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2020/10/28 第203回国会 衆議院 第203回国会 衆議院 本会議 第2号 令和2年10月28日
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2020/10/28 第203回国会 衆議院

第203回国会 衆議院 本会議 第2号 令和2年10月28日

#1
令和二年十月二十八日(水曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二号
  令和二年十月二十八日
    午後一時開議
 第一 立皇嗣の礼に当たり賀詞奉呈の件
    …………………………………
  一 国務大臣の演説に対する質疑
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 立皇嗣の礼に当たり賀詞奉呈の件
 裁判官弾劾裁判所裁判員辞職の件
 裁判官訴追委員辞職の件
 裁判官弾劾裁判所裁判員の選挙
 裁判官訴追委員及び同予備員の選挙
 国務大臣の演説に対する質疑
    午後一時二分開議

#2
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 立皇嗣の礼に当たり賀詞奉呈の件

#3
○議長(大島理森君) 皇嗣殿下には、来る十一月八日に立皇嗣の礼を行わせられます。
 私どもの心からお喜び申し上げるところであります。
 つきましては、本院は、慶祝の意を表するため、特に院議をもって、天皇陛下並びに皇嗣殿下に対し、賀詞を奉呈いたしたいと存じます。
 賀詞は議長に一任されたいと存じます。これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。
 賀詞を朗読いたします。
    〔総員起立〕
    天皇陛下に奉呈する賀詞
 天皇陛下には 今日の佳日にあたり 皇嗣殿下の立皇嗣の礼を挙げさせられ 皇嗣となられたことを公に宣明されますことは まことに慶賀に堪えないところであります
 ここに衆議院は 国民を代表して 謹んで慶祝の意を表します
    …………………………………
    皇嗣殿下に奉呈する賀詞
 皇嗣殿下には 今日の佳日にあたり 立皇嗣の礼を挙げさせられますことは まことに慶賀に堪えないところであります
 ここに衆議院は 国民を代表して 謹んで慶祝の意を表します
 ただいま議決されました賀詞の奉呈方は議長において取り計らいます。
     ――――◇―――――
 裁判官弾劾裁判所裁判員辞職の件
 裁判官訴追委員辞職の件

#5
○議長(大島理森君) お諮りいたします。
 裁判官弾劾裁判所裁判員金田勝年君から裁判員を、また、裁判官訴追委員越智隆雄君から訴追委員を、辞職いたしたいとの申出があります。右申出をそれぞれ許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。
     ――――◇―――――
 裁判官弾劾裁判所裁判員の選挙
 裁判官訴追委員及び同予備員の選挙

#7
○議長(大島理森君) つきましては、裁判官弾劾裁判所裁判員及び裁判官訴追委員の選挙を行うのでありますが、この際、あわせて、裁判官訴追委員の予備員の選挙を行います。

#8
○武部新君 裁判官弾劾裁判所裁判員並びに裁判官訴追委員及び同予備員の選挙は、いずれもその手続を省略して、議長において指名され、裁判官訴追委員の予備員の職務を行う順序については、議長において定められることを望みます。

#9
○議長(大島理森君) 武部新君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#10
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員に山本幸三君を指名いたします。
 次に、裁判官訴追委員に
      松島みどり君    三ッ矢憲生君
   及び 鈴木 淳司君
を指名いたします。
 また、裁判官訴追委員の予備員に藤原崇君を指名いたします。
 なお、その職務を行う順序は第一順位といたします。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説に対する質疑

#11
○議長(大島理森君) これより国務大臣の演説に対する質疑に入ります。枝野幸男君。
    〔枝野幸男君登壇〕

#12
○枝野幸男君 議院運営委員会の合意に基づき、発言時、マスクを外していいという御了解が出ましたので、外させて、発言をさせていただきます。(拍手)
 政治に私たちは見えていますか。
 緊急事態宣言のもと、オンラインヒアリングで投げかけられた言葉です。親からの支援を受けずに自力で頑張っていた大学生、新型コロナウイルス感染症の影響で、収入源だった派遣の仕事を失い、あすの暮らしも人生の展望も見えなくなってしまった、そんな若者からの問いかけでした。
 これは、この学生だけの問題ではありません。コロナによる雇用や経済への影響はますます深刻化しており、今は何とか持ちこたえている方も、年末年始にかけて、耐え切れなくなる方が大きくふえると心配されます。
 政治に国民一人一人の現実は見えているのか、政治は本当に見ようとしているのか、この問いかけは、この議場にいる全ての国会議員が真摯に受けとめるべきものであります。
 この国会は、文字どおり、コロナ禍から国民の命と暮らしを守る国会にしなければなりません。特に深刻なのは、この夏以降、女性や若者を中心に、みずから命を絶つ方がふえつつあることです。
 あなただけがしんどいんじゃない、そう言われるのが一番しんどかった。食べるものにも困ったシングルマザーの言葉が報道されました。
 決して特殊なケースではありません。支援団体の調査では、児童扶養手当を受け取っている一人親家庭の六割で収入が減少し、一割は収入自体が途絶えています。一日の食事は一回だけ、残っているお金は数千円、そんな声が多数届いているそうです。
 これまでは何とか自活できていた方々の生活が、ぎりぎりまで追い込まれ、限界を超えています。その上、自助努力を迫る自己責任論が強まる中、追い込まれても公的な支援を受けることに強い抵抗感を抱き、頼ることをためらう風潮が広がっています。
 今ほど政治の力が必要とされるときはありません。政治にこうした現実が見えているのかが問われています。殊さら自助を口にする総理に、声を上げようにも上げられない、こうした実態が見えているのでしょうか。
 受けとめ切れていない暮らしの実態にしっかりと目を向け、政治に反映させなければならない。国民生活には一刻の余裕もない。そのために、より多くの力を結集しなければならない。九月十五日、私たちはそんな思いから新しい立憲民主党を結成しました。
 結党から一カ月余り。全国各地を訪れ、現場を見て、現場の声をお聞きしました。私は、受けとめてきた何人ものあなたの声と現実を踏まえ、私たちが目指す社会像を示しながら、立憲民主党を代表して質問をいたします。
 先日合同葬が行われた中曽根元総理は、国鉄や電電公社などの民営化を進めました。それから三十年余り。ある時期までの私自身を含め、政治は、競争と効率、そして民営化を掲げ、小さな政府を追い続けてきました。しかし、コロナの影響を受け、こうした新自由主義的な社会のあり方が、今も、そしてこれからも、本当に正しいのかが突きつけられています。
 目先の効率性を追い求める余り、海外生産に依存し切っていたマスクの不足が、大きな混乱をもたらしました。保健所は三十年間で四五%も減り、感染が疑われても電話がつながらず、幾ら旗を振っても検査はふえませんでした。ベッド数の削減などが進められてきた結果、感染の広がりで医療現場は逼迫し、医療従事者は疲れ果て、国民にも大きな不安を与えました。
 そんな中で問われているのは、これからの日本をどうするのか、その大局的なビジョンです。立憲民主党は、一人一人の命と暮らしを守るために、目先の効率性だけにとらわれず、人を幸せにする経済を目指します。新自由主義にかわる新しい選択肢として、政治が責任を持って支え合いの役割を果たす共生社会の実現を目指します。
 競争や効率を否定するのではありません。しかし、それは、命と暮らしを守ること、そして人を幸せにするためのものであることが前提のはずです。
 中曽根行革が進められた昭和の時代から三十年余り。社会は劇的に変化しました。人口減少、高齢化、ひとり暮らし世帯の増加、地域の疲弊。高齢者やシングルマザーなど、自分の努力だけ、自助だけでは生きていくことが難しい皆さん、身近な助け合い、共助が困難な地域や人々、これまでとは比べ物にならないくらいふえています。
 どんな人にも、自分の力だけではどうにもならない困難や危機に直面することがあります。今、コロナ禍によって、多くの皆さんがその深刻な困難と危機に直面しています。
 だから、私は、日本全体で、つまり、政治と行政の力で、お互いさまに支え合う仕組みをつくります。思いも寄らない病気やけが、失業などに直面をしても生活が成り立つ。年老いても安心して生活できる。家庭を持ちたい、子供を産み育てたいと願う方が、その望みを心配することなくかなえることができる。そして、何よりも命を守る。そのために、政治と行政による支え合いの仕組みを充実させます。
 第一に急ぐのは、命と暮らしを守る上で欠かせない基礎的なサービス、ベーシックサービスを全ての皆さんに保障することです。
 医療や介護、子育て支援や教育。必要なサービスを必要に応じて提供することは、政治の最大の役割です。それなのに、競争や目先の効率性ばかりを追い求め続けてきた結果、こうしたサービスは、質、量ともに大きく不足しています。その上、コロナ禍で危機的な状況に追いやられました。
 良質なサービスを十分に提供するため、質の高い人材の確保を進めます。コロナ禍で不足が明らかになった保健所や、長く人手不足が指摘されてきた児童相談所や労働基準監督署などについても、国民の命と暮らしを守るため、大胆に増員増強します。
 国の予算配分を変えて、こうした仕事に携わる皆さんの賃金を底上げし、待遇を改善しましょう。少なくとも、希望する人が安心して子供を産み育てることができるだけの賃金を確保し、原則として正規雇用にするべきです。
 また、これらのサービスは、目先の効率性という観点から、一〇〇%近い稼働率であることが求められ、ぎりぎりの運営をしてきました。これでは、今回のようないざというときに、命や暮らしを守ることができません。稼働率にゆとりを持たせた、ゆとりある運営へと転換します。
 二つ目に、公共事業などのハード面や、従来型の開発という視点を軸としてきた地域政策を、暮らしに重点を置いたものへと変えていきます。
 これまでのやり方では、一極集中はとまりませんでした。多くの地域で疲弊と衰退が更に深刻になり、この国から本当に地方がなくなりかねません。
 生まれ育った地域で一生を終えたいと望む人、自然豊かな地域で暮らしたいという人、誰もが全国どこでも安心して暮らせる環境をつくることこそ最優先です。ITなどが発達した今、情報や買物などでは都市と地域の差が縮小しています。問われているのは、この点でも、教育や医療などのベーシックサービスであり、働く場の確保です。
 ベーシックサービスの充実によって、全国どこでも安心できる暮らしを可能にするとともに、新たな仕事の場を生み出します。医療や介護などは、高齢化が進む地域にこそ多くのニーズがあります。このニーズに応え、危機にも対応できるゆとりある体制をつくることで、地域での雇用をつくり、地域でお金が回る社会へと変えていきます。
 こうした地域づくりのためには、縦割りの代表である分野ごとの補助金ではなく、自治体が使い道を自由に決められる一括交付金が欠かせません。私たちは、縦割り打破の一丁目一番地として、一括交付金の実現に取り組みます。
 地域の基幹産業である農業でも、輸出をふやすなどとして、効率と競争が重視されてきました。私は、むしろ、家族で経営し、地域に密着した、暮らしとしての農業を支えていくこと、これを中心に置くべきだと考えます。
 中山間地を始め多くの地域では、国際競争を求められても限界があります。しかし、不利な地域でも営まれてきた農業は、豊かな自然環境を守り、きれいな水や空気をつくり、そして、災害を防ぐ機能を果たしてきました。何よりも、食料自給の下支えとなっています。
 先月二十二日、佐賀県小城市江里山地区の棚田を見てきました。先人たちがつくり、守ってきた棚田は、地域の財産であり、文化的価値があると言っても言い過ぎではありません。地域の皆さんも、誇りを持っていると話してくれました。
 国際競争に挑む農家だけでなく、このような、暮らしや地域と一体となっている農家を支え、地域社会と自然環境を守ります。戸別所得補償制度を復活させ、家族とともに、そして地域とともに、代々引き継いできた営みを今後も安心して続けられるよう下支えします。
 多面的な機能を果たし、地域の暮らしを守るという意味では、酪農、畜産や林業、漁業も同様です。それぞれの特性に合わせた所得安定のための政策を実現します。
 地域に大きな可能性のある分野が、自然エネルギーです。小水力、風力、地熱、小型バイオマスなど。地域にこそ大きな潜在力があります。
 去る十日、鳥取県米子市で、エネルギーの地産地消に取り組む企業から話を聞きました。鳥取では、年間約一千億円の電気代を県外に払っており、これを地域に還元していくことの重要性を熱く語られました。創業五年で地域シェアが一〇%を超え、電気代が地域で循環することに加えて、温室効果ガスの削減や雇用創出などで地域に貢献しています。
 自然エネルギーへの需要は、地球規模でますます大きくなります。日本には、あらゆる種類の自然エネルギーについて経験と技術があり、蓄電や断熱、そしてシステムの構築や管理という点でも高い水準にあります。
 私は、これからの日本経済の牽引役として、世界に貢献していく分野として、何よりも、地域の潜在力を生かす柱として、自然エネルギー立国を推進します。
 バブル崩壊から三十年近く。経済の成長を妨げてきた主な要因は、国内消費の低迷です。この間、輸出の成長率は実質で四・一%であったのに対し、消費の伸びは一・〇%にとどまります。
 消費が広がらないのは、一つには将来の不安が大きいために財布のひもがかたく締められていること、そして、格差と貧困の拡大で、消費したくてもお金がなくて使えない人をふやしてしまったことが原因です。
 支え合いによって将来の不安を小さくし、格差を縮小して貧困を減らすことは、消費を拡大させる本質的で最も重要な経済対策であります。
 OECD、経済協力開発機構は、既に二〇一四年、所得格差が拡大すると経済成長は低下するとの調査結果を発表しています。この調査結果に対する総理の見解を伺います。
 いざというときにも支えがあるという安心感。それが、新たな挑戦への意欲を生み出します。失敗したら自己責任というのでは、チャレンジする意欲もそがれがちです。支え合う共生社会は、新しい価値の創造を育むための基盤ともなります。
 こうしたビジョンのもと、国民の命と暮らしを守るため、今、急がなければならないのは、医療機関への支援です。政府は、九月十五日、予備費の閣議決定で、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた医療機関などに絞って支援などを決めました。しかし、医療機関全体が厳しい経営状況にあることを踏まえた支援は、盛り込まれていません。
 病院は、これまでも利益率が低く、厳しい運営を強いられてきました。多くの医療機関で経営は逼迫しており、全ての医療機関に対する経営支援を速やかに実施すべきです。総理の見解を伺います。
 命と暮らしを支えるのに欠かせない、介護や障害福祉、保育や放課後児童クラブなどの現場も、厳しい状況です。
 長時間の重労働にもかかわらず低賃金。不安定な非正規雇用が多く、人手不足が慢性化しています。濃厚接触が避けられず、感染防止に強い緊張を強いられ、現場は更に疲弊しています。もう仕事をやめたいという声をさまざまな場面で伺ってきました。
 待遇改善を急ぎ、賃金を大幅に底上げするべきと考えますが、総理、いかがでしょうか。
 中でも、保育士については、私たちは既に、賃金を月額五万円引き上げる法案を提出しています。総理、これに御協力いただき、成立させませんか。
 待機児童は、ことし四月時点で一万二千四百三十九人に上っています。本年度末までに待機児童を解消するという目標は諦めたのですか。総理の答弁を求めます。
 介護分野での八月の有効求人倍率は三・八六倍、全職業の一・〇四倍を大きく上回っています。ことし九月までの介護事業所の倒産件数は九十四件、過去最多を更新しました。
 私たちは、介護従事者の賃金を月額一万円引き上げる法案を提出しています。安定的な運営や人手不足解消のため、来年度の介護報酬改定でどんな対策を講じるのか、総理の方針を伺います。
 冒頭で紹介した方を始め、多くの学生にとって生活はなお厳しい状況にあります。遠隔で、授業の満足度が大きく下がっているにもかかわらず、授業料は変わらず高額のまま。休学するにも費用がかさみ、退学を考えている若者がふえています。
 四月からの修学支援新制度の対象からは、授業料減免の対象だった中間層の一部が外されており、自立する学生を対象とした学生支援緊急給付金も、このままでは追加が必要です。
 こうした皆さんを漏れなく支援するため、学費減額に踏み込み、授業料を半額にすべきと考えます。総理、いかがでしょうか。
 コロナの影響で、来年春の新卒採用が大きな影響を受けています。
 厚生労働大臣は、卒業後三年以内は新卒扱いという指針の徹底を要請すると言っていますが、この指針はこの十年来必ずしも守られておらず、要請するだけで効果があるとは思えません。
 政府を挙げた、より実効性のある対応が必要です。総理の認識を伺います。
 子供たちは、なれない新しい生活様式のもと、一斉休校による授業のおくれを取り戻すことに追われています。楽しみにしていた行事の中止などもあって、疲れ切った子供たちがふえており、一人一人に対応したきめ細かい教育がこれまで以上に必要です。
 学校現場や教職員も、本来業務ではない消毒などの感染防止対策に追われ、また、多様な教育環境への対応などで負担が増加しています。
 教室の密を避けるためにも、また、教職員の負担を減らし、多様化する子供たち一人一人に寄り添った教育を可能にするためにも、必要な法改正を行い、少人数学級と教職員の増員を計画的かつ強力に進めるべきと考えます。総理の見解をお聞かせください。
 今月三日、金沢市で、夜間中学に関係する皆さんの話を伺いました。戦後の混乱で学ぶ機会を失った方々にとどまらず、外国籍の子供や貧困による影響、いじめや不登校など、社会の変化に伴い、夜間中学を必要とする状況は強まっています。コロナ禍で、必要性が高まる可能性もあります。
 教育を受ける権利を保障する最後のとりでが夜間中学です。政府として、都道府県などを通じた夜間中学への支援を強めるべきですが、総理、いかがでしょうか。
 雇用調整助成金の特例措置は、野党の要求も踏まえ、十二月末まで延長となりました。
 しかし、解雇、雇いどめになった人は、十月十六日現在、見込みも含めて六万六千五百九十三人。就業者数と雇用者数は、四月から八月まで五カ月連続で前年同月と比べ減少しています。このままでは、年明けに解雇が続出し、多くの方が収入を失って路頭に迷いかねません。
 特例措置は、縮小することなく、少なくとも今年度末まで延長すべきです。総理の決断と答弁を求めます。
 感染症対応の休業支援金・給付金は、五千四百億円ほどの予算額に対し、二百九十億円程度しか支給されていません。事業主の協力などが条件になっていること、学生に多いシフト制のアルバイトなどで、実質的には休業なのに受給できていないケースが多いこと、支援の対象から大企業が外れていることなどが原因です。
 改善の方向と報じられていますが、具体的にどう改善するのか、厚生労働大臣にお聞きします。
 経済を立ち直らせるには、感染拡大防止策を進めながら、消費を回復させることが必要です。GoToキャンペーンのような、分野ごとに、それこそ打破すべき縦割りの需要喚起策では、効果も限定的で限界があります。
 戦後最大の危機に対処するには、広く影響を与える思い切った政策が必要です。年収一千万円以下の方々への所得税の時限的な免除、その効果の及ばない困窮者の皆さんへの現金給付、そして消費税の時限的な減免に踏み切るなど、聖域を設けることなく、あらゆる政策をハイブリッドに組み合わせて実行することを提案します。総理の見解を伺います。
 私は、こうした大胆な政策を速やかに実現するのであるならば、野党の立場からも、その政治責任を共有する覚悟です。総理、政府と与野党での真摯な協議の場を設けませんか。答弁を求めます。
 中小企業の多くが、コロナ禍によってますます苦しんでいます。
 国内企業の九九・七%を占め、全従業員の約七割が働く中小企業は、地域社会を支える上で欠かせない存在です。必要なのは、総理の言う統合再編ではなく、地域政策や雇用政策と一体となった支援策の充実です。総理の認識を伺います。
 学術会議法七条二項は、「推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。」と明記しており、推薦された方を任命しないことは、条文上、明らかに違法です。一九八三年の、中曽根総理による、政府が行うのは形式的任命にすぎないという国会答弁とも矛盾します。
 総理は、提出された百五人の名簿を見ていないと発言していますが、六人を任命しなかったのは総理御自身の判断ではないのですか。誰が、どんな資料や基準をもとに判断したのですか。任命しなかった理由は何なのですか。明確にお答えください。
 憲法六条一項は、「天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。」と規定しています。基づいて任命するという法的な構造は全く同じです。
 学術会議の任命に、総理による実質判断の余地を認めたら、内閣総理大臣の任命についても、陛下による実質判断の余地が生じてしまいます。一刻も早く六名を任命して、違法状態を解消する以外、この問題の解決はあり得ません。総理に反論があればお答えください。
 九月十六日の初閣議で決定した基本方針には、東日本大震災からの復興と原発事故についての言及がなく、所信でも具体策は示されませんでした。この姿勢は大変残念です。
 立憲民主党は、震災の記憶と教訓を風化させることなく、復興への歩みを速め、一日も早い被災地の再生を実現するため、全力を尽くします。
 ALPS処理水については、今月中の決定こそ否定されましたが、海洋放出する方針との報道がなされ、関係者の不安は高まっています。
 国民に対する説明と国民的な議論は全く不十分で、現状での決定は拙速です。当面は地上保管を継続し、福島のみに負担を強いることのない処分方法など、具体的な代案の検討を進めるべきです。総理の見解を伺います。
 総理が二〇五〇年までの脱炭素社会実現を打ち出したことは歓迎します。しかし、そのために原子力発電への依存を強めることがあってはなりません。二〇五〇年の脱炭素社会において、発電における原子力の依存度をどのように見込んでいるのか、総理の認識を明確にお答えください。
 再生可能エネルギーの導入を進めるには、送電網をできるだけ安くかつ幅広く開放することが欠かせません。具体策を経済産業大臣にお尋ねします。
 一人十万円の特別定額給付金は、世帯主が受給権者とされ、混乱を招きました。
 結婚している世帯の九八%以上で、世帯主は男性です。DV被害者の一部などでは対応策がとられたものの、女性を中心に、十万円が手元に届かなかった方が少なくありません。
 家族のあり方が多様化している中で、時代おくれになった世帯単位の支援にこだわるのですか。さまざまな制度を世帯単位から個人単位へと転換すべきと考えますが、総理の答弁を求めます。
 私は、初当選以来、選択的夫婦別姓の実現に取り組み、四回の筆頭提案者を含め、七回にわたって法案を提出し続けてきました。政府・与党の中に前向きの動きがあることを歓迎します。
 日本で最も強く大きな障壁となっている規制は、結婚するときに一方が必ず氏を変えなければならないという規制です。規制改革を言うのなら、この最大の規制からなくすべきであります。同姓を望む方には何の影響もなく、また、若干の事務経費以外一銭もかかりません。
 野党による議員提出法案が継続審議になっています。賛同いただければ、この国会でも実現することができます。総理と橋本国務大臣の決意をお伺いいたします。
 私も当事者であり、一月の代表質問でも取り上げた生殖補助医療について、前進の兆しが出てきたことを歓迎します。
 希望しながら子供を授からない原因にはさまざまなものがあります。新たな分断を生まないような配慮が必要であり、男性不妊や不育症などが助成や保険適用の対象になるのかを含め、総理の認識をお尋ねします。
 所信で、所得制限を撤廃と述べられましたが、保険なら当然のことですから、助成措置についてと受けとめてよろしいですね。この点も確認をいたします。
 女子差別撤廃条約の選択議定書について、二十年たっても百十四カ国が締結する国際的な枠組みにすら参加しないのでは、女性が輝くと言っても説得力がありません。
 批准に向けて急ぐべきであります。なぜためらっているのですか。総理にお尋ねいたします。
 立憲民主党は、健全な日米同盟を軸として、現実的な安全保障、外交政策を推進します。
 辺野古新基地問題では、沖縄の皆さんが繰り返し示してきた反対の民意に加え、軟弱地盤の影響でいつ完成するかも見通せず、建設費も膨らむ一方です。
 健全な日米同盟を維持発展させるためにも、埋立てを中止し、沖縄の民意を始めとした実情を米国に対し率直に説明して理解を求め、別の道を協議すべきです。総理の認識を伺います。
 日米地位協定は、日本の主権が事実上大幅に制約されており、特異なものです。
 健全な二国間関係であるなら、米国に対し、地位協定の改定を明確かつ粘り強く求めるのが当然です。総理の見解を伺います。
 私は、中学生のときに、父親の勤め先の倒産というのを経験しました。一年ほど、失業保険と母のパートで育ててもらいました。父はその後、小さな町工場を開き、ちょうどバブルに向かう流れの中で、私は大学まで進学することもできました。まだ国立大学なら圧倒的に学費が安い時代でした。支え合いの仕組みと時代の恩恵の上に、私は今、この議場に立っています。
 しかし、時代は変わりました。今の日本は、多くの皆さんが、時代の恩恵を受けるどころか、厳しい時代の変化に翻弄されています。
 総理の言う自助と共助と公助を順番に並べる考えは、端的に言って、昭和の成功体験にとらわれた時代おくれのものなのではないでしょうか。
 最後に、改めて総理にお尋ねします。
 日本をどんな未来へと導こうとしていますか。あなたは、どこを見て、誰の声を聞いて政治をしていますか。苦しんでいる国民の声は届いていますか。政治に私たちは見えていますかという声に、あなたはどうお応えになりますか。
 人口が大きくふえてきた時代から、高齢化の中で人口が急激に減っていく時代へ。社会そのものが大きく変わり、政治も変わらざるを得ません。きょう私が取り上げた問題は、経済や雇用環境の変化、価値観やライフスタイルの多様化などがもたらした、時代の最先端の課題ばかりです。そこにいるのは、新自由主義的な社会のもとで光の当たってこなかった皆さんです。そんなあなたのための政治を立憲民主党は取り戻します。
 誰もが安心できる支え合いの仕組みと、その仕組みを担う、機能する政府をつくり、命と暮らしを守ります。多様な個人と地域が互いに認め合い、それぞれにその力を最大限に発揮できる共生社会を実現します。立憲主義に基づく、透明で真っ当な政治を取り戻します。
 あなたのための政治へ、右でも左でもなく、前へ。それは、この国に暮らす一人一人を主役とする政治です。あなたのための政治に向けて、私たちとともに進みましょう。あなたの暮らしの現実を聞かせてください。私にはあなたの力が必要です。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#13
○内閣総理大臣(菅義偉君) 枝野議員にお答えいたします。
 OECDの報告書についてお尋ねがありました。
 御指摘の報告書では、先進国の傾向として、所得格差が拡大すると経済成長は低下することや、その理由として、貧困層ほど教育への投資が落ちること等の主張がなされていると承知をしています。
 格差と経済成長の関係については、さまざまな議論があり、一概に申し上げられませんが、格差については、それが固定化されず、人々の許容の範囲を超えたものではないことが重要です。
 このため、菅内閣では、経済再生に取り組む中で、最低賃金の全国的な引上げ、一人親家庭への支援など子供の貧困対策、同一労働同一賃金など働き方改革に加え、就職氷河期世代を含む全ての方が働くことや社会参加することを促進できるよう、個々人の状況に応じた支援等に取り組み、格差が固定しないよう、さらに、許容し得ない格差が生じないよう、さまざまな施策を進めてまいります。
 医療機関に対する経営支援についてお尋ねがありました。
 医療機関においては、患者数の減少による収入の減少などが見られることから、これまで約三兆円の支援を実施してまいりました。
 御指摘の予備費については、新型コロナウイルス感染症患者を入院させた医療機関に対する支援を拡充したほか、それ以外の医療機関も含めた支援として、インフルエンザ流行期に備え、発熱患者等を対象とした外来体制をとる医療機関への補助や、新型コロナが疑われる患者を受け入れる救急、周産期、小児医療機関への支援などを行っています。
 まずは、これらの支援を医療現場の皆様に速やかにお届けするとともに、今後とも、国民の皆さんに必要な地域医療が確保できるよう、必要な取組や支援を検討してまいります。
 介護職員や保育人材等の処遇改善、待機児童解消、介護報酬改定についてお尋ねがありました。
 急速に少子高齢化が進み、人生百年時代が到来しようとする中で、介護や保育などの人材確保を着実に行うことは大変重要な課題であると認識しています。
 このため、例えば、これまでも、介護職員や障害福祉人材の処遇について、累次の処遇改善に加え、昨年十月からは月額最大八万円のさらなる処遇改善を実施するとともに、保育士等については、平成二十五年度から昨年までに月額最大八万五千円の処遇改善を実施したところであります。新型コロナウイルス感染症の対策に必要な費用の助成を含め、引き続き、必要な支援を着実に実施してまいります。
 待機児童の問題については、子育て安心プランの最終年度である今年度も、待機児童を抱える地域の課題を丁寧に把握し、地域の特性に応じた支援を強化していくこととしており、待機児童の解消に全力で取り組んでいく方針に変わりはありません。
 その上で、女性の就業率の上昇を踏まえたさらなる受皿整備、幼稚園やベビーシッターを含めた地域のあらゆる子育て資源の活用を検討し、年末までに新たな計画を取りまとめてまいります。
 令和三年度介護報酬改定に向けては、介護職員の賃金等の状況も把握した上で、介護人材の確保、介護現場の革新等に向けた取組について、しっかりと検討してまいります。
 コロナ禍のもとでの若者の貧困と教育についてお尋ねがありました。
 大学生への支援については、新型コロナウイルスの感染拡大に当たり、その影響を受けて家計が急変した学生を高等教育の無償化の支援対象にするとともに、授業料減免を行う大学への支援や、経済的に厳しいアルバイト学生に対し学生支援緊急給付金の支給を行うなど、さまざまな支援を講じてきております。
 学生の就職活動については、これまでも、経済団体に対し、中長期的な視点に立った採用、卒業後三年以内の既卒者は新卒者扱いすることを要請してきたところですが、さらに、新卒応援ハローワークを設置し、担当者を決めて個別に支援するなど、きめ細かな就職支援を行ってまいります。
 小中学校等については、新型コロナウイルスに伴う学校再開等への支援として、教員や学習指導員、スクールサポートスタッフの増員を図るとともに、感染症対策に要する経費を支援してきております。また、少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備など、新しい時代の学びの環境の整備については、関係者間で丁寧に検討いたします。
 夜間中学校については、外国人への日本語教育の充実など、引き続き、夜間中学校の新設や教育活動の充実のための支援を行ってまいりたいと考えています。
 雇用調整助成金の特別措置についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症により経済が大きな影響を受けた中にあって、従業員の雇用を守るべく実施している雇用調整助成金については、日額上限の一万五千円への引上げや助成率の最大十分の十への引上げなど、これまでに例のない特別措置を講じたところであり、八月にはその期限を本年十二月末まで延長したところです。
 この特別措置の取扱いについては、今後の雇用情勢などを踏まえ、適切に判断をしてまいりたいと考えています。
 経済を立ち直らせるための政策及び協議の場、中小企業政策についてお尋ねがありました。
 経済を回復させるため、これまで、最大二百万円の持続化給付金や、困窮者も含めて全ての方々への一人十万円の現金給付など、総額二百三十兆円を超える対策を、必要な方々に行き渡らせるべく実行しているところです。
 御指摘のありました所得税の免除については、所得税を負担していない低所得者の方には効果が及ばず、また、消費税については、社会保障制度のために必要な財源と考えております。
 中小企業については、雇用政策などとも連携しながら、経営資源の集約化による事業の再構築やデジタル化を含め、中小企業の足腰を強くするための政策を推進し、応援してまいります。
 いずれにせよ、政府として、与野党各党の皆さんと、この国会の場で、経済の回復に向けた方策を含め、真摯で建設的な議論を行ってまいりたいと思います。
 日本学術会議についてお尋ねがありました。
 過去の国会答弁は承知しておりますが、憲法第十五条第一項は、公務員の選定は国民固有の権利と規定しており、日本学術会議の会員についても、必ず推薦のとおりに任命しなければならないわけではないという点については、内閣法制局の了解を経た政府としての一貫した考えであります。今回の任命は、任命権者たる内閣総理大臣が、その責任をしっかりと果たしていく中で、日本学術会議の推薦に基づいて任命を行ったものであります。(発言する者あり)

#14
○議長(大島理森君) 御静粛に。

#15
○内閣総理大臣(菅義偉君)(続) その上で、個々人の任命の理由については、人事に関することであり、お答えを差し控えますが、任命を行う際には、総合的、俯瞰的な活動、すなわち、専門分野の枠にとらわれない広い視野に立ってバランスのとれた活動を行い……(発言する者あり)

#16
○議長(大島理森君) 御静粛に。

#17
○内閣総理大臣(菅義偉君)(続) 国の予算を投じる機関として、国民に理解される存在であるべきということ、更に言えば、例えば、民間出身者や若手が少なく、出身や大学にも偏りが見られることも踏まえて……(発言する者あり)

#18
○議長(大島理森君) 御静粛に。

#19
○内閣総理大臣(菅義偉君)(続) 多様性が大事だということを念頭に、私が任命権者として判断を行ったものであります。
 なお、憲法第六条一項について御指摘がありましたが、同じように法令において基づいて任命すると規定されていても、各法令によって、任命を行う者の権能及び責任が異なっており、条文の文言のみで比較することは妥当ではないと考えます。
 東京電力福島第一原発におけるALPS処理水の取扱いについてお尋ねがありました。
 経済産業省において、本年二月に科学的根拠に基づく報告書をまとめたところです。
 それ以降、自治体や農林水産業の団体などさまざまな方と意見交換を重ね、さらに、一般の方からも書面による意見募集を行うなどの取組により、ALPS処理水の安全性や風評への懸念など、広く国民の皆さんから貴重な意見をいただきつつ、議論を積み上げてきています。
 敷地が逼迫する中で、いつまでも方針を決めず先送りすることはできません。これまでの検討を踏まえ、更に政府内での検討を深め、今後、適切な時期に、政府として責任を持って処分方針を決めてまいります。
 脱炭素社会と原子力発電についてのお尋ねがありました。
 徹底した省エネ、再エネの最大限の導入に取り組み、原発依存度を可能な限り低減する、これが政府の方針です。
 二〇五〇年カーボンニュートラルは簡単なことではなく、温室効果ガスの八割以上を占めるエネルギー分野の取組が特に重要であり、再エネのみならず、原子力を含めてあらゆる選択肢を追求していきます。
 今後、二〇五〇年カーボンニュートラルを目指すエネルギー政策については、結論ありきではなく、梶山産業大臣が中心となって、集中的に議論をしてまいります。
 特別定額給付金についてお尋ねがありました。
 迅速かつ的確に家計への支援を行うという給付金の趣旨を踏まえ、市区町村の事務負担等を考慮し、世帯を単位として給付を行うこととしました。
 その際、家庭内暴力で住所を実態どおりに登録できていない方々については、申出を行うなど一定の手続を経て本人が給付金をお受け取りいただけることとしたところです。
 それぞれの制度における取扱いについては、制度の趣旨や実務面などを踏まえ定められるべきものと考えています。
 選択的夫婦別氏制度についてお尋ねがありました。
 夫婦の氏の問題は、我が国の家族のあり方に深くかかわる事柄であり、国民の間にさまざまな意見があることから、引き続き、国民各層の意見を幅広く聞くとともに、国会における議論の動向を注視しながら、対応を検討してまいります。
 不妊治療等についてお尋ねがありました。
 子供を持ちたいという方々の気持ちに寄り添い、その切実な願いに応えるため、先日の所信表明では、保険適用されている治療で所得制限が課されているものがないことを踏まえ、所得制限を撤廃し、保険適用を早急に実現することを表明いたしました。
 今後、実態調査を行い、治療の有効性、安全性等について確認するなど、男性の不妊治療を含めて、早急な保険適用の実現に向けて検討を進めてまいります。
 また、保険適用までの間も、男性の不妊治療を含めて助成している現在の措置を大幅に拡大することとしており、所得制限や助成額などのさまざまな論点について、保険適用への移行も見据えつつ、しっかり検討してまいります。
 また、不育症については、有効性、安全性等が確立しているものは既に保険給付の対象としているところであり、引き続き、関係学会とも連携しながら、治療方法の研究等に取り組み、知見が確立したものへの保険適用を進めてまいります。
 女子差別撤廃条約選択議定書についてお尋ねがありました。
 同選択議定書に設けられている個人通報制度は、条約の実施の効果的な担保を図る趣旨から、注目すべきものと考えています。
 その上で、女子差別撤廃委員会から出される見解などについて、我が国の司法制度や立法政策との関係でどのように対応するかなどの検討するべき論点があることから、各方面の意見なども踏まえ、早期締結について真剣に検討しているところです。
 普天間飛行場の辺野古移設及び日米地位協定についてお尋ねがありました。
 世界で最も危険と言われる普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされることは、絶対に避けなければなりません。これは、地元の皆様との共通認識であると思います。
 日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせたとき、辺野古移設が唯一の解決策です。米国には、閣僚間を含めさまざまなレベルにおいて、沖縄の情勢や代替施設の建設状況について説明しつつ、この方針について累次にわたり日米間で確認しているところです。
 この方針に基づいて着実に工事を進めていくことこそが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながるものです。これからも、地元の皆様の御理解を得る努力を続けてまいります。
 日米地位協定は大きな法的枠組みであり、政府として、事案に応じて、最も適切な取組を通じ、具体的な問題に対応してきています。
 例えば、安倍政権のもとでは、環境及び軍属に関する二つの補足協定の策定が実現しました。国際約束の形式で得たこの成果は、日米地位協定の締結から半世紀を経て初めてのものです。
 また、日本側に第一次裁判権がある犯罪の被疑者たる米軍人軍属の拘禁についても、日米合意に基づき、実際に、起訴前に日本側へ移転が行われてきています。
 さらに、昨年の七月には、施設・区域外における米軍機事故ガイドラインを改定し、日米の関係者による制限区域内への立入りが迅速かつ早期に行われることが明記されました。
 政府としては、今後とも、このような目に見える取組を一つ一つ積み上げていくことにより、日米地位協定のあるべき姿を不断に追求してまいります。
 目指す未来像と政治姿勢についてお尋ねがありました。
 今回の演説では、デジタル化、グリーン社会の実現、地方の活性化、全ての方々が安心できる社会保障、日米同盟を基軸とした積極外交の展開など、政策の大きな方向性をお示ししました。
 その根本を貫く考え方が、自助、共助、公助、そして、きずなです。まずは自分でやってみる、そして、家族や地域で助け合う、その上で、政府がセーフティーネットでお守りをします。
 まずは、こうした国民から信頼される政府を目指すことが大事であり、そのためにも、行政の縦割り、既得権益、そして、あしき前例主義を打破し、国民のために働く内閣として改革を実現してまいります。
 また、私は常々、国民から見て当たり前のことを実現すべく取り組んでまいりました。今後も、現場の声に耳を傾けて、何が当たり前なのかをしっかり見きわめた上で、大胆に改革を実行してまいります。
 なお、残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣田村憲久君登壇〕

#20
○国務大臣(田村憲久君) 枝野幸男議員にお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金についてお尋ねがありました。
 休業支援金・給付金の支給率が低いとの御指摘については、新型コロナウイルス感染症の影響による企業の休業に対しては、これまで、雇用調整助成金の特例により休業手当の支払いを支援することを基本として取り組んできました。これまでのところ、同助成金が積極的に活用されており、これにより雇用維持が図られている方も多くいらっしゃるものと考えております。
 一方で、休業支援金・給付金は、雇用調整助成金を活用した休業手当の支払いもままならない中小企業の労働者の方々を支援するために創設したものであり、対象となり得る方にしっかりと支援が行き届くよう取り組むことが重要と考えております。
 特に、シフト制や日々雇用の方々など、休業の前提となる労働契約の内容が不明確なケースでは、事業主の御協力がいただけず、申請、支給に至らない場合があるとの声もいただいております。
 これまでも、経済団体等を通じて休業支援金・給付金の申請への協力を要請してまいりましたが、本制度の対象となる休業の趣旨を十分に御理解いただけるよう、支給対象となり得るケースを明確化するとともに、丁寧な説明の上で、協力を要請してまいりたいと考えております。
 また、休業する労働者に対しましても周知が届いていないという声もいただいております。支援を必要とする中小企業の労働者の方々に休業支援金・給付金が行き届くよう、きめ細かに取り組んでまいります。
 なお、大企業については、その制度趣旨に鑑みると、休業支援金・給付金の対象とすることは困難でありますが、休業手当が支払われていない大企業労働者を把握した場合には、雇用調整助成金を活用した休業手当の支払いについて、しっかりと働きかけてまいります。(拍手)
    〔国務大臣梶山弘志君登壇〕

#21
○国務大臣(梶山弘志君) 枝野議員からの御質問にお答えをいたします。
 送電網の開放に向けた具体策についてお尋ねがありました。
 今後、我が国の送電網について、レジリエンスを強化しつつ、再エネの大量導入に対応した次世代型のネットワークに転換していく必要があります。
 このため、全国各地の再エネの導入可能量も踏まえ、国が率先して全国大の送電網整備に関するマスタープランを策定し、事業者による整備を後押ししてまいります。
 一方で、新たな送電網整備には費用と時間がかかることから、既存の送電網をより低コストで再エネが利用しやすいようにルールも見直してまいります。
 具体的には、送電網の空き容量を超えて再エネが発電した場合に出力を一部抑えることを条件に、より多くの再エネを送電網に接続する仕組みを二〇二一年中に全国展開いたします。また、そもそも石炭火力などより再エネが優先的に送電網を利用できるよう、ルールの抜本的な見直しも検討しています。
 こうした政策を実施し、御指摘の再エネの導入に向けて最大限取り組んでまいります。(拍手)
    〔国務大臣橋本聖子君登壇〕

#22
○国務大臣(橋本聖子君) 選択的夫婦別氏制度の実現についてお尋ねがございました。
 婚姻後も仕事を続ける女性が大半となっていることなどを背景に、婚姻前の氏を引き続き使えないことが不便であるとの意見が、第五次男女共同参画基本計画策定に当たって行った意見募集や、これから結婚して家庭を築く若い世代の人たちから多数寄せられております。
 この問題については、国民の間にさまざまな意見があるものと承知をしておりますが、我が国の深刻な少子高齢化を食いとめるためには、国民、とりわけ若い世代のこうした意見をしっかりと受けとめて、十分に配慮する必要があると考えております。
 現在、第五次男女共同参画基本計画の策定に向けた議論が進められているところでありますが、私としても、国民の皆様の声をしっかり反映できるよう、取りまとめに向けた議論を着実に進めていきたいと考えております。
 以上です。(拍手)
    ―――――――――――――

#23
○議長(大島理森君) 野田聖子君。
    〔野田聖子君登壇〕

#24
○野田聖子君 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、菅義偉内閣総理大臣の所信表明演説に対し質問をいたします。(拍手)
 冒頭、いまだ収束の兆しの見えない新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた皆様に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、感染された皆様や生活に影響を受けておられる方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 今回、このコロナ禍の中、日夜、献身的な治療と医療体制を維持してくださっている医師、看護師など医療従事者の方々を始め、生活必需品を提供するスーパーやコンビニ、薬局など小売業に携わる皆さん、バスや電車など公共交通機関の職員、高齢者や子供がかかわる介護福祉士や保育士さん、住民生活を守る役所の職員、物流を担う配達員、トラック運転手など運送業の方々、そして生活廃棄物の処理などを行う清掃作業員の皆さんなど、多くの方々が、厳しい環境の中、感染拡大防止に努め、私たちの生命と暮らしを守るために働いてくださっています。
 また、外出自粛期間に国民が困難な日々を過ごす中、農業や漁業に従事される方を始め多くの生産者の方々が、厳しい状況下で私たちの生活を支えてくださいました。改めて、深い敬意と感謝を申し上げます。
 そして何より、長期間にわたってマスク着用を始めとする感染拡大防止に御協力いただいている国民の皆様に心から御礼申し上げます。
 さて、質問に先立ち、内閣総理大臣として七年八カ月にわたり国政を担われ、道半ばで総理の職を辞された安倍晋三前総理大臣に、改めて心から感謝を申し上げたいと思います。
 安倍前総理は、憲政史上最長というその在任期間において、政権としての最重要課題であった東日本大震災からの復興支援を始め、経済ではアベノミクスによってデフレスパイラルという日本を長く覆っていた闇を脱却へと導き、国家安全保障会議の設置や平和安全法制の整備など、現在我が国を取り巻く安全保障環境に即した制度改革を数多くなし遂げられました。
 特筆すべきは外交です。米国のトランプ大統領、インドのモディ首相を始め多くの首脳とお互いに信頼できる関係を築き、我が国の国益とプレゼンスを飛躍的に高めることができました。かつて顔の見えない国と言われてきた我が国は、今や世界がその動向を気にかけ、信頼できる国と言われるまでになっています。
 他にも、東京オリンピック・パラリンピック招致、働き方改革など、その功績は枚挙にいとまがありません。
 とりわけ、私は、政権の重要課題の一つに女性活躍を位置づけ、女性の社会進出を後押しすべく数々の政策を実行されたことは高く評価されるべきだと思います。
 その安倍前総理を常にサポートしていたのが菅総理です。総理就任後、数多くの首脳と電話会談を行う一方、新型コロナウイルス感染症の対応で明らかとなった規制やデジタル化の問題など、国民が感じた弊害に対し、いち早くその解消の意向を示されるなど、菅総理の経験と行動力は内外に信頼と安心感を与えています。
 ぜひ、総理には、そのリーダーシップによって、引き続き、国民のための仕事をしていただくようお願いしたいと思います。私たち自民党も全力で支えてまいる所存でございます。
 それでは、菅義偉総理にお尋ねいたします。
 今なお続く新型コロナウイルス感染症によって、四月から六月期のGDPは、年率換算で二八・一%減という戦後最大の落ち込みを記録しました。先日発表された日銀短観では若干の改善が見られるものの、依然として、我が国の経済は厳しい状況にあります。
 政府は、これまで累次にわたる経済対策において、定額給付金や持続化給付金、雇用調整助成金や無利子無担保融資など強力な支援を行ってまいりましたが、菅内閣においても、引き続き、人々の雇用を守り、企業が事業を継続できるよう、さらなる対応をお願いしたいと思います。
 改めて、これまでの経済対策の対応状況と、雇用及び企業支援を含めた今後の経済立て直しの方策について、総理から国民にわかりやすい説明をお願いしたいと思います。
 とりわけ、大きな影響を受けている観光業や飲食業、文化芸術などイベント関係の業界への支援は重要です。既に、政府によるGoToキャンペーンの中で、観光支援策として行われているGoToトラベルでは、二千五百万人以上の宿泊利用実績があり、業界と経済への下支え効果があらわれています。今後始まる他の支援策とともに社会経済活動を着実に回復軌道に乗せ、感染防止との両立を図っていかなければなりません。
 一方、既に始まっているGoToキャンペーンの支援策においては、事業者や受益者に不都合が生じているものがあるとの声もあります。ぜひ、政府にはいま一度しっかりと現場の状況を確認いただき、改良すべき点はしっかり改良し、国民のため、経済のために、より効果的な支援策となるようお願いいたします。
 言うまでもなく、来年には東京オリンピック・パラリンピック大会も控えており、万全の感染拡大防止を図りつつ、インバウンドの環境整備も進めるという対策も講じていかなければなりません。特に、海外からの人の往来については、しっかりとした検査体制や基準のもと、日本国民も海外の方も安心できる体制や環境を整備することが往来拡大へとつながるものと考えます。
 政府として、今後、どのような経済振興を図っていくのか、また、そのための環境整備として、国民の不安を解消するためにPCR検査の拡大や、セーフティーネットの確立をどのように考えるのか、総理の答弁を求めます。
 菅内閣発足後、メディアでは仕事師内閣との評価がある一方、外交手腕は未知数との論評もありました。そのような中、総理は、先週早速、ベトナム、インドネシアの両国を訪問されました。
 今回、総理就任後初の訪問先として二カ国を選ばれた理由と、今後、自由で開かれたインド太平洋を実現する上で、アジア各国との連携についてどのようにお考えなのかを伺います。
 また、来週投票の行われるアメリカ大統領選を見据え、日米同盟の深化をどのように考えておられるのか、中国、韓国、ロシアなど、首脳間の意思疎通が極めて重要である一方、政治的に課題を抱えるこれらの国々とどのような関係を築いていくおつもりなのか、菅政権の外交方針についてお尋ねします。
 総理は、これまでも拉致問題担当大臣として北朝鮮問題にも当たってこられたわけですが、総理に就任された今、北朝鮮とどのように交渉を進めていくお考えか、また、拉致問題について、一日も早い拉致被害者の帰国実現に向け、どのような態度で臨まれるのか、総理のお考えを伺います。
 新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
 今のところ、我が国では欧米諸国のような爆発的な感染は発生しておりませんが、今後、インフルエンザの流行も予想されますし、ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の流行期にも入ります。現在は、新型コロナウイルス感染症対策による衛生意識の高まりによって、インフルエンザの患者数は異例の低水準が続いていると聞きます。特に、手洗いやマスク着用の徹底など、自分を守るという意識とともに、大切な人や周りの人に迷惑をかけないようにするという他者への思いやりがこの状況を維持しているのではないでしょうか。
 しかし、油断は禁物です。今後の備えとして、新型コロナウイルス感染症を始めインフルエンザなど複数の感染症が拡大した場合の対策も講じておかなければなりません。発熱等の症状を訴える方がふえ、検査や医療の需要が急増するおそれもあります。
 こうした事態が発生する前に、政府としてあらかじめどのような体制を構築し、国民が安心できるような対策を用意しているのか、田村厚生労働大臣から丁寧な説明を求めます。
 私も、常に医療的ケアを必要とする子を持つ親として、今回の新型コロナウイルス感染症に心から恐れを感じています。それは、親若しくは子が感染した場合の道筋がはっきり見えないことにあります。
 外出自粛期間中は、社会経済活動の制約によって、職を失い、家庭内での暴力など、弱い立場の人々や厳しい環境にある方々が一層困難な状況に見舞われました。また、経済的、精神的負担によって自死に至る方も増加しています。
 私たちは、一つ一つ地域の声や小さな声にしっかりと耳を傾け、政治が対応できることを現実的に行ってまいりたいと思います。
 急がれるのは、地域の医療体制を維持することとともに、ワクチンや治療薬の開発研究、国民への早期接種です。既に、新型コロナウイルス感染症の影響によって、地域の医療機関では安定的な経営が難しくなっているところがあります。また、ワクチンについても、できる限り早く、安全性と有効性を確認した上で、国民に接種できる体制を整備すべきと考えます。
 厚生労働大臣に、医療提供体制の維持、確保策と、ワクチンの現状と展望について伺います。
 今回の新型コロナウイルス感染症では、多くの病院で面会や立会いができなくなり、家族をみとることができない、出産に立ち会えない、入院している子供の付添いを制限され親も子も不安な日々が続いているなど、切実な声が多く聞かれます。その一方、WiFi環境が整備されている病院では、リモートで会話をした、タブレットで病室での姿を見ることができたと前向きな声も寄せられています。
 情報通信環境の整備促進は、今後の新しい生活様式を見据える上で重要なものと考えます。政府が現在取り組んでいるデジタル庁の設置、デジタル化推進においては、国民の不安や不満を改善し、国民生活のマイナスをプラスに転ずることが急務であると考えます。政府の積極的な対応を求めます。
 我が国最大の国難は、少子化による人口減少です。
 これまでの少子化対策はいまだ効果を見せず、昨年の出生率は一・三六で、四年連続低下する一方、人口の自然減は五十万人台を初めて超え、減少幅は過去最大となりました。さらに、先日厚生労働省が発表した、ことし五月から七月に各自治体が受理した妊娠届の件数は、前年同期比で一割減という大幅なマイナスを記録しており、来年出生する子供の数は大幅に減少することが予想されます。
 今回、総理のリーダーシップで進められている不妊治療への保険適用は、まさに歓迎すべき政策です。しかし、制度をつくればそれで終わりではありません。
 不妊治療は、国民の正しい理解と各方面での支援が大切です。経済的負担が大きく軽減されても、仕事との両立など、安心して治療を受けられる環境を整えることが重要です。特に、企業には、治療を受ける夫婦がちゅうちょせずに休暇を取得することができるよう、後押しをする制度を導入する必要があります。
 先進国では、経済の進展につれて少子化の傾向が見られます。しかし、近年、北欧や米国では少子化の流れがとまり、女性の労働力率と出生率の間に正の相関関係が見られます。これに対し、我が国では女性の労働力率も出生率も低いのが現状です。この違いを読み解くことが重要です。
 日本には有給の産休、育児休業制度もありますが、アメリカの連邦レベルでは有給の産前産後休暇や育児休暇制度はありません。それでもアメリカの方が日本よりも女性の社会進出が進んでいる理由はどこにあるのでしょうか。
 日本では、女性の方が出産や育児などライフイベントの影響を男性よりも直接受けやすい傾向にあります。制度があっても、出産後の女性の離職率は高いのが現実です。育児休業制度や時短勤務制度を利用するのが主に女性であれば、男性、女性の役割分業はますます固定化されます。その点、北欧諸国では、父親に一定の育児休暇を割り当てるなど、積極的な制度が導入されています。まずは、政府においても、各省庁の男性職員の育児休暇取得を奨励し、それがおのずと評価へとつながる環境や条件を整備すれば、社会へと波及するのではないでしょうか。
 総理の不妊治療への保険適用の決断は評価されるものです。同時に、統計では、我が国では、二十代から三十代の母親のもとで生まれる子供が全体の九割です。私は、政治の側が、人々が望めば、若くして夫婦になれるように、若くして子供が授かれるようにという環境をどう整備していくのか、国民全体を巻き込んだ制度改革、意識改革の議論が本質であると考えますが、総理の見解を伺いたいと思います。
 ダボス会議を主催する世界経済フォーラムが昨年十二月に発表した男女格差の指標であるジェンダーギャップ指数において、日本は、百五十三カ国中、過去最低の百二十一位に下がりました。
 特に、日本は、政治と経済、それぞれの分野で、百四十四位、百十五位と大きな男女の格差があります。これは、指導的地位に女性が占められる割合が圧倒的に少ないからです。ことしは、社会のあらゆる分野において、二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも三〇%程度になるように期待するという二〇二〇・三〇の目標達成年でしたが、目標達成は困難な状況です。
 新型コロナウイルスの対応では、世界の女性リーダーに注目が集まりました。ドイツのメルケル首相、ニュージーランドのアーダーン首相、台湾の蔡英文総統、その他、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、デンマーク等。私は、女性のリーダーだからコロナに適切に対応できたと単純化はしません。しかし、これらの国のほとんどが、国連が発表している世界幸福度ランキングの上位国です。これらの幸せな国は、つまり、国のリーダーにおいて、年齢も性別も関係なく、多様な個人が尊重されるダイバーシティーを重んじていると言えます。男女比から見ても、日本には指導的地位に女性が占める割合が依然として少なく、ゆえに意思決定をする立場に女性はいません。つまり、政策や会社の方針に女性の視点を当たり前に反映することは困難です。
 ここに一つの例があります。かつて、EU各国がクオータ制を導入する中、ドイツは一貫して導入反対の立場をとっていました。しかし、メルケル政権では、百を超える大手企業に対し、二〇一六年から、取締役会等の任免権限を持つ、その立場の女性比率を三〇%以上とすることを法律で義務づけ、他の大手三千五百社にも自主目標を課しました。ドイツでは、自然の変化に任せていては男女均等を実現するのに九十年かかるという試算があり、国家の成長のために、抜本的な意識の改革に取り組んだのです。
 女性活躍とは、国、社会が更に成長する余地そのものであります。国民にとって大きなメリットだと考えを変え、社会全体が変化に向けて一歩を踏み出すことが令和の改革ではないでしょうか。
 昨年、私たちの同志である宮川典子さんが四十歳の若さで亡くなりました。彼女は、自身が病魔に侵されていることを一切公表せず、二〇一八年、政治分野における男女共同参画推進法成立に最後まで力を尽くしてくださいました。
 残念ながら、今日、彼女の期待した成果にはまだ至っておりません。これから、政治分野における多様性の確保のため、私たちは、女性候補者の発掘に一層努力し、女性が政治にもっとかかわる取組を進め、支援していきます。
 行政府にあっても、法務省法制審議会は、一九九六年、選択的夫婦別姓制度導入を答申しました。内閣府男女共同参画推進本部は、二〇二〇・三〇を目標にしています。
 内部から組織を改革していく必要もあると考えますが、女性活躍に関する基本方針について、総理のお考えをお伺いします。
 来年三月、東日本大震災発災から十年を迎えます。被災地は、現在に至るまで、復興事業によって、災害に強く、強靱なまちづくりを軸とした復興が進んでいます。来年度からは、第二期復興・創生期間に入り、政府にはよりきめ細かい対応が求められます。
 一方、この十年もの間、我が国は絶えることなく自然災害の被害を受けています。近年では、平成二十九年九州北部豪雨、三十年西日本豪雨災害、昨年の東日本台風被害、そして、ことしもまた、七月豪雨災害によって、九州地方を中心に西日本や東海、中部地方など広範囲にわたる地域で土砂災害や河川の氾濫など大きな被害があり、新型コロナウイルス感染症によって困難のただ中にある人々が二重の苦しみを味わうことになりました。
 そのような中、全国の都道府県、市区町村は、新型コロナウイルス感染症の対応に追われ、本来予定していた災害対策の施策に着手できない状況に陥っているところが多くあります。
 本来、自然災害において人命救助や復旧復興の司令塔となるべきそれぞれの自治体の庁舎の多くが老朽化し、それ自体が命の危険をはらむなど、一刻も早い建てかえが必要です。特に、デジタル化を推進する政府において、自治体間の情報管理や、行政情報、文書の電子化などバックアップ体制を整備することは、リスクを回避する上でも有効です。
 頻発、激甚化する自然災害に備えるため、国民の命を守る観点から、政府に主導的な対応をお願いしたいと思いますが、小此木防災担当大臣のお考えを伺います。
 防災、減災を考えるときに、私は、地元、長良川の河口堰を思い返さずにはいられません。暴れ川として知られ、幾度となく大洪水と決壊によって多くの人命を奪ってきた長良川に、一九六〇年代に、河口堰をつくるという話が持ち上がります。当時は、効果がない、自然を破壊するなど大変な批判にさらされました。しかし、一九九五年の本格運用以降、今日まで、河口堰と数度のしゅんせつによって、一度も洪水による被害もなく、流域に安心と安全を提供しているのです。
 菅総理も、官房長官時代に、水力発電や農業用ダムなど各省庁が所管し洪水対策に使えなかったダムを、縦割り打破によって、全て活用できるようにされました。国民の命と暮らしを守るため、時に政治は強いリーダーシップを発揮しなければなりません。
 自然災害は、都市生活を営む人々にも猛威を振るいます。昨年十月、東日本台風では、川崎市で内水排除の不備により浸水被害が生じ、高層マンションの機能が停止したことは、多くの人々に驚きと衝撃を与えました。もし東京で大規模な内水被害が生じれば、行政、経済機能がストップするなど甚大な被害が生じる可能性もあります。
 大都市の内水対策に対する下水道などインフラの強化について、赤羽国土交通大臣の見解をお願いいたします。
 既に、政府では、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策によって、特に緊急に実施すべき対策については対応がとられているところでありますが、現在の状況を見れば、これまで以上に一層の対策が必要であることは明らかです。
 例えば、重い障害や医療的ケアの必要な方、女性を始めとする多様な声を取り入れた避難所対策も必要です。専用のトイレや更衣室、授乳室の設置などの整備を求める声は多く、混乱した避難所では性被害につながる話も聞かれます。
 一つの例として、福岡県朝倉市では、平時は観光に使用しているキャンピングカーを、非常時は市が災害対応に活用する対策を講じていると聞きます。
 政府においても、各自治体との連携の上、柔軟な発想を持って対策を講じていただきたいと思います。
 今後、政府として、中長期的な観点から、どのように防災・減災、国土強靱化に取り組んでいくおつもりか、総理のお考えを伺います。
 国民投票法改正案が衆議院に提出され、既に二年半が経過しました。この間、この法案の審議は、憲法審査会で残念ながら行われることなく、継続審議のままとなっています。そもそも、国民投票法改正案は、既に公職選挙法で改正がなされている投票環境の利便性向上を導入する内容であり、速やかな成立が望まれます。
 我が党は、憲法改正について、四項目の条文イメージをお示ししているところです。ぜひ、今国会では、憲法審査会において、国民投票法改正案の早期の成立や、憲法問題と憲法改正に向けた自由闊達かつ丁寧な議論が行われることを期待しますが、総理の見解を伺いたいと思います。
 新型コロナウイルスにより、多くの人々が傷つきました。その日本を力強く復活できるのは、子供たちの明るさです。
 人口減少という国難の中、生まれてきてくれた大切な命を、この国はしっかり守り切れているとは言えません。これからを担う子供たちが希望を持って生きていくことのできる日本を残せるかどうかは、菅政権に課せられた最大の使命です。
 昨年発表された厚労省の調査では、二〇一七年の日本の十歳から十四歳の子供たちの死因の一位が自殺です。また、十五歳から二十四歳の自殺率は先進国でワーストワンです。さらに、虐待によっても多くの子供たちの命が奪われています。この事態は極めて深刻であり、あってはならないことなのです。
 政府が懸命に少子化対策に取り組む一方で、幼い命や若い命が失われていく。なぜ政治に女性の声を反映させることが重要かと思う理由はここにあります。
 現状では、出産と同時に、育児の主な担い手は母親となります。手探りの育児の中で、突然突きつけられる仕事と育児の両立の困難さ、支えのない育児環境などは、当事者でなければ理解しがたい過酷なものです。
 これまでの日本社会では、子供は産んだ母親や育てている親たちの責任で育てるものと言われてきました。しかし、これからは、産んでくれた母親や育てている親たちに社会がありがとうと言って、家族とともに社会で育てるという意識を持つことが必要ではないでしょうか。
 総理は、目指す社会像を、自助、共助、公助、そして、きずなであるとおっしゃっています。自助とだけ聞くと、突き放されたような思いを持つ人もいるかもしれません。しかし、共助と公助で助け合い、家族と社会がきずなを持てばこそ、私たちは大切な命を守ることができるのではないでしょうか。
 総理は、御自身のこれまでの経験から、強くそのことを知っておられると思います。総理の思いを伺います。
 私は、かねてより、自民党の保守政治家として、国家の三本柱は領土、統治機構、国民であると学んでまいりました。ただ、これまでの政治において、国民という柱への思いが少なかったのではないかと思っています。今回、菅総理は、力強く、国民本位、国民目線とおっしゃいました。同じ思いを持つ議員として、これからも国民のために全力で働いてまいることをお誓いし、私の質問といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#25
○内閣総理大臣(菅義偉君) 野田聖子議員にお答えをいたします。
 これまでの経済対策の対応状況と今後の経済立て直しの方策についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルスの影響により経済が戦後最大の落ち込みを記録する中で、事業規模二百三十兆円を超える対策を講じてまいりました。
 持ち直しの動きが見られるものの、依然厳しい経済状況の中で、引き続き、雇用を守り、事業が継続できるように、最大二百万円の持続化給付金、最大四千万円の無利子無担保融資などの措置が行き渡るようにしてまいります。また、今後も、ちゅうちょなく、必要な対策を講じてまいります。
 さらに、ポストコロナの課題であるデジタル化、グリーン社会の実現などについて、規制改革を進め、必要な投資を行い、再び力強い経済成長を取り戻します。
 今後の経済振興と新型コロナウイルス対策についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルスについては、爆発的な感染は絶対防ぎ、国民の命と健康を守り抜き、その上で、感染対策と社会経済活動との両立を図り、経済を回復させていくことが基本であります。
 まずは、冬のインフルエンザ流行期に備え、一日平均二十万件程度の検査需要に対応できるようにするとともに、医療機関の安定的な経営を確保するための支援を進め、必要な医療体制を確保します。
 また、GoToトラベルについては、延べ二千五百万人以上の方々が宿泊し、感染が判明したのは数十人です。引き続き、感染対策をしっかり講じた上で、GoToキャンペーンの各事業を適切に運用して、ダメージを受けた観光、飲食、イベントなどを支援し、経済の回復につなげてまいります。
 さらに、経済再生のために不可欠な国際的な人の往来についても、国内外の感染状況等を踏まえながら、感染再拡大の防止と両立する形で、段階的に再開をしてまいります。
 外交方針についてお尋ねがありました。
 インド太平洋地域の中心に位置するASEANは、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組のかなめであります。
 このような考えから、今般、本年のASEAN議長国であるベトナムと、ASEAN地域内の最大の人口、GDP、面積を誇るインドネシアを訪問し、インド太平洋国家である日本として、地域の平和と繁栄に引き続き貢献していくとの意思を明確に発信しました。ASEANを始め、考え方を共有する国々と協力し、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組を戦略的かつ着実に推進していきます。
 日米同盟は、我が国外交、安全保障の基軸です。米国の大統領選挙の結果いかんにかかわらず、北朝鮮などの地域情勢への対応を始め、幅広い分野で日米関係を一層深化させてまいります。
 中国との安定した関係は、両国のみならず、地域及び国際社会のために極めて重要です。主張すべきはしっかりと主張し、共通の諸課題について連携をしていきます。
 韓国は極めて重要な隣国であり、健全な日韓関係に戻すべく、我が国の一貫した立場に基づいて、適切な対応を強く求めてまいります。
 日ロ関係を重視していく姿勢に変わりありません。平和条約締結問題を含む幅広い分野で日ロ関係全体を発展させていく考えです。
 各国との信頼、協力関係を更に発展させ、積極外交を展開していく決意です。
 北朝鮮についてお尋ねがありました。
 我が国として、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、国交正常化を目指す考えに変わりはありません。
 拉致問題は、菅内閣の最重要課題です。拉致被害者の御家族が御高齢となる中、拉致問題の解決には一刻の猶予もありません。引き続き、米国などとも緊密に連携しながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、全力を尽くしてまいります。
 総理就任後、トランプ大統領との電話会談を始めとする各国首脳との会談においても、拉致問題の早期解決に向けた支持を働きかけ、引き続き緊密に連携していくことなどを確認してきています。
 私自身、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う考えです。あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動してまいります。
 女性活躍と少子化対策についてお尋ねがありました。
 女性活躍、少子化対策を進めるためには、誰もが、仕事と子育ての二者択一を迫られることなく、能力を発揮できる環境の整備が不可欠だと思います。
 中でも、男性が子育てに主体的に参加するための環境整備が重要です。今年度から、男性国家公務員には一カ月以上の育休取得を求めておりますが、この促進を図るため、直属の上司等の取組を人事評価に反映させることとしています。こうした国家公務員に対する取組も踏まえ、民間企業でも男性が育児休業を取得しやすくする制度の導入を検討します。また、不妊治療についても、保険適用の実現による経済的負担の軽減に加えて、治療を受けやすい職場環境も整備してまいります。
 こうした改革を強力に進めることを通じて、社会全体での意識を高め、男女ともに、希望に応じて、仕事と子育てを両立し、活躍できる社会の実現を目指してまいります。
 女性活躍に関する基本的な方針についてもお尋ねがありました。
 女性の活躍は、国民一人一人の幸福を高めるとともに、我が国の経済社会の持続的発展を確保するために極めて重要であります。
 このため、第四次男女共同参画基本計画に基づき、女性の指導的地位への参画拡大に取り組んでおり、国家公務員については、各役職段階に占める女性の割合が過去最高となるなど、女性の登用が着実に進んでおります。
 引き続き、女性活躍の旗を高く掲げ、強力に取組を進めるため、第五次男女共同参画基本計画を年末までに策定し、令和の時代にふさわしい男女共同参画社会を構築してまいります。
 防災・減災、国土強靱化への取組についてお尋ねがありました。
 御指摘の避難所対策については、避難所の運営に関する取組指針等を自治体に周知し、障害のある方への配慮や、女性の避難所運営への参画、男女別のトイレや更衣室、授乳室の確保などの取組を進めてきています。引き続き、避難所における良好な生活環境の確保に取り組んでまいります。
 こうした避難所対策も含め、防災・減災、国土強靱化の取組については、骨太の方針二〇二〇において、今後も必要十分な予算を確保し、オール・ジャパンで対策を進めることとしており、省庁、自治体や官民の垣根を越え、引き続き、災害に屈しない国土づくりを進めてまいります。
 憲法改正についてお尋ねがありました。
 憲法審査会の運営については、国会でお決めいただくことであり、内閣総理大臣としてお答えすることは差し控えさせていただきます。
 その上で、お尋ねでありますのであえて申し上げれば、憲法改正は、国会が発議し、最終的には国民投票により主権者である国民の皆様が決めるものです。それゆえ、憲法審査会において憲法改正についての議論を重ね、国民の皆さんの理解を深めていくことが私たち国会議員の責任ではないかと考えています。
 まずは、憲法審査会において、国民投票法改正も含め、与野党の枠を超えて建設的な議論を行っていただきたいと思います。
 子供の大切な命を守ることについてお尋ねがありました。
 私が目指す社会は、自助、共助、公助、そして、きずなです。まずは自分でやってみる、そういう国民の皆さんの創意工夫を大事にしつつ、家族や地域で互いに助け合う、そして、最後は国が守ってくれる、セーフティーネットがしっかりとある、そのような社会を目指します。
 子育てについても同じです。親がみずからの子育てに責任を持つことは当然ですが、決して一人にしない、家族や地域、社会全体で子育てを支え、子供の大切な命を守っていく、そのような取組を進めていきたいと考えています。
 このため、男性の育児休業の促進なども含めた、仕事と育児の両立ができる職場環境の整備や、地域社会で子育て家庭が社会的に孤立しないようにするための支援拠点等の整備、児童虐待のような不幸な事案が起こらないよう、予防の段階からその対策を強化することなど、今後とも、あらゆる手段を尽くして、我が国の未来を担う子供たちの命を守ることに総力を挙げてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣田村憲久君登壇〕

#26
○国務大臣(田村憲久君) 野田聖子議員にお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症対策についてお尋ねがありました。
 これから秋冬にかけて、新型コロナウイルスに加え、季節性インフルエンザを始めとする複数の感染症が拡大し、発熱等の症状を訴える方が大幅にふえて、検査や医療の需要が急増することが見込まれます。こうした中で、検査体制、医療提供体制をしっかりと確保し、発熱等の症状がある方が確実に受診していただけるような体制を構築する必要があります。
 厚生労働省としては、できるだけ多くの医療機関において発熱患者等に対する診療、検査の体制を整備していただけるよう、九月に閣議決定した予備費において、インフルエンザ流行期に備えた医療提供体制を確保するため、発熱患者等を対象とした外来体制をとる医療機関への補助等を行うとともに、自己採取も可能であり、その場合には簡易な感染防護で医療従事者が扱うことができる鼻腔検体の活用を認める等の取組を行っているところであります。
 現在、各都道府県において、医療機関と協議をしつつ、発熱患者等を対象とした外来体制をとる医療機関の指定を含め、地域の実情に応じた体制整備を進めていただいており、国としても、都道府県の状況を伺い、必要に応じ技術的な助言を行うなど、支援に努めてまいります。
 次に、医療提供体制の維持、確保策とワクチンの現状と展望についてのお尋ねがありました。
 医療機関等への支援については、これまで、第一次、第二次補正予算によって約一兆八千億円を措置するとともに、予備費において約一兆二千億円を措置し、医療機関へのさらなる支援を行うこととしたところであります。
 具体的には、緊急包括支援交付金を増額し、十月以降の病床や宿泊療養施設を確保していくとともに、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関の診療報酬、病床確保料の引上げを行うことといたしております。
 また、インフルエンザ流行期に備えた医療提供体制を確保するため、先ほども申し上げましたが、発熱患者等を対象とした外来体制をとる医療機関への補助、また、新型コロナ疑い患者を受け入れる救急、周産期、小児医療機関への支援等を行うことといたしております。
 今後とも、国民の皆様に必要な地域医療が確保できるよう、引き続き取り組んでまいります。
 また、ワクチンについては、国内外で開発が行われており、臨床試験等が進められているところであります。ワクチンの確保については、各メーカーとの交渉を進め、来年前半までに全ての国民の皆様に提供できる数量の確保を目指しております。
 また、本臨時国会に予防接種法の改正案を提出しており、円滑に接種を実施できる体制の準備についても進めてまいります。(拍手)
    〔国務大臣小此木八郎君登壇〕

#27
○国務大臣(小此木八郎君) 野田聖子議員より、地方自治体の庁舎の建てかえや行政情報のバックアップ体制の整備について御質問をいただきました。
 災害発生時、地方自治体は人命救助や復旧復興等の重要な役割を果たすこととなっており、その際に、十分な機能を発揮できるよう、事前の備えを行うことは重要です。
 そうした中で、自治体の庁舎については、災害対応の拠点となることから、消防庁において、自治体に対し、耐震化や建てかえを要請するとともに、地方財政措置を講じることにより、自治体を支援しているところであります。
 また、災害から行政情報や文書等を守ることは重要であり、これまでも、自治体の業務継続計画策定の手引を作成し、重要な行政データのバックアップの確保等について、消防庁と連携しながら、自治体に働きかけたところでございます。
 加えて、令和三年度予算においては、デジタル技術を活用した取組として、自治体が共同利用可能なシステム上で被災者支援に必要な住民情報のバックアップを確保し、庁舎を被災した場合でも、それをもとに被災者支援を行うことができる、基盤的なシステムを構築するための予算を要求しているところであります。
 今後とも、関係省庁とも連携しながら、自治体の災害対応能力のさらなる向上を積極的に支援してまいります。(拍手)
    〔国務大臣赤羽一嘉君登壇〕

#28
○国務大臣(赤羽一嘉君) 野田聖子議員より、大都市の内水対策等についてお尋ねがございました。
 まず、答弁に入ります前に、野田議員より、冒頭、厳しいコロナ禍の中、エッセンシャルワーカーとして使命と責任を果たされている公共交通や運送業等に携わる方々に温かいお言葉を頂戴いたしましたことに、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。
 さて、近年、我が国は、気候変動の影響により、自然災害が激甚化、頻発化し、被害も深刻化する中、国民の皆様の命と暮らしを守るために抜本的な防災・減災対策が強く求められております。
 特に、大雨、豪雨災害に対する治水対策として、上流、下流、本川、支川など流域全体を俯瞰し、国、地方公共団体、地域の企業、住民の方々など、関係者が協働して、上流ではダム、遊水地などで雨水を貯留し、下流から河道掘削、堤防強化を計画的に進める流域治水を推進していくことが重要です。
 議員御指摘のとおり、東京などの大都市では、内水氾濫リスクも高く、事実、大規模な内水氾濫による地下空間への雨水の流入等により、交通、電気設備等が被災し、都市機能に重大な支障が生じた事例も見られました。
 このため、下水道管理者による、市街地に降った雨を河川等に円滑に排水するための雨水幹線や雨水ポンプ場などの整備を計画的かつ着実に行いつつ、民間企業による、ビルの地下を活用してなどの雨水貯留施設の整備等を進めることにより、流域の関係者が連携しつつ、都市の治水機能を高めていくことが必要です。
 さらに、下水管の総延長約四十八万キロメートルのうち、二十年後には、その約三分の一に当たる約十六万キロメートルが標準的な耐用年数とされる布設後五十年を経過するなど、加速度的にインフラの老朽化が進む中、その維持管理、更新を計画的に進めていくことも喫緊の課題となっております。
 このような取組を推進するために、国土交通省としては、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策後も、必要十分な予算の確保に努め、中長期的視点に立って、計画的に防災・減災対策を強力に推進してまいりたいと考えております。
 以上です。(拍手)
    〔議長退席、副議長着席〕
    ―――――――――――――

#29
○副議長(赤松広隆君) 泉健太君。
    〔泉健太君登壇〕

#30
○泉健太君 議運の合意に基づきまして、マスクを外させていただきます。
 立憲民主党の泉健太です。私は、立憲民主党・社民・無所属を代表し、先ほどの枝野代表に続き、質問いたします。(拍手)
 私たち立憲民主党は、国民のため、日本の未来のために誕生をいたしました。
 政治に私たちは見えていますか、その声に応え、新しい立憲民主党は、右でも左でもなく、前へ進む国民政党として、全国の皆様とつながり、今の政権が、行政が、制度が国民のためになっているのかを監視し、よりよい姿を提示してまいります。
 総理、ここまでのコロナ対策では、学校一斉休校や布マスク配布など、官邸内での独断が失敗につながっています。官邸内だけで決めるより、各省庁、そして与党、野党が集う国会での議論を踏まえる方が国益にかないます。
 総理、ぜひ、国会重視、そして、これから始まる予算委員会などでの丁寧な答弁姿勢をお約束ください。まず、その認識について答弁を求めます。
 さて、立憲民主党として、まず、今回の感染症で亡くなられた方々に心から哀悼の誠をささげます。また、全国でこの感染症と闘っておられる皆様に深く感謝と敬意を表します。
 私たち立憲民主党は、野党各党とともに、政府に、このコロナ対策に党派を超えて取り組むべく、政府・与野党連絡協議会の設置を呼びかけ、その設置を実現いたしました。
 これまで、約二十回の協議会を通じ、一律十万円の特別定額給付金をいち早く提案し、また、家賃支援給付金の上限六百万への引上げ、アルバイト収入が激減した大学生への支援金の創設、事業主から休業手当が支払われない方々のための休業支援金・給付金の創設などを実現したものです。
 こうして野党の提案で実現されたものも多くありますが、いまだ感染はおさまらず、従来の生活や事業活動が維持できず、苦しみの中にある多くの皆様がおられます。立憲民主党は、こうした方々への支援を強化すべきと考えます。
 まず、農水省の農家向けコロナ補助金、次期作支援交付金について要望いたします。
 農水省は、当初、二百四十一億円の予算を確保。全国の農協を通じ、農家にこの補助金の活用を促しました。コロナ禍で大変な中、多くの農家が光明を見出し、全国の農協も申請手続を支援したのですが、何と、当初予算を大きく上回る約一千九百億円分の申請が来たとわかると、農水省は突如、給付条件を変更したのです。
 これには全国の農家から怒りの声が上がっています。私も先日、四国を視察した際、JA関係者から、厳しい経営環境の中で、交付金を見込んで申請した、農水省は大丈夫だと言っていたとの怒りの声を伺いました。
 総理にはこうした声が届いていますか。答弁は求めませんが、立憲民主党として、ぜひ農水省の対応改善を求めます。
 次は、雇用です。私からは、新型コロナウイルス感染症対応休業支援給付金の問題を指摘します。
 先日、京都の二人の大学生から窮状を聞きました。コロナ前まで連日ホテルの宴会スタッフのアルバイトをしてきたのに、コロナで一気に宴会がなくなり、半年以上収入が途絶えたのです。そこで、国にできた休業支援金・給付金の制度を使って、申請書類を整えたのですが、何と事業主の協力がもらえず給付が受けられないというのです。
 ホテルの配膳やバスガイド、あるいは飲食店の店員など、このような環境に置かれている人は全国に数多くおられるのではないでしょうか。
 総理、この大学生は自助努力をしていないでしょうか。でも、公助の制度を使えず困っています。
 総理は、所信表明で、まず、自分がやってみる、そして、家族、地域で互いに助け合う、その上で、政府がセーフティーネットでお守りすると言いましたが、今回の事象は家族や地域で何とかなるものではありません。公助である制度を改善すべき案件ではないでしょうか。お答えください。
 ぜひ、労働局の判断で給付できるよう、制度改正を求めます。立憲民主党は動きます。この休業支援金・給付金の制度的欠陥を改めるべく、議員立法を提出いたします。ぜひ審議しようではありませんか。御答弁をお願いいたします。
 さらに、大企業で働く労働者が休業支援金・給付金の対象から外れています。企業規模の大小は、そこで働く労働者には何の関係もありません。全ての労働者を対象にすべきです。総理の見解を伺います。
 コロナの最前線で働く方々は、今、精神的余裕も時間的余裕もなく働いています。総理が所信表明で、心からの感謝の意を表しますと述べたにとどまり、具体的な支援を提示されなかったのは極めて残念です。
 立憲民主党は、最前線の医療、介護、福祉、保育、教育などに従事する方々で希望する方々への公費による月二回のPCR検査の実施を提案いたします。
 この職種の皆様の中には、周辺や職場への影響を心配して、各種GoToキャンペーンの利用も控えている方も大勢おられます。せめて安心して家族や友人と行動できるように、これらエッセンシャルワーカーに対する公費検査を実施すべきです。総理の見解をお聞かせください。
 また、社会経済活動の再開には、民間の自費検査を促進することが必要です。事業主の方からも、従業員に受けさせたいけれど費用負担が高くてという声が届いております。民間検査費用の一層の低廉化を進め、民間検査をふやすべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。
 総理、GoToトラベルで交通事業者はもう大丈夫と思ってはいませんか。通勤や移動の手控えで、JRや私鉄、バス、タクシー、海運、航空会社などの公共交通は大打撃を受けています。GoToトラベル後も、飛行機や新幹線などはいまだ前年比四割程度の回復です。
 車内での感染防止対策やマナー対策が講じられていればクラスターは防止できる。ぜひ、公共交通が安全であることを周知いただきたいと思います。そして、公共交通事業者の資金繰り支援策が必要です。総理の見解をお答えください。
 続いて、各種GoToキャンペーンの問題点です。立憲民主党には全国の皆様から声が届いています。その中から二つ、改善を提案します。
 一つは、業界によっての格差です。
 全国には、ブライダル、エステ、マッサージ、スポーツクラブなど、依然として客足が戻っていない業種があります。業界ごとに懸命の努力をしていますが、何らかのGoToキャンペーンが行われている業界と比べると、回復度には大きな差が生じています。まさに縦割りの需要喚起策だからです。
 ぜひ、改めて全業種の落ち込み度合いを緊急に調査して、落ち込みの大きい業界に対しては、クーポン利用の拡大など追加支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 二つ目は、GoToイートです。
 オンラインで予約が入るのはうれしい。でも、オンライン事業者に、一人当たりランチ百円、ディナーで二百円などの送客手数料を支払わなければなりません。町の食堂にとって、一人当たり百円、二百円の利益を得るのは大変なことなんです。送客手数料の軽減などの見直しを求めます。ぜひお答えください。
 菅総理は、コロナ禍以前に、財政投融資を活用し、全国に海外富裕層向けの高級ホテルを五十棟建設したいと意気込みました。このコロナ禍で、この計画は現実的なのでしょうか。今もこの構想に変わりはないのか、お答えください。
 また、カジノについても、外国人観光客が激減し、長期にわたりその回復は難しいはずです。もうカジノ構想は撤回すべきと考えますが、総理の見解をお願いします。
 学校のコロナ対策も大変です。少人数学級を推進すべきです。また、コロナ対策で以前に給付された学校支援金も既に底をついている。追加配分を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 そして、我々立憲民主党は、新型インフルエンザ特措法の改正を提案いたします。
 内容は、都道府県知事の判断による基礎自治体ごとの緊急事態宣言を可能とし、国と自治体、保健所間の情報共有を法定化し、クラスターや大規模イベントの際の休業要請、また、それに応じる場合の支援給付金の支給を可能とするなどの案を考えています。
 政府は特措法改正案を出す予定はありますか。総理の御見解をお願いいたします。
 自殺者の増加も深刻です。七―九月の自殺者、特に女性の自殺がふえております。このような中、電話相談がつながりにくいという状態が続いております。相談体制の拡充が絶対に必要です。ぜひ総理に取り組んでいただきたい。その見解を伺いたいと思います。
 総理は、政府の男女共同参画推進本部長でもありますので、女性に関する問題をもう一つ指摘せねばなりません。
 自民党内の部会で、自民党所属議員が、女性は幾らでもうそをつけますからと発言したことが世間の大きな反発を呼びました。この発言は、非公式の場だったとか、文脈とかの問題ではありません。根本的な認識としてとんでもない発言だったからこそ、多くの抗議の声が上がりました。たった数日で十三万六千人もの署名が集まったとのことです。
 例えば、性暴力、性犯罪、DVに遭った方々は、過去、被害を訴えても、証拠が乏しいと言われたり、痴話げんかやうそだと曲解されたりして、迅速な対応をしてもらえなかったなど、絶望のふちに立たされた経験を持っています。そのような方々にとって、自民党所属議員による、女性は幾らでもうそをつけますからという発言は、強い衝撃と脱力感、徒労感、無力感に襲われる言葉となったのです。総理、このことを理解されていますか。
 フラワーデモを始め性暴力を防ぐ活動をしている団体が自民党本部にこの十三万六千人分の署名を持参したところ、署名を受け取ってもらえなかったと伺いました。総理、自民党はどうなっているのでしょうか。自民党総裁として、党に、署名を受け取り、対応を講じるよう指示すべきではないでしょうか。お答えください。
 また、性暴力に関しては、同意なき性交にもかかわらず、抗拒不能、暴行、脅迫などの要件を満たしていないという理由で無罪判決が相次いだことが問題となっています。諸外国では、同意なき性交を全て刑事罰の対象とする国もふえています。今のままでは無罪が見込まれるからと、日本では訴訟を諦めるケースもあります。
 立憲民主党は、刑法のこの要件の見直しを提案いたします。総理はこの点いかがお考えでしょうか。
 次に、デジタル政策について指摘します。
 政府が昨年までにマイナンバー、マイナンバーシステム、マイナポータルに投じてきた公費の総額をお答えください。そして、九月からスタートしたマイナポイントキャンペーンの総事業費をお答えください。
 この巨額の税金を使ってカード取得を促しているキャンペーンにもかかわらず、九月の行政手続のマイナポータルへのログイン数はたった二十三万件。つまり、全国民の〇・二%しかありません。こういうことでよろしいか、お答えください。
 総理は、役所に行かずともあらゆる手続ができる、こうした社会を実現すると演説されました。ならば、デジタルに詳しい一部の人しかログインできないような仕組みではなく、国民誰もが使えるようにせねばなりません。
 現在、パソコンでの行政手続には、基本、カードリーダーライターが必要です。カードリーダーライターを普及させねば、個々人は行政手続ができません。ETC車載器の助成金のような普及策が必要かと考えますが、いかがでしょうか。
 また、コロナ追跡アプリのCOCOAのインストールも伸び悩んでいますが、マイナポータルのアプリも、そのインストールにこだわれば、国民の利用は進まないと思います。民間アプリとのAPI接続を緩和すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 立憲民主党は、デジタル政策についても、国民の利便性を第一にこれからも提案を続けてまいります。
 次に、日本学術会議の問題です。
 過ちては改むるにはばかることなかれ。立憲民主党は、学術会議が推薦した六名の学者の任命拒否の撤回を求めます。総理、拒否理由は何ですか。出身大学のバランスなのですか。六人個別の事情ですか。立憲民主党は、学術の自治、自律を守りたいと思います。そして、任命拒否の撤回を求めますが、いかがでしょうか。
 さらに、安倍政権時に官房長官であった菅総理には、真相を究明し、政治を前に進める責任があります。森友問題、加計問題、桜を見る会問題など、行政の私物化について、公文書の改ざんなどの真相究明が終わっていません。
 端的に伺います。菅総理が前例打破を言うならば、まず、これら問題の再調査機関を設置すべきではないでしょうか。総理の決意をお聞かせください。
 さて、アベノミクス下でも日本は低成長続きです。一人当たり名目GDPは、一九九五年時点で米国、ドイツ、シンガポール、香港より高かったが、今は全てに抜かれ、台湾や韓国にも迫られています。東証一部上場企業の時価総額はことし四月にGAFAMに抜かれ、その差は広がっています。第二次安倍政権発足時に百九十兆円だった日本企業の現預金は、二〇一八年で二百四十兆。しかし、アベノミクスでは、その資金が次なる投資に回ることもなく、日本は情報産業市場で乗りおくれました。
 だからこそ、今、次世代を積極活用し、次なる世代の市場獲得に向けた巻き返しを図るべきです。立憲民主党は、人を大切にする経済、人への投資から日本経済を活性化させたいと思います。
 まず、枝野代表が先ほど述べた消費税減税、所得税減税、そして給付のハイブリッドで国民生活を下支えするとともに、働くことの選択肢とセーフティーネットを充実させるべきです。
 転勤などがなく安定的に地域で暮らせる雇用の場を創出する一方、個人の可能性がより発揮される転職や学び直しを可能にするべきです。例えば、同じ職場で十年働けば、希望者は長期休暇の権利を取得し、一定の所得を維持しながら、資格や学位の取得など、次の選択に向けた準備ができるサバティカル休暇を導入するのです。
 政府は、生活のセーフティーネットとともに、学び直しや職業能力開発の機会を積極的に提供していくべきです。
 立憲民主党は、こうした労働移動への手厚い支援を通じて、人を大切にした雇用政策を提案いたします。この提案について、総理のお答えをお願いいたします。
 そんな中、総理が新設した成長戦略会議にデービッド・アトキンソン氏が選ばれました。彼は、著書で、日本の生産性悪化の一番の原因は中小企業、これら生産性の低い企業は退出しなければならないという趣旨のことを述べています。総理はアトキンソン氏とはたびたび面会されておられますが、総理の中小企業政策に対する考え方もこのアトキンソン氏と同じなのか、お答えください。
 続いて、防衛問題です。
 まず、イージス・アショア。
 これは、本来、防衛大綱にも中期防にもなかった大型防衛装備品で、まさに安倍政権の爆買いの一つでありました。その意味で、河野前大臣による配備撤回の判断は正しかったと思います。
 そもそも、なぜイージス・アショアが必要なのか、納得のいく説明がなされたことはありません。だから、運用も海自か陸自かで混乱をし、配備撤回後は、何と、洋上設置、民間船に搭載、護衛艦風にするなど、代替案がどれもつけ焼き刃的でずさんな案になっております。しかも、採用を決めたレーダーのSPY7は、現在開発中、実績もなく、購入経費も不明です。
 地上型でも六千億円以上と試算されていたこのイージス・アショア。洋上配備ではその額を上回りますか、下回りますか、お答えください。導入断念も聞こえてきますが、違約金とこれまで払った金額の合計は幾らだと見積もっているのか、お答えください。
 そして、敵基地攻撃能力についてです。
 総理、敵基地攻撃を我が国の現実のミサイル防衛に組み込むべきと考えておられますか。自衛隊単独で敵基地攻撃が可能だとお考えですか。仮に米国と分担するとしたら、自衛隊はどの部分の役割を担うと想定されていますか。
 敵基地攻撃もイージス・アショアも、限られた防衛予算をかなり圧迫する要因となりかねません。現在、護衛艦で乗務する海上自衛隊員の確保も大変困難な状況であります。大規模防衛装備品は、自衛官の処遇改善や、整備、訓練の経費を必ず圧迫いたします。総理でおられる間にどれほど敵基地攻撃能力に防衛予算を割くつもりなのか、総理の御見解をお示しください。
 福島原発のALPS処理水については、枝野代表も質問いたしました。総理、年内にも海洋放出を決定するのでしょうか。今後、どのような手順を想定しているのか、お答えください。
 最後に、総理、デジタル化を進めることは確かに必要です。
 しかし、その推進に躍起になるばかりに、近年は、キャッシュレス決済を利用した場合のポイント制度に国費約七千七百億円、マイナポイント制度に約二千五百億円、GoToトラベルに一兆三千億円と、ネットで情報収集ができる人、パソコンやスマホを操作できる人が優先的に利用できる税金還元策、要は、使える人しか使えない税金還元策が相次いでおります。
 ネットを使えず、こうした還元策の恩恵を受けられない高齢者を中心とした方々のこと、そして、ネットを使えても、生活費や時間に余裕がなく、これらの制度を利用できない国民も大勢いることを忘れてはなりません。政治の役割、公助の役割は、まさにここにあるのではないでしょうか。
 こうした税金還元制度を全ての国民が使えるようにするための生活環境、通信環境、教育環境を構築すること、それこそが政治の役割であります。今の政府にはそれが足りていないのではないでしょうか。
 総理は、たたき上げの総理とおっしゃいます。私もたたき上げの一人でありますが、たたき上げであることを誇るのではなく、たたき上げだからこそ、自助の大変さ、共助すら困難な現代の孤立、孤独社会の難しさ、公助にたどり着くことの難しさを理解していただきたいのです。
 菅総理は、まず、自分がやってみる、そして、家族、地域で互いに支え合う、その上で、政府がセーフティーネットでお守りをすると述べました。それは、まず自助と共助がなければ公助はないという姿勢ではありませんか。
 私たち立憲民主党は、枝野代表を先頭に、多様性を認め合い、困ったときに寄り添い、お互いさまに支え合う社会を目指しています。これからの時代は、国民の自助と共助を信頼し、それを支える公助を充実させることこそ必要なのです。だからこそ、立憲民主党が皆様の期待に応えます。
 私たち立憲民主党は、国民の皆様に寄り添い、国民とともに新しい政府をつくることを皆様にお誓いをして、質問を終わらせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#31
○内閣総理大臣(菅義偉君) 泉健太議員にお答えをいたします。
 国会での答弁姿勢についてお尋ねがありました。
 まず、新型コロナウイルスについては、爆発的な感染は絶対に防ぎ、国民の命と健康を守り抜き、その上で、感染対策と社会経済活動との両立を図り、経済を回復させていきます。
 この国会では、新型コロナウイルスワクチン接種のための法案などの提出を予定しており、法案の趣旨を丁寧に御説明するとともに、政策を前に進めるべく、建設的な議論を行っていきたいと思っております。
 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金についてお尋ねがありました。
 政府としては、これまで、企業の雇用維持の取組に対して、雇用調整助成金の特例措置を講じ、休業手当の支払いを支援することを基本として対応してまいりました。御指摘の支援金は、こうした雇用調整助成金の活用もままならない中小企業の労働者を早期に支援するために創設したものであり、支援が必要な対象者にしっかりと行き届くように取り組むことが重要だと思っています。
 その支給に当たっては、不正受給を防止する観点から事業主に休業の事実を確認する必要がありますが、事業主の御協力がいただけず、申請、支給に至らないケースがあると聞いています。
 こうした場合については、労働局で労働者からの直接の申請を一旦受け付けた上で、事業主に対して調査を行うという運用にしているところであり、こうした運用や制度の対象者について、わかりやすく周知徹底を図ってまいります。
 また、大企業については、本制度の創設趣旨に鑑みれば対象となることは困難であると考えておりますが、雇用調整助成金を活用して、休業手当をお支払いいただくようしっかり働きかけてまいります。
 なお、法案の審議については、国会がお決めになることと考えます。
 新型コロナウイルス感染症に係る検査についてお尋ねがありました。
 感染リスクと背中合わせの過酷な環境の中で働いている、医療機関や介護、障害福祉サービス事業所で働く方々に対しては、令和二年度第二次補正予算により、慰労金として最大二十万円の給付を行っているところであります。
 こうした方々に対する検査については、感染者が多数発生している地域等において、病状がない方も含め、医療機関や高齢者施設等に勤務する方や入院、入所者を対象に、一斉、定期的な検査を実施することを各自治体にお願いしているところです。政府としては、引き続き、新しい検査技術も積極的に活用しながら、こうした検査の需要に適切に対応するべく体制整備を行ってまいります。
 また、御指摘の民間検査費用については、価格や検査内容について情報開示を進め、利用者が選択しやすい環境づくりに努めてまいります。
 公共交通支援についてお尋ねがありました。
 鉄道、飛行機等の公共交通の運営に当たっては、車内、機内などの換気を始めとする感染防止策の徹底を図るとともに、利用者にもマスクの着用や会話は控え目にすることなどを呼びかけています。
 こうした取組によって、安心して公共交通を御利用いただける環境が確保されると考えており、引き続き、事業者と利用者に対し、必要な対策を周知してまいります。
 また、公共交通事業者の資金繰り支援については、これまで雇用調整助成金や持続化給付金、日本政策投資銀行の危機的対応融資の活用などの支援を行っており、今後も必要な事業者にこうした措置が行き渡るよう取り組んでまいります。さらに、地域の公共交通について、第二次補正予算について感染拡大防止対策の実施を支援していきます。
 GoToキャンペーンについてお尋ねがありました。
 依然厳しい経済状況の中で、引き続き、さまざまな業種で雇用を守り、事業が継続できるように、最大で二百万円の持続化給付金、最大四千万円の無利子無担保融資などの措置が行き渡るようにしてまいります。
 さらに、GoToキャンペーンにより、旅行、飲食、演劇やコンサート、商店街でのイベントを応援し、経済の回復につなげてまいります。GoToイートでは、手数料を徴収しない予約サイトもあり、こうした予約サイトも含めて健全な競争ができるよう、政府としても、飲食店へ情報提供を行ってまいります。
 今後とも、新型コロナウイルスが経済に与える影響を始め、内外の経済動向を注視しながら、ちゅうちょなく、必要な対策を講じてまいります。
 世界レベルの宿泊施設とIRについてお尋ねがありました。
 我が国は、観光客が長期滞在できる世界レベルの宿泊施設が不足しており、今後、インバウンドが戻ってきたときに備えてこうした施設を整備することは、地域経済に大きな波及効果があるものと考えます。
 このため、各地に世界レベルの宿泊施設を五十カ所程度整備することを目指しているところです。
 また、いわゆるカジノは、既に世界の約百三十カ国・地域で行われており、さらに、日本型IRについては、国際会議場、展示場や大規模な宿泊施設を併設し、家族で楽しめるエンターテインメント施設とする予定であり、我が国が観光先進国となる上で重要な取組であると考えています。今後とも、IR整備法などに基づき、必要な手続を進めてまいります。
 学校の新型コロナウイルス感染症対策についてお尋ねがありました。
 政府としては、令和二年度補正予算において、各学校が必要とする消毒液、体温計、サーモグラフィーなどの購入支援等に約四百三十億円を措置しており、各学校のニーズを踏まえ、執行を進めているところです。
 今後とも、必要に応じ支援を進めてまいります。
 特措法改正についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症については、これまでも、感染の拡大を抑え、国民の命を守るため、現行制度のもと、さまざまな工夫を凝らしながら、政府を挙げて取組を進めてまいりました。六月からの感染拡大についても、七月末以降、減少に転じ、現在、横ばいから微増傾向と評価されております。
 その上で、特措法については、将来に備え、よりよい仕組みとなるよう検討していくことは必要でありますが、有識者の間でも、罰則を含めて規制強化をすべきという意見や、私権制限に慎重な意見等があり、先日の分科会でもこうしたさまざまな意見が出されたと承知しています。
 このため、今般の新型コロナウイルス感染症に対して御指摘いただいているさまざまな法的論点については、全体の法体系との整合性も図るとともに、幅広い意見を聞きながら検討を進めていくことが必要と考えます。
 さらに、今後の感染拡大に備え、これまでの経験や科学的知見も踏まえ、クラスター発生時における大規模、集中的な検査実施による感染の封じ込め、感染拡大時の保健所支援の広域調整、季節性インフルエンザの流行も見据えた検査、医療提供体制の整備などについて、地方自治体とも密接に連携しつつ、国が主導して、万全の整備、対応を講じてまいります。
 自殺対策についてお尋ねがありました。
 自殺予防の電話相談については、現在、多くの方々からの相談が寄せられていると承知しています。
 自殺相談の相談員は高度な知識や経験が必要であり、短期間で大幅な体制の拡充は厳しいと聞いておりますが、政府としては、令和二年度補正予算を活用して、自治体における休日、夜間を含めた相談時間の延長や、民間団体におけるSNSを活用した相談への支援を通じ、自殺防止に向けた相談体制の強化を図っているところです。
 引き続き、地方自治体や民間団体にさらなる拡充を働きかけ、必要な支援を行ってまいります。
 性犯罪、性暴力対策に関連し、自民党議員の発言、性犯罪の要件の見直しについてお尋ねがありました。
 性犯罪、性暴力は、被害者の尊厳を著しく傷つける重大な人権侵害であり、決して許されるものではありません。DVや性犯罪、性暴力の被害者が声を上げることをちゅうちょするようなことがないよう、政府を挙げて、引き続きしっかり取り組んでいきます。
 御指摘の署名については、国会議員の出処進退はみずから判断するものであると考えており、その取扱いについて、党の判断を尊重します。他方で、政治家は、その発言に責任を持ち、有権者から信頼を得られるよう、みずから襟を正すべきだと思います。今回、政調会長からの注意を受け、謝罪をしているものと承知しています。
 また、平成二十九年に成立した刑法の一部を改正する法律の附則については、施行後三年を目途として施策のあり方の検討が求められています。現在、法務省において検討を行っているところであり、御指摘の点を含め、性犯罪の実態を踏まえつつ、適切に対処してまいりたいと考えます。
 マイナンバー制度等についてお尋ねがありました。
 マイナンバー制度の関連費用の総額は、マイナンバー法が成立して、平成二十五年度から令和元年度までの累計で約四千五百億円となっており、マイナポイント事業は、昨年度補正予算及び今年度当初予算の合計で約二千五百億円です。
 マイナポータルは、マイナンバーカードを利用して自宅やスマホから役所にオンラインでさまざまな申請ができるものであり、今年度は九月までの間に、四千二百万件を超えるトップページへのアクセスがあり、四百万件を超えるログインがあったところであります。
 行政のデジタル化に関する普及策と手法についてお尋ねがありました。
 まず、マイナンバーカードの読み取り環境の整備について、さまざまな御指摘を踏まえ対応を行っていきますが、昨年十月に新たにiPhoneが対応するなど、読み取りに対応したスマートフォンの機種の拡大を図ってきたところです。
 また、マイナポータルの利便性については、さまざまな御意見をいただいているところであり、そのような御意見も踏まえつつ、より国民に利用していただけるよう、引き続き利便性を高め、その魅力を向上させてまいります。
 日本学術会議についてお尋ねがありました。
 個々人の任命の理由については、人事に関することであり、お答えは差し控えますが、任命を行う際には、総合的、俯瞰的な活動、すなわち、専門分野の枠にとらわれない広い視野に立ってバランスのとれた活動を行い、国の予算を投じる機関として、国民に理解される存在であるべきこと、更に申し上げれば、例えば、民間出身者や若手が少なく、出身や大学にも偏りが見られることも踏まえ、多様性が大事だということを念頭に、私が任命権者として判断を行ったものであり、今回の任命について変更するということは考えておりません。
 森友学園問題等の再調査についてお尋ねがありました。
 森友学園問題に係る決裁文書の改ざんについては、財務省において、捜査当局の協力も得て、事実を徹底的に調査し、調査報告を取りまとめており、さらに、検察の捜査も行われ、結論が出ているものと承知しております。
 加計学園問題については、安倍前総理大臣が、国家戦略特区のプロセスにおいては、法令にのっとり、一貫してオープンなプロセスで進められていますと答弁されているものと承知しています。
 桜を見る会については、招待者数の増加などについての御批判も踏まえ、来年以降、少なくとも私の任期中は開催しないこととしました。関連する公文書に関しては、公文書管理法などに基づいて既に対応しており、昨年から国会で御説明をしているとおりであります。
 いずれにせよ、大事なことは、今後、行政において、こうしたことを二度と起こさないことだと思います。公文書管理の適正化を始め、引き続き、行政の透明性、公正性を確保してまいります。
 学び直しなどの雇用政策についてお尋ねがありました。
 人生百年時代に対応し、何歳になっても学び直し、誰もがその能力を存分に発揮できる社会を実現することは大変重要であると考えています。
 政府においては、在職中の方について、企業におけるキャリア相談や、同一の企業で一定期間勤続されている方が教育訓練のための長期休暇を取得できる制度の導入促進、労働者本人の学び直しを支援する教育訓練給付制度の拡充などに取り組んでおります。
 こうした支援を通じて、学び直しの機会を確保し、労働者が主体的にキャリアを形成できる環境の整備に取り組んでまいります。
 中小企業に対する考え方についてお尋ねがありました。
 アトキンソン氏に限らず、さまざまな方から話を伺い、政策の参考にしているところであり、お一人の意見をそのまま採用しているわけではありません。
 私としては、ポストコロナを見据え、中小企業の経営基盤を強化することで、中小企業から中堅企業へ成長し、海外で競争できるような企業をふやしていくことが重要だと考えます。
 そのため、中小企業の経営資源の集約化による事業の再構築やデジタル化など、中小企業の生産性を向上させ、足腰を強くする仕組みを構築し、応援をしてまいります。
 イージス・アショア及び敵基地攻撃能力についてお尋ねがありました。
 イージス・アショアの代替案については、その構成品を移動式の洋上プラットフォームに搭載する方向で検討しているところであり、現時点において、その必要経費についてお答えすることは困難です。
 また、イージス・アショアの契約解除に向けた調整は行っていないため、違約金についてお答えすることは困難ですが、支払った金額は約二百七十六億円です。その上で、イージス・アショアの代替案は、厳しい財政事情や自衛隊を取り巻く諸情勢をしっかりと踏まえて検討してまいります。
 さらに、先月公表の総理談話で述べた問題意識のもと、抑止力を強化するため、ミサイル阻止に関する安全保障政策の新たな方針について検討しているところです。
 したがって、この新しい方針に関して、我が国のミサイル防衛や米国との具体的な関係、防衛予算といった御指摘の諸点について、現時点でお答えすることは困難です。
 東京電力福島第一原発におけるALPS処理水の取扱いについてお尋ねがありました。
 経済産業省において、本年二月に科学的根拠に基づく報告書をまとめたところです。
 それ以降、自治体や農林水産業団体などさまざまな方と意見交換を重ね、さらに、一般の方からも書面による意見募集を行う取組により、ALPS処理水の安全性や風評への懸案など、広く国民の皆様から貴重な意見をいただきつつ、議論を積み上げてきています。
 敷地が逼迫する中、いつまでも方針を決めず先送りすることはできないと考えています。これまでの検討を踏まえ、更に政府内での検討を深め、今後、適切な時期に、政府として責任を持って処分方針を決め、風評被害対策にもしっかり取り組んでまいります。(拍手)
     ――――◇―――――

#32
○武部新君 国務大臣の演説に対する残余の質疑は延期し、明二十九日午後二時から本会議を開きこれを継続することとし、本日はこれにて散会されることを望みます。

#33
○副議長(赤松広隆君) 武部新君の動議に御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#34
○副議長(赤松広隆君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時四十五分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣  菅  義偉君
       財務大臣  麻生 太郎君
       総務大臣  武田 良太君
       法務大臣  上川 陽子君
       外務大臣  茂木 敏充君
       文部科学大臣  萩生田光一君
       厚生労働大臣  田村 憲久君
       農林水産大臣  野上浩太郎君
       経済産業大臣  梶山 弘志君
       国土交通大臣  赤羽 一嘉君
       環境大臣  小泉進次郎君
       防衛大臣  岸  信夫君
       国務大臣  井上 信治君
       国務大臣  小此木八郎君
       国務大臣  加藤 勝信君
       国務大臣  河野 太郎君
       国務大臣  坂本 哲志君
       国務大臣  西村 康稔君
       国務大臣  橋本 聖子君
       国務大臣  平井 卓也君
       国務大臣  平沢 勝栄君
 出席内閣官房副長官
       内閣官房副長官  坂井  学君
 出席政府特別補佐人
       内閣法制局長官  近藤 正春君
ソース: 国立国会図書館
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