のアンケートでございますけれども、郵便サービスの利用状況や制度改正によりサービス水準が見直された場合の意見などを把握するため、二〇一八年十二月から二〇一九年一月にかけて、十代から七十代以上の個人約二千八百人及び法人約九百社から回答を得たものでございます。
 この結果、例えば週五日配達への変更及び翌日配達の見直しが両方とも実施された場合、どのように思うかという設問に対しては、個人、法人共に、やむを得ない、どちらでもよいという回答が合わせて七割から八割を占めたところでございます。

#69
○吉田忠智君 このアンケートは、新型コロナウイルスの問題が起きる前の調査であります。今年に入って日本郵便もアベノマスクや給付金の発送事務などの事務をされました。利用者、郵政、双方を取り巻く状況は大きく変わったと、そのように言わざるを得ません。
 新型コロナという環境変化を受けて、郵政サービスについての意識をどのように把握されておられるか、伺います。

#70
○政府参考人(佐々木祐二君) 先ほど述べましたアンケート調査でございますけれども、二〇一八年十二月から二〇一九年一月に行ったものでございますので、新型コロナウイルス感染症の問題が起きる前ということでございますが、その後の本年八月から九月に日本郵便におきまして法改正の内容に直結する質問項目に絞ってアンケート調査を行った結果、同様に七割から八割の方から受け入れられるという回答を得ているというものと承知をしておるところでございます。
 また、このほか、新型コロナウイルス感染症に限らず、郵便サービスの利用者の意識に関しましては、日本郵便を通じた情報収集でございますとか、電話やメール等を通じて総務省に直接寄せられる御意見等を通じまして把握するように努めておるところでございます。

#71
○吉田忠智君 第九回郵便局活性化委員会の日本郵便の説明では、郵便局の現場社員から寄せられた主な意見が紹介されています。
 一例を申し上げれば、要員不足のため非番日の出勤を命じられることが多く、年次有給休暇の計画付与分も年度末になってまとめて取得している状況、社員の配置を減らしており、日々の業務運行の確保で精いっぱいの状況、内務作業についても労働力確保が困難、離島の人手不足は深刻、このような意見が寄せられています。
 今回の法改正だけではこうした課題の解決は進まないのではないかと危惧しますが、日本郵便として具体的にどのように対応しようとしているのでしょうか、また、総務省としてどのように指導監督を行っていくのか、お考えを伺います。

#72
○参考人(諫山親君) これまでも、地域を決めた上で正社員の中途採用を実施しておりますほか、優秀な期間雇用社員を正社員に登用するなど社員の定着、確保に努めてきたところでございます。
 また、今回の郵便制度改正によりまして、土曜日の配達のために出勤している社員及び郵便物の仕分業務のために夜間、深夜帯の勤務に配置している社員を他の業務に再配置することが可能となりますが、これらの要員を、増加する荷物分野の業務のほか、人手不足等によりまして超勤等で対応している郵便分野にも再配置することによりまして、郵便局から寄せられている意見にしっかりと対応していきたいというふうに考えております。
 さらに、これまでも行ってきている郵便物の仕分作業の機械化等の取組を進めるほか、新しい取組といたしまして、二輪車による配達担当者がスマホ端末を携行することによりまして位置情報のデータを取得し、これを配達順路の見直しなどの業務の効率化に活用するテレマティクスの取組、あるいは配送ロボット、ドローンなどの先端技術の活用など、業務の効率化に取り組むことによりまして、人手不足の中で郵便局で働く社員の労働環境を改善しつつ、将来にわたり安定的な郵便サービスの提供を確保できるよう努めてまいります。

#73
○政府参考人(佐々木祐二君) お答え申し上げます。
 ただいま日本郵政から答弁がありましたとおり、今回の法改正によりまして、土曜日の配達や深夜の区分事務に係る業務負担が軽減され、要員の再配置も行われるようになり、結果といたしまして、御指摘のような状況につきましても一定の改善が図られるものと認識をしておるところでございます。
 その上でということになりますけれども、総務省といたしましては、人材確保につきましては日本郵便において努力されるべきものと考えてございますが、ユニバーサルサービスとしての郵便サービスが安定的に提供されるよう、引き続き注視してまいりたいというように考えております。

#74
○吉田忠智君 日本郵便としても、総務省としても、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、先ほどちらっと武田大臣からも答弁がございましたけれども、郵便局における自治体事務の受託について質問をいたします。
 十一月十三日に行われました第一回デジタル時代における郵便事業の在り方に関する懇談会で郵政行政部が配付したデジタル時代における郵政事業の在り方についてによりますと、郵便局における自治体事務の受託として長野県泰阜村の例が書かれています。泰阜村では、村の南部にある支所の業務について、近隣の郵便局へ証明書交付、住民福祉関係の届出、印鑑登録などの事務を委託してきました。この資料で、ほかにも、石川県加賀市、福島県二本松市、静岡県東伊豆町においても支所等の業務を郵便局に委託したと書かれています。
 現在、このように自治体の事務を郵便局に委託したのはかなり増えていると思われますけれども、幾つあるでしょうか、伺います。

#75
○政府参考人(佐々木祐二君) お答え申し上げます。
 郵便局は、地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律に基づきまして、住民票の写しの交付などの証明書交付事務について地方公共団体から受託することが可能となってございまして、本年八月末時点で百六十三自治体から受託いたしまして、五百八十三局で取扱いを行ってございます。

#76
○吉田忠智君 法律に基づいて委託をされておられるということであります。
 このことは、裏を返せば、これまで国が進めてきた合併政策が地方の過疎化に拍車を掛けてきた結果だということも言えるわけでございます。
 合併特例法の延長のあの改正のときの議論もさせていただきましたけれども、本来であれば自治体がしっかり担わなければならない、郵便局への委託ではなくて、自治体への人と財源の移譲により自治体の機能強化を優先すべきであると考えますけれども、郵便局に対する委託していることの是非、それは方向性としてはやむを得ないことだと思いますけれども、総務省としてこのことについてどのように考えておられるか、伺います。

#77
○政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。
 第三十二次地方制度調査会における市町村合併についての今後の対応方策に関する答申において、市町村合併によって専門職員の配置、組織の充実や行財政の効率化などの効果が現れている一方で、周辺部の旧市町村の活力が失われているなどの課題も指摘されているところでございます。こうした課題の解決に向け、合併市町村においては、支所の設置や地域自治区の活用など様々な取組が行われていると承知をしております。
 総務省においても、平成の合併により市町村の面積が拡大するなど市町村の姿が大きく変化したことを踏まえ、支所に要する経費の加算など、平成二十六年度以降五年間掛けて普通交付税の算定を順次見直してきているところでございます。
 他方で、人口減少や厳しい財政状況など経営資源が制約される中で、郵便局を含めた様々な外部資源も活用しながら業務改革を進め、そこで捻出された人的資源を職員自らが対応すべき分野に集中していくことも重要であると認識しております。
 このような認識の下、各市町村におかれましては、どのようなサービス提供の方法がより効果的、効率的か、地域の実情を踏まえて判断いただき、その役割を適切に果たしていただきたいと考えております。
 以上でございます。

#78
○吉田忠智君 もう一つ、地方自治体と郵便局の関係で質問をいたします。
 来年度予算の概算要求で郵便局活性化推進事業、三千万円が要求されています。買物支援、児童、高齢者の見守り、自治体の窓口事務の受託など行政サービスのほか、暮らしの安心、安全のサポート、住民生活のサポート、町づくりのサポートにおいて郵便局と自治体等との連携拡大を目指す取組だと、そのように思います。
 現在は事業実施地域も限られておりまして予算も僅かでありますが、この調査によりどのような課題が浮かび上がっているのか。
 そして、区分けして質問する予定、一括して質問させていただきます。
 この事業は実証事業でありますので、今後は郵便局と地方自治体が自主的に連携する事例が全国展開されていく必要があると思いますが、そのためには新しい取組を行う郵便局の人材と財源の確保が必要と思われますけれども、どのように考えておられるのか、また、地方自治体にとって郵便局と連携することで行政コストが削減される効果がどの程度あると思われるか、併せて伺います。

#79
○政府参考人(佐々木祐二君) お答え申し上げます。
 郵便局活性化推進事業は、地域の郵便局と地方自治体などが連携をいたしまして、ICTを活用することにより、買物支援や高齢者の見守りなど、地域課題を解決するモデルケースの創出を支援するものでございます。
 令和元年度以降、令和元年度の事業開始以降、全国の三地域で実証を実施しておりまして、例えば郵便局が持つ配達ネットワークなどのリソースを買物支援などの地域課題解決に活用できることが確認できた一方で、持続可能な事業とするためには配送料などのランニングコストを誰が負担するかなどの課題を改めて認識してきているところでございます。
 総務省といたしましては、本事業を引き続き着実に実施いたしまして、これらの課題解決に向けた検証をしっかりと進めてまいりたいというように考えておるところでございます。
 それと、あと、併せて御質問いただきました行政コストの削減などに関する御質問の関係でございますけれども、今御答弁申し上げましたとおり、モデルケースを創出することによりまして郵便局の人材や配送ネットワークを更に有効活用して、また強化するなどいたしまして、採算性を意識した持続可能な事業の実施が必要になってくるというように考えておるところでございます。
 また、地方自治体にとりましては、この事業で得たノウハウを持つ郵便局に住民サービスの一部を委託することで、地方自治体の行政コストの削減にもつながるものと考えておるところでございます。
 総務省といたしましては、こうした観点にも十分留意をした上で郵便局活性化推進事業を実施してまいりたいと、このように考えてございます。

#80
○吉田忠智君 郵政の質問の最後に、日本郵政株式会社の増田社長に質問をいたします。
 これまでの議論を受けて、働く人の立場、利用者の立場を踏まえて、これからの郵政のユニバーサルサービスをどう構築していくのか。まず、今回の法案について、増田社長は十月三十日の記者会見で法律の必要性や背景についての議論に誠実に対応していきたいと述べています。これまでの議論を聞かれて、どうお考えですか。

#81
○参考人(増田寛也君) 今委員御指摘の十月三十日の記者会見で法律の必要性や背景について私触れたわけですが、やはりユニバーサルサービスを私どもがきちんと会社の努力としてやっていくのは大変重要だと思っておりますが、その中で、働く者の立場、土曜日の業務から平日の業務とか、深夜帯から昼間帯にと、こういう働く者の立場を考える一方で、お客様のニーズも郵便に対してのニーズがやはり変化をしてきている。儀礼性、例えばお礼状や挨拶状といったものはこれからも支持されると思いますし、それから、現物の、物をお届けするという現物性が中心となって、必ずしもお客様のニーズもスピードに対するニーズは高くなくなるといったような変化も出てくると思います。
 こうした変化につきましては、私どもとしても必要なものを要望させていただくということがあると、このように考えておりますが、いずれにしても、全体として見れば、私どもは、お客様の立場、そして社員の幸せも含めて、それを追求しながら社会に貢献していく、こういうグループであり続けなければいけないので、そういう活動の中でしっかりと国民のインフラであるユニバーサルサービスを守っていきたいと、このように考えております。

#82
○吉田忠智君 日本郵政、日本郵便は特殊法人、ゆうちょ、かんぽは一般企業という分類だそうであります。
 世界各国で、国営で郵便事業をやっているのが約半数以上、そして民間だけれども国が強く関与しているのがかなりの数に上るということでございます。日本がどのぐらいのレベルにあるのか、こういう今回のような郵便法改正を一つ一つしなきゃならないという点においては、かなり国の関与が強いと思っております。
 いずれにしても、国の責任は極めて大きいわけでありますから、ユニバーサルサービスを守っていくために、これからしっかり郵政グループと連携を図りながら、この郵政、国民の固有財産でありますから、しっかりこれが守られるように強く要請をさせていただきたいと思います。
 ちょっと時間を、最後に余った時間をいただきまして、ほかの質問をさせていただきます。
 第三次補正予算における地方財政対策について総務大臣に伺います。
 この委員会でも御議論がありましたけれども、この間の新型コロナウイルス対策や災害復旧復興、生活困窮者支援などで地方自治体は基金を取り崩すなど、自治体財政が急激に悪化をしております。
 現在検討されている第三次補正予算案に、地方交付税の増額や、内閣府所管でありますけれども新型コロナ対策地方創生臨時交付金の増額、また議論がございました減収補填債の適用拡大など、これは地方税法の改正をしなければならない課題でありますが、そうしたことも含めて地方財政対策をしっかり盛り込んでいただきたいと思いますけれども、総務大臣の見解を伺います。

#83
○国務大臣(武田良太君) しっかり盛り込んでいきたいと、このように考えております。
 また、この感染症への対応については、ほとんどの事業を全額国費対応とする一方で、先ほど御指摘がありました、自治体の判断によって自由度高く地方単独事業に取り組むことができる財源として内閣府の地方創生臨時交付金が措置されているわけであります。しっかりと利用していきたいと思います。

#84
○吉田忠智君 地方自治体から悲痛な声が上がっておりますので、実態把握をしていただいて、三次補正にしっかり盛り込んでいただきたいと思います。
 それからもう一点、今日はNHKの会長にもおいでいただいて、NHKの改革についてそれぞれ具体的にやりたかったんですけど、時間がなくなりましたので、総括的にお聞きをしたいと思います。
 今、NHKの改革について、課題で、もう今、前田会長のところに上がってかなり具体的な詰めをされておられると、そのように聞いております。営業経費の取扱い、あるいはまた剰余金の考え方などですね。
 私は、やっぱり現場を重視をして、NHKが果たす役割は極めて大きいと、公共放送を担う役割は大きいと。最近の民間放送などを見ましても、ちょっと質がかなり落ちているんじゃないかと、失礼な言い方ですけど。そういう意味で、やっぱり放送そのものをしっかり守っていく。海外コンテンツもどんどん入ってきておりますから、苛烈な競争になっています。
 そういう意味で、国民に信頼されるNHKにどのように改革していくのか、そのことについて前田会長のお考えを伺いたいと思います。

#85
○参考人(前田晃伸君) ただいま現在、次期中期経営計画、三か年計画を作っている最中でございます。
 NHKは肥大化したとか、いろいろ御批判がございます。私は、NHKと民間放送は二元体制であった方がいいと思いますが、NHKが民間放送のまねをするとかそういうことではなくて、NHKに求められておりますNHKらしさ、要するに防災とか、NHKしかできない仕事にむしろ特化すべきではないかと私は思っております。
 その中で、この肥大化して、かつ放送波が現在地上で二波、衛星で四波という物すごい、それからあと、もちろんラジオもありますので、これだけの多くの波を抱えたままで良質な番組を作り続けるのはむしろ困難でございますので、波の削減を含めてNHKそのものが必要最低限のミニマムな形に、存在になった上で、立派な放送、それから信頼第一のNHKにすべきだと考えております。

#86
○吉田忠智君 最後に、武田大臣に伺います。
 十一月十七日の本委員会でのやり取りで、公共放送の在り方についてどういう役割を果たすかという質問に対して、大臣は、NHKならではのクオリティーの高さであるとか、あと、スポンサーに左右されない、視聴率に左右されない、的確、正しい報道ができるという、こうしたところはやっぱり我が国の中の放送業界として残していかなければならないんじゃないかと答弁をされました。
 NHKの今後の在り方について、武田大臣として今後どのように当たっていかれるのか、考え方を伺います。

#87
○国務大臣(武田良太君) いろいろありましょうけど、公共放送として国民から受信料をいただいている限りにおいては、国民から納得のいく放送局でないといけないということ、これに尽きると思います。これをしっかりと我々ども注視してまいりたいと思っております。

#88
○吉田忠智君 以上、終わります。ありがとうございました。

#89
○委員長(浜田昌良君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#90
○委員長(浜田昌良君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#91
○片山虎之助君 日本維新の会の片山でございます。
 前回に引き続いての質問をさせていただきます。
 我が党は、この法案の改正には賛成であります。これによって収支が、どのくらい日本郵便の収支が変わりますか。今大体、正確かどうか分かりませんけど、毎年二百億ぐらい赤字になっている。しかし、これが通れば六百億か六百五十か五百五十かぐらいには収支が改善する。しかし、大きいトレンドは変わりませんよね。その辺はどう見ていますか。

#92
○参考人(衣川和秀君) お答えを申し上げます。
 今回の郵便サービス見直しによる経費への影響につきましては、土曜日配達や深夜帯の郵便業務からほかの業務にシフト可能となる要員の人件費、関連して削減可能となる物件費等を合わせ、約五百億円強を見込んでいるところでございます。この五百億円強という数字は、二〇一八年十二月の段階で総務省の情報通信審議会に日本郵便から提出しました約六百億円という数字について、荷物等の増加傾向など郵便事業を取り巻く環境の変化を踏まえて改めて精査をいたしたものでございます。
 今回の郵便サービスによりまして、まず関連する物件費等約五十億円の経費削減を見込んでいるところでございまして、シフト可能となる要員については、一部人手不足等に対応するため郵便業務に残さざるを得ないもののほか、多くは増加する荷物等の業務に再配置する要員について会社内部の労働力のシフトとなるものでございまして、会社全体としては経費節減、削減となるものではございませんが、郵便事業単体としては経費削減となるものでございます。
 今回の改正によりまして、成長が見込まれる荷物事業への要員シフトによる荷物事業の拡大を通じて会社全体の経営基盤の強化に資することができるものと考えてございます。
 なお、郵便事業につきましても引き続き効率化の努力を続けていきたいと考えてございます。

#93
○片山虎之助君 余り丁寧に説明してもらっても分からないから、ポイントだけで結構です。あなたも大変でしょう、そのスピードでしゃべっているの。
 それからもう一つ、これによって働き方が変わってくるんですよね。土曜日に配達しなくてもいい、翌日配達をやめる、こうなりますと、皆さんのところのどこかの審議会の部会で、人が余る、再配置ができないと。そういう人が、例えば土曜の場合には八千人ぐらい出るんじゃないかと、翌日配達の場合には五千人ぐらいかな。うまくその切替えができるんですか。その仕事もいろいろあるので、うまくはまるかどうかというのは分からない。その辺はどういう見通しですか。

#94
○参考人(衣川和秀君) 先生御指摘のとおり、かなりの人数の人員の配置の見直しをするということになります。ただし、土曜日の仕事、あるいは深夜、早朝の仕事が全くなくなるということではございませんので、関係の皆さんの勤務に対する希望も聞きながら丁寧に要員の再配置を進めていきたいというふうに考えてございます。

#95
○片山虎之助君 これはこれからの大きなトレンドとしては、やっぱり郵便はだんだん先細りですよね、どんなことがあっても。物流は、ゆうメールやゆうパックですか、あれも非常にいいというふうに聞いているんですが、その辺はどうなんだろう。それから、民間との競合関係はどういうふうになりますか。

#96
○参考人(衣川和秀君) 私どもの郵便事業の特性といたしまして、郵便物は減少しております。ただ一方で、配達箇所数については余り減少していないというような傾向がございます。
 私どもは、基本的に全てのお宅を順次回っていくというふうな形で配達をさせていただいております。こういったところを利用いたしまして、小型の荷物の分野を更に伸ばしていきたいと。また、私どもの配達能力に余裕があるところにつきましては、民間他社様の仕事を引き受けるというふうなことも考えていきたいというふうに思っております。

#97
○片山虎之助君 それからもう一つ、皆さんのいろんな仕事に新しい技術を使わなきゃいけませんわ。ドローンとかロボットだとか自動車の自動運転というのが今世界的に大変な研究をされている。そういうことについてはどういう配慮ですか。

#98
○参考人(衣川和秀君) 先生今御指摘いただきましたようなドローン、それから配送ロボット、その他もろもろの新しい技術について実証実験等を重ねてきているところでございます。
 日本全体といたしまして、やはり人口減少の中、これからどうやって労働力を確保していくかと、私ども非常に大きな課題でございますので、こういった新しい技術を活用しながら、人手と併せて必要な作業をきちんとできるような体制を組み立てていきたいと考えてございます。

#99
○片山虎之助君 しかし、感じは、本当に長い歴史と実力、実績を持つ郵政の皆さんなんだけれども、大斜陽グループのような感じを受けてしようがないんですよね。だから、この新しい時代の新しいビジネスモデルというのが要るんじゃないですか。
 そのためには、皆さんの非常な強みは二万四千の郵便局のネットワークですよ。それから、膨大な今までのいろんなデータですよね、ビッグデータというのか何か。それをうまく新しいビジネスモデルに使うことの研究をされているんだろうと思うけれども、されていますか。

#100
○参考人(衣川和秀君) 私どもの方でも、持ち株会社、日本郵政株式会社と協力をいたしまして、いろんな検討をいたしております。
 大きく分けて二つの分野があるかと考えておりまして、郵便配達の分野で例えばお客様の荷物の引受けデータ等を所有しておりますが、こういったものを私どもの一連の作業工程の中でうまく使うことによって全体の効率化を図っていくというようなことを一つ考えてございます。
 もう一つは、いわゆる個人データの利活用の分野でございますが、これは個人情報保護法等関連法制を踏まえながら慎重に扱うべきものと考えておりまして、例えば、データの匿名化や本人同意などの対応を図るとともに、セキュリティー対策を十分に施すことが前提というふうに考えてございます。
 現在総務省で開催されておりますデジタル時代における郵政事業の在り方に関する懇談会での議論も踏まえながら、グループの新たな成長に向けて検討を進めていきたいと、このように考えてございます。

#101
○片山虎之助君 それからもう一つ、平成の大合併を推進した者としてはいろんな思いや反省があるんですけど、今や過疎地域を中心に全国的にきちっと公的なもので残っている拠点は郵便局なんですよ。だから、その郵便局にいろんな仕事が持ち込まれる。役場の支所的な機能を持ち込まれる。あるいは、高齢者が増えるんですから、見回りだとか買物代行だとかいろんな手伝いだとか、農産物の、農作業の世話だとか、持ち込まれるのは当然なんですね。
 それはある意味ではユニバーサルサービスの一部なんだけれども、それは、そのお金や人手はどうなるんですか。そこなんです、問題は。皆さんは元々役場の支所じゃないんだから、郵便局なんだから、その辺の仕切りというのはどういうことでお考えですか。
 私は、百六十三団体って言われましたよね、午前中の質疑で。結構なことだと思うんですよ。合併を急ぎ過ぎたところも確かにある。それを補ってもらったのは大変感謝しておりますけれども、どうなっていくの。

#102
○参考人(衣川和秀君) ただいま先生から御指摘がありましたように、私どもでは、住民票の写し、戸籍謄本等の公的証明書の交付事務、それからプレミアム付き商品券やバス回数券等の販売など、行政サービスの事務を地方公共団体様から受託をさせていただいております。その手数料の関係でございますが、平成十三年の総務省の通達に基づいた一分当たりの単金によりまして設定をしております。
 ただ一方で、近年、労働力不足あるいは人件費高騰ということがございますので、実情に合わせて一定の利益を確保させていただき、郵便局ネットワークの維持に貢献できるよう見直しも必要があると考えているところでございまして、こういったところは丁寧に関係各所に御説明をしていきたいというふうに考えてございます。

#103
○片山虎之助君 今は総務省になって、旧自治省と旧郵政省一緒なんだから、そこはうまく話し合って、いい形のモデルをつくって、私は有効に機能してもらったらいいと思うんですよ。
 そこで、その郵便局に切って切れないのはユニバーサルサービスですよ。ユニバーサルサービスというのは時代によって変わらないんですか。昔から決まって、だあっとそれがあらゆる時代に続いていくものですか。デジタル時代に変わってこないんでしょうか。どうですか。

#104
○参考人(衣川和秀君) デジタル時代において、私どものユニバーサルネットワーク、どうやって維持していくかというのは、これは大変難しい、かつ重い課題だというふうに考えてございます。
 ですから、このリアルとデジタルをどうやって組み合わせていくかというようなところにつきまして、持ち株会社とも共同していろいろと検討をしてまいりたいと、このように考えてございます。

#105
○片山虎之助君 郵便局はいろんな意味で、ある意味では私は大変な資産だと思っているんですよ。これをどうやって有効に使うかということはやっぱり国民の知恵ですよね。そういう期待に私、応えられると思うので、ユニバーサルサービスについてもこれから大いに検討して国民的合意を得ていただきたいと思いますが、大臣からも午前中いろいろな答弁をお聞きしましたが、大臣、御感想があれば。

#106
○国務大臣(武田良太君) 先生御指摘のように、とにかく新しいビジネスモデルというものを常に考えていかなきゃならないということ、それともう一個は、このネットワークとデータ、この虎の子のデータをやはり遺憾なくこれ利用して、その能力を発揮していくということを努めなければならないと思っております。そうしなければ、ユニバーサルサービスというのは将来的に維持するのは難しいと思います。
 そういった中においても、やはりどうでもこうでも自分たちの力で維持できないということが万が一来れば、そのときは我々としても様々な検討に入っていかなくてはならないと、このように考えております。

#107
○片山虎之助君 大きい課題ですね。引き続いての御検討をお願いいたします。
 それでは次に、NHKの問題に入ります。
 会長、長い間お待たせして申し訳ありませんが、これから入りますが、例の中期経営計画、今進行中というか、これから進行ということになるんでしょうか、これは今どういう状況でしょうか。特にその中にある、三位一体の改革と言っておられますわね。あれは地方財政の原則なんですけど、使っていただいてありがとうございます。その三位一体の改革の中で、特に受信料の引下げについて御意見があればお聞かせいただきたいと思います。

#108
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 三位一体改革につきましては、次の三年間を仕上げの三年間としたいと私は思っております。
 現在、新型コロナウイルスの感染拡大や世帯数の減少による受信料の減収など、NHKを取り巻く環境は厳しくなってまいりました。次の中期経営計画は、この三年間でNHKが行うべきこと、これからの時代に対応した新しいNHKらしさの追求をしてまいりたいと思います。
 そのためには、現在たくさんございます波を、放送波を中心にした番組の作り方からジャンル別の放送番組の管理を今年度から既に導入いたしましたが、このような手法を導入することによりまして経営資源を質の高いコンテンツに集中させるほか、放送波の削減、設備投資への切り込みなどコストの構造改革を行い支出を六百三十億円程度削減する一方で、必要な項目につきましては百三十億円程度の重点投資を行います。その結果、三年後の二〇二二年度には事業支出を六千億台、現在七千億を超える巨大な規模になっておりますが、六千億台に抑制をしてスリムで強靱なNHKに生まれ変わらせようと考えております。
 一方で、番組のクオリティーを落とすということでは話になりませんので、私どもは、クオリティーは落とさずに、また、民間放送とは異なるNHKらしい番組作りに全力を注ぎたいと思います。安心、安全を支える、それから新時代へのチャレンジ、社会への貢献など、五つの重点分野に重点的に取り組みたいと思っております。
 また、次期経営計画につきましては、来年一月に経営委員会の議決を得たいと思っております。
 また、受信料値下げに関しましては、この十月から既に一回値下げをいたしましたが、これまでの経緯は、NHK、経営努力をして剰余金がたまると今度はたまり過ぎたといって怒られるという非常に複雑な構造になっております。今度は、赤字になると何で赤字になったということでございます。
 私、剰余金の金額、今は千四百億ぐらいという非常にたくさんになっておりますが、この金額はやや大き過ぎると率直に思います。剰余金の金額を必要な金額に抑え、さらに、それを超えて経営努力によって収支がプラスになった場合には受信料で還元できるような形に、国民の皆さんから見て見えるような形にしたいと思っております。そのためにはちょっと新しい勘定科目を作らないとできないものですから、現在、総務省さんにお願いしておりまして、受信料を還元できるような勘定科目を作らせていただいて、しっかりと還元できる状況になったときに返させていただきたいと、そう考えております。

#109
○片山虎之助君 今会長が言われましたように、四千億円のお金が、余っているわけじゃないんですが、あるわけですよね。放送センターが千七百億でしょう。繰越金がもう千三百億弱です。それから、子会社の全部の剰余金ですね、これも繰越金、これが九百何十億です。四千億ある。今、コロナで国も地方も大変な苦労をしている、お金で。国民もみんな苦労していますよ。国民も窮乏している。そのために、国は無理して、地方も無理して借金を重ねて、いろんな交付金を出し、助成金を出し、いろんな手当てをしているんですよ。そのとき、四千億円あって、これからゆっくり検討してということがいいんでしょうかね。
 それ、今、いろんな調査を取ると、まあ権威があるかないかは別にして、いろんなメディアの調査ではやっぱり受信料は高いという感じですよ。それは安い方がいいに決まっているわけですからね。みんな高いと言うんだろうけど、本気で高いと思っている人が私は相当いると思うんですよね。その辺は痛切にお感じになりませんか。
 これだけコロナで世界中が経済もおかしくなり、財政はもっとおかしくなっている。みんな借金でいろんな手当てをしている。どうやってみんなちゃんと暮らすためにお互い助け合おうかということをやっている。いかがですか。

#110
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 受信料水準につきまして、高いか安いか単純にちょっと比較が難しいんでございますが、私、今まで総務省で開示されました諸外国の受信料の金額、それと比べ、例えばイギリス、ドイツ等と比べますと、日本の受信料、そんなに割高ではございません。
 ただ、単純に私は比較すればいいということではなくて、ヨーロッパ、特にイギリスとかドイツの受信料制度と、制度の違いももちろんございますが、放送内容が違っております。これは国民性が違いますので、日本の場合、特に地震、風水害、いろんなことが物すごく起こる国でございまして、この防災、こういう報道をすることが公共放送の大変重要な役割になっております。
 そのために、番組をヨーロッパのように一回セットしたのをそのまま流せばいいというような仕組みになっておりませんで、地震が起こるたび、皆、先生御案内のとおり、直ちに画面にテロップを入れたり、途中で番組切り替えるとか、それを頻繁に繰り返しております。これは、申し訳ないですけど、物すごくコスト掛かります。
 ただ、これは、私はやっぱり日本の視聴者の皆様に対する重要なサービスだと思いますので、全部それをやめるというわけにはいきません。単純に外国と比べるわけにはいかないと。やっぱり日本で国民の皆様に支援されるような形のサービスをする必要があると思います。
 そういう意味で、受信料については、もちろん高いか低いかと言われればどちらでも言えるんですけれども、私、最後はやっぱりサービス内容を国民の皆様が御判断いただいて、高いということであれば、もう我々は下げる努力を一生懸命していますので、是非それを見ていただきたいと思います。
 率直に言って、今までやや肥大化した部分がありまして、これがコストが上がっている原因であります。これは徹底的にスリム化して強靱化するというのは私の決意でございますので、是非御理解いただきたいと思います。

#111
○片山虎之助君 日本の受信料が高いか安いか議論はありますよ。高めですけど、そんなに大して開きがあるわけじゃない。
 しかし、支払率を見てください、徴収率を。それは圧倒的に違うんですよ。よその国はみんな義務付けているんですよ。日本は契約を義務付けているんです。やっと判決で、相手が支払うことをうんと言ったら取ってもいいよという最高裁判決が出たんですよね。それで少し良くなったんだけれども、しかし、それはもう本当にまどろかしいとも思いますよ。
 だから、どうやってこれをちゃんと取るかという話なんですけれども、私は義務付けたらいいと思う、日本も。支払を義務付ける、よその国のように。そういうことの方がはるかに簡単で、契約を義務付けるよりはもっと分かりやすいと思いますよ。前からそれを主張しているんだけれども、なかなか皆さんの方はそうはいかないんですよね。
 それで、今八三%といいますけれども、八三%は抽出アンケートの推計なんですよ。実際じゃないんですよ。分からない。実際は、訪問したりなんかして、ちゃんと取っているのは二%だと聞いていますよ。だから、それは、八三も取っているんだからというのは、その八三以上が、八三よりもっと低いかもしれません、これが岩盤の支払しない層なんですよ。ずうっと支払っていない。これはもう大変に私は不公平だと思う。
 皆さんは嫌かもしれぬけど、支払を義務付けるべきだと思いますけれども、いかがですか、会長。

#112
○参考人(前田晃伸君) 先生の御主張はよく理解できますが、私はNHKの会長になって改めて考えました。NHKが受信料という大変難しい制度の上に成り立って、それで、視聴者とコミュニケーションしながら、かつ努力をして契約をしてもらうという、もう物すごい努力をしているんですけれども、支払義務化をという形で強制的に支払う形になったら何が起こるかというのを考えました。
 ざっくり言って、NHKは、要するに痛いところ、弱みがゼロになります。黙っていてお金入る仕組みになって、視聴者コミュニケーションとか、要するにいろんな、今現在一日何千件といういろんな方々の御意見を集めるシステムがありますけど、僕は、その努力がなくなるんじゃないかと心配しているんです。これで本当によろしいんでしょうかと。お金は黙って入ってきて、放送番組だけ作ればいいというような、そういうスタイルになって、私は必ずしも幸せではないと思っています。
 全国でネットワークをつくって、全国でサービスをするというこの立て付けで一生懸命やっている、営業も物すごく苦労して確かにやっていますけれども、その営業努力、一言で言いますとアキレス腱全くなくなって、自動的にお金が入ってくるシステムになって、今のNHKよりもっと良くなるという自信は私はございません。

#113
○片山虎之助君 私は、私の考えばっかり言って申し訳ないんだが、義務付けて、上げて、支払率を、上げた増収分をもってもっと下げたらいいと思う、受信料。そうするのが一番分かりやすいし、国民の支持を得ると思いますよ。
 ただ、もう残念ながら時間がほとんどなくなってきましたから、大臣、今、中期経営計画で三位一体の改革をNHKさんは一生懸命やっておられるようですが、特に受信料の引下げを中心にどういう評価をされていますか。どういうお考えですか。

#114
○国務大臣(武田良太君) 先生再三御指摘されているように、この受信料、国民はみんな高いと言っているんです。これが高いか安いかというのはNHKが言うことではなくて、負担する国民が決めることであって、高いと言うんだったら高いと私は考えております。
 今八三%という数字を示されましたけれども、逆差別になっているんですね。払い損、払わぬ得、これは絶対に是正していかなくてはならないと私は考えているんです。
 ここでみんな負担していただいた分でまた値下げにつながるといいますけれども、とにかくNHKは徹底して見直さないけん部分はあります、剰余金の問題にしても、システムの問題にしても。今、中期経営計画では衛星だとかラジオだとかのチャンネルを減らしてスリム化を図るとしておりますけれども、それだけではなくて、いかにして受信料を下げるか、コロナ禍において。携帯電話料金はこっちに置いておいてNHKの方を先にやれという国民の声は相当多いんです。そのことを真剣に考えながら実行に移していただきたい、そのことを期待したいと思います。

#115
○片山虎之助君 時間来ましたので、引き続いてやります。
 終わります。

#116
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。
 この郵便法に対して質疑をしてまいりたいと思いますけれども、今日の各委員の皆さんの質疑を聞いていても、この日本郵政の現状というのはかなり困難な状況にあるなというふうに感じております。
 このかんぽの不正の問題、不適切な販売をしたという問題が、今日は現場の皆さんの方からも企業風土の問題や組織体質の問題ではないかということで提起がありまして、それも確かにそのとおりなんだろうなと、現場の方がおっしゃるんですからそういうこともあるというふうに思いますけれども、ただ、そこを改善していくというのは当然のことながら、それで果たしてこの問題が根治するのかなという大きな課題意識を持っておるということでございます。今の日本郵政の経営の在り方そのものに、枠組みの問題ですね、ここに大きな課題があるのではないかと私は考えているということを申し上げたいと思います。
 そもそも、この郵政民営化関連法案の趣旨説明の中で、郵政民営化は、「経営の自主性、創造性及び効率性を高め、公正かつ自由な競争を促進するとともに、多様で良質なサービスの提供を通じた国民の利便の向上、資金のより自由な運用を通じた経済の活性化を図り、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与する」というふうにされたわけですね。
 しかしながら、これ、平成十九年にこの事業が民営化されて日本郵政グループが発足してから十三年がたっております。しかし、この日本郵政の株式の五〇%以上を政府が保有し、日本郵政はゆうちょ銀行の八九%、かんぽ生命の六四%の株式を保有し、そのことによって金融二社にはほかの金融機関にはない業務規制が掛けられていると。つまり、このことによって経営の自主性や創造性というものはもうほとんど失われているのではないかというふうに思うわけです。しかし、その一方で、民間企業としての利益の追求は求められているし、かつそのユニバーサルサービスの提供を維持しなければいけないというかなり過酷な義務を課されているということがあると思います。
 このような中途半端な民営化の状況の中で、新商品の開発もできない。かんぽ生命の商品は、皆さんがおっしゃるには、これ競争力がないわけですよね。競争力のない商品を売らなければいけない、そして郵便を支えなければいけないという中で、やっぱりこれはかなり無理が生じた結果がこのかんぽの不適切販売に至ったのではないかというふうに私は理解をしているところであります。
 ですから、もうこれ、初代総裁の生田さんが、経営戦略や商品開発の手足が縛られている段階で収益を確保しなければならない、経営のかじ取りが難しい、中途半端な半官半民の状況をできるだけ早く解消する必要があるんだということをおっしゃっているわけでありますけれども、私もこれは同じ認識なんですが、このような認識をお持ちなのかどうか。日本郵政の増田社長と大臣にお伺いしたいと思います。

#117
○参考人(増田寛也君) 今の我がグループとそして郵便始め各社でありますけれども、基本、郵政民営化法の枠組みの中で経営をしていくということになります。
 その中では、私ども金融二社の株式を持っておりますが、制度的には、その株式、今五〇%を超える過半を私どもで保有して、日本郵政で保有しておりますが、五〇%程度にまず引き下げますと、そうした商品の構成、ラインナップもかなり自由度が増すということで、私どもは商品の魅力を高めることができるんではないかと、このように考えているところでございます。
 制度的には、様々議論をして作られた法律に基づく制度があるわけでございますが、一方で、不正が起きたことは大変遺憾なことで深く反省するとともに、ユニバーサルサービスを維持していくために、そのような制度の中で少しでも経営の自由度を発揮できるように私ども自身努力をしていきたいと、このように考えております。

#118
○国務大臣(武田良太君) まず、この不正については、どういう経営形態であろうが、これはもう許されることではないということがまず一点。
 また、この御指摘の株式の売却につきましては、民営化法において、金融二社の経営状況等を勘案しつつ、その全部を処分することを目指し、できる限り早期に処分することとされておりまして、これを踏まえて日本郵政の経営判断により処分が進められているものと承知をいたしております。

#119
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 このかんぽの不適切販売の問題、不法行為もあったということでございますから、もうこれは許されるものではありません。ただ、この枠組みの根本的な見直しをしなければやっぱりここは改善していかないんだろうというふうに私は感じました。
 ですから、これ、郵政悪いんだという風潮なんですけれども、ただ、この郵政を規定しているのはやっぱり法の枠組みの中でこれは規定していて、政府は株をなかなか放出していないといった実態もあって、やっぱりここを完全民営化していくという方向で改善していく必要があるんではないかというふうに私は考えております。
 今大臣が、できる限り早期に処分をすると、政府が日本郵政の株式についてできる限り早期に処分をするということでありますけれども、これ、昨年ですね、平成二十九年か、の第二次売却を最後に、昨年もこれを売却をしようとしたところでありますけれども、これはされなかったわけであります。これは、今後どういう条件になればこれを処分をするということになるのか、財務省にお伺いしたいと思います。

#120
○政府参考人(井口裕之君) お答えいたします。
 日本郵政株式につきましては、郵政民営化法におきまして、政府の保有割合をできる限り早期に減ずるものとされておりまして、またその売却収入につきましては、東日本大震災に関するいわゆる復興財源確保法に基づきまして、令和九年度までの売却収入を復興財源に充てることとしております。
 こうしたことを踏まえまして、日本郵政株式の売却時期につきましては、株式市場の動向や日本郵政の経営の状況等を注視しつつ検討してまいりたいと考えております。

#121
○柳ヶ瀬裕文君 その条件がちょっといまいちよく分からないんですけれども、これ、できる限りということで、昨年も売却をしようとしてということですから、これ処分をされようとしているんだろうというふうには思います。
 では、じゃ、この今二分の一以上保有しているわけですけれども、これが三分の一までは保有をするんだということなんですけれども、この二分の一と三分の一の違いによってどれだけ経営の自由度に影響を与えていくと、こういうふうにお考えなのか、この株式の放出についても何か考えがあれば、社長にお伺いしたいと思います。

#122
○参考人(増田寛也君) 政府が保有するその株式の保有率ですね、二分の一強、今、政府が過半を持っていますが、そうした場合には、当社日本郵政の株主総会において、単独で、政府が単独で取締役選任などの普通決議を行うことが可能と、このような形になっております。
 仮に政府保有が二分の一を下回った場合、この場合には政府が単独で取締役を選任することはできなくなるわけでありますが、日本郵政株式会社法によりまして、引き続き当社の取締役選任や事業計画の策定には総務大臣認可が必要であるということと、また、特殊会社として総務大臣の監督があると、この点については現在と変更はないものと、このように理解をいたしております。

#123
○柳ヶ瀬裕文君 ここでその議論はしないんですけれども、これ三分の一、政府がこれを保有する意味というのがどこにあるのかなというふうに私はちょっと疑問を感じているところです。
 というのは、日本郵政の株を政府が三分の一保有する、日本郵政がゆうちょ、かんぽの株式をこれは売却をするわけですけれども、今かなりの額をもう持っているわけですよね。それを五〇%までということですが、なかなかこれ完全処分ということに至らないんでしょう。そういったときに、そのかんぽ、ゆうちょが民間の金融機関とのイコールフッティングがこれでなされるのかといった懸念はありますので、三分の一を保有する意義についてはこれからもちょっとこれは話をしていきたいなというふうに思うんですが。
 日本郵政が保有する二社の株式の処分については、これは先般の中期経営計画の中で保有割合を五〇%程度とするんだということが書かれました。これは二〇二五年までの中期経営計画ですから、五年、二〇二〇年、二五年までにこれをするんだろうというふうに読み取れるわけでありますけれども、私はこの二社の株については、やはりこの経営の自由度がこれによって大きく増すわけですから、これを早期に売却をするべきだと考えております。
 今株価が下がっている、だからこの資産を毀損するんではないかという懸念はあるわけですけれども、株価の動向というのはこれ分からないですよね。分からないと思うんですよ。いつ上がるのか、いつ下がるのかというのは分からないわけです。で、このままこれを売らずにずっと経営が縛られ続けるというのは私は得策ではないというふうに思うわけであります。
 ですから、私はこの株式の売却を、株式の毀損ということを踏まえながらも早期に進めるべきというふうに考えますけれども、見解を伺いたいと思います。

#124
○参考人(増田寛也君) 先般公表いたしました次期の中期経営計画の基本的考え方、その中で、委員御指摘のとおり、私どもが保有しております金融二社の株式の売却について記載をいたしましたが、それは五年間の計画ですので、その期間内で売却をするということを最低限書いたわけですけれども、今後の状況次第ということになりますが、その中でもできる限り早期に五〇%程度となると、まずここを目指していきたいと、このように考えております。

#125
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。できるだけ早期にこれ売却をしていただいて、新規の事業を立ち上げていただいて商品を開発して、そして、郵政の皆さんがしっかりと自信を持って売ることのできる競争力のある商品を開発して収益を上げていただきたいというふうに思うところであります。
 ちょっと次の質問に移りますけれども、これ郵便物の将来見通しなんですが、令和元年度の引受郵便物数は、平成十三年度と比較して約四割の減というふうになっております。四割というのはかなりの減少だなというふうに思うわけですね。
 これ、電子メールやSNS等のデジタル化の進展によって、もうこれかなり通数はこれからも減っていくだろうというふうに思いますけれども、この見通しについて何かデータをお持ちなのかどうか、お伺いしたいと思います。

#126
○参考人(衣川和秀君) 申し訳ございません、ちょっと手元にデータがございませんので正確な定量的なお答えはできませんが、やはり昨今のデジタル化の進展に伴いまして郵便物の減少というものは免れないんだろうというふうには見ております。

#127
○柳ヶ瀬裕文君 データがないということなんですけど、これは是非いろんなところを利用してこのデータを作り上げていただきたいというふうに思います。
 それは、これからの郵便事業がどうあるのかということを考えるときに、やっぱり郵便通数がどう推移していくのかというデータというのは基礎的な資料だというふうに思いますから、これは是非算定をしていただきたいというふうに思いますし、私は、この今回の郵便法の改正では、これはサービスの低下ですよね、一言で言うならば。もう土曜日を配達しないということですから、これはサービスの低下ということになると思います。
 これを判断したときに、考え方は幾つかあるんですけれども、例えば料金を上げるという考え方もあると思います。又は、もっと徹底して合理化をして、人を雇えるように資金を生み出すという考え方もあると思います。又は、サービスを低下させるということもあると思うんですけれども、今回そのサービスの低下ということを選ばれたわけですよね。
 なんですけれども、では、この郵便事業の合理化というのはどれだけ進んで、どれだけ徹底してやってきたのかということについてお伺いしたいわけですけれども、この点についてお伺いしたいと思います。

#128
○参考人(衣川和秀君) 今回の制度の見直しをお願いをしております理由といたしましては、昨今の郵便に対するニーズが若干変わってきているという私どもの理解がございます。といいますのは、昨今、やはりお礼状とか挨拶状、それから冠婚葬祭の通知などのいわゆる儀礼的なもの、それから、契約書をお送りする、物品をお送りする、現物そのものをお届けしたいというその現物性、そういったものが中心となっている状況がございまして、スピードに対するニーズは従前から比べるとそれほど高くないと、そういう状況になりつつあるのかなということで今回の見直しをお願いをしている状況でございます。
 一方、合理化でございますが、これまでも郵便物の区分機の導入等を始めいろんな機械化によりまして合理化を進めているところでございまして、この合理化、効率化につきましては制度見直しとは別の要素として引き続き取り組んでいかないといけないと、そういうふうに考えている次第でございます。

#129
○柳ヶ瀬裕文君 サービスのスピードを求められていないんだという話ですけれども、私はそうは思わないですね。やっぱり郵便事業というのはスピード感があるということから利用されているものだというふうに思っていますから、それ以上にこの働き方を優先させなければいけなかったし、様々なコストの見合いがなかったんだというふうに私は考えているわけであります。
 合理化を様々進めていくということが必要だというふうに思いますので、是非これをちょっと注視していきたいというふうに思いますので是非様々なデータを教えていただきたいと思いますけれども、同時に、この郵便事業が成長産業にはこれからならないわけですよね。先ほど荷物の話もありました。ただ、同時に、やっぱり一つの核となるのは不動産事業なんではないかというふうに私は考えております。
 そういった意味では、平成二十九年の五月に野村不動産ホールディングスを買収する計画があったということで、これは報道されたわけですけれども、この事実関係をお伺いしたいと思います。

#130
○参考人(増田寛也君) かつての経営陣の下で当社が野村不動産ホールディングスの買収を検討していた経緯があったと、このように聞いております。

#131
○柳ヶ瀬裕文君 それはどう考えているんですかね。どうお考えなのかということについて。

#132
○参考人(増田寛也君) 当社が業務を様々取り組む上で広範囲に検討するということは大変重要なことでございまして、その多様な選択の中から国民の皆様方に喜ばれる、あるいは支持していただけるようなきちんとしたサービスあるいは事業を取捨選択していく、これが経営の基本だと思いますので、私は様々な検討があってしかるべきだと、このように思っているところであります。

#133
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。私もこれ様々な検討はされるべきだというふうに思います。
 トール・ホールディングスの買収が失敗に終わったという事例がございます。このことについての総括は特に求めませんけれども、このことによって、MアンドA自体がやっぱり、何というんですかね、極めてネガティブに捉えられているという現状があるというふうに思うんですが、私は、これは今JP不動産で様々な取組をしているということはよく存知はしていますけれども、日本郵政のやっぱり一つの大きな資産というのはこの莫大な土地ですよね。広大な土地を保持しているということがありますし、その土地の立地も極めていい環境に立地をされているということですから、この不動産事業はこれからの郵政の成長産業、成長事業と位置付けることができるんではないかと思います。それをやるときに、これはJP不動産単体でやっていくのはなかなか私は限界があるかなというふうに思っておりまして、そういった考えからこの野村不動産の買収といった検討に至ったんだというふうに思います。
 ですから、さっき社長がおっしゃったように、MアンドAも含めて様々なことを予断なく検討していただきたいというふうに、このことを申し上げておきたいというふうに思います。
 ユニバーサルサービスについてなんですけれども、現状、これ郵便でしか行うことができないとされているサービスというのは何があるのか、これをお伺いしたいと思います。

#134
○参考人(衣川和秀君) 郵便法の定めるところによりますと、日本郵便が行うこととされておりますのは、封書等の第一種郵便物、それから、はがきの第二種郵便物、それから、所定の定期刊行物を内容とする第三種郵便物、目の不自由な方のための点字や学術刊行物などを内容とする第四種郵便物に加えまして、一定の付加サービスである特殊な取扱い、例えば書留、配達証明、内容証明などでございます。

#135
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 それが今の郵便でしかなし得ない事業なのかどうなのかということは厳密に検証されるべきだというふうに思います。
 今、菅内閣の中で判この押印をなくしていこうということもされているわけですけれども、これは端的な事例でありまして、これまでやっぱり押印は必要だろうというふうに思っていたところにばっさりメスを入れたわけですよね。これまでこれはなければいけないと思っていたことに、いやいや、その根底から、それが本当に必要なのかどうかもう一回判断しようよという、聖域なき規制改革をやっていく、改革をやっていくというのがこの菅内閣の姿勢だろうというふうに思っておりますので、これが本当に郵便でしかなし得ないことなのかどうかということは考える必要があるというふうに思います。
 というのは、この郵便のユニバーサルサービスを維持するということですが、これは、さっき片山代表がおっしゃったとおり、やっぱり時代によってこの要請というのは変わってくると思います。
 今、みんなメールでやり取りしていますよ。メールでやり取りしています。ただ、高齢の方はなかなかこれを使うのが難しいということですけれども、もし高齢の方が容易に安心して安全にそのメールを使えることができるということであれば、これがユニバーサルサービスということになるんではないかというふうに思います。
 そのように、今ソサエティー五・〇ということを政府としても推進しているということで、デジタルで様々な課題を解決する社会をつくっていくということを標榜しているわけですから、この郵便のユニバーサルサービスも将来的にはこれ変わっていくものだということを前提に今これから備えをしていかなければいけないというふうに考えますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。

#136
○国務大臣(武田良太君) おっしゃるとおりだと思います。
 常に新しいビジネスモデルというものを模索しながら、果敢に先手先手でその対策を打っていかなくちゃならないと私は考えております。

#137
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 これ、郵便だけではなくて金融もそうだと思うんですね。金融のユニバーサルサービスって一体何なんですかね。これは、近くに窓口、誰かがいて、そこでお金の出し入れができるということがこの金融のユニバーサルサービスということなんでしょうか。この点がずっと明らかではないんですけれども、多分そういうことをおっしゃっているんだろうなというふうに思うんです。
 ただ、今、これから、じゃ、どういう社会になっていこうかというと、もう中国なんかもいち早くなっていますが、キャッシュレスですね。もうコインもなくなれば紙幣も使わないという時代になってくるわけです。今、銀行は九時―三時ではありません。もう二十四時間営業しています。どこで営業しているのかといったら、インターネット上でもう営業しているわけですよ。だから、携帯で振り込みも窓口よりも安い手数料で行うことができるわけですよね、実際に。
 じゃ、この金融のユニバーサルサービスというのが、実際に人がいて窓口があって箱があって、そして紙幣があってということが本当に必要なのかどうかといったならば、それはこれから大きく変わってくるというふうに考えます。
 ですから、逆に、金融のユニバーサルサービスを維持しなければいけないと考えたならば、そういった今の御高齢の皆さんも安全に安易に安心して使える、そういったモバイルの環境を整えていくことの方がユニバーサルサービスの目的にかなっているのではないかなというふうに考えますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。

#138
○国務大臣(武田良太君) しっかり御指摘を参考にしていかなければならないと、このように考えております。

#139
○柳ヶ瀬裕文君 もうちょっと何か欲しかったんですけど、ありがとうございました。時間が来ましたので終わります。
 ありがとうございました。

#140
○小林正夫君 国民民主党・新緑風会の小林正夫です。
 今年は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、マスクの配布、それと特別定額給付金関連の郵便、こういう緊急配達がありました。荒天や猛暑の中で日々、全国津々浦々、郵便の配達等の業務に携わっているポストマンの方に改めて私は感謝したいと思います。そして、年末年始を迎えます。業務量が相当増えると思いますけれども、交通安全を含めて安全に留意して業務に当たっていただきたい、まずこのことをお願いをしておきたいと思います。
 それでは、質問に入ります。
 今回の郵便法は私は郵政民営化と関連すると、このように考えております。そこで、郵政民営化について武田大臣に質問をしたいと思います。
 私は二〇〇四年の参議院選挙で立候補いたしました。そのときに全国を回りましたけれども、当時を振り返ると、選挙期間中、この郵政民営化の話題が持ち切りでした。そして、当選後の二〇〇五年の七月五日の衆議院の採決において、郵政民営化法案は五票差で可決をしました。そして、参議院は八月八日に十七票で否決をいたしました。
 本来ならば、衆参の決議に相違があった場合は衆議院において再度の採決が必要となりますが、当時の小泉総理は、再可決には三分の二以上の賛成が必要なことから困難と判断されたのか、参議院で否決された夜に記者会見を行って衆議院の解散を異例な形で表明するに至り、刺客と言われる騒動があり、郵政民営化の賛成か反対か、こういう劇場型の選挙が繰り広げた、このように私は記憶しております。
 午前中の質疑で吉田委員の質問に対して、自民党の中で手続に問題があったので反対をしたと、こういう旨の大臣からお話がありました。大臣はこの郵政民営化については反対票を投じておりますが、郵政民営化法案の中身についてはどのようにお考えだったんでしょうか。

#141
○国務大臣(武田良太君) 当時、中身について、先生方が御議論を重ねていただいている、本当にユニバーサルサービス維持できるのかという問題が一番の議論だったんですね。民営化になって株を売ってしまえば、株主からは非採算部門を切り捨てろという要求が絶対来るわけですから。
 じゃ、非採算部門というのは何かというと、過疎地。過疎地における郵便局の役割って、もう絶大なものがある。そこをしっかりとどういう形で担保するのかということがなされないまま議了を迎えたということ、ここは本当に私は残念でなりませんでした。

#142
○小林正夫君 先ほどよりか丁寧に答弁があったと、このように思います。
 それで、また大臣にお聞きをしたいと思いますけれども、ゆうちょ銀行の預金不正引き出し、あるいはかんぽ生命の不適切な販売の不祥事が発生したこと、そして、今回の郵便法改正はユニバーサルサービスの低下を招くものであり、これらのことから私は民営化は失敗したと、大臣はこのように受け止めていますかという質問をしたいと思います。それで、政府は私は民営化は失敗したと認めるべきじゃないかと思いますけど、いかがでしょうか。

#143
○国務大臣(武田良太君) 成功か失敗かというその見方というのは非常に難しいんだと思いますけれども、しかし、経営の自由度が広がった、過去よりも前向きにチャレンジできる環境が整ったという部分では私はプラスになっているんではないかなと思います。あとは、日本郵便側がその能力をどうやって発揮するか、このことが求められるんじゃないかなと思います。

#144
○小林正夫君 そして、衆議院の附帯決議で、郵政が民営化して十三年が経過したこともあり、民営化後の状況等について総合的に検証するというこの附帯決議が可決をされました。大臣はそのときに、御決議のありました事項についてはその趣旨を十分に尊重してまいりますと、このように答弁をされておりますが、どのような検証をしていくお考えか、お聞きいたします。

#145
○国務大臣(武田良太君) 現在、郵政民営化法に基づき、郵政民営化委員会において、郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証が、民営化の基本理念に掲げられている国民の利便性の向上を踏まえて進められていると承知をいたしております。

#146
○小林正夫君 十分検証をしていただければと思います。
 次ですけれども、二〇〇七年十月一日の民営化から十三年、そして現在の増田社長は六代目の社長です。短期間での社長交代は、事業経営の安定性と成長戦略の欠如につながっている、無責任体質の助長につながったと思料しますけれども、大臣の御認識をお聞かせください。
 また、郵政各社の社長人事に政府が深く関わってきたと私は認識しておりますけれども、自立的経営の妨げとの認識は大臣にあるかどうか。人事への政府の介入は限定的であるべきだと私は思いますけど、いかがでしょうか。

#147
○国務大臣(武田良太君) 日本郵政株式会社の社長の選任については、同社の取締役会において経営判断により決定されるものだと思っております。
 また、取締役の選任につきましては、同社の株主総会で決議されるわけですけれども、この選任決議は、日本郵政株式会社法に基づき、総務大臣の認可を受けなければその効力を生じないとされてはおります。しかし、自立性の障害になっているということは当てはまらないんじゃないかなと思います。

#148
○小林正夫君 次に、総務省と金融庁、そして民営化推進本部にお聞きをいたします。
 民営郵政の成長、発展に向けて、総務省、金融庁、民営化推進本部の役割はいかにあるべきと考えているか、それぞれの御見解をお聞きをしたい。私は、規制するという役割ではなくて育成という観点が大変重要な時期に来ていると、このように私は思っておりますけれども、いかがでしょうか。

#149
○政府参考人(佐々木祐二君) お答え申し上げます。
 総務省は、多様で良質なサービスの提供を通じた国民の利便の向上という郵政民営化法の基本理念を踏まえまして、郵政民営化法、日本郵政株式会社法、日本郵便株式会社法に基づき、日本郵政及び日本郵便について、事業計画の認可や金融二社の新規業務を行う場合の認可などの監督を行っております。総務省としては、法令に基づき適切な監督を行うことにより、日本郵政グループにおける企業価値の持続的な向上につながる取組を関係省庁と連携しつつ推進してまいりたいと考えてございます。
 一方で、郵便物数の減少や低金利の長期化など、郵政事業を取り巻く環境が厳しさを増す中で、総務省といたしましても、郵便局活性化推進事業により、地域の郵便局と地方自治体などが連携し、地域問題を解決するモデルケースの創出を支援するとともに、デジタル時代における郵政事業の在り方に関する懇談会を設置いたしまして、全国二万四千局のネットワークや莫大なデータを活用した新たなビジネスモデルの構築について、必要と考えられる環境整備を含め、検討を行っているところでございます。

#150
○政府参考人(田原泰雅君) お答え申し上げます。
 金融庁の役割でございますけれども、銀行法、保険業法に基づきまして、日本郵政グループに対して適切な監督を行うことに加えまして、委員御指摘の育成という観点からは、日本郵政グループに対しまして、顧客本位のサービスの提供を通じて持続可能なグループ全体のビジネスモデルを確立し、企業価値の向上等を促すことが重要であるというふうに考えているところでございます。日本郵政グループにおかれましては、先般、グループの持続可能な成長及び企業価値の向上に向けた取組を盛り込みました次期中期経営計画の基本的な考え方を公表されているというふうに承知しております。
 金融庁といたしましては、関係省庁とも連携いたしまして、このような企業価値の向上などに向けました日本郵政グループの取組につきまして、しっかりとモニタリングをしてまいりたいというふうに考えてございます。

#151
○政府参考人(奈良俊哉君) 郵政民営化推進本部は、郵政民営化を推進するために、郵政民営化の推進に関する総合調整、必要な法律案及び政令案の立案等の役割を担ってございます。
 政府といたしましては、これまで日本郵政グループに対しまして、郵政民営化の成果を国民が実感できるよう、日本郵政グループによる利用者の利便の更なる向上と企業価値の向上等の取組についてそれらを後押ししてきたところであり、引き続き関係省庁と連携しつつ、郵政民営化委員会の総合的な検証も踏まえてその推進に取り組んでまいります。

#152
○小林正夫君 この郵政民営化が定着をしていく、こういう方向で進められていくと思いますけれども、是非育成という観点を持ってそれぞれが事に当たっていただきたいことをお願いをしておきます。
 それでは、郵便法の改正について質問をいたします。
 まず、大臣にお聞きをいたします。この法案は、第二百回の臨時国会、そして第二百一回の通常国会の提出が見送られた経過がありました。三つ聞きます。一つは、見送られた要因は何だったのか、二つ目は、現在その要因は改善されたのか、三つ目が、今回の提案は時期尚早ということはないかどうか、お聞きいたします。

#153
○国務大臣(武田良太君) 昨年の臨時国会、今年の通常国会でお蔵入りとなったのは事実であります。
 これは、紛れもなく、かんぽ生命の不適正募集問題への対応、これに専念するために二つの国会はお蔵入りとなったわけでありますけれども、この不適正募集問題については、十月五日から、日本郵政グループにおいて、信頼回復に向けた業務運営として既存顧客へのおわび訪問を開始し、国民の皆さんの信頼回復に努めており、また、不利益を受けた顧客の権利回復についても進展を見ているところであります。
 これ、早過ぎるんではないかという御指摘もあるんでしょうけれども、しかし今、このデジタル化の進展、また働き方改革等の社会環境の変化であるとか、あとニーズの変化だとか、そして何と申しましても、コロナ禍で郵便のこの物数の急激な減少というものを考えたときに、安定、そして継続的なサービスを提供するためにはやはりこの時点でこの問題にチャレンジしていかなくてはならない、こういう判断に至ったわけであります。

#154
○小林正夫君 大臣は、十一月十二日の大臣所信的挨拶の中で、当面力を入れたい政策の第一は社会全体のデジタル化を実現したい、この旨が述べられて、国民がデジタル化の利便性を実感できる社会をつくりたいと、このようにおっしゃいました。
 デジタル化が手紙やはがきの郵便物の集配に与える影響について、大臣はどのようにお考えでしょうか。

#155
○国務大臣(武田良太君) 御指摘のように、最近、電子メール、そしてまたSNSの普及というもので社会のデジタル化というものはどんどん進んでいっております。
 この進展によってだけとは限りませんけれども、郵便物数の減少傾向については継続する可能性が高いというふうに踏んでおります。一方で、業務のデジタル化においては、AIの活用による配達ルートの最適化など集配業務の効率化に資するため、日本郵便においてはこういった分野には積極的に取り組んでいただきたいと、このように考えております。

#156
○小林正夫君 いろいろ技術の進展で社会は変わっていくと思いますけれども、郵便は期待をして投函する、あるいはそれを受け取ると、こういう感情が非常に大きくありますので、是非そういう意味ではしっかりした郵便配達ができるように今後とも頑張っていただければというふうに思います。
 次に、日本郵便にお聞きをいたします。
 四つお聞きをいたします。一つは郵便・物流事業の決算の概要について、二つ目が今回の郵便サービスの見直しによる経営への影響について、三つ目が週五日配達実施による財務的効果、四つ目が送配達日数の繰上げ実施による財務的効果。この四点についてお聞きいたします。

#157
○参考人(諫山親君) お答え申し上げます。
 十一月十三日に公表いたしました日本郵政グループ中間決算における郵便・物流事業の状況でございますけれども、営業収益は対前期比二百七十九億円減の九千六百二十七億円、営業利益は二百十八億円減の六十四億円となりまして、減収減益となっております。
 営業収益につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の下で、巣ごもり消費に伴いますEコマース利用の拡大によりましてゆうパックの取扱量は増加したものの、経済活動の停滞に伴い、DMなどの郵便物、ゆうメールの差し出しが大幅に減少したため大きな減収となっております。他方、営業費用につきましては、取扱量に応じたコストコントロールの取組による人件費の抑制等に取り組んでまいりましたけれども、営業収益の減少を打ち返すには至らなかったということでございます。
 次に、今回の郵便サービスの見直しによります経費への影響についてでございますけれども、まず、土曜配達の取りやめによります影響といたしましては、土曜日の郵便業務から他の業務にシフト可能となる要員の人件費と、関連します超勤手当、燃料費の削減分を合わせまして年間で約五百億円弱を見込んでいるところでございます。
 また、送達日数の繰下げによる影響といたしましては、深夜帯の郵便業務から他の業務にシフト可能となる要員の人件費と、関連する夜勤手当、運送費の削減分を合わせまして年間で五十億円弱を見込んでおります。
 これによりまして、合わせて五百億円強の影響があるものと見込んでおりますけれども、このうち土曜配達とそれから深夜帯の郵便業務から他の業務にシフト可能となる要員につきましては、主に引き続き増加が見込まれます荷物の業務等に再配置することを予定しているものでございまして、会社の内部での要員の異動となるものでございます。この荷物分野への要員のシフトにつきましては、拡大が見込まれます荷物事業の成長を通じまして、会社全体の経営基盤の安定化に資するものと考えております。

#158
○小林正夫君 確認ですけれども、財務的な効果は郵便事業単体でプラス五百億円程度、このように受け取っていいですか。

#159
○参考人(諫山親君) シフト可能な要員につきましては、現在、人手不足の下で超勤等で対応することが余儀なくされております郵便分野へ一部残すことも考えておりますので、そういう意味では、郵便分野への財務上の影響といたしましては最大で五百億円強というふうに御理解いただければというふうに思います。

#160
○小林正夫君 今回の制度改革は働き方改革にもつながっていると思います。したがって、今の数字、働き方改革に私は生かしてもらいたいと、このように要望いたしますけど、いかがですか。

#161
○参考人(諫山親君) 今回の郵便サービスの見直しにおきまして、目指すべき働き方改革というのを描いているところでございますけれども、まず、土曜配達を取りやめることによりまして週末の業務に従事する社員を減らしまして、平日の業務に従事する社員を増やすことを目指してまいります。
 また、郵便物を翌日に配達するために深夜帯に郵便物の仕分作業を行っておりますけれども、送達日数を繰り下げることによりまして深夜の作業を昼間に移すことが可能となりますので、これによりまして深夜帯の業務に従事する社員を減らして、昼間帯、昼間の時間帯の業務に従事する社員を増やすことを目指してまいります。
 あわせて、シフト可能となります要員の一部を、先ほど御答弁申し上げたとおり、人手不足の中で超勤等で対応することを余儀なくされております郵便業務にも再配置することを考えておりまして、これによりまして超勤あるいは休日出勤等を更に減らすことが可能になるものだというふうに考えております。
 以上のような働き方改革を目指してまいります。

#162
○小林正夫君 期待をしたいと思います。
 資料一を用意をいたしました。これは政府から提供いただいたものですが、今回のこの資料に改正の背景が書かれております。政府は、SNS、電子商取引等のデジタル化の進展に伴い、手紙、はがき等の物数が減少する一方で、荷物の配達の個数が急増する。他方、郵便事業の人手不足は深刻化しており、労働力確保の点から働き方改革への対応が喫緊の課題に。そしてまた、新型コロナウイルス感染が拡大する中、深夜の区分作業時間帯を中心に三密となっている労働環境を早期に改善する必要があることから、一刻も早い制度の改正を行う必要があると、このようにこの背景が書かれております。
 そこで、日本郵便にお聞きいたしますけれども、今回の改正で手紙、はがき等の通常郵便物の配達頻度あるいは配達日数が見直しをされるということになりますけども、また、急増する荷物の配達対応が求められると言われておりますが、働き方がどう変わるのか、どのような働き方になることを目指すのか、目指す働き方について示してほしいと思います。

#163
○参考人(諫山親君) お答え申し上げます。
 先ほどと繰り返しになるところが多うございますけれども、今回の郵便サービスの見直しにおきましては、土曜配達の休止、それから送達日数の一日繰下げによりまして、平日の業務に従事する者、昼間帯、昼間の時間帯の業務に従事をする者、あわせて、人手不足に対応するため、超勤あるいは休日出勤ができるだけ少ない状態で働くことができるようにすること、こういったものを働き方改革の目指すべき姿として思い描いて取り組んでまいるところでございます。

#164
○小林正夫君 そうすると、今やっている仕事そのものが大きく変わるわけじゃなくて、今答弁されたようなことを働き方改革として考えていると、そういうことなんでしょうか。

#165
○参考人(諫山親君) お答え申し上げます。
 今回の郵便サービスの見直しにおきまして考えている働き方改革ということにつきましては、今申し上げたとおりでございます。

#166
○小林正夫君 併せて聞きますけども、近い将来というか少し時間がたった将来、そういう将来について、郵便局あるいは郵政で働く人たちの働き方というのはどのように変えていきたいというふうに思っているんでしょうか。

#167
○参考人(諫山親君) お答え申し上げます。
 人手不足がますます深刻化する中で、働き方改革、特にコロナウイルス感染拡大の下では三密を回避した働き方の改革ということも求められているところでございますので、引き続き、既に一部取り組んでおりますけれども、先端技術を活用した業務そのものの見直し、オペレーション改革に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 いろいろなデータを取得しております。差出人の方から得られるデータ、区分機から得られるデータ、こういったものがございますけれども、現在十分活用していないところがございますので、こういったものを活用いたしまして最適な配達エリアの在り方を見直す、あるいは自動的に最適な配達のルートを選定できるようにする。あるいは、現在ハブ・アンド・スポーク・システムでネットワークができ上がっておりますけれども、区分の数を今よりもずっと多くいたしまして、直行便をできるだけ多くする形で運送便の効率化を図る。こういったことによりまして、できるだけ数の少ない人手の下で品質の高い安定的なサービスが提供できるような、そういう姿を目指してまいりたいというふうに考えております。

#168
○小林正夫君 是非、働く仲間、自分たちの職場がどういうふうに変わっていくのか、そういうものも追求していただきながら取り組んでいただくことをお願いをいたします。
 次です。日本郵便に引き続き聞きます。先ほど片山先生からも質問ありましたけれども、要員の関係について質問をいたします。
 一つは、土曜日配達の休止によって現在勤務する何名のうちどのぐらいの人がどういう業務に再配置することが可能になるのか、二つ目、配達日数繰下げの実施によって郵便の区分業務等を担当する勤務者何名のうちどのぐらいの人がどういう業務に再配置することが可能になるのか、教えてください。

#169
○参考人(諫山親君) 土曜日の配達の取りやめによりまして、郵便物の土曜日の配達のために出勤している社員、現在約五万五千人のうち約四万七千人が他の曜日の業務あるいは荷物等の業務に再配置可能になるというふうに見込んでおります。また、送達日数の一日繰下げによりまして、郵便物の仕分業務のために夜間、深夜帯の勤務に配置しております社員、現在約八千七百人でございますけれども、このうち五千六百人が昼間帯の業務や荷物等の他の業務に再配置可能になるものと見込んでおります。
 どの業務にどの程度の再配置を行うかにつきましては、荷物等の物数の動向あるいは社員の意向など、個々の郵便局の状況を踏まえて確定、実施することとしているため、現時点におきまして業務ごとの再配置予定人数を申し上げることはできないところでございます。

#170
○小林正夫君 私の印象としては、随分の人が業務が変わっていくなと、こういうふうに私は感じました。現場に出る仕事もあれば所内で勤務する仕事もあると思うんですが、仕事が変わるということになれば、安全性のことから研修など必要なそういうものはきちんと行っていかないといけないんじゃないかと私は思いますので、是非安全が損なわれないような計画を作ってもらいたいと、このように思います。
 それで、資料二を用意をいたしました。これは日本郵便からいただいた社員数及び正社員登用の合格者の推移であります。また、事前レクでお話を聞いたときに、月平均時間外勤務時間は二〇一八年で二十四・六時間、二〇一九年で二十三・九時間と私はお聞きをいたしました。
 今後、郵便サービスの見直しが実施された場合、この社員数と時間外勤務時間がどう変化していくと想定をしているのか、二つ目には、今後の正社員登用計画、どういう計画をお持ちか、お聞きをいたします。

#171
○参考人(諫山親君) 今回の郵便サービスの見直しによりまして再配置可能となる人数につきましては、先ほど申し上げました土曜配達の取りやめと送達日数の繰下げによるものを合わせまして約五万二千六百人を見込んでいるところでございますけれども、これらの要員は、先ほど申し上げましたとおり、社内において、一つは人手不足により超勤等により対応している郵便分野、もう一つは増加が見込まれる荷物の分野に再配置する予定でございます。このため、今回の取組によります社員数の変化につきましては、会社全体として大きな変動はないものと想定しております。また、超勤の削減効果につきましては、大ざっぱな試算ということでございますけれども、約一割程度の縮減を見込んでいるところでございます。
 一方、正社員登用でございますけれども、優秀な期間雇用社員を正社員に登用することでモチベーションのアップと雇用の安定を図るため、民営化以降毎年行っているものでございまして、例年約三千五百人を正社員に登用してきているところでございます。この正社員登用につきましては、会社としても重要な取組と認識しておりますので、今後とも継続的に実施してまいりたいというふうに考えております。

#172
○小林正夫君 確かにこの資料を見ると、二〇一四年度から年度ごとにこの正社員への登用の合格者の推移の数字がここに書かれております。
 今お話しのとおり、おおむね三千名程度、最近では三千名を超える方が正社員に登用をされていますけれども、これは頭数があるんでしょうか。要は、合格者数をここに表しているということなんですが、年度の合格者の定数というのは決まっているんですか。要は、合格されればみんな正社員になれるという仕組みになっているんでしょうか。

#173
○参考人(諫山親君) お答え申し上げます。
 正社員と期間雇用社員に期待されている役割というのはおのずから違っているということでございまして、全体の業務の見通しを踏まえまして必要な正社員の数を算定し、そのための採用につきまして、新規雇用あるいは正社員登用、場合によっては中途採用もございますけれども、こういった手段の中でどの手段によりどの程度の採用をするかということについて、あらかじめ決めさせていただいているというものでございます。

#174
○小林正夫君 確かに非正規で働いている方は、正社員じゃなくていいと、自分の都合のいい時間帯に働きたいという方もいらっしゃるから、今の非正規の方がみんながみんな正社員になりたいと思っていることは私はないと思います。
 この辺の感覚はどのように捉えていますか。今は非正規で働いている人がどのぐらい正社員になりたいと希望しているのかどうか、この辺の数字、把握していれば教えてください。

#175
○参考人(諫山親君) お答え申し上げます。
 あらかじめ非正規社員のアンケート調査等によりまして全体の意向を把握するということは行っておりません。
 仕組みといたしましては、一定の要件の下で希望する非正規社員に申込みをしていただきまして、一定の選考過程を経て、合格した者につきましては正社員登用をさせていただくという仕組みで運用しているところでございます。

#176
○小林正夫君 次の質問に行きます。
 日本郵政にお聞きをいたします。
 日本郵政グループの営業成績をお聞きいたします。

#177
○参考人(谷垣邦夫君) お答え申し上げます。
 日本郵政グループ全体の営業成績がどうかという御質問でございますけれども、この十三日に発表いたしました中間決算によりますと、グループ連結の経常収益につきましては五兆六千三百九十一億円でございまして、これは前中間期比三千三百一億円の減収でございます。また、中間純利益につきましては千七百八十九億円と、前中間期比で五百七十六億円の減益となってございます。
 これは主に、かんぽ商品の積極的な提案を控えていることでございますとか、新型コロナウイルスの影響、低金利の影響等が要因でございますけれども、当中間期につきましては、主要子会社、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命、三社いずれも減収、グループ連結では減収減益となりまして、厳しい傾向が続いているものと認識しているところでございます。

#178
○小林正夫君 状況は分かりました。
 そこで、日本郵政グループの営業成績、今お聞きをしましたけれども、これに関連して一点お聞きいたします。
 オリンピックのスポンサーの関係です。私は、前の東京オリンピックのときは高校二年生でした。来年、日本でまたオリンピックがされるということを大いに期待をしたいと思っている一人でございます。
 そこで、日本郵政が結んでいる東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー契約についてお聞きをしたいと思います。
 十一月十四日のNHKの報道では、先月、東京大会の組織委員会と国内の契約を結ぶスポンサー企業六十七社に対しアンケート調査を行い、八一%に当たる五十四社から回答を得た。来年に延期された大会でも期待していたメリットが得られそうかと尋ねたところ、六五%に上る三十五社が分からないと回答し、得られないと答えた企業も九%に当たる五社ありました。一方で、メリットが得られると答えた企業は十二社で、全体の二二%にとどまっている。また、来月末で契約が切れるスポンサー契約を延長するかどうか尋ねたところ、三〇%に当たる十六社が契約を延長すると答えた一方、六一%に当たる三十三社が決めていないと、このように回答したと報じられました。
 そこで、日本郵政は今年の十二月末までのスポンサー契約の延長をどう判断するのか、お聞きをいたします。

#179
○参考人(河本泰彰君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、東京オリンピック・パラリンピックはまさしく国家プロジェクトであり、大会の成功に向けてできる限り協力をしていきたいというふうに考えております。ただ、現時点におきましては、大会組織委員会より示された条件を精査中でございまして、スポンサー契約の延長の可否については検討を継続していると、こういう状況で御理解を賜ればと思います。

#180
○小林正夫君 オリンピックに協力をしていくということがベースだと思いますけれども、スポンサー契約をした目的、大きな目的は何だったんでしょうか。

#181
○参考人(河本泰彰君) お答え申し上げます。
 スポンサー契約を締結することによりまして、いわゆるスポンサー権益というものがございます。それを活用いたしまして、例えば企業イメージであるとか、場合によれば、それぞれ商品ごと、業務ごとのカテゴリーに分かれておりますので、その辺りの業務を更に国民の皆様に御理解いただくというような活用があるとは思いますけれども、現在私どもが属しておりますティア2というカテゴリーにおきまして、郵便事業の形でスポンサー契約を締結させていただいておりますので、郵便に関しましては広く御理解を、御利用いただいているというような状況でございます。
 そのような状況におきまして、我々郵便事業におきまして、やはり全国のネットワークを活用したオリンピックの機運醸成というものも可能だというふうに考えております。
 例えば、現在取り組んでいるもので、みんなのメダルプロジェクトの回収箱を郵便局に設置したりとか、組織委員会のポスターもこれは郵便局の方に積極的に掲示をさせていただくと、こういうようなネットワークを活用した貢献も通常の事業体として行っておりますので、それに加えて、スポンサーとして加わることによって、そのようなネットワークの価値の相乗効果があるのではないかということでスポンサー契約を締結したというふうに理解をしております。

#182
○小林正夫君 私も、オリンピック、パラリンピック、来年開催できることを大いに期待をしたいと思って、また成功裏に開催できることを期待をしておきます。
 次の質問です。
 日本郵便にお聞きをいたします。
 ユニバーサルサービスの定義、これは社会全体で均一に維持され、誰もがひとしく受益できる公共的なサービスの全般を目指し、地域による分け隔てのない便益の提供義務、このようにされております。安易なサービスレベルの低下は、一層の郵便離れを加速して、郵便制度そのものの維持を困難とする可能性をはらんでいると考えます。
 今回の制度改正による郵便物数の予想シミュレーションと経営への影響をどのように考えているか、お答えください。

#183
○参考人(諫山親君) お答え申し上げます。
 郵便物数が長期的に減少傾向を続ける中で、サービスレベルの見直しが更なる郵便物数の減少、急激な減少につながるということは私どもとしても避けなければならないと考えていたところでございます。
 しかしながら、今回のサービスレベルの見直しにつきましては、お客様の郵便に対するニーズの変化に対応したお客様の期待の範囲の中での見直しということで考えたものでございますので、私どもといたしましては、今回の見直しによりまして大幅な郵便物の減少につながるという可能性は低いものというふうに考えております。
 しかしながら、コロナウイルス感染拡大の下でダイレクトメール等の減少が続き、さらに、デジタル化の一層の進展によりまして更なる郵便物の減少が見込まれるところでございますので、今後とも郵便物数の動向につきましては注視してまいりたいというふうに考えております。

#184
○小林正夫君 大臣にお聞きをいたします。
 今言った、結果として経営維持のために郵便料金の値上げを繰り返すという負のスパイラルに陥ることを危惧いたしますけれども、大臣の見解をお聞きいたします。

#185
○国務大臣(武田良太君) 日本郵便においては、この法改正後、安定したサービス水準というもの、これを維持するためには相当な経営努力をまずはしていただかなくちゃならぬと、このように思っております。
 安定的な経営を維持するためには、やっぱり先ほど申しましたように、AIの活用等をフル活用して業務の効率化をしていかなくてはならない、またダイレクトメール需要の開拓など郵便需要の拡大にも取り組んでもらわなければならないわけであります。いずれにせよ、二万四千局、このネットワークと莫大に保有するデータというものを、この力を発揮して新たなビジネスモデルにチャレンジしてもらいたいと、このように考えております。

#186
○小林正夫君 引き続き大臣にお聞きをいたします。
 今後、郵便物数が低下をしていく傾向にあると、午前中の質疑でもそういうような方向性が、話がありました。私、配達の休日を増やすことになれば、サービスの低下になるし、社会が何か大きく変わってしまう、社会にも大きな影響を与えるというふうに考えますけれども、今後の動きの中で仮に配達について検討するということがあったにしても平日の配達休止はやるべきではないと、私はこのように思いますけど、大臣の御認識を聞かせてください。

#187
○国務大臣(武田良太君) まず、郵便物の区分機の性能向上とともに、やはり先ほども申しましたAIの活用による配達ルートの最適化、また配達におけるドローンや自動走行車の活用など、新たな技術を導入して効率化に努めていくことが重要ではないかと、このように考えています。

#188
○小林正夫君 先ほど言ったように、郵便物を投函する、また郵便をもらうということに、特に郵便物をもらってうれしいというふうに国民の方、感じる方も多いと思いますので、要は、郵便物を配達しないという日が増えていくと、そういう意味でも社会に私は大きな影響があると思いますから、是非私は平日の配達休止はやるべきではないと、このように私の意見は申し述べておきたいと思います。
 それで、日本郵便に聞きます。
 菅総理、菅総理は、九月二十五日のマイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改革ワーキンググループ作業部会で、利便性を高めるため、マイナンバーカードのパスワードを忘れた場合に必要な再設定や、五年に一度更新が必要な本人を証明する情報の更新手続など、一部の業務を郵便局に委託できるようにする、来年の通常国会に関連法案を出す方向で日本郵政グループと詳細を詰めると、こういう旨の発言をしたと報じられました。
 郵便局にこのような業務が委託されれば、新たな業務となって当然、要員確保が必要になると思いますけれども、日本郵便としてどういう方針でこの総理の発言に臨んでいくのか、お聞きをしたいと思います。

#189
○参考人(諫山親君) 政府において、マイナンバーカードの普及促進等のため、郵便局にマイナンバーカードのパスワードの再設定等の業務について委託を検討していることは承知しております。具体的な委託事務の内容につきましては、今後、政府側から示されると聞いているところでございます。
 日本郵便といたしましては、マイナンバーカードの普及促進に積極的に協力してまいりたいと考えているところでございます。郵便局において行う具体的な事務内容を踏まえまして、今後、マニュアルの整備や社員向けの研修の実施、そして必要な要員の検討を行ってまいりたいというふうに考えております。

#190
○小林正夫君 午前中の質疑で小沢委員が、業務と要員、これはもう関連するものだということで、現在までいろいろ会社と話し合ってきたというお話もありました。是非、業務量が増えていくという方向での私は話だと思いますので、要員確保も併せてやっていく必要があるんだということを指摘しておきたいと思います。
 資料三を用意をいたしました。これは先ほど吉田委員からもアンケートの概要について質問がありました。
 端的に質問します。
 この丸の上の方ですね、小さい丸が二つある方ですけれども、これは、アンケートの結果によって、今の制度を変更すべきでないという回答がこれは個人で一八・八%、法人では二七・五%の人が変更すべきではない、そして、土曜日に配達休止プラス翌々日配達の場合の見込みについて、これは変更すべきでないというのが一〇%程度アンケートであった。
 七割ぐらいの人は、今回の制度改正いいんじゃないの、このようにおっしゃっているというふうに受け止めますけれども、この改正が困るというような人たちにどういうふうに応えていくんでしょうか。お聞きいたします。

#191
○参考人(諫山親君) 昨今の通信手段の多様化によりまして郵便を取り巻く環境が変化してきており、郵便に求められるニーズも、儀礼性とか現物性といったものを求めるというニーズが中心となるなどの変化が生じてきていると考えられることから、今回の郵便サービスの内容につきまして見直しを要望するに至ったものでございます。
 御指摘のとおり、引き続きスピードを求めるお客様が一定程度存在するということは承知しておりますが、そのため、速達料を一割程度引き下げて御利用しやすくする見直しを行うこととしております。これも含めまして、今回の郵便サービスの見直しにつきましては、お客様への周知を丁寧に行うなど、お客様の御理解が得られるように最大限努めてまいります。

#192
○小林正夫君 今の答弁で、速達を利用する人が増えるということが考えられます。これは、今の速達料金の一割程度は安くしていくと、そういうふうに受け取っていいんですね。

#193
○参考人(諫山親君) お答え申し上げます。
 アンケート調査の結果、引き続き郵便にスピードを求める人の割合等々勘案いたしまして、現在、約八千万通の速達の利用がございますけれども、その一割程度の八百万通程度が、普通の郵便物、普通扱いの郵便物から速達の利用に移行する可能性があるというふうに見ているところでございまして、議員御指摘のとおり一割程度を見込んでいるということは、そのとおりでございます。

#194
○小林正夫君 法案に対する質疑はこれで終わります。
 別件で一件、大臣にお聞きをいたします。会計検査院からの総務省への指摘について質問いたします。
 これは、今月の十一月十日に内閣に提出された会計検査院の令和元年度決算検査報告によれば、総務省は、不当支出六件、合計四億五千四百十万円を指摘されています。会計検査院からの六件、合計四億五千四百十万円もの指摘を受けたことに対して、大臣はどのように受け止めているんでしょうか。

#195
○政府参考人(原邦彰君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の十一月十日に内閣に送付された令和元年度決算検査報告におきまして、総務省については、地域の元気臨時交付金の過大交付などの不当事項六件の指摘を受けたところでございます。
 まず、不当と指摘された金額については返還させるなどの措置をとる予定でございます。また、総務省では本指摘を受けて十一月十三日に省内の各部局に対して、事業完了後の実績報告書の適正な審査、地方公共団体に対する注意喚起など、再発防止策の通知を発出したところでございます。今後、このような事態が起こらないよう、適正な会計手続の徹底を図ってまいります。
 以上でございます。

#196
○小林正夫君 この内容を見ていくと、東京都に交付対象事業のうち二億五千八百八十二万円が事業実施期間外、外に交付をされたと、このような指摘があります。何でこの対象期間外にこういうものを支給したということになっちゃったんでしょうか。この原因は何なんですか。こういう業務は委託でやっているんですか。お聞きします。

#197
○政府参考人(大村慎一君) お答えいたします。
 今回指摘を受けました事案は、東京都が地方単独事業として社会福祉法人等の整備する特別養護老人ホーム、こういったものの施設整備費に対しまして平成二十五年度を事業実施期間として申請をし実施した事業でございまして、東京都は、社会福祉法人への補助交付額計四十一億二千五百五十万円を交付対象事業費として総務省に実績報告書を提出し、同額の交付金の交付を受けました。
 このうち、二億五千八百八十二万円は平成二十五年度事業として申請をされておりましたが、実際は事業実施期間外である平成二十四年度以前に実施した工事費相当額に係る補助金交付額であり、交付金の交付対象とはならない経費でございました。
 この対象期間外経費が含まれていた要因でございますが、東京都から社会福祉法人への間接補助に当たりまして、交付対象となる期間の事業費の把握が十分でなかったものと認識しております。
 総務省におきましても、審査に当たって、地方団体に対して、当省に提出する実績報告書におきましては事業対象となる期間の事業費を適切に把握をし、報告額の精査を行った上で、提出すべきこと等についてより周知を行うなど、取り組むべきものであったと考えております。

#198
○小林正夫君 大臣に確認しておきます。
 今回不当であると指摘された二億五千八百八十二万円については東京都から返納を求める、こういうことでいいんですね。

#199
○政府参考人(大村慎一君) 今回指摘を受けました東京都の事案につきましては、東京都に対し、令和二年度中の返還を命ずる予定でございます。

#200
○小林正夫君 今後このような事案が発生することがないこと、このことを強く要望して質問を終わります。

#201
○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。
 二〇一〇年十二月八日に、さいたま新都心郵便局員の自死事件が起きました。この事件について、本年三月三十一日、埼玉県労働局労災保険審査官が、さいたま労働基準監督署長の判断を覆して、業務上災害と認める決定をしました。
 資料をお配りしましたので、御覧ください。この件についての西日本新聞、本年三月三十一日付けの記事です。ノルマで過重業務、郵便局員を過労自殺認定と報じています。
 埼玉県在住の郵便局員Kさんは、二〇〇六年五月にさいたま新都心郵便局への異動を命ぜられました。この記事にもあるように、当時のさいたま新都心郵便局は、郵政民営化後、職場環境が大きく変わりまして、トヨタ方式、つまり、立ち作業や、また配達に掛かる時間等を厳しく制限をするなど、取り入れていました。加えて、仕事でミスをすると、百五十人以上の職員の前でお立ち台という台に立たされて、そんな謝り方ねえだろう等と上司から大声で叱責され、追及を受けるということが日常的に行われていました。また、年賀状の販売ノルマが一人七千枚から八千枚と課せられて、ノルマ達成のために自分で買い取ったり金券ショップに売ったりするいわゆる自爆営業と呼ばれることも横行していました。
 こうした郵政の職場環境の中で、Kさんは、営業成績を上げるというノルマを押し付ける圧力に精神的ストレスを重ねていきます。明るかったKさんからは笑顔が消えました。二〇〇八年二月にとうとううつ病を発症、病休と復職を三回繰り返した後、二〇一〇年十二月八日、郵便局の四階から身を投げて死亡しました。自死したその日も上司から罵声を浴びていて、御遺族に対して、ありがとう、いつも、何々ちゃん、この何々ちゃんというのは妻の名前です、ごめんね、行ってきますという最後のメールを送っていました。
 実は、このさいたま新都心郵便局は私の自宅からも見えますので、事件のことは頭から離れたことはありませんし、思い出すたびに胸が締め付けられる思いです。
 御遺族は、二〇一三年十二月に日本郵便に対して損害賠償請求訴訟を起こし、様々な苦労の末、二〇一六年十月に和解が成立をしました。さらに、二〇一五年十一月に埼玉県労働基準監督署に遺族補償年金等を請求しましたが、不支給決定。さらに、二〇一七年十一月に埼玉県労働局に審査請求をしました。そして、とうとう本年三月三十一日に埼玉労働局労災保険審査官が業務上災害と認定をしました。
 この事件について、民営化後に二つの出来事、一つは達成困難なノルマが課せられたこと、二つは仕事内容、仕事量の大きな変化があったことが近接して生じていることから、業務による心理的負荷の全体評価は強と判断するとして業務上災害と認定されたもので、大変重要な内容を持っていると思います。こうして日本郵政のノルマ押し付けに明確な判断が下りました。
 日本郵便、このさいたま新都心郵便局自死事件で一家の大黒柱であった夫を失った御遺族に対して、業務上災害認定後、会社として面会することも謝罪することもしていません。理由は何なんですか。

#202
○参考人(衣川和秀君) この社員の方が自ら命を絶たれたということは大変重く受け止めており、改めて御冥福をお祈りをいたしたいと思います。
 先ほど先生からも御説明がありましたとおり、二〇一六年十月に、遺憾の意を表すると、そういう旨の文言を盛り込みました和解が成立をしているということを踏まえ、本年十一月に御遺族との面会をお断りしているとの報告を受けております。

#203
○伊藤岳君 今和解と言われましたが、和解したのは損害賠償請求訴訟の時点でしょう。今回、会社の業務上の責任が明確に確定した、全く違った段階じゃないですか。その認識はないんですか。

#204
○参考人(衣川和秀君) 確かに労災認定と和解とは別のものでありますが、労災認定の判断が和解に直ちに影響を与えるというふうには理解をしておりません。

#205
○伊藤岳君 不誠実ですね。
 埼玉県労働局が業務による心理的負荷の全体評価は強と判断したことを受け止めて、職場の改善に生かすことは必要ではないんですか。

#206
○参考人(衣川和秀君) 先生御指摘のとおり、埼玉県労働局から認定が出ております。決定書では、時間外労働時間数の心理的負荷の強度が中、年賀の販売目標の心理的負荷の強度が中の出来事が生じ、民営化後に二つの出来事が接近していることから、心理的負荷の全体評価は強と判断されたというように理解をしております。
 現時点、時間外労働につきましては、これまでの労基法改正も踏まえ、長時間労働の削減に努めるとともに、年賀販売につきましては個人指標の設定を取りやめるなどの改善を図ってきているところでございます。
 さらに、今回の決定書の内容を精査した上で、職場の改善に生かすことができないかどうか検討してまいりたいと、このように考えております。

#207
○伊藤岳君 今改善すると言われましたが、であるならばですよ、御遺族と面会されて、自死された社員の働いていた実態や家庭の中でどんな悩みを語っていたかなどを把握して、職場の改善に生かす必要があるんじゃないですか。どうですか。

#208
○参考人(衣川和秀君) 先ほど申し上げましたが、二〇一六年十月に和解が成立をしているということを踏まえての、踏まえてということにはなりますが、御遺族の御意向を踏まえ、御遺族との面会につきましては、御遺族の御意向を踏まえ真摯に対応してまいるよう担当部署に指示をしたいと考えております。

#209
○伊藤岳君 面会されるということでいいですね。

#210
○参考人(衣川和秀君) はい。御遺族の御意向を踏まえ、担当部署にそのように指示をしたいと思います。

#211
○伊藤岳君 衣川社長、御遺族に謝罪する気持ちはありませんか。

#212
○参考人(衣川和秀君) 本件につきましては、御遺族との間で二〇一六年十月に私どもの遺憾の意を表する旨の文言を盛り込んだ和解が成立をしているということでございます。それを踏まえまして、まずは御遺族にお会いをいたしましてお話を聞かせていただきたいと、このように考えております。

#213
○伊藤岳君 遺憾とか、他人事の意味じゃなくて、謝罪ということをするつもりはないのかと聞いているんです。どうですか。

#214
○参考人(衣川和秀君) 繰り返しになりまして申し訳ございませんが、まずは御遺族とお話をさせていただきたいと、このように考えております。

#215
○伊藤岳君 日本郵政増田社長に聞きます。
 日本郵政グループの現職の方の自死者数について報告を受けていますか。

#216
○参考人(増田寛也君) 特殊会社でございます日本郵政及び日本郵便については、毎年の衆議院予算委員会における資料要求で、当該自死者数についても資料を求められております。こうしたことで、二社における前年度の自死者数を国会の方に報告をしていると、このように聞いているところであります。

#217
○伊藤岳君 私の手元にも、日本郵政の在職死亡や自殺者の状況の資料をいただきました。公表はされないということでしたけれども。
 もちろん、社員の自死は必ずしも会社側が原因となったものとは限りません。しかし、あの悲しい事件を繰り返してはならないと思います。
 さいたま新都心郵便局にあった、先ほど紹介したお立ち台、このお立ち台という労働環境は、当時の全国の郵政職場は全て共通、強制されました。また、ノルマを押し付けるパワハラの職場環境は、かんぽ不正販売問題でも指摘をされていました。
 例えば、当委員会でも紹介したことがありますが、日本郵便のフロントライン・セッション一覧には、かんぽの不正販売に関わって、こう言われたという証言があります。犯罪以外なら何をやってもいいから数字を上げてこい、やり切ってこい、それがあなたの使命だと上司から強い指示もありましたという社長への直々の訴えもあったじゃないですか。
 増田社長、ノルマ必達主義の在り方が日本郵政グループ全体に問われています。日本郵政として、さいたま新都心郵便局自死事件の労災認定をどのように受け止めていますか。

#218
○参考人(増田寛也君) まず、ノルマの関係でございますが、例えば年賀につきましては個人指標の設定を取りやめるなど、順次改善を図っているところでございます。
 そして、さいたま新都心支店での問題でございます。社員が自殺したということは大変重く受け止めておりまして、今後は、更に社員の声に真摯に向き合い、このようなことが起こらないように風通しの良い職場づくりに努めてまいります。

#219
○伊藤岳君 社長、重く受け止めるというお話がありました。
 先ほど衣川社長にもお聞きしましたけれども、日本郵政グループの責任者として、御遺族への謝罪が必要だとは思いませんか。

#220
○参考人(増田寛也君) この関係については、御遺族の関係につきましては、先ほど日本郵便の社長がお答えしたとおりでございまして、今回、社として御遺族の方々と和解をしました経緯、そして御遺族の御意向を踏まえて真摯に対応してまいりたいと、このように考えております。

#221
○伊藤岳君 ちょっと角度を変えます。
 かんぽ不正販売問題への対応はどうなっているでしょうか。日本郵便にお聞きします。
 かんぽ不正販売問題で、日本郵政グループが、日本郵便が実施した人事処分についてというのを公表しております。それによりますと、募集人千八人、管理者三百二十一人に対して人事処分を行った。募集人千八人のうち懲戒解雇は二十五人、停職は十二人。一方、管理者三百二十一人のうち懲戒解雇はゼロ、停職は二人、あとは戒告、訓戒、注意にとどまっている。
 これ、データは間違いないですか。

#222
○参考人(衣川和秀君) 今先生から御指摘のありましたとおりで間違いございません。

#223
○伊藤岳君 現場からはどういう声が上がったでしょうか。
 保険販売で不正を認定された社員への処分は進んでいる一方で、不正を後押ししたりした管理者の処分が全く進んでいない、こういう不満の声が出ていると聞きました。実際に、高齢者や多数の顧客を苦しめる誤った営業手法を伝えてきた幹部や管理職への厳しい処分は皆無に等しいじゃないですか。
 増田社長、あなたは社内向け雑誌、郵政十月号にメッセージを寄せられて、こう述べていますね。信頼回復活動に愚直に取り組んでいく、社員の皆さんが誇りを持てる日本郵政グループへの変革に全身全霊で取り組んでいく。しかし、ところが、かんぽ不正販売問題では誤った営業手法を伝えた幹部や管理職への処分が進んでいない。一方、業務上災害で命を落とされた社員への御遺族に謝罪すらしない。こんな会社に日本郵政の社員の皆さんが誇りを持てるんでしょうか。
 先ほど紹介した西日本新聞の記事の最後には、さいたま新都心郵便局自死事件の御遺族がこう述べています。かんぽ不正販売問題でも過酷な営業ノルマがあったことに、九年前と、つまり夫が自死した九年前と何も変わっていない、今度こそ社員を大切にする会社に変わってほしいと訴えている。この願いを真摯に受け止めてほしい。
 増田社長、どう思いますか。

#224
○参考人(増田寛也君) まず、処分の関係でございますが、こちらにつきましては、日本郵便、そしてかんぽ生命の方で今現在行っている途中でございまして、御指摘の点も含めて、いずれにしても事実関係を踏まえた上で適正な処分を行っていきたいと、このように思います。
 そして、さいたま新都心の事案につきましては、私も大変この事案、重く受け止めなければならないというふうに考えておりまして、こうしたことを含めて、実際にはその後、かんぽの不正問題等も発生をしたということもございますので、その上で、新しい社として生まれ変わるように、その中には、我がグループの経営理念として、お客様と社員の幸せを目指すと、こういう表現が経営理念の中にも書かれておりますので、そうした経営理念を胸に刻んで、これからの会社の立て直し、更に邁進していきたいと、このように考えております。

#225
○伊藤岳君 今の、増田社長は、かんぽ不正問題とさいたま新都心の自死事件の関連も言われました。先ほど、面会はされるというお話がありましたけれども、まずは面会をされて、そしてよくお話を聞いて、御遺族とも向き合っていただきたいし、そして、かんぽ不正問題の適切な処分、厳格な処分もきっちり進めていただきたい。そうしなければ、今、日本郵政で働く社員の皆さんが幸せな職場だとこれ実感できないと思います。改めて、このことを強く求めておきたいと思います。
 それでは、郵便法及び信書便法改正案の質問に入りたいと思います。
 本改正案では、通常郵便物の配達頻度を週六日以上配達を週五日以上配達に緩和をします。送達日数を原則三日以内に送達を原則四日以内に送達に緩和します。
 総務省は、この改正案の背景に郵便事業の人手不足は深刻化していることがあるとしています。離職者も多く、有効求人倍率も二〇一九年度が三・八〇倍、年度平均が一・五五倍で、二倍以上の人手不足になっているとしています。
 郵政職場にとって大事なことは、労働者を大切にして職場環境を良くしていくことです。そのためには、給料を上げて、労働条件を改善して、人手不足も解消して、働きがいのある、先ほど増田社長も言われた幸せを感じられる展望ある職場づくりを進めることだと思います。
 武田総務大臣にお聞きします。
 今回の法改正は、労働者の賃金や労働時間の改善、人手不足の解消につながるのでしょうか。いかがですか。

#226
○国務大臣(武田良太君) まず、賃金についてでありますけれども、これは日本郵政グループにおいて労使交渉を通じて適切に対応するべきものだと、このように考えております。
 今回の法改正におきまして、普通郵便物について、週六日の配達が週五日となることにより土曜日の配達業務がまずは休止となります。また、送達日数が緩和されることにより深夜の区分業務も不要となることから、多くの土曜日の配達担当者及び深夜帯の勤務者の再配置が可能となることから、長時間労働や人手不足の改善に資することになると考えております。

#227
○伊藤岳君 今大臣から、土日の配達業務が中止になる、送達日数が緩和される、深夜の区分業務が不要になる、こうしたことを通じて労働環境の改善につながる、人手不足の改善につながるという話がありました。
 衣川社長にお聞きします。今回の法改正によって、労働者の賃金、労働時間の改善、人手不足の解消を具体的にはどのように行っていくんですか。

#228
○参考人(衣川和秀君) お答え申し上げます。
 今回の改正によりまして平日に業務に従事する社員が増えるであろう、あるいは昼間帯に業務に従事する社員が増えるであろうというように見込んでおります。あわせまして、今回の改正によりまして、勤務時間帯等のシフトが可能となる要員の一部を、人手不足の中で現在超過勤務あるいは休日出勤等で対応することを余儀なくされております業務に再配置をすることによりまして、超過勤務や休日出勤等を更に減らし、働き方改革を行っていきたいと、そのように考えております。
 今回の改正の結果といたしまして、将来にわたり郵便サービスを安定的に提供することができるような仕組みを築いていきたいと考えてございますが、これは社員にとっても雇用の確保や賃金の改善に資することになると、このように考えてございます。

#229
○伊藤岳君 翌日配達をなくして送達日数を緩和したり、土曜配達をなくして配達頻度を緩和することが、どのように給料を上げて、労働時間を改善できて、人員を増やすことができるのか、もうちょっと具体的に会社に示してほしいと思うし、幾つかお聞きしたいと思います。
 私、先日、日本郵便の現場で働く労働者の皆さんからお話を伺う機会がありました。口をそろえて言われていたことは、この間、職員数が削られて非正規社員の比率が増やされてきたから現場の仕事がきつくなったということです。また、郵政民営化後、定員管理ではなくなったことから、正規社員が非正規社員に置き換えられ人員を埋め合わせてきたともお話をされていました。
 ある配達に従事する社員の方は、こう言っていました。郵便物の量が減ったといっても一人一人の配達エリアは変わらないわけで、一日の走行距離などは変わりません、今でも昼休みをまともに取れていないのが現実です、人手が増えないと仕事の量やきつさは変わりませんとおっしゃっておりました。今回の法改正を通じて、人員、特に正規の雇用を増やしていくことにつなげていくことが大変重要だとお話を伺って感じました。
 日本郵便、正社員の平均賃金についてお聞きします。民間企業は正社員の平均賃金は上がっていますが、日本郵便は下がっています。二〇一七年度は正社員の平均賃金三十・四万円、三十万四千円でしたが、二〇一八年度、そして二〇一九年度の日本郵便の正社員の平均賃金を示してください。

#230
○参考人(衣川和秀君) 今先生から御指摘がございましたとおり、私どもが郵便局活性化委員会に提出をさせていただいております資料によりますと、二〇一七年度は月額の平均賃金が三十・四万円ということでございます。
 私ども、毎年昇給を実施しておりますので、個々の社員の賃金が下がっているということではないと考えておりますが、平均賃金の推移といたしましては、二〇一八年度は三十・三万円、二〇一九年度は三十・一万円と、このようになってございます。

#231
○伊藤岳君 この平均賃金が、今言われたように三十・四万円、三十・三万円、三十・一万円と年々下がっている。ここ、大変大事なところだと、大事な問題だと思います。
 そこで、衣川社長、日本郵便としてはこの平均賃金の数字を上げていく意向ですか。

#232
○参考人(衣川和秀君) お答えを申し上げます。
 人力依存度の高い郵政事業にとりまして、社員は事業活動を行う上での源泉でございます。社員の能力を最大限に引き出すためには、社員の労働条件の改善は非常に重要なことであると認識をしてございます。
 これまで毎年昇給を実施しておりまして、個々の社員の賃金が下がっているということではないと理解をしておりますが、今後とも会社の経営状況等を踏まえつつ各種労働条件の改善に取り組んでいきたいと、このように考えてございます。

#233
○伊藤岳君 平均賃金を上げていく、こういう意向だということでよろしいですね。もう一度。

#234
○参考人(衣川和秀君) 平均賃金自体は、社員構成によっていろんなバリエーションがあると考えてございます。私どもとしましては、今後とも会社の経営状況等を踏まえつつ各種労働条件の改善に取り組んでいくと、こういうことでございます。

#235
○伊藤岳君 日本郵便にお聞きします。超過勤務時間の短縮についてです。
 衆議院の総務委員会の答弁の中で、今回の法改正を通じて一人一か月平均で約一割の超過勤務時間の縮減が見込まれるとしていますが、この積算根拠を示してください。

#236
○参考人(諫山親君) 超過勤務の縮減につきましては、その郵便局の置かれている地域性の違いなどによりまして状況が大きく異なると考えられますことから、一概に申し上げるのは難しいところがございますけれども、今回の郵便サービスの見直しに当たりましては、少なくとも現在、郵便物の配達のために土曜日に出勤している社員に係る超勤時間の縮減は見込めるものといたしまして、土曜日の超勤時間の割合に相当する約一割程度の縮減が可能と考えたものでございます。
 なお、土曜日の配達の取りやめによりまして、当然翌週の月曜日の業務量が増加することが見込まれるところでございますけれども、これらの業務量の増加につきましては、主として社員をあらかじめ増配置することにより吸収してまいる予定でございます。

#237
○伊藤岳君 今も言われましたけれども、一般的に考えて、土曜日が休みになっても郵便物や荷物の量は変わらないわけで、その分の配達は翌週の月曜日に回ってくるということになる。今、増員でという話がありましたが、本当にこの一人当たりの一割縮減につながるかどうかというのは疑問だし、これ、はてなマークです。より検討を進めて、文字どおり一人一人の超過勤務時間の縮減、短縮につながるように検討、実施をしていただきたいと思います。
 日本郵便に聞きます。
 先ほど来、小林議員に対する答弁やほかの議員の答弁でもありましたけれども、もう一度確認します。今回の法改正により土曜日配達が休止になることによって、先ほど四万七千人と言われたと思いますが、どれぐらいの労働者がシフトされるのか、もう一度確認です、教えてください。

#238
○参考人(諫山親君) 土曜日の配達からシフト可能となる要員につきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、一部人手不足により超過勤務や休日出勤等で対応している郵便分野に残る者もございますけれども、主に成長が見込める荷物分野へ再配達することを予定しているところでございます。
 どの程度の、どの業務にどの程度の再配達を、再配置を行うかにつきましては、荷物の増加の状況、社員の意向など個々の郵便局の状況を踏まえまして確定、実施することとしているところでございます。

#239
○伊藤岳君 郵便配達業務から荷物分野に移ることがあるというお話でしたが、つまり、これまで二輪のバイクで配達していた労働者の方が四輪自動車に切り替わる、また、軽い郵便物の配達をしていた方が重い物もある荷物の配達に切り替わる、こういうことが起こり得るということですか。

#240
○参考人(諫山親君) 土曜日からの要員のシフト、それから深夜帯からの要員のシフトにつきましては、実際のこれらの再配置を行うに当たりましては、あらかじめ本人の意向を確認するなど、丁寧に対応することとしているところでございます。
 議員御指摘の荷物の業務を希望しない社員がある場合には、基本的には深夜帯で、深夜帯におきます速達などの業務や、あるいは昼間帯の業務に再配置することを想定しておりますけれども、いずれにいたしましても丁寧に対応してまいることとしております。

#241
○伊藤岳君 いや、ちょっと聞いていることに答えてほしいんですが、二輪バイクで配達していた人が四輪自動車に乗り換えることもある、軽い郵便物の配達をしていた人が重い物もある荷物の配達に切り替わることもあるということですよね。そこだけ確認したいんです。

#242
○参考人(諫山親君) 繰り返しになりますけれども、本人の意向等も確認しながら丁寧に対応するということでございます。本人の御了解が取れれば議員御指摘のようなシフトも当然あり得るというふうに考えております。

#243
○伊藤岳君 起こり得るということでありました。
 もう一つ聞きます。翌日配達を廃止することで、これも確認ですが、先ほど五千六百人が他の分野にシフトされると言われましたでしょうか。もう一度確認です。

#244
○参考人(諫山親君) 深夜帯から昼間帯へシフト可能となる要員につきましては、議員御指摘のとおりの数字を先ほど申し上げたところでございます。

#245
○伊藤岳君 翌日配達の廃止、つまり深夜の仕分作業がなくなりますから、深夜仕分作業、区分け作業に関わっていた五千六百人が他の分野にシフトされる。その五千六百人のうち一定数は昼間の時間帯での配達区分の作業になると思います。同時にまた、一定数は荷物などの分野に移ることになると思います。
 この昼間の配達区分の作業になる方、これまで夜勤の手当が出ていましたが、この夜勤の手当はできなくなりますが、この夜勤相当分の手当は維持されるのかどうか。また、荷物の分野に移る方、先ほど希望をよく聞いてということがありましたが、行きたくないという方の希望は聞き入れられるということでいいんですね。

#246
○参考人(諫山親君) 深夜帯から昼間帯へシフト可能となる要員につきましては五千六百人を想定しておりますけれども、実際にどの業務にどの程度の再配置を行うことになるかということにつきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、あらかじめ本人の意向を確認するなど、丁寧に対応していくこととしております。
 深夜帯から昼間帯にシフトする場合におきましては、夜勤手当が支給されなくなることにつきまして丁寧に説明を行い、引き続き深夜帯の勤務を希望する社員につきましては深夜帯における荷物や速達等の業務へ再配置するなど、丁寧に対応してまいります。さらに、荷物の業務を希望しない社員につきましても深夜帯における速達等の業務や昼間帯の業務への再配置を想定しておりますけれども、いずれにいたしましても丁寧に対応してまいりたいというふうに考えております。

#247
○伊藤岳君 いずれにしても、手当が減ったり、内勤の方が外勤に回るということが起こり得るということだったと思います。
 そこで、大臣にお聞きします。労働者の今言われたシフト、再配置によって、これまでの業務内容とは全く違う、言わば事実上の転職のようになってしまう人も出てくると思われます。今答弁があったように、手当が減る人も出てくる、労働条件が引き下がる人が少なくなく出てくるのではないかと思われます。こういう事態は本法改正の趣旨に逆行するんではないかと思いますが、大臣、認識どうですか。

#248
○国務大臣(武田良太君) 一概に逆行するとは言えないと私は思います。しっかりとそうした働く方々への思いやりを持って、全員で力を合わせていけばいいんじゃないかと思いますよ。

#249
○伊藤岳君 先ほど大臣は、今回の法改正を通じて労働環境や人手不足の改善に資するんだというふうに言われました。是非、今後注視をしていただいて、この本法改正の趣旨に逆行するような事態には、起こらないようにしていただきたいというふうに思います。
 先ほど現場の労働者の方からお話を伺ったという話をしましたが、こういう話がありました。夜勤が日勤、夜勤から日勤に行くとなれば仕事の内容は異なるし、ましてや内勤から外勤、外勤から内勤へのシフトとなればもう違う職場に行くようなもの。
 また、別の方は、これ銀座郵便局の方ですが、銀座郵便局は深夜帯百五十七人、そして、うち百十四人が非正規で深夜帯の荷物区分をやられているそうですが、時給が高いので深夜勤務をしているが、週四日入ってもようやく月二十万ちょっとというのが実態ですと。
 夜勤をしたくてやっているんじゃありません、やらないと生活できないからです、昼間に行くといっても、行けと言われても、賃金が安くてとてもじゃないが暮らしが成り立たないという声もありました。こうなってくると、物を言わぬ退職勧奨になってくるんではないかと思います。
 こうした声をよく聞いて、労働者のシフト、再配置によって労働条件が引き下がらないように、そしてまた、労働条件が引き下がることなどによって人手不足が生じないように対応していただきたいと思いますが、衣川社長、その決意、お聞かせください。

#250
○参考人(衣川和秀君) 今回の改正により、先生御指摘のとおり、深夜帯から昼間帯へのシフト等が発生をするということでございますが、要員の再配置につきましては時間を掛けて御意向も聞きながら丁寧に対応してまいりたいと、このように考えてございます。

#251
○伊藤岳君 丁寧に対応する、労働条件が引き下がって退職勧奨になるということがないように、しっかりそこ対応していただきたいと、これは強く求めておきたいと思います。
 最後に、ユニバーサルサービスに関わってお聞きします。
 大臣、今回の法改正により、先ほど来お話があるように、郵便のユニバーサルサービスの水準は低下することになります。この改正に当たって、条件不利地域や、また障害をお持ちの方々などの意見は聞いたのでしょうか。また、法施行後に条件不利地域や障害者の方々の意見を聞く予定などはありますか。

#252
○国務大臣(武田良太君) 今回の法改正に関する内容を議論しました情報通信審議会におきまして、論点整理案と答申案の二回、パブリックコメントを広く募集いたしましたが、その対象には条件不利地域にお住まいの方や障害をお持ちの方も含まれていると、このように認識しております。
 また、法施行後におきまして、条件不利地域や障害者の方々を含む国民、利用者の皆様には、日本郵便とも連携し、今般のサービス見直しの内容等について丁寧に周知、説明を図ってまいりたいと考えております。

#253
○伊藤岳君 衣川社長、同じようなことをお聞きします。
 法改正に当たって、法の改正の実施後、条件の不利地域の方や障害者の方々に意見を聞くという予定などありますか。

#254
○参考人(衣川和秀君) 情報通信審議会の中で既にパブリックコメントが行われているということでございますので、当社として改めて御意見を伺うことは考えてございませんが、郵便サービスの見直しの実施に当たりましては、総務省の御指導をいただきながら丁寧に周知、対応をしてまいりたいと、このように考えてございます。

#255
○伊藤岳君 パブコメの話もありましたけど、私も見ましたけれども、条件不利地域の方、障害者の方に全く聞いていないとは言いません。しかし、本当にごく僅かだと思います。
 今回のユニバーサルサービスの低下によって一番不利を被る方々の、地域の方々、障害をお持ちの方々の声を聞くというのは本当に大事なことだと思います。
 ユニバーサルサービスを担う者として、まず国民の声を聞くことが基本姿勢として貫かれる必要があると思いますが、国民の声を今後も聞いていく基本姿勢、衣川社長、どうでしょうか。

#256
○参考人(衣川和秀君) 私ども、お客様本位のサービスということでございますので、いろんな局面を通じてお客様の声をきちんと聞いて、できる限りの対応をしていきたいと、このように考えてございます。

#257
○伊藤岳君 是非、法施行後、条件不利地域の方、障害者の方々などの意見を聞く機会を設けていただきたい、強く求めたいと思います。
 さて、これまで歴代の総務大臣は、ユニバーサルサービスの維持についていろいろ答弁をされてきました。
 高市大臣は二〇一五年六月四日の総務委員会で、文書による通信手段であります信書の送達という事業は国民の思想、表現の自由に密接な関わりを持っておりますし、大変重要な分野でございます、また、基本的な通信手段としてきっちりユニバーサルサービスを確保することで憲法で保障された通信の秘密を保護するという観点がございますと、憲法との関連でも答弁をされました。
 また、今日おられます片山虎之助大臣、当時の、二〇〇二年の総務委員会で、やはりしっかりしたユニバーサルサービスという点は、これはナショナルスタンダードとしても守ってもらわなきゃいかぬというのが我々の考えでございますと答弁をされていました。
 武田大臣、郵便のユニバーサルサービスの維持についての武田大臣の決意を聞かせてください。

#258
○委員長(浜田昌良君) 時間ですので、お答えは簡潔に願います。

#259
○国務大臣(武田良太君) 今回のこの法改正をもって、しっかりとした業務の見直しをまずは行っていただくことが重要だと思いますし、我々としても郵便事業への監督責任というものをしっかりと果たしていきたいと考えております。

#260
○伊藤岳君 終わります。

#261
○委員長(浜田昌良君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#262
○委員長(浜田昌良君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、那谷屋君から発言を求められておりますので、これを許します。那谷屋正義君。

#263
○那谷屋正義君 私は、ただいま可決されました郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、郵政民営化から十三年が経過したことを踏まえ、郵政民営化の進捗状況等について総合的に検証すること。
 二、郵便サービスの水準を変更するに当たっては、日本郵便株式会社等と連携し、利用者に対する適切な周知を図るとともに、サービス提供に混乱が生じることがないよう指導監督を行うこと。また、日本郵便株式会社において、日刊紙、選挙運動用の通常葉書の配達頻度が確保されるよう、十分配意すること。
 三、日本郵便株式会社が将来にわたり、郵便サービスを維持し、全国あまねく安定的にユニバーサルサービスを提供する責務を果たし、ユニバーサルサービスの質の維持・向上ができるよう支援すること。また、日本郵便株式会社による郵便のユニバーサルサービスの提供状況を注視し、必要に応じて、郵便サービスに対するニーズや社会経済の環境変化等を踏まえ、基本料金の見直しを含め郵便サービスの水準を維持するための方策を幅広く検討すること。あわせて、ユニバーサルサービスコストを国民・利用者に分かりやすい形で明示すること。
 四、日本郵便株式会社が、非正規雇用を含む全ての社員を大切にし、長時間労働を招くことがないようにするとともに、できる限り深夜労働を減らすことができるよう、指導監督を行うこと。また、働き方改革関連法の趣旨にのっとり、雇用を維持し、処遇や労働条件の改善を図り、同一労働同一賃金を具現化するよう指導監督を行うこと。
 五、日本郵政グループが、かんぽ生命保険の保険商品に係る不適切契約問題等によって損なわれた国民の信頼を回復するとともに、再発防止策の確かな推進と経営の健全化を早期に実現するよう指導監督を行うこと。
 六、デジタル時代の郵政事業の在り方について、ユニバーサルサービスの維持を図りつつ、新たな時代に対応した多様かつ柔軟なサービス展開、業務の効率化等を通じ、国民・利用者の利便性向上や地域社会への貢献を推進するため、必要な環境整備について検討を行い、その実施に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#264
○委員長(浜田昌良君) ただいま那谷屋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#265
○委員長(浜田昌良君) 全会一致と認めます。よって、那谷屋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、武田総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。武田総務大臣。

#266
○国務大臣(武田良太君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

#267
○委員長(浜田昌良君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#268
○委員長(浜田昌良君) 御異議ないと認め、さよう決定します。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト