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2020/11/24 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 文教科学委員会 第3号 令和2年11月24日
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2020/11/24 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 文教科学委員会 第3号 令和2年11月24日

#1
令和二年十一月二十四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十八日
    辞任         補欠選任
     高橋はるみ君     世耕 弘成君
     安江 伸夫君     高瀬 弘美君
 十一月十九日
    辞任         補欠選任
     高瀬 弘美君     安江 伸夫君
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     岩本 剛人君
     蓮   舫君     熊谷 裕人君
 十一月二十四日
    辞任         補欠選任
     水落 敏栄君     豊田 俊郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         太田 房江君
    理 事
                赤池 誠章君
                上野 通子君
                吉川ゆうみ君
                斎藤 嘉隆君
    委 員
                有村 治子君
                石井 浩郎君
                岩本 剛人君
                高階恵美子君
                豊田 俊郎君
                水落 敏栄君
                石川 大我君
                熊谷 裕人君
                横沢 高徳君
               佐々木さやか君
                安江 伸夫君
                梅村みずほ君
                松沢 成文君
                伊藤 孝恵君
                山下 芳生君
                舩後 靖彦君
   国務大臣
       文部科学大臣   萩生田光一君
       国務大臣     橋本 聖子君
   副大臣
       内閣府副大臣   田野瀬太道君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       河村 直樹君
       文部科学省総合
       教育政策局長   浅田 和伸君
       文部科学省初等
       中等教育局長   瀧本  寛君
       文部科学省高等
       教育局長     伯井 美徳君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  白間竜一郎君
       文部科学省研究
       振興局長     杉野  剛君
       スポーツ庁次長  藤江 陽子君
       文化庁次長    矢野 和彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (アスリートの海外遠征及び国内合宿に対する
 支援方策に関する件)
 (二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピッ
 ク競技大会の開催可否に関する件)
 (二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピッ
 ク競技大会延期に伴う追加費用に関する件)
 (コロナ禍での外国人留学生の大学等における
 在籍状況等に関する件)
 (コロナ禍における学生への支援に関する件)
 (聴覚障害のある学生の教育実習に関する件)
○平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京
 パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を
 改正する法律案(第二百一回国会内閣提出、第
 二百三回国会衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(太田房江君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、高橋はるみさん及び蓮舫さんが委員を辞任され、その補欠として熊谷裕人さん及び岩本剛人さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(太田房江君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官河村直樹さん外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(太田房江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(太田房江君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題といたします。
 この際、橋本国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。橋本国務大臣。

#6
○国務大臣(橋本聖子君) 委員会の冒頭、発言の機会をいただき、御礼申し上げます。
 本年三月に延期が決定された東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、来年七月二十三日からの開催日程が決まり、開会式まで二百四十一日となりました。
 東京大会については、安全、安心な環境を提供することを最優先に、費用を最小化し、競技と選手に重点を置きつつ、効率化、合理化を進め、安全かつ持続可能な簡素な大会を目指すとの方針に基づき、大会関係者が一丸となって準備に取り組んでいるところです。
 東京大会における新型コロナウイルス感染症対策については、本年二月以降、総合対応推進チームにより政府、競技団体等の情報共有を強化するとともに、本年九月からは、国、東京都、大会組織委員会による会議を開催し、議論を進めております。同会議では、アスリート、大会関係者、観客の三つのカテゴリーの順に、出入国や輸送、ホストタウン、選手村、競技会場などの場面ごとに、実効的な対策を検討しているところです。
 これまでに、アスリートに対する検査や行動管理、健康管理などの防疫上の措置、アスリート向け医療体制などの強化、ホストタウンにおける感染防止対策の実施、パラアスリートや介助者への適切な対応などの方針を提示しております。また、観客数の上限や外国人観客の取扱いについては、国内外の感染状況なども踏まえ、来年の春までに決定する方針としております。
 今後、更に検討を進め、年内を目途に中間整理を行う予定としております。
 先般来日したIOCバッハ会長による総理への表敬では、来年の東京大会開催を必ず実現し、安全、安心な大会に向けて、今後とも緊密に協力していくことで一致したところです。
 来年は東日本大震災から十年の節目であり、復興オリンピック・パラリンピックとして被災地が復興しつつある姿を世界に発信するとともに、共生社会の実現を大会のレガシーとすべく、パラリンピックの成功に向けた機運醸成に取り組んでまいります。また、大会参加国・地域と自治体が交流を行うホストタウンについては、直接の交流が困難な中、オンラインでの交流を行う自治体もあり、大会後も末永く続く交流となるよう取組を支援してまいります。
 私自身のこれまでのアスリートや選手団長としての経験も生かしながら、努力を続ける全てのアスリートの活躍を支援するとともに、担当大臣として、次世代に誇れるレガシーを創出し、将来にわたり語り継がれる大会をつくり上げられるよう、来年の大会を必ず成功させるとの決意の下、東京都、大会組織委員会、IOC等と緊密に連携しながら、引き続き全力で取り組んでまいります。
 引き続き、委員長、理事、委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

#7
○委員長(太田房江君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#8
○横沢高徳君 皆様、おはようございます。
 ただいま橋本大臣からも御挨拶があったように、東京大会まで約八か月、そしてまたその半年後には冬季の北京オリンピックが迫っております。
 立憲民主・社民の横沢高徳でございます。よろしくお願いいたします。今日は、アスリートの立場で橋本大臣にお伺いをしたいと思います。
 まず、新型コロナウイルス感染症の拡大が心配されている中ではありますが、アスリートの皆さんは、今も人生を懸け、そして資金を掛け、東京大会、そしてまたその後に行われる北京大会で、オリンピック・パラリンピック競技以外のアスリートも非常にこのコロナ禍の中、葛藤しながら練習、競技に励んでおります。
 そこで、海外遠征の選手、アスリートに対しての国の現時点の取組を教えていただきたいと思います。

#9
○国務大臣(橋本聖子君) 日本人選手が海外で行われる国際大会に参加した後、帰国後十四日間、待機期間中にコンディションや能力維持のための練習や大会へ参加することは、オリンピック・パラリンピックアスリートの競技力強化を図る上で極めて重要であるというふうに認識しております。
 このため、関係府省庁と調整を行いまして、オリパラ出場権に関する大会など東京大会に関連する国際大会に出場する選手やコーチ、パラアスリート、介助者等に関し、滞在先や移動手段を限定するなどの必要な防疫上の措置を講じた上で、帰国後十四日間、待機期間中の練習や大会参加等を認めることといたしました。
 アスリートが万全なコンディションでプレーができる、安全、安心な大会となるよう、全力を尽くしてまいります。

#10
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 十四日間にこだわらないという今答弁をいただきましたが、実は今、大会が迫っている中、特に冬季競技は練習環境を求めて海外遠征を行わなければいけないような状況に来ております。もう来シーズンは北京オリンピック・パラリンピックのシーズンとなります。そこで、各選手又は各競技団体も、この海外遠征に連れていっていいものかどうなのかと、非常に判断に困っている状況であります。
 そこで、国としても、その今頑張っている競技団体、アスリートをあともう一押し、後押しするような、何ていうんですか、対策が欲しいということなんですが、橋本大臣、この件に関して御見解をお伺いいたします。

#11
○国務大臣(橋本聖子君) 横沢委員もパラアスリート、パラリンピアンでありましたので、私もその気持ちを十分承知をしているつもりであります。
 今、JOCあるいはJPC、各競技団体、JOCを中心といたしまして、また政府も一緒になってこのコロナ対策においての総合対応推進チームというのをつくりまして、春から精力的に各競技団体の要望にどのように応えていくことができるかということで連携をしております。コロナ調整会議におきましても同じことでありますけれども、冬、夏が終わりまして、同じ年度内にすぐに北京の冬季オリンピック・パラリンピックがありますので、しっかりと対応していけるように準備を整えていきたいというふうに思っております。

#12
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 選手サイドは、やっぱり検査体制をもう少し充実しながら、何とかこの今のコロナ禍の状況でも遠征に行けるような体制を国がもう一押ししてくれると行動に移しやすいんだけれどもなというような声がありますので、これは是非早急に国としても取り組んでいただきたいと思います。
 この件に関して、スポーツ庁の所管でもあります萩生田文部科学大臣も、このパラアスリート、またオリンピックアスリートのみならず、アスリートの海外遠征について御見解がありましたらお聞かせいただきたいと思いますが。

#13
○国務大臣(萩生田光一君) 橋本大臣答弁されたとおりでありまして、厳しい環境の中ですけど、できる限りいい練習環境を求めて海外へ出る場合については、最大限の便宜供与を図ってまいりたいと思っています。

#14
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 ただいまは海外遠征の件についてお聞きしたんですが、実はアスリートの中からは、国内合宿に関しても非常に不安だという声が上がっております。練習自体はとにかく今最終段階で追い込まないといけないんだけれども、国内移動してもしも感染が見付かってしまったら、このような状況の中、何をやっているんだというバッシングを受けたらどうしようかとか、非常に選手、苦慮しながら、今とにかく、この先、八か月後のオリパラ、又はその半年後のオリパラに向けて頑張っております。
 そこで、何とか選手が、何というか、不安なく練習環境に取り組めるような、もう一押し、国内に関してももう一押しの声が必要だと思うんですが、橋本大臣、御見解をお伺いいたします。

#15
○国務大臣(橋本聖子君) 国、東京都、そして組織委員会、そして競技団体とコロナ対策の調整会議を行っております。そして、総合対応推進チームもつくっているところでありますけれども、アスリートが直接どのような状況に置かれているのかということ、委員おっしゃるように、不安を払拭していかなければ国外の大会にも行くことができない、幾ら帰国後十四日間の待機中に練習や大会に参加をすることができるという状況になっても、なかなか不安でしようがないというような声がやはり聞かれます。
 しっかりと常に情報を共有しながら対応できるようにしておりますので、できる限りその声を拾っていけるように努力していきたいと思っております。

#16
○横沢高徳君 今、SNS上での偏見や差別や誹謗中傷も問題視されておりますが、決してこのコロナ禍の中で一生懸命頑張っているアスリートがそういうバッシングを受けることのないような対策を、是非国もしっかりとリーダーシップを取って前へ進めていただきたいと思います。
 続きまして、食育に関してお伺いしたいと思います。
 食育基本法では食育は生きる上での基本ということでありますが、今回のコロナ禍で主食用米が非常に余っているというニュースも入ってきております。
 そこで、子供たちに是非、このコロナ禍でお米が余っている状況で、食育という観点から、是非教育現場でも、もう一つ踏み込んだ、国産米、国の取組としてそのお米を、おいしいお米を食べるという、そういう取組も行ったらいいんではないかと思いますが、食育に関して、食育の在り方について、萩生田文部科学大臣の御見解をお伺いいたします。

#17
○国務大臣(萩生田光一君) 食は人間が生きていく上での基本的な営みの一つであり、子供たちに対し食に関する正しい理解や適切な判断力、望ましい食習慣を身に付けさせるよう、学校において食育を推進することは非常に重要であると考えております。
 このため、文部科学省においては、食育の生きた教材である学校給食の普及、充実を図り、食育を推進するための環境を整えるとともに、学校給食における地場産物の活用や食品ロス削減、親子による調理体験等、地域や家庭等とも連携した特色ある取組を、モデル事業による展開や具体的な指導方法を示した手引の作成等により推進をしております。
 また、平成十七年度に食に関する指導の中核である栄養教諭が制度化されたことを受け、その配置促進に努めてきており、令和元年度においては六千四百八十八人の栄養教諭が配置されております。
 引き続き、子供たちに対する食育の重要性をしっかりと認識しつつ、こうした取組により学校における食育の推進に努めてまいりたいと思います。

#18
○横沢高徳君 時間が来ましたので、以上で終わらせていただきます。ありがとうございます。

#19
○斎藤嘉隆君 立憲民主党の斎藤嘉隆です。
 今日は、冒頭、通告をしておりませんけれども、衝撃的な報道がありまして、この件について、国会全体に関わる問題として大臣にお聞きをしたいと思いますが、何かというと、安倍前総理の桜を見る会をめぐる報道であります。
 報道によりますと、特捜部の方で安倍総理の公設秘書が事情聴取を受けたと。その中で、関係者の発言ということで、総理が国会で真っ向から否定をされていた桜を見る会への後援会からの支出、補填について、どうやら総額で八百万円を超える補填が安倍氏側からされていたのではないかという報道です。
 これ、まあまだこれは捜査段階の中身でありますから明確な答弁はいただけないのかもしれませんけれども、とんでもないことだと思いますよ、これは。時の総理が国会の場で明確に否定していたことが、これからの捜査次第ではそれが虚偽の答弁だったということが表に出ようとしているんです。これは、我々国会議員としても、もう本当に看過をし難い。一体この場での答弁が本当に信憑性があることなのか、事実でないことを平気で答弁をしているということになってしまいますのでね。
 このことについて、閣僚の一人として、また安倍総理の側近とも言われている萩生田大臣、官房副長官もされていましたし、またこの間もずっと閣僚も続けていらっしゃったわけですが、大臣はこの点について、国会との兼ね合いも含めてどのような思いを現状持っていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

#20
○国務大臣(萩生田光一君) 報道については承知をしておりますけれども、報道の段階でございますので、コメントは差し控えたいと思います。
 ただ、政治家それぞれ疑念を掛けられれば、説明責任果たしていくというのは当然のことだと思います。

#21
○斎藤嘉隆君 橋本大臣、いかがですか、この件について。

#22
○国務大臣(橋本聖子君) 私も、この件につきましては報道で承知をしております。
 国会議員として、そして国会議員のその事務所で、それぞれしっかりとした説明責任を果たすべきものだというふうに思っております。

#23
○斎藤嘉隆君 とにかくこの国会での答弁が、閣僚の皆さんの答弁は我々はそれは事実だということで、もう全てそれを受け止めて自分たちの政策も含めて生かしているわけで、それが事実でない、虚偽であったということであると、もう全てがひっくり返るわけですね。
 これ、今後の捜査の状況を見守りたいと思います。その上で、またしっかり一人の閣僚としてお二人にはきちんとした見解を是非持っていただきたい、そのことをお願いを申し上げたいというふうに思います。
 それでは、早速中身に入りますが、橋本大臣に、先ほどの横沢さんの質問にも絡めて少しお伺いをさせていただきたいと思います。
 私は、アスリートファーストの観点からも、是非オリンピック・パラリンピック、来年は実施に向けて何とかいい状況が続いてほしいなというふうに思っておりまして、また、組織委員会の皆さん中心に大変御努力をいただいているということを認識をした上で、上で、今の感染の状況を見るにつけ、本当に開催に向けて様々ある障害を乗り越えていけるんだろうかという危惧もどうしても持たざるを得ないわけです。
 今の例えば感染状況が来年度以降も続いていくと仮定をして、入国者の皆さんのワクチン接種とか事前のPCR検査とか、あるいは先ほども大臣からありました参観者の一定の制限などによって、今の状況であったとしても様々な工夫をすればオリンピック・パラリンピックについては開催がもう十分可能であると、こういう認識でよろしいですか。

#24
○国務大臣(橋本聖子君) 来年の東京大会に向けた最大の課題は、委員御指摘のように、コロナ対策であるというふうに認識をしております。
 このため、九月から開催されている国、東京都、大会組織委員会によるコロナ対策調整会議におきまして議論を進め、実効的な対策を検討しているところであります。これまで五回開催をさせていただきました。そのポイントは、大会に参加するアスリートには検査や行動管理、健康管理など必要な防疫上の措置を講じること、アスリート向けの保健衛生機能や医療体制などを強化すること、ホストタウンは国の手引を踏まえ受入れマニュアルを作成して感染防止対策を実施すること、観客数の上限や外国人観客の取扱いは国内外の感染状況なども踏まえて来年の春までに決定することなどの方針を提示しておりまして、年内を目途に中間整理を行うこととなっております。
 バッハ会長が来日をされた際に菅総理と面談をしていただきました。このときにもバッハ会長からは、東京大会の成功についてより一層確信を持つことができたとの発言をいただいておりまして、しっかりと東京大会開催に向けて努力をしていきたいと考えております。

#25
○斎藤嘉隆君 分かりました。引き続いての御努力を是非お願いをしたいというふうに思います。
 私はもう橋本大臣にはここまでの質問とさせていただきますので、もしよろしければ御退席いただいても構いません。

#26
○委員長(太田房江君) 橋本大臣、御退場いただいて結構です。

#27
○斎藤嘉隆君 それでは、文科大臣に数点お聞きをしたいというふうに思います。
 一点は、大学生への支援についてであります。
 先日、愛知県内の大学生数名と会いまして話を聞く機会があったんですが、驚いたことに、そのうちの一人は愛知県内の国立大学に通っているんですけれども、一年生で、まだ一度もキャンパスに足を踏み入れたことがないと、それは本当なのかと聞いても、いや、本当ですと、こういうやり取りだったんですね。
 GoToトラベルで国がお金を出して旅行に行けるのに、お金を出して授業を受けたい大学生はキャンパスに入ることもできないし、GoToイートでマスクを取って食事ができるのに、マスクをした大学生は自分の学校の図書館も使うことができないと、こんな状況があって、大臣も、もうこの間も大学の関係者に対面での授業についてかなり踏み込んだ要請をしていただいたというふうに認識をしています。
 私、問題にしておるのは、大学生たちの声として、大学に通うことができない、であれば、授業料といわゆる学校施設費というような類いのものについて支払うことに、納めることに多くの学生が疑問を持っていると、これはもう事実だというふうに思います。
 大学側もコロナ対策などで様々な費用が必要で、経費増も大きな課題だというふうに思いますが、私、新年度以降同様の状況が続くのであれば、国が負担して授業料の一律減免ですね、所得に関わりなく一律減免をすべきではないかと思いますが、大臣、御認識はいかがでしょうか。

#28
○国務大臣(萩生田光一君) まず、先生御指摘のとおり、入学以来キャンパスに一度も足を踏み入れたことがないという学生が数多くいるのは実態として事実だと思います。私の元にも文科省の担当にも多くの声が寄せられております。
 この間、各大学に対して是非、もちろんオンライン授業がいけないということを決め付けるつもりはございませんけれども、きちんとしたオンライン授業と対面授業を組み合わせてほしい、そして、学生たちがキャンパスの中で仲間と交流できるような機会というものも上手につくってあげてほしいということは繰り返しお願いしているんですが、なかなか実行に移していただけない実態もあって、非常に困っている状況にございます。
 授業料などの学生納付金について減額を求める声があることも承知をしています。授業料等の学納金は各大学のそれぞれの判断において設定されるもので、例年と異なる授業形態を採用したり、施設の利用に制限を設けたりするのであれば、その必要性や合理性について学生に丁寧に説明し、理解を得る必要があると考えております。
 すなわち、施設利用料が引き落としされているけれども、その施設って一度も使ったことないんですけどということを学校に問い合わせている学生さんも大勢いると、図書館利用料が設定されているんですけど図書館で本も借りられないと、こういう状況も承知をしております。
 各大学において、様々な手だてを通じてコロナ禍の中でも質の高い学習機会の確保等に取り組んでいただいていることと承知しておりますが、私としても、先週実施した各大学団体を代表する学長の皆さんとの意見交換の中で、改めて学生の理解、納得を得られるよう、説明などに努めていただくことをお願いしました。さらに、経済的に困窮している学生については、必要な支援が確実に行き渡るよう、様々な支援を行っているところでございます。
 文科省としては、各大学等において、学生の目線に立った対応が講じられるよう、参考となる工夫や留意点を整理し発信するなど、各大学における感染拡大の防止と学習機会の確保の両立を促すとともに、大学における学びの継続への支援を着実に行ってまいりたいと思いますが、今御提案の一律学費を仮に国費で負担をするということになれば、じゃ、元々の学費の合理的説明、正当性というのはどうするかということも出てくると思います。私が許可をした学費であれば、そこはまた皆さんに御理解いただくこともできると思うんですけれども、私立含めて学費の設定は自由でございますので、それを仮に一律ということになれば、これは国民の皆さんの理解はなかなかいただけないのではないか。まずは、一義的には各学校が学生に寄り添っていただいて、様々な手だてをしていただきたいな、そんなふうに思っております。

#29
○斎藤嘉隆君 もちろん、一律で金額を定めてということではなく、やっぱり大学を通じて、そういったことが各大学の工夫によって可能になるような施策も検討していくべきではないかなというふうに思っています。
 大学生の修学支援制度について、これ、安倍前総理肝煎りの大学無償化政策ですけれども、資料の方も用意をしましたが、四人世帯で年収二百七十万以上三百万円未満、三分の二、それ以下については授業料全額免除、三百八十万円未満は三分の一免除というのがあります。これまでもいろいろ議論をさせていただきましたが、これ以上の中間層世帯への支援が、国レベルでは明確なものがないというふうに認識をしています。授業料減免の年収が昨年度より引下げになっているという状況もあって、昨年は減免対象であった学生が今年は減免されないという事例も出ていて、先ほど申し上げた声もどうしても大きくなっているのかなというふうに思っています。
 でも、よく分からないんですけど、十一月十六日時点での一次補正、二次補正の執行率を見ると、家計急変家庭の学生に対する支援七億円、これ執行率四三%だと認識していますし、困窮学生に対する支援百五十二億円のこの二次補正、これは執行率一六%なんですね。これはなぜこんな状況が生まれているんですか。

#30
○政府参考人(伯井美徳君) 家計急変をした世帯の困窮学生への授業料減免についてのお尋ねでございますが、これにつきましては、まず、今御指摘いただきました本年四月に開始した高等教育の修学支援新制度において支援をするということとしておりまして、その上で、各大学が独自に行う授業料減免について、補正で支援をするという立て付けでございます。
 令和二年度補正予算に計上した国立大学、私立大学が独自に行う授業料減免への支援につきましては、各大学の実施実績を踏まえて予算配分を行うということでございまして、ただいま御指摘いただきましたように、国立大学については前期実績分として約三・六億、執行率は約七%、私立大学については通年の実績見込みとして約二十四億円、これの執行率は約二五%となっております。
 これは、令和二年度の補正予算につきましては各大学が十全に対応できるよう予算を計上したところでございまして、結果としては、現段階では執行率が低くなったと考えていますが、後期の授業料減免につきましても、しっかり対応できる分の予算が確保できているというふうに考えております。
 今後も予断を許さない状況であると考えておりますので、新型コロナウイルスの影響で学生等が修学を断念することがないよう、引き続き大学と伴走しながらしっかり支援をしてまいりたいと考えております。

#31
○斎藤嘉隆君 先般も少しお話をさせていただきましたけれども、十月中に学費の納入期限というのが多くの学校であって、それが、ちょっと期限が延長しているというような学校も多いんですね。アルバイトもできませんし、少しずつ対面授業が増えていて、例えば東京の学生が、リモートのときは地元に帰って自宅にいたけれども、対面が増えてきたので下宿先に戻ってという学生も増えていて、生活費や家賃の負担も増えているのも事実です。これからだと思いますね、本当に支援が必要なのは。
 今局長おっしゃっていただいたように、後期のこの支援についてもう少し、何というか、計画的に実情踏まえて是非やっていただきたいと思います。一〇〇%執行して当たり前だと思いますし、大学とも連絡密にしていただいて、あるいは大学生への周知も含めてしっかりやっていただきたいと、このことは要望させていただきたいというふうに思います。
 続いて、もう今日は余り時間がないのでちょっと駆け足で次の話をさせていただきます。
 学校における教職員の働き方改革について少しお伺いをします。
 改正給特法、今年から施行されて、月四十五時間、年間三百六十時間という時間外勤務、在校等時間の上限が指針で示されています。法案策定時、大臣とも随分質疑をさせていただきましたけれども、二〇二〇年度から各自治体が条例を定めて規則、上限指針の策定をした上でないとこの法改正そのものは成就しないんだということを、私も、大臣とのやり取り、改めていろいろ読み返している中で、明言をされていらっしゃいます。
 全ての自治体で条例、規則、策定をされるように全力で努力をするというふうに大臣おっしゃっていますが、さて、全ての自治体でこれは制定をされている状況なんでしょうか。今の現状をお聞かせをいただきたいと思います。

