くにさくロゴ
2020/11/24 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 経済産業委員会 第2号 令和2年11月24日
姉妹サイト
 
2020/11/24 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 経済産業委員会 第2号 令和2年11月24日

#1
令和二年十一月二十四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十九日
    辞任         補欠選任
     高橋はるみ君     櫻井  充君
     安江 伸夫君     高瀬 弘美君
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     高橋はるみ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         有田 芳生君
    理 事
                青山 繁晴君
                加田 裕之君
                宮本 周司君
                礒崎 哲史君
                岩渕  友君
    委 員
                阿達 雅志君
                江島  潔君
                岡田  広君
                佐藤  啓君
                高橋はるみ君
                松村 祥史君
                宮沢 由佳君
                森本 真治君
                里見 隆治君
                新妻 秀規君
                石井  章君
                浜野 喜史君
                ながえ孝子君
                安達  澄君
   国務大臣
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  梶山 弘志君
   副大臣
       内閣府副大臣   赤澤 亮正君
       経済産業副大臣  江島  潔君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        岡下 昌平君
       経済産業大臣政
       務官       佐藤  啓君
       国土交通大臣政
       務官       鳩山 二郎君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     更田 豊志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 秀樹君
   政府参考人
       文部科学省大臣
       官房審議官    長野 裕子君
       経済産業省大臣
       官房審議官    河西 康之君
       経済産業省大臣
       官房審議官    矢作 友良君
       経済産業省大臣
       官房福島復興推
       進グループ長   須藤  治君
       経済産業省通商
       政策局長     広瀬  直君
       経済産業省産業
       技術環境局長   山下 隆一君
       経済産業省製造
       産業局長     藤木 俊光君
       経済産業省商務
       情報政策局長   平井 裕秀君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    小野 洋太君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       茂木  正君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        南   亮君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      松山 泰浩君
       中小企業庁次長  奈須野 太君
       中小企業庁経営
       支援部長     村上 敬亮君
       国土交通省道路
       局次長      宇野 善昌君
       環境省大臣官房
       審議官      白石 隆夫君
   参考人
       東京電力ホール
       ディングス株式
       会社代表執行役
       社長       小早川智明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (中小企業のデジタル化の推進に関する件)
 (RCEP協定の意義と今後の取組に関する件
 )
 (東京電力福島第一原子力発電所のALPS処
 理水の取扱いに関する件)
 (新型コロナウイルス感染症の影響に係る経済
 対策及び事業者支援に関する件)
 (自動車関連税制改正の在り方に関する件)
 (押印手続の見直しへの取組に関する件)
 (航空機製造産業に対する支援の在り方に関す
 る件)
 (二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向け
 た取組方針に関する件)
 (経済産業省のデジタル化関連予算要求に関す
 る件)
    ─────────────

#2
○委員長(有田芳生君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、安江伸夫さんが委員を辞任され、その補欠として高瀬弘美さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(有田芳生君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省大臣官房審議官長野裕子さん外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(有田芳生君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(有田芳生君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長小早川智明さんを参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(有田芳生君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(有田芳生君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#8
○宮本周司君 おはようございます。自由民主党、宮本周司でございます。
 まず、梶山大臣には、政務官時代大変お世話になり、ありがとうございました。
 まず、質問に入る前に一つ確認をさせていただきたいことがございます。
 今般のコロナウイルス感染症が、まさに世界も予想すらしていない中で、本当に危機的な事態を各地において発生をさせております。この日本においても想定すらしてこなかった、そういった苦難に立たされていたわけでございますが、ちょうど本年の二月から三月にかけてこの感染が急速に拡大をし始めた頃、まさに治療であったり感染予防のために必要とされていたこういったマスク、医療用マスク、また消毒液であったり医療用ガウン、こういった医療物資が需給が逼迫をするという事態になりました。
 その際に、経済産業省の方から関連する産業界に対しまして緊急の増産、これを要請したわけでございます。大変御理解をいただき、迅速な対応をいただきまして、御英断をいただいた各事業者の献身的な御協力によってこの供給体制が安定化をしましたし、第一波の感染拡大を抑えることにも大きく貢献をしたと思っています。
 これらの緊急増産に御対応いただいた企業や団体に対しまして、是非経済産業省として感謝状の授与を検討していただきたい、このことをこれまでお願いをしてまいりましたが、今どういう状況にございますでしょうか。

#9
○国務大臣(梶山弘志君) まず冒頭、日々最前線で新型コロナウイルス感染症に向き合っておられる医療従事者の皆様、そして医療用物資の円滑な供給に貢献していただいている事業者の方々に改めて感謝を申し上げる次第であります。
 経済産業省では、春先の感染拡大期に需給が逼迫したマスクや消毒液、さらには感染が継続する中で引き続き必要となる検査キット等の、円滑に供給するために、産業界に対し増産への協力を呼びかけてまいりました。当時、宮本委員にも経済産業大臣政務官として御尽力をいただきました。その頃より、こうした要請に応じて通常の商取引を超える対応を速やかに行っていただいた事業者の方々に対し、しかるべき時期に何らかの形で感謝の気持ちをお伝えしたいと考え、検討を行ってきているところであります。
 新型コロナウイルスの感染拡大は引き続き極めて警戒すべき状況が続いていますが、年末という一つの節目で、季節性インフルエンザとの同時流行という危機を共に乗り越えるという趣旨も含めて、私から感謝状を発出させていただく予定で準備を進めているところであります。

#10
○宮本周司君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 現在、政府におきましてデジタル庁の創設に向けて準備が進んでいます。当然、それが整理されない限りは、経産省でも今後、これまで進めてきたこのデジタル分野、すみ分けが整わないとは思っておりますが、私は、中小企業や小規模事業者の経営基盤を支える、若しくは事業推進に関わるこのデジタル分野は、是非経産省、中企庁でしっかりと対応していただきたいと思っております。
 これまでもバックオフィス業務におけるデジタル実装化も進んでおりますし、何といっても、例えばキャッシュレスであったりテレワーク、リモートワーク、これに関しましては、昨年までは懐疑的な御意見をお持ちの中小企業者が多かったわけでございますが、必要に迫られたという環境の変化もあったかと思いますが、十分にこれらを理解をいたしまして、また、経産省、中小企業庁による説明や、また十分な支援策の徹底にもよりまして、今は当たり前のように活用が進んでいると思っています。
 私は、このデジタル化への取組を是非インボイス対応につなげていただきたい、そう考えております。インボイス導入という制度は決まりましたが、実際に企業の現場でどうやってやるかというやり方に関しては示されておりません。民間企業によるシステムとかアプリを開発することの誘導も含めまして、デジタル化を強力に推進することでこういったインボイス制度への容易な対応、またそれを可能とする環境や手段も実現できるものと思っています。
 インボイス導入まであと三年時間がございますので、是非経産省としても、デジタル化政策をしっかりと実施していく上で、中小企業政策、小規模事業者政策として、こういった不安、課題を乗り越えてインボイスに対応するために積極的に関与していただきたいと思いますが、佐藤政務官、いかがでございましょうか。

#11
○大臣政務官(佐藤啓君) お答え申し上げます。
 中小企業のデジタル化、またデジタルトランスフォーメーションを進めることは生産性向上のため重要な取組であると認識をしております。
 御指摘のインボイス制度は、複数税率の下で売手が買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝達し、適正な課税を確保する観点から導入するものであります。
 一方で、中小企業の皆様方の事務負担となるといった懸念があることも承知をしておりまして、中小企業を所管している経済産業省としても、中小企業が円滑にインボイス制度に対応できるよう、しっかりと支援をする必要があると考えているところでございます。
 現在、IT導入補助金においてインボイス制度に対応できるITツールを導入する場合には、審査時の加点対象としております。また、中小企業デジタル化応援隊事業を通じて、IT専門家の伴走支援によりインボイス制度への対応を含む中小企業の業務デジタル化支援をしているところでございます。
 こういった取組を行いながら、引き続きインボイス制度への対応も含め、中小企業のデジタル化をしっかりと支援をしてまいります。

#12
○宮本周司君 ありがとうございます。挑戦することによって乗り越えられるものはあると思いますが、その前にやはり環境をつくる、このことに是非御尽力をいただけたらと思います。
 菅政権が誕生しまして、二〇五〇年カーボンニュートラルを力強く宣言されております。野心的で世界からも称賛をされる取組でありますし、温暖化対策に積極的に取り組むことによりまして、様々な産業構造であったり経済社会の変革をもたらす、まさに大きな成長の機会にもなると期待をしております。そして、その実現には、経済と環境の好循環、これを実践し続けることが肝要だと思っております。再エネの最大限の導入、また省エネの取組強化、カーボンリサイクルの着実な推進、グリーンイノベーション、メタハイの早期実用化も含めまして、しっかりとあらゆる手段を全力で進めていかなければいけないと思っております。
 その中で、私が特にその実現手段として強力な推進力になると考えているのは、水素と、また原発の再稼働であります。水素技術を早期に進化させてその大規模需要を創出をしていく、安定的に大量の電力を供給できるこの原子力発電についても重要な選択肢として追求をする必要があると思っております。
 カーボンニュートラル実現のために、この世界最高レベルの技術と世界最高基準の安全性を確保して、この水素戦略やまた原子力政策を今後どのように実施、展開をしていくのか、是非お聞かせをいただければと思います。

#13
○副大臣(江島潔君) まず、この二〇五〇年カーボンニュートラルという菅政権が今回掲げた政策でありますが、この実現に向けましては、温室効果ガス排出の八割以上を占めているエネルギー分野の取組が特に重要であると考えております。
 一方、その実現というのは決して簡単なことではございません。日本の総力を挙げての取組が必要となっております。実際に、EUやイギリスでもこのカーボンニュートラルの実現に向けて原子力の利用を前提としているのが現状でございます。日本では再エネ、原子力など使えるものを最大限活用するということを考えておりまして、あわせて、水素など新たな選択肢も追求することが大変重要ではないかと思います。
 その上で、原子力発電所についてでございますけれども、これは、原子力規制委員会が世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めたもののみ、その判断を尊重して、地元の理解を得ながら再稼働を進めているというのが現在の政府の考え方でございます。あわせて、この安全性の向上というものは、これは絶えず追求していかなければいけないと考えています。したがいまして、この原子力のイノベーションというものも大きな政策課題というふうに考えています。
 従来の軽水炉の安全性向上というのは、これはもうもちろん取り組んでいるわけでありますけれども、あわせまして、現在、米国、欧州、また中国やロシアといった諸外国も様々なこの原子力の安全性向上や新規原子力の開発に取り組んでおりますので、これらの諸外国の取組もしっかりと踏まえながら、様々な革新的原子力技術の開発を日本の場合には民間の創意工夫等も生かしながら進めていきたいと考えます。
 また、水素でありますが、これは新たな選択肢として日本にとって大変重要であると考えています。その利用を進めるためには幾つか課題がありまして、まず、この供給コストを低減をしていくこと、あるいは需要の創出をつくっていく、こういうことがこの水素エネルギーの活用増大のためには必要であります。したがいまして、新たに水素の利用が見込まれる産業部門において、幅広いプレーヤーを巻き込みながら、最先端の技術開発あるいは社会実装に向けて取り組んでいきたいと考えます。
 今後、この二〇五〇年カーボンニュートラルという大目標を目指す道筋につきまして、エネルギーの安定供給という重要な課題をしっかりと確保しながら、経済と環境の好循環をつくり出していけるよう、集中的に議論していきたいと考えます。

#14
○宮本周司君 是非強力な推進をよろしくお願いしたいと思います。
 続いて、中小企業・小規模事業者政策に関してお伺いをいたします。方向性です。
 政府の成長戦略会議の民間議員でもございますデービッド・アトキンソン氏が、中小企業の統廃合を進める、数を更に減らすべきという主張をされております。過去から様々な関連の御発言もありますので、それらも引用して、さも菅総理もそのようにお考えのようにマスコミ報道が騒ぎ立てているため、私の下にも中小企業の経営者や支援機関からどうなっているんだという不安視する声がたくさん寄せられております。
 他方で、私自身は、総理はこれまで中小企業を整理、淘汰するという趣旨の発言はしていないと理解をしております。コロナ影響を乗り越えて何とか頑張ろうとしているこの中小企業・小規模事業者の不安を払拭するためにも、これまでの総理の御発言の御紹介も含めて、中小企業政策を所管する経産大臣としてどのようにお考えか、そして今後どのように政策を実施していくのか、是非お聞かせいただけないでしょうか。

#15
○国務大臣(梶山弘志君) 菅総理は、十一月六日の参議院の予算委員会で、中小企業政策については、小規模事業者の淘汰を目的とするものではなく、ポストコロナを見据えて、経営基盤を強化することで中堅企業へ成長し、海外で競争できるような企業を増やしていくことが重要だと考えている、あわせて、地域の経済や雇用を支える小規模事業者が持続的に発展できるようにすることも重要であると答弁をされており、私も同じ考えであります。
 中小企業は多種多様であります。業種、地域ごとに役割も在り方も違います。私は、中小企業の数が多過ぎるために合併や淘汰を進めるべきとの考えにはくみしません。
 総理にも、私も直接確認をしてみました。この答弁と同じように、中小企業の基盤強化しなくちゃならないねと、そして、基盤強化した上でやはり更に中堅企業に向かって頑張っていただく、さらにはまた、中には上場を目指す企業もあるだろうと、そういった企業がどんどん発展をしていくような仕組みづくりというものをしっかりやってほしいというのが総理からの私への指示でもありました。このため、今回のコロナ禍で顕在化をした日本の脆弱性というものをいかに克服するかということも含めて、中小企業の基盤強化というものをしてまいりたいと思っております。
 まず、先ほど来出ておりますデジタル化、そして技術開発、海外を含む販路拡大、経営資源の集約化等による規模拡大や事業承継の円滑化、大企業と中小企業の取引関係の適正化、地域の課題解決に貢献する小規模事業者への支援などを推進してまいりたいと思っておりますし、このデジタル化は機器さえ入れればいいというものではなくて、業務全体をやっぱり分析してもらわないと、テレワークもやはりできないということになります。この企業の業務分析も含めて、どうやれば生産の効率性、生産性向上につながるかということも含めて対応できる、また応援できるような仕組みづくりというものをしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

#16
○宮本周司君 ありがとうございます。全国の中小企業・小規模事業者も、今の大臣の御発言に大変勇気付けられていると思います。是非力強い推進をお願いしたいと思います。
 これまでも、こういった厳しい状況下で、例えば持続化給付金、家賃支援給付金、また民間金融機関での実質無利子無担保融資、まさに経済産業省として過去に例のないそういった様々な支援事業を短期に着実に実現をする、そして全く破綻することなくそれを運用し続ける、このことによって多くの中小・小規模企業が支えられてきた、そのように考えております。
 その陰には、深夜また土日祝日も問わず勤務をする経産省職員の皆さん、また時には本来業務とは違うコロナ業務にも対応していただいたり、先ほどの医療物資をしっかりと生産又は供給を安定化させるために厚労省の方に出向したり、本当に様々な過酷な状況下で負担をしながらも、その支援策を速やかに事業者に届けるんだ、この気概を持って頑張っていただいた経産省の皆さんの存在があると思っております。
 そして、それらのつくられた支援事業を確実に現地、現場でつないでいく、ダメージを受けた経営基盤をまさに伴走型で支えるために商工会等の支援機関が存在をしてきました。職員の皆さんも、それぞれが感染に対する不安を抱えながらも寄り添った支援を実践していただいております。
 ただ一方で、この職員数というのは年々減少している、でもこの支援の政策というのは年々増加をしている、こういった不具合が発生している中で、今回コロナの対応というまた新たな業務も増えております。このことに関しましては、梶山大臣始め経産省、中企庁の皆様方は強く御理解をいただいていると思いますので、是非、この三次補正、また次年度当初予算で支援体制強化への十分な予算措置を確実に実施をしていただけるように、これは強くお願いをしたいと思います。
 ただ、その上で、この足下を支える政策のみならず、本来の日本の富を生み出していく、企業、事業所の強みをしっかりと成長させていくための経済産業政策が重要になってくると思います。ポストコロナ社会へ適合する、そういった努力、また新たな挑戦に取り組む企業を応援する、そういった新たな支援を充実していく必要があると思っております。行動変容や価値変容に適合する、また経営資源の集約化を図る、また時には新分野への展開であったり業種転換、こういったことも実現手段として必要になると思いますが、今ある支援事業の中ではちょっと足りないんじゃないかなと心配する面もございます。
 この点にかんがえて、今後どのように考え、どのように支援をしていくか、是非最後にお聞かせをください。

#17
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、ウイズコロナ、ポストコロナ社会の新たな日常に対応するためには、中小企業の経営資源の集約化や新たな新分野への展開、こういったことを図ることがとても重要でございます。
 このため、経営資源の集約化に関しては、全ての都道府県に設置している事業引継ぎ支援センター、こういったものございまして、企業間のマッチングの支援を進めております。また、事業承継補助金ございまして、MアンドAを契機に行う新たなチャレンジに対する補助を行っております。また、現在、経営資源の集約化に、促進する新たな税制措置の創設、こちらを今要望しているというところでございます。
 新分野への展開に関しましては、新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えるため、前向きな投資を行う事業者に対し、現在、令和元年度補正予算に計上した中小企業生産性革命推進事業を推進しております。
 こうした中で、十一月十日でございますけれども、総理から新たな経済対策を策定するよう指示がございました。具体的な内容につきましては現在検討中ではございますけれども、経営資源の散逸を防ぐための事業承継、事業再生の円滑化のための支援策や、ポストコロナに向けて事業再構築や生産性の向上に挑戦する中小企業に対する支援なども現在検討しているところでございます。
 引き続き、あらゆる施策を総動員して、新たなチャレンジに取り組む中小企業の支援に取り組んでまいります。

#18
○宮本周司君 ありがとうございました。
 終わります。

#19
○青山繁晴君 皆様、改めまして、おはようございます。自由民主党の青山繁晴でございます。党利党略のためでなく、ただ国益のためにこそ質問いたします。
 私は、専門家の一人として信念を持って武漢熱と呼んでいますけれども、その第三波が襲来する中、厳しい限定条件の中を傍聴人の方々もおいでくださっています。ありがとうございます。
 質問要旨はルールどおりというか、ルールより相当早く出したんですけれども、生きた質疑にするためにちょっと細かい点に立ち入るところもあるかと思います。その場合は政府参考人の御活用も、どうぞお任せいたします。
 最初に、まずRCEPの問題です。
 RCEP、また片仮名とかアルファベットが来ることを主権者の方々には本当は申し訳ないと思っています。だから、一言だけかみ砕けば、Rはリージョナル、地域、つまりアジアですよね。地域はアジアに限定するけれども、Cというのはコンプリヘンシブ、包括的。あとは、エコノミック、パートナーシップですから、経済連携、アジアに新たな経済連携をつくるという仕組みであります。
 私なりに考えている意義は後で述べますけれども、今の時期、先ほど申しました武漢熱について中国は何らのおわびもなく、しかも武漢熱を逆に世界支配に使うかのような姿勢を見せています。そして、韓国についても、虚偽に基づいた反日が今もやみません。そのさなかに、どうして中韓を組み込んでRCEPを署名しなければならなかったのか。これから国会承認という手続も待っているわけですけれども、不肖私のところには不安と不信感にさいなまれて夜眠れないという声も寄せられています。こういう声を、例えば思い過ごしだとか言ってはいけないと思います。これは、明らかに政府の説明が足りないからであり、私たち自由民主党の努力も不足しております。
 この中韓を今組み込むことの意味、理由について、大臣、お聞かせ願えますか。

#20
○国務大臣(梶山弘志君) RCEPは、約十五年前、構想の初期段階からASEANの主体性を尊重しつつ日本が主導的に交渉を立ち上げて牽引をしてまいりました。そして、交渉が始まったのは八年前ということで、八年間の交渉を終えて先日署名をしたということでありますけれども、かかる経緯に照らして、中国や韓国が主導した枠組みではないということでありますという点は明確に申し上げておきます。
 その上で、RCEPは、地域のサプライチェーンを統合して自由で公正な経済秩序の基盤となるものであります。RCEPの実現によりまして、日本からの輸出の促進に寄与するとともに、参加国に対して投資、そして電子商取引、知的財産といった分野における共通のルールの履行、遵守を求めていくこともできるわけであります。
 例えば、特定の国は申し上げませんけど、今お話しになったような国が今までのFTAで結んでいないようなルール作りというものをさせていただきました。そして、こういったものを遵守するためのこれからしっかりとした連携が必要になってくると思っております。
 私どもは、当初から関わった国としてしっかりとこういったものを対応してまいりたいと思いますし、委員御指摘のように、国民への説明というのもしっかりとしてまいりたいと思っております。

#21
○青山繁晴君 今大臣は、特定の国は挙げないとおっしゃって、その立場、尊重いたしますが、同時に、梶山大臣におかれては、中国が施行を予定しているところの中国輸出管理法、それについて既に公にきちんと懸念を表明されています。
 国民の中では、この中国輸出管理法とRCEPが相まってしまって新たな懸念になるんじゃないかという声もあります。そこはいかがでしょうか。

#22
○国務大臣(梶山弘志君) 今の言及された法律につきましては、まだ詳細について明確になっていないということであります。ですから、日本の企業が、まあ現地にいる企業も含め、日系企業も含めて非常に不安を持っているという中で、もし具体的にこういった点が不安だということがあれば遠慮なく言ってほしいと。もし自らの経済活動が阻害される場合には、私どもが前面に立ってしっかりと対応をしていくということを先般お話をさせていただきました。
 また、今度はルール化をした中で、情報の流通であるとか、又はデータの扱いであるとか、また投資の在り方であるとか、今までしっかりとしていなかった部分について、ルールで今度はこの参加国を縛るということでもあります。縛るというか遵守をしていただくということであります。そして、価値観を共有する豪州も入っております。
 こういったところと連携をしながら、こういうRCEPにおいては、新たなルールで、今までにない形で皆さんにルールを守っていただく仕組みづくりを今からしっかりとやっていくということを御理解をいただきたいと思っております。

#23
○青山繁晴君 RCEPの第九章を見ますと、そこに自然人の一時的な移動という項目があります。自然人という言葉自体が一般の国民の方々にはなかなかなじみがないと思うんですけれども、普通は法人に対するものですね。このRCEPの第九章のところに自然人の一時的な移動という章のタイトルが付いています。つまり、恒久的な移民とかではなくて、あくまで一時的な移動であって、その際に査証などの出入国管理に関する文書を要求することは認められていると書かれていて、書かれているというのは政府のホームページにあり、さらに、政府のホームページには、経産省や外務省のホームページを点検しますと、例えば単純労働者の受入れを義務付けるような規定はないと書かれているわけです。
 しかし、こういう説明自体がホームページに載せればいいというものではなくて、政府あるいは私たち自由民主党においても国民に対しての説明が不十分だと思います。移民が増えてしまう、移民の方々がどっと増えてしまって治安が悪くなり、夜道を歩けないんじゃないかと。
 もう一度言います。思い過ごしだと言ってはいけないです。これは主権者への説明が足りないということですから、この自然人の一時的な移動、それが第九章に定められていることについて、大臣が何度もおっしゃった、ごめんなさい、ルールが規定されているわけですけれども、そこをちょっと分かりやすく御説明願えますか。

#24
○国務大臣(梶山弘志君) 今委員がおっしゃるような御懸念は多くの国民の方がお持ちだということで、私どもにもそういう抗議の声が入ってきております。
 RCEP協定には、自然人の一時的な移動の章が今言及されたようにありますけれども、これはビジネスパーソン、ビジネスマン、本来行き来、往来を頻繁にしている、仕事で行き来をしている人たちの一時的な入国、滞在等について現行法の範囲内で定めるものです。そして、RCEP協定により我が国の出入国管理制度が緩和、変更されることは一切ございません。また、RCEP協定には、いわゆる単純労働者の受入れを義務付けたり容易にしたりするような規定もありません。
 したがって、RCEP協定により、海外からの単純労働者や移民の受入れ、促進につながるとの御懸念は当たらないと思っておりますし、私どもしっかりと周知を図ってまいりたいと思っております。

#25
○青山繁晴君 今、梶山大臣の御答弁の中に、単純労働者を受け入れろという規定はないというだけじゃなくて、それを容易にする規定もないとおっしゃったのは、非常に今日の御答弁のポイントだと思います。
 そして、大臣は何度も、ルール作りをやるのがRCEPの大きな目的の一つだとおっしゃいました。実は、不肖私もそこを非常に意義を感じております。八年越しの交渉をルール作りをして、中韓にもそれに従っていただくためにこそ、日本が主導してまとめたという意義を感じております。
 ただ、そのルールを守らせるといっても、例えば中国の実態考えても、言うはやすし行うは難しというのは誰でも感じるところであります。
 その中で一番気になる項目の一つが知的財産の問題であります。RCEPは十一章に知的財産の項目がありまして、そこにもルールが規定されているわけです。例えば、商標の登録の出願が悪意で行われたものである場合に、自国の権限のある当局がこの出願を拒絶して、又は登録を取り消す権限を有することを定める義務があると。これは、例えば日本の各地の産品が急に中国で商標登録されて不当に権利が侵されるということが頻発しています。今まで一つ一つ抗議するしか手がなかったんですけれども、これがようやくルール化されるわけですよね。
 こういう具体的な取組があるということを、できればこの知的財産の問題も含めて、貿易に関するルールを加盟国全てに守っていただくようになっていると、そこのところも御説明お願いできますか。

#26
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど申しましたように、知的財産の件、投資の件、電子商取引の件、これ、今までほかの国が余り入っていないルール作りというものをしてまいりました。ですから、調印直前まで、署名直前までこういった議論をしてきたということであります。そして、共同声明、首脳の共同声明も含めて、そして担当大臣の発出した声明も含めて、しっかりこういうルールを守っていくということでありますが、ただ、それだけではなくて、やっぱり価値観を共有する国々、またASEANとの連携というものも含めて、当初から始まった、十五年前からの議論も含めて、ルールが守れるように、そしてこれがスタンダードになるようにしっかりと対応してまいりたいと思っております。

#27
○青山繁晴君 今大臣が価値観を共有する国々との連携とおっしゃったのも、非常に意味があると思います。
 おっしゃるとおり、客観的に見ても、元々ASEAN諸国と日本で交渉を始めたわけです。そこに様々な問題を生む中国も含めて新たな枠組みをつくったということ自体は、日本の国際的地位を実は大変押し上げていることを私なりの国際社会の付き合いで非常に感じております。だから、くれぐれもそれが主権者に伝わって、その上で主権者の中で議論していただくように、それが国会論議に反映されるようにしていただきたいと思います。
 ただ、きれい事をお話しするんではなくて、中国は習近平国家主席御自ら、既にこのRCEPも恐らく含めて、そしてTPPまで含めて、主導権をやがて握ると、そういう言葉ではないにしても、明らかにその意思を明確にされておられます。例えば、やがてデジタル人民元を世界に先駆けて使っていくことは、これは中国が世界をリードする形になっております。デジタル人民元が登場すると、日本の狙いはさておき、RCEPも実は中国がしたいようにルールを作る仕組みになってしまうんじゃないかという懸念があります。
 デジタル人民元に絡めては、大臣のお考え、よければ、もし必要でしたら政府参考人も含めてお聞かせいただければ。

#28
○政府参考人(広瀬直君) お答え申し上げます。
 RCEPの協定が、この地域において公正かつ自由な経済活動を根付かせるためのものとしてこれから育てていくといったことが十五か国共通の課題だと思っております。
 今委員御指摘のデジタル人民元も含めて、中国が国際ルールに従ってやっていくと、いろんな懸念も含めて対応してまいりたいと思ってございます。

#29
○青山繁晴君 RCEPについて、残り二点課題を指摘して、お答えをいただきたいと思います。
 一つは、日本はアメリカが抜けた後のTPPを見事TPP11として、あるいはCPTPPとしてまとめ上げました。しかし同時に、このRCEPもインドが入るはずだったのが、取りあえず今入っていないです。これをどうやって入れるのかということと、もう一つ、さっき言いましたRCEPの関連で、TPP自体にアメリカを呼び戻す、この関連の二つの課題について、できればお答えいただけるでしょうか。

#30
○国務大臣(梶山弘志君) TPP担当は西村大臣ということで、私が主体的に申し上げることはできませんけれども、通商というのは、しっかりした条件でより多くの国々との連携ができれば、またそういう投資や貿易ができれば自国のプラスになるという考え方で進めていくものだと思っております。
 その点で、インドが今回参加できなかったのは非常に残念であります。昨年の十一月までは参加を前提に交渉しておりました。国内事情、多分経済事情も含めてですけれども、いろいろおありになって、なかなかやっぱり参加ができないという結論でもあります。
 ただ、その間、私もインドに何度か行きまして、ゴヤル商工大臣ともお話をさせていただきました。そして、将来にこのRCEPに入ってもらうために産業競争力の向上ということで日本が独自にまたお手伝いしましょうということ、そして、日豪と併せて今度はサプライチェーンと、サプライチェーンのどうするべきか、このアジア圏における、インド太平洋地域におけるサプライチェーンどうすべきかということも豪州と日本とインドでしっかり話し合っていきましょうということで始まった経緯もございます。
 そして、ASEANをそこに巻き込んだ上でどうしていくかということで、さらにまた、インドがいつ手を挙げてもいいように合意文書というものも作らせていただいて、十五か国全員が、全部の国がインドがいつ手を挙げてきても歓迎しますよという文書も発出をさせていただいたところでありまして、インドが復帰するために最善の努力をしてまいりたいと考えております。

#31
○青山繁晴君 今大臣がおっしゃったのは、与党だから言うんじゃなくて、客観的な事実だと思います。私なりのインドとのルートでも、例えばほかの国ですと一定期間置かないと入れませんけれども、RCEPの方ですね、インドはすぐ入れますね、入りたいと思えば。そのこと自体もインドの中で好意的に受け止められています。
 開かれたインド太平洋という構想を実現するためにも、あるいは対中国に対して一定の抑止力を経済上も持つためにも、インドの加盟、是非実現していただきたいと思います。
 今日は時間との闘いでありますので、もう一つの処理水に議論を移したいと思います。
 福島第一原発の汚染水というふうにいまだに報道するメディアがありますが、これは実際はALPSで処理したトリチウムだけになった処理水であります。
 不肖私は、福島原子力災害が起きて一か月ちょっとたった時点で作業員以外で初めて構内に入りまして、それ以来ずっと専門家の端くれとして福島原子力災害にも向かい合っております。
 この処理水を更にもう一度処理を重ねて、十分にトリチウムの濃度を減らした上で海洋に放出せざるを得ないと、それが最善の解決策だと私も考えますが、実は、非常に厳しい姿勢を取られる原子力規制委員会におかれても、従前から、国会で何度も僕も質問しましたが、いつも更田委員長から安定的な答弁、これはやるべきですということをお聞きしていますが、今日改めて、安倍内閣でできなかった処理水の問題について菅内閣は取り組もうとしていますから、更田委員長のお考えをお聞かせ願えればと思います。

#32
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会としましては、必要な希釈を行った上で規制基準を満足する形であれば、海洋放出が最も現実的な選択肢であると考えており、この考えに変わりはございません。

#33
○青山繁晴君 この処理水の処理の仕方について、例えば大気に放出したらどうかと、あるいはタンカーで遠い島に運んで、そこで処理してから遠い海に放出したりしてはどうかという議論がいまだにあります。国民の中にはこういう別な方法を放擲したまま海洋放出を考えているんじゃないかという疑念が消えていないんですよね。
 これ、さっき言いました、あえて申しましたが、専門家の端くれとして見れば、例えば大気に放出するときには大量の水蒸気が煙突から出て、その水蒸気が流れる光景が出ますから、風評被害は更にひどくなると予想されます。それから、今、福島第一原発の前の海はしゅんせつしていませんから、たくさんたまっていて、それをしゅんせつしてタンカーが着けるような工事をして、そしてどこかの島にその受入れの工事もしたら恐らく十年掛かるんで、現実的な案とは思えないんです。思えないんですが、政府からそういう明確な説明がないから風評被害が更に起きているという面もあると思います。この点、政府、いかがでしょうか。

#34
○政府参考人(須藤治君) 今御指摘の点でございますけれども、ALPS処理水の取扱いにつきましては、これまで六年にわたり専門家による検討を行って、今年の二月に科学的知見に基づく報告書が取りまとめられたところでございます。
 青山先生御指摘がございましたように、大気等のほかの方法も、六つの方法を、五つの方法と保管について検討を進めてきております。
 例えば、大気につきましては、影響の範囲を想定しにくい、モニタリングによる監視体制の構築が難しい、こうしたことが風評にも影響を及ぼし得るという指摘もなされているところでございます。
 また、御指摘がございました処理水を敷地外に持ち出すということにつきましては、まず処理水を処理、処分するための施設の設置許可、保安検査、あるいは運ぶための事業許可というようなことがございます。さらに、関連する自治体の理解も得ていくというようなことが必要になってくると、そういうことで相当な時間を要する点に課題があるというような指摘がされております。また、私どももそう考えております。
 遠方の離島につきましても、今御指摘がございましたように、第一原発に入れる船ですね、大体千トンクラスでございます。しゅんせつをして、さらに大型のタンカーが入れる桟橋を用意するということでいいますと、多くの時間が掛かるということでございます。
 こういった技術的課題についていろんな形で私どもも説明をしてきておりますけれども、更に説明を重ね理解を進めていく、そういった形の中で、まず科学的な認識、それからいろんな技術的な課題ということをお伝えをした上で、さらに様々な形で風評対策を政府として責任を持って行っていくということを考えてございます。

#35
○青山繁晴君 時間が参りましたので、漁家の方々の風評被害に対する懸念は当然のことであって、国を挙げて、自由民主党も含めて、あらゆる政党も含めて取り組まなければいけないという見解を表明しまして、終わります。
 ありがとうございました。

#36
○森本真治君 おはようございます。立憲民主党の森本真治でございます。
 今般、初めて経産委員会に所属をさせていただきまして、大臣並びに関係の皆様に御指導いただきながら、建設的な議論をこの委員会でさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 通告の早速質問に入りたかったのですが、ちょっと大臣に閣僚の一人としてお伺いしなければならない案件が、今日、今朝の新聞各紙で報道されておりましたので、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 安倍晋三前総理大臣の後援会の桜を見る会前日に主催した夕食会をめぐり、安倍氏側が費用の一部として例年一回当たり百万円以上を負担していたという疑いがあることが関係者への取材で分かったということで、これ各紙が一面で報じております。この間、安倍前首相は、国会の中で、事務所や後援会への収入、支出は一切ないということで説明をしてきたわけでございますけれども、我々野党はこの間、政治資金規正法違反、公職選挙法違反の疑いがあるのではないかということで説明を求めてきましたが、今般のこの報道、事実でありますと、前総理はこの国会に対して虚偽答弁を、虚偽説明をしてきたということになります。
 前政権、前内閣では隠蔽、改ざん、虚偽答弁が続出をしまして、国民の政治に対する信頼が大変失墜をしたという、そういう事態があったわけでございます。
 大臣、今、閣僚の一人として国会に対して向き合っていらっしゃいます。国会、国民に対して虚偽の説明をするということ、このようなことはあってはならない事態だと思いますけれども、大臣の御所見をお伺いします。

#37
○国務大臣(梶山弘志君) 報道については、今朝の報道については承知をしております。政治資金規正法に基づいて収支報告書を皆さん出しているわけでありまして、それらを出している管理団体がしっかりと、また政治家がしっかりと法律に基づいて説明をすべきことであると思っております。個人個人、私自身も、もし疑念があればしっかり御説明するという前提であります。

#38
○森本真治君 内閣として、国会に向き合う姿勢として、この間、虚偽や改ざんや虚偽の説明などが行われてきたということがあったら、これは本当に背信行為と言わざるを得ないと思うんですけれども、大臣はそのような、大臣自身がですよ、答弁に対して、国会に対して虚偽のような説明をするというようなことは、自分の中で想像するようなことがありますか、そういうことが。

#39
○国務大臣(梶山弘志君) 私自身は虚偽の答弁をすることはないと思っておりますし、あってはならないと思っております。

#40
○森本真治君 安倍内閣ではそのようなことが続出したわけで、是非、菅内閣においては、やっぱり国民に向き合う姿勢、国会に向き合う姿勢というものは、しっかり前政権時代の様々な事象に対しても十分に教訓として向き合って誠実な対応を求めたいと思いますけれども、改めてそのお考えをお伺いしたいと思います。

#41
○国務大臣(梶山弘志君) 内閣の一員としてしっかりと姿勢を示すこと、重要なことであると思っております。私自身に関してはそういうことでありますし、内閣全体も信頼を失墜することなくしっかりと対応していかなければならないものだと思っております。

#42
○森本真治君 今後、この問題に関しては、明日も予算委員会もあります。国会、今国会は大変短い国会ということで会期も限られておりますけれども、しっかりと説明責任を前総理にも果たしてもらうように我々としても対応していくということも、この場を借りてお伝えをさせていただきたいと思います。
 それでは、通告の質問に入らせていただきたいと思いますけれども、本日通告させていただいておりますのは新型コロナウイルス感染症の影響ということで、経済の状況を中心にお伺いしたいと思うんですけれども、ここに来まして、現在、第三波の到来というような状況になってまいりました。経済の先行きも更に不透明な状況、この間も大変不安な状況だったんですけれども、更に心配もされるところでございます。
 春の第一波では、感染拡大防止ということで経済活動の自粛が行われたわけです。その後は感染拡大の防止と経済活動の両立ということを目指すという方針だったと思うんですけれども、これ、先週末の二十一日、政府の新型コロナウイルス対策本部では、まずはGoTo事業の制限を決めたということもあります。ここに来て、この経済との両立も厳しくなってきた、そういう状況になっているんだと思うんですけれども、まず、これはちょっと経産省の方ではなくて内閣府の方だということだったんで、赤澤副大臣にお越しいただいて、ありがとうございます。
 まず、内閣府の方にお伺いしたいんですが、現在のこの経済状況ですね、この間どのように見てこられたのかということと、この第三波の襲来というようなこともあるんですけれども、今後の経済見通しですね、どのように今認識をされていらっしゃるのか、まず御説明いただきたいと思います。

#43
○副大臣(赤澤亮正君) 御質問ありがとうございます。
 まず、最近の感染急拡大を踏まえたことに触れる前に、その前の状況として、我が国経済は感染症の影響により厳しい状況にありますが、特別定額給付金や持続化給付金など各種支援策の下支えの効果もあって、全体として持ち直しの動きが続いておりました。四―六月期の実質GDP成長率は、四、五月の緊急事態宣言の下で前期比マイナス八・二%、年率換算マイナス二八・八%となったわけですが、七―九月期には、御案内のとおり、前期比五%、五・〇%、年率換算で二一・四%のプラスとなりました。他方で、四―六月期時点で約五十五兆円と見込んでいたGDPギャップ、足下の七―九月期においても相当程度残存しておりまして、経済は依然としてコロナ前の水準を下回っており、回復はまだ途上という状況にございました。
 先行きについても、欧米の感染再拡大、大変懸念されるところで、輸出、生産への影響や足下の国内の感染者数の増加による個人消費への影響など下振れリスクには十分な注意が必要であり、また、国際機関、IMFだったと思いますが、見通しを見ると、日本経済の回復は他国と比べて遅いとされており、成長力を強化していく必要があると認識をしておりました。
 こうした認識の下、先般、十一月十日に、菅総理から西村大臣に対し、感染拡大を抑えながら雇用と事業を支えるとともに、ポストコロナに向け経済の持ち直しの動きを確かなものとし、民需主導の成長軌道に戻していくため新たな経済対策の取りまとめを進めるよう指示があったというところでございます。
 具体策をしっかりと検討し、十分な効果を発揮できるような対策の取りまとめに尽力してまいりたいと考えておりますし、先生御指摘のとおり、今感染急拡大の状況がちょっとございますので、分科会の提言を受けました、要するに、先手を打って短期間、例えば三週間しっかりとリスクの高いところに集中をして対応しろという提言を受けて、政府がやろうとしていることについては、これはGoToキャンペーンもそうでありますけど、全般にリスクの高い五つの場面とかいろんなことを国民に申し上げて、より強い対策を講じることでこの感染拡大、急拡大の状況に対応し、結果として、感染対策とそれから経済活動、これは経済活動はもう本当に命と暮らしに関わるものでございますので、両立をしっかり図ってまいりたいというふうに考えております。

#44
○森本真治君 ちょっと各論、この後、中小企業や自動車産業などについては経産省にお伺いするんですが、副大臣、先ほど御答弁ちょっといただいて、もし御答弁、再質問で御答弁いただければですが、下振れリスク、第三波、もうこれは相当なまた下振れリスクということにも懸念されます。
 今、菅総理の方から新たな経済対策の取りまとめという指示が出ているということですけど、これいつ頃までに、もう早急にやらなければいけないと思うんですけれども、ある程度スケジュール感も、もし分かれば教えていただければと。どのような形でやるのか、今の予備費をしっかり活用する、第三次補正とかいろいろありますけれども、その辺り、ちょっともし御説明できれば。

#45
○副大臣(赤澤亮正君) 今の予算の取りまとめの状況についてはまだちょっと私の方で申し上げられる状況にはございませんが、これは分科会からも先手を打って対策講じていけということも提言受けているところでありますので、早急に取りまとめてまいりたいというふうに考えます。

#46
○森本真治君 副大臣もですが、大臣も、相当それぞれの国民の皆さんもまた不安感が高まってきている状況が私の地元でもありますので、早急なこの経済対策、実施をしていただく。もうちょっと年末年始にも入ってきて、年末などは、前回も、第一波のとき年度末で相当私のところにも声が来ていて、今回、年末に向けてすごく今不安感がまた高まっている状況ですので、早急な、ここはもう本当に与野党一致して一生懸命皆さんと一緒に取り組んでいければと思いますので、よろしくお願いします。
 中小企業の関係でございますが、申しましたように、非常に今、不安感ということが高まっている中で、配付資料も、これは経産省さんの方からいただいた資料を参考までに提出させていただきましたが、倒産件数もなんですが、やっぱり廃業の方が非常に多いというか、やっぱり心理的な今影響の中でモチベーションが、このままこのトンネルの出口が見えない状況が続く中で、ちょっともうやっぱり心理的にも大変だということで廃業される方というのも非常に多いということですね。
 御参考までに、私の地元でも広島商工会議所が二千社の調査をやられていて、この二千社のうちの九二・五%が中小企業・小規模事業者のデータだったんですけれども、ちょっともう前になりますけれども、九月の時点でももう既に七割がマイナスの影響があって、さらに、今後の影響も加えると、もう八割以上の方が非常に大きな不安感を持っていたということなんですね。一方で、様々な政府の支援措置については皆さん御活用もされているという数字も出ておりました。
 そういう中でも今非常に不安感が高まっているということで、これは経産大臣だったかちょっと参考人だったか御答弁いただきたいんですけれども、中小企業対策、具体的な追加の対策ということをしっかりやっていただきたいというふうにも思うんですけれども、まずそのちょっとお考えについてお聞かせください。

#47
○国務大臣(梶山弘志君) 新型コロナウイルス感染症の影響により急激に悪化をしている中小企業の経営環境、足下、一部で持ち直しの動きが見られるものの、依然として厳しいものと認識しております。
 こうした状況の下で、十一月十日に、先ほど来お話ありますように、総理から感染拡大防止と社会経済活動の両立という基本的考え方に基づいて新たな経済対策を策定するように指示がありました。具体的な内容については今検討中でありますけれども、中小企業の年度末の資金繰り、年末、そして併せて年末もですけれども、万全を期すための支援ということで検討しております。
 さらに、ポストコロナに向けて、事業再構築や生産性向上の挑戦する中小企業に対する支援、経営資源の散逸を防ぐための事業承継、事業再生の円滑化のための支援などを検討しているところでありますけれども、先週、コロナ対策本部において協力要請推進枠というものを創設をさせていただきました。感染の度合い、またその重症化の度合いというものもそれぞれの地域によって違うということで、地方創生臨時交付金の形ですけれども、協力要請推進枠ということで五百億円の枠をつくらせていただいたということであります。
 当面のこと、そして中長期のことも含めて、連携しながら中小企業対策しっかりとしてまいりたいと思っております。

#48
○森本真治君 五百億円の枠の中で協力要請ということで、例えば営業の自粛とかそういう形で協力をしていただいている方は、当然是非いろいろ御支援もいただきたいんですけれども、やっぱりこれまでの給付金なども、これ一回切りでしょう。一回もうもらったら二回目とかということがないわけで、でもそれでどれだけ、じゃ、この先耐えていかなければならないかということで、やっぱりこの給付金の拡充ということですね。今、支援策については検討中という今日の時点でもお話でございますが、本当早く、先ほどと同じで、早くしていただきたいということを、繰り返しになりますけれども、お願いします。
 もう年末、これ乗り切れるかどうかということで、もうこれやめてしまおうと、実際にそういう声がどんどんと寄せられている状況があります。十二月、年末までにはしっかりと行き渡るようにしていただきたいんですけれども、是非そこはお約束、大臣、していただきたいんですけれども。

#49
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど申しましたように、年末、年度末の資金繰りはしっかりと対応をさせていただくということと、あと、今行っている事業につきましてしっかりと継続をして、継続というかこの中で対応をさせていただくということで今検討をしているところであります。

#50
○森本真治君 現場の実態ということは引き続き担当の方にもお伝えをさせていただきながら、ここはもう一致結束して対応していくということですね。改めてまたそのことも皆様にお伝えもさせていただきたいということでございます。
 この中小企業の関係でもそうなんですけれども、私、地元広島県でございまして、特に製造業ですね、自動車産業の関連の就業者の割合が大変多いという県でございまして、自動車産業のこの先行きに県経済、雇用が大きな影響を受ける、そういう、私、県でございます。
 これまで、自動車産業、いろいろ御説明とか報道などでも、この間復調が見え始めているというようなことも報道などでもあるんですけれども、この自動車産業の今の状況について、まず経産省としてどのように見ていらっしゃるのかということ、これは局長さんですかね、お願いいたします。

#51
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 我が国の自動車産業は製造業出荷額の約二割を占めておりまして、また関連産業含めて約五百万人以上の雇用を支えるなど、日本経済の屋台骨であると認識しております。地域経済や雇用等の維持強化を図る観点から、その前提となる国内の自動車販売市場の活性化は非常に重要であると認識してございます。
 一方で、新型コロナウイルスの影響によりまして、自動車の国内販売市場は今年五月に対前年同月比で約四五%減を記録したほか、足下で国内需要は回復基調にありますけれども、今後の新型コロナウイルスの感染状況次第では今年度全体で対前年度比約二割減になる見通しもあるということで、大変厳しい状況にあると、このように認識しているところでございます。

#52
○森本真治君 厳しい状況、自動車産業の先行きも今厳しい状況だという御答弁がありました。自動車産業は、鉄鋼また工作機械、輸送業界など他産業への波及効果も、これは全産業を通じて最大であるということですね。そういう中で、販売台数の減ということが大きな影響を与えるということでございます。
 加えて申し上げますと、今いろいろアフターコロナ、ウイズコロナの時代、分散型社会とか、東京一極集中を是正しようということが今改めて言われておるんですけれども、そうすると、やっぱり地方で暮らしていただくということですね。そこで必要なものは当然これ自動車になるということは皆さんお分かりのことだと思います。私も、東京では公共交通機関、地下鉄とかよく使いますけれども、地元では当然もう自動車で生活をするわけで、我が家にも今三台車があるという状況です、これは親も含めてですね。そういう生活をしているということで、一人一台の、もう地方というのは普通にあるわけでございますので、そういう中では今後の分散型社会に向けてもこの自動車産業ということが非常に重要だということでございます。
 そういう観点で、一つ、ちょっと話題が変わるといいますか、来年度の税制改正についてもちょっとお伺いをしなければなりません。
 自動車産業の成長に関連して、この来年度税制改正の基本姿勢についてということで経産省の方の方針をまずお聞かせいただきたいんですけれども、今、政府・与党でもこの税制改正の議論が始まっていると伺っておりますが、我々野党もこの時期はこの税制改正のいろんな要望をお受けさせていただいて、それを与党の方に我々としても要望させていただくというようなことを今作業をしているんですね。
 その中で、この自動車関係諸税、車体課税についてですけれども、特に今コロナ禍というような状況の中で、この車体課税についてをどう考えていくのか。さらには、もう今日もいろいろ議論ありますけれども、菅政権で、今やっぱり二〇五〇年カーボンニュートラルということですね、この視点も入れたやっぱり税制改正ということにもなってくるんだと思うんですけれども、まず、この自動車関係諸税についての経産省の方針について、来年度に向けて、御説明いただきたいと思います。

#53
○国務大臣(梶山弘志君) 新型コロナウイルスの影響によりまして国内自動車市場が厳しい状況にあることを踏まえて、期限を迎えるエコカー減税の延長や環境性能割の見直しにより、引き続き自動車取得時のユーザー負担の大幅な軽減を図ることが重要であると考えております。
 まず、グリーンディーゼル車に関しましては、コロナ禍で苦境にある自動車メーカーや関連する中小部品サプライヤーに与える影響も踏まえて検討すべき課題だと認識をしておりますけれども、二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けて、ドイツにおいても、ディーゼルエンジンは二〇五〇年のカーボンニュートラルに資する合成燃料にも最適であると。合成燃料というのはEフューエルですね、カーボンリサイクルで作っていく燃料にも最適だということで、ディーゼルエンジンの生き残りを懸けてEフューエルの開発に注力をしていると聞いております。
 ですから、そういったものも含めて、しっかりと国内でも対応できるように、税制も含めて対応してまいりたいと思っております。

#54
○森本真治君 今クリーンディーゼルの話にも言及をしていただきましたけれども、これは十一月十九日の日経新聞の記事、また最近、特にこの税制改正の車体課税に関する記事が連日よくちょっと見受けられるようなことになってきました。
 まあ、いろんな政治的な思惑もありながら、財政当局などの思惑もありながら報道されているのかなと思いながらも見ておりますが、少なくとも今の大臣の答弁では、どうでしょう、これ十一月十九日の記事ですけど、ディーゼル車、一律免除終了ということで、もうこれ政府・与党はということで断定的な記事なども出ておるんですけれども、クリーンディーゼルなどについては、一応この免税についての方針ですね、これは先ほどの大臣の答弁はちょっとはっきりとは私も理解ができていないところもありましたけれども、この一律免除終了というような流れには今なっているということで、これ間違いないんですか。

#55
○国務大臣(梶山弘志君) その件につきましては、今、党の税調、また政府内でも検討をしているというところでありますけれども、EVとかFCVが中心になって、例えばディーゼルなんかがもしかすると廃止されてしまうんではないかという御懸念もある向きもあると思うんですけれども、ディーゼルというのは、クリーンディーゼルというのはEフューエルにも最も適したエンジンだということも言われておりますので、そういったことも含めて、燃料を、まるっきり動力を変えるというだけではなくて、そういった技術開発も今後の課題だということですし、そういうディーゼルを使ったカーボンニュートラルへ向けての取組もあるということでお話をさせていただきました。

#56
○森本真治君 現在の地球温暖化計画、これも当然この後、今後見直しもされるのかもしれませんけれども、現計画では、二〇三〇年まで乗用車の新車販売の中で次世代自動車ですね、次世代自動車の割合を五割から七割にする目標があって、クリーンディーゼル車の普及という目標は大体五から一〇%とされているということですね。
 一方、今報道などもこれどんどん出ていますが、イギリスであったりとか中国などでこの電気自動車ということを促進しようということですけれども、この電気自動車の普及というのは、急速な充電器の設置数というのもまだまだ少ないですし、場所も都市部に偏っているという課題もあるわけでございます。現実を直視する中で、一気にこの電気自動車の方にシフトをしていくということも現実的なのかという話もあります。
 じゃ、電気自動車も、今ウエル・ツー・ホイールという発想がありますね。ですから、このタンク・ツー・ホイールではなくてウエル・ツー・ホイールで、じゃ、当然電気にも発電をするときのCO2の問題もあって、トータルでやっぱりそのCO2排出ということについて考えようという、こういうウエル・ツー・ホイールのサイクルで客観的に公正に評価する。何かこれ、経産省にお話ししても当然理解されているんで、財務省で言わなければいけなかったかもしれないんですけれども。
 そういうようなこともあるという中で、やっぱりクリーンディーゼル、これに特に、重点的にこれを促進させよう、開発を進めようという当然メーカーさんもいらっしゃって、しっかりとその辺りは、これトータルでは当然二〇五〇カーボンニュートラルに寄与する話でありますので、是非ここは経産省さん、現実的なやっぱり対応をしていただきたいということをお願いを最後させていただいて、一分だけ残りましたけれども、質問を終わりたいと。終わります。

#57
○宮沢由佳君 立憲民主党・社民の宮沢由佳です。質問の機会をありがとうございます。
 立憲民主党は、新型コロナウイルスの感染者が急増していることを受け、国民の命と暮らし、経済を守るために、先週金曜日の二十日、立憲民主党コロナ緊急対策を取りまとめました。感染防止を最優先、生活と事業の支援を柱として対策を打ち出しました。その中の事業、雇用支援において、持続化給付金、家賃支援給付金の拡充、延長を打ち出しています。
 本日は、この家賃支援給付金について伺います。
 これまでの申請件数と現在の支給率はどのくらいでしょうか、教えてください。(発言する者あり)はい、家賃だけです。

#58
○国務大臣(梶山弘志君) 家賃支援給付金につきましては、十一月二十日時点で約七十一万件の申請をいただいております。申請件数の約八割に当たる約五十五万件、約四千九百億円が支給済みとなっております。

#59
○宮沢由佳君 給付金の申請は来年一月十五日までです。支援率を見ると、経済産業省の皆さんが努力していることは分かります。申請内容を丁寧に確認していることも分かります。しかし、たとえ一〇%でも数万事業者です。一社一社に事業主、従業員の生活があります。支給が余りにも遅い、また対応も遅いとの現場の声も伺っています。その現場の声を少し紹介させてください。
 まず一つ目、書類不備に関するメールが来るが、不備の箇所がよく分からないことがある。二つ目、修正依頼メールが一か月遅れて届き、支援金にも更に一か月を要した。資金繰りが厳しいのに対応が遅いと支援にならない。三つ目、コールセンターに問合せをしても、対応してくれた人が申請内容を見ていないので適切な回答が得られない場合があるなどです。
 もう年末が近づいています。国民に寄り添うために、何とか改善していただけないでしょうか、お答えください。

#60
○国務大臣(梶山弘志君) この支援の給付が始まって以降、その給付件数等を見ながら、申請件数も見ながら体制の充実を図ってきているところであります。サポート会場、支援サポート会場も拡大をして、一時期五百か所体制ということになりましたし、今は二百か所体制ということでありますけれども、人員を相当増やしてきているということであります。
 ただ、これ、やはりどうしても書類が必要なんですね、契約書等が必要になるということで。持続化給付金の教訓を生かしながらマイページでお知らせをする、そして、それについては今度はコールセンターで対応をできるようにしているところなんですけれども、そういったやり取りがあるという中で、どうしてもその書類がそろわない方々とのやり取りで期間が少し延びているということもあるかもしれません。
 まず、それらの状況も踏まえてしっかりと体制を充実をさせてまいりたいと思っております。

#61
○宮沢由佳君 ありがとうございます。是非お願いいたします。
 申請は、ネット又は申請サポート会場に行かなければなりません。ネットがつながる環境になく、サポート会場にも行けない方、また一番心配している御高齢者の事業者の方への支援はどのように行っているのでしょうか、教えてください。

#62
○国務大臣(梶山弘志君) これも持続化給付金の教訓を生かしながらということになりますが、ウエブ申請のみでこれもやらせていただきました。ただ、そのデジタルデバイド、その弱者に対してどうするんだというお話もあって、申請サポート会場をかなり、一日で一万人近い展開も持続化給付金ではさせていただきました。
 こういったことも踏まえて、ウエブでの申請ではありますけれども、サポート会場で支援をする、そのお手伝いをさせていただく、また携帯でも申請ができるようにしていくということで、そのできる限りのサポートをしているということであります。
 書類とウエブと両方でやった場合にどのくらいの時間が掛かるかということも含めて、サポート体制を充実させた上でウエブ申請に絞らせていただいておりまして、いろんな問題点もありますし、その都度解消するための努力をさせていただくところでありますが、もし何かしら不具合がありましたら、またお知らせをいただければ、そういったことも含めて対応してまいりたいと思っております。

#63
○宮沢由佳君 ありがとうございます。是非お願いいたします。
 士業の先生にいろいろお話を伺ったわけですけれども、士業の先生方が見ていても、本当に、この申請がなかなか進んでいかない姿を見るにつけ、とても胸が痛むというお話でした。
 家賃支援給付金の予算を組む際に、どのくらいの事業数を見越したのでしょうか。推定で二百五十万業者とも伺っております。申請件数と比較しても、まだまだ家賃支援給付金の申請すらできていない事業者が大勢いらっしゃるように見受けられます。
 そこで、大臣、四つ提案させていただきたいんですけれども、よろしいでしょうか。
 提案の一つ目は、給付申請期限を延長していただけないでしょうか。年度内の執行を念頭に置いていると思いますが、年度をまたいでも何とか延長するお考えはないでしょうか。また、コロナ感染が急増している今、追加支援も含め、家賃支援給付金を拡充するお考えはあるでしょうか。御検討いただきたいと思います。
 提案の二つ目、給付金対応期間を見直し、書類をもっと分かりやすくしていただきたいと思います。売上減少要件が五月から十二月になっているので、三月、四月に影響を受けた方、また、賃貸借開始日が五月一日のため、売上要件を満たしても対象にならない方が困っています。さらに、書類が分かりにくいという声が上がっています。対応をお願いしたいと思います。
 提案の三つ目は、事業者に関係のある士業の先生方に、政府からもっと協力をお願いしてはいかがでしょうか。例えば、何か事業主から依頼があった際に、支援策についての活用を確認してもらうというのはいかがでしょうか。税理士の先生方は、事業者の皆さんに対して既に親身に相談に乗っておられると伺っています。政府が士業の先生方と更に連携を密にして、迅速に申請、支給が行われるようにしてはと思いますけれども、いかがでしょうか。
 提案の四つ目です。国税庁を良い意味で利用してはいかがでしょうか。国税庁は、昨年の税務申告書があれば家賃を支払っているのが分かります。そうだとしたら、給付金制度自体を知らない事業者に個別に御案内ができます。国税庁から、あなたは申請できる可能性がありますよ、問い合わせてみてくださいと言ってもらえば済む話です。もちろん、国税庁に支給要件に当てはまるかどうかは確認してほしい趣旨ではありません。事業者に対し申請を促すきっかけを提供してほしいと思います。現場の職員の仕事が増えて大変なら、もうすぐ税の申告時期です。給付金を受けられる方々に漏れがないよう、事業者の申告時に国税庁職員が申告書を確認しながら、家賃支払っていますか、家賃支援給付金の対象かもしれません、申告されましたか、給付には要件がありますので詳細はどこどこに確認してくださいと言っていただければいいと思います。いかがでしょうか。
 そのためにも、申請期間の延長は不可欠だと思います。国民が本当に困っているとき、大臣、この四つの御提案、いかがでしょうか。

#64
○国務大臣(梶山弘志君) これは補正予算で組ませていただいておりまして、申請期限につきましては、全ての手続を年度内に終える必要があることから、延長は難しいという事情があります。
 追加支援につきましては、家賃支援給付金のほかにも持続化給付金や実質無利子無担保融資などの資金繰りの支援を行うなど、事業者の皆様が置かれている状況に応じて多層的な対策を講じてきているところであります。ただ、今委員がおっしゃったような声があることも十分承知をしておりますので、私どもで何ができるかということを今検討をしているということでもあります。
 給付対象期間、本年三、四月を含めることについては、家賃支援給付金は五月の緊急事態宣言の延長等を受けてのものでありまして、五月以降を対象とさせていただいております。また、持続化給付金は、これは五月の一日から始まりましたけれども、例えば家賃も含んだ経費、何に使ってもいいですよというような形で持続化給付金もさせていただいております。緊急事態宣言等、これでは足りないんじゃないかという議論を受けて家賃の支援給付金をつくったという事情も御理解をいただきたいと思っております。
 申請書類につきましては、賃貸借契約が多種多様であること、まあ極論すれば、一つずつやっぱり様式が同じものはないということなんですね。そういったものをしっかり読み解いていかなければならないということ、そして、場合によっては一件で複数のものを借りているということも含めて考えていかなくちゃならないこと、あと、自動更新の契約である場合に、元のものが、古いものが本当に有効かどうかということの確認等も含めてしていかなければならないということで、必要な書類そして時間がある程度掛かってしまうということ。ただ、極力、先ほども申しましたように、早くやりたいということで対応を考えているところであります。
 士業の協力につきましては、事業者にとって身近な存在でありまして、税理士等の士業団体や全国の商工会、商工会議所にも申請サポートに御協力いただけるよう要請文書を発出して、何度もその士業の団体に対して要請をしているところでありまして、一件一件というよりも、その商工会議所や商工会の単位で士業に対するお願いをしているところであります。
 国税庁との連携につきましては、確かに確定申告上のその家賃の金額が経費として記入されている場合もありますが、記入されていない場合もあるということ、それと、国税情報をどう利用するかということは、これは法律で定められていることもありまして、そういった範囲内で可能かどうかということも検討しなければならないということであります。
 引き続き、審査の効率の向上を図り迅速な給付に努めていくとともに、更なる柔軟な対応ができないかということで追求してまいりたいと思いますし、皆様から一件一件の声も聞こえます、そういったものがボトルネックになっていないかどうかということで私どもはしっかりと調べさせていただきますので、もしそういう案件がありましたらまた経産省の方にお問合せをいただければと思っております。

#65
○宮沢由佳君 ありがとうございます。是非、熱意を持って、そして細かな対応をお願いしたいと思います。そして、重ねてですが、家賃支援給付金、また持続化給付金の拡充、延長をお願いいたします。
 コロナ禍で大臣始め経済産業省関係者の皆さんが昼夜を問わず御尽力いただいていること、本当に感謝と敬意を表したいと思います。コロナ禍対策で何か法的な支障等があれば是非逆におっしゃっていただきたいと思います。私たち野党も真剣に議論をして、国民のために必要なことであれば迅速に対応していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 では次に、判こについてお聞きいたします。
 判こは、私の選挙区山梨県の地場産業です。その判こに関して、現職閣僚からとんでもないツイートがなされました。原因となった判こを贈った大臣もいます。まず、一連の経緯について説明してください。
 関係者の皆さんは大変怒っています。一つ一つ丁寧に、大切に職人さん、事業者さんが作られている日本の文化である判こが愚弄されたのです。私も地元で一生懸命お作りになっているお姿を見ていますので、本当に腹立たしいです。河野、平井両大臣はこの件に関してどのような意図があり、現在はどのようにおっしゃっているのか、併せてお答えください。

#66
○大臣政務官(岡下昌平君) 委員の御質問にまずお答えさせていただきます。
 御指摘の河野大臣のツイートや判こについてでありますけれども、河野大臣及び平井大臣の趣旨は、判こを使って何かインパクトのあるメッセージを出したい、これ河野大臣でございます。そして、判こを応援していきたい、これ平井大臣ということがあったと伺っております。
 しかし、誰かを不快にしようという意図があったわけではないとの趣旨を両大臣とも公の場において説明されておられまして、御指摘のツイートはもう既に削除されていると承知しております。
 その上で、これからも判この文化の継承のために役に立ちそうな提案をやっていきたい、きちんと説明してから今後扱わなければならないといった両大臣のお考えであると承知しております。
 以上です。

#67
○宮沢由佳君 押印廃止などと言われると、民間も含めて全ての判こが要らなくなると誤解される方もいます。
 今の答弁は、本当に大臣をお守りしたいのは分かりますけれども、私たちが受けた印象や、そしてこの風評被害については本当にもう皆さんの怒りを感じていただきたいというふうに思いますけれども、私が関係者に伺った例を少しだけ紹介させていただければ、判こに関する大臣らの発言から少したって仕事が激減した、半分になったところもある、ふるさと納税の返礼品として例年は注文が入る時期だが今は全く入らない、判こは要らなくなるんだねと皆さんから言われるなど、深刻な話はまだまだあります。風評被害だと思います。
 私個人は、この誤解に関しては、河野大臣がツイートを行いきちんと説明しなかったことに起因しているのではないかと思っていますが、まだ払拭されていない今、どのように対応していくおつもりでしょうか、お答えください。

#68
○大臣政務官(岡下昌平君) 今般の取組におきましては、国民の利便性を向上させる観点から、行政手続におけます不要な押印を見直すというものでございまして、印章自体を廃止する趣旨ではございません。実印や銀行印など本人確認や意思の担保において必要不可欠な印章につきましては、印鑑登録制度等とともに今後とも残ることになると承知しております。
 今後とも、印章自体が廃止されるといった誤解が生じることのないように、国民の皆様方に丁寧な説明を行ってまいりたいと考えております。

#69
○宮沢由佳君 梶山大臣、この二人の大臣の行ったこと、これに関してどのように思われるでしょうか。

#70
○国務大臣(梶山弘志君) ある箇所に痛みが生じることでもありますから、しっかりとその説明はするべきであると思っております。
 そういったことも含めて、今回のデジタル化の中で押印をどうしていくのかということも丁寧に説明をしていかなければならないと思っておりますし、一方で、その行政サービスを受ける側からも、必要以上に押印、認め印の判を押す場所が多過ぎると。そして一方で、またそれがないがために申請書類として成り立たなかったというお話も聞いておりますし、デジタル化を進める中で、認め印の扱いで押印されているものについてはなくしていこうというのが政府の方針でありました。
 今、岡下政務官からお話ありましたように、印鑑証明であるとか文書の真正性の担保の押印については残っていくということでありますから、また地場産業としてどう残していくかということは産業を対応する私どもの立場としてできる限りの応援をしてまいりたいと思っております。

#71
○宮沢由佳君 応援をしていただけるのは大変有り難いんですが、しつこくて申し訳ありませんが、この大臣二人の表現方法ですね、誤解を受けたというふうに言っていらっしゃいますけれども、これは適切か不適切かといったらどちらになりますでしょうか。

#72
○国務大臣(梶山弘志君) 誤解を受けたということの言い方だと思うんですけれども、本人に対して適切か不適切かという指示というのは、また総理からそういった話が行っているかと思いますし、当人のお二人がしっかりとこのデジタル化に関して仕事を、しっかりこれを教訓にしていただくことが重要なことであると思っております。

#73
○宮沢由佳君 今朝の山梨日日新聞に載っていたんですけれども、菅総理が自民党山梨県連の幹部と意見交換をして、判こは大事な文化、必要な判こは残す、判この販路拡大に政府としても力を尽くすとおっしゃったと報道されています。事実でしょうか。
 その上で、政務官にお聞きします。一つは、判こは日本の大切な伝統文化であるということ。もう一つは、政府が進めようとしているのは判こ廃止でなく、判こ押印が絶対に必要な文書はあり、判こは必要だということ。ただし、押印しなくてもよい文書を検討している。この三点、間違いないでしょうか。

#74
○大臣政務官(岡下昌平君) まず、総理の報道の件からお答え申し上げたいと思います。
 今委員がおっしゃっておられるその報道というものは、山梨、自民党の山梨県連との菅総理との……(発言する者あり)あっ、分かりました。
 菅総理の御発言自体について、具体的にその詳細までは確認取れておりませんけれども、新製品の開発や販路開拓など、意欲ある事業者の取組をしっかり支援していきたいという趣旨でお述べになられたのではないかなと、そのように承知をいたしております。
 また、その押印の件に関しましては、判こは日本の大切な伝統文化の一つであると考えております。河野大臣も会見等におきまして、落款や蔵書印といった印章の文化的価値やその継承について度々言及されておられます。
 今般の取組も、国民の利便性を向上させる観点から行政手続における不要な押印を見直すというものでございまして、今後とも印鑑が全てなくなるといった誤解が生じることのないように丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。

#75
○宮沢由佳君 つまり、これからも判こは必要ということでよろしいでしょうか。

#76
○大臣政務官(岡下昌平君) 度々のお答えになって大変恐縮でございますが、今後とも印鑑が全てなくなるといった誤解が生じることのないように説明をしてまいりたい、そして、国民の利便性を向上させる観点から、行政手続における不要な押印を見直していくということでございます。

#77
○宮沢由佳君 判こは必要だとどうしてはっきりおっしゃっていただけないのか、とても残念ですけれども。
 そこで、押印が必要なもの、必ずしも押印しなくてよいものをはっきりと区別していただきたいと思います。法案を準備していると聞いていますが、対象は国の文書だけなのか、自治体、民間はどうなるのかも含めて検討内容をお聞かせください。

#78
○大臣政務官(岡下昌平君) 押印や書面の見直しを行うに当たりまして法改正が必要な事項につきましては、直近の法改正機会を捉えて関係法律の整備を行うことが可能とするよう今検討を行っている段階でございます。

#79
○宮沢由佳君 大臣、今までの議論をお聞きになられて、私もデジタル化に対して反対はしていません。デジタル化が推進されても、日本の文化である判ことの共存は可能だというふうに思います。どうお考えでしょうか。また、大臣が、菅総理が判この販路拡大に政府としても力を尽くすとおっしゃったことについてどうお感じになるか、教えてください。また、大臣が地場産業の振興についてどうお考えなのか。さらに、地場産業に限らず、科学技術の進歩、又は気候危機に伴う国の政策によって特定の産業に良くない影響が及ぶ場合に何か対応策を検討されているのか。
 今までの議論を整理した形で四点お答えいただければと思います。

#80
○国務大臣(梶山弘志君) 行政文書を簡略化する、また行政の申請を、申請の文書を簡素化するという視点でこのデジタル化が始まりました。そういった中で、認め印と言われるものを、不要な部分に関してはそういったものは省いていきましょうということであります。さらに、印鑑証明、民民の契約であるとか、またそういった中で印鑑証明が必要になる場合もありますし、実印が必要になる場合もあります。銀行とのやり取りでもやはり届出印が必要になる場合もありますし、契約書等でもやっぱりそういったものが必要になる場合もあるということで、印鑑というものはなくならないと思っております。
 ただ、これからその産業としては、ずっと販路をつくる、印鑑を作る数というのは、これから、これまでも十年、二十年で減ってきているのは事実であります。そういった中で、その技術を生かしたり、またそれに使う素材をどう生かしていくかという地場なりの、地方なりの考え方も含めてしっかりと応援をしてまいりたいと思っておりますし、そういう伝統技術というものをいかにほかの分野で生かしていくかということもこれからの知恵の使い方であると思っております。
 私どもは、地場の産業、特有の産業というものはしっかりと応援をしていくということでありますから、この時代だからこそ、逆に逆手に取ってそういったものが利用価値が出てくる場合もあると思いますし、これから一緒に知恵を使いながら、そういう地場産業の進展、また発展に応援をしてまいりたいと思っております。

#81
○宮沢由佳君 力強いお言葉、ありがとうございます。科学技術の進歩や気候危機などと既存の産業の共存は大きなテーマだと思います。今後、大臣とも是非議論させていただきたいと思います。
 しかしながら、河野大臣のツイート、平井大臣の行為がどれだけ大勢の方々を傷つけたのか、政府はしっかりと反省していただきたいというふうに思います。私の知り合いの、判こを彫っている業者の方がぽつりとおっしゃいました。この印鑑、平井大臣がプレゼントされた印鑑を彫った人の気が知れない、この彫った人に、もしこれを彫れと言った人がいたのなら、それを彫らせた人の気が知れない、こんなことを印鑑を彫る人にやらせないでほしいというふうにもおっしゃっていました。
 誤解と風評被害を招くおそれのある判こ廃止、判こ不要とは、今後政府は絶対に言ったり使ったりしないようにしてください。例えば、押印必要文書の範囲見直しなど、誤解を招かないように言い方を工夫していただきたいと思います。
 大臣、菅総理、河野大臣、平井大臣にも必ずお伝えいただきたいと思います。私からの要望ですが、大臣、いかがでしょうか。

#82
○国務大臣(梶山弘志君) このやり取りはしっかりと議事録になりますので、それを見せて伝えたいと思います。

#83
○宮沢由佳君 ありがとうございます。次に梶山大臣に質問させていただく機会がございましたら、そのとき三人のお答えを伺いたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。政務官も本日はありがとうございました。
 次の、最後の質問に移らせていただきます。(発言する者あり)あっ、もう終わりですね。次回、ソーシャルビジネスについて伺いたいと思いますので、お願いします。
 ありがとうございました。

#84
○新妻秀規君 公明党の新妻秀規です。
 本日は、このように質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 まず最初に、コロナ禍の事業支援について伺いたいと思います。
 まず、中小・小規模事業者の経営改善に向けた支援強化について、これは大臣にお伺いをしようと思います。
 もう今更言うまでもないことですけれども、コロナで、全国で中小企業・小規模事業者に甚大な影響が出ております。こうした事業者の方が事業再生に向けた一歩を踏み出して、そして、コロナの後を見据えた成長をするためには、本業の立て直し、また事業転換といった本格的な経営改善が必要です。そして、これを支援するよろず支援拠点などの体制を強化することが極めて重要だというふうに思っております。
 そしてまた、資金繰り、新規事業の開拓、これまた極めて重要なところでありますけれども、この観点からは、地域の金融機関による支援も非常に重要であり、中小企業庁と金融庁の緊密な連携が不可欠です。
 コロナの影響が長期化することも想定される中で、経済産業大臣、梶山大臣は、この事業の再生と経営改善に向けた支援体制の一層の強化、そして資金繰り、さらには新規事業の開拓支援については今後どのように取り組むおつもりか、お伺いをしたいと思います。

#85
○国務大臣(梶山弘志君) 新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業、そして小規模事業者の事業継続、そして、そこに勤めている方々の雇用の維持というのは非常に重要なテーマであると思っております。
 このため、政府系民間金融機関による実質無利子無担保かつ最大五年間の元本返済据置きの融資により、資金繰りに強力に支援をしているところであります。加えて、最大二十年の元本一括返済が可能な資本性劣後ローンにより、事業継続や新たな事業展開に取り組む事業者の資本を強化した上で支援をしているところであります。これは、折に触れて金融庁長官、また金融担当大臣と連名で文書を発出をしているところであります。
 また、中小企業の事業再生を支援する中小企業再生支援協議会や、経営改善を始めとする幅広く対応するよろず支援拠点等についても、補正予算を活用して体制の強化を図ってきたところでありますが、更なる強化が必要であると思っております。
 さらに、経済対策の策定に関する総理指示も踏まえて、中小企業の年度末の資金繰り、また年末の資金繰りに万全を期すための支援、そしてポストコロナに向けて事業再構築や生産性向上に挑戦する中小企業に対する支援、経営資源の散逸を防ぐために事業承継、事業再生の円滑化のための支援体制の整備などについて今後検討を具体化をして、できるだけ早くこういったものが実施をできるような状況にしてまいりたいと思っております。
 経済産業省としては、引き続き、支援機関も活用しながら、中小企業の皆様が直面している状況について丁寧に伺いながら、必要な支援を全力で取り組んでまいりたいと考えております。

#86
○新妻秀規君 今大臣がおっしゃっていただいたこの検討の是非とも具体化、また丁寧な聞き取りをお願いをしたいというふうに思います。
 次に、事業承継支援の強化について、これは経産省の参考人に伺いたいと思います。
 東京商工リサーチの調査によれば、このコロナの影響もありまして、今年の一月から八月までに全国で休廃業、解散した企業の数、三万六千弱となっておりまして、前年同期比で約二五%弱の増加となっております。このペースが続くと、年間五万三千件を突破してしまうと。これは、この二〇〇〇年から調査を始めたんですけれども、最多だったのが二〇一八年、二年前の四万七千件弱だったんですね。これを大幅に上回ってしまうと、こういう可能性があります。
 ここで大切なのは、先ほども御議論ありましたけれども、廃業してしまった企業の中には生産性とか収益性で優良な企業もありまして、決して収益が悪くなったからとか競争力がおっこっちゃったからということが廃業の直接の原因とは言い切れないということであります。親族外の承継、また第三者承継のニーズが高まっている中で、まだ実現に至っていないこの第三者承継の支援税制について、事業者の期待、注目が集まっています。
 また、事業の買手側が事業承継をきっかけとして新しいビジネスモデルをつくろうと、また生産性向上に取り組もうと、こういう動きをしっかり支援をしていくべきだというふうに考えます。
 また、都道府県ごとに整備されております事業承継ネットワーク、そして事業引継ぎ支援センター、この連携強化もそうですし、また、県域を越えたマッチング支援に取り組むなど、事業承継の支援の体制強化を図らなくてはいけない、このように思います。
 第三者承継の推進、事業承継の相談窓口の機能強化、支援機関の間の連携、また県域を越えた連携についてどのように取り組んでいかれますでしょうか。

#87
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 中小企業が廃業せざるを得ない状況ということが新型コロナウイルス感染症の影響によってますます深刻化しております。第三者承継などの対応を進めることがとても重要でございます。
 経済産業省としては、昨年十二月に策定した第三者承継支援総合パッケージ、こういうものございまして、第三者による事業承継を後押ししております。
 例えば、事業承継補助金ございまして、事業承継を契機に新たなチャレンジをする中小企業に対して補助金を出すということをやっております。また、今回、経営資源の集約化を促進する新たな税制について創設を要望しているというところでございます。
 また、来年四月には、親族内承継を支援する事業承継ネットワークと第三者承継を支援する事業引継ぎ支援センターの機能を統合して、事業承継支援のワンストップ対応窓口を整備する予定でございます。
 さらに、この事業引継ぎ支援センターのデータベースがございまして、これを各都道府県のセンターで共有するということに加えて、金融機関、それから税理士、MアンドAの仲介事業者などの民間事業者にもこのデータベースを開放していくということで、支援機関同士、それから県域を越えた広域的なマッチングを支援してまいりたいと考えております。
 こうした取組を進めることで、引き続き、あらゆる政策支援を総動員して、中小企業の事業承継を全力で支援してまいりたいと考えております。

#88
○新妻秀規君 まず、税制については我々もしっかり全力で応援をしていきたいというふうに思います。
 また、このデータ、事業承継ネットワークと事業引継ぎ支援センターの統合、ワンストップ化、そしてこのデータベースの開放ですね、これは、このこと自体、本当に非常に一歩前進というふうに思うわけなんですけれども、運用がやっぱりすごい重要だと思うんですね。なので、実際統合してから、やはり事業者の方、相談に来られる方の意見をしっかり聞き取った上で、必要な改善があれば直ちに手を打っていただきたい、このことを要望させていただこうと思います。
 次に、中小企業、また工場、サプライチェーンのデジタル化支援について、これも経産省さんにお伺いをしようと思います。
 我が党は、一月前に菅新総理に対しまして提言書を出しました。新型コロナウイルス感染症に係る今後の支援策に関する提言というものです。この中で、中小企業のデジタル化推進を強く求めております。また、このコロナ禍においては、テレワークであったり非接触の仕事のやり方、こうした対応が求められるなど、中小企業のデジタル化の必要性がこれまで以上に高まっているというふうに思っております。
 一方、この中小企業庁の資料の中では、中小企業のデジタル化を進めるためには、費用対効果、またリテラシー、すなわち理解して使いこなす能力、この二つの壁があって、これをどうやって乗り越えていくのか、これが課題だという問題の認識も示されているところであります。
 製造現場のデジタル化を支援するためコネクテッドインダストリーズ税制が創設されたんですけれども、この三月に予定より早く廃止になってしまいました。しかし、こうした税制面での取組を期待をする声もあります。
 一方、国内製造業のデータ利活用、十分には進んでいないというのが現状でありまして、例えば生産設備の稼働データを集めている企業の割合、二〇一六年度、今から四年前には七割近くあったんですけれども、その三年後、昨年の二〇一九年度には五割まで減少してしまっている、こういう実態もあります。
 中部の航空機製造産業の業界団体からは、このコロナを機に、生産性向上のためにデジタル化に真剣に取り組んでいきたい、こんな声も伺っているところであります。これ以外にも、製造業の各種団体から、工場内、またサプライチェーンのデジタル化、ネットワーク化に係る支援を強く要請をされております。ハード面のみならず、またデジタル化を進めるためには、IoTの、物のインターネット、IoTの体系的な知識を身に付けた人材を育成したい、こうした声もあります。
 ハード、ソフト両面にわたりますが、こうしたデジタル化を是非とも進めていただきたいんですけれども、どのように取り組んでいかれますでしょうか。

#89
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、製造業、特に中小企業のデジタル化、ネットワーク化は重要な課題と認識しております。
 経済産業省では、令和元年度補正予算におきまして、中小企業生産性革命事業として三千六百億円を措置しており、中小企業の設備投資を支援するものづくり補助金では、工作機械などの製作設備のみならず、デジタル化やネットワーク化のためのシステム構築も支援対象としております。具体的には、顧客情報や設計情報を他の企業と共有するネットワークシステムの構築や、生産管理システムを導入して工場の生産プロセスを効率化する取組も支援対象としております。こうした幅広い設備投資に御活用いただけるよう、しっかりと制度の周知をしてまいりたいと思います。
 また、今回の新型コロナの対応で浮き彫りになった課題の一つが、大企業を含めた企業のデジタル化の遅れでございます。このため、今回、税制改正ということでございますので、ビジネスモデルの変革に資するデジタルトランスフォーメーション投資の促進に関する税制の創設を要望中でございます。
 御指摘のIoTに係る人材育成については、社会人がデジタル技術に関する高度な専門性を身に付けることのできる教育訓練講座を第四次産業革命スキル習得講座ということで認定しております。認定した講座のうち厚生労働大臣の指定を受けたものは教育訓練給付制度の対象となって、受講費用の一部が支給されることとなっております。
 こうした取組を通じて、製造業のデジタル化、ネットワーク化の取組を支援してまいりたいと考えております。

#90
○新妻秀規君 先ほどと同じように税制はしっかり応援させていただこうと思いますし、また制度の周知、是非ともよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、航空機製造産業の支援について伺いたいと思います。
 航空機製造産業、コロナによる全世界にわたる往来の制限がありまして、それによって航空需要が本当に激減しまして、したがって仕事量も激減している。そこに三菱航空機が開発中のスペースジェットの開発計画の凍結が加わって、極めて大きな影響が出ているところであります。
 中部圏、航空機製造産業、一大拠点となっておりまして、私も地域の業界団体、また部品組立てに係る事業者を訪問いたしまして、お声を伺ってまいりました。
 まず、雇用の維持、ほかの産業や海外への進出支援、また情報支援について、これ経産省さんにお伺いをしたいと思います。
 愛知県内にある、ある航空機部品の組立てを行う会社では、仕事量が急激に減ってしまって、余ってしまった人を県内の自動車産業に一時的に出向させることによって雇用の維持が何とかできた、こんなお話を伺いました。雇用の維持のためのこのような取組を是非とも厚労省と連携をして進めていただきたいと思います。
 また、航空機産業以外、例えば自動車を造るそうした産業とか、また工作機械を造る会社からの受注を模索している会社も多くありまして、こうした取引先の拡大のため、展示会、商談会などのマッチングの支援を求める声があります。
 また、ボーイング一本足打法とよくやゆされるんですけれども、日本の航空業界は大体そういう状況です。今回訪問した県内の別の企業からは、エアバスのようなこれまで余りつながりがなかったようなところに販路を求めていこう、こういう動きもあります。しかし、この会社からはこんなお声がありました。そもそも海外取引のノウハウが乏しい、現地の事情に明るいコンサルタントを確保しようとすると多額の費用が掛かる、困った、こういうお声なんです。海外での新たな販路開拓を考える企業をどのように支援していくのか、こういう課題もあります。
 また、新しい事業の展開に向けて、情報支援も極めて重要です。海外の情報であったり、また生産管理、技術開発の動向、また未来の航空機の開発に関して、セミナーそして講演会の開催に向けて、講演会の開催など情報の提供とか、またセミナーを開催する場合の費用の支援、これを求めたい、こうしたお声も伺いました。
 こうした要望、課題にどのように取り組んでいかれますでしょうか。

#91
○政府参考人(藤木俊光君) ただいま御指摘ございましたように、新型コロナ感染症の影響により、航空機産業、極めて厳しい状況にあると認識しております。また、この産業、幅広い裾野産業に支えられておりますので、地域の中小企業等にも大きな影響が生じているというふうに認識してございます。そういう中で、今御指摘いただきましたそれぞれの点について、大変重要なポイントだというふうに思っております。
 一つは、まず雇用につきましては、まさに人材の過不足の解消という観点から人材のマッチング支援ということに取り組ませていただいております。これは、地方経済産業局とそれから地方の労働局が連携し、また自治体とも連携する中で積極的に人材のマッチングを進めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、新しい販路の開拓という観点では、中小機構が新価値創造展の開催、あるいはJAPANブランド育成支援事業といったような取組も行っております。また、ジェトロでは、現地進出支援強化事業といったようなことで、オンラインも活用した販路開拓支援等を行っているところでありまして、中小サプライヤーが航空機産業以外の分野でも取引を拡大することを後押ししているところでございます。
 また、航空機産業の海外情報でありますとか、あるいは技術開発動向等の情報につきましては、全国航空機クラスター・ネットワークによるセミナーの開催、あるいはジェトロの調査レポートの配信等を通じましてタイムリーに提供してまいりたいと思いますし、また、個別の企業の御相談にも丁寧に対応してまいりたいというふうに考えております。
 このような支援を通じまして、しっかりと我が国の航空機産業、そしてその裾野も含めてしっかりサポートしてまいりたいというふうに思っております。

#92
○新妻秀規君 今、藤木局長答弁していただいたように、本当に今回のこの航空機産業の打撃って結構長く続くと思うんですね、三年か四年は特に国際線の需要が回復しないんじゃないかという。ということは、航空機産業は全く同じだけ、ひょっとしたらそれ以上長く苦しむことになるかもしれないので、是非とも丁寧な対応をお願いをしたいと思います。
 次に、研究開発の推進について、これは経産省そして文科省、両省に伺いたいと思います。
 こういうときだからこそ、次世代の航空機に活路を求めて研究開発のプロジェクトを推進してほしい、こういうお声もあります。とりわけ中小企業も参加できる枠組みを、また規模は小さくてもいいから役に立つものを、こういう要望があります。こうした声にどのように応えていくのでしょうか。経産省、文科省の順に伺います。

#93
○政府参考人(藤木俊光君) 委員御指摘のとおり、次世代航空機の基礎研究のほか、これに技術のある中小企業の参画を進める仕組みと、これが重要であるというふうに認識してございます。
 経産省では、機体やエンジンの軽量化のための複合材に関する技術や電気推進に必要な技術など、次世代航空機に必要となる技術開発を支援しているところであります。
 例えば、特に電動化などの技術分野では、大手の航空機関連メーカーだけではなくて、電動モーターを開発する中小企業、蓄電池や半導体を研究する大学等も含め様々な主体が連携して研究開発を行っているところでありまして、そういったものを支援しているところでございます。また、中小企業の産学官連携による研究開発を支援するということで、いわゆるサポイン事業という中では、航空機部品加工の自動化、航空機用高性能複合材料などに関する研究開発を採択するなど、中小企業による取組も支援しているところでございます。
 引き続き、我が国航空産業の成長に向けて、必要な支援、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

#94
○政府参考人(長野裕子君) お答えいたします。
 文部科学省としましては、将来航空機の基礎的な研究開発を進めるとともに、次世代航空機を見据え、社会の要請に応える研究開発や次世代を切り開く先進技術の研究開発などを進めているところでございます。
 例えば、機体の空気抵抗を低減させることによる燃費向上技術の研究開発、エンジン高効率化を目指した研究開発などを進めることにより、裾野が広い航空産業において中小企業にも裨益することを目指しております。また、次世代を切り開く先進技術の研究開発としては、静粛超音速機技術の研究開発を進めるとともに、将来を見据えた電動推進技術に関してJAXAを中心に中小企業を含む約百二十機関が参加するコンソーシアムを形成するなど、産学官が緊密に連携する取組を行っているところでございます。
 これらの取組を通じて、引き続き、産業界と協力しつつ、次世代の航空機を見据えた研究開発などを推進してまいる所存でございます。

#95
○新妻秀規君 研究開発、言うまでもなく極めて本当に重要なところでありまして、やはりここでもしも政府の支援がストップしてしまうようなことがもしあれば、日本の航空機産業に未来はない。なので、是非ともこの予算の確保、我々もしっかり応援しますので、お願いをしたいというふうに思います。
 文科省さんにおきましては退室されても結構ですので、委員長、お取り計らいお願いいたします。

#96
○委員長(有田芳生君) どうぞ。

#97
○新妻秀規君 続きまして、それでは、航空機産業についての梶山大臣の認識と支援に向けた決意について伺いたいと思います。
 我が国産業における航空機産業についての大臣の認識と、支援に向けた決意を伺いたいと思います。

#98
○国務大臣(梶山弘志君) 新型コロナウイルス感染症の影響により、人の往来が極端に少なくなりました。航空需要はかつてない水準まで落ち込んでおり、航空機産業は極めて厳しい状況にあると認識をしております。また、元来、この産業は幅広い裾野産業に支えられていることから、地域の中小企業にも大きな影響が生じているものと認識をしております。
 需要回復までには数年を要しますが、航空機産業は中長期的には持続的な成長が見込まれます。官民が連携して現在の難局を乗り越え、将来の成長につなげていくことが重要でありますし、この産業は非常に重要な産業だという認識も私どもも持っております。
 経済産業省としては、特に厳しい状況にある中小サプライヤーに対して、実質無利子無担保融資などの資金繰り支援や、地域の経済産業局を通じたマッチング支援による人材の過不足の解消、ものづくり補助金による設備投資の支援等に取り組んでいるところであります。
 また、世界的な脱炭素化の要請を踏まえて、こうした状況下でも次世代の航空機開発に必要となる電動化、材料開発等の分野で革新的な技術開発に取り組んでいく必要があると思っております。
 引き続き、我が国航空機産業の成長に向けて必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

#99
○新妻秀規君 ありがとうございます。是非とも、そうした予算面、税制面での支援をお願いをしたいというふうに思います。
 次に、気候変動、地球温暖化対策、そして脱炭素社会の構築について伺います。
 まず、グリーンイノベーションの推進につきまして、これ佐藤政務官にお伺いをしたいと思います。
 二〇五〇年までの脱炭素社会の実現に向けまして、省エネと再エネという極めて大きな削減手段に対し、めり張りのある技術支援、また投資の促進が必要と考えます。
 政府は、今年の一月に革新的環境イノベーション戦略を策定して、エネルギー転換、運輸など五分野十六課題、そして三十九の個別の技術テーマを設定いたしまして、社会実装に向けた仕組みの具体化を進めていくこととし、本年七月にはその司令塔となるグリーンイノベーション戦略推進会議も設置をしたところであります。
 梶山大臣は、水素、蓄電池、カーボンリサイクル、洋上風力などの重点分野について、具体的な目標とその年限、規制、そして標準化などの制度の整備、さらには社会実装を進める場合の支援策などを盛り込んだ実行計画を年内に発表するとの方針ですけれども、実行計画策定に向けた取組はいかがでしょうか。

#100
○大臣政務官(佐藤啓君) お答え申し上げます。
 二〇五〇年カーボンニュートラルへの挑戦は日本の成長戦略そのものでございます。あらゆるリソースを最大限投入して、経済界とともに経済と環境の好循環を生み出してまいります。その実現に向けては、温室効果ガスの八割以上を占めるエネルギー分野の取組が重要であります。鉄鋼や化学などの産業分野も革新的なイノベーションを推進し、製造プロセスを大きく転換させていく必要がございます。
 また、カーボンニュートラルは簡単なことではなく、エネルギーまた産業の全体を俯瞰して、産学官が本気で取り組むことが重要であります。これまでも政府として、産業革命以降累積したCO2の量を減少させるビヨンド・ゼロを可能とする革新的技術の確立を目指した革新的環境イノベーション戦略を策定し、カーボンニュートラルに向けて克服すべき技術面の課題について検討を進めているところでございます。
 こうした検討を踏まえ、カーボンニュートラルを目指す上で不可欠な水素、蓄電池、洋上風力、カーボンリサイクルなどの分野について、具体的な目標年限やターゲット、規制や標準化などの制度整備、社会実装を進めるための支援策などを盛り込んだ実行計画を年末に取りまとめる予定でございます。
 水素については、これまで乗用車用途中心だったものを新たな資源と位置付けて、幅広いプレーヤーを巻き込み、社会実装への道筋も検討してまいりたいと考えております。
 蓄電池については、モビリティー分野において、電池の投資拡大と技術向上を進め市場を確保するとともに、電池の供給網の強靱力を進めてまいりたいと考えております。
 カーボンリサイクルは、化石燃料の利用により排出されたCO2への対応として必要となるキーテクノロジーでありますので、具体化に向けた方策を検討してまいります。
 また、洋上風力ですが、ポテンシャルを踏まえた系統整備を進めるとともに、洋上風力産業育成のための国内拠点整備を進めてまいりたいと思っております。
 高い目標に向かって大胆な投資を行い、果敢に挑戦していく企業に対しても、国も長期間にわたって支援をすることを検討してまいります。

#101
○新妻秀規君 是非前向きな取組をお願いをしたいと思います。
 次に、再エネの地産地消システムの構築、これは経産省、環境省、両省にお伺いしたいと思います。
 菅総理は、今国会の所信表明演説で、脱炭素社会、そして地方の活性化、この両方を述べていらっしゃいます。この二つを達成する上で、我が党が提案をするこの地産地消型の再エネ、再生可能エネルギーの導入は有効な解決策になるのではないか、このように考えます。地域の経済、産業を活性化させ、電力供給を強靱化でき、ひいては東京への一極集中の是正にもつながる、このように考えております。
 グリーン成長を実現するためには、単に再エネの導入拡大を目標とするのではなくて、脱炭素社会の実現と活力ある地方、これを両立させる必要があります。これまでも自治体の新電力による再エネを活用した地域活性化の取組は続けられてきましたが、電力の自由化による競争が激化する中で、地域の経済効果、また持続的発展という点からは課題もあったところであります。
 今後、政府は、地域の自治体や経済界を個別に連携するだけではなくて、各関係者を包括的に面的に支援をする必要がある、このように考えます。例えば、自治体、電力事業者、地域企業、地域の金融機関、そして住民を巻き込んだ成功例としましては、鹿児島県日置市のひおき地域エネルギー、また山形市のやまがた新電力、そして北海道の士幌町のJA士幌町によるエネルギー地域循環型農業、また同じ北海道の上川郡下川町の地域おこしなどが出てまいりました。こういう事例の検証も踏まえて、地域の経済循環や内発的発展を促すような支援策が望まれるところです。
 経済産業省としては、これまでもエネルギーの地産地消の促進を図る補助事業や、地域のマイクログリッドの構築支援事業などを実施していますが、こうした観点を踏まえて再エネの地産地消システムの構築をどのように進めていくのか、経産省、環境省の順に伺います。

#102
○政府参考人(茂木正君) 委員御指摘のとおり、地産地消型の再生可能エネルギーの導入、これは環境負荷の低減だけではなくて、地域の活性化ですとか災害時のレジリエンスの向上に寄与するものとして大変重要だというふうに私どもも認識しております。
 このため、経産省では、二〇一四年度から環境省とも連携しながら地産地消型のエネルギーシステムの構築支援を実施してきております。この中で、例えば自営線を敷設してこの地産地消型のネットワークを組むと、これが非常にコストが掛かるということで、こうした課題も明らかになってきています。
 したがって、二〇一九年度からは、平時は既存の系統線を活用して電力を供給してコストを下げると、一方で、緊急時には地域内の再生可能エネルギーなどから電力供給をする自立型の地域マイクログリッドの構築というのを支援してきています。
 これまで、今御指摘があった例えば士幌町なども含めまして、二十六の地域の計画策定を支援をしているところであります。実際にマイクログリッドの構築を始めたところも三件あるということで、こちらも今支援しております。
 また、あわせまして、こうした地域で貢献している取組、これを広く知っていただくために、地域と共生する再エネ発電事業を検証する、こういった制度の検討も今月から開始をしたところであります。
 今後もこうした取組を通じて、再生可能エネルギーの地産地消システムの構築をしっかり後押しをしてまいりたいと思います。

#103
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。
 議員御指摘の四地域の取組の事例にありますように、地域に存在します再エネを地域で利用する再エネの地産地消は、温室効果ガスの削減に資するだけでなくて、災害に強い自立分散型のエネルギーシステムの構築、あるいは地域の再エネ事業の立地を通じた地方創生にもつながる取組だというふうに認識してございます。
 このため、環境省といたしましては、地域における温室効果ガスの大幅な削減、地域内の経済循環の拡大、そして災害に強いレジリエントな地域の構築、この三つを同時に実現できるよう、地域新電力を始めとした地域の再エネ事業の実施運営体制の構築、地域との合意形成、設備導入等への支援を行うなど、ソフト、ハード両面から地方自治体の取組を支援してまいる所存でございます。
 こうした施策を通じて、地域主導による再エネの導入拡大と地産地消の取組を一層後押ししてまいりたいというふうに考えてございます。

#104
○新妻秀規君 ありがとうございます。
 次に、自治体と地方の取組推進について、これ環境省にお伺いします。端的にお伺いします。
 このグリーン成長戦略、ここにおける地方の役割はどのようなものになるんでしょうか。例えば、脱炭素社会に向けたグリーンイノベーション、またグリーン投資、産業の構造変革、経済成長に向けた取組の中で地方はどのように関与していくのでしょうか。

#105
○政府参考人(白石隆夫君) 脱炭素社会の実現に向けましたグリーン成長のためには、政府のみならず地方自治体やあるいは地域金融機関など政府以外のプレーヤーの役割は非常に重要だというふうに考えてございます。
 具体的な例を申し上げますと、例えば二〇五〇年までのCO2排出実質ゼロを目指すゼロカーボンシティの一つであります長野県におきましては、再エネの生産量を三倍以上にすることなどを示した気候危機突破方針、あるいは同方針を実現するための気候危機突破プロジェクトを策定いたしまして、ESG投資の促進を含めた環境イノベーション、あるいは脱炭素まちづくりを柱とした取組を推進してございます。
 また、先進的な地域金融機関と連携いたしまして、地域課題の解決、地域資源を活用したビジネス構築等を促進するということで、地域における持続可能な社会づくりを後押しいたしてまいります。
 地方におきますグリーン成長の実現に当たりましては、地方の主体的な取組を進めるということが非常に重要でございまして、国といたしましては、こうした地方の取組について、地域の実情、ニーズを的確につかみながら、地方と連携をしながら進めてまいりたいというふうに考えてございます。

#106
○新妻秀規君 是非お願いいたします。
 次に、経済界の取組について、これは経産省、環境省、両省にお伺いします。
 脱炭素社会の実現に向け、政府と経済界の連携が進みつつあります。例えば、環境省と経団連、この九月二十四日、脱炭素社会の実現に向け緊密に連携を図ることで合意をいたしました。また、経産省、十月九日、脱炭素社会の実現に向けて、環境と社会とガバナンスを考慮した投資、すなわちESG投資の呼び込みやイノベーション創出に係る連携を図るため、脱炭素社会の実現に向けた技術革新に挑戦をするゼロエミ・チャレンジ企業として三百二十社の企業リストを公表したところであります。
 社会実装に向けては、二酸化炭素の排出と吸収がプラス・マイナス・ゼロとなるカーボンニュートラル、これを掲げた企業への支援策を検討し、技術開発が進む、技術開発が必要な分野に関しては積極的に支援することが必要と、重要と考えますが、どのように取り組んでいかれますでしょうか。

#107
○政府参考人(矢作友良君) お答えいたします。
 カーボンニュートラル実現のために鍵となるのは革新的イノベーションでございまして、これに取り組む企業の支援が大変重要でございます。
 また、世界の状況を見ますと、二〇五〇年のカーボンニュートラルの旗を掲げる動きが世界中で相次いでございまして、各国の企業も生き残りを懸けまして脱炭素技術のイノベーションに大規模投資を行うなど、世界は言わば脱炭素技術をめぐる大競争時代に突入しているという状況でございます。
 こうした視点に立ちまして、政府といたしましても、今年一月に策定した革新的環境イノベーション戦略を踏まえまして、水素、CCUS、カーボンリサイクル等の脱炭素技術の開発等を支援をしているところでございます。
 例えば、北海道苫小牧市では、CCUSあるいはカーボンリサイクル実証拠点と位置付けまして、CO2を利用したメタノールの製造の実現に向けた調査、あるいは液体CO2の船舶輸送の実証に向けた調査等をやっておる、実施しているところでございます。
 また、気候変動対策に積極的に取り組む企業に民間投資を呼び込むことも重要でございます。投資家と企業との建設的な対話を促すTCFD開示の促進、あるいは脱炭素化に向けた技術課題に挑戦する企業をゼロエミ・チャレンジ企業として国内外の投資家に発信する、こうした取組を進めてきたところでございます。
 これに加えまして、長期にわたってカーボンニュートラルに果敢に挑戦していく企業に対して国が長期間にわたって支援することが必要でございまして、今具体的な対応を検討しているところでございます。
 さらに加えまして、税制につきまして、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けまして、脱炭素化に向けて効果の大きい設備投資支援、これを検討する必要があると考えてございまして、具体的な内容につきましては本年度の税制改正プロセスに向けて議論しているところでございます。
 このように、あらゆるリソースを投入して、経済産業省といたしましても、経済界とともに経済と環境の好循環を生み出していきたいと考えてございます。

#108
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。
 二〇五〇年のカーボンニュートラル実現に向けましては、既存の再生可能エネルギー等の技術を最大限活用するだけではなくて、新たな技術開発イノベーションやその社会実装を進めていくことが非常に不可欠だというふうに認識してございます。
 先ほど経産省さんからもお話ありましたが、そうした認識の下で、本年一月に策定されました環境イノベーション、革新的環境イノベーション戦略も踏まえまして、環境省におきましては、地域資源の活用によります脱炭素型の水素サプライチェーンの構築、あるいは廃棄物処理施設から発生するCO2などを活用いたしましたCCUの実現などを既に後押しをしてございます。
 例えば、先月、福岡県の大牟田市で、バイオマス発電所からのCO2を回収する施設の稼働を開始してございます。これは、国内初の商用規模のCO2回収技術実証であるということであるとともに、行く行くはカーボンニュートラルな燃料であるバイオマス由来のCO2を回収する世界初のバイオエナジーCCS、BECCSプロジェクトとなる見込みでございまして、このような革新的な取組を今後も進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 また、議員から御紹介がございました経団連と環境省との連携合意でございますけれども、環境省におきましては、この中でも取り上げられてございますが、企業の脱炭素化を加速化すべく、経済界とも連携しながら、ESG金融の推進、それからTCFD、SBT、RE一〇〇といった企業の情報開示や目標の設定などを後押しする、こういった仕組みを使いまして、脱炭素経営を積極的に後押しをしてまいります。
 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて、引き続き経済界ともしっかり連携しながら、技術イノベーションの社会実装やESG金融、脱炭素経営も促進してまいりたいというふうに考えてございます。

#109
○新妻秀規君 是非、両省連携の上、政策を前に進めていただきたいと思います。
 最後の質問です。服の大量生産と大量廃棄です。
 アパレル業界、大量生産、大量廃棄ということがかねてより問題となっておりまして、つい先日、二十一日の朝のNHKニュースによりますと、世界で売れ残るなどして廃棄される衣料、衣類の量、年間九千万トン、その七割が焼却、埋立て、こういう状況です。改善にどういうふうに取り組んでいかれますでしょうか。

#110
○政府参考人(藤木俊光君) 御指摘ございました衣料の大量生産、大量廃棄につきましては、かねてから繊維業界の問題であると認識してございます。
 一方で、近年では、AIを活用した需要予測でございますとか、あるいはIoTを活用してマスカスタマイゼーションと呼ばれる取組で効率的にオーダーメードを可能とするといったような衣料供給量の適正化という取組も進んできていると承知しております。
 経済産業省といたしましては、こうした企業の取組を繊維業界に広く周知して過剰供給等の改善を促すとともに、引き続き、繊維産業の複雑なサプライチェーンや過剰供給等による売れ残りの構造の把握と、こういうところに努めて、問題の解決に業界とともに取り組んでまいりたいというふうに思っております。

#111
○新妻秀規君 終わります。

#112
○委員長(有田芳生君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#113
○委員長(有田芳生君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#114
○石井章君 日本維新の会、石井章でございます。
 午後から眠い時間でありますが、少々お付き合いしていただきたいと思います。
 まず、私の地元の福島原発の1FのALPSの処理水についてお伺いをいたします。
 これは、もちろん梶山大臣のお地元でもありますし、梶山大臣がお抱えしている漁業協同組合等にまさしく直結するような案件でありますので、内容をつぶさに聞きながら、大臣の現時点でのお考え等についてお伺いをしていきたいと思います。
 御案内のとおり、福島原発では大体毎秒二リットルぐらいの汚染水が噴出していまして、一日で約百七十トン、そして十日であの大きなタンクがいっぱいになるというような計算が出ております。そして、この計算のままいきますと、二〇二二年の夏頃にはほとんどいっぱいになってしまうだろうということで、これまでも、先ほどいろんな話出ました、海洋放出、それから継続保管、水蒸気放出、地下埋設、地層注入、電気分解等々ありますけれども、今のところ海洋放出の可能性が一番高いのではないかと言われておりますが。
 しかし、これはもう時間切れが一年と少々で迫ってきていますので、現時点で無責任な答弁はできないと思うんですけれども、ただ可能性のあるものに関しては早めに答えを出して、しかも、それは国民にしっかり開示をする。そして、福島一県にだけ負担を掛けないようなやり方を当然取らなきゃならない。でないと、風評被害がそこに一点集中しますので。
 海洋に関しては、梶山大臣も御案内のとおり、福島で出された汚染水は、千島列島から流れてくる海流によって茨城県内の大洗とかそれから鹿島灘、千葉の方に流れていっていますので、実質的には、一番風評被害というか実質的被害を受けているのは北茨城の、例えばアンコウがあんなに捕れてもアンコウが食べられないというような時期がたくさんありましたけれども、そういったことを含めて、国民の声に真摯に傾けるというのは、もう既に梶山大臣も丁寧な答弁していただいているんですが、現時点でどのようにお考えになっているのか。
 特に、これは政治家として、また政府として、責任ある御答弁をいただければと思います。

#115
○国務大臣(梶山弘志君) 今、石井委員からお話ありましたように、二〇一一年の三月十一日の事故が発生をして、私も隣県であります、そして私の選挙区茨城県全体でも漁業に従事している方、水産関係の業務に従事している方たくさんおいでになりまして、皆さんの苦しむ姿を目の当たりにしてまいりました。そして、そういう状況を解消するために、私も皆さんと一緒に行動をし、対応をしてきたつもりであります。そういう思いを知っているからこそ、今度の件につきましても、当事者の皆さんに説明をし、そして責任を持った決断をしなければならないと思っております。
 今委員がおっしゃったように、議論をしてまいりまして、二つの方法について二月十日に発表がございました。それらについて、また、そのほかの方法についても検討してきたところでありますけれども、タンクがいっぱいになる時期というものもあり、政治がしっかりと決断をしていく、責任ある決断をするべき時期に来ていると思っておりますので、そういった状況も把握しながら判断をしてまいりたいと思っております。

#116
○石井章君 以前、我が党の松井一郎代表が、汚水、処理水を、なかなか答え出せないんであればもう大阪湾でしっかり受け取るよと、流してもいいよというようなことを言いました。あれはストレートに大阪湾で流してくださいという意味じゃなくて、いわゆる隣県でも、実際は海洋放出している県もあります、県じゃなくて、ごめんなさい、国もあります。
 そういったものを踏まえて、科学的な根拠を基に、人体に影響がない、その海洋放出しても全く環境にも影響ないんだということがこれ前提でありまして、しかし、その前提でそれをやろうとしているのが、今国がそういったことで進めようとしています、梶山大臣を中心に、そういう方向でやらなければ当然これ理解得られませんから、やろうとしていますけれども、これはもう政治マターで、どんなに言ってもある党の方々は全くもう聞く耳持たない党もありますし、いわゆる党派やイデオロギー問題を超越しているような問題ですから、これは本当になるべく早めに方向性を出して、安全性があるということをまず国民に理解してもらう必要がある。
 その上で、一番大事なのは、やっぱり地元の漁業関係者の風評被害にならないようにしていくと。これが風評被害がゼロに等しくするのが政治の役目ですけれども、時にはどこかの新聞みたく、インチキ新聞書いて、大阪都構想を邪魔したような毎日新聞もありますけれども、そういうことのならないように、たったあれだけで風向きが変わることもあるのでね。特にこの問題は憲法の問題と同じで、憲法を変えるのにはもっと大変だと思うんです、ハードルは。
 ですから、この問題に関しては、梶山大臣の地元のことでもありますし、これは一番、本当に梶山大臣の政治生活の中で一番選択として苦しい。政治家としても、梶山静六さんの代からずっと続いてきた梶山王国の中でもこの問題は一番大臣が苦しい選択を迫られることはもう目に見えて分かるわけですが、どうかそういったことを、まず梶山大臣のお人柄ですから、地元のことを最優先、国民のことを最優先にしてこれまでも優しい答弁をしてきたのはよく分かっていますので、再度この問題に対する大臣の心構えというか、それをお伺いしたいと思います。

#117
○国務大臣(梶山弘志君) この件に関しましてはいろんな御意見があることも承知をしております。そういった中で、科学的見地に立った情報をしっかりと周知をした上で、どうするかという決断が求められていることだと思っております。
 皆さん苦しんでいる。そして、さらにまた、地元の自治体の皆様、また経済団体の皆様からすると、今の状況を何とかしてくれという声もあるのも事実であります。そういった意見をどう集約していくか、そして御理解をいただくかということに懸かっていると思いますので、政治が責任を持って判断をしていく、決断をしていくということだと思っておりますけれども。
 風評というのは人の気持ちの問題でもあります。やっぱりこれ買いたくないなというような思いもある。そういったものをなくすためにどうしたらいいのかということで、先ほど申しました科学的見地に立ったしっかりとした情報を流していくということでもあるわけでありまして、風評対策も万全を期していくということ、いかなる方法を取るにしても風評対策も万全を取る、政治の責任においてそういうものをしっかりと実行していくということも含めて、皆様に御理解をいただきたいと思っております。

#118
○石井章君 丁寧な御答弁、ありがとうございます。
 そこで、さきの予算委員会で、うちの松沢成文議員の方からあえて少し突っ込んだ内容で、南鳥島の沖に再処理して海に流すという御提案をしたわけでありますが、大臣の方からは、タンカーの構造や陸上での保管施設などに関する法規制上の問題云々ということがありまして、現実的ではないんじゃないかというような御答弁だったわけでありますけれども、それは本当に克服できない問題なのかどうか、費用対効果だけの問題なのか。やはり、国連海洋法はもとよりロンドン条約、あるいは処理水の船舶からの投棄が行えないという問題もこれに関してはクリアできるわけでありますから。そして、現在、漁業被害あるいは風評被害や実質被害や漁業の損失などに年間七十二億円の予算が投じられております。
 そういった問題を考えれば、果たしてこの、一つの提案でしたけれども、松沢さんのあの質問の内容、私どもは、党とすれば、以前、原発に関してはフェードアウトというようなことで来ました。しかし、だんだん現実的に、今、福島の問題は目の前の問題をきちんと処理しようと、いわゆる福島県民の問題じゃないんだと、日本国全国の国民の問題だという見地から、いろんな意味で御提案をさせていただいております。
 これは、あえて政府の足を引っ張ろうとかそういった意思は全くないので、その選択肢の一つに加えていただいたらどうかということなんですが、あえて梶山大臣から。

#119
○国務大臣(梶山弘志君) 建設的な御意見、御提案をいただくことは大変いいことだと思っておりますし、感謝を申し上げる次第であります。
 ALPS処理水の取扱いについて検討してきました専門家会議においては、処理水を敷地外に持ち出した上で処分することに関してもしっかりと議論を行ってまいりました。本年二月にまとめられた有識者会議の報告書では、保管施設を設置する自治体や関係者等の御理解が必要となること、原子炉等規制法に基づいて原子力規制委員会による事業認可、例えばこの前提案があったタンカーの保管施設としての設置許可や保安検査等、様々な規制への対応が必要となること、運搬時の漏えい対策を含む運搬方法の検討や、運搬ルートの自治体の御理解を得ることが必要なことなどの、相応の設備や多岐にわたる事前調整、認可手続が必要であり、相当な調整と時間を要するものと考えております。
 松沢議員の御指摘の南鳥島についても、放出先や移送ルート上の自治体、漁業者など、周辺海域の利用者といった新たな関係者の御理解を得る必要があります。例えば、南鳥島周辺海域ではマグロ漁が盛んに行われているという現実があります。
 また、これまで大量のALPS処理水を海上輸送した経験がないために、長距離運搬する方法の検討や、それに関する原子力規制委員会の許認可により、より時間を要するものと考えております。松沢議員が想定をしていた中古の石油タンカーをそのまま使うということはできることではございません。密閉性や乗組員に与える影響などをゼロから審査する必要があるということです。
 また、仮に希釈せずに運ぶ場合には、万一の漏えいの際に規制基準値を超える濃度の放射性物質が環境中に放出されるおそれがある。希釈した上で運ぶ場合には、少なくとも松沢議員が前提とした量の百倍以上を運ばなければならない。
 さらに、南鳥島から放出する場合には、福島第一原発と南鳥島の双方に巨大タンカーが接岸するための港のしゅんせつや桟橋の整備が必要となる。また、南鳥島にも陸上の施設が必要になると。放出するための、条約に違反しないためにそういう施設が必要になるということで、こうした留意点を踏まえた上で、福島第一原発の敷地の逼迫の状況を考えれば、委員の御提案が時間の上でも現実的な解決策になるとは考えられないという、これは見解を表明したものであります。

#120
○石井章君 ありがとうございます。
 まあ、この間も松沢さんの質問でそういった答弁出ていますので、同じ答えです、だと思いますから、この処理水については一日も早く政府の見解、そして地元の理解を得られる、私から言わずもがなで、もう大臣が一番分かっていらっしゃると思うので、これ以上の質問は控えたいと思います。
 続きまして、二問目なんですが、二輪の高速利用の促進という問題について質問をしたいと思います。
 今日は、国交省から鳩山政務官お越しいただき、ありがとうございます。
 これまでも何度か、元大臣の世耕さんのときにも質問させていただきました。特に、そのときに、販売に寄与するには政治として、政府としてどうしたらいいかだったんですけれども、今回は、今税調の中で、政府税調の中で、来年度の予算の中で、いわゆる今やっているツーリングプラン等々についての質問なんですけれども、御存じのとおり、一九七〇年代には三百六十万台、いわゆるホンダ、カワサキ、ヤマハ、スズキと、この四社で約三百六十万台ほどの新車の販売台数があったわけであります。
 しかし、去年の、これ自工会の調べですと、三十万台を切ってしまったということで、本当に東南アジア、ベトナムとか行けば二輪のことをホンダと言うぐらいに二輪の代名詞としてホンダの名前が使われておりますが、肝腎の本家本元では販売台数が全く伸びないということでありますけれども。
 そこで、今ツーリングプランやっています。七月から始まりました。そのツーリングプランをやっていない時期と、やってからの、今コロナ禍で大変な時期なんですが、どのぐらいの差があるのか、効果についてもし御答弁いただければと思います。

#121
○大臣政務官(鳩山二郎君) 御質問にお答えをさせていただきます。
 二輪車ツーリングプランについては、高速道路会社が二輪車の利用促進及び地域の観光地などの活性化等を目的として、ETC二輪車を対象に、定額で一定のエリアが乗り降り自由となる企画割引として平成二十九年度より毎年実施してきており、今年度のプランについても七月二十二日から開始されたと承知しております。
 委員御質問の二輪車利用率の昨年度との比較については、昨年四月から十一月の約七か月間で約六万件の利用に対して、今年度七月から十月の約三か月間は約三万件であり、各月平均で見ると利用は同程度と見込まれております。
 また、効果について、昨年度利用者に行ったアンケート調査では、ツーリングプランの実施により約七割の方がツーリングの頻度が増加したと回答しているなど、二輪車の利用促進及び地域の観光地等の活性化に寄与できているものと考えております。

#122
○石井章君 コロナ禍の中で考えれば、同等というのは、いわゆるこれは伸びているということだと思います。ですから、アンケートの調査結果もそのように出ていると思います。
 これは、全国オートバイ協同組合連合会の大村会長や、あるいはオートバイを愛するユーザーたちでつくっております一般社団法人の日本二輪文化協会というのが、前会長の吉田さんたちが立ち上げて、少しでも、このツーリングプランを利用しながら、コロナ禍で嫌な思いしている国民に、二輪ですから飛沫が飛んでくることもないし、家でごろごろしているよりもやっぱり楽しい時間を過ごしてもらおうということで、少しでもこのプランをもう少し拡張できないかというような声がもう既に政府の、逢沢先生が主管するPTの方にも行っていますし、あるいは公明党さんの方にも行っていますし、私の方にも要望として来ております。
 これまで販売台数が伸びてこなかった理由は、ただ単に親御さんがお金がなくて買えなかったとかじゃなくて、一九八二年に、仙台のいわゆるPTA、高P連の大会で三ない運動というのを決議したと。いわゆる免許を取らせない、オートバイを買わせない、それから運転させないという、この三ない運動なるものがずっとこれまで来まして、やっと埼玉県でそれを否決しながら、今、別な角度でオートバイを乗りましょうと、交通安全を考えましょうということで、少しでも販売台数に寄与する運動が今出てきているわけであります。
 そういったことで、鳩山政務官にお伺いしますけれども、国民から見れば一番の国民の足でありますこの二輪の問題、例えば駐輪場の問題、それから通行区分の問題等々問題がたくさんありますが、そういったことを含めて、今はこのツーリングプランという一つのETCの枠の中のお話での要望でありますけれども、本来的には定率割引へ移行したいという思いがありますが、その辺、政務官、どうでしょうか。

#123
○大臣政務官(鳩山二郎君) 御指摘の定率割引については、二輪関係者等から御提案があることは承知しており、現在、高速道路会社において検討を進めているところであります。
 国土交通省としても、引き続き、二輪車の利用促進及び地域の観光地等の活性化に向けて必要な協力をしてまいります。

#124
○石井章君 この二輪の協会のバイク・オブ・ザ・イヤーなどを主管する二輪文化協会、吉田純一さんですが、これの副会長が村島さんという方なんですけれども、そこからの情報ですと、オートバイ神社で、オートバイ神社を全国につくって、そこをライダーとしてみんなで回ろうということが催されております。東京、それから長野県、石川県、香川県、広島県、島根県と、それから千葉、山梨が今準備中と、で、茨城県は私の取手に今つくる予定で、いわゆる、つくるといっても社を造るんじゃなくて、今ある神社にオートバイのライダーの方々が参拝しやすいようにするということでありますが、こういった試みについてどのようにお考えか、最後に質問したいと思います。

#125
○政府参考人(宇野善昌君) ただいまお話のあった件につきましては、二輪車の利用促進及び地域の観光地等の活性化ということに資するんではないかと思います。

#126
○石井章君 ありがとうございました。

#127
○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史でございます。
 地球温暖化対策につきまして、まずお伺いをいたします。
 初めに確認をさせていただきたいと思うんですけれども、地球温暖化対策についての日本の取組につきまして、積極性が足りないなどと国際的に批判されてきたとのメディアの論調がありますが、国際会議などで国際的機関や他国政府などから批判がされた事実があったのかどうか、説明をいただきたいと思います。
 加えて、政府の認識を伺いますけれども、私は、政府、各産業、家庭等々、分野分野におきまして真摯に取り組んできており、GDP当たりの温室効果ガス排出量など、我が国の実績は他国に引けを取らないと認識をいたしております。
 政府として今日までの我が国の取組をどのように評価されておられるのか、お伺いをしたいと思います。

#128
○政府参考人(山下隆一君) お答え申し上げます。
 例えば、COP25の場におきましては、匿名の、国の名前を挙げての言及はありませんでしたけれども、グテーレス国連事務総長から石炭中毒との批判があったというふうに承知をしております。その他、国際的なNGO等による批判があったということも承知をしてございます。
 また、今回の総理のカーボンニュートラルの宣言につきましては、グテーレス国連事務総長を始め、各国から高い評価を受けたというふうに認識してございます。
 我が国の温室効果ガスの排出量につきましては、二〇一四年以降、五年連続で温室効果ガスの排出量を削減してきておりまして、合計で一二%の削減というのはG7の中でも英国に次ぐ大きさでございます。
 また、委員御指摘のGDP当たりの温室効果ガス排出量につきましても、日本は一九九〇年以降、一貫して主要国の中でトップクラスのエネルギー効率を達成してございます。なお、一九九〇年時点では、欧州は日本の二倍近く排出しておりました。すなわち、欧州には我が国と比べてエネルギー効率を上げる余地が大きくあったということでございまして、現行は欧州も日本の水準に追い付いてきたものというふうに認識してございます。
 いずれにいたしましても、我が国の二〇五〇年カーボンニュートラルという野心的な目標とこれまでの着実な削減実績の双方を引き続き世界の中で積極的に発信してまいりたいと思っております。

#129
○浜野喜史君 環境省の資料によりますと、二〇一八年の実質GDP当たりのCO2の排出量を見ますと、日本は環境先進国とイメージされておりますドイツを下回っております。今日までの取組が私は決して卑下するようなものではないというふうに認識をいたしております。政府におかれましても、今日までの取組についての評価を国内外に適切に発信をしていただきたい、このように思います。
 菅総理は、我が国は二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち二〇五〇年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すと宣言をされました。取り組むに当たっての基本的な考え方を伺います。
 温暖化対策につきましては、当然ながら大気はつながっているわけでありまして、地球規模で、まさに全世界的に取り組む必要があると考えております。地球規模の取組がどうあるべきと考えておられるのか、その中で日本が果たすべき役割がどうあるべきであるのか、基本的な考え方を大臣にお伺いしたいと思います。

#130
○国務大臣(梶山弘志君) 気候変動問題は国際社会全体が取り組むべきグローバルに共通する喫緊の課題であると思っております。
 こうした中、我が国は二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に成長戦略として取り組んでまいります。と申しますのも、環境問題としての意識もありますけれども、一方で、産業政策としてしっかりと取り組んでいかなければならないということであります。
 各国共に、二〇三〇年代、二〇五〇年代の産業の在り方というものも示しているわけでありますが、日本は物をつくって輸出するということになりますけれども、そういったものが輸出できなくなる可能性もあるという中で、やはりカーボンニュートラル進めていく中で産業競争力をしっかりと維持していくということが日本の国にとって非常に大切なことであると思っております。
 カーボンニュートラルの実現のためには革新的なイノベーションが不可欠であり、その実用化を見据えた研究開発の加速を始め、政策を総動員して取り組むことが重要であると思っております。
 これまで政府として、産業革命以降累積したCO2の量を減少させるビヨンド・ゼロを可能とする革新的技術の確立を目指した革新的環境イノベーション戦略を策定し、カーボンニュートラルに向けて克服すべき技術面での課題について検討を深めてまいりました。また、全世界で取り組むべきといいながら、それぞれの国によって技術や発展の仕方というものはいろいろ、まちまちだということでありまして、そういったものを技術の力で支援していくということも日本の行うべき課題であると思っております。
 ゼロか一〇〇かということではなくて、その移行に関して、トランジションという形で、移行する段階、技術の段階というものもしっかり示しながら、途上国に対しての支援もしっかりとしていかなければならないと思っております。

#131
○浜野喜史君 この地球温暖化対策につきましては、地球規模で考えるべきであるということを更に強調させていただきたいと思います。例えば、規制強化によって産業、企業が海外へ移転し炭素が海外へ漏れ出すいわゆる炭素リーケージなどあってはならないということも強調しておきたいというふうに思います。
 次に、技術開発についてお伺いいたします。
 炭素社会の実現に向けて鍵となるのは革新的な技術開発であると説明されておられます。私も同感であります。その理由を改めて確認をさせていただきたいと思います。
 その上で、革新的技術は不確実性を伴うものであり、民間事業者の取組だけでは限界があると思われます。政府の果たす役割が極めて重要であると考えておりますけれども、政府としてどのようにリーダーシップを取っていくのか、伺いたいと思います。
 また、革新的技術を生み出すためにも、規制強化などで産業、企業の活力をそぐようなことがあってはならないと考えますけれども、見解を伺います。

#132
○政府参考人(山下隆一君) お答え申し上げます。
 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現には、温室効果ガスの八割以上を占めますエネルギー分野や鉄鋼や化学などの産業分野において温室効果ガスの排出を減少させていくべく、産業構造の大きな転換が必要でございます。この大転換を産業、企業の競争力を確保しつつ実現していくためには革新的なイノベーションが不可欠でございます。
 これまで、政府といたしまして、産業革命以降累積したCO2の量を減少させるビヨンド・ゼロを可能とする革新的技術の確立を目指した革新的環境イノベーション戦略を策定し、カーボンニュートラルの実現に向けて克服すべき技術面での課題について検討を深めてまいりました。
 こうした検討を踏まえまして、カーボンニュートラルを目指す上で不可欠な水素、蓄電池、洋上風力、カーボンリサイクルなどの分野につきまして、具体的な目標年限やターゲット、規制や標準化などの制度整備、社会実装を進めるための支援策などを盛り込んだ実行計画を年末をめどに取りまとめていく所存でございます。また、革新的なイノベーションに腰を据えて果敢に挑戦していく企業に対しましても、国も長期間にわたって支援することを検討してまいりたいと思っております。
 二〇五〇年カーボンニュートラルへの挑戦は日本の成長戦略そのものでございます。二〇五〇年という将来に向けて、委員御指摘のように、我が国の産業、企業の競争力をそぐのではなく強化するという視点で取り組んでまいりたいと思っております。
 以上です。

#133
○浜野喜史君 次に、我が国の温室効果ガスの排出の現状について説明をいただきたいと思います。
 温暖化対策の議論におきましては、とかく電力、電源構成に注目が集まるところでありますけれども、資料をお配りをいたしておりますけれども、発電電力の分野からの排出はエネルギーの生産ベースで約四割、消費ベースでは一割弱というところであります。運輸であるとか産業分野含めて全体像を理解していくことが極めて重要でありますので、説明をいただきたいと思います。
 その上で、消費側での排出の多数を占めます運輸、産業、業務・家庭での対策が重要でありますけれども、どのように取り組んでいくお考えか、お伺いをしたいと思います。

#134
○政府参考人(山下隆一君) お答え申し上げます。
 我が国の部門別のCO2排出量につきましては、エネルギー消費ベースで見ますと、三五%が産業部門、約一九%が運輸部門、約三二%が業務・家庭分野となってございます。
 部門別の温暖化対策につきましては、経団連ほか運輸、産業、業務に関わる百十五もの業界団体において二〇一三年から低炭素社会実行計画を実施いたしまして、二〇二〇年及び二〇三〇年の削減目標を設定するだけではなく、低炭素製品、サービスなどによる他部門貢献、海外での削減貢献、革新的技術の開発、導入、この四つの柱に関しまして、毎年PDCAを回して取組を進めてきたところでございます。
 政府といたしましても、地球温暖化対策計画におきまして低炭素社会実行計画を産業界における対策の中心的役割として位置付けまして、産業界の自主的な取組を尊重しつつ、毎年度フォローアップしているところでございます。
 経済産業省所管の産業部門、エネルギー転換部門におきましては、産業構造審議会に業種別に七つのワーキンググループを設置いたしまして、毎年度取組が進捗していることを確認してございます。その成果といたしまして、経団連が実施いたします二〇一九年のこの計画のフォローアップ調査によりますと、二〇一三年度から二〇一八年度の五年間で、全部門合計で約一〇・五%の削減を実現してございます。
 運輸や業務部門といった他省庁所管が多い業種に関しましては、業界ごとの自主的な取組に加えまして、住宅の省エネ化、低炭素物流の促進、国民運動の展開などを実施していると認識してございまして、関係省庁と連携して地球温暖化対策を着実に進めてまいりたいと思っております。

#135
○浜野喜史君 電力発電分野のみならず、温室効果ガス排出の全体像を踏まえて対策を考えていく必要があるということを強調しておきたいと思います。
 とはいえ、電源構成、とりわけ石炭火力発電所の在り方に注目が集まっているのも事実であります。
 まず、我が国の石炭火力発電所利用について国際的に批判がなされてきたというようなメディアの論調がありますけれども、国際会議などで国際的機関や他国の政府等から批判されたことがあるのかどうか。加えて、石炭火力発電について、例えば禁止するといった国際的な約束、取決めがあるのか、確認をさせていただきたい。
 その上で、今後、石炭火力発電を禁止するといったような国際的な約束がなされる可能性があると考えておられるか、見解を伺いたいと思います。

#136
○政府参考人(山下隆一君) お答え申し上げます。
 COP25の場におきましては、石炭に関しましては、グテーレス国連事務総長からそのスピーチの中におきまして石炭中毒との批判がございました。ただし、その際、特定の国名を挙げての言及はございませんでした。そのほか、国際的なNGOなどによる批判があったことは承知をしてございます。
 もう一点の、今後の国際的な約束、取決め、この点につきましては、例えばパリ協定におきましては、基本的な考え方は、世界全体で温室効果ガスのネットゼロを達成するという目標を共有しながら、それぞれの国の目標につきましては各国の事情に応じて定め、それを締約国間で定期的にレビューしていくことで削減を進めていくというものでございます。パリ協定はこうした考え方に基づいて構成されておりまして、その具体的な条文において、各国の排出削減の方法について言及する規定や、石炭火力発電などの特定の発電手段について規定する条項は存在しないものと理解してございます。
 世界には、いまだ電力を利用できない人々が十億人近く存在しまして、特にアジア、アフリカでは安価で手に入れやすい石炭から電力を得ようとする国が多いのも事実でございます。こうした観点も含めて、COPの場におきましては今後も様々な立場から議論が行われるものと考えてございまして、一律に将来の可能性を見通すことは困難でございます。
 ただ、少なくとも現時点におきましては、石炭火力発電の廃止に関する国際的なCOPにおける総意に基づく決議がなされたという事実はございません。また、パリ協定以外の国際的な約束、取決めにおいて、現状そのような取決めがあるという事実は承知してございません。

#137
○浜野喜史君 先々のことは断定はできませんけれども、アジアだけを見ましても、インド、インドネシア、ベトナムを始め新興国が建設、計画を続けております。国際的に禁止するといった合意が将来的に成り立つとは考えづらいと私は思っております。
 次に、火力発電所に関わる技術開発について伺います。
 発電所から排出される二酸化炭素を回収、貯留、また有効活用するCCUSといったような技術の社会実装に向けた研究開発が進められております。どのような技術なのか説明をいただくとともに、国内での研究開発の状況について説明をいただきたいと思います。
 その上で、今研究開発が進められておりますような、このような官民で取り組んでいるCCUSなどの革新的技術、さらには高効率の石炭火力を始めとした先進的な技術、これらを国際的に展開していくことこそが我が国の地球温暖化対策への貢献ではないかというふうに考えておりますけれども、見解を伺います。

#138
○政府参考人(南亮君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘のCCUS、カーボンリサイクルという技術ですが、これは、大気中へのCO2排出を抑制するため、排気ガスなどからCO2を分離回収しまして、地下に貯留又は有用なものとして再利用する技術であります。これは二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けましてキーテクノロジーであると、そのように考えております。
 既に、こういった中で、CO2を原料としたコンクリートは実用化に成功しておりますし、また、CO2を吸収する藻によるバイオジェット燃料生産についても実証が始まっております。また、水素と反応させてメタンを合成するメタネーション技術についても実用化に向けた研究が進んでおります。他方、CO2の貯留につきましては、低コスト化に向けた安全管理技術の確立を目指し、研究開発を行っているところであります。
 今後とも、コンクリート、燃料、化学品等の多様な分野でのカーボンリサイクル技術を確立するとともに、二〇五〇年時点では製品の用途を汎用品まで拡大し、更なるコスト低減や社会実装することを目指してまいりたいと思います。
 また、国際的展開につきましては、地球温暖化対策というのが地球規模の問題ということもございまして、世界の実効的な脱炭素化に責任を持って取り組むという観点から、本年七月の経協インフラ戦略会議におきまして石炭火力輸出支援の厳格化を決定したところであります。この中で、エネルギー安全保障や経済性の観点から石炭火力を選択せざるを得ない国に対しましては、脱炭素化に向けた行動変容を図ることなどを条件としまして、我が国のトップクラスの石炭火力発電技術について支援することとしております。
 また、CCUS、カーボンリサイクル技術につきましても、昨年に続いて本年十月には国際会議を主催しまして、日米間で新たな協力覚書を締結するなど国際連携を強化しつつ、社会実装に向けた技術開発に取り組むことを確認しているところでございます。
 引き続き、世界の脱炭素化に向けまして、革新的技術開発の国際展開も含めて、実効性のある政策を進めていきたいと思っております。

#139
○浜野喜史君 石炭火力における革新的技術を海外展開することは日本の世界への貢献になり得るということを強調しておきたいと思います。
 次に、大臣にお伺いいたします。
 七月に大臣が非効率石炭火力についてフェードアウトを確かなものとする方針を打ち出し、検討が進められていると承知をいたしております。
 関係する職場、とりわけ石炭火力だけを保有する企業の職場からは、この会社であと何年働けるのか、その先はどうなるのか不安だ、非効率石炭火力のフェードアウトは国策かもしれないが、強制するのであれば、その後の働き先も国策で保障してほしいといった切実な声が上がっております。検討に当たりましては、北海道、沖縄を始め、各地の電力の安定供給及び雇用や地域経済などへ与える影響を考慮すべきではないかと考えますけれども、見解を伺います。

#140
○国務大臣(梶山弘志君) 脱炭素化という世界的な潮流の中で、CO2総排出量の二割を占める石炭火力発電からのCO2排出削減に取り組む必要があります。このため、エネルギー基本計画に明記された、これ二年前の二〇一八年の第五次エネルギー基本計画ですけれども、非効率石炭火力のフェードアウトの実現が重要であると考えております。
 一方、石炭火力は電力供給を支える重要な電源でもあるとともに、地元雇用や地域経済を支える役割もあり、休廃止による影響を懸念する声があることも十分に承知をしております。
 現在、経済産業省の審議会で非効率石炭火力のフェードアウトの検討が行われておりますが、国として二〇五〇年カーボンニュートラルを目指す以上、地域による例外は認めないというのは基本方針であります。他方、安定供給を損なわない形で進めていくことが大前提でもあり、引き続き様々な御意見に耳を傾けながら丁寧な議論を重ねてまいりたいと思っておりますし、雇用に関しては特に重要だと思っておりますので、ヒアリングをしながらしっかりと対応をしてまいりたいと思っております。
 非効率の石炭火力はフェードアウトをしていきますけれども、高効率のものはまだ残るということでもあります。ただ、高効率のものも、CO2の分離回収という技術もありますし、例えば水素とかアンモニアとの混焼という形でCO2の率を、比率を低減させるという方法もあります。こういった技術開発も含めて、しっかりと対応してまいりたいと思っております。

#141
○浜野喜史君 石炭火力の関係、一括してあと二つお伺いいたします。
 石炭火力発電について、ドイツにおきましては、早期に廃止する事業者に対しても補償を行うなどのインセンティブを与えていると承知をいたしております。我が国におきましても、事業者の財産権や財務面での影響に一定の配慮が必要であると考えますが、見解を伺います。
 加えて、鉄鋼、化学、セメント、製紙等の産業におきましては、石炭を利用し自家発電を行い、それと熱利用、物品製造を一体的、効率的に運用して競争力を維持しているという実態があると承知をいたしております。こうした各産業の競争力などへ与える影響を十分に考慮をし、検討すべきであると考えておりますけれども、見解を伺います。

#142
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 まず一点目の、ドイツの事情を踏まえた日本での対応でございますけれども、御指摘のドイツにつきましては、今後、石炭火力を段階的に廃止していき、二〇三八年までに全廃する方針を示してございます。その中で、褐炭火力、一般火力等のカテゴリーごとに廃止の時期及び補償の措置といったものを定め、発電所の廃止ということを進めているというふうに承知してございます。
 我が国において非効率石炭のフェードアウトを検討していくに当たりましては、他国とネットワークがつながっております欧州と異なりまして、島国である我が国における電力の安定供給をどう確保していくかということを併せ考えていくことが大変重要だと考えてございまして、従来から行ってきております省エネ法を通じました事業者の自主性を基本としたアプローチ、これを踏まえた、これを活用した事業者の電力事業の実態を踏まえて、これを考慮したフェードアウトの方策ということを考えていく必要があるというふうに考えてございます。いずれにしましても、どのような仕組みが必要なのか、関係者の意見を聞きながら丁寧な議論を進めていきたいと考えてございます。
 あわせて、製造業の中での自家発での活用等についてのお尋ねでございますけれども、石炭火力発電は社会への電力供給を支える重要な電源であるとともに、製造業におきまして競争力ある製造プロセスを支える安価で安定的な電源として重要な役割を持っているということもよく認識しているところでございます。
 一方、その際にも、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けては、非効率な石炭火力をフェードアウトさせていくというエネルギー政策上の要請にもしっかり応えていくことが必要だというふうに認識してございます。
 現在、審議会の中において検討を行っているわけでございますが、その中では、石炭火力を多く利用します鉄鋼、化学、セメント、製紙の各業界団体の方々にもオブザーバーとして参加していただいてございまして、各業界の実態をよく把握した上で、事業者のヒアリングも実施しながら検討を進めてまいりたいと、丁寧に進めてまいりたいと考えてございます。

#143
○浜野喜史君 時間も迫ってまいりましたので、あと二問、大臣にお伺いをして終わりたいと思いますけれども、一つ目は、第六次のエネルギー基本計画についてであります。
 二〇五〇年カーボンニュートラル、打ち出した中での計画であり、極めて重要なものであると認識をしております。
 基本計画について三点申し上げます。一つは、電力発電分野に偏らず、産業、運輸、業務・家庭など全分野にわたる計画であるべきと考えます。二つは、我が国が資源小国であるという現実を踏まえ、再エネ及び石炭火力や原子力といった多様な選択肢を保持した計画であるべきということであります。三つ目には、更に技術革新をいかに生み出していくかが鍵でありますけれども、それには不確実性もあるということをしっかり踏まえた計画とすべきであると考えております。
 二〇五〇年への移行期の姿を決め付けてしまうべきではないと考えておりますけれども、見解を伺います。

#144
○国務大臣(梶山弘志君) 日本は資源の少ない国であります。また、電力につきましても、ヨーロッパのようにネットワークが張り巡らされているということでもなく、また海底でのケーブルがあって他国から電力を輸入するという国でもないということでありますから、全ての可能性、全ての手法というものを追求をしていかなければならないと思っております。その上で、電力のみならず、産業、運輸、業務・家庭部門の需要側としてもしっかりと省エネ等の対応をしていかなければなりませんし、イノベーションが不可欠であると思っております。
 脱炭素化された電気の利用と電化を進めて、さらには水素、カーボンリサイクルなども活用するなどあらゆる選択肢を追求していくということでありますが、イノベーションだけを頼り切っているわけではありません。やはり不確実性があるということでありますから、現状の延長の技術であるとか取組であるというもの、例えば送電線のルールの見直しも含めたそういう現実的なものも含めてどうしていくか、そして、そのイノベーションに関しましてはある程度の期間を見ながら取捨選択をしていく、また、どこに注力をしていくかということを考えていかなければならないと思っておりますし、委員おっしゃるように、しっかりとした視点を持って対応をしてまいりたいと思っております。

#145
○浜野喜史君 最後に、容量市場について大臣にお伺いをして質問を終わりたいと思いますけれども、この二〇二四年度分入札が七月に行われまして、容量市場がスタートをいたしたわけであります。社会的にも様々な意見があり、制度そのものの必要性を問う意見すらあると承知をいたしております。
 そこでお伺いしたいんですけれども、そのような議論が浮上する理由の一つは、私は政府の説明不足があるのではないかと認識をいたしております。電力卸取引所における取引は燃料費コストだけで価格付けした電力を発電事業者が供出することによって成り立っているということは、社会的には余り知られていないというふうに思います。表現を変えれば、多くの新電力が本来負担すべき電源固定費を支払うことなく電力を調達しているということであります。このような状況が続きますと、建設費、人件費などを発電事業者は回収できず、安定供給のために必要な発電所の維持が困難となります。こうした状態を解消するための第一歩が容量市場であるというふうに理解をいたします。
 こういうことを政府は率直かつ丁寧に説明すべきではないかと考えますけれども、大臣の見解を伺います。

#146
○国務大臣(梶山弘志君) 今御説明ありましたように、容量市場は中長期的な供給力不足への対処、また再生可能エネルギーの主力電源化を実現するための調整力の確保の手段として行っているものであります。
 電力の自由化が進展する中で、卸売市場の取引の拡大やFITでの支援する再エネ電気の量の拡大に伴って卸売市場の電気の価格が低下をしているのも事実であります。その結果、小売市場の販売競争が激化する一方で発電設備の維持費用等の回収に困難が生じていることから、電力自由化で先行する欧米の例に倣い容量市場を導入することといたしました。
 これまではその費用分を見ていないわけでありますから、二〇二四年からの分をしっかりと見ていきましょうということで、ここからが健全な市場になるような取組としての容量市場の導入であるということであります。
 これまでも容量市場の実施主体における広域機関において全国で説明会を開いておりますけれども、ホームページ上、解説サイト等を設けるなど、容量市場の導入、背景、意義などを発信をしてきておりますけれども、先般の第一回目の入札の後、いろんな議論がありました。新聞でも取り上げられました。私どももしっかりと説明をしていかなければならないということを改めてまた感じたところでありますので、委員の御主張のように、しっかりと国民の皆様にも御理解いただけるような趣旨でしっかりこの制度について説明をしてまいりたいと思っております。

#147
○浜野喜史君 終わります。ありがとうございました。

#148
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 長引くコロナ禍で、多くの中小・小規模事業者、そして個人事業主の方々から、このままだったら年を越すことができない、こういう悲鳴が本当に多く上がっています。
 宮城県の商工団体連合会で、宮城県内の中小業者の方々から話をお聞きしました。東松島市で民宿をやっているという方は、三月から七月前半は一日中電話が鳴らない日が続いて、東日本大震災のときよりも大変だった、海水浴も禁止となって、常連客も次々とキャンセル、東京からの宿泊がゼロになったショックは大きかった、こういう話をお聞きしました。
 御夫妻でエステを経営している方からは、売上げは半分以下、エステの優先順位は一番最後、お客さんのために何とか続けたいけれども、お金を借りるに借りられない、年を越せるか心配だ、こういう声が寄せられて、塩竈市のあるビルでは、十軒ほどスナックが軒を連ねていたんですけれども、全て撤退をすると、こういうことが起きていたり、仙台市内でレストランを経営していたんだけれども、消費税の増税でダメージを受けていたところにコロナが重なって廃業をして、新しい仕事に就いたんだけれども、店主が妻子を残していなくなった、もう生きるか死ぬかの状況になっているんだと、こうした実態が次から次へと出されました。
 営業継続の努力を続けているんだけれども、持続化給付金はもう使い切ってしまったと、こういうのが今皆さんの実態なんですよね。大臣は、この給付金の継続ということについて、今後については内外における感染状況や経済の動向を見極めたいと、こういうふうに答弁をしているんですけれども、コロナの感染が拡大をする下で、この持続化給付金を一回限りじゃなくて継続しなければもうとても事業続けられないというのが実態なんですよね。
 これ、再給付を是非決断していただきたいんですけど、どうでしょうか。

#149
○国務大臣(梶山弘志君) 持続化給付金に関しましては、今年の五月から始まった制度でありまして、これまでに約四百万件の方が申請をしておられる、そして約五兆円のお支払をしているということであります。
 そういった中で、今も申請者があって、しっかりとできるだけ速やかにお支払をするような形で対応してきているところでありますが、中小企業の対応、小規模事業者の対応ということでは、多層的に様々な手段を取ってきておりますし、それぞれに向いたまた対応を、選択肢を選んでいただければと思っておりますけれども、それでも足りないという声も十分に私の方にも届いているところであります。
 今回の感染がまた拡大をする中で、例えば大阪であるとか札幌であるとか、非常に多くの感染者、重症者が出ているという中で、行政がしっかりとまた何かしらお願いをしなくちゃならないという場合に、協力要請推進枠というものが先週創設をされまして、五百億円の枠で対応しているということでありますが、そのほかにも地方創生臨時交付金ということで、県や市町村の対応に委ねる形でこれまで二回にわたって三兆円の予算を組んでいるところであります。
 地方の実情というのは地方がやはり一番分かっているところもあり、全国一律というよりも、感染状況などを見ながら対応していただきたいということで今回の協力要請推進枠の創設をしたところでありますけれども、これのみならず、これに限らずにしっかりと対応できるような今対策というものを議論をして、できるだけ早くその実施に向けて対応してまいりたいと思っております。

#150
○岩渕友君 今、多層的というお話あったんですけれども、お金を借りるに借りられない状況だと、何回ももう借りてきているということで、年をこのままじゃ越せないという声があるのも事実なんですよ。
 今お話にあったような、その時短要請なんかに合わせたお金ということで追加は決めているということなんですけれども、やっぱりそれだけではなくて、この給付金の継続が必要だというのが現場の皆さんの本当に切実な願いなんですよね。これをやっぱり強く求めるとともに、地域やその業種の実情に合わせてということでいうと、その事業を継続、維持するための新たな給付金制度とそのための交付金の支給、これを強く求めたいというふうに思います。
 今お話をしたように、事業者の皆さんの実態、切迫しているんですよね。持続化給付金の確実な給付とともに、対象になっていない事業者の皆さんを対象にする必要があります。
 いわゆるみなし法人についてなんですが、六月の閉会中審査の中で大臣から、調査をすると、こういう答弁があって、実際に調査そして検討が行われました。その結果、中小企業庁から、事業性が低い法人もあって線引きが難しいと、こういうふうに言われたんですけれども、継続して事業を行って、収益を上げているかどうかというのは実態見れば分かるんだと、一つ一つをよく見て審査してほしいという声がその後も寄せられているんですよね。
 実際、中小企業庁が関係の省庁にいろいろ聞き取りも行っていると。その中で、道の駅なんかは事業の実態確認できると、こういう話だったというふうにも聞いています。事業性があって、コロナ禍で売上げが落ちているのに、線を引くのが難しいから対象にならないんだというふうに言われても、これ、やっぱり納得できないんですよね。
 前回の質疑でも取り上げました福井市の競輪場売店組合ですけれども、ここは結成から五十年以上です。飲食店が集まって組合をつくって、売店で複数の飲食店が営業をしています。
 これ、資料一を御覧いただきたいんですけれども、これ、上の写真は競輪場内の案内図ということで、そこにもちゃんと食堂のコーナーが明記をされています。この下の写真は食堂の中の様子なんですけれども、こうしてお店が並んでいるというような状況なんですよね。これを見れば営業しているということはもう一目瞭然なんですよ。全国商工団体連合会を通して私のところにこうした資料が来たんです。これ、四十枚あって、本当は皆さんに全部見ていただきたいぐらいなんですけれども、こうした写真が何枚も入っていたり、収支計算書であるとか出勤簿もあるんですよね。
 先日、中小企業庁との交渉の中では、担当の方に同じ資料を渡してあるんですけれども、法人番号もあって法人税も納めているのに何で申請すらできないのかと、今も全国から訴えが届いています。中小企業庁とのやり取りでは、事業の実態を確認するために一つ一つの現場に足を運ぶことは難しいんだというふうにずっと言われているんです。だから、事業者が自分たちでこうした写真を撮って、事業の実態示しているということなんですよ。こういった形で事業の実態を明らかにできるんですよね。
 線引き難しいというんですけれども、事業の実態をこういった形で確認できると。確認できるみなし法人から対象にしていけばいいのではないでしょうか。

#151
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 持続化給付金でございますけれども、新型コロナウイルス感染症の影響で大きな影響を受けている方に対して事業の継続を下支えすると、再起の糧とするということを趣旨としております。この観点から、事業の永続性であるとかあるいは個人財産との混同を防ぐ観点から、法人格があるということを要件としております。
 お尋ねのみなし法人でございますけれども、いわゆる任意団体であるとかあるいは人格なき社団等と、こういうカテゴリーでございます。その中には、その多数は共済組合であるとかマンション管理組合であるとか町内会であるとか幅広いものが含まれるわけでございます。こうした団体は、構成員の福利厚生、それから共用の施設の管理であるとか相互交流を行うものが大多数でございます。こうした団体は、構成員からの会費などによって活動費が賄われるべきものであって、公、公費による支援はなじまないというふうに考えております。
 ただ一方で、御指摘のような農産品を販売を行うグループであるとか、不特定多数に対して財・サービスを提供する株式会社類似の団体、これはございますけれども、こうしたものは少数でございます。これは法人の番号やその団体の名称から識別することはできません。
 このような人格なき社団などの実態は極めて多様でございます。所管省庁においては、その実態把握の状況は様々に異なります。道の駅の例を挙げられましたが、そういった公の制度によって把握しているものというのはごく一部でございまして、こうした人格なき社団の活動内容を一つ一つ分類して給付の是非について判断する、現地で確認するということは私どもにとっては現実的ではなく、持続化給付金の対象に含めることは困難というふうに考えております。
 一方で、地方自治体などにおきましては、人格なき社団などの個々の事業実態を現地で確認できる、把握できるという強みがございます。そうしたことで、現地の当該地域でのその団体の活動が重要であるといった意義を踏まえて、独自に給付金であるとか補助金であるとかの支援措置を講じている自治体も実際にございます。
 今回、地方創生臨時交付金なども御活用いただきながら、それぞれの団体の地域における様々な活動が支援されるということで、こういうことが重要であるというふうに考えております。

#152
○岩渕友君 寄附金等を主な収入源とするNPO法人も、九月二十九日から持続化給付金の対象になっています。約二万法人あるそうなんですけど、所管の内閣府が事前確認事務センターを新設していて、ここで事前確認を受けた後、持続化給付金の事務局に申請をするという流れになっているんですね。この事務センターには、十一月上旬時点で百件を超えるアクセスがあったということを聞いています。みなし法人も同じ二万社なんですよね。
 寄附金等を主な収入源とするNPO法人を対象としたように、みなし法人も対象にするべきです。どうですか。

#153
○政府参考人(奈須野太君) NPO法人でございます。NPO法人につきましては特別の法律がございまして、その法律に基づいて法人格がございまして、所管官庁による監督もございます。こうしたNPO法人につきましては、従来から持続化給付金の対象となる法人ということで、その事業収益などを売上げの基準としているということでございます。その計算方法として、寄附金なども売上げに含められるよう算出方法を変更したという経緯がございます。
 人格なき社団などを持続化給付金の対象に追加するということとは性質が異なるというふうに考えております。

#154
○岩渕友君 先ほど答弁にあったように、公で確認できる部分もあると。確認できない部分は、こういうふうに事業者の人たちが写真を出してきて、大変だからということで、でも事業やっているんだということで、こういうふうに出してきているわけですよね。
 これ、これまでもいろいろ調査もしていただいているし、現場に足を運んでいただいているのも分かるので、更に知恵出していただきたいんですよ。更に知恵出して何とか対象にしてほしいんですよ。大臣、どうですか。

#155
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど申しましたように、これ四百万件からの申請があるわけですね。そういった中で、やはりある程度の線引きはしなくちゃならないということでもあります。
 そして、一件一件確認に赴くというような形ではなかなか迅速な対応というのはできない。そういった中で考えられる手段というのは、地方創生臨時交付金等で地方が、やはり自治体がしっかり把握できるということであって、また、この地域によって必要だということであれば、それらも支払えるような交付金になっておりますので、その中で対応していただくというのが私どもの考え方であります。

#156
○岩渕友君 これ、本当に知恵出していただいて、是非対象に含めるように引き続き検討してほしいということを強く求めておきたいと思います。
 次に、ALPSで処理をされた汚染水の取扱いをめぐる問題についてお聞きをいたします。
 この二月にALPS小委員会の報告書が出てから、これを受けて、福島県内では、県議会のほかに四十一の市町村議会で、これ七割に当たる議会になるんですけれども、海洋放出に反対若しくは慎重な対応を求める意見書が相次いで上がっています。四月から七月末までに行われたパブリックコメントは四千件以上に上っているんですよね。これを、一つの意見にいろんな意見が入っているということで、意見ごとに切り分けて集計した意見の総数というのは八千件を超えています。海洋放出への懸念が五千件を超えるということで、海洋放出の決定など、とてもできるような状況ではありません。
 二〇一五年八月に、福島県漁連が、サブドレン水等の排水に対する要望書を東京電力と政府に提出をしています。この中に、建屋内の水は多核種除去設備等で処理をした後も、発電所内のタンクにて責任を持って厳重に保管管理を行い、漁業者、国民の理解を得られない海洋放出は絶対に行わないことという要望があります。これに東電は何と回答をしているか、該当部分だけを読み上げてください。

#157
○参考人(小早川智明君) 東京電力ホールディングス、小早川でございます。ただいまの先生からの御質問に御回答いたします。
 二〇一五年八月に、福島県漁業協同……(発言する者あり)はい。
 要望書の四点目につきましては、建屋内の汚染水を多核種除去設備で処理した後に残るトリチウム水を含む水については、現在、国(汚染水処理対策委員会トリチウム水タスクフォース)において、その取扱いに係る様々な技術的な選択肢、及び効果等が検証されております。また、トリチウム分離技術の実証試験も実施中です。検証等の結果については、漁業者を始め、関係者への丁寧な説明等必要な取組を行うこととしており、こうしたプロセスや関係者の理解なしには、いかなる処分も行わず、多核種除去設備で処理した水は発電所敷地内のタンクに貯留いたしますと回答させていただいております。

#158
○岩渕友君 資料二を御覧いただきたいんですけど、このとおりとなっています。
 東電に聞くんですけど、この回答を守るという立場に今も変わりはないということでいいですね。これ、確認します。

#159
○参考人(小早川智明君) 当社といたしましては、廃炉・汚染水対策を安全かつ着実に進めていくに当たり、リスク低減に向け安全対策の取組や作業状況などについて地元を始め広く社会の皆様にしっかりとお伝えし、御理解いただきながら進めていくことが重要だと考えております。
 また、処理水の扱いにつきましては、二〇二〇年二月に取りまとめられました国の小委員会の報告書を受け、国が立地自治体や関係省庁との意見交換、御意見を伺う場や書面での意見募集などを行い、これら様々な機会を通じて得た御意見を踏まえて、今後国から基本的な方針が示されるものと認識しております。
 この基本的な方針につきましては、こうした幅広い関係者の皆様の御意見を踏まえて関係省庁で検討がなされた上で国として責任を持って出される結論と認識しており、当社といたしましては、これに従い、丁寧なプロセスを踏みながら適切に対応してまいる所存でございます。
 当社は、今後、引き続き情報を正確に伝えるためのコミュニケーションや風評の払拭、福島県産品の流通促進の取組を進めてまいりますが、その際には、国から示される基本方針の具体的内容を踏まえた上で、関係者の皆様に御理解を深めていただけるよう、取組を更に充実してまいりたいと考えております。

#160
○岩渕友君 今の答弁でいうと、じゃ、国が海洋放出という方針決めたら、県漁連との約束はほごにしてもいいというふうに考えているということなんですか。

#161
○参考人(小早川智明君) 繰り返しになりますが、今後国からお示しいただく基本的な方針は、国の小委員会で長期にわたる御議論を経て報告書を取りまとめられたこと、また、国主催の御意見を伺う場が設けられ、ここでの多くの関係者の御意見を踏まえて出された結論であり、当社といたしましては、これに従い、丁寧なプロセスを踏みながら適切に対応してまいる所存であります。
 当社といたしましては、計画的なリスク低減を実現しつつ、透明性を確保し、関係者の御理解をいただきながら廃炉を進めることにいささかの変わりもなく、風評対策も含めて、引き続き関係者の御理解を深められるよう努力を続けてまいります。

#162
○岩渕友君 全然答えていないし、これ、約束破ってもいいと思っているということ、回答にあったということになるんじゃないんですか。
 これ、資料三を見ていただきたいんですけど、これ全漁連が第一原発事故に伴う汚染水の海洋放出に断固反対をする特別決議というもので、六月二十三日に全会一致で採択をされたものです。これ、非常に重いものです。
 ここの中には、国も漁業者に対して、汚染水について関係者の理解なしに放出は行わないとする方針を遵守していかなければならないと回答してきたというふうにあるんですね。
 大臣も全漁連の要請受けていると思うんですけれども、この関係者の理解なしに放出は行わないという立場に変わりはないということでいいですか、大臣。

#163
○委員長(有田芳生君) 最後に、梶山国務大臣。

#164
○国務大臣(梶山弘志君) 先般、全漁連から十月十五日に要請書を頂戴をいたしました。地元を始め関係者の御理解を得られるよう努力し続けることが大切という考え方は一貫して変わりません。受け取ったからそれで終わりということではなく、理解を得るための活動をしっかりとしていくということであります。

#165
○委員長(有田芳生君) 時間ですのでおまとめください。

#166
○岩渕友君 はい、分かりました。
 漁業者の皆さんは海洋放出絶対反対と言っているわけで、意見聞くということはその声聞くということになるんですよ。
 海洋放出は絶対にあってはならないということを求めて、質問を終わります。

#167
○ながえ孝子君 碧水会のながえ孝子です。
 去る十一月の二十日、日本も気候非常事態を宣言いたしました。これから総力を挙げて温室効果ガスを削減していくということなんですが、このためにエネルギーを転換していくことと、地域に雇用を生み出して地域を元気にしていくという課題とを重ね合わせて解決をしていくということが政治の使命ではないかと思っています。
 そういった意味でも、地方にあふれている日差しをエネルギー源として活用する太陽光発電、地域の農業の振興と重なるソーラーシェアリングなども活用して、もっともっと増えていってほしいと願っているんですが、一方で、地域回っていると、こんな声を聞くことも増えてまいりました。いつの間にか住宅地の上の山の木が伐採されて、急傾斜地に太陽光パネルが設置されていて、どうも何か放置されているようだと。
 確かに、回っていると、急傾斜地に、えっ、こんなところにというところに太陽光発電所が見かけることも多くなってきたなと思っているんですが、再エネが主力電源になる上で、最大のシェアを占めている太陽光発電の施設が何かまるで迷惑施設のようなイメージを持たれるというのは非常に残念ですし、設備の放置や不法投棄の懸念を残したままでは、導入拡大というのは困難です。
 それで、さきの通常国会でも、この太陽光パネルの廃棄費用を確実に積み立てるために、撤去費用の外部積立てというのを義務化いたしました。二〇二二年からの実施ということなんですが、でも、責任の所在をより明確にするためには、これ、現行では経済産業大臣が積立対象区分を指定して、これに当たる場合に撤去費用を積み立てなければならないということなんですが、もう一歩進めて、これ、発電事業計画認定いたします、そのときに、もうガイドラインでこの撤去用の費用を保険加入というのを義務付けてしまいまして、保険加入を確認した上で認定するようにした方がいいのではないかと思うんですが、この点、大臣、いかがでしょうか。

#168
○政府参考人(茂木正君) お答え申し上げます。
 まず、発電事業終了後の太陽光発電設備の解体、廃棄、これは基本的には廃棄物処理法に基づきまして事業者自身が責任を持って行うということが原則でございます。ただ、多様な事業者が参画しまして事業主体が変更されやすい太陽光発電に対しては、将来、放置とか不法投棄、こういった懸念があるということは私どもも認識をしております。
 このため、今御指摘があったとおり、再エネ特措法を改正しまして、二〇二二年の四月にこれ施行されますが、それ以降、事業用太陽光発電を対象にしまして源泉徴収的な外部積立て、これをしっかり原則として行うということにしております。積立額につきましても、廃棄物処理を行う事業者へのアンケート調査によって得られた廃棄処理費用を踏まえると、今申し上げたような制度で適切な水準が確保できるというふうに考えています。
 その上で、今先生から御指摘がありました保険のことでございますが、こちらの保険加入につきましても、二〇一七年に私どもが実施した調査によりますと、これ、高圧、特別高圧の事業者約八割が保険に加入をしています。それから低圧の事業者、これは約六割が火災保険に加入しているところであります。
 そういった中で、近年は確かに自然災害なども多発しておりますので、こうした状況を踏まえまして、更なる保険加入を促すという観点から、今年の四月に、再エネ特措法の事業計画策定ガイドラインに基づきまして、火災保険それから地震保険等への加入を努力義務化したところであります。
 今後、こうした対応を通じて事業者の取組をしっかり注視をしてまいりたいと思いますので、引き続き、こうした対応によって太陽光発電の適切かつ確実な廃棄処理あるいは管理というのをしっかり促してまいりたいというふうに考えています。

#169
○ながえ孝子君 あくまで努力義務なんですよね。この問題というのは、多分、全国的に広がってきている問題だと思いますので、しっかりとそれが確認できないと認定下ろさないぞというぐらいやっぱり強い態度を示すことが、ひいては再エネの拡大につながっていくんではないかと思いますので、検討をよろしくお願いをいたします。
 それでは、コロナ支援の質問に移らせていただきます。
 大臣も、質問がずっと続いていますので、中小企業あるいは個人事業主の皆さんが今大変苦しい状況にあるということは十分御認識されていると思います。
 愛知の中小企業家同友会のアンケートによりますと、手元の自己資金と追加融資で耐えることができる期間はという問いに答えているのが、一か月から三か月だという答えが一六・四%、そして四か月から六か月だという答えが二八・六%。つまり、合わせると四五%、半数近くが半年しかもたないという答えなんですよね。で、半年たちました。更に長期化、長期戦になるぞというふうな、見通しも暗くなっております。
 持続化給付金に続く家賃支援の給付金なんですけれども、実績の方は、先ほどの質問で、午前中の質問で七十万件の申請で五十五万件辺りですか、給付が行ったということなんですが、この予算の消化率ですよね、当初から低いという指摘がされていましたけれども、現状どうでしょうか。

#170
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 家賃支援給付金でございますけれども、先週末二十日の段階で、約七十一万件の申請に対して八割の五十五万件、四千九百億円が給付済みでございます。
 この家賃支援給付金の予算でございますけれども、感染状況の拡大をも想定して余裕を持って設定しておりますので、これは消化すべきものとは考えておりません。
 ただ一方で、この予算に対する給付額、こういったものを単純にその給付のための二次補正での予算額と比較した場合には、およそ三割に当たるということでございます。これは想定よりも申請件数が少ないためということでございます。

#171
○ながえ孝子君 そうなんですよね。どうも、ちょっとやっぱり事業されている皆さんにとってはハードルが持続化給付金と違って高かったんじゃないかなというふうにも受け止めています。
 私、地元でいろいろお話聞いていて、あ、都会と地方って状況違うんだなと感じたことがあるんですね。都会ですと高い家賃を支払っていい場所で事業をするということが大事になるかと思うんですけれども、地方だとちょっと違っていて、やっぱり地元の信頼を得て常連客をたくさん確保していくということが重要になりますし、そういう信頼関係をつくる上では、この町で頑張っていくんだという意気込みを示して、頑張って、土地それから建物、ローンを組んで購入してやるという方も多いんですよね。そうすると、この家賃支援は使えないという事業者が多いんですよね。
 そんな店のローンを抱えたある料理店の主人の声を聞いてください。売上げは夏以降少し戻ったけれど、これまでの五割だ。GoToイートを使ってくれるのは結局常連さんで、常連さんが得をしてくれるというのはうれしいことなんだけれども、客層の広がりが戻ったわけではない。このまま第三波ということになると、忘年会、新年会など従来大きな収入源だったところが期待できない。持続化給付金、自治体の支援策、小口資金、使える支援策は全て使ってもう後がない。今のローンの上に、もうどうしてもとなれば借金はするけれども、そういう借金を重ねて、子供も三人いて家族をこれから養っていけるのか、とても不安だ。そんなことを考えたら夜も眠れないし、心が折れそうになる。今ニュースを見ていて、コロナで経済的な悩みから自ら命を絶たれる方が増えていると聞いたが、分かる気もすると。
 大臣、支援策も一巡しました。息切れ状態です。次なる策が必要です。先ほど、岩渕委員からも、持続化給付金、評判良かったんですよね、あれの継続的な制度ができないかという質問もありました。私も同様の気持ちでおります。
 そのお答えはもう聞かせていただいたので、じゃ、その持続化給付金ですよね、不正使用の問題もありましたから、そういう対策を講じて継続できる制度をつくるとか、あるいは第二弾を出すとか、これができない理由を教えてください。

#172
○政府参考人(奈須野太君) 持続化給付金でございます。持続化給付金は、戦後最大とも言える危機の中で、外出の自粛などにより売上げがゼロになってしまうような、とりわけ厳しい経営状況にある事業者の皆様の事業継続を支援するために、使途に制限のない現金を給付する前例のない思い切った施策でございます。
 また、家賃の負担、所によっては非常に家賃負担が、固定費が重いというところもございますので、そういった家賃の負担を軽減するための家賃支援給付金や、あるいは実質無利子無担保の資金繰り支援ということで、様々な多層的な対策を講じて、事業者の皆様が置かれている状況に応じて施策を講じているということでございます。
 今後とも、こういった感染状況の進展ということについてはなかなか予断を許さないところではございますけれども、状況を見極めながら、しっかりと事業者に対する支援策を検討して実行してまいりたいというふうに考えております。

#173
○ながえ孝子君 できない理由をお聞きしました。お答えがなかったので、できるんじゃないかというふうに思っておりますし、やっぱりそうやって、その家賃支援、形を変えて家賃支援にしたけれども、これは手を挙げる人が少ないということは、やっぱり使い勝手が良かったわけですよね、持続化給付金の方が。ということだったら、いい仕組みであれば継続できるような仕組みをまた新たにつくっていただけたらなというふうにも思っておりますし、私、今回、各自治体に協力金で任せるという方向性は私はすばらしいなと思っています。やっぱり地域によって事情は様々ですので、ここは自治体の出番だなというふうにも思うので、そういった方向であれば是非そこに力を入れていただけたらなというふうにも思っています。
 私、心折れる前にと申し上げましたように、事業者の心を守る国からのメッセージが大事だというふうに思うんです。コロナは災害です。ですから、災害のときと同じように、誰一人取り残さない経済復興をするんだという国のメッセージ、これ支援策ですよね、これの発信が重要だと思います。
 そういった意味では、八月三日から、日本政策金融公庫、商工中金が資本性の劣後ローンも供給するようになりました。私は、待ってましたと思いましたね。次はもう一歩前に進めていただいて、永久劣後ローンを国が後押しするようにすれば、経営者にとってとても強いメッセージになると思っております。
 この間、十一月の十日に梶山大臣も、当面、苦しんでいる人には手を差し伸べなくてはならず、融資や資本性の資金の提供など、経営が続けられるような対策のメニューをそろえていきたいとコメントを出しておられまして、心強く拝見をさせていただきました。
 この永久劣後ローンなんですが、初めて聞くという方もいらっしゃるかと思いますので、ちょっと説明いたしますと、三井住友銀行の名誉顧問の高橋温さんが提言をされています。返済の順位が最後ですね、低いんです。それで、負債ではなくて資本とみなされるので、資本増強にも近い位置付けとなります。永久劣後というのは、利子を払っていれば元本は返さなくてもいい借金という意味ですから、事業者は、無利子で借りても五年後に返済が始まるんだったら借りる勇気がないという方が多いですよね、そういった中では手の届きやすいということになります。
 高橋さんの提言では、窓口は地域の金融機関で、ここが受けると。ただ、金融機関にすると、事業が破綻すると債権の回収がほぼ困難となるために、もちろん審査は通常より厳格になります。その厳格な審査の上で、この金融機関が企業にお金を貸す、そしてその債権を国や政府系の金融機関が買い取る仕組み、まあ住宅支援機構のような感じでしょうかね、こういった仕組みをつくるように、高橋流に表現しますと、疑似資本の役割を果たす資金を中小企業に注入することが必要と言われていますが、こう提言をされています。
 私の地元の愛媛でも、中小企業家同友会の皆さんが、この永久劣後ローンに大変要望が強いといいましょうか、勉強会が開かれておりまして、私も参加させてもらっているんですけれども、経営者が心折れないような前向きに使える資金を全面支援してほしいという要請の声が大きくなっています。
 収束の見通しが立たないコロナ禍の中で、やっぱり今まではまさかと思っていた廃業とか倒産という選択肢が目の前に迫ってくる感じというのを経営者の皆さんお持ちです。こういうことが続きますと、中小企業のメーンバンクである地域の金融機関の経営にも影響が及びます。そうしますと、地域の資金調達力が低下して、そうなると倒産が増えて、そうなると雇用が減って、そして投資も減るぞという負のスパイラルを招きかねません。
 今はこういった経営者の心を守る支援も必要なんではないかと思いますが、梶山大臣、いかがでしょう。

#174
○国務大臣(梶山弘志君) 資本を増強するということで、毀損した資本をしっかりと増強するために劣後ローンがあるわけでありますけれども、これも二十年の長さでやっているわけですね。永久ということは期限を定めずにということなんでしょうけれども、二十年といってもかなり長いもので、これで中小企業まで含めた資本増強してほしいということをお願いをしておりますけれども、今の時点でなかなかやっぱり無期限で永久というのは、私自身はやっぱり難しいと思っております。
 そこに信用がどう絡んでくるかということだと思いますので、まあ二十年という中での資本劣後ローンを利用していただいて手を挙げていただく。そして、中小企業もこれを、多くの方が借りていますので、資本劣後ローンを導入しておりますので、是非そういった中での資本の充実というものを図っていただければと思っております。

#175
○ながえ孝子君 以前、アメリカがコロナの経済対策の目玉として三千五百億ドルもの予算を投じたPPPの質問を差し上げたことがあるんですけれども、私、この永久劣後ローンってPPPに似ているなと思っています。PPPというのは本当はローンなんですね、ローンの形なんだけれども、雇用を守るとか一定の条件を満たせばもうこれは給付になるよというようなものですよね。でも、それを満たさなかったらローンのままですから、不正給付の抑止ということにもつながってまいります。この永久劣後ローンも、ローンなんですけれども返済のプレッシャーが低いということで、どうも借金というのはこれ以上増やしたくないという経営者の気持ちに寄り添ったものであります。
 大臣がちゅうちょをされるというのもお気持ちはよく分かるんですけれども、安易な延命措置と言われかねないですよね。それに、モラルハザードを防ぐためにも、やっぱり地域の金融機関との関係が本当にしっかりでき上がっているとか長い付き合いがある、あるいは金融機関が財務状況を把握していてこれからも監視、チェックを続けるんだとかそういう条件を付けるとか、あるいは経営破綻によってこの企業がなくなってしまったら雇用が喪失するとか地域の経済に大きな影響を及ぼす可能性があるなど条件を付けるなどして、何かやり方はいろいろあるんではないかと思っています。ゾンビを生き長らえさせてもいかぬじゃないかという声もあるんですけれども、ここで地域になくてはならない健全な企業まで潰してしまっては、地域経済、この後再生できないと思うんですよね。
 ですので、是非前向きにお考えをいただきたいんですが、大臣、いかがでしょう。

#176
○国務大臣(梶山弘志君) 据置きのその資金需要というのがあるんですけれども、その据置きも皆さん結構短めに設定されているんですね。そういったものの条件の変更というものを柔軟にやるということ。
 それと、あと、金融検査での分類ということになってきますけれども、こういったものも今の時期、金融庁と一緒に文書を発出しておりますけれども、柔軟にやってほしいという中で対応をしているということでありますが、二十年以上のものの信用となるとなかなかやっぱり経済の仕組みの中では難しいのかなと、私自身、今お聞きして、すぐに感じるところではそうなんですが、まずは二十年でそのほかの方たちからの信用を得ていただきたいと、そして資本を増強していただきたいというのが私の正直なところであります。

#177
○ながえ孝子君 是非これから前向きに検討を進めていただければと思います。
 それでは、事業承継支援についての質問に移ります。
 既にコロナの前から、二〇二五年までに、七十歳を超える中小企業あるいは事業者の経営者が二百四十五万人いるから、今後、廃業が急増すると十年間でおよそ六百五十万人の雇用とおよそ二十二兆円のGDPが失われるという指摘がありました。でも、中小企業にとって、これは、経営者の問題ってすごく頭が痛いんですよね。どうしても先送り先送りをしてきた問題がコロナで表面化をして、経営者難による倒産も増加をしています。既に地域の方が何か意欲的に取り組んでいるところもありまして、私が聞いた例なんですけれども、第三者承継に結構意欲的に取り組む例も増えてきています。
 ある古くからその地域にあるおしょうゆ屋さんが後継者がいないので廃業をするという情報を聞いたお豆腐屋さん、豆腐メーカーが、異業種なんだけれども同じ大豆を使うということで、それじゃ、ちょっとうちやってみようかと、第三者承継でということで手を挙げて、このお豆腐屋さんは大豆の生産もやっているんですね、その土地で。ということで、地域にとっては大いに、まあ何か元気が出る話といいましょうか、いい話になっているんですけれども、こういう例を増やしていく、取組をやりやすくするためには、第三者承継、これを事業承継税制で後押しをすることが非常に重要だと思います。
 以前にもお聞きしたんですけれども、令和二年の税制改正では第三者承継を支援するための新たな税制の創設を目指しましたが、かないませんでした。引き続き、経済産業省として、これ税制改正要望していると思うんですけれども、見通しといいましょうか、意気込みでも結構です、お聞かせください。

#178
○委員長(有田芳生君) 時間が来ておりますので、簡潔におまとめください。

#179
○政府参考人(奈須野太君) はい。
 新型コロナウイルス感染症の影響で、企業の廃業、解散は、足下のペースでは五万三千件という過去最多となる可能性がございます。このことによって地域の貴重な人材や技術が失われてしまうというおそれがございますから、御指摘のような第三者承継を通じて引き継いでいくということの施策が重要かと思っております。
 昨年十二月に策定いたしました第三者承継パッケージに基づきまして、第三者による承継を後押しするため支援策を講じております。さらに、この上、中小企業の経営資源を集約化するという考え方で新たな税制措置の創設を要望しているところでございまして、昨年、この税制、うまくいかなかったわけでございますけれども、今年こそは何とかやりたいというふうに思っておりまして、現在、いろいろ関係当局とも議論を続けているというところでございます。

#180
○ながえ孝子君 是非頑張ってください。
 終わります。ありがとうございました。

#181
○安達澄君 無所属の安達澄です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は、大きく二つ質問をさせていただきます。一つは、先ほど岩渕さんからもありました持続化給付金のみなし法人向けについて、そしてもう一つは、経済産業省内のデジタルガバメントについての話を聞かせていただきます。
 まず最初のみなし法人、持続化給付金の件ですけれども、私もやっぱり地元の大分で、そういった六次産業をやったりとか、いろいろ地元の産品を使って食堂をやられていると、そういった女性グループたくさんいらっしゃいます。そういう方々から、何でと言われることがやっぱり非常に多くて質問させていただくんですけれども、まず、先ほど参考人の奈須野さんの答弁を聞かせていただいていると、基本的には、これまでの、衆議院も含めていろんな国会の中での答弁とスタンスは変わっていないのかなというふうに思って聞いておりました。
 これは私も新聞で知ったんですけれども、九月の初旬にそれこそ共産党さんの幹部の方が中小企業庁訪問されたというふうに認識していますけれども、そのときに奈須野さんのコメントとして、いいアイデアがないかを考えており、諦めたというわけではない、努力するというふうにコメントされていたというふうに思うんですけれども、でも、先ほどの答弁を聞いていると、やっぱりこれはもう無理だというふうに考えられているんでしょうか。どうでしょうか、その辺は。

#182
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 みなし法人でございますけれども、いろんなタイプのみなし法人、人格なき社団がございまして、みなし法人というものがこういうものであるということが我々にとってもなかなかつかみづらかったという経緯がございます。
 そうしたことで、今御指摘のありました様々なやり取りを通じまして、私どもとしても、このみなし法人の実態というものがどのようなものであるかということをしっかり調べなきゃいけないということで、国税庁などに照会を掛けたり、あるいは、御指摘のあった道の駅であるとか、そういった事業者に関する知見をお持ちと思われる関係省庁に対して、一体こういったみなし法人の実態というのはどのようなものであるかということを確認させていただきました。
 その結果として、一部、先ほどの岩渕議員のお尋ねにもあったような、道の駅などについては国土交通省でございますけれども、公の制度があって数が特定できるというものもございます。一方で、同じ国土交通省であっても、マンション管理組合のようなものですと、なかなかその数についても分からないし、名前からもそれがマンション管理組合であるかその他のものであるかについては同定、判断できないというようなお話もあったということでございます。
 こういった調査、経緯を踏まえまして、先ほど私が答弁を申し上げたとおりの結論としてさせていただいているわけでございます。

#183
○安達澄君 いろんな調査をされて、二万あるうちほとんどがそういうマンション管理組合とか町内会とか。で、道の駅とかそういう実体のあるものはごく一部というふうにおっしゃっていましたけれども、持続化給付金はそもそも、とにかく早く支援をするんだと、だから性善説の立場に立ってやられましたよね。
 十月に入って、経済産業省も、いろいろなやっぱりちょっと不正受給もあったりしたので、そこで方針として、いろいろな、三%の、何ですかね、延滞金とか二〇%の加算金、そして場合によっては公表するということで抑止力を働かせていると思うんですね。実際に、先月末の時点ですけれども、六千人の方が自主的に返納を申告したりということもありました。
 だから、かなりそうやって抑止力も利いている中で、そして、実態として、その二万じゃなく本当に少ないちゃんと実体のあるところなわけですよね。それは奈須野さんも八月の答弁のときにおっしゃっていましたけれども、やっぱりその自治体とかがきめ細かにちゃんと見ていたりチェックしていたりということもされていました。だから、そういった自治体とかがちゃんとチェックをしてお墨付きを与えるちゃんと実体のあるところであれば、やはり私は給付すべきだと思うんですね。
 大きなやっぱり考え方として、もうルールはルールでばしっとやってしまうのか、それとも、やっぱり一人でも多く助けたいんだという思いに立てばですよ、やはりやり方とかいろんな方針、決断って変わってくると思うんですね。
 前回の所信のところで梶山大臣も、持続化給付金はやっぱり困っているところに行き渡らせるんだというふうにおっしゃっていたと思うんですね。やはり考え方を変えて、一人でも多く助けるんだという立場に立って、是非再検討をお願いできないでしょうか。大臣、いかがですか。

#184
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほども申し上げましたけれども、これは大体四百万件の申請があるということですね。その中で、迅速に皆さんに給付をするということになると、ある程度機械的にやらなければならないということもあります。
 それらも含めて、例外的な取組をされているみなし法人ということになると思うんですが、これ、地方でこの雇用に必要であるとか、ここの地域のために必要だということの判断するのであれば、地方創生臨時交付金等で地方なりの判断で対応していただきたいと思っておりますし、地方創生臨時交付金というのは、そういった使い道、国の制度を補完するような役割で使えるという形になっておりますので、その形で対応していただければと私どもは思っております。

#185
○安達澄君 今日のお話踏まえて、また私、地元で女性たちといろいろ話をします。場合によってはまたちょっと追加で話をさせていただきますし、是非前向きに検討していただきたいというのが私の願いであります。
 続いて、デジタル関係の話をさせていただきます。
 今日もいろいろともうデジタルに関しての話は出ていますし、梶山大臣も所信挨拶の中で、中小企業のデジタル化を支援するとか、我が国企業の変革を後押しするんだというふうにおっしゃっておりました。確かに、今回のちょっとコロナでアジアだヨーロッパだに比べて日本は遅れているなというのが露見してしまったわけですけれども、当然そういった、産業界に対して旗を振って経済産業省が進めるということはもう是非やっていただきたいと思っています。この間の通常国会でもそのためにDX法も通したわけですから是非進めていただきたいと思うんですが。
 令和三年度に経済産業省の政策の重点ということで、この間、職員の方からもいろいろ話を聞かせていただいたんですけれども、この中にデジタルガバメントという言葉が出てきます。要は、経済産業省としていろいろ、省内のことをいろいろ進めていくんだ、政府内進めていくんだというデジタルなんですけど、これはちょっと違うんじゃないかなと思ったんですね。
 というのも、これからデジタル庁が新しくできる中で、これを経済産業省が進めようとしているのがどうもちょっと腑に落ちなくて、そもそも、今その概算要求ですけれども、約七十七億円ですか、要求しているこの経済産業省の重点取組、デジタル基盤・ルールの整備というのは、具体的などんな内容か、教えていただければ。

#186
○政府参考人(平井裕秀君) お答え申し上げます。
 御指摘の経済産業省の重点取組として掲げさせていただいておりますデジタル基盤・ルールの整備という項目には、デジタル経済に対応していくための行政基盤ですとか、規制、税制等、全ての制度の革新に関する予算が計上されているところでございます。その中におきまして、主要な取組といたしましては、事業者向けの行政手続のデジタル化の推進ということについても位置付けられているところでございます。
 具体的に申し上げますと、事業者が一つのIDそしてパスワードで様々な手続ができる認証システム、これGビズIDというふうに我々呼んでおりますけど、これが一つ目。それから、他省庁、自治体も含めた汎用的な補助金申請システム、Jグランツと呼んでいますけれども、これに関連して、そうしたシステム。さらには、中小企業のワンストップ総合支援サイト、ミラサポプラスといったようなものの開発、運用が含まれているところでございます。

#187
○安達澄君 まさに来年、そうやってデジタル庁主導でいろいろやっていくと思うんですけど、まさにDX格付制度の法案審議しているときに経産省とかからいただいた資料の中に、我が国の現状として企業ごとに独自のシステムをつくり込んでしまっているとか、レガシー化、陳腐化してしまっていると。だからこそ、共通の仕様、アーキテクチャーですね、そして共通プラットフォームをつくることが大事だという審議をこの中でしていたと思うんですけど、今おっしゃったような内容というのはまさにその方針と逆を行っているんじゃないかなというふうに思うんですね。
 あくまでも、今のは、経済産業省としてそういう行政の基盤をつくっていくんだと。ただ、これはデジタル庁がやることではないんですか。

#188
○国務大臣(梶山弘志君) デジタル庁は来年度つくるということで、今は形ないわけですね。ですから、その予算の要求も、項目についても、今それぞれの役所に分散をしているわけであります。そういったものをどう集約していくかということで今議論をしているわけであります。
 主体がないものに予算は付けられないということもありますし、また、今ある制度については今ある組織で当面やっていく中で、どれをどう集約させるか、人もかなり私どもから出すような形になると思いますけれども、そういった前提で今行っているということで御理解をいただきたいと思います。

#189
○安達澄君 ということは、このGビズID、今おっしゃったような方針というのは、これはやっぱり平井大臣も当然知っての話ということでよろしいんですかね、連携して。

#190
○政府参考人(平井裕秀君) 御指摘のとおりでございまして、我々のこうした施策ですとかシステムの開発状況につきましては、デジタル庁の準備室及び、もちろんのことながらそのトップに立たれております平井大臣にも全て御説明した上ででございますし、今御質問のところの話でございます、デジタル庁で計上することができないところになりますと、例えば我が省がこの予算計上をしていないということになりますと、来年デジタル庁がこうしたものの開発をする原資もなくなってしまうということになろうかと思います。

#191
○安達澄君 一方で、自民党のデジタル社会推進本部の座長の甘利座長ですか、これは私も新聞報道で知りましたけれども、総務省が三次補正予算でシステムの要求しているといったときに、既存システムへの追加投資は認めない、国民の税金をわざわざ捨てるシステムの方に追加することは断じてあってならないというふうにお話しに、苦言を呈されたそうです。これって、すごく心にすとんと落ちてくるんですね。腑に落ちます。
 菅総理も、国民から見て当たり前のことをやる、行政の縦割り、既得権益、あしき前例を打破するんだと、そういったお考えにもすごく合致していると思うんですけれども、もう一度改めて聞きますけれども、この経産省のGビズID、これというのはデジタル庁に引き継がれる、共通プラットフォームになる、捨てることにならない、そう言い切れるでしょうか。

#192
○政府参考人(平井裕秀君) 我々、少なくとも、今、デジタル庁の準備室及びデジタル担当大臣の平井大臣とお話しさせていただいている限りにおいては、こうしたものが捨てられるということにはならないというふうに確信を持ってお進めさせていただいているというところでございますし、逆に、こうした取組を進めておかないと、デジタル庁も最初のところから止まってしまうのではないかなというふうに危惧するところでございます。
 もちろん、今後、このGビズIDにしましてもJグランツにしましても、システム的に改善するところというのは出てくると思います。それはもう織り込み済みで我々も予算要求もさせていただいておりますし、そもそものシステムの制度設計全体がそうした、最近の言葉で言うとアジャイルというところを前提としてシステムを開発するような形でやらせていただいているところです。
 こうしたやり方と、全て、今、もう既に開発する段階から各省共通でこうしたものを使えるようなその制度設計というところで開発しているものと、委員御指摘にあられました、ここは予算をよくよく凍結して見るようにと言われているものとはおのずと性格は異なるのかなというふうに我々は思うところでございます。

#193
○安達澄君 済みません、一点確認させていただきたいんですけど、そのGビズIDと、もう一つ例えば総務省が進めているeガバメントですかね、今のお話ですとこれを捨てることにならないとおっしゃっていましたけど、eガバメントも捨てることにはならないんですか。これ、ちょっと総務省さんのあれになるので。

#194
○政府参考人(平井裕秀君) 済みません、総務省側はeガバメントについてデジタル庁とどういうふうな、あっ、デジタル庁準備室ですね、とどのようなお話をしているのか、私はちょっと存じかねるところでございますので何も申し上げられませんけれども、基本的にレガシーと呼ばれているようなそうしたものの制度設計、若しくはそれに基づいたような形で更にこれを強化していくものというものにみなされるのかどうかというところが判断の分かれ目になろうかと思いますが、そうしたものでは少なくとも、今、少なくとも我々に関してこうした御指摘のいただいたところについては違うのかなというところの、済みません、答弁の繰り返しになってしまいますけど、お答えでございます。

#195
○安達澄君 ありがとうございます。
 なぜこの七十数億にこだわるかというと、一方で、今日もずっと議論になっていましたけれども、グリーン化、二〇五〇年のカーボンニュートラル、もうそれをやるんだと。これはもう本当に方向性としてはそのとおりだと思うんですけれども、私は、だから、そういうデジタルとかのそういう予算を一旦止めて、むしろそっちに回すべきじゃないかなというふうに思うんですね。
 なぜかというと、先ほども出ていましたCCUSの研究開発とか、こういった予算が実証関連事業に六十五億とか、水素水素という話も出ましたけど、このいただいた資料をいろいろ足し合わせると三百億強だったりとか、余りに、むしろそっちの方が少ないんじゃないかと。だから、限られた予算であったり当然そういう皆さんのマンパワーとかそういったものも、やはりデジタル、将来のデジタルではなく、やはりそういったグリーン化とか、そっちの方にめり張りを付けるべきじゃないかというふうに思ったんですね。
 ただでさえ、今、国家公務員、官僚の皆さんの働き方改革、いろいろ言われていますけれども、やはり限られたそういった優秀な人材、時間、お金をどういうふうに使うか。なかなか、私も自分のサラリーマンの経験から、現場とか担当者がこれは一旦やめましょうとかいうことは絶対言えないと思うんですね。最後はもう根性論とか精神論とかなってしまって、下からは絶対言えないですよ、それは。
 それが判断できるのが大臣だと思うんですね。下からいろんな数字が積み上がってきて、政策が積み上がってきて、それを見て大臣がまさに総合的、俯瞰的に、方向性としてはこれだと、一旦こっちは止めるんだということができるのは梶山大臣だと思うんですけれども、梶山大臣、やっぱりこのデジタルというのは、そういうものも含めて、グリーン化に回すよりもまずはやっぱり経産省としてやるべきだと思われますか。

#196
○国務大臣(梶山弘志君) これは連続してデジタル庁につながっているわけですね。ですから、しっかりとした予算をやって、あとはデジタル庁に、まあ方針としてはまだ決定はしておりませんけれども、そういったものにつないでいくということであります。
 これ、カーボンニュートラルに関しましては九月に概算要求出しているわけですけど、十月二十六日の国会の冒頭で菅総理がカーボンニュートラルを宣言をされたということでありますから、予算は当然このようにまたしっかりとした計画を組み直しながら要求をしていくということになると思います。
 ただ、限られた資源の中で活用しろという御趣旨はよく分かりますけれども、デジタルもグリーン化もやはり喫緊の課題であるということで考えてまいりたいと思っております。

#197
○安達澄君 今日の話を聞いて、平井大臣とも連携を取ってそれを引き継ぐんだというお話でしたけれども、やっぱり私の何かイメージとすると、例えば大臣も以前企業とか経営されていて、来年からは我が社はシステムを刷新してやるんだと言っているそばで、何か社員が一生懸命システムのメンテナンスをしてしまっているように見えるんですね。
 ですから、決してそういうことのないように、ちゃんと連携を取って引き継いでいただき、もちろん総務省さんとの関連もあるでしょうけれども、それはあくまでもやはり来年のデジタル庁が主体となると思いますので、めり張りをしっかり付けていただければなというふうに思って、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#198
○委員長(有田芳生君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト