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2020/11/20 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 本会議 第4号 令和2年11月20日
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2020/11/20 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 本会議 第4号 令和2年11月20日

#1
令和二年十一月二十日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第四号
  令和二年十一月二十日
   午前十時開議
 第一 生殖補助医療の提供等及びこれにより出
  生した子の親子関係に関する民法の特例に関
  する法律案(秋野公造君外四名発議)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、気候非常事態宣言決議案(中川雅治君外二
  十二名発議)(委員会審査省略要求)
 一、予防接種法及び検疫法の一部を改正する法
  律案(趣旨説明)
 一、日程第一
 一、情報監視審査会の調査及び審査の報告
     ─────・─────

#2
○議長(山東昭子君) 会議を開くに先立ち、御報告申し上げます。
 去る八日、議長は、皇居において天皇陛下にお目にかかり、また、赤坂東邸において皇嗣殿下にお目にかかり、立皇嗣の礼につき、さきに本院が議決した賀詞を奉呈いたしました。
     ─────・─────

#3
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 中川雅治君外二十二名発議に係る気候非常事態宣言決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。福山哲郎さん。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔福山哲郎君登壇、拍手〕

#5
○福山哲郎君 ただいま議題となりました自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会、日本共産党、沖縄の風、れいわ新選組、碧水会及びみんなの党の各派共同提案に係る決議案につきまして、発議者を代表し、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 案文を朗読いたします。
    気候非常事態宣言決議案
  近年、地球温暖化も要因として、世界各地を記録的な熱波が襲い、大規模な森林火災を引き起こすとともに、ハリケーンや洪水が未曽有の被害をもたらしている。我が国でも、災害級の猛暑や熱中症による搬送者・死亡者数の増加のほか、数十年に一度といわれる台風・豪雨が毎年のように発生し深刻な被害をもたらしている。
  これに対し、世界は、パリ協定の下、温室効果ガスの排出削減目標を定め、取組の強化を進めているが、各国が掲げている目標を達成しても必要な削減量には大きく不足しており、世界はまさに気候危機と呼ぶべき状況に直面している。
  私たちは「もはや地球温暖化問題は気候変動の域を超えて気候危機の状況に立ち至っている」との認識を世界と共有する。そしてこの危機を克服すべく、一日も早い脱炭素社会の実現に向けて、我が国の経済社会の再設計・取組の抜本的強化を行い、国際社会の名誉ある一員として、それに相応しい取組を、国を挙げて実践していくことを決意する。その第一歩として、ここに国民を代表する国会の総意として気候非常事態を宣言する。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ皆様方の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#6
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本決議案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#7
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
 よって、本決議案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
 ただいまの決議に対し、環境大臣から発言を求められました。小泉進次郎環境大臣。
   〔国務大臣小泉進次郎君登壇、拍手〕

#8
○国務大臣(小泉進次郎君) 近年、気候変動が一因と考えられる異常気象が世界各地で発生し、世界全体で気候変動対策を進めることは喫緊の課題となっており、まさに気候危機とも言われております。
 政府といたしましては、ただいまの御決議の趣旨を十分に尊重いたしまして、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、いわゆる二〇五〇年カーボンニュートラルに向け取組を加速させます。これにより、環境先進国日本の復権を果たしてまいる所存です。(拍手)
     ─────・─────

#9
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#10
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。田村憲久厚生労働大臣。
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#11
○国務大臣(田村憲久君) ただいま議題となりました予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明します。
 新型コロナウイルス感染症については、感染拡大を防止し、国民の生命及び健康を守るため、総力を挙げて対策に取り組み、併せて社会経済活動との両立を図っていく必要があります。
 現在、我が国を含め世界各国でワクチンの開発が進められており、今後、有効で安全なワクチンが開発された場合には、当該感染症の蔓延予防のため、必要なワクチンを確保し、全国的に円滑な接種を実施していく必要があります。
 また、新型コロナウイルス感染症については、検疫法第三十四条の感染症の種類として指定することで同法に基づく水際対策を講じていますが、その指定の期間は一年以内とされており、この後も引き続き必要な水際対策を行うためには、指定の期間を延長する必要があります。
 このような状況に対処し、新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施体制の整備等を行うとともに、検疫法に基づく必要な措置を引き続き講ずることができるようにするため、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、新型コロナウイルス感染症について、予防接種法の臨時の予防接種に関する特例措置等を定めることとします。
 具体的には、厚生労働大臣は、新型コロナウイルス感染症の蔓延予防上緊急の必要があるときは、その対象者や期間等を指定して、都道府県知事を通じて市町村長に対し、臨時に予防接種を行うよう指示することができることとします。この場合において、予防接種を行うために要する費用は国が負担することとします。
 また、新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの確保のため、政府は、ワクチンの製造販売業者等と、予防接種による健康被害に係る損害を賠償すること等により生ずる損失を政府が補償することを約する契約を締結することができることとします。
 第二に、検疫法の規定を準用できる期間を延長することができることとします。
 具体的には、検疫法第三十四条に基づき政令で感染症の種類を指定し、一年以内の期間を限り、同法の規定を準用できることとされていますが、当該期間について、一年以内の政令で定める期間に限り延長することができることとします。
 最後に、この法律案の施行期日は、公布の日としています。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────

#12
○議長(山東昭子君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。川田龍平さん。
   〔川田龍平君登壇、拍手〕

#13
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。
 ただいま議題となりました予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案に対して、立憲民主・社民を代表して質問いたします。
 新型コロナウイルス感染症を人類が克服できていない中で、お亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈りするとともに、今、治療、療養中の新型コロナウイルス感染症と闘われておられる方々、また、御家族に心よりお見舞い申し上げます。
 また、医療従事者、介護・障害福祉従事者、そして社会活動維持のために日夜身を粉にして働かれている全ての皆様に心より感謝と敬意を表します。
 そして、何よりも、新型コロナウイルスを克服するべく、日常生活に多くの制約のある中で、感染予防に注意をしながら日々の生活を送られている国民の皆様の不断の努力にも心より敬意と感謝を申し上げます。
 まずは、新型コロナウイルス感染症関連について、菅総理にお尋ねいたします。
 新型コロナウイルスの猛威は再々流行の兆しを見せており、感染患者数増加の勢いは全国各地で驚異的な状況になってきています。このまま漫然と感染者の増加を許すことになれば、指数関数的な増加により患者数抑制へのコントロールが利かなくなり、ひいては医療現場の崩壊を招くことになりかねません。
 医療現場は、新型コロナウイルスが我が国に到来して以来、休むいとまもなく闘い続けています。現実に新型コロナウイルス感染症患者をケアしている医療機関では、院内感染予防のための設備投資や人的負担などのために財政的な負担は少なくなく、また人的コストも相当なものとなっており、経営状況はかなり厳しくなっていると聞きます。
 こうした医療機関に勤務する医療従事者は、超過勤務もいとわずに日夜、新型コロナウイルス感染症に苦しむ患者さんのために働いていると聞きます。しかし、勤務する医療機関の経営状態が厳しいことから、ボーナスを支給してもらえない、あるいは給与が引き下げられるかもしれないという話もあるといいます。
 確かに、この厳しいコロナ禍の状況にあって経営が厳しいのは決して医療機関だけではありません。ただ、新型コロナウイルスとの闘いの最前線で働き、自己を犠牲にして献身的に患者ケアに当たられている看護師、臨床検査技師、保健師、薬剤師などの医療従事者に対する手当を厚くすることを国が提案したとしても、国民の理解は得られるのではないでしょうか。
 現場で働いている医療従事者の皆さんに報いることができるような、医療従事者に直接届く、容易に手続できる報奨金を更に検討することはできないか、総理のお考えをお答えください。
 医療従事者の皆さんが日夜最前線で闘っている中、政府はGoToイート事業やGoToトラベル事業を進めてきました。コロナ禍で大打撃を受けた飲食業者や旅行・観光業者の方にとっては恵みの雨との声も確かにありますが、これらGoTo事業については、一部の人に恩恵が偏っているのではないかと多くの人が疑問の声を上げてきたのは御承知のとおりです。
 例えば、GoToイート事業では、手数料収入を得る大手オンライン予約サイトが一番得をしたのではないかとの指摘や、付与されるポイントを使って実質無料で何度もサービスを利用した一部の利用者ばかりが得をしたのではないかとの指摘もされています。既に予約サイト経由でのポイント付与は終了したとの報道もありますが、こうした甘い制度設計を行った政府は猛省すべきではないでしょうか。
 また、GoToトラベル事業について、政府は来年一月末までとしている期限を二月以降も更に延長したいとの意向を示しています。新型コロナウイルス感染者が急増する中で、こうした発言をすることは、現場で奮闘する医療従事者の気持ちを逆なでするものではないでしょうか。
 いま一度、この感染急拡大期において何が一番重要か、多くの方の声を聞いた上で、GoToトラベル事業の取扱いを議論すべきではないでしょうか。総理のお考えをお示しください。
 感染症の蔓延を阻止するためには、感染予防が鍵となります。そこで、総理にお尋ねしますが、重症化リスクが高いと言われている基礎疾患を全て正確に把握されていらっしゃるでしょうか。
 政府は、基礎疾患のある方や高齢者向けに重症化リスクがあることを周知されていますが、この基礎疾患を具体的に説明する機会はありません。基礎疾患がある方が必ずしもリスクがあるとは理解されていないかもしれません。抽象的な表現、基礎疾患というような言葉ではなく、ここは正確に国民にメッセージを発するべきではないでしょうか。
 医療崩壊に至らないためには、病院での治療を要する中等症から重症の患者さんを生み出さないように考えることが重要です。デジタル化を強く推し進める総理ならば御存じのとおり、国保データベースの活用によって重症化リスクにある国民の皆さんにピンポイントに注意喚起することも可能なはずです。
 総理、十一月十四日、十一月十八日は何の日であったか御存じですか。どちらも基礎疾患として挙げられている疾病を世界的に啓発する日でしたが、こうした啓発の日を利用して、国民に重症化予防を呼びかけたり、安全、安心な受診を整備する施策を促したりするなどの措置はとられたのでしょうか。重症患者を増やさないための政府の施策について、総理のお考えをお答えください。
 続いて、法案の内容について質問します。
 まず初めに、新型コロナウイルス感染症の蔓延予防上、緊急の必要があるときに実施される予防接種について伺います。
 法案では、国は、都道府県知事を通じて市町村長に対して臨時の予防接種を指示するとあります。指示するというのであれば、各市町村が実施する運営手順はいつまでに、そしてどの程度詳しく説明、決定されるのでしょうか。
 例えば、現在開発されている新型コロナワクチンの種類は様々であり、また、開発しているメーカーも様々あります。こうしたワクチンの種類によって接種を受ける住民の好き嫌いも変わってくるのではないでしょうか。現場の市町村はどこまでこのような住民の意向に配慮する必要があるのでしょうか。国はただ必要な数を手配するだけで、あとは市町村に丸投げなどというやり方は現場が混乱するだけです。詳細かつ丁寧に事務取扱を指示するという理解でよろしいのか、菅総理にお伺いいたします。
 また、ワクチンの情報提供体制についても、幾つか総理にお尋ねいたします。
 今も申し上げたとおり、多種多様なワクチンが開発されており、ワクチンの種類によって効果、効能はもとより、使用方法、保存の方法など細かな差が出てくることも考えられます。
 政府は、接種を受ける努力義務を課しても、接種するかどうかの最終判断は国民の判断に委ねていると説明していますが、であれば、ワクチンごとに正確かつ分かりやすい情報を国民に提供するのは政府の義務であると考えます。有効性はもちろん、副反応などのリスクも含めて、国民がきちんと理解した上で接種の要否を自らで判断できる環境を整えるべきと考えます。
 しかしながら、政府がワクチン供給契約を進めている外資系製薬企業であるアストラゼネカ、ファイザー、モデルナなどの情報提供は、非常に乱暴であると言わざるを得ません。日本政府に知らせることなく、勝手に海外で臨床情報を全世界に向けて発信し、メディアがそれを大々的に国内に喧伝することが続いています。日本政府は、こうした情報をメディア経由で入手し、その事実関係を後から日本法人に確認し、日本法人はグローバル本社から詳細をまだ聞いていない、そんなことが繰り返されています。
 したがって、メディアが政府に外資系企業が外国で発表した内容を問い合わせても、事実関係の確認中に終始し、そもそもその報道が事実なのかどうかも含めて国民に適切な説明がなされていません。これでは、ただでさえ不安な毎日を過ごしている国民に正しい情報を提供することができないのではありませんか。これでは、報道という名前を借りた薬機法で禁じている一般向け広告、いわゆるDTC広告であるとのそしりを免れないのではないでしょうか。
 外国発の乱暴な情報提供によって国民が誤った判断をしないような情報環境を整備すべきです。乱暴な情報は薬害被害の温床にしかならないのです。総理のお考えをお示しください。
 また、ワクチンの安全性情報の収集と提供について、誰が責任を持って行うのかについて、厚生労働大臣の見解をお示しください。
 というのも、感染症が世界的に流行している場合、ワクチン接種は全世界同時に実施されるでしょう。この際、世界中でワクチンの安全性情報が更新されていくわけですが、この情報収集を製薬企業にだけ任せていたのでは時間差が生じかねません。
 特に、外資系企業の場合には、日本支社と欧米本社との間で意思決定に時間差が生じ、その間に国民の間に被害が拡大していく可能性があります。ワクチン接種に強く国が関与するスキームであるのですから、国が欧米本社と直接やり取りするくらいの責任感と緊張感を持っていただきたいと思います。それが真の意味で国民を守るということではないでしょうか。田村厚生労働大臣の見解を求めます。
 次に、損失補償契約についてお伺いします。
 損失補償契約は、予防接種による健康被害が生じ、それをワクチンメーカーが損害賠償することで生じた損失などについて政府が事後的に補償するという趣旨の条項です。この適用にあっては、少なくとも真摯に開発に力を入れてきた企業に限るべきではないでしょうか。どのような企業にも一律で適用するというようなことがあっては、国民の利益を損ないかねません。適用の可否に当たっては慎重な判断をお願いしたいと考えます。
 例えば、薬機法の違反をこれまで繰り返している企業などには慎重な判断が必要になるのではないでしょうか。また、ワクチン製造の経験が少ない企業もある。そうした企業にも一律に与えるような運用はあってはなりません。どのような基準で締結するのかどうか、きちんと定めるべきではないでしょうか。
 さらに、国民への正確な情報提供という観点から、契約締結には条件を付けてはいかがでしょうか。少なくとも、グローバル企業が海外で何らかの情報提供をするというのであれば、その情報を事前に日本政府に提供するように約束させるべきです。これくらいのことは外資系企業に求めるべきだと思いますが、総理のお考えをお聞かせください。
 あわせて、損失補償契約に関連して、外資系企業の一部には、米国並みの健康被害に対する完全免責、つまり国民に民事訴訟の請求権を与えないというようなことを主張しているところがあると聞きますが、これは、日本国憲法の精神を全くもって理解していない企業が命に関わる製品を扱っているということにほかなりませんでしょうか。こうした要求をする企業には、しっかりと物を言う必要があります。
 総理、我が国においては国民が正当に裁判を受ける権利が阻害されるようなことは決してないことをこの場で明確にされてください。いかなる場合にも国民の健康被害に係る訴訟権を制限するような契約は結ばないと明言されることを強く望みます。
 次に、行政による接種勧奨、国民の接種を受ける努力義務について、田村厚生労働大臣にお尋ねします。
 国民がリスクとベネフィットを正しく理解し納得した上で接種を受けるためには、適切な情報提供が不可欠であることは指摘をいたしました。そこで、適切に情報が提供された上で、国民の接種を受ける努力義務について議論させてください。
 政府によれば、ワクチン接種の最終的な判断は国民に委ねているということですが、であれば、接種をしないという決断をした国民に対する政府のフォローアップはどうなるのでしょうか。同調圧力が強い我が国にあって、自らの意思で接種をしなかった人が安心して社会生活を営めるように、政府は国民に説明をするべきであると考えます。接種をしないと決断した人、あるいは接種ができない人、行政の準備不足で接種ができなかった人など、様々な理由でワクチン接種をしていない国民が生活を共にしていくことになります。このように、ワクチン非接種の国民の人権を守るための政府の取組について教えてください。
 特に、学校教育の現場などではあらぬ差別を生む可能性もありますが、文部科学大臣には、学校教育現場での対策、厚生労働大臣には、職場におけるワクチン接種の強要などが行われないようにするための取組についてもお答えください。
 最後になりますが、ワクチン製造販売承認の審査体制について、総理にお尋ねします。
 承認審査の合理性と信頼性を確保するという政府の方針を明らかにしてください。特に、安全性の評価については迅速性にも配慮をしつつも最大限安全性に配慮をすること、そして、承認後も安全性評価は政府が責任を持って継続し、リスクがベネフィットを上回ったと判断された場合には、迅速に流通を停止し、国民に総理自らが状況を説明するとお約束ください。
 ワクチン接種は、社会防衛と安全保障という観点から政府が主体的に実施する公衆衛生上の措置ですが、その対象が国民全体であり、国民の命に直結する重要な問題です。本法案は、慎重にも慎重な審議が必要であり、十分な時間を掛けて、参考人質疑を前提に、専門家からの意見聴取もするべきです。
 丁寧かつ慎重な法案審議を求め、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#14
○内閣総理大臣(菅義偉君) 川田議員にお答えをいたします。
 医療従事者への報奨金の支給についてお尋ねがありました。
 感染リスクと背中合わせの過酷な環境の下で強い使命感を持って業務に従事いただいております医療従事者の皆様方に心からの敬意を表します。
 政府として、こうした医療機関で働く方々に心から感謝の気持ちとともに、慰労金として令和二年度第二次補正予算により最大二十万円の給付を実施しているところです。まずはこうした支援を医療現場の皆様に速やかにお届けすることができるように取り組んでおります。
 GoToキャンペーンについてもお尋ねがありました。
 感染対策をしっかり講じた上で、新型コロナウイルスでダメージを受けた旅行や飲食などを支援をし、感染対策と経済の回復を両立をさせていくのが基本的な考え方であります。これまでも専門家や現場の御意見を伺いながら制度の見直しを行ってきたところでもあり、今後も適切に運用していきたいと考えます。
 その上で、GoToイート事業については、多数回利用などの問題が指摘されてきたポイント事業は近日中に新規の受付を終了します。また、食事券やポイント利用の対象は五人未満とすることについて、具体的対応の検討を各都道府県知事に要請をしたところであります。
 また、GoToトラベル事業については、これまで延べ四千万人以上が利用しておりますが、判明した感染者は百七十六名であります。感染拡大地域においては、クーポンを利用した食事を五人未満とすることについて、具体的な対応の検討を各都道府県知事に要請するとともに、バスの中での食事を控えるように求めているところであります。
 基礎疾患がある方への周知啓発等についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症と診断された方のうち、高齢者と基礎疾患のある方は重症化しやすいなどの事実が明らかになっており、政府としては、特定の日に限ることなく、対象となる基礎疾患の種類も含め、その情報を分かりやすく国民の皆様にお示しをし、広く注意を呼びかけております。
 なお、御指摘の日は、それぞれ、十一月十四日は世界糖尿病デー、十一月十八日は慢性閉塞性肺疾患の日として、関係学会が中心となって、本年は新型コロナウイルス感染症の重症化予防の観点から注意喚起が行われたと承知しております。
 市町村に対する接種体制整備に向けた指示の在り方等についてお尋ねがありました。
 ワクチンの接種体制の整備については、地方自治体に対し、あらゆる準備をお願いしたい事項や現時点で考えられる体制確保に向けた留意事項を具体的にお示ししたところであります。
 政府としては、御指摘の複数のワクチンがある場合における住民への市町村による対応の在り方も含め、引き続き地方自治体において円滑な接種が行われるよう、詳細かつ丁寧な手引書をできるだけ早い時期にお示しするなど、接種体制の整備に向け主導的に進めてまいります。
 ワクチンの臨床情報の発信についてお尋ねがありました。
 ワクチンについては、国民への丁寧かつ分かりやすい情報提供を行うことが重要です。御指摘の企業による情報発信は、臨床試験結果に係る情報提供を目的とするものと承知しており、今後、治験等のデータと最新の科学的知見に基づき、我が国としてもしっかりと評価をしてまいります。
 また、承認されたワクチンについては、厚生労働省から国民に対し、その安全性や有効性等の情報について、速やかに分かりやすくお伝えしてまいります。
 損失補償契約を含む企業との契約についてお尋ねがありました。
 損失補償契約を可能とするための法的措置は、世界的にワクチン供給が逼迫する中、企業と契約交渉を行うに当たって必要不可欠なものであると認識しています。
 実際の契約に際しては、相手がある話でもあり、一律の対応は難しいとは思いますが、例えば、故意に健康被害を生じさせた場合に代表されるような、国民の理解が得られ難い損失を補償することは考えておりません。
 また、契約交渉への影響があるため、詳細についてお答えすることは差し控えますが、企業に対しては、接種を受ける方への丁寧かつ分かりやすい情報提供を政府が行うために必要となる対応について、しっかりと求めてまいります。
 企業との契約による健康被害に関する訴訟権への影響についてお尋ねがありました。
 製薬企業との契約内容については、契約交渉への影響があるため、詳細についてお答えすることは差し控えますが、日本国憲法により国民に保障されている権利を違法に侵害されることになるような契約を締結することは考えておりません。
 ワクチンの承認審査と安全性の評価についてお尋ねがありました。
 ワクチンの安全性、有効性を最優先とすることは当然であり、今後、治験等のデータと最新の科学的知見に基づき、しっかりと審査した上で承認したものについて接種を行ってまいります。
 また、接種開始後においても、医師や製造販売業者などから副反応を疑うような情報などが報告された場合には、適切に安全確保のための措置を講じるとともに、政府として、国民に対してきちんとした情報提供を行ってまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#15
○国務大臣(田村憲久君) 川田龍平議員にお答えいたします。
 ワクチンの安全性情報の収集と提供に関する責任についてお尋ねがありました。
 新型コロナワクチンの安全性情報については、国内だけではなく海外の情報も収集して評価を行い、必要な安全対策を実施することが重要です。
 製造販売業者には、医薬品医療機器等法に基づき、海外も含め必要な安全性情報を収集しPMDAに報告することを求めており、国としても、欧米等の薬事規制当局とも連携して情報の収集に努めています。
 また、予防接種法や医薬品医療機器等法の関係法令に基づき、国や製造販売業者は国内外の情報を評価し、しっかりと情報提供を行っていくこととなります。
 ワクチンを接種していない方の権利等についてお尋ねがありました。
 ワクチンについては、接種をするかどうかを自らの意思で決定していただくとともに、ワクチン接種をしていない方への差別やいじめはあってはならないものと考えております。
 こうした観点から、感染予防の効果や副反応のリスクも含め、正しい情報や知識を持つことが重要であり、政府として、関係省庁の密接な連携の下、国民への周知と広報にしっかりと取り組んでまいります。(拍手)
   〔国務大臣萩生田光一君登壇、拍手〕

#16
○国務大臣(萩生田光一君) 川田議員より学校教育の現場での差別への取組についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症に関しては、各学校において子供たちがその予防について正しく理解し、適切な行動を取れるよう指導が進められています。
 文部科学省においても、関連する指導資料や、感染症に対する不安から陥りやすい差別や偏見等について考えるための啓発教材を作成し、各学校での指導に活用いただいているところです。
 今後開発される新たなワクチンに関しても、関係省庁と連携し、接種を受けないことを理由とした差別やいじめなどが生じないよう、学校や教育委員会等へ情報提供など、必要な取組をしっかり進めてまいります。(拍手)
    ─────────────

#17
○議長(山東昭子君) 安江伸夫さん。
   〔安江伸夫君登壇、拍手〕

#18
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。
 私は、自民、公明を代表し、予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。
 冒頭、感染の再拡大のさなか、昼夜を分かたず必死に闘っていただいている医療従事者の皆様、介護・障害福祉に従事されている皆様、そしてエッセンシャルワーカーの皆々様に心から感謝申し上げます。
 初めに、接種の実施体制についてお尋ねします。
 実施体制を整備するに当たって、各都道府県の人口分布等も異なり、また、新型コロナウイルスの感染状況に応じて医療機関、保健所の業務の逼迫状況も地域によって異なります。こうした地域的な事情をしっかりと踏まえつつ、公平、迅速、的確にワクチンが人々に行き渡ることが肝要です。
 既に厚生労働省から各都道府県等に対し、国、都道府県、市町村等の役割と接種体制整備のための準備事項を通知でお示しいただいておりますが、実際に現場が対応できる状況にあるのか、今からでも個別の事情を聞きフォローするなど、国は各都道府県等における実施体制整備を丁寧に支援していただきたいと思います。ワクチン接種の体制整備に当たっての総理のお考えをお伺いします。
 次に、ワクチンの接種順位の考え方についてお伺いします。
 接種順位については、国が決定することとされていますが、その内容は広く人々の理解と納得が得られるものでなければなりません。現在、新型コロナウイルス感染症患者等に直接的に接する医療従事者、高齢者及び基礎疾患を有する者などが接種順位の上位として検討されていると承知をしておりますが、このほかにも、妊産婦、介護従事者、乳幼児はどうなのかなどの疑問は尽きません。
 現在、厚生労働省及び新型コロナウイルス感染症対策分科会においてそれぞれの見地からの検討がなされているものと承知をしておりますが、総理におかれては、それぞれの検討状況をよく聴取していただくとともに、とりわけ決定に当たっては、前提となる決定に際しての考え方を広く国民に発信していただきたいと思います。総理からの御答弁を願います。
 今後、十分なワクチン量を確保すると同時に、確保したワクチンを全国に公平、迅速に運搬し管理するための具体的な体制整備も不可欠かつ急務です。中でも、一部のメッセンジャーRNAワクチンはマイナス七十度程度の超低温での管理が必要であり、既に我が国が契約を締結しているファイザー社のワクチンはこれに当たります。
 こうした点も踏まえて、どのようにワクチンを市町村及び医療機関に運搬し管理させるのか、厚生労働大臣のお考えを御答弁ください。
 本法案は、新型コロナのワクチン接種による健康被害を救済可能とすること等を内容としていますが、その救済対象や認定の在り方などは、これまでの予防接種法に基づくものと異なるのでしょうか。
 ワクチンの有効性及び安全性について十分に審査した上で接種が開始されなければならないのは言うまでもありませんが、これまでに経験のないウイルスに対する全国規模のワクチン接種という点を踏まえると、万が一の際の被害救済が十分に受けられる体制が必要不可欠であると考えます。健康被害救済制度の在り方及びその内容について、厚生労働大臣の御答弁を願います。
 また、今申し上げたとおり、ワクチンの有効性、安全性等について、我が国においてもしっかりと審査をした上でこれを承認し、接種が開始されなければなりません。
 現時点において確保が見込まれるワクチンについても、アメリカ等の海外でEUA、緊急使用許可がなされたからといっても、人種の違いなども踏まえると日本は日本で有効性、安全性及び品質などを確認することが重要であり、治験計画等も含め、適切に審査していただくことを望みます。
 そこで、我が国としての海外産ワクチンの有効性、安全性及び品質についての確認の在り方を厚生労働大臣に御答弁願います。
 また、ワクチンの有効性を検討するに当たり、どのくらいの抗体価があれば感染予防に資するのかを検証できる質の高い定量による抗体検査が有用と考えますが、これについての御認識も併せてお伺いします。
 海外産のワクチンは、第三段階の大規模治験については海外データで確認することとなり、かつ、短期間に大量の接種が行われることが想定されるという点を踏まえて、接種開始後の副反応の評価についても、平時と異なり機動的に行われることが不可欠と考えます。とりわけ審議会の開催頻度を平時より格段に増やすと同時に、状況によっては緊急開催も必要ではないでしょうか。
 また、医師が副反応の報告を行う際、その判断対象や内容を迷わぬよう、全国統一的な指標が徹底されることも不可欠と考えますが、これらの点についての厚生労働大臣の御所見をお答えください。
 現在、全国的に感染者が増加傾向にあります。人々は大きな不安を抱くと同時に、現実の社会経済活動や医療機関等にも影響が出ております。こうした第三波と言われるような状況を十分に踏まえ、政府は、人々の不安にしっかりと寄り添った総合的対策が急務です。とりわけ各都道府県の医療体制等について、感染拡大に対応できる十分な病床や療養施設は確保されているか等を総ざらいし、人々の命と健康を守るべく、言わば医療体制総点検を行うなど、各自治体の現状を改めてフォローすることが重要と考えます。こうした点を踏まえて、感染再拡大に対する総理の御認識と御決意をお答え願います。
 最後に、国産ワクチンの確保についてお尋ねします。
 現在、海外産ワクチンについては一定の確保の見通しが付きました。今後も、その有効性、安全性をしっかりと確認しながら接種を進めていく見込みですが、各ワクチンの抗体の有効期間等の永続性や、将来におけるワクチン供給の安定性といった点に鑑みれば、海外産のワクチンのみならず、国産ワクチンの確保が大変重要です。これまでも、補正予算等でワクチンの研究開発や生産体制整備のための費用を確保してまいりましたが、現在の国産ワクチンの開発状況はどうなっているのでしょうか。見通しについて厚生労働大臣にお伺いします。
 有効かつ安全なワクチンの確保は、このコロナ禍における大きな希望の光となります。もちろん、ワクチンも万能ではありません。また、ワクチンのみならず、重症化を防ぐための治療薬の確保も喫緊の課題です。
 自民、公明は、ワクチン及び治療薬の確保を始め、新型コロナウイルスから人々の命と健康を守るべく、引き続き全力を挙げてまいることを最後にお誓い申し上げ、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#19
○内閣総理大臣(菅義偉君) 安江議員にお答えをいたします。
 ワクチン接種の体制整備についてお尋ねがありました。
 新型コロナワクチンについては、有効性、安全性を最優先としつつ、今後、承認された際に直ちに必要な方に接種できるよう、事前の体制整備等に万全を尽くしてまいります。
 このため、地方自治体に対し、あらかじめ準備しておくべき事項や現時点で考えられる体制確保に向けた留意事項を具体的にお示しするとともに、地方自治体の体制整備に要する経費について全額国負担で補助を行うこととしております。引き続き地方自治体の御意見も丁寧に伺いつつ、必要なフォローを行うなど、接種体制の整備をしっかり進めてまいります。
 ワクチンの接種順位についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルスワクチンの接種順位については、重症者や死亡者をできる限り抑制し、蔓延防止を図る観点から、医療従事者、高齢者及び基礎疾患のある方々を優先する方針です。また、介護従事者や妊婦等も含め、接種順位の詳細については、今後、ワクチンの特性や科学的な知見などを踏まえて更に検討を進めることにいたしております。
 今後、全体の接種順位を決定する際には、政府からその考え方を分かりやすく発信するなど、国民の理解を得るための努力を行ってまいります。
 感染再拡大に対する認識と決意についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルスの感染状況については、新規陽性者数が全国で二千人を超え、過去最多となるなど、最大限警戒すべき状況にあります。
 病床や宿泊療養施設に関しては、各都道府県において事前に確保計画を策定をし、地域の感染拡大の状況に応じ、計画に沿って確保を進めており、政府としてもその状況を日々把握し、必要な対応を行っております。また、国から感染拡大地域に職員を派遣し、病床確保に向けた調整などを行っており、早め早めに医療提供体制の整備を進めてまいります。
 引き続き、国民の命と健康を守るという強い決意の下に、地方自治体とも緊密に連携しつつ、万全の対策を講じてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#20
○国務大臣(田村憲久君) 安江伸夫議員にお答えいたします。
 ワクチンの運搬や管理の方法についてお尋ねがありました。
 新たに開発が進められているワクチンの一部については、その有効性を保つため、冷凍した状態で保管、流通することが必要と考えられます。
 メーカーから医療機関まで超低温のまま届ける際、ドライアイスを入れた保冷ボックスを用いる見込みであり、ワクチンメーカー等とともに流通体制の準備を進めています。また、医療機関に納品後も適切に保管、管理ができるよう、マイナス七十度程度での保管が可能な冷凍庫やドライアイスの確保についても準備を進めています。
 実際に流通や医療の現場が対応できるよう、引き続き、最新の知見を踏まえつつ、保管、流通の方法について調整し、措置された予備費も活用しつつ支援してまいります。
 健康被害救済制度の在り方と内容についてお尋ねがありました。
 予防接種の副反応による健康被害は、極めてまれではあるものの、避け難いものがあることを踏まえ、これまでから予防接種法に基づき、国と自治体の費用負担により、万一の健康被害が生じた場合の救済措置を講じております。
 今回の改正案では、新型コロナワクチンの接種によって健康被害が生じた場合に、予防接種法に基づく健康被害救済制度の対象とし、高い水準の給付を行うこととするとともに、特例的に全額国の負担としています。
 新型コロナウイルスワクチンの審査の在り方等についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルスワクチンの評価方法等について、日本や欧米各国の薬事規制当局間での意見交換を踏まえ、PMDAにおいてその考え方が策定、公表をされています。
 それによれば、民族的要因の差等を踏まえ、国内臨床試験を実施し、発症予防効果や重症化予防効果が確認された海外臨床試験と国内臨床試験との間で免疫原性が一貫しているか等を総合的に評価することで、日本人における有効性等を確認することが可能とされています。
 また、抗体価の測定に当たっては、質の高い定量抗体検査が有用と考えられるところ、治験計画の作成段階で開発者から相談があった場合には、PMDAにおいてしっかりと対応してまいります。
 いずれにしましても、日本人における有効性、安全性を確認したワクチンについて承認することは当然のことであり、承認申請があった場合は、国内外の治験データ等と最新の科学的知見を踏まえ、ワクチンの有効性、安全性等についてしっかりと確認してまいります。
 副反応疑い情報の報告やそれを評価する審議会の在り方についてお尋ねがありました。
 新型コロナワクチンの接種後に副反応が疑われる症状については、予防接種法の副反応疑い報告制度等に基づいて収集することになりますが、その報告基準については、現在実施されている臨床試験の結果等を踏まえ、審議会の御意見も伺いながら検討し、接種開始までに公表してまいります。
 また、審議会でこれらの情報を評価する頻度については、現状の四か月に一回程度よりも多く実施することとし、また、必要に応じ緊急的に審議会を開催することも検討してまいります。
 国内ワクチンの開発状況と見通しについてお尋ねがありました。
 国内ワクチンの開発状況については、臨床試験が開始されたものがあるほか、動物試験を実施中の企業もあると承知しており、国としても第二次補正予算等により研究開発や生産体制整備の支援を行っています。
 引き続き、安全性、有効性の確認を最優先に、来年前半までに全ての国民に提供できる数量の確保を図るべく、国内外を問わず精力的に企業との交渉を重ねるとともに、研究開発への支援に取り組んでまいります。(拍手)
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#21
○議長(山東昭子君) 梅村聡さん。
   〔梅村聡君登壇、拍手〕

#22
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。
 私は、党を代表して、議題となりました予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案について関係大臣に質問いたします。
 本改正法案に対する質問の前に、新型コロナウイルス感染症の流行状況と東京オリンピック・パラリンピック開催可否との関係について、総理にお伺いします。
 東京オリンピック・パラリンピックは延期され、来年七月から開催予定です。去る十一月十六日、総理は来日したIOC、国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長の表敬を受け、来年の東京大会の開催を実現する決意であると会見で説明をされました。
 現時点では、東京オリンピック開催で進むと理解しておりますが、開催可否の判断基準はどのようなものですか。新型コロナウイルス感染症の流行状況はどのような形で基準に入りますか。また、判断する最終リミットはいつですか。
 加えて、新型コロナウイルスワクチンの接種状況は、東京オリンピック・パラリンピックの開催の可否判断に大きく影響するものですか。総理にお伺いいたします。
 次に、本改正法案について質問いたします。
 本法案は、これから新型コロナウイルスのワクチンが完成し、使える状態となった後の法律整備です。ワクチンの接種が実現すれば、生命、健康を損なうリスクを軽減し、医療への負担軽減を図れるとともに、社会経済の安定にもつながります。
 一方で、現時点で使用が想定されているワクチンは、残念ながら全て海外メーカーが開発しているものです。今回のように海外ワクチンに依存する状況は、国民の健康を守るという意味においても、また国家の危機管理という意味においても、極めて問題であると考えられます。
 国内メーカーのワクチン開発の出遅れという今回の状況も踏まえ、国内のワクチン開発、製造体制の強化を図る必要があるのではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症の収束後も見据えつつ、更なる予算拡充を図るなど長期的な視点に立った戦略が必要と考えますが、総理の見解をお伺いします。
 次に、新型コロナウイルスワクチンの承認の考え方についてお伺いします。
 田村厚生労働大臣は、十一月十一日の衆議院厚生労働委員会において、第三相試験を日本で行わずに承認プロセスに進むかどうか問われた際に、国内では第一相試験、第二相試験で、効果と安全性を踏まえた上で、免疫原性、抗体価がしっかりと付いていれば、それだけの効果があるのであろうということが考えられ、その上で承認プロセスに入っていく旨答弁されたものの、国内での第三相試験の結果を求めるかどうかについては明確にお答えになりませんでした。
 今回、使用が想定されている新型コロナウイルスワクチンの承認審査において、日本国内での第三相試験の結果は不要と考えておられるのでしょうか。不要であると考えているのであれば、その根拠もお示しください。田村厚生労働大臣の明確な答弁を求めます。
 本法律案では、接種対象者に対して、原則として予防接種を受ける努力義務を課すものとしております。しかし、日本国内での第三相試験を行わずに承認を行った場合など、国民がワクチンの安全性に対する不安を抱く状況では、ワクチン接種者の数が想定より伸びないという事態が起こることも考えられます。
 こうした事態が生じた場合、政府は接種者を増やすためにどのような働きかけを行うのでしょうか。また、働きかけを行ったにもかかわらず、ワクチン接種者が増えず、ワクチン製剤が大量に余ってしまった場合はどのように対処されるのでしょうか。田村厚生労働大臣に答弁を求めます。
 今回想定されているような全国的かつ大規模な予防接種は、平成二十一年の新型インフルエンザ発生時に遡りますが、当時も今回と同様に、優先接種対象者や接種順位を決めた上で接種が進められました。しかしながら、当初の見立てよりも接種者が少なかった等の事情から、医療機関ごとにインフルエンザワクチンの在庫に偏在が生じ、現場で混乱が生じることもあったと承知しております。
 様々な事情で医療機関ごとのワクチン在庫に多少の偏りが生じた場合、ワクチンの有効期限なども踏まえ、できる限り効率的に接種を進められるよう、必要に応じて各医療機関の判断で優先接種順位に縛られないような弾力的な運用も可能とすべきだと考えますが、田村厚生労働大臣の見解をお伺いします。
 今回使用が想定されるワクチンは、メッセンジャーRNAワクチンのような、これまで薬事承認を受けて使用されたことがない新しいタイプのワクチンです。現在も海外で数万人単位の大規模な治験が行われているとはいえ、今回は日本国内でも数千万人単位で実際にそれらのワクチンが使用されることが想定されるため、治験段階では想定できなかったような重篤な副反応等が生じることも考えられます。
 本法律案では、予防接種法上の臨時接種の規定を適用することとしており、副反応疑い報告や健康被害救済制度についても従来の予防接種における枠組みが適用されることとなります。
 しかし、現在の予防接種法の副反応疑い報告制度の中身を見ると、基本的には予防接種法施行規則において対象疾病の区分ごとに列挙された症状に当てはまるものについて報告を行うものとされており、その他の症状については入院治療を必要とするなどの重篤な症状、かつ医師が予防接種との関連性が高いと判断したものに限って報告対象にするとされています。
 今回想定されているワクチン接種については、想定外の副反応が生じ得る可能性がある以上、こうした従来の仕組みだけでよしとするのではなく、特別な枠組みを備えておく必要があるのではないでしょうか。
 また、健康被害救済制度における審査についても、従来のプロセスを前提にすることで十分なのでしょうか。国民の不安を払拭するためには、疾病・障害認定審査会における審査を迅速に行う体制を整えておく必要があると考えますが、審査のためには多くの副反応情報が必要になると思います。
 こうした懸念に対応するため、例えば、副反応と疑われる事象は全て医師や市町村が報告し、それら報告情報について医師や研究者等の専門家がリアルタイムで確認、分析できるような枠組みを設けることが考えられますが、田村厚生労働大臣の御所見をお伺いします。
 本格的な冬を迎えるに当たって、新型コロナウイルスとの闘いはまだまだ続くことが予想されます。日本維新の会は、責任政党として、国民の健康と生活、財産を守り、経済を回復させるため、新型コロナウイルス感染症対策に全力を挙げることをお誓いし、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#23
○内閣総理大臣(菅義偉君) 梅村議員にお答えをいたします。
 東京大会の開催についてお尋ねがありました。
 今週の私とIOCバッハ会長との会談において、来年の東京大会を必ず実現をし、安全、安心な大会に向け、今後とも緊密に協力していくことで一致したところであります。
 また、ワクチンについては、バッハ会長は、ワクチン接種を大会参加の条件にはしない旨を述べているというふうに承知しています。
 東京大会における感染症対策については、各省庁、東京都、大会組織委員会による調整会議において、国内外の感染状況も踏まえ、実効的な対策について議論を進めているところであり、年内に中間整理を行う予定であります。
 政府としては、引き続き、IOCや大会組織委員会、東京都などと緊密に連携して、大会に向けた準備を進めてまいります。
 国内のワクチン開発・生産体制の強化についてお尋ねがありました。
 政府としては、これまでもワクチン等の研究や生産体制の整備を支援してきております。こうした支援は、新型コロナウイルス感染症だけでなく、将来新たに発生する可能性のある感染症のリスクを見据え、このような場合にも活用できるよう実施をしているものであります。
 今回の教訓を踏まえ、こうした仕組みを活用しつつ、長期的な視点での国内の開発・生産体制の強化を図ってまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#24
○国務大臣(田村憲久君) 梅村聡議員にお答えいたします。
 ワクチンの承認審査についてお尋ねがありました。
 日本や欧米各国の薬事規制当局間での意見交換を踏まえ、PMDAにおいて策定、公表された指針では、国内外を問わず原則として新型コロナウイルス感染症の発症予防効果を評価する検証的臨床試験を実施する必要があるとされています。
 一方、同じく評価の考え方において、海外で発症予防効果を評価する検証的臨床試験が実施される場合には、日本人における免疫原性、安全性を確認することを目的とした国内臨床試験を実施することで十分な場合があるとされています。
 このため、日本人を対象としたいわゆる第三相試験の実施が困難な場合であっても、これらの考え方に基づき、国内外の治験データ等と最新の科学的知見を踏まえ、日本人におけるワクチンの有効性、安全性等についてしっかりと確認してまいります。
 ワクチン接種に係る政府の取組についてのお尋ねがありました。
 今般の新型コロナウイルス感染症対策において、政府としては、新型コロナウイルスワクチンについて、生命、健康を損なうリスクの軽減や医療への負荷の軽減、さらには社会経済の安定につながることが期待されることから、来年前半までに全国民に提供できる数量の確保を目指しています。予防接種を受ける方に、予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について正しい知識を持った上で、自らの意思で接種を受けていただくため、政府としても情報提供に努めます。
 また、大量に余った場合の対処方針については、企業との交渉事項であり、秘密保持契約を締結していることや各企業の競争上の利益を害する可能性があること等から、その内容を公開することは差し控えます。
 他方で、円滑なワクチン流通を実現するために、自治体、医療機関及び卸の関係者間でワクチン配分などの情報伝達を行うためのシステム構築に取り組んでおり、こうしたシステムの活用により、ワクチンの効果的、効率的な供給に努めてまいります。
 効率的なワクチン接種のための弾力的な運用についてお尋ねがありました。
 新型コロナワクチンの接種については、比較的短期間に大規模な接種を行うことから、効率的に進めていくことが必要と考えております。一方で、接種順位については、当面、確保できるワクチンの量に限りがあり、その供給も段階的に行わざるを得ない可能性がある中で、できるだけ明確にする必要があります。ワクチンを必要とする方が速やかに接種できるよう、様々な事情で医療機関ごとのワクチン在庫に偏りが生じた場合の対応を含め、効率的な接種について検討を進めてまいります。
 新型コロナワクチンの副反応疑い報告制度の在り方等についてお尋ねがありました。
 新型コロナワクチンについては、承認後、短期間で多くの人に接種する可能性があることから、迅速に情報収集を行い、必要な安全対策を取ることが重要と考えております。現状、副反応と疑われる症状については、予防接種法等に基づき、PMDAが医師や製造販売業者等から報告された情報を取りまとめ、厚生労働省の審議会で評価し、必要な安全対策や情報提供を実施しています。
 今般のワクチンの接種に当たっては、この枠組みを活用しつつ、更にPMDAの体制の強化や評価の迅速化などを検討しています。国として、接種開始後に副反応に関する情報を迅速に収集、評価し、健康被害救済制度における審査や必要な安全対策の迅速化に努めてまいります。(拍手)
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#25
○議長(山東昭子君) 足立信也さん。
   〔足立信也君登壇、拍手〕

#26
○足立信也君 国民民主党・新緑風会の足立信也です。
 私は、会派を代表し、議題となりました法律案に対して質問します。
 十五年間、大学及び大学病院に勤務した元大学人として、日本学術会議に対する総理の六名任命拒否について一言申し上げたい。
 学問の世界、アカデミアの自律意識、プロフェッショナルオートノミー、自浄作用は政治の世界よりもはるかに高いと私は実感しています。逮捕されても居座ることはまずありません。他大学出身者を採用し、より学術的に変わろうとしてきました。どうやら内閣の考え方と異なる意見の表明が過去にあったという理由のようですが、多様性、ダイバーシティーを総理が口にするたび、茫然としてしまいます。
 異なる意見を拒絶し、多様性を排除してしまえばイノベーションは生まれてこない。それでは日本は立っていけない。内閣人事局で行政を支配し、検察庁法改正で司法を牛耳り、今度は学問の自由を奪う、まさに学問の危機、民主主義の危機、日本の危機であると私は感じます。
 まず六名を任命し、日本学術会議の改革が必要であれば、その後、論議に着手する、それしか道はないと思います。改めて、総理の対処方針を伺います。
 それでは、法案の質問に入ります。
 十一年前、政権交代時、ドラッグラグ二年、デバイスラグ一年半、そしてワクチンギャップ二十年というのが日本の現実でした。その後の取組でラグはほぼ解消し、ワクチンも新たに六疾患に対する定期接種が行われるようになりました。科学に関する政策について、日本は二周、三周遅れとよく言われます。その理由は、データを基に検証しない、できないことにあると思います。会議録や議事録、公文書は当然です。九月にはランセットに、日本はワクチンへの信頼が世界で最も低い国の一つと発表されました。ワクチンへの信頼度と政府への信頼度は相関します。
 したがいまして、過去の検証に基づいて質問します。
 新型コロナ対応民間臨時調査会の報告書に、今回教訓として学んだ多くの事柄が既に十年前の新型インフルエンザH1N1対策総括報告書で指摘されていた、まさに国を挙げて喉元を過ぎると熱さを忘れてしまったのであると書かれています。
 総理は、民間臨調の報告書の概要を承知していますか。
 十年前の新型インフルエンザ対策総括報告書の内容から、私は、当時の取りまとめ責任者として田村厚生労働大臣に質問します。
 ワクチン生産体制を強化すべきである。あわせて、輸入ワクチンについても、危機管理の観点から複数の海外メーカーと連携しつつ、ワクチンを確保する方策の一つとして検討していくべきである。
 この十年間でワクチン生産体制はどのように強化されたのでしょうか。
 新たな感染症の発生や既知の感染症の病原性の変化に応じ、集団接種で実施することも考慮しつつ、あらかじめ接種の予約、接種場所、接種の方法など、現場において実効性のある体制を計画するべきである。
 計画の公表はいつでしょうか。
 ワクチンの接種回数や費用及び輸入ワクチンの確保等については、決定までのプロセスを明確にし、できる限り開かれた議論を根拠を示しながら行うとともに、その議事録等をできる限り速やかに公表すべきである。
 公表はされているんですか。これからするんですか。
 優先接種対象者については、都道府県や市町村が地域の実情を踏まえ、柔軟に運用できるようにすべきである。
 今回、どのような運用になっていますか。
 前回は、優先接種対象者の公表から出荷、現場に届いて接種可能まで三週間掛かりました。そこで、ワクチンを迅速かつ円滑に流通できる体制の構築に向けた検討が必要であるとされました。ファイザー製は有効期限十日間と言われています。
 今回、どれほどの時間短縮になるのでしょうか。有効な抗体価を維持する期間はどれほどでしょうか。
 次に、新型コロナウイルス感染症について、まず、総理に伺います。
 ワクチン予防接種の位置付けは個人防衛なのですか、社会防衛なのですか。あわせて、無料で接種すると言いますが、輸入ワクチンの卸への出荷、医療機関への購入には消費税は掛かるのでしょうか。
 以下、田村大臣に伺います。
 発症予防や重症化予防が目的ならば、その結果を見るためには、無症状者を含めた全数調査かサンプリング調査をしなければ分かりません。ワクチン接種前、既に感染したかどうかの判断はどうするんですか。抗体検査をするのか。PCR、抗原検査の予定はあるのか。例えば、成人に対する風疹の予防接種の前には風疹抗体価を測定します。また、効果の判定は何を指標に行うのでしょうか。
 東アジアに陽性者、重症者、死亡者が少ない理由は様々な説があります。しかし、中でも日本は高い方です。やはり、私は、交差免疫の可能性が高いと思います。とすれば、ワクチンは一回接種で済む可能性が高いのではないでしょうか。臨床試験で確定するんですか。国内の臨床試験のデザインは決まっているんですか。
 前回は、国産ワクチン優先の指摘が非常に多くありましたが、輸入ワクチンは、ファイザー、アストラゼネカ、モデルナ、合わせて二億九千万回分の契約と聞いています。前回は、海外の治験のデータ、臨床試験の結果、国内の治験のデータ、そして市販後調査も厚生労働省に集め、全て公表しました。今回の取組はいかがでしょうか。
 参考までに、前回、接種開始後の二万例の調査では、有害事象一・九七%、入院の必要あり九十三例、死亡二十六例、重篤な副反応六十七例でした。死亡とワクチンの因果関係なしという結果でした。
 前回、損失補償契約は各国横並びで必須でしたが、アメリカは、医療免責条項があるので損失補償契約は不要でした。今回、なぜ医療免責にしなかったんですか。
 新型インフルエンザでは、優先接種対象者五千四百万人、一般の方の三割、二千三百万人が接種すると想定しました。実際の優先接種者の接種率、一般の方の接種率はそれぞれどうだったのでしょうか。
 その上で、新型コロナワクチンの接種率をどれくらいに設定しているのでしょうか。参考までに、日本の二〇一八年度の季節性インフルエンザワクチン接種率は四七・九%でした。ちなみに、アメリカ六八・七%、イギリス七二%、韓国八五・一%です。また、接種が思うように進まない場合、国は積極的に勧奨するのでしょうか。
 国産ワクチンが量産された場合、また、一回接種でよかった場合、恐らく不要になるワクチンが大量に出ます。当時の自民党から再三指摘されましたが、返品の交渉可能性はあるのでしょうか。
 接種について国民の負担はないという説明ですが、異なる価格のワクチンを国が買い取り、流通業者に売り渡す価格はどのように決めるのですか。また、ワクチン接種の報酬はどのように決めるのですか。
 憲法八十五条に、「国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。」とあります。今回、国が損失補償契約を締結するときは国会承認の手続を設けないこととしていますが、債務負担を決定するときは国会の承認を求めるのでしょうか。
 以上、過去を検証しつつ、新しい知見を学びながら一歩一歩積み上げていくことが科学と政策の融合だという思いを込めて、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#27
○内閣総理大臣(菅義偉君) 足立委員にお答えをいたします。
 日本学術会議の会員の任命等についてお尋ねがありました。
 今般の会員の任命については、日本学術会議法に沿って、学術会議に求められる役割等も踏まえて、任命権者として適切に判断したものであります。
 なお、政府の法案への反対を理由として任命の判断を行ったものではないことは繰り返し国会で答弁してきており、また、このような日本学術会議法に沿って行った任命権の行使が学問の自由との関係で問題になるとも考えておりません。
 六名を任命すべきとのお尋ねについては、今般の任命は推薦された者の扱いを含めて任命権者として最終判断したものであることから、一連の手続は終わっており、新たに任命を行うには、日本学術会議法に沿って、改めて補充のための推薦手続が取られる必要があると考えています。
 他方、学術会議の梶田会長とは、今後、学術会議を国民に理解される存在としてより良いものとしていこうという点で一致しており、未来志向で議論を続けていきたいと考えております。
 民間臨調の報告書についてお尋ねがありました。
 御指摘の報告書については、この報告書を執筆した代表者の方から直接その概要について御説明をいただいており、承知しております。
 私自身、官房長官として当時インタビューを受け、できる限り率直にお話をさせていただきました。報告書の内容についてコメントすることは差し控えますが、報告書をまとめられたことに敬意を表します。
 ワクチン接種の位置付け及びワクチンに係る消費税についてお尋ねがありました。
 今回の新型コロナワクチンについては、現在開発段階であり、有効性等が必ずしも明らかになっているわけではありませんが、個人における予防のメリットがあるだけでなく、社会における緊急の蔓延予防の意義を有する可能性があり、原則としては接種勧奨と努力義務に係る想定は適用することとした上で、必要に応じて例外的にこれらの規定を適用しないことを可能としております。
 また、国が確保したワクチンの卸売販売業者や医療機関への提供については、国内において事業者が対価を得て行う資産の譲渡に該当しなければ消費税が課されることはありませんが、現在、具体的な仕組みについて各関係者と調整を進めており、その結果を踏まえて判断されることになります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#28
○国務大臣(田村憲久君) 足立信也議員にお答え申し上げます。
 ワクチンの生産体制強化と接種に関する計画の公表についてお尋ねがありました。
 ワクチンの生産体制強化については、全国民分の新型インフルエンザワクチンを約半年で生産可能な体制を構築するため、平成二十一年に基金を造成し製薬企業の生産体制強化を行ったほか、輸入ワクチンを含めた複数のワクチンについて承認や定期接種化を行うなど、これまで対策を進めてきたところであります。
 なお、新型インフルエンザに関する接種体制については、令和三年三月末をめどに各市町村において住民接種実施計画の策定を依頼したところであり、市町村の策定状況を踏まえ、公表について検討をしてまいります。
 ワクチン接種に向けたプロセスに係る議事録の公開、優先接種の柔軟な運用や流通体制の構築についてのお尋ねがありました。
 まず、ワクチン接種の方針を議論する厚生労働省の審議会については、原則議事録を公開しております。ワクチンの接種順位については国で一定のルールを定める必要があると考えていますが、地域の状況が大きく異なる場合の取扱いについては、今後、必要に応じて検討してまいります。
 次に、ワクチンの有効期間については、現在薬事承認された新型コロナワクチンは存在しないためお答えすることはできませんが、円滑なワクチンの流通を可能にするために、地方自治体、医療機関及び卸売業者の関係者間でワクチン配分などの情報伝達を行うためのシステムの構築に取り組んでおります。
 こうしたシステムを活用すること等によりワクチンの効果的、効率的な供給や流通に努めるとともに、地方自治体を始めとする関係者に御協力をいただきながら、接種のための体制整備を進めてまいります。
 ワクチンの接種前の感染既往の調査や接種後の効果判定についてお尋ねがありました。
 現時点で感染既往者が人口に占める割合は小さいと考えられること等から、ワクチン接種前に広く感染既往の確認のための抗体検査等を実施することは想定しておりません。接種後の調査については、他の医薬品と同様に、製造販売業者による製造販売後調査が行われることとなりますが、効果に関する研究調査の実施については、専門家の意見等も踏まえ検討をしてまいります。
 ワクチンの接種回数等についてお尋ねがありました。
 一般的に、ワクチンの接種回数等の用法、用量は、臨床試験のデータ等を踏まえ、薬事承認審査において判断されます。新型コロナウイルスワクチンは現在開発中であり、その接種回数も含め、臨床試験の計画、結果等についてのお答えは差し控えさせていただきます。
 いずれにしても、承認申請があった場合は、治験データ等と最新の科学的知見を踏まえ、承認申請の内容について適切に評価してまいります。
 新型コロナワクチンに関する治験データ等の公表についてお尋ねがありました。
 ワクチンに係る承認審査の透明性の担保等の観点から、これまでも必要な情報の公表を行っているところですが、治験データ等を含むPMDAの審査報告書等について適切に情報の公表を行ってまいります。また、新型コロナワクチンの接種後の副反応については、国としても適切な情報の収集と正確で分かりやすい情報の公表、発信に努めてまいります。
 いわゆる法定免責についてお尋ねがありました。
 今回の損失補償契約を可能とするための規定については、二〇〇九年の新型インフルエンザの際の対応を踏まえつつ、世界的にワクチン供給が逼迫する中、企業と契約交渉を行うに当たって不可欠なものであると認識しております。必要な範囲で法的措置を行うこととしているものでございます。
 新型インフルエンザワクチンの接種率と新型コロナウイルスワクチン接種の考え方についてお尋ねがありました。
 新型インフルエンザワクチンの接種率については、当時報告を受けていない医療機関があったため実績をお示しできませんが、医療機関からの報告数を基に機械的な試算を行ったところ、優先接種対象者の推定接種率は約五四・九%、その他の推定接種率は五%でありました。
 新型コロナ感染症のワクチンについては開発中の段階であり、その特性について明らかになっていないことや、接種の対象者の範囲やワクチンの供給量などの未確定要素が多いため、接種率の目標について現時点で設定することは困難と考えております。
 接種については、蔓延の防止上、緊急の必要性を踏まえ、原則勧奨と接種の努力義務を規定を設けており、安全で有効なワクチンが開発されれば国民に幅広く接種を呼びかけ、行政として多くの国民が接種を受けることを期待することも考えられます。
 一方で、予防接種を受けるに当たっては、接種を受ける方が自らの意思で接種を受けていただくことができるよう、丁寧かつ分かりやすく情報提供に努めてまいります。
 余剰ワクチンの取扱い、国内でのワクチン流通価格及び接種費用についてお尋ねがありました。
 ワクチンに余剰が出た場合の対応を含め、ワクチン供給に関する契約内容等については、その内容を申し上げることでより有利な条件で契約することが難しくなるおそれや、逆に我が国への供給を交渉前から断念する企業が生ずるおそれがあるほか、交渉中の企業との間での秘密保持義務もあるため、詳細について申し上げることは差し控えさせていただきます。
 また、国が確保したワクチンを卸売販売業者や医療機関へ無償で提供することも含め、現在、流通に関する具体的な仕組みについては各関係者と調整を進めているところであります。
 さらに、接種費用についても、医療現場の実態を踏まえたものとなるよう検討しているところであり、医療関係者を始め関係者の皆様の御意見をよく伺いつつ検討を進めてまいります。
 損失補償契約を締結するに当たっての手続についてお尋ねがありました。
 今回の改正法案は、現に発生している新型コロナウイルス感染症に対象を限り、全国民に提供できる数量というワクチン確保の方針も示した上で御審議いただくものであることから、平成二十一年の新型インフルエンザ発生時と同様、個別の契約に当たって国会承認の手続を設けないことといたしております。(拍手)
    ─────────────

#29
○議長(山東昭子君) 倉林明子さん。
   〔倉林明子君登壇、拍手〕

#30
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 私は、日本共産党を代表して、予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案について質問します。
 法案の質疑に入る前に、日本学術会議への任命拒否問題について質問します。
 世論調査でも、説明に納得できないという声が五割から六割に達しています。六人を任命しないことが、総合的、俯瞰的な観点にも、多様性の観点にも逆行することは明らかです。総理は、繰り返し憲法十五条一項を根拠として、任命権者として必要な判断をしたと説明されています。しかし、憲法十五条一項は、公務員の選定、罷免はあくまでも国民固有の権利と規定しているものであり、総理に任命拒否の根拠を与えたものではありません。六人の任命拒否は撤回すべきです。総理は、国民に対し、六人を任命拒否した理由を明確に説明すべきではありませんか。
 新型コロナウイルスの急速な感染拡大に対し、総理は、爆発的な感染は絶対に阻止すると発言されています。ところが、人の移動を促進するGoToキャンペーンは延長、継続するというのですから、全く矛盾しているのではないでしょうか。
 北海道では、知事が、札幌の感染が止められなければ全道に感染が広がるおそれがあるとして、札幌市をレベル四とし、外出自粛、市内外の往来の自粛を決めています。それでも札幌市を行き先としたGoToトラベルを継続するのでしょうか。
 全国一律のGoToキャンペーンは直ちに見直し、地域の実態に応じた事業者への直接支援に踏み出すべきです。総理、お答えください。
 感染の爆発的拡大を阻止するためには、クラスター対策にとどまらず、感染急増地となるリスクのあるところに対する無症状感染者を把握し、保護するための検査が必要です。大規模、地域集中的なPCR検査を政府の大方針に据えて、国の責任で強力に推進すべきです。
 また、医療機関、介護福祉施設、保育園、幼稚園、学校、学童クラブなど、クラスターが発生すれば多大な影響が出てしまう施設に対しては、感染拡大を事前に防ぐための定期的な社会的検査を直ちに実施すべきです。総理、いかがですか。
 行政検査については、実施すれば自治体の持ち出しとなってしまう検査の地方負担問題があります。財源の枠組みとして地方創生臨時交付金が活用できるとしていますが、臨時交付金は既に不足している自治体が圧倒的に多いのが実情です。総理、自治体が実施する検査は全額国費で行うのは今ではありませんか。
 総理は、医療機関の支援のために三兆円の予算を投入したとされていますが、十分に行き渡っていないだけでなく、コロナを受け入れているところもいないところでも、経営危機に直面し、職員に対して冬のボーナスが払えない局面に至っています。かつてない感染拡大が懸念される中、医療提供体制に穴を空けるなど断じてあってはなりません。もはや様子を見て追加支援を検討するなどの余裕はありません。全ての病院、診療所に対し、早急に減収補填を総理が決断すべきです。
 このままでは年が越せないとの悲鳴が上がっています。現在、日本民主青年同盟が中心となって、困窮する学生を対象に食糧支援プロジェクトが全国で取り組まれ、学生だけでなく、シングルマザーなど困窮世帯も支援を利用されています。今日食べるものにも事欠く状況を政府として放置してよいはずがありません。
 雇用調整助成金の特例措置の延長、拡充、持続化給付金の追加支給、家賃支援給付金の給付など、年末の期限は延長するとの決断を今行うべきと考えます。総理、いかがですか。
 予防接種法改定案について質問します。
 予防接種は、ポリオや天然痘といった感染症の流行防止や感染症による死亡者数の減少に大きく役割を果たしてきた一方で、副反応による健康被害が社会問題化いたしました。古くはジフテリア予防接種禍から始まり、インフルエンザや種痘などの予防接種禍集団訴訟、MMRワクチン訴訟、HPVワクチン訴訟などの集団訴訟も提起されました。
 我が国のワクチン行政を進めるに当たって、悲惨な被害の教訓を決して忘れてはなりません。ワクチンが引き起こしてきた薬害に対する総理の認識をお聞かせください。
 ワクチンは健康な人に接種するものであり、治療薬よりも高い水準の安全性と有効性を有することが求められます。衆議院の参考人質疑では、自国の第三相試験を飛ばして条件付き早期承認をするのがよいのかどうなのかというのは考えなければいけない、海外で薬事承認を得たものについて、日本での承認審査を経ずに承認を与える特例承認は適用すべきではないと、承認の在り方をめぐって多くの懸念が示されました。
 コロナワクチンの承認においては、日本での検証的臨床試験を実施し、安全性と有効性を慎重に検証すべきではありませんか。
 現在開発が先行しているコロナワクチンは、ウイルスの遺伝子の情報の一部を体内に接種して免疫をつくるという新しい技術を活用しており、安全性や有効性、付与される免疫の継続性などの詳細な情報は現時点では不明です。にもかかわらず、政府は、九月八日にはコロナワクチン確保のために六千七百十四億円をコロナ対策予備費から使用することを閣議決定いたしました。既に、ファイザー社、アストラゼネカ社、モデルナ社とワクチン供給を前提とした基本合意や契約を締結しています。明らかになっている情報は、開発が成功した場合の供給数のみです。契約内容や契約単価などの情報は交渉中であり、合意内容を開示すると競争上の地位が著しく害されるとして、全く開示しておりません。
 厚労大臣にお聞きします。国内の接種に当たって、安全性や有効性の担保はいつ、どのように確認するのでしょうか。
 国民にはその判断材料が示されないまま、来年前半までに全国民に提供できる数量を確保する、こういう政治目標の下、巨額の購入手続だけが先行することになります。予算執行の透明化の観点からも、徹底した情報開示をすべきではありませんか。
 本法案では、コロナワクチン使用により生じた健康被害に係る損害賠償による製造販売業者の損失を政府が補償する損失補償契約を結ぶことを可能としています。しかし、損失補償契約の締結に関し、国会承認を得る仕組みとはなっておりません。厚労大臣、なぜ国会承認を得る仕組みとしなかったのですか。
 政府は、コロナワクチンの接種について、最終的には個人の判断で接種されるものとしていますが、国民に接種の努力義務を課し接種勧奨する以上、接種を個人の判断に委ねて国が判断する責任を丸投げすることがあってはなりません。接種に当たっては、国民が十分な情報に基づいて自己決定できるよう、国がコロナワクチンについての情報開示と提供を徹底して行うべきであると強く求めるものです。
 厚労大臣の見解を求め、質問といたします。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#31
○内閣総理大臣(菅義偉君) 倉林議員にお答えをします。
 日本学術会議の会員の任命についてお尋ねがありました。
 今般の会員の任命については、日本学術会議は国の予算を投じる機関であり、任命された会員は公務員となることを前提に、総合的、俯瞰的な活動を確保するため、日本学術会議法に沿って、任命権者として適切に判断を行ったものであり、こうしたことをこれまでも説明してきたところであります。
 他方で、会員の任命は政府の機関に所属する公務員の任命であり、通常の公務員の任命と同様に、その理由については人事に関することであることから、お答えを差し控えさせていただいており、その点は御理解をいただきたいと考えております。
 また、憲法第十五条第一項については、公務員の選定は国民固有の権利と規定しており、この憲法の規定に基づき、日本学術会議法により、国民から負託を受けた内閣総理大臣が会員を任命することとされていることから、この任命に当たっては必ず推薦のとおりに任命しなきゃならないわけでないという点については、内閣法制局の了解を得た政府としての一貫した考え方であり、今回の任命も日本学術会議法に沿って行ったものである旨、これまでも答弁してきたとおりであります。
 GoToキャンペーンについてお尋ねがありました。
 感染拡大防止策をしっかりと講じた上で、新型コロナウイルスによるダメージを受けた旅行や飲食などを支援し、感染対策と経済の回復を両立させていくのが基本的な考え方です。事業の対象地域を含めた制度内容については、感染状況や専門家や現場の御意見も踏まえつつ、適切に運用してまいります。
 なお、現状では、北海道知事も、GoToトラベルの継続を前提に感染防止策を徹底していく意向と承知をしております。
 全国で、ホテル、旅館だけでなく飲食、交通、お土産屋など、約九百万人の方々が観光関連に幅広く従事しており、引き続き感染防止策を徹底した上で、GoToトラベルを適切に運用してまいります。
 また、地域の実態に応じた事業者の支援については、各自治体の判断で地方創生臨時交付金を活用することも可能です。
 新型コロナウイルス感染症に係る検査についてお尋ねがありました。
 政府としては、従来から、感染者が多数発生している地域等においては、感染防止を図るための特定地域における大規模、集中的な検査や、医療機関や高齢者施設等で働く方々や、入院、入所者に対する一斉、定期的な検査をいずれも行政検査として公費により実施する体制としております。さらに、今般、具体的な方針を都道府県等に示しつつ、自治体において高齢者施設等に対する集中的な検査を行うこととしております。
 引き続き地域の感染状況を踏まえ、都道府県等とも連携しつつ、感染拡大防止や重症化防止を図るための検査が積極的に行われるようにしてまいります。
 新型コロナウイルス感染症に係る検査の費用負担についてお尋ねがありました。
 行政検査の地方負担については、法律の規定により二分の一となっていますが、地方創生臨時交付金の算定対象となっており、既に配付された交付金に追加し別途交付されることになり、当該交付金を地方自治体の財源として活用することが可能であります。このことについて地方自治体にも改めてお伝えするとともに、引き続き検査体制の整備に向けて必要な支援を行ってまいります。
 病院、診療所に対する減収補填についてお尋ねがありました。
 医療機関においては、患者数の減少による収入の減少などが見られることから、これまで約三兆円の支援を実施するとともに、過去に例のない最大減収十二か月を上限とする無利子、無担保等の危機的対応融資を実施してきました。まずは、これらの支援が医療現場の皆様に速やかに届くよう、全力を挙げております。
 雇用調整助成金の特例措置の延長などについてお尋ねがありました。
 雇用調整助成金の特例措置の取扱いなど雇用を守るための施策については、雇用情勢等を踏まえ、適切に判断をしてまいります。持続化給付金と家賃支援給付金については、緊急事態宣言を経て厳しい状況にある事業者の事業の継続のための特例的な措置であり、必要な方々に行き渡るようにしてまいります。
 ワクチン接種の副反応による薬害についてお尋ねがありました。
 予防接種は感染症の蔓延予防に大きな役割を果たしてきた一方、副反応による健康被害は、極めてまれですが、完全に回避することは難しいというリスクもあります。このため、過去の事例も教訓としながら、安全な予防接種の実施のために不断の努力を重ねるとともに、予防接種による健康被害への救済を適切に行ってまいります。
 ワクチンの承認についてお尋ねがありました。
 日本人における有効性、安全性についてしっかり確認したワクチンについて承認することは当然のことであり、海外だけでなく、国内の臨床試験結果も併せて総合的に確認してまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#32
○国務大臣(田村憲久君) 倉林明子議員にお答え申し上げます。
 国内で接種のあった、安全性や有効性の担保の方法についてお尋ねがありました。あっ、接種に当たってでございます。失礼しました。
 既に基本合意や契約締結を行った新型コロナワクチンについても、国内での接種に当たっては、接種を始める前に国内における承認が必要となります。承認審査においては、治験等のデータと最新の科学的知見に基づき安全性、有効性を確認した上で承認を行っています。安全性、有効性の確認を最優先するとの前提に立った上で、ワクチンが承認に至った場合には迅速に接種を開始できるよう努めてまいります。
 契約内容の開示についてお尋ねがありました。
 御指摘の製薬企業は、我が国を含め他国とも契約に向けて交渉中であり、契約内容を申し上げることでより有利な条件で契約することが難しくなるおそれや、逆に、我が国への供給を交渉前から断念する企業が生ずるおそれがあるほか、交渉中の企業との間での秘密保持義務もあるため、詳細についてお答えすることは差し控えさせていただきます。
 損失補償契約を締結するに当たっての手続についてお尋ねがありました。
 今回の改正法案は、現に発生している新型コロナウイルス感染症に対象を限り、全国民に提供できる数量というワクチン確保の方針も示した上で御審議いただくものであることから、平成二十一年の新型インフルエンザ発生時と同様、個別の契約に当たって国会承認の手続を設けないことといたしております。
 ワクチンの情報提供についてお尋ねがありました。
 新型コロナワクチンの接種については、今回の改正法案において、原則として接種勧奨の実施や接種を受ける努力義務を課すこととしていますが、これらの規定により国民が必ず接種しなければならなくなるものではありません。このため、最終的にワクチン接種をするかどうかを国民自らの意思で決定していただくことになります。
 こうした観点から、感染症予防の効果や副反応のリスクも含め、国民の皆様に正しい情報、知識を持っていただくことが重要であり、厚生労働省としては、国民への周知、広報にしっかりと取り組んでまいります。
 以上でございます。(拍手)

#33
○議長(山東昭子君) これにて質疑は終了いたしました。
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#34
○議長(山東昭子君) 日程第一 生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律案(秋野公造君外四名発議)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長山本香苗さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔山本香苗君登壇、拍手〕

#35
○山本香苗君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、個人の人権に配慮した生殖補助医療に関する法整備が求められている等の生殖補助医療をめぐる現状等に鑑み、生殖補助医療の提供等に関し、基本理念を明らかにし、並びに国及び医療関係者の責務並びに国が講ずべき措置について定めるとともに、生殖補助医療の提供を受ける者以外の者の卵子又は精子を用いた生殖補助医療により出生した子の親子関係に関し、民法の特例を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、発議者秋野公造君から趣旨説明を聴取した後、本法律案提出に至る背景、経緯、生殖補助医療により懐胎した子の父子関係、本法附則第三条に基づく検討の進め方、いわゆる出自を知る権利の在り方、代理懐胎と本法律案との関係等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して山添委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#36
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#37
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。(拍手)
     ─────・─────

#38
○議長(山東昭子君) この際、情報監視審査会会長から、情報監視審査会の調査及び審査の報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#39
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。情報監視審査会会長藤井基之さん。
    ─────────────
   〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔藤井基之君登壇、拍手〕

#40
○藤井基之君 情報監視審査会は、去る十一月十二日、審査会規程第二十二条第一項に基づき、年次報告書を作成し、会長から議長に提出いたしました。
 本報告書は、令和元年九月から本年八月末までの本審査会の活動を報告対象としたものであり、以下、その概要等について御報告申し上げます。
 本審査会の活動の柱は、行政における特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況についての調査と、委員会等からの特定秘密の提出要求に係る行政機関の長の判断の適否等の審査の二つでございます。
 しかし、今回、委員会等からの審査の要請等はなく、行政における特定秘密の指定等の実施の状況についての調査を行ってまいりました。
 以下、調査の経過及び結果について申し上げます。
 まず、平成三十年五月及び令和元年六月に提出された政府の年次報告の概要について、昨年十月、特定秘密の保護に関する制度に関する事務を担当する衛藤国務大臣から説明を聴取しました。
 十一月には、内閣官房から、政府の年次報告についての補足説明及び適性評価のみを実施した十五の行政機関における適性評価の実施の状況についての説明を聴取し、質疑を行うとともに、本審査会の平成二十九年年次報告書における指摘事項等に係る政府の対応について説明を聴取し、質疑を行いました。
 また、内閣府独立公文書管理監等がとった措置の概要について、同管理監から説明を聴取し、質疑を行いました。
 次に、特定秘密を指定している十一の行政機関から、当該行政機関における特定秘密の指定や適性評価の実施の状況等について、それぞれ全般的な説明を聴取しました。
 そして、昨年の海外派遣報告の所見を踏まえ、国民的関心や制度運営上問題が存在する可能性が高い事項を抽出テーマとして設定することとし、本年二月及び六月には、本審査会が設定した六つの抽出テーマごとに関係行政機関から説明を聴取し、質疑を行いました。
 また、警察庁から、審査会が要求した特定秘密の提示を受け、説明を聴取し、質疑を行いました。
 最後に、衛藤国務大臣及び内閣府独立公文書管理監に対し、締めくくり的な質疑を行いました。
 本審査会における調査を通じて、委員からは特定秘密保護制度の運用の改善に係る様々な指摘がありました。これらの指摘を踏まえ、本報告書では、本審査会が説明を求めた場合の真摯かつ適切な対応、本審査会から特定秘密の提示を求められた場合の原則の周知徹底、不適切な事案が発生した場合の再発防止に向けた取組の推進、特定秘密保護制度の運用改善に資する情報の共有を主な指摘事項として政府に適切な対応を求めています。
 以上、情報監視審査会の年次報告書の概要を御報告いたしました。今後も、行政における特定秘密保護制度の運用を常時監視するため、委員一同、尽力してまいりますので、議長、副議長始め、議員各位の御支援を賜りますようお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)

#41
○議長(山東昭子君) 本日はこれにて散会いたします。
   正午散会
ソース: 国立国会図書館
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