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2020/11/18 第203回国会 衆議院 第203回国会 衆議院 財務金融委員会 第2号 令和2年11月18日
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2020/11/18 第203回国会 衆議院

第203回国会 衆議院 財務金融委員会 第2号 令和2年11月18日

#1
令和二年十一月十八日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 越智 隆雄君
   理事 井林 辰憲君 理事 うえの賢一郎君
   理事 神田 憲次君 理事 鈴木 馨祐君
   理事 藤丸  敏君 理事 末松 義規君
   理事 日吉 雄太君 理事 太田 昌孝君
      穴見 陽一君    井野 俊郎君
      井上 貴博君    今枝宗一郎君
      鬼木  誠君    勝俣 孝明君
      門山 宏哲君    城内  実君
      小泉 龍司君    田中 良生君
      武井 俊輔君    津島  淳君
      中山 展宏君    船橋 利実君
      本田 太郎君    宮澤 博行君
      八木 哲也君    山田 賢司君
      山田 美樹君    海江田万里君
      櫻井  周君    階   猛君
      野田 佳彦君    長谷川嘉一君
      古本伸一郎君    斉藤 鉄夫君
      清水 忠史君    青山 雅幸君
      森  夏枝君    前原 誠司君
    …………………………………
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   内閣府副大臣       赤澤 亮正君
   財務副大臣        伊藤  渉君
   財務大臣政務官      船橋 利実君
   経済産業大臣政務官    佐藤  啓君
   政府参考人
   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       山下 哲夫君
   政府参考人
   (内閣府子ども・子育て本部審議官)        藤原 朋子君
   政府参考人
   (金融庁総合政策局長)  中島 淳一君
   政府参考人
   (金融庁企画市場局長)  古澤 知之君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    栗田 照久君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 川窪 俊広君
   政府参考人
   (財務省大臣官房長)   茶谷 栄治君
   政府参考人
   (財務省大臣官房総括審議官)           新川 浩嗣君
   政府参考人
   (財務省主税局長)    住澤  整君
   政府参考人
   (財務省理財局長)    大鹿 行宏君
   政府参考人
   (国税庁次長)      鑓水  洋君
   政府参考人
   (中小企業庁経営支援部長)            村上 敬亮君
   参考人
   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君
   財務金融委員会専門員   齋藤 育子君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十八日
 辞任         補欠選任
  古川 禎久君     八木 哲也君
同日
 辞任         補欠選任
  八木 哲也君     古川 禎久君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 財政及び金融に関する件
     ――――◇―――――

#2
○越智委員長 これより会議を開きます。
 財政及び金融に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房内閣人事局人事政策統括官山下哲夫君、内閣府子ども・子育て本部審議官藤原朋子君、金融庁総合政策局長中島淳一君、企画市場局長古澤知之君、監督局長栗田照久君、総務省大臣官房審議官川窪俊広君、財務省大臣官房長茶谷栄治君、大臣官房総括審議官新川浩嗣君、主税局長住澤整君、理財局長大鹿行宏君、国税庁次長鑓水洋君、中小企業庁経営支援部長村上敬亮君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○越智委員長 質疑の申出がございますので、順次これを許します。中山展宏君。

#5
○中山(展)委員 おはようございます。自由民主党の中山展宏でございます。
 きょうは、質問の機会をいただいて、ありがとうございます。
 私の方からは、経済安全保障の視点からお尋ねをさせていただきたいと思います。
 先般、今国会の所信表明演説で総理は、経済安全保障の観点から、政府一体となって適切に対応していくとおっしゃられました。
 経済安全保障は、経済活動を安全に行える環境という従来の意味、例えば食料安全保障であったり、エネルギー安全保障、食料を質、ボリュームともに安定的に供給をする環境であったり、エネルギーを安定的に供給をされる環境だったり、そういった安定供給の意味合いも従来からはあります。
 このコロナ禍においては、皆さん御案内のとおり、マスク等の公衆衛生用品をしっかり安定的に供給されるという意味合いでの経済安全保障という言葉が使われましたが、今日的に使われておりますのは、経済活動は安全保障と密接な関係があって、安全保障への影響を考慮した経済活動が必要であること、同時に、かねてより、国際社会では安全保障上の国益を目的とした経済活動が行われているということを示唆しています。それは、いわゆるエコノミック・ステートクラフトと言われるような、経済力やまた金融機能を駆使して、場合によっては国際ルールや国際標準も自国にとって有利な、そういった形成を行いながら展開しているものと考えます。
 特に、米中による覇権争いは非軍事の分野での新たな冷戦、新冷戦とも言われ、異なる政治体制、価値観が対峙している中、中国共産党のもとでの国家資本主義、全体主義による世界への拡張戦略、そして、今次のバイデン次期大統領のもとでの国際戦略、対外政策の変化にも注視していかなければならないと考えています。
 我が国においては、悩ましいのは、日米同盟の安全保障を大前提としつつ、米中双方の市場にどのようにアクセスをしていくか、またサプライチェーンを構築するかということでありますが、ここで麻生大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。
 麻生大臣として、経済安全保障政策、どのようにお考えか、また、どのように取組をされていこうとしておられるか、お教えいただければと思います。

#6
○麻生国務大臣 これは、中山先生御指摘のように、安全保障の面の中において、やはり経済という部分に関しましても、いわゆる食料とか輸入物資とかいうようなことはもちろんのことですけれども、いろいろな意味で重要性が増してきつつあるという認識に立っております。
 具体的には、例えば、国の安全保障にかかわるところでいったら、投資等々に関して適切に対応せぬといかぬということなんであって、昨年に外為法の改正をやらせていただいておりますし、また、投資をする側に当たりましては投資審査の専門部署というものを新たにつくって、その運用とか、またそれに関する情報の国際連携というのを強化をさせていただいたほか、いわゆるCBDC、セントラル・バンク・デジタル・カレンシーですか、デジタルの通貨につきましても、決済システムとか国際通貨システムにつきましても、これは、そういった点だけじゃなくて、経済安全保障という点から考えて、国際的な動向を注視しつつ、G7というような場でも議論を行わせていただいております。
 今後とも、主要国と連携を図りつつ、経済安全保障という課題に、財務省として、これはいろんな、送金の話とか極めて広い分野にかかわる問題でありますので、この点につきましても十分に注意を払いつつ対応していかねばならぬ、大事なところだと思っております。

#7
○中山(展)委員 ありがとうございます。
 大臣からお話しいただいた改正外為法、六月七日から適用されております。外資規制のいわゆる強化でありますけれども、外国人投資家が我が国の安全保障上重要な日本企業へ出資する際、政府に対して事前に届出が必要な出資比率の基準を、一〇%以上から一%以上へと厳格化をさせていただいておりますけれども、当初、この規制の厳格化は投資家の日本株離れが懸念されておりましたが、とりわけ、これが適用されて以降、海外勢の投資家の影響はどのようになっておられますでしょうか。

#8
○伊藤副大臣 中山先生御存じのとおり、今御指摘いただいたとおり、今回の外為法改正は、経済の健全な発展につながる対内直接投資を一層促進しつつ、国の安全等を損なうおそれがある投資に適切に対応するものでございます。
 この法改正の際に、市場関係者の方が大変御心配いただいたことは私もよく承知をしておりますが、その上で、関係者と緊密に対話をいたしまして、その投資活動に影響が出ないように配慮をしてきております。
 外国人投資家の投資行動につきましてはさまざまな要因で変化をいたしますので一概には申し上げられませんが、この法改正による影響は特段出ていないものと認識をしております。
 引き続き、市場関係者と適切に対話を行いつつ、改正法の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。

#9
○中山(展)委員 ありがとうございます。
 私も影響は出ていないと拝察をしております。いわゆる軍民融合であったり、デュアルユースですね、軍民両用技術に係る機微な先端基盤技術や知的財産、営業秘密の流出を防ぐための経済安全保障政策を実体化することで、かえって本邦企業や日本市場の信認が高まって投資を後押しする、今、世界の潮流はそうなってきているんだと思います。今後もしっかりこの外為改正法の運用をしていただければと思います。
 それでは、デジタル通貨についてお尋ねしたいと思いますが、ことし一月に全国銀行協会さんの新年会で大臣が御挨拶をされたときに、壇上で、左手に日銀総裁がおられて、右側に全銀協の役員の方がおられたときに、多分デジタル人民元のことを念頭にしてお話をされたと思うんですけれども、このデジタル通貨は覇権的なそういった挑戦でもあるよ、既存の国際通貨体制、ドルを基軸とした国際通貨体制に対しての挑戦でもあるよというふうにおっしゃられたと記憶しております。他方、全銀協の役員の皆様の方に向けられて、こういった例えば暗号資産とかが普及を、浸透しているのはいわゆる海外送金手数料が高いからだ、そういったことも御指摘をされたように思います。
 そこで、二〇二二年の北京オリンピックの前に中国はこのデジタル人民元、デジタル・ユアンを実装化するということを標榜しておりますが、このデジタル人民元による国際通貨体制、また通貨覇権に対する挑戦をどのようにお考えか。
 それからあわせて、リブラなどのステーブルコインと暗号資産とCBDCの併存、これをどのようにお考えか。というのは、中国では暗号資産を排除しております。もうデジタル人民元に一本化する。他方、米国ではリブラの脅威というのはまだまだ払拭されていない状況であります。この中で、デジタル通貨とそれからこういった暗号資産、ステーブルコインというものの併存をどのようにお考えか、御披露いただければと思います。

#10
○麻生国務大臣 今御質問になったところの通貨政策につきましては、経済安全保障の観点からも対応すべきであるということで、自民党のルール形成戦略議員連盟、あそこからの御提言、これは私どもも問題意識は共有いたしております。
 日本としては、これはいわゆる今の、ことしのG7の議長国であるアメリカ等を始め先進国等と緊密に議論を行っているところでして、十月でしたか、G7の財務大臣・中央銀行総裁会議の中においても、私の方から、いわゆるグローバルステーブルコインとかいうものを含めまして、これに関しては、ブロックチェーン、いろいろありますけれども、リスクに十分な対応がなされていないという状況のままでこのサービスを開始すべきではない。また、透明性とか、それから法の支配とか、健全な経済性ガバナンス等々にコミットをしております先進国のいわゆるCBDC、中央銀行デジタル通貨の取組は促していくべきところもあろうかと思いますけれども、他方、こうしたコミットをしていない中央銀行のデジタル通貨というものに関しましては、我々は注意をよくしておかなきゃならぬところなのではないかという点を申し上げて、この問題意識を反映したG7の共同声明というのが先月出されております。
 今後とも、経済安全保障の観点も十分に踏まえて、国際通貨システムという、ドルにかわろうとするか、ドルと並列するか、いろいろな、まだ先行きが読めないところがいっぱいありますけれども、このシステムの安定性というものを確保するためには、G7というこれらの国が、主に使っている国と連携して、デジタル通貨というものは時代の流れとして出てくることは十分に考えておりますので、それをよく注視しつつ、必要な対応策を行ってまいりたいというふうに思っております。

#11
○中山(展)委員 ありがとうございます。
 日銀から、十月の九日ですか、基本的な取組方針も出されました。その中に、現時点でCBDCを発行する計画はないがという前置詞がついておりますけれども、これは通貨の主権の話でありますから、政府がしっかり大臣のもとで御判断いただきたいと思います。
 もう時間がないので、済みません、ちょっと飛ばして最後の質問をさせていただきたいと思いますが、きのうの大臣のお話の中で、金融デジタライゼーションの推進ということをおっしゃられました。大変期待をしておりますが、現在、金融審議会で、銀行制度等ワーキング・グループにおいて議論されている金融機関の業務範囲規制についてお尋ねしたいと思います。
 その中で、銀行業高度化等会社制度や銀行本体の付随業務の中に、地方創生はもとより、SDGs、さらにはデジタル化ということをしっかり取り組みやすくする方向性になっているかどうか、最後にお尋ねをさせていただきたいと思います。

#12
○古澤政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねいただきました銀行業の業務範囲規制につきましては、本年九月に大臣から金融審議会に対して、人口減少などの構造的な問題、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、経済の回復と持続的な成長に資するなどの観点から、銀行制度のあり方について検討を行うよう諮問をいただいたところでございます。
 現在、金融審議会におきまして、銀行業高度化等会社制度を含めた制度の見直しの具体的な内容について御審議いただいているところでございます。
 金融庁といたしましては、御指摘のデジタル化、地方創生など、持続可能な社会の構築に資するものとなるよう、金融審議会における議論も踏まえつつ、しっかりと対応してまいりたいと考えてございます。

#13
○中山(展)委員 ぜひ、デジタル化に取り組みやすい環境をつくっていただければと思います。
 御案内のように、コロナ禍での非接触、非対面への行動変容や社会変革は、デジタルトランスフォーメーションを進めます。あわせて、データ駆動型社会へと加速させていくものだと思います。フィンテックを始め、金融のデジタル化は、もう時代の潮流そのものだと考えます。
 他方、きょうお話しさせていただきました経済安全保障の観点から、物のデカップリングであったり、知的財産を有する、また機微技術を有する人の厳格な管理であったりはされる一方で、サイバーや宇宙空間など国境のない中において、特に金融分野は、金融に付随するデータも含めて物理的な国境がないので、データのガバナンス、金融のガバナンスというのは非常に大事になってくると思います。
 今後、国際社会において引き続き大臣がリードしていくことをお願い申し上げて、私からの質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。

#14
○越智委員長 次に、太田昌孝君。

#15
○太田(昌)委員 おはようございます。公明党、北陸信越ブロック選出の太田昌孝でございます。
 本日は、財務金融委員会での質疑に立たせていただきました。心から感謝を申し上げる次第でございます。
 大臣の所信の質疑に対しましての基本的な質疑となりますが、どうかよろしくお願いをいたします。
 さきの経済指標、七月―九月の速報値も四半期ぶりに好調というふうには言われておりますが、先行きの不透明感、不安が先行しているとおりで、大変に厳しい指摘を私の方もいただいております。
 一方で、株価は幸いに堅調な伸びを見せておりますので、その意味では経済全体について持ち直しの兆しも見られているようにも感じているわけでございますが、実感として、なかなか国民一人一人の財布、まだまだ堅実な消費につながるほどではないというのが実態、実感であろうというふうに思います。
 また、新型コロナウイルスの感染状況も、ここ一、二週間、大変な増加を見せておりまして、各県において過去最高というような状況になっているわけでございまして、いよいよ第三波の入り口にいるのは明確な状況、そのように分析する学者もいると伺っております。
 全く予断を許さない状況でありますが、こうした中で、大臣の所信にもおっしゃっておられましたとおり、感染拡大の防止とともに経済活動の両立、これを図ることが最重要であろうというふうに思います。
 まず、この点について、どのような取組を進めていくものか、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

#16
○麻生国務大臣 これは、太田先生御指摘のありましたとおり、日本経済というものを見ました場合に、このコロナの影響というのがいろいろなところで出てきているのは間違いないと思いますが、各種の政策の効果もありまして持ち直しの動きも見られる。四―六と七―九と比べていただきますと、七―九のGDPが前年同期比で約五%ということは、年率で約二〇%、二一%ぐらい上がるということになりますので、そういった意味では持ち直しの動きが見られるというのはもうはっきりしております。
 株価も言われましたけれども、株価がきのう二万六千円台まで乗っていましたけれども、けさは、ニューヨークが下がっていましたので、二万五千九百とかそんなところまでだと思いますが、いずれにしても、ついこの間まで二万円切るんじゃないかというような話からは随分変わった状況になってきているのは確かだと思っております。
 十一月の閣議におきましても、ポストコロナに向けて経済の持ち直しの動きというのはより確かなものにするべきだ、民需主導の成長というものに軌道を乗せていかないかぬということで総理の方から指示があっておりましたけれども、いわゆる感染症拡大の防止、また、ポストコロナに向けた経済構造の転換、好循環の循環、そして、いわゆる防災・減災、国土強靱化の推進等の安全、安心の確保等々、これを三本柱として経済対策を策定するように総理の方から指示があったところでもありますので、経済対策並びに三次補正等々に盛り込む具体的な施策につきましては、これは総理の方からの指示に基づいて今後検討させていただくということになって、目下検討中であります。
 感染拡大防止と社会経済活動の両立を図るというところが一番難しいところで、片っ方をとめれば経済活動がとまりますので、そういった意味では、どれくらいうまくバランスをとるかというのは、これは各国悩んでおられるところでしょうけれども、また盛り返してみたり、いわゆる、ずっと落ちていたものが何とかまたこう、持ってきたりしているところもありますので、緩めたところは皆そうなっておるという事態もあるでしょうし、とめ切っちゃった台湾はそのまま残っている。うまいこといったと言えるとかいろいろな評価も、これは後世、もう少し時間をかけて分析せないかぬところかと思いますけれども、このバランスのとり方が極めて難しいと思ってはおります。

#17
○太田(昌)委員 ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、なかなか本当にきっちりとめるわけにもいきませんので、また、現場の声も、やはり将来不安というようなこと、声も聞いておりますから、そういう意味では、これから、そのバランスになろうと思いますが、慎重に進めていければというふうに思います。
 そういう中で、経済再生と財政健全化と同時に、少子高齢化に伴う将来の社会保障分野での対応も、これも喫緊の課題であろうというふうに思っております。
 こんな中で、さきに日銀の金融広報中央委員会が行った、家計の金融行動に対する世論調査というのがありました。若年世帯の消費性向の低下が見られ、特に老後の生活資金のための貯蓄が二〇〇七年の二二%から二〇一九年では三七%と大きく伸びている。また、つみたてNISAも若年層の利活用が報告されています。
 将来を担うべき若年層が将来不安、特には社会保障の不安のあらわれというふうにも指摘されております。このような若年層の不安の払拭も含めての財政運営、麻生大臣のお考え、お聞かせいただければと思います。

#18
○麻生国務大臣 これは、経済再生と財政の健全化、一面、ある面、二律背反するような話かもしれませんけれども、これをしっかり両立させながらやっていくというのが大事なので。
 このコロナの危機というものを乗り越えて次の世代に日本という国の未来をつなげていくというのは、我々の世代に与えられた大きな責任なんだと思いますが、感染拡大防止にしっかりと取り組むというのと同時に、コロナはいずれおさまりますから、その後、経済構造の転換とか、またさらには好循環なものにしていかないかぬという、経済を動かしていくんですから。
 我々は、そもそもこの新型コロナというものが始まる前から中長期的には少子高齢化といういわゆる構造的な大きな問題を抱えておりますので、社会保障の受益と負担というこのバランスを正していかねばならぬということは、これは待ったなしの課題なんだと思っております。
 したがいまして、全世代型社会保障改革というのを着実に進めることによって現役世代の不安感というものを払拭していかないかぬということなんだと思っておりますので、それが結果として、安心して消費の拡大にもつながるといって、それが経済にもつながっていくんだと思います。
 引き続き、プライマリーバランスというものを、二〇二五年までの黒字化目標の達成というのを掲げて、我々は、社会保障、いわゆる今の皆保険等々を持続可能なものにしていくための改革でやらねばなりませんので、歳出とか歳入、そういったものの両面からこれを取り組んでいかないと、一方的に歳出だけ切ってとかいうわけにはいかない、そういうぐあいに思っております。

#19
○太田(昌)委員 ちょっと時間もございまして、一つ質問を飛ばさせていただきます。
 そういう中で、社会保障の改革と拡充ということの中で考えますと、社会保障財源としては消費税というのも大変に重要であろうというふうに思います。
 そんな中で、昨年軽減税率が導入されまして、ちょうど一年がたってまいりました。軽減税率、コロナ禍で所得が少なくなった方あるいは低所得の方を中心に痛税感を緩和して、テークアウトメニューにおける軽減税率適用などで地域経済の需要を下支えしてきたとの評価もいただいておるところでもございます。
 軽減税率に関しましての導入における現状及び評価と今後について、政府参考人にお尋ねをさせていただければと思います。よろしくお願いをいたします。

#20
○鑓水政府参考人 お答えいたします。
 消費税の軽減税率制度につきましては、初めて導入される制度であったことから、事業者の方が戸惑うことのないよう、説明会の開催、コールセンターの設置など、丁寧な取組を行ってきたところでございます。
 個々の事業者の方が実務の現場においてさまざまな工夫や準備などをしていただいたおかげで、軽減税率制度が実施されて初めての確定申告においても、深刻なトラブルが生じたということは聞いておりません。また、コールセンターの相談件数につきましても、制度実施直前には一日当たり二千件を超える水準でございましたが、現在は百件程度となってございます。
 国税庁といたしましては、制度のさらなる定着に向けまして、引き続き、関係省庁と緊密に連携の上、制度の周知、広報、相談、指導など、事業者の方の実情に応じたきめ細かい対応を行ってまいりたいと考えております。

#21
○太田(昌)委員 ありがとうございます。
 定着もしてきたというようなことでございまして、安定した軽減税率、特に、先ほども申し上げましたとおり、こういう事態において、図らずもテークアウトメニュー等々で、地域の中では、あるいはそれぞれの消費生活の中で役に立っているということ、とても喜ばしいことだというふうに思います。
 続きまして、地域の金融機関についてのお尋ねをしたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症の拡大以前から、地方による人口減少、低金利環境の継続を背景にしまして、地域の金融機関の経営環境はなかなか厳しい状況に置かれております。地域経済のかなめであります地域金融機関の果たす役割は、まことに重要であります。今回の所信の中でもございました。
 この地域金融機関の新たなビジネスモデル確立に向けて、財務省、金融庁として今後どのような対応、どのような支援をしていくものか、お尋ねをいたします。

#22
○麻生国務大臣 いわゆる地域金融機関というものをめぐります経営環境というのは、太田先生の御指摘のとおり、これは新型コロナウイルス感染症が拡大する以前から、地域によって違いますけれども、いわゆる人口減少、低金利等々、いろいろな状況を背景にして、厳しいものになりつつあったというのは事実だと思っておりまして、その状況が継続している地域もあるということも確かだと思います。
 したがいまして、金融機関の中では、例えば地域の企業に対して適切なファイナンスをするとかアドバイスをするとかというものを提供して、企業の生産性を促すとか図るとかということをやる、また、持続可能なビジネスモデルというものをつくって地域経済の発展に貢献させていくということが重要なんだと考えています。
 このために、金融庁としては、いわゆる地域の金融機関の金融機能というものが向上しないと、やりたくてもやれない、資本が足りないとか債務超過になっているとかいろいろな条件が出てきますので、これらを通じた地域経済の活性化を図るという観点から、規制を緩和するとか、また、地域金融機関の経営基盤の強化というものに向けた環境整備を進めると同時に、適切なモニタリング等々をやらせていただいて、地域の金融機関もみずからの手で取り組んでやってもらわないと、これやれ、あれやれって、そのとおりやったからうまくいくかといったら、これは地域によって違いますので。
 ぜひ、そういった意味で、自分自身の取組というものを促していかねばならぬところだと思っております。

#23
○太田(昌)委員 地域金融機関、地域経済のサポートを本当にしっかりとしていただいております。それぞれの地域の金融機関の努力、それはもう間違いないところでございますが、ぜひ、そうした地域金融機関に対してのサポートもぜひまたお願いをしたいというふうに思います。
 次に、国際金融センター構想についてちょっとお尋ねをしたいというふうに思います。
 香港やシンガポール、税率の低さや英語の通じやすさ、そうした強みを生かしまして地位を築き上げてまいりましたが、この中で、我が国はこれからどのように対抗していくものか。国際金融センターを確立するためには、当局による施策の展開に加えまして、在留資格の緩和あるいは外国人の生活環境改善など、省庁横断的な取組も必要と考えますが、どのように取り組んでいかれるものか。
 この国際金融センターについてお伺いを最後にしたいと思います。よろしくお願いいたします。

#24
○麻生国務大臣 御存じのように、香港等々の騒ぎが直接的な大きな、目に見える一つの動きだったとは思いますけれども、御存じのように、世界は、ロンドンのマーケットと、それから八時間ずれてニューヨークのマーケット、更に八時間ずれた東アジアの、二十四時間、三局面で動いているというのが今の世界のマーケットというものなんですが、その香港のマーケットが、何となく今の中国等々の関係から怪しげなことになってきて、中国当局としては、思ったよりどんどん人が逃げ出すとか、金が、キャピタルフライトが起きているとか、いろいろなことが起きているんです。
 そういった状況にあって、日本には、御存じのように、安定した政治とか、また法律の制度もありますし、良好な治安とか生活環境等々、そういった強みがあります。また、大きな実体経済というものを持っていますし、また、株式市場を見ましても、家計の金融資産が一千九百兆、加えて現預金が九百五十兆とか、ちょっと薄気味悪い、動いていないようなお金がそこにあるというのは、資産を運用するビジネスとしては、大きな可能性がそこにあるんだと思う人の方が当たり前なんだと思います。
 こういった日本の持っている強みとか可能性というものを、世界における国際金融センターとしての地位というものを賄える要素があるということは、これは今ではかなり当たり前として理解をしていただけるようになりつつあるんだと思っていますが、ビジネスとか生活とか、最近でいえば環境とか、そういったものを見て、海外と比べて十分に互角にやり合えるだけのそういった魅力のあるものということに今後していかないかぬところなんだと思います。
 そうすると、いわゆる漢字じゃなくて、ほかのマーケットはみんなこれは英語でやっていますので、そういった意味では、英語の対応能力といった、いわゆる金融としての政策だけじゃなくて、在留資格をどうするんですかとかワーキングビザがどうとかいろいろなことになりますし、住居はどうするとか、家族同伴で来たときには、子供の教育とか病院とか、一緒についてくるベビーシッターだ、ナニーだというような話等々を含めまして、いわゆる生活環境、入国手続、いろいろあるんだと思いますが、こういったものを考えますと、これは金融庁だけでできるような話ではありませんので、これは地方自治体を含めましていろいろなところと連携して取り組んでいかねばならぬ大きな課題だと思っておりますし、日本としては一つの、人材とか、いろいろな意味で日本の経済というものを考えたときには、これは大きなものになり得る可能性を秘めているものだと思っております。

#25
○太田(昌)委員 丁寧にお答えいただき、ありがとうございました。
 以上で終わります。

#26
○越智委員長 次に、末松義規君。

#27
○末松委員 立憲民主党の末松義規でございます。
 きょうは、私の方で、財務金融委員会の筆頭理事が二年目になりまして、財務省のファンにもなってきたわけですけれども、その観点から、まず、麻生財務大臣が大臣所信で述べられた安定的な税収基盤を構築するという観点、特にコロナ禍で異常な出費が出ておりますので、税収を確保しなきゃいけないだろうという観点から、税関職員の定員を飛躍的に伸ばすべきだという観点からお話をさせていただきます。それからあとは、森友問題についても、予備的調査の結果について質問させていただきます。
 まず、私の方で、本年の二月二十一日の委員会で税関職員の定員増ということを要求したわけですけれども、そのときに、観光立国の政策による税関における行政需要の増加に伴って、水際での取締りとか、特に不正薬物、テロ対策、あるいは、関税あるいは消費税の徴収等で非常に税関業務が増大している、こういうこと、さらに、オリンピック、パラリンピック、また五年後の大阪万博とか、本当にそういった税関業務が非常に急増していることに対して、大臣のお計らいもございまして、二百人以上ここは定員が増加していくということ、これは非常に高く評価をしておりますし、特にコロナの防護対策で、初動でしっかりやっていただいて、それで税関職員の方もほとんど感染者が出なかった、これに対しても非常に高く評価をしております。
 ただ、今回、きょうは、私の方で、ちょっと以前の発想ではなく異次元の発想ということから、税関の職員を、特に事後に調査する職員の数を飛躍的に伸ばせばかなり税収も伸びるんだということを提言させていただきたいと思っております。
 まず、この資料をごらんください。
 資料一に、左に八十二・三兆円という二〇一八年度の輸入額が出ていますけれども、そのうち、右が輸入関係の税収なんですよ、これは九・一兆円と書いてございます。これは消費税、地方税あるいは関税、随分あるわけですけれども、この九・一兆円、去年は九・二兆円ですけれども、この税収というのは、日本の税収六十三・五兆円の何と一五%を占めているわけですね。これだけたたき出しているわけです。これは極めて重要な税源だと言えると思います。
 今度は下の表に行って、見ていただきたいんですけれども、これは私も、最近、東京税関を直接訪問しましていろいろと意見交換をして、結果、わかってきたんですけれども、事後調査を行った輸入者というのが、この表の一番左側の一番上に書いているのが四千七十九者という、四千七十九者の輸入業者を事後調査したんですね。そうしたら、申告漏れのあった輸入者というのが三千二百三十一者あった。そうすると、申告漏れの割合というのが七九・二%、つまり八割申告漏れだったということ。それで、この追徴税額が、納付不足税額と書いてありますけれども、百三十六億九千百六十三万円が追徴で、更に加算税というのを加えますと百四十三億五千十二万円になる。これだけ税収を稼ぎ出した。
 これは、平成二十九年の事業年度でも大体同じような傾向で、七八・九%ですから、大体八割ぐらいが調べれば税収が出てくるということなんですね。それだけ、輸入業者というのも、知らずに申告漏れをしていたり、あるいは意図的に輸入額を低く見積もった上でやって、事後に調査をしたらそれがばっと明らかになって追徴を受けたというケースがほとんどなんですね。
 資料二を、次のページを見ていただきたいんですけれども、こんな事後調査をやっている方々は何人いるんだといったら、これは税関の関係者の情報をもとに私の方で取りまとめたんですけれども、全国で五百一名しかいないんですね。この五百一名で何十万者というか、件数にして何百万件ですよ。多分、数%ぐらいしか調べられていないんですね、本当に数%ですよ。この五百一名で今の百三十六億九千百六十三万円をたたき出しているわけですよ。
 それで、下の表で、では税関職員を雇う場合にどういうふうな計算になるかというと、コストは、人事院が出したコストで、年間の公務員の給与が平均で六百七十三万四千円、こういうことになるわけですね。
 そうすると、資料三に行ってもらいたいんですけれども、ここで、まとめて言いますけれども、全国の税関で事後の調査業務に従事している職員が五百一名、そして平成三十年の納税不足額、つまり追徴納税額が百三十七億円程度ですね。さらに加算税を入れると、もうちょっとふえるわけですよ。
 コストはどれだけかかるかというと、国家公務員の平均年収が六百七十三・四万円ですから、その前に、百三十六・九億円を五百一人でやっているということを割れば、二千七百三十二万八千六百二円、これは一人頭ですね、税収をたたき出している。
 この人たちのコストを、また一名ふやしたらそれだけ、国家公務員の平均年収が六百七十三万円強かかるということなので、この二千七百三十二万から六百七十三万円を引いたら、二千五十九万四千六百二円。これが純増で、自分たちのコストを引いてもこれだけ、税関職員を一人、事後調査員をしっかりとそこに雇えば、二千万円税収が上がるということになるんですね。
 水際の取締り業務、これは確かに、多くのいろいろな麻薬とかああいうふうなものがあるから、もうぎりぎりで彼らも頑張って、その業務に応じてふやしていただいているんですけれども、逆に、国家財政を充実させるために、税を徴収するという人員は別途考えていった方がいいだろうというのが私の提言でございます。
 ちょっとまとめますと、一年間で五百人の事後調査職員で百三十六・九億円の追徴税収が入るのであれば、職員を例えば十倍にしますと、そうしたら、数十万者あるうちの、年間で、今五百人で四千者ですから、四万者ですね、十倍すれば。四万者しか調査はできないわけですよ。でも、たったそれだけしかできないんだけれども、十倍の千三百六十九億円の追徴税収ができる。大体八割がみんな追徴になるわけですから、これだけの計算ができる。
 そうすると、十年で一兆三千六百九十億円が税収として入ってくるじゃないか。これも、公務員のコストを除いても、一兆円国家増収になるじゃないか、税収が。これをやはりやっていかなきゃいけない。それだけ税関というのが、かなりいいかげんな申告がなされていて、その八割が追徴できるという体制がある。つまり、これは大きな宝の山になっているということが言えると思うんですね。
 だから、今までの水際対策を必死でやっていたのとは別に、国家税収をこれで少しずついろいろなところから足していかないと、一方、コロナで異常な出費になっていますから、これをしっかりとやっていかなきゃいけない。このことを大臣に提言したいんですけれども、そこに対して、ぜひこれを御検討いただきたいというのを大臣にお願いしたいと思いますが、御検討いただけますかというのが一点。
 それから、これは内閣人事局にも、そのような観点から、国の税収をふやす公務員、これをしっかりとやっていく。
 この事後調査員というのは、要は、通関業務は関係ないわけですよ。これは迅速にやっているわけで、その後で、事後で調べるので、通関業務の手間取りにはならないわけですね。そういうことだし、また、Gメンですからね、結局。チェックをするGメンなので、すぐには育たないんですよ。やはり経験を積んで、輸入業者に対してしっかり指摘ができる教育をし、育てなきゃいけない。これはもう今のうちからやっていかなきゃいけないということを考えておりますので、ぜひ御検討いただきたいという、ちょっと大臣の御意見、それから内閣人事局、これに対して、その考え方を検討していただきたい。これをちょっとお伺いしたいと思います。

#28
○麻生国務大臣 まず、数字ですけれども、税関の定員の話につきましては、これは昨年、令和二年度におきまして約二百九人を増員というか純増しておりますので、九千八百二十六人でありまして、実質的には、約十年前に比べて、定員としては約一〇%、一割増となっておるのが現実であります。
 それで、今御存じのように、税関というのは航空に限りませんし、海上の貨物もいっぱい入りますので、そういった訪日の外国人に対するものも含めましていろいろな業務をやっておるんですけれども、今、とてもではない、人間だけではというので、検査機器というものが入ってきておる。
 一回、過日も羽田の税関に現地視察に行きましたけれども、今の機械というのはなかなか進んだものになっておりまして、えらいいろいろなもので人手を省いて、機器で、エックス線でも、私たちの目で見ても何も見えないのに、いえ、実はここだけに入っておりますとちゃんとエックス線には出るようになっているというので、人が見た目ではとてもじゃないけれどもわかりませんなんというようなものまで、随分と新しいものが出てきておるので、それでかなりの部分を補っておるんですけれども。
 事後の調査部門というところにおきましても、必要な定員というのは確実に確保しつつ、税関のシステムとして輸出入申告というのが必ずそこに出てくるわけなので、その申告等のデータというのを活用させてもらって、いわゆる調査先というのを、ずっと毎月それをやっておるとかいろいろなものが出てきますので、そういった選定に基づくめり張りのある調査をやっていっているのでこういった実績が上がってきているんですけれども、新しいAIを使ったりいろいろなもので、調査先の選定支援なんというものもいろいろ今目下やらせていただいておりますので、引き続きこれを効率化していきますし、必要な定員というものもしっかり確保していかなきゃいかぬ。
 今言われたように、これだけ確率が高いじゃないかと言われるのは、怪しいと思うやつをやっておるから確率が高いので。一律にやったらこんなに確率が上がるかというと、それは、まともにやっている人の方の数が多いと思いますので、これはこれほどの確率が、人数をふやしたらその分だけ正比例して上がってくる、それほど世の中は悪い人ばかりじゃないような感じもいたしますので。
 そういった意味では、言っている意味が、数字の上ではわからぬことはありませんけれども、正比例してそれだけいくかどうかというのは、なかなか、御期待はそれほどには沿いかねるかなという感じはいたします。

#29
○山下政府参考人 お答えいたします。
 税関の事後調査につきましては、不適切な税額を是正し適正な申告を促す、そして、ひいては適正な課税を確保するという観点から重要であると考えておりまして、今後とも、実情、必要性を伺いつつ定員審査を行ってまいりたいと考えております。
 なお、先生からお話がございました、人件費を考慮しても税収が黒字になるのではないかという御指摘につきましては、国家公務員の役割は、もう申し上げるまでもございませんが、かなり多岐にわたっておりまして、国民に提供するサービスは、例えば治安、安全ですとか、必ずしも金銭的な影響だけで要否を判断することができるわけではないという面もございますので、そういうそれぞれの機能、効果というものを見ながらやっていくということになろうかと考えております。

#30
○末松委員 何というか、役人さんとしてはいつもの答弁になっているわけですけれども。
 大臣、一回ちょっとそこの事後調査員に内情をぜひお聞きください。本当に、かなりいいかげんなのと同時に、輸入の手続が余りにも複雑過ぎて、調べれば必ず何か出てくるような、こういう状況で八割という数字が出ているんですよ。
 だから、確かに、ずっとしっかりチェックしていけば、いずれその率は下がるかもしれないけれども、かなりこれは、やはりなかなか、追徴の需要というのは物すごくあるということがある。これはAI化できないんですよ。やはり聞いておかしいなと思って、これはどうなんだと言ったら、足りないじゃないかとかなんとかいう形でやっていかなきゃいけないので。そこはぜひちょっとお願いをしたいし、内閣人事局の方も、そういう紋切り型の話じゃなくて、やはり国家税収をふやしていくところを、しっかりとふやしていく、これが重要だと思うんですね。
 例えば、アメリカでも税関職員は六万人いるんですよ。ドイツで三・四万人、中国が五・七万人ですよ。そして、フランスでさえ一・六万人、カナダでさえ一・四万人いるわけですよ。日本は九千八百人。だから、日本の税関は本当によくやっていますよ。だから、もっとふやして、逆に収入が入るというんだったら、それをきちんとやっていくということ、この視点もぜひちょっとお願いをしたい。改めてお願いしまして、この税関については終わります。
 二点目が、森友問題の予備的調査についてなんですけれども、実は、この調査の千百八十九ページというのがあるんですね、この分厚い資料ですね。これは二分冊あって、二分冊目を持ってきたんですけれども、千百八十九ページで、調査票ということで、ここに書いてございます。
 これは資料四にありますので、ちょっとそこをごらんいただきたいんですけれども、赤木氏の妻の代理人が公表した損害賠償請求に係る訴状において、赤木氏が作成していたことが指摘されている、文書の改ざんに至る財務省本省から近畿財務局への指示、修正箇所と改ざんの過程を一目でわからしめるというファイル、通常これは赤木ファイルと言われているんですけれども、また、文書の改ざんに関しても、この赤木さんがメモったという赤木ファイル、あるいは赤木メモ、これがないかということを本当に世間が大きく注目をしているところなんです。
 何でそんなに注目しているかといいますと、このファイルが、赤木さんの上司であられた統括国有財産管理官というのが、音声データとして記録されたということで、これは東京新聞の電子版にも載っていますけれども、この元上司の発言要旨というのが、こういうことを言っているんですね。
 赤木さんが改ざんの経緯を示したファイルということについてこの上司が言っているのは、「検察がガサ入れに来たときに、赤木さんから、きちっと整理してあるこれがあるんですけれども、これも出してもいいですかと聞かれたんです。ぱらっとだけ見たんです。うわあ、めっちゃきれいに整理してあるわと。全部書いてあるやんと。どこがどうで、何がどういう本省の指示かということ。前の文書であるとか、修正後のやつであるとか、何回かやりとりしたようなやつがファイリングされていて、これがきちっと、ぱっと見ただけでわかるように整理されてある。我々がどういう過程でやったかというのが全部わかる」と書いてある。
 これが、その上司が、音声記録にとられた言葉なんですね。これは、本当の意味で真相がわかるということになるわけですよ。
 それで、財務省から出てきた調査票の予備的調査の答えが、この千百八十九ページ、資料四に書いてありますけれども、当該ファイルの存否及び提出ができない具体的な理由ということについて、回答が一言だけ、「訴訟に関わることであるため回答を差し控えたい。」と書いてある。訴訟って何ですかという話。
 これは、三月から赤木さんの奥様が訴訟を起こされて、そして、十月十四日に第二回の口頭弁論があったわけですけれども、ここで奥様が言っていることがどういうことかというと、要は、赤木さんの奥様が、赤木さんは改ざんをめぐる詳細なファイルをつくっていたと明かしたのに対して、財務省の方で、「損害賠償のためには改ざんの経緯や内容などの事実は必要ないと、ファイルがあることも言わなかったし、この答弁、この立場も、拒否をしてきた」ということなんですね。
 これで、奥様の方が、非常に複雑な思いで、十月十四日の法廷でこういうふうに言われているんですね、意見書として。
 「国は、夫が改ざんに追い込まれた具体的経緯や、夫が作成した改ざんに関するファイルやメモが存在するかどうかについて、回答する必要がないと主張しました。私は、この回答を聞いて、夫のことがかわいそうになりました。涙があふれました。夫が亡くなった真相を知りたいとお願いしているのに、そんなこと知らなくていいと言われた感じがします。お願いですから、私と夫の立場に立ってください。皆さんの大切な夫や妻や子供が自殺に追い込まれたことを想像してください。そんなこと答える必要はないという回答がどれだけ遺族の心を傷つけるか、想像できると思います。私は真実が知りたいだけです。夫が作成したファイルやメモを開示し、自殺に追い込まれた具体的な経緯を教えてください。よろしくお願いいたします。」
 これが、赤木さんの奥様が、本当に悲痛なお訴えをしているわけでございます。
 これはどういうことを意味するかというと、訴訟では、原告の赤木さんの奥様に対して、ファイルやメモが存在するかについては回答する必要がない、なぜなら、さっき言いましたように、理由は、損害賠償のためには改ざんの経緯や内容などを知る必要がない、つまり、そういった事実は必要ないと財務省が答えているわけですね。
 これは、裁判ではそういう形になるでしょう。でも、今回の、公式に衆議院議長から、財務金融委員会におりてきた、そして調査局長名で予備的調査を行った報告、ここで訴訟にかかわることであるため回答を差し控えたいということになると、結局はそのファイルの存在自身も何も言わなくていいし、隠蔽に一番好都合なことしか言っていないよねと思わざるを得ないんですね。
 だから、我々に対して財務省が、改ざんの経緯や内容までの事実は必要ないと言えるかといったら、絶対に言えないわけですよ、我々はそこが知りたいわけですから。そこを、何か紋切り型の、訴訟にかかわることで、だから回答を差し控えたい、これは冗談じゃない。私から言ったら、こんなことは受け入れられないんですよ。
 だから、ここは、訴訟では原告に対して、あなたはそんなのを知る必要はないよと言いながら、そして我々に対しては、訴訟にかかわることなので回答は控えたい、こんなことを言っていたら、本当に、また隠蔽、あるいはまたそういうことが行われてしまう。これは財務省にとっても非常によくないと思うんですね。
 千百八十九ページはこういうことで回答を差し控えたいと書いてあるんですけれども、もし事実が、これがない、ファイルがないというんだったら、その前のページに書いてあるのが、実際にない場合は、これは千百八十八ページに書いてあるんですけれども、「職員に確認したが、該当資料の存在が確認されなかったため」に、ないというふうなことがはっきり書いてあるわけですよ。
 私が問いたいのは、この言い方は全く、回答を差し控えたいということは、ファイルがあるかないか、これについては何も言っていない。これは、もしないんだったら、ないと書いてあるはずですから。私は、大臣に聞きたいのは、これはファイルはあるんだということを前提で言っているとしか思えないんですけれども、そこを明らかにしていただきたいんです。

#31
○麻生国務大臣 これもたびたびお答えをさせていただいたと思いますが、これは亡くなられた近畿財務局の職員の御遺族が国に対して提訴された国家賠償請求訴訟においての、いわゆる御指摘のファイル、またメモ等々については、この存否を明らかにせよということを、釈明を求められているというところなんですけれども、したがいまして、存否も含めてコメントを差し控える。
 先ほど、いろいろお答えを申し上げて、言われておられましたけれども、あれにかわってどこか新しい議論をしているというわけではありませんので、我々は訴訟をされております一方の当事者になりますので、そのコメントにつきましては今のようなお答えしかないんだと思っております。

#32
○末松委員 だから、訴訟においては、原告の奥様に対して必要ないでしょうということを言っていて、我々は必要なんですよ。きちんと知る必要がある、国会として、国会議員として。
 そこを、もしこれで全く、裁判があるから、だから何も言えないんだという話になった場合に、我々の要求は満たされないわけですよ。
 そこはぜひ検討していただきたいと思いますし、最後に、委員長に申し上げますけれども、もしここで、ファイルの存在があるということを言っていらっしゃる赤木さんの上司であったこの管理官の方を、本当に国会に招致して、我々として質問をしたいと思いますので、そこのお取り計らいをよろしくお願いします。

#33
○越智委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議をさせていただきます。

#34
○末松委員 終わります。

#35
○越智委員長 次に、海江田万里君。

#36
○海江田委員 立憲民主党、それからその他会派の海江田万里です。
 今国会初めての質問になります。麻生大臣を始め、皆様、よろしくお願い申し上げます。
 きょうの委員会は、昨日、麻生財務大臣兼ねて金融大臣が行いました発言に対する質疑だということでございます。ちょっと通告してございます順番を変えますが、中身は変わりませんので、お許しをいただきたいと思います。
 先ほどの公明党の太田委員の質問に対しても、麻生金融担当大臣は、地域金融機関の再編、これについて前向きな御発言がありました。それから、昨日のこの発言の中でも、地域金融機関を始めとする金融機関が、事業者支援を通じて地域経済に貢献し、みずからも持続可能なビジネスモデルを構築していくよう、適切な対応を促してまいります、こういうふうに発言なさっているわけでございます。
 ずっとこの間の新聞報道なんかを見ておりますと、これは十一月十三日の日本経済新聞ですけれども、地銀再生へ向けて政府が補助金を出すというような記事が出ているわけですね。
 地銀を再編しますときにはいろいろお金もかかります。特にシステム開発などについてはかなり巨額なお金がかかりますから、これに政府が何らかの形で補助金を出そう、補助金を出すことによって地銀の再編を促そうという考え方で、これはそういうことかなと思うわけでございます。
 ただ一つ、やはり、この地銀の再編の問題あるいは地銀が多過ぎるという問題は、別にきのうきょう生まれた話じゃありませんで、これはもう麻生金融担当大臣もつとに御案内だろうと思いますが、本当に古くて新しい問題なわけですね。
 私は、確かに地銀の再編、必要だと思いますけれども、やはりその前提になるのは地域の経済が活性化をしなければいけないわけで、卵が先か鶏が先か、よく言われますけれども、やはり、地域の経済の活性化、それから、そういう中での、それぞれの個別の金融機関のちゃんと収益を上げていけるようなビジネスモデルがあって、そこに政府が後押しをすることによって初めてこの地域の金融機関の再編というものが成功するわけですよね。
 そうでないと、単に、本当に、やはり地方にはお年寄りもたくさんいます、やっとATMの扱いになれたと思ったらそのATMの機械がなくなってしまったとか、あるいは銀行の支店がなくなるだとか。これは当然、再編、合併をすればそういうことになるわけですから。
 これは、かつて、郵貯の問題でもそういう大きな問題がありました。郵貯の問題で、やはり地域の金融機関がほとんど数がなくなって、お年寄りなんかが大変困って。そして今度これがこういう形で、余り拙速にやってはこれはいけないと思いますので、よくそこのところを考えていただきたいと思うんです。
 特に、この支援策について、今度の国会はもう日にちも短いですけれども、菅総理も大変前向きになっておられる、それから、麻生総理も先ほどのお話でかなり前向きになっておられますので、いつごろに、どういう形でこの支援策を打ち出すつもりであるか、お聞かせいただきたいと思います。

#37
○麻生国務大臣 いわゆる地域機関の合併とか経営統合とか、個々の地域金融機関の経営判断に属する、そういった事項である、こういうものはという、この基本的な考え方に変更はありませんから。
 その上で、従来から申し上げておりますように、地域銀行というものを通じて、地域の金融機関は、長崎なんかの場合、肥後銀行等々の話は、あれは、人口減少ということなどで極めて経営環境が厳しいという中にあってああいった判断をやられたというので、みずからが経営改革というものを進めて、経営基盤というのを強化して、そしてその上で地域に貢献していただくということを基本的に我々は期待をしておるというのが、我々は自由主義経済ですから、統制経済をやっているんじゃありませんので。
 そういった中で、ただ、合併やそれから経営統合などの抜本的な事業の見直しに取り組むという金融機関に対しまして、いわゆる資金の交付制度といったようなものを創設するとか、そういったのも、これは一つの案として検討を行っているというのは確かです。
 いずれにせよ、こういったものは、経営基盤を強化しませんと、その銀行自体の、いわゆる債務が超過したとか、極端なことを言えば、そういったことになってきますと、地域の企業に対して、資金からによる企業の支援というものが物理的にもできなくなるというようなことにもなりかねませんので、そういった点においては、金融制度審議会など、いろいろな状況に合わせていろいろ議論をしていただきたいということで今お話はさせていただいている段階でありまして、いつまでにどうというような答えが出ているわけではありません。

#38
○海江田委員 今大臣の口から交付金というお話がありましたけれども、交付金を支給をするということになりますと、やはり何らかの形で法律の手当ても必要だろうと思います。
 その法律、私が考えますには、やはり一つしかないわけですね。この間延長しました金融機能強化法ですね、あの金融機能強化法を改正をして、その中で新たな交付金の制度をつくって、そしてそこから金融機関に対して支援をする、こういう運びになろうかと思いますが、当然のことながら、やはり国会での議論、法改正ですから必要になってくるわけですが、それは当然だというお考えですね。

#39
○麻生国務大臣 これは海江田さん、今の段階でまだ、どれくらい具体的なところまでということができておりませんので、これが法律改正を伴うような改正をするのかどうかというところまで、ちょっとまだ検討が詰められておりませんので、国会に出す出さない、そういったもの、今のままの解釈変更だけでできるかできないか、まだ検討中でありますので、今の段階でお答えするという段階にはありません。

#40
○海江田委員 いや、なかなか、これは法律改正しないでできないですよ、そんな、合併をする金融機関に対して、少なくともこれは交付金というような形でやるのでしたら。それだけは言っておきますから。
 そう遠からず、恐らくこの当財務金融委員会で金融機能健全化法の議論が行われるということだろうと思いますから。今の段階で言えないということでは、いたし方ないと思います、ただ、やはり、交付金の形だということはしっかり押さえておきたいと思います。
 それから、黒田総裁、きょうは、わざわざお越しをいただきまして、ありがとうございます。
 実は、黒田総裁と申しますよりも、日本銀行はせんだって、金融機関、とりわけ地銀あるいは信金、信組もそうですが、地域の金融機関に対して当座預金の、これは金融機関がいろいろな、コストカットだとかあるいは統廃合だとか、そういう努力をするということの場合に、当座預金の金利にプラス〇・一%上乗せをしようという決定をしたということですが、これは、黒田総裁が直接、こういう中身だ、こういう決定をしたということを発表されたのではなしに、あのときはたしか金融機構局長が記者会見をやっておりますよね。
 黒田総裁はまだ、そういう意味では、この問題について公に、こうするんだ、そしてその意味するところはこういうことなんだというような発言はされていませんね、これは。
 どうぞ。

#41
○黒田参考人 そもそもこの制度は、御案内のとおり、地域における金融仲介機能の十全な発揮と金融システムの安定確保を目的とするプルーデンス政策として、一定の条件を満たした地域金融機関のみを対象として実施する、そういうものを導入しようということでありまして、金融政策として実施するものではありませんので、いわゆる金融政策決定会合において議論せずに、通常の政策委員会で議論して導入しようということを決めたわけであります。

#42
○海江田委員 まさにそこが問題なわけでありまして、これは、少なくとも、やはり、金融政策決定会合は、その議事録も出ます、早い段階で要旨も出ます。それから、いろいろな意味でそれが議論の対象になります。私たちもそれに目を通して、こうじゃないの、ああじゃないのということができます。まずこれを、一般の政策会議ですから、政策会合ですから、これは全く出てこない、過程が出てこない。
 それから、あともう一つは、まさにそうであるからこそ、見えにくいものだからこそ、やはりしっかりと黒田総裁が前に出て、ふだんからおっしゃっているじゃない、市場と対話しなきゃいかぬということをおっしゃっているんですから、だから、その市場と対話するということは、総裁が前に出てきてしっかりと会見をするということが大切なんですよ。
 これは金融政策じゃない、一般的な政策だということだけで片づけてしまってはいけないわけで、この点、どうお考えですか。

#43
○黒田参考人 この政策を具体的に導入するという際にはさまざまな決定がまた更に必要になるわけですけれども、今回、その導入の方針を決めたところで、関係する金融機関等に十分その趣旨を説明して、この政策が適切に施行されるようにしたいということで、そういう意味では、市場関係者その他とできるだけ密なコミュニケーションを図っているところであります。
 金融政策決定会合の際には、確かに、決定会合直後に公表文を公表すると同時に私が記者会見をしておりますけれども、こういうさまざまなプルーデンス政策につきましては、通常会合で行って、その都度記者会見するということはしておりません。
 もちろん、必要に応じて、さまざまな機会に、私も含めて、幹部が市場との対話を強めていくということは必要だと思いますので、委員の御意見は十分伺いました。(発言する者あり)

#44
○海江田委員 本当に、ここで説明いただきたいんですが。
 一番やはり不思議に思うのは、まさに当座預金の金利をマイナスにして、マイナス金利をやっているわけじゃないですか。それなのに、何で今度は、しかも、そのマイナス金利が実は原因になって中小の金融機関が傷んだということもあるわけですよ。そうしたら、何で、片一方でマイナス金利を維持するということをずっとアナウンスしながら、片一方で、じゃ、プラス〇・一%だけれども上げますよということを、何で違うことをやるのか。これはやはり混乱しますよ、一体どっちなんだと。
 これを機会に、やはりそろそろマイナス金利も、そういう形で中小の金融機関が随分傷んだから、この辺でもう終わりなんだ、そういうようなアナウンスとしてだって受け取れるわけですから。全然そうじゃないということであれば、全然そうじゃないということをやはり言わなきゃだめなんですよ。相矛盾しないことを、誰が見たって一つの方向性の中を走っているのなら、それはいいかもしれませんよ。そうじゃないじゃないですか、この点は。
 だから、総裁が前に出て、市場に対して、密にやる必要はありませんよ、密はいけませんよ、オープンにやっていただきたいということを言っているんですよ。どうですか。

#45
○黒田参考人 先ほど申し上げたように、今回の措置、この導入を議論して、導入する方向を決めた、プルーデンス政策としての、地域における金融仲介機能の十全な発揮と金融システムの安定を目的として、一定の条件を満たした地域金融機関のみを対象として実施するものでありまして、長短金利操作つき量的・質的金融緩和のフレームには全く影響はありませんし、現在のいわゆるイールドカーブコントロールというものについても、これによって影響が出ることはありません。
 したがいまして、あくまでも金融政策は、金融政策決定会合において、年八回会合を開き、その都度、次回までの金融政策、金融調節方針を決めるということでやっておりますし、今のところ、こういった金融政策を変更するということにはなっていないわけですね。
 もちろん、次回の金融政策決定会合でどのような議論が行われるかというのは、そのときの経済動向、金融市場の動向を見ながら議論されることでありますけれども、これによって何か金融政策が変わるとかそういうことはありませんので、あくまでも、特定の地域金融機関に対するプルーデンス政策として行って、金融政策には影響を与えるものではないということでございます。

#46
○海江田委員 それだったら、さっき麻生大臣が答えた、同じじゃないですか、交付金に対してちゃんと上乗せをしてくださいとか、こういうことをお願いすればいいじゃないですか。両方とも再編なんでしょう、それから体質強化なんでしょう。そうでしょう。何もこの金利で、少なくとも金利を動かすわけですから。金利政策じゃない、金融政策じゃないとおっしゃっているけれども、少なくとも金利の世界で勝負をされるわけですから。
 もう一つあるのは、交付金の世界で勝負をする。それだったら、金融大臣に対して、それはよく対話をして、こういう形でも協力をお願いしますと。積むお金を、例えば何百億と。だって、マキシマムで五百億ぐらいかかるんですから、これは全部が利用すれば。合併したところ両方にそれぞれあれするわけでしょう、これは。
 だから、そういうことになるんだから、それくらいだったら、悪いけれども、交付金の方に少なくともこれくらい上乗せをしてくださいということを言えばいいじゃないですか。そっちでやった方が議論になるんですよ。
 さっきも言いましたけれども、これは議論なしに、やはりそういうことをやるのが一番だめなんですよ。オープンにやる、オープンにやると言いながら、自分の都合のいいときは出てきていろいろやるけれども、申しわけないけれども、やはりこういうときこそ私は出てこなければいけないというふうに思っております。
 だから、ぜひ、それは黒田総裁も聞き分けのある方ですから、度量の広い人ですから、野党の言い分でもぜひ聞いていただいて、金融政策決定会合に諮らなくたって、やはり出ていって、こういうときは、大事な話だから、マーケットに向かって、あるいは国民に向かってちゃんとアピールをするということを心がけてくださいよ。いいですね、それは。何かあったら。まだ質問はありますから。
 あと、やはりFTAの問題がどうしても気になっちゃうんですね、これは。FTAは、これは別に黒田さんが始めたわけじゃないですよ。前の白川さんが始めたわけですからね、これは。ちょうど十年前ですよ。二〇一〇年の……(発言する者あり)ちょっと貿易の方といろいろ頭が混乱して。ETFね。ETFについては、白川さんが始めたときで、もう十年やっているんですよ。
 白川さんが始めたときの日経平均株価というのは九千円ですよ、九千二百円ぐらい。今は幾ら、二万六千円。きょうはどうなっているかわかりませんけれども、三倍ぐらいになっているんですよ。もうそろそろ手じまってもいいんじゃないですか、これは。
 ことしの三月には、またアクセルで、もっと買うということを言った。確かに、あのときはどうなるかわからない、株価がニューヨークで五百ドル落ちたり、私も心配しましたよ。だけれども、これは麻生大臣が何度も言っている、それから黒田総裁も何度も言っている、今回のこの危機というのは、リーマン・ショックのときと違って、金融システムは安定しているんだということを一貫して言ってきたじゃないですか。
 確かに、三月の時点でETFの買い増しをしたことが金融システムの安定に役立ったかもしれないけれども、もうそこから六カ月たっているんですから。何で相変わらず買い続けているんですか、これは。教えてください。

#47
○黒田参考人 これも御案内のことと思いますけれども、このETFの買入れ自体、大規模な金融緩和策の一環として行っているわけであります。
 委員御指摘のとおり、三月以降、感染症の影響によって金融市場が大きく不安定化いたしましたので、従来の倍の年間約十二兆円に相当する残高増加ペースを上限にして積極的に買い入れるということを決めまして、そうした方針のもとで、実際のETFの買入れ額自体は、市場の状況に応じてかなり上下に変動しております。
 めり張りのある柔軟な買入れを行っているところでありまして、例えば、三月には一兆五千億ぐらいの買入れを行ったんですが、その後、ずっと減ってきていまして、四千億とかその辺ぐらいになっていまして、ちなみに、今月、十一月、もう二十日まで来ていますけれども、一千億にも達していないような、非常に、市場のリスクプレミアムの動向を見ながら弾力的に行っておりますので。
 委員の御趣旨は十分理解しつつ、やはり、株式市場のリスクプレミアムへの働きかけを通じて、金融市場の不安定な動きなどが企業や家計のコンフィデンスの悪化につながることをどうしても防ぎたい、そういうことを通じて、経済、物価にプラスの影響を及ぼしていくという全体の金融緩和策のフレームワークの中の一環として行っておりますので、当分、ETFの買入れというのは続ける必要があるというふうに思っております。
 ただ、その中で、市場の状況、リスクプレミアムの動向に応じて、弾力的に対応してまいりたいというふうに考えております。

#48
○海江田委員 先ほど、黒田さんが始めたんじゃないということを言いましたけれども、白川さんが始めたわけですけれども、やはり、始めるに当たって、どういう条件になればこれはもう手じまうよというようなお話、これは当然引継ぎがあるわけですから、このETFの買入れ、どうするのということをお尋ねになって、白川さんは、いや、こういうとき、役割を果たしたことになるんじゃないですかというようなお話はあったんですか。

#49
○黒田参考人 先ほど来申し上げましたように、このETFの買入れというもの自体、現在の長短金利操作つき量的・質的金融緩和のフレームワークの中の一環として行っております。
 そうしたもとで、基本的には、やはり、経済が持続的な成長経路に乗り、物価安定の目標が実現するという状況になるまで現在の長短金利操作つき量的・質的金融緩和を続けるということでありまして、その中の一つの要素としてのETFの買入れというのも、先ほど申し上げたように、弾力的に、買入れ自体は変動するということになると思いますが、今の時点で、ETFの買入れ、こういうことを含むいわゆる金融緩和からの出口のタイミングとか具体的な対応策を議論するのは、やはり時期尚早ではないかなと。
 もちろん、いろいろなことを部内でも考えておりますし、検討はしておりますけれども、現時点でやはり、特にコロナの関係があってということだけでなく、その前から、まだ、経済が二%の物価安定目標によって順調に拡大していくというところにまで来ていなかったものですから、そういうことも含めて、やはり、現在の大規模な金融緩和というのは、経済、物価動向次第ではありますけれども、当面続けていく必要があるというふうに考えております。

#50
○海江田委員 結局、やはり物価目標の二%ということがずっとあるわけですよ、頭の中に。うなずいておられるからそうだろうと思うけれども、ただ、それは、例えば金融緩和だって、ほかのやり方だってできるわけですからね。ETFというのは、後でお話ししますけれども、やはり日本だけの話で。
 それから、いろいろ努力されているのはわかりますよ。去年、ちょうどETFの貸付制度というのをやってみましたよね。六月からですか、これがほとんど効果がないじゃないですか。効果というより、借り手がいないじゃないですか。残高のたしか五%ぐらい、それくらいしかやはり借りていないんですよね。買入れ残高の五%では、これでは市場に与えるインパクトというのはほとんどない。それはやはり、そういう形で日銀が買ってしまって、もうどうしようもなくなっている、市場自体が。
 その貸付制度の反省というか、これはどういうような評価をされておりますか。

#51
○黒田参考人 このETFの貸付制度は、ETFの貸借市場の活性化を通じて、ETF市場の市場機能の維持向上に資するという観点から導入を決定したものであります。
 御案内のとおり、国債についても、国債補完供給という形で、国債市場の機能の維持向上、特に流動性の維持向上に資する観点から行われて、これは相当幅広く使われているわけですけれども、ETFについては、実際にオペレーションを開始したのがことしの六月だということもありまして、今のところ、十月末時点の貸付残高は二千億円弱というところにとどまっております。
 ただ、こういう制度ができますと、マーケットの需要に応じて、ETFの貸付けを受けて対応するというところもふえてくるのではないかと思っております。
 委員の御指摘の点は十分考慮しつつ、この制度がよりよく機能するように対応していきたいというふうに思っております。

#52
○海江田委員 もう時間も最後になりましたから。
 黒田総裁、去年だったかな、中国の前の財政部長、財務部長の楼継偉とお話しになったでしょう。僕、去年の暮れ、十二月に楼さんと会ってきたんですよ。いろいろ話をしたら、やはり楼さんは、日本の日銀のこのETFの買入れはおかしいと。随分、いや、本当にそうですよ、さっき誰かが、中山さんが中国は国家資本主義だという定義を言いましたけれども、まあ、中国自身は社会主義市場経済と言っているけれども、そのもとの財務部長が黒田総裁に向かって、これはおかしいよと。世界のどこでもやっていないし、それからもちろん自分のところも、上海の株式市場を通じて、一回、株の買入れ、これは生株だろうと思うんですけれども、考えたんだと。だけれども、それはやはり市場を毀損することになるからやめたんだと。彼は友人として総裁にそのことをよく話したよと。中国の財務部長がよく話したよと、株式市場について。
 そうしたら、わかったんですか、どうなんですかねと言うから、さあ、わかったんですかどうかわからないけれども、今度聞いてみますと言いましたけれども、どうですか、彼の忠告はしっかり受けとめましたか。最後に一言。

#53
○黒田参考人 楼継偉前財政部長とは大変親しくさせていただいておりまして、財政部の副部長のころからですね、ですから、二十年くらい親しくさせていただいておるんですけれども。
 この方は大変、ある意味で非常にリベラルな方でして、例えば、年金や医療について充実する必要がある、ただ、これは貧困者に対する保護と違うので、社会保険料という形できちっと取ってやる、そうしなければ医療保険や年金の充実はできないと非常にはっきりと言っておられました。また、法人税の増税についても、なかなか難しいということも言っておられました。
 委員御指摘の点についてどういう議論があったかということは申し上げかねますけれども、私が大変尊敬しているエコノミストというか、中国の知人であります。

#54
○海江田委員 ありがとうございました。

#55
○越智委員長 次に、階猛君。

#56
○階委員 立憲民主党の階猛です。
 通告しております質問事項ですが、冒頭の質問は、今、海江田先生から御指摘があったところなので割愛させていただいて、二つ目から行きたいと思います。
 私がお配りしている資料一ページ目をごらんになってください。これは菅総理が官房長官時代の記者会見を抜粋したもので、ちょうど総裁選への出馬が決まったころかと思います。当時、菅官房長官は、地方の銀行の数が多過ぎるということを言っていました。
 そもそも、政府は、地方銀行の数が多いという認識を持っているのかどうか。
 私が考えますに、地方銀行は全国で百二行ありますけれども、その主な取引先である中小企業は、全国で、個人企業など小規模事業者を除いても約五十万社あります。単純平均すると一行当たり五千社弱で、その資金需要に応えていくには地銀の数は決して多いとは言えないと思っておりますが、政府の見解、麻生大臣からお願いします。

#57
○麻生国務大臣 これは前々からいろいろな御議論のあるところなんですけれども、厳しい経営環境が今続いておりますので、人口も減っておりますし、景気も悪いというようなことで、従来のままで、経営のあり方を見直さずに今の現在のビジネスモデルをこの低金利の中で維持していけば、将来的にはかなりいろいろな地域において課題が生じてくるだろうと思っております。今のままでいけばですよ。数だけの話じゃありませんから。
 このため、ぜひ自分で経営改革に取り組んで、金融機能というものを、貸出機能やらいろいろな機能がありますけれども、それを強化して貸出ししている先の企業価値の向上を図るということが極めて重要なんだと私どもは考えているんですが、経営改革のあり方につきましては経営判断に属するものの一つなので、したがいまして、経営統合というものも、長崎とかいろいろなところでありましたけれども、一つの選択肢になるものとは考えております。
 したがいまして、今この段階で、多いとか少ないとか言える立場にあるというわけではございません。

#58
○階委員 政府としては、多いという認識を必ずしも持っていないというふうに理解しました。
 その上でですけれども、今大臣おっしゃられたとおり、地方銀行の経営環境が厳しくなっているのは事実です。
 ただ、その主な要因は、安倍政権が地方創生に失敗し、地方から東京圏への人口流出が加速したことや、日本銀行が、先ほど来ありますように、二%の物価安定目標を達成できず、超低金利が長く続いたことが大きいわけです。
 政府や日銀の失敗で経営環境が厳しくなったのに、当の政府や日銀が責任をとらず、地銀を始め地域の金融機関にツケを回すのは無責任ではないかと思うんですが、この点について、大臣はどのようにお考えになりますか。

#59
○麻生国務大臣 今の御質問は、ちょっと私どもにあらかじめいただいていないので、私どもの、個人的な見解も含めまして。
 私どもとしては、今の環境は政府の責任だとか日銀の責任だとかいうような形だけで考えるのは、それはちょっと一方的過ぎるのではないかと。銀行によっては、それでうまくやっておられる銀行もありますし、きちんとやっておられる銀行もありますので。
 一方的な話になり過ぎてはいないかというのを踏まえた上で、私どもとしては、いろいろな意味で、こういった状況になってきておりますので、地域金融というのがしっかりせぬと地域の企業というものの活性化、再生化も難しいという面もありますので、御意見を重々踏まえて対応していかねばならぬと思っております。

#60
○階委員 確かに、構造的な人口減少とか高齢化、あるいは地方では経済が衰退しているということもあると思うんですが、そういった中で、更に追い打ちをかけるように低金利を進めてきたということが、やはり今の金融機関の苦境を招いているのではないかと思っています。
 他方、次の質問ですけれども、コロナ禍で苦境にある地域の中小企業を支援するには、今後は、資本性資金の供給であるとか、経営再建計画を策定した上で、既存の取引先の債務につき、デット・エクイティー・スワップやデット・デット・スワップなどを実行したり、一部の債権放棄を行ったりする必要も生じると考えています。
 合併、統合で地域の金融機関の店舗や人材が減少すれば、こうした個別的かつ専門的な対応は困難になるのではないかと思っていますが、この点についてはいかがお考えですか。

#61
○麻生国務大臣 これは階先生御指摘のとおり、このコロナ禍で影響を受けますいわゆる地域の中小零細企業というものに対して、これまでの資金繰りに加えて、今言われた、デット・エクイティー・スワップと、あとは何と言いましたっけ、資本性ローンか、資本性ローンとかいろいろな形でのものが、今デット・デット・スワップという言葉も使われましたけれども、こういったものも活用しつつ、経営改善とか事業再生とか事業の転換、方向の転換というものを進めていくというのは重要だ、私どももそう思っております。
 地域金融機関の合併等々いろいろ言われますけれども、これは経営基盤強化に資する効果があると考えてはいるんですけれども、これに伴う、例えば事業再生の専門人材というものを集約するとか、それからバックオフィスの業務を効率化する、いろいろな銀行とか他の金融機関と、その資源を顧客の支援に振り向けるといったことによって、地域の企業というものの支援の充実につなげていくというようなことが重要なんじゃないかと思っているんですけれども。
 いずれにいたしましても、経営統合等々により生じる果実というものが金融仲介機能として発揮されるとか、地域経済の活性化につながるとか、そういった形で地域に還元されるようにモニタリングしていくというのが大事なのであって、金融を助けるというのは、何もそれを助けたって、銀行だけが生き返ったって何の意味もないのであって、銀行が果たす業務をきちんと遂行できるように銀行を再生するというのが大事なんだと思っております。

#62
○階委員 私もそのとおりだと思います。
 ただ、具体的に、本当に地域経済の再生とか地域の中小企業の再生につながっていく政策がとられているのかどうか、これはしっかり検証しなくちゃいけないということで、きょうの資料の二ページ目をごらんになってください。まさに今申し上げました資本性資金の供給とか資本増強支援が、補正予算の中でいろいろ行われています。
 まず一つ目、この資料でいいますと真ん中あたり、(2)の(i)というところを見ていただきたいんですが、資本性劣後ローンの供給というのを日本公庫あるいは商工中金が行っておりまして、その進捗状況について伺いたいと思います。
 資本性劣後ローンの供給によって供給先の企業の財務内容が改善して、他の民間金融機関などからも通常の融資や資本性の資金の供給を受けやすくするという狙いがあったと思います。この点も含めた資本性劣後ローン、ここまでの実績と今後の見込みについて、大臣、お答えください。

#63
○麻生国務大臣 御質問の日本公庫及び商工中金等々によります中小・小規模企業、事業者向けの資本性の劣後ローンというものにつきましては、八月に開始をさせていただいておりますが、それ以後、一千四百十四億円の融資を決定いたしております。
 また、中小・小規模事業者向けの資本性の劣後ローンにつきましても、供給実績のうち、民間との間の協調融資等々を要件として実行させていただいたものが全体の約九割、一緒にやったものが九割ということになっておりますので、私どもとしては、引き続き、資本性資金の活用というものを積極的に促してまいりたいと思っております。

#64
○階委員 もしおわかりになればなんですが、今おっしゃった協調融資九割、これによって民間金融機関からどれぐらいの額が融資として行われたのか、実行されたのか。これを把握されていればお答えいただきたいですし、把握されていなければ、その旨お答えください。

#65
○麻生国務大臣 基本的には、民間の分を我々は把握しているわけではありません。

#66
○階委員 ただし、これはそもそも協調融資が前提となってお金を出している、資本性劣後ローンを出しているということなので、今後は、そもそも資本性劣後ローンを出す前提となっている融資の計画、これも見ていただきながら、本当に協調融資、民間からの融資の呼び水になっているのかどうか、これはぜひ検証していただきたいですし、それをやらないと私は意味がないと思います。いかがでしょうか。

#67
○麻生国務大臣 これは御指摘のとおりでして、現時点において民間金融によります協調融資というものの規模とか種類の内容を我々として把握をしているわけではありませんが、協調融資というものに関してその内容はどの程度の頻度で把握すべきかについて、ちょっとこれは各政府機関の事務負担がふえますので、そういったことも考慮しつつ、きちんと検討してまいりたいと思っております。

#68
○階委員 そしてもう一つ、二ページ目の資料で、官民ファンドが二つほど挙がっております。
 きょうは経産省にも来ていただいていますけれども、まず、中小企業経営力強化ファンド、ここは予算規模四百五十億円だったと思いますが、地域の核となる中規模な事業者に対して出資等を行うというファンドだそうです。もう一つは中小企業再生ファンド、予算規模二百億円ということなんですが、こちらは金融機関の中小企業向け債権の時価買取りや出資等を行うというものだそうです。
 報道によりますと、これらの立ち上げがおくれているようなんですが、ここまでの実績と今後の見込みについて教えてください。

#69
○佐藤大臣政務官 お答え申し上げます。
 中小企業経営力強化支援ファンドは、地域の核となる企業の倒産、廃業を防止するため、令和二年度補正予算により新たに設けたものでございます。これまでに既に二つの全国ファンドを立ち上げたところでありまして、今後、具体的な投資先について検討を行っていく予定でございます。
 中小企業再生ファンドの方でありますけれども、こちらは中小企業の抜本的な事業再生を支援するものでございます。既に全国で十八のファンドが組成をされておりますけれども、新型コロナウイルスの影響を踏まえまして、令和二年度補正予算により新たなファンドの組成を行うべく、現在、中小企業基盤整備機構においてファンド運営者の公募を実施しているところでございます。
 いずれのファンドについても、ファンド運営者のもと、地域金融機関等の出資を後押しすべく、中小企業基盤整備機構が最大八〇%の出資を行うことが可能な仕組みとしております。引き続き、さらなるファンドの組成に向けて、金融庁とも連携しつつ、地域金融機関等へ働きかけを行ってまいりたいと思います。

#70
○階委員 そのファンドの立ち上げなり案件を組成するのがおくれているということの理由なんですけれども、やはり、地域の金融機関にしてみれば、そうしたファンドにみずからの金融債権を譲渡することなどによって損失をこうむるのではないかということで、なかなかこうしたファンドをつくることに前向きになれないということもあるのではないかと思うんですが、そのあたり、立ち上げがおくれている理由はどのように分析されているのか、お答えください。

#71
○佐藤大臣政務官 今御指摘いただきました理由ということでございますけれども、地域金融機関からの出資が集まっていないということでございますが、地域金融機関からすれば、実質無利子融資ですとか、また、資本性劣後ローン等の資金繰り支援の方に今注力をしているという状況でありまして、事業再生支援まで力を注げていないというのが現状であるというふうに認識をしております。
 改めてのお答えになりますけれども、このあたりも踏まえまして、さらなるファンドの組成に向けて、金融庁とも連携をしながら、地域金融機関等への働きかけを行ってまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。

#72
○階委員 私も、今申し上げました資本性資金供給のためのさまざまな方策について、今後の動向を注視していきたいと思っていますけれども、ただ、根本的な問題として、やはり、そうした融資先の企業に今度は出資を行っていくということになれば、金融機関としては、よりリスクを抱えるわけです。また、貸出しをしてきた企業の債権をカットする、あるいは時価でファンドなどに譲渡するということになれば、これも損失が生じるわけです。こうした損失のリスクを恐れてなかなか支援に積極的になれないということがあってはならないと思っています。
 金融機能強化法を先般改正されて、コロナ特例というのを設けたと思いますけれども、このコロナ特例は、私にしてみると、東日本大震災のときの震災特例を思い出すわけです。震災特例もたしかトータルで千五百九十億ぐらい利用があったかと思うんですが、震災特例は活用されたと思います。
 今回のコロナ特例は震災特例と比較してどういうふうに変わっているのか、あるいは変わっていないのか。
 私が見るところ、三ページ目、四ページ目に、三ページがコロナ特例と通常の資本参加の場合の要件の違いが書かれていて、四ページ目は震災特例と通常の場合との違いが書かれていまして、私もこの二つを見比べたところ、要は、違いがあるとすれば、コロナ特例では地域経済の再生に資する方策の策定を求めるということがあって、震災特例では震災からの復興に資する方策を含むという、この部分かなと思っているんですが、そういった理解でよろしいかどうか、お答えください。

#73
○麻生国務大臣 簡単に言えば、そうです。

#74
○階委員 ありがとうございます。
 そこで、この地域経済の再生に資する方策というのがポイントなんですが、これについて、具体的な意味を教えていただけますか。

#75
○麻生国務大臣 これは、取引先の経営相談とか、それから事業再生の、事業承継とか、そういったような支援の取組などについて記載をした経営強化計画の提出を金融機関に求めている。金融機関に求めるんですよ、金融機関に求めている。
 その円滑かつ誠実な実施が見込まれるかどうか等々について審査を行うということに今回のやつはさせていただいているんですが、取組の実施状況についても、国の資本参加の後において、これを適切にフォローアップしていく枠組みがあるので、これはうまくいけばいい、うまくいかなかった場合はいろいろなことを考えないといけませんから。
 我々としては、そこのところはきちんと審査をして、劣後ローンを組んで一応国の金が入ったとなれば、信用もある程度くっついて、他の金融機関からの協調融資も得やすくなるのはもう御存じのとおりですけれども、得た後、それがきちんと再生して、劣後ローンとはいえ、きちんとした金で配当があるとか金が返済されるとかいったような形になっていくところまで、我々としては、うまいこといかないと、基本的にその分だけが貸倒れということになりますので、そういったことがなるべく少なくなるようにしておかねばならぬという配慮は必要なんだと思っております。

#76
○階委員 今、最後にお話しになった部分は、国が資本参加する以上は、その取り漏れがないようにちゃんとウオッチしていくという趣旨なんだと思うんですけれども、一方で、金融機関がちゅうちょなく取引先の支援のためにリスクをとった資本性資金の供給をしたり、一方では、過去に貸したものについて、返済能力いかんによっては、債権カットであったり時価での債権譲渡であったり、そういうようなことをして支えていくということをやらないと、やはり、大臣が最初におっしゃったように、金融機関を助けるだけに終わっては意味がないわけですね。
 なので、私として、今重要なことは、地方銀行の再編のために金融機能強化法を使うのではなくて、地方経済の再生のために金融機能強化法を使うということを徹底すべきであろう。今申し上げましたような取引先の支援を行う地域金融機関には、新型コロナ特例の活用を促していく。
 何か、こういうので資本参加を受けると、地域金融機関は、経営の手足を縛られるのではないか、経営の手足を国によって縛られるのではないかというような不安を抱いている向きもありますので、そんなことはない、地域経済を支えるために取引先支援を行っている地域金融機関は、どうぞ新型コロナ特例を遠慮なく使ってください、こんなふうなメッセージを大臣として送るべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

#77
○麻生国務大臣 これはおっしゃるとおりなので、資本政策のあり方というのは金融機関のいわゆる経営判断に属する事項であることははっきりしておりますけれども、金融機関が、お尋ねのように、地域企業に対していわゆる積極的な支援というものを行っていく上で、みずからの資本基盤というものの充実が必要だというのは当然のことなので、そう判断する場合には、ためらわず資本参加の申請をしてもらわなきゃいかぬ。
 自分のところは今はこの企業を助けるべきだけれども、自分としては今は資本の絶対量に問題があるというようなことになってくると、資本参加の申請をしてもらうとか、そういった金融機能の強化に万全を期しておいた上でやっていただかないと、これは、そこの企業もうまくいかなかった、貸し出した方もうまくいかなかった、両方ということになりかねませんので、そういったところはぜひ、こういった資本参加というものに関して、積極的にやってもらいたいと思っております。

#78
○階委員 ぜひ、地域経済を支えるために金融機関の力を最大限活用していく、そのためには金融機関を国が資本参加などによって支えていく、こういう好循環というか、そういうことをお願いしたいと思います。
 日銀総裁にも質問をさせていただきます。
 先ほど、海江田先生との議論を聞いておりました。従来の金融政策は全く変わらないと言っていますが、その理由は全く私には聞こえませんでした。理由が抜きで言われても、説得力がありません。
 そもそもなんですが、今回の特別当座預金制度、地域金融強化のためと銘打っていますけれども、地域金融強化どころか、今回の当座預金上乗せ金利の適用を受けるには、経費を減少したり、OHRを改善したり、あるいは経営統合を行ったり、要は、決められた数値の目標を達成しなくてはいけないということでありますが、こうした条件を課せば、採算の悪い地方部から金融機関がなくなったり、リスクのある取引を下げたりすることにつながるのではないか。そうなれば、地域金融強化どころか、地域金融機関が弱体化して、地域経済にマイナスになるのではないかと思っております。
 この点について、総裁の見解を伺います。

#79
○黒田参考人 この制度は、地域金融機関が将来にわたり地域経済をしっかりと支え、金融仲介機能を円滑に発揮していくための経営基盤の強化に資する観点から、導入する方針を決めました。
 まず、本制度で、経営基盤強化の度合いをはかる指標としてOHRというものを示しておりますけれども、これは収入の増加、経費の削減のどちらによっても改善が可能でありまして、一律にリストラを求めているわけではございません。
 特に、経費の節減において貸出業務の人員の削減などを行いますと、当然、貸出能力の低下につながり得るわけですけれども、現在、地域金融機関が進めている経費削減は、間接部門や不採算業務の人員を削減して捻出した人員を貸出業務、コンサル業務等に回して収益性を高めるものでありまして、むしろ貸出能力を高めることにつながっていると思います。
 また、本制度の適用を受ける金融機関は、経営基盤の強化や当座預金への追加付利を通じた収益、自己資本の改善により、貸出余力が高まることになると思います。
 加えて、本制度では、地域経済の持続的な発展に貢献する方針であることをこの制度利用の要件としておりまして、地域金融機関に企業や家計の資金繰り支援をしっかりと行うことを求めていることもありますので、むしろこうした貸出しを下支えするのではないかというふうに考えております。

#80
○階委員 OHRとか経費の削減については明確な数値基準を設ける一方、まさに地域金融強化につながる地域経済の持続的な発展に貢献する方針というのは、具体的なこと、数値基準などは一切示されていないわけですよ。
 この地域経済の持続的な発展に貢献する方針というのは、具体的に地域金融機関に何を求めるんですか。お答えください。

#81
○黒田参考人 この要件につきましては、感染症拡大のもとで企業や家計の資金繰り支援を引き続きしっかり行うこと、そして、いわゆるコロナ後の経済社会変化を見据えた企業の前向きな対応を後押しすることなどを通じて、地域経済の持続的な発展に貢献する旨を経営方針として表明していただくことを念頭に置いております。

#82
○階委員 全然具体的じゃないんですが。
 そうすると、定性的なもので、定量的な基準とか要件は設けないということでいいわけですか。

#83
○黒田参考人 この制度を活用して特別付利を希望する先は、あらかじめ経営基盤の強化に向けた取組方針というものを日本銀行に提出するほか、進捗状況に関する定期的な報告を行うこととしております。
 日本銀行としては、対象となる地域金融機関に対するモニタリングを通じて、地域経済を支えるための取組がしっかりと進められていくよう働きかけてまいりたいというふうに思っております。

#84
○階委員 質問に答えていただいていないんですが。
 要するに、再編とかリストラにつながるような数値の基準はつくりつつ、肝心の地域金融強化につながる部分には何も具体的な基準が定められない。
 結局、これは、大臣がそういうことはやらないとおっしゃった、金融機関だけを助けて地域経済はどうでもいいという話になっちゃう気がしますね、こうした要件の立て方では。
 やはり地域経済の持続的な発展に貢献するというところが一番肝要でして、そこが具体的な基準として抜け落ちているのは問題ではないかと思いますが、総裁、この地域経済の持続的な発展に貢献する方針、もう少し具体的かつ明確な基準、要件を設けるつもりはないですか。

#85
○黒田参考人 先ほど申し上げましたように、経営基盤強化、それを通じて、当然のことながら、地域経済に貢献するということであります。その際、経営基盤強化の度合いをはかる指標として、経費の削減だけを狙っているわけでも何でもありませんで、収入の増加、経費の削減のどちらによっても改善が可能だという指標を使っております。
 その上で、具体的に、それぞれの地域における地域経済の持続的な発展に貢献するやり方自体は違ってくるというふうに思いますので、一般的には、先ほど申し上げたように、現在の状況では、資金繰り支援をしっかりやってくださいということと、それから、コロナ後の経済社会変化を見据えた企業の前向きな対応をしっかり後押ししてくださいということを要請し、それを経営方針として表明していただいて、それがきちっと達成されているかどうかはモニタリングをして、当該地域金融機関に具体的に働きかけてまいりたいというふうに思っております。

#86
○階委員 結局、経営基盤の強化をしないと地域への貢献ができなくなるぐらい経営を悪化させた原因は、超低金利政策にあると思っています。これまでの金融政策が金融システムの安定化を犠牲にしたという面は否めないと思うんですが、あえてそこを正面から認めないで、金融政策の変更という形ではなくて、プルーデンス政策だという方便でこうした経営基盤の強化を申しわけ程度に行っていくというのは、まさに詭弁だろうと思っています。
 最後に、二%の物価安定の目標についてお尋ねしますけれども、最後のページを見てください。これは私が事あるごとにお示ししている資料、最新版をお持ちしました。

#87
○越智委員長 階君、申合せの時間が過ぎていますので、簡潔にお願いします。

#88
○階委員 あと二分だけ。済みません。
 展望レポートについて、三カ月に一回出されたものを時系列で見ていきますと、黒田総裁が就任した四月の段階では、見通しとして、約二年後には一・九のインフレ率だということで、物価安定目標に接近するような見通しでした。こういう展望、予想は右肩上がりで、実際の結果は、これは縦に見ていくと尻すぼみだったということで、願望レポートだという指摘をさせていただきました。
 ただ、最近は願望にすらなっていないのではないか。最後の行、二行ぐらいを見ていただくと、二年ぐらいたった後も最終的には〇・七にしか達していないということで、もう願望レポートというよりは絶望レポートになっているというふうに言わざるを得ません。
 なおこの二%物価安定目標にこだわる理由はないと思っていますけれども、そもそも、二%物価安定目標、今の見通しにあるとおり、不可能ではないかと思っていますが、不可能ではないのでしょうか、お答えください。

#89
○越智委員長 黒田総裁、簡潔にお願いします。

#90
○黒田参考人 足元、確かに、感染症、既往の原油価格の下落、GoToトラベル事業の影響などを受けて、当面マイナスで消費者物価は推移すると思っておりますが、経済は四―五月をボトムに持ち直しておりまして、今後も改善基調が続き、先行き、経済が改善していくもとで物価がプラスに転じ、徐々に上昇率を高めていくと見ております。
 時間はかかりますが、物価は二%の物価安定の目標に向けて上昇率を高めていくと考えておりまして、日本銀行としては、今後とも、物価安定の目標の実現を目指し、強力な金融緩和を粘り強く続けていく考えであります。

#91
○階委員 これで終わりますが、今まで同じせりふを八年ぐらい聞いてきた気がします。そろそろ諦めた方がいいのではないかと思います。
 以上です。

#92
○越智委員長 次に、櫻井周君。

#93
○櫻井委員 立憲民主・社民・無所属の櫻井周です。
 本日も質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
 早速質問に入らせていただきたいと思います。
 まず最初に、COVID―19、この感染症の対策について、さきの通常国会において多くの議論をさせていただき、多くの提案もさせていただきました。この内容についてフォローアップの質問をしたいというふうにも思っておったんですけれども、これまでの、先ほどの階議員の質問でも大方答えていただきましたので、私の方からは、政府委員の方にはせっかく来ていただきましたけれども、ちょっと要望とさせていただきます。
 まず、資本性の劣後ローンなど、これを政策金融公庫、政策投資銀行、それからREVIC、地域経済活性化支援機構、中小企業基盤整備機構などを通じて提供しているかというふうに思いますけれども、この部分について、階議員も、通常国会のこの財務金融委員会におきまして、資本性資金の注入についてスピーディーに進めていただきたい、こういうふうに発言をしておりました。私も同じ思いでございます。
 これまで、コロナウイルス感染症の対策関連では、例えば家賃支援事業、これは他省庁の所掌の部分でございますけれども、これも、スキームはできたけれども、予算も確保したけれども、しかし事務手続が全然進んでいないということで、ニーズはあるのに対応できていないというような事案もございます。これはスピーディーにやらないと、もう会社の方が倒れてしまう、事業者の方がもたないということになりますので、ぜひスピーディーにお願いしたいということを重ねて要望させていただきます。
 それから、また、それを支えるためには金融機関の方もしっかりと財務基盤を確立をしておかなければいけない、それも今、階委員からいろいろ御質問があったところでございます。ですが、この点についても、なかなかスキームの確立というかファンドの立ち上げ等が追いついていないという話がございました。あと、それから、先ほど麻生大臣からも、金融機関に申請してもらわないとこれはなかなか前に進まない、こういう話もございました。
 ただ、従来の金融機能強化法の趣旨、これは、頑張れていなかった、いえば経営がうまくいかなかった金融機関の立て直しのためにやるということが主眼でございました。ですから、申請の段階においては、リストラをちゃんとやっておけよとか、経営強化計画をしっかりつくって、未達成だったら経営陣に責任をとってもらいますよ、こういうのがことしの六月の法改正前の趣旨だったわけですが、感染症対策を進めていくんだ、こういう法改正をしたわけです。
 これは、金融機関が中小の事業者をしっかりと応援をしていく、しっかり頑張ったら頑張った分だけやはり金融機関にも負担がかかってくるわけです。それこそ、中小企業からの融資や返済の猶予申出に積極的に応じるようにということで要請しているわけですから、そうすると、その分、金融機関には財政的な負担がかかってくるわけです。ですから、金融機関の財政的負担をお願いしているわけですから、それに対して、頑張って中小企業を、ある種身銭を切って中小企業を応援した、後押しした金融機関を今度は政府の方で応援しますよ、こういう意味での法改正だったというふうにも承知をしております。
 ですので、こうしたところについても、この法改正の趣旨、いわば経営がうまくいかなかったところを立て直すためという法改正の前の状況と、それから、感染症対策のために一生懸命頑張った金融機関を応援する、支える、そのための法改正後の法律の趣旨、これはもう全く百八十度違うわけですから、そのことを、金融機関にも法律の意味が全く変わっていますよということも知っていただいて、それで、金融機関にとっては、これだけ一生懸命頑張って支援したんだから、じゃ、申請もしてみるかというようなことができるような雰囲気づくりも含めて、ぜひ金融庁には頑張っていただきたいということをお願いさせていただきます。
 通告しました一問目のところについては要望とさせていただいて、大きく二問目の方から質問に入らせていただきます。
 先ほどの自民党の中山展宏議員からの質問の中にも、国際戦略ですとか経済安全保障、サプライチェーンというようなことで質問がございました。それに対して、麻生大臣からは、外為法の改正ということもございました。私も、これに若干関連するところで質問をさせていただきます。
 資料の二をごらんいただきたいというふうに思います。
 国際的な人権問題への解決への取組、これは、我が国は、人権を人類普遍の価値と捉えまして、国内外での人権が尊重される社会づくりに努めてまいりました。戦後七十五年間、そうした取組を進めてきたわけです。最近では、SDGs達成ということで、官民挙げて取組を進めているところです。
 民間企業では、じゃ、どうしているかと申しますと、この新聞記事にもありますとおり、「人権守ってこそ ビジネス」、サプライチェーンでの人権配慮、人権デューデリジェンスなどが行われているところでございます。
 また、国の枠組みでの取組としましては、欧米先進国では、人権侵害を行った個人や団体に対して人権侵害を理由とした制裁が行われるように、そうした法整備が進んでいるところです。アメリカ、カナダ、イギリスでは既に制定済みでございます。EUは、年内にも制定しようか、こういう勢いで進めているところでございます。
 具体的には、人、物、金の動きをとめるということになるわけですが、人の動きについては出入国管理法、物、金の動きについては外為法、外国為替及び外国貿易法、こういうことになるわけでございます。
 これまで日本は人権侵害を行った個人や団体に対して制裁を一切できなかったかというとそうではなくて、国連安全保障理事会の決議に基づいて、平和及び安全の維持、こういう理由で制裁を行ってきた、こういう事例はありますけれども、裏を返すと、国連の安保理の決議がないと何も動きづらい、こういうことになってしまうわけでございます。人権侵害を直接の理由とした制裁を行う規定が現状ではないというところでございます。
 そこで、麻生大臣にお尋ねをしたいというふうに思います。
 人権侵害を行った個人や団体に対して人権侵害を理由とした制裁が行われるように法整備を進めるべき、こういうふうに考えますけれども、外為法を所掌する麻生大臣としての見解をお願いいたします。

#94
○麻生国務大臣 これは、櫻井先生がおっしゃるとおり、一部の先進国を中心にして、いわゆる人権侵害というものを理由にした資産凍結というものを含む制裁を可能にする枠組みというものの整備がいろいろな形で進展しているということは承知しておりますが、そうした枠組みの整備について、日本の場合は、御存じのように、日本の人権外交のあり方との関係とか国際法上の義務との整合性などいろいろな観点から、目下、関係省庁において情報の収集とか検討が必要な課題と考えておりますので、まだこの辺によって、直ちに外為法を改正して、この人権だけに絞ってというような形を考えているわけではありません。

#95
○櫻井委員 いろいろ調査、検討をしていただいているというところではございますが、ただ、諸外国、特にG7各国で見ますと、アメリカもできている、カナダ、イギリス、できている、EUも今、年内にもということになりますと、G7の中でやっていないのは日本だけ、こういうことになります。
 このG7で一致結束していろいろな国際的な行動をしようというときに日本だけできませんということになりますと、まさに国際協調で協力してG7で取組を進めようということの足を引っ張ることになりかねないわけですから、そうしたことにならないように法整備を急いで検討して進めていただきたいというふうにお願いをいたします。
 続きまして、三つ目の質問に移らせていただきます。アベノミクスの検証ということをさせていただきたいと思います。
 安倍政権、七年八カ月にわたって続いたわけでございます。やはり、アベノミクスという言葉はかなり世の中で広く定着をしたわけでございます。菅総理も、衆議院本会議での総理の所信表明のときにも、アベノミクスを継承する、こういう発言もされております。ただ、昨日の麻生大臣の大臣所信の中にはアベノミクスという言葉はなかったというのも、興味深く聞かせていただいたところでございます。
 このアベノミクスの七年八カ月を振り返りますと、実質GDP成長率、資料二に、ちょっと見にくい折れ線グラフでございますけれども、ここに示しております。各国比較いたしますと、安倍政権の間、二〇一三年から二〇一九年、どちらかというとG7各国の中で低い方というところをずっといっている。世界経済がリーマン・ショックの後何とか盛り返している中で、日本とイタリア、この二カ国がどちらかというと置いてきぼりを食らっている、こういう状況ではなかろうかというふうに見るところでございます。
 具体的にもう少し見ますと、二〇一三年から二〇一九年までの実質GDPの変化、七年間の変化でございますが、カナダが一一・九%のプラス、フランスも九・一%のプラス、ドイツも一〇・八%のプラス、イタリアは五・一%、日本は五・四%、英国一一・七%、米国一五・七%ということで、やはり、七年間、数字で実際に比べましても日本とイタリアが置いてきぼりを食らっているということが明らかではなかろうかと思います。
 また、こうした日本のGDPの成長、なかなかできていないということの理由といいますか、これは表と裏の関係にもあろうかと思いますが、資料三にありますとおり、実質賃金が上がっていない、むしろ低迷している、こういう状況があろうかと思います。
 アベノミクスの成果として、安倍総理は株価が上がったとか雇用数がふえたというふうによくおっしゃいますが、株価が上がっているのは、先ほど来議論のあったとおり、ETF、日銀がせっせと株を買う、それからGPIF、年金基金の積立金でもせっせと株を買う、それによって、ある種官製相場で値上がりを演出しているのではないのか。また、雇用数についてもふえたけれども、実質賃金は下がっているということになりますと、なかなか国内消費はふえないということで、GDPも伸びていかない、こういうことになっているのではないかというふうにも考えるところです。
 結局、先ほどG7各国比較もさせていただきましたが、アベノミクスはうまくいったとは到底言えない。その原因をどう考えるのか。決してうまくいったわけではないアベノミクスを菅総理は継承すると言っていますけれども、これで大丈夫なのか。
 麻生総理はアベノミクスと言わなかったわけでございまして、そこは何らかの形で、総理の手前はありますでしょうけれども、麻生大臣としては微修正を図っていくのか、そのことについてお答えいただきたいと思います。

#96
○麻生国務大臣 二〇一二年の十二月の政権交代というもの以降を見ていただくと、これは、極めて短い期間にデフレという状況ではないというものをつくり出したことは確かだと思いますね。GDPというのは、名目、実質ともにこれは過去最高になっておりますし、企業の収益は極めて高水準。その前の三年間とは比べものになりませんよ。雇用、所得環境の改善を背景にして、経済の好循環は着実に進んでいたというように考えるべきなんじゃないでしょうか。
 こうした好循環の中で、春闘では大体二%前後、ベアなんて言葉が久しぶりに登場しましたから。そういった意味では、高い水準の賃金アップが続いたということも確かだと思いますし、雇用者数の伸びというものも加味したいわゆる総雇用者所得の伸びは、名目、実質ともにプラス、数字でそうなっておりますでしょう。ということを採用するなら、アベノミクスの成果というのは賃金の面でも私どもはあらわれていたと思っております。
 足元で、今、新型コロナ収束に向けていろいろ引き続きやっていかないかぬところだと思いますけれども、感染拡大の防止と経済活動の両立を進める必要があるんだとは思っておりますが、私どもとしては、いわゆる三本の矢で始まりましたけれども、この取組は基本として引き続き進めることでデフレの脱却と経済再生、そういったものの道筋を私どもとしてはより確かなものにしていかねばならぬというのが基本的な考え方であります。

#97
○櫻井委員 安倍政権の七年八カ月の前の三年に比べたらいいんだ、こういうお話でございますが、経済を語るときに、やはり一番基本になるのは実質GDPの成長率かと思います。それで比べると、民主党政権時代よりも安倍政権の方が実は低い、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前の二〇一九年までを見ても低い、こういう状況ですので、今のは必ずしも言い当てていないのかなと。
 むしろ、民主党政権の更にその前の一年間の麻生内閣の時代と比べると、民主党政権時代ははるかによくはなっているわけですね。どん底から何とかはい上がってきた。そのどん底からはい上がってきた民主党政権に比べても、安倍政権、世界的には非常にいい状況が続いたにもかかわらず、その恩恵を十分には受けとめられなかった、こういうことではないかというふうに考えます。
 その原因として、やはり、雇用者の総所得はふえているじゃないか、こういう話でございますが、やはり労働分配率が下がっている、きょうは数字はお持ちしていませんけれども、それが下がっている。結局、企業の収益が上がっているといっても、その分ちゃんと賃金に回せば国内消費が潤ってそして経済の好循環とできるんでしょうけれども、そこに行かなかったというところに大きな課題があったのではなかろうか、こういうふうに考えるわけです。
 ですから、こうしたデフレ脱却、やはり、日本の経済の構造、格差がどんどん広がってしまっているというところに成長の限界があるのではないのかというふうに考えますので、そこに切り込んでいくべきだ、こういうふうにも考えます。
 一方で、ちょっと四点目の質問に移らせていただきます。
 本日、黒田総裁にも来ていただいておりますので、日本銀行黒田総裁に御質問させていただきます。
 先ほど来、海江田委員、それから階委員の質疑の中でもありましたけれども、日本銀行、ETFをどんどん買っている、こういう問題についてちょっと取り上げたいというふうに思います。
 そもそも、このデフレ脱却ということなんですけれども、デフレについては、貨幣現象かどうか、こういうことがまず一つあるわけでございます。
 二〇一三年の三月七日、これはまさに安倍政権始まって直後ぐらいの衆議院予算委員会です。岡田克也議員の質問に対して、安倍総理はこのように答えております。デフレというのは貨幣現象ですから、まずは日本銀行はしっかりと大胆な金融緩和を行って、二%という物価安定目標を設けたんですから、この物価安定目標に向かって、ちゃんとしっかり金融政策を展開してくださいねということであります、こういうふうに発言をしております。
 その二週間後、黒田総裁、三月二十一日の就任の記者会見でこのように述べております。日本銀行としては、二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現することに尽きると思いますが、その場合、各国の状況を見ると、物価安定目標の達成に向けて二年程度を一種のタイムスパンと考えている中央銀行が多いようです、そうしたことも十分勘案し、二年程度で物価安定の目標が達成できれば非常に好ましいと思っています、このように発言をしております。
 二年でできると言っていたけれども七年たってもできていないということは、先ほどの階議員のお示しされました、このCPIインフレ率見通しの、絶望レポートというふうにも言われましたけれども、このとおりでございます。
 これだけやって、七年間やって、しかも、国債は五百三十兆円以上もう既に残高は積み上がっております。それでは物足りないということで、ETF、三十四兆円も購入している。さらに、J―REITにも手を出して六千億円。これだけやっても結局達成できなかったわけです。
 やはりこれは、デフレは貨幣現象という安倍総理の仮説、これが間違っていたということだというふうにも思うんですが、こうした間違った仮説に基づいてずっとやっていると、いつまでたっても達成できないのではなかろうか。やはり、デフレは貨幣現象というのは間違っていたということをまずお認めになるところから始めるべきだと思いますが、黒田総裁、いかがでしょうか。

#98
○黒田参考人 二%の物価安定の目標の実現に時間がかかっており、そのこと自体、大変残念なことであります。
 もっとも、二〇一三年の量的・質的金融緩和の実施以降、日本経済が大規模な金融緩和を続けるもとで、経済は大きく改善し、そのもとで、物価が持続的に下落するという意味でのデフレではない状況となりました。
 足元では、新型コロナウイルス感染症の影響により物価に下押し圧力が加わっておりまして、当面、物価がマイナスで推移すると見ておりますけれども、先行き、経済が改善していくもとで、時間はかかるが物価は二%の安定目標に向けて徐々に上昇率を高めていくと見ております。
 物価の安定というものは日本銀行の使命でありまして、物価安定の目標の実現のために必要な政策を推進していくということはみずからの責務であるというふうに考えております。
 日本銀行としては、今後とも、物価安定の目標の実現を目指し、適切な政策運営に努めてまいりたいというふうに考えております。

#99
○櫻井委員 安倍総理に、日本銀行にできないことを日本銀行にやれと言われて、しようがなしに、最初はできると思ったのかもしれないけれども、やってみて、できないな、これはまずいなというふうに内心思ったとしても、なかなか安倍総理がいる限り方針転換できなかったのかもしれません。ですが、もう安倍総理も退任されたわけですから、そこは、ここで方針転換をしていく時期ではないのか、こういうふうにも思います。
 無理をすれば、できないことをやろうとすると、いろいろなところにひずみが来ている。先ほどの階議員の質問の中でも、地方銀行の、地方の金融機関の話もございました。異次元の金融緩和、超低金利を続けることによって各所にひずみが生じておりますし、また、日本銀行がETFを大量に買い入れているということで、株式市場においての健全性も失われていっているのではないのか、こういうことがあります。
 国債も大量に買っていますけれども、国債の場合には、今買っている部分について、ずっとじっと持っていても満期が順次やってきますから、買い増しをしなければそのうち償還されてなくなっていくということになりますが、ETF、株式の場合は、これはずっと持っていたらずっと残っているわけですよね。どうするのか。三十四兆円保有していて、これをどうするんですかということもあるわけです。
 しかも、この日銀のレポート、最新の十月号を見ましても、八ページに、政策委員の見通しということで、物価、二〇二二年になっても、二年先になっても二%を達成できない。大体プラスの〇・五から〇・八の見通しを政策委員の方は持っているわけでございまして、そうすると、今後二年間も年六兆円のペースで買い増ししていくのか。それを二年続けたら十二兆円買い増し。今の三十四兆足す十二兆円、そうすると四十六兆円ということで、今、東証の一部の時価が大体六百兆円ですから、もう七・五%というような高い水準になってくるわけでございます。
 日本銀行が持っているこのETF三十四兆円、更に今後まさに積み増しされてしまうのかもしれないこの三十四兆円、これをずっと持っているつもりなのか。大量に保有すること、私自身は異常だというふうに思いますし、それこそ中国のことを国家資本主義だというふうに批判する声もありますけれども、日本こそ国家資本主義になってしまっているのではないのか、こういうふうに思うわけですが、この後始末、どのように総裁はお考えでしょうか。

#100
○黒田参考人 先ほど来申し上げておりますとおり、このETF買入れというものは、大規模な金融緩和策の一環として行っていることでありまして、もともとそういう形で行っておったんですけれども、感染症の影響によって、二月下旬以降、市場が大きく不安定化いたしましたけれども、日本銀行によるETF買入れは市場の不安定な動きを緩和する効果はあったというふうに考えております。
 このETF買入れにつきましては、先ほど来申し上げているとおり、市場の状況に応じたかなり柔軟な買入れを行っておりまして、市場のリスクプレミアムが拡大しないという状況になれば、大量に買い入れる必要もないし、また買い入れることもしないということであります。
 したがいまして、あくまでも、大規模な金融緩和策の一環として株式市場のリスクプレミアムの動向を見ながら適切に対応していくというものでありまして、当面、この政策は必要であるというふうに考えております。
 なお、将来、二%の物価安定目標が実現するもとで、当然のことながら、現在のような大規模な金融緩和策ということから出口に差しかかっていくということになりますので、その際には、このETF買入れも含めて、どのような形で出口を模索していくかということは当然議論になると思います。
 ただ、今の時点で、ETFの処分をどうするとか、そういうことを申し上げるのはやはり時期尚早かなというふうに思っております。

#101
○櫻井委員 こういう話は何度もさせていただいていまして、私以外の委員からもこうした話は出てきて、議論はさせていただいているところですけれども、結局、そもそも、持っているものを売るという以前に、買うのをやめるかどうかというところも、それすらもなかなか難しい状況になってしまっているんだろうというふうに思います。買うのをやめると言った途端、株価はもう大幅に下落してしまうのではないのか。そうすると、日本銀行の財務体質だけじゃなくて年金の方だって危なくなってしまうわけなんですが、もうにっちもさっちもいかない状況になってしまっている。大変問題だというふうに思います。
 そもそも、デフレは貨幣現象という仮説は、大いなる仮説、間違っていたということでして、先ほど、冒頭、麻生大臣の、自民党議員の質問に対して、少子高齢化という構造的な問題を抱えている、こういうふうに麻生大臣、おっしゃっておられます。まさにこちらの方がデフレの大きな原因ではないのか。これは日本銀行にとってはどうしようも、手出しできない問題なんですよね。政府がしっかりやるべきことで、政府がやるべきことを日本銀行に押しつけられているということなわけですから、そこはもう、できないことはできません、構造的な問題は政府の方でしっかりやってください、こういうことをしっかり言うべきではないのか。
 無理をすればいろいろなところにひずみが来るということを強く申し上げて、このテーマについては終わらせていただきます。
 最後に、残り時間少しですが、麻生大臣の所信にありました、昨今の資金移動業者の決済サービスを悪用した不正出金事案等を踏まえ、安心、安全や信頼の確保に努める、こういう発言について質問をさせていただきます。
 政府の方では、キャッシュレスポイント還元事業など、税金を投入してまでキャッシュレス化を推進してきたわけでございます。他方で、こうした不正出金事案などセキュリティーに重大な欠陥があった。これは、もちろん一義的には民間事業者の問題、責任ではございますけれども、やはり金融庁にも責任の一端があるのではなかろうかというふうにも思うわけです。
 政府でこうやってキャッシュレス化を推進していく。キャッシュレス化を推進すること自体は私はいいことだと思いますが、しかし、税金を使ってやることなのかというふうになってくると大いなる疑問も持っている中で、さらに、こうした穴があいていた。銀行本体の方ではセキュリティーはそれなりにしっかりしたものをつくっていたにもかかわらず、そのしっかりとしたセキュリティーにみずから穴をあけるようなことをやっていたというふうにも思えるわけでございます。
 麻生大臣は、資金移動業者の決済サービスの安心、安全や信頼を確保するというふうに言っておられますけれども、どのように安心を確保するのか、その方策について具体的に御説明をお願いいたします。

#102
○麻生国務大臣 資金移動業者、移動者に対して、従来から十分なセキュリティーの対策というものの実施を求めておりましたけれども、今般の不正出金という事態が発生しておりますのは、これは甚だ遺憾なことだと思っております。
 現在、銀行とか、また、資金移動業者に対して、金融庁の方から、銀行による認証の強化、資金移動業者による本人確認の強化などの不正防止策の実施、また、補償方針の策定と実施、また、利用者相談への真摯な対応等々を求めているところでありますけれども、いずれも、その内容につきまして、金融庁として引き続いて、各事業者に対してその対応を促してまいると同時に、必要な内容につきましては今後監督指針等に盛り込むことを検討してまいりたいと思っておりますが、引き続き、こういった信頼感の持てないような組織とかシステムというのは極めてこういったものをゆがめることになりかねませんので、便利なものだとは思いますけれども、そういったものに対応するいろんな準備が必要。
 これは先ほど中山先生の方から御質問があっておりましたけれども、ああいったキャッシュレスに伴います、まあCBDCの話にしても、皆これは安心感、安全感、それに伴いますセキュリティーという点が、これはマネロンに使われたりいろんなことに使われる可能性の大きいものでありますので、引き続きこういったものをきちんと監督していくというように努力してまいりたいと思っております。

#103
○櫻井委員 ちょっともう時間になりましたので、質問は終わらせていただきますが、このセキュリティーの問題、特に本人認証のところで……

#104
○越智委員長 時間を経過しておりますので、まとめてください。

#105
○櫻井委員 はい、まとめます。
 本人認証の問題だと、以前もこの委員会におきまして、私はeKYCの話も大臣にさせていただきました。業界でもしっかりとしたガイドラインをつくっていただくようお願いをいたします。
 また、先ほど末松議員の質問の中で、関税の人員の強化という話もございましたが、国税についてもあわせて人員の強化をよろしくお願いいたします。
 といいますのも、新型コロナで税金の猶予というようなこともやっておりますから、そうすると……

#106
○越智委員長 櫻井君、時間を経過していますので、まとめてください。

#107
○櫻井委員 わかりました。
 猶予をしておりますので、その分、業務もふえているわけでございますから、こちらの方の人員増強についてもお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。

#108
○越智委員長 次に、青山雅幸君。

#109
○青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。
 本日も、貴重な質問の機会、ありがとうございます。
 それでは、早速ですけれども、質問させていただきます。
 最初に、黒田総裁にお伺いをしていきたいと思います。
 きょうも同僚議員の方の御質問を聞いておりますと、かなり同じような問題意識に立っているなというふうに思っております。今、新型コロナという非常に特殊な状況にあるものですから、なかなか平時の立場での議論というのがしにくいんですけれども、長きにわたりました安倍総理の時代が終わりまして、今、菅総理という新しい出発をしている、そして、時代も二〇二〇年という区切りのいいところに来ているということで、いろいろな政策についてもやはりきちんと見直していくべきだと私も思っております。
 きょうもお話がございましたけれども、二〇一三年に日銀がいわゆる異次元緩和、黒田総裁が異次元緩和ということで、黒田バズーカと言われましたけれども、脱デフレにチャレンジを始められてから既に七年が経過しております。
 思い起こしますと、あの当時、非常に衝撃を与えて、マスコミにもたびたび黒田総裁のお言葉が、いろいろ紙面をにぎわした。市場も非常にいい反応を示して、一旦円安が一気に進む、あるいは株式が一気に上昇するというような状況になって、また、きょうも資料を提示されていた方がおられましたけれども、GDPが、円安ということも手伝って、見かけ上も含めて上昇して、経済が好転していくと思われました。ところが、残念ながら、やはりその後、膠着状態に陥っているというのは、これは数字の示すとおりであると思っております。
 異次元緩和、つまりは、マネタリーベース、通貨の供給量をふやして経済をコントロールしていこう、そういう基本的なお考えだったと私は思っております。その後、イールドカーブコントロールなどの手法も取り入れられまして、いろいろなやり方、オプションもされておられる。きょう話題になっておりますETFの買入れの増大もその一つだとは思いますけれども。
 そういったいろいろなことを金融政策として御努力されているけれども、やはり日本経済が、欧米などの先進諸国に比べて、伸び率など、あるいは日本経済が最も好調だったころに比べると、おくれをとっているという実態には変わりはないんだと思っております。
 結局のところ、日本だけではありませんけれども、異次元緩和あるいは量的緩和などで通貨があふれた行き先として、これはよく言われていることでありますけれども、株式市場に向かっている、あるいは現物市場、それ以外の不動産に向かっている。ダウも非常に高くなっております、三万ドルを目指すような勢い。日本の株式市場も、久しぶりに過去最高値に迫っていくような状況にはございます。
 ただし、これが経済の好調を示しているかというと、それは恐らくないということだと思います。日本の四半期のGDPもかなりの回復を見せておりますけれども、それでも、それは落ち込みが激しかったから回復しているだけであって、例年のところに戻っているわけではまだございませんし。
 日本は、それでも、新型コロナと言っていても、欧米に比べれば非常に感染者数、死者数とも少なくて、今、御承知のとおり、フランスとかイギリスとか、外出制限等々が再び強化されて、また経済が落ち込む可能性もある。そして日本も、航空機産業とかそういったことを始めとして、非常に、破産であるとか、あるいは人員の整理であるとか、そういったことが目立っていて、やはり今後の先行きが余り良好とは思えない。
 一方で、先ほど言ったように、一部の富裕層は株式などに投資しておりますので資産もふえているというふうに思いますけれども、いわゆる庶民層の国民の暮らしは、預貯金に利子がほとんどつかないというような状況も踏まえると、あるいは、個人の一人当たりの所得の改善には余りつながっていないか、こういうふうにも思っております。
 そういった、この八年金融緩和を続けてきて、けれども、日銀が目指しておられるところの脱デフレはまだ解決には至っていない、また、先行きも見えていないというふうな状況だと思われます。
 それに関して、なかなか日銀が思い切った政策をとられているにもかかわらず、あるいは次々といろいろな政策をとられているにもかかわらず根本的な解決にまだ至っていないという原因はどこにあると思われるか、率直なお考えを黒田総裁にお聞かせいただければと思っております。

#110
○黒田参考人 もちろん、二%の物価安定目標が達成されていないという背景にはさまざまな要因があると思いますが、まず、我が国におきましては、いわゆる予想物価上昇率の形成について、適合的な期待形成のウエートが非常に大きいと言われております。
 これはいろいろな分析でそう示されているんですけれども、実際の物価上昇率が下がると予想物価上昇率もまた下がってしまう、予想物価上昇率が下がるとまた実際の物価上昇率も下がる、そういう傾向があるわけでありまして、特に、二〇一四年以降の原油価格の大幅な下落、これは御記憶と思いますけれども、バレル百ドルを超えていたものが一時は三十ドルを切るまでに下がってしまったわけでありまして、そういった中で、実際の物価上昇率も、二〇一四年の夏ごろには消費税の引上げの分を除いても一・五%ぐらい上昇していたんですが、それがどんどん下がっていきまして実際の物価上昇率がマイナスになってしまうというもとで、予想物価上昇率も再び大幅に落ち込んでしまったということがございました。
 また、足元では、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、物価に下押し圧力が加わっております。
 さらに、より根本的な要因としては、やはり長期にわたる低成長あるいはデフレの経験などから、賃金、物価が上がりにくいことを前提とした考え方あるいは慣行が家計や企業に根強く残っているということで、企業の慎重な賃金、価格設定スタンスがなかなか明確に転換していないということも指摘できるかと思います。
 また、一部のエコノミストが言われるように、企業の生産性向上の余地が大きいとか、近年のIT関係その他の技術進歩といったことも、物価上昇に時間がかかる要因になっているというふうに言われております。
 ただ、二〇一三年の量的・質的金融緩和の実施以降、日本銀行が大規模な金融緩和を続ける中で、実体経済はかなり改善し、そのもとで、物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなっておるわけであります。先行き、経済が感染症の影響から脱して改善していくもとで、時間はかかりますけれども、物価は二%の物価安定の目標に向けて徐々に上昇率を高めていくというふうに見ております。
 日本銀行としては、今後とも、物価安定というのは日本銀行の使命でありますので、物価安定の目標の実現を目指して、強力な金融緩和を粘り強く続けていく考えでございます。

#111
○青山(雅)委員 ありがとうございます。
 いろいろな要因があるということは私も理解はいたします。例えば、おっしゃった原油の価格の下落傾向、波はありますけれども一バレル百ドルというようなところには到底いかないような状況であるのは、それは事実だと思います。そういった日銀がコントロールし得ない外的要因はあるにしろ、やはり日銀の金融政策では脱デフレに限界があるというのが見えてきているというのも、これは一方で事実だと思います。
 そういった中で、これは本当に私見で恐縮なんですけれども、経済というのは、貨幣現象、貨幣でコントロールされるというよりは、日本のような先進国においては、他国に比して競争力のある企業がいかにあるか、そして、そういった競争力の企業等を中心として、いかに製品なりサービスでもって需要が喚起されるのか。やはり日本のデフレの本質は需要不足ではないか。これには、今ちょっとお触れになったとは思いますけれども、人口減少という日本の大きな課題も当然入っていると思います。仮にの話ですけれども、そういう需要不足が日本の成長を妨げている、あるいは脱デフレを妨げているとしたら、やはり金融政策では限界があるのではないかと思います。そういうことを言われるエコノミストの方もおられると思っております。
 中央銀行が、そういった中で、御努力の末ではありますけれども、これ以上先行きがなかなか見通せないときに、これをいつまでも続けていると、皆さん心配されているように、副作用が出てくる。副作用の中で大きいところとしては、やはり財政がどうしても弛緩ぎみになる。
 今回も、九十兆円という非常に大きな補正予算、令和二年度の補正予算後ですけれども、大きな国債発行になっております。これを支えているのは、間違いなく日銀が最後の引き受け手としているという状況で、やはり日銀が異次元緩和を続けている限りには、弛緩的な財政になりやすいことは事実だと思います。
 そういったことを踏まえると、あるいは、もう一つ心配なのは、要は、国債がふえていくと、金融抑圧政策を続けざるを得ない。そうすると、利子所得が全くなくて、経済の体温と言われる利子が上がってこない。そういったことを考えると、そろそろ別の方策を探るべきときが来ている。もっと言うと、日銀の政策を徐々にもうちょっとニュートラルなものに戻していく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、その辺についての御意見をお伺いしたいと思います。

#112
○黒田参考人 先ほど二〇一三年の量的・質的金融緩和の導入以降の状況を申し上げましたが、御案内のとおり、三月以降、感染症の拡大への対応といたしまして、資金繰り支援特別プログラム、それから国債買入れやドルオペなどによる円貨、外貨の潤沢な供給、ETFなどの積極的な買入れ、この三つの措置による強力な金融緩和を実施しておりまして、これらの措置は政府の施策や金融機関の積極的な取組とも相まって効果を発揮しているというふうに見ております。
 もっとも、先行き、景気は改善基調をたどると見られますけれども、感染症の影響が残る中で、そのペースは緩やかなものにとどまるというふうに考えられます。また、企業金融面でも、当面ストレスが加わった状況が続くのではないかというふうに考えております。
 したがいまして、日本銀行としては、引き続き、現在の強力な金融緩和措置により、企業などの資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めていく必要がある、それを通じて経済を下支えして、物価安定の目標を実現していくということが日本銀行として重要だというふうに考えております。
 その上で、御指摘のさまざまな副作用とかあるいは懸念というものについても十分配慮して、実際の金融政策の運営については詳しくは申し上げませんでしたが、この七年半の間にいろいろな形で調整、修正、改善を行ってきておりまして、今後とも、経済、物価、金融の動向に合わせて、必要な調整は行ってまいりたいというふうに考えております。

#113
○青山(雅)委員 ありがとうございます。ぜひ、適切なかじ取り、よろしくお願いいたします。
 続きまして、麻生財務大臣にお伺いしたいと思います。
 このコロナ禍において財政出動するというのは、これは必要なことでもありますし、やむを得ないことでございますけれども、一方で、大変残念ながら、ただでさえ逼迫している我が国の財政が余計逼迫する状況になっているのは事実でございます。
 先ほども申し上げたとおり、二次補正後の予算を見ると、公債金の発行が総額で九十兆円にも上っている。これは、平時というか、平年の予算が百兆円くらいだとすれば、九割を赤字で賄うのと等しいという大変な状況になっております。こういうことを続けてまいりました結果、国債などの残高は、地方債なども含めました日銀の統計によれば千二百兆円に迫っておりますし、財務省の国債関係だけで合計で九百六十兆円になっております。
 これは何でこういうふうになっているかというと、もう本当に皆さん御承知のとおりですけれども、資料一をごらんいただきたいんですけれども、社会保障費が非常に伸びている。毎年伸びているのはほぼこれだけと言っても過言ではない状況、三%ずつくらい伸びております。さらに、その内訳を見ると、これは資料二を見ていただくとわかるんですけれども、社会保障関係費と一口で言っても、その中で伸びているのは社会保険費である、こういう大変な状況が続いております。
 私が幾つか心配するのがありまして、これはいつも言っているんですけれども、MMTという特殊な学説は相変わらず消えていない。そして、このコロナ禍で逆に勢いを増しているところがございます。
 前にもちょっと申し上げたかもしれませんけれども、れいわ新選組などが消費税〇%を唱えておりましたし、自民党でも、少し前ですけれども、八十人くらいの有志の方が消費税〇%を党に申し入れたというふうに報道もされております。要は、九十兆円という巨額な赤字国債を発行しても大丈夫だったんだから、もう幾らやっても大丈夫じゃないか、こういう考えが蔓延するおそれがある。
 それからもう一つは、資料三をごらんいただきたいんですけれども、実は一番問題なのは、ただ単に人口が減るだけじゃなくて、人口構成のバランスがどんどん崩れていって、働く人に比して支えられる立場の人がふえていく。しかも、これが、これは赤線が引いてあるところが今現在ですけれども、二〇五〇年に向かってどんどん進んでいく。問題はここまでだと思います、逆に言うと。二〇五〇年までの人口構成のバランスが更に崩れていくのをどう乗り切るのか、ここに日本の将来がかかっていると私は思っております。
 時間もございませんけれども、麻生大臣に、この三十年、どうやって社会保障費の増大という困難の中で日本の財政をかじ取りして、未来に今の日本の社会保障を始めとする非常にすぐれた政策を受け継いでいくのか、お考えを聞かせていただければと思っております。

#114
○麻生国務大臣 極めて中長期的かつ最も重要な問題は、人口構成の変化に伴いまして、これは避けがたく、長期的には多分最大の国難はこれだと思っています。
 今回は、少なくとも二回の補正予算を編成をさせていただいたことによって足元の財務内容が悪化した、これはもう事実であろうと思います。したがいまして、これまでの対策の効果も当然見きわめながら今後ポストコロナというものを考えねばいかぬわけなのであって、ポストコロナにおけます経済構造の変化に対応するとか、それに伴いまして職業が随分いろいろ変わってきたりなんかしますので、そういった中にあって、生産性の向上というものに支援の軸足を移していかないと、ただただ今起きておる現象面だけに対応するのではなくて、これからはそういったような構造変化に対応していくという、施策というものを見直していく必要がありますので、ワイズスペンディングとかスクラップ・アンド・ビルドとかいろいろ言われておりますけれども、そういったものを徹底していかなければいかぬものだと思っております。
 少子高齢化というのは新型コロナが起きます以前からの話であって、そういったものはもう我々は構造的に抱えておりますので、これまでの高齢者に偏った給付というものを改めて、少子高齢化というもので、少子化対策というものを進めることによって受益と負担のバランスというものを正すということ、これは待ったなしの課題だと思っております。したがいまして、全世代型の社会保障改革というものを着実に進めていかないと、目先の対症療法ではなかなか対応はできないというように思っております。
 したがいまして、日本の経済とか財政が抱えます生産性の向上といわゆる少子高齢化という構造的な課題というものに正面から取り組んでいくということで、いわゆる経済再生というものと財政健全化というものの両立をしっかりやっていかないと、今言われたMMTみたいな話というのはよく言われる話ではありますけれども、何となくそういった話というのが、よく言われているのは知らないわけではありませんけれども、私どもはそういったものの実験場に日本をするつもりはありません。

#115
○青山(雅)委員 ありがとうございました。
 大変大きな課題です。また今後、質疑、議論を続けさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

#116
○越智委員長 次に、前原誠司君。

#117
○前原委員 国民民主党の前原でございます。
 まず麻生大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、今回の新型コロナウイルスに対する対策、第一次補正、第二次補正とも事業規模でいいますと約百十七兆円ということでございますし、また、その二つに関して申し上げると、追加の財政支出が約六十兆円ということであります。また、第三次補正予算というものも今編成をされて、与党の中で議論されておられると思いますけれども、与党の政調会長からは勇ましい、何十兆、何十兆という議論がなされているということであります。
 確かに今は、金に糸目はつけずに、とにかく目の前のコロナをどう退治するか、そして国民の生活を守るかということの中で、借金をして国債を発行してでもしっかりと対応するということについては私も完全に同意をするわけでございますけれども、幾つかの懸念がございますので、麻生大臣に確認をさせていただきたいと思います。
 まず一つの懸念は、このコロナ対策費等、巨額な予算に、第一次、第二次、第三次、そしてまた本予算もなるんでしょうけれども、こういったものにコロナ以外のものが紛れ込まないのかということです。つまりは、コロナに乗じて、本来であれば認められないような予算まで盛り込まれるということがあってはいけないのではないかという心配を私はしております。
 そこで、一つの例を挙げて申し上げたいと思いますけれども、私は野田政権のときの政調会長をさせていただいておりまして、そのときに、東日本大震災の復興予算の取決め、取りまとめというものをやらせていただきました。初め十九兆円というものでございまして、あのときは、我々、参議院が少数の与党でございましたので、自公と三党で復興予算などの協議を行ったわけでございますけれども、そのときに自民党さんから要望されたのは、特別会計にすべきである、つまりは、復興予算と言いながらほかのものが紛れ込まないようにしっかりと間仕切りをつくって、そしてこの復興と一般の予算というものは峻別すべきだ、こういったお話がございまして、この復興予算というのは特別会計にした、こういう経緯があります。
 このコロナ対策についても、しっかりとやるべきだということは大前提だということは改めて申し上げながらも、他の予算とはしっかりと峻別をするということの中で、特別会計あるいは何らかの間仕切りが必要だと私は思いますが、いかがでございますか。

#118
○麻生国務大臣 御存じのように、特別会計につきましては、これは財政法で、特定の歳入をもって特定の歳出に充てるということに決めておりますので、一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合などに限って設定すべきものだとされております。
 したがいまして、政府としては、特会の新設というものは、財政全体の効率化とか透明化とかいろいろはかる観点というものがあろうかと思いますけれども、抑制的に対応してきたんだと思いますが、その上で、前原先生御指摘のように、復興関連予算のときは、これは復興特別税という特定の歳入があのときは確保されておりましたし、これを復興の特定の歳出に充てるという枠組みがあるということも踏まえて、復興特会というのを設置されたんだろうと思っております。
 したがいまして、今回の新型コロナに対する予算というのは、こうした特定の歳入というのが確保されているものではないので、政府としては特会を今設置するということは考えておりませんが、一般論として申し上げても、やはり、今言われたように、事業というものの予算の、振り向けているというのは、必要性の乏しい事業に予算を振り向けているつもりは全くないんですけれども、いずれにいたしましても、いろいろ、効率化とか、真に必要な予算となるとかいうような、コロナ対策との関連性も含めまして、予算の編成過程においてこれをきちんとやっていくというのが必要だというのは、全く私どももそう思っております。

#119
○前原委員 特定の歳入がなければ特別会計は組めないということは、これは事務方から伺っておりますので、私もわかった上で質問しています。
 その上で、今の御答弁でありますと、特定の歳入がない、そして、東日本大震災のときは、後でまたお話をしますけれども、特定の歳入があった、だから特別会計にしたんだということを答弁されましたけれども、では、伺いますが、このコロナ対策については、将来的にも、歳入、つまりはこの赤字国債というものに対して、今は仕方がない、当面、火事が起きている、火事の火を消さなきゃいけない、財源の話なんかしている場合ではない、それはそのとおりだと思いますけれども、将来にわたっても、これに対して歳入面での担保をするつもりはないのかどうか、その点お答えください。

#120
○麻生国務大臣 東日本大震災のときの復興事業というものにつきましては、これはいわゆる時限的な処置として特別復興税というものを導入して、いわゆるつなぎとして復興債というものを発行されて、事業を行ってきておられるというように記憶をしております。
 これに対しまして、今回の新型コロナ感染症への対応につきましては、一次とか二次とかいわゆる補正予算で、必要な歳入をほぼ全額国債で賄ったということであります。これは、新型コロナの影響が、いわゆる日本全体にはびこったというのが正確ですかね、日本じゅうに関係しましたので、その影響が長期間にわたって、しかも、今、もう既に全ての国民がその対応を余儀なくされているという状況を踏まえて対応を考えないかぬということだと思いますので。
 他方、今回のような状況が財政に、ひいては将来世代に負担をかけているということはこれまた事実でありますから、経済再生と財政健全化というものをしっかり両立を進めた上で、新型コロナの危機を乗り越えて次の世代につなげていくということが我々の責任でもあろうと思いますので、今言われたように、この際、きっちりそこらのところは、やみくもに乗じてうまいこと何かその中に紛れ込ませるというようなことがないようにきっちり見ておかねばいかぬという、歳出の面はもちろんのことですけれども、そういった改革の取組というものは、対応というものは、引き続ききちんと対応していかないかぬと思っております。

#121
○前原委員 復興のときの話を少しさせていただきたいんですけれども、十九兆円というのは大変だったんです。どういうことをやったかというと、まず一つは、政府の持っている資産、この売却をやろうということで、東京メトロとかJTの株式の売却とか、エネルギー特会の見直しとか、こういうことで売却を行うということをやりました。そして、公務員の給与も七・八%削減するということをやりました。
 また、既存の予算の組み替え、例えば、高速道路の無料化の社会実験二千九百億円、二年分五千八百億円を充てるということもやりましたし、今お話がありましたように、復興特別法人税、復興特別所得税、こういったことの中で十九兆円という貸借対照、バランスシートをしっかりとやったということなんですね。
 私の質問の意図は二つです。
 つまりは、まあ言ってみれば、コロナに乗じて紛れ込ませないために何かの間仕切りが必要じゃないか、そういう意味では特別会計ということを持ち出したのが一つ。
 もう一つは、もう一度伺いますけれども、例えば、先ほど申し上げた公務員の給与を七・八%下げた、二年間。それから、政府の資産の切り売りもやった。そして、新たな時限的な復興法人税あるいは所得税もやった。こういうことをやらないんですかと。
 つまりは、赤字国債を発行して、今の火を消すことは大事だということは繰り返し申し上げますけれども、先ほど申されたように、将来的な財政の健全化ということを考えた場合は、今はいいけれども、将来的に何かこの、赤字補填のための、まあ言ってみれば措置というものを全くやるつもりがないのか、そのことを聞いているんです。

#122
○麻生国務大臣 前原先生御指摘のとおりに、あの東日本大震災のときは、あれはたしか郵政の株だったかな、郵政株を売却されたというようなこともされたというので、税外収入から得られた収入というものを財源に復興事業に充てておられますし、今言われたように、給与の話も出ました。
 これはもう一次も二次も必要なものは全額国債で補っているのは事実ですけれども、私どもとしては、この税外収入の確保については、私ども検討しておかねばならぬ大事な点の一つだと思っておりますし、今回も議員歳費を、あれは二十億だったかな、二十億、議員歳費を頂戴したりしておるというようなことも、二次補正で既定経費の中からやらせていただいております。
 いずれにしても、私どもとしては、こういったようなことで子ども手当の見直しとか公務員の人件費の削減とかあのときやられたものだと思いますけれども、私ども、今回、繰り返しになりますけれども、必要な歳入のほぼ全額を国債で賄っておるんですけれども、やはり、あのときは一定の地域だったんですよ。今回は日本全体にわたっておりますので。しかも、あのときは短期間で一瞬で起きた話がずっと続くんですけれども、今回はずっとまだまだ更に発生していくというような状況でもありますので、私どもとしては、そういう状態が続いていくというのをある程度覚悟した上でやっていかないかぬところだと思っております。
 私どもとして、対策の効果等々をよく見ながら、効果的な施策を重点的に行うというのと同時に、構造変化に対応していかないかぬのだと思っておりますので、その施策の見直しというものを徹底していかないと生産性が上がらないし、今までのやつで、もうだめになった企業をたらたら支援しているだけでは生産性とかGDPとかそういった形になっていきませんので、予算の中身を転換していくということも重要なのではないかと思っております。

#123
○前原委員 まあ、全然答えてもらっていないんですね。全て答えてもらっていない。時間の無駄だと思いますけれども。
 では、ピンポイントで伺いますけれども、コロナ対策の増税は考えないということですか。

#124
○麻生国務大臣 コロナ対策による増税を考えているかというお話ですけれども、この十年余りというものを振り返ると、これは、リーマン・ショックとか東日本大震災の危機的な事態が起きております。そのたびに政府は、国民というもの、生活を守るためにいろいろな形で財政措置を講ずるということと同時に、将来世代へのツケ回しということで、今の世代が負担を分かち合うための取組をあわせて行ってきたと思っております。
 私どもとして、今こういった一次補正、二次補正等々によって事業とか雇用とか生活とかいうものを支えていく施策というのを講じてきているところでもありますので、私どもとしては、こういったようなのを、引き続き局面に応じて対応していくということを考えておりまして、直ちにこれをもって増税を考えているというわけではありません。

#125
○前原委員 今、需要が失われて、GDPが大きく落ち込んでいる中で、現時点においては財政支出が必要であって、増税というものを行うべきではない、私も明確にそこは申し上げておきたいと思いますけれども、しかし、将来の中で、お配りをした図一をごらんください。ワニの口ということを言われていましたけれども、上顎がもう完全に外れちゃっているわけですね。そして、世界で最も財政状況が悪くなってきているということはもう自明のことであります。
 将来的なことも含めて増税がないと言い切られるのであれば、春に予算委員会で麻生総理は私に対して、野党を見て政治をしているんじゃない、マーケットを見て政治をしているんだとおっしゃいましたけれども、マーケットに対して、私は、悪い、つまりは、将来的には、経済がよくなったときにはしっかりと、あれだけの財政措置をとったことについては、しっかりと担保をするということが必要じゃないかということを私は質問をさせていただきましたし、また同時に、財政の言ってみれば中身というものをしっかりと担保するために何らかの間仕切りが必要じゃないかということの中で特別会計をということを申し上げましたけれども、残念ながら、明確な回答が得られないということであります。
 これについては議事録にとどめて、さらなる質疑のときに追及の材料とさせていただきたいと思います。
 きょうは黒田総裁もお越しになっておられますので、黒田総裁にもお伺いをしたいというふうに思いますけれども、まず、お配りをしている図をちょっとぺらぺら、スライドを見ていただきたいなと思うわけであります。
 同僚議員が質問されたことについては繰り返しはいたしませんけれども、二ページ、確かに金利は下がったけれども、二%の物価目標は全く達成できていないということであります。先ほどの答弁も、ずっと七年余り聞いてきた答弁を同じようにやられていて、多分、御本人もおつらいだろうなと思って私は聞いておりました。
 それから、三ページ目、これは民主党政権の三年三カ月と安倍政権の七年。これはコロナを外しています。コロナを入れると少し図表が、比較ができなくなりますので、コロナを外しているわけでありますけれども、実質GDP成長率は、民主党政権のときは一・六、安倍政権のときは〇・九でありまして、むしろ成長率は下がっているということであります。そして、下を見ていただきますと、いわゆる世界の中での成長率の順位というものを見ていただくと、この安倍政権で下がっているということであります。
 それは、国内で見ると、株価が上がりました、雇用はよくなりました、経済は成長しました、それはうそではありません。うそではないけれども、日本というコップの中の話であって、世界の中で見ると、日本はどんどんどんどん、じりじりと落ちている。
 そして、最大の原因というのが、この三ページの実質GDPの下にある最終消費。ほぼ成長していません。つまりは、消費が全く伸びていないというのが第二次安倍政権の特徴であります。
 四ページをごらんいただくと、企業の利益は六四%ふえて、そして人件費は五%しかふえていない、名目の人件費は五%しかふえていない、そして物価上昇率を割り引いた実質賃金というのはむしろ下がっているということでございます。したがって、内部留保はふえて、利益はふえたけれども、人件費には回らず、むしろ実質賃金は下がり続けている。これでは消費が伸びていかないということは明らかなことではないかと私は思っております。
 そこで、総裁にお伺いしたいんですが、私は金融緩和だけで全てが解決するとは全く思っておりません。しかし、黒田総裁とて、金融緩和をして、さまざまな後押しをしました。そして、経済がよくなるための一種のカンフル剤ですね、金融緩和というのは。カンフル剤を打ちました。にもかかわらず、実際物価が上がらない大きな原因というのは、むしろこれは賃金が上がっていないことも大きな原因ではないでしょうか。
 つまりは、自分たちは頑張って金融緩和をしたのに、そして、株価が上がり、利益がふえたのに、それが賃金に回らず、物価上昇につながっていない、こういうメカニズムがあると思われませんか。

#126
○黒田参考人 全体像としてそういった要素があったということは、認めざるを得ないと思います。
 ただ、賃金動向を見ますと、ことしの春までは少なくともパート雇用者の時給は高目の伸びが続いていましたし、それから正規雇用者についても少なくとも七年連続でベースアップが行われたということで、賃金の上昇圧力は高まっていたと思うんですけれども、やはり経済の改善、特に企業収益の向上に比して、賃金の上がり方が少なかったということはそのとおりです。
 他方で、先ほど来申し上げたように、雇用については、女性あるいは高齢者を含めて、就業率がかなりふえたということもありますので。
 ただ、その中で、よく言われることですけれども、家計の雇用者所得がふえても、パートナーがパートで働くということになると、パートの賃金は正規雇用者に対して相当低いですので、それを平均すると、賃金の伸びが物すごい低くなっちゃうということもありますので、消費との関連で見る限りは、雇用者所得で、あるいは家計の所得の伸びで見た方がいいとは思います。
 ただ、大きく言って、経済が回復し、雇用も回復し、特に企業収益が大幅に伸びた、その割には賃金が上がらなかった、そして、消費の伸びが鈍かったという、全体のその構図というのは委員御指摘のとおりであります。

#127
○前原委員 今、黒田総裁がお答えになったとおりの面があると思いますけれども、五ページを見ていただきますと、これは世界の比較なんですね。これを見ると、圧倒的に日本は賃金が上がらない国であるということが一目瞭然です。これはもう三十年間上がらない。左は、これはいわゆる一九九一年を一〇〇としたものでありますが、日本だけ横ばいであります。右側が、絶対値を購買力平価ドル換算にしたものでありまして、ほかの先進国にほぼ抜かれてしまっている。絶対値でも日本の賃金はこれだけ低い状況になっているということであります。
 最後、六ページをごらんいただきたいわけでありますけれども、その最大の要因というのは、やはり潜在成長率の低さ、低下だと思うんですね。
 これを見ていただくと、赤が潜在成長率で、潜在成長率というのは三つから成っている。資本とそれから労働とそして全要素生産性、イノベーションですよね、この三つから成っているということの中で、何が寄与しているかということがこの六ページに書かれているわけでありますが、注目していただきたいのはこの青です。つまり、全要素生産性、イノベーションがどんどんどんどん落ちてきている。そのことによって潜在成長率が落ちて、結果的に、資産価値でもうけるけれども、結局、企業のもうける力というものが落ち、だんだんだんだんと低下してきている。賃金が上がらない一つの要因になっている。
 賃金はかなり複雑な要因があると思いますので、労働力の流動性とかさまざまな問題があると思いますけれども、あるいは解雇できないとか、日本のそういう仕組みとかあると思いますけれども、しかし、潜在成長率が落ちている大きな要因は、イノベーションが起きなくなってきているということであります。
 最後に、残りの時間、黒田総裁に伺います。
 低金利政策のおかげで、本来ならば市場から退出をしなければいけない企業が残ってしまっている。つまりは、金利が高ければ高いほどそれだけ資金調達をしなきゃいけないし、利益も出さなきゃいけない。でも、低金利政策によって金利がほぼゼロでお金が調達できる。これが、本来であれば新陳代謝を生み市場から退出をしなければいけない、そういった企業を言ってみればゾンビのように生き残らせ、それが潜在成長率を落ちさせている一つの要因になっているという認識はありませんか。

#128
○黒田参考人 この点はなかなか難しい問題でして、御案内のとおり、BISのエコノミストは昔からこの点を主張しておりまして、金融緩和が続くと、どうしても、本来退出すべき企業がずっと生き残って、結果的に生産性が落ちていく、ですから、それを考えて金融緩和というものの期間とかやり方を考えなくちゃいけないということは言われている。
 それはそのとおりなんですけれども、他方で、IMFを含めて、その他の国際機関は、そういう面はあるかもしれないけれども、しかし、景気後退のときに財政金融政策をとるというときに、やはり金融政策が非常に重要な役割を果たすということは事実でありますので、その点は頭に入れておく必要はあるとは思うんですけれども、それを理由にしてプリマチュアに金融緩和をやめてしまうということになると、経済が回復しなくて元も子もなくなってしまうということも事実でありまして、非常に難しい問題であることはそのとおりなんですけれども。
 特に、コロナの関係でも、今も政府、中央銀行全体として莫大な資金繰り支援をやっているわけですけれども、コロナ後を見据えたときに、アクロス・ザ・ボードというか、全部についてそういうことをやっているということが、コロナ後には退出すべき企業というものがそのまま残ってしまうんじゃないか、それをどこかで選別しないといけないんじゃないかというような議論は、実はBISなどでも最近非常に行われている議論でありまして、その点は十分念頭に置いて、頭には入れておきますが、ただ、そのことと、金融緩和を、経済が完全に持続的な軌道に乗り物価安定目標が実現されようというときでないときにプリマチュアにやめるということは、やはり適切でないというふうに考えております。

#129
○前原委員 これで終わりますけれども、コロナで全て逃げてはいけないと思うんです。私が申し上げたのはコロナ前までで、先ほど景気後退とおっしゃったけれども、景気後退じゃなくて、景気は上がっているときですよね、この七年間というのは。それでもずっと低金利政策、異次元の金融緩和を続けて、結局、退出する企業もさせなかった。
 今はそれはしっかりと資金繰りも支えなきゃいけないときだと思いますよ、コロナですから。だけれども、それを、やはり前のときもちゃんと検証して、副作用が極めて大きかったんだということを認めない限り、この七年八カ月の統計というのは極めて厳しいものになっているということはもう御理解されていると思いますので、ぜひ、そこを念頭に、私は政策転換をやるべきときに来ているというふうに申し上げて、質問を終わります。

#130
○越智委員長 午後一時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時十分開議

#131
○越智委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。日吉雄太君。

#132
○日吉委員 立憲民主・社民・無所属の日吉雄太です。
 まず初めに、麻生大臣にお伺いしたいと思います。
 昨日の所信の演説の中で、民需主導の成長軌道に戻していくためとか、持続的な経済成長を維持、促進するとともにというような言葉がございました。非常に基本的なことで甚だ恐縮ではありますけれども、この経済成長というのはどういう意味で使われているのかというのを確認させていただきたいと思うんですけれども、基本的に、GDPを指標として、それをふやしていくということだと思うんですけれども、ここで言う経済成長はどのような意味で使われておりますでしょうか。

#133
○麻生国務大臣 これは日吉先生、政権交代をさせていただいた平成二十四年十二月以来ですけれども、一貫して経済の再生に、この後、取り組ませていただいたんだと思います。
 その上で、人口が確実に漸減をしておりますので、減っておりますので、その中でGDPと言われるものを名目でも実質でも確実に上げてきて、過去最高ということにコロナ前までになりましたから、そういった意味では高水準となりましたし、高水準の企業収益とか雇用、所得環境の改善というものを背景に、経済の好循環というのは着実に進んでいるんだ、私どもはそう思っております。
 その上で、企業というのは、これまでデフレが続いていましたので、少なくとも、企業が得た収益を設備投資に回すとか、それを給与のあれに、もっと上げてやろうとか、いわゆる労働分配とか、そういったいろいろなものではなくて、使いたいものがなくて、何となく自己株消却をやってみたり、また、それをそのまま内部留保してみたりというような状態があったことは確かですよ。私どもがもっと期待していたほどは伸びなかったことは事実です。
 だから、企業側も企業側で、内部留保していたがために、今回のコロナで騒ぎになったけれどもみんな生き延びられたのは内部留保があったからじゃないかと、多分、企業側は言うんだと思いますね。それも決してうそじゃありませんから。
 そういった中で、私どもは、まずはこの新型コロナというものへ対応していかなきゃいかぬのだと思いますが、ポストコロナというのを考えたときに、やはり今の中でおくれているようなことがわかった。例えばデジタライゼーション、みんなで十万円を配った、早く配れる、配れると言ったじゃないですか。ところが、実際は全然できなかった。なぜか。地方自治体と中央との間にデジタルでつながらないからでしょう、あれは。全部ファクスでやったりなんかしているんだから、そういったことになった。だから、すぐにできたかといったら、できなかったんですよ。
 だから、そういった意味では、デジタライゼーションというものがかなり経済成長に役立つことは確かでしょうし、これからの社会で、いわゆるグリーンという言葉が出てきますけれども、いわゆる環境にいいとかいうようなものを実現していかなければいかぬことになりますので。そういった意味では、経済成長とか産業構造を見直しながら民需主導というのをやりますときに、少なくとも、かつて、そうですね、排気ガス規制のときは、もうこれでみんな終わりだみたいなことが、あのときは一斉に新聞などで。しかし、排気ガスをやってみたら、結果的に、企業の努力の成果で、日本のこういった対応は世界で一番になったわけですよね。あれは間違いなく民需ですよ。
 そういった意味で、今回のいわゆるエネルギーの話にしても何の話にしても、私どもは民需主導というもので何をやったか。水素化とかいろいろなものが出てくるとは思いますけれども、そういったものに設備投資とか規制とかいうものを措置していくというのが大事だと思っております。

#134
○日吉委員 そういう、それぞれの意味があると思うんですけれども、その中でGDPをふやしていくということだと思うんですが、それが、総額でふやす、これを経済成長だとおっしゃっていると思うんですね。一人当たりのGDPをふやすのではなくて、総額としてのGDPをふやしていく。
 ただ、人口が減少していく、極端な例でいくと一億が五千万人になりましたといったときに、であれば、それは一人当たりのGDPを二倍にしないと保てなくなって、それ以上の成長をしなければいけない。極端に半分にはならないとしても、そういう厳しい中で本当に成長というのはできるんですか。

#135
○麻生国務大臣 できるんですかと言われますけれども、できると思っております。大体、五千万も減ることはない。ちょっと例が、もうちょっと、五百万ぐらいに言われた方が現実的ですから。
 そういった形で、私どもとしては、そういったものが不可能という前提でやっているわけではありません。

#136
○日吉委員 不可能とは申しませんけれども、かなりハードルが高いのではないのかなという中で、そこのところを国民の皆様が、本当にできるのかというところにやはり疑念を持っているんじゃないのかなと。そういった中で、少し現実的な目標を見定めた上で、そうでなければ、その前提を間違えるとやはり政策も間違ってしまいますということになりかねないので、一旦、本当に成長するのかというのをしっかりと検証した上で、目標をもう一度考えて、その上で政策を議論していくということが今必要なのではないかなと思います。
 私は、もし私であれば一人当たりのGDPをふやすというのが、それは目標としても、やはり総額でふやしていくというのは短期的には非常に難しいのかなというふうに思いますので、長期的には目指したとしても、短期的には一旦現実的なラインで目標を設定した方がいいんじゃないのかなということを申し上げさせていただきます。
 続きまして、私、余り持ち時間がないのであれなんですけれども、森友学園問題の予備的調査の件について質問をさせていただきます。
 赤木さんの手記の中で、会計検査院が近畿財務局に検査に入るに当たって、本省からその対応について、法律相談記録を始めとした内部文書について、それを会計検査院に提出しないでほしいというような指示を本省から受けたというのが手記の中にありました。
 それについて今回の予備的調査で調査をしていただきまして、その調査の一つの項目として、近畿財務局への会計検査院の検査に先立ち、法律相談の文書を含む内部資料の取扱いその他検査への対応について、本省から近畿財務局に指示した資料がありますかという問いに対して、その資料はないという回答だったんですけれども、ここで確認なんですが、そういった指示自体は、資料はないとしても、指示自体はあったのか、なかったのか、これを教えてください。

#137
○大鹿政府参考人 お答えいたします。
 今般、衆議院の調査局から御要請がありましたことから、法律相談文書を会計検査院に示さないとの指示の内容を示す資料について探索を行いますとともに、当時及び現在の職員、これは本省及び近畿財務局双方でありますが、関係する職員に確認を行いましたけれども、当該指示の内容を示す資料は確認されておりませんし、資料があったということも、指示があったということも確認をされておりません。

#138
○日吉委員 そうしますと、そういった指示はなかったということですので、この赤木さんの手記、これは虚偽である、このような認識なんでしょうか。

#139
○大鹿政府参考人 お答えいたします。
 まず、法律相談文書の存在の確認に至った経緯について改めて御答弁させていただきますが、平成二十九年春の検査院への対応時におきましては、検査に対応しておりました近畿財務局管財部では保存期間を一年未満としていたことから、法律相談文書を廃棄していた一方で、別の部門、これは法律部門でございますが、ここに保存されていることには気がつかず、会計検査院からの要求に対しまして当該文書を提出できなかったということであります。
 その後、平成二十九年秋の情報公開請求への対応のために、近畿財務局におきましては、管財部にとどまらず他の部門も含めて文書の探索が行われた結果、法律部門におきまして法律相談文書が保存されているということが確認をされ、このことを受けて、会計検査院への連絡、情報公開請求に対する開示決定といった対応を速やかに行ったところであります。
 法律相談文書につきましてはこのような経緯で確認されたところでありますので、法律部門に法律相談文書が行政文書として保管をされていたということについては、当該資料が近畿財務局の資料ということもありまして、本省の職員においても認識がされていなかったというところが実態でございます。

#140
○日吉委員 経緯は理解しております。財務省さんの認識として、赤木さんの手記、これは虚偽だという認識なのか。であれば、その旨、お答えいただければと思います。

#141
○大鹿政府参考人 経緯につきましては、今申し上げたとおりでございます。
 赤木さんの手記につきまして私どもの方としてコメントをするのはいかがかと思いますけれども、あえて申し上げますと、この法律文書についての個別の指示は確認されていなかったわけでありますが、会計検査院による会計検査に対しまして不適切な対応を行っていたということも認めざるを得ないと思います。そうした中で、職位や立場等の違いによってそれぞれの個人の受けとめが違っていたということはあり得ると考えられますことから、赤木さんがうそをついているというところまで申し上げるつもりはございません。

#142
○日吉委員 ただ、赤木さんも明らかに本省から指示があったということなんですけれども。
 では、法律文書は別にして、会計検査院の検査を近畿財務局が受けるに当たって、本省からそれに対して何らかの指示というのはされるものですか、通常。

#143
○大鹿政府参考人 平成二十九年春の会計検査院の検査に対する対応につきましては、会計検査院から、廃棄していない応接録などを提示するように求めがございましたが、本省理財局において、国会審議等において存在を認めていない文書の提出に応じることは妥当ではないというふうに考えまして、存在しない旨の回答を続けたというふうに、財務省の調査報告書におきましてこの点は認定をされているというところでございます。

#144
○日吉委員 もう一つ、会計検査院が検査をするときに管財部だけに質問をしたので法律相談文書がそのとき提出されなかったということなんですけれども、そのときに、なぜ近畿財務局全体においてあるかないかということを、探さなかったのか。
 通常、検査を受けるに当たって、どういう書類がどこにあるのかということを把握している、全体を把握している方が検査に対応し、その中で、この文書はこっちにあるなとかいうような、さばきながら資料を提出すると思うんですけれども、なぜ管財だけで終わってしまったのか。そこはどのように説明を受けているんでしょうか。

#145
○大鹿政府参考人 お答えいたします。
 確かに、会計検査院の検査を受検する際に、当該管財部におきましては、法律相談文書、法律相談を行った際に残っていた文書の確認を行わなかったわけでありますが、その際の管財部の職員は、当時の状況もあろうかと思いますけれども、法律相談文書の存在に思い至ることがなかったということのようでございます。加えまして、会計検査院から損害賠償請求等の法律関係の扱いにつきまして御質問を受けた際に、当該担当者が、口頭ではありますけれども、その点を丁寧に説明を行ったということもございます。

#146
○日吉委員 通常であれば、全体の資料がどこにあるかわかる人が対応をすると思うんですけれども。
 そうしたら、ちょっと質問をかえまして、検査院の前に、国会議員ないし国会から、法律相談の文書を提出してください、こういう依頼というのはあったんでしょうか、なかったんでしょうか。

#147
○大鹿政府参考人 法律相談文書につきましては、先ほど御説明しましたとおり、平成二十九年秋の情報公開請求の過程で確認されて、その後、国会議員の先生方にも提出をさせていただいたところでございます。
 それで、二十九年春の検査院の検査の前の時点、あるいは、その段階で既に国会議員から資料要求があったのではないかという御質問でありますけれども、平成二十九年二月の報道以降、国会で御審議をいただく中で、さまざまな資料要求をいただいてはおりますが、当時、本省として、法律相談文書といった資料の存在を認識していたわけではなく、また、そういった状況下において、法律相談文書を個別具体的に特定し得る資料要求はいただいていなかったというふうに承知をしております。

#148
○日吉委員 今も、法律相談文書の存在自体を本省では認識していなかったということなんですけれども、そもそも論として、そういう法律相談文書というものが、この件に限らず、あるかないかというのは、本省の方も、通常、法律相談文書というものが何らかの案件ではあるということは理解されているんじゃないんですか。

#149
○大鹿政府参考人 お答えいたします。
 国有財産の売却あるいは管理を担当する際に、そのリーガル面でのチェックあるいはアドバイスを受けるということは各地方財務局におきまして通常行われておりますので、そういった相談なり検討なりが行われているということは当然認識し得ると思いますけれども、法律相談文書という形で行政文書としてしっかりと管理され残っていた、残されているというところまで思い至ることはなかったということが実態かと思います。

#150
○日吉委員 これだけ騒がれている中で、当然、八億値引きするというような中において、重要な、イレギュラーな案件で法律相談がないということではなくて、通常は多分めぐらせるんじゃないかなというふうに思います。
 もう一点、美並元近畿財務局長なんですけれども、赤木さんの手記の中では全責任を負うという発言をされていましたが、この予備的調査の資料の想定問答集を拝見しますと、それについて、具体的な改ざんの内容は把握していなかったということなんですけれども、美並元局長が具体的な改ざんを把握した時期、いつそれについて知ったのか、教えてください。

#151
○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。
 赤木氏に関する一連の報道を受けまして、お墓参りの発言、これは、美並局長が、お墓参りを断ってくれてありがとうという報道があったものですから、これにつきまして美並元近畿財務局長に連絡をとりましたところ、美並元近畿財務局長の方から、調査過程において申し述べたとおり、決裁文書については、様式や字句の修正が行われていることは聞いたが、その具体的な内容までは聞いていなかった、一連の報道と、これを受けた財務省による公表、具体的には平成三十年の三月でございますが、に初めて、改ざんが行われていたことを知ったとのことでございました。

#152
○日吉委員 通常、局長にこういう報告というのはなされないんですか。

#153
○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。
 局長にどこまで上げるかというのは、その案件によって区々ばらばらだと思いますが、今回の件については、美並局長にその当時上げたのは、決裁文書について、様式や字句の修正を行うということについて上げたということでございます。

#154
○日吉委員 様式や語句の修正だけというと、何となく虚偽な感じになってしまいます。
 時間が参りましたので、また少し次回に続きをさせていただきたいと思います。そのことを申し上げて、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。

#155
○越智委員長 次に、古本伸一郎君。

#156
○古本委員 無所属の古本伸一郎でございます。
 立社無の会派の中で、理事各位の御配慮でお時間をいただきましたので、御質問させていただきたいと思います。
 野党も、御案内のとおり随分再編されこういう形になって、多分、麻生大臣がごらんになっていたら、もう散り散りになって何をやっているんだろうなというふうにごらんになっているんじゃないかなとさえ思うわけでありますけれども、ちょうど十年前に政権を私どもに託していただけたときには、多少なりとも目指す社会像というものをお示しを少しできたんじゃないかなというふうに思います。その代表例が、ちょっと例えが悪かったんですけれども、コンクリートから人への投資ということだったと思います。
 あのとき高等学校の授業料無償化を申し上げましたけれども、安倍政権に政権再交代された以降も残していただいています。
 今般、結婚生活支援事業ということで、令和三年度予算に盛り込む予定だというふうに巷間承知しておりますけれども、実は当委員会でも何度か問題提起させていただいたわけでありますが、個人的には大賛成であります。
 不妊治療の保険適用対象も、当時、十年前、提唱しましたけれども、なかなか与党の皆様方、当時の野党自民党の先生方の中には、子供を授かるということに関してどこまで国家が関与すべきかという御異論も賜ったというふうに承知しています。
 つまり、自民党、公明党の皆様の経済政策が人への投資に傾斜してきたとするならば、私ども野党は挑戦者として更にその先の十年先の社会を描いていかなければ、もう存在理由がないとさえ、強い危機感を感じています。
 その意味では、何党であれ、政策が実現し世の中がよくなれば世の中の皆さんは一番幸せでありますので、きょうはそういう思いを込めて、結婚生活支援事業のまず御質問をしたいと思います。
 これは、諸先生方御案内のとおり、今、年齢制限が三十四歳以下の方々が結婚した場合だけ結婚のお祝い金がもらえる。これは自治体の事業です。これを国費で二分の一補填をする。
 その際に、カップルの収入の上限が現状で入っておりまして、それが四百八十万、御主人と奥さんの分を合わせて四百八十万。これをもう少し上げるべきじゃないかという問題提起を当委員会でもしましたが、今回五百四十万になると承知しております。もっと上がらないかなと思います。それから、年齢を三十九歳に引き上げていただけるそうでありますけれども、これも歓迎いたしますが、それ以上で結婚される方もおられるわけであります。
 支援事業の概要を一言申し上げると、家賃を約四カ月分、全国平均で十三万円と計算し、それで約五十万。引っ越しの費用を約十万ということで、六十万円、新婚さんに自治体を通じて出る、これは国費二分の一補助が今回三分の二補助になるわけなんですが。
 きょうは内閣府の担当審議官にもお越しをいただいております。現在、一年間で結婚するカップルの数と、この制度を利用し、結婚お祝い金を受け取った昨年度のカップル数を教えてください。

#157
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘いただきました結婚新生活支援事業につきまして、支給実績世帯でございますけれども、令和元年度で千四百十一世帯というふうになってございます。
 この事業を導入している市町村が現在二百八十九、全体の一六・五%の自治体でございますので、単純な比較はできないのでございますけれども、令和元年度の全国の婚姻件数が五十九万九千七組というふうな統計がございますので、仮に単純に計算をすると、その中でいえば〇・二%が対象になっているという状況でございます。

#158
○古本委員 大臣、これ、実は、千七百自治体中、今審議官がおっしゃったとおり、約一七%の自治体しか導入していません。補助裏を負担するのがやはり負担だということもあるでしょうし、かくいう私の出身の豊田市という町でいえば、マッチングの方を重視していて、そもそも出会えないので、そっちが先だということで行政のエネルギーを投入している自治体ももちろんありますけれども、結婚に踏み切れない主な原因がやはり経済的な自立ということを挙げておられるカップルが多い中で、非常にいい政策じゃないかなというふうに思うんですけれども、わずかに去年一年で結婚したカップルの〇・二%しか使用していない。
 だから、所得制限がひっかかるので上限を上げるか、あるいは年齢制限を更に見直すか等々もありますけれども、ほかに原因があるんじゃないかなというふうに思うんです。
 この場でも発言しましたけれども、フランスにはPACS制度というのがあって、あえて言うと、同棲以上結婚未満みたいな、真ん中の法的概念。これは、離婚したときの財産分与とかが大変ややこしいので、PACSというのが、時代の要請で導入したということでありますけれども、百人フランス人の赤ちゃんが生まれたら、六十人は婚外子。これはPACSを使った方も含んでいるそうでありますけれども。日本は、百人赤ちゃんが生まれれば、婚外子はわずかに二人。
 この現実を見ただけでも、やはり結婚後、出産のいろいろな社会制度、特に配偶者控除だの三号被保険者、これは結婚しないとありませんので、税、社会保障制度はもちろんでありますけれども、社会の一般的な通念、価値観、道徳観、さまざま、やはり結婚を前提にしないとなかなか子をもうけることができないという日本の現実に照らしますと、もう少し思い切ってこの分野を応援できないものかというふうに思うんですけれども。
 これ、大臣、調べたら、何と福岡県は六十市町村中十二市町村が導入されています。私ども愛知県は弥富市が一カ所導入しているだけで、福岡県の導入率は単純にいけば二〇%、愛知県よりはるかに高く、かつ、遠賀町、鞍手町、嘉麻市、大臣のお地元の自治体は大変これを導入されています。自治体が補助裏を覚悟してでも導入しています。
 これは、年間でコンマ二%しか使えていない若い人、若いと言っちゃいけませんね、もっと、ミドルエージでも新婚さんになっていただきたいので、そういう方々を応援するためには、これを思い切って国費全額負担でやって、地方の補助裏なしというのもあるんじゃないかなと思いますけれども、どうかという問題提起をするわけであります。
 と同時に、この六十万円の内訳の、家賃の約十三、四万掛ける四カ月ですけれども、これは地方によってはなかなか広い間取りに住めますよ。でも、東京でいけば、相当小ぢんまりした間取りになると思います。物価差がございますので。特に家賃の物価差は大きいです。
 では、そこをどうやって偏差を入れるかというと、一律、今六十万という原案になっているようですけれども、だったら、思い切って新婚さん減税を入れたっていいんじゃないかという考え方はないのか。そうすると公平さを担保できるんじゃないか。いや、東京のカップルだけ百万払って、地方のカップルは三十万とか言い出したらまたおかしくなりますので、例えば、公平に戻すのであれば、応援をするのであれば、給付つきだっていいですよ、給付つき新婚さん減税があったらどんなにすばらしいかなと思います。
 新築の住宅を建てても、三年間、二分の一、固定が軽減されることを鑑みれば、できない話じゃないと思うんですけれども、伊藤副大臣、いかがですか。

#159
○伊藤副大臣 私も結婚適齢期の子供が二人ほどおりますので、非常に興味深く拝聴しております。
 若者の希望する結婚がそれぞれ希望する年齢でかなえられるような環境を整備することは、極めて重要だと考えております。
 このため、政府としても、今御紹介いただいたように、結婚に伴う新生活支援などの取組を進めることとし、新婚世帯に対する財政支援措置が講じられているものと承知をしております。
 他方、新婚世帯だけについて所得税等の例えば減税を行うことについては、低所得の世帯は税額が少なく効果が限られることや、人生のほかのイベントとの公平性、こうしたことも考慮して、税制で支援することが適切か、政策目的に照らして効果的かなどの観点も踏まえて、慎重に検討する必要があると考えております。

#160
○古本委員 先ほど大臣からは、少子化が国難であるというお話もございました。全く問題意識を一にするわけであります。
 結婚がどうしても日本社会においては出産の前提となっているのであれば、もう少し、国費投入してでも徹底的に新婚さんを応援するというのを何か政治判断ができないものかと思うんですが、大臣の御所見を求めます。

#161
○麻生国務大臣 フランスが今、特殊合計出生率二%を超えている。先進国では多分フランスだけだと記憶しますけれども。
 一九四九年、ドゴールがフランスの大統領になって、フランス人が、第二次世界大戦で戦死者の数、若者が二百何十万人と、このままいくとえらいことになるというので、あのときから少子化対策を、一九四九年から始めたフランス。もちろんそのころは、日本の場合は、やたら子供が生まれて団塊の世代ができたというのは、昭和四十六年ぐらいから始まっているんですけれども、ちょうど逆の現象があそこでは起きて、徹底してやった。結果、今、日本の場合は一・三いくとか一・二幾つということになって、今フランスの場合は二%を超えているという現実がここにあるんです。
 どういう対策をやったかというのは、一回フランスを見られるといいと思いますが、基本的には、産んでいる年齢はというか、結婚している年齢は日本の方が低いんですからね。女性では平均二十七・八とかなんとかという形になっていたと記憶しますけれども、フランスは全然高いんですよ。だけれども、子供を産んでいる時期が逆に低い。そこが、結婚しなくてもどんどん子供を産んどるという数字になりますね、現象面だけ見れば。だから、そういったような形に何となく、形というか数字としては、そこのところだけどうにかすればという話になるように聞こえるかもしれませんが。
 今たまたま福岡の例を出されましたので、福岡は六十市町村ありますけれども、今、人口がふえているのは、福岡市だけが百五十万、百五十九万ぐらいにふえてきていますので、間違いなく年間一万人ずつぐらいふえている計算になりますけれども、それ以外、福岡は全市全部人口が減っている中で、飯塚市と行橋市の二つがほぼ人口が減っていない。特殊合計出生率は、福岡県は一・五、全国平均一・三幾つ、三を切っているぐらいですから、飯塚市は一・七ですから。別にうちは、結婚しなくてもどんどん産めなんてことはやっていませんからね。そういったことはやっていないけれども、現実問題として一・七いっているという、あれは一回ちょっとよく分析してみないかぬところだなという感じはしますけれども。
 やはり一番は、結婚して子供を産んだら大変だとばかり言っているからそうなっちゃうんですよ、あれは。独身者に、おまえ、結婚は夢があるぞと堂々と語っている先輩の人はほとんど聞いたことがないですな。結婚だけはやめておけ、大変だぞとかみんな言うから。結婚は夢がある、子供を育てるのはおもしろいという話がもうちょっと世の中に出てこないと、なかなか動きにならないんじゃないかなという感じが正直な実感です。

#162
○古本委員 ありがとうございます。
 恐らく、教育ですとか、いろいろなことで努力をされている自治体があるんじゃないかなというふうに思いますけれども。
 きょうは主税局長にも来てもらいましたが、この六十万円、倍増しますけれども、これは非課税所得ですか、課税所得ですか。課税であるならば、せめてそれぐらい、国家として。そもそも、結婚を前提としているんですよ、出産は、残念ですけれども。なかなかフランスみたいに一朝一夕に日本はなりませんので、きょう現在。あわせて。

#163
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の結婚新生活支援事業に基づきます給付でございますが、これにつきましては、新居の家賃ですとか引っ越し費用に充てるなどを目的として、最大、現行ですと三十万円まで補助されるということで承知をいたしておりますが、所得税におきましては、一時所得として課税対象となるものでございます。一時所得の場合、五十万円の特別控除がございますので、この範囲内で給付されている分につきましては、控除の範囲内ということで、実際に課税されることはないということでございます。
 その上で、この給付につきまして非課税とすることにつきましては、他の給付の例を見ますと、簡素な給付措置を始めといたしまして、生活維持のために給付される給付金等については非課税措置が講じられている一方で、さまざまな政策目的で行われている給付等につきましては一時所得として課税されている例が多いということでございますので、これとのバランスでありますとか、先ほど婚外子のお話がございましたが、家族観ですとか結婚観も多様化しているという中でございますので、そういった点も含めて、幅広い観点から御議論いただくべき問題であるというふうに考えております。

#164
○古本委員 大臣も、少子化対策が今後の、この少子化という問題が国難であるというふうに、これは議場にいる全員の同僚議員の感じるところでありますので、踏み込んだ研究をぜひしていただきたいなというふうに思います。
 こういった結婚支援事業をやるにしても、先立つものが必要になります。先ほど来出ておりましたコロナの財源の問題について申し上げます。
 これは、東日本のときの話が出ておりましたけれども、来年の三月で十年を迎えるわけであります。いまだ自宅に帰れない方やら、さまざまな思いの方やらが東北三県に多くいらっしゃいます。三県だけじゃなくて、茨城にも、千葉にもそれぞれ大震災で被災された多くの方がいらっしゃると思いますが、今回のコロナとは似て非なるところが一点だけあるんです。あのときのキャッチフレーズは、頑張ろう東日本だったんです。言いかえれば、被災三県以外の皆さんは、もちろん茨城も首都圏も、いろいろな意味で二次被災された方はいらっしゃいましたが、基本的には東北三県を応援しようということの合い言葉のもと、復興税もできたんじゃないかなと思います。
 今般のコロナは、言うならば全国津々浦々、どの業種も、どなた様でも、みんながコロナという困難に立ち向かっているという意味においては、コロナ頑張ろう連帯税とかコロナ復興税というのは、なかなか政治判断は難しいテーマだと思います。
 一方で、コロナに要する費用が、当初、一次補正から二次補正、倍増してきて現在五十七兆。東日本のときは、最初十九兆と言ったのが、最終的に、今現在復興事業は続いていますけれども、三十二兆。それぞれ倍になっているわけであります。あのときは、復興税を構え、そして税外収入もあったかもしれませんが、やはり大きいのは復興税ですね。きょう現在も多くの皆様に御負担いただいています。平年度で復興特別所得税は約四千億お預かりをしています。これはあと十七年続きます。
 このことと比較すると、まずは、臨時異例かつ緊急、大変な事態が起きたので、国債発行し財源確保し、そして別途復興税というのを確保して、当時の当初見積りの約半分は税収で賄うということだったんです。所得税で七・五兆、復興特別法人税で二・二兆だったと思います。
 今回、五十七兆になんなんとする新型コロナの必要なお金というのが、もうこれで終わりだったらいいんですけれども、これは恐らく、いつとは言えません、科学者でもわからないと思いますが、この対策が五年、十年続くとしたら、恐らくコロナ対策費はもう百兆を超えていくんじゃないかなと思います。
 今現在、五十七兆の、恐らく特例公債を中心に財源を賄っていると思いますが、きょうは理財局長にお越しいただいていますけれども、恐らくこれは六十年償還ルールでシミュレーションされていると思いますが、十年物の利付国債で借りかえていく、今余りデュレーションギャップとかはないと思いますので、単純計算して、最終的な償還年に総額幾ら、今回のコロナ対策費五十七兆円を国債で賄ったがゆえに、最終、公債費といいますか、公の債務の費用は幾らになるでしょうか。

#165
○大鹿政府参考人 借換債を含めました債務償還費の累計額あるいは利払い費の総額といったものにつきましては、新規国債それから借換債の発行年限や表面利率の前提をどう置くかによって結果が異なりますので、一概にお答えすることは難しいですが、委員御指摘の、例えば、長期金利の指標であり発行ロットの大きい十年債で全額を発行し、借りかえを行って、かつ、直近の十年債の表面利率が〇・一%でありますのでこれが継続すると仮定をした場合、大胆な仮定を置いた場合でありますけれども、債務償還費の累計総額は約二百一・六兆円、これは、新規国債発行分五十七・六兆円に借換債の発行累計額百四十四・〇兆円が加わった額二百一・六兆円、それから利払い費の総額は約二・〇兆円となります。
 なお、十年債の表面利率を例えば一・〇%とした上でこれが今後も継続すると仮定した場合には、利払い費の総額は約二十・二兆円という試算になります。

#166
○古本委員 これは、御出席の同僚委員の皆様に、ともに分かち合うべきことだと思いますよ。五十兆を国債発行したら、六十年償還ですから、最終的に四倍、二百兆ですよ。東日本大震災の復興債は二十五年償還ですから、しかも、その間、復興税を出していますから、これは相当前提が違います。
 さりとて、相矛盾することを言いますけれども、コロナの場合は全員が困っていますから、この難しい問題に答えを出していくのが我々政治の責任じゃないかなというふうに、きょうは問題提起にとどめたいと思いますが、でも、せっかく伊藤副大臣が来られているので。
 思い切ってこの六十年償還を前倒したらどうですか。個人でも、家のローンを前倒せば償還費は圧縮できますよ。いかがでしょうか。

#167
○伊藤副大臣 震災当時のことも古本先生の方がよく御存じのとおりだと思いますし、今御質問の中でほとんど答えもおっしゃっておられると思いますが、改めて答弁申し上げます。
 この大震災のときの復興事業については、質問の中でお触れいただいたとおり、時限的な措置として復興特別税を導入し、つなぎとして復興債を発行するなどして事業を行いました。
 他方、現在、新型コロナ感染症の対応のために編成した一次、二次補正予算、必要な歳入のほぼ全額を国債で賄っております。これは、これも質問の中でお触れいただいたとおり、この影響が日本全国に及び、かつ、その影響が長期間にわたり、今も全ての国民が対応を余儀なくされているという状況を踏まえての対応だというふうに我々も理解をしております。
 いずれにせよ、目下、感染拡大の防止、経済の再生、そして財政の再建という三点を念頭に、現状の危機を乗り越えて、次の世代に未来をつないでいくことが我々の責任であります。当面の目標でありますプライマリーバランスの二〇二五年度黒字化目標の達成はもちろんですけれども、歳出歳入両面の改善に不断の取組を続けていきたいと思います。
 そして、先生の御質問にありました六十年償還ルールの見直し、これも非常に財政にとって大きな投げかけでございますので、また慎重に検討を重ねさせていただきたいと存じます。

#168
○古本委員 ぜひ果断に取り組んでいただきたいと思います。東日本は二十五年で償還しますから。
 これはコロナが、大臣、今、きのうのニュースを見ていても胸が痛いんですけれども、就職活動をされている学生の皆さんというのは、たった一年違いで、今、天と地獄に、就活が追いやられているわけであります、各企業が採用を軒並み絞り込んでいますので。
 そういう意味では、ぜひ、就活生に対するいろいろなエールとか、企業、関係団体との接点も大臣も多いと思うので、なかなかリスクオンする環境に企業はないんでしょうけれども、雇用というか、新規就活しているみんなの応援というのはぜひお願いしたいなということを強く要望、提案するわけであります。
 そういう困っている就活生もいる中で、コロナ連帯税なんていうことはなかなかしんどいと思いますよ。でも、それはなぜ言うかというと、多分これはすぐに終わらないからなんですよ。ずっと続くからこそ安定財源を確保すべきじゃないか。そして、お金を借りたのならできるだけ早期に償還した方が公債費を圧縮できるということを強く問題提起するわけであります。
 きょうは、デジタル関連についても少し触れたいと思います。
 総務省も来ていただいていますが、これは長年問題提起していますけれども、前年の所得で住民税が課税される。これはこの場でも申し上げましたけれども、前年から所得が落ちた人、例えば議席を失った議員とか、これほど切なくて負担になるものはないというのが住民税なんですよ。
 デジタル化になれば、国税のデータを自治に動かすのに、昔、ある大臣は、トラックでデータを運ぶのに時間がかかったんだと答弁した大臣もおられるんですよ、もう十何年前。それでいえば、もうデジタルの時代ですから、データの問題はないですよね。と同時に、役所の負担ということも、せっかくデジタル化するとおっしゃっているんだから、源徴義務者が、企業の人事、経理の皆様の負荷が上がるということも事前に聞いています、聞いていますので、できないという理由はもうないと思っているんですけれども。
 検討しているか、検討する気もないのかだけ聞かせてください。説明はいいです、余りもう時間がないので。検討する気があるかどうかだけ教えてください。

#169
○川窪政府参考人 お答え申し上げます。
 さまざま課題もございますことから、引き続き丁寧に議論、検討を続けてまいりたいと考えております。

#170
○古本委員 ありがとうございます。
 ぜひこれは検討を続けていただきたいし、与党の先生方がおられるので、その気になれば現年課税化できると思うので、やっていただきたいなと思います。
 それが無理なら、落選して落ちた人はまあ僕らですからおいておいても、退職した人が退職金の中から住民税を払っているという現実を考えたら、あるいはコロナによって所得が落ちた人が苦労しているということを考えたら、時限で減免を考えてもいいんじゃないかなという気はいたします。これは主税局長に問題提起します。
 もう時間が来ましたけれども、触れてだけ終わります。
 デジタル化が進んで行政文書が電子化されていくと、実は私は大きなエアポケットが生じるんじゃないかなと強い懸念を持っておりまして、それは、例えば請負契約、ゼネコンが施主さんとの請負契約を結んだら、例えば五十億以上の工事ですと今六十万円の印紙を張ります。これは、電子化された文書なら印紙税は要らないという理解ですけれども、正しいですか。
 ちょっと委員長、お許しいただいていいですか。

#171
○越智委員長 時間が経過しておりますので。

#172
○古本委員 じゃ、一瞬だけ。事実関係、正しいかどうか。電子文書なら印紙税は要らない。

#173
○越智委員長 簡潔に一言で答弁してください。

#174
○住澤政府参考人 電磁的記録の場合、印紙税は課税されません。

#175
○古本委員 ありがとうございました。
 つまり、一兆円近い印紙税収は貴重な財源であります。デジタル化が進むことによって実は課税できなくなる。逆に、デジタル文書は免税というか非課税文書で、有印文書というか紙は課税だというのは既に不公平が生じているので、こっちに合わすべきだ、つまりきちんと課税すべきだということを一度研究すべきだと思います。
 今後、行政文書が電子化されていく中で、貴重な印紙税収が欠損しないようにぜひ研究していただくよう問題提起して、終わります。
 ありがとうございました。

#176
○越智委員長 次に、清水忠史君。

#177
○清水委員 日本共産党の清水忠史です。
 新型コロナウイルス感染症対策について質問いたします。
 対策関連費なんですが、一次補正と二次補正を合わせまして、約五十七兆四千億円ということです。さらに、菅総理大臣は三次補正の予算案の策定を指示したと報道されております。
 これだけの規模の予算を組んでいながら、残念なことに、消費税減税は一切盛り込まれておりません。今回のコロナ禍で、多くの国が消費税減税を既に実施しております。資料を配付いたしましたので、ごらんいただけますか。
 資料の一は、ドイツにおける付加価値税の時限的軽減措置の概要です。半年間で、標準課税を一九%から一六%に、軽減税率は七%から五%に、財政への影響は二・四兆円及ぶわけですが、これらを景気刺激策のパッケージとして、時限的な税率の引下げを行っております。
 裏をごらんください。資料の二ですが、オーストリアにおける付加価値税の時限的軽減措置の概要、これも半年間でありますが、一〇%から五%に減税しておりますし、表の六と書いているところ、イギリスにおける付加価値税の時限的減税措置の概要、これも約半年間でありますが、標準税率二〇%を五%に引き下げるということを既に行っております。イギリスの減税につきましては、リシ・スナク財務大臣が七月八日の議会演説で、十五万人以上の事業者及び全国の消費者に利益をもたらすものであり、二百四十万人の雇用を守ることにつながる、消費税の時限的減税の効果をこう述べておられます。
 補正予算を策定する過程で、消費税減税の導入について我が国では一切検討をしてこなかったのはなぜでしょうか。麻生財務大臣に質問いたします。

#178
○麻生国務大臣 消費税につきましては、もう御存じのように、この急速な高齢化、少子高齢化というものを考えた場合に、社会保障の給付というものが最も大きな予算の中の比率を占めているのは御存じだと思います。かれこれ四割、先ほどどなたかの資料にもありましたが。その中で、国民が広く受益をいたします社会保障というものの費用はあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点から、社会保障の財源としてこれが位置づけられたというのが経緯です。少子高齢化、もらう人の方がふえて払う人の方が減ってくるという状態で、どのようにしてやれる計算になっているのだか。私どもの計算では、この消費税というのは極めて大きな要素を占めるものだ、私どもはそう思っております。
 したがいまして、昨年にやらせていただきました消費税の引上げは、全ての世代が安心してということで、全世代型の社会保障制度へと大きく転換していくためにどうしても必要なものだったと考えております。したがいまして、今、消費税を引き下げるという御提案ですけれども、考えておりません。

#179
○清水委員 将来的な社会保障財源につきましては、また今後議論したいというふうに思っているんです。
 私が今紹介した各国の例、これはコロナ対策として、国民生活と経済を立て直すために時限的に消費税を減税しているということを紹介させていただきました。今私が述べましたイギリス、それからドイツ、オーストリア以外に、アジアでは中国や韓国も実施しておりますし、私が調べただけでも約二十カ国で消費税の減税を今行うか検討しているということであります。
 確かに、国ごとに税率が異なるわけで、仕組みもさまざまです。しかし、各国が、このコロナの不況から抜け出す有効な手段として時限的な消費税の引下げを位置づけているということは、やはり率直に認めるべきではないかというふうに思うんですね。
 ある衆議院議員は、毎日新聞のインタビューにこう答えました。昨年十月は、消費税増税をすべきタイミングではなかったと認めざるを得ない。景気後退期に入っていた上でのコロナ禍だ。まさにダブルパンチであり、このままでは倒産件数はふえ、多くの人が経済的に追い込まれ、自殺者もふえてしまう可能性がある、こう答えておられます。
 別の衆議院議員もこう言っています。コロナ対策としてではなく、日本の経済を立て直すために消費税減税が必要だ。消費税減税は全ての国民にあまねく届く。消費税率をゼロ%にすれば商品を事実上一割値引きすることになるので、一番効果がある。しかも、消費税は所得の低い人ほど負担に感じるという逆進性がある。裏を返せば、税率を下げれば、所得の低い人ほど恩恵があると述べました。
 前者は当委員会の委員でもある城内実衆議院議員、後者は安藤裕衆議院議員、いずれも自民党所属の衆議院議員であります。一昔前は、消費税を下げろと言うと共産党か民商かというふうに言われたものですが、今や自民党から共産党に至るまで、このコロナのもとで消費税の減税が有効だということを述べているわけですよね。
 国民からの要望も高く、与党議員からもこれだけ声が上がっている消費税の減税について、財務省はなぜ、国民の暮らしを守るための効果であるとか、あるいは経済的な効果について検討すらしないのか。これだけやはり国民の生活や日本経済への今ダメージがあるわけですから、コロナで。これを立て直すために、消費税減税、これを検討するべきだと思うんですが、なぜ排除するんですか。財務省に聞きたい。

#180
○麻生国務大臣 今言われました例、ドイツの消費税って幾らですか。ドイツの消費税は一九%、イギリスは二〇%だと思うんですね。私の記憶ですから、ちょっと違っていたら、あなたの紙を見ていないのでわからないんだけれども、日本より一〇%高いという、まず大前提を忘れぬでおいていただかぬといかぬところですね。その上で、財政状況も更に日本よりはよいということになっております。特別定額給付金というようなものを我々は全国一斉にやりましたけれども、その二国、いずれもやっていませんわね、そういうことは。間違いないでしょう。
 そういった意味で、日本は特別定額給付金、これは十二兆八千億円規模、消費税率で約五%分に相当しております、これをやらせていただきました。持続化給付金、これも総額五兆二千億円やらせていただきました。こういう対策をやらせていただきましたので、これらの着実な実施というものもあわせて考えていただかぬと、一面だけ言われるのはいかがなものかと。
 自民党にも、うちは数が多いのでいろいろいますので、それは自由に言わせてください。

#181
○清水委員 安藤議員は、六十人を超える自民党議員の賛同を取りまとめたと言っているんですよ。全国商工団体連合会の調べでは、自民党議員百人以上が、税率の幅とか期限はそれぞれですけれども、消費税減税の必要性を訴えているんですからね。
 これはやはり事実をよく知っていただきたいことと、それから、税率の違いをおっしゃいました。しかし、日本の場合はほぼほとんどの品目に消費税がかかるわけで、生活必需品や教育費にかからない諸外国と一律に語るということはできないと思いますし、税収に占める消費税の割合というのは、一九%のドイツも一〇%の日本もそんなに変わらないわけです。
 だから、私が言いたいのは、先ほど言いましたように、仕組みや税率はそれぞれだ、しかし、コロナから立て直すために有効な手段としてやっているということをよくつかんでいただきたいと思うんですね。
 それから、先ほどドイツの話もしましたけれども、メルケル首相は、付加価値税、日本の消費税ですが、消費者全員にかかる税であり、その減税は社会的公正さを保つものだ、こうも発言しているわけです。先ほど十万円のお話がありましたけれども、たしか麻生大臣は、あれは貯蓄で十万たまっただけだとかいうふうにおっしゃっていたような記憶があるんですけれども。
 持続化給付金で言いましたら、同様なことはドイツでもやっています、後でも触れますけれども。その上で、二十カ国で消費税を減税している。このことの効果をやはり財務省としてもしっかりと検証し、そしてその実現性を検討するべきだと私は強く求めたいというふうに思います。
 なぜかといいますと、やはり企業の倒産や派遣切りなどで、今多くの雇用が奪われています。低所得層での困窮が一層激しくなってきています。GoToトラベルとかGoToイートというのは、お金があったり時間があったりする人は利用することができるかもしれませんけれども、そうでない人もたくさんいらっしゃるわけですよね。
 その点、消費税の減税というのは、例えば食料品などの生活必需品、これの税込み価格を下げるわけですから、全ての階層に恩恵が生じるわけです。民主青年同盟なんかが学生向けにいわゆる食料支援なんかをやりましたら、それこそ多くの学生が殺到するというわけですよ。そういう点では、やはり食料品も含めて引き下げていくということがどれだけ効果があるかということを財務省は真剣に考えるべきです。
 例えば、麻生大臣、八%の軽減税率を半年間ゼロにするのであれば、約二兆円の財源でできます。八%への減税を、一〇%を八%にするのであれば、半年間で二・三兆円でできます。五%への減税、一律五%にするのであれば、半年間で六・五兆でできるわけです。これは予備費の残額でもできる金額なんですよ。もっと言いますと、きょうあたりは、自民党の参議院の世耕幹事長が三次補正は三十兆から四十兆だ、こういうふうに景気のいい話をしているわけじゃないですか。
 消費の底上げの、生活の下支えの観点から、消費税減税もコロナ対策の景気対策として検討するに値するんじゃないですか。いかがでしょうか。

#182
○麻生国務大臣 先ほども申し上げましたように、二度の補正予算とかコロナ予備費の活用等々を通じて、雇用維持とか業務の継続とか国民生活の下支えに努めているところでありまして、まずこれらを着実かつ迅速に執行に努めていくことが何といっても重要だと考えております。
 また、消費税につきましては、先ほど申し上げたとおりでありまして、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うということで、社会保障の財源として位置づけられているものだと思っております。
 したがいまして、昨年の消費税率の引上げは、全ての世代が安心できます全世代型社会保障への変換をしていく大事な大事な点でありまして、消費税を今引き下げるということは考えておりません。

#183
○清水委員 例えば、OECDのグリア事務総長も、ことし三月、コロナ危機に対応するための世界の協調行動を呼びかける中で、一時的な付加価値税の減税又は猶予というものを緊急政策の選択肢に挙げていること、これは当然御存じのことだと思うんですよね。
 ですから、社会保障の財源云々というのは、それは諸外国だってそれぞれ事情があるでしょう。しかし、コロナのために苦しんでいる国民生活や経済を立て直すためには消費税減税が有効だということをやっているわけですから、ぜひこれは検討することを求めたいというふうに思っています。
 同時に、消費税減税は中小企業への支援にもつながります。新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な事業者に対し、納税の猶予制度に特例が設けられました。ことし二月一日以降、前年同月比の収入に対しおおむね二〇%の減少があった場合、一年間の納税猶予を延滞税なしで認めるというものです。
 現在までの適用状況について国税庁にお伺いしたい。それから、納税猶予制度の特例を適用した税額のうち消費税が占める税額の割合と、その件数についても教えてください。

#184
○鑓水政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘の特例猶予の適用でございます。九月三十日までで全体で約七千八百億円、うち消費税及び地方消費税は約四千八百億円となっておりまして、全体の約六一%ということでございます。
 それから、適用件数につきましては、トータルでは二十万件余りでございますが、ちょっと、税額ごとにはとってございませんので、控えたいと思います。

#185
○清水委員 今、国税庁から答弁がありましたように、これは所得税も含めて七千八百億円余り納税猶予の特例を活用している。そのうち消費税が四千七百億円余りで、全税目のうちの六割なんですよね。ですから、全部の件数が二十万件というふうに言われましたけれども、その多くが、ことし消費税が納められなかった、この特例の猶予制度を利用しているということですね。新型コロナが拡大するもと、緊急事態宣言が発出され、外出の自粛や休業要請により多くの事業者が納税困難に陥っているということは、今言われた数字を確認してもよくわかることだと思うんです。
 来年の申告なんですね、問題は、来年の申告。赤字の場合は所得税や法人税は払わなくていいです、ゼロでいいということになります。そういう場合はあります。しかし、消費税の納税はそうはなりません。免税業者でない限り、赤字でも納税義務が生じるのが消費税であります。ことし納税猶予の特例を利用した、申請した業者さんが、来年の確定申告時期に二年分の消費税の納税が求められるわけですよ。
 コロナが収束しておりません。今、第三波と言われております。不況の中で苦しんでいて、ことし乗り切れるかどうかわからないという中小企業が多い中、全ての事業者が二年分まともに消費税を払えるというふうに認識しているんでしょうか。財務省、いかがでしょうか。

#186
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。
 新型コロナの影響に鑑みまして講じましたこの納税猶予の特例でございますが、こちらは無担保かつ延滞税なしで一年間納税を猶予するということで、通常の納税猶予制度の特例として、担保の点と延滞税の点での特例を設けたものでございます。
 この特例による猶予期間が満了した際に二年分納めなければいけないのかというところでございますが、これにつきましては、この特例とは別に、既存の猶予制度に基づく分割納付が可能でございますので、要件を満たした場合ということでございますが、必ずしも御指摘のようなことにはならないというふうに考えております。

#187
○清水委員 既存の納税猶予制度に切りかえる、あるいはそれを活用せよとの答弁だったと思うんですが、ただ、たくさんの資料提出が必要なんですよね、既存の納税猶予制度というのは。税務署の職員も大変忙しい繁忙期である納税時期に、確定申告時期に、ことしの、だから来年の分ですよね、払えないという申請書類をたくさんそろえなければならない。これはお互い大変だと思うんです。
 簡易な資料の提出で済む、それが今の特例制度の一つの特徴でもあるわけですから、やはりそういう点ではこの特例制度の延長も必要だと思うんですが、書類の提出の件についてはいかがですか。

#188
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。
 今般のこの特例猶予制度を検討する際に、並行いたしまして、運用上の対応として、書類の提出等についても、実務的に難しい状態にある納税者の方々に対しては、例えば口頭での説明で可とする等の弾力的な運用を国税庁において行ってきているというふうに承知をいたしております。

#189
○清水委員 この問題で麻生大臣に一問お伺いしたいと思います。
 先ほど私が紹介した自民党の安藤裕衆議院議員はこうも言っているんですね。消費税は、消費者から企業が税を預かって国に納める預かり税だと言われることがあるが、実際には中小企業は消費税分を転嫁し切れていない、税率が上がれば上がるほど利益を削ってかぶっているのが実情だ、消費税を下げることは中小企業にとっても恩恵となると。やはり中小企業が、しかも消費税に苦しめられているということを告発している、安藤議員は税理士でもありますから、多くの中小企業の実情をよく御存じなんでしょう。
 それで、麻生大臣に訴えたいのは、二年分の消費税の滞納を抱えてしまうというようなことになったときには、納税の展望も失い、せっかく持続化給付金だとか家賃支援給付金、あるいは制度融資、こういうものを得て一旦は落ちつくことができたけれども、もうそこで息切れ倒産、諦め廃業に追い込まれるというような状況になりかねません。消費税の滞納問題が、私は中小企業の倒産の引き金になるように思えて仕方がありません。
 ぜひ、納税猶予の特例措置の延長など、納税が難しいと言われている中小業者の皆さんへの対策が必要だと思うんですが、この点、いかがでしょうか。

#190
○麻生国務大臣 今、住澤、参考人の方からお答えをさせていただいたということだと思っていますが、いわゆるコロナの影響によって事業者の収入が減っておるということを踏まえて、先ほど申し上げましたように、無担保とか無利子だとか納税猶予とかいろいろな特例をさせていただきましたが、それ以外にも、触れられませんでしたけれども、給付金とか助成金とか実質無利子無担保での融資等々もありましたでしょう。そういった事業者に対するさまざまな支援措置が講じられていますのはよく御存じのとおりなんだと思います、御存じかどうか知りませんけれども、そうなんだと思います。
 それで、先ほど、この特例による猶予期間終了後においても更に納付が厳しいという方もおられるんだと思いますよ。しかし、そういったときには、既存の猶予制度に基づいて、今はそういう制度がありますから、分割納付していただくということも可能になっておりますので、いずれにいたしましても、納税をしていただくに当たりましては、個々いろいろ、事業、業種、地域等々、いろいろ問題が場所によって違いますから、そういったものも考えて適切に対応するということだと存じます。

#191
○清水委員 ぜひ柔軟な対応をお願いしたいと思います。
 コロナがまだ継続しているもとで、いかに自営業者を支援するかということについてお伺いします。
 この間、持続化給付金、これは大変事業者の皆さんに喜ばれている支援でありますが、その実績と効果についてどのように評価しているか、経済産業省にお伺いしたいと思います。

#192
○佐藤大臣政務官 お答え申し上げます。
 持続化給付金は、戦後最大とも言える危機の中で、外出自粛等により売上げがゼロになるようなとりわけ厳しい経営状況にある事業者の皆様の事業継続を支援するために、使途に制限のない現金を給付する、前例のない思い切った対策でございます。
 実績でありますけれども、十一月十七日時点で約三百九十七万件の申請を受け付けておりまして、そのうち約三百七十七万件、約四兆九千二百三十億円をお届けしたところでございます。まずは、引き続き、必要な方に迅速に給付すべく全力を挙げているところでございます。
 現在執行中の事業でありますので、評価については予断を持ってお答えするのは困難でありますけれども、例えば、倒産件数は例年と比べても低い水準にあるなど、事業継続のために一定の成果を上げているものと承知をしております。
 その上で、固定費負担を始め、事業者が直面する困難はさまざまでありますけれども、個々の資金ニーズ等に応じて、家賃支援給付金や実質無利子無担保融資、また資本性劣後ローンなど、多層的に支援策を展開しているところでありますので、まずは現行の対策を御活用いただきたいと思っているところでございます。
 これらの支援策を通じて、引き続き、事業者の皆様の事業の継続、再開をしっかりと支援してまいります。

#193
○清水委員 一定効果があったということだと思うんです。
 ただ、今、札幌市では、御承知のとおり、警戒レベルが引き上がり、外出の自粛、往来の自粛、また、自営業者には時短要請などが出されています。第一波のときのような、今言われた持続化給付金のような、中小企業の固定費を支援する、これは第二弾について考える必要があると思うんですが、経産省、いかがでしょうか。

#194
○佐藤大臣政務官 お答えいたします。
 繰り返しにはなりますけれども、既に多層的な対策を講じているということでありまして、まずは現行の対策を活用いただきたいと考えておりますけれども、今後につきましては、今先生から御指摘がありましたような、引き続き、内外における感染症の状況や経済の動向などを注意深く見きわめていきたいと考えております。

#195
○清水委員 それでは私は間に合わないと思うんですよね。持続化給付金は一定効果があったということですが、先ほども申し上げましたように、それがもう枯渇してきている。例えば夏でコロナが収束していればそこは耐えることができたかもしれないが、今現在第三波が押し寄せているという状況ですので、私は、やはり持続化給付金の第二弾についても検討するべきだと思います。
 それから、家賃支援給付金についてもちょっと一つ質問したいと思うんですね。
 六十八万件の申請件数に対して給付件数が約四十八万件ということで、まだ二十万件も事業者への家賃支援給付金が給付されていないということは、私は問題だと思っております。
 いまだ給付されていない方で、この方は大阪市でバーを経営されている方なんですが、契約上の貸し主、賃貸人が亡くなりまして、その後、相続人らが係争中のため、管理会社が代理で家賃の受け取りや物件管理を行ってきた。申請様式書には、管理会社から理由記入や証明等をしてもらって、八月十二日に家賃支援給付金の申請を行った。ところが、なかなか振り込まれない。三カ月たった十一月九日に、何と事務局から電話が入り、相続人全員から覚書をもらえ、こういうふうに言われたというんですよね。弁護士が代理人となっており、直接連絡もとれない。ほかの同様のケースでは、管理会社の証明だけで給付されているものもある。
 改めて、これも経産省に確認したいと思うんですが、契約上の貸し主が死亡した場合、なお相続人が確定していないケースでは、管理会社が賃貸人、いわゆる貸し主の代理人として様式に署名した場合でも、申請は認められるものですよね。

#196
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のような、賃貸借契約書が自動継続で、かつ、契約書の賃貸人が既に死亡していて相続人が確定していない場合も含め、賃貸契約書において管理会社が明記されているのであれば、管理会社が代理人として署名又は記名押印をいただいた所定の様式を提出いただくことで、申請は可能でございます。もし何かあれば、御連絡をいただければと思います。

#197
○清水委員 可能だということが確認されました。
 審査する事務局によって対応が変わるというのはやはり困りますので、ぜひ運用の徹底を求めたいと思います。
 この家賃支援給付金は、事務所や店舗の家賃に加え、駐車場や倉庫の賃料についても認められることになっており、大変喜ばれております。
 ところが、ここでも問題が発生しておりまして、岸和田市で飲食店を営んでいる方なんですが、店舗の家賃月十万円と駐車場代月一万円、これを申請した。ところが、なれないものだから、事務局からエラーメールが返ってきた。何度かやりとりしているうちに、最終的には、家賃支援の分が漏れていて、駐車場代の分だけが振り込まれたというんですね。これは逆だったらまだ救いはあったんですけれども、一万円の駐車場代の方しか振り込まれなかった。これは一度給付した場合、決定した場合は二度と申請はできませんということで、コールセンターに相談したものの、受け付けてくれなかったということなんですよね。
 この方がおっしゃるのは、最初の受け付け時には、申請時には店舗家賃が含まれていたことを事務局は承知しているはずなのに、どうしてそのことを連絡してくれなかったのか、一言言ってくれたら両方間違いなく申請することができたのに、余りにもひどいではないか、こういうふうにおっしゃっておられるんです。
 事務局に全くの過失がないと言い切れない場合については、修正等に応じるなど、ぜひ自営業者の営業を継続するために柔軟な対応をお願いしたいんですが、その点、いかがでしょうか。政務官、お願いできますか。

#198
○佐藤大臣政務官 お答えいたします。
 家賃支援給付金の申請は、これまで一事業者一回限りとさせていただいておりまして、申請者の見込みよりも少ない金額が給付された場合であっても、追加の申請は認めていなかったところでございます。
 他方、事務局側にミスがあって本来よりも少ない給付となっている場合があるのなら、その旨を申請者の方から申し入れていただきまして、審査を行って追加で給付していくということ、また、これを十九日から運用することを既に経産省として決めているところでございます。
 事務局側にミスがあって本来よりも少ない給付となったとお考えの申請者の方については、先ほど申し上げたとおり、経産省として追加給付する方向を既に決めておりますので、手続としては、十九日以降に家賃支援給付金事務局のコールセンターにお問合せをいただければ幸いでございます。

#199
○清水委員 ありがとうございました。
 そのような柔軟な対応をしていただけるということで、この方々も大変喜ばれるというふうに思います。
 今申し上げたケースも、事務局が注意深く確認すれば正確に申請できたものだというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最後に訴えたいのは、ことしに入って、コロナ関連倒産、七百件近くなっております。八割が六カ月連続で前年同月比売上減ということです。三次補正を待たず、やはり予備費の活用などが必要だと思っています。GDPが回復したといっても、コロナ前の水準を下回り、消費税を一〇%に増税した後の水準より更に悪化しています。
 消費税の減税、持続化給付金の再支給、経営の苦しい中小企業については納税を免除するなど、思い切った支援策の実現が必要です。このことを政府に求めて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#200
○越智委員長 次回は、来る二十四日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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