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2020/11/26 第203回国会 衆議院 第203回国会 衆議院 憲法審査会 第3号 令和2年11月26日
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2020/11/26 第203回国会 衆議院

第203回国会 衆議院 憲法審査会 第3号 令和2年11月26日

#1
令和二年十一月二十六日(木曜日)
    午前十時六分開議
 出席委員
   会長 細田 博之君
   幹事 岩屋  毅君 幹事 江渡 聡徳君
   幹事 小林 鷹之君 幹事 齋藤  健君
   幹事 新藤 義孝君 幹事 中谷  元君
   幹事 奥野総一郎君 幹事 山花 郁夫君
   幹事 北側 一雄君
      秋葉 賢也君    石川 昭政君
      石破  茂君    稲田 朋美君
      小田原 潔君    大岡 敏孝君
      大串 正樹君    大塚 高司君
      大塚  拓君    門山 宏哲君
      城内  実君    黄川田仁志君
      後藤田正純君    高村 正大君
      佐藤ゆかり君    柴山 昌彦君
      杉田 水脈君    鈴木 淳司君
      関  芳弘君    中曽根康隆君
      長島 昭久君    丹羽 秀樹君
      西田 昭二君    野田  毅君
      野中  厚君    百武 公親君
      福田 達夫君    船田  元君
      務台 俊介君    村井 英樹君
      盛山 正仁君    森  英介君
      山下 貴司君    山田 賢司君
      今井 雅人君    大串 博志君
      近藤 昭一君    辻元 清美君
      照屋 寛徳君    中川 正春君
      長妻  昭君    広田  一君
      本多 平直君    道下 大樹君
      谷田川 元君    大口 善徳君
      國重  徹君    赤嶺 政賢君
      本村 伸子君    馬場 伸幸君
      山尾志桜里君
    …………………………………
   議員           逢沢 一郎君
   議員           中谷  元君
   議員           船田  元君
   議員           北側 一雄君
   議員           馬場 伸幸君
   議員           井上 一徳君
   衆議院憲法審査会事務局長 加藤 祐一君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月二十五日
 辞任         補欠選任
  玉木雄一郎君     山尾志桜里君
同日
 辞任         補欠選任
  山尾志桜里君     玉木雄一郎君
同月二十六日
 辞任         補欠選任
  石破  茂君     福田 達夫君
  稲田 朋美君     村井 英樹君
  鬼木  誠君     杉田 水脈君
  城内  実君     石川 昭政君
  黄川田仁志君     百武 公親君
  後藤田正純君     野中  厚君
  佐藤ゆかり君     門山 宏哲君
  野田  毅君     西田 昭二君
  福井  照君     中曽根康隆君
  盛山 正仁君     高村 正大君
  玉木雄一郎君     山尾志桜里君
同日
 辞任         補欠選任
  石川 昭政君     城内  実君
  門山 宏哲君     佐藤ゆかり君
  高村 正大君     盛山 正仁君
  杉田 水脈君     大岡 敏孝君
  中曽根康隆君     福井  照君
  西田 昭二君     大塚 高司君
  野中  厚君     小田原 潔君
  百武 公親君     黄川田仁志君
  福田 達夫君     石破  茂君
  村井 英樹君     稲田 朋美君
  山尾志桜里君     玉木雄一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  小田原 潔君     後藤田正純君
  大岡 敏孝君     鬼木  誠君
  大塚 高司君     野田  毅君
    ―――――――――――――
十一月二十日
 改憲発議に反対することに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一三号)
 憲法第九条を守ることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一四号)
 同(笠井亮君紹介)(第一五号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一六号)
 同(志位和夫君紹介)(第一七号)
 同(清水忠史君紹介)(第一八号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一九号)
 同(田村貴昭君紹介)(第二〇号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第二一号)
 同(畑野君枝君紹介)(第二二号)
 同(藤野保史君紹介)(第二三号)
 同(宮本徹君紹介)(第二四号)
 同(本村伸子君紹介)(第二五号)
 緊急事態に対応できる憲法の早期発議に関する請願(武村展英君紹介)(第二八号)
同月二十六日
 憲法改悪に反対し、九条を守り、平和のために生かすことに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三四二号)
 憲法の改悪反対、九条を守ることに関する請願(藤野保史君紹介)(第三四三号)
は本憲法審査会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案(逢沢一郎君外五名提出、第百九十六回国会衆法第四二号)
 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(日本国憲法及び憲法改正国民投票法を巡る諸問題)
     ――――◇―――――

#2
○細田会長 これより会議を開きます。
 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件について調査を進めます。
 この際、日本国憲法及び憲法改正国民投票法を巡る諸問題について、前回に引き続き自由討議を行います。
 この際、委員各位に申し上げます。
 発言を希望される委員は、お手元にあるネームプレートをお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言ください。発言が終わりましたら、ネームプレートは戻していただくようにお願いいたします。
 発言は自席から着席のままで結構でございます。また、発言の際には、所属会派及び氏名をお述べいただくようお願いいたします。
 なお、幹事会の協議により、一回当たりの発言時間はおおむね五分といたします。委員各位の御協力をお願いいたします。
 発言時間の経過につきましては、おおむね五分経過時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。
 それでは、発言を希望される委員は、ネームプレートをお立てください。

#3
○小林(鷹)委員 おはようございます。自由民主党の小林鷹之です。
 前回、新藤、山花両筆頭から、憲法審査会の現状と今後の進め方につきまして御発言がございました。それを踏まえて、若干の指摘をさせていただきたいと思います。
 まず、憲法審査会は、憲法そのものの議論と憲法改正国民投票法の審査を行う機関です。前回の自由討議でも、この双方につきまして、与野党の委員から多くの発言や御提案がなされました。今回も含め、国民に公開されたこの憲法審査会の場で憲法に関する議論を整理していくことは極めて重要でありますので、まず、定例日には確実に審査会を開催して、議論を重ねていくべきだと考えます。来週の定例日にも審査会を必ず開いていただいて、議論を更に深めていけるよう、細田会長そして両筆頭にお願いをさせていただきたいと思います。
 特に、国民投票運動につきましては、野党側からも、外国人による寄附規制などの論点が出されております。また、国民投票法の制定時には余り議論がなされていなかった、インターネット広告のあり方や、ネットを利用した国民投票運動の適正化などにつきましても、これまでの与野党の御意見を拝聴しておりますと、引き続き検討を深めていく必要があるのではないかと思います。
 一方で、既に、二年以上前に広く合意に至った項目もございます。本日質疑が予定されております国民投票法の改正案、いわゆる七項目案につきましては、既に公職選挙法で実施されている投票環境向上のための措置を国民投票法にも反映させようとするものであって、既に倫選特の場でも審議が尽くされているものと承知をしております。こうした点については速やかに実現をさせた上で、段階的に物事を進めていくのが適切だと考えます。
 同時に、憲法本体のあり方についての議論も進めていく必要があります。
 例えば、コロナ禍におきまして、現実に国会議員にも感染者が発生しております。新型コロナウイルスのみならず、将来的に、更に感染力の強い、そして致死率の高い未知なるウイルスに襲われる事態も私たちは想定すべきです。そのときが来たら考えるという姿勢は許されません。
 感染症の大規模な蔓延を始めとする緊急事態時に国会機能をいかに維持するか、こうした問題について正面から向き合うことは、立法府に所属する私たちの責務ではないでしょうか。緊急事態時の国会機能の維持につきましては、憲法上の論点を内包するところでもあります。憲法改正の要否を含め、憲法審査会で取り上げて議論すべき課題だと考えます。
 これに限らず、私たち自民党を含め、与野党からこれまでも憲法にかかわるさまざまな論点が提示されてきておりますから、憲法審査会で議論を徹底的に行い、可能な限り集約していくべきだと考えます。週一回の定例日に議論するだけでは全く足りないと私自身は感じておりますけれども、少なくとも定例日には確実に開会すべきであることを改めて申し上げたいと思います。
 今後、憲法についての議論が積極的に行われること、そして、できる限り幅広い合意を目指して、国民のための憲法改正論議が進められることを大いに期待をして、私の発言を終わります。

#4
○照屋委員 共同会派、社民党の照屋寛徳です。
 私は、去る五月二十八日の当審査会において、いわゆる公選法改正並びの国民投票法改正内容に異論はないものの、改正国民投票法案は、不要ではないが、不急の改正であり、一旦取り下げるべきだと主張しました。現在もその考えに変わりはありません。
 改正国民投票法案は欠陥法であり、さまざまな問題があることは、五月二十八日の当審査会で意見陳述したとおりであります。
 同時に、私は、コロナ感染拡大による非常事態宣言をも悪用して憲法改悪をもくろむ安倍改憲は、平和と立憲主義、民主主義と国民生活を破壊するものであり、安倍改憲こそ不要不急の最たるものであると意見陳述しました。
 安倍前首相は、憲法審査会の議論を飛び越えて、二〇二〇年に改正憲法の施行を目指すなどと表明してきました。安倍前首相が改憲ありきで与野党の合意形成を無視したために、各党が信頼感に基づく真摯な議論ができなかったのが今日における憲法審査会の現状だと思います。
 その安倍政権を継承するのが菅政権であります。当審査会で私や他の立憲野党が強く指摘した改正国民投票法案の広告問題に関し、イギリスがEUからの離脱を決めた国民投票や、去るアメリカ大統領選挙で、ビッグデータをもとにしたSNS広告があふれ、フェイクニュースなどが拡散するという問題が起きました。
 テレビCMやネット広告の扱いをどうするかとあわせて、憲法が保障する表現の自由や知る権利を守り、公平で公正な投票環境をつくることが大事であります。
 最後に申し上げます。
 私も所属する日本弁護士連合会は、日本学術会議が推薦した六名の会員候補の任命を菅総理が拒否したことは、憲法が保障する学問の自由、知る権利などの基本的人権を侵害するものであって、任命拒否の撤回を強く求めております。私や社民党も同様の立場です。当憲法審査会は、菅総理の日本学術会議の任命拒否問題の問題につき、憲法の視点から一刻も早く議論すべきであるということを申し上げます。
 「散る桜残る桜も散る桜」。意見陳述を終わります。

#5
○國重委員 公明党の國重徹です。
 先日の自由討議を踏まえ、私の見解を申し上げます。
 本日の審査会で、自由討議に引き続いて、ようやく七項目案の質疑に入ることとなりました。会長、両筆頭を始め関係各位の御努力に敬意を表するところでありますが、そもそもこの七項目案は、与野党を問わず、内容的には異論はないものと認識をしております。にもかかわらず、提出、趣旨説明から質疑入りまで約二年半もかかった原因の一つは、定例日に憲法審査会が開かれることの方が珍しいという現実があったことは否定できないと思います。
 今後は、政局に左右されずに、定例日には憲法審査会を開く、そしてCM規制の議論を始めとする国民投票法の議論と憲法改正の中身の議論を精力的に行っていく、この点について合意を形成することが重要であると考えます。
 その上で、七項目案以外のCM規制などの議論のあり方について、私の意見を申し上げます。
 そもそも国民投票法は、国民投票法のルールを定めるものです。憲法改正の中身の議論は期限ありきで行う性質のものではありませんが、国民投票のルールについては、一定の期限を定めて結論を出すことがむしろ当然と考えます。そして、一定の期限内に結論を出すためには、大きく二点、論点整理と共通認識の確立が不可欠と考えます。
 まず、一点目の論点整理の必要性についてであります。
 さきの通常国会の自由討議におきまして、議論があり、それに対する反論があってこそ討議であるという御意見がありました。まさにそのとおりで、合理的な結論を出すためには、課題解決に向けた双方向の議論、かみ合った議論が必要です。率直に言って、今の憲法審査会にはこれが欠けている、そう感じております。議論の的が適切に絞られていないために、一つ一つの発言それ自体は価値が高かったとしても、議論が拡散をしてかみ合ったものとはなりにくい、その結果、討議というより放談会になってしまう、そのように私の目には映っております。
 この状況を打開するためには、会長のリーダーシップのもと、幹事会で論点を洗い出した上で、論点ごとに集中した議論を行い、一つずつ着実に論点を潰し、結論を出していく、こういった議論の進め方を決めることが何より肝要ではないでしょうか。先週の自由討議におきましても、外国人寄附の規制や投票日当日の国民投票運動の禁止など、国民投票法に関する新しい論点の提示もありました。したがいまして、議論を拡散させずに、着実に論点を潰し、結論を出していく姿勢は、今まで以上に重要になっていくと考えます。
 一方で、憲法審査会の所属委員は五十名、詳細を詰めていくような議論をするには、私は多過ぎるようにも感じます。そこで、例えば、会長、幹事会のもとに特別の検討委員会を設けて、論点の整理や深掘りを行い、時宜に応じて審査会にフィードバックをし、議論をまとめていく、そういった仕組みづくりを検討することも重要ではないかと私は考えております。
 次に、共通認識の確立の必要性についてであります。
 例えば、ネット広告の対策のあり方を検討する際には、ネット広告の基本的な仕組みや実態、例えば、広告主の広告がネット上の媒体に掲載されるまでの間に多数のレイヤーが介在し、その中には海外事業者やアウトサイダー事業者もいることなど、議論の土台となる基礎的知識、一定の共通認識を委員の間で確立をする、これなくして、かみ合った議論と合理的な結論はあり得ません。
 憲法審査会の伝統、その根底にある理念は尊重しておりますが、今の憲法審査会の議論の進め方がベストなものだとは思いませんし、よりベターな方法があると思います。改正内容の議論を含め、価値ある議論をするためには、論点整理や共通認識の確立が不可欠です。そのためにも、議論の進め方や仕組みをいま一度抜本的に検討する、このことにまずは最大限の力を入れるべきであると申し述べ、私の意見といたします。

#6
○本村委員 日本共産党の本村伸子です。
 きょうは、国民投票法をめぐる諸問題がテーマということで、現行の国民投票法がどういう状況でつくられたのか、改めて議事録を読み返してみました。
 改憲手続の国民投票法が国会に提出されたのは二〇〇六年です。当初、自民党の提案者は、憲法改正と国民投票法の審議は別だと繰り返し答弁しました。ところが、安倍首相は、法案審議のさなか、二〇〇七年の年頭所感で国民投票法を憲法改正の契機としたいと述べ、施政方針演説でも国民投票法の成立に強く期待すると表明し、国会の議論に介入しました。首相の意向を受けて、与党幹部も五月三日までに成立をなどと強調し、多くの国民、識者が法案の不備を指摘し、徹底した審議を求める中、四月十二日に衆議院特別委員会で強行採決したというのが経過です。
 その結果、現行法は、多くの問題が取り残されたままの欠陥法となっています。現行法は、最低投票率を規定しておらず、有効投票数の過半数の賛成票で改正できるとしています。有権者の二割台、一割台の賛成でも改憲案が通ってしまいます。また、公務員、教員の自由な意見表明や国民投票運動を不当に制限していることや、改憲案の広報、広告の仕組みが改憲推進側に有利なものになっていることも大問題です。国の最高法規である憲法についての国民による直接投票の制度として欠陥だらけです。
 今与党が提出している公職選挙法並びの七項目の国民投票改定案について、与党は投票環境の整備と言いますが、持ち出された経過が問題です。
 二〇一七年五月三日に、安倍首相が二〇二〇年と期限を区切って九条などの改憲を提起し、そのもとで、自民党は改憲四項目案を取りまとめました。そして、この四項目案を審査会に持ち込み、各党協議で改憲案づくりを進めるため、審査会を動かそうとしました。安倍首相が主導する改憲に野党が反対する中で、与党は、二〇一八年に突如この七項目の改定案を持ち出してきました。安倍改憲の呼び水にしようとしたことは明らかです。
 与党から七項目案について速やかにとの発言がありましたが、現行法の根本的な欠陥を放置することは許されません。国民投票法というのであれば、十年以上指摘され続けてきた欠陥の是正を議論することが経過を踏まえた筋だと思います。
 今、憲法で必要なことは、改憲の議論ではなく、憲法原則に照らして、それに反する現実を正す議論を予算委員会、各常任委員会でやることだと思います。
 菅首相による日本学術会議への人事介入は、学問の自由を侵害し、精神的自由を脅かす問題です。違憲、違法の任命拒否は撤回するべきです。
 桜を見る会は、安倍首相が、税金を使った政府の公式行事をみずからの地元後援会の人々の接待に私物化したという問題です。その上、桜を見る会前夜祭の費用について、五年間で総額八百万円以上を安倍氏の政治資金から補填していたと報道されています。事実であれば、地元有権者への寄附行為を禁止した公職選挙法に違反し、政治資金規正法に違反する犯罪行為です。
 しかも、安倍首相は、全ての費用は参加者の自己負担とか、事務所や後援会の収支は一切ないと虚偽答弁を行い、一年にわたって国会、国民をだまし続けてきたのです。民主主義を土台から壊す大問題です。この問題の真相究明を、今、国会がやらなければなりません。
 最後に、全国各地で新型コロナウイルスの感染拡大が過去最多の水準となっている今、新型コロナから命、暮らし、営業、尊厳を守ることを最優先にすることが政治の責任であるということを申し述べ、発言といたします。

#7
○馬場委員 日本維新の会の馬場伸幸でございます。
 国民投票法改正案が国会に提出されて、はや二年半。我が党は、憲法審査会を定期的に開催し、まず国民投票法をめぐる議論に真摯に向き合うよう、与野党双方に強く訴えてきました。
 しかし、我々の声は歯牙にもかけられず、時間が空費されるだけでした。この後、ようやく法案の質疑が行われますが、なぜ採決まで至らないのか。議論していますとポーズだけを示す茶番はもう結構です。
 今国会は来週閉会される見通しですが、審議が尽くされていないというならば、閉会中でも議論しようではないですか。
 ここ数年、当審査会は何をしてきたのか。
 振り返れば、多額の税金が費やされる海外調査には児童が修学旅行を楽しむかのように喜々として向かうのに、審査会の扉はかたく閉じられてきました。開かれても、形式だけの議論が年に一度か二度、それも短時間で終わるというありさまでした。国民には単なるアリバイづくりと映ってもやむを得ません。
 国民投票法改正案の趣旨は、投票の利便性を向上させるために平成二十八年に改正された公職選挙法の七項目と整合性をとるものです。改正公選法は全会一致で可決されましたが、国民投票法の改正となると、一部野党が絶対にさせないと壁となり、御法度である政局と絡めたりし、子供のようにだだをこねてきました。
 憲法改正に反対するのは自由です。イデオロギーや主張とは関係がない、投票の利便性向上を図る法改正について、へ理屈を並べて無為に妨害してきた一部野党の罪は極めて大きいと言わざるを得ません。結果的に、それに加担している与党も同じです。立法府の責任放棄、職務怠慢にほかなりません。
 きのうは、この期に及んで、立憲民主党と共産党が幹事懇談会さえ蹴飛ばす場面がありました。
 共産党の委員は、前回、十九日の自由討論で、私たちは憲法審査会を動かすべきではないという立場だと述べられました。国会法百二条の六を読んでいただきたい。憲法審査会設置の意義がしっかりと書かれています。共産党は、法律違反を許容すると宣言しているのです。これが、再来年、結党百年を迎える公党の姿勢ですか。事あるごとに憲法を守れと叫びながら、国会法は無視されるのですか。
 立憲民主党もしかり。優先的に審議するよう主張されている国民投票運動のテレビCM規制に関しては、投票の利便性とは異なる課題であり、採決を認めない理由にはなりません。その議論はもっと早くからできたはずです。憲法論議を先送りする口実にすぎないと受けとめています。
 国民不在の不毛な政治ごっこはもう終わりにしましょう。当たり前の宿題はさっさと片づけ、来年の通常国会からは、各党が毎週木曜日の定例日にしっかりテーブルに着き、肝心の憲法の中身に関する討議を粛々と進めるべきです。
 現行憲法は、施行から七十三年を経て、時代にそぐわないことが多々生じていることは言をまちません。それは、世界じゅうで猛威を振るうコロナ禍で改めて浮き彫りになりました。
 そもそも、国民主権を掲げる憲法が一度も国民投票を経ていないのは大いなる矛盾です。国民が主権を行使する国民投票を実施し、真に国民の手によって憲法を定めることが、国民の憲法のあるべき姿です。国権の最高機関に身を置き、憲法について不断に論じるべき国会議員がいつまでも惰眠をむさぶっている場合でないことを強く申し上げておきます。
 自主憲法制定を党是とされている自民党の本気度も伝わってきません。公言どおり、年内に四項目の改正草案を取りまとめていただきたい。
 日本維新の会は、教育の無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置の三項目について、改正条文を示し、国民の皆様に提案しています。
 ぜひ、他党の皆様も、党内でそれぞれ真摯に議論を進め、この憲法審査会の場に憲法改正項目案をお出しいただき、活発に討議してもらいたい。それが、国民が憲法への理解を深め、国民投票する際に投票態度を適切に決めることにつながると確信しています。
 以上、私からの意見表明といたします。ありがとうございました。

#8
○山尾委員 国民民主党の山尾志桜里です。
 この自由討議の対象、憲法と国民投票法の二つ、つまり、中身と手続の二つが対象になっているので、区別してお話ししたいと思います。
 まず、手続法である国民投票法についてです。
 この国民投票法については、七項目、そして二項目というように、公選法並びで投票機会を拡大していくもの、基本的に答えの方向性が出ているものと、CM規制やネット規制やインターバルのように、自由と公正のバランス調整が必要で、今後課題も答えも変化していく可能性が高いものと大別されると思います。
 とりわけ、この後者なんですけれども、デジタル技術、AI、アルゴリズム、ビッグデータ、こういったものが個人の意思形成に影響を与え、結果、民主主義そのものを変質させるプロセスに今あるところで、世界じゅうがこのプロセスを注視しながら、各国でバランスをとる工夫が今始まったところであります。
 前者と後者について、並行審議、一括成立にこだわるのは無理があるのではないかと考える理由の一つがここにあります。答えが出ているものはきちっと成立させて、やはりこういった難しいバランスが必要なものは、見直しが必要なものは、時宜に合わせてきちっと改正を繰り返していく方がいいのではないかなというふうに思っています。
 次に、この国民投票法にまつわる論点ですけれども、提案済みの改正案の中には、スポットCMやネット広告規制、運動資金規制、インターネット運動規制などがありますが、きょうは三つお話ししたいと思います、短く。
 一つが、当日運動の禁止です。
 ここは、前回、鬼木委員から、投票日当日の静ひつな環境という趣旨は、一般の選挙だけではなくて、憲法改正の国民投票にも該当するのではないかという視点からお話がありました。そして、辻元委員からは、やはり、大阪の住民投票の経験を踏まえて、最後は非常に過熱する中で、当日は静かな環境も必要なのではないかというお話もありました。
 お聞きして、理論的にもあるいは経験則上も説得力がありますし、今、情報をとる手法も多様化している中で、必ずしも当日の運動を禁止しても当日投票する方の情報収集が困難になるというような状況では現在ないと思うので、もし大きな異論がなければ、ここは改正事項とするべきかなと思っています。
 解散による衆議院の総選挙との重複の回避について。
 ここは、回避すべきという意見でおおよそこれまでも一致していたように思いますが、問題は、この審査会での立法者、立憲者意思としてこれまでどおり議事録にとどめることで十分とするのか、やはり法に明記するべきなのかということだと思います。
 私としては、残念ながら、最近、法案の審査の過程で立法者の発言の重みがどんどん軽くなっていて、共通認識という不文律が、書いてなければ破られるような状況が頻発しているように感じていて、大事なところ、今のようなところは明記すべきではないかなというふうに思っています。
 また、この憲法審査会で、前回もインターバル規制という議論が出ました。
 ここは、まだ成熟していない論点ですけれども、今時点では、直近のアメリカ大統領選挙で敗北宣言をしないトランプ大統領とか、大阪で住民投票が五年で二回ありましたねとか、ちょっと生々しい光景が目の前にあって、立法事実までには昇華していないような気がします。また、通常は否決されたら少し変えて提案をするわけで、案件の同一性を誰がどういう基準で判断するのかということを考えていくと、もしかしたら、そこは民主主義のプロセスに委ねていい部分なのかなという気もします。
 ただ、ここは諸外国の例を調べてみる必要があると思いますので、また今後、幹事会等で話をしていきたいなというふうに思っています。
 そして、中身、憲法についてですけれども、私たち国民民主党は、憲法の基本原理である国民主権、基本的人権、平和主義、これはすばらしいものだ、しかし、この基本原理をきちっと守るために、部分的に憲法を変える、あるいは加える必要が出てきたと考えています。
 党の憲法調査会で、例えば山本龍彦教授や横大道聡教授から学んだのは、国民は、主権者として大事なことを憲法で決めたら、あとは眠ることを予定している、しかし、永久に眠り続けると、権力を国民が託した他者に主権を横取りされるので、いざというとき目覚めるための制度が憲法改正である、しかも、日本国憲法の統治機構の部分はとても規律密度が低いので、本来、日本国憲法というのは眠れない憲法である、そして、今やはり目覚めることが必要なのではないかというような、これは山尾訳ですけれども、こういう視点をいただきました。
 また、井上武史先生からは、憲法は本来国民国家を統合する役割を果たすべきなのに、日本では国民を分断する契機になっているという問題意識のもとで、フランスの改憲プロセス、それこそ、サルコジ、オランド、マクロンと政権政党がかわっても、統治機構をテーマに改憲議論が進み、改憲の結果の検証も含めてPDCAサイクルが回っている、もちろんいいことばかりではないんですけれども、そういうことも紹介をされました。
 また、宍戸常寿先生からは、幅広い観点から質疑、討論を尽くし、国民投票では、国民に、何を賛成、反対の対象としているのか、そして賛成、反対をしたときの帰結はどうなるのか、これをはっきりとさせなければいけないという重要性の指摘を受けました。
 また、地方自治の観点からは、現知事会長であります飯泉嘉門知事から、平成二十九年、知事会のワーキングチームでまとめられた地方自治の明確化と拡充に関する草案の説明もいただきました。
 さらに、安全保障の観点からは、以前、創憲会議として草案をまとめる一員となられた加藤秀治郎先生から、オーウェルの言葉として、絶対平和主義者が暴力を放棄できるのは、かわりに誰かが行使してくれるからという言葉、あるいは、細谷雄一先生からは、戦前の日本が軍国主義という名前の孤立主義に陥ったとすれば、戦後の日本はむしろ平和主義という名前の孤立主義に陥っていると言うべきではないか、こういう御指摘もいただきました。あわせて、コンスティテューション、この国の形の議論があってこその憲法改正議論だと。
 こう考えていくと、我が国の平和主義という価値観の本質を、立場を超えて議論すべきときが来ているというふうに感じます。そして、あえて言えば、自衛隊を明記するだけで何も変わらないというような提案ではなくて、本当にこの本質に向き合った議論を交わし、論点と選択肢、そしてそれぞれの選択肢をとった場合のメリットとデメリットを国民に正直に提示をする、こういう役割の一端あるいは多くを担うのがこの憲法審査会ではないかというふうに思っています。
 また、最後に、このグローバリズムの時代に、国境を越えて個人の人権を制約してくる社会的権力、こういったものからどうやって個人を守り、民主主義を守るのかという疑問に対し、小山先生からは、国家による基本権保護義務という考え方をいただきました。
 憲法は、国民が権力を統制する、これが最も大事な目的であることは間違いないと思いますが、一方で、憲法を通じてこの国の国家像や社会像を示すという役割もあってはいいのではないかというふうに考えています。
 ぜひ、今後、この憲法審査会で、こうしたさまざまな先生から、新たな時代、新たな課題を踏まえてこの国の形をデザインするという思考方法を伺う機会を持てたらと思っております。
 以上です。ありがとうございました。

#9
○柴山委員 発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。自由民主党の柴山昌彦でございます。
 先ほどから国民投票法についての議論がなされております。最高法規である憲法改正に際し、主権者たる国民の直接の意思を反映させる国民投票法は、これまで一度も執行されたことがなく、そのあり方について、最新の知見も踏まえて議論をするということは極めて重要なことであるというように考えております。
 しかし、先ほど國重委員からも指摘があったとおり、さまざまな論点を含んでいることから、この平場の議論に必ずしもなじまない部分があるというように考えております。ぜひ、幹事会などを有効活用していただき、論点を整理して効率的な議論をし、そして適宜この平場の会議にフィードバックをしていただくという整理を、幹事の皆様に私からも重ねてお願いを申し上げたいと思います。
 そして、その上で、憲法改正本体についての議論が今極めて重要であることは論をまちません。
 先ほど本村委員から、今私たちがすべきことは新型コロナウイルス対策をしっかりと行うことであるという御指摘がありました。
 しかしながら、国民から負託された立法、行政監視、あるいは各種補正予算の審議をするのもこの国会であります。緊急事態における国会機能の確保という観点からすれば、先ほど小林幹事からお話があったように、既に数名、この我々同僚から感染者が出ているという中において、どのようにこうした国会審議を行っていくかということは、早急に、特にこの憲法審査会で議論をする必要があるのではないかと考えております。
 なぜならば、憲法では、総議員の三分の一以上の議員の出席がなければ本会議を開き議決することができない旨の定足数が、厳然として、五十六条一項に書かれております。
 海外では、イギリスの下院は、四月、約七百年の歴史で初めて、テレビ会議を導入をしております。本会議場に入る議員は、定数六百五十人中、五十人までに限定をされております。また、欧州連合、EUの欧州議会の採決では、在宅議員による電子投票も導入をされております。
 このような諸外国の事例に鑑みれば、この五十六条の一項の「出席」という文言をどのように考えるかということについては、しっかりとこの場で決着をさせなければいけないと考えておりますし、今、我々の本会議では、採決については全員出席、そして、採決以外の議事についてはA班、B班という二つの班に分けて議論をするという、これら諸外国のあり方とは到底かけ離れた運用がなされているということの実態についても、しっかりと議論をする必要があるのではないかというように考えます。
 そして、もう一点、民主主義の基本的なあり方ということについて言えば、去る十八日になされた参議院一票の格差についての最高裁大法廷判決についても取り上げなければいけません。
 今回は合憲判決が出ましたけれども、人口動態の変化は続いているわけであります。この判決の警告を受けて、国会内の各会派代表による参議院改革協議会、これが国会内に設置されるという報道がありますけれども、我々衆議院の選挙は一年以内に確実にやってきます。そしてまた、参議院も、参議院の改革協議会で議論をされることはもとよりですけれども、もし仮にこれが法改正ということになりますと、我々衆議院もその法律改正にかかわっていかなければいけないことは当然のことであります。
 我々が改正四項目の中に合区解消を掲げているということは皆様御承知かと思いますけれども、少なくとも、憲法の議論の場において、均衡ある国土の発展の観点から、代表民主制のあり方、そしてこの定数論議というものを行うということは、喫緊の課題であると私は確信をしております。
 いずれにいたしましても、こうした本体の議論を国民投票法の議論と並行して行うということが、我々、主権者の代表たる議員に課せられた使命、また当然の課題だというように考えております。
 ぜひ、こうしたことも御考慮いただいて、この審査会を有効に、毎週、定例的に開催をしていただくことを強く希望して、私の発言を終わります。

#10
○務台委員 自由民主党の務台俊介です。
 発言の機会をありがとうございます。
 私は、憲法審査会に所属する立場で、みずからの選挙区の皆様と憲法について意見交換をする機会をできるだけ多くつくっております。話してみると、有権者の皆様が強い関心を憲法のあり方に持っているというのを感じます。
 過日も、長野市内で、地元の市町村議員の皆様と憲法の勉強会を開催しました。自民党の改憲項目の四項目を中心に話をしましたが、皆さんが最も反応したのは、投票価値の格差についての考え方、そして、それを理由とした衆議院の区割りのあり方でございました。
 長野市は、平成の合併により周辺の過疎町村を行政区域を同じくしましたが、合併後もこれらの町村がもとの選挙区のまま、つまり、私の選挙区にとどまり、市街地の別の選挙区とは分断されております。何でそうなっているのかという問題意識を皆様お持ちです。その背景を突き詰めると憲法十四条の平等原則があるのですよと申し上げますと、そこまで憲法が求めているのかというふうに天を仰がれます。
 行政区域を分断する選挙区の設定を現行憲法が求めているのはおかしいという思いは、ふつふつとしております。戦後の高度成長を経て大都市に人口が集中し、人口をベースに選挙区を設定した結果、地方の声が国政に届きにくくなったという声は地方に満ちております。一方で、東京都民から、もっと東京都から国会議員を出すべきだという声は聞いたことがありません。
 理念先行で国民の意識とかけ離れた制度設計を余儀なくさせるような憲法解釈が本当にいいのか。最高裁も、人口の要素以外に定数配分を決める要素はないと言っている以上、それを改める議論は必要ではないかというふうに思います。
 先ほど山尾委員が、憲法が国民を分断する契機となっているという意見があるという御紹介がありましたが、まさにそういうことが最近目立っているのではないかというふうに思います。
 別の事例も御紹介したいと思います。
 昨年、台風十九号災害で、各地の神社仏閣も被災しております。私の地元の長野市でも千曲川沿いの神社が被災し、中には、氏子の数が四十人という小規模の神社もございました。氏子のほとんどが被災し、とても神社まで手が回らないということで、再建が難しくなっております。
 経済産業省のグループ補助金、これが適用できないか、私も大分話をしたんですが、これはだめだということでございました。ほとんどの中小事業者が補助制度の対象になりますが、風俗営業と神社はだめだ、そういう話でございました。なぜ神社がだめかと聞くと、政教分離だからという声がその担当者から返ってまいりました。
 政教分離は特定の宗教を支援するようなことを禁止しているのであり、被災した神社は、農家、社会福祉施設、病院、商店、製造業と同じように、被災者として平等に扱えないのかという指摘をすると、役所の人は口ごもりました。政教分離という言葉で、行政の現場では、はなから公的支援を行ってはいけないというマインドコントロールがそこにきいているようにしか思えません。
 各地の神社では、地域の子供がお祭りに参加しております。そして、氏子総代の皆様は、町内会、区長会がこれにかかわり、地域の小学校も子供が参加することを認めている、それがお祭りの継続に役立っているということをしみじみと話をしております。仮に、政教分離ということで、大上段の理屈でこういうものにも参加してはいけないという話になると、地域の伝統ある行事が廃れてしまう、それは明らかではないかというふうに思います。
 最近、政教分離を根拠に、我々の地元の知事が護国神社の崇敬者会の会長に就任していることは憲法違反であるという、そんな主張が地元のマスコミからなされ、崇敬者会長をやめるように、そういう主張が出ておりました。もし、その論理が更に裨益すると、地域のお祭りに関する町内会、学校、消防団の関与も許されない、同調圧力で地域のお祭りは廃れることになる、そのように思います。
 コロナの影響は現行憲法の矛盾も明らかにしました。仮に、任期満了の国政選挙の時期に大災害やパンデミックが起きたらどうなるのか。今の憲法は、任期の延長に関する規定はありません。任期の延長をすると憲法違反になるとすると、憲法が国民の命を軽んずる内容をはらんでいるということになってしまいます。このような点についても議論をしていかなくてはならないと思います。
 国民の皆様は、現行の憲法の意義を認識するとともに、戦後七十五年を経て、現在の我々の制度の運営や日常生活からして素朴におかしいと思えること、窮屈だと感じていること、これらを徹底的に議論し、その上で、憲法の規定を改善する必要があれば果敢に挑戦するということを求めているというふうに思います。そのためにも、国民投票法の採決を早急に行い、早く内容の議論に移ってほしい、それが一般の国民の声ではないかというふうに思います。
 この憲法審査会、ぜひ定例日に毎回しっかりやってもらいたい、と同時に、先ほど國重先生ほかおっしゃったように、論点ごとの議論を詰めていって、放談会にならないようにする、そういうことが必要ではないかというふうに思います。そして、できれば、このメンバーを幾つかのグループに分けて、地方ごとの憲法審査会の開催、こういうこともやっていただきたいと思います。それをすることで各地の憲法の論議が盛んになる、そのように思います。
 以上です。

#11
○山下委員 自由民主党の山下貴司でございます。
 国民投票法案は、平成三十年七月に与野党合意の上で法案の提案理由聴取が行われ、今国会で八国会目でございます。その間、参考人質疑も行われ、さらに、五回にわたり行われた自由討議の中においても、たびたび議論されております。
 この七項目の改正については、内容についてはほぼ異論がなく、ほぼ全会一致で可決された公職選挙法改正に平仄を合わせた技術的な改正である上、意義においても、この七項目の改正は、主として、この改正がなければ、本来行使できた国民の投票権が行使できなくなるおそれのある有権者について、憲法に対する意思表明の機会を確保するためのものであります。
 そして、この国民投票法案については、各党から、これまでに、七項目の改正は内容自体には異論がない旨の発言が重ねられております。
 他方、現在、一部野党から提案されているCM規制案につきましては、議論の重要性は私は否定しないものの、内容において、与野党間ばかりか、野党内にすら合意はございません。
 そもそも、国民投票のCM規制は、憲法改正に関する政治的意見の表明を規制するという政治的表現の自由に直接かかわるものであり、より慎重な議論が必要であるところ、規制の対象とする言論の内容、ネット広告やデジタルサイネージまで含むのか、表現者の範囲等について、今後十分な議論が必要な論点であります。
 私は、この憲法審査会の議論は熟議が必要との意見には、全く同意するものであります。しかし、この七項目の改正案については、内容においてほぼ異論がなく、手続において、各党の了承のもと審議入りして八国会を数え、その間、自由討議においても、各党に、内容に異論がない旨の発言が重ねられ、既に議が熟していると考えられます。
 これに対し、CM規制については、内容において、野党内ですら一致しておらず、手続においても、従前の国民党案のみが提示されただけで、同案の審議入りについて野党内ですら統一見解はございません。
 このように、全く意義も適用場面も異なり、手続的にも、内容に関する各党の対応表明も異なるCM規制問題と七項目の改正とを同列に論じ、CM規制の問題の解決なくして、既に審議入りして八国会を数え、各党とも内容には異論がない七項目改正の採決もやらないというのは、余りに飛躍があると考えております。
 そうだとすれば、既に議が熟し、国民の投票の機会を確保するという重要な改正である七項目改正については、早期に成立させるべきであり、他方、政治的表現の自由に対する直接的規制になりかねないCM規制の問題については、今後の慎重な熟議が必要と考えます。
 立憲主義は、「国民の支持なくしては生気をたもちえない」、これは、憲法を学ぶ者がまず手にとる憲法の基本書、芦部信喜東大名誉教授の「憲法」の昨年二月に出された最新刊、第七版の冒頭のはしがきに、補訂者である高橋和之東大名誉教授が書かれた言葉であります。
 そして、その中で、高橋教授は、芦部先生の世代の憲法学の圧倒的多数が自衛隊違憲論を唱えていたが、今では、高橋教授によれば、七割以上の国民が自衛隊の存在を支持するという現実を例に挙げ、「立憲主義を護れという呼びかけは、」「憲法と現実の乖離を説明し指針を与える理論なくしては、虚ろにしか響かない」と記されておられます。
 国民投票改正案は、主権者である国民の憲法に対する意思を表明する機会を確保するものであり、立憲主義に不可欠な憲法に対する国民の支持を確保するためのものであります。
 そして、この憲法審査会は、全国民の代表である国会議員が国民のために真剣に討議し、憲法の文言と現実に起きている事象との乖離があれば、それを説明し、指針を示し、必要があれば改正等を通じて立憲主義を具現化する役割を担っております。
 この憲法審査会が国民のために立憲主義に基づいて認められた役割を果たすためにも、既に審議入りして二年、八国会を経た七項目国民投票法案の早期採決を行い、そしてさらに、今後は、国民に対する責務を果たすためにも、定例日には必ず憲法審査会を開催していただき、我々議員が国民の目の前で憲法議論を展開すべきであるというふうに考えております。
 以上、意見を申し述べました。

#12
○辻元委員 今、山下委員の方から、CM規制の法案についての言及がありました。
 これは確かに野党の一つの党が出したというのは事実でございますが、実はこれは、野党間の合意がないからとかそういう話ではなくて、この国民投票法案をつくったときに、与野党で、このCM規制は非常に重大な問題であるということで、残念ながら衆議院では、最後、強行採決になりましたけれども、参議院の方で正式な附帯決議になっている案件なんです。ですから、本来は、あのとき附帯決議に書かれたことについては、優先的に、難しい問題であったとしても、しっかり結論を出していくということが必要だと思います。
 ですから、これはどこの党が出しているというのではなく、与野党ここにいる全ての皆さんの、やはり問題意識を持っていただいて、きっちり解決をしなきゃいけないという案件であるということを申し上げておきたいと思います。
 その後、私たちは海外調査も進めていって、例えば、イギリスで、EU離脱をめぐる国民投票があった後にキャメロン前首相などにもお会いして、委員の方々が調査を進めました。
 そして、各国とも問題になってきたのは、この十数年前に国民投票法をつくったときから深刻になったSNSの問題であると。キャメロン前首相も、デマはますます悪化している、特にSNS上のということで、国民投票等に与えるこの問題が非常に深刻であるという生の声もお聞きしています。
 ですから、そういう意味では、附帯決議に書かれたこともこの間放置してきたわけです。ですから、私が非常に危惧するのは、難しい問題だからといってまた先送りになるのではないか。ですから、この国民投票法の改正をする機会を捉えて、この問題についても議論をしっかりするべきであるというように考えております。
 このCM規制は、与党対野党とかの話ではないんです。そして、表現の自由など、憲法に深くかかわる問題がこれには含まれています。だからこそ、この問題から逃げてはならない。
 新藤筆頭にちょっとお聞きしたいんですが、きょうは七項目の国民投票法に対する質疑も若干行われるようですけれども、このCM規制やSNSの問題について、これは非常に重大な認識と思っていらっしゃると思いますが、しっかりこの後、今後議論をしていくという方針であるのかどうか、考えをお聞きしたいと思います。
 そしてもう一つ、委員会の持ち方なんですけれども、確かにこれは審査会です、幹事懇談会でよく持ち方を考えていただきたいと思います。一般の委員会では、定例日が決められていても、法案審査が終わったら、一般の質疑をしたいと言っても与党は大体拒否します。ほとんど委員会が開かれません。例えば安保委員会とか、これは非常に重要な憲法にもまつわる委員会なども、終わったらほとんど開かれないというのが現状なんですね。
 ですから、私たち、長く、憲法調査会からずっとやってきましたけれども、本委員会の持ち方も、以前は、幹事懇談会を何回かやって、そこでも議論しながら本委員会を開くとか、時々のやり方をよく議論していただいてきましたので、そこもよく配慮をしていただきたいと思います。
 そして、最後に、社会の分断と国家の分断という話を私は前回もして、一部誤解があったようなので一言申し添えたいと思うんですけれども、大阪の住民投票です。
 五年で二回やりました。一回目は、もう二度とやらないというような話をして、内容をちょっと変えてまたやったわけです。
 二分するような話を数年に一回やるような社会では、政治も社会も安定しないんです。政権交代の時代ですから、分断するような話を、一回国民投票をやって、政権がかわってまた揺り戻すというようなことは、私は、むしろ、私たち政治家ですから、どういう影響を及ぼすかということもよく考えなければならないというように思っております。
 ですから、最後に新藤幹事のお考えをお伺いしたいと思います。

#13
○新藤委員 御質問ありがとうございます。
 今、とても重要な御指摘をいただいたんだと思います。
 まず、CM規制を始めとして、国民投票に係るネットのあり方、これをどうするかということでございますが、私は、前回の国会で、自由討議の中で、国民投票法をめぐる諸課題で、このCM規制のあり方については分類ができるのではないかと論点整理を四つさせていただきました。そして、このことをきちんとたたきにしていただいて、皆さんで議論しようではないですかと。
 このCM規制の議論を始めようというのは、もう昨年の五月以降ずっと私たちがお願いしていることであります。それは、立憲の皆さんも、議論すべきだということをおっしゃっています。一致しているんです。
 現実に、審査会に入る前の幹事懇においても、国民民主が出された案については、説明をいただいて、予備的議論を始めました。そして、審査会でも、今、私たちが議論するようになっております。
 ですから、当初御心配された、国民投票法七項目が採決が終わってしまうと、その法案審査が終わってしまうと、その次の議論がなくなるのではないかということは、これはもう外形的にもあり得ないし、また、私たちも必要性を再度これは申し上げているというところでございまして、先週のこの審査会の中でも山尾委員から御質問いただいて、そうした議論の場はつくるのか、という気持ちがあるのかという御質問に対して、私は、お約束をしたいということで申し上げました。
 ですから、この七項目は手続の問題です。そして、国民投票の公平だとか自由を確保するためのこの議論は、手続とは分けてしっかりと議論するということは、また再び約束をしたいと思います。
 それからもう一つ、法案審査が終わってしまうと自由討議に応じないじゃないか、こういう御心配をいただきますが、憲法審査会は憲法に関することを調査、議論する場でございます。一つは憲法本体に関する議論、それからもう一つは手続たる国民投票法の議論。ですから、自由討議という名の討議を毎週やっているわけです。
 ですので、法案審査が終わってしまったら自由討議が行われなくなるのではないかというのは、全くこの審査会においての御心配は必要ないのではないか。これは共有できると思いますし、この議論はきちんと続けていくということは、私はお願いしたいと思います。
 それから、最後に、一度否決されたものの取扱いですとか新たなテーマは今お話しされました。それは、先週、山花筆頭からも御提言がございました。
 我々も、国民投票の自由と公正さを維持するための議論というのは、これは社会情勢だとかさまざまな事情によって変化していくと思います。ですから、これを常に必要性に応じて議論しましょうということは、我々からもお願いしたいと思っておりますので、そうしたことをこの憲法審査会の討議の中で議論する、それが憲法論議を深めていくことだと思っておりますので、今、辻元さんがおっしゃったこと、私たちが、審査会の委員が思っていることは、ほぼ皆さん一緒のことを言っているというふうに思います。
 ですから、心配しないで、七項目は七項目できちんと手続をとって、その上で前に進めていこうじゃないですかということを改めて申し上げたいと思います。

#14
○細田会長 発言希望の委員がまだまだおられますが、この自由討議の取扱いについては、ただいま与野党の筆頭間で協議しておりますので、今後については、これを踏まえ、幹事会等において協議をいたしたいと思っております。
     ――――◇―――――

#15
○細田会長 次に、第百九十六回国会、逢沢一郎君外五名提出、日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案につきましては、第百九十六回国会におきまして既に趣旨の説明を聴取しておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#16
○細田会長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

#17
○細田会長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。新藤義孝君。

#18
○新藤委員 この国民投票法の改正案、本日はようやく法案の質疑に入ることができたわけであります。趣旨説明を聴取してから二年半。そして、採決の合意、これがこの憲法審の幹事懇談会において、メンバーによって採決を前提とした合意がなされてから一年半でございます。八国会にわたって継続審議になされてきた七項目案、これが本日、質疑をできるようになったことは歓迎をしたいと思います。
 一方で、もうたびたび各委員からも、各党の委員からも御発言がございますが、公職選挙法並びの、内容にほぼ異論のないそういったものが、いたずらに八国会を経てまだ採決に至らない、この状態はまことに憂うわけでございまして、私も、筆頭幹事をお預かりいたしまして、自分の力のなさに反省するとともに、ぜひとも皆さんでしっかりと、手続は手続として進める、そして必要な議論は前に、行っていく、このことを共通認識を持てるようにしていきたい、このように思っております。
 一部野党の皆さんからはまだ御心配があるようでございますので、少なくとも野党の皆さんが議論すべきだと言われたテーマについては、ほぼ全ての問題を議論していきましょうということを私の方からも声をかけております。そして、現実に審査会を開いて、自由討議という名の憲法審査会討議が開かれれば、その場で堂々と議論ができているわけであります。
 ですから、改めて申し上げますが、本日は、与野党の合意によって質疑のみということにいたしました。私は、採決をすべきであると。これは毎審査会ごとに、毎国会ごとにお願いをしておりますが、しかし、合意の中で私どもはきちっとした時間を使っていきたいと思いますから、ぜひ可及的速やかに採決に移るようにお願いしたいと思います。
 その上で、本日の法案審議に当たりましては、私の前任の筆頭幹事でありまして、この法案の取扱いに大変御苦労いただいた中谷先生から、ぜひともこの質疑に入ることについての御所見を述べていただきたい、このように思います。

#19
○中谷(元)議員 平成三十年の七月五日でございます。あれから二年半。国民投票法改正法案が提出されまして、本日、この質疑が行われることになりまして、まことにその長い道のりと各党各会派との協議を鑑みまして、本当に喜ばしく、本日まで御努力をされてこられた審査会長、また与野党の幹事の方々始め関係者の皆様方に敬意を表したいと思います。
 思えば、更にその二年前の平成二十八年九月二十六日に、当時は森英介審査会長のもとに、この憲法審査会におきまして憲法の議論を始めましたけれども、当初は自由討論で、テーマは、ちょうど憲法発布七十年、そして、十一月でありますので、立憲主義、違憲立法審査権、そして、三月には参政権の保障、緊急事態、解散権のあり方、四月には国と地方のあり方、五月には新しい人権、六月は第一章天皇についても、参考人を呼んで精力的に議論をいたしました。
 その後、公明党の北側幹事の提案で、与野党共通のテーマで国民投票法改正について議論をということで幹事懇で協議をいたしましたが、その一年後の平成三十年の六月二十七日にこの改正案が提出されたわけでございます。
 これにつきまして、内容につきましては各会派ともに全く異論がないというふうに考えます。質疑に入ることになりましたけれども、この国民投票法につきましては、民主主義の基盤にかかわる事項であり、国会の責務として速やかにその成立を図るべきである。
 他方、コマーシャルとかその他の問題につきましては、やはり、自由とか国民投票の公正とのバランスをどう考えるかということで、選挙広報のあり方については更に慎重に検討すべき課題でありますので、この七項目についての結論を得た上で、引き続き議論を深めていくべきだと考えております。
 本日、このような形で質疑に至ったことについて、本当に心からうれしく、そして関係者の皆様方に敬意を表したいと思います。

#20
○細田会長 次に、奥野総一郎君。

#21
○奥野(総)委員 まず、本法制定時の重要な前提、CMの量的自主規制の導入という重要な前提が現在崩れておりますので、七項目の先行採決ではなく、少なくとも、CM規制等の質疑、採決、改正があわせて必要と考えます。
 以下、早口になってしまいますが、続けて質問させていただきたいと思います。
 国民投票法を制定する際の審議で、民放連は、CMのイコールタイムの確保について、自主規制はできるし、やらねばならぬと当時答弁しています。これは、量的自主規制を行うこととその当時は受けとめられていました。
 その後、附帯決議に基づき検討が行われてきましたが、民放連は最終的に、量的な自主規制は行わないということを決定し、この場でも、昨年五月、表明しています。
 その際、立法者の一人でもある我が党の枝野代表は、我々の前提にしていたものが違いますので、現行法は欠陥法だということにならざるを得ない、したがって、現行法のまま、国民投票は施行できないということになると発言をこの場でしております。
 そこで、同じく立法者の一人であられる船田先生に伺いますけれども、法によるCMの量的な規制を検討すべきではありませんか、それから、資金量は投票結果を左右してはならないのではありませんか、同様に、インターネットの広告の規制についても検討すべきではありませんか、一問目ですね。それから、新たな論点として、外国政府の投票への関与というのも懸念されますが、国民投票運動に対する外国人寄附の禁止は必要ではありませんか。また、新たに公選法が改正、二項目されていますが、これについてはいつ国民投票法を改正するのでしょうか。これらを踏まえれば、七項目だけではなく、国民投票法の抜本的改正が必要ではないでしょうか。
 以上、四問です。
 そして、最後に、腰を落ちつけて議論を進め、抜本改正を目指すべきであります。次回以降、今述べたような論点、あるいは統一投票の禁止などの論点を含む旧国民案、私も、あるいは原口代表代行も提案者でありますが、その趣旨説明、審議を求めていきたい、そして並行審議を求めていきたいと思います。真に民意を反映した公正な投票結果が出る、そういう仕組みを整えることこそ、憲法改正議論の私は前提だと思います。
 以上です。

#22
○船田議員 今、奥野委員から多岐にわたる質問でございました。全てを答えるわけにはなかなかいかないかもしれませんが、私どもとしては、平成十九年の法制定時におきましても、いわゆるCM規制ということにつきましては、これはやはり重大なことであるということで、参考人の質疑も含めて議論をしてきたというわけであります。
 当初、民放連の方々が、量的規制ということも含めて何らかの自主ルールをつくりたいという発言をされましたが、その後、最近になりまして、量的な規制は行えない、そういう結論になった。このことは大変残念に思っております。
 しかしながら、このCM規制のことにつきましては、我々がもっともっと知恵を出さなければいけないというふうに現在考えておりまして、このことについては、まず、きょう議題となっております七項目の公選法見合いの改正部分についてはまず結論を出していただいた後に、速やかに、テレビCMの規制のあり方、それからインターネットの広告の問題、あるいはSNSを使った運動のあり方、さらには、最近議論が出ておりますけれども、いわゆるインターバルを設けるか、設けないか、それから投票日に運動するべきか、するべきでないか、あるいはまた外国人の方々が運動に対して資金を提供することを禁止すべきではないか、こういった非常に広範な問題が残っております。
 このことにつきましては、今後、この憲法審査会におきまして、幹事会あるいは幹事懇におきまして十分議論いただいて、これはいずれも重要な課題でございますので、このことについて真摯に皆さんと議論をしながらよいアイデアを出していきたいと考えておりますので、ぜひ御指導賜りたいと思っております。
 以上です。

#23
○井上(一)議員 奥野先生から、国民投票運動のための資金について、外国人から寄附を受領することに対する何らかの制限が必要ではないかという点ですけれども、国民投票運動について外国人や外国の組織、外国の政府などによる不当な影響がないようにしなければならないという観点は、極めて重要な点だと思います。
 外国人などによる寄附については、外国人等による国民投票運動自体に制約が設けられていないという論点もございますので、これらも含めて、他の国民投票法に関する諸論点とともに、憲法審査会の場において引き続き議論を深めていくべきであると考えております。

#24
○逢沢議員 提出者として、包括的に答弁、発言をさせていただきたいと思いますが、言うまでもなく、国民投票法は、その手続法という性質上、社会情勢や国民意識の変化に応じて随時改定、アップデートを繰り返していかなければならない、そういう宿命を帯びているものと思います。
 このたび、七項目案について提案理由説明が既になされ二年半ということでありますが、仮に七項目案が採決されたといたしましても、今後も引き続き改正を続けていかなければならない、不断の見直しが必要であると考えているところであります。
 現に、御指摘の二項目以外にも、倫選特においてもテーマになっておるわけでありますけれども、郵便投票の対象者拡大に関する案件について、各界において議論されているとお聞きをいたしております。
 したがって、今後とも、投票環境の向上、また有権者の利便性向上に関する法改正については、不断に検討を行い、必要な見直し作業をしていくことが重要であると考えております。
 御指摘の二項目につきましても、各会派と協議をしながら、合意を得られたものから順次法改正につなげていく努力を継続をしてまいりたいと思います。
 よろしくお願いをいたします。

#25
○細田会長 次に、大口善徳君。

#26
○大口委員 公明党の大口でございます。
 国民投票法改正、七項目の改正案は、二〇一八年六月、第百九十六回国会に提出され、七月五日、趣旨説明を聴取されたわけでございます。二年半近く経過をしているわけでありますが、本日、ようやく質疑に入ることができました。
 会長、両筆頭、与野党幹事等、関係者の皆様に敬意を表しますとともに、御努力に感謝申し上げる次第でございます。
 今回の七項目の改正案は、投票環境や投票人の利便性の向上を図るため、公職選挙法並びの措置を講じようとするものであり、内容的には各会派ともに全く異論がないものであります。選挙であれ国民投票であれ、このような民主主義の基盤にかかわる事項については、国会の責務として速やかに採決するべきであると考える次第でございます。
 他方で、テレビ、ラジオのCM規制の範囲やネット広告規制のあり方については、この七項目とは異なり、国民投票運動の自由と国民投票の公正とのバランスをどう考えるか、憲法の自由にもかかわることでございますので、慎重に検討すべき課題であることから、七項目につき結論を得た上で、引き続き速やかに議論を深めるべきであると考えております。
 これにつきまして、提案者の北側議員の御所見をお伺いしたいと思います。

#27
○北側議員 今回、今審査されております国民投票法の改正は、例えば、商業施設また大学なんかで共通投票所を設けていく、また洋上投票できる対象を拡大をしていく、こうした内容の七項目でございます。
 公職選挙法の方につきましては、既に改正法案は全会一致で成立をし、既に国政選挙、地方選挙で実施をされているところでございます。
 今回、この公選法並びの国民投票法改正法案七項目については、同様、各政党において全く異論がないというふうに認識をしております。
 選挙であれ国民投票であれ、投票の利便性を高め、投票機会を拡大する、国民の投票環境を向上させる、こうしたことを目的とするものでありまして、これはもう速やかに成立させる、これは国会の責務であるというふうに考えております。
 一方、CM規制等のその他の課題、これも重要な課題であることは十二分に認識をしておりますし、この憲法審査会でも、与野党を問わず、その問題意識は共有されているものというふうに思っております。
 しかしながら、この投票環境の向上、投票機会の拡大、こうした投票の利便性を拡大をしていくという今回の法案とCM規制等につきましては、表現の自由を根拠とする国民投票運動の自由と投票の公平公正をどう図るか、このバランスの問題で、大変重要な課題ではありますが、一方で、これは国家の基本原理にもかかわるような非常に重要な課題でありますが、難しい課題であります。
 これについては全く質の違う課題でございまして、これからもしっかり論議は進めていきますが、この二つはやはりしっかりと立て分けて議論をしていかないといけないというふうに私は考えております。
 したがって、今回の国民投票法改正七項目については速やかな採決をお願いをしたいと思いますし、引き続きCM規制等の論議については積極的にこの審査会でやっていきたい、やっていくべきだというふうに考えております。
 以上です。

#28
○細田会長 次に、赤嶺政賢君。

#29
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 先ほど私たちの党に対して言及がありましたので、一言申し上げたいと思いますが、御承知のとおり、私たち日本共産党は一九二二年に結党され、二年後に百年目を迎えます。党創立のときから戦争に反対し、平和主義、国民主権の民主主義、基本的人権の尊重の旗を掲げて、暗黒政治の戦争中は、弾圧のもとでもその旗をおろさずに頑張ってきました。
 その精神は今日の日本国現憲法に生きている、このように考えており、そして、今の日本国憲法は国民の間に定着しているというのが、これは憲法調査会の報告の中でも出された共通の認識だと思います。だからこそ、国民の中からは改憲せよという声が起こってこないのであります。
 一方で、憲法審査会は改憲の作業を目的とする任務も負っています。そういう改憲の作業は、国民の間から改憲の声が出ていない以上、これはやるべきではない、動かすべきではない、そういう基本的立場であります。
 国会法を知らないのかという御発言がありました。国会法は、憲法審査会は定例日は木曜日と定めておりますが、さらに、憲法審査会は、その運営に当たっては、与野党が一致をして開くという非常にすぐれた慣例を持っている。これは新藤筆頭もよく御存じのルールだと思います。まさにルールに基づいて開いているということで、このルールを破ろうとするならば、これはもう憲法審査会が成り立たなくなるというようなことも一言申し上げておきたいと思います。
 そこで、今回の法案でありますが、国民投票法案は、先ほど本村委員も述べたように、欠陥法であります。CM規制の問題や最低投票率の問題、広報協議会の問題、根本的な問題が残されたままの欠陥法となっています。現行法の欠陥に正面から向き合うことこそ、今極めて大事であると思います、国民投票法を議論するというのであれば。
 こちらには、提案者の奥野先生を始め、原口案というのが審査会に提案されております。私は、並行審議について、あえて会長にお願いを申し上げたいんですが、これらの原口・奥野案も含めて、今後、これは並行審議をしていくというような運営を図っていただきたいと思いますが、会長の御所見をお聞きしたいと思います。

#30
○細田会長 私に対する御質問ですが、いろいろ幹事会で与野党で協議をしたいと思います。
 それでは、ただいまの質問に対しまして、逢沢一郎君。

#31
○逢沢議員 提出者として、答弁、発言をさせていただきます。
 赤嶺先生御承知のように、このたびは、いわゆる七項目案について審議をいただいているところでございます。この七項目案は、投票環境や利便性の向上を図るため、公選法並びの措置を講じようとするものであります。
 各会派において、内容については全く異論がないと承知をいたしております。したがって、粛々と議論を進め、速やかに結論を得るべき事項であると考えております。
 他方で、昨年の常会に提出をされました旧国民民主党案は、テレビ、ラジオの放送CMやネットCMに関する規制、また、運動資金の透明化、当日の運動の禁止、外国人寄附の規制など、その内容は本当に多岐にわたり、そのいずれも、表現の自由の保障と国民投票運動の公平公正とのバランスをどのように確保するかという大変重要な論点を含むものでございまして、現行の国民投票法の基本的な考え方との整合性などを慎重に検討をしていただかなくてはなりません。
 このような事項は、投票環境や利便性向上といった手続的事項であり、かつ各党とも内容的には異論がなく合意が形成されている七項目案とは、全く性質を異にするものであると理解をいたします。
 さらに、七項目案については、既に提案理由説明を聴取し、現に議事に入っているものでもございます。
 以上のことを考えますと、七項目案につきましては、その手続を粛々と進めていただき、速やかに結論を得た上で、残る課題、問題につきましては、引き続き議論を深めていく、そのように処していただくことが当然の手続と考えます。
 どうぞよろしくお願いをいたします。

#32
○細田会長 次に、山尾志桜里君。

#33
○山尾委員 国民民主党の山尾志桜里です。
 本当は一問一答が望ましいと思うんですけれども、今回は三人の方に三問用意したので、まとめて伺いたいと思います。
 まず、中谷委員に。
 まだ一度も憲法改正の国民投票が経験されていない中で、今回、七項目の改正が必要と考えるに至った立法事実を確認させてください。あわせて、七項目と同じく一般の選挙では改正済みなのに、令和元年成立の二項目が今回は含まれていない理由と今後の改正の必要性の有無について、認識を問いたいと思います。
 二つ目、北側委員に御質問です。
 これら七項目プラス二項目の論点以外に、きょうも、CM、ネット、運動資金規制と出てきましたが、前者と後者では性質の違いがあるということを北側委員は重ねておっしゃっておられます。そのことについて、いかなる違いというところを改めてお聞きをしたいのと、そして、後者について、今後、憲法審査会で議論をし、改正をする必要性の有無について、認識をお伺いしたいと思います。
 三点目、これは馬場委員に。
 投票法に先んじて、もう一般の選挙では投票所へ入場可能な子供の範囲が拡大しています。実際、投票所に入場した子供の数がどれくらいふえたのか、そしてその意義について伺いたいと思います。
 とりわけ今回大事なのはここで、特に、投票権を持たない十八歳以下の子供が投票所に入れないというのは全くナンセンスな話だと思いましたので、その点について伺いたいと思います。
 以上です。

#34
○中谷(元)議員 本日の審査会での法案の審議につきましては、国民民主党が積極的に発言をいただき、質疑に至った点、心から感謝申し上げます。
 公選法と国民投票法では、その運動のあり方につきまして、人を選ぶ選挙と政策を選ぶ国民投票という性格に鑑みまして、大きな違いがあると思いますが、しかし、国民の投票や開票の手続や事務に関しては、基本的に共通をしております。
 したがって、社会環境や国民意識の変化に対応した投票環境や利便性向上のような何人も否定できない法改正につきましては、国民投票において特段の支障が生ずるものではない限り、公選法と同様の措置を講ずることが望ましいことは論をまたないところでございます。
 今回の七項目の改正は、平成二十八年の公選法の数度にわたる改正により講じられ、現に、各種の選挙におきまして既に施行されているものであります。このような事実自体が立法事実であり、国民投票を実施していないからといって、本法案を基礎づける立法事実がないわけではありません。
 次に、七項目の提出後に公選法において措置された二項目の投票環境向上に関する施策に関する御質問でございますが、今回は、既に提案理由説明を聴取している本法案について、粛々とその議事を進めているものであります。
 そもそも国民投票法は、その手続法という性質上、社会情勢や国民意識の変化に応じて随時アップデートすべきものであります。現に、御指摘の二項目以外にも、郵便投票の対象者の拡大に関する案件について、各会派において議論をされていると承知をいたしております。
 したがいまして、委員の御指摘の令和元年成立の二項目も含めて、必要となる項目につきましては、与野党の協議を踏まえながら、順次検討を進めていくべきであると考えております。

#35
○北側議員 先ほど申し上げましたように、今回の七項目は、例えば、長い間海上でいらっしゃる、そういう船員の方々、そういう方々の投票権をどう確保していくのか、それをどう拡大していくのかというお話だとか、それから、投票日当日に大型の商業施設、デパートなんかで投票所を設けて投票の利便性を拡大していこう、こういう、いずれにしても、投票環境をいかに向上させていくのかというテーマでございます。公職選挙法の方では、既に成立をして実施されている。
 こういう中身の問題と、それから、CM規制、それからネット規制等々ありますけれども、こちらの方の問題は、これは選挙でも一緒なんですけれども、国民投票運動の自由というのは、まさしく表現の自由、場合によっては報道の自由と直接かかわっている話なんですね。それと、一方で、投票の公正公平をどう保っていくのか、このバランスをどうとるんですかと。これまた非常に重要なテーマだと思います。
 これについては、非常に重要ではありますが、やはりこれは慎重に、国家のまさしく基本法制にもかかわってくる課題ですから、これは慎重に議論を続けていきましょう。重要な課題であることは十二分に認識し、この憲法審査会で引き続き論議をしていこう。やはり、一定の結論はいずれ出していかないといけないと思います。
 ちなみに、インターバル規制については、これもかつて議論されていたんですが、このインターバル規制というのは、一旦、国民投票したら、結論が出たら、しばらくの間はだめですよということなんですけれども、これはまたちょっと難しい議論がありまして、憲法の中には、このインターバル規制というものについて何も書いていないんですね、憲法改正国民投票について。これは、一面、国会による憲法改正案の発議というものを制約をしていくという側面がありますので、そこもやはり、憲法九十六条でしたかね、との関係をどう考えていくのか、こういう別の論点もあります。
 いずれにしましても、後者の方の議論については、これからも憲法審査会でしっかり論議をし、そして一定の結論を出していくという方向でぜひ議論をさせていただきたい。
 しかしながら、七項目、またプラスツーについては、これは全く異次元の内容でございます。これは、投票環境を向上させるという意味で、ぜひ速やかな採決をお願いをしたいというふうに思っております。

#36
○馬場議員 山尾志桜里議員の御質問のうち、公選法の改正により一般選挙で投票所へ入場可能な子供の範囲が拡大したことにより、実際どれぐらい子供たちがふえたか、その意義についての御質問にお答えさせていただきたいと思います。
 公選法では、平成二十八年の改正により、投票所へ入場可能な子供の範囲が拡大されました。その結果として、平成二十八年に実施された参議院議員通常選挙、この選挙では、投票所に入場した子供の数が約一・五倍になったと調査報告があったと承知しております。
 この公職選挙法の改正は、親が現実に投票している姿を子供に見せる、また実際投票所に入場することが将来の有権者への有効な主権者教育に資することを期待したものであると承知をしています。
 この主権者教育に資するとの趣旨は、まさしく国家の基本法制の形成に主権者たる国民として関与する貴重な機会である憲法改正の国民投票においては、より一層重要な意義を有するものと考えております。
 そういった意味でも、一刻も早く実現すべき法改正の一つであるということを確信していますし、山尾議員からは、十八歳以下の子供が投票所に入れないのはナンセンスだという御発言もありましたが、我が党といたしましては、きょう生まれた赤ちゃんにも選挙権を与える、そういったことも既に議論に入っているということをつけ加えさせていただきたいと思います。
 以上です。

#37
○細田会長 馬場伸幸君。

#38
○馬場委員 動議を提出いたします。
 本案に対する質疑を終局し、討論を省略し、直ちに採決されることを望みます。

#39
○細田会長 筆頭間で協議をいたします。
 ただいまの馬場伸幸君の動議の取扱いにつきましては、幹事会で協議いたしたいと存じます。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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