#32
○政府参考人(瀧本寛君) 昨年の臨時国会においてお認めいただきました改正給特法により、教師の勤務時間の上限に関するガイドラインを法的根拠のある指針に格上げし、本年一月十七日に指針を告示として公示し、本年四月一日より施行しております。
 文部科学省としては、勤務時間管理を適正に行い、業務の縮減方策の実効性を高め、徹底していくためにも、都道府県、指定都市において条例で上限方針を根拠付けた上で、市町村教育委員会の規則等において上限方針を定めていただきたいと考えております。
 指針の公示以降、例えばということですが、本年一月に、大臣自ら直接全国の都道府県、指定都市の教育長会議等などにおいて法改正の趣旨等についてお願いをさせていただくなど、条例等の整備について働きかけてきた結果、これは本年六月時点でございますが、条例については、令和二年度中までに整備済みないしは予定である都道府県市が六十県市、全体の九〇%、それから規則について、令和二年度中までに整備済み、整備予定である都道府県市が六十五県市、全体の九七%となり、これ重複がございますので、自治体ベースで見ますと、ほぼ全ての都道府県、指定都市、六十六県市、九九%において令和二年度中に条例又は規則の整備がなされる予定であると承知をしております。
 文部科学省としては、条例や規則等が本法律の趣旨や目的に沿ったものとなることが必要不可欠であると考えておりまして、各都道府県においても同じ思いを共有して条例等の制定に取り組んでいただけるよう、今後も引き続き今回の改正の趣旨あるいは意義の周知徹底をしっかりと図ってまいりたいと考えております。
 以上です。

#33
○斎藤嘉隆君 これは、教育委員会や管理職によって虚偽の在校等時間を記録するように求められたところがあると、こういう報道がありました。あってはなりませんけれども、現場の生の声を聞くと、正直に記録をすると上限を超えてしまうので仕方ないと、擁護する声さえ出ているんですね。業務が減っていないのに時間を減らすと言われても、それは無理だという、もう現実的なこういう声があるんです。
 これ、業務をどう削減していくのか。これ、文科省さんは工程表も示されていて、この業務削減に言及をされていて、工程表を見ると、二〇一九年から二〇二一年にかけて学校へ新たな業務を付加しようとする場合にはスクラップ・アンド・ビルドを原則とし、財務課と調整を徹底すると、こういうようになっています。コロナなどで今明らかに業務が付加をされているんですね。それから、GIGAスクールとかいわゆる英語教育などの研修もこれから増えていくと思われます。付加は増え続けているけれども、相変わらずスクラップされたことが何なのかよく分からないんです。
 この工程表でいうスクラップ・アンド・ビルド、何をスクラップこの間されてきたのか、いかがですか。

#34
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 学校における働き方改革を進めていくためには、委員御指摘のとおり、これまでのビルド・アンド・ビルドで学校現場に求め続けてきた姿勢をいま一度見直しをして、学校に求めている業務削減を文部科学省自らが実行していくことが不可欠だと考えております。
 特に、このコロナ禍におきましては、感染症対応のために学校の働き方改革が頓挫することがないよう、学習の遅れを取り戻すための補習や消毒作業、健康観察等、純増した業務に対して着実に負担軽減を図るため、学習指導員やスクールサポートスタッフ等の外部人材の大規模配置を進めるとともに、学校向け調査の数も約半数まで、これ、国、文科省の調査、九つでございますが、精選を行わせていただき、少なくとも本年度については中止という判断をさせていただいたところでございます。
 また、教師が授業など教師でなければできないことに集中できるようにするため、昨年一月の中教審の答申において、これまで学校や教師が担ってきた代表的な業務について、基本的には学校以外が担う業務、あるいは学校の業務だが必ずしも教師が担う必要のない業務、さらには教師の業務ではあるけれども負担軽減が可能な業務に分類をして教師の業務の適正化を図ることが提言されており、これらの取組が着実に学校現場で進むよう、昨年度、全国全ての教育委員会に対して取組状況の調査を実施し、設置者別の結果公表あるいは好事例の展開等を通じて取組を促しております。
 この働き方改革の調査については本年度も現在実施をしておりますので、取りまとまり次第、また結果の公表ないしは、このコロナ禍ではありますけれども、好事例の展開等には努めてまいりたいと考えております。
 また、こうした状況については、萩生田大臣が本部長を務めております学校における働き方改革推進本部において、学校や教育委員会からの業務削減に関する要望等を踏まえまして、部活動の改革あるいは免許更新制の検証、学校向けの調査の更なる削減等について検討し、取組を進めているところでございます。
 私の方からは以上です。

#35
○斎藤嘉隆君 済みません、今の件に、もう時間ないので、ちょっとコメントしたいんですがやめておきますね。
 大臣に最後、もう一点お伺いをしたい。改正給特法五条、変形労働についてなんです。
 上限指針がきちんと機能することを前提に導入をするんだと、上限が遵守できなければ教委単位での変形労働の活用を取りやめると国会で答弁をなされていらっしゃいました。今、コロナ禍も含めて、来年からこの変形労働制導入できる状況なのかどうか、非常に微妙なところだというふうに思っております。
 変形労働は学校ごとの要望によって活用を進めるものというふうに認識をしておりまして、各学校が学校の実情に応じて活用するものであって、教育委員会はそれを導入できる環境をつくっていただくと、状況をつくると、一方的に指示をするような種類のものではないというふうに認識をしています。
 大臣、こういう御認識でよろしいですね。何度か答弁もいただいたんですが、ちょっと確認をさせてください。

#36
○国務大臣(萩生田光一君) まず、このコロナ禍にあって、学校の先生方が本来業務以上に様々な課題に真正面から取り組んでいただいていることに敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 仕組みについては、今先生もおっしゃったとおりでございまして、各校長が各教員とよく対話の上で各学校単位で活用がなされる制度だというふうに承知をしております。

#37
○斎藤嘉隆君 終わります、時間ですので。ありがとうございました。

#38
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文です。
 私は、さきの通常国会で、現行の教科書検定制度の問題点をあぶり出しました。今日は、検定制度の問題点からちょっと先に進めて、教科書調査官の資質と任命の問題点について幾つか質問をしていきたいと思います。
 今年の七月に一部週刊誌が、北朝鮮スパイリストに教科書調査官の衝撃の真相と題する記事を報じました。韓国留学中に北朝鮮工作員にスカウトされた日本の学者が、教科書検定の要である文科省教科書調査官に任命されたという内容のものであります。本人は匿名になっておりますけれども、内容からすれば、毛沢東を研究していた現在の地理歴史科の主任教科書調査官であることは一目瞭然であります。この内容が事実であるとすれば、これは大問題であります。
 報道を受けて萩生田大臣は、調査の結果、事実は確認されなかったというふうに会見などで答えておりますが、間違いはないでしょうか。そして、どのような調査をして、その調査結果に基づいてこれは事実でないと結論付けたんでしょうか。

#39
○国務大臣(萩生田光一君) 本年七月に週刊誌において文部科学省の教科書調査官が北朝鮮のスパイであるかのように書かれた記事が掲載されたため、考えられる限りの方面に正式に確認した結果、週刊誌報道にあった教科書調査官の名前が掲載されているという文書の存在を含めて、記事に掲載されたことが事実であることは確認されませんでした。
 調査の具体的な内容については、外交上の機微等もあるため、詳細な説明は差し控えさせていただきたいと思います。

#40
○松沢成文君 まあ調査したけれども、そういう事実はないと。調査の内容は外交上機密だから答えられない。いや、これじゃ、調査官、どんな人が任命されるか分かりませんね。
 さらに、この事件を、本件を受けて、それを報道した産経新聞の乾論説委員長に対して、瀧本初等中等教育局長が異例とも思える抗議の文書を送っています。これ、週刊誌側と産経新聞両方に送っております。参考資料の二ページを見ていただきたいと思います。この文書を受けて、その後の、これ資料の三枚目にありますが、産経新聞側とのやり取りも報じられております。
 そこで、こうした経緯を踏まえて質問をしたいと思います。
 教科書調査官の認定基準によりますと、この調査官になるためには、大学教授又は准教授の経歴か担当科目に関してこれらに準じる高度に専門的な学識及び経験を有すると認められる者でなければならないと書いてあるんですね。この調査官は、実は教授や准教授の経歴はありません。となると、これらに準ずる高度な学識及び経験を有するということが証明されなければいけないんですが、さて、局長、専門的な学識があるのか、明確にお答えください、この方に。

#41
○政府参考人(瀧本寛君) お答えします。
 当該調査官は、中国の政治思想史を専門としておりますが、中国を始めとして、古代から現代までの東アジア地域の政治、歴史に関する専門的学識を有しております。
 以上です。

#42
○松沢成文君 まあそう断言されますけれども、私、国立国会図書館の論文データベースというのを調べました。そこで、この方が書いた専門的な学術論文ですね、唯一出てきたのが初期毛沢東研究という論文だけです。これ、私、全部まだ読んでいないんですが、目次を見ました。かなり毛沢東礼賛の御本なんですね。
 実は、局長は、その後、産経新聞の論説委員長乾さんとのこのやり取りの中で、この毛沢東、初期毛沢東研究以外に論文なんかないじゃないかと言われたら、ほかの論文も採用してそれを参考にしたと言われております。しかし、国立国会図書館にはそんな論文は一切載っていません、彼の書いた。
 さて、ほかの論文というのは、彼の書いたどういう論文を参考にしてこの方を調査官に資質ありと認めたのか、お答えください。

#43
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 当該調査官は、論文として、「一九一七年における毛沢東の思想「体育の研究」を中心に」と題する論文、あるいは「初期毛沢東思想の一特質「「倫理学原理」批語」から見た」という論文などを執筆しているところでございます。
 なお、先生も今御指摘ありましたが、一部の週刊誌の記事などでは、当該調査官は著書において毛沢東を礼賛していると報道されておりますが、その著書の内容は特に初期の毛沢東についての研究、毛沢東の初期段階での思想についての研究が中心でございまして、毛沢東を礼賛しているものとは言えないと考えております。
 以上です。

#44
○松沢成文君 この方、毛沢東の本しか書いていないんです、論文しか書いていないんですね。それで、その教科書調査官、これ地理歴史科、この方ね、主任なんですよ。単なる一教科書調査官じゃない。地理歴史科、七人いるんです、それをまとめる立場です。
 その方のこの調査官になった経歴を調べてみると、教授でもない、准教授でもない、じゃ、それに相当する学識があるかといったら、論文何出しているかといったら、毛沢東の研究だけです。これで、日本の教科書、地理、歴史、どこが検定に問題があるのか、それ全部調べてまとめる立場の人の資質として、果たしてこれふさわしいと言えるんですか、どうですか。

#45
○政府参考人(瀧本寛君) 当該調査官については、先ほど委員からも御紹介のあった選考基準も踏まえつつ、省内の選考調査会、失礼しました、教科書調査官の選考検討委員会においてその評価を行った上で採用と判断をされたものと承知をしております。

#46
○松沢成文君 じゃ、この該当する教科書調査官、これね、やっぱり推薦制度があるんですね。学会の先輩から、この人、調査官で使ってやってくれと。ひょっとしたら裏で、まあ調査官終わったらうちの大学でうまい職見付けてやるからさということもあるやに私はうわさで聞いています。
 じゃ、この調査官を文科省に推薦してきたのはどなたですか。

#47
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 選考におきます具体的な経緯等につきましては、人事管理に関する事柄ですのでお答えは差し控えさせていただきます。

#48
○松沢成文君 それでは、局長、先ほど何か二、三冊、冊というか、二、三個論文があると、何か毛沢東の名前ばっかり出てきましたけれども、その論文を全てこの委員会に情報として届けていただきたいと思いますが、いかがですか。

#49
○政府参考人(瀧本寛君) 委員会、理事会で御協議いただいて、御指示があればそのようにさせていただきたいと思います。
 先ほど御紹介させていただいた二つの論文については対応可能でございます。書籍ということになると非常にページ数が多うございますので、先ほど私が申し上げた論文については、委員会、委員長からの御指示を踏まえて対応させていただきたいと思います。

#50
○委員長(太田房江君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。

#51
○松沢成文君 本は出ていますのでこれ分かりますけれども、論文をじゃ全て届けていただきたいというふうに思います。
 大臣、私、今の教科書検定の問題についてこれまでも取り上げてきましたが、事ほどさように、今の教科書調査官の資質、選考過程でも様々疑いが掛かっているわけですね。先ほどの疑いが掛かっている方は一教科書調査官じゃないんです、七人の主任なんです、地理歴史科の。ですから、この方が、よし、この調査、教科書気に食わないからちょっと検定通らない箇所を少し増やしてやろう、あるいはこんなものこれで押し通せばいいと、こうやって、この教科書検定そのものを左右する可能性もあるポジションにいるんですね。私は、地理歴史科の教科書調査官としてこの方が本当にふさわしいかどうか、これからもしっかりと調べていきたいなというふうに思います。
 次に、オリパラ大臣見えていますので、私はこれから質問させていただきますが、私も東京五輪ができれば来年の八月、七月、八月に、まあある意味で盛大に開催されて大成功に終わることを心から願っている一人であります。ただ、そうするためにも今日はちょっと厳しい質問をさせていただきますが、是非とも明確な答弁をお願いします。
 まず、東京オリパラの収支についてです。組織委員会が昨年末に公表したバージョン4の大会予算、これが組織委員会として公表した最も新しいものなんですね。昨年末ですよ、もう一年たっているんですけどね、それによると一兆三千五百億円とされています。しかし、その後、会計検査院がまとめた調査報告書によれば、開催に伴う関連経費、まあどこまでを関連経費と含めるかが問題なんですが、総額三兆円超にまで膨れ上がる計算なんです。これ、国民から見ると、組織委員会は一兆三千五百億円、会計検査院は三兆円超、どれだけお金掛かるんだ、どれが真実なのか全く分かりませんよね。
 さらに、来年への延期に伴う追加の費用が三千億円から六千億円に上ると言われています。これは、コロナ対策費は入っていません。これにコロナ対策費をどんと乗せると一体幾ら掛かるんだと。そのほかにも、まあいろいろとこの予算について報道が出ているわけです。
 さて、七月の委員会での私の質問に対して橋本大臣は、追加コストの全体像は秋以降になるとの見通しを示しておりますが、一体これいつになったら分かるんでしょうか。コロナを除いてもいいです、一年延期することによって追加でどれぐらい掛かるのか。そして、武藤組織委員会事務総長はこれを十二月までに算出するとしていますが、これ、出てくるんでしょうか。これ、いつ出すんでしょうか、具体的な時期をお答えいただきたい。

#52
○国務大臣(橋本聖子君) 東京大会の開催経費については、これまでも大会運営の実施主体である大会組織委員会から毎年年末に大会経費としてその全体像が公表されているところです。昨年がV4でありましたので、今年がV5になるということであります。
 東京大会の延期に伴う経費については、六月のIOC理事会において示された、一つ目には安全、安心、そして費用の節減、三つ目に簡素化という基本原則に沿って精査が進められまして、十月のIOCの理事会において、大会組織委員会よりこれまでの簡素化による効果が報告をされたところであります。
 東京大会における新型コロナウイルス感染症対策については、九月以降に国、東京都、大会組織委員会によるコロナ対策調整会議で検討を進めてきておりまして、その役割分担については今後議論が進められると承知をしております。
 これらの追加経費、大会の追加経費に係る役割分担が非常に重要だというふうに思っておりますが、IOCや大会組織委員会を中心とした延期に伴う経費の精査状況、そしてコロナ対策調整会議における議論の整理、これを踏まえつつ、東京都と大会組織委員会を中心に、国も関わりまして検討がなされていくというふうに理解をしております。組織委員会が全体像をしっかりと示していただかなければいけないというふうに、まずは今考えております。

#53
○松沢成文君 大臣、考えるだけじゃなくて要求してください、ちゃんと早く出せと。
 だって、おかしいですよね。簡素化でどれだけ削れるかというので三百億って出てきたわけです。じゃ、その簡素化を検討するには全体をチェックして、どこを削れるかやって三百億にならなきゃおかしいわけでしょう。それは一向に明らかにされないというのは、国民からしてみても、あるいは国会や都議会からしてみても、これどうなっているんだと思うのは当然だと思いますよね。
 先ほど大臣もちょっとおっしゃっていましたけれども、この大会の開催延期による数千億円の追加費用について、国際オリンピック委員会は最大六億五千万ドル、つまり約七百億円の支出を表明したわけですね。追加費用の残りを、組織委員会、これはほぼ国内のスポンサー企業と東京都が負担すると、残りはここが負担するということでよろしいんですね。確認です。

#54
○国務大臣(橋本聖子君) 五月に開催されたIOC理事会におきまして、東京大会の延期に伴うIOCの追加負担を最大八億ドルと見込み、このうち六・五億ドルを大会延期に係るコスト、一・五億ドルをIFやNOC等に対する支援としておりますけれども、その詳細な内訳というのはまだ公表されておりません。
 いずれにいたしましても、追加の大会経費に係る役割分担については、IOC、そして大会組織委員会を中心に、延期に伴う経費の精査状況やコロナ対策調整会議における議論を踏まえて、今後、国も加わり検討がなされていくと承知しております。

#55
○松沢成文君 これ、追加経費についてどう捻出するか、これ、ここからが勝負ですね。
 大会組織委員会と国内スポンサー企業との契約は今年の十二月末で切れるわけです。それで、オリンピックは延期されたわけですね。この延期に伴う追加の協賛金の交渉は七月からもう始まっているんですね。
 大会延期決定前に組織委員会がスポンサー企業七十八社から集めた協賛金は三千四百八十億円、これは何と組織委員会の全収入の五〇%を占めている。だから、ここをちゃんとキープできるか、一番重要なんです。
 さて、追加費用の交渉の現状をどうなっているか御説明ください。

#56
○国務大臣(橋本聖子君) この東京大会において、組織委員会のスポンサー企業というのは大変重要になってくるということを承知をしておりますけれども、各スポンサー企業との交渉については大会の組織委員会が対応しておりまして、大会組織委員会とスポンサー企業との間の契約内容や交渉状況というものについては、私からお話しするというのは適当ではないというふうに考えております。

#57
○松沢成文君 ちょっともう少しここ、オリパラ担当大臣なんですから、これ集められなければ来年の大会どうなるんでしょうか。もうちょっと責任ある答弁お願いしたいと思うんですが。
 先月、毎日新聞が国内スポンサー六十七社に行ったアンケートでは、契約の延長を判断する上で重視している点は何かとの設問に対して、まず、追加拠出の額がどれぐらいなのかというのを選んだ、丸をした企業が三十九社、また、実際に大会が開催されるかどうか、これが不安でしようがない、これが三十七社、自社の業績や経営状況にもよると、もうコロナで企業も厳しいんだと、ここ一番関心があるというのが二十六社と、多くのスポンサー企業が新型コロナの影響を懸念しているという実態も明らかになってまいりました。
 私は、このままだと協賛金なかなか集まらないと思いますよ。大臣、いかがですか。これ、オリンピックの危機じゃないですか。

#58
○国務大臣(橋本聖子君) 御指摘をいただいていますように、スポンサー企業には様々な意見があるということを報道を通じて承知をしております。
 東京大会における新型コロナウイルス感染症対策については、国、東京都、大会組織委員会によるコロナ対策の調整会議において実効的な対策の検討を進めているところであります。年内を目途に中間整理を行う予定であります。
 直接、やはり民民の交渉でありますので、東京大会において国がスポンサーに対して何かを行うということにはなりませんけれども、やはり安心、安全な東京大会であるということはスポンサーにとっても大事なことであるというふうに思いますので、しっかりと丁寧に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

#59
○松沢成文君 もうちょっと具体的に聞きますけれども、実際に協賛企業からは、新型コロナの影響による中止を想定した上での提案でなければ追加拠出の結論を出せない。それはそうですね、企業にしてみれば、株主総会だってあるわけで。
 要するに、新型コロナで完全に中止になっちゃった場合はその協賛金全部返してくれるのか、あるいは中止になったら何割しか返せませんよと、それがなければ、皆さん、十億から百五十億ですよ、大きな企業は百五十億の追加拠出を決めていくわけで、決断ができるわけがないじゃないですか。確かに、新型コロナへの対応や中止となった場合の取扱いについての説明がなければ、経済も低迷する中で、これだけ一社につき十億から百五十億の協賛金を出せるはずがないというふうに思います。
 この新型コロナへの対応や中止となった場合の取扱いについては、協賛企業にどのように説明しているんでしょうか。

#60
○国務大臣(橋本聖子君) 十六日に行われたバッハ会長による総理への表敬では、大会開催の可否に関する発言は一切なく、来年の東京大会開催を必ず実現し、安全、安心な大会に向けて今後とも緊密に連携していくということで一致をしたところであります。
 スポンサーについては、この部分についてはIOC、そして組織委員会がどのように対応するかということになっておりますし、私としては、来年の大会に向けて大会関係者が一丸となって準備を進めており、大会の中止や再延期などについて、現時点で論ずるべきではないというふうに考えております。

#61
○松沢成文君 それは、もうみんなやりたいんですよ、やって成功させたいんですよ。でも、最悪の場合を計算に入れなきゃ企業は怖くてお金出せないんです。そこを考えなきゃお金集まりませんよ。
 それで、ちょっと観点変えますけれども、バッハ会長が今月十五日に来日して、菅総理などとも面会をしましたが、来日前から大会中止の議論はしないとある意味で宣言して、実際に中止については全く触れませんでした。気合は入っていますよね。
 現在、日本国内では第三波の感染がこれまでにない規模で拡大するとともに、ヨーロッパやアメリカなどでは、日本どころじゃない、もう死者数もどんどんどんどん増えているような、感染者数は万単位ですよ、拡大が続いています。欧米で開発中のコロナワクチンの有効性が期待されるものの、その安全性や効果の持続性はまだまだ不透明ですね。
 こうした現状においては、各種調査でも、予定どおり、来年ですよ、予定どおり来年八月に開催するべきと考えている人は一〇%ほどしかいないんですね。国民はもうこの状況じゃ駄目じゃないかと不安に思っているんです。
 さあ、本当にこのように感染状況がひどい状況でも、もっと具体的に聞くと、現在の状況とコロナの感染状況が同じような場合でも一切中止を想定することはないんですか。

#62
○国務大臣(橋本聖子君) バッハ会長が来日した際に、確実に東京大会を開催する、そして成功に向けて確信をしているというお話がございました。私は、バッハ会長、そして菅総理との会談によって、来年の東京大会の開催、そして成功に向けて全力を尽くすべき、そのものだけだというふうに思っております。

#63
○松沢成文君 もうやっぱり精神論として、目的意識として、何が何でもコロナに打ちかつためにもやるんだと、それはそれで分かりますよ、人間というのは感情があるし、責任もあるからね。
 ただ、ここまでひどいと、できないという最悪の場合についても想定をして対策を打っておくのが危機管理で、政治の役割なんですよ。それはとにかくあり得ない、何が何でもやるんだと、その精神論だけで突っ張って、もし感染が収まらずにできなかったら、これどう対応するんですか。私は、その辺りの政治の責任も考えていかなければ、つらいけれども、ならないと思っています。
 私はちょっと疑い深くて、皆さん、バッハ会長も気合入っていてすばらしいと礼賛していますが、このバッハ会長の前のめりな姿勢について、やっぱり報道ではいろんな見方があるんです。自らが出馬を表明した来年三月のIOC会長選挙での再選を確実にするために、自分が決めた東京五輪を絶対に中止にできないからだという見方や、日本人の健康よりもIOCの主な収益である四千億円を超えるアメリカからの放映権料を優先させたいと、IOCを存続させるためにもこの金は必要だと、だからやらなきゃいけないんだ、こういう考えもあるんじゃないかと批判の声も聞こえてきます。この点については、大臣、どのようにお考えになるでしょうか。

#64
○国務大臣(橋本聖子君) コロナ禍におきまして、テニスの全米あるいは全仏オープンなど、世界では様々なスポーツの国際競技大会が感染症対策を行った上で開催をされております。私は、決してバッハ会長は精神論だけではないというふうに思っております。
 国内でも多くのスポーツイベントが観客参加の下で再開しており、野球の試合では規制の上限を上げた中で技術実証を行っているほか、八日には四か国のアスリートが参加した体操の国際大会が二千人以上の観客の前で無事に開催をされました。バッハ会長は、そういった一つ一つの開催状況というものを見ていく中で判断をされているんだというふうに思っております。

#65
○松沢成文君 もう少し先に進めますけれども、バッハ会長は、さきの来日に際して、来年の大会時にはスタジアムに観客を入れることに確信を持つことができたと、日本でもスポーツイベントをやっていますからね、と表明しました。確かに、感染対策のために無観客で開催する場合、無観客でやって、果たして日本で開催する意味があるのか、レガシーが残るのかという疑問も湧いてきますが、無観客での開催を検討する必要はないんでしょうか。
 やりたい、必ずやるんだと。分かります。ただ、感染がひどくて観客を入れた場合には、様々な事件が、事件というか感染の拡大が起こるということも考えられますよね。無観客での開催となった場合は、当初予定していた九百億のチケット収入が見込まれなくなりますけれども、そうしたことも想定して、無観客については私は検討していくべきだと思いますよ。それが危機管理だと思いますが、大臣、いかがですか。

#66
○国務大臣(橋本聖子君) まさに、九月から行われております国と東京都、大会組織委員会によるコロナ対策調整会議におきまして、観客についての議論を行っているところであります。
 観客数の上限について、今月の十二日に開催した会議において、内外の感染状況や現行行っている観客数を引き上げた場合の実証の結果なども踏まえ、国内の上限規制に準ずることを基本とする、最終的な決定は来年の春までに行うということであります。観客についても、コロナ対策調整会議におきまして、しっかりとコロナ対策を講じた上でどのように判断するかということを議論をした上で決めていきたいと思っております。

#67
○委員長(太田房江君) 時間が来ております。

#68
○松沢成文君 もう質問はしません。
 最後に、東京都も、もうコロナ対策で財政調整基金ほぼ使い果たしちゃっている、もう財政に余裕全くないんです。IOCも七百億円しか出さないと言っているんです。組織委員会もスポンサーからお金を集められない。ここで戦っているんです。こうなってくると、最後は国が負担するというふうに規定なっていますから、国民の税金がひょっとしたら何千億、コロナ対策も含めたらそれは更に増しますよね、掛かってくるんですね。その辺りしっかりと国民に説明責任を果たして、このオリンピックをやることの意義についてPRするのは私は大臣の役割だと思っていますので、是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

#69
○伊藤孝恵君 本日は、コロナ禍の外国人留学生について、大臣の御認識を伺いたいと思います。
 外国人留学生の問題といえば、昨年、東京福祉大学の留学生が三年間でおよそ七百人が退学、およそ千六百人が所在不明となっていたことが発覚し、国会でも度々取り上げられました。文科省は大学の管理責任を問題視し、二〇一九年度、二〇年度の私学助成金、推計およそ十一・二億円に関しては全額不交付としたと承知しております。
 さて、大臣、外国人留学生のコロナ禍での状況、私は大変心配しております。例えば、コンビニですとか飲食店、ホテルの清掃、食品工場等で働いていた外国人留学生たちは今どうしているのか。解雇をされたり不遇を強いられたりしていないか、失踪や不法残留、不法就労に陥っていないか。
 まずは、外国人留学生のコロナ禍における在籍状況、就労状況を文科省はどのように把握されているのか、大臣、教えてください。

#70
○国務大臣(萩生田光一君) 外国人留学生については、十月一日から原則として全ての国・地域からの入国が可能となっており、徐々に入国が進んでいるものと認識しております。
 文科省では、これまでも各大学等に対して、留学生のアルバイトの状況等を把握し、長期欠席者や学業成績の良好でない者に対する連絡や指導の徹底を要請しているところです。加えて、退学者などの在籍管理状況を毎月文部科学省へ提出するように求めています。
 文科省としては、引き続き留学生の状況の把握に努めるとともに、大学等に対して必要な指導及び助言をしてまいりたいと思います。

#71
○伊藤孝恵君 この東京福祉大学の問題があってから文科省の方で新制度を導入して、こういった在籍管理非適正大学として法務省に通知されないために、皆さん、各大学が毎月、所在不明、退学、除籍になった留学生を報告するというふうになったというふうに承知しております。これが本当に本当なのかというところの疑問もございますし、この改正入国管理難民認定法の施行からおよそ一年半がたちまして、特定技能の外国人労働者受入れが低迷しております。
 こういうことからも分かるように、現行制度というのは、特定技能、それから外国人技能実習生、この外国人留学生、この労働実態を受け止めるというものには現行なっておりません。
 政府は二〇〇八年、グローバル戦略だとして留学生三十万人計画を掲げ、当時十二万人だった留学生を一九年度には三十一・二万人にしました。それに伴って不法残留する学生も急増しているという事実から、結局、これって留学生という名の移民労働者を大量導入する仕組みだったんじゃないのと指摘されるたびに政府は、留学費用を借金で捻出して出稼ぎに来るような外国人に対しては留学ビザは発給しない、ビザは日本でアルバイトしなくても留学生活を送れるような外国人にしか発給されない立て付けだと繰り返し説明をしてきました。
 しかし、実際は、日本で働くおよそ百六十六万人と言われる外国人労働者全体の一九%を占めるのが留学生であり、留学生全体の七五%以上がアルバイトに日々追われています。入管難民法によるところの資格外活動週二十八時間以内を守っていては生きていけないというような悲痛な叫びが留学生から届いております。
 国別に見ますと、急増しているのはベトナム、ネパール、ミャンマーなどのアジア新興国で、やはり多くは勉強よりも出稼ぎを目的として来日するんですが、留学の際に必要な費用、およそ百万円から百五十万円、その国の年収の三倍から五倍に当たる莫大な借金をして、留学あっせんブローカーや日本国内の仲介業者に手数料を払って、日本語学校への学費等を工面して日本を目指すのだそうです。人を送り込めば利益になるブローカーや仲介業者、定員割れを起こした穴を留学生で埋めたい大学や専門学校、とにかく早朝や夜勤バイトの人手を確保したい企業や商店経営者など、違法就労が発覚しても罪に問われるのは結局留学生ですから、日本の大人たちにとっては実に都合の良いシステムになっているというような背景もあります。
 大臣、この外国人留学生が置かれている状況を正確に把握するためには、大学からの報告を待っているだけではなくて、資料要求、ヒアリングだけではなくて、積極的に学校内、教室や寮などの実地調査、また大学所在地の国際交流センターとかNPOとか自治体、警察との情報交換など、今までしてこなかった連携というのはコロナ禍では必要なのではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

#72
○政府参考人(伯井美徳君) 文部科学省では、各大学等に対して、入国管理の観点から、アルバイトの状況等を把握し、また退学者等の在籍管理も毎月提出していただいて、管理を徹底しているところでございます。
 ただいま御指摘ございましたように、留学生の生活実態をしっかり把握すると。これは、受け入れている以上は生活指導、教育機関としての責任を果たしてもらうというのは必要ですので、大学には要請していきたいと思いますが、一方、御指摘のように、関係省庁としっかり連携しつつ、大学等への現地調査の実施であったり自治体等への協力要請であったり、必要な対応を行いながらしっかりとした対応を行っていきたいと考えております。

#73
○伊藤孝恵君 局長から御答弁いただきました、じゃ、現地調査というのは、今まで何件行われているんでしょうか。

#74
○政府参考人(伯井美徳君) 先ほど御指摘いただいた東京福祉大学の例などを含めて、数件は現地調査に入っております。

#75
○伊藤孝恵君 その数件現地調査に入るというのはどういう基準で、どういう判断で入られた、又は、今入っていない状況だというふうに思っていますが、それはどうして入っていないんでしょうか。

#76
○政府参考人(伯井美徳君) これは、入国管理の適正という観点からの、ある意味、異例なケースに指導を徹底していくということでございますが、今御答弁申し上げましたのは、先生から御指摘をいただきましたように、コロナ禍におけるアルバイト等の就業状況とかが苦しくなっていると、あるいは在籍状況をより一層正確に把握する必要があると、そうした観点から必要な実地調査であったり自治体との協力を求めていくと、こういうことも重要かなというふうに考えているところでございます。

#77
○伊藤孝恵君 コロナ禍においてのこの外国人留学生の状況を今心配しているという課題感を共有させていただいております。
 四月からどんどん苦しくなっているというふうに思うんですが、毎月大学から報告を受けているという文科省で、四月以降、この外国人留学生に何か異変というか、そういった兆しというのはございませんか。

#78
○政府参考人(伯井美徳君) 数だけで申しますと、毎月報告を求めておる退学者等の在籍管理の状況でいうと、昨年、二〇一九年度の九月末までの実績ですけれども、九月末までで二〇一九年度は三千三百四十人、一方、二〇二〇年度、今年度は二千百三十一人が退学者等となっております。
 これは、入国ができていなかったり、あるいは留学生、一旦帰国して再来日ができない方もいらっしゃいますので、分母が大幅に違うので、一概に人数だけで比較できないので、より詳細な状況を把握していき、必要な指導、助言をしなければならないというふうに認識しております。

#79
○伊藤孝恵君 分母が違っても、比率で比較すればできますので、そういったのはしっかりチェックをしていただいて、必要によっては更なるそういった立入調査、それから、私は、今、各自治体、各警察、それぞれの住んでいる地域で、留学生たちが暮らしている地域でいろいろな事件が起こっている、それをキャッチして大学からのオネストの報告と突合して、何かここ違うんじゃないか、怪しいんじゃないか、そういうことができていないんじゃないか、このコロナ禍においてはもう一歩踏み込んだ対応が必要ではないかというふうに課題感を提示させていただいております。大臣、答弁お願いします。

#80
○国務大臣(萩生田光一君) 先生の問題意識、大事だと思います。
 私も、先ほど御披露ありましたように、例えばブローカー経由じゃなきゃ日本に留学できないなんて本来あり得ない話で、これだけ開かれた国で様々な情報発信しているにもかかわらず、そこを経由しないと日本に留学できない子供たちというのは何とか変えていきたいなと思っています。
 あわせて、実習生もそうですけど、縁あってこの国で、本当に知り合いがいない中で新しい社会で頑張るわけですから、居住する自治体、住民基本台帳の提出の段階でどこに住んでいるかということが分かるわけですから、私やっぱり、さっきお話があったような、日本の便利な隙間を埋めるパーツのように留学生や実習生使うのはけしからぬことだと思います。
 各自治体が寄り添って、やっぱり外国の皆さんと一緒に共生社会をつくっていかなきゃいけないと思っていますので、やや、こちらからプッシュ型でいろんなことを聞くのは、コロナ禍だったんで、ちょっと逆に学校に負担掛けたくないという思いもあったんですけれど、留学生のことについては今後しっかりウオッチができるようにして、それで自治体との連携も深めていきたいなと思います。
 ちなみに、卒業したけど国に帰れないという留学生がいまして、この方たちは法務省と連携して、もちろんビザの延長、学生としてのビザの延長と、それから就労の許可を出させていただいた、そういう対応はさせていただいているところです。

#81
○伊藤孝恵君 一定期間、迅速に御対応いただいたというのは承知しておりますし、感謝をしております。
 そして、今大臣からも言及ございましたけれども、政府も改正入管難民法が成立してから共生に向けた自治体の取組を支援する施策等の予算として二百四十五億円を計上しております。自治体の語学支援、生活支援が充実している地域には留学生が定着するというデータも実際にございますので、こういった今窮地に立たされている留学生を見付けに行って支援につなげると、そういったようなより踏み込んだ御対応をお願いいたしたいと思います。
 もう一つの懸念なんですけれども、十一月一日現在、全世界の八割が感染症危険情報レベル3、渡航中止勧告の状態です。本年度入学予定だった新規の外国人留学生が来日できない状態が続いた場合、それが長期、超長期に及んだ場合、学校法人が解散する事態というのはあり得るんじゃないかというふうに留学生の心配等もございました。こういった異国の地で言語の不安、生活の不安で心細い思いをしながら故郷を思っている、そういった留学生の孤独はいかばかりかというふうに思います。
 資料一を御覧ください。先月、自ら命を絶った女性が前年同月比八割増となったことを受けて、有識者研究会が政府に対し緊急提言を行った旨を伝える東京新聞十一月二十日付けの記事です。この記事には触れられておりませんけれども、七月以降、中高生の自殺も急増しており、中でも女子中高生の八月の自殺は過去五年で最も多く、統計学上有意に増加していると指摘されております。
 有名人の自殺報道等に影響されるいわゆるウェルテル効果もあるかもしれませんけれども、警察庁の統計では、二十歳未満の自殺動機で最も多かったのは学校問題でした。文科省の見解と対応の具体を伺います。

#82
○政府参考人(瀧本寛君) 警察庁の自殺統計によりますと、本年八月の女子中高生の自殺者数は前年度と比較して約五倍となっており、この実態を重く受け止めております。
 児童生徒の自殺者数は学校の長期休業明けから増加する傾向にあり、また、本年においては新型コロナウイルス感染症による社会全体の雰囲気などの影響も否定できないと考えております。自殺に追い詰められる子供の心理として、例えば孤立感を感じる子供もおり、そうした子供が発している救いのサインに気付き、寄り添い、周囲とのきずなを回復していくことこそが自殺予防につながると考えております。
 このため、文部科学省では、児童生徒と接する機会の多い教師向けに、自殺に追い詰められる子供の心理や自殺直前のサイン、対応の留意点などについて解説したマニュアルを作成し、周知を図っております。また、特に今年につきましては、学校再開の直前の五月にも改めて通知を発出をして、再開後の子供たちの生徒指導の留意事項として、担任やスクールカウンセラーによる個人面談等の教育相談を実施し、悩みを抱える児童生徒の早期発見、早期対応を組織的に行うことなどを示しているところでございます。
 また、来年度に向けましても、子供たちはSNSを使うことが多うございますので、SNSによる相談の全国化なども含めて、様々な取組を通じて、引き続き、子供たちのあってはならない自殺について、その予防の取組を進めてまいりたいと考えております。

#83
○伊藤孝恵君 具体の施策を伺いました。今、二、三個は出てきたんですけれども、それで本当に子供たちのこの自分で自分の命をなくするというのをなくせるのかどうか、それは甚だ疑問だというふうに思います。
 本当に日本には孤独、今孤立というふうに局長はおっしゃいましたけれども、孤独があふれておりまして、既存の相談ダイヤル、よりそいホットラインの拡充では到底追い付かない。今言及いただきましたけれども、SNSによるデジタルでのアプローチというのも、それから同世代の、また同じ境遇のそういったような方々の民生委員化というか、そういう相談相手を増やすことも大事だと思いますし、文化、スポーツ、カフェなどの交流事業、郵便局やNPO等の連携した見守りサービスや孤独対策テクノロジーへの投資等、できること、やるべきことは山のようにあるというふうに思います。
 大臣、この自死というか自殺というのは、私、孤独の究極の行き先だというふうに思います。日本の孤独死というのは年間およそ三万人です。我々ロスジェネ世代のみならず、四十歳から六十四歳の引きこもりは推計六十一・三万人と言われております。シングルマザー世帯は百二十三万世帯で、その五〇・八%が貧困であります。前回質問させていただきましたヤングケアラーも孤独ですし、例えば冷凍御飯をチンして一人で食べる子供、テレビを見ながら食べる子供、孤食も孤独であります。それから、一人で孤独に育児をする孤育、産後うつからの自死というのもありますし、いじめによって命を絶つ子供もこんなに後を絶たない。
 そんな国において、孤独を個人の問題としてではなく社会の問題として捉え、欧米各国、イギリスやフランス、またお隣韓国でも国を挙げて取組を始めております。特に、イギリス議会では二〇一八年から孤独委員会があり、そして孤独担当大臣もおります。当時のメイ首相は、孤独が国家経済に与える損失はおよそ四・九兆円に上り、孤独に対処するための行動を起こす必要があると声明を出しております。
 我が国としても、まず孤独の定義やそれから測定指標というのを決めて全国調査を行うとともに、基本理念や国の責務を記した包括的な取組、また法制を始める時期だというふうに思うんですが、政府の一員としての大臣の見解、お伺いいたします。

#84
○国務大臣(萩生田光一君) 自殺に追い詰められる子供の心理として、例えば孤立感を感じる子供もいると考えております。子供は信頼感のない人間関係ではSOSを出せません。あの先生なら助けてくれるという思いがあるからこそ救いを求めることができます。
 そこで、文科省においては、教職員が日頃から子供との信頼関係の構築を図るとともに、子供から死にたいと訴えられたり自殺の危険の高まった子供に出会ったりしたときの対応などを解説したマニュアルを作成し、周知を図っております。また、文科省でも、全国どこからでも夜間、休日含め二十四時間無料で相談できる二十四時間子供SOSダイヤルの設置、心理の専門家であるスクールカウンセラーなどの配置、SNSを活用した相談体制の整備など、教育相談体制の整備と児童生徒への相談窓口の周知を行っております。
 児童生徒が自ら命を絶つ悲しい事案が起こらないように、引き続き児童生徒の自殺予防の取組を進めてまいりたいと思いますが、今先生から御提案のあったいわゆるその孤独に対してどう社会全体でサポート体制が取れるのか、学校現場含めてしっかり考えていきたいと思います。

#85
○伊藤孝恵君 しっかり考えていきたいというふうに思いますという答弁いただきましたので、是非これ、孤独というのは別に高齢の方だけでも、そして学校現場だけのことではなくて、本当にいろいろな種類の孤独があって、その孤独に注力した法制というのも日本にはまだなくて、それに注力した担当大臣というのもいなくて、この孤独というものがいかに心と体に、不健康にさせてしまうかというところに注目をしていただいて、そして対策を取っていただくよう政府の一員の大臣としてお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
    ─────────────

#86
○委員長(太田房江君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、水落敏栄さんが委員を辞任され、その補欠として豊田俊郎さんが選任されました。
    ─────────────

#87
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 今日は、コロナ禍で苦しんでいる学生に対する支援について質問します。
 新型コロナウイルスの感染拡大が長期化、深刻化する中で、親の収入や自らのアルバイト収入が減って、経済的に困窮する学生が広がっています。そういう学生が真っ先に削るのが食費なんですね。多くの学生は、学費と下宿代を優先して支払い、食費を削っているという状況にあります。コロナ禍の下で、食べることに事欠く学生が広がっております。
 国立大学協会の広報誌を見ますと、弘前大学や福島大学、岡山大学ではそうした学生に食料や食材を提供する取組を行っていることが紹介されております。また、大学生協が大学当局や同窓会などと一緒に学生の食料支援を行っているところもあると聞きました。
 日本民主青年同盟という全国組織の青年学生団体があります。私もOBの一人ですが、その民青同盟が中心になって、今年春頃から学生への食料支援活動を行っています。高知から始まった取組が瞬く間に各地に広がって、既に三十三都道府県、百二十の大学等で三百回以上実施され、利用者は延べ一万人を超えています。
 地域の農家から提供された米や野菜、果物、市民から提供されたレトルト食品や日用品などを経済的に困窮する学生に配るんです。学生アパートにチラシを配布したり、ツイッターなどSNSも活用して学生に知らせて取りに来ていただくという取組なんですが、本当に学生が来るんだろうかとどきどきしながら待っていると、多くの学生が参加されるということになっています。
 福島からは、開始三十分ほどで用意していた百六十人分ほどの物資が全てなくなりました、愛媛からは、これまで最多の約百人、開始二十分ほどであれほど大量の食材がなくなってしまいました、こんな様子が発信されております。全国どこでやってもこういう状況になるというんですね。それほど学生は困窮しているということだと思います。
 その場で書いてもらう学生生活の実態アンケートには生々しい声が並んでいます。幾つか紹介します。
 一日一食、軽いシリアルなど最低限のものを食べている、パン一個で済ますこともある、空腹には慣れたが、どうしても耐えられないときは寝て空腹をごまかしている。胸が痛みました。食事だけではありません。図書館が利用できないので卒論が書けないとか、まだ前期が終わっただけだが、大学で何を学んだかと聞かれると何も学んでいないと思うとか、友人をつくれないなど切ない声がたくさん寄せられております。
 まず大臣、コロナ禍での学生のこうした状況、どう御認識されているでしょうか。

#88
○国務大臣(萩生田光一君) コロナ禍にあって、例えば実家の経済状況も悪化をしてしまってなかなか負担を掛けられない、あるいは自らアルバイトで一定の額を稼いでいた学生さんが、アルバイトのシフトの回数が減ったり、あるいはアルバイト先が閉鎖をしたり倒産をしたりなんということも起きていますので、今先生が御指摘になったようなお話は決して大げさな話じゃなくて、全国各地で学生の皆さんに経済的な様々な苦労が出ているんだと思います。
 我々文科省としては、前期、支援パッケージつくりました。取りあえず、大学が認めた皆さんへの支援は一回は行き届きましたけれども、今後こういう状況が続くことになれば、更なる支援も考えていかなきゃいけない、柔軟な対応を取っていかなきゃいけないという、そんな思いで注視をしているところです。
 他方、やっぱり学校に寄り添ってほしいということを繰り返しお願いしてきまして、今先生も大学の例出してくれましたけど、私立の大学などでは、対面授業は思うようにやっていただけないところもあるんですけれど、他方、学食などを朝から開けていただいて、学校に来さえすれば朝昼晩食事の提供をしますよという、そういう非常に魅力的な対応をしていただいているところもあって、まずはその学生の皆さんの食にしっかりサポートができるような体制を取っていただきたいな、そんなふうに思っております。

#89
○山下芳生君 食をサポートするって本当に大事だと思うんですよね。生きる上で基本ですからね。
 菅首相は、口を開けば自助、共助、公助とおっしゃいますけれども、学生は自助も共助も頑張っていると思います。食料を受け取りに来た学生の多くは、今度は自分が支える側にとボランティアを買って出ております。今学生に必要なのは、学ぶことを諦める学生を出さないための公助だと思います。
 もう公助の中身は先ほどから聞いていますから、これは聞きません。今大臣も、取りあえず一回行き渡ったということをおっしゃいましたけれども、学生の実態、それからこういう声を聞きますと、学生の学びの支援緊急パッケージ、取りあえずやられたわけですけれども、これだけでは十分と言えないということが示されていると思います。
 そこで、具体的に提起したいと思います。
 コロナ禍が長期化、深刻化する中で、今学生が最も困っているのは手元に現金がないということなんです。だんだん食料支援も回数が重なって時期が進んでまいりますと、お金がないという声が広がってきているんです。
 文科省はこの間、学生支援緊急給付金を実施して約四十三万人に給付を終えたと聞きますが、先ほどの食料支援を利用した学生からは、給付金の対象を見て自分は当てはまらないと思って申請しなかったとか、自分なんかが給付金をもらっていいとは思わなかったなど、困っているんだけれども申請に至らなかったという声も寄せられております。
 大臣、必要な学生に行き届いていないという実態がありますから、改めて、私は、要件も緩和し、対象学生の人数も増やしてこの緊急給付金を再実施すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

#90
○政府参考人(伯井美徳君) 今御指摘いただいた学びの継続のための学生支援給付金につきましては、これまで学校が推薦すべきと判断した全ての学生、これ約四十二万人、予算上は四十三万人なんですけれども、その四十二万人に支給を行ってきています。
 我々といたしましては、まずは新型コロナウイルス感染症の今後の状況というのをしっかり見極め、学生の修学の状況、さらに、中途退学者の調査というのもやっておりますが、これも追加で更に実施、フォローアップをしているところでございます。そうしたことを注視しながら、様々なことを検討してまいりたいと考えております。

#91
○山下芳生君 様々な状況を見て検討するということなんですけど、急ぐ必要があると思うんですね。
 元々、学生のアルバイトは飲食業が多いです。約四割が飲食業です。したがって、このコロナ禍が長引く中で、以前と同じようにアルバイトをすることがなかなか困難になっています。
 日本私立大学協会附置私学高等教育研究所の調査では、緊急給付金を希望者全員が受けられたと回答した大学は約一九%にとどまっております。希望しても受けられなかった学生がたくさんいるということです。先ほど局長は大学が必要とした学生四十二万人にはとおっしゃいましたけど、大学が必要とみなさなかったけれども本人は必要だと思った学生がたくさん残念ながら受けられなかったという実態があるんですね。
 大学生協連の調査でも、緊急給付金を申し込みたかったが、今後親の収入の減少が見られると容易に予測できるのに、まだ給与明細上では顕著に見られないため申し込めなかった、後期や来年以降の学費が払えるか不安である、私立大三年生、女性、独り暮らしとか、学生支援給付金などは奨学金をもらっている人しか応募資格がなく、奨学金をもらわずぎりぎり頑張っている層への保障が何もない、本当にしんどい、感染リスクがある中必死でアルバイトをして、それでも給料が減って困っている学生は、収入が激減しているわけではないと支援対象からはじき飛ばされる、最近特に不公平過ぎていらいらする、国立大三年生、女性、独り暮らしという声もあります。
 推薦枠が限られていたために、要件は柔軟にと大臣も予算委員会なんかで答弁してくださいましたけれども、しかし、そうできない。結局、大学では要件を厳しくせざるを得ない状況があって、多くの学生に支援が届いていない、これが実態なんですね。
 私は、大臣、改めて、学生に支援することの意義をちゃんと明確に据え直す必要があると思います。直接的には学生の学業の継続中断を防ぐということにあるんでしょうけれども、やはりこの今の事態というのは、将来の日本社会において様々な分野での働き手を失う、社会全体にとって大きな損失となりかねない事態を回避するという大変大きな社会的意義があると思います。枠を広げて学生支援緊急給付金再実施する、大臣、至急やるべきではありませんか。

#92
○国務大臣(萩生田光一君) 確かに、目安となる人数といいますか割合を大学に示したということもありました。一回目の申請ではどちらかというと厳しい審査をしてしまって、救済になっていないんじゃないかという御批判、御指摘もありましたので、その後、各大学に柔軟な対応をお願いして、大学で判断した皆さんには一時的には救済ができたんではないかと思っています。しかし、その間に大学側の方でセレクトをしてあぶれてしまった学生さんもいらっしゃるとすれば、厳しい状況は変わっていないんだと思います。
 先ほど申し上げたように、今の段階でこの事業を継続するというスキームを持っておりませんが、しかし、今後の状況を注視しながら、必要とあれば柔軟に対応するということは、私、閣議の中でも明確に言って、それは予算措置ではなくて予備費も使わせてもらうと、学生についてはということは安倍内閣の段階では了解をいただいておりますので、そのつもりで状況をしっかりウオッチして、必要な対策はしっかり対応していきたいと思います。

#93
○山下芳生君 もう事は急を要するということだけ申し上げたいと思います。
 次に、対面授業の再開、大学施設の利用の再開、これも学生にとって強い願いとなっております。もちろん、実習や実験など対面を抜きに実施することが困難な学びもありますし、それから、学生同士あるいは教職員との若い時期における豊かな人間関係を築くという面でも今ブレーキが掛かっているという状況になっております。そして、図書館などが閉鎖されることで、地域社会への知的貢献という面でのマイナスになっております。私も、オンライン授業を全否定するつもりは全くありません。これが役に立っているという声もあります。しかし、やはり対面で学ぶこと、キャンパスで過ごすことは他に代えられない価値があると思います。
 地域ごと、大学ごとに感染の状況も対策も異なるとは思いますが、大学として感染拡大抑止の対策を十分行って、対面授業の再開、大学施設の利用の再開を促進する、そのために国がしっかり支援することが必要だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#94
○政府参考人(伯井美徳君) コロナ禍の下でも質の高い学習機会を確保するということがやはり大学の使命であるというふうに認識しております。
 その上で、我々、感染対策を大学が十分講じた上で、可能なものについては対面授業ということを積極的に検討いただくよう要請を累次にわたって行っているところでございますし、様々な大学関係者との大臣との直接対話といったことも実施しているところでございます。
 我々、好事例の横展開、感染予防を行いつつ、学生同士の交流機会あるいは対面授業をしっかり行っており、オンラインとも両立していると、そういう好事例の横展開を積極的に行っておりますし、一年生への配慮も含めて、学生が理解、納得できる学習機会の確保ということを今後とも引き続き対応していきたいと考えております。
 大学は地域における知の拠点でもありますので、御指摘いただいたように、図書館の利用なども、地域の感染状況ございますが、大学の施設の状況も踏まえながら、各大学で積極的に検討いただきたいとも考えております。

#95
○山下芳生君 私立大学の関係者の方に聞きますと、対面授業の再開には大学として様々な準備が必要だと、経費も掛かると言うんですね。
 例えば、具体的には、十分な換気ができる空調設備の導入が必要だと。不特定多数の者が触れる場所、ドアノブ、エレベーターのボタンなどの小まめな消毒、これは外注することになるでしょう。それから、学生寮の相部屋解消に要する経費、増築経費、学生への家賃補助などが要ります。さらには、教室の少人数化を図ることが必須となります。例えば、大規模授業のクラスを複数教室に分けて分散させる。一つの教室では対面授業をやるけれども、あとの教室には、これは同時中継で授業してもらう。そのためには、撮影用のカメラや通信設備、人の配置が必要だとか、一人の学生が一日のうちに対面授業とそれから遠隔授業の両方を受講しなければならないという場合は、大学の構内でこの遠隔授業を受講できるように感染防止と遮音に配慮したスペースを整備する必要もある、通信インフラも増強する必要があるなど、多額の経費が掛かるということを具体的に挙げられております。
 ですから、多くの大学が自ら寄附金を集めたり、やりくりしながらこういう取組を進めているんですが、大臣、私は、文科省の姿勢としては、今大学がどういう現状にあるのか、そしてどういう要望を持っているのかつぶさに聞いて、どうすればこれらが実現できるのか、共に知恵を出す姿勢が大事だと思うんですね。まだまだ長引く可能性大です、世界的な感染が拡大しておりますので。やはり、共に知恵を出す、そして必要な支援を考えると、この姿勢大事だと思いますが、いかがでしょうか。

#96
○国務大臣(萩生田光一君) もちろん、先生、そのとおりだと思います。
 したがって、新学期当初は、コロナ禍であっても遠隔の授業ができるようにということで、緊急支援百億円を支出をして、各大学のインフラ整備などを応援をさせていただきました。
 その後、やっぱり状況が変わってきたので、一部対面を入れたハイブリッドの授業をやってもらいたいということで、例えば机の上にアクリル板を買うとか、あるいは今おっしゃったように空調設備を替えるという学校も、努力している学校もあるやに承知をしています。それは十分理解できます。
 私は、この間、学校関係者の皆さんにも再三申し上げているんですけれども、まずはやっぱり学校がそういう努力をしていただいて学生たちを受け入れる環境をつくってもらわなきゃならないんだけれども、しかし、想定を超える負担が生じて、その負担が高等教育を進めていく上でこれからも必要だということであれば社会全体でそのコストを分担するべきだ、すなわち国民の税金を投入させていただくこともできるんじゃないかということは繰り返し申し上げているところでございますので、各大学との話合いというのをこれからも続けていきたいと思います。大学団体との話合いも続けていきたいと思いますけれども、これからウイズコロナ、アフターコロナの大学教育ってどうあるべきかということは是非並行して考えていただいて、例えば大教室なんかはこれからは似合わないんだと思いますよ。
 ですから、そういうことも含めて、まずは大学現場がいろんな努力をし、提案をしていただいて、それを我々しっかりお聞きをして、そしてそれは、例えば国立なら我々の責任で運営費交付金の中で賄っていったり、あるいは私学助成だったら増額をすることも考えていかなきゃならないんですけど、何も努力をしてくれなくて、対面もやらなくて、お金をくれるんだったら何か考えるという今の状況にちょっと私はいらいらしているところです。

#97
○山下芳生君 そんな大学ありますか。ああ、そうですか。ちょっと認識が違いますけどね。
 かなり苦労しながら、もちろん心配な面もあるんですよ、感染を拡大させてしまってはならないと。アメリカなんかでは大学がクラスターになっちゃって大変なことになっているということもありますから、慎重な姿勢になるでしょう。しかし、だからといって今の状況をよしとはできないわけですね、いつまでも対面の授業ができなかったら大学の存在の価値というものに懸かってきますので。
 しかし、私、一つだけ大臣、そうおっしゃるなら注文したいんですけど、この間、大学関係者と懇談されたときに、大学名を公表するぞという形での誘導は避けていただきたいという発言もありましたよね。やはり、こういうやり方はいかがかと思うんですよ。お金があればできるけど、お金がなくてできないというところまで名前公表して、努力が足らないんだというふうなやり方で公表するようなやり方は私はなじまないと思う。やはり大学に寄り添って、どういう問題があるのか、どうすれば実現できるのかということをちゃんと一緒に相談するという姿勢じゃないと。
 言葉は悪いですけど、脅しを掛けて、はよやれはよやれみたいなことはやるべきじゃないと思いますが、いかがですか。

#98
○国務大臣(萩生田光一君) 決してプレッシャーを掛けているわけではございません。大学における授業の在り方は社会的に大きな関心事項となっている状況を踏まえれば、各大学の取組状況を社会にしっかりと御理解いただくことが重要と考えています。今般の授業状況に関する再調査は、そうした観点から、個々の大学がどのような取組や工夫をしているのかについて明らかにすることが必要と考え、実施するものです。
 その際、文部科学省としては、単に対面授業の割合のみで大学が評価されるようなことを意図しているものではありません。このため、今回の調査結果の公表に当たっては、それぞれの大学の取組の全体像、特に各大学が学生にどのような説明を行い、理解を得ているかについて社会の皆様に正確に公表することが重要と考えており、そのように作業を進めております。
 また、私としても、大学の声を実際に聞くことが重要と考えており、先週、コロナ禍における授業の在り方を含め、今般の高等教育をめぐる諸課題について、幾つかの大学の学長間で直接の意見交換を行いました。これまでにも優れた取組例の周知、発信などを通じて大学における取組を支えてきたところですが、当該意見交換の中で交わされた議論も踏まえながら、学生本位の高等教育が実現できるように、引き続き必要な対応を講じてまいりたいと考えています。

#99
○山下芳生君 終わります。

#100
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。
 今回は、緊急性の高いテーマについて、大臣に質問をさせていただきます。
 では、質問いたします。
 代読いたします。
 聴覚障害のある人が使う手話について、大臣はどのような認識をお持ちでしょうか。聞こえる人にとっては、テレビなどで見かけても、しゃべれない代わりに手を動かしている、身ぶり手ぶりという感覚になるかもしれません。
 手話は、固有の文法などを持つ言語です。日本語とは文法や単語の表現も異なります。極端な例でいうならば、聾者の使う手話は音声はなくても英語などの外国語のようなものなのです。障害者権利条約は、手話を言語と定めています。音がほとんど聞こえず手話で話をする聾者は、手話を母語としています。手話はコミュニケーションの手段というだけでなく、その人がその人らしく生きるためのアイデンティティーでもあります。
 国に先立ち、全国の地方自治体では手話を言語と定める手話条例を制定しており、全日本ろうあ連盟によると、二〇二〇年十一月九日時点で三百七十自治体で成立しています。聾者にとって手話が大切なものであるということは社会共通の認識と言えます。
 まず、聾者にとっての手話の大切さについて、大臣の御見解をお願いいたします。

#101
○国務大臣(萩生田光一君) 聴覚障害のある児童生徒等については、その障害の状態等に応じて、音声、文字、手話、指文字など適切なコミュニケーション手段を選択して使用できるよう、きめ細かい教育を行うことが重要であり、そのことを特別支援学校学習指導要領に記載をしております。また、あわせて、周囲の者が、児童生徒等が選択した手話などのコミュニケーション手段について十分尊重することが重要と考えております。
 先生の御質問は、子供に限らず手話を使う聾唖者全体ということでございますので、私は、手話は、今御説明にもありましたように、極めて必要な情報伝達ツールだと思っております。
 実は、ダイアログサイレンスという体験に行きまして、まさに音のない世界を経験をしてきました。私はばたばたしてしまったんですけれど、是非子供たちにそれを体験してもらいたいということで、所管の方と連携して、都内二つの小学校で体験教育をさせていただきました。その現場にも立ち会ったんですが、子供たちは、もう我々みたいにばたばたしないで、非常に覚えが早くて、そして明るくやっている状況を見てきました。
 なぜそう思ったかというと、今、小学校の給食が昔のように向かい合わせの川にしちゃいけないと、飛沫が飛ぶからということで、みんな前を向いて食事をしているんですね。さっき伊藤先生の孤独の話ありましたけど、御飯食べるときにしゃべらないで前向いて一人で食べているって、もうこんな寂しい小学校の給食を何とかできないかと。小学生だったら簡単な手話を直ちに覚えることもできるんじゃないかと思って、これをやらせていただいて、そして給食の時間、向かい合わせで、しゃべっちゃ駄目なんですけれど、手話やジェスチャーでコミュニケーションを取ってみたらどうかというのをやっていただいたら、もう本当にあっという間にできるんですね。
 ですから、是非これ横展開、全国にしたいと思っているぐらいでございまして、是非、聾唖者の皆さんの日々の暮らしの中で手話が身近なものになっていくように、文科省としてもできる努力はしていきたいなと思います。

#102
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 大臣も、聾者にとっての手話の大切さについて御理解のある答弁をいただき、感謝申し上げます。
 聾者にとって手話で会話をすることが権利であることを確認した上で、ある事例を紹介したく存じます。
 ある聾の学生が教育実習に起きた際に起きた実例です。その学生、Aさんとします。Aさんは生まれつき耳が聞こえませんでした。両親も弟も同様でした。手話で会話をするのが当たり前という環境で育ちました。中学部までは聾学校に通いました。声を出す発話訓練を受けたこともありましたが、常に手話で会話をするのが一番ということでした。高校は、聾学校ではなく、いわゆる普通高校に進学しました。そこでも声を出すことは強要されず、筆談などを活用しながら、声を出さないことを尊重した授業や指導が行われました。大学では、手話通訳などの合理的配慮を得て講義を受けることができました。
 大学四年生のとき、教員免許を取るため、ある聾学校に教育実習に行くことが決まりました。実習前、Aさんは、もちろん手話で授業をしたい意思を伝えていました。その初日、職員室での自己紹介の場面です。Aさんはまずマイクを渡されましたが、それを断り、手話で挨拶をしました。すると、挨拶後、実習の指導を担当していた教員に呼び出され、声を出さずに手話だけで話をしたことをとがめられたそうです。Aさんは驚きましたが、声を出さずに手話で話し、授業をしたいと伝えました。すると、声なしの手話は教える立場ではおかしいというようなことを言われたそうです。
 もしかしたら、教師の意図は、聞こえない人に口の動きを読み取らせる口話を子供たちに学ばせたかったからかもしれません。あるいは、この教師が手話が不得意なため、実習指導ができないことを不安に感じたのかもしれません。しかし、そうだとしても、Aさんが望んでいない以上、声を出すことを強いるべきではないと考えます。
 Aさんは、それまでの人生で手話を否定され、声を出すことを強く求められる経験がありませんでした。自分を否定される思いだった、悔しくがっかりしたと振り返ります。そのときは、大学の先生と相談しますと返すのが精いっぱいだったそうです。Aさんは、大学の先生にも相談した上で、実習先の聾学校に改めて手話で授業をしたいと申し入れました。Aさんいわく、担当の教員はとても嫌そうな表情をしたそうです。しかし、Aさんは大学の先生の後押しもあり、手話での実習を進めました。
 実習でAさんは、手話以外にも、生徒の関心を向けるため、自分の手をたたいて音を出したり、生徒の肩に触れたり、ビデオを使うなどの工夫をして授業を行いました。Aさんが声を出さなくても生徒たちは良い反応をしてくれたそうです。最初は目も合わせてくれなかった生徒も、終盤にはコミュニケーションを図れたと実感することもできたそうです。
 最後まで理解をしてくれなかったのは一部の教員でした。実習終盤にも、声がねというようなことを言われたそうです。Aさんは、理解のない教員の態度に、実習中、涙を流すこともあったそうです。
 こうしたケースはAさんだけではありません。私どもの事務所には、少なくとも数件、同様の相談が寄せられました。一部の内容を資料二にまとめています。
 もちろん、聴覚障害のある方の中には、声を出してコミュニケーションを取る方もおられますし、それを否定するわけでは決してありません。しかし、Aさんのように、声を出さず、手話をコミュニケーション手段にしている人に対し、声を出すことを強制するのは人権侵害だと考えます。
 大臣も、気管切開をしている私に対し、声を出せとはおっしゃらないと存じます。手話を母語にしている聾者に対して声を出すことを強く求めるのは人権侵害だと感じませんでしょうか。この事例を踏まえ、大臣の御見解をお願いします。

#103
○国務大臣(萩生田光一君) 今の教育実習現場でのやり取りというのは、ちょっと残念ですね。いわゆるその担当教員の方の理解不足だと私思いますけれども、現にそういう不都合があったとすれば、今後しっかり改善していかなくちゃいけないなと思っています。
 教育実習は、教師を目指す学生が学校現場での教育実践を通じて教育者としての愛情と使命感を深め、将来教師になるための能力や適性を考える上で極めて重要な機会であり、障害のある学生が教育実習に参加する場合、適切な合理的配慮の下で実施されることが必要です。これまでも、障害のある学生の教育実習に関し、大学と教育委員会が緊密に連携をし実施に当たるよう通知などによって求めてきたところでありまして、今後、教育実習時における合理的配慮も含め、関係者の皆様の対応をしっかり促してまいりたいと思っております。
 あわせて、衆議院でもちょっと触れたのであえて申し上げさせていただきたいと思うんですけれど、斎藤先生の御質問で教員の皆さんの負担軽減考えろという中で、教育実習制度の在り方、これ議員立法でかつて作っていただいた介護体験七日間というのが、私、是非この特別支援が必要な学校現場を学んでいただいた方が、介護現場が無駄だとは言いませんけど、それはそれで一定程度のボリュームがあっていいと思うんですけど、全て介護現場で実習を過ごすというその時間が、学生にとっては、それよりも私、こういった聴覚障害、視覚障害含めた、あるいは発達障害含めた特別支援が必要な子供たちの教育現場で実習を積んだ方が、価値といいますか意味が深まるんではないかという思いがございまして、議員立法で作られた法律なのでなかなか私が頭越しに言いづらいので、あえてこの委員会で問題提起をさせていただいて、また先生方の御意見いただければなと思っているところです。そういう機会が増えると、今回のようなこういう、将来その人たちが教員になり、また幹部になっていくわけですから、実習の在り方というのも変わってくるんじゃないかということを感じているところでございます。

#104
○委員長(太田房江君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#105
○委員長(太田房江君) 速記を起こしてください。

#106
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 改めて申します。
 この場合は聾学生ですが、実習生に慣れていない方法を強いるのは不合理です。得意な方法で実習ができるよう、国として働きかけをしていただくことを改めて大臣にお願いいたします。

#107
○政府参考人(浅田和伸君) 先ほど大臣から御答弁ございましたように、教育実習というのは将来教師になろうとする学生がその能力や適性を考える上でとても大事な機会だと思っています。私たちも、学校の子供たちにとっても、障害のある先生が身近にいるということは、例えば障害のある人への理解が深まるとか、あるいは障害のある児童生徒にとってはロールモデルにもなりますし、それから、共生社会についての考えを広めたり深めたりする経験にもなります。そういう教育的な意義も大きいと思っております。
 したがって、障害のある学生が教育実習に参加する場合には、適切な合理的な配慮の下で実施されることが必要だと我々も思っております。これまでも、そういったことは大学あるいは教育委員会に求めてきたところですけれども、先生から御指摘のあったようなことがあったのは、やはり認識不足ということがあろうかと思います。
 それから、一つ付け加えさせていただくと、私も元校長としての経験からいうと、普通は教育実習を始める前に必ず事前にその学生の所属する大学と相当いろいろ打合せというか相談をいたします。そういうことが、先生御指摘の例でいうと、その準備というか理解が足りなかったのではないかなと思います。そういうことがないように、教育実習のときの合理的配慮も含めて関係者の適切な対応を今後とも一層促していきたいと思います。

#108
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 引き続き、この問題について質問いたします。
 今回の問題の背景には幾つかの課題があります。その一つには、そもそも聾の学生が行ける教育実習先がとても少ないという問題です。
 障害のある学生を教育実習に送り出している大学の教員によりますと、障害を理由に実習の受入れそのものを拒否するケースは少なくないということです。結果的に、地域の一部の学校に実習派遣をお願いせざるを得ないそうです。そうなると、Aさんのような問題があっても、大学としては、もし抗議をして来年以降学生の受入れを停止されてしまうと困るということになり、声を上げづらい状況に追い込まれるのです。
 障害があってもなくても、先生になりたいと思う学生が当たり前に教職の道を選べる環境であるべきではないでしょうか。この環境づくりのため、教育実習先の確保について国としても支援をしていただけませんでしょうか。大臣の御見解をお願いいたします。

#109
○政府参考人(浅田和伸君) 教育実習は、学校教育の実際を体験的、総合的に理解できる重要な機会です。大学が教育委員会等と連携協力して、障害のある学生の教育実習の受入先の学校を確保することが重要です。
 障害のある教師が学校現場で活躍することは極めて重要であり、文部科学省としても、教師の養成、採用、入職後にわたる総合的な取組により、学校現場における障害者雇用を推進しております。
 教育実習についても、教師を目指す障害のある学生がより参加しやすい環境を整えていくことが重要であり、まずは障害のある学生の教育実習の状況について、私ども実態を調査した上で適切に受入れが行われるように促してまいりたいと考えております。

#110
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 文部科学省は、障害者活躍促進プランにおいて、大学等及び教育委員会が緊密に連携を図るとともに、責任を共有して、教育実習に行きにくいことが教職への志望を低下させる要因となることがないよう、教育実習時の支援の在り方について検討を深めるとしています。
 Aさんは、実習先の教員のような態度を取られてしまうと、子供たちに対しても声を出せない人は駄目な人間という上下関係を生みかねないと懸念しています。
 教育現場において、障害のある当事者が働きやすい環境づくりを整えていくことは必要不可欠です。二度とこのようなことが起きないよう国として働きかけをしていただくことをお願いし、質問を終わります。

#111
○委員長(太田房江君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 文部科学大臣及び政府参考人は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────

#112
○委員長(太田房江君) 次に、平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。橋本国務大臣。

#113
○国務大臣(橋本聖子君) この度、政府から提出いたしました平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 本年三月、新型コロナウイルス感染症の状況等を勘案して、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の開催を令和三年に延期することが決定されました。
 これまで、政府といたしましては、大会の円滑な準備及び運営に資するため、平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法による大会推進本部の設置、国民の祝日に関する特例措置等や、地方税法及び租税特別措置法による特例措置等を講じてまいりました。
 今回の法律案は、大会の延期に伴い、これらの特例措置の延長等を講じようとするものであり、その内容の概要は次のとおりであります。
 第一に、平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法の題名を、令和三年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法とすることとしております。
 第二に、大会推進本部の設置期限を一年延長することとしております。
 第三に、令和三年の国民の祝日について、海の日を七月の第三月曜日から七月二十二日と、山の日を八月十一日から八月八日と、スポーツの日を十月の第二月曜日から七月二十三日とすることとしております。
 第四に、地方税法の一部を改正し、法人住民税及び法人事業税の特例措置の適用期限を一年延長することとしております。
 第五に、租税特別措置法の一部を改正し、所得税及び法人税の特例措置の適用期限を一年延長することとしております。
 以上が、この法案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。

#114
○委員長(太田房江君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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