くにさくロゴ
2020/11/06 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 予算委員会 第2号 令和2年11月6日
姉妹サイト
 
2020/11/06 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 予算委員会 第2号 令和2年11月6日

#1
令和二年十一月六日(金曜日)
   午前九時二十三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月五日
    辞任         補欠選任
     三木  亨君     今井絵理子君
     杉  久武君     西田 実仁君
     片山 大介君     松沢 成文君
     岩渕  友君     大門実紀史君
     武田 良介君     小池  晃君
 十一月六日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     三木  亨君
     岩本 剛人君     藤木 眞也君
     清水 真人君     片山さつき君
     進藤金日子君     宮崎 雅夫君
     二之湯 智君     山田 修路君
     河野 義博君     下野 六太君
     西田 実仁君     杉  久武君
     若松 謙維君     安江 伸夫君
     浜口  誠君     舟山 康江君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 順三君
    理 事
                青木 一彦君
                滝波 宏文君
                馬場 成志君
                藤川 政人君
                白  眞勲君
                森 ゆうこ君
                石川 博崇君
                浅田  均君
                山添  拓君
    委 員
                青山 繁晴君
                磯崎 仁彦君
                今井絵理子君
                上野 通子君
                片山さつき君
                北村 経夫君
                佐藤 正久君
                進藤金日子君
                高階恵美子君
                高野光二郎君
                中西 祐介君
                藤木 眞也君
                古川 俊治君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                宮崎 雅夫君
                宮島 喜文君
                山田 修路君
                山田  宏君
                石川 大我君
                打越さく良君
                熊谷 裕人君
                小西 洋之君
                田島麻衣子君
                福島みずほ君
                宮沢 由佳君
                河野 義博君
                塩田 博昭君
                下野 六太君
                杉  久武君
                西田 実仁君
                安江 伸夫君
                若松 謙維君
                石井 苗子君
                松沢 成文君
                礒崎 哲史君
                浜口  誠君
                舟山 康江君
                矢田わか子君
                小池  晃君
                大門実紀史君
   国務大臣
       内閣総理大臣   菅  義偉君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     武田 良太君
       法務大臣     上川 陽子君
       外務大臣     茂木 敏充君
       文部科学大臣         
       国務大臣     萩生田光一君
       厚生労働大臣         
       国務大臣     田村 憲久君
       農林水産大臣   野上浩太郎君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  梶山 弘志君
       国土交通大臣         
       国務大臣     赤羽 一嘉君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     小泉進次郎君
       防衛大臣     岸  信夫君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 加藤 勝信君
       国務大臣
       (復興大臣)   平沢 勝栄君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災、
       海洋政策))   小此木八郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、規
       制改革))    河野 太郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、地方創生
       ))       坂本 哲志君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    西村 康稔君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(マイナ
       ンバー制度))  平井 卓也君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    橋本 聖子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       クールジャパン
       戦略、知的財産
       戦略、科学技術
       政策、宇宙政策
       ))       井上 信治君
   副大臣
       財務副大臣    中西 健治君
       厚生労働副大臣 三原じゅん子君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  近藤 正春君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤井 亮二君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       時澤  忠君
       内閣官房内閣審
       議官       坂本  基君
       内閣官房内閣審
       議官       山内 智生君
       内閣官房国際博
       覧会推進本部事
       務局次長     高科  淳君
       内閣府大臣官房
       審議官      江崎 禎英君
       内閣府地方創生
       推進室次長    長谷川周夫君
       内閣府男女共同
       参画局長     林  伴子君
       警察庁長官官房
       総括審議官    山本  仁君
       総務省大臣官房
       地域力創造審議
       官        大村 慎一君
       総務省総合通信
       基盤局長     竹内 芳明君
       法務省民事局長  小出 邦夫君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   本清 耕造君
       外務省経済局長  四方 敬之君
       国税庁次長    鑓水  洋君
       厚生労働省大臣
       官房高齢・障害
       者雇用開発審議
       官        達谷窟庸野君
       厚生労働省健康
       局長       正林 督章君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  鎌田 光明君
       厚生労働省職業
       安定局長     田中 誠二君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  坂口  卓君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    渡辺由美子君
       農林水産省消費
       ・安全局長    新井ゆたか君
       農林水産省食料
       産業局長     太田 豊彦君
       水産庁長官    山口 英彰君
       経済産業省大臣
       官房審議官    福永 哲郎君
       経済産業省大臣
       官房福島復興推
       進グループ長   須藤  治君
       経済産業省経済
       産業政策局地域
       経済産業グルー
       プ長       濱野 幸一君
       経済産業省産業
       技術環境局長   山下 隆一君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        南   亮君
       国土交通省総合
       政策局長     石田  優君
       国土交通省道路
       局長       吉岡 幹夫君
       国土交通省鉄道
       局長       上原  淳君
       国土交通省航空
       局長       和田 浩一君
       防衛省防衛政策
       局長       岡  真臣君
       防衛省整備計画
       局長       土本 英樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○予算の執行状況に関する調査
    ─────────────

#2
○委員長(山本順三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。中西祐介君。

#3
○中西祐介君 おはようございます。自民党の中西祐介でございます。
 今日は、菅内閣が始まって初めての予算委員会、衆参四日目であります。国会ももはや残すところ一か月という状況でありますが、世の中的には、この二〇二〇年、この混乱の二〇二〇年も残り二か月を切ったところであります。多くの国民の皆さんがまさにコロナで不安感をお持ちでいらっしゃいますし、同時に、日々の暮らしやあるいは先行きが見通せないと、そういう状況の中で、せめて静かに晴れた心で来年の新年を迎えたいと思うところが国民の皆さんの心の声じゃないかなというふうに思っております。
 世界中のまさにこの大乱世と言えるこの歴史の大きな局面に当たりまして、今日でちょうど発足五十日という菅義偉内閣総理大臣始め閣僚の皆さんの御奮闘に大きく期待を申し上げながら、我々国民も皆さんに寄り添う、国民の皆さんに寄り添う、そういう決意で今日は質疑をさせていただきたいと思います。
 簡潔に分かりやすく御質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、アメリカ大統領選の話でありますが、もう開票が三日目を過ぎたところであります。さすがにこの当選者を念頭に総理に御質問したいと思っておりましたけれども、まだの状況でありますが、この大統領選の状況を見据えながら、戦後最も今、緊密な関係を築いている日米同盟でありますけれども、より強固に、また発展的にさせるための総理のこれからの青写真等について伺いたいと思います。よろしくお願いします。

#4
○内閣総理大臣(菅義偉君) まだどちらの候補が勝利するかは分からない状況でありますけれども、日米同盟というのは、私たち日本にとって外交、安全保障の基軸であり、インド太平洋地域と国際社会の平和と繁栄、自由の基盤となるものであります。米国大統領選挙が結果、このような状況ですけれども、日本としては引き続いて米国と緊密に連携していく、その考えには全く変わりはないということであります。
 そうした中で、この結果を踏まえる中で米中両国が安定的な関係を構築していく、このことは我が国の国益に沿うのみならず、国際社会の平和の安定を、観点からも重要であるというふうに思います。そうした意味合いにおいて、緊密に連携をすると同時に、この米国との関係の中で中国との安定的な関係を開く、中国が大国として責任を果たしてもらえる、そうした米中関係、そうしたこともにらみながら、この日米同盟を軸としてこれからも積極的に外交、安全保障、そうしたものを進めていきたいと思います。

#5
○中西祐介君 総理、ありがとうございます。
 もうまさにそうしたバランス感覚を持ちながらと思っておりますけれども、世界のこのパワーバランスの空白を生まないという大きな大局的観点が必要だと思っておりまして、特にこれから外交、経済、安保を中心とする自由で開かれた太平洋戦略、これがまさに世界の基軸となると思っておりますし、同時に、日本にとっては拉致問題、これ、安倍総理とまさにトランプ大統領の下で核とミサイルに並ぶような格上げになったわけであります。そうした観点で是非お進めをいただきたいと思うと同時に、世界経済、これは長期化をする、混乱が長期化する中において、やはり経済の混乱を生まないというためにも日本の役割は極めて大きいんだというふうに思っておりますので、引き続きの御努力をお願いしたいと思います。
 続いて総理に伺いたいと思っておりますが、マクロ経済であります。
 これ、二〇一二年当時にまさに大胆な金融緩和を政治的決断によって実現をしたわけでありますが、経済再生なくして財政再建なしと、この一貫した方針で、昨年はバブル期並みの、それを超える過去最大の六十兆円の税収と、そうしたすばらしい環境をつくってきたところであります。この歩みがあってこそ、コロナという激震の状況においても、今年の令和元年補正予算から二年度二次補正予算まで四度、百六十兆円の予算を組むことができた、経済対策を打つことができたわけであります。
 そこで、菅総理には、安倍政権での財政、経済の運営を踏まえて、今何を継承し、何を強化していくお考えか、伺いたいと思います。

#6
○内閣総理大臣(菅義偉君) 八年前の政権交代以来、私は一貫して経済の再生に取り組んできました。人口が減る中にあっても新たに働く人は四百万人増え、そして下落し続けていた地方の公示地価は昨年、二十七年ぶりに上昇するなど、大きな成果を上げてきていると思っています。今後とも、金融緩和、財政出動、成長戦略、この三本の柱、アベノミクスを継承するとともに、更なる改革を進めていきたい、このように思います。
 まずは新型コロナウイルスの拡大という国難を乗り越えて経済を再生をさせる、このことが最優先であるというふうに思っています。
 さらに、二〇五〇年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現、宣言させていただきました。温暖化への対応は経済成長の制約として捉えるのではなくて、積極的に温暖化対策を行うことが産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の下に転換をしていきたいと思っています。その中で、次世代型太陽電池、カーボンリサイクル、水素などのイノベーションを推進をしていきたいと思います。
 グリーン社会とデジタル化を主導して、経済社会を大きく変革をさせて地方を元気にする中で、世界でも安全、安心、そうした国づくりに努めていきたい、このように思います。

#7
○中西祐介君 ありがとうございます。
 総理の大きな御決断の下で、次に、麻生財務大臣に我が国の財政の支援力等について伺いたいと思います。
 現在、国債の消化状況とか、あるいは長期金利、為替、株価に至っては、昨日は日経平均株価、年初来高値を更新をしたという状況で、バブル崩壊後の最高値の状況を今更新をしているような、そういう範囲にあります。こうした大きな乱高下なく、このコロナの状況にあっても安定した推移ができたのは、まさに我が国の国力の成果であろうと、私はこのように思っております。
 しかし、地域を回らせていただいておりましたら、多くの皆さんが、これだけの予算を出せば、もしかしたら増税が近くあるんじゃないかと、そういう懸念をされるような心配のお声も聞かれるところであります。
 振り返ってみましたら、東日本大震災の当時、復興増税というものを実施をされて消費が冷え込んだということはもう記憶に新しいところでありますが、こうした経緯がまさに消費から貯蓄へという心理を動かしているんじゃないかなと、そういう心配もいたします。
 間違いなく、今の局面では需要喚起のための投資効果の高いこれは施策の推進、歳出を拡大をさせなきゃいけない局面だと思っておりますし、金融緩和策では早速対策を打っていただきまして、政府の実質無利子無担保融資、迅速かつ大規模に実施もしていただきました。多くの経営者の皆さんが喜んでいただいております。
 この、地域でコロナ休業あるいは廃業、また不動産の空き家、非正規の皆さんの働く場の減少が見られている状況において、まさに雇用の確保と消費喚起策を積極的に推進をしなければならないと考えておりますが、麻生デフレ脱却担当大臣のお考えを伺います。

#8
○国務大臣(麻生太郎君) これ中西先生、いわゆる株価というものは、これは先行指標の一つですから、その意味で、株価が上がってきたということは、今これから先はいいという意識が広まってこないと、企業の内容それだけ見ても、極めて内容が良くても株価は上がらぬということにもなりますので、株価というのは気分という景気の気の部分に非常に大きく影響されるもので、そういった意味では、まあアメリカもかなり混乱している状況ではありますけれども、少なくとも上院で共和党が多数を占めることはほぼ確実ということになりましたから、結果としてむちゃくちゃな税金が動いたりなんかすることはあり得ぬと、上院、下院でねじれましたから。そこで株価はぼんとこっちはもう引きずられて上がっているというような、そういった面もあるんだと思いますけれども。
 いずれにしても、日本の場合は、コロナの影響というのがいろいろなところで出てきているところですけれども、おかげさまで、倒産とか、それに伴いまして失業とか、そういった比率を見ますと、ほかの国に比べては圧倒的に低く収まっておりますし、いろんな形での無利子無担保を、今言われましたけれども、いろんなものの財政効果が少しは上がった、上がっていると考えるべきで、これがなかったらもっとひどいことになっていただろうという感じは正直いたしております。それなりの効果はあったんだと思いますが。
 ただ、これはずっとそういうことで継続してやっていくと今言われましたように更なる財政が悪化ということになりますので、どこかで発想を切り替えていかにゃいかぬ、自主再生という方向に切り替えていかにゃいかぬところなので、そういった意味では、一日も早く自主再生になるように我々はいろいろ努力をしていかにゃいかぬところだと思いますが、これは経営しておられる方々もいろいろな立場でやっておられるんだと思いますけれども、是非自立をやらにゃ、自立するという意識を持ってやっていただくということが肝腎かなという感じがしておるのが正直なところです。
 いずれにしても、デフレというものが、ではない状況にはなりましたけれども、少なくとも、更なる成長を目指していくために財政を再建させながら経済も成長させるという、安倍内閣以来ずっと、菅内閣におきましても、この二律背反みたいなところを両方うまくやっていかねばならぬというところのバランスの取り方は引き続き配慮していかなきゃいかぬ大事なところだと思っております。

#9
○中西祐介君 まさに市井のこの気の動きをしっかり捉まえて運営をしていただいていること、大変有り難く思っておりますが、一方で、その地方財政のことについても触れたいと思います。
 私の地元、徳島県と高知県という四国の選挙区になりますが、両県は過疎関係自治体に指定されているところも非常に多いところでありまして、行政運営の観点、特にコロナ対策では継続対応も必要なことも多いわけでありますけれども、地方財政の先行きに懸念をするような声が非常に多いわけであります。
 今回のコロナ対策でそれぞれに配っていただいた十万円の特別定額給付あるいは事業体の持続化給付金は、多くの個人や企業にとって大変安心材料でもあります。しかし一方で、これらは人口数や事業者数に応じて支給をされておりまして、その頭数を都道府県ごとに置き換えれば、間違いなく都会よりも地方の配分が少ないというのはもうこれ明白な事実であります。財政力の差で、自治体の独自予算で組まれているコロナ対策もやはり大きな差が出たというのも今回明らかになったところであります。
 今後の景気対策を考えると、地方経済がやはり遅れてしまうということも懸念をされるところでありまして、坂本地方創生大臣と武田総務大臣に伺いたいと思いますが、概算要求ベースでの来年度の地方税収が今大変厳しいという状況を聞いております。こうした状況だからこそ、地方活性化公共投資臨時交付金とか、あるいは地域経済活性化・雇用創出臨時交付金など、地方経済、財政を支える再分配施策が必要ではないかと考えますが、今まだある予備費を活用しながら、そうした追加支出を是非お願いを申し上げたいと思います。
 あわせて、来年度の一般財源総額の維持を強く求めたいと思いますが、お願いいたします。

#10
○国務大臣(坂本哲志君) 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金につきましては、国の施策では十分にカバーすることのできない地方における様々な対応、取組を全力で支援するために、自由度の高い財源の手当てをする観点から、一次、二次補正予算合わせて三兆円を措置したところであります。現在、第二次補正予算分につきまして各地方公共団体から実施計画を提出いただいたところであり、まずは地域の実情に応じたきめ細やかな取組に有効に活用していただけるよう、交付手続を迅速に進めてまいりたいと思っております。
 今後につきましては、実施計画の内容を踏まえつつ、地域の取組の状況や現場の御意見をよくお聞かせいただきながら考えてまいりたいというふうに思っております。

#11
○国務大臣(武田良太君) 御指摘のように、コロナ禍、非常に地方税収というのが大幅に下がる、よって地方財政というのは非常に極めて厳しくなることが予想されております。そういう中にあっても安定的な行政サービスというのはしっかりと提供していかなくてはならないわけであって、コロナ対策、そして地域経済の活性化、そして国土強靱化、必要不可欠な政策というのをしっかりこれを行えるように、総額確保、しっかりと努めていきたいと、このように考えています。

#12
○中西祐介君 特に足下、先ほど坂本大臣おっしゃっていただいたとおり、臨時交付金の増額、これは是非御検討を強く求めたいというふうに思っております。
 次いで、社会保障、まさに新型コロナウイルスへの対応を伺いたいと思っております。
 世界中で今第三波が懸念をされておりまして、欧米では感染者数が再び急増しているような足下にあります。我が国も今後とも油断を許さないという状況にあります。率先してCOVAXファシリティーなど途上国を含めた普及とワクチンの開発枠組みを日本がリードしてきたということは非常にこれ評価に値することと思っておりますが、国民の皆さんがまさに今求めているのはワクチンの開発、展開であります。来年前半までに全ての国民の皆様に、特に高齢者、基礎疾患がある方々、医療従事者の方々を優先して、無償で受けていただけるようにするというのが菅政権のまさに所信でありました。冬の季節性インフルエンザがこれから広がるような、懸念される季節でありますけれども、十分な検査能力を持つような仕組みも必要であります。
 我が国は、まさに医療機関の皆様のひたむきな御努力によって、ほかの国々と比較して、感染者、重症者あるいは死亡者の人口比水準を低く抑えることができつつあります。海外のメディアでは、まさに日本のコロナ対策というのは成功例の一つというふうに評価をされておりますが、多くの国民の皆様の不安感は払拭されておりません。内外の評価に乖離があるというのも事実だと思っています。
 また、看護現場あるいは介護現場も、今も話を伺いましたら、マスクや医療用ガウンなど、現場でのスムーズな供給体制がまだ支障があるということも聞いておりますし、G―MISやHER―SYS、COCOAなど新しいシステムをこの途中途中で導入をしてまいりましたが、国民や医療関係者にとって身近な活用状況には至っていないというふうな指摘もあります。
 そこで、西村大臣に伺いたいと思っておりますが、新型コロナウイルス感染症に係る事態は歴史的なこれ緊急事態であるということはもう誰しも認めるところであります。その分、一連した政府対応について、事態が収束した後にしっかりと検証をしていかなきゃいけないと思っています。また、事態が進行する途中でもなるべく透明性を確保して、官邸の連絡会議の資料始め各種情報をなるべく早く開示をしてほしいというふうなお声もありますけれども、お考えを伺います。

#13
○国務大臣(西村康稔君) 大事な御指摘をいただいたと思っております。まさに政府は、三月十日付けで閣議了解によって、今回の新型コロナウイルス感染症に係る事態を行政文書の管理に関するガイドラインに規定する歴史的緊急事態に該当するということにしたところであります。まさに将来の別の感染症が発生した場合などにも備えるためにも、将来の教訓として経緯などをしっかりと残していくことが重要であるというふうに考えております。
 具体的には、ガイドラインに基づいて記録を残しているところでありますけれども、まず、最近頻繁に開催をしております新型コロナウイルス感染症対策の分科会については、これ、議事概要で記録を残すことでいいとガイドラインではされているんですけれども、発言者の氏名も含めて議事録と同程度の詳しさの議事概要、もう議事録と言ってもいい内容になっております。平均二十数ページに及んでおります。これをできるだけ早く公表することとしておりまして、第十二回が十月二十三日でありますけれども、これ、今週の月曜日、二日に公表してきております。十三回、十月二十九日の分についても近々公表する予定としております。
 いずれにしても、ガイドラインの三か月以内ということを待つことなく、できるだけ早期、速やかに、そして丁寧に詳しい内容を公表していきたいと考えております。
 御指摘のありました官邸で開いておりました連絡会議につきましても、ガイドラインに沿って適切に記録を保存しているところでありますけれども、これまでも国会からの要求に応じて順次提出をしておりまして、六月分まではもう既に開示済みとなっております。残る七月―九月分についても、近日中に提出すべく今手続をしているところであります。
 ガイドライン上、公表の定めはないんですけれども、こういったものも含めて、丁寧に作成をして、できる限り速やかに公表していきたいというふうに考えているところであります。

#14
○中西祐介君 是非丁寧に、よろしくお願いします。
 あわせて、御担当は田村大臣になろうかと思いますが、御質問をしたいと思います。
 感染拡大当初より、正しく恐れるということを、政府からもいいメッセージを出していただいていたと思いますが、正しく国民の皆さんが恐れるためには、正しい情報とこの指針というものがしっかり示されなければいけないと思っています。
 ネットでの差別的な書き込みとか、あるいは地域での個人の排除というものも残念ながら起きたところでありますが、感染症も怖いけれども周囲からの風評が怖いと、こういう事態は一刻も早く解消されなきゃいけないと思っています。
 また、国内の感染状況を踏まえて、二類感染症相当とされているこの感染症法上の権限の範囲の見直し等、こういう検討を政府でなされるということも聞いたわけでありますが、現状どうか、伺いたいと思います。

#15
○国務大臣(田村憲久君) ありがとうございます。
 差別、中傷、こういうものは何としても防いでいかなければならないというふうに思っております。
 正しい知識をしっかりと国民の皆様方に御理解いただくという意味で、感染研でありますとか厚生労働省から随時ホームページ等々でいろんな情報をお伝えさせていただいておりますけれども、先般も専門家の方々に、新型コロナウイルス感染症の今についての十の知識と、こういうものを公表をいただいて、国民の皆様方にいろいろと御理解をいただいている最中でございます。
 また一方で、新型コロナウイルス感染症対策分科会、今、西村大臣おっしゃられましたけれども、この下に偏見・差別とプライバシーワーキンググループというものをおつくりをいただいて、こういう偏見や差別に対してのいろんな御議論、またそれに対しての周知徹底もさせていただいているような次第であります。
 いずれにいたしましても、これからも正しい知識、普及できるように頑張ってまいりたいと思います。
 あわせて、感染症法上の指定感染症の位置付けのお話ございました。
 今、二類相当というふうなお話もございましたが、これ項目によってそれぞれ違いまして、二類相当の部分もあれば五類相当の部分もあります。今般も、いろんな状況変わってきておりますので、政令、省令等で幾つかその項目の見直しも進めてまいってきております。
 いずれにいたしましても、必要なものをしっかりと対応できるような、そういう形での指定感染症での取決めにしてまいりたいというふうに思っておりますので、これからも先生方からいろんな御議論いただきながら対応してまいりたいというふうに考えております。

#16
○中西祐介君 ありがとうございます。
 まさに大事なことは、この医療資源というものを重症化される患者さんにしっかり振り向けられることだと思っておりますので、引き続きお願いしたいと思います。
 今回、政府は、まさにこの新型コロナ対策に向けて、感染症の予防法と新型インフルエンザの特措法の改正によって対応を緊急的に行ったわけでありますが、まさにこれから世界では、地球の温暖化を見据えて、細菌感染の危険、危機というものも指摘をされております。これを機に、司令塔機能の強化とか組織体制の確立、また国と自治体の権限、役割の見直しなど、感染症を有事と捉えた法体系をしっかり整備する必要がないかというふうに思っております。
 また、国境をまたぐ感染症に対して迅速に国際機関や諸外国と連携をするために、感染症分野で世界に通じる人材の育成、あるいはグローバルアライアンスでの貢献度を高めていく必要があると思っておりますので、積極的に対策を講じていただきたいというふうに思います。
 次に、外交について伺いたいと思います。
 この八年、日本は世界の経済、貿易の枠組みの推進に当たり極めて大きな存在感を示したと思っております。(資料提示)なかなか一枚で目にすることがないので今回まとめてみましたけれども、リーマン・ショックの後のG20とか、あるいはデジタル課税をめぐる交渉の主導とか、TPP11あるいは日EU・EPA、日米貿易協定から、直近では日英間の合意をまとめるなど多くの成果を上げてまいりました。
 今日の報道では、十一月の十五日にはRCEP、中国、韓国、東南アジアを含めた東アジア地域の包括経済連携の合意が見るのではないかというふうな報道もあったわけでありますが、まさにこの世界人口における貿易額の六割、十三億人の方々の国をカバーをしているということになり、これはまさに日本の経済全体に裨益するだけではなくて、民主的で自由な世界全体の貿易ルール作りの促進につながり、ひいては安全保障にも直結する話であります。
 さらに、今原油なんかの価格が下がっておりますので、貿易での稼ぎやすさというものを示す交易条件というものが我が国にとって大幅に改善をしている環境にあります。経済、外交の果実と貿易環境の改善を背に、コロナ後の日本経済の回復を期さねばいけないというふうに思っています。
 先ほど総理もお触れいただきましたけれども、二〇五〇年カーボンニュートラルを目指される大きな方針でありますが、日本、これまで先進国の中でも排出の削減に努力を重ねてきた国であります。直接排出量では、エネルギー転換部門で四〇%、産業部門で二五%、運輸部門で一八%と、経済、産業に関わる分野で八割を超している状況であります。まさにこの目標実現のためには、経済の停滞なく排出削減をすると、社会変革にも近いこの官民での努力が間違いなく必要だと思っています。
 三十年後の二〇五〇年ですので私が七十歳の世代になりますけれども、その日の達成、日の目を見るために国全体として長期的な覚悟が必要だと思っておりますし、国内で排出削減を目指すだけではなくて、日本の高い技術を世界に全面展開をして世界全体の排出量を減らすということは極めて大事だと思っております。
 そこで、茂木大臣に、これまでの外交全体の経済外交の成果というものの評価を伺いたいと思います。
 あわせて、日本の環境技術を世界に、海外に全面展開するために二国間クレジットを推進をして世界のCO2排出量を削減をすると、日本がリードしていくと、そういう強力な体制を確立すべきと考えておりますが、伺います。

#17
○国務大臣(茂木敏充君) 経済外交につきましては、グローバル化、これが進展する一方で保護主義的な動きが広まりつつある中、我が国は自由で公正な経済圏を広げるべく、まさに中西議員が今パネルでまとめていただいた、TPP11から始まりまして日EU・EPA、そして各国が注目をいたしました米国との厳しい貿易交渉を経て日米貿易協定締結するなど、国際的な取組をリードしてまいりました。また、今般、日英包括的経済連携協定についても、十月二十三日、署名に至ったわけでありますし、またRCEPについても今大詰めの段階を迎えていると思います。こういった新しい枠組みというものは、日本経済だけではなくて世界経済の発展にも大きく貢献するものだと、このように考えております。
 同時に、気候変動分野での国際的な貢献、これは我が国の経済外交の鍵を握るものだと考えておりまして、これまでも、中西委員から御指摘もありましたような形の二国間クレジット制度、これについては、これを活用した日本の環境技術の海外展開によって途上国、開発途上国での温室効果ガス排出削減に貢献をしてきておりまして、今後も、我が国の二〇五〇年カーボンニュートラル、さらには世界のカーボンニュートラルの実現に向けて、気候変動分野での国際的な取組もしっかりとリードしていきたいと考えております。

#18
○中西祐介君 ありがとうございます。
 まさにこれ、RCEPも加われば、世界の東西の経済を日本がハブとなって回していく、ルールづくりをしていくということにもつながりますし、特に外交の分野は経産省や環境省など広い分野との連携が必要でありますので、是非省庁の垣根を越えて強い外交をしていただきたいと思っております。
 次に、行革について伺いたいと思っています。
 今の菅政権の行革の姿勢、非常に高い期待感を持って見られていると思っています。民間企業でもコロナを奇貨とした改革マインドが今あふれつつありまして、次の社会を見据えて官民で挑戦を進めるという機運が大事だというふうに思っています。
 まずは、発足当初から縦割り一一〇番など多くの声が殺到する河野大臣、行革、規制改革の方針、そして、この期間、ちょうど五十日になりますが、この期間の成果、そして今後の優先順位について伺いたいと思います。

#19
○国務大臣(河野太郎君) 規制改革、行政改革、菅内閣の一丁目一番地ということでしっかり進めてまいりたいと思います。
 内閣府のホームページに規制改革ホットラインというのを設けました。今日までに約六千件の声が寄せられているところでございます。まずは平井大臣とともにデジタル化の推進、しっかり進めていきたいというふうに思っております。
 そのための最初の一歩として、行政が民間に求めている手続の中で、印鑑登録や銀行などの登録印以外の単なる認め印についてはこれを廃止したいというふうに考えております。一万五千ある手続のうち八十五を除いて、今、認め印の廃止という方向で動いております。残されるものはほぼ、印鑑証明の必要なものあるいは金融機関などの登録印ということになります。
 また、オンラインによる教育の拡大というものを積極的に進めてまいりたいと思っております。オンライン教育の恒久化及び拡大、並びにオンライン診療の恒久化、これは総理大臣直々の指示でもございますので、しっかりと関係閣僚とともに進めてまいりたいというふうに考えております。
 また、これまでに様々寄せられました規制改革の要望実現をするということで、例えばコロナのために飲食店が路上を利用できるようにしよう、この道路占用許可に関する規制もワンストップで申請者の利便の高い方法を認めるということになりました。
 また、これまで消防車は、出動して帰る、両方高速道路を無料で利用できましたけれども、救急車については行きは無料だけれども帰りはばらばらということでございましたので、これも一本化させていただきました。
 また、商業施設へのバス、タクシーなどの利用券、MaaSの利用券についても、駐車場料金の提供と同様の扱い、景品表示法の金額制限からの適用除外とするということになりました。
 また、今後は、書面、対面の規制、常駐専任義務の見直しということ、また、様々な政府への行政の中での支払について、これもペーパーレスあるいはキャッシュレスなどで行えるようにしてまいりたいというふうに考えております。
 また、放送の同時配信につきましても、蓋かぶせというものがなくなるような著作権法の改正をしっかりと年内に取りまとめ、来年の通常国会に提出したい、そう考えているところでございます。

#20
○中西祐介君 ありがとうございます。
 この思い切った改革、そして規制を取っ払うと、そうした姿勢は非常に謙虚さとか丁寧さというのが求められる世界で、思っておりまして、大臣の良さ、まさに改革の思い切りの良さというものは大事にしていただきながら、変化への優しさとか気配りというものを十二分にお願いをしながら推進をいただきたいと思います。
 私から一つ提案を申し上げたいと思っておりますのが、先ほど大臣も少しお触れをいただきました国民の生活に身近な税金等の支払と公金収納のデジタル化について伺いたいというふうに思います。
 税とか保険料あるいは手数料、交通の反則金とかも含めた税、公金の納付というのは依然として平日の日中に金融機関の窓口に足を運んで納付をしなければいけないものが非常に多いわけであります。私も元銀行員でありましたので痛感をしている分野でありますが、調べてみましたら、この国税というのは約七割が銀行等の窓口で紙による対面納付をしているという状況であります。
 業界の調査では、これによる納税者のコストが年間で推計二千億円以上と、地方自治体の徴税コストは年間八千億円以上、さらに金融機関全体で年間六百二十二億円以上というふうな推計があり、合わせて一兆円を超えるような社会的コストがあるわけであります。
 昨年度に銀行窓口に持ち込まれた納付書というのは三億五千万枚以上ですので、赤ちゃんから御老人まで一人三枚以上は平均して持ち込まなきゃいけない環境にあります。当然紙での納付ですので、物理的に仕分とか搬送を行わなければいけない上に、公金収納の場合は銀行側の手数料の多くを金融機関で賄うというふうな仕組みになっておりまして、多大な見えない社会的コストが生じているというのが実情であります。
 そもそも、これ地方自治法の二百三十五条に指定金融機関というものの定めがありまして、昭和三十五年当時に信用力の補完を主として制定をされたというふうに承知をしておりますが、金融自由化の中で、現在においては不便とコストばかり目立つ制度だと評されております。
 改めて河野大臣に伺いますが、国民生活で重要なこの身近な納税制度にQRコード等の電子納付を導入するということで利便性を上げて、まさに無駄な社会的コストを削減して、そして早期に安価な形で実現をできるQRコード、こういうものを通じて、納税者、自治体、そして金融機関にとって三方よしとなる仕組みを一刻も早く導入すべきだと考えておりますが、御意見伺います。

#21
○国務大臣(河野太郎君) これは、納税者の利便性の向上とともに、金融機関の負担の軽減という視点からも非常に重要だと思っております。
 今委員御指摘いただきましたように、金融機関全体でこのためのコスト六百二十二億、地方銀行だけで約四百億円経費を負担しておりますが、七割近い自治体はこれに対する対価を一銭も払っていないという現状でございますので、これは早速ペーパーレス、キャッシュレス、できるように取り組んでまいりたいと思っておりますし、現在、指定金融機関、地方自治体にこの場合の手数料の要求をしていないところが多いわけでございますが、そうしますと、地方自治体にはこれを改善するインセンティブが出ませんので、指定金融機関に、地方自治体から何らかの手数料を取る、それによってこの地方自治体が改善するインセンティブを増やしていく、そういうことができるんではないかということを申し上げているところでございますので、いずれにしろ、しっかりとこの分野、規制改革をやってまいりたいと思います。

#22
○中西祐介君 非常にいいお言葉をいただきました。まさにこの改革をするインセンティブをどう与えるかということは極めて重要でありまして、単に自治体側がこれコスト増になるわけではなくて、改革をすることによって自治体もコスト負担につながるという分野でありますので、是非強力に御推進をいただきたいというふうに思っています。
 地方に関わる部分について伺いたいと思っております。
 私は四国で生まれ育って、非常に魅力の多い地域でもあります。しかし一方で、この地方財政、経済基盤、あるいはこの道路、8の字ネットワーク等もまだまだ整備状況が遅れておりますが、こうした格差の問題というものが国の政策によって大きなハンディキャップを強いられているということも実情であります。特に、BバイCの検討とか人口割りを基本としたこの民主主義制度の課題、その象徴が実はこの参議院選挙区の合区の課題に集約をされるのだと、私はこのように思っています。
 そもそも、主権者たる有権者自身が政治参画のアクセスに壁があってはいけないんだと思います。いわゆる一票の較差是正を目的として導入をされたこの合区という制度でありますが、それによって都道府県単位の参議院選挙区でその代表を国会に送り込むことができなくなり、投票率が下がる、あるいは有権者との接触期間が減ってしまうと、そういうことを明らかな弊害として生じているわけであります。
 多くの道府県議会の中では、合区解消を求める意見書が採択をされております。あわせて、地方六団体も、併せて同様の決議、特別決議を重ねてしていただいているところであります。最近では、裁判所の判決の中にでもその弊害というものが述べられているというような状況になってきたところであります。
 そこで、菅総理にコメントをいただきたいと思っておりますが、地方に立脚点を持つ総理であります。まさにこの投票価値の平等のみを追求する参議院の合区制度、あるいは行政区画を切り刻む衆議院の小選挙区の区割りというものは、かえって有権者がその意見を、国政に民意を反映させることがしづらい、この弊害になりかねないと思っています。まさに民主主義制度に基づく国家統治を弱体化させる大きな問題だと思っております。自民党総裁でもあり、また行政府の長たる菅総理にお考えを伺います。

#23
○内閣総理大臣(菅義偉君) 参議院の選挙制度に関しては、四県二合区を含む較差是正のための議員立法が平成二十七年に成立をし、直近二回の通常選挙はこの法律によって行われたと承知しています。また、現在の衆議院小選挙区の区割りは、平成二十八年に議員立法に成立した衆議院選挙制度改革関連法の規定に基づき行われたものであり、平成二十九年の総選挙はこの区割りにより行われたと承知しています。
 参議院の合区については、今委員から説明がありましたように、都道府県が果たしてきた役割などを踏まえ、解消に向けた意見がある、こうしたことは承知をしています。
 いずれにしても、衆議院及び参議院の選挙制度の在り方については、議会政治の根幹を、係るものでありますので、各党各会派において御議論をいただくべき事柄だと思います。

#24
○中西祐介君 ありがとうございます。
 これはもう、憲法、法律、あらゆる手段、方策の中で弊害の解消に取り組まなければいけないというふうに考えております。議長をトップとした参議院改革協議会、あるいは自民党の中にも参議院の在り方検討PTとか選挙制度検証タスクフォース等を開いて、開催をいただいておるところでありますが、広く会派の皆様超えて力添えをお願いを申し上げたいというふうに思っています。
 次に、この地方の在り方にも直結する防災・減災、国土強靱化について伺います。
 災害が多発をして、またこの重要性が増す中で予算確保というのが非常に大きな課題となっています。直近のGDPの伸び率で見ましたら、全体でマイナス二八%ということでありますけれども、公共投資の部門はプラス四・六%ということで、我が国の景気を下支えするためにも、国主導で中長期的に維持そして拡大をする計画が何より不可欠だと思っています。
 これまでの三か年緊急対策、七兆円というのが非常に大きな成果を残していただきました。切迫する大規模災害、あるいは老朽化するインフラ更新、また災害での孤立防止に貢献をする先ほど申し上げたような道路整備、こうしたものは社会基盤の強化であります。さらに今、デジタル化の推進というのも極めて重要なテーマとなっております。
 そこで、赤羽大臣にお伺いをいたしますが、災害はまさに事前の対策というのが非常に重要であります。防災・減災、国土強靱化三か年緊急対策の後の次の計画というもの、予算というものを求められておりますので、是非お願いをしたいと思います。
 あわせて、一部の御指摘では、予算の繰越額が増えていると、また、現場の建設業を始め関係する皆様の人手不足があって事業の執行が遅れているというふうな指摘もあると承知をしておりますが、現場の状況を伺った限りでは今も執行は順調に進んでいるところが大半でありまして、これらの指摘は全く当たらないと私自身は承知をしております。
 大臣のこれらの見解と、まさに緊急三か年対策の後の大きな計画、力強い取組方針を伺いたいと思います。

#25
○国務大臣(赤羽一嘉君) 御質問、大変ありがとうございます。
 近年の気候変動の影響によりまして、激甚災害が全国各地で頻発化しているという状況の中で、防災・減災、国土強靱化のための緊急三か年のこの対策は、全国の首長の皆様始め多くの関係者の方から大変感謝もされておりますし、また、引き続きのより充実した取組を強く求められているところでございます。自由民主党、また公明党の各与党の皆様からも骨太方針の策定の過程でも大変力強い応援をいただいておりますので、しっかり受け止めて頑張っていきたいと思っております。
 その中で、今御指摘のございましたこの三か年対策後の議論の中で、おっしゃられたように、公共工事の年度末の繰越額が年々増加しているということは、これは予算を付けても消化できないんではないかと、こう批判がありますが、これは全く関係ないということは申し上げておきたいと思います。
 これは、いわゆるこの建設業界の働き方改革の中で、昨年成立しました新担い手三法の中で、やはり若い人たちをこの建設業界で育成する、また、それを受け入れる業界のためにも公共事業の発注は安定的、持続的なものでなければならないと、そうしたことから政策的にこれを平準化していくということを意図的にやっているものでありまして、年度末にその残額がたまっているからといって、それは集中を避けている新しい政策の方針の結果であって、これは建設業界の施工余力とは全く関係ないということをこの場をお借りいたしましてはっきりと申し上げておきたいと思います。
 現場の状況を聞きましても、建設技能労働者の過不足率も大変改善もしておりますし、また同様に、i―Constructionの導入で無人施工等々も進めておりますので、中長期的にしっかりとした予算をしっかりと防災・減災が主力となる社会づくりのためにしっかり消化できるということは確信を持って申し上げたいと思いますので、そうしたことも踏まえて来年度の予算獲得に向けて頑張っていきたいと、こう思っております。
 以上です。

#26
○中西祐介君 ありがとうございます。
 党側でも力強く御支援を申し上げたいと思いますし、三年を超える計画、やはり中期的にこういうプランニングをするということが重要だと思っておりますので、強力に御推進をお願いしたいと思います。
 防災事業に関連をしまして、これ総務省管轄のところでもございますが、緊急防災・減災対策債のこの適用範囲の拡大というものと、この令和二年度で切れる期限延長を求める声が非常にこれは大きいわけでありますので、これはお願いまで申し上げたいというふうに思っています。
 関連して、次に、話題に移りたいと思いますが、この縦割り行政の打破で身にしみて有り難かったのは、まさに総理が昨年度から強く御推進をいただきましたダムの事前放流等の洪水対策のところであります。
 地元徳島の那賀川というものがありまして、毎年のごとく浸水が繰り返された地域でもあります。しかし、国交省、経産省、農水省あるいは県管理のダムも併せて、周辺住民の方々や利水関係の企業の皆さんの御同意や協力もありまして、流水量の事前調整というものがされて、今年は洪水被害がなかったという結果を生むことができました。
 ハード対策のダムの改修あるいは増強もしていただいておりますけれども、今、流域治水というものの概念で、政府と自治体、あるいは町づくりとか農林業など、地域資源が一体となってこの治水に取り組んでいただいております。高知県の仁淀川流域の皆さんも非常に喜んでいただいているお声をいただいております。
 日本は、古来より大規模災害の克服の歴史でもあります。こうした運用の見直しとともに、随時最新の技術を取り入れ、防災体制のバージョンアップを行いながら、被害軽減につなげていかなければいけないと思っています。
 そこで、最新のAIを活用した事例を御紹介したいと思います。
 これは、東京大学発のAIベンチャーのアリスマー社が開発をした技術でありまして、ドローンとAIを使って3Dのハザードマップを作り上げると。災害時の浸水被害予測であります。
 災害直後の混乱した現場に伺いますと、避難所の特定、あるいは救援物資の分配の最適化というのが非常に大きな課題となっておりまして、また、事後には罹災者証明の発行や、あるいはそうしたものの遅れが保険金の支払につながっておりまして、生活再建に大きなブレーキとなっています。
 本件の技術は熊本県の人吉市の災害復旧にも活用されまして、最新情報とシミュレーションで防災と復旧復興が革新的に加速をしたというふうな技術だと評されていると伺っています。
 この社名のアリスマー、まさに算術、数学と、このところから命名をされたそうでありますが、世界に流出した若手数学者あるいはドクターの受皿、こういうものになりまして、生損保始め金融分野、創薬開発や運転支援など、こちらの業界の縦割りを打破して革新的なサービスを展開しているところであります。
 この事例から我々は学ぶことは多いなというふうに思っておりますが、一つは、この大学研究分野での高齢化に対しまして、産業革新のために博士課程修了者などの有為な若手人材の受皿をつくっていかなきゃいけないということであります。二つ目は、大学研究の資金調達の障壁を下げて、民間企業とのシナジー創出をつくっていかなければいけないと。三つ目は、新産業の芽を国際競争力のあるものに高めるための国のスタンスが問われているというところであると思っています。
 そこで、科学技術担当大臣に伺いたいと思いますが、政府はいかにしてこうした日本の先端技術を育てるかという問いであります。
 例えば、洪水予測を始めとする自然災害予測とか、あるいは災害後の被災状況把握などの最新技術をどう政策に取り入れるかということでありまして、内閣府には総合科学技術・イノベーション会議というものがありますが、これまではどちらかというと、これらの案件は研究開発とかあるいは中小企業の支援に偏っているというふうな印象もありました。
 特に、国策の影響力が強く及ぶ分野に対して優れた技術を内閣主導で思い切って取り入れて、イノベーションの創出とその社会実装を推進すべきではないかと考えておりますが、日本に潜在する革新的な技術の産業化に向けて取組を伺いたいと思います。

#27
○国務大臣(井上信治君) 中西委員の問題意識、我々も全く同じ意見でありまして、そういった問題意識に基づいて今様々な取組をしているところでございます。
 例えば、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議、CSTIにおきましては、省庁連携による分野横断的な取組を産官学連携で推進をする戦略的イノベーション創造プログラム、SIPにおいて、防災・減災のための新技術を研究開発しつつ、政府、自治体等での社会実装に向けた取組を実施中です。
 また、イノベーションの創出と社会実装を更に促進するため、中小企業技術革新制度、いわゆるSBIR制度、これを抜本的に改正をし、内閣府が司令塔となって、各省庁が統一的なルールで研究開発から政府調達、民生利用までを一貫して支援する体制を構築しております。
 今後とも、内閣府が中心となり、省庁連携の取組を強化し、イノベーションの創出を推進してまいります。

#28
○中西祐介君 ありがとうございます。
 地方の大学に眠る研究のシーズというのはたくさんあるわけでありまして、こうしたものをしっかり育てていただける体制を構築をお願いしたいと思います。
 残り時間になりましたので、国民の皆さんが多く求められております社会保障制度について最後触れたいと思います。
 直近の調査では、国民の皆さんの八割を超える方々が医療や年金制度に不安を感じております。その年々割合が増加をしているというところでありますが、私の所属する政策集団では今年の夏に社会保障改革を含めた政策集を発表させていただきました。私もその取りまとめ責任者を任せていただきましたので、改革案を紹介しながら質疑を申し上げたいと思います。
 総理が掲げる基本理念、自助、共助、公助でありますが、我々、まさにその理念を共有するところでありまして、今後も日本社会のベースとなるものと承知をしています。
 一方で、生き方、働き方が多様化する現代では、自ら努力することの余裕や共に支え合う地域コミュニティーの希薄化など、あるいは高齢化、社会構造が大きく変化をしていることも事実であります。こうしたことを踏まえて、令和新時代の自助、共助、公助というものを再定義をさせていただきました。
 パネルを御覧いただきたいと思いますが、新しい自助では、自ら健康を獲得する、豊かな人生を得るために政府がそうした努力を最大限後押しするべきだというふうにさせていただきました。予防医療の推進、あるいは効果の高いものから診療報酬で位置付けるなど対策が必要であります。あるいは、このヘルスリテラシー教育の導入ということで、義務教育課程あるいは周産期、また老齢期などライフステージごとに健康を獲得するための知識とか情報を習得する、そうしたものが必要であります。また、かかりつけ医の推進など、それぞれの努力をサポートするような体制もまさに必要な政策であります。
 新しい共助の位置付けでは、デジタル化社会の中で個人情報の管理を徹底することを当然前提としながら、個人の疾病やけがの克服履歴を匿名化する中で、医療情報のビッグデータを主として分析や解析を進めながら、臨床や治験のデータ収集を迅速化をして、我が国の公衆衛生上の知見が持つ、個人の健康向上のために還元をさせる制度改正を掲げました。本来個人が持つべき医療情報というものはポータビリティー化をさせる、さらには、地域ごとに大きな差のある健康寿命については、自治体が総合戦略を策定して具体的な健康寿命延伸目標を推進するということが必要だと思っております。
 最後、新しい公助では、国民皆保険制度が社会に合った制度になるように、価値に基づく制度の見直しというものを推進して、オンライン診療の普及、薬価の改定、あるいは医療制度の費用対効果分析を行うなど、業界とともに時代の変化に対応した制度の抜本改革を行うことが必要だと思っております。ヘルス産業、ヘルステック産業というものは拡大分野であります。
 こうした社会の変革の機会と捉えて、全体観を持って戦略的に社会保障制度の全般の見直しが必要だと考えておりますが、最後に田村大臣のお考えを伺います。

#29
○委員長(山本順三君) 時間が来ておるので、簡潔にお願いします。

#30
○国務大臣(田村憲久君) 委員が提言取りまとめられたということでありまして、自発的な健康づくりでありますとか、それからビッグデータ、こういうものを活用していくこと、さらにはオンライン診療などデジタル化の推進ということで御提言をいただいたということ、私も拝見をさせていただきました。
 我々厚生労働省も、ビッグデータ活用というふうに、これはしっかりと進めていかなきゃならないと思っておりますし、また、PHR、それぞれの個人データ、健康データを、こういうものを活用しながら健康づくりをしていくこと、これも重要でありますし、オンライン診療に関しましては、今総理の方から御指示をいただいて進めている最中であります。他には不妊治療の保険適用という話、これも今御指示をいただいております。
 いずれにいたしましても、しっかりと委員からもいただいておりますこの御提言、これ拝見させていただきながら参考にさせていただきたいというふうに思っております。

#31
○中西祐介君 終わります。ありがとうございました。

#32
○委員長(山本順三君) 以上で中西祐介君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#33
○委員長(山本順三君) 次に、西田実仁君の質疑を行います。西田実仁君。

#34
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 早速質問に入らせていただきたいと思います。
 アメリカの大統領選挙が終わりました。勝者がどちらかというのはいまだ確定までには時間が要するようでございますけれども、どちらが勝利するにせよ、いわゆるアメリカ・ファーストあるいは対中強硬路線ということにはそれほど大きな変わりはないというふうに見られております。
 そんな中、今、国際的な貿易収支の不均衡が生じているのが大変気になっておりまして、ちょっとパネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)
 これは、アメリカ、日本、ドイツなど先進十か国と中国、インドなど新興十か国の貿易収支を比べたものでございます。
 先進十か国の貿易収支は、この上のグラフですけれども、青い棒グラフの前年同期よりも、一番右側がこの十か国合計になっておりますが、オレンジ色棒グラフの直近三か月の方が赤字額が膨らんでいる。一方、新興国の貿易収支は反対に黒字額が膨らんでいる、拡大しているということであります。すなわち、この貿易不均衡というのが生じているわけです。これは、コロナ不況からの回復が、先進十か国の場合には消費主導で、そして新興十か国の場合には生産若しくは輸出主導で回復しているという違いから生じていると見られます。
 加えて、パネルの下を見ていただきますと中国の対米貿易収支というのが出ておりまして、中国の対米貿易黒字額もその前年比も、棒グラフと折れ線グラフですが、共に拡大をしております。二〇一八年から一九年にかけまして、米中貿易戦争とも言われました第一幕においては、日本の輸出は落ち込み、景気が失速をいたしました。拡大する先進国と新興国の貿易不均衡に加えて、この米中間の貿易戦争とも言うべきものが再燃するとすれば、日本もそれへの万全の備えが必要ではないかと考えます。
 そこで、まず総理にお聞きします。
 米中貿易摩擦の再燃リスクに備えて、日英経済連携協定の発効や、RCEP、インド太平洋経済圏構築などによる自由貿易圏の拡大、企業への潤沢な資金供給や研究開発投資減税などによる国際競争力の強化、そして投資環境整備のためのインフラ投資の拡大など、産業基盤の強化策を来年度税制改正、また予算編成の中でしっかり盛り込む必要があるのではないでしょうか。

#35
○内閣総理大臣(菅義偉君) 国際競争が激化する中で、米中経済関係を踏まえつつ、日本の産業競争力を強化し、経済成長を実現していくためには、産業基盤を強化することが重要であると認識しています。
 こうした観点から、我が国としては、日英の経済連携協定の速やかな締結、発効、また、自由で公正な経済圏の拡大に取り組むとともに、官民ファンドを通じた資金供与、イノベーションの源泉たる研究開発、インフラ投資の拡大などにしっかり取り組んでいくことが重要だと思っています。
 こうした政策を総動員をして、御指摘の産業基盤の強化に向けて最大限取り組んでいきたいと思います。

#36
○西田実仁君 過去の円・ドルレートをたどりますと、日米の長期金利差とこの円・ドルレートというのは高い相関関係にございます。
 次のパネルを見ていただきたいと思います。
 この棒グラフ、青い棒グラフが日米の長期金利差でして、オレンジ色の折れ線グラフが円・ドルレートということでございまして、若干乖離しているときもありますけれども、かなり連動性があります。二〇一一年八月には、この一番下のところですけれども、円相場が一ドル七十五円まで上昇したときの記憶は大変鮮明であります。まさにそのときは、この青い棒グラフも一番低くなっているわけです。
 そして、今、直近を見ますと、この日米長期金利差はそのときとほぼ同じぐらいにかなり縮まってきていると、こういう状況でありますが、一方、円・ドルレートはまだこの状況にあるわけであります。マクロ的に見ますとドル高是正へのマグマが非常にたまってきている状態にある、こう言わざるを得ない。
 そこで、これも総理にお聞きしますが、アメリカの新政権でどのような為替政策になるかはまだ定かではございませんが、いずれにせよ、為替の安定ということは日本にとって大きな課題であります。日米、日中の連携や、あるいは円建て貿易の拡大、対外直接投資の拡大など、ドル高是正への動きに備えていく必要があるのではないでしょうか。

#37
○内閣総理大臣(菅義偉君) 為替の水準だとか方向性について私が言及することは、市場に不測の影響を与えかねないことから、コメントは差し控えたいと思います。ただ、為替の安定というのは極めて重要だと、このように考えています。
 政府としては、引き続き、各国の通貨当局としっかりと連絡を取り合いながら適切に対応していきたい、このように思います。

#38
○西田実仁君 ありがとうございます。
 続きまして、東京オリパラ成功への決意を改めて伺いたいというふうに思います。
 人類は、ちょうど百年前の一九二〇年四月二十日から九月十二日まで、第七回アントワープ・オリンピックを開催をいたしました。ちょうどスペイン風邪がいまだ終息し切らない中での開催でありました。当時、アメリカのスペイン風邪の終息は一九二〇年の四月、フランスは二〇年末、そして日本も二〇年五月終息という、そういう記録が残っている中でのアントワープ五輪の開催だったわけです。
 この大会、日本は参加して二回目にして初めてメダルを獲得しました。テニスのシングル、またダブルスです。そして、オリンピック旗が初めて掲揚され、いわゆる国威発揚の場となったことでも知られるオリンピックでございました。
 それから百年、今人類を襲う新型コロナ禍の中で日本でオリンピック・パラリンピックを開催する意義は、強調してもし過ぎることはないというふうに思います。
 改めて、東京オリパラ開催に向けた総理の決意並びにどのような大会にしたいか、また安全、安心な大会に向けてのコロナ対策についても伺いたいと思います。

#39
○内閣総理大臣(菅義偉君) 来年の東京大会は、人類が新型コロナウイルスに打ちかったあかしとして開催をし、東日本大震災の被災地が見事に復興を成し遂げた姿を世界に向けて発信する場になると思っています。来年七月二十三日からの開催に向けて、関係者、今一丸となって準備に取り組んでいるところです。
 東京大会における感染症対策については、今年の六月にIOC理事会で示されたロードマップに沿って、各省庁、東京都、組織委員会、こうしたそれぞれの部署による調整会議を置いて今議論を進めているところであり、年内目途に中間整理を行う予定であります。
 政府としては、引き続き、東京都や大会組織委員会、そしてIOC、緊密に連携し、大会に向けた準備を万全なものにしていきたい、このように思います。

#40
○西田実仁君 そうした開催に向けての今、総理の御決意をお伺いしました。具体的に、年末に中間整理も取りまとめていくということであります。
 こうした政府の着実な大会開催に向けての準備の一方で、やはり肝腎の国民の皆様の気持ちが付いていかないと成功ということはなかなかおぼつかないのも事実だと思います。オリパラは本当にやるんだろうかという国民の皆様の懸念というものは、やはりこれを払拭していかなければならない。やはりこの機運をいかに高めていくのかということが大変大事になってくると思います。
 私の地元埼玉県でも、例えば競技会場付近で道案内を担う都市ボランティアの皆様方向けの研修をこのほど再開をされたと伺いました。また、活動エリアの説明動画の配信や救命講習なども実施予定だと聞いております。
 こうした国民の皆様の五輪成功に向けての参加を促していくために今後どのようなことを工夫していかれるのか、橋本五輪担当大臣にお聞きしたいと思います。

#41
○国務大臣(橋本聖子君) お答え申し上げます。
 来年の東京大会については、アスリートや観客等にとって安全、安心な大会の実現に向けて、今、政府一丸となって取り組んでいるところであります。
 こういった中で、大会組織委員会のボランティアの研修、これは先月からオンラインで開催を再開されておりまして、大会ボランティアのアンケートでは大多数の方が継続参加の回答をいただいているというふうに聞いております。
 また、聖火については、オリンピックミュージアムや全国各地を巡る一般展示が始まっておりまして、日本中の皆様に大会を感じていただく重要な機会となっております。
 さらに、延期決定後も新たに二十の自治体が加わりまして、全国のホストタウン自治体が五百七になりました。現在も今まだ進んでおります。そして、現在、直接交流は難しいものの、相手国の選手等とのオンラインの交流や、手紙や応援動画を送る取組などをしています。五百七の自治体に対して、相手国が百七十九か国になりました。これもまだまだ今検討をしている自治体と国が多くありますので、そういったことも含めて、機運醸成とともに、政府として、引き続き感染症対策に万全を期しながら、成功に向けて、東京都、大会組織委員会、各自治体と緊密に連携をして、機運の醸成に努めていきたいというふうに思っております。

#42
○西田実仁君 まさにこの東京オリパラ成功に向けて、一番肝腎なところはやはりコロナ対策になってまいります。
 ここで、ワクチンの確保と接種体制の整備についてお聞きをしたいと思います。
 現在、政府は国民全員分のワクチンの確保を目指しております。アメリカのファイザー社やイギリスのアストラゼネカ社、そしてアメリカのモデルナ社との間で、開発に成功した場合のワクチンの供給に関して基本合意し、ないしは正式契約を交わしているわけであります。
 公明党では、五月二十八日にワクチン・治療薬開発推進プロジェクトチームを立ち上げました。国内で開発に携わる研究者やイギリスのアストラゼネカ社とも意見交換してまいりました。当時、我が国は、アストラゼネカ社などとワクチン確保に関する覚書こそ交わしておりましたけれども、いまだ基本合意には至らず、他国に比べて交渉が遅れているという状態と認識しております。
 そこで、七月の十六日、本予算委員会におきまして、我が党から、コロナ対策のための予備費の活用によるワクチンの確保を主張、メーカー側の損失補償制度の創設についても要請し、いずれも厚労省から前向きな答弁をいただいたわけであります。その後、八月の七日にはアストラゼネカ社と、これに先立つ七月三十一日にはアメリカのファイザー社とワクチンの確保について基本合意がなされました。
 ここで、総理にお聞きしたいと思います。
 この海外で開発されたワクチンの確保に関する交渉におきまして、今申し上げました予備費の活用並びにメーカー側に対する損失補償制度の創設が果たした役割について、総理の御認識を伺いたいと思います。また、この外国産ワクチンの現在の開発状況、そして最終契約に向けた協議についても伺いたいと思います。

#43
○内閣総理大臣(菅義偉君) ワクチンの確保に向けてから、公明党からの御提言も踏まえて、本年九月八日に約六千七百億円の予備費使用について閣議決定をいたしました。また、損失補償契約を可能とするための予防接種法の改正案を今国会に提出したところです。これらの措置は、世界にワクチン供給が逼迫する中で、企業と契約交渉を行うに当たって必要不可欠なものである、このように認識をしております。
 また、海外ワクチンについては、既に大規模に投与する第三相の試験を実施をしているというふうに承知しています。我が国も、開発をリードする製薬会社三社から合計で二億九千万回分の供給を受けることについて合意に至っています。
 引き続き、最終契約に向けた協議を進め、安全性、有効性の確認を最優先に、来年の前半までに全ての国民に提供できる数量を確保する予定であります。
 政権発足に際して、公明党との間で連立政権合意、取り交わさせていただきましたが、ここにも盛り込まれている各事項について、公明党の御意見も踏まえ、与党としっかり調整した上で、その実現に向けて強力に取組を進めていきたいと思います。

#44
○西田実仁君 ありがとうございます。
 この予防接種の副反応による健康被害は、極めてまれではありますけれども、不可避的に生ずると言われております。今回のワクチン接種に関して、我が党の求めました健康被害救済制度が決定しておりますけれども、どのような内容になるのか、厚労大臣にお聞きします。

#45
○国務大臣(田村憲久君) 公明党からもいろんな御要請いただいております。
 予防接種法の改正案、今回この国会に提出をさせていただいておりますけれども、この中において、今言われましたとおり、健康被害救済制度、これを、この新型コロナワクチンの予防接種といいますか、ワクチンに対しても適用するということになっておるわけであります。
 健康被害を生じた住民の方々から申請をいただきますれば、それに対して、審査会、これにおいて審査をいただいた上で厚生労働大臣が認定をするということで、市町村より給付をいただくという制度になっております。
 感染力や重篤性が大きいという、こういうようなことからA類疾病の定期接種と同様の高い水準、取扱いをさせていただく予定でございまして、どうか法律の審議のほど、よろしくお願いいたしたいというふうに思います。

#46
○西田実仁君 本来、ワクチンの有効性また安全性につきましては、薬事承認に関する審査の過程で確認をされ、その後も市販後調査といたしまして製造販売業者若しくは医師により副作用報告を求めるのが一般的であります。
 しかし、この新型コロナウイルスワクチンの審査では、我が国の場合、感染者が少ないため、いわゆる第三段階の治験を国内では行うことができません。海外のデータで確認せざるを得ないわけであります。市販後の調査も、全国民への接種という大変大人数なものになるため、副作用報告がきちんと行われるのかも大変懸念をされているところでございます。
 そこで、厚労大臣にお聞きしますけれども、この第三相試験について海外データに依存せざるを得ない我が国において、ワクチンの有効性をどのように評価できるのでしょうか。これ、是非テレビやラジオの前の国民の皆さんにも大変分かりやすいように御説明をお願いしたいと思います。

#47
○国務大臣(田村憲久君) この新型コロナウイルス感染症のワクチンの評価方法でありますけれども、日本や欧米各国の薬事規制当局間で国際連携をさせていただきながら意見交換をしておりまして、そういう形の中において、PMDA、医薬品医療機器総合機構において考え方というものを示させていただいております。
 有効性については、海外で、やはり発症予防でありますとか重症化の予防、こういうものに対しての予防効果、これが示されているということ、それから、あと免疫原性、抗体価ですね、どれぐらい抗体が付いているか、これが、海外と同じように日本の言うなれば臨床の試験でこれが、こういうものが付いているということを確かめると、こういうことにおいて有効性というものを調べていくといいますか、いろいろと確認をしていくということでございまして、こういうことをしっかりとやった上で、有効性そして安全性を確認した上で承認プロセスに入ってくるということでございます。

#48
○西田実仁君 全国民の皆さんに接種するという大変大人数の接種になるわけですけれども、この副作用の報告はどのように行うのか、お聞きしたいと思います。
 副作用の報告を受けるのは今おっしゃったPMDA、医薬品医療機器総合機構でありますけれども、その体制が平時のままであっていいわけはないと思うんですね。どのようにその体制を強化するのでしょうか。

#49
○国務大臣(田村憲久君) 委員おっしゃられますとおり、短期間に多くの方々に接種をいただく可能性があるわけでございまして、大変重要な点だというふうに思います。
 医療機関からは予防接種法に基づいて、それから製造販売業者、こういうところからは、これは薬機法に基づいて報告をPMDAの方にいただくということでございます。PMDAの方も体制を強化していかなければならないのでありますので、そういうところに対してもしっかりと予算等々の確保をしていかなければならないというふうに思っております。
 あわせて、PMDAが取りまとめた情報を審議会の方でこれ評価をいただかなきゃならない。これは厚生科学審議会でありますとか薬事・食品衛生審議会、これ合同でやるわけでありますけれども、この頻度も、通常は大体四か月ごとぐらいにやっておるんですけれども、この頻度も、やはり通常よりも頻度を増やしていくということが必要であろうというふうに考えておりまして、しっかりと副反応、副作用等々の対応に関しましても我々としては体制整備を進めてまいりたいというふうに思っております。

#50
○西田実仁君 まさに今おっしゃったその頻度ですけど、もうほぼ毎日のようにやっていただかないと、これだけ大人数の国民の皆さんがやるわけですから、審議会等もいいんですけれども、厚労省にある、もう予防接種・ワクチン専門家分科会というものもあるわけですから、そこともよく機動性を持ってやっていただきたいと思います。
 次に、ワクチンを順次接種する体制についてお聞きしたいと思います。
 ワクチンが数種確保された場合ですけれども、どのように市町村に振り分けるのでしょうか。例えば、ある市町村が、私たちはこのワクチンが欲しい、あるいはそこにいらっしゃる住民の方がこっちのワクチンの方がいいと、こういう希望を出すことはできるんでしょうか。

#51
○国務大臣(田村憲久君) ワクチンをどう選択するかということに関しては、そのワクチンの供給の体制も含めてまだ決めているわけではないわけでありますが、しかし、供給量や供給の時期でありますとか、またその搬送方法、さらには接種等々の体制ですね、これは一定の方向を示していかなければならないというふうに思っております。
 自治体それぞれというよりかは、やはり国が方針を示す必要があると考えておりまして、それぞれのワクチン、承認されれば、この今回の提出させていただいております接種法に基づいて、予防接種法に基づいて接種をいただくわけでありますけれども、例えば、国の方でこの医療機関に関してはこのワクチンというような形で各自治体にお示しをさせていただくような、選んでいただくような形でお示しをさせていただければ、同じ医療機関で同じワクチンを使っていただくということになれば、今回のワクチン、二度打ちの可能性もございますので、打たれる方にしてみれば、間違った形で違うワクチンを打つということは防げるわけでございまして、そういうことも含めまして国が方向性を示してまいりたいというふうに思っております。

#52
○西田実仁君 国が方向性を示していただいて、なるべく混乱しないようにやっていただきたいと思います。
 今回のワクチンの接種は、住民に対してクーポン券を配付するなど、市町村による住民への接種の勧奨と、住民には接種を受ける努力義務があるというふうにされております。ただ、中にはワクチンの接種を希望されない方もいらっしゃるかもしれません。仮に接種されておられない場合、例えば会社には出社してはいけないとか、あるいは学校に登校してはならない等の対応が現場で起きないとも限らないわけでありまして、こうした対応は果たして適切なことと言えるでしょうか。
 市町村による接種勧奨と国民の接種の努力義務に関する基本的な考えを総理にお伺いしたいと思います。

#53
○国務大臣(田村憲久君) 今回の予防接種法改正案におきまして、接種勧奨の実施や接種を受ける努力義務というものを課すことにしておりますが、これは国民の皆様に予防接種をしなければならないということを言っておるわけではございませんでして、そこはやはり国民の皆様方のそれぞれの意思に応じて接種をするかどうかというものはお決めをいただくということになると思います。
 そのような意味からいたしますと、そういう情報を、もちろん基本的にこのワクチンの有効性や副反応も含めて情報をしっかりと提供することは必要でありますが、あわせて、この予防接種をするかしないかによって今言われたような差別でありますとか偏見でありますとか、こういうことが生まれてはこれはならないわけでございますので、その部分も含めてしっかりと国民の皆様方、また、各今事業者の話もございましたから、事業者の方々にも御理解いただけるように広報してまいりたいというふうに考えております。

#54
○西田実仁君 このワクチン接種に関しましては、様々な国民の皆様からの疑問ということが出てくることは必然だと思います。そうしたことにしっかり答えていただけるコールセンター、これは是非とも設置しなければならないと。
 市町村、都道府県、そして国と、それぞれに目的に応じてコールセンターを設置すべきだと考えますけれども、厚労大臣、いかがでしょうか。

#55
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど申し上げたように、こちらからといいますか、政府の方からいろんな広報もやっていかなきゃなりませんが、言われますとおり、国民の皆様方、いろんな御疑問があられるというふうに思います。それに対して対応しなきゃならないということで、これもこの九月に予備費二百二十一億円計上させていただく閣議決定をさせていただいたわけであります。
 ここで各自治体にコールセンターの設置費用ということで充てていただくということになっておりますが、なかなか各自治体だけでは難しい部分もございます。十月下旬に自治体には周知をするためにいろいろとお願いしているわけなんですけれども、自治体ではなかなかお答えできないことも含めて、国の方でもしっかりとこういうコールセンター、相談窓口というものを設置しながら、国民の皆様方のいろんな御疑問にお答えをさせていただきたいというふうに思っております。

#56
○西田実仁君 後遺症についてもお聞きしたいと思います。
 イタリアの医療機関が新型コロナウイルスの感染症に関する後遺症に関してレポートを七月に出されています。
 これによりますと、新型コロナから回復し、発症から平均二か月たった元患者さんの八七%が何らかの後遺症を訴え、特に倦怠感や呼吸苦の症状が続くといいます。四割の元患者さんは生活の質が低下しているというふうに答えられてもおられます。先般、世界保健機関においてもこうした警告もなされているところです。
 こうした新型コロナウイルス感染症の後遺症の調査研究についてどう取り組んでおられるのか、その上で、回復した元患者さんに対する支援の方針について総理にお伺いしたいと思います。厚労大臣にお聞きします。

#57
○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられましたとおり、回復された患者の皆様の中に後遺症で苦しまれている方々、これ海外でもそういうようなことがあるということで、いろんな報告等々承知をいたしております。
 ただ、一方で、後遺症についていまだまだ分からないところがたくさんございまして、国内の中でやはりしっかりとこれ研究していかなきゃならないということでございまして、本年八月からでありますけれども、実態把握、原因究明、こういうことに関しまして厚生労働科学研究をスタートさせていただいているところであります。その研究の結果、そういうものをしっかりと我々把握しながら、どういうようなことをこれからしていかなきゃならないか、検討をしてまいりたいというふうに考えております。

#58
○西田実仁君 続きまして、コロナ不況が直撃する女性非正規の就業者の方々に対する支援策についてお聞きしたいと思います。
 総理は所信表明におきまして、新型コロナウイルスにより特に女性の雇用が厳しい状況にさらされていると、こう述べられました。
 確かに、二〇〇八年のリーマン・ショックのときには、いわゆる輸出型の大企業あるいは金融業といったところに勤める男性やその派遣の就業者の方々に大きな打撃を与えましたが、コロナ禍は、内需型サービスのパートやアルバイトの女性就業者の方々を特に直撃をしております。なぜなら、コロナの影響を大きく受ける飲食、宿泊、また娯楽等のサービス産業では、こうしたパートやアルバイトの女性就業者の方の比率が高いからであります。
 パネルを御覧いただきたいと思いますが、実際これは、正規雇用の方は男女共に少しずつ増えている面もあるんですが、この一番右側の方ですけれども、パートやアルバイトの非正規の方は、赤いところですけれども、女性を中心に大きく雇用が減っているわけでございます。
 そんな中で、このコロナでシフトを減らされたので掛け持ちにより労働時間を確保しないとこれ以上家計を支えられないと、こういう掛け持ちワークで働きたいという就業者の方のニーズと、企業側はフルタイムではなかなか雇うのは余裕がないけれども短時間のパートなら欲しいと、こういうニーズがあります。この両者をマッチングする、そういう機能が果たしてあるのかどうか。
 現在、国、厚労省、産業雇用安定センター等が推進をしておりますマッチングは、在籍型出向などもございますけれども、これは主にやはり男性正規就業者向けにどうしてもなるわけでして、こうした今申し上げた女性非正規の就業者と企業のニーズをマッチングすることには必ずしも適さないのではないか。
 そこで、こうしたコロナ不況が直撃する非正規雇用の女性の個別ニーズをどう把握し、また、その対応する施策についてどう取り組んでおられるのか、非正規雇用の女性労働者の方に特化した施策があるのか、厚労大臣、そして橋本担当大臣にお聞きしたいと思います。

#59
○国務大臣(田村憲久君) 委員おっしゃられましたとおり、このコロナ禍ということで、飲食業でありますとかサービス産業で非常に厳しいということで、ここでお勤めになられている方々、非正規労働の方々が多いわけであります。全体非正規労働者の中で、令和二年九月時点で一千四百二十一万人と七割女性ということでありまして、前年同月比で見ますと七十三万人減少していると、非常に厳しい状況であります。
 特に今委員がおっしゃられましたとおり、兼業、副業、ダブルワークで働いておられる方々も多くおられるわけでございまして、こういう方々に対してハローワークの方でマッチングをしっかりやるようにということで今対応をさせていただいております。言われるとおり、産業雇用安定センターの方はどちらかというと正規の方々中心になるものでありますから、ハローワークを中心にそのようなマッチングをさせていただいております。
 あわせて、兼業・副業ガイドラインというものを作っておりますので、今周知を図っておりますけれども、そういうものも御理解をいただきながら、言われますとおり、しっかりと女性、特に女性の非正規で働く、大変に今御苦労をいただいておられる皆様方に対する支援をしてまいりたいというふうに考えております。

#60
○国務大臣(橋本聖子君) お答え申し上げます。
 議員おっしゃるように、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響というのは女性に特に強く現れてきております。例えば、非正規雇用労働者を中心として女性の雇用への影響が大きく、経済的困難に陥る一人親家庭の増加も危惧されておりますけれども、生活不安やストレスが高まり、DVや性暴力の増加、深刻化が懸念をされております。さらに、子育てや介護の負担増加も懸念をされております。
 一方で、オンラインの活用により男女とも新しい働き方の可能性が広がっているということもありまして、在宅での働き方の普及が男性の育児や家事への参画を促す好機でもあるというふうに調査結果が出ております。
 こうしたことを踏まえまして、内閣府においてコロナ下の女性への影響と課題に関する研究会を今開催をしておりまして、現在、研究会のメンバーや有識者の方々から、非正規雇用の女性の状況を含め、就業面やあるいは生活面など様々な観点から女性が抱える課題についてお話を伺っておりまして、活発に御議論をいただいているところです。
 今後、こういった議論を更に進めて、政策課題をしっかりと把握して政策立案につなげていきたいというふうに思っております。

#61
○西田実仁君 こうしたコロナ不況が直撃する女性非正規就業者の方々の就労状況や、何に困っているのか、どうしていきたいのか等のニーズについて早急に政府として把握をしっかりとし、そしてそれに対する施策を打ち出していくべきではないかと考えますが、総理のお考えをお聞きしたいと思います。

#62
○国務大臣(橋本聖子君) 内閣府において、コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会、先ほどお話をさせていただきましたけれども、この女性の雇用や生活に与えている影響あるいは女性の視点からの課題というものを把握して、可能なものについては女性活躍加速のための重点方針二〇二一に盛り込むことを想定しております。
 研究会における議論、あるいは新型コロナウイルスの今後の感染症等を踏まえながら、必要なものには、関係省庁と連携をいたしまして、来年の春を待たずにしっかりと、議員おっしゃるように、今何が必要でどの部分を求めているのかということをしっかりと把握しながら、柔軟に対応をしていきたいというふうに考えております。

#63
○内閣総理大臣(菅義偉君) 新型コロナウイルス感染症の影響により事業者の方々は厳しい経営環境に直面しており、非正規雇用で働かれる方々を中心として雇用者数は大きく減少しており、特に女性の雇用、厳しい状況にさらされているものと承知をしています。
 このため、政府としては、御指摘の女性の非正規雇用労働者の動向を注視するとともに、研究会を立ち上げて、新型コロナウイルスの拡大が女性の雇用や生活に与えている影響や女性の視点からの課題の把握に努めているところであり、必要な対策をしっかり講じてまいりたいと思います。

#64
○西田実仁君 是非お願いしたいと思います。
 ここで、コロナ禍における自治体の相談窓口の状況についてお聞きしたいと思います。
 新型コロナウイルス対応においては、地方自治体を始めとした各種相談窓口が住民対応のまさに最前線となっております。自治体の相談窓口は自治体の顔であり、住民にとって様々な困り事を相談する生命線ともいうべき最重要な場所であると私は認識をしております。しかしながら、現場でお伺いするお話や報道などによれば、そうした相談窓口は人員が限られ、労働条件が恵まれず、職員は大量の通知等の把握や住民対応に疲弊をしておられるという様子をお聞きします。
 そこで、まず西村大臣にお聞きしたいと思いますが、新型コロナウイルスに関しては政府も対応に追われて通知や事務連絡が大量に発出をされております。こうした通知や事務連絡の意義をどうお考えでしょうか。また、政府全体として、この新型コロナウイルス感染症対策に当てた発出件数など、その実態をどう把握しておられるのか。お聞きしたいと思います。

#65
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 まさに、新型コロナウイルス感染症の対応に当たっては、広範な行政分野にわたって数多くの対応が必要となっておりまして、特に地方自治体との連携、これが不可欠なものとなっております。
 そうした中で、自治体や関係団体との間で各種連絡調整に当たって例えば明確な基準を設定するなど、そういったことを確保するために文書で行うことが基本だというふうに考えております。こうした自治体への文書の中には、幾つか分類がされますが、新型コロナウイルス感染症に直接対処するためのもの、それから、従来の行政事務でありますけれども、この感染症に関連して調整や修正が必要になったもの、それから、さらには支援策などの予算の執行に関するものなど、やはり必要となってくるものがあります。
 政府全体の発出件数を把握することは容易ではないんですけれども、私ども内閣官房のコロナ対策推進室から十月までに発出したものは地方自治体に対して五十三件でありまして、さらに、その関連などで各省庁にも通知をお願いしているものもございます。
 引き続き緊密に地方と連携をして的確に対応する必要がございます。その中で、委員御指摘のように、現場の負担にも配慮していくことが必要だというふうに認識しております。
 今後、御指摘も踏まえながら、発出する文書につきましては、できる限り平易な文章、簡潔な文章、それから明確な内容とすること、それから重複を避ける、こういったことに注意しながら、また、各省にも対応をお願いする文書についても関係省庁と連携しながらそうした対応をし、地方自治体の現場の負担にはしっかりと配慮していきたいというふうに考えております。

#66
○西田実仁君 今内閣官房の発出件数五十三件というお話がありましたが、政府全体としては把握していないということです。
 そこで、パネルを御覧いただきたいと思いますが、私の方で独自に調べました。
 新型コロナウイルスに関しまして、自治体に発せられた通知や事務連絡が今年一月から八月までにどの程度発出されているのかを国立国会図書館のサイトを調査をいたしまして、文書番号が付いているものだけでも六百一件です。このグラフ見ていただくように、オレンジの方は月別件数であれば四月が一番多い百五十三件、府省別で見ますと、やはり新型コロナですので厚生労働省、また警察庁が多いという順番になっているわけでございます。
 これは文書番号が付されているものだけなんですよ。これ、付されていないものも含めますと、厚労省で例えばいえば八百七十件ありました。文書番号が付されているものが約一一%ぐらいですので、これから推し測りますと、この一月から八月という期間だけでも政府から自治体に対して数千件、場合によっては五、六千件が発出されているんですよ。いろんな省庁が各自治体にみんな行くわけです。
 そこで、私は、この緊急事態において大量の通知や事務連絡の発出は、これは避けられません。しかし、実際にそれらを読んでみますと、非常に長文であったり用語が難しかったりと読みづらいものも多くあります。そのことが原因で現場で混乱が生じているとの話も伺いました。また、地方自治体においては、日々更新される膨大な通知や事務連絡の内容を把握しながら、目の前で困っている方が来られた方にそれをお伝えしていかなきゃいけない、そういう大変過酷な状況に置かれているわけであります。
 通知やこの事務連絡の内容が伝わらない、若しくは受け手側に過大な負担が掛かることによってこうしたものの本来の目的が果たされなければ、それはそのまま住民の不利益につながってしまいます。国として、通知や事務連絡の内容を伝えるためにそれらを簡素化する、分かりやすくするといった取組について、厚労省、また国家公安委員長にお聞きしたいと思います。

#67
○国務大臣(田村憲久君) 今般のこの新型コロナウイルス感染症の課題に関しまして、やはり国と自治体がしっかりと連携をしていかなきゃならぬということで、いろんな情報交換という意味で通知もさせていただいておるわけでありますが、一方で、今委員おっしゃられましたとおり、非常に分かりづらいというお声があることも我々もお聞きをいたしております。
 通知したものの疑義の解釈ですね、こういうことが分かりやすいように、例えばQアンドA、こういうものを添えさせていただいたりでありますとか、それから、分かりやすく図を添付をさせていただく、こういう努力も始めさせていただいております。それから、ウエブサイトの一覧なんかで、いろいろとお願いしていることに対しての対象者でありますとかテーマ、これごとにまとめた、そういうようなものを作らさせていただきながら、分かりやすく探していただけるような、こういうことの努力もさせていただいておりますが、いずれにいたしましても、非常に厚生労働省から通知出させていただく量が多いものでありますから、これからも自治体の皆様方のいろんな御意見をいただきながら、より分かりやすい通知を目指してまいりたいというふうに考えております。

#68
○国務大臣(小此木八郎君) 御指摘ありがとうございます。
 警察庁におきましては、新型コロナウイルス感染症への対応に当たり通達等を発出する際には、受け手となる都道府県警察にとって分かりやすいものとなるように、御指摘もありましたが、宛先に担当部門を明記する、内容が把握しやすい件名とする、ポイントを明示するといったことに留意するように努めてきたものと承知をしております。
 今までにないこの新型コロナウイルスの拡大を防止するための対応である、そのための通達でありますから、煩雑さ、これまでにない複雑さ、あったかもしれませんが、今後もこれは負担とならないように、最終的には国民の皆さんにしっかりとした発信ができますように心掛けたいと思います。
 なお、今後、通達を、これちょっと先の話になりますけれども、発出する際には、警察行政のデジタル化が進む中で、これは警察だけじゃありませんけれども、都道府県警察の負担に配慮し、現場の職員にとってその内容が更に分かりやすいものになりますように警察庁を指導してまいりたいと存じます。

#69
○西田実仁君 こうした通知や事務連絡の実態や改善について、有識者と意見交換を行うなど検討を重ねてまいりましたが、その宛先の明確化やキーワードの明示、あるいは冒頭におけるポイントの記載といった取組が非常に効果的ではないかとの結論に至りました。
 こうした取組を政府全体で進めることにより、全国の自治体の負担を少しでも減らせるとともに、より良い施策の実施につながるのではないでしょうか。行政のトップである総理の御所見を伺いたいと思います。

#70
○内閣総理大臣(菅義偉君) 地方自治体の皆さんにおいては、住民サービスの最前線に立って、また昨今では新型コロナウイルス感染症対策にも御尽力いただいていますことに心から感謝と御礼を申し上げたいと思います。
 国と地方は、国民の皆さんのためにしっかりと連携をして施策に取り組んでいくことが大事であると思います。国からの通知の発出に当たっても、地方自治体における住民サービスを圧迫することのないよう、できる限り簡素で明瞭にすることが重要だと考えています。そうしたことに気を付けながら、これから全体として取り組んでいきたいと思います。

#71
○西田実仁君 ありがとうございます。
 最後に、インフラ全般の老朽化対策についてお聞きしたいと思います。
 コロナ禍でもインフラの老朽化は待ってくれません。道路や橋などインフラの老朽化は地域の生活や経済に支障を来しております。例えば、今年七月の熊本を襲った豪雨災害では、事前の点検により緊急あるいは早期に修繕が必要とされる三つの橋梁のうち、二つの橋梁が流失をしております。
 老朽化対策を進めるためには、老朽化が顕在化する前に修繕するなどの対策を打ついわゆる予防保全への転換が必要ですが、その前提として、まずは点検により緊急あるいは早期に修繕する必要のある橋梁の対策を完了させなければなりません。
 今年度当初予算四千億円を計上しております道路メンテナンス事業補助により、老朽化が顕在化している判定区分Ⅲ、いわゆる早期の措置が必要なもの、そしてⅣ、緊急で措置が必要なものの橋梁の修繕はどの程度進捗しているのでしょうか。また、新たにこのⅡからⅢやⅣに落ちてくる、こうした新たにⅢ、Ⅳの橋梁がどの程度発生しているのかを国交大臣にお聞きしたいと思います。

#72
○国務大臣(赤羽一嘉君) 御質問にお答えさせていただきます。
 道路の橋梁またトンネルなどの総点検は二〇一四年度からやるということが義務付けされております。現在、今、西田委員御指摘のように、早期に措置をしなければいけない、加えて、緊急に措置をしなければいけないというこのⅢ、Ⅳの判定区分は全国で約七万橋ございます。そのうち地方自治体が管理するのが約六万三千橋、そして、昨年度末までの時点で、このうち修繕に着手されたものは三分の一、未着手が三分の二の、地方でいきますと四万一千橋でございます。
 これ、今、年間約七千橋が修繕をされておりますが、今お話あったかと思いますが、毎年新たに六千橋修繕が必要なものが出てくるということで、一年間で年間千橋しか減らすことができないと、現状このペースでいきますと四十年間掛かるというのが現実でございます。
 これをしっかり予防、予防保全の早期移行というのが非常に大事なので、今お話をいただきましたように、今年度、道路メンテナンス事業の個別補助制度を創設いたしましたので、こうしたものを使って、できるだけ早期に集中的に対応していかなければいけないと、こう認識をしております。

#73
○西田実仁君 そこで、パネルを御覧いただきたいんですが、今大臣からお話しのように、七千橋対策を施しても、新しく六千橋、その老朽化で対策が必要なものが出てきますから、結局、純減は千なんですね、千橋、毎年千橋。イタチごっこの状態が続いています。
 今の予算、すなわち四千億円の道路メンテナンス事業補助では、単価が高い修繕が必要なⅢとかⅣの橋は毎年千橋しか減っていかないんです、赤い線見ていただきますと。全国に四万橋ある判定区分Ⅲ、Ⅳの橋が全て修繕し終え、単価が安い予防保全、この青のところですけれども、ここに移るまでには四十年掛かるということになり、必要額は右側にあります十六兆円ということになるわけです。
 そこで、現状の予算に五年間で六千億円を積み増すとどうなるでしょうか。下の方です。そうなりますと、現状毎年七千橋に二千橋の合計九千橋の対策ができますので、青いところ、十年短縮して、十年も早くいわゆる単価の安い予防保全に移ることができる。老朽化が進行してから修繕をする事後保全よりも老朽化する前に小まめに直す予防保全の方が単価が安いわけですから、四十年単位で見ますと、結果的に総額一兆四千億円の縮減が財政的に可能になるということです。
 つまり、足下では先行投資をするだけ費用が掛かるように見えますけれども、それだけ早期に安全を確保でき、さらに、命を守ることが当然できますし、長期的な財政健全化にも寄与することができるということで、まさに今手を打つべきであると、こう思います。
 そこで、総理にお聞きします。
 インフラの老朽化対策について、先行投資をすることで早期に安全確保を実現するとともに、長期的な財政健全化に寄与することができると考えますが、御認識はいかがでしょうか。

#74
○内閣総理大臣(菅義偉君) 老朽化による不具合が生じてから事務的に修繕、更新をするよりも、定期的に維持修繕を行っていくことの方が結果としてコストの縮減、平準化ができる、このように認識しています。
 このため、計画的な点検、修繕、更新などを行う方式に転換をし、効率的なインフラの老朽化対策に取り組んでいきたい、このように思います。

#75
○西田実仁君 このコロナ収束後の早期の経済回復に向けては、公共投資による景気の下支えが重要との認識が国際的にも広がっています。さきの衆議院予算委員会におきまして、インフラ老朽化対策を含めた新たな五か年計画を策定し、特別枠で必要十分な予算を確保すべきだとの我が党の質問に答えて、総理は、インフラ老朽化対策を含め、年末に向けて予算編成の中でしっかり検討すると言われました。
 ここでは道路についてのみ述べましたけれども、道路に限らず下水道や公営住宅など、インフラ全般の老朽化対策は特に地方自治体において深刻です。コロナ禍で地方税収の低下が見込まれる中、例えば道路損傷者負担金的性格の自動車重量税の税収はコロナ前から既に低下しており、更に遅れが懸念されます。
 最後の御質問です。
 インフラ全般の老朽化対策について、前政権では、引き続き様々な財源を検討して万全を期していきたいとの答弁がされました。今後の負担の在り方を含めたインフラ全般の老朽化対策に対する総理の見解を伺えればと思います。

#76
○内閣総理大臣(菅義偉君) 効率的な維持管理、更新のために、補助制度による財政的支援や料金などの利用者負担などを含めて、インフラ老朽対策に万全を期してまいりたいと思います。その際に、PPP、PFIなどの民間資金の活用についても検討していきたいと思います。

#77
○西田実仁君 終わります。ありがとうございました。

#78
○委員長(山本順三君) 以上で西田実仁君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#79
○委員長(山本順三君) 次に、石川博崇君の質疑を行います。石川博崇君。

#80
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。
 本日は質問の機会をいただきまして、大変にありがとうございます。時間もございませんので、早速質問に入らせていただきます。
 まず初めに、携帯電話の料金の引下げについてお伺いをしたいと思います。
 菅総理御自身、従来より推進されてきたテーマであり、総理御就任とともに一層力を入れていただいていることに感謝を申し上げたいというふうに思います。
 携帯電話は、今や国民の生活必需品であり、社会経済活動を支える重要なインフラであるともいうふうに言えると思います。本来、料金の引下げというものは事業者間の活発な競争によって実現するものでございますけれども、携帯電話事業におきましては膨大な、多額な設備投資を必要といたしますので、新規参入はなかなか容易でなく、競争が生まれにくい、また寡占市場になりやすい、そういう特性がございます。
 そんな市場におきまして料金の引下げを図るには、供給側ではなく利用者間、つまり消費者側での選択の自由を広げること、これが重要なテーマだというふうに思っております。その利用者の自由な乗換えを阻害する要因として挙げられる点を一つ一つ解決をしていくことが何よりも重要かと思います。
 現在、利用者が乗換えをちゅうちょする要因として指摘されますのが、電話番号の持ち運び、モバイル・ナンバー・ポータビリティー、MNPの手数料が三千円掛かること、また、乗り換えてもメール、キャリアメールの持ち運びができないこと、こうしたことが指摘されているところでございます。
 先般、公明党は、竹内政調会長らとともに武田総務大臣の大臣室を訪問させていただいて、これらの点の改善をお申入れさせていただきました。真摯に受け止めていただいて、総務省としてアクションプランとしておまとめいただいたこと、感謝を申し上げたいと思います。
 この度のアクションプランに私どもの主張をどのように反映されたのか、武田大臣から御説明をいただけたらと思います。

#81
○国務大臣(武田良太君) 先般から、わざわざ御足労いただきまして緊急提言を賜りましたこと、力強い御指摘をいただきましたことにまずは感謝を申し上げたいと存じます。
 やはり、技術的にも、そして信頼性も含めて、事業者が自由に参画できるモバイルマーケットをつくること、また、囲い込みを撤廃し、ユーザーが自らの意思で自由に選択できる、合理的な選択をできる環境をつくること、これが料金の低廉化につながっていくと我々は思っております。
 先生御指摘のように、番号持ち運び、これに今まで三千円を取られておりました。こういった障害は撤廃していかなくてはなりません。原則これを無料にいたしました。また、キャリアメールの持ち運びに関しましてもしっかりと先般のアクションプランの方に明記をさせていただきました。また、この制度整備のためのガイドライン改正案を今月三日に意見募集を開始したところであります。
 このアクションプランを着実に実施することにより、利用者にとって、これはいつも総理の方からも我々は指示を受けているんですけれども、とにかくユーザーにとって分かりやすく納得のいく制度を追求してくれと、こういう指示も受けています。このことをしっかりと責任を果たしていきたいと思っております。

#82
○石川博崇君 ありがとうございます。
 また、利用者の乗換えを阻害する要因として、同じ端末で複数の事業者に乗換えできるようにしていくことが大事でございますが、携帯の端末を特定の通信事業者のSIMカードでしか使えないようにしているいわゆるSIMロックという制度が、これが利用者の乗換えを阻害しているわけでございます。
 昨年十一月にはガイドラインを改正していただいて、このSIMロック原則解除ということを義務付けていただいたわけでございますが、しかし、実際に携帯電話端末を販売する店頭では、端末引渡しの際に、購入する方、購入する利用者の方が自らSIMロックを解除してくださいというふうに申請しなければ解除されない場合が非常に多いという点がございます。
 私から総務省に指摘をさせていただきまして、今回のアクションプランにも盛り込んでいただきましたけれども、こうした不要なSIMロックは確実に解除されるよう取り組んでいただきたいと思いますが、総務大臣、いかがでございましょうか。

#83
○国務大臣(武田良太君) 利用者が事業者を乗り換えやすくするシステムというものを構築していかなくてはなりません。SIMロック解除、端末購入時のSIMロック解除、これを原則義務化を実現をさせていただきました。
 先生、常に御指摘でありましたけれども、わざわざ申出をしなければそうしたことができないのかと、こういう御指摘も強くありまして、我々としても、やはりこの解除手続については、委員が本当に問題意識をお持ちであるとおり、アクションプランにこのことははっきりと明記をさせていただいたわけであります。
 我々は、アクションプランに基づいて速やかに検討の場を設けて、このSIMロック解除の更なる推進に向けた具体的な検討を進めていきたいと、このように考えております。

#84
○石川博崇君 是非ともよろしくお願いします。
 今、SIMロック解除を推進していただくことで、SIMカードを差し替えていくということで事業者を乗り換えることが同じ端末でもできるわけですが、海外では、特に西側の欧米諸国では多くの国で、物理的にSIMカードを新しく購入したり、あるいはそれを差し替えずともオンラインで携帯事業者を乗り換えることができる、通信事業者を選択ができるeSIMと呼ばれるサービスが普及をしております。残念ながら日本ではまだほとんど導入されていないという状況でございまして、今回のアクションプランの中で来年の夏までにガイドラインを策定するとしていただいたこと、高く評価をしたいと思います。
 しかし、総務大臣、来年の夏までというふうに言われますと、明年の東京オリンピック・パラリンピックに果たして間に合うのかということが懸念されるわけでございます。来日される外国人の方が、本来であれば日本に来る前に自国の場所でオンラインで日本の通信事業者に乗り換えようと思っても乗り換えられない。そうすると、成田に到着された外国人の方が携帯ショップに行列をつくって並んで、SIMカードをわざわざ購入して差し替えないといけない、そういったことが発生してしまうわけでございます。
 是非とも検討を加速化していただいて、来年の夏と言わずに実施時期の前倒しを図るべきかと思いますけれども、いかがでしょうか。

#85
○国務大臣(武田良太君) 全く御指摘のとおりだと思います。
 国内利用者はもとより、海外からの来日された観光客、またオリンピックで来られる方がしっかりと簡易的にこうした手続ができるシステムを導入することがやはり国際社会の中の日本の大きな役割ではないかと、このように思っています。
 先生御指摘のように、来年夏までということはやはり遅過ぎると私自身も考えております。少し前倒しさせていただきまして、来年春までにこのシステムをしっかりとしたものにしていきたいと思いますので、御協力をお願いいたします。

#86
○石川博崇君 大臣から来年の春までということを御明言いただいたこと、感謝を申し上げたいと思います。我々としても後押しをさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、バリアフリーについてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 前回の東京オリンピックは、日本の高度経済成長、これを大きく進める契機となったわけでございますが、来年の東京オリンピック・パラリンピック大会は、我が国において誰一人取り残さない社会を構築する、そしてバリアフリー大国としていく、そういう契機にしていくべきではないかと考えております。
 赤羽国土交通大臣は、大臣御就任後、バリアフリー法の改正など精力的に取り組んできていただいているところでございますが、特にこの度、大変うれしいニュースとして、車椅子当事者の皆様の長年の悲願でありました新幹線における車椅子用フリースペースの大幅な拡充が図られたところでございます。
 まず、この点、赤羽大臣から御説明をいただければ幸いでございます。

#87
○国務大臣(赤羽一嘉君) 御質問ありがとうございます。
 新幹線のバリアフリー化というのは、もう長年の懸案でございまして、なかなか前に進みませんでしたが、東京オリンピック・パラリンピック大会は真の共生社会を実現するというのがレガシーなので、私個人としても何としても来年の夏までに間に合わせなければいけないということで取り組んでまいりました。
 昨年来、昨年十二月に、障害者団体の皆様、またJR各社の社長から、検討会設置しまして抜本的な改善対策を検討しまして、その一定の成果をいただきましたので、この十月三十日に省令を改正して、明年七月一日施行で車椅子用のフリースペースの設置を義務付けする、新車については義務付けをするということになったわけでございます。
 例えば、東海道新幹線を走行するN700―1000では新たに六席分の車椅子用のフリースペースの設置が義務付けとなりまして、これは世界最高水準でありまして、参加された障害者団体の皆様から異口同音にこれは百点満点の出来だというふうに評価もいただいております。また、既存の車両につきましても、これなかなか工事が大変なんですが、施行日以後は努力義務が課せられることになりますので、鉄道事業者の計画的に改修が進むようにしっかりとフォローしていかなければいけないと思っております。
 いずれにいたしましても、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて、世界最高水準のバリアフリー環境を有する高速鉄道、必ず実現すべく、省を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

#88
○石川博崇君 ありがとうございます。
 これまで、車椅子当事者の方々、御友人と一緒に新幹線で旅行することができない、そうしたことを数多く私も御意見、御要望をいただいてまいりました。大きく前進したこと、高く評価をしたいというふうに思っております。
 また、公明党は、全国各地の地方議員とも連携をいたしまして、各地の鉄道駅またバスターミナル、こうしたバリアフリー化も積極的に推進してまいりました。今では一日当たり平均利用者数三千人以上の鉄軌道駅については九〇%以上で段差の解消、バリアフリーが、解消できたところでございます。関係者の御尽力に感謝を申し上げたいと思います。
 これからは地方におけるバリアフリーを一層進めていく必要がございます。現在、次期整備目標に向けて平均利用者数二千人以上の駅を加えることが検討されておりまして、地方のバリアフリーを進める上で歓迎をしたいというふうに思いますが、問題は、検討会から発表された中間報告では、この二千人以上の駅については地方自治体が策定する基本構想に位置付けることが要件とされているところでございます。この基本構想の策定というのは自治体にとってなかなか容易でないという現実があります。現在、作成済みの地方自治体は全国で僅か三百強、国交省の調査によれば、全国の四分の三の自治体がこの基本構想の作成する担当部署がそもそもない、また、作成予定がないと答えた自治体が全国千七百の自治体の中で千二百九十三と、そういった状況でございます。
 この基本構想の策定をこれまで以上に支援しなければ地方のバリアフリー化は進まないというふうに考えますけれども、大臣の御所見をいただきたいと思います。

#89
○国務大臣(赤羽一嘉君) 交通バリアフリー法制定から二十年の年月の中で、鉄道駅のバリアフリーは、今御紹介いただきましたように、三千名以上の利用者のところは九割以上実現したと。バリアフリー化が当たり前の世の中になりつつあるというふうに私は思っておりますが、他方で、今言われたように、基本構想の中で位置付けなければいけないという義務は、はじくわけじゃございませんで、面的なバリアフリーを進めたいという思いでこうしたことを条件にさせてもらいました。
 このことを入れることによって、全国の地方自治体、なかなか専門家がいないとか、いろいろ御要望もいただいておりますので、そこには役所としてしっかりと応援をしながら、駅を中心としたバリアフリーの町づくりが、真の町づくりが進むような形でしっかりと進めていきたいと思いますし、三千名以上のものも条件を緩めて、駅という駅は地方であろうとも全てバリアフリーは進めていくという強い決意の下で取り組んでまいりたいと、こう決意をしております。

#90
○石川博崇君 是非よろしくお願いいたします。
 我々といたしましても、引き続き全国の公明党地方議員と連携しながら取り組んでまいりたいと決意をしているところでございます。
 続きまして、雇用調整助成金による在籍出向支援について田村大臣に伺いたいと思います。
 新型コロナウイルスの影響で、先日、ANAホールディングスが今年度の業績予想として過去最大の五千百億円の赤字見通しを表明するなど、公共交通事業者、観光産業、外食産業など、かつてない打撃を受けております。今、こうした業界では在籍出向、つまり、従業員の方を単に休業させるのではなくて、一時的に他の企業、業績が好調な企業へ出向させて雇用の維持を図る動きが多く見られております。従業員の方々にとってみれば、単に休業するよりも御本人のモチベーションも維持できますし、キャリアアップにもつながる。また、社会全体の経済活性化にとっても、また雇用調整の観点からも望ましいのではないかというふうに思います。
 今、雇用調整助成金、多くの企業が休業手当の支払に活用されていますが、残念ながら、この在籍出向を補助する仕組みはほとんど活用されていないという現状がございます。厳しい経営環境にある出向元に負担が残ってしまうこと、また手続が煩雑であること、日額上限が引き上げられていないこと、また出向先とのマッチングがそもそも難しいこと、様々課題はございますが、是非とも、田村大臣、この雇用調整助成金を始め在籍出向の支援、拡充していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#91
○国務大臣(田村憲久君) 雇用調整助成金、大変御活用いただいているわけでありますが、委員おっしゃられますとおり、その休業若しくは教育訓練等々だけでは、やっぱりモチベーション、働く方々のモチベーションも長くなってまいりますと落ちてくるわけでありまして、そういう意味では在籍出向という一つの方向があるわけであります。
 雇調金、在籍出向の方も対応させていただくようになっております。今までは三か月以上が助成対象であったわけでありまして、これをコロナ禍で一か月以上という形で緩和をさせていただきました。ただ、言われますとおり、助成率が中小企業が三分の二、大企業二分の一という形でございます。そのような意味で、それでも例年に比べて御利用はいただいていると思いますけれども、これに対してしっかりと、まあ雇調金の在り方ということ、これは厚生労働省としてもこの出向という形も含めて検討していかなきゃならぬと思っております。
 あわせて、マッチングの問題がございましたが、先ほど来話が出ております公益財団法人の産業雇用安定センター、これが、この機関がこのマッチングもやっていただいておりまして、このような産雇センター等々も利用させていただきながら、しっかりマッチングが強化できるよう、その支援等々も我々考えていかなければならないというふうに考えております。

#92
○石川博崇君 今、年末までとなっております雇用調整助成金の特例制度、この延長についても御要望させていただいているところでございますが、併せて是非精力的な御検討、お願いできればというふうに思います。
 続きまして、大阪・関西万博についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 二〇二五年、大阪・関西万博が開催をされる予定でございます。私は、不肖党の万博推進本部の事務局長を務めさせていただいておりますけれども、「いのち輝く未来社会のデザイン」、まさにポストコロナの新しい社会像を全世界に誇示する、提示する絶好の機会としていかなければならないと決意をしているところでございます。
 菅内閣では、大変有り難いことに、今回、万博担当大臣を新設をしていただきました。就任された井上大臣、本当におめでとうございます。早速、就任直後から毎週のように大阪、関西に足を運んでいただいており、感謝を申し上げたいと思います。
 まずは、井上大臣から、この大阪万博、大阪・関西万博の現在の準備状況、また、開催まであと四年半となってまいりましたけれども、今後の課題について御説明をお願いしたいというふうに思います。

#93
○国務大臣(井上信治君) まずは、石川委員には、大阪、地元大阪選出ということ、また、事務局長としてもこの大阪・関西万博に対して多大なる御支援をいただいていることに感謝を申し上げるとともに、今後の御支援もどうぞよろしくお願いをいたします。
 おっしゃるように、この度、菅新内閣におきまして、国際博覧会担当大臣を新設するとともに、大阪・関西万博の円滑な準備及び運営に関する総合調整を行う国際博覧会推進本部を設置するなど、政府としての推進体制を整えたところです。私自身、大臣就任以来、まず地元である大阪、そして大阪以外の関西地域を訪問し、地元の皆様との意見交換やインフラ整備状況など、現地の視察を重ねてまいりました。
 会場となる夢洲及びその周辺では、インフラ整備やパビリオン建設などの円滑な工事の遂行が必要となります。また、大阪、関西だけでなく、日本全国の機運醸成と企業の積極的な参画を促すことも重要です。加えて、ドバイ万博が一年延期しており、続く大阪・関西万博までの期間が短くなっているため、参加国の準備に支障が出ないようにすることも課題と認識しています。
 このような課題も踏まえつつ、今後、政府による基本方針の策定、博覧会国際事務局、BIE総会における登録承認、登録承認後の各国への参加招請活動など、取組を着実に進め、オールジャパン体制でしっかり準備に取り組んでまいります。

#94
○石川博崇君 是非よろしくお願いします。井上大臣には、今後、現場の様々な御要望も届けさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 この新型コロナウイルスの影響は万博の準備にも様々な影響を与えております。今、井上大臣からも御説明があったとおり、今年のドバイ万博、一年延期となっておりまして、本来であれば次の万博を世界にPRする絶好の機会であったわけでございますが、これができなくなっております。また、BIE総会における登録申請書の承認も、今年六月を予定しておりましたけれども、これが今年の年末に延期をされているという状況にあります。
 こうした遅れを取り戻すために一層のスピード感を持って取り組んでいかなければなりませんし、またコロナの影響で経済界も大変疲弊しておりますので、こうした経済界への配慮というものも必要になってまいります。
 淀川左岸線事業の前倒し、地下鉄中央線の延伸など、インフラ整備など、政府には積極的な支援を行っていただきたいと考えておりますが、万博の成功に向けて菅総理の御決意をいただきたいと思います。

#95
○内閣総理大臣(菅義偉君) 二〇二五年の大阪・関西万博の成功には、御指摘のとおり、会場へのアクセスを改善するインフラ整備や未来社会の実験場を実現するための規制緩和が重要であると認識しています。地元の意見を聞きながら適切に施策を講じてまいりたいと思います。
 この万博は、コロナ禍を乗り越えた先の新たな時代に向けた国家プロジェクトであると認識しています。万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」の下に、健康、医療を始め、カーボンニュートラルやデジタル化という政権の方向性も体現し、日本の魅力を世界に発信する絶好の機会とすべく、政府一丸となって取り組んでいきたいと思います。

#96
○石川博崇君 是非よろしくお願いいたします。
 最後のテーマとして、核軍縮・不拡散についてお伺いをしたいと思います。
 本年は、NPT、核兵器不拡散条約発効五十周年の節目の年でございます。我が国は唯一の戦争被爆国として、非核三原則を堅持し、国際場裏における様々な核軍縮、核廃絶への取組も進めてまいりました。
 菅政権として、今後、核兵器のない世界の実現に向けて今後具体的にどのように取り組むのか、総理の御所見をいただきたいと思います。

#97
○内閣総理大臣(菅義偉君) 我が国は世界唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取組をリードする使命を有しており、これは我が国の確固たる方針であります。
 また、政府として、核軍縮の進展に向け、これまでも立場の異なる国々の橋渡しに努め、相互の関与や対話、共通の基盤の形成に向けた努力を粘り強く促しをしてきており、今後も国際的な議論に積極的に貢献をしていきたいと思います。

#98
○石川博崇君 今年五十周年を迎えますNPT、五年ごとに運用検討会議が開催をされております。前回、二〇一五年の運用検討会議では、中東地域の記述をめぐって紛糾をいたしまして、成果文書が採択できないという事態に陥って、このNPT体制に深刻な影が落とされました。
 これまで、歴史上、二回続けてこの運用検討会議で成果文書が採択できなかったことはありません。次回の検討会議、まあ本来今年の予定でしたけれども、今延びておりますが、何としても結果を出すことが必要でございます。
 茂木外務大臣、いかに取り組むか、御説明をいただきたいと思います。

#99
○国務大臣(茂木敏充君) 今年発効五十年を迎えたNPTは、国際的な核軍縮・不拡散体制の基礎でありまして、我が国はNPT体制の維持強化を重視をいたしております。来年開催予定のNPT運用検討会議に向けた機運を高めていくということが重要でありまして、具体的に幾つかのことを進めております。
 まず、我が国は毎年国連総会において核廃絶に向けた決議を提出しておりまして、今年も、おととい、十一月の四日に国連総会第一委員会におきまして、核兵器国の英米を含む様々な立場の国々の支持を得て採択がされたところであります。
 第二に、昨年十月、我が国が主催いたします核軍縮のための賢人会議の議論の総括として議長レポートが提出をされまして、今年の三月には一・五トラックの会合も開催をいたしました。
 そしてもう一つ、昨年十一月のG20愛知・名古屋外相会合の際に、軍縮・不拡散イニシアティブ、NPDIでありますが、の十二か国の外相会合を開催いたしまして、NPT運用検討会議に向けた決意を表明する外相共同声明、発出をしたところであります。
 今年開催できずに恐らく来年ということになるんだと思いますが、第十回のNPT運用検討会議が意義ある成果を出さなければいけないと考えておりまして、それに向け、国際的な議論に日本として積極的に貢献していきたいと考えております。

#100
○石川博崇君 アメリカとロシアの間でのいわゆる新START延長に向けた交渉についても世界中が注目をしております。こうした核保有国間での核軍縮の取組というのは何よりも重要であるというふうに思っております。有効期限が明年二月に迫る中で交渉が続けられているわけでございますが、昨年、残念ながらアメリカとロシアの間のINF、中距離核戦力全廃条約が失効しましたので、この新STARTが今や残された唯一の核兵器の軍備管理条約とも言える状況でございます。我が国としても重大な関心を持って対応していただきたい、対応する必要があると考えております。
 さらには、アメリカ、ロシアのみならず、中国を含む主要核保有国を巻き込んでの核軍備管理の枠組みが構築されていくことが何よりも重要でございます。国際の平和と安全のために極めて重要なこの点、先般、ARFの閣僚会合で茂木外務大臣から指摘をしていただいたこと、評価を申し上げたいと思います。今後も継続して取り組んでいただきたいと思いますが、外務大臣、いかがでしょうか。

#101
○国務大臣(茂木敏充君) まず、新STARTでありますが、我が国は、これまでも米ロによります新STARTの引き続きの履行及び更なる核兵器削減に向け、対話の継続を求めてきているところであります。
 同時に、軍備管理・軍縮には、石川委員今御指摘のように、米ロだけではなくて、軍備管理の枠組み、これを広げていく必要があると、こういう議論もありまして、米国も、米ロを超えたより広範な国家、より広範な兵器システムを含む幅広い軍備管理の重要性を指摘しているところであります。
 我が国としても、中国側とも様々なレベルでやり取りを行ってきておりまして、自分も、七月だったと思いますが、日中の外相電話会談を含めて、累次の機会に本件について中国側に議論を提起いたしましたし、また、御指摘いただきました九月のARFの閣僚会議においても、自分から、中国が核兵器国として、また国際社会の重要なプレーヤーとしての責任を果たして、米中二国間で軍備管理に関する対話を行うことを関係国とともに後押しをしていきたい、その旨の発言をさせていただいたところであります。
 こうした取組を含めて、新たな軍備管理の枠組みの構築に関し、米国と連携しつつ、関係国への働きかけ、これを更に続けていきたいと思っております。

#102
○石川博崇君 核兵器禁止条約、これを批准した国と地域がついに必要な国・地域の五十か国を達成をいたしまして、明年一月の発効が確定をいたしました。我が国の被爆者の長年の声が初めて国際的な法規範として結実したものでございまして、核廃絶を掲げ、また市民社会の皆様とも連携して運動してきた我が党としてもこのことを歓迎、評価したいと思います。菅総理も、この核兵器禁止条約、条約が目指す核廃絶のゴールは共有をしているというふうに述べられているところでございます。
 一方で、真に核兵器のない世界を実現するためには、核保有国、核兵器国を巻き込んで進めていく必要がございますし、また、我が国は北朝鮮の核開発問題など厳しい安全保障環境下にあることから、我が国は直接この条約には参加していないところでございます。公明党としては、締約国会合へのオブザーバー参加を提案させていただいているところでございまして、この点は今後も強く求めてまいりたいというふうに思います。
 今最も懸念されることは、この核禁条約、核兵器禁止条約が発効することで、非保有国とそして保有国の対立と分断が一層深まること、これを何としても避けなければならないというふうに思います。我が国が核兵器禁止条約締約国と核保有国の間の橋渡し役を果たすこと、また、核兵器禁止条約締約国の対話を一層強化していくこと、このことにより保有国との対立や分断が深まることを避けることができる、その重大な使命を担っているのが唯一の戦争被爆国である我が国であるというふうに考えております。
 この点について茂木外務大臣の御所見をいただきたいと思います。

#103
○国務大臣(茂木敏充君) 総理からも明確に答弁をさせていただいておりますように、我が国は唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取組をリードする使命を有しておりまして、これは我が国の確固たる方針であります。
 先日、公明党山口代表、そして石川委員の方からも申出、提言をいただきまして、大変重く受け止めているところであります。
 政府としても、核兵器禁止条約によって核兵器国と非核兵器国の分断がかえって深まってしまう、こういったことはどうしても避けなければならないと思っておりまして、立場の異なる国々の橋渡し、これを担うことは極めて重要だと考えておりまして、核兵器禁止条約を支持する国との対話、これも重要だと考えております。
 それを含めて、引き続き核軍縮の進展に向けた国際的な議論に積極的に貢献していきたいと考えております。

#104
○石川博崇君 ありがとうございます。
 今日は初めて外務大臣から、この核禁条約の発効によって保有国と非保有国の対立と分断が深まることは避けなければならない、また締約国との対話を一層進めてまいりたい、そういった御答弁をいただいたこと、感謝を申し上げたいと思います。
 一月が発効でございますので、それまでに、我々もしっかりアイデアを出してまいりたいと思いますが、こうした対話をしっかり進められる環境、共に築いていければというふうに思っております。
 我が国は、こうした保有国と非保有国の橋渡しを担う様々な取組を行ってまいりました。二〇一七年からは賢人会議を、また本年三月には一・五トラック会合を立ち上げて、各国間の相互理解に重要な役割を果たしてきたところでございます。
 今年はまだ開催できておりませんけれども、引き続き継続する必要があると思いますが、最後に、茂木大臣、御所見をお願いします。

#105
○国務大臣(茂木敏充君) 是非継続したいと、そのように考えております。

#106
○石川博崇君 以上で終わります。ありがとうございました。

#107
○委員長(山本順三君) 以上で石川博崇君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#108
○委員長(山本順三君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。浅田均君。

#109
○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
 いわゆる大阪都構想は十一月一日の住民投票で否決されましたが、大都市制度改革の必要性、また統治機構改革の必要性が全否定されたわけではないと思っています。行政構造の改革と言った方が分かりやすいのかもしれませんが、新しい行政構造にチャレンジする政党、これが維新の会であることに変わりはありません。
 なぜならば、これからの時代を考えますと、人口減少、少子化、高齢化、そして低成長の時代が続くと考えられます。他方、グローバル化がますます進行する都市間競争の時代になっております。さらに、東京一極集中の脆弱性も解決されていない。この時代変化や問題点が果たして今の行政構造で対応できるのかというのが私たちの根本的な問題意識です。
 維新の会は、これからの時代変化を見据えると今の行政構造では対応できない、だから大阪都構想という新しい行政構造を提案してチャレンジしました。提案は大阪市民によって否決された。しかし、約半数は賛成された。僕らの判断は、それならこの民意に沿う形で次善の策を考えることであると思っております。
 前回、都構想に反対されたグループは、広域調整の場として大阪会議というものを提案されておりましたが、これは機能しなかった。だから、この大阪会議に代えて広域一元化条例を考えております。また、当時、今回は共に行動していただきました公明党さんは、特別区に代えて総合区、八つの総合区を設置するという提案をされておりました。この総合区の区長を準公選制にするならば、広域一元化条例と併せて、バーチャルではありますが、都区制度に限りなく近づくと考えております。これからこういう形でスピード感を持って再チャレンジしたいと思っております。
 ところで、このチャレンジですね、総理大臣は大都市制度に一石を投じるものであるという御評価いただいておりますけれども、政令指定都市会議が開かれて横浜では特別市の提案とかされておるようでございますが、私たちの、また大阪都構想が否定された、しかし、次のバーチャル都区制度ですね、これに向けてチャレンジしていきたいと思っておりますが、このチャレンジそのものについて、チャレンジすることの必要性について、総理大臣はどういうふうな御見解をお持ちか、お尋ねいたします。

#110
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、今回の大阪都構想、住民投票というのは今回も賛成、反対、極めて拮抗しておりました。大阪市民の人が悩んだ悩んだ末の結果だというふうに思っています。
 私自身は、一石を投じたと、そういう表現をさせていただきました。いずれにしろ、この少子高齢化時代、そして人口が一極集中、あるいはその周辺、私も、横浜市の人口も今三百七十万でありますから、様々な、この行政構造では、今のままではなかなか立ち行かなくなるというのは、これ当然のことだというふうに思います。
 日本が経済的にも成長を求めている中で、こうしたそれぞれの地方自治体で様々な改革を進めていくということは、日本を元気にするためにも極めて有意義なことだというふうに思います。

#111
○浅田均君 ありがとうございます。
 大阪都構想というのは、もちろん大阪府と大阪市の二重行政を解消し、大阪を成長する町に、豊かな町に変えていきたいというのが根っこにあるのは事実です。しかし、単にこれは大阪だけの問題ではなくて、グローバルに展開されている都市間競争に打ち勝って大阪を日本を引っ張っていく都市に成長させたいという思いがあります。だから、大阪だけではなしに、ほかの名古屋圏とか首都圏とかですね、福岡圏とか札幌圏もそうだと思いますけれども、都市をいかに成長させていくか、日本のため、日本のために将来のためにこれが必要ではないかということで問題を投げかけたという思いがあります。
 富の分配というのは非常に重要なことだと思いますけれども、同時に、その分配すべき富をどういうふうにして創造していくか、つくっていくのかというところに私たちの問題意識があります。
 ここで、大都市経営戦略ということについて質問させていただきたいと思っております。
 都市の経営主体というのが行政機構です。その都市の成長戦略についてお尋ねいたしますが、大阪都構想の出発点となったのが、繰り返し申し上げておりますけれども、二重行政の解消、換言すれば、都市圏の経営主体が誰なのかという問題です。大阪府も大阪市もほぼ同様の権限と財源を持っております。しかも、大阪市は大阪府のど真ん中にある。大阪という都市圏の経営主体が二つあるから都市計画も成長戦略もばらばらであったという反省に立っております。資料一からお願いします。(資料提示)
 まず、資料一を御覧いただきたいと思います。
 これ、事業所の分布です。事業所は大阪市域をはるかに越えて大阪府域に広がっております。
 資料二、お願いします。
 この事業所に通ってくる人たちですね、通勤通学圏も同じように広がっております。ここにある一〇%通勤通学圏というのは、大阪市から他の市町村へ一〇%通勤通学はしていない、つまり、出ていく人は少ないけれど、周りの市町村から、周りの市町村の住民の一〇%以上が大阪市に入ってきているという分布図でございます。
 ところが、広域経営主体が大阪市と大阪府、二つあります。で、どうなっていたのかというのが資料三です。
 これ、大阪市は大阪市のことだけ、大阪府は大阪市域外だけを都市経営の対象としておりました。その結果、例えば地下鉄を例に取るとどうなったのか、どういう状況であるのか。
 資料四、御覧ください。
 これが大阪に取り組んだ一つの理由です。広域行政に関しては、都市の経営主体を一つにする必要があります。東京メトロというのは周辺の都道府県とうまく連絡して広域鉄道網をつくっておりますけれども、大阪、今民営化されておりますけれども、かつての大阪市営地下鉄というのはみんな大阪市の周辺でストップ、ストップ、止まってしまっていたという現実があります。
 次に、おせっかいながら名古屋とか首都圏のこともちょっと取り上げさせていただきますが、これは名古屋圏です、資料六。
 これ、ここは、名古屋圏、名古屋圏を見ますと、事業所も通勤通学圏も尾張と三河でうまく分かれている。都市経営で問題は生じにくい地域であると思っております。これは逆に、愛知、名古屋の経済圏を今物すごく成長させているものだと思っております。
 次に、資料の八と九。八、これが東京圏です。東京圏の事業所の集中エリア。
 それから、九を見せてください。これは東京圏、首都圏の話ですが、東京圏だけを見ると経営主体は東京都という一つです。しかし、首都圏は東京を越えて広がっております。この首都圏全体をどのように成長させるかというと、これは東京だけでは解決できない問題であると思います。
 首都圏を考えたときの経営主体を設置する必要はないのか、例えば東京都市州とかですね、首都圏を経営対象とする主体を設置する必要はないのかという思いがあります。また、国として首都圏の成長にどう取り組むのか、この二点についてお尋ねいたします。

#112
○国務大臣(武田良太君) 御指摘のように、首都圏では住民が都県の区域を越えて通勤や通学をしており、そのため、広域的な観点から、近隣の都県が協調して行政課題に対応する必要があるとの指摘がございます。
 首都圏の行政体制の在り方については、我が国の統治機構の在り方にも関わるものであり、国民的な議論がもっと必要になってくるものと、このように考えております。

#113
○浅田均君 国民的議論という前に、東京都の問題というのは、東京都というのは地方自治法に組み込まれていますので、東京都だけでは解決できないんですね。だから、首都圏に関して、総務大臣は今僕が言うたような経営主体とか設置の必要性とかに関してどういうふうにお考えでしょうか。

#114
○国務大臣(武田良太君) その地域によっていろんな考え方があると思いますけれども、これはもうあくまでも地域住民の方々がお決めになることだと、このように考えております。

#115
○浅田均君 東京都民の方だけでは多分考えられない問題なので大臣にあえてお尋ねしたんですが、ありがとうございます。
 それで、都市間競争というと、空港アクセスというのが非常に重要な問題になってきます。今、香港からの金融機関が、どこ、逃避先ですよね、どこ行くのかというときに、もう日本か、まあシンガポールというのは都市国家ですから、日本かシンガポールという問題ではなしに、東京かシンガポール、あるいは大阪かシンガポール、そういうふうなお考えを財務大臣もたしかお示しいただいていたと思います。だから、空港アクセスの問題というのは非常に重要です。
 大阪都構想というのは住民投票で否決されましたけれども、大阪の、関西の三空港の一体運営、これは伊丹と関西空港の経営統合から始まって、今、神戸空港まで含んで三空港一体で運営されております。
 そういう目から首都圏の航空行政というのを見ると、羽田とそれから成田とそれから百里まで含めると三つ空港があって、この一元運営とか民営化を直ちにどうしてしないのかなという思いを持つんですが、関西三空港の先例に見習って首都圏空港の一元運営を進めることに関し、国交大臣はどのようなお考えでしょうか。

#116
○国務大臣(赤羽一嘉君) 御質問ありがとうございます。
 地域の競争力を強化するという観点から考えますと、交流人口を増やしていく、どう受け入れていくかということは大事だというふうに思っていますので、ある空港資源をフルに使っていくというのは大変重要だと思っております。
 関西三空港問題、先生は大阪で私神戸なので、ちょっと若干満足度が違うんですけど、もう少し三空港は活性化して、国際線も関西国際空港だけではなくて使うとか、もう少し有機的にやりようがあるんではないかと、まあこれからだというふうに思っておりますが。
 首都圏の羽田、成田、茨城というこの三つがあるのは事実でございます。ただ、成田は成田、羽田は羽田、そしてまた茨城は自衛隊との併用ということもありますので若干の制約がありますが、中長期的には、このある三つの空港の資源を中長期的にどう活用していくのかというのはしっかりと検討していきたいと、こう思っております。

#117
○浅田均君 大臣、神戸というのは承知しております。まあ、伊丹の分が神戸に行ったらお互いにいいんではないかという思いを持っておりますので、ちょっと考え方を変えていただくのがいいのかなという思いもするんですが。
 それから次に、今、地方自治の問題で大都市問題を取り上げさせていただきましたが、大都市問題と同様、大切なのが過疎自治体の問題です。肝は交通問題であると思っております。特にバス。
 海外では、公共インフラと位置付けて、道路予算よりも公共交通、トラムとかバスですね、への支援が厚いです。福祉や教育などのインフラとこれ位置付けて、あとは地域再生運動として総務省と県庁がてこを入れるべき問題で、国交大臣には申し訳ないんですけど、国交省とバス会社だけではこれ解けない問題だと私は思っております。
 総務大臣、この点に関していかがでしょうか。

#118
○国務大臣(武田良太君) 今年六月に地域公共交通活性化法が改正をされました。持続可能な地域公共交通に向けた取組が国土交通省において進められているものと承知をいたしております。
 総務省では、従来より、地方公共団体がバス事業者に補助する場合や、定住自立圏においてコミュニティーバス等の運行に取り組む場合に交付税措置等を講じております。さらに、過疎地域では、過疎交付金等によってデマンドタクシーやコミュニティーバスの車両購入などを支援しております。
 今後とも、必要な地方公共団体に助言を行うなど、国交省と協力をして適切に対応してまいりたいと思います。

#119
○浅田均君 前向きな御答弁ありがとうございます。これこそ省庁の壁を取っ払う最初の問題になるかと思いますので、期待しております。
 それでは、次の質問です。
 東京一極集中の脆弱性という問題があります。首都直下とか南海トラフとかが想定されて、首都代替機能を確保する必要についてどのようにお考えでしょうか。総理大臣。

#120
○内閣総理大臣(菅義偉君) 大規模な災害が発生した場合を始め、有事に備えた首都中枢機能の継続性を確保する、このことは極めて重要だと認識持っております。
 特に、現在発生が懸念されている首都直下地震、これに備えるために、政府業務継続計画において政府機能のバックアップとして首都圏内の三か所を代替拠点と位置付けております。また、首都圏外においても、各府省の地方局、出先の地方局が集積する大阪市など各都市を中心に、既存施設の活用など代替拠点の確保等に係る今検討を行っております。
 引き続き、関係機関と緊密に連携しながら、首都中枢機能の継続性、この確保に万全を期していきたいと思います。

#121
○浅田均君 この問題は福島第一原発のときに結構現実味を持って語られた問題で、当時、外交使節団とか大阪の方においおい引っ越してこられたという方々を存じ上げております。
 福島第一原発を契機として首都機能、代替機能というものを備えようとしたのが日本銀行とNHKと気象庁であるというふうに承知しておりますけれども、そのほかの機関も、そういう首都代替機能、機能が麻痺しないビジネスコンティニュイティーといいますか、そういうものをお考えいただけたらと思っております。
 五番、これ統治機構構造全体の質問ですが、これは済みません、省略をさせていただきます。
 次に、デジタル庁に関して、各省庁や自治体の縦割りを打破し、行政のデジタル化を進めます、今後五年で自治体のシステム統一・標準化を行い、どの自治体にお住まいでも行政サービスをいち早くお届けしますという総理の御発言がありました。
 この発言の背後にどのような問題意識をお持ちであったのか、まず一点。それから、具体的にどのようなシステム、どのような回線、どのような行政サービスを想定しておられるのか。この二点についてお尋ねいたします。

#122
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず最初の一点を私からお答えさせていただきます。
 役所に行かずともあらゆる手続ができる、地方にいながら都会と同じような仕事や生活ができる、こうした社会の実現を目指して官民デジタル化を加速して、同時に高齢者の方々も含め誰でも使いやすいサービスとなるよう、ここは丁寧に説明をしていきたいと思います。
 その中で、私の役割は、行政の縦割りを打破して大胆に規制改革を断行するための突破口としてデジタル庁を創設します。社会全体のデジタル化に責任を持って取り組むため、現時点で府省庁にある権限、ここを含めて権限をこのデジタル庁に付与したいと、こういうふうに思います。
 また、国、自治体のシステムの統一・標準化により、国、地方を通じたデジタル化の基盤を構築をし、国民がこのデジタル化の利便性を実感できる社会を実現をしていきたい。特に自治体のシステムについては、今後五年での統一・標準化の実現を目指し、法制化も含めて検討していきたい。
 あとは担当大臣、平井大臣から答弁させていただきます。

#123
○国務大臣(平井卓也君) 今総理のお話ありましたけれども、我々、今回やっぱりショックだったのは、今回の新型コロナ、特に緊急事態宣言が発令されて人が動けなくなったときに、ここで本当はデジタル化というのは役に立たなきゃいけなかったのに、例えば、特別定額給付金にしても中途半端なデジタルでしたね。ですから、マイナンバーカードを入口のところでは使えたけれども、エンド・ツー・エンドで迅速な給付ができなかった、そんなような問題をやっぱり我々、今回何としてでも解決したいと。
 実は私、前回IT担当大臣だったときも、各省庁のいろいろなシステムの最適化ということに対していろいろと物を申させてもらいました。例えばサーバーの数を減らすとか、いろんなことで維持管理費は約三割ぐらいカットできたんですけど、じゃ、いざその違う省庁のシステムを本当に横につないでサービスをつくっていく、データ連携させるというようなことまでなかなかできなかったです。
 そこで、総理は、今回思い切ってそういうシステム開発の権限を一か所に集中して、全体のこのアーキテクチャーを見た上で今後各府省のシステムを構築していこうと。地方に関しても同じような考え方で、各自治体、皆さんばらばらにやっぱりシステムをつくられていました。大都市の皆さんは予算も人もあるんですけれども、小さな自治体になると、今後、そのシステムの保守、維持管理、大変やっぱり負担になっていくと思います。
 そこで、基本は国が用意するクラウドに皆さん入っていただこうということで、そのクラウドの共同利用のアーキテクチャーというものをお示しさせていただきたいというふうに考えています。そして、更新時期に合わせて段階的にそのクラウドに入っていただくと、まあ政策でいろんな選択肢が増えて変えたとしても、システムの改修費が下がっていく、また、住民から見れば、自治体を移動しても、要するに変わることによりそれがつながっていきますから、一貫したサービスが受けれるなど、全体として利用者目線で大変便利なことがたくさんあるだろうというふうに思います。
 大変チャレンジングな仕事ではありますが、スピード感を持って取り組みたいと思います。

#124
○浅田均君 今の平井大臣の御答弁を聞いて、かなりオタク系の方だなという印象を持ったんですけど。
 こういうときは、僕もネットワークの仕事をしたことがありますのでよく分かるんですけれども、例えば五年後の実用化ですよね。だから、今5Gが実用化されているけど、五年後はもう6G、7Gの時代になっているかも分からない、通信速度、容量というのは物すごく変わってしまっている、そういうときに利用者は端末はそれに呼応した端末を持っているわけですよね。
 今、アーキテクチャーを構築すると言われるけれども、その先のことまで見通して構築する必要があるから、これ大変難しい仕事だなと思っていますけれども、何からまずやられますか。国と地方ですか、省庁間ですか。

#125
○国務大臣(平井卓也君) まず、アーキテクチャーつくる前に、そのベースレジストリーをきっちりつくるというところから今回は始めたいというふうに思っています。ですから、自治体の基幹的な業務である住民基本台帳、地方税、介護保険など、住民情報、地方税、社会福祉の分野に係るシステム、ここの要するに統一化、標準化をして、デジタル庁でベースレジストリーをきっちりルールも決めて、言わばデータのオーソリティーみたいな機能をデジタル庁に持たすと。
 それさえちゃんとしておけば、全体のアーキテクチャーというものがこれから大きく変わるわけではないので、その時々、新しいテクノロジーもどんどんどんどん入れやすくなると思うんですね、全部を変えなくていいから。だから、そういう変化に強い新しいテクノロジーを受け入れやすいアーキテクチャーに変えていきたいと、そういう思いです。

#126
○浅田均君 ベースレジストリーというお話が出ました。だから、レジストリーのところでもオープンアーキテクチャーとクローズドにする必要があって、そういう区分けとかそういうところから始めていく必要があって、これ、言うはやすく行うは非常に難しい問題だと思います。思うんですけれども、平井大臣のオタク度の深さに応じて早く進化するものと思っておりますので、期待しておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 それで、アーキテクチャーの話をお伺いした後、これ、自治体の縦割りというのは省庁の縦割りと直結していると思います。将来そこまで考えておられるんでしょうか、総理大臣。

#127
○内閣総理大臣(菅義偉君) 自治体において住民サービスを効率的に行うためには、部局間が連携できるか否か、そういうことだと思います。そして、それは首長のリーダーシップによって私はできると思っているんです。
 一方で、自治体の部局というのは中央省庁ともまた密接にこれ連携をしておりますから、中央省庁の縦割りの解消が結果的には、この地方自治体における部局間の連携を進めていく上でも結果的には非常に効率よくなるんじゃないかなというふうに思っています。
 私の政権では、行政の縦割りを打破し、既得権益を、そしてあしき前例主義を打破し、大胆に規制改革を行い、その突破口としてこのデジタル庁を創設をして、社会全体のデジタル化に責任を持ってもらうように平井大臣にそこはお願いをしています。

#128
○浅田均君 コロナについて田村大臣に何点かお尋ねさせていただきます。
 まず、社会経済活動と検査体制の拡充というのは、これ、もうずっと政府・与野党連絡協議会で田村大臣と議論させていただいていた中身なんですが、指標ですね、当初は実効再生産数というのを使っていました。ところが、あるときから十万人当たり〇・五人とかね。だから、社会活動をどうコントロールしていくかというところの指標、これをどういうふうにするのか。それから、その指標に応じて、例えば外出規制とかですね、そういうところまで進むのか。それと、伴って検査体制ですよね、検査体制をどうしていくのか。
 西村大臣ですか、どちらでも結構です。西村大臣、そういうところをちょっと、現段階での整理を教えてください。

#129
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、感染拡大が見られてきたときに、PCR検査、重点的にやるとか、あるいは時間短縮、営業時間短縮の要請を出すとか、これは非常に有効であるということが、七月、八月の感染拡大を経験し、その後、大阪府知事や愛知県の知事や福岡県知事のそうした対応によって減少傾向に転じさせることができたということはデータによる分析で分かってきております。
 したがって、どういうタイミングでこういった措置をとるのかという、その定量的な基準のお話だと思いますけれども、これについては既に分科会でステージ三、ステージ四になった場合には強い措置が必要だということで一定の基準を示させていただいております。
 一例だけ申し上げると、御指摘のように、新規陽性者の数が一週間で十万人当たり十五人とか、それからPCR検査が、陽性率が一〇%になるとか、あるいは病床も大事でありますので、病床確保しているのに対して入院されている方が二五%を超えるかどうか、こういった一定の定量基準を示させていただいております。
 ただ、これは実際の発生状況によって、クラスターが幾つか発生しているのか、あるいは散発的に発生しているのか、いろんなケースがありますので、基本的にはこの指標を目安にしながら、それぞれの都道府県知事の判断で、言わば裁量で判断して措置をとられることになります。これは私どもとしては、知事のそうした意向を尊重し、サポートしていくという立場でこれまでも対応してきているところであります。

#130
○浅田均君 それでは、発熱患者の対応体制についてお尋ねいたします。
 これも御答弁いただくのは田村大臣か西村大臣か、どちらかになるかと思うんです。常に、これから秋から冬にかけて、私は三十七度五分以上の熱が二日続いていますと、だが普通の風邪なのか季節性インフルエンザなのか新型コロナなのか分からない、私はどうすればいいんでしょうかという方がいっぱい出てくると思うんですね。だから、そういう方々をどう対応していくのかというのはこれ医療機関との関係とも密接につながっていると思うんですが、主体は都道府県とそれから郡区の医師会の問題だと思います。どのような体制が整備されているのか、田村大臣にお尋ねいたします。

#131
○国務大臣(田村憲久君) 都道府県の皆様方と今御相談させていただいておりまして、十月の中頃に一定の方向性というものを数字でお示しをいただくということで、数字徐々に上がってきております。もちろん、場合によってはまだ足らないところもありますが、言うなれば、どれぐらいの必要があるか。
 つまり、インフルエンザを前提に、コロナも同じような発熱ですから分からないので、それぐらいの数、つまり、インフルエンザが毎年発生しているぐらいの数は医療機関で診れるように、そこでコロナとインフルエンザ、同時に場合によってはキット、検査キットで検査するという体制をつくる。そのためには動線も分けなきゃいけない。分けられない場合は、どこかの病院の駐車場等々でドライブスルーもあるかも分かりませんし、テントを張ってやる場合もあるかも分かりません。それはそれぞれの地域によって事情がありますので、都道府県知事さんがそれぞれの地域の医療機関、自治体と相談していただきながらつくっていただくということで今順次御報告が来ておりまして、だんだん整備されつつあるということでございます。

#132
○浅田均君 ありがとうございました。これで終わります。

#133
○委員長(山本順三君) 以上で浅田均君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#134
○委員長(山本順三君) 次に、松沢成文君の質疑を行います。松沢成文君。

#135
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文でございます。
 まず、総理、この度は内閣総理大臣御就任おめでとうございます。同じ神奈川選出の議員として心からお祝いを申し上げます。
 さて、総理、来年の三月、東北大震災、そしてあの福島の東電の第一原発の悲惨な事故から来年三月で十周年を迎えるわけであります。この間、官民挙げて復旧復興に取り組んできたとは思いますが、福島県民にとっては復興が実感のものとはなっていないんじゃないかと私は思っております。
 その最大の原因は、あの福島第一原発の廃炉に向けた処理というのがほとんど進んでいないということだと思います。それどころか、原発処理水がどんどんどんどんタンクに積み増しが行われて、この事態こそが風評被害の大きな原因にもなっているんですね。
 総理、来年オリンピックやると頑張っておられますけれども、一つは、復興オリンピック、テーマですね。でも、あの原発の姿を見て、海外から来た人が、ああ見事に復興がなされたな日本はと思えるでしょうか。何にも進んでいないじゃないかと、私はそう思うと思います。その最大の原因は、私は失礼ながら、政治の決断力の欠如にあるというふうに思います。
 さて、総理は就任直後の九月二十六日、初めての視察先として福島第一原発を視察して、処理水の処分方法をできるだけ早く決めたいと言っていました。にもかかわらず、十月二十七日の予定されていた内閣閣僚会議で、原発処理水の海洋放出の決定を見送りました。その理由は何なんでしょうか。いつまでに決定するんでしょうか。

#136
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、政府においてその方針の決定時期を決めたという事実はありません。ですから、延期したとの指摘もこれは当たらない、このことを申し上げたいと思います。
 ただ、敷地が逼迫する中で、いつまでも方針を決めずに先送りすることはできないと思っています。更に政府内での検討を深め、今後適切な時期に政府として責任を持って処分方針を決めていきたいと思います。

#137
○松沢成文君 私たち日本維新の会は、昨年の十月、政党としては初めて、現地も視察した上で原発処理水の海洋放出というのを政府に提案をしました。当然、海洋放出するとなれば福島沖が想定されるわけですけれども、総理は福島沖での海洋放出という案についてどのように考えておりますか。

#138
○国務大臣(梶山弘志君) 海洋放出につきましては、本年二月にまとめましたALPS小委員会の報告書において、技術面や制度面からの現実的な選択肢の一つであり、これまでの国内での経験やモニタリングのやりやすさの面から、確実に実施できるとの評価がなされており、また、IAEAからも国際慣行に基づくものと評価がされているものと承知をしております。
 また、同報告書ではALPS処理水を福島第一原発の敷地外に持ち出すことについて幅広い関係者の理解を得ることや原子力規制委員会の許可が必要になること等の理由から相当な時間を要するとの評価がなされており、こうした点を踏まえれば、福島県外へ持ち出すことが直ちに現実的な選択肢になるとは考えておりません。
 現時点で処分について政府として方針を決めていませんけれども、今後仮にALPS処理水を処分する場合には、福島で処分するかどうかにかかわらず、風評対策が最大の課題であると思っております。しっかりと取り組んでいく必要があると思っております。
 こうした有識者会議での議論や立地自治体を始めとした地元関係者からいただいた御意見をしっかり受け止めて、政府内での議論を進めてまいりたい、深めてまいりたいと考えております。

#139
○松沢成文君 これ、海洋放出を決断できない最大の理由というのは、地元の漁業協同組合始め、地元の県民、団体、企業の皆さんが風評被害の拡大を理由に福島沖での海洋放出に大反対をしている、それがあるから総理は決断できないんじゃないですか。

#140
○国務大臣(梶山弘志君) ALPS処理水の取扱いについては、時間を掛けて丁寧に議論をしてきたところであります。
 その中で、漁業関係者におかれましては、ALPS処理水の取扱いが我が国にとって喫緊の重要課題であることについての理解を示しつつも、とりわけ風評被害について強い懸念を持たれているのも承知しております。
 仮に何らかの形でALPS処理水を処分する場合には、こうした疑念をしっかりと踏まえて、風評被害を受ける方々に寄り添った上で、国が前面に立って風評払拭に取り組んでいく必要があると考えております。
 十月二十三日には、これまでいただいた様々な御意見を踏まえて、風評影響を最大限抑制する処分方法や風評対策、国内外への丁寧な情報発信などの論点について、関係省庁において検討を深めることとしたところであります。まずは、こうした検討にしっかりと取り組んでいるところであります。
 敷地が逼迫する中、いつまでも方針を決めずに先送りできないという事実もある中で、丁寧な議論とのバランスを取りつつ、適切なタイミングで政府として責任を持って結論を出してまいりたいと考えております。

#141
○松沢成文君 私は、政府の決断力がないからここまでだらだら延びているんだと。何年検討するんでしょうか。もうあと二年でタンクの敷地なくなるんですよ。もう今すぐにでも結論を出して処理を始めない限り、外にあふれていくわけですよ。私は、経産省や経産大臣が決断できないわけじゃないですか。幾ら議論したって、慎重にやります、慎重にやります。だから、内閣総理大臣に、国のトップリーダーに、難しいけれどもこの方法でいくという決断を求めて私は菅総理に聞いているんですね。それを逃げられちゃったら、もう政治の決断というのは永遠にないということじゃないかなというふうに思います。
 さて、農林大臣、この原発事故後、これまでの福島沿岸の水産業の風評被害はどれぐらいあるのか、生産量はどれぐらい減少しているのか、被害額はどれぐらいか、その対策費はどれぐらい使っているのか。福島沖に海洋放出した場合、風評被害による損害は確実に増大すると考えますが、いかがですか。

#142
○国務大臣(野上浩太郎君) お答え申し上げます。
 福島県の海面漁業の水揚げ量及び水揚げ金額は、原発事故前の二〇一〇年の三万八千六百五十七トン、百九億五千九百万円に対して、二〇一九年は九千五百五十二トン、二十七億四千六百万円となっております。このうち、沿岸漁業の水揚げ量は震災前の一四%にとどまっているということであります。
 また、風評被害対策としては、福島県の水産物及び水産加工品の販路回復、風評払拭のために、販路拡大につながる商談会の開催ですとか新商品の開発等のために必要な機器の導入などを支援しておりまして、令和二年度は二十二億一千八百万円を計上しているところであります。
 原発事故以来、復興に向けて懸命に取り組まれている漁業者の方々には大変な御労苦と御心配をお掛けしているところであります。復興に向けた漁業者の努力を妨げないことを最優先に、処理水の処理方法ですとか風評被害対策を検討していくべきだと考えております。

#143
○松沢成文君 これはもう経産大臣に伺いますが、二〇一五年の八月に、福島の漁業協同組合連合会、県漁連の要望に、東電は、関係者の理解なしにはいかなる処理水の処分も行わないと回答しているんですね。政府もそれと同じ方針ですか。

#144
○国務大臣(梶山弘志君) 地元を始めとした方々の御理解が得られるよう努力を続けることが大切という考えは一貫をして変わりません。
 漁業関係者におかれましては、御意見を伺う場などで御発言を踏まえれば、廃炉を進めるためにはALPS処理水の処分が我が国にとって喫緊の重要課題であることは理解を示しつつも、とりわけ風評被害について強い懸念を持たれているものと承知をしております。このため、仮に何らかの形でALPS処理水を処分する場合には、風評被害を受ける方々に寄り添い、国が前面に立って風評払拭に取り組んでいくことで様々な御懸念に対して関係者の御理解を深めていくことが責任ある政府の対応であると考えておりますし、でき得る限りの理解を求めていくというのは私どもの立場であります。

#145
○松沢成文君 私は、原発を廃炉に持ち込むためには処理水をできる限り早く迅速に処理しなければならないと思います。誰もがそう思っていると思います。そのためには、同時に、風評被害を最小化して関係者の理解を得る必要もあるんです。難しいですが、あるんです。
 私は、これを実現できる唯一の解決策は、遠隔地で漁業者も極めて少ない日本最東の絶海の孤島、南鳥島に処理水をタンカーで運んで、そこに陸揚げして、再処理して希釈して海に流す。そうすれば、ロンドン条約にも違反しません。この方法しかないと私は思っているんです。
 三月の予算委員会でもこれを提起しましたが、海洋放水自体が決まっていないんで、みんないい答弁を得られませんでした。その後、私は、今日参考資料に付けましたが、小論を月刊誌に投稿してアピールしました。これ、多くの福島の漁業者の皆さんからも、こんな方法ができるんならやってほしいという切実な声も届いております。
 さあ、経産大臣、私の論文読んでいただけましたか。読んだのであれば、どういう感想を持ちましたか。

#146
○国務大臣(梶山弘志君) 御指摘の論文については拝読をさせていただきました。
 論文の中では、福島の復興には廃炉の着実な安全な進捗が不可欠であり、その一環としてALPS処理水の取扱い方針を決定する必要があること、また、ALPS処理水の取扱いについては風評影響を可能な限り抑えるべきであることという考えについてはまさに共感をしているところであります。
 喫緊の課題でありますALPS処理水の取扱いに関しては、御指摘のとおり風評被害が最大の課題でありまして、本論文も含め、様々な御意見をいただくことは貴重なことであると考えております。

#147
○松沢成文君 貴重な御意見で参考になったというんですが、そうであれば是非とも検討していただきたいと思うんですね。
 さて、処分コストも、福島沖で海洋放出して莫大な風評被害対策を使う、まあ長期間に掛かって使ってしまうよりも、タンカーで南鳥島にこれ輸送した方が早いと思うんです。(資料提示)
 パネルを見ていただきたいと思うんですけれども、これ、どちらが多い少ないを比べているんじゃないです。これ、このままあそこに水が残って風評被害が続いていく場合、今までの十年間で約二千億掛かっているんですよ。東電は少しずつあそこでやるとしたら流さなきゃいけないんで、あと二十年、三十年掛かる。そうしたらこれの二倍、三倍、下手したら五千億、六千億のお金がこの漁業被害、これ風評被害や実質被害、両方入っていますけど、掛かってくるんですね。それから、福島沖漁獲量の減少による損失額、これは単年度でも七十二億ぐらい掛かっています。これが続くわけですよ。
 一方、私の、タンカーで南鳥島に運んでいけば、これ、まあタンカーのプロジェクトの費用だけですよ、計算したのは。まず大型タンカー、それに小型タンカーを三隻ぐらい。これ中古で買えば、大型タンカーは今三十億ぐらいで買えます。小型タンカー、もう本当に五億ぐらいで買えます。タンカーを買って四十五億、燃料費を合わせて五十億。まあ、その他もろもろ、南鳥島にも施設造らなきゃいけないですからね。掛かるとしても、でも、これぐらいのお金でそれが実現できるんですね。私は検討する余地は十分にある、検討しなければならないと思っています。
 ちょっと次のパネル見てください。
 経産大臣、コストの計算をしても、あそこでずっと保存する、あるいは福島沖でちょろちょろ流す、ちょろちょろといっても少量ずつ流していく。これ、風評被害も漁業被害もどんどんどんどん積み増していくんですよ。大変な額になっていきます。
 タンカーで運べば極めて短期間で、恐らく二、三年でいけると思いますよ。もちろん、廃炉までは少しずつ量が出てきますけどね。タンカーで運べば五十億です。それで二、三年でできる。復興にぐっと近づきます。敷地が空きます。そうすると、そこで廃炉作業に入れるんです。ゴールが見えてくるんですよ。
 どうですか。こういう数字を見て、検討しようという気になりませんか、リーダーとして。

#148
○国務大臣(梶山弘志君) 現状あるタンクをなくして、そこに廃炉作業ができやすいようにするというのは、私どもも同じ考え方であります。
 ただ、単純にこの金額でできるのかどうかということだと思うんですけれども、現時点では、その規制を満たすタンカー、例えば漏えいをしない、そしてそれが規制法に関わる形での許可を取れるかどうかということも含めて、そして向こうの陸上での保管施設というものもこれは規制の対象ということになるわけでありますから、そういったものの時間も含めて果たして検討できるかどうかということになると、余り現実的ではないというのが私どもの考え方であります。

#149
○松沢成文君 南鳥島には敷地があります。ここが沖ノ鳥島と違うところですね。ここにタンクを幾つか造って、タンカーで、大型で運んで、また小型でピストン輸送して、一度陸揚げをして、そこでもう一度処理をして海水と希釈して出す。十分技術的に可能です。私は海運業者にも全部聞きました。できますと。そこでその希釈の装置を造ったって数億の世界ですよ。
 そのまま福島に流す、あるいは流せないでそのままため続ける、莫大な天文学的なコストが掛かっていくわけですよ。なぜそれに挑戦しないんですか。日本の技術をなぜ信じないんですか。私は、リーダーとしてきちっとそういう方法を幾つも分析をして、そして、これはいけると思ったら漁民を説得するぐらいのリーダーシップ見せていただきたい。それが、ずるずるずるずる、できないでずうっと今まで来ているんですよ。
 さて、総理、ここは総理答えてください。
 この私の南鳥島案は、技術的に可能で、時間的にも極めて数年でほとんどの水を運べます。そして、風評被害は、南鳥島は漁業民ほとんどいません、人も住んでいません、カツオ漁が時々来るぐらいです。福島沿岸に比べたら風評被害も圧倒的に小さい。そして、コスト、処理コストが格段に安くて東電や政府の財政負担も極めて少なくなる。こういうメリットがあるんです。
 総理ね、総理お得意の総合的、俯瞰的な見地に立ってこういう案を検討して、そして、いけるとなったら利害関係者とも調整して、一刻も早く、この処理水をどういう方法で、どこにいつまでにこれを処理できるという政治的な決断をしていただきたい。総理、いかがですか。

#150
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほど梶山経済産業大臣が答弁しましたけど、私自身は、大臣にこの問題を指示しておりますので、大臣の進捗状況を見ながら判断をしたい、こう思います。

#151
○松沢成文君 もう一度言いますが、梶山大臣の下でも、その前の大臣の下でも、ずうっとこれ十年議論をしてきているんですよ、地元とのね。慎重にやることは重要ですよ。でも、今になっても、この前、七回の意見交換会が終わって、秋にはもう二年前になるから結論を出さなきゃいけない、でも、それでもまた結論は先延ばしにされている。つまり、経産大臣じゃもう決断ができないんですよ。総理が決断しなきゃいけない、それぐらい重い政治決断なんです、これは。それをやる気概があるかということを私は指摘しているんですね。
 もう一回。この南鳥島というのは絶海の孤島ですが、日本の防衛の面を見ても、私は、自衛隊の滑走路もあります。今、沖ノ鳥島はこれは島じゃなくて岩礁だと言われて、もう中国からはあそこに排他的経済水域を置いているのは駄目だと言っている。日本の安全保障の危機でもあるから安全保障の拠点も置ける。
 それから、小泉大臣、ちょっとこれ聞けなくて申し訳ないんですけど、環境政策として、持続可能なエネルギーを離島でいかに、石油を運んで発電するんじゃなくてね、できるのか、こういう実験もできる。
 そして、あそこの周りにはレアアースがたくさん海底に眠っていて、その中から希少金属がたくさん出て、日本の先端産業に有効に使えるんです。そうしないと、このレアアースは今中国が八割市場を支配しちゃっているんで、中国に止められたら日本の安全保障の危機なんですよ。
 こういう離島を何でもっと有効に使わないんでしょうか。私は、離島を有効に使うその第一歩として、ここに処理水を持っていってここからきちっと希釈をして海洋に流せば、さっき言ったような三つのメリットを実現できると思うんです。
 総理、これ、政府で検討していただけませんか。

#152
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、梶山大臣は判断できる大臣だと考えています。

#153
○松沢成文君 できないからここまで来ているというこの現実を、総理、見ていただきたいと思います。
 それでは、二問目に行きます。
 行政改革について伺いたいんですが、総理は河野大臣を任命をして行革に力を入れると。大変いいことだと思います。私は、すごく大きな行政改革として、やはり政府がやっている現業、もう民間でできるものは民営化していく、これ大きな行政改革なんですが、菅総理からそういう何か政策が全く出てきてないですね。
 ここで、一つお聞きします。
 たばこなんですけれども、たばこというのは市場で取引されている完全な商品です。まあ健康に悪いというから普通の商品よりもちょっと害があるんですけれどもね。このたばこというのを国が関与して事業を行う公益性、公共性は全く私はもう見出せないというふうに思います。
 これを予算委員会で麻生大臣に何度も私は質問してきました。麻生大臣はこう答えるんですね。たばこ農家を守らなきゃいけない、たばこ税と株式配当による収入大事じゃねえかと、だからJTは民営化できないんだと言うんですね。何か既得権丸出しのような答弁ですけれども。実はそのJTも、民営化してほしい、もっと自由にやらせてほしいと言っているんですよ。
 総理、財務省に改革言っても絶対やりません。さあ、総理、行革を目指す総理として、たばこ事業法廃止、JT法廃止、JTを完全民営化すべきだと思いますが、総理の見解を伺いたいと思います。

#154
○国務大臣(麻生太郎君) 毎度毎度恐縮ですけどね、(発言する者あり)ええ、簡潔に申し上げさせていただければと思いますが。
 たばこ関連事業という話なんですけれども、これはもう御存じのように、このたばこを、葉たばこを栽培しておられる方々のことを考えにゃいけませんし、当然のこととして、これはたばこ税というものがありますので、それは地方税なんかでもみんないろいろ影響してきているのは御存じのところなんで、これは財政収入にとりましては結構大きな財源にもなっておるというのは事実であります。
 したがって、これはたばこ事業法というものによっていわゆる全量買取り契約を実質的に義務付けるとか、そういった一体関係にある国内の葉たばこの製造独占を認めるということと一緒になっていまして、製造独占の弊害を防止するために小売店の経営を安心、安定という両方ありますので、販売価格と小売価格の認可制を定めておりまして、ちょっと何とかしてたばこだけ高くというのは、外国はどこでもやっていますけど、日本ではそれはできないというようなルールに定めさせていただいたりしているところでして。
 そういうことをやっておりますので、JT株を今三三%ぐらいですかね、持っているんだと思いますけれども、全量買取りやら適正な業務運営等を担保するために私どもは株式を保有させていただいているんですけれども、これは、今申し上げたように、小売店への影響とか葉たばこ農家への影響とか、これは様々なことを考慮すべき課題がありますので、これは少々、そんな簡単にすぐというような話ではないと思っております。

#155
○松沢成文君 既得権益擁護丸出しの答弁をいただきました。小売店を守れ、農家を守れと。じゃ、ほかの農家はどうなんですか。農業の自由化の中で、みんな競争して頑張っているじゃないですか。
 それから、たばこ税は民間会社になってもちゃんと納めるんです。JTだけが納めているんじゃないですよ。そんな基礎的知識も分からないんですか。フィリップ・モリスもBATもみんな納めているんです。関係ないです、たばこ税が減るなんというのは。もうちょっと勉強していただきたいと思います。
 次、郵政民営化。これ、菅総理、菅総理ね、小泉元総理が郵政民営化で郵政改革頑張っていたとき、同じ神奈川の代議士として郵政改革賛成だと言っていましたね。でも、政権交代があって郵政改革が遅れてしまってがたがたになってしまって、今ガバナンスが全く取れないから、かんぽで不祥事、ゆうちょでも不祥事、どうにもならないわけですよ。
 菅総理、郵政民営化、もっときちっと、株も全部排出して、民間会社としてゆうちょもかんぽも頑張ってもらえる、そういう体制に改革する意思はありますか。

#156
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、郵政民営化に先頭に立って大賛成をしました。ですから、このことを何としても進めたいというふうに思います。
 ゆうちょ銀行及びかんぽ生命において、民営化の進捗のいかんにかかわらず、公的なサービス提供する企業として顧客に著しい不利益を与えるということは、これはあってはならないことであります。郵政民営化法では、日本郵政株式会社がゆうちょ銀行及びかんぽ生命の株式の全部を処分することを目指しています。
 今後とも、日本郵政グループにおいて、民営化の基本理念を踏まえ、国民の利便性向上に資するように、まずは信頼回復、ここを図ることが大切だと思います。そして、増田新社長の下に、ここは郵政民営化当時の基本方針に基づいて実現をしてほしいと思いますし、政府としてもその方向で進んでいきたいと思います。

#157
○松沢成文君 小泉環境大臣、所管ではありませんけれども、あなたのお父上は郵政民営化に政治生命を懸けて頑張ってきたんですよね、頑張ってきたんです。
 さあ、子供の立場から見て、おやじさんが頑張ってきた郵政改革、今の郵政で十分なんですか。改革をもっと進めるべきだと考えますか。その感想を聞かせてください。

#158
○国務大臣(小泉進次郎君) まず、郵政民営化の評価については環境大臣としてお答えをすることはありませんが、事実だけ申し上げると、改革の中で、私も野党のときに郵政民営化の法律改正がありまして、そのときに反対をした、造反をしたのは三人自民党でいまして、そのうちの二人が私と菅総理でありました。
 私は、菅総理が言う自助、共助、公助、この思いというのは、まず民間ができることは民間がやる、こういった大きな方針は、私は、菅総理の言う自助、共助、公助、この中で、私は、言い換えれば、そういった大きな方針は、思いは同じくされていると、そういうふうに捉えています。

#159
○松沢成文君 私たち日本維新の会は、政府が関与する現業が民業を圧迫しているのであれば、効率化を図り、あるいは民間委託して民営化していくのが行革の本丸だと考えているんですね。だから、我々として、JT完全民営化法案、UR完全民営化推進法案、あるいは商工中金・政投銀完全民営化法案を提出しています。
 総理、是非とも、最後要望に代えますけれども、河野大臣、行革やりたくてむずむずしているわけですから、判こ行政の行革ももうすぐ終わります。そうであれば、政府の現業部分の民営化のその大きな方針を河野大臣に検討させて、そして、菅内閣として、本物のもっと骨太の行政改革、こうした政府の現業の民営化、是非とも検討をして推進をしていただきたい、そのことをお願いして質問を終わります。
 ありがとうございました。

#160
○委員長(山本順三君) 以上で松沢成文君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#161
○委員長(山本順三君) 次に、舟山康江さんの質疑を行います。舟山康江さん。

#162
○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江でございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 菅総理は、所信表明演説におきまして、「バブル崩壊後、最高の経済状態を実現したところで、新型コロナウイルスが発生しました。」と発言されました。最高の経済状態とは何を指すんでしょうか。

#163
○内閣総理大臣(菅義偉君) 八年前に政権交代をして以来、一貫して安倍総理の下で内閣官房長官として経済再生最優先で取り組んできました。人口が減る中にあって、新たに雇用、差引きですけれども、四百万人確保することができました。そうしたことより何よりうれしかったのは、二十六年間下落し続けた地方の地価が二十七年ぶりに昨年底を打って上昇し始めたんです。さらに、新型コロナウイルスの流行前には、GDP、名目、実質ともこれは過去最大を記録しています。そういう意味で、私は、バブル崩壊後、最高の経済状態を実現をしたという表現をさせていただきました。

#164
○舟山康江君 パネル一を御覧いただきたいと思います。(資料提示)
 確かに、雇用が増えた、総雇用者所得は増えたということだと思いますけれども、この実質賃金ですね、一人当たり、一人一人ですけれども、一人一人、この実質賃金が大きく減少しています。これは何ででしょうか。

#165
○国務大臣(田村憲久君) 毎月勤労統計を使っていただいておりますので、私の方から御説明させていただきます。
 二〇一四年から二〇一九年まで六年連続、今世紀に入っての最も高い水準の賃上げを行ってきたことは確かです。
 ただ、一方で、デフレというものがあった後に物価上昇が始まり出しました。一九九九年から二〇一三年ぐらいまでですかね、継続して物価が下落しておったわけでありますが、それ以降物価が上昇し出したというのが一つ要因としてあります。ですから、賃金も上がっておりますが物価も上昇しておりますから、実質賃金に影響があるというのが一つ。
 それから、毎月勤労統計の性格上、実はこの時期、非常に非正規雇用が伸びております。二〇一三年辺りから非常に伸びております。で、非正規雇用労働者の方々の九割以上が、増えた分の、これが女性、本来女性も正規の方が有り難いわけでありますけれども、それでも雇用が増えているという意味では全体の所得は増えたんだと思いますが、それとあと高齢者、高齢者が六〇%以上、残りが女性という形であります。
 そういう意味で、全体を見ますと、非正規雇用が増えているという部分が一つ、それから正規もやはり女性と高齢者が増えておるという部分がございます。そういう部分を全体的に見て、薄まったというか、平均して見ると、どうしてもそれぞれ一人一人の力というよりかは、全体が賃金が低い方々の比率が高まって、そして全体として実質賃金を引き下げておるということであります。

#166
○舟山康江君 今厚労大臣からありました、四百万人の雇用が増えたといっても非正規が多いということで、やはり一人当たりの賃金水準は決して高くないということだと思います。労働分配率も低下しておりますよね。で、GDPの話ありましたけれども、これも伸び率でいえば非常に低かった。〇・九%、安倍政権で。
 ということですので、やはり今、経済状態、まさに一人一人、総理は、一人一人に寄り添う、国民のために働くということの中で、やっぱり一人一人の暮らし向きがどうなのか、ここが大事だと思いますけれども、今言ったような状況の中で、本当にこの状況、賃金が下がっている。それに合わせて個人消費も全然伸びていませんよね。諸外国に比べて伸びがすごく低いというこの状態。やっぱり一人一人厳しいと思います。その認識に立っていかないと経済運営間違うと思いますけれども、いかがでしょうか。

#167
○内閣総理大臣(菅義偉君) その認識は持たなきゃならないというのは、そのとおりだと思います。その上に立って、この経済対策を行っていきたいと思います。

#168
○舟山康江君 ですから、コロナ前は最高の経済状態だったとおっしゃっていますけれども、コロナ前も厳しかったというその認識はあるでしょうか。

#169
○国務大臣(西村康稔君) マクロの数字でいえば、日本経済は最高の水準だったというふうに言えると思います。GDPも過去最高、これはなっていますし、それから雇用もそうです。それから、有効求人倍率。それからもう一つ、一人一人の賃金は、どうしてもパートの方、アルバイトの方が増えると、平均するとそのウエートが、パート、アルバイトのウエートが増えると減ってしまうという、先ほどお話あったとおりですので、総雇用者所得、全体の所得で見ると、二〇一九年は名目、実質共に過去最高でありまして、そういったマクロで見れば最高の水準にあったということだと思います。
 ただ、御指摘のように、消費はこのような状況で、これは高齢者世帯が増えていることとか若者がシェアリングエコノミーの中で物離れとか様々な要因があります。ただ、厳しい状況にある方もたくさんおられますので、そういった認識を持って経済の政策しっかり実行していきたいというふうに考えております。

#170
○舟山康江君 やはり一人一人が底上げしていかないと、全体が良ければいいという話ではないと思うんです。
 そういう中で、先ほど指摘をさせていただきました、今コロナで厳しいというのはもちろんですけれども、コロナ前も相当厳しかったというこの認識に立っていかないと経済運営誤ってしまうというふうに思うんです。
 一方で、株価は高水準になっています。昨日、今日と二日連続で、東証ではバブル後、終値ベースで最高値を更新したということですけれども、パネルを御覧いただきたいと思います。
 株価は確かにずっと上がっていますよね。この株価が高い理由はどこにあると、総理、お考えでしょうか。

#171
○国務大臣(西村康稔君) 株価は、まさに将来も含めた企業の現在価値を示すものでありまして、全体として、その企業の収益、それから資産、こういったものから反映されて株価は形成されております。
 他方、将来のその期待、これによって、また期待によって株価も形成されます。先ほど副総理から答弁ありましたけれども、半年ぐらい先のその先行指標でありますので、GDPとはそういう関係にありますので、そういう意味では日本経済への、先行きへの期待も含まれているというふうに理解をしております。

#172
○舟山康江君 一般的には企業収益とか期待を込めてだと思いますけれども、これ御覧いただきたいと思います。
 昨日、白委員も指摘をされておられましたけれども、日銀のETF、それから年金の運用、GPIF、こういった、ある意味官製相場だと言われていますよね。こういう影響がある。その証拠に今経済良くないですよ。にもかかわらず株価がこれだけ高いというのは、経済と株価は連動していないということではないでしょうか。

#173
○国務大臣(麻生太郎君) これはあくまでも経済、日銀、何というか、済みません、東京証券取引、株価、株価の話をされておられますけど、株価、これはもう先生御存じのとおりだと思いますが、その企業の業績がいいからといって株価が上がるか上がらないかといったら直接余り関係してこない、実際自分でやってみてそう思いますけれども。
 したがいまして、金融政策の具体的な手法というのはこれは日銀に委ねられるべきものだと思っていますが、その上で今のいわゆるETFのことを言われているので、これ、エクスチェンジ・トレーディッド・ファンドというんですけれども、ETFの話ですけれども、この話に関しましては、これは日銀によります一連の金融政策の一環として、間違いなく、経済とか物価とか金融情勢とかそういったものを踏まえながら金融政策として日銀がやっているのであって、株価対策として日銀がやっておられるわけではないということだけははっきりしておるんだと思っております。
 GPIFもそうですけれども、これは専ら、これは保険者、被保険者の立場にある人たちの利益を考えてその運用を行っているのでありまして、少なくとも、運用やっているのは、日銀とかそれからGPIFがやっているところは、いずれも投資信託、信託会社にこういったものの運用を移管しておりますので、自分たちで直接やっておられるわけではないんだというわけで、株価を支えるために日銀がやっているというような意識は全くありません。

#174
○舟山康江君 ただ、結果的に、これ、かなり市場をゆがめているという批判もありますよね。OECDからも、日銀のETF買入れは市場の規律を損ないつつあると、こんな懸念も表明されていますので、やはりちょっとゆがんでいる。本当の期待感とか市場の評価ではないというところは、私、大変問題ではないのかなと思っていますし、株高、株高で一般庶民、全然恩恵受けていません。どういう層が恩恵を受けているんでしょうか。

#175
○国務大臣(田村憲久君) GPIFのお話もございましたので、GPIFも株式運用しております。これは、年金の運用利回り、名目賃金とそれから運用利回り、スプレッド一・七見ておりまして、今国債を運用しましてもそこまで運用利回り出てまいりません。あわせて、国債は非常に今高い状況にございますので、金利が低いということは価格は高いと。そうすると、将来に対してやはり一定程度リスクを分散しなきゃいけないということで株式の運用、国内株式の運用もしておるということでありまして、株式の一定の評価、これ配当もございますけれども、そういうものは、GPIFの運用利回りに合わせて国民の皆様方の年金資産にこれは影響しておるということでございます。

#176
○舟山康江君 いや、私が聞いたのはですね……(発言する者あり)

#177
○国務大臣(西村康稔君) 今も答弁ありました、田村大臣からございましたけれども、国民に幅広く恩恵があるというふうに理解をしております。
 申し上げます。家計が保有する上場の株式ですけれども、全体で九十兆円程度あります。市場全体の一六%を示しております。年齢階層別に見ても、確かに六十代以上の保有額は多いんですが、三十代から五十代も一定程度保有しておりますし、所得階層別でも、確かに高所得の世帯の保有は大きいですけれども、他方、低所得世帯、中所得世帯、年収でいいますと二百五十八万から七百三十五万、この程度も満遍なく保有をしているところであります。こうした株式保有によって、家計の配当の受取は、二〇一八年度で八・五兆円と、家計ですね、ということになっております。
 先ほどGPIFについてはお話があったとおり、年金の安定的な運用ということで、こういった面でも国民に幅広く寄与が、恩恵が及ぶというふうに理解をしております。

#178
○舟山康江君 いや、確かに株を持っている人は恩恵を受けているかもしれませんけれども、その金額からすると圧倒的に高額所得者ですよ。だって、そんな余裕ないですよ、一般の人。
 パネル御覧いただきたいと思います。
 やはり金融所得の割合、年収一億円を超えると金融所得の割合が急激に高まっています。つまり、やはりお金を持っている人は金融で稼げる。そしてまた、稼ぐから収入も上がるということですけれども。この表でもう一つ言いたいのは、本来、所得税、累進課税なんですけれども、これまた、税負担が年収一億円辺りをピークに低下しています。つまり、高所得者は、課税の、所得税の負担が非常に低くなっているということです。あわせて、細い線で書いてありますけれども、健康保険料負担率も高所得ほど低下している。黄色で囲んでいるところ、様々な、軽減税率等ありますけれども、こういうものも高所得者に恩恵が多く及んでいるということなんですね。
 ですから、金融でもうけることを悪いと言うつもりはありませんけれども、やはり金融所得課税が非常にまだ低いということの中で、以前から検討の声は上がっていますけれども、こういった課税強化についての総理の見解、あわせて、総合課税の導入、累進強化といった、やはりこのある意味平等な税負担ということに対して、総理のお考えをお聞かせください。

#179
○国務大臣(麻生太郎君) 金融所得課税のお話ですけれども、これは、御存じのように譲渡益という、株式、上場株式の譲渡益の話ですけれども、これに関わる税率というものを、平成の二十六年でしたか、に上げさせていただいて、倍にして、させていただいたんだと思いますが、一〇から二〇かな、になったんだと記憶をしております。これによって高所得者ほど所得税の負担率が上昇するということになるんですが、所得再分配機能の回復にはこれ一定の効果があったのではないかということに思っております、まず第一点で。
 更なる金融所得に対する課税の見直しということだと思いますが、これは令和二年度の与党税制改正大綱におきましても、税負担の垂直的な公平性というものについては、これを確保するという観点から検討するということとされております。
 したがいまして、経済への影響をどう考えるかという等々の論点はまだ残っておりますけれども、総合的にこれは今後検討していかにゃいかぬ点だとは思っております。

#180
○舟山康江君 これで分かるとおり、やはり高所得になると税負担がやっぱり余りにも軽いんですよね。もう保険料なんか本当に低いような状況。やはり公平性を考えたときに、その再分配機能の強化ということは真剣にこれから検討いただきたいと思います。
 あわせて、今、先ほど、一人一人厳しい人が多いということを申し上げましたけれども、せめて時限的にも、やはりこの消費税の減税、凍結に踏み切るべきではないかと思います。これは消費者にとっても、また企業にとっても非常にプラスではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

#181
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう、消費税につきましては、これ導入させていただくときからの経緯等々よく御存じと思いますが、これは御存じのように、少子高齢化というのが急激に進んでおります日本という国の中において社会保障給付というものの比率が非常に大きく増加をいたしておりまして、国家予算の約三割、三十数%になっております。
 そういった意味で、これはとても、子供がどんどん少なく八十数万人しかというのと、昔は二百何万人と全然桁が違いますので、そういった形になって平均寿命が延びてくるとなれば、現役世代の負担がどんどん比率が高くなるということになりますと、これはとてもじゃない、もちませんから、国民皆保険制度がもたなくなりますから、そういった意味では、国民が広く受益をするという社会保障の費用というものをいわゆる広く国民が公平に分かち合うという観点で、社会保障の財源としてこれ位置付けさせていただいておるということであります。
 昨年の消費税の引上げ等々につきましても、全ての世代が安心できる全世代型のいわゆる社会保障制度へと大きく転換していくためにはこれはどうしても必要なものであって、私どもはそういった観点からこの消費税を引き上げさせていただいたと。
 私どもは、この人口減というのは、これ、日本の国にとりましては長期的には最大の問題だと思っております。

#182
○舟山康江君 社会保障の充実は大事だと思いますけれども、消費税だけにとどまらず、やはり先ほど申し上げましたように様々な税の見直し、こういったことも併せて一体的に検討されるべきではないかと思いますので、よろしくお願いします。
 続きまして、新型コロナウイルスの現状分析についてお伺いします。
 欧米、特に欧州では、九月中旬ぐらいから感染が急拡大しています。一方で、日本を始めアジアは、予断は許さないものの比較的落ち着いた状況だと思います。この違いは何であると総理、分析されているでしょうか。

#183
○内閣総理大臣(菅義偉君) 御指摘のように、我が国では欧米のような大規模な感染というのは至っていないというふうに思っています。
 その理由について、生活習慣だとかあるいは公衆衛生に対する意識の差など、専門家の皆さんの間でも様々な御意見があることは事実です。少なくとも現時点で明らかになっていないということです、いろんな御意見がありますけど。そこを特定することは専門家の皆さん難しいという、私、いろんな方にお会いをして伺っていますけれども、そういう状況です。
 一方で、我が国でも、昨日新規感染者が千人を超えるなど、感染拡大の兆しが見えてきております。今まで以上に強い警戒感を持って感染状況を注視していく必要があるというふうに思います。
 引き続き、専門家の御意見やこれまでの経験、科学的知見も踏まえて、自治体と緊密に連携をして、この、これからインフルエンザと同時にコロナも、いろんなこと、空気が乾燥すると感染しやすくなるとかいろんなこと言われていますので、そこは万全の警戒下の、体制の下に今行っているところです。

#184
○舟山康江君 ウイルスの違いがあるのかどうか、そこも含めてだと思いますけれども、欧州で大流行している新型コロナウイルスのこの病原ウイルスの特徴、それこそ違いがあるのかどうかも含めて、今どのような話を聞いていますでしょうか。

#185
○国務大臣(田村憲久君) ファイナンシャル・タイムズ紙に掲載された記事によりますと、ヨーロッパ各地、今ヨーロッパ、一日新規二十万人規模で感染者出ておりますけれども、スペインでの遺伝子が変異したと、これが新型コロナウイルスによる、この新型コロナウイルスによる感染が多いというような話でありますが、これは、スペイン旅行に行かれた欧州の方々がそれぞれ各国に持ち帰ったのではないかというようなお話も出てきております。
 ただ、遺伝子の変異で感染力の上昇でありますとか、それから病状に影響ですね、強毒化しただとか弱毒化しただとか、そういうようなことは証拠はないわけでございまして、これから研究が更に進められるものというふうに我々認識いたしております。
 いずれにいたしましても、しっかりと情報収集しながら、我々も分かったことはまた国民の皆様方にしっかりと情報を伝達をさせていただきたいというふうに思っております。

#186
○舟山康江君 この研究報告、まだ査読前ということですので確定ではないと思いますけれども、本当にこれが相当大きな変異だとすると非常に影響が大きいのかなと思います。この中では、この変異株、六か所以上のスパイクたんぱく、核たんぱくにも変異を持っているとして、20A.EU1という名前も付いていますよね。そうなると別物じゃないかという指摘もあると聞いています。
 特措法や改正予防接種法に規定されているのは、「中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。」と、かなり限定的に今回の新型コロナウイルスを規定していますけれども、こういった変異株、また今後の変異によっても、この法の枠組みに入るのかどうなのか、そこはいかがでしょうか。

#187
○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられましたとおり、今般の新型コロナウイルス感染症でありますけれども、これ、指定感染症に指定をされているわけでありますけれども、ウイルスというのは基本的には徐々に感染を拡大していく中において変異をしていくということでありまして、基本的に、よほど大幅にその毒性だとか、あと感染力だとかが変わって、ウイルスがかなり変わって、持っているそのウイルス自体の、疾病自体の状況が変わらない限りは現行の指定感染症の中の範疇になるというふうに思いますが、いずれにいたしましても、我々、予断を持たずにしっかりとこのウイルスの変異状況の方は見ていかなければならないというふうに考えております。

#188
○舟山康江君 元々、今回の新型コロナも元々のコロナウイルスの変異ということを考えると、また、今後の変異によってはまた別物ということもあり得ますし、これまでのワクチンとか治療薬が効かなくなるような、そんなおそれがあると思いますけど、その辺はどのようにお考えでしょう。

#189
○国務大臣(田村憲久君) 今現状でWHOがそのような評価をしておるということはございません。ただ、どういうことが起こるかは分かりません。我々も、有識者の方々のいろんな御意見をいただきながらいろんな対応をしてまいりたいと思っております。
 今のところ、有識者の方々の中でそのようなことが起こっている兆しがあるというようなお話はお聞きをいたしておりません。

#190
○舟山康江君 先ほど総理からも御答弁ありました、かなり危機感を持っているということですけれども、国際的な人の往来が再開されています。
 こういったヨーロッパの状況の中で、このまま続けていていいのか、その判断はどなたがされるんでしょう。

#191
○国務大臣(西村康稔君) 我が国の経済を回復させていく上で、今後、感染防止を徹底しながら国際的な往来も段階的に再開をしていくという方向で対応しているところであります。
 私どもの新型コロナウイルス感染症対策のその分科会におきまして、政府の考え方など、状況など説明をしながら専門家の意見を聞き、判断をしていければというふうに考えているところであります。

#192
○舟山康江君 いや、かなり慎重にしていかないと、本当にこれからまた新たなウイルスが入ってくると大変なことになりますし、今の水際対策の徹底方法についても教えていただきたいと思いますけれども、いろいろありますが、法的な拘束力があるのか、自主的な努力なのか、またこれ、一般の人と米軍関係者、米軍に関して言えば宮崎県ですね、昨日まで空自と米軍の共同訓練が行われて来日していましたけれども、基地外のホテルに宿泊ということでかなり心配している向きがありますので、そこ、両方お答えいただけますでしょうか。

#193
○国務大臣(田村憲久君) 基本的に、今現状、十四日間待機をいただく、それから公共交通機関は使用していただかないということをお願いをさせていただいておりますが、十月から、特にビジネスを中心に海外から入ってくる方々、若干その規制という意味からいたしますと広げてまいってきております。
 そこで、出国前七十二時間以内にしっかりと検査をしていただいた上でそれを提示をいただくということ、それからあと、入国した後に、一つはスマートフォンの接触アプリもそうなんですけれども、その位置情報、これをしっかりと保存をしていただくということ、こういうことを一応お約束をしていただいて、特にビジネス関係の場合は受入れ機関等々がありますので、そういう受入れ団体、機関、企業、こういうところにお約束をお守りいただかなければ一定のペナルティーのようなものをお掛けをさせて、まあ例えば名前を公表させていただいたり、あと、次から受入れをお断りさせていただいたり、こういうような形で御理解をいただいております。
 ただ、おっしゃられますとおり、一方で日本の国籍を持っておられる方々が帰ってこられたりした場合に関しては、これはそういう受入れ機関がありませんから、それぞれの方々にいろんなパンフレット等々をお渡しをさせていただいたりしまして、あと健康カードというものをお渡しさせていただく中においてそういうことを周知徹底をさせていただいておるということであります。

#194
○国務大臣(茂木敏充君) 在日米軍の関係でありますが、米軍関係者によります我が国への入国につきましては、今、田村大臣の方からもありました水際対策について、日本の政府の方針に整合的な措置、説明のあった、それをとっていると、この旨の報告を受けております。
 そして、日本の措置、これは日本側の措置は要請であるのに対しまして、在日米軍の措置、これは義務でありまして、違反する米軍関係者は米統一軍法典等に基づいて処分されるということが周知をされております。
 さらに、現在、在日米軍は日本に入国する全ての米軍関係者に対して十四日間の移動制限措置終了時に改めてPCR検査、これを義務付けていると、このように承知をいたしております。

#195
○舟山康江君 ありがとうございます。
 そうなると、一般入国に関しては、先ほども、その確認方法が本当にあるのかどうか、お願いをしているということでしたけれども、やっぱり法的拘束力がどこまであるのか、その辺徹底していかないと漏れちゃうんじゃないかと思うんですけれども、そこ、過去も反省があったと思いますが、いかがなんでしょうか。

#196
○国務大臣(田村憲久君) 当然、陽性、検疫でですね、国内の空港に来られて検疫で陽性が出れば、それはそのまま医療機関に入っていただくということになると思います。
 それから、以前のように結果が出るまで時間が掛からなくなりました。以前は、場合によっては一泊していただかなきゃいけないというようなこともございましたが、今は大体一時間強で結果が出ますので、その間待機をいただいた上で、陰性が出るということを前提に、先ほどお願いを申し上げたような十四日間の話でありますとか、それから公共交通機関を使わないというようなお願いをさせていただいておるということでございまして、そこは御理解をいただきながらお守りをいただくということを前提にお帰りになっていただいておるということであります。

#197
○舟山康江君 まあお願いもいいんですけどね、やっぱりある程度きちっと確認する手だてを持たないと、漏れてしまったときに大変だということを指摘させていただきたいと思います。
 続きまして、新型コロナのこの対策の予算についてですけれども、パネル御覧ください。
 今回、第一次、第二次、まあ三次の話も出てきていますけれども、かなり補正予算で積み増しています。予備費も使っているという状況の中で、全体像がどうなっているのか、コロナに対してどのぐらい予算が全体として使われているのか。
 これは来年度予算も含めてですけれども、補正も例えば災害対策等も入っていますので、コロナに対してどうなのかというところは、後々の検証のためにも、また、やっぱり緊急度、優先度のこの検討のためにも必要ではないかと思っていますが、その五月雨式に出している現状、もちろん今は財政出動だと思いますけれども、ただ、後の検証のためにもきちっと分けるべきだと思いますけれども、今そのような仕組みになっているかどうか、教えてください。

#198
○国務大臣(麻生太郎君) これは舟山先生御指摘のとおり、これは、予算というものをなるべく分かりやすく説明できるようなことは、これは重要な課題と考えております。細かい上にやたら桁も大きいものですから、数字が長くなりますので、なるべく簡要なものに、簡単なものにと思いますけど、そうするとちょっとまた話が別の話になりますので。
 いずれにいたしましても、この新型コロナウイルス感染症に対する編成した令和二年度の一次と二次の補正予算については、これは補正予算の概要という資料を作成して、予算措置をした主なものは二ページぐらいのものにまとめて既に配付をさせていただいておりますけれども、いずれにしても、予算というものがどういったというのを、分かりやすい説明についてはどのような工夫をしてお示しできるか、これは今後の予算編成の過程の中で更に検討させていただきたいと思っております。

#199
○舟山康江君 特別会計にするかどうかはともかく、やっぱりコロナとしてどのぐらいというのは、来年度予算も含めてしっかり明示できるようにお願いしたいと思います。
 全体像がちょっと分かりにくいなという事業の一例として、GoToキャンペーンが私あると思っています。これは、過度の自粛、それから恐怖心を打破という意味では一定の効果があったのかと思っていますけれども、ただ、制度の不備を突いた不正も多数報告されていると思います。トラベルの地域クーポンの不正取得、イートの錬金術等、この辺について認識と、どのように正していくのか、今のお考えをお聞かせください。

#200
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のGoToキャンペーン事業でありますけれども、各省において執行状況を把握し、御指摘のような明らかとなった課題について適切に対応してきております。
 まず、オンライン飲食の予約事業では、夕食時間帯に数百円の飲食しかせずに千円分のポイントを得るようなことがあったわけですけれども、付与ポイント未満の利用を禁止する運用としております。また、実際の来店人数よりも多い予約人数分のポイント付与を迫る、そして意図的に予約をキャンセルして不正なポイントの取得を狙うなどの不正利用をする者に対しては、予約事業者においてアカウントの利用停止が可能であります。また、不正利用があれば警察と連携して対応するということをしております。
 また、御指摘のトラベル事業の電子クーポンの不正取得につきましても、観光庁において、不正使用の場合に警察と緊密に連携して対応すると。また、事務局、旅行会社が連携しながら不正取得への対策を既に進めております。これちょっとネットの、セキュリティー上の観点がありますので詳しい詳細は控えたいと思いますけれども、対策を進めているところであります。
 いずれにしましても、GoToキャンペーンは前例のない大規模な需要喚起、これの支援策をスピード感を持ってお届けするという意識で取り組んできたところであります。事業者や利用者の皆さんの様々な声をお聞きしながら必要に応じて運用改善をしてきておりますし、不正な事案に対しては厳正に対処していくと、公正公平に、そして効果的に事業を運営していければというふうに考えているところであります。

#201
○舟山康江君 今、需要喚起というお話がありましたけど、確認ですが、これ事業者側にとっての需要喚起とあとは利用者側、消費者側にとってのという、どちらの意味も含まれているという意味でよろしいんでしょうか。

#202
○国務大臣(西村康稔君) 基本的には、緊急事態宣言の頃から含めて、コロナの対策で大変厳しい状況にあった観光事業者、旅館、ホテル、それから飲食の皆さん方、あるいはイベント関係の皆様方、こうした方々への支援策という意味で需要を喚起し、応援をしていくということでありますが、他方、結果としてですね、利用される方もその分、割引がありますので、負担が軽減されるという意味で、ある意味、消費者の皆さんお一人お一人も厳しい状況に置かれている方もたくさんおられるわけであります、御指摘のとおりでありますので、そういった方々への負担の軽減という効果も持っているものというふうに認識をしております。

#203
○舟山康江君 やはり、予算を使う以上、できるだけ多くの人がその恩恵を受けるということは必要ではないかと思っています。
 そういう中で、この一番下、③と書かせていただきましたけれども、この中で、いわゆる無限ループと言われているもの、一回千円払えばまたポイントがもらえてポイントで食べられてと。これ、西村大臣が九月十日の記者会見でも、毎日このポイントを使っていけば夕食代はずっと浮くと自ら発言されていますけれども、これ本当にいいんですか、一回お金払えば同じ人が恩恵を受け続ける。できるだけ多くの人がということはやっぱり先ほどの答弁からもあると思うんですけれども、これ本当にいいんですか。

#204
○国務大臣(西村康稔君) この一回最初にお金を払って食事をした後、付与された千ポイントを使って次回以降千円の食事ができると。これは御指摘のように飲食店の需要喚起になるものでありますし、その方の負担軽減にもつながるものでありますけれども、これは何回でも使えるということは最初から禁じられているものではありませんし、そのことを私は申し上げました。ただ、同時に、同時に、もちろんこういった使い方だけではなくて、千ポイントを何回かためて、数千ポイント、五千ポイントになったときに五千円の利用をするといったことも含めて紹介をしているところであります。
 いずれにしても、何か特定のやり方だけを推奨するものではありませんけれども、このGoToイートは農林省でありますので、公平性を損なうことなく本来の、いわゆる飲食店、そして農産物の需要喚起、そうした支援につながっていくよう適切に対応していくものというふうに考えております。

#205
○舟山康江君 これ、大臣会見でおっしゃっているんですよね。それで、ああそうかと思って使っている人、いっぱいいると思いますよ。
 修正、訂正、見直しするべきじゃないですか。

#206
○国務大臣(西村康稔君) この使い方は最初から何か制限があるものではありませんし、それから同時に、繰り返しになりますが、千ポイントを毎回使うのではなくて、何ポイントか何回かためて、五千ポイントになったときに五千円分として利用する、そういったことも併せて私は説明しておりますので、そういう意味で、何か特定のやり方を推奨するということではなく、結果として飲食店の支援、そして農林水産業の支援につながっていく、また消費者の負担軽減につながっていけばというふうに考えているところです。

#207
○舟山康江君 この在り方は望ましいとお考えですか。

#208
○国務大臣(西村康稔君) 本当に厳しい思いをしておられる方が、先ほど来御議論ありますように、お一人お一人の状況をしっかり我々ども見ていかなければなりません。
 そういった方が、千円、まあ千円の夕食でいいということではありませんけれども、負担軽減にはつながるという意味では、厳しい状態の方が何回も使われるのはこれは、これはこれでいいと思いますし、ただ、何かこのやり方を私は推奨したわけではなくて、先ほども、繰り返しになりますが、幾つかのこういった使い方、こういった使い方もありますということを申し上げたわけであります。

#209
○舟山康江君 改めてお聞きしますけれども、この何度もポイントで食べられる、ただで食べられるということは見直すつもりがないということでしょうか。

#210
○国務大臣(西村康稔君) 制度としてこれは認められておりますし、繰り返しになりますが、厳しい状態にある方がこういった形で使われて負担軽減につながる面もあります。
 結果として、飲食店そして農林水産業の支援につながるというふうに理解をしておりますので、これを見直す予定は、今のところ、これ農水省が運用していますけれども、承知をしておりません。

#211
○舟山康江君 本当に困っている人、本当に困っている事業者のためになっているとお考えでしょうか。

#212
○国務大臣(西村康稔君) 繰り返しになりますけれども、このGoToイートは様々な使い方があります。高い金額で利用して、そのうち千円分使おうと思って行かれる方もおられるかもしれません。それから、毎回千円分でこれは利用できるということで、負担軽減につながるということで使っておられる方もおられると思います。
 そして、全体としてはいずれにしても飲食店の支援につながり、農林水産業の支援にもつながりますので、それぞれのやり方で、許されたやり方で、認められたやり方でうまく使っていただければというふうに考えます。

#213
○舟山康江君 農水大臣も同じお考えでしょうか。

#214
○国務大臣(野上浩太郎君) 今の西村大臣が言われたとおり、これは様々な使い方があるということなんですが、一方で、飲食店の側で自らの経営判断で、千円あるいは千五百円、二千円、三千円と、それは設定をできるということになっております。こちらの方で例えば二千円、三千円ということで設定をすると、例えば少額メニューしか、安いメニューしかない小規模店に懸念が出るということもあるというふうに思っております。
 さらに、このGoToイートキャンペーンは、いわゆるこのポイント事業と、もう一つ食事券の事業というものがありますので、そういうことも含めて幅広い利用をしていただければというふうに思っております。

#215
○舟山康江君 是非、同じ人が何度も使うことが問題じゃないんですかという提起ですので、是非一度立ち止まって見直していただきたいと思いますよ。
 そして、GoToどころではない人、いっぱいいます。生活困窮者、そして倒産の危機に立たされている方、こういった方に対して改めて、こういったカンフル剤的な政策じゃない、全体を底上げする経済対策、是非、総理、もう一度打っていただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。

#216
○内閣総理大臣(菅義偉君) 経済の様々な状況を見ながらそこは判断をしたいと、こういうふうに思っています。

#217
○舟山康江君 是非、一人一人が困っている実態を見て対策をいただきたいと思います。
 続きまして、ポストコロナに向けた今後の取組についてお伺いします。
 成長のための戦略を検討するということは大事だと思いますけれども、菅総理が就任後に設置した成長戦略会議について、その設置根拠、権限、有識者の人選基準について教えてください。

#218
○国務大臣(西村康稔君) 成長戦略会議についてのお尋ねであります。
 これは内閣総理大臣の決裁により設置したものでありまして、法律に基づくものではございません。本会議は、経済財政諮問会議が示す大きな方向性そして重点課題に沿って、我が国経済の持続的な成長に向けて制度改革など成長戦略の具体化を進めていくために、議長の官房長官、副議長の私及び経済産業大臣と中心に関係省庁の調整を図るものであります。
 有識者につきましては、会議のこうした設置の趣旨を踏まえて、改革の具体化、成長戦略の具体化の推進に関して見識のある方、識見のある方として議論に参加していただくことにしたものであります。
 人数も以前よりもかなり少なくしまして、有識者同士が、様々な問題意識を持っておられますので、それぞれの立場で御議論していただき、また閣僚も含めて自由な発想の中で活発な御議論をしていただければというふうに考えているところであります。

#219
○舟山康江君 これまで何度も同様の会議は設置しています。未来投資会議から、今度、成長戦略会議にということですけれども、同じような顔ぶれなんですね。これまでも何度もやりながら、結局、経済面で個人消費の落ち込みは続いていると、他国に後れを取っています。
 同じ人を人選しても同じ結果じゃないんでしょうか。いつもの顔ぶれではなくて、まさに総合的、俯瞰的にしっかり選んでいただきたいと思いますけれども、総理、いかがですか。

#220
○国務大臣(西村康稔君) 先ほど申し上げましたとおり、活発に御議論いただこうということで、かなり人数も少なくさせていただきました。また、新たに入っておられる方もおられますので、そういった方々の中で活発に御議論いただければというふうに考えています。

#221
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私自身は、今までの様々な会合をできるだけ違う人にやってもらおうという思いの中で選考を、基本として選考をしています。
 ただこれ、充て職の部分もありますから、業界代表とか、あと商工会議所とか経団連とか、そこは違いますけど、できるだけいろんな方からお願いをしております。

#222
○舟山康江君 この手の会議でよく出てくる竹中平蔵さん、また入っているなという印象があるんですけれども、少なくともこれ相当大きな影響を与えると思うんですよ。議論の内容が分かるように、運営要領では何か発言者の氏名を伏すと書いてありますけれども、やっぱりオープンに、誰が何を発言したのか議事録をしっかり公表するようにしていただきたいと思いますけれども、その辺りどうでしょうか。

#223
○国務大臣(西村康稔君) まさにこの会議の運営要領におきまして、会議の議事要旨及び議事録は発言者の確認を得た上で公表するということにしており、十月十六日に開催いたしました第一回の会議については、既に発言者の氏名を含め、議事録と同程度の詳しさの議事要旨、これ十四ページになりますけれども、作成し、既に公表しているところであります。また、会議終了後に、議事概要につきまして私から、また事務方からも記者会見を開いて説明をしているところでございます。
 いずれにしましても、しっかりと整理をした上で公表していくということで臨んでいきます。

#224
○舟山康江君 今のお答えですと、じゃ、運営要領を見直すべきじゃないでしょうか。ここには原則として発言者の氏名を伏すものと書いてありますので、やっぱりオープンを原則ということで見直していただけないでしょうか。

#225
○国務大臣(西村康稔君) 既に一回目の会議のものについては発言者の氏名も含めて公表させていただいているところであります。
 様々な個人情報なり個別の企業なり、そういったことの議論があるケースもありますので、こういった書き方をさせていただいたところでありますけれども、御理解が得られれば、名前を出して議事録を公表し、議事概要、議事要旨を公表していければというふうに思います。

#226
○舟山康江君 もう一度伺います。
 原則非公表ではなくて、原則公表ということにしてはいかがでしょうか。

#227
○国務大臣(西村康稔君) 済みません、私の勘違いでありまして、会議運営要領は、記者会見を行う際のものとして、のときに原則として発言者、その時点では発言者を伏す、ただ、その後は発言者の確認をしっかりした上で議事要旨、議事録を公表することとしておりますので、ごめんなさい、私も同じところを恐らく見ていたんだと思いますけれども、記者会見、直後の記者会見の際の紹介はそのような形でさせていただいているというところであります。

#228
○舟山康江君 改めて、全てオープンにするということを基本にしていただきたい、そのことをお願いします。
 パネル六を御覧ください。
 この中で私すごく心配なのが、中小企業政策が議題に上がりそうなんですけれども、デービッド・アトキンソンさん、それから菅総理の主張の中で、中小企業が何かあたかも淘汰の方向に行くんじゃないかという懸念があるんですけれども、総理、どのようなお考えでしょう。

#229
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、アトキンソン氏に限らず、様々な方から話を伺って政策の参考にしているところであります。お一人の意見をそのまま採用するということではありません。
 私としては、中小企業政策についてでありますけれども、小規模事業者の淘汰を目的にするのではなく、ポストコロナを見据えて、経営基盤を強化することで中堅企業へ成長をして、海外で競争できるような企業を増やしていくことというのは重要だと思っています。あわせて、地域の経済や雇用を支える小規模事業者が持続的に発展できるようにすることも重要だと思います。
 そのために、中小企業の経営資源の集約化による事業の再構築やデジタル化など、中小企業の生産性を向上させ、足腰を強くする仕組みを構築し、創意工夫する企業を応援してまいりたいと思います。
 実は、私自身、やはり地方を元気にするのは、やはり中小企業って物すごく大事だと思っています。それで、私は十七、八年前から経済産業省に、中小企業庁、海外に行く中小企業を応援するようにということはずっと言っていたんです。しかし、海外に行くと空洞化になってしまうからということで中小企業庁はこれ反対しました、反対をしていました。しかし、十数年前から、海外に進出している中小企業が日本でどうなっているか、いろんなことを調べたら、やはり海外に行っている中小企業の人たちの方が元気がある、そういう判断をして、たしか十年少し前から、経済産業省、中小企業庁もそうした中小企業を応援をして海外に行くようなことを今の政策に転換しています。
 ですから、私自身は、やはり地場の企業がやっぱり強くなってもらいたいという、そういう思いの中で、私は、この中小企業というのは、政策というのは行っていきたいというふうに思います。

#230
○舟山康江君 総理おっしゃるように、海外で活躍できる企業も必要だと思います。ただ、地場に根を張ってそこで仕事をする、で、いろんな地域活動も一緒にする、そういう企業も必要だと思います。まさに中小企業、下に書きましたけれども、毛細血管みたいなんですね。動脈も必要だけど、大きな血管も必要だけど、末端の毛細血管も必要なんだということと同じように、やっぱりこの役割をしっかり認識した上で、海外に出ていけばいい、合併すればいいではない、その方向性で取り組んでいただきたいと思います。
 続いて、新たな産業育成のためには技術開発が必要であり、その前提として学問と科学技術の振興が不可欠であると思います。一方で、残念ながら学問と科学への支援が少ない現状だと思います。
 パネル御覧ください。科学技術予算が米中に大きく水を空けられているほか、実はこの国立大学の運営費交付金等もどんどん減少しています。
 そういう中で、教育への支援、科学技術予算を拡充するということ、是非やっていただきたいと思いますけれども、総理、この分野に対するお考えをお聞かせください。

#231
○国務大臣(井上信治君) 科学技術の振興、非常に重要なことだと思っております。科学技術は経済発展や社会的課題の解決の鍵であり、着実に推進していく必要があります。特に、学術研究や基礎研究の振興は将来のイノベーションの源泉となる重要な投資であることから、例えば今年度の科学技術関係の当初予算、対前年比千四百億円増の予算を計上しております。
 また、本年七月に閣議決定した骨太の方針においても、官民で連携し、研究開発投資の拡大に取り組むとしており、財源を十分に確保しながら大胆な投資も実施してまいりたいと思います。
 さらに、来年度からの五か年計画である次期科学技術・イノベーション基本計画においても、研究開発投資の目標について必要なものをしっかり精査して策定してまいりたいと思います。

#232
○舟山康江君 総理、この米中との比較を見てどのようにお考えでしょう。

#233
○内閣総理大臣(菅義偉君) これは、いろんなそういう予算面で見ると米中と日本は大きな差があります。しかし、日本が今日まで築き上げてきたものというのも米中と比較をして確かなものがあるということも事実だというふうに思います。
 今、井上大臣から答弁ありましたけど、千四百億円の対前年比予算増の計上をするなど、そうしたことを踏まえた中でしっかり応援していきたいと思います。

#234
○舟山康江君 この分野でもう一点問題があるんです。
 研究者の身分が非常に不安定。もう任期付き、非正規が多い、そして賃金も安い。ここも改善いただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。

#235
○国務大臣(井上信治君) おっしゃるとおり、この点についても委員と我々の認識、共通だと思っております。
 科学技術立国である日本の未来には若手研究者の育成が重要であるけれども、例えば四十歳未満の方々が国立大学の教員においては任期付きで採用される割合が増加するなど、研究ポストの不安定な状況、課題となっていると認識しております。
 このため、本年一月に策定した若手研究者に対する支援パッケージに基づきまして、内閣府が司令塔となって、関係省庁とも連携しながら、若手研究者向けの安定的なポストを増やすとともに、最長十年間、自由な発想による挑戦的研究を支援する事業など、強力に推進してまいります。

#236
○舟山康江君 是非人を大事にということもお願いしたいと思います。
 続いて、コロナを経て地方回帰の動きが活発化していますけれども、その一つの受皿として農業が挙げられると思います。
 総理の考える農業の役割とは何でしょうか、お考えをお聞かせください。総理のお考えです。

#237
○内閣総理大臣(菅義偉君) 農業は、国民に食料を供給するという、まずは重要な役割を果たしています。コロナ禍で一部の食料輸出国が穀物の輸出制限を行うなど新たな供給リスクのおそれがある中で、役割はそういう意味においてますます重要になる、そういうふうにも思っています。
 各地域に人が住み、農業が行われることにより、地域の祭りなどを通じてコミュニティーや集落が維持されているということも大事だと思います。また、水田の持つ貯水機能は水害対策にも重要な役割を果たしているというふうに考えます。
 その上で申し上げます。やはり農業が一定の所得を上げるような農業にしなければ私はならないと思うんです。そうした所得を上げる農業になると必ず後継者も帰ってきます。そこでいろいろ成功している事例も、私、何か所か視察にも行ってきております。
 ですから、そういう意味で、強い農業というんですかね、地方に住んでいても一定の水準があって、自分の家族を養い、そして自分の子供を大学まで入れるぐらいの一定の所得がある、そうした農業というものを私は目指したいと思います。

#238
○舟山康江君 その強い農業というところが問題だと思いますけれども、規模拡大とか競争力強化だけで本当にそれが実現できるのか。今、残念ながら、農地も減少している、人も減少している。そんな状況の中で、パネルを御覧いただきたいと思います。
 欧州、スイス、こういった国は今、直接支払、環境への貢献とか地域への貢献という形で、もう徹底的に直接支払を導入しています。EUの平均で五割、所得の五割が直接支払なんですね。
 こういった方針を、それこそ競争力ではなくて打ち出すべきだと思いますけれども、総理、いかがでしょうか。

#239
○国務大臣(野上浩太郎君) 今御指摘のありましたEUやスイスでは、作付けする品目に関係なく、面積、農地面積に応じて支払われる直接支払ですとか条件不利地域支払などを実施されていると承知をしております。こうしたEUの共通農業政策は、我が国が米等で十分な国境措置を維持してきたのとは異なって、主要な農産物で国境措置を縮小するなどの様々な事情の中でEU農業の発展に必要な政策として実施されるものと承知をしております。
 我が国におきましては、麦、野菜などの安定的な需要のある作物への生産拡大のための直接支払ですとか、あるいは中山間地の営農継続のための直接支払ですとか、あるいは多面的な機能の維持、発揮のための直接支払等を行っております。
 今後ともそうした制度をしっかり実施していくことによって農業や農村を支えてまいりたいと思います。

#240
○舟山康江君 日本の直接支払とEU、欧米の直接支払、全然意味が違うんですね。
 私は、本当の意味で、こうやってそれぞれの生産活動、そして維持をすることに対する直接支払にかじを切るべきだと思いますけれども、総理はこの点どうお考えでしょうか。

#241
○内閣総理大臣(菅義偉君) 我が国においては、麦、野菜などの需要がある作物の生産拡大や意欲ある農産物の農地の集積、技術促進など、我が国の事情や課題に応じた政策を実施していくことが大事だというふうに思います。農業を成長産業と考える、そうした視点も今までは大きく欠けていたのではないかなというふうに思っています。
 今、農水大臣が答弁されましたけれども、欧州やスイス、そうした例とは違うというふうに思います。ただ、地方で生活をすることができるように環境を整備するのは、それは政治だと思っています。

#242
○舟山康江君 もう世界は規模拡大路線じゃないということを指摘させていただきたいと思います。輸出についても否定はしませんけれども、輸出の割合非常に低くて、加工食品がほとんどという中で、ここだけに着目をしてもなかなかうまくいかないんじゃないかと思います。
 済みません、次の質問に移りますけれども、今コロナ禍で、米の問題、随分危機的だと言われています。そういう中で、大統領選挙でどちらが大統領になるか分かりませんけれども、もし民主党の方が勝てば、多分これまで以上に米の輸出圧力が強まるのではないかと思います。
 そういう中で、日米貿易協定、これは米の追加的譲歩はないということでしたけれども、それは同じ方針でよろしいんでしょうか。

#243
○国務大臣(茂木敏充君) アメリカの大統領選挙、御案内のとおり、今、開票作業、まだですね、比較的選挙人の多いペンシルベニア二十人、ジョージア十六人、さらにはノースカロライナ十五人等々続いておりまして、結果については今予断を持って申し上げることはできませんが、その上で、結果にかかわらず、米については委員御指摘の御理解で結構です。

#244
○委員長(山本順三君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。

#245
○舟山康江君 はい。
 ありがとうございます。
 ちょっと、最後に一問だけ。大和堆での違法操業問題ですけれども……(発言する者あり)すぐに、はい。これ入域……

#246
○委員長(山本順三君) 時間が過ぎていますので、おまとめください。

#247
○舟山康江君 入域自粛を要請されていますけれども、領海なのになぜ自粛されなければいけないのかというところだけ一問お答えいただいて、終わります。

#248
○国務大臣(野上浩太郎君) 今お話のありました大和堆についてでありますが、同水域におきましては、本年は十一月五日までに延べ四千三十六隻の外国漁船等に退去警告を実施しておりまして、そのほとんどが中国漁船であります。
 このような中で、九月二十九日には、大和堆西方の我が国排他的経済水域内において漁業取締り船が北朝鮮公船を確認したことから、我が国漁船に対して一時的に一部水域からの移動を要請したところであります。今回は、自粛期間が長期にわたりましたので漁業者の皆様に御迷惑をお掛けしましたが、その後、安全確保のめどが立ったことから、十月二十八日から段階的に自粛要請を解除したところであります。

#249
○舟山康江君 ありがとうございました。

#250
○委員長(山本順三君) 以上で舟山康江さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#251
○委員長(山本順三君) 次に、矢田わか子さんの質疑を行います。矢田わか子さん。

#252
○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会の矢田わか子です。
 先ほどの質問に引き続き、まずは補正予算の執行状況について確認をさせていただきたいと思います。
 コロナ対策として、過去最高規模のこの五十七兆円の補正予算を組みました。これが有効的に使われ、効果を発揮しているのかどうか、見ていきたいと思います。まず、西村大臣、いかがですか。

#253
○国務大臣(西村康稔君) 一次補正、二次補正を成立させていただきまして、これを今できるだけ迅速に、そして着実に執行しているところであります。特に四月、五月、大変厳しかった状況の中で、特別の定額給付金を一人十万円、あるいは二百万円、百万円の中小企業、個人事業主への持続化給付金、そして、休業された企業たくさんありますけれども、雇用調整助成金月額三十三万円まで、中小企業の場合は十割、解雇をしなければ十割ということで支援をしてきております。
 こういったことの支えもあって、何とか雇用もぎりぎりのところで企業の皆さんも踏ん張っていただいて、もちろん職を失われた方もおられますので、失業率も少し上がってきておりますので、そこはよく注意してマッチングや支援をしっかり行っていかなきゃいけませんけれども、これまでこの補正予算の成果もあって下支えをしてきているものというふうに認識をしております。

#254
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 大きな予算組んでいただいたんですけれども、個人向けとか事業者向けの助成金について、執行率が私低いというふうな課題意識を持っています。
 パネルを御覧ください。(資料提示)
 特に、このコロナ対応の休業給付金、それから妊婦に対する休業助成金、小学校の休業対応助成金という個人に対する支出、かなり低いものがあります。執行率の低い制度にはそれなりの課題があるという認識をしておりますが、どのように分析をされていますか、田村大臣。

#255
○国務大臣(田村憲久君) 休業給付金・支援金でありますけれども、これは元々雇用調整助成金で対応いただきたいわけでありますけれども、中小零細企業の場合はなかなか申請が非常に難しいということがあって、いろんなお声いただきました。そこで、御本人が申請していただいて、企業がそれに対して休業しているということをお認めいただければそれに対する給付をすると、こういう制度であります。
 これ自体は、確かに言われるとおり、五千六十四億円の予算額中三百三十六億円ということで、執行率六・六%というふうになっておるんですが、一方で、雇用調整助成金が、予算額が一兆五千億強で、支給決定額は二兆強なんです。両方と合わせると実は当初予定していた金額とほぼ一〇〇%の状況でありまして、そういう意味では、各企業、雇用調整助成金を利用をいただいているということであります。
 ただ、そうはいっても、本来受けられる可能性といいますか、権利があるのに受けられていない方々がおられますから、これに対しては、しっかりと事業主に、申出をいただいたら受け付けた上で事業主の方にお伝えをさせていただいてお認めをいただけるように、こういう場合は認められますよということを丁寧にお伝えするようにまた運用を変えさせていただいております。
 それからもう一点、小学校の休業の助成金でありますが、これも、母性健康管理措置の休業助成金の方も実は新たな制度でございまして、コロナ禍でつくらさせていただきました。ですから、元からかなり多めの予算を用意をさせていただいておりました。その影響で、実は小学校の方は、委員一〇%という話でありますが、我々二〇%というふうに認識をいたしておりますが、活用まだこれでもされていないという方がおられればということで、今事業主の方々に再度申込みというか、労働局の方に私は受けていませんよというようなそういうお申出があれば、企業の方にしっかりお伝えをさせていただいて、このようなものを御活用いただくようにということでお願いをさせていただいております。
 それから、母性健康管理措置に関しましては、これの休業助成金は、もう御承知のとおり、これは男女雇用機会均等法の十三条ですかね、あそこで管理措置、三つ類型がありまして、作業の制限でありますとか、それから勤務時間の短縮ですね、それと休業と。特に、これコロナ特例で、お医者様や助産師の皆さんに、コロナだからうつる可能性があるんでというんで企業に対して何らかの対応をということになった場合に在宅勤務も含めて対応していただくようになっております。
 ですから、在宅勤務か休業なのかという中において休業を使われていないというような企業もありますが、場合によっては、やはり休業使った場合助成があるということも十分に分かっておられない場合もありますので、しっかりと周知すると同時に、先ほどと同じように窓口をつくりました、相談のコールセンターを。そこから、お申出があれば事業主の方にしっかりとこういう制度があるのでお使いくださいというようなことをお伝えするようにということで今運用いたしております。

#256
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 コロナ禍において確かに新設していただいた制度なんですね。しかしながら、過大に見積もったよというふうな話もありますけれども、実際のところ、私の事務所には、申請してくださいと事業主に言っても事業主が動いてくれないんだという声が多くある、これも事実なんです。
 もう私、この国会でも四回、五回と取り上げさせていただいている。そのたびに、事業主にちゃんと動いていただくように労働基準署から指導させますからというふうに歴代の厚労大臣も、前回、済みません、加藤大臣にも言われていたんですが、この間見守ってきて、やっぱり支給率上がってきていないんです。
 おっしゃるとおり、多めに見積もったこともあると思います。しかしながら、特に小学校休業です。
 これは安倍政権を引き継ぐと言われた総理にも是非お答えいただきたいんですが、いきなり二月二十九日の日に記者会見を開いた安倍前総理が一斉休校と言ったわけですね。保護者の皆さん、慌てたわけですよ。ところが、保護者の皆さんの休職に伴う所得の減少にも、新しい助成金制度を創設することで正規、非正規を問わずしっかりと手当てしてまいりますとおっしゃったんです。だから安心して、休んでも大丈夫、ちゃんと補償してくれるんやなと思った人は多くいると思います。結局、小学校、一斉に小学校がお休みになって休んだ保護者。そして、保育園もなんですね。連れていっても、当時は、自粛してください、エッセンシャルワーカーじゃないですよねと言われて、自粛を促されて家にいた方々たくさんいらっしゃいます。そういう方々がきっと出るだろうと思った。
 三月二日の一斉臨時休業から特に春休み開始まで、ここは政府の責任でやっぱりきちんと出してあげないといけないと思っていますが、いかがでしょうか。

#257
○国務大臣(田村憲久君) 企業がですね、その言うなれば補償、補償といいますか、休業をさせた場合にそれに対してお金を出すというような、そういうような制度になっておりますので、やはり企業の方が申請いただかなければならないという話になっております。
 そういう意味では、先ほど、何度も同じことを申し上げて恐縮でありますけれども、労働局の方にお申し出いただければ、ただ、それも言いづらいという話が実はありまして、相談を受けているんですが、相談した後、じゃ、企業の方に申し上げましょうかと言うと、いや、それ言うと企業の方が、またいろんなことがあるのでそれはもう言っていただかなくて結構ですと言われるような方もおられるというふうにお聞きをいたしておりますので、再度企業にこういう制度の趣旨を徹底をして、是非とも、そういう申出があったときにはお出しをいただくというのが本来なので、まあ請求、請求といいますか、申請を国の方にしていただくようにということを再度徹底をさせていただきたいというふうに思います。

#258
○矢田わか子君 田村大臣、いろんなことがあるのでというその言葉の中にやっぱりいろんな思いがあるわけですよ。名のり出て、これ申請してくださいと言えない。言ったらですよ、もう、そんなん言うんやったら来んでええよと言われて実際にお辞めになられている、そういうお母さんたちもいらっしゃるんですね。
 したがって、やはりこれだけの大きなことの宣言を、まあ前首相ですけど、されたのであれば、しっかりと私は政府が責任を持って支払をするべきだというふうに思っています。
 今日は提案させていただきます。こういうフォーム作りました。対応助成金出してくださいという申請書のフォームです。御自身がしっかりと、この間こういう理由で、小学校が休業したから、これは政府の命によって、だから私は休みました、間違いありませんねということを事業場に持っていって、そこで印鑑ついてもらうわけですよ。
 それを、本当は事業場がやるべきなんですけど、できないのであれば第三者機関をかませて、第三者機関というのは、恐縮ですけれども、例えば連合などの労働組合とか社労士協会とか弁護士会にも協力をいただいて、そこから代わって申請してもらうような仕組みなどを私の事務所ではいろんな人の声を基に考えているんですけど、厚労省もこうしたことを知恵絞ってもらえませんか。

#259
○副大臣(三原じゅん子君) 御指摘の助成金については、企業が有給の休暇を労働者に与えた場合に企業の給与負担を助成するものであることから、助成金の申請に当たっては、助成を受ける事業主自身が行っていただく必要があります。このため、事業主が申請を行いやすいように申請書類はできる限り簡素にするとともに、コールセンター、先ほど大臣もお話ありましたように、労働局での説明など、様々な手段で申請のサポートを行っているところでございます。
 必要な方に支援がしっかり届くように、引き続き周知や働きかけに努めてまいりたいと思います。

#260
○国務大臣(田村憲久君) 御提案は御提案として承らさせていただきたいと思いますが、ただ、今、三原副大臣が申し上げましたとおり、本来、事業主が休業をする中において、休業させるといいますか、させる中において、それに対しての助成をするという、そういう制度になっておりますので、御本人からの申請というような、そういう制度になっておりません。
 そういう意味で、御提案は御提案ですけど、今の制度の中ではそれは難しいということで御理解をいただければと。ただし、より周知するような努力はしてまいりたいというふうに思っております。

#261
○矢田わか子君 十月の最初に内閣委員会が、閉会中審査が行われたときの答弁と全く三原大臣、変わっていないんですね。
 同じこと聞いているんじゃないんですよ。違うやっぱり知恵を絞らないと、いっこもこの申請率は上がってこないのです。だから知恵を絞っていただけませんかというお願いをしています。
 事業所に連絡をして出しなさいといっても限界があるので、もうそろそろですね、十二月これ末までなんです。そろそろ違うやり方を、やっぱり個人申請化図るとかいうことも含めて検討をお願いしたいと思います。
 総理、済みません、どうでしょうか、救っていただけませんか。

#262
○内閣総理大臣(菅義偉君) まあ、とにかく、その申請者、対象者に届くような政策というのをできるだけ丁寧にいろんな角度から検討してみたいと思います。

#263
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 私がここまで言うのは、今もずっと私の事務所には、助けてください、いつまでたっても私たちには、非正規、そしてやっぱり中小企業で働く人なんですよ、幾らお願いしたって全然私たちのところに休業補償は来ないという、そういう悲痛の叫びが毎日届きます。どうかお知恵を絞ってのお取組を、総理、よろしくお願いしたいと思います。
 続いて、一方で学生支援についてもお聞きをしていきます。
 これも給付金、逆にこれはだあんと出て、予算が足りなくなるほどになってきています。困窮する学生の支援、補正予算の予備費活用するなど対策はあるんでしょうか。そしてまた、GoToキャンペーン行われているにもかかわらず、いまだ大学ではオンライン授業がメーン、対面授業行われていません。GoTo大学何で駄目なんですかということの戸惑いの声もあります。
 どう対策を打ちますか、文科大臣。

#264
○国務大臣(萩生田光一君) 新型コロナウイルス感染症の影響で経済的に困難な学生が修学、進学を諦めることのないよう、しっかりと支えることが何より重要と考えております。
 文科省では、学びの継続のための学生支援緊急給付金について、これまで約四十二万人に支給を行っていますが、今後について、新型コロナウイルス感染症の状況や学生の修学状況等も注視する必要があり、これらを踏まえながら必要な対応を検討してまいりたいと思います。
 また、文科省では、感染対策と対面授業を両立した好事例を発信してきたほか、現在、対面授業の実施割合が半分未満の大学に対しては、学生がその状況を理解し納得しているのか等について聞いているところでございます。質の高い学習機会の確保を促していきたいと思っています。
 加えて、私としましても、来週にも改めて大学の関係者の皆さんとお会いしたいと思います。それで、今までいろんな機会を通じて、決してオンライン授業が全てけしからぬとか駄目だって言っているわけじゃなくて、要は納得を学生さんがしていればいいわけです。
 それで、アンケートを取りますと、同じ大学でも、例えば三年生、四年生はこれでいいという方も中にはいらっしゃる。ところが、一年生などは、大学入学以来一度もキャンパス行ったことがない、実家を離れて、そして独り暮らしをしながら、大学入学を果たしたにもかかわらず、まだいまだに学生の友達一人いないという状況の方もいて、やっぱり一年生などはもう大学を開いてくれって言っているんですね。
 それで、なぜ開かないかというと、大学生というのは行動範囲が広くて小学校や中学校と違うんだというふうに声を大におっしゃる学校の先生がいらっしゃるんですけれど、そんなこと言ったら来年の受験なんかできないですよって私申し上げました。いや、受験はできるんだって言うんですよ。受験は感染防止対策をきちんとしてやるから大丈夫だって言うんで、だったら毎日そういう授業をやってくれませんかということもかなり厳しく申し上げています。
 どっちがいい、どっちが悪いじゃなくて、やっぱり学生の皆さんが主役ですから、きちんと納得ができる授業の在り方というものを学校関係者の皆さんにも一緒に考えていただけるように、引き続き学生の皆さんに寄り添いながら頑張っていきたいと思いますし、大学の皆さんにも、いろんな工夫は、いい例がありますから、それをしっかり横展開していけるように、大学とも伴走しながら取り組んでまいりたいと思っております。

#265
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 感染症対策のやっぱり例えば費用の支援とかそういったことにも少し対策を打っていただければと思います。よろしくお願いします。
 続いて、孤立する妊婦さんの対策として第二次補正予算で百六十三億円付けられています。内容と実施状況について御説明お願いします。

#266
○副大臣(三原じゅん子君) 個別の事業の内訳として、不安を抱える妊婦への分娩前ウイルス検査は執行率約九四%、オンラインによる保健指導等は執行率約一六%、育児等支援サービスは執行率約一一%、新型コロナウイルスに感染した妊婦、妊産婦への寄り添い支援が執行率約一〇%となっております。

#267
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 こちらもやはり妊婦さんがコロナ禍で孤立したような状況になっています。いまだに分娩するときに立会いすらできないんですよね。たった一人で産んでいらっしゃるし、里帰りも駄目やと言われている。そういう妊婦を孤立させないために極めて大事な事業であると思いますので、これもまだまだ執行率低いところ多いと思います、三原副大臣、是非進めてください。お願いします。
 では、続きまして、コロナ社会の経済政策と雇用政策についてお伺いしていきます。
 産業界では全体でコロナの影響が深刻化しています。特に基幹産業の航空産業、鉄道産業について、赤羽大臣、状況と対策をお願いします。

#268
○国務大臣(赤羽一嘉君) 質問ありがとうございます。
 航空業界、また鉄道業界のみならず、バス、タクシー、トラックも含めて、公共交通、物流機関、これ大変厳しいコロナ禍の下で経営自体が大変厳しいですけれども、公共交通機関としての使命と責任を果たしていただいていることに改めて心から感謝を申し上げたいと思います。
 そうした皆様に、これまで、例えば日本政策投資銀行の危機対応融資ですとか雇用調整助成金、また国税、地方税の納税猶予の特例に加えまして、需要喚起策として、先ほど出ているGoToトラベル事業も展開しているところでございます。
 また、特に航空業界また空港については大変厳しいということで、航空ネットワークを適切に維持するという観点から、着陸料、これ四五%の引下げですとか、また、支払猶予などを盛り込んだ支援施策のパッケージとしてこれを支援、展開中でございます。
 引き続き、この状況、どれだけ長期になるかということをしっかり注視しながら、各事業者の皆さんと連携をよく取って適時適切な寄り添った対応をしていきたいと、こう考えております。
 以上です。

#269
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 昨日も全日空の方とお話をしましたが、社会インフラを支える高い使命感を持って皆さん笑顔で頑張っていらっしゃいます。是非引き続きの御対策をお願いします。
 また、今や製造業においても状況が日に日に悪化してきております。大手の製造業でも、これまで何とか休業で対応できたものの、業績の悪化により雇用合理化に踏み切る傾向が出てきております。今後も失業者、離職者の割合は増えていくものと考えられ、改めて実効性あるセーフティーネット、必要だと思います。
 政府としてどのような分析をされ、どのように対応されようとしているのか、梶山大臣、お願いします。

#270
○国務大臣(梶山弘志君) しっかりと状況を把握した上で様々な支援を今しているところでありますけれども、あと、企業との話合いというものもしております。
 そういったことも含めて、あと、将来に向けては、サプライチェーン等の補助金も含めて今募集をしているところでありますけれども、これ、意外と多いんですね。予算の十倍ぐらい来ているということなんです。これにつきましては、予備費で八百六十億円を足したところなんですけれども、この条件があるかどうかは別にして、投資意欲がかなり出てきているということなんですね。
 ですから、そういったことも含めてしっかりと対応してまいりたいと思いますし、来年度予算でもこのサプライチェーン関連で要求をさせていただいているところであります。

#271
○矢田わか子君 おっしゃられた製造業の国内回帰について、大きく今予算取っていただいているというお話でした。
 ただ、このパネルにありますとおり、元々二千二百億しか組まれていなかったところに、予備費の活用で八百六十億付けていただきましたが、それでも三千六十億です。最初に決めたものが、決定件数、九十件のうち五十七件、そして今、千六百七十件も応募が来ていて、一兆八千億近くの申込金額があるわけですよ。ということは、残りこれ一・六兆円ぐらいの申込金額に対しては何の手当てもできないということなんじゃないでしょうか。どのようにされるんですか。

#272
○国務大臣(梶山弘志君) まずは、サプライチェーンの要件に当たるかどうかということがこの条件になります。
 というのは、このコロナ禍において必要なものが入らなかった、また国内で完成品を作るときに部品が入らなかった、そういうことがないように国内でサプライチェーンしっかりやりましょうということなんですけれども、それ以外の目的でも、製造業で工場を造りたいというものがあります。そういったものも含めて、この補助金以外で使えるものがあるかどうかということも考えておりますし、来年度予算の中でそういったものを今要求をさせていただいているということであります。

#273
○矢田わか子君 先ほどもありましたけれども、経済を再活性していくためにGoToキャンペーンとかいろいろなカンフル剤的なものはやっていらっしゃるんですけれども、これ膨大な予算をつぎ込まれていますが、その場限りのものが多いんですね。
 そうではなくて、やっぱり中長期的に見て、これ国内回帰させるということは我が国の中に新しい新たな雇用を生み出すというようなことでもありますので、そういう施策についても是非予算をつぎ込んでいただきたいなということで、お願いをしておきたいと思います。
 先ほど雇用対策、失業対策としてちょっとお聞きできなかったので、田村大臣、お願いできますか。

#274
○国務大臣(田村憲久君) まず、雇用情勢の認識という話でありますが、九月の有効求人倍率、八月から比べて〇・〇一ポイント下がって一・〇三倍ということになっております。失業率は三・〇%と同水準なんですが、全体見ますとやっぱり、ここ最近といいますか、やっぱりコロナ禍の中において、正規の方は若干戻ってきまして、前年対比で見ても九月ですと四十八万人増えているんですね。ところが、非正規は百二十三万人減っているということで、やはり非正規労働の雇用、労働の方々は大変厳しい状況。
 一方で、じゃ、正規は増えているからいいかというと、多分、雇用調整助成金、これを使っていただいて、かなりの企業がまあ何とか解雇をせずに耐えていただいているというところがあると思います。
 そういう意味では、非正規の方々には、やはりハローワーク等々を使いながらでありますとか、あと、雇用保険に入っていなくてなかなか職業訓練を受けられないという方々もおられますので、求職者支援訓練制度、こちらの増員、こちらの枠も増やしたりなんかしておりますし、一方で、正規の方々に関しましては、先ほど雇用調整助成金の中で出向に対しても使っていただけるというお話をいたしましたけれども、そういうものも御利用をしていただくと。場合によってはこれに対して何らかの検討も我々加えていかなきゃならないなと思っておりまして、ありとあらゆる施策を我々も考えながら、しっかり雇用を守ってまいりたいというふうに考えております。

#275
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 やはりおっしゃるとおり、何とか今、雇用調整助成金で持ちこたえている企業多いと思います。したがって、これが十二月末で本当に切れてしまえば失業者があふれるかもしれません。これ対策、延長とか考えていらっしゃいますか。

#276
○国務大臣(田村憲久君) 私の前任の加藤大臣のときに申し上げたのは、急激に悪化をするということにならなければ段階的に、すぐには本則に戻しませんけれども、段階的に本則に向かって戻していくと、こういうお話でございました。
 現状をしっかりと見ていかなきゃなりませんし、先ほど申し上げました、いつまでも雇調金で仕事がないのに耐えていただきますと、モチベーション、働く方々のモチベーションも下がってきますから、そういう意味では、先ほど申し上げたような産雇センター、産業雇用安定センター等々を使いながらうまく転籍をしていく、こういうことも必要でありますし、出向も必要であります。いろんなことを考えながら、やはり失業なき労働移動も含めて雇用を守ってまいりたいというふうに考えております。

#277
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 ワークシェアのみならず、やっぱり雇用シェアということも政府の政策の中に入れていただきたいというふうに思います。今までにない有事ですから、やはり今までにない発想での雇用政策を展開していただきますようお願いしたいと思います。
 それから、おっしゃったとおり、これ、コロナの影響で職を失った労働者は六万人超えたというような報道もあります。特に女性の失業者が大きく増えております。女性の失業率について、パネルを御覧ください。
 七月以降、若い女性の失業者、高まっていることに注目すべきであると思っています。相対的に、何度も出ている非正規労働者、それに占める女性の割合が高いことに起因していると思われます。昨年九月からこの一年間で正規労働者は四十八万人増えていますが、非正規は百二十三万減少。
 これ、何かやはりきちっとした対策を打たなければならないというふうに思っています。いかがでしょうか。

#278
○副大臣(三原じゅん子君) 今委員おっしゃいましたように、総務省の労働力調査によりますと、九月の雇用者数、雇用形態別に見ると、女性は、正規の職員、従業員が千二百一万人と前年同月差で三十三万人増加、非正規の職員、従業員は千四百二十一万人と前年同月差で七十三万人減少しているということでございます。
 やむを得ず職を失った方への支援として、女性の再就職のためのマザーズハローワーク、これ私も視察に行ってまいりましたけれども、子育て中の女性などを対象に、担当者制によって職業相談、職業紹介や求職者のニーズに応じた求人の開拓など、これきめ細やかな就職支援を行っております。
 また、生活に困窮される方々に対しては、一時的な資金が必要な場合には緊急小口資金等の特例の貸付け、住居を失うおそれがある場合には住居確保給付金の支給などによって生活の支援をこれからも行ってまいりたいと思っております。

#279
○矢田わか子君 コロナ下の研究会が起こっていると聞いています。橋本大臣、御説明ください。

#280
○国務大臣(橋本聖子君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の拡大の影響というのは、委員御指摘のとおり、女性に大変な大きな影響を及ぼしております。
 例えば、非正規雇用労働者を中心として女性の雇用への影響が大きく、経済的に困難に陥る一人親家庭の増加も危惧されております。生活不安、そしてストレスが高まり、DVや性暴力の増加、深刻化、こういうことが懸念されている中、さらに、子育てや介護の負担も増加も懸念されております。
 オンラインの活用によって男女とも新しい働き方の可能性が広がっているということもありまして、在宅での働き方の普及が、男性の家事、育児への参画を促す好機でもあります。
 こうした中で、世界共通の課題となっていることで、内閣府においてコロナ下の女性への影響と課題に関する研究会というものを開催をしておりますけれども、研究会では、現在、メンバーの有識者の方々から就業面、生活面など幅広い観点からのお話を伺っておりまして、活発に御議論いただいているところであります。
 それぞれのやはり専門分野の研究会の方がこのメンバーとなって来ていただいておりまして、しっかりと寄り添う、どういう状況の中で何をすればいいのかという声なき声というものを、研究者の皆様方からの御助言をいただいて、しっかりと取りまとめていきたいというふうに思っております。

#281
○矢田わか子君 女性活躍を標榜する菅総理、光と影、やはり格差の拡大の中で、やはり今、女性の自死を選択する方も増えています。特に、若い人たちが去年に比べて七〇%以上増えているというデータもあります。
 どうかこういう社会的な弱者に寄り添って、セーフティーネット、公助をやはり発揮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#282
○内閣総理大臣(菅義偉君) こういう時代の中では、そこは当然考えるべきだと思います。

#283
○矢田わか子君 菅総理、是非お願いします。縦割り行政を排除しということですので、当たり前のことを当たり前にやる、今苦しんでいる人こそ救うということでお願いを申し上げたいと思います。
 それから、続いて、この日本のやはり最大の課題と言われている少子化対策についてお聞きをしていきます。
 昨年、出生数が八十六万人ショックと言われました。少子化対策、喫緊かつ重要な国家政策です。
 菅総理、何が一番喫緊の課題であり、どう取り組まれるのか、御意思をお聞かせください。

#284
○国務大臣(坂本哲志君) 私の方から政策的なものを報告しておきたいと思います。
 今言われましたように、昨年、二〇一九年の出生者数は九十万人を大きく割り込みまして、八十六万ショックと言うべき状況であります。合計特殊出生率も一・三六となり、コロナ禍による影響も含め、我が国の少子化の進行は深刻さを増しております。
 少子化の背景には、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が絡み合っていることはもう先生御存じのとおりでございます。少子化社会対策大綱に基づきまして、希望出生率一・八の実現に向け、進みたいと思います。
 まさにそこにパネルで示してあるとおりのその対策を今後安定的な財源を確保しつつ進めていかなければならない。新生活への経済的支援を含む結婚支援、不妊治療への支援を含む妊娠、出産への支援、それから、待機児童の解消に向けた取組を含む男女共に仕事と子供、子育てを両立できる環境の整備、そして地域社会による子育て支援、さらには多子世帯への支援を含む経済的な支援、こういったライフステージに応じた総合的な少子化対策に大胆に取り組むことで、個々人の結婚や出産、そして子育ての希望の実現を阻む隘路の打破に強力に取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

#285
○内閣総理大臣(菅義偉君) 少子化の問題は、経済的不安定さとかあるいは出会いの機会の減少、男女の仕事と子育ての両立の難しさ、家事、育児の負担が依然として女性に偏っている状況など、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因というのはこれ複雑に絡まっているんだろうというふうに思います。
 私としては、こうした希望の実現を阻む障壁を一つ一つ取り除いていくことで、長年の課題である少子化対策に真っ正面から取り組んで大きく前へ進めたい、このように思います。
 先般の所信表明演説で、不妊治療への保険適用を早急に実現すると言及しました。まさに、子供を持ちたいけれども治療に大きな経済的負担が掛かってしまうという方々の気持ちに寄り添って対応したいと思います。そういう思いの中で表明をさせていただきました。保険適用までの時間が、一定の時間は掛かりますので、その間は助成額を大幅に拡充したい、このように思います。
 それ以外にも、男性が子育てに主体的に参加するための環境整備、ここも大きく進めていきたいと思います。国家公務員については一か月の育休というものを決めさせていただいております。
 また、待機児童の問題についても、ここも大きな問題になっているというふうに思います。政権交代をしてから、たしか七十万人分ぐらい増やさせていただきましたけれども、今でもたしか一万二千人ぐらい待機児童がおりますので、こうした問題についても年末までに新たな計画を取りまとめたいと思います。
 我が国の未来を担うのは子供たちであることは申し上げるまでもありません。引き続き、少子化対策大綱に基づいて、安定的な財源を確保し、様々な施策を速やかに実現をし、実施することで総合的な子育て対策をしっかり推進をしていきたいと思います。

#286
○矢田わか子君 少子化対策を大きく前進させたいというふうにおっしゃっていただき、大変心強く思っております。
 総理おっしゃるとおり、やはり不妊治療もすごく大事ですけれども、ほかにもたくさんやらなくちゃいけないことがあるわけです。
 したがって、私もこのパネル作りましたけれど、まずは何よりも結婚をできるように所得を上げていかないと非正規の方が安心して結婚することすらできない、経済的に苦しい人が多いという現実をまずは見ていただきたいと思いますし、そして出産の支援についても、出産育児一時金の引上げ、検討されていると聞いておりますが、ほかにも、非正規の方だと、産前産後休暇といって、休んでいる間、そこの賃金の保障は一切ないわけです。そこも見直していただきたい。
 かつ、育児支援でいうと、待機児童なんですよ。いつまで待機児童ゼロを先送りするんだろうかと思いますが、そこで、坂本大臣、お聞きしたかったんです。二十二代目の少子化担当大臣、いかがですか。

#287
○国務大臣(坂本哲志君) 厚生労働省の調査によりますと、令和二年四月時点の待機児童数は一万二千四百三十九人となり、調査開始以来最少となっております。待機児童に関しましては、待機児童解消加速化プランで五十万人、現在の子育て安心プランで三十二万人分の受皿を確保すべく、今取り組んでいるところでございます。
 待機児童の解消を目指して、子育て安心プランの最終年度であります今年度も厚生労働省と連携しまして引き続き全力で取り組んでいくとともに、年末までに新たな計画を取りまとめるべく、今検討しているところでございます。

#288
○矢田わか子君 待機児童一・二万人という言葉がありましたが、隠れ待機児童というのは何人いらっしゃるか把握されていますか。

#289
○国務大臣(田村憲久君) ちょっと申し訳ありません、御質問をいただいていたかどうか分かりませんけど、手元に数字がございませんので、調べて先生の方にまたお伝えさせていただきたいと思います。

#290
○矢田わか子君 少子化担当大臣も含めて、是非、隠れ待機児童の定義含めて、もう一度よくお分かりになっていただきたいんです。ここが私は問題だと思っています。
 見えている待機児童は一・二万人、減ってきていますという数字ですけれども、隠れ待機児童はいまだに六万人いらっしゃるというふうなデータも出ています。ここをしっかりと自治体の調査をさせる、ガイドラインを作って活用させるということをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#291
○国務大臣(坂本哲志君) 厚生労働大臣ともそれぞれ協力しまして、これからその辺の把握をして、人数の把握もしてまいりたいと思っております。

#292
○国務大臣(田村憲久君) 隠れ待機児童といいますが、定義がそれぞれ違っておりまして、今までもいろんな自治体等々の違いをある程度調整してまいりまして、それに関しては保育の必要性というものに入れてまいりました。
 ただ、今なお、例えば、あそこの保育所に行きたいのに、こちらは空いているんだけど行けないだとか、いろんな意味での広範な待機児童と言われるものはあるということは認識いたしておりますので、更にいろんなニーズをお聞かせをいただく中で、もちろんミスマッチが生まれるものでありますから、つくればいいというものではないんですけれども、例えばバス等々を使って空いているところに移動をしていただくだとか、時間的なものも含めて対応できるようにミスマッチの方は埋めてまいりたいというふうに思っております。

#293
○矢田わか子君 育児休業を延期した方とか、兄弟同じ保育所に入れたい、それは当たり前のことだというふうに思いますので、その辺り調整しながら、是非、隠れ待機児童、もう一度認識を深めていただきたいというふうに思います。
 加えて、総理もおっしゃいました男性の育児休業です。公務員は一か月ですか、ありがとうございます。もう決まりなんだったら有り難いんですが、それを是非義務化してはどうかという今日は御提案をさせていただきたいと思います。
 コロナ広がる中で、やはり妊婦の方、孤立していますし、特に産後休暇中、就業禁止期間、産後六週間というのがあります。働いてはいけない、それは母体を回復する期間だからです。しっかりとその期間に男性に育児休業を取っていただき、母体の回復も含めて育児を手伝っていただく。
 どうでしょうか、義務化。総理、お願いします。

#294
○国務大臣(橋本聖子君) 男性が育児休業を取得して子育てを担い、積極的に育児を行うということは母親による子育ての孤立化を防ぐ等の効果がありまして、職場においても働き方あるいはマネジメントの在り方を見直す契機となり、ひいては男女が共に暮らしやすい社会づくりに資するものと考えております。
 一方で、おっしゃるとおり、民間企業の男性の育児休業の取得率というのは令和元年度で七・四八ということで、いまだに低い水準にとどまっているということになります。
 現在、策定に向けて議論を進めている第五次の男女共同参画基本計画、これに男性の育児休業の取得促進のための施策を、希望する全ての男性が育児休業を取得できるように政府一丸となって取り組んでまいりたいというふうに思います。

#295
○内閣総理大臣(菅義偉君) 子育て支援や女性活躍を進める際に、男性が子育てに主体的に参加するための環境整備が重要であると思います。先ほど申し上げましたけれども、今年度から男性国家公務員には一か月以上の育休取得を求めており、この促進を図るために直属の上司などの取組を人事評価に反映させることにしています。
 こうした国家公務員に対する取組も踏まえ、民間企業でも男性が育児休業を取得しやすくなる制度の導入を検討していきたい。

#296
○矢田わか子君 少子化にもう一歩前進すべく踏み込んでいただくのであれば、是非もう皆さんが休むということを義務化していただくことによって、やっぱり周りの方も気にしますし、なかなか休めないということがこの二十年間続いてきている結果が七・四%しか取っていないということだと私は認識をしておりますので、是非もう一歩踏み込んだ御対応を、政府での御検討をお願い申し上げておきたいと思います。
 続いて、これも長年の課題です、選択的夫婦別氏制度についてお聞きをしていきます。
 新聞の調査では、もう約七〇%の国民が賛成の意を表明しています。上川法務大臣、今までの法改正に関する議論経過を教えてくださいますか。

#297
○国務大臣(上川陽子君) お答えをいたします。
 法制審議会におきまして、平成三年の一月以降、民法部会身分法小委員会におきまして、民法の婚姻及び離婚に関する規定の見直しに向けて調査審議を進められました。そして、平成四年の十二月に婚姻及び離婚制度の見直し審議に関する中間報告、論点整理が行われまして、平成六年の七月には婚姻制度等に関する民法改正要綱試案が公表されたところでございます。そして、法制審議会は、その後、平成八年の二月に選択的夫婦別氏制度を導入すること等を内容とする民法の一部を改正する法律案要綱を答申いたしました。
 その内容につきまして具体的に申し上げると、夫婦の氏につきましては、夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫若しくは妻の氏を称し、又は各自の婚姻前の氏を称する。二点目として、子の氏については、夫婦が各自の婚姻前の氏を称する旨の定めをするときは、夫婦は婚姻の際に夫又は妻の氏を子が称する氏として定めなければならないというものでございました。
 その後、法務省におきましては、平成八年及び平成二十二年に、法案の提出に向けまして、法制審議会の答申を踏まえた改正法案を準備をいたしました。しかしながら、この問題につきましては国民の間に様々な御意見がございましたし、また平成八年当時は自民党、また平成二十二年当時は民主党を中心としたそれぞれの当時の与党内においても異論があったこと等もございまして、改正案の、改正法案の提出にまでは至らなかったものと認識をしております。
 この問題につきましては、何よりも国民的議論を経ることが極めて重要であると認識しておりまして、法務省といたしましては、ホームページに選択的夫婦別氏制度、いわゆる選択的夫婦別姓制度ということでありますが、という項目を設けまして、制度の概要、氏に関する歴史的な経緯、法制審議会の答申の内容、内閣府がおおむね五年に一度実施しております家族の法制に関する世論調査の結果などにつきまして周知を行ってきたところでございます。

#298
○矢田わか子君 法律で男女同姓を規定している先進国は日本以外にありますでしょうか。また、夫婦同姓で夫の氏を選択している率を教えてください。

#299
○国務大臣(上川陽子君) お答えいたします。
 夫婦の氏に関する制度につきましては国によって様々でございますが、平成二十二年に法務省が行った調査によりますと、夫婦同氏と別氏の選択を認めている国としては、イギリス、ドイツ、アメリカ、ニューヨーク州の例もございます。そして、ロシアなどがございます。また、夫婦別氏を原則とする国といたしましては、カナダ、ケベック州の例でございますが、韓国、中国、フランスなどがございます。また、婚姻の際に夫の氏は変わらず妻が結合氏となる国として、イタリア、トルコなどがあると承知をしております。
 これに対しまして、法務省が把握している限りではございますが、現在、婚姻後に夫婦のいずれかの氏を選択しなければならない夫婦の同氏制を採用している国は、我が国以外には承知しておりません。
 重ねて、二点目の率ということでありますが、厚生労働省が取りまとめた令和元年の人口動態統計によりますと、婚姻時に夫の氏を選択する夫婦の割合は、令和元年、これ二〇一九年の時点でありますが、約九五・五%でございました。ちなみに、平成十二年、二〇〇〇年の時点では約九七・〇%でございました。

#300
○矢田わか子君 今説明ありましたとおり、法律で夫婦同姓を規定している先進国はもう今や日本だけです。しかも、夫婦同姓は九七%が夫の姓になっています。そのことで女性活躍の面で大きな私は支障が生じていると思います。例えば、女性研究者、技術者、改姓によって特許や論文の実績、継承できない、そんな例も出てきております。
 橋本大臣、今この第五次の男女共同参画基本計画に当たって若い人たちにヒアリングをしていただいていると聞いていますが、内容を教えてください。

#301
○国務大臣(橋本聖子君) お答え申し上げます。
 今、第五次男女共同参画基本計画策定に当たりまして意見募集を行っております。その中でも、若い方の団体が取りまとめたユースからの提言が提出され、私も直接お会いし、意見をお聞きをいたしました。
 この提言では、結婚したくてもためらう、できない、諦めるカップルが多くいる、そして、選択的夫婦別姓制度の導入は婚姻率が上がるなど結果的には国家に対して好影響を生むことが考えられる等から選択的夫婦別姓制度の早期導入を求めるとしています。
 また、このほかにも、選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見というのは四百件以上ありました。例えば、二十代の女性からは、自分がこの氏を継がないと氏が途絶えてしまうが、男性側は改姓への心理的ハードルが高く、そうなると事実婚しかない現状にとても困っている等の意見が多くありました。選択的夫婦別姓制度の導入まで結婚も出産もするつもりはないが、あと何年も待たされれば子供を産めるリミットは過ぎてしまう、これから結婚を考えているが、今の法律のままでは法律婚ができず家族をつくることができないといった意見が寄せられております。
 同計画の策定に向けて議論している専門調査会においても、若者世代の意識に詳しい少子化対策の専門家の委員からは、選択的夫婦別氏制度がないために、一人っ子の女性を中心に実家の姓が途絶えることを心配して婚姻、結婚に踏み切ることができない、あるいは結婚相手が見付からないという深刻な事態が起きている地方もあるという指摘も多く寄せられました。
 この問題については国民の間に様々な意見があると承知をしておりますけれども、我が国の深刻な少子高齢化を食い止めるためには、国民、とりわけ若い世代のこうした意見をしっかりと受け止め、十分に配慮する必要があるということも考えております。
 私としても、国民の皆様の声をしっかり反映できるように、引き続き第五次計画の取りまとめに向けて議論を進めていきたいというふうに思っております。

#302
○矢田わか子君 今、日本では通称使用が認められています。それを認めた策と、そこに掛けたコストについて、つかまれているようであれば教えてください。

#303
○国務大臣(橋本聖子君) 済みません。
 マイナンバーカード等への旧姓併記のためのシステム改修費については、平成二十八年度及び平成二十九年度の予算により、平成三十年度までに全国千七百四十一市区町村の住民記録システムにおいて旧姓を住民票に記録、管理し、旧姓を併記した住民票の写しを交付できるようにするための改修として百五十二億二千万円であります。全国のカード管理システムにおいては、マイナンバーカードに旧姓を併記することができるようにするための改修として約二十三億五千万円。総額百七十五億七千万円の補助金等を交付して改修を行っているところであります。

#304
○矢田わか子君 通称使用によってこれだけ莫大なコストも掛かっています。
 そして、先ほど聞いていただいたとおり、若い人たちは、家族のきずなというのであれば、この自分たちの姓をしっかりと一人っ子同士でも継いでいくためにも姓を選択させてくださいということも申し上げているわけです。
 是非、総理、前向きな判断が要る、もう議論の時期は過ぎているというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#305
○国務大臣(上川陽子君) 希望すれば結婚前の姓を名のれる選択的夫婦別氏制度の導入の問題は、我が国の家族の在り方に深く関わる事柄であると考えております。直近の平成二十九年の世論調査の結果を見ましても、いまだ国民の意見が分かれている状況にございます。
 他方で、家族形態の変化やライフスタイルの多様化、さらには女性の社会進出、女性の活躍が進む中、これらの社会情勢に十分配慮する必要があるというのは確かでございます。
 引き続き、国会における議論の動向も注視しながら対応を検討してまいりたいというふうに考えております。

#306
○矢田わか子君 総理、一言最後いただきたいんです。
 民事訴訟相次いでおります。最高裁の司法は、国会で論ぜられ判断されるべき事項だということで、今、司法から国会に対して要請が来ております。これも踏まえて、総理、いかがでしょうか。もう踏み込む時期だと思われますが、御判断お願いします。

#307
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほど橋本大臣が現在の状況を説明されました。そして、今、上川大臣からも説明をいたしました。そういう中で、そうした議論を、やはり国民各層の意見を更に幅広く聞くとともに、国会における議論の動向というものを注視をし、対応を検討していきたいと思います。

#308
○矢田わか子君 九六年の法制審から二十五年です。事実婚で育った子が今、事実婚をしなければならない現実があります。是非もう一歩踏み込んで、総理、お願いします。

#309
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今私申し上げたとおりであります。

#310
○矢田わか子君 総理、期待しておりますので、是非お願いします。
 では、最後の質問、脱炭素社会の実現についてお聞きします。
 こちらも総理が宣言されました。脱炭素社会を目指す、ビジョンとしては本当に共感しております。ただ、三十年後のことです。どのように実現していくんでしょうか。御決意をお願いします。

#311
○内閣総理大臣(菅義偉君) 二〇五〇年カーボンニュートラル、炭素社会の実現を目指すためには、温暖化への対応を経済成長の制約として捉えるのではなくて、積極的に温暖化対策を行うことで成長戦略として捉えることが必要だというふうに考えています。この挑戦を産業構造や経済社会の発展につなげて、経済と環境の好循環、ここを生み出していくことが重要だと思います。
 また、革新的技術の開発普及については、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換を進め、次世代型太陽電池、カーボンリサイクル、水素を始めとした革新的なイノベーションを推進していきたいと思います。
 先週の地球温暖化対策推進本部で私から全閣僚に対し、一丸となって取り組むよう指示しました。今後の具体的な方策については、成長戦略会議や国と地方で検討を行う新たな場などにおいて集中的に検討を行い、方向性をしっかり出していきたいと思います。

#312
○矢田わか子君 小泉環境大臣、COP25で石炭火力の撤退、明確に宣言できませんでしたが、これについて今はどう思われていますか。

#313
○国務大臣(小泉進次郎君) 菅総理が今回、二〇五〇年カーボンニュートラル、これは大きな発想の転換で、今まで日本はできることしか言わないことで国際社会から大きく割を食ってきました。それが、菅総理が今回、二〇五〇年のゼロと、非常に野心的な目標の高いものですが、そこまで総力を挙げてやろうと。これでようやく国際社会の中で日本が評価されるべき技術、そして様々な努力、こういったものがようやく発信できる土台ができたと思っています。
 これから総理の指示の下で、私の環境省の方では、地球温暖化対策計画の見直しなど、昨日からもう既に具体的な議論に入りました。そういったものを来年のCOP26に、関係省庁、経産省含めてしっかりとまとめ上げて、国際社会で評価されるようなものを作っていきたいと、そして脱炭素社会の実現を必ず実現したいと思います。

#314
○矢田わか子君 実現に向けて、経産省、環境省超えてしっかりやっていただきたいと思うんですが。
 ちょっとパネルを御覧ください。
 この発電に占める自然エネルギーの割合というのは一七・四%なんですが、これを一〇〇%に持っていっても、CO2の排出で発電部門が占める割合は四〇%にしかすぎません。本当に大事なのは、産業部門、そして運輸部門、事務所、オフィスの、家庭部門等もやらなければいけないということなんです。工場関係、自動車関係での取組がないと排出ゼロできません。EVの普及、再生可能エネルギーの安定供給に資する蓄電池技術の向上が重要だと思います。
 特に、蓄電池の技術開発、中国に比べて日本の投資、すごい少なくて、四分の一とか三分の一しかないんですよ。是非、ここの部分、環境大臣、そして経済大臣、進めていただきたいと思いますが、お取組をお願いします。

#315
○国務大臣(小泉進次郎君) まず、私からは、梶山大臣が蓄電池をお答えすると思うので、EVの支援もお答えしたいと思います。
 今先生がおっしゃったとおり、運輸部門、この部分のEV化も極めて重要だと思います。環境省としては、コロナを受けて、改めてEコマースの需要、そしてデリバリーの需要、このことによって配送分野がCO2の排出が増えてはいけませんので、この配送分野におけるEV化の支援、これを環境省は力を入れてやっています。
 ただ、やはり全体のEV化をもっと進めていかなければ、世界的にガソリン車の販売禁止の市場が多くなってきたこと、そしてまた、EVの支援を特にヨーロッパは日本の三倍、二倍やっていて、最近ではドイツやフランスは前年同期比で比べたらEVが三倍ぐらい売れています。
 こういったことに、やはり国際社会の潮流を見て、日本としてもできる支援を強化していく、そのために関係省庁の協力をしっかりと深めていきたいと思います。

#316
○国務大臣(梶山弘志君) 今委員おっしゃったように、二〇五〇年カーボンニュートラルには、運輸部門、特に自動車の電動化が不可欠であると思っております。
 電動化に際しては、今度は蓄電池の開発ということになりまして、充電時間の短縮であるとか走行距離、航続距離をいかに延ばせるかということも含めて質も上げていかなければなりませんし、また、新しい全固体電池、今液体を使っていますけど、固体、全固体電池という革新型電池の、革新型蓄電池の研究開発等にも力を入れていかなければならないと思っております。
 研究開発のみならず、今度は大量に生産するときの支援というものもしっかりとしていかなければ実装にはつながらないという意識で取り組んでまいります。

#317
○矢田わか子君 現場の研究者、本当に踏ん張って頑張っていますので、是非とも御支援をお願いして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#318
○委員長(山本順三君) 以上で矢田わか子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#319
○委員長(山本順三君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。

#320
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 日本学術会議委員六名の任命拒否について聞きます。
 総理は、昨日、自民党の質問に対して、以前は内閣府の事務局などと学術会議の会長との間で一定の調整が行われていたと答弁されました。以前とはいつのことでしょうか。

#321
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今回でなくて、その前です。ですから、多分三年前だと思います。

#322
○小池晃君 二〇一七年の半数改選時ということですか。

#323
○内閣総理大臣(菅義偉君) ええ、そうです。

#324
○小池晃君 以前と言うけど、一回だけだったということですね。
 一定の調整というのは何ですか。

#325
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、一昨日に官房長官から衆議院の予算委員会において御説明をさせていただいています。
 人事のプロセスについては基本的には説明は控えさせていただいていますが、可能な範囲で申し上げれば、以前は、学術会議から正式の推薦名簿が提出される前に、様々な意見交換の中で内閣府の事務局などと学術会議の会長との間で一定の調整が行われていたと。ここは、一昨日、官房長官が申し上げたところであります。(発言する者あり)ちょっとお待ちください。(発言する者あり)

#326
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#327
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今、官房長官の件、私、失礼しました。
 十一月四日に、学術会議から正式な推薦名簿を提出する改選前においても様々な意見交換が内閣府の事務局と学術会議の会長との間で行われていた、そうしたやり取りを踏まえながら、場合によっては、補充人事や補欠人事という、いうんでしょうか、それが出されていなかったという場合もある、別に見送りをさせたというのではなくて、結果的に日本学術会議が推薦が行われなかった。まあ、こういうことを十一月四日に発言をしています。(発言する者あり)

#328
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#329
○内閣総理大臣(菅義偉君) 一定の調整でありますけれども、任命に当たっての考え方を申し上げて意見交換をしたと。まあ、そういうことです。

#330
○小池晃君 いや、意見交換だけじゃないでしょう。一定の調整でしょう。
 意見交換の結果、どういう調整をしたんですかと私は聞いているんです。

#331
○内閣総理大臣(菅義偉君) これ、三年前の話ですけれども、ですから、任命に当たっての考え方を申し上げ、意見交換を行ったと。まあ、そういうことであります。
 内容については差し控えたいと思います。

#332
○小池晃君 一定の調整の中身は全く答えていません。

#333
○内閣総理大臣(菅義偉君) 人事のプロセスの説明は差し控えますが、任命に当たっての考え方を申し上げ、その意見交換をしたと。そういうことだと思います。

#334
○小池晃君 人事のプロセスだから説明を控えるということは、人事だから言えないということは、個別の人事に関わる調整をやったということですね。

#335
○内閣総理大臣(菅義偉君) 任命に当たっての考え方を申し上げ、意見交換を行ったということです。

#336
○小池晃君 答えてない。
 だって、個別の人事だから答えられないと言ったんです。だったらば、個別の人事に関する調整やったんですかと私聞いているんです。答えていただきたい。

#337
○内閣総理大臣(菅義偉君) 個人の人事のプロセスの説明は差し控えますが、いずれにしろ、任命に当たっての考え方を申し上げ、意見交換を行ったと。まあ、そういうことです。(発言する者あり)

#338
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#339
○内閣総理大臣(菅義偉君) 調整というのは、任命に当たっての考え方を申し上げる、意見を申し上げたということであります。(発言する者あり)

#340
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#341
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほどと同じでありますけれども、人事の、人事のプロセスの説明はこれ差し控えたいと思います。任命に当たっての考え方を申し上げ、意見交換を行ったということであります。

#342
○小池晃君 私は、人事のプロセスだから答えられない、すなわち個別の人事に関わる問題だから答えられないというわけでしょう。ということは、この調整というのは個別の人事に関わる調整ですよね、イエスかノーかと聞いているんです。

#343
○内閣総理大臣(菅義偉君) そこは個別とかそういうことではなくて、人事に関わるプロセスについてはお答えすることは差し控えさせていただきます。

#344
○小池晃君 人事のことが問題になっているときに人事について答えられなかったら議論にならないじゃないですか。こんなの駄目ですよ。

#345
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今議論していることは三年前のことですから、今回のことと違います。
 ただ、個人の任命の理由については、政府の機関に関する公務員の任命であり、通常の公務員の任命と同様に、その理由については人事に関することであり、お答えは差し控えさせていただきます。

#346
○小池晃君 私は個人の人事の理由を一切聞いていません。一切聞いていません。この調整は何かと聞いているだけです。

#347
○内閣総理大臣(菅義偉君) それは具体的にどのようなことか、そうしたことも含めて、お答えをすることは控えます。(発言する者あり)

#348
○委員長(山本順三君) そうしたら、一回、もう一回答弁してもらいますから、自席に着いてください。
 菅内閣総理大臣。

#349
○内閣総理大臣(菅義偉君) プロセスの説明は差し控えさせていただきますが、私自身が調整と言ったのは、任命に当たっての考え方であります。

#350
○小池晃君 プロセスについて答えられなかったらこの議論成り立たないと思いますよ、私。プロセスが問題になっているんじゃないですか。
 総理は、今回の任命に当たっては、推薦前の調整が働かず、結果として学術会議から推薦された者の中に任命に至らなかった者が生じたと昨日述べているんですね。ということは、この一定の調整というのは、これは先ほど認められた個別の人事に関わる問題なんですよ。だって、個別の人事は答えられないと最初言ったんだから。
 この一定の調整というのは、すなわち名簿の一部を変更するということが含まれるわけですね。

#351
○内閣総理大臣(菅義偉君) 考え方の調整であります。(発言する者あり)

#352
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#353
○内閣総理大臣(菅義偉君) 人事のプロセスの説明は差し控えますが、差し控えます。今後の人事に支障を来しますので、差し控えるということであります。

#354
○小池晃君 御自分で一定の調整って、言い出したのはそちらですよ。自民党の質問に答えたんですよ。で、答えた言葉を私は説明を求めているんですよ。それに答えなかったら、国会審議成り立たないじゃないですか。駄目ですよ、こんなの。

#355
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私が昨日の発言の中で、内閣府の事務局などと学術会議の会長との間で一定の調整が行われた、任命に当たっての考え方が行われたということであります。

#356
○小池晃君 任命の考え方を議論したわけで、調整でしょう。調整ということは、議論して何か動かすわけでしょう。だから、学術会議の方は、いや、こういうことを考えていますよと。で、それに対して政府の方は、いや、この人はちょっと困るなというようなことがあって、それでその名簿から外れるという経過があって初めて一定の調整になるんじゃないですか。

#357
○内閣総理大臣(菅義偉君) 考え方について議論をしたということであります。(発言する者あり)

#358
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#359
○内閣総理大臣(菅義偉君) 一定の調整ということにつきましては、任命に当たっての考え方をすり合わせたということであります。

#360
○小池晃君 考え方、議論したと、考え方をすり合わせたと、それだけじゃあるはずがないんです。
 だって、今回は調整、今回は……(発言する者あり)ちょっと静かにして。今回は調整できなかったから任命しなかったと言ったじゃないですか。だから、調整という行為があったわけでしょう、何らかの外形的な。だから任命しなかったわけでしょう。意見交換しただけのわけがないじゃないですか。
 一定の調整というのは、学術会議が提出しようとしていた名簿の中身を変更させるということのほかに何かありますか。それがなかったから今回は任命しなかったわけでしょう。そう言ったじゃないですか。

#361
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今回は学術会議と何も行っていません。(発言する者あり)

#362
○委員長(山本順三君) 席に着いてください。
 それでは、質疑者にお願いを申し上げます。いま一度、総理に対して、質疑者の意図を込めた質問を再度お願いしたいと思います。

#363
○小池晃君 すごく明確な質問をしていると思うんですけどね。
 いや、私は、今回は調整しなかったことは知っていますよ。しかし、今回は調整できなかったから任命しなかったと総理が言ったんでしょう。ということは、調整というのは、単に意見交換しましたと、意見をそれぞれ言い合いましたというだけじゃないでしょうと。調整した結果、何らかのことがあるから調整と言ったわけでしょうと。で、今回はその調整がなかったから任命しなかったと言っているわけでしょう。
 だから、調整というのは、そのやはり名簿を変更するという行為が調整ということになるじゃないですかと、当たり前のことを聞いたんです。イエスかノーかで答えてください。

#364
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、今回は調整を行っていませんので、そこはお答えすることは控えます。
 私自身が調整ということを申し上げたのは、任免に当たっての考え方をすり合わせる、そのことについて調整と申し上げました。

#365
○小池晃君 だから、任命についての考え方を、まあ任命についての考え方を交換するだけが調整だとすれば、それをやらなかったから任命しなかったというのは成り立たないんじゃないですか。

#366
○内閣総理大臣(菅義偉君) 調整、推薦前の調整が働かずに、結果として学術会議から推薦した者の中に任命に至らなかった者が生じたということです。
 結果として、それに、調整を行っていませんので、お答えはできないということです。

#367
○小池晃君 調整を行っていない意味の調整というのは何かと私聞いているんです。
 だから、それは、人事について名簿を変更することが今回できなかったから、学術会議から出てきた名簿について何らかの改変を加えることができなかったから任命をできなかったと言っているんじゃないですか。そういうことでしょう。

#368
○内閣総理大臣(菅義偉君) 調整というのは、私先ほど来申し上げていますけど、任命に当たっての考え方をすり合わせるということです。(発言する者あり)

#369
○小池晃君 今、総理はすり合わせたとおっしゃったんですね。じゃ、何と何をすり合わせたんですか。

#370
○内閣総理大臣(菅義偉君) まさに調整といのは任免に当たって考え方をすり合わせたという意味でありまして、その人事に関することでありますので、そこは控えたいと思います。

#371
○小池晃君 まあ、要は答えられないんですよ。やっぱり結局、個別の人事について協議をして、お互いに意見出し合って、それで、これは外した方がいいんじゃないかとか、そういったことをやったわけでしょう。今年はそれができなかった、だから任命を拒否したということを言っているわけですよ。
 学術会議法第十七条は、会員の選考と推薦は学術会議が行うと明記しているわけですね。法の三条では、学術会議の職務は独立して行われるとなっているわけですよ。これ、政府からの独立なんですよ。政府が委員の選考や推薦に実質的に関わることなどは、学術会議法に照らして断じて認められないことじゃありませんか。
 政府との事前調整がなかったから推薦どおりには任命しませんでした、そんなことを言い出したらば、まさに学術会議の独立を脅かし、政治介入そのものではありませんか。(発言する者あり)

#372
○委員長(山本順三君) 静粛に願います。

#373
○内閣総理大臣(菅義偉君) まあ、いずれにしろ、先ほど来申し上げていますけれども、調整については、任命に当たって考え方をすり合わせたということであります。そして、これは三年前の話です。今年については行っていませんので、お答えできませんということを申し上げています。
 それと同時に、私ども政府として、推薦は学術会しかできないということは十分に承知しております。

#374
○小池晃君 推薦する前に介入したんじゃないですか。密室で協議をして名簿を変えるように迫ったわけでしょう。それを学術会議側が協議に応じなかった、あるいは合意しなかった。で、一定の調整ができなかった。そうすると、今回のように任命を拒否することがあり得るんだと。
 これ、露骨な政治介入じゃないですか。あなた方がやったこと、そういうことなんですよ。そのことを認めますか。

#375
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、昨日の答弁で申し上げましたけど、いつも今回の任命の考え方について申し上げることですが、日本学術会議法の規定に基づき、任命権者が学術会議に求められる役割等も踏まえて適切に判断するという考え方について、毎回の任命で変わりません。
 学術会議が、日本学術会議法上、科学に関する重要事項の審議等の職務を独立して行うことが規定されておりますが、学術会議の会員の任命は、憲法第十五条第一項の規定の趣旨を踏まえ、任命権者である内閣総理大臣が日本学術会議法に沿って国の行政機関である学術会議の役割も踏まえて公務員に任命する、こうした任命権の行使が会議の職務の独立性を侵害することになるとは考えていません。

#376
○小池晃君 それは今までも何度も何度も言ってきたことなんだけれども、今まで言ってきたことと今回言っていることは違うんですよ。今まで総理は、推薦された人をそのまま任命しなければならないというわけではないと。要するに、こういうこと自体、私、違法、違憲だと思いますよ。しかし、これは任命段階の話でしょう。
 ところが、今回の話は任命以前の話なんですよ。学術会議会員候補者の選考と推薦の段階の話なんですよ。段階が違う。そのことは認めますね。

#377
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今回は、先ほど申し上げましたけど、その調整、任命に当たっての考え方のすり合わせ、これは行ってないということです。
 ですから、昨日の答弁でも申し上げましたように、これはいつも今回の任命の考え方について申し上げることですが、日本学術会議法上の規定に基づき、任命権者が学術会議に求められる役割等も踏まえて適切に判断するという考え方については毎回の任命で変わっていません。(発言する者あり)

#378
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#379
○内閣総理大臣(菅義偉君) 推薦前の話であることは分かっておりますが、これはいつも今回の任命の考え方について申し上げていることですが、日本学術会議法の規定に基づき、任命権者が学術会議に求められる役割等も踏まえ適切に判断するという考え方については毎回の任命でも変わりません。

#380
○小池晃君 今回のことが推薦前の段階のことだということは認めました。
 その後、要するに、会員候補者の選考と推薦の段階で政府が意見を言えますと。で、政府が意見を入れられなければ任命しないこともできるということですね。

#381
○内閣総理大臣(菅義偉君) 任命に当たっての考え方を今すり合わせたということです。(発言する者あり)

#382
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#383
○内閣総理大臣(菅義偉君) 推薦前の話であることは分かっていますが、任命についてのすり合わせを行ったということであります。任命、任命についてのすり合わせの考え方を伝えた、行ったということです。

#384
○小池晃君 だから、私が聞いたことに全然答えていないんですよね。
 推薦前の話だということは認めたんです。要するに、推薦前の段階で政府が学術会議に意見を言えると。で、意見が、もし学術会議の方で意見入れられなければ、それは、もうそういう推薦が出てきたら任命しないこともあり得るということなんですねと。

#385
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今申し上げましたように、考え方について、任命についての考え方についてその話合いをしたということです。(発言する者あり)

#386
○委員長(山本順三君) 取りあえず席に着いてください。席に着いてください。取りあえず座ってください。自席に戻ってください。
 加藤内閣官房長官。

#387
○国務大臣(加藤勝信君) この間の経緯、総理と共有をしているわけでありますから、そして、先ほど総理答弁されたように、この推薦名簿が提出する前において、私どもの任命に当たっての考え方等について、学術会議側あるいは事務局を介してそれぞれ意見交換をしてきたということであります。
 それを踏まえて、当然、学術会議は御自身の判断で推薦名簿を出され、そして、その推薦名簿について、私どもは、従前総理が申し上げているように、まさに任命の考え方にのっとって判断をさせていただいた、こういうプロセスであります。

#388
○小池晃君 いや、だから、僕が言ったとおりじゃないですか。会員候補者の選考と推薦の段階で政府は意見を言えますと、で、意見が入れられなければ任命をしないこともできると、そういうことですねと。そうでしょう。何で違うのか説明してください。

#389
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、あくまでも考え方を申し上げているので、こうじゃなきゃいいとか、こうでなきゃ駄目だとか、そういう話ではないわけでありまして、それを踏まえて正式な推薦名簿が出されてきた。それを踏まえて、そして、我々が考え方の、任命の考え方にのっとって任命をする、あるいは任命に至らない方が結果として出てきたと、こういうことであります。(発言する者あり)

#390
○委員長(山本順三君) じゃ、席に着いてください。
 菅内閣総理大臣。

#391
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今、官房長官が答えたことと一緒であります。

#392
○小池晃君 総理なんですよ、総理。総理がこんなことでいいんですか。駄目です、今の。総理の言葉でしゃべってください。

#393
○委員長(山本順三君) どうぞ質問を続けてください。(発言する者あり)
 菅内閣総理大臣。

#394
○内閣総理大臣(菅義偉君) 推薦前において任命の考え方のすり合わせを行った、それを踏まえて推薦名簿が出てきて、それを受けて任命の考え方に基づいて任命を行ったというプロセスであります。

#395
○小池晃君 要するに、要するに、推薦前の段階で政府が意見を伝えて、それに基づいてすり合わせて、それで名簿ができてくる。介入なんですよ、これは。だって、そんなことは日本学術会議法のどこにも書いていないんですよ。
 これ、明らかな法違反、明らかな法違反。だって、日本学術会議法第十七条は、学術会議の会員の推薦、選考、推薦は学術会議が行うって書いてある。その名簿作りに政府が関わったということになるわけですよ。これは法違反。
 で、今までの説明と全く違うんです。今までの説明は、学術会議の推薦名簿をそのまま認めていいのかどうかという話だったけれども、今回の話はそれ以前の、名簿作成以前に調整する、調整できなかったら任命拒否をする。全く違う話を突然昨日言い出したんですよ。で、自分で言っておきながら説明できなくなっているわけですよ。
 全く違う話をしていること認めますね。総理、あなたの答弁ですから、お答えください。

#396
○内閣総理大臣(菅義偉君) 任命の考え方は一緒です。

#397
○小池晃君 任命の考え方ではありません。任命前の、推薦前の、その話を始めたのは昨日が初めてですね。そのことを認めてください。

#398
○国務大臣(加藤勝信君) 昨日というのは二之湯委員に対する答弁ということだと思いますけれども、それ以前において私の方から、推薦の提出する前においても杉田副長官あるいは内閣府を通じて意見交換があったということはこれまで述べさせていただいて、総理はそうした意見交換の中でのすり合わせということを申し上げているにすぎないということであります。

#399
○小池晃君 官房長官が言ったのは単なる意見交換です。総理が言ったのは一定の調整です。そして、その調整ができなかったらば、その調整ができなかったらば任命拒否すると。これは、これ初めて言ったでしょう。このことは初めてでしょう、一定の調整は初めてでしょう。調整ができなかったら任命しません、これ初めてでしょう。認めてください。

#400
○内閣総理大臣(菅義偉君) 一定の調整は初めてです、あの発言をしたのは。一定の調整というのは初めてです。ただ、調整ができなければ任命をしないとは言っていません。(発言する者あり)

#401
○委員長(山本順三君) じゃ、席に着いてください。
 菅内閣総理大臣。

#402
○内閣総理大臣(菅義偉君) 一定の調整ということは初めてですが、それは任命の考え方のすり合わしという意味であって、前日に官房長官が意見交換などと答弁したものと同じであります。

#403
○小池晃君 いや、全く違うと思います、これはね。だって、全然段階が違うんだから。段階が違うんだから。任命の問題じゃないんだから。推薦の問題なんだ。
 大体、総理は、最初は、総合的、俯瞰的だと。次は、多様性が大事だと。で、旧帝国大学の比率が高いと、私立大学の比率が低いと。で、実際の任命と矛盾するじゃないかと言われたら、個人の任命の判断とは直結しない。もう本当くるくるくるくる、ぐるぐるぐるぐる説明が変わって、ついに、会員の選考と推薦の段階から政府が介入します宣言を昨日やったわけでしょう。首振っているけど、そうですよ、これは。露骨な政治介入宣言ですよ。
 でも、これね、本会議の代表質問でも答えなかった、衆参の予算委員会でもこんな話は一切出なかった。昨日、自民党の質問になって初めて出てきた。
 委員長、予算委員会の基本的質疑、もう一回最初からやり直してください。議論の大前提が変わったんですから。その際には、杉田官房副長官には出席を求めます。
 続けて聞きます。
 総理は、今回の任命拒否は学問の自由を脅かすものではないと。総理の考える学問の自由とは一体何ですか。

#404
○内閣総理大臣(菅義偉君) 全ての国民に保障された基本的人権、特に大学における学問研究の自由、その成果の発表の自由、教授の自由を保障したもの、極めて重要な権利だと思っています。

#405
○小池晃君 すなわち、学問の自由というのは個々の研究者の学問研究の自由だけではないという理解でよろしいですね。

#406
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今申し上げたとおりです。

#407
○小池晃君 いや、だから、今申し上げたとおりは私が言ったとおりですね。

#408
○内閣総理大臣(菅義偉君) 全ての国民に保障された基本的人権、特に大学における学問研究の自由、その成果の発表の自由、教授の自由を保障したもの、極めて重要な権利だと思っています。これです。

#409
○小池晃君 いや、だから、個々の研究者がお勉強したり研究したりする自由だけじゃなくて、発表したり、あるいはその学者コミュニティーというものの中でいろいろ議論したりと、そういったことをきちっと、自律性、自主性を保障するということまで含めたものですねと、丁寧に聞いているんです。そういうのが学問の自由ですねと。いかがですか。

#410
○内閣総理大臣(菅義偉君) 特に大学における学問研究の自由、その成果の発表の自由、教授の自由を保障したもの、極めて重要な権利だと思っています。

#411
○小池晃君 大学だけじゃないでしょう。例えば、学会の中での議論の自由、研究の自由、活動の自由、それを保障することも重要じゃないですか。

#412
○委員長(山本順三君) 内閣法制局長官近藤正春君。(発言する者あり)

#413
○政府特別補佐人(近藤正春君) 先ほど総理がお答えになりましたように、最高裁の判例等においてもやはり昔からの伝統的な大学という組織における学問の自由というのを重視しているということで、あくまでも学問の自由というのはやっぱり大学という組織に非常に着目して……(発言する者あり)

#414
○委員長(山本順三君) 静粛に願います。

#415
○政府特別補佐人(近藤正春君) 学問の自由は理解されていると思います。

#416
○委員長(山本順三君) 今ほどの内閣法制局長官の件でありますけれども、政府特別補佐人として出席いたしておりますので、したがって、答弁を補佐するために出てくることは可能でありますので、その点よろしくお願いしたいと思います。

#417
○小池晃君 通告していませんので、私、法制局長官にはね。
 私、一九四九年に日本学術会議創設された際に、吉田茂首相は祝辞で、時々の政治的便宜のための制肘を受けることのないよう高度の自主性が与えられると明言されたのは、やはりその学者コミュニティーの自律性、自主性を尊重することが、やはり個々の研究者の学問研究の自由を保障するためにも、これは絶対不可欠であるし、中でも日本学術会議というのは、科学、学問の見地から政府に意見を述べることを任務とするところなわけでしょう。だから、やっぱり政府からの独立性が最も求められる組織だと思うんですよ。
 総理、もう一回聞きます。
 憲法二十三条が保障する学問の自由には、個々の学者の研究内容だけではなく、学者コミュニティーの政府からの独立性の保障が不可欠である、中でも日本学術会議は法でうたっているわけですから、これはもうはっきり答えていただきたいんですけど、政府からの独立が極めて重要な組織であると。イエスかノーかでお答えください。

#418
○内閣総理大臣(菅義偉君) 学術会議は、日本学術会議法上、科学に関する重要事項の審議等の職務を独立して行うことが規定されている国の機関であります。(発言する者あり)

#419
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#420
○内閣総理大臣(菅義偉君) 国の行政機関なので、学術会議は、日本学術会議法上、科学に関する重要事項の審議等の職務を独立して行うことが規定されています。

#421
○小池晃君 まあ当たり前の話をされただけなんですけど。やっぱり、最も独立性が保障されなければいけない組織だという認識を持っていないと、それじゃ駄目だと思うんですよ、僕は。やっぱりこれは発足当初からそういう目的で生まれて、それを任務としてやってきた、どんな政治的思惑があっても政府に対してきちんと物を言うというのが日本学術会議なんですよ。それを保障するのが政府の責任なんですよ。
 だからこそ、会員の選出方法を変更した一九八三年の国会で、当時の中曽根首相は、学問の自由について、問われてもいないんです、この質問は。質問されていないんです。問われてもいないにもかかわらず、あえて、政府の行為は形式的行為であるとお考えくだされば、学問の自由独立というものはあくまで保障されると、そう中曽根さんは答弁されたんですよ。それだけ学問の自由を重視していたわけですよ。
 総理は、これまで三十七年間、もう前例踏襲だとおっしゃるけれども、歴代総理は単に前例に従って何の考慮もなく任命行為を行ってきたと言うんですか。私は違うと思いますよ。中曽根首相を始め、やはり憲法で保障された学問の自由は極めて大事だから、だから、その趣旨を踏まえて、会員選考における自律性の尊重が学術会議の独立性の担保になると、そういう立場で私は任命してきたんだと思います。
 それなのに、総理はこの形式的任命を覆したんですよ。だから私は、総理がやったことは学問の自由を脅かすものにほかならないと、学問の自由の侵害だと申し上げます。学問の自由の侵害そのものじゃないですか。

#422
○内閣総理大臣(菅義偉君) 日本学術会議法上の推薦に基づく会員の任命については、憲法第十五条第一項に基づけば、推薦された方々を必ずそのまま任命しなきゃならないということではないという点については、内閣法制局の了解を得た政府の一貫した考え方であり、今回の任命も法律に基づくものであります。

#423
○小池晃君 答えていない。
 今回の任命拒否は学問の自由を脅かすものではないですか。

#424
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今、私が申し上げたとおりに、推薦された方々をそのまま任命しなきゃならないということではなく、その点について内閣法制局の了解を得た政府の一貫した考え方であり、法に基づいておるものであります。
 学問の自由は極めて重要な権利ではありますが、学術会議の会員の任命は、憲法第十五条第一項の規定の趣旨を踏まえ、任命権者の内閣総理大臣が日本学術会議法に沿って国の行政機関に所属する公務員を任命するものであり、個人の学問の自由との関係で問題になるとは考えていません。

#425
○小池晃君 学問の自由ということについてこれほど軽い答弁はないと思いますよ。何かメモがなきゃしゃべれないような話じゃないでしょう。政治家としての憲法に対する考え方を披瀝するべきなんじゃないですか。それが全くない。
 戦前だって学問の自由は守ると繰り返してきたんですよ。しかし、どういう歴史があったか。
 一九三三年の滝川事件の際には、当時の文部省は、いかなる学説でも、それを研究することは自由だと、そうしながらですよ、滝川幸辰京大教授の講演内容が問題とされたんです。京都大学の教授会は、もしいっときの政策により教授の進退が左右されれば、学問の真の発達は阻害されると抗議をした。しかし、政府は、文部大臣が監督下の大学教授を任免できないことは不都合だと、そして休職処分にしました。
 一九三五年に天皇機関説の禁止を求める建議がここ参議院の前身である貴族院で審議された。本会議場で賛成討論に立った議員はこう演説しました。学問の自由というのはどこまでも絶叫いたしたい、けれども、我が国においてはその自由というものはある点において束縛せらるべきであると、せらるべきものであるということを私は自信いたしておる。そして、学説の代表者である美濃部達吉貴族院議員の著作は発禁処分とされ、美濃部氏は貴族院議員を辞めさせられ、公職から追放されたわけです。
 今総理が言ったこと、学問の自由は守るけれども、でも、全く同じじゃないですか。権力の側は、いつでも自由は守ると言いながら自由や人権を迫害してきたんですよ。菅政権がやっていることは戦前の政府がやった学問の自由の侵害と一体どこが違うのか。結局同じことやってるんですよ、今。私は、この危険性、そのことに警鐘を鳴らしたい。
 そして、今学者の世界で何が起こっているか。今日、史上初めて人文・社会科学系の二百二十の学会が、研究分野を超えて理由の説明と六人の任命を求める共同声明を発表しました。こんなことは日本の歴史でかつてなかったことですよ。みんな大きな危機感を持っているんですよ。
 総理、そういう危機感が今広がっていることをどう認識されていますか。

#426
○内閣総理大臣(菅義偉君) 御意見として伺っています。伺います。

#427
○小池晃君 私はね、これテレビで見ている国民はこの総理大臣でこの国大丈夫だろうかと思っていると思いますよ。あなたの行為そのものが答弁のやっぱり欺瞞性を示していると思いますよ、この任命拒否が。事態を解決する全ての責任は六人の任命拒否を行った総理にある。撤回を強く求めます。
 昨日、新型コロナ感染者が一日千人を超えました。徹底したPCR検査で陽性者を保護し、感染拡大を抑えるとともに、医療機関への支援は待ったなしです。
 日本病院会は、病院への支援が継続されない場合、地域医療を支える病院が経営破綻し、新型コロナウイルス対応が不可能になるのみならず、地域医療が崩壊する危険すらあると、そうしています。
 総理は私の本会議質問に、これまで三兆円の支援を行ってきたと答えましたが、厚労大臣、緊急包括支援交付金約三兆円のうち、医療機関にまで届いているのは幾らですか、答えてください。

#428
○国務大臣(田村憲久君) 国直接執行分と都道府県の執行分があります。新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金という部分は、これは都道府県分だというふうに思いますので、この分は二・七兆円中、今三千億円という形、これ十月十五日であります。
 ただ、これは都道府県でのいろんな議会の手続等々もございます。そういう意味で、国の方から早く執行いただけるようにということを再三お願いをさせていただいております。今、順次交付をしていただいているというふうに認識いたしております。

#429
○小池晃君 三兆円の支援やっていると言うけど、実際には医療機関まで届いているのは三千二百四十五億円なんですよ。一割しか届いていないんです。何でこんなに遅れているんですか。いつまでに三兆円届けるんですか。

#430
○国務大臣(田村憲久君) 地方行政部分がございますので、執行していただくためには都道府県等のやはり議会での決定等々も必要でございまして、そういう意味では、なるべくそれを早くしていただくようにということでお願いして、今、順次交付をいただいておると思います。
 一方で、国直接部分の方も今回つくらさせていただいておりまして、例えば、新型コロナウイルス等々、発熱の救急の患者、こういう方々、これは周産期も含めてであります、小児科も含めて。こういうところに関しましては、やはり発熱ということでコロナかどうかというような分からないような部分もございます。それから、あと、発熱患者を受け付ける医療の現場、これ今お願いをさせていただいて、インフルエンザかコロナか分からないという形の中での対応をいただくように、都道府県知事にお願いをして整備をいたしていただいておりますけれども、ここに関しましても、国が直接、補助金として一定の数、仮に発熱者が来なかったとしても補償するという形の中で、これは国の方から直接交付をさせていただいておるという形であります。

#431
○小池晃君 いや、いろいろ言ったけど、要するに、三兆円のうち三千億円しか医療機関に届いていないのを、二次補正ですよ、これ。プラス予備費ですけどね。いつまでに届けるんですかと。年末ですよ、もう。

#432
○国務大臣(田村憲久君) ですので、今、各都道府県にお願いをして、都道府県がそれぞれの手続を踏んでいただいて、そしてそれぞれの医療機関等々にこれを交付いただくということでございます。
 もう再度お願いをさせていただいておりますので、そういう意味ではもう順次今交付をいただいておるというふうに我々も認識をいたしておるところでありますけれども、更に早くお願いをさせていただきたいというふうに思っております。

#433
○小池晃君 田村さん、大臣になる前、私、何度かテレビで御一緒して、一次補正出たときにもうさんざん文句言っていたじゃないですか。これは不十分だと言って。意見一致しましたよね、大分ね。大臣になったら何か全然違うじゃないですか。
 大体、支援の規模、小さ過ぎるんですよ。だって、自民党の医療系議員団本部の第二次補正予算の試案は七兆円でしょう。医療分だけで六兆円ですよ。私、何でこんな、大臣になったら主張変えたんですか。こんな情けない話はない。

#434
○国務大臣(田村憲久君) もう遅い遅いという議論は以前からございました。
 ただ、その執行の仕組みといたしまして、都道府県にお願いしている部分がございますので、これ交付金でございますから、そういう意味で私も、これはこのままではなかなか執行できないということで、改めて、十月三十一日だったというふうに、あっ、三十日だったというふうに思いますけれども、改めて早くお願いをいたしたいということを都道府県に改めての御依頼をさせていただいたわけであります。
 今、これを執行する中で、基本的に、例えば、中等症のコロナ患者の方々に対する対応としては診療報酬を倍、最大五倍まで増やしたりでありますとか、空床補償に対しては更に割増しをしてお渡しをするようにしたりだとか、いろんな工夫は前大臣から引継ぎを申し受けましてやっておるわけでございまして、これのしっかりとした支給状況、実態から見ますと、医療機関等々、耳鼻科でありますとか小児科は、八月はまだ七七・六%、前年同月比であります、耳鼻科が八二・一%でありますが、他の診療科においては、前年同月比、ある程度戻ってきております。
 そういう意味からいたしまして、しっかりとこの交付金等々を含めた三兆円、これを使って、まずは各医療機関にしっかりと対応させていただいて、その上で、そのときの状況を判断させていただきながら、場合によっては更なる対応を、必要があればそういうことも検討してまいりたいというふうに考えております。

#435
○小池晃君 場合によってはじゃなくて、そういう場合なんですよ、もう。悲鳴が上がっているんですからね。今の支援では全く不十分だと。
 医療機関での冬の一時金の回答状況を見ますと、日本医労連加盟組合の八割近くで冬の一時金引下げの動きがあります。既に引下げ回答した四分の一で平均十万円以上の引下げです。最前線でコロナと闘う医療従事者のボーナスが引き下げられる、こんな理不尽あっちゃいけないと私は思いますよ。
 感謝と敬意を言うのであれば、やっぱり損失補填をして、ボーナスが出ない、引き下げられる、こういう事態を防ぐ、これが政治の責任じゃありませんか。

#436
○国務大臣(田村憲久君) おっしゃられるとおり、医療機関が厳しいという中において最大限緊急融資というようなこともやってまいりました。
 そういう意味からいたしますと、ボーナス等々、これは夏のボーナスも一定程度影響が出てきておると、冬のボーナスに対しても大変心配だというようなお声をお聞かせをさせていただく中において、この二次補正等々、予備費を使っていろんな対応をさせてきていただいた、三兆円という金額を用意をさせて、これはまだ執行されていないという部分では早くこれが行き渡るように我々も各都道府県にはお願いしていかなきゃならないというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事藤川政人君着席〕
 いずれにいたしましても、国が直接いろんな支援をする部分も含めて、今、各医療機関になるべく早く必要な資金が行くようにということを考えておりますが、補填ということも、確かにこれは補填ができれば一番いいんですが、これ、個々の医療機関、御承知のとおりどれだけあるかということを考えると、その執行事務等々、なかなか対応が難しい。
 今回の都道府県からお渡しするだけでもこのような形になっておるわけでありまして、そう考えた場合に、やはり一定の出し方をさせていただいて各医療機関に資金がしっかりと回っていくような、その方が早いであろうと、まあこれでも今遅いわけで怒られておるわけでありますけれども、そういうことで対応させていただきたいというふうに考えております。

#437
○小池晃君 損失補填だと時間が掛かるから、遅いからといってこうやって、結局遅いじゃないですか。一割しか届いていないんですよ。私はね、これは自助でも共助でもなく公助ですよ、まさに。損失補填、これを求めます。
 コロナで売上げが減った事業者に対する持続化給付金の執行状況を説明してください。

#438
○国務大臣(梶山弘志君) 持続化給付金につきましては、昨日十一月五日までに約三百九十万件の申請を受け付け、約三百七十万件、約四・八兆円の給付金をお届けしたところであります。
 現在、当初の想定以上に足下の申請件数が増加しております。これを踏まえれば更に約三十万件程度の給付が必要となると想定をしておりまして、今回、十月三十日に三千百四十億円を追加で措置をすることといたしました。
 この追加で必要となる予算については、家賃支援給付金の給付が想定よりも少なくなる見込みであることを踏まえて、家賃支援給付金から持続化給付金へ活用するために必要額の流用を行ったということであります。
 引き続き迅速に支給をしてまいりたいと思っております。

#439
○小池晃君 持続化給付金は売上げ減が五割以上という要件など問題点いろいろありますけど、やっぱり現場からは一息ついたと喜ばれていると思うんですね。私はこれ一回限りとしないでコロナ収束まで事業を維持できるように継続的な支援をやるべきではないかと思いますが、いかがですか。

#440
○国務大臣(梶山弘志君) 今申しましたように、まだ足下で何十万件か申請が出てくるということでありますけれども、こういった状況も踏まえて多層的な対策を講じておりますので、こういったものも御活用いただきながら、今後については引き続き内外における感染状況や経済の動向を注意深く見極めてまいりたいと思っております。

#441
○小池晃君 東京商工リサーチの調査、九月も六か月連続で八割の中小企業が前年同月比で売上げ落ちているんですね。企業破綻が新型コロナに関連したものだけで二月以降六百九十件だと。七、八月と一旦減少していたのが、今ちょっと増え始めているというんですよ。やっぱり支援策の効果が切れ始めているんじゃないか。
 当面業績改善の見通しが立たない中で、過剰債務のままで手元資金が枯渇する、そういう中小企業が増えてくる、こういうこと懸念されるわけです。年末資金が枯渇してボーナスが払えずに、その結果個人消費が冷え込んでいくという悪循環になるんじゃないかと。業績の悪い企業は、今年度中にリストラしてしまおうと、今年のうちにやっちゃおうと、身軽になって来年度を迎えようと、そういう企業も増えてくる可能性があるんじゃないか。
 そういう中で、私は、今、来年に向けた次の一手が本当に大事なときに来ているんじゃないかと思うんですが、大臣、認識いかがですか。

#442
○国務大臣(梶山弘志君) サービス業を中心に、地方においての中小企業で大変厳しい声も聞いております。
 そういったことも含めて、しっかり状況を見極めた上で、政府内で検討して対応してまいりたいと思っております。

#443
○小池晃君 こうした中で、財務省が財政制度審議会に出した資料では、持続化給付金及び家賃支援給付金は予定どおりに終了すべきだというふうに言っています。財政審の部会長代理は、期限をずるずると先延ばしすると本来はより良く新陳代謝が促される機会が奪われてしまうと。新陳代謝ですよ。倒産させろということでしょう。
 本来は弱るはずのない企業がコロナで弱っているわけですよ。そんなときに、新陳代謝を持ち出して潰す。これ、どうなんですか。経産省はこういう立場ですか。

#444
○国務大臣(梶山弘志君) 従来から行っております資金繰りの支援も含めて、資本性の資金の投入も含めて、しっかりと資金繰りに対応してまいりたいと思っております。
   〔理事藤川政人君退席、委員長着席〕

#445
○小池晃君 いや、新陳代謝を中小企業に求めるときなんですかと。

#446
○国務大臣(梶山弘志君) 我々、企業に支援しているということは、その企業の存続と雇用の維持というものが一番大事だと思っております。そういう視点に立って、しっかりと対応してまいりたいと思っております。

#447
○小池晃君 成長戦略会議の委員に起用されたデービッド・アトキンソン氏、総理のブレーンは、中小企業の数を現在の半分以下、百六十万社程度に減らすべきだと。私は、コロナ禍の下で雇用の大半を担っている中小企業の再編を進めるようなことをしたらば、雇用情勢、一段と悪化させることは間違いないというふうに思います。総理のブレーンだと聞きます。
 私、今は中小企業の雇用を維持することを最優先にすべきときではないかと思いますが、いかがですか。

#448
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、アトキンソン氏に限らず様々な方から話を伺って政策の参考にしているところであり、お一人の意見をそのまま採用するわけではありません。
 感染症の影響により、中小企業を取り巻く状況は極めて厳しいという認識をしています。まずは持続化給付金や資金繰り支援により事業継続に全力を尽くし、その上で、私としては、中小企業政策については、小規模事業者の淘汰を目的とするのではなく、ポストコロナを見据えて経営基盤を強化することで、中堅企業へ成長し、海外で競争できるような企業を増やしていくことが重要だと思っています。
 あわせて、地域の経済や雇用を支える小規模事業者が持続的に発展をすることも重要だと考えています。このため、中小企業の経営資源の集約化による事業の再構築やデジタル化など、中小企業の生産性を向上させ、足腰を強くする仕組みを構築して創意工夫する企業を応援していきたいと思います。

#449
○小池晃君 そういうふうにおっしゃるのであれば、財政審が言っているような新陳代謝を促すときだというのは反対だとはっきり言ってください。

#450
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、今申し上げたのが私の考えです。

#451
○小池晃君 だから、今言われたことは、財政審が言っている新陳代謝を促すときだと違うでしょう。

#452
○国務大臣(麻生太郎君) いや、聞いてないのは知っていますけれども、指名されましたのでね。
 財政審というところも立派な意見を言う資格がありますので、それだけははっきり言わせていただければ。あの中の全部、一部だけ読まないで、ほかのところもよく読んだ上で聞いていただければと思います。

#453
○小池晃君 じゃ、聞きますけど、全部読みましたよ、一応ね。全部読んで、ここが一番気になったんですよ、やっぱりね。
 大臣、大臣はやっぱりこういうときに中小企業に新陳代謝を求めると、大臣はそういう立場ですか。倒産させろということをおっしゃるんですか。私は、麻生大臣は違うんじゃないかと思ってあえて聞かなかったんですけど、そうなんですか。

#454
○国務大臣(麻生太郎君) 私どもは財政審に諮問している立場ですから、財政審の意見というのをそのまま、はい、ネグレクトというわけじゃありませんから、いろんな意見を聞くのは当然でしょう、私どもの立場としては、それを申し上げておるところであります。

#455
○小池晃君 だから、やっぱり麻生さんとしてはそういう立場だと、ちょっと違うんじゃないかというふうに思っているわけでしょう。そう言ってくださいよ。中小企業はもう淘汰のときだと、新陳代謝だと、潰せという立場とは、麻生さん、違うでしょう。そうだと言うんですか。言ったらちょっと大変なことになっちゃうけど。

#456
○国務大臣(麻生太郎君) 指名されましたので、御質問の途中ですけれども。
 私どもは、中小企業というのは、この国の地方という中に住んでいる立場だと、東京と違いますから、私は。地方に住んでいれば、中小企業、中企業、中堅企業というものがこの日本という国の経済の一番基幹だと思っていますから、その点に関しましては、元経営者ですから、中小企業の。

#457
○小池晃君 それは分かりますよね。
 アトキンソン氏は、小規模な企業は労働生産性が低いって、当たり前じゃないですか、大きいところはスケールメリットがあるんだから。そんなこと当たり前なんですよ。
 そもそも経済って、私、生産性だけじゃないと思いますよ。やっぱり多種多様な中小企業が多数存在する、それが次の産業を牽引するイノベーションを起こしていく、それが日本経済の牽引力になってきたんじゃないですか。
 中小企業が低利益になっているというのは、これ、大企業が中小に対して一方的にコストに見合わない取引条件を押し付けているから。しかも、こういうコロナで経済活動の自粛、縮小を求めているときに、コロナさえなければ順調に経済活動ができるような中小企業にゾンビ企業呼ばわりしてやっぱりこれを切り捨てるというのは私は言語道断だというふうに思いますよ。そういう議論を財政審で始めているじゃないですか。それでいいんですかと言っているんです。
 麻生さん、きちんと物を言ってください。

#458
○国務大臣(麻生太郎君) 財政審にもいろいろ意見があるという話をしているんですよ。それだけのことです。

#459
○小池晃君 まあ、言いたいことは何となく分かりました。
 私たちは、持続化給付金を改善して継続するとともに、新たに地域や業種の実情に合わせた中小企業の事業を継続、維持するための地域事業継続給付金、そういう制度が必要なんじゃないかと思っております。提案しています。国がそのための交付金を地方に支給すると、こういったこともやっぱり地方によって、業種によって状況はいろいろ違うと思うから、一律なものでない制度をやっぱり今考えるべきじゃないかと思いますが、どうですか。

#460
○国務大臣(梶山弘志君) 委員おっしゃるように、中小企業は多種多様、そして地域によってそれぞれの役割も違ってくる、また、その利益だけを追求せずに地域に貢献している企業もあると思っております。
 そういった中で、地方の自治体が中小企業に目を向けてくれることは私はいいことだと思っております。それらも含めて地方創生臨時交付金等が入っておりますけれども、そういったもので様々な事業対応の交付金というものが出ておりますけれども、それらについてはまた政府で考えていく必要があろうかと思っております。

#461
○小池晃君 前向きに提案しているので、是非検討していただきたい。
 休業支援給付金について聞きます。労働政策研究・研修機構の調査でコロナの影響による休業手当が支払われていない人はどれだけか、企業規模別に数字も併せてお願いします。

#462
○政府参考人(田中誠二君) 本年八月に独立行政法人労働政策研究・研修機構、JILPTが、新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査、一次集計の結果を公表しております。
 同調査によれば、休業を命じられたことがあると答えた労働者のうち、休業手当の支払状況について、これまでのところ全く払われていないと回答した者は二四・〇%というふうになっております。企業規模別でございますが、同調査で、企業規模別ですけれども、同じ数字を企業規模別に分けますと、二十九人以下が三七・五%、三十人から二百九十九人が二二・三%、三百人から九百九十九人が一五・九%、千人以上が一六・四%、分からない、これは労働者に、個人調査ですので分からないという答えがございますけれども、三〇・八%というふうになっております。

#463
○小池晃君 大企業でも、やっぱり労基法で定められている休業手当が支払われていないという実態があるわけです。特にやっぱり大企業の非正規が深刻なわけですね。そして、休業支援金も予算の五%プラスアルファぐらいしか出ていないわけですね。
 これまでの不支給件数言ってください。

#464
○政府参考人(田中誠二君) 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金、それから給付金の不支給決定件数は、十月二十九日時点で二万五百十六件でございます。

#465
○小池晃君 二万件も言わば門前払いというか、支給されていないわけですね。これ、私、深刻だと思う。
 休業支援金の対象とする企業の定義も私、問題だと思っていて、例えば飲食業の場合は、五十人以上だと大企業扱いになっちゃうんですね。対象外なんですよ。総務省の経済センサス見ると、そこで働く労働者は四十二万人。宿泊業では百人以上の事業所は対象外になっちゃう、大企業だといって。そこで働く労働者二十万人。この二業種だけでも少なくとも六十万人以上が最初から対象外になる。しかも、ここにはチェーン店などの数が入っていないんですね。
 厚労大臣、やっぱりこれだけの人が請求すらできない仕組みになっちゃっているということ、これ見直す必要あるんじゃないですか。企業規模でこういう制約を加える、いいんですか。

#466
○国務大臣(田村憲久君) 雇用調整助成金、特例で、御承知のとおり、雇用保険の適用されていない方々の範囲まで広げて今対応をお願いしているところであります。
 今言われたように、大企業でもいろいろあるじゃないかというお話でございましたが、一応これ、我々としては中小企業基本法の定義にのっとって対応させていただいておりまして、そういう意味では、御本人が労働局等々に、こういう形で本来は我々払ってもらいたいのに払ってもらえないというようなことがあれば、それは企業の方に、是非とも雇用調整助成金等々の対象としてお支払をいただければ有り難いということで、要請の方はお願いをさせていただくというような形は取らせていただいております。
 いずれにいたしましても、大企業、中小企業という意味からすれば、それは中小企業、零細企業というものを対象に今回つくらさせていただいております、休業支援給付金の方は。でありますので、大企業に対しては、本来雇用調整助成金等々お支払をいただけるということで、我々としても、特例も含めて助成の対象にさせていただいておりますので、そちらの方でしっかりと企業としての御責任を全うしていただければ有り難いというふうに考えております。

#467
○小池晃君 現実には、大企業であったって休業手当出ていないわけですよ、特に非正規は。それを最初にやったじゃないですか。
 やっぱり、今の大企業のこの、それは、何十兆円も何兆円も内部留保があるところはそれは考えなきゃいけないと思うけど、私が今言った五十人、百人の一番傷んでいる宿泊業とかやっぱり飲食業とか、これを大企業扱いにされて除外されると、これでいいんですかと言っているんです。やっぱりもっときめ細かくちゃんと届く仕組みにしなければいけないでしょうと。
 野党は、企業規模にかかわらず休業支援給付金の対象にする、共同で法案も出しております。是非、これは党派を超えて、本当に今の苦境を救うための議論しようじゃないですか。総理、どうですか。総理、いかがですか。

#468
○国務大臣(田村憲久君) 休業支援給付金をつくるときも実はいろんな議論がありまして、本来企業が果たす責任を果たさないということが起こるのではないかと、それをよしとするのかという議論もありました。しかし、そこはやはり中小零細なかなか手続等々踏めないというところがあるので、それに関してはやはりこういうものも必要であろうという形でこれを、まあこれは野党の方々の御意見もあったわけでありますけれども、最終的に仕組みをつくりました。
 一定程度、やはりそういう雇調金等々の事務ができるようなところはやはり企業としての責任を一定程度果たしていただくというのが本来であろうということでございますので、我々としては、相談があれば企業の方にもいろんなことを申し上げたいというふうに思っておりますが、まずはやはり企業がしっかりと対応いただく、そのために助成率の引上げも特例でやっておりますので、是非とも御協力をいただきたいということであります。

#469
○小池晃君 ちょっとやっぱり現場の実態をもうちょっとちゃんと見てください。やっぱり現場の苦しみに応えるのが政治の責任ですよ。そういう議論をすることを呼びかけたいと思います。
 新型コロナの感染拡大によるライブエンターテインメント市場への影響について、どう把握されていますか。

#470
○国務大臣(萩生田光一君) 民間企業の調査の結果なんですが、二〇二〇年のライブエンターテインメント市場規模は千三百六億円となる見通しであり、前年と比べ約八割の減少となるとの試算がございます。
 ライブエンターテインメントを含む文化芸術活動は、人々の心を癒やし勇気付ける大変重要なものであり、文化芸術活動の再開、継続、発展を力強く支援すべきものだと考えております。

#471
○小池晃君 八割減、本当に深刻なんですね。
 今のは、ぴあ総研の試算ですが、ぴあ総研は、スポーツも含めると一年間で二億二千九百万人の観客の足を止めたと言っています。多大な犠牲を払って感染拡大防止に巨大な社会的貢献をしたわけですよ。その損失補填は私は政治の責任だと思います。
 文化芸術活動に対する継続支援事業の予算規模、そして支援の実施状況を御説明ください。

#472
○国務大臣(萩生田光一君) 新型コロナウイルス感染拡大の影響により舞台芸術等の活動自粛を余儀なくされた文化芸術関係者や団体等に対し活動の継続に向けた取組を支援するため、第二次補正予算において約五百九億円を計上しております。
 文化芸術活動については九月三十日で第三次申請の期間を終了したところですが、これまでに約五万四千件の申請をいただいており、十月三十日時点で二万七千八百八十五件、合計百二十四億八千五十八万円の交付を決定しております。

#473
○小池晃君 申請の半分しか採択されていないのはなぜですか。

#474
○国務大臣(萩生田光一君) これは本当に私も申し訳なく思っているんですが、文化芸術活動の継続支援事業について、文化庁として個人向けを含めた大規模な補助事業を実施したことが今までなかったということ、また、文化芸術に携わる人たちというのが、その本業といいますか、それだけが主たる職業じゃなくていろんな形態で働いていらっしゃるということでなかなかその線引きが難しかったということがあって、率直に申し上げて申請手続が分かりにくいという指摘を受けました。
 申請内容の円滑な確認に課題があったため、申請の参考となるモデル例の更なる追加などのウエブサイトの充実を図るとともに、事務体制の増員や事務処理の見直しなどによる業務の効率化と処理速度の向上に努めてきたところです。
 その上で、第三次募集において一次、二次を大きく上回る申請をいただいており、要件を満たす申請者を可能な限り採択するという観点から申請書類の修正等のやり取りに時間が掛かっておりますが、これまでの審査で蓄積されたノウハウをより一層生かし、今後は迅速な審査を図ってまいりたいと思っております。

#475
○小池晃君 可能な限り、そして迅速に是非やっていただきたい。
 そして、これを補うものとして文化芸術復興創造基金つくられましたが、募金はどれだけ集まりましたか。既に支援活動をやっていますか。

#476
○国務大臣(萩生田光一君) 文化芸術復興創造基金は、厳しい状況にある文化芸術活動を継続していけるように、民間からの寄附金を募り支援を行うために令和二年五月二十一日に創設されたものであり、本基金に対する民間からの寄附の受入れにつきましては十一月五日時点で約七百十一万円です。
 あわせて、第二次補正予算では、文化芸術活動の再開に向けて、我が国の文化を支える担い手である実演家や技術スタッフの方々や文化芸術団体に対し、その活動継続や技術向上に向けた積極的な取組や収益力を強化するための取組等への大規模な支援を実施しています。
 まずはこうした政府の支援と民間の支援を総合的、効果的に組み合わせながら、官民で力を合わせて国民全体でコロナ禍であえぐ文化芸術を支えてまいりたいと思います。
 もう始まっているのかと言われれば、まだ始まっていません。

#477
○小池晃君 始まっていない理由を言わないんですけれども、一千万円集まらないと始まらないんですね。半年たって一千万円集められないんですか。ある民間美術館は、四時間で五百万円、クラウドファンディングで集めていますよ。これ、ちょっと情けなさ過ぎる。
 私は、総理、民間に頼っているからこういうことになるんで、自民党を含む超党派の文化芸術振興議員連盟は、民間の寄附とともに国庫から一千億円支出をして文化芸術復興基金をつくろうと提案をしています。まさに、自助、共助ではなく、公助が必要ではありませんか。文化芸術の灯を消さないために、民間寄附に頼るんじゃなくて国の責任求められていると思いますが、どうですか。

#478
○国務大臣(萩生田光一君) 今般の第二次補正予算で先ほどから申し上げているような大規模な支援を行っております。こうした事業を通じて、まずは文化芸術団体の皆さんの元気を取り戻していきたいと思います。
 その上で、以前にもちょっとお話ししましたけれども、通常この手の民間との団体をつくるときというのは、かなり大口の寄附を当て込んで組織をつくるんですけど、こういう混乱の中でつくったものですから、御指摘のように、今その募集状況は情けないような状況だと言われれば、甘んじてそのとおり受けなきゃならないと思います。
 まずは、例の五百九億円で、五百九億円でですね、団体の皆さんの支援をさせてください。その上で、今後この団体がそれに代わる団体になっていけるように、しっかりスキームをつくっていきたいと思っています。

#479
○小池晃君 ちょっとそれでは文化芸術に対する姿勢が問われると思いますよ。
 総理、文化芸術というのは国の宝じゃないですか。ヨーロッパでは、いや、これは生命維持装置だと、ぜいたくじゃないんだといって全面的支援していますよ。そういう姿勢が必要じゃないですか、総理。

#480
○内閣総理大臣(菅義偉君) 政府としては、必要な支援が速やかに行き渡るように努めて、文化芸術を盛り上げていきたいというふうに思います。

#481
○小池晃君 男女共同参画担当大臣に聞きます。
 第五次男女共同参画基本計画の策定に向けて意見募集が行われております。選択的夫婦別姓の導入についてどのような意見が寄せられていますか。特徴も含めてお願いします。

#482
○国務大臣(橋本聖子君) お答え申し上げます。
 今、第五次男女共同参画基本計画策定に当たりまして行った意見募集におきましては、世代別にたくさんの意見がお寄せいただきまして、五千六百件以上、千七百ページに及ぶ意見が寄せられました。その中で、選択的夫婦別氏制度の導入を求める意見が多数寄せられた一方で、反対の意見というのはありませんでした。
 具体的な意見としては、改姓により論文などの研究実績のキャリアが引き継がれないこと、通称では二つの姓の使い分けが必要であり、本人、企業にコストが掛かることなど、女性活躍の妨げになっている。もう一つは、パスポートでは旧姓併記が可能となっておりますけれども、夫婦同姓を法律で義務付けているのは日本だけであるため、国際社会では全く通用がしないという件。
 そして、次に多かったものは、改姓を避けるために結婚を諦めることや、結婚を先延ばしにすること、事実婚を選択とする、子供を持ちづらいことなど、少子化の一因となっているという意見が寄せられました。

#483
○小池晃君 いろいろな意見があるというけれども、全てが賛成の意見だったというわけですね。反対の意見はなかったというわけですよ。
 今あったように、夫婦で、法律で夫婦に同姓を強いているのは世界で日本しかありません。日本の制度は言ってみれば強制的夫婦同姓制度ですよ。これ、やっぱり変えるときじゃないですか。
 大臣は記者会見で、選択的夫婦別姓を前向きに検討することは非常に前進だと考えてもらえるとお述べになりました。担当大臣として導入のために全力を挙げると。私、この問題で悩んでいる女性たちに希望を与えるような前向きの答弁、是非この場でしていただきたいと思います。いかがですか。

#484
○国務大臣(橋本聖子君) 今ほど御紹介しましたように、選択的夫婦別氏制度については、これから結婚して家庭を築いていく若い世代の人たちを始めとして導入を求める意見が多数寄せられていたと、これは重要だというふうに思います。
 また、同計画の策定に向けて議論している専門調査会においても、少子化対策の専門家の委員から、選択的夫婦別氏制度がないために、一人っ子の女性を中心に、実家の姓が絶えることを心配して結婚に踏み切れない、あるいは結婚相手が見付からないという深刻な事態が起きている地方もあるという意見も指摘がありました。
 この問題については国民の間に様々な意見があるものと承知をしておりますので、我が国の深刻な少子高齢化を食い止めるために、国民、とりわけ若い世代の意見をしっかりと受け止め、十分に配慮する必要があるというふうに思います。様々な意見があるのと同時に、これからの若い世代の意見をしっかりと聞き、そして困っている方にしっかりとした対応をするというのも我が国において重要なことだと私は考えております。
 私としても、国民の皆様の声をしっかりと反映できるように、基本計画の取りまとめに向けた議論を着実に進めたいと思っております。
 以上です。

#485
○小池晃君 やっぱりこれは前に進めるべき課題だと僕は思いますよ。
 世論調査の結果を見ても、だんだん年々、賛成増えてきている。特に若い世代は賛成が多い。しかも、これは人権の問題だから、世論がというよりはやっぱり人権の問題として考えるべきだと思うんですね、権利の問題として。
 法務大臣、九六年に法制審が導入を答申したとき、四本柱でした。選択的夫婦別姓のほか、女性の婚姻適齢の引上げ、女性の再婚禁止期間の短縮、婚外子への差別禁止、四つのうち三つは全て実現しました。残るは選択的夫婦別姓のみです。法制審の答申から二十四年、いよいよ導入に踏み切るべきときではありませんか。

#486
○国務大臣(上川陽子君) お答えします。
 希望すれば結婚前の姓を名のれる選択的夫婦別氏制度の導入の問題については、我が国の家族の在り方に深く関わる事柄であるというふうに考えております。
 直近での世論調査でございますが、これは平成二十九年ということでありますが、これ、選択的夫婦別氏制度の導入につきまして、容認が四二・五%、旧姓・通称使用の法制化のみの容認が二四・四%、反対が二九・三%となっているところでございます。世代別に見ても、若い世代の皆さんの方の容認は非常に高くなっているというのも事実でございます。
 他方で、家族形態ということでありますけれども、いろいろ国民の間には意見が分かれているという状況にあるというのも事実でございます。家族形態の変化やライフスタイルの多様化、さらには社会への、女性の社会進出、また女性の活躍が進む中でございます。これらの社会情勢に十分配慮する必要があることも確かでございます。国会における議論の動向も注視しながら対応を検討してまいりたいと思います。
 ただいま橋本大臣から、男女共同参画基本計画、第五次ということでございますので、いろいろな御意見も通っているということでございますが、その内容につきましては関係大臣と調整しながらまた検討してまいりたいというふうに思っております。

#487
○小池晃君 大臣は二〇〇一年十一月に、自民党議員有志として党三役に申し入れた。覚えていらっしゃいますか。内容は、一つ、選択的夫婦別姓制度導入に向けた民法改正について早急かつ徹底した党内議論を進めること、二つ、速やかに今臨時国会に当該問題についての閣法が上程され、審議に付されること。こういう申入れを、大臣、やられていますね。
 それから、二〇〇八年一月の財団法人市川房枝記念会出版部発行の「女性展望」に、上川陽子さん、私も選択的夫婦別姓については賛成で、そのために議員として活動してきました。政治家としての信念はと聞かれて、言行一致、つまり、言ったことには自分で責任を持つことが大切だと考えていますと。
 私、こういう信念をお持ちである政治家であれば、法務大臣になったらば、やっぱりそのために全力を挙げると。言行一致でやりましょうよ。言行一致でやりましょう、どうですか。

#488
○国務大臣(上川陽子君) 私の個人として、政治家としてのこれまでの意見については、先生今御紹介をしていただいたとおりであります。
 この問題については、それぞれ家族の在り方についての考え方について様々な意見があるということで、世論調査におきましてもその意見の幅が表れているというところも確かであります。
 今回、第五次男女共同参画基本計画の中に、こうしたことについての調査を、意見的な、パブリックコメントでありますとかヒアリング等に応じて、特に若い世代の皆さんに聴取をしているということも事実でございます。
 そういう意味で、国会が非常に大事な役割を果たしていくというふうに思っておりまして、そうした動向も踏まえまして検討に当たってまいりたいというふうに思っております。

#489
○小池晃君 総理、総理もこの二〇〇一年の自民党有志議員の申入れに名前を連ねていらっしゃることを覚えていらっしゃいますか。覚えていらっしゃいますか。

#490
○内閣総理大臣(菅義偉君) たしかそうだったと思います。

#491
○小池晃君 それだけではない。二〇〇六年三月十四日の読売新聞。自民党内で別姓導入に理解を示す菅義偉衆議院議員は、例外制でも駄目ならもう無理という雰囲気になってしまった、しかし、不便さや苦痛を感じている人がいる以上、解決を考えるのは政治の責任だ。
 別姓導入を求めてきた方が総理になり、法務大臣になったんですよ。政治の責任を言行一致で果たすべきときではありませんか。総理、どうですか。

#492
○内閣総理大臣(菅義偉君) 夫婦の氏の問題は、我が国の家族の在り方に深く関わる事柄であり、国民の間に様々な意見があり、政府として、引き続き、国民各層の意見を幅広く聞くとともに、国会における議論の動向を注視しながら対応を検討してまいりたいというふうに思います。
 ただ、私は、政治家としてそうしたことを申し上げてきたことには責任があると思います。

#493
○小池晃君 野党は選択的夫婦別姓導入の法案を出し続けています。党派を超えてこれ実現しましょう。
 終わります。

#494
○委員長(山本順三君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて質疑通告者の発言は全て終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト